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直通電車 -Direct for the Ground- 【再スタート】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/18(火) 08:54:58.18 ID:uAHA5HW30
「一度でいいから、地上に出てみたい」

そんな彼の思いは、一見簡単なようで、

しかし決して許されないものであった。





再スタートします

旧スレ
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/18(火) 09:02:22.43 ID:uAHA5HW30
キャラクター紹介

大野弘和(旧・羽衣真砂)
高島伊澄(旧・前里初音)
岡野翔 (新設)
青木さくら(新設)
鶴屋康幸(旧・長島弥生)
石崎怜子(旧・駿河千歳)

別の作品として考えていたものをそのまんま投入します

都合により一部の設定を変更します
3 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/18(火) 14:12:08.79 ID:MT3Bskyx0
本郷市立新本郷第三高等学校


キーンコーンカーンコーン

岡野「じゃ、また明日」

大野「早いな」

青木「私もこれで」

大野「青木も?」

岡野「ほら、今度試合だし」

青木「練習しないと」

大野「ああ、なるほど」

岡野「帰宅部とは違うんだよ」

大野「わかったからさっさと行けよ」
4 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/18(火) 14:21:32.88 ID:MT3Bskyx0
大野「あいつら仲いいよな」

高島「やっぱり同じ部活の人ってそうなのかな」

大野「よく知ってたな」

高島「だって岡野翔って野球部のエースでしょ?」

大野「そうだけどさ」

高島「そうだけどなんなの?」

大野「伊澄は女子の知り合いは多いけど、男子の情報ってあんまりないじゃん」

高島「翔くんは特別有名だから」

大野「あっ、そう」

岡野「お前ら仲いいよな」

高島「だって中学が同じだったから」

大野「お前まだいたのか」
5 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/19(水) 08:58:49.71 ID:pPhnt5WG0
24条49丁目・第三高校前

高島「この副名称ってなんか憧れるね」

大野「そうか?」

高島「24条51丁目・中央合同庁舎前に住んでる奴にはわかんないだろうけど」

高島「中央合同庁舎っていったら、市役所の支所とか市電(旧新本郷電軌)の営業所とか入ってんでしょ?」

大野「伊澄は何丁目だっけ?」

高島「24条54丁目。なんにも無い」

大野「でも合同庁舎まで300mじゃねーか」

高島「そういう問題じゃないの」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/09/19(水) 18:56:45.44 ID:X7jriK52o
ホモスレ
7 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/19(水) 23:23:12.77 ID:GkB8g0g90
高島「あ、電車来たよ」

大野「なんで一緒に帰る流れになってんだ?」

高島「だっていつもそうじゃん」

大野「高校生にもなって一緒に帰るとか」

高島「ほら、整理券取って」

大野「あ、後払いか…とか言ってる場合か」



青木「あいつらって何であんなに仲いいの?」

岡野「中学が同じなんだってさ」

青木「じゃあなんで私達は仲悪いの?」

岡野「別に悪い訳じゃないだろ」

青木「翔くん」

岡野「?」

青木「今日練習終わったら、一緒に帰ろ」

岡野「は?」
8 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/20(木) 09:36:21.26 ID:yN5xK/cO0
翌日


この電車は、24条線西行、24条1丁目行きです。

次は 24条49丁目・第三高校前


高島「ヒロ、おはよう」

大野「なんだその封筒は」

高島「ああ、さくらちゃんに渡されたんだけど」

大野「さくらちゃん…て誰だ?」

高島「青木って言った方がよかった?」

大野「青木か。じゃあ中身はファンレターか?」

高島「よくわかったね」

大野「青木は翔のことしか考えてないからな」

高島「はは」
9 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/20(木) 09:42:09.73 ID:yN5xK/cO0
高島「それで、これを翔くんに渡してくれって頼まれたんだけど」

高島「どうやって渡そうかと」

大野「あいつ野球部のマネージャーだろ?」

高島「そうだけどさ」

大野「練習の時に自分で渡せよ」

高島「ひどい」

大野「は?」

高島「それができないから私に頼んだんでしょ」

大野「ああ、すまん」

高島「…ヒロ」

大野「ん?」

高島「あんた翔くんと仲いいでしょ?」

大野「悪くはないが」

高島「ヒロが渡してくれない?」

大野「ああ、わかった」
10 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/22(土) 16:15:06.43 ID:yTxkI6jw0
第三高校

大野「翔、ちょっといいか?」

岡野「何だ?」

大野「伊澄が渡してくれって」

岡野「何だ、これ」

大野「ファンレターだってさ」

岡野「誰から?」

大野「それは言えないけど」

青木「…」

岡野「青木か」

青木「正解」

岡野「斜め前なんだから直接渡せよ」



座席配置

               教卓

青木   大野     ?      高島


?    岡野     ?      鶴屋
11 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/09/22(土) 22:01:15.39 ID:/wPMo3+J0
ちょっとだけ変更
高島伊澄は岡野翔を「岡野」と呼び捨てることにする

高島「それで、これを岡野に渡してくれって頼まれたんだけど」

こんな感じ
12 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/23(日) 17:12:37.75 ID:LIpA8Hmt0
鶴屋「ヒロー、ちょっといい?」

大野「どうした?」

鶴屋「今度野球部の試合があるじゃん」

鶴屋「応援に行く人数を調べろって通達が来たんだけどさ」

大野「通達ってどこから?」

鶴屋「筆頭委員会から」

大野「そういえばツルって筆頭委員だったな」

鶴屋「ほら、俺って人脈ないじゃん」

大野「確かに」

鶴屋「だから人脈あるヒロにお願いしたいな…って」

大野「つーか、筆頭委員会から来たんなら筆頭委員がやるべきじゃないの?」

鶴屋「それはそうなんだけど、男子全員に確認取るのって至難の業だよ?」

大野「なるほど」

鶴屋「女子は高島だからいいけどさ」

鶴屋「男子の方をどうしようかな…って」

大野「わかった。男子だけでいいんだな?」
13 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/23(日) 17:19:15.46 ID:LIpA8Hmt0
放課後

大野「11人だって」

鶴屋「ありがと」

大野「つーか、大丈夫かよ、筆頭委員がこんなんで」

鶴屋「ごめん」

大野「いや謝ることじゃないけどさ、あんまり頼り切りはどうなんだろうかと」

鶴屋「精進します」

大野「もうちょっと人脈増やした方が…」

鶴屋「高島がうらやましいよ」
14 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/23(日) 17:29:58.65 ID:LIpA8Hmt0
この電車は、24条線東行、24条101丁目行きです。
次は 24条51丁目・中央合同庁舎前

高島「そういえばさ」

大野「?」

高島「野球部の応援の人数調べとけって通達が来たんだけど」

高島「女子は私が調べたけど、男子の方はどうなったかな…」

大野「あ、それなら俺が調べた」

高島「ヒロが?」

大野「今朝ツルが…鶴屋が来てさ、自分は人脈が無くて無理だから代わりに調べてくれって」

高島「丸投げかい」

高島「でもまあ、2年1組のことは、男子はヒロ、女子は私に聞けば、大体わかると思うけどさ」

大野「俺と伊澄が男女間の唯一の繋がり、みたいな感じになってるよな」

高島「本当だね」

次は 24条54丁目

高島「…あれ?」

大野「やばい、乗り過ごした」
15 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/09/23(日) 22:02:20.83 ID:7tEYxffU0
携帯からリンクを貼るとろくなことがないな

旧スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343918455/l50
16 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/09/24(月) 13:42:42.74 ID:+iMbuNUG0
「新本郷」の設定は旧スレを引き継いでいます。
即ち
・本郷市の地下に建設された通称「地下要塞都市」
・道路は碁盤目状、東西が「条」南北が「丁目」
・生活は本郷市頼み(市営スーパーなど)
・交通機関は本郷市電─旧新本郷電軌
・地上との連絡口は市電24条線のみ
17 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/24(月) 13:54:13.11 ID:+iMbuNUG0
翌日

岡野「昨日乗り過ごしたんだって?」

大野「うん」

鶴屋「しっかりしろよ」

大野「お前が言うな」

岡野「そういや、ツルは何で筆頭委員になったの?」

鶴屋「うーん、なんでだろ」

大野「伊澄(イズミ)に誘われたとか?」

鶴屋「まあ、そんな感じ」

岡野「立候補出なかったからな」

大野「あいつは中学の頃からあんなだからな」

鶴屋「あんなって?」

大野「まあ…一言で言うと、活発」

鶴屋「へー」
18 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/24(月) 14:00:10.06 ID:+iMbuNUG0
大野「ところで、今度試合あるじゃん」

岡野「今度の日曜日な」

大野「場所どこだっけ?」

岡野「えーっ」

鶴屋「人数は調べたのに場所知らないの?」

大野「確か1丁目の方だったけど、何条だったかなって」

青木「…24条」

大野「?」

青木「…24条1丁目・地上線入口」

鶴屋「…」

岡野「青木ってさ、変なところで話に入ってくるよな」

大野「確かに」
19 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/24(月) 14:09:04.93 ID:+iMbuNUG0
大野「…地上線って?」

岡野「ヒロ、それは知っとけよ」

鶴屋「将来の夢が『日光浴』なんだろ?」

岡野「マジ?」

鶴屋「小学校の卒業文集に書いたんだってさ」

大野「お前、なぜそれを」

鶴屋「高島が隣の奴と喋ってるのを後ろで聞いた」

大野「伊澄の野郎」
20 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/09/26(水) 17:01:16.72 ID:qsjqXg7a0
設定変更
本郷中央→東本郷

あと章分けはやめます。
21 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/26(水) 17:13:08.92 ID:qsjqXg7a0
日曜日



この電車は、24条線西行 24条1丁目方面 市電川合津行きです。

次は 24条49丁目・第三高校前

※24条50丁目に電停はありません。
 すべての交差点に電停があるわけではありません。



大野(あれ?伊澄がいない)

大野(確かこの電車に乗ってくるって…)

prrrrr

大野(おっ、伊澄からメールだ)

『ごめん、寝坊しちゃった。悪いけど先行ってて』

大野(マジか…)

大野(やっぱり8時半集合は誰でも辛いんだな)

大野(まあでも大丈夫だろ。着いたらみんないるだろうから)

大野(やばい…俺も眠くなってきた)

次は 24条40丁目

大野(まだ4キロあるし、ちょっと寝るか)

大野(どうせ終点に着いたら起こされるだろ)






次は 市電川合津 終点
22 : ◆zVsGgsQCGu97 [saga]:2012/09/27(木) 12:37:07.62 ID:wIj6OguF0
第四運動場(24条1丁目)

高島「ごめん、遅れちゃった」

青木「遅いよ」

鶴屋「筆頭委員なんだからしっかりしろよ」

高島「ごめん」

青木「ところでさ、筆頭委員って何なの?」

鶴屋「生徒会からの連絡とか」

高島「定期的に会議をやってクラスに連絡したり」

青木「そう…楽しい?」

鶴屋「いや楽しいとかそういうんじゃないから」

高島「私は楽しいけど」
23 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/27(木) 12:42:55.27 ID:wIj6OguF0
トリップ間違えたかも。




鶴屋「そんで、今日なんかは人数確認したり」

高島「なんかクラスの代表みたいなことも」

鶴屋「…あ、そういえばヒロは?」

高島「え?」

青木「大野がまだ来てないみたいだけど」

高島「まだ来てないの?」

鶴屋「てっきり高島と一緒かと」

高島「先行ってて、って言ったはずだけど?」

鶴屋「でも来てないよ?」

高島「そんなことないよ。どこかにいる」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 13:08:51.84 ID:4drEi4vDO
建て直したか、期待
25 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/29(土) 11:34:27.51 ID:+c2aF0lZ0
市電川合津


大野(…どこだ、ここ)

大野(市電川合津?)

大野(あ、乗り過ごしたのか)

大野(とりあえず戻るか)

先発 1丁目線北行 6条101丁目 9:01
次発 24条線東行 1条80丁目 9:30

大野(本数少なすぎるだろ)

大野(24条線なら5分間隔であるのに)

prrrrr

大野(ん?伊澄から電話)
26 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/09/29(土) 14:10:02.26 ID:DUAPDpbf0
ちなみに6条101丁目行は
市電川合津→24条1丁目→6条1丁目→6条101丁目

1条80丁目行は
市電川合津→24条1丁目→24条80丁目→1条80丁目
27 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/09/30(日) 07:40:07.33 ID:FQZtBmsQ0
第四運動場

(prrrrr)

青木「…どう?」

高島「出ない」

鶴屋「生きてるんだろうな?」 

高島「わかんない」

(ガチャ)

高島「あ、もしもし、ヒロ?」

大野『伊澄か』

高島「どこにいるの?みんな心配してるよ」

大野『心配しなくていい。乗り過ごしただけだから』

高島「乗り過ごした?どこまで?」

大野『それがよくわからないんだが…』

高島「わからない?」

大野『伊澄、「市電川合津」ってどこだかわかるか?』

高島「市電川合津?」

鶴屋「えっ」

青木「地上駅じゃん」
28 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/01(月) 23:38:57.85 ID:oGnwzNBO0
大野『…どした?』

高島「ヒロ、そっちの天気は?」

大野『は?』

高島「だから、晴れてるとか、雨が降ってるとか」

大野『新本郷に晴れも雨もないだろ』

高島「ヒロ、あんたがいるのは新本郷じゃない」

大野『何言ってんだ?』

高島「市電川合津の住所は、本郷市川合津1丁目」

大野『何条1丁目?』

高島「その鈍感はなんとかならないの?」
29 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/01(月) 23:48:08.61 ID:oGnwzNBO0
高島「いい?一から話すよ」

高島「新本郷の建設が計画されたとき」

高島「その交通機関として本郷市電の建設が計画された」

高島「しかし地下には検車区を造るだけの土地はなかった」

高島「だから地上に検車区を造って、線路で繋ぐ必要があった」

高島「そうして造られたのが、本郷市電川合津検車区」

大野『川合津検車区…ってこの近くにあるのか?』

高島「あんたがいる市電川合津は検車区の中にあるはずだけど?」

大野『あ、あれが検車区なのか』

青木「それにしてもよく知ってるね」

鶴屋「筆頭委員はみんな知ってる」
30 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/01(月) 23:59:25.16 ID:oGnwzNBO0
大野『そんで、俺はどうしたらいい?』

高島「とりあえず戻ってきて」

大野『6条101丁目行で戻れる?』

高島「どれに乗っても戻れる。…回送以外は」

大野『じゃあそれで戻る。30分後だけどいいか?』

高島「了解」

プツッ

鶴屋「何だって?」

高島「30分後の電車で戻るって」
31 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/02(火) 00:05:01.92 ID:BAe9lW1g0
青木「大野、大丈夫かな?」

高島「大丈夫でしょ」

鶴屋「他に電車ないし」

青木「いや、そうじゃなくて」

高島「他に何か?」

青木「だって太陽に当たると死ぬんでしょ?」

高島「…は?」

鶴屋「あー、そんな迷信あったな」

青木「迷信?」

高島「さくらちゃん、太陽に当たったくらいじゃ死なないから」

鶴屋「『これは迷信だから注意してください』って筆頭委員会でも言われてる」

青木「え、じゃあ雨に当たると死ぬってのも?」

高島「それも迷信」
32 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/10/02(火) 20:48:45.13 ID:BAe9lW1g0
あれ?
路面電車で検車区って…?
そんなものは聞いたことがないや

地上線は「地下に閉じこめている」という批判をかわすために造ったってことにします。
地上駅が無くなると話が成立しなくなるので
強引にこのまま行きます。
33 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/04(木) 00:12:37.29 ID:rfUhitPA0
市電川合津電停

大野(それにしても)

大野(まさか地上にいるとは)

大野(…よく見たら空がある。屋根があるから気づかなかった)

大野(30分後か。それまでどうしよう)

石崎「…あの」

大野「ん?」

石崎「新本郷の人?」

大野「そうですけど、何か?」

石崎「いや、何でもないんだけど」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「地上線ってさ」

大野「何ですかいきなり」

石崎「あ、ごめん、独り言だから気にしないで」
34 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/04(木) 00:19:33.87 ID:rfUhitPA0
石崎「地上線ってさ」

石崎「市営スーパーの従業員くらいしか使わないんだよ」

石崎「高校の制服着てたから珍しいな…って」

石崎「しかもそれって新本郷第三高校の制服じゃん…って」

大野「よくわかりましたね」

石崎「あ、ごめん独り言だから気にしないで」

大野「すいません」
35 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/04(木) 00:23:59.32 ID:rfUhitPA0
石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「石崎怜子」

大野「?」

石崎「私の名前」

大野「石崎さん?」

石崎「そう」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「君は?」

大野「?」

石崎「君の名前」

大野「大野弘和です」

石崎「そう」

大野「…」

石崎「…」
36 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/04(木) 00:33:17.86 ID:rfUhitPA0
石崎「…」

大野「…」

石崎「東本郷にさ」

大野「東本郷?」

石崎「大きい商店街があるの」

大野「あー、聞いたことあります」

石崎「今度行ってみなよ」

大野「わかりました」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…あの」

石崎「何?」

大野「東本郷ってどこですか?」

石崎「ここから川合津坂上って駅まで歩いて」

石崎「本郷鉄道で2駅目」

石崎「終点だから多分間違えないと思う」

大野「ありがとうございます」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

『まもなく、24条1丁目方面 1丁目線北行 6条101丁目行が参ります』

『24条線東行、1丁目線南行は24条1丁目でお乗り換えください』

大野「…」

石崎「…」

大野「今日はありがとうございました」

石崎「こちらこそ」
37 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/10/04(木) 01:56:38.99 ID:rfUhitPA0
ちょっと待ったーっ

市電川合津があるのに川合津がないのはおかしいだろ
坂上とか上町とかいらないだろ

というわけで市電川合津の近くにある本郷鉄道の駅は
「川合津」にします。

川合津坂?何かの間違い
38 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/04(木) 22:36:39.99 ID:rfUhitPA0
>>36
『まもなく、24条1丁目方面 1丁目線北行・6条線東行直通 6条101丁目行が参ります』

くどいって言われそうだけど修正
よく考えたら湘南新宿ラインのアナウンスはこのくらいあるぞ
39 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/04(木) 22:47:28.18 ID:rfUhitPA0
第四運動場

チーム       計
第 三 00100   1
第 八 0000    0


大野「ごめん、遅れちゃった」

高島「ヒロ!」

大野「どんな感じ?」

高島「4回裏、1─0で勝ってる」

高島「3回に岡野がホームラン打って1点」

大野「へー、やるじゃん」

高島「それよりどうよ、地上の空気は」

大野「うーん、何も変わらないけど」

高島「へ?」

大野「ぶっちゃけ新本郷の空気と変わんない」

高島「鈍感だから気づいてないだけ、とかじゃなくて?」

大野「とかじゃなくて」

高島「へー…」

大野「何だその反応」

高島「ちょっと意外だったからさ」
40 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/04(木) 22:54:47.73 ID:rfUhitPA0
翌日
新本郷第三高校

青木「ちょっと、大野」

大野「ん?…青木か」

青木「昨日はどうだった?」

大野「いやー岡野ってすごいんだな」

青木「そうじゃなくて」

青木「なんか乗り過ごして地上に出たとか」

大野「あ、そっちか」

大野「ってあの電話聞いてたのか?」

青木「ごめん、聞いちゃった。あと鶴屋も」

大野「そうか…まあいいや、二人だけなら」

青木「結構広まってるよ?少なくとも女子は」

大野「マジか」
41 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/10/05(金) 21:45:42.96 ID:wTVw+GTf0
タイトルが旧スレと変わっていることに気づいた
「直通電車 -Direct to the Ground-」が正解

「直通電車 CHOKUTSU-DENSHA」
こんなのもいいかな
42 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/06(土) 09:24:45.34 ID:erG7kkYw0
青木「で、どうだった?シャバの空気は」

大野「うーん、ぶっちゃけ大して変わんないぞ」

青木「あ、そういうもんなの?」

大野「空気自体は新本郷と繋がってるからな」

青木「そっか」

岡野「おっす、ヒロ」

大野「翔か」

岡野「どうだったシャバの空気は」

大野「ぶっちゃけ大して変わんないぞ」

岡野「ふーん」

青木「…」

大野「翔が来た途端に喋らなくなったな」
43 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/06(土) 09:32:59.36 ID:erG7kkYw0
次は 24条51丁目・中央合同庁舎前

大野「なあ、伊澄」

高島「ん?」

大野「青木ってどんなやつだ?」

高島「うーん…一言で言うと、あんまり喋んない」

大野「やっぱりそうか」

高島「何かあったの?」

大野「いや、さっき2人で喋ってたんだけど」

大野「翔が来た途端に喋らなくなったからさ」

高島「岡野が来た途端にか。さくらちゃんならあるかも」

大野「どういうこと?」

高島「さくらちゃんって、岡野のことが好きなんだよ」

大野「なるほど」

高島「この間のファンレターの件で気づいてほしかったな」

大野「すまん」
44 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/06(土) 09:43:50.92 ID:6yfy+Fxx0
高島「…あれ?」

大野「どした?」

高島「ヒロがさくらちゃんと2人で喋った?」

大野「うん」

高島「有り得ない」

大野「?」

高島「さくらちゃんが男子と2人で喋るなんて」

大野「いや事実だから」

高島「嘘ついてるでしょ」

大野「嘘じゃないぞ」

高島「本当に?」

大野「本当に」

高島「そう…」

大野「納得してないな」



※書きためなし派が二重投下するとこうなる
45 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/10/06(土) 09:45:10.96 ID:6yfy+Fxx0
二重投下してなかった

電車内から投下するときは電波状況に注意
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/06(土) 10:10:28.73 ID:Z/w9QAYGo
再開してた、期待
47 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/09(火) 08:26:29.20 ID:f3t2TwuG0
翌日

高島「さくらちゃん」

青木「何?」

高島「昨日ヒロと何かあった?」

青木「大野と?何もないけど」

高島「そう…」

青木「何か問題でも?」

高島「いや、そういうわけじゃないけど」

青木「?」

高島「ヒロがさくらちゃんと2人で喋ったって言うから」

青木「喋っちゃいけないの?」

高島「ごめん」
48 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/10(水) 07:46:12.58 ID:AJmZTfRZ0
鶴屋「青木と何かあった?」

大野「何だいきなり」

鶴屋「高島と青木が話してるのを横で聞いた」

大野「そうか、何話してたんだ?」

鶴屋「青木は男子と2人で話さないのに大野とは話してたから何かあったのか、って」

大野「いや、何もないんだけどな…」

鶴屋「そうなのか?」

大野「ないものはない」
49 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/10(水) 07:54:06.70 ID:TpyQ64mW0

土曜日



 市電川合津


大野(ここで降りて、川合津って駅まで歩いて)

大野(そこから地上の電車で2駅)

大野(おっ、ここか)

本郷鉄道 川合津駅

←1 垣ノ下・北倉市方面  東本郷方面 2→

大野(2番線に行けばいいのかな?)
50 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/11(木) 08:03:02.49 ID:sev2V99o0
2 東本郷方面

先発     通 過
次発 各停 東 本 郷

(相対式ホーム)


大野(通過?停まらないってこと?)

大野(駅に停まらないでどこに停まるんだろう)

大野(ん?路線図がある)


──垣ノ下─葉擦台─川合津─西本郷─東本郷   

大野(今いるのが川合津)

大野(東本郷は2つ目)

大野(……)

大野(……………急行って何だ?)

大野(他の電車と何が違うんだろ)

大野(ちょっと聞いてみるか)

大野「あのーすみません」

石崎「ん?」

大野「この急行ってのは何なのでしょうか?」

石崎「……停まらない駅がある。そのかわりちょっと速い」

大野「なるほど」

石崎「この赤い線の上に丸が付いているのが停まる駅」

大野「つまり北倉市、沼田橋、垣ノ下、東本郷だけ停まるってことですか」

石崎「そういうこと」

大野「…じゃああの『通過』ってのは」

石崎「多分急行だと思う」
51 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/13(土) 07:36:31.09 ID:83zVEM920
大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…この間会った?」

大野「はい?」

石崎「この間の日曜日に、市電川合津で」

大野「…そう言われれば」

石崎「大野くん、だっけ?」

大野「はい」

石崎「私は石崎怜子」
52 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/13(土) 22:12:50.29 ID:Jeq/yqGJ0
東本郷下車→市役所通り


大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「着いたよ」

大野「ここ?」

石崎「そう。この間言った商店街」

大野「商店街っつーか…ショッピングセンターですね」

石崎「あ、ごめん。ショッピングセンターの間違い」※作者のミス

大野「…」

石崎「…」

大野「…傘」

石崎「ん?」

大野「いや、これって『傘』ですよね」

石崎「あ、そっか。新本郷は雨降らないのか」

大野「雨って…どんなもんなんですか?」

石崎「テレビとかで見たことない?」

大野「ありますけど、いまいち実感がなくて」

石崎「そう」

石崎「10回くらい来れば多分当たるよ」

大野「そうですか」

石崎「…」

大野「…」
53 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/13(土) 22:16:22.89 ID:Jeq/yqGJ0
大野「一本買っていこう」

石崎「え?」

大野「何か?」

石崎「だって雨降らないんでしょ?」

大野「記念ですよ」

石崎「何の?」

大野「東本郷に来た記念」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」
54 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/10/13(土) 22:18:38.46 ID:Jeq/yqGJ0
市電の方向幕色の設定は無しにする
55 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/14(日) 07:52:50.18 ID:V1VkFucc0
東本郷駅前

大野「今日はありがとうございました」

石崎「こちらこそ」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…ちょっと待って」

大野「?」

石崎「今気付いたんだけど」

石崎「バスで帰った方がいいかも」

大野「バス?」

石崎「『乗合自動車』の方がよかった?」

大野「ああ」

石崎「川合津経由垣ノ下駅前行きってのがあったの」

石崎「それで『市電車庫前』で降りると、かなり近くまで行けるみたい」

大野「ありがとうございます」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「じゃあ俺はこれで」





30分後



次は 垣ノ下駅前 終点

56 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/14(日) 16:46:38.57 ID:nLREAQAA0
月曜日


青木「垣ノ下駅前wwwwww」

大野「何がおかしいんだ」

青木「だって5キロくらいあるよwwwwww」

大野「わかってるよ」

青木「それにしてもよく乗り過ごすねー大野wwwwww」

大野「しょうがねーだろ、ぼーっとしてんだから」

青木「ぼーっとしてたら市電車庫前は絶対乗り過ごすよwwwwww」

青木「あそこで降りる人、滅多にいないからwwwwww」

大野「…一つ聞いていいか?」

青木「何?」

大野「なんでそんなに詳しいんだ?」

青木「…それは聞かないで」
57 :T.Aihara ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/14(日) 17:00:57.40 ID:nLREAQAA0
鶴屋「よっ、ヒロ」

大野「おす」

青木「…」

鶴屋「本当に何もないの?」

大野「何の話?」

鶴屋「青木と何かあったのかって話」

大野「ない」

鶴屋「ならいいけど…」

大野「不満そうだな」

鶴屋「青木ってあんなに笑う奴だったかな?」

青木「私だって笑うときは笑うよ!」

大野鶴屋「…」ビクッ

青木「…ごめん」
58 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/14(日) 22:18:25.94 ID:XWfnCZci0
ハンドルネーム変えます
ちなみに本名ではない


高島「最近どう?」

青木「何が?」

高島「さっきものすごい大声で笑ってたけど」

青木「だから何もないって」

高島「そんなに面白いことがあったの?」

青木「だって市電車庫前で降りるはずが気が付いたら垣ノ下駅前ってwwwwww」

高島「?」

青木「…あ、ごめん」
59 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/15(月) 09:35:02.33 ID:utqZZrEO0
高島「さくらちゃん、どうしちゃったんだろう」

大野「青木か?」

高島「なんか急に笑い出したんだけど」

大野「よっぽどおかしかったんだろ」

高島「つーか…ヒロ、さくらちゃんと何話してたの?」

大野「んー、地上の話かな」

高島「具体的には?」

大野「…俺が乗り過ごした話」

高島「そう」wwww

大野「笑うな」

高島「笑ってないよ?」wwwwww

大野「いや笑ってる」

高島「だってwwwwヒロwwwwこの間もwwww」

大野「そんなにおかしいか?」
60 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/15(月) 23:26:19.21 ID:uJazjjzQ0
野球部グラウンド


部長「あざーっしたー」

一同「したー」


青木「…」

岡野「青木」

青木「…」

岡野「青木!」

青木「ひゃっ」

岡野「そんなにびっくりするか?」

青木「いや、その、ごめん」

岡野「で、最近どうだ?」

青木「…何が?」

岡野「大野のこと」

青木「…」

岡野「…」

青木「…」

岡野「何かあったなら相談に乗るぞ」

青木「…何もないよ」

岡野「本当に?」

青木「…」

岡野「なんで俺には話してくれないんだ?」

青木「岡野にわかるわけないでしょ!」

岡野「!」

青木「…」
61 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/16(火) 17:56:42.43 ID:KbqFSNpP0
数週間経過



市役所通り

大野(地上にも大分慣れてきたな)

大野(雨の中を歩くのもなかなか悪くない)

ザーーーーッ

大野(さすがにこのレベルの雨は初めてだけど)

大野(そんで風も…)

大野(…)

大野(まあなんとか駅に着いたから)

大野(あとはバスに乗ってしまえば…)


30分後

大野(…)

大野(…来ない)

大野(渋滞か?)

さらに30分後

大野(…)

大野(…)

石崎「…大野くん?」

大野「?」

石崎「何してるのこんなところで」

大野「いや、バス待ってるんですけど」

石崎「止まってるよ?」

大野「へ?」
62 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/10/16(火) 17:58:23.30 ID:KbqFSNpP0
あれバスって雨で止まる?
なんかあやふやなところが多くて…
63 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/16(火) 22:57:41.27 ID:KbqFSNpP0
大野「止まってる?」

石崎「運転見合わせ」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…じゃあ電車で」

石崎「なおさら止まってるよ」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…私の家に来ない?」

大野「はい?」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…ほら、私の家近くだし」

石崎「この調子じゃ川合津まで行かれないし」

石崎「車の運転はできないし」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…いいんですか?」

石崎「もちろん」
64 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/17(水) 16:02:32.89 ID:nMeQlVFs0
石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「着いたよ」

大野「ここですか?」

石崎「うん」

大野「…」

石崎「…」

大野「市役所の向かい…」

石崎「…?」

大野「何かと便利ですよね」

石崎「まあ、そうだけど」

大野「…」

石崎「…」

大野「実は俺の家も中央合同庁舎の向かいなんです」

石崎「へー」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「中央合同庁舎ってさ、要するに市役所の地下なんだよね」

大野「そうなんですか?」

石崎「そうなの」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「てことは」

大野「この真下が俺の家ですか」

石崎「そうみたいだね」

大野「…」

石崎「…」
65 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/10/17(水) 16:03:38.85 ID:nMeQlVFs0
こいつらが出てくると無駄に長くなるな
66 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/20(土) 16:14:32.43 ID:+zCioRfr0
石崎「上がって」

大野「失礼します」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…あの」

石崎「何?」

大野「知り合いに電話入れてもいいですか?」

石崎「どうぞ」

※このSSではなぜか全員一人暮らし
これといった理由はありません
67 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/20(土) 16:20:07.80 ID:+zCioRfr0
prrrrr

高島『もしもし?』

大野「あ、伊澄か?」

高島『ヒロ?』

大野「ああ」

高島『知らない番号だからびっくりした』

高島『で、何の用?』

大野「すまん、今日は帰れないかもしれない」

高島『は?』

大野「というか、多分帰れない」

高島『帰れないって…あんた今どこにいるのよ』

大野「東本郷」

高島『地上?』

大野「そうだ」
68 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/20(土) 16:26:52.56 ID:+zCioRfr0
高島『あ、台風が来てるんだっけ』

大野「そういえばそうだったな」

高島『でも台風が来てるとなんで帰れないの?』

大野「電車が止まってるんだよ」

高島『え?』

大野「どした?」

高島『排水設備があるから市電は絶対に止まりません、って』

大野「市電じゃない。本郷鉄道」

高島『なら川合津まで歩け』

大野「こんな雨の中歩けないって」

高島『何のために傘があるのよ』

大野「傘は壊れた」
69 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/20(土) 22:34:46.23 ID:+zCioRfr0
高島『じゃあ本当に帰れないじゃん…』

大野「ああ、そうなるな」

高島『野宿でもするの?』

大野「知り合いの家に泊めてもらう」

高島『?』

大野「知り合いの石崎怜子さんの家に泊めてもらう」

高島『知り合い?』

大野「まあ、知り合いってほどでもないけどな」

高島『あんた地上に知り合いなんていたの?」

大野「この間知り合った」

高島『…』

大野「…」

高島『…』

大野「切っていいか?」

高島『あ、ごめん。また明日』
70 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/20(土) 22:40:32.92 ID:+zCioRfr0
大野「ありがとうございました」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「石崎さん?」

石崎「ひゃあ」バサッ

大野「なんか落ちましたよ」つ

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「見た?」

大野「…」

石崎「…」

大野「ごめんなさい」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「新本郷水没計画…」
71 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/21(日) 00:48:53.55 ID:/CGxPqUb0
   [部  外  秘]

新本郷水没計画
           本郷市土木課



決行日  平成××年××月××日


手順

1 新本郷にいる地上民を退避させる。
2 本郷市電の運転を停止する。
3 排水設備をすべて停止する。
4 川合津川左岸堤防(別紙地図参照)を決壊させる。


担当

1 平沼、岡沢
2 楠
3 橋本(第一)、星野(第二)、石崎(第三)
4 沢渡、戸部
72 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/23(火) 16:28:54.50 ID:piRCMxQw0
大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「石崎さん…」

石崎「…」

大野「どういうことですか?」

石崎「…」

大野「…」

石崎「ごめん!」

大野「…」

石崎「…」
73 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/23(火) 16:32:25.15 ID:piRCMxQw0
大野「…」

石崎「…」

大野「教えてください」

大野「あなたは何者なんですか?」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「私は」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「本郷市土木課職員」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」
74 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/23(火) 16:37:36.06 ID:piRCMxQw0
大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「新本郷って、かなり維持費が掛かるのよ」

石崎「耐久工事とか排水とか」

石崎「その割に産業が何もないから」

石崎「採算が取れないって話になって…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「じゃあ取り壊せば済む話だって…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」
75 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/10/23(火) 17:25:44.01 ID:piRCMxQw0
訂正
×石崎「取り壊せば済む話だって…」
○石崎「埋めれば済む話だって…」

書きながら考えてるとこういうのもよくある
76 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/23(火) 17:32:03.06 ID:piRCMxQw0
大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「将来的にはコンクリで埋める予定なんだけど」

石崎「そんな大量のコンクリはすぐ用意できないから」

石崎「とりあえず水で埋めといて、準備ができたらコンクリで埋めるんだって」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「だったら、中にいる人はどうなるんですか?」

石崎「さあ…」

大野「せめて外に出してから」

石崎「居場所を奪われたって騒ぐでしょ?」

石崎「市としては隠密に行きたいの」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「死人に口無し」

大野「…」

石崎「…」
77 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/24(水) 07:39:50.99 ID:n760GHmB0
翌日 第三高校


岡野「おーっす」

鶴屋「おっ、翔か」

青木「…」

岡野「…ヒロは?」

鶴屋「まだ来てないみたいだけど」

岡野「そうか」

青木「…」

78 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/25(木) 07:45:45.21 ID:P74D5S7Q0
岡野「…」

鶴屋「…」

岡野「来ないな」

鶴屋「…」

岡野「…」

高島「おはよー」

鶴屋「高島」

高島「ん?」

鶴屋「ヒロは?」

高島「あー…今日は来ないかもって」
79 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/25(木) 07:49:24.67 ID:P74D5S7Q0
鶴屋「は?」

高島「なんかね、地上に出てたら雨が降って帰れなくなっちゃったんだって」

岡野「そうか、あいつは傘を知らないんだな」

高島「持ってたけど壊れたんだってさ」

岡野「ふーん」

鶴屋「…で、ヒロは今どこで何してるの?」

高島「知り合いの家に泊めてもらうんだって」
80 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/25(木) 07:55:17.30 ID:P74D5S7Q0
鶴屋「…」

岡野「…」

鶴屋「…地上に知り合いがいるのか」

岡野「なんか変な話だな」

鶴屋「うーん…」

岡野「よくわからないけど…」

鶴屋「ちょっと拒絶したくなるね」

岡野「地上世界のスパイみたいな」

青木「地上に知り合いがいたらいけないの?!」
81 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/10/25(木) 07:58:53.23 ID:P74D5S7Q0
うーん…
青木のキャラが最初と変わってきてるな…

ファンレターの下り削除で
82 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/25(木) 08:07:50.01 ID:OyBdEicB0
岡野鶴屋「」ビクッ

青木「地上に知り合いがいたらいけないんだったら…」

青木「岡野…鶴屋…それに伊澄ちゃんも…」

高島「?」

青木「私なんか…ここにいたらいけないんだ…!」

高島「ちょっと、どこ行くの!」

岡野「青木!」
83 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/27(土) 10:46:04.55 ID:M3W+8p+o0
高島「…」

岡野「…」

鶴屋「…」

高島「行っちゃった…」

鶴屋「…」

岡野「どうする?」

高島「どうせすぐ戻ってくるわよ」
84 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/27(土) 10:52:24.40 ID:M3W+8p+o0
翌日

岡野「…」

鶴屋「…」

岡野「結局戻ってこなかったな」

鶴屋「…」

大野「おーっす」

鶴屋「おっ、ヒロ!」

岡野「生きてたか!」

大野「1日休んだくらいで大袈裟だな」

岡野「それより、青木見なかった?」

大野「見てないけど?」

岡野「そうか…」

大野「何かあったのか?」

鶴屋「それが、昨日の朝のことなんだけど」

岡野「俺とツルがここで話してたら」

鶴屋「突然走って逃げたんだよ」

大野「は?」

岡野「泣きながら何か叫んでたな」
85 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/27(土) 15:52:42.86 ID:ULmLJGo40
大野「叫んでたって…何を?」

岡野「うーん」

鶴屋「ごめん、そこまでは覚えてない」

大野「そうか」
86 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/27(土) 15:57:47.09 ID:ULmLJGo40
高島「あれ、ヒロ?」

大野「ん?」

高島「ったく連絡くらいしなさいよ!」

大野「すまん」

高島「そんで、さくらちゃんは?」

鶴屋「来てないみたい」

大野「伊澄、何か知らないか?」

高島「さあ…心当たりが何も無いのよ」

岡野「昨日青木の家に行ったんだろ?」

高島「そうなんだけど…」

鶴屋「どうだった?」

高島「玄関すら開けてくれなかった」
87 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/27(土) 16:03:29.77 ID:ULmLJGo40
大野「俺も行く」

鶴屋「へ?」

大野「今日学校が終わったら、青木の家に行く」

大野「だから伊澄、場所を教えてくれ」

高島「は?何言ってんの?」

岡野「高島で無理だったんだから、ヒロなんか…」

鶴屋「…」

高島「ん?」

岡野「でもあいつってヒロとはよく話すんだよな…」

高島「…確かに」

大野「別に仲が良い訳じゃないんだが」

鶴屋「いや、あれは仲が良い内に入れていいとおもうよ」

大野「そうか?」

高島「8条40丁目」

大野「?」

高島「教えたからもういいでしょ」
88 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/28(日) 16:49:22.25 ID:wuJOSDRP0
8条40丁目

大野(遠いな…こんなところから通ってんのか)

大野(もっとも市電川合津に比べたら近いけどな)

ピーンポーン

大野(…)

大野(反応がない)

大野(ま、伊澄でも駄目だったみたいだし)

大野(俺が来たところで無理か)

青木(インターホン)『誰?』

大野「あ、青木か?」

青木『大野?』

大野「そうだ」

青木『何しに来たの?』

大野「いや、何ってわけじゃないんだが」

大野「ちょっと心配になったから…」

青木『…』

大野「あ、無理ならいいぞ」

青木『ちょっと待ってて。今開けるから』

大野「えっ?」
89 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/29(月) 07:28:42.93 ID:ZGoUJDXB0
青木宅

大野「ごめんな、急に押し掛けちゃって」

青木「いいの。いつでも来て」

大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「で、今日は何の用?」

大野「えーと…」

青木「…」

大野「…」

青木「水没計画のこと?」

大野「」ガッシャーン
90 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/29(月) 07:31:51.48 ID:ZGoUJDXB0
青木「大野!」

大野「ごめん」

青木「どうしたの?」

大野「お前…よく知ってたな」

青木「私の情報網をなめないでくれる?」

大野「一体どこで仕入れてくるんだ?」

青木「…」

大野「…」

青木「…」

大野「それは教えてくれないんだな」
91 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/29(月) 07:37:12.55 ID:ZGoUJDXB0
大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「…」

大野「あ、そうだ」

青木「何?」

大野「今度花火大会があるんだが」

大野「一緒に行かないか?」

青木「花火大会?」

大野「上洲湖(カミスコ)ってとこで」

青木「上洲………」

大野「…」

青木「…」

大野「駄目か?」

青木「うん……ちょっと……」

大野「わかった。じゃあ1人で行くよ」
92 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/29(月) 07:40:45.07 ID:ZGoUJDXB0
大野「…」

青木「…」

大野「じゃあ帰るな」

青木「あ、ちょっと待って!」

大野「ん?」

青木「電話番号……交換しない?」

大野「電話番号?」

青木「あ、駄目ならいいけど」

大野「駄目じゃないけど…」

青木「じゃあ決定ね」

大野「…」

青木「…」

大野「メールじゃなくて?」

青木「メールだと間に合わないかもしれないから」

大野「…」

青木「…」

大野「わかった」
93 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/29(月) 15:31:10.99 ID:NYu9qGyn0
玄関前

鶴屋「ふーっ、結構遠いな」

鶴屋「いつもこんなとこから通ってんのか」

大野「…」

鶴屋「ヒロ?」

大野「あれ?ツル何してんの?」

鶴屋「いや青木の様子見てこいって担任の指示で」

鶴屋「クラスの生徒の不安を取り除くのも筆頭委員の仕事だって…」

大野「ふーん」

鶴屋「つーかヒロは中に入れたの?」

大野「何事もなく入れたぞ?」

鶴屋「…」

大野「…」

鶴屋「一体ヒロは何者なんだ…」

大野「俺?」
94 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/30(火) 08:23:49.26 ID:4NBCAfpv0
ピーンポーン

青木『あれ?大野どうしたの?』

鶴屋「いや、鶴屋だけど」

青木『鶴屋?』

鶴屋「…」

青木『…』

鶴屋「…」

青木『ごめん、今は話すことはないから』

鶴屋「いや、ちょっと待」

プツッ

鶴屋「…」

大野「…」

鶴屋「お前ほんと何者なの?」

大野「知るか」
95 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/30(火) 15:06:08.55 ID:kUR74l8l0
翌朝


この電車は、24条線西行 24条1丁目行です。

次は 24条49丁目・第三高校前


高島「おはよ、ヒロ」

大野「おっす」

高島「どうだった?さくらちゃんの様子は」

大野「どうって、いつもの感じだけど」

高島「いつもの感じって?」

大野「結構よく喋ってたけど、話題によっては急に黙る」

高島「そう。ヒロにとってはそれが普通なのね」

大野「他に何があるんだ?」

高島「うーん…私の知ってるさくらちゃんは、少なくとも男子とは喋らない」
96 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/30(火) 15:10:58.47 ID:kUR74l8l0
大野「そうか?」

高島「いや、全く喋らないってわけじゃないんだけど」

高島「でも、ヒロは異常だよ」

大野「翔とか結構喋ってそうだけどな」

高島「そうかな?」

大野「あとで聞いてみよう」

次は 24条46丁目

高島「うわっ」

大野「これで何回目だ?」
97 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/31(水) 07:53:39.62 ID:LBgX1ISR0
岡野「また乗り過ごしたの?」

大野「そうだな」

鶴屋「これで何回目だよwwwwww」

岡野「wwwwww」

大野「うるせーっ」

岡野「そんで、聞きたいことって?」

大野「あ、そうだった」

大野「翔って、青木とどのくらい話す?」

岡野「うーん…ほとんど喋らないな」

大野「そうなのか?」
98 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/10/31(水) 08:03:58.49 ID:dL83AMaD0
岡野「そりゃ練習の話はするけど」

岡野「それ以外は何も」

大野「ほう」

鶴屋「じゃあ俺と一緒じゃない?」

岡野「そうだな」

大野「同じ部活の奴でも喋んないのか」

岡野「だからやっぱり、ヒロは異常だよ」

大野「わかったから何度も言うな」
99 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [saga]:2012/11/02(金) 08:21:04.12 ID:DSPbCVDv0
土曜日


このバスは、川21系統 上洲中学校前行です。

次は 川合津橋


大野(川合津駅からバスで30分)

大野(…普通に考えたら本郷鉄道だよな?)


石崎「あれ?大野くん?」

大野「石崎さん?」

石崎「どこ行くの?」

大野「花火大会ですけど」

石崎「…もう始まってるよ?」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…川合津駅前16:00発というのを市電と勘違いしてまして」

石崎「1本乗り遅れた?」

大野「そのとおりです」
100 :相原孝行 ◆0TZoPVigvBu/ [sage]:2012/11/02(金) 08:23:41.32 ID:DSPbCVDv0
相原孝行#四条大宮、新馬場、芝公園
次は 天神町

って入れといてくれ
101 :相原孝行 ◆8ACFN6obPJot [sage]:2012/11/02(金) 08:25:13.39 ID:DSPbCVDv0
石崎「あれ?大野くん?」
の前に

次は 天神町

って入れといてくれ
102 :相原孝行 ◆8ACFN6obPJot [saga]:2012/11/02(金) 14:49:45.74 ID:0aINba780
ちょっと整理しとこう

川21 川合津駅前→上洲中学校前
川合津駅前→川合津橋→天神町→…

大野は川合津駅前から乗車
石崎は川合津橋から乗車
103 :相原孝行 ◆8ACFN6obPJot [saga]:2012/11/03(土) 11:12:04.42 ID:5XcG3xpv0
大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「石崎さんは?」

石崎「ん?」

大野「やっぱり花火ですか?」

石崎「もちろん」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「なぜ川合津橋から?」
104 :相原孝行 ◆8ACFN6obPJot [saga]:2012/11/03(土) 11:15:21.85 ID:5XcG3xpv0
石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「家の場所は東本郷ですよね?」

石崎「…」

大野「…」

石崎「堤防の工事してたの」

大野「堤防?」

石崎「川合津川の」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「堤防を壊す工事ですか」
105 :相原孝行か中野町、山手学院、北桂台 [saga]:2012/11/03(土) 11:25:13.20 ID:5XcG3xpv0
石崎「…」

大野「…」

石崎「厳密に言うと、足場の工事なんだけど」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」グスッ

大野「石崎さん?」

石崎「大野くん…」グスッ

大野「なんで泣いてるんですか?」

石崎「…」

大野「…」

石崎「だって…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」
106 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [sage]:2012/11/03(土) 11:26:26.45 ID:5XcG3xpv0
そっこーでミスした
107 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/03(土) 11:29:20.09 ID:5XcG3xpv0
石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「新本郷が水没したら…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「大野くんに会えないでしょ…!」

大野「へ?」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」
108 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/04(日) 15:39:26.55 ID:2j2IF0n20
石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「あ、別に彼氏としてって意味じゃなくて」

石崎「友人として、会えなくなっちゃうってこと」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」
109 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/04(日) 15:47:39.93 ID:2j2IF0n20
大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「本当は、こんな作戦やりたくないの」

石崎「でも労働者である以上、上司の指示は絶対」

石崎「それがどれだけ非人道的であっても…」グスッ

大野「泣かないでください!」

石崎「大野…くん…私…どうしたら…」

大野「しょうがないですよ」

大野「平社員だったら、上に逆らえないのは仕方のないことです」
110 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/04(日) 15:54:28.36 ID:2j2IF0n20
石崎「…大野くん?」

大野「仮にその作戦で何百人の新本郷民が死んだとして」

大野「その責任は上司にあるはずです」

石崎「…そうかな?」

大野「あれ?何か間違ったこと言いました?」

石崎「言い出したのが上司でも、実行犯ってのは結構責任重いよ」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

次は 上洲中学校前 終点

石崎「…ん?」

大野「確か『上洲大橋』でしたよね?」

石崎「…」

大野「…」

石崎「なんか乗り過ごしたみたい」
111 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/05(月) 07:53:31.42 ID:hPtvDLZs0
上洲中学校前下車

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「どうしますか?」

石崎「戻るしかないでしょ」

大野「…」

石崎「…」

大野「バス停1つなら歩いて戻りますか」

石崎「うん、そうしよう」

大野「…」

石崎「…」

大野「ちょっと待ってください」

石崎「ん?」
112 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/05(月) 07:56:45.82 ID:hPtvDLZs0
大野「あそこにいるのって…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

大野「…うん、やっぱり青木だ」

石崎「青木さん?」

大野「同級生です」

石崎「へー」

大野「…」

石崎「…」

大野「…」

石崎「…」

青木「大野?」

大野「何してんだ、青木」
113 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/06(火) 17:04:20.81 ID:6wXp3ReX0
青木「大野こそ何してんの?」

大野「俺はただ花火を見に来ただけだが」

青木「…乗り過ごした?」

大野「まあそんなとこだな」

青木「そんで、隣にいるのは?」

石崎「…」

大野「…」

青木「…」

石崎「あ、大野くんの知り合いの石崎怜子です」

青木「知り合いって…もしかして」

大野「この間泊めてもらった人」

青木「へー」

石崎「…」

大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「あのー…」

石崎「何?」

青木「…」

石崎「…」

大野「…」

青木「ちょっと大野と2人にさせてもらえませんか?」

石崎「?」

青木「…」

大野「…」

石崎「…」

青木「…」

石崎「いいよ」
114 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/06(火) 18:06:08.77 ID:6wXp3ReX0
大野「じゃあ先行っててください」

石崎「わかった」

大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「よし、OK」

大野「何が?」

青木「石崎さんが見えなくなったから」

大野「そうか」

青木「…」

大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「…」

大野「それで、用件は何なんだ?」

青木「…水没計画のこと」
115 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/06(火) 18:17:03.16 ID:6wXp3ReX0
大野「水没計画のこと?」

青木「排水施設ってあるでしょ?」

大野「ああ」

青木「あれって全部でいくつあるか知ってる?」

大野「えーっと…3つだっけ?」

青木「そう。第一が東合同庁舎、第二が第四運動場、第三が第十二消防出張所」

大野「なんか面倒臭いな」

青木「18条82丁目、24条1丁目、94条42丁目」

大野「うん」

青木「なんか偏ってない?」

大野「…言われてみれば」
116 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/06(火) 18:22:24.02 ID:6wXp3ReX0
青木「北の方にもう1つありそうな気がしない?」

大野「…確かに、6条50丁目あたりにもう1つ欲しいな」

青木「それで、地上で言うとこのあたりがちょうど、」

青木「…」

大野「どした?」

青木「…」

大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「ごめん、これ以上は勘弁して」

大野「わかった」
117 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/08(木) 07:53:26.97 ID:NQFvUl+A0
大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「…」

大野「今度の火曜日だよな?」

青木「何が?」

大野「水没計画の決行日」

青木「ああ、そうだったね」

大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「あのさ」

大野「ん?」

青木「大野はどこで最後の時を迎えるの?」

大野「うーん…」

青木「…」

大野「まだ決めてない」

青木「そう」
118 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/08(木) 08:01:03.85 ID:CrCCfB2d0
大野「…」

青木「…」

大野「…」

青木「もう行っていいよ」

大野「ん?」

青木「さっきの人待たせてるんでしょ?」

大野「あ、そうだった」

青木「この道をまっすぐ行けば着くから」

大野「了解」

青木「…」

大野「…」

青木「大野」

大野「何か?」

青木「今日はありがとね」
119 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/08(木) 21:43:02.09 ID:pFTpFU0B0
月曜日


この電車は、24条線西行 24条1丁目行です。

次は 24条49丁目・第三高校前


大野「明日か……」

高島「何が?」

大野「あ、すまん、何でもない」

高島「…」

大野「…」

高島「花火見に行ったんでしょ?」

大野「ああ」

高島「どうだった?」

大野「圧巻」

高島「へー。私も見に行けばよかった」

大野「…」

高島「次っていつやるの?」

大野「来年」

高島「じゃあさ、そのときは一緒に連れてってよ」

大野「…」

高島「駄目?」

大野「いや、駄目というか…」

高島「…」

大野「…」

高島「…」

大野「…」

次は 24条46丁目
120 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/10(土) 08:03:19.42 ID:xnebAiei0
第三高校

大野「明日どうすっかな…」

鶴屋「明日?」

大野「うわっ」

鶴屋「そんなにびっくりすることないでしょ」

大野「すまん」

岡野「そんで、明日何があるんだ?」

大野「…」

岡野「…」

鶴屋「…」

岡野「言えないようなことか」

大野「…」

鶴屋「そういえば、筆頭委員会から召集が来てたな」

大野「筆頭委員会から?」

岡野「何の会議?」

鶴屋「いや、内容は聞いてないんだけど」

大野「…」

鶴屋「ヒロ、もしかして何か知ってるの?」

大野「いや知らない」
121 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/10(土) 13:18:24.92 ID:Es1ZEDrv0
大野「そういえば青木は?」

岡野「来てない」

鶴屋「最近全然来てないよね」

大野「朝練も来てないのか?」

岡野「来てるわけねーだろ」

鶴屋「もしかして骨折とかしてたりして」

岡野「物騒なこと言うなよ」

大野「土曜に会ったけど何ともなかったぞ」
122 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/10(土) 13:21:51.93 ID:Es1ZEDrv0
鶴屋「土曜に会った?」

岡野「あれだろ、青木の家に行ったってやつだろ」

大野「すまん違う」

鶴屋「へ?」

岡野「あれ以降に何があった?」

鶴屋「そういえば」

岡野「ん?」

鶴屋「花火大会に行ったって高島が…」

岡野「花火?」

鶴屋「知らないの?まあ俺も知らないけど」
123 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/10(土) 13:25:01.38 ID:Es1ZEDrv0
岡野「で、その花火大会に青木が来てたと」

大野「まあそんなとこだな」

鶴屋「青木と何か話したの?」

大野「まあ、話したけど…」

大野「…」

岡野「…」

鶴屋「…」

大野「…」

鶴屋「何か隠してるでしょ」

岡野「なんかそんな気がしてきたな」

鶴屋「それも結構重要なことを」

大野「…」
124 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 10:03:00.46 ID:+WmqTNBl0
翌日火曜日(=決行当日)


次は 市電川合津 終点


大野(新本郷は水没する)

大野(だったら地上に逃げるのが得策)

大野(伊澄たち、今頃どうしてるかな…)


大野(ん?)

大野(あれは…川合津川)

大野(足場が組まれてる)

大野(あそこの堤防が今から決壊するのか…)
125 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 10:10:33.07 ID:+WmqTNBl0
第三高校


高島「ヒロが来てない?」

岡野「そうみたいだな」

鶴屋「一緒に来たんじゃないの?」

高島「いつもの電車に乗ってなかったから、先行ったのかと思ったんだけど」

鶴屋「別に来てなかったと」

高島「欠席なら欠席で連絡くれればいいのに」

岡野「つーか、何でお前らが出席簿持ってんの?」

鶴屋「筆頭委員会から通達があって」

高島「各クラスの筆頭委員は欠席者を調べて連絡するようにって」

岡野「うーん…」

鶴屋「何かあるだろうなとは思うんだけど」
126 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 10:27:49.93 ID:h5CKPwzX0
prrrrr

高島「電話」

岡野「ヒロから?」

高島「いや、さくらちゃんから」

鶴屋「青木から?」

岡野「何の用だろ」

高島「もしもし?」

青木『あ、伊澄ちゃん?』

高島「どうしたのよ急に」

青木『大野はいる?』

高島「ヒロがどうしたの?」

青木『いたら電話代わって』

高島「ヒロはいないわよ」

青木『え?』

高島「無断欠席」

青木『そう…』
127 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [sage]:2012/11/11(日) 11:59:40.80 ID:7wZIwgkG0
なんとなくわかってると思うが
そろそろ終盤
128 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 12:04:55.17 ID:7wZIwgkG0
高島「…」

青木『…』

高島「…」

青木『…』

高島「それだけ?」

青木『大野がいないなら…』

高島「つーか、ヒロに電話すれば?」

青木『電話しても出ないんだもん』

高島「そう…」

青木『…』

高島「…」

青木『…』

高島「…」

青木『ごめん、切るね』
129 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 12:09:49.37 ID:7wZIwgkG0
鶴屋「ヒロが何だって?」

高島「さあ」

岡野「つーか、青木ってヒロの電話番号知ってんのか?」

高島「あっ」

鶴屋「知ってるわけないじゃん」
130 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 12:13:28.70 ID:bhZ61u9K0
岡野「…」

鶴屋「…」

高島「…」

prrrrr

岡野「今度は何だ?」

高島「…ヒロから」

鶴屋「ヒロ?」

高島「もしもし?」

大野『ああ、すまん伊澄』

大野『電源入れるの忘れててさ』

高島「この野郎!」

鶴屋「何が起きたの?」

高島「電源入れ忘れたんだって」
131 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 12:17:45.31 ID:bhZ61u9K0
高島「あんたのせいでさくらちゃんがどれだけ迷惑したか知ってる?」

大野『青木が?』

高島「電話しても出ないって嘆いてたわよ?」

大野『すまん』

高島「そんで、あんた今何してんの?」

大野『あー…地上にいる』

高島「は?」

鶴屋「どしたの?」

高島「地上にいるんだって」

岡野「は?」
132 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 12:21:00.64 ID:bhZ61u9K0
高島「なんでまた地上なんかにいるのよ」

大野『すまん、説明できない』

高島「は?」

大野『…』

高島「…」

大野『…』

高島「…」

大野『すまん切らせてくれ』

高島「ちょっと待って!」

大野『ん?』

高島「さくらちゃんに電話してあげて」

大野『わかった』
133 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 14:46:44.28 ID:TWTstsdN0
川合津橋


大野(青木…)

大野(何の用なんだろ)

大野(とりあえず電話してみるか)

prrrrr

青木『大野?』

大野「青木か?」

青木『なんで出なかったの?』

大野「すまん、電源入れ忘れてた」

青木『バカ野郎!』

大野「…すまん」

青木『…』

大野「…」

青木『まあ、大野らしいと言えば大野らしいけど』

大野「何か言った?」

青木『いや、なんでもない」
134 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/11(日) 14:53:44.07 ID:TWTstsdN0
大野「そんで、何の用だったんだ?」

青木『大野、今どこにいるの?』

大野「どこって…地上だが」

青木『具体的に言って』

大野「川合津橋」

青木『よかった…』

大野「何が?」

青木『東本郷なら無理だけど、川合津なら間に合うから』

大野「は?」

青木『大野』

大野「はい」

青木『今から上洲中学校に行って。速攻で』

大野「上洲中学校?」

青木『川合津橋からバス出てるから』

大野「ちょっと待て、さっぱり理解できないんだが」

青木『とにかく行って!』

大野「はい」
135 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/12(月) 07:52:26.20 ID:xVE6s0050
上洲中学校前


prrrrr

青木『着いた?』

大野「本郷市立上洲中学校で間違いないか?」

青木『合ってるよ』

大野「で、俺はどうしたらいいんだ?」

青木『体育館があるでしょ』

大野「ああ、あれか」

青木『その裏側に、排水装置があるの』

大野「排水?」

青木『そう。この間言った、第四の排水装置』

大野「そういえばそんなこと言ってたな」

青木『それを起動させて』

大野「どうやって?」

青木『スイッチ押せばいいから』

大野「わかったけど…なんで俺なんだ?」

青木『急いで!もう膝まで来てるの!』
136 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/12(月) 15:04:45.85 ID:ZlWxvr0Z0
5分後

大野「…これでいいのか?」

青木『あ、起動したみたい。水が引いてきた』

大野「そうか。よかった」

青木『これでまた伊澄ちゃん達と…』

青木『…』

大野「ん?」

青木『そっか…でも…私は……』

大野「青木?」

青木『…』

大野「…」

青木『…大野』

大野「何だ?」

青木『全部話す』

大野「何を?」

青木『私のこと』
137 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/14(水) 07:41:14.20 ID:Kf5vORwb0
大野「…」

青木『…』

大野「…」

青木『…』

大野「青木?」

青木『あ、ごめん』

大野「それで、青木が何だって?」

青木『…』

大野「…」

青木『実は私…』

大野「…」

青木『…』

大野「…」

青木『上洲中学校の出身なの』
138 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/14(水) 15:04:28.25 ID:hsRkiGQj0
大野「……上洲?」

青木『そう。今大野がいるのが、私の母校』

大野「…」

青木『…』

大野「…」

青木『中学3年のとき、私は水没計画を知った』

青木『人の住んでるところを埋めるなんて、とんでもない計画だと思ったよ』

青木『でもね、生徒が教師に反抗できるわけないじゃん』

大野「…確かにそうだな」
139 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/14(水) 15:15:22.37 ID:CzJwvb530
青木『そんな感じで1人で悩んでたある日』

青木『上洲中の真下の土地が売り出されてるのを知った』

青木『元々上洲中に換気口があるのは知ってたから』

青木『うまく利用したら排水装置が作れるんじゃないかって…』

大野「ちょっと待って。その真下の土地ってのは?」

青木『8条40丁目』

大野「えっと…」

青木『この間大野も来たでしょ?私の家だよ』
140 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/15(木) 16:22:18.96 ID:rFfvgEjN0
大野「えっと、じゃあ前言ってた4つ目の排水装置って…」

青木『私が自作したの』

青木『ホームセンターでポリタンク用ポンプが売ってたから、10本くらい合わせたらできた』

大野「よく見つからなかったな」

青木『換気口の機能は残しといたから、気付かなかったのかな?』
141 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 07:54:13.89 ID:yIxedTmg0
10分経過


青木『おっ、結構引いてきた』

大野「そうか」

青木『これが作動している限り、水没の心配はない』

青木『これでまた伊澄ちゃん達に…』

青木『…』

大野「ん?」

青木『そっか…これが知られたら…私…』

大野「…」

青木『あ、大野、ごめんね』

大野「?」

青木『…』

大野「…」

青木『…』

大野「…」

青木『わかった。全部話す』
142 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 08:02:44.44 ID:5jBm4IC50
大野「…」

青木『…』

大野「…」

青木『どこから話そう…』

大野「…」

青木『…』

大野「…」

青木『…』

大野「俺から1つ聞いていいか?」

青木『何?』

大野「なんで伊澄と話さなくなったんだ?」

青木『…』

大野「…」

青木『…』
143 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 08:15:28.88 ID:5jBm4IC50
青木『前に大野が地上で一泊したときがあったでしょ』

大野「ああ、あったな」

青木『その次の月曜日、岡野と鶴屋が話してるのを聞いちゃったの』

青木『地上に知り合いがいるのって、なんか拒絶したくなるんだって』

大野「…」

青木『伊澄ちゃんも岡野も、地上の知り合いがいたら駄目なの』

青木『つまり私と知り合いになっちゃいけないってこと』

大野「…」

青木『…』

大野「…」

青木『…』

大野「…」

青木『私、上洲に帰るね。今までありがとう』
144 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 17:40:27.18 ID:IOl9yZXL0
大野「へ?」

青木『私の居場所は、新本郷にはないの』

青木『もうみんなと一緒に居ることはできない』

大野「…」

青木『今までありがとう。さようなら』

プツッ
145 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 17:48:37.92 ID:IOl9yZXL0
第三高校


岡野「下校?」

鶴屋「だってさ」

岡野「まだ10時前(午前)だぞ?」

鶴屋「俺に聞かれても知らないよ」

高島「筆頭委員会から連絡が来たのよ」

岡野「つーか…ヒロは?」

鶴屋「地上でしょ?」

高島「そういえば地上線が止まってたような」

岡野「どうする?」

鶴屋「…」

高島「…」

岡野「…」

鶴屋「とりあえず帰ろうか」

岡野「賛成」
146 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 17:54:28.27 ID:IOl9yZXL0
この電車は、24条線東行 24条101丁目行きです。

次は 24条54丁目


高島(1人で帰るのってちょっと寂しいな…)

高島(ヒロは何やってんだろ)

高島(そういえばさくらちゃんも不登校だし)

高島(あ、着いた)

運転手「ありがとうございまーす」

高島(…ん?)

青木「…」

高島「…」

青木「…」

高島「さくらちゃん…だよね?」
147 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 17:58:34.17 ID:IOl9yZXL0
24条54丁目電停


青木「伊澄ちゃん」

高島「何?」

青木「…」

高島「…」

青木「…」

高島「…」

青木「私、転校する」

高島「えっ?」

青木「今までありがとう」

高島「ちょっと待って」

青木「?」

高島「なんで急に?」
148 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 18:06:47.64 ID:IOl9yZXL0
青木「伊澄ちゃんは悪くない」

青木「悪いのは今まで気付かなかった私だから」

高島「気付かなかったって…何の話?」

青木「私の居場所は、最初からここじゃなかったの」

高島「さくらちゃん、もしかして誰かにいじめられてない?」

青木「私なんか、いじめられて当然なの」

高島「へ?」

青木「だって私はこの世界の人間じゃないから」

高島「えーっと…」

青木「…」

高島「…」

青木「本郷市上洲西13─6」

高島「?」

青木「これが、2年前までの私の住所」
149 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 21:42:51.70 ID:TNQkQefd0
高島「…」

青木「…」

高島「…」

青木「岡野が言ってたの」

青木「地上に知り合いがいるやつは、地上のスパイだって」

高島「地上のスパイ?」

青木「なんかわかんないけど拒絶したくなるんだってさ」

高島「…」

青木「地上に知り合いがいるだけでスパイ扱いされるの」

青木「だったら地上民そのものがいたらどうなるの?」

高島「…」

青木「…」

高島「…」

青木「そういうわけで、私は地上に帰る」

高島「さくらちゃん…」

青木「今までありがとう」

高島「さくらちゃん!」ガシッ

青木「…伊澄ちゃん?」
150 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 21:51:14.80 ID:TNQkQefd0
青木「どうしたの?腕なんか掴んで」

高島「さくらちゃん」

青木「何?」

高島「さくらちゃんは、私の友達だよ」

青木「私の話聞いてた?私は地上民なんだよ?」

高島「うん、聞いてたよ」

青木「じゃあどうして」

高島「さくらちゃんが地上民だとか、岡野が何か言ったとか、ヒロが何か仕掛けたとか」

高島「そんなものは一切関係ない」

青木「…」

高島「さくらちゃんは、私の友達。それでいいじゃない」

青木「…」

高島「…」

青木「その台詞、岡野の前でも言える?」

高島「もちろん」
151 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 22:01:26.11 ID:TNQkQefd0
青木「…」

高島「…」

青木「…」

高島「…」

青木「ごめんね」

高島「へ?」

青木「今まで心配かけちゃって」

高島「心配?」

青木「不登校だったから」

高島「ああ」

青木「家にも来てくれたんでしょ?」

高島「もういいよ、その話は」

青木「…」

高島「ほら、そっちの電停でしょ?」

青木「…」

高島「…」

青木「今日はありがとう」

高島「こちらこそ」

青木「…」

高島「…」

青木「それじゃ、また明日、学校で」
152 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 22:10:35.32 ID:TNQkQefd0
土曜日


次は 市電車庫前 ※バス停


大野「」ピンポン

大野(筆頭委員会が反対運動をして、水没計画は中止)

大野(誰かが委員会に告発したらしいけど)

大野(俺は何もしてないから、青木かな?)

大野(それこそスパイじゃねーか)

大野(ん?ちょっと違うか?まあいいや)

市電車庫前に到着

運転手「ありがとうございまーす」

大野(さて…市電川合津はすぐそこ)

大野(…ん?)
153 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 22:15:52.98 ID:TNQkQefd0
大野「伊澄と…青木?」

青木「あ、大野」

高島「何してんの?」

大野「ちょっと東本郷で買い物して、今帰り」

青木「へー」

大野「そっちは?」

高島「さくらちゃんの地元を案内してもらおうと思って」

大野「青木の地元?」

青木「案内って、そんな大げさな」

高島「そんな大げさだった?」

青木「だって上洲公園くらいしか無いよ?」

高島「それで充分でしょ」

大野「お前ら、すっかり元通りだな」
154 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [saga]:2012/11/16(金) 22:20:11.62 ID:TNQkQefd0
「一度でいいから、地上に出てみたい」

それはもはや夢ではなく、

既に日常の一部となっていた。




直通電車 -Direct to the Ground-

終 点
155 :相原孝行 ◆hsUAEn/JO/Q. [sage]:2012/11/16(金) 22:23:33.52 ID:TNQkQefd0
以上で完結とします。



固有名詞大杉は承知の上で書きました。
一番書きやすい形で書いただけです。

「相原孝行」は某所で使っている名前と統一した形です。
本名ではないのでお間違いなく。
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/26(月) 01:24:05.70 ID:MxXS5LwGo

「の前は苗字よりも名前の方がいいかも
読む度にこいつ誰だっけと混乱した
まだ少ししか読んでないので読み終わったら感想書いてみる
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