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雲「人間になるわ。」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆kulmh3/sOI [sage]:2012/09/28(金) 09:33:12.30 ID:lw7TTrkb0

 私は雲だった。いつも地上を眺めていた。
でもある日のことだった。地上には空には無いものがたくさんある。
人間はとても生き生きとしていて、私にとっては憧れだった。
地上に降りてみたい、と思った私はすぐに下降したわ。別の雲からは、
「あんた、雨雲だし、地上に降りるって雨になっちゃうのかな…。」
とか言われたけどそんなことお構いなしだった。

 地上に降りた頃には夜だった。
 人間がいっぱいいた。その中で一人、目の前を通った人間の体を乗っ取って、地上での自由を手に入れた。
…けど、その時は体というものが不慣れ、と言うか初めてで
立つことすらままならない。そこでまた人間が現れた。



http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1339746961/

雲「人間になるわ。」 

落ちてしまったので続きから。sage進行で書きます。
正直忘れてた。ごめん。
誰も覚えてないかもしれないので
1〜5レスほどプロローグ?として前スレの内容をまとめたものをはさみます。
本編からト書きになります。


トリップを忘れてしまったので違うものになっていますがご了承ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1348792392
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  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1754226120/

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  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1754207176/

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  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1754151988/

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  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1754061298/

すいか 67.1 立ててみるテスト @ 2025/08/01(金) 14:24:40.59 ID:GCnrlbTY0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1754025880/

もう8月ですね... @ 2025/08/01(金) 06:51:37.98 ID:tUwLog300
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753998697/

2 : ◆kulmh3/sOI [sage]:2012/09/28(金) 10:57:33.43 ID:lw7TTrkb0
【雨子が家に男の家に滞在する編1】
>>1 の続き

「霧が晴れてきた…ん?」
男はそう言うとこちらに近づいてきた。ちょっと怖い顔している様にも見えるし、乗っ取った人間の顔を見て驚いているようにも見える。
雲の乗っ取った体は小柄で、触ったら砕けてしまいそうなほど白い。それであって長い髪は銀色で光を反射していた。
「何だ…お前は。」
何かを喋っているようだけど、雲だった自分には分からなかった。もし返事するにも、雲語(?)では絶対に分からないだろう…。
 男はどうしたんだ、と言ったような顔で雲の顔を眺めてきた。
「何か喋れよ。」
雲はその声に動揺して目をぱちくりさせながら、聞き取れた部分だけを脳内で再生し小さな口をちょっとだけ開いて
「しゃ…ベレ…?」と、発した。
しかし意味は分からない。
「…ど、どうした?…外人さんか?」
「がい…じん…?」もう良く分からないのでとにかく繰り返した。
しかし意味は分からない。
「あれ…何か間違えたこと言ったか…。」
 このままでは埒が明かなかった。このまま、男が何を言っているのか分からないまま続けたらきっと拾われなかっただろう。
「お前名前は?」
「…。」
「ほんとに喋れないのか…。」
男は困ったな、と首をかしげていた。何に困っているのか分からないし、人間の言語は全く分からないので協力できない。 
(しょうがないなあ、私が教えてあげるから。)
(え?)雲はきょろきょろと辺りを見回した。
「どうした…?」雲の挙動を男は不審に思ったのだろう。
 雲の脳内に直接情報が伝わってきたのだ。誰かが雲に問いかけてるわけでもないし、男も黙ってた。
(貴方が乗っ取った体の持ち主よ。)
もともとこの体を使っていた人間の意思とやらはまだ生きていたらしい。
(言葉が分からないなら、教えたげるから!)
 「しかし、おかしなやつだな。何でここに座ってんの?立てるか?」
そういうと男は雲に手を差し出した。雲は何をすればいいのか分からず手をじっと見つめたが、5本の指があること以外に気になることは無かった。
(そういう時は手を取って、「立てる」って言うの。)
人間にそう伝えられると雲は黙ってそれを実行した。
そして「立て…るよ…。」と口に出した。
「あれ、…喋れるじゃん。」男は心底意外そうな顔をしていた。そして
「…家帰れるか?」と聞いてきた。
 雲は乗っ取った人間の知識を貰ってこう答えた。「帰る家は無いわ。」
「…は?」
「家は無い。」
「家が無いってどういうことだ…。」
男は会った時からずっとびっくりした顔しかしていない。雲の存在意義がそういう要素しかないのだろう。
「え、じゃあ…家来るか?」
雲は本当の体の持ち主の人間の日本語と言う言語能力を貰って「行く。」と答えた。
 男は少し考える素振りを見せると空を見上げた。
「予報では雨が降りそうっていってたけど…そんな雲見当たらないな…。」
3 : ◆kulmh3/sOI [sage]:2012/09/28(金) 11:11:38.86 ID:lw7TTrkb0
【雨子が家に男の家に滞在する編2】
>>2 の続き

「は〜。お前立つのも一苦労なのな。」
男は疲れ果てたような声を出して、雲に文句を言った。雲は歩くことすら精一杯で、男はそれを家まで支えて帰ってきた。
「ここが家だよ。」
「そう」雲は喋るのがめんどくさいので最小限の日本語の技術を脳内に住んでいる人間から学んだ。
 雲にとっては家の中にいることがとても珍しい、と言うかあり得ないことだった。いつも見下ろしていた屋根の下にいるのだから。
なので珍しすぎて男に対応している場合ではないかった。人間さんからもらえる言語情報も気にしていられないほどだ。
「部屋が汚いのは勘弁な。」
男はそう言いながら部屋に散らかっている本やらCDやらを隅へ押しやった。だけど雲は聞いてない。
「あのさぁ…まあ聞いてないだろうけど、お前は何者だ?」
「雲よ。」
「え?」
男は何を言っているのか分からない、といった返事をした。それと、返事されたことにも戸惑っている。
「空に住んでたの。」
「は?」男は尚もよく分からないと言う声をだした。
(そ、そうなの…?)体の持ち主の人間さんも大分びっくりしている。
(でも、たしかにそうみたいね…空にいた頃の記憶が流れてくる…。)
「で、何の雲?」
「雨雲よ。」
「ああ、なるほどね。…通りで予報が外れるわけだ。」
とはいいつつも男はやはり信じられないようだった。雲なのに人間って…。
「この体も借り物よ。」
「借り物?」
「人間さんから無断で体を借りたわ。」
「なるほどね…、まあよくわからんけど…。」
男は理解に苦しむ、と言ったような顔だ。
「そんで、お前、名前は?」
「名前なんてないわ。」
「じゃあ、雨子って呼ぶわ。名前が無いってのも信じられんのだけど。」
男はそう言った。もう雨子の謎についてはあきらめているのだろう。
「雨雲だから、雨子な。…お前女の子だよな?」
「そうよ。」
「雲って性別あるの?」
「なんとなく、女の子がいい。」
「…自分の意志で決めていいものなのか…。」
多分駄目だ。もし雲が男の子だったら…と言っても体自体は女性っぽいし、雲に性別があるとは思えない。
そう考えると別にいいのかとも考えられる。
「俺の名前は男ね。」
「男。」
「よろしくな、雨子。」
「…。」
雨子は目を閉じていた。しかも寝息が聞こえる。
「ねたの!?」
男の驚きの声にもぴくりともせず、そのまま雨子は夢に落ちていったのだ。
「…俺も寝るか。」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/09/28(金) 23:58:05.79 ID:vMCTyo74o
帰ってきたなこの野郎
コンドは落とすんじゃないぞ
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/07(日) 10:41:53.60 ID:N67r5PA70
落とすなよー
6 : ◆kulmh3/sOI [sage]:2012/10/17(水) 11:07:25.61 ID:N3137oCZ0
【家出編1】

 ふぁぁ…という声とともに人の体を持った雲は目を開いた。
「ここ…どこ…?」

 見えるのは天井の木の木目だけだった。見覚えのある木目だ。雲にはそんな記憶どこにも無いはずなのに…。
「お、起きたか。」
男が雨子の顔を覗いてきた。
「だ…れ…?」
 急に覗いてきたので、雨子には男が誰だか分からなかったようだ。
 昨日少し話した程度では雨子の脳にはちっぽけだったようで思い出すのには少し時間がかかった。
男もこれには結構戸惑ったようで、寝起きですでに疲れてしまった。
「まったく…帰るところが無いって言ったやつは誰だ…。」
「私は雲よ。」
「誰だ…の部分だけ反応するんじゃない。」
「お腹空いた。」
「昨日の残りがあるから食べるか?」
「昨日は…過ぎたわ。」
 また謎の返答が帰ってきた。が、男はもう突っ込むのも疲れてしまった。
「…そうだな。じゃあそれ食って良いから。」
「いただきま…し。」
「いただきます、な。」
 こいつは語感がないのか、日本語が不慣れなのか、それとも記憶が無いのか、本当に雲だったのか、謎な点が多い。
だが人間の姿であることは間違いないし、こいつは人間だろうと、男は自分に言い聞かせた。
しかし、手で飯を食いだす奴が人間だとは思えなかった。
「おいっ手で食うな!コレ使え!!」
ご飯を取り上げて男はスプーンを取り出した。
「スプーンですくって食え!」
「…?」
「何故首をかしげる?」
「あ」
「え?」
「あ」
 口を開けて何かを訴えてくる。飯時で、男がおさじを手に持って、雨子は口を開けている。
きっと食わせろと言う暗示だろう。
 だが男も文字通り男である。彼女いない歴=年齢ではないが、結構の長い間女の子とは付き合っていないのだ。
「はあ、それは俺には出来ません。」
 男はそういうと、雨子の手にスプーンを握らせる。
「こぼすなよ。絶対にだぞ…!」
 言ってるそばから出てきた、実に長いため息とともに、疑問を雲と名乗る女に投げかけてみた。
「雲って言ってたけどさ…雲ってお腹すくのか。」
「お腹って何?」
「さっきお腹空いたって言ったよね?」
「そう」
「お前のことだよ?」
雨子の耳には男の声は届いておらず、その集中力は全て食事に捧げられていた。
 多分、雨子にとっては初めてのことで味と言うものが珍しいのだろう、ご飯一粒でさえも。
 それに、空気に触っていること自体不思議なのかもしれない。

 数時間後、男はバイトに出て行った。
「男がいってしまった。」
(…)
「男が行ってしまった?」
(そうね)
雨子の短い呟きに人間は心の中で答えていく。
「男が逝ってしまった…。」
(それは違うと想う)
「どこにいった?」
(バイトよ)
「バイト?」
雨子はその疑問を最後に部屋中を歩き回り始めた。
(ど、どうしたの?)
「空気が…重たい…。」
 空にいた頃は空気に逆らわず、自由気ままにうろうろしていたからきっと重力なんて感じなかっただろう。
雨雲だから逆らうことも無く雨として地上に降りるのだから。
 しかし雨子は違った。
(ねえ…雲さん。お風呂…入ろう?)
 人間として地上に降りてから雨子は風呂に入っていなかった。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/06(火) 18:15:01.06 ID:4iCTC4OXo
(落とすなよ)
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 10:57:22.56 ID:+ogKTM+20
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