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二見「あら……?」ささら「もしかして、日本のお方ですか?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 07:28:20.30 ID:cp4Ucj4/0
※『キミキス』のヒロイン二見瑛理子と『ToHerat2』のヒロイン久寿川ささらの一連ルートのネタばれ注意。
どちらも、あるいはどちらかしかやったことのない人はぜひどちらのゲームもやってみてね!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1345674500
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バームくんへ @ 2025/06/11(水) 20:52:59.15 ID:9hFPsRzXO
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秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749484073/

【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749472989/

ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749227436/

【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
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貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
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阿笠「わしの乳首に米粒をくっ付けたぞい」コナン「は?」灰原「は?」 @ 2025/06/04(水) 04:01:13.39 ID:ZjrmryLdO
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レッド(無口とか幽霊とか言われるけどまだ電脳世界) @ 2025/06/02(月) 21:21:00.13 ID:ix3UWcFtO
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2 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 07:28:33.28 ID:cp4Ucj4/0
ささら「ふぅ……もうすぐかな」

ささら「……あっ、こっちこっち」フリフリ

ブォォォーン

スィィ…

ピタッ

ガチャ

かぐら「ごめん、待たせたかしら」

ささら「ううん、全然」

かぐら「それならよかったわ。……時間が時間だからお腹空いちゃったわね、適当なところですませましょうか」

ささら「うん」
3 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 07:34:04.51 ID:cp4Ucj4/0
―――
――


かぐら「あら? こんなところにバーガーショップなんてあったのね」

ささら「ハンバーガー……」

かぐら「バーガーでもいいの?」

ささら「今日は、そんな気分かも。しばらく食べてなかったような気がするし」

かぐら「そうねぇ。近場の和食店ですましてばかりだったものね。……うん、たまにはアメリカ気分もいいかしらね」

ささら「あ、あめりか気分? ま、まぁ、私も初めての店のバーガーは楽しみ、かな」

かぐら「じゃあ決定」
4 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 07:41:32.52 ID:cp4Ucj4/0
―――
――


カランカラーン

店主「Good afternoon!」

ささら「Hello」

※ここからは簡単な常用英語以外は日本語訳させていただきます。

店主「おっ! その顔立ちは、日本人のお譲ちゃんかい!」

ささら「え、ええ」

かぐら「ここら辺では珍しいんですか?」

店主「そうだな! ここら辺はすぐそこのでっけぇ大学ぐらいが取り柄だからよっ! しかし随分とべっぴんさんじゃないか! ほれ、今はちょうど空き時だから好きなとこに座りな!」

かぐら「どうも」

ささら「べ、べっぴんさんっ」
5 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 07:49:12.93 ID:cp4Ucj4/0
かぐら「それにしても、随分とおしゃれなバーガーショップね」

ささら「どちらかというと、喫茶店みたいだね」

店主「まっ、喫茶店と考えていいぜ。うちの自慢がバーガーなだけであの看板立てたからな!」

かぐら「あら、随分なおススメみたいね。じゃあ……私はオニオンチーズバーガーとコーヒー。ささらはどうする?」

ささら「私は……グレートトマトバーガーと、紅茶」

店主「まいどっ!」タッタッタ

かぐら「ささらも、こっちに来て随分と食べるようになったわよね」

ささら「そうね……最近は体系維持が大変かも。こっちの食生活って日本と随分違うし」

かぐら「ほんと、その日頃からの努力してる姿が、昔の私そっくり。あの人にゾッコンだったころの私にね」

ささら「あ、そ、そうなんだ……///」

かぐら「やっぱり親子は似てしまうものね」クスッ
6 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 07:59:48.56 ID:cp4Ucj4/0
ささら(ゾッコン……か)

ささら(……左手の薬指、シンプルなシルバーリング。大学の講義中でも、つい見ちゃう、愛の証)

ささら(ふふっ。そうね、どうしようもないぐらいゾッコンね)

カランカラーン

店主「Good afternoon! おっ! Ms.フタミじゃないかっ!」

???「Hello。いつものお願いできる?」

店主「合点! あっ、そうそう。あいつならもうすぐ買い出しから戻ってくると思うから、ちょっちぃまってな!」

???「Thanks」

タンタンタン

???「……あら?」

ささら「へ?」

ささら(今のって、少しだけだけど……日本語?)
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/23(木) 08:07:57.95 ID:54dYkJkJ0
光一と結婚後とは素晴らしい
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/23(木) 08:10:21.81 ID:pHS1w5+DO
だれか、東鳩やったことのないオイラに
「ささら」についてkwsk
9 :Wikipediaから [sage]:2012/08/23(木) 08:13:53.08 ID:tbavH6a90
久寿川ささら(くすがわ ささら) 声:小野涼子 誕生日:9月20日 、身長:163cm、3サイ ズ:87/57/83、血液型:AB型 主人公の呼び方:「[名字]さん」【河野さ ん】→「[名前]さん」【貴明さん】。テーマ 曲「彼女の領域」 『XRATED』からの追加キャラクター。貴明 の1学年上の先輩で、学園の生徒会長。昨年 度はまーりゃんの下で生徒会副会長を務め ていた。貴明達が生徒会に加わるまで他の 役職を置かず全ての生徒会業務を一人で完 璧にこなしていた才女。あまり人を寄せ付 けない厳しい性格で、生徒たちからは「副長」と呼ばれ、恐れられている。生い立 ちの関係でコンビニ弁当やハンバーガーな どの大量生産で作られる食べ物か、高級フ ランス料理などの生活感から大きくかけ離 れた食べ物しか受け付けない身体になって いる。クラゲや両生類などいささか風変わ りな動物を愛でている。 『AD』ではアメリカに移住したという設定 になっているが、まーりゃんに拉致されて 日本に戻されることになる。
10 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 08:19:32.97 ID:cp4Ucj4/0
二見「Nice to meet you」

ささら(わっ。すごい美人さんだ。それに、黒髪にその顔立ちは……)

ささら「もしかして……日本のお方ですか?」

二見「ええ、どうやらお二方も……」

かぐら「はじめまして。……それにしてもすごい偶然! 同じ店で日本人が三人も」

二見「私も、この店で私たち以外の日本人に会うのは初めてです。何かの縁でしょうかね」

かぐら「ここの近くで住んでるんですか?」

二見「ええ、歩いて30分ぐらいのところに。すぐそこの大学に通っています」
11 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 08:20:55.93 ID:cp4Ucj4/0
ささら「すぐそこって……あそこですか!? あそこ、アメリカでもトップに入る難関校じゃないですか。それに留学生……頭がいいんですね」

二見「ふふっ、そういうあなたも……留学生で、それも私と歳が近いじゃない。あなたも大学生かしら?」

ささら「え、ええ。とはいっても、あなたのところにはまったく……」

二見「異国の地へ留学ってだけで、普通はすごいと思うわよ。まぁ、お互い頑張ってるもの同士ってことね」

ささら「そうですね。……よろしかったら、隣に座ってもらって結構ですか?」

二見「いいの? 親子水入らずって感じだけれど……」

ささら「えと、その……せっかくの縁ですし、その、Ms,フタミの話を聞いてみたいので……いけない、でしょうか?」

二見「いいえ、せっかくですし、よろこんで」ニコッ

かぐら「私もお話聞いてみたいわ。ささらと歳が近いですし」

二見「私も、あなた方のお話が聞いてみたいわ。日本人と、それも歳が近い女の子と知り合える機会なんてそうそうないですから」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/23(木) 08:22:46.22 ID:pHS1w5+DO
>>9

ありがとうございます!

ググっても、見た目がガイジンなボインねーちゃん
て事くらいしか分からなかったので
13 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 08:33:58.15 ID:cp4Ucj4/0
店主「んじゃ、話に花を咲かせるバーガーをプレゼンだ! こっちがオニオンチーズ、そっちがグレートトマト、これが相原特製バーガーだぜ!」

ささら「Thanks」

店主「すまねぇがドリンクは最初は水にしてくれい! うちの店のドリンク担当がテイクアウトされちまってるからよ! がっはっは!」タンタンタン

かぐら「ずいぶんと豪快な店主さんね」

ささら「わぁ、おいしそうっ……」

二見「ここの店のバーガーは私が知るなかで一番よ。ぜひ食べてみて」

ささら「いただきますっ」

パクッ

モグモグ

ささら「お、おいしいっ!」

ささら(それに、違和感なく食べれる。……私の『手作りアレルギー』は沈静化してきて、手作りの料理を食べても『違和感を感じる』ぐらいになった)

ささら(けれど、アメリカのバーガーショップのハンバーガーって、ヤクドと違って手作り感を感じるから、よく違和感を感じたんだけれど……)

かぐら「うんっ! このチーズがたまらないわぁ」
14 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 08:36:43.02 ID:cp4Ucj4/0
>>12

ささらさんはデレるとすごいでぇ
『ToHerat2DXplus』PS3で絶賛発売中!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/23(木) 08:45:10.42 ID:pHS1w5+DO
ほほう、今まさにクーデレな二人がいるわけですな
16 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 08:45:18.53 ID:cp4Ucj4/0
ささら「ええ、ほんとにおいしいですっ」

二見「マスター。お二方から絶賛よ」

店主「いやぁ、やっぱりべっぴんなお譲さんたちにほめられると、俄然元気が湧いてくるぜ!」

二見「ふふっ、相変わらずの女好きなんだから……また奥さんに怒られちゃうわよ?」

店主「うっ!? さ、さぁ仕事仕事!」

二見「あらあら」クスッ

ささら「モキュモキュ……ゴクン。えと、Ms.フタミでよろしいですか?」

二見「二見でいいわ。この場だけは日本に戻った気分でいましょう」

ささら「で、では、二見さん。大学は何年生で?」

二見「今年で二年よ。とはいっても、講義を受けるのはおまけで、ほとんど研究と実験の繰り返しだけど」

ささら「一歳だけ年上だったんですか」

ささら(それにしたって、すごく大人びてるな……)
17 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 08:58:20.08 ID:cp4Ucj4/0
二見「あなたは一年生か……ほんとに歳が近かったのね」

ささら「私も、こんなに歳が近い人と知り合うのは初めてで……二見さんはいつごろからこちらに?」

二見「そうね、ざっと……3年近く。高校を卒業してすぐにこっちに飛んできたから」

かぐら「そうなんですか。じゃあ、こっちの生活に関しては、一年以上先輩さんってことか」

二見「一年以上で大学一年……ってことは、高校の途中でこちらに?」

かぐら「ええ。私の海外赴任が新学期はじまって早々に決まっちゃって。今では『タイミングが悪すぎたかも』って少し反省してるわ」

ささら「そんなっ。その……私は、母さんについていきたかったから、お母さんが気に病むことはないよ」

かぐら「はぁ……相変わらずささらは優しいわね」

二見「ほんと、優しいんだね」

ささら「い、いや、その///」

ささら(……あれ? 左手の薬指に指輪って……もしかして)
18 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 09:31:55.79 ID:cp4Ucj4/0
ささら「あ、あの、その……ひとついきなりで失礼なのですが……」

二見「ん? どうしたのかしら?」

ささら「その……もしかして、二見さんは結婚、だったり、婚約、なさっているのですか?」

二見「ああ、このリングね……ええ、こっちに来る直前に、高校を卒業した直後に結婚したの」

ささら「け、結婚ですか……///」

かぐら「それはまた、随分とお早い結婚で……」

二見「それのおかげで親からは大反対されましたけどね。そういうあなたも……ふふっ、好きで好きでしょうがない人がいるみたいね、そのリング」

ささら「はっ/// えと、その……はい、まだ婚約、ですけれど」

かぐら「同じ学校の同級生で、すごく優しい子なの。もちろん親公認でね」

ささら「あぅ……///」
19 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 09:46:10.20 ID:cp4Ucj4/0
二見「そっか……あれ? でもその子は……」

ささら「あ……はい、今貴明君は日本に……」

二見「そうなんだ……じゃあ、手紙とか電話で話してるのかな?」

ささら「はい。手紙は月に一度交換してて……電話は、国際だとやっぱり高いから、出来るだけ回数とか、時間は減らしてるんですけど……」

かぐら「この子随分とさびしがりやで……三日に一度ぐらいのペースで結局話しこんで」

ささら「うぅ……ごめんね、お金かかっちゃって」

かぐら「いいのよ。実質あなたたちを引き離したのは私なわけだし、これぐらいは全然よ」

ささら「ん……ありがとう。二見さんは、結婚しているってことは……」

二見「ええ、こっちで生活してるわ。実質、二人離れないための名目として結婚を急いだ節もあるし」

ささら「そうなんですか……」

ささら(顔でわかる……ほんとに幸せなんだろうな。……正直、うらやましい)
20 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 09:57:10.47 ID:cp4Ucj4/0
二見「私は大学に通っているんだけれど、彼は生活費を稼ぐために……」

カランコローン

???「マスター! コーヒー豆と野菜、注文通りに買ってきたよぉ」

店主「おつかれさーん! ほれ、さっそく仕事だ! 荷物は俺が運び出すから、お前はとっておきの紅茶とコーヒーふたつを頼むぜ!」

???「おっけー。んしょ……あっ、瑛理子! もう来てたのか」

二見「ええ、気分を少しだけ帰国気分にしてたわ」

???「ん? ……あれ? もしかすると、お二方とも、日本人ですか!」

ささら「ええ。あなたも……」

光一「あ、その、はじめまして! 相原光一っていいます! ここの厨房担当兼ウェイターです、よろしくお願いします」

かぐら「まぁ、ジャパニーズが4人も」
21 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 10:11:28.70 ID:cp4Ucj4/0
二見「紹介します。彼が私のMy darlingです」

光一「ふ、二見さんっ」

二見「あら? まだ慣れてなかったの? それとも日本人らしく『生涯を共にする最愛の夫です』ともいえばよかったかしら?」クスッ

光一「もう、そうやってすぐからかう……って、危ない危ない! 仕事仕事。お二方が紅茶とコーヒーってことでいいんですよね? ほかにお客さんもいないし」

ささら「あ、はい」

光一「とっておきのを淹れますから、期待しててください! ではっ」タッタッタ

二見「久しぶりに日本人に会えたから、張りきってるわね」

ささら「あの人が、二見さんの……」

ささら(なんとなく……なんとなくだけれど……似てるな、あの人と)
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/23(木) 12:14:16.52 ID:aO2W3UADO
これは期待
23 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 16:27:45.07 ID:cp4Ucj4/0
―――
――


かぐら「ごちそうさまでした♪」

ささら「ごちそうさまです……すごく、おいしかったですっ。この紅茶も、コーヒーも」

光一「それはよかった! コーヒーは僕特製のブレンドで、紅茶も淹れ方とかを教えてもらって淹れたんです。こだわりがありますから、その、ほめられるのは素直にうれしいですね」

二見「光一、おかわりいい?」

光一「All light」タッタッタ

二見「……それで」

ささら「?」

二見「出来れば聞かせてほしいなって」

ささら「聞かせて……?」

二見「あなたとその『貴明君』の、馴れ初め」

ささら「へっ///」
24 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 16:39:38.08 ID:cp4Ucj4/0
二見「いきなりでごめんなさい。けれど、興味を持ってしまったの、私と歳が近くて、境遇も少し似通ってるあなたのことについて、あなたが今に至るまで、どんなことがあって、どんな出会いがあったのかってね」

ささら「今まで……」

二見「失礼は承知よ。けれど役職上、私の性格上、好奇心は抑えられないのが私だから」

ささら「……構いませんよ。その代わり、といってはなんですけど……二見さんの話も聞いてみたいです」ニコッ

二見「私の? ……もちろんよ」ニコッ

光一「僕もかなり興味があるかも。はい、二見さん専用」

二見「あらら、女の子のプライベートな話に突っ込む男の子は嫌われちゃうわよ?」

光一「え、あ、そのっ」

ささら「構いませんよ。とはいっても、面白い話かは保証しませんが……」
25 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 16:48:40.84 ID:cp4Ucj4/0
―――
――


ささら「――それが半年前ぐらいの話で、後は今に至るわけです」

二見「なるほど……」

光一「愛されてるんだね、その貴明君に」

ささら「あ、えと……はい、もちろん、私も///」

かぐら「あの時はほんと心底心配したんだから。島の人が優しかったからまだよかったものの……」

ささら「それは、ほんとにごめんなさい。でも……今でも思うの。あの3週間は、私には必要な3週間だった。それは間違いないって」

二見「3週間のロマンチックな冒険活劇も驚いたけど、何よりその先輩って人もすごいわね。言葉通り日本に『送る』なんて……」

光一「なんというか、話を聞いただけでも別次元の人だなーって思えたよ」

ささら「ええ、まぁ、あの人は騒動の種ですから。でも、そのおかげで短いながらも日本で過ごせたので、感謝すべきか否か難しいところですけど」
26 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 17:51:00.10 ID:cp4Ucj4/0
二見「でも、すごくいい先輩じゃない。やり方は、まぁ、色々と問題ありではあるけど……あなたと貴明君を会わせたかった、と思うし……」

ささら(絶対私情含みでの行動でしょうけど。でも……そうね、先輩とも話したい気分ね、今は)

二見「あなたは幸せ者よ。あなたのために一生懸命になってくれる人が二人もいるもの」

ささら「そうですね……今でも、先輩には言い切れないほど感謝の気持ちでいっぱいで」

二見「私も、私の学校にその先輩がいればどうなっていたかしら」

光一「うーん……個人的には、あまり変わらないと思うけど」

二見「会う場所が、もしかすれば理科準備室じゃなくて生徒会室になっていたかもしれないわね」

ささら「理科準備室……?」

光一「ああ、最初に会ったのは屋上なんだけどね、知り合ってからは理科準備室で――」

27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/23(木) 18:45:08.60 ID:pHS1w5+DO
アニメの方の二見さんも、好きだったなぁ…
28 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 21:08:57.85 ID:cp4Ucj4/0
―――
――


ささら「じ、実験……///」

二見「今考えると、あの時の私は今以上におかしかったような気がするわ。後悔はしてないけれど」

光一「ほんと、いきなりキスされた時はびっくりしたなぁ……今となっては諸々いろんな意味でいい思い出だけど」

二見「ふぅん、『色々』ね」

光一「い、いや……しょうがないじゃないか! 僕だってあの時まだ高校生だったんだし」

二見「私は何も言ってないわよ? 一体キスをされた光一は何を思ったかなんて全然」ニヤッ

光一「うぅ、相変わらず勝てないなぁ」

かぐら「たった二人だけの空間、一緒に飲むビーカーコーヒー……ささら達もそうだけど、最近の高校生は随分と行動力があるのねぇ」

光一「いや、久寿川さんカップルには負けちゃうかな。当時の僕だったら、愛の逃避行なんてする勇気がなかったですから」

二見「それは私も同感。そんなドラマティックなエピソードなんて想像もつかないわ」
29 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 21:18:02.30 ID:cp4Ucj4/0
ささら「やっぱり、かなり無茶、してますよね……?」

二見「否定はできないわね。でも、それがあって今があるんでしょ? だったらそれでいいと、私は思う」

ささら「ええ。……失礼だとは、思うんですけれど……」

二見「ん?」

ささら「えと……少し、思ったんです。私と二見さんって、ちょっと似てるかもって……」

二見「……そうね、それは私も思ったわ。人と関わらず、孤独で、……きついことを言うけれど、私もあなたも、『人形』みたいな生活をしていた」

ささら「……」

二見「空虚で、臆病で、もうこのままでもいいって、無気力で、どうしようもなくて……人との絆を『捨ててきた』」

ささら「っ……」
30 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 21:30:29.30 ID:cp4Ucj4/0
二見「けど……今は違う、でしょ?」

ささら「……ええ」

二見「私の腕を引っ張ってくれた、私に『触れてくれた』人……その人のおかげで、私は『光』をやっと見ることができた。その光は、今まで見たこともない光で、私にとっては誰よりも暖かくて……」

ささら「誰よりも優しくて、誰よりも……触れていたい、そう思えた」

二見「ふふっ、やっぱり、とっても似た者同士ね。こういうのを……」

ささら「『運命の出会い』って、言うんでしょうかね」

二見「ええ」

光一「運命、かぁ」

かぐら「そうね。貴明君がいなかったら、こうやって笑いあってることも……あっ!」

ささら「どうしたの?」

かぐら「思ったより長居しちゃったわ。早く戻らないと、まだ仕事が……」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/23(木) 21:37:28.58 ID:54dYkJkJ0
>>27

アニメナンテヤッテナイヨ
ハヤクアニメカシナイカナー
32 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/23(木) 21:50:09.43 ID:cp4Ucj4/0
二見「すいません、長居させてしまって……」

かぐら「いえいえ。気に病むことないわ。私もあなたたちと話してみたかったのだし」

ささら「え、えと、その……色々と、ありがとうございましたっ! いいお話が聞けました」

二見「そう、ならよかったわ」

店主「あんがとしたー! 気ぃつけてな!」

ささら「ご、ごちそうさまでしたっ」ペコリ

二見「……ささらさん」

ささら「は、はい」

二見「私と光一なら、大概この店にいるから……またお話したいわ。また会いましょう」ニコッ

ささら「……はいっ!」ニコッ

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/24(金) 14:05:31.07 ID:iAGWppF2o
こらは期待
34 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/26(日) 05:10:59.91 ID:36dCve/f0
ささら「……はぁ」

ささら(その後は、たびたびバーガーショップに寄っては、二見さんや相原さんと談笑することが多くなっていった)

ささら(異国の地で、心さびしくも頑張る同じ境遇の日本人、それだけで仲良くなれるうえに、歳まで近い。まさに『知り合いになるべくして』という感じだ)

ささら(……最近、悩んでいることがある。今まではそれほど大きな悩みではなかったが、それはあくまで『種』の状態であったからだ)

ささら(実るべくして、今になって実った悩み。……きっかけはおそらく、二見さんと会ってからだ)

ささら(二見さんに会い、二見さんのことを知ったの当時に、私は無意識に自分と二見さんを比べたのだと思う。昔からの、どうしても抜けない癖だ)

ささら(……この悩み、おそらく自分では解決は困難だろう。……なら、きっかけとなったその人に相談してみるのも手かもしれない)

ささら(やっぱり、心のうちにしまいこむのではなく、誰かに『相談する』のが大事。……貴明君にも、後で相談してみようと思う)

ささら(貴明君に心配はかけさせたくないけど、でも……私が家族と同じぐらい信頼……いや、『家族』だから)
35 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/26(日) 05:20:54.53 ID:36dCve/f0
ささら(いつものバーガーショップ。しかし時間帯が時間帯なせいか、店は繁盛し、人気メニューのオリジナルコーヒー担当である相原さんは忙しそうである)

二見「ふむ……悩み、か」

ささら「はい」

二見「喜んで相談には乗るけど……私でいいの? 私、一応『そうじゃないように』取り繕っているけど、かなり『外れた』人間よ?」

ささら「いえ、その……二見さんに相談することに意味がある、と確信がありますから」

二見「私に、ね」

ささら「えと……科学雑誌で見たときはびっくりしました。二見さん、最近有名になった日本人の科学者チームの一員だと知ったとき、普通にニュースで流れてましたから」

二見「とはいっても、絢辻主任中心の、日本人の馴れ合い、もといローカルコミュニケーションチームみたいなものよ?」

ささら「たとえそうだとしても、結果を残していることがすごいと思います。大学では主席の座、IQは情報開示されているとおり前人未到の数値、さらにはいくつもの企業からの支援を受けている……まさに絵に描いたような……」

二見「天才?」

ささら「え? え、ええ」

二見「そうでしょうね。私より頭のいい人、数人ぐらいしか見たことないもの。それとは例外で、主任のように他の技能で非常に優れている人はたくさん会っているけど」
36 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/26(日) 05:41:16.63 ID:36dCve/f0
ささら「そ、それでですね、その……二見さんと会って、私、色々なことを考えるようになったと思うんです」

二見「思う? 疑問形なのね」

ささら「私自身でも、確信がいまいちなので……でも、何かに悩んでいることは確かなんです」

二見「はたして、それは一体なんなのでしょうか? ……ということかしら?」

ささら「いえ、ある程度、推測はついているんです、これも『多分』ですけれど……私、おそらく『将来』について悩んでいるのだと思います……」

二見「将来……未来のこと、あるいは将来の夢。なりたいもののヴィジョン?」

ささら「……はい、自分、未来の『ヴィジョン』がはっきりしないことを悩んでいるんだと……二見さんの存在を知って、自分と違って、なにかを『成している』人のことを身近に感じて……それに感化されたのだと思います」

二見「私を知って……私と光一を知って……? ふんふん……」

ささら(真剣に悩んでくれてる。親身な方なんだな)
37 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/26(日) 05:51:41.74 ID:36dCve/f0
二見「……あなたの将来の夢は?」

ささら「へっ」

二見「ああ、いきなりでごめんなさい。私、会話を展開するのは実は人並みに得意ではないのよ……では改めて。あなたの、将来の夢は?」

ささら「夢…………動物、に関わる仕事。大学も生物学を進路にしましたし、昔から、お父さんに連れられて山とか海とかに行って、動物を見たり、触れたりするのが大好きで……」

二見「じゃあ、それがあなたの『将来像』、『未来のヴィジョン』ではないのかしら? 大学の研究室の一室で、好きな動物の生態調査を血眼にするあなた。好きな動物について好きなだけ語りつくすあなた……」

ささら「……」

二見「店の一角で、嬉々として可愛さを売り込むペットショップのあなた。ちょっとそれて、動物の絵を描くのもいいかもしれないわ」

ささら「…………なんででしょう」

二見「?」

ささら「その言葉を聞いて、イメージしても、その……満足できないかんじ、がするんです。どうしても……」
38 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/26(日) 06:38:42.00 ID:36dCve/f0
二見「……それって、何かが『欠けているかんじ』かしら?」

ささら「そう……そうです! こう、絶対になくてはならないパーツを忘れている感じになるといいますか……」

二見「…………私の将来の夢はね」

ささら「へ?」

二見「独り言だと思ってくれて構わないわ。私の夢、何より望むことはね……『光一と一緒に』好きなことに没頭すること、かな」

ささら「相原さんと一緒に…………あっ!」

二見「ふふっ、どうやら、やっと自分の『夢』を見つけられたようね」

ささら「は、はいっ。……何よりも、優先したい、そうしたいと思えること……」

二見「それはそれは、お役に立ててなによりよ」

ささら「はいっ……あ、その……ありがとうございます。相談に乗ってくれて……」

二見「水臭いわ」

ささら「あ……すいません」

二見「こら、そこでしょげられると、私が悪いみたいじゃない。……私たち、『友達』じゃない」ニコッ

ささら「え? あ……はいっ!」ニコッ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/26(日) 11:22:13.16 ID:65NQuFpDO
絢辻さん、研究員になってるのか
40 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/27(月) 23:47:32.86 ID:KM0kC1BA0
ささら(……うん、この時間が丁度いいかな)

Prrrrrr……

ガチャッ

???「もしもし、ささら?」

ささら「えと……そっちは『おはよう』かな? 貴明君」

貴明「そうだね。そっちは元気だった?」

ささら「うん。とはいっても、前の電話から3日ぐらいしか経ってないけど……」

貴明「でも、ほら、心配じゃないか。やっぱり、日本から離れて暮らしてるわけだし……もし何かあったら、俺不安で……」

ささら「ありがとう、でも、あまり心配しすぎると貴明君が倒れてしまうわ。大丈夫、私はいつでもここにいる。会おうと思えば、いつか会えるから」

貴明「……そうだね」

ささら「ええ。……ねぇ、貴明君」

貴明「ん? どうしたの?」
41 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/27(月) 23:55:46.87 ID:KM0kC1BA0
ささら「私、夢が出来たの。……いいえ、自分の『夢』に気づけたの」

貴明「夢……? 将来の夢とかってこと?」

ささら「うん。……私の夢は、ずっと貴明君と、一緒に過ごすこと」

貴明「一緒に……」

ささら「ずっと一緒に、ぬくもりを感じる距離で……」

ささら(境遇が似ている二見さんを、何より二見さんと相原さんを知った時……私は『二見さんの才能』を羨んだんじゃなくて、『好きな人と一緒に過ごしていること』を羨んだんだ)

ささら(愛をより強く感じれる距離に、愛する人がいること……日本に居れば『当たり前』だったことが、外国に住んでる私にとってはその当たり前こそ望むこと……『夢』だ)

貴明「…………そっか。うん……俺も同じだよ」

ささら「え……?」

貴明「そう。俺も同じことを望んでる。心の底からそう思ってる、願ってる。だって、さ……俺も少し寂しいから」

ささら「そっか……次はいつごろ会えるのかな? とはいっても、こっちの用事に左右されてしまうのだけど……」
42 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 00:01:27.12 ID:t9ZgRqTZ0
貴明「会えるよ」

ささら「え?」

貴明「ささらが『会いたい』って思えば、会えるよ。俺も『会いたい』って思ってるから」

ささら「……私、会いたいわ。あなたを今すぐにでも抱きしめたい」

貴明「うん、会えるさ。案外すんなりと会えたりするのかもね?」

ささら「それはどうかしらね。ふふっ」

貴明「ははは……っと。ごめん、これから用事があるんだ。今日はこれでいいかな?」

ささら「あ、ごめんなさい、長い間付き合わせて」

貴明「ううん、俺もささらと話したかったからさ。それじゃまた! 近いうちに」

ささら「ええ。お元気で」

ガチャッ

43 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 00:11:12.37 ID:t9ZgRqTZ0
カランコローン

ささら「Hello」

店主「Good afternoon! Hey! Ms,ささら!」

ささら「マスター、いつものお願い」

店主「OK,OK! べっぴんさん相手には仕事が早いので有名な俺だ! がんばっちゃうぜ!」

ささら「もう、またそれ……」

二見「Hello」

ささら「あっ、こんにちは」

二見「今日は一人?」

ささら「ええ。お母さんの迎えを待つことになってて……、相原さんは?」

二見「そういえば……マスター。光一、さっき外に出てから戻ってきてないけど、どうしたのかしら?」

店主「そういえば……店先の掃除にしては遅すぎるなぁ」
44 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 00:19:58.94 ID:t9ZgRqTZ0
ガタンッ ガタゴト

ガタッ ガタッ

カランコローン

光一「す、すいません、かなり遅れました……」

店主「おい! のろますぎ……なんじゃそりゃっ!?」

光一「い、一応郵送物らしいですけど……」

二見「光一と同じぐらいの大きさの木箱だなんて初めて見るわ。冷蔵庫でも入ってるのかしら?」

光一「冷蔵庫を木箱に入れないでしょ……しかも、これすっごく重くて。店先で受け取ったのはいいにしろ、運ぶのが大変で大変で……腰が痛い」

店主「一応、うちあてなんだよな?」

光一「らしいですけど……マスター、メイドロボでも買ったんですか?」

店主「いや、実際メイドロボは欲しいが……ワイフがな、HAHAHA」
45 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 00:26:07.36 ID:t9ZgRqTZ0
光一「とにかく……開けてみましょうか。まずは内容を確認しないと」

店主「にしかしそんなに簡単に開けて大丈夫なのか? 開けた瞬間バーン! とかにはなんないよな?」

光一「大丈夫だとは……思いたいですけど、まずは釘がうたれてるので――」

二見「はい、釘抜き」

光一「ん、ありがと」

店主「いや、なんで用具の場所知ってるの?」

二見「マスターの用具を取り出すときの行動パターンから簡易的に分析した結果」

店主「ヒュー。さすが天才さんだ!」

光一「ぐっ……これ、結構深く打ち込まれてますね。そんなに中身が重要なものなのかな?」

店主「面倒だな。チェーンソーでも引っ張り出してくるか?」

光一「中身が傷ついたらどうするんですか。しょうがない、根気強くやるかっ」

46 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 00:31:38.02 ID:t9ZgRqTZ0
光一「ふぅっ……これでラストっ」

ささら「お疲れ様です」

光一「さて、中身は一体なんなのやら……」

パカッ

光一「……は?」

店主「へっ!?」

二見「あら……」

貴明「」

ささら「た、貴明君!!?」

店主「に、人形じゃねぇよな?」

二見「体温も感じる。息もしてるし……拘束されてるけど、無事みたいね」

光一「お、驚きすぎてなんとも言えない……」
47 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 00:40:46.86 ID:t9ZgRqTZ0
???「ふっふっふ……汝らよ、我の心遣いを感じるサプライズには喜んでくれたかね?」

ささら「え……?」

???「とぉっ!」

光一「うわっ!? く、熊のはく製が、う、動いた!? しかも妙にアクロバティックだし!?」

???「はっはっは! 少年、これしきでいちいち突っ込みを入れていたら、この業界では長生きできんぞよ!」

二見「突っ込みを入れなかったら事態すら収拾できないとは思うけど……」

店主「うわぁ!? 愛護団体から必死に守ってきたお気に入りのはく製がぁ生き返ったぁ!?」

???「ある時は大首領! ある時は王国の女王! そしてある時は『リバイバルベアー』! そしてそして、その正体はぁ!」

スポーン

タッ!

まーりゃん「デェェェェェェン!! はじける汗! 飛び散るクレイモア! 我こそセクシーコマンドー! パンチラの申し子、メイトリクス・まーりゃぁーん!!」

ささら「せ、せ、先輩っ!?」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/28(火) 00:46:40.79 ID:uQxvxYEDO
セクシーコマンドー………
わかった!着ぐるみの正体はメソだ!
49 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 00:47:35.01 ID:t9ZgRqTZ0
二見「まーりゃん、先輩……あれが噂の……」

光一「というか、あの身体でどうやって熊のはく製を動かしてたんだろう……」

店主「てかっ、いつからはく製の中でスタンバイしてたんだ!?」

まーりゃん「わが弟子さーりゃんよ!」

ささら「は、はいぃ!?」

まーりゃん「さぁ、状況をリフレイン! 今、荘厳な棺の中で、眠れる王子様がいる!」

ささら「えと……は、はいっ」

まーりゃん「だったらやるこたぁただ一つ! 今こそ愛をこめて花束……もとい、ちっすを!! ちっすをスルノデス!」

ささら「へ……へぇっ!? い、今ここでですかぁ!?///」

まーりゃん「あったり前田のクラッカー牛乳漬け! ここでやらなかったら誰が愛する人を愛する男か!」

光一「いや、久寿川さん女の子じゃ……」
50 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 00:55:05.51 ID:t9ZgRqTZ0
まーりゃん「さぁ! さぁ! はよはよ!」

ささら「へ、へ、へ!?」

まーりゃん「ち・っ・す! ち・っ・す!」

ささら「そ、そそそ、そんなっ、いきなりだなんてっ///」

まーりゃん「さぁもっとぐびぐびいってみよー! はいMOTTO MOTTO!」

ささら「あ、あ、あ……///」

貴明「……んん」

ささら「ひゃぁっ!!?」

貴明「んぅ……い、いててててて…………なんだ、この後頭部の妙な痛み――」

ささら「あ、あ、えと、えと、あの、えと……///」

貴明「……さ、ささら? ここど……へぶっ!?」

まーりゃん「空気読めやい! 今ドラマティックなちっすシーンの収録中だぞこらぁ! なんでたかりゃんはそう間が悪いの! 1MORE! 1MORE! WEAK! WEAK!」

貴明「い、痛いです痛いです!? そんなに後頭部を執拗に攻撃しないでください!?」
51 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:06:05.04 ID:t9ZgRqTZ0
貴明「えと、今の状況を整理すると…………まーりゃん先輩はささらにやった時みたいに俺を拉致、そしてまたまた同じように郵送したと……しかもはたまた国際便で」

まーりゃん「いえす、けすとれる」

貴明「多分、この後頭部の痛みはさっきのように……この扱いの差は一体」

まーりゃん「のんのん。差別っていうわけではない、私はレディには優しいのがもっとーなのだ」

貴明「はいはい、わかりましたから……はぁ、また無茶してくれなぁ、まーりゃん先輩は」

二見「うん、噂通りの人物……いや、予測をはるかに超えてたわ。私ですらまったく把握できない人種よ」

光一「初対面の人に対して失礼かもしれないけど……把握しなくてもいいような気がする」

二見「まったくの同感よ。というより、不可能」

店主「ああもう、はく製ボロボロだよ……」
52 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:06:35.09 ID:t9ZgRqTZ0
貴明「えと、今の状況を整理すると…………まーりゃん先輩はささらにやった時みたいに俺を拉致、そしてまたまた同じように郵送したと……しかもはたまた国際便で」

まーりゃん「いえす、けすとれる」

貴明「多分、この後頭部の痛みはさっきのように……この扱いの差は一体」

まーりゃん「のんのん。差別っていうわけではない、私はレディには優しいのがもっとーなのだ」

貴明「はいはい、わかりましたから……はぁ、また無茶してくれなぁ、まーりゃん先輩は」

二見「うん、噂通りの人物……いや、予測をはるかに超えてたわ。私ですらまったく把握できない人種よ」

光一「初対面の人に対して失礼かもしれないけど……把握しなくてもいいような気がする」

二見「まったくの同感よ。というより、不可能」

店主「ああもう、はく製ボロボロだよ……」
53 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:16:13.62 ID:t9ZgRqTZ0
貴明「まーりゃん先輩。あれほど法に触れる無茶はやめてくださいって言ったじゃないですか。パスポートだって……」

まーりゃん「パスポートはわたしが持っておるぞー」

貴明「空港で通さなくちゃ意味ないです! どうあがいても不法入国以外のなにものでもありませんよ!」

まーりゃん「……だって……だって。さーりゃん、たかりゃんに会いたがってたもん」

ささら「え……?」

貴明「え、えと……」

まーりゃん「この前電話で話した時、さーりゃん、いかにも『寂しそうな』声してた。すぐにわかっちゃったよ」

ささら「……」

まーりゃん「さーりゃんのためだったらなんでもする、そういったはずだよ。だから、無理やりでも会わせたかった。少しでも早く……ね」

ささら「先輩……」

貴明「……はぁ。その気持ちはすごくうれしいですけど、先輩は焦りすぎです。だって……」

まーりゃん「いやーそれはごめん。どうも先走る癖が抜けなくてねー」

ささら「? 焦りすぎ……?」
54 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:21:16.28 ID:t9ZgRqTZ0
貴明「あ……もうちょっといいムードで話しだしたかったのになぁ」

まーりゃん「もういいんじゃね? たかりゃんだってさーりゃんの気持ちわかってるんでしょ? だったら早く『幸せ』にしてあげなって」

貴明「そうですね。……ささら」

ささら「は、はい」

貴明「俺、もうすぐアメリカに移住することになったから」

ささら「…………へ? へ? ……えっ? ほ、ほんと?」

貴明「うん。俺、先輩がアメリカに戻った後、がんばって勉強して、タマ姉とかいろんな人に手伝ってもらって……留学決定! それもささらと同じ大学」

ささら「……」

貴明「言っただろ? 俺の夢は『ささらと一緒に過ごすこと』だって。だから……頑張ったんだ。ささらと、俺の夢をかなえるためにさ」

ささら「…………貴明君っ!」

ダキッ
55 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:27:20.82 ID:t9ZgRqTZ0
ささら「わ、わたし、すごくうれしいの……」ポロポロ

貴明「うん……」

ささら「すごくさびしくて、むねがくるしくなるほどすきで、だいすきで……あえないことがくるしくて」ポロポロ

貴明「俺も同じだったよ……」

ささら「けど、たったいまゆめがかなって、うれしい、しぬほどうれしいのに……なみだがとまらないの」

貴明「そっか……」

ささら「いろいろなものがあふれてくるの、いままでのたかあきくんへのおもいとか、うれしきもちとか……ゆめ、かなっちゃったんだね」

貴明「うん」

ささら「これからいっしょなんだよね? ずっと、ずっと……」

貴明「ささらが望むならね」

ささら「えへへ。…………これから、よろしくね」

貴明「こちらこそ」
56 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:35:28.84 ID:t9ZgRqTZ0
まーりゃん「えんだあああああああああああああ」

二見「あらあら。……こっちももらい泣きしそうだわ」

光一「二見さんは、ラブロマンスとか見るのは興味なかったんじゃないんだっけ?」

二見「あれは『うそくさい』から嫌いなの。でも……ここにあるのは『真実』じゃない。真実に感動するのは、人の心理ではなくて?」

光一「……うん。僕も感動してるから」

店主「ヒュー!! こりゃあはく製直してる場合じゃねぇ! 今日は二人を祝ってパーティー開くぜぇ! 日本流にいえば『ブレイコウ』じゃあ!」

まーりゃん「それじゃ、さーりゃんママも呼ばなくちゃ」

貴明「……そういえば、俺は『この店』に送られたんですよね? ささらの家じゃなくて……」

ささら「そういえば、なんで私がいるって……あっ」

まーりゃん「モチ、さーりゃんママも共犯なりよ!」

貴明「そういうことだったのか……」

ささら「もう、お母さんったら……ほんとに」ニコッ
57 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:38:42.23 ID:t9ZgRqTZ0
イヤッホォォォ

ウェーイ

ワッフゥゥゥ

HAHAHAHA

常連客A「お前らキスは何回したんだ!?」

常連客B「いやいや、若いうちにしっぽり回数重ねた方がいいんだぜ!」

常連客C「ビッチなお前の彼女とがちげーんだよ!」

HAHAHAHAHA!

ささら「あ、あわわ、あわわわ///」

貴明「こ、これがアメリカのノリか……」
58 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:47:52.46 ID:t9ZgRqTZ0
二見「こら、二人が困ってるでしょ? もう少し丁寧に扱いなさいよ」

店主「わぁってるわぁってる! イヒヒヒヒ、ボトル追加ー!」

二見「まったく……」

光一「まぁまぁ、今日はめでたいんだしさ。許してやったら?」

二見「かといって、あの二人の幸せを少しお邪魔するのも、ね」

光一「……そっか」

二見「む……なによ、急ににやにやしちゃって」

光一「いや、二見さん、初めて会った時からほんとに変わったな、って」

二見「……そうね。あなたとあってなかったら、こうして他人の幸せを祈ったり、愛について考えることも、人の輪に囲まれることもなかったわね……」

光一「出会いは人を変える……けど、変わるのは人だけじゃない。その周りからまわりへと……すべてを変える」

二見「あら? 急にかっこいいこと言っちゃって……らしくないわよ?」

光一「やっぱりそうだった?」

二見「そう。けど……」

チュッ

光一「あっ……」

二見「そんなあなたの、すべてが好き。I Love You My Darling」
59 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:54:44.88 ID:t9ZgRqTZ0
店主「キスへのカウント! 10!」

9! 8! 7!

ささら「あう、あう///」

貴明「……ささら」

ささら「……貴明君」

6! 5! 4!

貴明「俺、ずっとしあわせだから。今までも、これからも……」

ささら「うん……ずっと、ずっと」

3! 2! 1!!





FIN
60 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 01:59:41.71 ID:t9ZgRqTZ0
お疲れさまでした
ささら可愛い

>>39
絢辻主任は縁さん
時代設定は
アマガミから10年後
キミキスから4年後
ToHeart2から2年後
キミキスヒロインとアマガミヒロインの現代設定は作りこんだ、作っただけですが
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/28(火) 07:30:21.03 ID:HBlEww8j0
乙!
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/28(火) 07:48:16.34 ID:uQxvxYEDO
乙!寝落ちしてたら終わってた!

後日談があると嬉しいかな、と
63 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/28(火) 16:20:36.14 ID:t9ZgRqTZ0
>>62
設定はあるから、他のヒロイン編なら書ける……かもしれない
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/28(火) 20:31:26.56 ID:uQxvxYEDO
>>63 クレ!一向に構わない
65 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 04:31:12.69 ID:MFmn/L2T0
(蛇足だろうけど)
66 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 04:31:44.83 ID:MFmn/L2T0
――ちょっとおまけ劇場――
67 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 04:42:39.47 ID:MFmn/L2T0
ささら(色々衝撃的だったあの騒動からおよそ二カ月、また例のごとく……とはいっても、主に貴明君の強制不法入国でいざこざはありましたが、無事に日本へ帰国)

ささら(そして……まるでとんぼ返りするかのごとく、直後にアメリカへと正式に移住しました)

ささら「長旅だったから、疲れた?」

貴明「ははは、まぁ、この短期間で色々ありすぎたからね」

ささら(まーりゃん先輩はあの後、またふいと姿を消しました。行方不明、と思っていた矢先に『バチカン市国なう』という手紙を送ってきたり……いつも通りです)

ささら(そうそう。先輩は離れた後にも、騒動の種を置いて行きました)

貴明「それにしても、まさかささらの家に引っ越すことになろうとは……」

ささら(まーりゃん先輩が気を利かした(?)のか、色々情報操作をし、いつの間にか貴明君のアメリカ移住の住居が『私の家』になっていたのです。確かにあそこのマンションの部屋は二人暮らしには広すぎで、部屋は充分に余っています)

ささら(家賃や生活の問題も解決しましたし、その……気恥ずかしいですが、貴明君のそばで生活を共にできるのは、正直うれしい限りで……///)

ささら(ですが……)
68 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 04:50:21.41 ID:MFmn/L2T0
ささら「やっぱり、嫌……かな?」

貴明「え?」

ささら「だって……一緒にくらすと、貴明君に余計気を遣わせるかもしれないし、『男の人は一人暮らしが楽で楽しい』って本で書いてあるし……」

貴明「嫌なわけないじゃないか!」

ささら「へ?」

貴明「言っただろ。俺の夢は『ささらとずっと一緒に過ごすこと』だって。この状況は、つまり夢がかなったってことだろ? こんなにうれしいことはない。むしろ、色々ささらの家に負担をかけさせることが気になって……」

ささら「そんな、負担だなんてっ。お母さんも私も歓迎してるし、むしろ母さん『これは立派な主夫に育て上げるチャンスだわ』とか言って、喜んでたし……それに、私も貴明君の食生活とか心配してたから……こっちの食事って、日本とはかなり違うから」

貴明「そっか……ありがとう」

ささら「ん」
69 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 04:57:02.53 ID:MFmn/L2T0
貴明「よし……それじゃ、俺は荷物の整理とかするから、ささらはリビングで待ってて」

ささら「ううん、私も手伝うよ。この量の段ボールを捌くのは大変だろうし……」

貴明「でも……」

ささら「だめ。遠慮は禁止」

貴明「うぅ……わかった。それじゃあよろしくお願いするよ」

ささら「うんっ」

貴明「俺はそっちのゾーンをお願い。俺はこっちで服を整理するから」

ささら「うん」
70 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 05:18:58.30 ID:MFmn/L2T0
貴明「よいしょ、で、これはこっちの棚……と」

ささら「貴明君」

貴明「ん? どうしたの?」

ささら「この『TAMA』ってサインペンで書かれてある段ボールは何?」

貴明「ああ! そこにある段ボールは、日本のみんなからのプレゼントだって。『TAMA』は……多分タマ姉からかな。梱包開けといていいよ。俺も内容は気になるし」

ささら「んしょ……これは、す、スタンガン? コンバットナイフに……じゅ、銃!?」

貴明「え!? ……はぁ、びっくりした。モデルガンだよ。ん? 手紙が入ってる……」

『これで可愛い彼女を男らしく守りなさいっ!  タマ姉』

貴明「それでわざわざ武器を送るのか、タマ姉……」
71 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 05:25:20.74 ID:MFmn/L2T0
ささら「この段ボールには……『柚原』だって」

貴明「おっ、このみのところからか、なんだなんだ…………手袋と……毛糸で出来た犬?」

ささら「あみぐるみだね。これ作るの少し難しいらしいよ」

貴明「へぇ、初めて見たな。んと、手紙は……」

『そのあみぐるみ、私が頑張って作ったんだよ! 私だと思って大切にしてね!  このみ』

『手袋は私のぬくもりいっぱいよ。けれど、マフラーは『誰か』に編んでもらうといいかもね?  春夏』

貴明「へぇ、どっちも編んでくれたんだ! よく出来てるなぁ」

ささら(……今年のクリスマスプレゼントは、マフラー、考えてみようかな)
72 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 05:48:28.15 ID:MFmn/L2T0
貴明「謎のオーパーツ(レプリカ)、ポエムノート、自作ハイスペック改造PC(さんちゃん&るりちゃんマーク付き)、紙粘土の小物入れ(ハンドメイド)、ミルファちゃんボイス目覚まし時計、お好み焼きセット……随分と風変わりなプレゼントだな、ははは」

貴明(けど……こんなに多くの人の助けがあって、いままでやってこれたんだよな……少ししみじみとする)

ささら「あ、そ、その…………貴明、君」

貴明「ん? 随分と遅かったね。外に買いも――」

ささら「そ、その……えと……///」

貴明「さ、ささらっ!?」

貴明(どういうことなんだ!? な、なんでささらはバニースーツを着てるんだ!? にしても白か、イメージにぴったり……っていやいや!? )

貴明「なんでバニー!? というか、ささら……もしかして、コスプレにはまってたのか?」

ささら「ちっ、違うよ!? そ、そのぉ…………あ、あの段ボールの中に入ってて」

貴明「だ、段ボール? あのって……」

『聖☆まーりゃん帝国支援物資 おまけ:雄二』

貴明「あの二人か……」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/08/29(水) 05:57:29.61 ID:MFmn/L2T0
ささら「しかも、まだたくさん……」

貴明「ああ、だろうね。あの段ボールだけ異様に大きいなぁとは思っていたけど……でも、いくら先輩からのものだからって無理に着なくても……」

貴明(個人的には、俺へのプレゼントとしてなぜコスプレ衣装を送ってきたのか問い詰めてみたいところだけど)

ささら「それが……この手紙が」

貴明「えと、何々……」

『ただいま軍事衛星ハッキングして部屋の様子を実況中。お前だけに眼福させてたまるか!  雄二』

『着ないと俺が色々ぐんずほぐれつ酒池肉林。さーりゃんの命はないとおもへー(ゲス顔)  まーりゃん大首領』

貴明「珊瑚ちゃん、お願いだからあの二人に加担しないで……いや、珊瑚ちゃんも『おもしろそうやなー』とか言いながら嬉々としてやりそうだ」

ささら「とにかく、その……一着は試したのだけれど……多分、全部着ろってことだよね///」

貴明「えと、あの……じゃあ、この部屋空けとくから、ここでぱっぱと着替えて、早く先輩たちを満足させようか、しょうがないけど」

ささら「あ、その……」

貴明「それじゃ、俺はリビングで待って――」
74 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 06:04:53.21 ID:MFmn/L2T0
ささら「待ってっ」

貴明「え……?」

ささら「あ、その…………貴明君には、その、見てほしい……私の衣装」

貴明「えっ!?」

ささら「その、男の人は、こういうの喜ぶらしいし……それに、私のいろんな姿を見てほしい。どの私が一番可愛いのかを見てほしいの。だから……///」

貴明「い、いや! ささらはどんな姿でも可愛いに決まってるじゃないか! そんな一番だなんて……あ///」

ささら「た、貴明君……///」

貴明「あぅ……わ、わかった! それでささらが満足するんだったら! そ、それに……正直、見てみたかったし(ボソッ」

ささら「う、うんっ。じゃあ、着替えてくるっ///」
75 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 06:13:48.60 ID:MFmn/L2T0
―チャイナドレス―

ささら「ちょっと歩きにくいかも……」

貴明(す、スリットがあんなにエロいなんて……ゴクッ)


―ナース―

ささら「え、えと、セリフは……『お注射の時間ですよ(はーと)』

貴明(注射されたい!)


―婦人警官―

ささら「た、逮捕、しちゃうぞ?」

貴明(逮捕されて取り調べされたい!)


―スチュワーデス―

ささら「あてんしょんぷりーず」

貴明(俺を空まで連れてって! ……やばい、雄二に毒されて変態気味になってきたかも……)


―メイドロボ―

ささら「さ、ささらはご主人様専属めいろなのれす!」

貴明(独特なメイド服とイヤーカバーだけであんなにも別物になるのかっ。……というか、あのカンペ全パターン書いてあるのか?)


76 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 06:30:50.84 ID:MFmn/L2T0
ガチャッ

ささら「た、貴明君……」

貴明「ど、どうしたの? なんか、今までで一番の恥ずかしがりようだけど」

ささら「そ、そのね。これで一応最後なんだけれど……その……」

パタン

ささら「こ、これ、なんだけどっ///」

貴明「り、リボンボンテージ!? し、しかもその手に持ってるものって、よくありがちな鞭――」

ささら「え、えと…………」

パシーンッ

ささら「ひれ伏しなさい愚民共! わらわを誰と知ってての狼藉か!」

貴明「わぁっ!?」

貴明(な、なぜか異様の様になってる、てかノリノリだ!?)
77 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 06:36:47.38 ID:MFmn/L2T0
ささら「伏しなさい! あなたは豚でしかなくてよ! 豚は豚らしく鳴きながらのたうちまわりなさい!」

貴明(さすがは『副長』と呼ばれただけある(?)。雰囲気にのまれそうだ!?)

ささら「ふふっ、だが忠誠の証を見せれば、ブタから奴隷に昇格させてあげてもよろしくてよ?」

――この時、ささらと貴明は忘れていた。

ささら「足をおなめなさい。私の高貴な足をあなたが汚すのです。それがどんなに罪深いかはお知りでしょう? ふふふっ」

――この時間、引っ越し記念のあいさつに……

ガチャッ

かぐら「ごめんなさい。迎えに少し遅れてしまったわ」

二見「あいさつに来たわよ。元気だった――」

貴明「っ!!?」

ささら「…………へ?」
78 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 06:41:02.63 ID:MFmn/L2T0
かぐら「あらあらっ」

二見「おやおやっ」

ささら「あ、あ、あ……///」

かぐら「これはこれは、若気の至りに身体を任せていたようね。おほほほほ」

二見「どうやら、お楽しみのところをお邪魔してしまったようね。うふふっ」

かぐら「ここは、少しの間おいとましておきましょうか?」

二見「ええ。私たちのことはしばらく忘れていていいから、気にしないでね? ふふふっ」

バタンッ

ささら「あうあうあうあうあ///」カァァァ プシュー

ささら「」バターンッ!

貴明「さ、ささら!? ささらっ!? その姿で気を失わないでぇ!」



ちょおま劇場  終幕
79 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/29(水) 06:44:47.74 ID:MFmn/L2T0
――ちょっとおまけのちょっとおまけ――

二見「人間がメイドロボをまねるなんて、随分と酔狂よね……私が実験台になってみたけど、やっぱり私だけでは判断しかね――」

光一「ふ、二見さん?」

二見「ふぇっ!!?」

光一「え、えと……え? あの……」

二見「あうあうあうあうあ///」

光一「す、すごい可愛いよっ! うん!」

二見「」カァァァ

バターンッ!

光一「え、瑛理子!? 瑛理子っ!? その姿で気を失わないでぇ!」



ちょおまのちょおま  終幕
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/29(水) 11:43:42.27 ID:X6xsgG3DO
乙!そしてサンクス!

にしても、まーりゃん先輩万能すぎだろjk
攻略なんてできるのか?
81 : ◆ynV98nmqxA [saga]:2012/08/30(木) 05:54:26.67 ID:7B5joYc10
>>80
1600万スコビルのホットソースをぶっこみましょう
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