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歳納京子の“さくひま”日記【ゆるゆり】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/12(水) 19:17:14.36 ID:5y9C0xZDO
………

ビューーーーー………

風が音を立ててる……



「あっ!?」


「え?…………ぶわっ!?」

そして、顔に柔らかい毛糸の感触が……!?


「大丈夫ですの!?ごめんなさい、私のマフラーが飛ばされて……」

「ぶむ………だ、大丈夫……へーきへーき……」


顔に付いてたマフラーが取れて、遮られてた視界が戻ってきた

秋の空をバックに、青髪の少女が駈け寄ってくるのが見えた……


「………って、歳納京子先輩……ですの?」

京子「むがっ?……そういう君は………」


顔を見て、パッと名前が浮かばない……

あれ?この娘……
あー、知ってる!知ってるって!!確か生徒会の……あかりの友達の……


え〜と……確か………


ふと、私の視線はその娘の顔から若干下にそれた……

首の下………胸元………大きい……?巨乳……?おっぱい……?


京子「オッパイちゃんだ!!」

「せ、先輩!?道端でそんなあだ名を言うのは止めてください!!
もぉ〜……」

京子「あはは……ごめんごめん……。
え〜と、確か……」



その時、また風が吹いた……
ブワッ!!っと、周りの落ち葉が一気に舞い上がった……

「きゃあっ!?」

その娘は目を閉じて、手でなびく髪を押えている…


「うわっ……きっつ〜……!!」

私も長い髪の毛を押さえながら、その一風を耐えようとした……


ふと、目を半分開いて周りの様子をうかがった……

ぼやけた視界……その中で、はっきりと見えたもの……


京子「さ、桜の花ビラ……?」

「!!?」

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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/12(水) 19:33:15.98 ID:5y9C0xZDO
時期ハズレの桜の花……?

いや、別に実際に桜の花を見たワケではなかった……

あくまで、“柄”である


「なっ……あ……」


そして次に目に入ってきたのは、青髪少女の赤く火照った顔であった
スカートを握り締めて、私を見つめている……


「せ、先輩………あの………」

京子「桜の花ビラ……か。ピンクで可愛いよね?あんまり見たことなかったから、新鮮だったけど……」

「そ、そうですわよね!!私も!か、可愛いと思ったから、先日買って……」


京子「向日葵ちゃんが、桜柄の下着を……ね……」

向日葵「!!!

あ……そ、その………」


京子「あはは。大丈夫!!似合ってるから!!」

向日葵「////////


て、ていうか、先輩!今、私の名前を普通に言いましたわよね!?」



秋の風って、時には思いがけないプレゼントをくれるんだなぁ………

可愛い後輩の可愛らしい秘密、そして恥ずかしそうな赤面………

なんか、今日一日が楽しくなりそうな予感がするなぁ……
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/12(水) 19:40:21.08 ID:pU1kwVPMo
先生鬱じゃないのが読みたいです
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/09/12(水) 20:22:01.45 ID:sno6wWLJo
期待支援
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/13(木) 17:50:38.51 ID:4zMPelADO
>>3
鬱にはならない……が……

なにせ、わたくし作者自身が今年受験なので、書くスピードが不安定になります

こんな時期に何やってんだろ………

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/09/13(木) 18:19:57.28 ID:4zMPelADO
京子「しっかし、今日は風が強いね〜。まさに“春一番”だね!!」

登校路を歩きながら、あたしは呟く

向日葵「あ、あの〜……今は秋ですわよ?」


後ろから、青髪の後輩ちゃんを付いてきながら話してきた


京子「あ、そっか。なら、“秋一番”だね!!」

向日葵「そ、そんな言葉、聞いたことないですけれども……」

京子「んー?だって、あたしが今作ったんだもん。」


そう言って、あたしは振り返る
そして、後輩の顔を見ながら……


京子「そう、今君は、新しい日本語が生まれる瞬間に出会ったのだよ!!

あたしから生まれたこの“秋一番”って言葉は、数年後にはきっと日本中の若者達が使っているにちがいない!!」


高らかに声を上げる!
強く輝く眼差しで、後輩ちゃんの目を見つめる!


向日葵「え、えっと……あの……」


後輩ちゃんは明らかに戸惑った表情、目が泳いで、口は何かを言いたそうにパクパクしているが何も言葉が出ない

困っている……“ツッコミ”に……


この巨乳な後輩ちゃんには、少しスケールの大きなジョークだったのかな……


向日葵「そ、そうですわね!私もきっと、は、流行ると思いますわ!」


ここは合わせておこう、ってな感じで、後輩ちゃんは笑顔であたしに同調してきた

ぎこちなさそうに、或いは笑いを堪えながらの作り笑顔には、後輩ちゃんのしおらしさや気遣いが満面に感じられた……



京子「……向日葵ちゃん……」

向日葵「は、はい……?」

京子「あんた、好い人や〜!!」

向日葵「え?え!?きゃっ!?」


あたしはその笑顔に向かって走って行き、その懐に飛び込んだ
後輩ちゃんの身体をギュッと抱き締める……


向日葵「せ、先輩!?あ、あの……」

京子「気にするな〜!あたしからの愛の意志表示や〜!」


さらに力を込めて抱き締める
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/13(木) 21:41:31.74 ID:4zMPelADO
向日葵「せ、先輩!!やめ……」


京子「……柔らか…」

向日葵「!?……あ……」


柔らかい……

頬にあたるは、2つのクッション……いや、大福か!?マシュマロ!?

大きいだけでなく……柔らかい……


京子「心地いい胸だな〜……」


向日葵「あ……ああ……//////////」


後輩ちゃんは為す術もなく、ただ顔を真っ赤にしている………

………可愛い!!



向日葵「せ、先輩………」

京子「……あ、ごめん。今、この世の神秘を体感するのに夢中だから……」

向日葵「も、もぉ〜!!いい加減にしてください!セクハラですわよ!?」

京子「ぶ〜っ!!こんな世界遺産を独り占めとか禁止〜!!」


ふてくされた表情をしながらも、あたしは後輩ちゃんの胸から顔を離した

物事には限度がある
これ以上やってたら、冗談の域を越えて後輩ちゃんを不快にしかねないから……


セクハラ先輩、なんて称号はこれ以上いらないし……(ちなつちゃんのでもう十分)


向日葵「全くですわ……私はむしろコンプレックスを感じていますのに……」

京子「え〜?なんで?いいじゃん!魅力的だよ?他人に無い物を持ってるなんて……!!」

向日葵「そ、そうはおっしゃりますけれども……」

京子「自分の身体なんだし、嫌いになるよりは好きになった方がいいって!
悪い方に考えるから、悪い所ばっかを気にしちゃうんじゃない?」


向日葵「そ、そうでしょうか……?」

京子「向日葵ちゃんはいい娘みたいだし、そんな娘にわざわざ悪い物を神様は与えたりしないって!」


ニコッと笑顔で言い切るあたし

最初は複雑な顔をしていた後輩ちゃんだったけど……

向日葵「………ふふふ。
何か無理矢理好いように言ってるだけの様にも聞こえますが、確かにその通りですわね!」


少し笑顔になった
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/13(木) 22:12:56.10 ID:4zMPelADO
まぁ〜、あたしってば、口先の魔術師というか、良い励まし言葉を知ってるもんだな〜
多分、なんかの漫画のセリフなんだろうけど……


京子「……はっ!!って事は、あたしの普段の行動が悪いから、神様はあたしに大きいのを与えてくれないって事!!?」


自分で言うのもなんだけど、多分的を得た意見だと思う……
憐れ……あたし……


京子「あぅ〜………どうしよう〜!?」

向日葵「え?そ、それは別に………」


さて、またあたしに変な振りをされたこの真面目な後輩ちゃんは、返しの言葉を考え始めた

さぁ……一体どう返してくるのだろうか!?



向日葵「せ、先輩は、きっと色々なモノを貰っているのですわ!胸の大きさ以外に……」

京子「……え?例えば何を?」


向日葵「………あ、明るさ………ですわ……」

京子「……………

……ほぉ〜……」

向日葵「あ、あと!!頼もしさ、それに優しさ!!……とか………?」


京子「………なるほど。向日葵ちゃんの中でのあたしは、一に明るさ、二に頼もしさ、三に優しさ……って感じなんだね。」

向日葵「え!?………あ………ま、まぁ……」


………明るさ、頼もしさ、優しさ………

本当にその3つを思い描いて貰えてるなら、後輩ちゃんにとってのあたしはちゃんとした良い先輩なのかもしれないな………


京子「……本当は、うるさくて、変な事言ってきて、おまけにセクハラまでしてくるどうしようもない先輩………なんじゃないの?」


向日葵「!!……そ、そんな事は……」


京子「ごめんね……あたし、実は二重人格なんだ……」

向日葵「……はい……?」


ここで自分でもワケの分からない謎のシリアス展開……

京子「あたしの隠れたやんちゃな人格がたまに表に出てきては、周りの人に迷惑をかけてしまうんだ……。

でも、アイツだって、本当は頼れる先輩なんだからね!!」

向日葵「は……はぁ……」


京子「だから、これからも宜しくね!向日葵ちゃん。」


全然、何をまとめたのかも分からない締めの言葉

ただ、自信満々の笑みで後輩ちゃんの手を握った

話に付いていけてなさそうだった後輩ちゃんも、あたしの笑顔を見て少し安心したようで……


向日葵「は、はい。もちろんですわ!」


と、笑顔で返してくれた……
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/13(木) 22:39:21.66 ID:4zMPelADO
さて……

あたくし、歳納京子様にはその人徳溢れる人望によって可愛い後輩達が沢山いるワケで………


いや、居るよ!多分!
普段は話したことのないような娘も、裏では家のベッドの横にあたしの写真立てを置いては毎晩お祈りを……

それに、あたしには優先するべき大切な後輩がいるのだ!

それはもちろん………


京子「ち〜なつちゃ〜ん♪」

ガタン!!

おもいっきりドアを開けた
ここは娯楽部の部室(元は茶道部。あたしの人望で手に入れた!!……まぁ、本当は廃部して使われなくなったのを借りてるだけだけど)


京子「……あれ?誰も居ない?」

娯楽部は部長のあたしを入れて4人で活動している

しかし、今日は部員の1人である結衣が休みなので、3人での活動となるはず……

しかし、後輩である2人はまだ来ていない……


京子「まだ来てないのかな………。ま、いっか。待ってよっと。」


………そう………
今日は結衣がいないのだ……
あたしとちなつちゃんの間に割り込んでくるお邪魔虫が今日はいない……

これをチャンスと呼ばずにいられようか!?

今日結衣が家事情で休むことを既に知っていたあたしは、準備万端で部室を訪れていた


なんの準備かって?

へへっ………

まずはこの水風船。こいつを部室の入り口にセッティング。ちなつちゃんがドアを開けたら水が落ちてずぶ濡れ。

そしてあたしが「ごめんごめん。大丈夫。こんな時の為に着替えを用意しといたから。じゃじゃ〜ん♪」と言って“ミラクるん”のコスプレ衣装が登場!!

濡れた衣服をどうすることも出来ず、ちなつちゃんは自然とミラクるんのコスプレ…………


完璧な計画だ!!!

京子「ふふ……今宵の月は満月か………」



あー、万が一水風船の罠にはまったのが“あかり”だったとしても、この水鉄砲でちなつちゃんを無理矢理濡らす

あかりは………大きな犠牲なのだ………仕方あるまい………



………しかし、こんな事を考えながら待っているワケだけど、なかなか来ないな、ちなつちゃん……
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/13(木) 23:00:48.70 ID:4zMPelADO
…………

来ない………

まだか?

まだなのか!!?


京子「こうなったら、1年の教室まで迎えに行くし!」

諦めない!あたしは!!



しかし、部室を出ると真っ赤な夕日が視界を突いてきた

いつの間にか時間はかなり経っていた様で、普段に部活を終えて帰る時間になっていた


京子「?もうこんな時間か。結局、あかりすら部室に来なかったな。
どうしたんだろ?」


一応、あかり達の教室に向かうことにした


校舎に入ると、放課後を感じさせる雰囲気が佇んでいた
人の気配はなく、生徒は皆下校しきった様である
窓から入ってくる赤い夕差しが、廊下を一層寂しく感じさせる……


京子「うわー、いい雰囲気出てるね〜♪」

こういうのを見ると、結構興奮しちゃうんだよな〜




コン……コン……



廊下に足音が響く……

明らかにあたしの歩きとは合っていない……他人の足音………



コン…………コン…………


それがだんだん大きくなってきている………

……近づいてきている!?


京子「………だ、誰だ!?」


そう叫びながら後ろを振り向く!!




目に写ったのは、宙に浮く本の……山………?



「ぐぐぐ………お、重い……」

……と、なにやら苦しそうな声………

よく見ると、顔も見えない程に本を山盛りにした女子が立っていたのであった


京子「……わぁお……」

「ぐ……ぐぐっ………」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/09/13(木) 23:22:45.38 ID:dLSU2rifo
支援
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/13(木) 23:28:34.72 ID:4zMPelADO
グラグラ、そしてプルプル震えながら、一歩、また一歩と危なっかしくその娘は歩いてくる……

本当に危なっかしい……
今にも………


ズルッ
「ぎゃわっ!?」

ドスーン!!
そしてバサバサと本の束が床に散らばった

「痛ぁ〜い……もぉ〜……」

腰を押さえながら、女の子が座り混んでいる

京子「あちゃ〜、大丈夫?」

ゆっくりその娘に駆け寄った……

あれ?この娘……

あ!!なんだ、あかりやちなつちゃんの友達……それに今朝会った向日葵ちゃんの仲良しの………


「あれ?歳納…先輩……?」

京子「あ、うん。え〜と、君は……」


名前、名前……

う〜ん……出てこない……え〜と……え〜と……


「よいしょっと………って、ぎゃうっ!?」

ドスン!

立ち上がろうとしたその娘は、落ちていた本に足を取られてまた転んでしまった……

ホント……豪勢に転んじゃって……スカートが完全に捲りあがっちゃってるし………

………あれ?


京子「ひ、向日葵……?」
「痛てて……」

京子「向日葵……桜……
あー!!桜ちゃんか!」

櫻子「え!?ちょ、惜しい!!かなり惜しいし!」

この超明るい笑顔
まさに満天の桜の様な……は、ちょっと違うな……
どっちかって言うと、満開の向日葵の様な……笑顔!!って感じかな


京子「いやぁ〜、いいよね。桜って。ピンクなのがいいよね。」

櫻子「え?ま、まぁ、そうかな……。あたしはバラとかも好きだし……」

京子「でも、黄色の向日葵もいいよね〜。和むわー。無邪気さに溢れた感じ〜。」

櫻子「向日葵?いやぁ〜、あたしは嫌いだな〜。なんか嫌な顔を思い出すし。」

ちょっと嫌そうな顔をする櫻子ちゃん……

京子「へぇ〜。でも、なんでそんな嫌いな柄の下着なんてつけてるの?」

櫻子「へ?下着…?」


ヒラリ……

櫻子「って、嘘ぉ!?なんでこんなのつけてんだ!?あれ!?……確か、今朝寝ぼけてて……えっと……」

京子「ふぅ〜ん……寝ぼけて……ね……」

櫻子「べ、別に……!!下着ぐらいなら、いいじゃん!向日葵ぐらい……別に……」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/09/18(火) 00:20:06.51 ID:XTQs5ngDo
支援
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/18(火) 00:29:44.74 ID:chKc48tho
鬱でないならそれだけで大支援
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/09/18(火) 09:45:13.78 ID:le84wNcDO
この元気で可愛らしいのは、もう一人の後輩

京子「ねぇねぇ!」

櫻子「ん?」

京子「シュワッチ!!」グワッ!

櫻子「……チ、チョリッス!!」


あたしの渾身のウルトラポーズに謎の返しをしてくる……

向日葵ちゃんとは違う、新たな可能性を秘めた少女!!

京子「キラぼしっ!!」ビシッ!

櫻子「ぼし………梅干し!!」バシッ!


京子「ゆけっ!!アリアドス!!(あたしは虫タイプ好きなのさ♪)」ブン!


櫻子「!!……それなら!いっけぇ〜い!!リザードン!!」

京子「ほほぉ〜……そこでリザードンを出してくるとは……」

櫻子「草タイプのアリアドスには、炎タイプのリザードン!!」

うん!間違ってるけど、間違ってはない!!


櫻子「よし、リザードン!炎タイプの技………技……………」

京子「…………」

櫻子「え〜と……何があったっけ………?
………あ!小もんじ!!いけ〜!小もんじ〜!!」


かなり弱そうな技である


京子「ところで、櫻子ちゃん!!
このエアポ○モンごっこ、いつまで続けよっか!?」


櫻子「分かりません!!」

京子「……やめる?」

櫻子「やめましょう!!」



後になっても、私達がこの数分続いた謎の行為の意味を知ることはなかった
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/09/18(火) 10:28:46.16 ID:le84wNcDO
京子「ところで何してたの?こんなに本を山盛り持って…」

櫻子「生徒会の仕事なんですよ〜。向日葵ってば、しんどい仕事はみんなあたしに押し付けてくるしぃ〜!!」

ぶーぶー言いながら、本を拾いだす


京子「生徒会か…。結構大変そうだね〜。」

櫻子「先輩達も今日は早く帰ったし……向日葵とあたしだけじゃ、マジでしんどいし……」

京子「そっか……。綾乃も千歳も帰ったんだ……」


結構大変そうだな〜……

向日葵ちゃんも櫻子ちゃんも、なんで生徒会なんかに入ったんだろ?


京子「……そういや、あかりやちなつちゃんは知らない?部活に来なかったんだけど……」

櫻子「あかり?あいつなら、風邪で休んでるんじゃ……」

京子「……え?」


………あれ?なんか、初めて聞いた気がしない話……

あ!昨晩あかりの家に電話した時にそんな事言ってたっけ……

忘れてた……つか、記憶から飛んでた……
アッカリ〜ン、ってなってた……


京子「じゃ、じゃあ、ちなつちゃんは!?今日はちなつちゃんと二人きり……」

櫻子「千夏も風邪だって。」








……………

………はぁ………

今日はもう帰ろう………



櫻子「……ふんぬ!!……ぐっ……」


櫻子ちゃんがまた山積みにした本の塊を持ち上げようとしている……

グラグラ揺れながら、ゆっくりと立ち上がろうとして……

櫻子「………うわっ!?」

京子「危ない!!」

あたしは櫻子ちゃんの背中を抱えた

京子「全く、無理しちゃって……」

櫻子「だって、一度に大量に運んだ方が早く終わるし……」

京子「作業は効率重視。
持ち過ぎて作業が捗らないんじゃ、意味がないよ。」

そう言いながら、本の山から何冊かの本を抜いて、持ってあげた

櫻子「京子先輩……?」

京子「しゃあない、暇潰しに手伝ってあげるよ。」


あたしはそう言って、櫻子ちゃんの顔を見ながらニコッて笑った
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/09/20(木) 22:37:33.40 ID:xjMmoUDeo
支援支援
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/21(金) 12:24:20.06 ID:zNVZ7rNDO
櫻子「え!?マジで!?
やっりぃ〜♪」

京子「あー、その代わりに櫻子ちゃんは今日1日あたしの言いなりね。」

櫻子「おっけおっけ〜。」







櫻子「んで、“いなり寿司”ってどうやって作るの?」


いなり寿司か……

あれはただ油揚げを酢飯に巻けばいいワケじゃない……
下味、あの独特の甘味を出す油揚げは、作る人の料理の力量を晒す……



京子「……って、なんでいなり寿司やねん!!」

櫻子「え?“手伝いの代わりにいなり寿司が食べたい”って……」

京子「いやいや、“いなり”じゃなくて、“言いなり”だから……」

櫻子「言い……ナリ?」

京子「ナリ?」


昔、なんとか大百科ってアニメが……


って、違ーう!!!

京子「えっとね、つまり奴隷って意味だよ。」

櫻子「あ〜、な〜んだ向日葵の事か。」

京子「え?」

櫻子「あたしが宿題の手伝いとか夕御飯とかを貰いに行ったら、『あたしは貴方の奴隷じゃないんですのよ!』とか言ってくるし……」

京子「あ〜、なるほど。」


まるで、あたしと結衣の関係じゃん

あれ?……てことは、結衣はあたしの奴隷……?


つまり、あたしは女王様!!?


…………いいねぇ……


櫻子「あ、てことは、あたしは先輩に料理作ったり、宿題見せなきゃなんないってこと!?
無理!絶対無理だし!」

京子「いや、別に後輩に勉強教えて貰うのは……。

……料理は、ちょっといいかも……」

櫻子「そんなぁ〜!面倒なのはヤだし!

そだ!あたしの代わりに向日葵を貸すから!!」

京子「え?向日葵ちゃん?」

櫻子「向日葵になら何させてもいいから!!
あたしの代わりに何でするから……」


ん?今、何でもするって言ったよね………

本人不在の奴隷契約成立の瞬間であ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 19:42:03.55 ID:zNVZ7rNDO
そのまま二人で図書室までやってきた

放課後も5時30分、秋になると夕日も半分地平線に飲み込まれている

……つまり、外は大分薄暗くなっていた


櫻子「とりあえずその辺に置いとけば、明日図書委員が勝手に整理してくれるみたいだから。」

京子「よし!ならせっかくだし、本でピラミッドでも作っておいてあげよっか!」

櫻子「えー!?
それなら、あたしはエッフェル塔を作ろっと♪」

京子「なに!?
よ〜し、ピラミッドを土台で、頂上にスカイツリーを付けてやる!!」


持ってきた本を使って、私達の工作は始まった




……3分で終わった

櫻子「だぁーっ!!!疲れた〜!」

京子「……てか、スカイツリーってどんなんだっけ?
上の方にUFOみたいなのがあったり、なかったり……」

櫻子「あたしはそもそもエッフェル塔なんて名前しか知らないし……」

京子「……へぇ〜。でも、名前は知ってるんだ。」


エッフェル塔と言えば、フランスの首都パリにあるというわりと有名な塔だ

実際に行ったことのない人は多かれど、名前だけは知ってる、写真は見たことあるという日本人はいっぱいいるだろう……


櫻子「そりゃ〜……昔、なんかのテレビを見ながら向日葵がエッフェル塔に登りたいとか言ってたから……。」

京子「へぇ〜。向日葵ちゃんが……」

櫻子「あたしは興味ないけど、向日葵はなんかそういうワケの分からないものを好きになるんだよね〜。」


京子「……パリって言ったら、やっぱり女の子の憧れの街だからね。」

櫻子「パリ?ぱりぱり………

………あ!その名前知ってる!」

京子「向日葵ちゃんが言ってたの?」

櫻子「うぐっ!?………そ、そうだけど……」


何故か少し恥ずかしそうな顔をする櫻子ちゃん


京子「ふぅ〜ん。」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 20:23:24.50 ID:zNVZ7rNDO
櫻子「と、とにかく!早く教室に戻らないと!!
もう下校時間だし……」

京子「あ、そう。
なら、あたしも部室に荷物取りに行こうかな………」


そう言って、櫻子ちゃんの後について図書室を出ようとした

京子「……ん?」

櫻子「?……どうかしました?」

京子「う〜んと……
櫻子ちゃん。先に行ってて。」

櫻子「?」



あたしは図書室に一人残った

京子「………さて……」

実は、部屋を出る直前にあたしはあるものを見つけてしまった

それはあたし達が持ってきた本の山の中にあった


京子「………『ゆりノート』……?」

本はピンク色のノートサイズで、ページ数も数十ページしかない


……………
あたしの頭の中には、死神が人間界に落とした黒いノートの絵図が浮かんだ

京子「………ま、まさか……!?」



1ページ目を開けた

何か書いてある……

『これを死神さんが落とした魔法のノートと思ったアナタへ
残念ながら、これは普通のノート帖です』


……………幻滅した

京子「おいコラー!!!」

その時のあたしの叫び声………怒りと悲しみに満ちた非情の嘆きであった……

あたしの期待、興奮、それらを崩壊させた罪は決して軽くないぞ!!



…………さて、自分で作ったノートに突っ込みを入れるのはここまでにして……

そう、これは随分前にあたしが作ったノートである

………目的?いや、特に……

京子「まぁ、若気の至りってヤツさ♪」

パサッ
さらにノートをめくってみた

『△月○日、結衣先輩とデートする』

『△月@日、結衣先輩の家に行く』

『△月×日、結衣先輩の手料理を食べる』

『△月W日、結衣先輩と同じ布団で………』



……あ、これを最後に書いたの、ちなつちゃんだっけ………ビリビリ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 20:42:37.08 ID:zNVZ7rNDO
ビリビリ

ビリビリ


……なんて凶悪な本なのだろうか………

ここで処分しなくては………



京子「………ん?」

『9月○日、歳納京子先輩と』


破いてる途中にページの隅にあたしの名前を見つけた

9月○日……今日じゃん?

……“京子先輩と”の先は破いてしまったので分からない

京子「………あれ?え〜と………」


あれ?あたしの名前が書かれてる………

あれ?あれ?
しかも………今日!?



この『ゆりノート』は大分前にあたしが作った普通のノート
ただ、日にちと好きな人(女の子限定)の名前と何か出来事を書くとその通りの事が起きる…………呈で作った

ま、最終的にはちなつちゃんの妄想日記になってしまったのだが……

……でも、このノートはずっと行方知れずになっていた
てっきり、娯楽部の押し入れでホコリを被ってるのだろう、と思っていたのに……


京子「なんで、櫻子ちゃんの本の山から見つかって………しかも、今日の日付で、あたしの名前が……」


最後に娯楽部で使った時に書いたのかな?
でも、なんで日付は今日なんだろ……


……そもそも、大体誰が書いたんだろ?

歳納京子先輩………って書いてるってことは、もしかして、ちなつちゃん!?



向日葵「先輩?」


突然後ろから声がした

京子「ひ、向日葵ちゃん!?」

あたしはビクッとして振り向いた

向日葵「どうかしましたの?図書室で……

………て………」

向日葵ちゃんの顔が一瞬にして青ざめた

向日葵「……そ、そのノート………」

京子「……え?」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 20:59:48.96 ID:zNVZ7rNDO
向日葵ちゃんはあたしの手にある“ゆりノート”を見て、動揺した様子であった


向日葵「せ、先輩………そ、それ……」

京子「ん?これ?さっきそこの本の山で見つけた。」

向日葵「!?……いくら探してもないと思ったら、間違えて図書室行きの本と一瞬にしてたんですわ……。」

京子「………へぇ〜。」

向日葵「………ま、まぁ、見つかってよかったですわ……」

向日葵ちゃんの引きつった笑顔が……痛い……

なんで向日葵ちゃんは動揺してるんだろ……?


向日葵「あ、あの……それ、返して貰ってもよろしいでしょうか……?」

京子「え?いや、これって元々娯楽部で作った……」

向日葵「え、ええ!分かります!中を見たら、娯楽部の皆さんの名前ばかりが書かれてましたし……」


京子「でも、大分前から無くなってたんだよね。
これ、向日葵ちゃんが見つけたの?」

向日葵「え!?は、はい!さっき、生徒会室の掃除をしてたら……」


………なんで、生徒会室?



…………あ、思い出した

最終的は生徒会室に放置して、見つけた生徒会メンバーの反応を見ようと思ってたんだっけ……


向日葵「棚の裏から出てきたのですけど……。
多分、大分前から放置されてたのだと思いますわ……」


……ああ、“ゆりノート”、憐れな処遇………



京子「……ん?てことは、今日の日付の書き込みって……」

向日葵「!!?………先輩、見たんですの……?」

京子「うん。あたしの名前を指して……」

向日葵「あ、ああ……////////」


向日葵ちゃんの顔が一気に赤く………!?


………なるほど、向日葵ちゃんがあの文を書いたんだな………


京子「そっか〜。向日葵ちゃんが書いたんだ〜。」

向日葵「い、いえ……その………」


……………

……………

……………あれ?

京子「………って、ええ〜!!!?」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/21(金) 21:15:04.38 ID:zNVZ7rNDO
京子「………あ………が………」


ちょっと待って!!

向日葵ちゃんが……あ、あたしの名前を……?


え!?え!?だって……



京子「ひ、向日葵ちゃん………」

向日葵「きょ、京子先輩!!お願いしますわ!
今日のことは……誰にも言わないでください!!」

京子「え、え!?」


い、いや………他人に言うなって………

言えるワケないじゃん!!

後輩があたしのことを好きだってことなんて……


京子「あ、あの……」

向日葵「お願いします!!そうじゃないと、私!!恥ずかし過ぎて死んでしまいますわ!!!」


向日葵ちゃんの必死の顔があたしに迫ってくる……

目は若干涙ぐんてるし、声も切羽詰まった感がある


向日葵「代わりに、なんでもしますから!!お願いします!!」





ん?今、なんでもするって………


……て、そんな事言ってる場合じゃないし!!

京子「と、とにかく、お、落ち着こ!!ね?」


向日葵「……え、ええ……そうですわね……」

そう静かに言って、向日葵ちゃんは深呼吸した

その後、落ち着いた様子で、あたしの顔を見てきた


向日葵「……あ、あの……」

京子「…………。
……もう遅いし、とりあえず帰ろっか?」

向日葵「………は、はい……」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/10/09(火) 00:07:30.66 ID:Ly+r29Ruo
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