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春香「だれが駒鳥を殺したのか」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 17:22:15.60 ID:qRN+Aa5V0
この物語の語り部(主観描写)は春香です。


765プロ事務所

P「よし、みんなそろったな。それでは今度の慰安旅行の計画を発表するぞー!」

真美「おー!どこに行くの!?」

亜美「やっぱり、海っしょ→真美達の水着姿で兄(C)もメロメロっしょ→!」

律子「こら、二人とも静かにしなさい」

P「なんと今回の旅行は無人島だ!」

千早「…無人島ですか?」

P「あぁ、そうだ」

伊織「それってまさか、何もない無人島でサバイバル生活しろってんじゃないでしょうね!?」

やよい「うっうー!それもキャンプみたいで楽しそうですぅ!」

雪歩「うぅ…でも…お風呂に入れないとかだったらつらいですぅ……」

P「いや、無人島とはいっても昔、人が住んでたから電気は通ってるし、水道も使えるらしい」

真「よかったー。キャンプも楽しいけどやっぱりお風呂に入れないのはちょっとね」

あずさ「そうね〜。私もそれを聞いて安心したわぁ」

春香「楽しみだねっ!千早ちゃん!」

千早「えぇ」

P「それじゃあ、日程まとめた紙配るぞー!」

一同「「「はーい」」」

この時、私達は気付いていなかったのです。
みんなで行く楽しいはずの旅行。
まさかあんな悲劇にみまわれるとは……





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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 17:23:14.77 ID:qRN+Aa5V0
無人島 

ザザーン ザザーン

響「海だぞー!」

真「あっ、待ってよ響っ!一人で行くなんてずるいよ」

律子「こらぁ!そこ、海に入る前にしっかり準備体操しなさい!!」

亜美「おいっちに→さんし→、うーん、青い海、白い砂浜最高ですな」

真美「そうだね!それにしてもあっちはすごいですなぁ」

あずさ「あらー」ドタプーン

貴音「ふふっ、海を見ながら食すのもまた一興」プルンッ

美希「あふぅ……」プニプニ

千早「……クッ」ズーン

春香「ち、千早ちゃん!ほら海が綺麗だよ!ね、伊織もそう思うよね!?」

伊織「え、えぇ、そうね。……っていうかやよい、あんたまたスクール水着なのね……」

やよい「うっうー!海きれいだね伊織ちゃん!!」

P「みんな楽しんでくれてるみたいだな」

律子「あ、プロデューサー殿」

P「ここならファンの目も気にせずに目いっぱい遊べるだろ?」

律子「えぇ。でも、無人島なんて、よく見つかりましたね」

P「なんでも社長の知り合いが持ってる島らしい」

律子「へぇ、社長もくればよかったのに」

P「どうしても都合がつかなかったみたいだな」

小鳥「社長に留守番を頼んじゃうなんてなんだか申し訳ないですねぇ!!」プハーッ

律子「……なんで小鳥さん、さっそくビール飲んでるんですか?」

小鳥「あら、律子さん。私、今日はちゃんと休暇とって来てるのよ?だからお酒飲んでもオッケー!!」

律子「だからって……飲み過ぎないようにしてくださいね」

小鳥「わかってるわよー」プシュッ ゴクゴクゴク  プッハーッ

律子「…だめだこの鳥……」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 17:27:18.96 ID:qRN+Aa5V0

P「……律子……ちょっといいか?」ボソッ

律子「なんでしょう?」

P「今日泊まる場所なんだけど……このことはみんなには内緒にしておいてくれ。」

律子「なにかあるんですか?」

P「ここではオーナーさんの別荘に今晩泊まるんだが」

律子「別荘って、あの丘の上にあるおっきいお屋敷のことですか?」

P「そうだ。……実はあの屋敷、いわくつきらしくてな」

律子「なにか、あったんですか?」

P「俺も社長から聞いた話だから詳しいことはしらないんだけど、なんでも屋敷の前のオーナーなんだが」

P「何者かにあの屋敷で殺されたらしいんだ」

律子「それって……」

P「いや、もちろん噂であって、本当のところはわからない」

律子「……なんだか不気味な話ですね」

P「俺もオーナーさんに鍵を渡されたときに聞かされた話なんだけどな」

律子「外から見たらそんな不気味感じはしなかったですけど」

P「あぁ、外側は何度か改修してあるそうだ」

P「もちろん、屋敷は清潔に保たれているし、施錠も最近の物に替えてあるからセキュリティ上の問題はない」

P「ただ、せっかくの旅行だからな」

律子「わかってます。このことは私とプロデューサー殿だけの秘密。ですよね?」

P「あぁ、頼むよ」

亜美「みんなもはやくおいでよー!」

春香「ほ、ほら、亜美達も呼んでるよ!げ、元気出していこうよ千早ちゃん!!」

千早「……そうね」ズーン
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 17:29:19.70 ID:qRN+Aa5V0
初日 夕方 

屋敷 正面玄関

ギィー

春香「おじゃましまーす」

千早「すごい…広くて立派なお屋敷ね」

真「わぁっ!外からでも大きいと思ってたけど、中はもっとすごいやっ!」

雪歩「お、おじゃましますぅ……」

やよい「うっうー!伊織ちゃん、すごいよ!このお部屋だけでうちの家よりひろいかもっ!」

伊織「へぇ、なかなかいいじゃない」

貴音「……」

響「貴音?どうしたんだ?」

美希「…あふぅ……」

亜美「あれ?兄(C)は?」

真美「ほんとだ、どこいったのかな?」

律子「プロデューサーなら屋敷の水道をあけてくるって工具持って屋敷の裏に行ったわよ」

ボーン ボーン ボーン

雪歩「ひっ!?」ビクッ

響「な、なんの音さっ!?」

伊織「た、ただの時計の音よ!びっくりさせないでよね」

〜♪ 〜♪

春香「時計から聞こえてくるこれって、なにかの歌かな?」

千早「誰が駒鳥を殺したのか、ね」

春香「千早ちゃん知ってるの?」

千早「えぇ。マザーグースに出てくる歌よ」

春香「へぇー。そうなんだ」

貴音「……」

響「……貴音?」

律子「それじゃあ、とりあえずそれぞれの部屋にいきましょう」

律子「プロデューサー殿からもらった間取りであらかじめ部屋割はしておいたから」

あずさ「あらぁ?律子さん、部屋はこっちですよぉ?」

律子「先に食糧庫に持ってきた食材を入れてきちゃいますから。あずささんは先に部屋に行っていてください」

あずさ「わかりましたぁ〜。部屋はどっちかしらぁ〜?」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 17:30:17.03 ID:qRN+Aa5V0
屋敷は左右対称で、寝室は2Fに左右6部屋ずつある。
基本的には二人部屋だが左右一部屋ずつ3人部屋がある。


屋敷間取り
地下室 食糧庫
1F キッチン 中央ロビー 食堂 正面玄関 大浴場
2F 寝室 3人部屋の寝室にのみテラスがある
屋根裏 物置代わりの倉庫となっている

部屋割
屋敷右側

1号室 春香・千早
2号室 貴音・響・美希
3号室 亜美・真美
4号室 雪歩・真
5号室 締切
6号室 小鳥

屋敷左側

7号室 やよい・伊織
8号室 律子・あずさ
9号室 空室
10号室 締切
11号室 P
12号室 物置
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 17:31:14.95 ID:qRN+Aa5V0
1号室

春香「わあっ!さっきの玄関に比べたら小さいけどこの部屋もひろいね!」

千早「そうね。内装も綺麗だし、こまめに手入れがされていたみたい」

春香「あれ?これなんだろう?」

千早「どうしたの?春香?」

春香「テーブルの上になにか箱が置いてあったんだよ千早ちゃん」

千早「……宝石箱みたいね」

春香「なにか入ってるのかな?」カパッ

〜♪ 〜♪

春香「わわっ!?」

千早「オルゴールだったのね……」

春香「あれ?この曲って確かさっきの」

千早「えぇ、『誰が駒鳥を殺したのか』ね」

春香「ここの御屋敷の人よっぽどこの歌が好きなんだね」

千早「そうかもしれないわね」

春香「この部屋お風呂もついてるよっ!」

千早「まるでホテルね」

春香「水は…あれまだでない」

ゴボゴボゴボ

ジャー

春香「わっ!?急に出たっ!?」ドンガラガッシャーン

千早「はっ、春香!?」

〜♪ 〜♪ 〜♪
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 17:58:01.88 ID:qRN+Aa5V0
更新ゆっくりですがお付き合いいただけましたら幸いです。
8 :名無しNIPPER [sage]:2012/09/24(月) 18:01:45.77 ID:tdFKifKC0
クックロビン
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/09/24(月) 18:38:05.11 ID:hTupzTaAO
これは楽しみ。
ちょっと、雨格子の雰囲気を感じた。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 19:02:28.56 ID:qRN+Aa5V0
追記 
トイレは1階と2階各フロアに一か所ずつ設置されています。
2階へ上るためには正面玄関にある階段を通らないといけない。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 19:03:27.28 ID:qRN+Aa5V0
初日 夕方 

屋敷 正面玄関

ギィー

春香「おじゃましまーす」

千早「すごい…広くて立派なお屋敷ね」

真「わぁっ!外からでも大きいと思ってたけど、中はもっとすごいやっ!」

雪歩「お、おじゃましますぅ……」

やよい「うっうー!伊織ちゃん、すごいよ!このお部屋だけでうちの家よりひろいかもっ!」

伊織「へぇ、なかなかいいじゃない」

貴音「……」

響「貴音?どうしたんだ?」

美希「…あふぅ……」

亜美「あれ?兄(C)は?」

真美「ほんとだ、どこいったのかな?」

律子「プロデューサーなら屋敷の水道をあけてくるって工具持って屋敷の裏に行ったわよ」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 19:04:17.80 ID:qRN+Aa5V0
>>10
失礼、誤投下です
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 19:05:14.60 ID:qRN+Aa5V0
>>11
すみません、>>11が誤投下ですorz
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 19:06:00.85 ID:qRN+Aa5V0
初日 夜


屋敷内 食堂

ガタガタガタ

律子「風がでてきたわね」

やよい「なんだか少し怖いです……」

伊織「な、なにいってんのよ!ただの風じゃない」

P「さっきまであんなにいい天気だったのにな」

あずさ「みんな〜、ごはんできましたよ〜」

響「自分も手伝ったし、すっごくおいしいぞっ!」

貴音「それはまことですか!」ガタッ

美希「貴音、落ち着くの」

雪歩「みなさん、お茶どうぞですぅ…」

真「ありがとう雪歩。僕も配るの手伝うよ」

亜美「んっふっふー。いや→おあついですな二人とも」

真美「今夜はけったいやになりそうですな〜」

亜美「真美、それをいうなら、ねったいやじゃないの?」

真美「そうともいいますなー」

美希「あれ?千早さんは?」

P「そいうえば、いないな」

春香「部屋で休んでるって言ってました」

美希「そうなの?でもご飯は出来たてがおいしいから美希が呼んでくるの!」

P「無理に起こしたりはしなくていいからな」

美希「りょーかいなの!」

P「やっぱり、俺も一緒に行こう」グゥー

春香「そういえば、プロデューサーさんお昼ずっと外でがんばってましたもんね」

美希「いいの、いいの!ハニーさっきからおなか鳴りっぱなしなの!千早さんは私に任せて、ハニーは早く元気になってほしいの!」

P「そうか?じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。実はもうはらヘペコペコなんだ」

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 19:06:42.94 ID:qRN+Aa5V0
やよい「ねぇねぇ、伊織ちゃん、この黄色いのなにかな?」

伊織「なにって、たぶんウニじゃないかしら?海も近いし」

やよい「えー!ウニくらい食べたことあるからちゃんと知ってるけど、これはウニじゃないよぉ!」

伊織「……一応、聞いておくけどやよいの食べたウニってどんなうになのかしら……?」

やよい「えっと、プリンみたいな容器に入ってて、お醤油を掛けて食べるんだよ!…でも……やっぱり高いからめったに食べたりなんてできないけど」

伊織「……」

やよい「あれっ!?伊織ちゃんなんで泣いてるのっ!?」

伊織「今度…うちでおいしいものいっぱいご馳走するわ……」グスッ

やよい「え!?いいの!ありがとう伊織ちゃんー!!」

貴音「……」モグモグモグモグ

響「た、貴音。そんなに慌てて食べなくても大丈夫だぞ?」

貴音「……」ピクッ ジッ

響「ど、どうしたさ?」

貴音「雨が……」

響「お?ほんとだ。外、雨降ってきたさぁ」

律子「風も強いし嵐になるかもしれないわね」

ピシャーン ゴロゴロゴロ

響「ひゃっ!?」ビクッ

雪歩「ひっ!?」ビクッ

真「ゆゆゆ、雪歩っ!だ、大丈夫だよただの雷なんだからっ!」

伊織「そ、そそそそうよっ!慌てることなんて

ピシャーン

伊織「きゃっ!?」ビクッ

亜美「んっふっふー。伊織んも可愛いところありますなぁ。ねえ、真美」

真美「えっ、う、うん!そうだよ!真美達は全然平気だよっ!」ビクッ
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 19:07:41.46 ID:qRN+Aa5V0
ピシャーン

キャーーーーッ

真美「ひぃっ!?」ビクッ

小鳥「いまの声って」

春香「美希?」

P「そうみたいだな。俺、ちょっと様子見てくるよ」

春香「私も一緒に行きます」


ピシャーン ゴロゴロゴロ

春香「ううっ……」

P「なんだ、春香も雷恐いのか?」

春香「こっ、恐いわけじゃないですけど……苦手なだけです」ギュウッ

P「その割にはえらく強く服を握られてる気もするけどな」

春香「ぷっ、プロデューサーさんのいじわる……」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 19:08:21.65 ID:qRN+Aa5V0
廊下をしばらく進むと、美希は私と千早ちゃんの部屋の前に座り込んでいました。
自分の腕で体を抱くようにしたまま。

美希「」

P「お、いたいた。どうしたんだ美希?そんなところに座り込んで」

美希「あっ…ぁあぁああっ……はっ…はにぃ……」ブルブル

春香「美希?どうしたの?なにがあったの!?」

美希「ちっ、千早さんがっ…千早さんがっ……!!」

P「美紀、落ち着け。千早が、千早がどうしたんだっ!?」

美希「」ブルブルブル

私達が訪ねても美希はなにもこたえてくれません。
その代わりに、震える指で私と千早ちゃんの部屋をさしたのでした。

嫌な予感を覚えた私は半開きになったままの扉から部屋の中を覗き込みました。

P「ち…千早っ……!?」

春香「っ!?ちっ、千早ちゃんっ!?いやああぁあああっ!?」

部屋の中は赤色に染まっていました。
絨毯、壁、そして千早ちゃんのベッドそのすべてがドス黒くくすむんだ赤色に染まっていたのです。



そして、ベッドの上で千早ちゃんが血まみれになって倒れていました。


18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 19:11:13.65 ID:qRN+Aa5V0
今日はここまでです。
お付き合いいただきありがとうございます。

誤字脱字、投下ミスと最初から若干ひどいことになってしまいましたが、よろしければ今後ともお付き合いいただけますと幸いです。
感想やアドバイスなどいただけますと大変うれしいです。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/24(月) 21:22:23.71 ID:Hao6YdHDO
おっつおっつ!

ちょっと確認
Pが前オーナーの話を聞いたのは社長から?現オーナーから?
それとも両方からなのか?
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/24(月) 22:07:10.06 ID:qRN+Aa5V0
>>19
話は現オーナーからです。
鍵の受け渡しなどもオーナーと直接会って受け取っています。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2012/09/24(月) 22:09:56.43 ID:S+1vFLg0o
期待
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/09/25(火) 09:45:18.40 ID:+GksO8qAO
乙!
ミステリー好きだから、期待してます。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:21:30.55 ID:LH8RaNzQ0

P「千早っ!おい、千早っ!!」

プロデューサーさんの必死の呼びかけにも千早ちゃんの体はピクリとも動きません。

P「と、とにかく救急車をっ!!…いや、助けを電話で呼んでくれっ!」

春香「はっ、はい!」

慌てて携帯電話を取り出すとすぐに119番のダイヤルを押しました。
しかし、電話から返ってくるのはツーツーという冷たい音だけでした。

春香「プロデューサーさんっ!電話が……電話がつながらないんですっ!?」

バタバタバタ

律子「美希!春香!一体どうしたの!?」

春香「律子さぁん……千早ちゃんがっ…千早ちゃんがっ……」

律子「千早がどうしたの?なにが、!?」

春香「千早ちゃんがっ…千早ちゃんがっ…でも電話がつながらなくてっ!!」

律子「ここは圏外だから携帯は繋がらないのよ。一階に電話があったから、とにかく春香と美希はここでじっとしていて!」

P「……」ブルブル

春香「ぷ、プデューサーさん……」

P「……だめだ」

春香「な、なにがだめなんですかっ!?千早ちゃんはっ、千早ちゃんは大丈夫なんですよねっ!?」

P「……もうっ……もう……死んでる……」

春香「そっ…そんな……」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:24:03.62 ID:LH8RaNzQ0
床に崩れ落ちると私の横から金属をはじくような音色がきこえてきました。

春香「っ!?」

音のするほうに目をやるとそこには、私と千早ちゃんが見つけたオルゴール、『誰が駒鳥をころしたのか』が静かに鳴っていました。
そして、オルゴールの隙間に何かが挟まっているのに気がつきます。
そっと、取り出してみるとそれは一枚の紙でした。
小さな紙の上には赤い字が書かれていました。

『誰がこまどり殺したの?
 「わたし」とスズメが言いました
   弓と矢使って
    わたしがこまどり殺したの』

春香「これって……」

P「春香」

春香「はっ、はいっ」

P「みんなのところに…食堂に戻ろう。美希もだ」

美希「…なの…」

春香「美希?」

美希「いや…なの…」

P「美希、わがまま言わないでくれ。とにかく、一回みんなのところに戻るんだ」

美希「ミキいやだよっ!千早さんをこんなところに一人で置いてなんていけないのっ!!」

春香「美希……」

P「……」スッ

美希「……ハニー?」

黙って立ちあがるとプロデューサーさんは千早ちゃんの体に毛布を掛けて、そのまま部屋から出ると部屋のドアを静かに閉めました。
まるで中で千早ちゃんが眠っているかのように。

P「……いまは、静かに眠らせてやろう」

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:25:04.18 ID:LH8RaNzQ0
食堂

P「……みんな、集まったか?」

亜美「あれ?千早お姉ちゃんといおりんがいないよ?」

真美「ほんとだ」

やよい「伊織ちゃんなら、さっきトイレに行くって言ってましたよ」

P「なんだって!?」ガタッ

貴音「貴方様?」

律子「わっ、私探してきます!」

P「待て!一人じゃ危険だ。俺も一緒に行く!!」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:25:31.74 ID:LH8RaNzQ0
ガチャッ

P「伊織っ!無事か!?」

伊織「なっ、なんなのよいきなり!?ちょっと部屋から出ただけよ?」

P「とにかくみんな…ここにいるみんなが無事でよかった」

響「どうしたんだプロデューサー?さっきから変だぞ?」

美希「……」

律子「美希…少しは落ち着いた?」

美希「……」コクリ

律子「無理しなくていいわよ。つらいなら私と別の部屋で」

美希「…っ!…っ!」ブンブン

律子「美希……」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:27:41.91 ID:LH8RaNzQ0
P「……みんな、真面目に聞いてほしい」

一同「「「……」」」シン

P「千早が……千早が何者かに殺された」

伊織「っ!?」

あずさ「そんな……」

雪歩「」フラッ

真「雪歩!?」

美希「……っ!?」ブルブル

律子「美希、本当に大丈夫?無理しなくていいのよ?」

美希「……」ブンブン

春香「……」ギュッ

真「ぷ、プロデューサー!言っていい冗談と悪い冗談がありますよ!?」

響「そっ、そうだぞ。千早が、こっ、殺されただなんて!自分はだまされないぞっ!!」

プロデューサーさんの言っていることは本当のことです。
でも私は、そのことを真にえませんでした。
私だって、千早ちゃんが死んでしまった、それも誰かに殺されただなんて、信じられないのだから……

28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:28:39.83 ID:LH8RaNzQ0
伊織「……私は信じるわよ」

真「いっ、伊織までなにを!?」

伊織「プロデューサーは、こいつは普段は鈍感で抜けてて、鈍感で、空回りばっかりしてる鈍感だけど、こういう嘘は絶対につかないし、そんな冗談は口が裂けても言わないわ」

やよい「伊織ちゃん……」

伊織「あんた達だってそれくらいわかってるでしょ?私だって信じられない、いいえ、信じたくないわ。でもこいつが言ってるんなら本当なのよ」

真「そっ、それはっ……でもっ…千早が……千早が…死んじゃったなんてっ……」ポロポロ

響「じっ、自分は…エグッ…騙されないぞっ!千早がっ…千早が死んじゃうはずがっ……」エグッ

貴音「……響」ギュッ

響「貴音ぇ……」

貴音「私も、もしも嘘であるなら、冗談であったのならそうであってほしい。現にいま、胸が押し潰されてしまいそうです」

貴音「しかし、それが事実だというのなら……受け入れなければならないのです……」

響「たかねぇ……うっ…ううっ……」

貴音「…響……」ギュウッ

真「そんな……千早が……」

やよい「千早さん…エグッ…ウウッ」

P「……律子、電話はどうなった?」

律子「…それが…どこかで線が切れてしまったのか繋がらなくて……」

P「……そうか」チラッ

P「島から出るにもこの天気じゃな……」

律子「あの、プロデューサー殿」

P「なんだ?」

律子「その、さっき言ってた、私も見たのは間違いないですけど……その、殺されたというのは……?」

P「……千早の胸、ちょうど心臓の位置に矢が刺さっていた」

律子「そんなっ……」

春香「一体…誰が千早ちゃんをっ……」

P「わからない」

真「ま、まさかまだ犯人が近くにっ!?」

P「それはわからない。ただ、さっき確認してきたが、屋敷の出入り口はすべて施錠してあるし、外から中に入ることはできないはずなんだ。」

真「それじゃあ……まさかこの中にっ……」

伊織「ちょっと真!?変なこと言い出さないでよねっ!?」

やよい「そ、そうです。みんなが千早さんを、殺したりするわけないじゃないですかっ!!」

真「ぼ、僕だってそんなこと信じたくないよっ!でも…でもここは無人島なんだよっ!?水や電気だって今日プロデューサーが開けてくれるまで止まったままだったんだよっ!?」

真「それに屋敷の鍵は全部掛かってたんだよっ!?一体、だれがどうやって中に入ったっていうのさっ!?」

伊織「そっ、それは……」

律子「二人ともやめなさいっ!!……とにかく落ち着くのよ……」

P「とにかく、だ。今日はもう遅いし、休んで、明日の朝どうするか決めよう」

P「ただ、これからは必ず二人以上で行動してくれ。絶対に一人にはならないように」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:30:08.40 ID:LH8RaNzQ0

11号室

P「それじゃあ、俺は部屋の外で見張ってるから」

春香「そんなっ…」

P「いくらこんな状況とはいってもプロデューサーとアイドルが、年頃の女の子が俺みたいな男と一緒に寝るわけにはいかないからな」

春香「で、でもプロデューサーさん、今日ずっとがんばりっぱなしじゃないですか……少しは休まないと……」

P「なぁに!これくらい慣れっこだよ。だから春香は安心して眠ってくれていいからな!」

春香「………さぃ……」

P「春…香……?」

春香「一人に……しないでください……」

春香「私…怖いんです……千早ちゃんが急にいなくなって……もしプロデューサーさんまでいなくなっちゃったら…私っ……」


春香「お願いします。わがままなのはわかってますっ!でもっ…一緒にいてください……どこにもいかないで……私を…一人にしないでください……」

P「……春香」

春香「プロデューサー…さん……?」

P「わかった。今夜は一緒に部屋にいるよ」

春香「プロデューサーさん!ありがとうございます!」

P「ただし、条件がある」

春香「条件…ですか…?」

P「春香はそこのベッドで寝てくれ。俺は反対側の床の上で寝るから」

春香「そっ、そんなっ!?それじゃあ、プロデューサーさんがっ」

P「いや、これだけは譲れないぞ!万が一、億が一にもありえないとは思うが俺も男だ。春香みたいな可愛い女の子が隣で寝息を立てていたら妙な気をおこすかもしれない」

春香「眠るまで…手…にぎっててほしいんですけど……」

P「ぐっ……だぁぁああっ!ダメだダメだっ!これは、これだけは俺のプロデューサーとしての男としてのけじめなんだ!!」

春香「……プロデューサーさんならいいのに」ボソッ

P「ん?なにか言ったか?」

春香「なんでもないですっ!!」



30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:30:44.92 ID:LH8RaNzQ0
ガチャギャチャ

P「窓のカギは閉めた」

春香「扉のほうもカギ掛けましたよ。チェーンもばっちりです!」

P「あとはこれだな」

春香「プロデューサーさん、なんですかそれ?鐘?」

P「これか?ドアベルだよ。昼に工具出したときに倉庫で見つけたんだ」

春香「なんで持ってきてるんですか?」

P「なにかイタズラにつかえないかと思ってな」

春香「もう、プロデューサーさんったら…そんなだから律子さんに怒られるんですよ?」

P「まぁまぁ、そのおかげでほら」

カランカラン

P「だれか入ってきたらすぐにわかるだろ?」

春香「なるほど!」

P「……」キョロキョロ

春香「どうしたんですか?プロデューサーさん?」

P「あぁ、ちょっとコップを探しててな」

春香「コップですか?」

P「少し頭が痛くてな。薬は持ってきてるんだけど水がないんだ」

春香「あ、私水筒持ってますよ」

トクトクトク

春香「はいどうぞ、プロデューサーさん」

P「ありがとう春香」

ゴクッ

春香「あの…プロデューサーさん」

P「なんだ?」

春香「……わたしも…お薬もらえませんか?私も少し頭が……」

P「……この薬結構きつい奴だぞ?」

春香「でも…ちょっと我慢できそうになくて……」

P「うーん……仕方ないな…」

パキッ

P「強い薬だから半分もあれば十分効くだろ」

春香「ありがとうございます」

ゴクッ

春香「それじゃ、おやすみなさい。プロデューサーさん」

P「おやすみ春香」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:32:27.46 ID:LH8RaNzQ0
初日? 深夜

11号室


春香「zzz…プロデューサーさん……」

春香「ち、千早ちゃんっ……」ハッ


真夜中。月の光もない真っ暗な部屋で目が覚めました。
寝汗がひどいです。
夢の中に千早ちゃんが出てきたような気がします。

暗がりの奥にぼやけた目を向けるとプロデューサーさんらしき人影が床の上でうごめいています。
それを見ると胸の奥に詰まっていた何かがほんの少しだけほぐれたような気になりました。

ボーン

春香(……時計の…おと……?)

春香(変な夢……見ちゃったな……)

カリカリ カリカリ

春香(窓の外から…変な音が……?)

バタン

春香(っ!?)

P「春香っ!?」

突然、窓の開け放たれる音が響いたと思うと、私はプロデューサーさんに抱きかかえられていました。
まさか夜這いっ!?

春香「ぷ、プロデューサーさんっ!?」

カランカランカラン

P「おい!まてっ!」

春香「そ、そそそそうです。ま、まだ私達お付き合いもしてないですし…」

P「大丈夫か?春香?」

春香「でも…プロデューサーさんなら……」

P「大丈夫、みたいだな」ホッ

春香「え?」

P「……誰かが窓から入ってきた……」

春香「入ってきたって!?ここ二階ですよっ!?」

プロデューサーさんの指さす先、開け放たれた窓の前でカーテンが風に吹かれて暴れていました。

P「とっさに春香をかばったんだが…そのせいで取り逃がしちまった……」

春香「その…すみません」

P「春香はなにも悪くないぞ。それより、春香が無事でよかった……」

春香「プロデューサーさん……」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 21:33:11.57 ID:LH8RaNzQ0
パチン

プロデューサーさんが部屋の電気をつけると、光のまばゆさに目が眩みます。
しばらくすると、部屋の様子が見えるようになりました。

春香「っ!?…ドアが…開いてる……」

ベッドから降りると、ドアの付近に散らばっているものに気が付きます。

春香「……これって、羽?」

ドアの周りには小さな鳥の羽がいくつも散らばっていました。

春香「……痛っ」

P「どうした!?さっき、どこか怪我したのか!?」

春香「い、いえ、そうじゃなくて、なにか踏んだみたいで」

足元を見て見るとそこには小さなリールストラップが落ちていました。
リールに巻かれたひもが伸び縮みする、カギなんかをつけるあれです。

リールストラップの真ん中には小さな鳥の絵が描かれていました。

春香「……これって」

P「とにかく、みんなに知らせるんだ!!」

春香「わ、わかりました」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/25(火) 22:40:52.84 ID:LH8RaNzQ0
今日はここまでです。

この手の話は初めて書くので苦戦しておりますが、少しずつ書いていきたいと考えておりますので、よろしれば気長にお付き合いください。

感想、アドバイスなどいただけますととてもうれしいです。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/25(火) 23:38:52.32 ID:14ZXfxKZo

期待してる
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/26(水) 02:23:42.98 ID:IBkApyHlo
最初のシチュエーションがそして誰もいなくなったに似てるかと思ったがそうでもなかった

どうでも良いけど、スレタイでパタリロを思い出した
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/09/26(水) 07:49:11.59 ID:F+HZGafAO
>>35
そもそも本来の発音がコックロビンなのに、クックロビンで広まったのは、魔夜峰央先生の誤引用に因る所が大きいからなあ。
クックロビンで、パタリロが想起されるのも無理無いと思う。

>>1
乙Summer!
とってもイイ! 面白いです。
楽しみにしています。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/27(木) 21:44:13.74 ID:Dwn/CGov0
8号室

ドンドンドンドン

P「律子!あずささん!起きてくれ!!」

ドンドンドン

ガチャッ

あずさ「……どうしたんですかプロデューサーさん?こんな夜中に」

P「あずささん、いま、屋敷の中にだれかが入り込んだみたいなんです」

あずさ「そ、そんなっ!?」

P「とにかく、皆を起こして、どこか一か所に集まらないと危険です」

あずさ「…わかりました。いまチェーン外しますから待ってください」

バタン

ガチャガチャ

ガチャッ

あずさ「……どうぞ」

美希「……はにー?」

P「みんな無事だな」

あずさ「律子さんはもう寝ちゃってるんですけど」

P「律子、おい律子」

律子「……んっ……ぇ……」

律子「プロデューサー殿……?なんで…?」

P「律子、すまないが起きてくれ」

律子「どうか…したんですか?」

P「……さっき俺達の部屋から館の中に誰かが入り込んだ……」

律子「えっ!?」

P「とにかく、皆に知らせないといけない。手伝ってもらえないか?」

律子「……わかりました……」

P「とりあえず、やよいと伊織を起こしにいく。律子とあずささんは伊織達の部屋でまっていてほしい」

律子「わかりました」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/27(木) 21:45:10.83 ID:Dwn/CGov0
7号室

ドンドンドン

P「伊織!やよい!」

ガチャッ

伊織「うるさいわね…いま何時だと思ってるのよ……」

やよい「うぅー……」

P「すまないが非常事態なんだ。とりあえず、律子とあずさんと一緒にこの部屋にいてくれ」

伊織「……なにかあったの?」

P「……詳しいことは後で説明する。とにかく、できるだけ集まっていてほしい」

伊織「……わかった…やよい、聞こえてる?」

やよい「うー……わかりましたぁ……」

P「律子、みんなを頼む」

律子「……わかりました」

P「それじゃあ、春香も」

春香「いやです。私もプロデューサーさんと一緒に行きます」

P「春香!わがまま言わないでくれ」

春香「だってプロデューサーさん一人じゃ危ないじゃないですよ……それに…」

P「……そうだが……」

春香「それに…それに一緒にいてくれるって…約束してくれたじゃないですか……」

P「春香……」

P「……わかった」

春香「……プロデューサーさん」

P「そのかわり、絶対に俺のそばを離れないでくれ。もし万が一のことがあったら真っ先一人で逃げること。この二つを絶対に守ってくれ」

春香「そんな…ひとりで逃げるなんて……」

P「万が一の場合は、だ。もし守れないなら連れて行けない」

春香「……わかりました」

P「それじゃあ、すまない律子…頼んだぞ」

律子「はい」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/27(木) 21:46:26.19 ID:Dwn/CGov0
6号室

ドンドンドンドン

P「小鳥さん!小鳥さん、起きてください!!」

ガチャッ

小鳥「は、はいっ!?プロデューサーさんっ!?

P「よかった、まだ起きてたんですね」

小鳥「え、えええっと、その、別に何か期待してたわけじゃなくてその、やましい気持ちなんてぜんぜん」

P「小鳥さん」

小鳥「はっ……はい」

P「屋敷に外から誰かが侵入した危険性があります。すぐにみんなを起こして下してください」

小鳥「ええっ!?わっ、わかりましたっ!!」


2号室

ドンドンドン

春香「貴音さん!響ちゃんっ!」

P「おい!貴音、響!!起きてくれ!!」

ドンドンドン

ガチャッ

響「んーっ……うるさいぞプロデューサー…一体いま何時だと思ってるんだ……」

P「響。急いで貴音を起こしてくれ」

貴音「……貴方様?このような夜更けに何事ですか?」

P「貴音も無事だったか。とにかく非常事態だ。一度集まってほしい」

貴音「……。…わかりました」

ガチャッ

貴音さんと響ちゃんが部屋から出てくる後で、私はどうしてもその隣の部屋、千早ちゃんが…残されている部屋が気になってしまいました……。

春香「……」

P「春香」

P「気持ちはわかるが……」

春香「……わかってます」

P「……そうか。すまん」

春香「……」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/27(木) 21:47:12.63 ID:Dwn/CGov0
バタバタ

小鳥「プロデューサーさんっ!みんな集まりました!!」

真「なに?いったいどういうこと?」

雪歩「うぅっ……」

亜美「んー…まだ眠いよぉ……」

真美「亜美…ひじょうじたいなんだから仕方ないよぉ……」

P「よし、みんないるな。とりあえず、律子達と合流して…」

ガチャン

突然、遠くからガラスを割ったような音が響きました。

P「いまの音…律子達の部屋のほうか!」ダッ

春香「ぷっ、プロデューサーさんっ!?待ってください!!」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/27(木) 21:47:40.32 ID:Dwn/CGov0
7号室

ドンドンドン

P「おい!律子っ!!大丈夫か!?」

春香「ぷ、プロデューサーさん…待ってくださいよぉ……」

ドンドンドン

ガチャッ

あずさ「ぷ、プロデューサーさん!律子さんが!律子さんがっ!!」

P「落ち着いてください!律子が、律子がどうしたんですか!?」

あずさ「律子さんが…隣の部屋の様子を見てくるって…一人で……」

P「なっ!?」ダッ

ガチャガチャガチャッ

P「くそっ、鍵がかかってる!?」

ドンドンドン

P「おい!律子っ!!律子!いるんだろッ!?開けてくれっ!!」

春香「……プロデューサーさん……」

P「くそっ!ドアを破る。春香、離れててくれ」

春香「は、はいっ」

ダンッダンッ

バンッ

P「おい!律子無事……っ!?」

春香「ぷ、プロデューサーさんっ!?律子さんは、律子さんは!!」

部屋に駆け寄ると部屋の奥でプロデューサーさんが律子さんを抱えたまま座り込んでいました。

P「来るなっ!!」

春香「っ!?」

P「……来ないで…やってくれ………」

バタン

春香「ぷ、プロデューサーさん……?」

P「………」

春香「律子さんはっ!?律子さんはだいじょうぶなんですよねっ!?」

P「……っ」グッ フルフル

春香「っ!?……そんな……」

無言で震えるプロデューサーさんのシャツは、ベッタリと赤黒い色に染まっていました……


42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/27(木) 21:49:13.13 ID:Dwn/CGov0
今日はここまでです。
お付き合いいただきありがとうございます。
書き溜めのストックがない為、更新が遅くなってしまい申し訳ありません。

感想、アドバイスなどいただけると大変うれしいです。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 21:51:28.49 ID:NOH2vukx0
律子・・・
乙であった
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/09/27(木) 23:37:33.75 ID:ow8cCC4AO
乙。
面白いし、緊迫感あっていい文章だと思うよ。
自分で、図を描いてみちゃったよ。あれこれ想像している。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 00:21:33.20 ID:T5hdj7Rpo
ここまでは問題ないけど、この先展開が進んでいっても話の矛盾がないようにして欲しいかな

楽しみに期待させてもらってる
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/30(日) 21:59:19.96 ID:80ogu67G0
食堂

P「……みんな、集まったみたいだな」

伊織「ちょっと、どういうことかちゃんと説明しなさいよね!?」

あずさ「あ、あのプロデューサーさん…律子さんがまだ……」

真「プロデューサー、いったい何があったんですか?」

やよい「うー……」

美希「っ……」

響「…美希……」

貴音「貴方様?一体、何があったというのですか?」

亜美「あれ?そういえばりっちゃんがいないよ?」

真美「あ、ほんとだ」

小鳥「みんな、落ち着いて!」

P「……そうだ。皆、落ち着いて…落ち着いて聞いてほしい」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/30(日) 22:00:12.53 ID:80ogu67G0
それからプロデューサーさんはゆっくりといままでに起こったことを話し始めました。
私達の部屋に誰かが入ってきたこと、それを知らせるために皆を起こして回ったこと、物音に気付いた律子さんが一人で部屋を出て行ってしまったらしいこと、そして……

P「……律子が………殺された」

真「っ!?」

伊織「うそ…でしょ……」

雪歩「そ…そんな……」

響「う、嘘だろ……」

美希「っ!?いやっ…っつ!?」ブルブルブル

貴音「美希。落ち着いてください。大丈夫です…大丈夫ですから」ギュウッ

亜美「り、りっちゃんが……」

真美「う、うそっ!うそだっ!!」

やよい「そんな……」

あずさ「っ……」グッ

小鳥「……」

P「……刃物で後ろから刺されたみたいで俺が駆け付けた時にはもう……」

P「……それとこんなものが落ちていた」

プロデューサーさんがポケットの中から取り出したのは一枚の小さな紙でした。
紙に書かれた赤い文字を見て、毛が逆立つのを感じました。

『誰がこまどりを看取ったの?
 「わたし」とハエがいいました
  小さな目でしっかりと
   私がこまどりを看取ったの』

春香「それって……」

P「なにか……心当たりがあるのか、春香?」

春香「実は千早ちゃんの部屋にもこんなものが……」

千早ちゃんの部屋に落ちていた紙を見せるとプロデューサーさんの顔がこわばります。

P「…いったい、どういうことなんだ……」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/30(日) 22:00:44.74 ID:80ogu67G0
ボーンボーンボーンボーンボーン

〜♪ 〜♪ 〜♪

静寂を破るように時計から千早ちゃんの部屋で流れていた音楽、「誰が子窓英を殺したのか」が鳴り響きました。

あずさ「……誰が駒鳥を殺したのか」

P「えっ?」

あずさ「その紙に書いてるの、いま時計から流れてる『誰が駒鳥をころしたのか』の歌詞なんです」

P「なんですって!?」

春香「……どういうこと……」

P「つまり、誰かがこの歌に合わせて人を殺してるってのか……」グッ

歌の内容……

脳裏に千早ちゃんの最後の姿が蘇ります。

ベッドの上で

血まみれで

胸を矢に貫かれた最期の姿が

春香「っ!?……」

あずさ「……でも、律子さんはどうなんですか?もしそうなら、歌詞に出てきた小さな目っていうのは……」

P「目が……」グッ

P「律子の…右目が……なくなっていました……」ギリッ

春香「っ!?」

美希「っつ!?」ブルブルブルブル

響「み、美希っ!!」

貴音「貴方様、私達は少し席を外させていただきます」

P「……あぁ、わかった」

真「っ……」

雪歩「」フラッ

小鳥「そんな……」

伊織「っ!!」ギリッ

やよい「ぷ、プロデューサー!はやく、早くこの島から出ましょうっ!!」

亜美「そっ、そうだよ!!このままじゃみんなっ!?」

真美「にいちゃんっ!?」

P「俺だって……俺だってできるならそうしたいよっ……」

ゴーッ ゴーッ

ガタガタガタガタ

P「でも、こんな状態の海に俺達の来た船で出るなんて無理だ」

亜美「そんなぁ……」

P「とにかく、今夜はみんなこの部屋で一緒にいてくれ……」

49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/30(日) 22:03:52.40 ID:80ogu67G0
今日はここまでです。
なかなか筆が進まず、短い内容で申し訳ないです。

皆さん、感想ありがとうございます。今後も少しずつですが書いていきたいと思っております。
皆さんに少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。

50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/09/30(日) 22:08:14.44 ID:80ogu67G0
ここで初日は終了ですので、初日の被害者と、死因、第一発見者、各人のアリバイのまとめを作ってみました。
あったほうが見やすいのであれば、今後も一日終了するごとに作成するつもりですが、逆に邪魔、不要だというのであれば、作成しません。
よろしければ、ご意見願います。

アリバイまとめ
初日

第一事件

被害者 千早
死因 心臓を矢で貫かれて死亡
第一発見者 美希
第二発見者 春香、プロデューサー

各アリバイ
アリバイ有
春香、美希、響、律子 
キッチンにて調理

プロデューサー、雪歩、真、伊織、やよい、亜美、真美、あずさ、貴音
全員、食堂にて待機

アリバイ無
無し



第二事件

被害者 律子
死因 背後から刃物で刺されて死亡
第一発見者 プロデューサー
第二発見者 春香

各アリバイ
アリバイ有
プロデューサー、春香
皆を起こして回っていた。二人同時に行動

伊織、やよい、美希、あずさ
7号室にて待機、途中物音で律子が飛び出すのを全員が確認

小鳥、亜美、真美、雪歩、真、貴音、響
屋敷の反対側 2号室〜6号室にて就寝。プロデューサー、小鳥が起こしに来た際には全員で行動




感想やアドバイスいただけると大変うれしく思います。
それでは、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 22:30:01.77 ID:p9G4RJF6o
考えながら読まない派なので意見は特に無い。面白いのでこのままやってくれ
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/09/30(日) 22:31:49.13 ID:3h+k5GnAO
乙!
面白い、わくわくする。
この歌、確か14連だよね……そうか。
千早死亡事件で、小鳥さんがアリバイリストに無いんだけど、記載ミス?
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/01(月) 20:44:40.72 ID:JUgsAa0e0
>>52
セリフがなかったからうっかりしてました。
記入ミスです。すみません。
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/01(月) 21:57:48.19 ID:hfScXCoq0
さて、どう転ぶ。
期待
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/02(火) 11:01:30.17 ID:z7sOTg/Oo
次にアルバイ表を作るなら、死亡時刻(遺体発見時刻)と遺体発見場所が欲しいかな
ただ死亡推定時刻に幅が出る事件に関してはアリバイは作らないほうがいいと思います
第一事件は皆が食堂、キッチンに集合する以前に起きていてもおかしくない事件ですし
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/02(火) 18:44:55.13 ID:M0aB0Vqio
確かにアリバイ表に遺体発見時刻と場所あったらわかりやすいかも
正確な時刻を書いてないから時間は夕食時とか夜中とかアバウトでないと書けないだろうけど

後は死亡推定時刻も死後硬直が始まってるかどうかとか、体温が温かいか冷たいかで殺されてすぐなのかもっと前から殺されてたのかわかるから、そういうのもあると推測しやすいかも
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/02(火) 21:22:07.97 ID:cb8mv5EO0
>>55
>>56
アドバイスありがとうございます。
発見場所については追加したいと思います。

死亡推定時刻については語り手の推測できる範囲内で書かせていただきたいと思います。
死後硬直や体温などについては、語り手が死体に触れた場合のみ記載したいと思います。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/02(火) 21:40:18.79 ID:cb8mv5EO0
アリバイの訂正版です。

アリバイ訂正版
初日

第一事件

被害者 千早
死因 心臓を矢で貫かれて死亡
第一発見者 美希
第二発見者 春香、プロデューサー
発見場所 洋館二階 1号室

死亡推定時刻 初日 夕方〜初日 夜

各アリバイ
アリバイ有
春香、美希、響、律子 
キッチンにて調理

プロデューサー、雪歩、真、伊織、やよい、亜美、真美、あずさ、貴音、小鳥
全員、食堂にて待機

アリバイ無
無し

なお、食堂に集合するまではそれぞれの部屋の相方と一緒に行動していた(プロデューサーは一人で外で水道管と電気の開通作業。作業後は自室に一人でいた)

第二事件

被害者 律子
死因 背後から刃物で刺されて死亡
第一発見者 プロデューサー
第二発見者 春香
発見場所 洋館二階 8号室

死亡推定時刻 初日深夜 物音を聞いて部屋を飛び出すまではあずさ、小鳥、伊織、やよいとともに行動していた。

各アリバイ
アリバイ有
プロデューサー、春香
皆を起こして回っていた。二人同時に行動

伊織、やよい、美希、あずさ
7号室にて待機、途中物音で律子が飛び出すのを全員が確認

ことり、亜美、真美、雪歩、真、貴音、響
屋敷の反対側 2号室〜6号室にて就寝。プロデューサー、小鳥が起こしに来た際には全員で行動

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/02(火) 22:03:08.11 ID:5k0JJzD40
今日は更新無しかな?
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/02(火) 22:25:55.82 ID:sDXLVSy00
ほう
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:14:32.35 ID:hkg6Zdlm0
二日目 朝

ザー ガタガタガタ

激しい雨音に目を覚ますと、食堂の中には外からうっすらと光が肺いてきていました。

春香(やっと…朝……だよね…?)

食堂の中を見回すと私もそうであるように、みんな疲れ切った表情を浮かべたまま、寄りかかるようにして眠っています。

小鳥「……プロデューサーさん…」

P「ん…小鳥さん。おはようございます」

小鳥「おはようございます。ずっと起きて見張りを?」

P「えぇ…なにかってもすぐに皆を起こせるように……」

小鳥「そうですか。ありがとうございます」

P「いえ……」

小鳥「夜も明けましたし、みんなも疲れがでてきてるみたいです。……ある程度固まってみんなを部屋にもどれないでしょうか?」

P「……そうですね。このままずっとここにいるわけにも、いかないですし……」

P「それじゃあ、できるだけ固まって、部屋に戻りましょう」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:15:06.59 ID:hkg6Zdlm0
4号室

真「ちょっと響達の部屋にいってくるね」

雪歩「ま、真ちゃん、私も……」

真「ごめん、雪歩。ちょっと人に聞かれたくない話なんだ……」

雪歩「……わかった…いってらっしゃい……」

春香「……」

バタン

雪歩「……」ションボリ

春香「あ!ゆ、雪歩!!」

雪歩「……なに春香ちゃん?」

春香「お茶、お茶飲みたいなッ!一緒に淹れに行こう!!」

雪歩「う、うん」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:15:44.62 ID:hkg6Zdlm0
キッチン

コポコポコポ

雪歩「お茶は、これでよしっと」

春香「このお茶っ葉って雪歩が持ってきたの?」

雪歩「う、うん。急須がなかったらどうしようかと思ったんだけど……」

春香「……すごい立派なやつがあったね」

雪歩「うん…これたぶん本物の銀でできてるよ……」

春香「あ、そうだ!私お菓子作ってきてたんだった」

雪歩「ほんとですか?」

春香「うん、パウンドケーキだから大丈夫だとおもうよ」

雪歩「そ、それじゃあ皆のところに持っていこう……」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:16:14.51 ID:hkg6Zdlm0
6号室

コンコン

P「だれだ?」

春香「春香です」

ガチャッ

P「どうした?雪歩まで?」

雪歩「あ、あのっ、お茶…いれたので……」

春香「みんなに配ってる所なんです」

P「あぁ、そうか。ありがとう」

美希「春香……」

春香「美希、少しは落ち着いた?」

美希「……うん」

春香「お茶と、少しだけどお菓子、手作りだから食べてね」

美希「…ありがとう…なの……」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:16:55.00 ID:hkg6Zdlm0
3号室

コンコン

あずさ「はーい?」

雪歩「あ、あずささん、雪歩ですぅ…あの、お茶…持ってきました……」

ガチャッ

あずさ「あらー、ありがとう雪歩ちゃん」

亜美「あ、ゆきぴょんだ」

真美「あ、はるるんだ」

春香「はい、お茶とお菓子だよ」

伊織「あら、春香」

春香「あ、伊織。やよいは?」

伊織「やよいならさっき寝たところよ」

春香「そっか。はい、伊織も紅茶」

伊織「あら、ありがとう」

雪歩「あずささんもどうぞぉ…」

あずさ「ありがと〜」

春香「やよいの分もここに置いとくね」

伊織「えぇ、ありがとう春香」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:17:39.04 ID:hkg6Zdlm0
2号室

コンコン

小鳥「はーい」

春香「春香です。お茶もってきました」

ガチャッ

小鳥「どうぞ」

貴音「なるほど」

響「そうか…」

真「うん。いまわかってるのはそれぐらいだよ」

春香「真?」

小鳥「さっきから、ずっとあんなかんじなのよ……私だけひとりぼっちで」ピヨピヨ

雪歩「真ちゃん?」

真「あぁ、雪歩。どうしたの?」

雪歩「お茶、もってきたんだけど……」

真「あぁ、そうなんだ。ありがとう」

雪歩「う、うん」

貴音「……真」

真「なに?貴音?」

貴音「話も落ち着いたところで少し休みましょう」

響「そうだな」

春香「はい貴音さん、響ちゃんお茶だよ」

響「おぉ!ねふぇーでーびる!!」

貴音「ありがとうございます春香」

春香「あ、あとお菓子もあるよ」

貴音「なんと!それはまことですか!?」

春香「そういえば、まだ朝ご飯食べてないもんね」

貴音「えぇ。恥かしながらそろそろ限界かと思っておりました」

春香「思い出したら、私もおなかすいてきちゃった。部屋に戻って私達もお茶にしよう」

雪歩「あの…真ちゃんのお茶はどこにおけば…」

真「あぁ、話も終わったし、ボクも部屋に戻ろうかな」

響「了解さー!それじゃあ、また何か分かったら連絡するぞー!」

真「うん、お願いするよ」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:25:43.98 ID:hkg6Zdlm0
4号室

春香「ふぅ…」

カチャリと空になったカップが乾いた音を立てます。
パウンドケーキによって糖分を補給された頭が疲れから眠気を訴えてきました。

春香「……」ウトウト

真「……ふあぁ……」コックリコックリ

雪歩「ま、真ちゃん、春香ちゃん。眠いなら、少し休んだら?」

春香「え、でも、みんな疲れてるんだし……」

雪歩「わ、私は昨日真ちゃんがとなりにいてくれたから、その…結構眠れたから。だから二人が眠ってる間は私が起きてるから、少しの間眠ったらどうかな……?」

真「……いいの雪歩?」

雪歩「う、うん。大丈夫だよ」

春香「それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:26:59.86 ID:hkg6Zdlm0
ガチャン

別途に向かおうとした矢先、部屋の外からカップの砕ける音が響きました。

春香「いまの?」

真「奥の部屋からだ!」バンッ

雪歩「真ちゃん…っ!?」

春香「真、待って!!」

部屋を出ると、音を聞きつけたのか亜美、真美、あずささんに伊織と響ちゃん、貴音さんも廊下に出ていました。

貴音「いまの音は一体……」

伊織「奥の部屋、あいつの部屋のほうからよ」

響「プロデューサー!!」

真「プロデューサーっ!!」

あずさ「待って二人ともっ!」

春香「そうだよっ!みんなで行かないと危ないよ!!」

真「プロデューサー!」

響「大丈夫か!?」

ガチャッ

真「っ!?」

響「そんなっ!?」

部屋の扉を開いた二人の顔から血の色が失せるのが見えます。

春香「プロデューサーさんっ!?」

慌てて部屋を覗き込むと

湯気に包まれた部屋の中、

テーブルにプロデューサーさんが力なく寄りかかっていました……

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:27:36.61 ID:hkg6Zdlm0
>>68誤字です
別途→ベッド
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/03(水) 21:33:35.24 ID:hkg6Zdlm0
本日はここまでです。

書く内容は頭の中にあるのですが、文章に起こすと違和感を感じて何度もいじくりなおしているせいで遅くなっていしまいました。

皆様、感想アドバイスありがとうございます。
今後もゆっくりではありますが、お付き合いいただけますと幸いです。

それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

追記
以前に書いたものなど読んで楽しんでいただければ幸いに思います。(雰囲気的にはシリアスとは真逆ですが)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346056601/
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/03(水) 21:44:02.99 ID:v5Wvgkkoo
お前だったのかww
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/03(水) 21:45:47.31 ID:9rjRrSc9o
おま、前作の方向性がwwwwww
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/10/03(水) 21:53:21.06 ID:EjG/+oaAO
乙!
雰囲気、出てるから文章は成功してると思う。
本当に密室ミステリーの空気が、バリバリに感じられる。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/10/04(木) 01:12:46.93 ID:KtYj0e0T0

ミステリーとして楽しく拝見させてもらってる。
前作もこれから読んでみる。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/04(木) 07:42:32.64 ID:ekdtTPyg0

歌詞ググったら俺の嫁が殺されるタイミングがわかっちまったよ・・・
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) :2012/10/14(日) 00:56:03.41 ID:2GMo+/ry0
就職活動のため、更新が遅れてしまい申し訳ありません。
明日、少しですが上げさせていただきたいと思っております。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/14(日) 08:53:08.63 ID:wgPVl7Y30
了解、待ってる
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/14(日) 14:35:43.50 ID:EcOwi2oeo
忙しいと思うけど頑張ってくれ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/14(日) 20:02:12.62 ID:2GMo+/ry0
春香「プロデューサーさんっ!?」

私達の声にも応えることなく、プロデューサーさんはぐったりと倒れたままでした。

春香「そんなっ……」

足が震える。
一刻も早くプロデューサーさんのほうへいかなければ、いけないのに、膝から先が無くなってしまったようにフラフラとうまく動いてくれない。

春香「プロデューサーさん……」


ふらつく足でプロデューサーさんに近寄ると、机に倒れ込んだプロデューサーさんの横で、机から落ちて割れたカップにポタポタと紅茶がこぼれていました。

真「プロデューサー!しっかりしてくださいっ!!」

真がプロデューサーさんの体を揺すりながら、首や口元に手を当てていました。

しばらくして、プロデューサーさんの体から手を離した真はほっとしたような表情になりました。

真「息はあるし、目立った傷もなさそうだね。一端、ベッドに運ぼう。春香も手伝って!」

春香「う、うん」

真「いくよ、せいのっ!」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/14(日) 20:03:21.74 ID:2GMo+/ry0
なんとか、真と2人がかりでプロデューサーさんをベッドまで運び終えると、反対側のベッドに座り込んでしまいます。

春香「お、重かった……」

真「傷もないし、呼吸も脈もおかしいところは無いみたい。ただ、眠ってるだけ……」

春香「それって、どういうこと」

真「わからない……なにがあったのかもプロデューサーが起きるまではわからないよ」

春香「そう、だね」

緊張がほぐれたのか、ゆっくりと息が漏れました。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/14(日) 20:03:55.20 ID:2GMo+/ry0
響「きゃあああああっ!?」

部屋の奥、水音の響くシャワールームから響いた悲鳴に緩みかかった体が締められる。

春香「響ちゃんっ!?」

真「響っ!?」

シャワールームの前で響ちゃんが座り込んでいました。

響「あ、あれっ……」


春香「響、大丈夫!?いったいなにが  」

私の声は目の前に広がっていた光景にさえぎられてしまいました。

なぜなら

響の指さす先、シャワールームのバスタブの中で美希が目を見開いたまま死んでいたのだから……

春香「美希っ!?しっかりしてっ!?」

バスタブの中の美希の体はまだ暖かく、まるでまだ生きているようでした……
ただ、その瞳は悪魔でも見たかのように、恐怖で見開かれたままになっています。

真「春香?いったい、なにが……っ!?」

シャワールームの入り口から顔をのぞかせた真が青い顔でとんできました。

真「美希っ!!美希!!……くっ……」

真は美希の首筋に手をあて、顔をしかめると、見開いたままの美希のまぶたを手でそっと伏せました。

春香「一体……だれがこんなことを……」

真「くそっ……僕はっ……」

春香「……真…」

真はうつむいたまま震えていました。

真「くそっ……」

真が震えるたびに真の足元に大粒の水滴が落ちていました。

春香「……」

バスタブの中の美希を見ると、白く細い首に、まるでヒモかなにかで絞めつけたような、赤黒い線が走っていました。

そして

美希が入ったままのバスタブのふちには、私達がお茶を入れるのに使ったティーカップのお皿が置かれていました。

そして、皿の上には紙が一枚置かれています。

『誰がこまどりの血を受けたの?
 「わたし」と魚は言いました
  小さなお皿を使って
   わたしがこまどりの血を受けた』
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2012/10/14(日) 20:08:25.95 ID:2GMo+/ry0
今日はここまでです。

短いですがお付き合いいただきありがとうございます。
現在、就職活動の為更新が遅れてしまい、申し訳ありません。

感想、アドバイスなどありましたら大変励みになります。


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/14(日) 20:13:51.05 ID:wgPVl7Y30
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/14(日) 21:45:31.49 ID:RBmjzauuo
就活は何個かダメでも気にしないこと
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/10/14(日) 22:56:35.78 ID:RGWjs/4AO
乙!
リアル生活も大事にな。
待ってるぜ。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/15(月) 04:09:31.00 ID:M11uulOIO

まずは就活頑張れ〜
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 19:56:25.59 ID:5e587dvdo
待ってる
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/11/25(日) 17:04:07.83 ID:+39O4gpu0
しかしそろそろ次がほしい
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/11/25(日) 19:08:23.27 ID:SnkkRS1q0
そろそろというか
続きはあるんだろか
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/02(日) 21:35:17.71 ID:qSq3CQCD0
ご無沙汰いたしております。>>1です。
皆様のおかげもあり、先日、無事就職することができました。

建設業に就職したため現在、非常に(というか死ぬほど)忙しいのと、もう一本SSに手を出してしまったため、更新が非常に遅れてしまっております。
しかしながら、多くの方に見ていただいているのを感じ、少しずつですが更新させいていただきたいと考えております。

もし、お付き合いいただければ幸いに思います。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 21:49:39.73 ID:jzuNuLTMo
生存報告乙
気長に待ってる
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 18:27:56.23 ID:jlgzdzuKo
まだまつ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/06(日) 20:17:52.93 ID:m4TlkDKP0
真「……とにかく、プロデューサーを隣の部屋に移動させなきゃ……」

真「春香、僕達の部屋にみんなをあつめて」

春香「……わかった」

真「響、プロデューサーを運ぶのを手伝って」

響「……」

真「響?」

響「こんなの…こんなの嘘だぞ…自分…信じないからな……」

真「響……」

響「うそだぞ……こんなのっ……」

響「こんなの……自分信じないぞぅt!?」

真「響っ!」

響「だって…美希がっ…美希がぁっ……」

真「僕だって……僕だって信じたくないよ……僕だって美希のことが……」

春香「真……」

響「……」

真「……だからね?響。力を貸してほしいんだ」

響「……わかった」

真「……ありがとう」

春香「……」


94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/06(日) 20:18:33.90 ID:m4TlkDKP0
4号室

ガチャッ

私が部屋に入るとみんながベッドの上やイスなど、みんなそれぞれ、集まって座って待っていました。

私も伊織の隣、真のベッドの上に腰をおろしました。

伊織「……ねぇ、春香。どういうことか説明しなさいよ……」

伊織の言葉に皆の視線が集まります。
皆に伝えるべきなのでしょうか。
プロデューサーさんや美希が襲われたこと……美希が殺されてしまっていたことを……

ガチャッ

真「それは僕が今から話すよ」

伊織「真……」

響「……」

貴音「響?少々顔色がよくないようですが?」

響「貴音……なんくるないさぁ……」

貴音「……ならよいのですが」

ーーー
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/06(日) 20:19:55.50 ID:m4TlkDKP0
伊織「……なにがあったわけ?」

伊織の問いかけに真は顔をしかめながら話し始めました。

真「……みんなにいま起こったいくつかのこと、それと僕の考えた推測を聞いてほしい」

伊織「なにそれ?探偵ごっこでも始めるつもり?」

真「そうじゃないよ。ただ、聞いてほしいだけ」

伊織「……」

真「……まず、最初に起こったこと。……プロデューサーが誰かに襲われた」

伊織「っ!?」

真の言葉に部屋の空気が張り詰めます。

伊織「それって……どういうことなのよ!?」

やよい「……プロデューサーがっ……?」

亜美「ほんとなのまこちん!?」

真美「にぃちゃんはっ!?にぃちゃんは無事なの!?」

貴音「一体、どうしてそのようなことに……」

雪歩「そ、そんなぁ……」

真「みんな、落ち着いて。プロデューサーは無事だよ」

あずさ「よ、よかったです……」

伊織「もう、びっくりさせないでよね」

小鳥「びっくりして心臓止まるかと思っちゃったわよ」

真「ごめん。びっくりさせちゃったね。正確には襲われたというよりはいっぱい盛られたといったほうがよかったのかな?」

伊織「……どういうこと?」

真「プロデューサーは気を失ってただけだったんだけど、体のどこにも傷はなかったし、部屋の中にも争った形跡かがなかったんだ」

真「そして、気を失っていたプロデューサーの手元にはお茶とお菓子があった」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/06(日) 20:20:39.13 ID:m4TlkDKP0
伊織「……それって」

雪歩「ちっ、違うよっ!?わ、私、そんなことっ!?」

春香「わっ、私だって違うよっ!?」

やよい「……」

亜美「ゆきぴょん……」

真美「そんな……」

雪歩「ちっ、ちがうのぉ……わたし…そんなことっ……」

伊織「じゃあ、一体ほかの誰が……?」

雪歩「ち、違うのっ…私じゃっ……」

真「みんな落ち着いてっ!」

伊織「っ!」

貴音「そうです。皆、落ち着きましょう」

雪歩「ち、ちがうの……私っ……」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/06(日) 20:24:56.29 ID:m4TlkDKP0
真「雪歩も落ち着いて。大丈夫だから。雪歩のお茶なら、ほら」ゴクッ

ゴクッゴクッゴクッ

そういって真は机の上に残っていたお茶を飲み干しました。

真「ほら、なんともないだろ?」

振り返る真

雪歩「あっ…ああっ……」フルフル

真「どうしたの?みんな?」

春香「まっ、真……」

首をかしげる真の口からは赤い筋がしたたり落ちました。

真「え?」

真「ごぶっ……」ベチャッ

ビチャビチャッビビャビチャビチャ

むせかえる声と一緒に真の口から大量の血が溢れ、床を赤く染めて行きました。

真「ゆき……ほ……?」

ベシャッ

飛沫を上げながら真の体が自分の吐いた血だまりに崩れ落ちました。

雪歩「いやっ……いやっ……」

そのとなりで、自分の体を抱えた雪歩が力なく首を振っています。

雪歩「ちっ、ちがうの…こんなの……ちがうっ……」

亜美「そんな……」

雪歩「ち、違うの!私じゃない」

真美「……」

やよい「……」

雪歩「ちがうっ!私じゃないっ!!」バンッ

叫び声をあげながら雪歩が部屋の外に駆け出しました。

春香「雪歩っ!待って!!」

伊織「待つのはあんたよ!」

慌てて追おうとした私の体を小さな手が捕えました。

春香「伊織っ!放してっ!雪歩がっ!このままじゃ雪歩が危ないよっ!!」

伊織「いいから落ち着きなさいっ!」

伊織の叫び声にバタバタと暴れていた腕が止まります。

伊織「いい?あんた一人で飛び出して行ってどうするつもりなのよ?」

春香「それは……」

伊織「みんな、雪歩を疑ってなんていないし、大事な仲間だと思ってるわ」

伊織「それは春香。あんただって例外じゃない」

春香「……でも」

伊織「でもじゃないわよ。とにかく、雪歩はみんなで探しに行く。絶対に一人にはならないこと。いいわね?」

春香「……わかった。……伊織、ごめんね。私、つい興奮しちゃって……」

伊織「フン、わかればいいのよ!……私も怒鳴って悪かったわ」

貴音「それでは皆で萩原雪歩を追いかけましょう」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/06(日) 20:29:27.52 ID:m4TlkDKP0
皆様、新年明けましておめでとうございます。

正月休みこそは更新せねばと思っていたのですが、このざまです申し訳ありません。

今回の更新はここまでです。遅筆にお付き合いいただき誠にありがとうございます。
現在、仕事が多忙なため4月あたりまではバタバタするらしく、更新は月に一度は更新したいと考えております。
それでもおつきあいただければ、幸いに思います。

最後にここまでお付き合いただき、ありがとうございました。
今年もよろしくお願い申し上げます。
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 22:20:57.51 ID:ZUCSMl3Zo
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 23:53:35.93 ID:MBtkj0Oao
おつおつ
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 12:46:10.19 ID:ZA87GItUo
お、更新きてれぅーって真!?
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 12:55:17.61 ID:eY+Dj9q0o
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 19:44:51.96 ID:3rIvxEQXo
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 20:07:08.68 ID:zZrDQCggo
ヴァイ!
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 00:23:05.83 ID:8ytzW0E7o
くっそこんなので腹筋が…
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/02(土) 18:18:44.96 ID:p+objcAMo
そろそろ>>1の書き込みがないと消えてしまうな
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 04:37:35.42 ID:/mD9OHxTo
さて
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/06(水) 11:02:15.96 ID:zDmd+LMXo
今日がタイムリミットか
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