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鳴上「サイレントヒル…?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 21:40:24.09 ID:eKho26jj0

>…………。

>……ここは……どこだ……? 家で昼寝をしていたはずだが……。

>……見たことのない場所だ。




>随分霧が深い……。

>というか考えてみたら……霧が深い、ということは……。


>ペルソナ!


>……出ない。テレビの中というわけではないようだ。

>ならばこの場所は……この霧は……一体なんなのだろうか。


ジジジジジ…


>なんだ……あれは、ラジオ? ノイズを放っているが壊れているのだろうか……。


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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 21:59:44.63 ID:eKho26jj0

>ラジオを拾ってみようか……。

ジジジジジ…

>……スイッチはオンになっているようだ。電波が合っていないのだろうか。

ジジジジジ…

>それにしてもうるさい……。



キェァァァァァァァァァァ…



>……動物の鳴き声のようなものが聞こえる。

>鳥……だろうか。こちらに向かってきているような……。



キェァァァァァァァァァァ…!



>……!! あれは……鳥じゃない……! なんだあの化け物は……!
3 :名無しNIPPER [sage]:2012/09/25(火) 22:06:52.82 ID:A6blgRGAO
期待
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 22:08:51.93 ID:eKho26jj0

キェァァァァァァァァァ!!



>こっちに向かってくる……うわっ!

>突進してきた……なんとか避けられたが、あんな鋭利な爪を立てられたら……。

>……近くに鉄パイプが落ちている。どうにかこれで応戦しなければ……!



>また突っ込んでくる……。これを見切らなければ、死ぬかもしれない……!


>……そこだっ!!


ギァァァァァァァァァァァァ…!!


>……鳥のような怪物は動かなくなった。シャドウとの戦いで鍛えた反射神経が役に立ったようだ……。




>……どうしたものだろうか。

>霧のせいで一歩先すらよく見えない。おまけにこんな化け物まで……。

>……とりあえずは進んでみるしかないようだ。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 22:14:25.24 ID:eKho26jj0

ザッザッザッ

>先が見えない以上、闇雲にでも進むしかない。……文字通りの『五里霧中』というやつだ。

>……? あそこで誰かがうずくまっている……。


??「……っ……ひっく、ぐすっ……」


>あれは……もしかして>>7か?

@千枝
A雪子
Bりせ
C直斗
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/25(火) 22:19:43.95 ID:heRZgc5ho
3
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/25(火) 22:20:28.21 ID:zY2KKcIu0
3
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/09/25(火) 22:21:09.54 ID:iKc1H69Co
おまえらりせちー大好きだな
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 22:33:22.02 ID:eKho26jj0

>りせか? どうしてこんな所に……。

りせ「っ、先輩……! ほんとに先輩なの……!?」

>ああ。……やっと人に会えたな。

りせ「せんぱい……せんぱぁぁぁぁぁいっ……!!」

>泣いているりせに抱きつかれた……よほど怖かったようだ。

りせ「怖かった……怖かったよ……!頭が二つに割れた犬に追いかけられて……もう何がなんだかわからなくて……!」

>よしよし、俺が来たからにはもう大丈夫だ。

りせ「ほんと怖くて……心細くてっ……!」

>……泣いていたい気持ちもわかるが、まずは二人の知ってる情報を整理しよう。
 俺は自分の部屋で寝ていたと思ったらこんなところにいたんだが……りせもそんな感じか?

りせ「うん……お店のお豆腐の仕込みが終わって、疲れたから自分の部屋でちょっと横になってたら……」

>気づいたときにはこの状態だった、と。

りせ「……大体そんな感じかな。それで、周りは霧だらけで……テレビの中かと思ったらペルソナも出なくて……」

>……ううむ。やはりお互いにこれといった情報は無いな。

りせ「ごめんね先輩……私もう、あの犬の化け物から逃げるのに精いっぱいで……」

>気にするな。それに、次に襲われたら俺がちゃんと助けてやるから。

りせ「先輩……えへへ、やっぱり先輩は頼りになるね……///」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 22:42:03.20 ID:eKho26jj0

ジジジジジ…

>なんだ……またラジオのノイズが……。

>というか考えてみたら、さっきのノイズはいつ止まったんだ……? 戦うのに夢中で記憶が……。

りせ「……先輩、あれ!」

>あれは……くそ、また化け物の類か!?

>ん? よく見ると誰かを追いかけている……あれは……。



化け物が追いかけている相手

@陽介
A完二
Bクマ
C千枝
D雪子
E直斗
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/25(火) 22:42:34.88 ID:heRZgc5ho
1
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 22:42:44.81 ID:eKho26jj0
ごめんなさい安価忘れた

>>11
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/25(火) 22:46:14.05 ID:isMQAWCE0
ビリビリに服が破れてる6とか言ってみる
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 22:53:56.88 ID:eKho26jj0

陽介「ハァ……ハァ……くそっ! ついてくるな……あっちいけよっ!!」



>あれは……陽介か!? まずい、急いで助けなければ……!

>陽介がこっちに走ってくる……タイミングを計って、陽介と化け物の間に割って入ろう……!

陽介「ちくしょう……もう体力が……ハハ、死ぬかもな……」

>……くそっ、間に合うか……!

グァァァァァァァァァ!!



ガキン

>……どうにか、間に合ったようだ。

陽介「お前は……悠……!?」

>陽介、下がるんだ!

陽介「お、おう……くそっ足が……」

りせ「花村先輩、掴まって!」

陽介「え、りせまでいるのかよ……!?」

>……はあああああああっ!

ズドン!



グォォォォォォォォォォォォ…

>また、なんとか倒せたようだ……。

陽介「相棒……サンキュな、マジ助かった……」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 23:06:15.23 ID:eKho26jj0

>なんとか陽介を助け出せた。

>……ノイズも止んでいる。どうやらこのラジオは……今のような化け物が近づくとノイズが鳴る仕組みのようだ。

りせ「花村先輩、大丈夫?」

陽介「ああ、さすがに走り通しで息切らしただけだから……そろそろ回復してきた」



>陽介にも、この状況に至った経緯を聞いた……。
 やはり俺たちとほとんど同じような感じだったらしい。



陽介「あと、役には立たないと思うけど……これもお前に渡しとくわ」

>これは……宝石? サファイアのような……。

陽介「途中で……まあアレだ、漏れそうになっちゃってさ。公衆便所があったから寄ったら、そこで拾ったんだ」

りせ「こんな状況で宝石拾ってもね……素直には喜べないよね」

>……それにしても綺麗な宝石だ。なんだか空にでもかざしたくなってきた。


宝石を…

@かざす
Aかざさない
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 23:07:07.25 ID:eKho26jj0
また安価忘れた…orz
もういいや、これからはその安価かけた次のレスってことにします
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/25(火) 23:09:13.01 ID:qsMIPy3z0
A
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) :2012/09/25(火) 23:09:17.10 ID:iJpEJCW/0
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 23:21:02.62 ID:eKho26jj0

>……かざさないでおこう。

陽介「悠、何やってんだ?」

>なんでもない。……とりあえず、また歩いてみるとしようか。



>りせ・陽介と一緒にまた歩き始めた。

りせ「…………あ、建物だ」

陽介「ほんとだ。……建物に入れば、さすがにあんなバケモンとは会わなくて済むかな……」

>ここは……どうやら病院のようだ。『ブルックヘイヴン病院』と書いてある。

>……どうせ他に行くあてもない。入ってみよう。

ギィィ…



ブルックヘイヴン病院

りせ「うわ、真っ暗……電気とかないの?」

陽介「ちょっと待て……ほらこれ、懐中電灯。拾ったんだけど出すの忘れてた」

パッ

>だいぶ先まで見えるようになった……のはいいが……また誰かいる。

陽介「あれは……今度は二本足で立ってるし、バケモンじゃなさそーだな」

りせ「また私たちの知ってる人かな……」

>あそこに立っているのは……。



グァァァァァァァァァァァァァ…



>……? これは呻き声……?

陽介「お、あの人振り向いた…………うっ!?」

りせ「ひっ……!!」

>あれは……人型なのは間違いない。だが……顔が……。




>顔が……顔中が、膿で膨れ上がっている……!!
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 23:32:04.52 ID:eKho26jj0
ウァァァァァァァァァァァ…!!

りせ「やだ、こっち向かってくる……!」

>あの顔……どう考えても人間じゃない。また戦うしかないか……!

陽介「……!! あいつ銃持ってる……だめだ悠、逃げるぞ!」

バァン!

>くっ! ダメか……逃げるしかない!

ダッダッダッダッ



バァン!

陽介「ぐあっ!」

>陽介!! 足を撃たれたか……!

陽介「ちっくしょ……」

>陽介、立てるか!?

陽介「……ダメだ、痛くて走れねえ……!」

りせ「先輩、あいつがもうすぐそこまで来てる!」

グォォォォォォォォォォォォ…!!

>くそ、どうすれば……!


陽介「悠、りせ……お前らだけ先に行け」

りせ「先輩、そんな……!」

陽介「いいから行け! 俺はまだ拾ったナイフがある……へへ、なんとか近づいて一矢報いてやるさ」

>無茶だ、足をやられてるのに……!

陽介「でも、このままここでモタモタしてたらみんな撃ち殺されるんだよ!……頼むぜ相棒、俺を男にさせてくれねえか」

>くっ……!!


@陽介を置いていく
Aそれでも陽介を抱えて走る
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/25(火) 23:33:59.67 ID:zY2KKcIu0
2
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/25(火) 23:44:08.69 ID:eKho26jj0

>……陽介、痛むかもしれないが我慢してくれ。 ヒョイ

陽介「っ! だから相棒、俺は置いていけって……」

>その相棒を……こんな所で死なせるわけにはいかないだろうが!!

陽介「……悠……っ」ホロリ

>りせ、とにかく走るぞ!

りせ「うん!」

ダッダッダッ





>ハァ……ハァ……逃げ切ったか……?

りせ「もう……追いかけて来てないね」

>陽介も大丈夫か?

陽介「ああ……またお前に借りができちまったな、ヘヘッ」

>……確かさっきナイフを持ってると言ったな? 貸してくれないか、銃弾を取り除こう。

陽介「うっそ、お前そんなんもできんのかよ……まあ不思議じゃねーけどな」



>陽介の足の銃弾を取り出した。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 00:18:14.46 ID:znYFhro90

陽介「悪ぃ、ほんと迷惑かけっぱなしで……」

>気にするな。




りせ「……さっきから思ってたんだけど、なんかこの辺おかしくない……?」

>……そういえば……。

りせ「足元も、いつの間にか金網張りになってるし……」

>壁も……錆と血まみれのように見える。

陽介「っつーか……ここほんとに病院の中なのか? それすら怪しく感じるぞ……」

>言われてみれば……室内なのかどうかすら怪しい。



>……! あれは……!

りせ「先輩、また怪物……!?」

>いや……歩き方がまともだ、さっきの化け物のような千鳥足じゃない。

陽介「ってことは……また、普通の人間か?」

>あそこに歩いているのは……。



@千枝
A雪子
B完二
Cクマ
D直斗
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 00:20:01.96 ID:znYFhro90
すいません、明日早いんでこの辺で止めます

安価に反応もらえたらそこからまた明日書きます
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/26(水) 00:23:16.13 ID:J9PY4Hh1o
1
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/26(水) 17:09:06.09 ID:5nr5TH24o
いちおつ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/26(水) 17:11:01.49 ID:wFHuEQfso
5
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 21:51:53.90 ID:znYFhro90

>あれは……千枝か?

千枝「……鳴上くん? それに花村とりせちゃんまで……」

陽介「里中、お前ももしかして……家で寝てるかなんかして、気づいたらここにいた感じなのか?」

千枝「えっ、よく分かったね。確かにあたし、さっきまで家でゆっくりしてて……少しうつらうつらしてきて、気づいたらこんな所にいたんだけどさ」

>千枝もか……。

千枝「なんか雰囲気もヤバい場所だしさ……みんなと会えてちょっとメンタル回復できたからよかったよ」

りせ「千枝先輩はなにか武器とか拾ってない?」

千枝「武器……って、なんで……もしかしてここテレビの中なの?」

>いや、テレビの中ではないんだが……千枝は見なかったのか? 街中にいた化け物を。

千枝「街中? ……なんていうかもう、あたしもついさっき気がついたばっかりなもんで……。ちょっと何言ってるかわからないっす」



>千枝はこの場所で気がついてから時間があまり経っていないようだ……。
 ここが病院の中であること、外にもこの病院内にも化け物がいることを話した。



千枝「えっ……ちょ、嘘でしょ……? そんな怪物だか何だかなんて」

陽介「俺だって嘘だと思いたいけどよ……これ見てくれよ」

>陽介が足のケガを千枝に見せた。持っていたハンカチで一応患部を縛ってあるが……それでも血は出ている。

千枝「これが……その化け物にやられた傷だっていうの?」

りせ「信じたくない気持ちは分かるけどね……」

千枝「……ちょうどいい、ってのも変だけどさ。目が覚めた場所でこんなの拾ったんだよねあたし」

>これは……簡易救急キットか。

千枝「これでなんとか花村の傷を治療できないかな?」

>……よし、消毒液と止血剤と包帯がある。すぐに治療しよう。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 22:10:49.15 ID:znYFhro90

陽介「……ふぅ、助かったわ。正直言うとまだ血が出てて痛かったからさ。サンキューな里中」

千枝「いいっていいって。……で、これからどうすんの?」

>どうするべきか……。



ギィィィィィィィィィ… ギィィィィィィィィィ…



>何の……音だ?

千枝「何かを引きずる音……かな? 金属みたいな……」

>音は自分たちの後ろの方から聞こえてくる……。

りせ「ねえ、逃げた方がよくない……? 絶対また怪物だよ……」

>どうするべきか……。


>>30

@このまま待機して音の正体を探る
A奥に見える扉に入ってみる
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/26(水) 22:12:23.80 ID:fIbUydkeo
2
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 22:34:15.93 ID:znYFhro90

>……奥に見える扉に入ってみよう。


陽介「ここは……うわ、霊安室じゃねえか……!」

>担架に被せられたシーツが膨らんでいる……そして、そのシーツは赤く染まっていた。

千枝「これって……死体……!?」

りせ「うっ……ぉえっ」

>りせが口元を押さえ、俺たちに背を向けてうずくまった。……見ないでおいてやろう。

陽介「? 担架の上になんかあるぞ、日記帳と……うげ、血まみれの人形だ」

>これは……。

『この日がやっと来た。そう、私と君とが出会う日だ。

 この薄暗い牢獄の中で、いつも君を思っていた。今日になるまで私は君の名前も君の顔も知らなかった。

 でも、わかるんだ。君は私が待っていた人だと。

 君もそうだろう? 君も私を待っていた。だから君は私を救いに来てくれたんだ。

 ああ、愛しているよ、悠。

 この出会いを、この永遠の愛の始まりを記念して私の大切な人形を君にあげたいと思う。ああ、君が喜んでいる姿が目に見えるようだ。

 スタンレー・コールマン』

>悠、というのは……。

千枝「鳴上くんのこと……だよね、多分」

>……バカな。誰かに尾行でもされているのだろうか?

りせ「……先輩、こういうのは放っとくに限るよ」

>そ、そうだな。……それにしても誰が……。



陽介「おい悠、他にもなんかあるみたいだぞ。ほらこの棚」

>これは棚と……鍵? どうやら三つ小窓があるが……一度差し込むと抜けないタイプの鍵穴のようだ。

>小窓にはそれぞれ『簡易救急セット×3』『容器に入った赤い液体』『弾薬一箱とハンドガン』が入っている。

千枝「一応どれか取っといたほうがよさそうだよね……」

>ああ。どれを取るべきか……。


>>33

@簡易救急セット×3
A容器に入った赤い液体
B弾薬一箱とハンドガン
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/26(水) 22:36:23.22 ID:NcVCL0KC0
2
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/26(水) 22:44:45.20 ID:fIbUydkeo
>>32
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 23:04:13.73 ID:znYFhro90

>……この赤い液体を取ろう。

陽介「はぁ? こんなもん取って何になるんだよ」

りせ「そうだよ、こんな訳わかんないもの取るくらいならハンドガンの方が……」

>何故だが分からないが……取っておいた方がいい気がする。

>みんなに反対されつつも、赤い液体の入った容器を取った……。



千枝「はぁ、相変わらず鳴上くんは何考えてるんだか……まあとりあえずここ出ようよ。入ったは良いけど、見た感じ行き止まりみたいだし」

りせ「でも……さっきの音から逃げてここに入ったんだし、出たらまた怪物がいるかも……」

陽介「よし、ちょっと扉のそばで耳すましてみるか」



ギィィィィィィィィィィ… ギィィィィィィィィィィィィ…



りせ「っ……ほら、やっぱりまださっきの音するじゃん……!」

陽介「くそ……でも、だからっていつまでもここにいる訳にはいかねーぞ」

千枝「いっそのこと、出て行って正体確かめてみようよ」

りせ「……千枝先輩、ふざけたこと言わないで!! 実際に会ってないから分からないだろうけど……また変な怪物と遭遇するの、もう嫌だよ……誰かケガするかもしれないし……」

千枝「うっ……ご、ごめんりせちゃん。あたしだけ会ってないから、ちょっとお目にかかりたいなーなんて……」

>りせの言うとおりだ。……本当に命の保証が無いんだ、あの化け物を相手にすると。陽介が足を撃たれたのを見ただろう。

千枝「スイマセン……ちょっと浮ついてたっす、はい」



>しかし……ずっとこの部屋にいるわけにもいかないのは確かだ。だが、だからと言って出ていくわけにも……。

>どうしたものか……。



>>35
@意を決して出ていく
Aもう少し様子を見てみる
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/26(水) 23:07:55.50 ID:aAgpJtHx0
@
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/26(水) 23:07:57.17 ID:NcVCL0KC0
2
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/26(水) 23:25:46.68 ID:znYFhro90

>千枝を注意しておいてなんだが……確かに出て行かないことには先へ進めないだろう。

陽介「おい悠、何言ってんだお前……」

>……出ていってみよう。ここまま待ってたらいつまで経つかわかったもんじゃない。

りせ「先輩……嘘でしょ……?」

>消去法での二者択一だ……危険な選択肢であるのは分かってる。頼む……りせ、分かってくれ。

りせ「……わかった。絶対守ってね、先輩」

>……ああ、任せとけ。


ギィィ…


>扉をゆっくり開けてみる……。

>……!!

陽介「うっ……なんだよあれ……!」

>……三角の被り物をかぶった筋骨隆々の怪物が、大きな鉈のようなものを持ってうろついている……!!

りせ「もうやだ……あんなのとまた戦うの、先輩……!?」

>体躯が今までの怪物の数倍はある……それにあの大鉈だ、鉄パイプごときで勝てるとは思えない……。



>……よく見ると……三角帽子の怪物は、何かを引きずっている……。

千枝「あれって……人間、じゃないの……!?」

>人間……のようだ。引きずった跡が大量の血痕になっていることを考慮すると……もう生きてはいないだろう。

>……引きずられている人間をよく見ると……。

陽介「……嘘だろ……嘘だって言ってくれよ……誰か……」

>死体の顔を見た陽介が、力なく崩れ落ちた。



>三角帽子の怪物が引きずっていた死体は……俺たちの大切な……。


>>39
@雪子
A完二
Bクマ
C直斗
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/26(水) 23:27:35.39 ID:NcVCL0KC0
3
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/26(水) 23:29:05.21 ID:NcVCL0KC0
3
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/26(水) 23:57:03.21 ID:n+X6AoNoo
お前らクマに恨みでもあるの?
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 00:16:47.42 ID:WNJkte/v0
すいません、ID違うと思うけど作者です 3dsで書き込んでます
姉にパソコン陣取られた&また明日早いので、今日もこの辺で一旦止めます

明日また続き書くので、よければまたお付き合いください
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 00:19:51.83 ID:aQmq2+hqo
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 11:16:11.07 ID:VPWxRH/8o
クマwwwwww
まあ、クマだなぁと言うか3dsで書き込みも凄いな。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/27(木) 18:10:30.64 ID:fOTFclX1o
白目剥いて怪物に引きずられるクマぐるみ想像したらヤバイ
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 21:00:47.73 ID:WNJkte/v0

>引きずられている死体は……俺たちの大切な……特別捜査隊の仲間、クマだった。


千枝「なんで……クマくんが……っ」

りせ「クマ……嘘でしょ、ねえ……こんなの夢だよね……」

>……なぜだろう。みんな泣いていて、俺も悲しいはずなのに……涙は出ない。

>涙は出ないが……俺の身体は考えるよりも先に行動に出ていた。





>勝てるかどうか、そんなことはどうでもよかった。

>ただ無我夢中で三角頭の怪物に走り寄り……俺は鉄パイプを振り下ろしていた。





三角頭「………………」

>……予想してはいたが、こちらの攻撃が利いている感じはない。

>だが……不思議だ。さっきの怪物なんかよりよほど強そうな相手なのに、恐怖をあまり感じなかった。

りせ「先輩!!」

千枝「鳴上くん!!」

陽介「悠!!」

>後ろからみんなの声がする。

>……ごめん、みんな。



三角頭「………………」ドサッ

>怪物は、クマの死体を投げ捨て……俺めがけて大鉈を振りかぶった。

>幸いにも隙は大きく、避けるのはたやすい……。

>……利いているかどうかを考えることもせず、俺はひたすらに鉄パイプで怪物を殴り続ける。

>怪物の動きはどれも緩慢な動作ばかりで、恐怖にさえ支配されなければ避けるのは楽なものばかりだった。

>そして……避けては食らわせ、避けては食らわせをひたすら続け……。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 21:15:12.00 ID:WNJkte/v0

三角頭「………………」

>なんだ? 怪物が攻撃を止めて……背を向けた……。

>……どういうことだ。怪物が……逃げていく……?



陽介「悠! ……心臓止まるかと思ったぜ、ホントによ」

千枝「あんな怪物に自分から挑むとか、無茶しないでよもう……!」

りせ「でも……やっぱり先輩は強いね。あの怪物を追い払っちゃったんだもん」

>怪物が距離を置いたからか、みんなが寄ってきた……。

>……勝てた、のだろうか。




>だが、そんなことはどうでもいい。

>俺はあの怪物を……完全に殺さなければ気が済まなかった。

>……クマを殺した、あの憎んでも憎みきれない怪物を……!!




>まだ怪物の姿は視界に捉えられる位置にある。

>……追い打ちをしてでも、あの怪物と徹底抗戦してやりたい。

>>47
追い打ちに…
@向かう
A向かわない
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 21:16:26.80 ID:zy/5/gs0o
2
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 21:23:39.45 ID:a5rk51qDO
2
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 21:45:42.03 ID:WNJkte/v0

>追い打ちに……。

陽介「悠、よせ! せっかく追い払えたのになんでまた戦おうとすんだよ!」

>……クマが殺されたんだぞ!! 俺は仇を討ちに行く、離せ陽介!!



千枝「……逆だよ、鳴上くん」

りせ「クマが殺されたことは……私たちももうちゃんと頭で理解した。
   だからこそ……ここでまたあの怪物と戦って、先輩が死んじゃったらどうするのよっ!!」

>……!

千枝「死んでほしくないよ……鳴上くん……お願い……!」

陽介「悠、お前がさっき俺を助けてくれた時に言った言葉をそのまま返すぜ。俺は……お前に死んでほしくねえんだよっ!」



>…………。

>……そうだった……そうだよな……。

>……すまなかった。

陽介「……へへ、分かってくれりゃいーってことよ」



>だが……クマはもう……。

陽介「…………」

>……クマの亡骸に近づいた。

>胸から腹部にかけて貫通している……あの大鉈で刺されたのだろうか。

千枝「クマくん……クマくんっ……!」

りせ「……うっ……うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん……!!」

>……瞳孔が開いたクマの瞳。あの綺麗な青色の瞳はもう……。

陽介「なあ……起きろよクマ、寝たフリしてんじゃねえよ……!
   頼むよ……お菓子でもアイスでも、なんでも買ってやるからよっ……!」

>陽介がクマの亡骸を揺さぶる。寝たフリだったなら……クマは跳び起きたことだろう。

>だが、飛び起きない。つまりは……そういうことだった。

>……クマの瞼をそっと閉じてやった。


50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 22:13:15.83 ID:WNJkte/v0

陽介「クソっ……なんで……なんでだよ……っ!」

りせ「花村先輩……」

>クマのためにも……先へ進もう。そして必ず、元の場所へ戻るための手がかりを得るんだ。

陽介「…………っ」

>陽介……行こう、クマだってこんなところでお前に死んでほしくはないはずだ。

陽介「…………そう、だな……。泣いてばっかじゃ……事は進まねーよな……」

りせ「クマは……運べそうにない、けど……」

>運んで進むのは……。

陽介「……危険、だろ? ……置いていこう。本当なら手厚く弔ってやりたいけどさ……クマも分かってくれるはずだ」

>ああ……。




>……気がつけば、周りの雰囲気が変わっていた。

>さっきまでは金網張りの床に、血錆まみれの壁だったが……いつの間にか普通の病院の内装に戻っている。

>とりあえずまた、来た道を引き返してみよう……。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 22:20:40.84 ID:WNJkte/v0

>さっき通った時に見落としていたのか、通路の途中に階段があるようだった。

>登ってみよう……。



2F

りせ「ここは……病棟、かな?」

陽介「だろうな、番号振ってある部屋がいくつも並んでるし……」

>とりあえず目の前の扉に入ってみようか……。

ガチャガチャ

>……だめだ、鍵が壊れている。

陽介「なら、手当たり次第に開けてみようぜ」

>そうだな。それじゃ……通路は長いから、二人一組でそれぞれが通路の両端まで……ん?

りせ「ど、どうしたの……?」




>千枝が……いなくなっている……。

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 22:40:24.14 ID:WNJkte/v0

陽介「おい、ウソだろ……? あの里中に限ってそんなわけ……」

>りせと陽介が周りを見渡している。

りせ「……ほんとに、いない……」

>……なぜだ、さっきまで確かに一緒にいたのに……。

りせ「まだ下の階にいる、とか……」

陽介「そ、そうだよな。里中のことだから一人で迷子になってたりして……!」

>もう一度下の階に行ってみよう。



1F

陽介「おーい、里中ー! いるんだろ、出てこいっつーの!」

りせ「千枝先輩、出てきてよー!」



>返事は……無い。

りせ「……そんな……」

>……さっきまで一緒にいたんだ、そんなすぐにどこか遠くへは行けないだろう。

陽介「でも、それじゃ里中はどこに……」

>近くにいるなら返事はするだろうし……クソ、どうなってるんだ……!

陽介「一階にはいない……みたいだし、しょーがねえから二階探そうぜ」

>だが、見失ったのは一階……。

陽介「もしかしたら二階に行ってるかもしれねーだろ! ……とにかく、二階行こうって」



>……不安に押しつぶされそうになっているこの気持ちは、恐らく陽介も同じなのだろう。語気の乱れでよく分かる……。

>陽介についていき、また二階に戻った……。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/09/27(木) 22:46:23.77 ID:jcK6Xralo
ちょっと・・・嘘でしょ
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 23:11:17.17 ID:WNJkte/v0

2F

陽介「じゃ、別行動もできねーわけだし……しょうがねえから固まって一つずるドア開けてこうぜ」

>ああ。


>通路の端からドアノブを捻っていく。


ガチャ…

りせ「あ、開いた……」

>……入ってみよう。



>やはり中は病室のようだ。

陽介「……おい悠、これって」

>……この担架は……!

りせ「さっきの霊安室の……」

>しかも……さっきの死体と同じものに見える……。

>……それにまたしても、日記と血まみれの人形が置いてある。不気味だが……また日記を読んでみよう。



『やあ、また会えたね。僕はとてもいい気分だよ。
 
 さっきは尾行だなんて物騒なことを言われてしまって、一時は悲しみに打ちひしがれていたけどね……。

 
 そうそう、悠のために本でも持ってきてやろうと思っているんだがどうだろう?
 
 下に本のタイトルに関して書いておくから、読みたいものがあったら空欄に希望を書いておいてくれ。

 ・【悪魔祓いの心得】

 ・【世界の空想モンスター・ゴースト解説】

 ・【サバイバル術を学ぶ】

 欲しい本【           】

 どうだい? 今の君の状況にはどれもピッタリな内容だと思うんだ。ぜひ選んでみてくれ。

 ……でも、君は何で僕の人形を持っていってくれなかったんだろう? 照れているのだろうか……可愛いよ、悠。

 スタンレー・コールマン』


>……! やはり誰かに尾行されているのか……!?

>まさか……この死体が……?

陽介「ば、バカ言うなよ……んなわけねーだろうが」

>そ、そうだな……。

りせ「……でも、日記の内容からして尾けられてるとしか思えないよ……」

陽介「そりゃまあ……そうなんだけど……」

>まあ、それを考えるとキリが無いから置いておくとして……この『本を選べ』というのは何なのだろう。

陽介「ったく、こんな状況で本なんか読んでられるかっつーの……」

>一応……書くだけは書いてみようか、ペンも用意されているし。

陽介「マジかよ……勇気あんなぁ」


欲しい本は…… >>54
@悪魔祓いの心得 A世界の空想モンスター・ゴースト解説 Bサバイバル術を学ぶ
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/27(木) 23:14:14.54 ID:WNJkte/v0
安価ミス多すぎだろ俺……>>57
56 :名無しNIPPER [sage]:2012/09/27(木) 23:24:26.99 ID:aIPgnZPAO
A
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/09/27(木) 23:43:00.42 ID:jcK6Xralo
A
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/28(金) 00:13:24.93 ID:xgioh0dI0

>【世界の空想モンスター・ゴースト解説】……と。

陽介「っつーか……こんなもん書いて本当に届けてもらうつもりかよ」

>……まあ遊び半分だ。それに、書いておけば尾行してる奴をおびき寄せられるかもしれないしな。

りせ「それもそうだね……」

>それで……。



>結局……千枝はこの階にもいないみたいだな……。



陽介「…………」

りせ「…………」

>……二人とも唇を噛みしめている。

陽介「……でもよ、そしたらアイツは……どこ行ったって話になるんだ?」

>分からない。……とにかく、進みながら探すしかないだろう。

りせ「そういえば、まだこの階の扉を全部開けてなかったよね……どうせだし一番端まで開けちゃおっか」

>ああ、そうしよう。



>通路に戻ってきた……。


>……もう慣れてきたが……また通路に誰かいるようだ。

陽介「……!!」

りせ「……やだ……またアイツがいる……!」

>クソ……またしてもあの三角頭の怪物が……!


陽介「いや待て、化け物だけじゃない……また誰かいるぞ!」

りせ「あ、ほんとだ……しかもあれって……襲われてるんじゃないの!?」

>二人の言う通り……緩慢ながらも何度も振り下ろされる大鉈から、必死で逃げている人影が見える。

>あれは……また特別捜査隊の人間か……!?


襲われているのは…… >>60
@雪子
A完二
B直斗
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 00:15:32.38 ID:YPEJRj9Jo
3
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/28(金) 00:19:14.48 ID:ekjcfUSl0
1
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/28(金) 00:32:42.97 ID:xgioh0dI0

陽介「あれは……天城か!?」

>……少なくともまだ殺されてはいない、すぐに助けよう!

りせ「うん! ……でも、だからって考え無しに突っ込むのも……」

>確かに、二度もあんな怪物と戦うのは無理だ……どうすれば……。

>……じゃあ、俺がまず鉄パイプで一発殴って気を引く。その間に二人は雪子を助け出して……。

陽介「その後がな……追いかけられちまうぞ、やっぱり」

りせ「……先輩見て、壁のこれ」

>これは……階の見取り図か?

>この通路の終わりには……エレベーターがある!

陽介「エレベーター……使えるかもな」

>ああ。俺が鉄パイプで殴り、その隙に雪子を救出し、怪物に追いつかれる前にエレベーターで移動……。

陽介「よし、もう時間もねえ……やるぞ悠、りせ!」

りせ「うん!」

>ああ!
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/28(金) 00:38:04.03 ID:xgioh0dI0
何度もすみませんが…明日早い都合で今日もこの辺にしておきますorz

ってかもう更新時間も明記しといたほうがいいかな…
とりあえずこれからは、夜十時〜深夜一時くらいに書いていくつもりで臨みます

何日もまたいで申し訳ないですが、よろしければ最後までお付き合いお願いします
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 00:40:10.74 ID:YPEJRj9Jo
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/09/28(金) 00:48:37.70 ID:pdVc6Bbao
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 09:34:27.98 ID:hlgUIzyDO


クマは犠牲になったのだ……
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/28(金) 22:07:09.74 ID:xgioh0dI0

>じゃあ、俺が先に出る。……二人とも頼んだぞ!

陽介「任せろ!」





>うおおおおおおおおおっ!


ドン


三角頭「………………」クルリ

>よし、怪物がこっちを向いた……!

りせ「今だよ花村先輩、行こ!」

陽介「分かってる!」

>陽介たちが走り出す……。

陽介「天城、掴まれ!」

雪子「えっ……なんで、花村くん……それにりせちゃん……」

りせ「いいから早く!」

陽介「俺なんかにお姫様だっこされたかねーだろうけど、ちょっと我慢してくれな天城……!」

>雪子は……どうにか救出されたようだ。

>……俺も急いでエレベーターへ向かわなければ!





ダッダッダッダッダッ

>陽介たちがエレベーターに入った……!

りせ「先輩早く!」

陽介「チッ、化け物もこんなときに限って早歩きしがやって……!」

>間に合うか……!
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/28(金) 22:46:25.05 ID:xgioh0dI0

りせ「先輩、滑り込んで!」

陽介「よし、タイミング合わせて閉ボタンを……!」

>……間に合えぇぇぇぇぇぇぇっ!





シュー… ガタン





>なんとか……乗り込めた、ようだ。

りせ「ギリギリだったね……」

>……大丈夫か、雪子。

雪子「うん、なんとか……でもどうしてみんなが?」

陽介「知らねーうちにこの変な場所に来ててな……天城も多分そんな感じだろ?」

>陽介は同じ内容の話題に食傷気味のようだ。

雪子「確かに……自分の部屋でぼーっとしてたら、なんかいつの間にかこんな所に来てて」

>雪子……さっきの怪物を見てもう分かっていると思うが、ここは理解不能な化け物ども徘徊してる場所だ。これからは俺たちと行動しよう。

雪子「うん……分かった」


陽介(なあ悠、クマのことは……)

>……黙っておこう。ただでさえさっき殺されかけてるんだ、余計な心配がかけないほうがいい。

陽介(……そう、だな)






ピコーン

>……なんだ?

りせ「あ、着いたみたい。……乗ったとき、私がとっさに屋上のボタン押してたんだよね」

>扉が開く……。

陽介「外に怪物は……いねーな、よし降りよう」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/28(金) 23:11:07.24 ID:xgioh0dI0

>屋上……やはり外に面している以上、霧がとても深い。

>だが屋上そのものがそんな広くはないので、一通りは見渡せた。



りせ「先輩……またあの担架……」

>……こう何度も続くと、多少の慣れが出てくるな。

>またしても……霊安室の死体の担架、そして日記と人形が置いてある。

陽介「またこれかよ……まさかほんとに、死体が自力で動いてるんじゃねえだろうな……」

雪子「なにこれ……死体なの……!?」

>雪子の顔色が青ざめた……説明は陽介に任せよう。

>とりあえず、また日記を開いてみようか……。



『やあ悠。さっき書いてくれた通り、本を持ってきてみた。君の役に立てれば嬉しいよ。

 ……君はまだ自分の本当の気持ちに気付いていないのかもしれない。でも無意識ではわかっているんだ。

 だから君は私に近づこうと努力している。それは美徳だ、楽園に至る道だ。

 そうだ、愛の言葉でも書くことにしようか? この胸に。この心を切り開いて見せられない、その代わりに。

 「アイ・ラブ・悠」と。

 いや、もう少し気の利いた言葉にしよう。それっぽっちじゃ、まだ私の思いに足りない。
 
 ああ、これはとても甘美な気持ちになれる想像だね。
 
 それに……屋上は私も好きだよ。飛びたくなる。君もそうだろう?

 スタンレー・コールマン』



りせ「なんか……日記の内容がどんどん狂ってきてる……」

陽介「つーか『アイラブ悠』って……つまんねえにも程があるだろ」

雪子「………………」

>……おかしい。本来の雪子なら大笑いしそうなギャグだが……。

>顔は……青ざめたままだ。死が一度目前に迫った人間というのは、ここまで意気消沈するものなのか……。

>なるべく早く雪子が立ち直るのを祈るしかない。そして……。

>……問題は、この本だ。さっき希望を書いた通りの本が置いてある。【世界の空想モンスター・ゴースト解説】。

陽介「この本が……まさか本当に届けられるとはなあ」

>一応、読んでみようか……。



>一通りざっと読んでみた……。



>! これは……!

りせ「先輩、どうしたの?」

>これは……この記載された写真は、さっき取った赤い液体か……?
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/28(金) 23:24:38.13 ID:xgioh0dI0

>世の中には人間に憑依するタイプのモンスターがおり、運悪く憑依された場合に有効な薬として……赤い液体の写真が載っている。

>薬の名前は『アグラオフォティス』。憑依された人間にかければ、憑依したモンスターは逃げていくという……。

>今持っているこの赤い液体がそうなのだろうか……似ているだけ、とか……。

>……だが一応、ここに書いてあることは頭に留めておくとしよう。



雪子「……それで……このあと、どうするの?」

陽介「そうだな……また病院の中に戻らなきゃならねえかな、やっぱ……」

>やはり、戻らなければならないか……。



陽介「……どうした悠、空なんか見上げて」

>……このまま、空でも飛んでどこかへ行けたらいいなと思ってさ。

陽介「ハハ、そりゃ夢のある話だな。……ま、厳しいかもしんねーけど」

>……空は、相変わらずの霧模様だ。



>そういえば、さっきもこうして空に……。

>……陽介から渡された青い宝石を取り出した。

>この宝石を……また空にでも向けてみようか。


宝石を……>>71
@向ける
A向けない
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/09/28(金) 23:55:01.61 ID:t0DdMFFEo
来てた
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 23:56:18.88 ID:XXHZUIGSo
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 00:33:15.90 ID:XdG4VIKC0

>宝石を……空に向けてみよう。




ヒョインヒョインヒョインヒョインヒョイン

>なんだ? 何かが空から飛んでくる……しかもなんだ、このやる気を無くすような音は……。

>飛行物体が……俺たちの真上で、止まった。



ヒョインヒョインヒョインヒョインヒョイン

>!! これは……UFOか!?

??【ハッハッハ! どうだ悠、楽しんでいるか!?】

>この声は……叔父さん……?

??【お兄ちゃん、さすがだね! 菜々子たちが仕掛けたゲームをすいすい進んでるね!】

>菜々子の声まで……!?




>空中のUFOから、こちらに向かって光が差し込む。そこから誰かが降下してくる……。

>……なんだあれは!? 叔父さんと、菜々子と……無数のエイリアンのような生き物が!


73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 00:35:01.73 ID:XdG4VIKC0

堂島「さすがだな、悠! 楽しんでくれいるか!?」

菜々子「お兄ちゃんすごい! やっぱりお兄ちゃんはかっこいいね!」

>……ついに俺も幻覚を見るほどおかしくなったのだろうか。

>叔父さんと菜々子が……珍妙なエイリアンのコスプレをしている……!



完二「先輩、ホラ早く! この戦闘機に乗るっス!」

直斗「早くしてください先輩、敵軍エイリアンはすぐにでもこちらに攻め込んできます!」

>完二に直斗まで……お前たちもいたのか!? しかもなんだ、その訳わからん宇宙服は……。



クマ「センセイ、このヘルメットを被るクマ!」

>ちょ、クマ! 生きていたのか!

千枝「鳴上くん早くしてよ、あたしもう出撃したくてウズウズしてるんだから!」

>千枝も、いつの間に……!



雪子「さあ行くよ、鳴上くん!」

りせ「先輩早く!」

陽介「やってやろうぜ、相棒!」

>お前たちまで!? ていうかいつ宇宙服に着替えたんだ!?



堂島「さあ行こう、俺たちエイリアンスペースレンジャーの戦いへ!」

菜々子「さあ行くぞぉ、やろーども!」

鳴上以外「「「「「「「アイアイサー!!」」」」」」」



>なんだ……何がどうなってるんだ……!?

堂島「悠、頼んだぞ。お前は我が軍の切り込み隊長だ」グッ

>はぁ!? 叔父さん、頭イカレたんですか!?

堂島「ほらほら、そんな無駄口を叩いてないでお前も着替えるんだ」

>うわ、ちょっ……!

>……一瞬の間に、着ている服が宇宙服になった……。

>なんか……頭もボーっとしてきた……。





菜々子「それじゃあお兄ちゃん、戦闘総指揮をお願い!」

>……ああ、お兄ちゃんに全部任せろ!

>行くぞ! 敵軍エイリアン艦隊、殲滅開始!!

全員「「「「「「「「オオオオオォォォォォォォ―――――――ッ!!」」」」」」」」



 【UFO END】
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 00:50:05.80 ID:XdG4VIKC0
一応UFOエンドの場合はここで終わりなんですが…

まあ当たり前というか、正規ルートもあるんで書かせてもらっていいですかorz
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 00:51:47.60 ID:dZdpneMEo
(続きを書いても)ええんやで
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 01:27:02.91 ID:XdG4VIKC0
 
宝石を空に向けなかった場合の続きから

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


>宝石を……向けないでおこう。



りせ「気は進まないけど、戻ろっか……」

>ああ……。


ジジジジジ…


>くそ、ラジオのノイズということは……またか!



キャハハハハハハハハハハハハハハハ!!



陽介「うっ、なんだあの着ぐるみ……!」

>……いつの間にか、背後にウサギの着ぐるみが!

>しかもそれだけじゃない……口の周りが血だらけだ……!


バァン!


雪子「きゃあっ!」

りせ「雪子先輩!」

>あの着ぐるみ、ライフルなんか持っているのか……!

雪子「……大丈夫、なんとか弾は当たってないみたい……」

>なんとか外したようだが……一息ついている暇はない、短期決戦だ!

>一気に接近して……振り下ろす!


ドゴッ


着ぐるみ「………………」ドサッ

>ウサギの着ぐるみは……倒れた。




陽介「ふぅ……まったく、ホントにここはワケわかんねーことばっか起きるな……」

>着ぐるみが持っているライフル……せっかくだ、拾っておこう。

りせ「……弾薬もあるみたい、いくつか拾っておくね」

>ああ。それじゃ……このライフルを陽介に預けよう。

陽介「え、俺?」

>そうだ、一人がすべての武器を抱えていても仕方ないからな。

陽介「マジか……まあとりあえず引き金引けばいいんだよな。よし、引き受けたぜ」




>それじゃ……みんな嫌だとは思うけど、病院の中に戻ろう。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 01:32:08.69 ID:XdG4VIKC0
それじゃとりあえず…今日もこの辺で一旦止めさせてください

昨日も書きましたが【更新時間帯・夜10時〜深夜1時】です。
ではまた明日もよろしくお願いします。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/09/29(土) 01:34:15.35 ID:Wm1pmNa3o
おつおつ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 01:35:17.50 ID:dZdpneMEo
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 23:30:09.61 ID:XdG4VIKC0

>二階は一通り調べ終えた上にあの怪物がいるということで、次に三階へ向かった。




3F

>エレベーターの扉が開く……。

陽介「……うわ、またこれかよ……」

>……またしても通路の雰囲気が異質なものになっている。

>さっきの一階のような、金網の床と血錆まみれの壁になっている空間だ……。




千枝「あーっ! やっとみんないたー!」




>この声は……千枝か!?

千枝「みんなどこ行ってたのさー、急にいなくなっちゃったから心配したよほんと」

陽介「いなくなったって、お前の方がはぐれたんじゃねーか! こっちだって心配したんだぞ……!」

千枝「うお、それを言われると言い返せぬ……」

雪子「千枝……? 千枝もこの場所に来てたの?」

千枝「あれ、雪子。雪子もこの訳わかんない場所に来てたんだ」

雪子「うん……かなり危ないところだったけど、鳴上くんたちが助けてくれたんだ」

千枝「もしかしてそれ、花村たちが言ってる『怪物』ってやつ?」

雪子「まあそんな感じだったかな……大鉈持ってるし変な赤い三角の被り物かぶってるしで大変だったよ」

りせ「そういえば……千枝先輩は私たちとはぐれてた間に怪物には会わなかったの?」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/29(土) 23:48:53.09 ID:XdG4VIKC0

千枝「それがねー……正直に話すと、会ったのは会ったんだよね。でもなんというか……怪物の方があたしを無視してるというか」

>怪物が……無視する?

千枝「うん。最初に見た時ビビってすっころんで、ド派手に音たてちゃったんだけど反応しなくて。それで不思議に思って近づいても、何の反応もしなかったんだ」

>どういうことだ……?

千枝「ま、こうしてみんなに会えたからもうどうでもいいけどね」

陽介「……そうだな、あんまこの場所で起きたことを現実的に考えても意味ねーみてーだし」

>言われてみれば……異形の怪物しかり、移動する死体しかり、論理的に考えたらキリがないことばかりの場所だ。

りせ「深く考えるだけ無駄っぽいね……とりあえずこうして会えたんだから、もう大丈夫でしょ」

>それもそうだな……。




陽介「……んじゃまた、この階の探索といきますか」

>ああ。どうやら……この階も病棟のようだ。一本道にいくつもの番号を振られた部屋が続いている。

りせ「さっきみたいに、また片っ端から病室のドア開けてこっか」

>そうだな。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/09/30(日) 00:03:24.63 ID:XCsLoUvko
来てた
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/30(日) 00:05:19.25 ID:GCcS5luk0




>端からドアノブを捻っていく……。




陽介「……ここで最後だな」

ガチャガチャ

>……くそ、だめだ。

りせ「結局、全部の扉の鍵が壊れてたみたいだね……」

雪子「……待ってみんな、あそこの扉は?」

千枝「どれ? ……ああ、あれか」

>どうやら俺たちが進んできた道を折れるように、まだ先の通路があったようだ。その行き止まりに扉がある。

陽介「どうする悠、行くのか?」

>……ひとまず入ってみよう。
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/30(日) 00:26:35.43 ID:GCcS5luk0



ギィィ…



>ここは……物置だろうか。段ボールが積んである……。

陽介「この段ボールの量……なんか使えそうなもん入ってねーかな」

>……陽介が段ボールを物色し出した。


りせ「……! 先輩……また誰かいる……!」

千枝「ほんとだ……また人影……」

>またか……怪物か、はたまた俺たちの仲間か……!

雪子「なんか……目が赤い、のかな……?」

>確かに……薄暗い中で不気味に輝く赤い瞳が見える。

>みんなでゆっくり近づいていくと……。




陽介「お前は……!」

>またしても……俺たちの仲間だったようだ。だがあの目の赤い輝きと、俺たちを見ても何も言わない様子を見ると……。

千枝「ちょ、なんであたしたち見ても何も言わないわけ……?」

>どうして……なぜ黙っているんだ、>>85……!?


@完二
A直斗
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 00:36:24.75 ID:qexNjLuNo
2
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/30(日) 01:00:40.82 ID:GCcS5luk0

雪子「何か言ってよ、直斗くん……!」

>直斗は……黙ったままだ。

りせ「目が赤いってことは、また直斗のシャドウとか……?」

>いや、シャドウなら目は金色のはずだ。

千枝「ならなんで……じゃあこれ、本物の直斗くんってこと……!?」

>恐らく……そうなるだろうな。

陽介「おい直斗、いつまでも黙ってんじゃねえよ! シャドウじゃねえんなら返事くらい…………うぐっ!」

>!!

千枝「は、花村!」

>なんだこれは……俺たちから少し離れた場所にいた直斗が、一瞬にして陽介に接近して殴り飛ばした……!

陽介「っつ……なんて重さだよ、こいつ本当に直斗なのか……!?」

>陽介はどうにか無事なようだが……。

雪子「……きゃああああああああああっ!」

>くそ、今度は雪子が……!

>直斗は雪子を押し倒し、首根っこに手をかけている……。

雪子「く……る……し……い……」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/09/30(日) 01:20:37.32 ID:DWJJBbDio
とりあえず千枝ちゃんが無事でよかった
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/30(日) 01:55:05.45 ID:GCcS5luk0

りせ「雪子先輩! どうすればいいの……!」

>引きはがすしか……おい千枝、迂闊に前に出るな!

千枝「直斗くんごめん! ……うおりゃあああああああああっ!!」


ドゴッ!


>千枝の蹴りで……直斗が吹っ飛んだ。

千枝「雪子、大丈夫!?」

雪子「っぐ、げほっ……なんとか……大丈夫……」

陽介「……にしても、蹴るこたぁねーだろう。お前みたいな肉食獣の蹴りじゃ直斗の体が……」



直斗「………………」ムクッ



りせ「嘘……また起き上がった……!」

>バカな、あの蹴りを食らって表情ひとつ歪めないなんて……!

陽介「おい、ウソだろ……? あの里中の蹴りを食らって、なんですぐに立ち上がれんだよ……!」

>痛みを感じないのか……!?



直斗「………………」ダッ



>くそ、また直斗がこちらに向かってくる……!
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/30(日) 01:59:15.18 ID:GCcS5luk0
では今日はこの辺で…
また明日よろしくお願いします

>>87
先に謝っときます…すいません
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 02:00:36.41 ID:qexNjLuNo
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/30(日) 06:24:01.42 ID:AJQrUpXS0
なあにいざとなったらありったけの反魂香を焚きつめればいいさ
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/09/30(日) 10:11:02.68 ID:DWJJBbDio
>>89
嘘だろ・・・?
嘘だと言ってよ!!
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 15:18:31.90 ID:rL7N7oEIO
とりあえず赤い液体をかければ直人は大丈夫だな
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/30(日) 23:08:25.96 ID:GCcS5luk0

雪子「直斗くん……目を覚ましてよ……!」

>……目を、覚ます?



>そういえば、あの本に書いてあった内容は……。

>今の直斗が何者かに操られているとしたら……もしかして、あの赤い液体が使えるだろうか……?



りせ「先輩危ない、そっちに直斗が!」

>……好都合だ、このまま直斗の方から距離を詰めてくれれば……!

千枝「ちょ、鳴上くん! じっとしてないで早く逃げてよ!」


ドシン!


陽介「くそ、今度は悠が押し倒された……引きはがすぞ里中!」

里中「うん、分かった!」

>……来るな、二人とも!

陽介「えっ? な、なんでだよ!」

>今からこいつを……直斗にかけるからさ!

りせ「それは……霊安室で取った赤い液体?」

>ああそうだ、そしてさっきの本に書いてあった内容の通りだとするなら……!
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/09/30(日) 23:33:14.46 ID:GCcS5luk0

千枝「さっきの本って、確か憑依するモンスターがどうたらこうたら……あっ!」

陽介「……そういうことか!」

>そういうことだ、この液体を……。




>直斗に……かければ!

バシャッ

直斗「………………」ガクッ

>直斗が、倒れ込んだ……。




雪子「! 見てみんな、直斗くんの身体から何かが……!」

陽介「なんじゃこりゃ、デカい芋虫みてーなのが出てきたぞ。これがもしかして……」

>それが恐らく……直斗を操っていたものの正体だろう。

陽介「なるほどな。このクソ芋虫……踏み潰してやる!」


ブチャッ!


直斗「……ここは……」

>気がついたか、直斗。

直斗「……っ! すすす、すみません先輩っ!」

>どうしたんだ?

直斗「だってこれ……その……僕が先輩に馬乗りになって……///」

>……なんだ、そんなことか。

直斗「そ、そんなことってなんですか!」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 00:14:23.48 ID:JQhhGWtc0

>いずれにせよ、直斗が元に戻ってよかったな。

直斗「無視しないでくださいってば!」

>……すまない直斗。真面目な話、今は冗談を言っている場合じゃないんだ。

直斗「……?」

>直斗はこの場所に来た経緯を覚えているか?

直斗「この場所……?」

>……またか。一から説明するしかないか……。





直斗「すると……この場所は……」

>……総括すると『よく分からない場所』という身も蓋もない結論にはなるんだけど。

直斗「怪物が蠢いていて、血錆まみれの空間になったりならなかったりする……と」

陽介「まぁ、大体そんな感じだよな」

直斗「……? 先輩方に、久慈川さんもいたんですか?」

りせ「うん。……で、直斗。いつまで悠先輩にまたがってるつもり?」

直斗「えっ、あっ……///」

>……直斗はそそくさと立ち上がった。




直斗「……えー、おほん。それでは気を取り直して……僕が操られた経緯についてですが」

>何かそれらしい記憶はあるか?

直斗「思い返す限りでは、無いですね。なぜこんな場所にいたのかも……」

>やはりダメか……。

直斗「お役に立てなくてすみません」

>いや、いいさ。

直斗「……それにしても、血錆まみれの空間というのは不気味極まりないですね。元の空間があるというのなら、早く戻りたいです」

千枝「……あのさ、みんな」

>どうした、千枝。





千枝「血錆まみれの空間ってのは分かるんだけど……元の空間って、何のことなの?」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 00:37:16.10 ID:JQhhGWtc0

>どういうことだ?

千枝「いやだから、ここって元々血と錆まみれの場所じゃん。……普通の場所?って言われてもさ」

>いや、普通の場所は普通の場所だろう。

千枝「だからその普通の場所ってのが分からないんだってば!」

>分からないって……。




>……そういえば……。

>千枝に最初に会ったのは……普通の空間から血錆まみれの空間になってすぐのことだった。

>そしてはぐれてから再会したのは、またその地錆まみれの空間になった直後のことだった。

>これは……どういうことなんだ?




陽介「だから、普通の場所は普通の場所だっての! なんつーか……普通の病院の中だろーが!」

千枝「こっちだってさっきから言ってんでしょ! 普通の場所なんかどこにも無かったっつーの!」




>『普通の場所なんかどこにも無い』……妙に引っかかる言い方だ。

>普通の空間に戻ったらいなくなり、そしてまた血錆まみれの空間になったら出てきた千枝……。

>千枝は……血錆まみれの空間になっているときしか存在できない……のか……?

>だが、それが示すものとは何なんだ……?

98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 01:09:20.68 ID:JQhhGWtc0

千枝「……もういいよ! どうせあたしが一人で変な妄想見てただけですよーだ、ふん!」

>千枝がすねてしまった……。




陽介「ったく……とりあえず、あの偏屈肉食獣は放っとけば機嫌直すだろ」

直斗「ですが気になります、なぜ里中先輩だけ……」

陽介「里中の頭なんてどうせまともな造りしてねーんだから、心配するだけ無駄だって」

直斗「そ、その言い方は……なんというか」

陽介「それよか、直斗がなんとか正気に戻ったことの方が喜ぶべきことじゃねーか。すごかったんだぞ、天城を絞め殺そうとしたりして」

>……ヘタをすれば、お互い重傷を負いかねなかったのは否めないな。

直斗「……そんなにひどかったんですかね、僕は……」

>だが……いいじゃないか、こうして生きて意識が戻ったんだ。

直斗「そうですね……何にせよ生きてさえいれば、大丈夫ですよね」


陽介「そうだな……生きてさえいれば、な……」


直斗「……花村先輩? 急に声の調子が下がりましたけど……どうかしましたか」

陽介「……なんでもねえ」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 01:34:15.23 ID:JQhhGWtc0





千枝(……生きてさえ……いれば……?)





千枝(ううっ……急に頭が……痛い……!!)





りせ「……千枝先輩?」

>千枝がしゃがみこんだ……。

陽介「何やってんだ、里中のやつ……」





千枝(……嫌だ……思い出したくない……!)





千枝(あたしは……あタしハ……アタシハ…… ア タ シ ハ )





千枝( ア タ シ ハ … … … … ソ ウ ダ … … シ ン デ ル ン ダ ッ タ )






雪子「ねえ千枝、そろそろ機嫌直……し…………て………………」

>……!!

直斗「さ、里中先輩……?」


>千枝の顔が……額から滴る血で真っ赤になっている……!!


陽介「おい……里……中……」

りせ「千枝……先輩……」





千枝「 ミ ン ナ … … タ ス ケ テ … … 」





千枝「 イ ヤ ダ … … マ ダ … … キ エ タ ク ナ イ … … 」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/10/01(月) 01:51:25.02 ID:sncPtEtEo
嘘ぉ・・・
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/01(月) 01:53:26.87 ID:+lbEDOMKo
リカーム! サマリカーム!
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 01:55:05.19 ID:JQhhGWtc0

りせ「……嫌ああああああああああああっ!!」

>りせ! くそ、りせが部屋を飛び出して……!



千枝「 ナ ル カ ミ ク ン … … オ ネ ガ イ … … ソ バ ニ イ テ … … 」



>う……っ……!

>くそ、目の前にいるのは千枝なのに……その千枝が怖ろしくて……足がすくむ……!!

陽介「里中……なんで……!」



千枝「 ハ ナ ム ラ … … 」



陽介「うっ……! こ、こっち来るなぁぁぁぁぁぁ!」

>陽介! 陽介まで部屋を……!

>くそ……なんでこんなことに……っ!

103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 02:13:39.39 ID:JQhhGWtc0

>りせに続き陽介まで出ていったことで、せきを切ったように雪子と直斗も逃げ出した……。

>……くそ……逃げるしかないのか……!!



バタン!



>部屋から出て……ドアを強く抑える。

>……すまない……千枝……。


陽介「……悠」

雪子「鳴上くん……」

りせ「悠先輩……」

直斗「先輩……」


>みんな……。

りせ「なんで……? なんでさっきから……私たちの仲間がひどい目に会うの……? もう……嫌だよ……」

陽介「あまりに怖くて……逃げちまってすまなかった、里中……」

雪子「千枝、どうして……………千枝…………千枝ぇっ……!」

直斗「どうしてだ……なんでこんなことが……!」

>……。





>……変だ。中には……千枝がいるはずなのに、俺たちが出てから暴れているような音一つ聞こえてこない……。

陽介「もしかして……そうだよ、ひょっとして元に戻ってるとかさ!」

>……分からない。もしかしたら俺たちが開けるのを待っているのかも……。

雪子「……それでもやっぱり……もう一回ちゃんと千枝に会おうよ。それで……話をしよう」

>……分かった。




ギィィ…




>ゆっくりと……扉を開く……。
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/01(月) 02:14:23.79 ID:YxzHJneSO
千枝ちゃん……
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 02:15:31.96 ID:JQhhGWtc0
すんません…また月曜から早いんでこの辺りでorz
引き続きよろしくお願いします


千枝ちゃんがアレになったやつの元ネタ→http://www.youtube.com/watch?v=gCgzPJiIIE0
ここらで少しサイレントヒル布教でも…いやこれ布教になってないか
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/01(月) 02:16:35.87 ID:s+4ury71o
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/01(月) 05:19:51.02 ID:EMyaWmGDO
おつ

やはり、リサが元ネタか…
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/01(月) 08:21:52.44 ID:OBx7gSKY0
これは…千枝を出すタイミング間違えたかな

陽介か完二にすればよかた
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 22:29:03.89 ID:JQhhGWtc0

>……? 千枝がいなくなっている……?




陽介「どういうことだ? なんで……」

りせ「やっぱり、どこか物陰に隠れてるとかかな……?」

>ああ。……ん? あれは……。

雪子「鳴上くん……?」




>部屋の真ん中に……開いたままの携帯が落ちている。




雪子「! あれ、千枝の携帯……!」

>まさか……。携帯を調べてみよう。




>……携帯は、文字盤の部分が血まみれになっている。

>それに……どうやら特別捜査隊全員宛てのメールが書きかけのようだ。内容は……。




『TO:鳴上くん 花村 雪子 完二くん りせちゃん 直斗くん クマきち
 
 本文:変な赤い三角のをかぶった化け物に追われています。場所はどこだか分かりません。
    
    あたし……死んじゃうかもしれないです。死んだら……ごめんね、みんな。
    
    鳴上くん、花村、雪子、完二くん、りせちゃん、直斗く』




>……メールはそこで入力が終わっていた。

>…………千枝…………。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 22:51:34.66 ID:JQhhGWtc0

雪子「千枝……どうして……うっ、ううっ……!」




>千枝は……出会った当初からすでに死んでいたのかもしれない。

>この血錆まみれの空間……普通の空間じゃないこの場所でしか姿を現せない死者として……。




陽介「嘘だろ……嘘だろおい!! 里中!! お前がそう易々と死ぬはずねーだろ!! 隠れてないで何とか言えよっ!! …………何とか……言ってくれよ……里中……っ」



雪子「千枝……これからは私が千枝を守ってあげたかったのに……ごめんね……本当にごめんね……」



りせ「千枝先輩、出てきてよ……嫌だよ、死なないでよ……先輩っ……!!」



直斗「里中先輩……どうして里中先輩が死ななきゃならなかったんだ……くそぉぉぉぉぉっ!!」




>もう……嫌だ……。

>これ以上仲間が死ぬのは……嫌だ……!!
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 23:09:55.72 ID:JQhhGWtc0




>全員が、気の収まるまで泣き続けた……。




>……みんな、行こう。決着をつけるんだ。

雪子「決着……?」

>ああ。千枝の携帯にも書かれていた、あの三角頭の怪物……あいつを完全に殺すために。

りせ「でも、さっきは勝てないからヤバイって……」

>もうそんなことは関係ない。あの怪物を止めないと……仲間が死んでいく一方なんだ!!

直斗「先輩……」

>俺は……もう嫌なんだ。仲間がこれ以上死ぬのは……絶対に嫌なんだよ!!

陽介「……そうだな。まだ会ってない完二も残ってる……助け出さなくちゃな、絶対」

>……その通りだ。




>最後に怪物を見かけたのは、雪子が襲われていた二階だ。……とりあえず二階へ行こう。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 23:35:39.49 ID:JQhhGWtc0

>ドアを開く……。



ギィィ…



>……!! なんだここは……通路じゃない……!?

>通路に繋がるはずの扉を開けたら……何やら広い祭壇のような場所に出てきた。

りせ「……先輩、あれ見て!」

>あれは……完二!!




完二「鳴上先輩、それにお前ら……! だめだ、こっちに来るんじゃねえ!!」




>完二が、祭壇の十字架に磔に……!

>その後ろには……またあの三角頭が大槍を携えて立っている! しかも、今度は二体も……!




陽介「まずい、あの化け物……完二を刺す気だ!」

直斗「くそ、どうすれば……距離が遠すぎる……!」

>……陽介、さっきのライフルだ! ライフルであの怪物を撃つんだ!

陽介「そうだ、それがあったか! よし……」スチャ



陽介「おらおらおらぁぁぁぁ!!」

バァン! バァン! バァン! バァン!



>くそっ! 怪物は微動だにしない……!

陽介「……マジかよ、利かねえのかよ……!」

>……まずい! 怪物が大槍を振りかぶった……!




>……やめろ!! もうやめてくれ!!
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/01(月) 23:44:24.91 ID:JQhhGWtc0

>もう仲間を……俺の仲間を殺さないでくれ!!




三角頭「………………」スッ

完二「お前ら、早く逃げろっつってんだろ! 俺が時間稼ぐから、早く遠くへ……!」



ザシュッ



完二「ぐ………………がはっ………………」ガクッ

雪子「……完二……くん……!」




>…………。

>また……救えなかった……。

>……俺は……俺は…………っ!!




>……なんだ、頭が急に重く……。

>……みんなの顔が……脳裏に浮かぶ……。
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/01(月) 23:45:47.32 ID:O9zob4Qho
完二漢だな
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/02(火) 00:31:02.76 ID:NwwTxeFW0



『こないだ、お前を「特別」って言ったときに気付いたんだ……。
 俺は多分、誰より、お前に認められたかったんじゃないかって……』




『あ、あの……あたしね、鳴上くんのことも守ってあげたいなって思う……。
 あたしじゃ頼りないかもしれないし、守ってもらう必要なんかないかもだけど……』




『私、今は違う。あの旅館を守りたいって思う……。あそこはやっぱり……私の大切な場所だから……。
 鳴上くん、ありがとう。気付けたのはあなたのおかげだと思う』




『周りの目にビビって、シュミ隠したりキョリ置くとかじゃなくて……どんなときでもオレのままのオレを貫いてこうって思ったんスよ!
 気付けたの、先輩のおかげっス……サンキューっス!』




『うん……先輩も、分かってたんだ……。
 スポットライトに照らされて、もてはやされていた“りせちー”……それもやっぱり“私”で……その“私”を……奪わないでほしかったんだね……』




『でも僕の“いていい意味”は……“事件を解決すること”だけじゃない……。
 皆さんやあなたが……僕に、居場所をくれたんだ……』




『センセイ……クマは……センセイを守る。クマ、センセイに命もらったから……センセイが大事だから……。
 クマ、ひとりぼっちじゃないね……センセイも、ひとりぼっちじゃないね……』

116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/02(火) 00:38:17.95 ID:NwwTxeFW0





>…………そうだった…………。

>思い出した……すべてを……。





>……俺は弱かった。

>みんなに頼られている気でいながら、本当に頼っているのは自分の方であることに気付くのが……怖かった……。

>だから……あの怪物の存在を望んでいた……。

>俺の奢りを罰してくれる誰か……怪物の存在を……。

>仲間を殺すことで……失わせることで、その重みを俺に気付かせようとした……。





>でも、もういらないんだ……。

>分かったんだ……決着は、自分でつける。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/02(火) 01:14:33.52 ID:NwwTxeFW0

>……陽介。ライフルを貸してくれ。

陽介「え? ……あ、ああ」





>決着をつけよう、怪物。

三角頭「………………」





>二体の怪物……恐ろしさは感じなかった。

>ただ勝たなければならないという執念だけで俺は動いていた。抗い続けた。

>大槍の攻撃で深手を受けても、痛みはあまり響いてこない。もはや痛みすらどうでもよかった。

>そして……。





三角頭「………………」

>……まただ。怪物が、攻撃を止めた。

>怪物二体は、部屋の中央へと歩いていく……。





三角頭「………………」

グサッ

>怪物二体は……自らの喉元に大槍を突き立てて、自害した。





>動かなくなった怪物の元へ歩み寄る……。

>……もう俺には必要ない。これはただの死体だ。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/02(火) 01:31:59.86 ID:NwwTxeFW0

陽介「悠!」

雪子「鳴上くん!」

りせ「悠先輩!」

直斗「先輩!」





>みんな……。

>……なんだ……視界が……ぼやけていく……。

>………………。















>……ここは……俺の部屋……?

菜々子「お兄ちゃーん! 夕飯の支度できたよー!」

>菜々子の声だ……ということは……。



>今までのは……夢……だったのだろうか。



コンコン

堂島「悠、早くしないとメシが冷めるぞ。いつまでも寝てんじゃない」

>……今行きます、ちょっと待っててください。





>どうやら、すべては夢の中の出来事だったようだ。

>安堵の反面……考えさせられる部分もある夢だった。

>みんな……生きている、んだよな……。
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/02(火) 01:51:14.74 ID:NwwTxeFW0




翌日




>登校の道中……。




千枝「おっす鳴上くん! どうしたのさー、下ばっか見て歩いて」

>千枝……。

完二「おはようござやっス、鳴上先輩!」

>完二……。

クマ「センセイ、今日はヨースケの代わりにクマがスクールライフを満喫する! ってなわけでよろしクマ〜」

>クマ……。

陽介「アホ、誰がお前になんか代わらせるかっつの!」

雪子「あはは、相変わらずクマくんと花村くんは仲いいね」

りせ「仲いいっていうか、単なるボケとツッコミに見えるけど」

直斗「それより、クマくんは本気で学校までついてくるつもりですか……」

>みんな……。





>なあみんな……みんなは、生きてるんだよな?

陽介「はぁ? 何朝っぱらからワケわかんねーこと言ってんだよ。寝不足か?」

>いや、それならいいんだ。

陽介「……? よくわかんねーけど、相談なら乗るぜ。遠慮すんなよな!」

>……ありがとう。





>あの不可解な夢は……一体なんだったのだろう。

>だが、忘れることはないだろう……自分の弱さもよく理解できた。

>不思議な夢だった……。





>……まあ、それはそれとして。

>自分の中だけの物語ではあるが……こうしてまた、生きて全員揃ったんだ。

>ひどく懐かしく思える……また久しぶりに、全員でどこかへ遊びに行くよう誘ってみようか……。





【TRUE END】
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/02(火) 01:57:45.61 ID:NwwTxeFW0
最後がかなり駆け足になってますが…とりあえず終わりです

・裏世界入った直後に出てきた一人
・三角頭に引きずられてる一人
・最後まで選ばれなかった一人
が死ぬ流れになってました

…つか自分で書いててなんか鬱になってきてた…無理やり夢オチにしました
やっぱ鬱要素の濃い作品とP4は馴染まんな

ではまた次の機会でもあればよろしくお願いします
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/02(火) 01:58:20.50 ID:9ryAchcno

次も期待して待ってるよ
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/02(火) 03:30:11.67 ID:kR01J9Tko
乙カレー
面白かったよー
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/02(火) 06:37:39.37 ID:iXzSHDVN0
あのー……直斗は?
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/02(火) 06:41:27.50 ID:oiCwsHJr0
次は番長イチャラブハーレム物でオナシャス!
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/02(火) 06:43:31.82 ID:oiCwsHJr0
何度もレスしてすまんが
HTML依頼だしてね
HTML化依頼スレッド Part5
http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1344511790/l20

126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/02(火) 16:57:25.18 ID:vnqhznEDO
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/10/02(火) 19:11:54.70 ID:sGc7d5v8o
HTML化される前に
乙!
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/02(火) 21:32:20.45 ID:/SPbyWyA0
乙でした
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/03(水) 20:06:23.57 ID:D2lEKpOIO
乙!
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/04(木) 22:17:12.48 ID:a5ylsJ+o0
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