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東雲 なの「イヴレンド、一つ。」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/09/05(水) 22:12:54.32 ID:zuFi41BO0

東雲なのはメニューを一通り眺めてから、意を決したように言う。

なの「い…ヴレンド…ひ、一つ。」

ナギさんがそれに答える。青いピアスが輝いている。

ナギ「イヴレワン。」

なの(大丈夫。普通・・・普通・・・普通。・・・のはず。)

小洒落た喫茶店。

そこに集まる『普通』の人たち。
ただそれだけ。

目立つものと言えば、店の入口のに書かれたルールと…。

ナギさんが問いかける。

ナギ「砂糖とミルクは?」

なの「だ…だだだだいじょうぶです。」

なの(…うまく…言えたっ…!)

うまく言えてもその背中のネジはやはり目立つ。

『イヴの時間・ルール』

『当店内では…間とロボットの区別をしません。ご来店の皆さまもご協力ください♡
ルールを守って楽しいひと時を…凪』


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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 : :2012/09/05(水) 22:16:25.03 ID:zuFi41BO0
以前、涅マユリ「椎名・・・まゆり・・・?」を書いた者です。

今回はゆっくり短くやってみようかと思います。
3 : :2012/09/05(水) 22:53:28.95 ID:zuFi41BO0

カウンター席に座るなの。

チエ「ねこなの〜〜〜!」

幼い少女がなののネジを取って行った。

なの「あっ・・・!」

なのは慌てて少女を追いかけようとするが、

ナギ「イヴレおまたせ。」

ナギさんがコーヒーを差し出した。

なの「…えっ、あ…。…はい。」

コーヒーとネジ。

どちらを先にすべきか悩んでいる内に、少女は二階に上がってしまった。

老人が少女をたしなめる。シメイさんというらしい。

シメイ「チエちゃん。それは他の人の物だろう?返してあげなさい。」

何が気に入らないのか少女は反発する。

チエ「ねこなの〜〜〜!」

老人は優しく語りかける。

シメイ「でもねぇチエちゃん。」

チエ「ねこなの!ねこなの〜〜〜!」



その光景を見て、何かをふと思い出す。

(なのなのなの〜〜〜!)

記憶の中でこだまするその声は、私の帰りを待っている。

なの「ごめんなさい。も…もう帰ります。」

驚いたようなナギさん。

ナギ「もう帰っちゃうの?」

なの「はい、ごごめんなさい。」

なのはお金を払って、そそくさと店を出ていった。
4 : :2012/09/05(水) 22:59:05.20 ID:zuFi41BO0
今日はここまでです。のんびり書いていこうかと思います。

イヴの時間と日常のクロスなんですけど伝わってるかな?
5 : :2012/09/05(水) 23:14:36.17 ID:zuFi41BO0
いきなり間違えた。

>>1

『当店内では…人間とロボットの区別をしません。ご来店の皆さまもご協力ください♡
ルールを守って楽しいひと時を…凪』


です。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/06(木) 12:32:14.21 ID:U2U21qpIO
おおどういう風になるのか楽しみだ
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/06(木) 18:23:07.78 ID:OaoeZhFIO
イヴの時間大好きだったので楽しみにしてます!
ところでイヴ二期はいつくるのか
8 : :2012/09/07(金) 02:45:15.78 ID:wjKQEg1d0

なのは店の扉を開け、店を出た。

なのは階段前でしばらく立ちつくす。

そして思い出す。

なの「あ、…ネジ…。」

この店の扉は一回閉じると一定時間開かない。

なの「ネジ…どうしよう…。」

またしばらく立ちつくす。

ネジが無ければ自分は普通の人。
あのネジはジャマなもの。
でも大切なもの。

しばらくすると帽子をかぶった少女が階段を下りて来た。
中学生か、高校生くらいか。

帽子の少女が扉を開け、店に入って行く。

なのはその子と一緒に店に入った。
9 : :2012/09/07(金) 02:46:28.26 ID:wjKQEg1d0

ナギ「いらっしゃ〜い。」

ナギさんが予想していたかのように挨拶する。

なのはカウンター越しにナギさんに説明する。

なの「…あの、ですね…。その、ネ、ネ…。」

ナギさんはカフェラテを作りながらウインクする。

ナギ「ネジでしょ?ちゃ〜んと預かってるわよ。」

そう言って、カウンター裏に置かれたでっかいネジに目をやる。

なの「あ、あった…。」

ほっとする。

帽子の少女がなのを見る。と同時に早口で喋り出す。

「新入りさん?ナギちゃんの紹介で来たの?あ、ナギちゃんっていうのはカウンターの彼女ね。それでここ座っていい?新しい人久しぶり!いつ来ても同じ人ばっか〜。本読んでるのがセトロさんでしょ。仲いいの。二階がシメイさんと、あ〜かわいいチエちゃん。で、あっちはコージさんとリナちゃん。あとそれと〜。」

ナギ「帽子かぶってる子。」

「アキコ!よろしく!」

かなりの早口に、なのはあっけにとられる。

なの「……。」
10 : :2012/09/07(金) 02:47:33.55 ID:wjKQEg1d0

アキコ「それであなたの名前は?」

アキコはもうカウンターの席に座っている。

なの「わ、わ私は、東雲なの、です。」

アキコ「なのちゃん。覚えた!あのネジなのちゃんの?」

アキコがネジを指さす。

なの「え!?ええ…っと、そのネジは私の物なんですがでもネジも私もロボット的なものでは全然なくて…」

ナギ「減点1。」

そう言ってナギさんは入口の『ルール』を指す。

アキコ「いいじゃん。なのちゃんはまだ慣れてないんだし。」

なの「えと、あの、ごめんなさい…。」

ナギさんはコーヒーの入ったカップを差し出す。

なの「え?」

ナギ「さっきイブレ飲まずに帰ったでしょ?」
11 : :2012/09/07(金) 02:48:44.63 ID:wjKQEg1d0

なのは財布を取り出して中身を確認する。

なの(今日の晩ごはんはオムライスだから、卵とお肉とタマネギと…あ、あとサメチョコも…。坂本さんのごはんも必要だから、ええっと…。)

財布と相談しようにも暗算が遅い。

ナギはその様子を察する。

ナギ「これはサービス。ちょっとアキコちゃんの話し相手になってあげてくれる?あとチエちゃんの遊び相手も、かな?」

後ろでチエちゃんがなのをじっと見つめている。

チエ「ねこなの〜〜〜。」

ナギ「カフェラテおまたせ。」

アキコの前にカフェラテのカップが出される。

なの「いや、あの、ええっと…。」

ナギ「とりあえず座って。それ飲み終わるまででいいから、お願いね。」

ナギさんがウインクする。
ウインクとともに星が見えた。
ような気がした。
12 : :2012/09/07(金) 02:50:59.08 ID:wjKQEg1d0
今日はここまでです。二期はいつになったら来るんでしょうね。ずっと待ってるんですが…。
13 : :2012/09/07(金) 03:33:38.71 ID:wjKQEg1d0
>>9 間違えた。

「新入りさん?ナギちゃんの紹介で来たの?あ、ナギちゃんっていうのはカウンターの彼女ね。それでここ座っていい?新しい人久しぶり!いつ来ても同じ人ばっか〜。本読んでるのがセトロさんでしょ。二階がシメイさんと、あ〜かわいいチエちゃん。で、あっちはコージさんとリナちゃん。仲いいの。あとそれと〜。」

です。
14 : :2012/09/07(金) 03:38:00.47 ID:wjKQEg1d0
もう一つ書き込みます。
15 : :2012/09/07(金) 03:39:08.27 ID:wjKQEg1d0

なのはカウンター席に座る。でも何を話せばいいかわからない。
とりあえず思いついたことを聞いてみる。

イブレンドは湯気が立っている。

なの「あ、あの…アキコさんはどうしてここに来てるんですか?」

自分でもなんでこの店に来ているのかよくわからないが。

アキコ「だってここなら色んな人と話せるでしょ?色んな事わかるじゃない?」

なの「?何をですか?」

アキコはカフェラテのカップを持つ。

アキコ「相手の、気持ち。…かな?」

アキコ「どんなに人間にそっくりなロボットでも、中身は全然違う。同じ人間どうしでも、やっぱり違う。」

アキコはカフェラテのカップを持って、なののイブレンドのカップと乾杯した。

アキコ「似てるけど、全然違うのよね。だからあたしはよくこう思うの。」

イヴレンドとカフェラテ。
カップはそっくりなのに中身は違う。

アキコ「あなたは私をどう思ってるの?って。」

なの「………。」

なのの記憶の中で声がこだまする。

アキコはカフェラテを一気に飲み干す。

アキコ「苦〜い。ナギちゃん。もっと甘いカフェラテちょうだい。」
16 : :2012/09/07(金) 03:39:40.39 ID:wjKQEg1d0
ここまでです。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/07(金) 03:51:19.91 ID:/2KB5BRDO
イヴの時間…だと…

>>1よ。応援しまくるからぜひ完結させて下さい
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/09/07(金) 06:17:01.75 ID:d7R5F4yIo
久々に来たらイヴの時間SS…だと…!?
是非とも完走してくれ。
しかし本当、イヴの時間2期はいつ来るんだろうなぁ。
劇場版の最後であんだけやっといて続編無しってのは無いと思うが…
19 : :2012/09/09(日) 01:29:23.15 ID:fKK9AmJK0

〜なのとアキコ〜

ナギ「これでもちょっと牛乳多めにしたのよ?」

アキコ「この前よりはいいけどでもまだ苦いよ〜。」

ナギ「…。」

ナギが黙ってカフェラテを作り直している。

アキコ「またすねちゃった〜〜〜。」

なのはアキコの言葉を反芻する。

(あなたは私をどう思っているの?)

イブレンドを少しすする。

なの「…どう思っているんでしょうか?」

突然のなのの言葉に、ナギもアキコも驚く。

ナギ「?」

アキコ「…誰が?」

声が漏れてしまった。

なの「えと、その、何でもないです。」

またイブレンドを少しだけすする。

アキコは興味を持ったらしい。

アキコ「その人って、なのちゃんの家族?」
正直、妹なのか姉なのか、或いは親か子どもなのか、自分にもよくわからない。

なの「えと、まあそんな感じです。」

イブレンドが少しぬるくなってきた。
20 : :2012/09/09(日) 01:31:55.30 ID:fKK9AmJK0

なの「その…どうしてアキコさんはここに来てるんですか?」

アキコ「ふ〜ん。ここからは家族の話なんだけどね。」

甘いカフェラテはまだ届かない。

アキコ「わたしはね、人間もロボットもみんな家族だと思ってるのよ〜。でもやっぱり何か違う。色々話して、もっとわかってあげたいの。それが私がここに居る理由。」

なの「それは、何でですか?」

それ。とはアキコが今言ったことだ。

アキコ「…だって、家族だから。」

家族…。

はかせ。阪本さん。そして私。
たまにカラスとか。

なの「ロボットも家族ですよね?」

…家族?

家族って何だっけ?

血が繋がってる人?

なの「…血よりも濃いものだって、あってもいい…ですよね?」

それはやっぱりダメなのかな?

アキコ「へ?」

人間とロボット。
人間が作り、人間の為に働き、でも人間じゃない何か。

なのはコーヒーを半分くらいまで飲んだ。

ちょっとだけ苦い。

ナギさんが肘をついてニヤニヤしている。

なの「どう…思ってるんだろう…?」
21 : :2012/09/09(日) 01:38:32.94 ID:fKK9AmJK0

〜なのとセトロ〜

奥で何か難しい本を読んでいた人が本を閉じた。

その人がカウンターに座って来る。

セトロ「随分と面白そうな話をしてますね。」

セトロさんはなのの隣に座る。

セトロ「その問いは、人間は他者とわかりあえるか?という問いに繋がる。」

セトロ「ロボットの思考は0と1。電流が通る時を1。通らない時を0とする。」

セトロさんが何か難しい話をし始めた。

なの「?」

セトロ「では人間は?神経細胞の平常状態を0とすれば、脱分極を1として、ロボットも人間も同じだろうか?」

なの「…。」

なのはセトロさんのよくわからない話をとりあえず聞いてみる。

セトロ「では、人間はわかりあえる生き物だろうか?」

イブレンドをセトロさんが注文する。

セトロ「いや、人間同士は、と言うべきか。」

なの「…?」
22 : :2012/09/09(日) 01:39:56.97 ID:fKK9AmJK0
ここまでえ〜〜。
23 : :2012/09/09(日) 01:45:15.22 ID:fKK9AmJK0
正直もう日常でも、イヴの時間でもなくなって来た気がする。

これは駄作かな…。
24 : :2012/09/11(火) 01:28:51.74 ID:ZpQZUN2s0
このSS読んでくれている人に聞きたいんですが、作者が途中で詰まった時は強引にでも完結させた方がいいんでしょうか?
それとも途中でもHTML化した方がいいんでしょうか?

たぶんこのSSはグダグダになると思います。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/11(火) 13:32:43.32 ID:QQQrZjWd0
個人的にはgdgd でもいいので書いて欲しいですけど…
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/09/11(火) 16:13:40.95 ID:Ioq2CDNyo
ここはセトロさんじゃなくてシメイさんの方が良かった気がする。
なんかこれじゃないなと思ったら途中まで戻っちゃってもいいと思うよ。
俺は面白いと思うぞ!頑張って書いてくれ!
27 : :2012/09/12(水) 02:55:35.21 ID:LE3gldSd0
とりあえず書いてみますぞ。
28 : :2012/09/12(水) 02:57:37.62 ID:LE3gldSd0

…むずかしい……。

セトロ「さらにその問いは心脳問題へと繋がる。」

セトロさんは難しいことを続ける。

セトロ「例えば神経物理主義。人間の脳は約1000億個のニューロンがある。そして各ニューロンが千から一万のシナプス結合を持つ。だが人間のニューロンには可塑性というものがある。つまりコンピューターの集積回路とは違い、変化するということだ。では、その違いはロボットと人間の思考の違いと言えるだろうか?或いは、集積回路は人間の社会的次元の神経表現、つまり人間関係と言うモノを表象できるだろうか?」

セトロさんの話は難しいけど、スーツとネクタイがよく似合っていて、なんかわかったようなわからないような気分になる。

だけどなのには一つわかることがある。

わかる、というかわかってはいないけど違うことはわかるというか…。

なの「あ、あの…人間とロボットがわかり合うためには、同じじゃなくちゃいけないんでしょうか?あ…の、に、人間どうしだって少しずつ違うなら、ロボットも人間も違っててもいいんじゃないんでしょう…か…?」

なんかしどろもどろになってしまう。
やっぱり難しい話は難しい。

セトロ「…確信を突くね。やっぱり面白い。」

その会話を黙って見ていたアキコが、カウンターに突っ伏してふてくされる。

アキコ「またセトロさん難しいこと言ってる〜〜〜。」

チエ「にゃあ?」

後ろのチエちゃんはよくわからない声を出す。

アキコ「チエちゃん遊ぼっか。」

チエ「ねこなの〜。」

よくわからない話。よくわからない人たち。

でもこの空間は、何か不思議と落ち着く感じがする。

イヴレンドの残りはあと4分の1くらい。だいぶ冷めてきた。
29 : :2012/09/12(水) 03:02:34.98 ID:LE3gldSd0
ここまでです。めっさスローペースです。

>>26 セトロさんじゃないとたぶんこんな会話にはならないかなと思いました。

とりあえずゆっくりgdgd書いていこうかと思います。
30 : :2012/09/14(金) 03:36:25.70 ID:eYUoQbTc0

ナギ「カフェオレおまたせ。今度はもっと甘く作ったからね。」

アキコ「絵本読もっか?」

ナギ「牛乳多めにしてシロップも入れておいたから。チエちゃんでも飲めるんじゃない?」

アキコ「何それ〜〜〜。あたしがチエちゃんより子どもだってこと〜〜〜?」

ふてくされながら、カフェラテのカップを持ってアキコとチエは奥のテーブル席へ行った。
テーブル席ではシメイさんがにこやかに座っている。

チエ「ねこなの〜〜〜。」
31 : :2012/09/14(金) 03:37:30.71 ID:eYUoQbTc0

セトロ「人間はわかり合えるか?それを考えるとき問題になるのは、『わかり合う』ということをどう定義するかだ。」

なの「……。」

セトロさんの難しい話は続く。

なのはわからない話を聞き続ける。


セトロ「わかり合うということを、互いの思考や感情、或いは感覚を理解するという意味で考えるなら、おそらく人間はわかり合えない。」

なの「人の…気持ちはわからないって…こと…ですか?」

(なのなのなの〜〜〜〜。)

記憶の中の笑顔が遠く感じる。
32 : :2012/09/14(金) 03:38:36.91 ID:eYUoQbTc0

ガチャッという音とともに店の扉が開く。
カバンを持った高校生くらいの男の子が入って来た。

「イヴレンド一つ。」

そう言って男の子は二階のテーブル席へ向かう。

セトロ「例えばナギ氏が指をぶつけたとしても、その痛みは君は感じない。私も感じない。指をぶつけるのは物理現象だ。そして痛みは末梢神経から中枢神経へと伝わる。その伝導もやはり物理現象だ。神経哲学において最も単純な、知覚‐認知システムでさえ、共有することはできない。つまりわかり合えない。」

ナギ「イブレワン。…って、今日は一人?」

セトロ「では、わかり合うということを、互いの意思を尊重する、或いは対人関係を尊重する。と定義したらどうか。」

難しい話でよくわからない。
だけど、なのには一つだけわかったことがある。

セトロさんは…

セトロ「曖昧な定義ではあるが、その場合は、わかり合えないとは言い切れない。何故なら人間関係。すなわち社会的次元における神経表現とは…」

…ダンディだ!


スーツとネクタイと難しそうな本。

…かっこいい。

かっこいいおじさま。
なのの目が輝く。
33 : :2012/09/14(金) 03:40:48.85 ID:eYUoQbTc0

〜なのとマサキ〜

ナギさんが二階のテーブル席へイヴレンドを持って行く。

ナギ「イヴレンドお待たせ。今日は一人?」

「一人で来ちゃ悪りぃのかよ。」

ナギ「マサキ君一人で来るなんて珍しいじゃない。」

マサキ「高校生がカフェで勉強。そんなに珍しいかよ。」

マサキはテーブルにノートと参考書を広げる。

ナギ「結構まじめに勉強するのねぇ。」

マサキ「そりゃあロボット法の専門弁護士目指すなら当然だろ。」

イヴレンドをすすりながらカウンターを見る。

マサキ「今日は知らない人が来てるんだな。新入りか。」

じっとなのを見つめる。

そしてニヤッと意地悪そうな笑みを浮かべる。

ナギはそれを察したのか

ナギ「ルールは守ってよね。」

またニヤッと笑う。

マサキ「そういうもんは、言い方一つじゃね?」
34 : :2012/09/14(金) 03:41:41.98 ID:eYUoQbTc0
ここまでです。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/14(金) 03:42:21.35 ID:hiqKrQ4Go
こういうの好き。支援。
36 : :2012/09/14(金) 04:30:19.67 ID:eYUoQbTc0
どうでもいいかも知れないけど、セトロさんってナギさんのこと何て呼ぶんでしょうか?
シメイさんのことはシメイ氏って呼んでたけど…。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/09/16(日) 10:34:51.26 ID:zhj048j9o
読んでて違和感無かったしナギ氏で良いんじゃね?
38 : :2012/09/18(火) 00:14:44.13 ID:Aw0Lqp900

なのはイヴレンドを飲みほした。

セトロ「そして心脳問題の一番の難題。いや、主題と言うべきか。心とは何か。」

なの(どうしよう…。)

なのは空になったカップを見つめる。

なの(ナギさんはイヴレンド飲み終わるまでって言ってたし…イヴレンド飲み終わっちゃったし…晩ごはんの用意しなくちゃいけないし…。でももうちょっと素敵なおじさまと一緒にいたいし…。)


二階、テーブル席。

ナギ「何考えてるの?」

ニヤっと笑って

マサキ「俺ロボット法専門の弁護士目指してるだろ?当然、リング無しでは人間とロボットの見分けはつかない。それでだ。もしリングの無いロボットが何か問題を起こしたら?」

ナギが呆れたようにため息をつく。

ナギ「それで?」

得意げにマサキが喋る。

マサキ「多分あいつは人間。でも100%とは言い切れない。だから人間を人間と、ロボットをロボットと見抜く練習。」

ニヤニヤが止まらない。

ナギ「ルール。わかってるわよね?」

一層ニヤニヤする。

マサキ「俺はルールの中でしか暴れないの。法学部目指してるから。」
39 : :2012/09/18(火) 00:15:21.10 ID:Aw0Lqp900

セトロ「しかし人間は互いを尊重できるだろうか?例えば個々人の意見、立場、信念、主義。或いは集団。国家、人種、民族、宗教、その他諸々。数え上げれば切りがない程、いくらでも相手の意思を尊重しない理由はある。そしてそれらは、些細なケンカから世界規模の戦争まで、争いの火種となりうる。」

空のカップを見つめるなの。

なの(コーヒー頼みたいけど、そしたら今日の坂本さんのごはん代が…。)

セトロ「異なる民族はわかり合えない。どこまで行っても異民族はお客さん以上にはなれない。これはカントも言っていることだ。個人的にはカントなどすでに古びているとは思うが、まあ重要なのは、世界平和を説いたカントでさえ異なる民族はわかり合えないと言ったことだ。では、『わかり合う』ということの定義を変えてみよう。『わかり合う』ということを、意思の疎通ができることと定義したらどうなるか。」

階段からナギさんと高校生の男の子が降りてくる。

高校生がなのの隣に座り、空のカップを見る。

マサキ「イヴレンドふたつ。」

呆れ顔でナギは答える。

ナギ「イヴレツー。」

なのはダンディなセトロさんと、ニヤニヤしたマサキとに挟まれていた。

なの「…へ?」
40 : :2012/09/18(火) 00:18:44.80 ID:Aw0Lqp900
短いですがここまでです。

>>37 ナギ氏で行こうと思います。

それよりイヴの時間で別の話を思い付いてしまったので、この話が終わったらそれを書き込もうと思います。
短い話ですが。
41 : [sage]:2012/09/18(火) 21:07:54.35 ID:Aw0Lqp900
間違いました。

>>30 ナギ「カフェラテおまたせ。今度はもっと甘く作ったからね。」

あと、このSSには関係無いですが、涅マユリ「椎名・・・まゆり・・・?」の

>>100 ネムは一度現世から帰還した時、技術開発局でリンの通話データを調べていた。

です。
42 : :2012/09/18(火) 21:18:32.50 ID:Aw0Lqp900
もうひとつ。これは間違いと言うより質問なんですが、

>>39 

セトロ「異なる民族はわかり合えない。どこまで行っても異民族はお客さん以上にはなれない。これはカントも言っていることだ。個人的にはカントなどすでに古びているとは思うが、まあ重要なのは、世界平和を説いたカントでさえ異なる民族はわかり合えないと言ったことだ。では、『わかり合う』ということの定義を変えてみよう。『わかり合う』ということを、意思の疎通ができることと定義したらどうなるか。」



本当はカントの話から、民族じゃなくて、集団はわかり合えないという話にしたかったんですが、うまく繋げられませんでした。
カントは集団については(たぶん)言及していないので。何かいい方法ないでしょうか?
43 : :2012/09/18(火) 22:53:35.25 ID:Aw0Lqp900

マサキ「あんた名前は?あぁその前に俺マサキ。よろしく。で、あんたどうやってここに来たんだ?」

なの「私はし…東雲なのです。あの…ですね…晩ごはんのお買いものしてたら…なんかよくわからないとこに迷い込んで…なんか…その、よくわからない内にここにいた…というか、何というか…。」

しどろもどろに話す。

マサキ「ふぅん。」

なの「でも…イヴレンド飲み終わるまでっ…ていうことで…はかせのオムライスの卵が…安売りで…。もうイヴレンド飲み終わったわけで…。」

ナギが不満顔でイヴレンドを差し出す。

ナギ「イブレンドふたーつ。」

ニヤニヤしながらマサキはなのに話しかける。

マサキ「一杯おごるからちょっと話しようぜ。それ、飲み終わるまででいいからさ。」

セトロがマサキを横目に見ながら言う。

セトロ「そういうのは本人の意思に任せるべきじゃないのかな?ブレードランナー。」

マサキ「……意思?」

セトロ「私も少し長話が過ぎたかな?すまなかったね。貴重な時間をつまらない話に使わせてしまって。」

テーブル席でチエちゃんと本を読んでいたアキコがなのを見る。

アキコ「なのちゃんモテモテだぁ〜〜〜。」

セトロ「ルールに反抗的ではここにいる意味は無いと、以前言ったのは覚えているね。」

マサキ「俺はルールの中でしか暴れねぇの。」

セトロが席を立つ。テーブル席へと去っていく。

なの(待って!おじさま〜〜!!)

なのの思いは、セトロにもマサキにも届かない。

マサキ(意思ってことは、やっぱ人間か?)
44 : :2012/09/18(火) 22:54:32.23 ID:Aw0Lqp900

マサキ「なぁ、外の話なんだけどさ。ウチにもロボットいるんだ。あんたんとこは?いるんだろ?ロボット。」

なのが慌てふためく。

なの「あ…あの!…はかせは色んな物作ったりとかするけどそれは決してロボット的なものではなくてですね…えぇっと…。」

……博士?

マサキ「その博士ってのは何の研究してんだ?あんたそこの研究所員か何かか?」

さらにしどろもどろに答える。

なの「な、なんていうかですね…そんな研究とかそういうのはしなくてですね…はかせはた、ただ趣味で色んな物作ったりするだけで、け決してロボ的な人ではありません!」

もう自分でも何言ってるのかわからない。

マサキ「…?」
45 : :2012/09/18(火) 23:02:47.15 ID:Aw0Lqp900
とりあえずここまでにしておきます。

>>42 のことなんですが、民族という言葉だと、民族という虚構という本もあるくらいなので、それも含めた集団という言葉を使いたかったんですが。
どうもいい繋げ方が思い付かなかったです。

人間からすればハウスロイドは民族というよりも、集団と言った方が表現的としてはいい気がするんですが。
テーマがロボットと人間だし・・・。

なんかよくわからんくなってきたあああぁぁぁ嗚呼。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/19(水) 05:46:49.48 ID:KQKP5SzDO
ぱんつ脱いだ
47 : :2012/09/19(水) 22:32:23.14 ID:XjCaoh5f0
>>46
風邪引くなよ。
48 : :2012/09/19(水) 23:23:11.94 ID:XjCaoh5f0

なの「……。」
マサキ「……。」

しばらく沈黙が続く。
お互い何を言い出せばいいものか考え込んでしまう。

先に沈黙を破ったのはなのの方だった。

なの「あ、あの…マサキさんは何でここに来ているのですか?」

マサキ「何でって・・・まぁ色々あって。」

さらに続けて、

なの「あの…このお店って、何なんですか?」

突然の問いに戸惑う。
49 : :2012/09/19(水) 23:23:59.17 ID:XjCaoh5f0

なの「なんか不思議っていうか、心地良いっていうか…。」

マサキ「まぁ…不思議なお店…だな。」

マサキには目の前のなのが人間なのか、ロボットなのか判別できない。

マサキの脳内には過去の記憶がよみがえる。

マサキ(テックス…。)

もう記憶の中にしかない声。

(ずっと話しかけることができなくて…ずっと…あなたの側に居たくて…)

マサキ「愛情を感じたって、いつか裏切られるだけだろ…。」

なの「…え?」

マサキ「いや、だから、ロボットに愛情なんて求めたって無駄だってこと。愛情なんてものを求めるから、それにそぐわない時に裏切られたと感じてしまう。ってこと。」

唐突なマサキの言葉はなのには理解できなかった。

また、沈黙が続く。

なの「わかりあえるかは別として、ロボットにだって心はありますよね?」

あっけにとられる。

マサキ「は?ココロ?心って何だよ?」
50 : :2012/09/19(水) 23:24:35.81 ID:XjCaoh5f0
ここまでです。
51 : :2012/09/20(木) 17:51:40.62 ID:enNHGH360
すみません。

>>38 から書き直します。
52 : :2012/09/20(木) 17:53:33.59 ID:enNHGH360

なのはイヴレンドを飲みほした。

セトロ「そして心脳問題の一番の難題。いや、主題と言うべきか。心とは何か。」

なの(どうしよう…。)

なのは空になったカップを見つめる。

なの(ナギさんはイヴレンド飲み終わるまでって言ってたし…イヴレンド飲み終わっちゃったし…晩ごはんの用意しなくちゃいけないし…。でももうちょっと素敵なおじさまと一緒にいたいし…。)


二階、テーブル席。

ナギ「何考えてるの?」

ニヤっと笑って

マサキ「俺ロボット法専門の弁護士目指してるだろ?リング無しでは人間とロボットの見分けはつかない。それでだ。もしリングの無いロボットが何か問題を起こしたら?」

ナギが呆れたようにため息をつく。

ナギ「それで?」

カウンター席のなのを見ながら、得意げに喋る。

マサキ「あいつが人間かロボットか。どっちであっても100%見分けるのは難しい。だから人間を人間と、ロボットをロボットと見抜く練習。」

ニヤニヤが止まらない。

ナギ「ルール。わかってるわよね?」

一層ニヤニヤする。

マサキ「俺はルールの中でしか暴れないの。法学部目指してるから。店の中のヤツに対して人間とロボットを区別する言動をしなければいいんだろ?でも俺が頭の中でどう考えるかまでは、この店の『ルール』は制限しない。」
53 : :2012/09/20(木) 17:54:27.69 ID:enNHGH360

セトロ「…しかし人間は互いを尊重できるだろうか?例えば個々人の意見、立場、信念、主義。或いは集団。国家、人種、民族、宗教、その他諸々。数え上げれば切りがない程、いくらでも相手の意思を尊重しない理由はある。そしてそれらは、些細なケンカから世界規模の戦争まで、争いの火種となりうる。」

空のカップを見つめるなの。

なの(コーヒー頼みたいけど、そしたら今日の坂本さんのごはん代が…。)

セトロ「異なる民族はわかり合えない。どこまで行っても異民族はお客さん以上にはなれない。これはカントも言っていることだ。個人的にはカントなどすでに古びているとは思うが、まあ重要なのは、世界平和を説いたカントでさえ異なる民族はわかり合えないと言ったことだ。」

なの(セトロさん、声もダンディ…。)

セトロ「民族は集団に含まれる。つまり異なる集団はわかり合えない。いや、正確にはわかり合えない場合があると言うべきか。では、『わかり合う』ということの定義を変えてみよう。『わかり合う』ということを、意思の疎通ができることと定義したらどうなるか。」

ロボットと人間。異なる集団…。
…わかり合えない。

なのはカップを見つめる。

階段からナギさんと高校生の男の子が降りてくる。
54 : :2012/09/20(木) 17:55:26.80 ID:enNHGH360

高校生がなのの隣に座り、空のカップを見る。

マサキ「イヴレンドふたつ。」

呆れ顔でナギは答える。

ナギ「イヴレツー。」

なのはダンディなセトロさんと、ニヤニヤしたマサキとに挟まれていた。

なの「…へ?」
55 : :2012/09/20(木) 17:56:26.35 ID:enNHGH360

マサキ「アンタ名前は?あぁその前に俺マサキ。よろしく。で、アンタどうやってここに来たんだ?」

ぶっきらぼうな口調に戸惑ってしまう。

なの「私はし…東雲なのです。あの…ですね…晩ごはんのお買いものしてたら…なんかよくわからないとこに迷い込んで…なんか…その、よくわからない内にここにいた…というか、何というか…。」

しどろもどろに話す。

マサキ「ふぅん。」

なの「でも…イヴレンド飲み終わるまでっ…ていうことで…オムライスの卵が…安売りで…。もうイヴレンド飲み終わったわけで…。」

ナギが不満顔でイヴレンドを差し出す。

ナギ「イブレンドふたつ。おまたせ。」

ニヤニヤしながらマサキはなのに話しかける。

マサキ「一杯おごるからちょっと話しようぜ。それ、飲み終わるまででいいからさ。」

セトロがマサキを横目に見ながら言う。

セトロ「そういうのは本人の意思に任せるべきじゃないのかな?ブレードランナー。」

マサキ「……意思?」

セトロ「私も少し長話が過ぎたかな?すまなかったね。貴重な時間をつまらない話に使わせてしまって。」

テーブル席でチエちゃんと本を読んでいたアキコがなのを見る。

アキコ「なのちゃんモテモテだぁ〜〜〜。」

セトロ「ルールに反抗的ではここにいる意味は無いと、以前言ったのは覚えているね。」

マサキ「俺はルールの中でしか暴れねぇの。」

セトロが席を立つ。テーブル席へと去っていく。

なの(待って!おじさま〜〜!!)

なのの思いは、セトロにもマサキにも届かない。
56 : :2012/09/20(木) 17:57:06.23 ID:enNHGH360

マサキ「なぁ、外の話なんだけどさ。ウチにもロボットいるんだ。まぁ今時珍しくもねぇけど。アンタんとこは?いるんだろ?ロボット。」

なのが慌てふためく。

なの「あ…あの!…はかせは色んな物作ったりとかするけどそれは決してロボット的なものではなくてですね…えぇっと…。」

マサキ「……博士?」

その言葉に何か引っかかったらしい。

マサキ「その博士ってのは何の研究してんだ?アンタそこの研究員か何かか?」

さらにしどろもどろに答える。

なの「な、なんていうかですね…そんな研究とかそういうのはしなくてですね…はかせはた、ただ趣味で色んな物作ったりするだけで、け決してロボ的な人ではありません!」

もう自分でも何言ってるのかわからない。

マサキ「…?」

マサキが首をかしげる。なのは顔を赤くしてうつむく。
57 : :2012/09/20(木) 17:57:44.76 ID:enNHGH360

なの「……。」
マサキ「……。」

しばらく沈黙が続く。
お互い何を言い出せばいいものか考え込んでしまう。

先に沈黙を破ったのは、なのの方だった。

なの「あ、あの…マサキさんは何でここに来ているのですか?」

マサキ「何でって・・・まぁ色々あって。」

さらに続けて、

なの「あの…このお店って、何なんですか?」

突然の問いに戸惑う。

なの「なんか不思議っていうか、心地良いっていうか…。」

マサキは頬杖をついて、ぼーっと何かを思い出しているような顔をしている。

マサキ「まぁ…不思議なお店…だな。」
58 : :2012/09/20(木) 17:58:52.14 ID:enNHGH360

ぽつりと呟く。

マサキ「愛情を感じたって、いつか裏切られるだけだろ…。」

なの「…え?」

唐突なマサキの言葉は、なのには理解できなかった。

マサキ「あ、…いや、ごめん。何でもない。」

そう言うと、またマサキは上の空になってしまった。


なの「い、いただきます。」

イヴレンドを少しすする。やっぱりちょっと苦い。

また、沈黙が続く。

なのはセトロさんの言っていた事を思い返す。難しくてよくわからなかったけど。


今度はなのが呟く。

なの「…わかり合えるかどうかは別として、ロボットにだって心はありますよね?」

あっけにとられたのか、

マサキ「はあっ!?ココロ?心って何だよ!?」

あっけにとられたせいか、少しマサキの声は大きかった。
店内が一瞬静まり返り、店内の全員がこちらを見た。

チエ「にゃあ?」

二人に集中する視線。
それに気づいて、マサキは気まずそうに頭を掻く仕草をする。
なのも困る。

なの(どうしよう…。)

なのはカップを持ったまま、マサキを横目でちらっと見る。

なの(…何か気に障ること言っちゃったかな?)

また、沈黙が続く。
店内の客はみんな目線を元に戻し、それぞれの会話の続きを始めた。
59 : :2012/09/20(木) 17:59:22.88 ID:enNHGH360
ここまでです。
60 : :2012/09/29(土) 02:57:24.10 ID:2i8vCAoK0

マサキはポリポリと頭を掻きながら言う。

マサキ「あの…その…何だ…。わりぃ。急に大声出しちまって。」

なの「え?あ…だ、だいじょぶです。」

ぶっきらぼうな謝り方。
たぶんこれが彼なりの精一杯の謝り方なのだろう。

なの(…どうしよう…ちょっと苦手なタイプの人かも知れない…。)

なのはセトロの方をチラッと見る。セトロは奥のテーブル席で黙って本を読み続けている。

なの(セトロさん助けて〜〜〜。)

なのの思いを知ってか知らずか、セトロは相変わらず本を読み続けている。

それにしても、なぜ彼が急に大声を出したのか?
気にはなるけれど、それを聞いたらまた彼の気に障ってしまうのではないだろうか?

なのはセトロさんのよくわからない話を思い出してみる。
よくわからなかったけれど、自分なりに考えてみる。

『わかり合う』ということを、『意思の疎通ができること』としたらどうなるか。

なのは両手でカップを持つ。
61 : :2012/09/29(土) 02:58:44.04 ID:2i8vCAoK0

なの(……。)

思い切って、聞いてみよう。
もしかしたらうまく伝わらないかも知れない。
もしかしたら、嫌われてしまうかも知れない。

でも、聞かなければずっとわからないままかも知れない。

カップを持つ手に少し力が入ってしまう。

言ってみよう。
62 : :2012/09/29(土) 02:59:32.38 ID:2i8vCAoK0

なの「あの、マサキさんの言ってたロボットって、どんな人ですか?」

……。

色々考えてみた末の質問。
だが質問自体がすでにおかしい。
そのことに、なのも言ってから気が付いた。

マサキ「…とりあえず、人ではねぇな。」

なののカップを持つ手が恥ずかしさに震える。

マサキ「…でも、人じゃねぇんだけど、俺にとっては人みたいに思えて来ちまって。何つうか、こういうのもドリ系ってことになっちまうのかな?」

…どりけい?
なのの知らない言葉だ。

マサキ「…まぁ、その…何だ、あれだ。何か最近、色々考えちまって。」

なのはカップを持ったまま考える。

なの(どりけい…どりけい…とりけい…トリ系…鳥?……あ、あのカラスさん元気かな。そう言えば、はかせは何であのスカーフひとつしか作ってくれないんだろう。はかせいつも変な物ばっかり作って…)

なのの思考は順調にズレて行く。

マサキは話を続ける。
63 : :2012/09/29(土) 03:00:24.42 ID:2i8vCAoK0

マサキ「なぁ、変な話なんだけど、…ロボットにも心ってあんのかな?つか、人間の心って…本当にあんのかな?俺も含めて。」

今度はなのがあっけにとられる。

なの「…へ?」

その様子を見て、
マサキ「わりぃ。やっぱ今の話は無しで。」

なののカップはまだ温かい。


人間が自分の心を疑問に思う。それどころか自分の心の存在自体を疑う。
ロボットの心ではなく、人間自身の心を。変な話だ。

マサキはイヴレンドをすする。
なののカップとそっくりなカップ。中身もそっくり。

なの(じゃあ、私のカップとマサキくんのカップの違いは何?)

そんなことを思いながら持つカップは少し熱いように感じられた。
64 : :2012/09/29(土) 03:02:30.97 ID:2i8vCAoK0
ここまでです。

>>28 間違い見付けました。

セトロ「…核心を突くね。やっぱり面白い。」

です。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/03(水) 08:10:28.00 ID:pPktom6IO
なんか違う
原作見直してくれ
66 : :2012/10/03(水) 23:21:13.51 ID:Ke72ZBvw0
やっぱり何か違う感じしますよね。
これHTML化した方がいいでしょうか?
67 : :2012/10/04(木) 00:04:27.95 ID:gu5OMvhv0
たぶん違和感の原因はセトロさんの発言内容だと思うんですが…。
原作でほとんど喋らないセトロさんに喋らせるっていうのが無理があったんですかね?

でもセトロさんじゃないとこんな会話はたぶんしないと思うし…。

イヴの時間のメンバーで、リクオ以外はなのと会話するという流れで考えています。

映画の『キサラギ』とか『十二人の怒れる男』みたいな密室劇を書くつもりだったんですが、難しいですね。

ちなみにこのSSの時間は原作の少し後です。
68 : :2012/10/04(木) 00:46:46.26 ID:gu5OMvhv0
とりあえず書いてみます。
69 : :2012/10/04(木) 00:48:02.99 ID:gu5OMvhv0

マサキはまた何かを考えているのか、上の空になった。

またしばらく続く沈黙。

なのは辺りを見渡す。

ナギさんはカウンターに肘をついて、楽しそうにこちらを眺めている。

奥のテーブル席ではセトロさんが難しそうな本を読んでいる。

その手前の席では男の人と女の人がこちらを見ながら何か話している。気のせいか?
二人の名前は確か、リナさんとコージさんだったか。

そして二階ではチエちゃんがマサキくんのテーブルの本とカバンを覗いている。
何か面白そうな物を探しているのだろう。

チエちゃんの隣にはアキコさん。
チエちゃんの遊び相手をしながら、イタズラをしないように見張っているのだろう。

シメイさんは階段でチエちゃんを呼んでいる。
70 : :2012/10/04(木) 00:49:20.77 ID:gu5OMvhv0

唐突だった。

マサキ「テックスっていうんだ。」

なの「はへ?」

マサキ「うちのロボットの名前。」

なの「…はぁ。」

沈黙を破るには唐突過ぎて、なのは中途半端な相づちを打った。
さっきまで上の空だったマサキが喋り出す。

マサキ「そいつがさ、言ったんだよ。」

なの「はぁ。」

マサキ「ずっと俺の側に居たいって。」

なの「……。」

マサキ「それからかな。何か色々考えちまって。…あの言葉は本心なのか、それともプログラムから出た言葉なのか…。そうやって考えてる内に、心って何だって思うようになっちまって。…そもそも相手に本当に心があるかどうかって、どうやって判断すりゃいいのか。とか。」

マサキは少しイヴレンドをすする。

マサキ「心があることの証明って、どうすればいいのか…とか。心があると判断する基準って何だ、とか。」

マサキ「…アンタは、どう思う?」

そう言って、マサキはカップをコースターに置いた。

なの「……。」

なのは言葉が出ない。
マサキはさらに続ける。

マサキ「…ロボットに愛情なんて求めたって無駄だって…思ってたハズなのにな…。愛情なんてものを求めるから、それにそぐわない時に裏切られたと感じてしまうって。…なんか俺、その一件以来、どうもそんな事ばっか考えるようになっちまってんだ。」

時間が経ったはずなのに、なののイヴレンドはさっきよりも熱いように感じられた。


…心の…証明…。
71 : :2012/10/04(木) 00:50:07.55 ID:gu5OMvhv0

〜なのとリナ〜

一階テーブル席。

リナはコージの腕を抱きしめながら言う。

リナ「他に女の人、いるの?」

その言葉に困ったような口調で答える。

コージ「そんなこと、無い…。無いよ。」

リナが眉間にシワを寄せ、コージの目を見つめる。

リナ「………遠い……。」


一階カウンター席。

ナギは含み笑いをしながらマサキとなのを眺める。

二人の会話はこの店の『ルール』に少し触れてはいるが、ナギはそれを黙認している。
まるで、なの達の会話がどう進むのか見届けるかのように。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/04(木) 00:51:50.29 ID:0cNaCp0IO
自覚してるならHTML化依頼して次作頑張ってください
つまらないですしおすし
73 : :2012/10/04(木) 00:59:27.40 ID:gu5OMvhv0
とりあえず今日はここまでです。

やっぱりつまらないですか。
グダグダでも完走してほしいと言う方もいらしたので書いてはみたのですが。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/04(木) 01:04:20.32 ID:0cNaCp0IO
>>66のレスはなんですか?まさか、辞めないでくれ!続けてくれ!なんてレスを期待してのものですか?

最終的に決めるのは>>1さんだけど、応援、感想レスの少なさからもわかりますよね
75 : [sage]:2012/10/04(木) 01:16:44.58 ID:gu5OMvhv0
>>74

聞いてみただけです。
全く期待していないと言うと嘘になりますが。

では、
76 : [sage]:2012/10/04(木) 01:18:00.67 ID:gu5OMvhv0
では、どうすれば面白くなったか。改善点を教えて頂けるとうれしいです。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/04(木) 01:30:00.24 ID:0cNaCp0IO
わかりません。何故教えなければいけないのかもわかりません
読んでいてつまらないので辞めたらどうかと提案したまでです
>>1さんも辞める気がないなら構ってちゃんせず続ければいいでしょうに
78 : [sage]:2012/10/04(木) 01:42:36.15 ID:gu5OMvhv0
>>77
何故教えなければいけないのかもわかりません

について。

>>72
自覚してるならHTML化依頼して次作頑張ってください
つまらないですしおすし

とおっしゃられたので。
もし次作を書くとしても改善点がわからなければ次作もつまらなくなると思ったので。
作者にはわからない読者の意見を聞いてみたいと思いました。
79 : [sage]:2012/10/04(木) 18:57:59.04 ID:gu5OMvhv0
>>77 ツンデレ?

とりあえず書いてみます。
80 : :2012/10/04(木) 18:58:52.06 ID:gu5OMvhv0

一階テーブル席。

コージ「……遠い…ですか…。」

申し訳なさそうに答える。

リナ「…はい。」

リナはコージから離れ、席を立った。
コージはただ黙ってうつむいている。

リナ「……。」

リナはセトロが読んでいる本を見つめる。

セトロ「私に何かご用かな?」

セトロは目線を本に落したまま言った。

リナ「……その本…。」

セトロが読んでいる本。

CODE:LIFE

セトロ「これが、どうかしたかな?」

リナはじっと見つめ、問う。

リナ「相手の心がわからない時は、どうすればいいのですか?」

その言葉に、セトロは少し考える。そして、

セトロ「何故その質問を私にする?」

質問に対し質問で返した。

リナ「…あなたなら知っていそうだと思ったから。」

セトロ「何故?」

リナは本をじっと見つめる。

リナ「そんな本を読んでいるから。」

セトロは沈黙する。

リナ「あなたは知っているんでしょう?ロボット。人間。プログラム。脳。…相手の心がわからないとき、遠くに感じてしまうとき、そういうときの感情も。そんなときどうすれば良いかも。」

パタンという音とともに、セトロは本を閉じた。

セトロ「感情という言葉には、科学的な定義は無い。神経科学では感情という言葉の代わりに情動という言葉を使うが、その定義は曖昧なものだ。」

リナ「……。」

セトロは続ける。

セトロ「心というものは、それだけ捉え難いものだ。…私に聞くより、向こうの二人に聞いた方が良いのではないかな?」

そう言ってカウンター席のマサキとなのを示す。

リナ「…。」

セトロ「二人は今ちょうど、心というものについて議論しているところだ。」

リナは二人を見つめる。
81 : :2012/10/04(木) 18:59:22.57 ID:gu5OMvhv0

一階カウンター席。

マサキ「で、その心があることの証明なんだけど…。」

マサキがハッとする。

マサキ「つーか、俺勉強しに来たんだった。何やってんだか。」

マサキのカップにはイヴレンドが半分くらい残っている。

マサキ「最近どうもこんな感じでさぁ。勉強に集中できねぇのよ。」

なの「何の勉強ですか?」

マサキ「決まってんじゃん。受験勉強。高校生だし。」

なのの動きが止まる。

なの「え?」

マサキ「ん?」

なの「私も、高校生なんですけど。」

マサキ「え?」

……。

マサキ「アンタ博士の助手か何かじゃなかったのか?」

しどろもどろになのが答える。

なの「えっと…はかせは博士じゃなくてですね、私は助手でもなくてですね…。」

マサキは首をかしげる。

マサキ「博士が博士じゃない?」

さらにしどろもどろに。

なの「はかせははかせなんですけど、博士ではなくてですね…。」

マサキ「うん???」

なの「は、はかせはロボットとか色んな物を作ったりするんですけど」

マサキ「その博士ってのはロボット作れるのか?」

なのの混乱がピークに達する。

なの「はかせは博士じゃないけどロボット作ったりもするけどはかせはロボ的な人でもないんです!」

なのの顔が真っ赤になっている。

マサキ「……。お、おう…。」
82 : :2012/10/04(木) 19:01:15.17 ID:gu5OMvhv0

一階テーブル席。

セトロはまた本を開く。

リナ「あれが、議論?」

セトロは黙っている。

リナ「心の…証明…。」



一階カウンター席。

マサキはイヴレンドを一気に飲み干す。

マサキ「悪かったな。無理に呼び止めといて。」

なの「いえ。」

マサキ「んじゃ。俺勉強するわ。」

そう言ってマサキはカウンター席を立った。

なの(…苦手なタイプかも知れないけど、悪い人ではないみたい。)



マサキが二階への階段に差し掛かった時、リナが呼び止めた。

リナ「マサキさん。心の証明って、何ですか?」

マサキは面倒くさそうに頭を掻く。

マサキ「俺勉強するから。そういう話は後でな。」

そう言ってマサキは二階へ上がってしまった。

リナ「…。」

リナはカウンター席へ向かう。
83 : :2012/10/04(木) 19:01:45.12 ID:gu5OMvhv0
ここまでです。

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/04(木) 19:07:08.21 ID:0cNaCp0IO
ツンデレに見えるならお前障害者だよ

つまんねぇし自分でももう辞めた方が良いって思ってんだろ?何で続けんだよさっさと依頼しろ屑
85 : [sage]:2012/10/04(木) 19:09:29.60 ID:gu5OMvhv0
わかりました。
ではHTML化の依頼しておきます。
86 : [sage]:2012/10/04(木) 19:16:08.90 ID:gu5OMvhv0
>>77
続ければいいでしょうに

って言ってたのにね。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/04(木) 19:22:54.41 ID:0cNaCp0IO
そうだねww
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/04(木) 19:24:03.27 ID:kqDdsCKYo
>>86
多分その人はあちこちのスレにちょっかいを出してエタさせようとしている、あの発狂IOさんだと思うよ。マトモに受けとらなくても良いんじゃないかな?

あ、でもhtml依頼は取り消さなくて良いです
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/10/06(土) 18:14:23.44 ID:IQcTWgSPo
>>1
変な人の言うことなんか気にしないで続ければいいと思うよ
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