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ほむら「私はもう、戻れないのに・・・」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:29:50.49 ID:fhZ6rvzC0
注意書き
>>1はSSを書くのは初めてです。
>>1はこの板にスレ建てするのも、レスをするのも初めてです。
・まどマギのSSですが、>>1はアニメ本編やその他公式の著作物一切を見ていません。
・ヤマ無し、オチ無し、意味無しで無駄に長いです。一通り書き上がっていますが削りながらの投稿となります。
>>1は普通のサラリーマン同様の時間帯で仕事をしているため、毎日現れるとは限りません。

注意書きは以上になります。
よろしければお付き合いください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1349008190
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:22:39.08 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459358/

にゃんにゃん❤ @ 2024/03/26(火) 22:21:04.83 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459264/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 21:31:02.61 ID:fwFprpuSO
そうか帰れ

せめてきちんと原作知ってからやれよ
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:31:29.63 ID:fhZ6rvzC0
序章 ほむら「ワルプルギスの夜に止めを刺す」

第一話 I'll stand by you


これまでの数多くの失敗の経験を元に、
今回はまず美樹さやかに転入前から接触し上条恭介への告白の後押しを優先した。
また、美樹さやかには私と鹿目まどかとの間にいてもらい、
私と鹿目まどかの関係を近すぎず遠すぎないものにする
クッションのような役割をしてもらおうとした。

私が死んだら、復活させる願いで鹿目まどかが魔法少女としての契約をしてしまう。
それを回避するには必要以上に鹿目まどかと親密になってはいけないと考えているためだ。
私と美樹さやかはファーストネームで呼び合う程度には親しい間柄となった。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:32:28.97 ID:fhZ6rvzC0
美樹さやかの告白自体は当初やや前向きの保留、ということだったが
上条恭介の左腕の治療が不可能であるという医者からの宣告を受け、
美樹さやかの魔法少女としての契約によって奇跡的な回復をした後は
ほぼ恋人同士と言っていい状態になった。

上条恭介も彼の左腕を治したのが美樹さやかの願いだと薄々勘付いているのだろう。
美樹さやかの契約を阻止できなくても告白と願いの順序を変えれば結果が変わる。
どうやら私の目論見は成功といってよいようだ。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:33:37.62 ID:fhZ6rvzC0
巴マミは出会った直後は私に対してかなりの警戒心を向けていたが、
お菓子の魔女との戦いで文字通り命を救ったことと
佐倉杏子と会わせることに成功したことである程度信頼してくれたようだ。

佐倉杏子は私と巴マミの説得を表面上渋々、という形で受け入れて
現在は巴マミの家に居候している。
私に対してはまだ正体が分からない共闘者、
鹿目まどかと美樹さやかに対しては友達以上親友未満という態度である。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:34:17.10 ID:fhZ6rvzC0
魔法少女の真実−魂とソウルジェムの関係、
魔法少女の魔女化のことについてすでに四人に説明済みで
錯乱しかけた巴マミは他の三人が何とか落ち着かせてくれた。

ワルプルギスの夜到来まで後四日、
作戦も既に固まり当日やること以外の準備はほぼすべて終えた。
ここまでは順調と言っていいだろう。

鹿目まどかが魔法少女になっていることを除いて。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:34:59.25 ID:fhZ6rvzC0
鹿目まどかが魔法少女になったと告白してきたとき、魔女化しそうなほどの衝撃を受けた。
だが、今はほとんど当然のことのように受け入れてしまっている。

魔法少女になる前の鹿目まどかは他のクラスメートより近いという程度の付き合いだったが、
今はかなり親密な状態と言っていいと思う。
ただ、まだ私が鹿目まどか自身と他の三人の魔法少女に対して隠し事をしているのを気づいている。

以前もそうだったが、鹿目まどかに限らず親しくなった相手に対して私は隠し事ができないようだ。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:35:39.85 ID:fhZ6rvzC0
ワルプルギスの夜襲来の四日前の夕方、五人の魔法少女が作戦会議のために私の家に集まる。

作戦会議といっても今から何か決めるわけではない。
すでに巴マミの家で何度か開催した作戦会議において決定した
ワルプルギスの夜相手の戦闘で全員の方針、個々の役割について
各々の認識があっているかどうかの最終確認をするだけだ。
今夜の会議の目的は別にある。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:36:28.53 ID:fhZ6rvzC0
私が何でインキュベーターと契約をしたかについて全員に説明をする。
それが今夜のこの会議の目的だった。
佐倉杏子がワルプルギスの夜との戦いに協力するための条件の一つでもあった。

私は話し始める。
心臓の病で長く入院していた後転入した学校で
体も弱く勉強にもついていけなかった頃に出会った
魔法少女の巴マミと鹿目まどかのこと。
ワルプルギスの夜に敗れた彼女たちを助けたいと
出会いをやり直すことを願ったこと。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:37:16.74 ID:fhZ6rvzC0
さらに続ける。
ワルプルギスの夜を倒した鹿目まどかが魔女になったこと。

鹿目まどかのソウルジェムを破壊したこと。
そのときの鹿目まどかとの約束。

インキュベーターが魔法少女と魔女の戦いで得ているもの。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:38:00.37 ID:fhZ6rvzC0
魔法少女の真実を知った巴マミが無理心中を図ったときに
佐倉杏子のソウルジェムを巴マミが破壊し、
巴マミのソウルジェムを鹿目まどかが破壊したこと。

失恋した美樹さやかが自暴自棄になって魔女化したとき、
佐倉杏子が自らのソウルジェムを燃やして心中したこと。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:38:36.09 ID:fhZ6rvzC0
ほむら「・・・私の一ヶ月の繰り返しの全てを話していると時間がいくらあっても足りない」

ほむら「だから、昔話はこの辺で終わりにしていいかしら」

ここまでを話し終わり、皆の様子を見る。
鹿目まどかは声を押し殺して泣いている。
美樹さやかは鹿目まどかの肩を抱き、慰めようとしている。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:39:15.78 ID:fhZ6rvzC0
巴マミの目にも涙が浮かんでいる。
インキュベーターの目的を知り、
今後のインキュベーターとの付き合い方で悩み始めるのだろう。
佐倉杏子は途方に暮れているといった感じだ。
ROCKYを口に運ぼうとした手が止まっている。

だが、私が時間遡行をしていることについて全員ある程度予想は出来ていたようだ。
特に疑問が投げかけられてくることはない。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:39:51.72 ID:fhZ6rvzC0
続けて私の固有魔法について説明する。
時間遡行の他にもう一つ、時間停止の能力を持っていることを。
そして時間停止開始時に私が触れている人と
私に触れている人は時間停止が適用されないことを。

私のような攻撃力が皆無に近い魔法少女にとって
この固有魔法の正体が知られることは致命的なことだが、
ワルプルギスの夜との戦いでは時間停止状態で複数人が行動する時間が長くなる。
迅速に行動するためには、他の戦闘参加者に知っておいてもらわなければならないことだ。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:40:32.84 ID:fhZ6rvzC0
ほむら「質問はあるかしら」

全員が頭を振る。

ほむら「では今日は解散ね。巴マミとまどかはちょっと残って頂戴」

さやか「長くなるの?」

ほむら「巴マミとの話はすぐに終わるわ。まどかとは長くなるかも」

さやか「じゃあマミさん、外で待ってます。先に帰るね、まどか」

杏子 「早めに終わらせてくれ。腹減った」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:41:10.10 ID:fhZ6rvzC0
ほむら「巴マミ」

マミ 「なにかしら」

ほむら「インキュベーターとの接し方が他の魔法少女とあなたとは違うことは知っているわ」

マミ 「そうね」

ほむら「私は私が知っていることを話したけど」

ほむら「事実と異なるかもしれないし信じる信じないはあなた次第よ」

マミ 「そうね」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:41:41.65 ID:fhZ6rvzC0
ほむら「結論は無理に出さなくてもいい」

ほむら「ただしワルプルギスの夜を越えるまで持ち越すかどうかだけは早めに決めて」

マミ 「・・・わかったわ」

ほむら「お願いね。頼りにしているのだから、巴先輩」

マミ 「!・・・ふふっ、了解よ」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:42:25.85 ID:fhZ6rvzC0
マミ 「ところで『先輩』は他人行儀じゃないかしら、暁美さん」

ほむら「わかったわ、マミさん。あとお願いがあるのよ」

マミ 「なにかしら」

ほむら「ワルプルギスの夜との戦いまでに、リボンで作れるようになって欲しい物があるの」

マミ 「わたしが作れるものであれば練習してみるけど。何?」

ほむら「パラシュートよ。出来れば三人がなるべく近づける形にして欲しいの」

マミ 「分かったわ。やってみる」

ほむら「ありがとう。おやすみなさい、マミさん」

マミ 「おやすみなさい、暁美さん」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:42:58.41 ID:fhZ6rvzC0
さやか「まいったなあ。思わずもらい泣きしそうだったよ」

杏子 「意外と乙女なところがあるんだな、さやかは」

さやか「意外とは失礼ね。さやかちゃんは花も恥じらう可憐な乙女なのよ〜」

杏子 「あーはいはい。おっ、もう出てきたか。話は終わったのか」

マミ 「ええ」

さやか「マミさん、なんだか嬉しそうですね」

マミ 「そうかしら」

杏子 (マミの扱い方がそれなりにうまいところからみても、繰り返しの話は本当なんだろうな)
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:43:52.32 ID:fhZ6rvzC0
さやか「杏子、どうしたのボーっとしちゃって」

杏子 「ちょっと腹が減りすぎててな。早く帰ろうぜ、マミ」

マミ 「そうね、美樹さんはどうする?」

さやか「家に帰ります。できる限り家族と過ごそうかと思いまして」

マミ 「わかったわ。おやすみなさい、美樹さん」

さやか「おやすみなさい、マミさん」

杏子 「彼氏によろしくなー」

さやか「『まだ』彼氏じゃないですよーだ」

杏子 「じゃーな」

さやか「またねー、杏子」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:44:28.91 ID:fhZ6rvzC0
ほむら「ほら、まどか。もう泣きやんで」

まどか「ごめんね、ほむらちゃん。ごめんね」

ほむら「まどかが謝ることじゃないわ」

まどか「でも、わたしを魔法少女にしないためにがんばってくれていたのに」

ほむら「まどかが自分の意思で魔法少女になることを決断したのなら」

ほむら「私にはそれを止めることはできないわ。そんな権利はないもの」

まどか「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

ほむら「もう謝らないでいいから」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:45:00.38 ID:fhZ6rvzC0
私は泣きじゃくる鹿目まどかに並んで座り、肩を横から抱き寄せながら考える。
なぜ私はこんなにも鹿目まどかが魔法少女になったことに対して寛容なのだろう。
あの約束をして以降ではありえないことだ。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:45:58.41 ID:fhZ6rvzC0
ほむら「謝る代わりにひとつ教えてもらいたいことがあるの」

まどか「なに?ほむらちゃん」

ほむら「まどかが何を願って契約したのか教えて欲しいの」

まどか「・・・『ほむらちゃんとずっと一緒にいたい』」

ほむら「えっ!」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:46:42.61 ID:fhZ6rvzC0
鹿目まどかが契約したのは私のせいか。
私はなんという愚か者だ。
そしてあれほど阻止しようとしてきた
鹿目まどかの魔法少女化を阻止できなかったという事実を
鹿目まどかの契約時の願いによって受け入れているのか。

自業自得というべきなのか自縄自縛というべきなのか。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:47:34.26 ID:fhZ6rvzC0
鹿目まどかのソウルジェムを浄化するついでに、
文字通り魔女化寸前まで濁った私のソウルジェムをなんとか浄化する。
ひとしきり二人で抱き合って涙を流し、
なんとか落ち着いて時計を見ると既に夜八時を回っている。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:48:06.77 ID:fhZ6rvzC0
今の状態で無理に家に帰しても、二人ともインキュベーターに付け入られたりして
碌なことにならなそうなので、今日のところは鹿目まどかを私の家に泊めることにした。

鹿目まどか自身に自宅に連絡させて、一緒にお風呂に入った後で二人で食事を作り
食べ終わる頃には二人とも笑顔を取り戻した。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:49:00.54 ID:fhZ6rvzC0
一つの布団の中で肩を寄せ合い、手を握り合って眠る。
幸福感に満たされながら決意を新たにする。

ワルプルギスの夜に止めを刺すのは私だ。
最後に隠したひとつの真実、これは絶対に口にしないで死ぬ。
真実を隠すのは自分が忌み嫌うインキュベーターと同じやり方で非常に不本意だが、
目の前の少女を救うにはそれしかないのだから。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:49:32.36 ID:fhZ6rvzC0
私が繰り返してきた一ヶ月において、ワルプルギスの夜を倒した回数は案外多い。
だが倒したものは魔女化するかソウルジェムを砕いて死ぬかの二択だった。

止めを刺した魔法少女を襲うワルプルギスの夜の呪いと、それによる魔力の暴走。
そしてそれを受けるのは大概鹿目まどかの役目だった。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:50:06.56 ID:fhZ6rvzC0
数は少ないが私が倒したこともあるし他の魔法少女が倒したこともあった。
しかしそれは鹿目まどかが魔法少女になっていない場合で、
倒れた魔法少女の復活を願い鹿目まどかは魔法少女になってしまうのだ。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:50:33.98 ID:fhZ6rvzC0
鹿目まどかのソウルジェムを見ると私は必ず時を遡ってきた。
たとえワルプルギスの夜を倒した段階で鹿目まどかが生き残っていたとしても、
私の固有魔法、時間停止の能力が失われた後、
ソウルジェムを破壊することなく鹿目まどかの魔女化を防ぐのは難しい。

それに、鹿目まどかの魔法少女姿を見たくないというのが本心だ。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:51:33.53 ID:fhZ6rvzC0
だが、今私の隣で私の手を握っているこの鹿目まどかに生きていてほしい。
これもまた私の心からの願いだ。
他の魔法少女たちも全員生きている。
次の戦いで必ず誰か死ぬのならば、それは私でいい。

明日鹿目まどかを家に送ったら後の時間は自由に使える。
死ぬための準備をしよう。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:52:32.86 ID:fhZ6rvzC0
第二話 God's great mistake


他の四人が地上に残った使い魔を一斉に攻撃するのを見届けて、私は上空を眺める。
どうやらあの巨体が消え始めているようだ。
私の命もそれを追いかけるようにここで消える。

ほむら「みんな、ありがとう」

デザートイーグルを盾から取り出し新しい弾倉をセットする。
私がこの相棒の引き金を引くのも、これで最後。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:53:10.62 ID:fhZ6rvzC0
蒸発するように使い魔たちが消え去り、ほぼ同時にワルプルギスの夜も姿を消した。
私が自分のソウルジェムにデザートイーグルの銃口を向けているのを見つけたのか、
佐倉杏子が私の名を叫んだ。

そういえば、盾の中に未使用のグリーフシードが結構残っているのを思い出し、
これを四人に渡した方がいいだろうか、と迷った時、魔法少女が一人倒れた。

おそらく私を含めた全員が、なぜ鹿目まどかが倒れたのか理解出来ていない。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:53:45.84 ID:fhZ6rvzC0
QB 「ワルプルギスの夜出現から撃破まで10分とかかっていないじゃないか、お見事だよ」

QB 「おやおや、これは・・・わざわざまどかに止めを刺させたのかい?暁美ほむら」

ほむら「いいえ、私が止めを刺したはずよ」

ほむら「なのになぜ・・・」

QB 「それが本当でも嘘でもどちらでもいいさ」

QB 「これでようやくボクのノルマが果たせるよ」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:54:39.56 ID:fhZ6rvzC0
まどか「キュゥべえ、わたし、魔女に、ならな、いよ」

QB 「君のソウルジェムはもう限界のはずさ」

まどか「だいじょぶ、だよ、ほむら、ちゃ、わた、じぶ、で」

鹿目まどかは震える手で矢を握りしめ、自分のソウルジェムに向けている。
そして鏃をソウルジェムに叩きつける。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/09/30(日) 21:54:56.01 ID:79GGZk540
ちゃんと原作見てから書こうよ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:55:22.55 ID:fhZ6rvzC0
ようやく私は茫然自失状態から脱け出し、慌てて鹿目まどかを抱き起こすが
鹿目まどかの命はもう消えていくだけだ。

まどか「ほむ・・・ら・・・ちゃ・・・ず・・・と・・・」

鹿目まどかは最後に自分の願いをもう一度口にした。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:56:09.83 ID:fhZ6rvzC0
鹿目まどかの死体を抱えこんだまま、私はずっとその疑問に対する答えを探し続けている。
なぜ鹿目まどかがワルプルギスの夜の呪いを受けた?

答えは出ない。
自分の行動の中に答えがあるはずだ。
見つかってはいるのだろうが、気づけない。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:56:56.80 ID:fhZ6rvzC0
杏子 「いつまでそうしているつもりだよ。おいほむら」

さやか「どうしましょうマミさん」

マミ 「鹿目さんをこのままにしておくわけにもいかないし」

マミ 「無理やりにでもわたしの家に運びましょう」



ほむら「大丈夫、私が運ぶ」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:57:37.14 ID:fhZ6rvzC0
私はどうにか立ち上がると鹿目まどかを持ち上げ、歩き出す。

大丈夫、私は歩ける、大丈夫だから。
もう答えは見つかったから。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:58:08.04 ID:fhZ6rvzC0
巴マミの家で、鹿目まどかをソファーに寝かせた。
さすがにベッドに、というわけにもいかないだろう。
戦闘の高揚感が完全に抜け、
私以外の戦闘参加者も鹿目まどかの死を現実のこととして受け入れ始めた。
全員が下を向いてしまっている。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:58:41.39 ID:fhZ6rvzC0
さやか「まどか・・・もう何もしてあげられないのかな」

さやか「ううっ・・・ぐすっ・・・まどかぁ」

杏子 「アタシのでよければ肩でも背中でも胸でも貸してやるぜ、さやか」

さやか「ありがと、杏子・・・頭も撫でてほしいな」

杏子 「ああ、いいぜ。素直になれるのはいいことだ、うらやましいよ」

杏子 (しかし、あいつは・・・)
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 21:59:20.89 ID:fhZ6rvzC0
マミ 「どうしたの、佐倉さん」

杏子 「ほむらを見てたんだよ」

マミ 「暁美さんを?」

杏子 「この間の話を信じるなら、こんなことをもう何回も繰り返してるんだろう、あいつ」

マミ 「そうなるわね」

杏子 「それなのに、よく壊れねえな。もう次のことを考えてやがる」

マミ&さやか「「えっ」」 
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:00:04.34 ID:fhZ6rvzC0
ほむら(戦い方を変えないと・・・)

ほむら(でも時間が足りない。なんとかして・・・)

ほむら(最初に確認するのは・・・)

ほむら(一応初対面だし手土産を・・・)


杏子 「なっ?」

マミ 「まさか、時間遡行の魔法を」

杏子 「もう使う気でいるみたいだな」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:00:51.99 ID:fhZ6rvzC0
ソファーの横で鹿目まどかの顔を眺めながら、私はソウルジェムを浄化した後
インキュベーターをテレパシーで呼び、持っている穢れを移したグリーフシードを全て渡す。

巴マミが声をかけてくるが、私は答えず座ったまま鹿目まどかの顔を見ながら礼を言う。

ほむら「今までありがとう、みんな。私はもう一度頑張ってみるわ」


カチッ



序章 完
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:01:24.62 ID:fhZ6rvzC0
第一部 「かなめまどかって・・・誰?」

第三話 Just a shadow


ほむら(ふう、朝・・・)

ほむら(目に入るのは見飽きた病院の天井・・・じゃない?)
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:02:31.51 ID:fhZ6rvzC0
ほむら(えっ、ここはどこ?よその家のリビングみたいだけど)

ほむら(ソファで女の子が寝てる・・・髪の毛が桃色だ)

ほむら(私が着ているのは・・・私服かしら?こんな服持っていないはず・・・)

ほむら(髪の毛が赤の人、黄色の人、青の人は起きてるみたい)

ほむら(夢?なんだか現実みたいな感じがする夢ね)

ほむら(いちばん近い黄色の人に聞いてみよう)

ほむら「ここは・・・どこですか?」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:03:20.65 ID:fhZ6rvzC0
黄色 「何を言っているの、ここはわたしの家よ、暁美さん」

ほむら「・・・あなたは、あっ、あなた方は、私の、し・・・知り合いですか」

黄色 「何言ってるのよ、先輩を忘れたの?」

ほむら「わっ、私は・・・昨日まで・・・病院に」

黄色 「えっ?」

赤色 「顔色悪いな、ほむら・・・おまえ、ソウルジェムをどこにやった?」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:04:01.94 ID:fhZ6rvzC0
ほむら「えっ?ソウル・・・何?」

黄色 「ソウルジェムよ。どこかにしまったの?」

ほむら「ソウル・・・ジェム?」

赤色 「・・・お前、まさか」

青色 「ちょっとどういうことよほむら、あたし達の顔忘れたの?」

ほむら「すっ、すいません、目が悪くて・・・眼鏡がないと・・・私・・・」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:05:07.91 ID:fhZ6rvzC0
赤色 「自己紹介しておくか、アタシは佐倉杏子だ、杏子でいい」

ほむら「さくら、きょうこさん」

青色 「何してんのよあんた、わざわざほむらに今更自己紹介なんて」

杏子 「そんなことよりお前、ほむらの目と心臓を治療してやってくれ」

青色 「なんでさ」

杏子 「なんでってお前・・・何で分かんねーんだよ」

杏子 「それとも分かっていてのいやがらせか?」

黄色 「わたしは巴マミよ。暁美さん、わたしが治療をするわ」

ほむら「ともえ、まみさん」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:06:01.22 ID:fhZ6rvzC0
マミ 「どう、体調はよくなった?」

ほむら「大分よくなりました。これ、なんていう治療法なんですか?目まで治せるなんて・・・」

マミ 「今のは暁美さんの心臓と目を一時的にわたしの魔力で強化しただけよ」

マミ 「心臓の方はそれなりに持つと思うけど」

マミ 「目の方はあなたの視力が分からなかったから、軽くしたわ」

マミ 「あなた自身の魔力じゃないし、多分半日もすれば効果は切れるから」

ほむら「そうですか・・・でも、ありがとうございます」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:06:36.36 ID:fhZ6rvzC0
ほむら「あっ、あの・・・質問していいですか」

マミ 「ええ」

ほむら「ま・・・魔力って、何のですか?」

マミ 「わたしの魔力よ。わたし達は魔法少女なの」

ほむら「魔法、少女?」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:07:19.68 ID:fhZ6rvzC0
青色 「ちょっと。ちゃんと説明してよ、杏子」

杏子 「こいつはアタシたちが知っている【ほむら】が繰り返している一か月の、直前のほむらだ」

青色 「どうしてそんなことわかるのよ」

杏子 「こいつ、ソウルジェム持ってないだろ。このほむらはただの人間だ」

QB 「どうやら杏子が正解のようだね」

マミ 「キュゥべえ・・・」

ほむら「ぬいぐるみが・・・しゃべって・・・る?」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:08:01.13 ID:fhZ6rvzC0
QB 「暁美ほむら、質問に答えてほしい。昨日は何月何日だった?」

ほむら「昨日?4月・・・△日」

青色 「え?」

QB 「暁美ほむら、今日は5月×日なんだ」

ほむら「え?」

QB 「暁美ほむら、鹿目まどかを覚えているかい」

ほむら「かなめまどかって・・・誰?」

QB 「やれやれ、鹿目まどかを覚えていないのか。あんなにご執心だったのに」

マミ 「暁美さん、わたしから説明しましょう。今どうしてあなたがここにいるのかを」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:08:40.67 ID:fhZ6rvzC0
ほむら「・・・とても信じられません。わっ、私が魔法少女で、魔女と戦っていたなんて」

マミ 「事実なのよ。少なくともわたしが魔法少女であることは信じられるでしょう?」

ほむら「はい・・・でっ、でも、私みたいな、弱い人間が、戦う、だなんて」

ほむら「それに・・・」

マミ 「それに?」

ほむら「鹿目まどかさんは、本当に亡くなっているんですか?」

杏子 「好きなだけ自分で調べてみりゃいいさ」

杏子 「息もしていないし脈もない、心臓も動いていない」

ほむら「ごっ、ごめんなさい、疑ったわけではないんです」

ほむら「ただ、まるで生きているように見えるから」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:09:20.72 ID:fhZ6rvzC0
QB 「とりあえずこの暁美ほむらと契約すれば鹿目まどかが復活する、と思ったんだけど・・・」

QB 「対象が願う人間の記憶にいないのでは復活のさせようがない」

杏子 「・・・つまり思い出させりゃいいのか?」

QB 「おそらく脳はこの一ヶ月間に五感で検知したことは記憶しているはずだ」

杏子 「じゃあ久しぶりにやってみるか」

マミ 「ロッソ・ファンタ・・・」

杏子 「やめろ」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:10:28.56 ID:fhZ6rvzC0
やはり死体ではなかったのか、それともゾンビにでもなったのか鹿目まどかさんの死体が動き出す。
そしてだんだん近づいてきて、私の手を握る。

口を開いて、言葉を発する。

まどか「・・・『ほむらちゃんとずっと一緒にいたい』」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:11:42.33 ID:fhZ6rvzC0
杏子 「どうやら思い出せそうだな」

ほむら「鹿目、さん・・・あれ?」

杏子 「久し振りだとやっぱりきついぜ、10秒が限界か」

マミ 「ご苦労さま」

杏子 「なんか食わせてくれ、腹減った」

マミ 「じゃあ朝ごはん用意するわね」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:12:48.30 ID:fhZ6rvzC0
杏子 「あとキュゥべえ」

QB 「なんだい、佐倉杏子」

杏子 「グリーフシードだ、今アタシが使ってる分とあと何個かやばいのがあるから食っとけ」

青色 「ねえ、まどかはどうするのよ。あとほむらに何があったのかちゃんと説明してよ!」

杏子 「・・・」

青色 「なによ」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:13:31.77 ID:fhZ6rvzC0
杏子 「まどかはほむらがどうするか決めるからそれまでは行方不明でいいだろ」

杏子 「ほむらのことはキュゥべえに聞いてくれ」

QB 「無茶振りはやめてくれないか、佐倉杏子」

QB 「この場にいてここまで話しを聞いていても理解出来ないのでは・・・」

青色 「ちゃんとあたしがわかるように説明してよね」

QB 「やれやれ」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:14:30.33 ID:fhZ6rvzC0
ほむら(一ヶ月時間が飛んでいるようだけど・・・本当に夢じゃないの?)

ほむら(見知らぬ知り合い、そして鹿目まどかさんの死体)

ほむら(魔法少女・・・私が、魔法少女・・・だった?)

ほむら(信じられない・・・でも)

ほむら(鹿目さんのことを思い出せば、生き返らせられる・・・)

ほむら(私が、助けられる。それなら)

ほむら(こんな役立たずの私が、人を、命を、助けられるのなら、なんとしても)
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:15:47.11 ID:fhZ6rvzC0
ソファーの前にひざまづき、鹿目まどかさんの死体の手を握り、顔を見る。
そして私は目を閉じて記憶を引き出そうとする。

次々とこの体で過ごした一ヶ月間の記憶が再生されていく。
チャンネルを切り替えながらテレビドラマを見ているようだ。
早送りのようでいて、声はちゃんと普通の速度で再生される。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:16:23.95 ID:fhZ6rvzC0
転入前に出会った美樹さやかさん、保健委員の鹿目まどかさん、そして魔法少女の巴マミさん、
インキュベーターともキュゥべえとも呼ばれる白い謎の生物との出会い。
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:17:43.98 ID:fhZ6rvzC0
マミ 「用意出来たわよ。二人のどちらでもいいから、暁美さんを呼んできて」

青色 「あたしが行きます」



青色 「ほむら、朝ごはん食べるでしょ」

ほむら「・・・え」

青色 「ほら、こっちにおいで」

ほむら「はい、美樹さん」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:18:25.47 ID:fhZ6rvzC0
さやか「あれ?あたし自己紹介したっけ」

ほむら「いえ・・・多分してないです」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:19:18.11 ID:fhZ6rvzC0
杏子 「このコップ使っていいよな」

マミ 「いいわよ」

杏子 「アタシのコーラ出すぜ。お前も飲むか、さやか」

さやか「もらうけど、あんたも少しは後片付けを手伝いなさいよ」

杏子 「ちょっと考え事したいんだよ」

さやか「なにをよ」

杏子 「【ほむら】がなぜまどかをワルプルギスの内部に連れて行ったか、だよ」

さやか「変なところにこだわってんのね」

杏子 「まあ、前からなんかそこだけ違和感あったしな」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:20:15.88 ID:fhZ6rvzC0
さやか「ワルプルギスの夜に対して一番効果がある攻撃ができるのがまどかだから」

さやか「【ほむら】がそう言ってたじゃない」

杏子 「本当にそんな理由だとしたら、【ほむら】がワルプルギスの夜を倒した後に」

杏子 「【あいつ】自身のソウルジェムを砕こうとした説明がつかない」

さやか「うそっ。そんなことしようとしてたの【あいつ】」

杏子 「だけど実際にはまどかがワルプルギスの夜の呪いを受けて」

杏子 「まどかが自分で自分のソウルジェムを砕いた」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:20:58.55 ID:fhZ6rvzC0
マミ 「万に一つでも鹿目さんにワルプルギスの夜を倒されたくなかったんじゃないの?」

杏子 「・・・ああ、なるほどな」

さやか「どういうこと?」

杏子 「まどかの撃った矢がワルプルギスの夜から飛び出していってたからな」

杏子 「多分その逆もできるんだろうから、外から撃った矢で止めを刺される可能性を考慮して、か」

さやか「えっ?そんなことがあったの?」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:21:35.69 ID:fhZ6rvzC0
杏子 「あれにも気がつかなかったのか・・・余裕なさすぎだろ」

さやか「あんたがよそ見をしすぎなのよ」

マミ 「佐倉さんはそれだけ美樹さんを信用しているのよ」

杏子 「いや、それはねーから」

さやか「杏子、照れなくてもいいのよっ」

杏子 「照れてなんていねーよっ!」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:22:09.34 ID:fhZ6rvzC0
QB 「しかし・・・だとしたら何でまどかがワルプルギスの呪いを受けたんだい」

杏子 「おまえがアタシに質問とは珍しいな」

QB 「確実に鹿目まどかに止めを刺させるために連れて行った、という見方もできる」

杏子 「だったら最初からまどかにだけ本体に攻撃させときゃそれで済む話だろ」

QB 「いずれにしろ【暁美ほむら】が時間遡行した今となっては真実は知りようがない」

杏子 「ふん・・・」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:23:58.68 ID:fhZ6rvzC0
朝食後、鹿目まどかさんの死体の脇に戻り、また記憶を探っていく。

魔女たちとの戦い、佐倉杏子さんとの出会い、魔法少女同士の確執と和解。
ワルプルギスの夜と呼ばれる魔女との戦いに向けた準備。
【暁美ほむら】自身の過去についての告白。
そして巨大な魔女との戦いと、倒れ、自殺した鹿目まどかさん。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:24:31.45 ID:fhZ6rvzC0
この目で追い続けたのは鹿目さんの姿。
この耳を傾け続けたのは鹿目さんの声。

他人事のような、映画かテレビドラマを早送りで見るような記憶でも
【暁美ほむら】がどれほど鹿目さんを大切に想っていたかは十分に伝わってくる。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:25:13.91 ID:fhZ6rvzC0
マミ 「本当にいいの?魔法少女になるというのは大きなリスクがあるのよ?」

ほむら「はい・・・【私】自身の声での説明を聞きました」

ほむら「でも、それでも私は鹿目さんを助けたい、です」

QB 「じゃあさっそく契約しよう」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:26:02.63 ID:fhZ6rvzC0
QB 「人を願いで生き返らせるのは普通の魔法少女候補には出来ないが、君なら出来るよ」

QB (鹿目まどかほどではないが、それでもかつてない程の因果の量だ)

QB (魔女になった時が楽しみだな)

杏子 「チッ、張り切りやがって」

ほむら「あっ・・・一つ質問いいかな、・・・ええと、キュゥべえ」

QB 「なんだい、暁美ほむら」

ほむら「鹿目さんを、人間として生き返らせることは、できる?」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:26:45.67 ID:fhZ6rvzC0
QB 「並の魔法少女候補にはそんなことは出来ないけれど、君には出来てしまうようだね」

ほむら「それができるのなら・・・契約します」

さやか「ほむら、あんた・・・」

マミ (あの【暁美】さんもこの暁美さんも、鹿目さんに対する想いは変わらないのね)

QB 「さあ暁美ほむら、君はどんな願いでその魂を輝かせるんだい」

ほむら「私の願いは、鹿目まどかさんを、魔法少女としてではなく、人間として生き返らせること、です」

QB 「君の願いはエントロピーを凌駕した!」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:27:27.93 ID:fhZ6rvzC0
まどか「あれ?わたし・・・生きてる?」

さやか「まどか・・・まどかぁ!」

まどか「ちょっ、ちょっとさやかちゃん!?いきなり抱きつかないで」

マミ 「よかった・・・本当によかったわね、鹿目さん、暁美さん・・・」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:28:13.52 ID:fhZ6rvzC0
杏子 「・・・」

QB 「君はうれしくないのかい、佐倉杏子」

杏子 「悪くはない。けどなんかすっきりしねえ」

杏子 (また魔法少女を増やしてしまった。しかもアタシがきっかけを作った)

杏子 (放っておいた方がよかったのかもしれねえ)

杏子 (だが、まどかに死んで欲しくなかったのはアタシも同じだしなあ)

まどか「なにがどうなってるの?」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:29:02.60 ID:fhZ6rvzC0
まどか「じゃあこのほむらちゃんは今まで一緒に戦ってきた【ほむら】ちゃんと魂が違うってこと?」

マミ 「多分、ね」

まどか「それでもわたしを生き返らせるために契約しちゃったんだ」

ほむら「はい・・・」

まどか「しかもわたしを人間として生き返らせてくれたから、わたしはもう魔法少女じゃないんだ」

QB 「そうだよ、だからボクともう一度契や」

杏子 「調子に乗んな」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:29:45.18 ID:fhZ6rvzC0
まどか「ほむらちゃん、ごめんなさい。わたしまた迷惑かけちゃった」

さやか「こういうときは、ありがとう、でしょ?」

まどか「もちろんだよ。いまからいっぱいお礼を言わせてもらうんだから、ほむらちゃん」

ほむら「鹿目さん・・・」

まどか「ほむらちゃん。ありがとう。本当に、ありが、と、う・・・うわああああん」

ほむら「わっ。えっ、えっと・・・」

マミ 「ほら、暁美さんも鹿目さんを抱きしめ返してあげなさい」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2012/09/30(日) 22:30:49.44 ID:fhZ6rvzC0
第四話 Has anyone ever written anything for you


全員 「「「「「ごちそう様でした」」」」」

マミ 「おそまつ様でした。ところで暁美さん、浮かない顔をしてどうしたの?」

ほむら「この後どうすればよいのか・・・自分の家への帰り道も分からないんです」

まどか「じゃあ、わたしが送っていくから・・・あっ!」

マミ 「今度は鹿目さん?どうしたの?」

まどか「家に連絡していないんです。どうしよう」

さやか「あー、あたしもだ。まあうちは多分大丈夫だけど・・・まどかはやばいよね」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/09/30(日) 22:37:00.08 ID:fhZ6rvzC0
とりあえず今日はここまで。

原作見てからやれ、というのは当然だと本人も思います。
せめてアニメ本編を見たいと思っているんですが時間がなかなかとれません。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/09/30(日) 22:52:42.63 ID:oDphVamR0
一応乙
書く時間を見る時間にあてることは出来なかったのか…
まあ、SSしか読んだことなかったのに書いたって前例もあったし頑張って
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 23:31:36.68 ID:J3d1bIVDO
おつ

文章のレベルはなかなか高いかと

このSS書き終えたら、展開わかってても見ること勧める。

時間に余裕ある時にね
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/01(月) 03:30:50.34 ID:Ho32N4Nto
原作見てないのにSS書こうとするやつの気が知れない
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/02(火) 18:54:23.70 ID:yIdbgPl5o
逆によく原作知らずにここまで書けたな
微妙におかしい部分が結構あるがまあ気にするほどでもない
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/02(火) 19:28:56.69 ID:litz7Sit0
俺は見ないで書くのは好きじゃないし出来ないがあえてそういう試みをする者がいるのは知っている
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/10/24(水) 04:52:04.87 ID:CerJWm7co
そのSS書く時間をアニメ視聴にあてりゃいいのに
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/25(木) 20:16:36.35 ID:H9X576MEo
べ、べつに続きが読みたいから保守してるんじゃないんだからねっ!
勘違いしないでよっ!
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/26(金) 23:23:31.79 ID:Vfgdykl00
おっ、これ俺と同じ考え
ループしたとき、ほむら同士が出会わない理由を考えていくと
ループにとり残されるほむらがいることになる
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/26(金) 23:33:24.35 ID:Vfgdykl00
劇場版後編の5ループの後のコネクトのところでたくさんのほむらが同時に出てくる
あれはループに取り残されたほむら達

きっとあれは次の反逆の物語の布石
こんな話も絡むかもしれない
ラストシーンは全員でほむほむするところを頼む
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/10/27(土) 00:27:05.44 ID:0iVWeWyAO
ほむらを復活させないようにまどかと壁作ってたのにまどかの願いがほむらと一緒にいたいってどういうことなの
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/28(日) 00:05:09.12 ID:VBeHyzNY0
よく原作読まんでSSかけるな
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) [sage]:2012/10/31(水) 13:19:18.40 ID:CglxWhyoo
続きマダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
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