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とある世界の隔離少年。 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:12:31.58 ID:X5L9HJ4X0

 ※とある魔術の禁書目録ssです。

 ※内容はほぼオリジナルなので、オリジナルとしてみてください。

 ※原作のキャラが主人公じゃないと嫌だという人はそっと閉じてください。



 

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1347361951
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パンティ「ガーターベルト大丈夫かー」ストッキング「血が止まらないわー」 @ 2025/07/26(土) 02:27:49.65 ID:OmgbeFOdO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1753464469/

うんち @ 2025/07/25(金) 23:18:36.55 ID:tsEvWZe2o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753453115/

天龍「イキスギィ!イクイク!ンアーッ!枕がデカすぎる!」加賀「やめなさい」 @ 2025/07/25(金) 19:40:58.85 ID:LGalAgLLo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1753440058/

(安価&コンマ)コードギアス 薄明の者 @ 2025/07/23(水) 22:31:03.79 ID:7O97aVFy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1753277463/

ご褒美にはチョコレート @ 2025/07/23(水) 21:57:52.36 ID:DdkKPHpQ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753275471/

ビーノどっさりパック @ 2025/07/23(水) 20:04:42.82 ID:dVhNYsSZ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753268681/

コナン「博士からメールが来たぞ」 @ 2025/07/23(水) 00:53:42.50 ID:QmEFnDwEO
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4日も埋まらないということは @ 2025/07/22(火) 00:48:35.91 ID:b9MtQNrio
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:16:12.55 ID:X5L9HJ4X0




「はぁっ、はぁっ、はぁ・・・」





 走る………いや、逃げる。










3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:16:45.93 ID:X5L9HJ4X0




「………くっ」




 振り向く。いない。




4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:17:24.62 ID:X5L9HJ4X0




「………いつから?」



 自問する。答えは見つからない。




 
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:19:43.13 ID:X5L9HJ4X0




「………私は…」




 確かめる。分からない。




「常盤台…の、制服」




 知識を掘り起こす。見つかる。




「………じゃあ、私は…誰?」





 探す。探し続ける。



6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:22:56.41 ID:X5L9HJ4X0





「なぜ? なぜわからない?」




 自分が誰か―――いや、“何か”。




「私は常盤台の制服を着ている。故に常盤台中学の学生?」




 細い。あまりにも脆い。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:26:04.45 ID:X5L9HJ4X0





「………なぜ逃げた?」




 追われたから。確証がない。




「なぜ確証がない?」




 記憶がない。




「なぜ記憶がない?」




 なぜ―――記憶がない?
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:34:34.65 ID:X5L9HJ4X0



「………っ」




 右腕に広がる淡い痛み。




「………赤い血」




 知識が経験へと変わる瞬間。自分が人間であると再認識する。




「この山はどこまで続くの?」




 この山が学園都市を西へ遠く走った場所にあることは知っている。

 この山がどれだけ広いか知っている。

 ―――だけど、



「私はこの山がどれだけ続いているか知らない…」




 ほどなくして急斜面に気付かず、滑り落ちる。




 人間が“転がり続ける”ことができることを初めて知る。




(何事も経験か………)




 薄れいく意識が拾った思考は思った以上に無意味で、体中に染みていく破滅はあまりにも淡泊だった。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:38:36.51 ID:X5L9HJ4X0





 死ぬ。





 この世に存在する誰もが憶測でしか語れない“それ”を、私は経験と同時に実感していた。





「あ、あう…あ…あぅ……」





 ―――少女は“死”を受け入れた。





 少女の世界は、今、終わった。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:39:08.81 ID:X5L9HJ4X0







「………うわ、最悪…」






11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:40:01.33 ID:X5L9HJ4X0






 第一章「隔離と断絶」





12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:43:41.64 ID:X5L9HJ4X0

??「おーい、あんた、生きてるかぁ」ペチペチ

少女「………だ、れ?」

??「うわぁ、生きてるし…。しゃーないか…」

少女(生きてることを嫌がっている? この人が追手?)

上原「あーーー、……俺の名前は上原(かみはら)。名前言えるか?」

少女「………」フルフル

少女(首を振るたび体中が痛い…)

上原「ふーん、それは“言えない”ってことじゃないんだよな?」

少女「………わから、ない」

上原「………ふむ」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:47:50.37 ID:X5L9HJ4X0

上原「まぁ、その制服をたどれば、身元は割り出せるかな」

少女「………あな、た、だれ?」ピクピク

上原「あー、俺はこの辺に住んでるただの子供だよ。あんた、たぶんこの世で最悪級に運が悪いな」

少女「………?」

上原「その説明は後でしてやるよ。それより、家まで連れて行くから背負うぞ」グッ

少女「………な、ぜ?」

上原「めちゃくちゃ軽いな…。って、え? なんでって、そりゃ、俺がいないと、




あんたすぐに死ぬから」




少女「………?」

上原「なんか反応薄いな。まぁいいや」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 20:52:36.80 ID:X5L9HJ4X0

上原「先に一つ謝っておくことがある」

少女(背中…あったかい)

上原「おい、聞いてるか?」

少女「これが温かさ……」

上原「聞いてねーし」ハァ

上原(この集中力のなさ、……ブラックアウト寸前で“停まっちまった”のか…ますます最悪だな)

少女「さ、むい…な」プルプル

上原「……あんたは一生寒いまんまだよ」

少女「………な、ぜ?」

上原(やっと意識がこっちに向いたか…)
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 21:02:43.11 ID:X5L9HJ4X0

上原「んー、あんたって頭良い方か?」

少女「………わからな、い」フルフル

上原(やっぱ記憶喪失なのかなぁ…。知識だけ残るタイプの)

上原「んなら、簡単に説明するけど、金太郎飴って知ってるか?」

少女「………切って、も、切っても、きんた、ろうあめ」

上原(きんた、で息継ぎすんなよ)

上原「そう、金太郎飴は切っても切っても同じ顔が側面に表れる。歪みで多少違うけど、それがまた人生をうまく表現してくれる」

少女「じんせ、い?」

上原「そう、人生。まぁ歴史という意味でなく、生命という意味での人生かな。この場合」

少女「……よく、わからな、い」

上原「あっそ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 21:10:31.87 ID:X5L9HJ4X0
上原「人間は毎日細胞を分裂させ、心臓を動かし、血液を循環し、そして寿命を消費して生きている。分かるか?」

少女「わ、かる」コク

上原「それはつまり金太郎飴が少しずつ短くしていくのと同じだ。最後まで食べれば、飴という存在は消える」

少女「………うん」

上原「あんたはその金太郎飴がラスト一ミリの状態だ」

少女「………?」

上原「身体は壊れ、心臓は活動を弱め、脳は停止しかけている」

少女「死にか、け?」

上原「ああ、そうだ。だが死なん」

少女「……な、ぜ」

上原「1から説明すると矛盾や説明しきれない部分が出るから、一言で言う」

少女「……うん」

上原「俺が、お前の金太郎飴を永久保存しちまったからだ」

少女「………」

上原(やっぱ驚くよな。信じられないよな。…だけど、それが事実だ)

少女「………温かい」

上原「ここで集中力切らすなよ!!!」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 21:17:30.20 ID:X5L9HJ4X0
上原の家。

少女(意外に……近代的…)

上原「山で出会ったからって人を野生児のように想像するなよ?」

少女「……な、んで」

上原「なんとなくだ。それより、あんた男に裸見られたことあるか?」

少女「……わから、ない」

上原「そうか。じゃあ、すまんが俺が初めてになる」バッ

少女(…なんかイタ気持ちいい……)ハァハァ

上原「死にかけで青ざめるか、死にかけで生きようと紅潮するかなんだな。今顔を赤くされると、状況的にちょっと気まずいんだが」

少女「……ど、りょくする」

上原「冗談だよ。別に気にしてない」

上原(外傷は思ったより少ないな…おそらく斜面を転げ落ちて体中の骨が折れてるのか…)

上原「……って、あばら飛び出てるし…」

少女「………」カァ///

上原「そこ照れるんかい」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 21:22:45.11 ID:X5L9HJ4X0
少女「……いた、い」ザァアア

上原「そりゃ、骨に直接水が当たってるからなぁ」

少女「………」

上原「女の子でよかったな。案外骨折してる箇所は少ないようだ」

少女「……おん、なだか、ら?」ジッ

上原「そこも折れるらしいけど、関係ない」バシッ

少女「きもち…いい」

上原(ランダムに興奮物質やら快楽物質やら出してるんだろうな…)

上原「やっぱ先生に診てもらうべきか…?」

少女「……はぁ」ポーッ

上原(エロい顔すんなガキ…)カァ///
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 21:27:17.48 ID:X5L9HJ4X0
リビング。

上原「しばらくの間、裸で我慢してもらうぞ。もちろんタオルはかけておく」ファサッ

少女「だいじょ、うぶ」

上原「ちょっと電話してくる」スクッ

少女「………」コクンッ

上原「水分欲しいかもしれないけど、今は我慢してくれ」タタタッ

少女(よく分かるんだなぁ…)ハァハァ



20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 21:30:40.49 ID:X5L9HJ4X0
廊下。

上原「ああ、やっちまった。“死にかけ”を停めちまった」

上原「そんな怒鳴るなよ。こっちだって参ってるんだから」ハァ

上原「……ああ、頼む。俺が見る限りは五分が限度だ」

上原「………ばかやろ、見殺しになんかできるかよ」

上原「…ああ、ああ、そうだな。俺のわがままだよ」ピッ



上原「………わがままだよ」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/11(火) 21:34:02.21 ID:X5L9HJ4X0
いったんここまで。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/11(火) 23:14:58.28 ID:nwDxnsemo


男『多重能力実験なんて夢物語だ』
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346857059/
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 01:17:44.19 ID:YBScqHJV0
>22



続き。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 01:32:01.71 ID:YBScqHJV0
リビング。

上原「…はぁ」シュボッ

少女「たば、こ?」

上原「……あ、ああ」スパー

少女「そう、ですか」

上原(止める訳じゃないのか…)ウーム

少女(タバコの知識はあっても、私は吸ったことはない)

上原「……まぁ、どちらにせよ俺は吸っても良いんだよ」

少女「よく、わかるんで、すね」

上原「よく分からないけど…、まぁ……経験、かな?」

少女「そう、ですか」ハァハァ

上原(相変わらず冗談の塊みたいな現象だな…)

少女(ずっと苦しいまま、なのかなぁ…)ボーッ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/12(水) 01:39:17.96 ID:5Hu2Z/Qjo
駄目だ詠矢空希にしか見えない
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/12(水) 01:41:20.45 ID:Tq01YtlIO
痛いってかキモい
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 01:41:48.15 ID:YBScqHJV0
上原「さて、今から医者が来る訳だけど、先に断っておくことがある」

少女「………?」キョトン

上原「あんたの身体はもう“ほぼ死体”だ。この世に“死体から人間へ戻す”ことができる医者なんていない」

少女「………わかり、ます」

上原「で、あんたはどうしたい?」

少女「………どういう「このまま死にたいか死んだように生きたいかどっちだ」

上原「どっちにしろ、あんたが元気に走り回ることはもうできないんだよ」クッ…

少女(………ああ、その表情“初めて見る”なぁ)ポーッ

上原「あるいは○○○○に行けば何とかなるかもしれないが…」

少女「………え?」ガバッ

上原「………はっ!?」ビクッ

少女「いまなんと?」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 01:54:40.65 ID:YBScqHJV0
上原(ほ、ほぼ死体だぞ? それなのにこんな…)ドキドキドキ

少女(……今のは、電気ですね)

上原「お、落ち着け。とりあえずもう一度寝てくれ」

少女「………ません」

上原「…え?」

少女「…うごけま、せん」

上原「は?」

少女「いま、のはでんき、ののうりょくです」

上原「電気の能力? …あんたまさか能力者ってやつか?」

上原(待てよ…。この制服どこかで…)

??「おっじゃましまーっす!!」

上原「黄泉(よみ)! また勝手に!!」

黄泉「勝手にって、そりゃ君が読んだんだから勝手に入るでしょ」

上原「インターホンくらい鳴らせっ」

黄泉「そんなことより、患者さんは?」

少女「………は、い」

黄泉「………あ、あのさ上原君」

上原「………なんだよ」

黄泉「君、超電磁砲って知ってる?」

上原「いくら俺でもそれくらい知ってる。○○○○にいるレベル5の一人だろ? レベルが何のレベルか知らんけど」

黄泉「まぁ、この子がそのレベル5の超電磁砲なんだけど、どうやって誘拐したの?」

上原「誘拐って人聞きの悪いことを言うなっ! たまたま山で―――――は?」



黄泉「………君、今すぐ海外へ逃げた方が良いと思うよ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:00:14.34 ID:YBScqHJV0
黄泉「……都合の悪いことに自分のことを覚えていない、と」

少女「はい…」

上原(これやばいんじゃね。俺殺される? いやあそこって人体実験しまくりだろ? ということは死ぬより恐ろしい目に遭うんじゃね? 切り刻まれるの? え、今死ぬ? 死んだほうがまし?)

黄泉「おーい、君がこれから殺されるかどうかより、この子の今を考えないかい?」

上原「……あ、ああ、そうだな」ドキドキ

黄泉(相変わらずのビビりっぷり…。僕なんかより“何倍も生きてる”くせに子供なんだから)ハァ…

上原「いっそ、殺して土に還ってもらうってのはどうだ?」

黄泉「」

少女「」

上原「いや、でもサイコメトリーがいたらばれるか…」ブツブツ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:07:54.34 ID:YBScqHJV0
黄泉「そりゃ、君は隔離する以外、戦闘スキルもないただの一般人だけどさ」

上原「言い返す言葉もない」

黄泉「自分の命も隔離している以上死ぬことはない訳でしょ?」

上原「うるさい。あそこの能力者なめんな」

黄泉「なめんなって、君は見たこともないでしょう」

上原「今見た。死体がガバッて起き上がった」

黄泉「死んでないし。彼女が超電磁砲なら、電気を使って身体を操るくらい朝飯前だよ」

上原「超電磁砲が死にかけるくらい怖い所から来る追手なんか、俺を一瞬で殺すんだ」ガクガクブルブル

少女(……さっきまでと違う…)ジーッ

黄泉「……? ああ、驚いた? この子、大人ぶってるけど中身クソガキだから」ハハハ

上原「そうだよ俺はガキだよ。だから一瞬で殺されるんだ」ガタガタ

黄泉「………いい加減にしないと―――僕が殺すよ?」ギロリッ

上原「」ビクッ

黄泉「で、そろそろ本題に戻ろうか」

上原「あ、ああ…」グスン

少女(……なんかかわいく見えてきた)
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:15:04.17 ID:YBScqHJV0
黄泉「君の言うとおり、隔離しなければ彼女はもって数分の命だ。仮に最先端の医療施設でも延命がやっとだろう」

上原「だけど、骨が飛び出してるし現状のままじゃ…」

少女「………」

黄泉「そうだね。というか彼女があそこから来たって言うんなら、選択肢は一つしかないよね」

上原「………え」






黄泉「学園都市に行こう」





上原「丁重にお断りさせて頂きます」ドゲザ

黄泉「」

少女「」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:20:41.92 ID:YBScqHJV0
上原「いや、世の中能力に憧れる人間ばっかりじゃないよ? まぁ僕は学園都市ができる前から生きていたけどさ。あんなところ近寄るのも嫌だ」

少女「……な、んさい?」

上原「あー、そこ聞いちゃう?」

黄泉「江戸時代辺りから記憶が曖昧なんだって」

少女「………え?」キョトン

上原「あ、妖怪じゃないから。そこんとこ間違えないでね」

黄泉「似たようなもんでしょ」

上原「違う。僕は人間だ」

黄泉「性行為もできないのに?」

上原「ば、ばかやろう! おお、女の子の前だぞ!!」カァ///

黄泉「これだから童貞歴=少なくとも西暦は」ハァ

上原「………」グスン
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:25:57.22 ID:YBScqHJV0
黄泉「僕の知り合いに冥土返しと呼ばれる名医がいる。彼ならあるいは…」

上原「じゃあ、呼ぼう。今すぐお手紙書こう!」

黄泉「あのね、君はバカじゃないのか? 科学の粋を集めた学園都市の中で名医と呼ばれる人間がこんなド田舎に来てくれると思っているのかい!?」

上原「お前だって凄腕だけどここにいるじゃないか」

黄泉「それはそうだけど」カァ///

少女(面白い……)

上原「うーん、困ったことになった…」

黄泉「困ったも何もやることは一つだよ」

少女「………あ、の」

二人「………ん?」



少女「わた、し……しんだほうが、いいで、しょうか?」



二人「」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:30:33.95 ID:YBScqHJV0
黄泉「そんな訳ないでしょ!! もしかしてこいつのせい!? もしそうなら全殺しするけど、どうかな!? って、こいつ殺したら君も死ぬんだった! 悔しいわ―、こいつ殺せなくてほんと悔しいわー」

上原「うっせー! お前がこの子をパパッと治す技術もない藪医者なのが悪いんだろ!」

黄泉「………あ? 今なんつったよ?」ギロリ

上原「」

黄泉「決めた。もう決めた。明日、すぐに行くぞ」

上原「ふ、ふぇえ…」

黄泉「君は今晩辛いだろうけど、我慢してくれ」ナデナデ

少女「……は、い」

上原(こうなったらいっそ、逃げだすか…)

黄泉「逃げたらどうなるか分かってるだろうな…」ゴゴゴ…

上原「は、ひ」ガクガク

黄泉「それじゃ、明日のデート楽しみにしとけよ」ニコッ

上原「」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:37:31.76 ID:YBScqHJV0
翌日。

上原(くそっ、なんで生理現象は止まらないんだよ)ゴシゴシ

少女「……もうしわけ、ありません」

黄泉「いやいや、常盤台のエースのパ○ツ洗えるなんて、君は世界一の幸せ者だな」

上原「お前のパンツと大して変わらねーよ」パンッ

黄泉「今お前は全世界にいる15億人の美琴ファンを敵に回したよ」

上原「ただのそっくりさんかも知れね―だろ!!」

黄泉(…まぁ、その可能性は実はあるんだけどね。今は二人を不安にさせてはいけないし黙っておこう)

少女「ほんと、にいくの?」

上原「行かなくても殺されるなら、行って生きる道を探すさ」トホホ

黄泉「君はほんと悲観的だな。人の命を救える喜びをもっと感じていいんだよ」

上原「理不尽な死なんて腐るほど見てきたっちゅーに。今さら人一人の生死で何も思わねーよ」

少女(それにしては、あんなに哀しそうな…)

黄泉「嘘つけ、ポケモンの映画で泣くくせに」

上原「涙腺弱いだけだ」

黄泉「はいはい」

少女「………」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:40:54.24 ID:YBScqHJV0
車。

黄泉「君がしっかり支えてあげるんだよ」

上原「いや、隔離してる状態なんだから、何が起きたってこれ以上良くも悪くもならねーよ」

黄泉「僕が事故って、彼女だけが高速道路から飛びだしたらどうするんだ」

上原「そんな運が悪い奴はどっちみち死ぬ運命だろ!」

黄泉「良いから黙って言うことを聞け」ギロリ

上原「はいっ」ガシッ

少女(これが、……車)
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:44:36.05 ID:YBScqHJV0
上原「いつ乗っても、慣れないな」

黄泉「文明が怖いかい?」

上原「それなら電化製品に囲まれて生きてねーよ」

黄泉「なら何が怖いんだい?」

上原「怖くねーよ。…ただ、慣れないだけだ」

黄泉「ふーん…」

上原「ところで、どれくらいで着くんだ?」

黄泉「まぁ、半日もあれば」

上原「けっこう遠くから来たんだな」

少女「………」コクン
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 02:50:27.60 ID:YBScqHJV0
黄泉「そういえば、どうしてあんな山へ?」

上原「ほんとだな」

少女「………にげ、てきた」

上原「……は?」

黄泉「レベル5が逃げるねぇ…」

黄泉(ますます、仮説の方が信憑性を増していくねぇ)

上原「何からだよ」

少女「……わからな、い」

黄泉「まぁ、昨日君の家を襲ってこなかった以上、それほど心配することでもなさそうだけどね」

上原(なんか嫌な予感しかしないんだよなぁ)

黄泉「あ、看板見えた。この調子なら、夕方には着くだろうね」

少女(…学園都市……)
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 03:01:21.35 ID:YBScqHJV0
数時間後。

上原「もう少しか?」

黄泉「そうだね。後小一時間で着くよ」

上原(逃げてきたっていうのに、本当に連れて帰っていいのか?)

黄泉(彼女が僕の予想通りなら、すぐに冥土帰しに会わせないと…)

少女(なんであそこから逃げたんだろう…)

??『ハッハァ! もっと逃げろよ模造品! つまンねェだろ!!』

少女「………!!?」バリバリッ

上原「はぁ!!?」ビクッ

黄泉「つっ!?」ドサッ

上原「ちょ、黄泉!? 何気絶してんだよ!?」

上原(くそっ、こいつも隔離しておけばよかった! とりあえず今からでも!)ブゥン

黄泉「………」ブゥン

少女「ハァハァハァ…」ガクガク

上原(なんだよこいつ!? 急に怯え出しやがって!!)






上原「………あ、ぶつかる」






 ―――――グシャッ。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 03:08:14.91 ID:YBScqHJV0
上原「起きろ」ベシベシッ

黄泉「う、うーん……ここは?」

上原「俺が聞きたいよ」

少女「………学園都市のすぐ近く」

黄泉「あー、ほんとだねぇ」

上原「あんまり田舎と変わんねーな」

黄泉「……ところで、僕の車は?」

上原「あれのことか?」ユビサシ

車だった物「」ボロボロ

黄泉「」

上原「お前が気絶したせいで、とんでもない目にあったんだからな」

黄泉「……まえ」

上原「まぁ、元はと言えばあんたが電気飛ばさなかったら良かった話だけど」

黄泉「お前が…」

上原「まぁ、命は助かった訳だし、気を取り直そう!」

黄泉「お前が“車も隔離”すれば済む話だったろうがぁああ!!!」ゴスッ

上原「ぶふぇっ!!」ドサッ

少女(……マジで殴った…)
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/12(水) 03:15:59.19 ID:YBScqHJV0
風呂行ってきま。

詠矢空希の情報見ました。……うん、否定できない笑

上原は詠矢△に比べて何一つ勝てる要素がないですorz

強いて言うなら年齢くらいか。

黄泉は幽白の黄泉とは違います。

戻ってきたとき更新するかは未定です。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/12(水) 10:16:19.13 ID:DOeHi0nVo
面白いぞ乙
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 01:03:56.24 ID:W11sPiiu0
ただいまです。

とあるの年表欲しい・・・。

一巻の時点では一方通行は妹達を何千人か殺してたんだよね。違ったらごめん。

ということで続き。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 01:08:52.40 ID:W11sPiiu0
上原「なんで俺が…」

少女「ごめん、なさい…」

黄泉「うるさい。お前のせいだろうが。しっかり背負っとけ」ゲシゲシ

上原「蹴るな蹴るなっ!」

少女「あうあうあー」ゴポッ

上原「げぇ! 血吐きやがった!!」

黄泉「そりゃ死にかけだからねぇ」

上原「まぁ、“元に戻る”からいいけど…」

黄泉「ていうか、ここが学園都市内部だったら、僕達危なかったねー」アハハ

上原「なんで?」

黄泉「だって、学園都市の宝を事故で殺しかけたって思われるじゃないか」

上原「」

黄泉「まぁ、でも、どちらにせよ、学園都市内に入ったらすぐに病院行かないとまずいけどねっ」

上原「そんなことできるのか? 相手は学園都市だぞ?」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 01:14:02.76 ID:W11sPiiu0
黄泉「え、君の力って学園都市中にある監視機器にばれないようにできないの?」

上原「………結論から言っていいか?」

黄泉「どうぞ」

上原「俺が“それを意識できれば”可能だと思う」

黄泉「ふむ…」

少女「…よく、わかりま、せん」

上原「学園都市に入る前に少し説明しておこうか」

黄泉「そうだね。僕たちは一歩間違えれば犯罪者になりかねない。慎重に越したことはない」

少女「はい…」

上原「まず君が死にかけのまま状態を保っていられる理由だけど…」

黄泉(そういえば、ちゃんと聞くの初めてだな…)




上原「ただの呪いだ」




黄泉「」

少女「………?」キョトン
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 01:17:50.47 ID:W11sPiiu0
上原「黄泉なんかは、学園都市にいたこともあるから、俺のこれを能力と勘違いしてたんじゃないか?」

黄泉「そ、そうだね。うん。その通りだ。僕は君の力を学園都市とは別の方法で開発された力だと思っていた」

上原「そんな訳あるか。能力だったらもっと便利で使いやすいだろ」

黄泉「それは人それぞれだと思うけど、君の力だって十分すぎるほど便利じゃないか」

上原「あほか。俺が現状でできることって言ったら二つしかないわ」



黄泉「存在を隔離することと?」



上原「存在を隔離から戻すこと」



少女(……よく、分からない…)
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 01:23:39.33 ID:W11sPiiu0
上原「しかも存在を隔離するって言ったって、どう隔離できているか実際のところ自分でも分かっていない」

黄泉「はぁ? それなら彼女がいつ隔離状態が解けるか分からないってこと?」

上原「厳密に言えばそうだ。だが、それはない」

黄泉「なんでさ」

上原「今まで、4、5人ほど死にかけを隔離状態にしたが、少なくとも100年以上は勝手に解けないからだ」

黄泉「ひゃ……」

少女(百年もこのまま…)

上原「だからあんたの隔離が解けることはないから安心していい」

少女「……はぁ」

黄泉「でも、それならまだ便利な力って言えるんじゃないの?」

上原「もちろん、理由はまだある。この呪いは同時に二つしか行うことができない」

黄泉「…それは自分も含めて?」

上原「含めてだ」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/13(木) 01:27:24.11 ID:sw4pNaUpo
オリキャラ、オリジナル展開は好きだけど



これは恐ろしくつまらないから期待はできない



まぁ、エタらずに書ききってくれ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 01:37:47.51 ID:W11sPiiu0
上原「これも経験則だけど、質量じゃなく自分の認識している数字上の二つだ。水ならコップ一杯だろうとバケツ一杯だろうと“一杯”なら隔離できる」

黄泉「それが二つまで…」

上原「しかも、俺は俺自身の隔離を解く訳にはいかないから実質一つまでだ。その理由は言えない」

黄泉(聞く前に答えるってことは昔聞かれたんだろうな。そしてよほど言いたくないと)

上原「さらに言えばどんどん粗は出てくるが、この呪いの不便な点の大きな理由はもうひとつある」

少女「……きょりで、すか?」

上原「ああ、その通りだ。呪いのオンは視覚で入れることはできるが、オフは何十メートルか離れないとできない。しかもオフは自動だ。俺達が引き離されれば呪いは勝手に消える」

少女「…それは、こまり、ます」

黄泉「いやぁ、思った以上に不便だこれは」ヤレヤレ

上原「後はさっき言った通り、自分が認知した存在からしか隔離できない。それは曖昧に人とか監視カメラとかで大丈夫なんだけど……」

黄泉「学園都市には何で監視しているか分からない…と」

上原「そうなんだよ。監視能力のある能力者なら人だから大丈夫だと思うんだけど、例えば体重感知式の床とか見たこともないようなトラップには引っかかる」

黄泉(トラップってスパイでもやってたのかよ…ってやってそうだな)

上原「まぁ、もろもろの理由からこの呪いは漫画に出てくるような都合の良い展開にはしてくれないってことだ」

少女(意識がもうろうとしてるせいか、あまりよく分からなかった…)ハァ

上原「簡単に言えば、こそこそ行くしかないってこと」

少女(なんで言ってもないのに分かるんだろう…)
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 01:45:01.42 ID:W11sPiiu0
黄泉「で、潜入は駄目。でも堂々行くこともできないって言うんじゃ、どうするんだい?」

上原「知るかよ。だから来たくなかったんだぁ。学園都市入れば能力者に殺されるんだーーー」

少女(なんで語る時だけ人が変わるんだろう…)ハァハァ

黄泉「あ、先に言っておくけど、僕自身も学園都市にばれたらまずい存在だから。君の能力に期待してたんだけどね」アハハ

上原「はぁ?」

黄泉「いやぁ、実は僕の黄泉ってのは偽名なんだ。その冥土帰しと呼ばれる先生が付けてくれたんだけどね。ちょっとあっちで派手にやらかしちゃって」

上原「何をだよ」

黄泉「いやぁ、それは僕の口からは言いたくないなぁ。無事に先生のとこまでたどり着いたら先生に聞いてよ」

上原「…何にせよ、不安要素が増えたと言う訳か」ハァ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 01:52:29.07 ID:W11sPiiu0
上原「………」

黄泉(それでも、僕の起こした事は学園都市でもごく一部の人間しか知らない。やはり僕が…)

上原「よし」

少女「………?」

黄泉「何か良い案が?」

上原「………家に帰るか」

黄泉「今すぐ死ね」ゲシッ

上原「顔を蹴られたっ!?」ドサッ

少女(人が宙を舞った…)

黄泉「君のそういう所嫌いだ。誰でも簡単に助けるくせに、その責任を取ろうとしない」キッ

少女(…怒ってる?)

上原「………」

黄泉「君は何千年と生きているのかもしれない! 僕らなんかちっぽけな存在なのかもしれない。だけど、拾ったなら、関わったならその責任はとれよ! 生かすも殺すも自由だけど、放っておくなんてことだけは罪だっ!!」

上原「………価値観の違いだ」

黄泉「君はっ「だけど」

上原「この少女の命に対する責任を果たす義理はないけど、黄泉、君には多くの借りがある。君がそういうのなら俺はそれに従うよ」

黄泉「………そんなの納得いかない」プィ///

少女(照れた?)
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 02:17:28.23 ID:W11sPiiu0
学園都市内部。

上原「別に疲れないからいいけど、人を背負うのって楽じゃないな」

少女「すみません」ハァハァ

黄泉(外で起きたこととは言え、交通事故はもう中枢に伝わっているはずだ。こっち側の警備はいつもより厳しいとみておいて損はないだろう)

上原「なぁ、学園都市って区分けされてるんだろ? ここは何区になるんだ?」

黄泉「たぶん十七学区あたりじゃないかな。僕は今から行く第七学区とその周りくらいしか知らないんだ」

上原「ふーん。ま、何にせよこれであんたも少しは良くなるだろうな」

少女「…だと、いいDE―――」グテッ




 ……ぎぎぎぎぎっ―――がちゃ。




上原「……!?」ビクッ

少女「dhきょだはのあdくy」ブクブクブク

黄泉「なっ!?」

上原(隔離を打ち破った!?)

少女「じょいyfぢゅあyhびあおうsdびうあ」ビクッビクッビクッ

黄泉「なんで隔離を解いたんだ!!!?」

上原「解いてねぇよっ!! “破られた”んだっ!!」

上原(あのむりやりこじ開けるような感覚。普通じゃねーぞ!?)

黄泉「とにかくもう一度隔離しろ!!」

上原「あ、ああ!」グッ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 02:23:35.74 ID:W11sPiiu0
少女「………」ハァ……ハァ……

黄泉(これはかなり…いや、“すでに”…)

上原「身体はなんとか隔離できた。だけど、恐らくこいつの“生命力”みたいなものは隔離できていない」

黄泉「心と身体は別と捉える発言だね」

上原「実際そうなんだから仕方ないだろ」

黄泉(しかし、人間には想像しただけで身体がそれに反応してしまう力がある。彼女が自身の死を受け入れたらそこで終わりと言う訳か…)

少女「………」パクパク…

上原「何かを言おうとしてる」

黄泉「そんなことより、今は一刻も早く病院に連れていこう。またいつ破られるか分からないし」

上原「あ、ああ」



上原(学園都市はやっぱり恐ろしいところだった…)
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 02:29:52.44 ID:W11sPiiu0
第七学区。

上原「すっかり夜だ」

黄泉「仕方ないよ。この広い学園都市を隠れながら、少女を一人背負って歩いてるんだから」

少女「………」

上原「まぁ、運んでるのは俺なんだけどな」

黄泉「僕の非力さをなめんなよ?」

上原「爆発的な力は出るのに、なんでだ?」

黄泉「秘密」

上原「どうでもいいけどな」

黄泉「………」ギロ

上原「…ん? 前から白いものが…」



??「………」タタタッ



黄泉・上原「」ボウゼン…



上原「な、なぁ…学園都市って科学の都市だよな」

黄泉「そうだね。まぁ、神学系の学校もあるけどね」

上原「じゃ、じゃあ、今のがお化けである可能性は?」

黄泉「夜中にシスターが全力で走っている可能性よりはあるかもね」

上原( 帰 り た い ! ! )ガクガク
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 02:34:54.91 ID:W11sPiiu0
病院前。

上原「着いた…のか?」

黄泉「ああ、そうだね」

二人「………よくやったな」ギュッ

少女「………」ハァ……ハァ……

黄泉(もうとっくに限界は超しているだろうに…すごいよ)ナデナデ

上原「で、どうするんだ」

黄泉「僕が行って話をつけてくるよ」タタタッ

上原「おーい、俺を置いていかないでくれー」グスン





上原( ま じ 怖 い )

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 02:46:51.60 ID:W11sPiiu0
??「………」スッ

上原「………!!!!!?????」ビクゥッ

??「………!?」ビクッ

上原(な、何!? いきなり現れてなんなのこいつ!!?)ガタガタ

??「あなたがこの子を保護しているのですか、と、ミサカは尋ねます」

上原(あ、あれ? よくみたら同じ制服を着てるぞ? 顔は薄暗くてよく分からないけど)

ミサカ?「この子を保護したのはあなたですか、と、ミサカは再度確認をとります」

上原「あ、ああ、そうだけど」

ミサカ?「そうですか、と、ミサカは少し安心した表情を作り話を続けます」

上原(変わった喋り方だな)

ミサカ?「断片的な情報しか回収できなかったため、命の恩人に対して失礼な態度をとりました、と、ミサカは深々と頭を下げます」

上原「へ? な、何言ってんの?」ドキドキドキ

上原(怖いよー、早く戻ってきてよ黄泉ー)
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 02:59:23.69 ID:W11sPiiu0
ミサカ?「命の恩人に対し非情に申し上げにくいのですが、と、ミサカは少し遠慮気味に本題を切りだします」

上原「な、何かな?」ドキドキドキ

ミサカ?「この子の親である存在はすでに壊滅しています。この子もこのまま眠らせてあげるべきだ、と、ミサカは感情を押し殺して事実を述べます」

上原(は? 親? 壊滅? 何言ってんだ?)

ミサカ?「どちらにせよ調整する者がいないこの子はいずれ壊れます、と、ミサカは淡々と口を開きます」

上原「よ、よく分からないけど、この子の命をどうするかなんてこの子以外には決めさせないよ?」

ミサカ?「……! そうですか…、と、ミサカは少し表情が和らぐのを隠せません」

上原「あ、あのさっ、この子のこと詳しいなら色々教えてほしいんだけど!?」

ミサカ?「それはできません、と、ミサカは即答します」

上原「なんで?」

ミサカ?「ミサカ10023号はこれから行かなければいけない場所があるからです、と、ミサカは事実を述べます」

上原「いちまんにじゅうさん?」キョトン

ミサカ?「それでは失礼します、と、ミサカはもう一度頭を下げます」

上原「そ、それならさ! この子の名前だけでも教えてくれないかなっ!?」

ミサカ?「………未完成品、と、ミサカは小声で告げながら去っていきます」タタタッ



上原「みかん、…なんだって?」



少女「………」ハァ………ハァ………
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:08:16.67 ID:W11sPiiu0
病院内。

冥土帰し「これは驚き以外の何も出てこないとしか言えないんだけどね?」

黄泉「今のところ、この子の状態はこれ以上悪化しません。でも、よくなることありません」

上原(カエルだ………)

冥土帰し「これは大手術になるとは思わないかい?」

黄泉「あなたになら治せると思ってここまで来ました」

冥土帰し「あるいは、君でも何とかなると思うんだけどね?




 黄泉返りさん?」




黄泉「………その呼び方は止めてください」

上原(……黄泉?)
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:13:41.78 ID:W11sPiiu0
冥土帰し「どちらにせよ、目の前に患者がいる以上は僕のやることは一つしかないんだけどね?」

黄泉「………お願いします」

上原(……あれ? この先生の顔どっかで…)

冥土帰し「さっそくなんだけど、この子にかけられている力を解いて欲しいんだけどね?」

黄泉「あ、はい。それじゃあ、これ持って出て行ってくれるかな?」

上原「携帯…使い方が…」

黄泉「は・や・く」

上原「………はい」シュン…
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:23:14.39 ID:W11sPiiu0
第七学区・朝

上原「……朝だ」

上原(手術はさすがの名医でも困難を極めるらしく、何度も何度も細かく行われた。そして、そのたびに俺は病院と公園を往復している)

上原「……眠い」

??「………ふんふんふんふーん♪」テクテク

上原「えっ!?」

??「いやー、早起きは三文の得って言うけど、実際なんにも起きないわねー」

上原(え、ええ!? なんでなんで“治ってんの”!?)

美琴「こんな時間に一人で公園を散歩してるなんて、常盤台の皆の御坂美琴像が崩れちゃいそうねー」クスクス

上原「お、おいっ! あんたなんでピンピンしてんだよ!!?」スッ

美琴「え、なんですか急に」スッ

上原「おわっ…」ヨロッ

上原(後ろから掴みに行って避けられた?)

美琴「誰かと間違えてませんか? 私はあなたを知らないですよ?」

上原(はぁ? 俺がこんなに苦労したのに知らないだって?)カチン

上原「間違える訳ねーだろ! バカかお前!」

美琴「………っ」イラッ

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:32:34.75 ID:W11sPiiu0
美琴「本当に私ですか? 私が誰か知ってますか?」

美琴(学園都市にいる人間が私のこと知らない訳ないと思うんだけどな―)

上原(こいつ、自分が有名人だからって…)イライラッ

上原「知ってるよ!! レベル6だか7だかの超電波人間だろ!!」

上原(やばい、眠くてうろ覚えだ。てか、睡眠欲も隔離しておけばよかった…)ハァ

美琴「………あ、あはは…あはははは」

上原「ど、どうした?」

美琴「笑えるわよね。夏休みなのにスッと起きちゃって、せっかくだし散歩しようって朝っぱらから出かけて、なんか良いことないかなーって公園まで来てみたら…。こんな不幸ってあるのかしら…」バチバチッ

上原「げ…お、怒った?」ビクッ

美琴「あんた…レベルは?」

上原「れ、レベル? まだ12だけど」

上原(ドラクエ10全然できてねーよ)

美琴「いやー、まいった。まさか学園都市においてレベル5以外の人間にここまで舐められるなんてほんとまいった」バチバチバチ

上原「え、あ、いや、その」オドオド

美琴「往生せぇやごらぁあああ!!」バシュッ

上原(げぇ!!? なんか飛んできたぁああああ!!?)
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:36:54.26 ID:W11sPiiu0
上原(電気だよなっ!? 電気で合っていてくれ!!)グッ



 バシュゥゥゥンッ!



美琴「な、ふ、防いだ?」

上原「……は、ははは…」ドサッ

上原(し、死んだ。今のは確実に死んでた…)

美琴(“あいつ”とは違う…。消したんじゃなく防いだ…)

上原「あ、あの…俺が悪かったので帰っていいかな」

上原(そうだ。こいつが元気ならそれで良いじゃないか。うん、絶対関わりたくない!)

美琴「待ちなさいよ」

上原「は、はい?」

美琴「あんた、レベル5に喧嘩売っておいてそれで済むと思ってる訳?」

上原「ど、土下座ですか?」

美琴「いらないわよっ!」

上原「じゃあ、どうしろと」

美琴「そうねぇ…あんた、すごい防御能力してるじゃない?」

上原「は、はぁ…」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:37:58.53 ID:W11sPiiu0







美琴「私の全力を受けてくれない?」






上原「全力でお断りします」ドゲザ





二人「」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:41:46.11 ID:W11sPiiu0
美琴「超電磁砲って聞いたことある?」スッ

上原(強引に話を進めてきた!?)

上原「あ、あんたの異名だろ?」

美琴「そう。異名。つまり、超電磁砲こそが私の代表的な技なのよ」ピィィンッ

上原「そ、それが何か?」

美琴「だからさぁ、受けてほしいのよね。






 超電磁砲を」ズギュゥウウウウウウウン!!





上原「は、はぁんっ!!!??」バッ


65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:47:34.95 ID:W11sPiiu0
美琴(ぎりぎり髪の毛に当たるくらいを狙った。あいつが“第一位と同じ”自動防御なら髪の毛でも弾くはず)

上原(電気でありますよー)シュバッ

上原「………」タラー…

美琴(血が出た!? 自動防御ではないか超電磁砲を防御する力はないということ!?)

上原(やべ、久々の流血…)フラッ

美琴「ふ、ふんっ、運が良かったようね。これに懲りたら二度と人をバカにしないことね」

携帯「電話ですよ」

上原「あ、行かなきゃ」タタタッ

美琴「ちょっと聞いてんの!?」ムキー

上原(ん? あいつはピンピンしてるのになんで呼び出し?)タタタッ
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:48:21.77 ID:W11sPiiu0





少女「………」ハァ……ハァ……






上原「」ボーゼン…





67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/13(木) 03:54:56.81 ID:W11sPiiu0
今日はここまでです。

>>48
すみません。努力します。

美琴が第一位の自動防御知ってることにしたけど良かったのかな…。
もし知らないのが当然だったらオリジナル展開ってことで許して下さい。

ていうかインデックスさんってベランダに干される前日って日本で逃げてるんだよね?
オリジナルと原作を絡めたら時系列難しすぎる;;

生温かい目で見守ってください。

では。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/13(木) 12:23:51.20 ID:0wEpmuA40
おはようございます。
続きです。

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/13(木) 12:36:10.48 ID:0wEpmuA40
少女「………」ハァ……ハァ……

上原(とりあえず隔離したものの、いったい何が起きてるんだ?)

黄泉「その狐に抓られたような顔…、もしかして“この子”とどこかで出会ったんじゃない?」

上原「な、なにを!?」

黄泉「あー、安心して、悪霊でも生霊でもないから」

上原「お、お化けなんか信じてねーしっ」

黄泉「その出会った子は、彼女のクローンかもしくは“本物”だろうねぇ」

上原「クローン? 本物?」

黄泉「ああ、オリジナルなら名前は御坂美琴。クローンなら妹達、もしくは



御坂何号かの1人だね」



上原「ミサカ…何号?」

『ミサカ10023号はこれから行かなければいけない場所があるからです、と、ミサカは事実を述べます」』

上原「あいつも…クローン?」

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/13(木) 12:46:42.77 ID:0wEpmuA40
黄泉「クローンと出会ったの?」

黄泉(朝方とはいえ、一般人の前にそんな簡単に表れていいのか?)

上原「いや、さっき出会ったのはどっちか分からない。ただ、とてつもなく強力なビームを放ってきた」ガクガク

黄泉(超電磁砲のことか?)

黄泉「それならその子はオリジナルだろうね。この子を含め妹達はオリジナルに比べて能力の質があまりよくないらしいから」

上原「詳しいな」

黄泉「まぁ、こっちにいた頃の仕事柄、ね」

冥土帰し「やれやれ、徹夜で手術してもあまり成果は見られなかったんだね?」

上原(そうなのか? 見える範囲の傷は全部消えてるぞ!?)

冥土帰し「この分だと、今日の夜までは常に山頂だとは思わないかい?」

上原「……げ」

黄泉「そうですね。それでも、さすが先生です。確実に快方に向かっている」

冥土帰し「お世辞はやめてほしいんだけどね? これくらいなら君にだってできるだろう?」

黄泉「………」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/13(木) 13:01:14.05 ID:0wEpmuA40
公園。

上原「ということで再び公園へ…」

上原(隔離でエネルギーを消費することがないから腹は減らないけど、逆にすることなさすぎて困るなぁ…)

「………!!」ギャーギャー

上原「………げ、あれは…」コソコソ

美琴「ほんとあんたじゃないけど、不幸だわ…」

上条「そ、そうなのか? じゃあ上条さんに関わらない方が賢明だと思うぞ」イソイソ

美琴「さりげなく去ろうとするなぁ!!」バリバリ

上原(うわぁ、朝からずっとあんな調子で通行人に絡んでるのかな…)ビクビク

上条「なんだよ、いい加減にしろよ。俺だって暇じゃねーんだから」

美琴「どうせ補習でしょ」

上条「」

上原(顔色がすごく悪くなった!?)
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/13(木) 13:15:55.37 ID:0wEpmuA40
上条「ああ、そうだよ。上条さんは常盤台のお嬢様と違って夏休みでも勉強しなきゃいけないんですよー」

美琴「はぁ? 何それ!? まるで常盤台の生徒が努力してないみたいじゃない!!」

上条「そんなことは言ってねーよ。ただ上条さんとこの学校は無能力者が多いから、いくら努力したって補習は免れない人が多いんですよー」

美琴「…それだけの力がありながら」パリパリ

上条「………げ、またか」

美琴「努力する前から諦めるなんて侮辱にもほどがあるわっ!」バリッ

上条「それこそ見解の相違だ。能力の向上だけが努力じゃないだろ?」

美琴「何言ってんのよ! そんなの学園都市自体を否定する言動じゃない!」

上条「真昼間から無能力者相手に電撃ぶちかますのは健全な努力って言えるのかよ!!」

美琴「そうは言ってない! ていうか見ず知らずの人間に危害を加えたりしてないっ!」

上原(………あれ?)オレハ…

上条「なんにせよ、だ。ビリビリ、お前は少し“自分を大切に”したほうがいいと思いますよー」

美琴「………っ」カチン
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/13(木) 13:35:11.93 ID:0wEpmuA40
美琴「…自分を大切に?」

上条「そうだぞ、俺みたいな無能力者でも対応できる能力なんだ。いくらレベル5だからと言ってもいつか痛い目見るぞ」

上条(まぁ、実際は“たまたま防げた攻撃”がいくつかあるけどな…)

美琴「そういう上から目線なとこがたまらなくムカつくのよ!!!」バシュッ

上条「……げっ!?」バッ

上原(危ない!?)


―――パキィィィン!!


上原「…へっ?」ガタッ

上条「あ、あぶなっ…」

美琴「手加減したとはいえレベル5の一撃を防いでおいて、無能力者を気取るなんてなめきってるわ」ゴゴゴ

上原(あ、これは朝と同じような展開に…)コソコソ

上条「気取るも何も無能力者なんですけどー!?」

美琴「う、る、さ、ぃいいいぃぃぃぃぃいい!」ピィィィン

上条「ま、まさかっ?」

上原「いや、いやいやいや」バッ

上・上「「超電磁砲!?」」

美琴「どっせぃ!!」バシュゥゥゥゥゥン!!!

上条「くっ!!!」バッ

上原(隔離するか!? 原理が分かった以上防げないことはないが…)



―――パキィィィィィィン!!



上原(また打ち破った!?)
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/13(木) 13:53:21.50 ID:0wEpmuA40
上条(あ、あたった…)ボーゼン

美琴「くっ…」

上原(あれを防ぐなんてやっぱり学園都市は化け物ぞろいだっ!!)ダダダッ

美琴「……あれ? あんた今朝の! まちなさーい!」タタタッ

上条「な、なんだ急に…」

上条(なんか変なおっさんを追いかけて行ったけど、そんな趣味でもあるのか?)

上条「ま、いいや。学校行かなくちゃ」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/14(金) 10:51:47.58 ID:r9hP72r+0
美琴「ふー、手間とらせないでよね」ドッコイセ

上原「あの…人の上に座らないでくださいます?」

美琴「……こうしておかないと逃げるでしょ?」

上原「……はぁ、で、何の用かな?」

美琴(ほんと、似てるわね。この“どこまでも余裕”なところとか!)ムゥ…

美琴「あんた、今朝私のこと…」

上原(やば…)

美琴「誰かと間違えてたでしょ?」

上原「さ、さぁ…」

美琴「誰と間違えたの?」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/14(金) 10:58:05.62 ID:r9hP72r+0
黄泉『いいかい、オリジナルにクローンの存在を知っていることがばれたら逃げるんだ。…死に物狂いでね』

上原『……なんで?』

黄泉『…君は学園都市が怖いと言っておきながら、会話や態度の端々で余裕を感じる。……だけど、君が怖いと思っている以上に、“学園都市のレベル5は恐ろしいよ”』

上原『………肝に銘じておくよ』



上原(ほんと、恐ろしいよ…)ハァ

美琴「何ため息ついてんのよ」バリバリ

上原「あばばばばば」ジュゥ

上原(な、何をされたんだっ!?)

美琴「あはははっ、驚いてる驚いてる!」

上原「………?」キョトン

美琴「大丈夫よ。今のは人体に何の影響もないから」

上原「でも痛かった」

美琴「あなたって面白い能力者ね」

上原「………っ!?」ビクッ

上原(なんでばれた!?)
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/14(金) 11:08:52.46 ID:r9hP72r+0
美琴「電気は防いで超電磁砲は防げなかった。仮説を立てるとしたら、

“ある程度の威力を持つ攻撃を防ぐ能力”

か、

“電気は防げるけど、コインは防げない”

そして、私が一番くさいと思ってるのが、

“自分の中の現実にある現象は止められるけど、ない現象は止められない”ね」

上原(その通りですけどぉおお!)ガーン

美琴「あの時、超電磁砲を見たあなたの表情はどちらかといえば“なんとかなりそう”な顔をしてたわ。でも、とめられなかった。“とても驚いていた”わね。威力で左右されるなら驚きはほとんどないはずよ。なんせレベル5の必殺技ですもの」

上原(自分で必殺技って言っちゃてるぅーーー)

美琴「で、その時思ったのが、物理的な攻撃は防げないのではないのかってこと。さっき鈍器で殴ってやろうかとも思ったけど、さすがに気が引けるものね。うん」

上原「……ありがとうございます」

美琴「でも、それならレベル5の攻撃を受けとめようとするかしら? それほど“自分の力に自信がある”のなら、ってことで最後の仮説が立った訳なのよ。…どう?」

上原「……もし答えなかったら?」

美琴「……あらゆる攻撃方法を試してみようかな?」ウーン

上原「その通り、その通りですぅーーー!!」

美琴「……っ、やったっ♪」ピョンッ

上原(当たったことがそんなにうれしいのか?)
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/14(金) 11:15:30.91 ID:r9hP72r+0
上原(……それにしても、なんて洞察力だ。言動から能力の多様性もある。これで“最強”じゃないのか!?)ゴクリ

美琴「…で、最初の質問に戻るけど、あの時誰と間違えたの?」

上原「………っと、それは…」

上原(隠すだけ無駄か? こいつの表情は確信めいているし…)

美琴「もしかして…、私と同じ姿をしている子じゃない?」

上原(…? 急に表情が暗くなった?)

美琴「ねぇっ! そうなんでしょ!?」ガッ

上原「……あ、ああ」

美琴「……やっぱり」

上原(今度は怒りの表情? 軍隊並みのスキルを持っていながら、感情コントロールもできないのか? 訳が分からない…)

美琴「……で、あんたは“黒”なの?」ギロ

上原「………は?」

美琴「研究者なのかって聞いてるのよ」バチバチ

上原「………ふぇぇ…」ビクビク
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/14(金) 12:33:06.90 ID:r9hP72r+0
美琴「学園都市から逃げてきた…?」

上原「ああ、……もっとも、ほとんど死にかけで妄想が入り混じってるかもしれないけど」

美琴「………番号は?」

上原「しきべつ?」

美琴「本人が言ってなかった!? 私は何千何号ですって」

上原「あ、いや、その子は言ってなかったけど、学園都市に来た最初の夜に出会った女の子は自分を10023号と呼んでいた…」

美琴「10023…まだ続いて?」プルプル

上原「どうした?」

美琴「―――――なくちゃ」ダッ

上原「お、おいっ」

上原(最後の…止めなくちゃって言ったんだよな?)




―――殺さなくちゃ。




上原「気のせい…だよな」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/14(金) 12:46:25.17 ID:r9hP72r+0
夕方。

上原「これで最後か…」タタタッ

上原(先生が言うには、最初は修理、次に接続、今が起動の段階にあたるらしい)

上原「あいつが起きたらすぐに隔離をオンにして…」ブゥン

上原(……“切れたな”)タッタッタ…

上原「よし、すぐ戻って…」

??「………」スッ

上原「おわっ!」バッ

??「………」

上原(なんだ? “まるで何も聞こえていない”みたいだったぞ?)

携帯「電話だよん」

上原「………はい」ピッ

黄泉『急いで戻ってこれるか? 思ったより早く意識を取り戻すらしい!」

上原「そんなことわかるのかよ…」ドンッ

上原「……ん?」

??「はぁはぁはぁ…」

上原(げぇ!!? この前の白い服のお化け!!)

??「はぁはぁはぁはぁ…あ、ぶないんだ、よ」ドサッ

上原「………え?」ベチャァ

??「………に、げて」ハァハァハァ

上原「………最悪だ…」


81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/14(金) 13:02:09.83 ID:r9hP72r+0
上原「……おい、聞こえるか?」

??「……とう、ま?」ハァハァ

上原「違う。俺は上原だ」

??「かみ、はら。私の名前はインデックスなんだよ」

上原「……インデックス? まぁいいや。インデックス。お前の存在をこの世の流れから断絶した。だから、体力を温存しようとか考えなくていい」

イン「………言っている意味が分からないんだよ」キョトン

上原「幸い、まだ比較的体力があるうちに隔離できたからな。その分痛みも連れてきちまってるけど、それは諦めてくれ」

イン「これも超能力ってやつなのかな? かみはらー」

上原「いや、ただの呪いだ」

イン「それはないんだよ」

上原「……え?」

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/14(金) 13:30:30.83 ID:r9hP72r+0
イン「これほど強力な魔術や呪いなら、私の中の魔導書に記されているはずなんだよ。それがないってことは、少なくとも魔術でも呪いでもないんだよ」

上原「魔導書?」

イン「あ、かみはらもとうまみたいに疑う気だね! 私には完全記憶能力があっ―――「魔導書だって!!?」

上原「“雷帝”に関する書物を持っていないかっ!?」

上原(魔導書ならこの呪いをかけた“あいつ”のことも…)

イン「雷帝、イヴァン四世で初代ツァーリのことだね。彼の残虐非道な“儀式”の数々は既存のものや失敗のものを含めればまるまる一冊の魔導書ができあがるんだよ」

上原「……“そんなこと”は分かってる。まぁ、残ってるわけないか…」

上原(あいつが証拠を残すわけないしな…)チッ
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/14(金) 13:31:54.51 ID:r9hP72r+0
今日はここまで。

お疲れ様です。
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/14(金) 22:50:58.83 ID:D4oKZiEu0
パソコンの調子がすこぶる悪い;;
続きです。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/14(金) 23:03:27.03 ID:D4oKZiEu0
イン「それにしてもすごいんだよっ、こんなに大怪我なのに普段通り動けるんだよっ」ルンルン♪

上原「見ていて気持ち良いものじゃないけどな。ゾンビみたいで」ハァ

イン「怪我…。本当に消えちゃったんだよ? とうま…」

上原「その怪我の原因は事故って訳じゃなさそうだな」

イン「うん、違うんだよ」

上原「……事情はあるだろうが、今は一緒に来てほしいところがあるんだっ」グィ

イン「…駄目なんだよ」バッ

上原「どうしてだ? 一緒に来てくれればその怪我も治せるはずだぞ?」

イン「……私も、行かなくちゃ行けない場所があるんだよ。行かないと……迷惑かけるから」

上原「迷惑?」

イン「うんっ、それだけは絶対阻止するんだよっ!」ダッ

上原「ちょっ、……あーもうっ!!」ダッ
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/14(金) 23:22:50.85 ID:D4oKZiEu0
イン「あれ? 用事はいいのかな?」タタタッ

上原「あー……」

上原(説明したところで結果は同じか…なら)

上原「俺の用事のことは気にするな。でも、お前の怪我は俺と離れればまた悪化するからそのつもりでいろっ!」

イン「…へ? ということは……私達は運命共同体ってことかな?」

上原「あー、まぁそうなるのかな?」

上原(どっちかというとお前は俺に運命を握られてるけどな…)

イン「それじゃあ、走りながら状況を説明するんだよっ!」

上原「どっちでもいいんだけど…」

イン「何か言ったかな?」ニコッ

上原「い、いや…」

イン「説明するとね、私は魔術結社に追われてるんだよ。それで、その中の一人に……斬られたんだよ」

上原(いつの時代も魔術関係の人間はぶっとんでんなー)

イン「聞いてるのかな?」

上原「あ、ああうん、聞いてる聞いてる。で、そいつらはお前のどうして追ってるんだ?」

イン「それはね。私の持ってる10万3000冊の魔術書を狙ってるんだよ」

上原「ふーん」

イン「驚かないんだね?」

上原「まぁ、よくある話だろ」

上原(たった一冊でも魔術書なら死人が出るしな…)
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/14(金) 23:23:36.58 ID:D4oKZiEu0






上原「……って、10万冊!!!?」ビクッ






88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 00:38:19.01 ID:a+05B2Mm0
上原「お、重たくないのか?」

イン「……本気で聞いてるのかな、それ」ジトー

上原「冗談だよ…」

イン「質量なんてないんだよ。だって、



全部頭の中に入ってるから」




上原「そうか…、大変だな」ポン

イン「どうやって保存してるかとか興味わかないのかな?」

上原「あー、そういえばそうだな。普通忘れちゃうもんな」

イン「私は完全記憶能力って力があるから大丈夫なんだよ」エヘン

上原「全部覚えちゃってるの? すげーなそれ」

イン「そうなんだよ。すごいんだよ」エヘンエヘン

上原(でも、それを狙うって具体的にはどうすればいいんだ?)

イン「あ、そのマンションなんだよっ」

上原「そのマンションって言われても、そっちの理由は聞いてないから分かんねーよ」

イン「そうだったね。君は見た目だけじゃなく察しの悪さもとうまに似てるんだよ」

上原「おほめの言葉をどうも」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 00:47:57.30 ID:a+05B2Mm0
イン「魔力探査されたら、とうまの部屋に忘れてきたフードも対象にされちゃうんだよ。…そしたらとうまに迷惑がかかっちゃうんだよ」

上原「よほどとうまって奴が大切なんだな」

イン「違うんだよ。かみはらがとうまの立場でも、私は同じ行動をとるんだよ」ニコッ

上原「………/// ふ、ふーん」

イン「たぶん…次の次の階なんだ…よ?」



ステイル「えっと、ここはこう貼って…」イソイソ



イン「」

上原(…こいつどう考えても……)

イン( 放 っ て お く ん だ よ )コソコソ

上原「………」コソコソ



ステ「ふふふ、彼女の驚く顔が目に浮かぶよ」イソイソ

イン「」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 00:59:48.66 ID:a+05B2Mm0
イン「ここなんだよ」ドンドンドン

上原「おいおい、チャイムくらいあるだろ」ピンポーン

イン「とうまー! とうまー!!」ドンドンドン

上原(…そうか、テンション高いのは傷のせいでアドレナリンが出てるのか…そのままの状態を隔離したから)

イン「とうまいないんだよ…」シュン

上原「学生だし遊びまわってるんだろ」

イン「そうなのかな…。とうま友達いなさそうだったけど…」

上原(何気にひでーな)

ステイル「…おやおや、まさかもう来てるとはね」

イン「………空気読んで欲しいんだよ」

上原「そんな言葉良く知ってるな」

イン「ああいうDQNっていう害悪相手に使う言葉なんだよ!」

上原「いつネット使ったんだ?」

イン「本屋の情報誌に載ってたんだよ!」

上原「それ漫画だろ絶対…」

ステイル「………」プルプル

91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 01:09:14.77 ID:a+05B2Mm0
ステイル「ま、まぁいいや。君は僕と一緒に来てもらうよ。インデックス」

イン「嫌なんだよ」

上原「でも、見た目はカッコいいぞ」

イン「そうかな? そうかもしれないけど、嫌なんだよ」

ステイル「………」///

上原(照れてる……)

ステイル「ごほんっ、どうも君らはシリアスさに欠けるようだけど、インデックス、君は自分の存在がどれほど危険か分かっていないようだね」

イン「危険なのは壁に向かってぶつぶつと呟いているあなたなんだよ」

上原「確かに。あの姿はちょっと危ない人みたいだったな」

ステイル「」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 01:36:02.06 ID:a+05B2Mm0
ステイル「本当に、本当に欠けてるよ。君は」スッ

インデックス「かみはら、危ないから下がってるんだよ」バッ

上原「あー、いいよいいよ。“現代魔術師”なんかに負けないから」テクテクテク

ステイル「言うね。だけど、魔法名Fortis931を名乗る限り、僕は君みたいな“ジャパニーズ”に負けるわけにはいかないんでね」ボッ

上原(まぁ、あのルーンを見てる限りそうだろうと思ったけど、やっぱり“炎”か)

ステイル「―――炎よ」ゴゥッ

上原「炎剣か。いつの時代も炎の魔術師ってのは派手好きだな」

上原(いや…それを言ったら水も雷も同じで、――要は使い手の趣味か)

ステイル「派手な訳じゃないさ。“威力重視”にした結果がこれさ。―――巨人に苦痛の贈り物を」ブンッ

イン「かみはら! それに触れたら爆発する――」

上原「“巨人に粋な計らいを”」ビュッ

ステイル「なっ、水!?」

イン「………!?」

上原「それはただの水じゃない。炎剣レーヴァテインの炎を一カ月鎮めた呪いの水さ」

イン「レーヴァテイン…、北欧神話スルトが持つ炎の剣。でも、それを鎮めた記録なんて…」

ステイル「くっ、“世界を構築する―――「遅い」

上原「“英雄に望まぬ望みを”」スッ

ステイル「………か、はっ」ガクッ

イン「何をしたのかな!?」

上原「何って………んー、




パルプンテ?」




イン「………?」

ステイル(いきが…)カハッ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 01:44:47.74 ID:a+05B2Mm0
上原「………」スッ

ステイル「かはっ、げほっげほっ」

ステイル(な、何が起きたんだ!?)

イン「すごいんだよ…」

イン(原典にも載っていない魔術を使うなんて…。しかもどの本を使っても解析できないんだよ)

上原「“後輩”。一つだけ教えておく。魔術師なんてのはな、後衛でびくびくしながら遠距離魔術を使うもんなんだよ。それをあたかも自分が“最強”であるかのように勘違いをして、未知数の相手に振り回すなんて、




……素人かお前?」




ステイル「………っ」カチン

イン(この人は一体何者??)

ステイル「くっ、灰は灰に、塵は塵に、



 吸血殺しの紅十字!!」ボッ



上原「やれやれ…、君のルーン借りるよ?」

ステイル「………は?」

上原「“求める者に救いなき答えを”


出でよ、従者」


イノケンティウス「」ゴォォォォ

ステイル「」ポカーン
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 01:51:44.56 ID:a+05B2Mm0
インデックス(さっきから、詠唱の内容も魔術の効果も全て“人をバカにした”ようなものばかりなんだよ。しかもレーヴァテインの名が出てくると言うことは…)

上原「って、こんなの出したら火事になるじゃないか」スッ

イノケンティウス「」シュウン

ステイル「な、何が起きてるんだ…」

イン「あなたはロキ…なのかな?」

上原「……いや、まぁ否定はしないけどね」スッ



上原「“立ち止まる者にどしゃ降りを”」



ステイル「………え?」シュンッ

インデックス「消えたんだよ!?」

上原「消えたというか、移動してもらった」

インデックス「どこにいったのかな!?」



上原「――――過去」



――数分前。

ステイル「……訳が分からん…」スパー

過去ステイル「ふふふ、彼女の驚く姿が目に浮かぶよ」

95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 01:59:54.40 ID:a+05B2Mm0
上原「あいつはもう一度、同じ時間を消費しないと何もできない。まぁ数分だけどね」

イン「……あなたすごい魔術師だったんだね」

上原「魔術師? あー、まぁ俺自体は昔“ダメダメ魔術師”だったこともあるかな」

イン「昔?」

上原「今は魔術師なんかではないし、今のは全部魔術なんかじゃないよ」

イン「じゃあなんなのかな? やっぱり超能力?」

上原「いやいや、あれはただの……“神の力”」

イン「………それは神に対する冒涜なんだよ。人間が神を同列扱いすることは最も愚かな行為なんだよかみはら」

上原「まぁ、この神さんってのが厄介だからね。神扱いしたら拗ねるだろうし」

イン(たしかに、ロキは神話最大のトリックスター。あまりの悪戯に他の神々が怒りをあらわにしてたらしいし…)

上原「それにたまたま今回は相手がルーンで儀式場を造ってくれたから利用させてもらったけど、普段さっきの力を使おうとすれば間違いなく暴走するだろうね」

イン「まさか科学の都市で神の力に遭遇するとは思わなかったんだよ」

上原「まぁ、俺も予想外だったけどね」





上条「あれ? インデックス??」




イン「――――っ」バッ
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:02:19.34 ID:a+05B2Mm0
イン「とうまぁ!!」ダッ

上条「ど、どうしたんだ!?」ガシッ




――――パキィィィィィンッ!!




上原「………はっ!?」

イン「………え?」ゴボッ




ビシャッ!!





上条「血?」

上原「何が起きたんだ!!」ブゥン





―――パキィィィィン!!





上原(なんだ!? 隔離が強制解除される!!?)
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:08:48.83 ID:a+05B2Mm0
上条「おっさんがやったのか!」

上原(おっさん!? まさかこの子には俺が…)

上原「違う! むしろ原因があるとすれば君だっ!」

上条(何言ってんだよこのおっさん。って、そこまでおっさんじゃないけど…)

上条「インデックスが血だらけで倒れて、目の前にいたのがあんたなら、俺はあんたを疑うしかないだろうが!」

上原「俺だって同じだっ! さっきまで状態を保っていたこの子が君に触れた途端に血を噴き出して倒れたんだ!!」

上原(力を打ち消した?)



上・上『超電磁砲!!?』




―――パキィィィィン!!




上原(あの時も実は打ち消していたのか? …だとすれば)

上原「少年! 今すぐその子を離せ! じゃないと彼女が危険だ!」

上条「そう言って離したとたんに変な魔法を使う気だろ!! だけど俺の右手で全部打ち消してやる!!」

イン「………」ハァハァハァ…

上条(インデックス…あの時、俺がお前の問いに即答していれば…)クッ
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:21:49.47 ID:a+05B2Mm0
上原(ルーンは残っている…倒すか?)

上条「インデックス! おい、しっかりしろ!!」ユサユサ

イン「とう、ま…(あのひとの言うことを聞いて)」パクパク

上条「そんな必死になって…怖かったんだな」ギュッ

イン「」

上原「君の打ち消す力に限界はあるのかい?」

上条(……!? もう、俺の力を把握してる?)

上条「…さぁてね、その気になれば神の加護だって打ち消すよ」ニヤリ

上原(ふむ、はったりかどうか…。戦略性もあるのか……全く学園都市の子供たちときたら、魔術師よりよほど暗殺者向きだ)ハァ…

イン『上条当麻、今すぐ右手を離してください』

上条「インデックス?」

イン『彼は味方であり、彼の力で一時的な生命の維持が約束されます』

上原(なんだ? いきなり人格が変わったぞ…?)

上条「あ、ああ」パッ

イン「………あ」

上原(隔離っ)ブゥン

イン「………」ハァ…ハァ…

上条「触ったらまずいんだよな」

上原「……ああ」




電話「prrrrrr」




99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:27:48.26 ID:a+05B2Mm0
黄泉『早く来い。今すぐ来い。飛んで来い』ガチャ

上原「………っ」

上条「どうしたんだ?」

上原「あ、ああ…ちょっとこの子並みに命の危険な子がいるんだ」

上条「なんだって!? それなら早く行かないと!!」

上原「そうなんだが…」チラッ

イン「………」ハァ…ハァ…

上条「インデックス…」

上原「一緒に連れていくしか…」

上条「なら、早く行こう!!」

上原「ああ」ダキッ

イン「………ごめん、なんだよ」ハァハァ

上原「気にするな。乗りかかった船だ」



ステイル「なら、その船から降りてもらうよ」



上原「………案外早かったんだな」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:35:59.99 ID:a+05B2Mm0
ステイル「……やれやれ、今日はつくづく嫌な日だよ。追いかけっこは予定通りいかないし、“自称先輩”には苛められるしね…」シュボッ

上原(……少年、君の打ち消す力に効果範囲や条件はあるのか?)ボソッ

上条(右手で触れたものが異能の力なら何でも打ち消せるぞ)

上原(…へぇ、それは興味深いな)

ステイル「こそこそと密談するのはかまわないけど、“僕はもうかなり頭にきてるんだよ”」

上原(少年、君がこの魔術師と戦え)

上条「へ?」

上原「大丈夫、従者をつけるから」

上条「従者?」

上原「“誰にも従わない、番犬解き放つ”」

番犬「」グルルルルル

ステイル「……ケロベロスを召喚するなんて、何者だよ本当に」

上原「まぁ、厳密にはケロベロスがその辺の雌を強姦した結果がこいつなんだけど、どっちでもいいや。




 強いし」ニッ



番犬「」ガチッガチッガチッ

上原「じゃあ、後は頼んだっ!!」ダッ

上条「ま、まかされました」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:43:06.06 ID:a+05B2Mm0
病院


上原「………容体はっ!!」ガラッ

黄泉「おせーーんだよぉ!!!」バキッ

上原「ぶふぇっ!!」ベチャ

イン「いたいんだよっ!」ベチャ

黄泉「……え?」

少女「……おかえりなさい」

上原「だいぶ良くなったみたいだな」

冥土帰し「本当に、この子の生命力の強さには驚きを隠せないんだね?」

上原「先生、もうひとつ問題が発生したんだけど」

イン「………」

冥土帰し「これは……、江戸時代にでも行ってきたのかい?」

イン「…え、えへへ、刀で斬られたんだよ」

黄泉「マジですか…」

上原「マジっぽい」

冥土帰し「それじゃあ、君は今から緊急手術だけどいいかな?」

イン「怖いんだよ…。かみはら、魔術で…」

上原「あ、俺はさっき説明したとおり、儀式場がないと魔術使えないし、俺は回復魔術だけは使えないから」

黄泉「えー、上原、魔術使ったの!?」

上原「仕方なくだ」

黄泉「見たかったなぁ」

上原「ほんと西洋医学のど真ん中にいるくせにオカルト好きだよな」

黄泉「現実にあったからね」ニコ
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:48:49.06 ID:a+05B2Mm0
イン「儀式場はすぐ作れるから、誰か超能力開発を受けていない普通の人はいないかな?」ハァハァ

上原「………黄泉、良かったな。魔術が体験できるぞ」ポン

黄泉「え、えぇえ?」

イン「よろしくなんだよ…」

上原「それじゃあ、お前らがこの場から離れて儀式をしろ。隔離が解除されしだいこの子を隔離する」

黄泉「わ、分かった…」

イン「それじゃあ、行くんだよ」

黄泉「よっこいしょ」

イン「君は女の子の割に力持ちなんだね」

黄泉「………!?」

上原「!? ……初見で黄泉の性別を見破った、だと?」ゾクリ

冥土帰し「いいから早くするんだね?」

一同「あ、はい」ソソクサ
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:55:38.19 ID:a+05B2Mm0
上原「先生、ひとつお願いがあるんだけど」

冥土帰し「なんだい? 人権を踏みにじるような行為じゃなければ協力できると思うんだけどね?」

上原「それは価値観で変わってくると思うから、とりあえず聞いてほしい。




 この子にありとあらゆるありったけのドーピングをしてほしいんだ」




少女「………!?」

冥土帰し「どういうことだい?」

上原「まぁ最終的にはこの子が決めることなんだけど、この子は誰かに追われていた。そして黄泉が語った妹達の存在。御坂美琴の言動、10023号の挙動…。それらを統括して出した結論が…



簡単に命がけし飛ぶような危険な何かに巻き込まれている」



冥土帰し「………」

少女「………」

上原「それに、隔離を解除すればどうせ死ぬんだ。人間の限界を超えたくらいで何の影響もない」

冥土崩し「………ふむ、どうしようか?」

少女「………


104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:56:28.15 ID:a+05B2Mm0






――――お願いします」






冥土帰し「………」コクリ
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/15(土) 02:59:08.34 ID:a+05B2Mm0
寝ます。

見てる人いるかな?
いたら、この後の展開で、禁書×黄泉と上条VSステイルの部分要るかどうか決めてほしいんですが…。
もしいなかったら、この二つは結果のみでいきます。

それではおやすみなさい。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/15(土) 15:13:26.64 ID:gtqZDPR5o
居るぞ
SS速報はオリキャラに拒絶感ある人多いから読む人少ないかもしれんが話は面白いぞ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/15(土) 22:18:53.78 ID:EpMciRq0o
オリキャラかよと思って読んだら面白かった
応援してる
108 :1 [saga sage]:2012/09/15(土) 23:22:32.30 ID:xUl44Q+t0
>>106>>107

ありがとうございます。がんばります!
上条さん推しの1としては、やはり上×ステは流せないので、家に帰ったらそのルートで第一章を締めようと思います。

もう少し仕事してきまーす。
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 02:31:43.00 ID:hlJs2pCP0
ただいまです。

続き。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 02:51:36.49 ID:hlJs2pCP0
上条宅前。

上条(お犬様が味方してくれるのはいんだけど…)

番犬「ぐるるるるる///」フリフリ

上条(なんか欲情されてるんですけどぉおお!)

ステイル「炎よ―――」ボッ

上条「これが…魔術」

番犬『私の今の姿も魔術そのものみたいなもんだけどね』

上条「えぇえええ!? 喋ったぁ!?」

番犬『喋った訳じゃないわ。意思を魔術で振動に変えてるだけよ』

上条「ほえー、今時の犬は魔術を使えるのかぁ」スッ

番犬『我に触れるなっ!!!』ガウッ

上条「おわっ! ご、ごめんっ!」

番犬『あ、い、いや良いんだ。ただお主のその右手に触れられたら、我は消えてしまうのでな』

上条「そうか……」シュン

番犬『さ、触ってほしくない訳じゃないぞっ! むしろ撫でてほしいっていうか抱きしめて欲しいっていうか』フリフリ

上条「……良かった」ニコッ

番犬「」ズキューーーーン///

ステイル「―――顕現せよ。わが身を喰らいて力となれ―――――ッ!!」

イノケンティウス「」ゴォォォォォオ

上条「なんて炎だ…」ゴクリ
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 02:59:12.13 ID:hlJs2pCP0
上条「なぁ、お犬様」

番犬『……ウルだ。お父様はそう呼んでくれた』

上条「ウル…、思ったんだけど、あいつと戦う理由はないんじゃないか?」

上条(インデックスはあのおっさ…“お兄さん”が助けてくれそうだし…)

ウル『いや、それは間違っている。彼奴が少女の命を狙っている以上、それが理由だ』

上条「……そう、なのか…」グッ

上条(なんだか、違和感があるんだよな。こいつにしろインデックスにしろ…)

ステイル「いけ! イノケンティウス!!」

イノケンティウス「」ズズズッ

上条「ええいっ、とりあえず悩むのは後だっ!」ダッ

ウル『待て! 上条当麻!!』ガウッ

上条「えっ?」パキィィンッ!

イノケンティウス「」バシャッ

上条(簡単に弾けた?)

ウル『今すぐさがれっ!!』

ステイル「………」ニヤニヤ

イノケンティウス「」シュゥンッ

上条「なっ、戻った!?」

イノケンティウス「」ゴォォォオォォ

ウル『くっ!!』ジュゥゥゥッ

上条「ウルっ!!」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 03:08:14.73 ID:hlJs2pCP0
ウル『心配するな。実体にダメージはない』ガウッ

上条「それならいいけど、無茶すんなよ」

ウル『完全にこちらの台詞だ上条当麻』

ステイル「灰は灰に―――」

上条(まだ何かあるのかっ!?)

ステイル「塵は塵に―――」

ウル『“悪魔喰らいの影”!!』ゴォォォオォ!!

上条「ウルの身体から無数の影が!?」

イノケンティウス「」グゥォォゥ

上条(影の狼たちが炎の巨人に噛みついてる…。魔術ってこんな大規模な戦闘を行うのか…)ゾクリ

ステイル「吸血殺しの紅十字!」ゴォゥ!

ウル『炎剣か…、ならば、我が相手しよう!』シュゥゥン!

上条「……え? ウル?」

ウル(人型)「絶対凍土の氷剣“ツェルケス”!」キィィィン!

上条「び、美人だっ!!!」

ウル「う、うるさいっ!」カァ///

113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 03:22:23.42 ID:hlJs2pCP0
ステイル「うぉぉおぉおお!」ブンッ

ウル「………」スッ


―――パァアアアァアァアァアアン!!


上条「なっ!?」

ウル「固体から気体へ急速に変化しただけだっ! かまわず炎人を頼む!!」

上条「あ、ああ!」ダッ

ステイル「やるね」

ウル「あんたなんかに褒められても嬉しくもなんともないわ」ギロリ

ステイル(さすが氷を使うだけあるね。なんて冷たい視線なんだ…)

上条「おりゃぁああ!」パキィィィンッ!!

イノケンティウス「」バシャッ

上条「くそっ、これじゃあさっきと変わらない!!」


ウル「いいえっ、状況は変わってるわ!!」スパッ


イノケンティウス「」ジュゥゥン…



ステイル「なっ………」

上条「消えた?」

ウル「二回も見れば魔力が供給される流れなんて見えるわ。ツェルケスの真価は魔力の流れを断ち切ることにある」

ステイル「くっ、無茶苦茶な」ブンッ

ウル「炎のように無差別に燃えたぎれば良いというわけではない」スッ

ステイル「減らず口をぉおおおお!」ガキィィィンッ

上条「うぉおおおお!」ダッ

ステイル「くっ……」バッ
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 03:27:50.19 ID:hlJs2pCP0
ウル・上「「うぉおおおおおお!」」ブンッ

ステイル「くっ」


――――パキィィィィンッ



上条「歯ぁ食いしばれっ! クソ野郎!!」バキッ

ステイル「うわぁああああ」ドサッ

上条「やったなっ!!」

ウル(狼型)『と、当然のことよ』///

上条「で、これからどうすればいい?」

ウル『………召喚されただけの我に聞くことではない』ムスッ

上条「それもそうか……」

ステイル「」グテッ
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 03:32:07.48 ID:hlJs2pCP0
上条「とりあえず、彼のところへ向かおう!」

ウル『そうか、それじゃあお別れだな』

上条「な………あ、そうか」

上条(ウルはこのルーン?が貼ってある結界内しか存在できないのか…)

ウル『気にするな。向こうの世界じゃ走り回ってるから』

上条「へぇ、ウルの走ってる姿なんて美しすぎて参考にならないかもな…」

ウル『は、はぁ? 何言ってんのよ』

上条「まぁまぁ、こっちの話ですよ」

ウル(全部聞こえてます///)
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 03:45:29.34 ID:hlJs2pCP0

冥土帰し「………全部終わったんだよ?」

上原「………」グッ

少女「………」ブゥン

上原(本当にドーピングしたのか? 見た目は変わってないぞ)

冥土帰し「その顔、信じてないみたいだね?」

上原「あ、ああ…悪いが現代の治療技術をそれほど信頼していない」

冥土帰し「大丈夫だと思うよ? 彼女の中には肉体活性、精神覚醒を中心にしたドーピングのフルコースが定着してると思うんだね?」

少女「………これが、私の力…」

上原「ああ、最初は慣れないだろうけど、死にかけよりはマシだろ?」

少女「そうですね…」

上原(見た目はまんま御坂美琴なんだな…)

上原「そういえば、あんたまだ名前を思い出せないのか?」

少女「……いえ、体力が戻ったからか思いだしました…」

上原「へぇ! よかったよか――」




少女「私は識別番号を与えられる前に捨てられました。だから名前はありません」




上原「」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 03:54:45.87 ID:hlJs2pCP0
上原「……ま、まぁ、御坂美琴のクローンなのは間違いないんだし、“ミサカ改”とでも名乗れば?」

ミサカ改「分かりました、と、ミサカは嬉しそうに頷きます」コクン

上原「………っ!?」ビクッ

ミサ改「どうしましたか、と、ミサカはかなり心配そうに顔を覗きこみます」

上原「なんでその喋り方…」

ミサ改「……えっと、私、実はこの学園都市にいるミサカ美琴のクローンと、




 繋がっちゃいました」




上原「今すぐ捨ててきなさい」

ミサ改「嫌です、と、ミサカははっきり拒絶します」

上原「でも、それなら…」

ミサ改「ミサカはミサカの敵を知りました、と、ミサカは強い意志を露わにします」

上原「……敵?」






ミサ改「そうです。私の敵は………この学園都市の“第一位”です」






上原「…………へ?」








 第一章 隔離と拒絶 終
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/09/16(日) 03:59:51.05 ID:hlJs2pCP0
第一章終了しました。
応援感謝です。

だいぶ眠たいのを我慢して書いたので、拙い所には触れないでください。

第二章のタイトルは

『 聖人 と 人工物 』

です。



神裂「人ごときに造られたものが偉そうに…」

ミサ改「大切なのは“胸”じゃないです、と、ミサカは嫉妬を露わに―――(以下略)」



ねーちんとミサカ改が壮絶なバトルを繰り広げる!!?

その一方、上原は御坂美琴とステイルに同時に急襲されて…

第二章は明日更新予定です。

では。
119 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 02:12:07.73 ID:uU0dx8SB0
ただいまです。
今日も少しだけ更新。

第二章。
120 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 02:20:43.66 ID:uU0dx8SB0
上原「が、学園都市第一位が敵って…」

上原(第三位であの強さだろ? 第一位はそれより二つも上って…)ガクガク

イン「ただいまなんだよ」ガラッ

黄泉「………」///

上原「おー、すっかり良くなったな」

イン「よみが頑張ってくれたおかげなんだよ」ニコニコ

黄泉「……もう絶対しない」カァ///

上原(何をされたんだ…)

ミサ改「おかえりなさいませ、と、ミサカは深々と頭を下げます」

黄泉「おー、君も見違えたねー」

黄泉(なんか体格少しでかくなってないか?)

上原「あ、こいつのことミサカ改って名づけたから」

黄泉「死ね」ゲシッ

上原「ぎゃふっ」ドサッ

黄泉「女の子の名前をそんなDQNネームにするなんて、死ね」

ミサ改「えっと、あの…、ミサカは動揺で何も言えません」オドオド

黄泉「あなたのお姉さんが美琴だから……美咲なんてどう?」

ミサ改「……とても良い名前です、と、ミサカは心底喜びます」

黄泉「だったら――「ですが」

ミサ改「たくさんの同胞が名前もなく死んでいった中で、未完成品の私が名前を付けられる訳にはいきません」

黄泉「………」

121 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 02:26:39.61 ID:uU0dx8SB0
イン「あっ、そういえばとうまはどうなったのかな!」

上原「あー、あいつか。そういや落ち合う場所とか決めてなかったな」

イン「探しに行くんだよっ」タタタッ

上原「おい、待てっ」タッ

冥土帰し「青年にこれを渡しておくからしっかり持っておくんだね?」

上原「これは…IDカード?」

黄泉「外から来た人間でも、それがあればある程度自由に動けるからな」

ミサ改「私も行きます、と、ミサカは走り出します」

上原「そりゃそうだ。俺のそばにいないとだめなんだからな」

ミサ改「そうでした」

黄泉「僕はちょっと先生と話があるから、二人はインデックスちゃんを頼むよ」

二人「ああ」「はい」タタタッ
122 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 02:40:16.01 ID:uU0dx8SB0
上原「走りながら聞いてくれミサカ」

ミサ改「はい」

上原「もし、もしもだ。万が一俺らが距離を置かないと駄目な状況になった時なんだが」

ミサ改「その可能性は大いにあると思います、と、ミサカは頷きます」

上原「実は方法がない訳じゃないんだ。……ただ、ちょっとためらうというか…」

ミサ改「一度死んだ身、少々の痛みや苦しみには耐えられます、と、ミサカは決意を伝えます」

上原「ああ、そうだよな。…その方法ってのが、俺の身体の一部をお前が取りこんでおくことだ。なんでそれで隔離が維持されるかはうまく説明できない。ただ、俺の身体が中継となるってことは分かる」

ミサ改「はい、しかしどうやって取りこみますか、と、ミサカは疑問を口にします」

上原「……キスだ」

ミサ改「…聞き取れなかったのでもう一度お願いします、と、ミサカはお願いします」

上原「だから、俺の唾液をお前の口に移すのが一番手っ取り早いんだよ」

ミサ改「分かりました、と、ミサカは強く頷きます」

上原「動揺しないんだな」

ミサ改「裸を見られて全身触られて今さら恥ずかしがる理由はないです、と、ミサカは頬を赤らめながら説明します」

上原(元気だろうとあんまり感情を表に出さないんだな)

ミサ改「……ということは、性行為などでも同様の効果が得られるのですね、と、ミサカは新たな方法を提案します」

上原「おふっ、おまっ!!」

ミサ改「あくまで方法の提案ですよ、と、ミサカはあなたの動揺に驚きを隠せません」

上原「………悪かったな」プィ

ミサ改(ミサカネットワークが受信しかできなくて良かった…)
123 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 02:46:13.46 ID:uU0dx8SB0
上原「いた! おーい、インデックス!!」

イン「かみはらっ! 危ないから逃げるんだよっ!!」

上原「………は?」

ミサ改「今すぐ止まってください、と、ミサカは強引にマスターの首根っこを掴みます」

上原「ぐえっ」ドサッ

??「騒がしい人たちですね」

上原(誰だ?)

イン「この人たちは関係ないんだよっ」

??「ええ、そうでしょうね。しかし、あなたにとって私たちも関係のない人間ではありませんか? でも、関わっている、縁とはそういうものです」

イン「それは、そうだけど…」

上条「にげ…ろ」

イン「とうまっ!!!?」ダッ

ステイル「おっと、行かせないよ」バッ

イン「とうま、とうまぁ!!」
124 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 02:55:06.34 ID:uU0dx8SB0
上原(少年と戦って無傷で倒したのか!?)

ステイル「やれやれ、やっぱり君もいたか。人払いのルーンを刻まなくて良かったよほんと」シュボッ

??「この方がステイルを完膚なきまでに叩きのめした方ですか」

ステイル「……傷ついたけど否定はしないよ。…傷ついたけどね、神裂火織」

神裂「……たしかに、あなたの奥底から強い生命力を感じます」チャキッ

上原(……は? 刀?)

神裂「……“少し痛いですよ”」シュンッ

上原「えっ…」

ミサ改「………っ」バッ



――――ゴウッ!!




ミサ改「……つぅ」ボロッ

上原「ミサカぁああ!」

ミサ改「大丈夫です、と、ミサカはマスターを守れたことに喜びを隠せません」

上原(まったくわからねーよ。隠しすぎだろ)

神裂「あなたこそ“この場に無関係な人間”でしょうが、私の前に立った以上……斬ります」

ミサ改「……望むところです、と、ミサカはかまえます」

ステイル「やれやれ、よほどウニ頭に言われたことで苛立ってるんだな」

ステイル(まぁ、“僕だって同じ”なんだけど…)スパー
125 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 03:05:43.76 ID:uU0dx8SB0
上原(しかし、あれは魔術でも剣術でもなかった…まるでかまいたちのような)

神裂「容赦はしません。そこの少年にしなかったように」

ミサ改「それはこちらも同じ。…というより“できそうにない”、と、ミサカは自分の身体能力を計りきれていないことを吐露します」

上原「ちょっとまて、ひとつだけ聞かせてくれ」

神裂「……どうぞ」





上原「なんでその少年を斬った?」





神裂「………っ」イラッ

ステイル(思いだしていらついてる。これで聖人、ねぇ)スパー

神裂「知らない癖に…、何も事情なんて…、それなのに正義を振りかざして目の前に立ちふさがるから…」プルプル

上原(あの時と同じか…、少年は急な展開を強いられると暴走する癖があるな)

神裂「………こちらも一つだけ聞きます。




 何もせず、インデックスをこちらへ引き渡してもらえませんか?」




上原「断る」

神裂「………いきます」チャキッ
126 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 03:13:16.21 ID:uU0dx8SB0
ミサ改「………」ドッ

ミサ改「いたい…」ベシャッ

上原(こんな堅い地面を踏み台にできないくらい踏み込みが強いのか)コンコン

神裂「遊んでるのですか?」

上原「両手も使って動物のように力を分散するんだ」

ミサ改「はい!」ドシュッ

神裂(……なっ、早い!?)バッ




――――ガキィィィィィンッ!




神裂「この七天七刀の刃と素手で衝突できるなんて、あなたは一体何者ですか?」

ミサ改「……ただのクローン」

神裂「そうですか。学園都市はこんな生物兵器を開発していたんですね」シュンッ

ミサ改「効かない」ガキッ

上原(刀に対しては隔離が効いてる。…昔、侍に斬られたことがあるしな。……しかし、それなら初撃のあれはいったい)

神裂「いくら生物兵器でもその硬度は理解に苦しみます。……これなら」シュンッ

ミサ改(最初の技……これは受けては危険)バッ

神裂「避けましたか…どうやら全てを受け切れる訳ではないようですね」

上原(最初のあれが何か分かれば…)
127 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 03:22:57.20 ID:uU0dx8SB0
ステイル「神裂、相手は学園都市の技術だけじゃなく、あの男の魔術も関わっているかもしれないよ」

神裂「……そうですね。やはり“名乗る”しかありませんか」

ステイル「だろうね」

ミサ改「はっ」ブンッ

神裂「本当は名乗りたくありませんでしたが」サッ

ミサ改(またさっきのが!?)バッ

神裂「―――Salvare000!!」ゴゥッ

ミサ改「………」ゾクリッ

上原「あぶないっ!!」ドンッ

ミサ改「え……」

上原「ぐぅぁ!!」グシャァ!

ミサ改「マスター!!」ダッ

神裂(……死んだかもしれませんね。“生物兵器用に本気を出しましたし”)
128 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 03:24:38.11 ID:uU0dx8SB0







上原「し、死ぬかと思った…」

神裂「………!?」





129 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 03:34:49.94 ID:uU0dx8SB0
上原(初撃を近くで見れたのが幸いだったな。まぁ、それでもかなりの賭けだったけど…)

神裂「ありえません…」

上原「ミサカ、もう大丈夫だ。あいつの攻撃は効かない」

ミサ改「わかりました、と、ミサカはマスターに感謝しつつ戦場に戻ります」

神裂「……舐められたものですね」

神裂(本気と言っても、生物兵器用です。次は“神をも斬り裂く一撃を…”)

ミサ改「はぁ!!」ドッ

神裂「効きません!」バッ

ミサ改(なるほど、ミサカネットワークは動きの補助までしてくれるのですか…)ダッ

神裂「はぁっ!!」ブンッ

ミサ改「………」サッ

神裂「なっ「隙ありです」ドゥ

神裂「くぅっ」ドシャッ


ステイル「………なっ」ポロッ

ステイル(神裂が…聖人が…、接近戦で負けた?)


ミサ改「これが本気ですか、と、ミサカは上から目線で語りかけます」
130 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 03:39:32.19 ID:uU0dx8SB0
神裂「………認めましょう」スッ

ミサ改「……え」

神裂「あなたが私に“噛みつく程度”の実力を持っていることを」ゴッ

ミサ改「くっ」ズザザッ

神裂「あなたを“人間のように扱っていては勝てない”ということを」ゴシャッ

ミサ改「なっ……」ベシャッ

上原(これが…こいつの本気)ゴクリ

神裂「立ちなさい“人外”。この神裂火織の逆鱗に触れたことを後悔しながら」






第二章『 聖人 と 人工物 』
131 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 03:44:32.49 ID:uU0dx8SB0
上条(な、なんだ、何が起こっている…)フラフラ

ステイル「おや、起きたのか、負け犬」シュボッ

上条「う、うるせー」ヨロッ

イン「とうまぁ!!」

上条「イン、デックス?」

ステイル「……やれやれ、こっからは僕の仕事か」スパー

上条「やるってのか?」

ステイル「いいや、死にかけの君を倒した所で何の意味もない」ギロッ

イン「な、なんなのかな」キッ

ステイル「取引をしよう。少年」

上条「………は?」
132 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 03:52:51.60 ID:uU0dx8SB0
ステイル「インデックスについては神裂から説明を受けただろう?」

上条「ああ…」

上条(完全記憶能力者で、“一年以上記憶すれば死ぬ”なんて…)クッ

イン「とうまぁ…」

上条「心配するな。上条さんは大丈夫ですよ」ナデナデ

ステイル「………」イラッ

ステイル「いいかい、その一年が来るまで“ちょうど一週間”だ」

上条「……っ、もうそんだけしかないのか」

イン「なんのことかな?」

ステイル「……残りの時間、僕達が手出しをしないと言ったら?」

上条「………っ!?」

ステイル「僕の要求は一つ、




あの男に右手の力を使ってほしい」ユビサシ




上条「…は?」
133 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 04:00:53.53 ID:uU0dx8SB0
ステイル「あの男はまだ多くのことを隠している。いくら神裂が聖人だからといって、このままじゃ負けるかもしれない。そうなれば色んな事が終わってしまう」

上条「だから俺に殺しを手伝えと?」

ステイル「だれも殺すなんて言っていない。まぁ、たまたま死んでしまったらそれは彼の運がなかっただけだ」スパー

上条「ふざけんな…、人の命をなんだと「それはこっちの台詞だ」

上条「なっ?」

ステイル「君はインデックスが死んでもいいのか? “運命だから仕方がない”と彼女にそう言うのか?」

上条「そんなことは…」

ステイル「ない? だが、結果として事態は悪い方向に動いている。記憶を消去できるのは神裂だけだぞ?」

上条「………っ」

イン「とうま…?」

上条「約束しろ」

ステイル「………聞いてからの判断だ」

上条「あの人を殺さないことを」

ステイル「………善処する」

イン「とうま? 殺すって何のことかな?」

上条(迷いは多い。状況もはっきりしないし。……だけど、全てが平和に終わるなら…)ダッ

イン「とうまぁ!?」

ステイル「ここで見ているんだ」

イン「とうまぁああああああ!」
134 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 04:10:29.73 ID:uU0dx8SB0
神裂「はぁっ!」ブンッ

ミサ改「くっ」

ミサ改(だんだん、痛くなってきた…隔離を超えるダメージ量を受けている?)

神裂「七閃!」バッ

ミサ改「くぅ……」

上原「……まずいな」

上原(いまから儀式場を…いや、間に合わない。しかしこのままでは…)

上条「お兄さん、すまん…」ペタッ

上原「………は?」





――――パキィィィィィンッ!!





上原「かっ、はっ」ドサッ

ミサ改「なっ……」ドサッ

神裂「………な、なにが」ハァハァ

ステイル「神裂、今だ」

神裂「ステイル?」

ステイル「殺すなら、今しかない」

上条「てめぇ!! 話がちが



『うるさいなぁ、もう』



上条「!?」ビクッ

上原?『ふむ…、なんだか愉快な世界になってるな』ウンウン

上条「あ、あんた…」

上原?『俺か? 俺は、



ただの悪戯の神様だよ』ニヤリ




135 :1 [sage saga]:2012/09/17(月) 04:11:47.83 ID:uU0dx8SB0
ここまで。

だいぶ下がってきたのはいいけど、いちいち探しに行くのめんどくさいなぁ。

とうとう、上原の隔離が破れました。

次回こうご期待!

おやすみなさい。
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 13:42:30.51 ID:vuQPDEiY0
一日空けました。
今日は休憩時間とか使ってだらだら更新予定。
続きです。
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 13:48:28.97 ID:vuQPDEiY0
上原『………』ジーッ

神裂「………」

ミサ改「………」ビクッビクッ

上原『………』ジーッ

ステイル「………」スパー

イン「な、なんなのかな…」

上原『………』ジッ

上条「な、なんでせう…」ドキドキ





上原『お前ら全員一回死ね』




神裂「………なっ」ドサッ

ミサ改「」

ステイル「く…そ…」ドサッ

イン「心肺機能停止、蘇生まにあ………」ドサッ




上条「………な、なにしやがるんだよっ!!」



上原『………? ほう…』
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 18:21:49.23 ID:vuQPDEiY0
上条(なんだこれ!? 本当にみんな…!?)

上原『………厄介な奴が生まれたもんだな』ニヤリ

上条「てめぇ…、何で殺したんだっ!」

上原『何で?』キョトン

上条「この中には一緒に戦っていた仲間もいたじゃねぇかっ!」

上原『………ああ、そうだったのか?』クイッ

神裂「うっ……」

上条(生き返った!?)

上原『こいつか?』

上条「……ぜ、全員生き返らせろ!」

上原『……まぁいいか』フィ

イン「…な、なにが起きたのかな」フラフラ

ステイル「………」ギロッ

ミサ改「………」ビクッビクッ

上原『なんだこいつ』スッ

上条(いつの間に移動したんだ!?)ビクッ
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 18:27:17.85 ID:vuQPDEiY0
ミサ改「う、あ、う……」ビクッ

上原『ふーん』ペタ

ミサ改「ぎゃっ、ぐぐっ!!」ビクンッ

上原『あいつもろくなことしねーな』ペタペタ

ミサ改「げぇっ、ごぼっ、がぁっっ!」ゴキッ

神裂「………」

ステイル「………」

イン「あ、…う、うぅ…」ギュッ

上条(あいつらは敵だから黙ってるのか? それとも…)

上原『これで終わり』ギュッ

ミサ改「がぁあああああああ!!!!」ビクンビクン

上条「いい加減にしやがれっ!!」ダッ

上原『何を?』スッ

上条(地面が!?)ベシャッ

上原『地に足がつかないってやつだな』ニヤニヤ

上条「ま、だまだぁ!!」ダッ

上原『まぁ待て』

ミサ改「う、うーん…」ヨロッ

上条「なっ!?」

140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 18:46:45.67 ID:vuQPDEiY0
上条「助けたのか?」

上原『さぁ? 俺はこいつの身体をちょっと正常に戻しただけだ。本人にとっての救いになったかどうかはしらん』

ミサ改「な、こ、これは…?」バチバチ

上原『ああ、それがお前の“オリジナル”の力だろう?』

上条「あ、あれ? ビリビリ!?」

ミサ改「ミサカはビリビリではありません、と、軽く否定します」

上原『それよりさぁ、今の状況知りたいんだけど、誰に聞くのが一番いいの? あんた?』

ステイル「………っ、答える義務はないね」

上原『答えない義務もないよね』

ステイル「ああ、そうだね。これは僕たちイギリス清教の問題なんだ」

神裂「ステイル!?」

ステイル(何を言っているんだ僕は!?)
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 18:56:32.02 ID:vuQPDEiY0
ステイル「そこにいるインデックスは完全記憶能力により10万3000冊の原点を保有しているんだけど、その代償に脳の容量のほとんどをそれにとられているんだ」ペラペラ

上原『ふむふむ』

神裂「黙りなさいステイル」ワナワナ

ステイル「彼女の記憶はもって一年、それ以上は脳がパンクしてしまうんだ」

イン「何を言っているのか、な…」

ステイル「僕たちは去年、インデックスを大切にしすぎて結果つらい思いをさせた。だから決めたんだ。より彼女が楽に生きられるようにしようと」

神裂「黙れぇええええ!!」バッ

上原『そうだな、交代しようか』スッ

神裂「なっ、……くっ、私は…、私たちは彼女の原点を狙う魔術師という設定を作りました。そして、この学園都市で、くっ、……いえ…な…」

上原『すげぇな、あんた。そこの奴とは違って“逆らう”なんて誰にでもできることじゃない!』ケタケタ

イン「全部…わたしのため?」

神裂「い、いいえ…、表向きにはそういいながらも、結局は自分たちが傷つくのが怖かっただけ、です」プルプル

上条(これはいい方向に向かってるのか?)

上原『なぁ、つまりこいつの脳の容量が小さいから一年ごとにアトラクションで楽しんでもらっているということか? 記憶がないから?』

神裂「そういう、こと、です」

142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 19:19:46.27 ID:vuQPDEiY0
上原『ふーん、ふーん、ふーん』ニマニマ

上条「………」ゾクリ

上条(なんだその顔!? 何する気だ!!)ダッ

上原『一言で言うと、




それ関係ねーから』





神裂・ステイル「!!?」

上原『あのな、もし人間の容量がそんだけしかなかったら、俺はとっくに人間で遊ぶの飽きてるっつの』ハァ

神裂「なっ、そ、それなら私たちのしてきたことは…」

上原『無駄だったね』

神裂「そ、んな」ガクッ

ステイル「いや、だが、それなら上層部はなぜ僕たちを騙していたんだ?」

上原『あー、その自問自答は意味なくなるぞ』

ステイル「………?」

上条「やめろぉおおおお!!」バッ

上原『だって、
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 19:20:29.65 ID:vuQPDEiY0








    こいつの容量、本当にそれだけにするから』ニコッ








144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 19:21:16.05 ID:vuQPDEiY0





イン「」ドサッ






145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 19:32:12.24 ID:vuQPDEiY0
神裂「インデックス!!」ダッ

ステイル「ちぃっ!」

上条「このやろぉおおおお!」ダダダッ

上原『あー、おもしれっ! この状況、こいつならどうすんだろっ!!』

ステイル(出し惜しみしてる場合じゃない!)バババッ

ステイル「―――――吸血殺しの紅十字!!」ブゥンッ

上原『教えといてやるよ。俺の名はロキ。いつか殺しに来い哀れな雑魚達よ』フラッ

上原「………あれ?」キョトン


ミサ改(雰囲気が変わった!?)バッ


上条「いい加減にしやがれっ!」ブンッ

上原「うわっ!」サッ

ステイル「まったくその通りだよっ!」シュバッ

上原「くっ…」ガッ

ミサ改「やめてぇええええ!!」バチバチバチバチ

上条「なっ!?」パキィィィィンッ

ステイル「うわぁああああ!!」バリバリ

上原「おわわわっ!?」

ミサ改「この人は“違う”!!」

上原「……へ?」

146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/18(火) 19:34:14.26 ID:8JtOi7lVo
うわぁ超面白いです!!!!
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 20:13:04.59 ID:vuQPDEiY0
>>147
うわぁに籠められた感情が、私気になります!!
だんだん頭崩壊してきた。続きです。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 20:19:03.57 ID:vuQPDEiY0
上条宅。

イン「………」スゥ…

神裂「………」ナデナデ

ステイル「………」スパー

上原「………」モンモン…

ミサ改「………」ミサカネットワークチュウ…

上条(な、なんでせう。この混沌とした空間は…)

ステイル「………ごほっ」

上原「………っ!?」ビクッ

神裂「………っ」チャキッ

ミサ改「………」ボーッ

上条(い、いやだ…こんな空間)グスッ
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 20:25:44.21 ID:vuQPDEiY0
上原「………すまん」

一同「………」

ステイル(反応しろ)ゲシッ

上条(ちょっ、人に頼るなっ!)

神裂「………」

ミサ改「……私たちを殺したことですか、と、ミサカはストレートに聞きます」

三人(それ言っちゃう!?)ビクッ

神裂「た、たしかに殺されはしましたが、結果生きている訳ですし…」ウン

ステイル「僕はそれよりも謝ってほしいことがあるけどね」

上条「俺は特に謝られるようなことはされてねーよ」

上原「……いや、インデックスのことだ」

神裂「………」

ステイル「わかってるなら、謝罪くらいでどうにかならないことくらい分かるだろう?」スパーッ

上条(ほんと性格わりぃなこいつ…)ジトー

ミサ改「……ロキとはいったい誰なんですかマスター、と、ミサカはせめてせめて攻めまくります」

上原「あいつは………ただの神様だよ」ハァ…

一同(ただの神様ってあんた……)ハァ…
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 20:33:57.58 ID:vuQPDEiY0
上原「学園都市側の人間には信じられないことかもしれないが、この世に神様ってのは本当にいる」

上条「いや、俺は信じるぜ。なんせ…(幻想殺しによる不幸話展開中)」

一同(ふ、不憫やこの子…)ブワッ

ステイル「でも、それなら運命的な不運も打ち消して±ゼロになりそうだけどね。やっぱり日頃の行いか」スパー

上条「俺の日頃をどれだけ知ってるんだよ!!」

ステイル「知らなくても、君が余計なことに首を突っ込んでなくてもいいトラブルを引き起こしてることぐらい容易に想像がつくよ」フゥー…

上条「……言い返せない…」グヌヌ…

上原「その前に、驚かないで聞いてくれ、実は俺は…




その昔、ロシアのツァーリとして国を治めていた人間だ」




一同「………は?」キョトン
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 20:41:28.20 ID:vuQPDEiY0
上原「いや、すまん、これでは語弊がある。訂正しよう、俺はかつてイヴァン4世として国を治めていたことがある人間だ」

ステイル「いや、どう変わったか分からないな」

神裂「イヴァン4世といえば、ロシア史上、いえ、歴史上でも類をみないほどの残虐非道な暴君であったと聞きますが、あなたがそんな行いを?」

上原「いや、それらは全部ロキの仕業だ。どっかからふらっとやってきたクソ野郎の…」ググッ

上条「えっと、その、つまり……上原はそんな昔から生きてるってことか?」

上原「まぁ、そうとも言えるね。でも、あの頃のほとんどはあいつが主導権を握っていた。俺はただただあいつのやることを見ていることしかできなかったよ」ワナワナ…

ミサ改「では、どのようにして主導権を取り返したのですか、と、ミサカは疑問をぶつけます」

上原「簡単な事だ。あいつが“遊び”に飽きたのさ……俺で遊ぶのにな」

ミサ改「………」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/18(火) 20:56:37.42 ID:TpzG5NBBo
やべーおもしれーよすげー
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 21:08:51.47 ID:vuQPDEiY0
神裂「それなら、なぜ今頃になってロキは現れたのですか?」

上原「いや、俺にとっての昔と今は、あいつにとって一秒差もないくらい“同じ時間”なんだ」

ステイル「なら、さっさと死んでくれ。そうすればあいつも一緒に死ぬんじゃないか?」

上条「お前! それは「いや、実際そうしたいのは山々なんだが」

上条「……なっ」

上原「同一時間軸にいるといっただろう。俺があいつにとってつまらない結末で死ねば、



それは歴史の崩壊と同じだ」




神裂「………」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [saga sage]:2012/09/18(火) 21:25:04.30 ID:vuQPDEiY0
今日はここまで。

お疲れ様です。
155 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 00:50:09.56 ID:1QhhLIed0
やべー、なんかすげー変な方向にいってるーorz

と言う訳で少しだけ続き。
156 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 00:57:52.36 ID:1QhhLIed0
ステイル「まぁ、正直君の過去を聞いても、今の状況を解決できるとは思えないな」スクッ

上条「どこ行くんだ?」

ステイル「なぜ君に僕の行き先を伝えなければならないんだ。保護者か君は」ヤレヤレ

上条「なっ、こうして解決策を皆で考えてるって時に離れるのはどうなんだよっ」

神裂「ステイルの行動を肯定する訳ではありませんが、ここにいても解決しないという点では同意見です」

上条「な、神裂まで…」

神裂「心配しなくともインデックスの世話は私がします。そのための道具を買いだしに行ってきます」

上原「………」

ミサ改「マスター…ちょっと二人で話したいことがあるのですが」

上条「ビリビリまで…」

上原「上条、この子は超電磁砲ではない。少し込み入った事情があるんだ。察してくれ」

上条「なんか…すごい疎外感なんですが…」

上原「すまんな」

上条「インデックスのことも忘れないでくれ…」

上原「それはもちろんだ。あいつの好きにはさせん」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/19(水) 00:59:45.79 ID:Qvm9QoHto
きゃーおもしろーい
158 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 01:09:00.73 ID:1QhhLIed0
Side 神裂火織・ステイル

神裂「………私は今まで…」ガンッ

ステイル「壁を殴って解決することじゃあない」スパー

神裂「……タバコを吸えば解決するのですか?」ギロ

ステイル「………」ポィ

神裂「正直、まだ心の整理がつかないのです。彼女を守ると決めた私が、今の幸せより未来を掴みとることを決めた私が、何より“教会の言うことを犬のように尻尾振って従っていた”私が今さら何をできるというのでしょう…」

ステイル「………知らないよ」シュボッ

神裂「方法はいくらでもあるのだと思います。しかし、今の私には…“あいつに土下座をしてでも治してもらう”しか…」

ステイル「名案だね……まぁ、僕はごめんだが」

神裂「それならばっ!!「いいかい神裂火織」


ステイル「僕たちは元々、“15%しか記憶容量のなかった”インデックスを追いかけていたはずだ。それが嘘だったにしろ“今はそれが真実”なんだ。……だったらやることは一つしかないだろう」スパー

神裂「まさか……」




ステイル「ああ、“インデックスの記憶を殺し尽くす”」ピンッ

神裂「………」
159 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 01:17:03.50 ID:1QhhLIed0
Side 上原・ミサカ改

上原「とりあえず、元気になって良かったな」

ミサ改「元気というか…もうこれは私の身体じゃないような…」バチバチ

上原(聞けば、超電磁砲スペックになったらしい…恐ろしや)ガクガクブルブル

ミサ改「しかし…それでも分かっているのです。“彼には勝てないことを”」

上原「第一位のことか?」

ミサ改「………」コクン

上原「詳しく聞いてもいいのか?」

ミサ改「…というより聞いてほしいのです。マスターに」

上原「…もう、マスターじゃないけどな」
160 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 01:23:13.17 ID:1QhhLIed0
上原「じゃあ、レベル6ってのになるためだけに?」

ミサ改「それのためなら、何万人の命を犠牲にしても良いと言う考え方を持つ科学者は少なくありません」

ミサ改(ミサカネットワークが相互干渉できるようになったおかげで、現状の把握がより正確になりました)

上原「この学園都市ができる前なんて、ここはただの海と平野だったのになぁ…」

ミサ改「私はインデックスさんが治ったら、…彼に挑みます」

上原「でも、第一位に勝てないから第三位なんだろう? その御坂美琴と同スペックのお前で勝てるのか?」

ミサ改「そこで…お願いがあるのです」ギュッ

上原「うわ…やな予感」
161 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 01:28:46.29 ID:1QhhLIed0
Side 上条宅

上条「インデックス……」

イン「………」

上条(人間って脳に余裕があるから、これだけ複雑な動きができるんだよな…もし、それが全て削られたら…)ゾク

神裂「………ただいま帰りました」ガチャ

上条「!?」ビクッ

神裂「……? 何をそんなに驚いているのですか? ……まさか」チャキ

上条「ち、違う、違いますよ!! その……ちょっと考え事を」

神裂「インデックスのことですか?」

上条「ああ、もし俺がこいつの立場だったらと思うと背筋が凍っちまった」タハハ

神裂「分かります。人間と言う生き物がいかに高スペックであるか改めて知りました」

上条「神裂みたいなすげー奴ならなおさら思うんだろうなぁ」

神裂「なっ!?///」

上条「ん? どうした?」

神裂「わ、私はすごくなどありません!」

上条「そうか? あんな戦い方ができる奴、初めてみたけどな」

神裂「あ、……その節は申し訳ありませんでした」フカブカ

上条「だぁあ! いいって! お前らにも事情があったんだろ。まぁ、あのやり方はやっぱり同意できないけどさ」

神裂「上条当麻…」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/19(水) 01:29:20.58 ID:Qvm9QoHto
おもしろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
163 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 01:33:31.39 ID:1QhhLIed0
上条「でもさ、インデックスも幸せだよな」

神裂「なぜです?」キョトン

上条「だって、お前ら、インデックスがお前らのこと忘れても守ってやりたいって思ったんだろ? そんな幸せなことねーだろ」ニコ

神裂「………っ」カァ///

上条「まぁ、上条さんならステイルみたいなむさい男より神裂みたいな美人に思われたいけどな」

神裂「な、ななっ…」////プルプル

上条「ん? 神裂? 熱でもあるんじゃないか?」スッ

神裂「な、何を!?」

上条「何をって、こんな大事な時に風邪でも引いたら大変だろ!」ペタ

神裂「…………」プシュー///

上条「うわ、すげー熱!!」

神裂「い、いえっ! 私は聖人! 平熱が高いのです! でないと戦闘で遅れをとりますからね!」

上条「へー…、ほんとにすげーんだなぁ聖人って」

神裂「…………」///
164 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 01:35:50.45 ID:1QhhLIed0
神裂「それよりも、あなたに伝えることがあってここに来ました」

上条「……へ?」

神裂「二日後、状況が進展しなかった場合、私たちは予定通り、






インデックスの記憶を消去します」






上条「………は?」

神裂「………彼女の、ためです」
165 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 01:42:18.41 ID:1QhhLIed0
上条「まてまてまて。記憶できる脳の容量が15%しかないってのはデマだったんだろ? どうしてそんな…」

神裂「………しかし、“今はそれが真実”です」

上条「………」

神裂「私たちだって、救いがあるなら、逃げ道があるならそれにすがりたい。そう、“誰よりも彼女を治したいのは私達”なんですよ!」

上条「神裂……」

神裂「……私はインデックスの世話をしながら、あなたと上原達の監視をします」

上条「監視って…」

神裂「あなたには魔術を打ち消す力がある。上原にはそれ以上に危険を起こす可能性がある。本来なら引き離すほうが正しいでしょう」

上条「………」

神裂「しかし、現状でインデックスを動かすのは非常に危険です。なので、どうかここは大人しく二日経つのを待ってくれませんか?」

上条「………返事はできねぇ」

神裂「どちらの返事でも結果は変わりませんよ」チャキッ

上条「………っ」

神裂「後一つだけ………お風呂は覗かないでくださいね」ギロ

上条「」
166 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 01:49:01.25 ID:1QhhLIed0







――――まて、まてよ…。






167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/19(水) 01:50:23.00 ID:Qvm9QoHto








――――いや、またないよ…。
168 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 01:59:27.86 ID:1QhhLIed0
上条「なぁ神裂…、ひとつ気になることがあるんだ」

神裂「なんですか?」

上条「俺はそこまで頭良くないからうまく説明できないけど、記憶ってのは結局紙に文字かくようなもんだろ?」

神裂「専門家ではないので、同意しかねますが…」

上条「“減ったんなら、増やせば良いんじゃねぇのか”?」

神裂「………あなたはバカですか?」

上条「………ぐっ、バカですが」

神裂「そんなことができるのならば“去年でもその前でもやってます”。できないから、…消すしかないのでしょう」

上条「……だれがそれを決めたんだ?」

神裂「………え?」

上条「どいつもこいつも自分の無能を他人に押しつけやがって。神裂、お前は魔術師なんだろ、不可能を可能にするから魔法使いなんてよばれてんだろ! それなのになんだよこのザマは。お前らは知ってる魔術を頭の中でシミュレートして、できねーとか言ってんじゃねーか! 全て試してひとつ残らず試し尽くしたってインデックスに胸張って正々堂々言えんのか!!?」

神裂「残念ながら、魔術では何もできませんよ。胸を張っては言えませんが、彼女を目の前にして虚言を吐くことも不可能です」

上条「……ちげーだろ」

神裂「………?」

上条「てめーら魔術師は俺ら科学側の人間と違って、一つだけ、まるで世界の終わりから救えるような一手があるだろうがよ!」

神裂「そんなもの………まさか?」

上条「そうだよ、見ただろうがよ現実によ





神様を」
169 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 02:00:23.84 ID:1QhhLIed0
>>167

吹いたww
その邪魔は反則だろww

もうそろそろ眠気の限界きそう。
170 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 02:07:30.46 ID:1QhhLIed0
上原「………いや、それは駄目だ。危険すぎる」

ステイル「僕も反対だね。全員で心中する可能性が高すぎるよまったく」スパー

ミサ改「私は……マスターの判断にゆだねます」

神裂「………」

上条「てめぇら、結局他人事なんじゃねーのか?」

ステイル「………なに?」ピクッ

神裂「ステイル。落ち着きなさい」

上条「インデックスを守るだの言っておきながら、こんな辺境の地までやってきておきながら、結局大切な人が死にかけて何一つできてねーじゃねーか!」

ステイル「お前に何が分かる」バキッ

上条「ぐっ……、わ、かんねーよ。俺にはてめぇがスカした顔でインデックスの事を思ってますなんて言える神経がわかんねーよ!!」バキッ

ステイル「ぐぅ!!」

上条「なんで必死じゃねーんだよ。なんで泥だらけに汗まみれになってねーんだよ! 魔術がだめなら科学、科学だめならそれ以外の方法を探せばいいじゃねーか!! そんなこともできずに親身になってる振りをしてんじゃねーぞステイル!!!」ドガッ

ステイル「………くそっ」ガクッ

神裂「………私は、上条当麻の意見に従います」

ステイル「なっ!?」
171 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 02:15:38.51 ID:1QhhLIed0
神裂「確かに愚かな選択かもしれない。この地にどんな影響があるかも分からない。下手をすれば全員死ぬかもしれない。……だけど、インデックスは“今”死にかけているのです」

ステイル「………」

上条「……神裂」

ミサ改「マスター…」

上原「………本当に本当にしらねーからな!?」

上条「上原兄さん!!」バッ

上原「バカっ! お前に触れたらまた隔離が解けるだろうがっ!!」

上条「え? それで神様呼ぶ作戦じゃなかったのか?」

上原「ちげーーよ!! 俺に考えがあるから良く聞け!! 特にステイル!!」

ステイル「………ちっ」

上原「お前のルーンで最大の儀式場を展開してくれ。内容は好きにしてくれていい。神裂は万が一“神ではない何か”を呼びだした時のために待機しておいてくれ」

ステイル「………分かったよ」ムスッ

神裂「………」コクン

上原「上条、お前は相手が交渉に応じそうにない奴だった場合の切り札だ。最後まで出てくるなよ」

上条「………あれだけ啖呵切ってなんだか恥ずかしいんだけど…」

ミサ改「別に恥じる必要ないんじゃない? あ、あんたのおかげで皆動き出したんだしさ」

上条「……なんだかほんとにビリビリみたいだな」

ミサ改「マスター……なんだか人格が安定しません」

上原「……呪いだと思って我慢しろ」
172 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 02:16:42.90 ID:1QhhLIed0





第三章『 神卸し 』





173 :1 [sage saga]:2012/09/19(水) 02:20:02.37 ID:1QhhLIed0

今日はここまでにします。

上がっちまいやがったのですが、読みたくないのに呼んでしまった皆様、ぜひ優しい評価をよろしくおねがいします。

そしてなるべくsageてくださいませ。

ではおやすみなさい。
174 :1 [saga sage]:2012/09/19(水) 10:26:21.97 ID:tr6++WBg0
おはようございます。
まただらだらと続きです。
175 :1 [saga sage]:2012/09/19(水) 10:36:07.33 ID:tr6++WBg0
上原「ステイルが下準備をしている間、俺たちは何しよう…」

ミサ改「正直上条家にいても邪魔なだけですものね、空間的に」

上原「昨日から黄泉とも連絡つかないし、どこか行ってみたいところあるか?」

ミサ改「では、この学園都市にいるというレベル5の第一「いかねーよ!?」

上原「これから死ぬかもしれない時に、そんな恐ろしいところいけるかっ!」

ミサ改「残念です」

上原「それよりさ…」

周囲の人々「………」ザワザワ

ミサ改「気になりますね、視線」

上原「もしかして……第三位と間違えられてるんじゃないのか?」

ミサ改「まぁ、今や同スペックですからね」

上原「………ある程度光を隔離しとくわ」スッ

ミサ改「すると?」

周囲の人々「………?」スッ

上原「ちょっとの光加減で人の印象なんて変わるもんだ」
176 :1 [saga sage]:2012/09/19(水) 10:40:43.34 ID:tr6++WBg0
ミサ改「そういえばマスターは雷帝なんですよね?」

上原「………その呼ばれ方はあんま好きじゃないけどな。後、イヴァンとしての人生はほぼあいつにとられてるし」

ミサ改「やはり、ロシアの方がタイプなのですか?」

上原「ふぇ!?」

ミサ改(やはりマスターは恋愛話に弱い)ニヘラ

上原「何、その感情のない笑い方」コワイ

ミサ改「で、どうなのですか?」

上原「いや、それだけはねーよ」

ミサ改「そうなのですか?」

上原「リアルタイムで国民の虐殺ショーを何十年と見続けたんだぞ。もはやトラウマってレベルじゃない」

ミサ改「……では、第一位も私たちのことは見たくもないのでしょうか」

上原「………現代で一万人近く殺してる人間の考えってのは俺には分からないな」
177 :1 [saga sage]:2012/09/19(水) 10:46:58.36 ID:tr6++WBg0
スーパーの前。

ミサ改「あ、神裂さん」タッ

上原「ちょっと待て」ガシッ

ミサ改「………?」

神裂「………〜♪」ニコニコ

ミサ改「上機嫌で食材を集めていますね」

上原「……もしかして、上条のことが?」キュピーン

ミサ改「そうなのですか?」キョトン

上原「ふ、ふふ、ロキがつまみ食いしていたキューピット達に仕込まれた直感力がそう語っている」

ミサ改(……なぜ自分に対しての好意には気付いてくれないのでしょう)ヤレヤレ

上原「………あ、目があった」

神裂「……あ、え、えっとこれは…」ポト

ミサ改「神裂さんリンゴ落としましたよ」ハイ

神裂「しししし、しつ、失礼しますっ!!」ダッ

上原「ちょっとまてぇえ! 泥棒にされるぞバカ!!」ガシッ
178 :1 [saga sage]:2012/09/19(水) 10:51:11.81 ID:tr6++WBg0
神裂「………申し訳ありません」トボトボ

上原「…たく、こんなところで警察のご厄介になったらインデックスに顔向けできないだろう」

ミサ改「学園都市には学生の自治団体もいますので、お気を付けを」

神裂「……はい」ショボン

上原(いつの時代も聖人は一面において優れてるだけだなぁ…)




ミサ改「ところで神裂さんは上条さんのことが好きなのですか?」ストレート




神裂「……………………は?」ボンッ/////

上原「………馬鹿か」ハァ

179 :1 [saga sage]:2012/09/19(水) 10:54:59.55 ID:tr6++WBg0
神裂「な、なな、何を言っているのですか!?」チャキッ

上原「こんなことで刀を出すなっ!! はやくしまえ!」

神裂「………はい」ショボン

ミサ改「上条さんは素敵な方です。好きになって当然だと思いますよ」ポン

神裂「わ、私はっ!!」

上原「あー、はいはい、インデックスを助けることで頭がいっぱいなんでしょう? わかるわかる」

神裂「………それならいいのですが」

上原(煽るようなこと言うなよっ!)ボソッ

ミサ改(ライバルは少ない方がいいです)ボソッ

上原(訳がわからん…)

神裂「ところで上原、あなたは解決に導いてくれる神を召喚する自信があるのですか?」

上原「あるわけねーだろ」

神裂「」
180 :1 [saga sage]:2012/09/19(水) 11:00:01.59 ID:tr6++WBg0
上原「漫画みてーになんでもうまくいくと思うな。努力なんて報われなくて当然、理不尽なんてバケツから溢れかえって土砂降りの雨だ。生きた意味も分からず死んでしまうやつだっている。…いや、生まれたことすら気づかずに殺される子供だっているんだ」

神裂「………経験からの言葉ですか…」

上原「経験はもっとひでーよ。これでもデリカシーはあるんだ」

ミサ改「それでも、マスターはやってくれますよ」ニヘラ

上原「まぁ、最善は尽くす。…が、結局は運だ。何が起きても文句は言わず役目を果たせよ」

神裂「心得ております」

ミサ改「マスター、私を信じて」

上原「………」プィ

ミサ改「がーん」

神裂(仲良くてうらやましい…)
181 :1 [saga sage]:2012/09/19(水) 11:01:08.07 ID:tr6++WBg0
いったんここまで。

次の更新は夜になるかも。

お疲れ様です。
182 :1 [saga sage]:2012/09/19(水) 13:51:50.75 ID:tr6++WBg0
ちょい時間があるので、各キャラのステータス換算。
この世界における各登場人物です。

上条さん
能力:幻想殺しの右手
能力レベル:0
体術:A+
戦略:A
魔力:E(0)

総合:A


上原
能力:隔離、超限定的な魔術
体術:C(一般人に毛が生えたレベル)
戦略:A(知識と経験だけは豊富)
魔力:B(使える場所が限定される)

総合:C


ミサカ改
能力:超電磁砲の完全模倣
能力レベル:5
体術:A
戦略:A
魔力:E(0)

総合:A+


神裂
能力:聖人、魔術
体術:S
戦略:A
魔力:A

総合:S


ステイル
能力:魔術
体術:C
戦略:A
魔力:A

総合:A


って、ただ自分のキャラの弱さを認識しただけだったorz

183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/19(水) 18:42:58.23 ID:mTAnc3UIO
どうしてこんなにつまらないんだ
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