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御坂「ん?佐天さんからメール?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/09/04(火) 17:09:18.84 ID:NvTQ+Lfo0
青ピ「かーみやん!」 
 
上条「ん?どうした。青髪ピアス」 
 
青ピ「おもろいサイト見つけたからメール送るわ」 
 
上条「ん?また青少年の純粋な心を擽るいけないサイトか?」 
 
青ピ「そっちのご期待に添えなくて申し訳ないんやけど、心擽るのは合ってるかもね」 
 
――pipi 
 
上条「どれどれ…?」パカ ピピ  
 
その時の俺は知らなかった。 
いや、知っていたはずなんだが、これがソレだと気付いてなかった。 
布団を干そうとしたら大食いのシスターがベランダに引っかかってた様に。 
不良に絡まれている女子中学生を助けたら、その女の子がLEVEL5だった様に。 
親父の土産物が世界を巻き込む大魔術を構築してた様に。 
……極当たり前の日常の中に自分の運命を大きく替えるモノが紛れ込んでいる事に。 
月曜日の気だるい空気を含む教室の中。俺はソレに気付けないでいた。
 
 
 
上条「死に顔動画?」  
 


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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/09/04(火) 17:10:28.67 ID:NvTQ+Lfo0
青ピ「やっぱかみやんは知らんかったね。今学園都市で静かなブームを巻き起こしつつあるんやでぇ!」 
 
土御門「おはようさんだにゃー」 
 
青ピ「おお!?つっちーにも教えとくわ」 
 
土御門「死に顔動画なら間に合ってるぜよ」 
 
青ピ「え?なんで分かったん?」 
 
土御門「昨日から似たようなセリフを数人にされたら予測可能だにゃー」 
 
上条「数人にって結構流行ってるんじゃねーの?」 
 
青ピ「結構なキワモノサイトやから、そんな広がってない思たんやけどなぁ」 
 
土御門「舞夏も知ってたし、そうでもないにゃー」 
 
上条「へー」 
 
青ピ「実際見た人おるとかおらんとかで宛にならんらしいけど、なんやドキドキするわ」 
 
土御門「確かにオカルト染みた都市伝説みたいなものに興味を持つのは分かるぜよ」 
 
土御門「だが……。踏み込んでケガをする前に引き返せよ?」キリッ 
 
青ピ「つっちーキャラ違うがなー!」 
 
上条「ハハハ(お前が言うとシャレにならんわ)」 
 
青ピ「かみやん登録まだしてないん?」  
 
上条「ああ、早速してみるか」ピピ  
 
月詠「おはようなのですー。席に着いてくださーい。ホームルーム始めますよー」ガラ 
 
上条(新規登録っと) 
 
月詠「上条ちゃん!先生の話よりも携帯に夢中なのですか!?」 
 
上条「あ、すみません」サッ 
  
吹寄「上条。貴様休み明けで弛んでるぞ。先生没収してください」 
 
上条「ええ!?」 
 
月詠「没収ですか……、そこまでは…」 
 
青ピ「先生ー。かみやんやらしいサイト見てましたでー」 
 
土御門「僕らに執拗に勧めるんだにゃー」 
 
上条「ちょっ!お前らなにを!?」 
 
吹寄「最低だな。貴様」 
 
上条「ええ!?誤解だ吹寄!!あいつらが勝手に――」  
 
吹寄「こっちを見るな。汚らわしい」 
  
月詠「そういうことなら上条ちゃん。携帯出してください。没収します!」 
 
上条「ええええええええ!? 誰か……、誰か援護してくれよ!」 
  
姫神「いつもみたいに。叫ぶといいと思う」 
 
月詠「さぁ!早く!」 
 
上条「ふ、不幸だああああああああああああああああ!!!」 
 
 
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/09/04(火) 17:11:05.65 ID:NvTQ+Lfo0
 
――――  
――
 
浜面「――きいてるか?麦野」 
 
麦野「……」カチカチ
 
浜面「さっきから何見てんだ?」 
 
麦野「……」カチカチカチ 
 
滝壺「むぎの?」 
 
麦野「っえ?あ、ごめんなに?」 
 
浜面「上の空かよ。どんだけ集中してんだ」 
 
絹旗「テトリスが忙しいんですよきっと」 
 
麦野「どんだけよ。浜面の死に顔がでないかチェックしてたんだよ」 
 
浜面「なんだよその新手のイジメ文句は」 
 
絹旗「死に顔動画ですか?」 
 
麦野「そうそう。さっき登録してみたのよ」 
 
滝壺「流行ってるね。ソレ」 
 
絹旗「もう学園都市全員が登録してるんじゃないかって勢いですもんね」 
 
浜面「え?…なにそれ?」 
 
麦野「うわ、情報弱者がいたよ」 
 
絹旗「流石浜面。そこに痺れないし憧れもしないです」 
 
浜面「麦野もさっき知ったんだろ!?」 
 
麦野「知ってたよ。登録したのがさっきってだけで」 
 
浜面「……滝壺?」 
 
滝壺「ごめんはまづら。私も登録してる」 
  
浜面「エー?」 
 
絹旗「浜面も登録しましょう」 
 
滝壺「メール送るね」 
 
 
私は別にイジメでチェックしてた訳じゃない。 
散々好き勝手人殺したけど、守りたいものってものができただけ。  
浜面だけじゃない。滝壺も。絹旗も。 
気持ちがヘタレたのか、成長したのかは分からない。 
最近の悩み。 
自分を知ってる人間が死ぬのはもう沢山だと思う様になった。 
でもそれを受け入れつつある自分にも気付いている。 
これでもいいよね?フレンダ……。 
 
 
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/09/04(火) 17:12:05.84 ID:NvTQ+Lfo0

―――― 
―― 
 
黄泉川「おーい。飯じゃんよ」コンコン 
 
一方「あァ?」 
 
黄泉川「飯だって言ってんじゃんよ」 
 
一方「一回いや分かンよババァ」 
 
黄泉川「じゃあ返事くらいしっかりするじゃんよ」 
 
一方「チッ」ガチャ 
 
芳川「反抗期なのよ」 
 
打ち止め「それでね、ミサカの携帯じゃ保護が掛かって見れないのってミサカはミサカは20000号に伝えてみたり」 
 
一方「おいガキ。ブツブツ喋ってねェで飯だぞ」 
  
打ち止め「あ、ご飯だからまた後でねってミサカはミサカはあの人に怒られる前に別れを告げてみる」 
 
打ち止め「――え? ああ、うん分かったよ またね」 
 
芳川「なんの話?」 
 
打ち止め「なんかね。面白いサイト教えてもらったんだけどミサカの携帯じゃブロックされて見れないの」 
 
芳川「愛穂が設定したの?」 
 
打ち止め「…」チラ 
  
一方通行「あン?」 

芳川「ほんと過保護ねぇ…。解除してあげたいけど怒られるから一方通行にお願いしなさい?」 
 
一方通行「その程度の保護に弾かれるンじゃだめだなァ」 
 
――pipi pipi

一方通行「あ?」 
 
黄泉川「食事の時は携帯しまっとくじゃん」 
 
一方通行「うっせェ」 
 
一方通行(土御門からか……。ニカイア?死に顔動画。なンだこりゃ) 
 
一方通行(くっだらねェ……) 
 
 
 
一方通行「登録しとくかァ…」 
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/04(火) 17:12:14.76 ID:gx14Ghmj0
>>2
これがいじめの現場である
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/09/04(火) 17:13:13.19 ID:XOlxOxt+o
デビサバ2か、期待
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 17:15:27.55 ID:S82zhGkDO
期待
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/09/04(火) 17:16:47.06 ID:NvTQ+Lfo0
メモ帳の整理してたらでてきたので投下 
続き書いてもいいよって方いましたらプロット染みたものも纏めてお渡しします 
いなければ明日依頼だします
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 17:26:03.42 ID:ddaJQwkIO
ふと思いついた小ネタ(スレタイ含む)を書くスレ18
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1341391815/
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 17:45:44.15 ID:b+SYXfeZ0
書けください
頼むから
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 22:43:52.39 ID:8vUJHJiT0
面白そうじゃん
書いてください
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 23:11:07.66 ID:kuxv48VG0
どんなことになるのやら

書いてください。
13 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/09/06(木) 01:19:36.99 ID:7RqsBFLu0
ここで書いたら構ってちゃん丸出しだけど続き書きます  
 
投下は遅い 
グロエロ軽くあり 
デビサバ2でやる必要あんの?誰得だよ! 俺得です 
俺設定、解釈 
時系列無視 
キャラ崩壊 
 
別になんでもいいよって方推奨  
せめて暇つぶしになれる様にがんばりms 
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/06(木) 15:22:10.66 ID:XjG3VkVH0
頼むぞ
15 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:40:11.27 ID:QDWMqS550
 
gkgk…gkgk 
 
御坂「ん?佐天さんからメール?」 
 
=========== 
 
件名:新たな都市伝説現る! 
 
本文 
その名も死に顔動画! 
下のサイトに登録すると友達の死の瞬間が動画配信されるらしいです! 
初春も私も登録してみたので御坂さんもぜひぜひ〜(はぁと 
 
========= 
 
御坂「またこの手の……」 
 
御坂「うわ。なんか怖い」 
 
御坂「……登録するだけならいいかな」 
 
御坂「ティコ?どっちでもいいけど。女の子の方で」 
16 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:40:43.34 ID:QDWMqS550
 
14:00  
 
月詠「ということで、今日は学園都市の防災設備点検なので、いい子は早く帰るのです」 
 
青ピ「一斉点検やから、遊び行くにも行かれへんがな」 
 
月詠「ではみなさんまた明日なのですー」 
 
 
 
帰路 
 
土御門「ちょっと買い物してから帰るにゃー」 
 
上条「おお。じゃーなー」 
 
青ピ「つっちーまたねー」 
 
青ピ「そや。かみやん携帯返してもろたん?」 
 
上条「やべ。忘れてた」 
 
青ピ「取り戻ろか」 
 
上条「すまんな」 
 
 
17 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:41:12.68 ID:QDWMqS550
15:00
 
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 
 
 
上条「なんだ!?」 
 
青ピ「地震や!!」 
 
車の急ブレーキ。追突する音が聞こえる 
 
青ピ「むっちゃでかいでぇ!これ!!」 
 
上条「おわおわわわわわわわ!!」 
 
ガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダ
 
……… 
 
18 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:41:41.33 ID:QDWMqS550
上条「止まった…か?」 

青ピ「えらいおっきぃ地震やったねー。やばいんちゃう?」 
 
上条「交通事故も……」 
 
grrrrr 
 
モーター音。 
一拍して唸り声かもしれないという思考に至り。振り返る 
 
上条「ん?」 
  
青ピ「なんやこのデカイおっちゃんは……」 
 
「ニンゲン……」 
 
巨体。に刃物らしきものを持ち 
悪鬼の様な風貌で二人を睨む 
  
上条「なんか……。やばくねぇ?」 
 
青ピ「そやね」 
 
「アアアア″ア″ヾアアアアア!!!!!!」 
 
上条「うわあああああああ!!!」 
 
青ピ「逃げるでええええええ!!」  
 
19 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:42:09.45 ID:QDWMqS550
 
 
――― 
― 
コンビニエンスストア 
 
一方「ンだァ?今の地震はァ…」 
 
店員「大丈夫ですかー!?」 
 
客「ケガしてる奴はいないか?」 
  
一方「あいつらに電話しとくか。あ?ンだこりゃ」 
 
悪魔召喚アプリ インストール中 
 
――起動―― 
 
ぞおぉぉおぉぉおおおおおお 
 
一方「おわ!?」 
 
「きゃあああああ!!」 
 
「ぅああああああああああああああ!!!!!」 
 
コンビニ中に異形の生物が現れる 
 
「いやあああああ!!助けてぇ!!!!!!」 
 
悲鳴の主を見るとモップの様に毛がフサフサな犬に噛まれている 
 
一方「訳わかンねェぞ!」 
 
電極のスイッチを入れ、杖を畳む 
 
「ヒーホー!チミチミ。待つんだホ」 
 
 
 
20 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:43:12.42 ID:QDWMqS550
―― 
― 
 
壊れた自販機の公園 
 
御坂「あたた。大丈夫?黒子」 
 
白井「ええ。驚きましたが。お姉様にお怪我はございませんの?」 
 
御坂「ちょっとお尻ぶつけただけ」 
 
白井「では黒子が癒しのマッサージをしてさしあげbbbb」 
 
御坂の放つ雷光が公園と異形の生物を照らした 
 
御坂「え?」 
 
「グルルルr」 
 
白井「何ですの…?アレは…」 
 
二人は突然現れた生物に驚くが知らないモノ。とは言いきれなかった 
頭が三つある犬の様なその姿 
 
御坂「ケルベロス?」 
 
ギリシャ神話だったかの知識がそう囁いた 
 
白井「どうみても…。仲良くしたいようには見えませんね」 
 
ケルベロス「オレサマ オマエ マルカジリ」 
 
喋った!? 
 
御坂「黒子!!」 
 
シュン 
 
御坂が白井の名を呼ぶと同時に虚空に消える二人 
二人の居た場所をケルベロスの爪と牙が薙ぐ 
 
ケルベロス「っ?」  
21 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:44:22.02 ID:QDWMqS550
バチバヂバヂバヂ 
 
ケルベロス「っっ!」 
 
御坂「こっちよ!!だぁああああ!!!!」 
 
上空から容赦のない電撃が魔獣を飲み込む 
 
ケルベロス「グオオオオオオオ!!」 
 
雷撃のうねりが止んだ後にも立つ魔獣 
 
白井「まだ生きていますの!?」 
 
太ももに仕込んだ鉄針を転移させる 
普段は絶対にやらない事 
文字通り必殺の体内転移 
 
ケルベロス「ガッ!!」 
 
ケルベロスの体が震えるが、痛みを堪え再度突撃をする 
 
白井「そんな!?」 
 
ドンッ! 
 
黒い砂鉄の壁がケルベロスを遮る 
白井がそこに居るであろう魔獣に再度残り全ての鉄針を転移させる 
 
ケルベロス「ォォオオオオオオオ!!!」 
  
魔獣の咆哮!断末魔には程遠い 

御坂「タフすぎるわ!!――コレでだめならっ!」  
 
ポケットからコインを出し弾く 
 
御坂「ぜりゃっ!!」 
 
砂鉄の壁を突き抜け。超電磁砲が魔獣を穿つ 
 
ケルベロス「――っガ!」 
 
パラパラと落ちる粉塵 
静寂の中に横たわる魔獣 
 
白井「……やりました…の?」
 
御坂「……たぶん」 
 
22 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:44:54.12 ID:QDWMqS550
 
ケルベロス「…ァ…ガ…」 
  
御坂「まだ生きてる!?」 
 
のそりと起き上がる魔獣に驚愕する二人 
 
ケルベロス「オレノ マケダ ニンゲン」 
 
獰猛な雰囲気はあるものの、打って変わって穏やかな色を醸しだしている 
 
ケルベロス「シタガオウ ニンゲン ワガナハ ケルベロス」 
 
 
 
ケルベロス「コンゴトモ ヨロシク」 
 
 
魔獣が宙に溶ける 
 
 
 
 
 
 
御坂白井「え?」 
  
23 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:45:57.83 ID:QDWMqS550

――― 
― 
 
ファミリーレストラン 
 
浜面「……収まったか?」 
 
滝壺「びっくりしたね」 
 
テーブルの下に隠れてたのか二人の声が足元から聞こえる 
 
絹旗「うわわわわわなんなんですか!?」 
 
麦野「な!?」 
 
ワニ。 
でかいワニが絹旗を頭から銜えて噛み砕こうとしていた 
 
麦野「絹旗ァァァアア!!!」 
 
絹旗「っつ!」 
 
絹旗が振りほどこうとしているが、離す気配がない 
 
麦野(どこから沸いてでた!?いやそれよりも――) 
 
麦野「っ!」 
 
ワニに胴体に向けて『原子崩し』を放つ  
 
「アウゥゥウウウ!」 
 
麦野「効いてない!?」 
24 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:46:29.72 ID:QDWMqS550
絹旗「超やばいですか?てか何が起こってるんですか?」 
 
滝壺「え?」 
 
浜面「うおああああ!!!!なんじゃこりゃああ!!!!」 
 
テーブル下から出てきた二人が驚く。無理もない  
 
浜面「こっちもなにかくるぞ!」 
 
麦野「クソっ!!」 
  
黄色と黒の危険色な爬虫類に向けて粒機波形高速砲放つ 
 
「ぎゃン!!」 
 
塵となって小さな肉片を散らせた爬虫類 
 
麦野(通ったか。そうそう…) 
 
麦野「通ォらねぇわけねェンだよぉおお!!」 
 
暴れている絹旗に当たらない様にもう一度 
次は意識を集中してワニに向けて放つ 
 
「ボァァ!!」 
  
その衝撃に驚き絹旗を解放するが、ワニに傷一つ付いていない 

絹旗「超助かりました!ってなんですかこれ!!」 
 
麦野(そりゃこっちが聞きたいわよ) 
 
絹旗「『窒素装甲』が超破られそうでした」 
 
浜面「ファミレス中にバケモンがいるぞ!?」 
 
麦野「あんたら。三人ともテーブルの下に隠れなさい」
25 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:47:14.35 ID:QDWMqS550
絹旗「私もですか?」
 
麦野「巻き込まれて、死にたい?」 
 
麦野がバッグから取り出したカード状の物体を見て急いでテーブルに潜る 
 
絹旗「浜面!超詰めてください!」 
 
滝壺「はまづら。大丈夫?体半分でてる」 
 
浜面「大丈夫だ。問題は大有りだが」 
 
いつものやり取りを後ろに口が緩むが、すぐに引き締める 
 
麦野(こいつらは絶対殺させない。そしてアタシも生き残る!絶対!!) 
 
LEVEL5第四位 『原子崩し』麦野沈利が駆ける 
 
麦野「こっちだ化け物!」 
 
ファミレス中の意識が麦野に集まる 
 
麦野「全員テーブルの下に隠れろ!!!」 
 
怯えている人間 
逃げようとする人間   
自身の能力で対応している人間 
すでに殺された人間以外の。全ての人間が今から何かが起こる事を直感し、身を隠す 
 
ばら撒かれる拡散支援半導体 
 
麦野に迫る異形の生物群 
 
 
ぜ ん い ん シ ね ! 
 
 
 
ファミレスが光に包まれた 
 
 
26 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:48:10.81 ID:QDWMqS550
―― 
― 
 
商店街のコンビニエンスストア  
 
一方通行の目の前に現れた雪だるまが喋る 
 
「チミと戦うのはボク。OK?」 
 
一方「ノーサンキューだ。クソッタレ」 
 
商品棚を掴み。容赦なく雪だるまに叩きつける 
 
「 」 
 
潰れた雪だるまを尻目に他の異形に挑みかかる 
 
学園都市最強 一方通行 
 
馬面のバケモノの頭を後ろから粉砕し、レジに乗っていた白い鳥をレジごと潰す 
散らばったレジの中身から硬貨を掴み、本棚で斧を振り回す豚面の鬼に投げつける 
音速を超えて飛来する硬貨の衝撃をものともしないどころか、歓喜の咆哮を上げる豚 
 
一方「はァ?」 
 
豚が敵性だと判断したのか、棚を蹴散らし一方通行に斧の一撃を見舞う 
 
一方「死ね」 
 
その場に立ったまま斧の一撃を受け。反射する  
バコンという音と共に斧が砕け 
ただけだった 
 
一方「なンだってンだ。オイ!」 
  
27 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:48:38.55 ID:QDWMqS550
流石に焦りを感じ数歩下がるが、間髪入れず豚が突撃してくる 
 
一方「ざっけンな!」 
 
左手で受け止め衝撃を反射するが、手ごたえがない 
 
一方(衝撃が死ンだ?消失か吸収してンのかァ?) 
 
一方「三下みてェにウザッテェな」 
 
触れた左手から電気信号を送受信し体構造を解析する 
 
一方「じゃあな、雑魚野郎」 
 
ぷしゅっ 
 
豚の鼻から、目から、口から耳から血が爆ぜ 
たらたらと流れ出る 
血管が破れるほどに、血流を縦横無尽に暴走させた 
ゆっくりと倒れ、宙に消える豚面の鬼神 
 
一方「また魔術とかいうやつかよ……」 
 
敵が居なくなったのを確認し 
チョーカーのスイッチを切り、急ぎマンションへの道を選ぶ 
 
店を出るとそこは阿鼻叫喚の世界だった 
 
異形の生物達が人間を襲い、殺し。食らう 
人間が逃げ惑い、能力者が辛うじて応戦する 
 
 
一方「……」 
 
ギリッっと歯噛みし、スイッチを入れなおす 
 
一方「どけやコラァァァァアアアアアア!!」 
 
最大戦速で化け物達を圧殺し家路を急ぐ  
 
 
28 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:49:18.55 ID:QDWMqS550
――― 
― 
 
第七学区幹線道路 
 
少年二人のが息を荒げて無残な街を走る 
 
青ピ「ほんまどぉなってんねん!」 
 
上条「知らねぇよ!!」 
 
青ピ「かわいい女の子に追いかけられるなら喜ぶ所なんやけど」 
 
青髪ピアスが振り返る 
 
青ピ「あんなでっかいおっさんとか勘弁してほしいわー!!」 
 
上条(こいつ余裕あんな…。つかあれが人だと思っているのか) 
 
悪鬼さながらの風貌 
非日常に身を置いた上条には薄々とアレがどういったものなのかと考えていた 
 
青ピ「わかった!かみやんが旗立てたおにゃのこのお父さんや!」 
 
交差点の信号も機能していないのでそのまま走り抜ける 
 
上条(街が混乱してるな…) 
 
上条「訳わかんねって……」  
 
ドガン 
 
交差点を渡り切ったところで遅れた突っ込みを入れようとした時 
大きな音が聞こえた 
振り返ると追って来た大男がトレーラーに轢かれていた 
 
29 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:49:51.26 ID:QDWMqS550
青ピ「うへ…」 
 
上条「……まじかよ…」 
 
運転手はぼーっとしたままハンドルを握りしめている 
全身が潰れ。夥しい血が幹線道路を染めている 
 
「ガ…ガ…」 
 
上条「まだ生きてる!」 
 
青ピ「ほんまかいな!?」 
 
駆け寄り。撥ねられた巨体を覗き込む 
 
「 」 
 
が。既に事切れていた 
 
青ピ「……なんやったんやこの人…」 
 
その言葉が言い終えると同時に死体が宙に溶ける 
 
上条「……消えた…」 
 
青ピ「消えおったで……」 
 
30 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:50:17.41 ID:QDWMqS550
呆然と。目の前の異常を確認し。確信した 
すぐさま踵を返す 
 
青ピ「ちょ。どこ行くんやかみやん」 
 
上条「家に帰る!お前も早く家に帰れ。運転手さんあんま気にしなくていいぞ!!」 
 
自身の寮に向かって走る 
 
上条(インデックスならこの状況が分かるはずだ!) 
 
明らかな非日常。人間と思えぬ風貌上条には分かっていた 
 
『魔術』 
 
学園都市が今、魔術的な何かで攻撃されている 
 
十万三千冊の魔道書を記憶する禁書目録ならば、今の状況も打開策も把握できる 
そうした確信が足を速めていた 
 
31 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:50:54.72 ID:QDWMqS550
――― 
―― 
――― 
 
繁華街 
 
 
佐天「ありがとうございました」 
 
初春「助かりました」 
 
「いや、なんて事はない。いくら凶暴なバケモノだろうが、根性だせばなんとかなる」 
 
佐天「いや…。それはどうかと」 
 
初春「とにかくどこか安全なところ探しましょう」 
 
佐天「安全な所といっても……。近くだとセブンスミストとか丈夫そうじゃない?」 
 
初春「隠れるところ多そうですし、人も多いでしょうし、いきましょうか」 
 
佐天「では。ありがとうございました」 
 
「ああ。気をつけてな」 
  
 
32 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:51:42.56 ID:QDWMqS550
 
――― 
― 
 
商店街 
 
 
バギンッ!! 
 
上条(――!? 幻想殺しが反応した!!) 
  
何かに触れた訳ではない。だが反応した。 
つまり空間自体に異能が関与していたという結論に達する 
目まぐるしく展開する状況の上条の前に一つの存在 
鮮やかな金髪の女の子 
とぼとぼと頼りなく歩くその姿は迷子に見えた 
帰路を急いでいた上条、常人ならば走り抜けるところであるが 
少女の前で足を止め、声を掛けた 
 
上条「大丈夫か?」 
 
少女「……?」 
 
問いかけられた意味を理解していないのか、言葉が通じていないのか 
小首を傾げ上条の目を見返す 
 
上条「あー、ハウ アー ユー??」 
 
少女「クスクス 分かるよちゃんと」 
 
上条「あ、そ、そうか。ならいいんだけど。迷子かな?」 
 
少女「んー。なんなんだろう?迷子になるのかな?」 
 
要領を得ない回答に疑問を感じる 
33 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:52:10.30 ID:QDWMqS550
上条「お父さんかお母さんは居ないのか?」 
 
少女「……いないけど。おじさん達を探してるの」 
 
上条「そっか、じゃあ…」 
 
周囲を見回す、携帯がないので誰かに風紀委員に通報してもらおうと考えたのだが。誰もいない  
 
上条「じゃあ一緒に探そうか」 
 
少女「……いいの?」 
 
上条「ああ。お兄さんに任せなさい!」 
 
少女「クス お兄ちゃんは『特別』みたいだから『お友達』になれそう」
 
すっと少女から差し出された手  
 
白く白く、精巧な芸術品の様なその手を右手で握り返した 
 
ッバギンッッ!! 
 
上条「な!?」 
 
少女「きゃっ!」 
 
先程よりも強い反応に思わず手を離す 
 
34 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:52:41.40 ID:QDWMqS550
上条(何だ!?)  
  
当の少女を警戒し、見るが 
自身の手をマジマジと見つめ、上条の右手を見る 
 
少女「あー。そうだった。思い出した。そうだったんだ」 
 
明るいとも暗いとも。覇気があるともないとも言えない声 
 
少女「ごめんね。お兄ちゃんとは『お友達』にはなれないみたい」 
 
上条「どういうことかな?」 
 
少女「でもね。お兄ちゃんと一緒に居てあげる」 
 
少女「わたしに優しくしてくれたから」 
 
上条「ああ、ところで君は何かの能力者か魔術師なのか?」 
 
少女「?」 
 
上条「あれ?違うのか?」 
 
少女に心当たりがないのならば、少女に掛けられていたものを打ち消したのだろうか 
 
少女「変なの!自己紹介するね」 
 
少女「わたしアリス。よろしくねお兄ちゃん」  
 
等身大の可愛い笑顔。スカートの裾をクっと上げて愛らしくも優雅にお辞儀をする 
 
上条「俺は上条当麻だ、よろしくなアリス」 
 
アリスと名乗った少女の手を取る 
ひやっとした冷たい手を握り 
二人は荒れ果てたコンビニの前から立ち去った 
 
 
『昼の商店街に誰もいない』 
巨大地震や異形のものから追われ、興奮していた上条はその異常を見落としていた 
 
35 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:53:13.57 ID:QDWMqS550
 
ファミリーレストラン 
 
 
二秒前とは異なる空間 
『原子崩し』の爪あとが店内の到る箇所に残る 
轟音の後の静寂 
血煙と粉塵に聳え立つ二つの影 
麦野沈利と異形の獣 
 
麦野(何なんだよコイツはァ!?) 
 
何度も能力を命中させているのに、びくともしていない 
鋼鉄ですら両断できる自身の能力は絶対だ。他の化け物は皆死んだ 
だが…… 
 
麦野「わっけわかんないよねぇ」 
 
絹旗「麦野。大丈夫ですか?」 
 
テーブルの下から聞こえる絹旗の声 
 
麦野「後はワニだけなんだけど」 
 
絹旗「超タフですね」 
 
言いながら絹旗が這い出てくる 
 
突然携帯がなる。店内にいた全ての人間の携帯から着信音 
 
浜面「メール?」 
 
浜面が携帯を開く 
 
滝壺「はまづら。後でしよう?」 
 
浜面「……待て」 
 
36 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:53:41.64 ID:QDWMqS550
浜面「なんだコレ。緑?いあ『縁(えにし)』か」 
  
さらに携帯を操作している浜面 
 
浜面「さっきの奴じゃねぇかこれ!?」 
 
滝壺が浜面の携帯を覗き込む 
 
 
悪魔召喚アプリ 
仲魔 バジリスク  
 
召喚しますか? 
 
YES NO 
  
 
滝壺「仲魔?」 
 
麦野「後ろでごちゃごちゃうるせぇぞ」 
 
浜面「い、いや携帯が変なんだって」 
 
麦野の叱責で焦った浜面の指がキーに触れる 
放電と共に構成される生物 
 
「早速ぼくの出番到来!」
 
先程、麦野がバラバラにした黄色と黒の危険色 
 
37 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:54:13.37 ID:QDWMqS550
麦野「てめぇ。浜面!何したァ!?」 
 
浜面「何もしてねーよ!」 
 
滝壺「したよ浜面。召喚」 
 
絹旗「とにかく超潰しますよ」 
 
絹旗が現れたトカゲに向かう 
 
「わわわわわ!!! ぼくは仲魔だよ!」 
 
唯の命乞いと思い、拳を振り上げる
 
絹旗「超さようなら」 
 
滝壺「待って。きぬはた」 
 
絹旗「?」 
 
滝壺「多分敵じゃないよ。その子」 
 
滝壺の言葉に腕の力を抜く 
 
「助かった!ありがとうおねえさん!」 
 
「ぼくはバジリスク!おねえさんが良かったけど、そこの残念なおにいさんの仲魔だよ」 
 
麦野「良くわかんないんだけど。まだ長くなる?あっちも痺れ切らしそうなんだけど」
38 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:54:46.66 ID:QDWMqS550
「いや別に構わねぇぜ?」 
 
絹旗「ワニが喋りましたよ!!」 
 
麦野「いやさっきからトカゲも喋ってるから」 
 
「喋って驚くたぁ易いもんだ」 
 
麦野「てめぇら一体何なんだ?」 
 
「何?見たまんまさ。何と思った?」 
 
全員逡巡し、思った事は一つだった 
 
麦野「……喋るワニ?」  
 
「っ!……ハッ!人間の頭じゃその程度か!」 
 
「空っぽの頭と心臓ぉ!俺様の自慢の大アゴで噛み砕いてやるぜェ!!」 
 
ワニが体を縮め。全身の筋肉を使い。高速で飛び掛って来た 
 
麦野「チッ!」 
 
迎撃の形で光条を放つが、効いていない 
 
麦野(マジで何だってんだよ!!!!!イラツク!!) 
 
絹旗「麦野っ!」 
 
ワニに向かって体当たりをし、殴りつける 
 
「このチビッ!」 
 
ゴッ!っと大腕が振るわれ絹旗の小さな体がドリンクバーコーナーに叩きつけられる 
 
「人間のくせに、硬いんだよくそったれ!」 
 
一度、自慢の顎が絹旗に通らなかったのが癇に障ったようだ 
 
39 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:55:14.64 ID:QDWMqS550
麦野(――んん?) 
 
麦野「絹旗ぁ?まだ行けるかにゃん?」 
 
絹旗「超もちろんです」 
 
言いながら液体窒素スプレーを噴射し装甲の密度を上げる  
 
麦野「多分アンタしかそいつ倒せないかも」 
 
バジリスク「それでもキツイと思うよ」 
 
麦野「あ?」 
 
バジリスク「小さいおねえさん。アーマーンの顎を押さえれる?」 
 
絹旗「?」 
 
バジリスク「あいつの顎さえ封じられれば、ぼくがなんとかするよ」 
 
麦野「……できるわけ?」 
 
絹旗「正直超触りたくないんですが」 
 
噛まれた時に自身の『窒素装甲』が貫通しないまでも危険な状態であった為、避けていたが 
 
絹旗「何とかしてくれるなら、やってみましょう」 
 
アーマーン「そろそろ全力でやりあおうや」 
 
筋肉を収縮させ、解き放つ 
 
麦野「散れ!」 
 
ガゴォン!  
 
アーマーンと呼ばれたワニの巨体が、テーブルを薙ぐ 
 
40 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:55:59.02 ID:QDWMqS550
アーマーン「まだまだぁ!!」 
 
着地と同時に体を縮め、また飛び掛る。標的は麦野 
 
アーマーン「てめぇを食えばっ!俺は自由なんだよぉぉ!!」 
 
麦野(――速っ!) 
 
大顎が麦野を定め開く。 
 
絹旗「っっ!間に合わな――」 
 
っどん 
 
アーマーン「っかはっ!?」 
 
アーマーンの顔に炎が爆ぜる 
 
「ヒホ。『炎の乱舞』をお見舞い!」 
 
っどどどどん  
 
立て続けに爆ぜる炎 
 
麦野「っらァ!」 
 
怯んだアーマーンの側頭部に回し蹴りを叩き込み。後退する 
 
麦野(殺られたかと思った……) 
 
滝壺「ほんとにでた」 
 
浜面「なっ?なっ?でたろ?」 
 
41 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:56:24.17 ID:QDWMqS550
かぼちゃの頭をし、ランタンを掲げた生き物? 
どうやら滝壺が浜面と同じ手順で召喚した様だ 
 
アーマーン「雑魚どもがうざってぇんだよォォ!!」 
 
攻撃に使える自身の体を駆使し。その射程空間の敵を強襲する  
 
「ヒホっ!」 
 
絹旗「とぉ!」 
 
傍にいたかぼちゃ生物を抱え下がる 
 
アーマーン「逃がさねぇよ!?」 
 
ドガァ! 
 
周囲の物を薙ぎ払いながら絹旗に追撃を掛ける 
 
絹旗「くっ!」  
 
アーマーン「死ねぇぇ!!!」  
 
ばくんっ!  
 
絹旗「やばっ!」 
 
顎に捕らえられ。『窒素装甲』が急激に弱っていく 
 
麦野「絹旗ァ!ッラァ!!」 
 
イスを振り上げアーマーンの頭を殴るが離さない 
絹旗を銜えたままその小さな体を床に叩きつける 
 
麦野「離せ離せ離せ離せっ!!」 
 
イスで何度も何度も殴るが。離さない 
 
バジリスク「そこまで離さないなら好都合さ」 
 
42 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:56:58.90 ID:QDWMqS550
トカゲが麦野の隣に並び、暴れるアーマーンの顔に飛びつく 
振り落とされない様に爪を皮膚に突き立てて眼前に顔を近づけ警告した 
 
バジリスク「ぼくの目を絶対見ないでね」 
 
真意は定かではなかったが全員従い。目を背け、また閉じた 
アーマーンも閉じるが 
 
バジリスク「きみは駄目だよ」 
 
爪を瞼に引っ掛け、無理やりこじ開ける 
 
バジリスク「『ペトラレイ』」 
 
アーマーン「ウッ。ォォォォオオオオオォォォ……」 
 
瞳から放たれた魔力がアーマーンの瞳を冒す 
体がどんどん石に変わっていくその巨体 
間もなく尾の先から、鼻先まで石に代わり、絹旗を銜えたままワニの石像となった 
 
バジリスク「おしまいっと」 
 
その言葉に全員が息を吐き、脱力した 
静まり返ったファミレス。営業困難というレベルじゃない程、荒れた店内に申し訳なさそうな声 
 
絹旗「私っていつまでこのままなんでしょうか?」 
 
ワニのオブジェに銜えられたままの絹旗だった 
 
43 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:57:40.28 ID:QDWMqS550
―― 
― 
  
壊れた自販機のある公園  
 
 
御坂「……やってみるわよ…?」 
 
左手に携帯。右手にコインを構える 
 
白井「ええ。いつでもよろしいですの」 
 
御坂から距離を取り。公園のベンチに手を触れながら言う 
 
御坂「えいっ!」 
 
軽い放電と共に現れる魔獣 
最大警戒で迎撃の構えを取る 
 
ケルベロス「ドウシタ? ナニカ ヨウカ?」 
 
言葉を発せず様子を窺う 
 
ケルベロス「……?」 
 
御坂「あんた。何?」 
 
ケルベロス「オマエの ナカマだ」 
 
白井「お姉様いつからこの様なご趣味をお持ちに……」  
 
御坂「知らないから!」 
 
ケルベロス「ジョウキョウが ワカッテない ミタイダナ」 
 
御坂「状況もなにも……」 
 
ケルベロス「デハ スコシ ハナスカ」 
 
44 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:58:15.45 ID:QDWMqS550
――― 
―― 
――― 
 
4LDKマンション 黄泉川家  
 
 
一方(やべえ……充電が少ねェ。もって五分あるかどうかだァ) 
 
廊下を抜け、リビングへと入る 
 
一方「――っな!?」 
 
散らかった部屋 
 
壊れたテーブル 
 
引き裂かれたカーテン  
 
焦げたソファー 
 
に座りお茶を飲む芳川 
 
一方「何してンだテメェ……」 
 
芳川「……?見てわからない?お茶をのn」 
 
一方「ンなもン見りゃ分かンだよォ!!」 
 
芳川「あなたちょっと疲れてるんじゃない?」 
 
一方「俺がワリーみてェに言うンじゃねェよ!!」 
 
一方「何があったかって話だよ!」  
 
芳川「そうね……。どこから話せばいいのやら」 
 
一方「地震があっただろォ。そこの前後から話せ」 
 
芳川「あなたも登録してたの?」 
 
一方「あ?何がだァ?」 
 
芳川「とぼけないでよ、『死に顔動画』を配信してるサイト『ニカイア』よ」  
 
45 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:58:59.35 ID:QDWMqS550
一方「………してねェよ?」 
 
芳川「じゃあ携帯見せてみなさい」 
 
一方「なァンで見せなきゃいけないンですかァ!? プライバシーってもンがババァには無いンですかねェ!?」 
 
芳川「まぁいいわそういう事で」 
 
一方「何がそういう事でだ!分っっからねェなァ!!」 
 
芳川「話が進まないから、いいわよごめんなさいね?」 
 
一方「チィッ!…ンで?」 
 
芳川「地震来た。仲魔になった。打ち止めとお風呂」 
 
一方「端折りすぎて見えねェよ!」 
 
芳川「体はもやしで頭脳は天才なのがあなたの売りなのに」  
 
一方「売ってねェし」 
 
芳川「地震来た。悪魔でた。仲魔になった。打ち止めとお風呂」 
 
一方「悪魔ってなバケモノの事か、仲魔って何だよ」 
 
芳川「倒した人に従うって決まりみたいよ?」 
 
一方「テメェがやったのか!」 
 
芳川「遠からず。これ使ったのよ」 
 
一方「何で拳銃なんて持ってンだよ!結局テメェじゃねェか!!」 
 
芳川「まぁそうなるのかしらね」 
 
一方「ンで?打ち止めの奴と風呂ってな…………ァ?」 
 
バタン!!
 
外で殺して来た醜悪な悪魔達を脳裏に浮かべた 
人間を食そうとした悪魔 
人間を犯そうとした悪魔 
人間を撲殺している悪魔 
人間を焼き殺してた悪魔 
人間の死体を嬉しそうに掲げ踊る悪魔 
 
46 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 00:59:34.36 ID:QDWMqS550
ガチャ! 
 
一方「打ち止めァァァ!!」 
 
打ち止め「――ッツ!! ひゃあああああああああああ!!!!」 
  
 
 
ぱちーん 
 

47 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:00:08.31 ID:QDWMqS550
――― 
― 
――― 
 
打ち止め「ほんとあなたってせっかちだよね。ってミサカはミサカは恥じらいの乙女で叱ってみる」 
 
「まぁ、それくらいにしましょう?」 
 
打ち止め「リリムは甘いよ!ってミサカはミサカはまさかライバル出現?の展開を恐れてみたり」 
 
リリム「いやいや。私男性に興味ありませんし」 
 
打ち止め「良かったぁ!ってミサカはミサカは将来有望な胸を撫で下ろしてみたり」 
 
芳川「一緒にお風呂は禁止ね……」 
 
リリム「そんなヒドイっ!」 
 
一方「当たり前だッ!」 
 
打ち止め「あなたとは一緒に入るからね、ってミサカはミサカは楽しいお風呂を提案してみる」 
 
リリム「え……。あなた少女趣味なんですか?流石に引きます」 
 
一方「チゲェよ!!そいつが勝手に入ってくンだよ!!」 
 
芳川「 
     しかし、頬を染めつつまんざらでもない一方通行であった 
                                     」 
 
一方「変なナレーション入れンじゃねェ!!」 
 
芳川「てへぺろー(棒)」 
 
一方「せめて感情込めて言えよ!なンか……疲れた」 
 
リリム「この人テンション高いんですね」 
 
芳川「駄目よそんな事言っちゃ。自分じゃヤレヤレ系男子と思ってるから」
 
一方「っっっ!!!もういいわ。〜〜〜はァ」 
 
芳川「じゃあそろそろ本題に入るとして、どうなってるの外は」 
 
一方「………ああ、外か……」 
   
 
48 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:00:33.47 ID:QDWMqS550
16:00 

――― 
― 
 
上条当麻の寮 
 
 
上条「―――というわけなのですよ。ご理解いただけましたか?インデックスさん」 
 
禁書目録の冷たい視線に晒されながらも懇切丁寧な説明を遂げたこの部屋の主 
お気に入りのアクセサリーの様に歯型をびっしりと付けているのはお約束 
 
禁書「大筋は分かったんだよ。でもとうまが急に女の子連れてくるのが悪いんだよ!」 
 
上条「女の子ってまだお前と大して変わらない位の子供じゃないか…」 
 
禁書「……まだ当麻は分かってないみたいだね」 
 
上条「い…いや。待てインデックス!分かった。分かってる!」 
 
禁書「とうまああああああああああああ!!!」 
 
上条「ぎゃあああああああ!!!」 
 
49 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:01:09.98 ID:QDWMqS550
上条「……んで。どういう状況か分かるか?」 
 
禁書「んーー。……んーーーーーーーーーーー?」 
 
上条「…………分からない……か?」 
 
禁書「んーーーーー」 
 
上条「………」 
 
禁書「ねぇねぇ、ありす」 
 
アリス「なに?」 
 
テレビを見ていたアリスが振り返らずに答える 
 
禁書「あなたは人間じゃないよね?」 
 
上条「は?」 
 
アリス「純粋に人間とはいえないと思う」 
 
突然飛び出たやり取りに、置いていかれる上条 
 
禁書「もしかして、こことは違う世界から来たんじゃいかな?」 
 
アリス「違うと言えば違うし、同じと言えば同じ」 
 
禁書「ありがとう。大体わかったかも」 
 
上条「今ので分かったのか?」
 
禁書「わたしじゃ全部は分からないって事が分かったんだよ!」  
 
上条「それって……どうなんだ?」 
 
禁書「まず、アリスの事は分かったんだよ」 
50 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:01:57.22 ID:QDWMqS550
上条「??どういうことだ?」 
 
禁書「ある魔道書の中に記述があるんだよ、元は図鑑なんだけどね」 
 
上条「それって?」 
 
禁書「んーー。説明がややこしいから後で」 
 
禁書「それと同じ時期に一つの魔道書が書き起こされたんだよ」 
 
禁書「同じ筆者によってね」 
 
上条「つまり…。その筆者に聞けば分かるってことか?」 
 
禁書「書かれたのは18世紀だから無理なんだよ」 
 
上条「そっか……どうすっか…」 
 
禁書「でもすごい大変な事が起きてるんだよ」 
 
上条「そりゃ分かるけどよ」 
 
禁書「とうまも全然無関係とは言えないかも」 
 
上条「はぁ!?」 
 
禁書「アリスについて記述された図鑑の名前は『悪魔全書』って言ってね……」 
 
 
「きゃあああああああ!!」 
 
 
上条(――っ!?) 
 
外から聞こえた悲鳴  
 
窓を開けベランダへ飛び出る 
前の通りで悪魔に追われている女子が二人 
 
上条「襲われてる!」 
 
玄関へ走り、靴を履きながら外へと 
 
禁書「とうま!!」 
 
上条「ここに隠れてろ!!」 
 
階段を駆け降り、先を急ぐ 
 
51 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:02:31.18 ID:QDWMqS550
――― 
―― 
――― 
 
白井「なるほど、つまり登録していない私の携帯からは何もでなかったと…」 
  
御坂(もっとかわいいのがよかった) 
 
ケルベロス「ソウダ、また何かアッタラ呼べ」 
 
御坂「分かったわ。まぁ……。うん」 
 
消える魔獣 
 
御坂「結局なんなんだろね…いったい」 
 
白井「ケルベロスさんの話ではこの様な事がそこいらで起きているはずだとも」 
 
御坂「とにかくその辺回ってみよう!」 
 
gkgkgkgk
52 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:02:58.42 ID:QDWMqS550
御坂「メール?」 
 
携帯の基地局は無事だったのだろうかと考えながら、操作する 
 
御坂「これって!?」 
 
白井「死に顔動画……ですの?」 
 
御坂「佐天さんと初春さんじゃない!!」 
 
白井「ちょっと、シャレになってないですの」 
 
御坂「あ、ぁ……!」 
 
白井「そんな………」 
 
頭蓋を割られ血の華を咲かせる初春と、半身を食われ恐怖に引きつったまま事切れる佐天の顔 
 
御坂「ひどいっ!――こんなことってっっ!!」 
 
白井「お姉様!!」 
 
御坂「なによ」 
 
白井「この時計おかしくありません?」  
53 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:03:33.08 ID:QDWMqS550
御坂「なにが?」 
 
白井「時間ですの。この時刻は16:50分ですの」 
 
御坂「……今は30分…。てことは」 
 
白井「これは未来の出来事ということですの」 
 
御坂「この動画が本当なら、止められる」 
 
御坂「二人を救える!」 
 
白井「この場所は…」 
 
御坂「このフロアの柄とテナントはセブンスミストじゃない?」 
 
白井「ですわね」 
 
御坂「黒子お願い」 
 
白井「承知しておりますの!」 
 
白井は御坂の手を握り締め。数十メートル上空へ転移し、それを繰り返した。 
 
54 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:05:24.31 ID:QDWMqS550
くぎり
55 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:07:17.02 ID:QDWMqS550
 
第七学区路地 
 
土御門「はぁっはぁっ」 
 
「オレサマ ナマエ ガルム ツイテク」 
 
土御門「はぁっ…はぁっ! 痛てて……」 
 
傷だらけながらも、拳銃の残弾を確認する  
 
土御門「まさか…魔術まで使わされる事になるとはな……ゴフっ」 
 
「あんた何死に掛かってんのよ」 
 
土御門「いいタイミングで着てくれたな。結標淡希」 
 
結標「何?変なバケモノに襲われた口?」 
 
土御門「ってことはお前もか」 
 
結標「ええ。空き缶頭に転移させて殺したけど。びっくりしたわ」 
 
土御門「負けず劣らずバケモンだにゃー」 
 
結標「なんか言った?」 
 
土御門「何でもない」 
 
結標「……で?用件って?」 
 
土御門「用件は変更だ。今は案内人としての仕事を頼む」 
 
結標「はいはい。早速行くわよ」 
 
 
虚空に消える二人 
行き先は学園都市統括理事長の元へ 
  
56 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/06(土) 01:08:54.08 ID:QDWMqS550
おわり
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/06(土) 17:00:57.78 ID:6P6hqFmoo
デビサバは知らないが、最初のメガテンシリーズはやり込んだ

学園都市で悪魔召喚プログラムと勝手に想像。楽しみ。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/08(月) 04:55:28.13 ID:iuRB5LAw0
え?終わり?メタトロン様は?ルイ君は…
59 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:32:02.46 ID:QdfN3mzA0
時間の概念が薄れています 
時系列とか色々明確にやってると後々矛盾が生まれそうなので、予防策として…。 
あと書き溜めが早くなるかなと
60 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:32:28.88 ID:QdfN3mzA0
 
Seventh Mist 南側エントランス(通称正面入り口)
 
御坂「携帯が通じない」 
 
白井「地震の影響で混線してるのでしょう」 
 
御坂「とにかく二人を探さないと……。行くわよ!」 
 
白井「はいですの!」 
 
61 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:32:57.01 ID:QdfN3mzA0
 
ファミリーレストラン 
 
麦野「生き残ったのはこんだけ?」  
 
浜面「厨房の方も確認したけど、これだけだな」 
 
麦野「そう。ならいいわ」 
 
時間が外れていたこともあり、少ない客数だった店内だったが 
事が終わってみると半数以上が犠牲になっていた 
 
滝壺「これから。どうするの?」 
 
絹旗「とりあえず移動しませんか?」 
 
ワニの石像から解放された絹旗が答える 
 
絹旗「現状も分かりませんし」 
 
麦野「概ね同意ね。これについても、もう少し探らないと」 
 
そう携帯の画面を見ながら言う 
 
麦野「とにかく生きてる奴は、とっとと逃げなさい」 
 
「でもどこに行けば…」 
 
「……帰りたい」
  
「もう終わりなんだ…世界は終わるんだ……」 
  
「外にもバケモノが居るかもしれないじゃない!」 
62 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:33:31.29 ID:QdfN3mzA0
麦野「自分で考えなよ、それくらい」 
 
浜面「麦野」 
 
麦野「なに?」 
 
浜面「言い方ってのがあんだろ」 
 
麦野「あたしに意見するわけ?あーんた何かいい事でもあって調子に乗ってるのかにゃ?」 
 
浜面「そんなんじゃねぇよ。どうしたらいいかわからねーのは俺達もなんだから」 
 
浜面「助け合えばいいじゃねーか」 
 
麦野「……ご高説どうも。浜面」  
 
大仰におじぎをして笑う 
 
麦野「あんたの言う通り。どうしていいか分からないのは一緒」 
 
麦野「あんたはあたしが自分勝手。とか思ってるかもしれないけど、勘違いしないでくれない?」 
 
麦野「あたしらに付いて来て、それが間違いだったらあんた責任取れるの?」 
 
浜面「…いや、でも戦う事はできるじゃねーか」 
 
63 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:33:58.32 ID:QdfN3mzA0
麦野「さっきのワニ見てただろ。あたしの携帯になんか登録されてるこいつ」 
 
麦野「『原子崩し』が効かなかった」 
 
麦野「どういう論理かはさて置き。そんなやつがまたでてきたら?」 
 
麦野「あたしや絹旗だってやばかった。次生きてる保障は?」 
 
麦野「何が正解で何が間違ってるか分からない以上。赤の他人を背負い込むのは勘弁して欲しいわね」 
 
浜面「……わかった」 
 
麦野「なら適当な車回してきな」 
 
絹旗「どこに行くんです?」 
 
麦野「さぁ。とりあえずその辺ぶらっとして考えるしかないでしょ」 
 
滝壺「そうだね。車走れればいいけど」 
 
麦野「んじゃー。生きてたらまたどこかで」 
 
生存者にひらひら手を振り、出口へ向かう  
64 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:34:26.29 ID:QdfN3mzA0
上条当麻の寮の前 
 
上条「確かこっちに走っていって……」 
 
上条「……あ…」 
 
折り重なっている骸が二つ 
 
上条「なんてこったッ!。くそ!くそっ!!」 
 
救えなかった遣る瀬無さが積り昂ぶる 
 
「人間ミーつけた」 
 
上条「!?」 
 
「殺す?食べる?」 
 
二体の悪魔が上条の前に現れる 
 
「むずカしーねー」 
 
「名案!」 
 
「なにナに?」 
 
「食べて殺そう!」 
 
「いイね!かジロうかじロウ」 
65 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:34:54.02 ID:QdfN3mzA0
 
上条「うわっ!」 
 
素早く身をかわす 
 
「はやイよこいつ」 
 
「さっきの雌より早いね」 
 
持っている運動神経もあるが。齧る、噛み付くという行為に対しての経験則の副産物 
 
「はやクタべさセて」 
 
66 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:35:24.02 ID:QdfN3mzA0
相手の初動を感じ  
 
上条「っざけんじゃ…」 
  
口を突き出す頭部を見据え 

「アー…」 
 
上条「ねぇよ!!」 
 
顔面に右フックを叩き込む 
 
「がッ!」 
 
アスファルトに朱の体を打ち付ける 
 
上条「おおおおお!!」 
 
ドゴッ!!  
 
倒れたわき腹を力の存分蹴り抜く 
悪魔にも骨はあるらしい、足先から何か割れる感触がする 
 
67 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:35:54.33 ID:QdfN3mzA0
「『ザン』」  
 
羽ばたいていた骸骨の頭部を持った鳥から不可視の衝撃波が放たれる 
 
パキン 
 
だが上条へ届くと同時に霧散する 
 
上条「どうやら、この右手で対処可能みてぇだな…」 
 
「『ザン』『ザン』」 
 
上条「効かなねぇ!!」 
 
バキン 
 
上条「てめえらが人間をただの食い物だと…思ってんなら…」 
 
左手で翼を掴み塀に押し付ける 
暴れる鳥。舞い散る羽 
 
上条「そのふざけた幻想をッぶち殺すッッ!!」 
 
頭蓋が拳と塀に挟まれ脆くも割れる 
68 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:36:37.04 ID:QdfN3mzA0
黄泉川のマンション リビング 
 
一方「………ああ、わかった。…テメェもな……。」 
 
携帯を切り、ソファーに深く座る 
 
芳川「愛穂、なんて?」 
 
一方「対応に追われて状況も掴めてねェらしい」 
 
一方「とりあえずお前らをあの病院に連れて行くぞ」 
 
打ち止め「どうして病院なの?ってミサカはミサカは疑問をぶつけてみたり」 
 
一方「病院なら食料も電気も水も余裕があるし、あの医者が無事なら何かと都合がいい」 
 
芳川「避難所に使っちゃまずいでしょ」 
 
一方「このガキも俺もあの医者の患者様だァ。あの医者のモットーならお前らくらい面倒見てくれンだろォ」  
 
芳川「あなたは?」 
 
一方「俺は自分の面倒くらい見れるっつンだ。…んでお前」 
 
リリム「なんでしょう?」 
 
一方「因みにどンくらい強えンだ?」 
 
リリム「余り荒事は得意ではありません。打ち止めお嬢様を愛でる事に関しては誰にも引けは取りませんが」 
 
一方「ツっこまねェぞ?…んじゃガキ。お前の携帯貸せ」 
 
打ち止め「あー!ミサカの携帯返して!」 
 
一方「るせェ。黙って待ってろ」 
 
69 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:37:04.28 ID:QdfN3mzA0
芳川「何してるの?」 
 
一方「こいつの携帯でニカイア登録して召喚アプリ付ける」 
 
一方「オラ。登録しろォ」 
 
打ち止め「いいの?」 
 
一方「悪魔が出てきたら俺がやる、お前らは外出てろ」 
 
芳川「ちょっ!ここでやるの!?」 
 
一方「……。俺が外にでるわ」 
 
打ち止め「黄泉川に知られたら怖いもんね!ってミサカはミサカはビビリなあなたに同情してみる」 
 
一方「早く登録しろォ!!」 
 
打ち止め「出来たよ!ってミサカはミサカは無意味に勝ち誇ってみる」 
 
一方「貸せ。……チッもう起動始めやがった」  
 
チョーカーのスイッチを入れ廊下を急ぐ 
70 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:37:46.86 ID:QdfN3mzA0
黄泉川のマンション通路 
 
「また妙なところに呼び出されたの〜」 
 
「しかも鉄と石の臭いがほんまひっどいなここは」 
 
「なんや兄ちゃん。いきり立ってからに、なんか用でもあるんか?」 
 
一方「用…?いや、いきなり襲ってくるンじゃねェの?」 
 
「わしゃ通り魔やあらへん!呼び出した本人ならまだしも、無関係なモンいきなり襲うかい!」 
 
一方「呼び出したのは俺だァ」 
 
「ちゃうやろ。何や知らんけど、あんたやないのは分かるわ」 
 
一方「何度も言わせンじゃねェよ。俺が呼んだンだよォ」 
 
「か〜ッ!あれか兄ちゃんここは俺に任せてお前は〜〜ってやつか!?そやろ?泣かせる話やないかい!ワレ!」 
 
一方「あんま時間ねェンだ。さっさと終わらせるぞォ!!」 
71 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:38:12.35 ID:QdfN3mzA0
通路のコンクリートが割れる程に蹴り、右手で白い悪魔に掴みかかる 
 
「それが出来るか出来んかは、兄ちゃん次第って話やけどなァ」 
 
ゆらりと背後に回られる一方通行 
 
一方「ちィッ!!」 
 
左足を軸に体を捻り、蹴りを放つが 
 
「動きは人間離れなんてモンやないけど。まだまだやなぁ…」 
 
一方通行の攻撃を難なく避わし、評価を下す 
 
一方「ケェッ!!」 
 
ガゴォッ!っと重い音を上げ、壁を削りコンクリート片を散弾状に放つ 
 
一方(面攻撃。回避は不可能ォ!!) 
 
ダガガガガガガッ!! 
 
盛大な音を立て飛礫が悪魔と通路全体に突き刺さり、破砕する 
72 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:38:41.07 ID:QdfN3mzA0
「………人間離れは失言やったか。兄ちゃんあんた、十分こっち側でもやっていけるで?」 
 
数秒前とは違う景色の通路に比べ、悪魔に変わった所はひとつも無かった 
だが強いてあげるならば、数秒前よりも力強い気配に変わった所だろうか 
 
一方「クソがァ…。テメェも豚野郎と同じか……」 
 
コンビニでの戦闘を思い出す 
 
一方「だからどォしたって話だけどなァッッ!!!」  
 
体構造を解析する為に距離を詰める 
 
「揶揄はもう礼に欠くわな。いくでぇ!」 
 
一方通行の腕を往なし、腹に拳を沈める 
 
「んおっ!?」 
 
一方「バカがっ!」 
 
反射に驚き、再度繰り出された腕から大げさに距離を取る 
 
「ほんまは兄ちゃん人間やないやろ!?」 
 
一方「ッるせェンだよバケモノがァ!!」 
 
「さっきから触ろうとしてくるんも、なんや裏があるんやろうな…」 
 
「本気出すでぇッ!!」 
 
一方通行が更に加速し、悪魔の肩を掴み電気信号の送受信を始める 
 
一方「死ねェッ!!」  
 
「『万魔の一撃』!!」 
 
どしゅッ!! 
73 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:39:07.36 ID:QdfN3mzA0

一方「―――ッッ!――カハッ!」  
 
悪魔の手は荘厳な炎を纏い一方通行の右胸に突き刺さっていた 
崩れ落ちる一方通行の体 
 
「ほんまに奥の手なんやけど、兄ちゃんには頭が下がるでぇ……」 
 
「兄ちゃんの逝く先に花が咲かんことを……」 
 
倒れた一方通行に悪魔なりの鎮魂の言葉を掛け、自分を召喚した人間を探すためその場を後にする 
 
一方「……まvqj…」 
 
「もう寝とき、苦しいだけや。ワイかて今から召喚したモン殺しに行かなあかんねん」 
 
その言葉には労わりの情さえ感じられる 
 
一方「………brkvろ…yr」

「――!?なんやワレ。……その翼は…」 
 
一方「ghr…死hwe」 
 
黒の濁流が白い悪魔を飲み込み、マンションの通路ごと消し飛ばす 
 
胸を押さえても、流れ出る赤 
 
黒い翼の消失と同じくして、一方通行の意識もプツンと消えた 
 
74 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:39:33.67 ID:QdfN3mzA0
Sventh Mist 三階通路 
 
御坂「居た!佐天さーん!」 
 
佐天「御坂さん!」 
 
白井「よかった。間に合いましたの」 
 
佐天「間に合ったって何がです?」 
 
御坂「……驚かないでっていうのも無理だと思うけど……その…」 
 
佐天「?」 
 
白井「死に顔動画に佐天さんと初春が映ってましたの」 
 
佐天「…え?」 
 
御坂「二人がこのセブンスミストの中で……っっ!」 
 
動画の内容を思い出し、言葉が詰まる 
75 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:40:03.18 ID:QdfN3mzA0
佐天「……冗談。じゃないみたいですね……」 
 
白井「わたくしも拝見いたしましたの」 
 
佐天「……どうしよ…。私死んじゃうんですかね……」 
 
御坂「させないからっ!佐天さんと初春さんは絶対守るから!」 
 
白井「その為にここに来たんですの」 
 
佐天「因みに死因ってなんなんですか?」 
 
御坂「悪魔に……」 
 
佐天「……っっ!」 
 
白井「後五分程で動画の時間ですの。そういえば初春はどちらへ?」 
 
佐天「初春はここにいた『警備員』のお手伝いに…。今から私もそっちに行こうかと」 
 
御坂「……無い」 
 
白井「お姉様?」 
 
御坂「時計が無い」 
 
白井「時計?時刻でしたら今…」
76 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:40:31.31 ID:QdfN3mzA0
御坂「違うの!動画に映ってた時計が無いのよ!」 
 
白井「――!ということは…」 
 
御坂「あれはここの映像じゃなくて、…佐天さん!」 
 
佐天「はい!?」 
 
御坂「初春さんのところに行くって言ったけど、初春さんはどこに居るの!?」 
 
佐天「『警備員』が裏口の方で避難してきた人を誘導してるんで…」 
 
御坂「裏口。北側エントランス!」 
 
「うわああああああ!!」 
 
「化け物が入ってきたぞ!」 
 
遠く階下から聞こえる絶叫 
 
白井「佐天さん。わたくしから離れないでくださいまし」 
 
佐天「え?え?」 
 
御坂「お願い黒子!」 
 
白井「合点ですの!!」 
 
77 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:41:37.13 ID:QdfN3mzA0
 
上条の寮の近所 
 
上条「はぁっはぁっ…ってて…」 
 
上条「右手…腫れそうだなこりゃ」 
 
踵を返し、ふたつの遺体の元へ近寄る 
 
上条「ごめんな。助けられなくて」 
 
上条「ごめんっ……!」 
 
学生服の上着を掛け、手を合わせる 
 
キキキキー 
 
上条「車?」
78 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:42:07.50 ID:QdfN3mzA0
離れたところから車のブレーキ音が聞こえる 
 
キキキキー 
 
同じ通りに姿を現したワンボックスカーが猛スピードで迫る 
 
上条「うわわわわっ!!」 
 
暴走車の後部から火が上がり派手に植え込みに突っ込む 
 
上条「んな!?」 
 
「大丈夫かお前ら!早く出ろ!!」 
 
「浜面ァ!次の車急いで持って来い!!」 
 
「滝壺さん大丈夫でしたか?」 
 
「ちょっと頭ぶつけたけど。大丈夫だよ」 
79 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:42:37.50 ID:QdfN3mzA0
上条「おいあんたら。火消さなくていいのかよ?」 
 
麦野「あん?」 
 
浜面「あ、お前は!」 
 
麦野「知り合い?」 
 
浜面「ああ、お前も無事だったみてーだな」 
 
絹旗「何を超暢気に話してるんですか!来ましたよ!」 
 
麦野「さっきより増えてやがるッ…。浜面、こいつら連れて車探してこい」 
 
滝壺「麦野は?」 
 
麦野「馬鹿でも逃げれるくらいの時間は稼いでやるよ」 
 
絹旗「私も残ります」 
 
麦野「そっちが手薄になっちゃうでしょ。早く行けっての!」 
 
迫る悪魔の群れに放たれるは死を与える光条 
薙ぎ払われる悪魔。と耐える悪魔 
 
絹旗「超急ぎます!」 
 
麦野「やっぱ残る奴がいんのかよ…。クソ!」 
 
上条「及ばずながら、助太刀するぜ」 
 
麦野「邪魔だどいてろ」 
 
80 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:43:03.24 ID:QdfN3mzA0
上条「な!?確かに上条さんは無能力者ですが邪魔とは言いすぎなのではと…」 
 
麦野「あァん!?」 
 
電柱を切り群れに向かって倒壊させる 
 
上条「何でもないです」 
 
麦野「LEVEL5のあたしでも手に負えないってのに……」 
 
飛来する氷塊を破砕し、向かってくる少女の様な悪魔に光の束を重ね当てるが嬉々爛々と目に殺意を灯らせる 
 
麦野「っ!チィッ!!」 
 
上条「LEVEL5って事は御坂や一方通行と同レベルか…」 
 
麦野「一緒にすんじゃねェよ!」 
 
突撃してくる少女の魔手を避わし、追撃の一撃を放つも全く効果が得られない 
 
81 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:43:30.41 ID:QdfN3mzA0
上条「能力が効かないのか?」 
 
麦野「〜〜〜〜ッッ!ごちゃごちゃ横からうるせェんだよてテメェ!!殺すぞッ!!」 
 
上条「危ねぇ!!」 
 
塀の上から襲ってきた軟体の悪魔から麦野を庇う 
 
麦野「どきなッ!」 
 
ヒットアンドアウェイの要領で退がろうとした軟体悪魔に放つがこっちも全く効果がない 
 
上条「効いてない……な。……まさか」 
 
後続の悪魔が数体追いついてきた 
熊の戦士のメイスを振るのを避わすが、左手を上条に向ける 
 
「速いな人間。『アギ』」 
 
低い声で発せられた力。そして火球が上条を襲うが 
 
バキン 
 
上条「効かねぇよ!」  
 
麦野「――なッ!?」 
 
82 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:43:56.34 ID:QdfN3mzA0
そして浮かんだ仮説を立証する為。硬い路面を蹴り熊に飛び掛る 
 
麦野「バカっ!!」 
 
熊の腕を掴み背中に右手を当てる 
 
上条「今撃ってみてくれ!!」 
 
麦野「何やってんのバカ!!殺されるぞ!!」 
 
上条「早く!!!」  
 
暴れだした熊の戦士にしがみ付きながらも右手でしっかり触れる 
頭部を狙い、麦野の『原子崩し』 
 
熊の戦士の首から上が消滅した  
 
麦野「効いた!?」  
 
上条「やっぱりか」 
83 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:44:52.88 ID:QdfN3mzA0
麦野「あんた無能力者じゃないの?それにさっきの火の玉に何した?」 
 
上条「俺の右手はあらゆる異能。魔術とか超能力とか打ち消す力があるんだ」  
 
上条「学園都市の最強にも効果あったし。あいつらの、なんか能力効かないのも無効化できるんじゃないかと思ってな」
 
学園都市最強。第一位。一方通行。無能力者に敗北 
 
噂の範疇をでないものだが。いくつかの単語が麦野の脳裏を駆け巡り一つの答えをだす 
 
麦野(こいつかァ?) 
 
悪魔に囲まれた逼迫した状況で在りながらも。口角を歪め嗤う 
 
麦野「いいねあんた。さっきの言葉訂正するよ」 
 
麦野「あたしは第四位『原子崩し』麦野沈利だ」 
 
上条「俺は上条。上条当麻だ」 
 
麦野「少し触れるだけでいいよ、後はあたしが駆除してやるから」 
 
熊の戦士が殺された事に警戒を強めた悪魔と相対し、二人が肩を並べた 
84 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:45:18.64 ID:QdfN3mzA0
Seventh Mist 北側エントランス (通称裏口) 
 
「退がれ退がれ!!」 
 
「来た来た来た!!」 
  
「一般人は上に!一般人は上に!!急いで!!」 
 
「誰か助けてっ!!」 
 
「女生徒が捕まってる!救援に――」 
 
「助けっボホッ――」
 
「ああああああああああああ!!」 
 
そこは戦場だった
硝煙と血の臭い。数多の銃撃に怯むことない悪魔の群れ 
寧ろ勢いついている者すら見える 
 
佐天「初春ーーー!!」 
 
御坂「黒子は初春さんと佐天さんをお願い!」 
 
白井「お姉様!!」 
 
御坂「大丈夫!」 
 
言いながら携帯を翳す 
 
御坂「それにこのままにしておけない!!」 
  
御坂「手加減は一切無しで行くわよ!!」 
 
85 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:45:46.20 ID:QdfN3mzA0
警備員の合間に立ち。コインをピンと弾く 
照準を悪魔の群れに定め
 
撃つ 
 
硝煙と死臭に爆音と衝撃が加わる 
悪魔の壁に穴が空くがすぐに後続の悪魔が詰め寄る 
 
御坂「あなた達も退がって!一般人の避難に集中して!」 
 
警備員「ダメだ。君も来るんだ!!」 
 
御坂「あたしは御坂美琴。LEVEL5よ!ここは任せて!」 
 
警備員「LEVEL5…!?」 
 
御坂「そう。だから早く!」 
  
何が何でも連れて行かなければならないのが警備員の責務だが 
今目の前で起こった事を考えると自分の力は目の前の少女の十分の一も、百分の一も無いと感じた 

警備員「わかった、私じゃ足で纏いになるだろうな」 
 
御坂「…すみません」 
 
警備員「いやいいんだ。危なかったらすぐに避難してくれよ」 
 
御坂「了解!!」 
86 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:46:23.77 ID:QdfN3mzA0
 
携帯を操作する 
 
――召喚アプリ起動―― 
 
――魔獣 ケルベロス――  
 
――― 召喚 ――― 
 
放電現象と共に再構成される魔獣 
 
ケルベロス「御坂。……コレハ…」 
 
御坂「とりあえず呼んでみたんだけど…」 
 
ケルベロス「主ノ命ニ従うのが仲魔の勤メ」 
 
ケルベロス「コレ程の輩。薙ギ払ッテクレヨウ」 
87 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:47:23.85 ID:QdfN3mzA0
強靭な跳躍で悪魔の群れに突っ込んでいく魔獣 
 
御坂「ちょ!?」 
 
爪を振るい、牙を突き立て。逆に打たれても物ともせずに、群れを削り取る様に進撃する  
 
御坂「つよ……」 
 
ケルベロスの打ち漏らした悪魔が中に入ってくるが、その数は思った以上に少なく 
電撃で瞬時に焼き焦がす  
ケルベロスの背後に巨大な炎が渦を巻いて、襲い掛かる 
 
御坂「後ろ!!」 
 
ケルベロス「ちょうどイイ」 
 
御坂の警告を察知したが、炎に突っ込み。その豪炎を反射する 
 
御坂「ええーーーー??」 
 
広範囲に撒き散らされた豪炎に焼かれ悪魔の殆どがすでに炭化する  
燃えながら店内に逃げる悪魔を電撃の槍で止めを刺し、喧騒はどこか遠くなっていった 
88 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:48:08.20 ID:QdfN3mzA0
御坂「…おつかれ」 
 
ケルベロス「なんという事はない」 
 
炎を出した張本人のヒトデを噛み千切った後、悠然と御坂の前に歩みよる  
 
御坂「あんた火に突っ込むとか大丈夫なの?」 
 
ケルベロス「我は地獄の番犬と呼ばれる。炎ニ翻弄されるナド。笑い話にもナラン」 
 
御坂「発火能力じゃなくて良かったって思ったのは初めてだわ……」 
 
ケルベロス「…………何か来ル」 
 
御坂「?」 
  
魔獣が裏口の悪魔が逃げ去った方を見、警戒の色を出す 
 
御坂「何あれ?」 
 
何かのモニュメントだろうか? 
御坂はそう考えたが、すぐに考えを改めた 
動いている。無機物では無く有機物特有の雰囲気 
 
御坂「新手の悪魔?」 
 
ケルベロス「さぁ…な。こっちに来るぞ」 
 
89 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:48:40.51 ID:QdfN3mzA0
「○$Я пСЁй Θυ∬」 
 
御坂「え?何て言った?」 
 
ケルベロス「いや。聞き取れナイ。言語なのかも分カラン」 
 
御坂の携帯が突然なりだす 
 
御坂「またメール…」 
 
御坂「……ドゥベ?」 
 
「$лЩТ=」 
 
ケルベロス「おい。御坂」 
 
御坂「ちょっと待って。メールにあいつの事が書いてる」 
 
ドゥベ「¢ЧЪ<」 
 
ケルベロス「御坂」 
 
御坂「待ってってば」 
 
ドゥベ「℃◆○λ」 
 
90 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:49:25.37 ID:QdfN3mzA0
ケルベロス「御坂!!」 
 
御坂「何よ!!」 
 
ドゥベ「Ψ††」 
 
御坂「へ?」 
 
ケルベロス「何かやばいぞ!!」 
 
少し目を離した隙にドゥベの頭部になるのかは分からない球体が。五倍程膨れ上がっていた 
 
御坂「なにあれ!?」 
 
ケルベロス「逃げるぞ!!」 
 
獣の本能か。御坂を銜え 
 
ドゥベ「СVЯ!」 
 
駆け出そうとした刹那。頭部が爆炎を吐き出す 
 
御坂「――っっ!!」 
 
白井「――  ぇ様ッッ!!」 
 
ズッッ…ドォォォォォォオオオンン!!! 
 
絶望的な熱量がセブンスミストの一階北口からニ階通路中央までを灰にさせた 
 
91 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:50:20.26 ID:QdfN3mzA0
Seventh Mist 四階南側フロア  

御坂「〜〜〜〜〜ッッ!!」 
 
初春「御坂さん!」 
 
佐天「よかった!!」 
 
白井「危なかったですの……」 
  
御坂「…………え?」 
 
白井「お怪我はございませんの?」 
 
御坂「あれ?」 
 
佐天「御坂さん。白井さんに助けられたんですよ?」 
 
初春「無事でよかったです」 
 
御坂「………。。あー。あー、なるほどね」 
 
御坂「〜〜〜っはぁ〜!!ほんと死んだかと思ったわ」 
 
白井「お姉様……」 
 
御坂「ありがとう。黒子。ほんとありがとう」 
 
白井「嗚呼…。お姉様からの感謝のお言葉それはもう黒子にとって最上の幸福っっ!!!」 
 
白井「好感度MAXの内にお姉様を陥落いたしますのッ!!いただきますッ!」 
 
飛び掛る黒子に電撃を浴びせ、頭を撫でる 
 
御坂「ありがとうね」 
 
白井「ひ…ひ、ひあわせでふの…」 
 
佐天「あはは……。でも御坂さんの死に顔動画が来た時はホントびっくりしましたよ」 
 
92 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:51:01.95 ID:QdfN3mzA0
初春「それから白井さんがすぐに瞬間移動して御坂さんを助けに……」 
 
御坂「あたしの死に顔……動画……」 
 
佐天「他人の死に顔なんてショックなのに、親友の死に顔なんて更にショックですよ」 
 
御坂「そうよね……。あたしも二人の死に顔見たときも同じ気持ちだったわ…」 
 
御坂が携帯を開き違和感を覚える 
 
御坂「ケルベロス……?」  
 
白井「あの方は重すぎなので連れてくることは不可能でしたの…」 
 
御坂「そんな……」 
 
白井「でも生きておられると思いますの」 
 
初春「あの大きな犬ですよね」 
 
御坂「初春さん見たの?」 
 
初春「直接ではありませんが、動画に映っていたので……」 
 
御坂「動画に?ちょっと見せて」 
 
佐天「いや。御坂さんが死ぬやつですよ!?」 
 
御坂「うえ…。いいわ…見せてちょうだい」 
 
初春「でしたら……」 
93 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:51:29.71 ID:QdfN3mzA0
初春の携帯から流れる動画には確かにさっきの状況が最悪の形で記録されていた 
 
ドゥベの膨張 携帯を見ている御坂 警告しているケルベロス 
 
爆発 
 
炎に巻かれる一人と一匹 一人は灰になり 灰が散るその場で一匹が吠える 
 
そこで動画は終わっていた 
 
 
御坂「あいつ……。あんな炎でも平気なわけね…」   
 
白井「とりあえず無事を祈りましょう」 
 
94 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:53:04.51 ID:QdfN3mzA0
「崩れるかもしれないから外に出るぞ!」 
 
フロアに一階で御坂と話した警備員が指揮を執っていた 
 
御坂「待って!」 
 
御坂「まだ危険なのが残ってるから迂闊に出歩くとまずいわ!」 
  
「しかしこのままここに居る訳にもいかないが…」 
 
御坂「待ってて……」 
 
瞳を閉じ、神経を集中する 
網を無限に広げるイメージと網が何かにぶつかるイメージ 
四階フロアの全域の地形と人を含む物体を感じる 
三階にも網を伸ばす。無意識で行う以上の距離 
爆発で停電していた照明が明滅を始め、周囲から不安の声があがる 
三階も異常はない。挙げるなら半分程度建物自体が抉られているのみ 
そして二階、非常階段を高速で上がってくる者が一つ 
 
御坂「……っケルベロス?」 
 
体躯と四肢を生かした移動で判断する 
 
御坂「行きましょう、二階までは安全だと思う」 
 
確認して尚、断定はできない 
それだけ自分たちは異常な空間にいるのだから 
御坂美琴は自身にそう言い聞かせた  
95 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:53:30.50 ID:QdfN3mzA0
ケルベロス「無事だったか」 
 
御坂「あんたもね」 
 
ケルベロス「言っただろう。炎では我は滅びぬ」 
 
御坂「とかいいつつ、怪我してるじゃない」 
 
ケルベロス「あの正体不明と戦った時のものだ」 
 
御坂「倒したの?」 
 
ケルベロス「無理だった」 
 
御坂「そんなに強いの!?」 
 
ケルベロス「しかし奴もまた我を倒すには至らん」 
 
御坂「同レベルってこと?」 
 
ケルベロス「……攻撃が何も通じないのだ」 
 
御坂「そんな!?」 
 
ケルベロス「全てを試した訳ではないが……」
 
御坂「今あいつはどこにいるの?」 
 
ケルベロス「距離を取ったらこの建物から出て行った」 
 
御坂「街に出たわけね……」 
 
白井「お姉様、ケガをされている方も多い様ですし。ここは病院へ向かうのがよろしいかと」 
 
御坂「そうね。当ても無くってのは厳しいし。とりあえずそうしましょ」 
 
初春「では私は一般人の誘導の手伝いに行きます」 
 
佐天「あ、待ってよ初春ー!」 
 
敵襲に備えて警戒を強め。一行は病院へと向かった 
96 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:54:15.10 ID:QdfN3mzA0
上条当麻の寮の近く 
 
上条「あッぶね!」 
 
零距離で死線避わしつつも右手で触れる  
 
麦野「終わり!!」
 
上条が捕まえるのに手こずった羽の生えた少女の左半身を消滅させた 
 
麦野「あいつらはまだこないの……?」 
 
そこまでの時間は経っていないが、ぼんやりしているとまた悪魔に追われる事になる 
そんな懸念が通りの向こうで現実になった 
 
上条「ちょっと体力的にやばいんですが……」 
 
エンジン音が聞こえ軽のワゴンが駐車場から出てきた 
 
浜面「すまん遅くなった!!」  
 
97 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:54:41.99 ID:QdfN3mzA0
麦野「……。あんたら先に行きなさい」 
 
滝壺「むぎの?」 
 
麦野「あんたらがもたもたしてっから追加が来たのよ」 
 
麦野「車で逃げても遠距離の撃ち合いは分が悪いし?」 
 
麦野「あいつらぶっ殺したら、ちゃんと追いつくから」 
 
麦野「だから死ぬな」 
 
絹旗「麦野も!絶対に!」 
 
麦野「だーれの心配してるのかにゃーん?」 
 
麦野「浜面。行け」 
 
浜面「でもよ!」 
 
滝壺「はまづら。むぎのは変わらないよ」 
 
滝壺「むぎの。絶対だよ」 
98 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:55:07.53 ID:QdfN3mzA0
麦野「当たり前よっ!」 
 
第二波の悪魔の群れに先手を打つ 
鋼鉄も紙の様に切断する『原子崩し』。当たれば死は免れない 
但し例外を除いてだが 
その例外は今度は先ほどよりも若干多目の様だ 
奇声と怒りの咆哮を上げながら加速して向かってくる 
 
いくつかの悪魔との戦闘で分かった事があった 
自身の能力が通るやつ。効き目が薄い、耐性のあるやつ 
そして全く効かないやつ、そして吸収するやつ 
能力全般に対してなのか、自身の能力に対してなのかは定かではないが 
先の戦いでその例外を排撃できたのは、上条の右手の力 
上条が触れている間のみ能力が通る 
言い換えれば上条が触れなければ終わりである 
 
並以上の身体能力はある上条だが、悪魔との接戦は簡単ではない 
爪、牙、豪腕、武器、悪魔達の能力 
一撃でもクリーンヒット貰えばその命はないだろう 
 
上条「くるぞ!」 
 
99 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:55:35.99 ID:QdfN3mzA0
身構えると同時に影がちらついた 
脇に目を振ると沖縄の土産でおなじみの顔だが、あの土産と違って殺意がある 
 
「ァアウッ!」 
 
上条「がァッ!」 
 
麦野「くそッ!」 
 
咄嗟に能力でフォローするが、悪魔の力を強める結果になった 
 
麦野「右手を!右手だ!!」 
 
上条「うぐっ!」 
 
体当たりをし、圧し掛かるシーサーの身体を押し上げる 
 
麦野「死ね!!」 
 
ジュンッという音と共に上半身が抉られる  
 
麦野「早く起きろ!」 
 
吹き出た血を浴びながらよろよろ起き上がる上条を急かす 
牽制を放ちつつも焦りが背中を伝う 
 
100 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:56:02.71 ID:QdfN3mzA0
上条「――っつつ…」 
 
麦野「上だ上条!!」 
 
麦野の警告に体が反応し、跳ぶ 
 
「粋な男の子ね。熱くて堕ちそう…。覚ましてあげるわ。『マハブフ』」 
 
瞬間的に辺りの空気が冷たくなり、冷気が二人に向かって収束する 
 
上条「広範囲か!」 
 
右手を振るいバキンと魔力反応を打ち消し駆ける 
 
「!?――『マハブフ』!!」 
 
我が目を疑う様にもう一度冷気を放つ 
 
上条「無駄だ!!」 
 
バキン 
 
腕を振るい、打消し。右手で黒衣を掴む 
 
上条「麦野さん!」  
 
101 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:57:09.04 ID:QdfN3mzA0
上条の合図 
 
それに答えない破壊の光
 
上条「麦野さん…? ――!?」 
 
麦野「……か、みじょ…う!」 
 
体の殆どが氷結している麦野の姿 
 
上条「まじかよッ!!」 
 
完全に無効化しそこねていた 
すぐさま麦野の元へ駆け様とするが、次は上条が黒衣の天使に掴まれる 
だが、その双眸は上条では無く。麦野沈利へ向けられていた  
 
上条「やめろ……。やめろおおおおおおおおおおお!!!!」 
 
「『マハブフ』」  
 
黒衣の天使から放たれる三度目の冷気は麦野の全身を凍らせる 
 
102 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:57:36.58 ID:QdfN3mzA0
上条「くそおおお!!!」 
 
赤く脹れた右の拳で天使の顔面を殴るが掴まれた力は弱まらない 
 
バサ 
 
翼をはためかせ、上条を連れて宙へ飛ぶ 
 
バサッバサ 
 
段々高くなる視点、暴れるも振りほどけずに味わう無力感 
 
上条「降ろせっ!」 
 
バサッバサッバサッ 
 
「うふふふふ。そうね。降ろして上げるわぁ」 
 
二階建ての家の屋根を優雅に見下ろせる高さで拘束を解かれる 
遠ざかっていく倍以上の速さで近づく地面 
 
 
全身に鈍く強い衝撃を感じた瞬間。目の前が暗転した 
意識が黒く染まり、どこか違うところへと逝く感覚……  

 
103 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:58:22.81 ID:QdfN3mzA0
 
 
まっくろな視界の中。遠くの方で声がする 
 
 
 
 
――   よかったぁ まだ生きてる  
 
 
 
 
――――   ねぇ あなたたち……… 
 
 
 
 
――――――  『死んでくれる?』 
 
 
 
 
 
知り合ったばかりの少女の残酷な程澄んだ声 
  
104 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:58:48.35 ID:QdfN3mzA0
くぎり
105 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:59:25.17 ID:QdfN3mzA0
第七学区 窓の無いビル 
 
 
土御門「よぉ。相変わらずお元気そうで」 
 
アレイスター「用事とは?」 
 
土御門「ここ一時間で用件が変わっちまって、前の件は後でいい」 
 
アレイスター「………」 
 
土御門「今この学園都市で何が起きてる?」  
 
アレイスター「………ふむ」 
 
一つ目を閉じた後 
 
          結標を一瞥する 
 
結標「外します」 
 
アレイスター「いや…。居てくれて構わないよ」 
 
アレイスター「ただ…聞いてどうなるものでもないものだ」 
 
アレイスター「無駄な時間を取られた。と、文句を言われてもと思っただけだ」 
 
106 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 02:59:53.90 ID:QdfN3mzA0
おわり
107 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 03:49:05.42 ID:QdfN3mzA0
 
上条 当麻 
 
           ト、  ト、 |\   ∧
         _|:.:.:\|:.::ヽ!:.:.:.\/:.:.|
        _>:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|/|
        \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.へ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.¨フ
       弋´:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.く
       <:.:.イ:.:.:.:/.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.!:.:!.:.:.:.ヽ:.:_,>
      弋´.:.:.:.:.:.:/.:.:.:./ |:.:.!:.:.:.:!:.ハ.!.:.:.::.:\
       <:.:./.:.:/:/T ト、∨:.:.:/!レ小:.:!:.小、>
       <:八 小| 代圷 |:.:Wイタヽ小|ヽ!
        厶込、N   ̄ レ !  ̄ ム、
         rイ!.ハ     , j   八 \
         / V  ヽ  ー : -'  イ    \_
      ,. -へ.  \  >、 _, ィ \ /¨「 ̄ ̄ `ー 、
     /     ヽ   \  /  ',  \ !       }、
     /     / !   \   |\ソ |       /  \
.    /     /  ,    /マニ/ / ,厶    ∠、    ヽ、
   /     /   ',  ∧ G〉/ / /  \/   \     \
  厶-―-、 /    |./  ∨|/ r' つ  ノ Yヽ    \     \
  |     \  !      |イ| {レ '´ ィク )     ` 、    \
  |       ヽ !      |d |    '   / )        \.    \
  ∨   \  |/        | ! 〉    ' , ィ }            \   \
  ∧     \/        ! /    ,. -―'            ヽ    ヽ、
  i ヽ     }       /   /                  |     !
  |    ,. --- ∨     /   ∠、                  ! ,__   ノ
  /ー‐ 彡'  ̄¨ 弌  /     / ヽ \___              ヽ_ト― ´
  `ー<_∧     }/    , '| ! /      |
     | ∧    /      / | ∨      |
     ヽ ∧        /   | /         |\
      |  \    /    |G 、        !::::::\
      |   >‐'        | |>`ー-、     !:::::::::::\ 
 
◆ステータス◆ 
 
力:5     
魔:1  
体:6  
速:5 
 
物火氷電衝魔   
ーーーーー無  異能無効
 
 
コマンドスキル   
説教 
 
自動効果スキル 
幻想殺し 
主人公補正Lv2 
 
先制発動スキル 
フラグ建築Lv8 
  
108 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 03:49:36.12 ID:QdfN3mzA0
一方通行 
 
    , '´, ヘゝヽ
    イ ィノリノWリ
    ゙'!i|^o^ノ'
    .,<ミ:ミ>
    U}ミ:ヨJ
    l/_/)_〉
 
 
◆ステータス◆ 
 
力:1 
魔:3 
体:1 
速:1 
 
物火氷電衝魔 
弱ーーー弱ー とにかく打たれ弱い
 
コマンドスキル 
スイッチON 
 
自動効果スキル 
 
先制発動スキル 
罵詈雑言 
109 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 03:50:17.48 ID:QdfN3mzA0
一方通行 
 
                  _ _
                ,  ' ´  ‐' ヾ` ̄ 'ヽ、
    、   、 }  /  /  ,x- / / // ̄ヽ、
ミ、 \、\\ヽ }' //'"  '"´/ / /'´ /.//, 斗ヾ,、
{ 、ヾ、   ヽ、//'"     /'//// ィ' //    /、/!
.{、l ! !    /  /   /  .// //! / //  / }/ }、
ヾ } {/    / _.//   /./  .// / //| //  /.// ! }
ヽゞ}{  /::|/ }   / /  ,イi / // .! /  //! /! |
 ヽ  {:::::/{  / ! {  {.   ||./ /´ ,| / // ///! }
  ヾ {:::::::/|.//| ! ∨  /  l/ ///_|.|/'" /' ///! !'|
  \ヽ:::::::/|//'i ! | ヽ | ./ { /'/./~>x、,イ'/ ! .///! i i
     \::// | |/! ,イ i | 斗'"/l弋 ィッ ;`ヾ/'///'/ l/!
`     \:|''"|'::::| //! l | |/ .{ |'   ̄ /゙r::'"/|/// i!
       ヾ}、::::/// !! i i ! /        {:!'//'!// i'
>-  \、   ヽ::/'"|ヽ| i ,| |       、_,, ゝ.!.! |/
- ,z__ _ヽ    メ:::/'::::∨ l | ~''三'"/,ィ/.{ |'
'" ''" /-/ ,ィ‐ ミ、:::::: ヽl |`゙'' --'´//'| |
、x‐== /´//彡//!ヽ:::::::/| .i::::::::::l -‐/ |.i
.}} |::     {´〈 /|// ∨:/:::|/:::::/ ==-. レ
..}} i:       ∧ ' ∨ ∨::::::::/  ミ、-、"
. }} i:       ∧  /! 〉::;x彡ヘ |ミ ヾヽ`
. ト、         ∨ //:/   /   }、
/ヽ 、        {//:/  ./     / }
  \、       |:/ x、"      /::  {、
    ヽ 、    /ィ‐/   `ヽ \     //、
    //  /'" / |      ∨     //  \
    //  '     |      `ヽ    /     \ 
 
◆ステータス◆ 
 
力:1−30 
魔:3  
体:1−30 
速:1−30 
  
物火氷電衝魔 
反反反反反無 魔法攻撃のみ無効 
        
コマンドスキル 
一方通行 
 
自動効果スキル 
一方通行 
主人公補正Lv1 
 
先制発動スキル 
一方通行 
 
110 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 04:06:26.58 ID:QdfN3mzA0
御坂 美琴 
 
                    ,. -:―- 、        *
                  /: : : : : : : : :\
    *             /: : : : : : : !:.|^^ヾミヽ,
       _!_           /: : : :/:./|:.ハ!、__ }:!ヽ
        !        /: :元仆七"  ,  リ   _人_
                 <: /f穴! '⌒   ⌒ム   `Y´
               厶: : `ー:.、  r- ァ 八!
     _人_        厶ィZ:_: > 、ー, ィ{:ゝ         *
     `Y´            ,xr<:| \_ノ^TTヽ
               / ヽヽ: ! /|゚|\八! ',    *
            r‐―く.   |: |: :\ | ! /: : :!  \__         n__
            |      |/ : : : :ヽソ: r:ォ|    /     /んれ
  ,. ‐‐、       ヽ.    /: : : : : : : : : :ヾ:|   /\   _,ノ  ’ ノ¨
  ムィ  \____/ \,/ |: : : : : : : : : : : : :|\厶    ̄  ,. ‐'
  ` ー - 、 _      /   ',: : : : : : : /: : : :リ   \__, - '´
          ̄ ̄`´    } : : : : : :./: : : : {
                   / : : : : : : : : : : :∧
                /___: : : : : : :.ノ
              /ー――- ミ ー―┤
             /::::::::::::::::::::::::::::::「 ̄ ¨!
              <:::::::::/:::::::::::::::::::::::::|::::::::::∧
            \:/:::::::::::::::|:::::::::::|::::::::::i::::〉
              \:::::::::::|:::::::::::::::::::::::|/
                { ̄⌒ ー ┬―r┘
            f7>、 ',     !  ,'
            ||:{  \',      | /
 
◆ステータス◆ 
 
力:3 
魔:3 
体:3 
速:3−26 
 
物火氷電衝魔 
ーーー無ーー  
 
コマンドスキル 
超電磁砲 
 
自動効果スキル 
超電磁砲 
主人公補正Lv1   
 
先制発動スキル 
ツンデレLv11 
 
111 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/13(土) 04:08:00.27 ID:QdfN3mzA0
麦野 沈利  
 
 
       /..:..:..:.,'.:..:..:..:..:..:..:丶:..:..:..:..:..:..`:..:..:..:..:.\
      /.:..:..:..:..:/.:..:..:..:..:..:..:..:..:.\:..:..:..:..:..:..ヽ:..:..:..:.:.ヽ
     ,'..:..:..:..:../.:./:/::..ヘ:..ヽ:..:.:.:.:.丶:..:..:..:..:..:.\:..:..:.:.:゚.
.     /.:..:..:..:..: :..:..:.∧:..:..:ヽ:..\:..:..:.:..\:..:..:.:.:..:..:',:.:.:..: :i
    /.:.:.l: : : : .:.:.:.:/ ',:..:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:ヽ:..:..:.:.:.:..ヘ: : :.|
   ,': : :.|: : : : :l.::/  ヽ:.:.丶:.:.:.:.:.::\:.:.:.:ハ:..:..:..:..:..:i: : :|
.  |: ::}: |: : : : :lノー - .、\:.:.\斗--ヽ─ヘ:..:..:..:..:.|: : :|
.  |: ::|: |: : : : :| ャぅトミ、 \丶 rvぅf斥7 ハ:..:.:.:.:|: : :|
.  |:..:j:八: : : : '、 弋::ぅツ     弋::rク /:/:.:.:.:.:.|: :八
  八|: : ヘ: : : : ヘ   ¨´       ´  j:( }: : :.:.|:/: : \
    |: : : ∧: : : :.\     :}       ):.〉.|: : :.:.|:.:.: :l: : :ヽ
    |: :,': :.:.:ヽ: : : : :\   ′     (:.(.:.|: : :.:.|:.:.: :l: : : :.)
    |: :|: : : |: : :\: : : :ヽ ー‐ =‐ '   /入:.li: : : :|:.:..:ノ: :/}
    |: :|: : : |: : : : :ヽ: : : :ヘ     イ  jノ:八: : : ∨: : 〈: /
    '.:.:|: : 八: : :ゝ-ハ: : : }丶  <    }:./、:.:.\:..:.\:.:.乂
.   /:/リ: :.:.:/>─ /:.!: :/: :ヘ       .|:.l \ー\:..:.丶:.:.`丶
  /:/ /: :.:.:.l   /: :.}:/八: :|   ./  ):.)   丶、_.):.:.:..}:.:.: : : \
  }:j /: : :.:.:.} レ': : : :ノ' / }:.:|  ン  /:/    /.:.:.乂:..:.. : : : :.\
  |:l/: : ∧:.:.∨: : :/ ∧ j:/      {:(   /.:..:/  .))、:..:.. : : : `..ー-、 __
  |:.: : :/:.:.\}: : (  ノ /   - ─ ' ゝ\ ./.: :/   〈:(:.:..\:.:. : `:..─:.:.:.--::...、`ヽ
  人:.: (: : : : 入: : :.\' (       ⌒ヽ..、ノ.:..人..-‐':::ノ人:.:..:..:丶:..:..: : ー:.、:..:.. : :\:.\
   }:.丶):/  >、:. :丶.._     /:::x乂::ン  )    }:`ヽ:.:..:.:Y:.. : : : : : \:..:...:..:.ヽ:..丶.._
  ノ.:.::/   /.:::/>ー─-、ヽ-‐'´:::/     ∠..-─ 、_〉:.:.:.:):.:.:∧:..:..: : : ヽ: :丶:..:.. : ',`ー'⌒ヽ、ノ
 ./.:..:/  ...:::: }.:::.|   ノ'´::::.)::)-<´       /      V:.:./:..:.}:.八:..:.. : : : : \乂:..:...: ー..、
../.:.:.:.}r- 、  .l.:::.| /::/ /:/ ´ヽ      j  `丶:....  '.:/:..:..:i: : :)`丶:..:.. : : :丶  ̄ `ヽ:.}
/.:.:.:.::j :....ヾ  j.:::.l/:::/  .乂_ノ .....::    /ハ        ゚.:..:.:. : (   \:..:.:..:..:..\  ノノ
.:..:..:..八 ::........ ∨/   - ‐‐.....、.......     j  '    ヽ:....  V:..:l: : :ハ     ):.:.:.人:..:.丶
:..:..:(:..:..\   f`i       ::.....丶   ノ } ∧     ::..... ∨: : : 人   (:.:.:.(  ヽ:..:.:'.
ゝ、:..).:..:).:>、_..j.人     .....         ,′ .∧          '. :..:..:ヽ   ヽ:.:.\  ):..:..〉
.  ):.:.:.{:.:.ノ:.∧ } l∧  .....::::.:.:.:........    ノ   ::.∧         V:..:.:.:.:.:.:\  ):..: :)(:.:.:.く
 
 
◆ステータス◆ 
 
力:4 
魔:4 
体:5 
速:4 
 
物火氷電衝魔 
ーーー耐ーー  
 
コマンドスキル 
原子崩し 
 
自動効果スキル 
食いしばり     
お気に入りキャラ補正 
 
先制発動スキル 
かわいさLv93 
  
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 11:27:34.08 ID:w4qTNAESo
おおお、熱いじゃないか。
今後にも大期待

ところで、他のレベル5は期待してよろしいんでしょうか?
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/18(木) 03:18:05.19 ID:kql0uygpo
すごい面白いな。
続きが楽しみだー
114 : ◆VjRujZaa2M [saga]:2012/10/23(火) 19:20:28.49 ID:tiwd5ERh0
■とある病院 上条当麻の病室■ 
 
西日が差し込む病院の一室 
 
上条「うっ…」 
 
禁書「とうま!?」 
 
上条「………インデックス?」 
 
禁書「よかった!アリス!とうまが起きたんだよ!」 
 
アリス「ふにゃ!?……おはようおにいちゃん」 
 
上条「寝てたのか?おはようさん」  
 
禁書「これで一安心なんだよ」 
 
上条「ここ…、あの病院か…?」 
 
禁書「うん。とうま大怪我してて…」 
 
上条「おい!麦野さんは!?」 
 
禁書「え?…ああ。あの女の人も一緒に運ばれたんだけど、もう治ったんだよ」 
 
上条「はえーな!!…まぁ無事だったのか。よかった」 
 
115 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:21:02.63 ID:tiwd5ERh0
安堵したところで病室のドアが開き、二人の人物が入ってくる 
  
カエル顔の医者「やぁ、君と会う度に久しぶりという感じがしないのは残念だね?」 
 
上条「あ、すんません」 
 
カエル顔「いや構わないさ。街に異変が起きた時には、もう君のカルテと部屋は用意していたからね?」 
 
上条「笑えねぇ……」 
 
カエル顔「君のその右手が無ければ、他の人と同様に治療できたんだけどね?」 
 
上条「…?」 
 
カエル顔「見せてあげなさい」 
 
御坂妹「はい」 
 
御坂妹が携帯を操作し、悪魔を召喚する 
 
「また怪我人ですか…」 
 
御坂妹「いいえ、とミサカはあなたの推測を否定します」 
 
禁書「女神スカアハ。影の国の女王なんだよ」  
 
上条「大丈夫なのか?」 
 
御坂妹「危険は無いのかという意味でしたら。ミサカは勝利を収めましたので、今は仲魔として協力して貰っています。とミサカは勝利した時を振り返ります」 
 
スカアハ「貴女というか、貴女そっくりな人達に囲まれて電撃浴びせられた覚えが……」 
 
御坂妹「チームプレイとも言います、とミサカは負け犬の遠吠えをそっと往なします」 
 
禁書「女神の癒しを持ってしても、やっぱりとうまには効果が無かったんだよ」 
 
上条「そっか……。まぁ仕方ねぇさ」 
 
カエル顔「怪我の方は奇跡的にっと君にいうのは可笑しな話だけどね?」 
 
カエル顔「打撲で済んでるけど、大人しくしておくんだよ?」
 
上条「分かりました」 
 
三人が退出し、三人が残る 
116 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:21:45.42 ID:tiwd5ERh0
上条「俺どうなってたんだ?」 
 
禁書「悪魔にやられたんだと思うんだよ。わたしが行った時にはとうまは倒れてたから」 
 
上条「よく生きてたな…」 

禁書「アリスが見つけてくれたんだよ」 
 
上条「………」 
 
上条「そっか、ありがとうなアリス」 
 
アリス「ううん。おにいちゃんが生きててよかった」 
 
上条「どうやって病院に?救急車か?」 
 
禁書「救急車は来てくれなかったんだよ。でもむぎのの友達が車で来てくれて、二人をここに運んだんだよ」 
 
上条「麦野さん達に礼言わないとな」 
 
禁書「まだ病院にいるかも、一応病室は取っていたみたいだし」 
 
上条「っ!いてて…。流石の回復力を誇る上条さんもキツイなこりゃ」 
 
アリス「大丈夫?」 
 
上条「まぁ、なんとかな」 
 
自分の病室から出る上条
117 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:22:11.79 ID:tiwd5ERh0
■とある病院 麦野沈利の病室■ 
 
上条「ここか。おじゃましまーす」 
 
扉を開け、中に入る 
ベッドはカーテンで遮られ、人の気配がする 
 
上条「麦野さん?」 
 
僅かに空いたカーテンの隙間から中の人物を覗く 
紫の下着が目に飛び込んで来た 
白く艶かしくも、健康的な肢体 
張りを保ちつつも触れたら何処までも沈みそうな双つの魔丘 
その瞳は全ての男を魅惑の幻想世界へと誘う様に吸い込む 
目を合せた上条が今体験している様に 
 
麦野「ひゃっ?」 
 
慌ててベッドのシーツで体を隠す麦野 
純白のシーツと垂れ下がる栗色の長い髪、紫の妖艶な下着。 
顔を赤らめ、少し怯える様に何者か確認する仕草は圧倒的マイエンジェル 
 
118 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:22:45.30 ID:tiwd5ERh0
麦野「っつ!テメェ…上条だな!?」 
 
上条「あ、あーの……」 
 
麦野「いつまで見てんだァァァァア!!」 
 
上条「すっ、すみませーーん!!」 
 
走って逃げる上条  
 
麦野「何なんだあいつは……クソッ!」 
 
麦野「……見られたかな?」 
 
視線を自身の身体に落とす 
目立つ胸もだが、無機質な左手 
学園都市の技術により精巧に造られ、外見では本物のそれとは区別が付きにくい義手 
他人の目には区別が付かなくても、麦野本人は偽物だと痛感する 
愚かな行動の果てに、右目と左手に背負ってしまった罪の形 
仲間の前ですら余り晒したくは無いものだった 
 
麦野「あいつらに気を使われるのも癪だしね……」 
 
着替えを済ませ、悪魔の血が付着した服をビニール袋に入れる 
戦いの傷は完治したが、いくら女神といえど精神まで回復させるのは無理だったのだろう 
緊張の連続からか、体が倦怠感を覚える 
 
麦野「…はぁー。あいつらのとこ行くか」 
 
119 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:23:12.40 ID:tiwd5ERh0
■とある病院 一方通行の病室■  
 
一方「…んぁ……?」 
 
「お、おはようさん。兄ちゃんが起きたで」 
 
一方通行が目を覚まし最初に見たものは白い衣服を纏った優男 
 
一方(あァ?そういやこいつと戦ってて……俺は……) 
 
芳川「おはよう一方通行」 
 
一方「おォ…。ってオイ!!」  
 
リリム「まだどこか痛みますか?ああ、顔が凶悪なのは流石の私も治癒できません」 
 
一方「うるせェよ!?つかガキはどうなったよ!」 
 
打ち止め「ん〜?あ!おはようあなた。ってミサカはミサカは寝起きから一気にテンションを上げてみる」 
 
一方「生きてたンか……」 
 
芳川「 
    そっと胸を撫で下ろす一方通行。その瞳には涙が……まさにもやしの芽にも涙
                                        」 
 
一方「泣いてねェし、そのナレーションやめろォ!!」
120 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:24:25.92 ID:tiwd5ERh0
「兄ちゃんも人が悪いで。こんなちっさい子が召喚者なら先にゆーてや」 
 
一方「はァ?」 
 
「いくら何でもこんな子と戦うわけないやろ?事情話してくれたら二つ返事で仲魔になったるのに」 
 
一方「はァァァ!?」 
 
「いやな?原則としては戦うんやで?ワイらかて人間以上の力持ってんのやから。タダで力貸すなんてことはせんわ」 
 
「思い上がった阿呆も仰山おるから、ほいほい仲魔になれん」 
 
「覚悟があるかどうか。一種の篩いみたいなもんや。力を示させるのはな」 
 
「やけども、悪魔や神かて人情ちゅうもんはあるんや。交渉したらええねん」 
 
一方「なら俺が戦ったのは……?」 
 
「まぁ……なんちゅうかな……」 
 
リリム「まったくの無駄だったということです」 
 
一方「」 
 
芳川「ダメじゃないリリム。はっきり言っちゃ…」  
121 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:25:41.53 ID:tiwd5ERh0
打ち止め「でもあなたが無事でよかったってミサカはミサカは一安心!」 
 
一方「ァァ…ソーダナ」 
 
「んー!打ち止めちゃん堪忍してなー!すりすりしたるからなぁ!」  
 
リリム「あなたも幼女趣味ですか?」 
 
「アホ言うな!打ち止めちゃんはワイのご主人様やで。守るんも可愛がるんも当然やないかい!」 
 
リリム「危険な思想ですね…。打ち止め様は私が必ずお守りします!」 
 
芳川「騒がしいわね…。彼はヤリーロっていう名前らしいわ」  
 
芳川「宗教解釈は専門外だから本質は知らないけど、彼…」 
 
芳川「愛欲の神らしいわよ?ちなみにリリムは精気を奪う夢魔ね」 
 
一方「てめェら打ち止めから離れろォォォ!!」 
 
ヤリーロ「なんやこのモヤシ!ドタマに血の花咲かすどコラッ!!」 
 
リリム「さぁさぁ。打ち止め様危ないですから、こっちでお体お拭きします」  
 
打ち止め「ちょっとリリムそこはっ…くすぐったいよぉっ!!」 
 
芳川「愛穂…早く来ないかしら……」 
  
芳川が窓の外を見ると怪我人を連れた数十人の団体が病院へ向かってきた 
警備員が居るにも関わらず、先頭には大きな犬を従えた学生の姿  
  
122 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:26:15.45 ID:tiwd5ERh0
■とある病院 正面エントランス■ 
 
御坂「ついたー!」 
 
初春「やっと着きましたね…」 
 
「負傷者をすぐに中へ、重傷者から優先で運ぶぞ!」 

白井「体重80キロ以上の方はいらっしゃいませんわね。わたくしが運んでさしあげますの」 
 
「協力感謝する」 
 
白井「ではお姉様はお休みになられてくださいの」 
 
御坂「うん。後でね」 
 
佐天「しかし、ピンチの人助けながらここまで来れたのが奇跡ですよねー」 
 
初春「まぁ、御坂さんですし」 
 
御坂「褒め言葉として取っておくわね」 
 
初春「え!もちろんですよ!」 
 
佐天「やっぱLEVEL5ってすごいなーって思いましたよ…」 
 
御坂「あたしだけじゃ出来なかったわよ、こいつが居たってのと皆のお陰よ」 
 
ケルベロス「目に見える謙遜も悪くは無いな。御坂」  
123 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:27:05.16 ID:tiwd5ERh0
御坂「本音よ。そういえばあんた日本語上手くなったわよね?最初カタコトだったのに」 
 
ケルベロス「? 言っている意味がよく分からんのだが?」 
 
御坂「? あんた最初ワレワレハ ケルベロスダ みたいな喋り方してたじゃない」 
 
ケルベロス「我々?我は一つの個体だが…?」 
 
御坂「そこは物の例えよ!」 
 
ケルベロス「そういった喋りはしていないつもりだが、暫く人間と話していない所為かもしれんな」 
 
初春「寝起きで喋った感じですか?」  
 
ケルベロス「いや…、違うが」 
 
佐天「寝てたところ呼び出されたらそりゃ宇宙人みたいな喋りに!ってなるかーい!」 
 
初春「でもですよ?こんな怖い雰囲気だけど、寝てる時は子犬みたいに丸まってたらきゅんきゅんしませんか?佐天さん!!」 
 
佐天「うっ?確かに…これがギャップ萌えなのかーー!?」 
 
ケルベロス「だから…寝てないと……」 
 
ぽんと魔獣の背に置かれる手 
 
御坂「諦めなさい。もう止められないわ……」 
 
ケルベロス「くぅぅ……」 
 
項垂れる魔獣の傍にある柱に掛かった時計の針は18:40分に差し掛かった 
 
 
「なんだあれは……?」 

 
  
124 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:27:30.97 ID:tiwd5ERh0
御坂「っっ!みんな伏せなさいっっ!!!」 
 
自身の能力を全開にして強力な磁場を発生させる 
病院ロビーのソファー、テレビ、自販機。埋まっている鉄筋が次々と入り口を塞ぐ 
 
御坂「っく!」 
 
ッッドォォーーンッッ!! 
 
分厚い装甲とも言うべき入り口のバリケードが爆発の空震をビリビリと感じる 
磁力を集中し、物体同士の結合を強化し耐える 
 
 
御坂「あいつが来た…!!」 
 
  
125 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:28:11.88 ID:tiwd5ERh0
■とある病院 上条当麻の病室■ 
 
禁書「何?今の?」 
 
アリス「危ない!!」 
 
上条「おわっ!!」 
 
禁書「きゃっ!」 
 
アリスに壁際へ引っ張られる 
 
上条「右手っっ!!いてててててて!!アリス右手痛い!!!」 
 
禁書「アリスどうし…」 
 
ズガァァァン!! 
 
上条「なんだなんだ!??」  
 
禁書「とうま…。車が刺さってるんだよ……」 
 
窓と壁を突き破り。上条の居たベッドに鎮座する無人の車が一台 
 
上条「俺のベッドが……不幸だ…」 
  
126 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:29:28.02 ID:tiwd5ERh0
アリス「下から飛んできたように見えたんだけど…?」 
 
上条「駐車場か…?」 
 
禁書「どこに行くの!?とうま!」 
 
上条がいそいそと着替え始める。 
 
アリス「おにいちゃん。怪我してるんだから危ないよ」 
 
上条「下が問題なければそれで、いい。でも行かなくて後悔するのは嫌なんだ」 
 
アリス「おにいちゃん…。きゃあ!」 
 
上条「…あ。すまん!ちょっとあっち向いててくれ」 
 
血まみれのトランクスから新しいものに替えられていた 
 
禁書「ほんととうまはデリカシーがないんだよ!!」 
 
上条「返す言葉も……」  
 
禁書「わたしも行くんだよ!」 
 
上条「ダメだ!危険すぎる」 
 
禁書「いつも思うんだけど、とうまはわたしをもっと頼るべきかも!」 
 
禁書「今、この街に出現している悪魔はほとんどの魔術師ですら知らないんだよ」 
 
禁書「わたしが持ってる悪魔全書なら、悪魔の弱点もお見通しなんだよ!!だから!」 
 
上条「わかったインデックス。ちゃんと後ろに居るんだぞ?」 
  
127 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:30:40.79 ID:tiwd5ERh0
アリス「じゃあわたしも行くー!」 
 
上条「アリスはちょっと危ないからな。お前はここにいるんだ。いいな?」 
 
諭し急ぎ出て行く上条  
 
禁書「まだアリスの説明してなかったかも……」 
 
アリス「どうしよ……」 
 
禁書「ここに居た方がいいかも…。連れて行ったらわたしもとうまに怒られるんだよ」 
 
アリス「えー……」 
 
禁書「わたしは行くね!」 
 
アリス「ずっるーい!!」 
 
キャーキャー騒ぐアリスを尻目に禁書目録も上条へ続く  
128 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:31:08.51 ID:tiwd5ERh0
■とある病院 三階ロビー■ 
 
浜面「なんだ今の。爆発か?」 
 
絹旗「電気が点いたり消えたり……超不安定です」 
 
麦野「発電能力者が下で暴れてんのか」 
 
滝壺「すごい電波。一階の方からきてる」 
 
浜面「様子見てくるか」 
 
麦野「待ちな浜面」 
 
浜面「あん?」  
 
麦野「あんたはここにいろ」 
 
浜面「なんでだよ」 
 
麦野「下の奴のレベルは雑魚のあんたじゃ手に負えないからさ」 
 
浜面「そんな強いのかよ」 
 
絹旗「わたしはどうとも……」 
 
滝壺「麦野くらい。かな」 
 
浜面「麦野さんお願いします」 
 
麦野「ばーか」  
129 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:32:07.81 ID:tiwd5ERh0
絹旗「わたしも超行きます」 
 
麦野「あんたもここで待機だよ、絹旗」 
 
絹旗「どうしてですか!?」 
 
麦野「この二人だと不安満載じゃない」 
 
絹旗「しかし……わかりました」 
 
麦野「女は素直が一番よ絹旗」 
 
三人を尻目に一階へ向かう麦野、見送る三人
 
絹旗「なんか……」 
 
浜面「ん?」 
 
絹旗「背負い込んでませんか?麦野」 
 
滝壺「必死。なんだと思う」 
 
絹旗「それが伝わるからこっちも超辛いんですよね」 
 
滝壺「素直が一番。だったよね」 
 
絹旗「ですね。わたし行きます!麦野一人に任せるのも超無責任ですし」  
 
滝壺「気をつけてね。絹旗」 
 
絹旗「はい!浜面、滝壺さんのこと死んでも超守るんですよ?」 
 
浜面「ん?お、おう」 
 
液体窒素のスプレーををバッグから取り出し、麦野を追う 
130 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:32:39.36 ID:tiwd5ERh0
■とある病院 正面エントランス■ 
 
ケルベロス「行くぞ御坂」 
 
御坂「全員退がってて、戦える人は入り口をお願い」 
 
磁力操作でバリケードを撤去するが、再度膨張した球体が見えた 
 
ドゥベ「дС$〇」 
 
御坂「やばっ!」 
 
排除したものを再び結合させる 
 
ズガァァァン!!  
 
先ほどでは無いが、大きな爆発が外で起こる 
病院の外壁から空気を伝って中の人間に振動を与える 
与えたものは振動だけではなかった 
 
「もうだめだぁぁぁぁあ!!」 
 
「裏口だ裏口から逃げよう!!」 
 
「落ち着いてください、一気に移動すると危険です!」  

破壊の脅威は死の恐怖を起こす 
 
御坂「すぐに出るわよ」 
 
ケルベロス「待て」 
 
言うなり空気を胸いっぱい吸い込む 
 
ケルベロス「ォウォンッッ!!」
 
魔獣の咆哮に暴徒一歩手前の人々が竦み立ち止まる 
 
ケルベロス「……行こうか」 
 
御坂「あたしまでびっくりしたじゃない!バカ!!」 
 
ケルベロス「す、すまん」 
  
131 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:33:06.91 ID:tiwd5ERh0
■とある病院 駐車場■ 
 
御坂「開幕一発!行くわよ!」 
 
コインを弾き、数十メートル先の目標に向け狙いを定める 
 
ケルベロスは側面へ回り、追撃の構えを取る 
 
御坂「どっっせい!!」 
 
放たれた超電磁砲が音を置いてドゥベを穿つ事はなく、超加速した弾丸が跳ね返ってくる  
  
御坂「っっ!!」  
 
シュゥゥゥ… 
 
御坂まで後数歩のところでコインは蒸発して消える 
  
132 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:33:45.27 ID:tiwd5ERh0
ケルベロス「そいつは物質の攻撃を反射するぞ!」 
 
御坂「…っ!!早く言いなさいよバカァ!!死に掛けたじゃない!!」 
 
ケルベロス「様子も見ずに初手で勝負に出るとは思わんだろう!」 
 
御坂「バカバカバカバカバァカ!!」 
 
ケルベロス「言いすぎだッ!」 
 
ケルベロスの爪がドゥベを裂こうとするが、反射によりケルベロスの爪が割れる 
 
ケルベロス「やはり駄目か…」 
 
御坂「あんたの怪我、そのせいで…」 
 
ケルベロス「爪はすぐに生えるから構わんのだが、来るぞ」 
 
ドゥベ「ゝΨΒ」 
 
ドゥベから炎が撒き散らされる、それを瞬く間に走り浴びて回る魔獣 
全てドゥベへと返されるが、びくともしていない 
 
ケルベロス「この様に炎も効かん」 
 
御坂「なら電撃はどうかしら!」 
 
超電磁砲を反射され肝を冷やしたのか、微弱な電撃を放つ  
133 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:34:17.26 ID:tiwd5ERh0
御坂「……これじゃ表情も何もないから、効果あんのか分からないわね」 
 
御坂「でも反射は無いわ。これならどうっ!?」 
 
絶大な電撃を自身から放ち、放電する 
散った微弱な電気を上空に収束し、一点の落雷を追撃として落とす 
 
ドゥベ「ёЩ」 
 
火球を生成し、御坂に向け発射するがケルベロスが受け、ドゥベへと返す 
 
ケルベロス「堪えてないみたいだな」 
 
御坂「厄介ってレベルじゃないわね、どこかの第一位を思い出すわ」 
 
ケルベロス「打つ手無しか……?」 
 
御坂「まだまだ…、持ち主さんごめんなさい!」 
 
磁力を使いドゥベに吹き飛ばされて周囲に転がっていた車を操る 
 
ケルベロス「物質は無理だ!」 
 
御坂「限度チェックよ!!」 
 
一台一台と浮遊させ、数台で一気に押し潰す様に襲い掛かる 
 
バガン 
 
その全ての圧が反射され粉砕する 
 
御坂「次っ!」 
 
134 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:35:00.44 ID:tiwd5ERh0
アスファルトを割って、黒い砂鉄が吹き荒れる  
こちらに影響が無いように、あらゆる方向からドゥベを襲うも全て散らされる 
 
パラパラ落ちる砂鉄 
 
ドゥベ「миΩ」 
 
徐々に病院へ近づきつつ火球を放ってくるが、ケルベロスが対応する 
 
ドゥベ「´○в」 
 
動きが鈍る 
 
ケルベロス「何かしたのか?」 
 
御坂「あいつ砂鉄を浴びたでしょ、体かな?あっこ空洞になってて砂鉄が溜まってるのよ、それを能力で向こうに引っ張ってるってわけ」 
 
ドゥベ「би’?」 
 
ズリズリと病院から遠ざけられるドゥベ 
 
御坂「まさかこのあたしが足止めにしかならないなんてね……」 
 
ケルベロス「何事も相性というものもある」 
 
ドゥベ「аг£в」 
 
頭部と思わしき部分が膨張を始める 
 
ケルベロス「まずい!御坂!」 
 
御坂「ッッぜぇぇぇぇい!!」 
 
ドゥベを病院の駐車場の隅まで一気に遠ざけ、次は車を磁力操作し壁を造る 
 
ッッドーン!! 
 
遠くで聞こえる爆発音 
壁を叩く無数の瓦礫の音 
御坂の背後から聞こえる硬い靴の音 
 
麦野「やっぱテメェか第三位」 
 
135 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:35:49.83 ID:tiwd5ERh0
御坂「あんたは…麦野沈利!?」 
 
ケルベロス「知人か?」 
 
麦野「年下のクセに呼び捨て?常盤台は礼儀ってもんを教えてないのかしら?」 
 
御坂「礼を尽くす相手にもよるからかしら?」 
  
麦野「へー、あんま大した教育してないんだ?」 
 
御坂「知らないわ?オバサンと違ってまだ若い女の子だし?世間知らずでごめんなさいね」 
  
ケルベロス「………おい?」 

麦野「背伸びしてないで青臭いガキですって認めたら?まぁそこが可愛いって思ってる趣味の奴に媚びるのもいいけど?」 
 
御坂「やりたくてもできない人が言うと哀愁漂うわね…。可哀想に」 
 
麦野「無い胸張って意地張って、萌え萌えきゅーんってか?あざと過ぎ哀れすぎ?」 
 
御坂「何?今ひょっとして韻踏んだ感じ?ラップ?ごめんあんまり上手くないから」  

麦野「………」 
 
御坂「………」 
 
ケルベロス「……終わったか?」 
 
麦野「ぶち殺すぞメスガキがァァァァァ!!!」 
 
御坂「泣いて謝っても遅いわよッッッ!!」 
 
ケルベロス「」 
 
上条「おい!何してんだお前ら!!」 
 
ケルベロス「なんとかしてくれ…!」  
  
136 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:36:43.06 ID:tiwd5ERh0
御坂「あ、あんたなんでこんなところに!」 
 
麦野「なんだテメェ…まだ居たのか…」 
 
上条「あっビリビリと…麦野さん……」 
 
御坂「ビリビリゆーなって知り合いなの!?この女と!」 
 
上条「うん…まぁ…」 
 
麦野「何?」  
 
上条「いや…さっきは済まなかった…」 
 
麦野「別に…もう気にしてないからいいわ」 
 
御坂「何?」 
 
上条「ほんとごめん!」 
 
麦野「いいわよ。下着くらい今日のご褒美と思いなさい?」 
 
御坂「下着って何よ!?」 
 
137 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:37:37.83 ID:tiwd5ERh0

上条「それもだけど何ていうか、タイミング悪かったって言うか…」 
 
麦野「何よ?はっきりしないわね」 
 
上条「今日守れなくてごめん」 
 
麦野「――っっ!」 
 
御坂「今日ってどウユーコトー…」 
 
上条「それが言いたくて…あの状況になっちまっていい出せなくて」 
 
麦野「……あんたバカね」 
 
上条「すまん!」 
 
麦野「はぁ〜。ほんとどうでも良くなってきた」 
 
麦野「大体あたしLEVEL5。あんたLEVEL0。なんであんたに謝られなきゃなんないの?って感じよ」 
 
麦野「むしろあたしの方こそごめん」 
 
上条「麦野さん…」 
 
麦野「はいはい。この話は無しね!もう終わり!!」 
 
上条「いや、でも…」 
 
麦野「でもも無いの。しつこいのは嫌いよ?」 
 
上条「うっ…ごめんなさい」 
  
 
御坂「」 
 
ケルベロス「おい!御坂が息をしていない!!」 
   
138 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:38:10.06 ID:tiwd5ERh0
麦野「さて、帰ろっと」 
 
上条「ビリビリも病院か?」 
 
御坂「………っは!?」 
 
ケルベロス「御坂無事か!」 
 
御坂「ビリビリゆーなっての!あんたには色々後で聞くから!!」 
 
上条「へ?」 
 
御坂「それにまだ帰れないわ」 
 
麦野「何だ…あいつ…?」 
 
ドゥベ「б〇еΦ」 
 
麦野の携帯にメールが着信する  
 
麦野「ドゥベ?悪魔か?」 
 
上条「何?」 
 
麦野の携帯を覗き込む上条
 
御坂「あんた携帯は?」   
 
上条「ああ、学校で先生に没収されちまってて、手元にねーんだ」 
 
139 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:38:38.50 ID:tiwd5ERh0
御坂「っっ信じらんない!!」 
 
上条「何でお前そんな怒ってんだ?」 
 
御坂「怒ってない!」 
  
上条「いや…だってよ…」 
 
麦野「ははぁ〜ん?」 
 
御坂「なによぉ…」  
 
麦野「別に〜?上条、後で一緒にご飯食べない?二人で」 
 
上条「飯?別にいいけど?」 
 
御坂「っっ!!あんたぁぁ…っ!!」 
 
麦野「きゃ〜、こわいこわい」   
140 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:39:05.95 ID:tiwd5ERh0
麦野「まっ。この辺にしといてあげる。んで?……」  
 
御坂「……あいつには攻撃が通じないわ。物理攻撃は反射してくるから厳禁」 
 
麦野「さっきからドタバタしてたから一応試したんでしょ?」 
 
御坂「超電磁砲も反射してくれたわ。電撃も効かない」 
 
麦野「つーことは……」  
 
麦野が手を翳し、粒機波形高速砲を連射する 
そのいずれも効果なく消失する 
 
麦野「今日はこんなんばっかりね……」 
  
141 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:39:33.33 ID:tiwd5ERh0
上条「なら俺が触るしかないか…」 
 
御坂「何かあるの?」 
 
上条「ああ、どうもあの手の奴は右手で触れると防御機能が消えるみたいなんだ」 
 
御坂「ちょい待ち。それってあんたが近づくってことよね?」 
 
上条「ああ、もちろん」 
 
御坂「タイミング誤ると死ぬわ」 
 
上条「それでも触れれば、昼間みたいに麦野さんでもお前でも攻撃通るから何とかなるだろ」  
 
麦野「あんまり昼間二人で会ってた事言わない方がいいわよ?」 
 
上条「へ?何で?」 
 
御坂「べっつっにっ?気にならないわよッッッ!」 
 
ケルベロス「般若みたいになってるぞ御坂」 
 
142 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:41:08.14 ID:tiwd5ERh0
御坂「とにかく!あいつの頭だか、あの球体が膨張始めたら爆発するわ」 
 
御坂「恐らく膨張の度合いに比例して爆発も大きい」 
 
御坂「あたしが見た中で一番はセブンスミストの一階から三階まで吹き飛ばすくらいよ」 
 
麦野「爆発までの最短時間は?」 
 
御坂「小規模範囲なら数秒。威力は即死」 
 
麦野「ふぅ〜。防御も完璧。近づくのも危険。鉄壁要塞ね…」 
 
御坂「磁力操作で何とか遠ざけたけど、倒せない」 
 
上条「だから俺の右手で…」 
 
麦野「上条は50メートル三秒で走れるのかにゃーん?」 
 
上条「いや、無理だけど…」 
 
麦野「なら却下だボケ」
 
ケルベロス「何か手を考えろ。奴は暫く我が引き受ける」 
 
御坂「お願いね、気をつけて」 
 
ケルベロス「承知した」 
 
上条「お前の味方なんだな、あの犬」 
 
御坂「あたしの携帯から出てきて、倒したら仲魔になったの。強いわよ」 
  
143 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:43:08.35 ID:tiwd5ERh0
麦野「そういえばわたしも…」 
 
携帯を取り出し、アプリを起動させる 
 
 
 
――悪魔召喚アプリ起動―― 
 
――妖獣 アーマーン―― 
 
――― 召喚 ―――  
 
 
放電と共に妖獣が現れる 
 
アーマーン「んあ?なんだテメーかよ」 
 
麦野「あんたわたしの仲魔なんでしょ?」 
 
アーマーン「ああ」 
 
麦野「あそこの奴倒せる?」 
 
アーマーン「さぁな」 
 
麦野「さぁなってお前…」 
  
144 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:44:21.86 ID:tiwd5ERh0
アーマーン「いやよォー、つーかなんでテメーの言うこと聞く必要あんだァ?」 
 
麦野「あ?」 
 
アーマーン「俺はシステム上テメーの仲魔になってるけどよ?テメーの力認めた訳じゃねぇんだわ」 
 
アーマーン「あの雑魚トカゲが無茶した所為で、焦って抵抗が揺らいだだけなんだよ」 
 
アーマーン「テメーは何かした?って印象しかねぇわ」 
 
麦野「このクソワニぃ……」 
 
御坂「ちょっと…、何揉めてんのよ」 
 
アーマーン「んだこのちんちくりんは…」 
 
御坂「誰がちんちくりんじゃぁぁぁ!!!」 
 
電撃がアーマーンを襲う 
 
アーマーン「最近の人間はバカの一つ覚えに電撃かよ。そういうの能無しってんだぜ?」 
 
御坂「くっ…!」 
 
上条「おいおい。いい加減ケンカやめろよ!それどころじゃねぇだろ!」 
 
アーマーン「だってよ?とっとと俺を解放するか、死ねよ」 
 
麦野「いつかお前バラバラにしてやるからなァ…っ!」 
 
アーマーン「へいへ…」 
 
アーマーンの反撃を許さずに携帯に戻す 
  
145 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:45:20.64 ID:tiwd5ERh0
麦野「あァっ!ムカツクッッ!!」 
 
ガシガシとアスファルトを踏みつける 
 
御坂「結局手は無いと…」 
 
麦野「手が無いだぁ!?」 
 
御坂「何よ…」 
 
麦野「何でもない…。忘れろ」 
 
上条「何か来るぞ?」 
 
遠くから聞こえるざわめき、湧き上がる胸のざわめき 
 
御坂「悪魔達が来てる?」 
 
麦野「こんな時に…」 
 
上条「くそっ!」 
 
御坂「ここじゃ囲まれるわ」 
 
麦野「病院の入り口まで走るよ」 
 
御坂「ケルベロス!戻るから来て!」 
 
御坂の声に反応して、踵を返し走ってくる 
その身体に傷は無かったが、それはドゥベも同じだった 
 
146 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:46:14.13 ID:tiwd5ERh0
禁書「とうま!」 
 
上条「インデックス、あそこにいる悪魔はなんだ?ドゥベって言うらしいんだが」 
 
禁書「待ってて」 
 
禁書目録が意識を集中し、悪魔全書の中から該当する知識を呼び起こす 
 
禁書「ないんだよ」 
 
上条「載ってなかったってことか」 
 
禁書「載ってないっていうのは正しくもあるかも、だって悪魔じゃないから…」 
 
御坂「じゃああいつは?」 
 
禁書「分からないんだよ。悪魔全書には記述がないけど、こっちの方にドゥベって単語があるんだよ」 
 
上条「そっちって、もう一つの魔道書か?」  
 
禁書「悪魔全書の筆者が同時に書き出したものは、とうまも耳にしてるんだよ……」 
 
禁書「冒頭に書かれている言葉は『汝の欲する所を為せ、それが汝の法とならん』」
 
禁書目録の口が深々と言葉を紡ぎ立てる 
   
147 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:46:43.58 ID:tiwd5ERh0
 
 
 
 
 
 
 
禁書「『法の書』なんだよ」  
 
 
 
 

   
148 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:49:30.15 ID:tiwd5ERh0
上条「法の書…だと?」 
 
御坂「なにそれ?」 
 
禁書「人間には使えない「天使の術式」を書き記したものだとか、解読と同時に十字教の時代が終わるって言われてる魔道書なんだよ」 
 
麦野「魔道書?」 
 
御坂「えぇ…っと?」 
 
禁書「信仰心の無い学園都市じゃピンとこないのかな?」 
 
上条「いや、学園都市じゃなくてもピンとこないからな?それであいつの事は何が書いてるんだ?」 
 
禁書「kojgt ndgp yfsll aikruudahhwl lkdjgfhnak jaygb kadwe 」 
 
麦野「なんだって?」 
 
禁書「ええっと…。現代で日本語に翻訳すると……貪狼星。神の剣『セプテントリオン』。日曜日の侵略者かな」 
 
上条「今日は月曜だぞ?」 
 
禁書「そう言われても困るかも…。いくつかのパターンや仮説を咬ませて解読すれば別の解釈もでるけど…」 
 
御坂「肝心の対処法は分からないの?」 
 
禁書「全ての抵抗は無駄に終わる…って」 
  
149 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:50:01.66 ID:tiwd5ERh0
上条「やっぱ俺が行くしかねぇよ」 
 
麦野「だから死ぬっつの」 
 
上条「爆発も異能なら無効化できるかもしれねぇ」 
 
御坂「できなかったら…?」  
 
上条「………」 
 
御坂「自殺するようなもんじゃない!!」 
 
上条「でも!このままじゃ全員やられちまう!」 
 
麦野「それをてめぇ一人が犠牲になれば大円団ってか?ふざけんじゃないよ。一人で背負ってもいい事なんてねぇよ」 
 
絹旗「それは麦野にも超言えることなんですけどね」 
  
150 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:52:17.92 ID:tiwd5ERh0
麦野「絹旗!?」 
 
絹旗「来ちゃいました。麦野の超背負ってるもの少しでいいんで、分けてください」 
 
麦野「足手まといよ絹旗。上に行ってあたしの帰りを待ってなよ」 
 
絹旗「危ないことはしませんから。私達だって麦野に超無事に帰ってきて欲しいですし」 
 
絹旗「だから来たんです」  
 
御坂「意思は固いみたいね、折れるしかないんじゃない?」 
 
麦野「チッ!死ぬんじゃないよ絹旗」 
 
絹旗「ありがとうございます!!」 
 
禁書「悪魔が来たんだよ!!」 
 
遠くで感じた悪魔の気配が近づき、目視できるまでになっていた 
 
  
 
 
上条「よし。行くぞ!!」 
 
 
  
151 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:53:57.76 ID:tiwd5ERh0
 
 
◆生存安価 上条当麻◆ 
 
1:上条の幻想殺しを頼りにドゥベを狙う 
 
2:御坂がドゥベの足を止めて、先に悪魔の対処をする 
 
3:入り口で防衛ラインを敷き、持久戦に持ち込む 
 
4:病院を放棄し、逃亡する 
 
生存率 75% 

安価先+4 
 
生死に関わる選択です 
このSSでは復活スキルはありません、死んだら終わりです 
上記以外の選択は安価下となります 
  
152 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/23(火) 19:54:25.23 ID:tiwd5ERh0
 
  極限状態の学園都市で、 
 
        
 
           悪魔と契約し、謎の侵略者と戦う力を得た 
 
 
 
        『人間』達の戦いがはじまる。 
 
 
 
 世界の終末まで、あと7日 
 
 
 
             生き残る為、 
 
 
 
                   キミは重大な選択を迫られる…… 
 
 
 
 
         生きることとは選びつづけること…… 
 
 
  
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/23(火) 20:04:12.66 ID:h3AbueCxo
面白すぎるだろ

しかし安価怖くて取れない……
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/23(火) 20:50:06.55 ID:szSsD0FLo
絹旗が上条ミサイルすればいいよ
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 00:16:16.62 ID:0A2YmC/DO
じゃあ2かな
156 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/24(水) 00:54:30.73 ID:8pWznx380
◆謎安価◆ 
  
1和久井 啓太 
 
2伴 亜江梨  
 
3秋江 譲
 
4九条 緋那子 
 
5栗木 ロナウド 
 
6新田 維緒 

7峰津院 大和  
 
8菅野 史 
 
9志島 大地 
 
10柳谷 乙女 
 
11鳥居 純吾 
 
12迫 真琴  
 
 
安価先+2  
 
SSの結末、主要キャラ生存等に関係ありません  
デビサバ2ご存知の方そうでない方もどうぞ 
画像や詳細は公式サイトへGO!

157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/24(水) 02:20:06.63 ID:E2A2iANVo
12
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 02:25:20.04 ID:XeAZXgqmo
デビサバ知らないけど面白い

7!
159 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/24(水) 03:04:16.50 ID:8pWznx380
           _,. - ‐  " ̄゛ . ‐-._
            ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...、
         ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....、
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
       .:::::::::::::::Nヽi..!.i/ ::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
       i::::::::::::/      、:::::::::::::::::::::::::::::.
       ,':::::::::j        、:::::::::::::::::::::::::::::,
       イ::::::::/         、:::::::、::::::::::::弋     安価の協力感謝する
      /.!::::::::::i  .‐-._   _,. - ‐ 、::::::::::::ヾミ="    しかし>>157-158は双方ジプスだな…
    ,イ::/|::::::::::i :弋ツ . i  i イ弋ソ   ;::::ヽ::::::ミヾ     
     (ト:{ィ:::::::::::',    .i        ,::::::人:::ヽi    いや、すまない勘ぐりすぎか……
     ヽ` i:::ハ .、    、      /::::/.::::|ヽi
        y  ,:::..         ..:::::::/ ハノ    
         ' "゙  .  . -‐- 、 / |リ,'x;,' ,        たびたびこういった選択の機会が
        ,'    ミ .  __ . /  ;ィ   ,' |       あるがその時はよろしく頼む 
        ミ    "x      ,'  ,'   .|
         i ゙;     ゙;    /   ,'  . |
     ,_,.-‐"  ミ    ミ   ;゙    ;゙   |゛‐.-r,.,_ 
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/25(木) 20:34:15.66 ID:JqDYphlq0
設定知らないけど、なんか面白い!!
上琴をいじるむぎのん萌え?
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 00:16:31.84 ID:zkcf01FWo
>>160
そういう書き手にカプ強要するようなのは控えた方がいいよ…
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/26(金) 15:00:19.91 ID:8M8TbK+z0
ジュンゴとじゅんごは出てきますか?
163 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/26(金) 16:35:46.59 ID:dMumicXl0
ゲームやってる方はもうなんとなく展開が読めたッ!って方もでるかもしれませんね 
内容に関してはSSで語っていきたい所存ですので、申し訳ない 
夜中あたりに投下予定で、また安価もあるので見かけたらお願いします
164 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:08:04.37 ID:PQsZZOx70
■とある病院 玄関前■ 
 
御坂「ちょろっとー?勝手にまとめて、勝手に突撃しようとすんじゃないわよ」 
 
上条「やっぱり駄目か…?」 
 
御坂「当たり前じゃない!あんた今までの流れ読めなかったわけ!?」 
 
上条「あー、すまん」 
 
麦野「来るよ。とにかく第三位はあのヘンテコを引きつけな。他はあたしがやる」 
 
絹旗「私達です!」 
 
麦野「……そうね。少しでも戦えるやつは入り口固めな!退路が無くなったら全滅よ!」 
 
麦野「あと悪魔が喚べるやつは控えときな?言うこと聞くとは限らないから…」 
 
「…わかった」 
 
「俺LEVEL3の発火能力だ。お前は?」 
 
「俺はLEVEL2の念動能力だよ」  
 
口々に相談しあい、自身の能力が生かせそうな配置に着く 
 
ケルベロス「行くぞ御坂」 
 
御坂「いつでもオッケーよ」
165 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:08:34.72 ID:PQsZZOx70
■とある病院 駐車場■
 
麦野「とりあえず減らすわね」 
 
右手に収束するは破滅の蒼。迸る閃光は悪魔の群れを両断する 
さらに拡散支援半導体を使って追撃の連射。数十いた悪魔はその数を三分の一まで減らしていた 
背後から湧き上がる喝采 
 
麦野「この残ったのが問題だってのに、気楽なもんねぇ…」 
 
迎撃の光を放ちながら独りごちる 
 
絹旗「でもやっぱり麦野は超すごいです!」
 
上空から超スピードで突撃してくる一体の悪魔にも向かえ撃つが 
 
麦野「んな!?」 
 
反射される 
 
麦野「ッ!!」 
 
咄嗟に膜を展開し、反射された閃光を拡散させる 
 
麦野「ついに反射までされるとはね…」  
 
孔雀に乗ったその悪魔が槍を振りかぶる 
 
絹旗「とお!」 
 
交差する様に絹旗が飛び出て、力が振るわれる前に体当たりを仕掛ける 
 
絹旗「くあッ!」  
 
更にもう一撃。矛先を絹旗に狙いを定めて投擲が繰り出される 
 
禁書「C R STTGOF TWBBP」  
 
放たれた槍が強制詠唱により、45度右に曲がって地面へ突き刺さる 
 
166 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:09:21.10 ID:PQsZZOx70
麦野「平気?」 
 
絹旗「超問題ありません!」 
 
互いに態勢を立て直し、悪魔が槍を回収する 

禁書「カルティケーヤであってるのかな」 
 
カルティケーヤ「わぉ?ワイも有名人やな。こないな東方で名前呼ばれるとは思わんかったわ」  
 
禁書「みんな気をつけて。別名、韋駄天。速さの代名詞でもあるんだよ」 
 
麦野「弱点とかは?」 
 
禁書「…ないんだよ。電撃はさっきみたいに反射の対象かも」 
 
麦野「…できれば先に言ってくんない?」 
 
禁書「…ごめんなんだよ」 
 
上条「まぁ、捕まえること考えようぜ」 
 
167 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:10:12.04 ID:PQsZZOx70
絹旗「私どうしましょう?」 
 
麦野「シスター?あいつと他のはどっちが強いんだ?」 
 
禁書「相性もあるけど、それを含んでも断然カルティケーヤの方が強いんだよ」  
 
麦野「絹旗は他の悪魔を入り口に誘い込んで、防衛ラインで叩いて。上条、シスターも一緒に連れていかせるよ?」 
  
上条「ああ。インデックス、頼んだぞ」 
 
禁書「分かったんだよ」 
 
麦野「他の奴もわたしお手上げだから、絹旗お願い」 
 
絹旗「すぐに戻ります!」  
 
カルティケーヤ「ええの?お嬢の能力やとワイに通用せんけど」 
 
上条「能力を知ってるのか!?」 
 
カルティケーヤ「まぁ。敵戦力の把握は戦いの基本やからなぁ。さっきの白い服着てた女の子もようやるで」 
 
上条「俺が相手になる」 
 
カルティケーヤ「あんたがか…?あんま強そうに見えんけど。かっこつけるだけなら止めとき。死ぬだけや」 
 
上条「そいつはどうかな!!」 
 
カルティケーヤ「弱いもんイジメは気が乗らんのやけどなぁッ!」 
 
高速の一振りを見極め、体を沈め避わす  
振るった槍の衝撃波が後ろに居た麦野に届くが目視できる程の電子の壁で弾く 
 
168 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:11:09.29 ID:PQsZZOx70
上条「うおおおおお!!」 
 
カルティケーヤ「おっとぉ」 
 
掴みかかった右手を素早く避わす 
 
カルティケーヤ「なんや知らんけど、みーんなこれで仕舞いや」 
 
左手に集まる神々しい蒼炎 
 
カルティケーヤ「メギドォ!!」 
 
飛来する神の炎に突っ込む上条。神のご加護すら打ち消す右手は、裁きすらも打ち消す 
 
カルティケーヤ「ちょッ!?」 
 
上条「神様だか知らねぇけど!俺には効かねぇんだよ!!」 
 
跳躍し、右手を伸ばす 
 
カルティケーヤ「おもろいやんけ!千烈突きみせたるわい」 
 
突き出す槍が上条に触れる前に電子の壁に弾かれる 
 
麦野「攻撃できなくても防御くらいできるみたいね。他人守るなんて、初めてこんな使い方したけど」 
 
上条の右手がカルティケーヤの腕を掴む 
 
麦野「キタァァアアアアアアアッッ!!」
169 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:11:41.27 ID:PQsZZOx70
麦野にしてみれば待ちに待った瞬間 
既に十二分に溜め込んだ光を解き放つ 
 
カルティケーヤ「そんなもんッ――!?」 
 
上条に掴まれたせいでバランスを崩した為、急所を外し落下する 
 
麦野「捕まえてろ上条!」 
 
上条「おう!」  
 
上条を巻き込まない様に出来る限り細く、狙いを定め撃つ 
 
「ッケェー!」 
 
カルティケーヤの乗っていた孔雀が前に躍り出て、閃光に貫かれる 
 
「ケェー、ケェー…」 
 
カルティケーヤ「パラヴァニッッ!!」 
 
麦野「チッ!」 
 
再び蒼を収束する 
 
カルティケーヤ「どかんかいワレェ!!」 
 
上条「――ッが!」 
 
カルティケーヤに突き飛ばされ、数メートル吹き飛ばされる上条。右手が離れたのを見て演算を中断する麦野 
 
170 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:12:23.04 ID:PQsZZOx70
「ケェ……ケ……。……」 

カルティケーヤ「ぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 
 
神の雄叫びに空気が震える 
 
カルティケーヤ「パラヴァニ…。お前は立派やったでッ!」 
 
孔雀、パラヴァニの亡骸が虚空へ散る 
 
麦野「あんたのペット、悪い事したね。こっちも文字通り必死だからねぇ」 
 
煽る様に声を掛ける麦野 
 
カルティケーヤ「パラヴァニとはどこでも一緒やったんや、家でも戦場でもなぁ……」 
 
カルティケーヤ「それを人間にやられるとは……。さぞ無念だった事でしょう」 
 
上条「なんだ?様子がおかしいぞ」 
 
カルティケーヤ「地に足を着けて戦うのは初めてですが、いいでしょう」 
 
カルティケーヤの周囲の空間が歪みをみせる 
 
カルティケーヤ「インドラをも下した軍神の力とくとご覧あれ……」 
 
麦野「バケモンがァ……!」 
 
顔が六つになり腕が何処からとも無く生えていた。その数十二 
  
171 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:12:55.36 ID:PQsZZOx70
カルティケーヤ「コォォォッ!」 
 
カルティケーヤ「火砕烈風破ァ!」 
 
魔力で生み出された火砕流を上条が右手で打ち消す 
 
カルティケーヤ「実に目障りな能力ですね」 
 
上条「俺の右手は神様のご加護だろうが打ち消すからな。あんたの好きにはさせねぇぜ!」 
 
カルティケーヤ「不遜な……」 
 
麦野「つか右手って言うなよバカ!」 
 
上条「……あっ!」 
 
172 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:13:30.96 ID:PQsZZOx70
カルティケーヤ「人間とはそもそもの存在次元が違います。右手だろうが両手だろうが構いません」 
 
カルティケーヤ「全て木っ端みじんにするまで……」 
 
麦野「来るぞッ!退がれ上条!!」 
 
槍を上段に構え、振るう 
袈裟斬りから始まり多数の手で槍を持ち替え、操り止まることなく振り回す 
 
上条「うおおおッ!?」 
 
麦野「危ねェ!」 
 
電子の壁を張り出し、押し返そうとするが。打ち砕かれる 
 
カルティケーヤ「無駄です!!」  
 
槍の勢いは増し、こちらへ突撃を仕掛けてくる 
 
麦野「クソッ!―――ッ!!」 
 
後ろへ走りながら携帯を取り出す 
 
麦野「いいこと考えたにゃーん」 
 
口角を歪め振り返る 
決定キーを押す  
さっきも見た放電現象  
  
アーマーン「ぐわああああーーーーーーッッ!!!」 
 
173 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:13:57.66 ID:PQsZZOx70
現れ、悲鳴を上げる大顎のワニ 
そこはカルティケーヤの進路上 
槍の斬戟全てをその一身に受けた 
 
アーマーン「――ッガァ……」 
 
カルティケーヤ「………?」 
 
上条「え?」 
 
麦野「あー。わりーわりー。携帯の操作複雑でさー。間違って召喚しちまったわー。ほんとわりー」 
 
アーマーン「何だ…?クソ……」 
 
喚ばれるなり無数の斬戟を食らい。状況が全く掴めていない妖獣 
 
カルティケーヤ「仲魔ですか。強力な悪魔ですが、私はそれすら超えてみせましょう」 
 
アーマーン「ちょっと待て……」 
 
カルティケーヤ「パラヴァニの無念を晴らす為。いざッッ!!」 
 
アーマーン「待てっつってんだろーがァ!!」 
 
横薙ぎの槍を避わすが、次の火砕流に飲み込まれる 
 
アーマーン「ぐわあああああああああ!!」 
174 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:14:23.68 ID:PQsZZOx70
麦野「なんだお前?大口叩いといて弱いじゃん?」 
 
上条「あいつがやられそうじゃねぇか?助けなくていいのか?」 
 
麦野「さぁね。システム上仲魔だけど。わたし、あいつの事認めたわけじゃないから」 
 
どこかで聞いた口上を、満面の笑みで言い放つ麦野 
まさに戦場に舞い降りた残酷な天使。その笑顔で一日頑張れる 
 
アーマーン「あーそういうことかよ…。人間らしいじゃねぇか…。嫌いじゃねぇぜ……」 
 
全身を縮め、豪強な四つの足に力を入れる 
 
カルティケーヤ「やっとその気になりましたか。全てを木っ端みじんにッ……!」 
 
上段に構えられた槍を振り下ろすが、そこに妖獣の姿は無かった 
 
アーマーン「神の心臓ッ!上物だぜェェええええ!!」 
 
瞬時に背後に回り、食らいつく 
多数の顔で姿を追ったカルティケーヤは素早く反応し防御するが、腕を噛まれる 
五本の腕を噛み。体を捻る。捻る。捻る。捻る。捻じ切る 
 
カルティケーヤ「ぁぁぁあぁああああああああ!!」 

鮮血を吹きだし、次は苦痛の悲鳴で空気が震える。  
 
175 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:15:37.62 ID:PQsZZOx70
アーマーン「教訓だぜ。殺し合い。気が揺らいだら、そこで死ぬ」 
 
己の反省を五七五にまとめ大口を開ける 
バクンッと胴体を顎に収め。太い首を振り回し、地面に何度も叩きつける 
 
カルティケーヤ「ガフッ!こんなところで……、離せッ!離せッ!!」 
 
暴れるが離さない大顎 
至近距離で火砕流を生み出そうと魔力を高める 
 
上条「この状況なら俺でもなんとかなるな」 
 
残った腕を掴まれ魔力も耐性も消失する 
 
上条「麦野さん!」 
 
麦野「ワニはどうせ効かないだろうから。遠慮はしないよ?」 
 
麦野「穴開けて死ねッ!!」 
 
小さな無数の蒼い光が、カルティケーヤとアーマーンに降り注ぐ 
 
カルティケーヤ「ッ――パラヴァ……すまん……」 
 
全身をに削り取られアスファルトに血を撒いた後、虚空に消える 
  
176 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:16:36.50 ID:PQsZZOx70
上条「なんとかなったか……」 
  
アーマーン「おい、テメェ…」 
 
麦野「おつかれ」 
 
言いかけたアーマーンを再び携帯に戻す 
 
上条「ひでぇ…」 
 
麦野「さっさと絹旗達の援護に行くよ」 
 
上条の尻を文字通り叩き、急かす 
 
上条「おう」 
  
御坂の方は良くも悪くも、膠着状態が続いていて問題は無さそうだ 
入り口の方はまだ悪魔が残っている 
 
二人は入り口へ走り出した 
 
177 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:17:21.62 ID:PQsZZOx70
■とある病院 入り口バリケード前■ 
 
禁書「右、電撃が無効なんだよ!」 
 
禁書目録が指示した悪魔に、一斉に多数の能力が見舞われる 
 
禁書「あの白い虎最後の物理耐性持ちかも。あと電撃無効なんだよ!」 
 
絹旗「じゃあその他は私が超行きます!」 
 
液体窒素を小まめに振りまき、最前線へ駆け出す 
 
上条「大丈夫かお前達!」 
 
禁書「とうま!無事だったんだね!」
 
上条「なんとかな」 
 
麦野「オラ。喋ってないで、さっさと悪魔触れ」 
 
上条「あ、はい」  
 
直近にいた女の悪魔と目が合う 
 
上条「あ、ハハ。どーも…ッて。……お前ら悪魔に何してんだ!!」 
 
禁書「え?」 
  
178 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:17:49.91 ID:PQsZZOx70
「そうよ私たちは不当に虐げられているの…助けて」 
 
上条「最低だぜお前ら……」 
 
禁書「とうま?」 
 
「そいつらを殺して」 
 
上条「お前らが悪魔を何の躊躇いも無く殺していいっていうなら」 
 
上条「その間違ったお前らをぶち殺すッッ!!」 
 
「あぁん。素敵よ…あなた」 
 
上条「えへへ。そうかn」 
 
バキン  

上条「あれ?」 
 
禁書「とうま操られたんだね?」 
 
上条「え!?まじかよ!!」 
 
麦野「自分で頭触って能力解除したみたいだけど?」 
 
上条「全然気付かなかった…」 
 
魅了を掛けた女悪魔に向き直る 
 
「あたしを助けてよ」 
 
魔力の篭った瞳、その視線を右手で遮る 
 
179 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:18:17.04 ID:PQsZZOx70
バキン 
 
上条「なるほどな……。すっげー曖昧だけどあんたと愛し合った気がする」 
 
上条「こんなに綺麗なのに……。悲しい眼だ…」 
 
「……え?」 
 
上条「でもそう上手い話はねぇってのは不幸だぜ!!」 
 
女悪魔に触れるや否や、ジュンっという音と共に頭部が消滅した
 
上条「……うへ」 
 
麦野「さっさと次行けボケ。第三位が干からびて死んじまうぞ」 
 
上条「あ、はい」 
 
180 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:20:22.03 ID:PQsZZOx70
■とある病院 駐車場 最東■ 
 
御坂とその前に立つケルベロス 
視線の三十メートル先には街灯に磔にされたドゥベの姿 
 
御坂「……あっちは終わったみたいね」 
 
ケルベロス「その様だな。数人こっちへ来る」 
 
御坂「だとしても現状は変わらず。なのよね〜」 
 
ケルベロス「また爆発するぞ」 
 
膨張と爆発 
縛り付けていた街灯を灰にし、砂鉄を消滅させる 
 
ドゥベ「Яд#W」 
 
御坂「よっと」  
 
砂鉄を再度操り、ドゥベの体内?の空洞に注ぎ込む 
そして次の街灯に磁力で引き摺り、張り付かせる 
全滅を免れる苦肉の策、時間稼ぎなのだが 
傍から見るとその策は作業的すぎた 
 
181 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:21:46.18 ID:PQsZZOx70
麦野「随分楽してるじゃないの?」 
 
御坂「楽を通り越して、めんどくさくなってきたところよ」 
 
上条「どうするか決まったか?」 
 
御坂「全然。犠牲を出さないのはこうやってどこかに磔にしておくか、閉じ込めることかしら?」 
 
上条「そのためには…」 
 
御坂「そう、あたしが居なきゃ出来ない。つまりあたしかケルベロスが疲れたら終わりって事」 
  
上条「やっぱ俺が行くか」 
 
御坂「何回も言わせんなっての」 
 
上条「お前の犬に乗っていくとか…」 
 
ケルベロス「我にか…?」 
 
チラっと御坂を窺い、視線で意図を汲む 
 
ケルベロス「却下だそうだ。それに貴様にもしもの事があると後が怖い」 
 
182 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:22:50.49 ID:PQsZZOx70
麦野「こりゃ撤退するしかないのかねぇ」 
 
上条「これ野放しにしとくのかよ!?」 
 
麦野「八方塞がりじゃん?」 
 
           カッ カッ 
 
麦野「一生、第三位このままにしとくか?学園都市ならそんな研究でも金がでるんじゃない?」 
 
 カッ カッ  
  
御坂「うーん。それはごめんかも」 
 
カッ 
 
一方「なァにやってンだ?お前らァ」 
 
麦野「あぁ?何でもねーよ。あっち行ってろ」 
 
御坂「あ、…あんた……」 
 
上条「……一方通行!?」 
 
一方「三下が揃ってやがんなァ…」 
 
麦野「一方通行って第一位の?こいつが?」 
 
一方「ハッ。誰だか知らねェうちに死ななくてよかったなァ…」 
 
麦野「うっわ……」 
 
一方「なンだよ…。文句でもあンのかァ?」 
 
麦野「服ダサ」 
 
一方「…………あ?」 
 
183 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:23:29.85 ID:PQsZZOx70
麦野「発言が痛いのも合わせて、ちょっとお近づきになれないわ」 
 
一方「ンだとォ…?誰にケンカ売ってンのか分かってンのかテメェ……」  
 
麦野「いや第一位なのは分かるんだけどさ。…てか図星突かれてキレてんじゃないよ童貞かよ」 
 
一方「言ってくれるじゃねェか……。テメェの手足もぎ取ってぶち犯して。卒業してやろうかァ?あァン!?」 
 
麦野「童貞認めたしこの第一位。くっさ」 
 
御坂「ちょっと下品な話止めなさいよ!」 
 
麦野「あーらら、初心気取ってんじゃないよ第三位。あんたも好きな男妄想して毎晩オナってんだろ?」 
  
御坂「な……なッ!?」 
 
上条「なぜ上条さんを見るんでせうか」 
 
御坂「誰も見てないっ!あんたなんて見てないんだからッ!!」 
 
ケルベロス「ツンデレ乙」 
 
御坂「誰がツンデレかッッ!!」 
 
一方「オイッ!!漫才やってンじゃねェよクソ共がァ!!」
184 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:24:04.99 ID:PQsZZOx70
上条「お、おう。スマン」 
 
御坂「ていうか。何であんたがここに居んのよ」 
 
一方「病院で寝てたら、外がうるせェから様子見に来たンだよ」 
 
麦野「この状況でよく寝れるわね、ほんとは夢精して起きたんじゃない?」 
 
上条「――クッ…」  
 
御坂「む……むせ…」 
 
一方「ざっけンな!つか三下何笑い堪えてンだコラァ!」 
 
上条「いや。上条さんも経験あるから心配するな」 
 
御坂「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」 
 
麦野「そこまでにしな上条。第三位の頭部が爆発すんぞ」 
 
上条「なんで上条さんが怒られたので…?」 
 
御坂「もうこの話はナシで!」 
 
一方「世間話好きのババァに言っとけ」 
 
麦野「黙れよ童貞」 
 
上条「ちょっと話進まない。なぁ一方通行」 
 
185 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:24:56.24 ID:PQsZZOx70
上条「あそこの奴が反射したり、攻撃が効かねぇんだけどなんとかならないか?」 
 
一方「あン?」 
 
麦野「物理攻撃も何も効かなくてお手上げなんだよ」 
 
御坂「こうやって動き止めて、時間稼いでるのが精一杯」  
 
一方通行が首のチョーカーに手をやる 
杖をたたみ。自身の足で歩みを進める 
 
上条「そいつ爆発するから気をつけろ!」 
 
一方通行は聞こえたのか聞こえてないのか。返事もせずにドゥベへと向かう 
 
ドゥベ「#иι」 
 
火球が発生し、一方通行を襲うと同時に彼の携帯にメールが届く 
半身で避わし、右手で火球に触れる 
能力によって反射される筈の火球はドゥベへと返らず、あらぬ方向へと飛んでいく 
 
一方「知らねェ力だな、魔術とかいうやつか?」 
 
ドゥベ「мЭ>!」  
 
目前まで迫ったところで頭部が膨張を始める 
膨張に臆する事無く、ドゥベに触り。体構造を解析する 
 
ドゥベ「егЩ&&」 
 
ズドォン 
 
一方通行を巻き込んだ爆発。今までとは異なる反応で広範囲に散っていった 
 
一方「――!?何にもねェ…」 
 
御坂が砂鉄を入れていた空洞のことでは無く、体?自体内臓も何もない 
形。唯の形。そこにあるのに何も無い形 
 
一方「試してみるか」 
 
触って力を内部で動かしてみるが、爆ぜるどころか何も起きない  
 
186 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:25:33.50 ID:PQsZZOx70
麦野「あいつ何してんの?」 
 
上条「触って調べてんじゃないか?」 
 
ケルベロス「対話の様にも見える」 
 
御坂「友達にでもなろうとしてるのかしら」
  
麦野「友達居なさそうよね」
 
御坂「その点はあたしもあんまり言えないわ」 
 
麦野「……わたしもだった」 
 
上条「何ブルーになってんだよ二人で!」 
 
187 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:26:25.88 ID:PQsZZOx70
ガァン ガァン
 
ケルベロス「殴ってるぞ」  
 
御坂「嫌われたのかしら」 
 
麦野「手がイカ臭いって言われたんじゃね?」 
 
御坂「イカ?」 
 
上条「御坂は知らなくていい」 
 
麦野「今晩上条がきっちり教えてくれるってさ」 
 
上条「ちょっと麦野さん!」 
 
御坂「何?後でちゃんと教えてよね」 
 
麦野「すまん。中学生の性的好奇心舐めてた。まぁがんばりな」 
  
御坂「え?また下ネタだったの!?ていうかあんたもいい加減にしなさいよね!」 

上条「なぜ俺に……。はぁ…、不幸だ……」 
 
188 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:27:25.96 ID:PQsZZOx70
麦野「帰ってきた。第三位、ドゥベ押さえときな」 
 
御坂「おーけー」 
 
一方「ほっとけ。それよりその辺の車集めろォ」 
 
御坂「くるま?」 
 
一方「磁力操作でも何でもいい。俺の前にドンドン持って来い」 
 
御坂「いいけど…」 
 
御坂が磁力操作で次々と車を運んでくる 
 
麦野「なんか対処法分かったわけ?」 
 
一方「そンなところだなァ」 
 
上条「倒せるのか!?」 
 
一方「いンやァ…?倒す必要はねェだろォ」 

上条「それってどういう…?」 
 
一方「その辺でいいぞ。全体的に押し付けとけェ」 
 
ケルベロス「奴がくるぞ」 
 
一方「構わねェよ」 
 
189 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:28:28.97 ID:PQsZZOx70
言いながら車に圧を掛け、金属を歪め圧縮していく 
ベコベコとあっという間に潰れ、ガソリンが漏れだしている 
車一台を潰し。さらに一台一台潰し。くっ付ける 
 
上条「何してんだ…?」 
 
麦野「さぁ…?」 
 
一方「できたぜェ」 
 
壺の様な形をした作品 
 
一方「大分ガソリン漏れたな、死にたくなかったら離れてろォ」 
 
ドゥベ「Щ^ヾ○」 
 
火球を生成し発射するが、ケルベロスが飛び出して反射する 
  
上条「ここは危ねぇ。離れようぜ」 
 
麦野「そうね」 
 
190 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:29:27.96 ID:PQsZZOx70
ドゥベ「ЁΒχ」  
 
一方「ほら、入れェ」 
 
ガコンと重々しい音でドゥベを中に入れ、入り口を潰して出られなくする 
 
ドゥベ「з○Ф$」 
 
中で火球が炸裂したのか、下方の僅かな隙間から光が漏れる 
 
一方「ンじゃァ…なッ!」 
 
能力全開で殴りつける  
上空へ飛んでいくドゥベ 
 
上条「お前、あれどうすんだ?」 
 
一方「さァな泳げなきゃ遠くの海に沈むンじゃね?」 
  
上条「大丈夫…なのか…」 
 
遥か遠くの空で光の明滅が確認される 
 
191 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:30:41.74 ID:PQsZZOx70
麦野「疲れた。病院、帰るわ」 
 
御坂「あ、お疲れ」 
 
麦野「…ん。あんたもね」 
 
ケルベロス「御坂も休んだ方がいい」 
 
御坂「そうね…今から寮に戻るのも怖いし。病院のソファーでも借りれるかしら」 
 
上条「ソファーで寝る気かよ」 
 
御坂「だってあたし患者じゃないもん。あんたそのケガだと入院してたの?」 
 
上条「今日色々ありまして…。ってそれより女の子がソファーって危ないだろ」 
 
御坂「こいつが居るから誰も襲ってこないわよ」 
 
ケルベロス「必要ない時は還した方がいい。その方が疲れが取れるだろう」  
 
御坂「ひょっとしてあたしの、魂とか抜いてるとか!?」 
 
ケルベロス「召喚者から生体マグネタイトを分けてもらって現界している」 
 
192 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:31:27.38 ID:PQsZZOx70
上条「生体マグネタイト?」  
 
御坂「磁鉄鉱かしら?でも生体?」 
 
ケルベロス「物質ではない、分かりやすく言えば生気に近いものだろうか」 
 
御坂「寿命縮んだりする?」 
 
ケルベロス「それは無い。我が悪魔を殺せばそれで糧となる」 
 
ケルベロス「御坂からも摂取できなければ、現界の代償は我の生命力から補われるだろう」 
 
御坂「残量とか分かる?」 
 
ケルベロス「いや。直近の問題は無いが、抑えておいて損は無い」 
 
御坂「そっか。色々話したいこともあったんだけどな」 
 
ケルベロス「仕方のない事…またな」 
 
御坂「うんまた…ね」 
 
193 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:32:59.37 ID:PQsZZOx70
上条「あれ?一方通行がいない」 
 
御坂「麦野沈利の後に帰ったわよ」 
 
上条「お前麦野さんと仲悪いのか?」 
 
御坂「前に研究所潰ししてた時にちょっとね…」 
 
上条「妹達の時か……」 
 
御坂「ま。今の状況が状況だし、少なくともこっちからやりあうって事はないけどね」 
 
上条「一方通行も…か…?」 
 
御坂「………」 
 
上条「すまん」 
 
御坂「謝んないでよ。あんたには感謝してんだから」 
 
上条「…そっか」 
 
御坂「戻ろ?もう夜だし、今後の事も考えないと…ね!」 
 
上条「だな!」 
 
194 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:33:56.24 ID:PQsZZOx70
上条「そうだ、お前俺の部屋で寝ないか?」 
 
御坂「えぇ!?」 
 
上条「いや女の子達だけじゃ心許ないだろうし、こっちにも小さい子とかいるからさ」 
 
御坂「これが吊橋効果ってやつかしら……?。不謹慎かもしれないけど……」 

上条「ビリビリ?」 
 
御坂「はい!?ビリビリです!」 
 
上条「どうする?」 
 
御坂「あぅ…。よろしくお願いシマス……」 
 
195 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:34:37.80 ID:PQsZZOx70
■とある病院 上条の病室■ 
 
佐天「わぁーお」 
 
初春「これは見事なトヨタ車ですね」 
 
白井「……で?私達はどこで寛げばよいので?」 
 
上条「………車の事忘れてた…」 
 
禁書「見境なしに女の子連れてくるからなんだよ!」 
 
アリス「おにいちゃんっていつもこうなの?」 
 
禁書「気がついたら知らない女の子が居るんだよ!」 
 
御坂「……考えていたのと何か…決定的に何か違う…」  
 
上条「どうすっかな……」 
 
196 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:36:35.43 ID:PQsZZOx70
打ち止め「ガラガラー!ってミサカはミサカは扉を勢い良く開けてみたり!」 
 
御坂「あんたは…?」 
 
上条「打ち止めじゃねーか」 
 
打ち止め「お姉さまが居るって聞いて飛んできたのだ!ってミサカはミサカは颯爽と語ってみる!」 
 
初春「あ、いつかの…」 
 
佐天「初春知ってるの?」 
 
初春「ええ、以前事件で」 

白井「それにしてもまぁまぁ、お姉様とそっくりでいらっしゃいますの」 
 
御坂「あー、この子あたしの親戚の子なのよ!」 
 
白井「まぁまぁ…。初めましてですの。お姉様のご親戚ともなると香りもお姉様に似てらっしゃいますのね…」 
 
打ち止め「ひゃあ!匂わないでって、ミサカはミサカは…、ヨダレでてるよぉぉぉ!!」  
 
御坂「やめんかッ!!」 
 
白井「きゅッ!」 
 
197 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:37:15.95 ID:PQsZZOx70
御坂「あんたこの病院にいつも居るの?」 
 
打ち止め「ううん違うよ。ミサカはあの人が今日病院に運ばれたから居るの、ってミサカはミサカは説明を加えてみる」 
 
御坂「あんたの保護者ね。お見舞いも兼ねて後でお邪魔するわ」 
 
打ち止め「うん!ていうよりミサカの部屋に来たほうがいいかもって、ミサカはミサカは悲惨な病室を見て進言してみる」 
 
白井「確かに、全員はちょっと狭いですしねぇ」 
 
佐天「それにちょっと怖いですよね。景観が…」 
 
初春「でもそっちに行っちゃうと、今度はそっちが狭くなっちゃうんじゃ?」 
 
打ち止め「広いところだから大丈夫だよ!ってミサカはミサカは太鼓判を押してみたり」 
 
白井「ではお世話になりましょうか。よろしいですわね?お姉様」 
 
御坂「え……うん。そうね」 
 
上条「打ち止め。こいつらもお願いできるか?」 
 
禁書「わたし達も?」 
 
上条「女の子同士の方が健全でいいだろ。うん」 
 
打ち止め「んじゃ行こう!ってミサカはミサカは初対面の子に手を差し伸べてみる!」 
 
アリス「……ッ。…うん」 
 
打ち止め「手冷たくて気持ちいいね!ってミサカはミサカは率直な感想を述べてみる」 
 
アリス「……あたたかい」 
 
 
198 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:37:50.11 ID:PQsZZOx70
■とある病院 麦野沈利の病室■ 
 
麦野「病院が避難者にも飯出すってさ」  
 
絹旗「超助かりますね。浜面お願いします」  
 
滝壺「一階で配ってるみたい」 
 
浜面「へいへい」 
 
麦野「あとお前は外で寝ろよ?」 
 
絹旗「悪魔に超気をつけてください」 
 
浜面「外って病院の外かよ!!」 
 
絹旗「超冗談ですよ。布団とかも超配ってるんでソファーで安心して寝てください」 
 
麦野「浜面。早く。飯」 
 
浜面「わーったわーった」 
 
滝壺「私も一緒に行くよ。浜面一人じゃ持てないだろうし」 
 
浜面「ありがてぇ。んじゃ行ってくるわ」 
 
199 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:38:19.93 ID:PQsZZOx70
■とある病院 一方通行の病室■  
 
打ち止め「たっだいまー!団体さんご案内なのだ!ってミサカはミサカは胸を張って帰還してみる」 
 
初春「ホントに広いですね」 
 
芳川「あらあらお帰りなさい」 
 
白井「お世話になりますの」 
 
芳川「ゆっくりしていいわよ」 
 
ヤリーロ「女の子がテンコ盛りやがな。にいちゃんはどういの好みなんや?」 
 
一方「ッぜェンだよ。寝られねェだろォが!」 
 
御坂「あ!」 
 
一方「あン?」 
 
御坂「………」 
 
白井「お知り合いなんですの?」 
 
一方「………」 
 
御坂「………ごめん。あたしあいつのとこ戻るね」 
 
一方「……チッ!ここにいろ。俺が出る」 
 
御坂「いいわよ。ここあんたの部屋なんだし。あたしが行くから…」 
 
一方「女ばっかでうるせェから出てくンだよ。勘違いしてンじゃねェ」 
 
御坂「………」 
  
200 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:38:53.96 ID:PQsZZOx70
打ち止め「ごめんねお姉様。ってミサカはミサカは自分の要領の無さを嘆いてみる」 
 
御坂「ううん。いいの」 
 
佐天「白井さん白井さん。御坂さんさっきの人と何かあったんですかね?」 
 
白井「いえ…私もちょっと分かりかねますの」 
 
初春「さっきの人私知ってますよ。学園都市の第一位です」 
 
佐天「第一位?まさか前に付き合ってたとか!?」 
 
白井「それはありえませんの。この白井黒子お姉様の露払いとして身辺は定期的に洗ってますので」 
 
初春「ストーカーじゃないですか」 
 
ヤリーロ「お姉ちゃんらなんの話しとるん?ワイも混ぜてぇな」 
 
白井「なんですの?この殿方」 
 
佐天「悪魔…じゃないです?」 
 
禁書「ヤリーロは豊穣と愛欲の神様なんだよ」 
 
芳川「害は無いと思うから安心してね」 
 
リリム「しかし危険な少女趣味をお持ちの様なのでご注意を」 
 
ヤリーロ「まだゆうとんのかい!ロリコンやなくて小さい子愛でてるだけやないか!」 
 
初春「YESロリータ NOタッチですね。わかります」 
 
佐天「やっぱりロリコンじゃないですか!」 
 
打ち止め「じゃあ、携帯に仕舞っとくね」 
 
ヤリーロ「打ち止めちゃんそないな殺生なこt」 
 
白井「消えましたの」 
201 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:39:29.49 ID:PQsZZOx70
リリム「さぁ打ち止め様。邪魔者は消えましたよ。こちらへ」 
 
打ち止め「うぅー。芳川ぁー」 
 
白井「お待ちなさい!」 
 
リリム「何ですかあなた」 
 
白井「御坂美琴お姉様の露払い。白井黒子と申します」 
 
リリム「ならばそのお姉様のところへ行けばいいじゃないですか」 
 
白井「お姉様のご親戚も私がお世話致しますの」 
 
リリム「なんて強欲な…。この子は渡しません」 
 
白井「勝手に頂戴いたしますの!」 
 
打ち止め「うひゃッ!」 
 
リリム「な!?空間転移!?」 
 
白井「クンクン。はぁ〜鼻腔から肺まで満たされるこのフレーバー。堪りませんの。舌触りは如何でしょうか」 
 
打ち止め「舐めないでーーー!!」 
 
白井「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃッッ!!!!!」 
 
佐天「打ち止めちゃんも電気使いなんですね…」 
 
初春「ほんと御坂さんが小さい感じです」  
  
リリム「打ち止め様……恐ろしい子ッ!」 
 
202 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:40:16.42 ID:PQsZZOx70
初春「そういえば、ご飯取りに行かないといけないんでしたね」 
 
佐天「行こうか」 
 
芳川「私の分もお願いしていいかしら?」 
 
御坂「構いませんよ」 
 
芳川「いえ。あなたに少し話したい事があるんだけど」 
 
御坂「あたしに?」 
 
白井「ではお姉様の分もお持ち致しますの」 
 
御坂「ごめん。お願いするわ」 
 
打ち止め「……」 
 
芳川「打ち止めも一緒でいいわよ」 
 
リリム「では打ち止め様の分は私がお持ちいたしましょう」 
 
芳川「たまに思うんだけど、あなた私の仲魔でいいのよね?」 
 
リリム「その認識で合っています」 
 
芳川「そう、ならいいの」 
203 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:40:47.71 ID:PQsZZOx70
■とある病院 病室棟通路■  
 
上条「入院するとまともな飯にありつけるのが魅力なんだよなー」 
 
上条「……我ながらほんと悲しい生活だぜ」 
  
浜面「ん?」 
 
上条「お?」 
 
浜面「お前今から飯か?」 
 
上条「ああ。病室が散らかってたから少し片付けしてたんだ」 
 
上条「お前ここで寝るのか?」 
 
浜面「女達に部屋追い出されちまったからな…」 
 
上条「そりゃ難儀なこって…。俺の部屋くるか?」 
 
浜面「え?」 
 
上条「毛布あっても寒くなるだろうし、壁塞いだからここよりマシだぜ」 
 
浜面「壁?まぁそうだな。布団持ってくわ」 
 
上条「おう」 
204 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:41:33.07 ID:PQsZZOx70
■とある病院 上条当麻の病室■ 
 
上条「ここだ」 
 
浜面「お邪魔しまーすと」 
 
一方「あ?」 
 
上条「え?」 
 
浜面「へ?」 
 
上条「あれ?ここ上条さんの病室だと……。なんで一方通行がここに…?」 
 
一方「お前の部屋だったンかよ…。悲惨な部屋の状況見て空き部屋だと思っちまったァ」 
 
上条「こんな有様でも一応上条さんの病室なのです」 
 
浜面「お前ら友達だったのか?」 
 
一方「ンなわきゃねェだろ!」 
 
上条「お前らも知り合いだったのか」 
 
浜面「まぁ…な」 
 
一方「出てくわァ。邪魔したな」 
 
上条「いいよ。飯の途中なんだし。行くとこもねぇんだろ?」 
 
浜面「布団まで運んだんだから、今から移動すんのもしんどいだろ」 
 
一方「……まァ……な」 
 
上条「俺も今から飯だから一緒に食おうぜ」 
 
一方「……あァ…」 
 
205 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:42:14.05 ID:PQsZZOx70
浜面「―――…んでさ。その時から俺思ったね。滝壺の為に生きていこうって」 
 
上条「……そうか」 
 
一方「………」 

浜面「…………」 
 
上条「…………」 
 
一方「…………」 
 
浜面「…なんかそういうエピソードないの?お前ら」 
 
上条「……いや、特には」 
 
一方「…………」 
 
浜面「…そっか」 
 
上条「…………」 
 
一方「…………」
 
浜面(飯食いながら喋れない人なのか?) 
 
上条(なんだこの状況……) 
 
一方(三下の癖に飯食うの速えェな。クソッ!) 
 
206 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:43:12.03 ID:PQsZZOx70
浜面「明日もやっぱ悪魔がいるんだろうな…」 
 
上条「…そうだな」 
 
浜面「今日だけで何人犠牲になったんだろな…」 
 
上条「………わかんね」 
 
浜面「今日が早く終わって欲しいけど、明日が来るのが怖いな」 
 
上条「……結構詩人だなお前」 
 
浜面「だろ?」 
 
浜面「明日別個じゃなくて、協力し合わないか?」 
 
上条「俺からもお願いしたいぜ」  
 
浜面「麦野に明日言っとくわ」 
 
上条「麦野さんには今日大分助けてもらったからなぁ」 
 
一方「よし勝ったァッ!」
207 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:43:46.02 ID:PQsZZOx70
浜面「おわッ!びっくりした」 
 
上条「なんだ?急に……」 
 
一方「……別にィ。……つかお前飯食うのおせェな。へへ」 
 
上条「あ…あぁ。早く食うわ」 
 
浜面「一方通行は明日どうすんだ?」 
 
一方「あ?特に決めてねェよ」 
 
上条「明日一緒に話し合わないか?現状をインデックスとも確認したいし」 
 
浜面「現状?わかるのか?」 
 
上条「インデックスの……なんて言っていいのかな…」 
 
一方「魔術かァ?」 
 
上条「ああ。この状況が把握できそうな魔導書があるらしいんだ」 
 
浜面「悪魔だのなんだのがあるんだから、その話もすんなり納得できるのが怖い」 
 
一方「そういう事なら構わねェぜ」 
 
上条「そっか。助かる」 
 
208 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:44:44.71 ID:PQsZZOx70
■とある病院 麦野沈利の病室■ 
 
麦野「…………」 
 
絹旗「……zz」 
 
滝壺「…………ファ……」 
 
麦野「………眠れない」 
  
何度目かの寝返りを打ち、独りごちた  
ベッドの何もないスペースが恨めしい 
小さい頃。両親は家に居ることが少なかった、住み込みの家政婦が居たが 
その両親にクリスマスのプレゼントに貰ったぬいぐるみを抱いて、寂しさ紛らわせていた 
癖になってしまい。ボロボロになった今でも抱いて寝ている 
いつもあるものが無いと言いようのない不安が蠢く 
 
麦野「……少し歩くか」 
 
209 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:45:12.91 ID:PQsZZOx70
 
◆成長安価 麦野沈利◆ 
 
1:浜面の様子を見に行く 
2:今日あった事を振り返る 
3:病院を散策する
4:携帯をいじる 
 
安価先 +5  
 
210 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 03:46:12.01 ID:PQsZZOx70
◆成長安価 説明◆  
 
一日の終わりに行われる安価です 
選択の結果で縁や新しいスキル付与と既存スキルレベル向上 
新しい悪魔を手にしたりします 
結果的に生存率を上げる為です 
 

=生存= 
先にも述べましたが、死にます。むしろ半分殺しに掛かろうかとも 
上条当麻、御坂美琴、一方通行、麦野沈利 
この四人の内誰か生きていればSSは続きますが、全滅で打ち切りENDです 
真ENDはもちろん全員の生存が条件です 
 
誰かが欠けると…ショックを受けて生存率が下がったり 
その時の役割によっては、一気に全滅の危機に陥るかも…しれません 
 
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 03:52:18.59 ID:z1bNmDRho
乙!
デビサバ知らないけど読みやすい
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 04:02:03.62 ID:Q1gMcKoHo
乙ー
213 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 04:16:36.82 ID:PQsZZOx70
説明削ったのに安価+5のままだったすまない 
ksk
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/27(土) 12:27:54.78 ID:MX4h437Ao
4
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 15:23:10.70 ID:pX0coD/xo
敵が強大な共闘モノはそれだけでワクワクしてくるなぁ

続きが楽しみだ

上だと思うけど、安価なら1
216 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 23:18:02.87 ID:SnWWV9v50
一方「……三下がいねェ?」 
 
浜面「…zzzz」 
 
一方「なンてアホ面してンだこいつはァ」 
 
一方「目覚めちまったな……」 
 
 
◆成長安価 一方通行◆ 
  
1:上条を探しにいく 
2:打ち止めの様子を見に行く 
3:コーヒーを買いに行く
4:浜面に悪戯する 
 
安価先 +4
217 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 23:18:34.14 ID:SnWWV9v50
御坂「――ぁいたッ!」 
 
御坂「…なに?」 
 
御坂「なんて体勢で寝てんのよこの子…」 
 
打ち止め「……zzzz」 
 
御坂「布団はだけて…。風邪ひいちゃうわよ…」 
  
御坂「……はぁー。しかし色々あったわね…今日は…」  
 
 
◆成長安価 御坂美琴◆   
 
1:布団で今日の反省 
2:水分補給  
3:お花をつみに行く
4:窓の外の様子を見る 
  
安価先+4
218 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 23:19:32.19 ID:SnWWV9v50
用事ができたので頭突きは後日 
最初からまとめて安価しておけばよかったです
219 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/27(土) 23:20:06.35 ID:SnWWV9v50
頭突きx 続き○
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 23:32:49.06 ID:BUDYZGsIO
1
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage ]:2012/10/27(土) 23:50:46.08 ID:mPwaAYkNo
今日の反省(物理
222 :221 [sage ]:2012/10/27(土) 23:52:11.01 ID:mPwaAYkNo
安価だったw

1で
223 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 01:55:14.10 ID:SmAsd58k0
■とある病院 麦野沈利の病室■

麦野「バタバタの連続で携帯よく見てなかったな」 
 
麦野「悪魔召喚アプリ…。ん?悪魔合体?」 
 
麦野「二つの悪魔を合体させてより強力な悪魔を作るのね」  
 
麦野「クソワニより役に立たなかったら最悪だな……」 
 
麦野「明日あのシスター見かけたら話聞いてみるか」 
 
アプリを閉じると待ち受け画面が表示される 
前にいつものファミレスで撮った写真 
撮影者にはいらないと言ったのに、勝手に転送してきた写真 
その撮影者はもういない。自分の手で殺したから 
 
 
 





麦野「……眠れないよ。フレンダ…」 
 
 
224 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 01:56:50.88 ID:SmAsd58k0
■とある病院 上条当麻の病室■ 
 
一方「三下がいねェ?。…便所かァ?」 
 
一方「おい。いンのか?…………いねェな」 
 
 
225 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 01:57:48.90 ID:SmAsd58k0
■とある病院 病室棟 通路■ 
 
 
病室の外、肌寒い空気が頬を撫でる 
深夜の病院は怪談のメッカでもあるが 
通路は足元を照らす照明があるし、ナースは詰所に数人待機している 
通りかかってナースが惨殺されていたら、ホラーの始まりだろうが。 
そんなことも無く、事務仕事をしていた 
 
一方「外にいンのか?」 
 
窓の外 
最先端科学の街。学園都市 
今日付けで悪魔が跳梁跋扈する街に変貌してしまった 
 
 
「…………よかったぁ」 
 
 
一方「ン?話し声…」
226 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 01:58:26.88 ID:SmAsd58k0
一方「ありゃ三下と…誰だ?」 
 
上条「もう大丈夫だからな、俺が付いてるから」 
 
アリス「ありがと。おにいちゃん大好き」 
 
 
人気の無い深夜。抱き合う二人  
 
 
 
一方(えェーーーー!!抱き合ってるゥーーー!?)

一方(おにいちゃん大好きってッ!?おいおいおいおいィ??) 
 
一方(………とンでも無ェもンを見ちまった気がする) 
 
一方(気付かれる前に帰るか……) 
  
227 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 01:58:57.52 ID:SmAsd58k0
■とある病院 一方通行の病室■ 

御坂(学校いって帰りに地震あって、ケルベロスが出てきて。佐天さんと初春さん助けに行って) 
 
御坂(ドゥベが出て死に掛けて。色んな人助けながらここまで来て、またドゥベと戦って…) 
 
御坂(あいつが来た…) 
 
御坂(麦野沈利とどうなんだろ…) 
 
御坂(昼も一緒に居たみたいだけど、付き合ったりしてるのかな…) 
 
御坂(麦野沈利はあたしがあいつの事好きなの気付いたんだろうな…) 
 
御坂(あいつがあの人の彼氏だったとしたら……。あたしってみじめだなぁ…) 
 
御坂(悪い方に考えちゃうから寝よ寝よ…) 
 
 
 
 
  
 
 
 
 

 
 
 
 
御坂「……はぁ」 
  
  
228 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 01:59:28.24 ID:SmAsd58k0
■とある病院 上条当麻の病室■  
 
「……ちゃん、おにいちゃん」 

上条「んあ?……アリスか?」 
 
アリス「ごめんね、起こして」 
 
上条「どうかしたのか?」 
 
アリス「おにいちゃんにお話があるの…」 
   
浜面「……zz」 

一方「………カカ…クキコ……」 

上条「…起こしちまうから外でるか」  
229 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 02:00:21.71 ID:SmAsd58k0
■とある病院 病室棟 3Fロビー■  
 
上条「どうしたんだ?話って」 
 
アリス「おにいちゃんにわたしをもっと知って欲しくて…」 
 
上条「アリスの事?」 
 
アリス「わたし悪魔なの…。それもすっごく強いの」 
 
上条「ああ。インデックスが言ってたな。最初全然気付かなかったわ」 
 
アリス「なんで仲魔でもないのに連れてってくれるの?」 
 
上条「おじさん探してんだろ?それ手伝うって言ったじゃねぇか」 
 
アリス「悪魔なんだよ?わたし」 
 
上条「関係ねぇだろ。悪魔でも困ってるんだ、助けちゃいけない理由にはならねーよ」 
 
アリス「わたし………。人も殺したんだよ?」 
  
230 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 02:01:49.87 ID:SmAsd58k0
上条「………お前を呼び出した人か?」 
 
アリス「違うの。わたしは誰に呼び出されたのか分からないの」 
 
アリス「気がついたらあの商店街にいたの、なんであそこに居たのか分からないけど」 
 
アリス「悪魔はほとんど死んでて、人間が何人か居て…」 
 
アリス「わたしお腹が空いちゃってて、命を吸ったの…悪魔のも人間のも…」 
 
アリス「そしたらみんな死んじゃった」 
 
上条「――ッッ!」 
 
アリス「それで、おにいちゃんが来た、おにいちゃんは死ななかった」 
 
アリス「おにいちゃんがわたしに触った時覚えてる?」  
 
上条「ああ。幻想殺しが発動したな」 
 
アリス「たぶんだけど、あれでわたしは思いだしたの」 
 
アリス「人を傷つけちゃいけないって事……」 
 
アリス「おにいちゃんは知らない人も助けに行って、わたしが行った時には死に掛けてた」 
 
アリス「あ、わたしがあの悪魔たち殺したんだよ。強いでしょ?」 
 
アリス「ふふ。……でもね。そんな誰かの為に動いちゃうおにいちゃんを見たら、なんかわたしって存在が申し訳なくて…」 
 
アリス「何も言わないまま。一緒にいるのも辛くって……」 
 
上条「アリス……」 
 
アリス「だからおにいちゃんが嫌だったらね。さよならしようと思ったの」 
  
231 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 02:02:19.77 ID:SmAsd58k0
上条「確かにお前は人を殺しちまったんだろう」 
 
上条「でも思い出したんだろ?」 
 
上条「なら今からでもそうすりぁいいじゃねーか」 
 
上条「お前がそうやって人を傷つけたくない、殺したくないって言うなら」 
 
上条「俺が助けてやる!。お前が殺さなくていいようにしてやる!!」 
 
上条「人を殺しちまって罪を感じるなら、背負うんだ!。逃げちゃ駄目だ!!」 
 
上条「背負えなくなって苦しくなったら俺に言え!」 
 
上条「一緒に背負ってやる!!」 
 
アリス「―ッッ!」 
 
上条「お前がよければ、俺と一緒に居ろ。アリス」
 
アリス「お話してよかったぁ」 
 
上条「もう大丈夫だからな、俺が付いてるから」 
 
アリス「ありがと、おにいちゃん大好き」 
 
大粒の涙をぽろぽろ零して上条にしがみ付くアリス 
人は何か、何でもいいから支えを必要とする。それは悪魔でも同じだった 
 
上条がアリスの背に腕を回し、抱きしめる 
紺のワンピースごしに伝わるアリスの体温、冷たさ 
少しでもこの子が寒い思いをしなくていい様に、上条は優しく強く抱きしめた 
  
  
232 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 02:03:32.72 ID:SmAsd58k0
アリス「じゃあ、おやすみなさい」 
 
上条「ああ。おやすみ」 
 
上条(アリス……)
 
◆成長安価 上条当麻◆ 
 
1:あの子も絶対守ってやる! 
2:小さい子はやっぱり柔らかいなぁ…
3:人殺しただと!?やっぱ悪魔は信用ならねーな。警戒しとくか
4:またノリでカッコつけちまったー!なんたる不幸!
 
 
安価先 +7
 
 
上条「……寝なおすか」 
  
233 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 02:04:03.91 ID:SmAsd58k0
  
  
   
 
 
 
 
    受難の月曜日   
  
        
            完  
 
 
  
234 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 02:04:31.12 ID:SmAsd58k0
 
一番面倒な初日が終わりました 
ありがとうございました 
 
235 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 02:05:01.88 ID:SmAsd58k0
くぎり 
 
 
236 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 02:05:41.28 ID:SmAsd58k0
土御門「そこにいろ」 
 
結標「………」 
 
土御門「で?」 
 
アレイスター「……………」 
 
土御門「……ダンマリか?」 
 
アレイスター「いや、どう話せばいいか迷ってしまってね……」 
 
土御門「白々しい…。じゃあ質問に答えろ」 
 
アレイスター「質問形式か。答えやすくよい提案だ。土御門」  
 
土御門「この質問は二回目だ。今何が起きている」 
 
アレイスター「試されているのだよ」 
 
土御門「何を」 
 
アレイスター「『人間』を」 
 
土御門「誰に」 
 
アレイスター「上手く伝えられる言葉に出来ない。『神』『管理人』『唯一の存在』『世界の編集者』といった所だろうか」 
 
土御門「神だと?」  
 
アレイスター「それだけでは正しい定義ではない。」 
 
アレイスター「だから言葉にし辛いのだよ」 
 
     
237 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/10/30(火) 02:06:07.14 ID:SmAsd58k0
おわり
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/30(火) 03:06:32.17 ID:OzVG4G9U0

239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2012/10/30(火) 03:08:06.16 ID:St1+v372o
3
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/30(火) 11:20:44.99 ID:HJ5FK7tXo
2乙
241 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:41:02.89 ID:1c4ALAiw0
 
 
 
 
 
 
   漸進の火曜日 
 
 
 
 
 
 
242 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:41:30.34 ID:1c4ALAiw0
■とある病院 三階 ロビー■ 
 
一方(…ねみィ) 
 
麦野「ふぁ〜あ」 
 
御坂(結局あまり寝れなかったわ…) 
 
上条「おーす」 
 
禁書「もう昼前なんだよとうま!だらしないかも!」 
 
上条「悪りぃ。夕べあんま寝付けなくてな」 
 
アリス「ごめんね。おにいちゃん」 
 
上条「……別にいいよ」 
 
アリス「………」 
  
243 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:42:31.04 ID:1c4ALAiw0
浜面「メシ食う前に聞いて欲しいんだが。ここにいるメンバーで共闘しないか?」 
 
浜面「別に仲良く遊ぶわけじゃねーんだ。ただ、悪魔と戦う時一緒にって意味でさ」 
 
上条「俺は願ったり叶ったりだけど…」 
 
御坂「………あたしも別に…」 
 
上条「麦野さんと一方通行は?」 
  
麦野「浜面に喋らせてる時点で、わたしは賛成してるってこと」 

一方「構わねェよ…」 
  
浜面「まぁ…。各自色々あると思うけど、そこはぐぐっと堪えてだなぁ…」 
 
御坂「余計な事はいいからッ!早く行きましょ…」 
 
上条「行くってどこ行くんだよ!?」
 
立ち上がる御坂を制止する 
 
244 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:43:10.87 ID:1c4ALAiw0
御坂「悪魔を片付けないといけないでしょ?じゃないとまた誰かが危険に晒されちゃうじゃない」 
 
上条「そうだけどよ…」 
 
麦野「待ちなよ。あんたら今なんでこの状況になってんのか、把握してんの?」 
  
御坂「…危険な状態なのは分かってるわよ。だから逃げ回るの?」 
 
一方「……ちげェだろ。第四位の言いてェのは現状把握してから動けってことだァ」 
 
御坂「………」 
 
ギリッ。 
 
明確に歯噛みする音がロビーに響く 
 
麦野「超電磁砲も落ち着きなよ。こいつと同じ空気吸いたくないのは分かるけどさ」 
  
上条「御坂。座るんだ」 

御坂「………」 
 
一方「……チッ」 
  
上条「インデックスお前が分かってる範囲でいいからまとめてくれないか?」 
 
禁書「うん。まず魔導書の解読はまだ途中だってことを許してほしいかも」 
 
麦野「誰も文句言えないよ」 
  
245 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:43:49.96 ID:1c4ALAiw0
禁書「えっと、まず悪魔が街中に現れたこと。これはみんなが持ってる携帯のアプリ?って言うのかな」 
 
禁書「そこからでてきたんだよ」 
 
禁書「詳しい理論は省くんだけど、どういう経緯でみんながそのアプリを手に入れたのか教えて欲しいかも」 
 
上条「携帯がありません」 
 
御坂「死に顔動画だと思う。わたしと同じく登録した人は悪魔が出たけど。黒子は出てない」 
 
麦野「だな。あのニカイアってサイトだ」 
 
一方「知らねェな」 
 
上条「お前登録してなかったのか」 
 
一方「するわきゃねェだろォが。アホくせェ…」 
 
246 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:44:59.22 ID:1c4ALAiw0
禁書「そのサイトを配信している人は誰?」 
 
麦野「夕べ色々いじってみたけど、そんなのは無かった」 
 
上条「考えたら誰が、何で配信してるか分からないもんに登録してたのか…」 
 
御坂「流行ってのは恐ろしいわね……」 
 
麦野「だけど、サイトが運営されている以上。サーバーは必ずあるはずよね」 
 
御坂「後でハッキングしてみるわ」  
 
上条「ものすごく頼もしいなお前」 
 
御坂「そっ…当たり前じゃない!」 
 
禁書「そこ。イチャイチャしないで欲しいんだよ!次に夕べ出現したドゥベ」 
 
禁書「あれは悪魔とは違う存在。セプテントリオンって呼ばれるんだよ」 
 
上条「昨日も言ってたな」 
 
禁書「セプテントリオン。神の剣。七つの試練。侵略者」 
  
麦野「目的はなにさ?」 

禁書「そこまでは分からないんだけど。昨日のドゥベを見ていると…」 
 
一方「人間を皆殺しってとこかァ?」 
 
禁書「たぶん…」 
  
247 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:45:41.72 ID:1c4ALAiw0
麦野「現状はこんなとこかしら?」 
 
浜面「さっき屋上から街を見たけど、地震の被害はそこまで酷くはないみたいだ」 
 
御坂「さすが学園都市ってところね」 
 
上条「震度7強だったんだろ」 
 
御坂「設定がないだけだから、今回ので震度8とか9とかできるかもね」  
 
浜面「LEVEL5を超えたLEVEL6みてーなもんか」 
 
御坂「――ッ」 
 
一方「――チッ」 
 
上条「あー。……そうだな」 
 
麦野「ちょっと浜面こっちでお話しようかにゃ?」 
 
浜面「え?なんで?」 
 
 
 
 
 
 
 
浜面「アッーーーーーーーー!!」  
248 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:46:57.87 ID:1c4ALAiw0
上条「地震の被害よりも、悪魔の方が厄介ってことか」 
 
御坂「警備員はインフラ設備の防衛がメインらしいわ」 
 
麦野「たしかに。ライフラインが止められたら一日で干上がっちまうしね」 
 
上条「じゃあ街は今…」 
 
御坂「都市中枢に防衛ライン。住民救助には能力者も交えての最低限人数しか動いてないんだって」 
 
麦野「あっちも現状把握できてないままだろうしねぇ」 
 
上条「それに加えてセプテントリオンか……」 
 
一方「今はこんなとこだろォ…。俺はちと出てくる」 
 
麦野「どこいくんだよ」 
 
一方「その最低限の警備員の中に知り合いがいるだろォからなァ」 
 
一方「今死なれっと新しい住処探したり、ガキの世話みンのが面倒なンだわ」 
 
上条「俺も行くぜ」 
 
御坂「……じゃああたしも」 
 
一方「邪魔なだけだァ。すっこンでろォ」  
  
249 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:47:25.85 ID:1c4ALAiw0
上条「お前でできないことが俺にできるかもしれないだろ?こっちだって助けて貰いたいしな」 
 
一方「………勝手にしろ。悪魔に捕まっても知らねェからなァ?」 
 
上条「気をつけるぜ」 
 
麦野「んじゃあ。準備して下に集合ね」 
 
御坂「あんたも来るの?」 
 
麦野「ここに居ても退屈なだけだしね」 
 
上条「よろしく頼むぜ。麦野さん」 
 
御坂「む〜〜っ!」 
 
上条「な、なんだよ…」 
 
御坂「別に!」 
 
麦野「はいはい。解散解散〜」 
  
250 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:47:56.11 ID:1c4ALAiw0
麦野「ねぇシスター」  
 
禁書「ん?なにかな?」 
 
麦野「わたしの悪魔をちょっと見て欲しいんだけどさ。これ」  
 
禁書「高位の妖獣なんだよ。アーマーン」 
 
麦野「ってことは強い方なわけ?」 
 
禁書「少なくともその辺の悪魔には負けないんだよ」 
 
麦野「ふーん。でも言う事聞かなくて使えないんだけど」 
 
禁書「悪魔との契約は結構単純なんだよ。力を示して従属させる。これがメジャーかも」 
 
禁書「そしてお互いの利益を分けあったり。後は貢物ってところかなぁ」 
 
麦野「何あげればいいの?」 
  
251 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:48:26.29 ID:1c4ALAiw0
禁書「その悪魔が望むもの……かな。気性の荒い獣だからちょっと怖い要求をしてくるかも」 
 
麦野「そう……。あとこの悪魔合体っていうのは何かわかる?」 
 
禁書「悪魔合体?………これだったんだよっ!」 
 
麦野「ん?」 
 
禁書「法の書の一文で適した言葉が出なくて困ってたんだよ。そう悪魔合体!」 
 
禁書「これならしっくりくるんだよ!」 
 
麦野「そう?まぁいいけどこれって何?」 
 
禁書「そのままの意味で仲魔になった二体の悪魔を合体させてより強力な悪魔を生み出すんだよ」 
 
禁書「宗教の倫理と垣根を踏みにじる禁断の邪法。施行者に力、もしくは破滅。または双方を齎す。だって」 
 
麦野「二体必要ってことはしばらく使えないじゃない」 
 
禁書「仲魔を増やさないといけないんだよ」  
 
麦野「分かったわ。ありがと」 
 
 
 
上条「まだここに居たのかインデックス。ちょっといいか?」 
  
252 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:49:36.36 ID:1c4ALAiw0
■とある病院 上条当麻の病室■ 
 
禁書「急に呼び出して何かな?とうま」 
 
上条「お前は病院に残ってくれないか?」 
 
禁書「またそうやってわたしを除け者にするー!悪魔の相手は簡単じゃないんだよ!!」 
 
上条「違うんだ。インデックス聞いてくれ」 
 
上条「お前はアリスをどう思う?」 
 
禁書「どう……って?」 
 
上条「危険だとは思わないか?」  
 
禁書「一緒に居るけど危険だとは思わないんだよ。それにとうまを助けたのはアリスなんだよ」 
 
上条「ああ、それは分かってんだ。だけどアリスはすでに人を殺してる」 

禁書「アリスがそう言ったの?」 
 
上条「ああ。あいつは誰ももう傷つけないし、協力してくれるって言ったけど。とてもじゃないが信用して連れて回れない」 
 
253 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:50:09.18 ID:1c4ALAiw0
上条「俺達が出ている間。お前がここでアリスを見張っててくれないか?」 

禁書「でもとうまの考えすぎかも…。アリスが本気になったらわたしもとうまもとっくに寮で殺されてるんだよ」 
 
上条「そこが分からねぇ。だからこそなんだ!殺す訳にもいかない…、でももしかしたら……ってのが怖いんだよ」 
 
上条「だから悪魔に詳しいお前にしか頼めないんだ!」 
 
禁書「うーん。……分かったんだよ」 
 
上条「すまねぇな」 

禁書「その代わりちゃんと無事に帰ってくるんだよ!」 
 
上条「ああ。約束する!」 
   
254 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:51:06.73 ID:1c4ALAiw0
■第七学区 路上■ 
 
上条「静かだな……」 
 
いつもは生活の賑わいを見せる街中に人の影が全く無い 
この異常な空間の中。物陰で震えて過ごすもの。すでに遠くへ逃げたもの。物言わぬ姿になったもの 
閑散とした最先端の街には似つかわしくない、ゴーストタウンという言葉がぴったりだった 
 
麦野「そいえばシスターは?」 
 
上条「あいつは留守番さ」 
 
御坂「ふーん。着いて来るって駄々こねそうなのにね」 
 
上条「……まぁな」 
 
麦野「それだと悪魔が出た時に特性が分からないわね」 
 
御坂「様子見ながら戦うしかないわね……」 
 
一方「喋ってねェで索敵に集中しろってンだ」 
 
御坂「………やってるわよ」 
 
麦野「お前らさぁ……」 
 
上条「まぁまぁ…。ちょっと疲れてんだよな?深呼吸だみんな!」 
 
一方「犬に乗っかって楽してンだから疲れねェだろ」 
 
御坂「……………」 
  
255 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:52:01.04 ID:1c4ALAiw0
上条「そ、そうだケルベロスは腹減ってないのか?」 
 
ケルベロス「お前を食っても良いのか?」 
 
上条「えッ――??」 
 
ケルベロス「戯れだ。気にするな」 
 
御坂「こら。シャレになってないわよ?」 
 
ケルベロス「すまんな」 
 
上条「ああ〜。冗談ね!はいはいッ!いやー魔界ジョークってやつか。ハハハ」 
 
麦野「上条、さっきから空回りしてるよ」 
 
上条「ハハ……はぁ…」  
 
遠くで聞こえる爆音。一方通行がチョーカーのスイッチを入れ音よりも速く駆ける 
 
御坂「ちょっ!?」 
 
麦野「わたしらも行くよ。ほら走れ犬」  
 
ケルベロス「………クッ!」 
 
上条「おっ、おい待ってくれぇぇぇ!!」 
  
256 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:52:59.42 ID:1c4ALAiw0
■第七学区と第十五学区の境界■ 
 
「精神攻撃を受けた奴はすぐに引き戻すじゃん!!」 
 
装甲車と駆動鎧。重機関銃と能力者。そして悪魔と仲魔 
 
「左ッ!手薄になってるじゃんよ!」  
 
バリケードの厚みを無視した飛行生物が陣内へ侵入する 
近接戦闘の為に駆動鎧がすぐさま対応に走るが、銃撃にも耐える 
 
「物理耐性がありますッッ!」  
 
「能力者対応するじゃん!」 
 
女性警備員が装甲車の上から、援護射撃を繰り出しつつ。大声で的確な指揮を執る  
その表情は焦燥と苛立ちが含まれていた 
 
「自分が行きますッ!」 
 
発火能力者が仲魔と共に左のフォローに回る
 
一方「おーい黄泉川ァ」 
 
「左はそのまま待機。前方!能力者は後退。駆動鎧前衛に。警備ロボを壁にして突撃に備えろじゃんッッ!」 
 
一方「おーい」 
 
延べ70人の部隊と30体程の悪魔達がかき鳴らす音に一方通行の声が打ち消される 
  
257 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:54:05.58 ID:1c4ALAiw0
「来るぞッッ!!弾幕張るじゃん!!銃弾反射されたら該当悪魔を即時に報告するじゃんよ!!」 
 
一方「黄泉川ァッ!無視こいてンじゃねェぞコラァッ!!」 
 
黄泉川「今忙しいから後にするじゃん一方通行!!…悪魔使いは仲魔を各人有効n」 
 
黄泉川「――ッって一方通行!?お前なんでここにいるじゃんよ!?」 
 
一方「やーッと気付きやがったかクソババァ。ドンパチのしすぎで耳が遠くなっちまったかと思ったぜェ」 
 
黄泉川「お前打ち止めはどうしたじゃん!?」 
 
一方「あの医者の病院に預けてきたァ。ンでテメェの手伝いに来たンだよ。芳川が煩せェからなァ」 
 
黄泉川「ここ頼めるか?」 
 
一方「いつでもオーケーだァ」 
 
黄泉川「全員後退!!全員即時後退!!LEVEL5が入るじゃん!!巻き込まれる前に退避ッッ!!」  
 
一方「いいねいいねェ…!こういう熱い演出は嫌いじゃねェぜェェェェ!?」 
258 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:55:15.76 ID:1c4ALAiw0
麦野「……もう終わってやがる」 
 
御坂「相変わらず化け物よね……」 
 
ケルベロス「強いな…」 
 
黄泉川「…このまま救出しながら第十三学区の部隊と合流するじゃん」 
 
一方「中にはLEVEL0の雑魚もいンだろォ?足手纏いだから引き返せ」 
 
黄泉川「だいぶ歩いて回ったけど、避難できる場所はないじゃんよ」 
 
黄泉川「悪魔を使う学生もいるから、不本意だけど戦力は惜しいじゃんよ」 
 
一方「そォかい…」 
 
御坂「何で十三学区へ?」 
 
黄泉川「あそこは小さい子供が多いじゃん。現地の警備員から救援が来たんだけど人数が裂けないから、うちらが行く事にしたじゃんよ」 
 
麦野「遊撃隊ってわけね…」 
 
 
上条「おおーい!!」 
 
御坂「やっと来たわね…って―げぇッ!?」 
 
麦野「何やってんだあのバカは……」 
 
上条「おおーい!!!助けてくれェェェ!!!」 
 
黄泉川「上条じゃんかよ…。任せていいか?一方通行」 
 
一方「知らねェよ…あんな奴…」 
  
上条当麻が走るその後ろに六体の悪魔が迫る 

上条「不幸だァァァァアアアア!!!!」 
  
259 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:55:53.56 ID:1c4ALAiw0
麦野「超電磁砲さぁ。悪魔に電撃通るかチェックしてくれる?」 
 
御坂「あたしは御坂美琴!ちゃんと名前で呼ばないとケルベロスから降ろすわよ!?」 
 
麦野「分かった分かった。どうだった?美琴ちゃん」 
 
御坂「美琴ちゃんゆーな!あんたはあたしのママかッ!!通ったわよ」 
 
麦野「さんきゅ。上条〜?右手前に出しときなよ〜」 
 
上条「え?こうか?――まさかッ!!」 
 
麦野「まぁ念の為だけどねッ!」 
 
蒼光が悪魔を貫いていく。上条の右手に一発当たったのはご愛嬌 
 
上条「シャレになってねェよ!!」 
 
麦野「ホントあんたの右手って不思議よね…」  
260 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:56:33.68 ID:1c4ALAiw0
■第十五学区 繁華街 広場■ 
 
黄泉川「休憩にはいるじゃん!」 
 
上条「黄泉川先生って警備員の時も変わらないんだな」 
 
一方「家でもあンな感じだァ」 
 
上条「料理とか苦手そうだなー」 
 
一方「……ある意味器用…かァ?」 
 
上条「ある意味?」 
 
一方「あァ。…ある意味なァ」 
  
261 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:58:02.44 ID:1c4ALAiw0
御坂「なんかあの二人…全然似合わない」 
 
麦野「第一位と場所代わりたいって?」 
 
御坂「そんなんじゃない!……ただの独り言よ」 
 
麦野「美琴ちゃんは上条に気持ち伝えようとか思わないのかにゃ?」 
 
御坂「だからそんなんじゃないんだったら!」 
 
麦野「いつ死ぬか分からないんだよ。死んでからじゃ何もかも遅いって事、理解しときな?」 
 
御坂「………あんた…」 
 
麦野「まっ。以前も殺しあった仲だし、今更言われてもって感じかしらね〜」 
 
御坂「ううん。あんたにそういうこと言われるとか全然思ってなかった…それだけよ…」 
 
麦野「つかよぉ…。わたしはちゃんと名前で呼んでやってんのに、テメェは未だにあんたって何様だよ。コラ」 
 
御坂「あっ!……ごめん。なんか、いざってなったら呼びづらくて…」 
 
麦野「ほんとガキね…」 
 
御坂「もうっ!いいじゃない。む…。むぎのん」 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 

  
 
麦野「あ?」 
  
262 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:58:39.89 ID:1c4ALAiw0
御坂「え?…駄目だったかな?」 
 
麦野「からかってんのか?お?」 
 
御坂「駄目かぁ…。ニックネームの方が親しみあったし、語呂もいいなってずっと思ってたんだけど…」 
 
麦野「うっ!?……いや別に駄目ってかさ……。なんかキャラじゃないじゃない?」 
 
御坂「そんなこと無いと思うけど、女の子なんだし。可愛いものは可愛いでよくない?」 
 
麦野「あ…、ああ…。そうなのか?な?」 
 
御坂「そうよ!女の子なんだから可愛いものが好きで何が悪いってのよ!ね?」 
 
麦野「そう…よねぇ…」  
 
御坂「やった!色々あったけど意外と仲良くやれるんじゃない?あたし達!」 
 
麦野「…そうね」 
 
御坂「よろしくねむぎのん!」 
 
麦野「………いや待て!やっぱなんか恥ずかしい!せめて二人の時だけにしてくれない?」 
 
御坂「えー?まぁいいけど。麦野さんでいいの?」  
 
麦野「ああ。そっちの方が自然だわ」 
  
 
263 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 02:59:40.74 ID:1c4ALAiw0
 
一方「いつまでくっちゃべってンですかァ?休憩終わってンぞォ?」 
 
麦野「はいはいすぐ行くわよ」 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
一方「早くしろよ。むぎのん」 
  
麦野「ぶち殺すぞテメェラァァァァァァァ!!!」  
 
上条「俺は何も言ってないだろぉぉぉぉぉぉ!?」 
  
264 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 03:02:30.71 ID:1c4ALAiw0
■第十五学区 幹線道路 テレビ局前■ 
 
「前方に謎の浮遊体!」 
 
黄泉川「悪魔か?」 
 
「いえ。学園都市の物ではないと思われます」 
 
「бидЯЯ」 
 
理解不能な言葉とも取れない音を聞いた時、周囲にいた人間の携帯が一斉に着信する 
 
御坂「これは…」 
 
麦野「新手のセプテントリオンか?」 
 
上条「なんだなんだ?」 
 
御坂「メラク」 
 
麦野「間違いなさそうね」 
 
黄泉川「どうなってる?」 
 
一方「神ってのが送り込んだ殺し屋みてェなもンらしい。全員退がらせとけェ」 
 
黄泉川「全員後退!」 
 
黄泉川の指示により、警備員と学生達が後退を始める 
 
265 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 03:03:07.50 ID:1c4ALAiw0
メラク「ЯЩЩ」 
 
シュゴッ! 
 
上条「あぶねぇ!!」 
 
メラクから放たれた巨大な冷凍砲を上条が右手で受け止める 
 
上条「くっそぉ!」 
 
止め処なく放たれる力を打ち消しきれない 
 
一方「後ろは散れェ!飲み込まれンぞォ!!」 
 
上条「冷てぇぇ!!」 
 
右手で打ち消しても、その余波で凍っていく路面と空気が上条を苦しめる 
 
黄泉川「散開ッ!テレビ局に避難しろ!」 
 
号令と同時に駆動鎧を搭載した、装甲車がテレビ局のゲートを破りそのまま突っ込む 
 
御坂「あんた大丈夫!?」 
 
上条「やばいかもしれん」 
 
麦野「御坂ッ!お前はあいつに電撃試しなって!」 
 
御坂「ごめん。すぐにやるわ」 
 
メラクの側面から突起物が伸び、小型の円形の物体を次々射出する 
 
一方「ンだァこりゃ?」 
 
素早い動きで接近してくる 
  
266 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 03:03:34.99 ID:1c4ALAiw0
 
御坂「メラクは抵抗が少しある、小さいのは問題ないわ!」 
 
円形の物体が一方通行の足元で停止する 
 
退避完了。遠くから上条の耳に届いた 
 
上条「い…息が……痛ぇ……」 
 
隊の避難と御坂の解析と上条の限界 
そして一方通行が円形の物体を蹴とばしたのは全て同じ時間だった 
 
 
 
 
 
一方「ン?」 
 
ズドンッッ!! 
 
  
267 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 03:04:05.40 ID:1c4ALAiw0
◆生存安価 上条当麻◆ 
 
生存:00-67 
 
死亡:65-99 
 
生存率 67% 
 
安価先+3 
 
数字は書き込み時間コンマ以下の数字になります 
 
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/04(日) 03:48:18.60 ID:iBijy8XRo
死亡率たかくね?後はたのんだksk
269 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 04:42:24.55 ID:1c4ALAiw0
一応生存率の計算式っぽいのはあるんだけど 
説明あったほうがいい? 
あまり説明するとなんか安価が手堅くなったり、地雷踏んだ人のこととか考えたりしてた 
 
説明 ニアいる 
    いらない 
 
+3
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 08:16:01.86 ID:ACIlU84IO
上条さんイキロ
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/04(日) 09:56:56.48 ID:C/WTX8qKo
安定の生存ワロタ

裏の説明はなくてもいいんじゃね
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 12:28:56.54 ID:huvo9THbo
>>269 いらない

>>270  08:16:01.86ってことはコンマ以下が86だから上条さん死亡
でも>>271が生存と言っている

俺のパソコンおかしいのか? 安価の見方間違ってるのか?
273 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:44:39.33 ID:gtu7QtxA0
  
円形の物体の爆風で冷凍砲の射線から弾き出される上条 
幻想殺しの壁が無くなり、遥か後方まで伸びる超長距離砲 
 
麦野「爆弾かッ!?」 
 
原子崩しで円形物体を各個撃破するが次々とメラクから射出される 
 
御坂「あんた平気ッ!?」 
 
倒れた上条に駆け寄る御坂  
 
御坂「………え…」 
 
体は冷たく頭部と耳から血が流れている 
 
御坂「ちょっと……え…?」 
 
麦野「御坂そこ動け!!狙われてんゾッ!!」 
 
御坂「……ねぇ……?」 
 
麦野「おい犬ッ!二人を連れて退がれ!」 
 
ケルベロス「御坂。こいつは我が連れて行く。こっちだ」 
 
上条を銜えて駆けるケルベロス 
 
274 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:45:20.41 ID:gtu7QtxA0
麦野「こっちはキリがねェ!第一位ッ!本体やれ!」 
 
麦野が一方通行へ視線をやれば、そこに姿が無かった 
 
一方「うゥルァァァァァァァァァァッッッ!!!」 
 
メラクを側面から押し、ビルの外壁に押し付ける 
 
メラク「$−мF」 
 
一方「意味分かンねェこと喋ってンじゃねェよ三下ァァッ!!」 
 
拳を二度三度と打ちつけ、外殻に亀裂が入る 
 
メラク「еЭЮ」 
 
突起物を伸ばし、爆弾を射出しようと試みるが 
一方通行が突起物を叩き、無理やり体内に押し戻す 
 
一方「ぬァァァァァァァァッッ!!」 
 
メラクの翼の様な体を両手で持ち、そのまま引き千切る 
 
メラク「к<」 
 
ベキベキベキベキバキバキバキ 
 
縦に割れ、メラクのその姿が虚空へと消え失せた 
 
275 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:46:03.64 ID:gtu7QtxA0
御坂「もう一度ッ!」 
 
手のひらを左胸に当て心臓マッサージを試みる 
次に気道を確保し人工呼吸をする  
 
御坂「―――プハッ…起きなさいよ」 
 
御坂「目開けろって言ってんのよ上条当麻!!」
 
次に電気ショックを試みる 
手を胸に当て、1500ボルト程度の電気を流す 
感情で能力の加減を振り切らない様自分を抑えながら 
 
しかし上条当麻の身体に変化は無かった 

御坂「もう一度!」 
 
ケルベロス「御坂……。その男からはもう……生命を感じられない…」 
 
御坂「うるさいッ!!こいつはそんな簡単に死なないのよッ!!」 
 
御坂「気道を確保して……えっと…なんだっけ…?」 
 
御坂「あれ……。何したらいいんだっけ?」 
 
御坂「こいつ助けないと……でも……どうやって……? あれ?おかしいな…?」 
  
276 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:46:41.55 ID:gtu7QtxA0
ケルベロス「御坂。死を受け入れろ」 
 
御坂「こいつが……?」 
 
ケルベロス「その男は死んだのだ」 
 
御坂「…………いやよ…いや…」 
 
 
 
 
 
 
  
 
 

 
 
 
 

 
御坂「いやあああああああああああああああああああああああ!!!」 
 
  
277 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:47:52.33 ID:gtu7QtxA0
■第十五学区 テレビ局 入り口前■ 
 
黄泉川「……上条が…!?」 
 
一方「ああ。お前らは十三学区に行くンだろ?」  
 
黄泉川「上条を思えば引き返したいけど。他にも死んだ人間はいるし、助け待ってるじゃんよ…」 
 
一方「そうだ。テメェは気に病むこたァねェだろ」 
 
一方「俺はこのままお前らに付いて行くがァ。あいつらは病院に帰すぜ」 
 
黄泉川「問題ないじゃん。…超電磁砲は大丈夫じゃん?」 
  
一方「……………抜け殻だ」 
  
278 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:49:11.96 ID:gtu7QtxA0
麦野「………」 
 
御坂「…………」 
 
群集の隅。横にされた上条と二人 
哀悼の意表す為。次々と人が訪れる 
一人はメラクの初撃から身を挺して全員を守った勇者として称え 
一人は自分達の代わりに戦った英雄的行為を称え 
一人は明日の自分の姿ではないかと恐れながら手を合わせた 
 
 
上条当麻はこの日。本当の意味で死んだ   
 
279 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:49:43.74 ID:gtu7QtxA0
黄泉川「そろそろ……行くじゃんよ」 
 
麦野「あいよ」 

ケルベロス「上条を我の背に」 
 
麦野「落とすなよっと」 
 
ケルベロスの背に乗せられる死体袋がひとつ 
  
麦野「御坂。連れて帰ってやりな?」  

御坂「………うん」 
 
ケルベロスの背に股駆り、しっかり上条を押さえる 
 
ケルベロス「悪魔に掴まらん様、少し急ぐからな」 
 
返事は無いが、四肢にぎゅっと力が入るのを答えとして駆けだす 
  
280 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:50:40.40 ID:gtu7QtxA0
一方「テメェは帰らなかったのかよ」 
 
麦野「あの犬は二人乗りなんだよ……わたしにはこっちでやる事の方が多そうだしね」 
 
一方「ンなら当面の奴ァテメェに任せるぜ?」 
 
麦野「第一位もやっぱショックなわけ?」 
 
一方「抜かせ。三下が死んでも別に何でもねェよ」 
 
一方「俺の能力は時間制限付きなンだよォ」 
 
麦野「そゆこと。んじゃ行きましょ」 
 
麦野「悪魔どもをぶち殺しにね」 
 
その声には怒りが多いに込められていた  
281 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:51:16.88 ID:gtu7QtxA0
くぎり
282 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:52:18.00 ID:gtu7QtxA0
土御門「………。街にいる化け物はなんだ」 
 
アレイスター「悪魔」 
 
土御門「悪魔だと? 見たこともないものばかりだ」 
 
アレイスター「この世界のものではないからだ」 
 
土御門「神が悪魔を人間に嗾けたのか?」 
 
アレイスター「………違うな」 
 
アレイスター「そもそもの感覚が違う」 
 
土御門「…なにがだ?」 
 
アレイスター「携帯を見てみるといい」 
 
土御門「………!?」 
 
アレイスター「実行してみるんだ」 
 
刹那の放電と共に現れる一頭の獰猛な犬 
 
ガルム「オレサマ デバンキタカ!」  
 

土御門「悪魔召喚アプリ……か」 
  
283 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 15:52:48.26 ID:gtu7QtxA0
おわり
284 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/04(日) 16:08:57.70 ID:gtu7QtxA0
上条 当麻 
 
    、  \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V:::|  _,
  、__\`ー`::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄:/
   \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::``::....、__
   __>::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::/::/:::i::::::::::::::::::::::::::::、:::、::::::::::::、:::::::::::::::_::/
    _>::::::::::/:::/::/:::::/:::::i::::::|::|:/::レ'|::::::::::::i:ヽ、!`ヽ::\!ヽ::``:゙`::::::::::ヽ_::>
-=ニ_::::::::://レ'::::::/:|:::/|::|::|::::ヘ/::::::::::::ト、ト、ヾへヽ:::::``ヽ::\ヽ、__:::`ー‐ァ
   _∠ -‐ァ::::::::/:::::::::::::::::://|:::::::::::::::::::::::| ヽ!ヽヽ::::::::\:::\:ヽ::\::::::::::::::::::::/
     /:::::::::/::::::::::/:::::/:::| |:::::::::::∧j::ハ!_i!_ヽ::ト、::ヽ:::ヽ:::::\\::::::::::::::<
   <__/:::::::::/:|::::/|:ハレ!メ:::::::| |厂>‐j!-、ヽ`ヽ:::\!:ヽ::::::\!::::::::::___>
     _/::::::/|/|:::|::├V_レ┼|:::::|  レ '´ ,.ィf云ミ≪_ヽト、:::::::::::、::::`:::::::::\
    -'―‐ァ/:::::::::::::|:::レ´,,. ィ斗ミ、:|      _ぅゞ'_,〃   |::::::::ト、ヽ!::::::::::::ヽ`
     _∠ -‐/::::::::|:ハ 《 、_ぅゞ' ヽ!             |:::::::ヒ_ ヽ::::::::::__\
          /イ::::,.ィ::∧      l |               jィ::∧ 〉 ハ`:::::ト、
        _// 从:ハ     り             レ'{,.´ /:::ト、ヽヽ
           / jハ,ヘ      `ヾ `           ,.--<::::::|  |` `
                  ハ.                    ∧::::::::ト、:|  |
                 、     __,. -―- 、       / /:::ハ:|   -'、
                    ヽ.   'ーー――‐'   /  i::::::! !    \
                      ` .、  `こ´    /  i  レヘ! 〈      \
                       >    ,. '    |  |    ヽ       \
                   / ∧ `ー<     / ヽ               \
                  /   ∧       ∠ 、     \               \
                   /      ハ       | 「 i |     `ヽ、              ヽ、
               「rヘ、    | .j     | | | |     / i\               `  、
             / | |  ||    |      | | .| |     ├ 、! `、               ` 、
          ,.  '′/| |  \   |       | |/| |     i  「 ̄ ヽ                  ` 、
      _,... ' ´  /  | | /\\∧___/´  入\   |  !    ,ヘ
    / ! _,.  '′    〃 /  /  | フ´   /   \\ | /   / ∧
 
 

◆ステータス◆ 
 
力:5     
魔:1  
体:6  
速:5 
 
物火氷電衝魔   
ーーーーー無  異能無効
 
 
コマンドスキル   
説教 
 
自動効果スキル 
幻想殺し 
主人公補正Lv2 
悪魔警戒Lv1 
 
先制発動スキル 
フラグ建築Lv8 
 
 
2nd Day  メラク戦にて死亡
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/04(日) 16:28:48.02 ID:XSS67/EWo
不幸にも死んでしまったか
286 :270 [sage]:2012/11/04(日) 16:47:31.25 ID:ACIlU84IO
すまん……。
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 17:53:34.10 ID:J6IYtgCSO
>>270
ドンマイ
冥土帰しなら…冥土帰しならなんとかしてくれる
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/04(日) 22:48:54.30 ID:NZXvDETvo
サトミタダシで反魂香ww
もしくは三神合体の材料に...
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/06(火) 04:27:46.36 ID:l9D2/8RP0
今更だけどデビサバ2のキャラはでてこないのかな?
290 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:33:56.85 ID:3hETdAjL0
 
■第七学区 幹線道路■  
 
静かな街を疾走する影がひとつ 
その背に少女と死体袋を乗せひた走る 
魔獣は自分の背で声を押し殺し泣く少女が堪らなく愛しいと思えた 
 
何かを感じ足を止め、街路樹の陰へ身を寄せる 
 
ケルベロス「御坂。大丈夫か?」 
 
御坂「………うん」 
 
ケルベロス「この先に何か感じる」 
 
御坂「………待って」 
 
ぐちゃぐちゃになった思考を少しでも整え。電磁波の網を巡らせる 
地から浮いた、ひとつの物体。その形状に覚えがあった 
 
御坂「………」  
 
日常とは無縁の感情が渦巻くのが自分でも分かった 
 
御坂「ケルベロス……こいつを見てて?ね?」 
 
ケルベロス「どこへ行く?」 
 
御坂「ちょっと…ね」 
 
ケルベロス「我も共に行こう」 
 
御坂「独りにしないであげて……。すぐ戻るから…お願い」 
 
虚ろな表情で歪んだ笑みを浮かべる少女 
 
ケルベロス「……承知した」  
 
魔獣はそれすら愛しく感じていた
291 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:34:33.42 ID:3hETdAjL0
凍て付いた路面。瞬間的に冷却されボロボロになった街路樹 
 
御坂「……メラク…」 
 
翼の様な独特なフォルムを目視すると、先ほどの感情がぐつぐつと吹き零れる 
 
メラク「в ̄Ю」 
 
御坂「相変わらず、あんたらが何言ってるのか分からない」 
 
迸る冷凍砲。 
砂鉄を鋭角な壁にし、それを割る 
裂かれた冷気が御坂の左右の空間を凍て付かせる 

御坂「こっちの言い分も理解できないんでしょうね……」 
 
コインをポケットから取り出し弾く 
 
御坂「だからッ!!」 
 
砂鉄の壁を貫き、轟音がメラクを吹き飛ばす 
 
御坂「行動で示してあげるわよッッ!!」 
 
吹き上がる赤黒い殺意 
嘗ての一方通行に向けられたそれよりも、激しく、汚れた感情 
 
292 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:35:07.99 ID:3hETdAjL0
メラク「##н¢!и ипΨ」 
 
突起物から自走爆弾を射出し、氷塊が舞い踊る 

御坂「小賢しいッッ!!」 
 
荒れ狂う雷撃 
辺り一帯を暴れ回る蛇の如く自走爆弾を焼き、氷塊を粉砕する 
 
メラク「ΨΨ нЩ○」 
 
御坂「あんたには電撃耐性があったわね……」 
 
御坂「ちょうどいいわ。すぐに死なれたらあいつに申し訳ないもの…。せめて嬲り殺しにしないと」 
 
御坂「徹底的に苦しんで死ねッ!」 
 
死を願う呪いの言葉を吐きつけ、電撃は益々強くなる 
 
御坂「死ねッ!死ねッ!死ねッ!!死ねッ!!死ねッッ!!死んでしまえッッ!!!」  
 
メラク「мС#」 
 
巨砲の照準が御坂に向けられる  
 
293 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:37:41.77 ID:3hETdAjL0
御坂「させない」 
 
超電磁砲をあえて地面に放ち、吹き飛ばすだけにする 
 
御坂「こんなもんじゃないッ!上条当麻の痛みはこんなもんじゃないッッ!!」 
 
御坂「もっと苦しめッ!もっと痛みを感じろッ!もっとッッもっとッッ!!」 
 
過度の興奮と荒い演算で強い能力を連続行使した所為か、鼻血が流れている 
体が知らせるエマージェンシーですら怒りが塗りつぶす
御坂本人はそんなことは気付きもせず吠え続ける 
血液が唇に触れ無意識に、袖で拭うが。雷撃を止めない 
 
御坂「どこから来たのかも知らない奴が、人の命弄んで。マジでフザケんじゃ無いわよ!!」 
 
御坂「神の使い?…ハッ!そんなの認めないッ!神ってのも認めないッ!!あたしは絶対認めないからッッ!!」 
 
御坂「全部壊してやる。全部殺してやるッッ!!」 
 
メラクの外殻が焼き焦げ、動きが鈍くなってくる 
 
御坂「まだ綺麗ね」  
 
砂鉄を操作し、数多の細い錐を作り上げる 
 
294 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:38:41.97 ID:3hETdAjL0
御坂「神ってのが目を背けたくなるくらいにしないと」  
 
錐が空を裂いて、メラクに突き刺さる 
 
メラク「○¢к<」 
 
御坂「悲鳴かしら?それならもっと上げなさいよ」 
 
御坂「聞かせてやりなさいよッ!神って奴にッ!あんたの悲鳴をッ!!」 
 
突き刺さった錐の表面を高速振動させ、ゆっくりゆっくり動かす 
   
メラク「С$ой¢¢」 

御坂「…ッは。…あはぁッ!」 
 
295 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:39:21.30 ID:3hETdAjL0
御坂「アハハハハハハハハハッッ!!」 
 
御坂「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!!」 
 
御坂「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねェェェェェッッ!!!」 
 
御坂「心も身体もォッ!全部バラバラになってッ死ねよォッッ!!!」 
 
ゆっくり切り裂いていた錐が、感情の揺らぎに合わせてメラクの体をグチャグチャに掻き乱す 
 
メラク「――$о―」  
 
御坂「……あ?」 
 
刹那の輝きの後、虚空に消えるメラク 
  
御坂「……………なんなのよ…消えちゃったら駄目じゃない……」 
 
訪れる静寂 
冷たい一陣の風が血の乾いた頬を撫でる 
頭痛が酷く倒れたい気持ちになるが 
最愛のモノの場所へと歩み始める   
  
296 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:39:47.94 ID:3hETdAjL0
ケルベロス「戻ったか」 
 
御坂「ええ、心配掛けたなら謝るわ」 
 
魔獣は少女の笑みを見て心底安堵した 
多少の出血はあれども、五体満足に帰還したことに 
 
ケルベロス「構わん」 
 
先の戦いに出る前の表情と変わり 
目は濁った光を灯し、左頬を染める黒い赤 
謝罪と共に零れた笑みさえ、狂気の名残を感じさせる 
そんな少女にさえ魔獣は美しいと感じた 
 
御坂「先を急ぐわよ」 
 
ケルベロス「御意に」 
 
濁々とした瞳に見据えられ、命じられ 
唯々諾々と頭を垂れ、主を背に誘う 
  
297 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:41:25.24 ID:3hETdAjL0
■第十三学区 とある小学校 運動場兼避難所■ 
 
黄泉川「えー。じゃあ今から移動を開始するじゃん」 
 
悪魔に存在を知らしめる事になるが 
無線でこそこそやり取りするよりも、子供はもちろん、大人からも不安を取り除く効果を見込んでだった 
大胆であるが、LEVEL5が二人いるという事が実質後ろ盾になっていた 
 
黄泉川「途中で悪魔がでても、慌てずに無線の指示にしたがって。子供を最優先に考えるじゃん」 
 
もっと大人数の生存を期待していたが、物理無効悪魔が複数居たことが不運だった 
LEVELの低い子供、能力の無い大人が太刀打ちできる相手ではなかった 
  
生存者351人。死者、行方不明者合わせて100.000人以上  
細かい捜索も行いたいが、食料の問題もあり。やむなく生存者の保護を優先した 
 
黄泉川「では、各部隊長は無線で随時報告を。全員生きて辿り着くじゃん!」 
 
緊急徴発したバスを十二台に分け各自乗り込む 
子供が悪魔を怖がる為、悪魔使いは先頭と最後尾に配置され 
一方通行と麦野はどこにでも動ける様、中央の指揮車に位置した 
 
黄泉川「では出発ッ!」 
 
学園都市の隅、外周に面した第十三学区 
目的地は隣に位置する二十一学区 
水源の為、元から警備が厳重であり。今は更に増強されている 
無線の連絡でも現地は今のところ安全であり。食料備蓄もある 
 
道中で救助したもの、十三学区で合流したもの 
延べ899名を載せた一団が出発した 
  
298 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:42:10.60 ID:3hETdAjL0
■第七学区 とある病院 霊安室■  
 
御坂「…………」 
 
白いベッドの上に横たわる上条当麻を眺めると 
本当に寝ているのではないかと御坂は思った
冥土帰しでさえ上条の姿を見るなり、首を横に振ったにも関わらず 
 
このまま放っておけばいつか目を覚まし、いつもの様に自分の名前を呼ばずにビリビリと呼んでくれる 
そんな妄想さえ容易だった 
 
ダンッ! 
深々とした室内に似つかわしくない音 
ドアを勢いよく開けた音だった 
御坂は振り返りもせず、今の音に驚いて上条が飛び起きる姿を妄想した 
  
299 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:43:18.26 ID:3hETdAjL0
禁書「とうま……」 
 
もたもたと白い修道服が遺体に近寄る 
 
禁書「とうまぁ……ッ!」 
 
禁書「とうまは約束をいつも破って……ずるいんだよ……」 
 
禁書「でも……ちゃんと帰ってきたんだね………おかえりなさい」 
 
禁書目録が嗚咽を殺しながら祈る姿を眺め、御坂は自分がどこか俯瞰で見てる事に気付く 
 
禁書「とうまを連れて帰ってくれてありがとうなんだよ」 
 
御坂「……べつに。あんたに礼言われる筋合いないわよ」 
 
禁書「――ッ?」 
 
御坂「あんたの為にやったことじゃないって言ってんのよ!」 
 
禁書「……それでも、ありがとうって言いたいんだよ…」 
 
御坂「――ッ!」 
 
俯瞰の自分が苛立つ体に制止を掛ける 
禁書目録を睨みつけ、踵を返し出て行く 
残された禁書目録の泣き声が微かだが、通路に漏れる 
 
ダンッ! 
 
やり場のない苛立ちを壁にぶつけた後、背を預け腰を落とす 
 
御坂「感謝されたらこっちは余計辛いってのよッ………」 
 
歯噛みし、救えなかった自分をひたすら呪う 
  
300 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:44:31.54 ID:3hETdAjL0
■第二十一学区 貯水ダムへ続く道■ 
 
―――なぁ…  
 
    モニターの光のみが照らす薄暗い車内で女が声を掛ける 
 
―――あン?  
 
       その声に反応する男の声 
 
―――死ぬってなんなんだと思う?
 
―――はァ?なンだァいきなり。宗教にでも目覚めちまったかァ?
 
―――そうじゃなくてさ。死んだらどうなっちゃうのかとか…

―――大して変わってねェよ
 
―――まぁそういうとこの観念を第一位に講釈をお願いしたいのさ 
 
―――死後の世界なンざ、夢物語だろ。死ンだらただの蛋白質の塊だ
 
―――夢がないね…… 
 
―――生憎とこの街の第一位ってなァ、そンな夢語っていい身分じゃねェンでな
 
―――現実直視してるってことね…。色んな意味で…… 
 
―――他人をあれこれ探るのは頂けねェな。最も俺の見解とテメェの見解は遠くねェと思ってるがなァ 
 
―――他人をあれこれ探るのは頂けないんじゃなかったのかよ
  
―――あらゆる批評は己に言えることって奴だァ 
  
301 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:45:18.38 ID:3hETdAjL0
―――誰の言葉? 
 
―――俺の言葉だァ
 
―――うわ。キモっ 
 
―――あァン!?名言だろがァ!
 
―――そういうなんか……会話のやり取りひっくるめて名言ぽくしようとしてるのが、果てしなくキモイんだよ
 
―――テメェ……上等じゃねェか…… 
 
―――残り時間。一分切ってるあんたが粋がったところで何にもならないっての
 
―――テメェ程度の三下は二秒でミンチにできる訳ですが? 
 
―――その二秒が原因でこの難民、全滅したら。あんたはまた苦しむんだろうね
 
―――……ハッ!死ぬ奴が悪ィだろ 
 
―――……そう…。そういう世界だったねここは 
 
―――胸糞ワリィこと、この上ねェ……な 
 
  
302 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:46:29.67 ID:3hETdAjL0
■とある病院 病室棟 三階ロビー■ 
 
御坂「…………」 
 
白井「お姉様……」 
 
御坂「………ただいま…」 
 
白井「お疲れ様でしたの」 
 
御坂「…………」 
 
白井「その……上条さんの事は非常に残念でしたの」 
 
御坂「………」 
 
白井「お姉様のお気持ちはよく分かりますけども、ぜひとも前向きにお考えください」 
 
御坂「……ハァ…?」 
 
白井「いえ…。その……」 
 
御坂「人が死んだってのに前向きって、あんた無神経過ぎじゃない?」 
 
白井「決してそういうつもりで言ったのではッ……!」 
 
御坂「煩いッ!!」 
 
白井「――ヒッ!」 
 
佐天「御坂さん!」 
 
初春「落ち着いてください。御坂さん」 
 
御坂「アイツが……、アイツが死んだのに落ち着いていられる訳ないでしょッッ!!」 
 
御坂「戦場に居なかった癖にッ!何も知らない癖にッ!好き勝手言うなッ!!」
 
白井「お姉様どちらへ!?」 
 
御坂「付いてこないでッ!!」 
  
303 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:47:25.76 ID:3hETdAjL0
■第二十一学区 貯水ダム 仮設避難所■ 
 
一方「乾パンひとつと肉の缶詰だとォ……」 
 
黄泉川「事態の収束がいつになるか分からないから、小出しにするしかないじゃん」 
 
麦野「鮭フレークとかないの?」 
 
一方「つかなンでテメェはまともな飯食ってンだァ?」 
 
黄泉川「外周警備の担当は最後の晩餐になるかもしれないからじゃん」 
 
麦野「……黙って食べるしかないわね」 
 
一方「避難してきたガキ共も、久しぶりの飯がコレたァな……。大体何の肉だよこれ……」 
 
麦野「食べないならそれ貰うよ」 
 
一方「オイィ!?」 
  
304 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:48:28.68 ID:3hETdAjL0
麦野「何よ。文句ばっかり言ってるから。いらないんじゃないの?」 
 
一方「マジかよ……人間のすることじゃねェだろォ………」 
 
黄泉川「落ち込みすぎじゃんよお前」 
 
一方「俺の缶詰ェ……」 
 
麦野「…………」 
 
黄泉川「ほら私のミートボールやるから」 
 
一方「もういらねェよ」 
 
麦野「………ごめんって」 
  
黄泉川「ほら。今のうちじゃんよ」 

一方「チッ。仕方ねェな…」  
 
黄泉川「あーんするじゃん」 
 
一方「馬鹿かババァッ!!誰がするかァ!!」 
 
ぽと 
 
黄泉川「あっ。バカ!」 
 
麦野「あーあ」  
 
一方「……………もォ寝る」 
 
  
305 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:49:18.05 ID:3hETdAjL0
■とある病院 病室棟 旧上条当麻の病室■
  
ガラッ! 
 
浜面「おわっ!?なんだよ…、びっくりしたじゃねーか」  
 
御坂「あたしここで寝ていいかしら?」 
 
浜面「何言ってんだ?俺どこで寝りゃいいんだよ!!」 
 
御坂「ひとりになりたいのよ。後輩にも当り散らして……みっともなくって…さ」 
 
浜面「あー……。そっかお前があいつを連れて帰ったって奴か」 
 
御坂「………」 
 
浜面「いいぜ。滝壺たちと寝れるいい口実になるしよ……」 
 
御坂「……悪いわね」 
 
浜面「どういたしましてだ」 
  
306 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:50:06.49 ID:3hETdAjL0
■第二十一学区 貯水ダム 仮設避難所 女子のバス■ 
  
「ぇ……ねぇ……先生」 

麦野「…んん?」 
 
「お手洗いに行きたいんだけど」 
 
麦野「……ええー?すぐそこじゃないの」  
 
「先生も付いてきてよ……」 

麦野「しょうがないわね……ってコラ。誰が先生だ!」 
 
「先生じゃないの?」 
 
麦野「ざっけんな。違うっつの」 
 
「じゃあ駄目…かなぁ」 
 
麦野「……いいわよ。わたしも行くし」 
 
「ありがとう」 
 
  
307 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:50:44.90 ID:3hETdAjL0
「大体避難者が多すぎなんだよ」 
 
「あー。分かるわ。いきなり保護してくれって言われてもなー」 
 
「こっちの飯まで減らされて勘弁してくれって感じだぜ」 
  
「確かにな」 
 
「食料。車に積んでどっかに隠れないか?」 
 
「……逃げるのかよ」 
  
「こんな事態だぜ?飯が尽きるのも時間の問題だしよ。緊急避難ってやつだ」 
 
「……まじかよ」 
 
308 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:51:56.14 ID:3hETdAjL0
◆成長安価 麦野沈利◆ 
 
1聞かなかったことにしてさっさと用を済ます 
2警備員を咎める 
3黄泉川に報告する 
4一緒に加わる 
 
安価先 +6 
  
309 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:53:07.47 ID:3hETdAjL0
■第二十一学区 貯水ダム 緊急避難所 指揮車■ 
 
黄泉川「まだ起きてたじゃん?」 
 
一方「お前等がごそごそやってっから目が覚めたンだよ…」 
 
黄泉川「そりゃすまん。わたしは警備に行ってくるじゃんよ」 
 
一方「あァ……」 
  
310 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:53:37.54 ID:3hETdAjL0
◆成長安価 一方通行◆ 
 
1黄泉川に付いていく  
2上条当麻について考える
3携帯を見る
4トイレに行く
 
安価先 +6 
  
311 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:54:09.24 ID:3hETdAjL0
■とある病院 病室棟 旧上条当麻の病室■ 
  
御坂「…………」 
 
御坂「…………」 
  
312 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:54:37.70 ID:3hETdAjL0
◆成長安価 御坂美琴◆ 
  
1ケルベロスと話す
2屋上へ行く
3今日を振り返る
4…………
 
安価先 +6   
313 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/08(木) 02:56:46.40 ID:3hETdAjL0
二日目も終わろうとしています 
SSの内容に関してはSSで明かしたいと思いますとしか。申し訳ない 
 
生存率が低いと指摘ありましたが、一日の終わりの成長安価 
これが生存率を大きく上下させています 
そして麦野以外に付いていた主人公補正 
主人公足るもの死ぬべからずの法則 
しかし死を感じてこその生である(キリッ ということでLv制になってます 
このスキルを伸ばすには…… 
  
もっともらしいものが地雷でもあったりなかったり 
 
触りない程度の説明ですが、興味ある人は参考にどうぞ 
 
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/11/08(木) 03:53:23.97 ID:dBOhZCvzo
2
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/08(木) 05:10:43.13 ID:05SVWK9ro
乙!ksk
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/08(木) 07:45:59.07 ID:G8s7LmR6o
2
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 15:03:24.02 ID:oqfiaJkSO

美琴のは怖いksk
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 20:09:58.82 ID:UkyY/gPno
あえて1
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 20:12:48.98 ID:TZJc+a7X0

メガテンならば死亡率高いのか普通だからこわいな
そういえばスキルは使えないのか。
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/11/09(金) 02:27:41.18 ID:o9urpkIAO
デビサマかなんか知らないけど普通に面白い
上条さん逝っちまったか…
残ってる主人公は一方通行か浜面だけか〜
頑張ってくれ!!


ちなみに青ピさんどうなったんだろうね…
321 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/09(金) 02:49:24.10 ID:rQYlttyL0
>>319 
使うか安価で選択するスキルという意味かな? 
ある事はあるんだけど、まだ覚えてません 
まだ二日目だし、そういうのは後半かなと… 
コマンドスキルに各自の能力だけだったけど、ああいったものはオートになります(安価で戦闘すると話が進まないため
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/11(日) 07:58:28.56 ID:19J1vzf30
ホントに容赦無く死んでしまった…主人公補正LV2なのになぁ
主人公補正を伸ばせば、って言っても、安価の内容から結果の想像が厳しいな
こうなってくると、むぎのんの食いしばりが非情に有益なスキルに見えてくるね


323 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:25:23.27 ID:9DCzCO1u0
■第二十一学区 貯水ダム 仮設避難所■
 
麦野「ねぇねぇ。なんかドブ臭くない?」 
 
「は?」 
 
麦野「ほらほら。そっちから糞溜めみたいな、汚い臭いが……」 
 
「なんか臭うか?」 
 
「いや…?」 
 
麦野「いやいや、臭うって……。ああ、あんたらの臭いか。自分の臭いは判んないわよね」 
 
「……なんだと?」 
 
麦野「ごめんごめん。子供が怯えて腹空かせてるってのに、テメェらだけ逃げ出す様な糞だもんね」 
 
「――ッ!?」 
 
「聞いてやがったのか!」 
 
麦野「悪巧みするなら、もう少し賢くならないといけないにゃーん」 
  
麦野「脳ミソがちゃんと詰まってるか、頭割って確認してやろうか?」 
 
324 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:26:05.20 ID:9DCzCO1u0
 
「――こいつは!」 
 
「言わせておけばクソアマァ!!」 
 
「おい止めろ!!」 
 
麦野「そっちのあんたは少しだけ頭回る糞みたいね」 
 
「分かった。すまん」 
 
「なんだよお前!!」 
  
「この女、確かLEVEL5だ」 

麦野「わたしがどうのこうのじゃなくて…」 
  
「先生ー!」 
 
麦野「終わった?つか先生止めろっての」 
 
「ごめんなさい…」 
 
麦野「……少しは頼られてるって事誇りに思いなさいよ。こんな時でも、いやこんな時だから。かな……」
 
「………」 
 
「………」 
 
麦野「それでも逃げるなら止めないよ、変わりにあんたらは生き延びても後悔が待ってるよ」 
 
「………」 
 
「…行くぞ」 
  
325 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:26:48.99 ID:9DCzCO1u0
■第二十一学区 仮設避難所 指揮車■ 
 
あいつ死ンじまったな…。別に友達とかじゃねェけど 
 
唯一。俺に勝った人間。しかもLEVEL0と来たもンだ  
 
最初会ったのは絶対能力進化計画か…… 
 
 
 
あの時あいつに負けてなけりゃ俺は……。今更か…… 
 
 
 
 
こンな世界じゃなけりゃ俺もあいつも……あんな事も……
  
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/11/11(日) 22:27:28.42 ID:9DCzCO1u0
■とある病院 旧上条の病室■ 
 
御坂「………」 
 
暗い部屋に起こる放電現象 
 
ケルベロス「……どうした御坂」 
 
御坂「ちょっと話し相手が欲しくてさ……」 
 
ケルベロス「現界すれば生体マグネタイトが消費され、戦いが不利になる。それに貴女には友人がいるだろう」 
 
御坂「ケンカってか。一方的にイライラぶつけちゃってね……。でも…誰かに居て欲しくて」 
 
ケルベロス「………承知した」 
 
御坂「ごめんね。こんな事で」 
 
ケルベロス「構わぬ。我で良ければいつでも傍にいさせてもらおう」 
 
御坂「へへ、ありがと」 
   
327 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:28:02.49 ID:9DCzCO1u0
背を丸めて横たわる魔獣に背を預け、共に横になる  

ケルベロス「………」 
 
御坂「…………」 
 
ケルベロス「………」   
 
御坂「……あたしさ」
 
御坂「あいつの事好きなんだ」 
 
御坂「すごくすごく好きで。いつか、あいつがあたしの気持ちに気付いてくれないかなーとか」 
 
御坂「いつかチャンスあったら。あたしから告白しようとかさ」 

御坂「色々考えてたんだー。………でもさ…」 
 
御坂「でも…さ…。あいつっ死んじゃったっ……」 
 
御坂「何もしてあげれなくてっ…。何も…伝えれないままっ……」 
  
御坂「悔しくて、哀しくて、寂しくて、頭がどうになっちゃいそうっ……!」 
 
ケルベロス「今は我しかいない。好きなだけ泣くといい」 
 
 
 
御坂「ごめんっ…。ごめんなさいっ……」 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
御坂「助けてあげられなくてごめんなさいっ……」 
  
 
 
 
一万三十一の命。そして更にもうひとりの命。 
 
御坂は魔獣の身体にしがみ付き、泣きながら侘び続けた
 
 
328 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:28:28.29 ID:9DCzCO1u0
くぎり 
329 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:29:19.04 ID:9DCzCO1u0
土御門「この…、悪魔召喚アプリはお前が作ったのか?」 
 
アレイスター「まさか……。擬似的な物は可能だが、ここまで大規模な物となると不可能だ」 
 
土御門「ならこれも神が用意したというのか」 
 
アレイスター「君の言う神が私の考えている、あの存在であるならば。答えはイエスだ」 
 
土御門「どうも要領を得ない、誤魔化さずにハッキリ答えろ!」 
 
アレイスター「やれやれ…。誤解の無い様に答えているつもりなのだがね…」 
 
土御門「どうもその『神』という言葉に拘りがあるようだな」 
 
アレイスター「神という言葉を、存在を意識したときに。君は何を、どう連想した?」 
  
土御門「十字教の神やその他の宗教の神。人間とは一線を画す存在だ」 
 
アレイスター「そうだろう」 
 
アレイスター「神は人其々概念が異なる。共通するのは人間と一線を画す存在。今回の件に関与しているのもそういった存在だ」 
   
330 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:29:54.38 ID:9DCzCO1u0
おわり
331 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:30:25.02 ID:9DCzCO1u0
【人間】一方通行  

                                    .  ⌒ヽ
                            _.ノ{-r≪__    /  .   i
                       / フ⌒¨    }ミ_/    ′  l
                   .__┘_{ノ{\   __jノ'     /     |
                    / / ´厶≧ヒ.人    __ ..イ    |
                 / //  i |厂 ̄`` ,`フ爪 i !V    |   文句言わずに
                   }ノ ′ | |     . -- 、 从jノ'⌒ヽ.  |    食ってりゃよかったァ
                  / /i  トミ  / ̄_⌒’ }| |: /: : : : \|
                'イ{j  i {         从{/: : : : : : : :`7
                  i 八  トミー─   ヽ///: : : : : : : : :V
                  |ハ{\| iい      イi//{ : : : : : : : ∨
                        }从 }     {_/ i: : : : : : : :/
                      }ハ     /}:{  l:、: : : : : /
                 __、  -‐<{___.____{/: } ,|: :\ : /
             ,. :く  丶 : : : : : : : : : \ / : ノ /: : : : ∨
               /: : : :\  \: : : : : : : : : : : : { i : : : : : i
           / : : : : : : \  \:_:_: : : /\ :| |: : : : : :j
              /: : : : : : : : : : 丶  、{: : :\,/ : | ' : : : :∨
         _,ノ: : : : : : : : |: : : : : :丶 \: : : : : : l/ : : : : : i
         }: : : : : : : : : 厶: : :i: : : : :\ \ : : : : : : : : : : |
        /\: : : : : : /{  \|_: : : : : : \{: : : : : : : : : : '|
       /    >、:_:/ |- 、_}丶 : : : : : : : : : : : : : : :/ }
      /  / /    | : : : |\ \: : : : : : : : : : : :/ /|
     /     /    |: : : !: : 丶 } : : : : : : : : : / /: |
     /     /         | : : : | : : : : 〉 : : : : : : : : } /: : |
◆ステータス◆ 
 
力:1−40 
魔:3  
体:1−40 
速:1−40 
  
物火氷電衝魔 
反反反反反無 魔法攻撃のみ無効 
        
コマンドスキル 
一方通行 
 
自動効果スキル 
一方通行 
主人公補正Lv2 
改革の思考 
 
先制発動スキル 
一方通行 
 
〔個体生存力〕75 
 
  
332 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:31:02.85 ID:9DCzCO1u0
【人間】御坂 美琴  

                     .. -‐……‐-  ..__
                 . . : : : : : : : :/: : : : : : : : `丶、
              /. : : : :/: : :/: : : : : : : : :`丶、: :\
            ,. : : : : : :/: / : : / : : : : : : : : : :\: : ヽ
          ./: :/: {`V: /: :/: :/: :/ : /:i : : : l : : : : ヽ: : . 、
       //: :/: : :∨:/: :/: :/: :/ /i: i : : : |: : : : : : : : : : .
      / :/: :/ : : :__j/: :/: :/`ン'く   !: !: : : i|:i : : : i: : : : : :i.
    ,/ / /i: /: :/:/_丿 : | : i_/  、\j:|: : :リ:i : : : i: : : :  |i.、
  /:/ / /: i ′i //i: i: i| : トミぅx\ |: |: :_/|: i : : :,ハ: : : : |i: \
__,/:/i:/ / /:i:|:i: i {  _|: i: i| : i「バ迅.い|/|: /`|: i : :/: :i : i : : |i、\:ヽ
  `丶|{: ,: :{,:从i: l人, |八:i| : |' /iハj^うソ/  |: i、:/! :|:,i: : ∧ \:ヽ}
     V : :乂iハ:|/{    `ヽ|     , i:/ _,/:/:/`i: :/:/:!: :ハ: : : `トミ.
     ∧: : iハ/  ‘,  /  °   (.ノ'斥ぅく{/ /:/ /: :!∧: i: : :`い、 `
      ハ: :i ∧   ‘, ./  -、   ノ `iバ爪j/i/i:/ : : : ∧:!:i: : :|i `)
       从|   ヽ   ‘j.     \_     jイ: : : :/} : /: :/: |∨: :i リ   …………
  /   / ∧     \  〉、     ノ . イ: :i| : : /: '∨: :,ハ: :! i: :!从
  ,  . / /  \___   `厶_,).‐.-,--,( ´: : :|:V': /: /:/ : / }:リ j:∧ i`  
   / ′/  `i「|「`⌒{   {: :/: :/:/ : :_:_i/:イ / /i/ : / .ノ' ノ′.}:|
  i/ /      |i |i   ∧  ∨: /:/|i : (,ノ': : i/ ,:i/|: :/       _ノ ′
  |/      |i |i、__ { ヽ. }:/:/ .リ: :/: : : /!:/ ∨:/       ´
  |        |i |i  i、  ,》'〈i:{ / //: : : /ノ'   }/
  |         i |i |i__ |`//  》'/}': : /   ノ′
  l        i |i(__} | //  /  .ノ:/          o
  !        | |i |i  ,|'/   'i  /イ
         .  |i |i_,//   |.ノ  |
/         ,   |i |i_/  iト、j    |  _ .     ゚
         / `弋j/   《_}}|    | {  )
       /    /     V/|   | `¨´            。
◆ステータス◆ 
 
力:3 
魔:3 
体:3 
速:3−30 
 
物火氷電衝魔 
ーーー無ーー  
 
コマンドスキル 
超電磁砲 
 
自動効果スキル 
超電磁砲 
主人公補正Lv1    
仲魔調伏 
 
先制発動スキル 
ツンデレ……? 
 
〔個体生存力〕60 
 
333 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:31:31.68 ID:9DCzCO1u0
【人間】麦野 沈利 
  
.   /   o ヽ
  | ├─‐ │
  | └─  .|  ――::....
  | ├‐┐ │:.:.:..:、:.ヽ.:.:.:`ヽ、
  |.    /  .|:./:、:.:.:\:.\:ヽ:.\
  L __    /:.|.:.:.\:.:.:.ヽ:.:\:.:.:.:ヽ
.     ハ:.:.`V´ :.:|:.|ミ:.:.:\:.:.:.\:.ヽ、.:.:..
    | :.:.:.:. :.|:.:. |:.| \:.:.\:.:.:.\:.!:.: ハ
    |.:.:.:.|:.:.:|:.:.:W  〉(\:.:.ヽ:.:.:.:゙|:.:.:.:.',
   ,.イ.:.:.:.|:.:.:l:..:レ゙ \⌒|l|l|l'llミ-yミ:|:.:.:..:.|
 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|弋' tッ'ミ゙‐〃lィtッ''ア :.:.:.:|
.':.:.:.: /.:.:./.:..:.:.:.:|    ̄     , ゙¨´ 小 :.: |   からかってんのか?お?
:.:.:.:.:.:.: :/:.:.:./.:.:.|        〉  }゙::|:.:.:.|
:.:.:.:.:./ .: :/.:.: 小、           人::|:.:.:.|
.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:リ ::丶.  '´` /:::::: |.:.:.:|
:.:.:.:.:.:./.:.:.:. :./    ::::::>‐彡::::::::::: |:.:.:.|
:.:.:./:.:.:.:.: __/ 、     /、::/::/:::::::::ハ:.:.:|
_,.  ‐ '' \  \  rハ \:イ:/::/ |:.:.|
◆ステータス◆ 
 
力:4 
魔:4 
体:8 
速:4−26 
 
物火氷電衝魔 
ーーー耐ーー  
 
コマンドスキル 
原子崩し 
 
自動効果スキル 
食いしばり    
お気に入りキャラ補正  
保護者の精神 
 
先制発動スキル 
かわいさLv93 
 
〔個体生存力〕135 
 
  
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/11(日) 22:37:12.78 ID:X2Cze+R9o
おい一人だけおかしいのがいるぞ
335 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:37:25.26 ID:9DCzCO1u0
ステータスの上限40でしたすみません。あと少し模様替えもしました 
メイン盾が逝ってしまって。色々計算しなおしたんですが 
このままだと最終日が20%以下、流石にこれはと思い色々修正しました 
今までは一日に一回の成長でしたが、数度するかもしれません 
状況でまた修正しますが。細かいところは適当でよろしくお願いします
336 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/11/11(日) 22:40:33.38 ID:9DCzCO1u0
>>334 
一方通行のステは能力使えば一瞬ならMAXいくかなって、自分設定なんで無視しててもいいですよ
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/11(日) 23:31:47.81 ID:nADyro3Ao
根性さんどうなったんだろ……
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 00:16:04.33 ID:/U8NHVoIO
>>337
あいつならどこでも生きていけるだろう…
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/11/12(月) 00:33:45.94 ID:iVfvJikFo
麦のんの固体生存力は流石やね
能力未使用で15巻の運動能力は異常すぎて
15巻発売当時は割りと真剣に隠れ聖人の可能性ってあるのか考えてたww
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 05:29:02.78 ID:MeqywzvSO
麦野強すぎwwwwwwww
結構細かく決めてるんやな
スキルの効果とかもSSで説明?
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 18:04:34.32 ID:a4C8WDw00
>>337
あの人は裏ボスと戦ってるといわれても驚かん。
あと麦野はすげぇな。原作ぶりをみてると死にそうになっても悪魔合体をして大丈夫だろうな。


342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 18:24:20.70 ID:G16z30y20
>>341
その裏ボスをボスと知らず倒してそうだな
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/11/12(月) 22:29:41.26 ID:iVfvJikF0
麦のんの力ステータスが上条さんより低いのはおかしい
麦のんのか弱さアピールかわいいよ
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 01:56:50.94 ID:1xwYDHuSO
麦のんの力の大半は愛情でできてるから。これプラス愛情かと思わレ
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 04:10:10.27 ID:Lh1TdhgIO
メガテンのケルベロスって頭一つだよな
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 21:27:02.53 ID:ikjFA1m70
ベクトル操作は観測、事象解析、モデル構築、最適化演算、自分だけの現実化

○カチュウと違って、大変なステップが必要。

347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/17(月) 23:48:47.91 ID:wKu/jNjB0
もう一ヶ月たったんだね・・・
まだかな?
348 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/12/22(土) 00:38:34.50 ID:AtdAjno50
放置すみません 
 
3rd Day 救難の水曜日 は来年になります  
 
不躾ですがよいお年を
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 03:03:07.18 ID:mceaYlbIO
おけー
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 09:30:57.38 ID:wSgx7GLjo
舞ってます
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/25(火) 01:45:58.77 ID:6OhQCVMN0
超面白い 期待して待ってます
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/25(火) 05:17:44.65 ID:D6lQRPJC0
今更だけどデビサバ2アニメ化決定したね!
353 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2012/12/27(木) 01:59:33.70 ID:w+2MNoDZ0
はいはい嘘乙と思ったらマジでアニメ化だった 
放送までに終わらせたいな
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 08:41:06.27 ID:x9LGuRbI0
>>348 了解、良いお年を
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/03(木) 22:09:10.97 ID:7a49+bbxo
コトシモヨロシク…
オレサマオモチマルカジリ!!
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/18(金) 17:59:29.62 ID:oVpEnf840
もう2013年になったけど続きまだ〜?
357 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/19(土) 01:03:30.96 ID:k8YnUIxu0
微々微々書き溜め中であります。サー!
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/19(土) 01:53:15.53 ID:9J/DWt1Ho
まぁ、年末、年初めはどこも忙しいしリアル重視で書いてください
楽しみにしてます
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/19(土) 22:55:33.55 ID:mMV+I/wwo
舞ってます
360 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:47:06.07 ID:TvFjduPC0

  
 

 
 
   3rd Day 
        
       難救の水曜日 
 
 
 
  
361 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:47:43.19 ID:TvFjduPC0
■暗闇の中■ 
 
ヒタヒタ… 
 
御坂「何かいるわ………」 
 
麦野「足音…?」  
 
ヒタヒタヒタヒタ 
      ヒタ 
      ヒタ     ヒタヒタヒタヒタ
      ヒタ 
      ヒタ 
      ヒタ  ヒタヒタヒタ   
 

 
             ひたひたひたひたひたひたひた 
 
          ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ
    ヒタヒタ    ひたひたひた 
 
  
 
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ 
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒ 
      タヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ 
ヒタヒタヒタ   
      ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ 
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ 
 
 
 
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ 
 
 
  
御坂「来たっ!」 
 
362 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:48:32.25 ID:TvFjduPC0
御坂の電光が暗闇を切り裂き、音の主達を照らす 
 
「アアアァァァァァァ!!!」 
 
御坂「ひっ!?」 
 
光で暴かれたその姿は醜悪で、生理的嫌悪感を掻きたてるおぞましいものだった 
 
一方「固まれェ!そこら中にいやがる」 
 
黄泉川「うちらはこの子を最優先で守るじゃん!」 
 
鉄装「は、はいいぃ〜!」 
 
シールドを構え禁書目録を囲う二人 
 
麦野「ちょろちょろウザッたいわね…」  
 
御坂「ええいっ!数が多いっつーの!」 
 
禁書「ピチャーシャ…。口から身体に侵入して弱らせて殺す悪魔なんだよ」 
 
麦野「あんなのが口に……想像したくもないわ」 
 
鉄装「ちょちょっと!?誰かっ…」 
 
363 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:49:07.97 ID:TvFjduPC0
黄泉川「鉄装っ!」 
 
黄泉川が振り返ると防御盾を引き剥がされ、悪魔に髪を掴まれている鉄装の姿 
 
鉄装「いや…」 
 
ピチャーシャの頭部が歪み口内へ、すべり込んでいく 
 
ずるずるずるずるずるずるぅぅっ 
 
麦野「おいっ!マジで入ったぞ!?」 
 
禁書「大丈夫!D O BBHK LLWWQPP」 
 
バンっ! 
 
悪魔に侵入を許した鉄装の背中を手のひらで力いっぱい叩く 
 
鉄装「オゴェッ!!」 
 
ズルズルズルズル 
  
黄泉川「このっ!」 

吐き出された悪魔を黄泉川が零距離で射殺する 
 
364 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:49:40.62 ID:TvFjduPC0
一方「埒があかねェな」 
 
一方「満足に寝れねェわ。暗いわ。気持ちワリイのに囲まれるわ。どうしてこうなったァ…」
 
一方「おい、オリジナル」 
 
御坂「何よ」 
 
◆成長安価 一方通行or御坂美琴◆ 
 
1 三下が死ンでどんな気持ち?トントン 
2 俺に電撃浴びせ続けろ 
3 お前だけは逃げろ 
4 ここは任せた 
 
+次のあなたのレス 
 
 
365 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:50:08.30 ID:TvFjduPC0
 
 
一方通行の言葉からしばし時間は巻き戻る 
 
 
366 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:50:42.78 ID:TvFjduPC0
■とある病院 壁の壊れた病室■  
  
 
コンコン 

白井「お姉様。こちらにいらっしゃいますの?」 
 
御坂「………」 
 
白井「お姉様?」 
 
御坂「…………」 
 
ケルベロス「御坂。友人が呼んでいるが?」 
 
蹲った魔獣が、自分に埋もれる少女に問いかける 
 
御坂「………いい」 
 
ケルベロス「………そうか」 
 
ケルベロス「済まんが御坂は今寝ている。後でまた来てくれ」 
 
白井「………承知しましたの」 
 
白井「お姉様の食事のご心配なさらずとも黒子がご用意しているとお伝えくださいまし」 
 
ドア越しの会話 
白井の承知したの一言。その意味はケルベロスの言葉以外、それ以上のものも承知していた 
 
ケルベロス「分かった」 
 
367 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:51:15.90 ID:TvFjduPC0
ケルベロス「良かったのか?」 
 
御坂「………うん。もう暫くだけ……」 
 
 

 
寝返りを打ち、溜息を吐く 
 
 


 
一睡もしていない霞掛かった頭を更に鬣に埋める 
  
 
368 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:51:49.15 ID:TvFjduPC0
■第二十一学区 貯水ダム 仮設避難所■ 
 
麦野「おはよーさん」 
 
一方「……おォ」 
 
黄泉川「ちゃんと朝のあいさつしろって言ってるじゃんよ」 
 
一方「…おォ」 
 
麦野「寝てないわけ?」 
 
一方「……おォ」 
 
黄泉川「んじゃコイツほっといて飯でも取りに行くじゃん」 
 
一方「……おォ」 
 
麦野「駄目だなこいつ」 
 
369 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:52:38.85 ID:TvFjduPC0
 
鉄装「黄泉川先生ー」 
 
黄泉川「ん?」 
 
鉄装「警備員の本部から連絡入ってます」 
 
黄泉川「あー。はいはい今行くじゃん」 
 
麦野「飯取ってきといてあげるよ」 
 
黄泉川「助かるじゃん!」 
 
麦野「一人分も二人分も量は大して変わらないんだろうけどね……」 
 
370 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:53:18.47 ID:TvFjduPC0
■仮設避難所 食料配給所■ 
 
麦野「黄泉川って警備員とわたしの二人分」  
 
「………あ、お前…」 
 
麦野「結局まだ居たんだ」 
 
「まぁな……ちっとだけ悩んだけどな。ここで逃げたら何のための警備員なのかってな……」 
 
麦野「ふーん」 
 
「一応礼言っとくぜ」 
 
麦野「別にどうでもいいけど、早く注いでくれない?後ろも混んでるし」 
 
「っと。すまねぇな」 
 
麦野「さんきゅ。………あんたの選択は間違っちゃいないと思うよ」 
 
「へっ?」 
 
麦野「なんでもないよ。じゃあね」 
 
371 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:54:06.96 ID:TvFjduPC0
■第二十二学区 貯水ダム 仮設避難所 指揮車■ 
 
麦野「持ってきたよ」 
 
黄泉川「ありがと。そこ置いといてじゃん」 
 
麦野「食べないわけ?」 
 
黄泉川「ちょっと面倒事が出来たから。後で食べるじゃんよ」 
 
麦野「面倒事?」 
 
黄泉川「第十学区の原子力研究所が音信不通じゃんよ」 
 
麦野「それ。やばいんじゃないの!?」 
 
黄泉川「地震でシステムが実験炉を緊急停止してるのは確認してるんだが……」 
 
黄泉川「中の職員と誰も連絡が取れないじゃん」 
 
麦野「悪魔か……」 
 
黄泉川「おそらく…な」 
 
黄泉川「場所が場所なだけに早急に現場の状況を掌握したいところで…」 
 
麦野「問題あんの?」 
 
黄泉川「交通手段が空からのみっていうね……」 
  
麦野「何でよ?」 
 
黄泉川「地震で幹線道路が使えないのと。第十学区は今、武装蜂起が起きてるじゃん。ちょうどこの辺」 
 
麦野「どれどれ……?やっぱスキルアウト?」 
  
372 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:55:00.48 ID:TvFjduPC0
黄泉川「そう。悪魔を使って食料の強奪から、一般学生攫って仲間に引き入れてるじゃんよ」 
 
黄泉川「……そういった学生もうちらよりも頼りにしちまって、仲間になって勢力はうなぎ上りじゃんよ」 
 
麦野「確かに面倒な事になってるわね……」 
 
黄泉川「だから空から少数の先遣隊を送って、現場の把握をすることになったじゃん」 
 
麦野「それであんたが行くわけ?」 
 
黄泉川「まぁ。今ヘリが近くにあって身軽に動き回ってるのが私しかいないじゃんよ」 
 
黄泉川「というわけじゃん。ここに留まるならいいが、どこか行くなら誰かに頼んであげるじゃん」 
 
麦野「あれ?行かなくていいの?」 
 
黄泉川「流石に危険すぎるじゃんよ」 
 
一方「俺が行ってやンよ」 
 
373 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:56:13.30 ID:TvFjduPC0
麦野「起きたのかよ」 
 
一方「飯食って復活だぜ」 
 
麦野「いつ飯取りに行ったんだ………ってオイ…」 
 
一方「ごちそうさまでしたァ」 
 
麦野「わたしの飯食いやがったなァ!!テメェッ!!」 
 
一方「格下が人様の飯に手ェ出すからだよッ!自業自得だ糞アマァッ!!」 
 
麦野「ザっけんなこのインポ野郎がッ!!」 
  
左の拳を一方通行の顔面に叩き込む  
 
ゴギッ! 

一方「残ッ念!ビンビンなんですゥ!イク程痺れたかアバズレェ!!」 
  
374 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:56:44.19 ID:TvFjduPC0
一方「あン?」 
 
麦野「――チッ!マジでウゼェ能力だな……」 
 
一方「オイ。お前その腕……」 
 
麦野「何でもねーよ。息が臭ぇからしゃべんな」 
 
一方「……え?」 
 
黄泉川「ぶふっ!」 
 
一方「なッ…何笑ってやがンだ!?」 
 
黄泉川「ぃやっ…。お前のちょっとショック受けたっ。顔が面白くてなっ……くくくっ」 
 
一方「ハァ!?テメェそれでも教師かッ!?人のショック受けた顔笑ってンじゃねェよ!!」 
 
麦野「え?ショックだったの?」 
 
一方「インポとかより息がクセーって言われた方が誰だって気にすンだろォがッ!!馬鹿かテメェはッ!!」 
  
黄泉川「ハッハッハっっはははっあはははははは!」 

麦野「ちょっと笑いすぎだってっ。ぷふっ!わたしまでうつるじゃねぇか!!」 
 
一方「笑うンじゃねェよッ!!」 
 
麦野「ごめんごめん……。ぶはッ!無理だわ!ギャハハハハハハハ!!」 
 
黄泉川「あ〜あ。一方通行。別にあんた。普通じゃんよ。臭くない気にすることないじゃん」 
 
一方「……ッたりめェだッ!!」 
 
 
375 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:57:21.67 ID:TvFjduPC0
■第二十二学区 貯水ダム ヘリポート■ 
 
黄泉川「ほんとにいいじゃん?」 
 
麦野「いいよ別に。ここに居ても…ね」 
 
黄泉川「そうか…助かるじゃん」 
 
麦野「その代わり、第七学区の病院に寄り道してもらえると助かるわ。腕取り替えるから」 
 
黄泉川「構わないじゃん」 
 
一方「お前もついでにあいつらに顔見せてこいよ」 
 
黄泉川「ああ。じゃあヘリに乗るじゃん」 
 
一方通行 麦野沈利。警備員三名を乗せたヘリは一路、第七学区のとある病院へ向かう 
 
376 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 00:58:08.44 ID:TvFjduPC0
■第七学区 とある病院 外科病棟■ 
 
携帯の通話終了を押し。自分のデスクに置く初老の男 
 
冥土帰し「困ったね……」 
 
御坂妹「どうかしましたか?とミサカは今の電話が何か厄介事かと推測します」 
  
冥土帰し「この電話の注文は別に構わないんだけどね?聞いた街の状況が思ったよりも深刻なんだね?」 
 
御坂妹「今、避難民が溢れているこの病院よりも深刻な事があるのでしょうか?と御坂は暗に自分の仕事を減らす要求を試みます」 
 
冥土帰し「君の仕事。というよりも君が使う女神の仕事なんだろうけどね……」 
 
冥土帰し「深刻なのは。ライフラインが段々と消えつつあることだね?」 
  
御坂妹「…と言いますと?と御坂は先を促してみます」 
 
冥土帰し「災害から三日目にして食料の流通が麻痺を始めていることだね?この病院はまだなんとかなっているけど」 
 
冥土帰し「食料備蓄が豊富といっても、供給があって、提供も一定ならいんだけど」 
 
御坂妹「物流はストップし、外から負傷者と避難民が毎時間増えています、とミサカは端的に病院の状況を説明します」 
 
冥土帰し「そうなんだねぇ……」 
 
御坂妹「外の状況は……」 
 
冥土帰し「暴動が各地で起きている……。非常に痛ましいことだね?」 
 
バリバリバリバリ 
   
御坂妹「ヘリの音……」 

冥土帰し「もうご到着のようだね?君たちのお陰で楽をさせてもらっているけど。今から僕の仕事なんだね?」 
 
 
377 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:00:14.20 ID:TvFjduPC0
■とある病院 病室棟 旧一方通行の病室 現女子部屋■ 
 
黄泉川「そうか……。ここに十分な戦力があるなら問題ないじゃん」 
 
白井「ええ。綱渡りではありますが、犠牲者を出す事だけはなんとか免れていますの」
 
ドゥベの襲来からも、度重なる悪魔の襲撃に見舞われたが全て退けてきた 
能力者、警備員、悪魔使い 
戦力はあれどもその中で断トツの功績を上げているのが白井黒子だった  
御坂美琴が精神的戦闘不能に陥っている今 
彼女の露払いとしての矜持を掲げ。文字通り必殺の空間転移を遺憾なく発揮していた 
 
白井「わたくしも実験所のお手伝いをいたしましょうか?」 

黄泉川「いや大丈夫だろう。一方通行と麦野沈利。二人が同行してくれるじゃん」 
 
白井「そうでしたの。……お姉様はまだお心を痛めておいででして…」 
 
黄泉川「無理もない。私もその場に居た。自分とこの生徒だし。やるせないけど、あいつは目の前だったじゃん……」 
  
白井「お食事も取られず、わたくしもどうしていいか……」 
 
黄泉川「お前はお前にできることをやればいいじゃんよ」 
  
黄泉川「この状況じゃ誰だって助けて欲しい。でも自分で奮い立つことも大事じゃんよ」 

白井「……はい」
 
378 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:01:51.17 ID:TvFjduPC0
■とある病院 診察室■ 
 
冥土帰し「これはまた随分と派手に壊したんだね?」 
 
麦野「第一位をぶん殴っても平気な腕ないの?」 
 
冥土帰し「うーん。彼の反射のシステムに対応した作りにすれば、出来なくもないんだろうけどね?でも腕とは言えなくなるよ?」 
 
麦野「なんだよそりゃ」 
 
冥土返し「もしくは殴り方を返るかだね?」 
 
麦野「殴り方?」 
 
冥土帰し「一方通行の能力開発に携わっていた科学者のデータを、たまたま見た事があるからね?理屈は思ったより簡単だね?」 
 
麦野「どうやんのさ?」 
 
冥土帰し「それはね……………」 
 
379 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:02:21.63 ID:TvFjduPC0
■とある病院 霊安室■  
 
禁書「……今日ね。とうまを埋葬するんだって……」 
  
禁書「ちゃんとしたお墓も造れないけど、そのままにもしておけないからだって……」 

一方「そうか……」 
 
禁書「とうやとしいなにも連絡してあげないと……」 
 
禁書「まったく。とうまは死んじゃってもインデックスを困らせるんだよ……」 
 
一方「少し休め……」 
 
禁書「眠れないんだよ」 
 
一方「お前にはまだやらなきゃならねェことがあンだろォが。ここで立ち止まって倒れられたらこっちが危ねェンだよ」 
 
禁書「解読ならちゃんとやってるんだよ」 
 
禁書「今日の侵略者は禄存星なんだよ」 

一方「全部終わったのか?」 
 
禁書「まだなんだよ」 
 
一方「出現場所は?」 
 
禁書「そこまでは書かれてないかも……」 
 
一方「まァ敵の特性だけでも分かってりゃ助かるがな」 
 
禁書「気をつけてね?」 
 
一方「誰に向かって言ってンだっつの」 
 
出て行く一方通行 
 
 
 
 
 
禁書「やらなきゃならない事…か……。インデックスもこのままじゃいけないよね?とうま」 
 
 
 
 
 
380 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:02:53.90 ID:TvFjduPC0
■とある病院 ロビー■ 
 
一方「終わったかァ?」 
 
麦野「まぁね。ちょっと違和感あるけどすぐ馴れるわ」 
 
黄泉川「じゃあ行くじゃん」 
 
白井「お気をつけて」 
 
禁書「待って!」 
 
麦野「ん?」 
 
禁書「インデックスも行くんだよ!連れて行って欲しいんだよ!」 
 
黄泉川「危ないから連れていけないじゃんよ……」 
 
禁書「インデックスも何か。役に立ちたいんだよ!」 
 
一方「準備はそれでいいのかァ?」 
 
禁書「わたしはこの記憶さえあれば準備おーけーなんだよ」 
 
黄泉川「ッ!?おい」 
 
一方「こいつァその辺の雑魚よりも役に立つ。この奇天烈な世界の歩き方ってのを知ってやがるからなァ」 
 
麦野「ま。異議なしね」 
 
黄泉川「……うーん」 
  
381 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:03:21.35 ID:TvFjduPC0
ケルベロス「やっと見知った顔がいたか」 
 
白井「あらケルベロスさん。お姉様の具合はどうですの?」 
 
ケルベロス「……寝ている」 
 
白井「……そうですの」 
 
ケルベロス「白子だったな。御坂の食事を受け取りに来たのだが」 
 
白井「黒子、ですの。白井、黒子」 
 
ケルベロス「……すまん」 
 
白井「今すぐお持ち致しますの」 
 
382 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:04:09.79 ID:TvFjduPC0
禁書「短髪はどうしたの?」 
 
一方「三下が死んでショックなんだろうよ。責任感じて後追いかけるかもしンねェなァ」 
 
禁書「ッ!!」  
 
病棟の方へ駆け出す禁書目録 
 
一方「あっ!おい!!」 
 
麦野「わたししーらない」 
 
ケルベロス「――ッ!後を追うべきか!…しかし御坂から頼まれた食事が……」 
 
黄泉川「主人に忠実なのもいいけど、自分の思う様にするのもいいモンじゃん」 
 
ケルベロス「ぐむむ……。食事を持って急いで行くとしよう」 
 
黄泉川「病院の中は走っちゃ駄目じゃんよ?」 
 
ケルベロス「なん……だと……?」 
 
383 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:05:07.77 ID:TvFjduPC0
■とある病院 壁の壊れた病室■ 
 
バダンッ!  
 
御坂「………」 
 
禁書「……ハァ…ハァ…」 
 
御坂「…………何よ…」 
 
禁書「自分で命を絶つなんて駄目なんだよ!短髪」 
 
御坂「……はぁ?……いや。それもいいかもね」
 
禁書「せっかく生きてるのに。大事な命なのに…」 
 
御坂「お説教?あんたがシスターっての忘れてたわ」 
 
禁書「とうまだってそんなことして欲しいなんて思ってないんだよ」 
 
御坂「何が分かるのよ。あんたに」 
 
御坂「あんたにアイツの何が分かるってのよッ!!」 
  
バチンッ! 
 
御坂「――ッ!?」   
384 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:05:49.13 ID:TvFjduPC0
禁書「少なくとも、こんなとこでウジウジしてる短髪よりは分かってるつもりなんだよ!」 
   
御坂「目の前で死んだのよ!?あたしの目の前で!!」 
 
バチンッ! 
 
禁書「――ッ!だから何なのかな!?短髪のせいなの!?」 
 
御坂「そうよっ!あたしがもっと強ければっ―」 
 
禁書「誰でも!誰でも、どうしようもない時ってのはあるんだよ!!」 
 
バチッ! 
 
御坂「―ッ」 
 
禁書「誰でも…。ホントにどうしようもない時っていうのが……」 
 
御坂「だって……だって……あたしだって……」 
 
禁書「もう短髪は分かってるはずなんだよ…。でも納得いかないんだよね?」 
 
御坂「あたしは………あいつに赦されないわ……」 
 
禁書「赦されるんだよ。絶対。上条当麻はそんなに安い人間じゃないんだよ」
 
禁書「これは絶対なんだよ」  
 
御坂「あたしは………」 
 
385 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:07:06.98 ID:TvFjduPC0
■とある病院 ロビー■ 
 
白井「お姉様っ!」 
 
御坂「ごめん黒子。あたし…」 
 
白井「それ以上は仰らなくて結構ですの。黒子はいつでもお姉様のお傍にいますの」 
 
御坂「…ごめん」 
 
佐天「御坂さん!そういう時はありがとうですよ!」 
 
初春「そうですよ!」 
 
御坂「佐天さん…。初春さんも……。ごめんね」 
 
佐天「もー!だからっ!」 
 
御坂「あ。ごめん。ってまた言っちゃった。んんン!…ありがとうみんな」 
 
麦野「どういたしまして」 
 
御坂「ってあんたじゃないっての!」 
 
麦野「あん?あんた?」 
 
御坂「あ、麦野さん」 
 
麦野「大変よくできました。御坂も行くの?」 
 
御坂「どこに?」 
 
麦野「ちょっと危険な悪魔掃除よん」 
 
 
386 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:08:21.40 ID:TvFjduPC0
■輸送ヘリ■ 
 
ヘリの轟音で通常の会話が儘ならないので無線で会話を行う  
 
黄泉川「全体の見取り図は各自適当に頭に入れておいてじゃん」 
 
禁書「わたしなら見ただけで覚えるんだよ」 
 
黄泉川「そ、そうか。じゃあ頼む」 
  
一方「内部の状況はどーなってンだァ?」 
 
黄泉川「順に説明するから質問はその後にしろじゃん」 
 
一方「…クッ!」 
 
黄泉川「一応中と電話線は繋がってるが、常駐の警備員も所員も応答しない事から生存の可能性も危ぶまれる」 
 
黄泉川「わたしらは生存者がいた場合の救出。それと平行して実験炉が第三者によって動かせない様にシステムを完全に封印すること」 
 
黄泉川「この二点だけじゃん」 
 
黄泉川「システムの介入は鉄装がやるから問題はない」 
 
黄泉川「内部は非常用電源が正常ならエレベーターも使えるはずじゃん」 
 
黄泉川「質問は?」 
 
一方「建物の強度はァ?」 
 
黄泉川「?」 
 
麦野「悪魔が居て、うちらが戦っても平気かって意味じゃない?」 
 
黄泉川「ああ。普通のビルくらいだと思うが…お前らじゃ心許ないな」  
 
鉄装「実験炉の方向は常に意識しておいた方がいいかもしれませんね」 
 
黄泉川「それも含めてお前に頼む」 
 
禁書「わかったんだよ」 
 
『あと四分で現場到着します』 
 
黄泉川「よーし。聞いたな。各人準備に取り掛かるじゃん」 
 
387 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:09:04.83 ID:TvFjduPC0
■第十学区 原子力実験所■ 
 
黄泉川「先頭は一方通行。それから麦野御坂。インデックスと来てその両脇はわたしと鉄装で固めるじゃん」 
 
鉄装「あ、しまった」 
 
黄泉川「どうしたじゃん?」 
 
鉄装「携帯忘れちゃいましたぁ……」 
 
黄泉川「………」 
 
御坂「悪魔使ってるんですね」 
 
言いながらケルベロスを召喚する  
 
黄泉川「しょうがない。このまま行くぞ」 
 
388 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:10:01.43 ID:TvFjduPC0
■実験所 入り口■ 
 
一方「おい。暗えーンだけど」 
 
鉄装「電源がやられちゃったんでしょうか…」 
 
麦野「ライトは?」 
 
黄泉川「わたしと鉄装だけじゃん」 
 
一方「お前らは銃だからそんまま持ってろ。オリジナル、索敵だァ」 
 
御坂「言われなくてもやってるわよ」 
 
禁書「とりあえずこのまままっすぐなんだよ」 
 
麦野「さらばおひさままた会う日までってね……」 
 
御坂「次に見る太陽が待ち遠しいわね」 
 
389 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:10:48.27 ID:TvFjduPC0
  
 
そして…… 
 
390 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:13:31.26 ID:TvFjduPC0
くぎり
391 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:14:28.37 ID:TvFjduPC0
土御門「まぁいい。…次だ答えろ」 
 
アレイスター「まるで囚人に対する尋問だな…」 
 
土御門「そのなりからすれば遠からずだろう」  
 
アレイスター「ふふふ。違いない…」 
 
土御門「学園都市はどうなる」 
 
アレイスター「分からない」 
 
土御門「お前は神に試されていると言った。その試練の如何様で結末が決まるのだろう?」 
 
アレイスター「結果はそうだが。どの結果に到達するかは試練を突破したものの、意思次第」 
 
土御門「試練を突破する条件はなんだ」 
 
アレイスター「セプテントリオン。それら神からの侵略者全てを乗り越える事で道は開かれる」 
 
土御門「セプテントリオン?」 
 
アレイスター「北斗七星を意味する存在。それに准えた、その物かもしれないがな」 
  
土御門「それをどうしろと?」 
 
アレイスター「全て撃破すればいい」 
 
土御門「人間に可能なのか?」 
 
アレイスター「可とも不可ともだ」 
 
土御門「詳細を求めようか」 
 
アレイスター「これは人間の理屈と同じだ。相手の力量を上回れば可能」 
 
土御門「簡単ではなさそう…だな…」 
 
アレイスター「伊達に神の試練ではないからな」 
 
アレイスター「その為の悪魔召喚アプリだ…」 
  
392 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:15:16.64 ID:TvFjduPC0
おわり
393 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/01/22(火) 01:16:40.10 ID:TvFjduPC0
あけましておめでとう 
遅々とした更新ですが、コンゴトモヨロシク
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/22(火) 02:12:23.87 ID:p9NyBiMco
乙!投下待ってた!!
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/22(火) 02:45:43.69 ID:Ps56inaIO
2
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/22(火) 05:30:47.80 ID:/ftBXz1Q0
>>1乙 舞っていたよ。
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/24(木) 00:46:11.92 ID:aowlHumjo
FEとメガテンコラボか
最近のFEってポリゴンだよな
任天堂から金貰いつつ堂々とHD用悪魔ポリゴンが作れるな
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/26(土) 23:23:55.91 ID:Hs8zvo/O0
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/30(水) 00:14:08.44 ID:zTqHcB4i0
400 :カップメン :2013/02/08(金) 14:16:39.28 ID:g1k9noO60
乙、上条が死んだのは悲しいな・・・
あと、麦のんは木原神拳を覚えたのか??
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 05:30:05.76 ID:1WjD/vk9o

楽しく読ませてもらってますよ
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/22(金) 21:46:42.17 ID:/hA7vFUAO
続き待ってます!
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/24(日) 12:37:56.38 ID:NfxNVtvSO
そろそろ続きがあってもいいんじゃないですかね?
404 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:21:10.01 ID:w4k7bY9n0
■闇の中■ 
 
一方「俺に電撃浴びせ続けろ」 
 

御坂「え?」 

麦野「前からおかしいおかしいと思ってけど、やっぱりか。どこで頭のネジ落としたんだろうな」 

黄泉川「一方通行。お疲れさん。家帰ってネジ探すといいじゃんよ」 

禁書「あっ!ここに一個ネジ落ちてたんだよ!!」 

一方「おっ。俺のじゃねェし!つかガタガタうるせェンだよ!さっさとしやがれ格下がァ!」 
 
御坂「あたしは何も言ってないじゃないッ!」 

 
怒声と共に放たれる電撃は一方通行に直撃する 
普段能力使用時は自分に害を齎すものを反射に設定にしている為、この電撃も反射の対象であるが 
御坂に電撃が返ってくることは無く、一方通行の周囲を循環し続けていた 
 
雷光に闇が切り裂かれ、おぞましいピシャーチャの群れが晒される 
ソファーやテーブルがあることから応接広間なのだろうか 
少なくとも二十体程の幽鬼が駆け巡れる程度には広い 
今はこの悪魔たちの巣になっている様だが 
 
麦野「気持ち悪ィもん見せんなクソが!!」 
 
ピシャーチャ「ギィィィィィィィィィ!!」 
 
青い閃光が群れを断ち割り、壁を溶かし隣の部屋との新たな出入り口が生まれた 
 
405 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:21:39.50 ID:w4k7bY9n0
■原子力研究所 応接広間■ 
 
黄泉川「おいッ!気をつけろって言ったじゃんよ!」 
 
麦野「あちゃ〜」 
 
非常にデリケートな物がある以上、力の加減には重々注意されていたことを思い出し、麦野沈利は反省した 
 
禁書「ピシャーチャは火が弱点なんだよ。衝撃波は吸収しちゃうから禁物かも」 
 
視界良好となった空間で警備員の二人が迫る幽鬼を迎え撃ち、御坂が一方通行に電撃を放ち 
その電撃を一方通行が循環させ周囲を照らし、また幽鬼を焼き払う 
 
麦野(する事ないじゃない……) 
 
不満げながらも足を狙い、動きを止める 
 
黄泉川「もう少しだ。いけるか鉄装!?」 
 
鉄装「はいいぃぃ〜!」 
 
ケルベロス「奥の通路に何かいるぞ」 
 
一方「オラオラ索敵サボってンじゃねェぞォ!?」 
 
御坂「いっぺんに何でもできるかっつーのッ!!」 
 
禁書「レギオン…。その名の意味は軍団。あいつらの目を見ちゃ駄目なんだよ!」 
 
麦野「わたしの出番ある?」 
 
禁書「…効果抜群かも!」 
 
麦野「ッしゃぁ!!」 
 
力を収束した数個の蒼球が周囲に浮かぶ 
 
黄泉川「だから待てって言ってるじゃん!!」 
 
麦野「あっ…」 
 
一方「猪かテメェはァ!」 
 
禁書「原子炉は……あっちだから大丈夫なのかな?」 
 
麦野「問題ねぇだろ。いいか?ん?やるぞ?んン?」 
 
黄泉川「まぁ…たぶんいいと思うじゃん」 
 
荒れ狂う電撃の広間に入れず。停滞していたナニカの集合体の軍団を切り裂く 
破壊の光はそれだけに留まらずレギオンの後方の壁すら溶解させた 
 
406 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:22:08.00 ID:w4k7bY9n0
レギオン「イァァァァァァァァァ」 
 
二条。三条と光が貫いていくにつれ。金きり声の悪魔の断末魔が重なっていく 
 
麦野「そうなんだよ。こうじゃないと駄目なんだよ」 
 
麦野「わたしが撃ったら死ぬ。こうじゃねぇとおかしいんだよ!!」 
 
麦野「アハ。アハハ。ギャハハハハハハハ」  
 
美琴(……何がそんなに嬉しいのかしら) 
 
一方「引くわ」 
 
鉄装「悪魔がここにも…」 
 
ケルベロス「違うと分かってても納得してしまうな」 
 
万全の能力行使と手ごたえ。悪魔の絶叫がまるで麦野のソロコンサートへの惜しみない歓声に 
荒れ狂う電撃は万雷の拍手へと錯覚され恍惚とした表情に変わる 
 
麦野「ン〜〜〜!!気持ちいいィィ!!気持ちよすぎてイっちゃいそォだぜぇぇ!!」 
 
禁書「…へ、へんたいだったんだよ……」 
 
麦野のテンションとは逆方向へ向かうその他のテンションと悪魔の数 
死線の中。一人満面の笑みを浮かべるという誰にも出来ないことをやってのける麦野にシビレルあこがれる 
 
 
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/24(日) 22:22:34.86 ID:w4k7bY9n0
■研究所 非常階段■ 
 
禁書「制御室は二階なんだよ」 
 
一方「たく。この御時世に階段とはなァ…。この身体にゃ非常階段ってか非情階段だぜェ。なァ?」 
 
御坂「………」 
 
麦野「……」 
 
黄泉川「………」 
 
鉄装「……」 
 
ケルベロス「……」 
 
禁書「へ?」 
 
一方「あン?ガキにゃ難しかったかァ?常に非ずじゃなくて情が非ずって…」 
 
禁書「それはなんとなく分かったんだけど、何でそんなこと言ったのかなって思って…」 
 
一方「ギャグだ。オコチャマにはちとはえーな」 
 
禁書「うん。全然面白くないしあんまり上手くないかも」 
 
一方「ック…!」 
  
 
408 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:23:26.15 ID:w4k7bY9n0
黄泉川「それよりもまずは電源を復旧しないとな」 
 
鉄装「配電室ですかね」 
 
禁書「それはここじゃないんだよ」 
 
御坂「ここじゃない?」 
 
禁書「うん二つ建物があって隣の方の一階なんだよ」 
 
一方「なンだよめンどくせェな」 
 
黄泉川「悪魔がうろうろしているところで動き回るのは得策じゃないな」 
  
鉄装「連絡通路がありませんか?」 

禁書「地下と。四階なんだよ」 
 
御坂「ややこしい造りね」 
 
麦野「こういった場所はテロ対策でややこしく造ってんのよ」 
  
御坂「へー。そういえば放送局なんかもそうなってるって聞いたことあるわ」 
 
一方「攻め難し。救い難しだなァ」 
 
禁書「今のもギャグなのかな?」 
 
一方「ギャグじゃねェよ!深読みすンな!!」 
  
黄泉川「一方通行。ふざけてないでさっさと進むじゃん」  
 
一方「俺かよッ!?」 
  
鉄装「階段滑らない様、気をつけてくださいね」
 
麦野「笑いもスベらない様、気をつけてくださいって言ってあげるといいじゃない?」 
 
一方「うるせェよ!!」 
 
鉄装「言ったのは私じゃないですよ!?」 
 
麦野「言ったのはわたし。でも思ってるのはこの人も。おーけー?」 
 
鉄装「そ…!そんな!?」 
 
一方「くそったれッ!!」 
 
鉄装「…すみません」 
  
 

一方(否定しねェのかよ!!) 
409 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:24:08.69 ID:w4k7bY9n0
黄泉川「降りる時も列乱すなじゃん」 
 
ケルベロス「御坂。階段は危険だから自身の足で降りたほうが…」 
 
御坂「大丈夫よちゃんと掴まってるから」 
 
ケルベロス「……なるべく水平を維持…ッッできん!」 
 
禁書「跳んだんだよ」 
 
黄泉川「こら!列乱すなって言ってるじゃん」 
 
御坂「ごめんなさい」 
 
ケルベロス「済まん御坂…」 
 
一方「ギャハハ。怒られてやンのォ!ダッセェ!」 
 
鉄装「なんで嬉しそうなんですかね…彼。」 
 
黄泉川「はぁ〜」  
 
 
410 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:26:15.58 ID:w4k7bY9n0
■研究所 A棟地下一階■  
 
一方「おいババァ。鍵掛かってンぞ」 
 
黄泉川「壊していいじゃん。あと誰がババァじゃんよ」 
 
御坂「この辺りに悪魔はいないから開けていいわ」 
 
麦野「ほいっと」  
 
鉄装「すごい。ノブ周りがきれいさっぱりと…」 
 
一方「空き巣で似た手口があったらコイツ確定だなァ」 
 
麦野「空き巣なんかしねーよ。したとしてもその時は証拠残さない様に家ごと消して逃げるわ」 
 
御坂「あんたらね…」 
 
黄泉川「警備員の前でする会話じゃないじゃんよ」  
 
鉄装「あはは……」 
 
禁書「次曲がって左のドアの先から昇れるんだよ」
 
一方「へいへい」 
 
411 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:35:07.43 ID:w4k7bY9n0
■研究所 B棟一階■ 
 
御坂「ここの突き当たりの右に何かいるわね」 
 
禁書「配電室があるんだよ」 
 
黄泉川「人間か……?」 
 
御坂「………違うわ…。…この感覚は……」 
 
一方「あン?悪魔か?」 
 
麦野「もやしっこちょっと見て来なよ」 
 
鉄装「危ないですよ」  
 
ケルベロス「何か…臭くはないか?」 
 
鉄装「…スンスン。別になにも臭いませんけど」 
 
麦野「犬の嗅覚は人の一億倍とかなんとか」 
 
一方「にわか知識ひけらかしてンじゃねェよ」 
 
麦野「うるせぇよ。もやし。アンタ屁こいたんじゃないの?」 
 
一方「もやしって俺の事かァ!?そろそろぶっ殺されたいンですかねェ?」 
 
 
 
「……¢$ΨΨ」    
 
 
 
その場にあった携帯が一斉に着信を告げた。 
 
 
412 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:35:33.85 ID:w4k7bY9n0
御坂「セプテントリオン!!」 
 
麦野「フェクダだってさ」 
 
黄泉川「全員固まれ。一方通行は前方警戒じゃん」 
  
禁書「フェクダ。禄存星。迂闊に近寄っちゃ危ないんだよ!」 
  
鉄装「近寄ったらどうなるんです!?」  

慌しく緊張が走る一行の耳にギリッっと歯噛みする音が響く。 
 
御坂「ケルベロス走って!」 
 
命令に応えるより速く。魔獣が通路を駆ける。 
 
禁書「ダメッ!!」 
  
黄泉川「戻れッ!!」 

一方「あンの馬鹿がァ!」 
413 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:36:29.41 ID:w4k7bY9n0
御坂(許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない) 
 
存在を確認してから吹き上がる黒い感情。  
後方の制止もその耳に届くことは無く、駆ける。 
通路の角を曲がり。その姿を電磁波が正確に捉え、雷光を発し照らす。 
指輪の形状にごつごつと未加工の鉱物の様なものが付いている無機質な姿。 
 
御坂「さっさと退場してもらうわよ!!」 
 
コインを弾き。馬上ならぬ犬上から超電磁砲を撃つ。 
衝撃波が壁面を割り、音を置き去りにした弾丸は侵略者に突き刺さる事は無く消失した。 
 
御坂「効かない!?」 
 
フェクダ「ЩΘΘ」 
 
びしゃぁンと冷水を浴びた感覚に襲われる御坂とケルベロス。 
 
御坂「広範囲電撃!?」  
 
ケルベロス「グゥッ!」 
 
御坂「大丈夫?」 
 
ケルベロス「これくらいなら問題はない…。しかし…」 
 
御坂「あたしなら平気よ。一応後輩には常盤台の電撃姫なんて呼ばれてるんだから…」 
 
コインを再度弾く。 
 
御坂「ッね!」 
 
身体の芯まで響く轟音と衝撃が通路に広がるが、その弾丸はおろか、衝撃波すらフェクダに届くことはなかった。 
 
ケルベロス「御坂降りろ。我が行く」  
 
電撃の雨を突き抜ける矢の如く疾走し、剛爪を振るう。  
 
ケルベロス「通らぬかッ!」 
 
414 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:36:55.37 ID:w4k7bY9n0
フェクダ「Ю††」 
 
膨れ上がる暴風がケルベロスを襲うが、その身からは想像できない程の軽いステップで避わす。 
 
フェクダ「%бЩ ¢ΨΨж」 
 
フェクダから霧が滲みでて通路に広がる。 
 
ケルベロス「この臭いはさっきの!退がるぞ御坂。毒だ!」 
 
御坂「毒!?でも!」 
 
一方通行「退いてろォ!!」 
 
後方から一方通行が高速でフェクダに突撃する。 
一方通行の体当たりをものともせず、毒霧を噴出し続けるフェクダ。 
魔力を帯びた霧が一方通行の反射膜に触れ、虹色に輝き霧散する。 
 
一方通行「チィッ!魔術的なアレかよ。ッラァ!!」 
 
フェクダごと壁を破り、そのまま建物から出そうとするが、圧力が無効化され破れない。 
 
ケルベロス「乗れ御坂。霧が充満すれば命に関わる」 
 
一方通行「オリジナル!壁に穴開けろォ!」 
 
御坂「穴…」 
 
砂鉄や金属など、周囲に壁に穴を開けるに手ごろな物は無く。超電磁砲を使えば余波で自分も危うい。 
 
御坂「えっと……」 
 
一方通行「早くしやがれェェ!!」 
 
通路に青い一拍の閃光が走ったかと思えば、陽の光が差し込んでいた。 
 
415 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:37:27.58 ID:w4k7bY9n0
麦野「何をきゃんきゃん喚いてんだか。これでいいわけ?」 
 
御坂「あ……」 
 
主人の襟を銜えフェクダから距離を取るケルベロス。 
 
一方通行「上等だァ格下ァ!」 
 
フェクダを両手で掴み。自身の身体ごと外へ跳躍する。 
 
禁書「フェクダは今何をしても無駄なんだよ!」 
 
外へ飛び出した一方通行へ警告の言葉を掛ける禁書目録。 
 
黄泉川「どうやって倒すじゃんよ?」 
 
禁書「二つに分裂したら同時にやっつけるんだよ」 
 
鉄装「あれが増えるの?」 
 
禁書「そのままのが二つになるんじゃなくて、なんていうのかな。特性が二分される?」 
 
禁書「物質特化の甲と魔術特化の乙なのかな?」 
 
黄泉川「随分曖昧じゃんよ」 
 
禁書「むー。仕方ないんだよ」 
 
禁書「法の書の解読手順はすごいシビアだし、一個飛ばしただけでも意味が変わってくるんだよ」 
 
禁書「逆にここまでできてるのを褒めてほしいかも!」 
 
黄泉川「あー。はいはい。鉄装アレはあいつらに任せて今の内に配電室に行くじゃん」 
 
鉄装「はい!」 
416 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:37:55.35 ID:w4k7bY9n0
■実験場 外■ 
 
一方「この腐れ野郎ホントに堪えてねェな」 
 
禁書「今は耐え忍ぶ時なんだよー!!」 
 
離れたところから禁書目録が声を張り上げ、忠告する。 
 
御坂「大して強くはないんだけど、こっちの攻撃が通らないってのが厄介なのよね」 
 
麦野「ホント。ストレス溜まるわ」 
  
御坂「同意するわ」 
 
麦野「浮かない顔してんじゃねぇよ」 
 
御坂「別に……」 
 
麦野「別に何?」 
 
御坂「あんたには関係ないでしょ」 
 
麦野「関係オオアリなんだよ。一緒に戦ってんのに、んなツラされてたらテンション上がらねぇよ」 
 
御坂「あんたの勝手じゃない」 
 
麦野「それ二回目」 
 
御坂「何がよ」 
 
麦野「あんたって言うなっつっただろ。若年健忘症かてめぇ」 
 
御坂「……ごめん」 
 
麦野「イライラすんのは分かるけど、なんでシケた顔してんのよ」 
 
御坂「そんなつもりはないんだけど……。なんかあたし咄嗟に役に立てないな、とか思ったり」 
 
麦野「?。意味わかんないんだけど?」 
  
417 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:38:24.77 ID:w4k7bY9n0
御坂「さっき一方通行が居なかったら、あたし毒にやられていたかもしれないし。麦野さんが居なかったらフェクダを外に出せないまま通路に毒が充満してただろうし……」 
 
御坂「何していいか分からなくてオロオロしてた自分が恥ずかしくて……」 
 
麦野「そんなことかよ」 
 
御坂「そんな言い方ッ!」 
 
麦野「勘違いすんな。わたしも第一位も御坂とは全然違う生き方してんだ」 
 
麦野「暗部っての……、何となく分かってるだろうけど。一歩間違えたら簡単に内臓ぶちまけてくたばる糞みてぇな世界さ」 
 
麦野「潜った死線の数も、経験も違うんだから仕方ないことなのさ」 
 
御坂「そうかな……」 
 
麦野「明るい表の世界歩いて生きてきたお嬢様に簡単にできて堪るかって話よ」 
 
御坂「むっ!あたしだってそれなりにっ!」 
 
麦野「あぁ。それなりなのさ。代償払うまで行かなきゃわたしの話は分からねぇよ」 
 
麦野「よっ…と。……こういうふうにな」 
  
御坂「――ちょっ!?」 

外された義眼と空洞の眼孔に息を飲む御坂。 
 
418 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:38:53.00 ID:w4k7bY9n0
麦野「左手もこれ作り物なんだよ。わたしだけじゃない。第一位だって代償を払ってるだろ」 
 
麦野「そういう生き方してきて、今の自分があるわけ」 
 
麦野「だから御坂。あんたは出来なくて当然だし。出来なくていいんだよ」 
 
御坂「そんなんでいいのかな……」 
 
麦野「そんなんでいいんだよ。背伸びすんのは転び方上手くなってからにしときな」 
 
御坂「もう。子ども扱いしないでよね!」 
 
麦野「その代わり自分の譲れないところはしっかりしな」   
   
御坂「…うん。そうね」 
 
 
 
  

御坂「麦野さん。あたしに殺し方を教えて」 
 
 
 
419 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:39:44.35 ID:w4k7bY9n0
麦野「は?殺し方…?」
  
御坂「うん。色んな段取りとか判断なんかは経験が無いと身に付かないだろうけど攻撃ならなんとかならないかなって」 
 
麦野「あぁ。あいつらや悪魔みたいな奴ね。御坂が人殺しに目覚めたかと思ったにゃん」 
 
御坂「そんな分けないじゃない!」 
 
麦野「つか教えるも何も、何が知りたいんだよ。攻撃相性さえ合えば十分通用してるだろ」 
 
御坂「えーっと。……何ていえばいいんだろ。麦野さんとあたしの攻撃って根本がなんか違う様な気がするのよね」 
  
御坂「性質とか属性とかじゃなくて、何ていえばいいのかな」 
 
ケルベロス「殺気だろうな」 
 
420 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:40:24.66 ID:w4k7bY9n0
御坂「殺気?」 

麦野「あー。なるほどね」 
  
ケルベロス「麦野の業には須らく殺意がある。片や御坂にはそれが薄い」 
 
麦野「御坂は攻撃する時って何考えてる?」 
 
御坂「あんまり考えてないかも?」 
 
麦野「そうね。質問変えるわ。攻撃した時、声を出したならなんて言ってそう?」 
 
御坂「えいっ。とかくらえっ!とか?」 
 
麦野「イメージは?その攻撃は相手にどうなってる?どうしてる?」 
 
御坂「当たってる」 
 
麦野「わたしはね。死ね。殺すって声になるかな。能力なら身体に穴が開いてるし。顔面殴るなら顔面が潰れるとこイメージして殴る」
  
麦野「相対した時点で。自分がぐちゃぐちゃになった敵の死体見下ろすイメージをするわね」 
 
御坂「そこまでするの……」
 
麦野「殺し合いだからね。先に殺した方が勝ちなのよ。試合だったら一点とればいいけど殺し合いは命をとらなきゃ」 
 
麦野「そんで命取られたら終了。再戦も糞もないの。だから必死になるわけ」 
 
麦野「絶対妥協するな。攻撃する時は壁ぶち破るくらい突き抜けて力を振るうのよ」 
 
御坂「なるほど」 
 
麦野「ちょうどそこに手頃なのがいるじゃない」 
 
 
421 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:41:37.34 ID:w4k7bY9n0

麦野「おい。一方通行」 
 
一方「気安く呼んでンじゃねェよ。格下がァ」
 
麦野「お嬢様がそいつ殺したくてウズウズしてるから殺らせてやりなよ」 
  
一方「はァ?」
 
フェクダ「†Ψ Ψ○‡」 
 
魔力を帯びた毒霧は一方通行が空気に能力干渉している為、遠くへと流される。 
範囲雷撃も第三位の力で当たる事はなかった。 
 
フェクダ「ЩЩ¢ $ΨΨ」 
 
ばしゅっとリング状の身体が、二つに分かれ、フェクダを掴んでいた一方通行が踏鞴を踏む。 
 
禁書「今なんだよ!左が物理弱点で、右が火炎、氷結、衝撃、電撃弱点なんだよ!」 
   
麦野「第一位。あんた物理の方抑えてな。殺すなよ」 

一方「……めんどくせェ」 
 
麦野「ほら御坂。もやしがバテないうちにやりな」 
 
御坂「う、うん」 
 
フェクダの半身が、もう半身を押さえている一方通行へ攻撃を仕掛けるが反射される。 
 
422 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:44:57.51 ID:w4k7bY9n0
御坂「殺す、殺す、殺す、殺す、殺す」 
 
麦野(なんかやばい奴みたいだにゃ……) 

額から電撃と殺意が生み出され右手で掴み大きく振りかぶり、雷撃の槍をフェクダへ投擲する。 
槍はフェクダを貫きダメージを与える。 
 
御坂「通った!」 
 
麦野「まだ殺してねェ!気を抜くなッ!!」 
 
御坂「ッ!」 
 
423 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:46:07.85 ID:w4k7bY9n0
麦野の叱責に気を締めなおし、再度演算を展開する。
  
バチバチ 
 
御坂(もっと強く。速く。大きい力を。セプテントリオン。貫いて。焦がして。殺す。……上条当麻の仇) 
 
ばぢばぢばぢばぢばぢばぢばぢばぢばぢ 
 
御坂「ウわぁぁぁぁぁぁああああああああああッッ!!」 
 
強く爆ぜる雷撃をもう一度投げる。 
 
フェクダ「Ψи% ££!!」 
 
初撃よりも鋭く、重みのある電撃がフェクダを焼き。虚空へ消失させた。 
 
御坂「やった……」 
 
麦野「今のよかったわよ。次は捕らわれのもやしを救わないとね」 
 
御坂「超電磁砲じゃ一方通行に当たった時が危ないわね。ならこれでっ!」 
 
研究所のアスファルト路面を割って、大量の砂鉄が間欠泉の如く噴出す。 
 
424 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:46:36.17 ID:w4k7bY9n0
御坂(強い形。殺す形。一方通行を避けてフェクダを斬る形) 
 
砂鉄がざわめき、形を変える。二十メートル上空で鎌首を擡げた、ギロチンの刃。 
 
一方「もっと上手くコントロールしろォ。砂鉄が落ちて来てンぞ」  
 
表面が高速振動を始め、自分の運命を悟ったフェクダが激しく暴れ始める。 
 
一方「チィッ!暴れんじゃねェ!」 
 
御坂(もっと鋭く、振動数を上げて。一気に落としてッ!殺すッ!!) 
 
 
 
 
ざんっ! 
 
 
 
 
425 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 22:47:02.31 ID:w4k7bY9n0
◆生存安価 一方通行◆ 
  
一方通行  
コンマ00-78 生存 
   79-99 死亡  
 
生存率78% 
 
+2
 
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:51:10.10 ID:9mdLTzRR0
イキロ
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:53:27.92 ID:EjrAdmik0
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:54:43.29 ID:mjgNpT5t0
うわあああああああああ
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:56:00.84 ID:9mdLTzRR0
生存78%で死ぬとか…
てか一通死亡とかほぼ詰みじゃないか?
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/24(日) 22:58:34.80 ID:EjrAdmik0
土下座して謝ります ごめんっ
431 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/24(日) 23:02:57.79 ID:w4k7bY9n0
  /'           !   ━━┓┃┃
-‐'―ニ二二二二ニ>ヽ、    ┃   ━━━━━━━━
ァ   /,,ィ=-;;,,, , ,,_ ト-、 )    ┃               ┃┃┃
'   Y  ー==j 〈,,二,゙ !  )    。                  ┛
ゝ.  {、  - ,. ヾ "^ }  } ゚ 。
   )  ,. ‘-,,'   ≦ 三  
ゞ, ∧ヾ  ゝ'゚       ≦ 三 ゚。 ゚
'=-/ ヽ゚ 。≧         三 ==-
/ |ヽ  \-ァ,          ≧=- 。
  ! \  イレ,、         >三  。゚ ・ ゚
  |   >≦`Vヾ        ヾ ≧
  〉 ,く 。゚ /。・イハ 、、     `ミ 。 ゚ 。 ・
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/24(日) 23:14:33.14 ID:+ldwSs2bo
この流れで死ぬって……美琴の誤爆なのか?
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/24(日) 23:17:40.44 ID:NfxNVtvSO
>>1の舵取に注目
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/25(月) 01:37:00.95 ID:E8kFOu5J0
ぎゃあああああ
一方さんんんnみこっちゃあああんん
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/25(月) 11:35:30.27 ID:8IzHnFVao
安価とはかくも恐ろしきものか…
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/25(月) 21:55:22.39 ID:atuvT8BIO
どうすんだよこれ
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 21:47:47.87 ID:ZktG1zSIO
なんでここでダイスなんだよ…


超面白くなってきた
438 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/27(水) 15:42:34.31 ID:Uk7JoFto0
 
 
 
――黄泉川達が研究所の闇の中へ潜った頃―― 
 
 
 
439 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/27(水) 15:43:02.74 ID:Uk7JoFto0
 
   
■とある病院 女子大部屋■ 
  
ヤリーロとリリム。どちらが打ち止めの昼食の世話をするかという不毛極まりない争いをし。 
芳川がベッドに横になり病院から借りたシリーズものミステリー小説の四巻を読んでしばらくし。 
打ち止めが争う二人の悪魔をBGMにミサカネットワークから世界の情報と妹達の安否確認をしている時。 
 
 
 
 
芳川と打ち止めの携帯が同時に鳴った。 
 
 
 
 
横目でちらっと見て、携帯を手に取る芳川。 
 
 
あまり鳴ることの無い携帯が鳴り、誰からだろうか。あの人だろうか。憶測を頭に並べながら開く打ち止め。 
 
 
 
 
440 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/27(水) 15:43:39.61 ID:Uk7JoFto0
 
 
 
 
 
その二人にとって残酷の二文字すら軽いと感じる動画が配信される。 
 
 
 
 
  
 
 
 
――死に顔動画 
 
 
  
 
441 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/27(水) 15:44:08.68 ID:Uk7JoFto0
  
打ち止め「あ。あの人だ!」 
 
 
唐突に映されたフェクダ戦。 
 
暴れる二分したフェクダを巧みに抑え込む一方通行。 
 
御坂の能力だろうか、黒く巨大な蛇を思わせる何か。特筆するなら頭部が重く、死を連想させるギロチンの刃。 
 
それが鎌首を擡げ。フェクダに狙いを定めている。 
 
さらに暴れるフェクダ。 
 
それを抑えようとする一方通行。 
 
振り落とされる断罪の刃。 
 
御坂美琴の思いを込めた一撃。殺意を込めた一撃。上条当麻の仇を討つ万感の一撃。 
 
フェクダのリング状の身体が回転をし、一方通行が持ち上げられた。 
 
一方通行も巻き添えにしようとしたのだろうか。刃の直下上に彼の身体が持ってこられる。 
 
当の本人に焦りは全く無かった。 
 
その能力で反射される為、砂鉄の刃は散らされ。返る力は地面。何も問題は無かったはずだった。 
 
 
442 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/27(水) 15:45:07.18 ID:Uk7JoFto0

 
  
  
 
 

 
 

 
―――御坂美琴が 一方通行に 触れる直前で その刃を 引き戻さなければ 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 15:45:32.14 ID:U2H1LyvTo
投下キタァ!!
444 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/27(水) 15:46:09.25 ID:Uk7JoFto0
芳川「打ち止め見ちゃ駄目ッ!!」 
 
 
動画の内容を自分の携帯で把握した芳川が、普段から想像できない速さで打ち止めの携帯を奪う。 
奪われたことにも気付いてないのか。そのまま呆然と佇む打ち止め。 
  
ヤリーロ「なんや。どないしたん?」 
 
リリム「打ち止め様ー?」 
 
異常に気付いた悪魔達が訝しげにこちらへ来る。 
リリムが打ち止めの顔を覗き込み、手をひらひらさせるが、心ここに在らずといった感じだった。 
  
ヤリーロ「なに?あんたなんかしたん?」 
 
芳川「黙ってて!!」 
 
ヤリーロ「お、おう。なんやえらい剣幕やな。別にビビッてへんで?ただ普段静かーなやつがやな……」 
 
白い幻魔の一人言を無視し、携帯のメモリーを呼びだし。掛ける。 
 
『おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか……』 
 
芳川「なんででないのよッ!!」 
 
再度掛けるが同じアナウンスが流れるのみ。 
この時一行は実験棟の最奥の携帯電波圏内。応接広間に居たが。 
同時に荒れ狂う雷の中でもあった。電波など届くはずもない。  
これから先は壁の厚みが増し。且つ施設の性質上、密閉された空間になる。 
 
445 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/27(水) 15:47:08.84 ID:Uk7JoFto0
 
 
芳川「打ち止め……」 
 
 
奪い取った携帯も、アナウンスを繰り返す携帯もベッドに投げ捨て、固まったままの打ち止めを抱いた。 
 
強く抱き寄せ。大丈夫だからと言い聞かせる。 
 
 
 
……した 
  
 

芳川「え?」 
 
  
打ち止め「……の人を殺した」 
 

呟きの意味を理解した芳川は唇を噛み、さらに強く抱く。 
 
 
 
打ち止め「お姉様があの人を殺した。……お姉様があの人を殺した」 
 
 
 
 
お姉様があの人を殺した。 
 
 
 
 
延々と続く呪詛の様に広い病室に木霊する少女の声。 
 
 
 
446 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/27(水) 15:47:47.19 ID:Uk7JoFto0
 
  
  

 
 

 
これで終わりではなかった。 
  
 
 
 
 
 
 
奪い取った携帯はさらに残酷な結末が再生されていた。 
 
 
 
 
 
 
447 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/02/27(水) 15:48:15.40 ID:Uk7JoFto0
くぎり 
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 18:03:08.99 ID:ifgitKch0
御坂が砂鉄操るときに電磁波撒き散らして、そのせいで電波障害でも
起きたのかと思ったらッ……!

というか第3位と第4位だけで大丈夫なのか。
常識無視の第2位とか根性で復活すら果たしそうなナンバーセブンとか……出てこないかぁ。
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 18:09:39.86 ID:9xewF3YA0
御坂も打ち止めに○されエンドあるで
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 20:11:25.23 ID:wKBklKc+o
……美琴は攻撃を止めようとしたんだよね?
わざとじゃないよね……?
木原神拳の理屈なんて知らないよね?
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/28(木) 00:31:18.02 ID:jlXKJHzo0
ああああ…
安価はしゃーないな
こうなると美琴がどうなるのか…
452 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:26:36.11 ID:k2xRWl2u0
■第十学区 原子力研究所 屋外■ 
  

寸でのところで引き止めたはずだったのに。 
 
 
どうして? 
 
 
その文字だけが頭いっぱいふわふわ浮いてる。 
 
 
止めたと思ったのはあたしの勘違いだったの? 
 
 
今、思えばこの世の物理法則を自分の意思で操作できる第一位に対して、そういった行動は無意味だと思い出した。 
 
 
以前のあたしなら躊躇わずに砂鉄の刃を落としただろう。 
 
  
生きようが死のうが一方通行の自業自得だとばかりに。 
 

でも芳川さんから話を聞いた今は、反射的に止めてしまった。。 
 
 
一方通行の口から訊きたかった。 
 
 
あの実験に対して、本当はどう思っていたのか。 
 
 
理由を訊きたかった。そして納得したかった。 
 
 
許す事は出来なくても、理解したかった。 
 
 
アイツの事があって頭ぐしゃぐしゃになって、哀しくて寂しくて、悔しくて嫌になって。 
 
 
その機会が無かった。 
 
 
ただそれだけだった。 
 
 
そしてこれ? 
 
453 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:27:18.91 ID:k2xRWl2u0
時間がゆっくりに感じる。 
 
 
麦野さんとケルベロスが何か言ってる。 
 
 
怒ってるのかな。 
 
 
ごめんよく聞こえない。 
 
 
がたがた音がして聞こえない。 
 
 
あたしの身体が震えてるのかな。 
 
 
それとも頑張って築き上げた『自分だけの現実』が壊れる音なのかな。 
  
 
どっちもかもしれない。 
 
 
だから何も聞こえない。 
 
 
 
だから何も聞きたくない。 
 
  

 
あたしが人を殺したなんて。 
  

 
あたしを壊さないで。 
 
 
 
454 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:28:38.25 ID:k2xRWl2u0
麦野「まじかよ……」 
 
全身の力が抜ける気がした。 
御坂の攻撃は一方通行に触れることはなかった。 
 
この事態はそれが仇になった。 
 
麦野は先刻、冥土帰しから病院で聞いたばかりの一方通行攻略情報を思い出す。 
 
麦野(うさんくさいと思ったけど、なんてこった……マジだったのかよ……) 
 
一方通行が展開している反射膜に触れると同時に引き戻す。 
そのまま突破しようと試みても一方通行のに反射されるが。 
引き戻すことによって、戻る力を反射してしまい。力は一方通行の方へと向かう事になる。 
高速で落とされた超重量の鉄の刃はそのままの威力で、一方通行ごとフェクダを真っ二つにした。 
 
麦野「……おい、御坂」 
 
言葉が返ってこない。 
 
麦野「おい?」 
 
振り向くと、全身をカタカタと震わせ、放心している御坂の姿が映る。 
 
麦野「しっかりしろ!おいっ!こりゃ事故だ!!」 
 
ケルベロス「御坂!気をしっかり持て!!」 
 
肩を掴み揺する。 
 
ふと違和感。 
大腿部を伝い、足元に小さな水溜りが出来ているのに気付く。 
 
麦野「ションベン漏らしてる場合じゃねぇんだよクソガキッ!聞いてんのか!!わたしがテメェの放尿シーン見て喜ぶとでも思ったかァ!?」 
 
乱暴に揺するが返答がない。 
 
 
 
禁書「まだ生きてるんだよ!!」 
 
 
後ろで純白のシスターが叫んだ。 
 
455 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:29:22.09 ID:k2xRWl2u0
一方「ッッッッ。クォッッッ」 
  
禁書「急いで手当てしないと死んじゃうんだよ!」 

麦野「…どうしろってんだよ………」 
 
左腕部から下。心臓下三センチから右斜め下へ綺麗な断面が見える。 
三メートル先にある一方通行の下半身からは流れる血液が赤のペンキを零したように広がっていく。 
だが上半身から流れる血液は少量だった。 
一方通行は残った右手を自分の胸に当て声にならない声で呻いている。 
 
麦野「こいつ自分の身体を……」 
 
飛び出した血液が能力によって別の血管へ入っていく。 
規則正しく。何事も無かった様に血液循環が行われている。 
半身切り取られた状況で、精密な演算を行い。実行する。 
学園都市の第一位は正真正銘の化け物だった。 
 
禁書「ああ、どうしよう……」 
 
麦野「離れてなよ」 
 
言葉と同時に麦野のしなやかな右手に光が灯る。 
  
456 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:29:49.53 ID:k2xRWl2u0
麦野「オラ!聞こえてるか第一位!今からテメェの断面『原子崩し』で焼いてやる!反射OFFにしとけ!反射になってたらぶん殴るからな」 
 
麦野「分かったらわたしを見て馬鹿みてぇに何度も頷け」 
 
普段放つ力では消し去って仕舞いかねず。力を抑え手のひらに集中させる。 
 
一方通行が二度頷いた。 
 
そして一方通行の断面へ押し当てる。 
 
一方「ッッガァァァァァァァァァッッ!!!!!」 
 
肉と血と脂の焼ける生々しい臭いに眉を顰める麦野。 
 
麦野「黙ってろってのうるせえ。力加減ミスってテメェごと辺り一面焼き飛ばしちまいそうだ」 
 
禁書「頑張って!絶対生きるんだよ!!」 
 
一方「ッッふゥー。ッふゥー」 
 
 
 
黄泉川「一方通行!!」 
 
 
役者が揃い、死に顔動画の結末が始まった。 
 
 
457 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:30:32.50 ID:k2xRWl2u0
背中を押された感じがしたのは覚えてる。 
 
 
気付いたら無様に地面に這い蹲って虫の息だった。  
 
  
何が起こったのかさっぱり分からなかったが、一拍してオリジナルの攻撃だと分かった。 
 
 
格下のガキが木原と同じ事をしてくれるとは恐れ入る。 
 
 
それが偶然にしろ、故意にしろだ。 
 
 
まァ。俺を散々恨ンでるだろうからスッキリしただろ? 
 
 
くっそ痛ェなしかし。下半身ぶっとンでンじゃねェかよ。 
 
  
身体中の血液。と言っても半分以上無ェわけだが。能力で漏れない様循環させる。
  
  
第四位が面食らってやがるな。 
 
 
麦野「オラ!聞こえてるか第一位!今からテメェの断面『原子崩し』で焼いてやる!反射OFFにしとけ!反射になってたらぶん殴るからな」 
 
麦野「分かったらわたしを見て馬鹿みてぇに何度も頷け」 
  
 
458 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:31:36.41 ID:k2xRWl2u0
あン?反射なンてやってる暇ねェよ。馬鹿はテメェだアバズレが。 
 
 
ムカツク事に。現状を鑑みてこいつの力に頼るしか道が無さそうだってのが殊更腹が立つ。 
 
 
やべ。余計な事考えて少し演算ミスったじゃねェか。血が足りねェってのに。 
 
 
頭をクリアに。感情をクリアに。でもムカツクから二回だけ頷いてやった。 
 
 
ッッッッッいてェなんてもんじゃねェだろクソバカアホふざけんなッッッ。 
 
 
せめて「いきますよー」とかなんとか言えよカス。 
 
 
巷で聞く歯医者の方が百兆倍良心的だぜ。 
 
  
因みに痛かったら手上げればいいのか?オイ。 
 
 
手上げたら死ぬけど。 
  

麦野「黙ってろってのうるせえ。力加減ミスってテメェごと辺り一面焼き飛ばしちまいそうだ」 
 
 
すンませェン。 
 
  
禁書「頑張って!絶対生きるんだよ!!」 
 
 
当たり前だっつーの。俺を誰だと思ってやがンだ。 
 
  
黄泉川「一方通行!!」 
 
 
またこりゃうるせェのがご到着だ。 
459 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:32:19.97 ID:k2xRWl2u0
なんてツラしてンだ黄泉川。 
 
 
クソガキが見たら不安がってビービー泣いちまうだろォが。 
 
 
テメェはクソガキの保護者なンだからしっかりしてくれや。 
 
 
あー。俺の保護者でもあったか。 
 
 
過保護ババァが。 
 
 
テメェのガキが出来たらどンな甘ちゃん教育になるか見物だぜ。 
 
 
ガキにはとことん甘ェからなこいつは。 
 
 
もう一人のババァは自分にとことん甘ェが。 
 
 
さっさと芳川とその面倒みる性格。何とかしねェと行き送れが行き損ないになンぞ。 
 
 
黄泉川「一方通行。大丈夫じゃん!?」 
 
 
大丈夫な訳ねェだろ。 
 
 
そこ見てみろ。俺の下半身だぞあれ。 
 
 
凡人なら即死なんですけど、分かりますかねェ?その脳筋で。 
 
 
黄泉川「ヘリを呼んだ。すぐに運ぶじゃんよ」 
 
 
可及的速やかにそうしてくれや。 
 
 
あと持ち上げるのはいいけど、揺らすな。色々とズレる。 
 
 
460 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:33:25.13 ID:k2xRWl2u0
麦野「御坂。一旦戻るよ」 
 
 
? 
 
 
おいおいおいおい。そうじゃねェだろテメェは。 
 
 
この俺、学園都市第一位の一方通行様の胴体真っ二つなんて偉業を成し遂げたンだぜ? 
 
 
悲願達成の感動で嬉ションって訳じゃなさそうだなァ。 
 
 
鉄装「私がこの子連れて行きます」 
 
 
麦野「犬は第一位の足持って来い」 
 
 
ちょっ、やめろ。犬とか雑菌だらけだろォが。 
 
 
そして糞犬。ご主人以外の命令素直に聞いてンじゃねェよ。 
 
 
鉄装「ほら。急ぎますよ」 
 
 
夏は俺を殺す気満々だった奴がどォいう心境の変化だっつーの。 
   

ひと夏の殺意ってかァ? 
 
 
時間があんま無ェンだから急ぎやがれ。 
 
 
461 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:34:52.77 ID:k2xRWl2u0
 
黄泉川「こんな時にッ!」 
 
麦野「わたしが行く。第一位持ってな」 
 
 
外壁の裂け目から悪魔が踊りだしてきた。 
一方通行を黄泉川に預け、電子線で薙ぎ払う。  
 
 
黄泉川「ヘリがもうすぐそこまで来てるじゃん!」 
 
麦野「殿につくからとっとと走れ!わたしに抜かれたら纏めて消すからな」 
 
禁書「へりが見えたんだよ!!」 
 
キューン 
 
鉄装「早くっ。早く!」 
 
御坂「………」 
 
麦野「後ろは問題無ぇ。周囲警戒しっかりしろよ!?」 
 
黄泉川「周囲クリア!乗り込むぞ!!」 
 
鉄装「黄泉川先生ッッ!!」 
 
黄泉川「何じゃん鉄装!?」 
 
鉄装「血が……」 
 
鉄装の力が抜ける。 
 
その肩からするりと。御坂がその場にへたり込む姿勢になった。 
 
462 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:35:31.38 ID:k2xRWl2u0
だらりと垂れ下がった一方通行の右手。 
 
焼き付けた断面がひどく鬱血し腫れ上がっている。 
 
 
黄泉川「しまった!バッテリーかッ!!」 
 
麦野「何?死んだのか?」 
  
御坂の身体がビクっと震える。 
 
黄泉川「いや。こいつは脳を損傷してて言語、演算機能失われてるじゃん」 
 
黄泉川「補助機があって何とかなってるだけだが、これじゃ持たないじゃん」 
 
463 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:36:22.80 ID:k2xRWl2u0
一方「…ァ……」 
 

パイロット「ヒィッ!」 
 
 
黄泉川「しゃべるな一方通行!ヘリを急いで飛ばせ!!」  
 
 
レギオン「ォォァアアアアアアアア」 
 
 
パイロット「あ…あぁ……」 
 
 
黄泉川「パイロットが石にっ?……クソぉ!!」 
 
 
麦野「警戒してろっつっただろぉがよ!何してんだボケ!」 
 
 
鉄装「だってこの子が!!」 
 
 
禁書「短髪!早く立ち上がるんだよ!!」 
 
 
御坂「………」 
  
 
464 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:37:18.71 ID:k2xRWl2u0

 
麦野がヘリから飛び出し。悪魔を殺して石化したパイロットを引き降ろす。 
 
  
 
禁書目録が動かない御坂の手を引っ張り。 
 
   

鉄装が一方通行の容態を診るが、何も出来ず、だが必死にオロオロして。 
 
 
 
黄泉川がヘリの操縦をする為にその身を操縦席に進めようとした時。
  
 
 

混沌とした舞台に、囁きに似た微かな音。 
 
 
黄泉川の裾を掴み。しっかりとした言葉が紡がれる。 
 
465 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:37:52.60 ID:k2xRWl2u0
俺史上最高にやべェ展開だ。 
 
 
死ってのがすぐそこまで来てやがる。 
 
 
質量を持ってンのかと勘違いしちまうくれェの深淵。 
 
 
ゆっくりと何にもねェ空間に沈んでいく感覚。 
 
 
俺はここまでなのか。 
 
 
胸張って生きていられる生き方をしてきたつもりはサラサラねェが。 
 
 
こンな結末なのかよ。 
 
 
466 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:38:42.28 ID:k2xRWl2u0
まだ遣り残したことがある。ありすぎるくれェだ。 
 
 
人の命散々奪ってきた身で勝手な言い分だとは重々承知してる。 
 
 
だがもう少しだけ待っちゃくれねェか。 
 
 
せめてこの戦いが終わるまでの間でいい。 
 
 
クソガキやこいつらが、やれ悪魔だのセプテントリオンだかに殺される事がねェ世界になるまで。 
 
 
死にたくねェ。 
 
 
死にたくねェ。 
 
 
死ぬのは嫌だ。 
 
 
467 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:39:25.82 ID:k2xRWl2u0
あァ…いよいよだ。 
 
 
頭の先まで死に浸かっちまった感覚だ。 
 
 
待てよ黄泉川。 
 
 
どこに行くンだァ。 
 
 
もう少しでいい。 
 
 
そばに居てくれ。 
 
 
面倒見てくれたお前に糞生意気なこと言って悪かった。 
 
 
だから俺のそばに居てくれ。 
 
 
手を離さないでくれ。 
 
 
もう少しだけこの糞野郎に付き合ってくれ。 
 
 
 
 
せめてもの。俺の願いを……。 
 
 
 
 
468 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:40:08.14 ID:k2xRWl2u0
黄泉川「一方通行……?」 
 
 
一方「……ァ…ィォ……ァ…」 
 
 
黄泉川「すぐに助けるから。離すじゃんよ」 
 
 
母が駄々っ子を諭すように静かに。 
 
 
一方「……ナ…」 
 
 
黄泉川「え?」  
 
  
赤い液体と共に流れ出る言葉。 
 
 
黄泉川「今なんて……」 
 
 
 
 
 
一方「セ……オ…ワ…セ、…ル……ナ……」
 
  
 
469 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:41:22.09 ID:k2xRWl2u0
 
 
 
――背負わせるな 
 
 
 
黄泉川は、はた、とへたり込んだ第三位を見。第一位に視線を戻す。 
 
 
黄泉川「お前…それを私に……しろと?……そういう事なのか……?」 
 
 
一方通行から答えはない。 
 
 
黄泉川「……クッ!」 
 
 
ギリッッと割れる程歯噛みし、筋が裂ける程拳を握り締める。 
 
470 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:42:23.65 ID:k2xRWl2u0
 
 
黄泉川「お前を恨むぞ一方通行」 
  
 

腰のホルスターからハンドガンを取り出す。 
 
水の流れの様にセーフティを外し、スライドを後退させ弾丸を装填する。 
 
  

鉄装「よみかわせんせい?」 
 
 
 
そして、銃口を一方通行の額へつける。 
 
 
 
鉄装は目の前の状況に付いていけない。 
 
 
471 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:43:13.13 ID:k2xRWl2u0
 
 
 
 
 
 
 
 
黄泉川「だから……おやすみ。私の家族」 
 
 
 
 
 
 
ひとすじだけ涙を流し。 
 
 
 
  

 
引き金を引いた。 
 
 
 
 
 
 
472 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:44:16.45 ID:k2xRWl2u0
【人間】一方通行  

         |i |i i{  !八          ::.'  ...         } :/ / :/ { } i|
         |i |i八  i|  i \           、 ,         } /} / }/   }/ i|
         |i |i; ∧ }\{                         ミj/ j/ 八  i{ 八
         |i八{  \\\   .:       __,.   -―…ァァ''’ / /}i ハ j}/
           八 ハ  {!`T:∧ くj{_,. ィnニー  ー===n^´   .′ 八  j/
           ハ } j} i i|/::∧   ` ー…━‥ '~´        /.::::/  {\
              j/ 八乂::/::::::::、      ー=====≠     , :`.:::/   }  \
           //{i j{ ヽ::::::::::::::..              //.::::/ j{ !   \
          /   } :八  \:::::::::::个: .         / {i::::: j :八 ‘     ,
                j/}  \   \:::::::i}     __       j{.:.:.: }.:/| |ハ }      ,
                 ハ   ‘,.:.:i}              {!____{/ :| | j/      i}
                    ,   } iトミ_______彡{IIIIII}_j_j_,/        .′
                    } ハ } i{///////////////i{IIIIII{ ̄ ̄ヾ,      /
                     j/ j/{ リ`¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨ Y7{\{   》
                   /  /!/    :,         ;'  ∨ }! \ 〃  /
                       /     ´,     ,´    \{   /  /
                 __,. <.,_      ´:,    ,:´     __,.>、__/___
            _ノ≧=- _三 三三二ニ======ニ二三三 ≠  _ =-≧=┐ .,_
       _,.  -<≦三三三≧=‐- =二三 三三 三三 三二≠=≦三≧>≦三二ニ=-   .,__

◆ステータス◆ 
 
力:1−40 
魔:3  
体:1−40 
速:1−40 
  
物火氷電衝魔 
反反反反反無 魔法攻撃のみ無効 
        
コマンドスキル 
一方通行 
 
自動効果スキル 
一方通行 
主人公補正Lv3 
改革の思考 
 
先制発動スキル 
一方通行 
 
〔個体生存力〕75 
 
3rd Day 黄泉川愛穂に殺害してもらう 
  
473 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:45:28.16 ID:k2xRWl2u0
くぎり
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 02:47:09.37 ID:S2Z89T3ko
あァァ一方通行ァァァっっ!!!!
475 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/03/01(金) 02:53:44.08 ID:k2xRWl2u0
蛇足感がすごい感じで申し訳ない。 
まさか死ぬなんて思わなかった訳で、連日葬式回って結構きますね。 
生存予定だったので細かい展開を修正します。 
進行には問題ないので安価踏んだ方は気にしないでください。 
 
あとメインはこの四人ですが、スレ進行の安全装置役とも言えるむぎのん。 
この人が生きていれば何とかなるようにできてます。 
そのむぎのんにも順番が回ってくる訳ですが、その時は頼んます
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 03:22:42.45 ID:RJaQHoFSO
乙 やるせない状況だけど麦野の強靭さを信じて期待
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 03:29:20.55 ID:opwenYGto
やべぇな
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 04:02:55.80 ID:ufXGpIHSO
JCの貴重なおもらしシーンなのにこのテンション
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 05:38:24.03 ID:Ge1Khac30
はたしてアニメ放送開始までに終わるのだろうか…
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 13:37:56.98 ID:p3CSFauXO
麦野がすげぇ好きになってきた
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 18:39:37.74 ID:GKraTCgDo
やべえ……最後まで格好つけてんじゃねえよ……最後まで護ろうとしてんじゃねえよ……




あれ? このスレだと番外個体どうなってたっけ
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 19:09:47.26 ID:GBpyBsCp0
かっこいい最後だった
しかし美琴は試練が続くな…
上条さん一方さんの分も全力で生きてくれ
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2013/03/01(金) 21:08:57.21 ID:4Z+I2JPW0
なんか御坂が死にに行きそうで怖い
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 21:13:52.16 ID:BScQofCwO
全滅こいやああああ
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/04(木) 22:00:19.72 ID:Is1aVh2Y0
いよいよ今夜デビサバ2が放送開始だぜ
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/06(土) 18:31:15.36 ID:7sfuhxhy0
ダイチの中の人が一方さんなんだよな
ちなみに前作では木原クンの中の人が上条さん
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 00:21:47.04 ID:919nHvM2o
ヒビキはドラマCDのナオヤと一緒じゃなかったか
CDのミドリは風斬だし他にもいるんじゃないの
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 13:27:43.99 ID:llJAluJe0
嗚呼胸が痛い  麦のん、ミコっちゃんを頼む  
489 : ◆VjRujZaa2M [sage saga]:2013/04/11(木) 02:22:14.04 ID:AMWa3NaE0
悩んだ昨今。 
アニメ放送中にネタバレになりかねるSS書くのも無作法だと思いまして。 
続きはアニメ終了後にいたします。 
  
ではまたその時まで
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 14:31:37.71 ID:ANWvhYtio

続き待ってるよ
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 15:36:37.55 ID:7O3TfDbPo
二期って妹編だろ?ネタバレとか今更のような気が…
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 16:46:22.02 ID:OnwpCG3zo
書くの飽きた言い訳にしか聞こえんけどまぁ乙
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 16:49:33.37 ID:qNtNZmyco
超電磁砲2期じゃなくてデビサバ2の方でしょ>アニメ
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 18:43:55.43 ID:CnaZj8mEo
あれそういえば死に顔動画って必死こいて頑張れば
一個くらい助ける方法があるタイミングで届くんじゃなかったっけ
ネタバレ気味だけど原作と送ってる人が同じなら悪意でやってるんじゃないし
送るかどうかは弄れるけど
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 23:39:22.63 ID:A0bRGmWTO
>>494
初春とサテンサン助かったりしてるじゃん
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 13:32:31.42 ID:ULSu/AnE0
一方さんと憂う者のファッションセンス
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