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キリカ「もし織莉子がちょっとだけ早とちりだったら」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/15(土) 20:00:34.62 ID:kVq985GN0
QB「さあ、キミの魔法を試してごらん」

織莉子「……スゥ……ハァ……」

織莉子(………この光景……は……?)

織莉子(まさか……見滝原なの……!?)

織莉子(町を崩壊させるほどの、何か……)

「アハハハハハハハ……キャハハハハハハハハ……」

織莉子(これが……この街の、運命……)

織莉子(なるほどね……あの魔女を倒すのが、わたしの運命……)

織莉子「……ふぅ」

QB「どうだった、織莉子?願いは、叶ったかい?」

織莉子「ええ、叶ったわよキュゥべえ」

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ミカサ「セクハラ上司を撃退せよ」 @ 2025/06/20(金) 01:29:27.45 ID:tNN+x/HdO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1750350567/

AIが書いた台本! @ 2025/06/19(木) 08:20:29.62 ID:ILqwg5iz0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1750288829/

【俺ガイル】由比ヶ浜「ヒッキーと映画」 @ 2025/06/18(水) 23:51:40.16 ID:LO8Sz/wa0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1750258299/

俺の遺伝子白濁汁をくらえっ @ 2025/06/17(火) 17:40:37.60 ID:q3DDvkJnO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750149637/

スイカバー @ 2025/06/16(月) 23:54:53.05 ID:7An/VCwoo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1750085692/

全レスゾーンゼロ @ 2025/06/16(月) 17:23:39.88 ID:/JulHR0so
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バームくんへ @ 2025/06/11(水) 20:52:59.15 ID:9hFPsRzXO
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秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:05:37.26 ID:kVq985GN0
QB「それはよかった。で、キミはこれからどうするんだい?」

織莉子「……まずは仲間を集めなければ」

QB「仲間?」

織莉子「ええ。とてつもなく強大な力を前に、わたし一人の力はとてもじゃないけど太刀打ち出来なさそうですから」

QB「へぇ……出来るなら、詳しく教えて欲しいな」

織莉子「それよりも先に、わたしの頼みを聞いてくれないかしら?」

QB「頼み?なんだい?」

織莉子「この街……見滝原に、魔法少女はいるのかしら?いるのなら、教えて欲しいの」

QB「魔法少女のことは、僕の口から話すのは出来るのなら避けたいのだけれど……」

織莉子「………ふむ」

QB「それじゃ、僕は行くよ。キミの願いは叶ったようだし、魔法少女として、頑張ってくれ」

織莉子「ええ、もちろんそのつもりよ。じゃあね、キュゥべえ」

QB(強大な力とはまさか、ワルプルギスの夜の事かな……彼女の祈りなら、それが見えていてもおかしくないね)トコトコ

QB(……やっかいな事にならなければいいけど)
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:10:29.26 ID:kVq985GN0
織莉子「………よし、視えた」

キリカ「織莉子?どうかしたかい?」

織莉子「キリカ。早速で悪いのだけれど、ちょっと頼まれてくれないかしら?」

キリカ「? 何かあったかい?」

織莉子「この街に、魔法少女がいるのかどうかを探って欲しいの」

キリカ「わたしたち以外に?」

織莉子「ええ、そう。わたし達二人だけでは、手が足りなさそうなのよ」

キリカ「……わたしと織莉子さえいれば、なんでも出来ると思うけれど」

織莉子「わたしの言う事に意義を唱えるのかしら?」

キリカ「いや、そんなつもりはないよ。うん、わかった。魔法少女がいるのかどうか、だね」

織莉子「そして、もしいるのなら力を貸して欲しいと言うウマも伝えてちょうだい」

キリカ「んー……不本意ではあるけれど、まぁ、了解だよ」

織莉子(あの魔女相手には、どれだけ手があってもありすぎると言うことはない……たくさんの仲間が欲しいところね)
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [saga]:2012/09/15(土) 20:14:11.39 ID:8xwiQikB0
しえん
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:14:25.02 ID:kVq985GN0
キリカ(さて、織莉子に頼まれて家を飛び出したはいいけれど、どうやって探したものかな)

キリカ(とりあえず、当ては全くないからなあ。織莉子に貰ったストラップでも……)

キリカ(…………!?)ワサワサ

キリカ(す、ストラップが……無い、だと……!?)

キリカ「う、うわああああああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!?」

通行人「!?」ビクッ

キリカ「織莉子からもらった大事なものがああああああああああ!?」

キリカ「どこだ、どこに行ったんだあああああああああ!?」ガサゴソ

通行人「……」ソソクサ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/15(土) 20:17:01.90 ID:jlcPS8hIO
気体
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:19:54.95 ID:kVq985GN0
キリカ(出てこいよぅ……どこに行ったんだ……)ガサゴソ

キリカ(あああぁぁぁぁぁ……まずい、まずいよぉ……)ガサゴソ

キリカ(わたしの愛が……消えてしまう……消えてしまう!?)ガサゴソ

マミ「ふぅ……」テクテク

キリカ「う、うわあああああああああああああ!!!??」ガバァ

マミ「!?」ビクッ

キリカ「ない、ないよぅー!?」

マミ(え?なに?)

キリカ「あうあうあ〜……あれがないと……あれがないとわたしは……わたしはあああぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

マミ(………)

マミ「あの」

キリカ「今は話しかけないで!わたしの愛がかかっているんだ!!」バッ

マミ「いや、その……探し物かしら?」

キリカ「あああああぁぁぁぁ……どこに行ったんだよぅ……」ガサゴソ

マミ(聞いていない……)
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:22:54.75 ID:kVq985GN0
マミ「探し物は、もしかしてこれじゃ……?」

キリカ「っ!?」バッ

シュパアアアアン

マミ(早いっ!?)

キリカ「あああああああ、会いたかった!会いたかったああああああ!!!」ギュゥゥゥ

マミ(……変な子ね)

キリカ「あ、ちょっと待って恩人!!」ガシッ

マミ「え、え?」

キリカ「キミのおかげで助かった。いやホントに」

マミ「え、あ、ええ……探し物、見つかってよかったわね」

キリカ「お礼をさせてくれ、頼む!この通り!」ガバッ

マミ「いや、別に大したことをしたわけじゃ……」

キリカ「この通りっ!!」

マミ「ええと……それじゃ……―――」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:26:04.01 ID:kVq985GN0
キリカ「それで、本当にいいんだね?」

マミ「何回確認を取れば気が済むのよ……いいの、これで十分」モグモグ

キリカ「いや、だって、言わばわたしの命に対するお礼だよ?十分なんて……」

マミ「わたしはそれほど大したことをしたつもりはないから、これでいいの……うん、ごちそうさま」

キリカ「お粗末さまでした」ペコリ

マミ「おいしかったわ。それじゃね、ええと……」

キリカ「ああ、わたしの名前は呉キリカ。キリカ、でいいよ」

マミ「それじゃね、キリカさん」ニコッ

トコトコ……

キリカ「ふぅ……探し物も見つかったし、これでひと安心かな。さて家に……?」

キリカ(あれ、何か大切なことを忘れているような……まあ、いいか)テクテク
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:28:20.32 ID:kVq985GN0
美国の家―――

キリカ「ただいまー、織莉子!」

織莉子「あら?ずいぶん早かったわね、キリカ?」

キリカ「え?」

織莉子「目的は、達成出来たの?」

キリカ「ああ!この通り、ばっちり!」ビシッ

織莉子「………それは確か、わたしがあげたストラップ……よね?」

キリカ「そうだよ!織莉子からもらった、大切な大切な愛だ!」

織莉子「それがどうかしたの?」

キリカ「いや、実はこれ、ちょっと紛失しちゃってね!親切な人が拾ってくれて、見つけることが出来たんだよ!」

織莉子「……?つまり、どういうこと?」

キリカ「いや、それだけだけど?」

織莉子「え?」

キリカ「え?」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:30:27.37 ID:kVq985GN0
織莉子「魔法少女の捜索は……?」

キリカ「………―――あ」

織莉子「………」

キリカ「………」

織莉子「…………………」

キリカ「………い、行ってk」

織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:35:12.22 ID:kVq985GN0
キリカ「ご、ごめんなさい織莉子!!」

織莉子「謝って済めば、こういう折檻はいらないんです!」バシンッ

キリカ「あひっ!?で、でも、ほら、ちょっと忘れてただけだし……!」

織莉子「それが、どれだけ愚かしいことか!身を以て知りなさい!!」バシンッ

キリカ「ひゃああ!?ご、ゴメンってば!ホント、反省してるからぁ!!」

織莉子「わたし達には、救世を成すと言う大義があるのですよ!!ホントに反省している!?」バシンッ

キリカ「し、してます反省してます!!ほ、本当に!!」

織莉子「それじゃ、今度こそしっかりしてきてよ?」パシンッ

キリカ「うぅ……お尻が……」ヒリヒリ

織莉子「ごめんなさい、キリカ……わたしだって、やりたくてやっているわけじゃないのよ?」ナデナデ

キリカ「ああ……もっと撫でて……」ウットリ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:39:40.81 ID:kVq985GN0
キリカ「よし!それじゃ、今度こそ行ってきます!」

織莉子「ええ。頼りにしてるわよ、キリカ」

キリカ「もう任せといて!絶対に見つけてくるから!」バタン タッタッタ―――

織莉子「……ふぅ。いるといいのだけれど……ね」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:44:44.78 ID:kVq985GN0
キリカ(さて!魔法少女の捜索だ!)スタスタ

キリカ(とりあえず魔法少女というのは、魔女と戦うものなんだよね)スタスタ

キリカ(なら、魔女の気配がするところを探せば、きっとそこに魔法少女も……!)ピタッ

キリカ(………ソウルジェムが反応してる。魔女の反応、ということでいいのかな)パァァァ

キリカ(よし、この反応を追う事にしよう)テクテク

〜〜〜

キリカ(……この辺り、かな……っと)

キリカ(見つけた見つけた。なんか、荒々しい反応をしてるような気がするけど、多分気のせいだよね)

キリカ「よし、突入!」スパン

ズアアアァァァァァァ―――
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:49:58.71 ID:kVq985GN0
オオ……ン

キリカ「……なんか遠くで爆音が聞こえるような気がする」

キリカ「まさか、魔法少女が既に戦っているとか!?」

キリカ「もしそうならこうしちゃいられない!織莉子の言伝を、早くも達成出来るかもしれない瞬間だ!」ダンッ

キリカ「うおおおおおおお!!待ってろおおおおお魔法少女おおおおおお!!」ダダダダダダダダダダダ

―――魔女結界・中枢

ステーシー「アハハハハハハ」

キリカ「………ここにいるのは、キミだけ?」

ステーシー「アハハハ?」クルン

キリカ「さっきの爆発音はなんだったんだ……気のせいだったのかな……」ボソボソ

ステーシー「アハハ!」ダンッ

キリカ「ええいやかましい!あんたには用はないんだよ!!」ズバァァン

ドシャッ ゴロゴロ

キリカ「!?」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:53:13.75 ID:kVq985GN0
マミ「う、うぅ……」ヨロヨロ

キリカ「え!?恩人!?魔女の体内で何をやってたのさ!?」

マミ「あら……?あなたは確か、呉キリカさん……?」

キリカ「い、いやいや!それよりもなによりも!キミ、魔法少女だったのかい!?」

マミ「そ、そういうあなたこそ……魔法少女だったのね……」ヨロヨロ

キリカ「え、あー……まぁ、うん」

キリカ(魔法少女、一人目みっけ。織莉子、褒めてくれるかな♪)

ステーシー「アハハ……ハハ……」ヨロヨロ

マミ「っ、キリカさん、後ろ!」

キリカ「へ?」バクンッ

マミ「き、キリカさああああああああん!!?」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 20:59:14.67 ID:kVq985GN0
キリカ(……あれ、ここは……ああ、そうか、わたしは魔女に喰われて……)

キリカ(脱出は……無理、かな。恩人も一度喰われて、脱出出来てなかったみたいだし……)

キリカ(ごめんよ、織莉子……わたしは、ここで終わり……―――!?」

ドドン ボロンッ ドシャッ

キリカ「あ、あれ?」

マミ「大丈夫、キリカさん!?」

キリカ「恩人?キミが助けてくれたのかい?」

マミ「ええ、そうよ!あなた、魔女を目前にしてずいぶんと油断していて……」カクカクシカジカ

キリカ「あー、それはどうも。恩人には二回も助けられちゃったな、っと、そう言えば魔女は?」

マミ「もう大丈夫よ。力尽きているわ」

ステーシー「」ボロボロ……

キリカ「……いや、こう言っちゃなんだけど……ずいぶんとエグイ殺し方をするね」

マミ「魔女の体を真っ二つに切り裂いたあなたには言われたくないわ……」

ズアアアァァァァァァ―――
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:03:41.30 ID:kVq985GN0
キリカ「うむ、グリーフシードゲット」ヒョイ

マミ「この街に、他にも魔法少女がいるなんて……」

キリカ「ああ、いや、わたしは最近契約したばかりなんだ」

マミ「え、そうなの?」

キリカ「まあね。もう一人、魔法少女がいるんだけれど……」

マミ「ま、まだいるの?」

キリカ「うん。わたしはね、その人の命令を受けて行動していたのさ」

マミ「……も、もしかしてわたしを助けてくれたのも、その人の指示だったり?」ドキドキ

キリカ「いや、違う。この街にいる魔法少女を探してただけだよ」

マミ「そ、そうなの……」シュン
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:08:16.65 ID:kVq985GN0
キリカ「さて、今度こそ織莉子からの言伝を達成する時だ」キリリッ

マミ「な、何かしら?」

キリカ「実は恩人、二度も助けてもらっておいて不躾なのだけれど、お願いがある」

マミ「お願い……?」

キリカ「ああ。実はわたし達、わけあって魔法少女の仲間を探しているんだ」

マミ「魔法少女の仲間を……」

キリカ「とりあえず、話は織莉子から聞いて欲しい。お願いを聞いてくれるのなら、わたしについてきてくれるかな?」

マミ「話くらいなら……一応、わたしもあなたに助けてもらった形になるのだし」

キリカ(ふぅ……紆余曲折あったけれど、第一段階はクリア、だね!)
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:11:12.20 ID:kVq985GN0
美国の家―――

キリカ「ただいまー、織莉子!ささ、恩人、入ってよ」

マミ「え、えぇ……お邪魔します」

織莉子「あら、おかえりキリ……カ……?」

キリカ「あ、織莉子!ホラ、織莉子の言伝通り、連れて来たよ!」

マミ「初めまして……あの?」

織莉子「き……キリ……カ……?」ガクガク

キリカ「どうかしたかい、織莉子?」

織莉子「その方……は……?」

キリカ「ああ。彼女は、わたしの恩人、巴マミだ!」

織莉子「何……ですって……?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:17:06.97 ID:kVq985GN0
キリカ「ほらほら恩人、挨拶して!」

マミ「初めまして、えっと、織莉子さん?」

織莉子「………」プルプル

マミ「わたしの名前は、巴マミ。えっと、キリカさんに連れられてここに来たのだけれど……?」

織莉子「既に下の名前で……っ!?」プルプル

キリカ「だって、わたしがキリカでいいって言ったからね」

織莉子「キリカ公認!?」

キリカ「それで、恩人。彼女が、美国織莉子」

マミ「織莉子さん、でいいのかしら?」

織莉子「な、馴れ馴れしく下の名前で呼ばないでください!!」クワッ

キリカ・マミ「!?」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:21:32.52 ID:kVq985GN0
織莉子「ちょっとキリカ!!こっちに来なさい!!」グイッ

キリカ「ちょっ、織莉子!?」

織莉子「いいからこっちに!!」グイグイ

キリカ「え、あ、あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ……」ズルズル

マミ(キリカさんが織莉子さん……えっと、美国さんに引きずられて家の奥へ行ってしまった)

<アナタトイウヒトハ!!ワタシトイウモノガアリナガラ!!

<イ、イヤ、ゴカイダヨオリコ!!チョッ、ヤメ……!!

<モンドウムヨウデス!!サキノセッカンデハタリナカッタヨウデスネ!!

<マ、マタ!?ヤ、ヤダヨー!!

<ハンセイシナサイ!!

<アヒィッ!!

マミ(お、奥で一体何が……!?)ドキドキ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:30:30.74 ID:kVq985GN0
―――十数分後

織莉子「大変お待たせしましたね……えっと、巴さん?」

マミ「え、えぇ……」チラッ

キリカ「お、お尻がぁぁぁ……」ヒリヒリ

織莉子「さて……貴女がここへ来た理由は察しがついています」

マミ(ほっ……よかった、とりあえず話し合いは出来るようね)

織莉子「………キリカはね、まだちょっと子供なところがあって、一緒に暮らすとなると色々と苦労することになると思うの」

マミ「えっ?」

織莉子「でも、とってもいい子なの。それはわたしが保障します」

マミ「いや、あの……」

織莉子「キリカを……っ、キリカを、よろしくお願いしますね!」ウルウル

マミ「え、えぇ!?」

キリカ「い、いや、だから織莉子、それは誤解だって……」ヨロヨロ

織莉子「幸せになってね、キリカぁぁぁぁ!!」ダッ

キリカ「待ってよ織莉子ー!?」フラフラ

マミ「また玄関先に取り残されてしまった……」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:37:25.42 ID:kVq985GN0
―――更に十数分後

織莉子「た、大変お見苦しい所をお見せしました!」アセアセ

マミ「……ええと……」アゼン

織莉子「まさか、魔法少女を連れて来るとは思いもよらず……」

キリカ「織莉子が言った事なのに……」

織莉子「力を貸して欲しいと言うウマだけ伝えてくれれば、それだけでよかったのに……」

キリカ「話は、わたしがするよりも織莉子がした方が絶対いいだろう?」

織莉子「それは、まぁ、そうと言えなくもないような……」

キリカ「さあ、気を取り直して、上がってよ恩人」

マミ「お、お邪魔します」イソイソ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:41:14.77 ID:kVq985GN0
居間―――

織莉子「はい、どうぞ巴さん」カチャ

マミ「ありがとう、美国さん?」

織莉子「っ……」

マミ「? どうかしたかしら?」

キリカ「あー……すまない、恩人。わたしと織莉子の事は、出来るなら下の名前で呼んで欲しいんだ」

マミ「えっ」

織莉子「ワガママですみません……下の名前で呼んでくれた方が、わたしとしてもありがたいのです」

マミ(さっきは馴れ馴れしく下の名前で呼ぶなと言っていたのに……)
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:45:06.89 ID:kVq985GN0
マミ「それじゃ、織莉子さん。これでいいかしら?」

織莉子「ええ。今後もそう呼んでくださるよう、お願いします」

マミ「わかったわ。………ん」コクッ

マミ「あら、おいしい……」

キリカ「ふふん、だろう?織莉子の淹れる紅茶は世界一だ!」ボチャボチャン

マミ「ちょっ!?お、お砂糖入れすぎじゃない!?」

キリカ「そんなことはないよ?」マゼマゼ

マミ(そんなに入れたら甘だるくて飲めないと思うのだけれど……)

キリカ「……うん、おいしい!」

織莉子「ありがどう、キリカ」

キリカ「やっぱり、織莉子の淹れる紅茶だよね!」

マミ(絶対風味は死んでると思う)コクッ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:51:28.66 ID:kVq985GN0
織莉子「……それで、巴さん」コトッ

マミ「本題、かしら?」

織莉子「はい……巴さんは、ワルプルギスの夜―――と言う言葉を、聞いたことはありますか?」

マミ「!」

キリカ「どうなんだい、恩人?」

マミ「魔法少女なら、一度は聞いた事のある名だと思うけれど、ね」

織莉子「実を言うと、そのワルプルギスの夜……それが、近々この街に襲来するみたいなの」

マミ「ワルプルギスの夜が……この街に?」

織莉子「はい……わたしの魔法、未来予知の魔法なのだけれど……それで視えたのが、ワルプルギスの夜によってこの街が崩壊する景色でした」

マミ「………」

織莉子「わたしの運命は、多分、その魔女を撃破……或いは、撃退することだと思うのです」

マミ「どうして、そう思うの?」

織莉子「わたしが契約した時の祈りが……『自分の生きる意味を知りたい』だったから」

マミ「!」

織莉子「そういう祈りで契約して、視えた光景がそれだったのです。ならば、それを撃破、或いは撃退するのが、わたしの生きる意味だと、そう思うのが自然なはずです」

キリカ「織莉子……」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/15(土) 21:53:55.66 ID:CyQrwIgzo
支援
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 21:59:16.39 ID:kVq985GN0
織莉子「ですが、残念ながらわたし一人ではとてもじゃないけれど太刀打ちできるような相手ではない……もちろん、今のわたしは一人ではないけれど」チラッ

キリカ「うん、もちろんだよ織莉子」

マミ「……」

織莉子「キリカとわたしの二人でも……ワルプルギスの夜は、撃破はおろか撃退すら困難であると思うのです」

マミ「なるほど、ね。それで、他の魔法少女の力も借りようと、そういうことね?」

織莉子「急な呼び出しの上、このような不躾な願いは失礼だと思います。ですが、どうか、お願いします。わたしとキリカに、力を貸してください」スッ

マミ「……!」

キリカ「わたしからも、頼む、恩人。力を、貸して欲しい」スッ

マミ「あ、頭を上げて、織莉子さん!キリカさんも!」

織莉子「………」

キリカ「………」

マミ「わたしなんかでよければ、力を貸してあげるから!ね?お願いだから、頭を上げて……」

織莉子「……その言葉に、嘘偽りはありませんか?」

マミ「当然でしょう!?わたしは見滝原を守る魔法少女なんだから!」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 22:04:14.51 ID:kVq985GN0
織莉子「……巴さん」

マミ「一緒に、見滝原の街を守りましょう?ね?」

キリカ「……織莉子」

織莉子「ええ……」

マミ「?」

織莉子「戦力一人、確保成功よ!」ガバッ

マミ「!?」

キリカ「幸先のいいスタートだよね!これならうまくいくかもね!」

織莉子「そうね!それじゃ、早速次の未来予知を……」

マミ「え、えぇー……」

織莉子「あっ、巴さん!これからよろしくお願いしますね!」ガシッ ブンブン

マミ「こ、こちらこそ……?」ブンブン
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 22:06:50.53 ID:kVq985GN0
小休止
速報で即興書きは初めてだから、ちょっとした矛盾があっても流してくださいな
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/09/15(土) 22:16:43.89 ID:cAW3RApAO
お疲れ

好きだぜこういうの
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/15(土) 22:17:13.17 ID:nshmF7STo
乙!

それにしてもまだ>>1が投稿しているのに書き込むバカがいるな。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2012/09/15(土) 22:17:49.63 ID:isi5IYI30

何この可愛い生き物wwww
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/09/15(土) 22:19:41.41 ID:8cBHOYiAO
[ピザ]さん嬉しそう
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/15(土) 22:20:23.25 ID:uTxQnZ55o
>>33
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/09/15(土) 22:29:05.73 ID:4KyxckhQo
デレたキリカの可愛さは異常
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 23:30:15.00 ID:kVq985GN0
織莉子「さて、と。それじゃ、巴さんが力になってくれると約束してくれたことで、未来にどのような変化が起こったのかを視ておきましょう」パァァァ シュンッ

マミ「……え?わたしが仲間になることまで、視通していたわけではないの?」

キリカ「何を言ってるんだ、恩人は?」

マミ「え?」

織莉子「元よりその未来が視えていたなら、ここまで喜ぶことはしませんよ、普通」

マミ「え?え?」

キリカ「さあ、今は口を閉じているんだ、恩人。織莉子の邪魔になるよ」

マミ「え、ええ……?」

織莉子「スゥ……ハァ……では、始めます」

マミ(基本行き当たりばったりなのかしら……それって、未来予知の意味、ないんじゃ……?)
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 23:34:08.00 ID:kVq985GN0
織莉子(………これは……)

織莉子(この少女……?)

織莉子(ああ……そうか。なるほどね。この少女を……でも、それは……)

「………………」

織莉子(……!いえ、違う、これは……)

「そんな顔したって誰も助けちゃくれないよ」

織莉子(彼女は……彼女も、魔法少女なのね……ならば、次は彼女を………)

織莉子「………よし」

キリカ「終わったかい、織莉子?」

織莉子「ええ。次は、風見野へ出張ね」

マミ「かっ、風見野へっ?」

織莉子「? どうかしましたか、巴さん?」

マミ「あっ、い、いえ……」

マミ(風見野と言えば、佐倉さんが暮らしていた街よね……まさか、佐倉さんを……?)
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 23:38:14.14 ID:kVq985GN0
キリカ「風見野かぁ……そこに、何かあるのかい?」

織莉子「子連れ一匹オオカミがいるはずね」

マミ「こ、子連れですって!?」

織莉子「?」

キリカ「心当たりでもあるのかい?」

マミ「ま、まさか、その……赤くて長い髪を、ポニーテールにした子の事……では、ないわよね……?」

織莉子「あら、もしかして巴さんは彼女と知り合いなのかしら?」

マミ「!?」

織莉子「特徴をズバリ言い当てるなんて、すごいわ。キリカ、今回は巴さんにも同行してもらいなさい」

キリカ「それは了解だけど……大丈夫かい、恩人?」

マミ「ま、まさか佐倉さん……子供を産んでるなんて……」ブツブツ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 23:42:16.62 ID:kVq985GN0
キリカ「それじゃ、行って来るよ織莉子!」

織莉子「ええ、気をつけてね」

キリカ「よしっ、出発だぞ恩人!」

マミ「いえ、いくらなんでもそれは……」ブツブツ

〜〜〜

風見野・町外れ―――

キリカ「さって、子連れ狼はどこにいるのやら」スタスタ

マミ「も、もし本当に子供を連れていたらどうすれば……佐倉さんが母親なら、わたしは一体何に?」ブツブツ

キリカ「さっきからブツブツと独り言を言っているけれど、大丈夫かい?」

マミ「叔母に当たるのかしら……いや、もうすでに佐倉さんとは師弟関係ではないのだし、それは違うかも……」ブツブツ

キリカ(人の話を聞いちゃいない)

マミ「第一、わたしはまだおばさん呼ばわりされる年ではないわ……複雑な気分ね……」ブツブツ

「……おい、あんたら?」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 23:47:24.11 ID:kVq985GN0
キリカ「!」

杏子「何やってんの、こんなところで?」

キリカ(………赤くて長い髪を、ポニーテールにした子……特徴は一致するね)

マミ「そ、そう言えばお相手は誰なのかしら……わたしも一応知る権利はあるはずよね、一時期佐倉さんの師匠をやっていたのだし」ブツブツ

杏子「とくにそっち……おい、巴マミだろ、あんた」

キリカ「!」(やはり面識があるのか……面倒なことにならなければいいけれど)

マミ「佐倉さんはまだ中学生なのよ……会う機会があったなら、叱りつけてやらないと……」ブツブツ

杏子「おい、てめぇら!人の話聞いてんのか!?」

キリカ(いや待て……特徴は一致するが、子連れではないぞ?どういうことだ……?特徴が一致するだけの別人か……?)

マミ「子供の方にはわたしの事、何て呼ばせればいいかしら……マミお姉ちゃん?いや、それだとありきたりね……」ブツブツ

杏子「なんだこいつら……マイペースすぎてついて行けねぇ……」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 23:51:52.69 ID:kVq985GN0
キリカ・杏子・マミ「!」

キリカ「恩人!気付いているかい?」

マミ「え、ええ!魔女の気配ね!」

杏子「はぁ!?マミはともかく、そっちのあんたまで魔法少女かよ!?」

マミ「え!?さ、佐倉さん!?」

杏子「今気付いたのかよ!?」

マミ「ちょっ、ちょっと待って!まだ、その、心の準備が……!?」アタフタ

キリカ「落ち着け恩人!第一、この気配は魔女にしては弱い!使い魔だよ、きっと!!」

杏子「そこ今訂正するところかよ!?」

マミ「ぜ、前門の狼、後門の魔女!?ど、どうすればいいのわたしは!?」

キリカ「容易いのは前門だろうけど、突破しなきゃならないのは圧倒的に後門だよ恩人!」

杏子「ま、待て待て!使い魔だぞオイ!?」

ズアアアアアアアアァァァァァァァァァ―――
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/15(土) 23:58:26.20 ID:kVq985GN0
ゆま「……あ、あ……」

シズル「あ亜合アっ♪」

ゆま「う……あ……っ」

シズル「火ヒ飛っ非♪」

ドドドドン!!

シズル「ひっ破!?」バスバスバスバス!

マミ「そっ、そうよね!とにかく、後門の魔女を突破しなければ!」

キリカ「だからこの反応は使いm……魔女、だと?」

杏子「この街はあたしの縄張りだ!あんたらはでしゃばんな!!」ダンッ

杏子「そらっ!!」ズグンッ

シズル「苦アアア!?」

キリカ「援護だ!!」スパッ

杏子「でしゃばんなっつったばっかだろうがっ!?」

マミ「トドメよ、ティロ・フィナーレ!!」

杏子「ちょっ、巻き込まれ……!!」

キリカ「名も知らぬキミ、離脱だ!!ついでにそっちの幼女も!!」グイグイッ

杏子「がっ!?」

ゆま「っ!?」

ドガアアアアアアアアアアアアアン!!!!

45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 00:03:49.23 ID:L0VPXolA0
ボロボロ……

シズル「―――」

マミ「撃砕っ!!」ビシッ

キリカ「ナイス、恩人!!」

杏子「………もう何も言わねえよ……」

マミ「さてと、グリーフシードを……?」

ポンッ 【はずれ♪】

マミ「!」ガーン

キリカ「はずれ……だと……バカ、な……!?」

杏子「なんでそこまで動揺してんだあんたらは!?そいつは偽物だ!本物は……!!」ジャラララララララ

ズグンッ

シズル「偽ヒィ!?」ビクンッ

マミ「そ、そっちに!?」

キリカ「この一瞬で擬態を見抜くとは……恐ろしい奴!!」

杏子「だああああああ!!気が散るから黙ってろっての!!おい、そこのガキ!!」

ゆま「っ!」ビクッ

杏子「死にたくなかったら大人しく縮こまってろ!!いいな!?」

ゆま「………」コクン
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 00:09:05.13 ID:L0VPXolA0
マミ「え、えぇい!!先輩として、後輩にカッコ悪い所見せられないわね!!」スック

キリカ「その意気だよ、恩人!わたしも手を貸そう!」スック

杏子「どうせ何を言っても無駄なんだろ、あんたらは!?もういいよ、さくっとコイツ倒すぞ!!」

マミ「正義の魔法少女コンビ、再結成ね!」

杏子「仲直りした覚えはねぇよ!?」

キリカ「細かい事を気にするな!さあキミ、そのままそいつの動きを封じて!!」

杏子「わかってるっての!!切り裂いちまいな!!」

キリカ「ふっ!」ダァンッ

ダダダダダダダダダダダダ!!

キリカ「一刀両断っ!!」ズバァァァァァン!!

シズル「愚……欺……があア亜あああ……」ボロボロ

マミ「今度こそトドメよ!!ティロ・ボレー!!」ドドドドン

シズル「ギャアアアアアアアアア………」ズドォォォォン

ボロボロ……ズアアアアアアアァァァァァァァ―――
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 00:18:09.73 ID:L0VPXolA0
マミ「―――……ふぅ、片付いたわね」カチャン

キリカ「おっ!戦闘後に紅茶とは優雅だね恩人」

マミ「ふふ、こうして魔法で出せるようになるのも苦労したのよ?」

杏子「はぁ……ったく……」トントン

ゆま「………」

杏子「おい、ガキ?」

ゆま「………ゆまのパパとママ、殺されちゃった」

マミ「っ!」

キリカ(なるほど……魔女の間に、何やら血糊っぽいのが辺りに散乱していたように見えたけど。あれはホンモノだったか)

杏子「死んじまったもんは仕方ねーさ。自分が生き残れた幸運に感謝するんだね」

マミ「ちょっと、佐倉さん。その言い方はいくらなんでも酷いわ」

杏子「つったって、事実は事実だろ」

マミ「それはそうかもしれないけれど……ええと、ゆまちゃん、でいいのかしら?」

ゆま「………」

マミ「ああ、大丈夫。お姉ちゃんたちは、怖い人じゃないから。さっきのような化け物をね、退治する人達なのよ?」

キリカ「ああ、その通り。キミ一人助けられただけでも、よかったよ」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 00:27:54.99 ID:L0VPXolA0
ゆま「ゆまも……なれるかな?」

マミ「えっ?」

ゆま「ゆまもお姉ちゃん達みたいに……化け物を退治する人に、なれるかな?」

杏子「くだらないこと言ってんじゃねーよ」

ゆま「っ……」

マミ「だから佐倉さん……」

杏子「うるせぇ、マミは黙ってろ!いいか、ガキ!文字通り命がけなんだぞ!?お遊びで首を突っ込もうとすんじゃねぇ!!」

ゆま「でも、でも!もうゆま、行くところなんてどこもないもん!!」

キリカ「行くところがない、ね」

ゆま「えっ?」

杏子「……?」

キリカ「なら、ゆまも来るかい?織莉子のところへ……」

杏子「織莉子……?」

マミ「そうね……ちょうど、佐倉さんとも接触出来たのだし。一度、見滝原へ帰りましょうか」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 00:32:41.64 ID:L0VPXolA0
キリカ「ああ、そうそう。自己紹介がまだだったね。わたしの名前は呉キリカだ」

マミ「わたしは、巴マミ」

ゆま「わ、わたしは千歳ゆま!」

杏子「おいなんだよこの流れ。あたしにも自己紹介しろってのか?」

キリカ「……」ジーッ

マミ「……」ジーッ

ゆま「……」ジーッ

杏子「だああああ!!三人揃って催促するような眼をあたしに向けんな!佐倉杏子だよ、これでいいか!?」

ゆま「キョーコ!」ダキッ

杏子「な、なんだよガキ?」

ゆま「ガキじゃない!ゆま!」

杏子「るせぇ!ガキで十分だガキ!」

ゆま「むぅぅぅぅ……!!」プクーッ

マミ「名前、呼んであげればいいじゃないの」クスクス

杏子「っ……ゆま!」

ゆま「!」パァァァ

杏子「これでいんだろ!?」

ゆま「うん、キョーコ!」

杏子「ったく……」

キリカ(……ふむ。またも紆余曲折あったけれど。とりあえずは、子連れ一匹オオカミの完成、だね)
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 00:40:20.69 ID:L0VPXolA0
美国の家―――

キリカ「すっかり遅くなっちゃったね。ただいまー、織莉子!さ、上がってよ、恩人に佐倉、ゆま」

マミ「お邪魔します、っと」

杏子「邪魔するよ」

ゆま「お邪魔しまーす」

織莉子「おかえりなさ……い……?」ガチャン

キリカ「お、織莉子っ!?紅茶のカップ、落としてるよ!?」

織莉子「な……なっ……!?」ワナワナ

マミ「織莉子さん?」

杏子「あんたが織莉子か?」

ゆま「……っ?ゆ、ゆまの顔に何か、ついてる?」

織莉子「……っ……き、キリカ……?」ワナワナ

キリカ「え?ああ、うん。ほら、佐倉にゆま。織莉子に挨拶だ」

杏子「あー……まぁ、その、なんだ。初めまして……?」

ゆま「こっ、こんにちは!」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 00:47:18.03 ID:L0VPXolA0
織莉子「これは……どういうことなの、キリカ……?」ズゴゴゴゴ

キリカ「えっ?」

織莉子「ちょっとこっちに来なさい、キリカ!!」ガシッ ズルズル

キリカ「え、えっ?ちょっ、まさか……た、助けてえええええええぇぇぇぇぇぇぇ―――」ズルズル

杏子「な、何なんだ一体……?」

マミ「はぁ……また、かしら……」

ゆま「……?」

<コトモアロウニヨウジョヲツレテクルトハドウイッタリョウケンデスカ!!

<イヤ、オリコガイッテタコトジャ……

<コンドトイウコンドハユルシマセンヨ!!オシリヒャクタタキノケイデス!!

<ヒャクタタキ!?ムリムリ、ソンナコトシタラオシリガフウセンミタイニフクランデイマウヨ!!

<ソレガバツニナルノデス!!ハヲクイシバリナサイ!!ソレ、イチ、ニ、サン!!

<ヒギィィッ!!イダイイダイダズゲデェェェ!!!

杏子「………」ポカーン

ゆま「ど、どうしたらいいのかな!?キリカ、助けを求めてるよ!?」

マミ「放っておきましょう……あの子達なりのスキンシップだと思えばいいのよ……アハハ……」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 00:55:38.67 ID:L0VPXolA0
―――二十数分後

織莉子「はぁ、はぁ……お待たせしました」

杏子「お、おう……なんか知らねえけど、大変そうだな」

キリカ「」シュウウウウウ

ゆま「き、キリカ……だいじょーぶ?」

織莉子「さて、それで……お名前、教えてもらってもいいかしら、お二方?」

杏子「あたしは佐倉杏子だ」

ゆま「わ、わたしは千歳ゆま!」

織莉子「杏子さんに、ゆまちゃんね。大丈夫、大体の話は察していますので……」

杏子「……ん?」(なんかおかしくね?)

ゆま「あ、あの……?」

織莉子「まさかキリカが、こんな小さな子まで行けるなんて……わたしの胸が、お気に召さなかったのかしら……」グスッ

杏子「!?」

キリカ「ちょ、ちょっ……ストップだよ織莉子……キミは大きな思い違いをしている……」ピクピク

マミ「苦労しているわね、キリカさん……」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 00:59:26.42 ID:L0VPXolA0
キリカ「まず第一に、わたしは小さいよりも大きい方が好きだ」

織莉子「………」

キリカ「その点で言うなら、恩人も行けると言うことになるけれどね」

マミ「えっ」

キリカ「いやすまない、今のは失言だっt」

織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 01:06:12.79 ID:L0VPXolA0
キリカ「いや、いやいや、いやいやいや!!これ以上は流石にシャレにならないよ!?」

織莉子「元々洒落で済ますつもりは、ありません!」バシンッ

キリカ「いぎっ!?だ、だから失言だったと認めて……!」

織莉子「わたしの目の前でそのような失言を洩らすのが!」バシンッ

キリカ「あぐっ!!」

織莉子「どのような結果をもたらすのか、思い知りなさい!!」バシンッ

キリカ「ご、ごめんよ織莉子おおおおおお!!謝るから、もう許して……!!」

織莉子「失言は控えると、誓える!?」バシンッ

キリカ「誓う、誓います!!だから、もうやめっ……!!」

織莉子「全くもう……今夜は、覚えておきなさい」ナデナデ

キリカ「うぅ……優しいなぁ織莉子は」

杏子(優しい……のか?)

ゆま(キリカ、すごい嬉しそう……)

マミ(わたしが近くにいたから、そんな発言が出たんじゃ……とは、言わない方がよさそうね)
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 01:11:07.48 ID:L0VPXolA0
キリカ「ふぅ……さて、気を取り直して、第二にだ」

杏子「そこまで戻るのかよ……」

キリカ「わたしにとって、織莉子以上のものなんてこの世には存在しないよ」キリリッ

織莉子「キリカ……」キュンキュン

マミ(聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるレベルね……)

キリカ「そして、第三!これが最も重要であると言えるだろう」

織莉子「聞こうかしら、キリカ?」

キリカ「佐倉とゆまを連れて来たのは、織莉子の言伝通りのはずなのだけれど?」

織莉子「………」

杏子「ん?そうなのか?」

ゆま「えっと……」

マミ「とりあえず、黙っていた方がいいわ二人とも……」

織莉子「…………―――あ」

キリカ「思い出したかい、織莉子?」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 01:15:58.55 ID:L0VPXolA0
織莉子「わ、わたしったら、キリカにとても理不尽なことをしてしまったのでは……!?」ワナワナ

キリカ「いや、待った織莉子。わたしは、怒ってはいないから」

織莉子「き、キリカぁ……っ!」

キリカ「怒るはずないだろう?」

織莉子「ごめんなさい、ごめんなさいキリカ!」ダキッ

キリカ「わたしが怒っていないと言っても、そうやって謝ってくれるのが織莉子だよね。うん、うん、大丈夫だから」ナデナデ

織莉子「うぅっ……」グスグス

杏子(そろそろあたし達の事も少しは気に掛けて欲しい)
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 01:21:08.15 ID:L0VPXolA0
―――数分後

織莉子「またも大変お見苦しい所をお見せしました……」シュン

杏子「い、いや、気にしちゃいないよ」

織莉子「そうよね、なんで忘れていたのかしら、わたし……」

キリカ「人間というのは忘れることが出来る生き物だ。それが出来る織莉子って、やっぱりすごいよね!」

織莉子「いやだキリカったら、褒めても何も出ないわよ?はい、お砂糖」

キリカ「ありがとう、織莉子!」ボチャボチャン

杏子(うげー……絶対甘だるくて飲めねえだろそれ……)

ゆま「キリカ!ゆまの紅茶にもお砂糖、ちょうだい!」

キリカ「うん?いいだろう、キリカブレンドで楽しんでおくれ」ボチャボチャン

ゆま「ありがとー!……ん!おいしー!!」ニパァ

キリカ「だろう!?」

マミ「あなた達が幸せならそれで何よりよ……あ、わたしのにはいれないでね?」

杏子「あたしのにも入れんなよ?」

キリカ「おいしいのに……」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 01:23:22.52 ID:L0VPXolA0

   ∧∧
  ( ・ω・)  おやすみ…
  _| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


  <⌒/ヽ-、___
/<_/____/
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/16(日) 01:32:01.09 ID:FheAgMASo


「ウマを伝える」→「旨(むね)を伝える」だと思うよ多分
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/16(日) 01:33:40.80 ID:UPMZUkYAo
乙 
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/16(日) 01:35:09.96 ID:L0VPXolA0
>>59
恥ずかしい…脳内変換しといてください…
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/16(日) 01:39:27.88 ID:FheAgMASo
>>1かわいいwwwwww
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/16(日) 07:52:43.94 ID:PUq2iMKBo
もしかして、魔法少女達に延々イチャイチャを見せつけるのがオリキリの目的では……

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2012/09/16(日) 11:09:07.49 ID:7WBkPZRB0

織莉子の可愛さがとどまる所を知らない
というか、織莉子以外も結構な早とちりじゃねえかwwwwww
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/16(日) 13:10:44.59 ID:5QAufCeDO

こんなんでも本編より遥かにうまくいってるんだよなwww
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 19:53:58.24 ID:L0VPXolA0
〜〜〜

織莉子「ふぅ……」コトッ

杏子「そんで?」モグモグ

織莉子「?」キョトン

杏子「『?』じゃねーよ。あたしとゆまになんか用があったんじゃなかったのか?」

織莉子「あー……そうだったそうだった。コホン」

杏子「ホントに大丈夫なんだろうな……」

キリカ「なんだ佐倉、織莉子に不満でもあるのか?」

杏子「この様子を見て不満を抱かない方がどうかしてるだろ……」

織莉子「えーとですね。既に巴さんには話してあるのですが……」

―――ワルプルギスの夜説明中―――
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 20:00:03.39 ID:L0VPXolA0
織莉子「……と、言うわけなのです」

杏子「ふーん……この見滝原に、ワルプルギスの夜が、ねぇ」

キリカ「今のところの戦力は、織莉子にわたし、それと恩人の三人だ」

杏子「それにあたしも加われって?」

織莉子「お願い、出来ますか?」

杏子「ずけずけと人の縄張りに踏みこんどいて、更には強大な魔女との戦いに力を貸してくれってんだ。当然、それなりの見返りはあるんだろうな?」

織莉子「……それ、は……」

杏子「ないっての?」

織莉子「………」

杏子「随分と能天気だなオイ」

織莉子「っ……」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 20:05:19.91 ID:L0VPXolA0
キリカ「待ちな佐倉。あんた、織莉子をバカにするのかい?」

杏子「バカにも何も、あたしは事実を言ってるだけだ」

ゆま「きょ、キョーコ……」

杏子「正直に言わせてもらうとな、ワルプルギスの夜との戦いに加わる事自体にはあたしは文句はないんだよ」

織莉子「そう、なのですか?」

杏子「そりゃな。見滝原に来るっつーことは、あたしの縄張りである風見野にも悪影響が来るだろう事はまず間違いねえからな」

キリカ「じゃあ、なんで……」

杏子「あんたならわかんじゃねーの?巴マミ」

マミ「えっ?」

杏子「なーんかさっきから黙りこくってるけどさ。あんただって、あたしと手を組むのは反対だろ?」

マミ「………」

杏子「仮にあんたが反対しなくとも、あたしは反対だね」

マミ「佐倉さん……」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 20:12:58.61 ID:L0VPXolA0
織莉子(………随分と険悪な雰囲気ね。……ま、まさか二人は……!?)

杏子「ま、とにかくそういうことだ。いざとなりゃ、あたしは逃げさせてもらうからな。せいぜい頑張んなよ」スクッ

キリカ「お帰り、かい?」

杏子「そう言うこった。じゃあな」

ゆま「あ、待ってよキョーコ!」

マミ「………」

キリカ「やれやれ……佐倉の取り込みには、失敗か」

織莉子「……巴さん」

マミ「……何かしら?」

織莉子「あなたと佐倉さんの間に何があったのか、正確なところはわたしにはわかりませんが……大体の事情はお察し致しました」

マミ「え、えぇ……ごめんなさい」

織莉子「いえ、巴さんが謝る事ではありませんから」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 20:21:09.31 ID:L0VPXolA0
マミ「佐倉さん、あの日からすっかりやさぐれてしまって……」

織莉子(それほどまでに、お二人の仲は……)

マミ「昔の、契約当時の志さえ思い出してくれたらわたしも嬉しいのだけれど……ね。彼女の気持ちを考えると、どうしても、踏み込むのを躊躇ってしまうの」

織莉子「巴さんは、どうお考えなのですか?」

マミ「わたし?」

織莉子「はい。杏子さんはああ言っていましたけれど、やはりあなたも杏子さんと共闘するのは反対、なのですか?」

マミ「……そうね。佐倉さんの考えが変わったままであるのなら、わたしも共闘には、賛同出来なさそうね」

織莉子「それはつまり、昔の関係に戻れるのならば、共闘は問題ないと言う事ですね?」

マミ「織莉子さん?何を考えているのかわからないけれど、余計なお節介はいらないわよ。これは、わたしと佐倉さんの問題だから」

織莉子「了解しています」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 20:29:36.45 ID:L0VPXolA0
マミ「それじゃ、今日はわたしももう帰らせてもらうわ」

織莉子「ええ、わかりました。これからも、よろしくお願いしますね」

マミ「こちらこそ。それじゃね?」ニコッ スタスタ


織莉子「ふぅ……さて、キリカ」

キリカ「うん?」

織莉子「杏子さんの人格矯正、考えなければいけませんね」

キリカ「佐倉の、ねぇ……と言っても、どうすればいいやら」

織莉子「要は、杏子さんと巴さんが昔の関係に戻れればいいと言うわけでしょう?」

キリカ「まぁ、傍から話を聞いてる限りではそう捉えられたね」

織莉子「つまり……仲間以上の関係に」

キリカ「ふむ……」

織莉子「何が原因なのか、それを識る事さえ出来れば或いは……」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 20:35:01.87 ID:L0VPXolA0
ゆま「グスッ……」トボトボ

織莉子「あら?ゆまちゃん?杏子さんと一緒に行ったのでは……」

ゆま「キョーコに、怒られた……ついて来るな、って……」

キリカ「………」

ゆま「ゆま、どこに行ったらいいのかわかんなくって……それで、ここに来るしか出来なくて……」ポロポロ

織莉子「泣かないで、ゆまちゃん。行くところがないのなら、ここに居座ってくれても構わないから」

ゆま「いいの……?」

織莉子「もちろん」ニコッ

ゆま「っ……織莉子お姉ちゃんっ!!」ガバッ

キリカ「!?」

織莉子「あらあら、甘えん坊ね、ゆまちゃんは……」ナデナデ

ゆま「グスッ……ウエエエエェェェ……」ギュウウウ

織莉子「これからは、あなたもわたしの家族の一員だから……」ナデナデ

ゆま「ありがとう……織莉子お姉ちゃんっ……」グシグシ

キリカ(う、羨ましい………っ!!)
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 20:49:04.95 ID:L0VPXolA0
―――――
―――


織莉子「落ち着いた、ゆまちゃん?」

ゆま「う、うん」

キリカ「それにしても、佐倉も随分と刺々しいね。こんな小さな子に怒るなんて」

織莉子「………ゆまちゃんくらいの年頃の子に、何か思うところでもあるのかしら」

ゆま「……」

キリカ「なるほど……そうとも考えられるか」

織莉子「ねえ、ゆまちゃん?」

ゆま「なに?」

織莉子「ゆまちゃんは、どう?杏子さんと、仲良くなりたいと思う?」

ゆま「っ……うん。キョーコ、今日、わたしに忠告してくれたの」

織莉子「忠告?」

ゆま「死にたくなかったら、縮こまってろ……って……」

織莉子「優しい所も、あるみたいね、彼女」

ゆま「それに、ゆまも魔法少女になれるかなって言ったら、命がけなんだ!って、怒ってくれて……」

織莉子「ゆまちゃんは、どうなの?」

ゆま「ゆまは……」

織莉子「魔法少女は確かに、命がけよ。少なくとも、中途半端な覚悟では生き抜くことは不可能と言ってもいい程には」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 20:53:33.03 ID:L0VPXolA0
キリカ「キミがどうしてもなりたいと言うのなら、わたし達は止めはしないよ?」

ゆま「……」

織莉子「オススメは、出来ないけれどね?」

ゆま「ゆまも、なれるの……?」

QB「不可能では、ないけれどね」

織莉子・キリカ・ゆま「!」

QB「やあ、久しぶりだね」

織莉子「キュゥべえ?」

キリカ「何をしに来たんだい?」

QB「契約してくれそうな気配を感じてね」

ゆま「あなた、誰?」

QB「僕の名前はキュゥべえ!魔法少女を産み出す者さ!」

ゆま「キュゥべえ……」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 20:57:31.54 ID:L0VPXolA0
QB「キミは、魔法少女になりたいのかい?」

ゆま「……っ」

QB「なりたいのなら、願いをひとつ掲示してくれさえすれば、今すぐにでもしてあげられるけれど?」

織莉子「待ちなさい、キュゥべえ」

QB「なんだい、織莉子?」

織莉子「言葉巧みに小さな子を誘惑するのは関心しないわ」

QB「僕にそのつもりはないのだけれどね。それに、キミも言っていたじゃないか。仲間は一人でも多い方がいい、と」

織莉子「それとこれとは話が別。既に魔法少女となっているのならばともかく、まだ契約していない子まで戦力として期待するのはお門違いだと、わたしは思うけれど?」

QB「……キミも、邪魔をするんだね」

織莉子「?」

QB「まあ、別に今すぐにというわけでもないけれど。何も、魔法少女の素質を持っているのはゆまだけじゃないんだ」

織莉子「どういうことかしら?」

QB「話すつもりは無いよ。それじゃね、織莉子、キリカ、ゆま」スタスタ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 21:03:31.66 ID:L0VPXolA0
織莉子「全く……」

ゆま「お、織莉子お姉ちゃん?」

織莉子「なにかしら?」

ゆま「織莉子お姉ちゃんは、ゆまが魔法少女になるのは反対なの?」

織莉子「別に、反対とは言っていないわ。ただ、先も言ったように、魔法少女とは命がけなの。杏子さんだって、そう言っていたのでしょう?」

ゆま「う、うん」

織莉子「『これから』がある少女を貶めるつもりは、わたしにはないというだけ。あなたが進んでなりたいと言うのなら、なればいいと思うわよ」

ゆま「ゆまは……」

織莉子「あなたは、何がしたいの?」

ゆま「ゆまがしたいこと……」

織莉子「魔法少女となって、わたし達と並んで戦いたいの?それとも、自身を必要としてくれる人が欲しいの?」

ゆま「……」

織莉子「同じようでも、全然違うこと。後者は何も、魔法少女でなければダメと言うことは少しもないのだからね」

ゆま「ゆまを必要としてくれる人なんて、いるのかな……」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/16(日) 21:08:19.45 ID:8SwALOoIO
俺「呼んだ?」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/16(日) 21:11:47.94 ID:G3KZwR1l0
ほむほむはまだか
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 21:13:02.50 ID:L0VPXolA0
キリカ「いるじゃないか、ホラ、ゆま、キミの目の前に若干二名」

ゆま「え?」

織莉子「……」

キリカ「……」

ゆま「織莉子お姉ちゃんに、キリカ……?」

織莉子「あなたに、頼みたいことがあるの。……聞いてくれる?」

ゆま「ゆまにできることなら、なんでも言って!」

織莉子「杏子さんに、ついて回って欲しいの」

ゆま「! キョーコ、に……?」

織莉子「そう……彼女、どうもゆまちゃんくらいの年の子に何かしら思うところがあると思うのよ」

キリカ「さっき、織莉子自身が言っていたことだね」

織莉子「もしかしたら、ゆまちゃんが側にいれば……彼女に、変化が起きるかもしれない」

ゆま「キョーコ……」

織莉子「精神的に、きついお仕事になるかもしれないけれど……お願い出来る?」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 21:22:33.59 ID:L0VPXolA0
ゆま「うん、わかった!ゆま、やるよ!」

織莉子「頼もしい返事ね。それと、杏子さんの態度が軟化したと思えたら……巴さんのところに、杏子さんを連れて行ってあげて欲しいの」

ゆま「マミお姉ちゃんのところ?」

織莉子「そう。あの二人の関係なのだけれど……ゴニョゴニョ」

ゆま「え、えぇっ!?」

織莉子「少なくとも、間違いはないと思います。ゆまちゃんが仲介してあげれば、きっとあの二人は仲直り出来るわ」

キリカ「仲違いとは、寂しいものだね」

ゆま「そっ、そうだったんだ……キョーコと、マミお姉ちゃんは……」

織莉子「あの二人の関係の改善は、あなたの働きに掛かっていると言っても過言ではないわ」

ゆま「た、大義、だね」

織莉子「そう、大義。改めて、お願い出来る?」

ゆま「うん、わかった!ゆま、頑張る!」

織莉子「頼もしい返事を聞けて嬉しいわ。もし辛くなったら、いつでもここに帰ってきてくれていいから」

ゆま「ありがとー、織莉子おねえちゃん!」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 21:27:41.29 ID:L0VPXolA0
ゆま「それじゃ、ゆま、行って来る!!」

織莉子「もう夜も遅いから、気をつけてね?杏子さんと会うことさえ出来れば、後は彼女があなたを守ってくれると思うから」

ゆま「こっ、怖いけど、ゆま、やる!!」

織莉子「それと、彼女の側にいる間は、魔法少女の契約は考えない方がいいわ。彼女は、あなたの契約には反対なようだから」

ゆま「わ、わかったっ!」

織莉子「それじゃ、大義目指して!」

ゆま「ガンバロー!」パァン

タッタッタ……―――

キリカ「……これで、佐倉の仕込みについては完了、と思っていいのかな?」

織莉子「そうね。さて、それじゃ、次なるわたし達の行動を決める為に再度未来予知を……」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 21:40:45.43 ID:L0VPXolA0
織莉子「………」

織莉子(…………え?わ、ワルプルギスの夜の体に、桃色の軌跡を残して何かが一直線に飛んでいく……)

織莉子(……!?あ、あのワルプルギスの夜を、一撃で撃砕ですって!?)

織莉子(………あれ……崩れ行くワルプルギスの夜の側に、人の影が……?)

「ああああああああああああぁぁぁぁ……っ!!」

織莉子(もしや、彼女がワルプルギスの夜を?)

織莉子(………彼女さえ、仲間に引き入れることが出来れば……ワルプルギスの夜を倒すのは、容易……?)

織莉子(……服装は、黒を基調としたもの……長い黒髪……)

織莉子(どこにいるのかしら、彼女は……ワルプルギスの夜と対峙していると言うことは、やはりこの街に……?)

織莉子「……………よしっ!」

キリカ「終わったかい、織莉子?」

織莉子「ええ!希望が視えて来たわよキリカ!」

キリカ「それは重畳だ」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 21:55:50.02 ID:L0VPXolA0
織莉子「とりあえず、次のターゲットが決まったわ!」

キリカ「おお、さすが織莉子。特徴は?」

織莉子「ええ。ヘアバンドをした、黒髪のロング……その子を仲間に引き入れることが出来れば、ワルプルギスの夜との戦いの勝率がグッとあがると思うわ」

キリカ「ふむふむ……その子は、どこにいるのかな?」

織莉子「そこまではわからないけれど……恐らく、相当の手垂ね。仲間に出来れば頼もしいけれど、敵に回すと恐らく……」

キリカ「………」

織莉子「………」

キリカ「………?その後に言葉は続かないのかい?」

織莉子「おっ、恐ろしくて言葉にするのが躊躇われるレベルとだけ言っておきましょう」

キリカ「何……だと……?」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 22:03:35.26 ID:L0VPXolA0
キリカ「だ、大丈夫なのかな、それは?」

織莉子「わたしにもわからない……しかし、背に腹は代えられないとも言うし」

キリカ「そりゃ、確かにそうだろうけど……」

織莉子「あなたの働きにかかっているわ、キリカ」

キリカ「責任重大だね……まぁ、織莉子の言うことに意義を唱えることなんてしないけどさ」

織莉子「彼女については、慎重に慎重を重ねて行動するとしましょうか……」

キリカ「それが一番、だろうね……」

織莉子「兎にも角にも、今日のところはこれで終了かしらね?」

キリカ「そうなる、のかな?」

織莉子「もう夜もすっかり更けてしまったし。また明日から、頑張ることにしましょう、キリカ?」

キリカ「それがいいね」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/16(日) 22:11:37.37 ID:L0VPXolA0
小休止
見返してみると細かい矛盾がちらほらと…後付けで説明いれておこう

>>20でキリカがマミのフルネームを知ってるのは、>>19>>20の間にマミが自己紹介をしてたって事で
>>43でキリカが使い魔だよ、きっと!と言ってるのは、まだ魔法少女になって日が浅く、判別がつかなかったから
そのキリカの発言に対してマミと杏子が何も言わないのは、互いに使い魔にはそれほど気を回してなかったから
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/16(日) 23:12:40.05 ID:pwgCY8ESo
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 00:23:02.17 ID:icnATYyg0
翌日―――

キリカ「さて、織莉子が言っていた少女を探さなければならないんだけれど……」

キリカ「見滝原の魔法少女事情ならば、恩人が何か知っているかな?」

キリカ「まずは恩人を探すことにしよう」テクテク

その頃・お菓子魔女結界中枢―――

ズドオオオォォォォ―――ン

シャル「―――」ボロボロ

マミ「危なかった……油断していたらやられていたところね」

ズアアアァァァァァァァ―――

マミ「グリーフシードゲット……っと」

マミ(それにしても、織莉子さんやキリカさんもそうだけど、暁美さんとははち合わせるかなと思っていたけれど……)

マミ(結局誰ひとりとしてここに姿を現すことはなかったわね)

キリカ「いたいた!おーい、恩人!」

マミ「! キリカさん?」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 00:28:28.62 ID:icnATYyg0
キリカ「魔女退治をしていたんだね」

マミ「え、えぇ……そういうキリカさんは?」

キリカ「わたしは恩人を探していたんだよ」

マミ「わたしを?」

キリカ「そう。その途中で魔女の気配がしたものだから、魔女退治を先回しにしようと思ってきたらこのありさまさ」

マミ「そうだったの……」

キリカ「恩人はベテランだね。今回の魔女、強力な個体だったんじゃないのかい?」

マミ「油断していたらやられてた、と言ったところね。でも、問題はなかったわよ」

キリカ「ふむ……。ところで聞きたいのだけれど、この街にわたしと織莉子、恩人の他には魔法少女っているのかな?」

マミ「わたしの把握している範囲内では、暁美ほむらと言う子がいるわね」

キリカ「! やっぱりいるんだ!」

マミ「その子にも、声を掛けるつもりなのかしら?」

キリカ「そりゃ、魔法少女であるのなら声は掛けようと思うけれどね。今わたしは、織莉子から聞いた特徴の魔法少女を探しているのさ」

マミ「詳しく教えてもらってもいいかしら?」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 00:31:48.71 ID:icnATYyg0
キリカ「ええっと、確か、『ヘアバンドをしていて、黒髪のロングの子』だったね」

マミ「………暁美さんも、その特徴に合致するわね」

キリカ「本当かい!?なら……!」

マミ「ちょっと待って、キリカさん」

キリカ「ん?何か問題でも?」

マミ「その子、何を考えているのか分からない節があるのよ。接触するのなら、気をつけた方がいいと思うわ」

キリカ「何を考えているのか……ねえ。でも、織莉子に言われた以上は、接触しないわけにもいかないし」

マミ「……わたしも、一緒に行って構わないかしら?」

キリカ「構わないよ。説得に協力してくれるのなら願ったり叶ったりだもんね」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 00:40:39.15 ID:icnATYyg0
見滝原中学・学校内―――

キリカ「あの、恩人」

マミ「なに?」

キリカ「わたしも一応この学校の生徒だし、校舎内に入るのに限っては問題ないと言っても差し支えないんだろうけれど」

マミ「?」

キリカ「実を言うと、このところわたし、不登校気味でね。先生に見つかるとやっかいと言うかなんと言うか……」

先生「あら?あなた、呉さん?」

キリカ「!?」

先生「やっぱり!久しぶりに学校に顔を見せたと思ったら、こんなところで何をやっているの!?」

キリカ「やばっ!?お、恩人!わたしは一時退却する事にするよ!」ダッ

先生「待ちなさい、呉さん!」ダッ

マミ「え、えぇー……」ポカン
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 00:45:16.81 ID:icnATYyg0
マミ(結局、一人で接触する事になってしまった……)

マミ(暁美さんの教室は、ここだったかしら)

マミ「あ、ちょっとあなた、いいかしら?」

仁美「はい?なんですの?」

マミ「暁美ほむらさん、いるかしら?いるのなら呼んで欲しいのだけれど……」

仁美「ほむらさんですね。少々お待ちくださいな」

仁美「ほむらさーん、……」

マミ(クラスメイトとは、それなりに良好な関係を築いているのね)

ほむら「………何の用かしら?」

マミ「急に呼び出してしまって、ごめんなさいね」

ほむら「謝罪なんていらないわ。さっさと用件を聞かせて」

マミ(ずいぶんと刺々しい態度ね……)
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 00:51:39.27 ID:icnATYyg0
マミ(何と言ったものかしら……やっぱり、織莉子さんに直接会ってもらったほうが手っ取り早い?)

ほむら「用がないのなら行くわよ?」イライラ

マミ「ああ、ごめんなさい。ええとね、あなた、魔法少女よね?」

ほむら「………よくもまぁ、学校内でそういうことを堂々と口に出来るわね?」

マミ「あまり知らない人を呼びだすのに、この用件以外何かあるかしら?」

ほむら「少なくとも、校内でするような話ではなさそうね?」

マミ「それに関しては同意するけれど……それじゃ、どこでなら話をしてくれるのかしら?」

ほむら「この後、駅前の喫茶店でなら、話を聞いてあげる」

まどか「ほむらちゃーん♪早く帰ろ!さやかちゃんも仁美ちゃんも待ってるよー」ブンブン

ほむら「ええまどか、今行くわ」スッ

マミ「駅前の喫茶店、ね。待っているからね?」

ほむら「………わたし達に、接触しないで」ギロリ

マミ「っ……」ゾクッ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 00:55:19.99 ID:icnATYyg0
駅前・喫茶店―――

マミ(やっぱり……何を考えているのかわからない子ね……)コクッ

キリカ「恩人っ……」ゼェゼェ

マミ「あ、キリカさん……」(すっかり忘れていたわ)

キリカ「何を、こんなところで優雅に紅茶なんか飲んでいるんだい……?」ゼェゼェ

マミ「暁美さんを呼び出して、ここで待ち合わせをしているの。ちょうどよかったわ、キリカさん、あなたも同席してちょうだい」

キリカ「おごってくれるのかい?」

マミ「………あまり高いモノでなければ」

キリカ「そう来なくっちゃ!あ、ウェイトレスさーん!こっちこっち!」ブンブン

キリカ「二色ケーキセットに、紅茶ひとつ。あ、お砂糖は三袋で!」

ウェイトレス「かしこまりました」

マミ「遠慮しないのね……確かに高いものではないけれど……」

キリカ「タダより高いモノはないってね!」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:02:37.42 ID:icnATYyg0
十数分後―――

ほむら「………」スタスタ

マミ「来たわね、暁美さん」

キリカ「んー、ここのケーキおいしいね!今度、織莉子も連れて来てあげようかな♪」モグモグ

ほむら「……?」(巴マミと一緒にいる子……初めて見る子ね)

マミ「どうかしたかしら?」

ほむら「いえ……。………」ストン

ほむら「……………」ジッ

キリカ「? なんだい?人の顔をジロジロ見て、無礼な人だね」モグモグ

ほむら「……あなたは、誰?」

キリカ「ああ、まずは自己紹介からってところか。……ングッ」ゴクン

キリカ「それじゃ、初めまして。わたしの名前は呉キリカだ」

ほむら「………」

キリカ「ほら、キミも自己紹介をするのが筋なんじゃないのかい?」

ほむら「……暁美ほむらよ」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:09:08.38 ID:icnATYyg0
キリカ(ふむ、暁美ほむら……)

キリカ(ヘアバンドに、黒髪のロング……特徴は織莉子から聞いた通り。それに、恩人の話から彼女は魔法少女なはず)

キリカ(織莉子の言っていた少女は、彼女で十中八九間違いなさそうだね)

マミ「わたしの事は出会う前から知っているような素振りだったくせに、キリカさんの事は知らなかったのかしら?」

ほむら「……あなたの事だって、事前に知っていたわけではない。ただ、キュゥべえから聞いただけよ。この街は、巴マミと言う魔法少女が守っているって」

マミ「ふぅん?辻褄は合うわね」

ほむら「信用ないのね。まぁ、元々信用してもらおうとも思っていないけれど」

マミ「……随分と、刺々しい態度を取るのね?」

ほむら「そう受け取ったのならごめんなさい」

マミ「………」

ほむら「………」

キリカ「ストップストップ!なんで出会って五分もしないうちにそんな険悪な雰囲気になるのかな!」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:13:28.17 ID:icnATYyg0
キリカ「二人とも、糖分が足りてないんじゃないのかい?ほらほら暁美、喫茶店に来たんだからとりあえず何か注文しなよ!」

ほむら「………」

キリカ「ウェイトレスさーん!こっち来てよ!」

ほむら「紅茶をひとつ」

キリカ「それと、モンブランを二つね!」

ウェイトレス「かしこまりました」

ほむら「あなたが食べるのかしら?」

キリカ「キミはたった今わたしが言ったことを忘れたのかい?キミと、恩人の分だよ」

マミ「わっ、わたしの分もっ?」

キリカ「決まっているだろう?せっかく喫茶店にいるのに、紅茶だけ飲んではいサヨウナラって話にもならないじゃないか」

マミ「ま、まぁ、道理ではあると思うけれど……」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:16:49.34 ID:icnATYyg0
ウェイトレス「お待たせしました」カチャカチャ

キリカ「さ、とにかく食べて糖分を補給して!紅茶にも砂糖を」

マミ「わたしには結構よ!」サッ

キリカ「それじゃ、暁美のにでも」

ほむら「………」

キリカ「ふんふ〜ん♪」ビリビリ

ほむら「待ちなさい、呉キリカ」

キリカ「どうかしたかい?」

ほむら「なぜ、スティックシュガーを三袋も開封しているのかしら?」

キリカ「そりゃ、紅茶に入れるからに決まってるじゃないか」

ほむら「えっ」

キリカ「それっ!キリカブレンド!!」ザラザラザラァァァ

ほむら「ちょっ」

キリカ「さあ、堪能しておくれ!」

ほむら「甘だるくて飲めるわけないでしょう!?」

マミ(暁美さん……不憫な子……)コクッ
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:22:29.71 ID:icnATYyg0
ほむら「はぁ……それで?」コクッ

ほむら「甘っ……」

キリカ「おいしいだろう?」ニコッ

ほむら「…………」ゴクンッ

ほむら「それで?」

キリカ(無視された)

マミ「話は、わたしからするよりも織莉子さんにしてもらった方がいいわよね、キリカさん?」

キリカ「うん?あー、まぁ、そうだね」モグモグ

ほむら「場所を移す、と言う事?」

マミ「そうなるわね」

ほむら「………。なら、わたしはわざわざここへ来る必要はなかったんじゃないの?」

マミ「あなたが、ここを指定したんじゃないの」

ほむら「……あなたも、負けず劣らず刺々しい態度じゃないの」

マミ「そう受け取ったのなら、ごめんなさい?」ニコッ

ほむら「………悪いけれど、帰らせてもらう」

キリカ「待ーった待った!だからなんでそう喧嘩腰で話をするのかな!」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:26:22.83 ID:icnATYyg0
キリカ「二人とも、圧倒的に糖分が足りないよ、うん」

ほむら「人の紅茶に三袋もぶち込んでおいて、よく言えたものね」

キリカ「足りないからいれてあげたんじゃないか、心外だなぁ。ほらほら、モンブランだってせっかく頼んだんだから、食べなよ」

ほむら「結構よ。この紅茶一杯で、糖分は十二分に補給できるわ」

キリカ「糖分は当分いらない……」

ほむら「……」

マミ「……」

キリカ「なんちゃって」

ほむら「やはり、帰らせてもらう」

キリカ「ごめんごめんって!場を和ませようとしたんじゃないか!」

ほむら「こんなくだらない話をしている暇なんてないのよ」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:30:00.17 ID:icnATYyg0
キリカ「暇はない?何か用事でもあるのかい?」

ほむら「あなたたちには関係の無いことよ」

キリカ「………ワルプルギスの夜と対峙していた、魔法少女……」

ほむら「っ!」

キリカ「織莉子から聞いた話だけれどね。それは、キミ、ということでいいのかな?」

ほむら(何者……?わたしの事を知っているとでも言うの……?)

キリカ「興味を示してくれたね?もっと詳しい話が聞きたければ、織莉子の家に来て欲しい」

ほむら「………わかったわ。行くだけ、行ってあげる」

マミ(うまいこと、彼女の興味を引き寄せたわね、キリカさん?)ヒソヒソ

キリカ(そりゃ、ワルプルギスの夜の話をすれば、大抵の魔法少女は食いつくんじゃないのかい?)ヒソヒソ

マミ(確かに、そうかもしれないわね……)ヒソヒソ

ほむら「………」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:35:09.15 ID:icnATYyg0
美国の家―――

キリカ「ただいまー、織莉子!」

マミ「お邪魔します」

ほむら「……お邪魔するわ」

織莉子「お帰りなさい、キリカ。それに、いらっしゃい、巴さん」

ほむら(彼女が、呉キリカの言っていた……美国織莉子……)

織莉子「……あの?」

ほむら「ああ、ごめんなさい。わたしは、暁美ほむらよ」

織莉子「暁美ほむらさん、ね」

織莉子(未来予知の魔法で視た、ワルプルギスの夜と対峙する魔法少女……彼女で、間違いない)

織莉子(でも、ずいぶんと表情が険しい……)

ほむら「………」

織莉子(ともすれば、睨まれているような気さえしてくる……)

キリカ「ほら、織莉子?暁美と、話すことがあるんだろう?」

織莉子「そっ、そうね……中へどうぞ、二人とも」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:37:02.77 ID:icnATYyg0
居間―――

織莉子「はい、どうぞ」カチャカチャカチャン

ほむら「また紅茶を……」

織莉子「? また……?」

マミ「ここに来る前に、喫茶店に行って来たのよね」

織莉子「!?」

キリカ「いや、ごめん織莉子。わたしとしては予定に入っていなかったのだけれど……」

織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:42:28.25 ID:icnATYyg0
キリカ「いや、織莉子!今言ったばかりじゃないか!わたしの予定では喫茶店なんて行くつもりはなかったんだってば!」

織莉子「それでも!わたしを差し置いて喫茶店に行ったのは重罪よ!」バシンッ

キリカ「ひぁっ!!だ、だって仕方ないじゃないか!」

織莉子「わたしだって!キリカと一緒に、お茶、したかったのに!」バシンッ

キリカ「はひぃ!?そう思ってくれるのは、ありがたいけれど!」

織莉子「今後、わたしを除け者にして喫茶店には行かないと誓う!?」バシンッ

キリカ「ち、誓わせていただきます!!」

織莉子「なら、許してあげる」ナデナデ

キリカ「本当にごめんよぉ、織莉子ぉぉ……」グスグス

織莉子「泣きたいのはこっちよ……」ナデナデ

ほむら(なんなのかしら……彼女達は……)アゼン

マミ「ん……。相変わらず、織莉子さんの淹れる紅茶はおいしいわ」コクッ

ほむら(巴マミは既に慣れっこみたいな雰囲気だし……日常茶飯事、というところなのかしら)
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 01:51:35.86 ID:icnATYyg0
織莉子「お見苦しい所をお見せしてしまいましたね」

ほむら「いえ……。それで、あなたたち、何者?」

織莉子「わたしとキリカ、ですか?」

ほむら「………」

織莉子「何者、と言われても……あなた達と同じ、魔法少女としか」

ほむら(それでは説明がつかない……幾多のループを繰り返してきたけれど、彼女達に会うのは初めてなのに)

マミ「織莉子さん。暁美さんにも、あの話をした方がいいのではないかしら?」

ほむら「……ワルプルギスの夜の、事?」

織莉子「察しはついているみたいですね?」

ほむら「呉キリカが言っていたのよ。ワルプルギスの夜に対峙している魔法少女は、わたしか、と」

織莉子「それについては、わたしも問いただしたいところですね」

ほむら「っ……」
105 :眠い…が、切りのいいところまでは進みたい [saga]:2012/09/17(月) 01:56:12.39 ID:icnATYyg0
ほむら「わたしの話は……あまり、他人にはしたくないのだけれど」

織莉子「そうなの?それじゃ、わたしの話を先にさせてもらうことにするわね」

マミ「悪いけれど、わたしは席を外させてもらうわ。魔女の捜索をしなければならないから」

キリカ「ん、それにわたしも同行することにするよ」

織莉子「いいの、キリカ?」

キリカ「小難しい話なんて、聞いてるだけで眠くなってしまうからね。それなら恩人と一緒に行って、少しでも多くのグリーフシードを入手しておいた方がいいだろう?」

織莉子「それも、そうね。それじゃキリカ、巴さん。気をつけてね?」

マミ「ありがとう、織莉子さん。暁美さんも、きちんと織莉子さんの話を聞いてあげてね?」

ほむら「………」

マミ「行きましょう、キリカさん」

キリカ「ん、了解だ」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 02:04:24.49 ID:icnATYyg0
織莉子「……さて、謀らずとも二人きりになってしまったけれど」

ほむら「………」

織莉子「とりあえずは、わたしの魔法の事を話しておこうと思います」

ほむら「自身の手のウチを晒すようなマネをして、いいのかしら?」

織莉子「こうして、あなたを目の前にしてわかったことがひとつだけあります」

ほむら「何、かしら?」

織莉子「あなたも、途方もない目的を持っている……」

ほむら「……!」

織莉子「違うかしら?」

ほむら「……油断ならない人ね」

織莉子「褒め言葉として受け取っておきます」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 02:10:54.92 ID:icnATYyg0
織莉子「わたしの魔法……未来予知なのだけれど。それによって視えた光景と言うのが、ワルプルギスの夜によって見滝原が崩壊する景色でした」

ほむら「………未来予知……」

織莉子「はい。わたしはその未来を回避しようと思い、現在こうして行動を起こしているのです」

ほむら「随分と便利な魔法なのね、未来予知とは。どういった内容で奴と契約を交わしたのかしら?」

織莉子「わたしの生きる意味を、知りたい」

ほむら「……」

織莉子「それが、わたしの祈り」

ほむら「生きる意味を……ね」

織莉子「わたしがあなたと接触しようと思ったのは、ワルプルギスの夜に対峙するあなたの姿を視たからです」

ほむら「それ、は……」

織莉子「そして、あなたは……ワルプルギスの夜を、一撃のもと下していた」

ほむら「!?」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 02:16:40.23 ID:icnATYyg0
織莉子「もし、あなたがわたしに力を貸してくれれば……」

ほむら「ちょっ、ちょっと待って!?」

織莉子「はい?」

ほむら「わ、わたしがワルプルギスの夜を一撃で!?」

織莉子「え、えぇ、そうですけれど……」

ほむら「そんな、バカな……?」

織莉子「わたしが視た一部始終は、空中を漂うワルプルギスの夜目掛けて、桃色の軌跡を残して飛んでいく何か……」

織莉子「そして、それを受けたワルプルギスの夜が、一撃のもと撃砕される光景」

ほむら(……まさか、あの時のまどかの攻撃を、わたしが放ったと思われている?)

織莉子「その時その場に視えたのは、あなただけなのです」

ほむら「…………まぁ、そう、ね」

ほむら(まどかは大樹の陰に隠れて、視えなかったのね)

織莉子「是非とも、あなたの力を借りたい。お願い、出来ないかしら?」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 02:25:40.54 ID:icnATYyg0
ほむら「……その申し出は、願ったり叶ったりだけれど、ね」

織莉子「ほっ、本当ですかっ!?」

ほむら「ええ。わたしの目的のひとつも、奴を撃破、或いは撃退なのよ」

織莉子「……?あなたは、ワルプルギスの夜がこの街へ来る事を知っていたの?」

ほむら「知っているわ。随分と昔から、ね」

織莉子「………詳しい話を、聞かせてもらうことは……?」

ほむら「それを話すには、あなたの力もわたしに貸してくれると約束して欲しい」

織莉子「わたしなんかで力になれることがあるのならば、いくらでも」

ほむら「無条件で相手を信じても、いいのかしら?」

織莉子「何故、自分を疑わせようと仕向けるのですか?」

ほむら「っ……」

織莉子「何か……都合の悪いことでもあるの?」

ほむら「………」

ほむら(この人は………信用、出来る?前の時間軸では、誰もわたしの話なんて信じてくれなかった……)

ほむら(でも、彼女は……初めて会う。話してみる価値は……ありそう、ね)

ほむら「いいわ、わたしの事、全部話そうと思う」

織莉子「よかった。信用、してくれたのね」

ほむら「それは、話し終えた後でわたしが判断させてもらうわ……」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 02:28:06.44 ID:icnATYyg0
            /⌒ヽ
            (ヽ´ω`) <もうだめぽ…
            /  _ノ⌒⌒⌒`〜、_
       ε( ̄⊂人 //⌒ キ  ノ #ヽ)
       ⊂ニニニニニニニニニニニニニニ⊃


         <⌒/ヽ-、___
       /<_/____/
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/17(月) 02:29:12.32 ID:qQ9tfIUPo
は?(威圧)
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/09/17(月) 02:33:41.38 ID:5/IhtK8AO


睡眠代行はよ(AAは貼らなくていい)
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/17(月) 04:59:12.47 ID:/w0EMq9DO
面白い
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/17(月) 05:30:09.54 ID:mhahKVlio
いいね
オリキリ物はもっと増えて欲しい
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/17(月) 06:55:51.29 ID:7vXd54PUo
キリカわいい
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/09/17(月) 09:36:19.29 ID:rtnTmgVAO

ほむらが知らないって事はおりマギ時間軸は未経験って事なのかな
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/17(月) 09:59:40.78 ID:mhahKVlio
経験してたら速攻で殺しにかかりそう
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/09/17(月) 11:45:46.89 ID:M5V67uAAO
乙、ほむらとまどからが仲良いってことか
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/17(月) 14:55:02.34 ID:icnATYyg0
ほむら「とりあえずは、わたしの固有魔法の事から。あなたが話してくれたのだから、わたしも話すのが筋でしょう?」

織莉子「あなたの固有魔法……」

ほむら「ええ。わたしの魔法は、時間停止、及び時間遡行の二つ」

織莉子「……時間、遡行?」

ほむら「とある目的を達する為、わたしはその魔法で何度も時間を巻き戻して、生きて来た」

織莉子「その、とある目的とは、教えてくれるのですか?」

ほむら「その辺りはわたしの契約時の願いと関連するわね」

織莉子「契約時の願いまで、教えてくれるのですか……」

ほむら「言ったでしょう?あなたが先に、全てを話してくれたのだから」

織莉子「………」

ほむら「わたしの願いは……とある少女との出会いを、やり直したい。少女に守られるわたしじゃなく、少女を守れるわたしになりたい」

織莉子「とある少女、ですか?」

ほむら「ごめんなさい、その子については、まだ話せない」

織莉子「………続けて」

ほむら「その願いで、わたしはこの時間を操る魔法を手に入れた」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/17(月) 14:56:56.84 ID:icnATYyg0
おぉう、投稿したらレスが多数……感謝感激

>>116
おりマギ時間軸は未経験、と言うよりも、このSSが言わばおりマギ本編再構成ってのを意識して書いてます
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 15:04:14.04 ID:icnATYyg0
織莉子「ふむ……時を操る魔法、ですか」

ほむら「あなたが未来予知で視た光景……それは恐らく、別の時間軸での出来事だと思う」

織莉子「えっ?」

ほむら「今まで何度もワルプルギスの夜と対峙して来たわたしだからこそ知りえている情報だけれど……その、桃色の軌跡、だったかしら?」

織莉子「は、はい。ワルプルギスの夜を一撃のもと撃砕した謎の攻撃……」

ほむら「それを放ったのは、わたしではないの」

織莉子「えぇっ!?」

ほむら「わたしは、その場に居合わせただけ。その攻撃は、わたしのモノではないわ」

織莉子「そ、それじゃ誰の……」

ほむら「待って、美国織莉子」

織莉子「っ……」

ほむら「その攻撃を放った者は、悪いけれど、戦力として考えるわけにはいかないの」

織莉子「どういうことですか?」

ほむら「その子は、今はまだ魔法少女ではないから。そしてわたしは、その子を魔法少女にさせるつもりはない」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 15:12:41.27 ID:icnATYyg0
織莉子「………察するに、その子があなたの守りたい子、と言ったところかしら?」

ほむら「否定は、しないわ」

織莉子「…………」

ほむら「あなただって、魔法少女が無差別に生まれて欲しいとは、思っていないでしょう?」

織莉子「わたしは別に……。確かに、契約を進めるつもりはないけれど」

ほむら「……まぁ、それはその人の考え方、価値観でしょうし。わたしの考えを押しつけるつもりもない。だけど、その子だけは絶対に契約させない……!!」

織莉子「……一途な想い、ですね」

ほむら「それが、わたしの祈りだから」

織莉子「そう、ですか」

ほむら「それに、どの道その子が契約したとしても、光ある未来は訪れない」

織莉子「……他にも、何か気がかりが?」

ほむら「ここからが、わたしの話の本題。………落ち着いて、聞いてちょうだい」

織莉子「………?」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 15:20:26.55 ID:icnATYyg0
ほむら「魔女が、どこからやってくるのか。それは、考えた事ある?」

織莉子「魔女が……?」

ほむら「………」

織莉子「ごめんなさい、何を言いたいのかわたしには把握出来ません」

ほむら「…………………魔法少女の、なれの果て」

織莉子「!」

ほむら「それが、魔女の正体」

織莉子「ど……どういうこと……?」

ほむら「魔法少女のソウルジェム……それが濁りきると、わたし達は魔女として生まれ変わる」

織莉子「………」

ほむら「それが、魔法少女の逃れられぬ運命」

織莉子「…………なるほど、ね」

ほむら「……あまり、驚かないのね」

織莉子「なんとなく、察しはついていました」

ほむら「………」

織莉子「あの子……キュゥべえは、その辺りについては何も言ってなかったもの」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 15:25:46.50 ID:icnATYyg0
ほむら「あいつは、都合の悪い事なんて何一つとして言いやしない」

織莉子「……」

ほむら「その代わりとしてかはどうかは知らないけれど、奴は問い詰められれば嘘は言わない。言葉を濁すことはあっても、ね」

織莉子「……………差し詰め、聞かなかった者が悪いと、そう思っていると言ったところかしらね」

ほむら「わたしの言葉……信じてくれるの?」

織莉子「あなたの眼は、嘘をついているそれではなかった。疑う意味も、理由も、わたしには見当たりません」

ほむら「……美国さん……」

織莉子「ごめんなさい。わたしの事は、下の名前で呼んでいただけるかしら?」

ほむら「え?」

織莉子「………」

ほむら(…………そう言えば、この時間軸に来た時に病室で流れていたニュース……。政治家の、不正疑惑がどうのと言っていたかしら……。小耳にはさんだ程度だから、あまり詳しくは覚えていないけれど……)

織莉子「ほむらさん?」

ほむら「美国議員の、娘さん……」

織莉子「っ!」

ほむら「それが、あなた?」

織莉子「やはり……ご存じでしたか」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 15:35:45.46 ID:icnATYyg0
織莉子「お父様は、わたしがこの世で最も尊敬する方でした。そんなお父様が、唐突にわたしの目の前から姿を消してしまって……わたしは、文字通り生きる指針を見失ってしまっていた」

ほむら「………」

織莉子「そんな時でした。何もかもに絶望しているわたしの元に、キュゥべえが姿を現したんです」

ほむら(相変わらず……人の心が弱っているところに付け入るのね)

織莉子「そして、わたしに甘い言葉を投げかけて……わたしは、契約しました」

ほむら「新たな、生きる目標を得る為に?」

織莉子「そうです。お父様は、お父様だって、この街を、この世界を、間違いなく愛していたはず」

ほむら「……」

織莉子「ただ、方法を少し誤ってしまっただけなの。わたしは、今でもお父様の事を尊敬しています」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 15:45:41.18 ID:icnATYyg0
ほむら「………こんな言葉は、ただの気休めかもしれないけれど」

織莉子「……?」

ほむら「わたしは、今まで何度も時間を繰り返してきたと言ったわよね」

織莉子「え、えぇ」

ほむら「なら普通は、わたしはあなたと呉キリカの事も知っているはず。でしょう?」

織莉子「い、言われてみれば……」

ほむら「でも実際には、わたしはこの時間軸に来るまであなたたちとは出会ったことはなかったの。他の魔法少女……巴マミの事は、いずれの時間軸でも魔法少女として存在していたけれど」

織莉子「……ど、どういうこと……ですか?」

ほむら「それはつまり、他の時間軸ではあなた達は契約していないと言う事を意味していると、わたしは思う」

織莉子「………」

ほむら「この時間軸であなた達が……いえ、少なくともあなたが契約したのは、少なからずイレギュラーであるということ」

織莉子「ま、まさか……?」

ほむら「あなたが契約するに至ったきっかけは……言わずとも、あなた自身が一番理解しているわよね」

織莉子「……」コクン

ほむら「つまりは、そのきっかけさえなければあなたは契約はしていないと言うことになる」

織莉子「………っ」

ほむら「あなたのお父様が過ちを犯すのは……決して高い確率ではなかったと思うわ」

織莉子「ほむらさぁんっ……」ジワァ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 15:52:57.50 ID:icnATYyg0
ほむら「たまたまこの時間軸では、不幸な偶然が重なっただけ。そう、思いましょう?」

織莉子「ありがとうっ……その言葉で、わたしが……お父様が、どれだけ救われたかっ……!!」

ほむら「そしてあなたのお父様は、深い自責の念に駆られていたのも間違いない」

織莉子「お父様っ……」

ほむら「そうでなければ、自ら命を断つなんて事、するわけがないものね」

織莉子「うん……うんっ!!」

ほむら「最初に言った通り、これはわたしの考えであり、ただの気休めよ」

織莉子「それでもっ……ありがとうっ!!」ギュッ

ほむら「!」

織莉子「あなたに出会えて、よかったっ……!!」ポロポロ

ほむら「…………つらかったのね、織莉子も」

織莉子「グスッ……ほむら、さんっ……!!」ギュウウ

ほむら「好きなだけ、泣きなさい……弱さをさらけだせるのも、強さのひとつよ」

織莉子「お父様……お父様あぁ……!!」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/17(月) 15:57:16.85 ID:icnATYyg0
小休止
ホントは昨夜ここまで書きたかったんだけど、眠さで頭が半分やられてたから中断して正解だったかも

また夜に投下来ます
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/17(月) 17:07:00.80 ID:ALwQ0kYEo
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/17(月) 22:33:37.99 ID:mGTssPCx0

しかしオリコの父親は本当に不正をしてたんだろうか?
最初漫画読んだときは政敵に嵌められたんだと思ってたわ
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/18(火) 00:11:13.34 ID:Q/fx3y7D0
謀略は実際によくある事だろ
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:33:28.30 ID:nhDRQ3vn0
予定以上に遅くなった
ちょっとだけ書いてきます
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:41:55.52 ID:nhDRQ3vn0
キリカ「ただいまー、織莉子!」ガチャバタン タッタッタ

織莉子「っ!」

ほむら「……織莉子?このままでは勘違いされるのわよ?」

織莉子「え、えぇ!」バッ ゴシゴシ

キリカ「帰って来たよ、織莉……子……?」

織莉子「お、おかえりなさい、キリカ。魔女退治の方はどうだったの?」

キリカ「織莉子……目が、赤い……」

織莉子「っ……そ、そうかしら?別に、いつも通りだと……」

キリカ「……そうか、暁美……キミが……」ゴゴゴゴ

ほむら「えっ?」

マミ「ちょっと、キリカさん?」

キリカ「よくも織莉子を………!!」ゴゴゴゴ

ほむら「え、いやまさかそっちで誤解されるとは」

キリカ「問答無用!!」ダンッ

織莉子「き、キリカっ!?」

ほむら「いや、ちょっと!?」ヒラリ

キリカ「わたしの織莉子を泣かせた罪は重い!!それこそ文字通り万死に値する!!」ジャキンッ

マミ(いきなり鉤爪五本モード!?それはキリカさんの切り札じゃ……!?)

キリカ「終わりだ、さあ散ね!!」ダンッ
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:49:16.08 ID:nhDRQ3vn0
ほむら「ま、待って待って!!誤解よ呉キリカ!?」タンッ

キリカ「何が誤解だ!!織莉子の目を見ればわかる!!織莉子は、そう簡単に泣く様な人じゃないんだぞ!!」ブンッ

ほむら「わたしは何もやっては……いや、何もやっていないわけでもないけれど……!!」ヒラ

キリカ「そら見ろ!!とうとう白状したな!!」ズザザァッ

織莉子「キリカ、ストップ」

キリカ「!」ピタッ

ほむら・マミ(織莉子さんの言うことには問答無用で従うのね……)

織莉子「魔法少女の変身を解いて」

キリカ「うん、織莉子!」パァァァ シュンッ

織莉子「そう、それでいい。それじゃ、ちょっと向こうへ行きましょうか?」ニッコリ

キリカ「えっ」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 00:57:40.47 ID:nhDRQ3vn0
織莉子「さあ、キリカ」ガシッ ズルズル

キリカ「いや、え、嘘、わたしは織莉子を泣かせた暁美を……!」ズルズル

織莉子「思い違いと言うことを、体に教えてあげる」ズルズル

キリカ「えぇぇ!?いや、まっ、ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――」ズルズル

マミ「……まぁ、今回はキリカさんが早とちりしたのが悪いわよね」

ほむら「な、何が始まると言うの……?」

<ヨクモホムラサンニテヲアゲマシタネ!!

<ダッテオリコ、アケミニナカサレタンジャナイノカイ!?

<ホムラサンハワタシトオトウサマヲスクッテクレタ、イワバオンジンナノデスヨ!!

<ハナシガミエナイヨオリコ!?

<トニカクハヲクイシバリナサイ!!イクワヨ,ソレ!!

<ガアアアアアアッ!?イ、イツモヨリチカラガコモッテルヨオリコォォーーー!!!?

<トウゼンデス!!ジシンノツミノオモサヲオモイシリナサイ!!

<ヒッ、イヤーーーーーーーーーー!!!!

ほむら「……………」

マミ「……ね?なんとなくわかるでしょう?」

ほむら「彼女は怒らせちゃ駄目ね……」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 01:06:08.99 ID:nhDRQ3vn0
十数分後―――

織莉子「お待たせしました、ほむらさん、巴さん」

キリカ「うぅっ……お尻が……お尻がぁぁぁぁ……」シュウウウウウウ

ほむら「……キリカの方は、大丈夫なのかしら」

織莉子「大丈夫です。ちゃんと、力加減は考えてありますから」

マミ(いつもより力が籠っている、と聞こえたような気がしたけれど……)

織莉子「それよりも、あなたたちの方の成果はどうだったの?」

マミ「ああ、それならキリカさんが……」

キリカ「こ、これが本日の成果だよ……」ヨロヨロ

ほむら(……このグリーフシードは確か、凱旋門の魔女の……)

織莉子「無事、倒してきたんですね。御苦労さま」

キリカ「なんのなんの、この程度、余裕だったよ……」

マミ「遠距離攻撃のわたしがほぼ一人で倒したようなものだけれどね……」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 01:13:29.15 ID:nhDRQ3vn0
マミ「暁美さんと織莉子さんの話し合いは、終わったの?」

織莉子「はい、大体は」

ほむら「ワルプルギスの夜の戦いに、わたしも加勢させてもらうわ」

マミ「………意外ね。あなた、この街の事はそれほど気に掛けていないと思っていたけれど」

ほむら「そんな事はないわ。第一の目標は別の所にあるけれど、この街を襲うワルプルギスの夜を越えるのだって、わたしの目的のひとつだもの」

マミ「そう。それなら、これからよろしくね」スッ

ほむら「!」

マミ「共に闘う仲間だもの。今までのような刺々しい態度は、あなたも取らないでしょう?なら、これで互いの友好の証としましょう」

ほむら「………わたしの事、信用してくれるの?」

マミ「もちろん。織莉子さんが信じた人だもの、わたしも信じさせてもらうわ」

ほむら「ありがとう……巴さん」ギュッ

マミ「ふふっ……仲間が増えて、わたしもうれしいわ」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 01:22:29.25 ID:nhDRQ3vn0
織莉子「これで四人目、ね」

ほむら「………実を言うと、魔法少女の事は、もう一人心当たりがあるの」

マミ「!」

キリカ「誰だい?」

ほむら「風見野にいる、佐倉杏子という子……彼女も、仲間に引き入れられないかしら?」

織莉子「ほむらさんも、杏子さんの事は知っているのですね?」

ほむら「ええ。彼女もいれば、ワルプルギスの夜との戦いは……」

マミ「わたしは反対よ」

ほむら「っ!」

マミ「今のままの佐倉さんとは、ね」

織莉子「………余計なお節介、とあなたは言っていたけれど」

マミ「え?」

織莉子「すみません、巴さん。実を言うと、杏子さんについては、わたしの方で現在策を弄しているところです」

マミ「………」

織莉子「どうなるかは、まだわかりませんけど……きっと、巴さんも喜んでくれると思って」

マミ「佐倉さんの考えが、変わると?」

織莉子「少なくとも、わたしはそう信じています」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 01:31:31.00 ID:nhDRQ3vn0
―――――
―――


風見野・路地裏―――

ゆま「待ってよ、キョーコ!」

杏子「危ないから外で待ってろっての!」

ゆま「ヤダ!!キョーコについてく!!」

杏子(クソッ……結局あたしについて来やがって……)

杏子「わーったよ。ただし、あたしの側から離れるんじゃねーぞ?」

ゆま「! うん!」

ズズズズッ……

玩具結界中枢―――

ローザシャーン「カタカタ……」

杏子「あいつが魔女か。ゆま、下がってな」

ゆま「き、気をつけて、キョーコ!」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 01:35:54.49 ID:nhDRQ3vn0
杏子「そらっ!」ブゥン!

ローザシャーン「カヒゥ!?」バキャッ

杏子「もいっちょ!!」ヒュッ ズグンッ

ローザシャーン「カ……カタ…カタ……」パラパラ…

ヒュヒュッ

杏子「甘い!!」ヒラヒラリ

杏子「っ!!」

ゆま「え……―――」

ダダンッ

ゆま「え……あ……」

杏子「大丈夫か、ゆま?」

ゆま「う、うん」

ボロボロ……ズアアアァァァァァ―――
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 01:41:09.56 ID:nhDRQ3vn0
杏子「……―――!」

ゆま「………」

杏子(なんだ、この痕……?火傷……か?)

ゆま「き、キョーコ……?」フルフル

杏子「いや、なんでもねぇ。話したくない事だろうし、な」

ゆま「え、えとね、ゆまね……」

杏子「………」

ゆま「ゆまは……キョーコとマミお姉ちゃん、仲直りしてほしいなって思うの」

杏子「……そういうことかよ」

ゆま「え?」

杏子「お前があたしについて来たのは、織莉子の差し金だな?」

ゆま「そ、それはっ……」

杏子「………はぁ。お節介な奴だな、ホントに……」

ゆま「ご、ごめんなさいキョーコ!」

杏子「……」

ゆま「でもね、キョーコ、なんだか寂しそうに見えるの」

杏子「あたしが、か?」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 01:46:33.42 ID:nhDRQ3vn0
ゆま「織莉子お姉ちゃんから、キョーコとマミお姉ちゃんの事、聞いたの」

杏子「あいつがあたし達の何を知ってるってんだ?」

ゆま「キョーコとマミお姉ちゃん、昔はとっても仲良しだったんでしょ?」

杏子「……まぁ、確かに一時期仲良くしてたことはあるけどさ」

ゆま「キョーコは本当に、マミお姉ちゃんの事、嫌いになっちゃったの?」

杏子「嫌いになんか、なっちゃいないさ」

ゆま「………」

杏子「あたしがあいつと一緒にいたら……あいつの負担になっちまうと思っただけだ」

ゆま「ま、マミお姉ちゃんは、そんな事、気にしないよ!」

杏子「あたしが気にするのさ。これ以上、人の優しさには触れたくないんだ」

ゆま「そ、そうして、今までずっと一人で戦ってたの?」

杏子「そういうことだ。もちろん、これからもな」

ゆま「それじゃ、ダメだよ!」

杏子「……」

ゆま「ゆま、一人じゃ生きていけないもん!キョーコだって、そうじゃないの?」

杏子「あたしは……」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 01:53:25.90 ID:nhDRQ3vn0
ゆま「キョーコが本当に一人でいたいって思うんなら、ゆまの事だって、有無を言わさずに突き放してたはずだよ!」

杏子「っ……だったら……」

ゆま「………っ」フルフル

杏子「……」(無理しやがって……何よりお前自身が、一番突き放されるのを怖がってるくせによ)

ゆま「でも、そういうことはしなかった……。キョーコだって、気付いてるハズだよ……っ」

杏子「………」

ゆま「独りぼっちは……寂しいよ……」

杏子「……まさかあたしが、ゆまみたいなガキに諭されるなんてな」ポンッ

ゆま「キョーコ……?」

杏子「そんなこと、とっくの昔に気付いてるさ……気付かないようにしてただけだ」ナデナデ

ゆま「そ、それじゃ……」

杏子「でもな、あたしだって悪いけどすぐにハイごめんなさいって頭を下げるわけにはいかねえんだ」

ゆま「………」

杏子「いいよ……もう一度だけ、あいつらと会って、話、してやる」

ゆま「キョーコ……!」

杏子「それからの事は……ま、成り行きに任せるさ」

ゆま「うん!」ニパッ

杏子(マミの奴……あたしの事、どう思ってるのか……それを、ちゃんと聞いてみることにしよう。もし、それでマミが、あたしを許してくれるってんなら、その時は……)
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/18(火) 01:54:52.85 ID:nhDRQ3vn0

   ∧∧
  ( ・ω・)  おやすみ…
  _| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


  <⌒/ヽ-、___
/<_/____/
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/18(火) 01:58:57.44 ID:whhSkzM9o
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/18(火) 03:58:49.36 ID:ynKaHDaGo
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/09/18(火) 07:54:30.33 ID:qiqMZ+ZAO

おりほむ!そういうのもあるのか
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/09/24(月) 22:24:55.74 ID:mmnQymoAO
忘れてないよー ぼっちじゃないよー
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 21:32:28.12 ID:mRtS2RYP0
翌日・マミの家―――

ピンポーン

マミ「はい……?」ガチャッ

杏子「………よ、よう」

ゆま「こんにちは、マミお姉ちゃん!」ニパッ

マミ「佐倉さんに、ゆまちゃん……」

杏子「話が、したいんだ。時間、いいかな?」

マミ「…………ええ、いいわ。上がって」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 21:37:58.66 ID:mRtS2RYP0
居間―――

マミ「それで?」

杏子「あの、な」

マミ「………」

杏子「………」

ゆま「キョーコ……?」

杏子「わかってる、ゆま……スゥ……ハァ……うしっ!」パァン

杏子「今までの事、色々と思い返してたんだ」

マミ「わたしと一緒に戦っていた時の事?」

杏子「それもそうだし、それからの事も、色々と」

マミ「………」

杏子「ずっと一人だった。父さんも、母さんも、モモも、死んじまって……あたしの事を心配してくれたマミのことまで突き放して」

マミ「そう、だったわね」

杏子「マミは、どうだったんだ?あたしと別れてから」

マミ「こちらも、あなたと同じよ。ずっと独りぼっちだった。孤独の辛さは、少なくともあなたよりはわかっているつもりよ」
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 21:48:53.63 ID:mRtS2RYP0
杏子「そ……っか」

マミ「それが魔法少女の運命だ、って思うことにして、それで今まで頑張って来れたようなもの。魔法少女としての、わたしの後輩……佐倉さんが現れてくれた時は、本当に嬉しかった。独りぼっちじゃなくなったって、喜んだわ」

杏子「っ……」

マミ「わたしなんかが、あなたの辛さを理解出来るなんて、口が裂けても言うべきことじゃなかったわね」

杏子「それは……!」

マミ「それについては、謝るわ。ごめんなさい」

杏子「他人の為の祈りに裏切られる事はあっても、自身の為の祈りに裏切られる事はない。それが……あの時の、あたしの答えだったんだ」

マミ「佐倉さんは……今でも、自分を責めてるの?」

杏子「それは……そうに決まってるよ。あたしの祈りが、父さんを追い詰めたんだ……」

マミ「………っ」

杏子「マミと別れてからのあたしは、言わば自分に罰を与えてたようなもんなんだ」

マミ「罰を……?」

杏子「そう。独りぼっちは寂しいけど、そうすることであたしはあたしに罰を与えた。自身の罪の重さを思い知れ、って感じでな」

マミ「それで佐倉さんは……自分を許せる気にはなれたの?」

杏子「どうだろ……わっかんねぇ。あたしを許せる日なんて、二度と来ねえんじゃねえかな」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 21:54:38.61 ID:mRtS2RYP0
マミ「佐倉さんっ……」

杏子「マミは……こんなあたしをどう思う?」

マミ「佐倉さんを……?」

杏子「使い魔を見逃して、身勝手に生きて、そのくせ独りぼっちは寂しいとか思ってるあたしだ」

マミ「っ……」

杏子「多分、あたしがマミの立場だったなら、あたしの事は絶対許せねえと思う。そりゃそうだ。自己中心的にも程があるってな」

マミ「………その気になれば、一般人を使い魔の前に放り出すことだって、出来たんじゃないの?」

杏子「っ!」

マミ「でも、佐倉さんはそうはしなかったのでしょう?」

杏子「そりゃ……まぁ、な」

マミ「結局あなたも、根っからの外道には堕ちていないのよ。それは、確かに、倒せる使い魔を見逃して、一般人への被害に見向きもしないなんて簡単に許せることではないけれど」

杏子「………」

マミ「あなたは、最後の一線を踏み越えてはいない。わたしはそう考えるわ」

杏子「……あたし、は……」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 22:05:51.93 ID:mRtS2RYP0
マミ「これが、今のわたしのあなたに対する正直な思いよ」

杏子「………」

マミ「後悔、してるの?今までの生き方を」

杏子「……そうかもしんねえな。あたし一人だったなら、後悔することもなかったと思う」

ゆま「………」

杏子「恥ずかしながら、ゆまに諭されちまったよ」

マミ「ゆまちゃんが……」

杏子「じゃあ、マミは、こんなあたしを許してくれるのか?」

マミ「あなたの今後の行動次第、かしらね。でも、今のあなたなら、許してもいいんじゃないかな、って思えるのも正直なところよ」

杏子「………」

マミ「あと、人に許しを請う場合は、言うべき事があるんじゃないの?」

杏子「それは……」

マミ「その言葉さえ聞ければ、わたしは満足よ」

杏子「………………ご、ごめん……なさい……」ボソッ
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 22:07:31.54 ID:mRtS2RYP0
投下始めたばっかりだけど小休止
(スレの存在を軽く忘れてた……とは言わないでおこう)

12時回った辺りからまた投下来ます
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/25(火) 22:41:06.93 ID:P519oyYUo
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 00:00:21.50 ID:IHz8Y7k40
マミ「ん、それでよし!」

杏子「っ……」

マミ「もう、いつまでそんなしおらしくしているのよ?」

杏子「だって……こうして、素直に謝るのも……恥ずかしいじゃねえか……」

マミ「確かに恥ずかしいだろうけど、大切なことよ?」

杏子「……そう、だな」

マミ「さて、と。佐倉さんも改心してくれたって事を織莉子さんに言いに行かなくっちゃ」

杏子「織莉子のとこに?」

マミ「ええ。佐倉さんも、ワルプルギスの夜との戦いに手を貸してくれるのでしょう?」

杏子「そりゃ、もちろんだけど」

マミ「それらもついでに報告ね」

杏子「今は、あいつらが中心になってるってことか……」

マミ「そう言うことね。あと、暁美さんって子もいるのよ」

杏子「暁美?誰だ?」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 00:02:22.96 ID:IHz8Y7k40
マミ「あら?暁美さんの方はあなたの事、知っているみたいだったけれど?」

杏子「あたしの記憶に間違いがなけりゃ、知らない奴だな」

マミ「そうなの?なら、何故暁美さんは知っているのかしら……?」

杏子「あたしにもわかんねーな」

マミ「まぁ、直接暁美さんに問いただしてみればいいかしらね」

杏子「暁美……暁美……んー、やっぱ知らねえや」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 00:05:38.91 ID:IHz8Y7k40
美国の家―――

ピンポーン

織莉子「はい」ガチャリ

マミ「こんにちは、織莉子さん」

ゆま「こんにちはー!」

織莉子「いらっしゃい、巴さんにゆまちゃん。それに……」チラッ

杏子「よう」

織莉子「お待ちしていました、佐倉杏子さん。さあ、上がって」

マミ「お邪魔します」

ゆま「お邪魔しまーす!」

杏子「邪魔するよ」
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 00:09:51.89 ID:IHz8Y7k40
居間―――

キリカ「来たか、佐倉」

ほむら「待っていたわ」

マミ「暁美さんもいたのね、丁度よかったわ」

ほむら「?」

杏子「お前が、暁美か?」

ほむら「ええ、暁美ほむらよ。初めまして、佐倉さん」

杏子「やっぱり、初めまして、だよな?」

ほむら「? ええ、そのはずだけれど?」

マミ「それなら、何故暁美さんは佐倉さんの事を?」

ほむら「………ごめんなさい、詳しい事は言えないわ」

杏子「なんだ、胡散くせぇ奴だな?」

ほむら「………」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 00:12:52.85 ID:IHz8Y7k40

 _∧∧__   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 |( ゚д゚)| <  もう寝る!
 |\⌒~\  \____________
 \ |⌒⌒|


いや、ごめんなさい。
明日更新します、明日こそ更新します…

今日はもう寝かせてください……
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/09/26(水) 00:38:46.31 ID:uDWkXKmAO
乙だよー

期待してるよーオリキリ大好きだよー
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/26(水) 19:00:28.65 ID:dpK4lLLDO
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/07(日) 17:16:42.46 ID:uDO1ArfTo
はよ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/11(木) 22:54:05.24 ID:icIk8RmOo
続きは?
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/12(金) 04:35:40.75 ID:lW6jVtA2o
まだー?
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/10/12(金) 07:33:31.98 ID:Trome4XAO
>>165
上げないで
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/12(金) 16:33:37.32 ID:uRuoEoMzo
2週間以上たつしそこまで神経質にならんでも
新着レス数できたかきてないか分かるし
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 17:51:36.17 ID:jsqqyBqDO
待ってるよ〜
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 22:10:34.45 ID:fDzyaEgDO
舞ってる
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 22:28:48.02 ID:UKAyqDrDO
待ち続ける
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