やる夫が正史を書くようです２４

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やる夫が正史を書くようです２４ - SS速報VIP 過去ログ倉庫

1 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [sage]：2012/08/25(土) 22:53:58.56 ID:q8jYIu18o

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　　　　　|.｜ |{　　| i!　/　 |　 ./　　 z|≠彳ｲ/　|　 ∨∧
　　　　 .′|　| ＼ {从.{＝彳／　　　　　　　/!　 i!＿ ∨∧　　　　　　.悲しい話が続くが気が向いたら読んでくれ
　　　　.′ |　|　　＼ﾊ　　　　　 '　　　　 ,_ｲ |　　|　　＼/∧
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全レスする（´；ω；｀）part56 ばばあ化気味＠ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠～Latest Edition～＠ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな君のせいだ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/25(土) 22:55:21.23 ID:q8jYIu18o

3 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/25(土) 22:58:38.77 ID:q8jYIu18o

【まとめブログ・アンテナサイト様】

俺速でやる夫を纏めるブログ様　 http://orehaya.blog73.fc2.com/　
やる夫ＢＯＸ様　　　　　　　.　　　　 http://yaruobox.blog11.fc2.com/
やる夫＋まとめ -戦国系-様　　　.http://yromtm1059.blog117.fc2.com/
やる夫見聞録様　　　　　　　　　　 http://crescentmoon.gozaru.jp/yaruo.html
やる夫之書様　　　　　　　　　　　　http://yaruobook.blog66.fc2.com/
やる夫wiki　　　　　　　　　　　　　　.http://ja.yaruo.wikia.com

【主要参考資料】

　●正史三国志１～８　ちくま学芸文庫
　●中国の歴史０３　ファーストエンペラーの遺産　講談社
　●中国の歴史０４　三国志の世界　講談社
　●中国の歴史０５　中華の崩壊と拡大　講談社
　●図説中国文明史５　魏晋南北朝　創元社
　●三国志　正史と小説の狭間　白帝社
　●西晋の武帝　司馬炎　白帝社

【お約束】

※やる夫（陳寿）が『三国志』を書くのを生暖かく見守るスレです。

※基本、正史三国志準拠のフィクション・やる夫スレです。

※現在、曹操も劉備も諸葛亮も司馬懿もいない時代が舞台となっています。

※長文・ネタバレに関しては気になさる方もいらっしゃるので、ご配慮いただけるとありがたいです。　

※投下中、>>1がレスを返す事はありません。

4 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/25(土) 23:21:02.20 ID:q8jYIu18o

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5 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/25(土) 23:22:55.45 ID:q8jYIu18o

　　　　　　　　／::::／ﾚ'´ ﾚ:|　　 ∧　＼
　　　　　／::::::://j／:::;:､::l　ﾊ　∧　ヽヽ　　
　　　　　 ,:':::/::::/::::／／　Ｖ::::::i　　l＼ ',　ﾊ　
.　　　　 /::::/:::/:∠／　 =‐-l|-:::|　Ｎ:::::ヽﾄ､ i
.　　　　 ,':::::ｉ::::／／　　__/＿_l　}:∨::|:::::::::l::::::|　
　　　　　i:::l:::|::::|ｆ衍!　　 '´行ﾊ∨}:::::::l:__:::::::l:::::l　　　　　　　……と、皇甫晏は言っていたそうです
　　　　　|:;ﾊ::l::::l{ ﾋﾘ　　　　┴'　 j:::::::i'⌒}l::::ｌ::::l　
. 　　　 l{　Ｖ:::!" '　　　　　u" /ｲ::::;__ jリ:::::';:∧
.　　　　　　　 i:八　　'⌒ヽ　　 /　|:::;'rｰく::::::::::';:∧
　　　　　　 l::::::＼ヽ＿ﾉ　　／l:/／〉ｺ}､::::::::::∧
.　　　　　　Ｖ:::::::|＼＿_　イ__,ｲ/ ／　／￣｀ヽ:∧
　　　　　　 V::::::! |　　{__《__,ィ:l /　 /　　　　ｉ::∧ 　　　　　　　　　//⌒ ｧ=ミ＾く⌒ヾ　　厶' ミｘ　＼人「｀Ｙ´Ｌ_
　　　　　　　 V::::l│　　 |::l　|:l/　 /　　　　　ﾄ､:∧　　　　　　 // 　 /　〃ヽ　＼丶　　＞＼`ﾆ７{ｒﾍヽくニミｘく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　　/　// /　＼　丶ヽ< _　‘う　〉延ｿｨ爪　　)）′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {{　　 ′〃.:′　　＼　　　厶 [,　/::Y⌒Ｙヾ:ｰ彡く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }! 　 {　　 /　'⌒　　　＾ヾミＺ　て{:::/　　j::V/　r '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　} 　/　　 __　　　　　　__￣}__Ｘ{ノ乙ﾍ:::√´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　＼　i⌒{ 　,ｨｆ芯;`　　　　'笊ミｘ　レﾐｘ rｰ＼:〉
　　　　　　申し出は許可すると伝えておきなさい。　　　　　　　　　　　Vハ　Ｖツ　　　Ｖツ　厂 Xス:>　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾊ..圦 ""　　 _ ' _　　 "" ﾑ∠=≠ ｧ
　　　　　　やるからには手厚く弔ってほしいかしら　　　　　　　　　　〃三≡ﾍ. 　　 | 　 |　　　 /´　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__「_ -‐=ﾆミ＞　　ｰ'　　ィ厶 -=ﾆ._├､　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　／⌒ヽツ _＿≧=≦=弌7⌒ヽ　　 >　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 `ｰ{_＿__　{::{￣　７介＼_ ｲﾆ=ミ　＼/　　　{　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　＼ｰ=彡≫人Ｖ:彡'// }}　 7三_　　７´　　　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　　　 ` ｰｧ⌒＞　　 //v〉}}　　ｒ=≧ _{ 　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐-く　/{_＿　∠　イ　　／ハ/〉′　 }＼　＼　　　　　　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　司馬昭はこれを許可した。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　彼は慟哭した向雄に関しても咎め立てたりはしなかった。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .父の司馬懿もそうだったが、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　こういう部分では至って寛容な人物である
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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6 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/25(土) 23:24:59.11 ID:q8jYIu18o

　　　 ,ｪｪｨ‐┤（　/"'''-=/薔ヽ＿＼
　　　 |ヾ .＼ﾞ＾ュヽ__ｚ=-ゝｰ〃、 .＼ｭヽ、
　　　.,ゝ、　　　ﾞ'弋　　　　　　＼_//　＼
　　 //　　＞ミ　　　ﾞ＾夊　　　　歹　　　　∨
　　.}/　　　　_,.　　"''‐- ,_ゞ＾ァ'" ＼　　　　∨　
　　.|　　　／　__,,___　　　　＼　　　＼　　　 |
　　|　　　　　 .,イ:::::ﾞﾐマ　　　乃ヽ／￣∨　 |　
　　|=　　　　　つ:矗::∥　　　＼.<（ﾞ　　 ∨　|　　　　　　　　　　　　　ねぇ王沈？
　 ∧ﾆ, 、　　丶ゞ-''" 　　　　 .∧〉）　/ /　/
　　∧ｾﾉ　　　　　　　　　　　　／/　　./　/　　
　　　「ﾞヽ　　　　　　ﾞ''ｰｮzzzＺﾁ／ﾞ"＜/／ﾞ|
　　　.,　　 _＿___　　　 ┌‐''＼　　　　＼./　
　　　入　 .ゝ‐''" 　／＼|＼　　＼　　　　∨　　
（　　　＼　　　く　　　＼_ヽ''￣"'''-　　 ∨　
　＼＿／＼____．＼____／　　　　　　　 <ﾞ　　　　　　　　　　　　　 ,′: : : : : : : ′: : : : : :|: ／ : : : : : : : ／ﾊ: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| : : : : : : : :.| : : : : : : :.|: : : : : : : : :／／　'. : : : : j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : :| : : : : : : :.|: : : : : ＞´／　　　 :, : : : ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| : : : : : : : .:| : : : : : : :.|-‐''´_,.　''´　　　　　∨: ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l : :.:: : : :.:.:.| : : : : : : :.|´__―‐.､ｰ==ァ　　　|: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:!: :.:. : :.:.:.:.:| : : : :ｉ: : :.〈　/心ﾐ　　　　　ﾄ､__ lｨ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ! :.:.: : .:.:.:.ｉ| : : : :ｉ: : :.| ｀ゞ:ﾋ　　　　　　'¨` /:|
　　　　　　　　　　　は……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l:.:.:.:. :.:.:.:.:i| : : : :ｉ: : :.|　　　　　　　　 {及!/: ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l:.:.:.:.: .:.:.:.:i| : : : :ｉ: : :.|　　　　　　　　'.｀¨/: :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ:.:.:.:.:.:.:.j| : : : :ｉ: : :.|　　　　　　　　/　':.:.:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:.:.:.:.j| : : : :|ｖ: :.|　　　　　　　　　ｲ:.:. !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／'.＼;i| : : : :| v.:.|　 -=====　／:.:.:ji:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　＼　＼: :j|　Ⅵ､　　　　／:.:.:.:.:.ハ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／-､　　　＼　ヾ| 　lﾘ＞---∠.;:.:.:.:.:.:/　l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -―― ､――‐… ´: : : : '.　　　　　＼　　 / ､　　　　ヾ:.:.:/ 　 |

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　宮中から逃げ出した王沈・王業は特に罰せられなかった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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7 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/25(土) 23:27:29.37 ID:q8jYIu18o

　　　 ,ｪｪｨ‐┤（　/"'''-=/薔ヽ＿＼
　　　 |ヾ .＼ﾞ＾ュヽ__ｚ=-ゝｰ〃、 .＼ｭヽ、
　　　.,ゝ、　　　ﾞ'弋　　　　　　＼_//　＼
　　 //　　＞ミ　　　ﾞ＾夊　　　　歹　　　　∨
　　.}/　　　　_,.　　"''‐- ,_ゞ＾ァ'" ＼　　　　∨　　　　　 .失礼、これでも感謝しているのよ？
　　.|　　　／　__,,___　　　　＼　　　＼　　　 |
　　|　　　　　 .,イ:::::ﾞﾐマ　　　乃ヽ／￣∨　 |　　　　　　彼らの死が全くの無駄にならないよう、
　　|=　　　　　つ:矗::∥　　　＼.<（ﾞ　　 ∨　|　　　　　　私たちは汚名を着てでも乱世を終わらせなければならない。
　 ∧ﾆ, 、　　丶ゞ-''" 　　　　 .∧〉）　/ /　/
　　∧ｾﾉ　　　　　　　　　　　　／/　　./　/　　　　　　　貴方にその覚悟はあるのかしら？
　　　「ﾞヽ　　　　　　ﾞ''ｰｮzzzＺﾁ／ﾞ"＜/／ﾞ|
　　　.,　　 _＿___　　　 ┌‐''＼　　　　＼./　
　　　入　 .ゝ‐''" 　／＼|＼　　＼　　　　∨
（　　　＼　　　く　　　＼_ヽ''￣"'''-　　 ∨
　＼＿／＼____．＼____／　　　　　　　 <ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′: : : : : : : ′: : : : : :|: ／ : : : : : : : ／ﾊ: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| : : : : : : : :.| : : : : : : :.|: : : : : : : : :／／　'. : : : : j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : : : : :| : : : : : : :.|: : : : : ＞´／　　　 :, : : : ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| : : : : : : : .:| : : : : : : :.|-‐''´_,.　''´　　　　　∨: ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l : :.:: : : :.:.:.| : : : : : : :.|´__―‐.､ｰ==ァ　　　|: /
　　　　　あなたこそ僕の王だ。　　　　　　　　　　　　　　 .|:!: :.:. : :.:.:.:.:| : : : :ｉ: : :.〈心 l}｀ヽ　　　　ﾄ､__ lｨ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ! :.:.: : .:.:.:.ｉ| : : : :ｉ: : :.| ゞ-'　　　　　　. '¨` /:|
　　　　　あなたに仕える。あなたに尽くす。　　　　　　　 | l:.:.:.:. :.:.:.:.:i| : : : :ｉ: : :.|　　　　　　　　 {及!/: ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l:.:.:.:.: .:.:.:.:i| : : : :ｉ: : :.|　　　　　　　　'.｀¨/: :,
　　　　　どうか僕を導いてほしい　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ:.:.:.:.:.:.:.j| : : : :ｉ: : :.|　　　　　　　　/　':.:.:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:.:.:.:.j| : : : :|ｖ: :.|　　　　　　　　　ｲ:.:. !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／'.＼;i| : : : :| v.:.|　　　￣｀ヽ　／:.:.:ji:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　＼　＼: :j|　Ⅵ､　　　　／:.:.:.:.:.ハ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／-､　　　＼　ヾ| 　lﾘ＞---∠.;:.:.:.:.:.:/　l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -―― ､――‐… ´: : : : '.　　　　　＼　　 / ､　　　　ヾ:.:.:/ 　 |

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　司馬家が晋王朝を建国する過程において、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .高貴郷公の変が最大の危機だったのは間違いないだろう。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　.しかし、終わってみれば曹髦は横死、郭太后は発言力を失った。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　事実上、魏王朝は終わったと言っても過言ではない
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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8 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/25(土) 23:29:35.05 ID:q8jYIu18o

: : : : :|: : : : : : : : : :|／／／: : : : : : : : : : : : ::.
: : : : :|: : : : : : : : : :|／／: : : : : : : : : : : : : : : ::.
: : : : :|: : : : : : : : : :|／: : : : : : : : : : : :＞f´: : : :〉
: : : : :|: : i : : : : i: : |: : : : : : : : : :＞ ´　 .′: : /
: : : : :|: : i : : : : i: : |: : : : ､＞ ´　　　　 .′: :/
: : : : :|: : i : : : : i: : |― ´　｀丶..,,__　　,′／
: : : : :|: : i : : : : i: : | く￣;少ﾐz　 ¨´ ,rｲ: '　　　　　　　　　　　　　　同じ夢を見させてほしい
: : : : i|: : i : : : : i: : |　　 {)ジ　　　　//´
: : : :i |i : i : : : : i: : |　　　　　　　 '/
: : : il ||:.:.i : : : : i: : |　　　　　　　　{:::!
: : :.|| ||:.:.i : : : : i: : |　　　　　　　　ヽ!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
｀ヾji! ﾘ! :ｉ: : : : :i: : | 　　　　　／:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, イ／　　　｀ヽ
ヽ　　リ|.: : : : i: : |　　｀ヽァ r‐'::::::::!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .／
　＼　｀ヾ: : :.i: : |　　　　／::::::i::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { /ヽ-　― - ､
　　　＞　.,_｀¨ ヾ:j､　　／::::::::i:::i::::::!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ　　　　 _　　｀ヽ､
　　　　　　　爪_}　｀¨´｀ヾ::::::i:::|::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ´ , -‐ヽ　　,.ｲ￣ヽ_　　ヽ
　　　　　 /　ｨﾊ　　　　　｀“ '’'’　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { /　　　 ',　ﾉ{ミｘ､　　Y´￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ７ __ ヽ　　 Vl{三_,ィニヽ　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //lr ´/::》　　　 ∨￣{〈｀Y´〉}ミx､　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/　/､ゞ'　　　　　_ヽ　弋｀´ノ､ヾミ}/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/￣￣ !'''　'　　　´/: ㍉､ﾉﾘ {ﾐ}ヾﾐ彡'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ｀ミ､ニﾉ､　､　　　弋:::ン}ゞ'_-{ﾐ} '´／
　　　それにはまず、やらなければならない事がある　　　　く´ ｀ヽ´　　　ヽ､　　 ''' ｀〃y / 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ({_,ﾉノゝ'´　　　　 x､_/二二〃´ l __｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　　,ｲ〃》 ´　ヽ} 　 /　_｀ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ // /　　　　ヽ　}´､｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,.ｨ'､/-' 　　　　ﾉｰ-､ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /二ミ} l　　　　　　　ヽヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /〃ヾ〃ヽ　　　　　　/ ヽ_ ソ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .だが、司馬昭自身汚名を被る結果になったのは否めない。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　そこで彼は汚名返上の場を国外に求めるようになる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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9 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/25(土) 23:30:49.93 ID:q8jYIu18o

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10 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/25(土) 23:31:58.93 ID:q8jYIu18o

※本編はここまでです。

※１時間ぐらいたったら幕間投下します。ひとまずお疲れ様でした。

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/25(土) 23:33:07.52 ID:a7CoEjBao

本編＆たておつー
やはりカナも無傷では済まんわな

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/25(土) 23:34:21.59 ID:j4Da4KeHo

乙

おじさんはこの時何を思っていたんだろうなあ・・・・

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/08/25(土) 23:35:52.07 ID:ctXBIF7Ko

本編乙
殺してから寛容を見せてもねえｗｗ

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]：2012/08/25(土) 23:36:54.61 ID:X29TiZk90

乙乙！　内部の失点を外政で取り返す、よくある話すぐる

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/25(土) 23:37:32.15 ID:iox8DN6Bo

おつかれっす！

適当に皇帝やったら廃位され
真面目に皇帝やろうと思って権力得ようとしたら殺され
どうすりゃいいのよじゃあ…

諸葛亮戦や公孫淵での司馬懿や反乱鎮圧での司馬師のように外征で名を立てるのはよくあること
…しかし司馬昭の場合、父や兄よりも被った汚名と血の量は多かったように思う
そりゃもうべっとりと染み付いて後世の我々をフクザツな気分にさせるくらいに

16 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/08/25(土) 23:39:43.44 ID:ErAVr1Ujo

とうとう来るか・・・。乙。
つくづく司馬昭の面の厚さには感服させられる。
それくらいじゃなければ乱世を生き抜くことができない。

17 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/25(土) 23:42:48.81 ID:plCA+Psko

乙でした

確かに大きな失点だけど、司馬昭としてもこんなの予想してなかったろうし
兄貴も粛清したりあれやこれやと悪名は被ったけど、それと比べるのは可哀想な気はする
決起に側近数名と召使しか参加しなかったように、
即位してから上手く封じ込め続けて派閥すら作れてない皇帝がいきなり武力蜂起だもの

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/08/25(土) 23:54:39.71 ID:swSHLhrEo

お疲れ様でした。

>>15
曹爽が殺された時点で、詰んでいたとしか…。
皇帝の与党になりそうな人材は、全部司馬家が囲うか事前に抹殺しているのだもの。

ただ、陳泰が賈充の処刑を主張したという話は、逆に本当だったからこそ
「卿（陳羣）に劣る」と言われたかも知れない、と思いました。
天寿の全うが評価される価値観では、余計な進言をして殺された（？）、子孫の栄達を台無しにした（？）
馬鹿な奴め、という意味でもおかしくないからです。
陳氏と比較された荀氏は、晋でも出世していますし…。

この辺は水掛け論になってしまいますが。

19 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) ：2012/08/25(土) 23:56:52.88 ID:48/AD1pq0

まだ二十歳で忍従の皇帝ライフだしな。
やってらんねーよ。って気分だろうな。司馬昭が死ぬまで待つのも辛いよな。結果数年で死ぬけど
その親父と叔父がやたら長生きしてる分いつまで待てばいいかわからんし

20 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/26(日) 00:04:45.76 ID:kKRkd9iMo

>>18
陳羣は表に出ないところで曹丕・曹叡親子に諌言や意見をして皇帝を支えた忠臣ですが
陳泰はそれとはまた違った形で忠義を尽くした家臣だと思うのですよ
比較して陳泰が下とは言われますが個人的にはどっちも同じくらい立派な忠臣だと思います
というか陳泰は皇帝親子二代にわたって仕えた父親を見てきたからこそ、同じく曹丕の四友を父に持つ司馬昭に何か思うところがあったんじゃないかな。と思う

21 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:20:40.75 ID:M/PHNdhno

※また寝てしまったorz

※投下だけしておきます。

22 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:21:18.80 ID:M/PHNdhno

【幕間】

　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::: :::l::ll::::::::::::::l|!::::::::::::::::::!|::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　 !:: :::::::::::::::::::::::::::::::::::|:|::l|:::::::::::::ll|::::::::::::::::::|||:::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　 |:: ::::::::::::::::: :::::::::::::::::|:|!:lｌ:::::::::::::||l: :::::::::::::::l||::::::|::::::::::::::::::.!
　　　　|:: ::::::::: ::_l||::::::::::::::::::|ll.l||::＿:::_| ll　:::::::::::::||.!:::::|l:::::!::::::::::::|
　　　　|: ::::::::: /､ll|::::::::::::::::::|＞|ｧ-､､''ﾐ￣￣￣〃ﾆ‐く∠!::::::::::::|
　　　　|:::::::::::::! /l!|: :::::::::::::::||/;|､::､ !＼'　　　　''ｨ'L'ｉ:.! ∨::: :.!::::::|
　　　　!::::::::::::::!.ｌ.|!|:::::::::::::::::|ヽ:l-‐',ﾉ　 '　　　　　.!-'丿 /:::.!:::l:::::f|　　　今回の幕間は私に関する雑感よ。
　　　　|:: :::::::: :ヽ.!||: :::::::::: ::|l|　l｀.´ 　　　　　　　　´　 .!:: :|::l||::::ll|
　　　　|:: :::::::::::: ::||:!: ::::::::: ::||| │　　　　　　 !　　　　/:::::l!:.!||:::|l|　　　それにしても私の出番が少なかったわね。
　　　　,l:: ::::::::::::::::::::::::::::::_::_l:!|| │　　　　　´ 　　　　/.::::::.!|:|.!|:::|l!
　　　　l|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!ﾄ､　|　　　 ─‐‐　　／.:::::::::i|￣￣　　　 .このための配役のはずだったのに
　　　l|::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::||　丶、　　　　　／ :::::::::::::::||
　　　!|:: :::::::::: :::/|::::::::::::::::::|.| 、　　.｀ｰ┬ '´::::::::::::::::::::::::l|
　　　l:!::::::::::::::::/ :l|::::::::::::::::::l |､丶、　　/丶、:::::::::::::::::::::::|.!
　　 l:!|::::::::::／::::: !|:::::::::::::::::.! !､ヽ　＼ l ｉ　　!ヽ:::::: :::::: ::::lｌ|
　　!:|:!:::／'"｀ﾉｰ!|: ::::::::::::::::|:.!:::ヽ丶、ヽ! 　 ! |:､!::::: :ヽ:::|.||
　 !::!'´ノ＞∠: :: :||!::::::::::::::::::.!:|:::::::＼ヽ　.! 　 | .!:(ヽ:::: ::ヽ|､!|
／::￣ｿ '´ 　＼::|:l|::::::: ::::::: :|:.!:::::::::::ヽヽl 　 |　!::::ヽ:::::::::ヽ:＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　高貴郷公の変において、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .陳泰が司馬昭に「賈充を斬れ」と言った話はよく知られている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　関連書籍ではこの発言が原因で、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .陳泰の死には司馬昭の関与があったのではと記すものもある。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　しかし、裴松之がこの一件に疑念を持っていたのは余り知られていない
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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23 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:23:14.76 ID:M/PHNdhno

　　　　　　　　　　_,.-‐‐‐--‐‐‐-、
　　　　　　 _,. -‐'"_,.-‐'⌒ヽ/⌒｀´ヽ⌒ヽ、
　　　／￣｀ヽ,r一'　　　　,ﾍ,,∧　　　＼〃}
　　 i=＝ﾆニ/,　/〃　 / |｀ ▽ |ﾄ､ l　　ヽ_l
　　 {__,　　 ] |　| | |_!_｣L|　｡　,!| Hﾄ | i ﾄ､>、
　　ヽ_｀ｰ-'i　l　l_!ﾊ |　ヽ!　　　　j∨ﾚ l/　ヽ>
　　　 l二ン{ ﾊﾄ､!_,ゝﾆ,_　　　〃⌒{/　　　　　　　　東晋時代の史書によると、
　　　 /　/　ヾﾆlヽ|　´￣｀　　　ヽ　　!|　　　__　　　　あたしは毌丘倹の乱直後の正元二年に殺されたそうよ。
　　　｀ﾌ´　　ﾊ l|　ヽ　　　　r‐┐　／ヽ　 / /
　　　 /／　/ ゝ|　　ト､＿　ヽノ／￣ﾌ ∨ /　　　　　殺されたのは事実だけど、
　　 /'　　/　「l 　ヾ￣｀i|‐-r'´　　/ __/ _{__　　　　 .七年も早く殺されるのは勘弁よ？
　／　　 /　 _｣ |> ﾄ､|　　l|｀Ti|　／r' ノ/ ___}
／　／ /　〃⌒ヾ、ヽヽ〃　L|　/ﾆ } 　} /____}　　　　ま、話としては流れがいいかもしれないけど
　 /　　| l/　　　　ヾﾆ=ﾃﾊ //　＼ヽヽﾊ Lr- j
　/　　ﾚ　　　　 | |_l_l 〉/　　　ヽヽト､____ノ
　|　　　|　　　　　　 !l 　 //　〃ヽ　 |　　　　＼
　ヽ　　 l　　　　　　 l|　//∠_　ヽ〃　 >､　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　}　　 l　　　　　 |//i´　　ヽ　　　/　ヽ,､／＼　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　ヽ､_＼　　　　r ⌒j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（ ○）}liil{（○）＼　　/ 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　（__人__）　　＼/ 　 / 　　／　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　|i|||||||i|　　　/　　/　／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　|ｪｪｪｪ| 　　 /　　'` ´ 　／
　　　　　　　　さらっとネタバレすんな！！！　　　　　　　　　　　　　　　　　r´　　(⌒'ー―- イ′　　　　　´廴
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　＞、　　　　　ヽ　　　　 _　￣￣￣)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　 -､　　　　 } 　　　　(　￣¨´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　ヽ._　　　　　　　__　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　　--‐'´　｀ﾞ' 、_.)

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　これは陳泰の一件に限らない。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　次回述べる嵆康の死に関しても、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　干宝・孫盛・習鑿歯の著作が実際とかけ離れていると指摘している。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　とにかく、司馬昭時代を記した東晋時代の史書は粗が目立つ
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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24 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:23:46.66 ID:M/PHNdhno

.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: :: :: ､:: :: :: : ､:: :: : :: :: :: :: ｀､
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :',:: :: :: :: ',:: _, ､.:: :: :: :: :'､
.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :: :: :: :: :: :: :: ::｀,.:.',:: :: :: :: ,:'´ 　,-: :: :: :: ::.｀:: ..､
:.:.:.:.:.:. :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::',､.',: :.,: '´ 　　;'::'; ',:: :: :: :: :: :: :: ｀: : .､
:.:.:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::',　'´ 　　　 ';::;'　';:: :: :: : :: ',｀　､:: :: :｀: .､
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ,. '´_ _ _　　　　　　 ';:: :: :. :.､:. ',　｀　､:: :: :: . ､　　　　　　　　　　　　　　　,. . . ::´
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :. :. :.:';'´:::::｀;　　　　　　 ,　 ;:. :. :. :. ;',:. ',　　　　｀ '　､: :｀: .　､　　　　　　　 ,. : . :´:,: .　´
:: :: :: :: ::','.,:: :: :: :. :. :. :. :';',_;:,: '　　　　　　　 .':. :. :. :.,.' ｀´　　　　　　　｀　　､: . ｀: . :､ . : . :´: .,: ' ´
:: :: :: ::.;'´':;'.,:: :: :. :. :. :. :. '.,　　　　　　　 ;'　.'´｀､:. ｀､　　　　　　　　　　　　,. . : :´: . :, ': :｀: :'､´
:: :: :: ::.',　 ':;,:. :. :. :. :. :. :. :.'.,　　　　　　, ': .､　､:. :' ､　　　　,. . . :' : :´: : :,:　 '　´　｀　' .､: . ｀: .､
:. :. :. :. :｀ ‐-':;,:. :. :. :. :. :. :.､´　　　　　　,　':｀:.､: :｀: ｀: :､: ` ' : .´: : ,: : 　'　´　　　　　　　　　｀　､: .｀､
:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.,､:. :.､　 ‐, ': : ´､: :' ､: .｀ ': . : . , ､: . : :'´
,:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : : : : :.',｀ .､:｀ .､.',: . : .: . : .: ､｀'　､: .':´:､_' ､: .｀､
,':. :. :. :. :. :. :. : : : : : : : : . :.,_　｀　､:｀ :､. ',: .' ,: . :' ,　｀ '　､: .｀: . :. ｀､
. .,';: : : : : : : : : : : : : : . : . : .:,｀::::....､｀',､:｀､: . '.,'､: .' ､　　　｀　'　､: . ｀: .､
. ;:::',: : : : : : : : : : : . : . : . : . :'.,::::::::::::｀::; ､､_｀__:.'､_､: . `: ､　　　　　｀､: . : . ､｀ ': .､
. ;:::::; : : : : : : : : . : . : . : . : . : ､｀.､::::,'｀'　 '　,':::::::::::::｀:::...､: ｀:､　　　　　｀､: . ｀:.､' ､: .｀: . .､
. .',:::; : : : : : : . : . : . : . : .,';: . : ;｀､｀､　 _　'､:::::::::::::, -, ,-`､ : ｀､　　　　　｀　､: ｀: ､｀　､: .｀: .､
,'; .;:;. : : : : : . : . : . : . : . :'; : ;. .;:','､｀:.､｀'､｀::´:::::::::::::`‐'､ ,‐'｀;: : : :｀､　　　　　｀､: . ｀: .､｀　､: .｀: .､
:::; ;.; .;'; : : . : . : . : . : . ,';. : .,'; .;', ',::´::｀:.､｀.､::::::::::::::::::::::::::::::::::,｀　､. : ｀ .､　　　　　｀　､: . ｀: ､　｀　､: ｀
:::; ;' ,'::;. : . : . : . : . : .,.' :;. :,.':;. ;:::', .;::::::::::｀:.､｀.､::::::::::::::::::::::::::::::,　　｀､: . :｀: .､　　　　　､: . :｀､

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　陳寿は陳泰の死を「景元元年逝去した」としか記していない。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　これでは高貴郷公の死後に世を去ったぐらいしか分からない。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .ただ、何かあったのなら
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .「憂悶のうちに逝去した」荀彧のように、何かしら書き方を変えただろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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25 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:25:08.46 ID:M/PHNdhno

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　 ';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ　とはいえ、一言断わっておくと、
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　.陳泰と司馬昭のやりとりには下地がないわけでもない。
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ　　　　　　　　 .陳泰が剛毅で硬骨、
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　　　　　　　　かつ誠実な人物なのは間違いないからだ
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　　　　　／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／:::::::::: {:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

26 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:25:47.88 ID:M/PHNdhno

【紀元２４０年代　魏首都　洛陽】

　　　／　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　,.イ　　　　　　 ',　＼　　　ヽ　　､i, - ､
　　　l 　　　　i ｌ ', ヽ　＼　　 ', 　　l::::::::）
　　 l i　　　　　l', lヽ、ヽ,.ゝー　 .',｀ヽ ,'ｰ '､　　　　　　　　　　.なぁ丁謐よ。
　　　l l　　　 i　ｌ ', l　イ::::ヽｲヽ　i ノ/ヽ::ノ
　　　l l　　　 l ,ｨ-ヽ',　ヽ::::/ 　',　lノ　＼＼　　　　　　　　　うちの奴婢が何人か病で死んだんだが、
　　　 ',.',　　　l ',ヾ」　　　'" ´　/l　!　　　＼＼　　　　　　　どこかにいい奴婢はいないだろうか？
　　　　ヽ､　　 '," ､.　　　　／ l　!　　　　　＼＼
　　　　　　　｀　‐｀　‐-ｧｰｒ'´　　リ-, ー､　　　＼＼
　　　　　　　/ 　/　 //　　l 　　／／　　　', 　　＼＼
　　　　　　 /　/　　l/ ,　-７__/ ／／　　　i　　　　＼　　　　　　　　　-―‐- ､
　　　　　　/ /　　　 / └ i ｒ‐'´　l/　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＿＿_　 -――― ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__、　　　/ _　 ---　､＿_　＼　　　　　｜
　　　　　　　　　魏　大将軍　曹爽　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　/　{,　ｨー＜ヽ-＝､＼　!　／丶J
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)'ﾞ!　 |　ゝ-ﾟノ⌒l・-､）T´ |／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼l　|　 lー/⌒!　 ⌒lｰイ　/}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ー」　ー１　　lｰ'　/ /ノ／
　　　　　最近は并州から奴婢を買う人が多いそうよ。　　　　　　　　　　　十=二_ｌ　　|_二=-‐ '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 | |ハ _ﾉl //
　　　　　でも今の刺史相手に仲介してもらうのは、　　　　　　　　　　r-､＿ /ハ　l l＿j__」'/
　　　　　やめた方がよさそうね　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　ｌ　 | |　ﾊ V⌒∨/_　-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　l ∨　ﾍ＼//　 /　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐|　　 l　＼_/ー'l　 /　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ　　　＼　　　/　/　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/|　　　　　￣´　 /　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　尚書　丁謐

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .正始年間の話である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　当時都の人々は并州から奴婢を買う者が多かったらしく、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .并州刺史に仲介してもらい奴婢を買ってもらおうとする者が多数いた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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27 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:26:49.59 ID:M/PHNdhno

【紀元２４０年代　魏　并州　晋陽】

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　 || 　!|　│　　　　　　　　　　　　　 ,.-─‐-.､
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Ξ||Ξ!|　│　　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::ｌ
─.─.┤　|　　　　　　　　　　　　 !:::::::::::::::::::::::::lｉ:|ﾆﾆﾆﾆﾆ.､
　　　 |　 .!　　　　　　　　　　 !:::::::::::::::::::::::::l|::|￣￣.!| |.!　　　　　　　　　　…………
　　　 |　 .!　　　　　　　､r,　/|::::::::::::::::::::::::lｌ.,7:!　　.!| |.!
　　　 ||｀ｰ|.￣丁￣|＼　 ´ﾐ《 |:| !:::::::::::::::::::::::l|.l|:.:.!＿｣.! !.!
　＿_||二二二]|__　||　|　　 .!| !::!|:::::::::::::::::::::├.|:.:.::l─´. !.!
　 ||￣￣￣￣￣.!l ｀ヽ !、　 |l/:.:.:|:l|::::::::|!:::::::ll|::l|:.:.:.:|＝ｺ|.|
　 ||　　l三三l　　||　　,_｣_＿__!l_:.:.:|:|.!:::::::|l!::::::|l:.:||:.:.:.::l'丑丑|ﾆl___,'ﾆヽ_＿_
　 ||.==========!l　 '‐┬┬‐─ヽ|ll_|__:_!|:∟:!:.::l‐!:.:.:.::l.─────┬┌′
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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .この当時并州刺史だったのは陳泰だった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼は奴婢購入を頼む手紙を壁に引っ掛け、その封も開かなかった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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28 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:27:45.81 ID:M/PHNdhno

【紀元２４０年代　魏首都　洛陽】

　　　　　 / ::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 |::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::|
.　　　　　　 |::::::|::::::::|::::::::l!::::::::::::::::ll、::､:::::::!::::::!
　　　　　　│::::|:::::::l!|:::::::ll|:::::::::::::::|||:::::||::::::!::::::!
　　　　　　 |:::::::!::::|||∟:_｣|l＿＿__||.∟:l|: :::|::::::|
　　　　　　 !:::::!| :::|l/'l';jlヾ　　　',.ｲｒ;ﾘ`!:::: l.!::::|　　　　　　　.田某殿。
　　　　　　.!::::::l|: :::!|ヽ-'　　　　　ヾ-'´|::::::l|:::::|
　　　　　 |:::::::::!::: ||　　　　　　　　　　 |:_:_|:::::::|　　　　　　　これ、返すわね？
　　　　　 .!|::::::::|:::::l､　　　　_'_:_　　　　/:::::　:::::|
　　　　　,ll.!::::|::|::::::|:::｀t､　｀　´　 , . ' :|:::|:::::::: :!
　　　　 /l:!:::::|::|::::: |::::::|　｀''ｰ-　´|::::::::|::::l: ::::|::l|
　　　　/,|:|:: :l|:l|::::::|:::,r1　　　　　 |ヽ ::|::::||:::: |:|l|
.　　　/./|.l : ||.!|::::::ｌ´　.!　　　　　 |　 │::||:::::.|:.lll
　　 / / l.|,.-||:||::::::|　　 l _＿ _ _ /　　|:::::l'ト､||::|.|
　　　/, !' ＼l |:|:::::.!　　 .|-ニﾆ､/　　 |:::::!.!　,＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒Ｙ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/（○) (○ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::⌒｀´⌒:::u＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　,-）　　　　（-、|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | l　　ヽ＿＿ノ　l. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼/⌒)⌒)⌒) ／　 /⌒)⌒)⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ￣ .|　/　/　/　　　(⌒) ./　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿　　　／　　 /　　／

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　そして洛陽に帰った後、それらを全部相手に返してしまった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　陳泰とはこういう男である
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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29 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:28:50.47 ID:M/PHNdhno

　　　　　 __/ﾐゞZソ　　　　　／　　　＼
　　　　∠二＞メ∨辷彡　 /　　′/　　ヽ
　　　　　才/／|:ﾟ|　　.:　 /　　/ 〃 {　　　':.
.　　　ｲ／´ 　∨　 .:　 ′　/ 从 .:ﾊ. 　 l ﾊ
　　／／　..:　　　　.:　　{ 　 .{: !≧ﾐx: }　 ′:}
_ ／／　 .:::　　　.:/　八　.::!N {ｧ:} j/　/　.:′　　　　　　　　実に玄伯らしい。
<　￣　`　､.:　　.:/　.:/:|　ヽト　ゞ' 　∨j／
　￣￣　＼＼ .:/　.:/:/|　:|.　　　　　ゝ　　　　　　　　　　　そうでなくては
　　　　　　＼＼ .:/:/八　!:.　　､ _, ´
　　　　　　　　＼＼ﾑ}_:_ヽ|:::..　　　ｲ
　　　　　　 .:/＼＼/: ｀vー - 'ヽ＼
.　　　　　　　 : :/:＼＼ :厂}-: ―～＝=ｧ
　　　　　　　: :/: : : |＼＼: : : : ／´￣: {＼　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　 :/: : : : |:: :ヽ　): :／: : : : : : |＼＼　　　　　　　　　　　　 ./ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:::::::::::::::ヽ
　　　魏　中護軍　司馬師（字：子元）　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|!|'lｉ:::::::::::::.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .!::::::::::::::::::::::,ｒ､､:: ::::::::|｀ └┐::::::j!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|::::::::::::::::::::::.!tｉ|::::::::::::l `ｰ　 !::::|｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .!:::::::::::::::::::::::ヽ!:::::::::::||!　　　 >:ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│::::::::::::::::::::::::|:::::::|￣　　　_/_;ｌ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::::::|::::::::|　.　　 /::|
　　　　　　　　当然の事をしたまでよ　　　　　　　　　　　　　　　　.!::::::::::::::::::::::::/l::::::::| / ￣´::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::./_|:::::::::|':::::::/::::::.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./ :::::::::::::::::／.　!::::::::::l:::::/::::::jl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ::::::::::::::::ｉ二ヾ |:::::::::::!二j:::〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .〃:: ::::::::::/::::::::｀ヘ_|:::::::::.!ヽ |' '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//:::::::: :::::!: ::::::::::::::::::::l:::::::::ト-､!、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./'l::::::::::::::::|::::::::::::::::::::ヽ,:l:::::::::|｀`''∧

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　剛毅で硬骨で誠実な陳泰は司馬兄弟と仲が良かった。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　恐らく父の代からの交友なのだろうが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　両家は荀家を介して婚姻関係でつながっている。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .いち早く潁川郡の有力な名士と結びついた
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.司馬懿という男は本当に抜け目がなかったと言える
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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30 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:29:54.29 ID:M/PHNdhno

【紀元２５２年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　 __ 　, -―=＝=--=＝=‐-　、　 __
　　　　　　　　　　　く必}廴__　　　　 _,　　　＿ .. ≧ｆ必}ｱ三ﾆ=
　　　　　　 -=ニ三竺勹　　　￣￣　　　「　　　｀ヽヽメ≧≒=-
　　　　　　　　　,ｲ必ナ　/　　 ,,　　/　;　　 |　　　　､　Ｙ＾ヾ＼
　　　　　　　　厶斗/　 /　　　〃　 l|　 !　　 |　　、　 ',　ｌ　　ヾヽ.
　　　　　　〃/　 /　　　 ||　　l|　i|　 |　! |!　　: 　｜￤　　ヽヽ
　　　　　　　　〃/　 / !　! ヽ、l|　　ｌ| }ｉ|　 |　|∥　! ｉ :　ｊ　 !　　　〉　}
　　　　　　〃/　 ,′|　| ￤｀ヽ、ｊｊﾊ||　 !　}i|| |￤ｉｉ : 　ハ　　　/
　　　　　　　 {Ｌ{..__,′ {　{　{_ｊ_ｊ_Ｌ≧ｘl|{　ｊ}、ｊｉ|| |｜| | }l　,′　.　/ /
.　　　　　　　 `￢7メ、､　＼云＝弌从メ≪卅ﾅﾅﾉﾉ从ﾊ　　 ∨/
　　　　　　　　　 ,′}ﾊ i　ｉ l}{戈::::!:::}　　ヽ≧≪ｊ乂i|　|ハ　/ /　　　　　これは許可を出した私の過失。
　　　　　　　　 ,′ﾉﾉ }i　 i 从　￣　　、　 `~ﾌﾉ|　ｉ| ￤　y /ハ
　　　　　　　　 ,'／／ｉ　l/ｊｌ|ヽ、　　､＿, 　　ナ|　ｉ|　ｉ　/ /　ハ　　　 .玄伯の責任ではない
　　　　　　／／ i|　ｉ　ｉ￤l|　ｊ}＞｡､　　　ィァ｜ｉ| ￤ { ｛　/ ハ
　　　　／／　 __｣..⊥.i.=fjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfj=.i: ｉ _ ≧ニﾆミ､
　　　　　/〃,' 　ﾊ　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾉ´　　　 / ）ﾒ
　　　　　`≒=､　{　ヽ､ _ |　　　　司馬銀行は　　　　 .|　 -‐　ｆ´}//∧
　　　　　 ,'＼＼　　） |　　良心的でございます　　|　＿／ _//　ハ
　　　　 ,′　ヽヽ　r‐┴､　　　　　　　　　　　　　／´ヽ　 _ //　/　ﾊ
　　　　 ,′ 　ﾉﾉﾉ (｀ｰ､ヽ　　　　　　　　　　　／／ヽ }　｛｛＿　　ハ
. 　　　 ′　／／　r'ｰ-､ゝ',　　　　　　　　　(_.／／　 |彡≒､｀ヽ/ ∧
.　　　　,′／／　　〉- ..__｀ﾞ)　　　　　　　　　　ゝ-´__ -'　}=ﾍ.　〉　} / ∧

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　実際、司馬兄弟が陳泰に寄せる信頼は他には見られない。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　陳泰が蛮族討伐のために并州に軍を編成させて兵が反乱を起こした際、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬師は一も二もなく陳泰をかばっている（第二十九回後編参照）。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .互いに魏の元勲の息子であるが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.司馬師は陳泰を夏侯玄のように敵視していなかったようだ
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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31 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:32:49.34 ID:M/PHNdhno

【紀元２５５年８月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　／　　　／/＼､ :.　:〉{　ｒ;､ﾍ
　　　　　　　　 /　 ./ ./.:／　　丶､::ゝイゝ}７
　　　　　　　　　i{. .:/ ./／'´￣｀　　｀ﾆﾐﾍ/ｿ
　　　　　　　　　i:､::{ _{´　　　　､　　　 ,　 Vｿ
　　　　　　　　　ゝ:`{ﾒ,　　=＝ﾐ　　､_　/'　　　　　　　.玄伯は沈着勇武、決断力があるわ。
　　　　　　　　　｀`i{､＿　""　 ,、　, ｀`ﾞ{= ､
　　　　　　　人､__メ　　　{　ｿ　ノ　〉　　　　　 .方伯の重任を担い、今にも陥落しそうな城を救援しながら、
　　　　　　　　 ,. ┴‐ ＜￣ }､...`" .ィ'´｀ヽ /　　　　　　兵力増強を要請せず、簡便な方法で事件の報告をしたのは、　
　　　　　　　ｒ'´　　　　　V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､　　　　　　必ず賊を処理できると確信しているから。
　　　　　　　i: ､: . .　　　ゝ　ィｌ」ヽヽｒ－」　＼
　　　　　　　ヽ: :､: :__ . . :くく.ィ　　oﾞ"ゝ_ゝ　. ｒ: }　　　　都督や大将は玄伯のようでなくてはね
　　　　　　／　　／T: .　: ＼､　　￣ }i:､ :i ﾚﾉ　　　　 .
　　　　／ー- ｖ　　|: : : : . . ｀丶､､ﾟ_／ﾄ､　ヽ
.　　　〈　　　＼　 ,ﾚ. : : : :　　く.／i､＼L_ヽ__ ＼
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;:::;'i:::ｌ::::ｉ::ｌ　　|::ｉ::::ｌ:ｌ:::ｉ:ｉｌ::::::i::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //::;':ｉ:::l:::::ﾘl　　 |::i:::ll:ｌｌ:ｌｌ:l:ｌ::::::ｌ:::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:l::::ｉ::::::ｌ::::l　ｌ__ 　|::::+l'‐lｆｔ'ﾘ､l::::|:::::::ｉ:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!;'ｌ::::ｉ::::::|:::l',´-‐､ ,ﾘｌ;/ﾊ｡´｀lゝ:::ﾄ､::::::i::::|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌl |:::::ｌ:::::|'l:::ｌﾊﾟ:_」　 '　 └- ' l::::ｌ l::::::::i::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l!　!::::ｌ:ｉ::::ｌl:::ヽ　　 ' 　　　　l::::l´ﾊ:::::::l::::|　
　　　　　　　　　義兄として鼻が高いですね　　　　　　　　　　　　　　 .':;:,-lｌ-､ヽ::ヽ､　¨´ 　／ｌ::::l::l::::ｉ:::::::ｉ::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,´ヽヾ＾"､:Vヽ､｀ｒ.､イ.-|l:::::l::i::::::ｉ::::::l:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　 Llvl::ｌ＾ｌ:::ヾ:i:::::「」l´ ＿l:::::ｌ::|_::_::|::::::|::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　', 　 l::l/+ｒ'／´＾`l.† l´　l:::::|ｌ::l ,ｒ;:rｌ::::::ﾄ､::',　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_」　ヽ　|::| l l ｌヽ／ゝｒ'　ｌ:::::| ｀ ´//ｌ::::::l:.:.:.ヽ',　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　侍中　荀顗

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　司馬昭も陳泰の能力を高く評価している（第三十二回後編参照）。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　戦をやらせれば姜維を退けるほどの戦上手であり、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　政務をやらせれば父には劣るものの満足ゆく程度にはこなせる。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .司馬昭体制下では録尚書事・尚書令に次ぐ尚書左僕射となったが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.前二つは司馬昭と司馬孚が兼任しており、その評価の高さが分かる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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32 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:33:46.15 ID:M/PHNdhno

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　 ';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ　
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　.それでは何故、あのやりとりが生まれたのだろう？
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、　　　　　　　　　
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ　　　　　　　　 .勿論これは仮説・妄想の類なので、
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　　　　　　　　絶対にこうだと言うものではないと断わっておく
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　　　　　／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／:::::::::: {:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

33 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:34:36.49 ID:M/PHNdhno

【よくありそうな賈充さんのイメージ】

　　　　　　　　　　「;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:｝
　　　　　　　　　　ﾄ､;:;:;:丶､:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:;: --―;:''"´;:_」
　　　　　　　　　　{::ﾄ､:;:;:;:;:;:｀ '' ー―――;:;: '' "´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_ ,.ィ彡!
　　　　　　　　　　l::l　丶､:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -r=＝ﾆ二三三 }
　　　　　　　　　　',:i r- ､、` ' ―――― '' "´ ,ｨ彡三三三三三/、
　　　　　　　　　 || ヾ三)　　　　 ,ィ三ﾐｦ　　｀丶三三三三三ん',
　　　　　　　　　 lj　　　　　　　　ﾞ' ― '′　　　ヾ三三三ﾐ/　）}
　　　　　　　　　　 | , --:.:、:..　　 .:.:.:.:..:.:...　　　　　　三三三ﾂ） /
　　　　　　　　　　 | fr‐t-､ヽ.　 .:.:. '",二ニ､、　　　　三三ｼ,rく /
　　　　　　　　　　 l 丶‐三' ﾉ　　 :ヾイ､弋::ノ`:.:.　　三ｼ r'‐' /
　　　　　　　　　　 ',　ﾞ'ｰ-‐' ｲ: 　 : 丶三-‐'":.:.:..　　三! ,'　 /
　　　　　　　　　　 ',　　　　/.:　　　　　　　　　　　　　ﾐﾂ/ー'′
　　　　　　　　　　　 ', 　 ,ｨ/ :　　　.:'^ヽ、..　　　　　　 jｿ,ト､
　　　　　　　　　　　 ',.:/.:.,{、:　　 .:　,ノ丶:::..　 -､　　 ,ﾊ　 l、
　　　　　　　　　　　　ヽ　.i:, ヽ､__, イ　　　_｀ﾞヾ　ﾉ　 / ,l　 l:ヽ
　　　　　　　　　　　　 ,.ゝ､ト=､ェｪｪェ=テアヽ }　　　,/　 l　 l:.:(丶、
　　　　　　　　　　　_r/ /:.｀i ヽヾェェシ／　　ﾞ'　　／　 ,'　,':.:.:｀ヾヽ
　　　　 _,,. -‐ '' " ´l. { ｛:.:.:.:',　`.':==:'." 　　　／　　 /　/:.:.:.:.:.:.}　ト―--　,,＿
一 '' "´　　　　　　 ',ヽ丶:.:.:ヽ、　⌒　　　　,r'"　　　 /　/:.:.:.:.:.:.:ﾉ,ノ |　　　　　｀`丶、
　　　　　　　　　　　ヽ丶丶､:.:.ゝ､＿＿_,. ｲ　　　　 /　/:.:..:.:.:.,ｨｼ′ |
　　　　　　　　　　　　｀丶､｀`"二ﾕ、_,.,＿＿＿＿/__,/;: -‐ '"　　／

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　賈充という人は悪役として知られる。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　また彼の娘は悪名高き賈南風であり、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　晋王朝を引っくり返してしまった八王の乱のきっかけを作った一人である。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .揃いも揃ってろくでもない親子という印象をお持ちの方も多いだろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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34 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:35:19.68 ID:M/PHNdhno

:.:.:.:.:.:.:.ﾞ/'´,　　.:.､メ､.く':.:.:.:.:.:.／:,: ゞ｀´　ゝ/:/:.:./
:.ヾ､ヽ:.i:´,' ,.､==.､＜､´,.:.:.:.:/:,ゝ' ﾒヾ,ｨ' ,ﾉ,: /.:.:｀ヽ.
:.:.:.:.:.ヽi:ノ'.:　　　.::ヽー―‐'‐､ゞ_,､廴フゝ:./.:.:.:.:.:.:.i
冫:.:.:.:./.::　　　　::::;::::::::::::::::::.ヽ:::::｀ヽメ´/:.:.:.:.:.:.:/
:.:.:.:.:.:/.::: ／　　　 /　i　､:::::::::::::ヽ::...∨,'.:.:.:.:.:.:.（
:.:.:.:./.::／　　.::.:　/i　 il　　､　 i:.　､　　ヽ.:.:.:.:.:.:./
:.:.:/.: '　　　.::::.　/ .i　 i!　　:　 i::.　　､　ﾍ:.,.／
:.,'.:　　　 ,.ｲ　‐メ､､i:　i!　　゛:. ﾄ､.　｀ヽ:.　､ヽ.｀ヽ
'.::　__,ｨイノ,ｨﾒミﾐ､＼,､　　 i　 | ∨:.　 ∨:.ヾ.∨:.ﾞヽ.
メ-'i　ﾘ'-ｨi行:i:::｡!ヾゞ:. 　.:ﾊ:-ｷ/廴　:::i:.　ﾄ､_ﾞ､::... ヽ､　　　　　　　　絶対に許しません賈充親子！
　|ﾐi::::.. 八! i!: ｰ' :j｀ﾞ乂､.! ｨ≠ミ､ﾞ､､ :i:.　:!､:::::::::::::...､
　ﾍi::::::...　､ﾞ､≠='′　｀ヽ!/:i::ﾟj:iゞﾊヽ. i､.　!　ヽ､::::::::::　　　　　　　　私の手で筆誅してやります！！！
　ﾊ:::::　､:.ヾ''u'' '' 　　　'　ゞ､¨.ﾉ/､ヾ､!ﾒヽ!　　　｀ヽ:::
　,'::::::　　i｀¨¨｀　,　-ｚ､　　｀｀/i､:.ヽｰゝ　　　　｀
　!:::: i!　　ﾞﾄ､　〈　　　｀〉　　ノ::i!:::i¨¨´
　ゝ､ i､　､ﾞiﾉ､ヽ　ー　'　 . ＜/:::ﾘ :i　　　　　　＿＿__
　　メ‐-､ヾ､ﾐ.､｀ｧ_' ´　　./::; '　,'　　　　　r┤i三三ミ
　 ,'　　　ヽ:.i､ヾミ､ﾞiliﾄ､＿i:: i　.:ﾉ　　　　と| |三三三
.　i　　　ヽﾄゞ､ヾミ彡ｲヾil!!: l ,'｀ヽ､／ヽ.＿.　! !三三三
-――ー--V| . ヽi 　＼_　-､.v ､／／彡´／´| |三三三
＿.-=:￣ア ¨アﾟ¨¨¨ _´　　ﾉ_!ヽ辷彡' ／.:.:.:.:.| i三三三
:/三三／　／　　　　　¨　＜　ヽ　｀ヽ'.:.:.:.:.:.:.:|／＼三三
三三/ 　 /　　　　　zz_..._　　 ¨¨ ヽ彡三三=､'.:.:.:.:.:.:ヽ三

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　八王の乱、続く永嘉の乱でひどいめに遭った東晋の士大夫たちは、
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　当然亡国の原因を賈充親子を求めた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　八王の乱は司馬家の責任でもあるが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　まさか自分たちの主の批判はできず、矛先は自然と賈充親子に向かう。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .こうした状況下で作られた『晋紀』『魏氏春秋』などが
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.今回紹介したような内容になるのも無理はない
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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35 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:36:12.57 ID:M/PHNdhno

　　　 / /:::: |/　　 /ﾑﾅ-'ﾞ´　/ /::/　／::::..　　:::|:::
　　// /:::　ﾑ- ﾆ/7ﾞ/:::::...　/／ /／::::..　＿ __:::|:::
　 ///_,ｨﾆ/ｰ '／ﾒ./二´二´￣/::::￣　｀:ヾ、/.:/::/
　 /─'　 / .／彡/'´::::/,::-､ヽ　　　　　::::::／.:/ /
　　　　 /／ﾞ´　　　　弋､;;ノﾉ　　　　　ﾞ　 .:/ /
　　　　　,. -ｰﾐ､｀::ｰ--　､ｰ'ﾞ＿＿／ﾐ＝'..:/ /
　　　ｰ-､　　　　::::::::::::::::::::::ｰ＝彡'ﾞ　　 .::/ //.:.
　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::　　　　　:／ //:::　::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／ /:::: ::::　　　　　　　　　よくもうちの子を惑わしてくれたわねぇ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ :::/: :::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:／:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:／::::::　　-ｰ'　´
　　　　　　　　　　　　　　 ....:::::::::／:::　-ｫ'´　:::::::::
　　　　　　　　 _,　　　　　　 '─ 'ﾞ...:´／:|::: :::::::::::::
　ｰ─ｰ _, ｧ'　 /　　　　　　　....:::::／:::::::|::: ::::::::::::
　─　'ﾞ　　　　　　　　　　...:::::::／ﾊ::::::::/:: :::::::::::::
　ｰ　　　　　　　　　　...:::; ｨ':::::::::::ﾊ::::/:: ::::::::::::::
　　　　　　　　　　　..: ｨ:::::::|:::::::::::::::∨:: :::::::::::::::
　　　　　　　　..::-ｰ' |:::::::::::|::::::::::::::/:: :::::::::::::::::
　　　　,　ｨ' ´::::::::＿/ｰ-i:::::!:::::::::::/:: ::::::::::::::::::
　ｰ'　￣:::::::￣￣:::::::|. 　|::::|:::::::::/:: :::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|.　 |::::|:::::/:: :::::::::::::::::::

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .例えば干宝が書いた『捜神記』には、賈充が行方不明となり、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　司馬懿と思われる亡霊に賈家の滅亡を予言される話がある。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .干宝が賈充に抱いていた印象がよく分かる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

36 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:37:17.66 ID:M/PHNdhno

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 NV　ﾏｰｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／/,′　ヾ＼
　　　　　rz．_　　　　　　　　 ,:'　/ {　　　　}: ヾ:､_.，
　　　　　|三 ¨ ﾆ=‐- ．_ ､_〃,y,′{　　_ .zﾊ　 VIﾉ,
　　　　　Ⅵ三二ﾆ=‐三≧｝｀Yｲ　 ',／=ﾆ三!　 Ⅴ"廴,
　　　　　ヽ¨三二ﾆ=-≧,　　Σ ,＞‐━‐＜｀ｰ-廴 ,' ﾌ
　　　　　　＼三二ﾆ=ノィﾞ　／: : : : : : : : : : : : :ヾ,ゞ｀
　　　　　　　　＞三二彡, ／. : . . . ., . . ; . .i . . . . .'，
　　　　　　　　　ヽ三二¨ノ. : :/: : :, ｲ: : ｲ: :l:ﾄ､: : : :､:.､
　　　　　　　 ,.:´:／≧ｰz_: : ; : ∠/:∠ ﾉ.:/ﾘ_ﾑ: : : :ｉ: :ヽ_　(ヽ　　　　　　　そうだ！
　　　　　　 .: :／=ﾆ三∠ィ ;':孑夭ｷﾐ､/:/ ≦,,ｫ.:ｉ: ｉ:|￣´　　ヽ＼
　　　　　,.:' ／ﾆ二三二У: ﾚ:.`廴ノ　ｲ'　 ⌒ｿノ人! (ーy‐,:‐‘，ヽ　　　　 .高貴郷公の変の年に死んだ陳泰に
　　　　,:': : :＼二三ﾆ∠: イ: :i､:ﾞ=-　　＿__` ﾌ: ﾚ:ゞ:､　｀｛ / /｀i 　ヽ_　　　「賈充を斬れ」と言わせるのはどうでしょう？
　　　,:': : : : : :,ゞﾐ三＞‐ゞ{: i :! ﾑﾄ .　乂/ ,ｲ: :＜!: : :＼ﾚ{<〉´ゝ __,　 Y
　　,:': : : : : : /　　　　　　 : i|: ＼/`｀≧=イ　ﾍﾄ､: :＼:rr‐ﾄ､ヽ-‐二ヽ　　ヽ　きっと陳泰ならそう言ってますよ！
　 ,': : : : : : :,′ 　　　　〉ﾄ､:ヾ:＼-=._/oY´￣ヽ: : :）!lll|　|￣´.:.:.:.:‘，　
　,: : : : : : :/　　　　　　　 ,ﾟヾ､＼ﾄ､:ヽ`ゝノ　ヽ.__ ﾚソ{l|l||　|:.:.:.:.:.:.:.:.: ‘，　　 }ミ､:.ヽ
　: : : :ｉ: : :,　　　　　　　　{　　　　ﾘ i＼Y　　､_ _　｀ー━‐/i∨､:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ､__ノ三ﾊヽ:.ヽ
.{: : : : !: : :　　　　　　　___ﾑ＿＿_　| ､ﾘ　　　_＿二ﾆヽ/`／　∧:.:.:.:.:.:.}三､Y三=} }:.:.:｝
.|: : : : !: : i　　　　　　ヽ.-------三≧　 _.┘三三三三/　／,イ:.:.:.:.:.:.{三 } !三ｿﾉ.:.:/
.､: : : :l: : :|　　　　　　／￣￣二二＿_|／／´　　_＿＿/　/〃ﾉ.:.:.:i.::.:.ヾ三､ゝﾐ{ {:./
. ヽ: : ﾄ､: :､　　　　　＼／￣.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾚ′,.:.´:.:.:.:.:.:.:.:./　〃ィ个､:.:l:.:.:.:.:.:＜≧､ヽﾞ}
　　ヽ:!　ヾ:ヽ　　　　　〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾄミ:､:.:.:.:.:.:.:.:.:. /／}´　ﾚ: :|　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ー'
　　　ヾ､　｀￣　　　　　＞:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ V三三三三三彡i)　　j丿　ゝ=､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〉

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　例のやりとりの元ネタは同じく干宝執筆の『晋紀』である。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　荀彧の孫でもある硬骨で誠実な陳泰が、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　極悪非道の賈充を斬れと進言する一見人々が喝采を送りそうな話だ。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .裴松之が「干宝がどこでこの話を知ったのか分からない」と言うのも、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.こうした部分に原因があるのだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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37 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:38:35.02 ID:M/PHNdhno

　　　　　　　¨''＜:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:ヽ_
　　　　　　 _,.．≦":.:.:.:.:./::./:/ﾚ{:.:/^⌒^¨''ｰ､:.:.::.:.:ヽ
　　　　　　／::.:/:/.:.:!:!:./:/_,ノ!:| ､　　u　　　ヾ:.:.::.ﾍ
　　　　　　　':.:.//:/: :/|:|/≦　　|:!　`ｰ- ．..,,__　}:.:.::.:.:ﾍ
　　　　　 i:./ |:/|.:.:{ |i-‐ tｧ　 |!　　-‐─tｧ　　{:.:.::.:.:/
　　　　　　　|′|' .{.:.:|　￣　 /　　　　￣　　　 .}:.:.::./
.　　　　　　　　　 Ⅵ　　　　 }: :`　　　　　　　　Ⅴf ヽ
　　　　　　　　　　/ﾍ|　　　　　　　　　　　　　し　〈　ji }
　　　　　　　　　　{{:iﾊ　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　ノ　　　　　そう言うなり、陳泰は血を吐いて亡くなったそうだ
　　　　　　　　ヽﾊ　　　ヒ二つ　　　　　＿／
　　　　　　　　　　　ヽﾊ　　　　ｰ　　　　　　/!:/
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　／ {/
　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　　　ィ　　 |
　　　　　　　　　　　　　 |　｀ｰ─≦　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 _| 　　　　　　　　　 |＿
　　　　　　　　　　　 /{　　　　　　　_,.．-'''"　 {
　　　　　　　　　 /　＼　　　./￣l　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 /　　ｧ､}＿_/＿__j　　　　　　／`ｰ-､＿
　　＿＿ _ ,,.. ．-‐ '''/　／ﾍ/////三三＼　　　／　　　　　　￣ ''‐- ．_
. / 　　　　　　　　　/／　　 }////　　　　　＼ /　　　　　　　　　　　　　/ ＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .少し後の史家である孫盛は、この話をより劇的に改変した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　こうした逸話の潤色が多々行われていたのがこの時代であり、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .これがさらに進行すると、ありもしない逸話が捏造され始める
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

38 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:39:07.67 ID:M/PHNdhno

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　"￣￣`　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 l　 '´￣`　　　（　●）;;:::　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　l ;::（　●）　　　　"''"´　　　　　　　l　　　文辞は優れているが事実に反しているのは、
　　　　　　　　　　　　　　　|　　´"',　　　　　　　　　　　　　　 |　　 .勿論君子の採るべき所ではない。
　　　　　　　　　　　　　　　l　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　､__,＿_,　　　　　　　　　丿　　　まして文辞は優れず、でたらめならばなおさらだ
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　／
　　　r- ､　　　　　　　 ,-‐　‐- ､＿,,i-'"i`i､　 ‐ 　／_,,|　ﾍ､　　　　＿ . -‐ ､
　　　ヽ､　＼_＿　　/:::::::::::::::::::::::::／::;;;;| ﾍ､ー',, ／　i;;;;;ヽ｀'￣:::::::::::::::::::::　ﾍ　　　　　__
{ヽ､!ﾞ`､.ゝr､　　l｀Y＼:::::::::::::::::::::／:::::::::;i　 rゝ"､　　　 !;;::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::i　 ,.､r-ｨ'ヽ　}ｨヽ
.|　 |　 ll　 Y´　l　 !　ヽ-､　 ::::::＼:::_／! , '!::::::::入　 /::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::,., ｨ´f 　i　 l　 i´ i　l
.ヽ､ﾞ､　ﾞi　ﾍ　 |　 i　　　　ヽ::::r-‐'´:::::|/ l };:::::/　k. /i:､:::::::::_r':::::::::::::::, -‐ f　|　}　 }´ l 　! ,!　i
　　｀ﾞ､. ﾍ　 `"ﾍ　`l_　　　 !､_r ､::::::::l　 Y:::::::l 　 V/　､／::::::::::::::::r´ 　　 !　!　! 　| ｿ　 .|'　/
　　　　 `ー'‐―､_　　!　　　　 //´:` ､i　/:::::::::|　　/:::::::｀` ､::::::::::rr|::::.....r'ﾞ　 |'´　 /´　／／

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　裴松之の努力には本当に頭が下がる
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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39 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:40:23.99 ID:M/PHNdhno

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　 ';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ　
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 　　　　さて、本編で潁川の陳氏の家名が陳泰以降衰退したと述べた。
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　　しかし、裴松之の時代よりさらに後、
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l　 .潁川の陳氏の血脈は、陳禕という人物を輩出する
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　　　　　／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／:::::::::: {:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

40 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:42:02.80 ID:M/PHNdhno

　　　　　　　　 /　　　 /　 /　　,　 i　　 ',　',　　　　　 ',
　　　　　　　　　　/／　　 /　 /　　/ 　.|　　　＼＼　　　　　 ',
　　　　　　　　　／　　　 /　 /-‐''/´￣.|　　　__}..＼＼　　　 |
　　　　　　　／イ ´　　/　 ,:　　/ .!　 /| !　　　ﾊ｀ヽヾ＼　　　|
　　　　　　／／ i　　　.,　　|　 ./ ｰ|-/､ !|',　　/　',　＼ト＼　 |
　　ｰ= 彡　　 |　　　i　　.!　/　　ﾚ　　ﾘ ',　/____.',　　ﾄミ　 !
　　　　　　　　 |　　　|　　| /.､ｰ- ､　　　j/´ィ芋ミ､.　|∧∨..|
　　　　　　　　 |　　　|　　ﾚミ三≧､　　　んら圷∨! .∧∨!
　　　　　　　　 |　　　| 　乂　, , ,.　　　　〈笏ンﾘ.ﾊ|　　ヾﾐ､
　　　　　　　　 i!　　 !　　トミ､　　　 ,　　　, , ,. 　/ .ﾘ　,!　 |　＼
　　　　　　　　ハ　　 ', 　 {、　　　､　　　　　　　　/ /　/ |　 |
　　　　　　　　/／} {　　ヽ　､ヽ　　　r､￣　　　　 .ｲ i　 /　 ,　 |　　僕と一緒に天竺に行ってくれる人を募集しているよ
　　　　　　　／　 j/ ＼　　 ', } ＼ i　}　　,,.. ＜　 /　/　 .∧　!
　　　　　　　　 /　　　＼＼}ﾊ　　j　,!¨´{ヽ__ .彡'　/ 　　 ∧.{
　　　　　　　　　　　　　　r/ヽj　＼,′,__ ノ　ト.._　//　　　　　ヾ
　　　　　　　 __＞////∧　　/　 j/ ）＞''´ノ/ｲ＜
　　　　　＞''"´　∨//////ヽ../　　'"´__,. ＜////| 　｀＜_　　　　　ヾ､
　　　　　　￣｀ヽ　 ∨/////〃, 　　　￣｀iｰ=＝'　　　　ハ　　　　　　）〉
　　　　　　　　　＼　ヾ彡''´〈〈,′　　　（ノ_///ヽ　　　 /　 !､　　　　ｨ/
　　　　　　　　　　　＼　／/,i!　　　　　　　ﾉ//// 　 i ./　　|　ー= 彡'
　　　　　　　　　　　　 Ⅵ .＞/i! 　　　　　／//彡'__　ﾚ　　　|　　　　｀＜
　　　　　　、　　　　　　!i〓{〈::| 　　　／-‐ ''"　　ヽヾ　　 {　　　ヾ　　　､
　　　　　　ヽ　　　＼　{! 　| ヾ　　　イヽ　　　　　〓 ',　∨　〉　　　 ',｀ヽ　＼
　　　　　　　∧ 　　ヾﾐ.　ﾄ､ヽ　　r '-ｲi　　　　　　　 ',　 V / ＼　　　 ,　＼　ヽ
　　　　　　 .∧　　　　＼ ∨/ }　/　___,.|　　　　　　　 .',　.} |　　ヽ　　 }　　＼ ',

　　　　　　　　　　　　　　唐　法相宗開祖　玄奘

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .陳禕、戒名を玄奘、尊称は三蔵法師。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　天竺への修行の旅で知られ、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .後に法相宗の開祖となる偉大な僧である
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

41 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:43:06.87 ID:M/PHNdhno

　　　　　 .／'⌒ヽ、_/,xY,.-＝=ヽヽ、　　　　　　　　　＿_
　　　　　/,ｲ￣｀＞、!ﾍ|:::￣￣￣!: :ヽ、　　　 ,　イ、　　｀　　　、
.　　　　,.!/':::＞ ' ￣￣￣｀ . ＜::::ヽ、: :ヽ-= '　　 ∧　ヽ　　　　　＞.、
　　　, / !／: : : : ; : 、: : : : : : : :＼／: : :／　　　 !　　　　　ヽ　　　　ヽ
　　 ∥ /: ,-: : :、 : : ヽ-＜:｀. .、: :ヽ: :/／ /　＿i　　　ﾄ、|＿.i　　　　ヽ
　　 iL/__/ : : : ｌヽ: : :ヽ: : : : : ﾊ: : : !ヾ.i./.i七ｲ/. i∧　 |丁jヽト!　|　　　.i
.　　 }: : : : : : : :|.　ヽ:x孑-- : : :∧: : i: ヾ.、! /,i‐=　　!　|x＝x｀!.,　 |,　　　!
　　 ,: : : : : ト-!j　　ヽ: !x≦ア: : : i: :/: :|ﾄヽ!.i　r'::|　　ヾ!　r':::ｌﾒ,　 ,_　　　.|
　　 !: : : : : ｨrx、　　　' .!'::::}.∨: :∧': : :| ヽ!ヽ,,ゝ.'　,　　　ゝ,,'/　 ./^! 　ﾄi
　八: : : : :ﾄ.ﾍ'::!　　　　｀- '　!: / ﾉ: : :: i　ﾉ |、　　 ----.,　ｲ　 /ノ　　.ﾊ!、
　　ゝ: : :ﾊ.,,｀-'　,　　　　''　/',-' : : : 从!　　＞　ゝ. __ノ　// /　　　 /　　　　　　　　　おしまい
　　　　` )` :ゝ　　 ,x三ｦ　イ.、.r、: :ﾄ, r、、-ヽV＞-　≦./,イ ,イ/,./
　　　　乂!ヾ!≧-┐-_, _r.i ＜,＜,ヽヽ`iヽヽヽ　（（Y),-,　／￣￣￣｀i
　　　 r「ヽ`ヽヘヾヽ> ヽ! |,//|.　ゝ｀x‐.ヽ! ￣￣` ---- ＿__　　　ヽ、!
　　　 ,! `　｀ヽ`^./Xヽ,/---.っ='-へ`　ヽ二ヽ__ ,　-v-,__　,ヘ、　 .｀i
　　　<　　　　 i y ヽ..| i,二ニっ,'` ﾆ`'.ヽ　｀.r` -- ' ￣` -r/__　ヽ　 |
　　　　＼　　,_」_! L>.|　 ' 〈 .i /　　｀ ,--,__ノ　＞,、　　　〉　 .ヽ∧ `!
　　　.／. ヽ／:::::::＞,.|　（ .ノ,　　　 /,! : ＼　　　ﾉ `＞- '、　　/ ﾊ　|
　　, '　＿.〈＿_＞＜:ヽ＿イ/,　　　.//|: : : :ヽ-＜＜　　　　｀ヽ .!　　! i
　 ,　　　　　　/::::::::::::::::／⌒ヽ　　///i : : : ﾄヽ-- 、＞＜　 ./　 .八.|
　.i　　　　　く＿＞.,'へ　　　　　.////|: : : i　゜|　　｀　--- 7'　　　　ヽ

42 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/08/26(日) 02:46:03.52 ID:M/PHNdhno

【第三十八回に続く】

新規CAST

～魏～

●王業（おうぎょう）　志筑仁美（魔法少女まどか☆マギカ）
●王祥（おうしょう）　江田島平八（魁！！男塾）
●向雄（しょうゆう）　千歳ゆま（魔法少女おりこ☆マギカ）

～他～

●裴松之（はいしょうし）　できる夫
●玄奘（げんじょう）　シャルロット・デュノア（インフィニット・ストラトス）

43 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/26(日) 03:36:23.79 ID:3fkuiQ6So

玄奘と繋がってたのか…
確かに、あの時代に本物の仏教を知りに行くって飛び出す無謀さは
硬骨かつ誠実な血脈の賜物かもしれない

44 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/26(日) 10:45:30.50 ID:gDc9mzVfo

乙でした
俗説が正史を侵略するってのはどこも変わらないなあ

45 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/26(日) 10:57:19.34 ID:sms3Tvozo

荀彧の孫って言われるとなんか納得してしまう

46 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/26(日) 10:57:20.98 ID:0OV2Afl9o

乙です

この三蔵様なら喜んで天竺までついていきたい！！

47 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/08/26(日) 11:13:41.85 ID:GNA13kMvo

おっと投下あった、乙

個人的に、陳泰が賈充を斬れとまで言ったかどうかはともかく
処罰を求めたくらいはあってもおかしくなかったと思う
「それくらいやらないと司馬昭の名声も政権もヤバいよ」と

実際に司馬昭に責任を求められないのなら、次は賈充しかいないのだし

あと動機として、生臭い話になるが政争の一環という想像はあり得ると思う
それまで司馬兄弟に絶大に信頼されてきた陳泰が、司馬昭側近として
台頭してきた賈充を危険視するようになるのも無理ないのではないかと

48 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/26(日) 11:57:31.66 ID:s4wt8QxM0

乙でした
この頃の幷州というと、匈奴や羯胡が多いイメージが…奴婢の中には彼らも混じっていたのかなあ

賈充は多数派工作に長けた、いつの間にか自分の利益を確保するしたたかな政治家の印象がありますね
悪人かも知れないが陋劣ではない、敵にしても味方にしても色々と厄介な御仁と言いますか…

49 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/26(日) 12:31:30.97 ID:dDtarEfUo

投下乙です
意外な人物と繋がってるんだなぁ

50 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/08/26(日) 12:39:34.12 ID:7bTMMqFro

まぁ自分の娘も皇帝の妃になることだし
そこら辺のヤッカミもあって賈充の評価は仕方ないわな。
未だ印象が良くないのも、やはり八王の乱で晋が短命に終わったのも
全てが自分の娘が原因だからねぇ。麻呂のAA的にもm9(^Д^)ﾌﾟｷﾞｬｰな訳だ。
乙でした。

51 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/26(日) 14:29:00.82 ID:kKRkd9iMo

乙っす

干宝と孫盛の書く内容について疑問点がつく描写が多いのは確かですよね…
ただ、この事件でいったいどんなことがあったのか詳細がよくわからないというのが
当時の政権がこの事件について隠蔽したい、早く忘れ去りたい忌まわしい出来事だったことを表しているような気がします
そしてなまじ資料が少ないと人間は何があったのか想像力を働かせがちだという…

52 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/08/26(日) 16:39:08.50 ID:m/Cynb62o

>>13
罪人を弔った人間を罰することは普通にあるので、その辺のさじ加減のうまさというべきなのだと思う。

呉の宮廷の際限なき混乱を見せつけられたあとだと、司馬昭の危機管理能力の高さが本当に憎たらしくなる。
これで、子孫の代で呉どころじゃないぐちゃぐちゃになるとはな…

53 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/26(日) 21:07:27.61 ID:3fkuiQ6So

親父や曹操と比べると、突発的事例とはいえ弑逆をせざるを得なかった時点で
脇が甘いとも言えなくはないけどなｗｗさすがに厳しいとは思うが

呉？論外じゃん

54 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/26(日) 22:25:34.02 ID:0OV2Afl9o

序盤の幕間でしばしーがカナにお説教してたのを思い出すな…

55 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/08/26(日) 23:02:10.51 ID:db+85EwCo

三蔵法師って陳羣の子孫なのかよ
リアルで「なん…だと…？」状態になったわw
中国史はこういうのが醍醐味だわ

56 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/27(月) 01:07:56.39 ID:MNw6NaxJo

いや、あくまで潁川陳氏から後に玄奘が出たってだけだから子孫ではないだろ

陳泰は……人はいいけど、政治的にはがっつり司馬氏と組んでて魏に忠誠持ってたとは思えんな
仮に諫言があったとしても、それは自分の美学からの行動であって、魏への忠誠ではないと思う
そういう意味では士大夫らしい士大夫だし、荀ｲｸの血が混じってるといえる。彼も後漢に忠誠なんか感じない（このｽﾚでは違う扱いだったが）

57 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/27(月) 01:19:05.16 ID:YkXCT7iZo

>>55-56
陳泰(っつーか陳羣)と玄奘三蔵は
「ご先祖様は同じ(確か陳羣のじーちゃん)だけど陳羣の直系かは物証が何も無いのでわからない」というレベル。
子孫だと確定するものでも子孫だというロマンをぶち壊すものでもない

58 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) ：2012/08/27(月) 04:35:09.33 ID:D1F+wbgr0

魏への忠誠と言うよりは皇帝を弑逆するという行動が許せなかったのかもしれん。
賈充に関しては佞臣のような感じがしたからこれを機に処刑してしまったほうがいいと思ったのかも

59 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/27(月) 09:17:18.09 ID:Ctr3gHZw0

潁川陳氏といえば、どうして「晋書」に陳準伝が立てられなかったのか不思議ですねー
陳泰の件が意外と尾を引いていたのかも、と疑ったり

それと、ちと遅い話題ですが福原啓郎氏の論文集（「魏晋政治社会史研究」）が出てることに今更気づきました
うちの大学図書館だと手に入らなかった、「西晋代宗室諸王の特質」が読めてほくほくです

60 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/08/27(月) 17:15:40.10 ID:n6VJcAXl0

陳寿の記述だけ読むと、

1.曹髦が学問に励んだことを示すエピソードが語られ
2.司馬昭に2度目の相国・晋公・九錫の詔勅があり
3.唐突に「高貴郷公卒す」とその死が示され（皇帝の死を示す「崩」ではなく、皇帝にはあるはずの死亡場所の記述もない）
4.司馬昭側の公式発表によって、一応の経過が書かれ
5.表向きはあくまで、皇太后の令、および詔制によって処理が進められたことが示され
6.司馬昭は正当防衛を主張せず、自分は（臣下一般は）殺されても文句は言えない立場であるとして、しかし皇太后殺しの陰謀があったため、やむを得ず兵を出したとし
7.評では曹髦は才能があったが、軽はずみな性格で自滅してしまったと結論づけた

予備知識が全く無い人間が読んでも、「司馬昭はともかく、皇太后を殺そうとしたって本当かしら」と
疑問を抱けるようにはしてありますね。最後の短評でも、皇太后殺害の陰謀が真実なら、それに言及しているはずですが、
ただ短慮を嘆いたのみ。
一方で、「崩」と書かないことで（「卒」は王族や高官の死を示す「薨」より軽い）、曹髦を（前）皇帝扱いしないという公式発表への配慮をしている。

つまり、あとはお察し下さいと。

61 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/27(月) 17:19:28.94 ID:OQX3i1Fu0

>>57
南北朝時代の名族、琅邪顔氏の先祖の一族に顔良が居た・・・レベルの話ですね

62 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/27(月) 19:06:59.82 ID:6HmWWeZBo

名族を騙るのはよくあること。
特に貴族制真っ盛りの魏晋～唐前半ならなおさら。

63 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/08/27(月) 21:45:56.85 ID:0lJB68+co

騙るといえば、唐の玄宗の代に活躍した曹覇という画家は、自分は曹髦の子孫だといっていたとか。

曹髦に子供がいたという話は聞いたことがないけど。
でも、他にも曹氏はいるのにわざわざ曹髦の子孫だといったのはどういうことなんだろう、うーん。

64 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/27(月) 23:14:25.41 ID:A1qVNlQho

曹操や曹丕、曹植の名じゃ名前負けするけど
英邁との評価はあっても実績はない曹髦なら丁度良いと思った、とか…

65 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/27(月) 23:46:48.96 ID:R+UT77REo

当時の曹髦の評価がわからんからなんとも言えんが、悲劇の青年皇帝の子孫といえばそれなりに箔がつくんじゃないかな

66 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/28(火) 01:00:22.92 ID:QOPz1Svpo

もうその頃には曹操ディスりが浸透してる時代だし、曹操・曹丕・曹叡は評判悪かったんじゃないかな
司馬氏も大概評判悪かったから、逆説的に曹髦は司馬昭に立ち向かった皇統の善玉として丁度良かったのかも知れん

67 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/28(火) 01:23:52.89 ID:vRcS7I83o

曹髦は書画が上手かったそうだ（張彦遠『歴代名画記』より）
唐の時代まで絵が数点残ってたらしい
皇帝・曹髦の悲劇が周知だったとしたら、なかなかの売り文句だったかも

68 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/28(火) 01:35:18.52 ID:oQjS+E1zo

>>67
ハイスペック文人一族曹家の血はきちんと受け継がれてたんだな…

69 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/28(火) 03:05:28.48 ID:O1rqabjLo

曹操一家才能ありすぎだろ…

70 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/28(火) 05:24:47.44 ID:5MrhlcOl0

このスレ読んでると時々感じるんだが
三国志は本当に人気のある歴史で、研究する人が沢山いて、それをちょっと三国志好きなだけの人間が目にする事が多い
定説と思ってた事が後世の創作であったり、全く無名の人間が多大な功績残してたり
過大評価と過小評価が行ったり来たりする人物がいたりと驚きの連続

そうゆう現象が実は、あらゆる地域とあらゆる時代の「歴史」全てに起こってると思うとなんというか眩暈がする
限りなく事実に近いと思われる歴史を、全ての人間が共有できる日なんてまだ夢物語だなと。何を言ってるんだろう

71 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/08/28(火) 07:11:54.26 ID:3PS3DRoWo

タイムマシンでも無い限り、まったく偽りない歴史とか知りようが無いからなあ
人の手で紡がれてる時点で、例え当人に脚色する気が無くても、
書く側と読む側で受け取り方が違うとか、現代にあっても普通にある事だし
年表のようなあった事を時系列的に書くだかなら、まともに伝わるかもしれないが…

72 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/08/28(火) 12:07:12.07 ID:F8woafXm0

そもそも嘘を吐く気がなくても結果的に間違いが混じりますからね、人の記憶は。

ことに近現代史は、自分自身や直接の先祖が絡むから、往々にして純粋な学術論争におさまらず、
政争やただの喧嘩になってしまう。それぞれがありのままに書いたつもりでも、
思想や立場によって全然描写が変わってしまうのもありがち。
また、記録媒体は飛躍的に進歩しましたが、今度は情報が多すぎて人間の処理能力が追いつかない感じ。
現在、中華人民共和国が清の遺臣や中華民国（台湾）に対抗して『清史』を編纂中で、いずれ次の政権ができたら
『中華民国史』『中華人民共和国史』が編纂される日も来るはずです。
現代の正史は、膨大な史料をどのように収拾を付けるのか。

陳寿にとって、『三国志』は近現代史に他ならないわけですから、苦労が忍ばれます。

73 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/28(火) 14:27:40.90 ID:9by5DwYR0

自称曹髦の子孫が現代にもいるらしいが
20で死んだら子供もそんなに多くないだろうし、それが現代にまで残るなんて天文学的な確立だな

74 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/28(火) 14:30:25.76 ID:vaA/TVRto

だが当時は14・5歳から子作り始めててもおかしくないぜ
曹一族には芸術の才と同時に好色な血も流れてるしｗｗ

75 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/08/28(火) 16:12:17.76 ID:F8woafXm0

>>73
曹操70世、曹髦67世の孫と自称する曹祖義氏が、他の曹姓の人たちとDNA鑑定を受けた結果、
曹一族に特徴的なDNAが確認されたという。
現存する曹姓が、全て魏の曹一族と無関係と証明されない限りは可能性は残る、という程度の話でしょうか。
確かに魏の曹一族だが、曹髦の子孫ではないという方が現実的な気はしますが、それでもわざわざ曹髦の子孫、
と言っているのは気になります。父親の曹天富氏に、うちは曹髦の子孫だと言われたそうですが…。

曹操の７０代目子孫と称する男性…ＤＮＡ鑑定の結果は「肯定的」
2011/11/04(金) 17:51:44　（編集担当：如月隼人）
http://www.chinanews-jp.com/news/disp.cgi?y=2011&d=1104&f=national_1104_192.shtml&mb=cns

2012年6月1日10時56分
〈＠ニューヨーク〉曹操「７０代目」の子孫との対話
■春日芳晃（ニューヨーク支局員）
http://www.asahi.com/news/intro/TKY201205310248.html

76 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/28(火) 19:17:48.99 ID:25yhf1Ozo

王沈は今回の事件で司馬氏に頭が上がんないから
『魏書』の内容もあんな感じになったんだろうな、と感じた。

77 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/28(火) 19:42:59.98 ID:fb9GJFFto

へうげものの細川幽斎が子孫にそっくりなのに噴いたら残ってる幽斎の肖像画もよく似てて遺伝子ってすげえなと驚いたのを思い出した

78 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/29(水) 02:34:32.85 ID:MjCvkiSA0

>>75
リンク先みたら曹家と夏侯家で血縁関係が認められなかったとか
なにげにすげー発見だな
曹嵩の夏侯家養子説はそもそも曹瞞伝出典
魏武は曹参の後は事実になるのか？
養子はたいてい同姓から迎えるものだし

79 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/29(水) 12:18:00.47 ID:Mjc6Yzzuo

曹操は奥さんの連れ子も養育してたし異姓養子に抵抗感薄かったんだろうな
曹真も異姓養子だった可能性があるんだっけ

80 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/29(水) 12:28:02.44 ID:zjwO7icqo

そもそも曹操の父ちゃんからして夏侯氏からの養子だから

81 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/08/30(木) 00:56:20.04 ID:5AGIHwhUo

曹氏と夏侯氏も劉邦のときから考えるとおもろいなあ

82 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/30(木) 01:41:49.59 ID:+lVSV+jm0

>>80
その出典が呉が作った曹操の中傷文書「曹瞞伝」
「曹瞞伝」自体の信憑性が怪しいのに、この件だけまるで史実のように伝わってたけど
上の研究が正しければその説は否定されることになる

曹真の秦家からの異姓養子説も、曹爽ディスるために司馬家に寄り添った貶めるための記述と思えなくもない
同じ秦家から養育されて、同じ沛国出身の秦朗が改姓されてないのに

・・・とここまで書いてみたものの、最近中国で妙に曹操上げなニュースが多いのは
観光資源にするための戦略のような気がする
曹操の墓の件でもそれで揉めてたみたいだし

83 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/08/30(木) 01:57:31.35 ID:i6rsIbG0o

それあるかもね＞観光資源
日本向けにはいい題材だし

84 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/30(木) 02:12:03.13 ID:A7XxzFkPo

毛さんが再評価した流れにあるんじゃないの＞曹操人気
それ以前じゃ本当にクソ扱いだし

85 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/30(木) 07:33:24.32 ID:cQIRa1e2o

日本向けにというか、三国志は日本にしか向かない題材なんじゃないかなあ
他の国で中国もので何が流行ってるのかは知らないけど

86 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/30(木) 08:07:27.19 ID:fcnge0nK0

「曹瞞伝」は、武帝紀最後の注で
「ああ、これは『憎い曹操を貶めてやるぜ！』というゴシップ記事集なんだな」
と思った

87 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/08/30(木) 09:42:14.03 ID:sfrr3a8C0

>>86
作者不明だが呉人作、とあるから敵国による糾弾、あるいはプロパガンダ目的の書でしょうね。
たとえば中華人民共和国で蒋介石、中華民国（台湾）で毛沢東糾弾本を出すのと、多分意味は同じ。

もっとも、曹嵩が夏侯氏の出という説は郭頒『世語』も採用しているけれど。これも当時の噂話集のようで、
内容に多少問題はあるが、変わった内容が多いのでよく読まれたとは裴松之の話。

88 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/08/30(木) 13:43:50.53 ID:ULivL6M+o

A.1800年も前の真実なんて誰にもわかるわきゃねぇ

89 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/08/30(木) 16:16:57.93 ID:c/VyXPx2o

陳寿の三国志だって現行政府である晋の公式見解だからな
どうしても晋の立場から見たバイアスはかかってしまうだろうし…それでも陳寿はある程度公正に書いてるとは思うけど

90 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/08/30(木) 16:52:31.47 ID:sfrr3a8C0

一応陳寿の本は私家版ですよ。

露骨な司馬家贔屓の本を、正史に採用しなかったのは見識があった思う。
唐代以降の正史は、基本的に政府編纂になって行くけれど。

91 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/08/30(木) 23:37:40.94 ID:iVX9U96Vo

他の編纂家に比べると陳寿は凄く冷静っていうか、機械的に編纂してるよね

92 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/08/31(金) 17:51:17.61 ID:CyFCqfK40

『三國志12』PS3版発表。
相変わらず、PCはα版で、家庭用ゲーム機でやっとβ版になるコーエー商法。

ファミ通誌面によれば、219年開始の「漢中王劉備」など3シナリオ追加に合わせて武将100人を追加し、
武将抜擢や「陣」システムの強化などがされるという話です。
要するに前作までから消された武将の復活が中心で、まだ前作の数には及ばない。
追加要素も『三國志9』の焼き直し。まったく面の皮の厚い会社です。

でも、これで陳寿もギリギリ返り咲くのかな。

http://www.famitsu.com/news/201208/31020464.html
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120831_556576.html

93 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2012/09/01(土) 01:24:47.02 ID:ltBvCZhio

クソゲー通り越してろくに話題にすらならなかったゲームじゃないか

94 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/01(土) 01:54:24.37 ID:q9Pdaah80

対戦版は普通に面白いし（震え声）

α版を1万出して買った俺
もしタイムマシンがあったらあの日勢いでポチッた俺を殴って説教たれに行きたい
ホンと馬鹿です馬鹿馬鹿バカバカバカバカ

95 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/01(土) 02:05:53.95 ID:g7Tl6iEKo

>>94
お前ロボゲ板でも同じ事言ってただろ（呆れ

96 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/01(土) 11:14:33.98 ID:2IyU+E5So

>>95
いや、むしろこっちで書き込んだ後にむこうにも書き込んだかんじだなこれ

97 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/01(土) 11:42:59.41 ID:pPPnQGqC0

三國志12通常版は、今の年代の武将がほとんど消されたトンデモ仕様でした。

曹髦、王経、王業、王祥、司馬伷といった今回のメインの皆さんも消されたし（司馬昭、賈充は残留。
成済は8PUKのみ、王沈は9のみ登場）。何が凄いって、三国の皇帝も平然と消したこと
（魏は曹叡まで、呉は孫権のみ。蜀漢はさすがに二人とも出てくるが）。

98 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/01(土) 11:46:08.70 ID:pPPnQGqC0

>>97
あ、陳泰も残留ですね。

99 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/01(土) 12:31:23.46 ID:g7Tl6iEKo

>>97
蜀は二人しかいないからな
呉の醜さや魏が早逝続きで崩壊したのを見る限りでは、劉禅は優秀な人材だったなと思うよ
乱世でなければ、だけど

100 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/01(土) 13:44:23.70 ID:ROf052zoo

PS3版とか…お得意の人柱も望めないし
自分で買うしかないのか…？

101 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/09/01(土) 17:19:27.91 ID:K/7DmhOCo

>>97
色々言われるけど、人気のない、知られていないマイナーな時代・人物を充実させてもそれで喜ぶのは限られているんだよねえ
ゲームである、商品であることを考えればそうそう責めることもできん

102 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/09/01(土) 17:24:07.95 ID:ZDFOzyNfo

ぶっちゃけそんなに思い入れないしな
後期シナリオがないこと嘆いてた人いたけど
俺とか殆ど英雄終結シナリオしかやらないからそんなに…
要はやってておもしろいかどうかよ

103 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/02(日) 04:40:44.58 ID:WR3LgCzP0

ゲームの話はゲームのスレでやってくれんかね
このスレでやってる話とも関係なさそうだし

104 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:30:45.89 ID:otwA0dASo

【おまけ】

　　　　　　　　　　　　　￣￣
　　　　　 .　´ 　 γ⌒　　　　　　　ヽ
　　　　 /　　　　｜　　　　　　　 ’,
　　　　　 ′/　　　 |　　｜　　　ヽ　　　 .
　　　　　ｉ　｜l 　　λ　　| 　 l　　 |　　ｌ
.　　　　 ;　　!｜､ﾊi　‘､　ﾄ､　|＼,ヾ|　　|ｚ　j
.　　　　 l　　！{≧ｘ、ヽ|　`ｔヒくx | 　ｊ々 |i
　　　　 ij　、 ∨￡ﾊﾞ　　　￡ﾊヽ!　 /7ｌﾊ!
　　　　ﾉｌ|　＼{　辷ﾘ　　　辷ﾘ　|　/ｲﾉ/ {
.　　　　！　　|｀ """　　　 """　| /´//
.　　　　　　、　|ト　　　ー　‐'　　イ/ 　/
　　　　　　＼|ﾍﾊ/〕　‐-‐　〔ﾉノイ}／
　　　　　　ィーヘー｢￣｢｢｢￣]ｰ77￢‐ 、
　　　　　ｉ　ゝ（　￣￣｝⌒｛￣￣ヽ　/　}　　　　　　　　　　本編でやらなかったあたしの話を紹介するわよ
.　　　／　　　ヽ　 ´ 〉ｰ〈｀　　/　　ﾒ、
　　　ヽ　　　〉　｀ｰｲ├┤ゝ― ' ､　　　ヽ
　　　　＼＿,′ 　_ノ /　 | |　　　 ',＿_／
　　　　 | ！　ゝ､/　　j 」　　　　}　/
　　　　 |　ゝ.　　　　　　　　　　人ｲ
　　　　　 |　　|` :　.　　　　　　. .::1ーｭ
　　　　　　| 　 |　　　　　　　　　　ｌ　冫
　　　　　　ーｲ　　　　　　　　　！_ィ′
　　　　　　　〃　　　　　　　　ヽ｜
　　　　　　／r ､　　　　　　　　 , 、＼
　　　　　人　＼＼　　　　　　　／／　/〉、
　　　 _ノハヽ、＼〉　 ∧　　〈／　　/ハ:

105 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:32:22.04 ID:otwA0dASo

【紀元２５７年７月　魏　豫州　潁水流域】

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　　　　＼´　　　　　　Vk　`ｰ､ i　　　　　　　　　　　 //＿＿＿.//.....＼´.　　　　　〃　ヽ' .〃　ヽ'　　 Vk　`ｰ､ i
≡ = -　>　； ’　　∠ Vk　　l/ .≡ = - 三 ≡ = - 三　/ ―――‐ /= -　>　； ’　　ゝ _ノ　ゝ. _ノ.....= -.Vk　　l/.- 三 ≡
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几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　諸葛誕の乱での話である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　曹髦は二十六万の大軍と共に東征の途についた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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106 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:34:16.23 ID:otwA0dASo

【紀元２５７年７月　魏　豫州　項】

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　　　　　　　　　　なんて大軍。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .l: : : : :l　　　∪　　　　 ∪　　　ﾘ : : : : : /
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　　　　　　　　　　この大軍の総大将があたし……　　　　　　　　　 .l | ヽ: :',　　　　 ┌─┐ 　　　 ∧: :ソ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',l　 ' ; :ト､　　 └─┘　　　＜: :ノ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl　＿＞　　　　　　≦ /: ／　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ　　＞┌─┐＜/／￣＼　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '　　｀ー―└─┘―― ´　　 ' ,　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '　　/ 　　／　　　　＼　　＼　 ' ,　

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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　初めての皇帝親征。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　宮中育ちの若い曹髦にとって、色々と感じる所があったらしい
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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107 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:35:59.03 ID:otwA0dASo

　　　　　　　　　,ｨ〈／ : : : : : ＞'´ : : : ヽ.
　　　　　　　 ,-`-‐' : : : : : : : : : : : : : : : : ヾ,-､
.　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : ,ｨ : : : : : : : : ｀丶､
　　　　　　/ : : : : : : : / : //l//l: : : : :l: : : : : : : : l
　　　　　 ,': : : : :l: : l: :!: : i ｌ｀ ´,': : : :./: : : : : : : : :|　　　　　　　　陛下。
　　　　　,': : : l: :|: : |: |＿|｜　,': : : :/: /: : : : : : : :|
　　　　　!: l : |: :|: :ィV! : l｀ﾄ / : :_∠_/ :/: :,: : : : :.|　　　　　　　 .あまり肩に力を入れすぎないよう、
　　　　　|: |: :| : | : |,イ示ミ/: : ／/;ｲ `ト /: : : :i: :|　　　　　　　 .些事は臣下一同にお任せ下さい。
　　　　　|: |: :| : |､ |. |{_Y}　∨´〉 ´　l//:/: :/: ,':l :|
　　　　　∨!: | : | ﾄ! ゝ- '　/／ ,ニﾆ/イ: :/: /: l: |　　　　　　　　陛下は泰然自若に構えておれば良いのです
　　　　　　ヽ:!ヽl | 　　　´,　　￣｀ヾ/ ｲ: /: /l:/
　　　　　　　 |: :l: :ﾄ､　　､　　　　　　'ｨ'/イ: :/〃
´｀ヾヽ､　　 |: :|: |:{{ヽ､　￣　　_..イ: |: : !／ ′
　, -}　＼　　',: :!: !/´ｰ-ﾐｰ‐ Ｔ:}}: l:|: :!: :l　 , - ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.l｀`‐'"´´｀　　､
/:.:ノ　　　ヽ- ',: ',;|　　　ハ_ﾊ´ﾍｰ-|: l: / ´　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　:／::| : : : : : : : : : : : : :ヽ　
: : { , ﾍｰ-､　}　ヽ:|、　./ fﾊヽ}.　〉-|:// _.. -‐　　ｲ　　　　　　　　　　　　　／. . . |. . . . . . . . . . : : : : : : ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｨ: : : : |: : : i: : ､: : : :､: : : : : : : :　
　　　　　　　　　魏　散騎常侍　裴秀　　　　　　　　　　　　　　　　　‐'　/: :,: : /l: ,i: : |､: ::|: : i: ::l: : : : : : : : :l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .l:／ｲ//ﾌ　|: :| ﾄ__|::|: l: : l: : : : : : : : :.|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .//::::l/|.',ｨ,､　.|::|　ヾヽl: l: ::|: : : : : : ､:从　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//i::::::'::|　r;i　 .ﾘ　 ,,ｫ､ヽヽ|: ::|: :i: : : : :ヽ:ヾヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/ |::::::::::l .弋'　　　　.2;;ﾄ　､|::::|: |:､ : : : : ヽ＼　
　　　ああ、裴秀。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　|i::::i:::::.､'.' .'　　　　ﾓ;ﾘ　　l:::::|l::::ヾ: :＼: :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _|､::|∨ﾑ＼.　､ __　' ' ' 　　.|:::l '::l:::::ヾ:ﾄ.i ヾ l　
　　　ひとつ詩が思い浮かんだから聞いてくれない？　　　　　　　|.l ヾ!　　 W,｀ヽ ____ , ,.〟壬|}/､:|.ヽ＼;|　　ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､__,r' .l　　　　　　 ,r ''''‐!≪´ 　 .,)'‐､'　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i´　　ヽク　　 .,-/　　　　＼￣　　l .l｀.‐､　　　　　　 _ ,､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　,　､ /　　　/　＼　　　　＼　　　l　:::.　 l.　　　　 ,// .'ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./´___ ｀.l　　.X ､　　＼　　　　＼　　　　:::.　lヽ,､　 ∫'　　　ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l,イ.: :｀iヽγヾヽ.＼　　　　　　　.＼　　　.＼ .ヾ:ﾉiヾ´二ヽノ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀/: : :／: :ゝ　ヾ:ゝ､ヽ　　　　　　　＼　　､＼ヾ :ヽ: : || l　

108 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:39:50.49 ID:otwA0dASo

　　　　　　　　　　　　　,r ―--' : : : : : : : : : : : : - ､ _
　　　　　　　　　 ,. --': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　／ ,./: : :|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　／: /: : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　ノ:イ: : : : |: : : : : : : : :.|: : : |: : : : : : : : : : : : : : : ヽ: :.＼
　　　　ー'´　/: :l: : : :ヽ: : : : : : : : |: : : :|: : : : : : : : : :ヽ: : : : :ヽ｀ー-
　　　　　　 /:,ｨ: |: : : : ヽ: : : : : : : :|: : : |: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : :.ヽ　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　 //|: {: ヽ: : : : : : : : : : : : l: :l: :|: : : : : : : : : : : :ヽ: : : :|: :.}　　　 |　　　　　赫赫東伐　　　　　　 |
　　　　　 ,ノ'´ | {: : i､: : : : : : : : : : : :ヽ:ヽヽ: : : : : : : : : : : :ヽ: : :ヽl:|　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　,. : : : : : :ヽ: :|ヽ: :r､: :､: : : : : : :ヽヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ヽ
　　　/: : : : :: : :r-'　ヽ: :ヽヽ: : : : : : : :V: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　 /: : : :／／ }　　　　｀｀　ヾ: : : : : : :l::|: : : : : : : ヽ: : : : : : : : : : : :ヽ
..　/: : : :/ /　　ヽ､　　　　　ﾘ }: : : : : l:.|: : : :､: : : :ヽ :: :: : : : : :|＼: :ヽ:ヽ
.　{: : : /　!　　　ヽ｀　　　　 /: : : : : /l:.|: : : : ヽ: : : :.ヽ:: : :､: : :|　　＼i::|
　　＼(　　　　　　ゝ __　　／: : : : :／ i: i/､: : : : :ヽ: : : :.ヽ-､: : :{　　　 l/　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
　　　　　　　　　　　　　,＞: : : :ノ--'--,|:|--＼l: : : :ト､: : : ＼ヽi｀ー　　　　　　　|　　　　　悠悠遠征　　　　　　 |　　
　　　　　　　　　　　　￣￣￣)'￣￣￣｀l|￣｀ |＼::ヽヽ|￣￣´　　　　　　　　　　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　
　　　　　　　　　　　　 _,.r --/__　　　　　　　　ト｀ヽ-t-―――-､
　　　　　　　,. --'´￣　　ヽ　　＼｀_ヽ､______,.rリ　　　＼　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー―‐ '

109 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:42:53.30 ID:otwA0dASo

　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
　.|　　　　　泛舟万艘　　　　　　 |　　
　.ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　 ┌┐　　　　　　　　　　　　～～～　　　　　　　～～～　　　7''~ﾞｉ| ;;７'~ﾞｉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　 7''~ﾞｉ| ;;７'~ﾞｉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　|￣）魏）　　　　　　　　～～～～　　　　　
　　　　　）　|￣）魏）　　　　　　　～～　　　 ┌┐　　　　　　　　　　　　　i-ゝﾄー'-t´___､　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　 i-ゝﾄー'-t´___､　　　　　　　　　 7''~ﾞｉ| ;;７'~ﾞｉ　　　　　　　　　　７二二二￣[,r'　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　７二二二￣[,r'　　　　　　　　　　　）　|￣）魏）　　　　　　　～～～～～　　～～～～゛゛　～～　　　～～～～
　～～～～～　　～～～～゛゛　　　　　　 i-ゝﾄー'-t´___､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌┐　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　┌┐　　　　７二二二￣[,r'　　　　　　　　　　　　　～～～　　　　　7''~ﾞｉ| ;;７'~ﾞｉ　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　 7''~ﾞｉ| ;;７'~ﾞｉ　～～～～　　～～～～゛゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　） |￣）魏）　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　） |￣）魏）　　　　　　　　　　　　　　┌┐　　　　　　　　　　～～　　　　i-ゝﾄー'-t´___､　　　　
　　　　　　～～　　　　i-ゝﾄー'-t´___　　～～～　　　　　7''~ﾞｉ| ;;７'~ﾞｉ　　　　　　　　　　　　　　７二二二￣[,r'　　　　　
　　　　　　　　　　　　　７二二二￣[,r'　　　　　　　　　　　　）　|￣）魏）　　　　　　　～　　～～～～～　　～～～～゛゛
～～～　　～　　～～～～～　　～～　　　　～～　　　　i-ゝﾄー'-t´___､　　　　　　　　　　　　　　　　　　～　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７二二二￣[,r'

110 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:44:44.75 ID:otwA0dASo

　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　魏　.|　　　　┌─┐　　|　魏　 |　　　　　　　 .|　魏　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　　　　　 r--─‐i　
　　　　　　　　　　. 　┌─┐　　　　　|　魏　.|　　　　┌─┐　　|　魏　 |　　　.┌─┐　　　　 |　魏　 |　
　　　　　　　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　├─┘　　　　 |--─‐''.　
　　　　　　∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二:'::∧二
　　　　　　l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:l:ｌl＝:..:.l:ｌl＝
　　　　　　幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　屯衛千営　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　怒りを覚えて東方へ討伐へ向かい、我が大軍は悠々と遠征する。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　遥か望めば、川には舟が万艘も浮かび、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　兵士が駐留している軍営は千にも達する。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .諸葛誕討伐に向かう魏軍の情景を物語る詩である
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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111 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:45:31.09 ID:otwA0dASo

　　　 /: : /: : : : : : : : :/ |: : : : : : : : : :ヽ:.ヽ
　　　/: : :/: : : : /: : : :/　|: : : : |: : : : : : :ヽ: ヽ
　　 /: :i: l: : : : :l: : : : /　 |: : : : |: : : : l: : : |: : :lヽ
　　/: :/: l: : : : :|: : : / ―r<: : |:lヽ: : :|: : :|l: : l: ﾄ､l
　　|: :l: : l: : : : :|: : :/　　　|ヽ: :l ､ヽ: : |ヽ: |: : |: |
　　|: :|: : l: : : : ヽ: |---､､ヽヽ::{ l ヽ: :| l: :/: : :|l:|
　 |:/l: : :|: : : : :ヽ:|,,,　　　　ヾ!　__ヾ| |:/: : : |ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　どうかしら？
　,/ .|: : : |: : : : : liヽ　　　　　　､　ヽ　'l: : : :|　
　　 .|: : : |: : : : : :|　　　r -　､　　 ,,,　 /: : : |
　　　|ヽ: : : : : : :|ヽ　　ヽ､　 /　　　 /: : : :.|
　　　　ヽ:lヽ: : l:| .l｀ヽ､　　　__ . -t: :/l: : : /　
　　　　　ヽ:ヽ: :lヽ｀゛-､__,ニ{´}::/ |:/ |:il: :/　　
　 ,. ――‐‐' <ヾi　 ,__/r, {　ヽ___　　　|:/　　　
/　　　　　　　＼＼ {.0Uθ!//　　￣｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　l　／::::::::｀`／⌒ヽ‐､ __ ＼
/　　　　　　　　 ,.'´ヽ､>-r-'<　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　／「／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　ト、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,':::::::::::::::::::::l:l';:/l:::::::::::i:::::::::::::::::::',　」:::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ::::::::::::::::::l::l::l'"´l:::::::::il:::l:::::::::::::::::i　l:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:l:::::::::l:::::::l::l::l　 /::::::/l:::l::l:::::::::::::i:l 「:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:ｌ:::::::::l:::::::l::';:ｌ /::::::/-リﾘl::::l::::::;ｲﾉ::';:ﾉ二ﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .l::li::::::::::l::::::l.,ｲヽ';::::/ イプ､l::l::::/::l::::::/三ﾆヽ ',
　　　　　　　　　　　お見事　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';l l::::::::::l:::::l　ｌ::! ヽﾄ,　l::::::ｲl:l::/::::l:;:イl';:ヽ ', ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ', ヽ､:::::';::::l "　　ﾘ　｀`,,,/ｲ:::::::l';:l::l ﾘリソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　l:ヽ';ヽl＼　ー┐　 ,.ｲ::::::/l:';lﾉ , -'"´￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 l:::::::::::l',　｀ ‐r‐ ' ´ /::::/';'リ／　　 ,.へ　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,.へ　　 lヽ::::::l､i ／l:l___／/:::/ 〉ｱ　 , -'´ l ／Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／　＼ ',　';::l　l /::::::l　 /／／　, -'´　　　ヽ　l

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　曹髦が文章詩賦を好む皇帝だったのは先に述べた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　彼の作品は『高貴郷公集』としてまとめられたが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　隋代には散逸し、それらを読むのは不可能となってしまっている。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .現在では詩の断片が伝わるのみであり、これもそのうちのひとつだ
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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112 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:49:39.71 ID:otwA0dASo

　　　　　　　／.:.:.:.:,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`
　　　　　　 .:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　/.:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.:､.:.:.:.:＼.:.:ヽ.:.:.:.:.
　　　　　 ,.:.:.:.:.::.:.:|＼.:.:.:.{＼.:.::|.:.:.:.:.:.:.:..:,
　　　　　{.:.:.|.:.:/丁　＼:.､　＼|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　　 /.|.:.:.:j/,xf心.　　＼xf心.:.:.:ﾄ.:.:.:.:|ヾ　　　　　　それはそうと、あそこに建ってる廟って誰の廟なの？
　　　　 |:.:/ヽ戈リ　　　戈リ.:.:.:lﾝ:ﾊ..:|
　　　　|.:ﾊ.::ﾍ　　 '　　　　 |.:.:.:|,ｲ¨j/
　　　　 / ￤:.:ﾄ　. _ _‐‐′_.ｲ,iハ|
　　　　　　　}八|　　　「 v─　｝　　
　　　　　　, -‐く ¨」ＹＹ}..__/¨ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／ﾚ ,ｰゝ､＿フ
　　　　　　γヽ　/´＼乂∠＼　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　/, ー､/::::::::::::::::::＼｀ヽ.､
　　　　　　,'_,,..-‐''"￣｀¨¨´"'-､　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　ｒ/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼,-';::ヽ　
　　　　 ,′, ‐-- ､__ x===ミ　＼　　　＼　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::i::::';:::::::::ヽ〈:::::',
　　　　 ,　 {/////////////｝冫＼　＼y　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::::::::::ﾄ､l';::::::::l:::::i::::::::::::',　i:::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:i::::::::::::::::l:l;:- i:::::::ｌi:::::l:l::::::::::ｉ　）::::l , -ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:l::::::l:::::::l::l:l　 l::::::/ l::ﾉl:i';:::::::l,-く::::l／ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:l:::::::ｌ:::::::';:ｌ',　';::::ｌイてスi:::::;ｲ　l:::l:二ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:l::::::::ｌ:::::::';.ｲヽヽﾄ　l:::::::」 !:/::lプ:/ﾄ､',ヽ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',!';::::::';::::':;l !:ﾘ　リ　'"´ ノl::::::lノ';::ｌ ';ｌ　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', ヽ､::ヽ::::l" ､　　　　 ,.ｲ!::::::l';::r'　 !
　　　　　　　　　　ああ、あれは……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::::l｀ ‐ ､＿／　 l:::::;ｲﾉ　　, ｲヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::::::l　└ ﾆl,ｨ‐ '´l::/､＿／　 l　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ';:::::l￣lﾉ /:::',　ノ// /　, へﾉ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　L, ｨ､ヽ:', /l/'､::ﾉiヽ // /／l／::ヽ＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ソ　＼ /／:;'::/::l　 / ／　ヽ::::::::＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 ,. - '´::::::::/::::::l /　l　　＿ﾉ::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:）入::::::::::ノ::::::::::」　 l／l／::::::::::::::::::::/

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .もうひとつ、諸葛誕の乱における逸話を紹介しよう。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　魚豢『魏略』にある話である
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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113 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:51:46.71 ID:otwA0dASo

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾖんE
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／∠＾ん＾＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／;;;::　　　:::;;;＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／;;;;::＿＿＿＿::;;;;＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.-''ﾞ／/＿＿＿＿＿＿＿___ﾍヾ-..,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,..-‐''"んんんんんんんんんんんんんんん "''‐-..,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　匀劜んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん匀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|　|丗卍丗卍丗卍丗卍丗卍丗卍丗|　|／
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　　　　　　　　　　　　　　　　 _,Å、　　　 |　|;;;:::::::::::::;;　　　　　　　:::::::::::::::::::;;;;;;|　| 　　　 ,Å、
　　　　　　　　　　　　　　　　 _]立[ 　　　|　|;;:;;;;;:::::　　　　　　　　　　 ;::::::;;;;;|　| 　　 _]立[
　　　　　　　　　　　　　　　　　〉-〈　　　　|　|;;::;;;;;;;;:::　　　　　　　　　　 ;:::::::::::;;:|　|　　　　〉-〈
　　　　　　　　　　　　　　　　〈　 ,〉　　　|　|;;::　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::;;|　| 　　　〈　 ,〉
　　　　　　　　　　　　　　　　.|￣￣|　　　l二l　　;;;;;;;;;;;;;;;::::　　　 :::::;;;;;;;;;;;;;　　　l二l 　　.|￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　 .|￣￣￣|　　 |　 |　　;;;;;;;;;;;;:::::　　　　:::,::::;;;;;;;;;　　　|　 | 　　|￣￣￣|
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/￣￣/|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣lﾍ￣￣ﾍ,￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　/「￣￣￣￣￣￣'￣￣￣￣￣￣￣￣￣"￣lﾍ,　　　ﾍ,
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　/|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣'￣￣￣￣￣￣lﾍ,　　　ﾍ,

γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|　　　先の豫州刺史、賈逵様の廟ですね　　　　　|
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　豫州で善政を行い、今も慕われています　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .魏軍が駐屯していた項には、かつての豫州刺史賈逵の廟があった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　ここは謀反を起こした太尉王淩が最期の地に選んだ場所でもある
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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114 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:53:28.94 ID:otwA0dASo

　　　　　　　　　__r===､r--､r‐-≧ｭ､
　　　　　　r‐‐r―――――――‐ ヽ:.ヽ
　　　　 /　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∧ヽ :.‘，--､
　　　　r' /￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ {:.:.:.‘，:.:.ミ､
　　　　,x':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.∧ ゝ:.:.:i:.ミ:.＼{
　　 {¨:.:.:.:.:.:.:.:.:r∨:.:.:.:.:.|:.-――:､l:.:.:.∧ {:./:.i:.＼ヽ
　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ∨:.:.:. |从:.:廴L/ヽ:.:.:.i⌒i:.:l:.:.l ￣
　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:.:l ,∨:.:.:.|　/ ﾊ:::ら |:.:.:.|　 }:./:.:.}:!　　　　ちなみに、賈充さんのお父さんに当たる方でもあります
　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:/ヽx､ヽ:.ﾄ､　乂:シ｜:.,ｲ- ':/7_/:l
.　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:《ﾏヽ}::,′　　　 |:/:.:.|､/===='
　　　　　 ‘，:.:.:.:.:.＼ゞ､　　　　　ｲ:. : | ゝ､
　　　　　　｀ヽ＿ヽヽ　　 r,　　／|:.:. |´　/ /=========┐
　　　　　　　　 |:.:.:.|　　　 _／ｲx|:.:.:.!　/ /　　／:::ヽ　　l　
　　　　　　　　　　 l:.:.:.l r――‐| ∧| 〃 / /　　/::::::::::::::ゝ /　　　　　　　　　　／: : : : : : ｀丶、: : : ＼
.　　　　　　　　　 l:.:.:.l　　　/ /: :.∧　/　i 　 ,′:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　 /: :i:!: : : : : :＼: : ＼: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　ﾏ,′　　i /乂/|:ヽ' l　l　∧::::::::::::::::::::::::〃　　　　　　 . : : :.!ﾄ、: : :ヽ: : ＼: : ＼: : : ト、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ: : : :l _ ＼: : :|Ｘ´Ｋヽ.: l:i: : : i!. ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:i : : | .rtk ＼j i必ﾘ.ハ:i:ﾄ.: : ij
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:l: : ∧ 以!　　　"""　l:l:|ﾉ: :.ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从: : : ﾊ""　' __ノ　 . ｲ::ﾘ:ハ(
　　　　　　なるほど！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／)ﾙ': 入 _ ＿ . イ‐くル'　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ( ( __ _／　　Ⅵル ___ )ﾉく _＞´ ￣ユ._
　　　　　　今も民に慕われる存在なら、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／⌒ ⌒ ー ---＜　＼
　　　　　　あたしもこの国の君主として敬意を払わないと！！　　　　　　　　（／芹Y芹芦.入　　　　＼/ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ i´⌒: :/´: : : Ⅴﾊ /､　　_.＼_. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 从: : : :.{ . : : : : Ⅴﾙ⌒＼厂:::::::＼.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:｀:::∧: : : : : - : : : :}: !　　　⌒ X::::::: ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::/ ﾉ／介ト . : : : 彳　　　／:::::::::::／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈:⌒〈 /７　　0l|　￣　 !　　厂｀ヾ／　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　曹髦は詔勅を下している
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　 .
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　.
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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115 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:55:04.45 ID:otwA0dASo

『曹髦の詔勅』
┏─────────────────────────────────────────────┓
　賈逵の死後も彼への愛情は残っており、代々祭られている。立派な風格を追聞し、朕は甚だこれを嘉する。

　昔、先帝は東征された折、やはりここに行幸され、
　御自ら恵みの言葉を発せられ、賈逵の立派さを称揚された。徘徊する朕の心はますます悲しみに溢れる。

　そもそも賢人に礼を尽くす方法は、ある場合は墳墓を清掃し、ある場合は里門を飾る。敬意を高めるためだ。

　よって祠堂を清掃し、穴が開き雨漏りの場所があれば、それを修理せよ。
┗─────────────────────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐＜::::Υ⌒｀"ヽ:::＞―- ｖ―く＝-|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿∠У:::::::::ミ:::::ｨ､::::::::::::::::::＼ニ=-〉:::::::＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r≦-=ニ/::::::::::::/ﾊ//ハ::|::::::|::ｉ:::::::＞‐〈:::::::::::::::ト
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾆ=-/::::/::::l:::|`｀'"´´|::|::::::|::|::::く＝-ｲ:::::::::::::::|=〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜-‐ニi::::/:::l:::l::|　　　 |::|::::::|::|:|:::::〉ﾆノﾊ:::::::::::::V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Χ -|:ｲ:::::|:::ﾊ|　　　斗七Z}厶V｀ζｰ‐|:::|::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾆ八-‐十___　　　　〃了r圷ヽ彡ｲ!:::|::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::ﾊ rｆ了坏　　　　　Vfツ ′⌒＾l::::|::::::::::|
　　　　　生前の賈逵は忠誠を抱いて勲功をあげ、　　　　　　　　　 |:::l::::::::::.　 Vツ　　　　　 ´´　　　ﾉｰ|::::|::::::::::|
　　　　　死後は皆から慕われる事になった。　　　　　　　　　　　　 .|::ｌ::::::::::ﾍ　´´ ﾉ　　　　　　　　　r　ノ|::::|:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:l:::::::::::::込、　｀ __　一　　　ｲ`´::::|:::l::::::::::|::i
　　　　　死んでも不朽と言える人物よね　　　　　　　　　　　　　　　 |l::::::::::::::|::::::＼　　　　　　／ ;|::::::::::|::l:::::::::::|八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l!::::::::::::::|::::::::::::｀ヽ、　／　　;|::::::::::|:l::::::::::::|::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -ﾉ::::/:::::::::|:::::::::::::_ト- ‐＜￣￣￣|:::::::ﾘ::::::::::::|::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／::／::::::::::ﾉー―〈ﾉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:人／::::::::::::/:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r― ／:::::::::::::::::／:.:.:_.:.:.O:.:/ 〉:.:ｰ―=ニ彡／:::::::::::::::人:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__／:.:／:::::::::::::::::／:.:.:.└- =-/ /:.O:.-=ニ.:.:／:::::::::::::::／:.:.:.ヽ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:/:::: ／::::::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／／‐＝ニﾌ:.／:::::::::::::::／:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.{::::/::::::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〈／:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::::::::::::: イ:.:.:.:.ミ:.:.:.:.:.:.:|:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨::::::(ﾋｚ_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::::::彡'´:.:.:.ﾉ:.:.:.:.:.:.:＼ :.:.:.|::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　皇帝　曹叡

116 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:55:58.82 ID:otwA0dASo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　 ';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ　　　『魏略』の記述はここまでだ。
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　.
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、　　　　　　　　　　　しかし、世の中とは分からないものである。
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ　　　　　　　　 .
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　高貴郷公の変において、
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l　　　　　　　　　　曹髦の前に立ちはだかったのは……
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　　　　　／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／:::::::::: {:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

117 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:57:19.50 ID:otwA0dASo

【紀元２６０年５月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　 /ミミ三三ﾐ'ー‐-- ､、＿:::::::|:::::::::::::::::::::::j
　　　　　　　 {ミミミ三三、　　　､ｰ=､`'┴―――fミ',
　　　　　　,..､ﾐﾐミミミ三ｼ　　. . . . `―' l ii l　(ヲ　　lミil
　　　　　 //う{ﾐﾐミミf'"　　　_,,.,,_:.:.:.:..　 _j_　.:.:.:.　　lﾐﾘ
　　　　　 l V　}ﾐﾐミミ　　　 ',ｨでiﾝﾐ、:.:.､__, -,ｨも=､',l:l′
　　　　　 'i l ,ﾉヾミミ'　　　 ´￣｀ﾞ`ラ .:. 三 f"´￣｀' lj　　　　　　　怯むでないッ！
　　　　　ヽヽへ}ミﾐ　　　　｀二ﾆノ ,、 jl　',` ―''" ,l!
　　　　　　ヽ二ﾉミ'　　　　　　　 ,ィ'" 　　ﾄ、　　 ,!　　　　　　　.羽翼をもぎ取ればそれで終わりでおじゃッ！！
　　　　　　 , -fｿ!'ミ　　　　　／ `^ヽ,＿ノi　　　 ,'
　　　　　 ,/（/　{i,ﾐ'　　　　　／　 _,,...,＿,,..,、l　　 /
　　　　　/　ヽ　 lN,　　　／　 ,ィiTTTTTト, ,}　 ,/
　 , -―/　　ヽ ', ヽ　　 {　 ,/⌒'ｰ'‐'‐'‐',ﾘ l　 /
　/　　/ 　　　ヽ'、ヽ　 l　 {,ゝ､‐r‐'ﾝ-i/ ,/ ,ｲ丶　
"i　　 {、　　　　ヽヽ丶　丶ヾ<Zェｪｪｼ'　ﾉ ,i'lヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾞ￣￣￣￣￣＼
　l,　　＼　　　　ヽヽ丶、｀｀ ‐ -- ‐'"/ノ ,l　　　　　　　　　　　　　　　r'i　　　　,r'　　　　　　　　　　　　ﾞｉ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i　(,＿＿i　　　　　　　　　　　　＿i＿
　　　　　　　　　魏　中護軍　賈充　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　　〈,,　　j　j　jッ　　〈　　ッ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .!､＿＿;;､ｱニf　 ::::ｱニッ` 　ジ;;;,,＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　::::' ,　　〉 u..::::::::| 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l〈＿＿＿＿,, 　　..:::::::::::|. 　
　　　　　　　そうは言いますが相手が相手ですよ。　　　　　　　　　　　　　　　 l　}+ + + + + } }..:::::i::::::::|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.iｱ￣￣￣￣'' ....::::i:::::::l　　
　　　　　　　いったいどうしろって言うんです　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ,,　　゛゛゛　　:::::::,r'..:::::| 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !､＿;;（＿_...;;;;ッ....:::::::| 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　...::::::::::::::::{ 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　　　　　_　-ー　￣　..:::::::::::::::::::.:::::::::::::::￣　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　　　／　　　　　....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　魏への忠誠を称えられた賈逵の子であったのだから
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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118 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:58:17.05 ID:otwA0dASo

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__ }ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼＼
　　　　　　　　　　　　　　 -──-　.　　　＼＼＼
　　　　　　　　　 ,. :´ : : :＼ :＼:.:＼:.｀ヽ　＼＼＼
　　　　　　　　／ : : : : : : : : ＼ハ : :＼ :.＼　＼＼＼
　　　　　　　　/: | : : : : : : :| : : : : : ! : : : :', : : ＼　＼＼＼　　　　　　　　　　賈充ッ！！
　　　　　　 .': :∧: : : : : : :|: : : : : :| : : : : |.:: :｀ヽ＼　＼＼＼
　　　　　　 .: : : :ハ､ : : : : ﾄ､ : : : :| : : : : }: : : : :.＼　　　＼＼＼　　　　　　そこをどきなさい！！！
　　　　　 | : : :|　|{ ＼: : :| ／､: :.| : : : / : : : : : : : ＼　　＼＼＼
　　　　　 | : : :l ｀ヽ　＼:| /ｲfﾊ | : : ∧.:: : : : : : |⌒ 　　　＼＼＼
　　　　　　八＼|　rf;ﾊ　　　 Vｿ/ : / } }:. : : : : :ﾉ　　　　　　　　＼＼＼
　　　　　／ハ: :∧　Vｿ　　　　　ﾉ／ {,ソ: : : :＼{……─---‐＝＝ニ￣￣￣ニ＝‐
　　　　／　　 ', : ∧　　′　 ⌒ヽ　　/＼|｀ヽト＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　: / ∧ 　　 '､＿ノ　／/　´￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　 jハ|　 ≧=-　__　イ　/ ／´￣￣￣｀丶　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　{　　　 {⌒V＼∨{　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　＼＿__＼八ノ　 |　　　　　　　 rvノ＞────………──────‐＝ミ＼
　　　　　　　　　　　　　＼　　 |　　　　/ヘくﾉ: : :`ー┐:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶⌒ヽ＿}　＼　　｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　 {⌒{ヽ‐|　　　　　|_∨ｿ: : : : :/ /｀＜￣￣｀＜＼:::::::::＼　}＼　　　', 　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/｀¨¨¨´ト──=彡ｧ.: : : : : :/ /　　　　ヽ　　　　＼⌒}:::::::」ﾉ　 }ヽ　　′ 　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 {: : : : : : |::::::::::::::::::/:.: : : : : / /　　　　　 }:..　　　　ﾏﾆ}　　　/ニ} 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ : : : :ト====イ.:: : : : : :/ /　　　　　　　　　　　　　}_ﾉ────＝ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　ー‐ト====='}ニニニイ　　　　　／　　　　　　 / }:､＼ : : : : : : : :ヽ＼　　　　　　　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::|　＼::.　─‐＝￣　　　　　　　　/ }ﾉ: :＼＼ : : : : : : :.| │　　　　　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::,′　 }}＼＼　　　　　　　　　／}／ : : : : ＼＼.:: : : : :| │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:::::::::::::::′＿〃／｀ヽう⌒Y⌒V⌒}⌒} ノ : : : : : : :.／／ ───‐┬┐　　　　　 ,

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　最後にもうひとつだけ。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　曹髦に対する陳寿の評を紹介しておこう
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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119 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 00:59:22.83 ID:otwA0dASo

　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　　 ´￣｀　　　 ´￣｀
　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　高貴郷公は才能優れ若くして完成して、
　　　 /　　　　　　　　　 /　　　　ヽ　　 /　　　ヽ　　　議論を好み文章を尊重したりと文帝の風格を持ってたお。
　　　 |　　　　　　　　　　　　ゝ　　ー' 丿　　ゝー'　く
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ﾊ　ヽ　 |　　 .だけど、軽はずみな性格で憤怒に任せ、
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿ノゝ__ﾉ　 |　　 .自分から大きな災難に陥ってしまったお
　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　｀´￣｀´　／
　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 > 　　　　　ヽ　＿＿＿＿＿／
　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　……現実は非情である
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

120 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 01:00:42.34 ID:otwA0dASo

:::::::::::::::::::::::::::::::　:::::::::::
|　　　　≫'"´　　＼ヽ-､〉:|
|／＼／￣　　　　 --Ⅵｰ|
|:::::l ::|/＿￣｀　　´￣ |:::|::|　　　　　　　　 ……と、ここまで、
|:::::|:::斤::::卞　　 'T::::ｶ|:::|::|　　　　　　　　都合により本編に入れられなかった逸話を再構成したおまけだ。
|::'^|:::| ヒcｿ　　　ﾋrﾘ ::::i):|
|::ゝi: i│　　　　　　　/:::ｉ:::|　　　　　　　　.次回は、こんな難しい時代を生きた名士たちの話が主となる。
| :::::ｉ:::::ト　　　-　　イ:::::i::::|
|:::::::i:::::|::::/`L._爪::::/::::/::::|　　　　　　　　.その次がいよいよ蜀討伐になるな
| ::::::|:::::iﾍ／{_}＼/'7:::/、:::|
|:::／|:::::|/　/｢ﾄ､ Ⅵ:::ｉ　ﾊ::|
|::|丶|:::::|／| |｡| |∨|:::|/　l |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　─ 　 ─ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（●）　（●）＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　（__人__）　　 |　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　｀ ⌒/￣￣⌒/⌒ 　　/
　　　　　　　　　投下日はまた連絡しますおー　　　　　　　　　　　　　（⌒　　　　　/ GA⑤ ./　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i＼　　＼　,(つ　　　 /　　　⊂)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　＼　　 y(つ＿＿./,＿＿⊆)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　ヽ＿ノ　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　|_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、___　　　　￣ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と_＿＿_＿＿＿ノ＿ノ

121 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/09/03(月) 01:01:25.12 ID:mt3z2+8+o

乙です。とうとう蜀討伐か・・・。切なくなるな。

122 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/03(月) 01:04:46.63 ID:0DsMLcFJo

五巻か…じゃなくて乙

曹髦の無邪気さがほのぼのした。

123 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/03(月) 08:32:27.86 ID:gV+/tp0co

おまけ乙。
更に賈一族が(西)晋の寿命まで減らすのだからなんとも…

蜀討伐は一話と被っちゃうから軍が進発する前までかな？

124 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/03(月) 11:30:47.15 ID:G4LMOX7q0

お疲れ様でした。
曹髦が賈逵の祠に参ったということは、その場に賈充は多分いたんでしょうね。すっかり司馬昭の腰巾着という感じで。
そのあげく皇帝殺害事件。

信憑性が低いとされていますが、『魏末伝』で、諸葛誕に司馬昭への禅譲を吹聴する役割になったのもさもありなん。

>>101-102
『三國志』を名乗るなら、容量の足りない初期ハードならいざ知らず、一通りの人物は出して欲しいというのが一つ。
もう一つ、王元姫の追加は明らかに無双からの逆輸入ですが、彼女が活躍するのは司馬家の台頭後であるわけで、
後期シナリオを削除したのはちぐはぐ。むしろ司馬家の乗っ取りをねっとりと書いたシナリオを用意して…。

司馬昭と賈充が登場して、曹髦が削除って、どっかの大河ドラマじゃないんですから。

125 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/09/03(月) 11:36:25.52 ID:7qvLQuumo

>>124
だからさ、「一通り出して欲しい」って考えている人が思ったよりも少なくて商売にならないから
一度はやってみたけどダメだったから次回作からは削ったって話でしょ？

ビジネスである以上はユーザーに求められていないものを道楽で出すわけにはいかんわな

126 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/03(月) 11:43:13.84 ID:G4LMOX7q0

>>125
>思ったよりも少なくて商売にならないから
司馬昭や司馬炎や王元姫が登場して、曹髦や曹奐が消されているのはいろいろな意味でおかしい。

三國無双6の路線が失敗したというのなら、始めから逆輸入しなければよいのだし。
そしてPS3版で一部復活するということは、PC版はやはりα版だったということになる。

127 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/09/03(月) 11:46:50.04 ID:7qvLQuumo

ならコーエーにそういう意見出してくれば
あなたの主張がノイジィ・マイノリティでなければコーエーも考え改めるんでない？

128 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/03(月) 11:49:09.40 ID:G4LMOX7q0

雑音とは随分な表現ですな。

まあいいでしょう。私は物言わぬ多数派に甘んじるつもりはないですからね。

129 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/09/03(月) 11:58:21.64 ID:lmql31kRo

このスレの話を楽しみにしてる人間からしたら雑音だよ。
ゲームに対する愚痴は相応しい所でやれよ。

130 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/03(月) 12:03:17.33 ID:G4LMOX7q0

わかりました。

131 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/03(月) 21:05:06.00 ID:olB6Tl4po

【今だから言える高貴郷公の初期案】

　 // 　 ./　　 /　　 /　　 |　　.| 　　　　:　　　!/
　〃　 /　　〃　 ./|　　　.|| 　 |　　　　 |　!　 |
　｜　.,'　　.! .||　　'　|　　　.!ぃ　ﾄ、　　　 Ⅳ　ﾉ.　　衣.　こ
　|| 　 ||　　| .ｌ!|　 |　 | i　　.| 从 .t＼　　 :レイ {　　　は　　：
　|| 　 !!　　! |‐ﾄ､ |　 .|.ﾄ　　V ヽヽゝ,≧ｭ_ヽ_ ｀.}　　　子　：
　|ｌ　 .||　　| !ｌ　Ｘ无モﾄｌ＼　し'￣孑i:::::::::::::卞Ｊ　　供
　｀＼从　 |.lﾊｲ! |::::::::::: ｌ　｀'-ゝ　　 L;;:i:::::::::l い　　　じ
　, '⌒ヽﾄ､.ｌ !い|　う:::::::l:|　　　　　　 .ノ:}::::::r'::}｜　　ゃ
　　：　　い＼ﾍ,　ﾏ廴ｒ }　　　　　　ヽ,｀ー':ノ .{　　　な
　　：　　 }　|　 .ｌ　弋_ン　　　　　　　　`¨¨´　 .|　　い
　　：　　 |　|　　!　　　　　　 ′　　　.....／／／!　　　っ
　　：　　ﾉ　ｌ　 .ﾊ／／／　ｒー― '´　　）　 ∠､　　　　　　　　　　　　　　　　/　／　　　　　　　/　　　 ├-､
　　・　 .ｌ　 .|:　　ﾄ、　　　ヽ､＿ ,...-―' _,,　'"|ｌ＼　　　　　／　　　　　　　/ ／　　 /　　　ノ　　　　レi　〉
. ヽ､＿イ　　|ｌ　　 |　｀T￢ァ―‐-- …・''´　　　||　 | Tｒ-- イ　　　　　　　　/／　　／　　／　　　　 N　' /
　　　　|ﾄ､　 ||＼　|　　トｖ' (　　|　　　　　　　　 ||　 |　!|　　|ｌ　　　　　　／;'　　　／　　／/　　　　/ /!|.|　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／／　r='／　　　,　　ﾅﾒﾊ!.| i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.／／　　《/　　　　 i,.cイﾅｿﾉノ ! ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　ﾒ､　　　 !　｀′{ ﾘﾉ　!)）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／／メ､! 　　｜　__ ノ/ /　ﾉ(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　／／／ノ,ハ　　　|_ ／ノ /_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／-‐=＜＼　ﾞ､　　|/　/　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／　∧　＼＼＼ﾊ　 i!　〈　（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 /　＼　＼!　i |. ｜　丶、ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ /　　　＼＼ﾄ-V　ﾉ　　　ヽﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　＼〉/　/　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　ヾ､（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､　＼　　Vｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この場合の王経→　　ﾞ､　　＼　Y!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　｀ ! ﾞ､

※さやかちゃんというハマリ役の存在、当初王戎の配役が難航したのもあって今に至る。

※二人セットじゃないとしっくりこなかったので。

132 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/03(月) 21:27:48.36 ID:Ey/G+r09o

まどマギだって知らないので実はよく分かってないのれす

133 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/03(月) 21:46:46.59 ID:QEPdWH+f0

高貴郷公が衣だと、その最期が正視しがたくなりそうな…
ネタキャラ的なさやかちゃんだから許容できる部分があると言いましょうか
（※さやかを悪く言いたいわけではありません。気分を害された方がおりましたら謝ります）

そう言えば、江統の徙戎論で毌丘倹の名前が出てますね
高句麗征伐のあと、捕らえた高句麗人を滎陽に移したそうです
「戸落百数」とありますので多数とは表現しにくいですが、本国でどういう身分の人たちだったのか気になります
放置したら厄介そうな高位の人たちなのか、単に国内向けの宣伝目的で見境無く連れ帰ったのか…
とりあえず、色々と空想できるのが歴史の醍醐味だなぁと思った次第です

134 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/03(月) 23:28:04.12 ID:KCOP4ZU0o

さやかちゃんは作中で死んでるし最期が悲劇的、衣はまだ未来が開けてる
そのへんの違いだと思うけどな

135 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/04(火) 01:16:21.47 ID:HHXEF702o

それにあまえこどもは異能持ちだから、アッサリしてやられるタマに見えなくなるわなｗｗ

136 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/04(火) 08:25:56.52 ID:0uzsxrUTo

普段は明るくて物言いも強いけど一人で思いつめちゃって破滅する辺り
さやかちゃんはハマり役だったと思うよ

137 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]：2012/09/04(火) 11:16:52.63 ID:xj7u1BRAO

無能じゃないけど勝手にドツボに嵌まって暴走して死ぬ
って人物はさやかとよくマッチするよね

138 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/09/04(火) 12:30:58.33 ID:NqkiDeOq0

つか、このスレ始まった頃は「まどマギ」は存在すらしてなかったんだよなあ
スレ開始時点で存在してなかったキャラが、配役になっているのって他にもいてたっけ？

139 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/04(火) 23:43:28.38 ID:pSI7osUO0

GA5巻を読んでるAAがでるかなーと思っていたらここで出たか

140 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/04(火) 23:59:25.96 ID:TzUUZ5fV0

ようやく追いついたので記念カキコ
孔明死後の流れや人物についてよい復習となりました

途中で爆笑三国志や曹豹血盟軍を出してきたあたり思わず懐かしさが

141 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/09/05(水) 18:42:18.85 ID:rddiI/7io

長いことやってるよね。頭下がるわ
思えば蜀滅亡から始まったんだよなあ

142 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) ：2012/09/11(火) 12:19:54.72 ID:WBj78hZY0

曹髦のAAはしらないが
もしかして魏の皇帝（曹操含む）って皆貧乳か？

143 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/09/11(火) 12:34:05.79 ID:WnN8FwjHo

さやかちゃんはあの五人の中では二番目、全体的なスタイルは多分一番

144 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/09/11(火) 16:43:07.86 ID:z+cisrLe0

そういえば三国志１１の王経の正史に処刑されたのは本人だけで母親は無事って書いてあるけどどっちが正しいんだ？

145 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/11(火) 20:57:49.90 ID:Zrd2AbRYo

>>144
皇太后の令にいう「又尚書王經凶逆無状、其收經及家屬、皆詣廷尉。」

家族共々引っ捕らえて廷尉（判事）に引き渡せ、と言っているので、処刑されたものと思われます。
ただ、後年王経の孫が許されて西晋に仕官しているので、皆殺しでは無かった模様。

146 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/11(火) 23:11:51.76 ID:fl06jPQzo

>>142
巨乳は皆無、とだけ言っておくか
流石に曹奐(FFTオヴェリア様)のバストサイズはわからんがｗｗ

147 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/12(水) 02:09:40.37 ID:eJ+Us/two

そこは孫呉もいい勝負

148 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/14(金) 23:16:18.01 ID:+MLWelowo

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　　／　　　 |　　　　 / 　　　　　 /／ /／ハ　　 / 　 |
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　　　　　／　　 / 　　大芹气..,　　　　　 ,,..芹气大　′　　|
　　　.／　／　/　　小ヽ込ｚｿ' ^'　　　　'^ 込ｚｿ'／ﾑ　　 |
　　／　／/　　　　// ﾊ　　　　　　　　　　　　　　 / ∧ 　 |　　　　　　（孝を軽んじ礼をわきまえぬ佞臣が）
　 / .／　/　　　　　,'　.!ﾘ　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 |
　 |　{　 /　　　　ハ .|扮.,　　　　　′　　　　　　　　　　 |
　＼　,'　　/　　 / 　| |._ _ ＼　　 -‐　　‐-　　イ|　 /′
　 r＜/　　　　 /　　.|/　　ｊヽ丶　　　　　イ　/　//　　 /
　ﾊ ./ 　 / 　, 　　 /　　 /}:ｉ:ｉ:i:i:i.≧==≦ ／／／/　　/
_ 」　 i! 　/　 /　/　/　　／_/ｉ:i:i:i:i:i:ｉ:| │ |ｉ:ｉ／.／／　.／/

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　　　　　（虚名を成すだけのエセ君子が）　　　　　　＼',.　/.　 ∨.:..:ﾍ　　｀-＼　ヾ==========ｱ.//∨ﾍ　i!.:.:.:|.:i!..:.
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　　　　　　　　　　　　「やる夫が正史を書くようです」第三十八回　９/１７（月）２１：３０投下予定

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149 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/09/14(金) 23:22:33.24 ID:vnnC3Usro

確かに後期の別格の人材だけど対極な感じするね
楽しみ

150 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/15(土) 00:04:05.32 ID:Q9Mkt/Cbo

そろそろ西陵だっけ？
まあ、とにかく期待待機

151 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/15(土) 00:20:37.46 ID:Ij7X6Onho

魏武の人から見れば、
「お前らどっちもただの軽薄」
と、ぶった切りそうだな。

152 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/15(土) 20:23:45.22 ID:R2pnUmH20

これは羊祜と鐘會の二人でいいのかな？
期待

153 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) ：2012/09/17(月) 14:31:42.88 ID:sMOMlNAB0

この二人は年が近いんだよな

154 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/17(月) 15:14:44.06 ID:dEOpLrXs0

羊祜は保身に長けている…というか、行動する時も出過ぎない、ギリギリのラインを見極めている感じがします。
鍾會はエリートの二世だけあって、そのような逡巡は感じられません。

155 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:29:10.26 ID:u+h4oMFgo

【>>153　参考までにご覧下さい】

◎高貴郷公の変の頃のみなさんの官位

　賈充（２１７年生）　中護軍（四品官）
　羊祜（２２１年生）　給事中・黄門郎（五品官）
　杜預（２２２年生）　尚書郎（六品官）
　裴秀（２２４年生）　尚書（三品官）
　鍾会（２２５年生）　司隷校尉（三品官）

　　　　　　　　 - ── -
　　　　　／　k　　　　＼＼
　　　　　　/　く（＿＿＿＿ヽヽ.ハ
.　　　　　 ′'　｀ー─==≦　＼ヽ '.
　　　　　 |　|　　　厶　　＜｀ヽ　 } }
　　　　　 |　|{　　　|≧ミ=ｚ≦77/Y ﾘ　　　　　　　　私の嫁になった割に
　　　　　 ;　 |{　　N=ﾃト　　 Y///} {　　　　　　　　あまり出世できていないような気がするんだが……
.　　　　 / } .八　｀Vツ　　 ,｀¨¨ﾌ ′
　　　　/ / /　＼＼、＿_' _,..イ}/　　　　　　　　　.下の二人には完全に負けているな
　　　 {V / 　　 /`ト＼}くハ　ヽ＼
　　　 У′　 '　{　/⌒VT　|_ｊ{_,ﾊ_ﾊ
　　　 / / { 　ﾊ人ﾊ　ﾍ{　.|￣｀ヽ.　__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣＼
.　　　{　!_ﾊ.／ {=ﾐ　＼__ｊ､__}　　/｀Vﾆ}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　ヽ{　　　 {⌒ヽ、 _ゝr'＾´￣｀ヽ辷7　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　｀ｰ- Y r=ﾐ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　ヽ辷}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　　　　　　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　 /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　勘弁してくれ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）_ =＝＝＼
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※今回も長丁場になりそうなので分割します。
※２１：４５頃から始めます。

156 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/17(月) 21:36:46.47 ID:duyOYrKQo

キター！お待ちしてました！！

157 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:46:25.54 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　`ヽ
　　　　　　　　　ﾄ､ __｛　　　　　　　　 ,.　-─ 「ﾉ　　ﾉ
　　　　　　　　　｀ﾌ .: .:ヽ　___ _ ＿．∠＿＿ __ ,.　..＜
　　　　　　　　 /.:/:/ 　. :.: 　　　　　. :. :　　　 .: .　 .:. :ヽ
　　　　　　　　/.:./:/. : : : : : : : :. : .: : .:. ､ .: .: . :.: . .: i .:. :.',
　　　　　　/.:./:/: : :.l: l:.:ハ: ::. .: : ﾄ､: : ﾄ､:.: :. :.|.: : l .: .:..',
　　　　　　l:.:/./: :{ : :l: l:.L__l::ﾄ､::.:.:|　＼L_`ヽ: :ﾄ､.:.l:！.:.:i
　　　　　　l/|.:l: : :l : :l: l/ 〒ﾃ　＼|　　,rﾃt云l/l .:/:！.:. l　　　　　「やる夫が正史を書くようです」第三十八回。
　　　　　　　|∧.:.:l.:.:.:ミ　｛｡ﾊ　　　　　｛｡ﾊ　ﾐ://:ﾊ.:.:.:.l　　　　　
　　　　　　　　Ⅵ.:.小い_1りﾉl　　　　 1りﾉﾉﾘ.//　ﾊ:.:. l　　　　作者は投下中のレスには答えへんし、
　　　　　　　　　　　　l:ﾊ=「￣￣］ｲ⌒ヽ［￣￣_］ｲ/ﾉ/..ﾊ.:.:l　　　　投下内容のネタバレは勘弁したってや。
　　　　　　　　ﾉ.:ハ￣￣　 _ ＿_,　￣　　ﾉしﾟ.: .: .:＼!
　　　　　　　　　　／:/ .: .:ゝ　　ヽ __ ノ　　　,.ｲ.:.:.:.:.:.:.: : :: :`ヽ　　.ほな始めよか？
　　　　　　　　／.: /'´ : : ﾄ､ヽ､　　　　 ,. ｲ.:.1.:.:.:.:.: : : : :: : : ｀`
　　　　　　　 / .: :./ . : : : :l: :＼. ｀ー‐ ＜_ノ. :.:|.:.:.:.. :. :. :. :. :. :. :. :..L__
　　　　　　 ./ .: .:/. : : : : : l: : : :＼. :. : / .:/.:.`ヽ|. :.: : .: .: .: .: .: .: .: .: .:. / ﾊ
　　　　　　/.:/´1. : : : : : : l: : : : : :＼:/ .:/ ０.:.:.:.:.:.:.:.... .. . .. ... . .: : .: .:/ /. :.`ヽ_
　　　　　　V . : : : : : : : : . :. . :.: . :.: .:. .:ﾊ .:';::: .:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :./ /.:.,.ィ´/　ﾊ､
　　　　　/´. : : : : : : .:. .: . :. :. . :. : .:. :/ハ .:';:.:: .: .: .: .:. :. :. :. :.「ヽ: :.' / ^7^V　 /　〉
　　　　 /.:.:.:.:.:. : :. :. :.:.:.:.:.:.:.: . :. :. :. ://.:.ﾊ.:..';:: .: .: .: .: .: .: .: .: ヽ　V〈　/　/　 /　 /
　　　 ./ .: :. :. :. :. :. :. :.: .: .: .: .: .: .:.// .: .ハ.: : .: .: .: .: .: .: . :. :. ::l　　しし'　　/　/.!
　　　/ . : :: : : : : : : :: : : : :: : : :: : : :: : : /ヽ_＼. :. :. :.: .: .: . :. :. :. ヽ　　　　/ノ/ .:.!
　　./ .: .: . : :. : .: : :. : : :. :. :. :. :. :. :. :／ `ー0 ﾊ .: .: .: .: .: .: .: .: . :. `ｰ----'_ノ.: .:. !
　 / .:. :. :. : .:. : .: .:. :. :. :. :. :. :. . ,. イ　　　　〈　ﾊ. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. . :l
.../. :. :. :. :.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : .::.:.,. ィ´　/　　　　　　y'　';. :. :. :. :. :. :. : .: .: .: .: .: .: : .: .: ..:l
..l. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.: .／　　　/　　　　　　　l　　l. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.〈

158 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:47:05.14 ID:u+h4oMFgo

159 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:48:14.33 ID:u+h4oMFgo

【前回のあらすじ】

　　　　　　　　　　　／ヽ''"￣ﾞ"''‐-.、
. 　　　　　　　　 /　_　　　　　　　ヽ
　　　　　　 rmm､.　 /　 l_）　＼　　　　　 ',
　　　　.,┴‐-､|　/l// l,,..-‐-､ヽヽ　ヽ、.',
　　　　　/-―-､〉‐''"´　　　　　l｀''‐-.,,_　 l .'.,
.　　　ヽl　　 /　､........　　　　　　　＼|ヽl
　　　　　 ,'　 ,-l　　｀￣　　 ./´　　　　　 l
　　　　　,'　/　ヽ　　　　　/ 　　　 {ヽrj-､',
　　　　 /　　　　　''-,,_　 ,ｲ／　　　ヽ'¨ヽ' .',
.　　　〈　　　 _,,-''"´ .｀´〈_,.-‐┬―‐┬‐-..,,_＼
　　　　＞‐''"ヽ _,,..-＜´:::::::::::/:::::::::::::|::::::::::::::｀''＼
　 <彡}_, ヽ､_／　　　ヽ::::::/:::::::::::::::|::::::::::::::::l:::::::|
　　｀''―''"/　　　　　 .ゝ/:::::::::::::::::|:::::::::::::::::|:::::::|
　　　　　　 ',　　　＿__ヽ、　　＼::::::::::::|::::::::::::::::::l:::::::l
　　　　　ヽ　/::::::::::::::ヽ￣￣__＼:::::|:::::::::::::::::::|:::::::',
　　　　　　丶::::::::::::::::::::l''"´　　丶‐-..,,_:::::::::::|::::::::＼
　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::|　　　　_ヽ　　　｀ヽ:::|:::::::::::::＼
　　　　　　　ヽ:::::::::::::l　　／::::::＼ ,,..-''"´ ￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　 ',:::::::::::|＼/:::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　',:::::,.-ヽ､＼::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　 ',/　／ヽ .＼::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　 l　 / 　 /　　.ヽ::::::::::',
　　　　　　　　　　 / ./ミミ/　　　　ヽ::::::::ヽ＿_
　　　　　　　　　　　/ ./　　 l　　　　　　ヽ:::/´ ,.-ヽ

　　　　　　　　　　　　　魏　高貴郷公　曹髦

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　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.五月乙丑、高貴郷公卒す。年二十。
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .そして話はいよいよ蜀討伐に移るわけだけど……
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

160 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:49:25.55 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼　　　　＿＿＿
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　／　　　　＼　　　　　 .ぶっちゃけ蜀討伐って、いちいち語る必要あるのかお？
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　／　⌒　　⌒　 .＼
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜／　（●）　（●）　　＼　　陳寿たちは実地で経験してるわけで……
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} |　　　（__人__）　　　　　|
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 }　＼　　　｀ ⌒´ 　　　_／
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　|　　　　　　　　　　＼　　　　　魏の歴史を学ぶ意味合いで話をしている以上、
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　|　|　　　　　　　　 | 　|　　　　　当然語る必要はあるでしょう
-―――――|:::::::::::::::: ＼-―┴┴―――――┴┴――
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…ｱﾝﾅﾅｲﾖｳｼﾞｬｶﾝﾀﾝｽｷﾞﾙﾀﾞﾛｳjk

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　／:/: : : :/: : :./:.: :.:.ｲ:i:.:.:.小:. :. :.ヽ: : : :. : : : : .:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : ｲ / : /: : /:ｉ: : : /.|:|! : : |　､: : : : :. :. :.ｉ : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / / ': : :': : :.ｉ/|＿/　|ﾊ: : :.| 　ヽ＿ｉL: : |:. :.:ｉ: : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'.:/　':.:|: : :|!:匕|「| :/　｀{　､:.ﾊ　´　＼{ヽ｀ |:. :.:|:.:.:ｉ:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/　 |: :|: : :|ｌ: : | ｘﾃ笊ミ　　ヽ乂ィ笊伝ﾐy:ハ: :l: : ﾄ､:..
　　目の上の瘤だった曹髦と郭太后を片付けた司馬昭。　{' 　 |: :|: : 八: :|《 {うｆ:j::}　　　　　 r':ｆ:j:::} 》': : : :.!: :.l　｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: ﾊ: ｉ:.小 :.　乂:::ソ　　　　乂:::ソﾊ /: /）:.:.|
　　そんな彼が次の目標とするのが蜀討伐である　　　　　　　 |:'　从:.:|: ヾ:.　　　　　 '　　　　ﾑｲ:.:/ｲ∧乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八! ヾ : ｉハ　　　　 _　　　　　 : : : ｲﾉ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨: : ヽ　　　　　　　　　　ｲ: :/}'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: : 从:＞　　　　　 .＜ /: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人: :.| ヾ小　≧≦　小/: ﾍ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >乂:. :r'　　　　ノｲ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : :|　＿＿　 /:. :.: :.:＼

161 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:51:36.62 ID:u+h4oMFgo

　／　　 ≠´: . .　　―　｀
/　彡⌒:　　　　　　　　＼
　ｲ :　　　　＼　｀　､　　　　ヽ
〃 :.:　　　　　ヽ　　　＼　＼　　.:.
: :/: :　 :　ﾊ :.　ヾ:　　　　　　ヽ　.:.
:〃: :./.:　 .:.|: :.　ﾊ:ヽ＼: .　ヽ　.:. i :.ｉ
'/ : : | :　.: :i|:.:.ｉ　　l: :ﾄ､ヽ　ｉ: :.ｉハ:!
: : : i | : .: :.小:.ｌ　ﾊ l厶斗:. :.|: :.|　 }:.
: :ｉ:.:|ﾊ: :._/ﾘ　!|:　.' ﾉ′ }:ハ: :|:.:.:!ヽ　}　　　　　　.あの戦を誰が一番やりたがっていたかと言えば、
: :|斗七/　　　|: /　,ｨf笊ﾐｙ|: ﾊ: ;.　{　{　　　　　　それは間違いなく司馬昭だろう。
: :|'..ﾚf示ミ､　 | '　八rｆ:j:} 从ﾊ/　〔　:.
: :|《ﾊr':ｆ:j::}　 /'　　　ゞﾟ '　ｲ乂　　ﾍヽ　　　　 .理由は二つ。
小　う::ソ　　　　　,　　　　| i ﾄ､　　ヾ; ｉ
:.ｉ: :.　　　　　　　　　　　　　小:ト:＼　ｲ　;　　　　 ①高貴郷公の変の汚名返上
: : :.ﾍ　　　　　 ' ‘　　ｲ:.:|ﾊ!　　　〔 /　　　　 .②曹操ですら果たせなかった蜀攻略を果たし、次の段階に進む
: : i:小. ．　　　　　　　个ﾍ: |:　＼　f.:/
ﾊ:从ﾊ! 　｀　　ｧ―.´:.:.!:.:.:｀}:　　〉 /　　　　　　.諸葛誕の乱で大勝したものの、
:.:.:≧ｘ　　　　ハ:. :.:＼:.:.:.:.:.:　　/乂　　　　　　当時の司馬昭の声威は禅譲を迫れるほど高くはなかった
ﾊ.:.:.:.:.:..｀ーｘ　　　ヽ:.: :.:ヽ:.:.:.:　 /:　　ヽ
八:.:.:.:.ｉ　　ｉ　　＿:. :. :. Ⅵ.:. / ｉ:　　　Ｙ
:.:.:ヽ:.:.ヽ　ｉ |. : ´:.: :.:ﾊ:. :. Ⅳ /　|　　　:ﾊ
:.:.:.:.:.＼:.:.. }:.|:. :.＞ ―∨:.:{ Ⅵヽ:l　　 : | |
:.:.　:.:.:. ＼:.:.:! ´　　 ―∨ﾍ〉:.:.人　 :ｉ ! ﾄ.
:.:　ﾍ:.:.　＼:ｘ＜:. :. :. :.ﾊ :.{{:.:　　ヽ:.lｉ　 :.
:.　　ヽ　:.:.: ＼:. :. :. :. :. |:. ヾ:. .:.: .　}ヾ　　:.

162 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:53:19.25 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼　　　　＿＿＿
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　／　　　　＼　　　　　　蜀討伐は本当に
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　／　⌒　　⌒　 .＼　　　　誰もが司馬昭の掌で踊らされてた気がするお
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜／　（●）　（●）　　＼
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} |　　　（__人__）　　　　　|
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 }　＼　　　｀ ⌒´ 　　　_／　　　　　　　　　義兄上が蜀討伐にかけていた意気込みは
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　|　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　並々ならぬものがありましたよ
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　|　|　　　　　　　　 | 　|
-―――――|:::::::::::::::: ＼-―┴┴―――――┴┴――
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　，: : /: : : : : : : :〃: : : : : : : : : : : : :ヽ:＼ : : ＼ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,: : : ;: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :ﾄ､: : : :.',: : : : ヾ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: : : : : : :/ : : :/: : : : : : : /|: : : :: :ﾊハ:: i: : : : : : : y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : :;': : : : i: : : : : : :./.ﾉ: :,ｨ: : iム_从!: : : : : : : i
　　　　とはいえ、蜀討伐が行われるのは三年後。　　　　　　　　八: : : : i: : : : :.|: : : : :.∠/: :/ j: :./　,_＿ﾊ: : :i: : : : !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨: :_j: : : : :.|: : :ｨ／_/／_ /／　,ｨf笊ﾐ}: :/: : : :.,’
　　　　諸葛誕の乱で大動員をかけ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ 小rｲ: : !: /ｲf示笊ﾐ.／　　　r'f::j ,':/: : : i: :
　　　　なおかつあのような大事件もあった。　　　　　　　　　　　　　　ﾊ{ 从::i: :.:Ⅳ ヾ{ｲf::j:ﾘ　　　　　`'''´イ: : : :ﾉ:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ﾄ､._∧: :ﾄﾐ､　ゞｰ''´　　　ヽ　　 i: :イ:.:/
　　　　すぐに行動を起こすわけにはいかなかった　　　　　　　　　　　　　 }:.ハ: :ヾ:.､　　　　　　 _ _　　ｲ: : :/ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /^}ﾚ:ﾍ: : ヽ　､. 　　　　／i:ﾉ!:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:.:.:.:.i{　　＼: ',　＞　　 _.／､　　j;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:..ヽ　　＼　　　/:.:.:.:|::||:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 .　　　　　∠.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..∧　　　　　ｲﾊ:.:.:.|::||:::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 .　　　／:::::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧　　　　ノ i : :|::||:::::|

163 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:54:29.64 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６０年６月　魏首都　洛陽】

　　 .∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　　　　　＿＿＿＿＿| .::|─Λ
　　 .∥　　　　　　　　　　　　　　　　 Λ　　 /| |n_n_n　　　　　∧　　n_n_n_n_| .::|⌒| :|へ
　　 .∧　　　　　　　　　　　　　 i.　 | i'´￣`ｉ∨　 . ::|ニニニニニニ|...　　　　∨　 .| :|￣|
　　∧ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　 Λ　| |'´.:∧| |　 . . ::|　ﾛ　ﾛ　ﾛ　ﾛ .|::: .　　　.:.:|_n_n_n_n_n
　 ΔVΔ　　　　　　　　　　　　 | :|ﾍ| |　/ n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n　. :::|　　　　　..:|
　 ||:||:||:||　　　　　　　　　　　　n_n_n_n_n_n_n_n_|::.: .　　　　　　　　　　　. :.:::|_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
＿||:||:||:||　　　　　　　　　　　　|::.:. .　　　　　　 |::.:.n.　　　n　　　　n　　　.n.:.:::|　　　　　　　／￣
　 |=＝=ト、　　│　　　　　　　|:: . . `＝f==f===|::.:. .. i | i　　　　　　　　 . :.:::|　　n　　 ,∠＿＿＿
＼＼|＿|　＼n_∥_ｎ_ｎ　　　　|:: []＿＿|＿|＿_.|::.:. .. l!ﾍl!　　｢| 　｢|　　　＿＿__|＿＿＿_.|] [] [] [] [
]士ェェェェェ|　∥::ﾛ:ﾛ|＿__、 |::.|X⌒X⌒X⌒X|::::.::. |曰||　 .|.|'⌒|.|　　/_n＿n＿n＿.n , .|========
　| /Λ /Λ:| ／/＼ :::|─‐ﾍ.∧二二二二二二二二|TT|　 :|:| 　 |:| 　.| :|ﾛ|: |ﾛ|: |ﾛ|: ／　|工工工工
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]士ェェェェェ] | ｌ｣ｌ｣|ヘ、| |:::::| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　/_n＿n＿n＿n＿n＿n_/￣￣￣￣￣￣￣￣
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二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　しかし、司馬昭は待てる男だった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　今回は機会到来を待つ司馬昭の周囲の話題が主となる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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164 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:55:30.79 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -―-　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.r'"　　　　　　｀ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.'　　　　　､　　　 `,
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,."　,､　　　　ヽ　､　 i.　l
　　　　　　　　　　　　　　　 f　 /　'､　､.　　 l　ヽ :l　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　l　./　　`､　ヾ　　 '､　 j ::l､
　　　　　　　　　　　　　　 i .l-　　＿ヽ,_'､　,r"y　ﾉ::;' l
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ「l　　 i‐,ヽ　i..: :: :::i　 l　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ'　　 i.ﾉ　`, ヾ::. /l:::: |　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　 i 　 /,;;i ;:;:| l::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ヽ､-　　_r'".|;; ,;;;l　ﾄ､.:::::::ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.r´:;:;:;:;:;:;ﾄ―‐'´.|/::　　/;;;ヽ / ::|
　　　　　　　　　　　　　　 __.ｲ /;:;:'__,--| '''''';;;;;;'､/:::::''' ,,, ヽ､ ::ﾄ.,
　　　　　　　　　　　　 ,.r'"　　.l;／:::: 　 l　　.:::::::｀ヽ､:::ノ｀lヽ､_ ::|
　　　　　　　　　　　 ,'　　,　　::ヽ::::::｀ヽ `　／::::,r'´~　 _ :lヽ-' ::ﾄ､
　　　　　　　　　　　l　／　 r-､`､:'　　　　' '''''/　　_-~　;;|`ヽ｀ヾ.::i
　　　　　　　　　　　l , '　　ﾉ　｀`ー､__　　／　-‐　　　　　..ヾ;l :::ﾄ､
　　　　　　　　　　r'"_., -'"´　　　　　　｀‐'ヽ/｀`ヽ､　　　　:;;　'､‐' ::l
　　　　　　　　　,-'´~　　^''_,.r'´｀`ヽ､,_　　　//｀`ﾌ./｀ヽ　　 ' 　 `i :::j､
　　　　　　　　l´　　_,r‐'"´;;;;;;;人''';;;;;;;,,｀ヽy'./　 /./｀ヾ　　　　　　| l :::i､
　　　　　　　　 i,.r';;;/　　'';;;;;:/:;:;:ヽ､'';;;;;;;;;;;;ヽ｀`‐'./｀ヾ:::.　　　　　ﾄ､_,l.ヽ
　　　　　　　　/;;;;;/　　　､ '/;:;:;:;:;:;,l　 ''';;;;;;;;;;ヾ￣ヾヾ　 r'"　ヾ､　　ﾄ､ ::: |
　　　　　　　ヾ;;/　　　ヾ" ヽ;:;:;:;:;ﾉ　　　 ';;;;;;;;｀ヽ　､　ヾ'　l　　　　　|_,r-'ヽ,
　　　　　　　　 /　　　　　　　＼'"　　　　ヾ__:: ∧　ヽ　　　 ''　　　　|ー―,'
　　　　　　 |　　　　　　　　　｀ヽ､＿　ヽ:::...|-ヽ　｀ヽ　　　　　　ヽ￣~.>

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　皇帝　曹奐

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　甘露五年六月二日。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　高貴郷公の変のすべての後始末が終わった後、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　常道郷公曹奐が洛陽に入城、郭太后に目通りし即日帝位に就いた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　大赦及び穀物等の下賜が行われ、年号が甘露から景元に改められた
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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165 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:57:06.93 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　 l/　　　　　／　 /　　　｀ヽ　　ヽ l
　　　　　　 l /　　　 /　　 /／＼　　｀ヽ　　.l
　　　　　　 l´　　 /　　 v´　　　ヽ　　　ヽヽl
　　　　　 l　　 /　　　/　　　　　　ヽ　　ヽril
　　　　 i　　 /　　　/_____　　　__,-ｰヽ　 ii　l　　　　　.高貴郷公が即位した時の例に習い、
　　　　　 l　　/i　　 ┬ｰ┐　　　 -ｰ┬i　 l　.|　　　　　あなたに晋公・相国の位と九錫を与えようと思います
　　　　　.l　 //　　 /ヽじｿ　　　　じﾉ l　 ii /
　　　　　l　 /i　　ハ　　　　　　　　　 / 　ﾄ　
　　　　　l　/ l　 ./　ヽ　　　　　 / 　 /ヽ　
　　　　　l　／　ﾊヽヽヾヽ､　- - ,ｨ´//i l;;ヽヽ
　　　 /ヽi.-l /;;;;ヽヽ／´　｀ｰ ´ ヽ_//; ; ;|ｰｰヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　
　　 rｰｰィｰ-ゝ-ｰｰ´　　　　　　　　ﾚ｀ｰｰl 　　 i｀ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.rｧ　´ 　 ',　｀　､　
.　ノ: : : ヽ i´　ヽ,　　　　　　　　　　　　　 /｀ｰｰ |: : : ヽｰ-　　　　　　　　　　　　 /7／　　　　　l　　　ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く{/l !　　　　 !　　　　 .ﾊ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ｌ !　　　　　　　　　　　 ', 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　､　　　 /　!　　　　　/　} 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　 ',　　/　.∧　　　 ./　ｲ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃1 !ヽ　l　/　 /　､　　.／ｨ1､　
　　ありがたい話ですが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/　ヽゝ｀　　　 ,.､　　　/　 / ﾉ　ヽ　
　　父と兄が辞退した事を考えれば、弟が受けるわけにはいきません　　　　ﾞ ,..-「二ニー, ´,､｀>‐ '⌒ヽ. 　ノ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '´　　　＼_ ＞≦　≧､___,. -へ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　/　　　　　ﾞヽ、　　／´　　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.!i/　　　　　　　｀￣ ´　　　　　ﾊ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　　 ,.二_/　　　　　　　　　　　　　　// 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i´　　,.ィ´　　./　　　　　　　　　　ト､ヽ '　ヽ　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　大将軍　司馬昭（字：子上）

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　二日後の景元元年六月四日。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　またしても司馬昭を晋公・相国に任じ、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　十郡を領地として加増、九錫他を授ける内容の詔勅が下る。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　曹奐擁立の功績が名目だろうが、司馬昭は今回もこれを固辞している
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

166 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:58:09.62 ID:u+h4oMFgo

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼（ ;;;;(
　／　　＿ノ　ヽ__＼) ;;;;)
／　　（─）　（─ /;;／　　　　　　　　まーた心にもないことを。
|　　　　（__人__） l;;,´|
./　　　　 ∩ ノ)━・'／　　　　　　　　　いいかげんこのやりとりにも飽きてきたお
(　＼　／＿ノ´.|　 |
.＼　 " 　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　　この三日後、後漢の献帝の妃だった曹節が亡くなった　　　　　　　　　_, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　ヾヽ　　l　　ｌ　 //　l　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ﾍ　 l　ヾ＼ヽm/ ,／　V　:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　＼|　　`ﾄ,＼V／| 　 │ ､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/￣＞‐ｧ､　 j__≧i≦ !,ｨ彡三>ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　 /{　`ﾍ三三三ミ=彡＜＿/　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　＞ー‐'"ト-- (＾ｰ'⌒　〉　__ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｰ‐ｲ　　　 |　{ {　{T'┬='ｰく |

167 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 21:58:58.95 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６０年６月　魏　兗州　山陽郡】

　　　　　　　　　　　　　　　　　.　- :‐―:－:-　..
　　　　　　　　　　　　　　,. :'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶､
　　　　　　　　　　／:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　 /:.:.:/:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.　丶
　　　　　　　　〃:.::':.:.:.:.:.;'/.:' i: ...i...i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',........:.:..:.ヽ
　　　　　　　 ,'.i:.:.::ｉ:.:.:.:.:.i:ｉ:.i::.:!:.:.:ｌ:.:.!:.:.::::.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.::.:.:.:.:｀､
　　　　　　　　　 i.::!.:.::l:.:.:.:.:.:l:!:|ｉ:.ｌi::.:.:!::.ﾄ､:..:､::::.:.:.:.:.!:.i:.:.:.ｉ:.:.:.:.!:.i
　　　　　　　　 |:::::::::|:.:.:.:.:.:|:!| l:| ';:::|_､:!__､::ﾄ::ｉ:::.:.;'i:::|::.:.!::.:.川:l
　　　　　　　 l:!::::::;1:. .:.:.:.!:|冖!_二い{　ヽ!';!:::/-!､!iｲ!::.;'::ﾊ:|
　　　　　　　 !i::::r'｢!ｉ: :.:.:.:i:.!ィ´::__j ヽ｀　 } i|厶-:vﾘｲ:/:/　ﾘ
　　　　　　　　　 |:!::::い|:!:　.:.:.!:| !::::ｰt_　　　　 !::┘〉/'::ｲ　/　　　　古来から滅亡しない国家はない。
　　　　　　　ｌ:i:::::::`:l:i:. :.:.:.:!:l ｀￣´　　　　　 ..Ｌ:]_ ,':. ﾘ:!
　　　　　　　　　j:::::::::::!:|::!: .::.:.:!:|　　　　　　　〉　　 !:〃:|　　　　　　そのとおりになりそうですね
　　　　　　 ;:;':::::::::i::!::!:.:.::::.:ｉ:l　　　　　_＿　　　,ｲ:.:!!::j
　　　　　　　　,:/:::::::::::ﾘ|::i:.:.:.:::!:ｉ:|､　　　　　　／:.:!:.:ﾘ/
　　　　　〃::::::::::::;'::|::i::.:.::::ｉ:.i:l　丶　　　 ,.イ::.:.:.:.:ｌ:.:l'′
.　　　　　 /::::::::::::::/:::::|::i::.:.::::l::.!|　　　｀ﾌ:´l::::l:::.:.:.:.:|:.|
　　　　 /::::::::::::::/::::r‐!::l::::.::::|i:i:!､　　 {ヽ:::i:::::i::.:.:.:.:.!:!
　　　　　/:::::::::_;; -‐'´:..:.l:::li::::::::l:!!|:.｀＞:くﾍ}:!::::::!:i::::.:.:.',
　　, --く_,. ‐く＼　 :..:..:..!::|!:::::::! l:i.//´:..:.ｉ:ト､:::::い::::::.:.ヽ
　/　　／｀ヽ: ＼ヽ　　 :.:l::|';::::::l:..l|':j:..　　l::!　｀ヽ､::_､:___::｀､
, '　　　　　　ﾊ: : :ヽ｀､　　 !い::::| //　　　 !:!　　　　}::} 　ヽ:＼

　　　　　　　　　　　魏　山陽公妃　曹節

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　曹節は献穆皇后と諡を追贈され、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　その葬儀は漢王朝の慣例に従って執り行われた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .彼女の目に曹家の衰退ぶりはどう映ったのだろうか？
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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168 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/09/17(月) 21:59:28.83 ID:dkyJ5/NB0

もうこの辺は完全に台本通りだよな
いわれただけのことを淡々と述べるだけの悲しい皇帝だ

169 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:02:37.77 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６０年夏　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　 ,. -‐＝= ｧ-､__
　　　　　　　 /　　､＼ {　(薔)ﾌ_
　　　　　　　 !i /'^｀＼､＼ヽl」ﾊ´
　　　　　　　∨ ≡　　≡､ヽ l/.}　　　　　　　　　　.これからという時に……
　　　　　　ｒ‐| ∪ｒ‐､∪　ﾞつ/
　　　　　ｱ,〉.u 二 u/´｀У　　　　　　　　　　　玄伯に司空の地位を追贈するかしら
　　　　　　 ,}ｱ´lﾌ∧ﾌ〔×〈
　　　　　　　ヽ「　l」 l」　テノ＼_
　　　　　　　　,λ Y⌒ﾉ　 /_ｯ～<
　　　　　　 ∠__|__」/___　!、　ノ二>　
　　　　　　　　　｀´ ｀ｰ＾ｰﾞー´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::/:::/::::/:::/イ　　 !::::::::::::',:',::',:::::::',:::',::::',:::::ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.':::::::/:::,'::::/;;;/ 〃　　 i.::::::::::::::!:',::',:::::::',:::',:::::',:::::;ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !::::::/i::::i::::::!:;;;!　i!　　　 !',:::::::::::i!:i i::!i::::::ﾊ:::',:::::',:::::::;',::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.!:::::::!::!:::!;::::i;;;;;!　i!.　　　 !.!::::::::::!i:i i::!i::;;;i;;!::::!::::::!::::::;;',::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ:::::::!:::i:::i::::::i;;;ﾊ _i! .＿＿i i::::::::ﾘ」i__ii_!:::ﾊ;i:::::!::::::!::::::;;ﾊ::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' i:::::::i::::i:::ﾊ::::ﾚir "升==､.ﾒ i:::::::ﾘ´ﾉ_ﾉ_Tﾅメ:::::!::::::!:::::;;;ハ::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　!:::::::!::::i:Y'i::::',ｯｨｆﾁ~ミi` 　i::::::〃彳~ミヾァ::::::i::::::i::::::;;;i　i:i
　　　　　　　あの子も喜ぶでしょう　　　　　　　　　　　　　 .,'　i::::::::::i::::i::iﾊ::::::',ﾊゝ__,ｿ　ﾉ／〃　ゞ＿ｿ i::::::::!ｿ:::i:::::::;;;i　i:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　 !:::::::::::i::::!:ヽ',::::::ヽ、　　　　　　　　　　〃:.::::i/::::i:::::::;;;;i　i:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' 　.!:::::::::::::!:::!::::::',:::':,ヽ　　　　　　' 　　　　〃::::,':::,::::/::::::::;;;i　i:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　!::::::::::::::::',::',::::ﾊ::::::ﾍ、　　　　ｰ　　　　〃:::::,'::/／!::i::::::;;;! 〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　i':::::::::::::i:::::ヽ',::::ﾊヾ:::ヽk ､　　　　ｨ＜;;;:::::i:〃i:::::!::i:::::::;;i〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　 !:::::::::::::i::::::;;;;;;ヾ､;;;;┌ﾍﾄｰ≧ ｪ ≦ ┴┐;:::::ﾚ';;;;!:::::!::i::::::;乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　!::::::::::::::!:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::ヽ::::::::Ｙ : 　 .:::::| ;:::::i;;;;;;;i::::::!::i::::::!;;;;i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　尚書左僕射　荀顗

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　曹奐の即位・曹節の死と前後して、尚書左僕射の陳泰も世を去った。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　陳泰は父陳羣と同じ司空を追贈され、穆侯と諡された。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .後任の尚書左僕射には、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　陳泰の叔父荀顗が穴を埋める形で任命されている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

170 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:03:57.33 ID:u+h4oMFgo

　　　　　＿＿__
　　　　／　　　＼
.　　　／　　　　　　　＼
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　　　　　司空の追贈かお？
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　／　　　　　　利用できるものは利用する司馬昭には頭が下がるお
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　＼
　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　これも政治です　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 { 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 |

　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　　　六月十一日には尚書右僕射の王観が司空となる
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

171 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:05:13.32 ID:u+h4oMFgo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　／　　 ─　　 ― ヽ　　　　　　　　　なんだかんだで要人が立て続けに死んでるお。
　／　　（ ●）　（ ●）'　
　|　　　　（__人__）　　|　　　　　　　そりゃなかなか外へ目を向けられんわけだお
　＼　　　　｀ ⌒´ 　,／
　／　　　　　　ー‐　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 /: : : : : : : :/ : : : : : : : : : : ＼ヽ : : : ヽ :. :. :. :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : ｉ : : : ｉﾍ : : 丶: : : ＼: : : : :.∨: : : :廴
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : /: : : : | : : : ト　＼ : : ＼.: : : :. : : : : : : : : :. :. ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ィ : : : : ' : : ｉ:. :| : : : |　　｀ヽ厶斗: : :∨: : : :ｉ : : : N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |:.ｉ:. :. :ｉ: : : |:. :|小:. :!　　／ヽ厶ミヽ ∨:. :.:|､: : :.ﾄ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　|:'|:i: : :|:. :. :! : | { 乂:.　　　ィ斧:ﾊ }　ｉ｀ヽ:. :.| } : ｉ:|
　　　　　ところが十月。　　　　　　　　　　　　　　　　　{ |:l: : :|: : ｉ : 斗七　｀ヽ　　ハう::ｿ　 .: / : : ﾙ': :.ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　|:. :. :|: /|:. : :|,ィf斧ﾐ　　　　 ´　　ﾉｲ: :. :.小 /
　　　　　今度はその王観が逝去してしまう　　　　　　　ﾊ: : 小{:.ｌ:. : :ト､　うｿ　　　　　　　　 |: : / N }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 ∧:. :!　∧:. :ト:i:ヽ　　　｀　 _　　　 |:.:.从{ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　ヽ:.　　＼∨: : : ､　　 ´　　　／!:/　Ⅶ):. :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ﾊ: ｉ : ハ{≧ｭ..... 　_／　 {′ ／:. :. :. :. :＜＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八:ﾄ､{　　　　 .:´ﾊ　　／:. :. :. :. :. ...:::´::イ｀ニ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　｀　　　 /:. :ム}　　.ｲ:. :. :. :. :／::／:. ／:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ― . . .､/:. :. :. :. :. /::::/:. : /:::::::::::::::::::

172 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:06:43.58 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６０年１２月　魏首都　洛陽】

　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ヽ::::',
　　　　,':::::::::::::::::::::l:l';:/l:::::::::::i:::::::::::::::::::',　」:::i
　　　　ｉ::::::::::::::::::l::l::l'"´l:::::::::il:::l:::::::::::::::::i　l:::::l
　　　l:l:::::::::l:::::::l::l::l　 /::::::/l:::l::l:::::::::::::i:l 「:::::l
　　　!:ｌ:::::::::l:::::::l::';:ｌ /::::::/-リﾘl::::l::::::;ｲﾉ::';:ﾉ二ﾆヽ
　　　 l::li::::::::::l::::::l.,ｲヽ';::::/ イプ､l::l::::/::l::::::/三ﾆヽ ',　　　　　大将軍は次の司空に王祥殿を考えておられます
　　　';l l::::::::::l:::::l　ｌ::! ヽﾄ,　l::::::ｲl:l::/::::l:;:イl';:ヽ ', ﾉ
　　　　 ', ヽ､:::::';::::l "　　ﾘ　｀`,,,/ｲ:::::::l';:l::l ﾘリソ
　　　　　／　l:ヽ';ヽl＼　ー┐　 ,.ｲ::::::/l:';lﾉ , -'"´￣ヽ
　　　／　　 l:::::::::::l',　｀ ‐r‐ ' ´ /::::/';'リ／　　 ,.へ　l
　　 /,.へ　　 lヽ::::::l､i ／l:l___／/:::/ 〉ｱ　 , -'´ l ／Y　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '⌒ヽ
　　ヽ／　＼ ',　';::l　l /::::::l　 /／／　, -'´　　　ヽ　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {"l " '|
　　　 l　　　　ヽ　 ';l, -─┐ヽ　／　「　,　-‐ｰ､_ﾉヽフ　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ノ|i＝| ∧_＿
　／:::L,.へ　　／ , -' ´ ﾌl::::::::/　ｒ'´　　　l-'"´lヽ／　　　　　　　　　　　　　　　┌ ''"::::::il::l´ T /|::::i:::::::::￣",ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::∥:::::l::l',　y　 |::::|:::::::::::::∥:::i
　　　　　　　魏　尚書右僕射　裴秀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /l::∥:○i::lゝ'　　 |::::|:::Ο,':∥::::ゝヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ |::|l::::::::i:|´ 川　|::::|:::::::,':∥／,ﾊ:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠:::i:::',:|l::::::::l:lヾ＝="ﾞi:::::|:::::;:∥:::,ｲ:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{:::::､:ヾ:::::::::::::l::r'´エ ‐┘:::i::::::∥::::/:::::::::::::／
　　　　　　　　　断わる理由はない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::ゝゞ;;::::::::l::l三三三|::::';::::Y:::/::::::::::::く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､:::::i:::::::::{::l三三三 }:::::',::::ゝ,::::::::::::::/
　　　　　　　　　受けると伝えておいてくれ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::::::::i:::::::::l::l､ｰ-‐‐‐"ﾍ::::',::::::{:::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::::::l:::::::::l:|　`ヽ､　　ﾍ:::::',::::ヽ::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣t:::::::::l:| |　　　　　　ﾍ::::',::::ゝ:;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::l:l |　　　　　　ﾍ::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:l| |　;､　　　　ﾍ__|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　三老　王祥

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　十二月になって王祥が後任と決まる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　ここで一度魏の上層部の面々を整理しよう
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

173 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:08:01.39 ID:u+h4oMFgo

┌───────────┐
│●太傅　司馬孚　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
│●大将軍　司馬昭　　　　...│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
│　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　司馬昭はともかく、他はジジイばっかだお。　　　　／⌒　　 ⌒　　＼
│●太尉　高柔　　　　　　　 .│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）　（● ）　　　ヽ
│●司徒　鄭沖　　　　　　　 .│　　　荀顗も荀彧の息子だから六十近いし……　　　　.|　⌒（__人__）⌒　　　 |
│●司空　王祥　　　　　　　 .│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　　　／
│　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼
│●尚書左僕射　荀顗　　.....│
│●尚書右僕射　裴秀　　.....│
└───────────┘

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ー）（ー）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　この中で唯一の例外が裴秀殿ですね。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l　　　　　　　　　　彼は当時、三十七歳で尚書左僕射になっています
.　ヽ　　　　　 |　　ﾉ
　　ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

174 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:09:09.37 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６０年１２月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　/ . : : : : : : ﾊﾊ: : : : : : : : : : : : : : | ｲﾄ､
　　　　　　　　　　　i: : : : : : : : ミ彡: : : :.|:.: : |: : : : : : :|　〕 .ヽ
　　　　　　　　　　　 |: : :|: l: :.:.:.|　 ,': : : : :|: : l:|: :.|: : : : | 〈: : :.|
　　　　　　　　　　　 |: : :|: l: : ﾊ|　,': : : : ,ｲﾍ､l:| : |: : : : |　〕: : L_　鍾会君。
　　　　　　　　　　　 |: : :|: l: ﾒメ､ l: : :ィ´_ﾉ:ﾉﾘ.:ノ: : : : l 〈: : : l: :
　　　　　　　　　　　 |.:.:: lV: :ﾘ　｀〈::イ`=〒＝ﾃ7: : : :./_ノ: : /⌒　司隷校尉の役目は
　　　　　　　 ∩　　 |.:.: :l: ヽ|＝'　 )ﾉ　ヽﾋ｡りﾉi:l: : :./ : : :／ヽ　　.大将軍府の諸事を取り仕切る事ではありませんよ？
　　　　　　　 | |　　 V: :l: : :ﾊ　 ,　　　　｀,,,,´ ﾘ: : ｲﾉ／i: :l.:|　　
　　　　　/^| ∩　　　VVN: ヽ　　　　　　 /:／/イ　/: :.l:.|
　　　　/´l ﾉ　 l |　　　_.ノ´|: | ＞ヽ)　　 ,. イ: : :/: ヽ: : : ://
　　　　lﾉJ 　　 l　,. ｲ__) 　 |: Lr ｭ｀エ´｀ヽ/.:.ィ⌒ヽ:.＼//
　　　　l　　ﾉ　/ (　　　　　ヽ|　　　　　　/--ｲ　　　ヽｰ'
　　　/　／,. イ　_ﾉ ,.　 -‐ '´: : ﾉ((ん ,. '´:.:.:.:.::.`ヽ　　 |　　　　　　　　／| | ／　／　　//　 _,.-7 / ∧ﾙ' ／,/　川　l.|
「￣|｀ｰ---‐' | /,.ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(⌒Y／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::',　ｲ　　　　　　.　　　 | |／／　_,.,.ィ/rｧ,.-､ヽ.y'､/　/　/_/　/ ﾘ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |／／'/Ｘヽｲ (.ﾌ/） /ﾍ',.ｨ' ,r∠/彡/ ,!//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ |／!,//'　/' !｀¨７　./ /ｒ7／|　/彡/ ,/ｲ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l{　|/　　 ′|　　　　 '′´　　| '彡/ /　|!
　　　　　　　　何、自分の職責は果たしているさ。　　　　　　　　　　　　 / `　|　　　　　　　　　　　　　 |/,/,l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　　　　　　　　　　　　　　　 |V /
　　　　　　　　それに、賈充や荀勗に何ができる？　　　　　　　　 '　　　　　　　　　　　　　ヽ-　,.. ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　　　　ヽ＝＝=‐-／　ヽ
　　　　　　　　あんな程度の連中が補佐しているから、　　　　　　　　＼　　　　　　　／　　ヽ
　　　　　　　　高貴郷公を死に至らしめるハメになる　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 /　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ､　　　ノ　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨ ‐'_　　　 i ￣　　|　　　　 l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　司隷校尉　鍾会

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　鍾会の出世速度はよく話題になりますが、
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .裴秀殿の出世ぶりもそれに匹敵するものがありました。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　ただ、尚書左僕射と司隷校尉は同じ三品官ですが、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　政務の中枢に関わるという意味では尚書右僕射の方が上です。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.むしろ義兄上は鍾会よりも、
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .古くからの属官だった裴秀殿を信用していたようですね
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

175 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:14:06.67 ID:u+h4oMFgo

【鍾会さんは中央官庁から離れていても政治上の決定には関与してたりする】

　　　　　　　　　　／:.／:｡:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.;:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　 ,.:":／:.ﾟ.:.:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:／:..／　＼:.:.:.:.:.:.:i:.ヽ
　　　　　　　 /／':.:.:.:,:.:.:.:.:.／/:.:.:／:.:／　　　　ヾ:.:.:.:.:.';.:.:,
　　　　　　 .':.:.:.:.:i:.:.:.Ｘ　/:.／/／　　　　 ,　';.:.:.:.:.';.:.!
　　　　　　　 !:.:.:,':.i:.:./　｀ｰ.　"　　　　／　　 ,:.i:.:.:';.!　　　　　　　　　　大将軍！
　　　　　　　　 !:.:/:.:.!/ ｨ´ .ﾑﾐ;ヾ　　　ヾ 7.ﾑﾐ;　ヽ i:.!:.:.:.ヾ
　　　　　　　　 У:.:.:,!;ｲ゛乂ｼノ　　　 !乂ｼ　ノ .i:ｬ,:.:.:.:.:,　　　　　　　　　どうして司隷校尉の
　　　　　　 ,.':.:.:.:./i!..　　　　　　 ,　　　　　　　　,i:i　}､:.:.:.:,　　　　　　　　越権行為を放置するんです！
　　　　　／:.:./:.;ﾍﾂ',　　　　＿＿ _　　　　 /i! /:.:＼:.:.,､
　　　　　　／:.:／//:.:.:.＞,! 　　 / ー‐―一ﾞ､　　 /_シ:.:.:.:.:.:ヾ:.:.ヾー-...-　　.大将軍府の仕事は私たちにお任せを！！
-.....一:.:.７:.:／:.:.:y':.:.:.:.:.:.:.:.＼　 if　￣￣￣ y　／:.:.:.:.:_.:.:.:.:.:.:.;＼:.ヾ:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:/.:/:.:.:.:.:.:, 7 ￣￣￣ .i ､ﾞ　――　" .ィ´￣￣　.「ヾ:.:.:.:.:.:ヾ:.!≦二
一, ":.;.:./:.:.:.:.:.:/　!　　　　ﾄ　＞　._ . ＜ i!}　　　　　.!　 '.;:.＼:.:.ヾｼ:.:.:.:.:.　
／:.:.:.:.!/:.:.:／/ i . .!　　　　ヽ　　　　　　/　　　　　　 i　,　.';:.:.:.＼;.:!-＝　
.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:/　 i!　､　　　　　＼　　　 /　　　　　 j /:　　!:.　　　　　　　　ﾊ　　　＼　　､　　ヽ!,-‐ﾍ {薔}ｯ､ﾉ }、
:.:.:.:.:.／:.:.:.:.{　　 i!　＼　　　　　　＼　 /　　　　　 /./:.　　 {:.　　　　　　　ﾊ　　 / 〃ヽ　＼　ヽ.／ﾞｰ､_メ　,>'.ﾊ:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 |　l　〃 /　　　｀ヽ､ヽ　ヾ､　　／v'　　 |　
　　　　　　　　　　　　魏　大将軍従事中郎　荀勗　　　　　　　　　　　　　 !　!　,'　,' -‐-　　　＼⌒ ヾ／"´　　　 |　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ',　∨　 !　　　､　　　 ,. ｀＞-､　ヽv―､/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉＾ヽ　 | ｙf三ヽ　　　イ fヽiﾐヽ　 }ｰ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　､! (｀∧. ', ヾﾞｿノ　　　　ゞ_"ﾉ　 ', ﾊｒ, ' /_
　　　　　　　　　　我慢しなさい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/｀ヽ､!l､ヽヽ　￣　　　　　　　　　ノｒ!| ノﾉﾊ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}､　ヽl.|ｰ､‐^、　　　ｒ,―,　　　ｒ'く"=_!|‐´　,.ﾍ、
　　　　　　　　　　鍾会の才はまだ必要かしら　　　　　　　　　　　　　　ヽ＼　!!,-'―‐＞､　ゝ '　,.＜.|　|ｰ'ｿ､__／　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　へ__／ﾞ　　　 __｀￣ヽニ´二__L ヽ　　＼__／ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ﾄ/　　　　　|　二二ﾆ「Y_{´__　　|　　､ヽｰｲ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 У　　 /　　 .!　}-―‐ｲ .ﾄ+´__　　| ,ﾍ ,､ヽ＼'　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 {　　　ゝ､_ｨ７´7｀´ヽヾ ,-　〉､ ∧／ｯ'　

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　後に鍾会が反乱を起こす理由のひとつとして、
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　己の処遇への不満があったのかもしれません。
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .良くも悪くも自負心の強い男と言えます
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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176 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:14:46.48 ID:u+h4oMFgo

【紀元２４９年１月　蜀首都　成都】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i､,,-ーフ,､__
　　　　　　　　　　　　　 iヽ／i/::::／∠_::::::::::::::｀＞__
　　　　　　　　　　　　　　 |::ヽ:/:／／/::::::／::＞::::::::::::ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　 |ヾ::V:::/:,彡ｿﾊﾍ;;;;;::::￣´＼:ト
　　　　　　　　　　　　　　γ升/`"ﾍL__,,､__ﾍ　/｀二ニ:::＼
　　　　　　　　　　　　　　 !/≧　`"''i斤┬,ｒ､く;;:::ニ＿＼::＞
　　　　　　　　　　　　　　　 'fj_)　　　ヾ┴ ′　　ミ::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　/フ　　　　　　　　　ﾐ>＝-::ﾍ一　　　　洛陽の優れた人物？
　　　　　　　　　　　　　　〈ヽ　　　　　　　　　　γ´ヾラﾍ
　　　　　　　　　　　　　 ',　､ｰ'""'､　　　　ソノ/::/　　　　　　　鍾会ってのがいるんだが、
　　　　　　　　　　　　　　　', 　` ｰ　′ 　　∧≦／　　　　　　　　そいつが朝政を取り仕切るようになれば……
　　　　　　　　　　　　　　　　i′　　　　　　　´　l:l::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　|:lヽ __　　　　　　　l:l:l:::|　　　　　　　　 .蜀と呉にとって憂慮すべき事態になるかもな
　　　　　　　　　　　　　　　　L!　　 i　　　　_.,､ｰl !」ゞ、
　　　　　　＿＿　　　　　　　　　　ｲt､,,,､､i´: : : : : : : : :＞ｰ-､_ ＿
　　　　／´: : : ／￣＞ｰ--､,,､ｰ'´:.| i丁厂ﾍ__;, : : : :／: : : : :!√ヽ:｀:＼
　　　/',: : : : : i: : : : i: : : : /: : : :,､／Υｿγ⌒ヽﾍ／: : : : ／: : : : : :,ヘ :＼
　　/:.:.',: : : : :l : : : l: : : : i:,､ｰ';;;;（( ノソ´;;;;;;;;)）;;/: : : ／´: : : :.,､ｰ'′: :ヾヾヽ
　 i:.:.:.:.',: : : : ! : : :.l: : : :|二ニヘノﾉヘ＝=≡∨: :／: : :,､ｰ':´: : : : : : : : : : :ﾍ
　　 !;.:.:.:.:.'.,: : : ﾍ : : ∨:._:ﾟ/;:;:;:;:ヽ__／;:;:;:;:;:;:;iﾟ。∨: :,､ｰ': : : : : ; : :´: : :｀: :': : ; :'.,
　　'l:.:.:.:.:..:.:'.,: : : ＼厂ﾟ/´;:;:;:;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!ト。_／: : : ; : :´: : : : : : : : : : : : : : .〉
　　　';.:.:.:.:.:.:.:.:':.,: : : ﾟｿ´;:;:;:;:;;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ﾍ: : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
　　ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.,/;;:;:;:;:;:;:;;;;;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ﾍ: ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/

　　　　　　　　　　　　　　蜀　車騎将軍　夏侯覇

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.そういや夏侯覇将軍も魏の危険人物にあげてたお。
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .実際どんな奴だったんだお？
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

177 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:15:54.61 ID:u+h4oMFgo

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　杜預さんなら知ってそうなもんだけど
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　｀⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　そうですね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　二ヽ､V　　　ﾄ､_____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j´　　 /:::ﾉ::::::::.｀' ｰ- 、
　　　　　　蜀討伐では色々ありました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　/{_/_､____,.　"／::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/＿__ ノ:::::「､::::::::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　参考までに彼の半生を振り返ってみましょうか　　　　　　　_/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' .:::::::::::::::::/::/ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .::::::::::::::::/:::/　　　`‐-､:::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|

178 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:17:44.57 ID:u+h4oMFgo

【紀元２２９年頃　魏首都　洛陽】

　　　〉::::,､__ム_nトイ　　　ﾐ:::::::ヽ
　　　　{::::彡　　　　　　　　　ﾐ::::::::ﾑ
　　　　ﾏ:｛　　　　　{　z=====ﾐxミ::rﾍ
　　　　 }::ﾑ＝==ｫz==! 辷ﾟ’　 :|　.}! ハ　　　　　　　　　　　　　蒋済君。
　　　　爪!　こｽ　|　　L＿＿_ノ　/　 /
　　　　ﾏゝ..＿_ノ　　　ヽ､　　　　,_./　　　　　　　　　　　　　 .君から見て、あの子はどうだったかね？
　　　　ﾞマ:，　 / L 　二_....＼　　 | |
　　　　ゝ!. 〈 lii川川川川 :|　　　i|
　　　　　　　'.　　-‐ 二￣　　　　/ /ヽｚｘ
　　　　　　　 > ､　　　　　　　／／　 }::::::＼＿
　　　　　　／|ミ､ヽ　　　＿ノイ　　　 |::::::::::ﾑ::::::::ー-　__
　　　　　_./:::::|　　｀ヽ太／　　　　　 .|::::::::::::ﾑ:::::::::::::::::::::　　　　　　　　 .　´　　 .　 ´　￣￣￣￣｀　　、＼
　　　／/::::::::|　　　厂￣＼　　　　　.i|::::::::::::::ﾑ:::::::::::::::::::　　　　　　　 /　　　／　　／ヽ　　＿　　　＼　ヽ
　　／:::/::::::::::|　　 ∧:::::::::::∧　　　 ./:|:::::::::::::::ﾑ::::::::::::::::::　　　　　　　 .　　　 !　　 /　　.:ハ´ 　　｀ヽ／｀Y　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　 /＼j　／/　 .:: /. ::　　　　　/ 　 ..:ﾄ、　 }
　　　　　　　　　魏　太傅　鍾繇　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..从　!　　／ :/ . ::://　. 　 ./::/i　.　　 ..::!ハ .ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.人{　 /　.:/レjノ/ .:/_:/ / / i|　!　　 .::| .:ﾊ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼i　.::!　 . ::::!´/ .ム'｀/　l|__|_ 　 i.::! .::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　.:|　 . ::::|ィ升r「ヾ　´ﾘム｀i ﾘ.:|.:/.::i
　　　　　　　　さすがは太傅のご子息。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　::|　 : ::::| i刈:ｿ　　　 |r'ﾃkﾙ':从 .::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　从.::!　.:::::::| """　　 .　!刈 /　. ::| ﾙ'
　　　　　　　　並み外れた人間になると思いますよ　　　　　　　　.　　　ﾊ: Ⅵ　i:::::::|、　　 . __,　 ""/　..::: :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j:::i :N　 ! ::::j. ＼　　 _ .　イ　. :: : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　八l:入ヽヽ: |≧┐てト、 :::!　.i .::i::从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r＜´＼　)　ヽ.::|　 :|| ﾉ厂jト､ﾘ .::lル'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼　　＼　 Ni ＿|| /　ﾉ　 ∨〉、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　中護軍　蒋済

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .鍾会、字を士季。豫州潁川郡長社が本籍。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　魏の太傅鍾繇が七十五歳の時に儲けた末子で、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　幼少の頃から聡明であり、いわゆる早熟型の人物でした。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.五歳の時、蒋済から高い評価を受けています
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

179 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:19:21.33 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　_＿__　 _,.-=＝－- ､
　　　　　...-‐＝三ﾆ≧弐ﾆミ´三ﾆ=-､
　　　／:,::::‐:'´／::::::,ｲ::::::∧:｀:､｀:､=:ﾐ､｀::.､
　 .::'::／::,:イ,ｲ:/::::::/ｉ|::::::':::: ヽ:::ヽ:::ヽ:::ヽ::::＼
. /:::/::::::'::::///:ｉ:ｉ:::': !|ｉ:::ｉ:::ｉ:ｉ::ｉ::＼:｀::､::＼:＼::::::､
/:::/::::/::::/,ｲ':::ｉ:l:::::::/!|:::|::ｌｌ::|:::､:::＼::＼:::ヽ::ヽ: 丶
:::/::::/ｉ::://::l::::l:!:::::/::ハ:|::!:|::ﾄ､:::＼:::',::､:丶::丶::､: ヽ
/::: /::l:::'/:ｉ::|:::l::::::;':::ｉ:::::l:|::::|::|小ﾄ､::ヾﾄ､:ヽ: ',:::ｉ､::ｉ::::ｉ　　　.夫人は性格謹厳ではっきりと教訓を下した。
:::::/::::l::ｉ::::;斗､!::::,ｉ:::l::::::; |::::|:l/:::|､｀､!:::ｉ:: ｉ:ﾊ l::ｉ |ヽ!
::::'::::::l::l::::' r ､!: /:|::l::::/:l:|::::!!: /|!=≧､ヾl::::ｌ':::!|:::!:|:::|　　　.僕は幼少時、怠る事なく教えを受けた。
:::::::::::|:|:ｉ::ｉ {　!:/:/l:l: /: ﾊ!:: Ⅵ:八　　ヾ!::/ｉ::: |:::: !: !
:::::::: ｉ|:|:|::l　y/:/:/l| ' / ｉ∧::l {′ ヾ=-ﾒ}ﾊ. |::::|: /}:/　　　年四歳で『孝経』、七歳で『論語』、
　::::::!|:!:|::|V/l/ '.　|::/ /'　ヾ!.　　　　 '　､::::!/::::'　　　　.八歳で『詩経』、十歳で『尚書』、十一歳で『易』、
　 ::::::!:::|::ｌ::ｉ: '　　 !'　　　　　　　　　　 V,'／　　　　　十二歳で『春秋左氏伝』『国語』、十三歳で『周礼』『礼記』、
　　 :::::::l:ｉｌ:l:' ｉ　　　　　　　　　　　 ,　　ノ´　　　　　　.十四歳で成侯の『易記』を暗誦させられた。
　　　:::::|| |!.　､　　　　　　　　　　　 r ´
　　　 ::ll {.　　＼　　　　　 - ― ､‐'　　　　　　　　　　十五歳で太学に入学させられ、
　　　　 :!.　　　　ヽ　　　　　　　 _ﾉ　　　　　　　　　　　四方の珍しい文章・変わった訓詁学について学んだ
　　　　　　　　　　　　､　　　　 /
　　　　　､.　　 , -‐丶　　 _　′
　　　　　　　＼イ＼　　￣
　　　　　　　　　＼.　ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .それから一年ほどして鍾繇は亡くなりますが、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　鍾会は生母の張氏の指導の下で勉学に励んだそうです。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　彼は母親のために伝記を書いていて、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .そこで母親から受けた教えについて振り返っています。
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .夫人は張氏、成侯は鍾繇の諡号ですね
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

180 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:20:17.48 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　　＼
i⌒',　　　／　 ⌒　　 ⌒＼
| 　つ／　u　 ( ○)liiil( ○) ＼　　　　　　　　　なんだおこれ！？
|　　|　|　　　　（__人__）　　|
|　　|　＼　　　　 |r‐- l　u.／　　　　　　　　　話盛ってんじゃないのかお！！？
|　　￣￣　 ,- 、　｀ー'´ 　＼
＼_＿＿_ 　ヽ　ヽ＿＿_) 　　|
　　　　＼⊂_　　　　　　 /
　　　　　　　＼｀ー─── ' ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 __,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　（___人__）i
　　　　その可能性はありますが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　鍾会が才人たりえたのは張氏の教育の賜物でしょう。　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　鍾会は同じ伝記の中で、彼女について色々紹介しています　　　　　　　　　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |

181 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/17(月) 22:20:35.54 ID:ekpwJ/ndo

75の仔とかお盛んな

182 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:21:34.94 ID:u+h4oMFgo

【>>180修正】

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　.／　　　　＼
i⌒',　　　／　 ⌒　　 ⌒＼
| 　つ／　u　 ( ○)liiil( ○) ＼　　　　　　　　　なんだおこれ！？
|　　|　|　　　　（__人__）　　|
|　　|　＼　　　　 |r‐- l　u.／　　　　　　　　　話盛ってんじゃないのかお！！？
|　　￣￣　 ,- 、　｀ー'´ 　＼
＼_＿＿_ 　ヽ　ヽ＿＿_) 　　|
　　　　＼⊂_　　　　　　 /
　　　　　　　＼｀ー─── ' ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 __,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　(● ) (● )
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　　　　その可能性はありますが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　鍾会が才人たりえたのは張氏の教育の賜物でしょう。　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　鍾会は同じ伝記の中で、彼女について色々紹介しています　　　　　　　　　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |

183 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:22:27.54 ID:u+h4oMFgo

　　　　　 _＿_　＿
　　.‐::::二´::イ:ｉﾄ､‐=-｀::.､_
／:::／／::::,:ｲ::ｉ:ｌ:ｉ::::､:::::｀:､::｀:.､
:::／／/:／/:ｉ: |:!:|:ｉ::::丶:::: ヽ丶＼
/:::/:::/´::〃ハ:ｌ::::!:!ｉ:::: ｉ丶｀:!ヽ:ヽ::ヽ
: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
/ｉ: /:: /ｉ::ｌ::: /ｉ::ｌヽｌ::丶:::ｌ::::::ﾊ:ｉ|::ｉ: ｉ:､::ｉ
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉｌ　　　　　　　正始八年。
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |
::!:|:|::::!:!: !/　　ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!　　　　　　　僕が尚書郎となった時、夫人は僕の手をとってこう諭された。
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ _ ,,_ '　/'　|!　.ィ､ｌ:!::|:!:: '
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く _ ,, ! !::::!' /　　　　　　　「お前はわずか二十歳で任命を受けたのですから、
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/　　　　　　　　 .人情からいって満足感がなくはないでしょうが、
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/　　　　　　　　　その気持ちの中に落ち目になる原因が潜んでいるのです」
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′
小:!. ヽ　　　　　￣｀　　　'Ⅵ'　　　　　　　　　　　「努めてこの戒めを思い出してください」とね
::::ﾘ. 　＼　　　｀　　　／
Ⅵ.　　　ヽ､　　　　 ´
｀　ー　 _　　 T　´
､　　　　　｀ー､
　｀　､　　　　　ｉ
. ､　　＼.　　ｌ
.､丶　　＼.　 !
　＼＼　　ヽｌ＼
　　ヽ　ヽ　　　| 　ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　例えばこれは、正始八年（二四七年）に
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　鍾会が二十三歳で尚書郎になった際の話です
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

184 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:24:26.60 ID:u+h4oMFgo

　　　　　 _＿_　＿
　　.‐::::二´::イ:ｉﾄ､‐=-｀::.､_
／:::／／::::,:ｲ::ｉ:ｌ:ｉ::::､:::::｀:､::｀:.､
:::／／/:／/:ｉ: |:!:|:ｉ::::丶:::: ヽ丶＼
/:::/:::/´::〃ハ:ｌ::::!:!ｉ:::: ｉ丶｀:!ヽ:ヽ::ヽ
: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
/ｉ: /:: /ｉ::ｌ::: /ｉ::ｌヽｌ::丶:::ｌ::::::ﾊ:ｉ|::ｉ: ｉ:､::ｉ
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉｌ
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |　　　　　.夫人はこうも言っていた。
::!:|:|::::!:!: !/ィ示ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ::ﾉ_ '　/'　|!　.ィ､ｌ:!::|:!:: '　　　　　.「君子の行為は、すべて小さな事を積み重ねて高大に達するのです」
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く:::ｿ ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/　　　　　　「もし小さな善を
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/　　　　　　　役に立たぬと考え行わないとすれば、それは小人の態度」
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′
小:!. ヽ　　　　　￣｀　　　'Ⅵ'　　　　　　　　　「要領の良さでもって
::::ﾘ. 　＼　　　｀　　　／　　　　　　　　　　　　大きな結果を得たいと願うのは、私の好まない所です」
Ⅵ.　　　ヽ､　　　　 ´
｀　ー　 _　　 T　´
､　　　　　｀ー､
　｀　､　　　　　ｉ
. ､　　＼.　　ｌ
.､丶　　＼.　 !
　＼＼　　ヽｌ＼
　　ヽ　ヽ　　　| 　ヽ

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　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　なんか母親の言うこと守れてないような気が……？
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

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185 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:25:19.08 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　_,､ｒ'´:::‐､｀ヾ‐､｀丶、
　　　　　　　　　　　　／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj　　　僕は幼少の頃から、青か紺の衣服しか着せられなかった。
　　　　　　　　　　ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊｿｒ‐ﾃﾊ!:l/
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　　　　 !　 j川/　　　 .夫人は親しく家事に携わり、自然と慎み深さをわきまえ、
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/　　　　利益を目にして道義を考え、財物を前にして必ず譲られた。
　　　　　　　　　　　 Yｌ:ﾄ､　　ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ニ′／}'　　　　　　僕が賜与された金銭・絹は数百万の額に上るが、
　　　　　　　　　　　　丨　　丶、　　／　　　　　　　　.夫人はすべてお上の御用に差し出し、自分の物にしなかった
　　　　　　　　　　ノ￣´"''‐ 、　｀¨´￤
　　　　　　　＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　ヽヽ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　　 ∧=､､
　 |八＼　　　　＿_/　　　　　＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥

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　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.だけど、なんだってこんなもん書いたんだお？
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .母親の伝記書くような奴初めて見たお
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

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186 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:28:20.87 ID:u+h4oMFgo

【紀元２２０年代前半　魏首都　洛陽】

　　　　　　　 ,'::ﾆ=-　　_,x＝　￣￣｀｀｀｀丶´　　　　　　ﾐ:::::ヽ!
　　　　　　 {/　　 ,. ｨ´::　　　　　　　　　　　 ,　-　　ﾐ:､:::::!
.　　　　　 }　／::斗::::　　　　｀　、　　　／　　　　　ﾐ:. Ⅵ
　　　　　　　〈〃:::::::;ﾁ::::i　　　　　　ヽ　　 ./　　　 _,. -- ㍉:.｜
.　　　　　　 i }:::::／ｲ;::::レ-　_　　　　':,ヽ :i　_,x≦:::＝＝┐-┐　　　　　　孫氏と復縁しろ！？
　　　　　　　八ｊ/ 　 , ﾘ::'´::::::::::::≧=-zzﾉ__,.ヽ{::〃Ｏ　)iy　}ﾉヽ',
.　　　　　　　 }=ミ/;.l__f「￣7/　Ｏ　>::[ﾆ＝ ',ヽ:ト-=彡'　｜}::i i=-　_　　　　陛下にだけは言われたくない！　
.　　　　 __,. ＜.! r:､ Ⅵ￣| ＼:::ト-=ﾁ:/ |　　　 l　　＿_ 　 -' 〉, ∧　　｀
　　　 / ,　　 :i:::ﾄ､',:.ｉ{::::i L＿＿　　 - '　　　 '￣　　　　/:ｉy ,　iヽ　　　　　稚叔、鴆毒を持って来いッ！！
.　　 /　i　　　 ',ヽ√{:::::. ヽ、　　　　 ,:　　　　 i、　　 i: | / 　 i:‘ ,
. 　 ,'　 |　　　　ヽ;:::､ヽ::::.　:::i　　　　_/{.:::_:::....::::-ﾘ_＼　　 | |':::　　 ', :‘ ,　　 .なければ山椒を目一杯だッ！！！
　 _i　　|　　　　　ヽ::::::',:::　ﾞ i　　 r ',.xﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二}',　　从:　　　', ﾞ､:',
.√i　|.｜　　.j　　　::７:∧:::.　',　 ,'　{二ニ＝-=≦￣｀i :!　 '::::::　　　 ,　 :'　
j　 ', :i　l:.　 .:|　　　:::'::::::/:,::::.　　i　 <ヽ:::::::::::::::::::_;::-７ :| /i:::::.　　　　 i　　
　　 ', i　i::. .:::!　　.:,'::: /｜ト:;::::. i　　｀＝==＝　￣　 '/::}::::　　　　 i　
　　 Ⅵ ∨::::|　　 i:::/　 ',:::::::＼::::..　　　　.....::::::￢´　/:::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|｜.:.:|　|.:.:.:.:.:.:.|　|.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|｜.:.:L.｣.:.:.:.:.:.:.|　|.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lΤ{ｱ¨Τｌ丁{Τ|Τｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ﾚﾍ、 _>'⌒ヽ! |￤ｉ|
　　　　　　　　　　ダメだこの父上……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|ﾊ__ﾟ.:::::::.ﾟ＿,.｜|￤ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| {u　 '＿　ｕ|｜i　|
　　　　　　　　　　早くザラキしないと……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ｌ＞ ‘__┘,.イ|｜i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |ｉ | ,ｨｒ┴―j ! ﾄ.i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |ｉ /|,!:ー―ﾍ.| |.:｝｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |i ﾚ'厂l＿.:./.| |ｲ｜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　鍾会の兄　鍾毓（字：稚叔）

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .想像するに、鍾会の生母の張氏が微妙な立場にいたためでしょう。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　父の鍾繇が張氏を寵愛して正妻の孫氏を離縁した際、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　曹丕と卞太后が孫氏側に立って取り成したため、一悶着あったそうです。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.さすがに鍾繇も後で外聞が悪いと思ったのか、
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .張氏を正妻にせず、賈氏を正妻に迎えました
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

187 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:29:49.65 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　＿＿＿
　　　　／ノ　ヽ､_ ＼　　　　　　　　　　　.だいたい読めてきたお。
　　／（●）　（●.）　＼
　／　　（__人＿,）　　　＼　　　　　　　　張氏が白い眼で見られてたから、
　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　　　 |　　　　　　　 .子の鍾会は張氏を顕彰しておく必要があったと。
　＼ヽ　 L　　　　　 ,／
　　　ゝ　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　にしても、鍾繇爺さん元気すぎだおｊｋ
　　／　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.,ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (＝ ) (＝ )　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　u　| 　　　　　　　⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　 |　　　____ 　,.-、ヽ､
　　　　　そうでしょうね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,.　-ｰ|　　　　　　 |ヽ__∠___ゝ」　r'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /ｨ::::〔 _,.-ｰ　｀'r-、
　　　　　鍾会は伝記の中で孫氏についてもふれていますが、　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　":::/:::〔／　　　 l:::. ヽ
　　　　　そこに彼の人間性が見え隠れします　　　　　　　　　　　　　　」 ::::l:::::::::::::::「二二::::／ :::::::ﾄ､ y　　　|::::::. ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　　　　l:::::::: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ :::::;;:ｰミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､＿ノ L::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く:::::::::::::::: i::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 :::::::::::::::: ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ::::::::::::::::::::/　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::V :::::::::::::::: |

188 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:31:30.74 ID:u+h4oMFgo

://:.:./:.:./:.／:.:.:.:/|ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽヽ
;/:.:.:.:.:./／:.:.:.:／|ﾘ:ハ:.:.:.:.V:.:ハ:.l
:.:.:i:.:.:／:.:.:,:イ:.:.:.l/:.:.∧:.:.:.:.V:.:.:V|
:.:.:レ:.:.:.／:.:.|:.:.:.:|:.:/:.:.:.l:.:.:.:.:l:.:.:.:ﾊ
／;.:.イ:.:.:.: /|:.:.:.:l/:.:.:.:.:l:.:.:.:.:l:.:.:.:l
;イ:.:j:j:.:.:. / :|:.:.:.ﾊ:.:.:.:.:ﾊ:.:.:.:.l:.:.:ｲ
:.:.V:/:.:.:./ :. |:.:.ハ!:.:.:/:ﾊ:.:.:.:Уﾘ
:V:/:.:.／:.:.:. |/:.:.:.}／ﾂ:.l:.:.:/И
//:／:.:.:.:.:イ:.:.:／　＼/:.:/　　　　　　　　　身分の高い側室の孫氏は、正妻に代わって家事を切り回していたが、
∧＞　´　 j／　　　j／､　　　　　　　　　心中では夫人の賢明さを嫌い、遠慮会釈なしに悪口を言った。
　{{　　　　　　　　　 /　　＼
　ﾘ　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　孫氏は口達者で狡賢く、
　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　自分の悪事を取り繕い、人の罪をでっち上げる弁舌を持っていた。
　　　　　　　　　　　　　_ 　 _ノ
　　　　　　　　　　　　 ´γ´　　　　　　　　しかし、結局夫人を傷つける事はできなかった
　　　　　　　　　　　　　/
　　　ｒ　　　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　.ﾉ
　　　　`ー‐一　'⌒ 〈
　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　,′
　　　　　　　　　　 .{
　　　　　　　　　　　'.
　　　　　　　　　　　 l

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　念のため断わっておきますが、孫氏は正妻です。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　己の目的を果たすためには、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .他人を蹴落とすのをなんとも思わないのがこの男の本質なのでしょう
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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189 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/17(月) 22:32:28.02 ID:dEOpLrXso

いま鍾毓がとんでもないこと口走ってませんか！？

190 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:34:17.58 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　　　 /::ｌ::|:l,,{.:i.:|/ 　　 ´ュ
　　　　　　　　　　　　　　　 |:.::ｌ::|:{＾ヽｲ　　`弌ﾆ>
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉﾚ.:.ゝﾙ￣＼＿, -─）
　　　　　　　　　　　　ﾉﾊ从トﾍ　　ヽ:::::::／´
　　　　　　　　　　　　＿＿ノⅥ＜ヘ、　￣/
　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::ヽ::::＼￣ゝ./
　　　　　　　　　/::::::＼:::::::::::::::::ﾍ:::::::ﾍ／ﾐﾊ:.ヽ
　　　　　　　 {ヽ::::::::::＼:::::::::::::ﾍ:::::::ﾍ　ﾏﾊ:.::｝　　　　　　　　　側室の子で何が悪い。
　　　　　　　〃::::＼::::::::::::::::::::::::｀＞:::ﾍ. ﾏﾊ.:.|
　　　　　 /、::ヽ::|:.＼::::::::::::::::::::ﾍ:::::::ﾍﾏﾑ..i!　　　　　　　　　才のない者ほどつまらん事ばかり言う。
　　　　　　 /:::::ヽ/.ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::ﾍ::::::::|.{/ﾑ.:〉
　　　　　／:::::::::::::::::ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::ﾍ::::::i!.|/ﾑ:|　　　　　　　　　.いずれ思い知らせてやる
　　　　./::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ::::.i |/ﾉ::|
.　　　/::::/:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ:::i!∨::/
　　　〈::／＼::::／ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍソ::/
　　 /|::::::::::::::/.　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/./
　　/::ヽ::::::::::〉／::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/|
　　|: : :〉:::::://＼:::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::/::1
　.〃／:::::::|:::::::::/＼:::::::::::::::::::::::::::::::::／/:::/
　/:.{::::::::::/:::::::::::::::::::＼::::ヽ:::::::::::::／:::/:::/
./: :.:.:::::::/::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::/:::/

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　あるいは彼自身、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　あの張氏の子などと言われ、鬱屈したものを持っていたのかもしれません
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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191 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/17(月) 22:36:37.32 ID:QvHAKthoo

才があってもそれを抑えて必要に応じて扱える器がない連中の末路は嫌と言うほど見聞きしてきたろうに抑えきれないのがこいつの限界か

192 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:37:58.71 ID:u+h4oMFgo

【紀元２５５年頃　魏首都　洛陽】

　　　 ,ｲ:::`ﾄヽ:::::::|::::.＼:::::::.＼::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　{::l::::::|:::::.＼:::::.、:::::::.、::::.＼::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::.
　　　 ':＼::八:::::!:::ｒ-=＼::::ハ:::::::::.丶､::::|::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　 i::::{:::トミi:::ﾄ､|ィ::ｱﾌ;;:ﾄ､:i::::::::|::::::iﾄ､ﾄ､:::::::::::::::::::::::::|
　　　　 l::l从{ｊ:ｱヽ|　ヽ´￣ﾉ'　＼l:::|::::ｌ::l:ｌ|⌒ヽ::::::ｌ:::::::::::::|　　　　　司馬昭殿が今の地位にいられるのは、
　　　　 l八:ｒ'′　　　　　　　　 |｀ﾄ:::l:::ﾉ| トﾊ}::::::l:::::::::::::|　　　　　我らの働きがあればこそ。　　　
　　　　　　 |ヽ丶　　　　　　　ﾉ八:ﾉｲNxくﾉ :l:::::l::::::::::::;
　　　　　　 |　_.. ＿　　　　　　　　　　　ﾉ´__ ノ.:l:::::ｌ::::::::::;　　　　　　我々こそが天下を動かしているのです
　　　　　　 :. ´_､　　｀¨　　　　　　　 .ｲ:!:::::l:::l:::::l::::::::;′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／从:::::|::|:::::|:://
　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　 /　ヽ|::|::::〃'
　　　　　　人　　　　　　　.......:::´　　 /　　　ﾊﾊ:::{_i_　　　　　　　!:::::::::::,!　　|::|　｀~¨""'ヽ:::::::::::::::::::::.:.:.:.:',
　＿＿＿＿___≧=‐=ﾆ二:::::::／　　　　　　　 _}_ﾄ､::::ﾄ､　　　　 ..|:::::::::::|‐ ､ |::|　　　　　　＼:::::::::::::::::.:.:.:.:',
´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/｀Y´￣　　　 _ .　-‐　¨￣　∨.:::.＼　　　　|:::::::::::ﾄ,、ﾐ|::'、　　　　　　ヾ::::::::::::.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::|{fiﾄ;ゞ::':,　 ,. -―　￣｀ヾ::::::.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !::::::::::|`ー'-ﾄ､'、　,二ﾆ ―-　 |:::::.:.:.:.:.,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::!　　 ,'　ヾ、､t{fi}l下ﾆｱ'|::::.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:::::::::ﾊ　 /　　ヾ、｀ﾞ'ー'-彡｜:::.:.:./{',
　　　　貴様は野心がその器量より大きすぎる。　　　　　　　　 !::::::/| ∨　　　　　＼　　　　 |::::::::/ｲj',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::/:l|/l'-､―　　　｀　　　 ,!::::::/`ー| /
　　　　功業を成したいのなら、もう少し慎み深くする事だ　　　|::/: ﾘ｜ﾄﾐ、＿＿＿__ ノ'　 j:::::/　　 ,K_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　」:{_/′ヽ !lヽー―　　　 _,/:::/＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l>/　　　.｀l,ハ＿_ ,. -‐ '´V:::/　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :.'il´　　　　　　　　　　　_/::/ 　 {' 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /′　　　　　　　　　　 |l>>｀ヽ、　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　尚書　傅嘏

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　その後、司馬師の目に止まり今に至るわけですが……
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　彼の人間性を示す話がもうひとつあります
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

193 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:38:43.44 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　　⌒ ´ ⌒
.　　　　　　　　　｜　　　( ●) (●）
　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　この男、散々持ち上げた生母の喪に服した形跡がないのです。
　　　　　　　　　　 j　　　　　　　|　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　..ノヽ、　　　　, ノ　　　　　　　_　　　　いや、やり遂げなかったと言った方が正しいでしょうか
　 ,.　ｰ、一一´:::::::::::::≧ーｰ"7　　　　　　 i' Y
. / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀-、　　　　　 i　l　_
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＞-､　　　|　lﾌ　ト､
.::::::::::::::::: !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　i／ ,.ｲ丿
:::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. v:: l　/　　i'r ´,.ｨ
:::::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::: l　j　丿r´,.ｨ
:::::)::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::: 八　　　｀ﾁ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　ん？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　 ⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）　（● ）　　　ヽ
　　　　　　　　でも諸葛誕の乱の時、母親の喪に服してたとかなんとか　　　　　　　|　⌒（__人__）⌒　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼

194 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/17(月) 22:38:57.21 ID:dEOpLrXso

なるほど、>>154は早計でしたか。

でも、保身も一つの才能ですよね…

195 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/17(月) 22:39:45.93 ID:duyOYrKQo

鍾ヨウ爺さんのハッスル見て卞夫人が「あの年寄りどうにかしろ！」と曹丕に言って、曹丕が「正妻とももっと仲良くしろよ…」って言ったらブチギレたんだっけ
卞夫人、いい話も多く残ってるんだけどこれに関してはおせっかいとしか言いようがないと思うんだよね…気持ちはわからんでもないんだが

196 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:41:33.77 ID:u+h4oMFgo

【紀元２５７年２月　魏首都　洛陽】

　　,　　　　　 . . . .|. . : : : : : : : : : :ﾄ､ : : : : : |: : :丶
　　ｉ: : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : 〃　＼: : : 」_: : :ﾄ､、
　　|: : : : : : : : : : : :|: : : : : |: : : :/　　　　＼.:.:| : : :|　＼
　　l: : : : : : : |: : : : |: : : : : |: : :厶イ　　　　,.斗ｙ : |
　　l: : : : : : : |: : : : |: : : : : |: :/　　　　　　´ r'} N:.:|　　　　　　鍾会のお母さんが亡くなったのは聞いてるわね？
　 ∧.:.: : : : : |: : : : |: : : : : | / _,ｘ≪ 　　　り |:.Ν
　/　ﾞ; |: : : : :|: : : : |: : : : : |〆_)､_ﾘ　　　　　.:.:j: |　　　　　　　葬儀に関して面倒見れないかしら？
　　　从: : : : |: : : :！ : : : :|　弋_ノ　　　　丶ｲ:/
　　　　＼: 八:ヽ : :ﾞ; : : :八　　:.:.:　　 ,　／::从
　　　　　　＼|＼＼:＼ : : ﾍ、_　　　´　くヽ}ｲ､
　　　　　　　　　〕＼{＼{＼: :', 　ヾ爪　／:}　 }
　　　　　　　／≧=‐-｀`.._＼',　ノ_jr'ヾ:.:.:|　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-―-y, -ｖ-、
　　　　　　/ 　　　　　　ヽ「:.:.:ゝく:.:./　　　〉　　　　　　　　　　　　　　　　　／,,,,、　　（ r=tj=,）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y　/　＼　ゝ_介ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　.|'⌒　　ヽ⌒/∧l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　ト示ﾄ　　示X　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ. ﾓﾂ　　ﾓﾂ |iｆﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛ミ|.ト'''　ー　'''∠彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ﾚﾐ｝仄千〈彡ﾝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　お任せ下さい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧=＜　介　｝三ﾐ}ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ｿli　 o　 i| ｿ　　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　 V　o　 i/l　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__ノ＼_／　l＞＜l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /l><ト　-　　 / 介 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾊ　Vﾆ木ﾆl　　　ｌ

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .件の伝記によれば、張氏は甘露二年二月に急病で亡くなりました。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　曹髦・司馬昭の寵臣だったためか、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　手厚く香典が賜与され、葬儀に必要な物はすべて支給されたそうです。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.当然鍾会は母の喪に服さなければならないのですが……
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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197 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:44:14.73 ID:u+h4oMFgo

【紀元２５７年４月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　 ,不:::く｀ヽ;::､:::｀丶
　　　　　　　　　ハ:l::;;ヾ:ヽﾆヽ:ヽ::､ヾヽ
　　　　　　　　 ,':::i:ﾄヾヽ::ヽ:ﾄヾ､ヽヽヾ`ヽ
　　　　　　　　　　　 l::i::|l::卞ﾑヽ:;ヾY.ｪYl::ﾄ::ヽ
　　　　　　　　　　　 |::l::ﾄ;:::Kさ'く:::f ,｀　ﾘヽヾ',　　　　　　　揚州の一件について聞きましたが、
　　　　　　　　　　　 ';:';ヾﾄヽu　`r'- ､　　u|::ﾄ`､　　　　　　諸葛誕殿が命令に従うわけがありません！
　　　　　　　　　　　　ヾヽﾍu　　|';二::!　　入',　
　　　　　　　　　　　　　 `トｋ　　ヽ､ｚｿ　./::| ヾ　　　　　　この処置は相手を刺激するだけです！！！
　　　　　　　＿__._,r､　　 Y:j｀ ‐ ､　ｰ´／ﾄｊ
　　　　　／｀ヽ_j'､_ノ￣l!'´ヾ- ､＿｀_¨ 　｣､
　　　∧　,ﾉ　 Yヽ　　l　　ヽ　　　 7ヽ~ﾍヽ.､
　　　　/-'´｢　ヽ　ヽｊ＿. l　　　ﾄ､　/〃ﾊ　 | ヽ｀ヾ､_
　　　r'´, イヽ､｀,__,ｨ､__)|　l　ヾヽ∧'〃ﾉﾞヽl　ヽ　ヽj｀ヽ
　　 / '´　ﾄ､　 Yrイ　 ∧l　',　　ヽ　Tﾍ', 　 l _..ノ　　l j　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::イ:::::::∧:::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::／　|:::::/　＼:::::::::::::::!::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::／　　｜/　J 　＼:::､::::|::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::!:::::::::::l/　　　ノ´　　 _＿　-ヽ}:::|::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:/|::::::|::::|｀ｰ一　　｀￣ｨ笊不ﾐ､|:::|ﾆヽ:l
　　　　　　　　あ、叔父上。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅳ|::::::|::::|ｨ笊芯　　　　　込ｿ　}}|:::|^'i }:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::ﾄ､:{{　Vり　　　　　　　　　/:::ﾊｿﾉ.'
　　　　　　　　服喪中じゃなかったの？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|::::}l､　　　　､　　　　　 /:::/／:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::八 u　　　　　　　厶イ::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::ﾄ､ト..　　r ﾆﾆつ　イ斗─-､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::|　＼:::＞..._＿　 x〃: : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::| 　　」＿r─ }､///: : : : : : : : : : '.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::|　／: : /　　レ'//!: : : : : : : : : : : l

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　それからほどなくして諸葛誕の乱が勃発。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　鍾会は服喪を取り止めて東征軍に参加し、参謀格として活躍しました
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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198 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:45:58.79 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　 |　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　ところが、寿春から帰ってきた鍾会が
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　|_,-‐、　　／ ⌒）　　　服喪に戻ったという話は聞きません。
　　　　　　　　　　　　　 .人､　　　　厂丶,丶,丶´ ／￣
　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ　　　　　　　喪に服していたのなら、
　　　　_, ､ -― ''"::::::::::::＼:::::::::::::::::::::(　　　　<"ﾆ‐-、　　　　　それこそ美談として残りそうなものですが
　　　/::::::::::':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　／⌒ヽ::::::: )
　　丿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',:::::|
　i .:::::::::::::::::::::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 〈　::::::::::::::... ',::.
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　　　　　　　　非常事態だったし、しょうがない気もするお。　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　　＼
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　　　　　　　　服喪自体三日で終わるケースも今までにあったし　　　　　　　　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　 '､＿＼　／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |＿＿＼　 “　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＼_／
　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　　それは君主や宰相といったごく一部の例外に限られる。
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　　　　本来であれば、一年間・二十五ヶ月の服喪を行うべきなのだ
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

199 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/17(月) 22:46:16.21 ID:dEOpLrXso

司馬昭にとって、鍾会の行動を非難することは難しいが、倫理的には貸しを作ったことになるわけだ。

200 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:49:15.97 ID:u+h4oMFgo

【紀元２４７年４月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　 __ 　, -―=＝=--=＝=‐-　、　 __
　　　　　　　　　　　く必}廴__　　　　 _,　　　＿ .. ≧ｆ必}ｱ三ﾆ=
　　　　　　 -=ニ三竺勹　　　￣￣　　　「　　　｀ヽヽメ≧≒=-
　　　　　　　　　,ｲ必ナ　/　　 ,,　　/　;　　 |　　　　､　Ｙ＾ヾ＼
　　　　　　　　厶斗/　 /　　　〃　 l|　 !　　 |　　、　 ',　ｌ　　ヾヽ.
　　　　　　〃/　 /　　　 ||　　l|　i|　 |　! |!　　: 　｜￤　　ヽヽ
　　　　　　　　〃/　 / !　! ヽ、l|　　ｌ| }ｉ|　 |　|∥　! ｉ :　ｊ　 !　　　〉　}
　　　　　　〃/　 ,′|　| ￤｀ヽ、ｊｊﾊ||　 !　}i|| |￤ｉｉ : 　ハ　　　/
　　　　　　　 {Ｌ{..__,′ {　{　{_ｊ_ｊ_Ｌ≧ｘl|{　ｊ}、ｊｉ|| |｜| | }l　,′　.　/ /
.　　　　　　　 `￢7メ、､　＼云＝弌从メ≪卅ﾅﾅﾉﾉ从ﾊ　　 ∨/　　　　　礼も服喪も儒の成立以前から存在する。
　　　　　　　　　 ,′}ﾊ i　ｉ l}{戈::::!:::}　　ヽ≧≪ｊ乂i|　|ハ　/ /
　　　　　　　　 ,′ﾉﾉ }i　 i 从　￣　　、　 `~ﾌﾉ|　ｉ| ￤　y /ハ　　　　　晏嬰など良い例でしょう？
　　　　　　　　 ,'／／ｉ　l/ｊｌ|ヽ、　　､＿, 　　ナ|　ｉ|　ｉ　/ /　ハ
　　　　　　／／ i|　ｉ　ｉ￤l|　ｊ}＞｡､　　　ィァ｜ｉ| ￤ { ｛　/ ハ　　　　親を思う心があれば喪に服するべき
　　　　／／　 __｣..⊥.i.=fjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfj=.i: ｉ _ ≧ニﾆミ､
　　　　　/〃,' 　ﾊ　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾉ´　　　 / ）ﾒ
　　　　　`≒=､　{　ヽ､ _ |　　　　　　　　　　　　　 .|　 -‐　ｆ´}//∧
　　　　　 ,'＼＼　　） | 人間として当然ですよね　|　＿／ _//　ハ
　　　　 ,′　ヽヽ　r‐┴､　　　　　　　　　　　　　／´ヽ　　_//　/　ﾊ
　　　　 ,′ 　ﾉﾉﾉ (｀ｰ､ヽ　　　　　　　　　　　／／ヽ }　｛｛＿　　ハ
. 　　　 ′　／／　r'ｰ-､ゝ',　　　　　　　　　(_.／／　 |彡≒､｀ヽ/ ∧
.　　　　,′／／　　〉- ..__｀ﾞ)　　　　　　　　　　ゝ-´__ -'　}=ﾍ.　〉　} / ∧

　　　　　　　　　　　　　魏　中護軍　司馬師（字：子元）

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　儒をそこまで重視せず、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　法家・道家の影響の色濃い司馬師ですら母の喪には服したし……
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

201 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:52:35.71 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　／:::::::::::::;､::::::::::::::;::';:::::::;＼
　　　　　　　/::::;::::;'::::;:/-ヽ::i::::i:;::';:ｉ';::::::ｉ:::::ヽ
　　　　　　./;:::;'i:::ｌ::::ｉ::ｌ　　|::ｉ::::ｌ:ｌ:::ｉ:ｉｌ::::::i::::::::::',
　　　　　 //::;':ｉ:::l:::::ﾘl　　 |::i:::ll:ｌｌ:ｌｌ:l:ｌ::::::ｌ:::::::::::l
　　　　　/:l::::ｉ::::::ｌ::::l　ｌ__ 　|::::+l'‐lｆｔ'ﾘ､l::::|:::::::ｉ:::l　　　　　　　 .実は母が亡くなりまして……
　　　　. !;'ｌ::::ｉ::::::|:::l',´-‐､ ,ﾘｌ;/ﾊ｡´｀lゝ:::ﾄ､::::::i::::|
　　　　ｌl |:::::ｌ:::::|'l:::ｌﾊﾟ:_」　 '　 └- ' l::::ｌ l::::::::i::::|　　　　　　　喪に服したいのでご挨拶を
　　　 l!　!::::ｌ:ｉ::::ｌl:::ヽ　　 ' 　　　　l::::l´ﾊ:::::::l::::|
　　　　　　':;:,-lｌ-､ヽ::ヽ､　￣　／ｌ::::l::l::::ｉ:::::::ｉ::::|
　　　　／,´ヽヾ＾"､:Vヽ､｀ｒ.､イ.-|l:::::l::i::::::ｉ::::::l:::::l
　　　 l 　 Llvl::ｌ＾ｌ:::ヾ:i:::::「」l´ ＿l:::::ｌ::|_::_::|::::::|::::::l
　　　　l　', 　 l::l/+ｒ'／´＾`l.† l´　l:::::|ｌ::l ,ｒ;:rｌ::::::ﾄ､::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:．一:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:;｀:;ｰ:;:r:;一:;":;:;:;:;:;:;:;:;ｘ彡彡ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　にト､__l:;_:;_:;…"￣彡彡彡彡:1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弋i fﾆ;　:　こﾌ　　ﾞ`ヾ三三彡ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　__　ヽ　　＿_　　　彡彡ｨ　}}
　　　　　　　　　おお……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ"ゞﾄ|　 ,ィゞシ　　　ﾞ彡”ﾂ　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i､ノ"|　　＼　　　　　彡ftイ
　　　　　　　　　お悔やみ申し上げまする　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :､￣ .!　　、　　　　　彡ﾚ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ｰ一'" ヽ　　　　　///::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、_l!＿_ ､　　　　.ｲ//::::::::::「!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾﾆ¨ニ　　／ //:::::::::::刈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __＞rr‐一　´　.ｲ,:'::::::::／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .．　´ /　 {::ゝ.　　／::::::x≦　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　散騎常侍　賈充

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　尚書左僕射の荀顗はこの頃母を亡くしたが、職を辞し喪に服した。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　あの賈充ですら、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　父賈逵の死後に慣例どおり服喪を行っている。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　親に対する服喪は当たり前の行為であり、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　それを怠ればどういう眼で見られるかは容易に想像がつくだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

202 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:54:16.43 ID:u+h4oMFgo

　　　　　／￣￣＼　（ ;;;;(
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼) ;;;;)
　　　　|　（●）（●）/;;／
　　　　|　　（__人__）l;;,´|　　　　　　ちなみに、漢王朝の頃には服喪に関する厳しい取り決めがありました。
　　　　|　./´ニﾄ━・'　.ｌ　　　　　　　
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }　　　　　　　魏代になると、それらは形骸化してしまいましたが、
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /　　　　　　　.礼の観点から見て、やはり一年の服喪は守らなければなりません。
　　 __/　　/　　　ノ__　　　　　　　.
　　/ /　　/　　　　　　｀ヽ.　　　　特別な事情のない限り、
　 /´　　./　　　　　　　,.　ヽ.　　　礼を重んじる士大夫からは冷たく見られます
　ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　ヽ
　　｜　　　　　　　　｜/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　ヽ__ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（―）　（― ）　＼
　　　　　　　喪中に薬飲んでボロクソに言われるとかもうね。　　　　　　　　　　　　　　|.　　（_人＿）　　　u　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　 ,／
　　　　　　　今さらながら曹操の遺書はぶっ飛んでたお　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　l　　　,/　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(＿) 　　(__ ノ　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　___ ,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!､＿__!､＿_＿＿_つ
　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　　鍾会もそれに近い意識だったのかもしれない。
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　　　　 .しかし、そういう考え方は支配的ではなかった
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

203 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:55:26.72 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６０年１２月　魏首都　洛陽】

　　　 /: : : : : ／: :ヽ､　＿,ノ: : : : : : ,. -､: : : : :∨　 }:＼｀
　　　,: : : : :／: : : : :／: : : : : : : : :／: : : : : : : : :.ヽノ: : : ヽ
　　 /: : : :/ /: : ,ィ彡イ: : : : : : ／: : : :,.ィ: : : : l: : : , ｀ヽ` :}
　　 {:/:l:./ /: : : : : :／: : : : : イ: : - ／: :/: l: : :ﾄ: : :}　　　/
　　 l'　l/ /: : : : ／:イ: : :´: : : : , イ: ｀／: /: : /}: : :|
　　　　,ｲ: : : : :´: : : ー: :＜／,...-r､´: ／: : /,､!: :.ﾘ
　　　 {: /: : : : : : : :|: : : |´{ ん心　,.:': : イfﾁ/: :/　　　　　　最近、みんなが司隷校尉を今子房って言ってる
　　　 |:.{: : : : : : : :.:|: : : |　弋_)ソ／"´　ﾑｿ/:,イ
　　　　リ',: : :ﾊ: : : : !: : :j 　　　　　､ ¨´{: :./
　　　　　　j从! ',: : : :!: :.ﾘヽ､　　　}＿_　　,...ｨ:./
　　　　　　　　　VI:{: !://∧ ｀ー '　　｀ヾ　 j/
　　　　　　　ﾘ l:'///∧＿{　　／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　魏　司隷功曹　向雄　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊｿｒ‐ﾃﾊ!:l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　　　　 !　 j川/
　　　　　　　　ははっ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Yｌ:ﾄ､　　ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　今に張良を漢の鍾会と言わせてやるさ。　　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ニ′／}'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丨　　丶、　　／
　　　　　　　　蜀と呉を僕の策で滅ぼしてね　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ￣´"''‐ 、　｀¨´￤
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /「￣´　ヽヽ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　　 ∧=､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |八＼　　　　＿_/　　　　　＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .とにかく、こういう人間性に疑問符のつく人物が、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　義兄上の下で天下の事を差配していたのです。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　司隷校尉の権限から外れた働きぶりを見るに、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .鍾会という男は主の下で策を振るう役割にこだわっていたのでしょう。
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　実際、諸葛誕の乱直後に太僕に任じられた際は何度も辞退しています
　　　|　　　　 |
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204 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 22:57:35.28 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　　　＼
　　　／　　─　　 ─＼
　　／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　太僕っていうと、皇帝が行幸する時の車馬管理の責任者かお。
　　|　　　　（__人__）　　 |
　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <　　　　　　　 .そりゃ鍾会さんなら断わるお
　　　 |　 |　 '､＿＼　／　 )
　　　 |　 |＿＿＼　 “　／
　　　　＼＿＿＿＼_／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ー）（ー）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　|　　　　（__人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　ただ、彼を敵視・問題視する者は数多くいましてね　　　　　　　　　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　ヽ　 L　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　ﾉ　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿ﾉ

205 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:00:59.18 ID:u+h4oMFgo

　　　　＿＿＿_　　　　━┓
　　　／　　　　＼　　 ┏┛
　／　　＼　　 ,＿＼.　・
／　　（●）゛（●）＼
|　 ∪　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　例えば？
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ー）（ー）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　代表的な人物が羊祜殿ですよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､　　　　厂丶,丶　v　〉
　　　　　　　　今の晋王朝の首脳陣もそうでしょうね　　　　　　　　　　　　_,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　／⌒ヽ:::::: )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',

206 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:01:52.35 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６０年冬　魏首都　洛陽】

　　　　　　／ ′　 i　,'　　　／/　　// 　 /
　　　／　 |　　 |/　　／／　／/ 　 /　/ 　∧
　　／　　　 |　　　　 / 　　　　　 /／ /／ハ　　 / 　 |
　　　　　　　ﾉ　　　　 / 　‐-　　　　　　／　ム-ｊヽ　/　　│
　　　　　／　　 / 　　大芹气..,　　　　　 ,,..芹气大　′　　|
　　　 .／　／　/　　小ヽ込ｚｿ' ^'　　　　'^ 込ｚｿ'／ﾑ　　 |
　　／　／/　　　　// ﾊ　　　　　　　　　　　　　　 / ∧ 　 |　　　　　　（孝を軽んじ礼をわきまえぬ佞臣が）
　 / .／　/　　　　　,'　.!ﾘ　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 |
　 |　{　 /　　　　ハ .|扮.,　　　　　′　　　　　　　　　　 |
　＼　,'　　/　　 / 　| |._ _ ＼　　 -‐　　‐-　　イ|　 /′
　 r＜/　　　　 /　　.|/　　ｊヽ丶　　　　　イ　/　//　　 /
　ﾊ ./ 　 / 　, 　　 /　　 /}:ｉ:ｉ:i:i:i.≧==≦ ／／／/　　/
_ 」　 i! 　/　 /　/　/　　／_/ｉ:i:i:i:i:i:ｉ:| │ |ｉ:ｉ／.／／　.／/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :.:|　ミ∨:..::.1.:..:.:.:.:.:.|.:.:.:.:| ＼.:.:.:.ﾍ:.:.＼.:.:＼.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.i!.:|.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :.:|　弋∨:..::|...:.:.:.:.:.::!..:.:.:.i　　＼.:.:ﾍ.:.:.:.＼.:.:＼.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:i!..:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .::| ｰ--.∨.:ﾍ＼.:.:.:.:|.:.:.:.:|　　　＼.:ﾍ.:.:.:.:.＼.:.:＼.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.i!.:i!..:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:',.　　　∨.:.ﾍ .＼..|.:.:.:.:.',＝＝＝＼}　＿＿｀＞.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:|.:i!..:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:..::', 　　 ∨.:.:ﾍ　＼.:.:.:.:', 　／￣￣~弐圭フ￣｀＞、　　:.:..:|.:i!..:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨::',　　 /.∨.:.:.ﾍ　　＼:.:',　　　　　　`'ｰ─´　　 .∨ﾍ｀＞:.:..:|.:i!..:.
　　　　　（虚名を成すだけのエセ君子が）　　　　　　＼',.　/.　 ∨.:..:ﾍ　　｀-＼　ヾ==========ｱ.//∨ﾍ　i!.:.:.:|.:i!..:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..　　　/　　　∨.:..::｝　　　　　　　　　　　　 //　∨ﾍ .|.:.:..｝:i!..:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　＼ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　//　　∨ﾍ.|.:.:/.::i!..:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　/　　　　　　　`ヽ　　　　　　　　　　／　　　　リ.|.:/.:.:.:|.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/.:.:.:.:|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　 -　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　ノ.:/

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　この二人は水と油でしてね。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　羊祜殿は鍾会を忌み嫌っていました
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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207 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:03:23.40 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　 ,ｲ　　　　　　　　　｀
　　　　　　　　 '/　　　　　　　　ハ.　　’
　　　　　　　　 ' .l　　　　　　　 ,ィ´　 |　　ヽ
.　　　　　　　 l　{　　　　 ,イtj　　ﾊ　ﾊ .ﾄj　　　　　　　　　大将軍。
.　　　　　　　 |　ﾍ. 　　／　{ i　　./iヾ､ .}.|
　　　　　　　　λ　ヽ、／　八| 　炊y' i/ﾘ　　　　　　　　　 .地方に出て見聞を深めたいと思いまして……
　　　　　　｛ヽ、_／　　 /| l｜　 | 冫
　　　　　 /|　 /　　 , イ./　 l 　ﾊ'　　　　　　　　　　　　　.どこか空いている役職はありませんか？
.　　　　 ,.ｲ　ヽL＿／　 K三ﾆ,　　ﾍ、
　　　　 r{ .ﾍ／　　）ヽ／::.::.::入　｀ｰ､ミt ､
　　　　ハ　/ 　 , ィ}__ノ::.::.:／. 　｀ー-､＼＼､
.　　　γ{　У＜　ノﾉ::.::.::.::./　　　　　　　ヽﾍﾊ }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　ヽー- ､
　　　/　ﾍム＜￣ノ::.::.::.::./　　　　　, -――｀ｰﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　'´　ヾ　　ヽ　 , '-
　　ハ／　　,ィく＿＿;,イ　　　　／　　＞=ニ>冫　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　入...　　|　　` ´ ヽ
　 λ ﾉー＜　_ﾉ　ﾄ､/.｜　　 /　／::／, -―ﾕ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '::.　　　／　　＼:::::. ヒｨ秘)､./
　 { ヾ、ィ￣入＿_ﾍ　　ヽ=､ /　 /::／／／￣::.:＼　　　　　　　　　　　　　　　/::: 　 l／ - ─ '　　`'ヽ＼ __ン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::: 　 /　　　○　　　　　＼ヽヾ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y⌒V　　　　　　　　　 ○　 | /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ノ　　　　　　　　 '　　　 j/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r　ｰノ　　　,. - ､ _ 　　　ﾉ
　　　　　　　　そう都合良く空きはないわよ。　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 _ﾉゝ、　　　　　⌒_, ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!∠´　　　　ﾄ｀_二_ 二.イ::::::::　|
　　　　　　　　秘書監ならちょうど空いているけれど　　　　　　　　　　　　iヽ::::＼　　ﾉ{::::,ィ:::j::ヽ　｀＞-<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ_ ` ´　　 | |` |:::! !::|`|　{:::::::.ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧ 　　| |.　`´ `´│　フ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　|"　　| ＼　　　イ　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　|:　　|　　 ` '´ │ "|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　|:　　 |　　　　　 |　　|

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .鍾会が取り仕切る朝廷に嫌気が差したのか、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　地方へ出たいと願い出た事すらありました。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　結局宮中の図書を取り扱う秘書監に就任しましたが。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.五品官の黄門郎から三品官の秘書監に出世という形になります
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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208 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:05:07.30 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　 ,不:::く｀ヽ;::､:::｀丶
　　　　　　　　ハ:l::;;ヾ:ヽﾆヽ:ヽ::､ヾヽ
　　　　　　　 ,':::i:ﾄヾヽ::ヽ:ﾄヾ､ヽヽヾ`ヽ
　　　　　　　　　　 l::i::|l::卞ﾑヽ:;ヾY.ｪYl::ﾄ::ヽ
　　　　　　　　　　 |::l::ﾄ;:::Kさ'く:::f ,｀　ﾘヽヾ',　　　　　　　　　　　大将軍！
　　　　　　　　　　 ';:';ヾﾄヽu　`r'- ､　　u|::ﾄ`､
　　　　　　　　　　　ヾヽﾍu　　|';二::!　　入',　　　　　　　　　　　聞けば羊祜殿を秘書監に任じられるとか！！
　　　　　　　　　　　　 `トｋ　　ヽ､ｚｿ　./::| ヾ
　　　　　　＿__._,r､　　 Y:j｀ ‐ ､　ｰ´／ﾄｊ　　　　　　　　　　　　羊祜殿に何の功績があったと言うのです！！！
　　　　／｀ヽ_j'､_ノ￣l!'´ヾ- ､＿｀_¨ 　｣､
　　　∧　,ﾉ　 Yヽ　　l　　ヽ　　　 7ヽ~ﾍヽ.､
　　　/-'´｢　ヽ　ヽｊ＿. l　　　ﾄ､　/〃ﾊ　 | ヽ｀ヾ､_
　　r'´, イヽ､｀,__,ｨ､__)|　l　ヾヽ∧'〃ﾉﾞヽl　ヽ　ヽj｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　ヽー- ､
　 / '´　ﾄ､　 Yrイ　 ∧l　',　　ヽ　Tﾍ', 　 l _..ノ　　l j　',　　　　　　　　　　　 ,　'´　ヾ　　ヽ　 , '-
,′　　.}､二ィ　}　/ 　 l　ヽ　　',　|､､ﾍ.　| ＼　　／ }. ﾍ　　　　　　　　　　　／　　　　入...　　|　　` ´ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '::.　　　／　　＼:::::. ヒｨ秘)､./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::: 　 l／ - ─ '　　`'ヽ＼ __ン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::: 　 /　　　　　　　　　＼ヽヾ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y⌒V　　　三三　　　三三 | /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ノ　　　　　　　　 '　　　 j/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r　ｰノ　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　他に適任者がいなかったのよ　　　　　　　　　　　　　　/　　 _ﾉゝ、　　　～　 _, ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!∠´　　　　ﾄ｀_＿_ ＿.イ::::::::　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iヽ::::＼　　ﾉ{::::,ィ:::j::ヽ　｀＞-<
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ_ ` ´　　 | |` |:::! !::|`|　{:::::::.ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧ 　　| |.　`´ `´│　フ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　|"　　| ＼　　　イ　│

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　鍾会は鍾会で、義兄上に優遇される羊祜殿を妬むという具合です
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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209 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:06:06.21 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　＿＿__
　　　　　／_ノ　ヽ＼
　　　　／（ ●）　（●）、
　　　／::::::::⌒（__人__）⌒＼　　　　　　　　かたや礼の権化、かたや唯才の見本。
　　　 |　　　　　|r┬-|　　　 |
　　　＼　　　 `ー'´　　／　　　　　　　　これで馬が合う方がおかしいお
⊂⌒ヽ　〉　　　　　　＜´/⌒つ
　＼　ヽ　 /　　　　　ヽ　/
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　_ノ　,ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　＼　　　|　　　　（__人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼　　.|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　＼　ヽ　　　　　　}
　　　　　　羊祜殿が表舞台に立つのはもうしばらく先。　　　　　　　　　　　　.＼_,ゝ　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／, r､　　　　く
　　　　　　鍾会が誅殺された後になります　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　〈　＼　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　ヽ､ .ヽ　＼ i..｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.て_）　　＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　　　そろそろ次の話題に移りたい。
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　　　　　 .魏では翌景元二年も要人の死亡が続く
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

210 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:07:24.22 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年頃　魏　荊州　新野／襄陽】

　　　　　　　　 ,':.:/:. ／:.:.:.:.:.:./:.!:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:｀:.―　､
　　　　　　　　 {:.ﾉ:.:/:/:.:.:.:.:.:./:./:.:/:.!:.:.:.:.:.:!:.:.!:.:.:.:.:.',:.:.＼、ヽ
　　　　　　　　／:.:/:/:----/-----:|:.:.:.:.:.:.|:.:.|:.:!:.:.:.:}:.:.:.:.ヽヾ､
　　　　　 ≠ 〃//:.:./:.:∠圷≠､ ||}:.:.:.:!:.ﾒ､:.!:.:|:.:.|:.|:.|:.:.:.:}
　　　　　　　／ !〃|:./{:.:.| 〃::::らﾐﾘ i:.:// |:.メ､!:.:.|:.|:.!|:.:.:.!
　　　　　　　　 /ヽ|:i:.:!:.{.　辷zノ　　 |:/ ７心,:./｀/リ/}:.:.:/　　　一代でここまで出世できたのを喜ぶべきかな？
　　　　　　　 ./:.:.:ヽ|:.:',:|　　　　　　 /　ら:,'〃/:/:.:./ i:.:./
　　　　　　　　/ //:.:.:.i:.:iヽ　　　　　 , ｀´ /:〃/:./　|:/
　　　　　　　／〃/!:.:.:.ｌ',! 、　　　r ゝ　　　/:.///:/　 /
　　　　　　　　/　/r/ヽヾ､.ヘ、　　　　＜// ／
　　　　　　　　　ノ::::|: :ﾍ　｀ヽ､ 7 ´　　　〃
　　　　,､r:::::´::::::::::::::|: : ﾍ　　 /ヾ,|ヽ、　 /
,r:::´-:､::::::::::::::::::::::::::::| : : ﾍ　/　ヽ|､ヾ｀ヽ、　　　　　　　　　　　　 / .:.:.:.: : .::l::/: : : : :!:.: : : : !: :|!: : : : : : :|: : : :l: :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l..:.:.:.:.: : .::l:.! .: : : : |:.|:. : : l{: :ﾊ: : : : : : ﾊ: : : :V
　　　　　　　　　魏　征慮将軍　州泰　　　　　　　　　　　　　　　!:.:.:.:.:.:...::/:l:. .: : : : |!:|:.. : ハ { ﾄ､ヽ: : : | ||: : l l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:.:.:.:.:.:.:.:.':.:!:..:: : : : :ﾊ{＼::{_ ＞ ´ヽﾄ:..:人ハ..:!:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:./:.:.|:.:.:. : : : | ￣｀ -‐く　　ハ'__　ｿ:/ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !l:.:.:.:.:.:/:.:.:.|:.:.:.:. : : :!　､　＿-,　　　 ´　 /ｲ: :|
　　　　　　　　今が大事な時なんやけど。　　　　　　　　　.　　ll:.:.:.:.:./:.:.:.:.|:.:.:.:. : : :!　 ´^￣｀　　　i^= ｧ:.:| : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|..:.:.:.::/:.:.:.:/|:.:.:.:. : : :|　　　　　　　　|　/:.:.:| : |
　　　　　　　　はぁ、堪忍なぁ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:.:.:.:./:.:.:./:.:|:.|:.:.:. : : |　　　　　＿ ´ ｲ:.:.:.:| : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.:.:/:.:.:./:.:/!:.!:.:.:. : : l　　　　 ´ﾆ´イ:.:|:.:.:.:|: : !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:.:./:.:.:/:./　|:.|:.:.:.:. : :ト、＿　イ´/ﾊ:.:l:.:.:.:| : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,':.:.:/:.:./:ｲ　　l:.|!:.:.:.:. : ト-^ヽ:.:.:.／/　l:l:.l:.:.:|:. :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./:.:.:/:.:/ｲ　＼　l:ﾄ:.:.:.:.: : :Vr＼＼＜ _　l:.!:.l:.:.l:. :!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　征南将軍　王基

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　荊州に駐屯する州泰・王基の両将が一年のうちに病死したのだ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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211 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:08:12.23 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年３月　魏　荊州　襄陽】

;;;;.,::::::::_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ﾞ: : : : : : : : : : : :.!: : 」::'､
./ : : : :｀ﾞﾞﾞ￣´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.!: ,i": :| .ｌ
ﾞ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::,/./ : ､ |ヽﾞl、
: : : : : : : : : : : :_-、: : : : : : : : : : .y:i: ::/:/: :_〃 .ｌ,!│
: : : : : : : : : : : : `'-＞､: : : : : : : :/l !://゛,r / : : .ｌ,/
: : : ::,／ﾞﾞﾞﾞヽ,,,,_: : : : ﾞ''i ＼ : : : : !:| ﾞ|" .'~　: : : : : ｌ　　　
: : : ::￣￣ﾞ'''ｰ .二二ﾆ二ﾆ,,.＞ヾ: : lﾞ: ::..―-丶: : :}
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :-､: : ヽ、: : : : : : : ,ト　　　呉の鄧由・李光らは十八の屯営と共謀し帰順を願い出、
: : : : : : ...... ィi;;ﾆ二｀-: ::,...: : : : : ::ヽ: : :',: : : : : : ./;;;;　　　配下の張呉・鄧生を派遣し、あわせて人質を送ってきました。
: : : : : : : : : : : : : : : : ／: : : : : : : : :ヽ: : ヽ..、: ::,l| ,
: : : : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : , -.: ::、: -_ﾉ: :/ |: 　　　 .期日を約して我が軍に命じて長江に臨み、
: : : : : : : : : : : : : : :lﾞ: : : : : : : : :{: : : : !: : ::/: : :ﾞ'i:.ｌ:　　　 .彼らを出迎えて敵の屯営を落としたいと存じます
: ,,.: : : : : : : : : : : : ゛: : : : : : : : : ﾞ''''"￣ﾞ''ﾞ´: : : : ! ,
: : :｀'''''''''tｒ'"ﾞﾞﾞﾞ'''-､、: : : : : : : : : : : : : ,ﾆｿ'ﾞlli....../
ヽ,: : : : : ::ヽ: : : : : : :.!''-､: : : : : : : : ::,彡一'ﾞ ,!｀l‐ﾐ
: ::ヽ.: : : : 　!: : : : : : :.ｌ: : : : : : : : : : ./ :__._ｒ'´ ./ : :
: : : :｀''ｰ- .. l､: : .,../''''ヽ、: : : : : : ''´ .,ｒ'´: : ´.!: : :
: : : : : : : : : : ::ﾞ│: :.＼.: :｀'ｰ: : : : .,／: : : : : : ,!: : :
: : : : : : : : : : : : :｀-､,.: :｀": : ,,: : : : : : :i''''''': :./ : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : :｀ﾞﾞﾞﾞ!ﾆ,ﾞ''-､_: : : ,' ._,／: : : : :
;ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀'-､,:￣￣: : : : : : : .

　　　　　　魏　襄陽郡太守　胡烈

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　王基の智謀は死の間際まで衰えを見せなかった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　同年、呉の将軍が魏への帰順を願い出た際の話である
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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212 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:09:27.94 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年３月　魏首都　洛陽】

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::jヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::X／ﾍ
::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::∧ｨﾚ､::',:',
:::::::::::::::l::::::::::l:::/彡 ':::,'　',:ｌ ,､!::ﾄﾐ､
──‐.i==＝|7::::／⌒　　l! l!Y:l　ヽ
￣￣i::ｌ:::::::::::|レ':::／==　 |　i! !j 　 |　　　　　　　　　　　などと報告が来ました。
:::::::::::l::! ::::::',:|::::;ｲｹ￣｀　/　｀､ﾐ､　
:::::::::::｀|:＼::::Y´i!:::!｀ﾊ　　　　 |￣　　　　　　　　　　　どうしましょう？
:::::::::r‐',::::::＼',ﾍ弋::ノ　　　　　　!
:::::::::l⌒V:::::::::ﾄ､ '''''　　　　　,ｨ /
:::::::人ｰV::::::::',.｀ｰ　　　　　　/
:::::::::::::＞',:::::::∧ ＿＿　__　ｨ__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ｀ヽ､-―- ､ _
!ヽ::::::::::::∧:::::::::', 　 /´!:::::// /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／| ｌ　　＼＿　　｀ヽ、
!:::|∨:::::::::∧:::::::::', /　 !::::ﾚi /｀i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {, '´い　　//⌒ヽ　　　＼
!:::|::∨::::://≠::::::::ヽ　 !::::| ´/ ,｀Y　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ム＼{_ﾚr行ﾐ⌒ヽ　｀､
!::::::::∨:/／　＼::::::＼ｌ::::ﾄ. ｌ / ./､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌｰ'´　ヽ、Vﾍ_彡ﾍ. ノ　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　､＿,　｀ヾヽ _＞彳　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢　 xx￣xx　　_V　　 l　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lr‐1 　　　　》⌒!　｜　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/7┐　ヾ==彳_,ノ　ﾉ　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _rｸ/ / 　　 r'⌒ヽ、＿＿／
　　　　　　　悪い話ではないわね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __/）'´ 丿rｸ{￣ _〕仁ﾆ､　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{{くヽ.＿,.ィ-‐兀/l:ﾚ―ヘ／￣｀ｰ- ､
　　　　　　　すぐ王基将軍に使者を送りなさい　　　　　　　　_, -‐'´　 ||厶|￢t┴ /　ﾟ/└rｰ､ﾉ,　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「　　　　　ｌl ノ|く rこ7　｡//{三ヲ　l　　　　 n｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀､　　　　 ||ヽj‐'⌒7　　　　匸ﾌ　 |　　＿　|ｌく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.　　　 || く＞ ∧　ﾟ　＞くﾉ　｀ｰ┬ｰﾍ.　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　 |ﾄィ> ノ‐rr＜´　　　　　　　{　　＼　　＼

213 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/17(月) 23:09:56.47 ID:dEOpLrXso

このタイミングで、服喪で名をあげた州泰逝く。

214 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:12:06.13 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年３月　魏　荊州　新野】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　大将軍は胡烈殿に兵一万を指揮させ南下させるようにと。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　 .鄧由らが期日どおりに到着すれば、
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　長江以南の地域が動揺するのは間違いないと申されていました
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　　　　　　　　　　　　　/:　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 !　l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　j::::/　　　 | 　　　　 l　　　　 l　　 !　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ1:l::|　　 l　l 　 l l、ヽ　ﾄ､　　　 ! 　 |　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;ｲ:j|　 !/!/ |　ﾊ| ヽlヽ. l__}l　　　　| 　 l　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ' ﾉ/ }ノiノﾆヽ! / ﾘ_,.|j=孑=ﾘ! |　/! /　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ |:ﾉｲﾊヽ（ｨ:K ｀´ ノ´､（ｨ:)ク'}/ ﾘ': 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l:::::::::ﾍ　￣ |　　　　　￣／ /:::: 　　 |
　　　　　　あかん。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::l､　 j　　　　　　　 |:::: 　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !::::::::::::| ＼ｰ＿_　　　　　 ,|:::　　　 l::
　　　　　　大将軍は石亭を忘れとるんか？　　　　　　　　　　　　 !:::::::::::|　　＼｀ニ｀　　／ l:::　　　/::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::|　　　丶＿　 ´｀ヽj::　　　ハ:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::|　　　　　　　　　 //::　　 /　ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::＞￣｀丶、　　　 /:/:　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼　　 /／ノ　 /

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　胡烈の申し出を許可した司馬昭は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　王基に兵を南進させるよう指示を出した。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .一方の王基は、呉軍が降伏と偽って魏軍を誘引するつもりかと疑った
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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215 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:14:09.30 ID:u+h4oMFgo

　　　／￣￣￣＼
　　／　　　　　　　＼
　/　　　 ─　　　─　ヽ　　　　　　　　　　　　人は何故同じ過ちを繰り返そうとするんだお？
　|　　　（●）　（●）　|
　＼　　∩（__人/777／
　／　　（丶＿//// ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :.ｲ : /: :./ : /:. :.i:. :. :. :.|: : : : : :＼:.ﾊ : : : : ｉ : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/: :/:.:.:.′:.ｉ : : i| : : : : |: : :ｉ: :. :. :.ヾ:|:. :.: :.:|: : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / : :ｉ: : :.|:. .:.|:. :.ハ: : : : ﾄ､: :ヽ: ＼:. :.|:. :.: :.:|: : : :. :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′:ｲ: :. :.|:. .:.|! /＿_､: : :ﾊ_＼_:ト : ヽ |:. :.: :.:| : ｉ : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: / |:.:.ｉ: :|:. :.:ﾊ′　　＼ ∧　ヾ　　ヽ|: : : : :! /: :i: :ｉ:.
　　　王基は書面で司馬昭に　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/ . l : |: :|:. :.|ｘテ云　　＼才示伝ﾃ:! : : : : /Ｙ:.l!: ト＼
　　　鄧由らの疑わしい実情を説き、進言を行った。　　　　　　.{'　ﾊ: |l八: :.! 弋:rﾀ　　　　弋:_r夕　| : : /ｲ　} ハ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ハ: i:小　　　　,　　　　　　ｲ:.:.:/　イ/　}'
　　　以下に内容を紹介しておこう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ハ: ﾊ　　　　　　　　　　　/ ｊ: :/´ ∧:.ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:i : :..　　　 ‐　　　　ｲ: /ｉ: ｲ　ﾊ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从ｉ: :.＞.､　　　　＜ / ｲ:ﾊ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: |　　ｰ＜　　 /'　＜￣:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ|　　　　}ハ　　／:. :. :. :. : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ}　／ :. :. :. :. :. :. :. :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:. :イ:. :. :. :. ´ ￣￣｀:. :.ヽ

216 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:15:13.53 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年３月　魏首都　洛陽】

『王基さんの書状（一部抜粋）』
┏────────────────────────────────┓
　しばらく静かに落ち着いているべきで、
　重兵を動員して敵地深く侵入してこれに対応するのは適当ではございません。
┗────────────────────────────────┛

　　　　　　　　 /:::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::::::/::::::::ヽ
　　　　　　 /:::::::::/::::::::::/::::::::::::::::::／　 /::::::∧:::::::::::::.
　　　　　　 ,′:::::::::::::::::/:::::⌒ヽ／　　 /:::／　 ::::::::::::::i
　　　　　 |::/⌒! :::::::/_斗=≪.　　　 /／　　 |:::::::::::::|
　　　　　 |::{. '^|:::::::/ｨんkJ　ヽ　　／　 ⌒ヽ│:::::::::::|
　　　　　 |::ﾄ､._| :::::i 弋:::ソ　　／　　斗x. 　 |/::::::::::j　　　　　　　王基将軍からはなんと？
　　　　　 |::l:|::::|:::::::l ::::.:.:.　　　　　んiJﾊ　/:::::::/:/
　　　　　 |::l:|::::|:::::::|　　　　　　　,　弋ﾝ　／:／:/|/
　　　　　 |::::|::::|::小、　　　　　　　　 ::.∠:イ:::::/
　　　　　 |::::|::::l::::〈丶　　`　ｰ　　　　ｲ::/::::/
　　 , .-　―┴┴ |:::Nﾊ　＼＿___,..　イ ::::/::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,　 -──‐- ､､
／　＼　　　　 |:::| | l.　　　／| ﾄ､_::::::ｉ::::/::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入｀ヽ￣｀ヽノ二ﾆy‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r' /.::::>､.:.:.:::::::{,/⌒Y⌒ヽﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/.::::/　＼.::::（　,〈薔〉､ / j〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′,ｲ／　　　＼:ゝ彡ﾆミノ;::ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ﾚｲ/　　　　　　　｀`ヾ､イ:::i:/
　　　　問題の場所は山は険しく道は狭く、竹と木が鬱蒼と茂り、　　　　　　〈川j　 ''"" 　　 "''ヽ　　ﾞ,;;;;;;;ﾘ
　　　　要害で待ち伏せに遭えば、味方は力を発揮できません。　　　　　　　｀ゞj!　　　　　　　　　　　i;;;;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ､　　┃　　　┃　　　_ソ
　　　　今は弩の筋・角は弱く、雨も降り続いております　　　　　　　　　　　　,|￣￣￣￣￣￣|　 u ／⌒〕
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ'''''''ｰ､　　　ｒ'''''''￣ヽイ.:V⌒〕_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} 二''-'　　　冫'''￣　ヽﾘ〔二〕　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　）　　　（　　　　）に7　　　　l

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　弩の筋云々というのは、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　季節が春で湿気が多いため、弩が満足な性能を発揮できない事を指す
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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217 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:15:58.80 ID:u+h4oMFgo

┏──────────────────────────────────────┓
　農繁期の仕事を廃して、万全とは言い難い利益を求めるのは、それこそ危険な行動です。

　昔、子午の戦役では、数百里を進軍して長雨に遭い、
　橋や閣は破壊され、故に後方の食糧は腐敗し、前方の軍は欠乏しました。

　姜維が我が国深く侵入してきました時は、
　輜重を待たなかったために士卒の飢餓を招き、上邽において敗北を喫しました。
┗──────────────────────────────────────┛
: : : : : : : : 　　　）　ﾉ　　､.. .. . ...　.::::..　.　.　.::　:　,,）　　　　(　::::　::　（（　　 ,,,;）　:...　.　.::::　..　.
　: : : : : : : : （ _　⌒) 　　`ｰ（　　　　　 .. .. . ...　..（　(　　　　,;;.　..　｀⌒）　ﾉ　　.. .. . ...　...　..::. .. .　.
　　　　 : : : : : 、:（　(　　　　: :）　　　ﾉ　... .. .. .　　ヽヽ　 ,,ﾉ　..　..::. .（ _　⌒) .　..　.:　:::..　... .. .. . ...　.
　　~~^^;:;:'',,,,.....=)　ﾉ-;;;;;~~^（（　　 ,,,;）^^~~~~~^^"'''~）　）)　　^^'',,~~~~~（　(　''~~^^~~~^~~^^~~~^~~^^~~~^
　　　　　　　"^　 )ﾉ　　　　　　）　ﾉ　　.,"'`',（　　　（,, （　　　　　''.,,.....=)　ﾉ-':
. ...　.::::..　.　.　.::　:　:..　.　...　:::　:::..　... .. .. . ...　...　..::. .. .　..　.　..　.:::::　::　:.　...　.:::::　:...　.　.::::　:.　...　.:::::　:...　.　.::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ!´￣｀`i''ー─- ､､､,,_
　　　　　　　イ三二二ﾆﾆﾆゞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　j〉　　　」´￣￣｀`ー-､ヽ　　　　.,.:,..:.. 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,...　　　　　　　　　　　　　　　｀`ｰ─'"´ ￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. ... ,...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-
　　　　　　　... ,... 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,... 　　　.,.:,.
　　　　　　　　　　　　　　＿, 　-─‐- ､ー‐-､ー-､　　;: ;:;: :;:;: ; ;　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　　　,ｲ､,r'⌒ヾ　　　　ヽヾ｀`''ー- -､-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; 　;: 　.　　　　　　　　　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　 ,r/　 (::;;:;:;;/ー-､　　j　 `,　　　＿ /ィ´　　;:; :;　;:; :　;:　　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　ヽ「i''ー'"´　　 ,r-‐'ー''''"´￣

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　前者は曹真の漢中遠征、後者は段谷の戦いを指す
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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218 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/09/17(月) 23:18:12.07 ID:dkyJ5/NB0

何故忘れるのかっつっても石亭ももう30年以上前の話だから
覚えてる人間が少ないっていうね

219 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:18:12.85 ID:u+h4oMFgo

┏────────────────────────────────────────┓
　嘉平以来、国内において次々と兵難が起こりました。

　現在必要な事は、国家を鎮静し上下を安定させ、農業に力を注ぎ、民衆を手懐ける事であって、
　軍勢を動かして外部での利益を求める事はすべきではありません。

　手に入れても得するほどの事はなく、失えば威厳を損ない傷つけます。
┗────────────────────────────────────────┛

　　　　　　　　 ,．'´　　,rｰ≧~~~｀ヽ
　　　　　　　　　<´: : : : : : :{　(⌒~'⌒ヽ.ﾑ
.　　　　　　　 ,へ : : : : : :{　レ‐{薔}ニ].}
　　　　　　　　　l: : :i｀ﾞｰ- ､_ゝ､,く_l::!､∨ﾉ
　　　　　　　　　'; : :!　＿_　｀ﾞ＝‐l::lﾊ:;〉
.　　　　　　　 '; :ﾊ,.-ｒ.､｀　　´ゞ' 7/)ヽ
　　　　　　　　〃八. ゞ' 　 ,　　　/'⌒ヽ
　　　　　　　ﾞ '⌒ヽ､rvy.､＿ｨ_ |＝ｼ
　　　　　　　　　ヾ,-‐{y′　´ｒ‐'ヽ. ラ-､
　　　　　　　　　　 ∧ラヽ、　ヽ.､-.!､　　ヽ
　　　　　　　　　　.ﾊ └' ｒ'7 　 { ヾ;j .!　　ﾊ
　　　　　　　　　　i　　　 {. ヽ　ﾊﾞYヾ!|　　　 }
　　　　　　　　　　:、　　ﾉヽ∨. ', }､. |　　〈-┐
　　　　　　　　　 >介1 　ヽヽ l.}v',.>　　ﾊﾆ.､
　　　　　　　　　　｀1/<　　　ﾞiゝ}´　　　　　,}､}}
　　　　　　　　　　//- {｀て￣￣´　　　　,. へlj｀
　　　　　　　　　｀　　>､　ヽ　　　　／　　　＼
　　　　　　　　　　／ヽj_!､,、＼_ _ ,人　　　　　　＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　これを読んだ司馬昭は鄧由らの投降に心中疑念を持った。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　直後、南進の命令を取り消すと共に、王基に返事を書いている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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220 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:19:46.37 ID:u+h4oMFgo

『カナさんのお手紙』
┏────────────────────────────────┓
　およそ物事に対処する場合、
　意を曲げて従う者が多く、論理と事実を共にしっかりと把握できる者は稀です。

　貴方の忠誠と愛情に心を動かされます。

　規正し指示してくれる時は、いつも敬んで趣旨に沿いましょう。
┗────────────────────────────────┛

　　　　　　　　 ∨{　｀ヽミヽ三ゞ`ﾒ∧X/ﾍ
　　　　　　　／∨､　､｀ﾐヽミミ＜ツミｨﾑ／,
　　　　　／ｲ//ｿ彡入ヾヽ∨≦〈}＿ゞ__}ヽ〈
　　　　〃.//// ＿　｀ゝ _｀ヽヾ￣ﾙ´､ヽ＿―‐＿ー―,
　　　　 {　////´　　　　　｀ヽ｀｀' ﾈ､〈　　＿＿＿￣
　　　　　 }ﾘ.{ 　＿　　　　＿_｀ |｀ヽﾉ｀ー＝――　＿ヽ
　　　　　　　(ゝ､´＿__ 　　　__＿,,｀ }ｲ｀)}ﾐ､__
　　　　　　　ゝ､｀¨￣　　　´￣¨´ } ｲ //i川ヾヽ/}ﾐj ＿
　　　　　 ,ｨ彳ヽ＿,　 j　　　　ｨ　 ∥ﾉﾘﾙ )))川´￣｀ヽ､＿＿,
　　　　　　ｲ彡彳ヾ　ｰ一　｡ ' ⌒ヽ'　彡"_彡"ｿｲー)j　　￣
　　　　　　,　＜´⌒ ゝ ≧‐≦ /　 : : : : ヽ　￣　　　　｀"
　　　　 /_＿　　..::/__　　} l／　　: : : : : ヽ
　　　　　〃／￣￣´　ヽ_／　　　: : : : : : : ∨
　　　　 | | 　ヽｰ =っｲ　　　／|} /: : : : : : /
　　　　 | ヽ　/ ) 　　､　　､　|i/ : : : : : /
　　　　 }|　∨ 厂`ﾐ｣ { iゝ..._ゝ{l : /／__/
　　　　 /∨)刈｢: : : ヽ` ./: : {|≦￣￣￣/
　　　　/ 〉〈}{ ﾑ ): : : : ｀Y: : : ∧ヽ､￣￣＞＜＼

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　聞く耳は持ってるからタチが悪いお
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

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221 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/17(月) 23:19:50.80 ID:dEOpLrXso

>>218
加えて、今の呉はボロボロだし、本当の投降者も少なくないわけだから、
今度も本当だろうと思っても不思議ではない。

222 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/17(月) 23:20:57.01 ID:CKZBG6gLo

シバショーマジプリティ

223 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:21:44.65 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年３月　魏　荊州　襄陽】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　胡烈殿。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　 .大将軍が南進作戦は中止すると
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　　　　　　　　　　　　　　　　／彡彡彡彡彡三三三ニ.　
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　　　　　　///／´ヽ彡三三三三三三.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i/／　＿　￣￣￣`ヽ,.,,;;::;;..　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ′,／,,. ≧　　　　　　ヽｲ /　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　,/／　,.イ　　　　　/__　〉ﾉ,.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝﾚ′ Xi/　　　　　/　　 V　/..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　´ヽ､＿_　　ト､／ゝｲ;ﾐ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|,,, ..、　　　　｀ヽ　　i　 /　　　
　　　　　　　　　　　　　　　仕方あるまい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..〈　,.-'　　　　　　｀ヽﾉ,イ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀´j _　　　　 .{　　 /　||　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`┬‐-'　__ﾉ_　ﾉ　 :||　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`⌒!´　　｀/　　 .}　,/　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ--‐'´ヽ､_/ /　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　/| / `

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　結局鄧由たちは降伏しなかった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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224 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/17(月) 23:22:10.09 ID:duyOYrKQo

…本当にこの当時だと蜀が一番政権が安定しているような気がしてくるから困る

225 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/17(月) 23:22:53.88 ID:naLX19nqo

真実よりも嘘が多くなったら、さすがに詐術も効かなくなってくるか。

226 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:23:07.25 ID:u+h4oMFgo

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼　　　　　けど司馬昭って、やけに王基に気を遣ってないかお？
|　　　　（__人__）　　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　.もうちょっと周囲に高圧的な印象があったけど
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　（ ;;;;(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼) ;;;;)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　（●）（●）/;;／
　　　　義兄上が出仕し始めた頃には　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　（__人__）l;;,´|
　　　　品行・学問・治績で知られた存在でしたし、　　　　　　　　　　　　　　　　.|　./´ニﾄ━・'　.ｌ
　　　　毌丘倹・諸葛誕の反乱での活躍は今さら語るまでもありません。　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /
　　　　敵にまわしたいと思いますか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __/　　/　　　ノ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　/　　　　　　｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´　　./　　　　　　　,.　ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　　　　　　　｜/　 /

227 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:24:29.63 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ　　　　　　　　　　　|　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
　　　　司馬昭が王基に気を遣った事例は他にもある。　　　　　　　　　　　　　 ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
　　　　二年前の甘露二年（二五九年）に王基の母が亡くなった折、　　　　　　　i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;　　 ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!
　　　　すでに亡くなっていた父王豹の遺体を洛陽に迎えて合葬させ、　　　　　　　∨|:.:.!　　　　　　　　　ﾉ/i/ﾉ
　　　　王豹に北海郡太守の官位を追贈している。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ!:|　　　　　　　　　ﾉ!/′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ!＞ｰ- 　 -- ＜ｲﾘ
　　　　普通であればこんな真似はしない　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ｀;;;;;;;;;;i;!＿__i;!;;;;;ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣￣￣´｀￣￣￣´

228 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:25:27.45 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６４年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　／:::､::::::､::::::､::::/::::jL､
　　　　　　　 /:::/::/＼:::＼:::辻-く仁､
　　　　　　　　　i::::i::/__　｀ーﾐ _∧ ﾆ/{
　　　　　　　　　l::::ﾚ.ｧﾆ､ヽ　ィﾆ､ﾍ_ﾉﾚ'
　　　　　　　ﾞ:｣ ´込ｿ　 . 　込ｿ i::/　　　　　　　　　　　　貴方の嫁は王基殿の御息女かしら！
　　　　　　　　　/∧ ￣　r==┐￣ ∧ヽ
　　　　　 , --､ {!`ｰヽ. 　､___ﾉ　メｰ' i}､
　　　／￣>‐､｣::_:_:_-:i＞┬＜!:-:_:_:_:」i
　　　/　／　/　ﾄ､7∠イ::i⌒i:::iヽ:ﾆ:ﾆ:ノ＼
　＿ヽ　　　 ´/､ __ﾆ｣:::! ﾟ i:::l〉=:､. .ヽ　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'"::::::::_:_:::::::::::::_:_::::::::::::｀丶､
　＼___＼　　ﾉ/r=_ _｢i::! ﾟ i:/{!三:`ｰ' i　,,　 l 　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::: /::::::｀ヽ／:::::::}::::::::::::::::::::＼
　　／z{::::＼　/::Y <<.　　　､ﾆr=_ノ .::i.:/ ／　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::|＾"￣￣￣"^|:::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / :::::::::::::::::/‐ﾄ　　　　　 _|_::::/! :::::::::::::::: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::/::::::/:::::ハ::|　　　　　　　|:::/｀ﾄ:::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／|:::::::|:::::,'　ヽ!　　　　　 j:/　 !:::::,'::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　 |:::::::|:::::! ,ｨ≠ﾐ　　　　　ｨ≠ﾐ　|:::/ ::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j :::::::l:: |/价ｰｲ　　　　　廴ﾉ心V:::::::::::/:::l
　　　　　　兄上の仰せのままに従うッス　　　　　　　　　　　　　　　/:/ｌ:::::l::ﾊ{.{ﾄｰ'i|　､　, 　 {ﾄr-':ﾘ}|:::::::::/::: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'　ｌ:::::小　V少　　}={　　V辻ｿ ,'::::: ∧::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | :::::::`ﾄ､＿＿ノ'　ヽ､＿＿_,ﾒ ::::/ノ::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::ゝ _　　　ﾏ￣）　　'' /::::::/:::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::: |:::::|:￢ｰr--‐r＜V::::::/:::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::|:::: |:::::j:ノﾉﾌ　　ゝfＶ:::／|::::::::::: |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　司馬懿八男　司馬肜（字：子徽）

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　死後王基は景侯と諡され、陳泰と同じく司空を追贈された。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　また後年、司馬昭は弟の司馬肜の妻に王基の末娘を迎えている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

229 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/17(月) 23:29:48.78 ID:VGJKacYu0

王基が軍事を戒めるあたり、淮南三叛のダメージはやっぱり大きかったということでしょうかね？
兵卒の補充や将校の入れ替え、それに伴う荊州から揚州までの組織の再編…。
そういうことを考えると、中央と前線の間に意識の齟齬が生じていたのでしょうか。

230 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:30:07.11 ID:u+h4oMFgo

　　　　　＿＿__
　　　　／　　　＼
.　　　／　　　　　　　＼
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　　　　　ある意味、長年働いた王基の家に対する褒賞みたいなもんかお。
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　／　　　　　　「司馬家との婚姻」
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　＼
　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ
　　　　それはさておき、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　
　　　　州泰と王基の死は司馬昭にとって痛手だった。　　　　　　　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
　　　　荊州が兵家必争の地であるのは歴史が示すとおり。　　　　　　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l
　　　　後任に下手な人材は送り込めないからだ　　　　　　　　　　　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　ヾヽ　　l　　ｌ　 //　l　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ﾍ　 l　ヾ＼ヽm/ ,／　V　:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　＼|　　`ﾄ,＼V／| 　 │ ､|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　 {/￣＞‐ｧ､　 j__≧i≦ !,ｨ彡三>ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　 /{　`ﾍ三三三ミ=彡＜＿/　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　＞ー‐'"ト-- (＾ｰ'⌒　〉　__ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｰ‐ｲ　　　 |　{ {　{T'┬='ｰく |

231 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:32:14.32 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年頃　魏　荊州　新野／襄陽】

　　　　　｜ｌ｜　　::└ｰ┘　　　.::::::::j ,'::::::::::: ,'
　　　　　 ', ', l _,;:ｧ-rｰヾー､＿.:::::::://::::::::::: ,'
　　　　　　　vｲ´:/ 　 !: : :!: : : :ヽ､`:ｘ'/::::::::::: /
　　　　　　　| l,'/＞、ヽ,: '､:ﾄ､＼:丶､:｀l: ､: /
　　　　　　　| ! i彳tぅﾐ　ヽ!斗≦毛zﾐｌ: ! : ヾ
　　　　　　 l: ;ｲ}ゝ辷;j. 　　´ ﾄｨ':::j"|: l: : : !　　　　　　　　　　　　　　　どうも……
.　　　　　　j : 八　,,,, 　,　　　┴ｰ"'ｫ ,': : : l
.　　　　　 ,'/ｨ : : `..､　　- 　 """ィ|:!/l : : :l
　　　　　 //j : : : : : _´＞┬_,≦ノ|㍉＿: : :!
　　　ノ　/: : : ｧ´ {{:::｛{ヾ－　　〃:::〃ヾ,l
.　　　　 /: : :/　〃;;::::ゞ=三彡':::〃　　.}　
.　　　　, ': : : :ｲ　 /'　　::/　 / 　''〃/　　 j　　　　　　　 /: : : : : :/: : /: : : :l l: : : : : : : : : : : : : .∧ ／:／i: : :∧: :l
　　／イ: : : { 　｛　　.::/　./　　.:!l/　　./l　　　　　　 ,′/: : : .i: : :.i: : : :.:l-l: : : : : :.:.:.:.:.:.:| : : : : i＼// :l: : :.:∧ l＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :.i: : : : :l: : :.l: : :.:.:l　l: : : : :.:.∧: : :l : : : : l　　ヽ l: :.:.:.:.:.} |//ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : :l : : : : l: : :l: : |: :|　:l: : ∨: : ∧: :.|: : :.:.:.|　　　 !: : : :.:.i :|////ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: :./l: : : : : l: : :l: : l__⊥_ヽ__:∨: : ∧: |_ --┼ ､　 l:.:.:.:.:.:/: :|/////∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: :l/l : : |: : l: : :l: ' |: :|　　＼ ∨: :.∧:l:.:.:.:.:.|　　:l: : : : /: : |,'/////∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: :l/,l: : :|: : :l: : :l: : l｀ヽ　　　＼ヽ: ∧|: : :./　　 :l: : : :/: : : |∧////,∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: :|/,l: : |: : :.l: : :.ﾏ l ｲ====≠　＼＼{ヽ====≠:!: :.:./: : :.:.:|//＼,///
　　　　　……使い回しにされてる気が　　　　　　　∧//∧:.|: : : :l ﾏ: :ヽ{　　　　　　　￣　　　　　 /:.:.:./: : :.:.:.:|∨/∧ヽ,/i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i///　ｲゝ∨: :|: ﾏ: 八　　　　　　｀　　　　　/: : :/ |: : :.:.:.|: ∨/∧　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l／　//// :∨ |: : ﾏ:.:.:へ　　　　-‐- 　　　　 /:.:.:./ : |: : :.:.:.|　 ∨/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/////: :.∨l: : :.ﾏ: :.ﾑ＞　　　　　　　＜,': : /: :.:.|: : :.:.:.|　　∨/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /////: : : :ゞl: /: :ﾏ: :ﾑ / | ＞　__　＜ :|ヽ/: :/: : :.:.|: : :.:.:.|　　 ∨,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≠///: : : :/: :/: : : ﾏ: :ﾑl　ヽ　　　／　}/:.:./: : :.:.:.:|: : :.:.:.|　　　ヽ/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　安東将軍　陳騫

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　結局司馬昭は、鍾毓と陳騫を荊州に転任させて問題を解決した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　鍾毓が都督荊州諸軍事、陳騫が都督江南諸軍事となる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

232 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:33:28.45 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年頃　魏　豫州　安城】

　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞、
　　　　　　 / : : : : : : : / : : : : : : : : : : :／ : : : : : :＼_
　　　　　　　 ′: : : : : : :/: : : : : :..|: : : ／: : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　,′: : : : : : : ′: : : : : :|: ／ : : : : : : : ／ﾊ: : : : ヽ
　　　　　　　| : : : : : : : :.| : : : : : : :.|: : : : : : : : :／／　'. : : : : j
　　　　　　　|: : : : : : : : :| : : : : : : :.|: : : : : ＞´／　　　 :, : : : ′
　　　　　　　| : : : : : : : .:| : : : : : : :.|-‐''´_,.　''´　　　　　∨: ;
　　　　　　　|l : :.:: : : :.:.:.| : : : : : : :.|´__―‐.､ｰ==ァ　　　|: /
　　　　　　　|:!: :.:. : :.:.:.:.:| : : : :ｉ: : :.〈心 l}｀ヽ　　　　ﾄ､__ lｨ′
　　　　　　　| ! :.:.: : .:.:.:.ｉ| : : : :ｉ: : :.| ゞ-'　　　　　　. '¨` /:|　　　　　　奮武将軍・豫州刺史・豫州諸軍事。
　　　　　　　| l:.:.:.:. :.:.:.:.:i| : : : :ｉ: : :.|　　　　　　　　 {及!/: ′
　　　　　　　| l:.:.:.:.: .:.:.:.:i| : : : :ｉ: : :.|　　　　　　　　'.｀¨/: :,　　　　　　僕にこの地位が似合うかはともかく、
　　　　　　　｀ヾ:.:.:.:.:.:.:.j| : : : :ｉ: : :.|　　　　　　　　/　':.:.:,　　　　　　　やれるだけの事はやってやろう
　　　　　　　　　＼:.:.:.:.j| : : : :|ｖ: :.|　　　　　　　　　ｲ:.:. !
　　　　　　　　　／'.＼;i| : : : :| v.:.|　　　　ー_－／:.:.:ji:.|
　　　　　　　　／　　＼　＼: :j|　Ⅵ､　　　　／:.:.:.:.:.ハ!
　　　　　　／-､　　　＼　ヾ| 　lﾘ＞---∠.;:.:.:.:.:.:/　l|
――‐… ´: : : : '.　　　　　＼　　 / ､　　　　ヾ:.:.:/ 　 |
ヽ : : : : : : : : : : : , 　　　　＼ / 　|　　　　　｀′
: : '. : : : : : : : : : ∧　　　　／／__} |､

　　　　　　　　魏　豫州刺史　王沈

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　陳騫の転任で空いた豫州には王沈が入る
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

233 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:35:08.00 ID:u+h4oMFgo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ_＼
　　　／（　●）（　●）＼　　　　　　　　　こんなんで大丈夫なのかお？
　／　　⌒（__人__）⌒　.＼
　 |　　　　　（　（　　　　　 |　　　　　　　呉軍が攻めて来たらトンズラしそうだお
　＼　　　　 `ー'　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ 　｀⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(● ) (● )　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,.　-ｰ|　　　　　　 |ヽ__＿
　　　彼の豫州統治はなかなか評判が良かったと耳にします　　　　　/ .::::>-、_ ___　　　　 /ｨ::::::::::::..｀' ｰ-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l :::::/／／／ ,ヽ__,.　":::/::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　」 :::/　　　　代_|二::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ::::/__　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　L√:::::＞､＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l :::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ::::::::::::::::v":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ::::::::::::::::: 〉ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::／::||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ:::::::::::::::::: i／＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::;| ::::::::::::::::::: ﾉ::|

234 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:38:31.84 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年頃　魏　豫州　安城】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 ´　　　　　,　 _..　 ¨　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /　 ∥ ./‐ ¨　　　 ,､　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 i i　　/ 　.∥/　　_.　'"／ .ヽ　　 ;
　　　　　　　　　　　　　　　　 i l　　i　　∥'＞,,"　''"　　　ヽ　! l
　　　　　　　　　　　　　　　 l l l　.l　　.ij''", -‐` ､　　　　ヽ ! i
.　　　　　　　　　　　　　　　　l l l　.l 　. ij　ｬ7ゞヽ　`　　　__...ヽ i
　　　　　　　　　　　　　　 l l l　.l　 l ij.　ヽ廴ﾉ　　　　'.._`　i i　　　　　　　　　豫州の官民に告ぐ！
　　　　　　　　　　　　　　　 l l l　.l　 l ij　　　　　　　 ,i∩) /.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ!l l　l　 l ij　　　　　　 >~ ∧i　　　　　 ,､　　　野に遺賢あれば推挙し、
　　　　　　　　　　　　　　　　　l! i i　l　 l ij　　､===　､　　 ∧ij　　　　 ./ i　　　奸佞を豫州から追放してほしい！
　　　　　　　　　　　　　　　　　 !i i i　i　 l i　　　`　 .:_/　／ :/i 　　　ｉ　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　` ゛.　i　.lj＼　　　／ゝ:/ｉj　　　　ｉ　!　　　.州にとって有益な提言をした者には、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `_､　i 　 `　-, _'=-./_// !　　　　　ｉ　ｉ　　　それに見合った褒賞を出すからな！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iゝi~,　_..｡ｬ''"　　ゝ-,'／´ﾇ¨ ヽ.　ｉ＞ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ┤ ./」ト,　　　／,　´　／.　　, '"　 . ｬ¨､
　　　　　,,‐､　　　　　 , ,-‐‐ " 　ｉ /i //冫　 /　　　 /　　　　i　,'"　 . ｬ¨､
　┌''フ' ､ノ　　　　　 / i. 　　　　　ｉj　〉- ' ヽ ./　　　 {　　　 / `ゝｉ　,'" 　 , ヽ
　 i ./　／ヽ　　　　　　 i　ｉ.　　　　　 i ./ヽｉ　 /　　　　i　　　＞ .": `'､　´)､　ヽ
　 i"　./　／ヽ,　　　　　ｉ　ｉ　　　　 i /ヽヽｉ　/　　　　　',　／／　＼ `¨~　`　i
　ヽ　'　/　 ,y/,　　　　　ｉ　ｉ　　　　　ｉ !.ヽヽｉ/　　　　　 ',　　　　,　　＼
.　　＼　　　/ `i¨ｽ　　　 i　`､　　　　ｉjヽヽヽi　　　　　　　　 ' ,　　 i` - ._　　` ､

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .王沈は着任早々豫州の官民にこう呼びかけました。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　言わば、懸賞制度で有能な人材の推挙や諫言を促進を図ったのです。
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .一見耳を疑う話ですが、
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.実際に進言を行った部下に穀五百石を支給しています
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

235 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:44:33.05 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　 /⌒Ｙ⌒ヽ
　　　　　　/（○) (○ヽ
　　　　／::::⌒｀´⌒:::u＼　　　　　　　　　　刺史殿のお気持ちは分かるけど、
　　　　 |　,-）　　　　（-、|　　　　　　　　　　この制度、みんな賞賛されるのに抵抗感じて発言しなくなるっていう。
　　　　 | l　　ヽ＿＿ノ　l. |
　　　　＼/⌒)⌒)⌒) ／　 /⌒)⌒)⌒)　　逆に欲深な連中が、中身のない提案をするに決まってるっていう。
　　　ノ￣ .|　/　/　/　　　(⌒) ./　/　/
.／´　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　::::::::::/　　　　だいたい諌めた相手を
|　　　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/　　　　恩賞で釣って発言を求めるなんて前代未聞だっていう
ヽ　　　ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　／
　ヽ＿＿　　　／　　 /　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　,.:.::.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:./ 　ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'，:.:.:.::'，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.:.:.; '　　　　､:.:.:.:.＼:.:.:.l:.:.:.:.:.::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l:.:.:.,′:.:,′:.: ／　　　　＼:.:.:.:.ヽ:.|:.:.:.:.:..:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　!:.:.:l:.:.:.:.i!:.:.／／　　　　　＼＼:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '，:|:.:.:.:|彡ｚ≠ﾐ　　　　≠=ﾐ.｀ｰ l:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　直言して理を言い当てるのは忠、　　　　　　　　　　　.刈:.:.:.:!. 〃　ｒ.ｓ　　　　　　ぉ。ヾ､　!:.:.:.:.:.:.|
　　　　　恵みを一州に加えるのは仁、　　　　　　　　　　　　　　 !.:.:.:.|. 《　弋ﾘ　　　　　弋ﾉ　》　!:.:.:.:.:.:.!
　　　　　功績があるものに賞を与えるのは廉。　　　　　　　　　.|:.:.:.:| 　　ｰ　′　　　　ｰ　´　.l:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:.:.:|　　　　　　 ′　　　　　　 /|:.:.:.:.:.:!
　　　　　そう思って考えたんだけどまずかったか　　　　　　　　.|:.:.:.弋､　　　　　　　　　　　ム!:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.:.:.ｌ::｀:　　　　. -､_　-‐.､　　 /:::::!:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:.:.:.:!:::::::..､　乂＿_＿:_:ｿ　.ィ′:::|:.:.:.:./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨.:.:.|:::::::::::＞..　　　　 . ＜､::::::::::::|:.:. /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:.:i!::::／ /　|: : ー: : : .|. ヽ::::::::::|／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｚ≦7刈ミ≠´. . .'， : : : :　.j. . . Y三三三≧ ､

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .ただ、これには褒賞を受けた当の部下たちが難色を示します。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　王沈なりに考えた制度だったのでしょうが、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　倫理面から見れば、あまり褒められた制度ではないのが原因でしょう。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.こんな進言もあって、王沈はすぐに懸賞制度を辞めてしまいます
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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236 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:46:15.37 ID:u+h4oMFgo

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　‐=・=‐　‐=・= ＼　　　　　　　　言ってることは分からんでもないけど、なんか机上の空論臭いお
|　　　　（__人__）　　 |
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 .|
　　　　　王沈は善政の何たるかを探求していたそうです。　　　　　　　　　　　'､｀ ⌒´ 　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ｰー|　　　　　　　ﾄ､______
　　　　　この制度もその一環だったのでしょう。　　　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /:::ﾉ:::::::::.｀' ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　"／::::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　彼は失敗にめげず政務を執り続けます　　　　　　　　　　　　」 ::::::::l:::: ::::::「､:::::::::::::／ ::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::ｰ-ミﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||

237 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:47:32.48 ID:u+h4oMFgo

【紀元２６１年頃　魏　豫州　安城】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　-= ＝￣:::::::::::::::::::::::＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ⌒＞´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::人ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　／::::::::::::::::::::::／:::::::::::／:::::::::::イ:::::}::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::／:::::::::::／:::::::::／　ﾊ::::ﾘ::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::／:／:::::::／ /　芹≠　　/　Ⅵ:::::i::}
　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::／:／:::::::::/:::::::レ辷ｿ　／ィ升:::::ﾉ::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊイ::::::::::::::::／::::::::::::/:::::::/　　　　　辷ｿ／:::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　 }ﾊ／}:::::::::::::::::::::/:::::::/　　　　　　　ゝ＜::::イ:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ／:::::::／:{:::::::ﾍ　　　　　 ´　　/／::::ｲ
　　　　　　　　　　　　＿　　／|{　　____ﾑﾍイ:::::::|:::::::∧　　　　´　ヽ　 /:::::／/
　　　　　　　　　 | 　∨.:.:.:.|!:／///∧　ﾑﾊ八:::/ 　>　　　　　　／:／!::/
　　　　　　　　　　 ,ﾍ. |.:.:./.:.:.:.:／//////∧ 　　从_イ　｀　￣＞´⌒ 　ﾚ　　賈逵以来の法制禁令を遵守するように
　　　　　　　　　ノ.:.:.:.:|.:./.:.:／/////////∧　／　｝　〉__;＞　´＼ｰ､
　 x≦三三三≧x　.:.:.|/:／/////////////∨　　/ ／//∧　　　　〉　＼
　 ∨//////////∧三三∨//////////// ∧　/　∨///∧ 　／　　　＞ ,.
　 ∨//////////∧三三∨//////////// ∧ {／ ∨//　 /¨´ 　　　　　＞ ,.
　　 ∨//////////∧三三∨//////////// ∧i!　 //〈　 /　　　　　　　　　　ヽ
　　　 ∨//////////∧三三∨ /　7/　7/////∧. ///∧/　　　　　　　　　　 ∧
　　　 ∨//////////∧三三∨　//　/ '7//// ∧{////}　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　 ∨/////// r‐ ､三三/　//　/　/､////／.{////}　　　　　　　　　　 / 　　|
　　　　 ∨///////＼　＼ /　〃　/　/ '// ／　　∨//　　　　　　　　　 /
　　　　　ヽ＿＿＿__ ＼　ヽ　　　　　 / ／　　　 ∨　　　　　　　　　　　　/　　　 !
　　　　　　　　　／　　　　　>　　　　　イ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 |
　　　　　　　　 ∨　　　　　｀　‐ ─＜´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 !

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　地道に統治を続けるうち、王沈に従う者は徐々に増えていきました。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　この頃、彼は次のような言葉を残しています
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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238 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:48:15.96 ID:u+h4oMFgo

239 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:49:21.58 ID:u+h4oMFgo

: : : : :|: : : : : : : : : :|: : : : ／: : : : : : : : : : :＼
: : : : :|: : : : : : : : : :|／／／: : : : : : : : : : : : ::.
: : : : :|: : : : : : : : : :|／／: : : : : : : : : : : : : : : ::.
: : : : :|: : : : : : : : : :|／: : : : : : : : : : : :＞f´: : : :〉
: : : : :|: : i : : : : i: : |: : : : : : : : : :＞ ´　 .′: : /
: : : : :|: : i : : : : i: : |: : : : ､＞ ´　　　　 .′: :/
: : : : :|: : i : : : : i: : |― ´　｀丶..,,__　　,′／　　　　学問を盛んにして先王の教えを学ぶ事だ。
: : : : :|: : i : : : : i: : | く￣;少ﾐz　 ¨´ ,rｲ: '
: : : : i|: : i : : : : i: : |　　 {)ジ　　　　//´　　　　　　　官吏の子弟には家門の上にゆったり構えている者が多いが、
: : : :i |i : i : : : : i: : |　　　　　　　 '/　　　　　　　　もし子弟に教育を施さなければ、
: : : il ||:.:.i : : : : i: : |　　　　　　　　{:::!　　　　　　　　.必ず遊び呆け、風俗を乱してしまうだろうな
: : :.|| ||:.:.i : : : : i: : |　　　　　　　　ヽ!
｀ヾji! ﾘ! :ｉ: : : : :i: : | 　　　　　／:|
ヽ　　リ|.: : : : i: : |　　｀ヽァ r‐'::::::::!　　
　＼　｀ヾ: : :.i: : |　　　　／::::::i::::::|
　　　＞　.,_｀¨ ヾ:j､　　／::::::::i:::i::::::!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-、
　　　　　　　爪_}　｀¨´｀ヾ::::::i:::|::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾆＹﾆヽ　　　　 ( ﾉﾞ＼　
　　　　　 /　ｨﾊ　　　　　｀“ '’'’　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /（ﾟ )( ﾟ）ヽ　　 i′ ヽ_ ）　
＼　　　 /／:::::ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::⌒｀´⌒::::＼　　〉　 ,.く　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　,-）＿＿＿（-、|　/ 　ハヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l　　 |-┬-|　　l |/　　/　　ヾ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 `ー'´ 　／　／　　！ｉ　
　　　　　　　なら我が州では学問に力を入れるっていう！　　　　　　　　　　／　　　　　　　　＜、　　〃ﾉ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　,.-､　 _, -｀く '"　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　|　　　　 (`　￣　　　　〉　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　<|　　　　ヽ､__,.― --―'　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_　ヽ''＾ヽ　　　　　　｜　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､_ﾝ′　　　　 |　

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .王沈の教えを受けた豫州の人々は、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　道を教える事を悦び、乱れた風潮を遠ざけたと言われています。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　学問の振興を掲げたのは、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .子弟の教育に熱心だった叔父王昶の影響かもしれません。
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　古今東西、教育は統治に重要な要素でしょうね
　　　|　　　　 |
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240 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:51:39.59 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　王沈様、お取り込み中失礼します。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　 .なかなか期待できそうな人材を見つけてきました
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::＼
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::; ､:::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;:: ;::::::::::: ／　ヽ::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::/::::::::／　　　　＼:::::::::::::ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::/:::::／_`ヾ､　　-=≦｀ト::::::::ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::厶イ, 弋ソ　　　　弋ソ〉i :7::､ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::/::::::ヽ:',　　　　:i::　　　 ,..ｲ::::::ヽ',
　　　　　　　　　　よし、会おう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ:::::::w从':、　　 _　_　　　/:,、i:::::ﾄ,:::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}'´　　　 .iﾄ､. 〈　〉　イY 　 Vﾘ }Ⅵ
　　　　　　　　　　連れてきてくれ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,x≦ニ≧=チ{ ＼:>､__ ィ　,i ‘,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' : : : : :＼:::::::::i 　｀ト､　xく　　}:::>-　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{./Y ヽ:::::=ﾐ::::::::/´i　ﾊ Y:::}　　,':::::::::::::::::≧=ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ:ﾍ　＼: : : : :j　/∧/／j　 /:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐ {_:::::{ ﾄ､＼___,'　{ﾍ　〉i::: i∨::::::::::::::::::::: : : . ::::_|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ-　 ___ ー -'　　　} ､'　　/ :}:. : : : : :Y: ／／: :-ﾐ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/_　- '　 ‐ ￢　　 L_〕iト': :/: : : : : : :.!=彡:::::::: : :j

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　一方で王沈は有望な人材を発掘しています
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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241 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:53:49.18 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 | |:::::::::::::::::丶丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /..-‐‐‐‐‐| |:::::う､:::::::::::| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .〃: : : : : :.｀＜ノ　〉-'ｆ¨ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .f　＿_,ｒ'´＞､メ⌒￢､ｊ､ム
　　　　　　　　　　 / 　　　　　　　 .′| .ｊ　　イ /T´,.イ　　ヽー≧
　　　　　　　　　　〃　　　　　　 .ィ.廴_{　 '~´　 .'　斥､.′ .イ　ﾊ．__ﾉ
　　　　　　　　　 { 、 ,.　　-‐　 ´ 　 .ﾑ.ム　ﾉ　ﾍﾄ､.仡厶イｚ!　　 !､_ｊ′
　　　　　　,．-― ヽ｀　 .,＿　 ,.．-一 ´ ／　　　| ﾍ!　　 ,佗' .ｊ　{_.ｿ
　　　..／〃￣￣´ ｀ｰ-　.,_￣ .　-―‐ｧｰ ! 　ﾄ |､　　ｰ-　厶ｲ:!　!ヽ
　　.../　 |{　　　　　ｒ ‐一 ´ 　　ィ''´　ﾉ∧ |:ヽ丶 __ . イ　ｊ　ﾊ´
　　〃　ﾘｒー- 　　　 ! 　　　 .´/ 　,.イ /!: '.{: :!:ヾヽｆ　　　 .' /} ヾ、　　　　　　　王沈様、お初にお目にかかります。
.　.f　　　　{ {二≠　／　　　　　　ヾ. 〃 | ｆ }: :ﾍ_:|.: :ﾍト､　　　/´ .′　丶.
　 .|　　　...｀ー　／　アｰ-ミ　 . ｊ |'　 !:{_j　ソ '´ 　 |､⌒ヽ　／　　　　｀　　　　魯国鄒の唐彬、字を儒宗。
　 .{　＿　　 ,ィ / 　／　　　 Ⅵ　 '､　,.イ| {.ｆ　　　○ .ヽ .ノー
. iゞ　　　ヽ　／＿イ　　　　　 Y　　./　.|! ﾊ　　　　　　 .ト＼　 ':、　　　　　　　　お召しにより参上致しました
　　　　　 .／ .´　　　　　 .／:::ﾍｒ ‐1　　　八　　　　ﾉ＿＼.　＼　　　
. 　　　／　　　.ヽ　　 .／:::::::::::::::: ！　　　　 !}｀ー‐|''´　　.￣ } 　　ヽ、　　　　
.　　..／￣￣＼　　　／::::::::::::::::::::::: ヾ、　　 |ﾊ　　　　ヾ　. .:'　　　　｀ｰ-　._　　
　／ｧー､　　＼　.ｒ′::::::::::::::::::::::::::::: }　　 _ｊ!ﾘ　○　　 .｀¨:.′ 　｀､　　　　｀
　／　　 '.　　 .. |/　＼:::::::::::::::::::::::::::: ｊ　　　 }　　　　　○ ｊ＼　　　＼＿__　　　
／/ 　ﾉ.∧ 　 .／　　　　:::::::::::::::::::::: `{≧　 .劣ﾄ､　　　　　 /／.＼　　 .＼　｀　
／　/　 /: :｝／　　　　　 .＼::::::::::::: /＼　　 .｀㍉ヾ　 .＝= ..′　　＼　　.／ヾｰ:‐:
　.イ　ノ　　　　　　　　　　　￣　 ,.＼..＼　　...｀寸○　　○､　　　 .／　　 /¨'''
´,.､､ﾍ.　　　　　　　　　　 ´　...＼.＼　　 Ⅶ ＿＿＿＼　　　　＼ . ィ釼歪
/: :! |ヽ '､　　　　　　　／　　　　! . ＼.＼　逑: :: :: :{　ﾍ {ヽ　　　　｀ー.ｭ.､
｀ヽ! |.. ヽ.〉　　　　　　 .:, ′ 　 .:´　 { 　　.＼二二二二二.＼.ヾ. 丶　　　　 .

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .唐彬、字を儒宗。豫州魯国鄒の人。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　代々将門の家柄に生まれ、身の丈八尺、強力で弓馬に長じ任侠を好み、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　成人後は弟子数百人を擁する儒者に経書と史書を学んだそうです。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.小節にこだわらず、経国の大器を持つと評判でした
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

242 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:55:12.85 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　,..':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.; :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ
　　　　　　l:.:.:.:.:.:.:,′:.:.:.:.:.:.:/ ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ
　　　　　　|:.:.:.:.:.:i!:.:.:.:.:.:.:／　　＼:.:.:.:.:.:.:. '，:.:.:.ﾊ
　　　　　　.:.:.:.:.:..i!:.:_:.:／　　　　　＼:._:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:.|:.:／≧ｫ　　　　ヱ≦､:.:.:|:.:.:.:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:.|'.〃ﾄ､ぅ!　　　　ﾄ､｡ﾘﾐ､l..:.:.:.:.:　　　　　　　　　君は豫州の現状についてどう思う？
　　　　　|.:.:.:.: ｌ　ｰﾟﾞ´　　　　｀ﾞﾟ ‐　.:|::.:.:.:.:|
　　　　　:.:.:.:.:.:|'，　　　　　′ 　　　ﾊ|::.:.:.:.:　　　　　　　　　遠慮なく意見を聞かせてほしい
　　　　　　|:.:.:.:.:|:::. 　　､＿ __　　　 /:: |:.:.:.:.l
　　　　　∨:.:.:!::::ゝ.　　　　　　／::::: !..:.:/
　　　　　　 .∨:.|斗‐ ＞　　　　 .＜‐- ミ:|:.:/
　　　　　　　.Ⅵ　　　ｚ| . .｀ .´. .ﾄ､　　　 |/
　　　　　　　　　　 /　＼　　.／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/￣￣　ヽ￣二ﾆ=- <　　　　　　　〉ﾍ
　　　　　　 _　,,.ｚ≦i孑　　 > <　　ﾑ≧.ｘ　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　＼　　　＿｀ｰ─ ､　 :::::::::／＿ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣｀ヽ、　＿>､　{＼＼　　　ｉ　:::::::::{ 〈ｖﾍ}　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 Y´　　　＼＿　＼　 |　::::::::::〉｀Ｙく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠斗‐=≦!　　　　 / 　ヽ　　ﾄ､:::::／／　! ! 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛　-=≦´　ll　　　 { { 　　 ∨ / ｊ　Y ／　　ｌｌ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-/ /　ｨ' 斗ﾍ、　ヽ　‐- ､ヽ　　　ヽ、／ l l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　{　{.‐┼´ / 坊抃ｱ/　　/　　ヽ´|ヽ i l
　　　　　　南の呉について思う所がありまして……　　　　　　　　　　　　!　 !　ﾃ示ヽｉ　 Vソ ′　 / |.　　　!∧.l｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 _,.斗　ヽ　ヽ-Vｿ　ヽ　　　/ ／ ./!　　　 |ヽi |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　 -‐　 ´ 　　　　ヽ　ヾ､　 -　　￣ ,7　 / |　　　ヽ、 | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　´　　　　　　|}|　＞　　　イ/　 /　 !　　　ｿ} ｜|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　´　　　　　/ ﾘ / /ヽ｀´ニ /　/ 　　}　　　 |ｱ　|｜＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=≦／／　／　　ヽ{＼,人:::::厂{ ヽ､　／￣ヽ}　　ヾ＼/､ﾄ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　／／　／　　　_,. 斗／　ア{　／}ｱ／　　　ヽ　　　┐} 　ヽ_/

243 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:57:56.35 ID:u+h4oMFgo

　　　　　　　　-‐‐‐‐-　.
　　　 ,　 ´　　　　　,　 _..　 ¨　 .
　　 /　　 /　 ∥ ./‐ ¨　　　 ,､　ヽ､
　　i i　　/ 　.∥/　　_.　'"／ .ヽ　　 ;
　　i l　　i　　∥'＞,,"　''"　　　ヽ　! l
　　l l l　.l　　.ij''", -‐` ､　　　　ヽ ! i
　　l l l　.l 　. ij　ｬ7ゞヽ　`　　　__...ヽ i　　　　　　　　　君のような人材は都で働くべきだ！
　　l l l　.l　 l ij.　ヽ廴ﾉ　　　　'.._`　i i
　　l l l　.l　 l ij　　　　　　　 ,i∩) /.i　　　　　　　　　　僕の名前で大将軍に推挙しよう！！
　　ｌ!l l　l　 l ij　　　　　　 >~ ∧i
　　l! i i　l　 l ij　　､===　､　　 ∧ij
　　 !i i i　i　 l i　　　`　 .:_/　／ :/i 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿
　　　` ゛.　i　.lj＼　　　／ゝ:/ｉj　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　_' ´ -- .,‐,――‐,_fﾊ}-　,_
　　　　　 `_､　i 　 `　-, _'=-./_// !　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,{´　　　　　 ', ',_,' ´- ' } }｀ヾヽ}
　　　　　 iゝi~,　_..｡ｬ''"　　ゝ-,'／´ﾇ¨ ヽ.　　　　　　　　　　　　　 / ',　　　,　,'´ '.', ', 　　..| !　　.ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./_,　‐ｯ ' ´￣｀ヽ' ¨¨¨¨',_,},}　　/　.ヾ'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '{ ‐_,ゝ.ミ丶、〈‐ﾄ ,　　　',　｀ヾ丶、　.',',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{ﾊー{　　}ﾌヽ｀¨´_/_ヾｰﾄ,　　__　　ヽ　',',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　.¨',〉,　{¨{:::}｀}ィ__}::{..}〉,T´｀ヽ{ ィ'´　　.}}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{',　 {　ヾゞ‐'　　　 _フ　 , |　　{　', .'.,　/'{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.｀}ヽ,}ヽ　ヾ＿_ー_'__}.　,ｨ,.'　　.|　 ',　',.{　}
　　　　　　　　　　　光栄です　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/ィﾞ｀ヾ―ﾍゝ,　.┴.'‐z　　　|　　',　',¨´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ.'┬,'　　.', ィ'ｰ'.',　ヽｨ´　}　　∧　 .|　 '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.{　　∠,　　 K´　　　{　　. ﾄミ､ '　. '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ',ﾊ　}ｨ,}ー‐ '　',{ヽミ,_|　,　,'　　｀',　..',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　}.'ｧ{__　　　 .{ヽ,}＿}ｨｨｨ――-.} 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|'´ ﾊ{　../¨,￣￣　 ',　　 }　　　　 .',　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ヘ',.',/　 ',　　　,_ｨﾄrｧく　　　　　.}‐ '´

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .彼はこの場で呉征伐の方策を述べたと言われています。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　その器量の大きさを認めた王沈が義兄上に推挙し、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .しばらく後に大将軍府の属官になりました。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.『易経』に通じるなど学の深い反面、豪気な人物でもあります
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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244 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/17(月) 23:58:47.29 ID:u+h4oMFgo

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）＿＿＿_
　 |　　　　　｀ ⌒／　　　　　＼　　　　　　　　　　　　影の薄い人キ……　ウッ！
.　 |　　　　　／（ ○）　（○）＼
.　ヽ　　　／　　⌒（n_人__）⌒ ＼　
　　ヽ　　　|、　　　　（　　ヨ　　　　|　　　　　　　　　　　　　　黙れ
　　　/　　　`ー─－　　厂　　　／
　　　|　　､＿　　__,,／,　　　　＼　ドス
　　 |　　　 /　￣　　　i;;三三ラ´　|
　　 |　　　 |　　| 　　・i;j：　　 |　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=ﾆｧ: : : : : :／: : : :/: /: : : : :､: : : :｀ヽ: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,: : : :〃: :/: : /: │: : : : :lヽ: : : : ﾊ: : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 / / : : //: :/: : /: : │: : : : ::|: :!: : : : i|: : l: : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｲ : : : l |: :│: :j : : ∧: : : : :l: :|＼: : ｉ|: :│: : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/ |: : : :| ｌ: :∧: :ﾊ: : l　 '.: : : :ﾊ j　ヽｉ|: :│: : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ││: : ｌ|│ﾅ下/-ヽ |　ヾ: :/_ﾑ'― 弋|: :│: : ! j
　　　　同じ年の八月。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j. │: : |i　V ,ｨテ圷､ヽ　 ∨ ｨチ示k　l: : ﾄ: : Ⅳ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : | 　ﾊ` Vf:::::i}　　　　 Vf:::::i} Y|: : ﾑ N
　　　　またしても司馬昭に晋公任命の詔勅が下っている　　　　　　　ヽ |ﾍ i l　ゝー'　　　　　 `ー''　ﾊ!: :,) }i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀l: :ヽﾑ　　　　 ' 　　　　 /:/: :ﾙｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ', : : |ﾍ､　　　　 ‐ 　　　ｨ' /: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: :ｌヽ＞,､　　　　　イ/７: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼!　Ｖ厶|＞ｰ＜ﾚ_'/ /／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '´/ノ　　　 L､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-' 　 |　___.＿　　　|　`ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..-‐'´　　　 |´　　＿｀ｰ<|　　　｀ｰ､_

245 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/18(火) 00:00:03.15 ID:IGK8fBNoo

【紀元２６１年８月　魏首都　洛陽】

　　　　,; ⌒ヽ､ﾉ　｀ヽ､,,r'⌒ヽ　　
　　　　（ (　 )　　／　＼ (　 ) ）　
　　　　ﾐ／　,ｨﾆ・ゝ、ｨﾆ・ゝ､ﾐ'´
　　　,;彡　　 .,,..rｰ''´（CiC）ヽﾐ;､　
　彡　　 /　　　　　　 .). 　　）ﾐ､　　　　　　　　　しかしまぁ、いつまでこんな茶番を続ける気かね？
　彡　　人ヽ､＿,,;;r '^ヽ_ ,ｨ/ﾐミ､
　　　彡彡　ヽ　　　　⌒　ノﾐミﾐﾞ｀
　　　　彡ミﾐ彡``ヽ　ー／ｼﾐｼﾞ
　　　　　￣:'＼,:;:':;:';;;::';/ヽ￣
　　　　,:<　　　ヽ;:::;':／'　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(＿ノ　三ﾐ Y-＝ミ　　ミ､　＼
　　　　　魏　太尉　高柔　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀フ　r ⌒ﾐYﾆ､　　　ヽ　　l|　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿ノ　 {　,,ィ=ミ､ヽ　､　 )ｲ　八　　 Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ｲ(　　 }|! i　　ヽﾄ､　ヽ　厶仆ミﾆ-'　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ﾊ　ーｲハ!　､__||..≠x_＼　ヽー彡__ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ/ | /　 ,ﾊ-+'　　 ,ﾘx升㍉t- 　≧=‐'´八
　　大将軍は太祖を超えるような勲功を狙っているんでしょう。　　ｰ=ﾆ彡r 升ミY_{ｌ弋:::シ八 .ﾊう) 　|　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノイ´ | { 乂::ｿj　ゝ二イノ　'　ﾚ' 　 !　l 丶ﾐ≦-'
　　それまではこの繰り返しになりそうね　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ `=彡〈　　　" ＜=ｲ_ノ　|l 　!　乂_ヾ≧='
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ/ゞｰく　 -‐　　　ｲｌ　　|l　ﾊ　　　ヌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厶イj　丶　　　／__lﾊj　 !ヽ　 `＜_´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠ .ノ　ﾉ｀ーrf ￣　　 {ﾐ=≧`ー=彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰﾆ彡ｲ_ノｿ {　}　　　　＼ﾐ≧=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　 r≦／=ハ　　　≠　／`＝──=ｧ-､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　司徒　鄭沖

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　今回使者となったのは三公の高柔と鄭沖である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　それでも司馬昭は断わった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

246 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/18(火) 00:01:21.58 ID:IGK8fBNoo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　／　　 ─　　　 ―　　　　　　　　謙譲もここまでくるとやらしーだけだお。
　／　　　（ ●）　（●）'
　|　　　　　（__人__）　 |　　　　　　「司馬昭の心は誰でも知っている」とはよく言ったもんだお
　＼　　　　　｀ ⌒´　／
　／　　　　　　　ー‐　 '

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ': : : : : : : :- ､　　 . . ｀丶、｀丶、｀丶ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : :　　　 . : ヽ: : :｀ヽ、: : ヽ.: : ＼.　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ' : : : : 　ヽ、:､: : : : :ヽ｀丶､＼: : :ヽ.＼｀、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::: : : : {　 ',: : {ヽ､ヽ､::::::. :＼-ヽ=､: : :.';. }.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;.:.:.: : :　ヽ: : ヽﾍ　-＼｀ｰ- ､}　_}_ {ヽ: :}/､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:.:.:. : 　 : : l＼／＼　　　　　　ｲﾃ"ﾜ; :}/:.: : ヽ、
　　　　こうした動きはあれど、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!: :　 . : : : :.V ヽx=＝ミ　　　　ﾏ_:j　V:::...: : ＼ヽ
　　　　高貴郷公の変後の魏は意外なほど静かだった。　　　　' 　 : :: : : : :ヽ《ﾏんﾊ,　　　丶　　 ;＼::::::: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　ヽ:＼:.:.:.:.:.:.. : ＼ゝ '’　　　　,､　　八ヽ｀丶､|
　　　　司馬家への反乱が起こるわけでもなく、　　　　　　　　　　　}.:.:.:.ヽ､:.:.:.:.: : :｀丶､＿　　 '　　 ′　　ヽ　ヽ
　　　　対外的に大規模な戦争があったわけでもなかった。　　　　!ﾄ､ :.:::::{丶､:.:_:_: : : :＼　　　 ,.'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 '|　ヽ{＼｀ー‐‐ <｀丶: :ヽ -‐ ヽ./￣￣:~｀／￣二
　　　　しかし翌年、洛陽を騒がす事件が起こる　　　　　　　　　　　　　　　ヽ|｀丶､|＼　｀ヽ　　 /:. :. :. :. :. //:. :/;';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ヽ　　　 ,':. :. :. :::. :.,':,' :. /;';';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.::/｝　／_; :. :. :. :. :.:j:j: :. ;';';';';';'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l :.;/￣￣＿___. :. :.:::i::i :. i;';';';';';';
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j:. | ／￣ Y￣￣｀￢-ｘ_. :l;';';';';';';
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:. f　￣￣:}:. :. :. :. :. j::j :｀ヽ;';';';';';

247 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/18(火) 00:02:18.91 ID:IGK8fBNoo

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

ﾍ　',:::ﾍ|:::::::::l:::ﾍ::ﾊ:::::＼|:::::::::::＼:::::::＼:::::::::::::::::::::/:|:::::::::/:::::::
　',　＼:ﾍ::::::|ヽ:::ﾍﾊヽ:::::｀ヽ_::::::::::＼:::::::＼::::::::::::/::::|::::::/:ﾍ:::::
　 ',　　ヽ',ヽ| ﾍ＼::::ﾍ＼:::ﾍl｀ヽ:::::::l＼::::: l::::::: /｀ヽ|:::/::::::::ﾍ:
＿_ヽ　./ﾍ .ﾊﾍ:l　＼:ﾍ.　＼ﾍ　｀ヽl::::::＼::＼::l＼::::|/:::ﾍ＼:::
｀ヽ￣./　ハ:::',ﾍ..　　｀ヽ.　　＼　　｀ｰ-l:::＼::＼:::＼　　 ',|ヽl　　　以上のように、
　　 /.　　＼ﾊ　　　　　　　　　　 l:::::::..　　　　　　　　　　　 .嵆康と呂安の言動は風俗を乱しております。
. 　 /　　　　　｀ヽ　　　　　　　　　 l:::::::::::...
　 /　　　　　　　　ﾍ　　　　　　　｀ヽ　　_／:::::::::..　　　　　　　　　速やかに処刑するべきでしょう
. /　　　　　　／'';;＼
　｀''ｰ-=,,,_ 　／　　 ';;;;;＼　　　＿＿_ ＿＿_
　　　　　　'／　　　　 ';;;|　.＼　　　　　　　　　　 /
　　　, r ' ´　　　　　 |.　　＼　　｀￣￣´ 　　　ｲ;;;
　　K　　　　　　　　 | . 　　＼　　　　　　／;;;;;;;;
　　 ∨　　　　　　　　　 |　　　　＼　　　 ,イ''''''''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -「＼‐- .._
. 　　 ∨　　　　　　　　 |　　　　,r‐='｀ー― '｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ´　ヽ　＼＼ゝ＝､,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／/＼､ :.　:〉{　ｒ;､ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ./ ./.:／　　丶､::ゝイゝ}７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i{. .:/ ./／　　、　　　｀ﾆﾐﾍ/ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:､::{ _{´　＿＿＼　　ノ＿Vｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ:`{ﾒ, 　 { 弋ﾂ　　弋ﾉ /'
　　　　　　　　　　　実にけしからん話かしら！　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`i{､＿　xxx　　　 ,xx{= ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､__メ　　　 , -'、ノ　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ┴‐ ＜￣ }､...　　ィ'´｀ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ'´　　　　　V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: ､: . .　　　ゝ　ィｌ」ヽヽｒ－」　＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　中散大夫嵆康を処刑すると命令が下ったのだ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

248 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/18(火) 00:04:31.13 ID:IGK8fBNoo

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　 ∠　-────=ﾐﾒ!
　　　　　　　　　　　 rf´　　　 .＞　　く　|!
　　　　　　　　　　　　　∧|!　＞ ''´　／⌒＼ヽ|!
　　　　　　　　　　　　　| 」＞─　　ｧく一＜￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　／　　／　 / ＼　　＞r┬‐ ｧ′
　　　　　　　　　　　く⌒ﾐrく＿_ { ＿ﾄ､／丁　ﾄ､〈
　　　　　　　　　〉ムﾍ {i　ｒ'一i　| | ‐=ﾐ}　ﾄ廴〉
　　　　　　　　　　　〈 /　i|! ｀刈ﾐ=圦人!ﾐ=-ﾑイ }ヽ
　　　　　　　　　　　 /　 ∧ i|ｌ　!"" 　 ,　"" } ﾉﾊ| ',　　　　　　　　　続く。
　　　　　　　　 / 　 ′ﾉ八ﾄ､　ｰ　イ //　　　,
　　　　　　　　　　 /　／／＿ ≧f 丁了7ーくｲ　 |　　'　　　　　　　この続きは週末を目処に投下します
　　　　　　　　　 , イｧ─＜　＿_ ﾐ（0）くく＿￣了　　'
　　　　　　　 /　ﾊr＜ _／　/　lｧ' ニ丁￣￣}ハ＼　|　　　　　　お疲れ様でした
　　　　　　　　 '　 /　|　　ヽ=く__ ﾉ　ミﾒ}≧=rく　 {　 Ⅵ
　　　　　　　　/　 ,　ﾉ　　 /￣ﾊ/　､_r≦ 　　||　 .　＼ ',|
　　　　　 /　/!| く_ /　/　 /　⌒ﾏo 　　 o||　ﾉ＼＞､
　　　　　　 / i!| iLく＿丁ヽ;＿ / __　 r' (二二二)(f＞{
　　　　　 |　|　ムイ＼Ⅳ　　 /丁o　　≧=======く彡!
　　　　　 |　|　　Xヽ人. ＿／　||　　　　 || |　人＿{了´

249 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/18(火) 00:04:58.60 ID:xN3Ql8rX0

唐彬ここで来るんだなぁ。
つかやる夫よ、唐彬は影が薄いんじゃない！　スポットライトの順番待ちをしているだけなんだ！
いつライトが当たってくれるのかは未定なんだが…。

250 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/18(火) 00:08:02.07 ID:xN3Ql8rX0

乙でした。
個人的に、この時期は人間関係が複雑に絡んで分かりにくいので、>>1氏にはいつも頭が下がります。

251 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/09/18(火) 00:08:07.56 ID:ApzVPvK/0

乙です
鐘会は実にネタに事欠かないなぁ

252 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2012/09/18(火) 00:10:48.11 ID:n0XwqZzfo

唐彬ってそんなに影が薄かったっけ？
ともあれ、お疲れ様でした。

253 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/09/18(火) 00:12:00.36 ID:JTPaBoWNo

乙ー

254 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/18(火) 00:12:39.30 ID:HaXqOulI0

おつです
王基は司馬懿によって中央に引っ張って来られたとはいえ、純然たる司馬家の臣とは言えないんだよね
元々王凌に拾われた人物だし
生前は頭が上がらず、死後に取り込みを図る、なんとも司馬昭らしい厭らしさ

255 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/09/18(火) 00:14:56.02 ID:fMe+jecuo

後期の人材自体一部除いて影薄いからなあ
その中で特別影薄いって感じはしないなあ

256 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/18(火) 00:19:50.10 ID:bXOuTF8ko

乙でした。

司馬炎が自身を偉く見せようとこの時期の魏臣を薄くしたのかねえ？

257 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2012/09/18(火) 00:20:59.81 ID:n0XwqZzfo

そもそもこの辺の記述は、陳寿が大人の事情でおおざっぱにしか書いていない上に、
裴松之のフォローも限りがある。

そして、次の『晉書』の守備範囲でもあるから、そっちも目を通さないといけない。
後漢末期は、『後漢書』無しでも何とかいけますが、こっちはそうは行きませんね。

258 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/18(火) 00:35:39.03 ID:n0XwqZzf0

>>256
この時期の人物はもう、晋草創期の功臣、あるいは関係者という形で、列伝が『晉書』に回されている人が多い。
実態は魏臣でなくて晋臣だから。
魏で言えば、任峻、荀攸、楽進といった人物は後漢が滅ぶ前に亡くなっているが、
魏の臣として列伝が立てられているのと同じ。
もっとも、『後漢書』と『三国志』の両方に伝がある董卓、呂布、荀彧などのように、列伝が重複して立っている例もあるのですが…。

嵆康の列伝も、『三国志』では一応付伝という形で立ててはいますが、後はお察し下さいという略し方で、
ちゃんとした列伝は『晉書』に立てられています。

259 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/18(火) 08:24:41.14 ID:VuylaSqqo

影薄くしてるのお前やないかいという気もするｗｗ

260 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/18(火) 20:18:01.40 ID:gvIAHrIPo

未来の晋書に配慮して出番を取っといてあげたんだよー（棒）

261 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/19(水) 00:59:14.63 ID:3XUhydVv0

司馬肜と司馬倫が出るたびに、微妙な気持ちになるのは自分だけではないはずだ…

262 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/19(水) 01:07:54.07 ID:aoj3x17co

>>261
銀髪の這い寄る夫人がそっちを睨んでたぞ

263 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/20(木) 01:20:16.07 ID:D7EzCtJA0

うーむ、やっぱり呉や蜀に比べると魏は多士済々だと思う。
前線指揮官がひとり死去しても、その穴を別の人材が素早く埋めてしまう。
頭が一つ潰れれば、すぐさま別の頭が補うというか。
これが呉や蜀だと、穴を埋める人材が前任者より劣るケースが大半に見える。
人材登用制といい軍制といい、魏の組織運営システムが一番強固に思えるんだよね…。

264 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/20(木) 17:44:14.57 ID:c9osOdBP0

西晋はどうしてああなったのか。うーむ…

265 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 00:25:24.76 ID:24tTpUNUo

　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　|　　　　　　　とりあえずおへんじ　　　　　　　. |
　|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿.___|
　　　　　　　　|::|　　-─- 　　　　|::|ｒへ
　　　　　　　　|::|´　　/　　. ＼ｒ＾|::|　　',
.　　　　　　 r‐|::|ｿ　 !!l:∧∧　　V|::|　　 i
.　　　　　　/　|::|:::/ ,ｌi..i::: /　!l ヽ |::|　　 ',
　　　　.ノｲ　|::|:Ⅳ. i!　　ｌ ‐ij- i i!::!　　　＼　　　　 >>249 >>252 >>255
　　　　　　）.ノ|::|小==ヽ.ノ　== _j !::!　　　　ヽ　　　 >>1曰く、呉討伐でお目にかかる際は、　
.　　　　　　/ノ|::| | ' ' 　＿　　' '〉 |::|',::}:::　　　 `､　羊祜様や杜預殿や王濬殿の影に隠れている印象があるそうよ。
　　　　　.|　|::N{≧‐┴┴r≦ミｉ|::|_ {::}::　　　 i.i　
　　　　　　（＿__）::::::|_____|:::::::（＿__）ﾚヽ: 　　i.ｌ　 .何気に蜀討伐にも関わるのでここで登場
　　　　　　　　|::|（.::::::::::::::::::::::::::::）|::ﾄ､〉　　i!　　i.l
　　　　　　　　|::|ノ|::::::::::::::::::::::::｜|::|　　　　i!::　i.l
　　　　　　　　｀ﾞ／ミ::::::::::::::::::::ノ⌒ヽ.　　　i!:: //
　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼. 　i!://

>>250
本当に複雑で……

>>251
このあたりが鍾会の最盛期なので。

>>254
魏後期の諸将の中では王昶と並ぶ大物ですね。
それぞれ思惑はあれど、彼らと良好な関係を保てたのは司馬兄弟にとっては大きいでしょう。

>>263-264
元々頭数が……

それと、曹操時代の戦時体制を発展させたのが魏の諸制度という印象を持っています。
これを平時のシステムに戻そうとしたのが晋王朝のはずだったのですが、このへんは追々。

※続きの投下は本日２１：３０頃からです。

266 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/09/23(日) 06:06:53.56 ID:IFNWD/ge0

晋はやっぱり忠臣の数の問題だよね
こう言っちゃなんだけど司馬四代の間に外戚・政敵・勇将・参謀・忠臣を切り捨ててきて更に皇帝殺害・禅譲と来てるわけで
これで暗君でも来たら崩壊まったなし！なところにアレだし

267 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/23(日) 20:24:21.43 ID:8kCvBgJN0

続き了解しましたー
それにしても唐彬、晩年の官位を見る限りあの皇族の補佐をしてたっぽいのがなんとも……

268 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 21:23:31.18 ID:clLvbUAso

２２：００から始めます。

269 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/23(日) 21:45:12.14 ID:tWIPW54Lo

了解です、お待ちしてます！

>>266
ううむ、司馬懿にしろ司馬師にしろ司馬昭にしろ有能で人望は会ったと思うんだが
曹操とか劉備みたいなある種の人を引き付ける魅力？カリスマ？みたいなのはあんまりなかったような気がするんだよなぁ

270 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:06:07.24 ID:clLvbUAso

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　処刑とは穏やかじゃないお。
|　　　　（__人__）　　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　.いったい何やったんだお？
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　_ノ　,ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　＼　　　|　　　　（__人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼　　.|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　＼　ヽ　　　　　　}
　　　　　　表向きは礼に反する行動をとったためとされています。　　　　　　　　＼_,ゝ　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／, r､　　　　く
　　　　　　実際は鍾会に陥れられたのです　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　〈　＼　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　ヽ､ .ヽ　＼ i..｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.て_）　　＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　経緯はこうだ
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

271 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:11:05.86 ID:clLvbUAso

【紀元２６０年頃　魏　司隷　河内郡】
.
　／: : : : : : : : : :{　L￢γ´: :: :ゝ |_|∨|_| ノ: :: :: :: :＼
.:´.:.:: : : : : :.:.:_:.:.:.ゝ-‐‐-ゞ=＝＝==ｭ､.,,_: :: :: :: :: :: :: ::＼
:.:.:.:.: :＞:."´_: :．-―‐（巛任=‐-二三卞ミｭ､: :: :: ::.:.:.:.:.:.:'.
:.:.:.／＞,.ィ≡三ヽ, : : :＼//: : : : : : : :≧ｭ､ヾヽ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
〉ﾆヽミ　 ,.ｨ=＝ｭ｀i　/`¨∨イ⌒ヽ　　_,,::;;;_: : : .ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　嵆康殿！
',{´ヾﾐ　　　　　-ﾞ:.:. i ≦ﾐ;;i ｧでﾑ.}　/"-一≧､ ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.ヽ∨ﾐ　　　　 ,ｧ. ;.. |: : : : :} ｀ ¨´ﾉ　: : 込少､ : : }ﾐ:.:.:.:.:.:.:.:.:!　　　　　 .遊びに来たぜ！！
　ゝ|::.　{ゝ-‐ゝ"､_ﾉ j: : :,'　　.r〈"´ ｭ　｀¨ ´ .: : 彡ゝ‐､:.:.:.;
　 {:ﾐl: :　ゝｰ-彡爻ﾐ≧-{ ﾏ＝彡ｰミ‐ｭ､　 .: : ::ミ/,ら }:.:./
　　/ ':,:.　　lﾖ､　!　ｿﾞ¨´ﾑ: :｀¨f;‐爻弍ﾐ≧､: : : : :ﾙノ.ﾉ／
-f {: : ∧　: :`＝='": : ::／'.: : :ヽ`ー彡´: : : : : : /-‐"
/∧　 : :ヘ : :゛¨: : :,.イ:/|::冫、　`≡´: : :f'＾i fﾞ^ｉ r ､＼　　　　　　　　　　　　／:::::::::ヾ;ｨk::::ﾍ＿
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//,'∧　　ヾ;////: :,′:|////,' ∨//,': : |　| |　| |　|/,'/ 〉　　　　　　 .　　　　　〆ﾒ元ﾗテ三ﾐ仆三ﾐy､彡三ミ＞-.、
///;∧　　　　:.　 : :　／､,//{∧ (⌒ヽ.: :|　ｔ_j　| |　| / /　＼　　　　　　　　,／孑升|l〃//∧/「｀〉7ﾘ仄fﾍ／:::::::::::::＼
////∧ヾ≧―-x、'´/{ゝ､ヽ|:i γ＼　,}､!.ｰ　　｀´　y / :: :.:.:.:ヽ　　　　　〃　尤从川///`ｰ=|,ｲ〈ﾘ川Tﾍ{:{::::::::::::::::::ハ
∨//,'∧: : :＞=＝}彳 {、八:ヾヽ. ＿'."　｀ヽ￣ ¨ ｰ　 } :: :: :.:.:.:.;　　　　 /　／l|/ｲ||∠ｲ/　l> ﾉｲl|!|lｲ川从ゝ:::::::::／:::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l| ||!ﾘ≠k、ﾟ／/刈ﾘ| || }ﾚﾘ∧＼:::::::::::::/
　魏　呂巽の弟　呂安　　　　　　魏　東平の人　呂巽　　　　　　　　　　　　　||lﾊfcﾀ　　　 ,=メ､!」|,ﾙｲ｛l ヽ／￣∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾘﾊ " ,　　　 {!fc弋y〃| !ﾘ∧:::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃_,ﾍヽ:┐　　"￣／{　!/〈 l∨⌒{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.__,ﾊ_ﾄ,＼´　　　_ イ{ﾘ从//ﾉ｝ﾘゝ　 !
　　　　　　　　　　　　いらっしゃーい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ヽﾍ l | // 　〕ｰ＜_ﾉ八{ /ｲｲイ〃ﾊﾍrﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}｀ﾍﾉl_|　! 「￣,「￣//＿ゝイ|ﾘ川lｲ!∥ﾄ､ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　ヽ　 / i:|:::/ハ::::〃⌒ヾ､lﾉ/ﾘ | |ll∥|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ､.'..〃 /:ﾚ'/:::／/ 　　　∨ハ!| |ll∥|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　中散大夫　嵆康

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　嵆康の友人に、呂巽と呂安という兄弟がいた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この三人は仲が良く、特に嵆康と呂安は気が合った
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .嵆康は沛王曹林の娘を妻にして中散大夫の官職を持つが、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　ほぼ名目上の職であり、正式に出仕はぜず在野暮らしを満喫していた
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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272 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:12:43.32 ID:clLvbUAso

【>>271修正】
【紀元２６０年頃　魏　司隷　河内郡】

　／: : : : : : : : : :{　L￢γ´: :: :ゝ |_|∨|_| ノ: :: :: :: :＼
.:´.:.:: : : : : :.:.:_:.:.:.ゝ-‐‐-ゞ=＝＝==ｭ､.,,_: :: :: :: :: :: :: ::＼
:.:.:.:.: :＞:."´_: :．-―‐（巛任=‐-二三卞ミｭ､: :: :: ::.:.:.:.:.:.:'.
:.:.:.／＞,.ィ≡三ヽ, : : :＼//: : : : : : : :≧ｭ､ヾヽ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
〉ﾆヽミ　 ,.ｨ=＝ｭ｀i　/`¨∨イ⌒ヽ　　_,,::;;;_: : : .ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　嵆康殿！
',{´ヾﾐ　　　　　-ﾞ:.:. i ≦ﾐ;;i ｧでﾑ.}　/"-一≧､ ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.ヽ∨ﾐ　　　　 ,ｧ. ;.. |: : : : :} ｀ ¨´ﾉ　: : 込少､ : : }ﾐ:.:.:.:.:.:.:.:.:!　　　　　 .遊びに来たぜ！！
　ゝ|::.　{ゝ-‐ゝ"､_ﾉ j: : :,'　　.r〈"´ ｭ　｀¨ ´ .: : 彡ゝ‐､:.:.:.;
　 {:ﾐl: :　ゝｰ-彡爻ﾐ≧-{ ﾏ＝彡ｰミ‐ｭ､　 .: : ::ミ/,ら }:.:./
　　/ ':,:.　　lﾖ､　!　ｿﾞ¨´ﾑ: :｀¨f;‐爻弍ﾐ≧､: : : : :ﾙノ.ﾉ／
-f {: : ∧　: :`＝='": : ::／'.: : :ヽ`ー彡´: : : : : : /-‐"
/∧　 : :ヘ : :゛¨: : :,.イ:/|::冫、　`≡´: : :f'＾i fﾞ^ｉ r ､＼
//∧　　: ;/｀¨77¨/: :/::|////:.､ __ : :,,;.: |　| |　| |　| :∧　　　　　　　　　　　　ｲ:::;;≧三ﾐvﾘ}_ﾆ、三三≧､
//,'∧　　ヾ;////: :,′:|////,' ∨//,': : |　| |　| |　|/,'/ 〉　　　　　　 .　　　　　〆ﾒ元ﾗテ三ﾐ仆三ﾐy､彡三ミ＞-.、
///;∧　　　　:.　 : :　／､,//{∧ (⌒ヽ.: :|　ｔ_j　| |　| / /　＼　　　　　　　　,／孑升|l〃//∧/「｀〉7ﾘ仄fﾍ／:::::::::::::＼
////∧ヾ≧―-x、'´/{ゝ､ヽ|:i γ＼　,}､!.ｰ　　｀´　y / :: :.:.:.:ヽ　　　　　〃　尤从川///`ｰ=|,ｲ〈ﾘ川Tﾍ{:{::::::::::::::::::ハ
∨//,'∧: : :＞=＝}彳 {、八:ヾヽ. ＿'."　｀ヽ￣ ¨ ｰ　 } :: :: :.:.:.:.;　　　　 /　／l|/ｲ||∠ｲ/　l> ﾉｲl|!|lｲ川从ゝ:::::::::／:::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l| ||!ﾘ≠k、ﾟ／/刈ﾘ| || }ﾚﾘ∧＼:::::::::::::/
　魏　呂巽の弟　呂安　　　　　　魏　東平の人　呂巽　　　　　　　　　　　　　||lﾊfcﾀ　　　 ,=メ､!」|,ﾙｲ｛l ヽ／￣∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾘﾊ " ,　　　 {!fc弋y〃| !ﾘ∧:::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃_,ﾍヽ:┐　　"￣／{　!/〈 l∨⌒{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.__,ﾊ_ﾄ,＼´　　　_ イ{ﾘ从//ﾉ｝ﾘゝ　 !
　　　　　　　　　　　　いらっしゃーい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ヽﾍ l | // 　〕ｰ＜_ﾉ八{ /ｲｲイ〃ﾊﾍrﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}｀ﾍﾉl_|　! 「￣,「￣//＿ゝイ|ﾘ川lｲ!∥ﾄ､ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　ヽ　 / i:|:::/ハ::::〃⌒ヾ､lﾉ/ﾘ | |ll∥|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ､.'..〃 /:ﾚ'/:::／/ 　　　∨ハ!| |ll∥|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　中散大夫　嵆康

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　嵆康の友人に、呂巽と呂安という兄弟がいた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この三人は仲が良く、特に嵆康と呂安は気が合った
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .嵆康は沛王曹林の娘を妻にして中散大夫の官職を持つが、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　ほぼ名目上の職であり、正式に出仕はせずに在野暮らしを満喫していた
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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273 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:13:55.15 ID:clLvbUAso

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

／: :: :: :: :: :: :: :: :: :{　|￣V￣|　}: :: :: :: :: :: :: :＼
:.: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :':, |_|^V^|_| ,': :: :: :: :: :: :: :: :: :ヽ　　 i´￣￣￣￣￣｀
:.:: :: :: :: :: :: :: :_: : -‐｀≧＝≦´‐-: :_: :: :: :: :: :: :: :: :',　 !　　嫌　　好
:.:.:. : :: :: ,＞:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :::＜:.:.: :: : .:.:.:.:i　|. 　い　　き
:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼:.:.:.:.:.:.:.:|　|. 　な　　な
:.:.:.::./ﾐｰ- ．:.:.__＿___:.:.:.:.:.:.:.:.:._＿__: :．-‐彡:.:.:.:.:.:.:.:!　|　　色　　色
: :: /ミﾐ7´ｧ-‐＝=ミｭ､￣￣ ,≧＝-‐ヾ、彡l:.:.:.:.:.:/　..|　　は　　は
>､i三ミ! ￣＞-=≧ｭ､:j　　 /ゞ,-‐=≦､｀`ミﾐl:.:.:.:./ 　 .|　幺.ヨ　と
ヽi三ﾐ': : :弋ゞﾆ夕__}､: ::　 l: : 7乂_夕 >: : ﾐﾘ´ヽ　　　.|　小水　く
.i^`{彡: : : :　｀¨¨´-‐': ::　 | '‐｀¨　 ¨´　　:iﾐ/〉 }＿＿ﾉ　　で. 　に
..〈ヽミ: : : :　　　　 . : : ;,.. {: :　　　　　　　|::/::/ ＼　　　　す.　　な
∨ヽiﾐ: : : :　　　　　〈__（　　）_,〉　　　　ﾄ'::/　　　＼.　　ね　　い
　ゝ-i: : : : .　　,.イ升三ゝ=;"三≧ｭ､　　　.l｀´ 　　　 |　　　　　で
　　　'; : : : : : /彡爻ミ戈爻丈ミミﾐ㍉: : : ,'　　　　　 |　　　　　す
_＿/:∧: : : : : : : 　`≦二ﾆ二≧: : : : : : /　　　　　　 |　　　　　　ﾟ
: :: :{ i　;＼: : : : : 　　ゞｰ::/i￣￣￣｀＼￣ヽ　　　　 |
: :: ::i i　∨:＼: : : .　　 /il￣￣￣ミ、: : ＼.: :',ｰ-..　　　!､＿＿＿＿＿,
: :: : i i　 ∨//:'; ...;　/jl￣￣￣ﾐ､: : 丶,ヾ,｀: :ｉ: :: :: :ﾐ!`ｰ-ｭ､_
: :: :∧ヽ　ヽ/////〈ゝ￣￣｀ヽ: : : : : : : : : : |: :: :: : |/////|:.:.｀ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ところがある時、彼らの仲にひびが入る。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　兄の呂巽が弟の妻の徐氏と密通したのだ
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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274 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:14:52.05 ID:clLvbUAso

【紀元２６２年頃　魏　司隷　河東郡】

　　　　　 ,. :´: :: :￣￣三二ヽ
　　　　／）└: : : : :（L）: : : : :〉
　　　/: ,.z⌒ﾆﾆニ二二二二＞　　　　　　　　　 .嵆康殿！
　　　{:,/三ミ'　ー'゛"　`ー　ミl
　　　Vミミ　 ●　.,r'｀)●　ﾐﾊ　　　　　　　　　　うちの嫁が兄貴と密通しやがった！
　　　　('ﾐ ⊂⊃ ﾊ从从) ⊂ﾐｿ
　　　 i⌒ヽ　　（_.ノ　　/　／⌒)　　　　　　　離縁しようと思うんだが相談に乗ってくれ！！
　　　ヽ≦ﾍ＞､ __ ,、イ⌒:´:ヾ／
　　　　{:',: : :ﾊムヾ : ｨﾍﾆﾏ'´ :／
　　　 V :｀ヽﾍム :\ : :|ﾆ|::Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.､-‐'フＶヾｰ､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヾ／` i┴i ´＼ r＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{､＿,/　 ,､j▽レ､　レ'´}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿ V`'┃ 　┃ V 二ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋﾌYヽ＿＿__,ｨﾍYヒ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　{　{r/l ◇ l k　}、l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　 }/Zｺヽ r'!ｺﾊハ l
　　　　　　　　　　どうしたもんかしらねぇ～　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿ノ/Y　l'´　`l　Yﾍ } ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <　〈　{ィ{二! Ｍ l二}ヽ} 　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ　ｌl　｀ヾ'´　ｌｌ　ﾉ｝,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀Ｚｲ!　　　　　ｌ|´　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l__＿＿＿_ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　/　　ヽ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `´　　　　`´

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　怒った呂安は嵆康に相談しに行った。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　ところが、この間に呂巽はさらにとんでもない行動に出た
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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275 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:17:03.24 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
　　 ({　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／　　　　　})
　／巫巫巫巫巫巫巫|===========================.|巫巫巫巫巫巫巫＼
／／／／／／／／／|　　　　 ┏─━─━─┓ 　　　 |＼＼＼＼＼＼＼＼＼
＠＠＠＠＠＠＠＠＠|　　　　 |　司隷校尉 .｜　　　　 |＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　ヾ!⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ |　　　　 ┗─━─━─┛ 　　　 | ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥jｼﾞ
　　|.ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ |　　　　　 ,. -──- 、　　　　 | ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.|
　　|　　　　　　　　 |　　　　　ｉ　　　　　　ｉ　　　　　 |　　　　　　　　 |
　　|　　　,. -- 、　　 |　　　　　 |　　　　　　 |　　　　　 | 　　 ,. -- 、　　　 |
　　|.　　ｉ　　ｉ　　　|　　　　　 |　　　　　　 |　　　　　 |　　　ｉ　　　 i. 　　 |
　≧ii≦　|　　　｜　,≧ii≦ 　　　 |　　　　　　 | 　　　 ≧ii≦　 |　　　｜　 ≧ii≦
　⌒il⌒　|　　　｜　'⌒il⌒ 　　　 |　　　　　　 | 　　　 ⌒il⌒　 |　　　｜　 ⌒il⌒
　　iコ─┘　　 └─‐.iコ‐───┘　　　　 └───‐.ｉコ.─┘　　 └──ｉコ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /二￣ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈（Ｍ ) 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠､二二≧ｭ､⊥
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,lｶ仞｝〈ﾐ} ｒ; 〉
　　　　　　　　　申し上げます！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨＴl'７Ｙ⌒ヾフ') '‐ﾍｰ'´￣｀7ｰ;、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　kﾋﾋど,ﾊー<,ｒく_, ィ´|　{⌒Yｨ､ｿ
　　　　　　　　　我が実弟呂安が実母に暴行を振るいました！！　　　　　｀´￣｀下［＿_j,-Ｌﾊヽ｀^ｰ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y 　　｀‐'/ ﾚ'}
　　　　　　　　　厳正なる処罰を！！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >ｰ－７ごノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,∠ 　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈、　＼｀Ｙ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼､__ノ７′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣´
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　なんと彼は、弟をありもしない罪で誣告したのだ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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276 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:17:52.83 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∧ ヽ
　　　 , '￣￣￣￣ﾞヽ　　　　　　　　　　　　　　　/　 ',　',
,イ　/　　　　　　　　　ヽ　ﾄ､　　　　　　　　　　　 /　　 !　!
i ヽ─､　　　　　　　　　|ー'　i　　　　　　　　/　　　││
ヾ＿,,;;;》　〉　ヾj　j/　〈;;＿ノ　　　　　　　　　　/　　　　 |　|　　　　　　お前が呂安だな？
　　 l 　　ヾﾆｱﾐ　fﾆｱl 　　　　　　　　　　　　〈　　　　　|　.!
　　 i　　〈　　　　　　　i 　　　　　　　　　　　　　}　　　 ,'　,'　　　　　　母親を殴るとはとんでもねぇ野郎だ！
　　 |　　　ｲrｪｪｪｭ　/　　　　　　　　　　　　　./　　　 /　/　
　　.|　　　＼｀ﾆﾆ´／　　　　　　　　　　　　　/　　　　/　/　　　　　　 .神妙にしやがれッ！！
　　| 　　　ヽー '＿　　　　　　　　　　　 /　　　　/　/
　,-ー､　　　　ヽ;;;;;;;;;;;｀ー-､　　　　　　　　/　　　　/　/　
　;;;;;;;;;;＼ー､　,-i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ.. 　　　　/　　　　/　/
　;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　 i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼　　　　/　　　　/　/　　　　　　　　　　　　　　　　／　｛「L ｝　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,. -─ ＝ ─- 、＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ／　 ,. -=＝=- ､　＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　/　!　／ﾚ⌒V　ﾚ⌒V＼　}　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　V　　/⌒i　 i⌒ヽ　 V　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 |　　 ! 付|　|灯 j　　 | 　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　＞ﾄ､　ヽ／￣＼/　　/!＜
　　　　　　　　　そんな馬鹿な！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ r､ヽ＼_{　　　 }__／/rｸ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒jヽ　＼＿／　 / ‐ソ
　　　　　　　　　濡れ衣だ！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.!　冂　＼＿_八＿／r‐く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　ヽ　 r 二二､　 | 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　}　 !　　　　 j　冂｛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　|　Ｆi⌒⌒Ｆi　|　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　卞二ヽ　ヾ二二ソ/|　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　|｀ｰ─-一'´ 〉ﾆ才

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　これはひどい。
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　.　　　　　　いつの時代も赤と緑は相容れないのかお？
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　.　　　　　　
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　　

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277 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/09/23(日) 22:18:12.36 ID:JDxyXu/m0

兄弟の嫁を寝取るとかそれなんてエロゲｗｗ

278 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/23(日) 22:18:23.28 ID:tWIPW54Lo

やっぱり赤はダメだな
これからは緑の時代なのだよ

279 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:20:39.12 ID:clLvbUAso

　＿人人人人人人人人人人＿
　＞　僕はやってない！　　＜
　￣^ＹＹ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣

　....::.:|:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::: : :: : ::
　....::.:|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :《》: :《》: : : : : : : : : : : : : : : :
　....::.:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《》　《》
　.....;::|　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.､t''T叮了丁丁Ti￢-､　　　　　　《》　《》
　.....;::|　　　　　　　　　　　　　　　 ,.<ヽ>‐ ´ ||￣||￣||｀＾''く,r｀>､　　　　《》　《》
　.....;::|　　　　　　　　　　　　　　 .,心>ｲ'__||＿||＿||＿||＿||__ヾk,. ﾍ　　　《》　《》
　.....:::|　　　;; : .　.　　　　,　;..　　　ム,.//'￣||￣||￣||￣||￣||￣||;V‐''',　　《》　《》
　.....;::|　　　　　　　　　　　　　　 |ﾆ:!;{_||＿||＿||＿||＿||＿||＿||_,lYﾆl　　《》　.《》
　.....;::|　　　　　　　　;::. .　　　　　 ├'"!´||￣||￣||￣||￣||￣||￣||｀|''r┤ 　《》　《》
　.....:::|　　　　　　　　　　　　　 |-ｰ||］|＿||＿||＿||＿||＿||＿||_,|ｰ-|　　《》.　《》
　.....:::|　　　　　　　　　　　　　 |-ｰ|´||￣||￣||￣||￣||￣||￣||｀|ｰ-|　　《》　　《》
　.....:::|　　　　　　　　　　　 `　; 　 |-ｰ|_,||＿||＿||＿||＿||＿||＿||_,|ｰ-|　　《》　　《》┨
　.....:;:|.　` 　.　　.　　　　　 ., 　　 |-ｰ|´||￣||￣||￣||￣||￣||￣||［|ｰ-|　　《》　　《》
　..::::::|　　　　　　　　　　　 .　;　'　 |-ｰ|_,||＿||＿||＿||＿||＿||＿||_,|ｰ-|　　《》.　《》　　　　＿人人人人人人人人人＿
　.....;/|　　 `;　　　　　　　 .　 _, ,..-‐|-ｰ|´||￣||￣||￣||￣||￣||￣||｀|ｰ-|　　《》　《》　　　　＞嵆康殿を呼んでくれ！.＜
　.....:l i.　　　　 .,　　;..　.　._ "__,|..-‐'|-ｰ||］|＿||＿||＿||＿||＿||＿||_,|ｰ-|　　《》　.《》　　　　￣^Ｙ^Ｙ^^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^ＹＹＹ￣
　.....;:ｌﾉ.　;　'　　＿,,..-ｰ.'"l_. ._ l,..-‐; |-ｰ|´||￣||￣||￣||￣||￣||￣||｀|ｰ-|　　《》　《》

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　身に覚えのない罪を着せられた呂安は無罪を主張。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　嵆康が証人だと言い張った
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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280 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:22:36.00 ID:clLvbUAso

【紀元２６２年頃　魏　司隷　河東郡】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　嵆中散。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　呂安の事件について、お伺いしたい事があります。
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　　　　恐れ入りますが御同道願います
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.､-‐'フＶヾｰ､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヾ／` i┴i ´＼ r＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{､＿,/　 ,､j▽レ､　レ'´}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿ V`'┃ 　┃ V 二ﾌ
　　　　　　　　　構わないわよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋﾌYヽ＿＿__,ｨﾍYヒ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　{　{r/l ◇ l k　}、l
　　　　　　　　　ここで呂安を助けなければ義に悖るもの。　　　　　　　　　　　　!　 }/Zｺヽ r'!ｺﾊハ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿ノ/Y　l'´　`l　Yﾍ } ヽ
　　　　　　　　　延祖、ちょっと来なさい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<　〈　{ィ{二! Ｍ l二}ヽ} 　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ　ｌl　｀ヾ'´　ｌｌ　ﾉ｝,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀Ｚｲ!　　　　　ｌ|´　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l__＿＿＿_ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　/　　ヽ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `´　　　　`´

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ちなみに、嵆康はこの時期には河東郡に移住している。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　世間との交わりを避けるためと伝えられている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

281 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:25:35.38 ID:clLvbUAso

　　　　　　 _,. -‐'"_,.-‐'⌒ヽ/⌒｀´ヽ⌒ヽ、
　　　／￣｀ヽ,r一'　　　　,ﾍ,,∧　　　＼〃}
　　 i=＝ﾆニ/,　/〃　 / |｀ ▽ |ﾄ､ l　　ヽ_l
　　 {__,　　 ] |　| | |_!_｣L|　｡　,!| Hﾄ | i ﾄ､>、
　　ヽ_｀ｰ-'i　l　l_!ﾊ |　ヽ!　　　　j∨ﾚ l/　ヽ>　　　　 .お父さん、これから大事な用で都へ行って来るわね。
　　　 l二ン{ ﾊﾄ､!_,ゝﾆ,_　　　〃⌒{/
　　　 /　/　ヾﾆlヽ|　´￣｀　　　ヽ　　!|　　　__　　　　 .もし私に何かあったら、
　　　｀ﾌ´　　ﾊ l|　ヽ　　　　r‐┐　／ヽ　 / /　　　　うちにある蔵書持って山濤殿の所へ行きなさい。
　　　 /／　/ ゝ|　　ト､＿　ヽノ／￣ﾌ ∨ /
　　 /'　　/　「l 　ヾ￣｀i|‐-r'´　　/ __/ _{__　　　　　山濤殿ならきっと面倒見てくれるから
　／　　 /　 _｣ |> ﾄ､|　　l|｀Ti|　／r' ノ/ ___}
／　／ /　〃⌒ヾ、ヽヽ〃　L|　/ﾆ } 　} /____}
　 /　　| l/　　　　ヾﾆ=ﾃﾊ //　＼ヽヽﾊ Lr- j
　/　　ﾚ　　　　 | |_l_l 〉/　　　ヽヽト､____ノ
　|　　　|　　　　　　 !l 　 //　〃ヽ　 |　　　　＼　　　　　　　　　　　 ..:: ,: : : : : : : : :' : : ': : : : : :': : : : : : ヽ: : : ヽﾐ､:::＼
　ヽ　　 l　　　　　　 l|　//∠_　ヽ〃　 >､　　　 /　　　　　　　　　　　..::, : : : : : : : /: : /: /: : : /: : : : : : :}: }: : : : ｌﾐ､:::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::, : : : ': : : :/: : /: /: : : / : : : : : ': :|: l: : : : |ﾐ:}:::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :,:: : /: :斗/-‐/‐/-: :.ｲ. : : : : :ｲ-‐ｌ‐l-: : : }::ﾉ／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :: ::/|: : : /: : /: /: ／/: : : :/: /|: :/:/|: : : :/ !::::::::::/
　　　　　山濤様ですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::/: |: : / ,ｘ≠ミｘ　./: : : :/: /x=ミ/ .!: : :/: :|:::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/: : !: /Ⅳ　,_ﾉ/ﾊ /: : ／／,_ﾉ/ﾊ　,!.: :/. : :|＼{
　　　　　お言葉を返すようですが、　　　　　　　　　　　　　　　　　､: : |/: | 　弋//ｿ/::／／　弋//ｿ/:|: /. : : :!
　　　　　お父様と山濤様は絶交していませんでしたか？　　　　　｀ .|: : |｀ ,:,:,:, ／／´　　　 ,:,:,:, /: :!/|.: : : :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿|､___／ ´　　　　 '　　　,ｲ: : :| .|.: : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : ￣＼　　　　　σ 　イ: :|: : :| .|.: : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : | __,ノ＞　　_　　＜__|: : !: : :! .!.: : : :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r‐‐'!: : !:ヽ　　　　　　　　　 l: : |: : :| .|.: : : :|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　嵆康の子　嵆紹（字：延祖）

282 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:27:05.72 ID:clLvbUAso

./　　　　　　/ 　　　　　 |￣＼ヽ　ヽ　　　ヽｰr‐ '´/
.!'´￣￣｀ヽ/　　　　　 i | | ＿_ ヽ }│ﾄ､　､　　V　／{
.!　　　　　/ /　/　　 ! l　l l | ヽ_/　l l_｣⊥∟ }　　ﾏヘ　＼
.ヽ､_＿__,ｲ　!　 !　 l　!_Ｌ.Ll_| 　o　「l/ﾚﾍハハ　 │　＼　＼
　＼　ヽ│ !　 l　 'l´|,ハﾊﾊ|　　　　"了下孑^! .ﾑ|　　　ヾ⌒　　　　　　　ああ、あの手紙？
　　　ヽ￣|　! 　l 　 lく¨了卞1　　　　ゝ┴'＾ﾊ/リ　ヽ　　＼
　　　　厂| ハ　{ヽヽ　ヽ上j　　　　　　　 /　ﾄ､　　｀ー--｀ー─　　　.大丈夫よ。
　　　 /　ﾊ!　＼l/＼{ヽ　　　　　l、　　　　 / i　ﾄ､ヽ　　｀￣￣￣
　　　/　 / 　　 / 　　/＼　　　　ー '　　r1　l 　|　ヽヽ　　　　　　　　　　山濤殿はそんな了見の狭い人じゃないから
　　　￣7　　　 /　　//　　丶､＿＿＿／| |　ｌ　 |‐-､! }､＼＿＿　
　　　／　　　,ｲ　　＜¨￣￣￣　r|_　 , -‐| |　ｌ　 |__,.ｲ│ヽ､＿　
￣´ 　　／/　　// ＼　　　 !　 Y　 __| |　! | |　/　ﾊ、　　　ヽ　
_＿＿,.　'　/　　ｲ |　　ヽ　　　 ,!　「∨ヽゝＶ　N‐{　/７´￣｀ヽ　} 　　　　　 .____〈.〈__.　　　　____ __
　'´　　　　//　/ |厶-厂∧　／　　jＶ´＼Y│/=={ ｛/　　　　　V　　 . _,,-=', -‐ヾv-''"~""'''‐-､i__＼‐- ､..,,,____
　　　　ﾚ1 /／　　|∠＿Ｙ＿__／〈_┬　l　|/川ﾄ､ヽ、　　　　 }　　　´ .／_,-'",　　　　　`'ｰ､　＼i､.＼:::::::::::::::,＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. /／／　/ i .,i　i､､､　＼　i〈＼.＼;;;;／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　/　i　i ./　i.i　iiヽヾ､丶　i:::::::i　i::｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i　/i　 i.i_,i,.i-‐'ii.i .iiー-i-､i.._ヽi､_/i　i_,-‐'''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i./ .i　 i i.i.i,f-‐i..i i.i .ｨ.ｪ‐.ｧi　〈::::::::i　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..i　 .i　 i iii .ﾋ::ｿ /´　寸ソ.i i/､i､:::::i　i
　　　　　　　　　承りました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i ＼i_i i.　／ '__　　／'.i .i　.!^'´i　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i 　i　.＼`ヽ､,.,_,,.-,'i-､ i　i　　./i　i
　　　　　　　　　お父様の御言葉に従います　　　　　　　　　　　　　　　 i 　i , --.ヽ i∨ﾛヽ.／i_,i　i‐-〈 i　.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　./　　_,.-i i^:'i´:＼　, .i　ii　 .ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ._i／　　 'y´<i i'└“`∧i .i /ii　　＼_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i　　　　/　　i/　　　￣.| i/ '　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀r‐-､_|r‐-,ﾟi____　　　/i　_,,..-‐v7´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::::::__i:::::::::::::::::｀ﾞ'‐-'　｀i:::::::::::__i

283 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:29:18.22 ID:clLvbUAso

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　 , '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　｀ヽ-― -　､　　 _ノ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ヘ､＿ノｽ　＿　　｀￣_＜´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヽ＿／　／／‐ヾ　-―二｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(）／　イ//｀メ､/ｲﾄ､ニヘ＼ー-＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　' 　　 / rヽ/ィﾃぃ　|ｌ ▽ﾍ､ヽ＼　　　`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　´ ,　'　＞-､ゝｲ|!べシ'　ﾘﾟ　|l |!l |l ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　- ﾆ　-　´　 ∠、　 }|l ||!-‐ｧ"　　, tT ﾊ !| ﾘjﾉ
　　　　　　　　　　 _　　-　　　　_　　　 ,　', ' 　 r'⌒)}　 /　ﾘj 〃　(⌒) "/ ﾘjﾉ
　　　　　 .　　_´　　　_　 - _ 　　 ,　'　, '　　/＝ベ､／　 r＜´＼_..ﾆ´＜i　　　　　　　　　　　　　　　 _　　-　　_
　　　.　'　,　 ´ 　 ,　 ´ ,　´　　,　'　　, '　　／　　／　　〃: : :ヽ{　＞ゝ､　　　　　　　　　　　　.　　 ´　　　　　　　｀、
　 . ' 　, '　　　 , '　　, '　　.　　　　 , '　　 /　　 /　　〃_..::‐:::..､∨　＼｀　,r┐　　　　　,　'　　　　　　　　　　　 ',
　' 　 ,'　　　　.'　　 .'　　　　　　　.'　　／　　_∠-‐／ .:´::::::::::::::::::}:＼〃＼/､├､　‐　´　_　　　-　　‐　-　_　　　　 ;
　.　 .　　　　.'　　 ,'　　　　　　 '　／＜´￣　 ,.イ: : : : ､:::::::::::::;:ｲ_.... ヽ, ／　ヽ! ト､　-　　‐　‐　-　_　　　　｀．　　.'
　　 .　　　 ,　　 ,　　　　　　　／　　, ヽ　／　j: : : : :|lヾ::ﾆ:´{::::::::r'二―- ､_ヽ! ﾄ､　　　　　　　　　｀　､　　　 ',
　　　､　　 .　　　､　　 r::::.､／　／　 j／　__ノ: : : :〃　ヾ､ゝ､::;::イ　丶:.:.:.:.:｀ﾚ′　　　　　　　　　、　　 ;
　　　　｀　　　＿＿__ン:.:.:.:.:.:.ヽ／　　＞.:´: : : : :_〃　　／　　　　'､　　　￣　　　　　　　　　　　　　　　,　　.'
　　　　　　　 l_--....｀ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:}　 ,.≧´＿: : : : :＿_二ﾆー'―--　..._　　｀　　‐　-　-　　.. _
　　　　　　　 i　ヘ、　　ヽ､;:-'´　,:'〃　￣＝＝￣　＿.....＿　　 _...　｀丶、　　　　　　　　　　｀　､
　　　　　　　＼ﾝ｀ー '´　　　/::|l 　　　 _　-　￣　　　　　　￣　　　　　ヽ　　　.. _　　　　　　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　{::::|l_ -　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　‐ -　_ 　　 '.
　　　　　　　　　　　　　　　　＞ ´　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_ ..ィ´　　　　　　　　　　　｀、　;
　　　　　　　　　　　　　＞ ´　　　　　　　　　　　　＿ -―　￣￣_　　　　　_　　　　　　　　　 '. .'
　　　　　　　　＞＿´　　　　　　　_　-―　￣　　,ｲ::: : : {　　　　　　　｀　　､　｀　､　　　　　　　　, '′

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　嵆康は洛陽に赴き、義によって呂安の無実を証明したとされる
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

284 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:31:41.93 ID:clLvbUAso

　　　　　　＿＿＿　　　　━┓
　　　　　／　　　― ＼　　┏┛
　　　　　　 | 　　 (●)　ヽ＼　・
　　　　　　 l　　（⌒　　(●) |　　　　　　　　無実を証明した？
　　　　　　〉　　￣ヽ__）　 │
.　　　　　／´　　　　　_＿_／　　　　　　　　.じゃあなんで処刑されるんだお？
　　　　　|　　　　　　ヽ
　　　　　|　　　　　　　　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　|
　　　　　　呂兄弟の事件は司隷で起こっています。　　　　　　　　　　　　　,. -ーー|　　　　　　 /ﾚ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::: ヽ__､____,.　"/::::）- 、＿
　　　　　　司隷で発生した違法行為を取り締まるのは、　　　　　　　 l:::::::r/::::::::::::::「二二二 :::::::／::::::::ノ::::::＼
　　　　　　当然司隷校尉の役目になるのですが……　　　　　　　　 ,―――――へ.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〝――ｒ――ｰ｀ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　当時の司隷校尉は鍾会でした　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|::::ﾉ} ―‐-　　Ｖ::::::::::::::::::::::::::::::,′::::::::::::::::j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::ﾄ-ゝ―‐　　　Ｖ:::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::l:::::{ _ー　　　　 lヽ、_::::::::::::/:::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::l:::::::::::｀ヽ、__／　/ ::::::＼/:::／::::::::::::::v
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::l::::::::::::::::::::｀,ー::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::l::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/

285 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/23(日) 22:32:33.75 ID:8kCvBgJN0

？？？「赤は所詮不人気の色ですぅ」

286 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:33:30.39 ID:clLvbUAso

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　 /: : :|: : : : : : : : : : : ハ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ､: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　 l: j: :ﾑ: : :i: : : : |: : : |　 V: : : : :i: : : !:, :＼: : : : : : : : :.i: :.|::ヽ: : : : : : : : : : :
　　　　　　　 |:.i: : ハ: : V: : :.!: |: :|ｨ彳∨: ヽ:i: : :.|:.!',: : :',､: : : : : : :.|V:.i〃V: : : : : : : : : :
　　　　　　　　 l:i: : :i|∧: :.V: : |: :!: |　_, ='j､: : :|: : :i:.|: ',: : :',:V: : : : : i .l: i 　 ∨: : : : : : : : :
　　　　　　　　　　|!: : ':l: :ﾍ: : V: |i: |:7r'´i芯'　＼:!: : |:.i: : :.,: : : V: : : : :! .i: |`ヽ　V: : : : : : : :
　　　　　　　 |: : |:.i: : |＼:.Viﾊ:i,'{i　７´　　　i: : j|:|: : : ',: : : i: : : : :| .:|:.!　 } .i'.V: : : : : : :
　　　　　　　　 |: :.|: i:. :.i: | V:Vjﾊ　　　　　　　|: :7|:| ､: : :i : : ': : : : i　:|:i　ノ / j:V: : : : : :
　　　　　　　　　ハ: :|ハ: : V!ﾏVi, ヾ　　　　　　 j: / |:|　｀` |: :i: : : :|/ r'j:!´,-　ノ: :V: : i : :
　　　　　　　　 V:!ヽ: ＼:/　｀`　　　　　　　//　.|:|　　　 |: :!: : :.i　　.ﾘ　,.イ:i: : : :V: |: : :
　　　　　　　　　 ',:!　＼/　　　　　　　　　　彳　　|:i　　　 .|: |: : :j　r-＜　　 !: :|: :|: j: : :
　　　　　　　　ヾ　 i′　　　　　　　　　　　　ﾘ　　　.|:j|: : 7　!　　　　　|: :.!: :!:7:.|: :
　　　　　　　　　　　　　ヽ　¨`　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ.|: :/　.;　　　　 l: :i: :.i/: :|: :
　　　　　　　　　　　 `ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 j:/　 ,'　　　　　 j:.7|:!: : :|:|:/:
　　　　　　　　　　　　　　　　　{　__, --y- '´　　　　　　　〃　./　　　　 /:/ j:|V: :ii/: :
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ - '´　　　　　　　　　　　　／　　　　　彳　.i:! V: i: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ ∨ﾊ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.　 -─　￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　,. ＜　　　　　　　_ ,.　＜
　　　　　　　　　　　　　　　　八　　　　_,. ≦-‐─ﾍ　　　,. ＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞‐＜　　　　　　ハ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i´　　　　　　　　　　　　　　　　_,　-─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　　　　　　　　　　　　＞ ' ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　　　　　　／

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　事件がややこしくなったのは、その鍾会の介入が原因でした
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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287 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/23(日) 22:33:51.18 ID:Oew1JN4Bo

働きづめだった丞相はあの世でゆっくりしていってくださいｗｗ

288 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:35:44.64 ID:clLvbUAso

━┓
┏┛　　　　　⌒
・　　　＿＿_⌒
　　　／　―　乂＿＿＿_　　　　━┓
　　／ノ　　(●／　　 ―　＼　　┏┛
.　｜　(●) 　 | 　　 (●)　ヽ＼　・　　　　　　　なして？
.　｜　　（__ﾉl　　（⌒　　(●) |
.　│　　　　〉　　￣ヽ__）　 |　　　　　　　　ろくでもない予感しかしないけど？
　　＼＿＿／´　　　　　 _＿_／
　　　　　 /|　　　　　　ヽ
　　　　 | |　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ＜´::::::::ヽ- ‐-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 --=´::::::::::::::::::::::::::::::::: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:: ,': : ／i:::::::::::::::i:::i::::::::::::::ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 /i::: {:: /.　 '::::::::{::::ﾊ_|ゝ::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {: : i..,' ￣ ':::::::i!::,'. ヾ￣ヽ::::::',::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |',:: ',{====＼ {｀=====. i::::::::}/
　　　　　　　　　鍾会と嵆康の二人には因縁があった　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ　|;;;;;;|　｀　|;;;;;;|　 |::: : ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 i　｀¨´　　　｀¨´　 i:: : ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　｀i＞　　＿＿　　＜|:: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ/／: :ヽ＝/: :＼/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ｀ﾞ＜ヽ/＞彳/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ. ⊂只⊃　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　〃ヾ　 {

289 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:36:51.51 ID:clLvbUAso

【紀元２６０年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　＿　／　　　　　　　　　＼
　　　　　／　｀　　　ー- ､　iｿ´ヾl ,､_ ハ
　　　　 //　　 ,〃　＼　､　 >!<,j- ､__ヽｧ ',
　　　　 l/　　 l/　　　｀ｰ=(,〉 {薔}-' ﾉｒ' ﾊ
　　　　丶　　 !i　　　　　　　ゝ'i_ィ､‐､"　　.}　　　　　　　　　また嵆康の招聘に失敗したわ。
　　　　　　　 ',　 -'　　　｀ｰ　　 >-、 /
　　　　　　　　 ! ━　　　 ━　ｒ=っ У　　　　　　　　　　何か良い知恵はないかしら？　
.　　　　　　　 /ﾊ　　　　　　　　　|l ＿'_
　　　　　　　　ﾞ「､　　 n　　　 ,.ィﾞ＿　i
　　　　　　　　　´ニﾕ_＞-ｒｒ彡´ﾉt=ｭｧ_´ー､
.　　　　　／└‐､7（(ﾆｱﾄゝ） 'ーｧ‐'　　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　, -r"　　　　ｰ
　　　　,'⌒　　　／｀´ /｀ｲll !￣　　テ　　　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　／/　　　　　　　　　＼
　　　ヽ＿ノ　 i　/　l　　ljl.j　　　/　/　　　ﾊ　　　　　　　　　　　　　/　　､ lヽ　　　＼　　　ヽ
　　　　　　　　く　| 　ヽ _　　　_ノ　 ',　　　　〈　　　　　　　　　　　　　/　| | l＼ l＼　　　丶　　　i
.　　　　　　　　/　!　i彡ア､＜　　　 /　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　 /l　 l､| l　　ヽヽ､　　　　　　l
　　　　　　　 /　/　｀//!ﾄ--'　　　　ヽ　　　　く　　　　　　　　　　　　|l　kj,l　l L､＼rtゝ l |　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lj､jl'弋lヽ.Y'´kぅl j| lW／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　,　　　　　|//ｨ '|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　'-　　　　　/　l､Ml7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣゛　／＿＿／ヾ
　　　　多才な反面、奇抜な振舞いを好む男と聞きますが……　　　　　　　ｰ '　　　　　　　／　ｰ　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／=＝￣￣￣￣　　　　　　　ヽ
　　　　何分僕も会った事がないので……　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　

290 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:38:57.17 ID:clLvbUAso

　 .::'::／::,:イ,ｲ:/::::::/ｉ|::::::':::: ヽ:::ヽ:::ヽ:::ヽ::::＼
. /:::/::::::'::::///:ｉ:ｉ:::': !|ｉ:::ｉ:::ｉ:ｉ::ｉ::＼:｀::､::＼:＼::::::､
/:::/::::/::::/,ｲ':::ｉ:l:::::::/!|:::|::ｌｌ::|:::､:::＼::＼:::ヽ::ヽ: 丶
:::/::::/ｉ::://::l::::l:!:::::/::ハ:|::!:|::ﾄ､:::＼:::',::､:丶::丶::､: ヽ
/::: /::l:::'/:ｉ::|:::l::::::;':::ｉ:::::l:|::::|::|小ﾄ､::ヾﾄ､:ヽ: ',:::ｉ､::ｉ::::ｉ
:::::/::::l::ｉ::::;斗､!::::,ｉ:::l::::::; |::::|:l/:::|､｀､!:::ｉ:: ｉ:ﾊ l::ｉ |ヽ!　　　　　　.よし、嵆康の顔を見てこよう。
::::'::::::l::l::::' r ､!: /:|::l::::/:l:|::::!!: /|!=≧､ヾl::::ｌ':::!|:::!:|:::|
:::::::::::|:|:ｉ::ｉ {　!:/:/l:l: /: ﾊ!:: Ⅵ:八 {{ }!ヾ!::/ｉ::: |:::: !: !　　　　　　大将軍の招聘に一向に応じないらしいが、
:::::::: ｉ|:|:|::l　y/:/:/l| ' / ｉ∧::l {′ ヾ　　}ﾊ. |::::|: /}:/　　　　　　 .どういう男なのか興味がわいた。
　::::::!|:!:|::|V/l/ '.　|::/ /'　ヾ!.　　　　 '　､::::!/::::'
　 ::::::!:::|::ｌ::ｉ: '　　 !'　　　　　　　　　　 V,'／　　　　　　　 .従者は目一杯連れて行く。
　　 :::::::l:ｉｌ:l:' ｉ　　　　　　　　　　　 ,　　ノ´
　　　:::::|| |!.　､　　　　　　　　　　　 r ´　　　　　　　　　　　.野の隠士にも僕の力を知ってもらわないとね
　　　 ::ll {. 　＼　　　　　｀　― ､‐'
　　　　 :!.　　　　ヽ　　　　　　　 _ﾉ
　　　　　　　　　　　　､　　　　 /
　　　　　､.　　 , -‐丶　　 _　′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,
　　　　　　　＼イ＼　　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,｀: _,..-,. :―:./ｨヽ: :-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:,.ｨ／, : ｲ: : : ､:∨-､｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: /_,ノl: :|ヽ:|: :l: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ{/┃ヾj┃|: :}: :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:ﾊ:{　　,.､　 j:/:/ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ＞=-=r､/ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/∧_/∨ﾊ､
　　　　　　　（この人、賢いけどどっかずれてるよね）　　　　　　　　　　　　　　／/ィ}///O//!ﾊ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨヾ/／ ////O//!//})
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀´　／/////////｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／//////////////ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨///////////＼//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼//////////_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰr-r-r '´

291 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:40:49.85 ID:clLvbUAso

【紀元２６０年頃　魏　司隷　河内郡】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　''';;';'';';''';;'';;;,.,　　　ザッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッ　　　　　　　　　　　　;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　vymyvwymyvymyvy　　　　　ザッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッ　　　　　MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッ　　　　　　　　　　　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/ヽ＿　/ヽ＿＿,.ヘ　/ヽ＿＿,.ヘ　＿,.ヘ　,.ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼_／￣￣＼_／| |＼_／￣￣＼_／|　|＼_／￣￣＼_／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼＿／￣￣＼_／| |＼＿／￣￣＼_／| |＼＿／￣￣＼_／|　▼　|_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿|　▼　▼ |_／＼＼＿|　▼　▼ |_／　＼＿|　▼　▼ |_／.皿／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　皿／　　／　　　＼皿／　／　　　　＼皿／　　　　＼　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　＼　 | | 　　　／　　　＼ | |　　　　／　　　＼ | 　　　.| |
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　／| | ／　／　　//　 _,.-7 / ∧ﾙ' ／,/　川　l.|
.　　　 | |／／　_,.,.ィ/rｧ,.-､ヽ.y'､/　/　/_/　/ ﾘ　/
　　　　| |／／'/Ｘヽｲ (.ﾌ/） /ﾍ',.ｨ' ,r∠/彡/ ,!//
　　／ｌ |／!,//'　/' !｀¨７　./ /ｒ7／|　/彡/ ,/ｲ/
　　　　 l{　|/　　 ′|　　　　 '′´　　| '彡/ /　|!
　　　 / `　|　　　　　　　　　　　　　 |/,/,l/　　　　　　　　　　　嵆康がどんな男か僕の眼で見極めてやる
　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　 |V /
　　'　　　　　　　　　　　　　ヽ-　,.. ノ
　　＼.　　　　ヽ＝＝=‐-／　ヽ
.　　　＼　　　　　　　／　　ヽ
　　　　　＼　　　　　　 /　　　　　 |
　　　　　　／ヽ､　　　ノ　　　　 |
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　鍾会は嵆康と面識がなく、その名声を聞いて彼の下を訪れた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　鍾会一行は肥えた馬に乗り、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　軽く暖かな衣服を着て、賓客・従者は雲の如く多かったという。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　さながら王侯貴族のような行列だったのだろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

292 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:42:36.75 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∩00　　∩　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､　
　　　　　.:::.. ... :. 　　　.::::::　　　　　　 ::.... .:::　　　　　　　:..... .　　　　　　　..　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ　　
.: .:::.....　:. .:|::　 : .|::./:... / .::ゞ: |.... ...:::.. ... ..　..::::. .　.. :. .::: :　 : :.. .::|::...... ..:l. :. （ (´￣￣　 /　/ 　　ﾉ.ﾉ　○ ○
;;ゝゞ ; ヽヾ|　　　|/`ｰ/;;ヾ;;;;;;;;|_,|ヽ;;;;ゝ　;|ヾ;;;;''"　　　ゝゝ;;;|;|;; |_|;ヽ、ヾ|ｰl　ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'
;;...:... .. . ヽ;lー一'| : ./;;ヾ;; . . ..l.:.|　 . ゞ. . ||;;;;:,　　:...:... .. .'''ヽ|;lヽ|_|;ヽヾ;;|ｰ|､_,|_|;ヽ;;ヾ| |. . 　.
;;ヾ;;;; ; ゝゞ|　　　|-/:ｌ|ヾ;;;;;;;;ゝ|_,|;.ゝ;;;;;　|,||　: 　.　　 :　　.　 |;lゝl.:|;;; .:.. ..γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
"''ヽ､; ､;;l;;;|　　　|/:|-|:ヽ;;ヽ;;;,;|_,|　　　　|,||. ...:.:　... ..　.　　: .|;|' ;|_|;;;;ゝ;ゞ|　なんだか外が騒がしいですね　 |
ゞヾ　;;"ヽ;;|　　　|ゞ|-|;;;;;ヽ..:...::...|.. ...:..::...i. ....:: :::. .. ...: 　 : 　 |;|　|_|　. : :: ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
.. .:...:.　....　|.:ー..:'|ゞ|:...:... .. .　.;|_,|　　　　|,||　　　　　　　　　|;|　|_|. .　　 |ｰ|､_,|_|　　　| |
　　　　　/:|　　　l;;;;|-|;　ゝ;;ゞ |_,|.. .:. :. . |,||　　　　.... ...:.: . ....|:l 　_|.　　 : |ｰl　 |_|　　　| |
　. . 　. /` |　　　|　|-|. : 　　 |_,|　　　　|,||　　　　　　　　　|;|　|_|　　　 |ｰ|､_,|_|　　　| |
ｌ　　　/ 　 |　.. . .|. .ｌ-ｌ　 . : . . |_,|　　　　|,||　. .　　　 ...　.　|;|　|_|...:.:　...|ｰl　 |_|　　　| |
l.　　/`ｰ/ lー一'|　|-|　　　 |_,|　　　　|,||　　　　　　　　　|;|　|_i　　　..|ｰ|､_,|_|　　　| |
ｌ　 /　 /　:|　　　|　|-|　　　 |_,|''" '' '　|,||　　　　　　　　　 |;|　|_|　　　 |ｰl　 |_|　　 '"''"
　/`ｰ/　　|　　　|　|-|　　　 |_,|　　　　|,|''　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
./　 /:　::　|　　　|　|-|　　　 |_,|　　,; ''"''"　　　　　 |　　　　お客さんでしょうか？　　　　.|　
`ｰ/　　　 :lー一'|　|-|　　　 |_,|　　　　　　　　　　　.ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
, /　　　::　|　　　|　|-|　　　 |_,|　　　　　　　　　　　　　　　 |_|　　　 |ｰl　 |
/l　　　　　|　　　|　|-|　　　 |_,|　　　　　　　　　　　　　　　 '""'';;'　　 |ｰ|､_,|
　　　　　　|　　　|'"''"''　　　　|_,|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"''''l　 | 　　　　　 ∩00　　∩　　　　　　　　　　　　
　　　　　　lー一'|　　　　　 |_,|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|､_,| 　　　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . （ (´￣￣　 /　/ 　　ﾉ.ﾉ　○ ○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'　　　

293 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:44:14.02 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　　　　　|　　>=||ニニニフ　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　／|　└‐)　　　＿　　　　_ _
　　　　　　　　　　　　|　　　l=∬＝＝ッ　 . | |二二二二二二二二|｜　|　　　||　　　 ||　　　　|| ||
　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　 .| |.ｌ」l」l」l」l」l」l」l」l」l」l」.|｜　|　　＝　　〃＾ヽ　　（）（）
　　　　　　　　　　　　|　◎=||ｺニニニニフ.| |================|｜　|　　 |iii|　　| l l l |
　　　　　　　　　,＿,　|　　　＿＿＿＿　 | |lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll |｜　|　　＝
　　　　　　　／..／| .|　＿／＿＿＿／|,.,.| |================|｜　|
　　　　　　／..／||||| .|／＿||L＿___」||／／| ||::|::|::|::|::|::|::|::|::|::|::|,　|｜　|　　　/
　　　　　　|￣||l|l／| .|||=========||目||　 | |================|｜　|　⊂/⊃　　　　　 l===l
　　　　　　|　 |／|l|l| .||| △　仝￠.||　 ||　 | |iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii |｜　| Ｃ）　（Ｄ＿ヒ!＿/　　/＿＿
　　　　　　|　 ||l|l／|..''||=========||目||／|_ll二二二ﾆﾆﾆ二二二ll_|／　（＿＿）　/-ヽ（＿_（）
　　　　　　|　 |／|l|l|
　　　　　　|　 |||||／
　　　　　　|＿|／　　　　　　 . ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣／|
　　　　／　　　　　　　　　／　〈<､〉.iii　　ﾄ|　　国lll|　`エ´ .／　 |
　　　／　　　　　　　　　／　[□］]　ﾋ!　 (ｰ)　||UUU||-' ／　　／　　　　　　/　./　　　Ｔ¨￣¨'''一＿　ﾚ'''＝=ｰ
　／　　　　　　　　　 ||＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝||　／　　　　　　　!　 |　　／`ヽ､ノ＾¨`ヽ､＿　￣￣`＞'＾i
／　　　　　　　　　　||□□＿＿＿＿＿＿＿＿□□||／　　　　, -''"￣`ヽiq ／　　　　　　　　　　￣ゝ,　/　　├一'''７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ヽ､_　, -''／　　　　　ﾉ　　　　｝　　　　V 　　ﾉ　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　 /　　 ,　　 /!i　　　　　!　 ;　　　|　,､イ　 _人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　У　　 /　　ヶ-ﾅ/|!!　i　　_i_ｲ　ﾊ　'　 K、　Y'"　　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｬTｰ｛/　　/,､ｰｧｒ　ヾﾊ |　N¨|メ､｝,|　　 |`ヽ、　　_､-
　　　　　　　　　　　　どうしましょう？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ｲ　iｌ　　/ {　{ii::!i　｀ V ﾚ'　'⌒>、ﾉ　 }i }　　「弋’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ八　｛　’ L.::ﾉ　　　　　　/ﾗii;|i|　,' |ｊ　　｜ |
　　　　　　　　　　　　嵆康さん？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ　Уハ、　　　_’　　　　ﾋ__,,ﾉ|,ｲ从._　｜｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /〃　ｨヘ、　　 ¨´　　　　　,∠レｲ　| `'┤ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　〃　|＼　　　　_ ､ィ'"i }　|　 |　{　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _{〃...._ {｜ /　ｆ己二ﾆﾆ了〃　 .|　｜！ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　〉 У　ム-ﾅ|||ｒ～'レ'　　ﾉ　ﾉ　 | 八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　/⌒ヽ／　　彡''　／　／У,ィ ' ¨`ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　河南郡の人　向秀

294 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:47:25.23 ID:clLvbUAso

　　　／￣｀ヽ,r一'　　　　,ﾍ,,∧　　　＼〃}
　　 i=＝ﾆニ/,　/〃　 / |｀ ▽ |ﾄ､ l　　ヽ_l
　　 {__,　　 ] |　| | |_!_｣L|　｡　,!| Hﾄ | i ﾄ､>、
　　ヽ_｀ｰ-'i　l　l_!ﾊ |　ヽ!　　　　j∨ﾚ l/　ヽ>　　　
　　　 l二ン{ ﾊﾄ､!_,ゝﾆ,_　　　〃⌒{/
　　　 /　/　ヾﾆlヽ|　´￣｀　　　ヽ　　!|　　　__　　　　　　　　俗人は相手にせず。
　　　｀ﾌ´　　ﾊ l|　ヽ　　　　r‐┐　／ヽ　 / /
　　　 /／　/ ゝ|　　ト､＿　ヽノ／￣ﾌ ∨ /　　　　　　　　あなたの刀の鍛錬を始めましょう
　　 /'　　/　「l 　ヾ￣｀i|‐-r'´　　/ __/ _{__　　　
　／　　 /　 _｣ |> ﾄ､|　　l|｀Ti|　／r' ノ/ ___}
／　／ /　〃⌒ヾ、ヽヽ〃　L|　/ﾆ } 　} /____}
　 /　　| l/　　　　ヾﾆ=ﾃﾊ //　＼ヽヽﾊ Lr- j
　/　　ﾚ　　　　 | |_l_l 〉/　　　ヽヽト､____ノ
　|　　　|　　　　　　 !l 　 //　〃ヽ　 |　　　　＼　　　　　　　　--‐ｵ　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　＼
　ヽ　　 l　　　　　　 l|　//∠_　ヽ〃　 >､　　　 /　　　　　　　　／/　　　　　!　 | ﾊ　ﾄ､　　　　 |L|_.!_ﾄ､　　　　　i｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i　　　　　 |　 i_L|/- ﾄ!､　ﾄ､´! L_}ﾑ |　!i　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　 X´!ｨ==ミ　 ∨ }/ ｲﾉ:::!ヽ |' !　|　 !ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾊ.　 !　　　 |ｨﾍ_ﾉ:::::!　　　　　 i:::::::ﾘ !ｲ / /1 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !∧　ﾄ､.　　 |　ゞ::::ﾘ　　　　ゞ-'　/ｲ !/ ,}∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ヽ!、＼　ﾍ　｀￣　　　　 '　　　　　 j /　!′ ＼
　　　　　　　　ありがとうございます　　　　　　　　　　　　　　　　　/　}　ヽ! ヽ! ＼　　　　ー　‐'　　　　/　　|､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　/　 |　　}丁￢⌒｀　　　　　　　　　／'　　 i ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　! 　 | |　 !|　ヘ、　　　　　　 .ｲ| /'　　/ﾊ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　 ! |　「/7 ヽ　＞　-- '　　V　　 //へ、　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / rく´1 |　 |介>/〉　　　　　　　/　　 //__　　＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ヽ |　 i り'//　　　　　　　/　　 //jiヽ)／

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　この時嵆康は友人の向秀と共に刀を鍛えていた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　彼は器用で、鍛冶仕事を趣味にしており、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　人に頼まれると手間賃もとらずに拵えてやったと伝えられている。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　それはともかく、鍾会一行の様子は嵆康の癇に障ったらしい
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

295 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:48:35.91 ID:clLvbUAso

　　　 //::::::ｌ:::::::/:/{ :::::/:::::::://:/::::!::::ｌ:::::::ﾄ:::::ヽ::::.
.　　　ｌ:l::::::/|:::::ﾊ/∧:V:::/:::/::::/::::/:::/::::::/::ﾍ::::l::::ﾊ
.　　 |:l:::::::::|:::::|::!::::∧:V:::/::::/::::/:::/::::::/|::::::|::::|::|.!|
.　　 |:ｌ:: |: :|:::::l::|::/:::ﾍ::V::／／/:/ ::／:::|:: /!:: | l ||
　　　ｌ::::l:::::ﾊ:::|∠:ィ７:::Y:／::イ::z≦ィ:::/::/::ﾊ/:ﾘ |!
.　　　ｌ::|:::::小:Π:/l/-=彡１ /艾ｧﾃ｀ｼ_:ｨｆﾁ::/:/　　　　　　　　　失礼する。
　　　　V::ｌ: :!::l:|い小/|:ハl:|/　　｀´　　｛ }ノ´
　　　　 Ⅵ: ｌ:::::｀爪|　　　　　　　　　　　　〈　　　　　　　　　　　嵆中散はこちらか？
　　　　 }:!: |::|:::l::|　＼　　　　　　 ‐ _ノ
　　　　ぃ::|::|:::l::|　　丶　　　　__,　，／
　　　　　 |:∧l＼:{　　　　＼　　　 /
　　　　　ｌ′丶　ヽ　　　　　ト､＿,ノ
　　　／　　　　　　　　　 ,′
.　／＼.＿＿＿＿　　　人_
／　　｀－――‐‐- ､｀ ‐ 、　＞､ｘ‐ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　'"　 i }　Yﾉ　_ノ､_　　　　 `　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 ,.- t__l-‐' --､,.‐‐‐‐- 、 ___ `　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　/ ___／／ヽ /`ｰ'"`ー-/´　　｀ヽ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　ヽ　/´,ノ　　　 /`__|　　　,　ヽ,. -=＝ }　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　'ィ,　/ /　i l´___ | ﾄ､　 ',　　ヽ´　　ﾉヽ　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　/ / /　ﾊ| ヽ｡ヽ!ヽﾄ､iﾞ､ﾄ i　}‐ '__,./　　!
　　　　　ねぇ向秀？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　 `〈　!ii´i=､ヽ　　ヽi´T=､i/ﾚ'ﾚ-く_,-〈　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　ヽ! 〈ir';;i`　　　 '´i-';;i7 | iﾄ、ヽ__〉 ./
　　　　　GAって言葉、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　〉ヽ─'　`　　　￣｀` .| iノ　　 i　/ヽ
　　　　　中原と江東じゃ全然意味が違うそうよ？　　　　　 ,. --───i´〉_,.-‐ ' /ヽ i 　「￣.ﾌ　　　 ,.ハヽヽ　　＼｀i.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　〈i´7r'"´l l　ﾚﾉ,＼ `ｰ'　,.　 ' / i|| ', ヽ,＼　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　〉 !|　　i/ ノ´　ヽ　ヽ´　　　 ir=||=ヽ　ヽ＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, --‐ '　　　　　　 t`ーi '"　　　　', ヽﾄ,＼　　rﾍ_ ' 　　ヽヾ、,）__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 ,. --ァ‐ ''　　ヽ　　　　　i　 i　ノ＝=== rttァ-ｰ'7　　l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '　　　　　,　' ／　　　　　　／ヽ　　　　f´/　　　　　　　　｀ヽ、　｀ヽ、

296 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:50:14.83 ID:clLvbUAso

:::/::::/ｉ::://::l::::l:!:::::/::ハ:|::!:|::ﾄ､:::＼:::',::､:丶::丶::､: ヽ
/::: /::l:::'/:ｉ::|:::l::::::;':::ｉ:::::l:|::::|::|小ﾄ､::ヾﾄ､:ヽ: ',:::ｉ､::ｉ::::ｉ
:::::/::::l::ｉ::::;斗､!::::,ｉ:::l::::::; |::::|:l/:::|､｀､!:::ｉ:: ｉ:ﾊ l::ｉ |ヽ!
::::'::::::l::l::::' r ､!: /:|::l::::/:l:|::::!!: /|!=≧､ヾl::::ｌ':::!|:::!:|:::|
:::::::::::|:|:ｉ::ｉ {　!:/:/l:l: /: ﾊ!:: Ⅵ:八　　ヾ!::/ｉ::: |:::: !: !
:::::::: ｉ|:|:|::l　y/:/:/l| ' / ｉ∧::l {′ ヾ=-ﾒ}ﾊ. |::::|: /}:/　　　　　　　　　　（先客の用が済むまで待つか）
　::::::!|:!:|::|V/l/ '.　|::/ /'　ヾ!.　　　　 '　､::::!/::::'
　 ::::::!:::|::ｌ::ｉ: '　　 !'　　　　　　　　　　 V,'／
　　 :::::::l:ｉｌ:l:' ｉ　　　　　　　　　　　 ,　　ノ´
　　　:::::|| |!.　､　　　　　　　　　　　 r ´
　　　 ::ll {.　　＼　　　　　 - ― ､‐'
　　　　 :!.　　　　ヽ　　　　　　　 _ﾉ
　　　　　　　　　　　　､　　　　 /
　　　　　､.　　 , -‐丶　　 _　′　　　　　　　　　　　　　　　　. 　/_｣__　!　　l　　　ｊ　　､　　　　｀ヽ　｀ヽ.　　}
　　　　　　　＼イ＼　　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ｊ{ 　 |　 /l　　 / 　ハ　　　　　i　　　', 　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八　 |　 l｜　/} 　/　 l　ｊ　　　|　　　 !く⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　＼ﾄ､ |｜ / l　/　　ｊ　/i 　　!　　 } |丿　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二ﾆ　　｀ｊノ　ｊノ　　ﾉノ　!　　 ′ 　ｊ｜ヽ. ノ
　　　　　　魏と呉じゃ食習慣も違うそうですし、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊ　 /　　 /l |　 {
　　　　　　本当に別世界って感じですよねぇ～。　　　　　　　　　　　　　 ,　　　｀ｰ-= 厶ィ　　 / ﾉﾉ　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､__　　　　　　 /　 /　／ﾄ､_　　 {　　 _
　　　　　　私も噂の筍料理というのを食べてみたいです　　　、　　　　　￣　　　　　∠二厶イ＼{￤｢￣　　, '´　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　 . イ　　ｉ　ｉ　ｉ　　￤|　　　/　 , ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/| ` ｰ-　　　 !ヽ　l　　ｉ　ｉ　 i{｀ヽ-┴‐-v′ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ｣ __　　　 __｣ノl　|　　 l　l／ |　_ﾚ' ⌒ く　　′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┐ｎ　丁ｎ┌‐ｊ　|　　／　ｊ/　　｀ヽ　＼ﾊ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　嵆康は鍾会を無視し、いつまでたっても声をかけようとしなかった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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297 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:50:58.81 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　　　　　　.:::.. ... :. 　　　.::::::　　　　　　 ::.... .:::　　　　　　　:..... .　　　　　　　..:::..　　　 ... ....::::. .
　　　　　　　　 .: .:::.....　:. .:|::　 : .|::./:... / .::ゞ: |.... ...:::.. ... ..　..::::. .　.. :. .::: :　 : :.. .::|::...... ..:l. :|､. |_|:.. . .. | :. .:::: ::....
　　　　　　　　 ;;ゝゞ ; ヽヾ|　　　|/`ｰ/;;ヾ;;;;;;;;|_,|ヽ;;;;ゝ　;|ヾ;;;;''"　　　ゝゝ;;;|;|;; |_|;ヽ、ヾ|ｰl　 |_|ヾゞ | |...
　　　　　　　　 ;;...:... .. . ヽ;lー一'| : ./;;ヾ;; . . ..l.:.|　 . ゞ. . ||;;;;:,　　:...:... .. .'''ヽ|;lヽ|_|;ヽヾ;;|ｰ|､_,|_|;ヽ;;ヾ| |. . 　.
　　　　　　　　 ;;ヾ;;;; ; ゝゞ|　　　|-/:ｌ|ヾ;;;;;;;;ゝ|_,|;.ゝ;;;;;　|,||　: 　.　　 :　　.　 |;lゝl.:|;;; .:.. .. ｰ|. : . |.　 .: ;| |
　　　　　　　　 "''ヽ､; ､;;l;;;|　　　|/:|-|:ヽ;;ヽ;;;,;|_,|　　　　|,||. ...:.:　... ..　.　　: .|;|' ;|_|;;;;ゝ;ゞ|ｰ|､_,|_|　　　| |
　　　　　　　　ゞヾ　;;"ヽ;;|　　　|ゞ|-|;;;;;ヽ..:...::...|.. ...:..::...i. ....:: :::. .. ...: 　 : 　 |;|　|_|　. : :: |ｰl　 |_|...:. : ... |..
　　　　　　　　 .. .:...:.　....　|.:ー..:'|ゞ|:...:... .. .　.;|_,|　　　　|,||　　　　　　　　　|;|　|_|. .　　 |ｰ|､_,|_|　　　| |
　　　　　　　　　　　　　/:|　　　l;;;;|-|;　ゝ;;ゞ |_,|.. .:. :. . |,||　　　　.... ...:.: . ....|:l 　_|.　　 : |ｰl　 |_|　　　| |
　　　　　　　　　. . 　. /` |　　　|　|-|. : 　　 |_,|　　　　|,||　　　　　　　　　|;|　|_|　　　 |ｰ|､_,|_|　　　| |
　　　　　　　　ｌ　　　/ 　 |　.. . .|. .ｌ-ｌ　 . : . . |_,|　　　　|,||　. .　　　 ...　.　|;|　|_|...:.:　...|ｰl　 |_|　　　| |
　　　　　　　　 l.　　/`ｰ/ lー一'|　|-|　　　 |_,|　　　　|,||　　　　　　　　　|;|　|_i　　　..|ｰ|､_,|_|　　　| |
　　　　　　　　ｌ　 /　 /　:|　　　|　|-|　　　 |_,|''" '' '　|,||　　　　　　　　　 |;|　|_|　　　 |ｰl　 |_|　　 '"''"
　　　　　　　　　/`ｰ/　　|　　　|　|-|　　　 |_,|　　　　|,|''　　　　　　　''"' |_|　　　 |ｰ|､_,|_|
　　　　　　　　 ./　 /:　::　|　　　|　|-|　　　 |_,|　　,; ''"''"　　　　　　　　　 |_|　'' 　 |ｰl　 |_|
　　　　　　　　 `ｰ/　　　 :lー一'|　|-|　　　 |_,|　　　　　　　　　　　　　　　|_|　　　 |ｰ|､_,|''"
　　　　　　　　 , /　　　::　|　　　|　|-|　　　 |_,|　　　　　　　　　　　　　　　 |_|　　　 |ｰl　 |
　　　　　　　　 /l　　　　　|　　　|　|-|　　　 |_,|　　　　　　　　　　　　　　　 '""'';;'　　 |ｰ|､_,|
　　　　　　　　　　　　　　|　　　|'"''"''　　　　|_,|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"''''l　 |
　　　　　　　　　　　　　　lー一'|　　　　　 |_,|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|､_,|

298 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:53:05.86 ID:clLvbUAso

　 }:.|.:.:{{:.:.:| :.:.:.:|:ヽ.:.:.ヽ.:.:.i.:.:.| ＼:.:.:.:..ﾚ＼:.:.｀ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:＼＼.:.:.:､:.:.:.
　 |.:|:.:.|:.:.:.:i.:.:.:.:ﾄ､:.＼:.:}:.:.i|:.:.| ,ｲ:ﾄ､:.:.:.ﾚ'"´＼.:.:ﾄ､∨7.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼＼:.:.:.:.＼＼:.:.::.:.
　 |:.|.:.:l:.:.:.:{l:.::.:.:l:.:.＼:' ,l:.:.}}.:.ﾚ:/}:i∧.:.:i 　　　}.:.i　〉∧`ｰ､.:.:.:｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`､:.:.
　 l: |:.:.l:.:.:.:.|.:.:.:.:l:.:.:.:.:＼＼}l:.ﾚ'　i/ ∧:i 　○　',:ﾚ'/／}.:.:.∧ヽ:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　 ',:.:.:.:.{:.:.:.:|､:.:.:.l:.:.:.:＼:.＼ヽ}　ム｣i　}} 　　　 ,i:.ｲ　　i:.:./　}:.:.＼.:.:.:.:.}:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　l:.:.:.:.i:.:.:.:} }.:.:.ﾄ､:.:.:.:.＼:.＼.戈≦二il二 '"´ }/ 　 /／　 l:.:.:.:.:.:.:.:.∧.:.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:.:.
　　 l:.:.:.:.i.:.:.:|:.l .:.L三- :.:.:＼{＼＼　　|　　　　／　　　　|:.:.:.:.:.i.:./　}:.:.:|　ヽ:.:.:.:.:.　（いったいいつまで待たせる気だ）
　　 l..:.:.:' ,:.:l.:.l:.:l{　ひ､',:.:.＼　　　　　　　　　　　　　ﾘ}:.:./}/　　',.:.:l 　i:.:.:.:.:.:.
　　　|.:∧.:.＼ヾ:.:｢二ｱ　 }へﾍ＼　　　　　　　　　　　　　　　|:./　　　　 i:.| 　}:.:.:.:.:.:
　　　|/　l:.:ﾄ､:ヽ.:.{ ∨　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/　　　　　 }}　/:.:.:.:.:.:.
　　　　　 l:{　}:.ﾄ､:∨　　　　　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i /:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　|　i.{　∨　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ムﾍ:..:.:.:.:
　　　　　　　 |　　＼　　 '"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 }:.:.:.:.
　　　　　　　　　　ﾚ'`ｰ-､　　　　　 , -―　￢ﾑｰ､　　　　　　　　 /三　
　　　　　　　　　　　　　＼　､- '"´￣　x―へﾉ＼　r〉　　　　　　　　/三　/
　　　　　　　　　　　　　　＼　辷x‐十'　　　　　　　　　　　　　 /三　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ L＿＿　　　　　　　　　　　　　　／三　　　　　　＞ィ／: : :,: : : : : : :.＼: : :.＼　}: : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :∨:,: : : :|: : : : : : |＿:ヽ: : : ∨: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 ,:': : : : :':.:l: :_!__|_: :|: :.:.´|､: l｀:Ⅵ: : |､:{_: :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :,ィ:.,: |: :|: :.|: :|_Ⅵ.: : : |_Ⅵ_､|: : : |: ﾊ｀ヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{／ {/!:ﾊ: {: : |ィんﾊ＼: }{し㍉|: : :ﾘ: : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　}从: :| 弋zｿ　｀弋zｿj: : /: : ﾊ}
　　　　　　　　　　　　そろそろ帰る時間だよ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:{:.人⊃　　 _　 ⊂⊃: /:|: /　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ∨:,､＞-- ヽ)--＜}∧j!/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　r7//o/N´//＼ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/i//o///|///ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/j!//////ﾑ//∧_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ィ{// ∧/////,/ﾊ////}_

299 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:55:42.05 ID:clLvbUAso

　　 |:|:.:|:.:.:|:.:.:.ﾄ､＼:.}:.:i:.:.| ＼:.:.:.:.:.＼:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:＼＼:.:.:.:.:
　　 |:|:.:|:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:l:.:i:.:.ﾚ' ｲヽ.:.!´　ヽ:.ﾄ､/.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.＼:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:
　　　ｌ:ｌ:.:ｌ:.:.:ｌ:.:.:.l:.:.:.:＼＼:.ﾚ'　!/ﾊ !　Ｏ ':ﾚ':./ヽ:.∧ヽ.:.}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
..　　　l:.!:.:!:. :!:.:. ﾄ､:.＼:.＼ヽ　ﾑ｣i }!＿＿j:.:/ 　}/　!:.:.:＼:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　分かっている！
.　　　ｌ:ｌ:.:l:.:.:l:.:.:.l:. ＼:.:＼{＼＼￣}!￣　 }/　　'　　|i:.:.:.:.:.:. Λ:ﾄ､:.:.:.:.:.:
.　　　　!:.:.ヽ:.l:.:.:.ｉ{_弐＼:::＼ヽ　ﾘ　　　　　　　　ﾘ}:.:. /}/　}:|　i:.:.:.:.:　　　　　　　.邪魔をした！
.　　　　l:.Λ:＼:.｢二ｱ　}ヘﾍ＼　　　　　　　　　 |: /　　　i:|　|:.:.:.:.:
.　　　　l/　l:.:ﾄ､ヽ∨　 i　　､　　　　　　　　　 |/　　　 }!　|:.:.:.:.:　　　　　　　.失礼する！！
　　　　　　 !::!　∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑﾍ.:.:.:
　　　　　 jﾉ　　＼　　-‐‐　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　}:.:.:
　　　　　　　　　　ﾚー､　　　＿,-── ､,- ､　　　　　　　/三 /.:.:.:
　　　　　　　　　＼ヽﾆ´＿,ィ=─　ヘ r〉　　　　 /三 /7.:./
　　　　　　　　　　　＼廴＿　　　　　　　　　　　／三　 /イ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.!'´￣￣｀ヽ/　　　　　 i | | ＿_ ヽ }│ﾄ､　､　　V　／{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.!　　　　　/ /　/　　 ! l　l l | ヽ_/　l l_｣⊥∟ }　　ﾏヘ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ヽ､_＿__,ｲ　!　 !　 l　!_Ｌ.Ll_| 　o　「l/ﾚﾍハハ　 │　＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヽ│ !　 l　 'l´|,ハﾊﾊ|　　　　"了下孑^! .ﾑ|　　　ヾ⌒　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ￣|　! 　l 　 lく¨了卞1　　　　ゝ┴'＾ﾊ/リ　ヽ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂| ハ　{ヽヽ　ヽ上j　　　　　　　 /　ﾄ､　　｀ー--｀ー
　　　　　　　　　　そこのあなた　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾊ!　＼l/＼{ヽ　　　　　l、　　　　 / i　ﾄ､ヽ　　｀￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 / 　　 / 　　/＼　　　　ー '　　r1　l 　|　ヽヽ　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣7　　　 /　　//　　丶､＿＿＿／| |　ｌ　 |‐-､! }､＼＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　,ｲ　　＜¨￣￣￣　r|_　 , -‐| |　ｌ　 |__,.ｲ│ヽ､＿　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣´ 　　／/　　// ＼　　　 !　 Y　 __| |　! | |　/　ﾊ、　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿,.　'　/　　ｲ |　　ヽ　　　 ,!　「∨ヽゝＶ　N‐{　/７´￣｀ヽ　}

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　鍾会が帰ろうとすると、ようやく嵆康は口を開いた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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300 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 22:57:23.69 ID:clLvbUAso

.　　　　　人　　　 j,>'ﾞ / .l 　 r|　　l. ﾄﾐ彡', ､.　 ',　`‐､
　　　　　l　ヽ､__r'/./ / /.}　.ﾉ!　　 ' ﾄ‐ｧ　 ', ',.　 ',　　L__
.　　　　　〉-- ､ l/{ ' ./,ｲ_l,ゝ,廾.ﾄ,. ﾄ､|ﾟ　　 !､ l,　 l. |　､　ﾞミヽ,
　　　　　レ-､. ﾞ)　|. /!.Ll_ﾚt－ミヽl. ＼,-,ノ､｝j l　l　l} .ﾄ､　ﾚ'　',
　　　　 /　 ,ﾉ-/7~V .|{`!ﾞ　ヾ､ﾝ　　`　 ,. --ノ'j1 /ヽ,` | /`'　　 l　　　　　何を聞いてやって来たのかしら？
　　　　(ぅ／　//　/ /`　Yﾞ￣　　　.,　　;'ﾞ「~,Yキ' ﾉ'rヽﾄ､＿__,..-}
.　　　　　 |　l/　/ ん!. /ﾞ）.　　　　'ﾞ　　ヽゞﾉy' |1,ヽ､__　　,r‐‐|ﾞヽ　　　　何を見て帰ろうとするのかしら？
　　　　　　|.　!　 |./V-/ /.　　 t‐-,､_　　.,ｄﾞ .r|. ',l '.,　　ﾞY.　,.-{　 ',
.　　　　　　l　ﾚ　|.|　V .ﾑヽ、　 `ー'　　.,' ﾑﾑ,l　ヾ､ヽ、　 `^ヽ,.ﾞ>　l
　　　　　　 V　 ∧! f／>' ,) ヽ、　 _,..､-l. ﾚ;''ﾞ~','､　ヽヽ`ｰ､　　ﾞ'"　l
　　　　　／　 ./　ヽ|￣{. '　）ﾞヽﾆﾞ／､>! |'ヽ､__',ヾ;､. ヽ.＼ヽ　
　　　／　　,./ 　 _,ゝ　ヽ, ヽ():|()） ` ,}-.}|　　／ ',,.＼､　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　, イ爪＼.:.:.:｀ヽ.
　　　 ',　 r'"jゝ''"_,ノ,〉､　＼ ',.l/＿／ ,／`＜、　jl　　`ー--　　　　　　　　　　　 /.:|.:.:./.:.:.:|＼.:.:.:.:ヘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./.:..:{.:/|.:..:.:|.:.:.:ゝ.:.:|.:.:ﾍ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ノヽ/ rｧ.:.::i!..:.:.:.:.:.:i!.:..:.｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈,,、　￣ ',.:.:|./.:.:.:.:.:|.:.:.ﾑ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_　、　　 ',.:/ }.:.:.:/|.:.:.:/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |z‐´　　　／ソi|.:/.:.i!.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　　ｲ´ .|/.:.:.|ﾙ　
　　　　　　　　聞いた事を聞いてやって来ただけ。　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣!‐─´___＿/从ソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　,＜´::::::::＞::｝　
　　　　　　　　見た事を見て帰るだけだ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,＜´／::＞´:::::::ﾍ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .／::／::::-─-::::ﾍ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ＜´::／: : : : : :｀ヽ:ﾍ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::/:::/: : : :／: : : : :ヽﾍ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::/::./ : :／ : : : :::::::::::::::｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./::::::/:::｛ ::./: : : : : : :::::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::／:::::::|: : : /: : : : :::::::::::::::::::｝.

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　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.子供の喧嘩か。
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .知力高いんだからもっとマシな受け答えしろお
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

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301 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:00:39.43 ID:clLvbUAso

【紀元２６０年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　ノ　　　　　　　　　　　/　
　　　　　ヽ　　　　　　　　　 {　
　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　,ィ彡´￣￣:.:.:./:.:.く:.l:.ヽヽ、:.ヽ、:.:.:.:.ヽ、:下ヽ、__　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　}　／ノ,彡:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:/＼ヽ、ヽ:.ヽ、:.＼:.:.:.:.､ヽ:{　ヽヽヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　{ / /／7:.:./:.:.:.l:.:.:.:l::.:l:.:.:.:.｢ヽﾐ丶ﾄ､:ヽ、:.ヽ:.:.:ﾄ､:.!　i　ﾉ`ｰ┐
　　　　　フ　　　　　　　　　ﾚ //,..:':.／:.:.:.l:.!:.:.:.:ト､ヽ、:!:.:.ヽ｀T'ｰ-:.:ヽ、ヽ:!ハ!　!/　　ﾉ
　　　　　て　　　　　　　　　　 {/_./:.:/:./:.:.:.:ﾊ、、:.ヽ:ヽ:.ヽヽ:.:.:ヽ!}:.:.:.:.::.:.､ヽ(.　　　l　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　〉:/:./:.:/:.:.:.:.:!:.l:＼ヽ、ヽ:ヽ:ヽヽ、:ﾘ:.:.:.::.:.:.:.ヽト､　　　　　7
　　　　　　　　　　　　　　　{:/:/!:.:,':.:.:.:.:.:l:.:.!:.:.:.ヽ、:.､｀:.:.:.ヽｰ１:.:.::.:.:.:ト､:ヽヽ　　　フ
　　　　　　　　　　　　　　　}:!/::!/!:.:.:.:.:.:.:l:.:.',:.:.:､:.:￣:.｀:.:.::.:.｀ｿ:.ﾉヽ:.:.:l:.:.:ﾊ:!　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　{:::::::!7:.:.:.:.:.:./,L、､:.:.トく,ィ＝､ミ7:.ﾉ:.:.:.!:.:.:!りr‐}、　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　 }::::::::|:.:!､:.:.:.l:{!f;jヽﾄ=ｰ/ {(;:) 入ﾌιヽ/￣´;:':::::::＼　　
　　　　　つ　　　　　　　　　　〈::::::::::!:.Nヽ:.ヽ`¨´!｀ヽ~　｀￣　　　 /:::::;::'::::;;;::::::::::｀ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::/::::::ヽ、:!　|　　,ｒ　　　_..　　 /::::;:':::::;;;;:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　{::::::::::::/:::::::::::::ヽﾄ､ゝ..._　　　　　｀　 l:::;:':::::::::::::;:::'::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　}:::::::::::|:::::::::::::::;::::!:::＼ｰ､-‐￢´｀ヽ /;:'::::::::::;:::'::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　 {::::::::::::!::::::::::::::::::'::;:'::;:::ヽヾﾆ`ﾆン７:::::::::::;::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　 }::::::::::::!::::::::::::::::::;::::'::;':;::::::｀T＝ .ノ:::::::;::':::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　┃　┃　　　　　　　 {:::::::::::::|:`::::、::::::::l::::::::':::;:::::::ヽ､ /:::::;::':::::::::/:::::::::::::::::::::::/:
　　　　┃　┃　　　　　　　　 }::::::::::::::!:::､::::`:::::::!:::::::::::::::':::::／::;:::':::::::::::/:::::::::::::::::::::::/:::
　　　　・　　・　　　　　　　　　）::::::::::::|:::::!:::::::::ノ:::, --､__／:::;:::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::/:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 }:::::::::::::l:::::!::::::::/￣　　　/::::;:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::/::::ヽ:
　　ヽ、　　　　　　　　　＿＿_{:::::::::::/:::/::::／　　　　 /::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::;:::'::/::::::::::!
　　　 |　　,　--　、　／:::::::::::::｀::::::::::::/::／￣｀ー―/:::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::;::'::::::/::::::::::/:
　　　└'´　　　　ヽ´:::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::':::::::::/::::::::::::::::

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　鍾会はこれをひどく根に持ったと言われている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　この男の恨みを買うとどうなるのかは、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .蜀討伐での鄧艾の末路を思い出せば分かるだろう
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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302 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/23(日) 23:01:50.27 ID:Oew1JN4Bo

鍾会が気に食わないんならもっとやりようあるだろうにこれはダメだろう
門前払いにしてもちょっとフォローできんわ

303 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:02:47.82 ID:clLvbUAso

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　　　＼　　　　　　　　　つか鍾会って、前に夏侯玄にも軽くあしらわれてなかったかお？
　　　／　⌒　　⌒　＼
　　／　（ー）　（ー）／^ヽ　　　　　　　なんかイメージが変わるお。
　　|　　　（__人__）（　/　　〉|　
　　＼　　｀ ⌒´　　〈／ ⌒^ヽ　　　　　これじゃ名の通った名士ってよりは司馬兄弟の権臣だお
―――――――― ＼ _ _ ＿）　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､｀⌒ ´　　u　 |
　　　　　まあ、虎の威を借る狐みたいな所はありましたね。　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　、　　　ｲ
　　　　　本人にその自覚があったかは分かりませんが　　　　　　　　　　　　　　ｨヽ-ー　≦ノ7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"....:::::::::::::::::::::::::::ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::........--、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿.:::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r::::: {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r :::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀,::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V

304 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:03:56.72 ID:clLvbUAso

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　　＼　　／＼　　　　　　　　　それと鍾会もアレだけど、嵆康の態度もたいがいだお。
　　／　　　（ ●）　（ ●）ヽ
　 .l　　　 ⌒（__人__）⌒　|　　　　　　　　朝廷の高官相手にとる態度じゃないお
　　＼　　　　　｀ ⌒´ 　／
　　／　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.,ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (＝ ) (＝ )　　　|
　　前回少しふれましたが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　u　| 　　　　　　　⌒ヽ
　　嵆康は道家の学問、老荘の学に傾倒していましてね。　　　　　　　　　　'､　　　　　　　 |　　　____ 　,.-、ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,,.　-ｰ|　　　　　　 |ヽ__∠___ゝ」　r'
　　その日頃の振舞いも本人の信念はあるにせよ、　　　　　　　　　/ .::::::、::|　　　　　　 /ｨ::::〔 _,.-ｰ　｀'r-、
　　常識的に見れば、任誕・簡傲と言わざるを得ませんでした。　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　":::/:::〔／　　　 l:::. ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　」 ::::l:::::::::::::::「二二::::／ :::::::ﾄ､ y　　　|::::::. ',
　　数ある事例のうちのひとつを紹介しましょうか　　　　　　　　　　l ::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　　　　l:::::::: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / :::::;;:ｰミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､＿ノ L::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く:::::::::::::::: i::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 :::::::::::::::: ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ::::::::::::::::::::/　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::V :::::::::::::::: |
　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　任誕は自由奔放、簡傲は傍若無人という意味がある。
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　でたらめ放題・信条の違う相手を見下すといった意味合いにもとれる
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

305 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2012/09/23(日) 23:04:34.65 ID:OUzUDtUJo

なんか、劉巴と張飛のエピソードを連想したな。

306 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/23(日) 23:05:11.56 ID:kWy9UNxg0

もともと鍾家は司馬家より名門だったからプライドは高かっただろうな

307 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:08:16.52 ID:clLvbUAso

【紀元２５５年１月　魏　司隷　河内郡】

　　　　　　 _,. -‐'"_,.-‐'⌒ヽ/⌒｀´ヽ⌒ヽ、
　　　／￣｀ヽ,r一'　　　　,ﾍ,,∧　　　＼〃}
　　 i=＝ﾆニ/,　/〃　 / |｀ ▽ |ﾄ､ l　　ヽ_l
　　 {__,　　 ] |　| | |_!_｣L|　｡　,!| Hﾄ | i ﾄ､>、
　　ヽ_｀ｰ-'i　l　l_!ﾊ |　ヽ!　　　　j∨ﾚ l/　ヽ>　　　　　　　　ねぇ山濤殿。
　　　 l二ン{ ﾊﾄ､!_,ゝﾆ,_　　　〃⌒{/
　　　 /　/　ヾﾆlヽ|　´￣｀　　　ヽ　　!|　　　__　　　　　　　　毌丘倹将軍の檄文読んだんだけど、
　　　｀ﾌ´　　ﾊ l|　ヽ　　　　r‐┐　／ヽ　 / /　　　　　　　　なかなかいい事書いてあるじゃない。
　　　 /／　/ ゝ|　　ト､＿　ヽノ／￣ﾌ ∨ /
　　 /'　　/　「l 　ヾ￣｀i|‐-r'´　　/ __/ _{__　　　　　　　　私も助太刀してこようかしら？
　／　　 /　 _｣ |> ﾄ､|　　l|｀Ti|　／r' ノ/ ___}
／　／ /　〃⌒ヾ、ヽヽ〃　L|　/ﾆ } 　} /____}
　 /　　| l/　　　　ヾﾆ=ﾃﾊ //　＼ヽヽﾊ Lr- j
　/　　ﾚ　　　　 | |_l_l 〉/　　　ヽヽト､____ノ　　　　　　　　　　／　　　 /　/ /　　　　　　ヽ　　　　　＼　|　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 /　 /　| 　　　 | |　|　| 　 l　　　 V 　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　/　/　|　〃　| |　　　　| |　|　|ｌ　 |　　　 !　　＼　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,'　 l 　|　 ||　ﾊ　|| || |　　 //| j|　||　j||　 l　 |│ 　　　＼ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾊ　 ||　|─||十ヽ￢ト||　　///ナT Tフ厂/　 | ﾊ.　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ! ヽ ||　ヽ十rﾄr〒=ミ!ヽ∨　〃ｨ_テTヾ|z/　 j/| ヽ　　　 |
　　　　方々に迷惑がかかるのでやめてください　　　　　　　ヽﾄ､　ﾄ､|｀ヾ:::::::ﾉ　　　　 {:::::::ﾉ　ﾚ/　/〃　ト、　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼| ト-､ "´　　　 i　　　￣r‐ｲ/∠.ノ　　 |　＼　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　レ|｀､　ll 　　　__　　　　〃 ,ｨ　レ'´￣｀ヽｌ　　ヾ､j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　'´￣￣ヽ|　|　＼||　　　　　　　　〃／ |　|　　　　　＼　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 rｔ─ ､レ1入ゝぅ丶､　　　_, イフﾄイ.j　ﾚ─ ､　　　　｀､　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　,　-‐┤　＼＼|＿__Yし⌒V丁l⌒し〃rイ　 |　　　＼　　ヽ |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　嵆康の友人　山濤

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .毌丘倹の乱の時、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　嵆康は友人である山濤殿に毌丘倹に呼応しようかと相談します。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　さすがに制止されて自重したそうですが、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .曹家の娘を妻にする身にしては軽率な発言です。
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　相手が山濤殿でなく鍾会なら密告されかねません
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

308 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:09:31.68 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　/ （0)(0）ヽ
　　　　　　　／　⌒｀´⌒　＼
　　　　　　　|　,-）　　　　（-、.|　　
　　　　　　　| l　ヽ＿＿ノ　l |　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　＼　｀ ⌒´ 　／　　　　　　　　　　　　お前さんは多才なのに見識が乏しいっていう。
　　　　　　　　＞'1ミ二彡＾ヽ、　　　　　　　　　　　 .
　　　　　　　/　　个ーイ　彡ヽ　　　　　　　　　　　今のご時勢で災難を免れるのは難しいっていう
　　　　　　/　 i　　ﾄ/ミy＠┬　ﾍ
　　　　　 /|￣|ﾍ／　,h　　/|￣ |
　　　　　 7|＞ '　／ｎ　`タ._ｋ　 |
　　　　　　ゝ _ ／彡ｲ `～､...,,＿}
　　　　＿＿　＞彡　'＿ゞ＿ゝﾆゝ､＿
　　　＜　ミ三三彡彡へ r‐ｧニ三彡ハ　　　　　　　　　　　　/　　　//　　　　　　/ /　　　　|　　　ヽ　　ヽ　　ヽ
　　　〉ｰニ二三彡彡１　ｌ　ｷﾆ三二－ｦ　　　　　　　　　　　　|____／/　　　 /__/_| |　 ▽　　L..L|__　|　　　 l　　　|
　　 f⌒Y⌒⌒Y⌒⌒Y⌒⌒Y⌒⌒Y⌒ﾊ　　　　　　　　　　　　ヽ、　|　 |　/'´|　/!ハ|　　°　 | /|ハ｀ト|､　　|`ーｧ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / `ｰ|　 |´|| L|/=|L |!　　　　　l/ ﾘ=V/| |　 |　|く　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/`ｰ/||　トﾚ|!:__ﾉ:::ヾ　　　　　　'/:__ﾉ:::ヽヾ　|　j||‐‐ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ''　|ヽ　|〈 |:::i||||i:::!　　　　　　 |:::i|||i::::| | /| /|| ￣
　　　私が来てこのかた、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∧　　ヾﾟ:::::ノ　　　　　ヾ::::::ノ　ﾘ.|/} ∥
　　　一言も口聞いてくれなかったのはそういう事か。　　　　　　l/i |.ヽ　ー '´ 　　 ,　　　　'''‐‐-　/ ﾚ'　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　`'i ヽ　' ' ' '　　　　　　　　' ' ' '　/　|　　ヽ
　　　自覚はあるけれどなかなかねぇ　　　　　　　　　　　　　　/　　/ |　`i ､　　　　　 c　　　　　／|　∥　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　l　ヽ　|　`丶､　　　　　　,. -'´ ヽ|　/|　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 |　/|ヽ!===|　｀ ┬r ''´　ﾄ､　 | |ﾚ'　|　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ. 　　|　| |　|| || |　　／　　　　||｀`=| l　|/ rイ

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　こういう振舞いを重ねる嵆康に対し、
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　近くに住んでいた隠士の孫登はこんな事を言ったそうです。
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .後々嵆康はこの言葉どおりの最期を迎えます
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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309 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/23(日) 23:09:46.28 ID:pGIl3gdw0

>>302
『世説新語』ネタだから誇張はあると思うが、普段は「あの人はああいう人だから」で済んだんだろう。
でも、鍾会はただで済ませる人ではない。

310 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:11:24.48 ID:clLvbUAso

【紀元２６０年頃　魏首都　洛陽】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　 _ｨ '　´:.:.￣／:.:.:／:｀ 'ー　､
　　　　　　　　　／:／:.:.:./:.:／／／:.:/.:ヾ:.､:.:ﾄ:.ヽ
　　　　　　　／::::/.:.::::::///:::/／..:.:/.ハ:.:.:＼ｙ:.:i:.ヾ､
　　　　　　　/:::::::/／:／| |::::/:／::::::|:.:.:.:.|:.:.:i:.:.|:.入:.＼',
　　　　　　 //:::://:::/::::::| |://::::::/::::|:.:.:./|:.:.|:.:.|:/:.:ﾄ:.:.:∧
　　　　　 /:{::::/::{::::|::::::::ﾚ//:::::://::::|:.:./:.|:.:ﾊ:.:/:.:.:.|:､:.:.:.ﾊ
　　　　　 {/:::/:/:::/:::::::::://::::::::/:/::::ﾚ:::::::|:/::|:.:.:|:.:.ﾊ:.:.ヽ:∧
　　　　　　V:.:|::i::://:::/:::::/:::::／/::::/::::::::/ハ.|:.:/:./ｲ:.|:.:.ﾄ:.:.|
　　　　　　 V ゞ:::/::::／::/:::/::::/:::ィ:::::::://::::/:/:./ﾍ:.:.:|:.:.|､:.:|
　　　　　　 |:::::＼::V:::::/:::/:／::／/:::://::::/ィ:::/:.ﾊ|:.:ﾊ:.:ハ:.|
　　　　　　 .ハ::ヽ:::V::/::∠_/∠ ./::／/:／-/∠‐/|::ハ:ｿﾊ::.|　　　　　毌丘倹の乱における態度を理由に……
　　　　　　　|:::iヾ::::::V／＝t-ｧ-/::／／　ィ'弋フ //ﾚ:/::/|/
　　　　　　　ﾚ:{ヽヾ::ヽ　｀￣￣／　 |　　　￣´　//::/／　　　　　　 .いや、それでは弱いな。
　　　　　　　ﾊ廴ゞ､:ﾐ､　　　　　　 |　　　　　　　/:://
　　　　　　　　　>:ーﾄヾ　　　　　　.|　　　　　　/:::ｨ､　　　　　　　　相手が相手だ
　　　　　　　／／}:::::>､　　　　　　 '　　　　　　ﾉﾊ ∧
　　　　／／　ﾊ::i　＼　　　＿　＿　　　 .ｲ:/ | ＼＼
　　　　 /　/　　　 Vj　　　＼　　　ー　　／ .| } ||. 　＼＼
　　_- ‐/　/　　　　V　　　　＞､＿　, イ　　 |V/　　　＼∧＿
￣　　./　/　　　　 V　　ヽ　　　　 i　　　　　.V　　　　　＼＼
　　 /　/　　　　　　　V　　､　　　 l　　　　　/　　　　　　　＼＼
　　./　/　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　|　|
　 /　/　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　／　　　　　　　　 |　|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　嵆康の態度を危ぶんだのは孫登に限らない。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　鍾会の一件の後、山濤が嵆康に仕官を誘った事がある
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

311 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:13:14.93 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　 /{　　_　　　　＿
　　　　　　　　i {　 /　｀.＜-===厂｀Y⌒＼___　/{
　　　　　　　乂､人　　　　＼=.{　　 Ⅵ　　） i/ .{／ヽ
　　　　 ..,イ　 .八 .＼　｀ミ.　ヽ）　　 Ⅵ ./___　/　　/
　　　　〃　 /　＼　＼　　「　　）气／ｲミ､ヽ.／圭圭}
　　／　　　 /　　　＼　　〈-‐===={{ （ｨ⌒ ）.}}/⌒＼/
　　/　 .'　　.／ -=ミ　　　＼zz､ヽ圭圭}}{､｀Y＇ノ圭ミ､
　 /　　{ 　 /　　__ .､　　　　.＼　}圭／厂}ヽ=‐彳￣＼::＼　　　　　山濤殿は嵆康と親しいそうね。
　 {　　 i　i { 　ｨ斧ﾐ､　　　　x弐ﾐ､ー,　/　{圭{　　　　ノ＼::＼
　　　乂 ‘， {{ r'Yi　　　　'　つｨ:>､Yヽ./|圭{　　　 /　　　ヽ :}　　　なんとか彼を招聘できないものかしら？
　　　　　ヽ.i　.込ク　　　　　 /.ｒ':::Y}}乂　 |圭＼ -='　　　　 }: }
　　　　　　　`¨　,　　　　 i込zﾂ.ﾞ　} ／⌒ヽヽ　　　./ノ
　　　　　　八　　　　　　　　　｀¨　　 / i ﾑい丿.圭>
　　　　　　　＼　　､　　　　　　　　　ｲ .ﾉ／⌒ヽ:／）
　　　　　　　／　　　　　　　.＜　／　　,ｨ　　　.（　　　　　　　　　　　　　／ fr=一／　　　　＼
　　　　　　　　 `=:::::::::夭三三／　　／ '　　　／`　　　　　　　　　　　　　 /〃ﾑr_／　（{ ○ }）　＼-､
　　　　　　　　　　／:::::／　　　 {　. ／　　　　イ　　／⌒＼　　　　　　　　　　{〃（_（_r‐Y⌒Y⌒⌒＞f⌒Y　Y._）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　／ﾞｰ'ゝ=○O=（__）（__）ｰく._））
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　/ ／　 / |　　　　　　、　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i./　/ ///l_,ﾑ-|l､|l　　!,.|‐ト|l | ＼ i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /l! ./ｲﾊ| | |,r≠xＮ|、从ｨ≠ｘ|.| l|ﾊ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ :l| 　 |　l从!　ﾋｔﾀ　　　ﾋｔﾀ从ﾘ　ﾘ
　　　　　ちょうど私の後任の吏部郎が決まっていません。　　　　　　　ｆ　 !l 　 |　　| ﾄ､┐　　 '　　　rｱ| | |!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ./|ﾊ　 ! 　 | |　|`　 ._‘’_. ィく　| | |!
　　　　　そこへ嵆康を誘ってみましょう　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j/.｜iﾍ｜厂| ﾄ､j〈勺辷Y戈ｳ_}_,! !_ヾx、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　 |｜ V　,小!ｲ勿⌒にｉｺ⌒j勿/|　　｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　 ,! | /　 { ,| |　　,.へ.{{ }}　　ｆ' 小、　　} ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　 /ﾊ.厶ニﾑ.! !ﾆﾆ| ⌒ｸYニニ{ｲ}.|ヾニﾆﾑ.　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　/　/　　 / |/:{　　　 Y}　_,!　　 ,ﾊ.〉　〈iｆ｜　　　/　　　i}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ィ/　　 /　.!　ﾊy′　ﾘ/__＼__,ﾊ-{　　 jﾊ.'　「 r′　　 .l|

312 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:15:01.50 ID:clLvbUAso

【紀元２４０年代　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　　　　　　　　　　太傅。
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　　　　 .我が一族に山濤という者がおりますが、
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　　御子息方と共に天下を治める器量を持っております
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 y'´　　　　　､　　l　lゝ〃{jx　》　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　 l　　　　ｌｌﾑ斗-l lヾ〃ヾx､___,　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　/　　 !　　　 ll l/ィﾊﾚl 《　 l　￣´　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　 ;{　　l l-､ﾄ､ l､/ ´弋リ/ｲヾxl 　　　　＼
　　　　　　あなたの所は小さな一族なのに、　　　　　　　　　　　l 八ﾄ､　l ﾍ'示､　　　 '´　l　 l　　　　　　、　＼
　　　　　　どうしてそんな快男子が出るのかしら？　　　　　　　 l'　　　ヽ!ヽヽゞ' 　 ,　ﾍ　　, l　 !　ヽ　　、　＼　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　lﾄ､　ゝ　ﾉ ,.ｲ l　l　ヽ　 /´｀ヽ　　ヽ　
　　　　　　面白そうだから連れて来なさい　　　　　　　　　　　　　　　 .l　､　ヽ.ﾐ≧ ‐- 'xｭ､l /::ゝ-イ:::::::::::::寸　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　ヽ　ヽ　_,ｨ二ﾊ //:/7::::::::::::::::::::::::::ヽ｀､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽ /::::::〃i {j/:/<{:::/::::::::::::::::::::::::::::｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　/:::::::〃ﾉ{j"　 <!:{::::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　太傅　司馬懿（字：仲達）

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　山濤、字を巨源。司隷河内郡懐の出身。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　幼少で父を亡くして困窮したが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　その器量を見込んだ一族の者が司馬懿に推挙し、認められた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　司馬兄弟の母方の祖母が山濤の大叔母にあたる親戚筋だが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　そうした立場に安住しない、心が広く度量の大きい人物だった
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

313 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/09/23(日) 23:15:35.02 ID:JDxyXu/m0

鍾会ほどあふれ出る才能に反比例したクズ人格って中々ないからなー
どんなフィクションでも鐘会のキャラ付けは史書のほうが面白いって言われる始末

314 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:17:09.52 ID:clLvbUAso

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　　　杜預さんのお仲間かお？
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　_ノ　,ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　山濤殿もまた老荘を好みますが、　　　　　　　　　　　　　　　　.　＼　　　|　　　　（__人__）
　　　　嵆康と異なり奇抜な振舞いはしない人でした。　　　　　　　　　　　 .＼　　.|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　＼　ヽ　　　　　　}
　　　　信念には忠実でも狷介ではないといった所でしょうか？　　　　　　　　 .＼_,ゝ　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／, r､　　　　く
　　　　無欲で無口な反面、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　〈　＼　　　i
　　　　人を見る眼にかけては右に出る者はいませんね　　　　　　　　　　　　ヽ､ .ヽ　＼ i..｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.て_）　　＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　嵆康と山濤、そして阮籍を加えた三人は金蘭の交わりを結んでいた。
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　山濤自身、「友に値するのはこの二人だけ」と言っていたりする
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

315 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:18:36.10 ID:clLvbUAso

【紀元２６０年頃　魏　司隷　河東郡】

　　　　　 / ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:ヽ､ﾑ: : :.:Ⅵ
　　　　　 /: /: :/:/: :.,: : : : ,: :l: : : :|:,: : :,: ､: ∨:ﾏﾑ: :.:.|ﾑ
　　　　 /: /: :/:/: : :!: : : /: :/: !: :.|:{: :.:|: :'，: ヽ:ﾏﾑ: :.|/ミ､
　　　　 ;': /: :/: :!:.:.:|:|: : /: :/: : |: : !:|: : |: : |:}: |ﾑ:{ﾏ: : |///　　　　　　お父様。
　　　 |:{:!: : !: :ﾊ: :.|:|: :T: Tヽ:/!: :.|T: :T: /7: }: :|: }: : :|//
　　　从|: : |: :|:{: :从{ｨテtｫ､　': :.}ｨテtｫ､/:ｲ:,i:ｲ: ': : :|/!　　　　　　　どうして急にお引越しを？
　　　　 /:|: : |: :{:|:､:.下{;;;;;;刈 ,' : / {::::::刈 }: /:| |/: : : |/}
　　　　./: :乂:{乂:ﾄ､: ﾑ弋こｿ/: :/　弋こｿ/:ｲﾊ! |: : : : {´
　　　 /: : : /ﾘ: :ヾj ＼ﾑ　／イ '　　　 {/:./　 |: : : : ::.
　　 ,:': : : : : : : :/　　 |: ﾄ､　　　っ　　 ,ｨ: :/　　{: |: : : ::.
　 ./: : : : : : : :/　　　 ,: |　｀_ｧ　＿　ィ　/:,　　　|: |: : : : :.　　　　　　　　　　ｲ:::;;≧三ﾐvﾘ}_ﾆ、三三≧､
　,: : : :/: : :.／　　　　|: | /　　 /Yﾏ￣Y:./ 　　 |: |: : : : :i　　　　　　　　〆ﾒ元ﾗテ三ﾐ仆三ﾐy､彡三ミ＞-.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／孑升|l〃//∧/「｀〉7ﾘ仄fﾍ／:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　尤从川///`ｰ=|,ｲ〈ﾘ川Tﾍ{:{::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　／l|/ｲ||∠ｲ/　l> ﾉｲl|!|lｲ川从ゝ:::::::::／:::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l| ||!ﾘ≠k、ﾟ／/刈ﾘ| || }ﾚﾘ∧＼:::::::::::::/
　　　　　　　河内郡は司馬家のお膝元だし、　　　　　　　　　　　　　　　||lﾊfcﾀ　　　 ,=メ､!」|,ﾙｲ｛l ヽ／￣∨
　　　　　　　洛陽に近すぎるせいか騒々しいのよね。　　　　　　　　　　ﾘﾊ " ,　　　 {!fc弋y〃| !ﾘ∧:::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃_,ﾍヽ:┐　　"￣／{　!/〈 l∨⌒{
　　　　　　　ここなら山を挟んでる分、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,ﾊ_ﾄ,＼´　　　_ イ{ﾘ从//ﾉ｝ﾘゝ　 !
　　　　　　　静かな暮らしができるかなって　　　　　　　　　　　　　 .{ヽﾍ l | // 　〕ｰ＜_ﾉ八{ /ｲｲイ〃ﾊﾍrﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}｀ﾍﾉl_|　! 「￣,「￣//＿ゝイ|ﾘ川lｲ!∥ﾄ､ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　ヽ　 / i:|:::/ハ::::〃⌒ヾ､lﾉ/ﾘ | |ll∥|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ､.'..〃 /:ﾚ'/:::／/ 　　　∨ハ!| |ll∥|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　言わば山濤は無二の友に仕官を勧めたわけだ。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　また、嵆康によれば、呂安を介してこの仕官話自体は知っていたらしい
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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316 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:21:09.40 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　＼＼
　　　　　/　　　 / ））））　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　/　　　／＿ ⊂ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽヽ　|＼
　　　/　　　/|＼＿／￣￣＼_／|　　　　　　i 、、.　| ヽヽ　|＼　　|　　＼
　　/　／　＼＼＿|　 ▼　▼ |_／　　ﾄﾞド　|ヽ　　|＼　　|　　　　|
　 / ／　　　　＼　　＼　皿／
　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 ⌒＼　　　　嵆中散のお宅ですね？
　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　／>　>　
　　　　　　　　/　　　　／　6三ﾉ　　　　吏部郎の山濤様からお手紙です！！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . -‐: :¨: :‐'-: : : : : : : : : : : : : : : : : ｀マﾆﾐ､: : :.i::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀マﾐ､: :|:::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : :-‐. : : : : : : : : : : : : : : : : : ::ｌ: : l: : : : : : ﾑﾐ : :|:::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 /:／': : : : : : : : : ｌ: :ｌ: : : : : : : : |: :|: : |: : : : : : : :}:}: :|／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/ /: : : : :': : :': : :|: :|: : |: : : : :斗:十:-!ヽ |: :l.: : :': : :|::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　′: : :': : : ': : 斗:十:-!∧!: : :'ｘ≠ミｘ }::|: :|: : :'.: : :!:::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{: : : :': : : 从: : :|,ｘ≠ミｘ |: :/　_,):ハ .|: }: :|: :/: : : |＼{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从: : |: : : :l: :＼Ⅳ _,):ハ !:/　乂_ソ　!/: :ｌ}/: : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼{: : : :Ⅳ.:∧　乂_ソﾉ' 　　 ""　'}: : 从.: : : : :|
　　　　　　　　……できそうにありませんね　　　　　　　　　　　　从: : l丶: :∧　"" 　　'　　　　　,|／|/|.: : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼{: :|＼圦　　　｡　　 ,ｲ ': : | .|.: : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : : |: : :ヾ `　. ,　　_　イ´|: : : :| .|.: : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : _ﾉ: : ﾉ　 _,r'´l　　　　i｀v､__: :| .l: :__: : :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: ／{: : :{`ｰ'.!　　ヽ -v- '　　　i`‐- ' 　 ` |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/　｀ヽ:.`ヽ !　／{:_:_:_:_}＼　 | 　　　　∨

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .結論から言えば、嵆康は山濤の仕官の勧めを断わった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　その際に書かれた返書が……
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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317 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:21:43.29 ID:clLvbUAso

　Ⅵ:.:.:|:.: ｉ:.:.:.:.:. ｌ:.i:.:.:./|:.:.:.:.:ｉ:.:. |:.: /:.:.／　　　　!: :.／　/／　 /'
　　|:.ｉ:.|:.: |:.:.: : /:,:|: /　!:.:.:.:.ｌ:.:.:.|:.:.ｉ／　　　　　　 < 　 /　　／
　　|:.!:.|:.: |:.:.:.:/:/ ｌ:.|　ｌ:.:.:.:.|:.:.: !:. ｌ　　　　　　 '
　　|ハ|: ,:|:.: /:/　 !:!　 l:.:.:.:.|:.:.:.ｌｌ: ｌ　　　　　　,...:´ｉ
　　'　 l:/ |:.∧′　|| 　 !:.:.:.:|:.:.:ｌｌｌ　　　　‐,-':.ﾊ: ｌ
.――く′|:′　　　!　　:. :.:.:ｌ:. ｌ　!:!　　 /´:.: /　} !
: : : : : : : : : ､　　　　　　〉:.:.!: |` ｌｌ　　 /ｌ:.:.:./　 j/
: : : : : : : : : : : : ､　　　 / :. :.:. |　 !　｀´　!:.:,'　 /'　　　　　　　　　　　……『与山巨源絶交書』である
: : : : : : : : : : : : : :＼　 i 　 :. : |　　　　　ｌ:.i
: : : : : : : : : : : : :. :. :.＼!　　 :. |　　　　 !ｌ
: : : : : : : : : : :. :. :. :. :. :.＼　　:|　　　　　　!
三≧=- ､: : : : : : :. :. :. :. :.ヽ　＿
三三三三≧ ､: : : : : : : : : : :<ｉ:ｉ:ｉ:ｉヽ
三三三三三＼≧: ､: : : : : : :.Ⅹｉ:ｉ:ｉ:ﾍ
三三三三三三＼三＼: : : : :. :.Ⅹｉ:ｉ:∧
三三三三三三三ヽ:三:＼: : : : : :Ⅹ:i:∧
:三三三三三三三∧三三＼: : : : :.Ⅹ:i:ｌ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／─　　 ─　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　絶縁状かお？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　（__人__）　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　 '､＿＼　／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |＿＿＼　 “　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＼_／

318 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/23(日) 23:23:00.06 ID:Oew1JN4Bo

またすげえ名前の絶縁状だな

319 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:23:45.09 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　｜　　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 .|　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　いや、ちょっと違いますね。
　　　　　　　　　　　|　　　　　　　|
　　　　　　　　　　.|､　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　この絶交は、世との交わりを絶つという意味合いです。
　　　　　　　　　 [::.ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　_, ､-一 :::"＼　::::::::::::::::7、___　　　　　　　　　　　文人としても知られる嵆康が、
　　　／ .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ__　　　　　　　 .己の思想信条を山濤殿に説いた名文ですよ
　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::..＼ __
　 .i :::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::.. ＼_
　 i ::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀::...､
　 l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::/::／::::::::::::::::::::::.. ｀ヽ
　 l ::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::´::::::::::::::::::::::::::／::::::::: l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :.ｲ : /: :./ : /:. :.i:. :. :. :.|: : : : : :＼:.ﾊ : : : : ｉ : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/: :/:.:.:.′:.ｉ : : i| : : : : |: : :ｉ: :. :. :.ヾ:|:. :.: :.:|: : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / : :ｉ: : :.|:. .:.|:. :.ハ: : : : ﾄ､: :ヽ: ＼:. :.|:. :.: :.:|: : : :. :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′:ｲ: :. :.|:. .:.|! /＿_､: : :ﾊ_＼_:ト : ヽ |:. :.: :.:| : ｉ : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: / |:.:.ｉ: :|:. :.:ﾊ′　　＼ ∧　ヾ　　ヽ|: : : : :! /: :i: :ｉ:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ . l : |: :|:. :.|ｘテ云　　＼才示伝ﾃ:! : : : : /Ｙ:.l!: ト＼
　　　　　全文紹介したいが何分長い。　　　　　　　　　　　　{'　ﾊ: |l八: :.! 弋:rﾀ　　　　弋:_r夕　| : : /ｲ　} ハ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ハ: i:小　　　　,　　　　　　ｲ:.:.:/　イ/　}'
　　　　　他に取り扱う事柄もあるので、　　　　　　　　　　　　　　　　 |ハ: ﾊ　　　　　　　　　　　/ ｊ: :/´ ∧:.ｉ
　　　　　特徴的な部分だけ抜粋して紹介しよう　　　　　　　　　　　 l:i : :..　　　 ‐　　　　ｲ: /ｉ: ｲ　ﾊ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从ｉ: :.＞.､　　　　＜ / ｲ:ﾊ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: |　　ｰ＜　　 /'　＜￣:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ|　　　　}ハ　　／:. :. :. :. : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ}　／ :. :. :. :. :. :. :. :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:. :イ:. :. :. :. ´ ￣￣｀:. :.ヽ

320 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:24:41.79 ID:clLvbUAso

【『与山巨源絶交書』＠山濤との違い】

　　　　　　　　　　　 ,-‐‐‐--‐‐‐-､_
　　　　　／⌒Y^｀´⌒ｖ'⌒　‐-､_ﾞ'‐- .､_
　　　　　 {ヾ／　　　∧,,^､　　　　`ｰ､ /´￣＼
　　　　　 i_ノ　 l　／|l ▽　| ヽ　ヽヽ　ヽ二ﾆ＝=!
　　　　　,<／! l　| ! 　 l! ｡　 | !l__i_| | |　| i　　､_」
　　　 </　 V リﾘ__　j　　り　|∧|_|　| |`-‐´_/
　　　　　　　 |x'⌒ヽ　　　'⌒ヽl i l∧ﾄ､二}
　　　　　　　八　　　　　　　""" ﾘ |　ヽ　ヽ〉　　　　　　　あなたは物事のすべてに通じていて、
　　　l￣ l 　 l ￣|＞　.　「￣}　　イ　ﾉ　　＼ヽ.　　　　　　　寛容で物事を訝る事の少ない人。
　　r┴‐┴‐┴‐┴‐┐ﾇT￣ 7´〈（r'iｵー、. ）　＼
　 └───r～'⌒ー-r' /≠:◇::＼i!__　　〉　　＼＼　　　　私は本性に忠実であろうとして、
　　　　　　　　`⌒ヽ、　 >（:::::::::::::::::::>/ ／　　　　i　 |　　　心中を狭くして堪えられない事が数多くあるわ。
　　　　　　　　　　　 `ｰ''　ヽ::ヽヽ:::{　⌒)　　　ﾉ　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::ヽヽ:::|i～く　イ (´　　　　思いがけない事から、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::||.／ヽ　!　）　　　　あなたと付き合うようになったに過ぎないのよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ:::::::i:::: ::|ﾄ､____i
　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::l::::::::||.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::l::::: ::||i.:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　／;;;::::::::::l:::: :::||l.:.:.:.i ∧
　　　　　　　　　　　　　　　⌒7へ;:_:j____::ｌ|:l:.:.:.|:::::;〉
　　　　　　　　　　　　　 ,. -くつ.7 ￣￣　 |==i´
　　　　　　　　　　　　　( _____ｧrj 　　　　 /　7}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i⌒'/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー'

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　嵆康は文の冒頭で、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　今回の件に関して、山濤が私の気持ちを理解していないと記す。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .そして、私の真意を汲んでほしいとばかりに筆を走らせている
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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321 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:27:05.46 ID:clLvbUAso

【『与山巨源絶交書』＠君子の在り方】
┏─────────────────────────────────────────┓
　君子の行為はそれぞれであって、その進む道は異なるものでありますが、至る所は同じであります。

　自己の生まれつきを拠り所として行為し、それぞれの心の落ち着き所を見出すものです。

　従って、生涯を官界で終える人があり、
　生涯を山林で隠者として終える人があるのであり、それぞれに立場があるのです。

　例えば延陵の季子は、子臧の節義ある処世態度を心から尊敬しており、
　司馬長卿は藺相如の志尚節義に強く心惹かれておりました。

　心の思いが自然に引き付けられるものには、誰もそれを妨げる事は出来ません。

　私は尚子平や台孝威の伝記を読むにつけ、
　深くこれに心引かれ、この人々の姿を心に想い描いているのであります。
┗─────────────────────────────────────────┛

..:: : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :丶.: : : :ﾏﾐ､丶
..:: ,: : : : : : : : :' : : ': : : : : :': : : : : : ヽ: : : ヽﾐ､:::＼
..::, : : : : : : : /: : /: /: : : /: : : : : : :}: }: : : : ｌﾐ､:::::::〉
::, : : : ': : : :/: : /: /: : : / : : : : : ': :|: l: : : : |ﾐ:}:::::/
:,:: : /: :斗/-‐/‐/-: :.ｲ. : : : : :ｲ-‐ｌ‐l-: : : }::ﾉ／＼　　　延陵の季子は春秋時代の呉の公子季札、
:: ::/|: : : /: : /: /: ／/: : : :/: /|: :/:/|: : : :/ !::::::::::/　　　聖人君子として知られる有名な方。
:::/: |: : / ,ｘ≠ミｘ　./: : : :/: /x=ミ/ .!: : :/: :|:::::::/　　　　
,/: : !: /Ⅳ　,_ﾉ/ﾊ /: : ／／,_ﾉ/ﾊ　,!.: :/. : :|＼{　　　　 .司馬長卿は前漢の文人司馬相如の字、
.､: : |/: | 　弋//ｿ/::／／　弋//ｿ/:|: /. : : :!　　　　　　趙の藺相如に憧れて改名した事でも知られています。
　｀ .|: : |｀ ,:,:,:, ／／´　　　 ,:,:,:, /: :!/|.: : : :!
　　 |＿|､___／ ´　　　　 '　　　,ｲ: : :| .|.: : : :|　　　　　　尚子平と台孝威は、
　　 |: : ￣＼　　　　　～　イ: :|: : :| .|.: : : :|　　　　　　山に入って薬草や薪を採って隠棲した方々です
　　 |: : | __,ノ＞　　_　　＜__|: : !: : :! .!.: : : :!
,r‐‐'!: : !:ヽ　　　　　　　　　 l: : |: : :| .|.: : : :|
　　|: : ﾄ､:::＼　‐- ､　　, -‐ |: : !: : :!` ､.: : :|
.　 , |: : l　＼:::＼,r‐r‐r‐r‐／!: : !: : :! 　 V: :!

322 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:28:08.96 ID:clLvbUAso

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/　　　　　　　　ちなみに、嵆康は文中で君子として他に以下の名前を挙げている。
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　　　　　　　　　　尭と舜、子文、柳下恵、東方朔、孔子、接輿、老子と荘子、張良
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼
./: : ＼＼ヾ-〃　/∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　 ⌒　　＼
　　　　　　全員立派な連中だけど、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）　（● ）　　　ヽ
　　　　　　一括りにするには生き方が全然違ってないかお？　　　　　　　　　　|　⌒（__人__）⌒　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　自己の志を貫いた点では共通していると嵆康は述べています。
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　 .私には私の生き方があると言いたかったのかもしれません
　　ヽ　　　　　ノ
　　　.>　　　 <
　　　|　　　　 |
　　 |　　　　 |

323 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:30:06.77 ID:clLvbUAso

【『与山巨源絶交書』＠自身について】
┏──────────────────────────────────┓
　幼い頃に父を失い、母と兄に甘やかされて、経書の学問は身についておりません。

　生まれつき怠け者であり、筋は鈍く肉は緩く、頭髪は一月に十五日間洗いません。
　痒さに堪えられなくなるまでは洗おうとも思わないのです。

　小便はいつも我慢の限りを尽くすまで立ち上がらず、
　腹の中が引っくり返るまでになって、やっと立ち上がるのであります。

　また、だらしない生活を続けてきたおかげで、心は傲慢、
　その粗略さは礼に背き、怠け癖は出鱈目さと重なり合ってしまいました。

　それでも友人たちの寛大さで過失を咎められずにすんでおります。
┗──────────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　Vl 　 _ ∠.. rｧﾆミ､::::::l
　　　　　　　,. - ｧ'^ゞ´:.:.:.: 　　｀ヾ7ヽ::l
　　　　　／:.:／:.:.:.:.　　　　　　　 Vﾊ:l
.　　　　 /:.:.:/:.:.:　　　ﾄ､ヽ_ ﾍ　ヽ:.:Vﾊヽ
.　　　 /:.:.:/　　　ｌ　　 l ´lヽ:.｀ｌヽl.:ｌ:.:.:Vﾊ:ヽ
　　　 /:.:.:.:l:.:l:.:,.l l‐l ､　 l　ｌ　＼lヽl:.ｌﾊ:.:ｌ:.:ｌ::::l　　　　　　　　.お父様。
.　　　ｌ:.:.:./l:.:ｌ:.:.:l:.トｌヽ:.:.:l　ｨ乏iｱ l:.ｌ/l:.:!:.:l::〈　
.　　　l:.:./l !:.l:.:.:.l:.l,.f心ヽｌ　　Vﾂｌ:V:.:l/:l:.:.l::::ヽ　　　　　　　凄く、匂います
.　　　l:.:l/l ｌ:.lヽ:.:NヽVﾂ　＼　 ''' ｌ:.l:.:/.:::l:.:.lヽ┘
　　　ｌ:.ｌ从:l　ヽ:ﾄﾊ '''　｀ｎ＼　,ｌ:.ｌ/､.::::l:.:.l^
. 　　 l:.ｌ　 N　　＼l ｀ r ﾆミｌ ,..＼:.l　 V´l:.:.l
　　　ヽl 　　 ,. -ｌ:.ｌ _ | ＾ヽﾊ　 l:ｌ｀ｰ、.l:.:.l
　　　　丶　 / 　 l:.lヾヽ　　)│/l:ｌ__〉ｧ､ヽl:.:.l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.､-‐'フＶヾｰ､__
　　　　　　∨　　// ､.　l _,.､,ﾉﾐﾐl:lV/　 /ヽ､:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヾ／` i┴i ´＼ r＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{､＿,/　 ,､j▽レ､　レ'´}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿ V`'┃ 　┃ V 二ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋﾌYヽ＿＿__,ｨﾍYヒ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　{　{r/l ◇ l k　}、l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　 }/Zｺヽ r'!ｺﾊハ l
　　　　　　　　　最近身体洗うのも億劫なのよねぇ　　　　　　　　　　　　　　　丿ノ/Y　l'´　`l　Yﾍ } ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <　〈　{ィ{二! Ｍ l二}ヽ} 　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ　ｌl　｀ヾ'´　ｌｌ　ﾉ｝,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀Ｚｲ!　　　　　ｌ|´　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l__＿＿＿_ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　/　　ヽ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `´　　　　`´

324 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:31:44.13 ID:clLvbUAso

┏────────────────────────────────────┓
　その上、老子や荘子の書物を読み、ますます自分の放逸さに勢いを加えております。

　ですから、栄進を願う気持ちは日々薄らいでゆき、
　心のままに生きたいという思いがいよいよ強くなった次第であります。
┗────────────────────────────────────┛

　　　　　　＿＿＿
　　　　／ノ　ヽ､_ ＼
　　／（●）　（●.）　＼　　　　　　　　なーんか老荘って、
　／　　（__人＿,）　　　＼　　　　　　　怠け者の逃げ道みたいになってるような？
　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　　　 |
　＼ヽ　 L　　　　　 ,／　　　　　　　老荘かぶれでまともな奴見たことないし
　　　ゝ　ﾉ
　　／　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　|　u.　　（__人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　都合の良い解釈をする者は確かにいますね。　　　　　　　　　 |　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　ヽ　　　　　　 }
　　　　　　　　老荘に限らず儒にも当てはまりますが　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ＼　巛ー─;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　｀ヽ-‐ーく＿）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 |　　　　　　l

325 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:33:26.74 ID:clLvbUAso

【『与山巨源絶交書』＠阮籍について】
┏───────────────────────────────────────────┓
　阮嗣宗は人の過失や欠点を議論しません。私は常々彼を手本にしようと思うのですが、未だ及びません。

　生まれつき彼の人柄は他の誰よりも優れており、他者と傷つけあう事はありません。
　ただ、飲酒の点での失敗があるばかりです。

　礼法の士に糾弾されるまでに至り、
　まるで仇のように憎まれましたが、かろうじて大将軍に助けられて事なきを得ている次第です。
┗───────────────────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿__
　　　　　　　　 _　...::´:::::::::::::::::::::丶
　　　　　　　ー＝≦　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　/::）　｀ー-―' ｀ヽ､_＿ノＶ;:',
.　　　　　　　 /:::::｀ヽ{⌒Y´￣￣｀ヽ､　 /}/:::',
　　　　　　 ′:::::::::::::::{:::::::::l::::::::::::::::｀´::::::::: l
　　　　　　　 ::ｖ::::i:::::::i:l_ ':,::::::ﾄ :_',＿}::::l:::::::::::::l
　　　　　　　 {ハ:::',::::从{｀ヾ:{´ヾ{｀Y}:/!:::/、:::|　　　　　　　　　　　　さすがに買い被りとちゃう？
　　　　r .　　　　ヾﾊv＝==､.｀,　=＝､ﾉ::' }l::::::l
ｌヽ　　 { .{　　　　 .ゝ -- ⌒ゝ ---'　}/ノ:::::::l
{. {ヽ､_.j　、　　　　　.}::::＞　マ７　イ､℃::::::::::',
.＼ヾー　､}　　　 ./∧__/ -{｀¨´-.:.:´（:::::::::::::::＼
　　ヽ　　　ヽ　　...／´.:.:.:{／} /⌒ヽ.:／.:｀.:.､::::::::: ＼
　　　＼　　 }　 .∧.:.:.:.:.:.:.:. /{′／.:´.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:::＼::::＼
　　　　 i　　{　./.:.:.V.:.:.:.:.:.:.}o}´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:i:::::::iヽ:::::',
　　　　 |　　| /.:.:.:.:′.:.:.:.:/ /.:.:.F＝= ,.:.:.:/.:.:.:.:l:::::::!　i:::/

　　　　　　　　　　　魏　歩兵校尉　阮籍

326 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:35:39.76 ID:clLvbUAso

┏──────────────────────────────────────────┓
　私は嗣宗の慎重さには到底及ばず、
　放逸という欠点を抱え込んでいて、世間の実情にも疎く、適切な時機を弁別できずにおります。

　万石君のような慎重さを持たず、思う所を言い尽くさなくてはならないという悪癖を身につけております。

　ですから、長く世事に関与しているならば、あちらこちらで毎日のように物議を醸すでしょう。

　憂患のない事を望んだ所で、どうしてかなえられるのでしょうか。
┗──────────────────────────────────────────┛

／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.　　　　　 .万石君は本名を石奮といい、
: :: !.:.:. ||/--l/　|ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､　　　　　本人と四人の子が二千石の禄をもらった事にちなんでそう呼ばれた。.
: ::(|:.:.:.:|　‐‐　　 ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l　　　_ _ 　 /.:.ﾉ　　　　　　　　嵆康はこの後、自身が官途に就いても耐えられない理由を列挙している
　　＼ヽ､　＿ , イ!::/　
　　／ヽ{　　ﾄ､ヽ l:′　　　　　　　　その中身は奔放な彼の性質が宮仕えに向かないと記したものだが……
　∧＼　ﾏ三ｿ|　＼　　　　　　　　　
./: : ＼＼ヾ-〃　/∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　─　　 ─＼
　　　　　　　　　　　　　　言いわけタイムかお？　　　　　　　　　　　　　　　　／　　‐=・=‐　‐=・= ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　（__人__）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／

327 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:37:24.58 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　　　　　　　　,.._,. -‐～.-┐
　　　　　　　 _,,. ---.､,-ｧ'" .／i.　　　 !`'７^ヽ、
　　　　　　r''ﾞ⌒ﾞヾ;､　 >',/./　 !　　././1ﾚ'ﾞ　　､ヽ、
.　　　　　人　　　 j,>'ﾞ / .l 　 r|　　l. ﾄﾐ彡', ､.　 ',　`‐､
　　　　　l　ヽ､__r'/./ / /.}　.ﾉ!　　 ' ﾄ‐ｧ　 ', ',.　 ',　　L__
.　　　　　〉-- ､ l/{ ' ./,ｲ_l,ゝ,廾.ﾄ,. ﾄ､|ﾟ　　 !､ l,　 l. |　､　ﾞミヽ
　　　　　レ-､. ﾞ)　|. /!.Ll_ﾚt－ミヽl. ＼,-,ノ､｝j l　l　l} .ﾄ､　ﾚ'
　　　　 /　 ,ﾉ-/7~V .|{`!ﾞ　ヾ､ﾝ　　`　 ,. --ノ'j1 /ヽ,` | /`'　
　　　　(ぅ／　//　/ /`　Yﾞ￣　　　.,　　;'ﾞ「~,Yキ' ﾉ'rヽﾄ､＿__
.　　　　　 |　l/　/ ん!. /ﾞ）.　　　　'ﾞ　　ヽゞﾉy' |1,ヽ､__　　,r
　　　　　　|.　!　 |./V-/ /.　　 t‐-,､_　　.,ｄﾞ .r|. ',l '.,　　ﾞY.　　　いつも湯王や武王を非難し、周公・孔子を軽視して、
.　　　　　　l　ﾚ　|.|　V .ﾑヽ、　 `ー'　　.,' ﾑﾑ,l　ヾ､ヽ、　　　　.みんなの前で公言して憚らなかったわ。
　　　　　　 V　 ∧! f／>' ,) ヽ、　 _,..､-l. ﾚ;''ﾞ~','､　ヽヽ`ｰ､　
　　　　　／　 ./　ヽ|￣{. '　）ﾞヽﾆﾞ／､>! |'ヽ､__',ヾ;､. ヽ.＼ヽ　　たまたまこれが暴露されちゃったもんだから、
　　　／　　,./ 　 _,ゝ　ヽ, ヽ():|()） ` ,}-.}|　　／ ',,.＼､　　ヽ,.　　世の中の人々から拒絶されるハメになっちゃった
　　　 ',　 r'"jゝ''"_,ノ,〉､　＼ ',.l/＿／ ,／`＜、　jl　　`ー--'
　　　　'_,.| //＝＜ﾆ三ヽ　 `７　　　,ノ　　/f　`'くﾞ＼　　　　　
.　　／　 l ~ト､ミ,／　`ｰ=　l ｰ--イ　　　l ヒー-) r'.　　　　　
. 　 l.　　　 l　ミ／　　　　　 | ￣￣￣',　　'ﾐミ＜／`!　　　　
　　|　　　　 l／`ヽ、　　　　/!.　　　　 ',　　＼ﾞy'　　.l　　　　
　　ﾄ､　　 /　　 / `ｰ--r/ L.＿＿＿_,j　　　 ',　　　| 　　　
　　|　',.-_',l.　　 /　　　 ./`＝'ﾞ|.　　　 l　　　　　l.　　/}　　　
　　|`! fﾞ　 ';:　/　　　　/　　　 |　　　 l　　　　ﾄﾐ;､〃|　　　　
.　　'､! |　　,〉'　　　 /　　　 !　　　　l　　　ﾉ　/./｡j　　／
　　　ヽ! ,／　　　　 /　　　,　　l　　　　 ',　,／　 l / ,ﾉ　　　　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　象徴的なのがこれだ。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　受け取りようによっては、これほど危険な発言はない。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .一言言わずにはいられないのが彼の本分なのだろうが、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　隠棲したいと言うのなら、余計な発言を慎む方が身のためになるだろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

328 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:38:39.04 ID:clLvbUAso

┏───────────────────────────────┓
　私は生来強気であり、好憎の情が激しく、軽々しく直言する癖があります。

　何か許せぬ事に出会うと、深く考えずに言葉が口から出てしまいます。
┗───────────────────────────────┛

　　　　　　　 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
　　　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
　　　　　,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
　　　　 ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
　　　 ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
　　　 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
　　　　i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;　　 ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!
　　　　　∨|:.:.!　　　　　　　　　ﾉ/i/ﾉ　　　　　　　本人ですら、そうした欠点に気づいていたのだから
　　　　　　ﾍ!:|　　　　　　　　　ﾉ!/′
　　　　　　　ヾ!＞ｰ- 　 -- ＜ｲﾘ
　　　　　（;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
　　　　　　　ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
　　　　　　　　〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′
　　　　　　ノ｀;;;;;;;;;;i;!＿__i;!;;;;;ゝ、
　　　　　　（_;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;）
　　　　　　　｀￣￣￣´｀￣￣￣´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　＼
　　　　　　　分かってても直す気ないとか、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　確信犯なのか気にしないだけだったのか？　　　　　　　　　　 .　 .／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|
　　　　　　　どのみち長生きできそうにないタイプだお　　　　　　　　　　　　　　./,'才.ﾐ).　（__人__）　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ

329 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:41:15.22 ID:clLvbUAso

【『与山巨源絶交書』＠友情の在り方】
┏──────────────────────────────────────┓
　最近の事では、諸葛孔明は元直に対して、無理強いして入蜀させる事はなかったのですし、
　華子魚は幼安に対して卿相になる事を強要しませんでした。

　これらの例は、人の全てを見極めていて、本当にその人を理解しているものと言えます。
┗──────────────────────────────────────┛
　　　　　　　　　　　　　　　 , 　´.二　|
　　　　　　　　　　　　／／.: : :.|{ |
　　　　　　　　　〈　/: :/イ i八|
　　　　　　　　　　 ∨ 厶斗/ 　|　　　　元直は孔明よりお母様の方が大事なんですか？
　　　　　ｼﾞｰ　　　　　　八: ｉ'　┃ 　 |
　　　　　　　　　　　　 Ⅵﾊ　,,,,　 |
　　　　　　　　　　　　ヽ:人___ rく
　　　　　　　　　　　　 |ｉ　ｉ|: :{::ﾋﾉ
　　　　　　　　　　　 /:|ｉ　ｉ|: : :Ⅵ　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノﾍ　　　 |
　　　　　　　　　蜀　丞相　諸葛亮（字：孔明）　　　　　　　　　　　',　}　　 |　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |' ハN l｜　　　 |　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧|ミ} l |　　　 |　　　　　　　　　 ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　}刈ﾉ　　 '　　　　　　　　　　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　／　　厶　　　　　　　　　　／}ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／'　　　 /ｆう}　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　ええ　　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　　　/ 　人　＼　　 i　　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .イ /|/　　　 `ｰ-ﾐ _ｊ_j_;∠ﾉ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/　|/丁≧x　　　　　 ∨/ﾉ　ｰ-ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／:::::::::∧　　　　＼　　　)　)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ {'::::::::::／　ｊ　　　　　 ∧　〃／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　Ｖ´{/　　　　　　　／:::::V／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　御史中丞　徐庶

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　華子魚と幼安は、魏の華歆と在野の名士として知られた管寧を指す。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　続いて嵆康は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .最近養生の術を学んでいると記し、家族についてふれている
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

330 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/23(日) 23:42:29.90 ID:3LLBycXro

好き勝手に生きてるのを自覚して好き勝手に生きてるわけだから、どうなっても満足して生きてるタイプなのかなあ

331 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:42:32.81 ID:clLvbUAso

【『与山巨源絶交書』＠私の望み】
┏───────────────────────────────────────────┓
　私は母と兄を亡くしたばかりであり、心はいつも悲しみに満ちております。

　娘は十三、息子は八歳でありまして、まだ成人するに至っておりません。

　まして私は病気がちであり、
　これらの事を思うと、一層心は湿りがちであり、この心の愁いは如何にして言葉にできましょう。

　今はただ市井の片隅に住んで子孫を育て、しかるべき時に知人との旧交を温めながら平生を振り返り、
　そこに濁酒・歌曲の楽しみを加える事が出来るのであれば、
　私の人生における願いは十分に尽くされるものと考えております。
┗───────────────────────────────────────────┛

.!'´￣￣｀ヽ/　　　　　 i | | ＿_ ヽ }│ﾄ､　､　　V　／{
.!　　　　　/ /　/　　 ! l　l l | ヽ_/　l l_｣⊥∟ }　　ﾏヘ　＼
.ヽ､_＿__,ｲ　!　 !　 l　!_Ｌ.Ll_| 　o　「l/ﾚﾍハハ　 │　＼　＼
　＼　ヽ│ !　 l　 'l´|,ハﾊﾊ|　　　　"了下孑^! .ﾑ|　　　ヾ⌒
　　　ヽ￣|　! 　l 　 lく¨了卞1　　　　ゝ┴'＾ﾊ/リ　ヽ　　＼　　　　　あなたが大きくなる頃には、
　　　　厂| ハ　{ヽヽ　ヽ上j　　　　　　　 /　ﾄ､　　｀ー--　　　　　天下泰平になっているといいわね
　　　 /　ﾊ!　＼l/＼{ヽ　　　　　l、　　　　 / i　ﾄ､ヽ　　｀￣
　　　/　 / 　　 / 　　/＼　　　　ー '　　r1　l 　|　ヽヽ　　　
　　　￣7　　　 /　　//　　丶､＿＿＿／| |　ｌ　 |‐-､! }､＼←二人兄がいる
　　　／　　　,ｲ　　＜¨￣￣￣　r|_　 , -‐| |　ｌ　 |__,.ｲ│ヽ､＿　　　　　　　　　._,.‐=ー-
￣´ 　　／/　　// ＼　　　 !　 Y　 __| |　! | |　/　ﾊ、　　　　　　　　　 .____〈.〈__.　　　　____ __
_＿＿,.　'　/　　ｲ |　　ヽ　　　 ,!　「∨ヽゝＶ　N‐{　/７´￣｀　　　　. _,,-=', -‐ヾv-''"~""'''‐-､i__＼‐- ､..,,,____
　'´　　　　//　/ |厶-厂∧　／　　jＶ´＼Y│/=={ ｛/　　　　　　　 ´ .／_,-'",　　　　　`'ｰ､　＼i､.＼:::::::::::::::,＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . /／／　/ i .,i　i､､､　＼　i〈＼.＼;;;;／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　/　i　i　i　i.i　iiヽヾ､丶　i:::::::i　i::｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i　/i　 i.i-i‐i--ii.i .ii-‐i二.i‐ ヽi､,_/i　i_,-‐'''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i./ .i　 i i.i.iｨう'､.i i.i ｨう:::::iｱ､〈::::::::i　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..i　 .i　 i iii .V::::i /´　廴ソ.i i/､i､:::::i　i
　　　　　　　　　　　　　　はい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ＼i_i i...`／ '__　　／'.i .i　.!^'´i　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i 　i　.＼`ヽ､,｀´,.-'i-､. i　i　　./i　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i 　i , --.ヽ i∨ﾛヽ.／i_,i　i‐-〈 i　.i.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　./　　_,.-i i^:'i´:＼　, .i　ii　 .ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ._i／　　 'y´<i i'└“`∧i .i /ii　　＼_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i　　　　/　　i/　　　￣.| i/ '　　　　/

332 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2012/09/23(日) 23:43:44.12 ID:pGIl3gdwo

>>328
わかっていても、一言言いたくなる時ってあるんです…

333 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/23(日) 23:44:32.90 ID:Oew1JN4Bo

失言が最悪族滅につながりかねんご時勢なのに・・・・

334 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:46:10.63 ID:clLvbUAso

┏─────────────────────────────────────────────┓
　あなたがもし、私の心をかき乱し続けられるとするのなら、
　それは朝廷のために人材を確保し、世の必要に応えようとなさるに過ぎないのであります。

　あなたは、私がまったく投げやりで大雑把な性格であって、世上に疎いのをかねてより御存知のはず。

　自分で考えてみても、あらゆる点で、今日世上の賢能の士人たちに及ぶべくもないのであります。

　もし世俗の人々の誰しもが栄華を好むのに、
　私だけがそれから遠ざかり、それに満足していると考えているならば、これこそが私の心の真実に近いのです。
┗─────────────────────────────────────────────┛
　　　　　　　,．: :ニ丶、
　　　　　／: : { ||__ ）: ヽ
.　　　　 /: : : : :＞＝＝く＼
　　　 /,′.: :∠,=､´ｘ=(ヽ{三ヽ
.　　 / {: : :／　ｲ{6｝ {6｝iVx=　 i
　　 j＿〉‐ヽヽ弋γ⌒ヽ}.｝　 :|　　　　　　　　　嵆康殿の返事はどうだったんだい？
　　/⌒乂　`'ﾞ{`ｰ弋＿丿)ヽ.＿
.　/: : :_/　￣ﾄ､ー'''ニｨ./ j: : : :|
　{.: : : : :丶、ｰﾍ　__ ／／: : : /
　丶､: : : : i :丁丁￣｢::!､ : ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ／／　／　　　｀ｰ '｀ヽヽ、
　　　　丶､:i: ├┼‐-:l:_:ｉ.Y　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／/ ／　　　 /　　　ヽ　｀ヽ!
　　　　　　 !´::ｰ:':::::::::ヽ_}:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈／/ /／　　　　//　　　　 l丶　ヽ
　　　　厶､:::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／{//　/-/‐/､| l i　　　, i |　i　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/　〉{　//∠l/__ヽ!{　 _/_l/,!/ }　ヾ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r､-､　/ /-|ヽ|∧|｀ |!ir'}｀　ヾノ ____l｀｢/　l ﾊ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ヽ,>"￣´ヽ」｀| ト´￣　　　 ´{ir'}!´ﾚ'// ﾉ
　　　　良かれと思って話を勧めたのですが、　　　　　　　　　|／´-‐‐　　 |＼| |￣i| 　　 '　｀二「ル´
　　　　藪蛇だったのかもしれませんね。　　　　　　　　　　　　/ __,;==-─‐､__|ヾ､ト､_l| 　｀　〃／}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _|_{　| |__________ ヽ､!,-‐｀ｰr‐'ﾆi￣|〃{
　　　　難しいものです　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {彡|　｀ｰ----､_＞´　　＼＼´ﾌ￣/／j￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉__}____,.-‐‐'/　　　　､ヽ〉〉|　 /_ノ｣ﾆ二ﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_____{ |　　　/　　　　　ヽ / /〉!　i_／/　　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ヽヽ---ヽ___／ゝ /ｰ'ｰ'l |　/___/　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　/ /￣￣＼／｀フ　　| l |　{／}｀ｰ---‐/

335 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:49:14.29 ID:clLvbUAso

【『与山巨源絶交書』＠結び】
┏───────────────────────────────────────┓
　もしひたすらに私と共に官途について職務に励む事を期待され、
　その折々に喜びを分かち合おうと望まれていても、実際この事をひとたび強要されますならば、
　私は間違いなく気がふれるでありましょう。

　余程の怨恨が私にあるのでもない限り、こんな事態にはならないはずであります。
┗───────────────────────────────────────┛

　　　　　　　　,.ﾉ-.ﾐヽ､　　　　　／　　　(;;;;;ヽ
.　　　　　　　 / .::::::::. ヾ､　,,.-'7　　 ,,.-''´:￣:ヽ_
　　　　　　　./ .::::::::::::.　ｿ´ｯ'´　／::::　　　　　　ヽ
.　　　　　　 / .::::::::,.-'7´::／　／::::　　　　　,.　　　ヽ
　　　　　　ﾉ :::::／:::::{:::::/　 ./:;:::::　/ ., // l　,　　　　.ヽ　　　　　　申し訳ありません。
.　　　　　 |/／'::::::::λ〈 ,-‐l:::l:::,:::::|　ト/|､||: |:　,　.,　ﾍ.|
　　　　　､.''::::::／::ハﾐﾍ| /'|l|:::|:::::|::|ﾄ|l-l.|ミλ ,|　l　,,l.'　　　　　 .私の不徳の致す所です
　　　　　lﾞ ::::／::::/　ヽﾍ.＼'|::||::::;:N　'ﾞ　{'i｀ |/,／ｿ'l/
　　　　ﾉ::／::::::/　　　ヾ._　｀l:|ﾍ:ト,,,_,　　　 '､
　　　　/／:::::;/　　　　　　_｀ヽ,|::l:ﾄ　 .|　　　／
.　　　/':::::::;:/　　　　　　 .'､｀ﾞ｀ﾐ|l::ト.､_l　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　／　　　　　　　　　＼
.　　 /.:::／/　　　　　　　　|｀ﾞﾞﾞ''ﾍ:::ヾゝ｀´|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　｀　　　ー- ､　iｿ´ヾl ,､_ ハ
　　/.:/':::::l　　　　　　　 ._ﾉｯ-‐.''''ヽ､:ヽ､|:ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　 ,〃　＼　､　 >!<,j- ､__ヽｧ ',
　 / //::::|　　　　　　　.///;;;;;:::::::::::::: ヽ､:＼ト-.､　　　　　　　　　　　　　　 l/　　 l/　　　｀ｰ=(,〉 {薔}-' ﾉｒ' ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　 !i　　　　　　　ゝ'i_ィ､‐､"　　.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 -'　　　｀ｰ　　 >-、 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! ━　　　 ━　ｒ=っ У
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 /ﾊ　　　　　　　　　|l ＿'_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ「､　　 n　　　 ,.ィﾞ＿　i
　　　　　　　　　　　　気にしないでほしいかしら　　　　　　　　　　　　　　　　　　´ニﾕ_＞-ｒｒ彡´ﾉt=ｭｧ_´ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　／└‐､7（(ﾆｱﾄゝ） 'ーｧ‐'　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'⌒　　　／｀´ /｀ｲll !￣　　テ　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿ノ　 i　/　l　　ljl.j　　　/　/　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　| 　ヽ _　　　_ノ　 ',　　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　/　!　i彡ア､＜　　　 /　　　　　ヽ

336 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:50:43.21 ID:clLvbUAso

　　　　　　　　　　　ノ　ヽー- ､
　　　　　　　 ,　'´　ヾ　　ヽ　 , '-
　　　　　　　／　　　　入...　　|　　` ´ ヽ
　　　　　　 '::.　　　／　　＼:::::. ヒｨ秘)､./
　　　　　/::: 　 l／ - ─ '　　`'ヽ＼ __ン
　　　　　 i:::: 　 /　　　○　　　　　＼ヽヾ|
　　　　　 Y⌒V　　　　　　　　　 ○　 | /
　　　　　 { ノ　　　　　　　　 '　　　 j/
　　　　　r　ｰノ　　　,. - ､ _ 　　　ﾉ
　　　　/　　 _ﾉゝ、　　　　　⌒_, ヘ
　　　　!∠´　　　　ﾄ｀_二_ 二.イ::::::::　|
　　　 iヽ::::＼　　ﾉ{::::,ィ:::j::ヽ　｀＞-<
　　　　ゝ_ ` ´　　 | |` |:::! !::|`|　{:::::::.ノ
　　　　　∧ 　　| |.　`´ `´│　フ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,...::´:.ｲ:::::i:::＼:::::｀:..、
　　　　　 /　|"　　| ＼　　　イ　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.::／.:::!i:::::i::::::::ヽ::::::::＼
　　　　 /　　|:　　|　　 ` '´ │ "|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.':/::/::::i:::::!i::::::!:::ヽ:::::!:::!:i:::.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　/::/::::!:::!::i:::::!i::::::!::::::::::::!:::!::!::i::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::i::i:::|:::i::::.::::i:!:::::i::::::::::::i::::!::i:::i:::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::i::i:::|::::ヽiヽﾘ､::::!::::::::i::|::::!::i:::i:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !ヽ::ﾄ､!ヽ:::ｊｨ赱ﾊ::!:j::i:::i::! ヽ::i:::i::ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾞ7　　´ 　ﾉﾉ |::i/:::!　j:::i:::iﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 _　　　　　　i/ ヽiイ:!::i:::i'
　　　　　（さすがに大将軍も嵆康に良い感情は持たないか）　　　　　　　　　ヽ_.. _ 　　　 / 　ﾄｊ:::ｉN
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 iｰ　　　／　／｀｀｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ--ｒｒｆ´　／　　 ,　 ´＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄi´／　 ,　' ,...:':::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i !j　, .', .'.::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //' / ./.:::::::::::::::::::::::::::::::!

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　『与山巨源絶交書』をどう見るかは人それぞれだ。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ただ嵆康という人は、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　保身目当てで隠棲したかったわけではないだろう。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　純粋に隠棲したかったのか、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　司馬家に仕えるのが嫌だったのかは議論の分かれる所だが
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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337 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:52:11.10 ID:clLvbUAso

　　　　　 ,.: : : /: : : : : : : : :／: : : : : ヽ: : : : : : : : ＼ :＼＼
　　　　，: : /: : : : : : : :〃: : : : : : : : : : : : :ヽ:＼ : : ＼ハ
　　　　　 ,: : : ;: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :ﾄ､: : : :.',: : : : ヾ}
　　　　 i: : : : : : :/ : : :/: : : : : : : /|: : : :: :ﾊハ:: i: : : : : : : y
　　　　 |: : : : : :;': : : : i: : : : : : :./.ﾉ: :,ｨ: : iム_从!: : : : : : : i　　先にふれた呂兄弟の事件が起こったのはこの後だ。
　　　　　八: : : : i: : : : :.|: : : : :.∠/: :/ j: :./　,_＿ﾊ: : :i: : : : !
　　　　　 ∨: :_j: : : : :.|: : :ｨ／_/／_ /／　,ｨf笊ﾐ}: :/: : : :.,　　隠棲の真意はどうあれ、　
　　　　　　　Ⅵ 小rｲ: : !: /ｲf示笊ﾐ.／　　　r'f::j ,':/: : : i: :　　嵆康は再び表舞台に出て来ざるを得なくなった。
　　　　　　　ﾊ{ 从::i: :.:Ⅳ ヾ{ｲf::j:ﾘ　　　　　`'''´イ: : : :ﾉ:/
　　　　　　　　 }ﾄ､._∧: :ﾄﾐ､　ゞｰ''´　　　ヽ　　 i: :イ:.:/　　　友人の危機に駆けつけるあたり、　
　　　　　　　　　　 }:.ハ: :ヾ:.､　　　　　　 _ _　　ｲ: : :/ｲ　　　 .人間味溢れる男だったのは間違いない
　　　　　　　 /^}ﾚ:ﾍ: : ヽ　､. 　　　　／i:ﾉ!:.:/
　　　　　　　　 ,.:.:.:.:.i{　　＼: ',　＞　　 _.／､　　j;/
　　　　　　／:.:.:.:.:.:..ヽ　　＼　　　/:.:.:.:|::||:::.
.　　　　　∠.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..∧　　　　　ｲﾊ:.:.:.|::||:::::i
.　　　／:::::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧　　　　ノ i : :|::||:::::|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　ー　　＼　
　　　　　　　　　　　ようやく話が戻ってきたお　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）　（● ）　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　⌒（__人__）⌒　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼

338 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:53:56.53 ID:clLvbUAso

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　でも、鍾会の独断で嵆康の処刑なんてできるのかお？
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ _ノ　ヽ､_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　（ ●）（● ）　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　（__人__）　│
　　　　　　　無理です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　｀⌒ ´　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .| 　　　　　 |
　　　　　　　相手は皇族に連なる身、　　　　　　　　　　　　　　　　　 r､　　　　r､ヽ　　　　　　/
　　　　　　　普通なら処刑されるはずはなかったんです　　　　　　　ヽヾ　三　|:l1.ヽ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼>ヽ　 |｀｝ >　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´　 /,1　　　　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ノ .｜　　　　 |　|
　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　　　　鍾会が悪知恵を働かせたと思われるのはここからだ
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

339 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:55:49.02 ID:clLvbUAso

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

:::/::::/ｉ::://::l::::l:!:::::/::ハ:|::!:|::ﾄ､:::＼:::',::､:丶::丶::､: ヽ
/::: /::l:::'/:ｉ::|:::l::::::;':::ｉ:::::l:|::::|::|小ﾄ､::ヾﾄ､:ヽ: ',:::ｉ､::ｉ::::ｉ
:::::/::::l::ｉ::::;斗､!::::,ｉ:::l::::::; |::::|:l/:::|､｀､!:::ｉ:: ｉ:ﾊ l::ｉ |ヽ!
::::'::::::l::l::::' r ､!: /:|::l::::/:l:|::::!!: /|!=≧､ヾl::::ｌ':::!|:::!:|:::|　　　大将軍。
:::::::::::|:|:ｉ::ｉ {　!:/:/l:l: /: ﾊ!:: Ⅵ:八　　ヾ!::/ｉ::: |:::: !: !
:::::::: ｉ|:|:|::l　y/:/:/l| ' / ｉ∧::l {′ ヾ=-ﾒ}ﾊ. |::::|: /}:/　　　先日、呂安が母親に暴行を振るったため逮捕したのですが、
　::::::!|:!:|::|V/l/ '.　|::/ /'　ヾ!.　　　　 '　､::::!/::::'　　　　これを知った嵆中散が河東郡からやって来て、
　 ::::::!:::|::ｌ::ｉ: '　　 !'　　　　　　　　　　 V,'／　　　　事もあろうに呂安の行動を弁護しております。.
　　 :::::::l:ｉｌ:l:' ｉ　　　　　　　　　　　 ,　　ノ´
　　　:::::|| |!.　､　　　　　　　　　　　 r ´　　　　　　　　如何致しましょう？
　　　 ::ll {.　　＼　　　　　 - ― ､‐'
　　　　 :!.　　　　ヽ　　　　　　　 _ﾉ
　　　　　　　　　　　　､　　　　 /
　　　　　､.　　 , -‐丶　　 _　′
　　　　　　　＼イ＼　　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　／　　　｀丶､　＼::::／ゝ二火::::＼ｲ　　　ﾊ
　　　　　　　　　＼.　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l /　/　　　　　　　_.二ﾆYｽ.　　／ｿヽ／　　　 l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jﾉｲ　 _　　　　 '　　　　ヽﾍイ／_　ヽ　　　 ' :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 /｛／　　　　　　 ,　_ﾉ_ノ└'´　＼ヽ　l　　/　j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{j:.:i　、_ 、　　　 / 厶こｒ｀Y　　　　V＞-､/　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽVY〈ﾊ　　　　 Vしり } '　　　く7ﾞ／ヽ l　/
　　　　　　　　　　なんですって！？　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ} ﾋｒ」　　　　　　ゞー '´　　　　 l!　ﾉ , / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,　|　ゞ'　.　　　　　　　　　　　　　/'＿.／, '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´　 ',　　　ヽ　　　　　　　＼_f´￣｀¨ヽ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {!　　,.-＼　　ﾏ二) 　　　　 |　　　 . : :ヽ, -―- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ、/　　: .＼　　 ::.　　　　　　Ｌ--　､: :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入￣ , -_‐≧:. 、　　 _　イ―-ゝ:_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　＼/´　. : : 〉　￣ｲ⌒ト|　　 : :/

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　残された記録から推測するに、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　鍾会は呂巽の密告内容をそのまま司馬昭に報告したと思われる。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .当然呂安の主張も嵆康の弁護もお構いなしに
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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340 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/23(日) 23:58:28.61 ID:clLvbUAso

:.:.:.:.〃__　 __ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :: :: ::
:.:.:.:.{　|:l V !:|　}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :: :: :: :: ::
,....-‐:::::::¨::::￣:::::¨:::::‐-....:.:.: :: :: :: ::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、: :: ::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼: ::
::::::::::::::::;　 -‐=＝￢＝ｧ=-､ｭ_:::::::ヽ.: :: :: ::
:::::::;: :':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ､∨: :: ::　　　　　　　　　　仕事はしたんです。
::::/::::::::::::::::::::::::::::::/´¨o,ｱ::::::::::::::::: ミ≧ゝｰ､:.:.:
:::{:::::::7¨oヽ::::::::::::´｀¨´::::::::::::::::::::::く三/〈‐ｭ i:.:.　　　　　　　　後は頼みますよ？
::∧::::｀¨ "'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡 j:　i: |:.:.
ゝ-',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾐi,､_ノ./:.:.:
　　 i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|!､_ノﾐ／
.　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: !∧ミﾐ
　　　',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,'　 ∨
　　　∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:　　ト､
　　　　 ' ,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,. ':: :　　!: :: :: .､＿　　　　　　　　　　／| | ／　／　　//　 _,.-7 / ∧ﾙ' ／,/　川　l.|
　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::: ／ ,':: : :　/: 　　　　　　　　　　　　 .　　　 | |／／　_,.,.ィ/rｧ,.-､ヽ.y'､/　/　/_/　/ ﾘ　/
.　　　　　 ,ｧ} ヽ、: :_,,: : : :..イ/: :/:: : :　/: ::　　　　　　　　　　　　　　　　| |／／'/Ｘヽｲ (.ﾌ/） /ﾍ',.ｨ' ,r∠/彡/ ,!//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｌ |／!,//'　/' !｀¨７　./ /ｒ7／|　/彡/ ,/ｲ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l{　|/　　 ′|　　　　 '′´　　| '彡/ /　|!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / `　|　　　　　　　　　　　　　 |/,/,l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　 |V /
　　　　　　　　　　　悪いようにはしないさ　　　　　　　　　　　　　　 '　　　　　　　　　　　　　ヽ-　,.. ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　　　　ヽ＝＝=‐-／　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　＼　　　　　　　／　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 /　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ､　　　ノ　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨ ‐'_　　　 i ￣　　|　　　　 l

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　呂巽は鍾会と仲が良かったらしい。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　下手をすれば、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　この二人は共謀していた可能性すらある。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　また、呂巽は後年司馬昭の属官になっており、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　この事件において何のお咎めもなかったのも疑惑がかかる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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341 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:00:40.28 ID:B+bXEywuo

【紀元２０８年頃　漢首都　許都】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｉ:::::::://///::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　.|::::::/ ::////⌒⌒ i.:::::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　.|:::::/　　　　　　　　　|::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　|::/.　 .ヘ　　ヘ.　　|::|
　　　　　　　　　　　　　　　 .⊥|.-（＝・).-.(・＝)-.|⊥
　　　　　　　　　　　　　　　　l　.!:;　 ⌒´.し.｀⌒　 ::|. l　　　　　　　　　　父とか子と言っても、
　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ.ﾍ　　　　　　　　　/ィ　　　　　　　　　　所詮性欲の産物ではありませんか。
　　　　　　　　　　　　　　　__,. -‐ﾍ　 <ﾆ二ﾆ> 　/─- __
　　　　　　　　　　_　-‐ ''"　　　/　!＼　￣　／!＼　　　￣ﾞー- ､　　　母とか子とか言っても、
　　　　　　　　　ハ　　　　　　 /.　　|ヽ￣￣ /|　　ヽ　　　　　　ﾊ　　つまりは甕の中のものを出したのと同じで、
　　　　　　　　 |　ヽ　　　　く　　 ! .￣￣　 !　　 .>　　　　　/　!　　一旦出したら別の物なんです
　　　　　　 |　　 |　　　　　_＞　　.|.　　　　.|　　＜_　　　　 /　　!
　　　　　 .∧　　 !　　　　ヽ　　　 |　　　　|　　　　/　　　　 i　　.∧
　　　　　　　/　＼　 |　　　　ヽ　　　 i　　　　i　　　/　　　　 |　／ハ
　　　　　　ハ　　ヽ |　　　　　ヽ　　 !　　　 !　　 / 　　　　　| 　　　／ヽ
　　　　　 /　　＼　　 |　　　　　ヽ.　　|　.　　|　 /　　　　　　 | 　／／　＼
　　　　 /　　　　＼　|　　　　　　.ヽ　 i　　　i　/　　　　　　 | ／- '　　　　ヽ
　　　 /,　-──‐-ﾐ」　　　　　　　　, ‐''二二⊃､　　　　　　 |/　　／￣￣｀ヽ!
　　　ﾚ′　　￣￣￣`ー─---､＿/　′二ﾆヽ'　＼--──┴''￣￣　ヽ　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　漢　太中大夫　孔融

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　さて、礼を重んじる社会において親不孝は大罪である。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　曹操の時代、孔子の子孫の一人である孔融は、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　親を軽んじる発言をして、これがきっかけとなって処刑されるに至った。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　この前例を見る限り、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　「母親を殴った」呂安、「その弁護をした」嵆康は大罪人になりかねない
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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342 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/24(月) 00:01:23.52 ID:zmsDCWHKo

孔融古館かよｗｗｗｗ

343 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:02:31.41 ID:B+bXEywuo

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

ﾍ　',:::ﾍ|:::::::::l:::ﾍ::ﾊ:::::＼|:::::::::::＼:::::::＼:::::::::::::::::::::/:|:::::::::/:::::::
　',　＼:ﾍ::::::|ヽ:::ﾍﾊヽ:::::｀ヽ_::::::::::＼:::::::＼::::::::::::/::::|::::::/:ﾍ:::::
　 ',　　ヽ',ヽ| ﾍ＼::::ﾍ＼:::ﾍl｀ヽ:::::::l＼::::: l::::::: /｀ヽ|:::/::::::::ﾍ:
＿_ヽ　./ﾍ .ﾊﾍ:l　＼:ﾍ.　＼ﾍ　｀ヽl::::::＼::＼::l＼::::|/:::ﾍ＼:::
｀ヽ￣./　ハ:::',ﾍ..　　｀ヽ.　　＼　　｀ｰ-l:::＼::＼:::＼　　 ',|ヽl　　　以上のように、
　　 /.　　＼ﾊ　　　　　　　　　　 l:::::::..　　　　　　　　　　　 .嵆康と呂安の言動は風俗を乱しております。
. 　 /　　　　　｀ヽ　　　　　　　　　 l:::::::::::...
　 /　　　　　　　　ﾍ　　　　　　　｀ヽ　　_／:::::::::..　　　　　　　　　速やかに処刑するべきでしょう
. /　　　　　　／'';;＼
　｀''ｰ-=,,,_ 　／　　 ';;;;;＼　　　＿＿_ ＿＿_
　　　　　　'／　　　　 ';;;|　.＼　　　　　　　　　　 /
　　　, r ' ´　　　　　 |.　　＼　　｀￣￣´ 　　　ｲ;;;
　　K　　　　　　　　 | . 　　＼　　　　　　／;;;;;;;;
　　 ∨　　　　　　　　　 |　　　　＼　　　 ,イ''''''''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -「＼‐- .._
. 　　 ∨　　　　　　　　 |　　　　,r‐='｀ー― '｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ´　ヽ　＼＼ゝ＝､,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／/＼､ :.　:〉{　ｒ;､ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ./ ./.:／　　丶､::ゝイゝ}７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i{. .:/ ./／　　、　　　｀ﾆﾐﾍ/ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:､::{ _{´　＿＿＼　　ノ＿Vｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ:`{ﾒ, 　 { 弋ﾂ　　弋ﾉ /'
　　　　　　　　　　　実にけしからん話かしら！　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`i{､＿　xxx　　　 ,xx{= ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､__メ　　　 , -'、ノ　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ┴‐ ＜￣ }､...　　ィ'´｀ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ'´　　　　　V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: ､: . .　　　ゝ　ィｌ」ヽヽｒ－」　＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　司馬昭とて礼を重んじた家に生まれた身である。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　呂安の行為のみ聞けば、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　とても看過できる話ではなく、見逃したとしても示しがつかない。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　鍾会はここに狙いを定めたのではないだろうか？
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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344 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/24(月) 00:02:45.43 ID:AGRpL7WBo

これはボンクラの発想だわ

345 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:04:11.36 ID:B+bXEywuo

　　　　　　　　　　　　　/:　: / : :/｀丶､､: . : . ｀丶: :辷!-‐-<__仁vヽ
　　　　　　　　　　　　 /:　: ´:　/　　　　　｀丶､:｀ヽヽ_ム-‐〈　ﾍｺ〉人
　　　　　　　　　　　　,ﾞ: . :l : . /　　　ノ(　　　　｀丶ﾐ､（∧　ヽ二ﾉ |〔
　　　　　,-、　　　　　l: : :l,､≠ ‐‐ - ⌒　　　　　 _,, ..ム∧　　 |ノV　　　　,-,
.　　　　 l´ｌi　　　　 !: : :|/　､ァぅ-`､ヾ　　　　 '~,r￢く＼ﾍ__ノl」ﾉ　　　　 |､,i
.　　　　 lｰ'!　　　　　ﾞ,:l :.{ 　_ﾒ_ノrｯc}`　　　　　　'{_ノｯﾞvドくこﾋ/　　　　　　i　l　　　　親に手を上げるとは言語道断！
　　　　l 　|　　　　　ヾ :.!　　ヽ辷ン　　　,　　　ヽこ:シ´　 !:〃　　　　　　ｌ　|
　　　　| 　|　　　　　　f⌒ﾊ　　 ~ ￣´　　　　　　　｀￣ ` 　ﾊ⌒i　　　　　　_ |　|　_　　それを弁護する嵆康も
　　　　_l 　L_. __　　／ (.. ',　　　　　　|￣￣`、　　　　　 ,ﾞ..) ＼　　＿/ ヽ　!´ i_　　放埓な振舞いが過ぎるわ！！
　　　/ '| 　/ ヽｉヽ　!　＼t‐',　　　　　 |ーー--|　　　　　　たノ　}} 　/　', 　|　,| 　|｀〉
　r‐'ｉ　 | 　| 　 |　 | . ヾ;､＿ﾏヽ　　　　　｀―-'´　　　　　メ､＿_ ノ' 　| 　|　 !　｀　l ｜二人揃って東市行きかしら！
　| 　! 　 '　! 　 !　 l、 r‐''"´￣￣｀ヽ､　　　　　　　　　 .イ´;￣￣￣｀ヽ! 　 ' 　　　 '
　! ,!　　　　　　 | |: 〕. . . . . : ;;;;;;;;〉|＞､＿,. ‐''|´〈;;;;;;;;; . . . 　　〔 .}|
　| ヽ　　　　　　 |〈_‐ﾆニニヱヽ/_ﾉ／={ :::: }=＼ズ;;r;;;:二二`_ヽ_〈｜　　　　　　　/
.　＼　　　　　　　|／￣ﾌ;;;;;_∠二イ_::::;:イ￣l＼::: ＼＼_;;;;;;;;;;;;､‐''"ヽ!　　　　　/
.　　＼　　　　　　/　　　√´　　　;;;;;|ﾞ/:::| Ｏ |:::ﾊ､:::/;;;￣｀"' ゞ､　　ヽ　　　　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ /〃i､∨∧〃ヾ} ｌ| ﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃/' ,''ｌ.ﾚ/ﾍ＼ヽV//ｨﾄl} |､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ,''l| ,! |.|4凭kV''/∠|ｌ y'λｌ　　計
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　l.'l |ｲl',lN　￣´イ|l戌l/,ｲｌ| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 lｌ.l !)!|ﾍ. 　　 '"‐'　イ〃|!　　　.画
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,, _　　 |l.|!| |｀　 ‘ｰ ‐＝､j:) 从「ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀' ヽ┴'┴'┐　　　,ﾆ>　 //'　′　　通
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､　l　', 　 /'|＼　 '､_　.ｨl/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 !　l ,.ｲ　ｌ::「``´:::;;''/,|′　　　　　 .り
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　|　l|　ﾄヽ.> ヽ .:.::::;;″/----－､

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　司馬昭は二人を除くよう進言した鍾会に従い、彼らの処刑を決定。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　鍾会はまんまと自分の手を汚さずに嵆康を追い落とした形となる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

346 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:05:44.34 ID:B+bXEywuo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　─　　 ─　＼
　／ -=・=- 　　-=・=-　＼　　　　　　　　　　　　さすが鍾会汚いお
　 |　　　（__人__）　　U 　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼　　（ ;;;;(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ─）（─　　) ;;;;)
　　　この時の義兄上の真意は分かりませんが、　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　（__人__）　/;;／
　　　嵆康は義兄上の中にある一線を越えてしまったんでしょうね。　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ　l;;,´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　∩ ノ)━・'
　　　もう一人の問題児である阮籍には寛大な態度で接した人ですし　　　　／　　　　／＿ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (.　＼／　.／　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 “　／_＿_|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　＼／＿＿＿ /

　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　　　　こうして処刑される運びとなった嵆康だが、
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　　　　　　　処刑されるにあたって、いくつか逸話を残している
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

347 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:07:30.32 ID:B+bXEywuo

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

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　 | ::::::: |::::::::|/::::Χ　　　　 /:::厶斗匕　│::::: |:::|　　　　　　大将軍。
　 | ::::::: |::::::::| 斗=≧=一' /／〃んJi|　》::::::::::|:::|
　 l ::::::: | ::::::《　んJi|　　／　　Ｖ:ソ　 j ::::::|八|　　　　　　太学の生徒三千名が嵆康の助命を願い出ています。
.　ｌ::::::::_|:::::│　Ｖ.:ソ　　　　　　 .::::::. / ::::::|
.　l::::〃| :::八　.:::::::.　　　　 '　　　　　/ｲ:::::::|　　　　　　　　どうしましょう？
.　|:（（│:::|　＼　　　　　　　　　　　　 /| ::::::|
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.　| ::::: |::::j ::::丶、　　　　　　　／:::::: | ::::::|
　|:: :::::l::::|-─1｝＞　　　 __　イﾆ=-＜| :::: j　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -「＼‐- .._
イﾞ￣...|:::| ........| 　　　　　ん..............|::::::ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ´　ヽ　＼＼ゝ＝､,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／/＼､ :.　:〉{　ｒ;､ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ./ ./.:／　　丶､::ゝイゝ}７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i{. .:/ ./／　　、　　　｀ﾆﾐﾍ/ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:､::{ _{´　＿＿＼　　ノ＿Vｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ:`{ﾒ, 　 { 弋ﾂ　　弋ﾉ /'
　　　　　　早く太学に戻って勉強しろと言っておきなさい　　　　　　　　　　　｀`i{､＿　xxx　　　 ,xx{= ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､__メ　　　 , -'、ノ　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ┴‐ ＜￣ }､...　　ィ'´｀ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ'´　　　　　V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　嵆康の処刑を聞いた太学の生徒が助命を働きかけたり……
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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348 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2012/09/24(月) 00:08:42.80 ID:BXToi8gNo

「一線を越えた」も何も、死刑にできそうな罪状をでっち上げれば何とでもなるというお話ですわな

349 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:09:42.56 ID:B+bXEywuo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . :　´￣｀: .、
　　　　　　　　　　　　　　　／: : :（ L ）: : :}
　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : ＞ﾆ二二＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　 {: : / ,r≦ｿゞ=x}
　　　　　　　　　　　　＿_ゝｘﾐ　rtﾃ:. tﾃｭl　　　　　　嵆康殿！
　　　　　　　　　　　　 ,.　''"寸A 込Ｙ　 ,rt以x､}
　　　　　　　　　 ,.ｨ'":／: : : : VAl: 圦　{辷､j{`∧　　　　　本当にすまないッ！！
　　　　　　　　,ｨ往: /. :＼ヽ: : }ﾆ}ヽゞ≧､¨´ノ: : }
　　　　　　,ｨﾆニ{: ,'. : : : :ヽ}: :jﾆj: :ヽ｀¨7ﾆ/: : : 〉、　　　　僕のせいでこんなことになってしまって！！！
　　　　　,ｨﾆ三三|/: : : : : : : 〉ﾆ/: : : ﾉ:/ﾆ/: : : /: :}
　　　 ,ｨ二三三ﾆ,′. : : : : :/ﾆ/ : ／〆／∨: /: :/ﾄ､
　　 ,ｨ二三三三, . : : : : : :/万_　-‐ ¨´　　 Y: : /: : :}
_＿/三三二ﾆﾆ,′. :ﾐﾒ､:/￣´ 　　　　　ゝ: : : /.:｝　　　　　　　　　　　　　　_,.-‐‐‐--‐‐‐-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. -‐'"_,.-‐'⌒ヽ/⌒｀´ヽ⌒ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣｀ヽ,r一'　　　　,ﾍ,,∧　　　＼〃}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i=＝ﾆニ/,　/〃　 / |｀ ▽ |ﾄ､ l　　ヽ_l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {__,　　 ] |　| | |_!_｣L|　｡　,!| Hﾄ | i ﾄ､>、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_｀ｰ-'i　l　l_!ﾊ |　ヽ!　　　　j∨ﾚ l/　ヽ>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l二ン{ ﾊﾄ､!_,ゝﾆ,_　　　〃⌒{/
　　　　看守さーん。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　ヾﾆlヽ|　´￣｀　　　ヽ　　!|　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾌ´　　ﾊ l|　ヽ　　　　r‐┐　／ヽ　 / /
　　　　琴持って来てもらえなーい？　　　　　　　　　　　　　　　　 /／　/ ゝ|　　ト､＿　ヽノ／￣ﾌ ∨ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'　　/　「l 　ヾ￣｀i|‐-r'´　　/ __/ _{__
　　　　お世話になったお礼に一曲聞かせてあげるわ　　　　／　　 /　 _｣ |> ﾄ､|　　l|｀Ti|　／r' ノ/ ___}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／ /　〃⌒ヾ、ヽヽ〃　L|　/ﾆ } 　} /____}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　| l/　　　　ヾﾆ=ﾃﾊ //　＼ヽヽﾊ Lr- j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　ﾚ　　　　 | |_l_l 〉/　　　ヽヽト､____ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|　　　　　　 !l 　 //　〃ヽ　 |　　　　＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　処刑間近になって琴を取り寄せてほしいと頼み、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　琴を爪弾いて『広陵散』と呼ばれる曲を演奏している
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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350 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:11:06.28 ID:B+bXEywuo

　　　　　　 _,.､-‐'フＶヾｰ､__
　　　　　／ヾ／` i┴i ´＼ r＼
　　　　　{､＿,/　 ,､j▽レ､　レ'´}
　　　　　ヽ＿ V`'┃ 　┃ V 二ﾌ　　　　　いい曲でしょう？
　　　　　　ﾋﾌYヽ＿＿__,ｨﾍYヒ!
　　　　　　l　{　{r/l ◇ l k　}、l　　　　　　前から袁準殿に教えてくれって頼まれてたけど、
　　　　　　!　 }/Zｺヽ r'!ｺﾊハ l　　　　　　 .こんな事になるなら教えてあげとけば良かったわね。　
　　　　　丿ノ/Y　l'´　`l　Yﾍ } ヽ
　　　 <　〈　{ィ{二! Ｍ l二}ヽ} 　｝　　　　『広陵散』はここで絶えるのかしら？
　　　　　＼ヽ　ｌl　｀ヾ'´　ｌｌ　ﾉ｝,ノ
　　　　　　｀Ｚｲ!　　　　　ｌ|´　´
　　　　　　　　|l__＿＿＿_ｌ|
　　　　　　 |　/　　ヽ　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ‐'""ﾞﾞﾞ'''‐､
　　　　　　 `´　　　　`´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,",=‐=､　　　ﾞ'i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,i,,rl´|__,, ﾞi　　　　ﾞ'i,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,‐" ‐-｀ﾞﾞ､''''ﾞ‐､,　　　ﾞ､,,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　_, ‐‐ゝ､,, ﾞ''‐､,　　ﾞ　｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ'‐､　i彡　ﾞ'ヾ='‐-'´'i､,,-‐､
　　　　　　　　本当にすまない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''ヾ=ﾐ　 f=ﾆ"δ_|:::i ﾆ 'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rﾞ''｀ﾞ'　 , ノ｀ﾞ'､ﾞ、ﾉﾞ' ﾉ-　,,_
　　　　　　　　本当に……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,rヘ､‐''""ﾞ､　　　ﾉ´:::::::ﾉ　　i‐"　　　,,｀ﾞ''-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, -,ﾆ,''" 'ﾆ　ヽ｀､　　ヽﾞ'''''",ｒ=‐''‐ヽ, ノ‐-､r'‐"´　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ,,/ｒ‐‐,　　"　　i_ﾉ‐'''''"｀'''''＼ゞ‐''"/,　　"',,,｀ﾞ, ﾍ,　_,‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（,/ ｒ'" _,,,,,i　 /　　　　　　　｀ﾞ‐-//　,　　　　,__ﾉ'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ‐|　ﾉ　　ﾞ､_l　　　　　　　　　　ﾞ';ゝ､i　i　,-‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾞ''"　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''''´´ﾞ'''''´

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そして、自己反省ともいうべき詩を遺した
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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351 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:11:56.37 ID:B+bXEywuo

【>>350修正】

　　　　　　 _,.､-‐'フＶヾｰ､__
　　　　　／ヾ／` i┴i ´＼ r＼
　　　　　{､＿,/　 ,､j▽レ､　レ'´}
　　　　　ヽ＿ V`'┃ 　┃ V 二ﾌ　　　　　いい曲でしょう？
　　　　　　ﾋﾌYヽ＿＿__,ｨﾍYヒ!
　　　　　　l　{　{r/l ◇ l k　}、l　　　　　　　前から袁準殿に教えてくれって頼まれてたけど、
　　　　　　!　 }/Zｺヽ r'!ｺﾊハ l　　　　　　 .こんな事になるなら教えてあげとけば良かったわね。　
　　　　　丿ノ/Y　l'´　`l　Yﾍ } ヽ
　　　 <　〈　{ィ{二! Ｍ l二}ヽ} 　｝　　　　『広陵散』はここで絶えるのかしら？
　　　　　＼ヽ　ｌl　｀ヾ'´　ｌｌ　ﾉ｝,ノ
　　　　　　｀Ｚｲ!　　　　　ｌ|´　´
　　　　　　　　|l__＿＿＿_ｌ|
　　　　　　 |　/　　ヽ　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ‐'""ﾞﾞﾞ'''‐､
　　　　　　 `´　　　　`´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,",=‐=､　　　ﾞ'i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,i,,rl´|__,, ﾞi　　　　ﾞ'i,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,‐" ‐-｀ﾞﾞ､''''ﾞ‐､,　　　ﾞ､,,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　_, ‐‐ゝ､,, ﾞ''‐､,　　ﾞ　｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ'‐､　i彡　ﾞ'ヾ='‐-'´'i､,,-‐､
　　　　　　　　本当にすまない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''ヾ=ﾐ　 f=ﾆ"δ_|:::i ﾆ 'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rﾞ''｀ﾞ'　 , ノ｀ﾞ'､ﾞ、ﾉﾞ' ﾉ-　,,_
　　　　　　　　本当に……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,rヘ､‐''""ﾞ､　　　ﾉ´:::::::ﾉ　　i‐"　　　,,｀ﾞ''-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, -,ﾆ,''" 'ﾆ　ヽ｀､　　ヽﾞ'''''",ｒ=‐''‐ヽ, ノ‐-､r'‐"´　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ,,/ｒ‐‐,　　"　　i_ﾉ‐'''''"｀'''''＼ゞ‐''"/,　　"',,,｀ﾞ, ﾍ,　_,‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（,/ ｒ'" _,,,,,i　 /　　　　　　　｀ﾞ‐-//　,　　　　,__ﾉ'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ‐|　ﾉ　　ﾞ､_l　　　　　　　　　　ﾞ';ゝ､i　i　,-‐'
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そして、自己反省ともいうべき詩を遺した
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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352 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:14:39.41 ID:B+bXEywuo

　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　 ,.＜:::::::::::..、
　　　　　　　　／:::::::::ヾ;ｨk::::ﾍ＿
　　　　　　　　　ｲ:::;;≧三ﾐvﾘ}_ﾆ、三三≧､
　　　　　　　　〆ﾒ元ﾗテ三ﾐ仆三ﾐy､彡三ミ＞-.、
　　　　　　　,／孑升|l〃//∧/「｀〉7ﾘ仄fﾍ／:::::::::::::＼
　　　　　〃　尤从川///`ｰ=|,ｲ〈ﾘ川Tﾍ{:{::::::::::::::::::ハ
　　　　　 /　／l|/ｲ||∠ｲ/　l> ﾉｲl|!|lｲ川从ゝ:::::::::／:::::}
　　　　　　　 l| ||!ﾘ≠k、ﾟ／/刈ﾘ| || }ﾚﾘ∧＼:::::::::::::/
　　　　　　　　　||lﾊfcﾀ　　　 ,=メ､!」|,ﾙｲ｛l ヽ／￣∨
　　　　　　　ﾘﾊ " ,　　　 {!fc弋y〃| !ﾘ∧:::::::::/　　　　其の過ちを寡くせんと欲するも　謗議沸騰す
　　　　　　　　　　〃_,ﾍヽ:┐　　"￣／{　!/〈 l∨⌒{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｼｷ
　　　　　　　　　　__,ﾊ_ﾄ,＼´　　　_ イ{ﾘ从//ﾉ｝ﾘゝ　 !　　　　性は物を傷つけざるに　頻りに怨みと憎しみを招く
　　　　　　　 {ヽﾍ l | // 　〕ｰ＜_ﾉ八{ /ｲｲイ〃ﾊﾍrﾍ
　　　　　 }｀ﾍﾉl_|　! 「￣,「￣//＿ゝイ|ﾘ川lｲ!∥ﾄ､ﾉ　　　昔は柳下に慙じ　今は孫登に愧ず
　　　　　　 {　ヽ　 / i:|:::/ハ::::〃⌒ヾ､lﾉ/ﾘ | |ll∥|　　　　　　　　　　　　　　　　ｿﾑ　　　　　　　 .ﾄﾓ　.ﾊ
　　　　　ﾍ､.'..〃 /:ﾚ'/:::／/ 　　　∨ハ!| |ll∥|　　　　　.内は宿よりの心に負き　外は良き朋に赧ず
　　　　　　　 };;;;;:f' /／:::ノ::::/ 　　　　 }|　ﾘ| |ll∥|
　　　　　　 j　　{/ノ::::::{｢:::/　　　　　/:| ｉ{ | || !| !
　　　　　　＞‐ｧ':／〉:.:.:.:::::}}/　　　　／::::i l| j| ||从|i
　　　　　 / ／::/／:.:.:.:.:.:::/ ‐―┐ /:::::::::ハ{ﾉ乂ﾘ八
　　　〃}､{:::.:.{::.:.:.:.:.:.:.:.:∧;;;;;;;;;;;;ﾚ':::::::::/ l|ﾘ川|!〃　＼、
　　 _ノ乂|;;ﾊ::::ﾍ ::::::::::::/　＼;;;;;;j:::::::::ｲ!|リ川l 〃　　　ヾ､
.∠〃{リ}| 　＼::ゝ::::::/ 　　　/"::::／!l|イｲ{ ﾙ/　　　　　 }j
　　　　　　　厶Vﾊリ/∧　　ヽ::::ﾝ　　　 /:::／ｌ| || |{l |l l//　　　　　〃
　　　。　/ｲ|｝}l |ｲ//ﾊ　　　／　　　 /::;ｲ |{ j| || ||ｌ∥{｛ﾟ。　　　／´　　　　　　　　　　　。
　　。　　｛リ//lリ川/ ﾊ.　 / 　　　／::::{ |l || ｌ|!|| ||ｌ∥从　　｡　´　　　　　　　　　。　ﾟ　　　ﾟ｡

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　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　嵆康が書き著した文学作品・論文は六・七万字あった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　それらはすべて世間で愛好され、朗詠されたという
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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353 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:17:08.22 ID:B+bXEywuo

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　　　　　　　　　　　　f''`⌒(　　　　　,,,,　　　　　　　　　　　　　　　!:(',,,,　　　　　　　　　　　　　　::,,,,,、...
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　　　　　　　　:.、　　　　　　　　　　!:::(　　　　　ﾉ::`!　　o　　(::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　(:::,,;,;,、; 。
　　　　　　　　　　　　　゜　　　　　(/　　　　　　⌒ 、　　　　;::::::::::::;;.;~~''
　　　　　　　　　　　　,,、..　　　／/　　　ノ'　　　　　　　　　/／'''~~　　　　　 ..,,.. _,,,.、　　　　　　　　　　,, ...:　..
　　　　　　　　　　 /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '＾'''::::::::::;'
　　　　　　　　　　):::::::::::::::::::::::::::/　　'''''　　　　　　　　　　　　　'`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒　; !.:::τ''　
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　享年三十九歳
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
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　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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354 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:19:33.85 ID:B+bXEywuo

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　　　　　　_＿__,-－'´　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.:.:...　ヽ　　　ヽ
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:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:..:　ヽ　　　ヽ
:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:　ヽ　　　ヽ
l:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.　　　　　　　　　　　:.:.:.　　:.:.:.:　ヽ　　　ヽ
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:　　　　　　　　　 :.:.:.:.:　　:.:.:.:.:.　ヽ　　　ヽ
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.　 :.:.:.:.:..　　ヽ　　　ヽ
..lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:　　　　　　　 ,-‐－-､_ :.:.:.:.:.:.　　ヽ　　　ヽ
. lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:　　　　　　／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;｀－‐--､_＿_ヽ　　　ヽ
　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.　　　　 .／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三=ゝ
　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:　　 ./;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;__,-－'´三三‐'´
　 lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ..　/;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三 ‐－'´
　 .lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._＿ヾ´_＿,-－'´三三-'´
　　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:._＿,-‐－'´￣=_/￣ヽ､三三-'´
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　　 lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　 _,-‐'´三三三三三三-‐'´￣　"´
　　 .lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　_,-‐'´三三三三三-‐'´￣
　　　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　 _,-‐'´三三三三-‐'´￣
　　　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　_,-‐'´三三三三-‐'´
　　　 lｉ:ｉ:l/三三三三-‐'´
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　　　 .｀´￣

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　嵆康の事跡は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　後に彼のもう一人の兄が伝記にしてまとめている。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .その人となりが分かるのは兄嵆喜の労による所が大きい
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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355 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:23:03.52 ID:B+bXEywuo

　　　　　　　 _,.　-―- ､,.-‐､__
　　　 __　,／.:.:.:.: ,-― ' ,.- ヮi {
　　〃､ヽ.:.:.:.:.:.: } ┌‐ﾋ薔ﾊ y !
　　亅/.:.:. 〉、.:.:. ヽ＼へ〒ヽ_ﾉ、
　　　i.: l.:.,'　｀￣ =－-､l」ﾆ´i_〉!
　　　∨:.{　＿, 　／x‐=､i!ﾍY.:.l
. 　　ヽ:ﾍ　,=､　　弋_ｿ　l!ﾉ//
　　　　ﾞﾗ､i::ﾘ　　　　 /.:/.:i__　　　　　　　　　山濤殿。
　　　　　 {::ﾊ､_ ｀っ　／ｼ.: ,ｲ　ヽ
　　　　　ﾚ-{ﾞｰ.i/jﾄ､-‐ﾉ:／.ｨ　　',　　　　　　　.嵆康の息子はどうしているのかしら？
　　　　　 /　〈ﾆ/ﾉ}{ヽヾj .;.:. ﾉ　　ﾊ
.　　　 ,ﾊ　　>ｊ､ ' ,ﾍ、｀ヲ' _ ＿ ∠
　　　　ト-､_.ﾉし､_ﾑｯ ,f‐|　ﾊ, ｒ､ﾆ} !
　　　 ,> //｀1__ ,ｲ｀´ﾉ_,. ‐＾､l! ! 「´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐‐-=ﾆ
　　　 |,/　　　　/‐v‐iﾍ　　ヽ_」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i>‐<　l　￣ ‐- ､
　　　　｀| 　　 /| i^i 「　.}　　　ｉ |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ Y¨Y｀`ヽ､ /　　ヽ
　　　　　ヽ-／　´　｀　　＼　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/__ ﾆゝ '‐ = ‐-､`､　 .i
　　　　　 ,／　　　　　　　　￣　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -‐ﾆ　　　　　　　､　｀ヾ､､V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　/　　　　i　ﾍヽ　　ヽﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠　　／i　 i　i　 ii　 i!　､　　ﾍﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /　i､　 i .i　 i_i　iﾍ　 ,　　 i　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //i i! ii 从‐ﾍ i i　i i-iﾘ___ﾘﾉ // .i､　ﾍ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾊ　弋/ｲﾃ示､ /ﾘｲ5示ﾗ//　ﾉ |　‐-ヽ､_
　　　　　　　　自宅で謹慎していますよ　　　　　　　　　　　　　　　ﾍﾊiﾘi.ヽ弋ﾘ `　　ゞ=ｼノi／_=´ﾆ　　＼ゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　ヽﾍ　｀_　　|／i!　/::::::::::::V ､　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i! ___i!＞　_　イ__::i!　i::::::::::::::::V　＞､　ﾍ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,, -‐=ﾆ､　　　／----､ヽ､.i:::::::::::::::::V　　　＼､ﾍ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（￣　ヽﾉ　　ゝ､　　　ヽl ii､､::::::::::::::ﾍ‐､　　　V .i　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ--‐　 _ ,,　､､ニ二 ‐´　i ､ヾ､=‐--　> V､ヽ＼i　　i i

356 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:28:40.62 ID:B+bXEywuo

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. _,,-=', -‐ヾv-''"~""'''‐-､i__＼‐- ､..,,,____
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.i　/i　 i.i_,i,.i-‐'ii.i .iiー-i-､i.._ヽi､_/i　i_,-‐'''　　　　　　　　山濤様。
.i./ .i　 i i.i.i,f-‐i..i i.i .ｨ.ｪ‐.ｧi　〈::::::::i　i
..i　 .i　 i iii .ﾋ::ｿ /´　寸ソ.i i/､i､:::::i　i　　　　　　　　　　 .父は決して悪事を働いたのではありませんよね？
　　 i ＼i_i i.　／ '__　　／'.i .i　.!^'´i　i
　　 i 　i　.＼`ヽ､,.,_,,.-,'i-､ i　i　　./i　i　
　　 i 　i , --.ヽ i∨ﾛヽ.／i_,i　i‐-〈 i　.i　
　　 i　./　　_,.-i i^:'i´:＼　, .i　ii　 .ヽ /　　　　　　　　　　　　　　　　／ fr=一／　　　　＼
　 ._i／　　 'y´<i i'└“`∧i .i /ii　　＼_　　　　　　　　　　　　　　　　 /〃ﾑr_／　（{ ○ }）　＼-､
　 .i　　　　/　　i/　　　￣.| i/ '　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　{〃（_（_r‐Y⌒Y⌒⌒＞f⌒Y　Y._）
　　｀r‐-､_|r‐-,ﾟi____　　　/i　_,,..-‐v7´　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　／ﾞｰ'ゝ=○O=（__）（__）ｰく._））
　　　i::::::__i:::::::::::::::::｀ﾞ'‐-'　｀i:::::::::::__i　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　/ ／　 / |　　　　　　、　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i./　/ ///l_,ﾑ-|l､|l　　!,.|‐ト|l | ＼ i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /l! ./ｲﾊ| | |,r≠xＮ|、从ｨ≠ｘ|.| l|ﾊ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / :l| 　 |　l从!　ﾋｔﾀ　　　ﾋｔﾀ从ﾘ　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆ　 !l 　 |　　| ﾄ､┐　　 '　　　rｱ| | |!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ./|ﾊ　 ! 　 | |　|`　 ._‘’_. ィく　| | |!
　　　　　　勿論です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j/.｜iﾍ｜厂| ﾄ､j〈勺辷Y戈ｳ_}_,! !_ヾx、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　 |｜ V　,小!ｲ勿⌒にｉｺ⌒j勿/|　　｀＼
　　　　　　後の事は私に任せてください　　　　　　　　　　／/　　 ,! | /　 { ,| |　　,.へ.{{ }}　　ｆ' 小、　　} ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　 /ﾊ.厶ニﾑ.! !ﾆﾆ| ⌒ｸYニニ{ｲ}.|ヾニﾆﾑ.　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　/　/　　 / |/:{　　　 Y}　_,!　　 ,ﾊ.〉　〈iｆ｜　　　/　　　i}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ィ/　　 /　.!　ﾊy′　ﾘ/__＼__,ﾊ-{　　 jﾊ.'　「 r′　　 .l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　 |!　ﾍ{　ハ/　入{r}}　　 /ﾄﾊ　､＿ｆ　　 !　　　 _ﾘ
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　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
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　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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357 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:34:06.30 ID:B+bXEywuo

　　　　　　　　,.ﾉ-.ﾐヽ､　　　　　／　　　(;;;;;ヽ
.　　　　　　　 / .::::::::. ヾ､　,,.-'7　　 ,,.-''´:￣:ヽ_
　　　　　　　./ .::::::::::::.　ｿ´ｯ'´　／::::　　　　　　ヽ
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　　　　　　ﾉ :::::／:::::{:::::/　 ./:;:::::　/ ., // l　,　　　　.ヽ
.　　　　　 |/／'::::::::λ〈 ,-‐l:::l:::,:::::|　ト/|､||: |:　,　.,　ﾍ.|　　　　　　　大将軍。
　　　　　､.''::::::／::ハﾐﾍ| /'|l|:::|:::::|::|ﾄ|l-l.|ミλ ,|　l　,,l.'
　　　　　lﾞ ::::／::::/　ヽﾍ.＼'|::||::::;:N　'ﾞ　{'i｀ |/,／ｿ'l/　　　　　　　.あなたは変わりましたね。
　　　　ﾉ::／::::::/　　　ヾ._　｀l:|ﾍ:ト,,,_,　　　 '､
　　　　/／:::::;/　　　　　　_｀ヽ,|::l:ﾄ　 .|　　　／　　　　　　　　　　　.昔のあなたは優しい方でした
.　　　/':::::::;:/　　　　　　 .'､｀ﾞ｀ﾐ|l::ト.､_l　／
.　　 /.:::／/　　　　　　　　|｀ﾞﾞﾞ''ﾍ:::ヾゝ｀´|
　　/.:/':::::l　　　　　　　 ._ﾉｯ-‐.''''ヽ､:ヽ､|:ﾍ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.rｧ　´ 　 ',　｀　､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i´　　,.ィ´　　./　　　　　　　　　　ト､ヽ '　ヽ

358 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:36:45.38 ID:B+bXEywuo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -──-＜..　　　　　　 ` ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´ .．-―- ､ノ⌒'､ー､-　.. 　　　　Y⌒Y⌒レハ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　'/　　 .´ .イ.′　ヽ＼　＼＼ _＿j　_)_ノ_`'´ し'´j_ｲーv´Vハ
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　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＼　 | / イ　　￣゛　　　　　ヾ＼　ノ　r_(__ ゞ_＞､_ ￣ﾉ::`ー─'::::::ﾉ
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　　　　　　　　　　　　　　　r―┤ ､ _!　弋__つ　　　　　イ⌒ヾX　ヾ|::ﾄ､ー‐|::::::V`′
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　　　　　　　　　　　　　　厂　弋ニニｲ!　　　　　'　　　　弋_つ　 '　イ⌒ﾚ′ﾚ'´
　　　　　　　　　　　　　 r'──=─ ﾉﾉ人　　　－　　　　　 , , , 　／.::|!:ノ
　　　　　　　　　　　　ム--- ー=イ/　 rゝ、　　　　｀　　　　　　イ　　 |!′
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359 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/24(月) 00:37:42.53 ID:GvFhUD7vo

・・・ここらへんのことがあって、司馬昭は最終的に鐘会に見切りをつけるんだろうなぁ

360 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]：2012/09/24(月) 00:38:56.89 ID:zL7jGmIb0

傍から見れば権臣の偽りで処刑したようなもんだから、格好悪過ぎるよね

361 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/09/24(月) 00:40:51.15 ID:B+bXEywuo

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　　　　　　　　　　　　<: r――ヽ
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　　　　　 . : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :｀:＜:Yヽ三三≧=-
　　　　／／／.:／: : : : : : : : : : : : : : : :＼＼:}＼⌒ヽ三三≧=-
　　／イ: : /.:／: :／／: : : : : :|: : :＼: ＼: ＼:{:从: :.:.|三三ア´
　／´ /.:/:/:/: : :/: /: : :|: :!: :.:.:|:.|: : :.:|: :.:|: : : ヽ:ハ: :.|ﾆｧ＜
/ 　 ./.:/:/:/: : :/: /: : :./: :|: : : |:.|: : :.:|: :.:|: :.:.|:.:.|Yｿ: :|７三三≧=ｭ
　　 i: /: i: :!: : /: /: : :./: :/!: :.:.:|:.ﾄ : :.:|: :.:|: :.:.|:.:.|:|ﾘ: :.|'三三三ア´
　　 | i!: :!:.:|: : |_:｣:_:_:/_:_/:,!: : : |⊥i_:_:|_|_:|_:.:.:|:.:.|:|: : :.|三三ア　　　　　申し訳ありません。
　　 |八 |: :|: : |: ;|: ;ｲ: :/i:ﾒ|: : :/:/ j: :∧:Ｎヽ｀|:.:.|ﾘ:.:.:.:|三ア
　　　　　Ⅵ: : |/衍テぅﾐx/: :,ｲ/ 才テぅ＝ｧⅥ:.:.||: : : |ア　　　　　　　 .もう少しだけ続きます。
　　　　　 |:|: :/|ﾊ込z少: : //'　　込z少　 /ﾚヽ!|: : : |
　　　　　 |:|:/: |: :.　　 /:／　　　　　　 /: |　 ||: : : |　　　　　　　　　後は阮籍様のお話をして終わりだそうです。
　　　　　 |:|': : |: :人／´　　 '　　　　ｲ: : |　 i!: : :.:|
　　　　　 |: : : ﾊ: : :|　＞　　‘ ’　　 1｀ .|: :/　　|: : :.i!　　　　　　　　　お疲れ様でした
　　　　　 |: ;r┴|: : |1:::{　　｀¨´　　　　 / /〉＾ｰ廴_:八
　　　　　 |:/{.　 !:.:.:| V∧　　　　　　　 / //　　　　 >､:＼
　　　　 ./:{八　 !: /　＼＼＿＿＿／:i:.:|'　　　／　 ∨:∧
　　　　/.:/＿＼|: {　　　　ー――― ´|: |　i　／　　　 ∨:∧
　　　./:<┬- ミ.|:/　　　　　　　　　　　|: |　|/z≠＝＝iア: : |

362 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/24(月) 00:41:00.48 ID:BXToi8gN0

>>359
不満分子を粛清させて、不要になった走狗を煮殺しただけですわね。
もっとも、鍾会は完全に自業自得だけど。

余計なことを考えなければ、賈充よりも西晋で大きな顔ができただろうに。
ついでに、列伝も晉書に立っただろうから、三国志ファンの知名度は下がったと思う。

363 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/24(月) 00:42:18.22 ID:U1MvsTcTo

演義で出番さえあれば知名度は上がるんだぜ？

364 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/24(月) 00:42:44.72 ID:BXToi8gN0

お疲れ様でした。

>>354
嵆喜は典型的な儒教に則った礼法の士で、嵆康の友人連中にはさんざおちょくられているのだが、
陰で弟をフォローしていたんだろうな、と思う。
彼の苦労話にも期待しています。

365 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2012/09/24(月) 00:45:19.76 ID:BXToi8gNo

>>363
あー、そうか
クライマックスが蜀漢相手だから、それでも十分出番は多くなるのですね。

366 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) ：2012/09/24(月) 00:51:39.71 ID:MnDVAgoQ0

乙です。

鐘会はできがいいけど抜けてて後世に傍から見ると面白い奴だよな。
そして主がライトをその役に当てはめたのも完全なはまり役だと思う。

367 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/24(月) 01:00:43.65 ID:pzp3c+090

乙でした
鐘会は上昇志向が強すぎるというか、お近づきになりたくない印象だなぁ

368 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/09/24(月) 01:05:40.71 ID:xAyT+ikP0

お疲れ様でした。

鐘会に臥龍と言われた嵆康ですが、
絶交書のなかで孔明について触れてたんですね。
本人も少しは孔明を気にしてたんでしょうかね。

369 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/09/24(月) 01:10:42.73 ID:kQnA3QJS0

乙です
司馬昭の後悔って割と誰の処刑でも同じように思ってる気がする

370 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2012/09/24(月) 01:12:36.17 ID:BXToi8gNo

寄らば斬るというか、寄らなくても寄って斬る人だからな。ただし司馬昭の威光で＜鍾会
武庫（武器倉庫）のような人といわれるだけのことはある

こんな物騒なのが権力者の側近なのだから、保身術が発達するわけです。

>>368
もうこの時代から、敵ながら天晴れな奴という感じで取り上げられてますね、諸葛亮は。
もちろん、この場合は徐庶が降った先が曹操（≒魏）だからこそ、取り上げた気もします。

371 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/24(月) 05:08:08.13 ID:1HsP7C6C0

それにしても、親に手を上げたら処刑なら
親に殺されそうになったら子はどうリアクションするのが正しいのやら

372 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/24(月) 07:39:10.64 ID:mjssrW7To

>>371
黙って殺されるのが孝道なんじゃね？

373 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/24(月) 12:24:20.76 ID:MADiP2ec0

曹髦殺害の顛末を見ても、司馬昭は特に「親への孝」を前面に押し出しているように見受けられます。
あれも表向きは、「高貴郷公が（親代わりの）皇太后を殺害しようとしたのでやむなく反撃した」で押し通したから。

それから嵆康の場合は、禅譲が秒読み段階に入った段階ですから、皇室の縁者でも始末できるんだぞという
政治的効果として処刑に踏み切ったように見えました。

今でも中国では、他人に「自分を父と呼べ」というのが最大限の侮辱表現と聞きますから、日本と比べても親への孝というロジックは強烈なのでしょうね。

374 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/24(月) 12:31:25.50 ID:RWsjfMwRo

後漢末から南北朝時代にかけての隠者礼賛の気風は国を滅ぼすな、やっぱ

375 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/09/24(月) 12:47:46.27 ID:MADiP2ec0

権力者の虎の尾を踏んでぶち殺されるなら、隠遁した方がマシにもなるでしょう。
積極的に曹氏や司馬氏に協力したくないが、反乱や敵国に逃げるような極端な真似はできない。
そういう人は、宮廷闘争と無縁の地方に出るか、さもなくば隠遁してやり過ごすかしかないでしょう。
今だったら、在野で名をなす仕事がいくらでもありますが…。

嵆康はむしろ、隠遁に徹しきれなかったから見せしめにされたようなもので。

376 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/24(月) 13:55:27.06 ID:UCd2yFr30

田疇のようにはなかなかいかんもんだね
後を継いだ田続はちょっとアレだけど

377 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/24(月) 16:54:24.54 ID:ApOhEu5l0

陳御大が奇人伝で言ってたね
権力者の尾を踏みたくないから隠遁するのが賢いよ！ってのが続いて
誰も彼も政治に興味を持たなくなったから晋はあっさり潰れたんだって

士大夫ではいたい、でも権力闘争なんかしたなくないって、我侭だよなー
官と民しかいない中華社会に巣食う永遠の病巣みたいなもんなんだけど、貴族時代は顕著だね
それでいて寒門や商人が皇帝に近侍して権力持つのは嫌がるし

原因はやっぱ王莽まで遡らないとならんぽいが

378 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/24(月) 19:03:43.71 ID:VKBVR9lo0

戦時から平時へのシステム変更といえば、後漢の光武帝は臣下に恵まれたなぁという気がします
取り巻く状況なら、後漢よりも西晋の方がハードモード臭いですが
塞外・塞内に分布する諸民族に、よりひどい人口減少率…
どんな名君ならこれを無難に治められたと言うんでしょうかｗｗ

379 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/24(月) 20:35:57.22 ID:ApOhEu5l0

光武帝は外戚親族が適度にアホだった（司馬家の王族外戚はそこそこに優秀すぎた）のが良かった気がする
あと元勲レベルの臣下が光武帝より先に死んでOR進んで引退してくれる人徳が
（でもこうやって上手く引退して往生した英雄達の存在も隠遁万歳に拍車かけたのかも……）

晋は大豪族の顔色伺いながらバランスとって政治していかないといけないのがね
司馬炎とかも最初は上手く回してたけど限界がどんどん出てきた。後継者問題とか最たるもんで
光武帝は恵まれていたけど、豪族間を政治的に遊泳しながら自分の意思を押し通す政治センスが
晋の皇帝とは比肩できないレベルだったかと。異民族と人口減少は国体がしっかりしておけば南に避難とかはおきなかったろう

380 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/09/25(火) 00:18:24.11 ID:1v/7p189o

本気で自給自足の隠者やるならまだしも中途半端に世に関わる連中が多いからなあ
まあ、世に関わるから記録が残るから当然ではあるんだが

381 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2012/09/25(火) 00:48:35.64 ID:lXV1v8eYo

本気でやると孫登＠隠者のようになるのかしら。彼も、『晉書』に伝が立ってるから
隠者としてはまだまだなんだろうけど。

382 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/26(水) 03:22:34.40 ID:j1LuVHooo

そもそも後漢が皇帝の夭折連発で豪族の権力をそぎきれず
即弱体化したのが深層な気もするけどな…人口減少や遊牧民族の乱入は少なくとも
後漢がしっかりしてりゃまだマシだった気もする

383 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/26(水) 03:36:16.79 ID:j1LuVHooo

…自分で書いてなんだが、後漢がしっかりしていれば論は魏晋の全否定に等しい気がするｗｗ

384 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/09/26(水) 04:14:43.29 ID:Y3oCEXuqo

異民族に関しては光武帝以来の国是だからどうしようもねーと思うが
人口減少はぶっちゃけ、減った分の何割かは豪族の私物になってるからなぁ……
これもやっぱり豪族が強いシステムだと手出しできないことで

385 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/09/26(水) 22:23:00.49 ID:eLd6g/Ufo

>>371-372
それは孝行で有名だった曽子に対する孔子のお叱りの逸話があるので儒教的な答えは出ている。
「親によって大怪我しそうな事態になるなら、親にそういうことをさせない様に　逃・げ・ろ　」です。
だから、それ以上の殺されるような事態は当然それに準じると考えられる。

386 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/09/29(土) 23:38:53.40 ID:+Vr0kjp/0

ふと『六韜』の「挙賢」第十の後半部を読んでみて思う
魏後期～西晋時代の人材登用って、太公望の言ったタブーを全て犯してるんじゃ…

387 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/01(月) 00:54:57.01 ID:mHg1L0lWo

:::::::::::::::::::::::::::::::　:::::::::::
|　　　　≫'"´　　＼ヽ-､〉:|
|／＼／￣　　　　 --Ⅵｰ|
|:::::l ::|/＿￣｀　　´￣ |:::|::|　　　　　　　　　遅い時間なので連絡だけ。
|:::::|:::斤::::卞　　 'T::::ｶ|:::|::|
|::'^|:::| ヒcｿ　　　ﾋrﾘ ::::i):|　　　　　　　　　時間が空いてしまったが、
|::ゝi: i│　　　　　　　/:::ｉ:::|　　　　　　　　　続きの投下は１０/４（木）２２：００から始める。
| :::::ｉ:::::ト　　　-　　イ:::::i::::|
|:::::::i:::::|::::/`L._爪::::/::::/::::|　　　　　　　　　御容赦の程を
| ::::::|:::::iﾍ／{_}＼/'7:::/、:::|
|:::／|:::::|/　/｢ﾄ､ Ⅵ:::ｉ　ﾊ::|
|::|丶|:::::|／| |｡| |∨|:::|/　l |

388 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/10/01(月) 01:04:36.91 ID:10dpkjrco

了解也

389 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/01(月) 19:02:52.86 ID:UDL8J+um0

了解です
お身体に気をつけてー

390 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 21:49:41.91 ID:HR4Q+QwVo

２２：３０頃から投下開始します。

391 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/04(木) 21:50:43.51 ID:z7fqzVYL0

承知～ﾉｼ

392 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/04(木) 22:16:03.71 ID:ZA5yVSbVo

了解。

393 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/04(木) 22:19:10.77 ID:PhV1s/L/o

ちょっと読めなくて、しかもランファも逝って、1レスだけ徐庶が出てきて読み終わったら
今日投下だとっ！？

394 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:35:46.01 ID:HR4Q+QwVo

―　東市　―

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i__i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧
　　　　 _　　　　　　　　　　　　　　　　 _i_　　　　　　　　　　 | Ｕ |　　ｉ　　　　　　　　　ｒ､　 ,
　　　　八　　　　　　　　　ｒｯ　　　　 _{__}_　　　　　　　　　　　i　{　　 }　i∧　　　　　　　 ,ｒ'::ヽ八
　　:: 〈 | | 〉 ::　　　　　i 　 /＾V　　　／ ,八＼　　 i　　　　 {二二二二二}　　　　　　　ヽ{:/::::〈 | | 〉 ::
.　　　 VV　　　　　　小　{:::Ｎ　　 ∧__{____}__∧　 _{}_　　ｉ　 A, l ￣￣￣￣ |　　　　　　　　ﾊ!::::::|VV
　　　　∨ 　　　　　 _!___! }:::::::〉　　{ {_} ｉｒ, ｉ __　} （ﾆﾆ）_/＾ﾍ{__},|　匸}　匸}　|　　　ｩ､　　　|ﾉ!:::::{ ∨
　,ｨ　 ,/||ヽ_ 　　　　 ! o V::::::｛个／＼,_｛ゝ_{_}__| r|,n | |___／＼| ￣￣￣￣ |　,ｯ ,ﾉ::｝──,ﾉ,‐‐‐ヽ||───
. 爻,,/ﾆ||ﾆﾆ］￣￣￣｀〈二二〉´---::〈!!〉::}ﾆﾆo八___| | l__￣__,|: {ニ} 　 r:,　! く:｝{:::〈!!〉___く,ﾆニニ}||＿∧＿
林林匸||匸} !　!⌒!⌒! 　|::日::|　目目 ||ﾆｿ目_|_ﾉ〈〉:} | | ----|‐‐‐__ 　{:｡〉,|oﾉ|〈:::| ||目目!}::::::::::::|||＿{__}＿
林林:　}_{ 　 !￣ｉ￣i￣i:, :|::八::| ￣目￣|l::::l 目 |::::| |::::〉ｊﾟｊ}｡｡　| 〃⌒}}〔:|〕 {ll::::} ［_］||目目ﾉ::::::::::::|}{ 日}{日
森森, {___}　 i_ _ ' ＿＿__［ ____ ］ｔ───≠─r＝≠==一‐- _｡,i_{{' 　 ||=ニ≠=─-ｧ──t ‐- 、_［__］{ ,}{日
￣￣ｉ￣|￣ｌ´　 !＿＿!　___!　　　|__　ｊ　　-‐　 '"´　￣￣´￣　: : : : : : :｀￣｀＞‐-　ｊ　＿　ｊ ‐‐| ＼　＼木
￣￣ｌ￣|￣ｌ　　ｊ　　　　　　-‐:　´ 　:　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　:　､　、ヽ:　:　:　`ヽｊ　| ＼　＼
＿＿l　 l　-‐　　''"　:　:　:　:　:　:　:　:　:'　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　ヽヽ＼ :　:　 : :＼|＼|＼　＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',:::|　',:::､::::::'::,ヽ》ﾄ-‐=}"´ ｀ｰ乂　　　　　ノ　　　_,／::::/　}､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　=乂_　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '´"
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395 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:39:25.02 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　／. : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ＼:ヽ
　　､ｰ-‐'. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.い.:ヽ
　　　｀ﾌ. ./.:/ :.:/ ,ﾊ.: : :.::.:|: : : : ､. : : : : : | |:.:.:l
　　　 |.:./.:/.:.:./:l/.ヽ＼.:.:.:|＞く.:.:ﾄ､.:.:.:.:.:.:| |.:.:.:!
　　　 |/|.:.l.:.:.::lNﾆ二ヽ＼|　ｲ　行〒:.: | |.:.:.:l
　　　　　 |.:.l.:.:.:.l ﾐ　　ﾊ　　　　　 fりﾘ｝.:.ハ.:.:.:.!　　　　　　　　　ほな、帰って酒でも飲もか。
　　　　 .ヽl.:.:.:.ﾄ､ﾐ‐‐り　　　r'´ ﾆﾆｿノ.:/j /.:.:.:.l
　　　　　l.:.ﾊ.:.:にﾆﾆﾝ' ⌒ヽ　＿ノ　l/ｿﾉ.:.:.:.:..!　　　　　　　　美味しいのが手に入ったんよ
　　　　　l/　l.:.ヽ　　　「￣ | 　　　 /( ).:.:.:.:.:.l
　　　　　　 l.::.:..:.丶､　ヽ_ノ　　／.:.:.:.:.:.: :.:. l
　　　　　　l.: .: .:. :. :丶､ __ ,. イ L.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　 /. :. :. :. :.: .:.:.」　／ /ﾌｰ-- ､.:.:.:.:l
　　　　　　　 /.:／／￣／　 ,.ィ. ィ´　　　　　ヽ.:.:.
　　　　　/.:/ /　／￣／　 l /　　　　　　　ヽ.:.!　　　　　　　　　　　　/: ;': : :l: : : : l: : : : : : i: : : : : 」ヽ ,:イ: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　,': : i: : : l : : : l: : : : : :.l: : : : :ヽ::::／＼ : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :l: : :./l: -:il､: : : :i: :l: : : : : : ';::ヽ: : :ヽﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　ｌ: : l: :i :i　l: : l l:｀ : l: :.!: : : : : ノ｀ｰ'; : : :';:l: :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : :l: l :ｌ〒ヽ, l: : :,' : l: : : : : : :/: : : ',: : :ilヽ:.:i
　　　　　　　　　　あれ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　ｌ: : :l: ｌｌ　il.,'ｌ ',l: :/: : l-.、: : :ノ: : : : :i'; : :l　',:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ: : '; ',:!　ﾋｿ　 l:/: : :lr　i : : : : : : : : l i: :l 　ﾘ
　　　　　　　　　　頂いちゃっていいんですか？　　　　 ..　　　　　　　 l : : ノ　〃　l: : : :!_ /: : : : : : : :／! l ! 　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 ',: :ヽ　　__　.l: : :,' 　ヽ. : : : ; '　　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　',: : :l＼丿_l: ;ｲ　　　　 i　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　ヽ: :l　　　__i.l:,'_ - ‐ ' ￣丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ':,:l　　 /∨＼_.,...-..‐..:´::""::'...､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　　　'　,'´:;∩,.'::::_:,:::-::‐::'::::::'::‐:::､::ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　裴徽の子　裴楷

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　嵆康と金蘭の交わりを結んだもう一人、阮籍。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　友の求めに応じて嵆紹の面倒を見た山濤に対し、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .彼がこの事件に関わったという話は聞かない
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

396 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/04(木) 22:39:50.90 ID:ZA5yVSbVo

始まった…って、いきなり処刑場か！

397 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:42:55.00 ID:HR4Q+QwVo

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　　＼
　／　　─　　 ─＼　　　　　　　　　　いますよねー。
／　　‐=・=‐　‐=・= ＼
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　俺たちは心の友だとか言って実際何もしない奴
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..::::´:::::::::::::: :｀:ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｒ´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
　　　　　そういう品のない物言いはやめておこう。　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌｨ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
　　　　　阮籍の本音を知るのは非常に困難だが、　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾄ､(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rﾉ
　　　　　この状況下で嵆康の助けに入るのは危険すぎた。　　　　　　　　　　　　　ヽ´::::|::::::::::::::::_;､::ﾙ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ‐lイ::::::::::ヽ
　　　　　下手をすれば嵆康共々刑場の露と消えたかもしれない　　　　　　　　　　　 /⌒ヽ､::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::｀¨´!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ__;:---─ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

398 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:44:23.26 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

―　阮籍邸　―

ー＝≦　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　/::）　｀ー-―' ｀ヽ､_＿ノＶ;:',　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
../:::::｀ヽ{⌒Y´￣￣｀ヽ､　 /}/:::',　　　　　　　　|　　　　如何金石交～♪　　　　　 |　
.′:::::::::::::::{:::::::::l::::::::::::::::｀´::::::::: l　　　　　　　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　
::ｖ::::i:::::::i:l_ ':,::::::ﾄ :_',＿}::::l:::::::::::::l　
{ハ:::',::::从{｀ヾ:{´ヾ{｀Y}:/!:::/、:::|　
　　ヾﾊv＝==､.｀,　=＝､ﾉ::' }l::::::l
　　　　ゝ -- ⌒ゝ ---'　}/ノ:::::::l　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　}::::＞　マ７　イ､℃::::::::::',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　一旦更離傷～♪　　　　　 |
　　　 ./∧__/ -{｀¨´-.:.:´（:::::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　
　　　／´.:.:.:{／} /⌒ヽ.:／.:｀.:.､::::::::: ＼　　　
　　∧.:.:.:.:.:.:.:. /{′／.:´.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:::＼::::＼　
　./.:.:.V.:.:.:.:.:.:.}o}´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:i:::::::iヽ:::::',　
./.:.:.:.:′.:.:.:.:/ /.:.:.F＝= ,.:.:.:/.:.:.:.:l:::::::!　i:::/　　　　　　　　　　　　　 , '::::::::::::::::::::::';::::::::::::::';:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::i::::l::::::::::::::::i:::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'::::::::::i:::::;ｲ:::::l::::ﾄ､:::::::::::::l::::::ト､イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::::::::l::/　l::;ｨﾕ=ｒ､!::::::::::i:l::::::レ「｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:i:::::::ｉ:ﾚ、　!:::ﾄｉﾘｉl ｲ:i::::::::l:lヽ:::::::ヽ:::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l:::::::l:::ｌiﾘ　l:/ヾﾂ,,, l:l::::::::ﾘノ:::::ﾉ l:ｌ';:::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:l:::::::';:l''　ﾉ　　　 l:!:::::::! ';:／　ﾘ i:;'
　　　　（やっぱりそんな簡単には割り切れないよね）　　　　　　　　l ';:::::::l:.　 _ 　　　ﾉﾘ::ﾉ　i,.....-....､ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ ':;:::::l::ヽ　　　　　 ,　-∠::､:::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', ヽ:::ｌ';:l　￣　｀y／⌒ヽ:::::ヽ:::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ　　　 /:::::::::::::::::::::::::',:::::＼::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::,::'::::::::i:::::::::::ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::,::'::::::::::::::',::::::::':,:::〉

399 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:45:06.94 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　　　（(／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::＼
　　　　　　　／／｀´ヽ─´｀─､,､　.:.ヽ
　　　　　 /:::|/::|/:/!!::l:ハ/:::ﾍ //l　 ',
　　　　　　//|::::::::::/-||-l:::::|:::::|､:∨!/:|.:|
　　　　 l|　|:::::::::|＿_ヽ＼|＼|｀∨!::::|.:|
　　　　　　　ｉ::i`l:::!"｀｀｝‐-､_r─､､|:::ﾘ..!　　　　　　　　　　ところで裴楷。
　　　　　　　　》〉ﾞｊ｀￣´__'＿ﾞｰ─/ﾙﾉ.:!
　　　　　　 //::/:＼" '、_ ﾉ """/(x)::l.:|　　　　　　　　　酒の肴になんか面白い話ないんか？
　　　　　／/::/:/::::::ヽ、_ 　. イ:::|::::/l∧
.　　　　　 /::/:/＿ノ　　 |::::|::::!/|/:::∧
　　　　　　/:/￣ﾊﾊー-､　｀__ー-､::::::|＼ヽ.
.　　　　 /:/ 　', 　ﾊﾊ─-　＿　} } ∧:::|　｀ｰ-
　　　　 /:/!　　 !　　｀ｰ- ≦二ノﾉ　∧::|
.　　　 /:/::|　　 j　　　ハハ　　 /　l::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:: ￣　＿　`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　⌒｀: : :: : :: ::＼: :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,ニニ:＝＝-ｌ:: :: :: : ',:: ::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ :|::/ / |::::|:: ::l :: :: l:: :::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！ .ｌ..::|_|:::|　|::::|:: ::|_:: :: ｌヽ:J＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ l　l::;:/下ｌ|　|:::厂|ﾘh:: :::h::〃⌒ヽ､
　　　　　　　河南郡の向秀殿がですね。　　　　　　　　　　　　　　　　　 /〃 .l　ｌ:::{,,ﾚ-､　|ﾉ,､--､:| :|:「ﾘ:ハ　::::い}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/{　|:::}　　　　　　　　|://ノ　　ヽ:::::}
　　　　　　　都に出てきて仕官するみたいですよ。　　　　　　　　　　　　{／ |　|::入　 ,_'_ _,　　..::}/://　　　 }::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .{　乂|:::::{＞ﾍ=ﾍ, ､:イ_} 〃　　　　 |/
　　　　　　　今頃大将軍に会ってるんじゃないでしょうか　　　　　　　　　　　 _,､小{＿:: :: :}-イ:::乂　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::: :/〃^:: :ノ{ヽ/:::::ｌ:::::`丶-ｒ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::: ;::::{　三Y　|ｊ}/＼ノ::::::::::::/:::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:::: :: ::::}　 ^J{　:/::::::／::::::::::/:::::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::: ::::ｒイ　Y:|　/:::／::::::::::::::/:::::::::::|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　嵆康の友人だった向秀は、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　それまでの隠棲生活を捨て、招聘に応じ仕官した
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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400 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:46:59.69 ID:HR4Q+QwVo

　　　 ,ｪｪｨ‐┤（　/"'''-=/薔ヽ＿＼
　　　 |ヾ .＼ﾞ＾ュヽ__ｚ=-ゝｰ〃、 .＼ｭヽ、
　　　.,ゝ、　　　ﾞ'弋　　　　　　＼_//　＼
　　 //　　＞ミ　　　ﾞ＾夊　　　　歹　　　　∨
　　.}/　　　　_,.　　"''‐- ,_ゞ＾ァ'" ＼　　　　∨　　　　　　　向秀。
　　.|　　　／　__,,___　　　　＼　　　＼　　　 |
　　|　　　　　 .,イ:::::ﾞﾐマ　　　乃ヽ／￣∨　 |　　　　　　　貴方には隠者の志があると聞いていたけれど、
　　|=　　　　　つ:矗::∥　　　＼.<（ﾞ　　 ∨　|　　　　　　　どうしてここにいるのかしら？
　 ∧ﾆ, 、　　丶ゞ-''" 　　　　 .∧〉）　/ /　/
　　∧ｾﾉ　　　　〃〃　　　　　／/　　./　/
　　　「ﾞヽ　　　　　　ﾞ''ｰｮzzzＺﾁ／ﾞ"＜/／ﾞ|
　　　.,　　 _＿___　　　 ┌‐''＼　　　　＼./
　　　入　 .ゝ‐''" 　／＼|＼　　＼　　　　∨
（　　　＼　　　く　　　＼_ヽ''￣"'''-　　 ∨　　　　　: :/: : /: :l : : : : : : : : : :.l: : |､: : : :.:. : : : : : : : : ヽ　　　　　 /
　＼＿／＼____．＼____／　　　　　　　 <ﾞ　　　　　　 :/-:‐/l‐:ト: ､: ::::: : : : : :|: : ! l: : : i::::: : : : ､: : : : ヽ　　　　/
　　　　　　　　　　＼__／　　　　　　　　　　∨　　　　　: : : / |: :|::: : : :i:::: : : : /!_:/　!: : :.|:::::: : : : ;: : : : : ',　　, <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: ／　 !: |､: : :∥::: : : / |:/`ヽ!､: :ll:::::::: : : :l::: : : : :.',／.... ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　ヾ! ',: : !l::::: : /　〃　　|: :メl::::::: : : :l::: : : : : ﾄ､ゝ....... >
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　,　　　ヾ:ll:::::／　　　　　!::/　lヽ、: : :i::::: : : :l: !. ヽ...／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　==＝' 　　　　i／　　､　　　i:/　　l::::ヽ: :.i:::::: : : l: l.　ﾚ'
　　　　隠者は気難しいだけで、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､ヽ　　　　　!:::: : :/:::::: : :/|/..　 i
　　　　聖王の心には及びません。　　　　　　　　.　　　　　　　　,　　　　　 ` ＝ ==､ l:::: : ｲ::::::: : /.........　 l　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　　　　　　　　　　　/ イ /::::::　ｲヾｒ､＿!　　　／´ /
　　　　敬慕するに足りましょうか　　　　　　　　　　　　　　　｀　　‐'　　　　　　　　　ｲ　／:_::／: iヽ |　　　　　／　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ー::''::´::: : : : :i　　　　　　/　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.lヽ、　　　　　　　　...　＜: : : :::::i:::::i:::::: : :__: i　　　　　,' 　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　＞、. _　　　＜ l_:_::::::i: : : : : :::i:::::i::::::::ヽ｀ヽ､-, = -l　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,l　　　　　　　　　　 !イ: :i : : : : :::::i:::::i::::／l　　_／　　＼　 .i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー－　―　－ ''　´　 |:::::i : : : : :::::i::::／, , ,l /´　ヽ､　　ヽ .|,,＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　司馬昭に突然の変節の理由を問われた向秀はこう返している
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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401 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:48:20.01 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　　　 _,,. ...--───-; :/.,,　_　/ヾY　)
　　　　　　　 .. :''´: : : : : : : : : : :.:/: :/: : : :.:{　＞.　} {_
　　　　／: : : : : : : :／:.: :. : .:ヾ;": : : : : :L{　　_ヾヤ,ィ
　　　　 /: : : : : : : :／: .: : : :.: : :.:ﾉ＼: : : : 〉-　 {薔}　 !.i
　　　 ./: : : : : : ／: : : : : : : :.:／　　＼: : ≧)//ｰ f　ﾉ{
　　　.; : : : : : : : : : : : : : ; :／　　　　　 `: ( //　 l |ｲｼ
　　 .i: : : : : : : : : : : : ／, '　　　　　　　　＼!人Yi f
　　 .!: : : : : : : : : : : : : / 　 ,ィ＝=　　　　　=ミ､: : !」
　　 .!: : : : : : : : : : : : /　　　　　　　　　　　　ゞﾘ
　　　l: : : : : : : : : : : :/　　　　　　　　　＿ ,　|'
.　　ヾ: : : : ／　ヽ /_　　＿＿＿,　　　　弋ソ　l
.　　　＼: : !　　　ﾞ＼ｿ　弋z シ　　　　　　　 !
.　　　　　.＼＼　ｯ　/ /　　　　　　　　 `i　　 .　　　　　　　　　　　そういう事にしておいてあげましょう
　　　　　 >: :≧/_/_　　　　　　　　　 /
　　　　　　 .ヾ／: : :. : :.:ヽ　　　　＿　' 　／
　　　　　ヾシ: :. : :.≦{i_　　　　　＜
　　　　　　　彳_イ／: : : :／―-､. .-. .´: : {
　　　　　　 .У￣￣ﾞ＜　　　 /＼: : ＼_j
　　　　　 ./　　　　　　＼　　丶　ニミiヘ
　　　　　　 ./　　　　　　　ヽ　｡ヽ　　　　ヽ
　　　　　　/　　　　　　　　 __」　　｡　，　　　　，
　　　　_　}　　　　　　／ _　|　　 .｡　.!　　　　!
　　　　|　¨　､　　 .／／ !　ﾄ、　　　/　　　 | i
　　　　| 「＼＼_／／―-＿j　＞,／　　　　 ! !
　　　　| レ'",ｲ、ｏ;　「￣　／　　 }＞ｏ<{　　　| .|
　　　丶／i! | /, i! |　　 /　　　　　 / !　　　　 !　!

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　身の危険を感じたのだろう
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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402 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:49:41.47 ID:HR4Q+QwVo

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　　　　　　＼
／　　　　　　　　　　＼　　　　そもそも隠棲生活したいなら、
|　　　　＼　　 ,＿　　 |　　　　余計なこと言わずに東海の浜辺あたりに隠れ住んでりゃいいような気がするお。
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　.なまじ仕事もせずにえらそうなこと言うから目の仇にされるわけで……
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　　|
　　　　処刑された嵆康と呂安は特にそうした部分が目立ちます。　　　　　　　　　.|｀ ⌒´　　 u.　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　向秀と二人の間にはこんな話がありましてね　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　.ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__「ヽｰ'ーｰ"／7_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''":::＼:::￣￣:::::/::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;:::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ;;;;;:::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'､:::: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ;;;;;::::::::::::::::::|;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: |

403 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:51:23.37 ID:HR4Q+QwVo

　　 .r-、 _００　　　　　　　 /::::'┴'ｒ'
　　 .|::::'´::::r┘　　!「`L00、|.l└ｸ_;厂　 /
　　 .|::::「|:::|　　 l| |Lｎ:::r┘|.l _lﾆユ、 ./
　　 .￣└r''"´］_ l| | ｒﾞ=ﾞ┐ |└ァ::/　/　 /
　　､ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/　 / ／
　　 . ＼＼｀´ |:::|. l| l　〈::/　､ !　　　 '／

　　　　　　　／: : : : : : : :（L）: : : : :〉
　　　　　　/: ,.z≦ﾆﾆニ二二二二＞　　　　　　　嵆康殿。
　　　　　　{:,/三ミ　ノ_　ヽ,,. 　ミl
.　　　　　　Vミミ ≦ﾟ≧ .,r'｀)ﾐﾟ≧ﾐﾊ　　　　　　　あいつ、いつも本ばっか読んでるよな
　　　　　　　('ﾐ ⊂⊃ ﾊ从从) ⊂ﾐｿ
.　　　　　　＼　　　|r┬|　 /
　　　　　　 ,z‐ ＞､｀ﾆﾆ,.イ‐-､
　　　　　　　 /: : :ﾊムヾ : ｨﾍﾆﾏ'´:.ヽ
　　　　　　　 ( ⌒ )ﾍム :\ : :|ﾆ|( ⌒ )　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. -‐'"_,.-‐'⌒ヽ/⌒｀´ヽ⌒ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣｀ヽ,r一'　　　　,ﾍ,,∧　　　＼〃}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i=＝ﾆニ/,　/〃　 / |｀ ▽ |ﾄ､ l　　ヽ_l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {__,　　 ] |　| | |_!_｣L|　｡　,!| Hﾄ | i ﾄ､>、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_｀ｰ-'i　l　l_!ﾊ |　ヽ!　　　　j∨ﾚ l/　ヽ>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l二ン{ ﾊﾄ､!_,ゝﾆ,_　　　〃⌒{/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　ヾﾆlヽ|　´￣｀　　　ヽ　　!|　
　　　　　　もうちょっと身体動かしなさいよー！　　　　　　　　　　　｀ﾌ´　　ﾊ l|　ヽ　　　　r‐┐　／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／　/ ゝ|　　ト､＿　ヽノ／￣ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'　　/　「l 　ヾ￣｀i|‐-r'´　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 /　 _｣ |> ﾄ､|　　l|｀Ti|　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／ /　〃⌒ヾ、ヽヽ〃　L|　/ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　| l/　　　　ヾﾆ=ﾃﾊ //　＼ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　ﾚ　　　　 | |_l_l 〉/　　　ヽヽ

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .この三人は野に在って悠々自適な生活をしていました。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　ただ、嵆康・呂安が俗習に捕らわれない放埓な態度をとったのに対し、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　一方の向秀は読書を好んでいました。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.二人はそんな向秀を嘲笑っていたそうです
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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404 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:54:04.38 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　ﾉＬ＿＿＿_
　　　　　　　⌒　＼　／＼
　　　　　　／　（○）　（○）＼　　　　　　　　　　　ふざけんな！！
　　　　／　　　（__人__）　　＼
　　　 |　　　　　|::::::|　　　　　|　　　　　　　　　読書好き大いに結構じゃねーか！！
　　　　＼　　　 l;;;;;;l　　　／l!| !
　　　　／　　　　　`ｰ'　　　＼ |i 　　　　　　　　学問してて何が悪いんだお！！！
　　　／　　　　　　　　　　ヽ !l　ヽi　　　
　　（　　丶- 、　　　　　　しＥ　|そ　ドンッ！！
　　　　`ー､＿ﾉ　　　　 ∑　l､Ｅﾉ　<　
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､｀ ⌒´ 　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ｰー|　　　　　　　ﾄ､______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /:::ﾉ:::::::::.｀' ｰ-
　　　そんな向秀も老荘を好む一人でした。　　　　　　　　　　　　　　 l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　"／::::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　」 ::::::::l:::: ::::::「､:::::::::::::／ ::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　それが興じて『荘子』の注釈を書こうと思い立ちます　　　　　 l ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::ｰ-ミﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .::::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .:::::::::::::::::::/'　　　　 `‐-､::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|

405 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:55:54.31 ID:HR4Q+QwVo

　--‐ｵ　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　＼
　／/　　　　　!　 | ﾊ　ﾄ､　　　　 |L|_.!_ﾄ､　　　　　i｀ヽ
　／i　　　　　 |　 i_L|/- ﾄ!､　ﾄ､´! L_}ﾑ |　!i　　　 |
　　　!　　　　　 X´!ｨ==ミ　 ∨ }/ ｲﾉ:::!ヽ |' !　|　 !ヽ　　　実は『荘子』の注釈書を書いてみたいと思いまして……
　　 ,ﾊ.　 !　　　 |ｨﾍ_ﾉ:::::!　　　　　 i:::::::ﾘ !ｲ / /1 /　
　　 !∧　ﾄ､.　　 |　ゞ::::ﾘ　　　　ゞ-'　/ｲ !/ ,}∧　　　　完成したら読んでもらえません？
　　　　!ヽ!、＼　ﾍ　｀￣　　　　 '　　　　　 j /　!′ ＼
　　　/　}　ヽ! ヽ! ＼　　　　ー　‐'　　　　/　　|､
　 .　/　 |　　}丁￢⌒｀　　　　　　　　　／'　　 i ヽ
　 ∨　　! 　 | |　 !|　ヘ、　　　　　　 .ｲ| /'　　/ﾊ　＼
　　　　 '　　 ! |　「/7 ヽ　＞　-- '　　V　　 //へ、　!　
　　　 / rく´1 |　 |介>/〉　　　　　　　/　　 //__　　＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.､-‐'フＶヾｰ､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヾ／` i┴i ´＼ r＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {､＿,/　 ,､j▽レ､　レ'´}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿ V`'┃ 　┃ V 二ﾌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋﾌYヽ＿＿__,ｨﾍYヒ!
　　　　　　　『荘子』にこれ以上注釈はいらないわよ。　　　　　　　　　　　　　　　l　{　{r/l ◇ l k　}、l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　 }/Zｺヽ r'!ｺﾊハ l
　　　　　　　読む人の邪魔になるだけじゃないの？　　　　　　　　　　　　　　　丿ノ/Y　l'´　`l　Yﾍ } ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <　〈　{ィ{二! Ｍ l二}ヽ} 　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ　ｌl　｀ヾ'´　ｌｌ　ﾉ｝,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀Ｚｲ!　　　　　ｌ|´　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l__＿＿＿_ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　/　　ヽ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `´　　　　`´

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　当初嵆康は注釈書の執筆に反対しましたが、向秀は従いませんでした
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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406 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:57:21.73 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　r´ ´＼　　　　　　　　　　　＼
　　　 (　　　　＼　　　　　　　　　　　＼
　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　＼　　　　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　＼　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼
　　　　　　　　＼　　　r´＝＝＝＝＝＝＝＝＝ｒ´
　　　　　　　　　　＼　《三三三三三三三三三=
　　　　　　　　　　　　　　ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ　　　　　　　　　　　　　　 , ‐'""ﾞﾞﾞ'''‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,",=‐=､　　　ﾞ'i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,i,,rl´|__,, ﾞi　　　　ﾞ'i,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,‐" ‐-｀ﾞﾞ､''''ﾞ‐､,　　　ﾞ､,,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　_, ‐‐ゝ､,, ﾞ''‐､,　　ﾞ　｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ'‐､　i彡　ﾞ'ヾ='‐-'´'i､,,-‐､
　　　　　　　　　　荘周は死せず。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''ヾ=ﾐ　 f=ﾆ"δ_|:::i ﾆ 'i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rﾞ''｀ﾞ'　 , ノ｀ﾞ'､ﾞ、ﾉﾞ' ﾉ-　,,_
　　　　　　　　　　感動した　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,,,rヘ､‐''""ﾞ､　　　ﾉ´:::::::ﾉ　　i‐"　　　,,｀ﾞ''-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, -,ﾆ,''" 'ﾆ　ヽ｀､　　ヽﾞ'''''",ｒ=‐''‐ヽ, ノ‐-､r'‐"´　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ,,/ｒ‐‐,　　"　　i_ﾉ‐'''''"｀'''''＼ゞ‐''"/,　　"',,,｀ﾞ, ﾍ,　_,‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（,/ ｒ'" _,,,,,i　 /　　　　　　　｀ﾞ‐-//　,　　　　,__ﾉ'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ‐|　ﾉ　　ﾞ､_l　　　　　　　　　　ﾞ';ゝ､i　i　,-‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾞ''"　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''''´´ﾞ'''''´

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .完成した注釈書は、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　日頃向秀を嘲笑していた呂安にも賞賛されるほどでした。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　「これを読む者は超然として心に悟り、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .一時のうちに自ら満足しない者はいなかった」
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　世間でも高い評価を受けた代物です
　　　|　　　　 |
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407 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 22:59:03.69 ID:HR4Q+QwVo

　::/　　|　　!::　　　 :.　　　　 |　　ハ　　　 :::.　　　　　　　　 ',　　　　　　　　/
:::/!＿_ﾊ＿.|_:　　　 ::::.　　　　　 |　　|::::i 　　 |:::::.　　　 ',　　　　 l　　　　　 /
7/ 　ハ　 |　｀ヽ　 ::::: 　　　 !|　　!:::::l　　　|:::::::..　　　 !.　　　 ',　 !　　　　 /
/ 　 /　 !　|l::::　　ﾊ:::::.　　　 !:|＿,':::::::|　　　!:::::::::. 　　 !::.　　　 !　',　　　∠
　 /::::::　 !　!l:::　　 !::|::::::　　　/::|　/｀ヽ､|　　 !::::::::::: 　　 |:::　　　 l　 !　／　＼
ノ:::::::　　 ',|:::!:: 　 !::|:::::::　　 /::::! /::::::　 | ＼ !::!::::::::: 　　 |::::. 　　 !　|´ {,　　　＼
:::::　　　　　',::::i:　 |:::|:::::::　 /::::::,'/:::::　　 |　 /＼!:::::::::　　　|:::::: 　　 |　|ヾ、　　　　/
　　　　　　　 ::',　|:::|::::::. ノ::::::/'::::: 　　 |　/::::::::!ヽ::::　　　|:::::::　　　i!　|　 ',　　　/
二二ニ´　　　　ヽ! l:::／::::::　 :::　　　　 /ノ:::::::::::|:::::',　　　,':::::::　　　!|　!　　l　／
─''ﾞ"´　　　　　　　'´ :　　　＼　　　　/':::::::　 ::::|::::::::'　　/::::::::　　 / ! ,'　　 !´
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、ヽ､　..:::　　　 :::::!::::::: 　 /::::::::::　　/　!/　　 !　　　　　嵆康の志　遠くして疎
　　　　　　　　　　　　　　　　　"ヾ､,._　　 _　::::/::::: 　ｲ:::::::::::.　 /　〃　　 |
　　　　　　　　　 ;:::　　　　　　　　　ﾞ￣｀ﾞ=ミ-/;:::: ／/:::::::::::　 / 　 '　　　 !　　　　　呂安の心　昿して放なり
　　　　　 _　　　'　　　　　　　　　　　　　　　ｨ‐'´　/:::::::::::: ／　｀l‐- ､　　 |
　　　　　　￣｀ー-　　　　　　　　　　　 :::::::/-─'７::::::::::;／, i＼　|　　　￣　　　　　 .…………
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::::::∠＿,∠ ‐ ' ´　　 l　!　｀　　　　　　
、　　　　　　　　　　　　　　　　 ...:::::::::,.ノ ::::::::l::::::::|::::::::: 　　 ! ',　　　　　　　
l ＼　　　　　　　　　　 .....::::::::::,. -イ´　　 ::::::::!:::::::l::::::::::　　　　　　　
.| :::::｀ヽ、　　　　..:::::::,.. -‐' !´::::::::::|　　　　 :::::::|:::::::|::::::::::.
´l　 ::::::::::｀ヽ-‐ ' ´::::::::::::::::! ヽ､::::::|　　　　　::::::l:::::::::!:::::::::
　|　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,| -‐' !::::|　　　　　 ::::::!:::::::::',::::
ー'- ､＿＿＿_,.. -‐ ' ﾞ´::::::::::,.. !:::::|　 i　　　 !::::|::::::::／:::
‐┐ r‐‐ 、 |　,.--､　 r‐ 'ﾞ´::::::::!:::::|　 |　　　　|::::| ／:::::::::
　 ! ヽ__,ノ　| ヽ＿ノ　|::::::::::::::::::|::::::|　 !　　　 |::::|!::::::::::::::

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　身の危険を感じて仕官したとはいえ、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　向秀の嵆康と呂安に対する友情は変わらなかった。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .しばらく後、『思旧賦』を著し二人を悼んでいる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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408 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:02:10.20 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

,r'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<＿_
:::::::::::,r=--' _,,..,,__i´::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ'´
:::ノ!/ , -‐'´,､:::::iヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　／´:::::::／_,,ヽ:|ノ＼::::::::::::::iヽ::::::::::::::::::ﾍ
/::::::::::::i/_,,´,,,,,､'l　　ヽ|＼:::|__',:::::::::::::::::､ﾍ　　　　　　　　なるほどなぁ。
::::::::::::::ﾄY´　 lｿiヾ　　　ヽ　',|　.',:::::::::::,､::ﾊﾍ
､ ::::::::::| ﾞ､　 ,!-'- ､＿＿､ｭt,,,_ﾉﾐ::::::;::} ヽ:l　　　　　　　　ま、人の生き方なんてそれぞれやし、
ヽY:::::t'_,,=-(　　ノ´'´　｀ｰｧ｀ﾞﾞY:::::/lﾘ　 '|　　　　　　　 .うちがあれこれ言う事とちゃう。
./ヽ::i､:ヽ　　｀￣　　　　　/ー‐'l::::ﾉﾉ
　 /i　｀'　　　　　＿　　　　l:::l　　　　　　　　　　　　他になんかあるん？
,､ゝ)　　　　　　 ´ ｰ｀　　 .ﾉ:::|
::::｀ｰ-､　　　　　　　　　　 ./:::::|
:::::::::::::::＞,､　　　　　　／::::::::',
:::::::::::::::::::::',　｀　ｰ　　 - イ::::::::::::i､::
:::::::::::::::::::::::',　　　　　　∨￣i｀ヽ:|_,,ヽ-―'´:::::｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　／　⌒｀: : :: : :: ::＼: :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,ニニ:＝＝-ｌ:: :: :: : ',:: ::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ :|::/ / |::::|:: ::l :: :: l:: :::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！ .ｌ..::|_|:::|　|::::|:: ::|_:: :: ｌヽ:J＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ l　l::;:/下ｌ|　|:::厂|ﾘh:: :::h::〃⌒ヽ､
　　　　　　　あ、そうそう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/〃 .l　ｌ:::{,,ﾚ-､　|ﾉ,､--､:| :|:「ﾘ:ハ　::::い}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/{　|:::}　　　　　　　　|://ノ　　ヽ:::::}
　　　　　　　今度私、吏部郎になるんですよ。　　　　　　　　　　　　 {／ |　|::入　 ,_'_ _,　　..::}/://　　　 }::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　乂|:::::{＞ﾍ=ﾍ, ､:イ_}〃　　　　. |/
　　　　　　　鍾会さんの推挙で　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,､小{＿:: :: :}-イ:::乂　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::: :/〃^:: :ノ{ヽ/:::::ｌ:::::`丶-ｒ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::: ;::::{　三Y　|ｊ}/＼ノ::::::::::::/:::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:::: :: ::::}　 ^J{　:/::::::／::::::::::/:::::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::: ::::ｒイ　Y:|　/:::／::::::::::::::/:::::::::::|

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　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　それはそうと、この裴楷ってのは何者だお？
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

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409 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:03:01.87 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　　　　　　　　　 ,　 -─　-　､
　　　　　　　　　　　　／:::: : : : : : : : : : : ｀　､
　　　　　　　　　　　, ':::::::...::::: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 /::::::::::::/:: : : : ; ': : ／: : : : : : ',
　　　　　　　　　くｽｲ::::::::;':: : : : /i:: :/l: : : , イ: : : i
　　　　　　　／.:::;リ:;へi::: : : :/,.!- ､l: :X 　 !: /: :l
　　　　　 / .::;:ｲ l:::ｉﾏl:i: : : / ﾊ...イヽ　　 /;:': : ;'
　　　　　 l: :;ｲ::l　';:ヽ､l:ｌ: : :,'　ヾ:ソ　　,ｨｲ: : /
　　　　　　 ';:ｉ ';::ｌ　ヽ::;'l:l: : i　''　　　　〃/:: :/',
　　　　　　　':;　ヽ＿　〉 !ｌ: :l　　　ヽ､　''/:: ;ｲｌ::i
　　　　　　　　／:::::::::｀､ ';:l ヽ､＿,　イl::::/ ﾘリ
　　　　　　　/::::::::／:::::::＼ヽ/ーｭ､　ﾉ/:;:'
　　　　　　,':::::::/::::::::::::::::::へ.__ノ::::｀ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　人呼んで「玉人」です
　　　　　　 i:::::ヽ::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::;:-＼
　　　　　　 l::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::＼:::i:::::::::＼
　　　　　 !:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::＼
　　　　　　　l::::::::::::／￣＼:::::::::::::::::::::＼::::::::::::＼
　　　　　 l::::／／￣　　＼::::::::::::::::::::＼:::::::::::＼
　　　　　　ｌ／　　　　　ﾊ＼:::::::::::::::::::＼::::::::::;ゝ、
　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　ﾉ＼:::::::::::::::::;ゝ､/　 , ゝ──- ､
　　　　　　　 l 　　　　　　　　　」　　＼::::; ' 　　｀､　　 / 　　　',
　　　　　　　ヽ､-=＝＝ =ー--く　　　　　ヽ､　　　　｀､/　　　　　 i
　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　',　　　／　｀　､　　｀　‐- ､　 /
　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　ヽ／　　 . : : :　　｀ ‐､　　　　ヽ
　　　　　　 l　　　　　　　　　／　　 . : : : : : :　　　i　　ヽ　　　ﾉ
　　　　　　　　　l　　　　,　ｰ／　　 . : : : : : : : 　　. : ;'　 . : / ￣ lー -　､
　
───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .裴楷、字を叔則。本籍は司隷河東郡聞喜。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　正始年間に冀州刺史を務めた裴徽の三男で、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　兄弟中最も出来が良く、俊英明朗で識見も備えた美男子でした。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.あまりにも立派な容姿のため、人々から「玉人」と呼ばれています
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

410 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:05:23.87 ID:HR4Q+QwVo

『裴家略系図』
┌─────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　裴徽　　　　　　　裴潜　　　　.│
│ ┌──┬──┬──┤　　　　　　　　　│　　　　....│
│ □　　裴楷　　 □　　 .□　　　　　　　　.裴秀　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
└─────────────────────┘
　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　 _ノ　ヽ､_　＼　　　　　　　　　
　／　 /⌒)　　　⌒ﾟo　＼　　　　　　　　陳寿も「玉人」だったら嫁さんの一人や二人……
　 |　　/　/（__人__）　　　 |
　＼/　/ 　｀ ⌒´ 　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼　　（ ;;;;(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ─）（─　　) ;;;;)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　（__人__）　/;;／
　　　　　　　　名門裴家の子弟である彼は、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　　ﾉ　l;;,´
　　　　　　　　鍾会の推挙を受けて義兄上に抜擢されました　　　　　　　　　　.|　　　　　∩ ノ)━・'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　／＿ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (.　＼／　.／　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 “　／_＿_|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　＼／＿＿＿ /

411 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:07:30.17 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

　　　,／=ラ7:::ｦ:∧､､ﾆヽヽ
.　　,',/:ｲ:::/:!:::'i!:i:::!ヽ＼ヽヽ＼
　 //:〃:,ｨ:i!::::/::l:::!ﾄ､＼＼＼ヾ､
　ｲ:/!::/l!::|:::/:::ﾞ|::|:lヾ＼i＼ヽ､:!:i
　 ::/:|:ｲl斗!::i:::::/!:|ﾘ:ﾄ_ヾ|!:::lﾊ!::!::!　　　　裴楷は清廉で諸事に通じ、王戎は淡白ですが要を得ています。
　 :::::i|:|:l {i|/ｨt/ﾊｌ::Nﾊij.}ﾞ|:/!::|::|::!
　 :::::l|:|:ﾄy//:!:/i∧!'　｀　"'ﾘ//:/　　　　いずれも吏部郎の候補として不足はないでしょう
　　::::!:|:|:ﾚｨー/　　　　　　 У´
　　　:::l!l;!ヾ、′　　　　　／
　　　:::|!′ ﾞ＼　　　｀ﾞｦ′
　　　　　　ﾞヽ　　　/
　　　　　　＼ｲ'"｀￣´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,．-──ｫf廴
　　　　　　　＼.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／___　　　{」〃⌒Lｪｪ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼　　､　 }{!　 r=ｪｪ　ヾﾄ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　ヽ　＼}!-=ﾑK及　 } }!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;　　　/ / ＼　ヽイ¨￣Y　Ⅴ/!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　,'. /_/ --　｀ーミ≧= ﾍ_ノ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V 　 /　___　　　　___｀ミ､　川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝｲ x==x　　　 x==x　 >‐ ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{(ハ　, , ,　　　　 , , ,　{爪)
　　　　　　　それなら裴楷を吏部郎にしましょう　　　　　　　　　　　　　　.ト-ﾍ　　 r‐－ｧ　　斧.,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽニﾑ　　ヽ_ ノ　　,ｲﾆ/､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃{￣　 }≧＝v＝≦{　　 Y^i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i {-=＝ニ}　,ｨ仝>､　{ニ=У^ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |, --､テｲ // |||| ﾍﾍﾄ三{'´__　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　, -=Y　{ {　||||　,} }八 ∧-=　!)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i　 ´ --i 　＼ ∥ ／　 Y　ゞノｰf

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　その後、自身を推挙した鍾会も含め、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　当時の著名な名士の批評を行った事で知られています
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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412 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:09:45.39 ID:HR4Q+QwVo

【裴楷さんの夏侯玄評】

　　　　./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::';::::::::::',
　　　 .,':::::::::::::/:::::; ｲ::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::i
　　　i::::::::::::;ｲ::::/　l::::::l:::i:::::::::::::::::::l:::::::::::l
　　, ｲ::::::::::;' l:::/　 l:::::;ｲ::ｌi:::::l:::::::::::l:::::::::::l
　 /::::l:::::::::::ｉ,.ｲ:;' 　 !::::;' l::l l:::iｌ::::::::::l:::::::::::l 　　　　 .粛々と廟堂に入るみたいで、わざわざ威儀を整えようとしなくても、
　 l::;:ｲ::::::::i:ｌｌ/:ﾄ　 l:::/,.ｨﾘ-､l l:::::::::l:::::ヾ;lへ　　　 .自然に威儀を正しちゃうんです。
　 l ! l::::::::ｌ:ｌ ';:リ　 !:/　lﾉ:ﾄ.ﾘゝ:::::::lヽ:::〃ヾ｀
　　!　ｌ::::::l:::l"" 　ノ　　 L:lｉﾉ l:::::::;'ノ／ｌ';:::::', 　　　あの人に会うと、琅々と玉の触れ合う音を聴くみたいで、
　　　 l:::::l:::ｌ＼　　＿_　 "" ,':::::/ 　　l;ｲ:::::i 　　　 .礼楽の器具や楽器が目に浮かんできます
　　　 .l:::ｌ ';:l'´,:＼ヽノ　 ,　/::::/｀.-.､./ l:::::;'
　　　';:l　l::::::':,:::｀, T ´　/:::::/::::::: ノ:｀'l:::/
　　　　　',　l:',:::::':,:::',ｌ l __/:::ノ::::::::,:':::::::::ﾉ',
　　　　　l:::':,:::::'::::',/　ヽ' ,':::::,:':::::::::::::::::',
　　　　　l:::::'::,:::::::',.i´ヽ/:::,::':::::::::::,::::::':', 　　　　　　　　　　／ﾆニニニニニニニニニニﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ,.ｲニニニニﾆ-‐ 二二　‐=ニニニニY
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //{ニニﾆ〃´‐ ¨´　　　　　￣　ヾニニ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/≫'｀＜ /　/　/　　 /!　　､　ヽ　　Y//ﾑ、＿_　　--――- .,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. '´::::::::::／/　 i　 i 　 / i l　 i　 l　　i.　　'.///////////////////ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::ヾ::::::/r'ｲ　　l　 l 　 !　!.l 　 -十､.j　　 i｀¨¨´￣￣￣｀　≪//////ム
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　〈::::::::￣ヾX/|. {. 　 l　,.x‐十ハ/　i,.z=ミ　　　|　　　　　　　　ヾ/////∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ:::::::;.ｨ//,Y八　　'. ,z示ミ、　　　匁:ﾘj′ / l　　　　　　　　　 ∨/////!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く≦///ィ≫,､i　.,_ヽ匁ﾘ　、　　　 i　 ,'　 !　　　　　　　　　　　 './////!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i// イ::j///}-､__ 人　　　 ,　、　　/　.!　　'.　　　　　　　　　　 }///／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣!､::////j!::}ﾆY≧=-､　　　　,.ィ　　ヽ　 ',　　　　　　　　　　 //／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i/X////::{ニjニﾆﾆﾊ≧ -く.rく｀ヽ　 Y　ヽ　　　　　　　　　 ,.'／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}///≪ニヾ/ニニニﾊ｀ヽ　{.　!.,_ ﾊ　 i　　 ∨　　　　　 /f′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j／イ　Yニニニニﾆﾆﾑ.　i_/ヽ　 fﾆ!　!ヽ　　ヽ　　　　　　∨ｭ.,_　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／/j　　iニニニニニニﾊ lニニ｀ヽミ..,{ﾆﾑ、　｀　､　　 ∨///777/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ　/≫/　　ゞ--､ニニﾆﾆ!ニ!lニニニﾊﾆﾆ≫､ﾑ、　　　｀Y　　∨//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. ≪≫､{. ／　　　　　 ∨ニニ八ノﾉ三三三ﾉニニﾆ.Yﾘ　　　　 !　　｀ ≪////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. z≦≫'´　　 ,. '　　　/　　　　　∨ニﾆ/イ-===-イ八ニニニi'　　　　ｲ　　　　　　　￣¨

413 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:11:40.05 ID:HR4Q+QwVo

【裴楷さんの鍾会評】

　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
.　　/: /.: :/ : : : : , : : : : :', : : :',: ',
　　,': :,' : :,' i: : : :./!: :.::!: : :.',.: : :ｉ: :i
　　i: :.i: : :i_:!-‐-/ ｌ: : ,'!-‐-.i､ : .l: :ｌ. ,ﾍ
　　l: :.l: .':l: l.:_:_,'　 l: :,' ｌ_:_ :/ｌ:｀: :l:.:l/／
　 /l: : l : :ｌ./ん.ﾊ　ｌ.:/ んﾊヽl: : :.l: !',: ヽ　　　　鍾会さんに会うと、
　,':.:.l : l: :.:l.' ﾞv:ソ　l/　.ヒソ. 'ｌ: : :!/',:l', : ', 　　　武庫を見ているかのようで、矛や戟が立ち並んでいるみたいです
　ｉ: :/',:.:! : :{　"" 　 ,　　 ''''　ｌ: :.,'　,'/ i: :,'
　!:,' 　'.,:',: :ヘ　　､　,　　　イ: :/　,'　 i:./
　.'　　　'.,!,: :l'´:＞　　　≦:｀l:.:/　　　!/
　　　　.／ヽ!:::'.,.ヽ　 / ,.'::::l:/:＼　　 '
　　　 <:::::::::':::,:::::' ,∧, '::::::',:::::::::::> 　
　　　,':::':::,::::::::':::,::::Y:::::,:::'::::::::,::':::', 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　　　　　　; .l ｌ　ｌ !iｌl　!i　 i:/ ﾒ､ｌ::::::::
　　　i::::::::::::':::::,::::::::::::::::::,:::::':::::::::::::i 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　 ,: 　　/| ｉｌ　ｌ. iｌｌ.　i　 !　,i　l:::::::::
　　　ｌ:::::::::::::::::::::::::':ﾊ:'::::::::::::::::::::::::::l 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　　 / 　　/ l　　ｌ. il|ｉ　ｌ　　∧ﾒ !::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　 ,' 　 .　,'ｉ lﾊ ',　i. iｌｌ　　　 X ',､::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'f　,' ,'　　i　i i! ! ｉ l　 i ｉl　i 　 i l.l! iヽ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　li'}　ﾊ:　,'i i､! ', ' ヾi　 i i 　ｉｌ　l l ! i:::::::r^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!.i　ｿ il　ir !ﾐ、､ i　 !､ ', !　',l　ｉ ', ',',::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l i　,' ﾊ i !! 廴ﾂ､ヾ　 ':､　i　i　 i !ヽゝ::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!.li!.l|!| リ　` ｪ､..ヾヾ､ヽ:､ i ! ﾊ､!ｌヾ､::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! !从　　　"""ヽﾞ:､ヽﾞ: ､弌itｰマ､:ヽi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′ i　　　　　　　　 .::　ヽ　ｰ`=.公､`:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､､＿　　　　　　　　　　　　　　 _,r:::i　　　　　rｰ-‐　'''' ー　‐ --:: ､:ヽ::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`''''"'''ｰ- ､､、､､､､､､ -‐ー''''''' /:::'.　　　　　｀`¨':':‐:::::::-::::::::､_　　ヽ:;::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '" 　　　 ./"　ﾞ:,　ﾞ､　ヽ､,..:::::::::::::::／ ,　` ､　　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__, 　　　　',::､　ﾞヽ､:_:::::::::::r ;´ '　ヽ､　　` -､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `;;=--‐‐''''"" 　　　　　',:::､　 `'':::::::::::::;: ' 　 i　　　ヽ､,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i´　　　　　　　　　, 　　　 ',::ヽ　　 ::::;::i　 _ -t^ヽ､_　　　ﾞ`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　 i 　　　　ヽ::`:ー ':::::i　.ﾉ:i　ﾉ:::::::: 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' 　　　　　　　　il　　　　　　,.ゞ＝ｰ'"ﾒ /::::ﾚ:::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　il　　 _ ,ｨﾆ´ ﾆヽ　　ｰヽ:::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　　　　　 ill　,イ:::::iニニニｿ､　　ヽ::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　illl ´ 　　lﾆニﾆ/　ヽ. 　　　',::::::::i

414 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/04(木) 23:12:28.05 ID:BG4lWnI6o

>>413
それは褒めてるのか？ww

415 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:13:46.75 ID:HR4Q+QwVo

【裴楷さんの傅嘏評】

　　　　　　　,. -─‐‐-. ､＿
　　　　　／ . : : : : : : : : :: .ヽ: ｀ヽ
　　　　/. : : : : : : : : :ヽヽ: : : :',: :「V〉　__
　　 /. : : :i: : ハ: : ﾄ､:ﾄ､ヽ: : :i: :LL.:´.:.:.:.｀ヽ
　　　i. : : :i:.l: :.l　 ',.ｲ　ﾘヽ:}.:.:.l.:./ﾊ:l￣｀ヽﾊﾉ
　　　l: : : :lｲTﾒ､　l/ｲ〒ﾊ｡}.:.: ﾄ､.:.:,′　　　　　　傅嘏さんに会うと、
　　 ∧: : :l l ｲﾊ　　ヽじﾉ l.:.:.l l.:./　　　　　　　　広々としていて、備わらないものなど何もないかのようでした
　　/. :ﾊ: ::l:ﾊヽい　　　''''''' l.:.:/ﾉ/
　 l / l∧ l: ﾊ'''''' 　　　　　l.:/／
　　　　　＼l.:.＞ _｀＿_, イ/｀L_
　　　　　　　ヽ| ／￣｀`ヽ: ､:_:_: L_
　　　　　　　　/. : : : :',: : : : : : : : ヽ:.`ヽ
　　　　　　 l: : : : : :.',: : : : : : : :: i: : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／´.:.:::::ヽ　,､　　　　｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ´ /: :.:.:.:.:::::::::: /:::',／: :.:.:.::｀､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　./. : :.:.:.:.:.::::::ﾐ/::ﾍ∧: : : :.:.:.:.｀､ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　 /: :.:.:.:.:／　　/:/　　ヾ.: : :.:.:.:.:.!　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　i :.:.:.:.:/　　　 i::!　　　　ヾ: : :.:.:.:.:l　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　|:.:.:.:/‐-､_　　i:!　　　　　 i: : : :.:.:.|　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.-‐ ― -　､＿, -‐､ﾉ　!:.::/ -‐　､｀ﾞ　i! 　 , -―:.:!: : : :.:.:.! 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 .　. . : : :.:.:.:.:::i　|:.:i ､（:・:）ヽﾉ　,:´:.; -= ､i: : :.:.:.:,' !　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 .　 . . . . : : : : :.:.:|　!:.:|: ｀ー=　　　 i:.:.　（:・:） i: : :.::/　;　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 .　. . . . : : : : : : :.::!　i:.:.!　　　　　　 i:.:.:.:ﾐ-=彡:|:.:.:./　/! .i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 . . : : : : : :.:ノﾉヽ.|:.∧ 　　　　　j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::/i　/ i .!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　　　/　／　　　. . : : :.:.:.:/./_.ﾝ´ .i:::i ヽ　､_　　 {.:.:.:.:.:.:._,ｨ':.:./　!/i/▽
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 /.／　　　　　: : :.:.:.:/./ﾝ　　 |::ﾉﾘ!､｀ヽー-‐　'"´.:,:,ｲ　▽､__, -‐´｀￣ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 /k.　　　／　　: : :.:/./｀¨⌒ﾝ▽_/´i　ヽ　｀ ‐ '"´:.::〔　i!/∧ ﾍ　つ¨｀`ｰヘ..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! ./;;.　　／　　　: : :.:/./､ｪｪｧ´ﾉ´Y　ﾍ　　｀ｰ "´.:.:.:.:, ゝl,　　ヽﾍ　,､｀ヽ ',　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l./;;　／　　　　: : :.:/./　　　〈i　　;　　i　　　　　. : :.:.／　 |;　　ﾄ、ヽｿ' 丿} .j　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ´ ／　　 : :／´⌒ﾍソ _,.. -―'!　　;　　ヘ／｀ｰ､__ノ´ ／´ 〉　　ﾄ、ヽ〉｀.ノ ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/／/　　: :／　　　: :,　´　／: : ::i　　 !/! ／　,'　.: i　,　' ＿　i 　　　 }　}ヽ‘ｰ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　／　 : :/´ 　　 : : /　　/　: : ::/! 　 /::i/ 　 /　 .:. !_　)｀ヽ｀¨　ｿ　/!　:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_.ノ／　 : :／　　 . . : :.:i　　/_: :_:.:.::{ |　,ｲ_:/_,...,./､_)｀､) ｀¨ ﾞ´　　　　:/ //:}＼
　　　　　　　　　　　　　_,.　-‐ ¨´￣ .／　 : :／　　　ｰ―-└ '´　　　｀`ｰ-―´ﾍ: : : : : : : : :ﾟ: :ﾟ: :､: :i.i　　　:, イ.:.:.:.:＼　

416 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:15:38.44 ID:HR4Q+QwVo

【裴楷さんの山濤評】

　　　　　　　　　　 ,　 -─　-　､
　　　　　　　　／:::: : : : : : : : : : : ｀　､
　　　　　　　, ':::::::...::::: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　 /::::::::::::/:: : : : ; ': : ／: : : : : : ',
　　　　　くｽｲ::::::::;':: : : : /i:: :/l: : : , イ: : : i
　　　／.:::;リ:;へi::: : : :/,.!- ､l: :X 　 !: /: :l 　　　山濤さんに会うと、
　　 / .::;:ｲ l:::ｉﾏl:i: : : / ﾊ...イヽ　　 /;:': : ;' 　　　山に登って下界を見ているみたいで、幽然とした深遠さを感じます
　　.l: :;ｲ::l　';:ヽ､l:ｌ: : :,'　ヾ:ソ　　,ｨｲ: : /
　　 ';:ｉ ';::ｌ　ヽ::;'l:l: : i　''　　　　〃/:: :/',
　　　':;　ヽ＿　〉 !ｌ: :l　　　ヽ､　''/:: ;ｲｌ::i
　　 ,....':´,::-.-..､.､ ';:l ヽ､＿,　イl::::/.ﾘリ
　／:::,.'´:::::::::::::::::＼ヽ/ ヽ'.､　ﾉ/:;:'
,'::::::,'::::::::::::::::::::::::::,:へ∩ﾉ:::｀. ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ￣ヽ∧ﾉ _ﾆ=-‐‐─-=ﾆ､　レ--､　＼＼
i:::::::i:::::::::::::::::::,::::':::::::::＼:::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ≦-‐<＿＿＿　　　　　＞　　　/　　ﾍ ∧
ヽ:::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ-､:::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　＞-‐=ﾆ　/　　ヾ==--- ニ= ､　　＼､∠ニ　　ヽ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　￣|　　　∧　　　　　｀`ヽ､.　＼つ　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／／　　　　　ゝ､／　ヽ／ゝ､ﾉヽ-ｱ､ﾆ＞--ヽ　　　　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞムﾉ／､　　　　　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .//　/ ／　　//　/　　　　　　　　　　　＼　 l　l　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/／　/　//　/　//　l 　　　 /　l 　 l　　ヽ　V|　l　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/ハ　/　//　/　//|　l l 　　 / /ﾊ　 |　　ﾍ　V　l　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　l　!　 /l ./　// | 从　　 / /l ハ　 |　　 l　ハ　l　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ| ﾊ　ﾚN |//￣ |ﾊ l 　 / / /ﾉﾆﾊ .| |　 | ﾊ　i　l i　　 /　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!　） i!lｲ示≧ミ､iﾊi　 /ノ/ｲ弓示ﾘア　/　 .リ　l i　　/　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/Nl　lヽSゝﾂﾚ　 `ｿ　　ゞﾆ=ﾂ'| ll/ l| 　l i　l i　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /l　 lﾍヽ￣　　　,　　　　　￣　 l /　 l|　.| i　l i　/ 　 /i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / .|　 l介､　　　､　,　　　　イ/l　 l|　.| 　 l i.　　./ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　 |　 l /　＞､　　　　　,　＜´// |　 l|　|l　 .l..i　　 /　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ / .__/ﾉ　/‐‐-=ﾆﾆ _＞-n＜j　ゝ//.__|　 l| .lﾊ　 l i 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / //　/　//l 　　　イゝﾆﾆﾆﾆﾆﾆｲ//ニ |　 l|..| ﾍ　.l i　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ /　 ./　// .|　　　ム{}{}{}{}{}{}{}{}{}//ヾ r∧　.| |､ﾍ　!.i　　 /　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　../ ／/|　|／|W＿＿￣￣￣.// //ヽﾍ　| .|　ヽ l　　/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　 /／ / ／　 l__---＜　　　乂//　　 .ﾍ .| .| 　 | |　/　 /

417 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:20:07.40 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　（(／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::＼
　　　　　　　／／｀´ヽ─´｀─､,､　.:.ヽ
　　　　　 /:::|/::|/:/!!::l:ハ/:::ﾍ //l　 ',
　　　　　　//|::::::::::/-||-l:::::|:::::|､:∨!/:|.:|
　　　　 l|　|:::::::::|＿_ヽ＼|＼|｀∨!::::|.:|
　　　　　　　ｉ::i`l:::!"｀｀｝‐-､_r─､､|:::ﾘ..!　　　　　　　　　　.ほな、うちはどうやー？
　　　　　　　　》〉ﾞｊ｀￣´__'＿ﾞｰ─/ﾙﾉ.:!
　　　　　　 //::/:＼" '、_ ﾉ """/(x)::l.:|　　　　　　　　　　物の試しに聞かせてくれんかー？
　　　　　／/::/:/::::::ヽ、_ 　. イ:::|::::/l∧
.　　　　　 /::/:/＿ノ　　 |::::|::::!/|/:::∧
　　　　　　/:/￣ﾊﾊー-､　｀__ー-､::::::|＼ヽ.
.　　　　 /:/ 　', 　ﾊﾊ─-　＿　} } ∧:::|　｀ｰ
　　　　 /:/!　　 !　　｀ｰ- ≦二ノﾉ　∧::|
.　　　 /:/::|　　 j　　　ハハ　　 /　l::|　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : : : |: : :| : : : :|　　　　|: : : : : /|: : :/!: : : : |: : : : : : : ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,　-‐┤: : : : : : : |: : :| ',: : : |／＾´　|｀^＼./_|: :/ |: : : / l: : : : : : : : :.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : :／:.! : : : : : : :::|ヽ: l　ヽ／i　　　 !: : : /_,ｨ≠≡ﾆ./､_ !: : : : : : : : :　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : | : : : : : : :::| _Xﾍ彡≠ミ､　　|: : :/　ｲ|　　ヽﾐヶ. |:: : : : : : :|: :　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : : : : | : : : : : : :::|　ｨﾔﾑ　　ノi　　　!: /　　bヽ-' ´} /　 |:: : : : : : :|: :　
　　　　　　　　　そうですねー。　　　　　　　　　　: : : ／| :|: : : : : :::ﾄ、ヽ { ー':::; l　　 |/　　　込:::::ﾉｿ　　|:: : : : : : :|:　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : /　 | :|: : : : : :::|,ﾊ　弋__ュソ　　　　　｀￣´　　　 !:: : : : : : |:　
　　　　　　　　　阮籍さんは……　　　　　　　　　::./　　∨l: : : : : : |､ﾊ　　　￣　　　　　　／／／／　|:::: : : : :.:l::/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ∨!: : : : :::|ヽヽ＿／／／　　!　　　　　　　ｲ:::: : : .:://　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V!: : : :／::´　.:::. ｀ヽ　　　＿＿　　　　　／::|:::: ..::::://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿__ v!: : {　::'　　:::::し'　}　　〈,´....:::::ﾉ　　／::／i::::::::::://　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣二＞< .)ゝﾑ| "　　::::,'　　ト､　　￣ ^'　　／ハ´　 |:::::::://　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　── '´´_,r＜´＼　" ､　　ノ　 j　ー─　' ´　|　　　/:::::://　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　＜´　　ノ　　ヾ ── ´　´ ￣｀!　i´￣￣￣｀､　/:::::／　　　

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　そして、阮籍について次のように言っています
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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418 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:22:07.12 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　　　　　　　　,　 -　──　 -　　､
　　　　　　　　　　 ,　': : : : : : : : : : : : : : : : : :｀　､
　　　　　　　　　／: : i: : : : :l : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　/: ;': : :l: : : : l: : : : : : i: : : : : 」ヽ ,:イ: ヽ
.　　　　　　　,': : i: : : l : : : l: : : : : :.l: : : : :ヽ::::／＼ : ',
　　　　　　　i: : :l: : :./l: -:il､: : : :i: :l: : : : : : ';::ヽ: : :ヽﾄ､
.　　　　　　　ｌ: : l: :i :i　l: : l l:｀ : l: :.!: : : : : ノ｀ｰ'; : : :';:l: :',
　　　　　　　 l: : :l: l :ｌ〒ヽ, l: : :,' : l: : : : : : :/: : : ',: : :ilヽ:.:i
.　　　　　　ｌ: : :l: ｌｌ　il.,'ｌ ',l: :/: : l-.、: : :ノ: : : : :i'; : :l　 ',:l
　　　　　　　ｌ: : '; ',:!　ﾋｿ　 l:/: : :lr　i : : : : : : : : l i: :l 　ﾘ
..　　　　　　　l : : ノ　〃　l: : : :!_ /: : : : : : : :／! l ! 　ﾉ
.　　　　　　　　 ',: :ヽ　　__　.l: : :,' 　ヽ. : : : ; '　　　ﾘ
.　　　　　　　　　',: : :l＼丿_l: ;ｲ　　　　 i　　　ノ　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.　　　　　　　　　ヽ: :l　　　__i.l:,'_ - ‐ ' ￣丶　　　　　　　　　　　　 |　　　　方外之人、ですね　　　　　 |　
　　　　　　　　　　　 ':,:l　　 /∨＼_.,...-..‐..:´::""::'...､　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　
.　　　　　　　　　　　　'　,'´:;∩,.'::::_:,:::-::‐::'::::::'::‐:::､::ヽ
　　　　　　　　　　　　,':',:,' ,..':,::'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':,::::ヽ
　　　　　　　　　　　　,':::::',.'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':,.:::i
　　　　　　　　　　　,'::::::;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'.:,'
　　　　　　　　　　　,':::::::;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　,'::::::::ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　,'::::::::,'} {',:::::::::,:::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::::',
　　　　　　　　　　,'::,':::::,'j} {i ',:::::::':,::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::::',
　　　　　　　　　　,'::,':::::,' j}　{i .',::::::::':,::::::::::::::::::::',::::::::::',:::::::::',
　　　　　　　　　,'::,':::::,'　　　　 .',:::::::::':,:::::::::::::::::::',:::::::::',:::::::::',

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.方外？
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .世俗の外にいるのかお？
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

419 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:24:00.60 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　─　　 ─　＼
　／ -=・=- 　　-=・=-　＼　　　　　　　　　　これまた胡散臭い
　 |　　　（__人__）　　U 　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ー）（ー）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　|　　　　（__人__）
　　　　　阮籍は優れた文人である反面、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　荘子を模範として思いのままに振舞いました。　　　　　　　　　　　　　　　.ｌ^l^lｎ　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　ヽ　 L　　　　}
　　　　　その滅茶苦茶な生活態度は今なお物議をかもしています　　　　　　　　　　ゝ　ﾉ　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿ﾉ

　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　　「方外之人」は『荘子』にある言葉。
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　　礼教道徳に基づく規範や常識によって
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　　　　　形作られる世俗の枠から外れた人間を指す。.
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　　　　　　　　そのように評された阮籍とはどのような人物なのだろう？
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

420 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:27:25.09 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２１２年頃　漢　冀州　鄴】

　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍ　／　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 __ ,'‐､Ｖ, - ､　　 !
　　　　　　　 ,. :´: : : ｀¨:´: : : : :＼ '
　　　　　　　/: : : : :: : : : : : : : : : : :ヽ、
　　　　　　　　 ': : : : : : : : : : : : : : : : : :.､:',
　　　　　　　　i: : : : : : : : :i: : : : : : : : : : :}ﾘ
　　　　　　　　|: : : : : : : : :!: : : : :': : : i': ,'
　　　　　　　　|: : ,: : !: i: :,': : : : ': : : :.ｌノ
　　　　　　　　|: /: :,'i: :∨: : : :/: : : : :l　　　　　　　　.倉曹掾属というのは丞相府の属官で、
.　　　　　　 /,'i: :,: :',:.,': : : : ,': /: : ,':.|　　　　　　　　倉の穀物を管理する責任者です。
　　　　　　　ｊ/l:.l: :l: : :{: : : : :': /: :./i: :}
　　　　　　　　l: { :ﾄ､: :i: : :,'/´: ／ﾘ_ｊ/　　　　　　　　この子が一人前になるのを見られないのが心残りですね
.　　　　　从ヽ!. ヽ}: //:.／ｒ´, ‐ヽ.
　　　　　　 i.l 　　　｀'　 ´　 /,' 　　 ',
　　　　　　 |.ｌ　　　　　　　 |.i　　,.'　ｉ
　　　　　　 |.|　　　　　　　 |.|　/　　 |
　　　　　　 | | 　　　　　 | |.'　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -―-､
　　　　　　 L二二二ニニﾆ._」　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (_ｨ´,￣｀ｽ
.　　　　　　　 {ﾍ　　i　　　ヽｉ　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ! ﾉﾊｿ）)）
　　　　　　　　　ﾍ.', 　 !　　　　｀l　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| (i‘０ｰ０i
　　　　　　　 /　　,　　　　　{　　　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲﾊく)芥ﾄ､ゝ
　　　　　　　　　/　　/　　　　 |　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く/_j|〉ぅ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し'ﾉ
　　　　　　　　漢　倉曹掾属　阮瑀

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　阮籍、字を嗣宗、兗州陳留郡尉氏の人。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　父の阮瑀は「建安七子」の一人であり、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　同僚の陳琳と共に曹操の軍事・国政に関する文章を多数起草。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　詩人としても知られ、曹丕にも高く評価されたが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　曹操の魏公就任の前年、阮籍が三歳の時に世を去っている
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

421 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:29:40.05 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２４０年頃　魏　兗州　廩丘】

　　　／ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ｡
　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:./^＾⌒Y:.:.:.i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.:.:.:.:.:.:.'　　　 | :.:.:|:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　 ′.:.:|.:.:.:.:.:.:　|:.:.:.:.:.:.:.:|＿　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:/〉:.:.:.:.:.:.:
　:.:.:.|:. |:.:|:.:.:.:.|人:.:.:.:.:.:.｣　　｀ヽ ',:.:.:. 〈∨/ :.:.:.:.:.:. i
　ｉ:.:.:| :.|斗一'′　￣　　　　　　 .:.:.:.:.:〉〈.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　あなたが阮瑀殿の御子息の阮籍ね？
　|:.:.:L:」　 x=ミｘ　　　　 ,y'芹ミﾒ､ i:.:./∧〉 .:.:.:.:.:.: |
　￣|:.:.:.:. {{ ﾄィ::}　　　　 {ノ:::::} 》'|://:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　兗州に来て以来、あなたの評判はよく耳にしているわ
　　 |.:.:.:.:.　 Vツ　　　　　 V_ツ　〈/:.:.: |.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 |:.:.:.:.:.　　　　,　　　　　　　　　|:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 |、.:.:.:.:.　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 |:ヽ:.:.八　　　マ　フ　　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.|l :.:.:.:.:.:|
　　 |:.:.:Ⅵ:.:.丶　　　　　　　　　イ.:.:.:.:.:.:.八:.:.:.:.: |　　　　　　　　｀フ.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : : : : : : :. :. :.:.:.＼
　　 |.:.:.:.:.|.:.:.: 个:::...　_　　＜　　 | :.:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.: . . . . . . . . . . . . . .: : : : : :｀ヽ
　　}|:.:.:.:.:| .:.:.:.:|:.:.:.:.:.r､l＿_　-‐…|:.:.:.: /.:.:.::.:..:.:.:. |　　　　　　 /.:.:./.:.:.:/.:.:/.:.:: : : .: . :. : .: .: .: .: . :. :. :. :.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l.:./.:.:.:./.:.:/:.:.:.:|.:.:.ﾄ､|.:.:.:.:.: : |:.:.:. |.:|.: .:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/〈.:.:./.:./ﾊ. l.:.ﾄ､.:L_ﾄ､.:.:.:.:.:.|:.:.:. |.:|.:.:.:.:..:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V:.:/:.:|　ﾒ､| ゝ|｀ヽ|＼.:.:/.:.:.:/:/.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ.:人::」_ ヽ:! l1｡l`ヽ　 V.:.／.:/:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔ﾝ⌒ヽr‐りﾉ　彡 /イ:.:.:./⌒l: : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　L_二ﾆ」___ノ/.:.／ 1 /: : :.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ _　　　　　　　　､_ ノノ: : : : : |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:/.:.:.｀フ二´　　／｀Y´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:./:.://⌒ヽ| 〉‐く　　／＼: : : : : : : : :＼
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　阮籍が世に出るのは、それから約三十年後である。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　当時の兗州刺史王昶が
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　地元にいた阮籍を招いて会見した所から彼の運命が動き始める。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　この会見の際、阮籍は王昶と一日中言葉を交わさなかった
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

422 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:31:03.92 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　／　　　　　＼　　　　＿＿＿
　　　　　　|:::::: 　　　　　｜　　／　　　　＼　　　　コミュ障？
　　　　　.　|:::::::::::　　　　　｜　／　⌒　　⌒　 .＼　　　　
　　　　　　 |::::::::::::::　　　　｜／　（●）　（●）　　＼　　　　
　　　　　.　 |::::::::::::::　　　　} |　　　（__人__）　　　　　|　　　　　阮籍は若い頃から多くの書物を読み、
　　　　　.　ヽ:::::::::::::: 　　 }　＼　　　｀ ⌒´ 　　　_／　　　　　なかでも老荘の書を好みました。
　　　　　　　ヽ::::::::::　　ノ　　　|　　　　　　　　　　＼　　　　
　　　　　　　　/:::::::::::: く　　　　|　|　　　　　　　　 | 　|　　　　.　すでにこの時期から、
-―――――|:::::::::::::::: ＼-―┴┴―――――┴┴――　　世俗に交わらないのを信条にしていたのでしょう
　　　　　　　 |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=ﾆｧ: : : : : :／: : : :/: /: : : : :､: : : :｀ヽ: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,: : : :〃: :/: : /: │: : : : :lヽ: : : : ﾊ: : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 / / : : //: :/: : /: : │: : : : ::|: :!: : : : i|: : l: : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｲ : : : l |: :│: :j : : ∧: : : : :l: :|＼: : ｉ|: :│: : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/ |: : : :| ｌ: :∧: :ﾊ: : l　 '.: : : :ﾊ j　ヽｉ|: :│: : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ││: : ｌ|│ﾅ下/-ヽ |　ヾ: :/_ﾑ'― 弋|: :│: : ! j
　　　　王昶はそんな阮籍の器量を測りかねた。　　　　　　　　　j. │: : |i　V ,ｨテ圷､ヽ　 ∨ ｨチ示k　l: : ﾄ: : Ⅳ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : | 　ﾊ` Vf:::::i}　　　　 Vf:::::i} Y|: : ﾑ N
　　　　少し後、評判を聞いた太尉蒋済が　　　　　　　　　　　　　　　ヽ |ﾍ i l　ゝー'　　　　　 `ー''　ﾊ!: :,) }i|
　　　　阮籍の招聘に乗り出したのだが……　　　　　　　　　　　　　　　｀l: :ヽﾑ　　　　 ' 　　　　 /:/: :ﾙｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ', : : |ﾍ､　　　　 ‐ 　　　ｨ' /: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: :ｌヽ＞,､　　　　　イ/７: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼!　Ｖ厶|＞ｰ＜ﾚ_'/ /／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '´/ノ　　　 L､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-' 　 |　___.＿　　　|　`ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..-‐'´　　　 |´　　＿｀ｰ<|　　　｀ｰ､_

423 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:35:19.62 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２４２年頃　魏首都　洛陽】

　　　ｌ、　　 /. :: :／: :!: :: ::＼: :::.＼　　{　　}
　　　| ＼　'. :: ::/:::i:::∧: :i::i::.:ヽ. :: ::ヽ人. /
　　人 /　!:: :: :!ﾙﾙ'. :::Ⅵﾉﾉハ :: :: ::YV/
　　　　＼ } ::::: |:: :::::: :: :: ::: :: : : !:!:: ::: |ノ　　　　　　　　 .阮籍が逃げた？
　　　　　　|:::l::::|x==ミ. :: :: x=-ミ!:!::::::::|
　　　　　　|:::l::::| ""　　 ,　　 ""从: !:: |　　　　　　　　　私の顔に泥を塗るつもりですか？
　　　　从l::人　　 _　　 _　 /i: ::::i::八
　　　　　　人. :::::＼乂　　ﾉ.ｲ: j:::: ﾙ'　　　　　　　　　　.草の根分けてでも探し出してください
　　　　厂＼ :: :: Ⅴ て「「ﾙ':.Ｘ
　　　　　厂￣　)ヽ.:::へ片リﾚ'　　＼
　　　　 /　斗＜　「￣｀Y Y.´￣}　　　〉
　　　 /　斗＜　Ｘ .メ!.人　ﾒ、　 /　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　プ｜|　ｸ　　　ｸ｜|　　　 //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼ │｜|　ｽ　ｸ　ｽ｜|　ｸ　 //
　　　　　　　　　魏　太尉　蒋済　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽッ｜|　　　ｽ｜|　ｽ　 //

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　 , .:':{＠}:::..ヾヽ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ´ ~￣~ ｀ヾ::.ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 r.//, 'ハ　　ﾊiﾚ7〃ヾ::.､ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　Ｌl ! { 　ヽノ　　　l/|　!:厶l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /Vi 小ノ　　　｀ヽ　ﾉｌ下､_〕　
　　　　　　　招聘する相手に逃げられるとか、　　　　　　　　　　　　　　j||l　 = 　　 =　　l　i !__ﾄ､　
　　　　　　　こういう所に日頃の行いの差が出るのよねぇ　　　　　　　　　　|ﾍ⊃ ､_,､_,⊂⊃j 　 | i !＿　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　/⌒l,､l⌒ヽイァト |/ |;; ::＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　| /　 /:{ ＼　ヽ／:: ヽ |⌒⌒　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　l ::::∨::l 　 |´:: ::: 〉|　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　太傅　司馬懿（字：仲達）

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　阮籍は招聘に応じて一旦太尉府に姿を見せたものの、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　「自分はそんな器ではない」という趣旨の文章を残し、そのまま帰った。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　当然蒋済は激怒。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　結局この時は同郷の人々に諭され、蒋済の属官になっている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

424 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:36:53.95 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２４８年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　　　／. . . . . . . . . . . ,ｨ"ｿ. . ）
　　　　　　　　　　　　　／. . . . . . . _,,r―f".:(),ｱ-く
　　　　　　　　　　｀ｰ=≠{＿. . . . .／.:.:彡三少'.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　／.:.:.:ゝ､二ニﾆ斗'´.:.:.:.:.:.:.:＿∧M/!
　　　　　　　　　　/.:ｲ.:.:.／W/⌒ヽ､_.:.r～⌒ヽ､＿ノV|.:!
　　　　　　　　　〃　|.:./.:.:/.:.:./.:./|. ヽ.:.:.:.:.:.ﾄ､.:.:.:|.:.:.:./|.:!
　　　　　　　　　　　 |:ﾘ.:.:.:|.:.:/.:.∧!.:.:|ヽ.:.:.:.:ﾄ､ヽ.r‐.:/.:ｊ.:.ﾄ､
　　　　　　　　　　　 |:!j.:.:.:|.:.:||.:l　＼.:|ヽ.:.:.｣メ.ﾄ､.:/.:./.:.:.:.:ﾄ､
　　　　　　　　　　　ヽ∨::ヽ.:|ヽ!＿_,＼:l＼_}＿|j}/!ノ/.:.:.......ﾄ､　　　　　　.なーんか嫌な予感がするんよ。
　　　　　　　　　　　　/ ＞‐-ゝ｢''￣'´｣ｧ-,｢｀￣゛]=ｆｨ'ｰ一⌒¨ヽ､
　　　　　　　　　　 ,イ´: :　: : :.ﾍ｀￣￣　゛｀￣´ イ:!: : : : : 　: : :ﾄ､　　　　火の粉かからんうちに帰ろか
　　　　　　　／.:/ : : :　: : : ∧＞ _ーﾆニ)／: /: !: : : : 　: : : !.:.:＼
　　　　　／/.:/|　: : : :　: : :.∧: : :.ミ<>｢: : :./ /i: : : 　: : : :　!.: :ヽ.ヾ､__
　　　　　 //'/.:/.:j　: : : : : 　: : ∧: :/:.(^):{: : / /: : : : : : : : : 　!.:　:ｌ:ﾄ､
.　　　　 // /.:/.:ｆヽ　: : : : : : : : :.〉': 〈ﾍ: : :/／: : : : : : : : :　/ !.:　:ﾙ: ',
　　　　　〃 /.:/.:.:.〉、　 : : : : : : : :/: :/ |: :｀´: : : : : : : : : : :　/ ｲ.:.:./j:! ! !
　　　　　 !.:ｆ!.:.:.{　ヽ: : : : : : : / ／ : :! : : : : : :＼ : :＼ : : 　 |.:.//!j ,ﾘ'
　　　　　 !:| ',.:.:|　/: : : : : : : /, ': : : :人＿ : :ヽ : :＼ : :＼ : : ｉ// ﾉ
　　　　　ﾚ!.ヽ.:! /／ : : : ／ : : : ／｀ー‐二ヽ: :ヽ: : ヽ: : :ヽ :!/

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　その後、官吏生活が合わなかったのか、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　 .正始年間の間、病と称して職を離れる行為を繰り返した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　 .
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　曹爽の参軍も務めたが、これもほどなく辞めている。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　時は正始政変の前年である
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

425 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:39:15.84 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　　　＼
　　　／　　 ─　　 ― ヽ　　　　　　　司馬懿のお芝居の時期だお。
　　／　　（ ●）　（ ●）'
　　|　　　　（__人__）　　|　　　　　そういやこの頃は山濤も野に下ってなかったかお？
　　＼　　　　｀ ⌒´ 　,／
　　／　　　　　　ー‐　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　|　u.　　（__人__）
　　　　　　山濤殿らと知り合ったのもこの頃なのでしょう。　　　　　　　　.　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 |　　　　　　　 }
　　　　　　あるいは山濤殿が何かを嗅ぎ付けて、　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　　　阮籍に伝えたのかもしれません　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ＼　巛ー─;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　｀ヽ-‐ーく＿）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　 |　　　　　　l

　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　やがて正始政変が起こると、阮籍は運命の選択を迫られる
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

426 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:41:22.10 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２４９年頃　魏　兗州　陳留郡】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　太傅は貴方様の評判を聞き、
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　ぜひ太傅府の従事中郎に招きたいと申しております。
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　　　　　　　　何卒お聞き届けくださいますよう
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　　　　　　　　ﾄ､ _ __ヽ｀`ー'´: : : : : : : : : ｀丶､
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　｀フ.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : : : : : : :. :. :.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.: . . . . . . . . . . . . . .: : : : : :｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:./.:.:.:/.:.:/.:.:: : : .: . :. : .: .: .: .: . :. :. :. :.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l.:./.:.:.:./.:.:/:.:.:.:|.:.:.ﾄ､|.:.:.:.:.: : |:.:.:. |.:|.: .:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/〈.:.:./.:./ﾊ. l.:.ﾄ､.:L_ﾄ､.:.:.:.:.:.|:.:.:. |.:|.:.:.:.:..:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V:.:/:.:|　ﾒ､| ゝ|｀ヽ|＼.:.:/.:.:.:/:/.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ.:人::」_ ヽ:! l1｡l`ヽ　 V.:.／.:/:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔ﾝ⌒ヽr‐りﾉ　彡 /イ:.:.:./⌒l: : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　L_二ﾆ」___ノ/.:.／ 1 /: : :.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ _　　　　　　　　､_ ノノ: : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:∧ ｀　　 , 　　､_ﾉ ) .: .:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:/.:.:.｀フ二´　　／｀Y´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:./:.://⌒ヽ| 〉‐く　　／＼: : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′: : :l/　　　L,.　´￣￣`く　`ヽ､: : : : : : : ',

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　今度は魏の最高権力者となった司馬懿に招聘されたのだ。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　 .従事中郎は謀議に参与する役職であり、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　当時太傅府の従事中郎は傅嘏だった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　その後任に阮籍を据えたいと司馬懿は言う
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

427 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:43:21.85 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　─　　 ─　＼　　　　　　これ、下手に断わったら命が危ないお。
　／ -=・=- 　　-=・=-　＼
　 |　　　（__人__）　　U 　|　　　　礼に従って断わった李憙みたいなのもいたけど、阮籍はどうする気だお？
　＼　　　｀ ⌒´ 　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :.ｲ : /: :./ : /:. :.i:. :. :. :.|: : : : : :＼:.ﾊ : : : : ｉ : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/: :/:.:.:.′:.ｉ : : i| : : : : |: : :ｉ: :. :. :.ヾ:|:. :.: :.:|: : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / : :ｉ: : :.|:. .:.|:. :.ハ: : : : ﾄ､: :ヽ: ＼:. :.|:. :.: :.:|: : : :. :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′:ｲ: :. :.|:. .:.|! /＿_､: : :ﾊ_＼_:ト : ヽ |:. :.: :.:| : ｉ : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: / |:.:.ｉ: :|:. :.:ﾊ′　　＼ ∧　ヾ　　ヽ|: : : : :! /: :i: :ｉ:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ . l : |: :|:. :.|ｘテ云　　＼才示伝ﾃ:! : : : : /Ｙ:.l!: ト＼
　　　　阮籍は招聘に応じた。　　　　　　　　　　　　　　　　　{'　ﾊ: |l八: :.! 弋:rﾀ　　　　弋:_r夕　| : : /ｲ　} ハ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ハ: i:小　　　　,　　　　　　ｲ:.:.:/　イ/　}'
　　　　嵆康と阮籍の違いはここにあるように思う　　　　　　　　　　|ハ: ﾊ　　　　　　　　　　　/ ｊ: :/´ ∧:.ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:i : :..　　　 ‐　　　　ｲ: /ｉ: ｲ　ﾊ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从ｉ: :.＞.､　　　　＜ / ｲ:ﾊ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: |　　ｰ＜　　 /'　＜￣:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ|　　　　}ハ　　／:. :. :. :. : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ}　／ :. :. :. :. :. :. :. :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:. :イ:. :. :. :. ´ ￣￣｀:. :.ヽ

428 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:45:05.60 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:. :ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.ヽ
　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:ﾊ: :ﾊ:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:ﾍ
　　　　／:.:.:.:..:.ｉ:.:∧:.:.ヽ:.､:. :∨:.ｉ:.:.:.ｉ:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :ﾊ:.:.:.:.＼
　　　/:./:.:.:.:.:.:.∨:.:.＼:.ﾍﾊ:.､ﾊ:.:|:.:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : :ｉ:.:∨:{｀ヽ
　　./.:ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.､:.｀: ｉ l!:ﾄ:ｉ :ｌ:.:.:.|:.:.:.:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :!:.: :',:ﾍ
　 / '　ｌ:.ｉ:.:.:.:.:ﾍ:.:.:.＼｀ーlハ! ｌ:.:!:.:.:.ｌ.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.: ｉﾊ｀
./　　 |:.l:.!:.:.:ｉハー一ィr示㍉:ﾊ:.:/.:.:.γ､:.:.:.:.:.: : :/.:. :ｉ.ﾄ､:.　　確かに阮籍は老荘の学を好み、思うがままに振舞った。
　　　　!;ﾍﾄ､:.ﾊ:.:ヽ　〃八ぅ::} }'ｉ:.:/:.:.: :' ぅ}:.:.:.:.:.:,:./.:.ｉ :ﾊ|　
　　　　{　 !/.:ｲーﾊｉ　　ゞ'　/;ｲ:./:. :'.:ソ.:.:∧/.:.／}:′!　　　.ただし、彼は現実と折り合う大切さは知っていた。
　　　　　 / '　!: :! ﾉ　　　　　/' /ｲ:.:.:.ﾊ.:.:.:.:.ｉ :/}.:'
　　　　／´　 ; :/　｀ヽ _　__　　　 !:. :'　ｌ:.ｉ:.:.:!/　　　　　　　　　ある種の慎重さ、嵆康が及ばないと言うのはここだろう
　　／　　　/: '　　　　ヽ　　　 !.ｲ　ﾊ:ｌ:.ﾊ!
　　　　　　./:'　　　　 /ｧ‐ ´ ! /' ﾊ＿!:'＿
　　　　　　　　　　　　／´　　　ｌ.'　.:´: : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : : : : :.:.人　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　x―.／: : : : : : : : : : : .:.:.:.≧x....＿...x≦: : :｀: .､
　　　　　　　　　　　/:.:／: :＿.: :　- ― -　､―: : : ´: : : ＿＿: : : : :.＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　ヽ__ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（―）　（― ）　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.　　（_人＿）　　　u　|
　　　　　　　　　　　　……大人の悲哀を感じるお　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　l　　　,/　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(＿) 　　(__ ノ　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　___ ,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!､＿__!､＿_＿＿_つ

429 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:46:29.52 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　＿＿＿　　　　━┓
　　　　　／　　　― ＼　　┏┛
　　　　　　 | 　　 (●)　ヽ＼　・　　　　 .それはそうと、
　　　　　　 l　　（⌒　　(●) |　　　　　　司馬懿の属官になったなら出世できそうなもんだけど……
　　　　　　〉　　￣ヽ__）　 │
.　　　　　／´　　　　　_＿_／　　　　　　ここまで阮籍が活躍した所なんて一度もなかったような？
　　　　　|　　　　　　ヽ
　　　　　|　　　　　　　　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　｀⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )
　　　　　　そりゃそうですよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　（__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ., =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　阮籍に立身出世する気なんてありませんから。　　　　　　　　　 /　　二ヽ､V　　　ﾄ､_____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j´　　 /:::ﾉ::::::::.｀' ｰ- 、
　　　　　　司馬懿もそれを承知の上で招聘したと思います　　　　　　　 /　　　/{_/_､____,.　"／::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/＿__ ノ:::::「､::::::::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' .:::::::::::::::::/::/ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|

430 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:48:51.33 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２５１年８月　魏首都　洛陽】

　.ﾚﾆｲ.|,lﾄ､ |､　 |!、　|　　 ,/! ,ｨ　　 !|
. /ﾉ　ﾊ!十寸ﾆﾏT ＼|　　 /+/-!_j　　,ｨ!
//!　　 ! _ﾞ__ヽ--ヽ　 !　,／ﾅ'´ ﾚ1 ／/
/ |ヽ　ﾍ. 弋歹ヽ　 j／　弋歹/´7　　　 ,.、
　 ! |.＼　ヾ￣´　　　　　｀￣ﾗ　ｨ!　　 ./ .}　　　　　　 .阮籍は側において置きなさい。
　八!　 i＼_＼　　　　 ′ _,∠_,ィ１l 　 ./ ./
- ､|.|　ﾚヘゝ、　ーｧ　／　　l　!l　 / ./＿,.--ｰ　　　.彼をどう扱うかで貴方たちの器量が問われると思いなさい
:::::::|.|　 |:::::::＼ﾞ＞　__ ,イ　l　　 |,. ‐::/ ,ｲ､::::_::_::_::
:::::: ',!　 |::::::::::/＾「介､　 !　.!　　ｌ__:::/ノ / ｀ヽ::::::::
､:::::∧　.!:::::::/:::::ﾚ l|:､〉-'＾::|　　|::::〃 ./､У./＼::
::ヽ:::/＼∨ヽ!::_::|　lY:::i}ﾄ､:::!　,/:::У　'　Y_/ / ﾉ!
:::::∨:::::i＼ヽﾄ:::/!　ヾ､!>‐ｌ| /!::::::|　　　ｰ'ｰﾝ′
:::::::ﾍ:::::ﾚ´ヾ└V!　　ヽ　//! |:::::::}　　　　 /　　　　　　　　　／／　　 //　　/　,　/　　 , /　　 ', 　　 ! .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　　 /ｲ　　 '　 ' / ,'　 //! l　　 |i　　 |｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　　　 ||｜ｌ　 |ｉ　| |ｌｌ　 | ｉ｜| ｌ　　|l　!　｜| i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | {　　　　 ||｜|　 ||　| |ｌ |　_| |｜ｌ |　　|l　!　｜l |,　　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾄ　　　　　|{｜|　 |ト |_|ｌ l {._l小|ヽ＼ _,||斗　7 「| 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀二丶　ヽい.　ヽヽ＼　ﾄ|､|_,.ｨﾍ,ｨ'廾j示､ﾉﾉ／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼､　＼＼＼示ﾐ.ヽ|　＼/{,仟坏Y'} |,イ.ィ_,ノ
　　　　　　　　　　　心得ました　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾊ| 　｜ !＼i ゞ=^ 　　ﾄ{_辻少jﾉ'/＾|　|　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／　ﾉ　｜ |　∧　　ﾉ　　　` …＝ﾍ　｜｜ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　.　‐=_,ﾆ￣　　／　＿厶⊥ l　l＼　｀　.＿＿,　　ｰ′ | l |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／　 _,　　　´　　　|　　　}|　l　| }| l丶.　`ﾆ ´　　　／| l｜ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／　／　　　　　　_／ゝ┬‐iしﾉﾉﾉ | |ヽ＞--‐=≦´,--| |∧ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　／　／　／　　　　　　　{　　　　|　く_/ｰﾍ.｜|　　　　 |＼∨-‐| |{ ｌ |ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　/　／　／　　　　　　　　ﾊ　　弋__,.　-―`ｰ' ￣　　>‐=ｘﾌ＾ハヽ| |

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .阮籍は司馬懿が死ぬと、
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　今度は大将軍従事中郎、すなわち司馬師の属官に横滑りしています。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　後に朝廷では阮籍の高い名声に見合った官職に据え、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .これを尊重すべきだという意見が多く出たのですが……
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　当の阮籍はこんな事を考えていたそうです
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

431 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:50:58.22 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　　､　　　　入　　　　　　／　　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　ヽﾆ .:.: .: .:ヽ､　　　　　　　　　　　,.　-─‐‐く
　　　　　　　　　／ .:　 .: .: ` ｰ--------‐ '´ 　.: 　 .: 　.:.＼
　　　　　　　 /. . :. :. :. . :. :. :. :. :. :. :. :. :.:.　 .: .:　 .: 　. :.: 　.:.ヽ
　　　　　　　　/:./.:.:./.:.:./.: l.:.:l.:.:.:.{.:.::.:.:.:.:.i.:.:.:.:.::.:.: .: .: .: .: .: .: .: .',
　　　　　　 /:〃.:./.: .:.| .:⊥⊥.:.:ﾊ.:.:.:.:.:. ﾄ､.:.:.: :. |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　l:/ {:.:.:l.::.:..::|.:.:|.:.ﾄ､｀ﾒ､｝.:.:.:.:.:.|　＼.:.: |.:.:.｝.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　　l:l　l.:.！:.: .:|.:.:|斗そﾁﾐヽ:.､:.:.:|　　＼|:.::ﾊ.:./:.:.:.:./:.:.:.l　　　　　正直言うて、
　　　　　　　ヽ　l:.！:.: :.ﾄ､llﾐ　 l｡1ﾐ　ヽヽ:.|ー==＝lﾒ､}/.:.:.:.:/.:.:.:.:.l　　　　　うちは俸禄さえもらえばそれでええ。
　　　　　　　　　ヽ{ ヽ:.:|　｝L　りｿ　　　　 '´ ￣　　ﾉl.:.:.:./ ､.:.:.:.:l
　　　　　　　　　　 `L(｝￣ー'^ヽ　　 ,rゝ==＝ﾐぐ l.:.:/ハ!.:.:.:.:l　　　　　天下は多事多難やし、
　　　　　　　　　　　　　　ﾊー‐‐‐‐'く ⌒L　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ _ﾉ´l:/ ﾉﾉ.:.:.:.:.:l　　　　 .妙な事に巻き込まれてもかなわんしな。
　　　　　　　　　　　　　 /.:.::ヽ　　　　　　　￣￣　　〃イ:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　 /.: .:.: .:.＼　　⌒ヽ　　　／.:.:)ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l　　　　あの夏侯玄はんでも殺される御時勢や
　　　　　　　　　　　　/. :.:.:.: .: .:.:.｀丶､　　　.　イ.:. :.: .: .: .: .: .:. :..:..:ヽ
　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.: :. :. :. :. :./l｀ー ´,.　┴- ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.ヽ
　　　　　　　　 /.:.:.:.:.}￣￣｀ヽV　L__／,． -─┴─┐:.:. :.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　/.:.:.:／　　　`ｰ- ｀Y⌒Y´　　　　　　　L_.:.:.:.:.:.:..:.:.:
　　　　　　　　 /.:.／i　　　　　 ,. -‐{　　}_　　　　　　　ノ　　｀`ヽ､.:.::
　　　　　　　　/￣〈　ﾄ､　　　／　 ,.ｲ T ﾄ､｀`ヽ　　　 /＼　 /　　ヽ.:.
　　　　　　　ノ　　　ヽい　　　　∠ ノ　} |　＼　　　　/　 /　/　　　　 i.:

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .阮籍は本来、士大夫らしく世を救う志を持っていました。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　ところが、夏侯玄の処刑に代表される不穏な状況を見て、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　元々の世俗に関わらない姿勢も重なり、政事から身を遠ざけます。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.そして、その手段として用いたのが……
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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432 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:51:56.81 ID:HR4Q+QwVo

.　　　　　　l￣:l　　
　　　　　ﾔニﾆｱ　
　　　　　　|ｌ--ｌ|　　
　　　　　,.-´　｀-、
　　　　_ﾉー‐＿.八_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.'　　　　.,.'
　　γ´ 　＜＿＿ﾉ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.'　　　　　／
　　 |l　＿＿＿＿__　ｌ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／
　　 |ｌ（｛ Malboro ｝）ｌ|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／
　　 |l. ￣￣￣￣￣ .ｌ|　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／
　　 |l　　o)゜(_)゜(o.　.ｌ|　　　　　　　　　　　　　／　　　 .／
　　 |l　｡）（∞∞）（。.ｌ|　　　　　　　　　　　　　　／　　　., '
　　 |l ｀（＜WW＞）´.ｌ|　　　　　　　　　　／　　　　　 i
　　 |l_⌒｀)l 川 l(´ヽ_ｌ|　　　　　　　　 /. ／ , ' 　 ,_,　 !
　　｀――――――´　　　　　　　　　 '.'/　 ' 　 ._'.....ﾞ:　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 / ／／　￣｀`ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }, ' ／-;ｰ/'ヽ､.,. '.!
　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 _' ,.<.}＝＝＝"´ ノ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !ー_-- _一;::´:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::〈::::Yﾞ::ヽ'::ﾞ::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !::::ｰ:､::: ':::::::::::::j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!=ー---一='"!　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ-‐-‐-一''´　　　　　　　|　　ま、嫌な話はこれ飲んでやり過ごそ　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .酒です。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　彼はある時期から、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　常に大酒を飲んで酔っ払うようになりました。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.また、この頃から奇行が目立ち始めます
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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433 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:55:47.09 ID:HR4Q+QwVo

【紀元２５５年頃　魏首都　洛陽】

/:::/:::/´::〃ハ:ｌ::::!:!ｉ:::: ｉ丶｀:!ヽ:ヽ::ヽ
: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
/ｉ: /:: /ｉ::ｌ::: /ｉ::ｌヽｌ::丶:::ｌ::::::ﾊ:ｉ|::ｉ: ｉ:､::ｉ
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉｌ
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |　　　　　　　　　失礼する。
::!:|:|::::!:!: !/ィ示ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ::ﾉ_ '　/'　|!　.ィ､ｌ:!::|:!:: '　　　　　　　　　.こちらが阮籍様のお宅かな？
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く:::ｿ ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/　　　　　　　　　　政務の案件でお伺いしたい事があるんだが……
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′
小:!. ヽ　　　　　￣｀　　　'Ⅵ'
::::ﾘ. 　＼　　　｀　　　／
Ⅵ.　　　ヽ､　　　　 ´
｀　ー　 _　　 T　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
､　　　　　｀ー､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /. : : : : : : : :.l : : |.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　｀　､　　　　　ｉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : : : : : : : :l :l : : |.:.::.: : : | : : : !.:.l.:.l.:. l.:l.:.:.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : : : : : : : :l: l : : ﾄ､: : : : |.:.:.:l :!.:.l.:.l.:. l.:l:.::.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : : ム: : : :l :l ＼|　＼:.:.:ﾄ､: l :!:.:l:.:l.:. l.:ﾊ.:.:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : /⌒i: : : :V __ _＼_, ＼!　ﾒ､ﾄ､l:.:l.:. l.:l l:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ: ﾊ　い: : : 〈､_ﾘ_ ノ　　　ﾘ_ノ N.:/l/ /
　　　　　いるにはいるけど、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠_／:/ヽ　い: : :.:|　　　　　　　　 l.:./
　　　　　奥で酔い潰れて寝ちゃってる。　　　　　　　　　　　　　　l: /l: : ＼ﾄ､: : | 　　　　　　>　　 k'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/ .l: /: : : : l＼|　　　　　　　/:l
　　　　　話ができる状態じゃないよ　　　　　　　　　　　　　　　 l/:／l: : :L_ ＼＿　 -─　,. ｲ.:. l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　 -┴- ､　　 | Lr‐ ＜￣ﾊ:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　＼.　 | l L　　　　//⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　＼|　＼＼　Vﾚ'⌒　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　 i 　　　 L ﾉ／(,.　-‐ 　ﾄ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　阮籍の子　阮渾

434 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/04(木) 23:57:52.34 ID:HR4Q+QwVo

　　　　　　　　　　　　／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊｿｒ‐ﾃﾊ!:l/　　　　　　　　……などという事がありましてね。
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　　　　 !　 j川/
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/　　　　　　　　　僕にはどうも阮籍様というお方が分かりません
　　　　　　　　　　　 Yｌ:ﾄ､　　ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ニ′／}'
　　　　　　　　　　　　丨　　丶、　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　}
　　　　　　　　　　ノ￣´"''‐ 、　｀¨´￤　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　￣/ミ: .
　　　　　　　＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|　　　　　　 .　　　　　　　　 /　'　　　　'　　　〉ﾞ｀Y.
　　＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　〃⌒ヽ.{　　ﾊ
　 /「￣´　ヽヽ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　　 ∧=､､　　　　　　　　　　　　 /　　〃　 /　⌒　 } ＠ j
　 |八＼　　　　＿_/　　　　　＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､　 . 　　　　　　　/　　//　彡＝ミ　 __ゝrく}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　{⌒i∧　' ' '　　ヽヾ!ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　＼八ろ　.)　　} ＿ '　 '.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入从ﾑ　　人ノ　　,ｲ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／彡ｲ　| ＞　＿　イ彡ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }≦彡}.７r:介くー'´ ｀ヽ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ゞ了　/ /ハヽ:.＼　　　〉
　　　　　　阮籍にそんな事聞いても無駄かしら　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 }: : : :rz : : :| 　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　＼: : : rz :ﾉ ,　.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .Y⌒ヽ　｀ーx介x |　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 /　.ﾊ｀ーﾁ　　　＿__丶　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ 人＿彡｀　＜＿ノ　　＼　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__{＿i＿＿ハ＿＿＿＿＿＿＿〉＿_j＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞=＝≡ﾆ三ﾆ≡＝=＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,　'´￣　　　　　　　　￣｀　､＼

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　鍾会はしばしば時事の問題を阮籍に質問し、その反応を伺っていました。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　しかし、阮籍はいつも酔っ払ってこれをやり過ごしていたそうです
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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435 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:00:58.28 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　／　　u　　ノ　　＼
　　　　／　　　　 u （●）　　＼　　　　　　　　保身のために呑兵衛とか……
　　　　|　　　　　　　　（__人__）|
　　　＼　　　　u　　　.｀ ⌒／　　　　　　　　ただ単に酒飲む口実じゃないかお？
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　｜
　　　実際、とんでもない酒豪で大の酒好きだったそうです。　　　　　　.　　　　　|　　　　　　u　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 .|
　　　この頃、空席だった歩兵校尉への転任を申し出たのですが、　　　　　　　.ヽ　、　　　,ｲ
　　　その理由が彼らしいというかなんというか……　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ,ー-　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -─ '".:.ヽ:.:.＼__　/ノﾄ、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　,.　ー、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ r 、　_ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　}/　)　 V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:ゝ/ ./ __　 V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.＼

436 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:03:41.19 ID:Pxr9/QJuo

【紀元２５５年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　 /　　　入　　　　　 ,ｲY=ﾐｰ､　:,
　　　　　〃　＞'ﾞ　＼　　　 j /　　ヽｿr､:,
　　　　 !　彡ー　　　｀ヽ　〈ー'´ｼrﾐz､ヽヘ
　　　　 Yﾞ､__　　　　　　｀ヾ､{彡'≧そ'ﾉ　j ,｝
　　　　 ,ｲ,ｲYﾍﾞ　　　　_ 　｀ } ﾞー－illlゞシﾞi　　　　　　話は承知したわ。
　　　／,'　ﾄ､ソ　　　´＞=ﾐ､_｀i｀´￣｀ﾞ´　 ,'
　　 /　 ! '''　　 '　　　 jﾟ｡(::;jk　|　　i　/　 /　　　　　　　けれど、どうして歩兵校尉になりたいのかしら？
　　　｀ .人　　　　　　　｀ｰ'ﾞ　i|ヽ-､ ' ´' ／
　　　　　　＼　 j)　 r- ､゛゛　 }}り｀:jﾞ.／
　　　　　　「ﾐヽ.___,ﾉミ:､｀ヽ'ゞz-ｲ／
　　　　ﾄ､≧＝ヾﾐ:､＼ノ_彡'´
　　　　　　{三}　-=ニj´￣｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : :.／.┐:.:.:.:,　-─┴─　イ
　　　　　　j=Yﾞ=-ｼ'´,'　 ,ﾍ　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : : :／ヽ_ﾉ,．'´. : : : : : : : : ＜
　　　　　　{_r{≧ｲ､ jz'´ーゞﾐx.i_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : : : ／-一　´. : : : : : : :　　　: :＼＼
　　　　／ゝzヾ'. ノ｀ヽi,.イフ＝ｰﾐ:､　　　　　　　　　　　　　　　　　　. : : : : : :,．'´. : : : : : : : : : : : : 　　. : : : :＼.＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　- ＜: : : ､: : : :.:.:.::|. . . . . . . : : : :ヽ: .ヽ:＼＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:.:.:.:.:.:.:.| ＼:.:.ヽ : : :.:.:ﾄ､: : : :＼: :.:.:.|:.:.| :. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: :.:.:.ﾄ､ |二ﾆヽ| ＼.:.:.:|　入＜:.:.ヽ.:.:|.:.:| :. L__,.　- ─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: l.:.:.|ﾐN ﾊﾃ｀ヽ　　＼ﾚ'´∠ ｀ヽ､:|: |:.:.ﾄ､:.|::::::::::::::::::::
　　　歩兵校尉の役所の調理場に数百石の酒があってな。　　　N: : |ミ　l.:1l 　|　　　 rﾆ三ﾐヽﾘ.:.|:./:.:l/.::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヽ从ﾄ､ ,rりﾉ _ナV⌒ V´ ￣｀`ﾘﾑ:. l/.:::::::::::ー----
　　　好き放題飲めそうや　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:.:.＼|｀ｰL二_＿ノ　　,ﾊ _＿ノ7.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::ヽ　　　　 r　-‐ｧ　　　/.::::ヽ::::＼:::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::／〈｀丶､　｀ー　　 .ィ´´ ￣|￣ 77｀ヽ.:.:.:.:.:.､:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　r‐┴＝= ､`ｰ-- ＜／　　　|　/ /　 /￣`ヽ: ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　い　　ー‐-ヽ￣＼-─-　､　 V /　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　い　　　二ﾆヽ　「ー- ｀`ヽ　V　　　　"´　　

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　歩兵校尉となった阮籍が酒を痛飲したのは言うまでもありません
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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437 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:05:21.92 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／ノ　　＼＼
　　　　　／　（●）　(●）＼
　　　　／　∪　（__人__）　　＼　　　　　　　　　　　これじゃ本当に酒飲んでるだけだお。
　　　　|　　　　　｀ ⌒´　　　　|
　　　　＼　/⌒)⌒)⌒)　　／/⌒)⌒)⌒)　　　　 .よくこんなんで宮仕えできたもんだお。
　　　　ノ　　|　/　/　/　　　(⌒) ./　/　/
　／´　　　 |　:::::::::::(⌒)　　ゝ　　::::::::::/　　　　　　真面目な連中から批判されないのかお？
　|　　　　ｌ　 |　　　　　ノ　　/　　）　　/
　ヽ　　　ヽ_ヽ　　　 /' 　　/　　　／
　　ヽ＿＿　　　／　　 /　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､｀ ⌒´ 　　　|
　　　　　批判されましたよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ｰー|　　　　　　　ﾄ､______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /:::ﾉ:::::::::.｀' ｰ-
　　　　　その急先鋒が礼に厳格だった何曾殿でした。　　　　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　"／::::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　」 ::::::::l:::: ::::::「､:::::::::::::／ ::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　何曾殿は阮籍を目の仇にしていましてね　　　　　　　　　　l ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::ｰ-ミﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .::::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .:::::::::::::::::::/'　　　　 `‐-､::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|

438 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/05(金) 00:07:00.28 ID:lLKW/VQXo

六朝か唐にもいなかったっけ？
酒呑みたいから本来は就けない低い官職を望んだのん兵衛

439 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/05(金) 00:08:11.85 ID:kWfc3HvBo

本当の意味では酔っ払えなかったのだろうな…

寝言で失言しても首斬られかねないご時世だし

440 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:11:27.71 ID:Pxr9/QJuo

【紀元２５５年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　,': : : :; :; ; : : ; ; : : : : i ; : : ､: ヽ ',
　　　　　　,:.,': : :i :i i: : : :ﾊ: : : : :ヾ: : : : i : i :',
　　　　　 ':.l: : : ﾚﾘ: : : ∧jﾊ: : : :ﾉi |: : ﾘ : | :.!
　　　　　ｌ:.i: : : |　｀ﾞ¨´ 　　｀￣´ `¨¨ﾞ|: : :|: |　　　　　　　　君は勝手気儘に振舞い風俗を乱す。
　　　　　|:.| : 斗''´`'ｰ､,,_　､,_,､-''´｀`ト :.|: |
　　　　　|:.|: : :|K´i￣:ヾ　　ゞ￣!｀>| : :.|: |　　　　　　　 .今や忠実な賢者が政治を行い、
　　　　ｌ:.ｌ: : :|,' ゝ-┘ ヽ--' └''ﾟ'　',.| : : l: l　　　　　　　 .名と実を照らし合わせて明らかにしようとしている。
　　　　 |:.|: : :|'､　　　ﾉ , ヽ　　　ﾉi :. :.|: |
　　　　 |:.|: : :|ﾍ` ー ´　　　ﾞー　ｲ':| :.:.:|: |　　　　　　　君のような者が好き勝手できるのも後僅かだ
　　　　　 !:.l: : :|:: i＼　 ´￣｀　／i:.:.:| :.:.:|:.:|
　　　　 ;::i : : i ::|:::::i＞ ,　　　イ :::::!::::| :.:.:|:.:|
　　　　 ,':.!;: : :|:::|:::/'ー-､ ´,-一ﾍ;,i:::::| :.:.:|:.:|
　　　　 ,';:.i: : : |一'ﾞ　　〃∨ヾ. 　ゞ-┤:.:.:|:.:|
.,'´￣｀¨∨: : : ∧ 　　　//　ハ　　　 :|: : :.i/´ ￣｀',　　　　　　　　　　　{　　　　　　　-‐'´　　　　　　｀ヽ、__ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞､＿＿／
　　　　　　　　　魏　尚書　何曾　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／,／　　　　　　　　　　　＼　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 / 〃　 /　　　 /　〈　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { }! {　{{　 ,ﾉ{　 V　 {　　ヽ　　ヽ　　 }　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j八ﾊj从　{/ヽ　! 　ﾄ､　　}＼　 }　 V　　ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝ }}　!ｲ{　 }ノヽ.ノ　＼ﾉ　　Ｖ　 j }　　　《
　　　　　　　　　　（うるさいのが来たわ）　　　　　　　　　　　　　　　〈_从八! ｝ゞ=ﾐ､__　､二ﾆ≧　}　//＾!　　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨从-= ｲ⌒ヽ.＿＿,ﾉｲ彡'　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　 //ハ､"" 　　　 ""　　 __／　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾑｨ个ｰ`　、､　　　　　イ`＜辷ｰ‐┐　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　{　ｒｰ…‐≧=＝'"´　/　, -‐┐　∧ 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' 　､　}　　　　｀ヽ、｀V´／　　 {　　 }　丨

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　ただし、阮籍が弾劾されたり処罰されたりはしませんでした
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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441 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:12:34.55 ID:Pxr9/QJuo

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なして？
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　_ﾉ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　（一）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　（__人）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　ｌ
　　　　　　　　　彼が義兄上のお気に入りだったからです　　　　　　　　.　　　　　　|　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　ヽ　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. 　　　 |
　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　先に少し話が出たが、
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　司馬昭は阮籍に対して、やたらと寛大な態度をとっていた。
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　 .一見、嵆康をあっさり処刑した人と同一人物とは思えないほどに
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

442 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:15:15.89 ID:Pxr9/QJuo

【紀元２５５年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. - ゞ、 ,、_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.ム-―-／::::}:::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　X　｀　　　/／::::｀ヽ::::::＼
　　　　　　　　　　　　　＿∠ﾘ　　　｀ヽi/ r‐v‐ｔﾍ:::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　 /　　　　〉ﾗヾ r〆ゝγ∠}>::/::::',
　.　　　　　　　　 /,、　　　 /::::::ﾟ:ﾙ/〃こY)ゝ厶::::::::::i
　　　　　　　　　　　 i | ヽ　　　＝イ^〉{ ゞ辷rソ┘ 孑::::::|
　　　　　　　　　　　 | !、j　　~'' ,, =＝弋//| |孑レJ┘::::::|
　　　　　　　　　＼　　　〃　 r=―‐- 、:::::::::::::::::::::/　　　　阮籍は至慎かしら。
　　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　　}二三ヽ/:::::::::::／::::/
　　　　　　　　　　　　廴壬＞、　／-く::::::::::::／_::／　　　　　その言葉は玄遠で
　　　　　　　　　　　　　ゞ〈　＿|　ヽ三二ヽ￣￣　　　　　　　　今までに人の良し悪しを論評した事がないわ
　　　　　　　　　　　　<_彡ﾉにﾚ^y⌒ﾉｼY 7
　　　　　　　　　　　　　り／ |八|_,. -―　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　i´/　　 /　　　　 :::::::::::',
　　　　　　　　　　　　く,'　,. -'''　　　　　:::::::::::::i
　　　　　　＿__ ,.-'''￣｀ヽi　　　　　　　　::::::::::::ﾊ
　　　　／;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾊ　　　　　　　 :::::::::/　i
　　　/;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',　　　　　 ::::::::::::〈　 |
　.　/;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼〉‐- = ＿＿＿_ノ　　|
　　|;;;;;;;;;;;;;ﾊ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／　:::::::/;;;;;;;＼　　　　:::|
　　〉;;〆ｒ┬ー--―''"丿　　／::|＼;;;;;;;;;ヽ　　 ::::|
　 ,'二⊂く ',　　　　　　　　　 ::::::ﾉ;;;;;;了;;;;;;;',　 :::::|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　これは司馬昭の阮籍評である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　また、別の機会にはこうも言っている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

443 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:17:06.46 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　　 __
　　　　　「ヽ￣＼　ゞ_､__
　　　／入　＼　_jl´frｫ j}
　　/　/　　` ーヽﾊ-メ_jヽ.
　　 '　,' ,. - 　　　　´｀ヾヽ !
　　 i ｲ　 , =､　　ｫ= ､川!
　　ゞﾊ, ﾊｫ.j 　　辷j　|ﾒ.
　　　 `ﾊ ::::　　 '　　::::　ｲ_ ヾ　　　　　　　　　　　　　　人には清と慎と勤が大切でしょうね
　　　 ,.,ゝゝ､　｀　´　イミミjノ
　　　 l!V:三} ﾞ＞＜　ゝ-'⌒丶
　　　 /　ゝﾘ!　jハ! 　ﾚ′　　l
　　く　　 :.:! 　 o 　〈　　-　|
　　　ゝ　l:.:.|'＼ o _ .人 l 〆ノ
　　　　|　 :.:.|　/介!V　　イ´
　　　　|　 .:.:|　` 　 7　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::;､::::::::::::::;::';:::::::;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::;::::;'::::;:/-ヽ::i::::i:;::';:ｉ';::::::ｉ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;:::;'i:::ｌ::::ｉ::ｌ　　|::ｉ::::ｌ:ｌ:::ｉ:ｉｌ::::::i::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //::;':ｉ:::l:::::ﾘl　　 |::i:::ll:ｌｌ:ｌｌ:l:ｌ::::::ｌ:::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:l::::ｉ::::::ｌ::::l　ｌ__ 　|::::+l'‐lｆｔ'ﾘ､l::::|:::::::ｉ:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;'ｌ::::ｉ::::::|:::l',´-‐､ ,ﾘｌ;/ﾊ｡´｀lゝ:::ﾄ､::::::i::::|
　　　　　では、その三つのうち、　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｌl |:::::ｌ:::::|'l:::ｌﾊﾟ:_」　 '　 └- ' l::::ｌ l::::::::i::::|
　　　　　何を先にすれば良いのでしょうか？　　　　　　　　　　l!　!::::ｌ:ｉ::::ｌl:::ヽ　　 ' 　　　　l::::l´ﾊ:::::::l::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　':;:,-lｌ-､ヽ::ヽ､　¨´ 　／ｌ::::l::l::::ｉ:::::::ｉ::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,´ヽヾ＾"､:Vヽ､｀ｒ.､イ.-|l:::::l::i::::::ｉ::::::l:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 Llvl::ｌ＾ｌ:::ヾ:i:::::「」l´ ＿l:::::ｌ::|_::_::|::::::|::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　', 　 l::l/+ｒ'／´＾`l.† l´　l:::::|ｌ::l ,ｒ;:rｌ::::::ﾄ､::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_」　ヽ　|::| l l ｌヽ／ゝｒ'　ｌ:::::| ｀ ´//ｌ::::::l:.:.:.ヽ',

444 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:18:30.10 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　 ,ｒ T ´￣＞ ―､
　　　　／ﾊ丶ヽ {　/￣ヽ二ﾍ
　　　　/　 /'´＼ヽ　}｜　_ｆZﾊ }｣
　　　　ｌ //＿　　丶､ヽ／　}ﾋｼ∨
　　　　l /´ __､　　￣ﾞヽ／_ﾑ／　　　　　　　慎でしょうね。
　　　ｒ:ﾚ Yｆ::い　　ﾗ::ぃ　「 T´
　　　込!　ゝ:ｿ . 　{::::ｿ !/Ｙ´　　　　　　　　　.天下で最も慎み深い人物は阮籍と思っているの。
　　 /{!´ ヽ""､_　　　r ｰ|! ┐
　　＼ー'彡＞ .｀´イ{ゞ=' 丿　　　　　　　　　彼と話していると、その言葉は深遠の境地にさわって、
　　　 l〈＿_ 〉イ＾ト､ f´￣〕、　　　　　　　　時事を評論したり、人物を批判するような事は今までなかったわ。
　　 /　Ｌ.ﾉ／l¨l＼ └ｔ‐彳 ',
　　〈　　ゞ=' /cヽ　〉┘７¨　〉　　　　　　　　これこそ本当に慎み深いのではないかしら？
　　　 Y　,ィ⌒i c　 /｀ヽ　　／
　　　｣/l }、　}､c/｛　 /ﾄ､/
　　　〉 l }::::Y /{}ヽ{トｲ/　〉

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::;::::;'::::;:/-ヽ::i::::i:;::';:ｉ';::::::ｉ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;:::;'i:::ｌ::::ｉ::ｌ　　|::ｉ::::ｌ:ｌ:::ｉ:ｉｌ::::::i::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //::;':ｉ:::l:::::ﾘl　　 |::i:::ll:ｌｌ:ｌｌ:l:ｌ::::::ｌ:::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:l::::ｉ::::::ｌ::::l　ｌ__ 　|::::+l'‐lｆｔ'ﾘ､l::::|:::::::ｉ:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;'ｌ::::ｉ::::::|:::l',´-‐､ ,ﾘｌ;/ﾊ｡´｀lゝ:::ﾄ､::::::i::::|
　　　　　確かに彼が　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌl |:::::ｌ:::::|'l:::ｌﾊﾟ:_」　 '　 └- ' l::::ｌ l::::::::i::::|
　　　　　そういう真似をしたのは見た事がありませんね　　　　 l!　!::::ｌ:ｉ::::ｌl:::ヽ　　 ' 　　　　l::::l´ﾊ:::::::l::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　':;:,-lｌ-､ヽ::ヽ､　¨´ 　／ｌ::::l::l::::ｉ:::::::ｉ::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,´ヽヾ＾"､:Vヽ､｀ｒ.､イ.-|l:::::l::i::::::ｉ::::::l:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 Llvl::ｌ＾ｌ:::ヾ:i:::::「」l´ ＿l:::::ｌ::|_::_::|::::::|::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　', 　 l::l/+ｒ'／´＾`l.† l´　l:::::|ｌ::l ,ｒ;:rｌ::::::ﾄ､::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_」　ヽ　|::| l l ｌヽ／ゝｒ'　ｌ:::::| ｀ ´//ｌ::::::l:.:.:.ヽ',

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　この言葉には司馬昭の考え方がうかがえる。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　それはさておき、最高権力者がこの調子なので、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　阮籍が放埓な振舞いをしても、誰も強い態度に出られないわけだ。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　唯一の例外が何曾だった
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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445 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:20:31.80 ID:Pxr9/QJuo

　　／ :. ィ.;:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　ｲ:.:.:.:/-|/|∧:;､:.:.〈
　　ﾘ:.:./ ● 　　く!:,:.:..、
　　 l:.:.l　　　　●/:./￣
　　　vﾍ　 - 　ノ:./　　　　　　　阮籍も阮籍で司馬昭の厚遇ぶりに味を占めたのか、
　　 _,-+　匸ﾍ/V　　　　　　　　.司馬昭の目の前であっても脚を投げ出して座っていたらしい。
　　,《　ﾋ⌒j　》、
　　l::＼ l　/∥::l　　　　　　　　 .そのうえ酒を存分に飲み、歌すら歌って平然としている始末
　　|:::::::ﾄ,Ｖイ:::::|
　　|:::::::l介l:::::::|
　　l::::::|人|:::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　ヽ、＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（ ●）　（●）.＼
　　　　　　　　日頃の態度は全然慎んでないお。　　　　　　　　　　　　　　.／　　　（__人__）　　u. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｎi 7　　｀ ⌒´　　　　.　|ｎ
　　　　　　　　さすがに引くお　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ', U ! ﾚ' /　　　　　　.　.　| U ﾚ'/／)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　〈　　　　　　　　　ﾉ　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..i,　　　."⊃　　　　ｒニ　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ー）（ー）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　さらに物議をかもしたのは、彼が周囲に対してとった態度です。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l　　　　　　　白眼という言葉を聞いた事はありませんか？
.　ヽ　　　　　 |　　ﾉ
　　ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

446 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:22:25.28 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／⌒三 ⌒＼
　　　／（ ○）三（○）＼
　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　　　　　　　　　　　NA●UTOに出てくるアレかお？
　 |　　　　　|r┬-|　　　　|
　＼　　　 `ー'´ 　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ＜´::::::::ヽ- ‐-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 --=´::::::::::::::::::::::::::::::::: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:: ,': : ／i:::::::::::::::i:::i::::::::::::::ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 /i::: {:: /.　 '::::::::{::::ﾊ_|ゝ::::::::::::::',
　　　　　白眼、いや、この場合は白眼視と言った方が適切だろうか。　　　.{: : i..,' ￣ ':::::::i!::,'. ヾ￣ヽ::::::',::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|',:: ',{====＼ {｀=====. i::::::::}/
　　　　　人を正面からまともに見ずに視線を逸らす事を言う。　　　　　　　　 Ⅵ　|;;;;;;|　｀　|;;;;;;|　 |::: : ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　｀¨´　　　｀¨´　 i:: : ,'
　　　　　逆に、眼と眼を合って黒眼が見える状態を青眼と呼ぶ　　　　　　　　　｀i＞　　＿＿　　＜|:: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ/／: :ヽ＝/: :＼/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ｀ﾞ＜ヽ/＞彳/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ. ⊂只⊃　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　〃ヾ　 {

447 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:24:48.01 ID:Pxr9/QJuo

【紀元２５５年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　ｨ彡　　　　　　　　　 ≧､
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　イ／,ｨ　　　　　　　 /wj､　　　　ヽゝ
　　　　　　　/／/ 　 /　イ / /,/　　 |　　　　小　　　　　　　　 .阮籍様、このたびはお悔やみ申し上げます。
　　　　　　 '´　/　　　ｲ‐-ﾐノ!,/ ,, -‐从y　　　　ゝ
　　　　　　 /ｲｿ　//てy }ﾉ'ﾘ　 ''てyヾ!　　 |ヾ　　　　　　　　それと、いつもうちの弟がお世話になっています。
　　　　　　　　 }ﾉY l　廴ﾘ　　　　廴ﾘ .'ｿﾘ､ﾐ
　　　　　　　　　　　ゝ!　　　 '　　　　 /‐.′　　　　　　　　　　.ご迷惑をかけてないでしょうか？
　　　　　　　　　　＼　ー　' 　.／
　　　　　　　　　　＞｡､　　イ|
　　　　　　_　ｨﾆﾆﾆ==ｘ　 fて)Τて)二ﾊ
　　 _　イ　　/　　　＞f寸屮､|　屮　 }≦￣￣￣≧=､
　　＼＼ {′　　／／　ﾐ　 |,| ,|　　　＼＼　　　　|　　＞､　　　　　　{　　　　　　　-‐'´　　　　　　｀ヽ、__ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞､＿＿／
　　　　　　　　　　　魏　嵆康の兄　嵆喜　　　　　　　　　　　　　　　／／,／　　　　　　　　　　　＼　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 / 〃　 /　　　 /　〈　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { }! {　{{　 ,ﾉ{　 V　 {　　ヽ　　ヽ　　 }　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j八ﾊj从　{/ヽ　! 　ﾄ､　　}＼　 }　 V　　ｉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝ }}　!ｲ{　 }ノヽ.ノ　＼ﾉ　　Ｖ　 j }　　　《
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈_从八! ｝ゞ=ﾐ､__　､二ﾆ≧　}　//＾!　　､
　　　　　　　　　　あー、気にせんといて　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨从-= ｲ⌒ヽ.＿＿,ﾉｲ彡'　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　 //ハ､"" 　　　 ""　　 __／　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾑｨ个ｰ`　、､　　　　　イ`＜辷ｰ‐┐　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　{　ｒｰ…‐≧=＝'"´　/　, -‐┐　∧ 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' 　､　}　　　　｀ヽ、｀V´／　　 {　　 }　丨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　∨　　　　　　　「丁´　　　　〉　 ∧　|

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .阮籍は礼俗の士に対しては白眼で応対しました。
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　実際に、彼の母親が亡くなった時、
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　弔問にやって来た嵆康の兄嵆喜を白眼で応対したそうです。
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.いつの世も相手の眼を見て話さないのは不誠実の表れ、
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　常識的な人物だった嵆喜は不快な思いをして帰っていきました
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

448 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/05(金) 00:25:41.67 ID:kWfc3HvBo

>>446
なるほど、白眼だ

449 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:26:27.23 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　 _,. -‐'"_,.-‐'⌒ヽ/⌒｀´ヽ⌒ヽ、
　　　／￣｀ヽ,r一'　　　　,ﾍ,,∧　　　＼〃}
　　 i=＝ﾆニ/,　/〃　 / |｀ ▽ |ﾄ､ l　　ヽ_l
　　 {__,　　 ] |　| | |_!_｣L|　｡　,!| Hﾄ | i ﾄ､>、
　　ヽ_｀ｰ-'i　l　l_!ﾊ |　ヽ!　　　　j∨ﾚ l/　ヽ>　　　　　　　阮籍殿、このたびはお悔やみ申し上げるわ。
　　　 l二ン{ ﾊﾄ､!_,ゝﾆ,_　　　〃⌒{/
　　　 /　/　ヾﾆlヽ|　´￣｀　　　ヽ　　!|　　　__　　　　　　　慰めに美味しいお酒を持って来たわよ。
　　　｀ﾌ´　　ﾊ l|　ヽ　　　　r‐┐　／ヽ　 / /
　　　 /／　/ ゝ|　　ト､＿　ヽノ／￣ﾌ ∨ /　　　　　　　琴も持ってきたから一緒にどうかしら？
　　 /'　　/　「l 　ヾ￣｀i|‐-r'´　　/ __/ _{__
　／　　 /　 _｣ |> ﾄ､|　　l|｀Ti|　／r' ノ/ ___}
／　／ /　〃⌒ヾ、ヽヽ〃　L|　/ﾆ } 　} /____}
　 /　　| l/　　　　ヾﾆ=ﾃﾊ //　＼ヽヽﾊ Lr- j
　/　　ﾚ　　　　 | |_l_l 〉/　　　ヽヽト､____ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､__〈　　　　　　　＿ノ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>: :ゝ-‐～'⌒｀´: : : : : :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : ／/!／:´｀:～´￣: : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／| /: :/ |＼＼＼_｣: : : : : : !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i |／! ｢V^ヽ､｀-´ｆij }: :/j　',
　　　　　　お、ええな。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｢｢/ /ノrー-,r‐-fｺJｿl:/ノ　 '､　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／ｨ夊ー‐' r─｀￣,ｲ: : : : : ゝ､　　　　ノﾉ
　　　　　　あんたはうちをよう分かっとる。　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　ノ/.: :丶､ゝ_ノ／ノ!: : : : !: : : ￣￣: :⌒ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__|__, ﾉr'_/: :.:ｨ⌒ヽ7Tl二∠ゝ、: : !: : : : : ＼: : : : ｀
　　　　　　久々に『広陵散』聞かせてくれんか？　　　　　.　-―＝=fﾟｰ―'ﾞ|: : ／/ : : : /7´: : : : : :}､_ノ: : : : : : : ﾍヽ｀'　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　´　　　, r'´.:|　　　レ'　〈 : : : 〈∧: : : : : ノ／ヽ: : : : : : : 　',: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／ : : : : | 　　 |　　 ∧:／∧: ＼: :/´/　　 j: : : : : : : : : }: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　　／ /: : : : : :!　　　　　,ｲく＼/ｿゝ: :_ノ /　ー- >: : : : : : : : /: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　/　 / /: : : : ∧　　／ {　{o＼＼￣　｀ヽ　　　＼: : : : : ／/: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ_,//　 /　!: : : : : : ∧_／: : : i　!　　｀o 了￣／＼　　　 >: : : : :/: : :/

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　ところが弟の嵆康が酒と琴を持って弔問に来ると、
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　一転して喜色を浮かべて青眼で応対したと言われています。
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .これで何曾殿のような礼法の士はますます阮籍を敵視します
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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450 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:28:01.94 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　　　喪中の応対ぐらいちゃんとやれお。
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　もう色々とフリーダムすぎるお
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　 |　　　　　　　　　　　 | 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　_ノ　,ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　＼　　　|　　　　（__人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼　　.|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　＼　ヽ　　　　　　}
　　　　　　阮籍が母の喪中に行った奇行は他にもあります。　　　　　　　　　　.＼_,ゝ　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／, r､　　　　く
　　　　　　あろう事か喪中に関わらず、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　〈　＼　　　i
　　　　　　義兄上の宴席で酒を飲み肉を喰らっていたのです　　　　　　　　　ヽ､ .ヽ　＼ i..｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.て_）　　＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

451 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:30:17.89 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／:::::::::　 u＼
　　／ﾉ└ ＼,三_ノ＼　　,∩__
　／:::::⌒（ ●）三（●）＼ fつuu　　　　　　　　　　喪中に酒飲んで肉食った？
　|::::::::::::::::⌒（__人__）⌒　| | 　 |
　＼:::::::::　　｀ ⌒´ 　 ,／_ | 　 |　　　　　　　　　　薬飲むぐらいならともかく、それはダメだろが！！
　　ヽ　　　　　　　 i　　　　丿
　 /(⌒)　　　　　　　/￣￣´
　/　／　　　　　　　/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -‐―- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ― - ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:: :: :: ＼ヽヽ､　　　　　 .／￣￣＼　　　　　／/:: :: :: :: :: ::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|:: :: :: :: :: ::ヽ､:: ヽ､　　／__,.ノ　ヽ､,_ ＼　　,-/:: i:/::／⌒:: :: :: ::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　v:: :: :: :: :: l:|Y⌒ ､｀、ｌ　( ＝）（＝ )　ｌ-'´:: l:: /::l '´:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 v:: :: :: :: ::l::ヾ:: :: |:: :: :l.　（___人___）　 .|:: :: :: 〉ﾚ´:: :: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:: :: :: :: ::|:: ∧:: ::l:: :: ｌ　　｀ ⌒ ´　'J |:::::::::::Sﾚ‐i:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 v:::lヽ:: ::|::l:: ::｀ヾ＿　i　　　　　　　　 |;;-っ´:: :: |:: i:: :: :/:: /
　　　　　　これには事情がありましてね　　　　　　　　　　ｌ::|;;ｌ:: ::|:::!:: :: :/:.ヾ =',　　　　　　　/L,／´ヽ:: :: ::l::|::/:: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';!::ｌ:: ::|:: :: ::/:. :.,,＞》'ヽ､.＿,＿／:::ゞヾ､　ヽ;; :: |::ｌ:: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';:: ::ｌ:: :::/:. :.ヽ'´:.i｀ヽ:. ニ二ニ :.／ :. :. ｖ:. :. l::|:: :: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:: :::ｌ:: /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :!::l::l:: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨:::|::/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. v:ｌ::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|;: :ﾚiヽ､:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. |､/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ ｌ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::|

452 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/10/05(金) 00:30:52.69 ID:2FUgrXUBo

根本の事情知らなけりゃ、最高権力者に気に入られて
勝手気まま自堕落な勤めをしている嫌な奴、としか思えんよな…

453 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:33:23.77 ID:Pxr9/QJuo

【紀元２５５年頃　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　　 ,　-――-- ､
　　　　　　　　　　　／＿　　＿_　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　 rく二、　　 /r冖ミヽ＿ヽ
　　　　　　　　　　 / ﾊ　＼　 {｜__rrュ'⌒ヾj
.　　　　　　　　　 { ,′｀ヽ､　｀ヽく::._{_{タﾉヽ、}｝
　　　　　　　　　　ｌj　＿　｀ー-ﾍ￣´ ＼::ｲ
　　　　　　　　　　 r|'´　　､　　￣｀ヽ ┬ｰ彳 |
　　　　　　　　　　　〃| ≡ﾐ　　　＿_　　}_／　,′
　　　　　　　　　　　|l__ｌ "　　,　　´￣ヾ　ﾊ }　/　　　　　　　　阮籍、貴方の気持ちはよく分かったわ。
　　　　　　　　　　r仆､ヽ、　rｰ ┐ "　厶ｲ∠、
　　　　　　＿_　l {｀ミ=ｧ个ヽ--'__, イ{_＿＿_ハ　　　　　　　後は思う存分好きなだけ飲み食いするといいかしら。
　　　　　　/::ヽ::｀ヽヽ､__｝/　ｌ::7ﾄ /　,' 厂￣｀ヽ｀､
　　　　　｀‐rｰ､:人｀＞/,　 |/l:|/　/　r=＝=ノ　ヽ　　　　　この卵焼きもあげるわよ
　　　　 r ┤/　/　　ｌ |　 |　/　/　仁二}′　　〉
　　　　　/ 二ﾆＹ´　　　| ｌ　ﾚ′/　　ｨ＾ヽr‐'′ ／
＿_　／{　 _二｣７　　∧ |　､_／　／/　　|　　ｈ＿　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
三三＞」＿r￢|7　 /　Vﾍ　　／／　　｜　　｢｀ヽl＿　　　　　　　　　　　|　　　　　……悪いなぁ　　　　　　　|
三三三三ニ＞｣|〉_/　　∨　／／　　 _/ 　　ﾄ､　＼}__　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
三三ﾆ=＝＝＝=ニ三＞ﾍ∠／ヽ、,　'´　　　／ ∧　　 Vﾍ
／　 ,.　 ---―‐r――=ﾆ二二＞く　　　　／　 /　|　　　V}　　　　　　　　　　　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
.　／　　　 _(⌒ヽ＞┬――-- く　＼＿∠　　 ,′｜　　 |｝　　　　　　　　　＿|　＼/＼/　　＼／＼/　|∧／　/／/
　|　　＿/r'′(⌒)　）ヽ、　｀ヽ、｀￣Ｌrﾍ、｀ヽ-､＿_〉､＿_|}　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　ヽ　 l::.::.::.｀ｰﾍ二_ノ::.::.:}　　　＼　　ヽ二二三三三三＞､_　　　　　　　　 ∠　　　　　大将軍ッ！！！　　　　　　＞
ヽ、＼ヽ､::.::.::.::.::.::::.::.／　　　　　 }　　　|三三三三三三三二＞､_　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼
ｌ三＼　ヽ｀￣￣￣´　　　　　／　／三三三三三三三三三二＞､　　　￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　|/　　　＼/　　　＼|
───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.お前が勧めるのかお。
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .礼を重んじる司馬家はどこいった？
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

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454 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:36:16.26 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　　　　　　　　, ､ -－､, －- ､,
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : `ヽ､
　　　　　　　　　　 , ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ' ,
　　　　　　　　　　,': : : :; :; ; : : ; ; : : : : i ; : : ､: ヽ ',
　　　　　　　　　　,:.,': : :i :i i: : : :ﾊ: : : : :ヾ: : : : i : i :',
　　　　　　　　　 ':.l: : : ﾚﾘ: : : ∧jﾊ: : : :ﾉi |: : ﾘ : | :.!
　　　　　　　　ｌ:.i: : : |　｀ﾞ¨´ 　　｀￣´ `¨¨ﾞ|: : :|: |
　　　　　　　　|:.| : 斗''´`'ｰ､,,_　､,_,､-''´｀`ト :.|: |
　　　　　　　　|:.|: : :|K´i￣:ヾ　　ゞ￣!｀>| : :.|: |
　　　　　　　ｌ:.ｌ: : :|,' ゝ-┘ ヽ--' └''ﾟ'　',.| : : l: l　　　　　 .大将軍は孝をもって天下を治めているはず。
　　　　　　　 |:.|: : :|'､　　　ﾉ , ヽ　　　ﾉi :. :.|: |
　　　　　　　 |:.|: : :|ﾍ` ー ´　　　ﾞー　ｲ':| :.:.:|: |　　　　　.それなのに阮籍は親の喪中でありながら、
　　　　　　　　 !:.l: : :|:: i＼　 ´￣｀　／i:.:.:| :.:.:|:.:|　　　　　.あなたの御席で高らかに酒を飲み肉を食べている。
　　　　　　　 ;::i : : i ::|:::::i＞ ,　　　イ :::::!::::| :.:.:|:.:|
　　　　　　　　 ,':.!;: : :|:::|:::/'ー-､ ´,-一ﾍ;,i:::::| :.:.:|:.:|　　　　　.こういう輩は四海の外に追放され、
　　　　　　　　 ,';:.i: : : |一'ﾞ　　〃∨ヾ. 　ゞ-┤:.:.:|:.:|　　　　　教化を正すべきではないだろうか？
　　　　 ,'´￣｀¨∨: : : ∧ 　　　//　ハ　　　 :|: : :.i/´ ￣｀',
　　　　 ! 　　　 /; : : :.iヾヽ__,ノ^｛⌒｝へ_ 　　/;|: : :.| 　　　　',
　　　 !　丶　　ｊ: : : / ／; ; ;;彡ゞソミ; ; ＼//ﾞ|:.:.:. | 　　　 i
　　　｜　　',　 |/: : i; ; ; ; ／;;;く　〉;;;;＼; ; ＼i: : : | 　　　　 !
　　　　i 　　　', .〉: : :|彡／;/;/::::::Y:::::ﾊヾ;;＼.ノ|:.:.:ノ　,　'　　 |
　　　　ｌ　　　ｿへ:._i｀´　/;;/　(:;;)〉:::i;;;;.!::::::::::::::::::::',〃　　 /
　　　　ｌ.　　　｛::::::::::::::::::::/;;/:::::::::: /:::::i;;;;;.!::::::::::::::::::::｝: : :__ 〈
　　　　!. 　　　',:::::::::::::::::/+〈:::::::::::i:::::::|;＋i::::::::::::::::::/／へ｀ヽ
　　　 | 　　　',:::::::::::::::＼/::::::::::::!::::::ヘ;/::,,､∠ヾ´ 　　ヽ､ヽ〉

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　至極当然な何曾殿の発言に、義兄上はこう答えたそうです
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

455 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:41:07.36 ID:Pxr9/QJuo

|`!/　 ! 　/　/　　　　_＞-‐' ／ |　｀￣L＼=／ `ー- '　　 /ヽﾉ
|`!/　 ! :/　/　　　　　ヽ=､─'' 　ノ`- _　　　|＼＼　　　　 ∠ソ
|　!　/::. !　j　　　　　　　｀￣　　　￣` `フ＼＼　／∧ﾉ
ヽ,ソ ,::.　! / 　　　 __　　　　　　　ヽー─-- ` <ﾉr. `´／| |
　j|:::::!::::::/　　　／　　　　　　　　　　　　　　 `^|　ﾚ/　　　　 .阮籍はあれほどやつれているわ。
　　ヽ|::::::!' 　／　　_　　　　　　　　　　　/,..=＝と._　　| //
　　　ヽ::::l 　　_ゝ== -`　　　　　　　　　ｲ:三三::ヽ` 　ﾚ/ヽ　　　　　あなたが彼と
　　　　ｲ_ゝ　ﾒ' /_三三ヽ　　　　　　　　　⊃ゝﾉク　　_∧| |　ト､　　悲しみを分かち合えないのはどういうわけかしら？
　　, -‐':| //! 　つゝﾆ!ｸ　　　　　　　　　　`ー‐'　　 /　,| ﾄ､ !＼
　/　　　ﾚ / j　　ゝ--‐ '　　　　　　　　　　　　　　　　レ'/| |　＼　　それに病にかかった時、
./:::::::　/ /ｰヽ　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　/_∠.| |　　　　 .酒を飲み肉を食べるのは本来喪礼の定めよ？
!:::::::::::::| |ノ＼_ヽ　　　　　　　, ── ､　　　　／　　 //
.｀ヽ :::::l l::／　　＼　　　　　　` ── ′ 　　 _∠--､／´　:＼
　　＼:ﾚ::::::::　　　　＞､ _　　　　　　　　　イ＼::::`￣＼＼..::::::::!　　　
　　　　＼ _:::::::::／_フ!/　　＼.＞-　- ＜- <___ノ-- ､::::::!:::!:::::::: !　　　
　　　　　ヽ==＝＝''/　／三三「三三ト三三`ヽ　　＼!:::!:::::::::/.　　　　　　　 /: : : : : :./: : :./: : : :! : : ｉ: : : :.ヽ.　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.: : : : : :/: : :./: : : : ;! : : |: :.ﾍ: :ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　/: : : : : : ; : : :/: : : : :/!: : :.|: : :.:!: :l i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′: : : : :.; : : :;': : : : ://: : : :!: : : !: :| !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,': : : : : : :.:|: : : ト､＿//: : : :/!: : :ﾉ斗′
　　　　　　　　　　　……ッ！！　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　; : : : : : : :.:|:.:.:斗ｒ=ｭ＿｀ー"｀xイ7: :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　; : : : : : : : :|: : : |廴ﾘ　　ヽ__んｿハ.:|
　　　　　　　　　　　『礼記』の『喪大記篇』か　　　　　　　　.　　　　　　　　; : :.:ｉ: : : : : |: : : |､　　　　/　ｰ' 从:!:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ; : : :ｉ: : : : : |: : : | 　ー‐"　_ 　メ:_:ソ:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i ;. :.:|: : : : : |: : : |＞.　　　 ∠:!:.:.∧ :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| i: : |:.: : : :.ﾉ! : :∧:.:.＼厂ﾍ::::::i: : :.∧ :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l: : |: ,.＜:.∧:.: :.∧:.:.:/ﾍ/:.:.:.:.∨ : :∧ :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l: : |/:.:.:.:.:｀∧ : : ∧∧/ﾍ :.:.:.: ∨: : ∧ : :＼

456 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:43:06.10 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　 , ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ' ,
　　　　　　,': : : :; :; ; : : ; ; : : : : i ; : : ､: ヽ ',
　　　　　　,:.,': : :i :i i: : : :ﾊ: : : : :ヾ: : : : i : i :',
　　　　　 ':.l: : : ﾚﾘ: : : ∧jﾊ: : : :ﾉi |: : ﾘ : | :.!
　　　　　ｌ:.i: : : |　｀ﾞ¨´ 　　｀￣´ `¨¨ﾞ|: : :|: |
　　　　　|:.| : 斗''´`'ｰ､,,_　､,_,､-''´｀`ト :.|: |
　　　　　|:.|: : :|K´i￣:ヾ　　ゞ￣!｀>| : :.|: |
　　　　ｌ:.ｌ: : :|,' ゝ-┘ ヽ--' └''ﾟ'　',.| : : l: l　　　　　　　（私はなんと重要な事を見落としていたのだ）
　　　　 |:.|: : :|'､　　　ﾉ , ヽ　　　ﾉi :. :.|: |
　　　　 |:.|: : :|ﾍ` ー ´　　　ﾞ　ij ´ｲ':| :.:.:|: |
　　　　　 !:.l: : :|:: i＼　　´￣ ` 　／i:.:.:| :.:.:|:.:|
　　　　 ;::i : : i ::|:::::i＞ ,　　　イ :::::!::::| :.:.:|:.:|
　　　　 ,':.!;: : :|:::|:::/'ー-､ ´,-一ﾍ;,i:::::| :.:.:|:.:|　
　　　　 ,';:.i: : : |一'ﾞ　　〃∨ヾ. 　ゞ-┤:.:.:|:.:|　　　　　　　　　　/l　　　　　　　　　　　「_ﾉ,.　'´: : :.:.:.:.:. : ＼
.,'´￣｀¨∨: : : ∧ 　　　//　ハ　　　 :|: : :.i/´ ￣｀',　　　　　　／.:.ヽ　　　　　　　　　,．'´: : : : : : :.:.:.:.:.: : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /.:.:.:.:.:`ｰ--------‐'´: : : : : : : : : : :.:.:.:.:. : : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.〃.:.:.: : : : : : : : : : :.:.:.:.: |.:.:.:.:|:.l.:. !.:.:.1.:::: : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:〃.:.:.:./.:/.ィ⌒ヽ:|.:.:.:.:.:.:. |.:.:.:.:|士士ヽ1.: | : :.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.〃 : l:.:.|.:.1:.ﾊ.:.ﾊ.:.:ﾄ､.:.:.:. : ﾄ､.:.ｲ＼＼. : l.:.:|:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/ |.:.:.|: :|.:.1l　l/ﾆヽl　＼.:.:.:|　ヽ| 二ﾆヽ.:l.:.:|::: : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:|: :|.:.1ミ´ 　ﾊヽ　＼| ｲ　ﾊヽ　彡':./1.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|: :ﾄ､ﾄ.ﾐ.　　l:1l　　　　l　l:1l　ﾘ l/ノ.::::::.:.:l
　　　　　　　　お、この卵焼きいけるな　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′＼j1ヽﾆりﾉ1´￣｀「 _りﾉ_ノ ( ﾉ.:.::::::::::.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : , ィヽー─‐┘　〈　　　　ノ｀丶､.:.:.::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　_ノ．'´　./　ヽ､　　　　　　　　／｀ヽ　　｀丶､::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´　　　 /　　　 l ｀丶､　⌒　. ィ´　　　＼　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！　',　　「￣￣￣｀`ヽ､｀二´． '"´ ￣￣｀`1　 /　　.ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！　 ',　！　　　　　_ .. :.「￣ 1　　　　　　　　1　/　　！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /l　　ヽ　〉　　　　　　 _」　　1_ ＿　　　: : :〈　/　　　！

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　その間、阮籍は絶え間なく飲み食いして平然としていました。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　本当に、義兄上の庇護がなければどうなっていたのでしょう？
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　
　　　|　　　　 |
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457 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/05(金) 00:43:43.04 ID:lLKW/VQXo

やつれて病に罹った人が宴席に出るの？

458 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/05(金) 00:44:36.37 ID:kWfc3HvBo

>>457
司馬昭の前に顔を出す必要があったということかと

459 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:45:56.65 ID:Pxr9/QJuo

━┓
┏┛　　　　　⌒
・　　　＿＿_⌒
　　　／　―　乂＿＿＿_　　　　━┓
　　／ノ　　(●／　　 ―　＼　　┏┛
.　｜　(●) 　 | 　　 (●)　ヽ＼　・
.　｜　　（__ﾉl　　（⌒　　(●) |　　　　　　　けど、やつれてたってことは親の死自体は悲しんでたのかお？
.　│　　　　〉　　￣ヽ__）　 |
　　＼＿＿／´　　　　　 _＿_／
　　　　　 /|　　　　　　ヽ
　　　　 | |　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ::::/::::::/:::::;:::i| :::l::::::::::{:::::::::::::.ヽ:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　7:::;':::i:::i:::::::l::::|i::::|::::::::::.l､::::::::::::::::i:::::::l::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::/::::|:::|:::::::|:::l |::::ﾄ;:::::::::l i:::ﾄ､;::::::::l::::::l:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ::::::l| ::l::::::i.|:|__l_;レﾞ､:::::| l;:ﾄｘ,,_､;;::|:::l::
　　　　　阮籍は生まれつき至って親孝行だった。　　　　　　　　　　　　　　　.l:::::::|:l::::l::::| |! ,,_!;ト､　＼{ ヽｨ　_,,ヾ|/`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. l:::::iﾞl;ヽiヽ! ｲ{ﾟ　ﾞ'r　　　　ィ'ﾟ　ﾞ.}ﾞゝ
　　　　　喪中の暮らしぶりを見るに、通常の礼には従わなかったが。　　　ヽ;!:i;ﾍ;::::::|｀.!cｯ;ｊ　　　　　!c;;;ﾂ　/::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヾ.|i.|:::::::i,　　　　　､　　　　　./::::
　　　　　彼が母親を埋葬した際の話を紹介しよう　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉﾞヽ;::､ゝ､　　　　　　　　 , ｲ:;::::;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::｀､{ﾞ' ､　ｰ ‐- .,,r''V//.::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::l,,ｲ:}::`:::: ''ﾞ .{ヽ//／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,::‐''´ヾ /ﾞ　　　　　｀'i:.'ﾞ.:｀'ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,:‐''´.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ｰ--､　, -‐-}.:.:.:.:.:.:

460 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:49:01.08 ID:Pxr9/QJuo

【紀元２５５年頃　魏首都　洛陽】

　　_＿　 -‐　￣.:.:.:.:. ┃ ┃
　　　｀＞.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:━┛ ┗━
　 x≦.:.:.:.:. {.:.:.:.:.:{.　━┓ ┏━
. ´/ .:.:.:. l.:l.:',.:.:.:.:.l.:.:.:ヽ┃ ┃.:.:.}　　　　　　　　　　　.父上！
　′' .:.:. l∧:{＼.:.{ヾ､{ ＞ヾ.:}lヽ{
. }/!.:.:.{.:.:{ =≧xヾｌ,〃´ 　 /.:.l_/≧　　　　　　　　　　いつまでお酒飲んでるのよッ！！
..　.!ヾ;ﾊ∧ 　　>　　≧= ´ }/.:l彡ｰ/
.　　　　.）.:}｀¨´～～'｀ヽ　ﾉ.∧{⌒｀　　　　　　　　　もうお婆ちゃんの埋葬に行く時間じゃない！！
　　　 ≧ノ.>､　Ｖ:::::::::::/ ´/ /::/:::::}
　　　 ,（ {::::{｀iー-‐ ´::::（ニ）{:::::: ﾄ
.　　　 }､丶（ニ）｀¨¨¨´￣　{/:::::::/::i
　　　 /::::::>V　　　　　　　　Ｙ:::/::::::!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ,,..............,,_　 _,, ,r'::::ノ　＿
　　 /ｒ-r ﾆ V }　　　　ｒ[二ヽr―=:{　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -::'::´::::::::::::::::::::::::｀´::::::::':::::::::::::／
　　/:::::/{ -- ）´　　　　｀>--　}｀ヽ::::}　　　　　　　　　　　　　　　 ,r'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::,r=--' _,,..,,__i´::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::ノ!/ , -‐'´,､:::::iヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´:::::::／_,,ヽ:|ノ＼::::::::::::::iヽ::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::i/_,,´,,,,,､'l　　ヽ|＼:::|__',:::::::::::::::::､ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::ﾄY´　 lｿiヾ　　　ヽ　',|　.',:::::::::::,､::ﾊﾍ
　　　　　　　そっか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ ::::::::::| ﾞ､　 ,!-'- ､＿＿､ｭt,,,_ﾉﾐ::::::;::} ヽ:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽY:::::t'_,,=-(　　ノ´'´　｀ｰｧ｀ﾞﾞY:::::/lﾘ　 '|
　　　　　　　ほないこか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./ヽ::i､:ヽ　　｀￣　　　　　/ー‐'l::::ﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /i　｀'　＼＼＼　＿　　＼ l:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､ゝ)　　　　　　 ´ ｰ｀　　 .ﾉ:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::｀ｰ-､　　　　　　　　　　 ./:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::＞,､　　　　　　／::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::',　｀　ｰ　　 - イ::::::::::::i､::',　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::',　　　　　　∨￣i｀ヽ:|_,,ヽ-―'´:::::｀ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　阮籍は母を埋葬するその日も、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　よく肥えた豚を一匹丸ごと蒸し、二斗の酒を煽っていた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .それからやっと母との別れに臨んだ
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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461 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:49:59.46 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　/::ヽ::::..　　　:: ::ヽﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|ヽ/::::￣　　￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|:: |::: ::　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|:: l　　　　　　　　
　ﾞ" 　ﾞ"　　ﾞ" 　ﾞ""''　ﾞ"''"　　"ﾞ"　ﾞ"|: :|::.　　　　　 .:::|　　''ﾞ" 　ﾞ"ﾞ
ﾞ" 　ﾞ" 　ﾞ""'' ﾞ"''" 　"ﾞ" ﾞ" 　 "Wv,＿|:: l::::　　..　　　 :::|､wW"ﾞ"　 "
ﾞ" 　ﾞ" 　ﾞ" 　ﾞ""'　ﾞ"''"　 "wWWlヽ::'ヽ|:::::_::＿＿＿___:_|::＼W/　ﾞ"ﾞ'
　ﾞ"　ﾞ" 　ﾞ""'' ﾞ"''" 　"ﾞ"　　V/Wヽ`―――――――――lV/W　
　ﾞ" 　ﾞ"　　ﾞ" 　ﾞ""'　ﾞ"''"　 "ﾞ"WW''―――――――wwww'　　
ﾞ"　ﾞ" 　ﾞ""'' ﾞ"''" 　"ﾞ"　ﾞ"
ﾞ" 　ﾞ"　　ﾞ" 　ﾞ""'　ﾞ"''"　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ:::::::::::::＼　｀ｰ=､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍヽ::::::::::::＼　 _,＞=<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./:::::::/:::::::::::::::::::::l',::::::::ﾍヽ:::＼｀ヽ:::::::::＼'´　　　｀ヽ::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::／,'::::::::::::::::::::::l ヽ:::::::ﾍ　｀ヽ＼´｀ｰﾃ=:ヽﾕｯﾁ=＝ｰﾐ＼::::::::::::::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'／　.,'::::::::::::::::::::::::l_,,,..＼:::::＼　｀　　彡Y´乂ﾄ　　　　　〉´ヽl､::::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　.,'::/:::::::::::::::::,､:'´- ､　｀ヽ:::＼　　　"´　 Ⅶﾐ　 _,,､ノﾐ　　　_',:l /´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:/l::::::::::::::::::::',ヽlｭtﾁ=､　｀￣　　　 _,,＞=＝<　 / / ,,=‐'´ }::l!　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　l:::::lヽ::::::::::::',ﾐ〈 Ⅷ, ｀　､　 _ 　Y´　　　　｀Y＝'´　　 /::::jv=〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',:::|　',:::､::::::'::,ヽ》ﾄ-‐=}"´ ｀ｰ乂　　　　　ノ　　　_,／::::/　}､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',:|　＼｀ヽ::::Y､　　_ノ　　　　　｀ー― ' ´　　　　｀ー‐´　/ Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　=乂_　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '´"
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462 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:50:57.62 ID:Pxr9/QJuo

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　　　　　　 l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,' ,ｨ:l 　 /　 , , , ,,ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,' ,ｿ',l　 ..ｭtﾁ´／ .l::::::/ヽ:::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|i::l´ ｲ i|!l　／　　　　l/　　　 ',:::::::::/ /
　　　　　　　　 ',::::::::::::::/l:::::::::::::::::::::::::::::::::l',;l _　ﾐi,イ､　　　 / 　　　 }::::: l　/
　　　　　　　　　',::::::::::,' .l::::::li:::::::::::::::ﾊ:::::::'ヾ( ＼//ヽY ! ' ´ノ　　　　 l:::::::l,r=ﾐ､
　　　　　　　　　 ',::/l::{　 ',:::| ',::::::::::::|　',::::ﾍ　.>､.＼ { ｀ｰ､　　　　　　 l:::::::l{ ( o)
　　　　　　　　 ',| .',:|　 .',:|　',:|ヽ::::|　ヾ:::',　ﾞ7ゝ=' ｀ｰ=､ヽ　　　　　 .|:::::j::｀ｰ '
　　　　　　　 .l　ヽ　''ヾ /ﾞ|　',::|　　　 ./　　　　　し　　　　　 |:::/
　　　　　　　　　　　｀i　ヽ ',:|.　　　 /　　　　　　　　　　 , -､　 .|/
　　　　　　　　　　　　　 |　　　｀　　　　ー―-- 、　　　 r'´／　　/::::::::
　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　ヽ　 Y＞、｀　　　　/:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　 i|　 ',､　＞、　 ,'::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　 /　　 ./l　　', ＼　　.ヽ,'::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　 , 　 /　　 ./　', 　i ' , ＼　 /:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　 i　､　　 {　.〈　　　', 　ゝ　ゝ_〉　.∨:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 y　　､　.',　　 ',　　｀ｰ' 　　/::::::::::::::::::::::::

463 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:53:20.93 ID:Pxr9/QJuo

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|ヽ/::::￣　　￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|:: |::: ::　　　　　　 |
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ﾞ" 　ﾞ" 　ﾞ" 　ﾞ""'　ﾞ"''"　 "wWWlヽ::'ヽ|:::::_::＿＿＿___:_|::＼W/　ﾞ"ﾞ'
　ﾞ"　ﾞ" 　ﾞ""'' ﾞ"''" 　"ﾞ"　　V/Wヽ`―――――――――lV/W　
　ﾞ" 　ﾞ"　　ﾞ" 　ﾞ""'　ﾞ"''"　 "ﾞ"WW''―――――――wwww'　　
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　　　　､ '" ,､ '":ﾂ　 /　　　　　 |＾l　　　　　､ '" ,､ '":ﾂ　 /　　　　　 |＾l
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　 '´　　　　　/ ／l/　　　　　.,／,_　|　　　'´　　　　/ ／l/　　　　　.,／,_　|　　　　 ;‐i　　　　　　　 /'''',,,," 彡
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　別れ際、一声号泣して血を吐いた挙句、しばらくぐったりしていたという。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　阮籍が母へ寄せる思いがよく表れている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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464 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:56:37.58 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　＿＿__
　　　　／　　　＼
.　　　／　　　　　　　＼　　　　　　　　　 .こういう悲しみ方ができるのに、
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　　　　　　なんだって周囲にはあんな態度をとり続けるんだお？
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　／　　　　　　　これで傍若無人な態度さえなきゃ敵視もされんだろうに
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　＼
　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;　　 ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!
　　　　　単に自由気儘に振舞いたかっただけではないだろう。　　　　　 .∨|:.:.!　　　　　　　　　ﾉ/i/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ!:|　　　　　　　　　ﾉ!/′
　　　　　彼の行動の根底には当時の礼に対する批判があった　　　　　　　　ヾ!＞ｰ- 　 -- ＜ｲﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ｀;;;;;;;;;;i;!＿__i;!;;;;;ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣￣￣´｀￣￣￣´

465 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 00:57:17.62 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,r‐-‐－-､_＿
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.　　　　　　　　　　　　　 :.｀:‐-､__＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:　　　　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ　　｀ヽ
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　　　　　　　_＿__,-－'´　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:　　　　　　　　　　 ,-‐－-､_ :.:.:.:.:.:.　　ヽ　　　ヽ
　　 .,イ￣´´　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:　　　　　　　　　／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;｀－‐--､_＿_ヽ　　　ヽ
　／ｉ:ｉ:l　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　　 .／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三=ゝ
　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:　　　 ./;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;__,-－'´三三‐'´
　 lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ..　/;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三‐－'´
　 .lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._＿ヾ´_＿,-－'´三三-'´
　　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:._,-‐－'´￣=_/￣ヽ､三三-'´
　　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　＿,-‐'´￣三三三三,-'´___,-'´
　　 lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　 _,-‐'´三三三三三三-‐'´￣　"´
　　 .lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　_,-‐'´三三三三三-‐'´￣
　　　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　 _,-‐'´三三三三-‐'´￣
　　　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　_,-‐'´三三三三-‐'´
　　　 lｉ:ｉ:l/三三三三-‐'´
　　　 .lｉ:/三_,-‐'´￣

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　父と同じく文才に恵まれた阮籍は、多くの著作・詩賦を残している。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　そのうちのひとつに『大人先生伝』という作品がある
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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466 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:00:03.91 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-─………-､､
　　　　　　　　　　ﾄ､__,．　'´ .:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ｀丶､
　　　　　　　　　　｀ﾌ. :. :. :. :. : .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .｀ヽ
　　　　　　　　　/ .: .: .: .: .: .: .: .: . :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.ヽ
　　　　　　　　　　/.: .:.:.:.:./:.:.:/.:.:.:l.:.:. l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　/ .:.:.:/.:/.:.:/:/.:l.: |.:.:.:|.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　 ,′.:. |.:.|.:.: | |:.:ハ:ﾄ､.:.|.:.:.:.:.:.|＼.:.:.:.:.ﾄ､.:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　　　 ,′.:.:.:|.:.|.: :.| |/二≧ヽﾄ､.:.:.:.|　∠二1 l.:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　　 {ハ.:.:.:|.:.|: .:.|ｨゝ-=ﾊヽ　　＼|ｨrﾊﾃヽ|そ.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　＼ﾄ､|＼|ﾐ､　 l.1 l　　　　l｡1　　彡'.ﾊ.:.:.:.l
　　　　　　　　　　ﾊﾊVﾐィ二りｿﾒ､ ⌒ V り二ｿﾒ､/ 1.:.:.:.l　　　　世人のいわゆる君子っちゅうもんは、
　　　　　　　　　　　　 i: :い { L_ ＿ _ノ　　　ヽ _＿ノﾚ' /.:.:.:.:.l　　　　ただ法を修めて礼をよくしとるだけや。
　　　　　　　　　　　　 l: : :ゝ1　　　　､_ ..._＿,　　　　レ'.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　　　　　　　/. : :/:人　　　　　　　　　／U.:.:.:.:.:.:.:.l　　　 .行いは目先の法則をこなそうとするだけやのに、
　　　　　　　　　 /. : :/:/: : :.＞　　　　　,. イ.:.:.:.:.l.::.:.:.:.:.:.:l　　　言葉では無窮の法則をなさんとしとる
　　　　　　　　　　 /. : :/:/: : : : : /´く_ ｀二 ´r‐ ' `ヽ.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:l
　　　　　　　 /. : :/./. : : : : /　　ハ　　ハ　　　 V.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ　　.
　　　　　　　　　/: :,.ｲ.:＞ -‐　´＼/　 1　　j　ﾄ､　／｀`ー- ､.:.:.:ヽ
　　　　　　/／ /　　,.　- ─　　　　1　/ /　l／￣￣｀`ヽ＼.:. |
　　　　　　　　　　/　／　　　　　　　　 V　/　　　　　　　　　＼ヽ|
　　　　　　　　　,.ﾍ／　　　　　　　　　　 V/　　　　　　　　　　ﾉ　l1
　　　　　　　／　/　　　！　　　　　　　l i　　「二二二ｺ　／　　l1
　　　　　／　　 l　　　　 !　　　　　　　l｡i　　 l　　　　　ﾚｲ　 /　 l|
　　　／　　　　l　　　 ,.ｲ　　　　　　　 l l.　　 l　　　　　l/　/　　 l|
　　／　　　　　 l　　／:.:l　　　　　　　 l｡l　　　L　　　ノレ' 　　ﾘ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　阮籍の作品からはどこかしか彼の本音が垣間見える。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この『大人先生伝』も同様だ。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .『大人先生伝』からは、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　当時の朝廷にたむろする礼法の士への批判が主となる
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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467 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:03:43.15 ID:Pxr9/QJuo

┏────────────────────────────────────────────┓
　若くして村里で称えられ、年を取って隣国にまで名声を轟かす。
　上は三公の位を狙おうとし、下の者でも九州の地方長官職を失う事はない。

　あなたは多くの虱が褌の中にいて、深く縫目に逃れ、綿くずに隠れ、
　そこを結構な居場所と考え、行く時は縫目を離れず、動く時も褌を出ないのに、
　それでも己が規則を守っているつもりになっているのを知らないのか。

　しかし、炎の丘から火が流れ、邑を焦がし都を滅亡させても、虱どもは褌の中にいて出る事ができない。

　君子が人の世に暮らしているのも、どうして虱が褌の中にいるのと異なっていようか。
┗────────────────────────────────────────────┛

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　_ノ　ヽ､＼
　　　　　／oﾟ(（＞）)　(（＜）)ﾟo
　　　／　　 .:ﾟ~（__人__）~ﾟ:＼　　　　　　　朝廷の連中がフンドシの中のシラミとかwww
　　　 | 　　　　 |ｒ┬-|　　 |
　　　＼、　　　 i⌒i‐'　 ,;／　　　　　　　これは一本とられたおwwwwww
　　　　／　 ⌒ヽ.ﾉ　ﾉ　く
　　　/　,＿＼　l||l 从＼＼
　　と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -=―＝―- ､ _
　　　　　　　　　ﾍﾞｼﾍﾞｼﾍﾞｼ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃⌒>'´　　／　　　丶`ﾆ=‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ ,′// , ´ / 　j　}　ヽ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　l　 | i　l　/ ／// ,ｲﾊヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ,ｲ八　l ﾚ_j/∠∠/／/∠Ll　}ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ノ .∧ ｌ　ﾑrt=k｀　　ｨ=､ﾙﾚ′j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / イ　Vﾍ.　ヽVr!　　　jr/ﾑｲ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　W^{ゝﾍ　ﾊ.ヽヽ　_ '　/〈ﾘヽ
　　　　　ただ、阮籍の面白い所は、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j八 }ヽﾍ､　 j`＜ミ＼
　　　　　自身の自由奔放な生き方を息子に強制しなかった点にある　　　　　　　　ﾘ朽＼!｀{7|:::::::::＞ﾐ;>,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ＼- 厶］::::::::f }::/:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r=＜　　　Ｖ三|:::::::::| |/:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /‐-､＼　　 ∨ﾒ､::::ノ　V､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 /_j 　 , X ＼　ヽ {´　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　´ 　＼＼　 >ﾍ､___,ｲヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`､　　　ヽ＼.>j　　　　ﾊ│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　 ∨　｀ヽ､_,/∧|

468 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:05:11.62 ID:Pxr9/QJuo

【紀元２６２年頃　魏首都　洛陽】

　　　　ﾄ､ゝ. : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　ﾌ. : : //: ::/ : : :.l.l.:l : : : : : : : .ヽ
　　　 /: /:.l.l.:.l.:.:/:ﾄ､.:.:.:l:l.:l.:.:.､: : : : :ヽ: ',
　　　 |: /:.|:l:l:.:l.ｨ十‐ヽ: 仆K仁ヽ: : !: :!: :!
　　　 |/ l:.|:l:l.::l:l　l/ヽ　ヽl　　 `ヽ: :!: :!: :!
　　　　Ⅳﾄﾄ}Nr＝ﾐヽ　　 r＝ﾐ V: :ﾊ/　　　　　　　　　あたしも父上みたいになりたい！
　　　　　　　}.:.l　' ' '　　′　' ' ' ' /: / )!
　　　　　　　l.小　　「￣ ! 　　/:/.:(´
　　　　　　_ ﾉ.:.ゝ　　ヽ_ノ　 ,. ｲ:/ハﾄ､
　　　　　　　　 lﾊ: : ＞ --‐ く: :l/l/
　　　　　　　, ィ´　ハ_　　　　/l ｀`ヽ､
　　　　　／　l　 /　 ', ｀　´/　l　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　 , -::'::´::::::::::::::::::::::::｀´::::::::':::::::::::::／
　　　　 /　 /⌒ヽ　　 ',　 /　 /⌒ヽ. ./⌒ヽ　　　　　　　　　　　 ,r'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::,r=--' _,,..,,__i´::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::ノ!/ , -‐'´,､:::::iヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´:::::::／_,,ヽ:|ノ＼::::::::::::::iヽ::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::i/_,,´,,,,,､'l　　ヽ|＼:::|__',:::::::::::::::::､ﾍ
　　　　　　やめとき。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::ﾄY´　 lｿiヾ　　　ヽ　',|　.',:::::::::::,､::ﾊﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ ::::::::::| ﾞ､　 ,!-'- ､＿＿､ｭt,,,_ﾉﾐ::::::;::} ヽ:l
　　　　　　仲容がもううちらの仲間になっとる。　　　　　　　　ヽY:::::t'_,,=-(　　ノ´'´　｀ｰｧ｀ﾞﾞY:::::/lﾘ　 '|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ヽ::i､:ヽ　　｀￣　　　　　/ー‐'l::::ﾉﾉ
　　　　　　あんたまでそうなる必要はないんや　　　　　　　　　　/i　｀'　　　　　＿　　　　l:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ゝ)　　　　　　 ´ ｰ｀　　 .ﾉ:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::｀ｰ-､　　　　　　　　　　 ./:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::＞,､　　　　　　／::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::',　｀　ｰ　　 - イ::::::::::::i､::',　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::',　　　　　　∨￣i｀ヽ:|_,,ヽ-―'´:::::｀ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　阮籍の子の阮渾は、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　礼に捕らわれない自由な立場に憧れていたらしい。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　ところが阮籍は、甥の仲容、阮咸を引き合いに出してこれを静止した。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　こうした言動を見る限り、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　彼の奇行の数々はある程度計算ずくの行為だったと思われる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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469 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:08:25.24 ID:Pxr9/QJuo

　　　 /. : : : : : : : :.l : : |.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　l: : : : : : : : :l :l : : |.:.::.: : : | : : : !.:.l.:.l.:. l.:l.:.:.:l
　　　　l: : : : : : : : :l: l : : ﾄ､: : : : |.:.:.:l :!.:.l.:.l.:. l.:l:.::.:l
　　　　l: : : ム: : : :l :l ＼|　＼:.:.:ﾄ､: l :!:.:l:.:l.:. l.:ﾊ.:.:!
　　　　l: : /⌒i: : : :V __ _＼_, ＼!　ﾒ､ﾄ､l:.:l.:. l.:l l:/
　　　ノ: ﾊ　い: : : 〈､_ﾘ_ ノ　　　ﾘ_ノ N.:/l/ /　　　　　　　　父上。
　 ∠_／:/ヽ　い: : :.:|　　　　　　　　 l.:./
　　　 l: /l: : ＼ﾄ､: : | 　　　　　　>　　 k'　　　　　　　　　　　　変な酒でも飲んだの？
　　　 l/ .l: /: : : : l＼|　　　　　　　/:l
　　　　l/:／l: : :L_ ＼＿　 -─　,. ｲ.:. l
　　　　,　 -┴- ､　　 | Lr‐ ＜￣ﾊ:l
　　　　/　　　　　　＼.　 | l L　　　　//⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿__
　　　l　　　　　　＼|　＼＼　Vﾚ'⌒　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 _　...::´:::::::::::::::::::::丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝≦　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::）　｀ー-―' ｀ヽ､_＿ノＶ;:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 /:::::｀ヽ{⌒Y´￣￣｀ヽ､　 /}/:::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′:::::::::::::::{:::::::::l::::::::::::::::｀´::::::::: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::ｖ::::i:::::::i:l_ ':,::::::ﾄ :_',＿}::::l:::::::::::::l
　　　　　　　　　　かもしれんわ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ハ:::',::::从{｀ヾ:{´ヾ{｀Y}:/!:::/、:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r .　　　　ヾﾊv＝==､.｀,　=＝､ﾉ::' }l::::::l
　　　　　　　　　　ちょっと出かけて来る　　　　　　　　　　ｌヽ　　 { .{　　　　 .ゝ -- ⌒ゝ ---'　}/ノ:::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{. {ヽ､_.j　、　　　　　.}::::＞　マ７　イ､℃::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼ヾー　､}　　　 ./∧__/ -{｀¨´-.:.:´（:::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　ヽ　　...／´.:.:.:{／} /⌒ヽ.:／.:｀.:.､::::::::: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 }　 .∧.:.:.:.:.:.:.:. /{′／.:´.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:::＼::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　{　./.:.:.V.:.:.:.:.:.:.}o}´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:i:::::::iヽ:::::',

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　嵆康の隠棲生活や放埓な言動は心の赴くまま振舞った結果だろう。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　阮籍の数々の奇行は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .それに加えて保身の意味合いもあったと私は思う
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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470 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:09:14.05 ID:Pxr9/QJuo

,.,,　:.. . ..::...::.: .: . ...　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,.r'":::.:.....::.::....::...
;;;,;ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,､､-'';":`::::::.:.....::.::...:...,..::...
;;;;,';;;;ヽ;,　　　　　　　　　　　　　　 ,..-''"::::::.:.:.:..:....::..::...:...,..:..:....::...::...
　　　　　　　　　　　　　　　　,;;r''"::::::.:.:.:..:....::..::...:...,.:...:...,..:..:....::...::...
;;;ii ;;;;;ii,;;;;;,ii.;;;;;ii.;;;;;.ii .;;;;;,ii.;;;;;(　::::::.:.:.:..:....::..::...:...,:...:...,.,,..:..:....::...:..:....::..
''_'''''_'''_'',.'''_''''_''_'''''_'',.'''_''''_''_''''',;;;"''ｰ-l､,,'""'ﾞ,ﾞ'""'"､.wiﾙv,iﾙwviw.:
__-　=_≡　_-　_-_=_　= -　_-_ -_　=≡_-;`--_ _､., ＿,__　￣`￢.,v:.:
^ _　_　-_ ^　_ _=_　-_^__　=_　- _ - 　　　　　≡　　　　　　　 Y,.,lji,; 丱
=__-_ -__= -　_-_ -_　=_　-_ ^__-_=　　-ｰ"`ﾞ　　　　　　　　　　 i ,.,...ﾕiW
_　-_　__　-_^__　=_　-_ ^__ 　　_,,､。"`ﾞ　::: 　　::: 　　　　　　　　∥,,::iﾘv,i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ:::::::::::::＼　｀ｰ=､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./:::::::/:::::::::::::::::::::l',::::::::ﾍヽ:::＼｀ヽ:::::::::＼'´　　　｀ヽ::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　行き止まりか。　　　　　　　　　　　　　　/::::／,'::::::::::::::::::::::l ヽ:::::::ﾍ　｀ヽ＼´｀ｰﾃ=:ヽﾕｯﾁ=＝ｰﾐ＼::::::::::::::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'／　.,'::::::::::::::::::::::::l_,,,..＼:::::＼　｀　　彡Y´乂ﾄ　　　　　〉´ヽl､::::/ /
　　　　結局どこにも行かれへん。　　　　　　/　　.,'::/:::::::::::::::::,､:'´- ､　｀ヽ:::＼　　　"´　 Ⅶﾐ　 _,,､ノﾐ　　　_',:l /´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:/l::::::::::::::::::::',ヽlｭtﾁ=､　｀￣　　　 _,,＞=＝<　 / / ,,=‐'´ }::l!　ノ
　　　　どうしたもんかな　　　　　　　　　　　　　　　|　l:::::lヽ::::::::::::',ﾐ〈 Ⅷ, ｀　､　 _ 　Y´　　　　｀Y＝'´　　 /::::jv=〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',:::|　',:::､::::::'::,ヽ》ﾄ-‐=}"´ ｀ｰ乂　　　　　ノ　　　_,／::::/　}､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',:|　＼｀ヽ::::Y､　　_ノ　　　　　｀ー― ' ´　　　　｀ー‐´　/ Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　=乂_　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '´"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　しかし、彼は現実から逃げられなかった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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471 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:11:11.06 ID:Pxr9/QJuo

　　　　ー==彡:／::::::::::::::::::::::::::',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.　　　　　　￣/:::::::::::::::;::::::::::::ﾄ､::=-::::_:::::::::::::::::::::::::::::::::::', , =ミ:::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　/:::::,':::::::|:::',:::::::::::ﾑ:＼＼<´ ＜::::::::::::::::::::::::::', , -､ヽ:::::::::::::::::::::::
　　　　　　 ,':::::::|:::::::::',::::＼::::::::ﾑ /＼::x=ﾁ　＼::|V::::::::!Ⅵ‐ ヽ　}::::::::::::::::::::::
.　　　　　 ′::, |::::::::::∨:::ﾑ＜::::ﾑx彳ﾑ/ 　　ﾘ j::::::::| .ﾘ<ヽ　 ,:::::::::::::::::::::::
　　　　　 |:::, '　V::::::::::∨:::ﾑ　｀ yヽ,以’_　=￢￣|:::::/ t-､_ﾉ　′::::::::::::::::::::
　　　　　 |/　　 V::::::::{ V:::r=､ __ j/-=.　　　　　 |::/　　}　Y /:::::::::::::::::::::::::
.　　　　　　　　　＼::::l　,-{　 ',i´　　　　　　ﾚt-- '　/´:::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　ヾ, ' ／ヾ_}　　　　　　　　　　　｀ i￢｜:::::::::::::::::::::::::::::
.　　　　　　　　　　 , ' <　　　　　　　　　　　　　 /　　.|::::::::::,':::::::::::::::::::
.　　　　　　　　　／　／ヽ:　　　　　　　　　　　　 /　　　|::::::::,':::::::::::::::::::::
.　　　　　　　／　／- _　ヽ、fク　　　　　　ｲ　　 .|::::::,':::::::::::::::::::::::
　　　　　　 rf-=二---- ヽ-┐､　　　　　　　　　　　_　- !:: ,':::::::::::::／:::::::
　　　　　　　/ ,:／　_,....x-t=-≦ﾉ .＼　　　　 _,.へ／　　 }::/:::::::::／ヽ、:::γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.　　　　　 / '　／￢´ ノ　,. イ　　　 }>-=≦::::::／　　　　j:/:::::::::/　　　＼:|　　そこにいらっしゃるのは歩兵校尉様？　 .|　
　　　　　　|　イ　 ,. -ﾆ::/´　　　　 l::::::::::::::::Y　　　　　 /:::::::::/　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　
　　　　　　|　　／::: 　 /　　　　　　 |::::::::::::::::∧　　　　 ./:::::::::/
　　　　　　|　〃ヾ:　,.ｲ　　　　　 l:::|::::::::::::::::::}　　／ /:::::::, '
　　　　　/.}　　　 |./..}　　　　　　　 |::{∨:::::::＞'´イ　 /:::::, '
.　　　　/　| 　　 /../ 　　　　　 |ﾄ､:::V/　　　　　 /::::, '

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　司馬家三代の属官を務め、なおかつ司馬昭の寵臣。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　……態度を明確にしなければならない時が迫っていた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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472 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:12:33.20 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　/l　　　　　　　　　　　「_ﾉ,.　'´: : :.:.:.:.:. : ＼
　　　／.:.ヽ　　　　　　　　　,．'´: : : : : : :.:.:.:.:.: : : :ヽ
　　　/ /.:.:.:.:.:`ｰ--------‐'´: : : : : : : : : : :.:.:.:.:. : : : :l
　　　　/.:.:.〃.:.:.: : : : : : : : : : :.:.:.:.: |.:.:.:.:|:.l.:. !.:.:.1.:::: : : :l
　　　　|.:.:〃.:.:.:./.:/.ィ⌒ヽ:|.:.:.:.:.:.:. |.:.:.:.:|士士ヽ1.: | : :.:l
　　　　|.〃 : l:.:.|.:.1:.ﾊ.:.ﾊ.:.:ﾄ､.:.:.:. : ﾄ､.:.ｲ＼＼. : l.:.:|:.:.:.:.l　　　　　　　うちが歩兵校尉の阮籍やけど。
　　　　|/ |.:.:.|: :|.:.1l　l/ﾆヽl　＼.:.:.:|　ヽ| 二ﾆヽ.:l.:.:|::: : :l
　　　　　 |:.:.:|: :|.:.1ミ´ 　ﾊヽ　＼| ｲ　ﾊヽ　彡':./1.:.:.:.:.l　　　　　　　どちらさんや？
　　　　　＼|: :ﾄ､ﾄ.ﾐ.　　l:1l　　　　l　l:1l　ﾘ l/ノ.::::::.:.:l
　　　　　　 ,′＼j1ヽﾆりﾉ1´￣｀「 _りﾉ_ノ ( ﾉ.:.::::::::::.:l
　　　　　　/ : : , ィヽー─‐┘　〈　　　　ノ｀丶､.:.:.::::::＼
　　 .､　_ノ．'´　./　ヽ､　　　　　　　　／｀ヽ　　｀丶､::::::＼
　　　 /´　　　 /　　　 l ｀丶､　⌒　. ィ´　　　＼　　　　｀ヽ::.:＼
　　！　',　　「￣￣￣｀`ヽ､｀二´． '"´ ￣￣｀`1　 /　　.ﾄ､:.:.:.＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　.:/　 .::::/　,' 　 :,'　.::iハ . ヽ::::　:::ヽ:::::. ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　 .:/　 ::／　/ 　::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　.:,'　／　 .:/ 　::/,' :::/　|:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　.::i:./ 　.:::,ｲ　::＿/:::/ 　ﾘ　!斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| !
　　　やはりそうでしたか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |／:|/　 :／,ィ"´／:｀` 　 / 　|/'_｣」. i:`: :::::::|::::| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ| 　/ ::::::／i,.＞''"ｱiヽ　　　 /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
　　　私は幽州范陽郡方城の出で、　　　　　　　　　　　　　 ./　|　,'::::／{ rT{::::::::::r !　　　　　{:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ|
　　　張華、字を茂先という者。　　　　　　　　　　　　　　　　 {　 |　{::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ　　　　ヾ之'　,'|::::::::,'. |　乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ |　|,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´　　　　､　,,,,,　ﾊ|::::.::i　 !　　 `''ｰ‐
　　　阮籍様のお姿をお見かけしたのでご挨拶をと　　　　　　ｉ　　 |::::|::::l::::|ﾄ､""゛　　　　　　 /:::|:::::::|　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ::　 l: ::|::::|::::iﾊ＼　　｀ ´　 .イ:|!:::ﾊ:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧:　　!::::i:,.-､｢|∧ 　＞､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::　_厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 /＞＜＼　ﾍ.　i:.:.i　　　,'!ﾊ| `＜ｭ」::|::::::::.:.∧ 　 `ｰ

473 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:14:22.03 ID:Pxr9/QJuo

.　　　　　　　 /　　　　　. . .: :::O::: :. . . . 　　　〉
　　　　　　　〈　　　　　　　 _,,..　-‐…‐-ミ/
　　　　　　／:＼＿_,,..　　-‐::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　／:/::::::::::::::::::::/｀|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
　　　　　　/:/::::::::::::::::/　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　　　　　　　　張華？
　　　　 //′::::::::: X⌒' |ハ:: ＼:::⌒ヽ::::::::: | : :|
.　　　　 ′{::::::::::::::::x==ミ　 } ＼(＼丶ハ::::: | : :|　　　　　　　　まさかあの『鷦鷯賦』の作者か？
　　　　　{　 :;::::::::::: 〈　 iﾊヽ　　 ,.ｨ宍ミﾒ、 : :::::::|
　　　　　　从ﾊ::::::r─tﾁｒ'⌒' r‐‐tﾁ　ﾉ,':::/.}:::|　　　　　　　　話には聞いとったけど、こんな若いとはな
　　　　　　／:::｀¨¨¨¨　｀　ｰ‐‐‐'　/／ノ::::;
　　　　　　　／::::::::::八. 　 r -‐っ　　　∠二:::::::
　　　　／::::::::::／:::::::＼｀¨¨／⌒7´／⌒ヽ/
　　　.／::::::::::／::::::::::::::::_r‐／　　 / /　. : : :::. ,
　　／:::::::::::／:::::／⌒X__／,　　　/ /　　　ﾆ=- ,　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼ヽ＼
　 ´⌒7::::::::::::::::::}　-=ﾐ(__)く_　　 .′　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　, '　　　　　　　　　　　　　＼.､ﾊ
　　　/::::::::::::::::::::{　　 / 八､　　,′　　　　　　　|　　　　　　.　　　　　/　　　　　ｌ { : .＼: .＼＼　　｀ｰ廴_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 ,′ /　　 .八!＼ﾄ､斗匕￣ヽ､　　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌｌ　|　　 {.ﾄ､＼＼ ,ｨ斗ｪ=ﾐｧ､_ヾ: . ﾊ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| !　||　　.ｨＴ弋, ＼　ﾞＶｭ:::::;Ｙ´り: ﾊ :.ﾘ　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 !.!　|l　　 i| 　　　　｀辷ツ !Ｙ. ; :jノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .l　ﾊ､ : :小 /⌒　　　　 ::::　ﾉ:.ﾊ: : ; :＼
　　　　　その折は過分なお褒めの御言葉を頂きました。　　　　乂ﾊﾊ. : :l;ﾍ、::: 　｀- ' 　／Ｖ: :ﾊ : ; : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノﾉﾉ}: :ﾘ : i:｀::ー―､‐', ィ´⌒Ｖ:廴.; :ヾ: :＼
　　　　　このたび太常博士を仰せつかり都に参りました　　　　　　　　ﾉ.:/. : .!: i : i ::「Ｖﾍ　　,ｨ》ー‐'i⌒＼ : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　／イ: : : ｨT! ￣く≫|ｉ　}≪／　 lｌ.|　　〉 : : '.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ,!: /´ Ｖ《　　l二ﾆ{_}ﾆコ　　 ll |　／ }＼: :ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′{ ＼Ｖ《　　|_/ |＼_|　　》/ /　　.|: : .:, :ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′:.|　　ＹＶ《　 //　|　Ｖ　　》/　!　　 !＼:ﾊ: ﾊ
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　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
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|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　おお、見飽きた顔だお
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(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
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474 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:15:40.95 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　`ヽ
　　　　　　　　　　　ﾄ､ __｛　　　　　　　　 ,.　-─ 「ﾉ　　ﾉ
　　　　　　　　　　　｀ﾌ .: .:ヽ　___ _ ＿．∠＿＿ __ ,.　..＜
　　　　　　　　　　 /.:/:/ 　. :.: 　　　　　. :. :　　　 .: .　 .:. :ヽ
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　　　　　　　　l/|.:l: : :l : :l: l/ 〒ﾃ　＼|　　,rﾃt云l/l .:/:！.:. l
　　　　　　　　　|∧.:.:l.:.:.:ミ　｛｡ﾊ　　　　　｛｡ﾊ　ﾐ://:ﾊ.:.:.:.l
　　　　　　　　　Ⅵ.:.小い_1りﾉl　　　　 1りﾉﾉﾘ.//　ﾊ:.:. l
　　　　　　　　　　　　　　l:ﾊ=「￣￣］ｲ⌒ヽ［￣￣_］ｲ/ﾉ/..ﾊ.:.:l
　　　　　　　　　　ﾉ.:ハ￣￣　 _ ＿_,　￣　　ﾉしﾟ.: .: .:＼!　　　　　　　　　なあ、ちょっと話していかんか？
　　　　　　　　　　　　／:/ .: .:ゝ　　ヽ __ ノ　　　,.ｲ.:.:.:.:.:.:.: : :: :`ヽ
　　　　　　　　　　／.: /'´ : : ﾄ､ヽ､　　　　 ,. ｲ.:.1.:.:.:.:.: : : : :: : : ｀`ヽ
　　　　　　　　　 / .: :./ . : : : :l: :＼. ｀ー‐ ＜_ノ. :.:|.:.:.:.. :. :. :. :. :. :. :. :..L__
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　　　　　　　　V . : : : : : : : : . :. . :.: . :.: .:. .:ﾊ .:';::: .:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :./ /.:.,.ィ´/　ﾊ､
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　　　　　/ . : :: : : : : : : :: : : : :: : : :: : : :: : : /ヽ_＼. :. :. :.: .: .: . :. :. :. ヽ　　　　/ノ/ .:.!
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　さて、滅多に人物批評をしない阮籍が珍しく人を評価した事があった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　まだ世に出る前の張華が書いた『鷦鷯賦』を読んで一言
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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475 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/05(金) 01:16:02.74 ID:KfGfv1eGo

おやこんなところでつながりが

476 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:17:56.59 ID:Pxr9/QJuo

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　　　　　　　　　　　　　　　　 ´: : : : : : : : : : : : :｀ヽ、
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　　　　　　　 /.:.:/.:.:.:.:. / .:.:.:/│:l　:.:.:.:.＼.:.:.: ヽ::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　ｌ.:.:/.:.: /.:.,' .:.:.:/.:.:l.: |　＼.:.:.: 丶.:.:.:.::ヽ::::::::::i
　　　　　　　　　 | .:|.:.:.:.| .:ｌ.: __/.:.:ハ |　ヽ_＼＿_＼.:.::::::ヽ､:::;
　　　　　　　　　 | .:|.:.:.:.|.:イ.:./.:.:/.:ハ!　　＼-＼.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.ヽi
　　　　　　　.l .:|.:.:.:ﾊ.:.jｨ仔ﾃ女　ヽ　ｧ7仔i心､_.:ヾ.:.:.:.｀ヽ
　　　　　　　.l .:|: :ﾉﾍ小ﾍ::::::j|　　　　ｌﾍ::::::j|│.:lﾍ＼:::::､.:.＼
　　　　　　　.| .:! ﾉハ{　r'仁j　　　　 r'仁リ│.:|.:.!.:.:ﾊ |＼.: ヽ　　　　　　　　　　　光栄です
　　　　　　　ノｲ.:.: /てﾍ　.:.:.:::　　 ,　　　 :::.:.:.: /!.:.j´j.:/｝}:| | ヽ.:}
　　　　　　　 /.: /.: /しゝ、　　､　 , 　　／./.:/.:／|ノ人!　 j/
　　　　　　　　　 /.: /.: /.:./.:.:..:＞　　　　　　イ_l.:./.:/|´.:.: |.:. ｌ.: |
　　　　　　 /.:.,.':. / j:/.:.:.:./ l_,ﾊ` ‐- ＜｜_,,Ｖ.:厶l.:.:.:. |.:. ｌ. |
　　　　　　　　/／.:／　/.:.:.:./／/ｌ　ヽ　／＼_, '7/＿ヽ.:.: !.:. ｌ.: |
　　　　　　,'' /: :;,ｒ‐‐〃´￣ゝ' r‐-..,,ｖ,r‐‐ｧ　| l_＿//￣｀ヽ!: ヽ
　　　　　／.:／/　 i i　　　　 .＞ｲ从＜´. 　｀￣//　/　　ヽ.ヽ
　　　　／::::::,' 　i　　.i i　　　く__, ｲ.|.ﾄ､__>　　 //　,　　　　＼.ヽ
　　　／:::::::::;i　　l.　　i i　　　　　/ /|.|.| |　　　 i i　　　　　　　'i.:.:.:＼
　　　/:::::::::::::::i 　　i　　.i i　　　.く_/ .| | |_|　　　　{ {　　　　　　　ヽ.:.:丶＼

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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「王佐の才」と
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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477 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:23:04.29 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　 |＼＿／￣￣＼_／|
　　　　　＼＿|　 ▼　▼ |_／∧彡
　　　　　　　　＼　皿／ _彡　・＼　　　　　　　　　　　どけどけ！
　　　　　　　　　（　⊃　⊃彡　人.ヽ.）
　　　　　　　　,-(＿)--y"'''--/'''"￣　　　　　　　　　　　道をあけろ！！
　　　　=≡=（｜魏.｜　　ヽ
　　　　　　 / └─‐┘　　　）
　　　　　　 /　ノノ￣丶　　ｿ　＼
　　　　　／／/ /　　　　＼ヽ＼ .＼┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
　　　　　《_/　《_/　　　　　　ヽ/ラ丶/ラ

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:./.:.:.:/.:.:/.:.:: : : .: . :. : .: .: .: .: . :. :. :. :.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l.:./.:.:.:./.:.:/:.:.:.:|.:.:.ﾄ､|.:.:.:.:.: : |:.:.:. |.:|.: .:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/〈.:.:./.:./ﾊ. l.:.ﾄ､.:L_ﾄ､.:.:.:.:.:.|:.:.:. |.:|.:.:.:.:..:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V:.:/:.:|　ﾒ､| ゝ|｀ヽ|＼.:.:/.:.:.:/:/.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　　ん？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ノ.:人::」_ ヽ:! l1｡l`ヽ　 V.:.／.:/:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔ﾝ⌒ヽr‐りﾉ　彡 /イ:.:.:./⌒l: : : : |
　　　　　　　　　なんや？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　L_二ﾆ」___ノ/.:.／ 1 /: : :.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ _　　　　　　　　､_ ノノ: : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:∧ ｀　　 , 　　､_ﾉ ) .: .:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:/.:.:.｀フ二´　　／｀Y´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:./:.://⌒ヽ| 〉‐く　　／＼: : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′: : :l/　　　L,.　´￣￣`く　`ヽ､: : : : : : : ',

478 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:27:29.17 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　＼＼
　　　　　/　　　 / ））））　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　/　　　／＿ ⊂ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽヽ　|＼
　　　/　　　/|＼＿／￣￣＼_／|　　　　　　i 、、.　| ヽヽ　|＼　　|　　＼
　　/　／　＼＼＿|　 ▼　▼ |_／　　ﾄﾞド　|ヽ　　|＼　　|　　　　|
　 / ／　　　　＼　　＼　皿／
　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 ⌒＼　　　　鄧艾将軍から急報！
　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　／>　>　
　　　　　　　　/　　　　／　6三ﾉ　　　　我が領に侵入した姜維を侯和で撃破したと！！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ノ　∧｀ヽ　｀ヾ` r'ﾝヾﾆ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　＞'　`＜_　　 <ﾞv　　〉vi、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/ /／＼　　　　｀ヽ、ﾄﾍ三{薔}〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　ｌ f'´ ､,r=ｭﾐｭ､　　　　二{〉、ヾﾂ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 !{　 -{liｸｯ }｀　　　ｨ,r=､,ヾ〉,>}'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,f´｀ヾ,　　_ゝ‐'‐　　　 rfｲ`, }/>ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,ｨ=＝ｷﾆヽﾄ　　　　　　　　 ! ｀ヾ´ﾄ{
　　　　　　　　　　語るに落ちたわね　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ 　 r―ミｪ､_　　　　　　 -=ｭ　　　ﾊ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノミｭ　｀ヾゝ、　　　　　｀>ｲﾍ}、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヾミｭｪ-､　ミ[二ミｪ､__　　 ,r'´　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　 _」、　　｀ヾー彡｀爪￣＞‐〈｀7　｀ヾミ､　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ、　　 ,ｨ'´ 　｀ヽ　　 >　　 ||_＞彡'´_]ヾ､　　＼_ゝ､r'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヾﾐ、　　__}｀~´　　　 <／､ヾﾆ´　　＼　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ」｀ー､/　／ｌ/　　　　 ||　｀ヾｭミｪ､＿,ｲﾋ'´ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 ||　　　｀ヾ〉　 || |　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　r‐'´　　ヾｭ､　　　　　 || | //

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　高貴郷公の変以降、魏は至って平穏だった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　しかし、その平穏は久方ぶりの姜維の北伐によって破られた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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479 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/05(金) 01:29:28.21 ID:mSEU00B/o

とうとう・・・来てしまったか・・・。
姜維・・・。

480 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:32:38.27 ID:Pxr9/QJuo

　　　　　　 ,＞'　　　　　,ﾍ　　ｒ' |　じ'、
　　　　　／　　　　　　／　 ' ,　 { |＿｛薔｝
　　　　　　　　　　／／　　　　 Vr |;;;;;;;,》从
　　　　　 .,'　　／／　　　　　　∨{／｛薇｝
　　　　　/ 　／／　　　、　　　　｝く i　./|;;;|
　 ≧=<_/ イ , '　　　　　　ヽ、　　/　ﾕｙｒ└'
. / ,へ V厂て　　　 ,ゝ亠,ﾐ　　/ ／
〈　{　 '　　／　　　 '　 /wｼゝ/／
代　V.　（　　　　　Vﾐ/ 　 {　　　　　　　　　　　　　　　　すぐに鍾会を呼びなさい
ノ人__)　　＼　　　　￣　 ∨=-、
￣￣,ﾍ　　　　　　　　　〉　 }}
　　 {　、　　　　　　　／　ノ
＿＿ゝ　｀　　　　　￣ノ
三彡'.　　,ト、　　　　, 彳
、　￣了二〉　゛=="´　　　
..＼　　{Viﾍ
.　　＼_〉ト|
　　　ヽ上i
　　　　｝ __}
　　　　 /彡i

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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そして、もはや局地戦と化していた北伐が端緒となって……
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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481 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:34:15.38 ID:Pxr9/QJuo

　　　孑三≠‐　．
≧´ ／　　　ィ_,_r≧＜⌒
　／　　 ≠´: . .　　―　｀
/　彡⌒:　　　　　　　　＼
　ｲ :　　　　＼　｀　､　　　　ヽ
〃 :.:　　　　　ヽ　　　＼　＼　　.:.
: :/: :　 :　ﾊ :.　ヾ:　　　　　　ヽ　.:.
:〃: :./.:　 .:.|: :.　ﾊ:ヽ＼: .　ヽ　.:. i :.ｉ
'/ : : | :　.: :i|:.:.ｉ　　l: :ﾄ､ヽ　ｉ: :.ｉハ:!
: : : i | : .: :.小:.ｌ　ﾊ l厶斗:. :.|: :.|　 }:.
: :ｉ:.:|ﾊ: :._/ﾘ　!|:　.' ﾉ′ }:ハ: :|:.:.:!ヽ　}
: :|斗七/　　　|: /　,ｨf笊ﾐｙ|: ﾊ: ;.　{　{　　　　　　　　　　　　　　　……蜀討伐が始まる
: :|'..ﾚf示ミ､　 | '　八rｆ:j:} 从ﾊ/　〔　:.
: :|《ﾊr':ｆ:j::}　 /'　　　ゞﾟ '　ｲ乂　　ﾍヽ
小　う::ソ　　　　　,　　　　| i ﾄ､　　ヾ; ｉ
:.ｉ: :.　　　　　　　　　　　　　小:ト:＼　ｲ　;
: : :.ﾍ　　　　　 ' ‘　　ｲ:.:|ﾊ!　　　〔 /
: : i:小. ．　　　　　　　个ﾍ: |:　＼　f.:/
ﾊ:从ﾊ! 　｀　　ｧ―.´:.:.!:.:.:｀}:　　〉 /
:.:.:≧ｘ　　　　ハ:. :.:＼:.:.:.:.:.:　　/乂
ﾊ.:.:.:.:.:..｀ーｘ　　　ヽ:.: :.:ヽ:.:.:.:　 /:　　ヽ
八:.:.:.:.ｉ　　ｉ　　＿:. :. :. Ⅵ.:. / ｉ:　　　Ｙ
:.:.:ヽ:.:.ヽ　ｉ |. : ´:.: :.:ﾊ:. :. Ⅳ /　|　　　:ﾊ
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482 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/05(金) 01:34:49.78 ID:mSEU00B/o

やめろ・・・。やめてくれ！！

483 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/05(金) 01:35:24.60 ID:Pxr9/QJuo

※本編はここまでになります。

※幕間は土曜までに投下します。

※ひとまずお疲れ様でした。

484 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/05(金) 01:36:20.94 ID:kWfc3HvBo

お疲れ様でした。
ついに三国の一角が…

485 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/05(金) 01:37:33.59 ID:mSEU00B/o

乙でした。
外にも敵を作り、内にも敵を作る。姜維、最後の戦いが始まる。

486 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/05(金) 01:38:07.67 ID:KfGfv1eGo

いよいよか、おつー

487 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/05(金) 01:38:42.51 ID:lLKW/VQXo

乙ー
まあある意味順当な結果というべきか

488 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/10/05(金) 01:57:10.31 ID:fA1LckZd0

乙でした
張華さんこんなところででてくるのね、意外っちゃ意外

489 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/10/05(金) 02:15:43.31 ID:vnae5H1do

乙
ただ、他人にだけ厳格()な何曾にとやかく言われる筋合いなくね？とおもた

490 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/05(金) 02:36:31.08 ID:ZD1Xn2Wi0

乙でした
ついに時代が動くという感じですね

阮籍の態度については、知性なり洞察眼なりに基づいた芝居という印象があります
CiNiiで手に入る、「阮籍の『獼猴の賦』について」にある「獼猴賦」を読んでみると、
正始以降の生きづらい時代のありさまを、様々な動物たちに仮託したのではないかと
思ったりするわけで…

とりあえず、張華先生の登場に癒されました
次回も楽しみにしています

491 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/05(金) 12:42:20.15 ID:vTg7ar5Go

乙
やる夫の無言の涙が泣ける

阮籍みたいなのを褒めるしかないのが
士大夫との談合と政争の上で成り立った司馬政権の限界だと思う

492 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) ：2012/10/05(金) 18:13:54.18 ID:72xttAKG0

乙です。

同意。無言の涙は心に来るな。

493 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/05(金) 20:23:15.32 ID:5F4jtTbB0

自分（と自分が寄るところの権威）に歯向かわず、
内心では自分に戦々恐々としていて、その範囲での奇行を行ない世の中の不満の毒抜きになる

その程度には有用だから褒め殺しにして生かしてたともいえるな。
そういう決め細やかな配慮が要る京師の中でのドロドロした戦いで天下とるしかなかったともいえるが。

494 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/05(金) 21:30:15.49 ID:1RlyS0DX0

乙です

張華と阮籍の縁は張華を評価してくれた同郷の盧欽が
阮籍の元同僚だったからというルートもあるそうだね

阮籍は自由奔放に見えて精神的に窮屈な日々だったのだろうな…

495 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/06(土) 00:15:34.84 ID:Uu0RwgvJo

見ようによっては、最も腹の立つ保身の仕方ではある。
だって結局…

現代とは違い、逆らうことが死と直結する時代ですから、責めることは難しいのだけれど。

496 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/06(土) 08:35:30.91 ID:gjiV16rc0

今更だけど乙
何曾は…息子ともどもアレな方面の印象が……ｗｗ
しかし、この時代を生きた士大夫の心情は本当にわかりづらいなぁ
小説化されにくいのも納得

497 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/06(土) 22:52:05.75 ID:jX5Gww4Do

このへん扱った小説でぱっと浮かんだのは曹操残夢だが
あれも皇帝から見た話で士大夫層の考えはそこまで描かれてないもんな…

498 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:33:59.02 ID:4BYC2B7Go

【幕間】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　 ';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　　　『世説新語』『賢媛篇』にこんな話がある
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
　　　　　　／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
　　　　　　　／:::::::::: {:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀

499 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/07(日) 00:36:43.81 ID:3QdBYVrIo

こんな夜中に長門さん？

500 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:38:24.50 ID:4BYC2B7Go

　　　　　 l､､_　　　　 _,／'}
　　　　　 |ヽ''~￣￣￣~`ヾ
　　　　／＿,,,..　　　..,,,＿.`v_'`､
　　　　/:　 ━　　　　 ━　　| ニ_｝
　　　　|::　　　　∈∋　　　　ヽ　　|　　　　　山濤さんの嵆康様と阮籍様への態度は他の方の時と違いますね
　　／/::　　　 -=,=.ヮ.　　　　|ヽ､|
　 /'../::　　　　／∠.._　　　　　|､.ﾉ
　/':::|:::　　　　￣￣　　　　　　|./
　!-'L|::.　　　　　　　　　　　　　v'
.　　　ヾ:::..　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　__／　/　　　　　ヽ　　　　＼　　＼　　ヽ!　ﾄ､
.　　　 , ゞ､､;;;,,＿,,,..._;;;;;__,,..ノ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　/ ／　/　　　　　　　ヽ＼＼ __ ＼　　ヽミﾐ!|　ヽ
　　　 'ｰ┐,,..､_ ﾉ　 l_,,,...､ _,,一`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | // 〃 l　 |　　 |　　 |　! >＜ヽミヽ＼　ヽヾ.|!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l// // .|　 |　 | | |　　 |メ||　>'T_ﾉ::|ﾄミヾヽ丶l.|ヽ
　　　　魏　山濤の妻　韓氏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　// //　 |　 |l l | | ||　　| 川'^i::::;;;;::::}ヽ!|ヽ| ヽﾚi|　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 // /!|　　|l　|| L| |!||　　| j/　　ゞ‐'´／|| ヽレ川　　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 || / |.|　　|| |l'ヽﾚr‐､!､　|　　　 ' 'く.　/||　 ||　| |／:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 || | ヽ! 　 ||ﾊ| ハ:::;;;::} ヽ!　　　　　ヽ∠ﾘ　||⌒ij:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 || |　 | 　 ||ヾ|＼ゞr', , 　`∠ﾉ　　　j　/j|.ノ| l>':::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 || | 　ヽ. ||ヽ＼ヽ-へ　　　　 /└ﾚj　/|| |:::::::::::::
　　私が友人とするに値するのは、あの二人だけですから　　ヾ!　　/ヽ|ヽ /|　 | ｀ﾞ''ー─ r─イ／ / /　}| |::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　／〈／|　　 r‐‐'´::ﾄ､.r// / /　/|| .|ー‐イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　／　 /,.ィ´|　 /::::::::::::(爪ト/ / / /:::|　「￣|{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ／∠彡ィ'///,ｨ'　 ./:::::::::／//| | /‐}/　|:::::|　|　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /彡／//　|/ / |　 /:::::／／L.jL!H .j　__/:::::}　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.イ / ／　 //　/ /レi　/::／／　　|::::{|:「r'彡/ ∨ ﾊヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／./|//　 ,.イ/　 / /| |/　|/ ／　　ト､r'l/　/|`i､ /　ヽヽｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　l/ ﾒ/ ／,ｨ'||　〃|∧V　/'´　　　　　|`ｰ､ {,ｨl|ハ　ﾄ､　ヾ!

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　山濤は嵆康・阮籍の二人と金蘭の契りを結んでいた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　金蘭の契りとは、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　金のように堅く、蘭のようにかぐわしい友情による交わりを言う。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　そんな三人の様子を見た山濤の妻が尋ねた
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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501 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:40:19.81 ID:4BYC2B7Go

: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : :_: : :--‐‐-: : ___,: : : : : : : : : : : : : : : : : ‐---　--――: : :　　　　　なんだか妬けますね。
: : : : : :＿＿＿__: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＿＿＿__: : : : : :
: : : : （三三三三）: : : : : : : : : : : : : : : : : :（三三三三）: : : : :　　　　かの釐負羈の妻は、
: : : : : : ￣￣￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ￣￣￣: : : : : : :　　　　 .自分の眼で狐偃と趙衰を見極めたとか。　
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　 -- - ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　私もお二方を見極めたいと思うのですが……
: : : : : : : : : : : : : : : : :／＿＿＿＿＼: : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ＿＿＿_／: : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞムﾉ／､　　　　　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .//　/ ／　　//　/　　　　　　　　　　　＼　 l　l　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/／　/　//　/　//　l 　　　 /　l 　 l　　ヽ　V|　l　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/ハ　/　//　/　//|　l l 　　 / /ﾊ　 |　　ﾍ　V　l　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　l　!　 /l ./　// | 从　　 / /l ハ　 |　　 l　ハ　l　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ヽ| ﾊ　ﾚN |//￣ |ﾊ l 　 / / /ﾉﾆﾊ .| |　 | ﾊ　i　l i　　 /　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!　） i!lｲ示≧ミ､iﾊi　 /ノ/ｲ弓示ﾘア　/　 .リ　l i　　/　　/
　　　　　　　　　　構いませんよ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./Nl　lヽSゝﾂﾚ　 `ｿ　　ゞﾆ=ﾂ'| ll/ l| 　l i　l i　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /l　 lﾍヽ￣　　　,　　　　　￣　 l /　 l|　.| i　l i　/ 　 /i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / .|　 l介､　　　､　,　　　　イ/l　 l|　.| 　 l i.　　./ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　 |　 l /　＞､　　　　　,　＜´// |　 l|　|l　 .l..i　　 /　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ / .__/ﾉ　/‐‐-=ﾆﾆ _＞-n＜j　ゝ//.__|　 l| .lﾊ　 l i 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / //　/　//l 　　　イゝﾆﾆﾆﾆﾆﾆｲ//ニ |　 l|..| ﾍ　.l i　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./ /　 ./　// .|　　　ム{}{}{}{}{}{}{}{}{}//ヾ r∧　.| |､ﾍ　!.i　　 /　l

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　釐負羈の妻は春秋時代の曹の人。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　後日、嵆康と阮籍が訪ねて来た
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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502 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:41:42.76 ID:4BYC2B7Go

　 //ｌ .: ／.:. / :/: :／　　　 r=ミ＜: : : : : : : : :⌒ヘ、　＼
　// |: :|.: : :/: / : /　　／⌒´: : : : : : : : : : : : : : : : : :＞ーミ、
.//　|: :|: : : : /: :/　／..: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
〃　 |: :|: : : /: :/　/.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ .: :＼: : ＼
/　　.|: :|: : /: :/　/. :/ : /: : : : : : : : : : : : : : : : :. ヽ: : : :.＼. : :ヽ:. ハ
　　　|: :|: /: :/　/: :/: .:/ｌ: :|: : : |.:.: l .: : : : : : : : : : ! : : |.: :∧ : ハヽｌ|　　　今日は妻がお二人を
　　　.|: :|///!/V. :/: :./. L..L..|_.∟⊥.._: : :.|.: : : : : |斗┼‐:.∧.:. :.ｌ　ﾉ　　 .おもてなししたいと言っていまして……
　　　|: :l//. |〉/.:ｲ: :/|.:. |:. |:.//.!ハ}∧ヽ: :| : : : : :.l､.!_」Ｌ._:.ハ: : |
　　 |: :./: : |/}/ |: :|∧: |_.,厶‐ｧ￢ト､＼:.l＼.: : :/.ｨう｝{/|: } } : |　　　　 .お酒とお料理を用意させて頂きました
　　 |〃: : ∧ l　|: :| 　V _ヽ{__ﾉ｡.ﾊ}　｀　ヽ　ヽ/　{crﾘ | :|V/＼|
　　./|.: : :./ ∧＼ヽ| 　 |:.:ヽ弋辷ソ　　　　　　　｀ ´ _| :|
　 //|: : /.:/: : |＼　　　|: : ヽ|.＿_　　　　　　　 '　　 {/: :|
. // .|: /.:/ .//|: : |＼__.|.: :. :.|_　 _｝　　　　ｰ‐　'　　イ: : :|
//　 |/.:/ .// :|l : |　:|Ｖ|.: :. :.| ｀}＞　.　　　　　　＜　.|: : :.|　　　　　　　　　　　 ,.＜:::::::::::..、
:(　　|.:/ .//: : |Ｌ⊥ :|.o|.: :. :.|＼}⌒ニﾆ＞r＜`ｰ┐　|.l : :|_　　　　　　　　　　／:::::::::ヾ;ｨk::::ﾍ＿
.ﾊ　 |/.://: : : l/ ::::`ｰ‐|＼.:.:|ニニニﾆv'⌒'⌒) (ﾉ⌒'|.l : :|::ヽ　　　　　　　　　ｲ:::;;≧三ﾐvﾘ}_ﾆ、三三≧､
　／ //.: : :./ ..:::::::::::: |: : ヽ|::::::::::::::::: `￢rく（_.ﾉ＼:::|.l : :|:::∧　　　　　　　〆ﾒ元ﾗテ三ﾐ仆三ﾐy､彡三ミ＞-.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／孑升|l〃//∧/「｀〉7ﾘ仄fﾍ／:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .〃　尤从川///`ｰ=|,ｲ〈ﾘ川Tﾍ{:{::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　／l|/ｲ||∠ｲ/　l> ﾉｲl|!|lｲ川从ゝ:::::::::／:::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l| ||!ﾘ≠k、ﾟ／/刈ﾘ| || }ﾚﾘ∧＼:::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ||lﾊfcﾀ　　　 ,=メ､!」|,ﾙｲ｛l ヽ／￣∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘﾊ " ,　　　 {!fc弋y〃| !ﾘ∧:::::::::/
　　　　　　　あらぁ、気が利くじゃなーい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃_,ﾍヽ:┐　　"￣／{　!/〈 l∨⌒{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ﾊ_ﾄ,＼´　　　_ イ{ﾘ从//ﾉ｝ﾘゝ　 !
　　　　　　　断るのも悪いし頂くわ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ヽﾍ l | // 　〕ｰ＜_ﾉ八{ /ｲｲイ〃ﾊﾍrﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }｀ﾍﾉl_|　! 「￣,「￣//＿ゝイ|ﾘ川lｲ!∥ﾄ､ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　ヽ　 / i:|:::/ハ::::〃⌒ヾ､lﾉ/ﾘ | |ll∥|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ､.'..〃 /:ﾚ'/:::／/ 　　　∨ハ!| |ll∥|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　};;;;;:f' /／:::ノ::::/ 　　　　 }|　ﾘ| |ll∥|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .j　　{/ノ::::::{｢:::/　　　　　/:| ｉ{ | || !| !

503 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:43:47.15 ID:4BYC2B7Go

　　　　　　　　　　　　　 ,　-‐　　　.:.:.:.l
　　　　　　　　　　. : :.／.┐:.:.:.:,　-─┴─　イ
　　　　　　　　. : : :／ヽ_ﾉ,．'´. : : : : : : : : ＜
　　　　　　. : : : ／-一　´. : : : : : : :　　　: :＼＼
　　. : : : : : :,．'´. : : : : : : : : : : : : 　　. : : : :＼.＼＼
　　 ,.　- ＜: : : ､: : : :.:.:.::|. . . . . . . : : : :ヽ: .ヽ:＼＼|　　　　　　　　　天地解けて　六合開きー♪
　　.:.:.:.:.:.:.:.| ＼:.:.ヽ : : :.:.:ﾄ､: : : :＼: :.:.:.|:.:.| :. |
　　: :.:.:.ﾄ､ |二ﾆヽ| ＼.:.:.:|　入＜:.:.ヽ.:.:|.:.:| :. L__,.　- ────　　　　　星辰隕ちて　日月頽る～♪
　　: l.:.:.|ﾐN ﾊﾃ｀ヽ　　＼ﾚ'´∠ ｀ヽ､:|: |:.:.ﾄ､:.|:::::::::::::::::::::: : : : :　
　　N: : |ミ　l.:1l 　|　　　 rﾆ三ﾐヽﾘ.:.|:./:.:l/.::::::::::::::::::::::::::::::: : :　　　　我騰りて上る
　 .ヽ从ﾄ､ ,rりﾉ _ナV⌒ V´ ￣｀`ﾘﾑ:. l/.:::::::::::ー---- ＜￣￣
　 .:.:.＼|｀ｰL二_＿ノ　　,ﾊ _＿ノ7.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : : : :｀　　　　　　　　　　　　将に何をか懐はんとするー♪
　 ::::::::::::ヽ　　　　 r　-‐ｧ　　　/.::::ヽ::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.
　 ::::::::::／〈｀丶　　｀ー　　　ィ´´ ￣|￣ 77｀ヽ.:.:.:.:.:.､:::::::::::::::::::　　　　　　　＼人_从人__从_从人__从人_人从ﾉ／
　　￣　r‐┴＝= ､`ｰ-- ＜／　　　|　/ /　 /￣`ヽ: ｀丶､｀`　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　い　　ー‐-ヽ￣＼-─-　､　 V /　　　　　　　｀¨¨`ヽ＼　　　　　　＞　いいぞ！もっと歌いなさい！　＜
　　　　　い　　　二ﾆヽ　「ー- ｀`ヽ　V　　　　"´　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　「ぃ　　　, ィ´L_ノ￣｀`ヽ　　 / ,．'´ 　,.　　　　　　　　　　　　　　／Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒WY＼
　　　　　 l.:.い　　 ,ﾚ'⌒ヽ　　　　　 ,ハ　,．'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　 l:.:.l 1　　 / /　　ﾄ､ヽ＼　/ 　 V　　　 ,.　--　､　　　　　　　　　　　　　. |ｉ:¨￣　　　　￣¨.: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|i:　　　　　　　　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|i:　　　　 u　　 :i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |i　　　　　　　　:i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ／ﾍ　　　 U　 :i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |〈｀/´｀> 　　　 :i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─|-｀ー´＝=＝一 |

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　宴が始まると、山濤の妻は隣室から二人の様子を観察した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　三人の様子が興味深く映ったのか、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .朝になるまで自分の部屋に帰るのを忘れるほど熱心に見続けた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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504 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:45:25.05 ID:4BYC2B7Go

　　　　　　　　　厶-‐　ﾊ　.　-　、
　　　　　　／ fr=一／　　　　＼
　　　　　　 /〃ﾑr_／　（{ ○ }）　＼-､
　　　　　　　　{〃（_（_r‐Y⌒Y⌒⌒＞f⌒Y　Y._）
　　　　　　 / /　／ﾞｰ'ゝ=○O=（__）（__）ｰく._））
　　　　　　　/ /　/ ／　 / |　　　　　　、　',
　　　　　 i./　/ ///l_,ﾑ-|l､|l　　!,.|‐ト|l | ＼ i
　　　　 /l! ./ｲﾊ| | |,r≠xＮ|、从ｨ≠ｘ|.| l|ﾊ||　　　　　　　　　　感想を聞かせてください
　　　　　 / :l| 　 |　l从!　ﾋｔﾀ　　　ﾋｔﾀ从ﾘ　ﾘ
　　　　　ｆ　 !l 　 |　　| ﾄ､┐　　 '　　　rｱ| | |!
　　　　　| ./|ﾊ　 ! 　 | |　|`　 ._‘’_. ィく　| | |!
　　　　 j/.｜iﾍ｜厂| ﾄ､j〈勺辷Y戈ｳ_}_,! !_ヾx、
　　　〃　 |｜ V　,小!ｲ勿⌒にｉｺ⌒j勿/|　　｀＼
　　／/　　 ,! | /　 { ,| |　　,.へ.{{ }}　　ｆ' 小、　　} ＼　　　　　　　　　　　　　　　ト､、　　　　　　　　　,.
　/　/　　 /ﾊ.厶ニﾑ.! !ﾆﾆ| ⌒ｸYニニ{ｲ}.|ヾニﾆﾑ.　ヽ、　　　　　　　　　　　　　 |　＞ー=＝== ､,. イﾊ
　　/　　 / |/:{　　　 Y}　_,!　　 ,ﾊ.〉　〈iｆ｜　　　/　　　i}　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＜　　i｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＿_　　　　　　　　ヽﾚ'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' ,.-､_｀　　--､＿　　　 ! i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,'　｀＝”　　　 r=-，￣　 !レ' ￣ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　7　　　＜三＞　￣　　　ｷ「￣ヽ」 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　(´,'　　　　　　　　　　　　　　{´　ヽ　「!
　　　　　　　　　　いやはや、恐れ入りました　　　　　　　　　　　　　　入Y　　　　　　　　　　　　　　　ト､　ヽi!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>__〉　　　　　　　　　　　　　　　キ､｝　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 -==-_＿_　　　　　　　　ノ'′ ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　＞ﾆ／　　　　　　　 {ー＜_》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　／Z／　　　　　　　　　ﾄ､　「

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　後で山濤が部屋に入って来て尋ねた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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505 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:46:04.95 ID:4BYC2B7Go

　　　　　　　　r＝､､＿　　　　　　＿
　　　　　　　 || ,　'"　　￣　￢'''´'''''i!
　　　　　　　　}'　　　　　　　　　　　` .ﾘ
　　　　　　　 ,'‐ ''' """"´　 ` ー-　､_`、
　　　　　　 ,′ｆ㍍ﾖ)　　　　　ｒzｮt､｀ﾞ!　　　　　　山濤さんは才能ではとても敵いません。
　　　　　,′　￣　　,ｒ_‐‐__、｀¨"　　 !
　　　　 ,r'ｱ　　　　　　` ー ''´　　　　　ﾞi_　　　　　.ただ見識と度量だけでお付き合いしなければ
　　　 /　,′　　　　＿　　　　　　　　　　　ヽ
　　 / 　 i　　　　　`ー｀二￢ｧ　　　　　　 `、
　 /　／|　　　　　　_,､‐'´,､‐' 　　　　 !`、　ﾞ、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　_　　　　　　　　　／　ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ﾉ-.ﾐヽ､　　　　　／　　　(;;;;;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 / .::::::::. ヾ､　,,.-'7　　 ,,.-''´:￣:ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./ .::::::::::::.　ｿ´ｯ'´　／::::　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 / .::::::::,.-'7´::／　／::::　　　　　,.　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ :::::／:::::{:::::/　 ./:;:::::　/ ., // l　,　　　　.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 |/／'::::::::λ〈 ,-‐l:::l:::,:::::|　ト/|､||: |:　,　.,　ﾍ.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､.''::::::／::ハﾐﾍ| /'|l|:::|:::::|::|ﾄ|l-l.|ミλ ,|　l　,,l.'
　　　　　　　　　それなら心配はいりません　　　　　　　　　lﾞ ::::／::::/　ヽﾍ.＼'|::||::::;:N　'ﾞ　{'i｀ |/,／ｿ'l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ::／::::::/　　　ヾ._　｀l:|ﾍ:ト,,,_,　　　 '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／:::::;/　　　　　　_｀ヽ,|::l:ﾄ　 .|　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　/':::::::;:/　　　　　　 .'､｀ﾞ｀ﾐ|l::ト.､_l　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 /.:::／/　　　　　　　　|｀ﾞﾞﾞ''ﾍ:::ヾゝ｀´|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:/':::::l　　　　　　　 ._ﾉｯ-‐.''''ヽ､:ヽ､|:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / //::::|　　　　　　　.///;;;;;:::::::::::::: ヽ､:＼ト-.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |' ./:::::|　　　　　　.i.''//;;;;;;;;:::::::::::::::::::: ヽ:::::ヽヽヽ　

506 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:48:40.93 ID:4BYC2B7Go

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞‐‐､　　　　　　＞‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦､|　　　＼＞＜i__/　　　ヾゝ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ￣ヽ∧ﾉ _ﾆ=-‐‐─-=ﾆ､　レ--､　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ≦-‐<＿＿＿　　　　　＞　　　/　　ﾍ ∧
　　　　　　　　　　　　　　　＞-‐=ﾆ　/　　ヾ==--- ニ= ､　　＼､∠ニ　　ヽ∧
　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　￣|　　　∧　　　　　｀`ヽ､.　＼つ　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　/／／　　　　　ゝ､／　ヽ／ゝ､ﾉヽ-ｱ､ﾆ＞--ヽ　　　　 V
　　　　　　　　　　　　 //　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞムﾉ／､　　　　　 V
　　　　　　　　　　　 .//　/ ／　　//　/　　　　　　　　　　　＼　 l　l　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　 /　/／　/　//　/　//　l 　　　 /　l 　 l　　ヽ　V|　l　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　ヽ/ハ　/　//　/　//|　l l 　　 / /ﾊ　 |　　ﾍ　V　l　　　　 /
　　　　　　　　　　　ハ　l　!　 /l ./　// | 从　　 / /l ハ　 |　　 l　ハ　l　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　 /　ヽ| ﾊ　ﾚN |//￣ |ﾊ l 　 / / /ﾉﾆﾊ .| |　 | ﾊ　i　l i　　 /　 V
　　　　　　　　　　　　　　　i!　） i!lｲ示≧ミ､iﾊi　 /ノ/ｲ弓示ﾘア　/　 .リ　l i　　/　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　/Nl　lヽSゝﾂﾚ　 `ｿ　　ゞﾆ=ﾂ'| ll/ l| 　l i　l i　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　 / /l　 lﾍヽ￣　　　,　　　　　￣　 l /　 l|　.| i　l i　/ 　 /i
　　　　　　　　　　　　　　 / / .|　 l介､　　　､　,　　　　イ/l　 l|　.| 　 l i.　　./ |
　　　　　　　　　　　 / /　 |　 l /　＞､　　　　　,　＜´// |　 l|　|l　 .l..i　　 /　|
　　　　　　　　　　　　　/ / .__/ﾉ　/‐‐-=ﾆﾆ _＞-n＜j　ゝ//.__|　 l| .lﾊ　 l i 　 /　/
　　　　　　　　　　 / //　/　//l 　　　イゝﾆﾆﾆﾆﾆγ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　 ./ /　 ./　// .|　　　ム{}{}{}{}{}{}{}{}|　　　あの二人は、いつも私の度量を買ってくれています　　 .|
　　　　　　　　　　／／　../ ／/|　|／|W＿＿￣￣￣.ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　／／　　 /／ / ／　 l__---＜　　　乂//　　 .ﾍ .| .| 　 | |　/　 /
　　　　　／／l　　　./ ＞＜　　／------､＼-､　/　）　　 {=}| ヽ Y ﾍ |　　 ∧
　　　 ,〟= ﾌ /　｛　　､ l_/　　　　ヽ‐-､-‐=ニ　　 | （//　r‐‐' <|　ミ |　ﾍ|　　 / /
　　　| | ／　/ 　ヽ　＞'　 l　ﾆ‐　　　　 >ﾆﾆﾌ∧__／￣|ノ＿／/ヾ､　| 　ﾍ　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　y／／　　 /　/　　　､ヽ　　　　l--‐'l　　　　 /　｝　 ./ ヽ　 .|　　.|　 |　　ああ……、山濤さんはお美しい　　 |
　／ﾄy／　　　/／　　　　　|　ヽ､_ﾆ='´ヽ___l　　　　　｝￣　（　　ヽ /　　y　 i ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　ゝ､／ﾉ　　 /,　　　　　　_人　　 |　　＼　　　　　　　＼　　ヽミ /　　/　|　|.　ﾍ　V
　　/　/　　r'´　　　　　　/ﾐﾄ､＿＿＿／　　　ヾ　￣　ヽ＼　く　 / ,ﾆ=|　 .|　|.　ﾍ　V

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　山濤は当時の著名な名士として必ず名が挙がる。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　あなたは物事のすべてに通じ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　寛容で物事を訝る事の少ない人と評したのは嵆康である。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　嵆康・阮籍とは親友であったし、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　司馬昭からの信任は厚く、、その腹心の裴秀・鍾会とも仲が良かった
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

507 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:49:54.95 ID:4BYC2B7Go

　　　　　　 _,. -‐'"_,.-‐'⌒ヽ/⌒｀´ヽ⌒ヽ、
　　　／￣｀ヽ,r一'　　　　,ﾍ,,∧　　　＼〃}
　　 i=＝ﾆニ/,　/〃　 / |｀ ▽ |ﾄ､ l　　ヽ_l
　　 {__,　　 ] |　| | |_!_｣L|　｡　,!| Hﾄ | i ﾄ､>、
　　ヽ_｀ｰ-'i　l　l_!ﾊ |　ヽ!　　　　j∨ﾚ l/　ヽ>　　　　 .お父さん、これから大事な用で都へ行って来るわね。
　　　 l二ン{ ﾊﾄ､!_,ゝﾆ,_　　　〃⌒{/
　　　 /　/　ヾﾆlヽ|　´￣｀　　　ヽ　　!|　　　__　　　　 .もし私に何かあったら、
　　　｀ﾌ´　　ﾊ l|　ヽ　　　　r‐┐　／ヽ　 / /　　　　うちにある蔵書持って山濤殿の所へ行きなさい。
　　　 /／　/ ゝ|　　ト､＿　ヽノ／￣ﾌ ∨ /
　　 /'　　/　「l 　ヾ￣｀i|‐-r'´　　/ __/ _{__　　　　　山濤殿ならきっと面倒見てくれるから
　／　　 /　 _｣ |> ﾄ､|　　l|｀Ti|　／r' ノ/ ___}
／　／ /　〃⌒ヾ、ヽヽ〃　L|　/ﾆ } 　} /____}
　 /　　| l/　　　　ヾﾆ=ﾃﾊ //　＼ヽヽﾊ Lr- j
　/　　ﾚ　　　　 | |_l_l 〉/　　　ヽヽト､____ノ
　|　　　|　　　　　　 !l 　 //　〃ヽ　 |　　　　＼　　　　　　　　　　　 ..:: ,: : : : : : : : :' : : ': : : : : :': : : : : : ヽ: : : ヽﾐ､:::＼
　ヽ　　 l　　　　　　 l|　//∠_　ヽ〃　 >､　　　 /　　　　　　　　　　　..::, : : : : : : : /: : /: /: : : /: : : : : : :}: }: : : : ｌﾐ､:::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::, : : : ': : : :/: : /: /: : : / : : : : : ': :|: l: : : : |ﾐ:}:::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :,:: : /: :斗/-‐/‐/-: :.ｲ. : : : : :ｲ-‐ｌ‐l-: : : }::ﾉ／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :: ::/|: : : /: : /: /: ／/: : : :/: /|: :/:/|: : : :/ !::::::::::/
　　　　　山濤様ですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::/: |: : / ,ｘ≠ミｘ　./: : : :/: /x=ミ/ .!: : :/: :|:::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/: : !: /Ⅳ　,_ﾉ/ﾊ /: : ／／,_ﾉ/ﾊ　,!.: :/. : :|＼{
　　　　　お言葉を返すようですが、　　　　　　　　　　　　　　　　　､: : |/: | 　弋//ｿ/::／／　弋//ｿ/:|: /. : : :!
　　　　　お父様と山濤様は絶交していませんでしたか？　　　　　｀ .|: : |｀ ,:,:,:, ／／´　　　 ,:,:,:, /: :!/|.: : : :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿|､___／ ´　　　　 '　　　,ｲ: : :| .|.: : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : ￣＼　　　　　σ 　イ: :|: : :| .|.: : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : | __,ノ＞　　_　　＜__|: : !: : :! .!.: : : :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r‐‐'!: : !:ヽ　　　　　　　　　 l: : |: : :| .|.: : : :|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　孫盛『晋陽秋』曰く。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　「心は広く度量は大きく、世俗の外に留意し、時勢に逆らわず世間に対し、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　人々が悩み苦しむ時も浩然とした度量を持っていた」
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　嵆康が『与山巨源絶交書』の一件があったにも関わらず、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　山濤に息子を託したのは、そうした彼の人間性を認めていたからだろう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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508 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:52:18.61 ID:4BYC2B7Go

【紀元２８０年頃　晋首都　洛陽】

　　　　　　　　　　{〃（_（_r‐Y⌒Y⌒⌒＞f⌒Y　Y._）
　　　　　　　　 / /　／ﾞｰ'ゝ=○O=（__）（__）ｰく._））
　　　　　　　　　/ /　/ ／　 / |　　　　　　、　',
　　　　　　　 i./　/ ///l_,ﾑ-|l､|l　　!,.|‐ト|l | ＼ i
　　　　　　 /l! ./ｲﾊ| | |,r≠xＮ|、从ｨ≠ｘ|.| l|ﾊ||
　　　　　　　 / :l| 　 |　l从!　ﾋｔﾀ　　　ﾋｔﾀ从ﾘ　ﾘ
　　　　　　　ｆ　 !l 　 |　　| ﾄ､┐　　 '　　　rｱ| | |!
　　　　　　　| ./|ﾊ　 ! 　 | |　|`　 ._‘’_. ィく　| | |!
　　　　　　 j/.｜iﾍ｜厂| ﾄ､j〈勺辷Y戈ｳ_}_,! !_ヾx、
　　　　　〃　 |｜ V　,小!ｲ勿⌒にｉｺ⌒j勿/|　　｀＼
　　　　／/　　 ,! | /　 { ,| |　　,.へ.{{ }}　　ｆ' 小、　　} ＼
　　　/　/　　 /ﾊ.厶ニﾑ.! !ﾆﾆ| ⌒ｸYニニ{ｲ}.|ヾニﾆﾑ.　ヽ、
.　　/　/　　 / |/:{　　　 Y}　_,!　　 ,ﾊ.〉　〈iｆ｜　　　/　　　i}
　　{ィ/　　 /　.!　ﾊy′　ﾘ/__＼__,ﾊ-{　　 jﾊ.'　　　　　　　　　　　　　　　　 . . . :⌒>‐ヾi ー--. ､　__ 「 r′　
　 / /　　 |!　ﾍ{　ハ/　入{r}}　　 /ﾄﾊ　､＿ｆ　　　　　　　　　　　　　　／: :／: : : :／: : : : : : : : ＼ﾒﾊ'⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:/: :/: /: ／: : : : : : : : ＼ : : ヽﾒﾊ : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　 /:/: :/: / /: : :／i /ｉ|:ﾄ､ﾍ: :ヽ: : :ヽﾒi: : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /l l: : ｌ: :ｌ /: ／:／/ ｌ:|:|ハ: iヽ: ﾄ､: : ｌｌ : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲlﾊ: :l: :l:ﾑｲィノ:/ /:ﾊl､: ｌｌ: :ｌ |: l: : lﾘ : : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　l|　ヽl: :l从ｌ「it､/ //- l Vリ : l |: l: : lヽ: : : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 Vｌﾊハﾋｿ／/　'戊心i> ｌ |: l: : l　ヽ: : : : :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉ﾊ: ｌ／　/　弋zソ　/l/:/! : l　　ヽ : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　 / /イ:ﾄ　､　　 "" ｲ /く :l: : lヽ　　＼: : :'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /:::::l::l､_＼__｀,.　イ /:/〃l l: : l､: ＼　＼: :'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／r─ ｧＮ:|:::／i:|r=＝/:/､ lハl : :l: :＼＼　＼ '.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　／: /l ﾟ　ム l:ｌ:|/ﾄﾄl::|､__ /:/l/　　〉､ l: ＼＼＼　＼'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : l:::l ｡ ri- ｌ:ｌ:|ヾiV/_,. /:/.:丶　 /　｡＞ミ　ヽヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ : : イ: Vﾊ　ｌ:!　ｌ:ｌ:|__//　 /:/　＼ ∨。／.ｉ:ｉ:ｉ:| ＼ l:l｀ｰz､

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　実際、友から託された嵆紹の面倒も見て、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　後にその出仕を司馬炎に働きかけて実現させている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　嵆紹の人生を切り開いたのは、山濤であると言っても過言ではない。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　嵆康・阮籍とは違った意味で、一本筋が通った人物だったのだろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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509 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:53:35.80 ID:4BYC2B7Go

　　　　　　　　　　／　　　 /　/ /　　　　　　ヽ　　　　　＼　|　　　ヽ
　　　　　　　 /　　　 /　 /　| 　　　 | |　|　| 　 l　　　 V 　　　ヽ
　　　　　　　　　//　/　/　|　〃　| |　　　　| |　|　|ｌ　 |　　　 !　　＼　 !
　　　　　　　　 /,'　 l 　|　 ||　ﾊ　|| || |　　 //| j|　||　j||　 l　 |│ 　　　＼ |
　　　　　　　　 |ﾊ　 ||　|─||十ヽ￢ト||　　///ナT Tフ厂/　 | ﾊ.　　　　 |
　　　　　　　　ｌ! ヽ ||　ヽ十rﾄr〒=ミ!ヽ∨　〃ｨ_テTヾ|z/　 j/| ヽ　　　 |
　　　　　　　　　ヽﾄ､　ﾄ､|｀ヾ:::::::ﾉ　　　　 {:::::::ﾉ　ﾚ/　/〃　ト、　　 |
　　　　　　　　　　　＼＼| ト-､ "´　　　 i　　　￣r‐ｲ/∠.ノ　　 |　＼　 |
　　　　　　　　　　　レ|｀､　ll 　　　__　　　　〃 ,ｨ　レ'´￣｀ヽｌ　　ヾ､j
　　　　　　　,　'´￣￣ヽ|　|　＼||　　　　　　　　〃／ |　|　　　　　＼　　 |　　　　　　　　　　おしまい
　　　　　／　　 rｔ─ ､レ1入ゝぅ丶､　　　_, イフﾄイ.j　ﾚ─ ､　　　　｀､　|
　　　　／　,　-‐┤　＼＼|＿__Yし⌒V丁l⌒し〃rイ　 |　　　＼　　ヽ |
　　　/　／　　　 |　　　　　　　 __｀` ￢-⊥r┴一⌒トv'　　　　＼　　 `、
　　./／　　　　／＿＿　　　」-┴ﾍ　　　｀ヽ､　 |V／＿　　　　＼
　 /　　　　 /　　⊂ﾆ⊃　　|, イ　「　　＿＿　　ヽ//／　　　　　ｈ　　`ー‐
　 |　　　　　 /　　　　　　　 └┘　⊂ﾆ⊃ 　　 |　　　　　 | |　　　／
　　｀､　　　 /　　「ヽ　__　　＿___　　　　　　　 /　　　　　　　 | |　／|
　　　〈／　 l　　ﾚ⌒ヽrイ二ヽ__　　　　　　　_r‐┴一　　　　　　/, ｨく　 j
　　　/　／|　　 |　　　＼ｨ　　　ヽ　　　rｲ⌒ヽ　　　　　　　 /　　ヽ∨

510 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/07(日) 00:54:04.73 ID:4BYC2B7Go

【第三十九回　蜀の滅亡・其の壱に続く】

新規CAST

～魏～

●唐彬（とうひん）　美国織莉子（魔法少女おりこ☆マギカ）
●呂巽（りょそん）　マリオ（スーパーマリオブラザーズ）
●呂安（りょあん）　ルイージ（スーパーマリオブラザーズ）
●嵆紹（けいしょう）　アインハルト・ストラトス（魔法少女リリカルなのはViVid）
●向秀（しょうしゅう）　ミルフィーユ・桜葉（ギャラクシーエンジェル）
●裴楷（はいかい）　西沢歩（ハヤテのごとく！）
●阮渾（げんこん）　明石薫（絶対可憐チルドレン）
●嵆喜（けいき）　タクト・マイヤーズ（ギャラクシーエンジェル）
●韓氏（かんし）　ノーマッド（ギャラクシーエンジェル）

511 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]：2012/10/07(日) 00:55:45.81 ID:HvJemiSYo

乙です

とりあえずノーマッドの懐かしさがやばい

512 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/07(日) 01:00:47.05 ID:ZY5jEqpwo

乙

513 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/07(日) 01:01:27.48 ID:Mv3GSWSVo

お疲れ様でした。
山濤は、政治的には七賢では一番の大物ですね。

演義にもちゃんと出ているのに、なんでコーエーは出さないんだろう。

514 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/07(日) 01:01:32.35 ID:3QdBYVrIo

乙です。難しいことは考えず、ランファ可愛いでいいと思う。
魏の人材多すぎてついて行けないｗｗ

515 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/07(日) 06:19:59.08 ID:3gwmVRtR0

乙でした
山濤の評価が低く見えるのは、放達な隠士を尊ぶ風潮が影響してたんでしょうかね
世説新語あたりも、その傾向が顕著な気がしますが

516 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/07(日) 15:17:41.74 ID:DxcKWZMb0

お疲れ様でした。

一晩中見続けられる男3人が酒盛りしてる様子ってどんなんなんでしょうね。

517 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/08(月) 15:40:01.27 ID:t8iKz1Dno

【「やる夫が正史を書くようです」反省会会場】

／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::jヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::X／ﾍ
::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::∧ｨﾚ､::',:',
:::::::::::::::l::::::::::l:::/彡 ':::,'　',:ｌ ,､!::ﾄﾐ､
──‐.i==＝|7::::／⌒　　l! l!Y:l　ヽ
￣￣i::ｌ:::::::::::|レ':::／==　 |　i! !j 　 |　　　　　　　　>>496
:::::::::::l::! ::::::',:|::::;ｲｹ￣｀　/　｀､ﾐ､　　　　　　　　　この時代の士大夫なんて変人ばかりなのよ。
:::::::::::｀|:＼::::Y´i!:::!｀ﾊ　　　　 |￣
:::::::::r‐',::::::＼',ﾍ弋::ノ　　　　　　!　　　　　　　　　だからこそ、『世説新語』なんて代物ができちゃうわけで……
:::::::::l⌒V:::::::::ﾄ､ '''''　　　　　,ｨ /　
:::::::人ｰV::::::::',.｀ｰ　　　　　　/　　　　　　　　　　漢の時代の士大夫より面白みはあるけどね
:::::::::::::＞',:::::::∧ ＿＿　__　ｨ__
!ヽ::::::::::::∧:::::::::', 　 /´!:::::// /
!:::|∨:::::::::∧:::::::::', /　 !::::ﾚi /｀i
!:::|::∨::::://≠::::::::ヽ　 !::::| ´/ ,｀Y
!::::::::∨:/／　＼::::::＼ｌ::::ﾄ. ｌ / ./､
::::::::::::／　　　＼:::::ﾄ､:| i ｀i_/ｉ |

>>452 >>493 >>494 >>495
阮籍の真意に関しては諸説ありますが、
少なくとも、単純に「権力に抗って、司馬家の支配に抗って云々」というわけではないと思います。

>>513
七賢で一番まともなのは山濤さんじゃないかなと。

>>514
ああ……、ヴァニラさんはお美しい。

>>515
山濤は老子的、嵆康・阮籍は荘子的、見ててどちらが面白いかと考えると後者のような。

>>516
嵆康・阮籍→酒飲みながら詩を歌い続ける。
山濤　　　 →それ見ながら黙々と酒を飲む。
奥さん　　 →こりゃ勝てない。

518 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/08(月) 15:40:54.85 ID:t8iKz1Dno

:::::::::::::::::::::::::::::::　:::::::::::
|　　　　≫'"´　　＼ヽ-､〉:|
|／＼／￣　　　　 --Ⅵｰ|
|:::::l ::|/＿￣｀　　´￣ |:::|::|
|:::::|:::斤::::卞　　 'T::::ｶ|:::|::|　　　嵆康・阮籍について調べるうちに、
|::'^|:::| ヒcｿ　　　ﾋrﾘ ::::i):|　　　この時代の老荘玄学の徒は一種の厨二病患者ではないかと思うようになった。
|::ゝi: i│　　　　　　　/:::ｉ:::|
| :::::ｉ:::::ト　　　-　　イ:::::i::::|　　　旗頭たる御仁からしてこれだしな
|:::::::i:::::|::::/`L._爪::::/::::/::::|
| ::::::|:::::iﾍ／{_}＼/'7:::/、:::|
|:::／|:::::|/　/｢ﾄ､ Ⅵ:::ｉ　ﾊ::|
|::|丶|:::::|／| |｡| |∨|:::|/　l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : /: : /: : / : : : /l: : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　 /: l : : /: : /: : /: /:/:/∧:l: : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : ! : /: : /: :/: ://l //　l:|＼: :!|: : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':/: :l : l : ://:/l: ｲ//,l/＝ｷi≦V | : : : ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲ: | | : |: :l/!/=l'､l'/´/,.ィ彷ｒ） 7:/: ﾑｌ:ﾄ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,': ,ｌ l: : ∨ｒ忘外　}　　￣￣　//: /) }从
　　　　とはいえ、我々が後世に与えた影響は計り知れんぞ。　　　　　　l:/ |:l: ､: ヽ｀￣　〈　　　　　 //: /.ン:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l′lﾊ : ＼＼　　　　＿＿,./ｲｨ/彳|l l
　　　　良くも悪くもだが　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′!: | |:ヽ‐ヽ　 ´-‐一　　 /ﾍ: N州
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/l/|:l､_､:＞､　　　／,. -ﾍl 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　' l／| ヽl: | ｀ ‐　'´　〉 __l　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.|:.:.:.|∧　　　　 /彡,:.|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:_ｊ.:.:‐￢l　　　 , ゝ／.:.|　　l-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.へ　:.V＾ゝ　　/ / /.:.:.:l　 /⌒'ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-―/／　　ヽヽ‐.　ｒ‐/ /.:.:.:.:.! /:.:.:.:.:.:.:.

519 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/08(月) 19:15:43.34 ID:/ClzVQhR0

返信乙でした
何晏ｗｗ

520 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/10/08(月) 19:25:28.71 ID:aUfLJWrNo

それを言うと、儒教も老荘も創始者はよくわからなかったり、アレだったりするしなｗｗ

521 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/08(月) 19:51:04.39 ID:867u4e81o

厨二病じゃない宗教があるだろうか？いや、ない（反語）

522 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/09(火) 07:40:57.08 ID:fJ151zGO0

変人ばかりってアンタが言うかｗｗｗｗｗｗ

523 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/09(火) 11:01:25.09 ID:/4yNIrFio

既存の常識に反発するのが厨二病なのだとすれば、どんな思想も成立したときはだいたい厨二病なんだろうな
盗んだバイクで行き先もわからないまま走りだしたり教室の窓ガラス全部割ったり

524 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/09(火) 20:28:28.67 ID:DCMbYT4K0

この老荘思想に、東晋十六国以降は仏教も入り込むんだよなあ
とてつもないカオスだ

525 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/09(火) 23:25:43.08 ID:jJtVgBkjo

でも南北朝の仏教&老荘の人ってクレイジーっていうよりフリーダムだよね
葛洪とか陶弘景とかだけど

526 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:42:40.98 ID:XpO61CRro

【おまけ】

　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　 ,イ:. :. :. :. :. :. :. :. .､
　　　　　　　　／:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : : ､
　　　　　　　 /:. :. :. :. :. :. :. :. :. : i:. :. :. :. :. :ヽ
　　　　　　　,:. :. :. :. :. :. :./:. : : : l' ､:. :. :. :. : :ヽ
　　　　　　 ,:. :.i :. :. : : : /!:. :. /! !　ii､: : ヽ:. : : '.
　　　　　　 l: : l:. : : i:. :/_l:._:_/ｲ:.!　 !_'.: :. '.: :i:. :l
　　　　　　 l: : l:. : : ll /　l: :/　l/l　 j　j:ヽ:l : ll : l
.　　　　　　l:. :r! l: : ll/了不　 '　　 ,r‐弌':l: /!: :l
.　　　　　　!:. :!l :ヽ: l `弋ﾉ　　　　　lr'j '/ヾ': !､:l
　　　　　　l: : `!:. : `l､　 ~　　　　 `' /:. :l､l､/|
.　　　　　 l:. :. :l:. : : l　　　　　　 `　　 ,':. :. ! l ' j
　　　　　 l: :l:. :l:. : : lヽ　　　‐- ‐　／:. :. :l j
.　　　　　!: :l:. :l:. :. : !､　＞　＿　イ: : l:. :. :!'
　　　　　!: :ll:. :l:. :. : l　ヽ　　.'ヽ: :/!: : !:. :. l
.　　　　/: : ll／l : : ll:l､.　 `ゞ'､l.ヾ､l:.:/!:. :. !
.　　　 //!／　 l:. :. ll:l '､　/〉'/R､ヾ､ !:. : l
　　　ｲ-'´　　　l:. :. l l!　V/ l'　! l,ヽ　`!: : l
　　 {| ＼　　　 !:. : l l!　〈　l ./! l'. 〉　.! : l ､
.　　l　　ヽ　　　 !: : lj:!　∧'.ｲ !､l./`7 !: :l　l}
　　l　　　　V　　 l: : ´:l　　ヽ'l l l ! ./　l: :l　l
　　!.　　　　',　　　!:. :. l ＼.　l l l､l/　　!:.l　!

　　　　　　　蜀　尚書僕射　諸葛瞻

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　諸葛瞻、字を思遠。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　蜀の丞相諸葛亮のただ一人の実子である
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

527 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:44:44.96 ID:XpO61CRro

【紀元２３４年頃　蜀首都　成都】

　　　　　　　　　　　　,..::.--.:.:.…..‐-.､　　　,
　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:≧≠-‐‐,
　　　　　　 , ':.::.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.i
　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　_,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..;.':.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:ﾘ
　　　　　　ｫi:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:;i:.:.:.:.:.:.i:.:i
　　　　　ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:./:.:.: /:.:l.i.:.:.:.:./V　　　　　　「武郷忠武侯」
　　　　　　　　V:.:.:.:.:.:.:i:/ i :.:.:.:/ i:.:./:./:.:!.:.:.ｲ
　　　　　　 V:.:.:.:.:.:.:ヽi:.:.: /　i:./l/l/i.く´　　　　　　　　それが俺が丞相にしてやれる贈物だよ。
　　　　　人/ﾍ￣´　i:.／　 .i;'　　　 _〉
　　　　／::::::::::ヽ＼　 '　＼　　　 /　　　　　　　　　　お前は今日から武郷侯を継ぐんだ
　　　／::::::::::::::::::::ヽ.　＼_, -'´ `　ｰ'
　　 /:::::.＿:::::::::::::::::::ﾍ　　.>ﾊ
　　/::´:::::::::::::｀:::.､:::::::::ヽ／￣}
　 ,::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ﾊ　　|
,:!:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::ﾊ´¨|､
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::i.　| i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 -───- ､
　　　　　　　　蜀　皇帝　劉禅　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::＼:::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::/::::::::/{: :｛:::::::::::'::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 /::::::!::::::!:::!　!::::!:::::::::::!:::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ::::::!::イl:::!　 l:::i:メ:l:::::!::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::::ゝﾔ=x 　　 x=ｧ V:|::::::|
　　　　　ちちになりかわり　へいかにおつかえもうしあげます　　　　　　　　 .i::.|::ﾊ.　ﾋｿ　　（ｘﾘく|:::|ヽ::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::|::i　　　'　　　　 .|:::|ﾉ:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::|:::ヽ　　ワ　　..ｲ::::|:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::|::::|:::{＞　r‐ 七｝、|:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::|::::|　/ {爪く_/　　｀＼:|

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　八歳の時、父が五丈原で世を去った。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　それにともない、父の爵位である武郷侯を継いでいる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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528 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:45:59.13 ID:XpO61CRro

【紀元２４３年頃　蜀首都　成都】

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ、:::::l
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::! ';:::::i
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::／ヘ|::::::::::::::::::::::::::!　';:::l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ |:::::／　　 |:::::::::::::::::ﾄ::::/ 　 !:!　　　　あー、そろそろ諸葛瞻の嫁取りを考えないとな。
::::::::::{:/:::::::::/::::::/　　 !::/三三三|::::/ﾚ:::::/ |/ 　　ﾘ
:::::::::::i:::::::::/ |:::/　　　i/　　　　 |:∧　|:/　′　　　　　　　　だが、丞相の息子に見合う相手となると……
:::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　ヽｿ
:::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼　
:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／
:::::/　∨　　　　　　　　　　∠二 7 /
／ﾍ　　　　　　　　　　　　　　 , '　　
＼　＼　　　　　＿　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐､／. ﾉ: : ´￣: : : z ‐-ミ
　＼　＼　　　 /　　｀　ー - ′　　　　　　　　　　　　　　　　 | ,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　＼　＼__ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　￣＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : :/ : : : / : /v: : : : : : : : : : : : :V＾Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.: : :.: :.ｉ: :_:/_ｉ: :/^^Y:.ｉ: : : i: : : : : : :/　 j／⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノイ.:.: :.i:|´Ⅵ: |{:.|　　|_:|_: : :| : : : : : :{　,. -―く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:|{: : :从x=ミ八{　　j/}: :｀ﾒ､: : !|: :八/ ー‐､:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: 八 : |〃ん心　　　 =≠ミ　}: 八: : :{　　／: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |{ : : Ⅵ゛ V:(ｿ　　　　ん:::心j/: : : : :,ゝ-く　: : : :.:i
　　　　　陛下の御息女しかおられませんわ　　　　　　　　 .八 : : i　　｀　　　　　　V(ン " }ノ-､:/: : : :|　|: : : :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :∧ : :.　　　　 ′　　｀　　 _jく　} |: : : :|　|.: : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　／: :.／　 Ⅵ: 、　　　　　　　　 t_ﾝ／　!:.: :.:.|　: : : : :.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / : : /　　／: |: :ヘ　　`　　　　イ｀¨´　　 |: : : :|/: : :∧: :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 / : : / 　 /: /:.:| :{　　　　_　　＜ノ＾i　　　、: : :|: : :/　 }: :i: :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{: : :/ 　 / :/.: :.|: :.｝　 /:ﾉ}__,.　 ´　　ﾄ､　　　）: : |: :/　　,: :.ﾄ､ : : :.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　侍中　董允

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　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　十七歳で公主と結婚して騎都尉を拝命。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　翌年羽林中郎将となり、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .次第に射声校尉、侍中、尚書僕射と昇進、軍師将軍の位も与えられた
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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529 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:47:17.15 ID:XpO61CRro

【紀元２４５年頃　蜀首都　成都】

　　　 /: : /:: : :./: : : :.!:: : : !: : : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : : |: : : : :|: : : :|: : : | ,: : : ',: : ::ヽ : !
　　　|: : |: : : : : ,,=''".＼: : /|"''=:;,ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /" _,=､ | :/　|:./,=､Ｖ: ..|:.: : : | V　　　　　　　　　ほらほら、お爺ちゃんでちゅよー。
　　＜ : _: : : /　 ((;･.,;)|/　　ﾚ((･.,;) |:./ ヽ: : |
　　＜:: |. 小{　　￣　　　　　￣　　ﾚ{: :.|ヽ:|　　　　　　　　　　　prprしてあげるからこっちに来なさい
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　､　　　　 {ﾊ/　／⌒ヽ_ノ） ) ）
　　　　　＼_!　　　　　　＿ '　　　　 !!　　 ,'　;'⌒'ー''´
　　　　　　　ヽ　　＼ｰｪｪｪｪｧt　　／　　 |　i|　　　　 (⌒)
　　　　　　___,ｒ| ＼　､＼＿｀ヽ／　　　ﾉ ,'.!　　　　ﾉ ~.ﾚ-r┐､　　　　　　　　　 iミ　､　＿__
　　　　／:/::::| ＼ ::::: ＼＿｀＼　＼'、　.／ //､　　ノ__　 |　.|　|　| 　　　　　　　　 {　)／　　　　 ≧＜￣ﾉ　　　＿__
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧.＼､_＞'´　ノ'´ 〈￣　　｀-Lλ_ﾚﾚ　　　　　　　　 }/　　　　　　　　 zﾍ. /　r　´　　 _,_ヽ
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /"''-　 `ｰ一''´　　　￣｀ー‐---‐‐´　　　　　　　　　 ,i　　/ {　　 i、　　そﾍﾐ､＞ { こゃめ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }} r/‐トi　 , | ヽ.　 /　 }! ヽ⌒ヽ. ＿_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小/､ i , | ∧{ ⌒i　{　i ハ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,} } （__) j/　　i / V　{ﾉ　 V　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//| {　　　　　 (__)´}　|）　　ヽ.　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /{′|人　　　ト-ｧ　イ /　　　　ヽ Ni、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ r⌒i､　 /７ァ`チ　/メ　　　　 (⌒ヾﾄ i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　}く_人ヽ'乂〈/}i》 r‐y}_ﾑ　　　　ヽ　}! }!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ,/　　　`'　　}　　　て,　}ﾆヽ　　　　 }. }| |{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ/　　　　　　廴　　　‘ｰ' ＼～ミ､__ノ八j }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}′　　　　　　ノ＞ ┬ｰ＜´ ＼｀¨¨´　　}N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈{　　　　　　　ヽ,/　　〈　　　>_ノ´　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒～jf⌒ｰくヽ.　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(ヽﾘ　　　とﾌ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　諸葛瞻の子　諸葛尚

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　なお、軍師将軍は諸葛亮が丞相になる前についていた将軍職である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉禅の諸葛亮への思慕、若き諸葛瞻への期待が垣間見える
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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530 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/19(金) 00:49:07.54 ID:t+rXjY6Fo

投下！？その顔ヤメろｗｗ

531 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:50:12.40 ID:XpO61CRro

┌───────────────────────┐
│　　　　　　　　　　 !! .|| .ｌｌ　ｌ|　.ｌｌ　ｌｌ　`'ヽ、　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　.iｌ ,ｌｌ .ｌｌ　.ｌｌ　ｌｌ　.ｌｌ　'ﾆｿ　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　|ｌ .|| .ｌｌ　.ｌｌ　ｌｌ　.!!　　　|　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　||.亠''。'''冖‐ｰ..!L　　...|　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　 1__...､-,,..---......,,_　`''､」　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　 |′　 ´　　　　　 <t.._ │　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　 |,ｰ､.,_　 _,,..-ｰ､　!|::｀│　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　:ｌ|.i刃〉　｀「i刃~′.|厂ｌ:ﾍ　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　 .i. ｀ !　　　￣　　.ｌｌ　.!::.ﾊ　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　i　〈、　　　　　　ﾃ‐{:::::.ﾊ　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　.ハ　tl----4'、　ﾉ　_ｻ'、::|　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　八::ﾍ　－　　｀　, '...//:::::∨　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　ﾞ'仝,,_..、 __..／　//:::::∨`ｰ､__　　　　　......│
│　　　　　　　_,,..-‐f⊂ﾆｻ!ﾆﾆ⊃//::::::∨　　　　｀''ｰ-　　......│
│　　　　 _..‐" 　　/:::://f|.||　　 //::::::::/　　　　　　　　　　　 .│
│　　　 .∧　　　 ∧::.ｌｿｌ! |!　 ././::::.∨　　　　　　　　 .　　　　│　　　　　　　　／: : : :ﾊ: ﾄ; : : : : : : : :.ヽ
│　　　/ 　　　　.,':::../ｌ ..|| || ,/ /:::::::/ 　 __..、　　　　..∧　　　 │　　　　　　　 ./: : : : ﾑ　l:.トヽ: : : : : : :l : :,
│　　∧ !　　　..∧::.!｛.. !+冖''''￣￣￣￣　'、　　　　∧　　......│　　　　　　　/: : : : / 　ヽ!, x=ﾐﾘ: : : :.|: : l
│ j'''´　 !　　　 .|::r''"　　　　　　　　　　　　 .ヽ　　　 .,'　　　　 .│　　　　　　　i!|: : :{ｬ;㍉　　 i{ぃ;!ﾙ: : : :ﾄ; :.|
└───────────────────────┘　　　　　　　 l: : : 代::ﾘ　　　ｰ ' |: : : :ﾘ: : l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾊ:,､ﾊ　　｀　　,　　|: : : :l : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: ゝ　｀　　　　|: : : :l : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : 个､　＜|: : : i! : : |
　　　　　　　　　　　どうだ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : :.l: : :」　__.」: : :.l: : : :.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : :ﾊﾉﾍ「ヽ　|: : :.l≧-､:l
　　　　　　　　　　　私が描いたんだぞ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : i´ ,介｀y´l: : : ﾚ' ⌒ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rﾘ: ノ〃ﾘ／　|: : : |　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 y／　i{ xｨ′　 l: : : :l　ヽ_　｀l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　~　　　 |: : : :l　　　　　ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　「書画が巧みで記憶力が良く、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　蜀の人々は諸葛亮を追慕して、皆彼の才能を愛した」
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .陳寿は諸葛瞻についてこう述べ、その様子についても紹介している
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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532 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:51:18.08 ID:XpO61CRro

【紀元２６１年頃　蜀首都　成都】

　　 ∩＿＿＿∩
　　 | ノ　　　　　ヽ
　　/　　●　　　● |
　 |　　　　( _●_)　ミ
　彡､　　　|∪|　　､｀＼　　　　　　　　ニュースだクマー！
/　＿＿　ヽノ　/´>　 )
(＿＿＿）　　　/　(_／　　　　　　　　.今度趙雲将軍にも諡号が追贈されるそうだクマー！！
　|　　　　　　 /
　|　　／＼　＼
　|　/　　　 )　 )
　∪　　　（　＼
　　　　　　＼＿)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　　これはきっと諸葛公がなさったに違いないと民衆Aは断言します　　　　　　 .|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　丶_ノ　　 ..ｲ:i : :/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . ＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　//ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'

533 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:52:18.86 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|　　　　　　　　　さすがは諸葛瞻様！！
　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　　　　　|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜　　　　　　　　.丞相の御子息に違わぬ
　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　丶_ノ　　 ..ｲ:i : :/⌒i　　　　　　　素晴らしい御方と民衆Bは賛辞を贈ります
　　　　 . ＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ/　 /
　　　　　　/　　//ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
　　　　　　ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／─ 　　─　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　（●）　（●）　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　（__人__）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼. 　｀⌒ ´ 　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　!::::　　　　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿|::::　　　　　　ﾍ　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::　　　　　　＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ:::::　／　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｷｭﾑｷｭﾑ　　＼: |　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ＼＿／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　散騎黄門侍郎　陳寿

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この頃、蜀の朝廷に善政や慶事があるたびに、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　諸葛瞻が言い出した事でなくても、人々は「葛侯のおかげ」と言っていた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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534 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:53:21.83 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
/⌒)⌒)⌒) :::::⌒（__人__）⌒:::＼　　　　　　/⌒)⌒)⌒)　　　　　ってことがあったんですおwww
|　/　/　/　　　　 |r┬-|　　　　|　　　(⌒)/　/ / /／
|　:::::::::::(⌒).　　　 |　|　 |　　／　　　ゝ　　::::::::::/　　　　　　　　実際は何にもしてないのにwww
|　　　　 .ノ　　　 |　|　 |　　＼　　　/　　）　　/
ヽ　　　　/　　　　　`ー'´　　　ヽ　/　　　　／　　　　　　　　　あれはもう何かの宗教ですおwwwww
　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l 　　　バ
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､　　　ン
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))　バ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　　/　／　　|　　　　　　　　　　　 '.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 ./　　　/　 /　　　/!　　　　　＼ヽ |　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　 /　 /_＞＜､ ',　|　| ＼　 |　:!　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　/ |　 | r㌃ﾃﾐヽl l!　!ヽ_...斗　|　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 N／ /|　 |. 弋Zｿヽ. Nヽ≦ｭﾃｧ.＼| /　/
　　　　　　　　　超人気者ですからね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠/ ﾊ |　ﾄ､`ｰ　　　　弋ソ＼＼ヽ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /| ハ　! 　　　　　 ,　　ｰ' ∠.Xヽ.X
　　　　　　　　　諸葛瞻殿は　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ / .ﾚ|　|　ﾄ.、　＿　　　　∠ ／ Xゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　从ｊ　:|ﾍ＞ ` ﾆﾞ　　＜／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人l　　／N/　＼　　}ｒ　ヽ/ .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .. ＜　　＼　　ヽ/　　 |:|乂､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ　　　　　　　＼＿Y＿／　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧ﾊ　　　　　　　　　 {　 }　　　　l!　ハ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　尚書　文立

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　後に陳寿は『三国志』にこう書き残している。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　 .
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　「このために素晴らしい評判が満ち、彼の実質以上であった」と
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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535 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:54:11.45 ID:XpO61CRro

　 /: : : : : /: : : : : : :./: : ／: : : ／:;ｲ: : : : : : : : : : : :.!
　 |: : : : :/: : : : : : :./: ／: : :_:彡 '"/: :/: : : : : : :.|: : : !
　 |: : : : :| : : : : : :/,斗-‐ "＼　　/: :.!　: : : : : : :|: : : |
　 |: : l: : |: : : : : : /,,ｨ==ﾐ､　　＼ i!:/:|: |: : |: :.| : |: : : !
　 |: : |i! :| : : : /:/.{ ﾊ;;;ﾋ. ヾヽ　｀|:|: |!: !: :.!: :i: :/ : : i
　 |: /.|!: | : : : :/　＼;ソ　〃　　　|'|:.|.{: i :.i: :.!:/:　: :j　　　　　ところで饅頭。
　 |/: :|!: |: :/:./　　　　　　　　　|:| ヽ乂: :.!': : : :/
　,从/:i| :|: |:/　　　　　　　　　　 ,ｨ;r‐ｫ .〉:|: :|: : : /　　　　　 .その諸葛瞻殿が平尚書事になるのは知ってます？
ヽ .// |:/|: !:!　　　　　　　　　 ,ｲツ,／ィ:乂从: :./
::::.}　　|' .|:.|:!　　　　　　〉 `　／: : : : :／:./
:::::|　 /　.|;|:| ヽ　　r "~＞　　 ∧: : : :／/::/
:::::|　　　/ﾊi:::::|ヽ､__　　＿　イ: : : :／,／ "　　　
:::::|ヽ　 -‐/::::::|　ヽ　|: /: : /: :.／
::l::|ﾐ､__ ,ノ:::::::/　|　 !　|/: : /"´
::l::ト　 -‐!:::::/　/,　 |　| レ'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　＼　　 u ＼　！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　（__人__）　　　u. 　 |
　　　　　　　　　　　　　へ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼　u.｀ ⌒´　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　／´　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))

536 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:55:39.71 ID:XpO61CRro

　／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼
／:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ｀ヽ :: :＼
:: :: :: ::/:: :: :: :: :: :: :: :: /:: :: ::ハ:: :: ::ヽ
:: :: :: /:: ::/ :: ;:|:: :/:: :/イ:: :: :: :l: :: :: :: :.
:: :: :/:: ::/:: ::/::|::ｲ:: :/　|:: :: :: ::}、:: :: :: ﾊ
:: ::ｲ:: ::/:: ::/!::ﾅナメ､　 :: :: :: :小 |: :: }:: |
::/〈:: :/:: ::/::|/≧xミヽ　:: ::.／ﾅ T:: /:: :}　　　　　　　　今日から輔国大将軍・平尚書事になった董厥です
〈て∨!:: /:: :lｲ::rJ}　` ムイ x≦ﾐﾙ:: :: :;
::ヽ､ゝ Ⅵ:: ::弋:ﾋﾝﾉ　　　ｲrJ Y/:: :: :/
:: :: Yﾊ　ヽ::|　｀ ´　　　　弋ﾘノ/:: :: /
∧::.| ::}　　 }　　　　　 ,〉　　 /:: :イ
: ∧:!: | 　､　　　　　　　　　　/∨}:ﾘ
:: ::∧::|　　＼　　 r ，　. イ　　′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::∧:::::::::::::::::::::::::::::＼
:: :: :∧!、ヽ　＞:. _r― ´―――.､、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′ :::::::::/　|::|::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
::∨:: ∧＼ } 　 ∧: {んこうめいん }〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::/::/　　',:ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::::::',
:_ ∨:: ∧　ヽ _ ' ヽ)乂　　　　ノヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 '::::::::: :!::l .ノ　　トヽ:::::|!::::|:::::::::::|::::::i
ﾆミ∨:: ∧ 　＼'⌒ヽ::`ｰ┬┬ ´r‐　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::/|::|´　　　ヽ.-＼l|:: |:::::::::::|::::::!
　ヽ∨:: ∧ 、　＼　i ヽ:: |　{_.ノ r< ;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::| ｌ:ｔ‐　　　　ｼTﾗ弌ｧ:::::::::::|:::::′
　　　 ∨:: ∧＼　　ヽ} /ﾊ::､ヽ{_ﾉ　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||:::::::ﾊiてﾊ　　　辷ﾉ´|::::::::::ﾊ:::i
　　　 }V:: ::∧､` ＜_V/ /}ﾊ　{ 　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|!∨∧ 弋ｿ　　　　　　　 !:::::::::|ﾉ:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |:::',　,,　　　　　 ''' 　 |:::::::::ｌ::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |::ハ　　　ｒ..‐ｭ　　　 |::::::::ﾊ_ ⊥
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:斗::::＞､　　　　　イ:::::::::|／￣¨`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 /　|:::::::「　|＞‐＜／ !::::::::/ 　　　　　|
　　　　　　本当に私がここにいていいんだろうか？　　　　　　　　　　　/ 　 |:::::::|　1　 .ｨY､　 !:::: //　／　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |:::::::|　|　/i| ﾄﾞ∨|::::::ﾚ' / 　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　|:::::::!　V/l!||| ぃｲ::::::! /　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅳ　　|ﾊ::|　 !ﾚ ||ｌ|」|ｲ::::://　　　／　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 !∨,､　|!l::!　ヽｲﾄソ!|:::::ﾚ''ﾆつ￢　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（｀ ┘＼い! 　 !| |」|! |::/　　　イ　　ｌ::|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　趙雲に順平侯の諡号が追贈されたのと同じ年。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　尚書令董厥が輔国大将軍・平尚書事に、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　尚書僕射諸葛瞻が衛将軍・平尚書事にそれぞれ昇進。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　尚書令の後任には樊建が任命されている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

537 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:57:41.82 ID:XpO61CRro

【Q.録尚書事と平尚書事って、意味合い的には同じじゃね？】

┌──────────────┐
│　　┌────────┐　　　...│
│　　│　　録尚書事　　　.│　　　 │
│　　└────────┘　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　┌────────┐　　　...│
│　　│　　平尚書事　　　.│　　　 │
│　　└────────┘　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　┌────────┐　　　...│　　　　　　　　　　　　　　　　_ﾉ)（__人〉::::::::/:::::::':::::::::::::::::::ヽ)::しヘ)
│　　│　　　尚書令　　　　.│　　　...│　　　　　　　　　　　　厶(/{人ﾉ/:/:::::::|::::::::i:::::::|:ｉ::::::::::i:ﾊ::::::ﾄJﾊ
│　　└────────┘　　　...│　　　　　　　　　　　　　　　 ∨::/::::::ｉ::|:::{::/|i:::::::|i:::-N‐::ﾉ::八|:::::ｉ|::::::i
└──────────────┘　　　　　　　　　　　　　　　ｉ::::| :::: i :|'"｢l:八:::::{∨ﾘx≠ミ　ｲ:::::ﾘ:＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::|i::::::|八x≠ミ￣　 ´ んﾊ　》|:i:::|:::＼＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ八::::ﾊ {{. んﾊ　　　　弋)ｿ　从ﾘ｀ﾄ､_::＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ::＼:∧ 弋)ｿ　 ,　　　　 '' ノ厶イ乂ノ
　　　　よそでは同義として扱われる場合もありますが、　　　　　　　￣厶乂:,　''　　　　　　　　 ////,'￣＞、
　　　　うちの国の序列ではこんな感じになります。　　　　　　　　　　　　／/人　　　　r､　　　　'/////／／ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧＼///＞　、　　　／////／／　⌒ヽ
　　　　上から姜維さん、董厥さんと諸葛瞻さん、私の順ですね　　　　｛　＼＼/////｛¨T ´　ノ/ ／／／　　　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨＼＼＼///ﾊ`ー'７/／／／　（ﾉ　　′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　丶丶二二∨ /二／｝/　　／　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧　　　＼::ゝ:∨::.::ノ.::./　　/　　 /|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　尚書令　樊建

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　録尚書事と平尚書事は、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　どちらも政務を行う尚書を総領する役職であり、事実上の宰相役である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　それが三人いたのが当時の蜀の朝廷だった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　何故なのか？
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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538 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 00:59:35.92 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j三三三三三三三三三＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. - = ＝＝＝＝＝＝==- ..、三ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／三三三三三三三三三三三ヽ三ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'三: _, -―r ー -､- ､.___三三三三＼三 v
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽｨ'´::::ﾊ ::::::::::::::::::＼ ::::::::::｀ .､三三三＼/
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 /:| :::::| l'ヽ::::＼ :::::::::ヽ!::::::::::::::＼三三三ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ::ﾊ! ::|!| ｰヽ_‐_＼:::::::ﾘ :::::::::::::::::::ヽ三三三}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　' :::l::::ﾊ,:| ヽｲj;! /`‐-ゝj :::::::::::::::::::::::::ヽ三 '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ::ﾊ::::从乂　ﾚ′　　 /:/:::::::::::::'::::::::::::l／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| '　i:::r ' 　　　　　 /ｲ/:::::::::::/:::::::::::ﾉ　　　　　　　　　　 _ .　_ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヽヽ:,　__　　　　　　 ':::::/ｨ::::::::::::,. '　　　　　　　　　//￣ Y'
　　　陛下。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　ヽ V_ヽ　　　./ ::://ヽ _. t‐ｫ,-､　　　　　　　//ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ＼　　　 / :::,j/ ,.ｲﾊ '　⌒ヽﾉ-､_ 　　　　　 //　　＼
　　　当初の予定通り成都を出発致しますが、　　　　./／ヽヽ __ ノ, .イ　ノ｢/::::::::::::::::::lヽj_ﾌ__ 　　　 //^ ヽ
　　　つきましてはひとつお願いがございます　　　　　　　　ヽ ::::|　　_j_ ﾉ､｢/i ':::::::::::::::: 　∧ﾉ　　　　//_　　　　､ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ| rﾉ.ｨl.､V/ /:::::::::::::::::::! 　!::::＼.　　//　丶　　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//`l||ﾚ/ /::::::::::::::::::::::::ヽj:::::＼＼// ⌒ヽ　　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノヾ / |/ /., -‐- ､::::::::::::::::::::::::::::＼＼.　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/:::::::` ｲ! //　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::lヾ＼ヽー､/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ:::::::::::/_,.ィ　　　　　| ＼:::::::::::::::::_::ト､l_:j ﾉ　./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／ /::::::::/ｲ / ﾉ　　　　 | |　 `ーイヽ　ノ´ 　/ ' ⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶ー'､ :::::::::://`/／　　　　　V 三ノﾆﾆゝ'￣´ヽ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V　ノゝ:::::::`:::/　　　　　 |!〆三三三＼__ 　 /ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,/／　 `ー､/ 　　　　　　 |三三三|ヽ/:::::::::ヽ,

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　大将軍　姜維（字：伯約）

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　姜維は北伐を諦めていなかった。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　諸葛誕の乱を最後に北伐を控えていたのは、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　軍の再編など後方の諸問題を解決する必要があったからだろう。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　平尚書事の増設も、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　董厥らに国内の統治を任せたかったのだと思われる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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539 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:00:37.85 ID:XpO61CRro

　　　 /: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : : :|: : ／|: : : : :|: : |: : : : :',: : :ヽ :
　　　|: : |: : : : : |: /＿ |: : :,/|: : /ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/´　　|: :/　|:./￣｀'Ｖ: |.: : : | V
　　＜ : _: : : /.　　　　 |/　　ﾚ　　　}|:./ヽ: : :|　　　　　　　　　　　なんだ？
　　＜:: |. 小{ 　 -‐''"´　　　｀''ー　ﾚ{: :.|ヽ:|
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　　､　　　　{ﾊ,;'　（(　　　　　　　　　　　お前からとは珍しいな
　　　　　＼_!　　　　　　　　'　　　　!　(　( ヽ)　ﾎﾜ～ｯ
　　　　　　　ヽ.　　ー――　　／　ヽノζ
　　　　　　___,ｒ| ＼　　　　　／　　 |￣￣￣|(^)
　　　　／:/::::| ＼　ヽ _　,　ィ´　　　　| ''..,,''::;;⊂ニヽ　　　　　　　　　　 ┌‐‐┴- ､
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､　　.| .,,:: ;;;;ン=-　)　　　　　　　　　　　 |　　　　　｀`丶､　　　.:.:.::::::::::::
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 ! ,ｒ-''⌒＾ニ);;;;ヽニノヽ　　　　　　　　　　　__」　　　　　　　　.:::.ヽ　　.:.:::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, .:´:.:.::::.:.:.:￣｀`::.:.､　　.:.:::.＼　.:.:.::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′i::l:::l::| .::|.:.:::i:::i::::.:.`ヽ､　.:.:::.＼／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l |.:|.:l.:::l.:| .::|.:.::l::::|:::|.:.:::|:::ﾄ､　.:.:::::.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |.:|.:|.:::ト|､.:|.:.:l:::::|:::|.:.:::|:::|::::ﾄ､:.:.::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀V.{.:l.::lrr㍉l:::/l.::ﾅナ:::::l:::l:::l::::::::Y´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V .:N じｿl/　l/rr＝ミ.:::!:::!::::::,′
　　　　　　黄皓の事です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`11' ' ',　　」いｼ.l/::l:/.::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:ﾄ､　　　 ' ' '/:::.:,.::,:::/
　　　　　　聞けば羅憲が巴東郡の太守になったのは、　　　　　　　　　|.:!::::>､｀　　_ノ;.:::/:/ノ
　　　　　　黄皓の讒言の結果だとか……　　　　　　　　　　　　　　　　　l::::/l:/´ 丁二l:::::.:/´￣ﾕ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:/　',rﾁ7´ 」 |:::/ノ´~~ヽ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　' r='7::::ﾌ fｼ' l/　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃 /.:::/ fｼ′　　　　',　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V/::::/_fｼ′　　　　 ',　　＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　また、この時期に黄皓の処分について意見している
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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540 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:01:54.38 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : ::::::::::::::::::::;:::::::;;::;'ﾞ'';::;::::::::::::::l
　　　　　　　　ﾉ: : : : : : : : : : : :::::::;:',;::::::ノ ;:''''　ノ　 '' 'l::::::::::{
　　　　　　　ノ-': : : : : : : : : : :::ｨ ,;;::ノ　　　　　　　　　 l::::::::::l
　　　　　　　　 {: : : : : : : :;彡' 　　　　　　　　　　 l::::::::::{
　　　　　　　＿l: : : : : : : l　　_,,____　　　　　　　　_,,,,,_ l::::ﾉ'''
⌒'‐-‐'⌒￣ ./'´l: : r‐､: l　　 , -‐ｰ‐-､,,　　 ,∠ --､/ｯ''‐- ,,__　　　　陳寿よ。
::::::::::::::::::::::::::/:::::'''‐l `'､弋'‐-l　(　○） ,}r''''Y（○ )　ﾉ /:::::::::::::::￣
:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::}　ij.　　　ゝ ,,＿,,,ノ　　 l`‐--‐''l /::::::::::::::::::::::::　　政務にやたらと口出しする宦官などゴミ。　
:::::::::: ''''''''/::::::::::::::::::l ﾞi　　　　　　　　　　　　;　　　 l::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 /　　　　　''l　l ヽ,,!　　　　　　　　 '　　　　 /::: '''' '''''' ::::::::: 　　連中は陛下と皇族方の
　　　　　￣＞　　 l　 l ヽ |　　　､ -‐ー‐- ,,　　 l |　＜￣　　　　.周りの世話だけすれば良いと思わないかね？
　　　　 r'´　　　　　l　ヽヽ＼　　 `'‐-ー-‐'　　/'´　　　`'
　　　　ヽ　　　　　　ヽ　　＼ヽl　　　　　´｀　　 / /　　　　
　　　　＼　　　　　＼　　＼＼＿＿＿＿_ノ-‐ ''' ‐‐‐-
　　　　　　＼　　　　　＼‐- ,,_l　　 l　　＼　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿＿＿┘(
　　　　　　　　　　　　　　　蜀　宣信校尉　羅憲　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼　／　⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（○）　（○.）＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（__人__）　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 |::::::|　　　　　|
　　　　　　　　　まったくですお！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! |!l＼　　　 l;;;;;;l 　　　,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i| ／　　　ｰ´　　　　＼
　　　　　　　　　何が「宦官は究極の男の娘」だお！　　　　　　　　　　　　　 i／　l!　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そ|彡∪ 　　　　　 , --、　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∑ !彡,l　<　　　　　 ( 　＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽｌ.　　　　　　￣

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　蜀では景耀年間に入ると、黄皓が政治権力を握るようになった。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　黄皓は劉禅に受け入られようと立ち回ったため、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　その機嫌を損じないように彼に追随する者が多く出た。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　しかし、宣信校尉羅憲はこうした動きに同調しなかった
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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541 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:02:31.06 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　,:': : : :/:/ : /|: :|: : : : : : :＼:.ヽ:ヽ: : :ヽ
　　　　　 i: : :/: i: i: :/. |: :|:i: : : : : : : :ヽﾍ: :､:∧ ',
　　　　　 |: : i: :.i: ｉ:./,.斗--､!ヽ: : :.ヽ: : : ∧: i: ∧ﾊ
　　　　　　 |:i:/i : : ｨﾁi 　 Vi:;∧ヽ＼≧ﾄ､: i: i: :!: : :iヽ!
　　　　　 |:i/:!: i: i ,ィfテﾐVi ;∧ ヽ＼.:.:.ヽi:.!:.l: :V:!
　　　　　 /i: /i:∧く{rf;刈　＼＼,fﾃ示､: :.:i Ⅳ: ﾊ:|
　　　　　 /: |:.:| Ⅵﾊ弋;沙　　　　 .{f;rt/ 〉:/!/ }:/ .ﾘ　　　　……などと、羅憲殿と陳寿殿が陛下を批判しておりまして
　　　　 /: : |: 丶､.Vゝ　　　　　　ヾ-' ./ ﾉ/|
　　　 /: : : |: : : : ｉ入　　　　　 ′　　/‐': : :＼
　　　 /: : : /|: : : : |: | ＼　　｀__'　　 .イ|:./: : i: : :≧: .､
　　／: : : /: |: : : : :ヽ　　 r-､ヽヽ'´|: :.i !: : : : : : : : : : :∧
.／: : : :.:/: : V: ＼: : ＞.､, ＼＼､.＼＿ニ=‐-､,,､-､;_: :./
.: : : : :.:/: : : : ＼: : : : : : : : ヽ.＼_｀ﾞ'　ゝ三＝＝‐　　ヽ.､　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::! ';:::::i
.＼:.:.:./: : : : / 　￣＼: : : rﾆニ,,_ヽ　　 `マｰ-ｧ　　　 .ヽ　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::／ヘ|::::::::::::::::::::::::::!　';:::l
　　ヽ/ : : : : {　　　ヽ Vヽ:.｀＞x...､_　　　　　ヽﾞ／!ﾞ'''ｰ　|　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ |:::::／　　 |:::::::::::::::::ﾄ::::/ 　 !:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::{:/:::::::::/::::::/　　 !::/三三三|::::/ﾚ:::::/ |/ 　　ﾘ
　　　　　　　　　　蜀　中常侍　黄皓　　　　　　　　　　　　　　　.:::::::::::i:::::::::/ |:::/　　　i/　　　　 |:∧　|:/　′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　ヽｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　どっちも譙周の弟子じゃねぇか　　　　　　　　　　　 :::::/　∨　　　　　　　　　　∠二 7 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾍ　　　　　　　　　　　　　　 , '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　＼　　　　　＿　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　＼　　　 /　　｀　ー - ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　＼__ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣＼＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　これに腹を立てた黄皓が、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　羅憲を巴東郡太守に左遷するよう仕向けたという。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .同様に陳寿も節を曲げなかったため、しばしば降格させられたらしい
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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542 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:04:07.54 ID:XpO61CRro

三三三三≧＝´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
ﾆﾆ＞.:'.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
_／.:.:.:.:.:.:/.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::/.:.:.:.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.
.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.イ.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.i
.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.＞.:.:.／.:.:./' i.:.:.:.:.:/.:.:.:∧.:.:.:.:.|
.:.:.:.:.:.:.:..l.:.:.:.:.:.:.:;／／＜ｉ.　l.:.:.:/.:.:.:.:/　i.:.:.:./　　　　　　　同じような事例はいくつもあると聞いています。
.:.:.:.:.:.i.:.:l__, ＞'´／／　ヽﾉ.:.:/.}.:.:.:/　 l.:.:./
.:.:.:.:.:.:ﾊ.::i 　T=､　￣ヽ　/.:.:/./.:／.　　l.:/　　　　　　　　.あのような者は斬り捨ててしまうべきでしょう。
.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ、　Ⅵ::≧=ﾁ　/／./／　　　/
.:.:.:.:.:.:.:.:l　ヽ　辷ﾉﾉ　 k.:.:./　　　　　　　　　　　　　　　御命令があれば、即刻打ち首に致しますが？
.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　￣　　　　＼
＼.:.:.:.:.:.ﾊ　　　　　　　　 ,ｨ´
ヾ.＼.:.:.:.ﾊ　　　　 - /.:l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　＼.:.:.:.:.ハ　　　　　ﾉ.:.ﾊil　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..::´::::::::::::::::〃⌒ヽ､
　　＼.:.:.:.∧, _ ＿/l.:.:./　ij　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　／::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::＼
＼__. | ＼.:.:.ﾊ　　　 |.:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
＼　＼∧＼.:.:ゝ　　i/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i::::::/::::::i::::::::!:::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|:::/::::::::ｉ::::::∧:::::::::::::ﾄ､::::::::::::::::::i､::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､__Ⅳ::::/:::i:::::ﾒ__!::::::::::::匕ヽ:::::::::::::ハ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾌ::l::ｒ'l:::/!::/ｾﾐl::::::ﾊ:::尨_ハ::::::i:::ﾄ､`!
　　　　　まあ待て。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´￣]八!/i」:i ￣ !／ Ⅳ　　　小ハl　　－､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ｊ､八i　　´　　ｊ〉　　爪i　　　　　ﾊ
　　　　　あいつはただの使い走りの召使いに過ぎない。　　　　　　　／　ハ　ｊヽ､　ｔ＿ｱ　.ｨ　 !　　　　〉　 ,　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　｜　 {　＞　__／ ,! 　 !　　　〈　 /　{
　　　　　死んだ董允はあいつに歯ぎしりしていたが、　　　　　　　　　　　　〈　l　　ｔ―- 、／ !　　i　　　ｖ /　｛
　　　　　俺はいつもそれを残念に思ってたもんだ　　　　　　　　/　　　　　　 ,　、　＼　　　 '　　 !　　　ﾚﾞ　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　〈｀ヽ　ｊ__ ＼　　ヽ　　/　　　〉　　　 { 　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　〉　＼ヽ　∨ ) }　 >= ､ ,｀=ｖ　　　/　　　　′　　　ﾞ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　丶}　;'　厶_/　 //　 /!　　/　　　 ! {　　　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ∨　/　 /　 //　 ,　!　 /　　　　}！　　　　 ⅰ

543 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:04:51.46 ID:XpO61CRro

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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ |:::::／　　 |:::::::::::::::::ﾄ::::/ 　 !:!
::::::::::{:/:::::::::/::::::/　　 !::/三三三|::::/ﾚ:::::/ |/ 　　ﾘ
:::::::::::i:::::::::/ |:::/　　　i/　　　　 |:∧　|:/　′　　　　　　　　　ま、お前が気にかけるような奴じゃないさ
:::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　ヽｿ
:::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼
:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／
:::::/　∨　　　　　　　　　　∠二 7 /
／ﾍ　　　　　　　　　　　　　　 , '
＼　＼　　　　　＿　　　　 /　　　　　　　
　＼　＼　　　 /　　｀　ー - ′　　　　　　　　　　　三三三三三≧-''´ヾ＼￣ヽ￣￣￣ゞ=-､-､三三三三ﾆ/
　　　＼　＼__ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三＞''´/:.:.::i:.:.:.:i:.＼:.:＼:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.ヾ:.:.:＞-､三ﾆ /
　　　　　￣＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V／/:.:.:./:.:.:.:.:l:.:.:.:l　　 .ヾ:.:.ヽ:.:.V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:V/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:/:.:.:.:.i:.:.:.:.::.|:.:.:.:|　　　.＼:.:.:. ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.i'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./:.:.:.:i:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:ハ:.:.|　　_ ,, -匕ヾゞ,:.:.:.:.:.::.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:ﾉ:.i:.:.レ='´　　　＞ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:ﾊ:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.i:.|:.:.:ﾚ' ,, - ィ彡行てi:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.{
　　　　そうですか。　　　　　　　　　　　　　　　　ヽい:.:|:.:.:.:.:._＿:.:|ﾉ:.:.ﾉ　　イi {廴::::::..ｱ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ,､ヾ:.:.:.:.:≧=､/　　　　　弋及ン }:.:.:.:.:.:.:.::/:.:.:.:.ハi
　　　　陛下にしっかりとしたお考えがあれば、　　　　ヾ＼:.:.:.:.:.:.:心 )　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:人:.:.:./
　　　　僕から言う事は何もありません。　　　　　　　　　ヽ＞＼:.:.:i/　　　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.ハヾ:.:ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.｀´|:.ト､ヽ　　　　　　　　.|:.:.:.::/　　＞∧､_
　　　　それでは失礼します　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.ハヽゝ､　 - ､　　　　 ∧:./　　　 /　　/ ＼-=r-,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ　＼:.:.| ＞､　　　／　　廴＿／　／　　.//　てヽ )-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ.i/::::{　｀ ´　ヽ　 ∧＿＿　　　 //　ん:::::::::V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>:::::{　{ [￣＼V　ー─ﾍヽ　　.//　{':::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::/ il　＞､ ∧ヽ＿＿//　　.//　}'´::::::::::::::::::::::＼

544 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:06:04.22 ID:XpO61CRro

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::::::::::{:/:::::::::/::::::/　　 !::/三三三|::::/ﾚ:::::/ |/ 　　ﾘ
:::::::::::i:::::::::/ |:::/　　　i/　　　　 |:∧　|:/　′　　　　　　　　　おい、黄皓。
:::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　ヽｿ
:::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　お前、すぐに姜維の所行って頭下げて来い
:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／
:::::/　∨　　　　　　　　　　∠二 7 /　
／ﾍ　　　　　　　　　　　　　　 , '
＼　＼　　　　　＿　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-―――-.､
　＼　＼　　　 /　　｀　ー - ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ': : : : : : : : : : : : :.ゝ､
　　　＼　＼__ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／: : : : /: : : : : : :‐-､:.ﾍ
　　　　　￣＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:./: : :/: : /l:.l: :i: i: : : : :.∧ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:ｨ:.///: :.:/　i:.i: :i.ヽ: :＼: : .i: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i/.ｉ i//:.:.:-‐セ´N:.i.｀≧‐-＼ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:ii:.i:.i: i: ｨf示ヽヽ. 示x､ゝヽト.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:ﾊi: :ｉ　辷j　　　辷j　i /: :.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V.|: ∧.　　　､　　 ./: : : : :i
　　　　　　　　　陛下の御命令と仰るのなら従いますが……　　　　　　　　　　　　　　 /:i:∧:.ヽ　 ‐‐　イ: : : :.l:.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :i: :∧ノ. ｀　´ 弋/: : :/: : ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＞''V: ∧＿　＿/: : :/‐-､: :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:./　 l　|V:.∧　｀ ´　iﾊ:.:/　　　i: : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V　　.i　| }ﾊiﾘ　　　　ﾙiﾘ |　|　 .i: :.レ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　レ――――――弋_i　　i: : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /{　　　　　　　　　 } 　 .|／

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　姜維の進言を受けた劉禅は、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　黄皓の処刑こそ承知しなかったが、彼を姜維の下へ謝罪に行かせた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　劉禅にすれば黄皓は重宝する存在なのだろうが、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .こうした宦官への甘い姿勢が劉禅の評価に影を落とした感は否めない。
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　後漢の桓帝・霊帝期の宦官専横を経た三国時代ならなおさらである
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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545 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:07:13.39 ID:XpO61CRro

【紀元２６１年頃　蜀　益州　永安】

　　　　　　　　　 ,　 -─ - ､
　　　　　　 , -'´　　　 l､　　｀､
　　　　／　　　　　　ﾉ　ヽ　　ヽ
　　　　冫　　ノ彡,ｨ／　　ヽ.　　 l　　　　　　　　　このたび巴東郡太守となった羅憲です。
　　　　 7　　l　　　　　　　_,. l!　　 l
　　　　ﾚ'､r l＝-､;__,r-＝､_ l,_　ﾉ　　　　　　　　　陛下から、将軍の副将を務めるよう命じられました。
　　　　　　ヽlー─'l　ー‐'　｀lﾉ /
　　　　　　　',　　　｀　　　　 /,ノ　　　　　　　　　　 .未熟者ですが何卒御指導のほどを
　　　　　　　ヽ　 -─-　　ﾉi'
　　　　　　　　lヽ､＿＿／ _l､
　　　　＿,r 'ﾞ|ﾆ= ､ , 一' ´　,ﾄ､＿
-‐'.´￣／;;;;;;;;|＞／ヽ二二´ﾉ;;;;;;;;;;;;ヽ｀'';;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.､--‐‐‐-- ､,
;;;;;;;;;;;;<;;;;;;;;／／l　　::　ヽ　/;;;;;;;;;;;_ - ';;;;;;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ'´ _,.､--‐‐‐- ､._）
;;;;;;;;;;／;;;<　/　/　　　::.　ヾ;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;　　　　　　　　　　　　　　　　　　（,.ｨ'´ _,.､ --＠- ､.,l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　レiﾆ､-‐_,ﾆ--ﾆ,'_‐i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉヽ-‐''＞o､ , ,ro＜{´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ( '　'´`''''''",　 i`'''"`l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ,　 :. _'ゞ=ﾆこﾆ=ﾂ　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l' '　　　｀ﾞ`'ﾆニﾆ'"　ﾉ　　　 ,.＿_.,_
　　　　　　　　話は聞いている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ.,_　　　　｀~~´'　ノ　フ""ﾌ//／｀゛ﾞ`'i､,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,rｍ-‐''"ゞi i｀`'>‐-‐-r‐'"彡"　　　￣　　　　　　 `i､
　　　　　　　　期待しているぞ　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ'´///.　　,--'`ﾌ｀゛ﾞ`'"´彡"　　　　　　/　　　　　　　　 `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.　　￣　　　ﾌ　ｧ┘;彡" _＿_,　＿　　　/　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　,i　　　　　i￣;彡"　　 l//丿/　/　　 l　　　　　　　　　　　ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　/　　　　　;彡"　　　　 ,d/ノ△-/　 i,　l　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　　　,;;彡"　　　　　　（_ノ（__丿　　'l　l　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　右将軍　閻宇

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　一方左遷された羅憲だが、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　こちらは劉禅の意向により、呉との国境を守る閻宇の副将に落ち着いた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .何気にこの措置が後で大きな意味を持ってくる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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546 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:08:15.29 ID:XpO61CRro

【紀元２６２年春　蜀首都　成都】

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　　 /｀:.ー―------------――:.:.:´:.:.:.:.!:.:.',
　　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.: l
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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　年が明けた景耀五年、姜維は北伐を再開。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　姜維最後の北伐は、今までと比較すると奇妙な点ばかり目に付く
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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547 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:09:01.53 ID:XpO61CRro

　　　　　 / 　　　　ヽヽ　　　　　//　　　ヽ
　　　　　/ヽヽヽﾉﾍ　ヽヽ　｜　//　//　 /
　　　　 /ヽヽヽﾘ　　V／＼｜ ///ﾍ// /
　　　　 |ヽヽヽﾉ　　　　　　＼／　 |/ /
　　　　 |ヽヽ､|　　　　　　　　 /　ﾉ　|/!
　　　　/ヽヽ./ ,.,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,　 r'´　　|ﾘ
　　　　|,.､ミ |　=ﾓtラー､:::r .r,.ﾐ_-､_ﾚ、　　　　　　　　　　　　何考えてやがるんだか
　　　　/,､∨　　　￣　 '´｜ |ゞﾆﾞゝ//!
　　　 //rヽヾ　　　　　　／'７!　　 / し!
　　　〈ヾヽ｀　 l　　　　　＼_ノ　　 i l,ﾞ!_ﾍ
　　　|ﾘヾ〃,　 l　　,.=-⌒ﾆ､_､_　∧　',　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　 ,.--io'ｲﾞ´l　 l　　｀'ｰ:-....-,　//iﾍ　ﾍ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '
　|　　|ﾘ/　ヽ　　　　　 _　　　/r-!、l,　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 ,ィ彡三三三三
　l,　r"/　　　＼　 ,.-:'´:::｀ヽ /∧　ヽ!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ィ´ィ'"三彡'"´
　 Yﾞ　l　　　　　＼::::::::::::::::/´:/ ﾉヽ_,.入　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿, ィﾆ二＿＿＿＿＿＿＿
　　　 !　　　　　　　￣￣/:::::/　ヽ/ヽ　ｲ　　　　　　　　　 . 　　　 ,ィ'"´:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 7/ィゞ´_ﾆ二ィ-く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : 〈〈ゞr'"´rぇr‐ｧ　ヽ　ミ
　　　蜀　左車騎将軍　張翼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' ;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : ゝ/ 　 .:｀7ｰ'　　ヽ　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　ヽ､:.:.:.:.:.:.:.: : /ノ　　ｒ'::l,　　　,r〃　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー　::_:_:ヽ　ゝ'´ 　 `ー‐ｲ'"´　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾐﾐﾐﾐﾐ､ヽ　　　/　　ミﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',7'"´ ｀ヽﾐ;｀ヽ/　 ,ィミﾐ
　　　　　　　　　　　　　あやつも不器用な男じゃ　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ'"´ﾐ､　 'ヽｲミミミミﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'::: ::: :::::ミ::::彡ミミミﾐﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::: ::: ::::: ::ミ::: ::ミミミィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三ミｪｪｭミノ}￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__二ニ＞'"´ ,'./|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ r―‐'7::::ィ´// :|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　右車騎将軍　廖化

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　共に北伐を戦い抜いてきた張翼・廖化の姿はなく、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　後の展開から推測するに、一万程度の兵しかいなかった可能性が高い。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　大将軍直属の兵のみで動いていたのかもしれない。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　この規模の兵力でやれる軍事行動は限られている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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548 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:10:27.47 ID:XpO61CRro

　弋ヽ_,_ ノ !.　　　　　/　　　　　 i.　　　　＼ヽ　　＼　　＼
　　! ｀‐!L イ　　　　　 !　　 /　 .! .|:::.　　　　! |. |:. 　 ! ｌ:. 　ハ
　　|　日　.:! 　　　　　!　 /.|　 ::|　Ⅳ::.　　　! |: |::::.　|::|::.　 |　!
　　!　日　::|　　　　　!　ﾊ::ﾊ ::::!い ∨:::　　ｌ|ｌ_ﾘイ:　| ﾊ::.　|ｌ !　　　　　　　大将軍。
　_」-=ｦﾄ､_:::!.　　　　__| ::| |_! V::|　ぃ Ⅵ::: .斗テｱ:: ,ｲ | |:: / ||
//　 ,仆､＼|　　　　　|_工ｺﾆ弍ﾋ=‐＼ヾ./ｲ/７ / / ｌ/ !!/　 l!　　　　　　　どちらへ向かわれます？
ヽ〒ｲ || 廴_ﾊ　　　|ヾ､ｨ´ |::::::::::ﾄ　　　　┴'´/ /　/! /　　/
　ｌ'/　!!　　ｌ　',　　　!　!::|　之ﾆ-'　　　　、　イ::: / |ｲ|
　イ | ｌ|. :::.::＼∨　　!: ＼!　　　　　　　ﾉ　ｲ::::: 　| |ﾄ､
　 V/ハ:::::::::::｀∨　　い＼　　　　 , -ｧ　／:::|::::: ::. ! l|　＼
　　∧ヽﾄー廴ﾄ､∨　　ﾄ､’ 、　　　　 ¨ ／-､:: |:::::.: //ﾊ　｀i|　　　.
　.// ＼　 / /　/＼　 ! ＼､｀''　ｧ‐- 'ｌⅣ -ム!:::: /冫 |!　 ||　　　　∨三三三三三三三三三三三三三三三三!l＝=-､
-//―- ､/ ム‐'　　＼　ｲ｀ヽ､/　　　ヽ∨‐/.|:::/ /　＼ /|　　　　　∨三三三三三三三三三三三三三三三三三彡´
// 　　　　￣　　　　　　＼'，　ﾊ＼　　　　∨ ｦ∧/ 　　　＼　　　　　ゞ＝＝＝＝＝====ﾆﾆ二二三三三三三三／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : :＼: : : ヽ: : : : : : : : : : l: :￣:¨¨"＝ｲ"
　　　　　　　　　　　蜀　牙門将　趙広　　　　　　　　　　　　　　　　　.l: : :ヽ:､: : ＼: : ﾍ: : ヽ: : : : : : l: : : : : :l: : :.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i!: : : :ヽヽ､: ヽ`､:ﾊ:l:l:ヽ: : : : : l: : : : :.:l: :.i:.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i!､: l: : ヽ＼`'ﾔﾃﾘﾌi!: :/: : : :l:l: : : : : l: :.l:.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l! ヽ!: :.ﾉ　　　ゞﾂノ/:/: : : : :.l!: : :.: :.l!:.//l:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ヽ:.ヽ　　　　　 //l: : l: : : l: : :/: /:/!/ i!
　　　　　　　　　　　　まず洮水の西に出る　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾄ､'ｰ､-､　／　.l: /: : :/!: /／／.|!　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.| ヽ!､ヽ´　,､ｨ'´ l/: : :./ |/´／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ!:l:`´:i!/i　 |: : :/'´´ ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i!.|: :/|!'´!／!:./　　　　 `r‐､rﾍ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨﾍl:/ ,ｨｮｭ　.|/　　　　 r-'`/`ｰ'､_`!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .〈ゝ.i!,ｨﾅﾐﾐﾄ, ´　　　　ゝ/ヽ,::::::::::ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　魏への牽制のための出兵、隴西地方の住民の奪取。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　いずれにしろ、魏と雌雄を決する目的での出兵ではないだろう
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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549 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/19(金) 01:11:47.91 ID:t+rXjY6Fo

寡兵で出来る事なんてたかが知れてるもんな。
あわよくばなんて流石に考えてなくて良かった。

550 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:14:09.42 ID:XpO61CRro

【紀元２６２年夏　魏　雍州　狄道】

　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　＼＼
　　　　　/　　　 / ））））　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　/　　　／＿ ⊂ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽヽ　|＼
　　　/　　　/|＼＿／￣￣＼_／|　　　　　　i 、、.　| ヽヽ　|＼　　|　　＼
　　/　／　＼＼＿|　 ▼　▼ |_／　　ﾄﾞド　|ヽ　　|＼　　|　　　　|
　 / ／　　　　＼　　＼　皿／
　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 ⌒＼　　　　鄧艾将軍！
　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　／>　>　
　　　　　　　　/　　　　／　6三ﾉ　　　　姜維が洮西方面に向かって進軍中！！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-=ニン':::::::,'::'::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_､/:::::::::::::.:::::i:::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::_ｪZ_,ﾘﾞi::::::::::/i::::::i:::::::ｉ!　 . ‐､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　"::::::::::::::::::::::::::/tﾆ::::::::´::,ﾆ-‐'i　し'j　/::ﾝ:::ィｊl:::::::!:!i::i　i´　,: .ﾝ"j､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::／:::::ン::ヽ!:::,::::::;:,'.　　　ヽ= '／´／Lｿ,':::::::り:ｉﾉ　 i/　 /　 ,}､
　隴西復興の邪魔はされたくありません。　""ヽ‐-､:/_/ﾝ'7／i:::://　　　　　　　　　 i　,'::::::,' 'ｿ /┐,'　,i{､ ,r'　,_'ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､、　ヾ､ヾ. 　!´ .l::://　　　　　　　　　,. _,:' /:ﾊ::i ,rｰY'7-､yゝ'ｨ'ヽヽ　ヽ.
　即時粉砕あるのみですね　　　　　　　　　　　ヽ　　ﾞ:､ﾞ,; 　　l::iヽ. 　　　　　,:' 　,: ／:/　ﾘ `ｰ//ゝ:' `ヽ､､ｨ:ヽヽ=' i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ. 　　'､ i',.　　!:l　 `::.､　　‐'"｀ﾞ¨´ヘ､|! 　　　//　　　　　　｀i　ﾞ'　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽ.i ﾞ　　ﾘ　　:::::ヽ､　　 , '´F＝＝＝＝ﾞ＝ｦ　　　　　i 　　　.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `, 　. ヽ!ヽ　　..::'''''':,',' ｀`'' ",r‐;fテ''j~￣￣￣ ,'　　　　　　i　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ,　 i　 i　ヾｪ､_,ン ,' ;　_,:r'´　　　'´-,　　　　/ 　　　　　.i　　　　.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　 i　,'　ヽ､___,ン　.ir'~´　　　　　ﾆ;―― '　　　　　　　.i　　　　i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　征西将軍　鄧艾

551 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:16:42.94 ID:XpO61CRro

【紀元２６２年夏　魏　雍州　侯和】

　　　　　　　　　　　　　　　　　○金城
【西平郡】
　　　　　　　　　　＼＼　【金城郡】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　×街亭
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧
　　　　　　　　　　 ││　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　○略陽　∧∧∧
　　　　　○　　　× ＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【略陽郡】　　　∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　枹罕　　故関││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
∧∧　　　　　　　　　││○狄道　　　　　　　　　　　　【南安郡】　　　　　　　　　　×隴関
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　▲鳥鼠山＿__　　　　○豲道　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　
　　洮陽　　　　.　× ││　　　　【隴西郡】　＿___ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__　∧∧∧∧　　　○陳倉
　　○　　侯和 .鍾題││　　　　　　　　　　　　○.＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
▲成重山　 ●　　　　＼＼　　　陽谿　　　　襄武　　　　　　冀○　　　　 ○　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿　　　　＼＼　　×　　　　　　▲武城山　　【天水郡】上邽　×段谷
＿＿＿＿＿＿＿.＼＿_／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　鹵城○　　　　　　　　∧∧　　　　∧∧∧∧
　　　洮　水　　　.＼＿__／○為翅　∧∧∧∧×∧∧祁山∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧　箕谷
　　　　　　　　　　○臨洮∧∧　∧∧∧　　　董亭　　　▲ 　　　∧∧∧∧∧∧　×　∧∧∧　　∧∧　　　　
　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　 ×石営　　　　　　　　　.　. ／／建威∧∧　散関　∧∧∧∧∧　×∧∧
　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　 |　|　　○下弁　　　　　∧∧∧∧∧∧斜谷　∧
________________________________________________　　　　　　　　　∧∧∧　.|　|　　　　○　∧○　　　∧∧∧∧　　　　　∧∧
________________________________________________＼　　∧∧∧∧∧∧　　 |　|【武都郡】　　河地　　　∧∧∧∧（褒斜道）∧∧
　　　　　○　　　　　　　　彊川口　　　＼＼　　　　　　　　　　　 .|　| ○武都　　∧∧（故道）∧∧∧　　　　∧∧∧
　　　　沓中　　　∧∧∧　×　∧∧　　　＼＼　∧∧∧∧∧　　＼＼　　∧∧　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　.＼＼　　　　.　　　∧∧　　∧漢城∧　　∧　○楽城　　
　　　　　　　　　【陰平郡】　　　　　　　　　　　 .＼＼　　　　　　　　　.　＼￣￣＼　.∧∧∧○　　 ○_________________________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○陰平　　　　　＼＼　　∧∧∧∧　　.￣￣＼.＼　　　陽安関　__________________________
　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　　∧∧　　　＼＼　　∧∧∧∧∧∧∧ .|　.|　∧∧　　　　　　　　　○南鄭　　　
　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　∧∧∧∧∧∧　 ×＼＼　　　∧∧∧　関城.|　.|　　∧∧　　　▲　　　　　　　　　　　
　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　∧∧∧∧　　　　　橋頭　＼＼　∧∧∧∧.○.／／∧∧∧∧　定軍山　∧∧∧∧　　　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　それを見逃すほど鄧艾は甘くなかった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　姜維率いる蜀軍は、洮水を渡河した先にある侯和で鄧艾の魏軍と激突
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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552 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:17:20.76 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　　　　　（　　　　　　　　　　　　　　　（;;､(,,,　　　、　　　　　　（;;　;;'''））　、
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　　　　　　　　　　　　（（　　 ,,,;）　　　　　　　　　　（　(　　　　,;;）　　　　　　(",）ｿ;ソ　⌒)
.（;;､（;;⌒''）　　　　　　）　ﾉ　　　　　　　　　　　　ヽヽ　 ,,ﾉ　　　　　　　('"⌒;;　ﾉ;;
,,,..　　　;;⌒''）､　　　　（ _　⌒) 　　　　　　　　　　　　）　）)　　　　　　ノ''⌒;;）⌒）..,,,
　（;(､（(　.,,;;;;⌒),,　　　　（　(　　　　　　　　　　　　　（,, （　　　　　(⌒;;;;,,.⌒）　　　)）);）
::⌒;ソ⌒;;;;'''）ノ,）ｿ＿,,,.....=)　ﾉ--''''"""""￣￣｀ﾞﾞー‐-- ﾉ､,,,,,,,_,_　(;;　｀)⌒;;,,.⌒）　　)）);）
（;(（(　　（⌒.从从''"""^　 )ﾉ　　　　　　　　....;;;;;;;::.. 　　　　　　　　""'''''从从,,,,,,'-､,,,　　,,,;;)）
'';,,,,）_,'从从,,,,、　　　　　.'';;;"　　　::::::;;;;;;,,,....　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;:::::,,,'　从从,,,, ）),）

...　.::::..　.　.　.::　:　:..　.　...　:::　:::..　... .. .. . ...　...　..::. .. .　..　.　..　.:::::　::　:.　...　.:::::　:...　.　.::::　:.　...　.:::::　:...　.　.::::
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ!´￣｀`i''ー─- ､､､,,_
　　　　　　　イ三二二ﾆﾆﾆゞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　j〉　　　」´￣￣｀`ー-､ヽ　　　　.,.:,..:.. 　　　.,.:,..:..
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　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. ... ,...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-
　　　　　　　... ,... 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,... 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　＿, 　-─‐- ､ー‐-､ー-､　　;: ;:;: :;:;: ; ;　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　　　,ｲ､,r'⌒ヾ　　　　ヽヾ｀`''ー- -､-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; 　;: 　.　　　　　　　　　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　 ,r/　 (::;;:;:;;/ー-､　　j　 `,　　　＿ /ィ´　　;:; :;　;:; :　;:　　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　戦は数で優位に立つ鄧艾の勝利に終わった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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553 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:18:57.38 ID:XpO61CRro

　　　　　　､::／　 .:.　　　､　　　　｀ヽ:::::::／
　　　　 ,ｲ　　　.:,:.:､ヽ:.. ､ヽ:. ヽ:.:.　　 Y
. 　　　 /,　　｀/メ､ハ＼ヽ,ﾍ'´!ヽ:.!　ハ
　　　　 l/! i 　:.Xf_Tﾄ＼　　ｲT::l７!:! .;:　!:!　　　　　　　　　沓中に向かう。
　　　　 '　N ::.: { ゞ='　.:! ｀　ゞ='　7.:/: .:lﾘ
　　　　　　　l:.:ｉ:.ゝ　　 r -､　　ノｨ'::::.〃　　　　　　　　　.そこで態勢を整える
　　　　　 !:ﾊ:.:＼　　ゝ-' 　　〃:::;:'/
　　　　　　　_'　ヽ:ﾄ:!ヘ.. ___ .. ィi´/:::/ﾚ
　　　　　　,ｪﾍ｀ヽ-‐ '´￣ヽ.　 lﾙ' ﾚ'
.　　　 ,ｲ;:;:;:;:;:｀7_､　　 , -‐ホｭヽ<ュ
　　　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;rハ　ｉｲ´/ハヾ! ハ7z､　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ／::::::｀ヽ､／　ﾄ､　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＞ ' ´.:.:.:.:.:.:.::.::.::!:.ヽ　　　ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.::.::l:.:.:.ヽ　　 (V)　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.::.::/::.::.:|::.:.:.:.ヽ.　〉'マ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /.:.:.:::i:.:::|:.::!:.:.:.::::〃:.::!:::l:.:.:.:.:.:.ﾍ弋_,ｒ'ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 ,' /|::.::{:::{::‐ト､l:.:.::::// _ム-l::.:.:.:::l:.:.｀'ｰ代}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{.,'　!ｉ:.::',::',::ｒト､!_,ノ /´, 二⊥_:.::.:|::.::.::.::|. 8
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　ﾘ　 l ﾄ､ヽ.Ｎﾔじ!　　 'やしア.::.::/）:::.:/ﾘ　8
　　　　　　　　都には戻らないのですか？　　　　　　　　　　　　　　　|::|＼ト､`ｰ' 　　 `= ".::.::/´:::::/　　 8
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,|::|:.::.::.:〉､　` __　　,./:.::/|/ﾊ:/　　　ﾊヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（/ﾘ|:.:.::l{:／ヽ､__,.ィｒ/:::/ |　　}{　　　｛__}ﾄ､)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　∧:.::!-――― ﾉ'/::/　 `ー┴-､　　　 |　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 /　/　,.Ｎ _/_／`'´ヽ//　　　　　　＼　　',　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　／　/,∠ ‐ ´　　 ,　　　　￣|__　　　　　　＼　ヽ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　〃＼|＿　　 /　 ,r ､∧ 　ハ　　　　　　　〉　＼.　　＼

554 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:19:53.99 ID:XpO61CRro

【紀元２６２年秋　魏首都　洛陽】

　　　　　　 ,＞'　　　　　,ﾍ　　ｒ' |　じ'、
　　　　　／　　　　　　／　 ' ,　 { |＿｛薔｝
　　　　　　　　　　／／　　　　 Vr |;;;;;;;,》从
　　　　　 .,'　　／／　　　　　　∨{／｛薇｝
　　　　　/ 　／／　　　、　　　　｝く i　./|;;;|
　 ≧=<_/ イ , '　　　　　　ヽ、　　/　ﾕｙｒ└'
. / ,へ V厂て　　　 ,ゝ亠,ﾐ　　/ ／　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
〈　{　 '　　／　　　 '　 /wｼゝ/／　　　　　　　　　　　　|　姜維は沓中で屯田を開設しており……　|
代　V.　（　　　　　Vﾐ/ 　 {　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
ノ人__)　　＼　　　　￣　 ∨=-、
￣￣,ﾍ　　　　　　　　　〉　 }}
　　 {　、　　　　　　　／　ノ
＿＿ゝ　｀　　　　　￣ノ
三彡'.　　,ト、　　　　, 彳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
、　￣了二〉　゛=="´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　同地で冬を越すつもりのようです　　 |
..＼　　{Viﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
.　　＼_〉ト|
　　　ヽ上i
　　　　｝ __}
　　　　 /彡i

魏　大将軍　司馬昭（字：子上）

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　侯和の戦いが魏と蜀に与えた影響は大きい。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　魏では司馬昭がこの一戦を蜀衰退の証と断じ、蜀討伐を思案し始めた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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555 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:21:51.36 ID:XpO61CRro

【紀元２６２年秋　蜀首都　成都】

　　　　／／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､_.:.:｀ヽ
　　　／.:/ / .:/.:.:. ,ｨ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヾ:.:.'.
　　/.:／:./ .:/.:.:.:/｜i.: .:.ﾄ､:.:.ヾ:.:.:.:.:.:}:.:.i
　　./ !:.://:/:i.:.:/　 |:ﾄ､:.:|_ヽ:.:.:.＼＼|:.:.|　　　　　　　　　 .陛下。
　 /　|:ｨ:.i:.,'.:.ﾚィ一'ﾍ| {.:.'､　＼:＞X.:＼|
　　　 |/! N :.:|:,;jｨ仡iﾄ､ヘ:.:'.ｨ仡ヾｘ :.≧:＼__　　　　　　　董厥様と諸葛瞻様から上奏文を預かって参りました
　　　 |{ |:{:.ﾄ､:{《 {)fz:|　＼ヽ!)fz:} 》７ｰ|-　
　　　.　|:ﾄ､:.N|ヾ-‐ﾟ'　　,　｀ﾞ‐-ﾟ'/イ :.:.|
　　　　.｀　〉:Y＼　　　_　　／.:./:.:.|人
　　　　　 /:|.:.ヽ:.:.＞　　　　イi|:.:../ :.: |:.:. }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､
　　　　／:.:.|:.:.:.:N_ﾉ　　　　ゞ／:.:.:.:.j:.:.:.:＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ヽ ,. -―‐-:::、
　　／:.:.:.＞ﾄ､:.:.:{＿_ 　　　 /:.:.:.:.: 人:.:.:.:.:.:＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´｀v'::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::/::/:::/l:::::::ヽ::::＼::ﾍ:::;ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':::::/::/:::/,_l::ヽ:::::ﾄﾍ::::＼::ヽ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'::/l:::/:::/ｾ=',:::iヽ::|ﾔﾐ::ﾍ::::::::l__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/ .|/l::rY弋i} ヽl ｀ヽ{iｿ｀ YヾΣ
　　　　　　　　どれどれ……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |! ヾ{､｀ｰ　　,　　｀ﾞ´ ./ソﾞ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　　_ _　　 ,ｲ/
　　　　　　　　姜維を益州刺史にして軍権を没収し、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　､　　 ,／ |
　　　　　　　　後任には閻宇を据えるべき、だと？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ｀ｰ _,,='´＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／/ /｀ﾍ　　 / ∧｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, r'/　 {∨l__,∧_,/　　∧　　＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'"´::〈　 /|　/ｿ |　∧ 　　〉　　　　,＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ﾏ'　| i /　|,/　＼／　　　Y　　.',

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　蜀では姜維を都に召還すべしという声が上がっていた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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556 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:23:22.19 ID:XpO61CRro

　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 /:/::::::::::::､::::::::＼::::::::::::::::ﾊ:::::::Y
　　　　　　′:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::rヽぅﾚﾉ:: !ゝ
　　　　 |:::|:::|:::::|:::::::ﾄ､:::ヾ::::::::::｀7人ヽ:: :::ヽ
　　　　 |:::|_:i!::∧ｰ十 V‐:i!:::|::::::´ :::::::::::::::::|　　　　　　　昔のような北伐なんてもう無理なのよ。
　　　　 |:::|/ !′ ヽ:| ｨ=:Vﾐ/|::::::::i::::/:::: ::::::|
　　　　 |::卞=ﾐ　　　ぅ:ﾝ　 |::::i:::|:/､:::::::: ::|　　　　　　　なのに大将軍は、何度負けても北伐を繰り返してる。
　　　　 |::∧弋!　　　　　　|::::i:イ｀j| :::: ::::|
　　　　 |::|!:|　 ′ 　　　　　ﾚ'´ '_ ノ:::::::: /　　　　　　　段谷で負けて侯和で負けて、状況は悪くなる一方
　　　　　~　ﾍ.　　　　　　　ｲ:::::i:::::::::/
　　　　　　　＼｀　　　　　 |:: /:::::::::イ
　　　　　　　　i ､　　-　　　 |:/:::::/:::! |
　　　　　　　　 |:::厂:::|　　　／::::ｲ:::::::｜
　　　　　　　　 |/..:::::ﾉ　　／:::／､|:::::: ｜　　　　　　　　　　.　　　　 .:.:.:.:/..:.:.:/.:.:..ｌ../.:/..:..:/;/　｜.:..|.:.:.l:.:.l　　っ
　　　　　　　 /::::／　r.／:::／_:.:__:ヽ:::!｜　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.ｉ:.:.:.:.|.:.:...l/_:厶.:イ:/　｀トl.:.|.:.:.l.:.:|　　　っ
　　　　　　　　　/:::/':⌒／:::∠ 二二ﾆヽV｜　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.|:.:.:.r|.:.:丁:/__.:./:/　　　|ﾉ:.:厂:|.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.l:.:/（l.:.:.:「 {:::::ヽ　　　 ,.:イ |.:.:.|.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.|:八_|.:.:.:l　ゞ:::ﾉ　　　 {:::ﾉ l_:__|.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.|.:|.:.:.:|　｀~　　、　~´ l.:.::|￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.|.:|.:.八　　　　　　　　　ﾉ.:.:.|
　　　国内が疲弊しているのは間違いない。　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.|.:|.:.:.:| ＼　　 ´'　　イ.:.:.:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.|.:|.:.:.:|　　＞ r ≦.:.: l.:.:.:.:.:|
　　　なんとか黄皓殿からも陛下に取り成してもらえないか？　　　 .l_＞ '"´ |.:.:.:|ヽ　　　 } ヽ＜:」_.:.:.: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,rくﾏﾊ　　 |.:.:.:|　＼　/　 |　　ﾏﾊト:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 /　　Vﾑ　　ｌ.:.:.:|、／}/⌒ﾂ　　 Vﾑ.:.lヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 Vﾑ　　ｌ:/ ￣￣￣￣￣￣￣￣/∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 Vﾑ　/　　　　　　　　　　　　/|/　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′　　　　ﾏV´￣｀ヽ　　　　　　　　／｀ヽ　　,

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　蜀末期を象徴するこの事件。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　黄皓が閻宇と結託して彼を姜維の後任に据えようとした、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　董厥と諸葛瞻が姜維を閻宇と交替させるべきと上奏したとも言われる。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　いまいち全体像の掴めない事件だが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　黄皓・董厥・諸葛瞻が同意見であり、この三人が協調した可能性もある
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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557 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:26:17.32 ID:XpO61CRro

　　　　／／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､_.:.:｀ヽ
　　　／.:/ / .:/.:.:. ,ｨ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヾ:.:.'.
　　/.:／:./ .:/.:.:.:/｜i.: .:.ﾄ､:.:.ヾ:.:.:.:.:.:}:.:.i
　　./ !:.://:/:i.:.:/　 |:ﾄ､:.:|_ヽ:.:.:.＼＼|:.:.|　　
　 /　|:ｨ:.i:.,'.:.ﾚィ一'ﾍ| {.:.'､　＼:＞X.:＼|
　　　 |/! N :.:|:,;jｨ仡iﾄ､ヘ:.:'.ｨ仡ヾｘ :.≧:＼__　　　　　　　　　　　　　　どうしましょう？
　　　 |{ |:{:.ﾄ､:{《 {)fz:|　＼ヽ!)fz:} 》７ｰ|-　
　　　.　.|:ﾄ､:.N|ヾ-‐ﾟ'　　,　｀ﾞ‐-ﾟ'/イ :.:.|
　　　　.｀　〉:Y＼　　　_　　／.:./:.:.|人
　　　　　 /:|.:.ヽ:.:.＞　　　　イi|:.:../ :.: |:.:. }　　　
　　　　／:.:.|:.:.:.:N_ﾉ　　　　ゞ／:.:.:.:.j:.:.:.:＼　　
　　／:.:.:.＞ﾄ､:.:.:{＿_ 　　　 /:.:.:.:.: 人:.:.:.:.:.:＼　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ′::::::::::::::::::::::::::::::トx:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′:i::::::::::::::::::::::::::::::〈⌒ヽ:::::::､:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::|:::::::::::::::Α:::ﾄ､::∧ ｆ芹ト､{ヽ:::::::i、::::<＼::::::::::ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::}:::::::::::::{ｆ'芯:|　＼ﾊ. ヒj　｀　＼::| ヽ::ﾊ　.}::; - ﾐ､
　　却下。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.Ｖ::ﾊ::::/:::::::“.ﾏﾘ!　　｀| ｰ一　　　｀|　ハ::| //　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..V　V:::|､::::::}-‐　　　　　　　　　　　　 __ツ:/
　　今、あいつ以上の将軍はこの国にいないだろう　　　　V:| V{ﾊ　<　　　　　　　　　　／^ヾ::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V! ｀|. ヽ　　ｬ‐ ､　　　　　　/ 　　　>^ヽ＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼. ｀¨´　　　　　　　　／／´:::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 _.　 '´　 .／／:::::::::::::::::_:::::-‐''´￣｀ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ　´ ＼　 .／／:::::::::;::-‐::´::::::_::-､ー--:､::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／入/／::::::::イ:::::;::::::-＜_:::::::｀ー--::ミＹ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.ただ、彼ら三人だけで姜維更迭は困難だったようで、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　どちらの説でも劉禅に決断を迫ったのは間違いない。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　しかし、劉禅がそれを許した形跡は一切ない。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　結局この件はうやむやになったが、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　これで蜀上層部の亀裂ははっきりした
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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558 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:27:17.34 ID:XpO61CRro

【紀元２６２年冬　蜀　益州　沓中】

__　,.::-ーｭ_,､_rv:..､　　　　　　　　　_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,-─-::_,,　_::.　`　.:::., ..:::ｰy　
::.｀`　-､.::...　.:、:...-iー..__,、_　　___ﾉ:.ー､＿　　　　　　　　　　　　　　　,,--‐'´::.......　:i　.::::::::`'-‐'"　_"::.:.:.:.. ,
_::.　`　.:::., ..:::ｰy　....:..　:... .:::.｀'".::　::i..　　ﾍ'￣`::r､─ ､＿, ､_,､--''`'´.:::::::::... .::..　:::.　.:::::...ノ-",::~_-
::`'-‐'"　_"::.:.:.:.. ,_ -　､::..... ::　　　::..v　:....::"　　..:;''.:'"　`　::.　　　:.:....　.::::::::.:.:.:..　:...　 _,..- '':::::::::... .::..　:::.　.:::::...
::. ::..:::.......,;,..　　./:: .:.::　丶　..　..:......､　　:.､　　ノ-",::~_-　､:::::::::::.::...-､　 `-　 :::.　.., '":::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　成都の向充様より使者が参りました　 |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　蜀　.|　　　　┌─┐　　|　蜀　 |　　　　　　　 .|　蜀　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.成都の様子は沓中にいた姜維にも伝わっていたはずだ。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　呉であれば、間違いなく流血の惨事になっていただろう。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .幸か不幸かそうした事態には陥らなかったが、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　これでは姜維もおいそれと都に戻れなくなってしまった
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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559 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:28:47.47 ID:XpO61CRro

　　　 ./:::::i:::::l::::::::::::|::::::::::::::::;l;:::::::::::::::::::::::::::::::､;;::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ
　　 ./:/::::|::::::;ﾍ;;;::::: ﾍ;;;;::::::::::::;|;;:::::::::::::;::::::::::::::::l;;;;;::::::::::::::;:::::::::::;;l
　　/:/:::::;|::::i:::;;;ﾞ i､;;;::::ヽ;;;;:::::::::;|;;|::::::::::;|::::::::::::::::|;;;;;;::::::::::::;;:::::::::;;;;|
　 /;/|::::;;;|::: ﾍ::;;;;;|＼::::::＼::::::::::|;|::::::::;;|:::::::::::;:::;;|;;;;;;;;;:::::::::;;;:::::::;;;;:l
　.|:;| |::::;;;|l:::::;ﾍ:;;;;|.　＼::::＼;r::::l;|::::::;;;|::::::::::;;::;;;;|;;;;;;;;;;;::::::;;;;:::::;;;;;l
　|:;|　|:::;;;|.|::i::;;;ﾍ;;ﾍ　　 ,×､＼;;|::::;;;;/:::::::::;;;::;;;;;|;;;;;;;;;;;;;::::;;;;;:;;;;;;;l
　|;;|　.|:::;;|. l::ﾄ;:;;;ﾍ;;ﾍ／　.,rl' ｀''|:::;;;/:::::::::;;;;;;:;;;i;;ﾄ:;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;l
　|;;|　 .l:::;;| ﾍ:､ﾄ;;;ﾍ＼,ｨく.　|　 /:;;;/:::::::::;;;;;;;;;;;;;|;;| };;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　.|;|　　ﾍ:;;l　ﾍ.l::lヽﾍヽヾﾚ　/;;;ｨ::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;|;;ﾚ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
　ﾍ､　　ﾍ;;l　 .ﾘ　|l＼.　　 ./／/;:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;|l;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾄ:;|
　　　　　　＼''　ﾉ　　ﾞ　　´　 l:|::::::;;;;;;;;;;;;;;/;;|'|;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|. ﾞ
　　　　　　　　　ﾞiヽ､　　_　　 .l:|:::::;;;;;;;;;;;;;/;;;;l .|;i;|ヾ;;;;;ﾞi､;;;;;|
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　　　　　　　　　//　|;l;;;::ﾞヽ　　 |;:;;;;;;;;;;/　l;/　　　ﾞ　　.|､,,_
　　　　　　　　 /'　　.l|ﾍ::::;;;ヽ‐'i'|;;;;;;;;/|　/'　　　_;,:. -‐': : :ヽ
　　　　　　　　　　　 .'　ﾍ::::;;;;;;;;| |::::/,rl　 ,, -:'''´: : : : : : : : : ﾍ.
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　しかし、彼は君側の奸を除くと称して行動を起こすなど考えもしなかった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　まして再度魏に寝返ろうともしなかった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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560 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:30:04.56 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　 ';:::|
　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ　それが姜維という人の美徳であり限界だったのだろう
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
.　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ

561 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:32:21.49 ID:XpO61CRro

【紀元２６２年秋　蜀首都　成都】

　　　　／　.: .:/: : : : :.li : :∧ : : :|: : : : : : ＼: : :.',
　　　　/. .: : : :∧.: : : : :|i :/_ノ',: :.ﾊ: : : : : : : : : : : :.
　　　 ,′/ : :./　! : : : : ｌｉ/　　 V　ヽ. : : :ヽ : : : : : r‐..､
　　　　　 l : : :ｌ　ﾚ'ヽ: : :/　´,ｨf笊ミx､V.:. .:.|.: .: .: : :|: : : ＼
　　　i : : :| : : :! ,ｨ示､',: l{　　　lr'ﾞ::,ﾊ　' i: : :∧ : : : :∧: : : : :＼　　　　　　　　どうして父上は
　　　}l ､ :l : : :〃ir'ﾞ,ﾊ V　　　ゝ--'　　!: :/: : : : ::/　＼: : : : :＼　　　　　　あんな宦官にペコペコするんです！
　　　〉:.V : :从｀ `ｰ´　,　　　 """ 　ﾑｨ:.:|: : :.∨　　　ヽ : : : : :＼
　　　,′:l :/ : :.',　""　　 ___　　　　　 |:.:i : : : |　　　　　＼: : : : :　　　　　お爺様の子として
　　 /.:. .:|/.: : : :ｉ　　　/ー‐ 'ヽ　　　　 V′: : :!　　　　　　＼: : :　　　　　恥ずかしいと思わないんですか！！
　　,' : : :ｲ.: : : :人　　 l/ 　　　}　　　ｲヽ: : :./
　　 : : :/}l : : : l : iヽ　　 `　ー ´　　／ /　|: :./｀
　,' : : /　| l : : | :.l　　,＞　　　　　　／　　}l
　ｉl: :.{ 　 |卜､.:l :.|-‐´ .i　　|',￣　／　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　　　｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　.::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:::::::::::/::::∧:::::::|::::::::::::.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.::::/ :::::::/|:::/丁＼:|::::::::| ::::.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾉ.:.::::{::_/ノ　|/ xぅ沁│::::::|::::::.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠/:.::::::∨r沁　　　ﾋ::ｿ |::::::::ﾄ:::::.:.:.|
　　　　　　黄皓は陛下のお気に入りだぞ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　}.:.::::::ハ. ﾋﾘ　　　 '' L}:::::|ﾉ ::.:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣/.::::::..'' 　　　　 /::::::|::::::.:.:.|
　　　　　　仲良くしておくに越した事はないだろう　　　　　　　　　　　　　　　厶:/ :::ゝ.　｀’　　_/::::::/|::::::.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:::/::::::＞‐:r　/:::: /´|::::::.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:／/::::::/{:::r厂/::／￣ヽ:::.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:／　/:.::::/人／7::/　　　　　':;:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ／:／　　 |:.:::〃{ 《 {/::/　　　　　　'; :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´.:.:／　 /⌒}ﾄ､::{{弌／／　　　　　　 ';.|

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.さて、姜維が成都を離れた状態が続き、黄皓の発言力はさらに強くなる。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　 .「皆、互いにかばいあって、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　政治を矯正する事ができなかった」と陳寿は当時の状況を記す。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　そんな態度をとっていた諸葛瞻が
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　同僚からどう思われていたのかを紹介しよう
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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562 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:33:08.52 ID:XpO61CRro

　　　　　／　　 l　ｌl　　　　／ /
　　_,,.ｨ　l　　　　ﾘﾘ　/ ／／ /
　　i　l　 '､　　 / /.､／‐‐く //
　　ヽ_＼　ヽ　/　' _ ｀¨}　　ﾌ‐く
　　｀ヽ｀¨ﾆ二ﾞ　　´ l　/ ,.ィ.＞"　　　　　　　　　宗預よ。
　　＼| ｉ l　　i　　　 j ／／ﾆ、
　　　＼ヽ､〉!ｉ　_ノ ,イ'"i沙　　　　　　　　　　今から諸葛瞻殿の所へ挨拶に行くが一緒にどうじゃ？　　
　　　　ト-ﾆ⊥!ｌ,レ_' ､｀¨￣
　　　ヽ.¨ｨ弋ﾀ　　｀　＼＿,,.
　..　　　　ﾊ　¨ﾌ!_⊥.,_/
　　　　　　 ',ｰ' ヽ､／、､､
　　　　　　　',　,.ｨ T⊥ ┴ヽ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .r‐-､,,､ﾄ亥　''v!ヾ/|　!!ﾉ |'i .)ヽ,　,､
　　　　　　　 V ｌl/,. ''"￣￣¨　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. r‐亠彡ミ､　　ﾐ|ﾄﾐﾐ|ヾ))/ﾉﾉ ´.''彡}ﾉ!|　
　　　　　　　　Vﾊ　 ,.ニﾆﾐ、､､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i´ ///　≡ﾞ､`vi∥|　!以´'　＜ヾ≡　ﾉﾉi　
　　　　　.　　　Ｖ//l　　ｌi　ヽ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . !, //// (r､､i , ﾝ､／　　ヽヾ　　≡三.c,,ﾉ|.　
　　　　　　　　　|.i l l　　ﾘ　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　) | |/　》　)/ｲ´''''‐-i |iﾉ iiﾉ　ヾ､ヾ=　<<　
　　　　　　　　　ヽゝi..＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .く　! |　 |` .|ｲ{　　　 i!/ﾉﾉｲ　ﾐミ=---ミζ　
　　　　　　　　　／´--──　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,､! 彡r,ソ　ﾄ､ri　,,　ﾘﾉｿ　ﾄ､ﾐ　ミミ≡γ.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. , ｱ .t‐'　　　 tﾃ}ﾞ '`tﾃ==-､⊥,,.t三≡彡　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//τ'' 　　　 | 7　ヾr ‐´´￣　 i!/´ri.|､| .　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ii|'´ 　　　　 |<..　 ´　　　　　　 '　)）!ﾉ､|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　``　,､r-<ヽ,　__ 　　　　　　　 /σﾞ'λ!i |　
　　　　　　　　　　　遠慮しておきます　　　　　　　　　　　　　　　　　...　　　i! >, ﾃ=　|　`　、　　　/ 　／　ヽiκ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　ﾉゝ'`´ |　　　,､､-‐'''´,､-''　　　 yﾍ,　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　　　ヽ､　 .!´-､ミ-t'''i´,,､､-''´_　　　　　//υi　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　＼　　　 ! . } {　　!i'´´i!　　　／　　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,,,､､､/｀'''‐　,.r‐'　ヽ　　　　.　／＼　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　´'''''''‐‐‐‐‐‐''''r'|　ヽ　　　／　　　＼　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　鎮軍大将軍　宗預

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　廖化が宗預の下を訪れ、一緒に諸葛瞻の下へ参上しようと誘った。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　 .
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　すると宗預はにべもなく断わった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

563 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:34:17.58 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-=ﾆ二ﾐﾐヽヽ| ﾄiヽ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　,. -‐'//￣二ヽ＼）川ヽヽヽ　ヽヽヽ
　　　　　　　　　　　　／／彡　　三ミ､ヽ｜ﾚ´　ミﾐ、　　|｜ヽ|川）
　　　　　　　　　　_,.‐'´彡彡三　―-､ヽ川/-―-､｀ヽ、　/　川川
　　　　　　　　　/／´彡彡二_｀''ヽﾐ　ヽﾘ　　―‐-ﾐヽヽ川 // //）
　　　　　　　　 /　 /　 / _,.-‐､｀'ヽ　ヽﾘ _,........_　　　ﾘヽ|/ﾉ　／彡
　　　　　　　,ノ　 /　　　/ //｀>＼_ヽﾘ彡--､　　　　ー-ラ　　彡
　　　　　 r彡,.-''´　　　 Y / / r‐'ヽﾐﾘ,,.-‐'ヽ　ﾄ､ヽ二三ミヽﾘ　彡　　　　我々は七十歳を越え、
　　　　　/／／　　　　ノ |　|｜　　｀'""´ 〉 /　､ヽ￣　　ヽ'三彡　　　　すでに身に余る位階を受ける身。
　　　　　|　 /　　　 ,／　|ﾍ,､ !|　　　　　　 |　||　　ﾐミ三 /´!川ﾘ
　　　　　|ﾘ |　　　（　_,..-| | ＿!、　　　　　| / ヽﾐ＿＞ /ri |川ﾘ　　　　　ただないのは死のみ。
　　　　　＼ヽ　　　ヽ: : :,.|| ヽr‐;､')　_,.---ヽ!＿＞'´| //lﾉﾉﾐ川
　　　　　　ヽ!　　　　|／ : | 　￣,.i　r-,＜r''';,..-'ﾞ　ﾚr',.／ヽ川ヽ　　　　年少の輩に何を求めて、
　　　　　　　 |　　/ / : : ／|　　｜|　|　|　￣　　　,､.iﾞiﾞヽヽﾘ　ヽヽ　　　こせこせと訪問しようと言うのです？
　　　　　　　|　　//: : :◎: : |　　 !l__!.../ 　　　　 / ,ﾍl : ＼ﾐ､ヽ　ヽ
　　　　　　 |　　 /: : : : : : : : |　_ ﾞ'ｰ''´　　　　　　ノ:'´ : >'"'i :＼ヽ　ヽ,
　　　　,.-'ﾌ|　　 |: : : : : : : : : :| ゞ_'＝=-､,_　　／: : : : : :ゞ‐': : : :＼ﾐ､ヽ
　　　ﾉ: //∧ヽ　|: : : : : : : : :| |　「｀'''ｰ　／: : : : : : : :/: : : : : : : : ＼-ゝ
　／: /:/ |: :ヽヽヽ : : : : : : : |　!_　　 ,.-''´: :,:-'´ |: : :/: : : : : : : : : : : : ｀ヽ、
　|: : : |/: : |: : : ＼ﾐ_､_: : : : : ヽ: : :￣: : : : |r'´　　|: /: : : : : : : : : : : : : : : : : ｀'ｰ-､＿

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　結局宗預は行かなかった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　 .
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　民衆からは熱狂的な支持を得ていた諸葛瞻だったが、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .宗預からはいささか懐疑的な眼で見られていたようだ
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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564 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:35:33.50 ID:XpO61CRro

:; :;:;::;: : ;:;: : :; :;; : ; r､ｊ　彡　　 :
: ;:; :;;: ;: ;;: :;' :;; ;: : .Y|}ィ　　　　ミ{ﾄ''　ﾍ
;: ;; ;:: :; :;; ;:: :: ;:'' :; ::T'' __,,ィ　=ｭ''　ヾﾊ　,,ィ´
;;':; :;;' ;: :;:: :;; :; : ; :; ﾉｿvゞ,､　　｀ヾ｀　ﾐ Y/j/　
;:; :;; ;: ;::; ;:;;'' :;: :;ィ’ノ!fy彡ﾍ_ｒィY　　ミ }!j/j/
;:;; ;::: :;;:; :;: ;: :; {イヾ''tｿvゞｿxfyヾ￣ヾﾐ!|-
:;; :;; :;: :;;;: ;'' :;:; 〉ｲ/ｿfyゝ=-yｿfﾐ｀ヽィミｌ!
:; ;; ;:;'' ::;: ::: ;:;: /j/j/　　　　　ヾﾐｲｊ　　ﾐl|!:
｀;: :;; :; :: ;:'': ;::;/1j!/j/'´　￣｀ミﾉ彡￣ヾ!|:
　ヾ:;:: ;:;: ;;::: ',//j/イ　　　　　　ゝ''　￣ミｌ!:
　　ゝ:; '':;;:: ::;ﾉX/j/´-―　ｰ-､ｊ　　　ﾞ''ヾ!:
　　{:;:: :;:;;: r'ﾐY彡yｨ彡　ｲ{ 　 Yイ　　ｰ　ゝ
　　　｀ヾ:;: '-yｲ!/´　ｒｲ>=ｭ､　''　　　　　ﾐﾉ
　　　　　　ヾj//　 Yミｒ　ヾミヽY-=三ﾆミ|i｀ヽ
　　　　　　 /j/jｨ　ｿ' ｲ彡≧　l|　　＝‐-{l　(_）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　 /ｊ/lj/j/イ　｀''　三ヾ!　　　　::;l|､｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__,.　＜　　　　＞、
　　　　　/j/i/ｊ!/ ｿ　　ﾐ　　 i!　ﾐ≧､　ﾊ　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_, ／　／　ｨ　ﾊ　ヽ　､fj＝ミ
　　　　／ミヾ!ｊ/ ｨ /: :　　　　 j|ﾐ　ﾌ彡 {〈　＼j　　　　　　　　　　　.　　　　　　 ≠フ. /ｨ　/ ./// j/　 ', ﾄ, ',　ﾟ ,　ヽ＼
　, イ´ミヾソｲ/ｊ彡!:: j　　ミｿi　Y_　 ≧ﾆゞ､ﾊﾍ｀ヽ、　　　　　　　　　　　　　　-=彡' 〃 l　, /ﾚ'r匕　　ト-V∨　∨ .∧ヾ、
´ミヾ､ソｲ/／ｲｊｌ: :ｲ　　ﾐ|l|j:; ｨミｭ　,,ｿｲミ､＞‐=-: ≧ｭ､_＿＿＿　　　　　　　_／=‐ｨ>' ∨}'　 ◯　　　 ◯　 }l 　ﾄ,',、 ',
　　ソｲ/シ/: :;'　ｊｿ彡 _,．､ヾl|jﾊ｀ｰﾐヾ　ミiｲｒ'　⌒ヾミｰ､: : : : : : : 　　　　　　／>' ! ,　 /|　,,,,　　　　　 ,,,,　ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　／, '　　|ﾊ　i {.ﾄ､　　　　　　　 ,. ィi| ,'　',ﾊ j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　 //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i　',ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 //　ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll　|::|
　　　　　　　　　　　　　あー、これはひどいね　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　　 {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{　 }　　 |:」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　光禄大夫　譙周

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　同じ景耀五年。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　 .
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　宮中にある大樹が理由もなく勝手に折れた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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565 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:36:28.44 ID:XpO61CRro

　　　　　　　／ﾉ｛｛`ヾ　　　　　 -‐…・・・…‐-ミ　　　　＼＼
　　　　　　／／　ヽ＼j　　 .∠　　　　　一　`ｰ一'　｀ヽ　　　　ヽヽ⌒ー
　　　　　/,　′ 　　　冫z ／　,　'　／　　　　　　　｀ヽ　　＼／／｝　',　/λ
.　　　　〃　　　　　 i孑 ´ ／　,　　　′　　　 :.;ハ　　　　ノ入_ ノ　,人,' ,′
　　　 ,'　　　 ,　 γ 〆　〃　/　　/　,､　　　 .:.:.;∧　　∨彡孑一'　/ /
.　　　/　　／／' /／　/ 　 , ′　　 :i ',　　　.:.:.:.:.',　　ﾏ／.:.:.:.ヽ〃/
.　　 |'　／／　､〃　　　　 /ﾘ　　　ｌ　:! ヽ､　　.:.:.:.:.}　　ﾊ　.:.:.:.:.;∧ ｛
　　ィ／' , ′ 　/{　　　斗七爪｀ヽ!､,|　 ∨孑廾ト､　　　　.:.:.:.:.:.:.:.', ヽ
　　／　, ′ 　 /｛.　　i／　{　,ﾊﾄ ,､ﾊヾ　　ヾ＼ .:.:.:.} ＼八　 .:.:.:.:.:.:',　,|､
　/ l | / /　　〃λ　 :| ,　ﾄz竓芹ミx　　　　 x竓ﾘミx　　　　　 .:.:.:.:.:.:.ヽ | l
,/　| |f　, 　ｲ　/∧　 |/,! 从 r'乂'!　　　　　　 r'乂'､!ﾘ　 } 　i　 .:.:.:.:.:.:.:.:l | '
　　|'冫/　 ./i / ,ﾊﾄ　八ヾ　∨ツ　　　　　　 ∨Ｚツ　　　　}　 .:.:.:.:.:∧:ﾘ　
　 λ∨　 / .|' /　　从　' トヽ　　　　　'　　　　ｲ　　/　　!　 .:.:.:.:ﾉ　}:ﾊ
　 {/i　',　,′冫ﾉﾙ' {　　| ハ,　　　 ,､　｡　　　　ﾙ　　′　/　 .:.:.〃　ﾉ' ′　　　　　　　　　…………
　 '　ﾏﾍ｛　//)イ　 ',　ﾄ ! 　个o｡　f' i　　　　　/　　/ 　彡　.:.从′　 /　
　　　｀┘ｊ〃　　　　ヽｊヽｿ／｀ヽ_ /　ﾄ　　＜〃　ノ　　　　.:.:ノヽｊ　　/　/
　　　　　/　　　　　　　 {　　f.､ /　/`Y´￣ﾉ'´ﾙ'r‐､　ｰ=彡ｊ'/　　 /　/
.　　　　ｲ　　　　　,. -‐一' 　ﾊ /　/γYヽ, -‐´=＝ﾆ＼丶　　　　く_／
　　　　 |'　　　／: : : : : : ヽ　, ′/ノ　/〆´ f : : : : : ヽﾉ丿
　　　　 l|　　　/: : : : : : : : : 冫　´￣　　｝｀ヽ,/: : : : : : / /ヽ
　　　　｛|　　　} : : : : : ／´7　　'`ｰ-┐┘‐-┐､ : : : / /: : : ＼
　　　　,' ｝　　冫 : : ／／/　　　‐-｛　　　　λ　￣ノ: : : : : :∧
　　　　ﾚ'　　 ,': : ／r‐‐'/　　　γ　/ヽ´￣￣i `ｰ､匕 : : : : : : : ﾉ
　　　　　　　/:／　/ ヽ　　　イ／´|　∧/´￣￣｀ヽ: : : : : : : ｀i
　　　　　　〃γ く　　'　一'´ ｀ヽ | /　し'⌒ﾒ,　ヽ丿: : : : : : : :|
　　　　　／∧/ : : : ヽ　　　　 7 :!｛　 /´ ￣　　｀ヽヽ／: : : : :!
　　　　〃/ {:/: : : : : : : : :‐-　　┘λ',　ゝ一'´￣`　 !:ヾ : : : : : :{
　　　 / / /´: : : : : : : : : : : : : : : f:!´t|ヽ｝／´￣　｝: l | ヽ: : : : |
.
───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　譙周はその事件に深い懸念を抱いたが、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　語りかける相手もいなかったため、近くの柱に次のように書きつけた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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566 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:37:35.18 ID:XpO61CRro

┌─────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｱﾂ　　　　　　　　　　　　　　...│
│衆にして大であれば、期日を約し会まって来るものだ。　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│ｿﾅ　　　　　　　　　　　　　　　　　.ﾓﾄﾞ　　　　　　　　　　　　　　　 │
│具わって授けたならば、どうして復せようか。　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　どう見ても師匠の字だお。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　＿, 　　／　　　　 |
　　　　　　　ロクでもない内容なのはなんとなく分かるけど　　　　　　　　　＼（ー⊂ヽ､∩ 　ｕ　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　|　ゝ＿＼　／　)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　|＿＿＼　　”　／.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＼／

　　　 |: : :/: : : : :{: : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : :ヽ: :ヽ
　　　 |: :/: : : : : : '; : : : : : : ＼: : : : : : |: : : : : : |: :,
　　　 |: : : : : : : : :ハ: :､: : : : : ＼: : '; : !: :!: !: : :ﾄ､:|
　　　 |:|: : |: : :|:-/_ ヽ: :＼:＼:_:_: : :_!: :!: :!: !: : :|　:|
　　　 |:| : :|: : :|:/__｀ヽ＼: :ヽ弋 : : : : ; |: :|: |: : :|　||　　　　　衆は民が多いの意味。
　　　|:| : ﾊ: : |ｲ　f心　ヽﾄ<ィf笊心: :!: :!: !: : ;　.|!
　　　 |ﾊ ;':::; : |:,ゝゞﾟ'　　　　　ゞ''ﾟイ: :|: :|: |: :/　　　　　　　大はそこから連想すると魏でしょうね。
　　　　 |ハ:! : !:,　''　　　　　　　　 ,:イ|: :|,ｲ:/
　　　　 j　ヽ: !:.ヽ　　､_ '＿,　　／: :|:|:./ﾘ ′　　　　　　　.民の多い魏には、天下の人々が集まっている
　　　　　／.:jハ: :介ﾄ .　- 　_,.イ : : : |:/.:/.:＼
　　　　_入.:.:.:.:.|ヽ!/!　　｀¨　　 {/l:ﾊ:. !'.:.:.:.:.:.:.:》
　　 ./.||:.:.';.:.:.:.!:| { |　　　　　／.:.:.:.:V.:.〃＼.:.:ﾊ
　　 /　||.:.:.:!.:|.:| Ⅵヽ　　　 /.:.:.:.:.:.:.:／/　　 }.:.:.:.;

567 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:38:41.37 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　／　　u　　ノ　　＼　　　　　　　　　もう片方は、備わって授ける。
　　　　／　　　　 u （●）　　＼
　　　　|　　　　　　　　（__人__）|　　　　　　　　師匠が前に言ってたとおりなら、完結して授ける。
　　　＼　　　　u　　　.｀ ⌒／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　先帝と今の陛下の意味に違いないお
　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.';.:.:ヾ:'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.: ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:.:.:':,:.:.:ヾ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:i ､:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:;ｨヾ:.:.:.:.ゞ:,_:!｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.!　ヾ:.':, ､:.:.:.:.':.:.:.:.ﾄ､:.:.';.:.:.i
　　　　民の多い魏には、天下の人々が集まっている。　　　　　　　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. !:.:.:.:.'7¨￣｀ヾ:.､｀ﾞ' ｰ,ｲ苅ヾ:.i:.:.:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ';.:.:.:/　,..zｪ.､　｀　　匁ｿ ,!/!:./
　　　　完結して授けたのなら、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';.:i.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.';./　ｲ:::r;:::!　　　　　　　ｲ:::/
　　　　どうしてさらに即位する者がいるのか？　　　　　　　　　　　　　';:! ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､'.、　匁zｿ　　　　 ,　　八′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ':.、｀Y:.:.､:.:.:.:.:.ヾｰ　　　　　　　 ,.ｲ/l!
　　　　前半は魏、後半は我が国ですか　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾉ:.:.!ヾ':.､:.:.:人　　　　ー　,.ｲ::/　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ ,!:〃ﾆ‐li¨ヾ:.:', ｀　ｰ,. --‐ '´　i/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´ /ﾆ,.'::::ﾉ:::､:'.:.!　　 /､:ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾆ/:::::::::::::::ﾉ.l!.ー―‐｀ｰ-ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'ﾆ/:::::::::::'::´:::::::::::::::::::::::::::::::::｀ﾞ:':..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l.,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:: -―､､ヽ

568 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:40:19.63 ID:XpO61CRro

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　　＼
　　　　／　＿,　、＿　＼
　　　／　（ ―）　（― ）　.＼　　　　　　　　　　なんだって師匠はこんな真似するんですお？
　　　|　　　　（__人__）　　　　|
　　　＼　　　　` ⌒ ´ 　　／　　　　　　　　　　.変な疑いかけられるだけなんじゃないのかお？
　　　／ゝ　　　　　　　　　｀ヽ
　／　　　　　　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : : :l:.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ﾉ!: :|: : : : : : : : : : : : :|: : :!ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :ヽ: : : : : : ヽ: : |: :!: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八: : ＼: : l: : : ＼|: :|: (_
　　　　　　饅頭にしては超殊勝な物言いですね　　　　　　　　　　　　　｀ー-ヽ:|:ﾊ:ﾄ､ヽ!:ト==-'　=ミ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ノｲ´ﾘ￣｀ヽヽ　　 }} ヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /l/|｀ヽ　　　　}　',　 -=! l ｢L
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }/! |　　V´￣=|　 |　　 .|/　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ( | |　　 }|　 //!　.ﾄ､　 .|'　/　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ( | |　　 }! ／　|　 | ヽ　!イ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (//　　 .|//　　!　 !　　|｀ヽ　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/|　　　.!/　　.|　 |_　 | 　＼　　　 }_

569 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:40:55.31 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　／　　　　＼　　　ｳｶﾞｰ
　　　　　,---､　　＼　　／＼―、
　　　　 .l　　　ｌ　（●）　（●）＼ |　　　　　　　　どういう意味だお！
　　　　 |　　　|　　（__人__）　　 | |
　　　　 .|　　　|　　　|!!il|!|!l|　　／ /　　　　　　　いい加減饅頭呼ばわりは勘弁ですお！！
　　　　　ゝ　　　　　|ｪｪｪｪ|　　　ノ
　　　　　　＼　　　　　　　　　／
　　　　　　 /　　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､,.　-‐　　‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.': : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : ヘ: : : : : : : : : ::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : :/: : : : : : : : : : :＼: : :゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : ::/: : : :＼ﾍヘ､: : : ::i:: : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 　 |: : 入: : ＼＼:＼＼|: : ::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : ::ﾄ十‐-＼从ﾊ芹ﾐヽゝ: :|‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐ヾ: : | ｨF气　　　　辷ﾀ　|: :::|　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　r‐|: :l 乂ｒﾂ　　　　　　　.|: : |ヘ.　　＼
　　　　まあ、先生には先生の考えがあるんでしょう　　　　　　　　ｊ　 |;;;;|: :ハ　　　　 ´　_　　/|: :::|;;/ ヽ､　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 |;;;;|:.ﾄ､人　　　 ′　イ从|: ://　　ヽ　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　ﾄ､.|::}　Vﾘﾆ=-┐　　.|___ |/ソ　　　　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　 |￣Y￣ゝヾ＼-､　　 r　/￣::{￣　{ｰ─＼　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　 }　　}　 }.:.:.:.:.::＼ｰ‐一/.:.:.:.:.:|　　 |　　　　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　 /　ｊ.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ　/.:.:.:.:.:.:.| 　八＿＿＿　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ-一´/　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼／┴/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.: k一′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::ｏ|.:.:.:.:.:.:.:.:.:..l

570 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:42:02.06 ID:XpO61CRro

:; :;:;::;: : ;:;: : :; :;; : ; r､ｊ　彡　　 :
: ;:; :;;: ;: ;;: :;' :;; ;: : .Y|}ィ　　　　ミ{ﾄ''　ﾍ
;: ;; ;:: :; :;; ;:: :: ;:'' :; ::T'' __,,ィ　=ｭ''　ヾﾊ　,,ィ´
;;':; :;;' ;: :;:: :;; :; : ; :; ﾉｿvゞ,､　　｀ヾ｀　ﾐ Y/j/　
;:; :;; ;: ;::; ;:;;'' :;: :;ィ’ノ!fy彡ﾍ_ｒィY　　ミ }!j/j/
;:;; ;::: :;;:; :;: ;: :; {イヾ''tｿvゞｿxfyヾ￣ヾﾐ!|-
:;; :;; :;: :;;;: ;'' :;:; 〉ｲ/ｿfyゝ=-yｿfﾐ｀ヽィミｌ! 　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
:; ;; ;:;'' ::;: ::: ;:;: /j/j/　　　　　ヾﾐｲｊ　　ﾐl|!:　　　　　　　 |　　　饅頭扱いの撤回を要求するお！　　 |
｀;: :;; :; :: ;:'': ;::;/1j!/j/'´　￣｀ミﾉ彡￣ヾ!|:　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂:
　ヾ:;:: ;:;: ;;::: ',//j/イ　　　　　　ゝ''　￣ミｌ!:
　　ゝ:; '':;;:: ::;ﾉX/j/´-―　ｰ-､ｊ　　　ﾞ''ヾ!:
　　{:;:: :;:;;: r'ﾐY彡yｨ彡　ｲ{ 　 Yイ　　ｰ　ゝ
　　　｀ヾ:;: '-yｲ!/´　ｒｲ>=ｭ､　''　　　　　ﾐﾉ　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　ヾj//　 Yミｒ　ヾミヽY-=三ﾆミ|i｀ヽ　　　　　　　　　　 .|　　饅頭が一人前になったらやめましょう　 |
　　　　　　 /j/jｨ　ｿ' ｲ彡≧　l|　　＝‐-{l　(_）　　　　　　　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／　
　　　　　 /ｊ/lj/j/イ　｀''　三ヾ!　　　　::;l|､｀ヽ　　　　　
　　　　　/j/i/ｊ!/ ｿ　　ﾐ　　 i!　ﾐ≧､　ﾊ　 }　　　　　
　　　　／ミヾ!ｊ/ ｨ /: :　　　　 j|ﾐ　ﾌ彡 {〈　＼j　　　　　
　, イ´ミヾソｲ/ｊ彡!:: j　　ミｿi　Y_　 ≧ﾆゞ､ﾊﾍ｀ヽ、　　
´ミヾ､ソｲ/／ｲｊｌ: :ｲ　　ﾐ|l|j:; ｨミｭ　,,ｿｲミ､＞‐=-: ≧ｭ､_＿＿＿　　　　　　j　 |:l　　　 !::　:.,　　 :l:::l　
　　ソｲ/シ/: :;'　ｊｿ彡 _,．､ヾl|jﾊ｀ｰﾐヾ　ミiｲｒ'　⌒ヾミｰ､: : : : : : :　　　　　 j　 l｣_r―┐|_＿ l.　　::|::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/j　 l|　〒ﾃ「　　　|　 :::|:::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 /l　/|| l　lﾊ　　 l　 :::|:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,/＼ / l　{_ﾊ_| lメ〈　　ｌ　.:::|／l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼./ｰl　l乂l　l∨〈　　lー/ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {＿l　l乂l　l　V ﾊ　|‐/　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j　l乂l　l　 ∨:l　l /'´
　　　　　　　　この国が滅びる？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l　l乂l　l 　ｌヽl　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　l乂l　l　　lく l　l
　　　　　　　　そんなはずありません　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l乂l　l　　l∠|　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　l乂l　l　　l∠l　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ j乂/ /　／　ﾍ _/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 乂　lｰ'　　　／ :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l 　　 { ＿＿/ ＿｣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　　〈￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ==='ｲ

571 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:42:44.96 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　 {ｲﾊ＞‐＝ﾆ..v‐､ー- .､　　　＿
　　　　　　　　(⌒,ｲ: : :/: : : : !: : ヽ.:¨: . .､(⌒)ﾏ
　　　　　ｒ‐／..／: : : :|: : : : !l: : : : : : : : :.＼!ヽ＼
　　　　　 i｀ー'´: i|: : : :|: : :/ ｉ|: : : : : : :＼: :ハ.:.＼＞
　　　　　 |: : : : : ｉ|: : : :|: ,ｲ＿ﾄ､: : : :ﾄ : : :ヽ: ::i: : :i
　　　　　 |: : : : : ｉ|: : : :|:7/j 八＼: :.!弋ヽi :l: :!: : l
　　　　　 |: : : : : ｉ|: : : :ﾚ'ｨﾁ圷　　｀ rﾃｧﾐ: :!/: : ,
　　　　　 |: : : : : ｉ|: : : :ﾑ込ｿ　　　以ﾘﾉノ : : /
　　　　　 l: : : : :.八: : :人　　　　 '　｀´ i !: : ::/
　　　　　 |: : : :ｲ : : ',.: : :ｉ＼　　‘’ 　　ｲ |: : /
　　　　　 |: : : : !: : :.∧: : ﾏ个　 _　＜.: :i :|.:∧　　　　　　　　　　　　　　漢王朝は不滅です。
　　　　　ｉ: : : : !: : / ∧: : ∨i!ー､ﾄｫ: : : : l/: :ﾊ
　　　　　 l: : : : ｉ＞―Vﾊ: : ∨＼i￣ｉZ.: : :i: : i: :',　　　　　　　　　　　　 .決して滅びません
.　　　　八: : /　　　　Vﾊ: : ﾄ､.:.:＼!.:ﾍ､::ｌ: : l: : .',
　　　　 /: : : /　　　　　ヽ:i: :l　＼.:ﾊ.:ﾑﾄ､: l: : : .,
.　　　 /: : : /　　　i　　 ! 　l: :l＿　＼}.:.:ｉ　＼: : ::j
　　 /: : ／　　　 !　　 ',　|: :l 　 }　　i.:.:.l 　　　V: i
. 　 /.: :く＿＿　　 |　　　∨: :l　ﾉ　 :l.:.:.l 　　　 !: l
　 /: : /.:.ゝ/　｀ｰ＜＿ｨ' ｉ: :|´iﾒ!＿_」:.:.l　　　ﾉ: :!
. /: : /: : :./ 　　／　 { 　!: i /v'──-　ニイ. : : !
/: : ｲ: : : :i　　 /￣　　 i／ﾚ'/i/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/: : : :,ｨ）
: :/ .i: : : ::l 　 /　　　　　i　i,ｲi/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/: : ／ﾚ'
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: ゝ. !: : : : :＼　　　 / iニニ二〔￣￣只￣〕:: : : :l

　　　　　　　　　蜀　北地王　劉諶

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　.
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　国家は活力を失い、人心は離れ離れになり、人民は疲弊する一方。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　これが景耀五年の蜀の現状だった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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572 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:43:15.93 ID:XpO61CRro

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　＿＿　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
　　　　 l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ
　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
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　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　
　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ　　　　　そして、最後の一年が始まろうとしていた
　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　　.
　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、
　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ
　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ
　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
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　　 l.　 l　　　　ヽl.　..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
　　ヽ　ヽ．__ ノ |　::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　｀ｰ-　一ﾍ　|::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
　　　　　　　　　　　7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
　　　　　　　　　／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ

573 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/19(金) 01:44:03.65 ID:XpO61CRro

新規CAST

～蜀～

●樊建（はんけん）　初春飾利（とある科学の超電磁砲）
●趙広（ちょうこう）　星（恋姫†無双）
●劉諶（りゅうしん）　桃香（恋姫†無双）

　　　　　　　　　　　. .-――…――. .、
　　　　　　　　　. : : : : : : : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::,
　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : :.
　　　 ./: : : : : : : : : : : : : : : :.',: : : : : : : : : : : :.
　　　　 |: : : : : : : : : : : : : /: : :/ : : : : : : : : |:|: :.!
　　　　 |: : : : : : : : : : : : /: :／ '; : : |: : : : : :'; : :}
　　　　 |: : : : : : : : : : : /:／-、　'; : |: : /､: : ＼!
　　　　　'; : :、: : : : :!: :|/　＿≧ヽ: l､ﾒ:､:ヽ:ヽ≧=-'
　　　　　 '; : :ヽ: : : :|: :.| 〃 /心ヽ　｀/刈: :.//
　　　　　　}:l: |: '; : :.|: :.!　　ﾋツ　　 '　/: //　　　　　　　　　　　　_ -　　　　おしまいです。
　　　　 j/lハ:.ﾄ､: '; :{　 ' ' '　　　 '　ｲ: ;イ　　　　　　　　　　, ＜　 !
　　　　　／　{ j:ﾊ:ﾄ､:|:ト .　　 r , イヽ|:/　　　　　　　　　　／　　　 ′　　蜀討伐直前の状況をまとめてみました。
　　　／　／ヽ　j'　ヽ{ミヽ７T ´l/l'　　＼　　　　　　　　／　　　 ,′
　　 / 　 / -､　＼ ==ミ＿_》/　 } |_ -=ニ二￣￣￣￣`!　　　　　　,′　　　.次回投下についてはまた後日
　　 ! 　 .|　　ゝ_　!　ヽ　|　|　》　Y　　　　　　　　　　 |　　　　　 ,
　　 |　　 !　　　{　ヽ　!　|　》　》　|　　　『詩　経』　　 |　　　　 ′
　　 |　　　　　　ヽ〈　',　',　》　》. !　　　　　　　　　　　 |　　　　　 ,'
　　 .!　　　　　l　ﾄ L　',　', .》　》,'　　　　　　　　　　　 |　　　　 ,′
　　 .|　　　　　',　| |　ヽ ', .', ヽ　,　　　　　　　　　　 |　　　　厶 --　､
　　　!　　　　　.Ⅵ ヽ　》 ', .', 〈　!　　　　　　　　　　　 |　　_　／　　　　　＼
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　　　 !　!　　ヽ}　 ',　　》 | |／|　　　　　　　_　/　　　　　　　　 ',　　　　　|
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574 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/19(金) 01:49:51.63 ID:gtI+USnMo

乙です

恋姫劉備がお孫さんになったー！？

575 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/19(金) 01:58:03.90 ID:t+rXjY6Fo

乙です。しかし遂に恋姫†無双投入ですかｗｗ

＞それが姜維という人の美徳であり限界だったのだろう

確かに事実だが、その一文で断じるのには余りにも・・・。
しかし諸葛瞻って黄皓の事嫌いじゃなかったっけ？それ以上に姜維の事を疎ましく思ってたんだろうか？
何にせよ、弟子扱いの姜維を好ましく思ってなかったの描写がなくてもわかる。

576 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/19(金) 02:04:06.77 ID:FTAd25Z0o

乙

劉諶の頭がすごいお花畑に見えてしまうキャスティングだ・・・。

577 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]：2012/10/19(金) 02:26:30.09 ID:2TZb9Nwho

乙です

そろそろAAの方もかなり限界に達していそうな…

578 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) ：2012/10/19(金) 03:52:11.59 ID:BjhUwsnR0

>>575
姜維がいなければ次の大将軍は俺
とか思ってたのかもな

579 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/10/19(金) 07:37:49.59 ID:7wjBbAG9o

乙でした
劉禅の姜維以上の将軍がいないってのが、もう色々限界が見えているのがわかってる台詞なだけにキツイな

580 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/10/19(金) 09:22:21.32 ID:49cvZc+no

乙です
疲弊し、内向きになっていく国だから仕方ないんだろうけど、
中央が実績に裏打ちの無い面子が幅効かすようになったら
お終いだなあ、と感じるな…

それにしても譙周のフリーダムっぷりは
ホント異彩を放ってるなｗｗ
ちょっと短気な主君だったらとっくに斬られてそうだわ

581 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/10/19(金) 11:10:38.30 ID:fqBNoCPRo

ところで譙周の予言って、魏が蜀を滅ぼすまでは当たってたけど、
魏に天命がある云々…って部分はハズレてたよね。

582 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/19(金) 11:21:37.80 ID:1LXRMumoo

乙でしたー

かつて北伐を行った諸葛亮の実子からすれば自分の親父が高く評価し軍権を握って北伐を繰り返す姜維にいい感情は抱けない気がする
というか、結局魏からの寝返り組の姜維は蜀陣営で自分の派閥を作れなかったのが彼をこの状況に追い込んでるんだよな…

583 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]：2012/10/19(金) 18:30:53.62 ID:2TZb9Nwho

同じ涼州出身の馬岱とかはどんな立場だったんだろう

584 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/19(金) 19:51:18.03 ID:ijcHGnOJo

外様の軍人の政治的立ち居地って難しいからな

585 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/19(金) 20:28:42.13 ID:SffUCqk90

おお、お疲れ様です。

>>575
士大夫として積極的には好いていなくても、政治的には…。

ただ、姜維を益州刺史に転任させて兵権を取り上げようとした、と孫盛『異同記』にあるので、
だまし討ちにしようとしたのでなければ、費禕と同等の地位に就けて内政に専念させようとした、と取れます。
蜀漢で益州刺史になったのは蒋琬、費禕しかいないので、宰相職の一部と見ることができます（諸葛亮は上位の益州牧）。

このスレでは姜維の事務処理能力は全くだめと評価されていますが、実際どの程度勤まったのでしょう？

586 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/19(金) 20:45:30.05 ID:j7yqX+cMo

>>585
高位に祭り上げて実権から離そうとしたとしか思えませんｗｗ
自己のスタッフがロクにいない姜維に宰相職が務まると思えないしねー
（能力面でなくて、実行力の問題で）

587 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/10/20(土) 01:20:53.70 ID:Db/2+yzGo

四相たちが、それぞれ三年、いや一年でも命永らえてくれていれば…。

たらればは無意味とわかっていても、言いたくて仕方なくなるよなあ。

588 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/10/20(土) 13:14:37.71 ID:D7NK2i7Uo

>>587
でもそうだったとしても寿命が少し伸びただけとしか思えないのが……。
そういや姜維が北伐強行しだしたのは費?が死んで内政面での不安を感じたからじゃないかって説がどっかであったな。

589 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/10/20(土) 13:21:51.39 ID:lKAr9MFyo

あの人が長生きしてたらってのは、三国それぞれあるからなあ

590 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/20(土) 13:37:13.20 ID:rP98dOQPo

病死や寿命はともまく、暗殺や戦死は避けられた可能性なきにしもあらず、だから余計に沿う思ってしまうのも仕方ないのかな
特定の誰かを言っているわけではありませんがねｗｗ

591 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/20(土) 14:04:49.12 ID:un/bX/+zo

蜀：諸葛亮以下四相
魏：曹丕
あたりは長生きしてくれればなぁ…

呉：孫権
…むしろ早死にしたほうが（ｒｙ

592 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/20(土) 14:09:36.47 ID:fu2xDD4Vo

後継になれる人材がいないってのは当人が多少長生きしてもどうしようもないからなあ

593 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/20(土) 14:45:29.03 ID:rP98dOQPo

呉は孫登の寿命を二十年延ばして替わりに孫権を二十年縮めてたら……ｗｗ

594 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/20(土) 17:23:22.27 ID:/e6Ci7QGo

わかった
妥協点として周瑜の寿命を30年伸ばそう
これで呉は安泰だよ！・・・（ﾆﾔﾆﾔ）

595 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/10/20(土) 18:05:05.12 ID:lKAr9MFyo

>>594
それなら一緒に孫策も伸ばそうぜｗｗ

596 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/20(土) 19:09:13.83 ID:Rp7aR4kOo

お前らこのスレをSOULにでもしたいのかｗｗ
バター権嫌われすぎワロタ。ディフェンスと長命が取り柄なのに。
晩節汚しまくりで、どうしても人気が孫策の方に流れるのは仕方なしか。

597 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/20(土) 21:41:03.84 ID:un/bX/+zo

>>595
周瑜と孫策コンビが江南で無双しまくるのか…胸熱
このスレだとストフリ＆隠者無双か…胸熱

>>596
孫策みたいなでっかい打ち上げ花火みたいにぱっと咲いてぱっと散ったタイプの人間って日本人に好かれるからなぁ

598 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/20(土) 21:43:03.64 ID:un/bX/+zo

江南じゃなかった江東だｗｗｗｗｗｗ

599 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/10/21(日) 07:45:17.99 ID:7KRtCL810

孫権の老害ってそんなに老害かなぁ…
本人の人格はアレというのは間違いないけど孫権の調整能力が江東を数十年も安定させたわけだし
二宮事件はその調整能力を超えてコントロール不能になった豪族間の権力争いというのが正しい気がする

600 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/10/21(日) 08:17:59.34 ID:QqIrj9fJo

老害と言われるのも若い頃というか張昭らが生きてた頃の優秀さと比較したらとってことだと思うな
呉が崩れるのはなんだかんだ言っても孫権死後だし

601 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/21(日) 11:33:11.80 ID:FFYqGE43o

>>599
二宮事件についていえば、孫権は調停者でなく明らかに当事者として関与しているからその見解にはちょっと賛同できない
むしろ、これまで調停者として君臨してきた孫権が当事者になってしまったことが、
事態を調整する者がいなくなって騒動が長く大きくなってしまったのではなかろうか？

602 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/21(日) 11:38:37.15 ID:RZGM+hI9o

君主も親だから子供に対して好き嫌いがあるのは当然とはいわんがしょうがないんだけど
それにつけこんで出世しようとする家臣の動きに完全に乗っかっちゃったのはイカンと思う＞孫権

603 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/21(日) 12:00:49.46 ID:bdnr4X3so

そもそも嫡男と他の子を平等に扱ってたのが原因なわけで

604 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]：2012/10/21(日) 13:19:12.78 ID:3/MAdiGuo

孫登が生きていれば少しは違ったのだろうか…？

605 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/10/21(日) 15:29:10.63 ID:pm+AK+5o0

嫡男はなかなかスペア効かんのに次々死んでしまうから
君主としてはともかく、人の親として切実な気持ちは理解できる

606 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/21(日) 23:20:20.31 ID:y7Cl9CGIo

>>586
なるほど。

姜維の場合、黄皓を叩っ切ってやろうとか、自分が率先して朝廷を牛耳ってやろうとか、
そういう山っ気や野心が感じられません。その気があれば、武力を背景にそうしたことは可能な立場なのに。

その手のハッタリや根回しが不得手ということもあったのでしょうが、権謀術数とは無縁の人柄を感じます。

607 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/10/21(日) 23:35:08.73 ID:Paj8tOrwo

牛耳ったところで何にもできねぇ……
漢中開けて中央で何かしてたら魏が攻めてきた時どうしようもなし
牛耳った後で前線に戻ったら反対勢力が盛り返すだけだろうし

むしろ漢中に居ること自体が姜維の政治そのものになってる気がする

608 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/22(月) 00:07:19.32 ID:FAnPQGKN0

姜維に武力行使の意志があっても、呉の内ゲバを見ていれば思いとどまるだろうなあとは思う
まあ、「俺は奴らごときとは違う、俺ならもっと巧くやる」という方向に行く可能性もあっただろうけど、
そうはならなかったところに姜維の良さ（ないしは限界）があるというか

609 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/22(月) 00:09:17.27 ID:oNwPgNLqo

良くも悪くも、軍人であるのが姜維なんだな。諸葛亮は天水で鳳凰を得たとあるが
実際、名を聞いて震えるような猛将でもなく、権謀術数に長けた知恵者でもなかった。
しかし能力は平均値を超えているからこそ、姜維に軍学における後事を託したんだろう。

やはり諸葛亮に推されるという事は、この時代大きな意味を持つし、それを誇りに生きていける。
諸葛亮の志と魏に戻れない状態で、北伐が失敗続きなら和平路線の知恵者から疎まれるわな。
しかし姜維から見た諸葛瞻は興味がわくね。

610 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/22(月) 15:44:45.78 ID:jcZ/aYMK0

いや平均値超えてるどころか屈指の名将だと思うぞ＞姜維
魏にもその名声は轟いてるし、涼州異民族の協力を幾度と無く得てるんだから威風もあったろう

というか何だかんだいって劉禅が姜維を信頼している時点で、成都に戻って政治することへのリターンがない。
劉禅の親政は費イ以来続いていて、その権力は大きい。劉禅が降伏したら蜀がキチンと降伏するぐらいに。
コレが味方なのに、わざわざ軍率いて敵対政治家を粛清するようなこと＝親政にケチつけて劉禅を敵に回す意味あるのか？
軍事力背景に成都を牛耳ったところで各地で駐留軍が蜂起しておしまいだと思う。民衆の支持も得てないし。
政治カンある人間ならやらんでしょ。野心があるなら魏に対して大打撃翌与えて英雄になってからだ。

というか漢中で事実上の軍閥やってる以上の専横ってなかなか無いだろうｗｗ
それも魏みたいな大国じゃなくて、漢中欠けると致死問題になる蜀だから手出しできない

611 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) ：2012/10/23(火) 21:53:35.54 ID:CXndcRpN0

東西じゃなくて北から南に攻め込んで占領するって大変な事だから蜀へも呉へも
司馬昭や晋のやつらが上手くチャンスをつかんでやってのけたって気がする。

612 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/10/25(木) 23:57:47.32 ID:CM6uz663o

>>610
あー、何だかんだで蜀漢は皇帝の権威が保たれているわけですね。なるほど。

魏晋や呉を見ていると、その辺の感覚が麻痺してました。
もちろん、従来の劉禅バカとのイメージのせいもあるのですが。

613 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/26(金) 00:09:16.52 ID:iqxukCdko

そりゃ幼帝続きの魏呉と違って劉禅は立派な成人皇帝だしな

614 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) ：2012/10/26(金) 09:55:48.26 ID:WjGD8IsI0

それに加えて姜維が魏からの亡命者というのもでかいと思う。もう戻れない身ではあるし。
劉禅からしたら反乱さえ起こさなければ後はどうでもいいと思ってたんだろう。

615 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/26(金) 15:46:02.24 ID:I+VGD8p10

まあ戻っても殺されることはないと思うけど
降伏者を促す宣伝として実権のない高い地位につけられてお終いだろうね

積極的に魏に力添えしたところで、蜀の軍事機密をバラして征蜀に従軍するのが限界で
蜀が滅びたあとは完全に用済みになるだろうし、魏で猟官活動できるようなコネもないし。
鍾会には気に入られるかも知れないがｗｗ権力者に気に入られて出世するなら
蜀の軍事を一手に引き受けていたころより大分後退してしまっている。

姜維の「功名を立てるのが男の本懐！」な精神構造からすればどれもこれも我慢ならない展開だろう。
そのへんの姜維のある種わかりやすい性格を劉禅が見切っていなかった筈もない。

616 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/10/26(金) 21:50:18.30 ID:/9c0UsZPo

魏の撤退で空っぽになった漢中には、姜維の同郷付近から連れ帰った人たちがいるってことを考えれば、
協力者も同郷が多いだろうし、故郷に帰りたい人もいる事でしょう。

姜維と漢中の結びつきは想像以上に強いんじゃないかと･･･

617 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/28(日) 07:17:25.49 ID:PLwQTvWi0

宮城谷三国志で、夏侯尚の功の部分もキチンと評価されてるのが良かった
塚本の「仲達」だと、愛妾の件だけ書かれてしょーもないボンクラ扱いだったからorz

618 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) ：2012/10/29(月) 05:20:46.52 ID:ybDJ1pQ30

夏侯尚って曹丕の同年代か？
曹丕に曹真曹休優秀で有力な若手がみんな早死してるな。

619 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/29(月) 17:15:36.86 ID:t6eylJZJ0

曹丕が西暦１８７年生まれで夏侯玄が西暦２０９年生まれだから、多分同年代
長安・襄陽・寿春で方面軍の指揮を執る皇族・準皇族が、魏はホントにバタバタ倒れたなあ
そういう意味で、夏侯玄に対する軍事面での期待は相当大きかったんじゃないだろうか

620 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/29(月) 19:22:50.28 ID:jaAnnJUco

夏侯尚がボンクラでしかないってのも凄いなあ
宮城谷先生と比べると塚本さんはうーん…
後半駆け足になるとこは似てるかも
面白い作品もあるけどね

621 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]：2012/10/30(火) 20:35:34.69 ID:iNSim0k3o

自分が山場って思ってるとこ過ぎると終わらせに走るって事？

622 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/10/30(火) 22:28:26.34 ID:tjpHzHx7o

なるほど、言われてみればそうだなぁ
光武帝の尻キレっぷりとかwww

623 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/30(火) 23:39:22.80 ID:JZ3et2iWo

>>621
宮城谷先生って主人公のメジャーな部分全然書かないのよ
楽毅とか全４巻なのに燕に仕え始めるのが４巻とか
重耳だと文公として足跡はむしろ士会が主人公の話の方が詳しかったり
三国志みたいな形式だとどうなってるかはわからんけど

624 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]：2012/10/31(水) 00:09:32.73 ID:FGH/ZP1lo

「奇貨居くべし」は史記と“合流”した時の違和感がハンパなかったw

625 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/31(水) 01:03:49.93 ID:+NP2G0O2o

無双７で楽進モブ卒業かー
・・・・・・于禁

626 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/10/31(水) 01:10:23.75 ID:mU8WsxaDo

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|　　　　≫'"´　　＼ヽ-､〉:|
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|:::::l ::|/＿￣｀　　´￣ |:::|::|　　　　　　　　　次回投下に関する連絡。
|:::::|:::斤::::卞　　 'T::::ｶ|:::|::|　
|::'^|:::| ヒcｿ　　　ﾋrﾘ ::::i):|　　　　　　　　　１１/４（日）２１：３０頃より投下予定、蜀討伐の序盤が主となる。
|::ゝi: i│　　　　　　　/:::ｉ:::|　
| :::::ｉ:::::ト　　　-　　イ:::::i::::|　　　　　　　　　それはそうと、スレ序盤の蜀討伐の箇所を見直したのだが、
|:::::::i:::::|::::/`L._爪::::/::::/::::|　　　　　　　　　余りの出来の拙さに死にたくなった
| ::::::|:::::iﾍ／{_}＼/'7:::/、:::|
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　　　　よくあんなの投下したもんだ。　　　　　　　　　　　　　いi´i / ' _　lｲ :|ﾉ: : ／　　. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　< /￣´三'~'-ｌ// `ｰ､＞　　. .... ..: : :: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::
　　　　無知とは恐ろしい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /^.:l^ナ´7ーｦ/　 -ｙ' 　　. ..: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 'ヽ!´!ﾐ/ ､/l／7､ ::|　　. . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'i`ヽｿ;;j,`|yｪ>i￣ ::| ::| 　 . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　 .::7ﾉヽfｪﾞl |　 .::! .:>　 . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ `ー-'￣￣￣ `ー´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

627 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/10/31(水) 01:15:37.14 ID:YM6FvKVLo

そこまで酷いとは思わないが、蜀スキーとしてはこれから、
しょんぼりしながら投下を見なければならないと思うとね・・・。
>>1が劉禅をどう表現するかに期待してます。

姜維の最後の行動は劉禅にどう写ったのか・・・。

628 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/31(水) 01:23:54.39 ID:oQu9mkrOo

お待ちしてまーす

無双曹丕は史実のアレな部分がほとんどないから、于禁出してもそこら辺のところはぼかされて終わりそうな気もする

629 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/31(水) 14:09:26.45 ID:/IfxJyPc0

むしろ面と向かって罵倒するんじゃね？＞無双曹丕

630 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/10/31(水) 17:31:40.39 ID:IuH+KiPF0

次回投下期待

蜀討伐は西晋の次代を担う人名もちらほらと出てくるのが楽しみです
伯玉さんやら休然さんやら

631 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/11/01(木) 00:55:51.42 ID:ilsa0gd60

気になって一話見なおしてみたけど今見るとギャグを入れようと努力してるっぽい箇所が可愛く見えるｗｗ

632 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2012/11/01(木) 11:32:20.55 ID:Rn/HDVD0o

何回か読み直したけどけっこう楽しめるよ

633 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/02(金) 19:24:55.54 ID:DWhB0/Wio

三国無双7賈充＆文鴬参加決定！

おめでとう麻呂！！

634 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) ：2012/11/02(金) 19:37:56.60 ID:qnb8VCYs0

まさかもう７出るとは…よくできたコラかと思ってた

635 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/02(金) 20:20:50.47 ID:BEk2Y4Kq0

賈充が出るならいつか馬隆も出る可能性が微レ存…？
電磁金縛り（仮名）を使用とかそんな感じで

636 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2012/11/02(金) 22:28:59.60 ID:LAO9gvJ8o

まだリーク（仮）状態だから確定じゃないが
晋のはまあ妥当な人選だよね

637 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/11/02(金) 23:09:10.08 ID:FPBKT+0E0

マックス馬隆・・・・
世界バリバリ馬隆・・・・

638 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/03(土) 00:14:01.76 ID:8CKZuZDto

蜀もようやく関興兄ちゃんがPC化か…
この調子で曹操さんとこの黄髭とか詩聖とかもPC化していいのよ？

639 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/03(土) 04:58:29.40 ID:Jh2IBZwV0

だからゲームの話はゲームのスレでやれと
何度繰り返せばいいんだ？

640 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(島根県) [sage]：2012/11/03(土) 09:38:35.04 ID:oHUZB/cl0

田舎者はＴＰＯをわきまえんのがいかんのう（´・ω・`）

641 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/03(土) 11:35:22.17 ID:UunW5UGZo

ははは、あすの本番への前座でござろう

642 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/04(日) 21:00:50.27 ID:BYN/xUSAo

そういえば、横浜DeNAの吉村裕基選手が福岡ソフトバンクにトレードという報道がありました。
内川コピペの主力がすべて横浜を去ることになるわけで、時の流れを感じます。

643 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 21:37:22.79 ID:o0weE5xdo

>>627 >>631 >>632
ありがとうございます。

長くやっていると、後になって色々とああすれば良かったというのが出てきましてね。

特に曹操編はリテイクしたくなります。
自分の中でスレの書き方が安定したと思うのは北伐編のあたりからなので……

>>633
末期の武将で人選するならそのへんでしょうね。

ただ、賈充はよく言われるような軍師・策士じゃないような気がします。

荀勗さんの方がよっぽど策士……

>>642
今年の野球は個人的にはネガティブな話題ばかりでした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::/::;:::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′::::::::::__::::／ /:::/＼::::ﾊ::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::::::::::_＿_｀　./／'ー‐＼:ｌ:::i::::}
　　　>>１うるさい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::::::::〈{　r'ﾊ. /　‐┬ ─ｧj|:::}:::'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 ':::::: ゝ .乂ﾉ　　乂ツ　ﾑｲ ;)
　　　>>639-641　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'::从つ　　　　　　⊂ /:/イ:{
　　　雑談に関しては扱いが難しいけど、　　　　　　　　　　　　　　　　　　V≧:...　 r 、　　イ／::::::::::,
　　　三国志絡みの話ならそこまでどうこう言う気はないわ。　　　　　　　 /:::::::::::::y⌒ヾ　V:::::::::::::::::::':.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 '::::::::::::::/　　 }}___》::::::::::::::::}ヽ:
　　　全く関係ない雑談なら考えるけど、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{::::ﾄ､:::く_____彡⌒',{:::::::::::::/　}'
　　　>>3にも特に規定はないからね　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂{　ヽ/:.　｜　　冫::ノ}:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＞:.　{┬.r'∧〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .乂,{_└'’}_」-┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　 :. ￣|￣:. 　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'r.┤　　ｒf/,

※風呂先に入られたので２２：００スタートでお願いします。

644 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2012/11/04(日) 21:53:50.72 ID:il9Csdamo

賈充さんは後世の方々によって肉付けされたような節があるな

645 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:00:37.63 ID:o0weE5xdo

646 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:01:57.31 ID:o0weE5xdo

　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::ヽ
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::f ＼::::::::}
　　　 |　　　　　　　　　はじめに　　　　　　　　 .|:::::::::::::|　　ゝ::::|
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::ヽ　　∨
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ー:､::::::::::ﾍ
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::ヘ＿
　　　 |________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
　　　　　　　　　　　　＼::::| |:::::::::ィ !{　ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
　　　　　　　　　　　　　` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　ヾN ゞｿ　　ゞｿ//
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　＞:´|､　 -　　,|`:＜　　　　　　黄巾の乱から約八十年、三国鼎立から約四十年。
　　　　　　　　　　　　　　　 | | 　　　 |::::::::| ＞　イ |::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　＞-､＼!　 !／::,-＜　　　　　 .魏は司馬家が実権を握って久しく、　
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　/´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､　　　 .蜀は段谷の戦い以後国力が衰え、
　　　　　　　　　　　　　　　 | | 　ｌ:::::,:-:::::::://::|ヽヽ::::::::::::::::::!　　　呉は度重なる内訌による火種が燻っていた。
　　　　　　　　　　　　　　　 | |　 /‐'´::::::::,::V:::::!::∨::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　, ' ﾆ}く::／::::::::/:::::／|::::::::::::::::::::::::::|　　　ただし、国力の差こそあれ、三国は拮抗してきた
　　　　　　　　　　　　　　 |　ｰjヽ＼::::::'"::／ヾ !::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　ヽﾆj　} 　＼:／＼　|:::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　〈:| |Ｖ　　　 }>､___..>!:::j::::::::::::::::|:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　|:!.|:＼　　ﾉ::L.. , __.!::::!::::::::::::::::!:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　|:!.|::::::`ー':::/　 /　 |::::|:::::::::::::::::!:::::!
　　　　　　　　　　　　　　 |:|_!:::::::::::::::/　 /　　|:::::!::::::::::::::::|::::::|
　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::/　 /　　.!:::::!::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::/　 /　　　 !:::::|::::::::::::::::|:::::::!
　　　　　　　　　　　　 !:::::::::::／　 /　　　　|::::::|::::::::::::::::|::::::::!

647 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:04:23.95 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏首都　洛陽】

　　　　　,':/´　　ヾ:.､　　　　ヽ,'　　/_:/　i _　- ' ノ
　　　　f:.;' 　 -‐- 、｀　　　　　ヽ　/:./　　l-―r:':!',
　　　　l:l|　　　　　　　　　　　　　 __∨ヽヽ.　 l 　 !l:.:!
　　　／l!　 >,ﾞ=､､ヽ　, ―　、　　　　｀ヽ.';ヽ:ヽ' 　 !:l:,'
　　 _!.::r|　l' !:::::::::i',　くゝ’　　ヽ. _ｪ_,　　 ';.:.:i 　 ,'l:.l;'　　　　　　　　今兵を出して、蜀を滅ぼせるかしら？
　／:へ｀i　ヽ:::::ノ　　）　　　ハr::::::ﾐ､　 l:.;'　 ,':l:/
f∠三=';.l　　　　　　ｌ　　　　 ',:::::::ﾘ l 　l:.l,､/:l/.
;.:.;.:.';.:´ﾍ:',　　　　　__l 　　　　 l二 '　　./l｀　.l/.
ヽ:.:ヽヽ:.:〉ヽ　　　{　 !　　　　 i　l　　　.／ i:.', ノ
､:.:.＞r:r---､｀、　ｰ´'､　　　 ! {,...:.':.=:＝:j:.｀〉　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼__」」--. . ､￣ユ_
:..ヾ´.　l　r ---､｀＞-､ﾉ'ヽ､　　ｌﾘ ,':.＜:.二:.::/ i-yr ~￣￣ヽ　　　　　　　　　　／ . : : : : : : : : : : : :｀ヽ､´￣＼
て:.ヽ　l　'　´￣}ニニ爪ニニ爪ニニニニニニニ{　 )　　　 }　　　　　　　 __／　. : : : : : : : : : : : : : : : :: ｀ヽ､　く
━━━━━━━━━━━|　 |━━━━━━━━━　　　　　　　／　.　:　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ ,>
　　　　　　　　　　　　　　　　l.!i!i!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　.　:　:　:　: : ﾍﾊ: : :.:.:.:.|:.:.|: : : : : : : : :|く:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　. : : : :.:.:|: : :|ﾐﾍi: : : : :.|:.:.| : |:.:.:: : : : :| ﾉ:L＿
　　　　　　魏　大将軍　司馬昭（字：子上）　　　　　　　　　　　　　 .| . : : : :|: :.|: : :|　 |: : :.:､⊥:.|:_.:}.: |: : :.:.:.|ｴ_:|. : : .｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|: |: :|:.|: ⊥イ{_ ！: : : /l.:/l:,ﾊ｀Tﾒ､::|: K´ l:.:.:ﾄ､＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:| :|: :|.:|:|:V ＞ﾃ l: : : :/〒＜ﾒl/l/:.: :|: l_」/.: l:|.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:| :|: :|:从ﾊ , ｲ｡1ヽ :.〈　l｡1 ｀N: : : :.l/l.:ハ.:.l:|.: |
　　　　　困難な戦になるのではないでしょうか。　　　　　　　　　　|:| :|: :|: : :ハヽりﾉ　ヽ.:.)　りﾉ_ﾉ l: :./ﾘﾉ′ Vﾘヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Nヽ＼＼|/´) ,,,, 　　ﾚ'　　　,,,,,, l ｲ:.:.:l:.|
　　　　　あの太祖ですら漢中を越えられませんでした　　　　　　　　　　ヽl.|　ﾊ　　'　　　　　　ﾊ/:l: :l:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ヽ　　｀　　 ,. イ:./:/:/〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒ヽヽ　｀＞ _-＜ _ノ /:∧V/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/__　　　／＼　リ　ﾚ'く　 /／｀`Y´｀7⌒Y ⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :ﾉ　／　　　 V　/ﾊﾍﾍ　〃　　 j　 l: : :く __ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ィ´: : : |＼ﾚ'ヽ　　　 V し' ノﾉﾚ'　　 /　ﾌ´7: : ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　尚書右僕射　裴秀

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　圧倒的な国力を持つ魏に対し、
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　蜀と呉がどうにか拮抗できたのは、地の利による部分が大きい。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　秦嶺の急峻、悠久たる長江、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　天険に拠る敵の前に、魏軍は幾度となく道を阻まれた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　過去の事例を見れば、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　蜀と呉の討伐が困難なのは誰の目にも明らかだった
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

648 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/11/04(日) 22:04:36.20 ID:Pqe9mmDM0

ついに一話リメイクまで戻ってきたかと思うと感慨深い

649 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:05:28.33 ID:o0weE5xdo

　　　 /､;:;:;:;:;:;:;:;:;ｰ-:;､_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　 ./ﾐﾐﾐミミ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ｰ-;:;､;:_;:;_:;::-‐'"´i
　　 lﾐﾐミミミミミミミｰ-::､;;;;_;:;:;:;:;:;i;:;:;:;:;:;:;:;:i
　　,!ミﾐミミミミミミﾐ　　　＿;`-､;;;!:-‐'''´|ﾐi
　//｀,ヾミミミﾐｼ‐'″　　'ー‐' 　:　 'ﾆﾌ' i;/
　l l　,rヾミミﾐ　　　　　_,,,,,　　ﾉ　 _,,_　l
　',ヽヾ､ヾミミ　　　ｨで)ヽ､　 r';ｨび､.ﾉ　
　ヽ､__,, ミミ　　　｀ﾞﾞ'''"ﾌ｀　 | ｀ﾞ'''ﾌ'i　　　　　　　　　（そう考えるのが普通であろうのう）
　　〃 i l ミﾐ　　　　　／´　　 | ｀ｰ'´l
　　／ヾ.l ﾐﾐ　　　　　　　/'　　 |　　/
.　/:::::',ヽヽ`　　　　　　 / ｀ `ﾞｰ-'　/
r/::::::::::',ヽヽ　　　　　　　　 i:i　', /
/::::::::::::::ヽヽ＼　　　　'"ｰ=＝=-'/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
ヽ:::::::::::::::::ヾ､　` ､　　　ﾞ'一''ｰ'ﾉ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=::::::::::::::::::=-
､　＼:::::::::::::::ヽ　　｀ｰ‐-t't::i´ﾞｰ-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
.｀-､　｀ｰ-:､::::::ヾ'､　　 //:::l　ヽ　｀ﾞｰ- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::/::;:::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′::::::::::__::::／ /:::/＼::::ﾊ::::::::.
　　　　魏　中護軍　賈充　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::_＿_｀　./／'ー‐＼:ｌ:::i::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::::::::〈{　r'ﾊ. /　‐┬ ─ｧj|:::}:::'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 ':::::: ゝ .乂ﾉ　　乂ツ　ﾑｲ ;)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'::从つ　　　　　　⊂ /:/イ:{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V≧:...　 r 、　　イ／::::::::::,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::y⌒ヾ　V:::::::::::::::::::':.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 '::::::::::::::/　　 }}___》::::::::::::::::}ヽ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::::ﾄ､:::く_____彡⌒',{:::::::::::::/　}'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂{　ヽ/:.　｜　　冫::ノ}:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＞:.　{┬.r'∧〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .乂,{_└'’}_」-┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 :. ￣|￣:. 　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'r.┤　　ｒf/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　 ∨}.　　 V/}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨ 　　　¨¨

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　大将軍従事中郎　荀勗

650 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:06:55.19 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ　
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　大将軍。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　 .鍾会様が……
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､　
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::! 　　　　　　　　　　　　　　　　＿　_ 　ﾊ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| 　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:入Yy1У'- .､
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　/:.:.:ー:.:.:てゝ_ 《薔》､/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,イ;.:./ ー＝--ﾅ､| !,ﾉへ,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i! .!:ｌ:.l　、_ 　　 ,ｨｫxヾfｽz､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_ヽ:ヽ ,ｨ.ｵ;､　ゝｚﾀ i｀,:.:ｲｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.:代zﾀ r　1 '' ﾉ｀＜:《_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈:fy''-､rゝﾉイ＼　　Ｙﾍγレ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f;У　　l ﾄ､ｵ::＿ｲ　　ﾉ　 ~z / 1
　　　　　　　　　　　　　　通しなさい　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　　.〉-ｲ:::ﾟ｡:! .{.､´　　　　f､_ｽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ∞ 　 /　　｀∞　ヽ＼　　　　}-〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　Ｙ,}　　　 ∞r-,､, .≠7－,ソ_'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ!　　　 i!　　 ,r ^ ト - 〒::~::ﾞ:::::＜ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≦Y1i .､　　| zr~ i_ト~::＼:::;::::::::::::::::::::ﾉイ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　トヾj !! fｰ,､ f i　ﾄ^:::::::::::::::ｰ::､::::::::_;ィ:::ノ::7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イハ∨Z {v}ﾉ:^:::::::::::::::::::::::::::〉:::7:::::大ス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y.」｡Y ﾟ,{;y:::::::::::::::::::::::::::::ﾉ::人::У　　＼

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　これから始まる蜀討伐も、大多数の人は難色を示していた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　成し遂げられると思っていたのは、司馬昭一人であると言っていい
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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651 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:08:08.28 ID:o0weE5xdo

　,{.:.:.:.:|..:.:.:.:.:.:｛.:.:.:ヽ,.:.::＼.:.:
/.:|.:.:.:.:|＼.:.:.:.:.:＼.:.:.:＼.:.::＼:
.:.:.!..:.:.:1.:..:＼.:.:.:.:..＼.:.:.:＼.:.:.:
.:.:.',.:.:..:|.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.:｀＜..:＼
.:..:.:',.:.:.∨.:.:.:.:.:.:｀＜.:.:.:...:｀＜
ヽ:.::.＼.:∨⌒ヽ.:.:..::｀＜.:.:.:.:.:.
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:.',.:.:.＼.:.:..∨ }　ﾍ　ヽ.:｝.:ﾍ.::
.:.:',.:.:.:.:.＼.:.:＼　ﾍ::::::｝从.:.ﾍ
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　　ﾏ..:.:.:.1　　　　　　　　',:::
　　　ヽ}マゝ、　　　　　　　',::
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　　魏　司隷校尉　鍾会

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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　いや、もう一人。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　二人の野心家によって、時代は大きく動き始める
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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652 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:09:40.71 ID:o0weE5xdo

【紀元２７０年冬　晋首都　洛陽】

―　陳寿の家　―

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　　　　　 /_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/::::::ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　長きにわたる乱世もようやく終わりが見えてきた　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、

653 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:11:48.20 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　|　　　（__人__）　　　 |　　　　　　　　さて、今回こそ蜀討伐についての話だお
　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　　 /⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ
　　　/ 　　　　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　　／　r─--⊃、　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　｀二ﾆﾆうヽ.　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（ー）（ー）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　あれからもう七年ですか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.人､　　　　厂丶,丶　v　〉
　　　　　　　　時の流れは早いものです　　　　　　　　　　　　　　　　_,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　／⌒ヽ:::::: )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',

654 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:13:14.10 ID:o0weE5xdo

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼
　／　　─　　 ─＼
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　.けど、侯和の戦いで
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　司馬昭が蜀攻めを決めたんなら時間空きすぎてね？
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　開戦は翌年の秋だから一年近く経ってるお
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼／＿＿＿／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　:::::::::.／￣￣＼____ ,. --ｰ.....:::::::::::::::::::.. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　:::::::::: ⌒´ ヽ､,＿　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　:::::::::::（●).（● )　　　 |::::::::::::::::::γ::::::::::::::::::::: ﾉ
　　　　　侯和の戦いの直後から動き始めていましたよ。　　　　　 .|　::::::::::::（__人___）　　　　|:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | :::::::::::/::'､　　　　　 |￣　　 _/::::::::::::::::::::: /
　　　　　あくまで極秘裏に、ですが　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | :::::::/:::::　|　　　　　　　|　　／...::::::::::::::::::::: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .| :::::::::::::／|　　　　　　　/ﾚ-,.ｲ:::::/::::::::::::::::: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:／:::::::::::: ヽ__､____,.　"/／::ﾉ.:::::/::::::::::::::::　j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::／::::::ノ::: ､:::: ／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::r

655 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:14:58.64 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏首都　洛陽】

　　〃⌒ヽ　　　 _ ＿＿ _
　　| 　　＞' ﾞ´　 ―=ﾆ二"'- ､
　　　　／＼ヾ __　　　r─v⌒Y⌒ヾ‐､
　　　/　//^＼＼二ﾆ廴f⌒Y⌒ﾐx⌒Y）
　　　 /　//　　　＼_二廴{r=（(辷ｿ)）ﾆｺ}
　　　 |/ｲﾉ　　　　　　　　ﾍヾｨ|ﾄ､彡|ﾚ' ｿ　　　　　　蜀は人民は疲弊し、財力も尽き果てたわ。
　　　 i/|　　　'⌒　　　　ﾞ‐-|ﾄ､ﾆｨ||r'
　　　　|!|　 x==ｧx､　　　　 i｣　i!i!i｣　　　　　　　 .けれど、皆が蜀を討つのは難しいと言っているの。
　　　 rﾍ仆r為ﾘ　　　　X气ﾐx　i!i!/
　　　 X_ｌ. ゞミﾝ　　　　ﾄr為リ ,iﾚ'}　　　　　　　　私はそうは思わないけれど、貴方はどうかしら？
　　　（(　ﾍ　　　､_ '_ 　｀''‐''´厶ク
　　　辷⊇＞x､.ry　　　　　∠廴)）
　　＞'´⌒{＞//zxz‐‐ｭ≦ﾐ三⊇
　　Y´　　　 ,/)'　^,ﾆ⊃ｺ}￣｀＼⊇
　　{　　 x'＾＾＾ｽ　 ,二).／　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/, ー､/::::::::::::::::::＼｀ヽ.､
　　> ／　幺幺x‐ｭ,)〈　　　　　　〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼,-';::ヽ
.／＾　　　幺幺･i｣ .ﾉ〉八_r=､／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::i::::';:::::::::ヽ〈:::::',
{　　　　〉〉〉〉-<´/　　｢i|iﾄ､v､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::::::::::::::::::ﾄ､l';::::::::l:::::i::::::::::::',　i:::::i
.＼　　　　乃乃|i｣》/　　　.|｣i｣x､幺　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:i::::::::::::::::l:l;:- i:::::::ｌi:::::l:l::::::::::ｉ　）::::l , -ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:l::::::l:::::::l::l:l　 l::::::/ l::ﾉl:i';:::::::l,-く::::l／ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:l:::::::ｌ:::::::';:ｌ',　';::::ｌイてスi:::::;ｲ　l:::l:二ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:l::::::::ｌ:::::::';.ｲヽヽﾄ　l:::::::」 !:/::lプ:/ﾄ､',ヽ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',!';::::::';::::':;l !:ﾘ　リ　'"´ ノl::::::lノ';::ｌ ';ｌ　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　', ヽ､::ヽ::::l" ､　　　　 ,.ｲ!::::::l';::r'　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::::l｀ ‐ ､＿／　 l:::::;ｲﾉ　　, ｲヽ
　　　　　　　　（後は鍾会君の意見次第ですか）　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::::::l　└ ﾆl,ｨ‐ '´l::/､＿／　 l　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ';:::::l￣lﾉ /:::',　ノ// /　, へﾉ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　L, ｨ､ヽ:', /l/'､::ﾉiヽ // /／l／::ヽ＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ソ　＼ /／:;'::/::l　 / ／　ヽ::::::::＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　 ,. - '´::::::::/::::::l /　l　　＿ﾉ::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:）入::::::::::ノ::::::::::」　 l／l／::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::l　,'　｀ ‐-‐'"´￣　 /　　ヽ:::::::::::::::::::/

656 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:16:46.08 ID:o0weE5xdo

　　　.　´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`
　.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
../:.:.:./:.:.:.:.:. ／i:.:/＼:.:.:.:.:.:.:.:.:､
.′:./_:_..　'´　/:/ 　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.，
iⅥ:|／`ー　./'´＿_　　i:.:.:.:.:.:.:.i
　i:.:.|《ﾟ刃　　　ｧ=ﾐ、｀ |:. i:.:.:.:.′
　ヽ:|　ゞ'　　　　らﾊ､./:.:ﾑ:.:.:′
　　|　　　、　　　`~　/:.:/_ﾉ:.′
　　|:〉　　_　　　　　/:.:/:.:.:.:′
　　|:|. ＞　｀　 _.. ./:.:ｲ:.:.:.:.:i
　　|:|　　} 二「_.／イ.ﾑ:.:.:.::.l
　　ﾞ{　　/／.／イ　　ヽ:.:.:l
　　　　/´.／´ 　　　　ﾞ:.: l
　　　//　　　　　　　　　 i:. l
　　 //　　　　　　　　　　.|:.:.l
　　〈/ 　 .i　　　　　　　　/:.:.:l　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　',:::ﾍ|:::::::::l:::ﾍ::ﾊ:::::＼|:::::::::::＼:::::::＼:::::::::::::::::::::/:|:::::::::/:::::::
　　　'、　 |　　　　　　 i:.:.:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　',　＼:ﾍ::::::|ヽ:::ﾍﾊヽ:::::｀ヽ_::::::::::＼:::::::＼::::::::::::/::::|::::::/:ﾍ:::::
　　　ヽ. 〈　　　　　/,　〈:.:.: ′　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　ヽ',ヽ| ﾍ＼::::ﾍ＼:::ﾍl｀ヽ:::::::l＼::::: l::::::: /｀ヽ|:::/::::::::ﾍ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_ヽ　./ﾍ .ﾊﾍ:l　＼:ﾍ.　＼ﾍ　｀ヽl::::::＼::＼::l＼::::|/:::ﾍ＼:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ￣./　ハ:::',ﾍ..　　｀ヽ.　　＼　　｀ｰ-l:::＼::＼:::＼　　 ',|ヽl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.　　＼ﾊ　　　　　　　　　　 l:::::::..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 /　　　　　｀ヽ　　　　　　　　　 l:::::::::::...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　ﾍ　　　　　　　｀ヽ　　_／:::::::::..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . /　　　　　　／'';;＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀''ｰ-=,,,_ 　／　　 ';;;;;＼　　　＿＿_ ＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'／　　　　 ';;;|　.＼　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, r ' ´　　　　　 |.　　＼　　｀￣￣´ 　　　ｲ;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　K　　　　　　　　 | . 　　＼　　　　　　／;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　　　　　 |　　　　＼　　　 ,イ''''''''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　 ∨　　　　　　　　 |　　　　,r‐='｀ー― '｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　　　　　　 |　　　/;;'ﾍ . /　/　/　/＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　　　　　　　 |　　/　　 ∨ ./　/　/　　＼

657 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:18:56.86 ID:o0weE5xdo

　 .::'::／::,:イ,ｲ:/::::::/ｉ|::::::':::: ヽ:::ヽ:::ヽ:::ヽ::::＼
. /:::/::::::'::::///:ｉ:ｉ:::': !|ｉ:::ｉ:::ｉ:ｉ::ｉ::＼:｀::､::＼:＼::::::､
/:::/::::/::::/,ｲ':::ｉ:l:::::::/!|:::|::ｌｌ::|:::､:::＼::＼:::ヽ::ヽ: 丶
:::/::::/ｉ::://::l::::l:!:::::/::ハ:|::!:|::ﾄ､:::＼:::',::､:丶::丶::､: ヽ
/::: /::l:::'/:ｉ::|:::l::::::;':::ｉ:::::l:|::::|::|小ﾄ､::ヾﾄ､:ヽ: ',:::ｉ､::ｉ::::ｉ
:::::/::::l::ｉ::::;斗､!::::,ｉ:::l::::::; |::::|:l/:::|､｀､!:::ｉ:: ｉ:ﾊ l::ｉ |ヽ!
::::'::::::l::l::::' r ､!: /:|::l::::/:l:|::::!!: /|!=≧､ヾl::::ｌ':::!|:::!:|:::|
:::::::::::|:|:ｉ::ｉ {　!:/:/l:l: /: ﾊ!:: Ⅵ:八 {{ }!ヾ!::/ｉ::: |:::: !: !　　　　　　　蜀は取れます。
:::::::: ｉ|:|:|::l　y/:/:/l| ' / ｉ∧::l {′ ヾ　　}ﾊ. |::::|: /}:/
　::::::!|:!:|::|V/l/ '.　|::/ /'　ヾ!.　　　　 '　､::::!/::::'　　　　　　　　大将軍の御判断が正しいかと
　 ::::::!:::|::ｌ::ｉ: '　　 !'　　　　　　　　　　 V,'／
　　 :::::::l:ｉｌ:l:' ｉ　　　　　　　　　　　 ,　　ノ´
　　　:::::|| |!.　､　　　　　　　　　　　 r ´
　　　 ::ll {. 　＼　　　　　｀　― ､‐'
　　　　 :!.　　　　ヽ　　　　　　　 _ﾉ
　　　　　　　　　　　　､　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/､_:;:;:;:;:;:;:;:;:;|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
　　　　　､.　　 , -‐丶　　 _　′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:;:;:;:`:;――┼-----------{
　　　　　　　＼イ＼　　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/互7―-　､__|＿＿＿＿＿＿|
　　　　　　　　　＼.　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {三,ゝ <三)　　 (三>　　,ﾉ三ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r!ミ´ _,. .. 、　　 _ ､,..,_　｀ヾ三ﾐ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|{ﾐ' .:'ｲでiﾝ'､ :　' ｨ'でi)>.:.:.　}三ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾄ{, 　｀三ｼ' .:　:::.｀三彡:.:.:. lｼ/り
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {j!　　　 ,r'.:　:ﾍ,:.　　　　 fﾐ/､ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　ッ！？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀! 　　 / `^ｰ '^'ヽ　　　　liにｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、　　 ,. -ti､_　　',　　 /朴
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ. 　'､ﾓｪｪｯｿ､ﾉ　　ｲ〉ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -‐代、｀￣´ , '　／ /:.:.:.:.｀ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -‐/ /:.:.:.l ヽ丶＿__,' ィ´／/:.:.:.:.:.:ノ /‐- ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , 　'´　　〈{、'､:.:.:ヽヽ　　,-、／／:.:.:.:,. '´／　　　｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　'´　　　　｀ト､｀ﾆ＝=ゝ‐'―'´≦ﾆ=‐'´_,. '′　　　　　　

658 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:20:21.56 ID:o0weE5xdo

　　　　ｒ '　　　　　　　　　__,.､__　＼_
　　　　人　＼　　　　＼ｒ'／⌒ヾ二ﾆ_＼
　　　　 ,' 　＼　＼　　＼「,'　　 ,.､ｒ､　　ヽﾗ
　　　　ﾊ　　　＼　　､　　ヽ!,-‐ﾍ {薔}ｯ､ﾉ }、
　　　ﾊ　　 / 〃ヽ　＼　ヽ.／ﾞｰ､_メ　,>'.ﾊ
　　 |　l　〃 /　　　｀ヽ､ヽ　ヾ､　　／v'　　 |
　　　!　!　,'　,' -‐-　　　＼⌒ ヾ／"´　　　 |　　　　　　　　　　　よろしい。
　　 ',　∨　 !　　　､　　　 ,. ｀＞-､　ヽv―､/
　　　〉＾ヽ　 | ｙf三ヽ　　　イ fヽiﾐヽ　 }ｰ､ヽ　　　　　　　　　　蜀を討つのは貴方に任せましょう
　　､! (｀∧. ', ヾﾞｿノ　　　　ゞ_"ﾉ　 ', ﾊｒ, ' /_
　　/｀ヽ､!l､ヽヽ　￣　　　　　　　　　ノｒ!| ノﾉﾊ
　　}､　ヽl.|ｰ､‐^、　　　ｒ,―,　　　ｒ'く"=_!|‐´　,.ﾍ、
　ヽ＼　!!,-'―‐＞､　ゝ '　,.＜.|　|ｰ'ｿ､__／　ﾉ
　　へ__／ﾞ　　　 __｀￣ヽニ´二__L ヽ　　＼__／ }
　　{ ﾄ/　　　　　|　二二ﾆ「Y_{´__　　|　　､ヽｰｲ）　　　　　　　　　　　　　　　. |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:||;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　У　　 /　　 .!　}-―‐ｲ .ﾄ+´__　　| ,ﾍ ,､ヽ＼'　　　　　　　　　　　　　　　　 l;:;:;:＿＿＿jl|＿＿_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　|　　　 {　　　ゝ､_ｨ７´7｀´ヽヾ ,-　〉､ ∧／ｯ'　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ::7´ ,r=ぅ　　　r- ､￣｀`i丶､;:;:l
　　＼　ﾉ　ノ　 , 　ｿ　|　ﾟ､‐ﾄ､iｰ'V　　　　〈|　　　　　　　　　　　　　　　　/::::ｼ　 "´　　　　｀ ~´　　ｨ'ミ::::`'i!
　　　）´　　｀ ,,.ｧ　__L、l.　ﾟ　|ヽ｀　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　）::/ ,. -－､　　 , -－､　｀ヾ::::::::},
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::l.:.,ｨ句丶y'.:　　ｨ句丶､:.:.　ﾞi:::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}::l:.:.｀￣,.:'´ .:　:　｀ﾐ￣.:.:.:.:.:.　l:::::::ﾑ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::l　　 , '　,r'　　ヽ、　　　:.:.:.　}:::/^'i l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　N!　　　 /ﾞ'^'- '^'ﾞヽ　　　　　 l::fｸ //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l l!　　 /　 ,..,_,..、　丶　　　　 l:lぅ,ﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　なッ！！？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しi　 i 　 ,ｲｴｴｴ>､　ヽ　　　 ,l:ゝ- '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ. l l　l{､:.:.:.:ﾉ:.:.:l）　l　　　ｲ::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ! l ヽゝｪｪｪｧﾂ　 }　　 ,/:::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >､　 `ｰ-‐ '"　ノ　,ィ'{^~ﾞﾞ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l, ﾄ、　　　　　 ,ィ" Y lﾄ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _/:.:.:ヽヽ.` ‐--‐ '"´　　 / ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r‐</:.:.:.:.:丶丶　ヾ ,ｿ　　　　/ /:.:.ヽ‐-､

659 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:21:45.22 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
-'''"i!"'''‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／
　.　i!　.　 .　"'''‐-､,　　　　　　　　　　　,,,､､-'' i!::.lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ｌ! ''-､､_,,､ -‐'!￣￣￣
: .　:i!　　::　　. 　　ｌ　　　　_,,,､､-‐'''"ﾞ ,,,､､-'' i!ｰ!　 .!r ‐､　 .r ‐､　ｒ ‐､　 .ｒ ‐､ .ｌ　　l:l! ''-､､! 　 . .: |
　　.i!　:　　l''-ｭ . . .l　　　　ｌ_,,,､､-‐'''"ﾞｨｭ::::::「li!::ｌﾆﾆ'ｉ':::::.rｌﾆi'､::::ｨlﾆi':: ::ｨlﾆｉ':::::::::ｌ'ﾆﾆl:l!::｢i:::ｨ|　　. : ::l　　 ,,､ .i――
　.　i!　:　:: l'''‐ｌ　.　l　　　　ｌｭ::::::「l::::::::::l l:::::::ｌ.li!:::l 　ｌ::::::ｌ;;;l l;;;l::::ｌ_l ｌ_l:::::ｌ_l ｌ_l::::::::l　　.l:l!::kｌ:::l.|　 . .:. ::'-‐''". . .:|
::　. i! :　:: └-.!　 . ｌ .＿, 　 l,l:::::::l l::::::::::ﾞ:;',,､-‐i!ｰ!.　ｌ'―l;;;l ｌ;;;lｰｰl ｌ――l ｌ――l　　.l:l!ｪ､-'''　　　　　..　.: :|
_,,､‐'''"i!"'''‐-､,,_　ｌｌ＿ｌ￣￣￣￣￣￣￣￣￣!-ｭ,ｌ.　 l;;;l ｌ;;;ｌ　. l l　　　l l　　　l 　i''"　　　　　　　　. .　.:: :|
　 . .　 i!　: :. . 　 .ﾞ／／:: :.:: :.: .. ..　　.　　　,,､-''ﾞ__i┘三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　　. 　.　.. .:: |
:. 　　 i! . 　／／／:::.　...　:　::　.　　 ,,､-''　__i┘.三三三三三三三三三三三三三.└i_､　　　 . 　 .　 .. . : ::|
　 . . 　i!: :　/;;;;|￣|:::.　. . .　:　　.. ,,､-''　 __i┘三三三三三三 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
..　..:　::i!.　.ｉ';;;;;;|　 |::.:　. .　.　,,､-'' 　 __ｉ┘.三三三三三三三三|　　いったい大将軍はどういうつもりでおじゃ？　 |
. .　 : : i!.　ｉ';;;;;;;|　 |:: : :. ,,､‐''　　__i┘三三三三三三三三三三ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
.. : 　 : i!. .ｉ';;;;;;;;|　 |―''". .　__i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|　　　　　.. : : |
　 :　 : i! .ｉ';;;;;;;;;|　 |: 　. __i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 i_　　　..: :|
:　 ..　￣￣￣￣i! |　i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三.└i　 . :: |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　＼ . :|

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　　　　　二　二~i　　　｛｝｛｝//　二　二~i　　　｛｝｛｝//　二　二~i　　｛｝｛｝//
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660 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:23:59.58 ID:o0weE5xdo

　　　 l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　 ,!;:;:;:;:;:;:;:;:＿＿;l＿_;:;:;:;:;:;:;:l
　　　ﾑ;:''"´￣＿＿;:;|;:;＿~｀丶､!
　　 ,{__, ィ''"´ r‐っ￣ r-､丶､;:;l
　　,'ミﾐ:::::ゝ , . ￣:.　　｀`′,}:`i!　　　　　　　　.あのような男に蜀討伐の指揮を執らせるなど、
　　,'ミﾐ:::/　,. -‐- ､:.　　 , - ､ヾ:::l　　　　　　　　虎に翼を与えるようなもの。
　　lミ:::::' ,:' ,ｨ戓ﾆ>,:'　: ｨ戓ゝ、ﾞi::l
　〃ﾍ:::j　:.　　‐ '" ,.　ヽ` ﾆ　　 !:l　　　　　　　　いずれ良からぬ謀を企てるに決まっておるというに……
　{に}ﾊ::, :.:.:.:..　　 (r:､ ,､〉　　　 l:ﾊ
　ヽいjl::',　:ヽ　　　　,' ;　ヽ　　ﾉlﾉ}　　　　　　　　だいたい麿たちが謀から外されるのが気に入らんでおじゃ！
　丶-ltﾂ .:.: l:.:　 ,r'ﾆ=ﾆ､ﾞi, 　 i_ﾉ
　　　　l　､:.:.l:.:　｀ ''―''" 、　/
　　　　ﾄ､、ヽ丶、:.:..　　　ノ:／
　　　,(ﾆヽﾐミ=､、::.::.::.::''"／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__r===､r--､r‐-≧ｭ､
　／:.:.:.｀ヽヽ、:.:.:　￣　 ,!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐‐r―――――――‐ ヽ:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∧ヽ :.‘，--､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r' /￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ {:.:.:.‘，:.:.ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,x':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.∧ ゝ:.:.:i:.ミ:.＼{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {¨:.:.:.:.:.:.:.:.:r∨:.:.:.:.:.|:.-――:､l:.:.:.∧ {:./:.i:.＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ∨:.:.:. |从:.:廴L/ヽ:.:.:.i⌒i:.:l:.:.l ￣
　　　　ほんと、鍾会君への評価はみんな同じですね。　　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:.:l ,∨:.:.:.|　/ ﾊ:::ら |:.:.:.|　 }:./:.:.}:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:/ヽx､ヽ:.ﾄ､　乂:シ｜:.,ｲ- ':/7_/:l
　　　　ですが、心配はいらないと思いますよ？　　　　　　 .　　　　ﾏ:.:.:.:.:.:.:.:《ﾏヽ}::,′　　　 |:/:.:.|､/===='
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‘，:.:.:.:.:.＼ゞ､　　　　　ｲ:. : | ゝ､
　　　　カナさんには深いお考えがあるんでしょう　　　　　　　　　　　　｀ヽ＿ヽヽ　　 r,　　／|:.:. |´　/ /=========┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|　　　 _／ｲx|:.:.:.!　/ /　　／:::ヽ　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:.:.l r――‐| ∧| 〃 / /　　/::::::::::::::ゝ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　 l:.:.:.l　　　/ /: :.∧　/　i 　 ,′:::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ,′　　i /乂/|:ヽ' l　l　∧::::::::::::::::::::::::〃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　》　　 /:.:.:.:.:.:.l::::::|　 l　｀ヽヽ:::::::::::::::::/

661 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:25:44.35 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ,x≦ヽ--冖{＿r-- ､
　　　　　　　　　　　　　　　, イr､:.:／ヽ　ヽ―――　､　ｒヽ r､
　　　　　　　　　　　　／:.:.:.l　ヽ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ　 7‘，
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　‐ﾆ二二:.:.:.:.:.:.:.＼ , ':.:.:.:.:{ ヽ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘，
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　/:.:／￣￣/:.:.:.:. |:./:.:.ゝ　l:.:.:.:.:.:.:才丁:.:7｜:.:.:.:l l:.:.:l‘，:.l:.:.:.:.:.:.:.:|
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　　　　　　　|:.:.:.:.: |ﾍ:.:.｀ヽ:.|:.:.:.:.:.:.:. |,イ孑ﾐ }:/　　 {:::り /:/:.:.:.:!:. |
　　　　　　 !:.:.:.:.:!/l＼:.: : |:.:.:.:.:.:.:.:Ⅳ::::::} //　　　弋ソ//:.:.:.:. ｌ:.:.|
　　　　　　　 ∨:.:ll:.:.l　＼:.!:.:.:.:.:.:.: | 乂ソヽ＞　　、　/　}:.:.:.:.:.!:. !　　　　　　皆さん、あの御方を舐めすぎです
　　　　　　 ∨{ !:.:.＼　ト',:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　　　八:.:.:/:./
　　　　　　　　　｀ {:.:.:.:.:./:.:.:∨:.:.:.:.ト　　　　　＿ ,　　イ/:.:.:/:./
　　　　　　　　　　　ヽ／:.／/∨:.:.:‘，＞　　　　　イ　 i:.／|:./l
　　　　　　　　　　　　￣￣　＼:.:.:ﾍ　　　/≧7 ----/　　|!:.!､
　　　　　　　　,x≦￣￣ ≧xr< ヽ＼:.ﾍ＼__{/ l ∧二￣￣　 }/ i
　　　　　　 i　｀ヽ　　　　　ヽ　ヽ､＼ﾍ / ヽ l　∧ ､　　 /　 }
　　　　　　　 l　 /::‘，　　／ ∨　l::＼ ∧{　}ヽ　 ∧　＼　　　i
　　　　　　　 ∧/:::::::::ゝ／　　 ∨ ヽ:::::{:.:ゝx:::‘，　}　　＼　/ヽ
　　　　　　 /　ｉ:::::::::::l　　/＿＿ｌ　ヽ/:.:.:.:.:.:.＼｀:ヽ-- ､　　　 /
　　　　　 {￣|:::::::::::‘，/ 　　　　 }　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ:.:.:7　ｲ
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662 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:28:48.35 ID:o0weE5xdo

〃⌒　,､
!ｉ　　 ,l　｀ヽく⌒ヽー-- .､
{ゝ.__/＼. 　＼ヽヽ. ,.- ､＼
｀ｰ'〈　 ,/`ー､＼　 {l　>-､ﾊ
　　ﾊ /　　　　`ー､{l /ｒ〈l} .}
　　〉 i ⌒　　　　'⌒ヾ::|'1| /
　　ヽl,.'f´ﾐ、　ィｆ｀ﾐ 7└'ヽ　　　　　　　　　　　　　鎮西将軍・仮節・都督関中諸軍事。
　　／ !弋リ . 　弋リﾄ/)　└,
　　/Yi .>､ ∩ｰｰ　 ,.イヾﾄ､ //〉､　　　　　　　　　　　子初の後任として長安に行ってもらうわよ
　〉.ゝﾆ=' .| l>､‐ ﾊ､__ﾉﾉ　＼/_/
　〈　〈　　 !　´.>　{｀~´　　 :　　｀￣｀ヽ
　 'ｧ-,rL　ｒ,|/ヽ-ｧ､_ゝ-　　ﾃｰ- ､　　 |
　（（　 ', ヾ´￣ﾞヾｿ　　　　＼／　　　 !
　　｀ﾞ.　　', |　　 /ﾊ　　　＜l:i　　　 .|
　　　　 | !　　/ / 〉、　　　ﾚiゞ､＿__,ﾉヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,...::´:.ｲ:::::i:::＼:::::｀:..、
　　　　ゝ _ノ / 〈_,.ﾍ　　　｀＾V_､￣´ﾊ　ヽ.　　　　　　　　　　　　　　　　　／.::／.:::!i:::::i::::::::ヽ::::::::＼
　　　　／人ﾉ　　 <´＼　　　　ヽl∨ﾞ　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.':/::/::::i:::::!i::::::!:::ヽ:::::!:::!:i:::.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　/::/::::!:::!::i:::::!i::::::!::::::::::::!:::!::!::i::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::i::i:::|:::i::::.::::i:!:::::i::::::::::::i::::!::i:::i:::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::i::i:::|::::ヽiヽﾘ､::::!::::::::i::|::::!::i:::i:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !ヽ::ﾄ､!ヽ:::ｊｨ赱ﾊ::!:j::i:::i::! ヽ::i:::i::ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾞ7　　´ 　ﾉﾉ |::i/:::!　j:::i:::iﾘ
　　　　　　　　望む所です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 _　　　　　　i/ ヽiイ:!::i:::i'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_.. _ 　　　 / 　ﾄｊ:::ｉN
　　　　　　　　では、当面の課題に関してですが……　　　　　　　　　　　　　 iｰ　　　／　／｀｀｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ--ｒｒｆ´　／　　 ,　 ´＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄi´／　 ,　' ,...:':::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i !j　, .', .'.::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //' / ./.:::::::::::::::::::::::::::::::!

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　司馬昭と鍾会。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　当代きっての策略家同士が組んだだけあり、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　蜀討伐の筋書きは随分と手の込んだものとなった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　それがどのような内容だったのかは、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　この年の冬以降の魏軍の動静からうかがえる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

663 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:30:05.77 ID:o0weE5xdo

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　─　　 ─　＼
　／ -=・=- 　　-=・=-　＼　　　　　　　　司馬昭もよくこんな奴送り出したもんだお
　 |　　　（__人__）　　U 　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : ／: : : :´ : : : : : : : : : : : : :. : : : : : : ）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／: : : :/ : /: : : : : : :ｉ: : : : : : : : :. : : : ‐ ― :ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :.ｲ : /: :./ : /:. :.i:. :. :. :.|: : : : : :＼:.ﾊ : : : : ｉ : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/: :/:.:.:.′:.ｉ : : i| : : : : |: : :ｉ: :. :. :.ヾ:|:. :.: :.:|: : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / : :ｉ: : :.|:. .:.|:. :.ハ: : : : ﾄ､: :ヽ: ＼:. :.|:. :.: :.:|: : : :. :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′:ｲ: :. :.|:. .:.|! /＿_､: : :ﾊ_＼_:ト : ヽ |:. :.: :.:| : ｉ : : :.
　　司馬昭が鍾会に蜀討伐を任せた真意は後で述べる。　　|: / |:.:.ｉ: :|:. :.:ﾊ′　　＼ ∧　ヾ　　ヽ|: : : : :! /: :i: :ｉ:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ . l : |: :|:. :.|ｘテ云　　＼才示伝ﾃ:! : : : : /Ｙ:.l!: ト＼
　　ただ、あくまで表向きは、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {'　ﾊ: |l八: :.! 弋:rﾀ　　　　弋:_r夕　| : : /ｲ　} ハ:|
　　鍾会が鎮西将軍として長安に駐屯するに過ぎない　　　　　　　　}ハ: i:小　　　　,　　　　　　ｲ:.:.:/　イ/　}'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ハ: ﾊ　　　　　　　　　　　/ ｊ: :/´ ∧:.ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:i : :..　　　 ‐　　　　ｲ: /ｉ: ｲ　ﾊ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从ｉ: :.＞.､　　　　＜ / ｲ:ﾊ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: |　　ｰ＜　　 /'　＜￣:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ|　　　　}ハ　　／:. :. :. :. : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ}　／ :. :. :. :. :. :. :. :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:. :イ:. :. :. :. ´ ￣￣｀:. :.ヽ

664 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:31:35.57 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
-'''"i!"'''‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／
　.　i!　.　 .　"'''‐-､,　　　　　　　　　　　,,,､､-'' i!::.lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ｌ! ''-､､_,,､ -‐'!￣￣￣
: .　:i!　　::　　. 　　ｌ　　　　_,,,､､-‐'''"ﾞ ,,,､､-'' i!ｰ!　 .!r ‐､　 .r ‐､　ｒ ‐､　 .ｒ ‐､ .ｌ　　l:l! ''-､､! 　 . .: |
　　.i!　:　　l''-ｭ . . .l　　　　ｌ_,,,､､-‐'''"ﾞｨｭ::::::「li!::ｌﾆﾆ'ｉ':::::.rｌﾆi'､::::ｨlﾆi':: ::ｨlﾆｉ':::::::::ｌ'ﾆﾆl:l!::｢i:::ｨ|　　. : ::l　　 ,,､ .i――
　.　i!　:　:: l'''‐ｌ　.　l　　　　ｌｭ::::::「l::::::::::l l:::::::ｌ.li!:::l 　ｌ::::::ｌ;;;l l;;;l::::ｌ_l ｌ_l:::::ｌ_l ｌ_l::::::::l　　.l:l!::kｌ:::l.|　 . .:. ::'-‐''". . .:|
::　. i! :　:: └-.!　 . ｌ .＿, 　 l,l:::::::l l::::::::::ﾞ:;',,､-‐i!ｰ!.　ｌ'―l;;;l ｌ;;;lｰｰl ｌ――l ｌ――l　　.l:l!ｪ､-'''　　　　　..　.: :|
_,,､‐'''"i!"'''‐-､,,_　ｌｌ＿ｌ￣￣￣￣￣￣￣￣￣!-ｭ,ｌ.　 l;;;l ｌ;;;ｌ　. l l　　　l l　　　l 　i''"　　　　　　　　. .　.:: :|
　 . .　 i!　: :. . 　 .ﾞ／／:: :.:: :.: .. ..　　.　　　,,､-''ﾞ__i┘三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　　. 　.　.. .:: |
:. 　　 i! . 　／／／:::.　...　:　::　.　　 ,,､-''　__i┘.三三三三三三三三三三三三三.└i_､　　　 . 　 .　 .. . : ::|
　 . . 　i!: :　/;;;;|￣|:::.　. . .　:　　.. ,,､-''　 __i┘三三三三三三三三三三γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
..　..:　::i!.　.ｉ';;;;;;|　 |::.:　. .　.　,,､-'' 　 __ｉ┘.三三三三三三三三三三三 |　　　　　　何はともあれ　　　　　　　　|
. .　 : : i!.　ｉ';;;;;;;|　 |:: : :. ,,､‐''　　__i┘三三三三三三三三三三三三三ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
.. : 　 : i!. .ｉ';;;;;;;;|　 |―''". .　__i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|　　　　　.. : : |
　 :　 : i! .ｉ';;;;;;;;;|　 |: 　. __i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 i_　　　..: :|
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　　　　　二　二~i　　　｛｝｛｝//　二　二~i　　　｛｝｛｝//　二　二~i　　｛｝｛｝//
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665 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:32:49.96 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　　　 _,.........―＝≧=..､__
　　　　　　　　　　　...ィ7'´:彡刈／ヽ乂ﾐ:ｰ.ﾐｰ.､_
　　　　　　　　／／/イ´:_/:/::::::://:ｉ:!､:＼:＼::＼
.　　　　　　　／／:::,/::::イ/:/:::::／://}:l:::lヽ:ヽ:::ヽ:::ヽ
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　　　　　〃::/:/:/:/::::／:!:l／:／:::/:::!:::;!:::l:::::!:::l::l:::ｉ::l::l!
　　　　 /:/:/;ｲ:/!::!:::／::!:l::／／〃:/:/ｉl::::l:::ｉ:l:::l::l::::l::l::ll
.　　　 l:::!/〃/:;l::|:/::〃l:!':;イ::::::/:/:/::':l::::!:::!:l::l::l:::::l::!:ll
　　　　|:::!:'l::!:':/:|:l/:/,イ!!〃':::::::／!/:/:::!::::!:':::!:l::!::::l!::::l!
　　　　|:::::::l:!':l::ﾊ:l才:;ィ:!//:::::;ｲｉ::::/;ｲ::小:::ﾊ::l::lﾘ::ｉ:!l:::ll
　　　　|:ｉ::ｉ::!l::!://!/ｨ:! !〃::／::ハ//// ｉ:::/:::!:l::!:::;':,:l:l:!!
　　　　|:l:::!:!l::!':/弋ト､./'／',::::!.ィ弋:フ７;ｲ::::!//!//.}:ｉ::!
　　　　!ﾊ:::!:!:!;'　｀￣／　ヾ!　－－´/ ;:::ｲ::!//.､j:l::!'
　　　　　ｉﾄ::!:::l　　　　　!　　　　　　　　 /'´:/:/´〉.ﾉ:l:!　　　　　　これで天下に僕の名を知らしめる事ができる。
　　　　　|| l:ﾄﾊ　　　　　　　　　　　　　　 // ´才ｉ::!'
.　　　　　! ヾ!ハ　　　｀　´　　　　　 /'｀T´l:l::!ﾘ　　　　　　　.機会を与えてくれた大将軍には感謝しなければ
　　　　　　　ヽ　､　 ‐-　　_＿ _　　　　 '　　l:.:!!.l
　　　　　　　　　　ヽ　　､＿　　　　／　　　Ⅵ:!ｰｧ－､
　　　　　　　　ヽ　　　　　　／　　　　　才´　　　＼
　　　　　　　　　　ｉヽ. 　　ィ　　　　．‘　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 !: : ￣　　　　　 . イ　　　　　　　 /ー‐､_
　　　　　　　　．-‐､_',: : :　　　　　: ｉ '⌒ヽ.　　　　　　 /　　　　｀ー､_
　　　　　　／　　　ヾ.: : :　　　 .:　l l:.:.:.:.:.入　　　　　 /　　　才´　　｀ｰ､
　　　　／　　　　　　ｉ､: : : . . : :　 ! !:.:.／ｉ　｀ｰ､　　 /　_.才´　　 .. -‐－-ﾐ､
　　　／　　　　　　／l ヽ: : : : :　 //　'　／ /　/　ヽ/　//.／　／　　　　ヽ
　　／ _才⌒ヽ　　 /: : }　}: : :　　ノ/　／　 '　　 /　　　!//　／　　　　　　　　ｉ
　／:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:::!　　l: : : : : . . . ／　 /　　　 /　　l 　　 //／　　　　 -‐　　　　 !
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::)　 !: : : : : : : ｉ　　　!　　　 /　　　!　　 //´ 　　／　　　　　　 !
:., -― ´｀ｰ､_::::ゝ　 !: : : : : : :ｉ　　.!　＿＿＿　　　　〃　　　／　　　　　　　 l

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　鍾会は長安に赴くにあたり、友人の王戎に別れの挨拶をしている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　以下に紹介するのは、その際のやりとりである
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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666 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:35:03.04 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　　／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
　　　　　　　　　　ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊｿｒ‐ﾃﾊ!:l/　　　　　　　　そんなわけで洛陽を離れる次第だ。
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　　　　 !　 j川/
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/　　　　　　　　　僕の計は成功すると思うかい？
　　　　　　　　　　　 Yｌ:ﾄ､　　ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ニ′／}'
　　　　　　　　　　　　丨　　丶、　　／
　　　　　　　　　　ノ￣´"''‐ 、　｀¨´￤
　　　　　　　＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　ヽヽ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　　 ∧=､､
　 |八＼　　　　＿_/　　　　　＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ　　 . /:::::::::::::::/　　　　　　／　／￣_Y_￣_￣＼　　　 ∨:::::::::::::::ﾊ
　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼　　　 .:::::::::::::::::/　　　　　　'　／´　　　　　　　　｀＼　　 ∨::::::::::::::::i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::/　　　　　 /　　　　　　 / 　　　　　　　 ∨::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::::::::/　　　　　 /　　　 !　!　,{　　　　　　　 i　　i　∨::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::/　　　　　　i! | .| |　 |__|__ハ　　 | |.斗-ﾄ､ |　　|r､.∨::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::/　　　　　 | i! | |　 | !|| .!｀|　　 | ﾄ､ Ⅵ　i!　　| ,ﾊ ∨::::::!|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::i 　　　　　 Ⅵ Ⅵ　|从Ｎ ,从　 N　Ⅵ.ヽﾘ!　　! ,ﾘ　∨::::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨:|　　　　　　　　{∧ Ⅶ从＝ミx　＼! z≠＝‐|　　|,ｲ　　.!:::/
　　　　　　　　道家の言葉にこんなのがある　　　　　　　Ⅵ　　　　　　　　　＼乂｣　　　 ,　　　　　 !　　! |　　 }∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ　　　　　　　 |　人　　　､　＿,　　　,.|　　| i!　　/ ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | /　　,＞　._　　　 ...:::´::! 　 ! |　　 / ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | !　 /　　　　｀¨i´　　　 |　　|⊥._　/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ! r―rｱ'´￣￣!　　　　! 　 |　　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ! |　 .||　　｀ー.､　 r―| 　 |　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　琅邪郡の人　王戎

667 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:36:03.35 ID:o0weE5xdo

::::::::::::::::_　＞‐＜￣｀ー ≧..x　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::人::::::::::::::::::::::＼
::＞　´ 　　　　｀＜::::::::::::ヽ＼　　　　　 /::::::::::::::／　　＼:::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　｀＜:::::::::::＼　　 _　 -./:::::::::::／‐　_　　　＼::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　｀＜::::ヽ.´　　 /:::::::／　　　　｀､　　ヽ:::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼:::＼　/::::／　　　　　　　＼　　∨::::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　 , '　　　 ≧x_Vx≦_　　　　　　　　　ﾊ　　∨:::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　／´　　　　　i!｀　　　　　＼　　 ',　　∨:::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　 /　　　　 / 　 i 　　ﾄ､　 ',　',　',　　ヽ　 ',.　　∨:::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　 /　i　　 !　.|　　 |　　　ハ　　!　i!　i!　　i　　',　　 ∨:::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　.′ |　　l　 i!　　 i!　 |　ﾄ.ﾊ　ﾄ._ﾊ_ .!　　|　 ∧　　 ∨:::::::::|
　　　　　　　　　　　　 .! /　!　　!＿ﾊ　 iﾊ　 {!､｣斗七ﾘ } /!　　}　　i ヽ.　　∨:::::::!
　　　　　　　　　　　　 | i!　i!　| ﾄ.　|¨ヾﾄ{∧　∨{ ≠チぅミx |!　/!　　i!　＼　∨:::::!
　　　　　　　　　　　　 | ﾊ | !. Ⅵﾍ.≠r＝ﾐ　｀ｰヽ　う::::::ﾊ　》 / !　　∧＼　＼∨::|
　　　　　　　　　　　　 {' ﾍ从　ﾍﾊ.《　う:::ﾊ　　　　　ﾏ:::::::ﾘ ,'ｲ　 |　　 .∧　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　X＼ゝﾊ.　ﾏ__ﾘ　　　　　｀¨´　　|　 .!　　　 ∧ |　　　　　　為して恃まず　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 / ,/　 /∧　　　　 '　　　　　／!　 .|　　　　.∧ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂.
　　　　　　　　　　　　　／,.ｲ　 /　　ゝ.　　　　ｰ　´　　イヾ.!　　|　　　　　∧　　　＼　＼
　　　　　　　　　　　.／／ /　./　　　　 ≧ｧｭ､.__.　 ´　|ｰ,.|　　トミ　　　　ヽ　　　＼　＼
　　　　　　　　　 .／／／　 /　　／￣/ {{ /￣}　　　 r‐i//　　 ! 　ヽ　　　　　＼.　　　＼　＼
　　　　　／,二二／／　　./　　/　　 i　ﾊﾞ`ｰ＝＝＝ﾍ. |/　　　!　　　i　　　　　　＼.　　　＼　＼
　　　　/　/　　　／　　　/　　 ′　 i.| |　`ｰ＝＝＝＝}/　　　 l　　　 !　　　　　　　　ヽ　　　＼　＼
　　.／／　　 .／　　　 , '　　　i　　　!i i　　　　　　　　 /　　　　|　　　 !　　　　　　　　　＼　　　 }＼ヽ
. ／／　　／　　　／　　　 !　　 i | |　　　　　　　　i　/　　　|　　　 | 　　　　　　　＼　　/: : ∨
/　/　　／　　　／　　　　　.i　｢￣￣￣｀Y＾Y´￣￣| i!　　　ﾄ､　　 !　　　　　　　　　　＼/: :／

668 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:37:55.86 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　／　　　　　　　　　　｀.ﾄ<x≦ﾆ＝――――‐ ､:::::::＼
　　　　　　　　 /　　　　　　　　 /　　　/::/＼　　　　　　　　　　＼::::::::＼
　　　　　　　　　/　　　/　　　　 /　　 ∠.ｲ.　　＼　　　　　　　　　　｀　＜:＼
　　　　　　　 /　　 /　　　　 /　　/ //　i!　ヾ　ヽ　　　　　　　　　　　　　｀ヾ
　　　　　　 ./　　　/　　　　 /　　/ //　/ !　　i!　ﾊ
　　　　　 /　　　/　　　　/　　 .!//､,.ｲ|.|| 　 !|　|ﾘ
　　　　／　　 i!　　　　 i　　　|/／ヽﾙﾘ　 ,ﾘ ,ﾘ'
　　　 .／　　　　 !　　　　 !　　 !/ｱﾈﾐ / ／／　　　　　　　 .功を成すのは難しくない。
　　／　　　　/　 .|　　　　　 |　　 | ﾋﾝ　ｲ´/／
.／　　　　　 /　　 |　　　　　|　　 |　　　ゝ'　　　　　　　　　　　功を保つのが難しい
　　　　　　 /　　　.! 　　　　|　　 |　ァ´
　　　　 ./　　　　|　　　　　|　　 |く
　　　　 / 　　　 !　　　　 ∧　　 ∨＼￣ヽ
　　　　/　　　　 !　　　　 ./ ∧　　 ∨ﾘ　　ﾊ
　　　./　　　　　　 |　　　　/ ./ ∧　　 ∨　　　}`:..i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:/!:::::!::::::!::ヽ:ヽ{:::＼:::ヽ::::＼:::＼::ヽ:::::ヽ!::::}!::::l::li|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j/:::ｌ:::::!:､:::!::ﾄ､:､:ヽ:::::｀ヽ{､::::::＼::::＼{､:::::::::i::!::l:l !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:i:ｌ::::i::i:､:l::lﾃ=-､:ヽ､_､::＼_,≧ｪｭ､_､＼:::::::::i::li::!::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ﾊﾄ:{:!:ｉ:ﾄN{､ﾋ_ﾗﾍ､{　＞､{ 'ｲﾋ_ﾗ　》＼::l::!:ﾄ!!:l::l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ i､ヽ:ﾄ{､ヾ￣"´ l!＼　　　｀"￣"´　 |::!:l::! j:ll:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !::､::::i　　　　ｌ　　　　　　　　　 |:::/lj/l:!ﾘ
　　　　　　　　　　　　　自信はあるさ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾﾄ､:!　　　　　　　　　　　　　　　ｊ!/ j|:::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ! 　　　ヽ　 ‐　　　　　 /ｲ´ｌﾊ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ﾄ.、　､　_＿＿ ,　　　 /'　!:://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘl::l゛､　　　　　　　／　　|/:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒｰ''"´ﾄ!::i{＼　　　　　／　　/　!:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ^ヽ　　ヾ!　ヽ＿,,、'´　　 /　ｊ/

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.鍾会の最期を知った上なら予言に見えるけど、
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　王戎さんは至って当たり前のことしか言ってませんよね？
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .同じことは鄧艾にも言えるわけで……
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

669 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:39:55.99 ID:o0weE5xdo

―　数日後　―

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
-'''"i!"'''‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／
　.　i!　.　 .　"'''‐-､,　　　　　　　　　　　,,,､､-'' i!::.lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ｌ! ''-､､_,,､ -‐'!￣￣￣
: .　:i!　　::　　. 　　ｌ　　　　_,,,､､-‐'''"ﾞ ,,,､､-'' i!ｰ!　 .!r ‐､　 .r ‐､　ｒ ‐､　 .ｒ ‐､ .ｌ　　l:l! ''-､､! 　 . .: |
　　.i!　:　　l''-ｭ . . .l　　　　ｌ_,,,､､-‐'''"ﾞｨｭ::::::「li!::ｌﾆﾆ'ｉ':::::.rｌﾆi'､::::ｨlﾆi':: ::ｨlﾆｉ':::::::::ｌ'ﾆﾆl:l!::｢i:::ｨ|　　. : ::l　　 ,,､ .i――
　.　i!　:　:: l'''‐ｌ　.　l　　　　ｌｭ::::::「l::::::::::l l:::::::ｌ.li!:::l 　ｌ::::::ｌ;;;l l;;;l::::ｌ_l ｌ_l:::::ｌ_l ｌ_l::γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
::　. i! :　:: └-.!　 . ｌ .＿, 　 l,l:::::::l l::::::::::ﾞ:;',,､-‐i!ｰ!.　ｌ'―l;;;l ｌ;;;lｰｰl ｌ――l ｌ―|　　鎮西将軍の長史、ですか？　　 .|　
_,,､‐'''"i!"'''‐-､,,_　ｌｌ＿ｌ￣￣￣￣￣￣￣￣￣!-ｭ,ｌ.　 l;;;l ｌ;;;ｌ　. l l　　　l l　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　
　 . .　 i!　: :. . 　 .ﾞ／／:: :.:: :.: .. ..　　.　　　,,､-''ﾞ__i┘三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　　. 　.　.. .:: |
:. 　　 i! . 　／／／:::.　...　:　::　.　　 ,,､-''　__i┘.三三三三三三三三三三三三三.└i_､　　　 . 　 .　 .. . : ::|
　 . . 　i!: :　/;;;;|￣|:::.　. . .　:　　.. ,,､-''　 __i┘三三三三三三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　.　... :::|
..　..:　::i!.　.ｉ';;;;;;|　 |::.:　. .　.　,,､-'' 　 __ｉ┘.三三三三三三三三三三三三三三三三三三 └ｉ_､i'''"　　 .. .:: :::|
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.. : 　 : i!. .ｉ';;;;;;;;|　 |―''". .　__i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|　　　　　.. : : |
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:　 ..　￣￣￣￣i! |　i┘三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三.└i　 . :: |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　＼ . :|

670 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:40:59.54 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　 / ﾊ　＼　 {｜__rrュ'⌒ヾj
.　　　　　　　　　 { ,′｀ヽ､　｀ヽく::._{_{タﾉヽ、}｝
　　　　　　　　　　ｌj　＿　｀ー-ﾍ￣´ ＼::ｲ
　　　　　　　　　　 r|'´　　､　　￣｀ヽ ┬ｰ彳 |
　　　　　　　　　　　〃| ≡ﾐ　　　＿_　　}_／　,′
　　　　　　　　　　　|l__ｌ "　　,　　´￣ヾ　ﾊ }　/　　　　　　　　ええ、鍾会の下で長史を務めなさい。
　　　　　　　　　　r仆､ヽ、　rｰ ┐ "　厶ｲ∠、
　　　　　　＿_　l {｀ミ=ｧ个ヽ--'__, イ{_＿＿_ハ　　　　　　　貴方は今まで
　　　　　　/::ヽ::｀ヽヽ､__｝/　ｌ::7ﾄ /　,' 厂￣｀ヽ｀､　　　　　　軍務の経験がなかったはず、何事も勉強よ。
　　　　　｀‐rｰ､:人｀＞/,　 |/l:|/　/　r=＝=ノ　ヽ　
　　　　 r ┤/　/　　ｌ |　 |　/　/　仁二}′　　〉　　　　.別に妹の旦那様に
　　　　　/ 二ﾆＹ´　　　| ｌ　ﾚ′/　　ｨ＾ヽr‐'′ ／　　　　　前線に立って槍を振るえなんて言わないかしら
＿_　／{　 _二｣７　　∧ |　､_／　／/　　|　　ｈ＿
三三＞」＿r￢|7　 /　Vﾍ　　／／　　｜　　｢｀
三三三三ニ＞｣|〉_/　　∨　／／　　 _/ 　　ﾄ､
三三ﾆ=＝＝＝=ニ三＞ﾍ∠／ヽ、,　'´　　　／
／　 ,.　 ---―‐r――=ﾆ二二＞く　　　　／　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼ -、_
.　／　　　 _(⌒ヽ＞┬――-- く　＼＿∠　　 ,′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　|　　＿/r'′(⌒)　）ヽ、　｀ヽ、｀￣Ｌrﾍ、｀ヽ-､＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＝）（＝）／　´／ /)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人＿） {　　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　〈´／::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　そう仰って頂けると助かります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　　　当方、武に関してはからきしですので　　　　　　　　　　　　　_,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　大将軍参軍　杜預

671 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:43:04.16 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　／　　ｊ|　　ヽ.
　　　 ,.　'´　　,二ニ＞､　　　　 /　　　ハ　　＼　、　 r冖,ｭﾆ
.　　／　　　／　　 , -‐ﾍ　　　　 /　　　／　ヽ. 　　＼＼匸 /
　／　　　　　　／,. -￢|　　　ｌ /　／　　　＼　　　＼r┘|
'´　　　／　　／／rｰ┐ !　　　 {/r'′　　　　　＼　　　勺」＿__　
.　　　／　　／／　　／／　　　 |｜￣二ﾆ´　　　　　＼　　　{::.::.::.:　　　せっかくだから、
　　, ′　／／　　／／　　　　 /Vrグ示.　　　　　＼＼　弋｢￣　　　報告書のひとつでも作ってもらおうかしら。
　　|　　/〃　　／／　　　　 ,. -{‐j　辷夕ﾄ　　　　　　へヽ、＼仏
｀ヽ｣_　 | {　／／　　　／　 ∨　ヾ-‐′　　　　　,ｨｰﾃ=ﾐ＞‐{｣　　　　けれど、道中に何が起こるか分からないわ。
　　　｀ｰ‐-彳|r┐　　　r|ﾚ' ￣丨〝″ 　　　　　トrタリﾊ　　ヾL
　　　　　／｝ |　|　　　 l∥　　 l　　　　 ′　　　　ヽ辷ジﾉ　　厶-､　常に慎重に行動し、
.　　 r'´　_ノ| ヽ｀ヽ　　| `＝　ヽ　　　ト､　　　　〃 ` ″ 　　 rへ、　不測の事態に備えるのが君子というもの
　　　j-―-､｣　! 　ﾚﾍ /＞ｰ＝=ﾐ＼　　ヽ､＞　　　　　　　　　＿_ノ
　　__{＿＿｀ヽ|　　}　} |　　　　ヽ /＼　　　　　､/´￣｀ｰ―￢
　く　 l　　｀￢１　∧/「ト＜二ﾆヽ//＿_＞┬―┬-- /＼＿＿＿／　
　__＞{ ￣`＜l｜/ /ｌ/| ﾚ'´￣￣｀Y| ::.＿,厶|下.¨　　/ ｀ヾミヽ、
く　 /丁T‐┴Ｕﾍ/ /l | {＿_r=＝､l ｀７::/o　ﾄ､::.＼ /　　　　｀ヽ}　　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　君子危うきに近寄らず。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　／_.{
　　　　　　　　　君子ではない私の場合、なおさらですね　　　　　　　　　　　　　　　.｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,./ /＼　／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'

672 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:44:12.08 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　, -「＼‐- .._
　　　　　　　 , - ´　ヽ　＼＼ゝ＝､,､
　　　　　　／　　　／/＼､ :.　:〉{　ｒ;､ﾍ
　　　　 /　 ./ ./.:／　　丶､::ゝイゝ}７
　　　　　i{. .:/ ./／'´￣｀　　｀ﾆﾐﾍ/ｿ
　　　　　i:､::{ _{´　　　　､　　　 ,　 Vｿ
　　　　　ゝ:`{ﾒ,　　=＝ﾐ　　､_　/'　　　　　　　　　　　良い心がけかしら。
　　　　　｀`i{､＿　""　 ,、　, ｀`ﾞ{= ､
　　　　　　人､__メ　　　{　ｿ　ノ　〉　　　　　　　　　 .貴方には期待しているわよ？
　　　　 ,. ┴‐ ＜￣ }､...`" .ィ'´｀ヽ /
　　　ｒ'´　　　　　V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､　　
　　　i: ､: . .　　　ゝ　ィｌ」ヽヽｒ－」　＼
　　　ヽ: :､: :__ . . :くく.ィ　　oﾞ"ゝ_ゝ　. ｒ: }
　　／　　／T: .　: ＼､　　￣ }i:､ :i ﾚﾉ
　／ー- ｖ　　|: : : : . . ｀丶､､ﾟ_／ﾄ､　ヽ
〈　　　＼　 ,ﾚ. : : : :　　く.／i､＼L_ヽ__ ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
.}: .　　　　ヽ〉 _　 _　　　　ノi､`"　｀､-‐　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　.　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　　　,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　はッ！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_,'________r
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::ﾄ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣ヽ;,､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,,.／""　:::::::::::::: ' ,:::::::::::::ヽ,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　..::＼　..:::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::: !:::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　.:::::::::::::::　:::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::: i::::::.`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ;ノ:::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::: !::::::::::i

673 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:46:11.54 ID:o0weE5xdo

―　杜預邸　―

　　　　　　〈　　　　　　　　　　ヽ.　　、　　 ‘，
.　　　　　__/ ヽ　　　　　　　　　　ﾍ　　ヽ　　，
　　　 <´　ヽ___　　　　､　　　　　　ｉ　　　‘，　　i
.　　　　｀,ー---: 二二ニﾆ＝一.、　| 　　　 |　　 |
　　　　 |　　　 /´＼＼　＼＼　＼|　　　 |　　 |
　　　　 | 　i　 { ／　＼＼ /＼{＼{::}　　'　.:|　　 |　　　　　　　　しかし、鍾会の属官などよく引き受けたな。
　　　　 |　 l　 |ｆ气ﾃﾐ　＼{:::::::::｀::::ｿ!　/ 　 |　　 |
　　　　 |　 |　 |｀戈ｿ　　｀￣,,,´ /ｨ' 　　从　　ﾍ　　　　　　　.羊琇殿などは子上兄上に断わりを入れたとか
　　　　 |　/＼　ゝ ''''　'､.　　　　　ｊ　 , /　|　|　ヽ
　　　　 |,/　　|＼| ､　　　__ 　　,/,. // 　 !　!　　‘，
.　　　　　　　ﾍ　个:　 . ‘　' __／ｊ/}//!　　|　| ヽ.　　，
.　　　　　　　　ヽ　:|　　　｀>'´〃｀ﾞヽ〈:::|　:ｉ |　|　　ﾍ　．
　　　　　　　　＼!　　　{!　 ||　　　｀!　:! |　|　　 ∨:ﾍ
　　　　　　　　　　　 ||　 || 　　、.| .∧!　!　i 　　Vハ

　　　　　　　　　魏　杜預の妻（高陸公主）　　　　　　　　　　　　　　／￣￣ヽ　　　　　　　　　　 | |　| ||:||：|| ||:|| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　　［二二二二二二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |　　　　　　　＿|_|＿＿＿＿＿
　　　鍾会殿のあげた功績は多いし、　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　　 |　　　　　　|:|　　　　 | |；| .| |
　　　学べるものがあるかと思っただけさ。　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |　　　　　 .|:|　　　　 | |；| .| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　,'　　　　　|:|　　　　 | |；| .| |
　　　さてと、長安に持ってゆく書物を荷造りしないとな。　　　　 j　＿_＜　　　i　　　　　　／.二フ　 | |；| .| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ::::::::::--.､ヽ _ﾉ　　　、（　／‐ ´- ､　 | |；| .| |
　　　『春秋左氏伝』は当然として……　　　　　　　　　　　　／ .:::::::::::　:::::／￣｀ヽ. 　　 /　　　　二ヽ.| |；| .| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ..::::::::: 　 .:::::/　:::::::::::::.｀,　　/　　　 /　｀-'| |；| .| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ..:::::::　　:::::::::::::　:::::::::::::::: ﾉ ._ﾉ＿　_.ノ　　　 | |；| .| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / v　::::　　 ::::::::r :::::::::::__,.-､,'　j::::::::::::::::〈［二二二二二二

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.さすが杜預さん、春秋オタの鑑だお。
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .それはさておき、羊琇って確か……？
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

674 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:48:16.61 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　 ,. :-:.' ｰ ' ¨ :.ゝ.､
　　　　　 ,.:´: : : : : : : : : : : : : ヽ.
　　　　　,.': : : : : : : : : : : ',: : : : : : ヽ､
　　　　 ,':.:;':.:.:;'.:.:.;'.:./.:;'.:.:|i:';:.:.:.:.:.:.::`､｀ゝ
　　　 ,':.:.i:.:.:.i:.:/i:.:/i:.:ﾊ:.:l:i:.:.i:.:i:.:.:.';.:.:',
　　　 /ｲﾊ:!:.:.:l:/ i/ ﾉノﾉリﾘハﾘ:!:i:.:.!:.l
　　　　i/!:.:!:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;　　 ;;;;;;;;;;;;;;l:.!:ﾊ!
　　　　　∨|:.:.!　　　　　　　　　ﾉ/i/ﾉ　　　　　　　　　その前に、辛憲英という女性を覚えているだろうか？
　　　　　　ﾍ!:|　　　　　　　　　ﾉ!/′
　　　　　　　ヾ!＞ｰ- 　 -- ＜ｲﾘ
　　　　　（;;;;;ｿ⌒)￣｀´￣(⌒ヽ
　　　　　　　ヽ;;=;;/＿_,,､＿/;;｀ソ
　　　　　　　　〉;;;;;;;;ｿ:/Ａ.i:ｌ;;;;;;!′
　　　　　　ノ｀;;;;;;;;;;i;!＿__i;!;;;;;ゝ、
　　　　　　（_;;;;;;;;7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;;;;;;）
　　　　　　　｀￣￣￣´｀￣￣￣´　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　辛毗の娘かお？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　 ⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）　（● ）　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　（第二十回参照）　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　⌒（__人__）⌒　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼

675 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:50:59.62 ID:o0weE5xdo

【羊氏略家系図】
┌─────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　辛毗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蔡邕　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　孔融　　　.│
│　　　　　.　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　│　　　....│
│　　┌──┴──┐　　　　　　　　　　┌───────　.│.──────┐　　　　　　　　　　　　　│　　　　│
│　　│　　　　　　　.│　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　│　　　　│
│　　│　　　　　　　.│　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　│　　　　│
│　　□　　　　　　辛憲英＝＝＝＝＝羊耽　　　　　　　　　　蔡氏＝＝＝＝＝羊衜＝＝＝＝＝＝＝＝孔氏　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　┌──┴──┐　　　　　　　　　　　 . .┌───┼───┐　　　　　│　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　羊琇　　　　　　羊瑾　　　　　　　　　　　羊祜　　　羊承　　羊徽瑜　　　羊発　　　　　　　　　　..│
└─────────────────────────────────────────────┘

　　　　／￣￣＼　　　　　
　　／　　 _ノ　　＼.　　　
　　|　　　（ ●）（●）　　
.　　 | 　::::::⌒（__人__）　　
　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　ええ、その辛憲英は、魏の太常を務めた羊耽に嫁いでいましてね。
.　　　|　　　　　　　 }.　　　。
.　　　ヽ　　　　　　 } 　　　/　　　　　　彼女の息子が羊琇殿に当たります
　　　　ヽ　　　　　ノ　　　./　
　　　　 / lヽ介/lヽ、　,rE)　
.　　　| | ~ヾ/~ |.　ｿ◇'
　　　　| |　　ﾟ| 　|＼／
　　　　| |　　ﾟ| 　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　―　　-＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　.　／　（●）　（●）
　　　　　　これに司馬家や夏侯家がくっつくのかお？　　　　　　　　　.／　　　　（__人__）　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　｀ ⌒´　　　|
　　　　　　なんという名門豪族　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　　　　　　　　　　　ヽ

676 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:52:12.60 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　／　　　_,-‐　＿｀ﾞヽ丿
　　　　　　　/　/　　/　＜"　　￣ '"｀>
　　　　　／　/　　/　／ /　／／/＞i
　　　-‐'"　／　　/　 /／/／/ /i /l/i　ｌ
　　／　／　　 /　　'i"/ｌ/t/'ヽｌ//ｌ' /iｌ
　 /,-'"~ 　　　 /　　 i ｌゝﾉヾ　ﾘ/'/ノﾘ　　　　　　　　　　　どうして鍾会は西方に出るんだ？
　　/'/_ -‐/ ／　/. i i　　　　　（ｌ';;i'
　　　　　'／;;r'. ／;;ノi/　　ー-　'/;;;;;i
　　　　　 i/ i／/__ｌ＿｀ヽ、　／;;∧;;;i
　　　　　　　/'"　　　｀ﾞk l｀ﾞ i ヽヽｉﾉ
　　　 _, -'"＝‐,-、、　ｌ_ｌヽヽ';;ヽ;l
　　　/:i;ｌ:::::::::::ヽ;;ヽ｀ヽ' ｌ:ｌヽヽ　｀ヽ;l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜￣　＞､
　　　ｌ:ｌ;ｌ::::::::::::::ヽ;;ヽ/::::ｌ.:ｌ　｀ヽ　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　／　フ{￣￣　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /// ﾑ　　　＼＼
　　　　　魏　羊琇の母　辛憲英　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' ./ / /}　 i　　　ヽ、ﾍ’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l '　l /,ｲ　 {､　ヽ、ﾍ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ '　ﾚ´ {ﾄ､ﾊﾍ.　ﾍ　ﾍ}ヽ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　j　 |≧tゝ＼ﾍ＞tﾍ　ﾍ　} ＼＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/｀{　 .|沒必　｀ヾ也Ⅸ　ﾍj　　ﾊ　　｀r―-､
　　　　　恐らく、蜀を滅亡させるつもりでしょう　　　　　　　　　　　{　 l　ﾊ' ' '　　; 　 ' ' /|ﾍ　ﾊ　　ﾊ　　　ヾ,　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ￣＞ミtl　i　ｉヽ、　_ _　 ,.ｲ人ﾍ　ﾊ　　.}　　　　}　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ⌒＞､　 .|　ヽ.ﾊ|`.＞-＜|／　ﾍﾍ　　ﾊ＞.､　　 _,ﾄ､　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼ ,　＼}::.::.:｢|.|::.ヽ＞r,ﾍﾊ　　ﾍ　ヽ＞'/　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 },i. 　ヽ::.::|.|.|:.:.ﾉ:.:.:ﾊヽﾊ　　ﾍ.　 iヽ/ノ￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厂￣￣　＞､　　ﾉ,ﾄ､　　＼ﾄヽ:.:.:.:.:.∧＿} |　　iﾊ　ﾚﾍ　　__ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　秘書監　羊祜

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　辛憲英は、鍾会の鎮西将軍就任を怪しんでいた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　司馬昭の腹心たる男が突然転出するのだから無理もない
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

677 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:53:12.52 ID:o0weE5xdo

　　　　/　　　 /　/　　　　　 ,、ﾍ　 i ヽヽ
　　　 i　　　/i　 i　　l　　　　 lヽ/ヽヽヽヽ、
　　　 i 　　 / i 　i　　ｌ　ｌ　ｌｌ　　 i　i　i,iヽi
.　　　i　　 /　i　　i　　i　　i　　i l　　 i i i　il
　　　i　　/ 　 i　 /i 　i　　i 　 i i i　　'"ﾘtｌ/ l
　　 i 　 /　　 i /　ヽｌi 　/ｌ　/'"　　ｲ;d ｌ　 i　　　　　　鍾会は物事に対処する時、好き勝手に振舞っている。
　 /　／l　　　 i'　　　i / ,-‐r‐　　　ヽ、i　　i
　/／ / i　　∧　　　ｌ<ヽ;;d　　　　　　'　〉i　i　　　　　とても臣下の態度とは言えない。
./'"l /i　i　　 i r'l 　　 l　l　　　　　　 _　/l　lヽi
.　ｌ i i　 i　　i ｌヽｌ　　ｌl l　　　　　　 '　/ ｌ　ｌ　　　　　　何か野心があるからじゃないか？
.　ﾚl N　ｌ　ｌｌ　 i 　 iヽiヽ、＿＿__ /_〈ｌ /
　　　　ヽｌ、ｌﾚ'/"～ｌﾉ,　　　　　 /　　ヽ,,ｌ/
　　　　　　　　/　　　　｀ﾞ゛‐- 、ｌ-、　　ﾞヽ、
　　　　　　　〉-―-、　　　　　>ヽヽy‐、___i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／";;;r‐r 、ゝ｀ヽ、　　iｌ￣l　ｌ::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ　´　　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/,､　　､　--―　　　　ｌハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊ　/７￣ヽ　＼ヽ､　　ヽ!　 |　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　ｌ/ 　　｀ーヽ　　￣ |　ﾄ' 人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|　ー―　　　――　 !　 | } ノ
　　　　　　　叔母上、お喋りはそこまでにしてください　　　　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　　 |　ﾚ　ｲｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ｊ　　　＿＿_　　　,ｨ　 |_７ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ゝ.　　└――'　　ィ__|　 |/　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　｀i￣ア=lT T´ : : : |　　!ヽイ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　ｊ　!　ｲ:_:ノ人｀ヽ:_:_:j　　ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/ハ|　{__ ／　｀ー--!ｲ/

.　　　　　　　 ∨∧ .　ﾟ　　　　 ∨::.｀｡＿
.　　　　 , 　¨__￣二, ´　　　　　　　 V::ﾊ　＿　｀ヽ
　　　 /　/　　／::,　　　　　　　 ,ヾ:}´ ∧　､　:
.　　　 :　 .　／:::イ　 /　　　'　　　 /:::/　　　ﾟ｡ !　,
　　　　|l　l ´ 　　 i 　 '　　　　　　ムｲ .| 　 |　|ﾉイ
.　　　从 |　　　　|　　　　 ! 　　　　 |⌒ ｌ ,
　　　　　ヾ　　　 |　 |　　　 |　　　　 ,从 //　　　　　　　　（ふむ、鍾会様に近づくのはダメなんですね）
　　　　　　　　　　|　 |　　　 |　　　　 /┃|
　　　　　　　　　　|　 |　　　 |　　　　　/
　　　　　　　 /|　 |　　　| 　　　 ' 　ノ
　　　　　　　 /　　 ,　　　 !　　　 :¨ ´
　　　　　　　 ,　　 / 　　　　　　ﾟ｡‐ ､

　　　　　　　魏　辛憲英の子　羊琇

678 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:54:18.89 ID:o0weE5xdo

―　数日後　―

　　　　　＼:::{_.　´　　　　　　　　｀　./::／
　　 .　-=== ／　　　　　　ヽ　　　 {::{二二　ヽ
　／,　-─‐ '　　　　/　　'　　　　 }_,,_ 　　､::＼　ヽ　 :.
イ　/　　　 /　　　　 ′ ｲ　　　　 /''ﾞﾞﾞ㍉,　　ヽ:::ヽ　 }　 }
{　′ 　　/ｲ　　　　}-/┼　　　 / ─-　ﾐ　　 | ∨::}　|　 ′　　　私を鎮西将軍の参軍にですか？
:. { 　　　 |　　　 Иｨ=ミ、　 / x=ミ､　ﾐ　　 !　}:/　ﾉｲ
丶ゝ　　　|ｌ　 j　　|〃んﾊ丶( 　んﾊ》 }}'¨Y.|　　　　　　　　　　.お断りできませんか？
　　　　从　}l 　从乂ソ　　　乂ｿ　〃＾/ .|
　　　　　　 )八　ﾊ　, ,　　 '　　 , , 〈{/ ´ . .|
　　　　　　　 }丶圦　　　｡　　　ｲ}〉. . . .|
　　　　　　　 |. . . . ｀≧ 　 _　 ≦ /.. . . . ..|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　-―‐　ー- ､
　　　　　　　 l, ..r===rf　　　ﾑ===x .._ . |　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　／　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　／　 }: : : {__｀¨ﾆ¨´__}: : : : {　 ‘，　　　　　　　　　　　　　　　／　｀　　　ー- ､　iｿ´ヾl ,､_ ハ
　　　　　 /　　 ,: r＜///{/}/////〉: :.}　　∧　　　　　　　　　　　　　 //　　 ,〃　＼　､　 >!<,j- ､__ヽｧ ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/　　 l/　　　｀ｰ=(,〉 {薔}-' ﾉｒ' ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　 !i　　　　　　　ゝ'i_ィ､‐､"　　.}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 -'　　　｀ｰ　　 >-、 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! ━　　　 ━　ｒ=っ У
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 /ﾊ　　　　　　　　　|l ＿'_
　　　　　　　貴方に断わられると成り手がいないのよ。　　　　　　　　　　　　ﾞ「､　　 n　　　 ,.ィﾞ＿　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´ニﾕ_＞-ｒｒ彡´ﾉt=ｭｧ_´ー､
　　　　　　　少し時間があるから考え直してほしいかしら　　　　　　　　　／└‐､7（(ﾆｱﾄゝ） 'ーｧ‐'　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'⌒　　　／｀´ /｀ｲll !￣　　テ　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿ノ　 i　/　l　　ljl.j　　　/　/　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　| 　ヽ _　　　_ノ　 ',　　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　/　!　i彡ア､＜　　　 /　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　｀//!ﾄ--'　　　　ヽ　　　　く

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ところが後日、息子の羊琇が鍾会の属官になる話が持ち上がる
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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679 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:55:36.29 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　 / 　／　　　　　　　ヽ　　 ≧=-
　　　　　　　　　　　/ 　 ' 　　　 ′　　　　　　 .　､　｀　､
　　　　　　　　　　 ,　 /　　　|　 / / /　/ 　 '　　 }　　∨　　＼
　　　　　　　 ,　 '　　 , 十/ ┼ﾊ-/‐ '/ 　　ｲ.|　}　　．ヽ､ ∨
　　　　　　　　 ,}　i 　ｲ　 |/,ｨfﾃ笊ﾐ!. / 　 `x_」_| /　|　　　. }　'
　　　　　　 _/_-┤ /.!　/|《　ｲ::::ﾊ |ｲ　／乏ミ､｀　 !　 |　} j/
─ ─　----‐/´ 　从{i |　|　　ら::::ｿ /／　/:ﾊ　》　　' 　 }　'　　　　　　　　母上、大変です！
￣ﾆ=-　　／　　二ﾆ _人{i从　　 ~~　′　, r'::ｿ　 /　′ ｲ　′
￣二ﾆ=-/ l　／　　　｀ヽﾊ|　　　,　─ 　､　~　　′'　 / }∧　　　　　　　　実はかくかくじかじかで！！
／＿ﾆ=/　|／|　　　 .- ､ | 圦.　　{::::::::::::ヽ/　　 /_,ｲ　 '‐- 从_
´＿　 /,-〈.　 |'´ 　　|　∧　∧＼｀　‐-　'　．　´ /／　　　　　
　　 ∧{ 　＼.! 　　ｌ. 　∧{ ∧ '´＞ _　＜／
　 ,〈　丶　　＼　　.∨　 ∧　ﾑ´　ﾊ__／‐-　　_
__/∨　　　＼　丶 __∨　 ∧´-‐　´/　　／　/　　　ﾊ　　　　
　 ∨∨ 　　　{＼　　　　　　丶 ___ '　　＿__'　　　 / |　　　　　　　　　　　　　　　/':::::::::::::::|:::::::::::::ヽ:ヽ:::ヽ::::ヽ
, - ─── --ﾆ=　　　　　　　　　￣￣　　ﾉ　/ 　 '　i　/　　　　　　　　　　　　 /V:::::::::::::|∨|::::::::::::|::ヽ:::ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　f::::|:::::::N:::|　　V::::::∧::ヽ::::|::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::|:::::::Vヽi　　 V::::/ヽ＝::::|:::::|::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::|::::|ヽヽV　　 |::/´´|V:::::j::::::|::|
　　　　　そうか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　八::V::|__ヽ', ゝ　 V -=L-:::::|:::/:: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::Vヽ¨与ミ>　　´与シj:::ﾘ:::|:::: ヽ
　　　　　我が家にとっては不吉だが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j:::|::::V',　｀¨´　　　　　 ∧ﾘ::::|:::|ヽ.ゝ
　　　　　これは国の大事、最初から引き止める事などできない。　　　　　 /|::|:::::::::ヽ　　　 .　　　/::/::::|:|:|:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ハV::::::::|＼　　 -　　人:|::::/:|:|ゝ
　　　　　行くしかないだろうな　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　VV:::::|V:::｀i＞＜ /:::/:::ﾉ|W
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼ヽ:|─ヲ　　　./:∧:ノ )〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀ /　　　　/　　)　/　ヽ--x、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,xィフ　　 / ｘ、　　　　　/|　　　ヽ ||　＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　それを聞いた辛憲英は、息子に訓戒を残している
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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680 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:57:01.09 ID:o0weE5xdo

　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::_:::::､::::､::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　/:::/:::::::::::::::::i::::ﾄ､::://:i:::::ヽ:::ヽ:ヽ::::::::`､:::::::::
　　　　 /:::/:::::i::::::::i::::!:::!｀｀´´´l::i::::::i::::::!::::!::i:::::::i:::::::::
　　　 !::::!::::::i::i::::::!:::!:::l　　　 !:l::::::!::::::!::::!::!::::::l:::::::::
　　　 !:::!:::::::!:l::::::!:::!:::l　　　　 l:::!:::::l::::::l:::::!::!::::::!:::::::
　　　 !::l:::::::l::l::::::!:::l::::!　　　　 l:::!:::::!i::::!l:::l !:l::::::!:::::::
　　　　 l::!::::::l:::!::::iﾄ:､!i::l　　　　 l::!l::::l l:::! !_!ﾚ'l''7´::::::　　　　　古代の君子は、
　　　ヽ!:::::!l:ll､::lヾ!‐iヽ､　　　ﾚ'l:::/,r'''i::::::::｡!ﾌ¨!´::::　　　　　家の中で孝を尽くし、外に出れば国家に忠節を捧げる。
　　　　ヽ! `!:ヽ!、`ヽ::｡!`　　　ﾚ′ ..,,`ｰ_'/ !::!::::::::
　　　　　　　 i::::::::::i　>-‐'　　　　　　　　　 `l:::!:::::::::　　　　　職にあってはその担当する務めを思い、
　　　　　　 !:i::::::::::!　　　　　　　　　　　　　l:::l:::::::::::　　　　 .道義についてはその持すべき態度を思い、
　　　　　　　 !::!:::::i::::ヽ　 /　　　　　　　　　 !:::!:::::::::::　　　　 .父母に心配をかけないように心がけた。
　　　　　　　l:::!:i::::!::::::::ヽ､`　、　　　　　　　 !::i::::::i::::::
　　　　　 !::l::!::::!::::::::::::l::`.､　￣｀　　　　 i:::l::::::!:::i::　　　　 .軍中にあって必要なものは思いやりなのか？
　　　　　　 l:::!:l:::::l::::::i::::::!::::l::i.ヽ　　　　 _,, -!::!::::;l::::!:;
　　　　　　 !::!:l:::::l::::::l::::::!::::l::l:::::l:`ｰ‐.i'i´　　 l;!!::i !:::!:!
　　　　　　 !:l::!::::il::::::!::::il::::il::!:::/!:i::!:::il::!　　　 !:l ::/l;!
　　　　　　 l;!::!l:::l !::::!::::!l:::!ﾚ'!:i　l;!l!ヽ!>!　　　ヽ!´_,,,,
　　　　　　　ヽ!ヽ!ヽ;!ヽ;!ヽ!　 l;! 　 ,r'´:,!　　_,,..-''´:.:.:.　　　　　　　　　　　〈　/ 　 . 　-─- 　.∨:.:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　- Vl,　´　　　　　｀　､::::/　-=ﾆ二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__／　　　　　　　　　ヽ _≦z　　∨{´　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,，.::≦:::::::::::::/　　　'　,　　　　,　　　ﾟ｡　　｀ヾ　ヽ-=ﾆ二_　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　｀＞::::::::::_ -‐'　　 ′/　 /　ｲ　　　　|　　．´ 彡．::::＼　} 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　． ´ 　ｌ　　i　' ‐-/ _ / | }　　　ﾊ≦ﾐx　彡．::::-=彡　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 /　． ´ ,{　　 | {i　ﾊｨf≧ﾐN　　 ' ,_)::心》 i}ヽﾄ､:::::::::-=彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 /　　/:|　　 | 从〃,_)::心 |　./　{r'::::::}　 .!ヾ} l　〉::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　 {　　/:::从　 l 　Ⅳ　{r'::::::} | /　　込zｿ　〈(ｿ ∨／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　`ﾆ=-:／＼{iヽ≧ミ込zｿﾉ'　 ,　　　　u.ム)〉 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　　　　　＞=ﾆ／　　　从∧ﾊ　　　　　　 _　　　ｲ　ｲ　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } )〉丶　　　´　　　／/　 .|　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　., 〈( 　}｀≧=-　　イ　/　　 L_二_　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/'　/　 |/　ゝ'´ﾆ=/　　　八∠_｀ヽ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　／　　 }.:｀/7´.:.:.:{　　_ ':ﾆ//　　ﾊ　｡

681 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:57:45.81 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　 ,-‐'"　　　　　｀ﾞヽ
　　　　　　　 '"　 _ ,-- 、, -　、　｀ヽ
　　　　　　　　／　　　_,-‐　＿｀ﾞヽ丿
　　　　　　　/　/　　/　＜"　　￣ '"｀>
　　　　　／　/　　/　／ /　／／/＞i
　　　-‐'"　／　　/　 /／/／/ /i /l/i　ｌ
　　／　／　　 /　　'i"/ｌ/t/'ヽｌ//ｌ' /iｌ
　 /,-'"~ 　　　 /　　 i ｌゝﾉヾ　ﾘ/'/ノﾘ　　　　　　　　　　言いたい事はそれだけだ。
　　/'/_ -‐/ ／　/. i i　　　　　（ｌ';;i'
　　　　　'／;;r'. ／;;ノi/　　ー-　'/;;;;;i　　　　　　　　　　　　無事に生きて帰って来い
　　　　　 i/ i／/__ｌ＿｀ヽ、　／;;∧;;;i
　　　　　　　/'"　　　｀ﾞk l｀ﾞ i ヽヽｉﾉ
　　　 _, -'"＝‐,-、、　ｌ_ｌヽヽ';;ヽ;l
　　　/:i;ｌ:::::::::::ヽ;;ヽ｀ヽ' ｌ:ｌヽヽ　｀ヽ;l
　　　ｌ:ｌ;ｌ::::::::::::::ヽ;;ヽ/::::ｌ.:ｌ　｀ヽ　ヽ、　　　　　　　　　＼:::::/　　　　　　　　　　　　　　　 L＿　　　　ヽ:::::::::::::＞´
.　　　ｌｌ;ｌ::::::::::::::::::ｌ;;;/:::::::,:::ｌ　　ヽ、ｌ;;ｌ,　　　.　　　　　 .　 ´,ｲ　　/　　　　　 ,　 / i　　　　 !"　""ﾞﾞヾ　　　｡＞´＿
　　「r'――:::::::::ｌ/::::::::::::l:ヾ、　　ヽｌ;;ｌ　　　　　　　　／　／ /　 /　　　,'　 / ,/　 |　　　 , 　|　　　　　ﾞﾐ -‐　}::}＿_　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　 ' 　 '　　'　　　斗 /‐/‐-/|　　,/ 　.} -─‐-　　ﾞﾐ -‐ |:::＼　ヽ　ﾟ｡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　 | 　,/|ｌ　ｉ　　 '　 / /　 /　! 　 / /　'　　　　　　　ﾐ　 ,|::::::∧　}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 {　/:::|ｌ　 |　　　|　,ｨf乏芋ミ |　,/ ｲ ,/ 乏斧ミx　　ﾐ／, Ⅳ::::::|　|　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ=-/:::::|ｌ　 |　　　| 《　ん:::::(_ | / / |/　ん:::::(_　》　.ﾐ／　| ＼:::| ﾉイ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 /:::::::从　|　　　l　ﾄ　ﾄｲ:::::ｲ}j/j/ ,ﾉ'　　ﾄｲ:::::ｲ}　　ﾐ__ 　,|　　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 ´￣　　ヽ|ヽ　 l　|　乂zzソ　　　　　　乂zzソ　　〃　}　,|
　　　　　　　　……頑張ってみます　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼ﾄ､|　　　　　　　　　　　　　　　 ,_'^ ﾉ. .,|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. .|. .|ﾊ　""　　　　　'　　　　 ""　, _／. . . |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. .|. .|圦　　　　　　＿　　　　 u.　/)〉. .|. . . |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. .|. .|. /丶　　　 └―｀　　　／ヽヾ. |. . . |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. .|. .|/. . /. ＞ｭ．　　　．z≦. |. . l. .＼. . .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,|. .|. .{. . . '. .|:.:.:.:|　　¨　　|.:.:|. . |. . l. . ./. . .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /. . .|. .|. . .l. . |-‐ '　　　　　　｀ |. . ｌ. . }. . |.. . ..|

682 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 22:58:53.80 ID:o0weE5xdo

【ある日の辛憲英さんち】

　　　　　　　　　　　／　　、　　、　　　 !　 !　.
　　　　　　　　　 ´　/i{　　ヽ.　ヽ.　　: :　 :　 : 　　　 .
　　　　　　　 /〃/,公.　、　、　　　 } i ｉl ｉl　ｉヽ.　　　 i
　　　　　　　　 /〃//　　＼＼､ヽぃﾊ. } i ｉl ｌl　|{　`、　ｉl
　　　　　　 /'{ { {　メ、　＼}斗}/ヒ } i ｌｌｌ . |k　}ﾊ　.:ｌ|　　　　　ところで叔母上。
　　　　　　 i八ゝvr芹ﾐ　　　ｧ丐ぅVノ' }い|| V'　Ⅵ||
　　　　　　　 //}八ﾊv.鬯　　　 { 此爭尨　}i　ｌ|. |{ i l| }ﾘ　　　　　先日差し上げた錦の着物は、
　　　　　 // / 　 }}'"　　　　　　'"アﾟ//　}i　!|_八i lﾚ/　　　　　 .お気に召さなかったのでしょうか？
　　　　　 // / 　 .八　　'　　　　　〃　　　ﾘ　从　i |り
　　　　　 '/ /　　/　/ヽ.　‐ - 　／／　 .〃 ,仏ﾊvリ
　　　 . /,　 /,' //　/　　＼＿／／　　 /〈/厶乃少’
　　／ //　 / //　厶-ｧ…(乙／／　厶//…う7　　　　　　　　　　 /:/ :: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::　'
　,　　//　 / //／　//ﾆ／／／　　　 //´ (でミ、　　　　　　　　　　　/:. :::::/::::::::::_::､:::::::::＼::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:/ :::/ :|ハノハ:ヾヽ:＼＼ :::::::::::::: i ::::::::::: ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｲ ::::.' :/|| 　　 |::::!:i|::|!ﾊ::::ヾ: !::::::: |::::::::::::::｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:!::::::!::|‐|| 　　 |:‐|‐i::|!|-!|:::!: |:::::::::|::::::::::::::｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八::ﾊ!:ｨ=ﾐ　　　 i/ !ｨ|=ﾘ川ﾚ|:::|:::::::::|:::::::::::. ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Yヾi iﾊ　　　　　　iﾊ　　》‐ |:::::::::|:::::::::::: ｜
　　　　　　ああ、あれか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:::i　リ　　　　　リ　　 ! :|:::::::::|::::::::!::::｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!从　 ,　　　　　　　　 |:::|:::::::::|::::::::!:::: |
　　　　　　七十過ぎの婆さんが着るには派手すぎる。　　　　　　　　　　|:::::: ､　　　　　　　　　 |:::|:::::::::|::::::::!:::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|i::::::|::＼ __　　　　　　　 |:::|:::::::::|::::::::!:: ｜
　　　　　　裏返しにして着ているさ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|i::::::|:／ｨ､｀　　_..． ´｜:|:::/!::|::::::::!:: ｜＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─‐く／::|:::｀丁::::::::ハ　 |/|/　Vハ::八.．-─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.─― ､ |‐､!|:::::: |:: ／　ハ　　　／　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/─‐ ､　|ﾉノヾﾄゝ' |　　 |　! 　　／　　　　_.．─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ― 、 |/ /　　 .'　　｜　 |　　　/　　　　/　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 i　ﾚ'　/　　 /: 　　|　　 |｀　 /　　　　/　　　　　

683 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:00:17.54 ID:o0weE5xdo

　　／　　　　　　＼
　　|　　　　　＼＼ﾄ、
　　f|　　　　ヽ　＼ Y ',
　　|{＼ i＼　＼　 ', ! ﾍ　
　　|:|__ ＼_＞-ミ、ﾄ j　 }、
　　| :ゝ、　TTヽY∨ ﾘ　ﾘ,　　　　　　　　　……人の心とは難しいものだな
　　|　 !|　 └' 　 ', ∨　ﾉヽ
　　| 　 |、　　　 /ｭ ∨:{　　
　　|　　| ＼￣／_人　辷、
　　　 .|　{ r┬┐::::{ 　廴
　　　　|!　 )} j　{::::::::}　! {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　/_　　　 ∨::∧／::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　/´ ｀ヾ　　　､⌒＼'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / ,　　　　/　　彡　　　,＼丶＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / /　 ' 　 /　　 .彡　／　＼＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / /　/　　'　　　彡　　　 /　　∨　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 / / 　{i　　|　　　　彡　　　/ 　　∧　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　ｲ　{l　从　 |｀ ‐-- .彡　　　　　 ∧／
　　　　　　　　　叔子兄さんが鈍感すぎるんですよ。　　　　　　　　　　　　　　.ｌ/ l　从　 .! ＼!　　　　彡　　　　 / '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　Ⅵl　＼| l　　　　　 ∨ヾ, ‐- ､
　　　　　　　　　だいたいあの母上が、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从　 lヾ}　　　　　／／　　ﾊ
　　　　　　　　　あんな派手な着物着るはずありません　　　　　　　　　　　　　　＼Ⅳ　　　　 / /　ヽ⌒ヽ　}　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　 ' 〈　　 )　　ﾉ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　　　〉〉　　　／　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　个: . 　 /´　　 -‐ ´　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'⌒ヽ.／　　　｀≧=-. : :|　 ' 　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (´　　　｀)　　　　　／´:::::::::|　ｌ　　 |　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ,___,ノ´　　　　 {, -─-　|　|　　 |　　 |

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　羊祜は十二歳で父を亡くしている。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　記録から推測するに、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　叔父羊耽と辛憲英の夫婦の世話になっていたと思われる。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　彼の人格形成には、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　この叔母の存在が一役買っていたのかもしれない
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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684 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:02:00.55 ID:o0weE5xdo

　　 .∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　　　　　＿＿＿＿＿| .::|─Λ
　　 .∥　　　　　　　　　　　　　　　　 Λ　　 /| |n_n_n　　　　　∧　　n_n_n_n_| .::|⌒| :|へ
　　 .∧　　　　　　　　　　　　　 i.　 | i'´￣`ｉ∨　 . ::|ニニニニニニ|...　　　　∨　 .| :|￣|
　　∧ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　 Λ　| |'´.:∧| |　 . . ::|　ﾛ　ﾛ　ﾛ　ﾛ .|::: .　　　.:.:|_n_n_n_n_n
　 ΔVΔ　　　　　　　　　　　　 | :|ﾍ| |　/ n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n　. :::|　　　　　..:|
　 ||:||:||:||　　　　　　　　　　　　n_n_n_n_n_n_n_n_|::.: .　　　　　　　　　　　. :.:::|_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
＿||:||:||:||　　　　　　　　　　　　|::.:. .　　　　　　 |::.:.n.　　　n　　　　n　　　.n.:.:::|　　　　　　　／￣
　 |=＝=ト、　　│　　　　　　　|:: . . `＝f==f===|::.:. .. i | i　　　　　　　　 . :.:::|　　n　　 ,∠＿＿＿
＼＼|＿|　＼n_∥_ｎ_ｎ　　　　|:: []＿＿|＿|＿_.|::.:. .. l!ﾍl!　　｢| 　｢|　　　＿＿__|＿＿＿_.|] [] [] [] [
]士ェェェェェ|　∥::ﾛ:ﾛ|＿__、 |::.|X⌒X⌒X⌒X|::::.::. |曰||　 .|.|'⌒|.|　　/_n＿n＿n＿.n , .|========
　| /Λ /Λ:| ／/＼ :::|─‐ﾍ.∧二二二二二二二二|TT|　 :|:| 　 |:| 　.| :|ﾛ|: |ﾛ|: |ﾛ|: ／　|工工工工
　| || ||. || ||::| _./＿_.,>:| ﾟ_ﾟ::ﾟ::|　|_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l.|.|_l.|-──────────|ェェェェェェェェ
　| ||_||. ||_||::|　| ｢| ｢|| .∠∧┴/_n＿n＿n＿n＿n＿n__/　l]　l]　l]　l]　l]　l]　l]　l]　ｌ]|┴r┴r┴r┴r
]士ェェェェェ] | ｌ｣ｌ｣|ヘ、| |:::::| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　/_n＿n＿n＿n＿n＿n_/￣￣￣￣￣￣￣￣
　| ∠二二ヽl=|====|￣|::| |:::::| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ /_n＿n＿n＿n＿n＿
　| ||:::::::Λ::| l: | ｢| ｢ ∧　　　　　　∧　　　　　 .∧　　　　　　∧　　　　　 .∧　　　　　　∧
┬┬┬| :|┬┬┬┬| :l┬┬┬┬.| :l┬┬┬┬| :l┬┬┬┬.| :l┬┬┬┬| :l┬┬┬┬.| :|┬┬┬┬‐
∧∧/`| ::|ﾍ/∨∨ﾍ| ::|ﾍ/'∨∨ﾍ| ::|ﾍ/∨∨ﾍ| ::|ﾍ/'∨∨ﾍ| ::|ﾍ/∨∨ﾍ| ::|ﾍ/'∨∨ﾍ| ::|ﾍ/∨∨ﾍ|
./⌒ヽ :| ::| 〃⌒ヽ　| ::| ,〃⌒ヽ　| ::| 〃⌒ヽ　| ::| ,〃⌒ヽ　| ::| 〃⌒ヽ　| ::| ,〃⌒ヽ　| ::| 〃⌒ヽ　|
二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　それからしばらくして、洛陽での準備を終えた鍾会は長安へ出発する
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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685 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:02:39.72 ID:o0weE5xdo

:::／／/:／/:ｉ: |:!:|:ｉ::::丶:::: ヽ丶＼
/:::/:::/´::〃ハ:ｌ::::!:!ｉ:::: ｉ丶｀:!ヽ:ヽ::ヽ
: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
/ｉ: /:: /ｉ::ｌ::: /ｉ::ｌヽｌ::丶:::ｌ::::::ﾊ:ｉ|::ｉ: ｉ:､::ｉ
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉｌ
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |
::!:|:|::::!:!: !/ィ示ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ::ﾉ_ '　/'　|!　.ィ､ｌ:!::|:!:: '　　　　　　　　　　　　では、そろそろ行こうか
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く:::ｿ ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′
小:!. ヽ　　　　　￣｀　　　'Ⅵ'
::::ﾘ. 　＼　　　｀　　　／
Ⅵ.　　　ヽ､　　　　 ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::＼｡　　´　　　　　　ﾟ　　｡　　　／::::/
｀　ー　 _　　 T　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　 ´ ¨.　´　　　　　　　　　　　　　ﾟ　｡ /::::::::/
､　　　　　｀ー､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　ﾟ｡:／＿__
　｀　､　　　　　ｉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　'　　　　　　　　　　　　　　 }_　　　　Ⅶ＿_　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　　 /　　/　 / 　ﾑ-/‐　　　　/ 　　'"ﾞ"ヾ. .／. .}:::::ヽヽ　｡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　　{ｲ　　,:　　'　 ´/j / 　 !　　,ｲ /_/　　　ﾞﾐ.. .／Ⅳ:::∧ } 　 :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ｌ　ｉ | 　 i !　 l|　 /,ｨ=ミ､/| 　 / jｲ / ｀ヽ　　ﾞﾐ . ／} ∨::::i' 　 ;
　　　　　　　あれ、杜預さん？　　　　　　　　　　　　从　| |ﾊ　i ! 　l| 〃　ｲ心　|　 ' / ,xｲ≠ミ､　ﾞﾐ. . /}　ヽ::|　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　ヽ| 　 Ⅵｉ　ｌⅣ　　ﾄ::r'} .| /j/　　ｲ::心　　,ﾞﾐ／. .| 　/ `　/
　　　　　　　どうしたんです？　　　　　　　　　　　　　　　　　从　l|ﾊ　乂:ｿﾉ'　　　ﾄ::::r'}　〃｀Y. . .|イ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ|/{　""　　 '　　　乂:::ｿ/' ﾉノ. . . .|ムイ
　　　　　　　早く馬に乗らないと　　　　　　　　　　　　　　　　.　　〈(圦　　　 r‐　､　　　"" 〈(／ . ｉ. . . |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'　　丶　　V´_ノ　　　 .ｲ　ヽ. . .|. . . |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l＞．　 _. 　イ. '　 / )〉. .|. . . |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.. . .「｀∧´ ／　／ /'　｀ヽ. . .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从_,∧/ﾆムイ/　　　　丶.|

686 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:05:51.97 ID:o0weE5xdo

　　　、　　　　　　 ,
　　　{ヽ　　,,,,,, __,ノ}
　　　ヽ. Vﾉ巛(　 ,ﾉ
　　　ﾚ彡ﾉ川 | ヽﾐﾐ､
　　　/　く　〉ﾘﾘ　 | 川ヾヽ
　.　 {=､　`'　　ｨ=､|ﾘﾘ川ヾヽ
　　　ゝ'　　　　 `ィ川川川ﾘヾー-
　　 |　　　　　　 }　川川川ﾘヾヾ
　　　|　}　　　:　ﾉ|　川川ﾘﾘﾘヾ
　　 ∥ |　　/　//　　ﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ
　　　|l. ;　　:　,'.,'
　　　|ゝ-ｰ-､ﾉﾉ
　　　@1⌒ヽ.ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　`ﾄ､ :;;;ｲ}t'|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノヽ､,__　　＼
　　　ヽ.}::_ソ　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_人___）　 U　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／-‐ 　｀i ､＿__,.　イ i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/´､　　　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しrヽ　　　　V:::Λ　／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　その中に杜預の姿もあったのは言うまでもない
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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687 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:07:14.82 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　／　　u　　ノ　　＼　　　　　　　　部下が杜預さんに羊琇と司馬家の親族。
　　　　／　　　　 u （●）　　＼
　　　　|　　　　　　　　（__人__）|　　　　　　 .なんだかんだで司馬昭も鍾会信用してなくね？
　　　＼　　　　u　　　.｀ ⌒／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　本当になんでこんな奴鎮西将軍にしたんだお？
　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　'"´ . : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,．'´. : : : : : : ,.: : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. :./: : :/:/: : /:l: : : |: :l:l: : : : : :.！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ｲ: :〃l: : :/:/: : /: :|: : : |: :|:|: :|: :i: : ::`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: 〃 l: :/:/_L/1 : |: : /|: :|:|: :|: :|: : :.:.:.::.';
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ Ⅳl:/l/　{ 　|: /|: /. |: :|:|: :|: :|: : l: :.l:！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　∧Ⅵｨ行ﾐヽ|/ .|/￣「/ﾒ､/: /: : l: :.l:！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′: :l　辷ｿ　　　　ﾆ二_l/l: /: : ./: :.l: l
　　　　　　　　そう思うのも無理はない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: l: : l　　　,　　　〒ﾃﾃﾐV/: : /: :./l: {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/l: : ﾄ､　　　　　　辷ｿﾉ: : :,.ｲ: : /l人{
　　　　　　　　司馬昭の判断を疑問視する声は、　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : l/ ヽ　｀　　　　〃: ∠ノl／
　　　　　　　　鍾会が出発した後も相次いでいる　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|　　＞r‐r‐ ＜ィ´l/l／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:/　,.　-─┴┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∠二二ヽ　　　！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ｲ. : : : : :.ヽ. ヽ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ィ77.ｲ. : : : : : : :.', ！　　　`､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠∠//.:.:l. : : : : : :.:.:.:l　|　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:l i.ll:/.:.:.::j. : : : : : :.:.:.:.l　|　　　　 j:{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:| i/.:.:.:.:.:{. : : : : : :.:.:.:.:l　L_ ＿ __{」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:| l.:.:.:.:.:.:j. : : : : : :.:.:.:.::L_ ＿＿_」」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'1. : :.:.:.l. : : : : : :.:.:.l/. : : : : : :/Y´

688 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:09:37.52 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏　荊州　新野】

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　　　　　　　　〉-'7:/: :／, : : /: / _l,.ﾑ : : : : : ヽ/
　　　　　　　 /: :/:/: /: /: : :/: ;ｨ'´ﾉ　!ﾊ: : : : : : !
　　　　　　　/: :,' / /: :/: : :/ /,ｨ行气刊;=､: : : :l
　　　　　　　! : l: :!/丁ｸト!/ﾚ'　 V::::::ﾘ"!lうﾘ : l : !
　　　　　　{ : l: :l: !汽示　　　　ゞ-''　!l1": : :!: :',
　　　　　　　| : l:ヽl: l` V:ﾊ　 , 　　　从! : : : l : ヽ
　　　　　　|: :ﾞ､: ヽ:ﾄ､.ﾞ~’　　_　　 /　l : : : : ! : ヽ　　　　　あの子は策謀に走りすぎて一貫した態度をとれない。
　　　　　　'､: :ヽ : : へ.. ＿＿＿ ./＿_!_: : : : !: : `､
.　　　　　　　ヽ: : l ヽ: : : : : : : :「　　　　 {_ _,. ┴-､:ヽ　　　任務をあの子一人に任せるのは良くないわよ？
　　　　　　　　　ヽ: l : : >ー-'ヽ＼　　￣￣ヽヽ`､　＼ヽ
　　　　　　　　　 l: :!: xヽ.＼＼: ＼＼＿＿ﾉ丿:::＼　　^ヽ
　　　　　　　　　 l;イ　ヽヽ＼＼:::`ー--ー彡:::::::::::＼　　＼
　　　　　　　　　/ j　　　ヾ､　＼＼::::::::::::rー'ヽ;:　- ､:ヽ　　ヽ
　　　　　　　　/{/　　　　　ヾ､.　＼＼::::::::::ゝ　　　　〉::ｊ　　/
　　　　　　　 /∧ 　　　　　 }}ヽ.　ヽヽ::::<　　　　　r:'::::,'　 /
.　　　　　　　/: X　　　　　　〃ヽ　｝｝::::::〉　┐　l:::::::/　ｨ'
　　　　　　/: :/　| 　　　　〃　〉/ /:::::::::::::::! 　!:::::::::!.　〉
.　　　　　/: :/　/:＼　　　〃　　.{l　|:::::::::::::::|　 |:::::::::!.　ハ
　　　　 /: :/.　/: /: :＼_.　{i 　　　!l　|:::::::＿;レ┴ー┴ｰ<　`､

　　　　　　　　　　　　　　魏　後将軍　鍾毓

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　例えば荊州にいた鍾毓は、司馬昭に内密に忠告した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　実の兄からしてこれである
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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689 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:11:26.85 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏首都　洛陽】

　　 l::::l!::::::/::::::!:::::::::. :::::::::::::::〃::::::::::/:::::::::::､::::ヽ
　　 .〉:ﾊ:::::ﾄ;:i:::l八}:::::､::::::::::://::::::::::/::::::/::::lﾐx::::ﾊ
　　　 jﾉ　＼!从ﾉ:::::::::::::ﾐ::::::::'::i::i:::::::::l!:::::.{::::::{　i:::::::.
　　　　　　　ﾍ::::::::::::::::::!::::::i::::ﾚ1:::::::ﾊ::::::!::::::!　!:::::::i.､　　　　ねぇカナ。
　　　　　　　ヾ::::::::::::f⌒ﾞl!:::ﾑ:!从:!　!:::!l::ｌ::l　.'::::::::､:i
　　　　　　　　　 }:;;;;;;;:::} 　 |::::lｷ::! ヾ!‐ヾ-lﾑl./:;:::::::ハ!　　　　鍾会殿は利を見て義を忘れ、事を起こすのを好むわ。
　　　　　　／｀ヾ　　ﾞｒ‐ｰ/ヾ| ヾ! ＼.ｒｯヽｼｙ:/:::::/　.ﾘ
　　　　　 _/￣ヽ　｀〈 |　i7 {､l!　|:!　　¨ひ!./ｼｊ/ｊ′　　　　　 .重用すると、国が乱れるんじゃないかしら？
　　　　／　　　　＼. i｀　　　｀ヽ.|:!　　　 j
　 .／　　　　　　--ミ｀>､.　　　＼.ン Τ
　, ′　　　 /　i　|　　　〈＼　　　 :.､|:::::!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 - ―　　　_　　　ヽ丶
/ 　　　 /　　､　　　ヾ　ゝ!　　 lｌ|:::::!　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　　　　　/ｰ､ヽ_　　＼＼
/　　　　　.′　　　　　　　 !　ﾄ､　　|'|:::::ﾄ､　　　　　　　　　　　／　　　　　　／ﾍ　｀ﾄ､｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　　　　／　　 r－､ |ｰ入　￣ﾉ
　　　　魏　司馬昭の妻　王元姫　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　/　　　 ,ｌ　　l:| V　｀¨¨ ´　　　　',　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　,　　ﾊ／j―‐｣ｌ/　ー‐ l l　　　　　l　| l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　ｒ｣　V「￣´j」　､＿_　ーｧ　　　 l　i |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　／_￣ヽトゝ. ノﾍｶ__,　　　'ｰ┐ /　　｜l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｜　　ｒ┘{:|　　 }ソ　　　　ー' /ﾍ.ノ　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ｌ　　　 }　l　　ｒ了_＞― '__〕__　　　　　　　　(⌒⌒)
　　　　　　　心配いらないかしらー　　　　　　　　　　　　　　　｜!　　　 |　i　　 }　　j／＼{　Vlノ/'⌒ヽ　　　ヽ.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　」　　　/ /　　　　　l　V〈{＿　）　ｶｼﾗｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l｜　 /　　　/　　　　　 ∠ｆ‐'¨_ヽ＼、　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ',　 |　　　{　　　　　 , 个ｼ-　r=ﾐ,ヽ lr冖!　　／ヽlﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,}　　　'　　　　　 /!ﾊY -､　ｰ'___ l|{天} _／　　 {ｌ〕
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r／; ＼　　　　　　 '　ﾄ＜ゝ､ rｲ｣/￣｀Ｙ´ - '　　　 f/j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 fl」　l: : | ヽ　　　　　' /{iﾌ￣　Y´　 =＝ュｫ､_　　　f/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くヘヽ:ﾍ　　　　　　r ｆ｣｝　　＼＿　　　/┘　￣￣´
　
───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　また、司馬昭の妻である王元姫も常々忠告をしていたと伝えられている
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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690 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:12:56.14 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}〉┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰┰〈{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍへへハ┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃ハへへﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五ヾヾヾ ⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥⊥ ｼｼｼ五
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三ヾ.「￣￣「￣￣￣￣「￣￣￣￣「￣￣|フ三三／
-'''"i!"'''‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|三三／
　.　i!　.　 .　"'''‐-､,　　　　　　　　　　　,,,､､-'' i!::.lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ!ｌ! ''-､､_,,､ -‐'!￣￣￣
: .　:i!　　::　　. 　　ｌ　　　　_,,,､､-‐'''"ﾞ ,,,､､-'' i!ｰ!　 .!r ‐､　 .r ‐､　ｒ ‐､　 .ｒ ‐､ .ｌ　　l:l! ''-､､! 　 . .: |
　　.i!　:　　l''-ｭ . . .l　　　　ｌ_,,,､､-‐'''"ﾞｨｭ::::::「li!::ｌﾆﾆ'ｉ':::::.rｌﾆi'､::::ｨlﾆi':: ::ｨlﾆｉ':::::::::ｌ'ﾆﾆl:l!::｢i:::ｨ|　　. : ::l　　 ,,､ .i――
　.　i!　:　:: l'''‐ｌ　.　l　　　　ｌｭ::::::「l::::::::::l l:::::::ｌ.li!:::l 　ｌ::::::ｌ;;;l l;;γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
::　. i! :　:: └-.!　 . ｌ .＿, 　 l,l:::::::l l::::::::::ﾞ:;',,､-‐i!ｰ!.　ｌ'―l;;;l ｌ;;;|　　鍾会殿を蜀討伐に派遣されるとの事ですが……　.|　
_,,､‐'''"i!"'''‐-､,,_　ｌｌ＿ｌ￣￣￣￣￣￣￣￣￣!-ｭ,ｌ.　 l;;;l ｌ;;;ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　
　 . .　 i!　: :. . 　 .ﾞ／／:: :.:: :.: .. ..　　.　　　,,､-''ﾞ__i┘三三三三三三三三三三三└i_､　　　　　　　. 　.　.. .:: |
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　大将軍府の属官である卲悌もその一人だった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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691 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:13:34.78 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　.彼は独身です。
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　　　　　　　　　　　　都に置いていった人質を大事にしないでしょう。
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_ 　　　　　　　　別の人間を行かせる方が良いと考えます
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 , ｲ　　 /　　　　　　　　／　ヽ、　＼┌ﾍ _,.. -ﾍ. Ｙ r句ﾐ} ｌ}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　!　　/　　 ,　　　　,.　'´ 　　　＼　｀Y´::.::.::.::.:;:〉ヽﾆく ) | }　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′ |　 /　　 /　 ,..　'´　　　　　　　　ヽ　＼_:,.ィ´　｀ー-＜｀ヾ、　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　', /　　 / ／　＿＿＿_,. -　　　　　｀丶、 [__ヽ、　　　〉::.:::〉　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 ll　　 /´　￣　　　　　　　　　　　　、｀ｰく　l　　 ,.イﾉ‐'´　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　 ! 　 l　　　　 >=-､　、　　　　　　　　＼　〈　ﾚ' 彳7　
　　　ふふふ……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　ﾉ￢､!　　　,ィ升冖､ヽ｀　　　　　　　　　　ヽヽﾍ　ｌ/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｌ　 / ,ハ　＞　　Ｖ辷夕ハ　　　　　 -‐_二、｀ / ノ　
　　　皆、私がそれを　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀、l　!　〃　　　ヾｰ-＜　　　　　　　ィ升┐}Y＾/ ´　
　　　承知していないとでも思っているのかしら？　　　＼ヽ |l　　　 /ＷＷﾊ　　　　　　　 Vヾ夕ﾉｌ/ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＞|ｌ　　　　　　　　　　　　　 /　　｀￢'´ /く/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ヾ､　　　　ﾉ　　　､ __　　　　　ＷＷ／　ヽ、　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　　　　｀￣丁´　　　　　｀´　　　　人　　　 l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′　　　 , -=≠=Vヽ､　　　　＿＿_　　　 ,.. '′　｀ヽ　 }　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ﾍ　　　〃／｀　　, ィ＾ｌ＞'´ ＿＿ノr＜´　　　　　 }／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､_/厶ﾍ　　　/　l /　　　｀く_∧ ヽ＿r＜ﾆヽ､ノ　

692 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:14:52.91 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　,　-―－､
　　　　　　　, -‐'´　　　　　　丶, -､
　　　　　　/,　,､--､　　　　r'.二、-/l､
　　　　　　　// /　　　｀丶、 { 'r‐薔ﾑ｣┘
　　　　　 | { ,'　　　　　　　＼K/小､| ｀>
　　　　　　l l !,　- ､　　 , - ､|l└|＿!∨
　　　　　　ｽｌ.!, ==､　　　, ==､|'ﾚﾍﾉ
　　　　　　　ﾊ｣} l::::::}　　　{::::::ｌ｢l|ノi
　　　　　　/_| ゝ-'　'　　ゝ-'　/_厶　　　　　　　　　　　　蜀は天下に災難を振り撒き、
　　　　＿にﾊ "" ,- ､　 ""/｢_ 厶＿＿　　　　　　　　民の安らかな生活を脅かしているわ。
￣￣￣　 , --､て{＞;----;＜〈ｚｔ厶ノ、　　　￣￣￣
￣￣￣ /　 _　〈｢　└ｔ_r┘　　/ く｢´ﾊ￣￣￣￣￣　　　私は今、彼らを容易く討伐できるけれど、
　 li　　/ .:　　　/i rー水ー‐┐{　/'　　ﾍ　　　 il　　　　　 .ほとんどの者は蜀討伐は不可と主張しているでしょう？
= 0 =　＼ｌ｜/Y　￣/{　}ヽ￣Ｙ i　　 l　/　　= 0 =
　 li　　ｒ｣}‐j/ 　い /　∨　 ',　 }　ヽ　 _Yィ　　　il　　　　　 .だいたい行動を起こす前に気後れがあれば、
　　　　〈小i'　　{.　　_ {lﾉ_　　/　　|└小'　　　　　　　　　 .知恵も勇気も共に消え去るもの。
　　　　　 / {　　＼_　､ﾟ,　_,／　　 /　 |｣!｣
　　li　／　＼::,　_ 〔氷〕_　 ::;／!　　　ヽ　　 il　　　　　知恵も勇気もない者を無理矢理使えば、
　= rｔ'＿/⌒ヾ_＞‐ｯ'〈小〉/￣¨ﾞ'ｰ-､_ーr ｨﾍ = 0 =　　　　敵に捕らえられるのが関の山ではないかしら？
　　,{ ヽ/　　　＼::.　　 .:/　　　　　､　下｣｝ハ　il
　くl ヽ/　　: .　　＼、l.:;'　､　..::,　　＼{_ソ　　_T┐
　込､/　　ー┘　　ヽ:l:|　　　´　　　　::.!_＿ｒ '__ｒ┘
　/__〈　、　　　　　 /.:|_._|　､　　　　ハ. |_, -イ　＼ィ --
〈ヘ::. ＼:.ヽ, -､＼　｣: :.ヽ　＼　＿__ ｣ └' ￣｢´ﾉ-
　＼ﾍ.　 Y　r-､'ｰ､_／.: : : .＼　／r--ﾍＬ　　／ /!'
--- 辻こＬｲ　└ァ└i ＿_, -‐Ｙ /l　　　V , ‐'_／-'ー-
　　　　　　 |　　　|ー' --－'´└´ｽ　　 ∨‐'

693 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:16:11.42 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　／　　ノ　∧｀ヽ　｀ヾ` r'ﾝヾﾆ､
　　　　　　　　 /　　　　＞'　`＜_　　 <ﾞv　　〉vi、
　　　　　　　　　　/　/ /／＼　　　　｀ヽ、ﾄﾍ三{薔}〉
　　　　　　　　 {　ｌ f'´ ､,r=ｭﾐｭ､　　　　二{〉、ヾﾂ）
　　　　　　　　 ',　 !{　 -{liｸｯ }｀　　　ｨ,r=､,ヾ〉,>}'
　　　　　　　　　 ,f´｀ヾ,　　_ゝ‐'‐　　　 rfｲ`, }/>ゝ
　　　　　 _,ｨ=＝ｷﾆヽﾄ　　　　　　　　 ! ｀ヾ´ﾄ{　　　　　鍾会だけが同じ意見だったからこそ、蜀討伐を任せただけ。
　　　　　 ´ 　 r―ミｪ､_　　　　　　 -=ｭ　　　ﾊ'
　　　　　_ノミｭ　｀ヾゝ、　　　　　｀>ｲﾍ}　　　　　蜀は必ず滅ぼせる
　　　　/｀ヾミｭｪ-､　ミ[二ミｪ､__　　 ,r'´　￣｀ヽ
　　　 _」、　　｀ヾー彡｀爪￣＞‐〈｀7　｀ヾミ､　　 ',
　 ,ｨ'´ 　｀ヽ　　 >　　 ||_＞彡'´_]ヾ､　　＼_ゝ､r'
　ヾﾐ、　　__}｀~´　　　 <／､ヾﾆ´　　＼　　〉
｀ヽ」｀ー､/　／ｌ/　　　　 ||　｀ヾｭミｪ､＿,ｲﾋ'´ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`
　　　／　　　　　　　 ||　　　｀ヾ〉　 || |　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　／　　　　　　r‐'´　　ヾｭ､　　　　　 || | //　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:./:.:.:.:.:. ／i:.:/＼:.:.:.:.:.:.:.:.:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .′:./_:_..　'´　/:/ 　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iⅥ:|／`ー　./'´＿_　　i:.:.:.:.:.:.:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:.|《ﾟ刃　　　ｧ=ﾐ、｀ |:. i:.:.:.:.′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:|　ゞ'　　　　らﾊ､./:.:ﾑ:.:.:′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.'' ''　、　　　`~"./:.:/_ﾉ:.′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:〉　　_　　 '' ''　/:.:/:.:.:.:′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|. ＞　｀　 _.. ./:.:ｲ:.:.:.:.:i
　　　　　　（そりゃあの人も必死になってやるでしょうね）　　　　　　　　　　　　 |:|　　} 二「_.／イ.ﾑ:.:.:.::.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ{　　/／.／イ　　ヽ:.:.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´.／´ 　　　　ﾞ:.: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　　　　　　　　 i:. l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　　　　　　　　　.|:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈/ 　 .i　　　　　　　　/:.:.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'、　 |　　　　　　 i:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ. 〈　　　　　/,　〈:.:.: ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,、〉 .}　　　 .//　//,ｲ/

694 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:17:14.39 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　　　　　しかし、蜀を滅ぼしたとしても……
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　　　　　　　　　　　　　　　　〃⌒　,､
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　　　　　　 {ゝ.__/＼. 　＼ヽヽ. ,.- ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ'〈　 ,/`ー､＼　 {l　>-､ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　ﾊ /　　　　`ー､{l /ｒ〈l} .}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉 i ⌒　　　　'⌒ヾ::|'1| /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl,.'f´ﾐ、　ィｆ｀ﾐ 7└'ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ !弋リ . 　弋リﾄ/)　└,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/Yi .>､ ∩ｰｰ　 ,.イヾﾄ､ //〉､
　　　　　言いたい事は分かっているわ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉.ゝﾆ=' .| l>､‐ ﾊ､__ﾉﾉ　＼/_/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　〈　　 !　´.>　{｀~´　　 :　　｀￣｀ヽ
　　　　　けれど、貴方の心配どおりになっても……　　　　　　　　　　　 'ｧ-,rL　ｒ,|/ヽ-ｧ､_ゝ-　　ﾃｰ- ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（（　 ', ヾ´￣ﾞヾｿ　　　　＼／　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ.　　', |　　 /ﾊ　　　＜l:i　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | !　　/ / 〉、　　　ﾚiゞ､＿__,ﾉヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ _ノ / 〈_,.ﾍ　　　｀＾V_､￣´ﾊ　ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／人ﾉ　　 <´＼　　　　ヽl∨ﾞ　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /イLノ y　　｀（. ＼__　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }〈　　 /　　　　　｀´ー'｀>ー,-､＿＿.ﾊ

695 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:18:35.65 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　　　　　　　 -──-＜..　　　　　　 ` ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　´ .．-―- ､ノ⌒'､ー､-　.. 　　　　Y⌒Y⌒レハ
　　　　　　　　　　　　　　 /／　　／／'､＼　＼＼　｀　　 rｰj　 r! ! __ﾉ'⌒ ｰｧ､_
　　　　　　　　　　　　　'/　　 .´ .イ.′　ヽ＼　＼＼ _＿j　_)_ノ_`'´ し'´j_ｲーv´Vハ
　　　　　　　　　　／/ 　　/／/// 　／｀ﾄ､＼　＼( 　　厂:::::::ヽ　　(___j'⌒Y
　　　　　　　　　　 ′′ 　 .′ /// ／　　ヽ.＼＼　｀フ_ !:::「￣ヽ::Y'´,二ヽ_人__ノ⌒
　　　　　　　　　|　!　　ﾚ' ///ｨ　　　　＼＼＼く___..j､:::`ー‐':ﾉjイ,ニヽﾊ―──＜_
　　　　　　　　　 l　|　　　ﾚｲ///　　　_　　　　　＼ヽ　(__イ⌒ヽ¨「〈 :{jfｸﾉノｲ}──┐ ::|
　　　　　　　　　　　ヽ＼　 | / イ　　￣゛　　　　　ヾ＼　ノ　r_(__ ゞ_＞､_ ￣ﾉ::`ー─'::::::ﾉ
　　　　　　　　　　　　ー`　|イｨ´　ｫ=　　　　　　　　　＼「￣ﾉ　ノ':/　　 !:: 「　`r ─┬ ´
　　　　　　　　　　　　　 '⌒/!　彳⌒ヾX 　　　　　　　 - ＜　 f |::|ﾉ⌒j |::::|ﾞ rく⌒ヾ_j
　　　　　　　　　　　　　　|／　!　 i::::::::とﾊ!　　　　　　 -=　　｀ム|::ﾚ、'ー!::::ｈﾊﾄ-'´
　　　　　　　　　　　r―┤ ､ _!　弋__夕　　　　　イ⌒ヾX　ヾ|::ﾄ､ー‐|::::::V`′
　　　　　　　　　　　ノ　/　ゝ__ j　, , ,　　　　　　　　　代::::しﾊv　 |小:＼ｲ:::::::_ゝ
　　　　　　　　　　厂　弋ニニｲ!　　　　　'　　　　弋_ 夕　'　イ⌒ﾚ′ﾚ'´　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　 r'──=─ ﾉﾉ人　　　ト-　､__.　　　 , , , 　／.::|!:ノ　　　　　 |　　　　絶対に失敗するかしら　　　　 |
　　　　　　　　ム--- ー=イ/　 rゝ、　 |　　　/　　　　　　イ　　 |!′　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　ノ'´￣￣　イ´r─┴ く＼　　　　　　　　. イ´￣￣:ﾘ＼
　　　　　　ｰ┬── ＜_　 |:「￣丁ヽV `r-r―_ｧ―'⌒r '三i|-=≦,.ノ
　　　　　　 f´￣￣　　ﾉ　!:|　ノ: : :＞=う´￣￣ ))_ノ_代:ノ　　 /⌒ヽ
　　　　　　 /ｰ―＜`＜　ゝ====イ:/ /ハ: : : :「ノ`ー─ ¨￣V 　　　 .
　　　　　　 __ヽ　-==＝彡'　　｜: : :.////: :ヾ＼:_/`ー=＝＝ア'´ 　　￤
　　　　rく_____j 　　　　　　　人: :.//:.|:{ : : : :厂　　´=ー─､￣_）　　 /
　　　　 L＿＿j　　　　　　　くゝ //__:j:|: : : : |　＿　 r－＜´￣　　 /
　　　　　　　　ﾉ　￣￣ヽ　　ｲ　//　　|:|ｰ─┤　.:..:.｀ヽ　　　　　　　'￤

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　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
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|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　何この自信？
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696 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:19:58.52 ID:o0weE5xdo

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　　　　　／　　　 ',　＼.　｛ /了示ｋ
.　　　／　　　　　　 ',　　 ' ,　{ﾍ（{_薔X}
.　　/　　　　　　　　　 >　、　｀Y{ :7^ﾊ::》
.　/　　　　　 .,' / ,／　　｀丶､ yﾊﾝv彳
　i　　　　　 _::i　i /　　　'´｀　　｀ﾘﾊ_ﾉ
　l　　　: :i　 ,'rヾ＝=.､　　,x"=、　 /i｀ー'　　　　　そもそも敗軍の将は勇気について語る事はできないし、
　',　　 : :|　: :i ト、　 )）　/ ﾋし　　 i ﾉ　　　　　　　亡国の大夫とは存亡について相談するわけにはいかない。
　ヾ　 : :i　: :ト、）ﾉ　 '　弋ｿ　　｀ハ
　　　ヾ;､:＼:l.i >/、　　　　　　 /　l　　　　　　何故なら肝が潰れてしまっているから。
　　　　　＞ｼ=￣}　、　　｀ーﾉ_}ノ
　　　　｛: :_-=‐￣}└ｔ＞ - ―<´ _}　　　　　　　　もし蜀を打ち破ったのなら、
　　　　入: :_-－〕V └〔ﾆ下二〕　　　　　　　　蜀の元臣民は震え慄くでしょうから、事を企てるなんて無理よ
.　　　/　〔: :_＝‐〕ヾ　| i7/ヽヽ
　　　/ 　　〔: :_‐ ゝ　、/,' 　＼＼
　　　}　　　　〔彡ｸ　　 Y''i　　 o｝ｘ」
　　 /　　　　　.ﾉｼ　　　 i 弋_　 c/　!
　　 {　　　, ｨ_７　　　　ｙ　　｀=ﾉ ,/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　 └‐〈/!＼〉　　　　ﾉ　　　く　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_ 　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　

697 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:21:35.16 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　ｒ==＜::::::::::::::::::::::,:::,､_ zfzｪ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::::::::::｀丶:::::::ｨ'＾〆｀Y⌒ヽ７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　 ,ゝ:::::::::::::::::::＼:}}┼={{哥}}ニi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ‐‐‐‐'7:/::::}`　　‐-　___込.//ｰ.＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:i::::/　　　　''"￣ ~"|_|爻多|_|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{:i〃_..　　　 ,ｨ弐ﾐ､　〉'￣ii:::i::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ　,ｚz､　　燧ｧ' /　_.ノ}:i:/
　　　　我が国から遠征した将兵は、　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ､遂ﾘ　　　~゛ .}乂￣ミ|--､
　　　　各々帰りたい気持ちでいっぱいでしょうから、　　　　　　　　 ∧~　`__....．　 }三::::ミ/　　＼
　　　　まず同調する事を承知しないでしょうね。　　　　　　　　　/ミ:ゝ，..._　　.イ:）::::::::/ 　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞､:::::::| ,‐‐r=Y {三ミi /　　　 ∧
　　　　もし、それでも鍾会が悪事を働くのなら……　　　　　　　　　}三ミｲ ´　{ :个}:ミУ‘，　　./　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::: |　　 { ./ｧ＞'　　，　 ,　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:У|i　　乂{{　　}}＼　＼ ,　./　　￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __）　|ヽ　　　`‐- ..． ^Y　　〃＼＿＿＿　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__Ⅵ　　{{父}}　i　　　:|　〃　　　　　~""''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }i.i.ｲ　 ⅦУ .|　　　i!　i:　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≠㍉ﾊ　 .Ⅶ.／　　　 }.､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 |　i　　∨　　　／　廴
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　|　　／　　　 /: :乂　≧　　‐- ．..,,__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 |　／　　　　./::::::::::}　　}

698 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:23:00.52 ID:o0weE5xdo

　　　　 ,ｪｪｨ‐┤（　/"'''-=/薔ヽ＿＼
　　　　 |ヾ .＼ﾞ＾ュヽ__ｚ=-ゝｰ〃、 .＼ｭヽ、
　　　　.,ゝ、　　　ﾞ'弋　　　　　　＼_//　＼
　　　 //　　＞ミ　　　ﾞ＾夊　　　　歹　　　　∨
　　　.}/　　　　_,.　　"''‐- ,_ゞ＾ァ'" ＼　　　　∨
　　　.|　　　／　__,,___　　　　＼　　　＼　　　 |
　　　|　　　　　 .,イ:::::ﾞﾐマ　　　乃ヽ／￣∨　 |　　　　　　　　ただ、一族を滅亡させるだけかしら。
　　　|=　　　　　つ:矗::∥　　　＼.<（ﾞ　　 ∨　|
　　 ∧ﾆ, 、　　丶ゞ-''" 　　　　 .∧〉）　/ /　/　　　　　　　　それと……
　　　∧ｾﾉ　　　　〃〃　　　　　／/　　./　/
　　　　「ﾞヽ　　　　　　ﾞ''ｰｮzzzＺﾁ／ﾞ"＜/／ﾞ|
　　　　.,　　 _＿___　　　 ┌‐''＼　　　　＼./
　　　　入　 .ゝ‐''" 　／＼|＼　　＼　　　　∨
　（　　　＼　　　く　　　＼_ヽ''￣"'''-　　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣＼.........::::::
　　＼＿／＼____．＼____／　　　　　　　 <ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::　:　　　　l ト､　.
　　　　　　　　　　　＼__／　　　　　　　　　　∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|:::::::::::::　　　 ,ーﾉ　l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::::::::::: 　　《;;;＿ジ.　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 |:::::::::::::::　　　 l　　.....
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　ヽ＿＿__　　　 }　　....
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'ﾆﾆヽ._＼ト_ﾉ..　.....
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._　　　
　　　　　　　　　　　今の話は他言無用ですね　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 /: : : : : : : : / : : : ヽ＼　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |:

───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　／　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　鍾会より司馬昭の方が一枚上手かお。
　／　　─　　 ─＼　　　　　　　　　　　 .
／　　‐=・=‐　‐=・= ＼　　　　　　　　　　ｶﾅﾏｼﾞﾀﾞｰﾃﾞｨｰ
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／　　　　　　　　　　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

699 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:26:14.18 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏　雍州　長安】

　　　　　_,.　--- ､=＝ｰ､
　　　,／=ラ7:::ｦ:∧､､ﾆヽヽ
.　　,',/:ｲ:::/:!:::'i!:i:::!ヽ＼ヽヽ＼
　 //:〃:,ｨ:i!::::/::l:::!ﾄ､＼＼＼ヾ､
　ｲ:/!::/l!::|:::/:::ﾞ|::|:lヾ＼i＼ヽ､:!:i
　 ::/:|:ｲl斗!::i:::::/!:|ﾘ:ﾄ_ヾ|!:::lﾊ!::!::!　　　　　　　司馬望殿、お久しぶりです。
　 :::::i|:|:l {i|/ｨt/ﾊｌ::Nﾊij.}ﾞ|:/!::|::|::!
　 :::::l|:|:ﾄy//:!:/i∧!'　｀　"'ﾘ//:/　　　　　　　後の事は僕にお任せ下さい
　　::::!:|:|:ﾚｨー/　　　　　　 У´
　　　:::l!l;!ヾ、′　　　　　／
　　　:::|!′ ﾞ＼　　　｀ﾞｦ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　 ----r‐　、
　　　　　　ﾞヽ　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／_　　⌒ヽ　ヽ
　　　　　　＼ｲ'"｀￣´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　 / /　､_ ィヽヽ　ヽ
　　　　　　　＼.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　 .l .l .　├ﾍ!　 ! 1 ヽﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l l　　.l Nﾄ､ |　 | 4A l　　N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | !　l .4rfさﾐl　ﾉ'rf‐ﾄ1　!.l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾊ　ト､l弋り　弋りﾉノl l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾄ､弋　　。　イ　ﾉ∧
　　　　　　　あなたが来るって事は子上も本気か。　　　　　　　　　　　　　　| |ヽﾄ､＞､_　イ l /ｲ　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! |　| ∨ｿ　　ハj'　j 　|
　　　　　　　それはそうと、あれは何？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　jr― 7 ｀ぅ､ .r人 l￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 ∨ﾚくヽｨ!f´ノﾍl ､1　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　/　　厂水｀1　Ψ{、　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　　　l.　　└ 个ｰ┘　　 1　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿1　　　　 |　　　　　/　.r‐く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　/ 　 /!l ｀ヽ、　.ノ|ﾆ二　ノiｰ.ﾍ' 　ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　衛将軍　司馬望（字：子初）

700 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:29:20.23 ID:o0weE5xdo

　　　　／￣￣＼
　　　／　　_ノ　＼＼
　　　　|　　　／ﾟヽ／ﾟヽ|
.　　　 |　　　　（__人__）
　　　 |　　　 |'|｀⌒´ﾉ　　 ∧　　∧
.　　　 |　　　 .U　　 }　　 /　ヽ‐‐　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…………
　　　　ヽ　　　　　　 } 　彡　　　　　　ヽ
　　　　ヽ　　　ノ　　彡　　●　　●
　　　　/⌒　　　　ヽ　彡　(　　　　　 l
　　　　/　 y　　　　＼彡　　ヽ　　　　 |
　　　ﾉ　 ,/＿__,ﾝヽ,,-‐彡　　　ヽ　　　 l
　　　（＿"＿__　＿ソ `/ `　　　　（　o o)
　　　　　|　　　　　ヽ　/　　　　　　　　/´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐- ､}〉＿　＿　　　　　　　　 _＿,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿＿＿__ .　´　　　　　　　　　　｀　｡　　 . -‐::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　＼:::::::::／　　　　　　　　ヽ　　　　　　｡|:::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＼.:　　　　　　　　　　　　i_,ｨ===　､　 ∨:／＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ __ '　　　　　　　　　 :"　　　　ヾ　{::}　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　′|　　　　'　＿/_,ｲ　 ,　/､＿＿　　ﾞﾐ　ﾟ＼￣ヽ　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 {　/|　 |i　ｉ　 / ,/:|　 / /　　　　　　ﾞﾐ／|::::∧　 }　/
　　　　　　　　返事がありません。　　　　　　　　　　　.　　　　ゝ=-/::|　 |l　 |　/j /　j ,ｲ /　　　　　　 .ﾞﾐ／|::::::::|　ﾉイ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:::::|　 |l　 l/　　┃　 |/　　　 ┃　　　ﾞﾐ／Ⅳ::::|
　　　　　　　　ただの屍のようです　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣Ⅳ从　l.　　 ┃　　　　　　┃　　 .〃¨Y｡＼:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ| ヽ{　　　　　　　　　　　　 {{ '＾ﾉ{　　 `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　圦　""　　　　　　　 ""　 /)〉´. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. .≧ｭ．　　ヽ　　　 .　イ/'. .ｉ. .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. . ｉ .ｌ. .|. .}￣￣　 {./. ./. .ｲ . |. .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , イ. . .| .|. .| ´　　　 /i. ., . /.| . .|. .|

───────────────────────────────────────────────
　　　　　　＿＿＿_
　　　／　_ノ　ヽ､＼
　　　／oﾟ(（＞）)　(（＜）)ﾟo
　／　　 .:ﾟ~（__人__）~ﾟ:＼
　 | 　　　　 |ｒ┬-|　　 |　　　　　　　　　なんぞこれwwwwwwww
　＼、　　　 i⌒i‐'　 ,;／
　　／　 ⌒ヽ.ﾉ　ﾉ　く
　/　,＿＼　l||l 从＼＼
　と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.
　　　　　　　　　ﾍﾞｼﾍﾞｼﾍﾞｼ
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701 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/04(日) 23:30:04.13 ID:XTswdq4Lo

下手に乗ってお尻をだめにした？

702 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:30:58.87 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　　　　　＿,,.,_
　　　　　　　　　 ,.-‐ ' ￣:lﾆヽ、:￣ `::....､
　　　　　　 ,..::'::::／:l::::l:::::l::｀`ヽ:ヽ、:ヽ::::`ヽ、
　　　　　　／::::::／/::il:::l:|:::::|ヽ、:::::::::ヽ、:＼ヽ:ヽ
　　　　／/:::::/l:i::::::::il:::l::|::::ﾄ::::ヽ、::::::::::ヽ::::ヽ:ヽ:ヽ
　　　 /::/:::::::/::l:i::::::::il::::::|::::|:::l::::::ヽ::::::::::::l:ヽ::::ヽヽ:'.,
　　 ./::/::::::::/:::l:li:::::::::l:::::l::::l::::::l::::::::l::::::::::::l:ヽ::::::::l:::l::',
　　/:::::::::::::::|::::|:::l:::::::::l:::l::::l､:::::::l:::::::::::::::l::::|､:l:::::::::l:::l::l
　 .l::l:::l:::l::::::l:::::|:::::l､::::::::l:::l::::::::::::l:::::::::::::::l:::|､::l:::::::::l::i:::|
　 l::::::l::::l:::::l::l::::l､::::l:､ヽl::lヽ::::::::::::l::::::::::::::l:::|:::::l::::::::|::i|:|
　 |l:::::l:i:l:l::::ﾄ:::ヽ:l`ヽ､://::::::ヽ::::::::l:::::::::l:l::l::|::::::l::::::::!:::i:|
　 |ﾄl:::::il l､::ilヽ､:::l-‐,..-ｭｫ-､:::ヽ:::i|:::|:::l::l:lll|ヽ:::l:::l::::::::l:|
　 | ヽ::::il kｧ､､` - '　`‐'′ /ハl:::l:::l::l:::|::l|　 l:::::::l::::::ﾄ|.
　ヽ　ヽ､i `7　　　　 ´　　 //　 |ﾄ:::l/l::::::|　　}:::::::l::::i| |　　　　　　　（この二人ならそう気を使う必要はないか）
　　ヽ　　.l/　　　　　　　　　　　 ||:/ .ヽ::l　_ノl:::::::l::::i| `
　　　　　　ヽ、 -　　　　　　　　　 l　　〉l、|:::::|i::::::l::::|　　　　　　　　（思い通りにやらせてもらうさ）
　　　　　　ヽ｀　　　　　　　　　 /　　.li:::lﾄ:l::::l:l|
　　　　　　　ヽ ‐､ﾆ= ‐　　　　　　／　　　 lヽl-ヽl::l|
　　　　　　　　ヽｰ　　　　　　／　　,.　r '´　　ヽ､
　　　　　　　 l、　　　 ,.　 '" ,.　 '´　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 `ｰ‐ ' r1,.　'´　　　　　　　　 ,.　‐ ' ´ヽ.,
　　　　　　　　　　　　<´ i'´　　　　　　,.　 ‐ ' ´,.　‐ ' ´::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　 lヽ|.l　　　 ,. ‐'´,.　-‐' ´:::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　 |　| l|　／,. r '´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　|／／／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　/／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　〈　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　司馬昭は鍾会に
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　蜀討伐における自身の代行者の役割を期待していたのだろう。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　鍾会も蜀滅亡までは己に課せられた役目をよく果たしていた。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　少なくとも、この段階では謀反など頭になかったはずだ
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

703 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:31:41.88 ID:o0weE5xdo

　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　彼が謀反に踏み切った原因は戦後にあるように思う
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　． … ．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：＿＿＿_：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：／_ノ　ー､＼：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：／（ ●）（●）｡＼：
　　　　　　それにしても杜預さん、馬乗りこなせないのかお？　　　　　　　：／::::::　r（__人__）､ :::::＼：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：|　　　 {　l／⌒ヽ　　　　|：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：＼　　／　　／　　／：

　　　　　　　.　＿＿
　　　　　　　.／::::::.　＼
　　　　　　 /::::::ヽ;;:　　＼
　　　　　. （:::::（::::冫　　　|
　　　　　. （:人;;;） .　u　　.|
　　　　　r‐-;::::::. .　　　　|　　　　　　　　　　　　う、馬に直接乗るなんて夷狄のやる事でしょう？
　　　　（三））:::::..　.　　　|
　　　　　>::::ﾉ:::::::::.　　　 /　　　　　　　　　　　　.今を生きる春秋人たるこの私がどうしてそんな真似……
　　　　/::: / ヽ;::::::::: 　 /
　　　/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
　　（;;;;__ゝ:;;:::::＼／:::::）
　　　　　　.　|＼::::::::::::;;:1ﾄﾖｰﾝ
　　　　　　.　|:::::＼;;／:::|

704 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:33:08.10 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏　揚州　寿春】

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ　　　　　　　　　　　　　軍船を建造せよとの大将軍の御言葉です
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　　　　　　.ィ´.ｨヽ／＼,.ヘ　,､｀: .､　　　
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　　　　　　　　　　　　／. : ｀. : . : . : . : . : . : ＼. :＼　　
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|　　　　　　　　　　　/. : . : . : . :/. : . : . : . : . :.　＼. :.',　　
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::　　　　　　　　　　 /. : .:/. : , : .l. : . : . :!.:l.:ﾄ:ヽ : . : ヽ: ',　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //. : .l/. :.l/!ﾊ. :!. : . :ll.:!.!.:!. :!.:l.:ヽ:∨.:.　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/l. : . ll. :.,'l≧ト､!',. : _|_斗--:!-!.:! ';.∨|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　!. l. :.!. :!ｲ|::(.代 !. :ﾃ7T:ト!､!.:.!:|､:i';.l.:|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';.ﾊ: !'; |',弋::j　｀ｌ: l:!{::{::::ｸｨ:|.:!!l }:|.ﾘ.:!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lハ:!ヽlﾄ､￣　 |/j ｀ー',ｲN/ |ｲﾘ: ﾊ!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　八　丶　　　　' ,':;ｹ´ﾍ. : . :ﾍ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .lﾄ､＼ ´ ｀　　　ｨ/!_. : . ∨. : .:',
　　　　　　　　　　いよいよ、か　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ヽ.＞ィ>‐ ≦::≠´　!. : . :V. : .lヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ/　/.:l!. /,ゝｨﾄ　　　　/＼. : .V. : ', ＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l |! /／!./ｨ彡'l　V　　/　　＞ :V. :.',ヽ＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/y'　　イﾆ´!｣l!　 V　i!　　　　　＞､.:', ＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ／　/:::::::::>/＼　＼l!　　　／'　　 Y.:'.,　｀ﾐﾄ､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　ｌｌ　 /:!::::::/:,'　　＼＿＿／' 　　　l. : ﾍ　　｀トー　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　鎮東将軍　石苞

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　さて、鍾会の長安赴任と時を同じくして、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　東方の青州・徐州・兗州・豫州・荊州・揚州に命令が下っている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

705 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:34:38.35 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏　豫州　安城】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐‐‐‐-　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 ´　　　　　,　 _..　 ¨　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /　 ∥ ./‐ ¨　　　 ,､　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 i i　　/ 　.∥/　　_.　'"／ .ヽ　　 ;
　　　　　　　　　　　　　　　　 i l　　i　　∥'＞,,"　''"　　　ヽ　! l
　　　　　　　　　　　　　　　 l l l　.l　　.ij''", -‐` ､　　　　ヽ ! i
.　　　　　　　　　　　　　　　　l l l　.l 　. ij　ｬ7ゞヽ　`　　　__...ヽ i
　　　　　　　　　　　　　　 l l l　.l　 l ij.　ヽ廴ﾉ　　　　'.._`　i i
　　　　　　　　　　　　　　　 l l l　.l　 l ij　　　　　　　 ,i∩) /.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ!l l　l　 l ij　　　　　　 >~ ∧i　　　　　 ,､　　これまでの治績の成果を見せてやる！
　　　　　　　　　　　　　　　　　l! i i　l　 l ij　　､===　､　　 ∧ij　　　　 ./ i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 !i i i　i　 l i　　　`　 .:_/　／ :/i 　　　ｉ　!　　敵城攻略・後方支援、なんでも来い！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　` ゛.　i　.lj＼　　　／ゝ:/ｉj　　　　ｉ　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `_､　i 　 `　-, _'=-./_// !　　　　　ｉ　ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iゝi~,　_..｡ｬ''"　　ゝ-,'／´ﾇ¨ ヽ.　ｉ＞ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ┤ ./」ト,　　　／,　´　／.　　, '"　 . ｬ¨､
　　　　　,,‐､　　　　　 , ,-‐‐ " 　ｉ /i //冫　 /　　　 /　　　　i　,'"　 . ｬ¨､
　┌''フ' ､ノ　　　　　 / i. 　　　　　ｉj　〉- ' ヽ ./　　　 {　　　 / `ゝｉ　,'" 　 , ヽ
　 i ./　／ヽ　　　　　　 i　ｉ.　　　　　 i ./ヽｉ　 /　　　　i　　　＞ .": `'､　´)､　ヽ
　 i"　./　／ヽ,　　　　　ｉ　ｉ　　　　 i /ヽヽｉ　/　　　　　',　／／　＼ `¨~　`　i
　ヽ　'　/　 ,y/,　　　　　ｉ　ｉ　　　　　ｉ !.ヽヽｉ/　　　　　 ',　　　　,　　＼
.　　＼　　　/ `i¨ｽ　　　 i　`､　　　　ｉjヽヽヽi　　　　　　　　 ' ,　　 i` - ._　　` ､
　　　　ヽ　　./ﾌ　ｉ　　　ｉ　　ｉ　　　　 iヽヽヽi　　　　　　　　　　 i　　　 ` ‐ - !`

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　征虜将軍　王沈

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　呉に攻め入るための軍船の建造
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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706 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/04(日) 23:34:50.45 ID:XTswdq4Lo

とよーんｗｗｗｗｗｗ

こうなったらあれだ、知力100みたいに手押し車に乗るべｗｗｗｗ

707 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:35:54.32 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏　荊州　襄陽】

　　　　　　　　　　i　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　i
　　　　　　　　　}二（　}二（　　　　　　　　　　～～　　　　　}二（　}二（
　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　　　　　　　匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　　　匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
　　　　　i　　　i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　　　　　~~~~~~~~~~~　~}二（　}二（　　　　　　　　～～～
　　　　}二（　}二（　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ
　＿　}二二(}二二(　 rｰ―ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　匸弍弍弍弍弍弍・・・/
　　匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　～～～～
　　~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　　　　　　　　～～～

三≧＝―-　、＿　　　＿　　￣　　　＞､　　　｀ヽ　｀ー　､　　＿　―- ､＿＿　＿　　￣　　　＞三≧＝―　､＿＿　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,，　´￣　　｀ー　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : /: : :./ |: : : : : : : : : ∧　}: : : : ∧ヽヽ､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : /: : :./　 l: : : : 斗----:i　i: : : : : : i i　i　/ ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /: : :/: : :./､　 l: :／　＼|＿: |　|: : : : : : :}　　　 /　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /: : :.i: : :./ _ ｀ :|/　　イう:::心　,: : : : : : /　　　　 /､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 // |: : :.|| ／《心 /　　　乂zzソ /: : : : : :/　　　　 :i,'//＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　ﾏ: : :l/: : | 弋ﾘ　　　　　　　　/: : : : : :/　　　　 /}////,＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ: l: :.:.:.|　<　　　　　　　　 /: : : : : :.{　　　　 /////////ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏl: : : {　　　　　　　　　 /: : : : : :∧＿　　 /: :ｌ====/////＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ｀: : ∧　　｀　　　　 /: : : : : :/: : : : : :≧ｭ､:l 　　＼/////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: : : :l//ﾍ　　　　　　 /: : : : : /|: |: : : : : : : : : :.≧ｭ　　　￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : :.l///∧ 　　　 /: : : : :/　:l l: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : :.l／　　｀　､　/: : : :／--- |＿＿: : : : : : :./

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　安東将軍　陳騫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　見せかけではなく、実際に建造させたのである
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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708 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:37:25.60 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　　　　　ヾﾐｘ１　　＼　｀　　、
　　　　　　　　　　　　　／　;ハ　　　＼　　 _>ｎ__
　　　　　　　　　　　　　/　／彡ﾍ　　　 _ｙ(Ｘ⌒fひｙn、
　　　　　　　　　　 / 〃j／　　ヽ＼　爿｢Y,ｴミhﾆX_〕
　　　　　　　　　　　　{　 {/_,二ヽ、　＼___〔ゞｔ{(kﾜ)ﾘフ乃
　　　　　　　　　 !　]〕7７なiｙ　　 ´≧ﾐてﾄゞfくｽｱ´　　　　今日呼んだのは相談したい事があるのよ。
　　　　　　　　　　/）__ｙ^Ｎｈ__;:j　　 7´:５iYヒ!T＾ﾊ〈
　　　　　 _ _　///:,べﾖ　ｰ‐'′,.　 {└;りj片〉V　}｣　　　　　　海を渡れるような大きな船を作れないかしら？
　　　　　r;┤｝｝ハ:{ /rﾍ　　ト- ､__ ￣　/ﾝｋﾍ〉
　　　　 l^┴-'_厶__V>､ｰ->､_ |　　/　　／ﾌ「ヽヽ
　　　　__l　/´　,-―ベ≧=ｧ′｀辷'y-ｒ1 ´　人　}:i
　　 __ l卩-v‐く　　 {≧ｧ‐＜ _j_ 厶..｢｀て彡'丿jﾉ
.__《⌒ﾂ　_’{「;ﾘ　　 /　/ 厂｀>父ｔ‐-､ヽ└=彡}ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖ/ ,'　　廴＿ィ　: l: : :　 . ｌ　. :／　　＼: . .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛{　|　　　 .　. : : : : |: :　　: l : :/　　＿＿Ｖ:　:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　|　 . . :　. : : ｲ : | | : : : : ､_廴／≦　　Ｖ:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　　 | . : : :　: : : lﾉ∠l∧: | : /ｒ≦ｨ矛了　 //　　　 :　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛､＿ノ /. : : : : : : l´ｒ弋仗ゝ:|　　二￣　　 /ｲ:　　　. : 　
　　青州あたりの船大工を使えば難しくはないでしょうな。　.ﾞー‐ ｲ: |: : : : : : :ゝ￣　ヽトゝ　　　　　　｛　V　　. : :　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: :|ヽ : : : : : 三ｿｨ　 ′　　　　　　　ﾉ　　: : :　 :　
　　先立つものは頂けるんでしょうね？　　　　　　　　　　　　　　　.ゝ:{　＼: : : : 彡'　　 l　　　　　　　　　ゝ　　 : : 　: .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　｀＼　ヽ: : : :ヽ　　ヽ,,`,,, ; ; ;_,;z;; ;,　､）　: . :　　 :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ￣￣￣｀　､　　　　ﾉ: : : : : ＼､;;='''ﾞﾞ"~´　　　　∠ゝィ: :　　　:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :.　　　　　＼＿__{ : : : : : 厂∧　イ￣ヽ　　　／ヽ.／{: : : .　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::..　　　　　　＼　＼ｒｚく　ｊ : ＼ｊ: : : : ＼／: : : : ｝　Ⅵ |: .　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　安遠将軍　唐咨

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　また、唐咨に海上用の大型船建造を命じていたりする。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　これを見たほとんどの者は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .司馬昭が遂に呉討伐に乗り出すと感じたはずだ
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

709 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:38:04.89 ID:o0weE5xdo

【紀元２６２年冬　呉首都　建業】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ叉7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ⅲL_,, ,. _
　　　　　　　　　　　　　　 ,,､､-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :｀`ヾ､､､
　　　　　　　　　　,,． '"´. .:.: .:.: : .:r＝=.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.｀ゞｰ-､､
　　　　　　,,． '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ､,,
　　　,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:＞
　　　｀`ヾ､;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r＝=;:;:;r＝=､;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r＝=;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´　.
　　　　　　｀`ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;=＝=;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'ﾞ
　　　　　　　　　　￣｀¨`ヾr＝=.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r＝z,;,;,;::／
　　　　　　　　　　　　　　　｀¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:､､-‐''"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＞;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :＜´
　　　　　　　　　　　　　　　,､r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ､
　　　　　　　　　　　　,､r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::｀'ヽ､　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　｀`ヾr＝=;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,r'´　　　　　　　 |　　　まずい事態になってきた　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 `ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､:;:;;;;;;;;:;:.:.:::＝=.:.::::::.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ.:;;;;;;;＝=.::.::.:.:..:.::r'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヾ;:;:; :;::;;: ;r＝=.:.j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 1;:;:;:;:r＝:.::{

710 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:41:03.89 ID:o0weE5xdo

　 >:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ::::::::::::::::___,ﾉ
:Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:／:.:.: :::::::::::::::::::＼
/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:./ ｀ヽ:.:.:::::::::: ＼:::::: ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:/:∧、　 |:.::|:::::::::::::::ヽ、:::|　　　　　　　　魏の各地で軍船が建造されているそうだ。
:.:.:.:.:.:.:/:/＼ヽ＼ ! :!::: |::::|:::|: |ャ::|
:.:.:.:.:.ｲ:,气､__ヾ_, ,}:.:|:::::|::: !:::!::| ∨　　　　　　　　各地に駐屯する部隊から次々と報告が入ってくる。
:.:.:.:./|/　￣ヽ ,/.:.:.j:::: !: /::;ﾊ:!
:.:.:,ｲ |　　　　 {:.:.:　ﾉ|::: |/|:/　　　　　　　　　　　備えを固めなければな
:.:.ｌﾄ |　　　　＼:./|::: ﾚ'|′
:.:.| l　ﾄ　_____,r‐' ´/::!::::|
:.:.| |　| ´ﾞｰ{:.:.:.:.／/_|:::ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　　 . -‐''"￣｀'''ｰ､　　｀~ヽ
:.:.| |　　 T´:.:.:./ ./　ｲ:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　`ｰ'´ ￣￣｀ﾞ'''ｰ-､　`i　　　　ヽ
￣＞〉 /:.:.:.: / ,/　　l/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ‐'　　　　　　　　　｀ﾞ ┘　　　　ヽ
／//イ|:.!:.:./- ､__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　／　　.イ　　ト､　　　　　　　　　l
:.:// 　 |:|:./ ／ィ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.ｲ　　／　|　　 |　｀ヽ､　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ／ |　　ｲ-=､| 　 /=＝‐- ｀i::::::........　　｀'ｰｲ＿_
呉　左将軍　張布　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　 |　/ﾉ}/Ti|　 /　'''Tj,''v　:|::|へ:::::::::......　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_|/:::::::l `7／　　 ┴‐′ .ﾘ/^ }::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　>|::::::::::l.　ﾉ　　　　　　rへ‐':::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒'ｰ､:::(ヽ.` ｰ-　　　／ト-'´:::::::_,.-'^
　　　　　　来年あたり攻めてくるのかしら？　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ￣二ﾆヽ.___,,..　 '}￣￣￣7⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　,,.. -|‐--ｰ|　　,... -ﾑ､
　　　　　　最悪、蜀に牽制なり援軍なり頼まないといけないわ　　　　　　　 `'y^'ｰ､ `ｰ-r┴''"　_,. -''^''ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｰ-､　　 ´}　　　 ´　　　_.. -‐i〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::'y.:-‐|　=＝　　／:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　〈::::::::::::::::::::::::::|　　　　ﾍ.{y-―'''"￣二{

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　呉　丞相　濮陽興

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　だが実際は、蜀討伐に際して呉の救援を防ぐための陽動だった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　結果的に、蜀討伐における呉軍の行動は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .これが遠因となって後手後手にまわる羽目になってしまう
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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711 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:43:30.36 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　ヽ（:::(r....--─- ､
　　　　　　 , - '"::::`::‐..､` ､::::::ヽ'）
.　　　　 ,.;'"-‐;;;;:::::::::::::::::ヽ.ヽ::::::ヽ
.　　　　'"　　'／ ,､ /／i:::::;ヽi;;;;;;;:l
.　　　　　　 /／i. ｿ'" ｱ|::;;;;;;;;;;;;;;;:ヽ.ノノ|
　　　　　　 ' ヽ､lヽ　　./／r i;;;;;;;;;;;;;::;::ノ　　　　　　　けれど、今の蜀にそんな余裕があるかどうか
　　　　　　　＜::ヽ`　 '" ○;';;;;;;;;;;;;;;;;:フ
　　　　　　　　 `.‐`_'"~ゝ;;: 　､:､:;;-'"
　　　　　　　　　＿_|≡/i -‐- ヽ
　　　　　　 ,ｨ　,.|:;;::::~~l　|::::::::::::::ヽ
　　　　　,. '/〆/::::::::::::::ヽ.､:::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　￣￣｀¨''' ｰ- .._　　　　.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣｀` 　　　　　　　　　ヽ　　/ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／　!　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.ｲ ./　　　/　/----‐‐‐ヽ　ヽ　　　／./｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／ l/ l　　　l　/-----‐‐‐‐ヽ　l　　∠-'　 /
　　　　　難しいかもしれん。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 |　l ./　/| l＞-､!　､_. -＜| .l　l　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/l　 /l !`’-‐〉　　’-‐ l/l　lﾍ-＜
　　　　　前に薛珝殿が蜀に行った時の報告を　　　　　　　　　　　　　　 l　l /　ﾄ､ﾒ、ヽ　　　　　.l /‐'　___` ｰ／
　　　　　陛下の御前で聞いたんだが……　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ┴'''''77li､　‐_‐- 　／|/r'''´ /ﾊl‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 |　　　.//｜|＼　　,.イ /.lﾍﾄ　.// ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ-‐　ﾉﾉ:::::| |　￣　　/ .ト､　//::::||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣`¨/　　 ∠_￣｀ヽヽ_＿＿/＿｀l ／:::::::|L___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　`==''´　　｀'ｰ-￣　　　　-‐'''¨´￣て_)､　￣｀＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　以下に紹介するのは、呉の人々から見た当時の蜀の光景である
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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712 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:44:07.77 ID:o0weE5xdo

､／::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:ヽ
:.ヽ、::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:ﾉ::.i
　　＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:／ l::.:l
:　　　＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.;-､｀ /::.:l　　　　　　　　　　　おかえり。
　　　　ﾍ::.::.::.::.::.::.::.//:ﾘ　{::.::.l
　　　　　';ﾍ.::.::.::.::.::/ ｀´　ヽ::ﾄ､　　　　　　　　　　蜀はどうだった？
　　　　　 ':,ﾍ.::.::.::/　 ,.-y'´::.::.::)ヽ
.　　　　　　';.ﾍ::.::.｀ｰ'´::.::.::.:／　∧
　　　　　　 l ﾍ::.::.::.::.:;.::､_ヽ､／ .∧
　　　　　　　l　ﾍ::.:／､ヽヾ.}::.＼　∧
.　　　　　　　l　 Y　　　｀､ヽヽ::.::.＼∧　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 /::::::::::/:::::::::／/:::/　　 ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::フ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::/::::::∠／:／　──',-:::::::::l:::::::::::::::::::::l::::::::::::::､-ヽ
　　　　呉　皇帝　孫休　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:::::::l::/::／／:／　　 ,..　_,.　＼＼:!:::::::::::::l::ミ:! ｀Y⌒´｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',::::;l::::/彡≠､ヽ　　´／/:::≧､＼:!::::::::::/::::::::}　ﾟl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' ,:::::::} //:::::::l　　　　{::::::::::::::} j:::::::::/::::::::::L .ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ヽ::::!| {:jし:ﾘ　　　　　!::{:::_j-:j/:::::::/⌒!::::::::::::',
　　　主君は暗愚で自分の過ちに気付かず、　　　　　　　　　　　　./ /ニ:|｀｀ｰ'　　　　　｀ｰ｀ '/:::::::/ｲ｀ l:/:::::::::l:'
　　　臣下は我が身可愛さに罪を被らないようにしています。　　 .!　/ ／ヽ_　　 '　　　　　　　 /:::::::/彡／:ヽ:::::::ﾘ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ー<.　　　ー－　　 /:::::∠ ／::::::＼彡 '
　　　朝廷で正論は聞けず、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　ト､　　　　　 /::::/-Lﾐ　￣￣
　　　道中に会った民たちは冴えない顔色をしていました　　　　　　_,　/　　　 } j ＞-ｨニ./::::/´　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:ハ　ヽ　　ノ__|/!　　 /／ -　彡.:.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:',　',　　ト<∨.:レ───､.:.------:>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　／.:.:.:o.:.ヽ　＼　/.:y'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　呉　五官中郎将　薛珝

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　これは、蜀へ馬を買い求めに行った薛珝の感想だ
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

713 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:45:04.25 ID:o0weE5xdo

　　　　ヽ＼!::::＼::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　ヽ::＼::::::y'::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::_::::／::::／::::::::::::::',
　　　　　＼}:::::::::/::::::,':::::::::::::/::/:::::メ､　イ:::::／ヽ::::::::::::::::::',　　小鳥が人家に巣をかけて、
　　　　　　ヽ::::_,':::::::::!:::::::::::::l::/／イ彡｀ " ´　　_',::::::::l:::::::::',　　親子共々嬉しげにこれで安全と考えましたが、
　　　　　　　｢ﾉ{::::::::::!::::::::::::r─ ニ´､ヽ　　　　　',::::::|::::::::::l　　煙突が壊れて棟木が燃え出しました。
　　　　　　　|　.!:::::,ｨ|:::::::::::,'／::::::::_::!ヾ　　　,-_ 　∨:l::::::::::　　　
　　　　　　　> -､/ {l:::::::::::lｲ!:{:::::j::::ﾘ　　　　≠::::::ﾄ. V::::::::/　　しかし、小鳥たちはなお心楽しく、
　　　　　　/:::::::::{　 l:::::::::::|.l弋:-:://　　　　 ,'::::j::/!!ﾉ:::::／　　　禍いが目の前に迫っているのに気付きません。
.　　　　　//:::::::::::＼!::::::::::|　｀ー '　　　　　{しﾄ///:::::,'　　　　　
.　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::! 　　　　　丶｀ ´ ´{:::::::　　　　　.そんな話が当てはまるのが今の蜀でしょうね
　　　　　　＼:::::::::::;::::::::::|　　　　丶 - 　　　ﾉ:::::j
　　　　　　　　｀￣ ∧:::::トヽ　　　　　　　ｨ:::::::::,'　
　　　　　　　　　　/ﾐﾄ.､',::::',　ミﾒ＞､　´　　　 |::::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,....'::´::.::.::.::.::.::￣
　　　　　　　　　入.:.:.:.:.:ヽト　/ ! /7　　　　　l::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..'::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:≧.､.:ヽ.:.｀ヽ>.>　　　　　:::/　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
　　　　　　　 ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.＼＼　　　 j/　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::.::.::.:,イ::.::.::.,ｨ::.::.::.::.::.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::.::.::.:/__l::.::.::.:l　!::.::.::.::.::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'::.::.::./'´ l::.::.::.:l __.l::.::.::.::.::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,::.::.::.:lｧr-､l::.::.::l'´　V::.::.::.::.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 ,'::.::.::.::}´!ﾗﾐl::.::.::l　___ V::.::.::.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'::.::.::.::.j　｀‐' l::.::..|ｱ{ぅミｭv::.::.:
　　　　　　　　四十年近く玉座にいるのよね？　　　　　　　　　　　　　　 .l::.::.::...:{.""　　l::.::.l　l、　ﾐﾝ、::.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. l::.::.::.::.:ﾍヽ　　l::.:|　　ー'　.〕-‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l::.::.::.::.::.::ﾍ,ィ‐､ヽ､| """,.ｨ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::.::.::.::.::.::／　.ﾉ　　　,.ｨ''´　　　,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::.::.::.::.／　／｀ｰｫｯ'　　　 .,ｨ'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::.::.／　.／;:'　,／　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::/　　´　｀ヽ:'　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　）:　　/

714 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:46:27.02 ID:o0weE5xdo

【張儼『黙記』の記述より】

　　　　　　　　　　／: : : : : : ＼─―-
　　　　　　厂⌒ : : : : : : : : : : : ｀⌒＼:＼
　　　　 /: : : : : : : :/ : : : : : : : : : : : : ヽ: ＼
　　　　 ,′: : : : : : ｛: : : /＼: :＼: : : : : : Vミヽ
　　　　/: : : :/: : : :/|.: : :　　 ⌒: :＼: : : : : ∨ﾐY^＼
　　　 ,′ : : |:／⌒ l: : : |　　　_＼: :ヽ : : : : 〉=}: :j:ハ
　　　 /: : : : : |: : :/ 八: : :|　　ｨ爪芥ミ:i: :| : :/:ﾝ{ :ﾉ: /}　　　　　　むなしく軍隊を疲労させて、
　　　 { : : : : : |: :/ｨ价ﾐ＼:{　　　ﾄi:::: jﾊⅣ: :∧: :|:_:ノ:/　　　　　　毎年出征しても寸土も攻略できず、
　　　ヽ: : : : :Ⅵ! ﾄi::::jﾊ　　　　ゝ辷ソ│:/｀,|: :|ｰ＜　　　　　　　帝業の基礎を開く事もできなかった。
　　　　　＼ : : ∧弋辷ｿ　 ,　　　　　　|ｲ_ノ:|: :|⌒)ﾉ
　　　　　　｀ﾄ＼ゝ　　　　　　　　 /:| : : | i:|　　　　　　　　　おかげで国内は荒廃に晒されて、
　　　　　 |: :ｰ-ﾍ、　　　ー '　　ｲ_:ﾘ: : :':.八　　　　　　　　 .西方は使役や税に苦しむ結果を招いてしまったわ
　　　　　 |: : : :│ ＞　　＿＿／ノ＾V : : :/:i: :ヽ
　　　　　　/| : : : :j/ : : 广-┴‐'⌒´　/ : : :∧ﾉ : : :＼
　　　　　 ./: ｉ: : : :/ : : : 〉　　　　　 / : : : ／丶､ : : :＼
　　　　　/: : : : :_/ : : : 〈＼＿＿_彡/ : : : /　　　　＞､ : ＼
　　　　. : : : : ://: : : : :∧　　　　　/ : : : /　　　／　　 ': : : :丶
　　／: : : : :／: : : :　_＞'^)^)、　/ : : : /　　／　　　　　| : :＼: ＼
.／: /: : : :/: /: :／　´ ／／/　│ : : // ／　　　　　　│: : : ∨ ﾉ

　　　　　　　　　　　呉　大鴻臚　張儼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　また、呉の大鴻臚張儼は自著『黙記』でこう述べている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　およそ蜀に対する印象はこのようなものだったと思われる
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

715 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:48:00.38 ID:o0weE5xdo

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　この頃になっても両国の交流は続いていたんですね。
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　ついつい孫権や諸葛亮の存命中の話だと思いがちですが……
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　く　　＼　　　　　　　＼
　　　|　　　　＼　＼　　　　　　　＼
　　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　馬鹿言っちゃいかんお。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　⌒　　⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　（ー）　（ー）／^ヽ
　　　　　　認めたくねぇけど、蜀と呉は唇歯の間柄だお　　　　　　　　　　 .|　　　（__人__）（　/　　〉|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ ⌒´　　〈／ ⌒^ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―――――――― ＼ _ _ ＿）

　--=´::::::::::::::::::::::::::::::::: : ヽ
　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
./:: ,': : ／i:::::::::::::::i:::i::::::::::::::ヽ＼
/i::: {:: /.　 '::::::::{::::ﾊ_|ゝ::::::::::::::',
.{: : i..,' ￣ ':::::::i!::,'. ヾ￣ヽ::::::',::}
.|',:: ',{====＼ {｀=====. i::::::::}/
　Ⅵ　|;;;;;;|　｀　|;;;;;;|　 |::: : ,'　　　　　　　　　　　　それでは蜀の様子はどうだったのだろう？
　　i　｀~´　　　｀~´　 i:: : ,'
　　｀i＞　　＿＿　　＜|:: /
　　　ｌ/／: :ヽ＝/: :＼/／
　　　ﾍ｀ﾞ＜ヽ/＞彳/
　　　　ﾍ. ⊂只⊃　/
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716 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:49:21.40 ID:o0weE5xdo

【紀元２６３年春　蜀　益州　沓中】

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_::.　`　.:::., ..:::ｰy　....:..　:... .:::.｀'".::　::i..　　ﾍ'￣`::r､─ ､＿, ､_,､--''`'´.:::::::::... .::..　:::.　.:::::...ノ-",::~_-
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　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　鍾会の鎮西将軍就任・魏軍の呉討伐の準備。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　沓中の姜維の下にも、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .それらの情報は集まっていたはずだ
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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717 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:50:54.51 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　 , '´￣￣｀ｰ-､
　　　　　　　　／: : : r‐r==========、
　　　　　　　 /: : /├l‐１ ―――――|
　　　　　　　,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.｣
　　　　　　{: :ｉ: ｉ /ゝﾉｲﾉ　l/　―　ｌ :}　　　　　　　　　司馬望の後任の鍾会の動きが不穏と、
　　　　　　 | :ﾚ　| 　　●　　　●　ｌ :|　　　　　　　　　雑兵Dはスネークしてきた成果を報告します
　　　　　　　|: i: （|.⊂⊃　､_,､_,　⊂ l:/
￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣
￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣
￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣
￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三三三三三三三三三三三三三三三三／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 7: : :/. : :/. : {:∨∧: : : : : ｀ヾ: : :ヽ: :ヽハ才
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,: i : :{:: ::/. : :∧:∨∧: : : : : : .∨: : :': : i: :{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {: |: : }: /_才/:ハ:.∨∧: : : :斗弌: : : : : : ::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j八: :{/彡,:ｲ云ｰ: :乂ハ=彳ハ: {ﾊ: :/ ,: : :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从: 乂ハ　　　｀｀ヾ　　　'"　　}ﾘ　}'. / : : ;
　　　　　　　鍾会、か。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨: : 爻_ゞ＝=-　　　　　r==＝彡彳.: ::.′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 ∨: : 八　　　　　　　　　　　　イ. : : : .'
　　　　　　　昔、夏侯覇殿が話していた男だな　　　　　　　　　　　　　∨: {: :≫. 　　　　_'_　　　　乂: ,.: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨从ハﾊ＞　. -‐ミ.. . .イﾊ.: :/: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　乂{　　　. ィf　-‐:._}ヽ(　 .ｲ乂::.′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　rfー--‐ " ィ{ .二二}=ミ｀＜从(___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:ﾌ {　　／／:.　-‐ ｦ　＼　　　}　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　/. :｝ i}　　{ i{才:ﾊ　　fﾊ＼___ﾉi}　　′ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..　　　　/. : 乙{　　ゞ=ミf }　　j〈ヾ==彡　 ′｛∧

718 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:51:58.02 ID:o0weE5xdo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i､,,-ーフ,､__
　　　　　　　　　　　　　 iヽ／i/::::／∠_::::::::::::::｀＞__
　　　　　　　　　　　　　　 |::ヽ:/:／／/::::::／::＞::::::::::::ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　 |ヾ::V:::/:,彡ｿﾊﾍ;;;;;::::￣´＼:ト
　　　　　　　　　　　　　　γ升/`"ﾍL__,,､__ﾍ　/｀二ニ:::＼
　　　　　　　　　　　　　　 !/≧　`"''i斤┬,ｒ､く;;:::ニ＿＼::＞
　　　　　　　　　　　　　　　 'fj_)　　　ヾ┴ ′　　ミ::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　/フ　　　　　　　　　ﾐ>＝-::ﾍ一　　　　洛陽の優れた人物？
　　　　　　　　　　　　　　〈ヽ　　　　　　　　　　γ´ヾラﾍ
　　　　　　　　　　　　　 ',　､ｰ'""'､　　　　ソノ/::/　　　　　　　鍾会ってのがいるんだが、
　　　　　　　　　　　　　　　', 　` ｰ　′ 　　∧≦／　　　　　　　　そいつが朝政を取り仕切るようになれば……
　　　　　　　　　　　　　　　　i′　　　　　　　´　l:l::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　|:lヽ __　　　　　　　l:l:l:::|　　　　　　　　 .蜀と呉にとって憂慮すべき事態になるかもな
　　　　　　　　　　　　　　　　L!　　 i　　　　_.,､ｰl !」ゞ、
　　　　　　＿＿　　　　　　　　　　ｲt､,,,､､i´: : : : : : : : :＞ｰ-､_ ＿
　　　　／´: : : ／￣＞ｰ--､,,､ｰ'´:.| i丁厂ﾍ__;, : : : :／: : : : :!√ヽ:｀:＼
　　　/',: : : : : i: : : : i: : : : /: : : :,､／Υｿγ⌒ヽﾍ／: : : : ／: : : : : :,ヘ :＼
　　/:.:.',: : : : :l : : : l: : : : i:,､ｰ';;;;（( ノソ´;;;;;;;;)）;;/: : : ／´: : : :.,､ｰ'′: :ヾヾヽ
　 i:.:.:.:.',: : : : ! : : :.l: : : :|二ニヘノﾉヘ＝=≡∨: :／: : :,､ｰ':´: : : :　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　 !;.:.:.:.:.'.,: : : ﾍ : : ∨:._:ﾟ/;:;:;:;:ヽ__／;:;:;:;:;:;:;iﾟ。∨: :,､ｰ': : : : : ; : :´|　　　　　　　…………　　　　　　　　|
　　'l:.:.:.:.:..:.:'.,: : : ＼厂ﾟ/´;:;:;:;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!ト。_／: : : ; : :´: : : : : ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　';.:.:.:.:.:.:.:.:':.,: : : ﾟｿ´;:;:;:;:;;;;;:;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ﾍ: : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
　　ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.,/;;:;:;:;:;:;:;;;;;:;:;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ﾍ: ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/

　　　　　　　　　　　　　　蜀　車騎将軍　夏侯覇

719 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:52:42.14 ID:o0weE5xdo

:::::::::/　　　　　　　　 | 三三三三三三三三三
::::::/　　　　　　　　　 | 三三三三三三三三三三
:::/　　　　　　　　　　ﾚ..　- ───── -,.. _三三
/　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ三三
　　　　　　　, 'ィ:::::::::::::::::: // :::::::::::::::::::::::::::::: |:::::ヾ三三三
　　　　　　　/ // :::::::::::::::::// !:::::::::: |:::::::::::::::::::|::::::::::＼　三三三＼
　　　　　　　　':::/,' :::::::::::!::::://　|:::|!::::::|:::::::::::::::::::|::::::::|::::::＼三三三三
　　　　　　 i:::/ |:::::/::::::|メ.l! 　 |:N!::::::|:::::::::ﾄ!::::: l::::::::|::::::::::::ヽ　三三三
　　　　　　 i:::i　ﾚｲ:::::!:::!-._,､ヽ,ll　ﾞ.:::::,ﾊ ::::| l!::::: ゝ:: |::::::,.:::::::::＼三／
　　　　　　　ﾚ ,ｲ ::::::::::V !ﾊ::::ハヽ |:::::|　!::::! ﾞヽ,.::::ﾊ::l::::/::::/::::::::::V
　　　　　　/:,ｨ ::::::::: !　｀ ‐ ′ 　|:::::|　 V!二_j::/､ l::V::::, :::/,ｲ::/　　　　　　　　……備えはしておくか
　　　　　　　 i:::ハ:::::::::ハ　　　　　ヾ::l 　 7r:::::j/､_ハ::::V:::://::l:|'
　　　　　　　 l:! 　|::::::::ﾊ　　　　　　'　ヽ.　ゞﾆ ′ｲ::::::ヾ.:V:/::::ｲ!
　　　_　　　 l! 　 !::::::::::::ゝ. 　　　‐ ､　　　　　　／::::::::::::|!/::::/ l!
-v' ´　ﾉ_ 　　　　ゞ!:::::::/　＼　　　　　 ___ー= ' :::::::::::::: メ:::::/　l!
ノ　／'´　!, -､ __　,ｨ|::::::!== _､ゝ__ ,∠´__j:1イ:::::::::::::::／:::::,.　　l!
　/ /　 //　ﾉ!,ﾉ} 　l:::::iト= _､j|_ ／ ´ 　ﾊﾘ' :::::::::::／::::::／　　ﾉ
　`　　//　 /j／　　 V'ﾘ　　{イ |!｢` =====' ::::::::／:::::／　　／

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　さすがに姜維の耳目は誤魔化せなかった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼は沓中から成都の劉禅に上奏文を送っている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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720 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:55:30.34 ID:o0weE5xdo

『姜維さんの上奏文』

　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.:.:.:.:.:.:. :. :.`ヽ
　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::.､::::.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　.:.:..:.:.:.:.:.:/.:.::::::::::::::＼:＼ヽ::ヽヽ:',
　.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:::::::::::::::::.:.ヽ::i:::i::::::', |:|
　i.:::::::::/::::ﾊ:::::::!::::::::::::::::',:i:::i:::::::l.|:|
　i.::::::/.::::〃ﾊ:::|:::::::::::, _::」|::|:::::::l l:!
　l.:::/.:::::〃　',:::ﾄ､::::く::::::::||::|:::::/ ﾘ
　l::/.:::;ｨ:/＝-ヽ＼ヽ,.ｨイ1!::!::/　′　　　　 .聞いた話によると、
　l/:／ /-‐ 　　　〈tfｼﾉ::!::!′　　　　　　 .鍾会は関中で出動の準備を整え、進攻の計画を練っているそうです。
　K　,.ィﾃﾃ'ヽ　　　　`´1://
　::::', V弋ｿノ　　　　､　 l::::|　　　　　　　　 .張翼・廖化の二人に諸軍を指揮させ、
　::::::',　~~´ 　　　 /　/::::|　　　　　　　　　陽安関の入口と陰平橋のたもとをそれぞれ固めさせ、
　::::ﾄ､ヽ､　　　　_　 ,.ｲ::::ﾊ!　　　　　　　　 .危険に対して未然に処置なさいますよう
　::::i　　　　　　 `'／l:::::/
　:::::i　｀`ｰ┬一'´　 |::/
　:::::L ＿ __/ 　　　　|/
　＼|＿_ _ ユ_＝=ァｧ
　　　　　　　　＼//
　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　＼__
　　　　　　. .: .: :／￣,.-､入
　　　 .: .:. :. :.／ヽ_ソ.::::::::::.`､
　　 .: .:. :. ／ヽ_ソ.::::::::::::::::::::.ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　鍾会が攻めるであろう漢中方面、
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　鄧艾が攻めて来るであろう陰平郡方面の防御策ですか？
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .姜維自身の役割が明言されていませんね
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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721 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:56:48.98 ID:o0weE5xdo

【紀元２６３年春　蜀首都　成都】

　　　 ./: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : : :|: : ／|: : : : :|: : |: : : : :',: : :ヽ :
　　　|: : |: : : : : |: /＿ |: : :,/|: : /ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/´　　|: :/　|:./￣｀'Ｖ: |.: : : | V
　　＜ : _: : : /.　　　　 |/　　ﾚ　　　}|:./ヽ: : :|
　　＜:: |. 小{ 　 -‐''"´　　　｀''ー　ﾚ{: :.|ヽ:|　　　　　　　　　なんて姜維が言ってきたんだが、お前はどう思う？
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　　､　　　　{ﾊ,;'　（(
　　　　　＼_!　　　　　　　　'　　　　!　(　( ヽ)　ﾎﾜ～ｯ
　　　　　　　ヽ.　　ー――　　／　ヽノζ
　　　　　　___,ｒ| ＼　　　　　／　　 |￣￣￣|(^)
　　　　／:/::::| ＼　ヽ _　,　ィ´　　　　| ''..,,''::;;⊂ニヽ
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､　　.| .,,:: ;;;;ン=-　)
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 ! ,ｒ-''⌒＾ニ);;;;ヽニノヽ　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､_.:.:｀ヽ
　　　　　　　　蜀　皇帝　劉禅　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　／.:/ / .:/.:.:. ,ｨ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヾ:.:.'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:／:./ .:/.:.:.:/｜i.: .:.ﾄ､:.:.ヾ:.:.:.:.:.:}:.:.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / !:.://:/:i.:.:/　 |:ﾄ､:.:|_ヽ:.:.:.＼＼|:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　|:ｨ:.i:.,'.:.ﾚィ一'ﾍ| {.:.'､　＼:＞X.:＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　 |/! N :.:|:,;jｨ仡iﾄ､ヘ:.:'.ｨ仡ヾｘ :.≧:＼__
　　　　　　巫女の言葉によれば、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|{ |:{:.ﾄ､:{《 {)fz:|　＼ヽ!)fz:} 》７ｰ|-
　　　　　　そのような事はありえないとの事でした　　　　　　　　　　　　 |:ﾄ､:.N|ヾ-‐ﾟ'　　,　｀ﾞ‐-ﾟ'/イ :.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　〉:Y＼　　　_　　／.:./:.:.|人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:|.:.ヽ:.:.＞　　　　イi|:.:../ :.: |:.:. }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.|:.:.:.:N_ﾉ　　　　ゞ／:.:.:.:.j:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.＞ﾄ､:.:.:{＿_ 　　　 /:.:.:.:.: 人:.:.:.:.:.:＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　中常侍　黄皓

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　姜維の上奏に対し、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　黄皓は鬼神や巫女の言葉を信じ、敵の来襲はないと主張。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　一方の劉禅がどんな反応を見せたのかは分からない。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　群臣はこの上奏文の一件に関して、何も知らなかったと言われている
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

722 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/04(日) 23:59:47.60 ID:o0weE5xdo

　　　　，: : /: : : : : : : :〃: : : : : : : : : : : : :ヽ:＼ : : ＼ハ
　　　　　 ,: : : ;: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :ﾄ､: : : :.',: : : : ヾ}
　　　　 i: : : : : : :/ : : :/: : : : : : : /|: : : :: :ﾊハ:: i: : : : : : : y
　　　　 |: : : : : :;': : : : i: : : : : : :./.ﾉ: :,ｨ: : iム_从!: : : : : : : i　　 .敵に明確な動きがない以上、
　　　　　八: : : : i: : : : :.|: : : : :.∠/: :/ j: :./　,_＿ﾊ: : :i: : : : !　　.迂闊に兵馬を動かしたくなかったのか？.
　　　　　 ∨: :_j: : : : :.|: : :ｨ／_/／_ /／　,ｨf笊ﾐ}: :/: : : :.,’
　　　　　　　Ⅵ 小rｲ: : !: /ｲf示笊ﾐ.／　　　r'f::j ,':/: : : i: :　　　興勢の役のように、
　　　　　　　ﾊ{ 从::i: :.:Ⅳ ヾ{ｲf::j:ﾘ　　　　　`'''´イ: : : :ﾉ:/　　　敵が長安を動いてからでも間に合うと考えたのか？
　　　　　　　　 }ﾄ､._∧: :ﾄﾐ､　ゞｰ''´　　　ヽ　　 i: :イ:.:/
　　　　　　　　　　 }:.ハ: :ヾ:.､　　　　　　 _ _　　ｲ: : :/ｲ　　　　 .いずれにしろ、
　　　　　　　 /^}ﾚ:ﾍ: : ヽ　､. 　　　　／i:ﾉ!:.:/　　　　　　劉禅が防衛策を講じるのは蜀討伐開始後となる
　　　　　　　　 ,.:.:.:.:.i{　　＼: ',　＞　　 _.／､　　j;/
　　　　　　／:.:.:.:.:.:..ヽ　　＼　　　/:.:.:.:|::||:::.
.　　　　　∠.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..∧　　　　　ｲﾊ:.:.:.|::||:::::i
.　　　／:::::::＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧　　　　ノ i : :|::||:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |｀ ⌒´　　 u.　|
　　　後々の状況の推移を考えると、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　姜維は成都なり漢中にいるべきだったと感じますね。　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　.ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__「ヽｰ'ーｰ"／7_
　　　沓中で油を売っている暇があるのなら、　　　　　　　　　　　　　　　_, ､ -― ''":::＼:::￣￣:::::/::::::ヽ、
　　　もっと他にやる事があったでしょうに……　　　　　　　　　　　　　 /;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿;;;:::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ;;;;;:::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'､:::: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;;::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ;;;;;::::::::::::::::::|;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: |

723 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:02:12.78 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞////////////////＞...､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , イ//////////, r=≠‐-//.,,__,,.ゝ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,_r'/////////////////////////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈////////ｘ≦ﾞ｀丶::::＼::::ヾ＝=r,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼///∠ヾ::＼＞,xｬf::ミ::ﾆ≧=/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀》:/:ﾊ!x､ヾ＼i{.ﾉi::ﾊ!:｀ミ=‐,:'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:|:川rぅ::.､ヾ＼"´ ﾘﾊ::|::l:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :ﾊ:.ゞ;` ´　.､　　　 ,:',ｲ:/!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶ﾊ::ゝ、　 ‐ 　／!:::ﾊ!　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾊ:::}i｀＞ｭﾁ　,:/ |rx,ｲｘ｀ミヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,_　　　　ﾘﾊ,.　rｿ　 ,:/,vへ/ニニニ∨
　　　　　　　　　　　　／＼　　　　　　/ニ＼　　,xイ</>刈iヾ´　／｀彡',ｘ≦ニi}=-　､
　　　　　　　　　　／　　　＼　　 , イ￣｀丶ニﾆr /　ゞｿ　|},.ィニ´il／ニニニニニミ≧ｘ_､
　　　　　　　　　 /　　,r==x　∧　/　　,r=- 　 ∨ニ} !　 }彡ﾊilニニ／二二二二＼ニニrニ/
　　　　　　　　 ,'　　/ 　　 ',　 iｲ　／xニ｀　　 }ﾆゝ|彡'　ノニﾆ／ニニ/ﾆ二二二＼li(´｀ヾ
　　　　　　　　　　 / /　　　 }　,'! ∧ニニ∧　　'_- '::::　 :::',liｘ≦,'iニニｌ/ニニ,'二ニ＼＼
　　　　　　　　　 / / /　　　 >＜ミ./=＝ヾ,r='"´　　..:::( 　(::::ヾﾆ{r==x.／ニニ/ニニ＜≧ｘ'
　　　　　　　　　　{　li {!　　 ,zｲ-‐,'.../::..　　　il::　......':::::::::::ゝ_ｘ≦,｀´ニ,ゞﾆニニ/ゞ'"´´　 ∨/
　　　　　　　　　 !　,rニ, {￣{ .{: i :l　　ヾ::＞'" <´,>,'<> .,'ニニ≧ｘ三二ニ＞
　　　　　　　　 ‘, 　‘,/ニil{_{!　 ,ゞ　:::ヾ　　/ /　　 ,_r /　》/二二二二'　￣
　　　　　　　　ヾ　＼ニ≧=‐ゞ:::...::::::::::/ / 　　 {.r>ｘ≦,'ﾆｘ≦ニニ{!
　　　　　　　　　　　 ,＼　｀¨¨´=x 'ヾ,＞_／ /ﾆ＼　 ,}=/_,ノ/ｘ≦三三三}
　　　　　　　　ヾニゝ ''(´,r=' ‐- __,彡,' ニニ＼<,'> ,.＜三ニニニ「=!
　　　　　　　　　　　　 ,'ニ/(,ノil　j.,ｲ》ニニ/二ニニﾆ＼,ｲニニニニｘ≦三{、
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　姜維が成都へ戻らなかった理由を愚考するに、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ひとつは黄皓らによる自身の排斥を恐れたのかもしれない。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .あるいは、北伐の望みを捨て切れなかったのかもしれない
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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724 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:03:23.39 ID:lY00rT6go

.　　　　　／: : : : : : : : : : 　　　　　ー- ､｀丶、
　　　　 , ': : : : : : : :- ､　　 . . ｀丶、｀丶、｀丶ヽ
　　　　　/: : : : : :　　　 . : ヽ: : :｀ヽ、: : ヽ.: : ＼.　＼
　　　 , ' : : : : 　ヽ、:､: : : : :ヽ｀丶､＼: : :ヽ.＼｀、
　　　/::: : : : {　 ',: : {ヽ､ヽ､::::::. :＼-ヽ=､: : :.';. }.＼
　　;.:.:.: : :　ヽ: : ヽﾍ　-＼｀ｰ- ､}　_}_ {ヽ: :}/､　　　　　　　　しかし、彼は大将軍・録尚書事。
　　 {:.:.:. : 　 : : l＼／＼　　　　　　ｲﾃ"ﾜ; :}/:.: : ヽ、
.　　!: :　 . : : : :.V ヽx=＝ミ　　　　ﾏ_:j　V:::...: : ＼ヽ　　　　 .蜀の宰相であり、全軍の総司令官の身である。
　　　' 　 : :: : : : :ヽ《ﾏんﾊ,　　　丶　　 ;＼::::::: : ヽ
.　　　ヽ:＼:.:.:.:.:.:.. : ＼ゝ '’　　　　,､　　八ヽ｀丶､|　　　　その立場に相応しい行動を採るべきだったように思う
　　　　 }.:.:.:.ヽ､:.:.:.:.: : :｀丶､＿　　 '　　 ′　　ヽ　ヽ
.　　　 !ﾄ､ :.:::::{丶､:.:_:_: : : :＼　　　 ,.'
.　　　　 '|　ヽ{＼｀ー‐‐ <｀丶: :ヽ -‐ ヽ./￣￣:~｀／￣二ﾆ=､
.　　　　　　　ヽ|｀丶､|＼　｀ヽ　　 /:. :. :. :. :. //:. :/;';';';';';';';｀丶､
　　　　　　　　　　　　　　 _ヽ　　　 ,':. :. :. :::. :.,':,' :. /;';';';';';';';';';';';';';';'丶、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　／　　　　　　　＼
　　　　なんというか、他の将軍をあまりアテにしてない気がするんだお。　　.／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|
　　　　軍事は俺の方がうまくやれる的な　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ

725 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:04:05.33 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　　 _,;-ーｰ-;;...〟,､
　　　　　　　　　 ,／::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ:､
　　　　　　　　,／,'::::::,:::::,:::::::::::::::::::::::::、ﾞ:,
　　　　　　,,／ｹ/:,'::::l::l:l:ﾞl::､:::ﾞl､::ﾞl::ﾞl:::::ﾞlヾ､
　　　　　'"´ ,/,jj::l:::ﾊl:l:ヾ:_ヽ:::::ﾞl:::ﾞl::ﾞl::::l::ﾞヾ､
　　　　　　 / ,j',l::l'l,ﾆ,'lヾ､'',二ﾞ_'ヾ:l:::l:::::l::､ゝ、
　　　　　　　 ,j ,j''l:lﾞﾔj 　ﾞ '廴ｱﾃ:l:lﾞl:ﾞl::l:ヾ:､　　　　　それはさておき、
　　　　　　　　 ,j　l|　、　　｀´,l'::;ハﾞ〉':ﾄ'､　　　　　　この年の初めの蜀では、ひとつの話題で持ちきりだった
　　 , 'ﾝﾂ'ﾌﾞj　　　 lヽ.　o　　 ,/:;ｲｰ':::l'j' ﾞ
　 ', l"r' / /　　　　ﾞ|! ﾞヽ､,,ィ'/;''　lﾞj';:l､l'
　ﾞv' '　' ,'ｭ,.、　　　　　__,ォ" 　　l>)、ﾞ
　　｀ヽ.､,_　　j,_　　,,;-'",／l　　／"　,＞､
　　　｀）: ﾞ':':7" ,;´,l' ,r',-_.､,,／　／,;-ｰヾ,
　　　,/: : : : :l,イ | l　|´｀ﾞﾞﾞ7　　,/ ／: : : : :|
　　 /: : : : : l'､: : | | .|　　/　 ,/'／: : : : : ,: :l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､｀ ⌒´ 　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ｰー|　　　　　　　ﾄ､______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /:::ﾉ:::::::::.｀' ｰ-
　　　　　　　　　話題、ですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　"／::::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　」 ::::::::l:::: ::::::「､:::::::::::::／ ::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::ｰ-ミﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ .::::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|

726 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:04:53.33 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年春　蜀首都　成都】

　　／／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､_.:.:｀ヽ
　／.:/ / .:/.:.:. ,ｨ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヾ:.:.'.
　　／:./ .:/.:.:.:/｜i.: .:.ﾄ､:.:.ヾ:.:.:.:.:.:}:.:.i
.　 .!:.://:/:i.:.:/　 |:ﾄ､:.:|_ヽ:.:.:.＼＼|:.:.|
　 .|:ｨ:.i:.,'.:.ﾚィ一'ﾍ| {.:.'､　＼:＞X.:＼|　　　　　　　　　こちらの上奏文もご覧下さい。
　 |/! N :.:|:,;jｨ仡iﾄ､ヘ:.:'.ｨ仡ヾｘ :.≧:＼__
　 |{ |:{:.ﾄ､:{《 {)fz:|　＼ヽ!)fz:} 》７ｰ|-　　　　　　　　故丞相の霊廟を建設したいという内容です
　　　|:ﾄ､:.N|ヾ-‐ﾟ'　　,　｀ﾞ‐-ﾟ'/イ :.:.|
　　　｀　〉:Y＼　　　 _　　　.／.:./:.:.|人
　　　./:|.:.ヽ:.:.＞　　　　イi|:.:../ :.: |:.:. }
　　／:.:.|:.:.:.:N_ﾉ　　　　ゞ／:.:.:.:.j:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ、:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::! ';:::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::／ヘ|::::::::::::::::::::::::::!　';:::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ |:::::／　　 |:::::::::::::::::ﾄ::::/ 　 !:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::{:/:::::::::/::::::/　　 !::/三三三|::::/ﾚ:::::/ |/ 　　ﾘ
　　　　　丞相の霊廟ねぇ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::i:::::::::/ |:::/　　　i/　　　　 |:∧　|:/　′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　ヽｿ
　　　　　また扱いの難しい問題を　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::/　∨　　　　　　　　　　∠二 7 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾍ　　　　　　　　　　　　　　 , '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　＼　　　　　＿　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　＼　　　 /　　｀　ー - ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　＼__ /

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　諸葛亮廟の建設である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　意外に思うかもしれないが、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .諸葛亮死後、ほぼ三十年経過しても彼の廟は存在しなかった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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727 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:06:26.51 ID:lY00rT6go

　　　∩_＿＿_∩
　　　| ノノ　　＼ヽ
　　 /　　●　　 ● |　　　　　　　　　　　　いつまでたっても丞相の廟が建設されないクマー
　　ミ　　　( _●_) ミ
　 -(＿＿_.)─(＿＿)─

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　':,　　　　　　　_,,..' -─-'　'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　＼＼　　　　'　　', r============ｒ -､｀　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .| 「二二二二二」i|. ├ｰヾ丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　 / L三三三三三三」__」―|: : : .',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 i:. : :.! -‐ ﾊ: : : :/／　｀ , ミ: : : .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'　､　　　　　　　　　',: : :|/!メ､ﾏ／　〒〒　ﾐi､: : ;|
　　　国が丞相の廟を建てないのなら、　　　　　　　　　　　　　´ヽ. 　　　　　|: : /!.T　T.　　　'､_,ﾉ　　ﾐリ: : |
　　　我々が祭祀を行って丞相への感謝を示すべき。　　（｀ヽ;､　｀ヽr､　　 |:.:/ |. '､_ﾉ　　　　　⊂⊃./: : : :.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-`ヽ　> 　　｀ヽ､/.|/;; !⊃　　,　-- ､　　 /!人从, ´　ヽ
　　　……と民衆Aは今ここで祭祀を始めます　　　　　　 `ｰ‐ｧ (´__,ノ　　｀7ー-'＞,､.,_ ｰ--ｰ' ,..イ:;:;:;i-!(＾　　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'ｰ "´　＞､　　|　　//:.:.:V´7「V ￣´'ﾉ;:;/　 /　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　--─　　　　　　ヾ__ノ　 | |:.:i:.:.｀ｙ'.:.:〈†〉:.:.:.:| i 　 l　　　 i.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣｀i".:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:ヽヽﾝ´　　 j'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:;:;:;ヽ.､＿,.ﾉ'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｿ´｀ヽ人.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_r'ｰ--‐''"´ '''---------- ''＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　諸葛亮廟の建設を望む民の声に対し、
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　蜀の朝廷は礼の決まりを盾に建設を許可しなかった。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　諸葛亮を全面的に信頼した劉禅すら、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　霊廟を建設すべしという声には従わなかった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　そんな状態が続くうち、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　人々は諸葛亮への祭祀を勝手に路上で行うようになる
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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728 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:08:36.39 ID:lY00rT6go

『諸葛亮廟建設に関する上奏文（一部抜粋）』

　 .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '
　 i : : : : : : ｉ､: :.､ : : |{.:.ｉ: :|{ ｉ:.iぃ.: :.:.;
　 |.: : :.:ｉ |:i |い: :{＼从存从l;ハ|: : : |　　　　　　　漢初以来、小さな善事や徳義によって絵姿を書かれ、
　 |: : : :抖托=‐从　　斗-女ミi|: : : |　　　　　　　霊廟を建てられた人は数多くいました。
　ｉ|.: :.,ハ斗-女　　　　乂rぅ}: i|: : : ;
..八 /: : :《乂rぅ}　　　　　ｰ‐　i|: :}:/　　　　　　　.まして諸葛亮の徳義は遠近に渡って手本とされ、
　　＼:.:.:.∧ ｰ‐　　ｉ　　″′ i|: :}′　　　　　　　勲功はこの末代を覆っていて、
　　　ハ:/:,ハ′″　　　　刈 ,ﾊ　　　　　　　王室が破滅しなかったのはこの人のおかげでした
　　 ′ ∨ :分o｡　　　'　　ィ : : /}ハ_＿
　　　　ハ:{:|ぃ:.:|:.{≧=≦ |i: : ∧}‐匕　 `
　　　￣ﾉ劜,ﾊ:.|い　　 ,ﾘ/,:′ｉ　|　　　 ";　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　:　　　 | i : :}八ﾉ　＿/{/:i| {　|　|:　　　 ;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. .: ´.::.::.::.::.::.::.:ヽ
　　i　　　 | |: :/　逃0s0/:/i|八ﾉ　|i　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／.::.::.:_:.､::.＜:.:::::.::.::.:､
　　|　　　　| |:/ ＼｀￣/:/,'乢　ヽ ||　　　.│　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 {二}|￣￣||::.:ヽ: ::｀.:::.::.::.::.|
　　|　　　Yﾉ′　辷竺彡, 　 i　l Ｎ　　　 │　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 {三}| 　Ｅ|ト--i::.::.::.::.::.::.:::.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉‐亠┬＜ｰ‐┤::.::.::.::.::.::.::|
　　　　　　　　蜀　尚書　向充　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ｉ.::l|.::/　　ﾐ､::.!::.::.::.::.::.::.::.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 .l'∨!::|TT　　ﾐ,r|::.::.::.::.::.::.::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　｀ゝ!∪　　 ' f|::.::.::.::.::.:.:;′
　　　　　　　そのような人物の祭祀が野で行われているのは、　　　 .　　　　　（　_　　　ｰ|::.::.::.::/::/
　　　　　　　徳義を保存し勲功に思いを馳せ、　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　｀ー‐┐_＿|.::.::.::.i::/!
　　　　　　　過去を追憶する方法に外れていると習隆は主張します　　　　　　　　　 ,r'´　__|:|!::.::.l/.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　/　／　ﾉハ::.人 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j／／｀ヽ　 }' 　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀Ｙ,　⌒ ､〉,'|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　.|　　　 | l |

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　この年に諸葛亮廟建設を提案した向充・習隆らの意見を紹介しよう
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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729 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/05(月) 00:08:59.39 ID:P+hXnLvKo

なんか建てることに不都合あるん？
礼の決まりつったっていくらでも理屈付けられそうなもんだと思うんだけど

730 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:10:46.89 ID:lY00rT6go

i..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:../:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..
|..:..:..:..:..:|..:..:..:..:..:|:..:..:..:../:..:..:..:..:./:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..|:..:..:..:..:..:..'
|..:..:|..:..:..:..:..:..:..:..:|:..:..:..:..:..:./:..:../:..:..:..:../:..:...}:..:..:..:|:..:..:..:..:..:...i
...:..:..:..:..:|..:..:..:..:..:|:..:..:..:|:../:..:../|:..:..:..,ｨ:..:..:,ｲ:..:..:..:..:..:..|:..:..|:.:..|
|..:..:|..:..:..:..:..:..:..:..:|:..:../ }ハ从{ l:..:.:./　:.:./ |:..:..:..:..}:..:..:..:..:|:.:..|
j..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..lハ{≧ｭ､　　 }ハ{　 |:i:.　|.:.:/:,ｲ:..:..:..:..,ｲ:.:..|　　　　今、もし民衆の心情に従うのみなら、
..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:|　ｧ＝=ミヽ、　　　从{　},ｲ/ ,:..:../:..:..:|:..:..|　　　　祭祀を混乱させて無原則になるだけでしょう。
.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.|　7示心'｀ヽ＼　　　　 ,ｧ=､ノｲ:/..:..:..:..:..:..|
..:l:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.|　 ⌒)ソ　　　　　　　ｨ行ﾘハ/:..:../:..:..:..:...|　　　　ただ、廟を都に建設するとなると、
.:ﾊ:..:..:..:..:..:..:..:..:..:|　　 ~´　　　　　 {iソ ′':..:..:..:..:..:..:..:...|　　　　宗廟に近すぎるのが問題となるに違いありません。
.{ j:..:..:..:..:..:..:..:..:..:|　　　　　　　　　　　 ~´　/:..:..:..:..:..:../|:.:..|
　ﾉ:.:..:..:..:..:..:..:..:..:|　　　　　　　　　　 ′ 　 ,:..:..:..:..:..:..:,　,:..:..|　　　　これが、陛下の御心が迷う理由と思われます
..ｲィ:.:..:..:..:..:..:..:..:.|､　　　　　 _　 _,　　　ｲ:..:..:..:..:..:/:i./:..:...|
　ﾉ:.ｲ:..:..:..:..:..:..:..:| 　､　　　　　　　　ィ:..ハ:..:..:..:../:..:|:..:.|:.:.|
./..:/|:..:..:..:|..:..:..:..|　　　＞　　　　＜:..:.}:..:..:..i:..:..:..:..:..:..|:..:.|:.:.|
...:/　:..:..:..:..:..:..:..八　　　　　厂　　／个､:..:..:..:..,ｲ:..:..:..:..,ｲ:.:..
　∧jハ/ j:..:...∧:..ヽ＿_ ／　／　,:介 }:..:..:..//:..:..:..:.//:..:.|

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　確かに、皇帝に匹敵する人物の霊廟が都にあるのは都合が悪いですね。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　魏では司馬懿が生きていた頃から、
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .司馬家の宗廟の建設が認められていたりしますが……
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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731 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:11:51.18 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　／ . :／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼　　　
　　　　　　／ . : : : : : :/: :/: : : : : : : :i : : : : : : : : : : ｀､　
　　　　　　　 . : :/ : :/:/: :/: : : : : |: : : ｉ : : : : : : : : : : : : '.　
　　　　　　　　. : :〃: :/:/: :/: :|:|: i : :|: : : | : : : : : : : : : : : : : .
　　　　 / :/: :,-i: :/|ｲ:　'ｉ: :i:|:|: i : :|: ｉ: ｉ| : : : : : : : : : : : : : ｉ
　　　　　/ :/: :/:| |/｀Y|/　|: 从|: i : :|: |: ｉ| : : : : : : : : : : : : : |
　　　　 :/: :/.斗=ミ .　　|/-ミメ : :|: |: ｉ| : : : : : : : : : : : : : |
　　　　∧ .′.{{　.'´}i　　　ｉ__｀}:/|: |: ﾘ : : : : : : : : : : : : :　
　　　　､{　　　. .　ﾋrﾘ　　　斗=ミ: .|/|/. : : : : : : : : : : : : .′　　廟の建設は墳墓の近くが適当です。
　　　　　 . . : .′　ノ　　　　 .'´}ｉい　. : : :/ : / : : :/: :/
　　　　　ｉ: : :{　　}　　　　､_ﾄｒぅ从: : : :/ : / : : :/: :/　　　　これを沔陽に建て、
　　　　　 | : ∧　　　　　　　　｀¨´/ : : : / : / : : :/: :/　　　　　親族に時節に応じて祭らせるのが良いと思います。
　　　　　 | / .∧　｝　　　　　　　/ : : : / : / : : 〃: .′
　　　　　. : : : |i .　　　　　　　 . : : : / : / : : /　､{ 　　　　　祭祀を行いたいと願う元下役たちは、
　　　　 . : : : |/|ｉ冫､__＿__ ／ : : : :/ : / : : /`￢　　　　　　すべて霊廟に行くのみに制限して、
　　　ノ{: :/:从ﾘ. : : :ﾊ: }／. : : : : :/ : /: : : .′　]_　　　　　　 .個人の勝手な祭祀は禁止しましょう。
　　　　　､{､{　ノイ_j厶Ⅳ : : ／ : / : /: : : : i　　｛
　　　　　　　 ´　　/ . :／ { : /i: :∧ : !､ :| 　　〔　　　　　　　どうか正しい礼を高めてください
　　　　　　 / 　　 .{ : /　　､{　､{　丶いハ　_√
　　　　　　　 {　　／　､{　　　　　　｀　　　　 ,√
　　　　　　-‐’‐.　　　　　　　　　　　　　　　厶　
　　　 ´　　　 _/　　　　　　　　　　　 /
　 .′　　　 {ｘⅨ宀Ⅸｘ　　　　　　　　 /　
　 {　　　　　丨　　　　　Ⅸ 　　　　　 /　
　　､_　　　　！　　　　　 Ⅸ　　　.　　 /　　
　　丨¨´　　！　　　　　 Ⅸ　/　　/　　　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　彼らの上奏は劉禅の心を動かした
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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732 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/05(月) 00:12:42.13 ID:P+hXnLvKo

あーなるほどそういうことか＞皇帝に匹敵する人物の霊廟が都にあるのは都合が悪い

733 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:14:24.49 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年春　蜀　益州　沔陽】

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　　　　　　　　　　　　　　ﾉ=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.-.=.ゝ､
　　　　　　　　　　　ｷIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIﾔ.
　　　　　　　　　　　ノ＿二三_-=＝-＿─￣三─≡￣-三=＝_-二＝三≡-_─＿二三_-=＝ヽ､.
　　　　　　　　　／二＝_-三￣≡_-=＝─≡_-￣_=≡＿二三二＝_-三￣≡_-=＝─≡_-￣_=＼,,
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(:: ;;;;ソ;;　)　;::ｿゝヾ)　;;):::)==ii==ii==ii==ii==ii==|^|＿＿＿＿＿＿＿＿＿|^|==ii==ii==ii（ソ∴∵丿　∴(;ゝ(:::∴　ｿ)::〆:ソ
(:::　:（;;;;;（　 ;::).　(;ゝﾉ ::)Y...||￣￣｀ﾞr|￣￣￣/l--------------------lヽ￣￣￣|（∴ﾐ∵丿 ;`ﾍﾞ∴;（∴　∴(;ゝ(:::∴　
((:::(::;〆;;;ゝ;::　;::))(　;::),ﾌﾞ__||_________||________/l----------------------lヽ____（∵ゝ丿;`ﾍﾞ∴;(;ゝ(:::∴　ｿ)（∴　∴::〆
`ﾍﾞ(; ゛(;;;　(::::　ｿ)::〆:ソ|il!li!li|il!li!li|il!li!li|il!li/l------------------------|ヽ　(;ゝﾉ∵∴;（∴)::(:;;ソ∴∵丿∴ゝ∵:(:;;∴
: : : : : : : : ゝ|;iｌ|!|ソ´~: : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : ; : : :ゞ|;iｌ|!|;iｌ|!|/: : : : : ; :
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　諸葛亮廟は、彼が漢城を築いて北伐の根拠地とした沔陽に建設された。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　遺体の眠る定軍山からも程近い
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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734 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:15:35.29 ID:lY00rT6go

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　　　　　　∨:::/::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::/::::;
　　　　　 ∨:::::::::::::∧　癶=≠´￣　　　　　　￣｀≠=癶::/!::::/:::::::/::::/
　　　　　　　 }::::::::::::/::∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:://:::/:::::::/::::/　　　それにしても大将軍、
　　　　　　　 |:::::::∨::/::∧　　　　　　〈} 　　　　　 /:://:::/:::::::/::::/　　　 .いつになったら戻って来るのかしら？
　　　　　　　 |:::::::::∨:::/::::.　　　　　　　　　　　　　 /:://:::/:::::::/::::/
　　　　　　　 |::::::::::::∨::::::∧　　　　　　　 __ 　　　　 {://::::i::::::::/::::/
　　　　　　　 |:::::i:::::::::∨:/:分､　　　　 ´--｀　　　　 l'∧::::|:::::/::::::{
　　　　　　　 |:::::i::::::::i::i:/:/:::i:::＼　　　　　　　　　／::::::::::!::/:::::::::!
　　　　　　　 |:::::l::::::::l::l::/::::::!:::::::i`ト .　　　　　　　イ::::::::::::::::|:::::/::::::|
　　　　　 .:::::/i::::::::i::|::::::::::i:::::: |::i::::}　ー一　　 {:::l::::::|i:::::::::|::::i:::::::::::.
　　　　　　/::::/ .!::::::::: !::::::::ﾘ::::::::!::!ノ⌒ヽ　　　　 |:::i::::::|i:::::::::|::::i:::::::::::::＼
　　　　 /::::/　∧::::::ﾘ:::::::/:::::::: i/　／＼}/⌒ヽ.ト:i::::::|i:::::::::|::::|::::i::::::ﾄ､:::＼＿__ノ
　　`ー≠:::/{__/　i::::/:::::::/´￣／／　　　ヽ-､　＼￣八:::::::|::::i´￣ヾ- ＼{￣
　ー‐彡'´￣i./　/::/}八:/　 ∨／　￣￣ヽ }　＼　＼　ヽ:::|::::i　　　 i　　　｀ヽ

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　向充は荊州襄陽郡宜城の人だお。
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　兄貴は『出師表』に出てくる向寵で、
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .本人は射声校尉・尚書を歴任してるお。
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　来敏の子の来忠と共に、
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .姜維将軍の補佐役として名が出る一人だお

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735 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/05(月) 00:15:48.97 ID:P+hXnLvKo

ですぅ廟ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

736 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:16:15.40 ID:lY00rT6go

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ー）（ー）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　.どうも姜維の北伐は、
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　末期は孤立無援という印象を持ってしまいますが……
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　ヽ　　　　　 |　　ﾉ
　　ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　ガチで孤立無援なら、それこそ北伐なんてできないお。　　　　　　　　　／⌒　　ー　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）　（● ）　　　ヽ
　　　　成都の情報なんかも向充あたりが知らせてた気がするお　　　　　　|　⌒（__人__）⌒　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼

　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　　蜀で政務に携わった人材は荊州出身者が多い。
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/　　　　　　　　　それは、蜀の末期になっても変わらなかった
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

737 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:17:21.40 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年春　蜀首都　成都】

.　　　 /::::::/::::::/:::::::::::::::::::l､:::::::::::ﾊ:::::::ヽ::::::::::lへ
　　　/:::::/:::::::/.!::::::::::::::::/j∧:::::::::::l:::::::::::l:::::::::|:::::ヽ
　　 |::::/:::::::/__l::::/:::::::/l:/⌒＼::::::!::::::::::l:::::::::|:::::::::丶
　　 }:::':::::::/´　!/j::::::/ /　　　 V::|:::::::::::!::::::::|＼:::::::::＼　　　　　　父上。
　　　|::l::::::::l　　_　l／　　 ,ｨfう「ﾟ圷}:::::::::::}Y:::ﾘ　＼:::::::::＼
　　　|::l::::::::l　ｨfﾔ心　　　弋ぅツｌ:::/:::::l }::/　　　　＼::::::　　　　 .近いうちに機会があれば、
　　　}∧:::::::ﾍ乂ぅﾂ　　　　 ´,,,, /:/::::::/／　　　　　＼　　　　 .家族みんなでお爺様の所へ行きましょう
　　　i!　}从:::::'.　,,,,,　､　　　　　　l:/:::::/´　　
　　　　　ヽ::V:::ﾍ　　　､‐ ｧ　　　 j:::::/､_　　
　　　　　　八:.:.:人　　　｀　　　ィ｝:/≦丶　
　　　　　　／丶:.:＼:.:.:＞ ≦匕..-──--ﾍ　
　　　　／::::::／＞､ｊ｀　,斗≦--､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　
　　　／::::::／　　　　__/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　　　　　 /::::::::::/i:{:::::＼::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::/::/　ｉ|＼⌒＼::::::::::::::::::::|:::::::::|
　　　　　　　　蜀　諸葛瞻の子　諸葛尚　　　　　　　　　　　　　　　　.:::::⌒ﾒ　　|　＼: __ヽ:|:::::::i:::::|:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::: ｉ::八_　l　　ィr'心}|::|:: |::: |:::::::::|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:i:: 从f´心　　弋iソﾚ‐: |::: ﾄ::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |八::::ﾊ. Vｿ　　　､､ |:::::l:::::|ﾉ:::::::.
　　　　そうだな。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 Ⅵ:::､、 '　　 _　　 │/j:::::|::::::::::::、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ::∧　　ﾏ:::ﾉ　　ﾘ'::/::: ﾊ:::::::::::::＼
　　　　お前たちの大きくなった姿を父上にも見てもらいたい　　　　　./:/:::介ﾄ:.. 　　イ/:::::::::∧::丶:::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::/::八::::｀Ｔ:::::∨::/::::/　＞''＾⌒＼::::::丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::/::/　＼_:ヾ::/:::/::::/ _｣　　　　　＼::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::/::/　　　　／:／::::/　|　　　/　　　　　｝:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::／　　　／::イ/:::::/ ＜　　　　　　　　人::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　衛将軍　諸葛瞻

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　やがて……
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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738 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:18:11.07 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年２月　魏首都　洛陽】

　　　　　 l/　　　　　／　 /　　　｀ヽ　　ヽ l
　　　　　 l /　　　 /　　 /／＼　　｀ヽ　　.l
　　　　　 l´　　 /　　 v´　　　ヽ　　　ヽヽl
　　　　 l　　 /　　　/　　　　　　ヽ　　ヽril
　　　　 i　　 /　　　/_____　　　__,-ｰヽ　 ii　l
　　　　 l　　/i　　 ┬ｰ┐　　　 -ｰ┬i　 l　.|　　　　　　　　やはり、引き受けては頂けませんか？
　　　 l　 //　　 /ヽじｿ　　　　じﾉ l　 ii /
　　　　l　 /i　　ハ　　　　　　　　　 / 　ﾄ
　　　　l　/ l　 ./　ヽ　　　　　 / 　 /ヽ
　　　　l　／　ﾊヽヽヾヽ､　- - ,ｨ´//i l;;ヽヽ
　　　 /ヽi.-l /;;;;ヽヽ／´　｀ｰ ´ ヽ_//; ; ;|ｰｰヽ
　 rｰｰィｰ-ゝ-ｰｰ´　　　　　　　　ﾚ｀ｰｰl 　　 i｀ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ７´　　　　 ',　　　　ヽ
ノ: : : ヽ i´　ヽ,　　　　　　　　　　　　　 /｀ｰｰ |: : : ヽｰ- 　　　　　　　　　　　　　{´/　　　　　　　　!　　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ'１,'　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　魏　皇帝　曹奐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .∨ﾞ!　　　　　　 / i　　　　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　 /　|　　　　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽｖ　ヽ　　　/　ハ　　 , .λ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.,.=i＾ヽ.　 ',　　' 　.人　ヽ.　/ /} ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{/　ゝ.ハ　　　　　/　｀､ ./ /ｨノ　!!
　　　　　　　私めには功も徳も不足しておりますので　　　　　　　　　　.ﾞ　　,. ｺ┴‐-､　　´,､_｀__ ／￣｀i　"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　レへ、　./ﾆl=´ ‐┴〈__ ,. -'＾ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　｀ﾞ＜´￣￣￣フ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '　　　　　　　　ﾞ＝=＝"　 ',　　　　 .〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ'　／　　　　　　　　　　ﾊ　　　l　ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　´__　　　／　　　　　　　　ﾊ￣　　　＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　春が終わり……
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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739 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:19:32.93 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年夏　魏　雍州　長安】

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（ ●）（●）
　　|　　　　（__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　　　　調べた限り、進軍経路は駱谷道と斜谷道を用いた方がよさそうですね。
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃　　　　　　　 .こちらの大軍を速やかに通すとなると、選択肢は限定されます
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -r"　　　　ｰ
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/　　　　　　　　　＼
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　､ lヽ　　　＼　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　| | l＼ l＼　　　丶　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /l　 l､| l　　ヽヽ､　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l　kj,l　l L､＼rtゝ l |　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lj､jl'弋lヽ.Y'´kぅl j| lW／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　,　　　　　|//ｨ '|　|
　　　　いずれにしろ、秦嶺を越えるのはさほど難しくない。　　　　　ヽ　'-　　　　　/　l､Ml7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣゛　／＿＿／ヾ
　　　　蜀軍は漢中の城砦を固守しているのみと報告があった。　　　　　. ｰ '　　　　　　　／　ｰ　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／=＝￣￣￣￣　　　　　　　ヽ
　　　　興勢の役のような事態にはならないだろう　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　……夏が訪れる
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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740 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:20:09.98 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年５月　魏首都　洛陽】

　　 .∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　　　　　　　＿＿＿＿＿| .::|─Λ
　　 .∥　　　　　　　　　　　　　　　　 Λ　　 /| |n_n_n　　　　　∧　　n_n_n_n_| .::|⌒| :|へ
　　 .∧　　　　　　　　　　　　　 i.　 | i'´￣`ｉ∨　 . ::|ニニニニニニ|...　　　　∨　 .| :|￣|
　　∧ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　 Λ　| |'´.:∧| |　 . . ::|　ﾛ　ﾛ　ﾛ　ﾛ .|::: .　　　.:.:|_n_n_n_n_n
　 ΔVΔ　　　　　　　　　　　　 | :|ﾍ| |　/ n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n　. :::|　　　　　..:|
　 ||:||:||:||　　　　　　　　　　　　n_n_n_n_n_n_n_n_|::.: .　　　　　　　　　　　. :.:::|_n_n_n_n_n_n_n_n_n_
＿||:||:||:||　　　　　　　　　　　　|::.:. .　　　　　　 |::.:.n.　　　n　　　　n　　　.n.:.:::|　　　　　　　／￣
　 |=＝=ト、　　│　　　　　　　|:: . . `＝f==f===|::.:. .. i | i　　　　　　　　 . :.:::|　　n　　 ,∠＿＿＿
＼＼|＿|　＼n_∥_ｎ_ｎ　　　　|:: []＿＿|＿|＿_.|::.:. .. l!ﾍl!　　｢| 　｢|　　　＿＿__|＿＿＿_.|] [] [] [] [
]士ェェェェェ|　∥::ﾛ:ﾛ|＿__、 |::.|X⌒X⌒X⌒X|::::.::. |曰||　 .|.|'⌒|.|　　/_n＿n＿n＿.n , .|========
　| /Λ /Λ:| ／/＼ :::|─‐ﾍ.∧二二二二二二二二|TT|　 :|:| 　 |:| 　.| :|ﾛ|: |ﾛ|: |ﾛ|: ／　|工工工工
　| || ||. || ||::| _./＿_.,>:| ﾟ_ﾟ::ﾟ::|　|_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l]_l.|.|_l.|-──────────|ェェェェェェェェ
　| ||_||. ||_||::|　| ｢| ｢|| .∠∧┴/_n＿n＿n＿n＿n＿n__/　l]　l]　l]　l]　l]　l]　l]　l]　ｌ]|┴r┴r┴r┴r
]士ェェェェェ] | ｌ｣ｌ｣|ヘ、| |:::::| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　/_n＿n＿n＿n＿n＿n_/￣￣￣￣￣￣￣￣
　| ∠二二ヽl=|====|￣|::| |:::::| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　| ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ　ﾛﾛ /_n＿n＿n＿n＿n＿
　| ||:::::::Λ::| l: | ｢| ｢ ∧　　　　　　∧　　　　　 .∧　　　　　　∧　　　　　 .∧　　　　　　∧
┬┬┬| :|┬┬┬┬| :l┬┬┬┬.| :l┬┬┬┬| :l┬┬┬┬.| :l┬┬┬┬| :l┬┬┬┬.| :|┬┬┬┬‐
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./⌒ヽ :| ::| 〃⌒ヽ　| ::| ,〃⌒ヽ　| ::| 〃⌒ヽ　| ::| ,〃⌒ヽ　| ::| 〃⌒ヽ　| ::| ,〃⌒ヽ　| ::| 〃⌒ヽ　|
二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二二;l二
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＿＿;l＿＿l／´,＞┴─┴‐─┴‐─┴‐─┴─┴─‐┴‐─┴─┴─‐┴─‐┴─┴─‐┴─‐┴

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　景元四年夏五月。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　詔勅が下った
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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741 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:22:05.77 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -―-　､
　　　　　　　　　　　　　　,.r'"　　　　　　｀ヽ,
　　　　　　　　　　　　 ,.'　　　　　､　　　 `,
　　　　　　　　　　 ,."　,､　　　　ヽ　､　 i.　l
　　　　　　　　　 f　 /　'､　､.　　 l　ヽ :l　 |
　　　　　　　　　　　l　./　　`､　ヾ　　 '､　 j ::l､
　　　　　　　　 i .l-　　＿ヽ,_'､　,r"y　ﾉ::;' l
　　　　　　　　　　ヽ「l　　 i‐,ヽ　i..: :: :::i　 l　.|
　　　　　　　　　　　　ﾄ'　　 i.ﾉ　`, ヾ::. /l:::: |　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　 i 　 /,;;i ;:;:| l::::|　　　　　　　　　蜀は小国で領土は狭く領民も少ないのに、
　　　　　　　　　　　　__ヽ､-　　_r'".|;; ,;;;l　ﾄ､.:::::::ﾄ､　　　　　　　 .姜維はその軍勢を酷使し、
　　　　　　　　　　 ,.r´:;:;:;:;:;:;ﾄ―‐'´.|/::　　/;;;ヽ / ::|　　　　　　　 .全く素志を放棄しようとしません。
　　　　　　　　 __.ｲ /;:;:'__,--| '''''';;;;;;'､/:::::''' ,,, ヽ､ ::ﾄ.,
　　　　　　 ,.r'"　　.l;／:::: 　 l　　.:::::::｀ヽ､:::ノ｀lヽ､_ ::|　　　　　　先年敗北した後も沓中で耕作を行い、
　　　　　 ,'　　,　　::ヽ::::::｀ヽ `　／::::,r'´~　 _ :lヽ-' ::ﾄ､　　　　　 .多くの羌族を酷使し、果てしなく役務を課し、
　　　　　l　／　 r-､`､:'　　　　' '''''/　　_-~　;;|`ヽ｀ヾ.::i　　　　　.民衆はその命令に耐え切れぬありさまです
　　　　　l , '　　ﾉ　｀`ー､__　　／　-‐　　　　　..ヾ;l :::ﾄ､
　　　　r'"_., -'"´　　　　　　｀‐'ヽ/｀`ヽ､　　　　:;;　'､‐' ::l
　　　,-'´~　　^''_,.r'´｀`ヽ､,_　　　//｀`ﾌ./｀ヽ　　 ' 　 `i :::j､
　　l´　　_,r‐'"´;;;;;;;人''';;;;;;;,,｀ヽy'./　 /./｀ヾ　　　　　　| l :::i､
　　 i,.r';;;/　　'';;;;;:/:;:;:ヽ､'';;;;;;;;;;;;ヽ｀`‐'./｀ヾ:::.　　　　　ﾄ､_,l.ヽ
　　/;;;;;/　　　､ '/;:;:;:;:;:;,l　 ''';;;;;;;;;;ヾ￣ヾヾ　 r'"　ヾ､　　ﾄ､ ::: |
　ヾ;;/　　　ヾ" ヽ;:;:;:;:;ﾉ　　　 ';;;;;;;;｀ヽ　､　ヾ'　l　　　　　|_,r-'ヽ,
　　 /　　　　　　　＼'"　　　　ヾ__:: ∧　ヽ　　　 ''　　　　|ー―,'
　　|　　　　　　　　　｀ヽ､＿　ヽ:::...|-ヽ　｀ヽ　　　　　　ヽ￣~.>
　　＼　､_　　　　　　　 // ｀‐､ ::／￣ヽ　ヽ　　　　　　 |￣:ヽ

───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　／　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　
　／　　─　　 ─＼　　　　　　　　　　　 .ついに始まるのかお？
／　　‐=・=‐　‐=・= ＼　　　　　　　　　　
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／　　　　　　　　　　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

742 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:24:57.02 ID:lY00rT6go

┏───────────────────────────────────────────┓
　そもそも、弱者を併呑し道に外れた者を攻めるのは、
　武力行使の良い方法であり、敵を近くに誘き寄せても、敵に誘き寄せられないのは、兵家の上策である。

　蜀が頼みとしているのは、ただ姜維一人である。

　彼が遠く本拠を離れている事に乗ずれば、武力を行使するのは容易い。
┗───────────────────────────────────────────┛

　　　　　／￣￣￣＼
　　　　／／　　＼＼
　　／　（●）　（●）　＼　　　　　　　……姜維将軍だけと言われるのがもうね
　　 |　　　　（__人__）　　　　|
　　＼　　　｀ ⌒´　　　／
　　／　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　 |
　　　　「姜維不在の隙に蜀を攻略する」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -ーー|　　　　　　 /ﾚ、
　　　　これが義兄上と鍾会の基本戦略となります。　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::: ヽ__､____,.　"/::::）- 、＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:::::::r/::::::::::::::「二二二 :::::::／::::::::ノ::::::＼
　　　　作戦上最も重要な　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,―――――へ.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　姜維の足止めはあの男に任されます　　　　　　　　　　　　　〝――ｒ――ｰ｀ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::ﾉ} ―‐-　　Ｖ::::::::::::::::::::::::::::::,′::::::::::::::::j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::ﾄ-ゝ―‐　　　Ｖ:::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::l:::::{ _ー　　　　 lヽ、_::::::::::::/:::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::l:::::::::::｀ヽ、__／　/ ::::::＼/:::／::::::::::::::v

743 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:25:43.22 ID:lY00rT6go

【紀元２６２年５月　魏　雍州　狄道】
┏────────────────────────────────────────┓
　今、征西将軍鄧艾には諸軍を統率して、甘松・沓中に進発し、姜維を生け捕りにする事を命じる。
┗────────────────────────────────────────┛

　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　＼＼
　　　　　/　　　 / ））））　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　/　　　／＿ ⊂ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ヽヽ　|＼
　　　/　　　/|＼＿／￣￣＼_／|　　　　　　i 、、.　| ヽヽ　|＼　　|　　＼
　　/　／　＼＼＿|　 ▼　▼ |_／　　ﾄﾞド　|ヽ　　|＼　　|　　　　|
　 / ／　　　　＼　　＼　皿／
　　　　　　　　　　ヽ　　　　　 ⌒＼　　
　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　／>　>　　　　　　　　　　　　　　　　 /{::|:＼:::::::＼.:.:.:＼.:.:.ヽ::.::.ヽ:.:.ヽ::::::::::.:.｀゛ｰ- ..,__
　　　　　　　　/　　　　／　6三ﾉ　　　　　　：　何　：　　　　／:|::',:ﾄ､::::::ヽ､:.＼:.:.:.＼:.:.ヽ:.:.:＼.:.:.:.:.:::.:.:.:.:::.::::_;:-'´　　：　：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：　が　：　　　//:/:::|::',|::'､:::::::::＼:.:＼.:.:.ヽ:.:.:＼:.:..＼::::::::::::＼､::::＼　　：　：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：　何　：　　/!::|::l::::/|:::l:ヽ:＼::ヽ:.:＼:.:＼.:::ヽ:.:.:ヽ:.:.:.:＼::::::::::::＼￣. 　　：　：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：　だ　：　　|/l::|::|::|:ﾄ､:::::::::､､:ヽ､:.:.:.:::::::::::::::ヽ::::.:ヽ:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:::＼　　：　：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：　か　：　　|::|::/l::|::|r‐ヽ:::::ヽ(ヽー,―＼::::::､::::::::::ヽ::.:.::::::.:::::::ヾ.￣.　　：　：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：　　　：　　}//l::|:::|{（:::）ヾ､:::ヽ＼!（:::）ヽ,:::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ、　　：　：
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：　わ　：　　|/l::|::|:::|ヽ==''" ＼:ヽ、ヽ=＝'" |:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､::::＼
　　　　　　　　蜀討伐？　　　　　　　　　　　　　　か　　 /　',|::|:::|　　　/　　｀゛　　　　 |!::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､::ﾄ､_｀゛`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ら　　　　　　l::!::::ﾄ、　'､　_　　　　　　　 ||::::::::::::::::::::::::ﾄ:ヽヾ|　|￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　な　　　　r'"´||',::::',　　　　　　　　　　 |:::::/l:::::|＼:::ﾄ､ヾ |　| 　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　い　　　/ 　　ll　',::', 、ｰこﾆ=-　　　　　 /!::/ ヽ:::|　ヾ､　ﾉﾉ　　／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　　 | 　'､:, ＼　--　　　　 ,. '´　|;'　 l ヾ､. 　／／　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　|!　　ヽ; 　ヽ　　　／.:　　 i! 　/ 　゛／／　|l　　　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　征西将軍　鄧艾

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　ようやく鄧艾登場かお？
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

744 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:28:31.02 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年５月　魏　雍州　上邽】
┏──────────────────────────────────────┓
　雍州刺史諸葛緒には諸軍を統率して、武都・高楼に進発し、前後から追い立てる事を命じる。

　もし姜維を捕虜にしたならば、東西から同時に進撃し、巴蜀を掃討せよ。
┗──────────────────────────────────────┛
　　　　　　　　　　　　_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,､__
　　　　　　　　　,＜二ゝ､冫ソL;_=二ヽ
　　　　　　　　/ ／￣　｀'｀´´^￣゛ﾞヽヽ
　　　　　　　 /｛　　　　　　　　　　　ヽ,ヽ
　　　　　　　// 〉　　,,　　　　　-‐-、 <、ヽ
　　　　　　 /´,/　 ,ﾆ,,,..､,　 _,ｨﾆニヾ､　i　ゝ
　　　　　ﾉ // ,<ｼ´　､､　　,;/,　｀丶ヽ､丶ゝ
　　　　　'^〕､i!　　＿,,冫i　 ;: ､,＿,、　　〕,､｀>
　　　　　｛;ｉ｀iﾞ‐-(´'´::　｝-‐-Y´ ::､ )-‐'i´;)｝　　　　　　　　　こんな話初めて聞きました。
　　　　　　iゞi::.　｀ﾞ‐‐,'´､　 , t｀--´　 ,;!ﾚ,i´
　　　　　　i ﾍi'::.　　　^ヽ､___／｀ヽ　　!.|;i｝l　　　　　　　　　　鄧艾殿は知っていたのでしょうか？
　　　　　　 i　j　　 // i i　 ;''" iヽヽ　　 i　j
　　　　　　　｀ i! ,j (､/L;i_しi_ゝﾚ,v冫i　,j｀´
　　　　　　　　 i ｀'‐-　｀,￣￣´　-‐ﾝ,/
　　　　　　　／^ヽ､、､　　　｀ﾞ　　　／i::＼
　　　　　　/:::::::f^ﾞ‐｀ﾐ‐;::､___,,,-'ン´　 i::::::::ヽ、
　　　　 ,ノ:::::::::｛　　　 7‐--‐=´　　　 i:::::::::::::ヽ､、
　__,r‐´:::::::::::::::::i　　　/:::::::::::::::ヽ　　　i::::::::::::::::::::::｀ヽ、＿_

　　　　　　　　　魏　雍州刺史　諸葛緒

───────────────────────────────────────────────
　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　この諸葛緒という人物は、
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　琅邪郡の諸葛氏の一人で、長く鄧艾の下で働いてきた人物です。
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .彼には鄧艾と連携して姜維の退路を断つ役割が与えられます
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
───────────────────────────────────────────────

745 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:29:12.48 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年５月　魏　雍州　長安】
┏──────────────────────────┓
　また、鎮西将軍鍾会に駱谷を通って蜀を攻撃する事を命じる。
┗──────────────────────────┛

.　　　　　　　 ∨∧ .　ﾟ　　　　 ∨::.｀｡＿
.　　　　 , 　¨__￣二, ´　　　　　　　 V::ﾊ　＿　｀ヽ
　　　 /　/　　／::,　　　　　　　 ,ヾ:}´ ∧　､　:
.　　　 :　 .　／:::イ　 /　　　'　　　 /:::/　　　ﾟ｡ !　,
　　　　|l　l ´ 　　 i 　 '　　　　　　ムｲ .| 　 |　|ﾉイ
.　　　从 |　　　　|　　　　 ! 　　　　 |⌒ ｌ ,　　　　　　　　私たちだけで蜀まで攻め入るんですか？
　　　　　ヾ　　　 |　 |　　　 |　　　　 ,从 //
　　　　　　　　　　|　 |　　　 |　　　　 /┃|
　　　　　　　　　　|　 |　　　 |　　　　　/
　　　　　　　 /|　 |　　　| 　　　 ' 　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,...::´:.ｲ:::::i:::＼:::::｀:..、
　　　　　　　 /　　 ,　　　 !　　　 :¨ ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.::／.:::!i:::::i::::::::ヽ::::::::＼
　　　　　　　 ,　　 / 　　　　　　ﾟ｡‐ ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.':/::/::::i:::::!i::::::!:::ヽ:::::!:::!:i:::.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..　/::/::::!:::!::i:::::!i::::::!::::::::::::!:::!::!::i::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::i::i:::|:::i::::.::::i:!:::::i::::::::::::i::::!::i:::i:::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::i::i:::|::::ヽiヽﾘ､::::!::::::::i::|::::!::i:::i:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !ヽ::ﾄ､!ヽ:::ｊｨ赱ﾊ::!:j::i:::i::! ヽ::i:::i::ﾄ､
　　　　　いや、追って洛陽から援軍が来る手筈になっている。　　　　　　ヽﾞ7　　´ 　ﾉﾉ |::i/:::!　j:::i:::iﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 _　　　　　　i/ ヽiイ:!::i:::i'
　　　　　どんな面子が来るかまでは聞いていないけどね　　　　　　　　　ヽ_.. _ 　　　 / 　ﾄｊ:::ｉN
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 iｰ　　　／　／｀｀｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ--ｒｒｆ´　／　　 ,　 ´＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄi´／　 ,　' ,...:':::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i !j　, .', .'.::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //' / ./.:::::::::::::::::::::::::::::::!

746 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:30:01.96 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年５月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　／:::､::::::､::::::､::::/::::jL､
　　　　　　　 /:::/::/＼:::＼:::辻-く仁､
　　　　　　　　　i::::i::/__　｀ーﾐ _∧ ﾆ/{
　　　　　　　　　l::::ﾚ.ｧﾆ､ヽ　ィﾆ､ﾍ_ﾉﾚ'
　　　　　　　ﾞ:｣ ´込ｿ　 . 　込ｿ i::/　　　　　　　　　　さあ！
　　　　　　　　　/∧ ￣　r==┐￣ ∧ヽ
　　　　　 , --､ {!`ｰヽ. 　､___ﾉ　メｰ' i}､　　　　　　　　　そろそろ始めるかしら！！
　　　／￣>‐､｣::_:_:_-:i＞┬＜!:-:_:_:_:」i
　　　/　／　/　ﾄ､7∠イ::i⌒i:::iヽ:ﾆ:ﾆ:ノ＼
　＿ヽ　　　 ´/､ __ﾆ｣:::! ﾟ i:::l〉=:､. .ヽ　＼
　＼___＼　　ﾉ/r=_ _｢i::! ﾟ i:/{!三:`ｰ' i　,,　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-―: : . . .
　　／z{::::＼　/::Y <<.　　　､ﾆr=_ノ .::i.:/ ／　　　　　　　　　　　　　　　. :＜: : : : : : : : : : : ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 ,ｨ: : : : : : : : : ト＜: : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.: : : :〃: : :ﾊ: : {　　＼: : : : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　,: : : : / : : /　∨|　-―-＼- : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{: : : : |　, ｲ´　 }/　　 ,ニ_　∨: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : ﾚ　　_ _,　　　ｨんﾊヾ} {ﾘ:|
　　　　　　　　　あの、大将軍。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ ; ::|　ｨんﾊ　　　　ゞ~'　　l : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 ∨: :|〈{　ゞ~′　、　　　ﾑ::八
　　　　　　　　　鄧艾将軍から書状が届いています　　　　　　　　　 Ⅵ:|ハ　　　　　　　,　 .ｲ: : :|: ::、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　Ｙ|: : ゝ._　　｀ー　　ｲ::| : : |: :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 ]|: ∧ : ::≧:ｫ.　　　 k￢: ::|:/: ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l|: : ∧: :}／{ 　　　 j　|: :/￣〉.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 j:: : ㌻∨　∧__　　, / ./ /　 / 　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :;′　　　ゝ＼.　 /　／　 /

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.あれ？
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .開戦まではまだ時間があるような？
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　 .
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

747 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:31:16.35 ID:lY00rT6go

ノ::::/::::::/:::::;:::i| :::l::::::::::{:::::::::::::.ヽ:::::::::::
7:::;':::i:::i:::::::l::::|i::::|::::::::::.l､::::::::::::::::i:::::::l::
:::/::::|:::|:::::::|:::l |::::ﾄ;:::::::::l i:::ﾄ､;::::::::l::::::l:
ｲ::::::l| ::l::::::i.|:|__l_;レﾞ､:::::| l;:ﾄｘ,,_､;;::|:::l::
.l:::::::|:l::::l::::| |! ,,_!;ト､　＼{ ヽｨ　_,,ヾ|/`
. l:::::iﾞl;ヽiヽ! ｲ{ﾟ　ﾞ'r　　　　ィ'ﾟ　ﾞ.}ﾞゝ　　　　　　　　それには理由がある。
　ヽ;!:i;ﾍ;::::::|｀.!cｯ;ｊ　　　　　!c;;;ﾂ　/::
　　ヾ.|i.|:::::::i,　　　　　､　　　　　./::::　　　　　　　蜀討伐に難色を示した人物がいたためだ
　　　ﾉﾞヽ;::､ゝ､　　　　　　　　 , ｲ:;::::;
　　　　　ヽ::｀､{ﾞ' ､　ｰ ‐- .,,r''V//.::/
　　　　　　＼:::l,,ｲ:}::`:::: ''ﾞ .{ヽ//／
　　　　 _,,::‐''´ヾ /ﾞ　　　　　｀'i:.'ﾞ.:｀'ｰ
　_,,:‐''´.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ｰ--､　, -‐-}.:.:.:.:.:.:

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　ヽ__ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（―）　（― ）　＼
　　　　　　　　　　　　　この期に及んでかお？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.　　（_人＿）　　　u　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　いったい誰なんだお？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　l　　　,/　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(＿) 　　(__ ノ　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　___ ,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!､＿__!､＿_＿＿_つ

748 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:32:51.86 ID:lY00rT6go

【紀元２６２年夏　魏　雍州　狄道】

　　　　　　　　　　　　　　／,　'"´:／,.. -‐ﾆ＿＿_
　　　　　　　　　　　　/ /／／::‐''"_;:ﾆ＝== ｀`ヽ、｀`
　　　　　　　　　 {ﾚ:1:::∠二::__::::::::::__:::::`ヾ.ﾆ._ゝ
　　　　　　　　 ,.ゝ::_:; -──- ﾆ:_:::::::''::‐ﾆ__:::::＼
　　　　　　　　 /::::/:､::::::::｀`ヽ､:ヽ::::｀丶､:::::─--｀ヾ__
　　　　　　　　　 /;:ｲ:l:::|::ヽ､:::::::｀ヽ::ヽ＼::ヽ::｀丶､:::::＜￣
　　　　　　　〃/::::/:l:::､:ヽ:`::ｰ-:::::ヽ:::＼::::､:::::::::::::::＼
　　　　　　　 / /1l!:|:i::|:i心::＼:::ミ_ヽ､:ヽ::::＼::::::::弋_⌒`
　　　　　　　 !　|l::|!::!::|{.Ｏヽ:､:::ヽ{.Ｏヽ::::::::::ヽ::::ゞヾゝー
　　　　　　　　　| ／!::|i:::::i｀"´ .;!`　｀ヾ"　|:!:::::::::::ﾄ､|｀ヽ、
　　　　　　_, ‐'7´ 　 !ハ::N 　〈l,. _　　　　ﾊﾄ､!｀iヽ､`　　｀丶､　　　　し、蜀討伐と言いますが、
　　　　　/　〃　　 |　|:ﾊヽ　_,,.......__　　 / ::　ヽ::!　　　　　　　ヽ　　　.あちらに隙があるとはとても思えないのですが
　　　 /／￣｀`ヽ､　　 {.　ヽ　ｰ　　／　.:::　／ ,. -- ､　　 /　 ',
　　　 ,: ′　　　　　ヽ＿＼. ` -‐ '′　　:／.／　　|　＼/　　iﾊ
　　./　　　　　　　　い　　｀ヽヽ､＿_ , ‐-'-./　　　 l |　　　ヽ　 || |
　　.!　1 　　　　　　　i !、 |　|　! 　／/　　/ / 　　| |. 　　　 ', || {
　　,|　 |　　　　　　　　| !|　|　|. i|　/ /〈､t'ﾚ'′　　 |　|　　　|　iﾉ　}
　 / !　　　　　　　　　 | |'　i〉 l　|　ヽヽヽ/ 　　　　|l　|　　　|　|__`'}
　 |! ヽ|　　　　　　　　 | |,.ｲl　|　!　　ヽ.∨ 　　　　 il　 | 　　.!　|　〉 !
　 | ヽ.| 　　　　　　　| |ハ!r|.r| 　　 /　　　　　　 |　 |　　 ! /|V._　i
　 |　　| 　　　　　ヽ`i　|　｀｢|'′　 /　　へ　　　　 |　　i/ ! ! ヽ＼!
　ヽ　 l 　　　　　ヽ !. l.　 |:|　　./　　ヽ　ヽ　　　　 | 　 !　| | 　ヽ !
　　　　　　　　　　　　　|　| 　|:|　_ﾑ rへ　　　ヽ　　 | | 　!|　| | 　 /!.!|
　　　　　　　　　　　　　|　|　 |:| {っ iﾆＹﾆv‐､＼　ヽ　 |/ / |　| |､ //　|
　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣ﾞｰ'＾'''＾￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　鄧艾である。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼は繰り返し異議を述べたと伝わっている
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

749 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:33:54.64 ID:lY00rT6go

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　＼
　　　／　─　　 ─　＼
　／ -=・=- 　　-=・=-　＼　　　　　　　　　あんた、成都に一番乗りしましたやん
　 |　　　（__人__）　　U 　|
　＼　　　｀ ⌒´ 　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:. :ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:ﾊ: :ﾊ:.:.:.',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:..:.ｉ:.:∧:.:.ヽ:.､:. :∨:.ｉ:.:.:.ｉ:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :ﾊ:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /:./:.:.:.:.:.:.∨:.:.＼:.ﾍﾊ:.､ﾊ:.:|:.:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : :ｉ:.:∨:{｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.､:.｀: ｉ l!:ﾄ:ｉ :ｌ:.:.:.|:.:.:.:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :!:.: :',:ﾍ
　　　それに関しては後で述べるが、　　　　　　　　　　　./ '　ｌ:.ｉ:.:.:.:.:ﾍ:.:.:.＼｀ーlハ! ｌ:.:!:.:.:.ｌ.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.: ｉﾊ｀ヽ
　　　司馬昭は頭を抱えたに違いない。　　　　　　　　　/　　 |:.l:.!:.:.:ｉハー一ィr示㍉:ﾊ:.:/.:.:.γ､:.:.:.:.:.: : :/.:. :ｉ.ﾄ､:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;ﾍﾄ､:.ﾊ:.:ヽ　〃八ぅ::} }'ｉ:.:/:.:.: :' ぅ}:.:.:.:.:.:,:./.:.ｉ :ﾊ|　｀ヽ
　　　これではいつまで経っても話が進まない　　　　　　　　 {　 !/.:ｲーﾊｉ　　ゞ'　/;ｲ:./:. :'.:ソ.:.:∧/.:.／}:′!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / '　!: :! ﾉ　　　　　/' /ｲ:.:.:.ﾊ.:.:.:.:.ｉ :/}.:'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　 ; :/　｀ヽ _　__　　　 !:. :'　ｌ:.ｉ:.:.:!/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　／　　　/: '　　　　ヽ　　　 !.ｲ　ﾊ:ｌ:.ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:'　　　　 /ｧ‐ ´ ! /' ﾊ＿!:'＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　　　ｌ.'　.:´: : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ : : : : : : : :.:.人　　

750 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:35:09.34 ID:lY00rT6go

【紀元２６２年夏　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　, -「＼‐- .._
　　　　　 , - ´　ヽ　＼＼ゝ＝､,､
　　　　／　　　／/＼､ :.　:〉{　ｒ;､ﾍ
　　 /　 ./ ./.:／　　丶､::ゝイゝ}７
　　　i{. .:/ ./／　　、　　　｀ﾆﾐﾍ/ｿ　　　　　　　　　　師纂。
　　　i:､::{ _{´　＿＿＼　　ノ＿Vｿ
　　　ゝ:`{ﾒ, 　 { 弋ﾂ　　弋ﾉ /'　　　　　　　　　　　　征西将軍の司馬にするから、
　　　｀`i{､＿　xxx　　　 ,xx{= ､　　　　　　　　　　　何としてでも鄧艾を説得してほしいかしら
　　　人､__メ　　　 , -'、ノ　〉
　　 .,. ┴‐ ＜￣ }､...　　ィ'´｀ヽ /
　ｒ'´　　　　　V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､
　i: ､: . .　　　ゝ　ィｌ」ヽヽｒ－」　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::iﾚ':::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 |:::::/⌒ヽ,::::::::::::::::::::::／￣￣￣ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 |:::/　　　 ',::::::::::::::／　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::::::∠＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 |:::|　　　　 ',::::::::/.　 l　　　　　　 .|:::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　 |:::|　ｕ　　　',::::/　　し　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　……って事は俺もそのまま従軍していいんだな？　　　ﾚ′　　　　 ∨　　　　　　　ヽノ⌒ヽ:::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ|￣＼　　　　　　／二二ゝ | ﾄ-　/::::::::::〈
　　　よし、引き受けた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `t ､_＼　l |l　〆 'ｰ'/　　　 ,i ｿ /::::::::::::,二ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 y'"_￣ﾞ'―ﾍ___ヽ_ｱﾐ'='イ──′　　 ,r__ノ'──'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ//////////｀ｉ　　ﾉ　　　 ,ゝ　　 /,!　　＼/////ｒ''ｰ──､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::／￣￣￣ヽ//.＼ .< -_＿ノ　　／ /　　　/|/////ﾘ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .f///　　　　　　|..////|＼　＝　　／　 /.ﾉ　　/_,|//////|￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..／￣￣i′ｰ──‐ﾞr〈/////.|　.＼─―´ 　／￣￣￣.|//////|　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／￣￣ト＿,.　　　 ///////＼,、　＼＿_／　　＿.／//////.|ｰ､　　｝

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　大将軍主簿　師纂

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　そこで主簿の師纂を鄧艾の下に派遣、説得に当たらせた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

751 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:35:58.53 ID:lY00rT6go

【紀元２６２年夏　魏　雍州　狄道】

　　　　　　　　　 /　　　　　/ l　　　　ヽ　/　　　 |　　＼
｜　し　な　間　〉　／/　　l_ , ‐､　　　∨　i　l　 | |　　　＼　　　　　　は
｜　ら　っ　に　|／　l　,-､,/ﾚ‐r､ヽ　　|　　　／｀K ,-､　＜　　　し
｜　ん　て　あ　　　/　| l｀｀i　{　ヽヽ l | / , '／',｀ //｀|＿/　　　　　　や
｜　ぞ　も　わ　　 |>　ヽl´､i　'_ 　｡`､llｨ'｡´ _/　/,) /＼　　　　ろ　　　　　　　　　もう都では、
｜　｜　　　な　　　|`/＼ヽ'_i　,.,.,.⌒´)_ ｀_⌒ 　/__/l　　＼　　　　　　く　　　　　遠征軍の編成が始まってる！！
っ　 |　　　く　　　 |/　/ l´,.-― ､l`ー一'_冫　/l l　|　　　/　　　っ
!!!!　｜　　　　　　　＼ ', /　／｀7-､二´､,.|　///　|　　 /
　　　　　　　　　　　lＴ´　{　 /　 /　　ト､　|::| ///　/　　/　　　　!!!!!
　　　　　　　　　　ｌ´　ヽ､ >　ｰ　　 ,/　|ニ.ノ-'　／　／＿
　　　　　　　 i｀`` ､/ }　　　 ',,,..' 　|-'´,- '´　　￣/　ヽ∧　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　＼／ '　＼＿　　｀´ﾉ7l´　　　　　　/　　　　/／　ヽ　l　ヽ
　　　　　　　　　/￣ |　　　　￣￣／　ﾉ L＿＿＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j::::/::::゛､::::ヽ:::ヽ、:::::::ヽ、::::::ヽ::ヽ:::ヽ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::::!:::l::::!:ヽ:::::ﾞ:､::::ヽ、::::::゛､:::::::::｀::.､::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j/:l::::!::l:ﾄ､:ﾄ､:::::::::､:::ヽ、:::::ヽ::::::::::::::＼{｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i!::::!:::!:ﾊ!_｣l_ ＼{｀＼､____､:.､:ヽ:::::::::::::ﾄ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ::::V:::! ｿ　oヾ＼＾~/ ｏヾ:i｀:.､:::::::::::!､_＿,, -　､
　　　　　大将軍の意志は揺るぎませんか。　　　　　　　　　　　.′ i:::i:!::ﾊヾ=彡　　ヾ≡彡ﾘｌ::::ヽ:::::::{ !　/ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ{i::::l:!　　　　　　　　ﾊ!::::::::::!:}`ヽ/ /　　　　ｌヽ
　　　　　気乗りはしませんが仕方ありませんね　　　　　　　　　／＾ヽ!::ﾘ:､　　｀＾　ノ´）/::::::::从ﾄ{　　 /　　　　 |　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ｿヾ{＼　 <ニ>'　／￣ｉ￣｀)Ｖ　 !　　　　　 |　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　ﾞ､＼／　 ' ／　{＜⌒′/　!　　　　亅/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀、　　＼/　　　　　　　}〈　／　/　　l 　　　　/,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　丨　　　　　　　 )ﾉ_　　 /　　　|ｌ　 / ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{＼　{　　　　／　／{_,ノ　　　　　ﾘ / /

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　師纂は首尾よく鄧艾の同意を取り付けた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

752 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:37:22.45 ID:lY00rT6go

　　 .|　/　　　＼　j冫｀ヽ　　　　　　　　／
　　　| |　　　ヽ /　| 卜　 |　　　　　／
　　　||　 /＼　ヾｰ'　　| /　　　　　／
　　　|　 |/´　　　　　∨/　　　　 ´'　-,,,＿　　　　　
　　　|　 ||＼　　　　　_ム,,,,,,,,､__──'''''´　　　　だいたい、あんたの手にかかりゃ姜維なんぞ目じゃないだろう？
　　　|､_| / ,,　　　　　　　　ヽ､
　　　　）｀ ´　　　　〉　　　　ヽ
　　　/,,　 /|　, 　　 /:　　　　!　　ヽ､
　　　　　｀~'''‐'､　 /;;　　　　　!　　　＼

　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-'从ミへ:::::ヾ::::::.,ヽ::::::::::::::､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::'!::::::､､::::､::ヾ:::ヽヽ:::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::.!l/::::::ヾ::::::､:::::ヽヾ.:＼:::::ヽ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'i!:::::.:i.!:lｬ,:::::::..ヽ､＼::::::::＼:::ヽ:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' l!i:l::!!:ヾ.i-ｬ.::::､::::::::._ヽ､:::::::ヽ:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,ヘ!_l. !y::|::l!ｌrt:ｯﾐ＼:ヾ rt:ｯﾃ､::::::::
　　　　　最近、厄介な隣人ができまして。　　　　　　　　　　　　　 ,-=ニ-ﾐﾍﾊ:::::::ｌ `''''"_`_｀ヽ`'''"　ｌ:::ヽ::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ンﾆ二｀ヽ;=､!ﾊl!y''~´　　 ~`ヽ　　!:::::/i!､
　　　　　禿髪と言いましたか　　　　　　　　　　　　　　　　　_..ｨf´　､　`'''‐ﾆ'ヽ..ッ'ｩ､　　　　　　ｌ／ﾘl::ﾚｌヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.-ﾆ／　　`'ﾌ´~｀ヽ..X´｀`''''ｦ, r'''~''ｯ ..〆 / ,liｿ |　,.ｧi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐ﾆ‐'八-､_...:::::n⌒`!~ ヾ' ､.　ヾ､`'''ｬ''''~´　/ // ,ン´　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´ .ｌ /　ヽ >::::!ｿ/ ＼＼ |ヽ'i 　　ヽヽ､_゛_,,...-zﾝ. - '''´~｀`''ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　、＼__ﾝ￣~`'''''- ..,　ｌ　　　゛ｰ-ｰ'´ /,'　,:-‐''　､'‐- .,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞._/ 　　　　 ;　ﾔ ! 　　　 ',　　/､ /　　　 !　ヽ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.::;;;;/　　　　　　　|　 'i::i　　　　',　〈', ｌ i　 ,'　 ,'　　ﾄ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐-‐''　~ ｱ　ヽ　　　　　ｌ.､　ヾ　　　　　,　 i_jy'　,'　./ 　　ｌ ', 　`

753 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:38:32.68 ID:lY00rT6go

/　　　　　　ヾ　/　ﾉ(　ヾ　 / /
ヽ｜ｼ-､　　　Ｖ　 ⌒　　　/´ /
　弋ミ､＼　"！ ,,　／￣ﾘ　∠
`r-､}　|　　＼`ル／　 |　k-／　　　　　　　　　　　禿髪！？
｜-ｲ　ﾞ＝ﾟ-ｼ: k-ﾟ＝"　｜)｢ヽ
`|ﾉ｜　　　　ﾍ/ -､　　　ﾄ-ﾉ;;;}　　　　　　　　　　なんだそれはッ！！
ﾌ;ヽｲ　　 ´にﾆ-ヽ｣　　厂};;ｨ
_];;;;;;ﾘ　　　ﾄr⌒､ }　ハコ;{　　　　　　　　　　　　俺に対する嫌味かッ！！！
＿];;;;;ヽ　　 L'―-ﾜ /;;}_｣;}
L＿｣;;;;;;＼　'￣~ ／;;ﾉﾉ￣ﾚ
;ﾄ＿];;;;;;;;;;;;;;'ー`;;;;;＝′　}
;;}￣ヾ＝＝〒￣　　ﾉ￣-
;;|_-ヽ　　　　|　　　ｨ
;;{　r⌒ﾅ⌒ﾅ､| ＿＝Tﾊ＿　
;;|　!　｜　｜ﾄ､三ﾖ|/　　￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::'!::::::､､::::､::ヾ:::ヽヽ:::::::::::::::::
_-｜　´　゛〃 _}ヨﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::.!l/::::::ヾ::::::､:::::ヽヾ.:＼:::::ヽ::
　ハ　　　 ≡/_ノ(　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'i!:::::.:i.!:lｬ,:::::::..ヽ､＼::::::::＼:::ヽ:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' l!i:l::!!:ヾ.i-ｬ.::::､::::::::._ヽ､:::::::ヽ:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,ヘ!_l. !y::|::l!ｌrt:ｯﾐ＼:ヾ rt:ｯﾃ､::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-=ニ-ﾐﾍﾊ:::::::ｌ `''''"_`_｀ヽ`'''"　ｌ:::ヽ::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ンﾆ二｀ヽ;=､!ﾊl!y''~´　　 ~`ヽ　　!:::::/i!､
　　　東方の草原から移住してきたと聞きます。　　　　_..ｨf´　､　`'''‐ﾆ'ヽ..ッ'ｩ､　　　　　　ｌ／ﾘl::ﾚｌヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.-ﾆ／　　`'ﾌ´~｀ヽ..X´｀`''''ｦ, r'''~''ｯ ..〆 / ,liｿ |　,.ｧi
　　　今は大人しくしてくれていますが、　　　　　 ‐ﾆ‐'八-､_...:::::n⌒`!~ ヾ' ､.　ヾ､`'''ｬ''''~´　/ // ,ン´　ヽ､
　　　異民族なんて信頼できませんからね　　　´ .ｌ /　ヽ >::::!ｿ/ ＼＼ |ヽ'i 　　ヽヽ､_゛_,,...-zﾝ. - '''´~｀`''ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　、＼__ﾝ￣~`'''''- ..,　ｌ　　　゛ｰ-ｰ'´ /,'　,:-‐''　､'‐- .,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞._/ 　　　　 ;　ﾔ ! 　　　 ',　　/､ /　　　 !　ヽ　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.::;;;;/　　　　　　　|　 'i::i　　　　',　〈', ｌ i　 ,'　 ,'　　ﾄ　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐-‐''　~ ｱ　ヽ　　　　　ｌ.､　ヾ　　　　　,　 i_jy'　,'　./ 　　ｌ ', 　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　余談になるが、鄧艾が隴西を治めていた時期、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　鮮卑族の禿髪部が雍州・涼州の州境地帯に移住して来ている。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .鄧艾が蜀討伐に難色を示した原因はこのあたりにあったのかもしれない
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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754 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:39:52.41 ID:lY00rT6go

　　　　　　　 /|　／::::::::::::::::::::::::::ゝ
　　　　　　 /::::|/:::::::::::::::::::::::::::::::::::〉／!
　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/／|
　　　　　　 |::::::::::::::;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　　まあ、どうしても気になるのなら、
　　　　　 |＼:::::::::/　 `､::::::::/　ヽ:::::::::::::::|/　　　　　　　　　　　　　俺から大将軍に伝えておこう。
　　　　　ヽ:::::::::/　　　 !::::/　　　!:::::::::::/
　　　　　＼::::::::>　　　 V ＿＿<,,=-､／　　　　　　　　　　　　　　大将軍もバカじゃない。
　　　　　ヽ「｀|〒＝｡,_;' ｡＝〒|＃l）　　
　　　　　　　 ‐ゝ､!　￣",└≡＝ﾅ-┘　　　　　　　　　　　　　　　きっと手は打つだろう
　　　　　　　　　`∧ 　i=`==､　∧´　　　　
―┬─┬―i⌒/　＼ー＝'／　ヽ⌒i―┬─┬─┬―
　　!　　 !　　| 　| |.　ﾊ`ー'´ﾊ　 | |　 |　　!　　 !　　 !

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::＼::ヽ:::::::::::::::::::::::::`ヽ、:::::::::::::ヽ:::::ヽ､_＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::i、::ヽ::ヽ::::::::::＼::::::::::r-,.- ､,.､:::::::::::::::::::::::::ヽ､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::/:::::i::::ヽヽ:::＼:::::,.-‐'´｀`　　ヽヽ、::::::::::::::::::::ヽ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l::/::::::::l::::ﾄ､::::＼::ヽ:{ヽ、　　　　　　　 l:::::::::::::::::::::::::ﾆ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::l::i:::l:::|:::::|.〔）ヽ::::::::l　| .i　　　　　　　 ',:::::::::::::二ニヽ
　　　ですね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:ﾄlﾊ／ヽ:| レ′|ﾊ.ｌ　|　.|　　　　　　　 ',:::::::::::::::二ニヽ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　Ｋ.　_　　! 　　 i! しi　ヽ、|　　　　　.l:::::::::::::::::::＞──
　　　それでは我々も準備に入りましょう。　　　　　　　 .!　!. ＼｀　　　　　　 |l　　　〉|　　　　　| ,r──　､￣`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 li〈　__　　　　　/`‐‐-//.l　　　　　l/／　　　　　＼　ヽ
　　　誰か、王頎殿と楊欣殿と牽弘殿を呼んでください　　/　`i'─`　　 /　 ◎　7 |　　　　　|　　　　　　　　　　ヽ　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 /￣`─./ .|　　　　　| 〉　　　　　　　`ヽ、ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{、__,.-/　　　　/　.|　　　　　|　　　　　ヘ＿,,.... ＼　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　/`ヽl 　　　　|　　　／￣´＿＿　　〉 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`─---′ /　　　　 |　／ ,. -‐ '´　　　／　 |

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ところで、蜀討伐に臨む鄧艾にはこんな逸話がある
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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755 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:41:20.21 ID:lY00rT6go

.|::::::::::　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
i::::::::::::::::::::::|＼::::::::::＼::::::::::::＼::::::::::::::::::＼
i:::::::i:::::::i::::::iﾌ=ゝ._::::::::ヾ:::::iヾ＼''>_::::__::::::::
i::::::i ::::::i::::::y　i""i＼::::::＼: ヽ＼ir".r"了＼
.i::::i: ::::: ::::ﾊ:ヽ_ヽノ_..r＼ヽ-:＼ヽｲ, _ヽ_ノ _／　　　　　　昨夜夢を見たのですが、
..i:::i .::::. ::: :iヾ::i'iiiiiii'' ' i ＼i　＼i ヽ'iiiiiiiii''"　　　　　　　　鄧艾が山の上に座って流水を見ていました。
. i::i i:::::i :::: i. ヾi　　　　 i 　＼　＼
'~i:i .i::::i i::::::i 　＼　 . i　　　　　　　　　　　　　　　　　　.どうも引っかかるので、
i .ii　 i::i ﾊ::::ﾘ.　　　 ..　　　　　　　　　　　　　　　　　　　う、占いに詳しいあなたを呼んだのですが……
i ..i　 .i:i" i::::i:. 　　　　ヽ　⌒
H　　 i 　ﾊ;;:|ﾍ
. |ヽ　ヽ　|:∨|　ヽ.　i-- .._ ___ 　　　　　／:::
ヾi..　ヽ　イ. .i. 　 :ヽi ' 　ヽ.__ ~　　　／::::
yi i / 　i 　ﾊi＼　　:::i　　　i~　　　／::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｹﾝ　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　,:ｲ
　　　『易経』を調べた限り、山上にある水は「蹇」と呼びます。　　.|　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/
　　　「蹇」の占いの言葉にはこうあります　　　　　　　　　　　　　　＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　　　|￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノ

756 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/05(月) 00:41:55.39 ID:P+hXnLvKo

王子はまだMだからいいだろ！

757 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:43:04.36 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　＼　　　　,:ｲ
　　　　　|　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿ヽ＿／　|　　　　　　　　　 _,-,.、
　　　　|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　|　　　 /　　　　 i´ヽ　　い {,-ゝ.
　　　　＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　 |;;::. シ　　　　　l　,人　__,!...!_}ゝ l
　　　　　　￣￣￣|::::::::::::::::: 　　i￣i￣i￣i　　　|￣　　　　　　　ヽ. '´　　　　｀ /
　　　　／￣￣｀ヽヽ:::::::::::::::::::.￣￣￣￣￣　　ノ　　　　　　　　/　　　ｧ-- '
　　　　 i::.....　　　　;＼!..-ー、 /⌒ヽ　　　　　､＼　　　　　　／　　　 .:/　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　` '''''ｰ- ､::::/ ,..　.　 `/:::　　〉‐ 、　　　＼＼　　　／　　 ..::ﾉ　　　　|　　　蹇は西南に有利であり、　　　|
　　　　　　　　　 .ｿ'　　　 :　/::.　　/::　　〉　　　　＼＼,／　　　 .:/　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　/i:. 　　　 :,'::.　　 /:: 　./ヽ　　　　　＼!　　　　 ..:;'
　　　　　　　　 / |:: 　　　 |ヽ.:..　　　　:'::／　　　　　　　＼　　 .::/
　　　　　　 /　 !::.　　　　i::.:.:`:‐"ｰ､_,ノ　　　　　　　　　　＼:::／
　　　　　　　/ ,／ヾ;:.... 　 /:.:.:.:.:／:::.:..　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　| :i　　　`ー::':.:.::.:.:./＼:::::.:.:.　　　　　　　　　　　　　 ':;
　　　　　　 l　　　　.::::::.:.:.:.:/　　ヽ:::::.:.:. 　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　 l　　　 .::::::.:.:.:/　　　　 `､:::::.:.: .　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　ヽ､__,,;＿_,／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　出かければ中正を得る　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

758 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:45:27.10 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　|　　　　大人の出現によって利益を得、　　　 |
　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r':i::::､::::､:::::ヽ::::::::::::::ヽ､::ヾヽ::::::::､:::::::ヽ､､:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:::i:::!::ヾヽ､::ヽ､::::::::::::::::::::::ヽ:::::､ヽ:::::::::ヽ､::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:::i::::',:::::::`'-.:::::ヽ､、::::::::::::::::::::::::::::ヽ､::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:､i::::ヽ:::::､:::::__ヾ::::`::::::::::::::::::､:::::::::::::::`ヽ::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 l:! ki::､:ヽ::',ヽi,､`ikj､:::`:::::::::::::::ヽﾐ､::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!　ヾ:､:::::::::､ 'J ;::"　ﾞヽ::i､:::::::::::::ヽ9`i､:::::::::::::::::::
　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　!　　ヾｿ＼::､ '" 　　ヾ!ヽ::i::､::::::;X".i`:::::::ヽ:::::::
　　　　|　　　　出かければ功績をあげられる　　　　 | 　　　　　　　　　./　　ヽ､　　　 l!　';:iヽヾ:::'rヽ.`ヾ::::::､::::
　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　'､＿-‐　　　　　　 !　ﾘ　ヽヾ:',　:: 　ヾ:',`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀i　　　　　　　　　′　ｿヾ;　';　　ヾ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　　　　　　　　'ｰ‐ｧｯ　　　　　　　 ,:':　　ヽ ',　　//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､、　　　　／::::　　　　:　//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　　 ., '""'-､,,_＿.._　//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｰ-‐ "　　　〈'i ヾ:､:::i`/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |. 　ヾ､:/

───────────────────────────────────────────────

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　／　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　夢占いかお？
　／　　─　　 ─＼　　　　　　　　　　　 .
／　　‐=・=‐　‐=・= ＼　　　　　　　　　　こっちから見れば、縁起でもない予言だお
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／　　　　　　　　　　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

759 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:48:50.22 ID:lY00rT6go

【紀元４２０年代　宋首都　建康】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　/|
　　　　　　　／|　 |　　| 　 |　　 |　　　　　 (三三l/l ＿＿＿＿　　　＿＿＿＿
──── " 　 | 　|　　| 　 |　　 |　　　　　 (三三l／　　/／　　/|　／　　／　　/|
.　　　　 |　　| 　|　　 | 　 |　　 |　　　　　 (三三l(三三l(三三l/ll/l(三三l(三三l/l
＿＿＿. 　|　　| 　＿＿　＿＿　＿＿　　 (三三l(三三l(三三l/ll/l(三三l(三三l/l
ﾞ　　／| 　|　　／　　/|／　　/|／　　/| 　 (三三l(三三l(三三l/ll/l(三三l(三三l/l＿＿
─‐'　ﾞ| 　＿＿三三l/l(三三l/l(三三l/l 　 (三三l(三三l(三三l/ll/l(三三l(三三l／　　/|
　 |　　|／　　/|三三l/l(三三l/l(三三l/l 　 (三三l(三三l(三三l/l／　　/／　　/(三三l/l
　 |　　|(三三l/l ＿＿＿＿l/l(三三l/l　／　　/|／　　/|／　　/|(三三l(三三l/l(三三l/l
　 |　　|(三三l／　　/／　　/|/l(三三l/l (三三l/l(三三l/l(三三l/(三三l(三三l/l(三三l/l
　 |　　 |(三三l(三三l(三三l/ll/l(三三l/l (三三l/l(三三l/l(三三l/(三三l(三三l/l(三三l/l
　 |　　 |(三三l(三三l(三三l/ll/l(三三l/l (三三l/l(三三l/l(三三l/(三三l(三三l/l(三三l/l
　 |　　 |(三三l(三三l(三三l/ll/ (三三l/　(三三l/l(三三l/l(三三l/(三三l(三三l/l(三三l/l
　 |　　 |(三三l(三三l(三三l/l　　　　　　 (三三l/l(三三l/l(三三l/(三三l(三三l/l(三三l/
　 |　　 |(三三l(三三l(三三l/l　　　　　　 (三三l/l(三三l/l(三三l/(三三l(三三l/
　 |　　 |(三三l(三三l(三三l/l　　　　　　 (三三l/(三三l/ (三三l/
　 |　　 |(三三l(三三l(三三l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　＿,ﾉ　　⌒ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（●）　（●）　＼
　　　　　「蹇は西南に有利であり、東北に不利である」　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　､　´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　￣￣　　　／／|
　　　　　前者は出かければ功績をあげられる。　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　/⌒ﾉ￣￣ |　（）
　　　　　後者はその道が行き詰まる意味がある。　　　　　　　　　　　　　　　　|　　＼　／　/　　　 | 　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　“　　／ｌ　　　 | 　.|
　　　　　陳寿は鄧艾の見た夢について、こう書いてはいますが……　　　　￣￣＼　／￣|＿＿___|.／￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宋　中書侍郎　裴松之

760 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:50:57.07 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　( ヽ、
　　　　／.:.￣￣＿＿＼＼
　　／: : : 　　<＿＿　＼　＼
　／: : : ＿　 <＿＿　＼　＼　ﾍ /⌒/　　　　　　　　　「蹇」の占いの言葉は、
／: : : : ´　 , ｀└--ﾐヽ、＼　-　＼　|　　　　　　　　　「西南に有利であり、出かければ中正を得る」
: : : : :／´ ｀ヽ　　　丶　　-　　　　　〉
: : : :.（　ー‐　l 　　　( ＼　　　　　 !　　　　　　　　　 . 「…東北に不利である」とは言っていない。
: : : : ヽ_ ｀ _ノ　　　＼_ヽ　　　　　{
: : : : : : ´"''"　　 '　　　"''ﾍ　　　　　 > 、　　　　　　　その下に「大人の出現……」と続く
: : : : : : . .　　　　`　　　　　＼　　∠／ヽヘ
＼: : : : : : :.　⊂ﾆニつ　　　　＼(⌒)　　ﾉ　＼
／ヽ: : : : : : : : : : : 　　　　　　　ヾ、　／　　　＼
　　　／: : : :｀`ｰ- -‐'"´　　　　＼／＼(
,'⌒　ゝ　ﾊｧ
ヽ＿ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ___＿＿＿＿＿＿＿＿＿__　 _＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛＼　　　　　　　　　　　　　　｀＼　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼　＿＿＿＿＿＿__＿＿_＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ソ三三三三三三三三三三ミ彡三三三三三三三三三ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀く三三三三三三三三三三入三三三三三三三三三三ゝ

761 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:51:34.09 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 `
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　, ': :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　 /: : : :
　　　　　　　　 /: : : :
　　　　　　 ,': : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　 . : : : : : :　　　　　, ─┬―..、　　　　　　　|　　　　　鄧艾の最期を暗示するような改変　　　　　 |
　　　　　 |: :, ‐┬┐ 　　　　　 |:::::::::::〉　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　 |: :　っノ.:　　　　　　￣￣￣
　　　　　 | : : : : : /
　　　　　／￣￣〉: : 、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.　　　 /　／￣_ ): : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　陳寿も鄧艾には思う所があったのだろう　　|
　　　 / ／　／／￣ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
.　　 | 〈　〈／　 /: :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　 /|　 ', 　ｌ　ヽ　―　　 ‐　、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '
　　　　　　　 |　　　' ,: : : : :　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
　　', 　　　　　　￣ `　　　　　　　　　　　　 |　　このあたりの記述は本当に錯綜していて困る　　　|　
　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　
　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . . . .:　　　　　 /　　　　 ' ,
.　　　　＼　　　　　　　　ゝ　　‐: : : : : :　　　　　　　　　,
　　　　　＼　　　　　　　 |: : : : : : : : 　　　　　　／
　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　 |. . : : :　　　　　　　／

762 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:52:49.45 ID:lY00rT6go

【>>761修正】

　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 `
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　, ': :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　 /: : : :
　　　　　　　　 /: : : :
　　　　　　 ,': : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　 . : : : : : :　　　　　, ─┬―..、　　　　　　　|　　　　　鄧艾の最期を暗示するような改変　　　　　 |
　　　　　 |: :, ‐┬┐ 　　　　　 |:::::::::::〉　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　 |: :　っノ.:　　　　　　￣￣￣
　　　　　 | : : : : : /
　　　　　／￣￣〉: : 、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.　　　 /　／￣_ ): : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　陳寿も鄧艾には思う所があったのだろう　　|
　　　 / ／　／／￣ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
.　　 | 〈　〈／　 /: :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　 /|　 ', 　ｌ　ヽ　―　　 ‐　、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '
　　　　　　　 |　　　' ,: : : : :　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　
　　', 　　　　　　￣ `　　　　　　　　　　　　 |　　このあたりの記述は本当に錯綜していて困る　　　|　
　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　
　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . . . .:　　　　　 /　　　　 ' ,
.　　　　＼　　　　　　　　ゝ　　‐: : : : : :　　　　　　　　　,
　　　　　＼　　　　　　　 |: : : : : : : : 　　　　　　／
　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　 |. . : : :　　　　　　　／

763 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:53:44.95 ID:lY00rT6go

【紀元２６２年夏　魏　雍州　狄道】

　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
ﾄ､　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　 ,:ｲ
|　＼_＿＿/　　＿＿＿　,,),,) ＿＿＿　ヽ＿／　|　　　　　　　とにかくそんな意味ですね。
|　　　　 ..:::ヾ::::::ヾ:::::::::::/　　　ヾ::::::::::/　　|　　　/
＼　....::::;;;;ジ:::::::　ヾ;;;;;/　　　　ヾ;;;;;/　　 |;;::. シ　　　　　　　良い兆しだと思いますよ
　￣￣￣|:::::::::::::::::　　i￣i￣i￣i　　　　　|￣
　　　　　ヽ:::::::::::::::::::￣￣￣￣￣　　　ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:: ::::::::::::::::::､:::､:､:::､:::､:::::::::::,:::::::ヽ:::ﾞ::::::ヽヽ::＼::::::ヽ:::::',ヽ:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::　::::ｉ::::::: ::::l＼､ヽ::::ヽ::::::::::::',ヽ',ヽ､:::::､:::::::ヽ:::ヽ:ミ､:::ヽ､:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::::ｌ:ヽ::::!::::::!:::ｌｯtｰﾞ､:::::::::ヽ::'､::',　ﾞヽ.ｫ-=-､:::::::::::::ヽ:::ヽ:::',:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　i:::!l:::::ヽ::::::::::::l.il k::::::ﾊ＼:::::::､:､ヾ:､〃k:::::::ｿヾ､:::::::::::ヽ:::ヽ::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ,ｨ''i:l' !i::::::',:::::::i::::iヾ-.ニ_-'　:ヽ:::',ヾ､ヽ.ﾞ､..二...;ｼﾞi:::::::::ヽ､::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ l ﾘ　 'i::l::::',::::::':,':! ゛""　　　ｉ　ヾ:､　ヽ｀｀""""　 .li'i::::::::::::ヽ::::::::
　　　　　それは縁起がいい。　　　　　　　　　　　　　　.ヽ/ ',　 i:il:::::',::::::kヾ、　　　　! 　　ヽ　　　　　 l!.l::::::::::::::::ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　;　 ii i::::､:::::', `　　　　、　　　　　　　　　　! !:::;:::lヽ::',i!`
　　　　　感謝します　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ ',　':, ',::i 'i::::':,　　　　　ヾ､ -‐　　　　　　　/.l::ﾊ::l ヽ::i !､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ', ',　ヽヾi　',:::::i､　ヽ､ .._＿　　　　　　　　　, '　.i:l. ﾘ /入',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　il ',　,ﾝ''ヽ-'i:::ｌ._ヽ　　`.{i　ﾞマ''""" 　　／　　 i!　,/./　ｉ`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-┴'ﾞ　' ｰﾞ　'i:l､　ﾞ＼.　ﾘ　　i 　　　,..:''　　　　! , ' "　 .i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　ﾞ! ﾞヽ､ヽ/　　　i　　,..::'::''　　　　／, '　　/.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..r'ﾞ_　　il. ,　　　　　　　　　ﾉ゛　　 i'.､イ:::''' 　　　／／　　ノ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　開戦前は蜀討伐に消極的だった鄧艾だが、
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　開戦後は打って変わって積極的に蜀へ兵馬を進めた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　仕事に徹したと言えばそれまでだが、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .何かしら心境の変化があったのではないだろうか？
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　それほど鄧艾の態度は戦役中に豹変してゆくのである
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

764 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:54:20.21 ID:lY00rT6go

　　　　　＿＿__
　　　　／　　　＼
.　　　／　　　　　　　＼
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　　　　　　ほんと、成都での鄧艾はひどかったお。
　　|　／ .ｲ '=・=　　=・=　u|
　　 /,'才.ﾐ)　（__人__）　／　　　　　　　　つか今、饅頭がしゃべってなかったかお？
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　＼
　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=ﾆｧ: : : : : :／: : : :/: /: : : : :､: : : :｀ヽ: : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,: : : :〃: :/: : /: │: : : : :lヽ: : : : ﾊ: : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 / / : : //: :/: : /: : │: : : : ::|: :!: : : : i|: : l: : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｲ : : : l |: :│: :j : : ∧: : : : :l: :|＼: : ｉ|: :│: : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/ |: : : :| ｌ: :∧: :ﾊ: : l　 '.: : : :ﾊ j　ヽｉ|: :│: : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ││: : ｌ|│ﾅ下/-ヽ |　ヾ: :/_ﾑ'― 弋|: :│: : ! j
　　　　　気のせいだろう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j. │: : |i　V ,ｨテ圷､ヽ　 ∨ ｨチ示k　l: : ﾄ: : Ⅳ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : | 　ﾊ` Vf:::::i}　　　　 Vf:::::i} Y|: : ﾑ N
　　　　　何はともあれ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ |ﾍ i l　ゝー'　　　　　 `ー''　ﾊ!: :,) }i|
　　　　　これで蜀討伐を邪魔するものはなくなった　　　　　　　　　｀l: :ヽﾑ　　　　 ' 　　　　 /:/: :ﾙｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ', : : |ﾍ､　　　　 ‐ 　　　ｨ' /: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: :ｌヽ＞,､　　　　　イ/７: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼!　Ｖ厶|＞ｰ＜ﾚ_'/ /／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '´/ノ　　　 L､／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-' 　 |　___.＿　　　|　`ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..-‐'´　　　 |´　　＿｀ｰ<|　　　｀ｰ､_

765 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:55:35.37 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年８月　魏首都　洛陽】

　　　　　　　　　　／:::､::::::､::::::､::::/::::jL､
　　　　　　　 /:::/::/＼:::＼:::辻-く仁､
　　　　　　　　　i::::i::/__　｀ーﾐ _∧ ﾆ/{
　　　　　　　　　l::::ﾚ.ｧﾆ､ヽ　ィﾆ､ﾍ_ﾉﾚ'
　　　　　　　ﾞ:｣ ´込ｿ　 . 　込ｿ i::/　　　　　　　　　　さあ！
　　　　　　　　　/∧ ￣　r==┐￣ ∧ヽ
　　　　　 , --､ {!`ｰヽ. 　､___ﾉ　メｰ' i}､　　　　　　　　　今度こそ始めるかしら！！
　　　／￣>‐､｣::_:_:_-:i＞┬＜!:-:_:_:_:」i
　　　/　／　/　ﾄ､7∠イ::i⌒i:::iヽ:ﾆ:ﾆ:ノ＼
　＿ヽ　　　 ´/､ __ﾆ｣:::! ﾟ i:::l〉=:､. .ヽ　＼
　＼___＼　　ﾉ/r=_ _｢i::! ﾟ i:/{!三:`ｰ' i　,,　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-―: : . . .
　　／z{::::＼　/::Y <<.　　　､ﾆr=_ノ .::i.:/ ／　　　　　　　　　　　　　　　. :＜: : : : : : : : : : : ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 ,ｨ: : : : : : : : : ト＜: : : : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.: : : :〃: : :ﾊ: : {　　＼: : : : : .
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{: : : : |　, ｲ´　 }/　　 ,ニ_　∨: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : ﾚ　　_ _,　　　ｨんﾊヾ} {ﾘ:|
　　　　　　　あの、大将軍。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ ; ::|　ｨんﾊ　　　　ゞ~'　　l : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 ∨: :|〈{　ゞ~′　、　　　ﾑ::八
　　　　　　　私の方からひとつだけ、いいでしょうか？　　　　　　　　Ⅵ:|ハ　　　　　　　,　 .ｲ: : :|: ::、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　Ｙ|: : ゝ._　　｀ー　　ｲ::| : : |: :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 ]|: ∧ : ::≧:ｫ.　　　 k￢: ::|:/: ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l|: : ∧: :}／{ 　　　 j　|: :/￣〉.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 j:: : ㌻∨　∧__　　, / ./ /　 / 　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :;′　　　ゝ＼.　 /　／　 /

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　季節は秋になっていた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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766 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:56:23.18 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　　 ,.　-―‐　ー- ､
　　　　　　　＿　／　　　　　　　　　＼
　　　　　／　｀　　　ー- ､　iｿ´ヾl ,､_ ハ
　　　　 //　　 ,〃　＼　､　 >!<,j- ､__ヽｧ ',
　　　　 l/　　 l/　　　｀ｰ=(,〉 {薔}-' ﾉｒ' ﾊ
　　　　丶　　 !i　　　　　　　ゝ'i_ィ､‐､"　　.}
　　　　　　　 ',　 -'　　　｀ｰ　　 >-、 /
　　　　　　　　 ! ━　　　 ━　ｒ=っ У　　　　　　　　　　　何かしら？
.　　　　　　　 /ﾊ　　　　　　　　　|l ＿'_
　　　　　　　　ﾞ「､　　 n　　　 ,.ィﾞ＿　i　　　　　　　　　　　.貴方からなんて珍しい
　　　　　　　　　´ニﾕ_＞-ｒｒ彡´ﾉt=ｭｧ_´ー､
.　　　　　／└‐､7（(ﾆｱﾄゝ） 'ーｧ‐'　　ﾊ
　　　　,'⌒　　　／｀´ /｀ｲll !￣　　テ　　　ﾊ
　　　ヽ＿ノ　 i　/　l　　ljl.j　　　/　/　　　ﾊ
　　　　　　　　く　| 　ヽ _　　　_ノ　 ',　　　　〈
.　　　　　　　　/　!　i彡ア､＜　　　 /　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　/::/:::::::::::／::::::::::::/:::::::ヽ::::::::::::::::::.
　　　　　　　 /　/　｀//!ﾄ--'　　　　ヽ　　　　く　　　　　　　　　　　　　.,:::/::::::::／:::::::::::::::/|:::l､:::::::',::::::::::::::ﾊ
.　　　　　　 /　/　　　｀/lj　　　　　　　 |　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 ,:::::|:::::::/:::::::::/:::::〃 l:::l ＼:::::',::::::::ｌ:::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:::::::|:::〃::::::::/:／'　 /:/　　＼:',:::::::ｌ:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:::::ｒ |::::|:::::::::∠―- /:/ -――- |::::::ﾚ､:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .::::::ﾄ |::::|;〃示;ﾊヽ /:/　　ィ示ﾊヽ::::::ﾋﾉ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:::::::ヽ|::::| ｀ヽｚﾂ　/ '　　　ヽｚﾂ　ﾊ:::::':::::|
　　　　　　　　蜀討伐の総大将は誰でしょう？　　　　　　　　　　　　..::::::::::::|::::|ゝ｀ ~´　　　　　｀~´ ﾑｲ::::l:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./:::::::::::::|::::ト　　　　　　　　　　　 /:|::::ｌ:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::/|:::|::::＼　　　＿_ _ ,　　／::::|:::l::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::/:::l:::|:::::::::｀　．　　　ィ ´:::::::::l:::l::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::/::::::ｌ::|:::::::::::::_l 　ー　　ト::::::::::::|::|::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::/:::::::::|:|:::::::／ｒ'　　　　 l┐ー- l::!::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::／::::ｒｒ‐ｒﾘニ´ニ;| ＿　　　　 _|ニﾆﾆ|:|ﾆ「「ト-､

767 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 00:57:13.27 ID:lY00rT6go

　　　　　／　　　 ',　＼.　｛ /了示ｋ
.　　　／　　　　　　 ',　　 ' ,　{ﾍ（{_薔X}
.　　/　　　　　　　　　 >　、　｀Y{ :7^ﾊ::》
.　/　　　　　 .,' / ,／　　｀丶､ yﾊﾝv彳
　i　　　　　 _::i　i /　　　'´｀　　｀ﾘﾊ_ﾉ　　　　　　　　そんなの私に決まっているかしら。
　l　　　: :i　 ,'rヾ＝=.､　　,x"=、　 /i｀ー'
　',　　 : :|　: :i ト、　 )）　/ ﾋし　　 i ﾉ　　　　　　　　　そろそろ援軍を出発させましょう。
　ヾ　 : :i　: :ト、）ﾉ　 '　弋ｿ　　｀ハ
　　　ヾ;､:＼:l.i >/、　　　　　　 /　l　　　　　　　　　鍾会も待ちくたびれているでしょうし
　　　　　＞ｼ=￣}　、　　｀ーﾉ_}ノ
　　　　｛: :_-=‐￣}└ｔ＞ - ―<´ _}
　　　　入: :_-－〕V └〔ﾆ下二〕
.　　　/　〔: :_＝‐〕ヾ　| i7/ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　/ 　　〔: :_‐ ゝ　、/,' 　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::jヽ
　　　}　　　　〔彡ｸ　　 Y''i　　 o｝ｘ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::X／ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::∧ｨﾚ､::',:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::l::::::::::l:::/彡 ':::,'　',:ｌ ,､!::ﾄﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　──‐.i==＝|7::::／⌒　　l! l!Y:l　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣i::ｌ:::::::::::|レ':::／==　 |　i! !j 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::l::! ::::::',:|::::;ｲｹ￣｀　/　｀､ﾐ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::｀|:＼::::Y´i!:::!｀ﾊ　　　　 |￣
　では、衛瓘を監軍にして、援軍を率いさせてはどうでしょう？　 ..:::::::::r‐',::::::＼',ﾍ弋::ノ　　　　　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::l⌒V:::::::::ﾄ､ '''''　　　　　,ｨ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::人ｰV::::::::',.｀ｰ　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::＞',:::::::∧ ＿＿　__　ｨ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ヽ::::::::::::∧:::::::::', 　 /´!:::::// /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:::|∨:::::::::∧:::::::::', /　 !::::ﾚi /｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:::|::∨::::://≠::::::::ヽ　 !::::| ´/ ,｀Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!::::::::∨:/／　＼::::::＼ｌ::::ﾄ. ｌ / ./､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::::／　　　＼:::::ﾄ､:| i ｀i_/ｉ |

768 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:00:05.51 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 ,':::::::::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　,::::::::::::i:::::i:/:／:彡イ::::::::}::i
　　　　　　　　　i::::::::::-i::::{ｨf:かヽ　ｊﾉ-‐:;:ﾘ
　　　　　　　　　|:::::::〈ぅ!:::､ゞツ　　 _　ﾙ:/　　　　　　　　　そんなわけであなたを監軍に推挙したのよ。
　　　　　　　　　|:::::::::ゝ!::i`ゝ　　､＾ .:::;'_ ､ ./)/)
　　　　　　　 j:::::::::::从:､　 (　 > 　ﾉ::<ィ i////〉　　　　　遠征軍の状況は逐一知らせて頂戴
　　　　　　　　 ,'::::::::::::iﾆゝ≧ ｰ　＜{::〈〈j　`㌧/
　　　　　　 /:::::::::::::i　　/　　ヽ　;i　､ヽ
　　　　　　 ..::::::::::::::::::i　　　　　　 }　ﾘ　ゝ　　ﾉ
　　　　　／::::::::::::::::::::{ .y　　　八　　《i　　i
　　　／:::::::::::::::::::::::::::V　　　 /}＝､　ｌミｌ》　
　　 /:个::::::::::::::::::::::∧:j　　　 / j_=＝)__.!　　l､　　　　　　　　　　　　ﾄ､　 .}V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　,'　 i::i:::::::::::::::::::::{　/　　i /　,'=＝/ ( i　　 ! 〉　　　　　　　　　　 }::::＼〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　{!　 v{::::::::::::ﾄ:::::::V　　　i{　/=＝/　＞ー/　　　　　　　　　　　＼:::::｀＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::r ﾆヽ:::::　　　::::::>ー- ､::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼”::::::::::::::::::::::::::{ ゞ' .ﾉノ　　　　/　　　　ヽ::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ム:::r- ､::::::::::::::｀¨¨´　　　 .ィ　　　　　 ./:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ:::::い .} x ≠x　　ミ=x　　}:{ 　　　_. イ::::::
　　　　　いいぜ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ミ､__フ´ {{　　　　＿＿__フ'(　　　 .{　父:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≠ﾑ /　 _. -‐ 二二__::::::::}　､.　〈〈X〉
　　　　　鍾会は見てて面白いからな　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/爪ｲ＿　イ　i＞'´::::::/　　.i 　 :i　ｒ～
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　 .L_V＞''｀￣::::::＞'´　　　i 　ﾉ　ヽ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞＝ﾑ:::::::＞''二￣＿＿ _／.　/　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿＿..　≠=-:::::::::}￣／　　　　　　　　　/　　　.j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ､:::::::::::::::-====ミく　　　　　　　　／　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿二ﾆ=-::::::::::-=ミハ　　　　　　 .／　　　　　 }

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　廷尉　衛瓘

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　衛瓘、字を伯玉。司隷河東郡安邑が本籍。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　心が清く正しく、論理的な思考をする人物で、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　若くして傅嘏の知遇を得、二十歳で尚書郎、この当時は廷尉だった。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　荀勗の推挙で蜀討伐軍の監軍となり、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　蜀討伐後の鍾会の乱では重要な役割を果たす
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

769 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:02:22.06 ID:lY00rT6go

　/, 　　　　　 |　　　　　　/:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ　＼
.//　　　　　　　 .:! :| :　　　 /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i　　　　　　　　.::| :|: ::　　　!,/_ﾑ/_ l:/::: l:: !l::! i::!
. ! l .:　　　　　: .::::| :i:.::　　　ﾚ',ｿ,＿/｀!::/i:/ i:!　|　　　　　なお、草書に巧みな人としても知られている。
. !.:! ::.　　　:　.:.::/´', !:::　　| !　ヾ.i´:i｀ !/ /　 !
　i:l', :::::. :.　::. ::〈､'_ﾞil::::.　 |.| 　　j_ｿ　ﾞ､_　　　　　　　　　司馬昭が蜀の様子を常に把握できたのは、
　ヽヽ､:::::::::. :::.::::＼ニ',::.　ii::!　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　この荀勗―衛瓘の線の働きが大きかった
　　　　ヾ､i::::l::::l::::',:|　 ',::.　!',!　　　　ｨ´
　　　　　 i|ヾ:!:::i::::/ヽ　ヽ. l 丶. 　　/
　　　　ﾉ /ii/lノ　　　　ヽ:r‐y┬ '
　　　　　イ'"｀'‐- ､　　　 / ヽl/ '　　　
　　　　　 /　　　　　　＼__{ヽ､　　　　　
　　　　／_,, -‐‐‐-- ,,_　　＼_,ヽ‐､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ _ノ　ヽ､_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　（ ●）（● ）　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　（__人__）　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　｀⌒ ´　　|
　　　　　　　衛瓘が心が清く正しいとかありえません。　　　　　　　　　　　　　　　　　.| 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r､　　　　r､ヽ　　　　　　/
　　　　　　　常識的に考えて　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヾ　三　|:l1.ヽ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼>ヽ　 |｀｝ >　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/´　 /,1　　　　 |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ノ .｜　　　　 |　|

770 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/11/05(月) 01:03:29.16 ID:8n+29fFI0

傅氏がらみの人物評は全くロクでもないなｗｗ

771 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:04:05.61 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年８月　魏首都　洛陽】

'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';
'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';
';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;'';';';;'';;';'';';
几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几
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　　　＼　皿　／　　　　　　.＼　皿　／　　　　　　＼　皿　／　　　　　　＼　皿　／　　　　　　＼　皿　／　　　　　　＼　
　　　／　　　.＼　　　　　　／　　　.＼　　　　　　／　　　.＼　　　　　　／　　　.＼　　　　　　／　　　.＼　　　　　　／　

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　景元四年八月、ようやく司馬昭は蜀討伐軍を送り出す。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　大いに将兵をねぎらい、勝利の誓いを立てさせた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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772 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:04:53.49 ID:lY00rT6go

　　　 ,.．彡´　_＿ __ rｲr ^~^入
　　／／, ィ''´　_r∧辷ソrミY::::::V7
　 ,' ./／　　／／　Y込ソ}ミYY)）　　　　　_.....-
　 V/　　／ >　}''´￣}ーﾌ:.. 人_} }＿,,,....ィ:::::_／
　jiヒ _〃　-=>__ヾ:／-八厂¨_テミー '''./^ヽ
　爪(''´　 _＿彡zz=仝ｨﾊ八厂｝_,､ﾉj. 　/　 /
ﾉ｛:i : Y''´　　 ´ ,ｨ示刄　ヾ）八...<ﾘ　/　 /　　　　　　　　　衛瓘。
从:V/i＼___　　八t::ソ　　爪ﾊ）､:: /　 /
　ヾ八/ｨ=.､　　　　,, ,, ／イ彡ヲ. /　 /　　　　　　　　　　 .鍾会に貴方の働きに期待すると伝えてほしいかしら。
　　　`ｰヾt:ｿ ,　　 ,ｨ　 }彡イ彡7,/　 /
　　　　　　ヽ〃｀ｰ'　及彡_/., '　　/ ー､　　　　　　　　　.無論貴方もね
　　　　　　ん厂｀''7手／¨　ﾉ　　　 i　　　iヽ､
　　　　　ノ彡イ::´イノ　　/ ヽ　｀_У 　 j　 .ﾄ､
　　　（三};;;;イ（￣￣￣｀ヽ　）　 /　　/　　,'　i
　　　　　テ::/　　|:|｀ー─--､,,　　./　／　／ ./__
　　　く::::/.　　 |:|￣ iヽ＼　.ー (_／, ｨ≦-- '!＼＼　　　　　　　　　　　　ヽ|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾚ
　　／/　Y　　　 |::|　　!　ヽ.＼､____了　// ／} !　.＼}　　　　　　　　　　　コ;;;;;;;;;Nヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾊ;;;;;;ｲ
　 ,'　 {: : : : : : :.:/Y　　ヽ　＼＼　　／.／　 }::}　　　　　　　　　　　　　　_」;;;;;;;/　　 '''Ｗ''　　ヾ;;;7
　 i　　V: : : : : /　ii　　　＼.　＼＼}:::/　　 /ノ　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;;;;;ﾄ､,,__､　　　 ___　ｲ;;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｒ7ﾄﾐ( Ｏ )>z=( Ｏ) !;;k）　　ﾉ|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ|ヾ-|　　ﾞﾞ　　ｒﾞ i　　　ﾘﾝ r=イ;;|ｒ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;; !ヾ､ﾉ､＿＿＿＿ﾝﾘﾉ|_ﾉ;;ﾉﾙﾞ;;
　　　　　　　　　ま、なんとかなるだろ。　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;ｪｪﾄ、ﾐ{テ元元テ州ﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.;;;;;;;;匕　ヽヾ三三三ｼﾉY1;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　ｶﾅﾏｼﾞﾌﾟﾘﾃｨ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;ﾚ　　　ヽ＿＿__ア　　Zｺ;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;匕　　<ヽ　>／　ﾉ |　Iコ;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;ｚノ　)　　　　　　ｒｋ丁;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;;;;;;;;匕ルハ儿/YＫヽ;;;;;;;;;;;;;;/＼;;;;;;

773 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:05:31.18 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　　　　　　l: : ｀ーLﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : : : : {|:.:V
　　　　　　　　　　　　　　　 ,}＿: : : ｌ}:. :V
　　　　　　　　　　　　　　,.'〈　l 　｀ヽ…:{
　　　　　　　　　ｒ「| _＿ム＾Vｔ.く⌒i_ V.::}／　　 ,'
　　　 _ 　＿,ｲ_〕='７¨ｿり　 ,ヽ｢薇　）':.:.|　　　　,'
　　　{ r｣/,'.二L. -ｒ'‐'.:ﾍｒ、り YL!イ. :.:.{　　　 /
　　　｀ー'ｒ'＿, -' ¨ｿ´rォﾐ´-イj-ム}: : .:.:｝　／　　　　胡烈。
　　　　　＼:. :. : :l/少 /⌒ヽ{彡八: :./.{,／
　　　　　　　　ヽ;.／.:.　/.　... .: }ﾚ' 　 Vノ┘　　　　　　.寿春の時に負けないような働きを期待しているわよ？
　　　　　　 //.: 　 ::.ヽ　: : ｲ
　　　　　　　入V: .、　 ::.',　 :.ヽ
　　　　　　 /:j:::. ＼丶　 ::l 　　＼
　　　　　　/.: j:: :　　:＼　　:|　　　　 /'ーｧ
　　　　　 {／::　　　 ::..＼ﾊ　　_／ r‐ｲ
　　　　｛ .:.:.　.: .:　.: :::../ヽ〕'´_r‐ｲ__ノ
　　　　　　ヽ、.: .:.: .: ィス　└'´
　　　　　　厶.;:人个ｲ　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／彡彡彡彡彡三三三ニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ///／´ヽ彡三三三三三三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i/／　＿　￣￣￣`ヽ,.彡r‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ′,／,,. ≧　　　　　　ヽｲ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　,/／　,.イ　　　　　/__　　〉ﾉ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝﾚ′ Xi/　　　　　/　　 V　/
　　　　　　　　　　　　　精進致します。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　´ヽ､＿_　　ト､／ゝｲﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|,,, ..、　　　　｀ヽ　　i　 /
　　　　　　　　　　　　　ｶﾅﾏｼﾞﾌﾟﾘﾃｨ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　,.-'　　　　　　｀ヽﾉ,イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀´j _　　　　 .{　　 /　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `┬‐-'　__ﾉ_　ﾉ　 :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`⌒!´　　｀/　　 .}　,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ--‐'´ヽ､_/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/| /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　征蜀護軍　胡烈

774 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/05(月) 01:07:23.82 ID:qaWHE1zS0

懐かしい顔がどんどん出てくるなあ

775 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:08:17.54 ID:lY00rT6go

　 , ィ┘＼ヽ　　／　　＼　｀丶、　｀ヾ､ ,.-圦彡ﾄ､
　／r┘　　ヽ＼/　　　／　｀ヽ_　｀丶、 >'::.:／｀=彳:ヽ
｢/´　　　　　＼ヽ　　 / 　／!　￣｀ーへ:∧ヽ　　}∨
/｣　　　　　　 / ヽ＼ ,′ /　/　　　　　　　｀ヽ、 /r┘
/　　　　,..-_ﾆｲ　　＼ヽ　,′/　　　　　　　　　-､Vｲヽ
　　　／／　　|　　　ﾄ､＼r'′ ,　-‐　　　　 _,. l ﾚ'′　　　　　龐会。
V　//´　　　｜　　 |　＼ヽ '´ y=-;ミ　　彳::.k!′
　∨/　　　　　Vﾍ　　|　　ヽ＼7っ: ﾊ　　　　ヾﾆﾊｰ-､　　　　　ようやく貴方の望みが叶う時が来たのかしら？
ﾆ／　　　　ヽヽ　Y⌒ｰへヾ -‐′ 　　 !　　 |　　ヽ
　　　　　　＼　弋＿　＼＼　　＿, ｨ　　ﾉ　　ノ
　　　　　　　　　　　｀￣＞┴‐ ￢､ヽ　　 ´　／- ､
　　　　　　　　　く　　　_　r┘_ヽ＼＿_／　　　｝
　　　　　　　　　　　 , '´￣｀ヾく」-―ｰ＼ヽ‐{r＜二∠_
　　　　　　　　　　／　　　　　 {　　r-‐}|::ﾄ､＼｛　＿_}　｀丶､
　　　　　　　 /　　　　　　ヽｰｲ＜_|::|　＼ヽ仁ﾆ、　　　 }

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.r'lY'r､　　　　　　　　　　　　　　　　 -、―｀-..ﾞ￣.:ゝ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　L山⊥!　　　　　　　　　　　　_ ,　-‐ ' ., ,-=≡≡=‐卜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌｌｌ lf＾l_　　　　　　　　　　　　ヽ＿..::::У ......, :::: :' 　z::::>-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　! 　 ┴Ll　　　　　　　　　　＜、..:／....:::::;:∠_＾.7::::, '　　　; ﾄ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　 ' ﾉ　　　　　　　　　　＜_ﾌ...,,::::;iイ=-、｀/:::;,.; ..;　　　ﾄ
　　　　機会を与えてくださった　　　　　　　　　　　　 l三三三{　　　　　　　　　　／ ...::::クｲん;.ﾗ./´ﾌ　::　:;i;　　 }
　　　　大将軍に感謝であります。　　　　　　　　iﾆ二三ﾈ._.::{⊂l　　　　　　　　　∠　Ｚ {<〕l |　｀ﾞ　／_,::イ: ..::; 　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:.:.:l:.:.:「:.ｌ|:r::r-)　　　　　　　　　 ' ´ / ゝｿい　　　￣冫/...:::::;; 丿
　　　　ｶﾅﾏｼﾞﾌﾟﾘﾃｨであります　　　　　　　　　　.|:.:.:.:l:.:.:ｌ:.:.!!:l_:l_:|　　　　　　　　　　　￣ヘ》ﾍゝ　ー、彳∧_,乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＿_l＿L.」!:.:ﾉ/ 　　　　　　　　　　　　　　|.i　ヾ、 ´ _. イ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └─‐r‐':.:.l⊂{　　　　　　　　　　　　　　儿卜、ラヾ　 ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「￣￣~l　　　　　　　　　　　　, -イへ. ._仆、ﾉゝ‐ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|_ _ _.l　|　　 ,,.---―ヘ__√卅|~l　 .＿少:::;; .个ヽ、勹,.,.,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　　 l　ﾄ‐'^ヽ　　　＜l≧(○)} .}<´::::::::じゞソ::::::;;:>{ l;;Д√ ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　将軍　龐会

776 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:09:20.64 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　_... -―- ... .{ ,':.:..:.ゝﾋ:::::::::;;;:::::::llt　　',. 　ﾒ　　　　　　　　　　　　　　 /＼　　　／|　　／ﾞｉ
　　　　　　　　／. : .:.:.:.､:.ヽ:.:｀ヽi:.:.:.:.} ..}:::::::::ﾞ'､､::!!:ゝ,　.ヽ/. l　　　　　　＼　＼､＿ﾊﾉ　　ヽ、|／　｜ノ　　 (,ﾊ＿､／/
　　　　　/ . : .:..:､､_ゝ=ヾ_ry､',:.:.:.:ﾄ i:::::::::::;;ゞ彳モゝ_ 〉.　!　　　　　　　＼)'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'(
　　　　 , 'ヽ. :‐-､::: {{ﾉ__,,rｪ__}}::l.:.:.:.:］i､;,,-'／'"||　ll::::〈. >,.|　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　 i !l/｀丶､_:_:_ゞ彡ト彳ミ:::|7_,,-';＜":::::::::||:::::!!::::ﾒ　}.!　　　　　　ヽ,）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（,,r'
　　　　 |,l.|! _,._　　 '"￣t|:|ゞ.',､::ﾑ彳'´|_　!､:::::::::!::::::＼:::〉 ',|　　他の者／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　｀ﾞl|　,.=､　　,rｰ､!〉;〈';i:人^ゝ.::'‐-,"｀-､:::::::::::::::ﾄ､｀{　　　　　　ヽ　　　恐れながら申し上げるっていう！　 ,r'
　　　　　　ﾍ〈. |:::!　　' 　､､._,!ｪﾑ!-,_｀} ｀!.:.:.:.T__ ｀;;-､-'",-} 〈　　　　　＿）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＿
　　　　　（!､ゞ',　 ,-,　 / イ／ノ　ヽ､｀ヽ,:.:.:.:｀'｀ヽ-'"´.:〉 {　　　　　 ,)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (,
　　　　　　　,､,､ゝ,　ｰ'" r〈　ノ,..イ,　　　｀ヽ､｀ゝ-､:.:.:.__:.:.:{　ﾉ　　　　　／-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､-＼
　　　　　ｒtﾍﾄ､Yゞﾑ=-イ人＿f,.ﾒヽ､　　　　ヽ-.__ ￣,､.,,／　　　　　　　／ﾍ '"　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　　 ,､f〈;i.ﾄ-‐ﾋノ《"》〈ミﾐ〉》,',/》ヽ',-'　　　　　　　｀'"　　　　　　　　　／　　/／7／ﾍ　/l　ﾄ､｜＼、 /＼　/＼ﾞｉ
　　,t､,,/ム='-７ i 》《"{ミ;〉l」〉}〈ゝｲ !　　　
　（::'-;'ﾉ"｀"｀ﾒ</,六ヾ{ゞ､ﾞiゝﾚ> /.凵　　　　　　　　　　　　　　/ｨ::/:/ .:::::l|:::::!..::::l:::ﾊ:!　ヽ:::::::::! .:::!:.:::::.! ::::::::.::::::::::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃 !:::/.::::::/!|＿:::::::ｌ!:l l|　　 ',:|l::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/::::::::::::j＿､､ヽ:ハ! {　　　!| !|l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ::::::::: ハ　{＼ヽV　　/　　l| l| ｌ:::::::::｣:::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　!:i:::: ﾄ{　　 ` ‐ﾍ　　 i{ー‐＜二レへ !:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:ﾊ::::{ !　　　　　　､_￣亡フヽ,　 !:::::::!::::::::::::::::::::::::「´
　　　　　　　　　ｶﾅﾏ…　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|! 入ﾄ､　　　　　/　　　　　　￣　 !:::::ハ::::::::::;ｒ'⌒ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/{ ,ハ　　　　〈　　　　　　　　ムくソヽ- '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノｵフへ　＼_　｀　　　　　　　　, ':::: ヽ＞-､}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ソ／　　ヽ　　 ´ ' ー一　　 ,. イへト､{　＼二}ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ- '´　　　　ハ　　　　_,... - '": : :ｶ　）　ヽ　　＼｀ｰﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ンｰ─- ､＿__／/| ｀￢"´: : : : : : :.://Ｌ　　　　　＼ヽﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　ヽ／:::::! |　　　: : : : : : : ://:::::::::７ー ' ´￣´ ヽ＼ｿｌ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　護軍　田続

777 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/05(月) 01:10:40.73 ID:pgnRJbPmo

黄色自重カレーでも食ってるのだわだわ

778 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:10:48.22 ID:lY00rT6go

　　　　　|　 |　| 　|
　　　　＼|　|／
　　　　　　ﾍ±/
　　　　 γ| |ヾ
　　　　　｛○;○｝　　　　/ﾆＹﾆヽ
　　　　　　｀!幵j´ 　　　　/ （0)(0）ヽ
　　　　　　 | |　　　　／　￣｀´￣　＼
　　　　　　 | | 　　　|　,-）　　　　（-、|　　　　　　　　将軍の鄧敦だっていう。
　　　　　　 | | 　　　| l　＿＿＿＿　l |
　　　　　　 | |　　　　＼　 `ー'´ 　／　　　　　　　　蜀討伐は未だ時期尚早、今回は見送るべきだっていう
　　　　　　 |_l 　　／　　　　　　　　　＼
　　　　　　（こ）／　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 !⊇) 　　.r　　　　　　　　ﾍ　　i
　　　　　　 | | ＿／ |　　　　　　　 | 　　|

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 　/ 　./ /.::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ､＿＿,...戈,>,、　_,..ィﾍ _{ |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V {　 / /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾﾑ升_nj'´|ヽ_|｜
　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　 >ヽ,{ /.:　　｀ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,.ィ'´　　.:..＼ }'´V |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { ´ヽｿ.::.... _,ｫァ=-｀､=‐- , ﾉヽヾ-‐=,´-=大ヾ_:::::::::::|ﾉﾆ､}ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,.ｨ´',:::::::ｲ　{ {О} lヽ、　　　　　　 /１{О} }　〉:::::::::ト,.、ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 ,rァ／''ヽゝ.',::::::::... ゞ:::::ノ　´:..　　　　 ..:｀ゞ:::::ノ...::::::::::::|'´／＼=‐-、
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　　　　　　　　　　　　　　　 { ゝr'　　　｀ヽ､｀"'''''''''弋"ﾍ　　　　　　　　　　::::::::.　　　　　　　７ー- ┴‐='''"´　 / {　（｀ヽ
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779 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:12:38.10 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　｀''+i..,,,
　　　　　　　　　　　　　＼ﾞﾞ'!､、
　　　　　　　　　　　　＼ .｀''ｰ　,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼,　 .ｉﾆ''!"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　｀'-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　｀''ｰ　,,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　 .｀ﾞ'''―　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　 _,,,　-''!ﾞﾞ″
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　　　　 .＜_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　ｒ'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　｀-..、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　｀'|～
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　｀'-、
　　　　　　　　　　　　 'ぃ．　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　｀'-..,、
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ `-､.　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　　　__,二＝─
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 .｀''. ､,　　　　　　　　　│　　　　　.〈"￣´゛
　　　　　　　　　　　　　　　ｌ,　　　　ﾞ''ｰ .．　　　　.,./ 　　　　　　 .｀'''ｰ─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　￣ﾞﾞ´ 　　　　　 r‐―￢￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　,-―-、　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ,./ 　　　＼　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞl!　　　　　 .ヽ　 _、　　　＿＿.　　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.| .｀ﾞ''ｰて、　 .｀ﾞ'''ｰ .._　.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌl、　　　　　　　　　　　｀''-..＼

780 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:13:31.52 ID:lY00rT6go

781 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:15:27.83 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　　　　　／　　ノ　∧｀ヽ　｀ヾ` r'ﾝヾﾆ､
　　　　　　　　　　 /　　　　＞'　`＜_　　 <ﾞv　　〉vi、
　　　　　　　　　　　　　/　/ /／＼　　　　｀ヽ、ﾄﾍ三{薔}〉
　　　　　　　　　　　 {　ｌ f'´ ､,r=ｭﾐｭ､　　　　二{〉、ヾﾂ）　　　　　全軍に告ぐ！
　　　　　　　　　　　 ',　 !{　 -{liｸｯ }｀　　　ｨ,r=､,ヾ〉,>}'
　　　　　　　　　　　　 ,f´｀ヾ,　　_ゝ‐'‐　　　 rfｲ`, }/>ゝ　　　　　　　鄧敦は勅命に背き、軍の士気を乱した！！
　　　　　　　 _,ｨ=＝ｷﾆヽﾄ　　　　　　　　 ! ｀ヾ´ﾄ{
　　　　　　　　 ´ 　 r―ミｪ､_　　　　　　 -=ｭ　　　ﾊ'　　　　　　　　よってこれを斬った！！
　　　　　　　　_ノミｭ　｀ヾゝ、　　　　　｀>ｲﾍ}、
　　　　　 /｀ヾミｭｪ-､　ミ[二ミｪ､__　　 ,r'´　￣｀ヽ
{　　　　　　 _」、　　｀ヾー彡｀爪￣＞‐〈｀7　｀ヾミ､　　 ',
ゝ、　　 ,ｨ'´ 　｀ヽ　　 >　　 ||_＞彡'´_]ヾ､　　＼_ゝ､r'
　＼　ヾﾐ、　　__}｀~´　　　 <／､ヾﾆ´　　＼　　〉
　　　｀ヽ」｀ー､/　／ｌ/　　　　 ||　｀ヾｭミｪ､＿,ｲﾋ'´ヽ、　　　　　　　　　　|ミﾐ:::l　　 r‐‐ｧ　　　　r‐‐ｩ　　 _」　三|
　　　　　／　　　　　　　 ||　　　｀ヾ〉　 || |　　ﾉ　　　　　　　　　　|ミﾐゝ'　　 .￣　　　　　￣　　　{,,,､　三|
　　　／　　　　　　r‐'´　　ヾｭ､　　　　　 || | //　　　　　　　　　　i´lﾐ: ! 　 _,,.-_-　　　　　　 .-_､　　　:i　三|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|ﾐ::ﾉ　 .,,ｨ'　　`ｭ　　　　ｨ"　　ヽ, 　 | :ﾆ/i｀l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.!ヽ:l　　. ｀'''''"´~ / ::.　弋''-‐.'｀　　 |. ﾉi !;ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i 'ゞl:::.　　　　　./　::　　 .ﾞ‐-　　　　i::l,,i /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l ..|:i:::.　　　　;〃　::　 i,　　　　　　 | |';.ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~ゞ::::::::...　　''〈〟 _〟}::　　.......　　|├'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::::::::..　　　 ) (　　　　.::::::::.　ﾉ:ﾉ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ,::::::::::..{〉ﾍ,__,ﾞiq　　　　　／!1l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/|ヽ:::::: i :^‐‐' .ﾉ　　　/　/　 /　｀!_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,ィ'ﾌ .i　;;'､::　ﾞー-‐′　／ .ﾉ　./　　　 -〒ヽ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　この際、将軍の鄧敦はまだ蜀討伐はすべきではないと主張した。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　しかし、司馬昭の決意は固く、見せしめとして斬られた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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782 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:16:16.93 ID:lY00rT6go

/_　　　　}>--ﾐ　　 iVﾊ:::/　
　}!⌒　　､]:{　ヾ　 }　|{/　　
　L＼　　｀ヽxｲ{ 彡 .ハ.　　
　　ヽﾊ　､　　　　　､r-r'　　
　　.ﾉ:::L_.　　 / ri ,､{_ﾉ　　　
　　｀}:ﾄ､::＼　　〈 / 　　　　　　　　　　　　　気の毒なこった
　　ヽ寸ト､:丶､　./　　　　
　　　ヽ::寸＞x::｀)　　　　
ー-　._　`ー- .フ　　　　　
　　　　　　､_ノ二ﾆ x＿__ 　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
ﾆヽ　　　 {: -=ﾆ二ﾟ￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
=-:＼　　　.ﾉ::::､::::::::::: ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　寿春を平定して以来六年！！　　　　　　　ニ=-
王二:二二＝--≧:､:::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
_]=-::::::-==ﾆ二三气:＼::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　戦争は休止し、兵を治療し鎧を修繕した！　　ニ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

783 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:18:19.12 ID:lY00rT6go

　　　　　,　-- 、　　　　 ,　-―――― -　 _
　　　／/　　　ヽ　 ,／￣　－　_r～冖ｰ-､_｀ヽ
　　 /　/　　　　　V/　　　－ r'´　_r -z､＿-└､ﾊ
　　 !　'　　　　　/ |{　　￣　　|　「　「f こ三ﾍ＞－┐
　　 |｜　　　　/　/l｀　－ _　 { └ｔ〈」└ｔソｲ〉　　 j
　　ヽ!　　　　i　/ /　　　　｀└／,∟ヘ _７イ＼ーｲ|
　　　＼　　 |　l ,'　　　　　　　,＼　 /ｰｔ.T´＼　＼ﾘ! 　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　￣ l　l〈ｰ- ､ _　　　{／斗≧ｘｭﾍ　＼/V　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　　　', l.ﾊ　＿Y　　　彡ｲ r　lヽ　ﾍ／-､　!　-=ニ　　　　まず、乱世の根源たる蜀を滅ぼす！！　　　≦
　　　　　　　　ヽ、∨〈ｒ l　　　　弋._ ﾉ '　〃ｒ冖 |/　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　　　　　ハ. ゝ '　　　　　　　　　/　ノ／　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　　　　　　　〃Ｌ',　　　 ,　- ―　､　 l|　.ｨ´￣ﾞl
　　　　　　　　　 |l／´＞、＼ | 　　〉　!ｲ--z―'イ￣ヽ
　　　　　 , 、　　 l!　,ｨ/７_.＞､ヽ二／／　|｢￣三了　　　 ',
　　　　／／｀ヽ_ ∨/'´　〉　　｀－ィ´　／'ー-､ﾆ｣　　　 ',
　　　 / /　／ /＼{＿∠-￢　／ |　／　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　〈　　　　 '　 j_ V 〈　＿」 /!＼j∠.　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　＼､　　〈_丿､└//￣|　ｒ－i ',　-=ニ　　　　蜀さえ滅ぼせば、呉は必ず自壊する！！　　≦
　　　　｛ヽ、　　｀Ｙ　|　ゞ=' 　ﾚ {＿｣ |／　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　 r┘／ ',　　〔 |　| l　　／ / l　＼　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼＼
　ｒー｣　/　　 |　ｒ┘|　! ヽ＿／　 l|　　＼＿_／　　　　 // イ
　|　　 / 　　 !r┘　,' /　　 /　/ 　 }|　ヽ　 l　　　　　　　／〈

　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧　　これぞ、虞を滅ぼし虢を定める形勢である！！！　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　　　　　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

784 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:20:21.95 ID:lY00rT6go

　　　　　,　-- 、　　　　 ,　-―――― -　 _
　　　／/　　　ヽ　 ,／￣　－　_r～冖ｰ-､_｀ヽ
　　 /　/　　　　　V/　　　－ r'´　_r -z､＿-└､ﾊ
　　 !　'　　　　　/ |{　　￣　　|　「　「f こ三ﾍ＞－┐
　　 |｜　　　　/　/l｀　－ _　 { └ｔ〈」└ｔソｲ〉　　 j
　　ヽ!　　　　i　/ /　　　　｀└／,∟ヘ _７イ＼ーｲ|
　　　＼　　 |　l ,'　　　　　　　,＼　 /ｰｔ.T´＼　＼ﾘ!
　　　　　￣ l　l〈ｰ- ､ _　　　{／斗≧ｘｭﾍ　＼/V
　　　　　　　　', l.ﾊ　＿Y　　　彡ｲ r　lヽ　ﾍ／-､　!
　　　　　　　　ヽ、∨〈ｒ l　　　　弋._ ﾉ '　〃ｒ冖 |/　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　　ハ. ゝ '　　　　　　　　　/　ノ／　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
　　　　　　　　　〃Ｌ',　　　 ,　- ―　､　 l|　.ｨ´￣ﾞl　　　-=ニ　　　　　乱世に幕を下ろす時が来た！！！　　　　　≦
　　　　　　　　　 |l／´＞、＼ | 　　〉　!ｲ--z―'イ￣　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　　　　 , 、　　 l!　,ｨ/７_.＞､ヽ二／／　|｢￣三了　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
　　　　／／｀ヽ_ ∨/'´　〉　　｀－ィ´　／'ー-､ﾆ｣　　　 ',
　　　 / /　／ /＼{＿∠-￢　／ |　／　r'ﾆ二￣|　　　　ヽ
　　〈　　　　 '　 j_ V 〈　＿」 /!＼j∠.　　┬－ｧ ┘　　　　＼
　　　＼､　　〈_丿､└//￣|　ｒ－i ',　 / {/´　ﾍ　　　　　 /
　　　　｛ヽ、　　｀Ｙ　|　ゞ=' 　ﾚ {＿｣ |／　ゞ='　/　　　　　　　/
　　　 r┘／ ',　　〔 |　| l　　／ / l　＼＼　　/　　　　 /　 /
　ｒー｣　/　　 |　ｒ┘|　! ヽ＿／　 l|　　＼＿_／　　　　 // イ
　|　　 / 　　 !r┘　,' /　　 /　/ 　 }|　ヽ　 l　　　　　　　／〈

785 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:21:09.28 ID:lY00rT6go

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|　＼/＼/　　＼／＼/　|∧／　/／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠　　諸君の働きに期待する！！　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　|/　　　＼/　　　＼|

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几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几
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786 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:22:29.86 ID:lY00rT6go

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　 '´　　　　　/ ／l/　　　　　.,／,_　|　　　'´　　　　/ ／l/　　　　　.,／,_　|　　　　 ;‐i　　　　　　　 /'''',,,," 彡
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几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几几
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　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
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787 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:23:55.28 ID:lY00rT6go

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788 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:24:31.35 ID:lY00rT6go

【紀元２６３年８月　蜀　益州　沓中】

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::. ::..:::.......,;,..　　./:: .:.::　丶　..　..:......､　　:.､　　ノ-",::~_-　､:::::::::::.::...-､　 `-￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣　
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789 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:25:30.34 ID:lY00rT6go

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　　　 _≧￣￣ `‐‐‐--- '", イ彡,-'":::フテ--‐'"　__i　　ヽ7,' i くヽ iノi/イ＿　＼
　-=＝-､￣￣￣¨¨¨¨¨'"¨ -=チ/ 　／　,=､フ､=i　 ≠　 ,ヾj_ｊヽ!｀　i　 7::7 ,_> _　＼
　　　　　j:::ﾍ　　　　 _,ィﾁ彡'"　　/,-､y　二-'"　 /　　_＞､:::::i i|　 i　　テ,..＜iﾍ　　ﾍ
　　　　 7:::::ﾊ　　　　　　／　　　 /　､/￣　_,-‐'::/　 ./::::iヽ､＞､γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　＼::::ヽ　 _,-‐'"　　　　 /ー-､,ィ-'フ　i::7　 .7:::::::',_ :::::::ヽ|　　　　姜維最後の戦いが始まった　　　　 |
　　　　　　ヽ:::＼_,.ィ:::＞､　　 .≠:::::::::::::ﾍ::::i,　/,i　　jイﾌ-iヽ､::::::::.ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　ﾍ:::::::::::::::::::::::::ヽ,イ:::::::::::::::::::::ﾍ:::〉/ |　　i二ヽ=!　j¨ヽ::| 　 !　i:::::> 　　 |　　 !
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790 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/05(月) 01:29:30.97 ID:lY00rT6go

791 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/11/05(月) 01:30:11.92 ID:8n+29fFI0

おつでした

792 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/05(月) 01:30:31.62 ID:ZyXCOeWmo

お疲れ様でした。

793 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/05(月) 01:34:08.70 ID:P+hXnLvKo

おつｎ

794 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/11/05(月) 01:36:36.72 ID:sxJTw6ko0

乙です

795 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/05(月) 01:39:06.95 ID:qaWHE1zS0

お疲れ様でした。

杜預の馬乗れない設定今まで出てなかったんですね。
陳寿馬に乗れないこと既に知ってると思ってました。

796 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/05(月) 01:41:28.10 ID:pgnRJbPmo

おっつ

797 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/05(月) 02:12:32.55 ID:cpNHEF0uo

乙です。乗馬できないとか、よく兵卒に舐められなかったな・・・

798 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/11/05(月) 03:45:05.19 ID:IQT/phYw0

乙でした、
鐘会４０近いのに独身だったのか。

799 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/05(月) 08:56:03.00 ID:EG50o3Xq0

乙でした
しかしこの時期を見てると蜀の北伐は絶対成功しないなぁと思う
雍州～涼州を手に入れたとしても、異民族統治で屋台骨が折れる結末が待ってるでしょうし
魏との国力差を思い知らされますね

800 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/05(月) 14:31:03.59 ID:e+FH11VP0

>>799
逆に言えば、北伐を中止して固守する消極策にもそれなりの勝算はあったことになりますね。
西晋のその後を見れば、蜀漢が非漢民族と連携して涼州で魏晋を足止めし続けていれば、魏晋側にさらなる変事が起こったかも知れません。

801 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/11/05(月) 15:16:07.45 ID:MMNWqprI0

>>778
殺された鄧敦は鄧艾の同族なのかな？
曹丕とチャンバラやって負けた鄧展は南陽郡出身
蜀の鄧芝は義陽郡出身、後漢の区分じゃみんな同じ郡だし
鄧芝に至っては性格も鄧艾によく似てる

802 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/05(月) 16:27:29.62 ID:GbFc65Uio

>>800
八王の乱や永嘉の乱の背景に、天下統一による弛緩（軍縮から精神的なものまで）があるから
それは意味のない仮定ですな

803 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/05(月) 16:39:15.34 ID:e+FH11VP0

>>802
しかし、この時点で鮮卑禿髪部の動きが既に問題になっていたから…。

本当、タイミングと司馬昭の意志力の問題だったのだろうなと思います。

804 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/05(月) 17:00:08.19 ID:GbFc65Uio

>>803
魯粛の二分策もそうだったんだけど、「北の乱れに乗じて北進する」というのは
それまで自分たちは健全に国をまっとうできるというが前提になっているんですよね
史実は蜀も呉も、北より先に自分たちが乱れた

805 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/05(月) 19:52:16.20 ID:v6a1xHVp0

ベジータを登場させたのは禿髪とＭ字ハゲのためだけですかｗｗ
古代の遊牧民の髪型って定説が無いのがなんともｗｗ

806 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/11/05(月) 20:36:22.94 ID:MMNWqprI0

禿髪（とくはつ）部に関しては今後のネタバレになりそうだから言及避けるけど
普通に拓跋（たくばつ）部のことで、その後のアレで酷い当て字つけられたんだろな

807 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/11/05(月) 21:56:39.32 ID:qNeq0Ef2o

今更ながら乙。何か怖くてリアル投下スルーしちゃったｗｗ
一気読みだと怖くない不思議ｗｗ

蜀の才人は時勢を見て次の世代に希望を託そうとしていたのか
それとも三つに別れた天を一つにする事を諦めてたのかねぇ・・・。

808 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]：2012/11/05(月) 22:02:12.18 ID:divzaPqCo

投下乙でしたー
ついに蜀征伐か…、第1話から4年近く経ってると思うと感慨深いですね
あとｶﾅﾏｼﾞﾌﾟﾘﾃｨ

809 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/05(月) 23:38:12.41 ID:+8M/jB+Qo

>>804
「魏」という国について考えると、実質もう晋に移行してるようなもんだからある意味国が乱れてるっちゃ乱れてるんだけど
率いてる奴の能力が他二国と比べてダンチってレベルじゃないから外面的には全く問題ないっていうのがなぁ
頭だけ変わっただけでほかはピンピンしてるって感じだ

810 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/06(火) 00:07:36.87 ID:+485iHKWo

反乱が起こっても皇帝の首をすげ替えても何ともないぜ、だものなあ
このことについては、いずれ作中でも分析されると思うが

811 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/06(火) 17:43:04.89 ID:si/SOGe30

遅れましたが乙

鐘会と鄧艾の話は、後人の後知恵＆後付けという印象が強いなぁ
杜預と羊琇を鐘会の下につけたのも、大軍の運用経験を積ませるのが一番だったようにも思えるし
つか杜預さん、左伝の件を思えばあなたも衛瓘を非難できないでしょうにｗｗ

812 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 00:57:46.60 ID:T5TO1/KPo

【幕間】

／.:／／／:.ｲ:.|:|:|i:.:ヽ:.､ヽ:､ヽ、
:.:／:/./:／/:|:.:|:!:|:|i:.:.:ﾞ,:.:.:.ﾘ:.ヽ＼
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:.:/.:/:.:./:.l!::.:.ﾊ:.V:.;､:i:.:.|:.:.ヽ|:.i:.i:.:.',:.ﾞ:,
/l!:/.:.:/|!.|:.:./ハ:',:|:ヽ:､|!:.:.:.ﾊ:.||:.',:.i:､:',
!|l,:!:.:.:.:|.| |ﾚ/∧:l:ﾒ!:.ヽ:.:|:.|/:.i:.ﾘ:､',:|:.i:.i
:|l.|:.:.:.:|!.:|:.//￢i:.{‐､.:|.ﾄ､:l:|､:.!:.:.i:ヽ|:.|:|
i:.:| |:.:.|l:.:.l/ィ示ヽﾐ　!.ﾒ| 〉ヽ!:|_!:.|:i.:Ｎ:.|
:.:.l!:l､.:.:l､:l｀ヽ::ﾉ_, '　ﾘ　|i |.,.ｨl､.|::!||:.ﾒ:ﾘ
､:.l!.Ｎ､:い!.　　　　　　 !く:::ｿ } |:.:|/:/
!:i､.i!ﾘヽ!　　　　　　　　 , ｀~　/|:ﾉ:/
:.i|:iN　　`　　　　　　.:　ノ　　/:!ﾚ/′
:､l:|ﾊ　　　　　､＿___　　　　/::i/'′
小|　ヽ　　　　｀''ｰ‐`''　／|/l
:.:ﾄヽ　＼　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　 r‐-､r‐-､r‐-､r‐-､
Ｎ|｀ヽ　　ヽ､　　,　'´　　　　　　┌───────┤ 　||　　||　　||_..._|‐───────┐
｀`'''‐- ..,_　　 iT"´ 　　　　　　　| ｰ──────‐ |_...._||　　||_...._|ヽ_,ﾉ. ─────── |
､_　　　　｀`''‐N､　　　　　　　　　 |　鎮西将軍　　　　.ヽ_,.ﾉ|.-‐.|ヽ_,ﾉ　　　　　　　　　　 |
　｀ヽ､　　　　　 i　　　　　　　　　　| ─────────. `ー' ー‐─────────‐ |
､　　　｀ヽ、　　 | 　　　　　　　　　|　都督関中諸軍事　　　　　：　　　　　　　　　　　　　　　　 |
､｀ヽ、　　＼　 |　　　　　　　　　　| ──────────‐ ：. ──────────‐ |
　＼＼　　　ヽ.|ヽ　　　　　　　　　| 　　　　　　　　　　　　　　：　　　　　　　　　　　　　　　|
　　ヽ　ヽ　　　| 　＼　　　　　| ──────────‐ ：. ──────────‐ |

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　三国時代、文章を書く事は高等技能であり、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　流麗な書体による文章を書ける人は大変尊重されていた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .鍾会は書家として有名な鍾繇の子だけあり、字を書くのが上手だった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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813 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 00:58:44.29 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　 /⌒ｿ/⌒ヽ、
　　　　　　　 .　/　 //　　　 ..＼　　　　　　._,
　　　　　　　　/ 　//　　　　　　.｀ヽ,.._,ィ''´　　｀'ｰ- 、　　　　　　/i
　　　　　　　/ 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼,.　　 _..ノ .|
　　　　.　　 / 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒´　　 .|
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　ッ芝ヾｼ⌒ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　.ヾﾆジ　　　　＼　　　　　　._,.イ⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　｀ヽ,.._,ィ''´　　　　　｀'ｰ- 、　　　　　　　　.　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＼,.　　 _., ､　　.　.ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´　　＼._,ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞－∩_]仆;;;;;;;;;;;ｌｌ））
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉﾉ;;;;;;;;;;;ﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ二ヽヽγ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（;;,）;;）ｌl .（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞－∩_]仆;;;;;;;;;;;ｌｌ））
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉﾉ;;;;;;;;;;;ﾉﾉ

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ただし鍾会の場合、単純に文章が上手かっただけではない。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　他人の筆跡を真似るのも上手く、それを活かした特技を持っていた
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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814 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:00:13.93 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　 /　/　 ,ｿi |. i i ! l i　/:ｌlンｉ:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　　　　　　; .l ｌ　ｌ !iｌl　!i　 i:/ ﾒ､ｌ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　 ,: 　　/| ｉｌ　ｌ. iｌｌ.　i　 !　,i　l:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　　 / 　　/ l　　ｌ. il|ｉ　ｌ　　∧ﾒ !::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　 ,' 　 .　,'ｉ lﾊ ',　i. iｌｌ　　　 X ',､::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'f　,' ,'　　i　i i! ! ｉ l　 i ｉl　i 　 i l.l! iヽ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　li'}　ﾊ:　,'i i､! ', ' ヾi　 i i 　ｉｌ　l l ! i:::::::r^
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!.i　ｿ il　ir !ﾐ、､ i　 !､ ', !　',l　ｉ ', ',',::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l i　,' ﾊ i !! 廴ﾂ､ヾ　 ':､　i　i　 i !ヽゝ::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!.li!.l|!| リ　` ｪ､..ヾヾ､ヽ:､ i ! ﾊ､!ｌヾ､::l
　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　 ! !从　　　"""ヽﾞ:､ヽﾞ: ､弌itｰマ､:ヽi
　　　　　　 |　　　　　文書偽造である　　　　　　|　　　　　　　　　　　　′ i　　　　　　　　 .::　ヽ　ｰ`=.公､`:i
　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　 _,r:::i　　　　　rｰ-‐　'''' ー　‐ --:: ､:ヽ::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､､、､､､､､､ -‐ー''''''' /:::'.　　　　　｀`¨':':‐:::::::-::::::::､_　　ヽ:;::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '" 　　　 ./"　ﾞ:,　ﾞ､　ヽ､,..:::::::::::::::／ ,　` ､　　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__, 　　　　',::､　ﾞヽ､:_:::::::::::r ;´ '　ヽ､　　` -､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `;;=--‐‐''''"" 　　　　　',:::､　 `'':::::::::::::;: ' 　 i　　　ヽ､,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i´　　　　　　　　　, 　　　 ',::ヽ　　 ::::;::i　 _ -t^ヽ､_　　　ﾞ`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　 i 　　　　ヽ::`:ー ':::::i　.ﾉ:i　ﾉ:::::::: 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' 　　　　　　　　il　　　　　　,.ゞ＝ｰ'"ﾒ /::::ﾚ:::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　il　　 _ ,ｨﾆ´ ﾆヽ　　ｰヽ:::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　　　　　 ill　,イ:::::iニニニｿ､　　ヽ::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　illl ´ 　　lﾆニﾆ/　ヽ. 　　　',::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i 　　　　　illl 　　／ﾆヽﾝ　　ヽ　　/::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i.　　　　　 illll　 , ' ＼＼ i 　　　　ヽ , ':::::::::::i

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　謀略の手段としては比較的新しい。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　『三国志』によれば、魏の中書監劉放が、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　孫権の筆跡を真似た偽手紙で諸葛亮を欺いた事例が存在する。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　紙の普及・文学の流行が生んだ副産物と言って良いだろう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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815 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:01:24.44 ID:T5TO1/KPo

.　　　　　／/,ィ/´::l〃::;ｲ/ｲ:!:ｉ:l::!:ｉ:ｉ:!:ｉ::|!
　　　　　 /:,ｲ///: ／!／:〃:://::l::ｉ:l:l:l::l!:l:l
　　　　　,':/〃:ｉ:ｉ::/〃!,:イ/:://,'!::l::l:l:l:l::lｉ:!:l
　　　　ｉ:.!:'ｉ:ｉ/l::!'/ｲ l!:〃:,ｲ l/ lｉ::!'::l:l:!:ｉl::ｉl
　　　　 |:ｉ:ｉ:l:l:.ﾊｿｲ !//,:ｲヾ//小ﾊ::ｌﾘ:/:l:ll
　　　　 |:l:.l:l:!,:代ト/／　ィﾏﾗ７:/l〃,‐:!l:!　　　　　　　　　なぁ、君のうちにある宝剣、ぜひ僕に見せてくれないか？
　　　　 |!l:ｉ:! ｉ　￣'　　　￣ ´/ｲｿ!'/ 〉}:l'
　　　　 lﾊ:ﾊ　　　ｉ　　　　　〃_才:ﾘ　　　　　　　　　　　百万銭する噂の宝剣だ
　　　　 ! ヾﾊ　　_｀ ´　　　　 / .T:ｉ:ﾘ'
.　　　　　｀　､　､__￣　　ｲ　 .Ⅵｰ,-､
.　　　　　　　　ヽ　　　／　　 .　'　　＼
　　　　　　　ｉ: .ー　´ 　 ,.ィ ´　　　　冫､_
　　　　　　　, -‐くl: : .　　　.:lｉ⌒ヽ　　　　 /　　｀ｰ､_　
　　　　　／　　ヽ: : .　. :　ll.:.:.　ｉゝ.._　　/　, 　 ´ _＿_ﾐ:､　　　　　　　　　　　　　　..　 -━‐　 ..
　　　／　　　　 /ｉヽ: : : : 〃　／　　ヽ/　/／／　　　　ヽ　　　　　　　　　 ..:.´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀.:..
　　／.- ⌒ヽ　 ,': :! }: : ／' ／.　 /　/　　/´／　　__　　　 l　　　　　　　　　／.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 /.:.:／.:.:.:.:,.:/.:.:,､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}:.:|,ｨ癶ﾞ　　-‐＜　Ⅴ:.:.:.:l:.|:.:.:.:.:.;
　　　　　　　　嫌よ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　　　 :.:.| ﾋソ　　ｨ...癶, }:.:.:./ミ:.:.:.:.: ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :.:| ::: , 　　　弋zソ/:.:.: ﾞん):.:.:.:′
　　　　　　　　あの宝剣はうちの家宝！　　　　　　　　　　　　　　.　　　　込　　　　::::: /:.:.:/:.:.:.:|:.:.:.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }:.｢＼ﾏ　_）　 /:.: /ハ:.: !:.:.:,
　　　　　　　　おいそれと人に見せるものじゃないわ！！　　　　　　　　　:.:|　/７ーr＜/:.:./　 /＼:.:.:.:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:.:|./ /)ハ __/.::./ .／＿厶:.:.:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　:.|' //}　　./.:.:/∨／￣　V:{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/八`ー/.:.:/ //　　　　　V;

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　鍾会もこれを得意とし、幾度となく謀略に用いていた。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ところがこの男、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　随分としょうもない理由でその技能を悪用している。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　『世説新語』『巧藝篇』の逸話を紹介しよう
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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816 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:03:15.88 ID:T5TO1/KPo

.. 　　 ,.　-─:- ､
..　　;'::::::;::::::::;:::ヾヽ
　　 l::::l::|/／ﾉヾl::ﾘ　　　　　　　　だいたい、母さんの所に置いてあるから手元にないのよ。
　　 |::(lki┰　┰!l|
.. 　 jﾉ::|:|､　n　ノﾊ!　　　　　　　　残念でした。
. 　ﾉﾘj<ﾘ^'∞ﾞﾘ〉lﾘ
...　　　　く/_j_i,ゞ　　　　　　　　　　それじゃ
　　　　 (__j__)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::/:::::::/::l:i::::::::il::::::|::::|:::l::::::ヽ::::::::::::l:ヽ::::ヽヽ:'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./::/::::::::/:::l:li:::::::::l:::::l::::l::::::l::::::::l::::::::::::l:ヽ::::::::l:::l::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::|::::|:::l:::::::::l:::l::::l､:::::::l:::::::::::::::l::::|､:l:::::::::l:::l::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .l::l:::l:::l::::::l:::::|:::::l､::::::::l:::l::::::::::::l:::::::::::::::l:::|､::l:::::::::l::i:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::::l::::l:::::l::l::::l､::::l:､ヽl::lヽ::::::::::::l::::::::::::::l:::|:::::l::::::::|::i|:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:::::l:i:l:l::::ﾄ:::ヽ:l`ヽ､://::::::ヽ::::::::l:::::::::l:l::l::|::::::l::::::::!:::i:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾄl:::::il l､::ilヽ､:::l-‐,..-ｭｫ-､:::ヽ:::i|:::|:::l::l:lll|ヽ:::l:::l::::::::l:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ヽ::::il kｧ､､` - '　`‐'′ /ハl:::l:::l::l:::|::l|　 l:::::::l::::::ﾄ|.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ヽ､i `7　　　　 ´　　 //　 |ﾄ:::l/l::::::|　　}:::::::l::::i| |
　　　　　　　　　　姉上の所か　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　.l/　　　　　　　　　　　 ||:/ .ヽ::l　_ノl:::::::l::::i| `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、 -　　　　　　　　　 l　　〉l、|:::::|i::::::l::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀　　　　　　　　　 /　　.li:::lﾄ:l::::l:l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ ‐､ﾆ= ‐　　　　　　／　　　 lヽl-ヽl::l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽｰ　　　　　　／　　,.　r '´　　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l、　　　 ,.　 '" ,.　 '´　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ‐ ' r1,.　'´　　　　　　　　 ,.　‐ ' ´ヽ.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<´ i'´　　　　　　,.　 ‐ ' ´,.　‐ ' ´::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lヽ|.l　　　 ,. ‐'´,.　-‐' ´:::::::::::::::::::::::::

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　荀勗は鍾会の甥であり、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　早くに父を亡くしたため、母の実家である鍾家で育てられた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .しかし、この二人は仲が悪かった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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817 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:03:50.98 ID:T5TO1/KPo

　　　　 , '::: /!:::/::::::::::{:::::::::::::::::::: /::::::ﾊ::::ﾑヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　/::::::/::{:::|::::::::::::l::::::::::::::::::::,'l::: /　V:::ﾑ ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　　　 ′::/:::/V{:{:::::::::::',:::::::::::::::::l_|::7ｆ斗￢::::', ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.　　　　l:::: ,'::::,'::::ヽ:V::::::::::',::::::::::::: lﾁ::|　＿- V:',　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ',
.　　　 |:::::|:::::|:::::::ﾊ::Ⅵ::::::::',::::::::::::l　',|/´　, - 、:ﾄ､　｀Y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
.　　　 |:::: l:::::l::::::{_,}:トヽ、::::ﾄ､:::::: {　/_　ﾏ== ’ '´　　l::/V :::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::l
.　　　　l::/::',::::',::::ｉ　, =ミ＼:', ＼:::',　　　　　　　　 |,′l::|:: ﾊ::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::|
　　　 |:!|::{∨ﾑ::|./　(以ﾉ　＼　ヾ、　　　　　　 }　 :ﾘ|:::l｜|!:::::::::::::/　∨:::::::::::: l
　　　 |i l::| |VNヾ` ´／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::;　l:}l:::::::::::/　　 } :::::::::::::;
.　　　　ゝ ',! |:::::::|　　 ',　　 r　　　　　　　　　　　　 ,:/　j' |::::::::/)　 }　!::::::::::: ,'
.　　　　　ヽVﾄ､|　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 !::: /　_／　j: γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　 {　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ;::::/Y´　／::: |　　　それを良い事を聞いた　　　　|
.　　　　　　ヽ ',　　　___,. -ニ=-　_　　　　　　　　　　　 ,'／　__,／::::::::: ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
.　　　　　　　　 ',　　｛ゝ-’:::::::;: ---ゝ　　　　　　　　　　 ,:7::::::::::::;:＞≦　　　　　}
　　　　　　　　 ‘,　　 )-=￢　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:{　＜　　　　　　　　　,'
　　　　　　　　　 ’,　　　　,.::=￢　　　　　　　　 ,. -=ﾆ二　　　　　　　　　　　_,.　{
　　　　　　　　　 ’,　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　,. -=　　　 l
.　　　　　　　　　　　 ’,　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　 ’,　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　＿,.　 --|
　　　　　　　　　　　　　　　 ’,　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　 ,.　=≦≧=-　_　　j

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　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　数日後、宝剣は鍾会の物となっていた
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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818 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:04:43.87 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ,..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.　　　　　　　 /::::::;::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
　　　　　　　/::::::/:::::::::::::::::::::::／ ::}:::::::/ヽ ::::::::::::::::ｉ::::::‘.
　　　　　　 .:::::::/::::::/:::::::::::／ ::::::/:::／:::::::＼:::::::ｉ:::|:::::::::',
.　　　　 ,::::::::::::::::/::::::::／ :::::::::/／ ::::::::::::::::‘，:|:::|::::::::::i
　　　　　 {::ｉ::::::|:::::i{:::／≧x､_::／:::::､_,.ィ≦￣ Ⅵ:::|::::::::::|
　　　　ｉ:ｉ{::::::|i::::{く{弋‘ノヾ´ :::::::::〃弋‘ﾉ¨> }ﾉ:::|_::::::i:}
　　　　 }八/ |l::::|:::::::::::::::: ´　￣￣｀　:::::::::::´,::::::|rﾏ::ﾘ　　　　　　　　　　……やられた。
　　　　　　　{　|{::::ﾄ/////　　　 '　　　///// /／:|ヽ}/
　　　　　ゝ|:ヽ::::＼　　　　　　　　　　　／ }:::i:|ノ:;　　　　　　　　　　　宝剣欲しさにそこまでやる？
　　　　　　　　|{:::::人⌒　　　　＿　　　　　 j::::l:|::ｉ{
　　　　　　　　||:::::|::::ヽ　　　 r ﾆﾆ..）　　　／:l::::ﾘ:::l|
　　　　　　　　ｌ|:::::|:::::::::＞　　　　　　　　＜:::::::':::;::::::l{
.　　　　　 ,ハ:::|:::::::::::::|　 `　ｰ=　´　 |:::::::::::::/::::::∧
　　　　　 /::::::Ⅵ::::::::r‐}　　　　　　 |ｧ=::_j/:::::::::::∧
.　　　　 /:::::::∧{　￣∨　　　　　　　ﾉ　　/` ｰv:__::∧
　　 ,　¨¨￣￣/　＼　　＼‐ ､　, -／　 ,/　　 V: : ￣¨¨ ､
.　 /: : : : : /:./　　　　　　＼　／　　　　　　 V: ヽ: : : ‘，
　/: : : : : /: :{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}: : : ',: : : ‘，

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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　からくりはこうだ。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　鍾会は荀勗の筆跡を真似て、荀勗の母に手紙を書いた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .それを見た荀勗の母は、
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　息子が弟に宝剣を貸すのだと思い、鍾会に宝剣を渡す
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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819 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:06:22.57 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　, 　　　 /〃ﾊヾ　 / ∧∨〃､ヾ}　ｌ| :}ﾐ;l＼
　　　　　　　　/〃//　/ 〃l　lヽ∨,〈ヽﾞ､ﾒ〈　}} ;l　ﾘハｌ｀!ヽ.
　　　　　 //' /,' 　,' 〃ｌ　l川/,ﾍ丶＼;;ヽ/:'/〃∧ l ﾄ､:l　!
　　　　　〃,'/ ;　 ,l ,''　,l|　ﾚ'/Ａ､.`､＼;;ヽ∨〃/,仆|│l }. |､
　　　　　 i' ,''　l|　,ｌ ' ｌ.　!|　l∠ﾆ_‐＼ヽ;＼,//,ｲ| ｌ | l　ﾄ/ λ!　　、
. 　　　　　ｌ ;　 :|| ,'i:/ ｌ|　|:|: |｀`'^‐｀ヾ∨｀ﾞ/／|斗,l ! | ,ﾀ /l.| ｌ　　三__|__
　　　　　　l ' l　|｣,' l'　lﾊ　|'Ν　　　￣´ ／｀　,|l_=ﾐ|! ly' ,〈 :|| |　　口　|
　　　　　 |ｌ .l　H|i: l　|　ﾞ､| l　　　　　 _.::: ,!: l厂`刈/ /!} :ｌ|　　　‐┬‐
　　　　　 |! :ｌ　|)!|　! |　　ヽ　　　　　 '´ ’/'_,.　　　ノｲ.〃/|! 　　│田│
　　　　　 l|ｌ |ｌ「ﾞ|l　|`{　　　　　　　　　.. 　 _　　　|}/,ﾊ l　　　　￣￣
　　　　　　 |!ｌ |l､|　!l :|. 　　　‘ｰ-‐=＝ニ=:､__ｊ:）　　ｌ'|/|l ﾘ　　　　､　マ
ヽ￣ﾆ‐､__.｣乢!L!lヱL｣__ 　　　　　　ー､　`'''´ 　从「 /　　　　了用
　＼　｀ヽ＼　　　　　 /l |　　　　　　　/￣´　　　　// 　　　　　　'"`ー‐
.　　,、　 l　ﾞ､　　　　/ ' |､　　　　　　{　　　　　/l/　　　　　　　　,
　　 '}　　ｌ　　ﾞ,　　 / 　 |:::＼　　　　}　　　　,.ｲ/　　　　　　　　　ﾚ　|
　　　ｌ　　l　　 l　 ,.ｲ　　 l:::::::::＼__　　`'-‐::"// |′　　　　　　　　　　ノ
　　　l　　 !　　Ｋ　ヽ,、　＼「`''''''''"´:::::::;;:" //
.　　 l　　ｌ　　ﾄ､＼(　_....　ヽ　　.:.::::::::;;″ /' 　　　　　＿
＼　 |　　ｌ|　　八､ヽi´　　　| .:.:::::::::::::i'　.:/'"´￣￣￣ ,.へ＼

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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　まんまと宝剣を我が物とした鍾会は、そのまま盗んで返さなかった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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820 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:08:07.07 ID:T5TO1/KPo

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　　　　　　 |::::::::f ￣:::::::::::／i:::'￣ﾏ:::::|:::::::::::::l
　　　　　　 |::::::::|:::::-＜　　 '::'　　ﾏ::,:::::::|:::::’
　　　　　　 |::::::::|γ｀ヽ　　 ,::, γ ｀ヽ,::::::::,::::::|
　　　　　　 ',::::::::,、「U:|　 ,:::,　' 「U::斗::::::i l::::, 　　　　　　　　　　　　この屈辱……
　　　　　　　〉:::::|　｀¨´　"　　　｀¨´ .|:::::::' |::::!
　　　　　　　i:::::人　　　r---x　　　 .,::::::|ｲ::::::, 　　　　　　　　　　　 .今に思い知らせてやる
　　　　　　　'::/::::::＞。乂　ノ　-＜,:::::::,:::::::::::,
　　　　　　 ,:::i::::::::::::::::ｨﾆｲ__ノ＼:::::,:::/::|:::::::::::::,
　　　　 /:八::::::::/　.!ﾆ !/ﾆ／ Уｲ:::::!::::::::::::::,
　　　　　/:/〉八:::::|--ル〈〉V、ｰ彡::|:::::':::::::::::::::::,
　　　　 ,::/ i::l::::::::::ﾋ⌒i / !/ テV:::::::,::::|:::::::::::::::::::,
　　　　,::,　.|::!::::::::::::l　 !! /　/"l::::::::::|::::!:::::::::::::::::ハ
　　　 ,:/　　,:::、::::::,'!　.!!'　 ,　　ﾏ:::::::,::::!::::::::::::::::i　|
　　　 |　　　＼＼:/ ,　fﾆイ　　　ﾏ:::::|:::|:::::::::::::::,　ﾉ
　　　　、　　　｀ / /! /フ￣|´ヽ　＼!/｀ヽ::::／／
　　　　　　　　　 ∨　ﾄ- |　　,　 .>　,/ｰ＝"
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./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　これでは荀勗の面子は丸潰れである
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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821 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:09:52.42 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　　　, -=―＝―- ､ _
　　　　　　　〃⌒>'´　　／　　　丶`ﾆ=‐'
　　　　　 ./ ,′// , ´ / 　j　}　ヽ　＼
　　　　　 /　l　 | i　l　/ ／// ,ｲﾊヽ　ヽ
　　　ノ,ｲ八　l ﾚ_j/∠∠/／/∠Ll　}ﾍ
　　　　＜ノ .∧ ｌ　ﾑrt=k｀　　ｨ=､ﾙﾚ′j
　　　　 / イ　Vﾍ.　ヽVr!　　　jr/ﾑｲ{
　　　　　´　W^{ゝﾍ　ﾊ.ヽヽ　_ '　/〈ﾘヽ
　　　　　　　　 j八 }ヽﾍ､　 j`＜ミ＼
　　　　　　　　　　ﾘ朽＼!｀{7|:::::::::＞ﾐ;>,　　　　　　　　それからしばらく時が流れた。
　　　　　　　　　　ノ＼- 厶］::::::::f }::/:/
　　　　　　　r=＜　　　Ｖ三|:::::::::| |/:/　　　　　　　　　ある時、鍾会が兄の鍾毓と共に新しい邸宅を建てた
　　　　　　 /‐-､＼　　 ∨ﾒ､::::ノ　V､
　　　.　　 /_j 　 , X ＼　ヽ {´　　　/
　　　　　　〈　　´ 　＼＼　 >ﾍ､___,ｲヽ
　　　　　　　`､　　　ヽ＼.>j　　　　ﾊ│
　　　　　　　　{　　　　 ∨　｀ヽ､_,/∧|
　　　　　　　　lヽ　　勹'´　　　 //　l !
　　　　　　　　|∧　〃　　　　／Y｣_│',
　　　　　　 }　＼　　　　／}＜ﾑ>∧.ﾍ
　　　　　　　　 {　　ヽ､___/　l丁{{ |}}　〉ﾊ
　　　　　　　〉ヽ　　　　　/　 jｉ |{i　 !　ヽ

822 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/07(水) 01:10:13.09 ID:vzLbHYD6o

他人が自分と同じことした話聞いたら嘲笑するんだろうなこいつ

823 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:10:46.38 ID:T5TO1/KPo

　　　　＿　　　　　　　　　　　 , ､　　　　　., ､　　　　　　、　　　　　　　　　　　　　ｒ
　　　　'Ｆﾆ]ヽ　　　　　　　 ,／―＼＿＿_,／―＼＿＿＿／―＼_　　　　　＿　　,/:
_　　　　l　 |,ｨｆﾞヾ､　　,ｒュ_,､ -''| l田l |　ｒュ　 | l田l |　　ｒュ　 ! l田ｌ l　`''-ｒュ ,ｨｆ'ﾞ―‐ヾ ,｣ ::
: >　　　|,ｨf'ﾞ.＿__ ヾ､_|__|＿＿_|＿＿|_,,|_,,|＿|＿＿|＿_ｌ_,,|＿|＿＿.!＿__,l_,,|_ゝ .ｒ┬┐_>"ﾞ:.
; .そ_,ｨf'ﾞ　　|__|_,｣　<ﾆlﾆ!ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロ｣　 _ィ'´`＾"ﾞ:.:；
::"..；:ﾍ'_'　　　　　 |==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|| <"ﾞ:.:；:::.
"ﾞ:.:；:,”:7|三三三三_|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 || ｣:":: :,”"ﾞ:"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':,<||―|―|―||　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||ｒ'::；:":: :,”ｌ `:::.
:: :,”:"ﾞ:.:ﾞそー|―|―||　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||ﾞ､；:":: :,”::`"ﾞ:
:,”:"ﾞ:.:ﾞィ　￣￣￣~'ｆ==ﾄﾆﾆﾆニﾆﾆﾆf==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆ;ｆ==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆf==ｒ'´ﾞ:":: :"ﾞ:.:；:"ﾞ:
"ﾞ:.:ﾞ'”て =========|―'　,,. -－-　、ﾞｰ'　 ,,. -－-　、ﾞｰ'　,,. -－-　、／”:":: :,”::_/ヘ"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':ﾍ.、＿＿＿_,!　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /‐､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､”:":: :,；l´:_:：,"ﾞ:.:；
:: :,”:":: :,”7,,_||＿||＿|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|ｒ- ､￣|￣<,ｖ､”:":7　｢"ﾞ:.:；::
:: :,”:":: :,”〉,,_||＿||＿|　 l　ｒ‐､ ||　 |　 |　 |　 |　 ||　 |　 |　_|　<::.:;..:ｒ‐,,!、 !　 |`―'　　ﾞ､"ﾞ:.:
:: _,, ､_:":: ｌ_, ,ィ^´`^''ヽヘ<::;;..;ﾞｒ､'^"＾''ｽ,.|＿|＿||＿|_,ｒ''´::..＾''=､::.::::.:ｒ‐- ､ . |―――‐<"ﾞ:.:
´　:: :..; ＼' /;;.;;...;.;.;;;..;ｌ::.:::ﾞ､:::;;.;;::.ﾐ ::.;;.::;.ミ|＿＿＿＿ﾐ::..::;＿::;.:...` ､::..;;..:::..ﾐTTTTTTTTTTT
､` ､; :::...:;;:ｌｲ;;.;..;;;::;;:::ｌTTTTTＴＴＴＴＴＴＴｌ三/＿＿__／＾´:::;.. `､:: ｒ┐_::.::...ﾐｒ―――――‐‐
;;.'i:::.ヽ､::;...ｌ`''-----‐---‐---‐---‐---‐---‐--ミ:: ;.:::;..::;;..;;..:. |　　 |-┐|_　　　｢￣￣￣
:./::.;;:; ..ｌヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｢::..:::;;..;;..:;;..;;..: .ｒ -‐‐､, !_,,ｌ..　-　､　　＿
:ﾉ-ｆ'ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾐ:;;..;;..:;;..;;..:;;..／;::.::.::..:::ｆ::...;;::.::.:;;:...::.:ヽｒ.:::::.:

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 l l　　　|_|　　　 | |　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l＿l_l＿＿＿＿＿__|_|＿|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ｨ ,ｲ /　　 }　!､ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 / ./| / l/ｘ'　　 l.ハ`x ヽ　!　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ /| N ﾚ;行ミ　　 ≠ミﾄ､!､ト､!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V |/ .!ｲ {r､::}　　ﾄｨ,.:} 〉! l |
　　　　　　　　　　一千万銭かけて建てた豪邸よ！　　　　　　　　　　　　　　 l | .| ゞー' 　　弋ツﾊ ! |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| !　ﾄ､'''''　{￣j ''''' ｨ'|l .| .l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j l　!_|_l ` r - ｬ＜_j_| ハ.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'ﾆﾆＹヽ　ゞ､＿,〃　/yﾆﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}､ﾆﾆ! ヾ　　,ニ,　　//ﾆﾆﾝ

824 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:12:08.01 ID:T5TO1/KPo

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　| |::::::::_;;;-ｰ''´￣: : ハ: : :｀`丶､::::::::|
　　〉-'7:/: :／, : : /: / _l,.ﾑ : : : : : ヽ/
　 /: :/:/: /: /: : :/: ;ｨ'´ﾉ　!ﾊ: : : : : : !
　/: :,' / /: :/: : :/ /,ｨ行气刊;=､: : : :l
　! : l: :!/丁ｸト!/ﾚ'　 V::::::ﾘ"!lうﾘ : l : !　　　　　　　　でも、引越しが全部終わるまで時間がかかるのよね。
　{ : l: :l: !汽示　　　　ゞ-''　!l1": : :!: :',
　| : l:ヽl: l` V:ﾊ　 , 　　　从! : : : l : ヽ　　　　　　　私たちが移れるようになるまで、豪邸生活はお預けね
.　|: :ﾞ､: ヽ:ﾄ､.ﾞ~’　　_　　 /　l : : : : ! : ヽ
.　'､: :ヽ : : へ.. ＿＿＿ ./＿_!_: : : : !: : `､
　　ヽ: : l ヽ: : : : : : : :「　　　　 {_ _,. ┴-､:ヽ
　　　ヽ: l : : >ー-'ヽ＼　　￣￣ヽヽ`､　＼ヽ
　　　 l: :!: xヽ.＼＼: ＼＼＿＿ﾉ丿:::＼　　^ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!:/!:::::!::::::!::ヽ:ヽ{:::＼:::ヽ::::＼:::＼::ヽ:::::ヽ!::::}!::::l::li|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j/:::ｌ:::::!:､:::!::ﾄ､:､:ヽ:::::｀ヽ{､::::::＼::::＼{､:::::::::i::!::l:l !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:i:ｌ::::i::i:､:l::lﾃ=-､:ヽ､_､::＼_,≧ｪｭ､_､＼:::::::::i::li::!::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ﾊﾄ:{:!:ｉ:ﾄN{､ﾋ_ﾗﾍ､{　＞､{ 'ｲﾋ_ﾗ　》＼::l::!:ﾄ!!:l::l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ i､ヽ:ﾄ{､ヾ￣"´ l!＼　　　｀"￣"´　 |::!:l::! j:ll:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !::､::::i　　　　ｌ　　　　　　　　　 |:::/lj/l:!ﾘ
　　まあ、邸が逃げるわけありませんし、気長に待ちましょう　　　　　　ヾﾄ､:!　　　　　　　　　　　　　　　ｊ!/ j|:::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ! 　　　ヽ　 ‐　　　　　 /ｲ´ｌﾊ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ﾄ.、　ｒ＝＝=ｧ　　　 /'　!:://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘl::l゛､　､＿ ,ノ　　　／　　|/:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒｰ''"´ﾄ!::i{＼　　　　　／　　/　!:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ^ヽ　　ヾ!　ヽ＿,,、'´　　 /　ｊ/

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　鍾兄弟の建てた邸宅は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　大金を投じただけあって大層立派なものだった。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .とはいえ、まだ移り住む事はできなかった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

825 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:13:35.54 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　, イ　／￣￣`ヽ,　　ﾄ､
　　　　　　　　i　!-/　　　　　ﾍ.-ﾉ　i
　　　　　　　　ヾ＿l 〉__ j　j __〈 l＿ジ
　　　　　　　　＿　| `-",':: `-" |
　　　　／´　　　ﾄ　　＿　　ｲ　　　　　　　　　　　　　　ご主人様。
　　　　 /'　　　　　|ヽ　`竺"　/|
　　　　,ﾞ　／ )　ﾉ　 `ー^ー"　`ヽ、　　　　　　　　　　　.鍾毓様の邸が完成したそうですが、
　　　 |／_／　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　お祝いの品はどうしましょう？
　　　 /／二二二7　　　　　__　　　　ヽ
　　　/'´r　-―一ｧ"i　　　'"´　　　　.-‐ 　＼
　　 / // 　广¨´ 　/'　　　　　　/´￣｀ヽ ⌒ヽ
　　ﾉ ' /　ノ　　　:::/　　　　　　/ 　　　ヽ　　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,.--､-‐ ､__　__
_／｀丶　/　　　　 ::i　　　　　　 {:::...　　　　　　ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　　　　　　r.､(＼＼=､‐-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐/¨ﾆ/７　　　　　＼ヾヽヽ i　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r| '　ﾞ´./　　 ,.-‐‐-､.ヽ　　　 l　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,l　　　 !__／´l:::::lヽ;:::ヽ', 　　 .l　 }
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '　　 / 斥x､/'ｰ''"ﾞ{ﾟ:心ﾞi'l::ﾄ.　　　',
　　　　　　　　　そうねぇ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '　　　/::l.{弋り　　　.ゞソ..ﾉl:!ﾍ　　　 Yヽ
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826 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:14:27.30 ID:T5TO1/KPo

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　　　　　| / :!.:.:/|.:.:i.:.:.: ﾙ≠==ミ_ヽ　　　 /:.丶∠　　-─―ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:
　　　　 l/　:|:.:ｉ/| .:.:.:.: 《　ｉ|トJ(｀ヾ　　　/:. ／　, --__＿＿＿∨ :.:.:.:.:. | .:.:'　　　　　叔父上たちが感涙する
　　　　　 {:.八|:.: ＼八　弋)⌒ｸ　　 /／　　　ｨ斤六¨¨7广ﾘ :.:.:.:.:.:.∧:/　　　　　 .贈り物をあげましょう。
　　　　　 V:.:.:.:.:.:.:.:.|＼　｀¨¨´　　／　　　　弋)　⌒ク　/:.:.:／:.:.ﾊy′
　　　　　　　/:.:.:.:|:.:.:.:.:∨／/／　　　　　　　　　｀¨¨´　∠ イ:.:.:.:厶ﾉ　　　　　　　ちょっと出かけてくるわ
　　　　　 /:.:.:.:.∧.:.:.:.:.:、　　　　　　　　' 　　　　／/／/　 |:.:.:.:.／
　　　　　厶-‐=ミﾑ.:.:.:.:.:.:、　　　　　　　　　　　　　　　　　 _j:.:.:.,'|
　　　／　　　＼ ∧:.:.:.:.:丶、　　　 {`ァ=ー--ヘ　　　　　 ':/.:.:.:.:.|
　　／　　　　　ヽﾑ.:.:.:.:.∨＞　　　∨:::::::::::::::::::ﾉ　　　イ:.:/.:.:./ :.|
　　　　　　　　　　　　∧.:.:.:.: ﾏ＼｀丶､　　　　　 .　＜ﾄ､.: /.:.:./ :.: |
./　　　　　　　 //∧.:.:.:.:.∨ ＼＼｀　　-=≦/　　＼∨ :. /ｰ-､|
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　話を聞いた荀勗は、密かに鍾兄弟の新邸に出かけていった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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827 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:15:03.12 ID:T5TO1/KPo

　　　　＿　　　　　　　　　　　 , ､　　　　　., ､　　　　　　、　　　　　　　　　　　　　ｒ
　　　　'Ｆﾆ]ヽ　　　　　　　 ,／―＼＿＿_,／―＼＿＿＿／―＼_　　　　　＿　　,/:
_　　　　l　 |,ｨｆﾞヾ､　　,ｒュ_,､ -''| l田l |　ｒュ　 | l田l |　　ｒュ　 ! l田ｌ l　`''-ｒュ ,ｨｆ'ﾞ―‐ヾ ,｣ ::
: >　　　|,ｨf'ﾞ.＿__ ヾ､_|__|＿＿_|＿＿|_,,|_,,|＿|＿＿|＿_ｌ_,,|＿|＿＿.!＿__,l_,,|_ゝ .ｒ┬┐_>"ﾞ:.
; .そ_,ｨf'ﾞ　　|__|_,｣　<ﾆlﾆ!ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロ｣　 _ィ'´`＾"ﾞ:.:；
::"..；:ﾍ'_'　　　　　 |==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|| <"ﾞ:.:；:::.
"ﾞ:.:；:,”:7|三三三三_|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 || ｣:":: :,”"ﾞ:"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':,<||―|―|―||　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||ｒ'::；:":: :,”ｌ `:::.
:: :,”:"ﾞ:.:ﾞそー|―|―||　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||ﾞ､；:":: :,”::`"ﾞ:
:,”:"ﾞ:.:ﾞィ　￣￣￣~'ｆ==ﾄﾆﾆﾆニﾆﾆﾆf==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆ;ｆ==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆf==ｒ'´ﾞ:":: :"ﾞ:.:；:"ﾞ:
"ﾞ:.:ﾞ'”て =========|―'　,,. -－-　、ﾞｰ'　 ,,. -－-　、ﾞｰ'　,,. -－-　、／”:":: :,”::_/ヘ"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':ﾍ.、＿＿＿_,!　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /‐､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､”:":: :,；l´:_:：,"ﾞ:.:；
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､` ､; :::...:;;:ｌｲ;;.;..;;;::;;:::ｌTTTTTＴＴＴＴＴＴＴｌ三/＿＿__／＾´:::;.. `､:: ｒ┐_::.::...ﾐｒ―――――‐‐
;;.'i:::.ヽ､::;...ｌ`''-----‐---‐---‐---‐---‐---‐--ミ:: ;.:::;..::;;..;;..:. |　　 |-┐|_　　　｢￣￣￣
:./::.;;:; ..ｌヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｢::..:::;;..;;..:;;..;;..: .ｒ -‐‐､, !_,,ｌ..　-　､　　＿
:ﾉ-ｆ'ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾐ:;;..;;..:;;..;;..:;;..／;::.::.::..:::ｆ::...;;::.::.:;;:...::.:ヽｒ.:::::.:

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .. 　　 ,.　-─:- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..　　;'::::::;::::::::;:::ヾヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l::::l::|/／ﾉヾl::ﾘ
　　　　　　　　　　無駄に豪勢な邸よね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::(lki┰　┰!l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .. 　 jﾉ::|:|､　n　ノﾊ!
　　　　　　　　　　けど、豪勢なほどいいんだけど　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉﾘj<ﾘ^'∞ﾞﾘ〉lﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ...　　　　く/_j_i,ゞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (__j__)

828 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:15:54.97 ID:T5TO1/KPo

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＿＿/:::::/_／　　）＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝（　　｀ヽ::::ヽ_（;;;;;;;
;;;;;;;;;;;）:::ヽ＿　　　ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉヽ（;;;;;;;/:::::/-､
　ヽ_）:::::::）_（;;;;;;;;;）～～～～～～～～～～～～～～～～～～～"'　｀（:::::（｀（;;;;;;;;;）
　／:::::／　　　　　 |l l l l |　　　　　 |l l l l |　　　　　 |l l l l |　　　　　ヽ::::ヽ
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ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ｜l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l ｌｌ |ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ
～～～～～～～～|l l l l l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l l l l |～～～～～～～～
　　　　　　　　 |l l l l |l l ll ll ll ll ll ll ll l||l ll ll ll ll ll ll ll l l|l l l l |
　　　　　　　　 |l l l l |l l ll ll ll ll ll ll ll l||l ll ll ll ll ll ll ll l l|l l l l |
　　　　　　　　 |l l l l |]ll ll ll ll ll ll ll ll l||l ll ll ll ll ll ll ll ll[|l l l l |
　　　　　　　　 |l l l l |l l ll ll ll ll ll ll ll_l||l_ll ll ll ll ll ll ll l l|l l l l |
　　　　　　　　 |l l l l |l l ll ll ll ll ll ll ll」||l」l ll ll ll ll ll ll l l|l l l l |
　　　　　　　　 |l l l l |]ll ll ll ll ll ll ll ll l||l ll ll ll ll ll ll ll ll[|l l l l |
＿＿＿＿＿＿＿＿|l_l_l_l_|l_l_ll_ll_ll_ll_ll_ll_ll_l||l_ll_ll_ll_ll_ll_ll_ll_l_l|l_l_l_l_|＿＿＿＿＿＿＿＿

.. 　　 ,.　-─:- ､
..　　;'::::::;::::::::;:::ヾヽ
　　 l::::l::|/／ﾉヾl::ﾘ
　　 |::(lki ┃ ┃ !l|　
.. 　 jﾉ::|:|､'' ヮ''ノﾊ!　　　　　　　この門の脇部屋の壁なんかよさそうね
. 　ﾉﾘlとﾘ´丞ﾞﾘづ
...　　　　く/_l_lj,ゞ
　　　　 (__j__)

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　荀勗は非常に絵が上手だった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼はおもむろに筆を取り……
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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829 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:17:15.37 ID:T5TO1/KPo

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│　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::∧　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　∨::::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}::/::r-､　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　 7:ﾊⅥ　＝==ミzz＿　 ::::::::::::. 　 _,.z≦ﾁ匕_::::::::7::7'´ハ　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　 |::{:ﾍ::K:/ ヽ夊::ソ＜ Yi＿＿,iY'´<夊::ｿ_フ ;:::Y´|::i::: : :: }　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　 l::|::〈.:|:::|::::ヽ、__,....:::::':::|￣￣i{::ﾞ::::.......___,.:'::::::7::::|::|::;;;:: 7　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　 ∧:::::ﾍ:八::::::::::::::::::::::::ノ:|::::::::八::::::::::::::::::::::::::/::::::}::|::::,.７　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　 ∧､::∧::::::::==─　 :::::::i:::::::::::::::::: ー─≦::::::' ::/:/:://　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　ﾍヽ::}:､　　　　　 }::::/::::::::::::::::::　　　　　 .:／／::../　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　xく/ｚzi　}　　／ゝ-､､__;::' rフ:::..＼　.:／／ .!=ﾁ　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　／/////ﾊ　　 ' rﾆﾆﾆﾆｘ...ｘ仁二ﾆﾆｘ__{:::::) 　 |//≧ｘ　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　／//////// i　　i　{二二二二二二二二ﾆ} |　　　从/////≧=-　_　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　{//////////∧ ', ', ゞ' ￣￣二ﾆ二￣￣￣ /　,.　/ }/////////// }　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　|///////////∧ ', ',　　　＿＿＿＿＿　 /　,　, '_ノi///////////.i　　　　　　│
│　　　　　　　　 Ⅶ///////////ﾍヽ　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::　／,.ｲ'///////////////　　　　　....│
│　　　　　　　　 ∨////////////ヽ　　　　　　　　　　　　　////////////////７＿__　　　.....│
│　　　　　　 -=ニ二二∨/////////////＼　　　　　　　　　／///////////////./二二ﾆ　　......│
│　　　 xく二二二二二ﾆV///////////////＞　＿＿　,. イ//////////////////二二二ﾆ　　　│
│.　／二二二二二二二i∨///////////////////////////////////////////二二二二　　....│
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　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　|　　　よし、完成　　　　|
　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　お爺様がこの邸見たらなんて言うのかしら？　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　祖父である鍾繇の肖像画を描いて帰っていった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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830 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:18:17.40 ID:T5TO1/KPo

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＿＿/:::::/_／　　）＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝（　　｀ヽ::::ヽ_（;;;;;;;
;;;;;;;;;;;）:::ヽ＿　　　ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉヽ（;;;;;;;/:::::/-､
　ヽ_）:::::::）_（;;;;;;;;;）～～～～～～～～～～～～～～～～～～～"'　｀（:::::（｀（;;;;;;;;;）
　／:::::／　　　　　 |l l l l |　　　　　 |l l l l |　　　　　 |l l l l |　　　　　ヽ::::ヽ
＝＝＝＝＝＝＝＝|l l l l |＿＿＿＿＿|l l l l |＿＿＿＿＿|l l l l |＝＝＝＝＝＝＝＝
ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ｜l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l ｌｌ |ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ; ;ﾉ
～～～～～～～～|l l l l l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l l l l |～～～～～～～～
　　　　　　　　 |l l l l |l l ll ll ll ll ll ll ll l||l ll ll ll ll ll ll ll l l|l l l l |
　　　　　　　　 |l l l l |l l ll ll ll ll ll ll ll l||l ll ll ll ll ll ll ll l l|l l l l |
　　　　　　　　 |l l l l |]ll ll ll ll ll ll ll ll l||l ll ll ll ll ll ll ll ll[|l l l l |
　　　　　　　　 |l l l l |l l ll ll ll ll ll ll ll_l||l_ll ll ll ll ll ll ll l l|l l l l |
　　　　　　　　 |l l l l |l l ll ll ll ll ll ll ll」||l」l ll ll ll ll ll ll l l|l l l l |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|　＼/＼/　　＼／＼/　|∧／　/／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠　　　　　　父上ッ！！？　　　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　|/　　　＼/　　　＼|

831 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:18:58.23 ID:T5TO1/KPo

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│　　　　　　　　　　　　　　 |::{:ﾍ::K:/ ヽ夊::ソ＜ Yi＿＿,iY'´<夊::ｿ_フ ;:::Y´|::i::: : :: }　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　 l::|::〈.:|:::|::::ヽ、__,....:::::':::|￣￣i{::ﾞ::::.......___,.:'::::::7::::|::|::;;;:: 7　　　　　　　　　　.│
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│　　　　　　　　　　　　　　　ﾍヽ::}:､　　　　　 }::::/::::::::::::::::::　　　　　 .:／／::../　　　　　　　　　　　　.│
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│　　　　　　　　　　　{//////////∧ ', ', ゞ' ￣￣二ﾆ二￣￣￣ /　,.　/ }/////////// }　　　　　...│
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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　この肖像画はよくできた代物だったようで、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　衣冠や容貌は生前の鍾繇そのままだった。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .父の肖像を目にした鍾兄弟は深く悲しんだという
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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832 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:20:06.92 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　　　, -=―＝―- ､ _
　　　　　　　〃⌒>'´　　／　　　丶`ﾆ=‐'
　　　　　 ./ ,′// , ´ / 　j　}　ヽ　＼
　　　　　 /　l　 | i　l　/ ／// ,ｲﾊヽ　ヽ
　　　ノ,ｲ八　l ﾚ_j/∠∠/／/∠Ll　}ﾍ
　　　　＜ノ .∧ ｌ　ﾑrt=k｀　　ｨ=､ﾙﾚ′j
　　　　 / イ　Vﾍ.　ヽVr!　　　jr/ﾑｲ{
　　　　　´　W^{ゝﾍ　ﾊ.ヽヽ　_ '　/〈ﾘヽ
　　　　　　　　 j八 }ヽﾍ､　 j`＜ミ＼　　　　　ところがその後、
　　　　　　　　　　ﾘ朽＼!｀{7|:::::::::＞ﾐ;>,　　　　鍾兄弟は父の肖像が描かれた新邸には住まなかった。
　　　　　　　　　　ノ＼- 厶］::::::::f }::/:/
　　　　　　　r=＜　　　Ｖ三|:::::::::| |/:/　　　　　『世説新語』はその理由を語らない
　　　　　　 /‐-､＼　　 ∨ﾒ､::::ノ　V､
　　　.　　 /_j 　 , X ＼　ヽ {´　　　/
　　　　　　〈　　´ 　＼＼　 >ﾍ､___,ｲヽ
　　　　　　　`､　　　ヽ＼.>j　　　　ﾊ│
　　　　　　　　{　　　　 ∨　｀ヽ､_,/∧|
　　　　　　　　lヽ　　勹'´　　　 //　l !
　　　　　　　　|∧　〃　　　　／Y｣_│',
　　　　　　 }　＼　　　　／}＜ﾑ>∧.ﾍ
　　　　　　　　 {　　ヽ､___/　l丁{{ |}}　〉ﾊ
　　　　　　　〉ヽ　　　　　/　 jｉ |{i　 !　ヽ

833 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:21:02.75 ID:T5TO1/KPo

　　 |｜.:.:|　|.:.:.:.:.:.:.|　|.:.:.:.|
　　 |｜.:.:L.｣.:.:.:.:.:.:.|　|.:.:.:.|
　　　 lΤ{ｱ¨Τｌ丁{Τ|Τｉ|
　　　 | ﾚﾍ、 _>'⌒ヽ! |￤ｉ|
　　　 |ﾊ__ﾟ.:::::::.ﾟ＿,.｜|￤ｉ|　　　　　　　　なんというか……
　　　 | {u　 '＿　ｕ|｜i　|
　　　 | ｌ＞ ‘__┘,.イ|｜i　|　　　　　　　　常に父上の眼が光っているような気がして……
　　　 | |ｉ | ,ｨｒ┴―j ! ﾄ.i　|
　　　 | |ｉ /|,!:ー―ﾍ.| |.:｝｜
　　　 | |i ﾚ'厂l＿.:./.| |ｲ｜
.　　丿jj｛__　＿l/.:ﾉ川　i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::/::::/::::/,ｲ':::ｉ:l:::::::/!|:::|::ｌｌ::|:::､:::＼::＼:::ヽ::ヽ: 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::/::::/ｉ::://::l::::l:!:::::/::ハ:|::!:|::ﾄ､:::＼:::',::､:丶::丶::､: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::: /::l:::'/:ｉ::|:::l::::::;':::ｉ:::::l:|::::|::|小ﾄ､::ヾﾄ､:ヽ: ',:::ｉ､::ｉ::::ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::/::::l::ｉ::::;斗､!::::,ｉ:::l::::::; |::::|:l/:::|､｀､!:::ｉ:: ｉ:ﾊ l::ｉ |ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::'::::::l::l::::' r ､!: /:|::l::::/:l:|::::!!: /|!=≧､ヾl::::ｌ':::!|:::!:|:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::|:|:ｉ::ｉ {　!:/:/l:l: /: ﾊ!:: Ⅵ:八　　ヾ!::/ｉ::: |:::: !: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::: ｉ|:|:|::l　y/:/:/l| ' / ｉ∧::l {′ ヾ=-ﾒ}ﾊ. |::::|: /}:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::!|:!:|::|V/l/ '.　|::/ /'　ヾ!.　　　　 '　､::::!/::::'
　　　　　　言葉は悪いけど、薄気味悪いんだ　　　　　　　　　　　::::::!:::|::ｌ::ｉ: '　　 !'　　　　　　　　　　 V,'／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::l:ｉｌ:l:' ｉ　　　　　　　　　　　 ,　　ノ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::|| |!.　､　　　　　　　　　　　 r ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::ll {.　　＼　　　　　 - ― ､‐'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :!.　　　　ヽ　　　　　　　 _ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､.　　 , -‐丶　　 _　′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼イ＼　　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　ヽ

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　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　自分の部屋に父親の大きな写真が飾られていたらどう思うだろう？
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　結局、新邸は廃墟となってしまった
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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834 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:22:22.48 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　 - : : : : : : : : : : : : : : ..
　　　　　　 . ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞、
　　　　　ｨ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
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　　　 /: : : : : : : : : : : :／: : : : : : : ィ: : ;、: : : : : : : .
　　　: : : : : : : :!: : : ／ : : : : ＞　 /: :/　∨: : : : : :∧
　　 |: : : : :| : : |: ／ : : : ＞　　　/: :/　　 ∨: : : ! : ∧
　　 |: : : : :| : : |: : : ＞＿　　　/／　　＿ Ⅳ: : :!: : :
　　 |: : : : :l : 斗 ≦二　　｀　/′　 ´ ＿_.!｀ヽ :|: : 从
　　 |: : : : :|: :-ｨ斤/（_ ヾ　　/　　　ｨ//（_｀ヾ } :! : ||　}
　　 |: : : :_:| : : l 弋:j/ﾘﾉ　　　　　　 {/j/ﾘ　 j l: |: ::ﾘ
　　 :: : {　 | : : |　｀¨　　　　　　　　　｀¨　　/: : :!::/
.　　 ! : ゝ._∨: ゝ　　　　　　　　　　　　　　ｲ: : : |/ 　　　　　　　　　　　　　十倍返しよ
.　　 |: : : : : ∨:ﾍ　　　　　　　　　　　　　　 7: :/
　　 !: : : : : ::∨:ﾍ　　　　　｀　　´　　　イ: :/{
　　 | : : : : : : ∨:ﾍ:＞=----　　　＜: : : :l: /:ｲ
　　 |: : : : : : : : ヾ: 、　　＼／　／ヽ: : : : /: ::|
　　　|: : : : : : : : : ∧ ｀¨¨´只｀¨　　 ∨::/: : ::|
　　　l: : : :/: : : : 〈　}　　　,ｲﾊ　　 {___} / : : : |
　　　|: : : { : : : : ∧ﾉ　　〈IlIlIl〉　　 ∨: : : : : ::!
　　　|: : : |∨ : : У　　　　｀¨´　　　 ∨ : : :ﾊ::
　　　|ﾊ: ::l　∨:〈_　　　　　　　　　　_ 」/|: /　}|
　　　{ .∨|.　 ∨八===-------==彡ﾍ |/

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　百万銭の宝剣を盗まれた荀勗は、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ひとつの肖像画によって一千万銭の邸宅を廃墟にしてしまったという話。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .当時の人々は言う
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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835 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:23:30.52 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　　　　 , --──-､
　　　　　　　　 , イ /　　　　　　ﾍ　ﾄ､
　　　　　　　　 i　!ー､〉　__ j　j __〉-ﾉ　i
　　　　　　ヾ＿,,;;》 `-"::: `-"l＿.ジ
　　　　　　　　 |　ヽ　' ＿ ` ｲ
　　　　　　　　　l　l　　´＝｀　l　　　　　　　荀勗が鍾会に仕返しをしたのは、失った物に数十倍勝る物である
　　　　　　　　　　ﾉ　ヽ＿,､__ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_ 　　　
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ:: ﾆ'::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､　　';::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼　 ';:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / | |｀ﾄ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ﾄﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　鍾会の書。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾊ_|ヾ弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '´く.　　 'ーｲ　l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　荀勗の画。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rヽ､　lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー--　　:::＿:ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀
　　　　　　　両者は巧妙の極みにあったのだろう　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾚ-'⌒:､　ヽ:::::::::::ヽ- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -‐､　　　ヽﾆ.:::::;r‐　'´ l::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'::::.,.-'　　ｒ'´ ::::ヽ　　 __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::/　　　　|　　 l::: ｀ヽ､_　ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 |　:::|　　　 |　　 lヽ､__,. ､　';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　|　｜　　　 |　　 |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ

836 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:24:06.87 ID:T5TO1/KPo

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......‐==-......
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　　　　 |:::::::::::::::::::::ﾊ　　　　ヾ::::|　＞　　　ｨ≦∨:/ /　　‘:＼　　　　　　　　　　　おしまい
　　　　 |l:::::::::::::::::::|　|　　　　　 Ⅵ ＼　　　¨/　／　}/ / /　　 |}:ハ
　　　 .八:::::::::::::::::|　|　　 |　 |　ヾｒ‐.≧ｰ　　イrf´./イ ./　 |　i!::::/
　　　 ./::::::＼::::::::::::l　|　　 |　 |　　 ∨　 Y⌒Y´ 　./　　/ 　 i!　ﾊ/
　　　/::::::::::::::ヾ:::::::ﾊ.ﾉ　　 |　 |　　　ﾄ､≧=ｒ-=≦.ｲ|__ｒｲ⌒ヽﾉ､__j
　　 /:/|:::::::::::::::}∨　 ,ｨ'ヾ￣￣｀￣ｰ|. ￣ヾ/　　　 i|　　　 /　 ,.ｲ
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　　ゞ.八::l　＼::::{　＼::::|　　 ,}､　　 ‘　./|　　 ./　　〃　|:::::|'
　　　　　ヾ　　＼l　　｀〈　 ∧.　　　 Ⅵ |　　 / 　　 .,′.ﾉ:／
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　　　　　　　　　　／　 ∨　 ‘，　　 Ⅷ　V　　　 /
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837 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/07(水) 01:24:37.13 ID:vzLbHYD6o

おつ
兄貴のほうもいまいち頼りない感じ

838 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 01:24:38.72 ID:T5TO1/KPo

【第三十九回　蜀の滅亡・其の弐に続く】

新規CAST

～魏～

●羊琇（ようしゅう）　ヴィヴィオ（魔法少女リリカルなのはViVid）
●師纂（しさん）　べジータ（DRAGON BALL）
●田続（でんぞく）　砕蜂（BLEACH）

～蜀～

●向充（しょうじゅう）　五和（とある魔術の禁書目録）

～呉～

●薛珝（せつく）　水渕（（ＧＡ　芸術科アートデザインクラス）

839 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/07(水) 01:29:06.69 ID:csPtm3reo

お疲れ様でした。
現代ならともかく、礼に煩い当時で、うかつに父親の絵を消すわけにも行きませんね。

しかし仕返しのためとは言え、こういう話が伝わるのだからよほど立派な絵を描いたのでしょうね。

840 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/11/07(水) 01:34:07.47 ID:8XoN1Ec90

乙です
鐘会さんはクズエピソードに事欠きませんなぁｗｗ

841 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) ：2012/11/07(水) 05:25:41.40 ID:+v7czHNF0

乙
露骨に創作くさいなのに、イマイチ綺麗にまとまってない感がする話だなｗｗ

842 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/11/07(水) 09:05:55.54 ID:LhjKkOvwo

乙です
何というか、どっちも才能の無駄使いとしか言いようが無いなｗｗ

843 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/11/07(水) 10:33:56.35 ID:GEsVg1wQo

乙。相変わらずの安定の鐘会さんやでぇｗｗ
しかし、旨すぎる話だなぁ。どう考えても鐘会をおとしめ（ｒｙ

844 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/11/07(水) 10:41:58.64 ID:CNm+swLEo

世説新語だからしょうがない

845 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/07(水) 11:59:48.61 ID:6ftakDUTo

日本の武将言行録と同じで、アイツならそんなこと言ってもやってもおかしくない、って話だからねー

846 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/07(水) 13:31:58.46 ID:KVbdx2Xy0

乙
世説新語はタブロイド誌的な感覚で読み流すのが良いと思うの
そしてＧＡで一番可愛いのはさめちゃん先生、これは譲れない

847 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/07(水) 15:07:46.81 ID:MhQnVXll0

世説新語も注釈（劉孝標注）が面白い。邦訳は明治書院版にしか収録されていないけど。

諸葛亮を「臥龍」、龐統を「鳳雛」と評価した司馬徽の「よいぞよいぞ」の出典をこれで初めて知った。
演義や爆笑三国志だけのネタじゃなかったんだ。

そういえば、司馬徽は出てきていませんね。

848 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/07(水) 15:43:22.97 ID:6ftakDUTo

>>846
お前GAで’かわいさ’っつーたら友兼兄だろ（震え声）

849 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/07(水) 17:10:08.23 ID:rxVXLx9s0

世説と言えば、チンク桓範の字が違ってたりしますね
正史だと「元則」ですが世説（賢媛第十九・６）の注だと「允明」になっていたり
その上、どちらも出典は同じ「魏略」というのが…ｗｗ

850 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/07(水) 21:35:43.09 ID:CSRy/bLqo

otu

>>846
>>848
あーさんぶちさんのコンビにまさるものはないYO

851 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 23:16:29.06 ID:7o8XzKm2o

【「やる夫が正史を書くようです」反省会会場】

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　　oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo　　　　　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
/⌒)⌒)⌒) :::::⌒（__人__）⌒:::＼　　　　　　/⌒)⌒)⌒)
|　/　/　/　　　　 |r┬-|　　　　|　　　(⌒)/　/ / /／　　　　.前々からおかしいとは思ってたんだおww
|　:::::::::::(⌒).　　　 |　|　 |　　／　　　ゝ　　::::::::::/
|　　　　 .ノ　　　 |　|　 |　　＼　　　/　　）　　/　　　　　　　きっと夜のお馬さんにも乗れないんだおwwwww
ヽ　　　　/　　　　　`ー'´　　　ヽ　/　　　　／
　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l 　　　　 l||l 从人 l||l 　　　バ
　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､　　　-一'''''''ー-､　　　ン
　　ヽ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　)　　(⌒＿(⌒)⌒)⌒))　バ　　　　　　　　　　　　　　.　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ン　　　　　　　　　　　　　　.／::::::.　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::ヽ;;:　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. （:::::（::::冫　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. （:人;;;） .　　　　|
　　　　　　　馬に乗れないぐらいなんだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐-;::::::. .　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（三））:::::..　.　　　|
　　　　　　　他を頑張ればいいんだよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >::::ﾉ:::::::::.　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::: / ヽ;::::::::: 　 /
　　　　　　　常識的に考えて　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（;;;;__ゝ:;;:::::＼／:::::）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|＼::::::::::::;;:1
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|:::::＼;;／:::|
>>795
どこで出そうか迷っているうちに今に至る。

>>797
個人的武勇はからきしですが、他は割とトンデモ性能なのが杜預さん。

このスレでは全然活躍していませんがw

>>798
独身です。

割と年を取ってから妻帯する人もいますが、
鍾会の場合は兄の子を養育していて、蜀討伐にも連れて行っています。

>>803
動機はどうあれ、このあたりの司馬昭の決断と意志の固さは評価に値すると思います。

>>805
この後の戦闘要員です。

禿髪とＭ字ハゲは作成中に思いついていれました。

>>809-810
「何故こんな簒奪劇が成立してしまうのか？」は蜀討伐後にやります。

852 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/07(水) 23:18:16.20 ID:7o8XzKm2o

.　　　　　/ ､.:::::::::::／::／ヽﾍ:::::::}:::::|::::::::::::::::::::::}
.　　　　 /｀丶{､_ﾒ._／　　　＼{_..」:::|_.... -ｰ_.´イ
　　　　 i:::::::.i::::/／　　　　　 [...-}::::i-ｰ:::::|::::::::::|
　　　 i::::::::{:/∠.._　　　　　　ト┤i:::::::::::}:::::::::}　　　　　　今回は登場人物の顔見せ要素が強い。
　　　　 {:::::::ﾚ　＿　　￣￣￣¨t.}::|:::::::::::i:::::::::i
　　　　 i:::::::::{.Tｰ-　　ニ二＿__}::|:::::::::rヽ:::::}　　　　　　次の其の弐からが本番だ。
.　　　　 {:::::::::} { |:::|　　　 { |::::} ｉ }::i:::::::::i ,　}::.i
　　　　　i:::::::::|ヽﾟソ　　　　辷´ｿﾉ:i:::::::::r´/::::}　　　　　　　>>846
　　　　　.{:::::::ヽ　　´　　　　　´}::i::::::::ト´::::::{　　　　　　　.見ていて面白いのはナミコ殿
.　　　　　 {:::::::::｀＞-ー､　 _... イ::|:::::::i::::|:::::::|
.　　　　　　i:::::::{/　--ｰ｢Ti／ ./::i:::::::| }::i:::::::|
.　　　　　　 i::::::{　　ヘ､}ﾉﾍ　/_::i:::::::i　ヽ:::::::{
　　　　　　　i:::::i　　へﾉ}::::{::ヽ　|:::::::i　　ヽ:::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＾ー＝-　　. . .: : : :::::: ::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : `i　　 . :. :. .:: : :: :: :::::::: : :::::::::
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　　　　　何気にGA読んでる人多いんだな　　　　　　　　　　　　　　　< /￣´三'~'-ｌ// `ｰ､＞　　. .... ..: : :: :::::::::::: : :
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>>842
どっちも似た者同士な気がします。

>>843
鍾会さんはネタ要素が満載な人なので。

853 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/07(水) 23:35:23.34 ID:CNm+swLEo

乙ですー

>>851
魏晋の簒奪劇分析楽しみにしてます
個人的に三国志一気になるテーマなので

854 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/07(水) 23:41:32.45 ID:csPtm3reo

>>852
お疲れ様です。私も期待して待ってます。

855 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ｓａｇｅ]：2012/11/08(木) 00:41:49.86 ID:ws/m1PwJ0

光武帝スレの作者もＧＡを猛プッシュしてたが
あの作品は歴史好きを引き付ける何かでもあるのか？

856 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/08(木) 02:31:44.89 ID:iEKZZsFto

鍾会は何がいかんかったのかねぇ

857 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/08(木) 08:46:31.37 ID:fUrZr7z6o

>>855
昨今の4コマ漫画ではGAが一番好きな歴史オタがここにも一人
……何なんだろうかねマジで

858 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/08(木) 10:28:35.79 ID:leXfBLeGo

>>850
異議あり
コンビだったらあーうおでぶちさんはキサラギとだろ

859 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/08(木) 22:33:24.58 ID:h/KpvGDv0

鐙が発明された後の時代だったら杜預さんも馬に乗れたのかもしれないと思った
調べてみると４世紀初の鮮卑や東晋の墳墓から出土したのが最古の鐙らしい

860 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/11/09(金) 08:37:56.02 ID:sYu2tbvio

それはそれで、よっぽど普及した世界で無ければ、
鐙つけなきゃ乗れないお子様（笑）みたいな扱いになりそうだけどな…

861 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ｓａｇｅ]：2012/11/09(金) 15:46:16.59 ID:gwkUECbg0

乗馬はどう考えても士大夫の必須技能だろうし
現代で言えば自転車に乗れない程度には馬鹿にされてたのかもしれん
子供の頃に転びまくっても乗れるようになってないと、後で苦労する的な

862 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/11/09(金) 16:00:15.62 ID:oWW6lyPxo

厳畯

863 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/09(金) 17:22:33.62 ID:qyiElplU0

>>861
いやどうだろう。
士大夫は伝統的に武を軽んじているわけで（中国で軍人の地位が見直されるのは20世紀になってから）、
むしろようやく戦乱が収まって、士大夫がそんな野蛮なことをする必要はなくなってきたという、好意的な評価すらあったのではないかと思うのです。

864 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/09(金) 17:26:27.34 ID:HU+ZHReZo

異民族連中が馬の扱い上手いから、士大夫連中からそういう技術があまり歓迎されない可能性だってあるよな
三国志の時代にそういう考え方が主流だったかどうかは別として

865 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/09(金) 18:39:16.25 ID:qdPaBdWD0

士大夫は通常馬車に乗るものだから、軍人志望でない限り騎乗は必須でもなかったんじゃなかろーか
ただ、後代の王鎮悪や陳慶之が杜預の同類だけど、軍人の彼らはどうやって騎兵を指揮してたんだろう？
史書には載らない中級・下級指揮官の支持をよく集めてたとか、そういう裏事情でもあったとか？

866 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/11/09(金) 19:51:01.40 ID:WZu8AjOLo

まさか呉起みたいに徒歩で一緒に移動したわけじゃないだろうしなあ

867 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/09(金) 19:56:44.98 ID:OL6S9Qhjo

陳慶之は江南出身だから馬に慣れてなくてもまあ仕方ないかなと思わなくも無いが
王鎮悪は南朝に仕えたとはいえ、もとは北出身のはずだしなあｗｗ

868 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/11/09(金) 20:38:17.88 ID:fOf1W6Pe0

>>865
そういえば騎兵隊長だった顔良も
馬車に乗ってるところをサックリ関羽に刺殺されたんだったな
案外必須スキルじゃないのかもしれんな

869 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/09(金) 22:39:55.04 ID:uMHFid4P0

>>868
将軍は戦場を見渡すために戦車みたいなのに乗ってたのかもしれないですね
春秋好きの杜預さんなら、むしろ御者と車右を揃えた戦車に憧れるはず……！

870 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/11/10(土) 01:25:14.86 ID:RcyOxcTF0

馬に乗れない、って記されてることはそれがその時代は特別なことだったからと考えれば
将官になるべき人間が馬にも乗れないってのは珍しいことだったんじゃないかなとは思う

871 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ｓａｇｅ]：2012/11/10(土) 03:11:05.51 ID:dBTCU8dN0

>>870
そこなんよね
わざわざ、馬に乗れないって明記してあるって事は、それが常識ではないって事

考えるまでもなく、戦において将官クラスが馬上にあるというのは色んな意味で利点のある事で
士大夫全体としてどうかは解らんが、軍人としてはちょっと普通じゃないって感じだと思う

872 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/10(土) 15:18:47.90 ID:poal4cnzo

曹丕が騎射を10代でマスターしたのが特記されるくらいだから自在に、胡服騎射レベルまでは求められないにしても
最低限乗って移動くらいは求められたのかねぇ

873 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/10(土) 19:51:36.40 ID:FedBQNRyo

乗馬は士大夫の必須科目だった筈
曹丕が曹璋に「お前もっと勉強しろよ」と言ったら
「士大夫が学ぶべき八項目の内、弓と馬を修めているじゃないですか」と言われた逸話なかったかな？

874 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/10(土) 21:01:49.26 ID:xkImaKcro

>>873
武勇一辺倒の息子を見かねて曹操が「「いくら剣の腕を磨いても人の上に立つ者にとって、どれだけの役に立つだろうか」と学問を命じたけど
「男子たるもの10万の兵を引きつれ戦うことこそ本懐である。俺は博士になる気などない」と聞く耳を持たなかったって話なら聞いたことある
これ思い出すたびに曹丕と曹植と同母兄弟とは思えなくて笑ってしまうｗｗｗｗ

875 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/11/10(土) 21:05:00.36 ID:Bm5fVMXCo

>>874
後継者選抜の時にスルーされた理由がわかる逸話だな

876 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/10(土) 21:23:01.59 ID:9le8JQcoo

清々しいほどの脳筋だなｗｗｗｗｗｗ

877 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/11/11(日) 14:04:44.10 ID:nmtaetc10

>>874
その後で信賞必罰を旨とした、将軍としての模範解答して
曹操を喜ばせた発言もあるんだけどな
文事に興味なかっただけで軍事的には優秀だよ

878 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/11(日) 18:40:47.02 ID:o06XLAMko

礼・楽・射・御・書・数が六芸だから、弓と馬（御）の扱いはできるのが理想かな＞士大夫
日本の天皇でも射や馬が得意な人は多い。まあ個人の武芸だから＝軍事の才ではないんだけどさ

879 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/11(日) 18:48:19.87 ID:n52lpr8Go

たぶん、そこに出てくる御は騎乗スキルでなくて馬車でない？

880 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/11(日) 20:59:16.29 ID:o06XLAMko

そうだよ。でも御は廃れたから騎でいいだろう

881 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]：2012/11/11(日) 21:05:56.59 ID:aTXWLm2B0

>>852
ありがとう。主のスレは本当に勉強になる。
馬岱はまだ生きてるのかな？

882 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ｓａｇｅ]：2012/11/11(日) 22:36:22.67 ID:+j93Tuah0

戦車ってなんであそこまで衰退したのかな
使える戦場は限定されるとはいえ、強力な事は間違いないから有効な戦術になりえると思うんだけど
三国志じゃ、影も形もないのが不思議
春秋以前じゃ戦場の主役だったのに

883 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/11/11(日) 23:09:02.77 ID:Xq0fRxVqo

国土が荒れて、街道の轍の幅が統一されなくなったから？

884 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/12(月) 12:04:01.69 ID:wFvzeB610

考えられるとしたら、
・用兵思想の変化
・材料となる木材・鉄などの枯渇
あたり？
騎兵を育てるより戦車兵を育てる方が時間もかかりそうだし、コストパフォーマンスが悪いと思われたのかも

885 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/11/12(月) 19:39:45.50 ID://J/JQSVo

馬車そのものは貴族の移動用として存在したわけだから、作る職人が減ったとか？

886 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/11/12(月) 19:43:16.06 ID:XJfVhbSyo

馬を操る技術が発達したせいじゃない

887 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/12(月) 23:18:47.93 ID:HBqd4oFho

阮籍なんかは自分で馬車を引いて街中を珍走してたみたいだけど
南朝時代にはいるともう完全に使用人に引かせるものになっちゃったね。肥てるのがステータスになった影響もあるけど
三国・西晋時代にもそういう何もしないでナヨってる風潮はあったから、兆しといえば兆しだが

888 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/12(月) 23:32:09.36 ID:q+9DsdtVo

そういや横光三国志だと孔明が馬車に引かれてるのがデフォだったけど実際はどうだったんだろう

889 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ｓａｇｅ]：2012/11/13(火) 00:05:30.67 ID:992d+2tH0

てか、考えてみたら三国以前にとっくに戦車は衰退してたな
少なくとも趙の武霊王の時代までは現役だったが、楚漢戦争の頃には殆ど残ってない

やはり大きいのは騎馬戦法の有用性と、戦車の活躍の場の減少
戦争の形態も春秋末期には大きく変わって奇襲や騙し合いが常道になると、平地での会戦なんてそうは起きなくなったし
それと国家が貴族制から中央集権体制に移行したことで、貴族の持ち物の戦車に代わって
徴兵された歩兵が台頭してきた事か

とグーグルで簡単に調べたらそう書いてあったんだけど

890 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/11/13(火) 01:10:45.62 ID:gS5I7RLo0

>>888
三国時代は馬車のエピソードに事欠かないわけだが
袁紹が豪華な馬車に載るのを許子将に批判されるのを恐れたとか
曹植が馬車で皇帝専用道路走って曹操の怒り買ったとか
士大夫に限れば騎馬のエピソードより多いぞ

891 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/13(火) 10:37:19.55 ID:oJa1XVHOo

あと、戦場の主力が歩兵になって、歩兵についていけない兵種は使い勝手が悪くなったというのもあるんでない？

892 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/11/13(火) 19:16:49.80 ID:6BkUgimwo

歩兵が主力なら戦車のカモが増えて、重要性が増す気がするがどうだろう

893 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/13(火) 20:50:17.54 ID:hVYitf1Xo

機動力が問われる策の時代になったこと、優秀な騎兵が中華でも大量運用できるようになったこと
この2つで衰退したんじゃないかな
というか、中国じゃ孫子ですでに「維持コストひどいから注意しろよ」って言われてたらしいし
三国時代みたいな資源の奪い合い時代では一台のために高級な馬数頭に何十人も随伴要員作るなら
その分を純粋な歩兵・騎兵として運用したほうがいいっていう解釈に至ったのでは

それに西洋でもチャリオットは古代ギリシャ末期には実戦投入がほぼなくなってたみたいだし
騎兵が生まれると必然的にいなくなるんじゃなかろうか

894 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/15(木) 01:23:16.85 ID:/mPVWGbZo

【閑話休題】

　　　　　　　　　　　／）￣￣＼
　　　　　　　　　　／∠___ ヽ､,_　＼
　　　　　　　　　/ ／ ,-イ）（＝）!!! |　　　　　　　　　　　　　戦車が何故廃れたのか？
　　　　　　　　　l /　/（__人___）　　 |
　　　　　　　　　l　　　', ｀⌒ ´　 u　|　　　　　　　　　　　　　古代の戦車ってのは、
　　　　　　　　　',　　　 ',　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　.意外と使用可能な環境が限定されるんだよなぁ。
　　　　　　　　　 j　　ﾉ　　　　　/|_
　　　　　　　 _∠⌒ヽ j,　_、___　ｨ／::＼__　　　　　　　　　　１００％の性能を出そうとするなら、
　　　　___／ ...:::::::::::ヽV￣￣￣:::::::::::::::::...´´''' ､､､ _　　　　広大な平野でしか使えなかったりする
　／::::／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....　:::::..＼
　| ::／ ...:::::::::::::::::::::::: /;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．　´:.:.:.:.:.:.:.:.....､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１:.:.:.ｌ:.:ﾄ｡:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:ヾ::.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:ｌ:.:.:.:|:.:l　ヽ:.:.､ >＜´:.:.:!:.!:.:.:.:..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:∧:.:.:l!:.{─-＼{ 　ｫｩｧ.|.:ﾘ:.ﾄ､:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:∧:.:Ⅳ=ﾐ　　＼伐ﾂ ,|:.|:.:.!　 ⌒＼
　　　　山岳地や低湿な土地、森林じゃ無用の長物なの。　　　　　　　　l:.:/∧::ｬ伐ﾂ`　　　　　/ｌ:.l:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|:.:.:/∧l:＼　　　'　　 .ｲ:.リ:.:.{
　　　　春秋時代、元楚人の晋の巫臣が　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|:.:广|:.:ヽ:.:.≧ｭーﾟ　´ ゝ{!￣｀/ 〉
　　　　呉に戦車戦を伝えたなんて話があるけど、　　　　　　　　　　　　 l:/　 !:.:.:∧´ 　　　　ﾉ　 l/ ∧
　　　　正直長江以南で役に立つのかっていうと……　　　　　　　　　　　′　|r=i　￤ _＿__.y ´￣￣〈　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.｀ト≠´　　r介ｭ　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:!　{　　　 |li|　　　　　' 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ:.:.:l　ﾟ, 　　 |li| 　　　 ! 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:. |　　}　　 /八　　　 |　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.:ノ｀　 |　　　￤　　　　{　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 .＾　　　ｌ　　　　∧　　　　　 .

895 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/15(木) 01:25:48.44 ID:/mPVWGbZo

　　　　　　　,, ｰ"￣"ﾞﾞヾfxヽ､
　　　　　,ｨf´　　　　　　　　　）ヾ､
　　　　r%　　　　　　y)　从ﾄﾒヾミｿy
　　　,fヾ　　,jヾ从爪wﾘﾍ从ヾｲﾊYj
　　　ﾄ《ﾍ　　ｬj从fｲ(ソ(Jﾊヾ'｀ｿ` jﾘ
　　　じwtミ爪ﾐﾙt(　　　　u　　.,,;;;i　　　　　　　　　　西洋でも状況は似ていてな。
　　　j,y=､ﾐﾊｨt　　 ,,;;;;ｪｯwt ji,kｷi´
　　　i,{(d {iji　　　 ^~ ｾfｹ　｀ﾍﾞﾞ i　　　　　　　　　　.ギリシャ・ローマの軍隊が歩兵中心の編成になったのは、
　　ﾙヾ__ 　　ヽ　　　　　　 ,,∨丶､_　　　　　　　 .いかなる地理条件にも対応可能にするためなのが一因だ。
　　　jﾘi　　｀ヽ.　　　　　　　ｰt-ﾉ　　　｀ヽ
　　　ｼ.　　　ヽ　　l　 ;　 -一'ｨ. j　　　　ヽ　　　　 .娯楽としての戦車戦はローマで見られるがね
　 ''ﾞ´　　　　　　ヽ､　　　　 ¨´ i ﾉ　　 i 　　ヽ
　　　　　　　　　　　｀　ｰ‐一' ,'　　　　 |
　　　　　　　__　　　　　　　　ﾉ　　　　 |
　　　　　　　　　｀¨'''ｰ-- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　 : : : : : : : .　　ｉ : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:.:.:.:/: : : : : : :ｉ : : :＼: : : : : : 　　 | : : : ＼:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ:.:.:.:/: : : : : : : :l: : : :｜＼: : ｉ : 　 }ｉﾄ_: : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:.:.:. : : : : : : : :|: : : : |¨＾ｉ : | : . /八:ﾊ : : : : : .
　　ちなみに、春秋時代の戦車と　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:. : : :.:.. : :｜: : : 　　 |川: :: :/ ,ｘ=:|ｉ : : : |: :
　　漢代以降の馬車は大きく構造が異なります。　　　　　　　|:i:.:.:.:.:. : : .:.:. : :| : : /　＿__, |: .:/ /::ｉ　|ｉ : : : |:｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|.:.:.:.:.:. :. :.:.:.:.:.. : :/／:::::「｀｜/　|{:r'　|ｉ: : : :ﾊ |
　　春秋時代の戦車は四頭立て、　　　　　　　　　　　　　　　　|:| .:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:V/{i:::::r┘　l/　　~´　|ｉ: : :/　}|
　　漢代以降の馬車は一頭立てだったりします。　　　　　　　.八:.:.:.:.:.ｉ:.|＼:.:.:.:.:. 乂:::ノ　　丶　　八: /　,丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 /　 }ハ:. |:.l乂,＼:.:.:.　　　　　　　 i/} /
　　漢代以降のそれは騎馬の後方にいる指揮者の車、　　　　　　|ﾊ|:.| .:.:.＼＼:. 　　　ｰ ' ／ / ,/
　　あるいは貴人の移動手段に用いるのが主な用途ですね　　　　 .|/:.:.:.:ﾉl/＼＼≧=‐r一　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厶イi:|:＼＼　　　 ,ト―--　　 ..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／i:i:|:i:i:i:＼＼____i乂＼i:i:i:i:i:i:i:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾓﾊﾔｾﾝﾄｳﾖｳｼﾞｬﾅｲ　　／i:i:i:ｉ:ｉ|:i:i:i:i:ｉ:ｉ＼　 ∧|ヽi＼i:i:i:i:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽ/「}i<⌒)‐-‐十ー-

896 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/15(木) 01:28:24.59 ID:/mPVWGbZo

.　　　　　 /´:: : : : : : :/ : : : : : : : : : : : : : : ハ
　　　　　 /: /:: :: :l:: :: :l: :: : : : :ヽ: : : : : : ',: :: :∧
.　　　　　 /: / : : : :|:: ::/i: : : : : : : ',: : : ヽ: :∨ : : !
　　　　　　{: /: : : :从 : ハ: : : : : : :人: : :从: :}: : : :|
　　　　　　|: ｉ:: ::斗-‐廾‐-､: : : : 斗-‐廾ト､::!: : : :|　　　　　　それと、地理環境の制約を受けなくて、
　　　　　　|:ﾉﾙ': :{z≠=ｚ､　 7: ::ノ ,xz=≠､ }: : : !::|　　　　　.速さの面で融通の利く騎兵の登場がトドメでしょうね。
　　　　　 |: : : : 从 fゞ､,ィ`　ﾉ'´ 　爪ゞ､ｨ从: : :ﾊ::!
.　　　　八: : :∧. ∨匕!,　　　　匕::::ﾘ / : : /:: :ﾊ　　　　　紀元前１０００年頃のアッシリアの場合、
　　　　　/: : : ',: ハ　´　　　 ,　　　　 ./:: : : i: : : :ヽ　　　　乗馬の習慣が広まるにつれて、
　　　 /: : : : :i: : : ',　　　、_＿,　　　八 : : ハ:: : : :＼.　　戦車→騎兵に代わっていった例があるそうよ
　　　／: : : : : :|:: : : :ト　　　　　　ｲ: : : : :i : ',: : : : : :
　, : ´:/: : : : : : !: : : :ﾊ : : ト　 _　イ: : ,': : : : : !: : ヽ:: :: : : : :ヽ
./: : :/: : : : : : :ﾉ : : : : }く＝=､ ,-=＝┐: : : : : :{: : : :｀ヽ: : : : : ',
: : : /: : : :,∠ /: : : : : :|∧　/ ∨ヽ　 ∧ : : : : : ',ヽ:: : : :丶:: : :ハ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／─　　 ─　　＼
　　　　　話を聞く限り、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　　＼
　　　　　扱いにくさと汎用性のなさが戦車衰退の原因っぽいお。　　　　　 |　　（__人__）　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　　　じゃあ中国史だと、どこが転機なんだお？　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |　 '､＿＼　／　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 |＿＿＼　 “　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＼_／

897 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/15(木) 01:31:08.21 ID:/mPVWGbZo

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　，´: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　 , :’: : : : : : : : : : : : : : : :’，
　　　　　　／: : : : : : : ∧ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　 /: : : : 7: : : :/　＼ : : : : : : : : : :l:ﾍ　　　　　　　　　　_　_
　　　　　　/: : :／ ' : : :/＿_ 　＼ : : : : : : : :!::｣＿＿＿＿＿＿_/ Y i^r ､＿＿＿＿＿
　　　　 /: ／: :/:l : : :!´ 　｀　　＼ : : : : : :!　　　　　　　　 !_/!_l/!_/　　　　　　　 |
　　　　 ./イ lﾊ'/: :! : : l≠ミｭ、　　-十､: : : :ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　/: : :! : : l :::::::　　　　ｨ它7ヽ: :l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　 /: : : :! : : l　　　　　,　 :::::: /: : :!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　 / : : : :ﾊ: : :ﾄ､　　｀ --　　ｲ : : :i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　 / : : : :/:∧: :.　> 、＿，＜| !: : : l 「やらない夫は伍子胥なようです」様.　|
　　　　　/: : : : :/:::::∧: :}　　　ﾄ､＿_｣ l: : : :!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　てへ
　　　　， : : :Xx―'　i : !　　　 i　＼　! l: : : l　　二周年おめでとうございます　　　 .
　　　　 i : : :/. .　ヽヽl : l ｀ヽ　 r'　　ヽ　，: :l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　 l: : : !. . . 　 l lｌ: :l　　　　　　 !　i : ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　 i: : :::!. .　　ヽﾘ＿＿＿＿＿|　l: .'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　 l::::::::．. 　　　＼　　{::::::{:}::::}i　 !'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　，:::::ヽ　　　　　　＼ .｀¨介¨ l!　　　　　　　　　　　x ―‐､　　　　　　　　　 |
　　　　　 v:::::::::＼　　　　　＼/　!　 !＿＿＿＿＿_＿ｒ ´　　　＿つ＿＿＿＿＿＿｣
　　　　　　ヽ::::::::::ｌ＼　　　　　　＼l　＞―… ¨　￣￣　　　　　　　 /
　　　　　　　＼::::!　　､　　　　｀¨　　　　　　　　．―-　――‐ '
　　　　　　　　　ヽ!　　　　，　　　､＿,　　　　　，イ: : : : :＼
　　　　　　　　　　 >､　　　　ヽ　　: : : : 　 _ イ : : : ヽ : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　}､　　＼　　￣￣　　　 !: : : : : :}: : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　 /　ヽ　　＼　　　　 //!: : : : : :! : : : : : : : : i
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　　　　　　　　　　よそに振るんじゃねえぇぇぇ！！！　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　|ｪｪｪｪ| 　　／

898 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/15(木) 01:32:40.12 ID:/mPVWGbZo

　　　　　　　　／.: : : : : : : : : : : : : : : : : .
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　　　　／.: : : :. :.／: : : : : : : :{ ｨf竓ミ､／ __/: : : :}
　　　／.: : : :. :.／: : : : :(_|: : : :| 弋ジﾉ　,ｲﾐ: : : :,
　ｰ=≦=====ｧ: : : : : : : : : :|: : : :|　　　　 {ｼ　/ :/
　　　　　 ./.: : : : : :. :. :. :.|: : : :|　　　　　 ´/ / :/　　　　　　　　　　　　　おしまい
　　　　　　 /: : : : : : : : : : :.:|: : : :ﾄ　 ` ｰ　ィ:.,': :/
　　　　 /: : : : : : : : : : : : |: : : :|　　ｰ＜.: : : : /
　　　　 ./: : : : : : : : : : : : : j／⌒ヽ.: : : :. :./: :/
　　　　　/: : : : : : : : : : : : : :.{　　　　 i: : : ::/: :/
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　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : :|　　　　|　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　≫'"´　　＼ヽ-､〉:|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::l ::|/＿￣｀　　´￣ |:::|::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::|:::斤::::卞　　 'T::::ｶ|:::|::|　
　　　　　　　……と、手持ちの資料を基に簡単にまとめてみた。　　　　　　　 .|::'^|:::| ヒcｿ　　　ﾋrﾘ ::::i):|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::ゝi: i│　　　　　　　/:::ｉ:::|
　　　　　　　次回投下日に関してはもうしばらくお待ち願いたい　　　　　　　　.| :::::ｉ:::::ト　　　-　　イ:::::i::::|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::::i:::::|::::/`L._爪::::/::::/::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ::::::|:::::iﾍ／{_}＼/'7:::/、:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::／|:::::|/　/｢ﾄ､ Ⅵ:::ｉ　ﾊ::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::|丶|:::::|／| |｡| |∨|:::|/　l |

899 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ｓａｇｅ]：2012/11/15(木) 02:22:52.96 ID:Oy0jo7Cs0

伍子胥スレもう二年なのか…

むしろ戦車が主力だった頃の戦争が、今の感覚から言えばかなり異質なんだよね
凄惨な殺し合いするのに、スポーツの大会かなんかかってくらい儀礼的で
春秋末期の戦争や政治体系の変遷は、単に戦術が変わったとか程度ではなく
中華の人間のメンタルに凄まじい変化をもたらしたと思う

900 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) ：2012/11/15(木) 03:06:38.47 ID:Wrym0fbk0

戦車が地形制限を受けて退場したってのは開拓技術の向上もありそうね
戦車がぶいぶい言わせてた時期は河川の開けたところでしか人間が社会作ってなかったイメージがある

901 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/16(金) 10:50:38.76 ID:/csuHwkKo

陳舜臣氏はそういうことを言っていたな
感慨技術の発達で農地と水路が広がり戦車を阻害する地形が増えたと

902 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [ｓａｇｅ]：2012/11/16(金) 14:07:45.62 ID:cOjv+Ch+0

そういや、明代に至るまで黄河の治水法と言えば、
黄河の水を多数の派川や排水路に分散させるものだったから
治水が進むにつれて平地が減っていき、後年になると川が居住地まで圧迫しだすって問題もでてきたらしいな

西門豹とかの名官僚の仕事が、巡り巡ってそういう事にも影響してたのか

903 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/16(金) 22:15:00.80 ID:iUq8RMOqo

そうした背景を見ていくと、多分戦車の衰退と騎兵の導入の流れは全国的なもので
武霊王は一番最初に成し遂げた人なんだろうな
でなけりゃ趙以外の各国の騎兵導入の速度が速すぎる

904 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/22(木) 18:25:07.83 ID:5X8ZtdgN0

ふと思った
朱然＆徐盛「周泰なんて寒門出の指揮なんて受けられねーぜ！」
朱然＆徐盛「陸遜なんて名門出の指揮なんて受けられねーぜ！」

いったいどういうことなの…

905 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/22(木) 20:24:39.84 ID:rhJloIUzo

　　　　　　　「;'.::::::::::::::::::::::::∧::::::::::::::::.＼::::::::::::::.＼ : 《
　　　　　／:l::::::::::::::::::∧//∧:::::.、::::::::::.＼::::::::::::::.＼》
　　　　 <:,; : l::::::::::::::::::ﾄﾐ巛/∧:::::.ヽ::::::::::::::.ヽ:::::::::::::::::.
　　　　　《: : l:::i::::::::::::::|　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
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.　　　　　川::::::::::::''|‐- .　　 |:::::ｉ|:::::::∧l _」:::::::::::::::::|　　　　　　　　 .私にやらせろ
.　　　　　　 /.::::|::::::::::X|爪厂≧ｘl:::/l|:::::=≦爪》::::::::::八|
　　　　　　/.:::::::|:::::::::::::| Ｖ_)::::｢　|/　|:::/l_):::::∧:ﾊﾊ/
.　　　　　/.:::::/::|:::::::::::::|　込ツ　　　 |/　込ﾝ　,i:::::::i
　　　　 '.:::::/.::::|:::::::::::::|、　　　　　　,　　　　 /:|::::八
　　　　ｉ:::::/ｌ::::八:::::::::::|:::>､　　　- - 　　_イ川:::':::::::.　　　　　　　　　　　　　　　　　　,....:':´:.:.ｧ:.:.ハ｀ヽ.､
　　　　 |::/ 八i::::::ヽ:::::::|' 　 i＞ . 　_ . ＜　`ｰ┤:::::::::i　　　　　　　　　　　　／:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:ヽ
　　　　∨/.::::.ヽ:::::::.ヽ:|. 　ト　　　　 |　　　 |::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.;:':.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i==/:.:.:i:.:.:.i:.:,A--､:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:./:ｉ:.i.:i:.:.:.i:.i　i:.:i､:.:i:.:.:.ヽ;:.i:.:.:i:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:.:.ｉ:.:ｉ.:i:.i:.:.'イ示ﾞ　ヽi:.:./ .i:.i:.:.:.i iﾘ
　　　　　　　呂蒙や陸遜はともかく、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:.:.:i:i V:.iヽi 弋ｿ　　　だ}.i:.!:.:i:.! '
　　　　　　　他の連中よりは上手くやれる自信はあるのよねぇ。　　　　　　ｉ:.:.:.:ヽヽi　　　　　　　ゞ' ;ﾘi:ﾉiﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:/:.ﾍ.　　　　　 '　 .ﾊ!
　　　　　　　下手くその指揮下じゃ戦いたくないし……　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:/:.:.:. |＼fヽ　 ´　, ｲ:.:.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.i:.:.:.:.:.i:.:.:,. ﾉ　 .| ト, .イ:.:.:.i:.ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 {:.:ﾊ:.:.:＞ 'ﾞ f. 　/ /_i . ﾞ`＜:!:i:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vイ　　　 .|　/　 ‐‐} 　　ﾞiヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::ﾊ　　　　 i i.| . 　こ} 　　 i::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　 ,_ｒｫ､ ,　 '´￣　　　, ｨ_"￣ヘ
　　　 ,r{ｲﾍ〉　　　　　〈厶ｿﾍ　＼｀ｒ
　　 {　ｿ¨´/　 l　',　＼ .ﾄﾄゝ　l　 l 　|
　　 | / / /＿│　l-+-- ', ',　',　l 　l 　|　　　　　　　　　　　　我の強い人たちですねぇ。
　　 l .| ｌ　ﾄ!ry.ト､/,斗‐r､l　l　 l　|　ﾉ　}
　　/　 l |､くY〈{｀　 |::.::: l .l 　|　| / /　/　　　　　　　　　　　　.昔の呉はこんなのばかりでしたから困ります
.ノ,-,-,-,-/ τ｀　　ﾍ:::ノノ,-,-,-,┐|　〈
￣Ｌ.Ｌ.Ｌｌﾉー‐ｔ.＿, ----ｲ_/!_ｌ_j_｣￣￣￣￣￣￣

※次回は１１/２４（土）の２１：３０頃に投下します。

906 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/22(木) 20:37:39.65 ID:7NIaEtxEo

了解

・・・・昔の？

907 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/11/22(木) 22:07:39.43 ID:VBcv3ebKo

従いたくない理由として言ってるだけだろうしね
身分を言ったら、孫権だってあんまりねえ

908 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2012/11/22(木) 23:38:04.69 ID:2fnzlIUso

了解です、お待ちしてます

>>904
陸遜の場合は名門出っつーか、山越討伐メインでそれまで対外戦争で指揮官となった経験がないから反発されたんじゃなかろうか

909 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/11/23(金) 01:19:39.23 ID:cXIT/RnNo

待ってます

周瑜も程普ともめたし、魯粛も兵士ともめたらしいからな
そういう話が無く、むしろ指揮下に行きたいと言われた呂蒙が異常な気がする

910 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/23(金) 01:29:04.94 ID:nNKMEVtNo

呂蒙は昔アレだったからじゃね

911 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/23(金) 04:28:55.78 ID:Bv3sVlumo

そういや無双７で魯粛さんついに脱モブらしいね
顔は蒼天魯粛そのまんまな感じ
文官みたいな服装してるけどちゃんと中に鎧着てるわ

912 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/11/23(金) 10:34:34.58 ID:9+EIGUBLo

揉めるのがデフォと思っとけばいいのか

913 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/23(金) 13:53:58.01 ID:nNKMEVtNo

中原に近いエリートと土着の武官はだいたい仲悪いんじゃね？
エリートの理屈もわかるし、武官の気持ちもわかる呂蒙以外まとめきれなかったということでは

914 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga]：2012/11/23(金) 16:39:12.75 ID:GJ/Ozjito

>>909
むしろたたき上げの軍部と、落下傘将軍の対立と考えた方がいいのかも知れない。

915 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2012/11/23(金) 18:28:04.38 ID:gK7FIucL0

>>913
呂蒙はＤＱＮだったころから
なぜか張昭に目をかけられていたという

916 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 21:32:23.36 ID:oThjCM51o

※２１：５０から始めます。

917 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 21:51:20.15 ID:oThjCM51o

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ
　　　　　　　　　　　　　　／　　,／/ _､-
　　　　　　　　　　　　　　 , '/ ／‐'::::,､ﾝ'／
　　　　　　　　　　　　　 , ./:::ﾚ:::::::::::::´::::::ー--...､.._
　　　　　　　　　　　_iV::::::::::::::::_::_::_::::::::::::::::::::::::::::::::::=-
　　　　　　　　　　　r::'::::::::::::｀ヽ三ニー-::::ニ:::::::::-=ﾆ´
　　　　　　　　　／::／三:::＼＼ヽ:::::::::ミ､::::::::::::::_:::＝≧ー
　　　　　　　　　/:::::/:::::ンヘ＼＼ヽ:::::::::::｀ヽ:::::::::::::ﾆ三三ｪ-
　　　　　　　　 //i:/:／/:::,'i::::ヽ＼＼',､::::ヽ:::::::::::::::::::::＜'´
　　　　　　　 !' /::;:':::/:::,'::i　i:::ヽ:::::::ヽ:ミﾐ:::::ヽ､:::::::::::k-ﾆヽ､
　　　　　　　　　 /::i::::l:i:::i､::',. ',::::::ヽ::::::::ヽ::::::::::::`::::::::::ミヽ､　　　　　「やる夫が正史を書くようです」第三十九回。
　　　　　　　　　/:::ii:::l::i:::L::::':,::i:::::::＼､_:::ヽ::::::::::､::::::::::ヾ､
　　　　　　　　 /::/i:ｉ::l::i::i f:::j､:;::::',ヾ:::,rt:::j､＼:::::::::::::::::i､＼　　　　　蜀の滅亡其の弐となります。
　　　　_,rｰｧ'/'´ i:ﾊ:l::lﾘ`＝‐ヾ'､::､ﾞヾ､ﾆノヽ::::::::::::::ヾヽ､.
　　　,r''"　　　　 i.ﾘ/ﾘ::',ﾞ　　　　　ﾞヽ　　　 .,!::;:::::iヾ::',ヽ､｀`ｰ-　　いつもどおり作者は投下中レスには答えませんし、
　　/　',　 -､　　 i//::l:ｌﾞ､　　､ ..　　　　..:':l::i!ヾl:::ｌ lヽｉ ',　｀ヽ　　 .投下内容に関するネタバレは御法度です。
　 ∧　 ', 　 i i　　 i i:　ﾘ　ヽ.　‐-- ､　／ /ﾘ　/ !/./　'　'　ﾞヽ
　 ,' ヽ　 ',　i 〈　　 ,i i::.､　＼＼　　　..::'::: /　! 　 , ', ' .i　　　　　　　まだまだ先は長いですよ？
　､　ヽ　　ｉ　　　'ヽゞﾐヽ、ゞ: `ﾆ:´:::::''　_,. -／／　 i
.　ヽ、ヽヽ　 i　　　 ',ヽ､`ヽﾐヽ､　　,.:-'´,. '´／　　ﾉ　　　　 /
.　　 iヽ＼i　.i!ヽ　　　　 `　､`'-､､､､､- ',ン'' 　　　　　　　/〃
　　　i　ヽ.＼ !　　　　　　　　｀ｰ-ー '´　　　　　　　　　　, ' //
.　　　i　　ヽ､ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ' ／ '
　　　 ',、　　　ﾞﾞ'i＼ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ir'　ヽ=
　　　　iヽ　　　　i!　ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　 ,　'／i! 　　/

918 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 21:53:24.65 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年８月　魏　雍州　狄道】

　　　　　　　　　　　ヾｰ─ｰ─ｰ──ｰ──ｰ──ｰ─ｰ,ィ
　　　　　　　　　　　　||;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|　||
　　　　　　　　　　　　||i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|;　|i　|;　|;　|　||
　　　　　　　　　　　弋┼i‐‐l!‐i!‐‐i──i‐‐l─i‐ l‐ l‐il┼‐ ﾌ
　　　　　　　　　弋ｪｪt┼┬┌───────┐ ,‐i┼t'ｪ,ｨﾌ
　　　　　　　　　　　　　iｌ＿,└───────┘ ,　 i!
　　　　　:''''"~￣~`''　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l　　　....;:''''"~￣~`''-､__,,....;:''''"~:''''"~￣~`''　　　
　;:''''"~￣~`''-､_　　||￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|￣￣|￣||　　　　　　　　　　　　　`''-､
　　　　　　　　　　　ｌ|￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|ｌ
　|￣￣|ｌ　|￣￣||　||￣￣|￣￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣|￣￣|￣||　|￣￣||　|￣￣|i
￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣￣||￣!￣￣;/ ￣￣￣￣￣￣ﾞヾ￣|￣￣|ｉ￣|￣`~|i￣￣|￣￣
￣￣|￣￣i`~￣|￣ｉ|￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣￣i￣″|.γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
￣|￣;ﾞ|i￣￣l!￣￣||￣|￣￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣ｉ￣￣||￣i￣￣|￣ |　　　　　姜維、字を伯約　　　　　　|
￣￣i￣￣|￣￣i､ ;||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣|ｌ￣￣|￣｀~|i.ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
￣i￣｀~|￣ヾｌ;￣￣ｌ|￣|￣￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣|￣￣||￣|￣￣i|￣￣|￣￣
`､￣|￣￣i￣￣|￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣!￣||￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾi|￣
″|￣￣i|￣!,,|￣￣ｉ|￣!￣ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : ｉ￣|￣￣||￣i￣￣|￣￣i￣￣l
|￣~~i￣￣|￣ i ;￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣゛|￣￣|i￣￣|￣_
''- ．._　　　~""'''　‐- ．..,,__　　　　　　　　　　　　　_,,..-‐''~""'''　‐- ．..,,___,,.-‐'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　雍州天水郡冀県の出　　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

919 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 21:55:23.41 ID:oThjCM51o

　　ヽ、　ヽ:.､､,
､、　ヾ､:､.ヾ::::ミｰ:.､､,,
､::::`=:..､_ヾミ::`:::::::ヽ､:::::`:ｰ.､.ヽ、　､
.｀ヽ､:::::::::三"ﾆー-::...ﾆ=-:､::､::ヽヽ .i:!
-ｰ '''''ーﾆ三ニ‐:::-ニ三ﾆ::::::::ヽ::::iﾉ::i
:::::::::::￣::::::::::::::ン:三＝ー-:::::::::::::::::::ﾘ　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
::::::::::::::::::::ン:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ､　　　　　　　　　　　　|　州の従事となった後、本郡の軍事に参与　|
ｯ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:::,::::::ンノｿ　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
::::::::::::::::::::／::::ン::::::::::::::ｪ＝ ":::／/::::ﾊ
:::::／::::::::::::::ﾝ:::::::::::::／::::::／／/:::::::::::::i
::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::'::::::::::::::,:':/::::i
::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::ﾝ:::::,::':::::::,':::::i!
::::::::::,:::::::':::::::::::::::::::ｯ::::::;ﾝ::::::::::/:::::::::f'i:!　　　　　　　　　　　姜維は、私より余程将来有望な男だった
=ｨ::::〃:::::::::::::::,:::'ﾝ-'''／/::::／ﾔ::::/ i:!
./ﾊ:::::::〃:::::::/ '"　　／" 　..　,ｿiﾘ　!
ヾ. l::::/' ',::il::/ヽ　　　　 _... ﾝ　i　 '
.ヾ､ﾘi　　ﾘｿ　 :::ヽ、　￣‐'／　 i
　 ','ｿヾ､_,... ｯｨ'ﾉ´. `　..／ /　　k
　　i ヽ､__ ,ノ／　　,　/ ／　　　 i
　　 i '' ‐-‐ '　　／/,　'　, '　⌒　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　i:: '　　　　／ .ｨ , ',　'　,r-‐---､､、　/!　　　　　　　　　　　　　　　 |　街亭の戦いがあった年、蜀に降る　 .|
　ｨ:　　　　,..::'　,.:':::i ／/_r/二二二ｪｯ､ヽﾘ　　　　　　　　　　　　　　　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　ヽ　　' ::　 /　 Y／´　　　　　　　　ヾヽ

　　魏　征西将軍　鄧艾

920 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 21:58:02.86 ID:oThjCM51o

.　　　　　　　　　　　 ,　 --―――-　､
　　　　　　　　　　ｘ≦ﾆ三三三三三＞‐1
　　　　　　　　　Ｖ≧＝=≡ﾆ二三三三|
.　　　　　　　　 ∨ﾆ三三三三三三三{
　　　　　　　　　　 ,斗-――……￢￣￣二＞ｧ
　　　　　　　寸ニニニニニニニ三三三７
　　　　　　　　　　Ｙユ二二二ニ≡＝‐＜::∧
　　　　　　　　.ﾊ洲洲i:ﾊ:ﾐiﾐﾐヽ､l|lﾄ::V:ヽﾐ':、
　　　　　　　　　　　 {i:洲洲:Ⅵi;ﾐヾヽヾlii:‐:l |:洲ヽ≧ｭ､、
　　　　　　　　 l洲洲T,ﾆミ　　ヽ:::||:::::}:|洲　　　　ヽ
　　　　　　　　洲洲:ﾊ(:.･:)　　::::ﾘ::::ﾘj:/l|　　　　　ﾉ　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.　　　　　　　　 }ﾊヽﾐ､ヽ、　__ '__　　;ｲ:|::八　　　　　　　|　以後、蜀将として幾度となく隴西地方に侵入　 |
.　　　　　　　､__,.ノｨ:i}人ﾐＹト　`.- ',,.ィ　j/`ｰ-ミ:.､　　　　 .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　｀　　　　 rﾍＬ.ノ＾L__／＾ヽ、　　　ヾー- ､
　　　　　　　　　　　　　　 _〉/ ﾚ'／７｢トﾐ＼引〉ｰ- ､
.　　　　　　　　 r:‐个ｌ７/　 //l |　＼Ｙl|_): : : : :ゝ､ _＿＿_,.ィ
　　　　　 r‐{｀:ｰ:―:'´: : :(_ 八ヽ_//ｌ |ﾊヽ､ﾉ/{ | ）｀、: 丶: : : : : : : j
　　　　　 ∨ : : : : ; : : : :(_ ｌ } ｀¨7/　|::| ｀￣└ﾍ) : : ､: : : ｀丶､:_:_/
　　　　　　ヽ､_／: : : : 匕｣廴　|:|　||::l　　　 ( Ｋl: : : ､: : : : : ／
　　　　　　　 } : : : :/: :└ｸ_ｎ_|:ﾄｰl|::ト=＝元┘:|: : : :廴:_／
　　　　　　　｀ヽ∠: : : : : : : :/｣:l>!Ｌ.厂「´: : : : :}_／　｜
　　　　　　　　　　 / ｀丶､:_:_:_rｰrﾍ|>/;';';ﾚT} : ／{＿　　|
　　　　　　　　 /　　　 }｝;';';';';ヽ |/;';';';';';'|ﾚ'´　/ γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　_｢７⌒ヽ、　ﾚ'＾ｰ┐;';__ ';';r‐' ￣l　/　 |　　同地方に多大な被害を与えている　　　 |
　　　　　　　｛ /　　　Ｖ: : : : : Ｌ｣　Ｌノ: : : : :.Ｖ＿　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
.　　　　　　 /厶＿　 / : l: : : : :｀丶､:_: : : : : : ﾚ'＾)_｀ヽ、 | }
　　　　　　〈_｢｀ヽ-ﾐＶ : : : ､: : : : : : : : : ｀: : ; :// ,　,｀ヽ V| ｝
　　　　　　 |　,ｲ |/: : : : : :丶: : ヽ､:/: : : :/└l / / j　}く | ｝

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　この映像はあくまでイメージである。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　実在する姜維本人とは一切関係がない事を断わっておく
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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921 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 21:59:23.73 ID:oThjCM51o

　　　　/:/:::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　 /:::/::::i:::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　 ./:::/:::::l:::/::::::::::::::::i::ヽ::::::::::::::::::::＼::::::::::＼::＼::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::
　 |::::i::::::l:::l::i:::::::::::::::::l::人::::::::＼:::::::::::＼::::::::::＼:ヽ:::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::
　 |::::ii:::::i:::::i:::::::::::::::::l:||__ヽ::::::::::ヽ:::::＼ヾ:r======ヾ::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::
　 |::::i i::::l::::::i::::::::::::::::i「:::i　ヽ:::ヾ::::＼::ヽヾ|:;;;l|　　:/　＼:::::::::::::ヾ::::::::::::::
　 |::::l i:::l::::::i:::::li:::::::::::i;::;:il　/i＼ヽ　　＼丶ﾐ=≡彡´　　＼:::::ヽ::::＼:::::::　　　彼が何故蜀に降ったのか？
　 |:::i　l::i::::::i::::l:::::::::::::ｉﾐ彡´/　　ヽ＼　　ヽ　￣　　　　　　ヾ:::::ヽ:::::::ヽ::
　 i::i　 l:li::::::l　 l;::::::::::i　　/　　　　　　　　＼　　　　　　　　i::::i::i:::ヾ::::::::　　ぎ、魏に留まる選択肢もあったはず。
　 il　　l　i:::i　　i::::::::i　く　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::i　ｌ:l:::ヾ::::
　　 i　　　i:::l　　l:::::::::ゝ　　ヽ　｀丶　　　　　　　　　　　　　　i::i　i:l::::::ヽ::　　.向こうでなら、より立身できると踏んだのか？
　　　　　 i::l　　i::::::;丶　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i:i　i:l::::::l::::::
　　　　　　 ll　　　l::::i::::丶.　　　.　____　　　　　　　　　　　　:::i::;:;l;;:::l::
　　　　　　 l　　／　 i::::l:::iヽ.　ﾞヽニニﾆ=｀__　　　　　　　:::::::l／l::::i
　　　　　　／　　　　l:l　l:::丶　.::::..---‐‐　　　　　　　　::::／::::::::i:l
　　　　／　　　　　　i:　　i::l ＼　　　　　　　　　　　:::::／:::::::::::::::::i
　　／　　　　　　　　i　　i:i　　ヽ　　　　　　　　:::::;／:::::::::::::::::::::::
／　　　　　　　　　　　　i　　　　ヽ.　　　　　.:::／::::::::::::::::::::::::::::
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､＿__::／＼::::::::::::::::::::::::

922 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:01:09.49 ID:oThjCM51o

　　　　　　 ._ ......... _ 　 /::::::::ﾍ　　　　,ｨ
　　　　／:::::::::::::::::::::｀′:::::::: ;　　／:ﾊ
　　,ｲ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ....イ::::::::::!
　　{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j
　 ,ゝ:::::＞-ー＝TTｰ￢::::::::::::::::::::::::::::/
　/／く＿二ニ＝V＝ニ∨廴_ :::::::::::く__＿　　　　　　　　親父。
. ′　 !:::::::::: ｛こ_| |/　γﾃﾄ人::::::く￣
　　　 ∨:::::::人（_ | |!　　 _iｿ (　ソ⌒　　　　　　　　　　　もうみんな集まってる。
　　　 ∨::::::::::ゝ | |i　　　　　ゝ
　　　　　.〉ﾊ小/　| |:! 　　 - ′　　　　　　　　　　　　　早く来てくれ
　　　　　 _|_＿　| |」、　 /
　　　　 /＿＿　￣￢￣
　　　／::i　　　　￣ _￢- 、
　　 /:::::/　　　　　 /::::::::::ハ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（l!i´::二ﾆ＝-:;;;;:::..-.:::::::::::
　　:::::://￣￣｀iiヾヾ:::::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-'从ミへ:::::ヾ::::::.,ヽ::::::::::::::､
　　i:::://　　　 ll　Ｖﾍへへ::ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::'!::::::､､::::､::ヾ:::ヽヽ:::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::.!l/::::::ヾ::::::､:::::ヽヾ.:＼:::::ヽ::
　　　魏　鄧艾の子　鄧忠　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,'i!:::::.:i.!:lｬ,:::::::..ヽ､＼::::::::＼:::ヽ:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' l!i:l::!!:ヾ.i-ｬ.::::､::::::::._ヽ､:::::::ヽ:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,ヘ!_l. !y::|::l!ｌrt:ｯﾐ＼:ヾ rt:ｯﾃ､::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,-=ニ-ﾐﾍﾊ:::::::ｌ `''''"_`_｀ヽ`'''"　ｌ:::ヽ::::
　　うちの息子はせっかちすぎていけませんね。　　　　　　　　.ンﾆ二｀ヽ;=､!ﾊl!y''~´　　 ~`ヽ　　!:::::/i!､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..ｨf´　､　`'''‐ﾆ'ヽ..ッ'ｩ､　　　　　　ｌ／ﾘl::ﾚｌヽ
　　…………　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.-ﾆ／　　`'ﾌ´~｀ヽ..X´｀`''''ｦ, r'''~''ｯ ..〆 / ,liｿ |　,.ｧi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐ﾆ‐'八-､_...:::::n⌒`!~ ヾ' ､.　ヾ､`'''ｬ''''~´　/ // ,ン´　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´ .ｌ /　ヽ >::::!ｿ/ ＼＼ |ヽ'i 　　ヽヽ､_゛_,,...-zﾝ. - '''´~｀`''ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　、＼__ﾝ￣~`'''''- ..,　ｌ　　　゛ｰ-ｰ'´ /,'　,:-‐''　､'‐- .,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞._/ 　　　　 ;　ﾔ ! 　　　 ',　　/､ /　　　 !　ヽ　　｀く::　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.::;;;;/　　　　　　　|　 'i::i　　　　',　〈', ｌ i　 ,'　 ,'　　ﾄ　　　ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐-‐''　~ ｱ　ヽ　　　　　ｌ.､　ヾ　　　　　,　 i_jy'　,'　./ 　　ｌ ', 　　',

923 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:02:13.80 ID:oThjCM51o

. /　/　 /::/　　/　　ヽ　　　　 }　　　　　　l　　　　|　 i　 l
｜./　 /: 1　　 L 　　　｀ヽ　　 |　　　　 l　　　ｉ　ｌ　 l
　/　 /:/ .!　　｢ "　｀ﾐ､　　＼ i　　　　 / 　　 /　/ 　 |
　!　/ﾂ　ﾄ､　 !　　　　　ヾ　　　　l　　　　 / 　　 /　/　　 .i
./　　 ,　　} ヽ　i　　　　　　　　 l　　.--　、_.／　/　　　 l
ヽ　　{　 / l　＼ヽ　　　　　　 j ／_　　´ 　ヽ /　/　　/
　/　 l　}ヽ｀　ヽ〉　　　　　　　　　　　｀ヽ　ー ´　/　　/
. ｉ　　i　l　　　　　　　　　_　　　ヽ　　　　　ソ　_. /　　/
.il　　 !. l　　ヽ　　　　ｿ｀}ｨ.､　'　　　　　／7 ´　　／
.}　　/　ト...　　＼ﾄ､　　 ⊥ﾍﾘ　　　　　_　ｲ.／　　／
.ﾊ　　　l::::::::｀:ｰ.､{_ ヽf　.イ　}--　ｧ　/ｿl_入ｨ　／
リ{　　 .l:::::::::::::　´　 _二ヽ}　 ! ´ f　ｲ .,！ .l　´
ヽ !　　.{:::::::／　 f　}　 l /　〃　ﾘ / / .}　 i
､　l　　 l:::/　　" - １　} 　/　 / ´ ./　.i　　!

　　　　魏　太傅　司馬懿（字：仲達）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　あるいは、己を知る者に出会ったか？　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::':::::!:＼:::::ヽ::::::::::::::丶:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::!:::::::::::!'!＼::::::::i＼:::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..,i::::::::!::::::::/=､!:::!!:::::::i, ,ｧ＼::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..!::::!::::!::::::/r:iヾ!:i＼:::i,!（:::）ヽ::::::::＼＼:::::::::∨::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..i::::!:::ii:!::::il ''',,ﾉヽ　＼i'==‐'''´ ＼ヽ::::＼::::::::::ヽ::::::::::::::::::::ｰ=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ii::::!::::ヾ!ﾞﾞ,´ 　　　ﾞ　　　　　 !:!:::::i::::::ヾ:::::::＼::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!!::i!::::::::!　ヽ ‐　　　　　　　　　　!ii:::::i::::::::::::::::::::::',:::::::::::::＼‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!i ヾ::::i,　　　　　　　　　　　　　i!|:::::!:::::::::::::::::::::::＼::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i!　ﾞ!:::i､　 F二ﾆ=-‐　　　　 ! !:!::!:::::ヾ::::::::::::::::::ヽｰ-､,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!　ﾞ!:iﾞ!、　　　　　　　　　　　 !:i/ﾞ＼::::::i-、::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !i ﾞi､　　　　　　　　　　イﾞ!iﾞ　　＼i、｀゛'ｰ､:_::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ! ﾞ!､　　　　　　,,､イ　　　!i　　　　　ヽ　　 ) ）｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!i'ｰ---‐ヾ:::::::::::　　　!　　　　　　　　　// |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!,､-‐'ﾌ´/ヽ:::: 　　　　　 /　　　　　 //　!

924 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:03:29.32 ID:oThjCM51o

',::::::::::ヽ :::::::::::ヽ :::::::､:::::::::::::. '::::::::､ヽ､ヽ::::ヽ＼:::､::::::::::ヽ､
.ヾ､::::::::'.,::::､::::ヽ､::::::::::::へ::::ヽ':::::'.,ヽ＼':,':,:::ヽヾ::':,::.:::::::::;_`;;,､,
:'::＼ヾ::::::ヽ'::::ヽ::::＼:::::::::`:::ヽ:::`､::::'.,:ヽ.ヽヽ:::::':,ヽ::`:::､::､ﾐ;;,､.``''ｰ
::',::',:,ヽヽ､:::＼'::::ヽ::::ヽ,::::､::::::ヽ､＼:::::'::::'., ':,ヽ:::::':,:ヽ:::ヽ:',　｀`>
､:',:::',:':;:`::.`､;_:ヽ､::::＼:ヽ:',ヽ;'::､;;;;ヽ`､::::::::'., ':,゛,'::::::::::',:::::::':,
.!:::゛::',::ヽ:::＼::::::::::ヽ:::::`:､:'yｯﾝｧ::::ヾ;＼';::::::ヽ':,::',,::ヾ::::',:::::
::::::::::::'::::＼::::ヾ:::::::::､､:`:::::::i!　!::::::::::ﾒ'ｯ､`:::::::::':,:::',,::ヽ::::::
::::::::､::::',:､:::::ヽ＼::::::::'.,＼::::,ヽ ` ｰ "／　`;:ヽ::::'.,:::l!:::ヽ,
:::ﾊi!ハ::､ヽ:::ヽ. i ヽ､::ヽ　ヽ::',`''､'''"　　　 !:',::､::::::::!:::､
:::i,丶'､ヾ　　`'､`;、　`'-`､　ヽ、　　　　　i:::',:!:､::::::::::::i
::::! 　 `　｀　　｀iヽ､　　ヽ　　　　　i::::',:i:ヽ:::::::::!　　　　　　　　　その答えは蜀にあるのかもしれませんね
:::::l, 　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　i!.ﾉ';,:::;::':,::::::l
:::､:i　　　　　　..､ヽ､　_,,,..　　　　　　　　　!,､:'::::::'::::':,::::!
::::.､',　　　　　　　　　´　　　　　　　　　/::::::::::::::',.:::::::::'
::::::ヾ'、　　　　..､､...... 　　　　　　 ,;:'i:::::::::::::::::',.::､:::::',
::::::::::ヽ　　　''``ｱ`'''ﾏ''''``''ｰ　　 ,;:':　.i:::::::::::::::::::',:ﾄ､:::::',
';::::::::::::`;;､　　 / 　　ｌ:.　　　　　,;:''　　 .ｌ:::::::::::::::::::::::i ＼::',､
. !:lヾ:::i :. ;ヽ／　　　ﾉ: 　　　／'　　　　i:::::::::::::::!';ヽ::',　ヽ;ヽ
　';! ヾ'i: : /　　　　/ 　　,.ｨ'´' 　　　..　 !:::::i::::::::', '､ヾ　　ヽ
　 '､.　ｿｲ'　　　／‐-ｰ;:ｼ' 　　　　::/　 i:::::!':,:x:::',　　 `
　　／:. !　　　/:. :._､-'´ 　　　　 .::/　　',:::!　':;ヾ;
､='´:. :. '　　ﾝ:. :,'´　　　　　　　　 /　 ':;:.ヾ'､　ヽ `
:. :. :. : 　　,':. :.　',　　　　　　/　　　';:　`ヾ､

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　今一度、蜀討伐に臨む魏軍の陣容を確認しておこう
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

925 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:05:03.38 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年９月　魏　雍州　長安】

　　　＼.;.;ヽ.;.;.;.;.;.〃::::::::::::::::::Y:::::::::::::::::::: } .;.;.;.;.;.;.l/／.:.:.:.
　　　　ヽﾍ.;.;.;.;.;.;./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾊ.;.;.;.;.;.／.:.:.:.:.:.:.
｀ヽ、　＼.;.;.;.;.;{::::::::::"｀ヽ:::::::::::::/""￣￣}ｌ.;.;.;./.:.:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:＼　＼;.;jヾゝ≠ヽ::::ヽ:::::/....xテヽ〆l-‐ く.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.::xく＞‐く::Z{:::圦 fう ,ﾄ:::j::::::ﾚ=ｲ fう尢ｌ::Z::>＼:.:._/〉:.　　　　　　　よう鍾会。
.r=､＞::::::::::: ヽﾑ:::::::`ー'´:::ﾉ'⌒ヽ　`ー'¨´/ﾑ／　　 `〈/:.:
≧'::::::::::::::::::::::ィﾍ＼:::::::::::::}:{｀´}:{　　　 ‐ｧ l{}　ヾ､　　r=≠　　　　　　大将軍がお前の働きに期待するってよ
:.〉:::::::::::::::::: '":::::: ｌ:::{:ヽ::::::::＿＿＿/__,〃 l:{}　　　　　￣
.r'ク :::::::::::::::::::::::::: !::ヾ`ｫｩtｧtｧtｧtｧv7//:,'(^^)　　　　 r=
. ¨`Ｖ〉:::::x=＝-::::∧　ゞ:二二二二ン　/! `"　ｨ＝=x-､/
ﾆ＝勹ｴ>:::＿::::::} ::＼:::::::-‐:::::::‐-　／/　 .:/::::::／:::::＞
.:.:.:.:／::７／´　｀ヽ∠::::',:::::::::::::　　 / ／　.:::/_:／rﾍ'´＼.　　　　　　　　　　／.::／.:::!i:::::i::::::::ヽ::::::::＼
:.／::::::〃　　　 __／∧1ゝ:::＿___ノ／　 tﾍ≦{ヽ':::ヽ〉::::::　　　　　　　　　　 ,.':/::/::::i:::::!i::::::!:::ヽ:::::!:::!:i:::.:ヽ
:::::::::::i{　　　／::::::f /:::l::::::::::::::::::/／ (メ＼〉:∨::::::::::::::::::　　　　　　　　　..　/::/::::!:::!::i:::::!i::::::!::::::::::::!:::!::!::i::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::i::i:::|:::i::::.::::i:!:::::i::::::::::::i::::!::i:::i:::i
　　　　　　　　　魏　行鎮西軍司　衛瓘　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|:::i::i:::|::::ヽiヽﾘ､::::!::::::::i::|::::!::i:::i:::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !ヽ::ﾄ､!ヽ:::ｊｨ赱ﾊ::!:j::i:::i::! ヽ::i:::i::ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾞ7　　´ 　ﾉﾉ |::i/:::!　j:::i:::iﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈 _　　　　　　i/ ヽiイ:!::i:::i'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　　ヽ_.. _ 　　　 / 　ﾄｊ:::ｉN
　　　　　　　　　　　　君が来たか　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 iｰ　　　／　／｀｀｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ--ｒｒｆ´　／　　 ,　 ´＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄi´／　 ,　' ,...:':::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i !j　, .', .'.::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //' / ./.:::::::::::::::::::::::::::::::!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　鎮西将軍　鍾会

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　長安からは、鍾会を大将とする軍勢十余万。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　彼らは二手に分かれて駱谷道・斜谷道から漢中に進軍
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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926 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:07:36.02 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年９月　魏　雍州　上邽】

　　　　　　　　ﾚ'　∠　ｨｲ,,　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　／　　　　　　　　｀'＜　　　　　　ﾊ
　　　　　／　　　　　　　　　　　ミ　　　　　　　 ',
　　　ｨ′　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　ﾊ
　　　　人　　　 <⌒ヽ､　　　　　イ　　　ー=ﾆ辷人
　　 { ノ　　　　, ミー-ｿ　　　ﾐ辷ﾆ=ー-　　　　 ',
　　ヽﾍ　　　 {　　　　　　　　ヾミ三ﾆ=ｰ-､　　ﾊ
　　　r┴y'___　　ﾐ=ー　　 ,,,　--─彡⌒ヽミヽ､. 　小　　　　我々は姜維の退路にあたる陰平郡方面に出ます
　　 {　/　　 Y　ーY彡´　ｧ　　　 /　j.　|从　ヽ.　|
　　｀弋　　弋____ノ　　／　r　　ﾊ　　 j　　　　ヽ|
　　　　 Y｀~~´　ヽヽ､　　　　 |.　ｲ　／／　　.＞'⌒ヾ
　　　 |　 |　ii,　 |.　|　　　|　|　 |ｰイ　　／
　　　ﾄｲ从从ﾊj　 |　　　|.　　│　 V　/
　　　　　　ゝ--　-　小　|　　　ノ　　　Y′
　　　　　　 |　　　　　 j　＜　　　人ﾐヽ､
　　　　　　｀ｰ-一＜､___. 　　　／　 .〉/人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾞ￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　／/人____彡＞'''´　　　.////∧___　　　　　　　　　　　　r'i　　　　,r'　　　　　　　　　）(,　ﾞｉ　　
　　_＿＿_ｨｲ////　／ﾊ　　　　　　／/////////ﾊ　　　　　　　　　 .i　(,＿＿i　　　　　　　　　　 ⌒.＿i＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i　　　　〈,,　　j　j　jッ　　〈　　ッ　　　
　　　　　　　　魏　雍州刺史　諸葛緒　　　　　　　　　　　　　　　　　 .!､＿＿;;､ｱニf　 ::::ｱニッ` 　ジ;;;,,＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　::::' ,　　〉　..::::::::| 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l〈＿＿＿＿,, 　　..:::::::::::|. 　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 l　}+ + + + + } }..:::::i::::::::|　　
　　　　　　　　　　　　　袋のネズミですな　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　iｱ￣￣￣￣'' ....::::i:::::::l　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ,,　　゛゛゛　　:::::::,r'..:::::| 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !､＿;;（＿_...;;;;ッ....:::::::| 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　...::::::::::::::::{ 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　-ー　￣　..:::::::::::::::::::.:::::::::::::::￣　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　雍州刺史諸葛緒は、三万余の兵を率いて陰平郡方面に出撃。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　姜維の退路を断つ重要な役割を担う
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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927 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:09:20.12 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年９月　魏　雍州　狄道】

　　　i:: ::::::::::::::::::､:::､:､:::､:::､:::::::::::,:::::::ヽ:::ﾞ::::::ヽヽ::＼::::::ヽ:::::',ヽ:::
　　 i:::　::::ｉ::::::: ::::l＼､ヽ::::ヽ::::::::::::',ヽ',ヽ､:::::､:::::::ヽ:::ヽ:ミ､:::ヽ､:::::
　　i::::ｌ:ヽ::::!::::::!:::ｌｯtｰﾞ､:::::::::ヽ::'､::',　ﾞヽ.ｫ-=-､:::::::::::::ヽ:::ヽ:::',:::::
.　　i:::!l:::::ヽ::::::::::::l.il k::::::ﾊ＼:::::::､:､ヾ:､〃k:::::::ｿヾ､:::::::::::ヽ:::ヽ::::::
. ,ｨ''i:l' !i::::::',:::::::i::::iヾ-.ニ_-'　:ヽ:::',ヾ､ヽ.ﾞ､..二...;ｼﾞi:::::::::ヽ､::::::::::::　　　　　　追い詰められた獣は手強いですよ。
ｲ l ﾘ　 'i::l::::',::::::':,':! ゛""　　　ｉ　ヾ:､　ヽ｀｀""""　 .li'i::::::::::::ヽ::::::::
..ヽ/ ',　 i:il:::::',::::::kヾ、　　　　! 　　ヽ　　　　　 l!.l::::::::::::::::ヽ､　　　　　　.油断せずにいきましょう
　ヽ　;　 ii i::::､:::::', `　　　　、　　　　　　　　　　! !:::;:::lヽ::',i!`
　　ヽ ',　':, ',::i 'i::::':,　　　　　ヾ､ -‐　　　　　　　/.l::ﾊ::l ヽ::i !､
　　　 ', ',　ヽヾi　',:::::i､　ヽ､ .._＿　　　　　　　　　, '　.i:l. ﾘ /入',
　　　　il ',　,ﾝ''ヽ-'i:::ｌ._ヽ　　`.{i　ﾞマ''""" 　　／　　 i!　,/./　ｉ`
　　　,-┴'ﾞ　' ｰﾞ　'i:l､　ﾞ＼.　ﾘ　　i 　　　,..:''　　　　! , ' "　 .i
　　/　　　　　　　ﾞ! ﾞヽ､ヽ/　　　i　　,..::'::''　　　　／, '　　/.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::|　|　　　　　　　',::::::::/　　　　　　　 !::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::|　l 　　　　　 ',::::/ 　　　　　ﾄ　/:::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::!⌒＼ﾌ　r‐‐--、　　 ∨　　　　　 | ./ :::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::ゝr‐、ヽ./￣|.ヾ＼　　　　　　　／￣ヽ／⌒!::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 =;;―‐::ヾ　〉　ｌ,　ヽ　＼＼.ヾ | /　／／￣ﾌ/=ｌ　,i::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＼:::::::＼,ｰﾑ　　＼`-'/ﾞ=-}l{-./r'ｰ' _／/┌ﾉ/／
　　　　　　　　　　　　　　ああ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ﾞﾆﾆ- ∧ 　　￣　　 /ﾍ　｀￣´.　/＿／二ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::∧ 　　　〈_ 　ィ　　 /:::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣|ヘ.　　ヽﾆ二ソ　　／|￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾍ, ＼　　⌒　　／/ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿＿_＿/＿＿_　｀￣￣￣´　l|　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／////////////.＼＼　＼　　　　　　 |===-､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魏　征西将軍司馬　師纂

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　鄧艾は三万余の兵を率い、姜維の駐屯する沓中へ進軍。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　諸葛緒と連携して姜維の軍と対決する
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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928 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:11:01.66 ID:oThjCM51o

　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼＼
　　　　 i　!　　|　（●）（●）　|
　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |　　　　　　　　　この三軍のみで、総勢十六万余の陣容ですね
.〈_L (｀ヽ .}　　|　　｀ ⌒´　　ﾉ
　l｀（｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　ヽ　　l　　.　ヽ　　　　　　}
　　|,. 　 l　　 /⌒　　ー‐　　ｨヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ─　　　─　ヽ
　　　　　　　　　　　興勢の役の倍以上かお　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　（●）　（●）　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　∩（__人/777／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　（丶＿//// ＼

　　　　　　／.:.:.　　　　　　　　＼　　
　　　　 /:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼
　　　　 /.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`
　　　 /!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ
　　　/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }
　　　　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j
　　　　　ヽﾑ:.} ii;_j　　　　ii;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　　　これらの他に、荊州方面から蜀討伐に参加する軍もいた
　　　　　 `ﾍ:ゝ　　　_ 　　小/
　　　　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/
　　　　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_ 　　　
　　　　／| l:|　　　| =＝=|　　 |:lﾞヽ　
　　　 /　 | l:ｌ　　　l 　　 l　　 l::ｌ　l 　
　　　 l　　ヽﾊ　　 l　　 l　　//　 |

929 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:12:10.02 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年９月　魏　荊州　魏興郡】

　　　　　　　　　　　×隴関　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　▲岐山
　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧　∧∧　∧∧∧
　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　
_________________________　∧∧∧∧　陳倉○　　　　　　　　　　　　　　　○武功　○郿
________________________ ＼____________________________________________________________________________________________________________________
冀○　　　　 ○　　＼______________________________________________________________________________________________________________________
【天水郡】上邽　×段谷　　　　　　　　　五丈原
　　○鹵城　　　　　　∧∧　　　　　　　　　 ×
祁山∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧　箕谷　∧∧∧∧∧∧∧　　　　　　　　　　　○長安　
▲ 　　　∧∧∧∧∧∧　×∧∧∧　　∧∧　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　
.　.／／建威∧∧　　　散関　∧∧∧∧∧　×∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　 |　|　　○下弁　　　　　∧∧∧∧∧∧斜谷　∧∧∧∧∧∧　　×　∧∧∧∧∧∧×∧∧∧∧∧∧∧
　 |　|　　　　○　∧○　　　∧∧∧∧　　　　　　∧∧∧∧　　∧∧駱谷　　∧∧∧　子午谷　∧∧∧∧∧∧
　 |　|【武都郡】　　河地　　　∧∧∧∧（斜谷道）∧∧∧∧∧∧　　∧∧∧∧∧　　　　　∧∧∧∧∧
　 |　| ○武都　　∧∧（故道）∧∧∧　　　　　∧∧∧∧∧∧(駱谷道）∧　（子午道）∧∧∧∧∧
　＼＼　　∧∧　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　∧∧∧∧　　×興勢　　　　∧∧∧　　∧∧∧
　　　＼＼　　　　.　　　∧∧　　∧漢城∧　　∧　○楽城　　　　　　　　　○∧∧∧　∧　　　　　∧∧∧∧
　　　　＼￣￣＼　.∧∧∧○　　 ○__________________________________________黄金囲　　　　　　　　　○西城　【魏興郡】
∧∧∧　 .￣￣＼＼　　　陽安関　____________________________________________ .＼　　　　　　　　______________________________
∧∧∧∧∧∧∧ |　.|　∧∧　　　　　　　　　○南鄭　　　　　　　　　　　＼ .＼___________／ _____________________________
　　∧∧∧　関城.|　.|　　　　　　　　▲　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_____________／
　 ∧∧∧∧.○.／／∧∧∧∧　定軍山　∧∧∧　　　∧∧∧∧
　　　∧∧　／／∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　　　　　 ∧　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧（米倉道）∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　　　　　 ∧　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　魏興郡太守の劉欽は兵二万を率いて漢水に沿う形で漢中へ進軍。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　この経路からの進軍自体は、
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .曹真の漢中遠征の折に司馬懿が受け持っており、過去にも例があった
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

930 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:13:48.75 ID:oThjCM51o

　　　 ′.:　ー---　: 　　　 :.　　 .　￣￣ :.　　:. :.ヽ
　　　 l:　:　　 i　:　　:　　　　　:. :.　 :. ､　　:. :.　　}∧ ＼
　　　 l　 :　 .: l　{　 _|、　　 :　 :. _､ -:　._　 :. :　 :ﾊ:ﾄ＼
　　　 j　 {　 :i l_ ｨ ´:.「ヽ　　|ｌ　:.､:.　}ｌﾊ `　 !|　ハ､
　　 / i　:. 　:.|ハ|ヽﾘ_　ヽ　{ヽﾄ､}ヾｿ＿Ⅵ　|ｌ /　ﾄ､＼
　　/／!　 :. :.∧ ｨr'笊ﾄ､　＼　　ｲr'/;仆j:|∨ﾚ　i |　`　　　　ところがこの劉欽の軍勢。
　／　｜i　ヽ､:ゝ{c//j　　　　 ∨//ｿ//:/: i.:从
　　　 Ⅵ､　:　＼`:,,, ′　　　　 `,,,´/　/ :i |ﾊ{　　　　　 .漢中には到達できなかった
　　　　 |ｌヽ| :.` .＼　　　　 ′　　　 / :/ﾊﾊ|
　　　　　　 j:､:.　＼　　　 ‘｀　　ｨ7/ リ
　　　　　　＼ﾄ､＞ :. _　　_. :イ:/}/､:{
　　　　　　　　　　ヾﾘヽN　　　　 K j/　`
　　　　　　　　　　 `,.ィ´ﾉ　　　;'　∨＼
　　　　　　 _ _／ : /'　_　　 { ＿ﾞ}: : ｀ : . ._

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／-‐　　‐-＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（ ⌒)　(● ）＼
　　　　　　　　　　　　　　　残念でした　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　l／⌒ヽ　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　／　　／　　／

931 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:14:20.66 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年９月　蜀　益州　黄金囲】

　....;:''''"~￣~`''-､__,,....;:''''"~:''''"~'''"~￣~`''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....;:''''"~￣~`''-､__,,....;:''''"~:''''"~￣~`''　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`''-､
　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　:''''"~￣~`''　　|￣￣||　|￣￣|i　|￣￣||　|￣￣|l　　　　
　　　　　　　　　　　;:''''"~￣~`''-､_　　||￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|￣￣|￣||　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ|￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣ｌ￣￣|￣￣!￣￣|ｌ
　　　　　　　　　　　|￣￣|ｌ　|￣￣||　||￣￣|￣￣|￣￣ｉ￣￣|￣￣|￣￣|￣||　|￣￣||　|￣￣|i
　　　　　　　　　　￣i￣￣|ﾞ ''￣i￣￣||￣!￣￣;/ ￣￣￣￣￣￣ﾞヾ￣|￣￣|ｉ￣|￣`~|i￣￣|￣￣
　　　　　　　　　　￣￣|￣￣i`~￣|￣ｉ|￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣￣i￣″|￣￣|i￣
　　　　　　　　　　￣|￣;ﾞ|i￣￣l!￣￣||￣|￣￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣ｉ￣￣||￣i￣￣|￣￣i￣~`l
　　　　　　　　　　 `､￣|￣￣i￣￣|￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣!￣||￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾi|￣
　　　　　　　　　　 ″|￣￣i|￣!,,|￣￣ｉ|￣!￣ ; :|: : : : : : : : : : γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　￣￣i￣￣|￣￣i､ ;||￣￣|￣|: : : : : : : : : : |　　　我が国に降る気はないかっていう？　 |
　　　　　　　　　　￣i￣｀~|￣ヾｌ;￣￣ｌ|￣|￣￣|: : : : : : : : : : ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　 `､￣|￣￣i￣￣|￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣!￣||￣ﾞﾞi￣￣|￣ヾi|￣
　　　　　　　　　　 ″|￣￣i|￣!,,|￣￣ｉ|￣!￣ ; :|: : : : : : : : : : : : : : : ｉ￣|￣￣||￣i￣￣|￣￣i￣￣l
　　　　　　　　　　 |￣~~i￣￣|￣ i ;￣||￣￣|￣|: : : : : : : : : : : : : : : |￣￣|￣||￣゛|￣￣|i￣￣|￣_
　　　　　　　　　　 ''- ．._　　　~""'''　‐- ．..,,__　　　　　　　　　　　　　_,,..-‐''~""'''　‐- ．..,,___,,.-‐'

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　理由は、道中にある蜀軍の拠点、黄金囲にあった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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932 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:16:41.92 ID:oThjCM51o

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=-
　　　　　　　　　　　　　　　 ,.≦Ξ≧ヽ.　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　,.≦. ===ﾆニ}-─_,ニ￣｛
　　　　　　　 -=＝＝=─二¨-==ﾆﾆニ二〈≦￣￣| ./ ﾞ､_＿_
.二三三二ﾆ才　　　二≠.-==ﾆニ≠／|.i¨__｀ヽ _!〈／　　 f
　　　　　　　　 -= ≡=-'≠==＝ニソ ,ｲ　辷､｀ヽ__ノ , ´.7　/ﾄ
　　　_　-= ≡　　 -= 才,==＝ニイ≦/　　　_>〉,-ﾏ-≠_ノ .メ水.!
,,.=-¨ﾟ　　　　-=≠´　 -=三ﾆ¨´,.ノニﾑ--=ニノf６/イ_∠イｉl|　i| l|
　　 -=＝ ~,≠　-=ﾆ=-´　,.-=≡√ /Ⅷ 　　 xⅵ.!l 弋!ﾒﾉﾘ　l|！
''ﾟ¨’　，- ≠ -=Ξ=-　　ｰ=≠'~ ｛__く｀ヾミﾐ　,ⅷ/ ﾘ　 ~´t_ .xﾘ
　 _／　≠=才ﾆ¨　　 -= 　　ｰ=＝´　⌒ﾒ'''¨ f||　　　-､r＇´
"´ _ ∠=／／　 -=　　　-= '¨ 　　_にニﾆ_ヽ.||i^ヽ.._/~
　'　/ ／／ .-=　　　-=　'¨　　　／'´￣　　ヽN|l　　　　　　＿_　　　　　　　　くどいですね。
,'　/ / ./　　　　-≠ ¨　　　　 Y　　　　　　｝|!什 -､　　_´＿))
;.㌘ｨ　,'　　 -=　　　　　　　　　｝_.　　　　　〈　!!! ｀ﾐ-ﾓ＝=⊆==-､　　　　　その気はありません
;.㌢f　{ -=　　　　　　　 -=´.:⌒_ヽ　　 / _人ヾ､ヘf､　　　 _）ｿ
_'　 ,　l.　　　　　　　　 , ´ /.:　 . .:Y ! 　 .}　　＼＼_.ヽ　～彡'
_!　 !　ヽ　　　　　　) 　　 {　/ 　 . : : :!.;　　y彳　　｀､三≡==-､
_! 　ゝ　ﾆ三ﾆ=─ '　　　 y 　 . : : : ハ　/＿.ヘ.　ﾍ_. 　｀ヾ､　))
ﾞ|　 l.| 　　　　　　　 /　　 . : ／　 ∨‐- ､　＼ |　　　 .} }
_!　　!　　　　　　　 , '　　　 ,.个┬一´.:ー─＼_ 斗､　　 .j
_!　　　　　　　　　 ,. 　.j'　　　　　 ! . ; : .　　　..: :_≧‐ｨ-ﾏ<´
_! 　　　　　　 / 　　　.:,’_　　 .j　　　 . : :ζ .＿/=ｲ　｝
_!　　　　　　　 /　　　 . :/;.ひ;. 〆　　　　 . : : 'ｰ:' :/ : {L. {
_!　　　　　 ./　　 . : :ﾉ-⌒弋;.ひ.､= = =z､: : : : /: : .!　ソ

　　　　　　　　　　蜀　黄金囲督　柳隠

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　柳隠、字を休然。益州蜀郡成都の人
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　誠実正直な人柄で、交遊には手厚さを心がけ、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　正しい道に従うさまは極みに達していたと伝わる。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　姜維の北伐に何度か従軍し、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　敵軍との戦闘では陣営を陥落させ、武勇計略は軍の筆頭と言われた
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

933 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:18:12.61 ID:oThjCM51o

　　| l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｰ、_／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.|:.:.:.:.:ヽミ≡=- 、
　　', l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.':.:.:.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:':.:.:.:.:/:.:.:.:.;:.:.:..:.:.:.:. 、ｰ、
　　∧ヽ:.:.:.:.:.:.:., /:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,ｲ:.:.:.,ｲ:.:.:. :/.;:.:、:.:.:.:.:lヽ
　 .l:.:.:| }___, -,´ l:.:.:.:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:./:.:.:./-':／ .|:.:.:./|:.ﾄ、＼:.:.:.ｌ　｀
　ｌ:.:. レ - ':.: /,| :.:.:.:.:.:.l:.:.:.:l:.:.|!:.:./ _|/-ﾐ、|:.:/ .,:.',-|:.: ｰ、ゝ、　　ここを通りたければ私を倒してください。
　 |:.:.:.:.:.:.::.:.:.//:l::.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:l:. |l:/.ヽ込ﾂ ' .|/　/=-､l:.:.:/ .l ｰ-}-
　_|_...:.:.-－_ノ:∧:.:.:.:.:.r l:.:.:.:ﾄ､|'　　　　　　|.／ゞ'　l／ ./　　'　　私は少々武勇に自信がありますが、
　ー:.:.:.￣:.:.:. /　ﾄ、:.:|　',:.:.:. 、｀　　　　　冫　.l 　 '　　　　　.我が軍全体から見れば下っ端に過ぎません。
　 |:.:.:.:l:.:.:.:.:.:,:.|　l:.:.:.ヽゝ=l:.:.:.:.ﾊ　　　　　 __ , 　　ﾊ
　ｌ:.:.:.:l!:.:.:.:.,:.:.l　|:.:.:.:.:,:.ーl:.:.:.:.:.:.', 　　　 '´‐ ' 　 /:.:.l　　　　　　私に勝てないようでは、
　.l:.:.:.:.l:.:.:.:.,:.:.:.| .l.:.:.:.:.:.,:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:l　　　　　　 /:.:.:.:.l　　　　　　姜維将軍には絶対勝てませんよ
　,:.:.:.:.:|:.:.:.:l:.:.:.:| .|.:.:.:.:.:.',:.:.:l:.:.:.:.:.:.:ﾄ　　._　　__　ｨ.|:.:.:.:.:.:l
　:.:.:.:.:,:.:.:.:.|:.:.:.:.ｌ..l:.:. :.:. :l:.:.:.l:. :.:.:.:.:、　　 / 　　 l:.:.:.:.:.:.,
　:.:.: /:.:.:.: l:.:.:.:.:|.l:. .:.:.:.: |!:.:.:.:、:.:.:.:.:.:.,　　.l＿_　__ ' :.:.:.: ヽ
　:.:./:.:.:.:.:. l:.:.:.:.:.ll:.:.:..::.:.:.:',_:.:.:|＼:.:.:.:.:.＼ .l―- l |　ヽ:.:.:.:.:.＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾆＹﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /（ﾟ )( ﾟ）ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::⌒｀´⌒::::＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　,-）＿＿＿（-、|
　　　　　　　　　言いやがったなっていう！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .| l　　 |-┬-|　　l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 `ー'´ 　／l!| !
　　　　　　　　　後で吠え面かかせてやるっていう！！　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼ |i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　ヽ !l　ヽi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　　丶- 、　　　しＥ　|そ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー､＿ﾉ　 ∑　l､Ｅﾉ

934 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:18:47.65 ID:oThjCM51o

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , 、　　/ , ミ=、_/:.:./:.:.:.:.:／, ´:.、ヽ ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-':.:.:.｀:ｰ.-. 、-..、ー-....、_彡':.:.:.:.:.:.:.:.| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、:.:.:.:.ヽ:.:.-= = 、.{ {ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.::´:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:ミ=- ':.:ヽミｰ-　._| ゝ:.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/:.:.:.:. :. |:.:.. :: ヽ､:.:.ヽヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:}／:.:.:.:.|:.:.:.:ー＝＝-- -　- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　.l;.{:.:.:./:.:.|:.:从:.:.:',x'-, x=-ヽ:l!:.:.:.:.|:|_:.:.:.:.:.|!､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l　　｀ヽヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ,:.:./:. : | 卞､ヽ;.|.´ 込ﾂ　ﾘ,:.:. / | ヽ:.:.,.:.| ヽ:.:.:.:.:.:.:,:.:.:l　　　ー、ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｿｿ|!ヽ:.:.ｌ沙ゝ |　　　　　ﾑ|:.:.:.:.| ノ /:.: !　 l:.:.:.:.:.:.:l::.:.l 　　　　 l　ー .、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ｀ｰゝ　,　　　　　　 |:.: : :|:.:./:.:.:.:.:,　ｌ:.:.:.:.:.:.:l:.:.:l 　　　　ヽ、／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从　`　_　_　　　　　|:.:.:.: |ｨ :. ｌ:.:.:.:.,　.|:.:.:.:.:.::.:l:.:.:.:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:＼　ｰ_'　　　　　|:.:.:.:.:|:|:.:.:|:.:.:.:.:.,　|:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:,
　　　　その言葉、そのまま返しましょう　　　　　　　　 .|:.:.: ＼　　　 , 　 !:.:. :. |:!:.: |:.:.:.:.:.:.　|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.ﾄ｀ -　≦　　,':.:.:.:.:.:|:|:.:.l!:.:.:.:.:.:.:, |:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /., -' ﾉ:ｌ　ー‐ '/:.:.:.:/:./, ´／　　　　　 }:.:.:.:.:ヽ:.:.:, ＼:.:.:.:,.　　＼＼
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　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
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/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　柳隠は蜀が滅亡した後まで黄金囲を固守し続ける
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
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　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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935 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:21:07.03 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年９月　蜀首都　成都】

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＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`~ー'--..､__,-..､_,　　 _　 _　　　 .／／, ,' ., .´　,／　　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
.､ .＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　~`" ﾞ''´ `''-,／／,／'／　／　 ,／
　＼, ＼＼_,__,__,__,__,__,__,_ro｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .'i,` -､_／,,;..／.:::: ／
　　､＼ ,＼＼ﾆ/ﾆ/ﾆ/ﾆ/ﾐ'i/ヽーk　　　　　　　　　_　,,‐,＿　_,､_ ＿　／ﾞ`‐ ､ ~｀`-:..､_／　　／
　.＼＼＼::＼＼　'ﾆ/ﾆ/､,'/､::ｌl＼l､,,,,,zvvv､__,,.... .:......::::......'::nr-/ﾛii／,-'',-",-l~｀` ‐ ､::_｀-､_´
＼　'＼＼r`'',^´:'ﾆ/ﾆ/､,'/ｌ'/`'､､::＼;;ゞｰ､ri=令iーｭ/互.iｮi;;;_,,,三／,-",-'',-"-| || |:| |:| |:`-:､_`-､
　＼`r''^´／ :/ﾆ/ﾆ/､,'///, -|´'ｪ￣/､>/尺ﾆ∧::品:::,ノ:::::,／　 ~`'‐､_<」,-" :| || |:| |:| |:| |:|　ﾞ -
,,_r''^´ｌｌｌｉ||'´.::/ﾆ/ﾆ/､,'/-´''llﾚl|エエ/||ヽﾛl:::二}_」l但iく;;;,,:<"K",Kミ､ｉ|l|`''‐ ､-'| ||＼_|:| |:| |:| |:| |
ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌli||.:::/ﾆ/ﾆ/､,'/.lﾚllﾚlｌ_,l|,,エ/=||=|`､ミ平平'不､.「}{::|"I''i/,,|_i_,_|l|:l:l:l:ｌ |`:| || ｌl|.＼:::|_|:| |:| |
ｌｌｌｌｌｌｌlｌｌｌｌｌi||ｰ^ｰ'^ｰo､/! lﾚllﾚllﾚｌ|エ/_,-''"|´八:l:::l:::, -<´.|ilヽ|lヽ,|l::::llillｌﾞ|lﾄ、ｌ:l::|ﾐ:| || ｌl|7ヽ＼ .| |:| |
|i､､il||||||i||:::_||_:::::|| | llﾚll「~ ｌlﾚｌ|￣lvzN'_|ﾉ::::l`:::|く,_　,` |il::::|ｌｌｌl:|:::::::::::_|l､＼l:|ﾐ:| || ｌl|7ヽ＼＼ .| |
ｌｌヽ､ｌｌｌｌｌｌl||_:::||::::: || | llﾚlｌ､__,'lﾚｌ|_llll'''"ll´ll:::::ｌi|::::::: lＸ,,::-''卷」ｌｌlll|ｌl::::::::`|l、k｀'' 　| || ｌl|7ヽ＼＼＼.!
ｌｌｌｌ｀､､ｌｌｌｌ||:::_||:::::_|| | llﾚllﾚllﾚlﾚｌ|_ヽllllｌ::::::|:::::::ｉ::::::　＼ｌ_:::「ヽヽlll|ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌ|l、llt､k　| || ｌl|7ヽ＼＼＼
ｌｌｌｌｌｌｌヽ､ｌl||─､:_:: || | llﾚllﾚllﾚl_／lヽl´ .l:::::::::::::: 　　..　:::::ｌ:::::ヽヽll/ミ_rくｌlt,lltｌｌ`ｰ| || ｌl|7ヽ＼＼＼
ｌｌｌｌｌｌｌｌｌ`､'' ／l_:::_|| | llﾚllﾚll／l／llﾉ`ｰ',,`::::::::　　　　. . :::´~ﾞ`-''il三iｌ|'' ＼llｔllt_!_| || ｌl|7ヽ＼＼＼
ｌｌｌｌｌｌ／`Ｊ　l__|＿,|| | llﾚll,イ／ ,／::::::::::::::　　　　　　　　　:::::::::::　　　　　|＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
ｌｌ／ .／､_/_/|＿,||_| llｌ／, ' l／''::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|　＼/＼/　　＼／＼/　|∧／　/／/
'" ／,:::/_:::､l_|l二lﾆ|／l／／`:::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　
／_l'ﾚ'-<＿〉:|::::二ｌ|／,／｀:::::::::..　　　　　　　　　　　　　　　∠　　　漢城より急報ッ！！！　　　　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／　　　|/　　　＼/　　　＼|

936 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:23:04.69 ID:oThjCM51o

　　　　　　　　　　　　／　／.／..:.／,..:.:.:.:. i :.:.:.ミ::..:.:.:..＼
　　　　　　　　　　　/ .／/ ..././.../../.　 /　.! i:.:.:.:..ヽ:.:.:.:.:.:..'.
　　　　　　　　 /../..:/..:.:/＿_/.:/.://′...|..l..　　 :|:.:.:.:.:.:.. i
　　　　　　　　　 /.:/..:/...:.ｲ/|:7T7'ﾄ// |:i:.: ,}:.|.:. }:.:. |.　 :.:.:.. |
　　　　　　　　 .'::/ :/i i:/,ｧ＝ミト |ﾊ{　|:ト/‐七::ト:. }:.ﾄﾍ/7:.}
　　　　　　 i:/:,:/::{ |ｲ′,ｨぅi `　　弋7≧'ﾉｲ:.:/ハ｡ん:′
　　　　　　 |.:/{:::ハ{ `　ヒ:ﾂ　　　　 ´,ﾆ. `ヾ}イ:／ｨﾄ.r′　　　　　　　　　　なんですって！！？
　　　　　　　　└ /丁7ヽ　｀　　　　　ん::ﾘ　》//7:八j:/
　　　　　　 /.:∧.{　　　　　 '　　　　`ﾆ　　'//:/:.:/}:/
　　　　　　　 /.:/i :从　　 r=ー‐_ ､　　　　　/7ノ-y':../{
　　　　　 ..厶/{ | .:{:::..､　{f⌒ ｰ　､i　　　u/ ｧ'ぅﾉ:../: |
　　　　　／　　　｀ヽ:.∨:: >.｀ミ　､__ノ　　　.ィ､_. イ::../:..｜
　　／　　　　　 ∧:..V　丶＿　.....:≦::/::::イ:/ :/:.:... | 　　　　　　　　　　　　　＿|Ｖ∨|　　　　 /|／|
　　 /　　　　　　　　｢i:...ヽ.　　　／::::/:::/:::/./:/:..;'|i:.:... | 　　　　　　　　　　　　　＞　__｡*rvo｡*｡oｨ__　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‰^＾ﾟﾟ＾"ﾟ＾^ﾟ※　　て
　　　　　　　　　　蜀　輔国大将軍　董厥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:' .:::::|::::|::::::|:.ヽ.ヽ　っ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛:|::ｲ!从从从: :|:::.!　っ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ|:::|○　　○Ⅵ从　っ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |从ﾞ　［ ]　ﾞ从|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　㈹　　_¨ｺｴ¨_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|7]rく｢∧∀//,∧㈹
　　　　　　　考えられる限り最悪の事態じゃないですか！　　　　　　　　　　 .V/'/ｲ/∧/// ﾄ､!7|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀´　|///ﾃv/,'!. ｀´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ｲ∧,|//!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧‐--‐≦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /// !/!/|,∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 ///|/|/|/∧∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　尚書令　樊建

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　事態は姜維不在の成都にも伝わった
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

937 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:28:38.36 ID:oThjCM51o

　　　,.:':::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　/:::::::::::::::::::::!::::ﾄ､::::::::::::::::ヽ
　 ,':::::〃::l:::/::/}/ﾉ }::ﾊ:::::､ヽ::::::.
　 i:::::::l::::7V幵´´　升ｧｙﾍ}V::::::ﾊ　　　　　　　　　　陰平方面から鄧艾。
　 |::::::::V,ィf斥{　　矛ドﾐ､ｊｌ::::::::i
　 l:::､::::{ヽ弋ソ　　　弋ソ　ﾘ::::::::|　　　　　　　　　　漢中方面から鍾会。
　　V::ﾊ::ヽ　　　 ′　　　 ;'::::::::/!
　　.}::::::';:::ﾊ　　　 __　　　 ,':::::::/ .!　　　　　　　　　興勢の役より状況は困難ね
　　八::::i}:::::}　　 ´　｀　ｨ:::::::/ ノ
　　{　}:::ﾘ::::ﾉ｀ト　__　イ:/::::::;'!
　　乂::/::（::::::::}　　　　l/{::::::八
　　厶ｲ::）-{{　　　　 {:乂（__,.ゝ､

　　　　　蜀　尚書　向充　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:/|:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::.:.:.:.:.:.:ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /::::/　|:::|:::;:::.::::.:.::::::::.:.::::.:::::.:::::::::.:::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 |:::/_＼|::|≠ヽ___:::::::ヽ:::::::;::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　 |/:| fヽ｀　´-=＝、:::::::ヽ;;;;;:::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ﾋｿ　　 {:::::ﾟ}　ﾞ/｀ー--＝-:::::;::::::|
　　　　　姜維将軍が沓中にいる現状、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ｀ ,　　｀~´　/::/:::::::::::::::::::::::l:::::::|
　　　　　漢中の諸軍を指揮できる人がいないのが痛いですね。　　　　　ヽ　 ,、　　　 /::/:::::::::::::::::::::::::|:::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lヽﾞ´＿__.　|:/::::;::::::::::::::::::::/l:::/
　　　　　胡済将軍が生きていれば……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/　l/l／ヽ,´/゛ﾞl:/l:／l_／./:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´　l￣´~r-――-m ´ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´l　,j´ﾞ,--||｀ヽ--′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,-′j　/　 .||　　＼ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　尚書　文立

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　本来、漢中に侵攻してくる敵に対処するのは督漢中の役目だった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　興勢の役における王平が良い例だろう
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

938 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:30:25.69 ID:oThjCM51o

【紀元２６２年頃　蜀　益州　漢寿】

　　　　　　　　　|　　　　　|　　　　　　　　　　　／　　　　 _.．
　　　　　　　　　|　　　　｜__.．-────＜.._　　　／
　　　　　　　　｜　　　/´　　　　　　　-───-＜
　　　　　　 ,| 　　 /　　　　／　　　　　　 ¨ヽ
　　　　　／ !　　 '　　　　／　　　　　　　　　　　　` .
　　　　　/ 　｜　 /　　　 /　　　　　　　ﾄ､　　　　　　　＼_
　　　　　　'　　　　　　　　　 /　　　　　　|｜ヽ　　　　　　＼ー "
　　　　　　| 　　　　　　 | 　 /　 '　　/ ! | 　｜｜ |!｜ |　! |
　　　　　　| 　　　　　　 |　∧-=|ﾆア　|/ 　ゝ=!‐-: |　|　N!
　　　　　　|　　　　　　　　 /| /　Ｖ=ﾚﾚ　ノ　　　 |/=Ⅵ｜ |　|
　　　　　｜　　　　　∧/　/'イ:::::ヾ`　　　　 f:::ﾊヾ !f∧/
　　　　　　|　　　　　 /　 |　j!　ﾚ:::::r!　　　　　 Vｸｲ从
　　　　　　|　　　　　　 /:　｜　弋_ク　　　　　　｜|
　　　　　ノ　　　　　　く::　｜|　　　　　　　　` 　　｜ﾄ
　　　　 i　　　　　　 ∨ |　ゝ　　　　　　　　　　　八｜
　　　　 |　　　　　　　　＼　　　　　　　　rっ　　ｲ/V/
　　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.::.::.:........ ＼ヽ　_　　　　_　..イV:::: /
　　　　　　`ー───‐‐z-　　 `ー､　 √:::_|/ﾚ'::::::::_/
　　　　　　　　　　　　´　　　　　　　＼i::/ イ´￣￣
　　　　　　　　　　　 / 　　　　　＼　＼/
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　＼　}
　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ.

　　　　　　　　　蜀　右驃騎将軍　胡済

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　しかし、当時この地位にあったはずの胡済は姿を見せない。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　張翼・廖化・宗預といった他の老臣の存在は確認できるため、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　蜀討伐の時点でこの世の人ではなかったのだろう。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　後任の督漢中が任命された形跡はなく、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　事実上姜維が対魏国境全域の防衛を仕切る形となっていた
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

939 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:32:27.41 ID:oThjCM51o

　　 /_　‐- ､　ヽ　、ﾐ　　レ- 、
　　〈　　ヽ＼　j /ヽ∨∠_　　ヽ
.　　ヽ`ｰ三う　,ｨ, ﾊ　'ﾆ, i |ヽ. i　l
. 　　ﾄ､ﾆ∠イ_:ヽ{ ::'''_:ﾉﾙ'　 i {　〉　　　　　　　私が出向ければ良いのでしょうが……
　　　ﾚ' : =;;三`ﾃﾂy;ｯzj' イ; } :}.{
　　　　l　　j'　　:::　: |｢ｿ　 ,ﾝノ ,〉　　　　　　　.ゲホッ！　ゲホッ！！
　　　ノ　　{'　　　､_;;j' /__　(. ( r'
　 ,.ｲｰ=ゝ、 fＦ＝＝ｧ′～　)_ﾉ
　　{、 ,.ヘ＼{　￣｢/三ニ=（'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　ヽヽ　　　　　　//　　/
　　ﾍミ＼_> ` ー'rう'´　ｰ-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　ヽヽ　　　　　//　　　ヽ
　　　　ヽ＼＝-‐''´　`ｰ-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ヽヽヽﾉﾍ　ヽヽ　｜　//　//　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ヽヽヽﾘ　　V／＼｜ ///ﾍ// /
　　蜀　鎮軍大将軍　宗預　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ヽヽヽﾉ　　　　　　＼／　 |/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ヽヽ､|　　　　　　　　 /　ﾉ　|/!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ヽヽ./ ,.,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,　 r'´　　|ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|,.､ミ |　=ﾓtラー､:::r .r,.ﾐ_-､_ﾚ、
　　　　　　　おいおい、無理すんな。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,､∨　　　￣　 '´｜ |ゞﾆﾞゝ//!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//rヽヾ　　　　　　／'７!　　 / し!
　　　　　　　漢中の諸城は姜維の指示通りに動くだろう。　　　　　　　〈ヾヽ｀　 l　　　　　＼_ノ　　 i l,ﾞ!_ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾘヾ〃,　 l　　,.=-⌒ﾆ､_､_　∧　',　ヽ
　　　　　　　あいつらは篭城して魏軍の攻撃をやり過ごす　　　　　　 ,.--io'ｲﾞ´l　 l　　｀'ｰ:-....-,　//iﾍ　ﾍ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　|ﾘ/　ヽ　　　　　 _　　　/r-!、l,　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l,　r"/　　　＼　 ,.-:'´:::｀ヽ /∧　ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Yﾞ　l　　　　　＼::::::::::::::::/´:/ ﾉヽ_,.入
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　￣￣/:::::/　ヽ/ヽ　ｲ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　左車騎将軍　張翼

───────────────────────────────────────────────
　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　その姜維将軍が漢中から離れた沓中にいて、そこを狙われたわけかお
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

───────────────────────────────────────────────

940 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:34:04.63 ID:oThjCM51o

　　　　　　　　　　､､,,、,,,.､,
　　　　　　　　 }ミil｀'''ー''｀ヽ
　　　　　　　　　 |iil,｢ヾil　lj/li|　
　　　　　　　　　　 {{ミ,>　`ｰ'　'l!
　　　　　　　　　　 {,j. -=e} }=p}　　　　　　　　　　　　　　　　　　そういう手筈だ。
　　　　　　　　　　P7!u ､　｣　/ﾍー-､
　　　　　　　_..- '´ｲ .ヽ, ''ﾆﾌ/､;;ヽ　　｝　　　　　　　　　　　　　 .敵を陽安関まで引き付けるのがあいつの策。
　　　　,. -‐',　　　、　/￣｀''ー┴- ⊥,　　　　 .._
　　　∧　　,}　ー--- / :::::::::::::::::::::::::::: /　　r:､　} }｀}┐　　　　　今やらなくちゃならん事は……
　　〉;ヽ ''　 'r　　,.r っ作戦計画書./｀ヽ　{_,Lr',/,//7
　　　{;;;;:::｀''ｰ┴‐,〃{´::::::::::::::::::::::::: /:　　Y’￣　ン／
　　　7ー- :;＿; /^､=ｦ :::::::::::::::::::: /､::.　 {=､_`-t''　　ﾉﾉ
　　 /　′ ,-‐''/　ﾉ┘:::::::::::::::::::::/　ヾ{ /''=≡/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,､_,,.､､,,..,_,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,_ｰ''"　　　　　　　ﾞ´`'ｰ_､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐヾ.ヾﾞｉｌ!|| ｉｌ|　　j|　〃/ ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉﾐ　 rｰ;L!|| ||レｰv〃彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ミﾘ八i{　　 ;; ７'ノヽ.ミl
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 |､yｰ-⊥L　jｰ_´∟-ｰY;|
　　　　　　　陽安関、それと姜維への増援じゃな。　　　　　　　　　　　　　　　 _lﾐi"r五ニﾞﾃi'Yr五三¨jﾐ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　ｆrｦ:}　　-‐''ﾗ l_j. }`ｰ-　｝ドi
　　　　　　　さすがに傅僉と蒋舒だけでは厳しかろう　　　　　　　　　　　　　 !ｈ};{ ｯ彡　 /小〉　　 |:l,ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 `ﾃj} i}!　,rｆ;巡巡去ﾐ:､ l:ｆく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　〈ﾘji､l{ 'ﾙ7'"-─‐‐ ）}i |jﾐ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r;-‐ヾﾄ.llvﾘ j{ _,,ﾘハ､､,リﾚ'ﾙ'￣ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_｣ﾊ |ｌi | ｀ミ､}l　;ｉ!j　} {ｌi ,.イ |/ / l.L
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-U; ヽﾆＬ_ﾐ　｀ﾐ'ｰ- -‐彡 / /'/ニ|｣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ-‐ ｀ Tヽ＼ﾐ　　　　r´／∠

941 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:36:22.94 ID:oThjCM51o

　／ ..:: ..:.:.:.:/..:.:.:.:ヽ:.:.:.. ＼
　′.:.:/ ..:..::/ .:.:.}: .i:.|::.:ヽ:ヽ.ヽ
.′::.:/ ..:.:.:/.:.:.:.:.|:.:.ﾄ ::..:.:.:.:.:.:.:.'.
|.::://..:.:.:.::|:../ }/|:./ハ::.i:.:.l:.:.i:..i.
|:::;. !..:.:.:.:ﾑ/_`く_}′　}::ﾚ}ｲ:..|::.|
}://|/:.:i:.|{'７:ぅﾄ　　　ﾁﾑ._|:..'::..|
..:.{ iトx:Ｎ　ヒﾂ　　ん:}ｱ}/::.:.!　　　　　　　　　　　　　　　　　陛下……
:/::〉}:.:.:.:|　　　　　　└"'/:::::. ﾘ
／:ﾉ.:i.:.ﾘ u　　 __ ′　 .小:N/
.:.:/{:.:|:.:{ヽ　 ‘ｰ’　　ノ:::::{
:/:八:ﾄ:.|＼＞　__ .イ:::::::::::|
／´￣ミヽ`.く::::::::::i:::::::::.:.′
　　　　　　∨ 〉::: /|::::::. /
　　　　　 { 〈彡'　|::::.:/
　　　ミ　、ﾄ i|　　 |::.:i′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..::.--.:.:.…..‐-.､　　　,
　　　　　　 {:|ﾘ　　 }.. l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:≧≠-‐‐,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ':.::.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.i
蜀　衛将軍　諸葛瞻　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..;.':.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｫi:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:/:.:.:.:./:.:.:.:.:;i:.:.:.:.:.:.i:.:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:./:.:.: /:.:l.i.:.:.:.:./V
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V:.:.:.:.:.:.:ヽi:.:.: /　i:./l/l/i.く´
　　　　　　　（あいつの言ったとおりになったな）　　　　　　　　　　　　　　人/ﾍ￣´　i:.／　 .i;'　　　 _〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::ヽ＼　 '　＼　　　 /
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::.＿:::::::::::::::::::ﾍ　　.>ﾊ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ﾊ　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　 ,:!:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::ﾊ´¨|､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　皇帝　劉禅

942 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:37:55.38 ID:oThjCM51o

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:::::/ ::::!/::／/:::::::::／　/::::::::::／´ ∨/::::i:::::/::::::::::::::::/i::::::::::/
:::::｀::::::／ ./::::::／　　/::::／　　　ﾒ::::::!::/::::::::::::::::/　ｌ::::::/
:::／／　/::／　　　/／　ﾐk.,　　 /:::ﾍ::／::::::ﾊ::::::/ 　ｌ:::/
/／'., ' , ∨　　　　 /　　　ﾞヾミk/:::::／）ﾉ:::/ /::::/ 　　i:/
/ 　　ゝ　　　　　　　　　　 /::／i //:::/ /:／　　　/　　　（やはり軍事において、あいつの右に出る奴はいない）
　　　　ﾍ　　　　　　　　　　／´ 　 ',/／／´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ゝ
、　　　　　　　　　　　　　　／ ´
;;',　　　／｀　､　　　　　　　　,　′
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:ｨ:.///: :.:/　i:.i: :i.ヽ: :＼: : .i: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i/.ｉ i//:.:.:-‐セ´N:.i.｀≧‐-＼ヽ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:ii:.i:.i: i: ｨf示ヽヽ. 示x､ゝヽト.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:ﾊi: :ｉ　辷j　　　辷j　i /: :.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V.|: ∧.　　　､　　 ./: : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:i:∧:.ヽ　 ‐‐　イ: : : :.l:.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :i: :∧ノ. ｀　´ 弋/: : :/: : ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＞''V: ∧＿　＿/: : :/‐-､: :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:./　 l　|V:.∧　｀ ´　iﾊ:.:/　　　i: : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V　　.i　| }ﾊiﾘ　　　　ﾙiﾘ |　|　 .i: :.レ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　レ――――――弋_i　　i: : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /{　　　　　　　　　 } 　 .|／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　中常侍　黄皓

943 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:39:46.70 ID:oThjCM51o

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／::::::::::::::::/::::::::::::::::／´:::::::::／::／::::::::::::l:::::::::l:::::::::::::::::!::::::::::l
::::::::/´i::／::::::::::::／::::::,,,､,／:::::::＼,,∧:::::l::::::::,'::::::::::::::::ﾉ:::::::::;!
:::::/ ::::!/::／/:::::::::／　/::::::::::／´ ∨/::::i:::::/::::::::::::::::/i:::::::::/
:::::｀::::::／ ./::::::／　　/::::／,"￣ゞ"ﾒ:::::::!::/::::::::::::::::/　ｌ:::::/
:::／／　/::／　　　/／　　　 /;）/:::ﾍ::／::::::ﾊ::::::/ 　ｌ:::/　　　　　　董厥。
/／'., ' , ∨　　　　 / 　　　､/ｿ/:::::／）ﾉ:::/ /::::/ 　　i:/
/ 　　ゝ　　　　　　　　　　 /::／i //:::/ /:／　　　/　　　　　　　.お前、すぐに兵を編成して陽安関へ行け
　　　　ﾍ　　　　　　　　　　／´ 　 ',/／／´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､
　　　　　　　　　　　　　　__　　　　　　_ゝ
、　　　　　　　　　　　　ヽ、_ゝ　／ ´
;;',　　　／｀　､　　　　　　　　,　′
;;;;',　／　　　｀`　､　 ,　"
;;;;;ヾi　　　　　　　 `´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:./:.:.:.:.:.〃:.:./:.:.:.:.:.;.:.:.;.:.:....　ｉ　 :.:.:.:.:.',:.:.:.',
;;;;;＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .'.:.':.:.:.:.:.:.:l:.:.:./:i:.:.:.〃: /:.:.:.;|:.:.:!:.:.i:.:.:......ｉ..　 V{
;;;;;;;;;;;＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　 i:.:.|:.:.:l:.:.:.:.!:.:/|｀ト､'1:.:/.:.:./ !:.:.:|:.:.l:.:.:ｉ:.:.:l::.:.:.:.i〈
;;;;;;;;;;;;;;∧　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ) 　 |:.:.l:.:.:.!:.:.:.:!:/_j_ |:/､iVl:.:.:/　!:.:./!:,ィ:.:.l:.:.:|i:.:.:.:.|′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´）　 ! ::ﾍ:.:.|:.i:.;レ',.=ﾐト､.|'丨/　 |:.:;'イ:ﾘ|:i:ｌ|:.:.!:!:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j /::{.ヽ!:li1{ んﾘ」　 ! ﾚ　 /j:/__」/_|川:.:;::|:.:.:.:ｌ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:.'::::::い.ト|:|!‘<㌧　　　　　 ',ｨぅY＾V ﾘ!:/::|:.i:.i:|　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′ｌ::::.:ヽ_l　l　 ´＾　　　　　 {｛㍗　ﾉ^ ﾚ:::::!::ｌ:l !　
　　　　　　　　わ、私がですか！？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.//::::|:::.:.:.:|::!　　　　　 ,　　｀¨　　 /'7ﾊ_!:::!:!:!　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //::／l::::.:.:.:l:ﾊ.　　　　　　　　　　　u　/,彳/　∨:ﾘ　
　　　　　　　　ですが大将軍のようには……　　　　　　　　　　　　 /_;／_ノ:!:::.:.:.:.l　丶　　　 __　　　　　 ,ｲ´://　　 V
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,＜::.ヽ..::｀ー|:::.:.:.:.:!　　＼　 ´ ′ 　 _,　ヘ:／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　＼::＼､:.:|:::.:.:.:.:i:', 　　ﾝｰ￢:::::´:::.::.::.::｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　i　　　､＼::.ヽ:l:::.:.:.:.:|::ｉｰ､　′／|:::::.::.::.::.::.::.:/':.ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　!　　　ヽ　＼::.:!:::.:.:.:.!::.l. ／＾＼ |::.::.::.::.::.::／／　 i

944 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:40:52.27 ID:oThjCM51o

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ、:::::l
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::! ';:::::i
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::／ヘ|::::::::::::::::::::::::::!　';:::l　　　　　　　諸将をまとめるには格が必要だ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ |:::::／　　 |:::::::::::::::::ﾄ::::/ 　 !:!
::::::::::{:/:::::::::/::::::/　　 !::/三三三|::::/ﾚ:::::/ |/ 　　ﾘ　　　　　　　張翼。
:::::::::::i:::::::::/ |:::/　　　i/　　　　 |:∧　|:/　′
:::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　ヽｿ　　　　　　　　　　　　　お前もついて行って助けてやれ
:::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼
:::::::∧:::/　｀ｰ　　　　　　　　　　　　　／
:::::/　∨　　　　　　　　　　∠二 7 /
／ﾍ　　　　　　　　　　　　　　 , '
＼　＼　　　　　＿　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 |｢下lト　 __　　　　　__,ィｆ｢l| l|
　＼　＼　　　 /　　｀　ー - ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､ | ＼　 {| ￣｢}厂l　　ｊﾘﾉﾉﾉ{
　　　＼　＼__ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼ｌ　　＼l{ 　 | |ｌ l|　 /レ‐'ｆ |
　　　　　￣＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼l　i　　＼　l |l ﾘ　/'" 　 |,|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼l　|　　　＼{ﾘｊ／ -､　　l,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼l　|　　　　　 ´ /　　ｌ　ｌ j{_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ヽN{ （　　　　　　　　　＿_ｊ｢ｉ}
　　　　　　董厥！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　|｢ヽＶ　＞‐ｚ_､　　 l　,ｨヒ_,　ｊﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 │{_〉　　ｨ' ｆうﾞヽ-ｒ'＾ｨｆｩﾉ　l/
　　　　　　そう心配するんじゃねぇ！　　　　　　　　　　　　　　　　入__)ヽ　"￣￣／ｉ_ | ´￣　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　　　彡'// |│ 　　〈　（__ｊﾉ　　 /＿＿　＿＿
　　　　　　鍾会が曹操より上って事はないだろうよ！　　　　　　/⌒》　ｌ l 　 r‐ ､＿____,ノ⌒} ＿＿__}´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___人　》　l∧l 　弋ｰ-　+ +　' ノ,ﾊr─一'⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ﾉＶi　ｌ　ヽ. 　｀二ﾆﾆ二´ /　|＿__,ノ　　‘，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 |　 l　　＼　　　 {　　（_,ノ{　　　　⌒ヽ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 |　ﾉ　　　＼＿＿_／ l　　}─‐一'　　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r─　　,　　'"´　　　　　　 | 　 |＿＿_-'⌒ヽ ∨

945 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:43:41.97 ID:oThjCM51o

　　　／:::＿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　/:::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::ﾊ　:::::::::＼
　/:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::＿::|　|＿,,:::::::::ヽ
./::/:::!:::!::!:::::::::::|:::::::::::ヽ､__Ｏ__ ノ:::::::::::ﾍ
.|:::|::::|:::|:::!:､:::|:::|::::::::::::::::/　ﾊヽ::::::::::::::::|
.|:::i:::::i､:i ヽﾐ :::::|::::::::::::::::ゝ'　ヽ'::::::::::::::::|　　　　　　　　　こうなったら腹括るか。
.ヽ:ｉ::::iヽi｀ﾞ"ヾﾐ:|:::::::::::|::::::::::::|::::::::::::::::::::::|
　　ヾ:i　ﾐ≡=- |:::::::::::|:::::|／:::::::::::::::|:::::::|　　　　　　　　　樊建、留守中の政務はお願いね？
　　／　　　　.|::::::|::::|／ヽi:::::/:::::::/:::::::|
　　ヽ　　　　 //::/／〉／/:::/::::.::/:::::::::|
　　ヽ_　　　 ' ""｀　／::::/:::.:::/:::::::::::::|
　　　　ヽ、　　　　／/:::.:::/::':::::.／:＿::::|
　　　　　　｀⌒　´ヽ/::::::::／／／　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　}｀(￣　｡　７_ﾉ`'ー‐'｀廴∟__ ﾉ＿}ﾉヽ
　　　　　　　　　　/::::::::./／／　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　 V　＞　ヽ人{｀¨´: : : : : : : : Vヽ人}､}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉-'`ｰ '}￣ヽﾉ: /: : : :/: : : :i : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : } ﾉ/..: .: :. :./: : : :/.: : :/:,': : : :}.: :l: :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,′: :| /: : : !.: :/ :/.:./}: : :/}ﾉ|: : : :i : :|: :.i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　j从: : : :i: : :| : {_厶斗‐￣　　`ー-ﾚ从: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:/ : : !.: :.l.: :.!　,ｨｆ爪㍉　　ｨf芹 }: :j/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚl厶癶､: :',: :| 〈 r':::ﾘ　　　 r'::ﾘ': :/
　　　　　　　　やるしか、ないですよね……　　　　　　　　　　　　　　　　　〉.._ ＼{ヽ ,,,, ｀　　　　, ¨´ !:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : /｀¨､　　　　　　　　　八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ム,ｲ : : :/ ＼　　　〈`ｰ７／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __... ﾚ'¨〈　　　丶 .._ 　_ .　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -＜　　|.:.:.:.:',　　　∧ヽく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼　',　　|:.:.:.:.:.’,　　　}.:.＼＼

946 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:48:00.56 ID:oThjCM51o

　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::ヾ:::::＼:::::::::',
　/:::::::::::::::i:::::i!::::::::::::::::ヾ:::::,,∠,､_:::::＼::::＼:::::',
　i::::::::::::::::!:::::i i:::::::::l::::::::イ＼＼＼:::::::::＼:::＼::',
　l:::::::i::::::::!::::i,,ゞ;::::::::i:::::::::l　 >≧r､＼::::::ヾ＼_::＞　　　　　　廖化。
　ｌ::::::i!:::i::::l;/i ._,,＼::::!､::::::l 　辻ヾ〉　＼:::ヾ）::::＞
　i:::::ﾊ::::|::::l:::i〈｀（ﾍ＼! ＼:', 　ゞ-′　　ラ∨/"´　　　　　　.お前は陰平方面の地勢に詳しいよな？
　 l:::i　l:::|::::lヾ､弋i;）ヽ　＼　　　　┌::ソﾉ
　 ∨　l::::l::::l:::＼　" 　　　　　　　　　　ﾍ::::/　　　　　　　　　姜維の援軍に行ってくれ
　　　　＼|＼!＼　　′　　　　　　　　∨
　　　　　　ヾヾ　､　　　　‐-　　　　,　　　ゝ､
　　　　　　　　　　｀　､　　　　　 , ′　／　＼＿
　　　　　　　　　　　　　｀ｰ　＜　／´ 　　　／:::::￣｀　　　　　　　　　　　　　　 ,. ---‐… ''¨￣
　　　　　　　　　　　　　 _ノ´∧_∧　　　　／:::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　／　　 l　ｌl　　　　／ /
　　　　　　　　　　:::::´￣／ /〈::ヾ∧ 　　 /:::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　_,,.ｨ　l　　　　ﾘﾘ　/ ／／ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　l　 '､　　 / /.､／‐‐く //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_＼　ヽ　/　' _ ｀¨}　　ﾌ‐く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ｀¨ﾆ二ﾞ　　´ l　/ ,.ィ.＞"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼| ｉ l　　i　　　 j ／／ﾆ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ､〉!ｉ　_ノ ,イ'"i沙
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト-ﾆ⊥!ｌ,レ_' ､｀¨￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.¨ｨ弋ﾀ　　｀　＼＿,,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　　　　ﾊ　¨ﾌ!_⊥.,_/
　　　　　　　　　　　　　　　御意！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',ｰ' ヽ､／、､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　,.ｨ T⊥ ┴ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V ｌl/,. ''"￣￣¨　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vﾊ　 ,.ニﾆﾐ、､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　Ｖ//l　　ｌi　ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.i l l　　ﾘ　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽゝi..＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´--──

947 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:50:41.86 ID:oThjCM51o

　　　　　 / 　　　　ヽヽ　　　　　//　　　ヽ
　　　　　/ヽヽヽﾉﾍ　ヽヽ　｜　//　//　 /
　　　　 /ヽヽヽﾘ　　V／＼｜ ///ﾍ// /
　　　　 |ヽヽヽﾉ　　　　　　＼／　 |/ /
　　　　 |ヽヽ､|　　　　　　　　 /　ﾉ　|/!
　　　　/ヽヽ./ ,.,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,　 r'´　　|ﾘ　　　　　　　　　　　　　.抜かるなよ？
　　　　|,.､ミ |　=ﾓtラー､:::r .r,.ﾐ_-､_ﾚ、
　　　　/,､∨　　　￣　 '´｜ |ゞﾆﾞゝ//!　　　　　　　　　　　　　じいさん　
　　　 //rヽヾ　　　　　　／'７!　　 / し!
　　　〈ヾヽ｀　 l　　　　　＼_ノ　　 i l,ﾞ!_ﾍ
　　　|ﾘヾ〃,　 l　　,.=-⌒ﾆ､_､_　∧　',　ヽ
　 ,.--io'ｲﾞ´l　 l　　｀'ｰ:-....-,　//iﾍ　ﾍ　ヽ
　|　　|ﾘ/　ヽ　　　　　 _　　　/r-!、l,　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:/.:.〃／.:.:.:.:.:.:.:.:斗､:.:.:ヾ:.:/
　l,　r"/　　　＼　 ,.-:'´:::｀ヽ /∧　ヽ!　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　/＿」＿:.:.彡:.:.:.:.／.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:}
　 Yﾞ　l　　　　　＼::::::::::::::::/´:/ ﾉヽ_,.入　　　　　　　　　　　　　　　　　 =:｀:.:＜/////////＞ト､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〃
　　　 !　　　　　　　￣￣/:::::/　ヽ/ヽ　ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　ニﾆﾄ､:.:.:.｀:.＜/////////＞ト､:./.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾆﾆ_}ﾐﾄ≧メ､:.:.:.｀::;ﾆ≧=//////＞L_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニ{.|〃ﾑﾐト.}≧=､:.＿:.:＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ.{.|' ヽ弋夂{,,{//_∠≠ニ三}/'｀iニニ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|彡_｀,ヲ''i　7'ア弋ヲ幺 }ｙ' }λニﾆ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　レ'　´::{,/ﾐ.′ヾ｀￣ﾐ　y'_ /ﾐレ'´
　　　　　　　　　お前もジジイじゃろうが　　　　　　　　　　　　　　　　　　!/　,斗ヽィ} '　ﾞ¨=彳ﾞ y'_ ｲミﾐヽ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　==λ/{>-==ミi:lﾐ;,､　 ''ヾ/´ i |ヾ､:./､/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ﾍ/ , ==ミ｀ヾ/i i i}ﾞV　　| !､:./ソ'/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:/{∧{:.:.:.:}}i「}i};,;/.:ィ≦　r===''´.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. //∧/ト.､ﾘ/斗≦/ /.:.:　| 「i:i}　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　////}::::::::::::::ﾆ=‐'''´/.:.　　| |i:i:| 　　 //
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///>ヾ::::::/´　　 ./:.:.　　 | :i:i:i　　彡'

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　両者とも曹操の時代から戦場に立っていましたね
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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948 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:52:16.81 ID:oThjCM51o

:::::::i:: :: :: :.| 　　 |　　　　　　＼　　＼　.:.:.:..::.:.:.::::::|::: :.　　 !: :　:　:　:　:|　　　　　　 |　　∨　　　 | :: :: :: :: :: ::/
:::::::|:: :: :: ::i　　　 |　‐―‐‐　‐‐ ＼_　　 .: .: .::: .: ::|::: :: :. 　 | :　:　:　:　: |　 ―‐ ‐― 　 l　　　　　　 | :: :: :: :: ／
:::::::|:: :: :: : : 　　 |　　―‐‐‐‐ ‐‐　ﾌ　 : .:ヽ.:..: ::.:::}::: :: :. 　 |:　:　:　:　:　|　―‐‐　‐‐‐　|　　　ｉ　　 |:: :: :: ／
ヽ:::|:: ::::::: 」　　 |　　_＿＿_ _ _ _　＼.::: :::: :::.::::::.|::::::::.: .: .::ｉ:　:　:　:　:　|　＿_　__ __,　 |　　　　|　. : |:: :: ｒ'
　}〈:: :: ::　{　　　 _〉　　　　　　　　　ヽ:: :: :: :: :: |::::::: :. :. :.|:　:　:　:　:　:| 　　　　　 |　　　 {　. : {: ::.〈
/::::::＼:: :: :.i 　 _ノ　　＿＿＿＿_ __ 　）:: :: >:: ::|::::::::::::::::::{:　:　:　:　:　｛　＿　＿＿_ 丶＿: :.」＿ノ :: :: ＼
:::::::::: /　: ￣´: ＼　　　　　　　　　　　〈＿_ ::}:: :: |ヽ::::::::::::::.ヽ:　:　:　:／.:〉　　　　　　 /:　:￣´　＼:: :: :: ::〉
￣　/:　:　:　:　:　:.＼　　　　　　／　ｒ｀ー':: ＼ヽ:::::::::::{　rｰ　　 :／　　　　　 .::::::::/:　:　:　:　:　: ＼￣
　　{:　:　:　:　:　:　:　:〉　　　　　　　 /.: .: .: .: .:. ::::::::::}ｰrヘ__|＿_.ｨ―｢　　　　　.:.::::::::::::〈:　:　:　:　:　:　:　:｝
　　ー-＝ニニ＝‐´_＿＿＿_ _ _ ｛ヽ＿.: .: .:＿_.: /::rニ=㏄弋)=ﾆ){　―‐‐‐‐‐‐ ‐ .:.::::ー-＝ニニ＝‐’ ‐―‐‐　‐
　　　　　　　　　　　　　　　 .:.::::｀ー-=ニニ=ﾚ:::.:.: ／rヘm､ﾄ､＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.:.:::::::::::::::::::/::::::: (_ｿ＾ミ爻ｼ^ｽrﾍ)　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　.:.:::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､:::::::.:.::.:.:.::.:.　:　:　:　:　:/}
　　　　　　　　　　 .:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::L::::ヽ:::.:.＿:.:.＿＿＿ _ノ　|　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／　
　　　　　　　　　　　　　　　　 .:.:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ=ニニ二＿＿二ニ=一　　 .)　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　　やってやろうじゃない！　　＞
　　i !　　　　　　　　　_　　　i !　　　　　　　　　_　　　i !　　　　　　　　　　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　　　(
二　二~i　　　｛｝｛｝//　二　二~i　　　｛｝｛｝//　二　二~i　　｛｝｛｝//　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^　
　　|_|　|_|.　　　　　// 　　　|_|　|_| 　　　　　// 　　　|_|　|_| 　　　　//
　　　　　　　　　　 " 　　　　　　　　　　　　 "　　　　　　　　　　　　"

　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜
-=ニ　　　眼に物見せてやろうじゃねぇかッ！！！　　　　≦
　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦
　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

949 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:54:25.05 ID:oThjCM51o

:::::::::::::|:::|　ｌ　＼:::＼:::::::::::::::::::::::::＼::::＼
:::::::::::::|:::|　|　　　＼:::ヽ､:::::::::::::::::::::::＼::::＼
::::::::::::ﾊ::|　|　　　　＼:ヽ.＼:::::::::::::::::::::::∨::::ヽー‐'
:::::::::::ハ:|.　! し　　　　∨ｌ　」.斗:::::::::::::::::|:::::::::::',
::::::::::ｌ　!:l 　 !　　　＼匕´└.==‐―┬┘:::::::::::i　　　　　　　　.あ、あの、陛下……
::---|-ヽ|--┤|.　　　　　 γ　　ヽ　｜::::::|:::::::::|
::::::::!:!　　!　　!　　　　　弋　　丿　!:::::::|:::::::::|　　　　　　　　私には何か役目はないのでしょうか？
∨::ﾄﾚ' ⌒ヽ.　　　　　　　　　｀¨´　　　ｌ:::::::レ‐''´
:ヽ_」|　　　　!　　　　　　　　　　　　　　∨:∧
::∧ ヽ､＿.ノ　　　　　　　　　　　　　　し∨:∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾヽ
;;;;;∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }::::∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.-‐'´￣￣ヽノﾉ-､
:::::∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　／:::イ::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::／::::::::_;:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::;:':::::::,イ-/:::::,ィ:/:::::::::::i:::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::/::; イ ,_,≠_/／/:::::::／ﾊ:::::i:::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,ノ:::/／j:/　乂:::7 ` /:::イ/ｲ`ヽ:::::|､i､:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞､::::::∧,′　　 `　彳´　7心､ ',:::从|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ﾑ::;_::::i　　　　　　　冫ヽｿ〃i/:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　',:::〉　ヽ-　＿　　　 /!:::::::j
　　　　　お留守番。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j′､　　`‐-､ソ　　 /:ハ::::7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ._,-､ィ､　ヽ　　　 ...イ::〃 j:::/
　　　　　それと、永安から閻宇を呼び寄せろ　　　　　　　　　 _,.ィ´＼::::＼ `ヽ､ `:y‐　´ j:::::/　　i/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,ィ´､:::::::::::::::ヽ::::::ヽ　　y<',　　 iイ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i/::::::::＼::::::::::::::ﾍ::::::ﾍ人:::::iヽ､　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j::::::::::::::::ﾍ::::::::::::::::::フ:ﾍ j::ﾊ i::::＼　　　　　　　 jﾆ,）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::',::i:::::く::::::::::ハ!::::',ﾍ:::<:ヽ　　　　　　　　i　.i,-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::ij!::::::::ﾍ:::::::::::',:::::', i::::ﾍ:::ヽ　　　　　　 j＿i_　i ﾍ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i´:::::::::::::::::::::::::::7ﾉ:::::::::::ﾍ::::::::::',:::::',.i::::::|:::ハ　　　　　i´ ,r-</_/ﾉ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::::::::::::://:::::::::::::::::ﾍ:::::::::i:::::i.|:::::i::::::i:',　　　　ヽ､,.. ､___ノ
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950 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:55:35.80 ID:oThjCM51o

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　　　　　 i. : : : :.:.:.:|:.|:.:.| : |.|: / : :./{: : : : /:/ !: |: :|: : :.:.:|:. .:|
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,′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:l: : : |.:.:.:.:.＼/{ ﾚ'⌒　　 V.:.:.:.:./.:.:/　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::/::/:::/l:::::::ヽ::::＼::ﾍ:::;ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':::::/::/:::/,_l::ヽ:::::ﾄﾍ::::＼::ヽ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'::/l:::/:::/ｾ=',:::iヽ::|ﾔﾐ::ﾍ::::::::l__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/ .|/l::rY弋i} ヽl ｀ヽ{iｿ｀ YヾΣ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |! ヾ{､｀ｰ　　,　　｀ﾞ´ ./ソﾞ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　　_ _　　 ,ｲ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　､　　 ,／ |
　　　　　　　（こいつは戦には向いてないよなぁ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ｀ｰ _,,='´＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／/ /｀ﾍ　　 / ∧｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, r'/　 {∨l__,∧_,/　　∧　　＞、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'"´::〈　 /|　/ｿ |　∧ 　　〉　　　　,＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ﾏ'　| i /　|,/　＼／　　　Y　　.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i 　　　 >　|/ 　 /　　　.ﾏ　　　 / 　　 .}
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|　　　申し上げます　　　　 |
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　魏の侵攻を知った蜀の朝廷は、さまざまな手を打っている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　その中に興味深い記録がふたつある
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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951 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:57:09.08 ID:oThjCM51o

　　　　　＞ハ∨､人∧/:::ヽ人/:::ヽ人ﾊ＞人ハ＞
　　　　 / ＞､人/､人/::::::i:i!::::::::i!::::::::7人/､ {く´
　　　　 7:}　/::::::::::::/i!:::::::}}:|:::::::::|::::i､::::i!::::::ヽ}:ﾍ
　　　　/∧'::::::::::i:::::| |:::// }!―､ﾊ::::|ﾊ:::i::::::l!::::::::}
　　　 l!　!::::::j:::::}j斗匕く　　　　≧┴ミ|j!:::j:::::::∧
. 　　 j!　|:::::::|::人,行:バ　　　　 'ﾊﾞ:笏ヽ∨:::∧}　　　　　　　　　　　　　　どうしました？
　　　　 {∧:l!∧{代r'ン　　　　弋ク　}!::::人人＿
　　　　　/人ﾊ(ヽ!　　　　　　l!　　　　　人/)/｀　￣
　　　　　´ ノ　`‐ﾍ　　　　　　　　　　　/‐く´
　　　　　　　　　 }::::>､　　　'⌒'　　　,<:::/
.　　　　　　　　　 }::::ノ＞　＿_ 　＜∨l{ヽ
　　　　　　　　　￣}_ノ´}　　　　 {｀＼
　　　　　　　　-=ﾆ///､'　　　　　｀ｿ/三=.､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　　安南将軍の霍弋様から使者が来ましたと衛兵Aは報告します　　　　　　　　|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　　　　　　 ..ｲ:i : :/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　//ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　ひとつが蜀の後背地である南中の動向である
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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952 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 22:59:25.43 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年９月　蜀　益州　建寧郡】

　　　　　　　　　ｒ―-＜_: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :丶､
　　　　　　　　　!::. : : : : :`丶､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　 _,.イ'!::::. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　r'"´:::::::/:!::::. : : : : : : : : : : : :ヽ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　|::::::::::::/::::!::::. : : ､: : : :ヽ､: : : : : ＼: : : ＼ : : : : i : : : : : : ヽ
　　　　|:::::/:::/::::ﾊ:::::. : : ＼: : : : ＼: : : : : :＼: : : ヽ: : : :!: :ﾊ : : ヽヽ
　　　 |:::/::::f:::,ｲヾ::::.ﾄ､: : ＼: : : : :＼: : : : : :ヽ : : ヽ: : :!:.!:::}: : : :!: !
.　　　/::/:::::!::f::::!　ヾ:::k ＼: :ヾ丶､: : : ヽ __,.,_: :丶: : :! : !Z_::!: : : ﾄ､ヽ､
　　 /::::f:::::::!:::!::::! .,,_ヾ:ヽ　＼ヽ､_,,.>＜"ゞ､: : : :ヾ: : !: :ト､ヾ: : i :! ｀ーヽ　 .魏軍が大挙侵攻してくると伺いました。
.　 /::／!:::::::!:::!:::::ヽ, ｀Y::{　　　ヾ´ r',.ｨ-ｚュｧ＼: : ヾ: :!: :ヒ_ ,〉 /: !
　/／　 !:::::::!::ﾄ､::::::ヽf弋ヾ､　　　　´､ゞ-‐'　　ﾄ､　!ヽ! lﾉ／ ./| /　　　　　御命令があれば、
　　　　　!::::ﾊ::! ヾ::::::::!｀~´ j｀　　　　　　　　　　|: :ヾ: : ,.ﾄ' / ,ｲ.|/　　　　　　南中の精鋭をもって成都へ馳せ参じる所存
　　　　 !:::! ヾ　ヾ:::::::!.　 /　　　　　　　　 |: : : : :,ｲ: :/ fヾr ､
　　　　　ヾ|　　　ヾ:::::ヽ〈.,__　　　　　　　　　 |: : : :/ !::ﾊ:: :!/ 　＼
　　　　　　　　　　　＼:::i丶､｀　＿＿, 　　　 |: : :/ ／　 >､!　　　/ヽ､
　　　　　　　　　　　ヾj 　＼　ｰ　　　 .／|: :/／　　/　　　　/　　＼
　　　　　　　　　　　　　　丶､._＿,,.イ　 ,|/'´　　／　　　　/　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,／／／_＞'´　　／　　　 /　　　　　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 _,.ｨ'"´ ／　/Aヽ　　　／　　　　　 /　　　　　　　　　　｀丶､
　　　　　　　　　　　　 ,.イ　　／　　/f⌒ヽ　／　　　　　 /　　　　　　　　　 _,,..,,_　＼
　　　　　　　　　　　 /　.!　　<　　　 { !　　.!／　　　　　　 ./　　　　　　　 , -'"´　　　｀丶＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　安南将軍　霍弋

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　霍弋、字を紹先。荊州南郡枝江の人。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　父の霍峻は劉備が劉璋と戦った際、背後の葭萌で張魯の侵攻を退け、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　その活躍は劉備からも高く評価されたが、四十歳で逝去している。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　霍弋は劉備の晩年に太子舎人として劉禅付きとなり、
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　諸葛亮死後に太子中庶子として皇太子劉璿を教導した
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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953 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:01:56.48 ID:oThjCM51o

　ｌ　ｌ　　ｌ　l l　八ﾄ　　l　|　| 　 | |　　|
　ｌ　|　　|　l |/　｜｀ヽl　|　| 　 | |　　|
　|　L　丁ﾉﾉト　l　　´]_丁 |　　}ﾉ　　|
　|　 |V 灯仍　　　　 f広刃!　ハ l 　|　　　　　　　　陛下。
　∟ |ﾊ　込ﾘ　　　　込り |／｜} 　 |
　　 | ∧"" 　　,　　　　"" |　　lﾉ l 　|　　　　　　　　霍弋将軍と南中の兵は、
　　 |　∧　　　 __　　　 j|　　|　ｌ　|　　　　　　　　魏と戦う上で貴重な戦力になるのでは？
　　 | l 　ト　、　　　　　イl |　　ｌ　ｌ　 |
　　 | | 　|　　}＞r-＜／Ｖ　　ﾉ　ｌ　 |
　　 | |　 |＿ム∧r-く　/　／､　ｌ　|
　　ィ´　/,/ 〃´ ||.　 ∨　/ 　ト＜　 |
　 / | 　 {/　{{　　||　 /　 /　　|　　　｀　、　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ハ∨､人∧/:::ヽ人/:::ヽ人ﾊ＞人ハ＞
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ＞､人/､人/::::::i:i!::::::::i!::::::::7人/､ {く´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 7:}　/::::::::::::/i!:::::::}}:|:::::::::|::::i､::::i!::::::ヽ}:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/∧'::::::::::i:::::| |:::// }!―､ﾊ::::|ﾊ:::i::::::l!::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l!　!::::::j:::::}j斗匕く　　　　≧┴ミ|j!:::j:::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　　 j!　|:::::::|::人,行:バ　　　　 'ﾊﾞ:笏ヽ∨:::∧}
　　　　　　　うーん。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{∧:l!∧{代r'ン　　　　弋ク　}!::::人人＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/人ﾊ(ヽ!　　　　　　l!　　　　　人/)/｀　￣
　　　　　　　申し出自体はありがたいのですが……　　　　　　　　　　´ ノ　`‐ﾍ　　　　　　　　　　　/‐く´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }::::>､　　 <　ｱ　　 ,<:::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　　　 }::::ノ＞　＿_ 　＜∨l{ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣}_ノ´}　　　　 {｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆ///､'　　　　　｀ｿ/三=.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,＜ヽ/////ハ　　　　 ///////＞､

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　後に南中に派遣され、蛮族討伐に活躍。
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　その過程で永昌郡太守・建寧郡太守を兼務し、
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　やがて南中の軍政を統括する立場となり、この年に安南将軍に昇進。
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　経歴から見て、劉禅が深い信頼を寄せる人物の一人だったと思われる
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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954 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:03:58.07 ID:oThjCM51o

　　　　　　　　　 _　／::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::＼
　　　　　　　ｊ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 /:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 i::::::/::::::i::::::::!:::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　 |:::/::::::::ｉ::::::∧:::::::::::::ﾄ､::::::::::::::::::i､::l
　　　　　　､__Ⅳ::::/:::i:::::/__!::::::::::::匕ヽ:::::::::::::ハ:|
.　　　　　　　ﾌ::l::ｒ'l:::/!::/ｾﾐl::::::ﾊ:::尨_ハ::::::i:::ﾄ､`!
　　　　　 ´￣]八!/i」:瓜ﾘ !／ Ⅳ　　　小ハl
　　　　　　　　ｊ､八i　　´　　ｊ〉　　爪i
　　　　　　　　　　　　　ｊヽ､　ｔ＿ｱ　.ｨ
　　　　　　　　　　　 _＿／/| ヽ　__／/ |＼
　　　　　,...-',,⌒ゞﾐ､::／::::| 〈　　　／　.|::::＼ﾞ''ｰ-::､_　　　　　　　　　　　　　敵への備えは完了している。
　　　　/::／.:::::::::::::..ヽ :::::/∧。V￣＼　 |:::::::::＼:::::::::::::｀ヽ,
　　　 /:::::::::::::::::::..`ｰ-､::::|/＼丱／/ ヽ/|:::::::::::::::ゝ::::::::::::::::|::}　　　　　　　　 .霍弋にはそう伝えておけ
.　　　|::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ|　　|＿/　　　 |―ー＜::::::::::::::::::::|::::i
　　　 |:::::::::::::::::::::::::::::::..｀''ヽ､　|;;|　　　　|::::::::_ノ⌒ ｰ - ,,,＿＿　　＿
. 　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ﾞヽ.､　　,r‐'ﾞ　　　　　　　　　／/ 　ヽ
　　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf　　　　ヽ　　　　　 l /　　　 l
.　　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ﾆ,-'"　　　　　　＼___　　　　　　　/
　　　　ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .／　l　　　　　　　　　＼X=-､,,＿_／
　　　　　ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::|　|　　ﾉ　　　　 ` ､　　　　ヽ ,ﾍ./::::::I
　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::|　l　i´　　　　　　　` ､　　　ﾉヾ|::::::::丿
　　　　　　　 .|｀ヽ;::::::::::::::::::::|　|　|　　　　､　　　　　`'rイ　 ,ノ:::::::::＼
　　　　　　　 |:::::::::＼∩:::::::::|　l＼　　　　 `=､.._＿,ノ　厂:::::::::::::::::/
　　　　　 |::::::::::::::::＼∩:/　 |　ヽ､＿　　　　ﾉ:::::::|　/:::::::::::::::::::::/
　　　　　　　|:::::::::::::::::::| ＼:!`ｰ､　,,='' | ｀､'‐-'ﾞ:::::::::| /:::::::::::::::::::::/

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　ここで劉禅、霍弋の申し出を断わっている。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　いったいこれはなんのなのか？
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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955 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:05:15.36 ID:oThjCM51o

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ー）（ー）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　あの霍弋殿ですか。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l　　　　　　　　　 .南中の兵が剽悍というのは以前話にも出ましたが……
.　ヽ　　　　　 |　　ﾉ
　　ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／　　　　＼
　　　　　　　たぶん問題は南中の状況にあるお。　　　　　　　　　　　　　　　　／ノ　　＼　　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（●）　（●）　　　＼
　　　　　　　当時もあそこの連中は反抗的なのが多かったし、　　　　　　 |　　（__人__）　　　　　　 |　
　　　　　　　結局軍事力を貼り付けざるを得なかったんだお　　　　　　　　＼　　｀ ⌒´ 　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　　　　　　　　　　　　　　ヽ

956 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:07:21.21 ID:oThjCM51o

　　　　　＿＿__
　　　　／　　　＼
.　　　／　　　　　　　＼　　　　　　　 .霍弋殿とその軍団がいなかったらどうなるか。
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼　　　　　
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|　　　　　前にも言ったけど、
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　／　　　　　南征以後の蛮族が反乱を起こさなかったなんて俗説だお
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　＼
　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : ｉ : : : ｉﾍ : : 丶: : : ＼: : : : :.∨: : : :廴
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : /: : : : | : : : ト　＼ : : ＼.: : : :. : : : : : : : : :. :. ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ィ : : : : ' : : ｉ:. :| : : : |　　｀ヽ厶斗: : :∨: : : :ｉ : : : N
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 |:.ｉ:. :. :ｉ: : : |:. :|小:. :!　　／ヽ厶ミヽ ∨:. :.:|､: : :.ﾄ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　|:'|:i: : :|:. :. :! : | { 乂:.　　　ィ斧:ﾊ }　ｉ｀ヽ:. :.| } : ｉ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { |:l: : :|: : ｉ : 斗七　｀ヽ　　ハう::ｿ　 .: / : : ﾙ': :.ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 |:. :. :|: /|:. : :|,ィf斧ﾐ　　　　 ´　　ﾉｲ: :. :.小 /
　　興味深い記録のもうひとつが、　　　　　　　　　　ﾊ: : 小{:.ｌ:. : :ト､　うｿ　　　　　　　　 |: : / N }
　　この時期に蜀の朝廷が改元を行っている点だ　　∧:. :!　∧:. :ト:i:ヽ　　　｀　 _　　　 |:.:.从{ ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　ヽ:.　　＼∨: : : ､　　 ´　　　／!:/　Ⅶ):. :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ﾊ: ｉ : ハ{≧ｭ..... 　_／　 {′ ／:. :. :. :. :＜＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八:ﾄ､{　　　　 .:´ﾊ　　／:. :. :. :. :. ...:::´::イ｀ニ　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }　｀　　　 /:. :ム}　　.ｲ:. :. :. :. :／::／:. ／:::::::::::::ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ― . . .､/:. :. :. :. :. /::::/:. : /:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:/: : : : : : :/:. :. :. :. :. /::::/:. : /:::::::::::::::::::::::::

957 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:08:28.60 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年９月　蜀首都　成都】

　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ.
　　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　 /: : /: : : : |: : : : |: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : : ヽ: .!
　　　 |: : |: : : : : |: /　＼: : /|: : r ､ : : :.|.: : : ﾄ､:|.
　　　 |: : |: : : : /!/＿ノ | :./ .|:(ヽ､｀＼::::|.: : : | V
　　＜ : ｣_: : / 　_　　_|/ 　ﾙ. ＼＼　＼ : |　　　　　　　　　なんか縁起の良さそうな元号ってないか？
　　＜:: |. 小{　　｀ﾞ'''''' 　　　 ‐-＼＼　＼_
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　　　　　､ r--‐-､ >､　　　｀ヽ.
　　　　　　＼_!　 u 　　　 '　` ‐-､｀`　　　　　 `､.
　　 _, r´:/ : :| ヽ　　　　-　　-　　／＼　　　　 `､
　´:.:.:.:./:.:.:.:.::|　| ＼　　　　　／ヽ :｀ヽ　　　　
　:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|　＼　ヽ _　,　ィ ´ |::.:.:ヽ: : `､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/　　　　 , '　 ., ' |:}'　　　　/／　　　　､　　　　‘ ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /／′　　　 ,' 　 /　 |:l.　　　〃　　,　 ,　　} 　　　 ‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　i　　　　 , |　 /　 ,i|::!　　　/_　イ／}　 /　　　　､　.ﾄ，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 |.　　 , '　l ./　　.!|::|　　 /／メ <　 /／,'　　}　　 |　 i‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 {　　 / ,'　i｜ , ﾆ||::|　　,.ｨ示芯}ミメ､. /／} ﾊ　./　｜.ﾟ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 /.| !　 ',|　{　,|l::|　|　|.圦_以　　 /´　x=ﾐ「 / 　./　 |
　　　　　　　　　　　　　炎興　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧ {　}'|　　i　‘ , |: l　',　! ゞ-く_ 　　　んﾘ》'　.／　,| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:/ ヽ　.|　　ﾟ, 　｀!::|　 ', { 　　　　　厶ｨ厶イ{　　,'| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:/　　　ﾉ /!　ﾟ, 　 .|::| 　ﾄ､.　　　､_ _ '　　 / :!.|.| ',　,' }/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　|::| 　　イj,ﾊ　ﾊ iV|::|　　|、　　　　　　　　,ｲ　 |.| !,:∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　|::|　　　　　　V_彡<.Ⅵ',　 !:＞　　　 ,. ＜ | 　./ﾘ |.ﾟ,::ﾟ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　|::|.　　　 , : ´￣≧ｘﾟ,ﾑ:,　! _/,.≧チ} , '| ,:|　/ 　ﾚ ',::',

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　光禄大夫　譙周

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　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　　　　　　　　
　|　　　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　 .
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　　炎は火徳に通じ、それを興す。
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　
.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　まるで国威発揚を狙うかのような元号です
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　 .
　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　.
　　　.>　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　|　　　　 |
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958 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:11:24.06 ID:oThjCM51o

.　　　　　　　　　／::::／::::::::／::::::: ／:::: /::i::::::::::∨::::::＼:::: ＼
　　　　　　　　　 /::::::/:::::::::::/::::::::; ｲ:::::::::/:::::ﾄ;::::::::::∨:::::::∧:::::∧
.　　　　　　　　 /::::::/:::::::::::/::::::::/　|:::::::/::::::::! ＼:::::∧ :::::: ∧:::::∧
　　　　　　　　 '::::::/:::::::::::/i:::::::/⌒ﾞi::::::ﾊ::::::::|￣｀∨::∧:::::::::∧:::::::i
　　　　　　 i::::/:::::::::::/:::l::::/　__,,,Ⅳ|　Ⅵ::i　ィｔ=∨::::i:: ∨::∧::: !
　　　　　　 |:/i::::::::::/::::::l:::l ん:刋Ⅵ!　 Ⅵ!　斥圷::::iﾍ:::∨::∧::!
　　　　　　　 '　|:::::::/i::::::::ｌ::l〈比::ﾘ＼　　＼　比::ﾘ∨　∨∨::: ﾘ
.　　　　　　　　 |::::/　ｌ::::::/::i 　ゞ-′　　　　　　ゞ-′　　jK_∨:::＞
.　　　　　　　　 |:/　　ｌ:::/小　　　　　く:.　　　　　　　　 {__j ∨::::＞　　　　（今やれるのはこんな所か？）
　　　　　　　　 ′ 　 !/　 !　　　　　　　　　　　　　　　 j___ソ＼!´
　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　ｒ _，　　　　　 /／
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　／!
　　　　　　　　　　　　　　｀　､　　　　　　　／ .:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼__　 ..　　´ 　 ..:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 ...:.:.:_jｰ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__j　　 __ ..　-　´　　　ヽｭ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノハ_／　　　　　　　　 /:i:i:i:i:iヽ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　.．＜/　/////∧　　　　　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:　　　　　　　(ヽ、００　　∩
　　　　　　　　　　　 .．＜:i:i:i:i:/　///////∧　　　　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i　　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ　〇　〇
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ――'′　し∪　（ノ

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　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　　　　.
　／　　　_ノ　ヽ､_.＼　　　　　　　　　　　
／　　（●）　（●）＼　　　　　　　　　　.やるべきことはやったんだお。
|　　　　（__人__）　　 |　　　　　　　　　　
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　 .あの時、成都の連中はみんなそう思ってたはずだお
(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 .
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　
　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　 .

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959 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:14:40.19 ID:oThjCM51o

　　　　　○　　　× ＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【略陽郡】　　　∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　枹罕　　故関││　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
∧∧　　　　　　　　　││○狄道　　　　　　　　　　　　【南安郡】　　　　　　　　　　×隴関
　　　　　　　　　　　　││　　　　　　▲鳥鼠山＿__　　　　○豲道　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　
　　洮陽　　　　.　× ││　　　　【隴西郡】　＿___ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__　∧∧∧∧　　　○陳倉
　　○　　侯和 .鍾題││　　　　　　　　　　　　○.＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
▲成重山　 ×　　　　＼＼　　　陽谿　　　　襄武　　　　　　冀○　　　　 ○　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿　　　　＼＼　　×　　　　　　▲武城山　　【天水郡】上邽　×段谷
＿＿＿＿＿＿＿.＼＿_／.／　　　　　　　　　　　　　　　　　　鹵城○　　　　　　　　∧∧　　　　∧∧∧∧
　　　　　　　　　　.＼＿__／○為翅　∧∧∧∧×∧∧祁山∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　　　∧∧∧∧∧　箕谷
　　　　　洮　水　○臨洮∧∧　∧∧∧　董亭　　　　 ▲ 　　　∧∧∧∧∧∧　×　∧∧∧　　∧∧　　　　
　　　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　 ×石営　　　　　　　　　.　. ／／建威∧∧　　散関　∧∧∧∧∧　×∧∧
　　　　　　　　　　　∧∧∧∧　　　　　　　　∧∧∧∧∧　　　　 |　|　　○下弁　　　　　∧∧∧∧∧∧斜谷　∧
________________________________________________　　　　　　　　　∧∧∧　.|　|　　　　○　∧○　　　∧∧∧∧　　　　　∧∧
________________________________________________＼　　∧∧∧∧∧∧　　 |　|【武都郡】　　河地　　　∧∧∧∧（斜谷道）∧∧
○甘松　　　　○　　　　　彊川口　　 .＼＼　　　　　　　　　　　 .|　| ○武都　　∧∧（故道）∧∧∧　　　　∧∧∧
　　　　　　　沓中∧∧∧　×　∧∧　×.＼＼　∧∧∧∧∧　　＼＼　　∧∧　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　∧∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　孔函谷＼＼　　　　　　　　　　.＼＼　　　　.　　　∧∧　　∧漢城∧　　∧　○楽城　　
　　　　　　　　　【陰平郡】　　　　　　　　　　　.＼＼　　　　　　　　　.　＼￣￣＼　.∧∧∧○　　 ○_________________________
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○　　　　　　　＼＼　　∧∧∧∧∧　￣￣＼＼　　　陽安関　__________________________
　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧陰平　　∧∧　　　＼＼　　∧∧∧∧∧∧∧ |　.|　∧∧　　　　　　　　　○南鄭　　　
　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　∧∧∧∧∧∧×　＼＼　　　∧∧∧　関城|　.|　　∧∧　　　▲　　　　　　　　　　　
　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　∧∧∧∧　　　　橋頭　＼＼　∧∧∧∧.○／／∧∧∧∧　定軍山　∧∧∧∧　　　
　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　∧∧∧∧　　　＼＼　∧∧　 .／／∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧　　∧∧∧　∧∧∧∧　白水○｜ .| ∧∧　｜ .|∧　∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧

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　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　さて、成都で対策が講じられている頃、それぞれの前線で動きがあった。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　まず、沓中について見ておこう
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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960 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:17:02.42 ID:oThjCM51o

【紀元２６３年９月　蜀　益州　沓中】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＼　　　　 /＼　　　　　/ |　　　／/　 /
__　,.::-ーｭ_,､_rv:..､　　　　　　　　　_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|　＼/＼/　　＼／＼/　|∧／　/／/
::.｀`　-､.::...　.:、:...-iー..__,、_　　___ﾉ:.ー､＿　　　　　　　　　　　　　　　,,--＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/‐'
_::.　`　.:::., ..:::ｰy　....:..　:... .:::.｀'".::　::i..　　ﾍ'￣`::r､─ ､＿, ､_,､--''`'´.::::::∠　　　　　一大事クマッ！！！　　　＞:::.
::`'-‐'"　_"::.:.:.:.. ,_ -　､::..... ::　　　::..v　:....::"　　..:;''.:'"　`　::.　　　:.:....　.::::::／＿　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＼::.
::. ::..:::.......,;,..　　./:: .:.::　丶　..　..:......､　　:.､　　ノ-",::~_-　､:::::::::::.::...-､　 `-￣　/　／∨|　/Ｗ＼　　/＼|＼　 .|　￣　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　|/　　　＼/　　　＼|

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　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　蜀　.|　　　　┌─┐　　|　蜀　 |　　　　　　　 .|　蜀　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵

961 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:18:03.34 ID:oThjCM51o

　　≡r r ∩＿＿＿∩ i i≡
　　＝| | |ノ　　　u ヽuヽuヽ≡
　　　ｷ//○●○　○●○ |ｷ　　　　　　　　鍾会の軍勢は十万を超えてるクマー！
　　　|≡|　u ( ( ( _●○　ミミ　
　　彡彡､　　| |∪J| |　＼＼＼　　　　　　　.斜谷と駱谷から進軍して来る模様クマー！！
　　 ///　＿＿　ヽノﾉﾉ/>　)　)
　　( ( ( (＿＿））） //(_／／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '´￣￣｀ｰ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : r‐r==========、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : /├l‐１ ―――――|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.｣
　　　　　諸葛緒の軍勢三万が武都・陰平方面へ進軍中と、　　　　　　　 {: :ｉ: ｉ /ゝﾉｲﾉ　l/u. ⌒ ｌ :}
　　　　　雑兵Dはスネークしてきた成果を報告します。　　　　　　　　　　 .| : ﾚ .|:::::::::○三三○　ｌ :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣
　　　　　このままでは退路を塞が……　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|

962 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:18:56.80 ID:oThjCM51o

　　く　　　　　　　　　.　-‐=＝＝＝＝= ー-く
　　＼　　,.　. :"´: : : : : : : : : : : : : : l: : : : : : :ヽ
　　　　　>'´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ./ハ: :.l: :!: : : : : :l
　　　　i: : : .: : . :. {: : : : : : : :./　/ﾊ: l.: !: : : : : :}
　　　　|: : |: :.|: : : |::.:.:.:.:.:.｀メ､ //　V: :l: : : l : ;′
　　　　|: : |: :.|: : : |::|: : :∠イ_〃＞　Vく: :./}:/　　　　　　　　　　鄧艾はどうしている？
　　　　＼|: :.|: : : |:.|: : :`弋夕ｿﾉ｀　tり:.:/ l/
　　　　　　　＼|ヽ: :|.:|: : : :.i.:|￣　　ヽjⅣ
　　　　　　　　 }ヽ仆ヽ: : : :lN　　 _ _／: :l
　　　　　／￣￣｀`ヽ､: レ'´￣｀): : : :l
　　　　／　　　　　　　V　　`ーﾕヽ.:.|
　　　　,ん子こ`ヽ　　　　 |　　　　　ﾕ､l./
　　　,ん'´: : : : `ヽヽ　　　|　　　　　l ﾊ'′

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: :/ : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : ﾍ, : : : : : :│: : }　}:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 / ／/ : : /: : { : !: : : : : : : : : .}ｉ: }: : ハ　:　: : : ﾄ､ _｣ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / /　,′: / : : ﾊ: |い{: : : : : : / |/_j厶ﾊ : : : : : |:｀:¨｢||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l/ 　 !: : :′: : ｉ_|`ﾄ､八: : : : /r'7｢/ _｣从| : : : : j| : : l ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　！: :|: { lﾍ{勹メ､` ヽ:／ ,.ィﾁｱ｢::}`7ﾉ : : : 八: ＿８＿__
　　　鄧艾軍は相変わらず国境付近から動きません。　　　　八: :|ハﾄ､| _,):::::}　　　　 i_):::::ﾉﾘ '│ : : /}〃￣ﾌ]l{￣｀ヾ;,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　ヽ|: : :ヽ弋少　　　　ゞとノ　 ,′: :/ﾉ{{ 　 //|ﾄ＼__ﾉﾉ
　　　西の甘松にいる別働隊も同様です　　　　　　　　　　　`==彡{　: : }　　　　' __　　　　　　 / : : /´: :`=彡|| !!　｀¨´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　ﾊ : : |`:　.　　 ` ’　　　　_,.イ: :／-─ｰ-┘|| ｌｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '∧ :│: : _;＞　 .__,. _＿´| /／　　　　　　ｌｌ ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　〃　＼!/´,．　-─┘　　／`ー-- ､　　　 || ｌｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　　　||＼　　rヘハ,／l／[__/　　　　ヽ　　ｌｌ ||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛{ 　　　 /　　 {丿　　　　　　ﾉ}　　　　 }　　 || ||

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蜀　牙門将　趙広

963 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:20:24.82 ID:oThjCM51o

―　魏軍陣営　―

. ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞､:::ヽ、
　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::/!::::::::/!::::::::/''"´￣　　　_jヽ::j
　　｀`'＜::::::::::::::::::::/　!:::::/ l::::::/ _＿..,,,,､γ｀ヾ
　　　／:::::::::::::::::／ｰ/／ｰ/::::/´_,∠_ヽ::://こ｝
　___／::::::／ラ／ﾍ｀メ、　 /:∠イにヾ　j:/ }ソ /
　　　￣ ´ﾉ／　ｲﾍ弋）　′ 　_ゞ=イ　　　 /　　　　　　　　　　姜維の奴、まったく動かないな
　　　　／　　.イ　ト￣　　　　　　　　/ヽイ;ゝ
　　／　　／ /　 /　ﾍ　`＿　　　　 ′　トゝ
　　く　　／　 / 　/　　ヽ　　｀　／　　 |
　　 .ヽ´ 　　/ 　/　　　　ヽ __,.イ--ｰ─‐┴-、
　　　　　　　ヽ/　　　　　/　 /´　　　　　_　＜｀ー―イ７´
　　　　　　　　　　 /　 / 　 _ ,.､＜::::::::::::::::::::７/／｀ヽ
　　　　　 __,,,､r──‐＜::｀ヽ／´::::::::::::::::::::::::::::::::///　　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::〃i::::',::::ヽヾヽ::ヽ＼:､＼:'.,',`ヽ::::::::::ミｪ､､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::/::!::'::::::':,:'.,::::ヽヽ､::::::::::＼＼',:::::::::::::::ヽ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::i:::::::i:::､::::::::ヽ:::､､:::ヽ::::､::::::＼ヽ､:::::::::ヽ:ミｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'::;::::i:::::::ｌ!::!ｧ､:::::::::ヾ:､rﾞ=､::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::`、ヾ､
　　　　　そろそろ鍾会軍の動きが伝わるはず。　　　　　　　　 /ｼi::::i::i::::!:ｉi （::ﾒヾ､::'.,ﾒ（::ｿ,ﾞi::::ヽ:::::::::ヽ::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'　i:::i::!::::::i '=ﾃ'　｀ヾ::ﾐ＝"　ﾘ::::ヽ::::､:::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　い、嫌でも動かざるを得ないでしょう。　　　　　　　　　.i:::!:::i:::::!. ヾ　.、　　`　　　 l!i:::::::::::::'::::::::::::::ﾐ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'i::::l !i:::'､　｀　　　　　　　　! i:::::ｌ::::::::::::::::::::ヽ`ヽ
　　　　　対応は王頎殿たちに任せてありますが　　　　　　　　　　　 'i::l　i;lヾ､. ＝=-　　　　　, ｲﾘ,:::iﾞﾃ､::::::::::::ミヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　';i　il 'i:ヽ 'ー　　　　,...:':　: i! ';:i'ｼ' ｀` ｰ-=:､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　!　'i:::'、　　 ,...:'::::::　　: ! // , ', -‐'''''ｰ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ　`ｰヽ､::::::　　 ; ,'/／〃　　　　　｀　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヽ､ //　〃　　　　　　　　　

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　この時、姜維は一月近くに渡って鄧艾と睨み合いを続けていた。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　事は司馬昭と鍾会の目論見どおりに運んでいたと言える
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
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964 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:23:03.74 ID:oThjCM51o

―　蜀軍陣営　―

　　　　　 , '´￣￣｀ｰ-､
　　　／: : : r‐r==========、
　　 /: : /├l‐１ ―――――|
　　,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.｣
　　{: :ｉ: ｉ /ゝﾉｲﾉ　l/u. ⌒ ｌ :}
　 | : ﾚ .|:::::::::○三三○　ｌ :|　　　　　　　　このままでは我々は敵中に孤立すると士官Cは主張します
　　|: : :（| ⊂⊃:::､_,､_, 　⊂l:/
　i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u:::::::　　u. ﾙ|_／⌒)
　ヽ　ヽ从ヽ,､::::::__,u.イ从/ ヽ／
　　∧___,ﾍｉ.ｉ:.:＼__八__／:ｉ.ｉ　　ﾊ
　ヾ　　 .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.}　　ｿ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∩＿＿＿∩
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ＼　　／　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒/●　　●（⌒）l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|　(●_　)　＼＼ミ_
　　　　　　一刻も早く漢寿まで撤退して魏軍を迎撃すべきだクマー！！！　　　　　　　彡､|∪|　　　　＼＿）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽノ　　　　　|
　　　　　　ここにいても何にもならんクマー！！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.）　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　／~|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　/　　｜　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　）　　｜　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＿／　　/＿/

965 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:23:56.05 ID:oThjCM51o

【>>964修正】
―　蜀軍陣営　―

　　　　　 , '´￣￣｀ｰ-､
　　　／: : : r‐r==========、
　　 /: : /├l‐１ ―――――|
　　,': :∧〉}‐ヒL二二二二二.｣
　　{: :ｉ: ｉ /ゝﾉｲﾉ　l/u. ⌒ ｌ :}
　　| : ﾚ .|:::::::::○三三○　ｌ :|　　　　　　　　このままでは我々は敵中に孤立すると士官Cは主張します
　　|: : :（| ⊂⊃:::､_,､_, 　⊂l:/
　i⌒ヽ: :ゝ:::::::::u:::::::　　u. ﾙ|_／⌒)
　ヽ　ヽ从ヽ,､::::::__,u.イ从/ ヽ／
　　∧___,ﾍｉ.ｉ:.:＼__八__／:ｉ.ｉ　　ﾊ
　ヾ　　 .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.}　　ｿ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∩＿＿＿∩
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ＼　　／　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒/●　　●（⌒）l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|　(●_　)　＼＼ミ_
　　　　　　一刻も早く漢寿まで撤退して魏軍を迎撃すべきだクマー！！！　　　　　　　彡､|∪|　　　　＼＿）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽノ　　　　　|
　　　　　　ここにいても何にもならんクマー！！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.）　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　／~|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　/　　｜　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　）　　｜　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＿／　　/＿/

966 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:25:10.63 ID:oThjCM51o

　　　＼三三三三三三三三三三三三三三三三三／
　　　　　 7: : :/. : :/. : {:∨∧: : : : : ｀ヾ: : :ヽ: :ヽハ才
　　　　　,: i : :{:: ::/. : :∧:∨∧: : : : : : .∨: : :': : i: :{
　　　　 {: |: : }: /_才/:ハ:.∨∧: : : :斗弌: : : : : : ::!
　　　　 j八: :{/彡,:ｲ云ｰ: :乂ハ=彳ハ: {ﾊ: :/ ,: : :!
　　　　从: 乂ハ　　　｀｀ヾ　　　'"　　}ﾘ　}'. / : : ;
　　　　　 ∨: : 爻_ゞ＝=-　　　　　r==＝彡彳.: ::.′
.　　　　 ∨: : 八　　　　　　　　　　　　イ. : : : .'
.　　　　　　 ∨: {: :≫. 　　　　_'_　　　　乂: ,.: :/
　　　　　　 ∨从ハﾊ＞　. -‐ミ.. . .イﾊ.: :/: /
.　　　　　　　乂{　　　. ィf　-‐:._}ヽ(　 .ｲ乂::.′
　　　　　　　rfー--‐ " ィ{ .二二}=ミ｀＜从(___
　　　　　　/:ﾌ {　　／／:.　-‐ ｦ　＼　　　}　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　广⌒　　ヽ　＿　　/　＿ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ヽ　 ,　':￣∧: : : : :-‐. '´: : :∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/て／: : : : :/: : : : : : : : : : : ￣:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　z=ｷ=/ : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : .、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {廴.」《|.:.: : : : : i: : :|: :i: : : : : : i:|: : : : :ヽ: :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`彳: .i: : : : : : |:ﾄ:_ﾄ: :!: : : : :/ｌ:i: :|: : : : ﾄ:.|
　　　　　　　大将軍。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i://|: : : : : :i立V~ヾﾊ: : / _ｻⅥ: :/: :il
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///∧: : : : ト:::::::ド　 ∨ ｲ::::丁ﾚ:レ':|
　　　　　　　私にはあなたのお考えが分かりませんが、　　　　　　 ////{ﾍ: : : : !辷_ｑ　　　　辷ｑレﾘ: : :.!
　　　　　　　ひとつだけ言わせて頂きたい　　　　　　　　　　　　　　.///∧: ﾍ: : : i　　　　　。　　　/i: : : ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　// i {　L: :.＼:.ト、　　　　　　∠:.!: :./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　l l　　ﾑ⌒ﾄヽ,=＞ｫTニイ~ヽVイi ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　 | |　　7/:.J　＜　　才　`７＜ヽl |ヽ, i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' ,　　| |　〈:.:.:.:.:ﾚｊ＜＼/ハ∨ヽ、{:.:|| |　| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　| |　　ゝ:.:.:.:.ん　⌒　ゝ-イて,イi |　| |

967 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:26:20.11 ID:oThjCM51o

　　　　　ｌ /ー- ､!|　　　　　　/　　　　　　　　　＼　　ヽ. 　＼
　　　　弋ヽ_,_ ノ !.　　　　　/　　　　　 i.　　　　＼ヽ　　＼　　＼
　　　　　! ｀‐!L イ　　　　　 !　　 /　 .! .|:::.　　　　! |. |:. 　 ! ｌ:. 　ハ
　　　　　|　日　.:! 　　　　　!　 /.|　 ::|　Ⅳ::.　　　! |: |::::.　|::|::.　 |　!
　　　　　!　日　::|　　　　　!　ﾊ::ﾊ ::::!い ∨:::　　ｌ|ｌ_ﾘイ:　| ﾊ::.　|ｌ !　　あなたは我が国の大将軍。
　　　　_」-=ｦﾄ､_:::!.　　　　__| ::| |_! V::|　ぃ Ⅵ::: .斗テｱ:: ,ｲ | |:: / ||
　　　//　 ,仆､＼|　　　　　|_工ｺﾆ弍ﾋ=‐＼ヾ./ｲ/７ / / ｌ/ !!/　 l!　　 .確かに北伐は国是なのでしょうが、
　　　ヽ〒ｲ || 廴_ﾊ　　　|ヾ､ｨ´ |::::::::::ﾄ　　　　┴'´/ /　/! /　　/　　 .それ以上にこの国を守る事こそが……
　　　　ｌ'/　!!　　ｌ　',　　　!　!::|　之ﾆ-'　　　　、　イ::: / |ｲ|
　　　 'イ | ｌ|. :::.::＼∨　　!: ＼!　　　　　　　ﾉ　ｲ::::: 　| |ﾄ､　　　　 .大将軍たるあなたの責務ではありませんか？
　 .／　 V/ハ:::::::::::｀∨　　い＼　　　　 , -ｧ　／:::|::::: ::. ! l|　＼
／　　　 ∧ヽﾄー廴ﾄ､∨　　ﾄ､’ 、　　　　 ¨ ／-､:: |:::::.: //ﾊ　｀i|
　　　　.// ＼　 / /　/＼　 ! ＼､｀''　ｧ‐- 'ｌⅣ -ム!:::: /冫 |!　 ||
　 ,...-//―- ､/ ム‐'　　＼　ｲ｀ヽ､/　　　ヽ∨‐/.|:::/ /　＼ /|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨:::::::｀ー――────‐::::::´::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_::.ｨ:く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀:.ー―------------――:.:.:´:.:.:.:.!:.:.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　 ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,′
　　　　　　　　　　　（……大将軍、か）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.',:.:.:.;､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾘ'ヽv､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;イ:／l:.:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　^ヱｴ≠＜/_／　 l／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __;vｧ_ -‐ ´￣￣￣￣　｀ー'-〈⌒Y７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そ |z./　　　　　　　　　　　　　 /　/_ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｽ　l　{　　　　　　　　　　　　　f´ /_/　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　」. !　!　　　　　　　　　　　　そ/ _/　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　７ !　ゝ、,､　＿　__　, ､ｒ-Ｊ / _/. 　　 ',

968 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:27:52.92 ID:oThjCM51o

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　　　　　　　＼／／/////////,-‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐'.､
　　　　　　　く///////-'":::::::ﾍ::::::::::::::::::::＼::::::::ﾍ
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　　　　　　　　＼／:::,'::::i::::::',:::::::::::::',ヾﾍ､::::::::::::::',:::::::::',
　　　　　　　　　　 /;:::::::;:;;;;;i､::k:ﾍ::::i､:::::'/ヾ,=≠i:::::::i::::::::::γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　 7,'i:::::::i:::::::',-',-=ヽi::::::::i ,ﾍ､::ワi::::7',:::::i',|　　　国士無双と言われるような大将軍になりたい　　　　|
　　　　　　　　　 i,' ',::::::i:;:::::::', ,=示､｀~iﾉ　　`~ ﾉ:/:::::::iﾘ .ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　|　 ',::::i:ﾍ:::',`､.弋,ﾉ　　 ,　　〃i:::::::::i
　　　　　　　　　　 7::ﾉ､::ﾍ:::::=--　　 , -='j　./::::::7i:i ,､_y'ヽ
　　　　　　　　　　　 /:/ヾﾍ::::::::::＞ . _　 `　 ´ ｲﾍi:::,' ﾘ//_〈: :ﾍ　　　　　　　　　　　 ,､＿
　　　　　　　　　　ノ-′　ヽ＼::::::::::::::::::::::ﾍ _ ,-'.7:/　7//: : : : :ﾍ　　　　　　　　　___ .i'　i　.',,-､　　　 ,　------ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ::::iヾ≧ヾ---､,〃　 i i　7: : : : : : ヽ--､__　　,- ､i　.i~i　|　7　7 　／,-‐´¨¨¨"'‐､＼
　　　　　　　　　　　　　　 ',ﾘ'／／,-'i::ﾍ＼＼i i i'": : : : : : : : : : : :, -／｀ ,-',　i ', ,i_/.i_/.＼//　　　　　　　ヽ__ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i'./／: // i',::::ﾍ .＼＼,': : : : : : : : : ／: .ﾍ'　 / 　 ,ﾍ.'＿＿　｀i　i i　　 /￣￣ `.i　/　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/､:::/:/ i　i　i::i',::',　i ﾉ7: : : : : : : : /. : . : .,+､ i　 //ヽ---'´', 　 i .i i　　.i 　　　 i./ /i .i
　　　　　　　　　　　　　　＿, --' /　i::i　i　j　.i::i.＼ﾆ／: : : : : : : :/､: : : : : i',　i＼i i コ:::::::::::i ',　 i .i i　　.i　　　　.j' /./　!
　　　　　　　　　　　　 |: : : : 7// j::j / / / ',::',　　i i-; : : : : : /　　ヽ.､: . ',　i､ヽ,.i　ヾ::::::::::7i　..i .i i　　.i 　　　 i i.//　!
　　　　　　　　　　　ヾ: ; y iヽ/::/ i　i i 　＼＼_i ヽ: : : : く,　　　　/.､i_ i　､＼.iﾍ　i::::::::::i i　 i .i i 　 .i 　　　 i /　i ..!
　　　　　　　　　　　　　　ヽ; ;ヽ／／__j　i ヽ-'"~-＼＼: ／i,／i　　i--'≠ .ヽ! .i＼ i＿､ヽ,;;;;7.i　 i .i i 　 .i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　そう願って子供の頃から励んできた　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

969 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:28:59.70 ID:oThjCM51o

【紀元２２８年春　魏　雍州　天水郡】

　　 .:.::／",-入
　.:.:.::／シ´:::::::::ヽ
　　 |ニ.／／ﾆニ二二二二ﾆiｰr､
　　 lﾆ/ ／ﾆ二二＞´￣￣､￣｀ｰ､}
　　　!／ﾆ二＞' ´ ‐-　　　ヽ　　ﾊ
　　 /ﾆ二／　＼ _ 　＼＞、-＼　 !
　　lﾆ二/､｀ _ヽ　　__　≡±-ﾄ、､.∨|
　 └―{i　　 !ゝ,､_＼=｀ﾞ「 lｿ　 !｀ヽミ　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　 |l　､　lヽ}ｽ! ‐ ￣｀´ 　 }l　ヽヾ　　　　 |　　けれど、魏では州の従事から郡の役人に回された　 |
　　　ヽ＼ﾉ､ｰ‐'　i　　_　　　ﾄ　i､ﾄヽ、　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　｀　∨＼　　　´　　／ !ﾊl　 ! ｀!|
　　　　　　　ヾ _二＝― 'ｰ-､! ∨「　ﾚ　　　
　　　　　　　　　ｿ::::∧:::::乂ﾊ､ｖ､ヽ>ｒｒ< ｰｯ、　
　　　　　　「ｼ:::::::::::Ｖ::::::仏 ∨_l::ﾄﾊ＞}::::{
　　　　　　　　l !:::::::::::::::v::::1-ﾋ　　l::| 小ヽヽ
　　　　　　　　ｙ!::::::::::::::∧::::l::::r{､　l::! V] ヾヽj　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　 i'::ﾄ:厂ﾄ､:::::V::|::::｀} !_ ~__ ヾｒ､ Vｆ､　　　　　　　　　　　　|　　思うような立身は望めそうになかった　　.|
　　　　　　　 }::「　/　　~「ﾊ_j:::::::ヽ-<_＞‐くｰ_,、）　　　　　　　　　　　.ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　ﾞ´! /　　　ﾊﾆﾆﾆﾆ､ﾉ::::::!､.〉〈ｆﾄ;ｊ::::i
　　　　　　　　_y 　　 ,'　＼ﾆﾆﾆﾆ≧ﾆ｀ー´ｊ-､{
　　　　　　　「　＿　 ,!　　 !ﾆﾆﾆﾆ ,--､ﾆﾆ{. <＼
　　　　　　 _]＿-― v　　　ﾞiﾆ／´:::::::::_＼弘::::ハ､_
　　　　　　{ jｭ　　　 !　　　 |/::::::::::::::'::::::::::､:::::::::::::::::::￣::ー-...
　　　　　"｀'　　　　　 l　　　 !:::::::::::::::::::::::::::::｀::ｰ:::::::::::::::::::::::::::::::￣｀ヽ

970 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:30:08.06 ID:oThjCM51o

　　　　　 !　　　　　　,.　 -‐── ────┴ ─‐┐
　　　　　',　　,.　　'´　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　 > ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　く　　　　　　　　　.　-‐=＝＝＝＝= ー-く
　　　　　＼　　,.　. :"´: : : : : : : : : : : : : : l: : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　>'´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ./ハ: :.l: :!: : : : : :l　　　　　　　　こうなっては仕方ない。
　　　　　　　　i: : : .: : . :. {: : : : : : : :./　/ﾊ: l.: !: : : : : :}
　　　　　　　　|: : |: :.|: : : |::.:.:.:.:.:.｀メ､ //　V: :l: : : l : ;′　　　　　　　一旦蜀軍に投降しようか？
　　　　　　　　|: : |: :.|: : : |::|: : :∠イ_〃＞　Vく: :./}:/
　　　　　　　＼|: :.|: : : |:.|: : :`弋夕ｿﾉ｀　tり:.:/ l/　　　　　　　　　.魏軍が巻き返すまでの我慢だ
　　　　　　　　　　　＼|ヽ: :|.:|: : : :.i.:|￣　　ヽjⅣ
　　　　　　　　　　　　 }ヽ仆ヽ: : : :lN　　 _ _／: :l
　　　　　　　　　／￣￣｀`ヽ､: レ'´￣｀): : : :l
　　　　　　　／　　　　　　　V　　`ーﾕヽ.:.|
　　　　　　　　,ん子こ`ヽ　　　　 |　　　　　ﾕ､l./
　　　　　　　,ん'´: : : : `ヽヽ　　　|　　　　　l ﾊ'′

　　　　　　　　　　　　　　　 .γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　蜀でなら、もう少し立身できる可能性がある　　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∩_＿＿_∩
　　　　　　　　　　そうするしかないクマね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ノノ　　＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　●　　 ● |
　　　　　　　　　　悪いのはあの無能太守クマー　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ　　　( _●_) ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -(＿＿_.)─(＿＿)─

971 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:31:50.18 ID:oThjCM51o

【紀元２２８年２月　魏　雍州　祁山】

　　　　　　　　　　　　　　　,　-―－- ､
　　　　　　　　　　　　／　　　　 /　　＼　　　　　　　　　　　　　 ,､- ┬‐r-　､
　　　　　　　　　　　　　/　　　/　　l　 |　:l :.',　　　　　　　　　　／　＼　　ヽ.　＼
　　　　　　　　　　　　 !::. 　　l　　 |/ｰV.::!リ|　　　　　　　 /.:　 l ﾊ.　＼米}　　　＼
　　　　　　　　　　　　　l::::...　:|　／} くlj ∨'　　　　　　　　　　ｌ|::.　/- ､!.|　:.ｉ　|:　／:下
　　　　　　　　　　　　　ヽ::::.::...',:.　N　　､_〉　　　　　　　　　　ｿ'=､　V　.:}　|/.:　　:.',
　　　　　　　　　　　　　　｀－:ﾄ､ :ｌ_＿ﾉ　　　　　　　　　　　　〈　　　/l .:/米l:.　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　/ー-＼ﾄ、　　　　　　　　　　　　　　ヽﾌ　/'´|　/{:.　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　 / __　　〈ﾘi　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー:∨､| _i::.　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 /_/.: ::｀i　 |!　　　　　　　　　　　　　　　 _　　　/| 〈l　i::::.　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　 /.: :: :: :ｉ|!　|!　　　　　　　　　　 /´ ¨i　〈|l　/ ｌﾄ､:::.　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /.: :: :: :: l:l!__|!　　　　　　　　　　　　　＼, -〕、|} /／: : :.l:::::.　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 i|:: l:: :: ::.l:: :Ｔi　　　　　　　　　　　　　　〈'／　＼: : : : :.:/;;ヽ::::.　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　厶:｣＿, -!_::｣;;l　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 l､: : :/;;;;;;;;;ﾄ ::::.　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 l;{　l　　〉;;;;;;;;}　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、_|: ｉ: :|;;;;;;;;;;;;〉丶:::::.. 　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 r｣__}＿{::ヽ;;;;ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　/l:. :/: :|ｲ;;;;;;;／ヽ:　＼:::...　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　{　!° 　l:: :∨｜　　　　　　　　　　　　　　 //:: :|!: : l:|;／/: : : :ﾄ:.　　丶:..　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　{　!　　　|:: :. :　',　　　　　　　　　　　　　　└{: : :.＼:|: : :/.:l: : : :l:ﾊ:.　　　｀　、. 　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　{　!° 　 i:: :. :　|　　　　　　　　　　　　　　　 |:_: :. :./: : /: :l: : : : i: ﾊ::.　　　　　　－　＿　＼
　　　　　　　　　　　　　　{　!。ｉ　　|:: :. :　|　　　　　　　　　　　　　　　 /:￣: : :./: : i: : : : :|: ハ::::..　　　　　　　　　｀ ‐-ゝ、
　　　　　　　　　　　　　└ こここj:: :. :.　}　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : :/: : : : : : : : : : : ヽ:::::::::::......　　　　　　　　　 ',

　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　そういう気持ちがなかったと言えば嘘になる　　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

972 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:33:07.41 ID:oThjCM51o

　　　　　　　　 ,.ィ´ｨ'￣　　※　　　 ,二ヽ
　　　　　／ｨ'´　※　　, -―‐':´: : : : :｀ヽ､
　　　　／／　　　 ,.ｨ'´: : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　 / /　※　／: : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : :.ﾍ　　
.　　　 / .,'　　／: : :l: : : : : : : : : /: l: l: : :ヽ: : : : : ',　
.　　／　 ! ※/: : : : :l: : : : : :/: :./l: :l:.:lﾑ-‐:ヽ: : : : :',　
　 /　　　l　 ,': : : : : :l: : :/:_/__:/　!: l: l　ヽ､:､!: : : :i:.!
　＼ヽ,　',　l: : : : : : l: :/´/:／　 !: l:/,ｨ示'!`十: : ;'',:!
　　　`l: ＼', ';: : : : : :l:/／ﾓﾊﾐ､　l:.:/ ﾘけﾘ i　l/: /　'!
. 　　 l: : : `､ﾍ: : : : :/!ヽい::ｶ　 l/　　ゞ'　l　 l:/!　　　　　　姜維は軍事にはなはだ敏達していて、
　　　 l: : : : : `r‐/`Y`r‐､ゞ‐'　 /　 '　　　/　.//ｰ､　　　　　度胸もある上、兵士たちの気持ちをよく理解しています。
.　　　l: : : rﾍｰ! i　/　l ｲ.ﾄ､　　 r‐ ''7　／※／ﾉヾ,　
　　　; : : : 〉ﾉ `ヽ､　　　_,､ `ヽ__ゝ‐',.ィ´/ ／ r'´::::::l　　　　　この男は漢室に心を寄せ、
　　 l: : : :l:::ゝ､〈. ｀ｰ､´_i`ｰ'´ﾉ､￣　 ./　l　r､〉::::::::!　　　　 .人に倍する才能を有しているのです。
　　 !: : :.:l::::::::ﾉ　〉　　lゞ＝＝l圭ﾄ､　/※.!ﾉ:::::::::::::::l
.　　 l: : : :l::::::::`i ゝ_　 i　　　l　l |ﾐ!ﾐ!/　 //::::::::::::;ｨ::l! 　　　　軍事教練が終わったら宮中に参上させ、
　　 l: : : :.l::::::::::::ゝ_ ヽl　　　l　 !lﾐ!lﾐl ※ /::::::::／:::::::!',　　　　主上にお目通りさせてほしいのです
.　　l: : : : l:::::::::::::::::::ゝl　/ 　　 l ゞ彳! .,ｨ`ｰ':´::::::::::::::!:',　　
　　l: : : : :l:::::::::::::::::::::::!./　　　 l　　／:::::::::::::::::::::::::::::l:.ﾍ　
　 /: : : : ,'::::::::::::::::::::ﾐ!　　　　 ,'　 /ﾐ!::::::::::::::::::::::::::::::::l: :.ﾍ
. /: : : : :.l:::::::::::::::/l::lﾐ!　　　　,'￣｀ヾｭ:::::::::::::::::::::::::::::::l: : :.ﾍ　
/: : : : : : '_:::::::::::::/:::lﾐ!　　　 /ヽ　　ヾ!;::::::::::＼::::::::::::ﾉ: : : :.ﾍ
￣￣￣￣`,＞‐´:::::lﾐ!　　 //＿＿＿ヾzj:::::<X>＜´￣￣￣￣
-―:':´￣￣:::::::::::::::::lﾐ!-‐'´/　　　/:::::￣ﾐ!:::::八:::::::￣￣｀ー-､
ﾐｭ:::::::::::::::::::::::::::::::::::彡":::ノ　　　＼::::::::ヾ=ｭ､;_::::::::::::::::::〃｀―
.¨ゞ＝==ｭ､_,ｨ=＝彳-‐ '´　　　　　　￣｀ｰ-､::::ゞ＝ｭ=ｷ彳　　

　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　そんな僕を、丞相や大司馬は可愛がってくれた　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

973 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:34:44.58 ID:oThjCM51o

【紀元２４６年頃　蜀　益州　涪】

／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
|　　初めは、また丞相の病気が始まった　　　.|
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／

――――――――――――――――‐:::::;‐; ─―――――――‐┬─　;─┬;‐r;───‐.;───────
　　　　　　 /　　　　　　　 __＿　　　 ∨/　　　　　　　　　　　 i　ｈ/　　｛(ノ{{＾7ﾆﾆ.,≦{_
　　　　　　　　/　　　　　　　´　　　./　　　　{〈＿＿___/.　　　　　　￣!　｣ !(＼｛{,ノ}}/　 _,《:.　　｀ヽ
　　　　　　　　　／　　　　　./　　　　　ﾞ7/:'　　/./　　／￣￣￣　 |r{ i, =ミ.∨}}.≫＜{代≫.===､}
　　　　　 .′　　 /　　　　　　 /　　 __　　//:'　　/:/　／　　　　　　　厶V　　　}}≪ 　　 )〈／　　 {
　　　　　　/　　　 /　　　　　 .' ∠::::__｀ヽ.　　　 └‐く＼　　　　　／／.≫__ .ノ′}} `'＜].__}　　　 ∧
　＼　　　　　　　/ _,ｺ} 　　　 ' {/´　.: 〃､:.　　　　　　＼　　　／／／;／ {{≫‐≪　　 .;;}⌒'＜__　 __}
　　　　､/ 　　 /　jﾆ入　　　 /　i　..:::　}、ﾉ::} 　　 ,　　　　　｜/∠,,_/　〃　　＞x＜　　　　'⌒ﾏ〕
　　　 / ＼　 /　じく,ノﾍ__,／　 {≦フ´＞'´〕　　 ,　　　　　　　└r'┐}_j__ .″　　 ´　　　＼　　厂￣ミ;
.　　 /　　　 '/7/──　,く__,､_,ィT}厶'" 　）､　 / 　　　　　 {上Jイ九｣{　　　　　　　〕≧{　　　.;;;;}
　　 ′ 　 ///こ二　　〈　}}　＼／⌒　／{:::::}　.　　　　 ,:'三:.、└＜彡仏,，-‐ 　￢ｉ下|ｉ弌弌...;;;;;;;;ノ
　　,:　　　/// ｣ー‐　厶-亠＜{⌒>イ三ミヽ:| ,′　　　 {´::...｀}　　　＼/{｛,，-‐　￢|　 |ｉ　 }＼}¨¨´
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　そんなふうに思ってたんだよ　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／

974 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:37:07.27 ID:oThjCM51o

　　　　　　　 : : :　 .: :}{⌒/⌒}　　　{⌒/⌒} 　 {⌒/| |
　;　　 . .　　 : : : : : :/-ｔ――‐=＝＝ﾆﾆﾆﾆ＝=―-';＼
　　.: .:　　　: . : : : :./. : : : : : :{ : : : : : : : : : : : : i : : } : : . ＼
　. . :　　　　: : . : : :{// :i: {: 斗 i:十┼|: : : : : : ﾑ--､: : : : : .ヽ
. :　:　　　　　 : : : /:ﾊ:ノVヽ{ Vヽ{ヽV. :/ : : :/jﾙ}:ｲ:,ｲ: }: : :} }
　 : 　 . : 　　 : : /:/Y: | ,ィﾁﾃ示ミ:､ }:ｲ : /ｲ示ミ､jﾉ } :} |:/jﾉ　　　けれど実際に会ってみたら、
. : 　 . :　　　　ノイ: :!: {{　{ぅ:::::: }　ﾞ　'j／　{ぅ: } /／.;ｲjﾉ'　　　　 .丞相の見立てどおりだったから驚いたんだよね。
　　 .:/　　　　 . : :| : |: :.i　乂__.ノ　　　　 Vﾂ ' j／{ !
　 .::/　　　　. : : : | : |: : :.　　　　　　　　　ﾊ : {　　　　　　　馬良以上の人材ってのも嘘じゃないって
　../　　　. : : : : : :|: ハ:. :|　　　　　　 '　　 / 人: :.､
: /　　　. :　: :./ . :|/ :i:ヽ:{　　　　､ ‐ァ　　ｲ:|｜ lヽ:.ヽ
...'　　　: 　 : / . :,.': : :|: : .＼　　　　　　 .イ:. :|｜|　|　 : : .
.　　　　　 .:/ . :/. : : :| : : |: :.ヽ　` ｧ‐-＜　|:. :.|｜|　|　　ヽ: .、
..　　　　　/ . :/. : : /:!: : :ﾊ: : :.＼_{＼　　　|: : : :{ |　| 　　 }: .ヽ

　　　　　　　　　　　蜀　大司馬　蒋琬　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:::::::::::::小:､: : : :: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;.:.::.l.l.:::/i::l.:.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:. : : : :.: : : : : : ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //.:.:l.:l:ﾚ'　i.:ﾄ､;ﾄ､:ヽ､:.:.:.:.ヽ: : : :: : :　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/ i.:.:l::|´￣l.:l　ヽ仁lﾆﾐヽ.:.!::::::::::::::::.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 VN:!行F::l 　〒ﾃﾃﾐヽ.::!.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.!
　　　　だからと言って、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:1 少'ﾘ　　弋辷ｿ l:.:.:!.:.:.:.:;.::::!.:.:::l::::!
　　　　どうして僕が衛将軍・録尚書事になる話が出ているんです？　　　　.l:.l　　　　　　　　　/.:/.::::::/:::/:::/:l::;′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l:.ﾄ､　　　　　 /,:ｲ.:.:.:./.:./.:./://
　　　　董允様の方が適任でしょうし、僕は他国の人間ですよ？　　　　　　 .l.:l:.:ヽ　｀　　　　 ,'.:.:./.／.:./://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:.:.:/ ＼_ ＿　　イ.:.:/l´.:.／l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:.:/　　　　 i　　　l.:./ 」.:/　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:/　　　_,ﾑ　＿」/￣｀L_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′　_,. イｨ介:､　　　　　　＞ｭ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ「ﾌ7　l//iﾄ､ヽ　　　　 /_ﾉ.:.:.:.ヽ

975 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:40:46.11 ID:oThjCM51o

|　　　　　　　　　　　　　　　 /　} ヽ⌒ヽ＼}／
|　　　　　　　　　　　　　　 /＿ﾉ＿＿ヽ__/
　＼　　　　　　　　　　　　 // __/ ,| ||| | |
　　　　　　　　　　　　　　　　 /7´／}/ |ﾉ|| | |ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　/ .{/＿,,　　 |ﾙﾘ＼　　　　　　　それ言ったら私や費禕も他国出身になるんじゃない。
　　　　　　　　　　　　　　/ t彡ﾃ'' 　{彳∨ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／ | 弋ｼ　　ヽ _ ヽ　＼ }　　　　 .そこに関してとやかく言える人はいないでしょ？
　　　　　　　　　　　　／　|　| 　｀　　　 | |　}　 }|
　　　　　　　　　　　／//.　|　|　　　　　　 /　|　|　 ||　　　　後、北伐を続ける以上、
　　　　　　　　　／　//.　 ||　| 　　 ,r 7ノ //| || ノ'　　　　 .最前線に立つ人間は軍事を理解してないと困るし
　　　　　　　　／// //　 //|　|　　　ｰ'//{ヽ　| ||
　　　　　　／　// /＿／ノ|　|ト __ ノｌ'| | ヽヽ|||
　　　　　／ / // //| 　＼__|　|　　＼| |ﾉ　　 }|ﾉ
　　　／　 / // // |　　　＼ノ　　／　　　　}

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　/　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '　　　/　　　 ,'　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　 / 　　 /| l　　　　　',　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　:　/　　／　| l! |　　　　 ,　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　l:　　|: l:　／'＿　l |:',ﾄ､:.:..　　:ｌ　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ:. 　 l:.:／ /　　　｀',l ヽ＼:＿l | 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:　／:l　tz=:x､ヽ.　|　＼　ヽ}:j.:.: l|
　　　　　　　　　　　　　　確かに　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !:.:.. 　.:ト弋しﾂ　　　　 fｽTァl:.:.:/'|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:.:l:.:. :.:ｌ　　 ~´　　　　　ゞﾂ /.:.:/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ!:.:.:.:.:l:.:.､　　　　　_ '　　 /.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾄ､:Ｎ/｀　、 ´ _ ..　ィi.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ｔ-､- '´ |　＼　 /､ﾚ' |.:./ j/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r.」/しﾍ　　　　　,＞ﾑ、＼j/_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 L/　　〔_jﾍ　　　/ /! ﾄヽ　 i う

976 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:43:17.91 ID:oThjCM51o

　　　 i　　　　　 i ｃ　ｒ､　 (_ノ　ｖ／ )_ノ　ｒメ､
　　　｜　　　　　　{　／　( _／ソ／＿＞Ｔ´　　ヽ､
　　　　l.　　　　　　 /ー-t―.T´7i￣,i　ﾊ.トi-r‐'､　「｀
.　　　 ', 　　　／　ー/-ｧ=l7´ | ./l　,'　j,rＶﾍ. 「ヽ}　　　将軍としての力量は申し分なくて、
　　　　 i　　　∠ =イl　/! /|ﾆ示`l/　i/　伝Ｔ　| |　　　　 .政に関して通暁する所まで行かなくても理解はできる。　
　　　　 ,!　　　　　｜Ｙﾚ行し::;｝　　　　じ;ｿ　l｜
　　　　/i　　　　　 l　｜ '弋ｸｚｿ　　　､｀" 　 !,'　　　　魏延や楊儀のように偏屈じゃない。
　　　 ,'　!　　　　 i 　 !　　　　　　　　　　ﾊ
　　　,' 　| 　ヽ、　 !､　|ヽ、　　　　　　　_,　　ｲ　l　　　　姜維はまさに打ってつけだし、受けてほしいかも
　　 / 　 !　　　＼ l V ',　｀　_ 　　　　　イ i l　 !
.　 /　　　　　　　　ﾄﾍ. ﾄ-ﾆ＿｀7ｰェ‐＜/　!川　ﾊ
　 {　　　　　　　　　ヽヽ＼　　￣｀7､ .i/　 i!ﾉﾉ｛｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.:::::::::::::小:､: : : :: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;.:.::.l.l.:::/i::l.:.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:. : : : :.: : : : : : ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //.:.:l.:l:ﾚ'　i.:ﾄ､;ﾄ､:ヽ､:.:.:.:.ヽ: : : :: : :　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l/ i.:.:l::|´￣l.:l　ヽ仁lﾆﾐヽ.:.!::::::::::::::::.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 VN:!行F::l 　〒ﾃﾃﾐヽ.::!.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l:1 少'ﾘ　　弋辷ｿ l:.:.:!.:.:.:.:;.::::!.:.:::l::::!
　　　　　　　　　そうですか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.l　　　　　　　　　/.:/.::::::/:::/:::/:l::;′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:.ﾄ､　　　　　 /,:ｲ.:.:.:./.:./.:./://
　　　　　　　　　大司馬にそこまで言われては断われませんね　　　　　　　　.l.:l:.:ヽ　｀　　　　 ,'.:.:./.／.:./://
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:.:.:/ ＼_ ＿　　イ.:.:/l´.:.／l/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l.:.:/　　　　 i　　　l.:./ 」.:/　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:/　　　_,ﾑ　＿」/￣｀L_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′　_,. イｨ介:､　　　　　　＞ｭ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ「ﾌ7　l//iﾄ､ヽ　　　　 /_ﾉ.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /7´ l L_//} ﾄ､ヽﾉ　　　 /_ﾉ.:::::::::　ﾞ､

977 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2012/11/24(土) 23:44:20.42 ID:aavQQRBdo

そういえば元祖国士無双も最期は哀れだったな

978 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:46:40.78 ID:oThjCM51o

　　　　　　　　　　／／. : : : : :.｀ヽ､　　　　　　/
　　　　　　　　　 /:〃. : ／ :/ｨ´{:.:ﾊ:｀ヽ　　 /
　　　　　　　 .イ: :':/∠:_: ｨ =ミ､ﾒ /ｨ: : .ヽ、/
　　 .　-ｧ:.´{ 　 |: :/′ 　 {{　/:７ヽ｀7 :/. :! {
'´ 　／.: :ノ`　 |: ′ 　　ヽ{ﾂ′ /:イ : 人{
.　／＞< 　　 | l　　　　　　 {　/／　｀　　　　　　　　　　　　　後は頼んだよ
'´|￣ヽ　∧　　 } |　　　　　　ヽ'
　} 　 ∧　∧　,' ,'　　　　　__　　 r ´
./∨　 ∧　∧|: ﾄ､　　　 __｀ '
′ V　　 }　　l! :lヽ＞.. _／
　　 }　　 ! 　 , : |　}⌒|: ヽ
　　 }　　 !　 ,'. : !　　 !: : l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨＿＿＿_　　　　　　　　　　　 |　　　　　　》,
　　 } 　 ,′/ . : |　　 |: : |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　／: : : : : : : : :｀　　.　　　　　　　｜　　　　／/
　　 }　 ,　/}: : : :|　　ｲ: : |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : :｀　　.　　　　　　|　　　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : : : : / :ﾊ: : : : : : :!: : : : : : :｀　、　　　|　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　/／{: :__;ｲ_:/　'. : : : : ;ﾊ : :｜: : : : : :＼　 /／／ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´ 　＼/ Ⅳ｀ヽ＼／_　| : ∧ : : : : : : : ＼.／　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|､＿__　　　　｀ト/、|: : ;ﾊ : !: : : : ヽ.　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :| 下ｨ!｀　　､＿＿＼/ : Ⅵ/ヽ: : :l V
　　　　　　　　　父上。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|　ﾋり　　　下ィ!｀ヽ|: : : :|r　 } : |: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :{　　　　　　ﾋ'り　 |: : : :iノ /: : |: |
　　　　　　　　　これ以上はお体に障るでゲソ　　　　　.　　　　　　　　 | : ＼　　　　　　　 " |: : : :lイ: : : :|: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : :＼　、_ 　　　　 |: : : :| | : : :｜,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : : : |_＞ｰ―┬‐　 ´|: : : :| |: : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : : : ／　__,/厂｀ﾊ　　　| : : /　`く＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l : ／　/´ //　〃|　　　!:／　 .／／＼_

　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　やがて大将軍になった僕は、魏に出兵を重ねた　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

979 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:51:24.66 ID:oThjCM51o

【紀元２５３年４月　魏　雍州　豲道】

　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　／三三三三三三三三＼
　　　　　　／三三三三三三三三三三ﾐ＼
　　　　　　|三三／二二二二二二二二＼ﾐヽ
　　　　　　!三／三三三三三三三三三三＼|
　　　　 |／三三三三=―――-ｘ,,;:三三三＼
.　　　　　/三ﾐｘ-'''".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`''ﾄ三三三ヽ
　　　　 /::三/.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:i.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.ﾊ.:.:.:.:.:ヽ三三}
.　　　　{:三ﾐ{.:.:.:.:.:.:.,'.:./.:.:ﾊ.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.ﾊ.:.:.:.:.:.:',三:/　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　ゝ:三i.:.:.:.:.:.:{.:从_:{_ ヾ.:.:.:.ヽ.:.:.__ﾊ_.:.:.:.:.:}／　　　　　　|　　漢王朝の再興　　 .|
.　　　　＼;;',:.:.:.:.:乂ィ=≧ﾐ＼:.:.≦=ミ:}.:.:.:.:.:.!　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　 i.:.:.:.:.:.ﾍ弋;;;ｿ　　　（u.ﾉ ",'.:.:/.:,'
　　　　　　　 }.:',:.:.:.:.:ﾍ"~　　　 ,　 ~" /.:.://:{
　　　　　　　ノｲ＼:ヽ:ﾐ、　　-- 　　, ｲ.:./.:{乂　　　　　　　　　　　　　　　
. 　　　　　　　ヾゝ＼＞- .ｨ≦.:/!:人トゝ　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　／￣＼`－ｘ_i__孑ーﾍ--.、　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　　　　　　
　　　　　　　　　/　:::::::　　＼ /介＼　　ヾ:::::＼　　　　　　　|　　　　そのためには悠長な戦略なんて採れない　　　　 .|
　　　　　　　　 {::::　　::..　　　`.八ヽ》　　ヾ:::::::＼　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　i:::::::ﾍ＼::::　　　 `x＿　　　ヾ::::::: `-.、
　　　　　　　　　ヽ:::::::ﾍ.　＼::::..............　`'''ｘ＿ヾ::::::::::: ＼
　　　　　　　　　 } ::::::::ﾍ　　`'ミ、＿:::::::....　　＼::::::::::::::: `''X,,_
　　　　　　　　 |::::＿::::ﾍ.　　　　　／￣`ー"￣＼:::::::::,,ｒ――ゝ、
　　　　　　　　 |/　　`X::ﾍ::.......／　　　　　　　　`'''ｘ、{　　＼ノ
　　　　　　　　　　　⌒ー‐ヽ`ー‐ｲ `'''x,,___　　　　　　　　`'''ｘ,,_　＼

　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　機会を捉えて前進するしかなかった　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

980 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/11/24(土) 23:51:45.39 ID:A2pBVUgqo

これが運命の分かれ道。魏では思うような栄達が望めなかったが
降った先で、天下に名を轟かす人物に推されたら、その気になってしまうのは仕方ない。
それが幸か不幸かは・・・。

981 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/11/24(土) 23:53:02.21 ID:5LwdS02Co

それでも、消去法人事に拠るものだったってのは否定しがたいよな

982 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:53:17.57 ID:oThjCM51o

【紀元２５６年８月　魏　雍州　段谷】

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　　　　 : : : : : 、:（　(　　　　: :）　　　ﾉ　... .. .. .　　ヽヽ　 ,,ﾉ　..　..::. .（ _　⌒) .　..　.:　:::..　... .. .. . ...　.
　　~~^^;:;:'',,,,.....=)　ﾉ-;;;;;~~^（（　　 ,,,;）^^~~~~~^^"'''~）　）)　　^^'',,~~~~~（　(　''~~^^~~~^~~^^~~~^~~^^~~~^
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....::::::........　.　.::::::... .... ..:::::::::::|　　　　段谷では己の短慮と無力さを思い知らされた　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ!´￣｀`i''ー─- ､､､,,_
　　　　　　　イ三二二ﾆﾆﾆゞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　j〉　　　」´￣￣｀`ー-､ヽ　　　　.,.:,..:.. 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,...　　　　　　　　　　　　　　　｀`ｰ─'"´ ￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. ... ,...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー＝==＝-
　　　　　　　... ,... 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,.:,..:.. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　... ,... 　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　　　　＿, 　-─‐- ､ー‐-､ー-､　　;: ;:;: :;:;: ; ;　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　　　,ｲ､,r'⌒ヾ　　　　ヽヾ｀`''ー- -､-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:; 　;: 　.　　　　　　　　　　　.,.:,..:..
　　　　　　　　　　　 ,r/　 (::;;:;:;;/ー-､　　j　 `,　　　＿ /ィ´　　;:; :;　;:; :　;:　　　　　　　　　　　　　　　,ィゞ
　　　　　　　　　　　ヽ「i''ー'"´　　 ,r-‐'ー''''"´￣

983 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/24(土) 23:57:35.88 ID:oThjCM51o

【紀元２５８年頃　蜀首都　成都】

　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::
　　　|"￣￣ﾞﾞ`∩::::::::::::::::ﾋｿﾋｿ
　　　|,ノ　　ヽ,　ヽ:::::::::::::::::::::::::
　　　|●　　 ●　i'ﾞ￣ﾞﾞﾞ`''､::::::::::::::::　　　　　　　あいつのせいで弟が……
　　　|　(_●_)　　ﾐノ　ヽヾつ::::::::::
　　　|　ヽノ　　ノ●　　 ● i::::::::::　　　　　　　　　　シッ、聞こえるクマー
　　　|｛ヽ,__　　） ´ (_●_)｀,ﾐ:::::::
　　　| ヽ　　　/　　ヽノ ,ノ::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,xbｫ≦二三三三二≧x.,,,_　｀ヽ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く三三三三三三三三三三三≧ﾑ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　ゞ三二二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二三三三三三＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :｀: ＜二三三／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　ｲ: : : : : : : ハ: :ﾄ､: : : : : ',: : : : :｀:ヽ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l: i : : :/ / 　 ',:l　＼ : : : :',: : : : : :l:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ : ム仁二. ヾ　｀二≧ｓ: : : : :ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : :ﾍ弋込ｿ　　　ヒzソ从: : : :/
　　　　　　　　　（……聞こえてるよ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iﾊ: : :ﾍ　　　 ,　　　　ィ: : :ﾊ:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾﾘｌ: :ヽ、　 -　　 ,.イ:l: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八:ﾄ､l,＞一ﾔ､从ﾊ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_rγ ´,．xﾐY≦ｚ､｀＞､__,.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 /乙‘ f r ´ ｱ氷　ヽヽ　辷ｱ.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.乙.　 |:Ｌ..//iiiﾄ､ヽ、j |　辷ｱ:.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:.:乙　 `ｰ//{lil}| |ヽ--'　　辷ｱ:.:.ﾊ

984 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2012/11/24(土) 23:58:07.75 ID:A2pBVUgqo

もう・・・見てられん。好きな武将なだけに
こういった心情の吐露は創作といえども耐えられない。

985 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:00:46.24 ID:ZFew709Po

　　　　　　∩＿∩
　　　　　　| ノ|||　ヽ
　　　　　丿|||●　●|
　　　　　 | ヽ ( _●_)ミ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　せめて生きているうちに、
　　　　　彡､ |∪|/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .もう一度天水の土を踏みたかったクマー……
　　　　　　へ　ヽ/ へ＿＿＿＿
　　　　　//　彡ﾐ丶　））:::::::::::::::＼＿＿＿　　　　　　　　あの時のクマたちの行動は間違ってたクマか？
　　／　// ＼＿　　／／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　 (￣( つ￣　　　(　(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)
　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　一緒に蜀に降った面々は全員死んでしまった　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : ; :ﾄ､ : ﾍ: : : : : :: : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,': : : : ;': :/:;ﾊヾ､_ ヽ: : : :l: :i: : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l: : :i:L:ム'　ヽ:ヽ-ミヽ: : :l: l : : : : lﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V :i: l:ﾚ'　　　｀ｰﾞ　｀ﾞー| l: : : : ;ﾊ
　　　　　　　　　　　すまない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ::|:从 zｪ彡　　　ミ:ｪｚ　ｊ/: : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!: :ﾍ.　　　　　　　　 /: :,l: :/
　　　　　　　　　　　僕が至らなかったばかりに……　　　　　　　　　　　　　　　',: : l:ヽ、　 r-,　　 ,.ｲ: :/ ﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ: ﾄﾙ'.｀≧ー彡㍉レ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rヾ:f ´ ,ｨｧ幵=ﾐぇ、｀Yあ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::ｱ| ｒｸ/_/ﾊﾏ、寸　 |アﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::ﾏ| ｀ﾞミ;ｲ| | ﾄﾐク　 .|ア::ﾔ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 /:::::::「ﾍ.　　|:| |:|.　　　 jｱ::::λ

986 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:01:43.29 ID:ZFew709Po

　　　/: : : :.〃:. : : : : :.:.:.|: : : :.ﾄ､: : : : ' ,
　　　/: : : : /:i: : : : : : :.:.:,'i:.:. : :.l　ﾄ､: : : ::',
　　　ｌ: : : :.:.ｌ:.:|: : : :|:.:.: ,'7T /ヽ:l　}__',:.}: : ::.
　　　|: : : :.:.|:.:|: : : :r=vv _j/　/′ 　 jﾊ:.}: ﾊ
　　　|: : :.::._|:.:l_{: : :}仔不ﾄ　　　 ,ｨfﾃｱjﾉ: }:::.
　　　|: : : :{ |: : ::＼代辷ｿ　　 ,以}/ ﾊ: :.ﾄ､}　　　　　　　　　　大将軍？
　　　|: : : :,ゝ: :.::::::|｀　　　　 , ｀~　{:::「¨
　　　|: : : i:::| : :.:::::| 　　　＿　　　 ,′|　　　　　　　　　　　　.顔色が優れないようですが？
　　　|: : : l:::|: : :.::::ﾄ､　　　｀　′ 　ｲ:.:.:.|
　　　}: : : l:::|:. :. :.::|　｀　　. __　＜ : :|:.:.: |
　　 /: :. :.j:::|:.: : :..:ﾄ､　　　 i:ノ}　 ',: :|:.:.: |
　 ./ : :. :.ﾊ::|: : :.:.:.|　　＞{〔´ 　 i　}: : :|
　/: :/＞''´ |: : :.:.:.ﾄ､　./｀¨7_｀ヽﾑｲ:.:.: |

　　　　　　　　　　　　　　　 γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　このまま後進にこの国の将来を託して……　　　. |
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : ; :ﾄ､ : ﾍ: : : : : :: : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,': : : : ;': :/:;ﾊヾ､_ ヽ: : : :l: :i: : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l: : :i:L:ム'　ヽ:ヽ-ミヽ: : :l: l : : : : lﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V :i: l:ﾚ'　　　｀ｰﾞ　｀ﾞー| l: : : : ;ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ::|:从 zｪ彡　　　ミ:ｪｚ　ｊ/: : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　……すまない　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ!: :ﾍ.　　　　　　　　 /: :,l: :/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rヾ:f ´ ,ｨｧ幵=ﾐぇ、｀Yあ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::ｱ| ｒｸ/_/ﾊﾏ、寸　 |アﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::ﾏ| ｀ﾞミ;ｲ| | ﾄﾐク　 .|ア::ﾔ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　 /:::::::「ﾍ.　　|:| |:|.　　　 jｱ::::λ

987 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/25(日) 00:02:21.23 ID:+70LAbe1o

>>977
あれは正直いって自業自得レベル
劉邦でなくてもあんな言動してたらそりゃ粛清くらうだろと

988 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:02:52.31 ID:ZFew709Po

【紀元２６３年９月　蜀　益州　沓中】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　時折、魏に牽制の兵を出しながら……　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

. γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　|　　ただ、朽ちていくしかないのだろうか？　 |
　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂

__　,.::-ーｭ_,､_rv:..､　　　　　　　　　_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,-─-::_,,　_::.　`　.:::., ..:::ｰy　
::.｀`　-､.::...　.:、:...-iー..__,、_　　___ﾉ:.ー､＿　　　　　　　　　　　　　　　,,--‐'´::.......　:i　.::::::::`'-‐'"　_"::.:.:.:.. ,
_::.　`　.:::., ..:::ｰy　....:..　:... .:::.｀'".::　::i..　　ﾍ'￣`::r､─ ､＿, ､_,､--''`'´.:::::::::... .::..　:::.　.:::::...ノ-",::~_-
::`'-‐'"　_"::.:.:.:.. ,_ -　､::..... ::　　　::..v　:....::"　　..:;''.:'"　`　::.　　　:.:....　.::::::::.:.:.:..　:...　 _,..- '':::::::::... .::..　:::.　.:::::...
::. ::..:::.......,;,..　　./:: .:.::　丶　..　..:......､　　:.､　　ノ-",::~_-　､:::::::::::.::...-､　 `-　 :::.　.., '":::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　……国士無双が聞いて呆れる　　　　　|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　 r--─‐i　　　　　　　　r--─‐i　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　. 　┌─┐　　　　　|　蜀　.|　　　　┌─┐　　|　蜀　 |　　　　　　　 .|　蜀　 |　　　　　　. 　┌─┐　　　　　
　　 .　　　├─┘　　　　　|--─‐'' 　　　 ├─┘　　|--─‐''.　　　　　　　 |--─‐''.　　　　 .　　　├─┘　　　　　
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵

989 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:04:03.25 ID:ZFew709Po

　　　　　ｌ /ー- ､!|　　　　　　/　　　　　　　　　＼　　ヽ. 　＼
　　　　弋ヽ_,_ ノ !.　　　　　/　　　　　 i.　　　　＼ヽ　　＼　　＼
　　　　　! ｀‐!L イ　　　　　 !　　 /　 .! .|:::.　　　　! |. |:. 　 ! ｌ:. 　ハ
　　　　　|　日　.:! 　　　　　!　 /.|　 ::|　Ⅳ::.　　　! |: |::::.　|::|::.　 |　!
　　　　　!　日　::|　　　　　!　ﾊ::ﾊ ::::!い ∨:::　　ｌ|ｌ_ﾘイ:　| ﾊ::.　|ｌ !　
　　　　_」-=ｦﾄ､_:::!.　　　　__| ::| |_! V::|　ぃ Ⅵ::: .斗テｱ:: ,ｲ | |:: / ||
　　　//　 ,仆､＼|　　　　　|_工ｺﾆ弍ﾋ=‐＼ヾ./ｲ/７ / / ｌ/ !!/　 l!　　　　　　　　　　　大将軍？
　　　ヽ〒ｲ || 廴_ﾊ　　　|ヾ､ｨ´ |::::::::::ﾄ　　　　┴'´/ /　/! /　　/　
　　　　ｌ'/　!!　　ｌ　',　　　!　!::|　之ﾆ-'　　　　、　イ::: / |ｲ|
　　　 'イ | ｌ|. :::.::＼∨　　!: ＼!　　　　　　　ﾉ　ｲ::::: 　| |ﾄ､　　　　
　 .／　 V/ハ:::::::::::｀∨　　い＼　　　　 , -ｧ　／:::|::::: ::. ! l|　＼
／　　　 ∧ヽﾄー廴ﾄ､∨　　ﾄ､’ 、　　　　 ¨ ／-､:: |:::::.: //ﾊ　｀i|
　　　　.// ＼　 / /　/＼　 ! ＼､｀''　ｧ‐- 'ｌⅣ -ム!:::: /冫 |!　 ||
　 ,...-//―- ､/ ム‐'　　＼　ｲ｀ヽ､/　　　ヽ∨‐/.|:::/ /　＼ /|　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨:::::::｀ー――────‐::::::´::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_::.ｨ:く
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　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ　　.',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,′
　|　　こんな僕を使い続けてくれた陛下には感謝の念しかない　|　　 .',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂　　　 ',:.:.:.;､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　^ヱｴ≠＜/_／　 l／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __;vｧ_ -‐ ´￣￣￣￣　｀ー'-〈⌒Y７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そ |z./　　　　　　　　　　　　　 /　/_ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｽ　l　{　　　　　　　　　　　　　f´ /_/　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　」. !　!　　　　　　　　　　　　そ/ _/　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　７ !　ゝ、,､　＿　__　, ､ｒ-Ｊ / _/. 　　 ',

990 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:05:30.83 ID:ZFew709Po

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.　　　',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,′　　　　　　　　　　　　　　　　　　帰ろう
　　　 ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
　　　　 ',:.:.:.;､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:/
　　　　　＼ﾘ'ヽv､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;イ:／l:.:.:／
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　　　　 __;vｧ_ -‐ ´￣￣￣￣　｀ー'-〈⌒Y７
　　　そ |z./　　　　　　　　　　　　　 /　/_ハ
　　　ｽ　l　{　　　　　　　　　　　　　f´ /_/　 ',
　　 /　」. !　!　　　　　　　　　　　　そ/ _/　　 ',
　 ./　　７ !　ゝ、,､　＿　__　, ､ｒ-Ｊ / _/. 　　 ',
　/　　　ち｀ー---｀-----｀----－' r」　　　　　',
./　　　 └-､_r--vー＜__r―ｧ　rv､/　　　　　 ',
′　　　　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',

991 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:10:21.43 ID:ZFew709Po

　　 ∩＿＿＿∩ 　　　.∩＿＿＿∩
　　 | ノ＼　　　／ヽ　.| ノ　　　　　ヽ
　　/　　●　　　● |　 /　　●　　　● |
　 |　　　　( _●_)　ミ |　　　　( _●_)　ミ　　　　　　　　　そう来なくては！
　彡､　　　|∪|　　　､｀＼､　　 |∪|　　､｀＼
/　＿＿　ヽノ　//´>＿ )　　ヽノ　 /´> 　 )
(＿＿＿）　　　/(＿＿＿）　　　 ./　(_／　　　　　　　　　　　　さっそく兵士たちに伝えるクマー！！
　|　　　　　　 / 　　　 |　　　　　　 /
　|　　／＼　＼..　　　.|　　／＼　＼
　|　/　　　 )　 ) 　　　.|　/　　　 )　 )
　∪　　　（　＼　　 ∪　　　（　＼
　　　　　　＼＿)　　　　　　　＼＿)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ===========r‐、: : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {/ /ゝ､ﾉｲﾉl/ ―　ﾄl!: : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l:/|/● 　　　●　　ト、: :|
　　　　　相手に悟られないよう、士官Cは撤収の準備を始めます　　　　　　 .|/!:ll⊃　､_,､_,　⊂⊃ﾉ: : ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ__|ﾍ　丶_ノ　　 ..ｲ:i : :/⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼ /:ノ从ヽ,､　 __,　イﾄ:}ﾉ/　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　//ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_　,'

992 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:11:20.98 ID:ZFew709Po

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　　　　　　　　 |　　　　　｀`丶､　　　.:.:.::::::::::::
　　　　　　　　　__」　　　　　　　　.:::.ヽ　　.:.:::::::::::::／
　　　　　　　, .:´:.:.::::.:.:.:￣｀`::.:.､　　.:.:::.＼　.:.:.::／
　　　　　.′i::l:::l::| .::|.:.:::i:::i::::.:.`ヽ､　.:.:::.＼／
　　　　　.l |.:|.:l.:::l.:| .::|.:.::l::::|:::|.:.:::|:::ﾄ､　.:.:::::.＼
　　　　　　| |.:|.:|.:::ト|､.:|.:.:l:::::|:::|.:.:::|:::|::::ﾄ､:.:.::::／
　　　　｀V.{.:l.::lrr㍉l:::/l.::ﾅナ:::::l:::l:::l::::::::Y´　　　　　　　　γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　　　　　 V .:N じｿl/　l/rr＝ミ.:::!:::!::::::,′　　　　　　　　 |　　　せめて一矢ぐらいは報いたい　　 |
　　　　　　 `11' ' ',　　」いｼ.l/::l:/.::::/　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
　　　　　　　　　|.:ﾄ､　　　 ' ' '/:::.:,.::,:::/
　　　　　　　　　|.:!::::>､｀　　_ノ;.:::/:/ノ
　　　　　　　　　l::::/l:/´ 丁二l:::::.:/´￣ﾕ､
　　　　　　　　　l:/　',rﾁ7´ 」 |:::/ノ´~~ヽ」
　　　　　　　　　' r='7::::ﾌ fｼ' l/　　　　ヽ
　　　　　　　　　〃 /.:::/ fｼ′　　　　',　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　{ヽ　 ,　':￣∧: : : : :-‐. '´: : :∨
　　　　　　　V/::::/_fｼ′　　　　 ',　　＼　　　　　　　　　　　　　　　/て／: : : : :/: : : : : : : : : : : ￣:.＼
　　　　　　　　　ノ／　　 , 　　 ,′　　ヽ　　 .::.＼　　　　　　　　　　　z=ｷ=/ : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : .、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i://|: : : : : :i立V~ヾﾊ: : / _ｻⅥ: :/: :il
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///∧: : : : ト:::::::ド　 ∨ ｲ::::丁ﾚ:レ':|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　////{ﾍ: : : : !辷_ｑ　　　　辷ｑレﾘ: : :.!
　　　　　　　　　　どちらへ向かいますか？　　　　　　　　　　　　　　///∧: ﾍ: : : i　　　　　 _　　　/i: : : ﾊ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　// i {　L: :.＼:.ト、　　　　　　∠:.!: :./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//　l l　　ﾑ⌒ﾄヽ,=＞ｫTニイ~ヽVイi ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　 | |　　7/:.J　＜　　才　`７＜ヽl |ヽ, i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' ,　　| |　〈:.:.:.:.:ﾚｊ＜＼/ハ∨ヽ、{:.:|| |　| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　| |　　ゝ:.:.:.:.ん　⌒　ゝ-イて,イi |　| |

993 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:12:32.70 ID:ZFew709Po

　　　　　　　　　　　　　　／三三三三．-――‐-ｬ=､三三ﾆ｀ヽﾆﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　 , ′三ﾆ孑'"´: :,ｘ': : : : : :./: : :ヾ`丶三三＼ﾆﾆヽ
　　　　　　　　　　　　　/三ﾆ／´: : : ／: : ;ィ ;ｨ: ;ｲ.:/:.; : : : : : ＼三三＼ニﾍ
　　　　　　　　　　 /三ｲ".: : :.x∠ ;.:イ ,:イ／ /;ｲ: i!: : : : : : : :.ヾ三ニﾍ三.!
　　　　　　　　　　　　ﾚ;":/: : : :∠孑彡≧く´　　!.;ハ:{i : : : : : : : : : ∨三ﾆⅥ.}
　　　　　　　　 j/: ﾑ=彡弍≠=ｧｭx..:_ ＼　|:{　}:ﾄ:､: : : : : : : : :.i:∨三ﾆⅥ
　　　　　　　　　　　/: : {: : : :{:.{‘　ん'r;;｀ヾ` 　 |:|　|:| Ⅵ: : : :ヽ: : : !: :∨ﾆﾆiﾘ
　　　　　　　　　 ,′: :i: : : :ﾊ:i　､弋_;彡'　　　　!|　ｉ:! _ヾ: : : : ﾍ: : :|: : :Ⅵ三}
　　　　　　　 /:/: : :l: : :.{　!|　｀　　　　　　　ｷ　ヾ￣卞:､: : :}: : |: : : }Iﾆﾆ!
　　　　　　　 ,':,′: : ヾ: :.! 丶　　　　　 ,　ゞ　　=ミ弍:.＼:!: :.ｌ: : : }ﾆﾆﾘ
　　　　　　　 ,';ｲ: : : : : ﾄ、| 　｀　　　　ｲ　　　ん';バ: : :!: :.i: : : ﾊ:ﾆ/
　　　　　　　 ,':/|: : : j}:.:l ヾ:､　　　　　 _ _　　　　　､弋じ;'刈: :i:.:/ : :ｲ: ｉ:/　　　　　　　　　陽安関だ
　　　　　　　 j/　!: : :ｲ: :!: .　`　　　　　廴ﾉ　　　　　 `　　イﾍﾉ/: : :/: }Y
　_　　　　　　　　 |: : ∧:i}.: .　　　　　　　　　　　　　　　　　／!′: /: /|:!
く　>――ｧ:、　　 |: ;ｲ;ﾍ:ハ: .　　　　　　　　　　　　　 ∠: :ｲ: :イ: /　ﾘ
ノ≦､¨ｽ≦ﾉ　　　|:/ "|:’:/:. : .　　　　　　　　　　　 .イ) /:./／/:./
j}__{￣´　　｀丶､ j"｀ヾ:く:. :. :. :. . . 　　　　　　　　. イ≦:イ:.Ⅸ　/:ｲ
　　　　　　　,. -ｧﾅ¨三三:ヽ、:. :. : . .．-―ｧ:.≦ｲ: : : : : : :./:/　/ｲ
　　:.　　　 /イ ¨´ ￣￣｀ﾗ}うｰ-､/　レ1/ |: :/ |: /!: : : :ｲ:,′
　　 :.:.　　 i::::{　　 ,.-ｧ彡ぇｲヾｰ-ミヽ、　 |:/　ｊ:/ |: : : /|:{
　　　:.:.:.. 　ヾ::ヽ_.．彡ィ;kｲ|ヾ:､ﾍ　　｀ヾ:ヽ "　〃　!: :./　!:!
　　　 :.:.:.:.:..　＞:､;:イ:/ ｨﾌ |　ヾ::::i　　　ヾ:x.　　　 |: /　 jﾉ

───────────────────────────────────────────────
　　　／.:.:.　　　　　　　　＼
　　/:,:.:.:　／　　　ヽ　　　　＼　　　　　　　
　/.:.l:.:.:/:/　　　:/ 　',　:l　　ヾ`ｰ　　　　　
./!:.:.|:.: l/　〃 /　j　}　:|　　ﾊ　　　　　　姜維は魏軍の大攻勢を
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/|　l 　ｌ }　　　　　　自身が練り上げた防衛策で撃退しようと考えていた。
　N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/　ﾚ　ｨ=ﾄ | /| ∧j　　　　　　
　　ヽﾑ:.} c;_j　　　　c;ﾘﾙ iﾚヽ　　　　　　 .当然その行動は防衛策に沿ったものとなる
　　 `ﾍ:ゝ　　　 .'　　小/　　　　　　　　　
　　　ヾ:{＞､ _　ｨ＜}/|/　　　　　　　　　
　　 _, ｨr'´ヽ｛ __＿`}　ヽ､_
───────────────────────────────────────────────

994 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:14:21.91 ID:ZFew709Po

　　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　陽安関まで鍾会軍を誘き寄せ、
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　相手が兵糧不足に陥って疲弊し撤退を始めた所を叩く。でしたね。
.　 |　　　　　　　 }
.　ヽ　　　　　　 }　　　　　　　　　 .しかし、それを許さないのが我々の戦略です
　　ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／: : : :/ : /: : : : : : :ｉ: : : : : : : : :. : : : ‐ ― :ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :.ｲ : /: :./ : /:. :.i:. :. :. :.|: : : : : :＼:.ﾊ : : : : ｉ : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/: :/:.:.:.′:.ｉ : : i| : : : : |: : :ｉ: :. :. :.ヾ:|:. :.: :.:|: : : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / : :ｉ: : :.|:. .:.|:. :.ハ: : : : ﾄ､: :ヽ: ＼:. :.|:. :.: :.:|: : : :. :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′:ｲ: :. :.|:. .:.|! /＿_､: : :ﾊ_＼_:ト : ヽ |:. :.: :.:| : ｉ : : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: / |:.:.ｉ: :|:. :.:ﾊ′　　＼ ∧　ヾ　　ヽ|: : : : :! /: :i: :ｉ:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/ . l : |: :|:. :.|ｘテ云　　＼才示伝ﾃ:! : : : : /Ｙ:.l!: ト＼
　　　　　当然、姜維軍の帰路は茨の道となる　　　　　　　　.{'　ﾊ: |l八: :.! 弋:rﾀ　　　　弋:_r夕　| : : /ｲ　} ハ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ハ: i:小　　　　,　　　　　　ｲ:.:.:/　イ/　}'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ハ: ﾊ　　　　　　　　　　　/ ｊ: :/´ ∧:.ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:i : :..　　　 ‐　　　　ｲ: /ｉ: ｲ　ﾊ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从ｉ: :.＞.､　　　　＜ / ｲ:ﾊ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: |　　ｰ＜　　 /'　＜￣:.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ|　　　　}ハ　　／:. :. :. :. : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ}　／ :. :. :. :. :. :. :. :＼

995 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2012/11/25(日) 00:20:45.03 ID:ZFew709Po

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:::::∧＿＿　　　／:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　´ ｀ｰ　¨ ∨:::∧　　　｀／::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　｀ヽ　　　 ∨::∧　　.／::::／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / /　/　　'　　　彡　　　 /　　∨　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 / / 　{i　　|　　　　彡　　　/ 　　∧　/
　　　　　下が次スレになっています。　　　　　　　　　　　　　,　ｲ　{l　从　 |｀ ‐-- .彡　　　　　 ∧／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ/ l　从　 .! ＼!　　　　彡　　　　 / '
　　　　　後は雑談しがてら埋めてください。　　　　　　　　 | 　Ⅵl　＼| l　　　　　 ∨ヾ, ‐- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从　 lヾ}　　　　　／／　　ﾊ
　　　　　このスレ、どこまで続くんでしょう？　　　　　　　　　　　　　＼Ⅳ　　　　 / /　ヽ⌒ヽ　}　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　 ' 〈　　 )　　ﾉ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　　　〉〉　　　／　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　个: . 　 /´　　 -‐ ´　　　　　l
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やる夫が正史を書くようです２５
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996 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]：2012/11/25(日) 00:23:14.87 ID:xOQHYMAG0

タネの割れた戦略や戦術はよほど強力なのじゃないと対策されるときついよね

997 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2012/11/25(日) 00:23:33.12 ID:+70LAbe1o

やっぱり姜維の不在は大きかったよなあ

998 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/11/25(日) 00:31:44.22 ID:YvNzuvxyo

魏は急ぐ理由がないものなあ。
確実につぶしていけばいいんだもの。

999 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2012/11/25(日) 00:32:46.55 ID:cl+LQ3Nlo

でも今回だって誰かさんがいなけりゃ防衛成功してたかも…なんだよなぁ

1000 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/11/25(日) 00:33:57.12 ID:XnVBEIZi0

蜀の若手将軍って育たなかったんだろうか
状況が育成の余裕を許さなかったのかなぁ

1001 ：1001 ：Over 1000 Thread

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