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浜面「俺は勇者なんだ!!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/04(木) 21:48:56.18 ID:lXO+2pj00
ここはとある異世界


平和だった世界に突如、魔王アレイスターを名乗る人物があらわれ
世界は混沌につつまれた。


世界各地には、想像上のものと思われていた怪物たちがはびこり
死者はあらたな魔王の手先となる。


とてつもなく強大な力の前に、人々が築き上げた文明は敗れ

絶望の淵に追われた時

世界各地に特殊な力を持つ人間が現れ始めた。


ある少年は、生まれながらに不幸を纏い
その身には、かつて世界を滅ぼそうとした古い魔王『竜王』の力が宿り、右手にあらゆる幻想を壊す力を身につけていた。


あるものは、生まれながらに天使と悪魔の力を受けつがされた呪われた存在であり
全ての力の流れを操る無敵の矛と
何者も寄せつけぬ、無敵の盾を身につけていた。


あるものは、生まれながらに天使のような翼を持ち、人知の及ばぬ物質を操る能力を持っていた。
最強の勇者を誇っていたが、ある日世界の悲劇を目の当たりにし、勇者としての輝きはもはや失われていた。



あるものは、生まれながらに雷を纏い、立ち塞がる全ての敵を一直線に粉砕する力を身につけていたが
肉親である実の姉を失ったその心はとても脆く、今にも崩れ落ちそうになっていた。
しかし、とある悪魔のような天使の声に道を開かされ、姉奪還への道を進み出す。


ある少女は生まれながらに全てを貫く力を持ち、幼少より勇者として活躍するが
ある一つの村と一人の少年の心を救えず、自身の心も10年もの間、決して癒されることがなかった。
しかし成長した少年により、苦しみから解放。
少年とは行動を別にするが、彼女の心には成長した少年の姿がいつまでも焼き付いていた。



こうした特別な力を持って生まれた者たちは、アレイスターの放つ怪物を打ち破り、人々から「勇者」と称えられた。

各地の勇者達は、それぞれの思惑を胸に秘め、魔王アレイスターの討伐に旅立つ。



そして、ここに一人の若者がいる。


名を浜面 仕上


この混沌につつまれた世界で、普通に生まれ
10年前、自身の父親を失った少年。


生まれた町を守るために普通の兵士となった少年。


そして、ある日町を襲撃した魔獣との死闘の末、能力に目覚め、ついには魔獣を使役することができた少年。


とある海に囲まれた小国を命掛けで守り抜き、ついに、勇者として名乗ることを決めた少年。


これは

決して物語の主人公とは言えなかった少年が成長し

世界へ羽ばたく物語である。





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1349354935
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/04(木) 21:55:34.40 ID:lXO+2pj00
主要人物紹介


<浜面仕上>

この物語の主人公。でもしょっちゅう見せ場を奪われる。

10年前、村を急襲してきたドラゴンに父親を奪われる。

ドラゴンを倒した勇者、麦野を師とし、第一の町で立派な兵士へと成長した。
前々作で、町を襲った魔獣との死闘の末、魔獣の力を自分自身にとりこみ、能力に覚醒した。

前作では、海に囲まれた小国モンサンミッシェルを仲間と共に守り抜き、新たな力と共に、勇者と名乗ることを決意する。



能力名は『幻想使役』<エビルドライバー>
自身を認めてくれた魔物や魔獣の心を力の源とし、魔具として使いこなす。
魔具は、主に乗り物になる。が、そろそろ1のネタ切れが近いので、もう乗り物じゃなくてよくね?状態である。

所持魔物の心

<スラ坊>
浜面が能力を得たきっかけになった魔物。(DQ)
ホバーバイクって感じの、低空を飛び回る魔具を現出。
(イメージ的にDQMのスライダーガールの乗り物)
成長することで、姿が変わる。
現在、ホイミスライム、メタルスライムになれる。

<ケルベロス>
第一の町を急襲した魔獣。
古き伝説の塔テメンニグルを守る門番(DMC3)

前作で浜面達との壮絶な死闘を演じ、各々の活躍により
追い詰められ、最後は覚醒した浜面に敗れた。

超大型バイクに魔力の武装を施したような魔具を現出。
(イメージはDMC3のレディのバイクをもう少し大きくしたもの)



<グリフォン>
モンサンミッシェル周辺の草原の主。(ドラゴンズドグマ)
家畜をよく奪っていったので、浜面達に成敗される。

某死海の姫が乗る、メーヴェに似た魔具を現出。
多数のジェット噴射口を操ることで、高速空中戦が可能。
武器に、噴射口からのエネルギー弾と、ロック式ホーミング弾がある。


<アイアンゴーレム>
モンサンミッシェル東の塔の頂上で宝を守っていた番人。(ダークソウル)
6体の内、一体が死闘の末、浜面に撃破される。
残りは、美琴に瞬殺される。


魔具としては、現出した黒い籠手が装着される。
背後には、籠手の動きと連動した巨大なアイアンゴーレムの腕。
籠手で相手を叩きつける動きをすると、背後の巨大な腕が相手を叩きつける。
本編ではまだ出てないが、実は背後の腕は変形する。



『幻想使役』ver.2

浜面が、自身の力の本質に気づいたことで解放。
仲間にしたモンスターを、能力を使わず、自分の力だけで、もう一度倒すことで発動。

基本的には、そのモンスターの力を更に圧縮した、武具の形になる。

スラ坊(メタルスライムver)
騎士の鎧と、剣にも銃にも盾にも変形する武器を持つ。
鎧の後背部には、圧縮空気の噴射口がついており、噴射させることで高速移動が可能になる。
ぶっちゃけ「ヴァンキッシュ」のサムさんです。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/04(木) 21:59:10.00 ID:lXO+2pj00
<麦野 沈利>

幼少より勇者として世界を旅した元勇者。
浜面の師匠であり、姉のような女性。
生まれつき、『原子崩し』という強力なビームのような能力を持つ。
10年前、浜面のいた村を襲ったドラゴンを倒すが、浜面の父親を救えず、苦悩の日々を送っていたが
浜面の成長により心は晴れ、能力の成長の妨げになっていたものが無くなった。

霊装「アルテミス」(DMC3)を所持。ビームの種類が大分増えた。

前作で浜面と別行動に。現在、削板にスパルタ特訓をやられている。
浜面に対して、たまにエロいっちゃエロい。


<絹旗 最愛>

第一の町で守備隊に入っていた少女。
攻守に優れた能力『窒素装甲』をもつ能力者。

とても人懐っこく、上条当麻のパートナー、インデックスや
元は敵であった魔獣ケルベロスととても仲がよい。

前作、魔具の力で、某狩人のジャンケングーパンチ並みの破壊力を得た。

現在、浜面と別行動。削板に毎日ボコボコにされている。



<滝壺 理后>

第一の町で守備隊に入っていた少女。
優れた感知能力『能力追跡』を持つ。
魔物だろうが能力者だろうがただの人間だろうが幽霊だろうが
彼女のレーダーは全てをを感知、把握する。
浜面に恋心は既に芽生えている。

現在、浜面と別行動。削板の特訓で、毎回真っ先にダウンする。

最強級のとある切り札を所持。




<フレンダ・セイヴェルン>

第一の町で守備隊に入っていた少女。
現状、能力者ではないが、優れた爆破技術とトラップ作成能力を持つ。
この物語では、結構活躍する。

現在、浜面と別行動。削板の奇行にツッコミの腕ばかりが上達していく。



<佐天 涙子>

元モンサンミッシェルの兵士。
襲撃してきた魔物に一緒にいた仲間を皆殺しにされるが、浜面に助けられる。
「空気使い」の能力者。力はまだそこまで強くないが(原作でいうレベル3くらい)、多種の魔具を利用して、能力の幅を広げる予定。
勇者となった浜面の一番弟子として、浜面に同行する。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/04(木) 22:00:58.77 ID:lXO+2pj00
<上条 当麻>

伝説の能力『幻想殺し』を右手に宿す不幸な少年。
その力の正体は、太古の時代、世界を滅ぼそうとした『竜王』の魂。

幼少より、人々に蔑まれてきたが、インデックスに導かれ、世界を救うために勇者となる。

過去、滞在していた村を襲った『魔王の使い』を名乗る者と壮絶な死闘の末、相打ちになり、記憶をほぼ失っている。
後々この失った記憶が上条当麻にとって重要な鍵となる。

竜王の5つの封印が解ける毎に、力が爆発的に増すが、全て解ければ世界が滅びると言われている。

現在、インデックスとの出会いの地へと進行中。



<インデックス>

上条当麻のパートナー。
10万3000もの能力の情報を頭に持ち、一度見た能力なら
威力2割落ちほどで再現できる能力『魔導書館』を持つ。
ほぼチートだが、キャラが基本ギャグなので、ギリギリセーフ。
教会に所属する魔術師であり、上条当麻の保護を目的として派遣。そこで、上条当麻の壮絶な死闘を目撃する。
記憶を失った上条当麻を勇者として導いた張本人。
この物語のインデックスさんは仕事してます!!
食い逃げもしてます!!

現在、上条当麻との出会いの地へと進行中。



<御坂 美琴>

海に囲まれた小国モンサンミッシェルの王女。
「超電磁砲」という最強クラスの電気能力者であり、最強クラスの上条ストーカー。
ツン5デレ3ヤン2の成分でできています。

実の姉、番外個体が敵側につく事で一度心が挫けるが、謎の白い人の言葉により復活。

現在は、上条達とともに、行動中。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/04(木) 22:02:12.89 ID:lXO+2pj00
<一方通行>

白い人、細い人、モヤシと呼ばれる自称細マッチョのモヤシ。
正体は、元魔王アレイスター側の人間であり、「ベクトル操作」の現最強の能力者。
昔、教会と魔王軍の闘いに乱入し、双方皆殺しにした経歴がある。詳細は現在不明。

前作で、一年後にアレイスター側からの総攻撃があると、上条達勇者側に警告する。


かなり、いい味が出てるらしいおいしいキャラ。
コーヒーと笑いのわかる男。



<打ち止め>
御坂美琴の妹。

一方通行に強制的に同行し、番外個体を取り戻す旅に出かける。
というのは、半分建前で、本音は一方通行についていきたいだけ。

最初は姉譲りのツンを発揮したが、現在はデレ要素以外見当たらない最強のロリータである。
ぶっちゃけ1は、セリフめんどくせぇと思ってる。



<白井 黒子>

旅に出た打ち止めへのボディーガード。「空間移動」の能力者。
打ち止めのこともマスコット的な意味で好きだが、純然たる御坂美琴のストーカー。
御坂美琴直属の侍女であるが、父親の旅掛の願いで、打ち止めを守る。
全ては、美琴との裸の付き合いを久しぶりに実現するために!!

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/04(木) 22:10:28.00 ID:lXO+2pj00
1です。新しい章が始まりました。
と言っても今日は紹介で終了です。

しっかり構成立てて、ある程度書き溜めしたら、再開します。
気長にお待ちください。


本作を始めて見る方は、下の物語を先に見た方がいいと思います。

プロローグ
浜面「俺が勇者?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346907568/

第1章
浜面「俺は勇者なんかじゃないさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347281517/




では、おやすみなさい。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/04(木) 22:24:54.27 ID:AeY/07Iyo
なーんかこの文体やら章立てやら見た覚えがあるんだが気のせいかww
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/10/04(木) 22:49:50.90 ID:sIqzYwYK0
乙!

次回待ってるぜ
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/04(木) 22:59:58.08 ID:/dEQFuFio

次も待ってるぜ!
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2012/10/04(木) 23:51:22.77 ID:bGqoCOkI0
上条ストーカーわろた
でもかわいい

次ももまっちょる
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/05(金) 02:04:03.23 ID:zAgAF21DO
屑浜面さっさと死ね
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/05(金) 02:09:34.39 ID:G5e/Jrwi0
スレ立て乙
もげ面爆発爆発しろという以上に爆発な目にあってるので
とりあえずがんばれ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/05(金) 09:19:21.57 ID:UfjF9XTf0


垣根は盗賊兼勇者
削板は船長兼勇者?
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/05(金) 16:08:57.54 ID:qmSXh6610
乙今回も楽しませてもらうぜ!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 18:49:59.10 ID:WGo33fkR0
こんばんわ、1です。

ある程度構想固まったので、少しだけ投下していこうと思います。

なお、原作で能力がなかった方には、オリジナル能力が1より与えられております。
できるだけ、その人にあったものを考えたので、ご勘弁ください。異世界ですし。


>>7
>>8
>>9
>>10
>>11
>>12
>>14
応援ありがとうございます!!!
これからも、マイペースですが頑張ります!!

>>13
そこはノーコメントってことで!!!


16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 18:58:47.46 ID:WGo33fkR0
海に囲まれた小国の舞踏会から2ヶ月後



とある森林に囲まれた街道





「おい、アイツら何てどうよ?ちょっとは期待できそうじゃないか?」



「んー。どうだろうなぁ。どっちもまだ子供だし。
しかも片方は女の子だ。俺はあまり期待は出来ないなぁ」




「リーダー。どーしましょうか?」




「いいんじゃねーか?やってみな。期待外れならやり過ぎんなよ?」




森林に囲まれた街道を通る、少年、少女の旅人を遠くから見つめる集団がいた。

彼らは、盗賊団。

ある国のある都市を拠点とし、世界中に散らばるとてつもなく大きな組織である。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:06:17.53 ID:WGo33fkR0
当然、実力は各自中々のもので、並の旅人なら太刀打ち出来ないだろう。

2人の旅人は、8人ほどの盗賊にあっという間に囲まれた。




少年「ん?何だアンタら?悪いが先を急いでんだ。通しちゃくれねぇかな?」



盗賊「そうかい。そりゃあ失礼したな。だが、ここを通して欲しけりゃ有り金置いてって貰おうか。
ああ、心配するな。近くの街までの、最低限の金だけは残して置いてってやるからよ」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:07:48.94 ID:WGo33fkR0
少女「あ!!もしかして、今話題の盗賊団ってヤツですか?私始めて見ましたよー」



少年「俺もだな。昔守備隊やってた時にも会ったことは無かったしなぁー」



盗賊2「何ゴチャゴチャ言ってんだよ。怪我したくなきゃ、さっさと有り金置いていきな」




盗賊が剣を少年に突きつける。




少年「いやー、何て言うかさ。お前等ついてねーよなぁ。
俺の知り合いの勇者みてぇだ。















ホントについてねーよ」ユラァ……
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:09:09.36 ID:WGo33fkR0
盗賊8「ッ!?」



バキィィィィィィィィィッ!!!



少年の身体がゆっくり動き出したと思った瞬間、盗賊団の一人が宙を舞っていた。



盗賊7「なっ!!」


少女「よそ見してたら危ないですよ!?」ブンッ!!

ズバッ!!

盗賊4「グァァアッ!!」



少年に気を取られている隙に、少女は盗賊団の一人を軽めに斬りつける。
どうやら命を取る気はさらさら無いようだ。




盗賊「くっ!!こいつ等中々やるぞ!!お前等!!気合い入れてけよ!!」バッ!!



盗賊の一人が喝を入れると、盗賊団は一斉に戦闘態勢に入った。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:13:00.26 ID:WGo33fkR0
少年「どうしようか?何人くらいならいける?」


少女「残り6人何ですから、仲良く3人で分けましょうよ」


少年「お、言いやがったなー、無茶すんなよ!?」バッ!!



少年は、盗賊団を3人程惹きつけながら、場を少し離れた。




盗賊7「オイオイ、お嬢ちゃん一人で大丈夫なのかい?もう不意打ちは通用しねぇぜ?」



少女「んー。もしかしたら少しキツイかもしれないですねー。
おにーさん達、皆結構強そうだし。ただのチンピラ盗賊じゃ無いですよねー?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:18:39.09 ID:WGo33fkR0
盗賊5「……驚いた、中々見る目があるじゃないか嬢ちゃん」チャキッ



盗賊達の緊張が高まっていく。



少女「だからこそ……これを乗り越えれば私はもっと強くなれるんですよね!!」バッ!!



少女は盗賊団の一人に右手を向ける。その右腕にはある力を持った腕輪がつけられている。



少女「まずは一人!!ぶっとべぇぇぇぇぇぇええ!!!」キュィィィィインッ!!!



ドォォンッ!!!!




少女の右手から風の塊が勢いよく発射される。



盗賊6「グァァァァァアアアッ!!!」ドゴォォォ!!!



風の塊は、盗賊の一人に当たり、10mほど吹き飛んだ。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:26:31.75 ID:WGo33fkR0
盗賊7「風使いか!!おのれ!!」バッ!!


少女「おっとぉぉぉお!!ハッ!ヨッ!ホッ!!」


キィンッ!!キィンッ!!ヒョイッ!!


盗賊7の剣技を、少女は器用に受け流し、避けている。



盗賊5「後ろがお留守だぜお嬢ちゃん!!」ブンッ!!


最後の盗賊が背後から斬りつけてきた。






ガキィィィィィィィィィイイイッ!!!


盗賊7「なっ!?」

盗賊5「何だと!?」




少女「もー、危ないじゃないですかぁ……」


ギチギチギチギチッ!!!!


少女は、両手に剣を持ち、盗賊達の剣を防いだ。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:30:04.78 ID:WGo33fkR0
盗賊7「く、クソォォォォオオ!!!」ブンッ!!


盗賊5「喰らえぇぇぇぇぇぇえ!!!」ブンッ!!



スカッ!!



盗賊達が再度斬りつけるが、そこにはもう少女の姿はない。




辺りを見回すと、盗賊達から10m程離れた場所に、少女は立っていた。




少女「ロケットダーイブ!!レディィィィ……」グググッ!!



少女は、腰を落とし、双剣を構える。


盗賊達は、慌てて少女に身体を向けるが時すでに遅かった。





少女「GOォォォォォォォォオオ!!!」ドォォォンッ!!!



ズシュッ!!
ザシュッ!!



ドサドサッ!!!





空気が爆発する音と共に、少女が消え、盗賊達が斬り伏せられた。


風を集中させ、解放した時に生じる爆風の推進力で
高速で突進した少女が交差する瞬間、二人の盗賊を斬りつけたのだ。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:33:25.09 ID:WGo33fkR0
少女「ふぅ……何とか勝てたか。また一つ、強くなれたなぁ、私」♪




盗賊7「ぐ……中々やるじゃないか、お嬢ちゃん。名前、聞かせてくれねぇか?」ヨロッ……



斬られた盗賊の1人が、立ち上がりながら、少女に名を問う。



少女「しばらく安静にした方がいいですよー?あとで薬草あげますから。
代金はもらいますけどwwんー、名前ですか?そうですねー……」


少女は、少し悩んだが、ま、いっか。のノリで盗賊に答える。



「『佐天 涙子』っていいます。まだまだ未熟な勇者見習いですよ」

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:47:03.28 ID:WGo33fkR0
…………




少年「よし。こっちは終わったか……涙子ちゃんは無事かな?」スッ……



少年が剣をしまうその足元には、3人の盗賊団が倒れていた。



盗賊1「く、くそ……強過ぎだろ、ガキのクセに……」



少年「悪いなぁ、ガキでもそれなりに修羅場くぐって来たんでな。
あんたらくらいなら何とかなるんだ」







「おー、やるじゃねぇかお前。あっちのお嬢ちゃんも中々だったが、お前なら俺も楽しめそうだ」チャキッ……



少年「ッ!?」



突然、背後から声がかけられる。頭には拳銃を突きつけられながら。




「減点1だな。そいつら倒したからって油断しすぎだ。
そんなんじゃ、俺には勝てないぜ?」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:48:33.97 ID:WGo33fkR0
少年「あぁ……そりゃご忠告どうもな!!」バッ!!



少年は振り向きざまに剣を抜き、斬りつける。
しかし、背後にいた盗賊は既に離れていた。



「さぁて……短い間だが、お世話になるんだ。自己紹介だけやっておこうか。
俺は半蔵。『服部半蔵』だ。半蔵でいいからな」チャキッ……




半蔵と名乗る少年は、もう一丁拳銃を取り出し、二丁拳銃となった。






少年「世界はやっぱり広いなぁ……盗賊なんかにこんなヤツがいるなんてな」



「俺は『浜面 仕上』。勇者だ。二ヶ月前からな。短い間だが、よろしくな、半蔵!!」バッ!!!



浜面と半蔵が互いに突っ込んでいく。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 19:51:28.17 ID:WGo33fkR0
キリがいいので、一旦休憩です。

というわけで、新章、記念すべき1stバトルカードは、浜面vs半蔵です。

半蔵は、wikiでしかわかりませんので、キャラ崩壊してたらごめんなさい。

続きは10時くらいです。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/05(金) 19:57:54.04 ID:DEYSOmOe0

佐天さん超ノリノリw
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 21:25:49.26 ID:WGo33fkR0
「「ォォォォォォォォオオッ!!!」」バッ!!


ガキィィィィィィィィィイイインッ!!!



浜面の剣、半蔵の拳銃が互いにに競り合う。



浜面「オイオイ、そんな使い方していいのかぁ?せっかくの武器が壊れちまうぞ?」


ギチギチギチギチッ!!!


半蔵「心配しなくても大丈夫だ。これは俺の改造品でな、結構外側は硬いパーツ使ってんだぜ!!」パァンッ!!




拮抗した状態で半蔵が浜面に発砲するが、狙いは大きく外れている。
しかし、発砲音にホンの少し怯んだ浜面の剣が、半蔵に弾かれる。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 21:31:29.80 ID:WGo33fkR0
浜面「ゲッ……ヤベッ!!!」ダッ!!!



半蔵「はい隙ありぃー」パァンッ!!パァンッ!!パァンッ!!パァンッ!!!



浜面「ウォォォォォォォォオオッ!!!」チュイン!!チュインッ!!



右手の拳銃が浜面に向けて何発も発砲されるが、浜面は森林の中へ逃げ込み難を逃れた。



浜面「ハァッ……ハァッ……いやー、俺も銃使ってるけど、使われる身になるとあれは辛いなぁ。
一発当たれば大ダメージだし」ゼェッ、ゼェッ




半蔵「だよなぁ。俺も相手に使われるとちょっとビビるよ」ハァッ……




浜面「ッ!?」バッ!!

パァンッ!!パァンッ!!パァンッ!!



浜面「いつの間に後ろいたんだよ!!チクショー!!!」ダッダッダッダッ!!!



いつの間にか背後にいた半蔵の銃撃を避け、浜面は逃げ続ける。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 21:36:56.32 ID:WGo33fkR0
半蔵「どうしたどうしたー、銃相手だと手も足もでないのかぁ?
しょうがねぇなぁ、土下座して頼みこむんなら考えてやってもいいんだけどよぉー」チャキッ



半蔵は、銃を構えながら浜面を挑発する。




浜面「…………は?」ピクッ…

もちろん、簡単に挑発に乗るのが我らが浜面である。




浜面「上等じゃねぇか……人間相手に使うのは初めてだけどよ……後悔すんじゃねぇぞ半蔵ォォォォォオ!!!!」


カッ!!


ブワァァァァァァァァァァアアッ!!!

32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 21:41:12.78 ID:WGo33fkR0
半蔵「へぇ……。勇者だって言うのに能力使ってこねぇから気になってたら、そういう能力なのか」




ブォォン!!ブォォォォオン!!!



メタルスライムになった事で、性能が上がったスラ坊のホバーバイクに乗り、浜面がエンジンをふかす。



浜面「あぁ。覚悟しろよ半蔵。死んでも恨むんじゃねぇぞ!!」ギュンッ!!

ブォォォォォォォォォォォォオンッ!!!



瞬間速度、時速180km以上の高速バイクが、一瞬で半蔵の背後に回る。


そのまま剣を振りかぶり、半蔵を斬りつける。殺す気はさらさらない。
同じ人間だ、自分が殺すのはアレイスター側だけだ。




浜面「もらったぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」ブンッ!!







ガキィィィィィィィィィイイインッ!!!!!
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 21:44:09.18 ID:WGo33fkR0
浜面「……マジかよ。これに反応できたヤツはこれで二人目だな……」グググッ……



ギチギチギチギチッ!!!!!



半蔵「へぇ。それは光栄だな。でも俺の仲間なら皆、これくらいは防げると思うぞ?」グググッ……




世界は広いものだと浜面は改めて感じた。
ケルベロスを撃破し、あのデュランでさえ肝を冷やしたと言っていたスラ坊のバイクのスピードにただの人間が。

それも盗賊が反応したのだから。




浜面「半蔵……お前は、お前らは、本当にただの盗賊団なのか?」


ギチギチギチギチッ!!!


半蔵「……あぁ。俺はただのしがない盗賊団の下っ端さ!!」ギィンッ!!



再び浜面の剣が弾かれる。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 21:51:02.01 ID:WGo33fkR0
半蔵「二回目だ。今度は当てんぞ?」チャキッ



半蔵が拳銃を、隙だらけのハズの浜面へと向ける。
しかし、鏡に映ったように浜面も、乗っていたバイクを消し、こちらに銃を向けていた。




浜面「!?」
半蔵「!?」

バッ!!


パラララララララララララララッ!!!
パァンッ!!パァンッ!!パァンッ!!!



お互いが、相手の銃口から身体を逸らしながら銃を撃つ。


「「ウォォォォォォォォォォォオオッ!!!」」



バッ!!バッ!!
パラララララララララララララッ!!!
サッ!!
パァンッ!!パァンッ!!



浜面と半蔵は、お互い、銃を持ちながら格闘するようなスピードで動き、銃口が相手を捉えた瞬間、発砲していた。



それでもお互い、未だに弾が当たらない。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 21:52:35.42 ID:WGo33fkR0
半蔵「ォォォォォォォォオオッ!!!」チャキッ!!



浜面「ッ!?」カッ!!



パラララララララララララララッ!!!
パラララララララララララララッ!!!


ブォォォォォォォォォォンッ!!!



半蔵が2丁拳銃をやめ、2丁サブマシンガンに変えた瞬間、浜面は再びスラ坊バイクを出し、高速で宙へと逃げた。


銃の扱いは、何倍、何十倍も半蔵の方が上だ。
それをわかっていたからこそ、銃の勝負に浜面はこだわらなかった。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 21:59:13.14 ID:WGo33fkR0
半蔵「やるなぁ、あの調子で行けば、そのまま銃対決になると思ったのに。
躊躇無く逃げやがった」カチャカチャ




浜面「お前相手じゃ銃では勝てそうにないからなぁ。戦法を変えさしてもらうぞ?」ポンッ



半蔵が、サブマシンガンのリロードを行っている間に、スラ坊のバイクを消して、浜面が地面に降りる。





半蔵「ん?いいのか?バイクから降りて。いい的だぜ?」チャキッ



浜面「どうせ、お前あのバイクの速さに反応してんだから、動き先読みされてパァンッ!!……だろ?
だから連射が効く銃に変えたんだろうし」




半蔵「……へぇ」




半蔵は少し驚いた。
この男、安い挑発に乗るような馬鹿に見えて、意外と思慮深いなと。




浜面「悪いな、俺も絶対負けられないんだ。ここは本気で勝ちに行かせてもらう」



カッ!!


ブワァァァァァァァァァアアアッ!!!

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 22:04:53.24 ID:WGo33fkR0
半蔵「…………何だこりゃあ……」





浜面「終わりだ、半蔵。安心しろ。潰さずに、ぶっ飛ばすだけにしてやっから」
ォォォォォォォォォォォォォォォォオオ……




浜面の腕には黒い籠手、背後には巨大な鎧の腕が、宙に浮いていた。

銃撃に対抗するため、左腕が浜面の盾になり
右腕が半蔵目掛けて殴りかかる。



ドゴォォォォォォォォォォォオオッ!!!!



地を割る勢いで、アイアンゴーレムの鎧の腕を振り下ろす。

殺す気はないと言いながら、多分普通の人間が今のをまともに喰らえば死ぬ。

間違い無く普通死ぬ。



とは言ってもどうやら、相手は普通の人間じゃなかったようで。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 22:09:11.37 ID:WGo33fkR0
浜面「オイオイ。お前も能力者なのか?どうやってんだよそれ」



浜面が上を見上げると、太い木の枝に直角に立つ半蔵がいた。



半蔵「いや、これは能力じゃねぇよ。日本の工業都市で作られた、重力を操る靴だ。
重力系能力者の力を参考に作った魔具みたいなもんだな。
俺実は忍者の家系だからな。忍者っぽいだろ?こういうの」ニンニン



浜面「なるほど、お前日本から来たのか。ちょうどいいな。
俺らこれから日本に向かうつもりなんだ。お前に道案内頼もうかな」スッ……


浜面が、アイアンゴーレムの腕でファイティングポーズを取る。




半蔵「あぁ、いいぜ?俺の最後の攻撃で生きてたらな」スッ……


半蔵はポケットから、サイコロを取り出す。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 22:13:29.77 ID:WGo33fkR0
浜面「ん?何だ?サイコロが最後の武器か?」



半蔵「んー、正解じゃないけど、外れでもないな。
俺の能力ってちょっと特殊でよ。まぁ、ウチの核メンバー皆そうだけど。
俺のはちょっとした制限みたいなのがあんだよ」ポイッ



半蔵が木の上から、サイコロを振る。
サイコロはゆっくりと落ちて行く。




半蔵「お前の能力と似てるかもしれないな。俺も武器を能力で出すタイプなんだよ。
サイコロの出た目に合わせて1分間、銃器が現出される。もちろん自分で選べないから、不便だけどな。
その代わり、どれもまぁまぁ強力だ」



サイコロが地面に落ち、コロコロと転がる。

半蔵「1分間立たないと、弱い銃でも消えないし、逆に強い銃でも消えちまう。
ちなみに基本的には、6が一番弱くて1が一番強い。
ま、状況によるけどな。お前相手なら、どの目でも大丈夫と思うけど」



サイコロの目が6を指した。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 22:16:13.73 ID:WGo33fkR0
半蔵「あちゃー、外れか。ま、お前にとっては大当たりかもしれないけどな。
日本に行きたいんだろ?なら一分間、頑張って生き延びてくれや」


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオッ……



半蔵の両手に、真っ白な2丁の拳銃が、いつの間にか握られていた。




半蔵「これが俺の、『乱数銃器』<ギャンブルウェポン>って能力だ。知ったところで容易に防げるもんじゃねぇぞ?」



浜面「やっ……ばいな……アレは」バッ!!!



浜面はアイアンゴーレムの腕をどちらもガードに回す。
鋼鉄の腕が、浜面をガッチリ守る。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/05(金) 22:25:37.68 ID:WGo33fkR0
タメだ。寝落ち寸前なので、終了いたします。

半蔵めちゃくちゃ強くなってます。
しかも能力持ちだし……ま、何とかなるだろう。

バトルの続きは、明日朝早くか、夜に投下します。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/10/05(金) 22:35:39.06 ID:kLKYMOVDO
盗賊団いたらデュランアクバー余裕で倒せてたなw乙!
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/05(金) 23:06:05.65 ID:3AIccaRIO

半蔵の能力がハンターのカイトのパクr…
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/05(金) 23:09:55.88 ID:jlB3B3Iio

盗賊=ハンターなんですね
わかります
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/05(金) 23:31:43.14 ID:RTQzX+Zj0

半蔵でこのレベルだと…
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/06(土) 00:53:04.70 ID:uiuOnFPo0


削板が海に出てなければ一人でデュラン達相手に余裕で勝てただろう
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 06:59:39.18 ID:zgle8pEQ0
おはようございます、1です。


>>42
>>46
削板は勝てますが、盗賊団メンバーはダークドレアムには勝てないです。
基本、瞬殺されます。
浜面も、実質ボロ負けですので。

>>43
>>44
今更パクリがなんだと…ゴホッゴホッ!!

>>45
今回の半蔵は、最弱モードです。どんだけ強くなるんだろ……
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 07:02:50.06 ID:zgle8pEQ0
半蔵「そんじゃ、レディッ……GO♪」チャキッ!!





ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!





半蔵の両手の拳銃から、拳銃にしては、とてつもない威力の魔力の弾が、とてつもない勢いで放たれる。




浜面「ォォォォォオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」ドガガガガガガガガガガガガッ!!!!!




銃撃を受けている、アイアンゴーレムの腕から浜面の籠手に直接伝わる振動が
弾の一発一発がかなりの威力であることを物語る。
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 07:05:59.32 ID:zgle8pEQ0
ピキッ、ピキピキッ!!




浜面「嘘だろ!!まだ10秒くらいしか経ってないのに!!もう保たねぇのかよ!!」ドガガガガガガガガガガガガッ!!!!!




アイアンゴーレムの腕にヒビが入り始める。
もし壊されたりしたら、一瞬、その反動で、浜面に隙が必ず生まれる。

そうなったらお終いだ。

あの銃で、浜面の生身の体は、確実に粉々にされるだろう。





浜面「クソ!!有効打が見つからねぇ!!
アレ使うしかねぇか!!一応切り札なんだけどよぉ!!!!」ドガガガガガガガガガガガガッ!!!!!



カッ!!!


ブワァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 07:10:27.44 ID:zgle8pEQ0
突如消えたアイアンゴーレムの腕に、半蔵はかなり戸惑う。





半蔵「ヤベッ……もしかしてやり過ぎちまったか?死なれたら困るんだが……」




浜面「んな心配してんじゃねぇよバカ野郎。隙だらけだぞ?」チャキッ!!





半蔵の背後には、メタルスライムの鎧を身に纏った浜面が、メタルスライムの剣を向けていた。
図らずとも、最初とは逆の構図ができあがる。




浜面「減点1、だな。油断してんじゃねぇぞ、半蔵クゥン」プークスクス



半蔵「へぇ……そんなのもあるのか。スゲぇなぁ、お前の能力」チャキッ!!




ドォォォォオオンッ!!!!



喋りながら、冷静に半蔵は、背後の浜面に銃を向け、魔力の弾を放つ。



そこに浜面の姿は既にない。



メタルスライムの双剣に武器を変えた浜面は、高く飛び上がり、半蔵の頭上から襲いかかる。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 07:29:21.05 ID:zgle8pEQ0
ギィンッ!!!!!




半蔵「クッ!!えらい反応が早いじゃねぇか!!」チャキッ!!




浜面「ッ!?」ブシュゥゥゥゥゥウウッ!!!




半蔵が、銃で剣を防ぎ、浜面へと反撃しようとするが、浜面は即座にその場を離れる。



ヒットアンドアウェイ。
高速で、間合いを出入りする今の浜面に、対応するのは、かなり難しいだろう。





半蔵「チッ!!やるじゃねーか浜面君よぉぉぉお!!!
しょうがねぇ……これで一気に勝負決めてやるよ!!」チャキッ!!!





ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!





半蔵は銃を空に向けて放つ。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 07:31:06.27 ID:zgle8pEQ0
浜面「?」ブシュゥゥゥゥゥウウッ!!!




特に意に返さずに、浜面が半蔵に向かって高速移動する。




半蔵「頭上注意だぜ?浜面くんよぉ!!」



浜面「ッ!?」バッ!!




浜面が頭上を見上げると、半蔵が空に撃ち上げた多くの魔力の弾が、宙で停滞している。



弾の一つ一つが、空中で魔力の矢へと変換され、浜面へと向かってランダムに落ちてくる。




浜面「ォォォォォォォォオオッ!!!」ブシュウウウウウウ!!



ドォォォォオオン!!!
ドォォォォオオン!!!
ドドドォォォォオオン!!!




浜面は高速で半蔵に迫る。


側には、宙から落ちてくる魔力の矢が地面に突き刺さって爆発していく。
当たれば、かなりのダメージがあるだろう。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 07:51:33.31 ID:zgle8pEQ0
しかし、再び上を見上げるわけにはいかない。
目の前には、自分を狙う半蔵の姿があるのだから。




半蔵「どっちに気をつけるべきかの判断はできてるみたいだなぁ。
そう、俺に注意したほうがいいんだよ。こっちはいつでも直接狙って撃てるんだからなぁ!!」チャキ



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



再び、半蔵が浜面に向けて魔力の弾を放つ。


浜面はひたすら避ける。弾が見えているわけではない。

二つの銃口の先に立たないようにしているだけだ。

それだけでも、凄まじい集中力を使うのだが。
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 07:53:32.02 ID:zgle8pEQ0
浜面「ォォォォォォォォオオッ!!!」ブンッ!!!


弾丸の雨を抜けた先には、無防備に立つ半蔵がいた。


半蔵「……チッ」


グサァァァァァアアアッ!!


半蔵の両脚に浜面の剣が突き刺さった。





浜面「これで終わりだ、半蔵……あれ?」キョトン



浜面が突き刺した剣の先には、何故か丸太があった。









半蔵「変わり身の術ってヤツだ。忍者っぽいだろ?」チャキッ


浜面の頭上には、重力靴で木にぶら下がるように立っている、銃を構える半蔵の姿があった。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 07:55:32.59 ID:zgle8pEQ0
浜面「……クソッ……」




浜面は肩を落とした。
チェックメイトだ。ここから挽回する手はもう残っていない。







半蔵「よかったな。この勝負、引き分けみたいだぜ?」


浜面「……へ?」


浜面が再び見上げると、半蔵の手には、何も無かった。





半蔵「言っただろ?1分間しか保たないって。
しかも再び使うには、2分間くらい間を置かなきゃならないんだ。
雑魚相手ならともかく、互角以上の闘いだと結構不利なんだよ。俺の能力は」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 07:58:05.16 ID:zgle8pEQ0
浜面「は、はは……」ドスンッ…




浜面は、ゆっくり尻餅を着いた。正直、命広いしたからだ。

この半蔵と言う男は強すぎる。

あれで、あの拳銃で一番弱い武器だと言うのだから。
恐らく、今の浜面より遥かに強い力を秘めているのだろう。



浜面「なぁ……お前本当に盗賊なのか?そんなに強いヤツが、何で盗賊なんてやってんだ?」




半蔵「……気が向いたら教えてやるよ。さ、向こうの嬢ちゃんも終わったみたいだ。さっさと行くぞ?」




浜面「ん?行くって何処にだよ?」



浜面が不思議そうに尋ねる。








半蔵「あ?お前が言ったんだろ?日本への道案内しろって。最後の攻撃を受け切ったんだ。
案内してやるよ、日本の『工業都市』へとな」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 08:02:44.73 ID:zgle8pEQ0
投下終了です。


浜面VS半蔵戦でした。


何やら、某ハンターに似てるとかいう話がありますが、それは誤解です。

まんまですからww


今更パクリが何だー!!


では、また夜に来れたらきます。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/06(土) 11:37:12.71 ID:uiuOnFPo0
超乙
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/06(土) 17:47:35.26 ID:nVzr1kRc0

駒場さんはさらにつおそーだな。
ついでにフレメアも能力あったりして…  
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 21:33:20.86 ID:zgle8pEQ0
1です、こんばんわ。


少なめですが、投下していきます。


>>58
ありがとうございます!!精進します!!

>>59
フレメアってフレンダの妹ですよね?
……でないな、多分。
駒場さん、現段階での構想ではクソ強いですねー。いやマジで。



それでは、どーぞ。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 21:35:19.18 ID:zgle8pEQ0
とある大きな港街




ワイワイガヤガヤ

ザワザワ……ザワザワ……

ワイワイガヤガヤ




佐天「凄い!!船も人もいっぱい居ますよ!!活気に溢れた町ですねぇ」



半蔵「ここに、日本へと続く貿易船が止まるんだ。
今の時代、長距離の客船みたいなもんは危ないからな。
ある程度、しっかりした装備の船じゃないとダメだ」




半蔵に導かれ、辿り着いた港町は、活気にあふれていた。


目の前には大型の貿易船。
つい、こないだ日本からやって来たと言われるこの船には、何故か焦げ目や穴が空いて修理された後があった。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 21:42:10.48 ID:zgle8pEQ0
浜面「オイオイ……大丈夫か?この船。かなりボロボロに見えるんだが……」



半蔵「ん?ああ、これはあの人の船か。大丈夫大丈夫。
この船の船長だったら、無事に日本まで送り届けてもらえるハズさ」





トーンテーンカーン

オマエラーコンジョーダー!!コンジョーデフネヲナオスンダー!!!

ハイ!!センチョー!!




浜面「何だか凄ぇアツイ空気が流れて来てんだけど……」


半蔵「そういう人だからな、船長が。さ、頼みに行くぞ」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 21:47:36.46 ID:zgle8pEQ0
削板「お!?お前は半蔵じゃないか!!久しぶりだな!!」



半蔵「お久しぶりです。削板さん。今回も行き先は日本ですか?」



削板「ああ、そうだ!!一刻も早く、工業都市の商品を世界中に届けてやらないとな!!
あそこの商品のおかげで、少しづつ世界は復興してきてるんだ!!」




半蔵「相変わらずですね。ちょっと今回もお願いしたいんですけど」



削板「おお!!いいぞ!!そこにいる、根性ありそうな二人も一緒か?」




浜面「あ、はい。俺は浜面です。お願いします」ペコッ



佐天「私は佐天 涙子です!!よろしくお願いしますね?削板さん!!」ペコリ





削板「おう!!よろしくな!!出航は明日だ!!
こっからなら1週間の船旅になるからな!!しっかり準備しておけよ!!」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 21:53:31.74 ID:zgle8pEQ0
…………




その日の夜 港街の酒場



ワイワイガヤガヤ




半蔵「プハーーー!!!あー、生き返った。悪いな、メシ奢って貰って」



佐天「いえいえ良いんですよー。どうせ払うの浜面さんですから」ニコニコ




浜面「じゃあお前が言うなよ涙子ちゃん。
しっかし、お前一人だけ日本に行って大丈夫なのか?仲間がいただろ」



半蔵「大丈夫大丈夫。俺が居なくても、あいつらは一人でも生きていけるさ。
そういう集団なんだ、俺たちは。1人じゃ何もできない弱いヤツなんて1人もいないさ」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 21:59:28.12 ID:zgle8pEQ0
浜面「ますますわかんねぇなーお前ら。盗賊やらなくても生きてけるだろ。
普通に、世界中旅する力があるんだからよぉ」




半蔵「気にするな気にするな。いつかわかるさ。
俺らの本部がある、『工業都市』に行けばな」




佐天「浜面さんが負けそうになるなんて、久しぶりに見ましたよー。
しかも相手は人間ですし。一体何者なんですか半蔵さん」




半蔵「だから言ってんだろー、ただのしがない盗賊だって。
ホレ、余計なこと考えるくらいなら飲め飲めー」グイグイ




佐天「え!!ちょっ、ちょっと私お酒はガボボボボ……」ジタバタ




浜面「『工業都市』なぁ……皆との合流地点か。
そろそろ約束の期限も近いし、もう皆いんのかなぁ……」ウーン




佐天「プハーーー!!!ちょっと!!浜面さん助けゴボボボボ……」


半蔵「ハッハッハッハッ」グイグイ
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:03:14.36 ID:zgle8pEQ0
…………




半蔵「クカー……クカー……」zzZ


佐天「でね!!麦野さんったらね!!
浜面さんが寝てる間にパンツずり降ろそうとして……
ちょっと!!聞いてるんですか!?」ヒック……




浜面「どうしてこうなった……」







浜面「涙子ちゃん、酒弱かったんだな。まぁまだまだ子供だし、しょうがないわなぁ……」ハァ……



佐天「子供?今、私のこと子供って言いました?」ヒック……




浜面「ん?あ、いや、何でもないです。はい」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:08:44.28 ID:zgle8pEQ0
佐天「そりゃあ、麦野さんに比べたらまだまだ子供ですよ?
ですけどねぇ?年の近い絹旗さんや、インデックスちゃんに比べたら、大人でしょうが!!!
見てくださいよ!!この自慢のバスト!!」ヌギヌギ




浜面「あーハイハイ……ってちょっと待て!!!
何でこんなところで脱ごうとしてんだバカ!!!皆見てんだろうが」





オォー、ジョウチャンサービスイイネー


ホレ、モウイチマイ!モウイチマイ!!




佐天「ムフフー……皆さんノッてますねぇー……
よーし!!女、佐天涙子!!!この脱ぎっぷり、とくと見よォォォオオ!!!!」ガバァッ!!!





ォォォォォォォォォォォオオォォォオオッ!!!!

サーテーン!!!サーテーン!!!サーテーン!!!
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:10:45.71 ID:zgle8pEQ0
浜面「上と下を同時に脱ごうとするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!せいっ!!!」ズビシッ!!!




佐天「はぅっ!!!」ドサッ!!






ブーブー!!

ナニシヤガンダバカヤロー!!!

モッタイナイコトスンジャネー!!!





浜面「うるせー!!コイツは俺の大事な弟子だー!!
嫁入り前の裸をこんな公衆の面前で晒してたまるかー!!」





ウルセーボケー!!!

シッタコッチャネーンダヨー!!!

サッサトネーチャンオコシヤガレー!!!





浜面「上等だこの野郎ぉぉぉぉぉおおお!!!!弟子の不始末だ!!
テメェ等全員かかって来いやァァァァァアアア!!!!!」





「「「「「ォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!!!!」」」」」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:15:10.95 ID:zgle8pEQ0
次の日 早朝




半蔵「あー……よく寝た。ってうぉ!!!何だこりゃあ!!!」ビクゥ!!!




ゥゥ……


チクショー……


オッパイガ……


アノキンダンノカジツガ……


浜面「」ボロッ……




半蔵「……何やってんだ?お前」



佐天「うぅ……頭が痛い……水……」フラフラ つ酒




半蔵「あー、そういや俺が涙子ちゃんに飲ませて……今の内に逃げとくか……」コソコソ




浜面「チクショ……涙子ちゃんの……純潔は……俺が守るんだ……」グググッ……



佐天「プハーーー。……あれ、何か体が熱くなってきた……いーや、脱いじゃおっと」ヌギヌギ ヌギヌギ



浜面「…………グハァッ!!!」ドサッ!
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:17:17.84 ID:zgle8pEQ0
昼頃 港




削板「お、来たなお前ら!!こっちはいつでも出航できるぞ!!!……何だ何だ?根性が見えねぇな?大丈夫かお前ら!!」





浜面「…………何故だ……」ヒリヒリ




佐天「み、見られた……かろうじてパンツは履いてたけど……
浜面さんだけしか見られてないみたいだけど……もうお嫁にいけない」ズーン……




半蔵「…………(抜け出しといてよかった……)」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:18:50.25 ID:zgle8pEQ0
ボォォォォォォォォォォォォォォッ…………

ボォォォォォォォォォォオオオオッ…………





佐天「皆さーーん!!行ってきまーーーす!!!
頑張って世界救ってきますねーーーーー」ブンブンッ!!





ガンバッテコーーーーイ!!!


マタサカバニオイデーーーー!!!!


ハマヅラシネェェェェェェェェェエ!!!!!




浜面「うるせぇぇぇぇえ!!!!覚えてろよテメェラァァァァァアアア!!!!!」ガァァァァア!!!





削板「行くぞーーー!!!日本に向かって、出発進行!!」



ボォォォォォォォォォォォォォォッ…


ボォォォォォォォォォォォォォォッ…
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:20:28.31 ID:zgle8pEQ0
数時間後 沖合





ザザーーーーーン……

ザザーーーーーン……





半蔵「グー、スピー……」zzZ




佐天「いやー、潮風が気持ちいいですねぇー!!髪ベタベタになりそうだけど……」



浜面「そういや、船なんて初めて乗ったなぁ……綺麗だなぁ、水平線が見えて……」シミジミ



佐天「そうですねぇ……」シミジミ





「…………」




佐天「(ヤバイ!!何言ったらいいかわからない!!朝、思いっきり裸見られて殴っちゃったし!!!
そういえば、二ヶ月間旅して来たけど、不思議とあんな事故も変な事もなかったなぁ……
私魅力ないんだろうか……)」ズーン……
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:22:46.68 ID:zgle8pEQ0
浜面「ファァァ……夜通しずっと暴れてたから眠いな。
悪い涙子ちゃん、俺も寝るわ……」フラフラ




佐天「え?あ、ハイハイ!!どーぞどーぞ!!よかったら膝枕でもしましょうか!?なーんて……」ハハハッ




浜面「あー……じゃあ……頼むわー……」ウトウト コテン





佐天「ほぇ!?ちょ、ちょっと浜面さん!!そんな……寝たー!!」ェェェエ!!




浜面「…………zzZ」




佐天「えー……も、もう、しょうがないですねぇ。貸しですよー貸しー!!」///
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:24:13.55 ID:zgle8pEQ0
…………




佐天「ふぅ……少し落ち着いてきたなぁ。
ふふ、寝てる時はやっぱり可愛い顔してるんですねぇ……」ナデナデ……




浜面「スピー……クカー……」zzZ





佐天「浜面さんは、一体誰が好きなんですかねぇ……
やっぱり麦野さんなのかなぁ……美人ですもんねぇ」




削板「何だ何だ!!!ウジウジ悩んで!!根性のないヤツだな!!!」



佐天「ヒヒャァァアッ!!!!」ビクゥッ!!!
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:25:55.28 ID:zgle8pEQ0
佐天「せ、船長……一体何の御用で……?」




削板「根性のないヤツの気配を辿ってきたら辿り着いたんだ!!
お嬢ちゃん!!さっさと根性だして、告白でも襲いかかるでもすればいいだろ!!!」




佐天「こ、告白……てか襲いかかるって!!無理ですよそんなの!!!何言ってんですが船長!!」




削板「お嬢ちゃん、一つ良い事を教えてやろう……根性があれば何でもできる!!!!!」ドンッ!!!!!




佐天「ッ!?」ガーン!!
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:27:13.11 ID:zgle8pEQ0
削板「根性がアレば、早く大人の女にも慣れるし、思い人に思いを伝えることもできる……
お前の悩みは全て解決するんだ!!!」ドドンッ!!!!




佐天「な、何で私の悩みのことを……まさか!!」




削板「そうだ!!根性があれば、人の悩みも手に取るようにわかる!!
根性に不可能はないんだ!!!」ドドドドンッ!!!!




佐天「」ガーン!!!!




浜面「……クカー……スピー……」zzZ
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:29:38.11 ID:zgle8pEQ0
佐天「こ、根性があれば……根性があれば浜面さんを独り占めできる……根性があれば……」ドクン……ドクン……





浜面「ん……ん……」ウーン


『仕上ー……アンタまたピーマン残したわねぇ?』ゴゴゴゴ







佐天「根性があれば……浜面さんにチューだってできる……根性があれば……」グググッ……




浜面「ん……んん……」ウーンウーン


『お・し・お・き。確定ね仕上。
ほーら……沈利おねーちゃんの側においでェェェエ…………」ウフフフフ……








佐天「根性があれば……」ググググググッ


浜面「わぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!沈利ねーちゃんゴメンなさい!!!!」ガバァッ!!!!



ゴチンッ!!!!!!!!




…………



半蔵「ファァァ、よく寝た。ん?何だ、膝枕なんかして、二人で寝ちゃって。妬けちゃうねぇ、全く」ハァ……

スタッ、スタッ、スタッ







佐天「」ピヨピヨ☆


浜面「」ピヨピヨ☆
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/06(土) 22:33:19.76 ID:zgle8pEQ0
今日の投下終了です。



青春ってこんな感じですなんですかねぇー。
いざ、他人目線で書くとなると、中々わからないもんです。


次回くらいには、またバトル書きたいですねぇー。多分月曜日になりそうですが。


それでは、おやすみなさい。
あ、あとどなたか、駒場さんの原作の性格と口調教えていただけると助かります。

79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/06(土) 22:44:29.04 ID:T8KX2FNS0

ハマヅラシネェーーーー

俺がいるじゃないか。

口調はこの板で駒場さんのSSが
あったからあれを参考にすると
いいかも。ほぼ原作なぞってるし
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:09:07.72 ID:rr9uVOCX0
こんばんわ、1です。

書こうと思ったけど、しんどくてあまり進まなかった……
バトル編直前までは書けたので、少ないですが投下させていただきます。


>>79
駒場さんSS見つけました。参考にさせていただきます。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:18:04.22 ID:rr9uVOCX0
次の日


日本への海上




浜面「イタタタタ……まだデコがヒリヒリするなぁ。寝てただけのハズなのに、一体何がどうなってんだか……」




半蔵「おぅ、おはよーさん。調子はどうだ?」




浜面「デコが痛ぇ……一体昨日何があったんだよ。船に乗った後から、途中の記憶がねぇんだよ。
気がついたら、甲板で寝てたみたいだしよぉ」




半蔵「あー、そりゃあれだ。あんな羨ましいことになってたお前への、神様(読者)からの罰ってヤツだ」




浜面「羨ましいこと?何の話だそれ?」




半蔵「いーや、何でもねーよ。忘れろ。いや、忘れてろチクショー!!」ワナワナ




佐天「……あ、合わせる顔がない……」カァァァ///
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:20:17.76 ID:rr9uVOCX0
更に3日後



工業都市到着まであと2日



船長室





船員「船長!失礼します!!」ガチャ




削板「おう!!どうした!?」




船員「少し報告したいことが。実は、ここから船の進行方向20kmほど先に、変なものが……」



削板「変?一体どんなものなんだ!?」




船員「島です、船長。島が進行方向上にあるんです」



削板「島だと?この海上ルートの途中に島なんて珍しいものでもないだろう」





船員「いえ、地図と現在地を照合したところ……現在地周辺、50km以内には島なんて存在しません。
しかし、地図にない小さな島のようなものが確かに存在しているのです。20kmほど先に」




削板「ふむ……よし!!各護衛船に伝えてくれ!!お前等の根性を見せる時が遂に来たのかもしれんとな!!」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:28:20.73 ID:rr9uVOCX0
貿易船 甲板


佐天「半蔵さん、半蔵さん」チョイチョイ


半蔵「ん?どうした涙子ちゃん」




佐天「昨日から気になってたんですけど、どうして私たちが乗ってる大型船の周りを、一緒に何十隻もの小型船が航行してるんですか?」



半蔵「あれはな、涙子ちゃん。この貿易船の護衛艦だ。今は海を渡るにも、魔物が出るだろ?

だから、この船の積荷を守るために、船の周りを囲むように迎撃用の船が配置されてんだよ。

何より大事なのはこの船だ。積荷を確実に運ばなきゃならないからな」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:29:26.87 ID:rr9uVOCX0
佐天「ほぇー。やっぱり海にも魔物がいるんですねー。今のところ全く見てないですけど」



半蔵「この船長がな。何か『すごい魔物が嫌がる音波ー!!!』って技で弱い魔物を近づかせないようにしてるんだよ」





佐天「…………何ですかそれ。船長の能力?」




半蔵「いや、俺も全くわからん。とにかく、弱い魔物はほとんど出てこないみたいだ。
ただし、たまに大物がくることがあるらしいがな。
こないだの航海では大王イカが釣れたー、とか言ってたし」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:39:49.50 ID:rr9uVOCX0
半蔵「あの人は器の大きさなら、人類トップクラスだろうよ。……何だありゃ。島か?」




佐天「へ?あ、島ですね。別に普通の小さな島じゃないんですか?500mくらいの」




半蔵「いや……ありゃ普通じゃねぇぞ……だって島が……」






貿易船 最上部




浜面「…………何だありゃあ?あの島、動いてないか?ゆっくりだけど」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:40:46.92 ID:rr9uVOCX0
佐天「釣れたーって……それ魔物じゃないですか!!しかもかなり大型で強力な!!
なるほど……そこで、あの護衛艦達が死闘を演じたわけですね!!」



半蔵「いんや。削板さんが、一発ぶん殴って終わりだ。あの護衛艦はほとんど働いたことないな」




佐天「……船長さんって何者なんですか?あの人が勇者になっちゃえばいいのに」



半蔵「勇者よりも大事なことがあるってことだろ。
あの人にとってそれは、世界中を貿易して、世界の復興を進めることってことだ」




佐天「へぇー……ただの熱血さんって思ってたけど、器が大きな人なんですねー」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:42:41.43 ID:rr9uVOCX0
半蔵「あの人は器の大きさなら、人類トップクラスだろうよ。……何だありゃ。島か?」




佐天「へ?あ、島ですね。別に普通の小さな島じゃないんですか?500mくらいの」




半蔵「いや……ありゃ普通じゃねぇぞ……だって島が……」





貿易船 最上部





浜面「…………何だありゃあ。あの島、動いてないか?ゆっくりだけど」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:45:00.01 ID:rr9uVOCX0
船長室




船員「失礼します!!!船長!!目の前の島から、魔力を感知しました!!!」




削板「みたいだな!!俺の『すごいレーダー』にも反応があった!!ということは……」





船員「はい!!あの島は……魔物です。それも超巨大な」











ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ……


島「」ズズズズズッ……


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ……
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:53:11.63 ID:rr9uVOCX0
甲板




佐天「浜面さーーーーん!!!浜面さーーーーん!!!どこですかぁーーーー!?緊急事態ですよーーーー!!!」




浜面「上だ上ーーーー!!わかってるよーーーあの島だろーーー?
俺もさっき気づいたーーー!!!」






半蔵「あれが魔物だとすると……ヤバイな。何てデカさなんだよ……」






『お前等ーーーー!!!聞こえるかーー!?緊急事態だーー!!!』キーン!!




佐天「ひゃっ!!!せ、船長の声がどこからともなく!!!」キョロキョロ



半蔵「あれだあれ。あのスピーカーってヤツ。あれで声流してんだよ」ユビサシ
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:56:23.39 ID:rr9uVOCX0
『前方に島が見えるだろ!?小さな島が。ありゃ魔物だ!!
総員戦闘配備につけーーー!!!根性みせなきゃやられんぞーーーー!!!!』




「「「「「ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ!!!!!!!」」」」」





佐天「おお!!そこら中から気合いの入った声が!!」


半蔵「ここの船団は、皆船長に感化されて熱血だからな。
普段は普通かもしれんが、こういう時は熱いぞ?」





浜面「よっしゃぁぁぁぁぁあ!!!!気合い入ってきたぁぁぁぁぁああ!!!!」ウォォォォオオ!!!





半蔵「お宅の師匠も感化されてるみたいだが?」



佐天「アレは自前です」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 21:58:54.61 ID:rr9uVOCX0
船員「先頭船団と、目標の距離2km!!目標はやはりゆっくりと動いています!!」




削板「相手に気づかれず、襲ってこなければ無理にやり合う必要はないんだがな!!
なんせ進行ルート上にいるもんだから回避しづらい!!
ヤツの進行方向はどっちなんだ?」




船員「…………我々と同じです。日本の方角、直線上には『工業都市』があります」




削板「そうか……なら、このまま捨て置くわけにはいかんみたいだな!!
お前等よく聞け!!俺らの装備じゃあ、アレに真っ向から立ち向かっても恐らく歯が立たん!!
まだまだ根性が俺らには足りないからな!!」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 22:03:38.37 ID:rr9uVOCX0
浜面「意外だな。
玉砕覚悟でアレに立ち向かうタイプだと思ったのに。さすがに止めるけどな」




半蔵「あの人自体はそうだろうな。例え魔王が相手でも退かない男だ。

だけど、今は大事な積荷と俺ら乗組員の命がかかっている。
玉砕アタックなんて、やるわけにはいかないのさ、俺等や世界中の為にもな」





佐天「いやー、惚れ惚れする漢っぷりですねぇー、船長さん。
でも、工業都市にアレも向かってるんですよね?
このまま放っておくわけにもいかないし、どうするんでしょうか?」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 22:10:57.78 ID:rr9uVOCX0
削板『進行スピードはヤツの方が、断然遅い!!俺等は、このままヤツの前に出た後、進みながら一斉攻撃に入る!!

少しでも、コイツが工業都市に到達するのを遅らせるためにな!!いわゆる退き撃ちだ!!

根性のない策かもしれんが、これが俺等と工業都市の為にできる最善策だ!!
お前等!!根性入れてかかれよ!!!」






…………




船員「……目標の側を通過します!!」






ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ


島「」ズズズズズッ……


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 22:19:50.55 ID:rr9uVOCX0
浜面「…………デカイな。近くでみるとさらに」



佐天「こ、これが魔物なんですよね……?こんなのが暴れだしたら一体どうなっちゃうんですかね?私たち」



半蔵「さぁねぇ……できれば何事も無く通りすぎて行きたいが……そういうわけにもいかないしなぁ」




削板「もうすぐコイツの前に出る。お前等、大砲の一斉射撃の準備はいいか?」



「バッチリできてます!!いつでもOKですよ!!」


「ここで仕留める勢いでやっちゃいましょう!!船長!!」


船員「間も無く、コイツの正面に出ます。船長、慎重にいきましょう」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 22:21:12.61 ID:rr9uVOCX0
浜面「ッ!!!……なるほど。こういうヤツなんだな、コイツは」




半蔵「こりゃあたまげたな。
本当に一つの小さな島が魔物になっているようだ。正面から見るとよくわかるな」





佐天「あ……あ……こんな……こんな魔物がいるなんて……」ガタガタ








ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ


島「」ズズズズズッ……


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 22:28:49.56 ID:rr9uVOCX0
動く島の正面に陣とった、浜面達の船が見たのは、まさしく一つの木々生い茂る島が魔物と化したような姿をした魔物だった。



島から伸びる木々の根っこが竜の爪のような形を作り
竜の頭のような形をした大木から光る目が、ただただ遠く離れた日本へと向き
海上を移動している。




浜面達が今知ることはないが
この魔物はかつて、世界樹の木と呼ばれていた大きな、とても大きな大木である。



その大木の命がまさに尽きようとしたその時、アレイスターの手によって生まれ変わり、魔物となった。



その為、元となった世界樹から名を借り、この魔物はこう呼ばれている。





『エグドラシル』と。




97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 22:32:30.45 ID:rr9uVOCX0
ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ


エグドラシル「」ズズズズズッ……


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ








浜面「さて……どうするんだろうな、実際。こんなデカイ相手初めてだ」




佐天「に、逃げましょう!!ここは!!まだ向こうはこっちに気がついてないみたいですし!!」ガタガタ




半蔵「今は逃げてもいいだろうがな。
こいつはすぐに追いついてくるぞ?俺たちが工業都市について一日ほどでな。

その時は、必ずコイツを始末しなければならないんだが……それまでに、撃退の準備が整うのか?」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 22:37:43.60 ID:rr9uVOCX0
佐天「そ、そんなこと言ったって……私たちだけでどうこうできるレベルじゃないですよーこれは!!」ガタガタ




浜面「別に倒す必要はないんだよ、涙子ちゃん。
コイツをここで、少しでも足止めさせればいいんだ。しばらく回復が必要なくらいな」チャキッ




佐天「あ、足止めって……どうやって……」ガタガタ




半蔵「それを今からやるのさ。削板さんがな」







削板「……目標からどれくらい離れた?」



船員「もうすぐ500です。450、460、470……」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 22:41:51.22 ID:rr9uVOCX0

スゥゥゥゥゥ…………


削板『お前等準備はいいかぁぁぁぁぁああ!!!!!』キーン!!!







「「「「「ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!!」」」」」








エグドラシル「ッ!?」ズズズズズッ……



佐天「こっ!!こっちに気づきましたぁぁぁあ!!!!」ヒィィィッ!!



船員「480、490……500です!!!」






削板『おっしゃぁぁぁぁぁああ!!!!撃てぇぇぇぇぇえええ!!!!!!!』ビリビリビリッ!!!



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/07(日) 22:42:33.35 ID:rr9uVOCX0
投下終了です。



明日にはバトル開始したいと思います。
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/07(日) 22:48:41.78 ID:yPnbiDIe0

苦戦の予感しかしねぇ。

浜面さん今からでも大王イカちゃんを
ハーレムにいれてあげて
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/10/07(日) 23:29:47.23 ID:lALTzVcL0

削板いても歯がたたないのか
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/07(日) 23:47:43.05 ID:mlxzEWdn0

小さくても島サイズだからなぁ
ゴジラよりでかい相手は
流石に削板でも苦戦どころじゃないな
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/10/08(月) 09:52:01.02 ID:BNNxvcSAO
それでもソギーなら何とかしてくれると思えるから不思議
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:00:51.28 ID:tY8dVhpR0
こんにちは、1です。
皆さん3連休は楽しかったですか?
1は仕事でした。ちくしょう。


とりあえず、エグドラシル撃退編投下していきます。


>>101
>>102
>>103
>>104
皆さん、削板好き過ぎです。プレッシャーすぎる……
ちゃんと削板が書けてるか不安ですが、まぁ異世界だからってことで。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:07:34.95 ID:tY8dVhpR0
エグドラシル「グォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!





削板率いる数十の船団から、次々に砲撃が放たれる。
エグドラシルという数百mもの大きな的には、ほぼ全ての砲撃が直撃し、爆発音が次々と鳴り響いた。



エグドラシルが、弾幕に包まれる。







浜面「うぉ……すんげぇ砲撃の嵐だったなぁ。こりゃあやっちまったんじゃねーのか?」ォォオ!!




佐天「あれだけの攻撃をモロに受けたんですよ!?大ダメージに決まってるじゃないですか!!やったーーー!!!」ガッツポーズ!!!




半蔵「いや…………現実はそんなに甘くないみたいだぜ?」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:08:53.97 ID:tY8dVhpR0
シュゥゥゥゥゥゥ…………









ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ


エグドラシル「…………」


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ





何百発もの大砲が放たれ、煙が晴れた先には、先ほどと変わらず海上に佇むエグドラシルの姿があった。

多少のダメージはあったようだが、元は世界樹の樹。

みるみる内に傷は癒え、再びゆっくりと、その大きな体を日本へと向けて動き出す。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:16:30.19 ID:tY8dVhpR0
削板『休まず撃ち続けろぉぉぉぉぉぉぉおお!!!!!
ここで少しでも足止めできなきゃ、日本は終わりだ!!
俺等が世界を救う礎を守るんだぁぁぁぁぁあああ!!!!』







ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!



再び、数十隻もの護衛艦から、大砲の雨がエグドラシルへと襲いかかる。
次々と砲弾は直撃していくが、エグドラシルは何ら気にせずに進み続ける。



ドゴォォォォォォオンッ!!!!



砲弾の内の一つが、エグドラシルの頭部に命中した。
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:18:32.48 ID:tY8dVhpR0
エグドラシル「グォォォォォッ…………」ズズーーーンッ……



エグドラシルが、僅かだが大砲の砲撃に怯んだ。





削板『お前等!!!アイツの頭には効いてるみたいだぞ!?ガンガン狙っていけぇぇぇぇぇええ!!!!!』




削板の掛け声と共に、全ての砲弾が、エグドラシルの頭部目掛けて放たれる。






エグドラシル「ォォォォオオ……」ズズーーーンッ!!!


ザァァァァァァァァァァアアアッ!!!!



エグドラシルの左手にあたる部分が、海上に叩きつけられ、とても大きな水柱が作られる。

砲弾の雨がその水柱に突っ込んでいくが、どうやら威力をかなり殺されているようだ。



エグドラシルは砲弾に怯むことすらなくなった。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:20:29.66 ID:tY8dVhpR0
浜面「よぉし……そろそろ俺の出番みたいだな。何とかあの頭に強烈なヤツを喰らわせてやれば……」イッチニ、サンシ




半蔵「俺も行こうかな。 削板さんには世話になってるし。
ここらで少しでも恩を返しておかないとな……」クルクルクル、チャキッ!!




浜面と半蔵が、それぞれの武器を構え、出撃の準備を始める。



佐天「出撃って……どうやってあんなの相手にするんですか!?見たでしょ二人とも!!
砲弾が通用しないどころか、傷まで塞がるんですよ!?勝手に!!お手上げじゃないですか!!」ウガーーー
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:22:05.99 ID:tY8dVhpR0
浜面「オイオイ、涙子ちゃん。やる前から諦めてどうすんだよ。
そんなこと、俺は教えてねーし、麦野から教わってもねーぞー?」




半蔵「とりあえず、頭に当てればそれなりに効くんだろ?ならひたすら頭狙えばいいだけじゃねーか。
削板さんが見つけた弱点、そのまま放置するわけにはいかねーなぁ……」





ドドドォン!!!ドドドドドドォォン!!!!ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!



再び、エグドラシルに砲弾の雨が降り注がれる。
今度は砲撃のタイミングをずらし、水柱によるガードをすり抜けようとしている。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:24:54.78 ID:tY8dVhpR0
ズズーーーンッ!!



ザァァァァァァァァァァアアアッ!!!



ズズーーーンッ!!



ザァァァァァァァァァァアアアッ!!!




しかし、エグドラシルが前進する度に、爪が海面に叩きつけられ、耐えず水柱がエグドラシルを包んでいる。
砲弾の雨には、この水柱を突破し、尚且つエグドラシルにダメージを与えるほどの威力が無かった。





半蔵「浜面……やることはわかるか?」




浜面「あぁ……あのデカイヤツの動きを封じて、水柱をどうにかして無効化してやりゃあいいんだろ?
俺なら何とかなると思うぞ?」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:26:54.71 ID:tY8dVhpR0
佐天「な、何をするつもりなんですか?浜面さん。
あんまりアレを刺激するようなことはやめといたほうがいい気が……」




浜面「大丈夫だよ、涙子ちゃん。今回は俺、結構何とかなる気がするんだよな。よっと」バッ!!




佐天「え!!ちょっ!!ちょっと浜面さん!!何やって……えーーー!!!」



浜面は、突如船の甲板についている柵の上に登り、海に身を投げた。

そりゃ、佐天も驚くであろう。





海へと落下しながら浜面は呟く。




「今回はお前の独壇場だぜ?ケルベロス!!」





カッ!!!


ブワァァァァァァァアアアッ!!!!!





海面に近い宙で、浜面が光と煙に包まれた。
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:28:31.96 ID:tY8dVhpR0
パキパキィィィィィィィィィィイイッ!!!!!





佐天が見つめる中、浜面が落下した周辺で、甲高いパキパキィッという音が聞こえた。
水が凍った時のような音だ。




凍る?何が?




佐天「……あぁ!!!そうだ!!!ワンちゃんがいたんだ!!」



佐天がハッと気づく。

横にいる半蔵は、佐天が何を言ってるのか理解していなかった。


まぁ、すぐに理解することができたのだが。
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:30:07.18 ID:tY8dVhpR0
半蔵「いいもんもってんなぁ、浜面ぁ…。今度俺にも貸してくれよー」




浜面「コイツが良いって言ったらな。
絹旗や涙子ちゃんくらいにしか懐きはしないからなぁ、コイツは」ギュルンッ!!



ブォォン!!ブォォォォオオンッ!!!ブォンブォンッ!!




煙が晴れ、姿を現した浜面は、青く染まった大型バイクに乗っていた。

氷の魔犬、ケルベロスの力を、浜面が現出させたものだ。




ケルベロスの強力な氷の魔力によって、海面には大きな氷の足場ができていた。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:33:04.92 ID:tY8dVhpR0
ケルベロス「浜面よ。中々厄介な相手と相対しておるな。
アレは『エグドラシル』ではないか」




浜面「ん?何だケルベロス。知ってんのか?」



ォォォォォォォォォォォォォォオオオオ



エグドラシル「グォォォォォ……」ズズーーーン!!



ォォォォォォォォォォォォォォオオオオ





ケルベロス「あぁ。アレはな、浜面よ。アレイスター直属の子飼いの魔物の内の一体だ。
SSランク。我らとは天と地ほどに相手ならぬほどの力を持つ化け物よ」




浜面「そうか……ま、今は倒すことが目的なわけじゃあないんだ。
少しでもここでコイツを足止めすること。
それに、俺等に超有利な場所なんだからな」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:34:48.90 ID:tY8dVhpR0
ケルベロス「フッ、そのようだな。ここなら我の力を120%使うことができよう。
なんたって、辺り一面に大量の水があるのだからな」クククッ……




浜面「そういうことだ。んじゃ、そろそろ行くか。象とアリンコの戦いによぉ」ギュルンッ!!




ブォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!




浜面が、ケルベロスのアクセルをふかすと、勢いよく飛び出した。

高速で移動するその先には道はない。なければ作るだけ。

ケルベロスの魔力により、辺りの海面が、一気に凍りついた。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:42:44.94 ID:tY8dVhpR0
浜面は、エグドラシルに向かって氷の道をひたすら走る。

ケルベロスのバイクは、氷の道では決してスリップすることはない。
タイヤには、氷柱の力を宿したスパイクがついているのだから。







ドォォォオンッ!!!

ドドドォォォォォォンッ!!!

ドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!




周りの護衛艦が砲撃を続ける中、浜面はエグドラシルへと突き進む。



砲撃は、通用していない。

エグドラシルの生み出す大きな水柱によって、威力を殺されているからだ。





浜面「だったらよぉ……作らせなきゃいいんだよなぁ……
全部凍らせちまってよぉ!!!」ギュルンッ!!
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:44:01.23 ID:tY8dVhpR0
パキパキパキィィィィィッ!!!!




浜面がアクセルを更に握りこむと、バイクのスピードが更に上がった。

それと同時に100mほど先。
エグドラシルから100mほど離れた地点に、巨大な氷のジャンプ台のようなものが作られる。




浜面「ウォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!」ブォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!



浜面が猛スピードでジャンプ台へと突っ込み、乗り上げた。

浜面のバイクが80mほどの高さにまでジャンプする。
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:46:03.95 ID:tY8dVhpR0
浜面「こんだけ高けりゃ十分か?着地の衝撃がデカけりゃデカいほど、いいんだけどなぁ!!!」ヒャッハー!!


ヒュォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!





バイクがゆっくりと上昇の勢いを弱め、次第に降下への態勢へと移行する。

落下地点は、恐らくエグドラシルから20mほど離れた地点。


十分な距離だ。浜面はそう思った。


グングン落下地点に向けてバイクが猛スピードで降下していく。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:47:17.85 ID:tY8dVhpR0
目の前には、大きな水柱に包まれたエグドラシルが。


周辺の海面は荒れに荒れ、高く波立っていた。








ゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!



浜面「そんなデカイ成りしてからよぉ……チャプチャプチャプチャプ水遊びしてんじゃねぇぞこの野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!!!!!」



ゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!





猛スピードで降下するケルベロスのバイクが遂に、海面へとタイヤをつけた。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:48:36.43 ID:tY8dVhpR0
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!!!!!!!








凄まじい衝撃と共に、海が一瞬で凍り出す。
ケルベロスの魔力によって、落下の衝撃力に比例して、大量の海水が氷柱となり、辺り一面を氷海の世界へと変えた。









ググググググググググググググググググググッ!!!!!!





エグドラシル「グォォォォォォォォォオオッ!!!!」





ググググググググググググググググググググッ!!!!!!





エグドラシルが、初めて焦りによる咆哮を挙げた。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:53:47.55 ID:tY8dVhpR0
動けないのだ。
大量の、何トンもの氷の塊に囲まれ、先ほどまでのようには軽々しく動けない。

更にエグドラシルは、世界樹の生まれ変わりということで、純粋な植物系の魔物。
そして植物は、氷の世界ではその活動を止める。

2つの要素が絡み合い、エグドラシルの力は極限まで封じ込まれる氷の結界が生まれた。

これで、エグドラシルの動きを少しの間、封じることができる。












ハズだったのだ。確実に。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:55:24.38 ID:tY8dVhpR0
パキパキパキィィィィィッ!!!!!



ググググググググググググググググググググッ!!!!!!



エグドラシル「グォォォォォォォォォオオッ!!!!」



ググググググググググググググググググググッ!!!!!!



パキパキパキィィィィィッ!!!!!









浜面「……オイオイマジかよ……」



ケルベロス「浜面よ、よく見ておけ。
これがSSランクの『力』というものだ。我等の力など、本来欠片も通用しないほどのな……」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:57:11.16 ID:tY8dVhpR0
エグドラシルの周りを固めている、強固な氷の結界が、ゆっくりと壊されようとしている。

別に何か特別な力や魔術を使ったわけではない。
単純に思いっきり動こうとしているだけだ。


それも、氷により、自身の力の大半を封じられた状態で。



それだけで、実力を120%発揮する環境でのケルベロスの力は破られようとしている。





ケルベロス「そう……本来なら通用しないのだよ。我等の力など……
10秒ほど動きを止められたか……随分と長い間止められたものだな?浜面よ!!!!!」




浜面「あぁ…………十分だ、ケルベロス。最高にいい仕事してくれたな」



その瞬間、遠くで銃撃音が鳴り響いた。
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 17:59:10.37 ID:tY8dVhpR0
数秒前


貿易船 甲板





佐天「な……何ですか半蔵さん…………そのゴツイ銃は一体どこから…………」





半蔵「ん?あぁ、これが俺の能力なんだよ。また後でゆっくり教えてやるさ」ググッ……




半蔵は、能力によって出した、銃の照準をエグドラシルの頭部に合わせる。

エグドラシルの周辺は、完全に凍りついている。

浜面が動きを封じているため、狙い放題だ。
ホントいい仕事をしてくれたと半蔵は思う。
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 18:02:33.28 ID:tY8dVhpR0
半蔵「出目は3。
中々いいタイミングでそこそこ良いものが出てくれたみたいだ。これも日頃の行いのお陰かな?」グググッ……





半蔵の能力『乱数銃器』により、サイコロの3の数字に割り振られた銃器。






それは、超大型のライフル。

別世界の兵器でいう、対戦車ライフルのような徹甲弾ライフルであった。




真っ白に染まった超大型のライフルを甲板に固定し、半蔵はライフルのスコープをジッと見る。



そして、削板から預かった無線機に向けって静かに呟く。






半蔵「削板さん、命中するから追撃よろしく♪」


削板『了解!!』




カチッ


ドォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 18:04:52.26 ID:tY8dVhpR0
エグドラシル周辺海域




ケルベロス「そう……本来なら通用しないのだよ。我等の力など……
10秒ほど動きを止められたか……随分と長い間止められたものだな?浜面よ!!!!!」


浜面「あぁ…………十分だ、ケルベロス。最高にいい仕事してくれたな」





ドォ……ォォン……



シュンッ…………







そう浜面が呟いた瞬間、遠くで銃撃音が聞こえ、エグドラシルの頭部を何かが通り抜けた。



エグドラシルの動きがピタリと止まった。
















ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!!!!
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 18:06:49.17 ID:tY8dVhpR0
ブワァァァァァァァアアアッ!!!!




浜面「うぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!」



ケルベロス「あの半蔵とかいう小僧の仕業か……何という男だ……」








ゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!!!!



突如、エグドラシルの頭部がとてつもなく大きな火柱に包まれる。
あまりの熱量に、周辺の氷は一瞬で溶け、蒸発した。


かつて戦ったダークドレアムの化身となったデュランの放った火柱より、更に大きく強力な火柱。





半蔵の能力、サイコロの出目3、3番目に強力な銃器の威力はそれほどまでに凄まじいものだった。
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 18:10:11.71 ID:tY8dVhpR0
削板『撃てぇぇぇぇぇぇぇえええ!!!!』






ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!









火柱に包まれたエグドラシルに向かって、容赦無く追撃の砲撃が放たれる。

もはや、氷の結界は溶け、拘束はされていないが、頭部が吹き飛んだエグドラシルは、一時的に抵抗することができなかった。

エドラシルの巨大な大木の体のあちこちから火の手が上がる。







削板『浜面ァァァァァア!!!!!今の内だ!!!そいつをお前等の氷で封じこめろォォォォォォォオオオ!!!!』





貿易船から削板の激が飛ぶ。





浜面「了解船長ぉぉぉぉおおお!!!!」ギュルン!!





浜面はバイクのアクセルを握る。

このままコイツを凍り漬けにして封じれば、日本到着の時間を、大幅に遅らせることができる。

今しかない。

浜面は全速力でバイクを走らせようとした。
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 18:11:55.96 ID:tY8dVhpR0







ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ











『矮小な人間共め……この程度で私をどうにかできると思っているのか?この大樹エグドラシルを……』











ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ








火柱の中から、地鳴りのような、重低音の声が鳴り響いた。



132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 18:14:22.47 ID:tY8dVhpR0
キリがいいところで一旦終了です。




いやー、バトルっていいものですねー。




続きは21-22時くらいにお届けいたします。
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/08(月) 18:40:03.27 ID:ej3qalcx0

ひさびさにワンちゃんの出番キタ

とりあえず半蔵ってもしか
デュランよりつおいんじゃないでしょうか
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage saga]:2012/10/08(月) 19:44:33.50 ID:yB7kw5mE0

懐いてるという事はお手とかちんちんしてくれるのか

一方通行、垣根、削板の三人は最低Sランクの強さを持ってるという事がわかった
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 21:53:10.81 ID:tY8dVhpR0
こんばんわ、1です。
それでは再開します。


>>133
半蔵は、サイコロの出目によっては、最強クラスです。

>>134
一方通行はSSクラス最上位設定です。
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 21:58:24.49 ID:tY8dVhpR0
それは、突然の事。



そして一瞬のことであった。






浜面「ご、護衛艦が…………」




半蔵「マジかよ……やっぱあのレベルだと一撃粉砕か……」




佐天「な、何ですかねアレ…………木の根っこ?」ガタガタ






ダンッ!!!!

削板「……………クソッタレが!!」ギリギリギリギリッ!!!!



一番安全な位置にある貿易船の中から、削板は歯ぎしりしなが震えていた。
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:01:09.46 ID:tY8dVhpR0
エグドラシルに、最も近かった護衛艦の4隻。

この4隻が、一瞬でエグドラシルの巨大な根に貫かれ、爆発した。



船員は、何が起きたかわからないまま死んでいったであろう。
爆発の後には、何百ものエグドラシルの根が海上から顔を出していた。





エグドラシル『そろそろこちらからも手を出してよいかな?
人間共よ。私の頭を吹き飛ばしてくれた礼、存分に返してやろう…………』ググググッ……



火柱に包まれたエグドラシルが、何やら力を溜めるようなそぶりをしている。




削板『お前等ァァァァァアア!!!!全速力でアイツから離れろォォォォォォォオオオ!!!!!!!』


削板が、その様子を見て全力で叫ぶ。



残酷にも、時は既に遅かった。
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:05:05.05 ID:tY8dVhpR0
ドォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!



更に二隻、護衛艦が根に貫かれ、爆発する。





浜面「やめねぇかテメェェェェェェェエエ!!!!!」ギュルン!!


ブォォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!!!





浜面がケルベロスバイクをフルスロットルにし、飛び出す。



ケルベロスの氷の魔力が、海を伝い、エグドラシルへと襲いかかる。



ドォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!




再び、もう一隻、護衛艦が破壊される。

ケルベロスの氷の魔力は、エグドラシルへと伝わり、その体は凍りつこうとしている。



しかし、エグドラシルの動きは全く止まらない。
先ほどまでより、遥かに速いスピードで海上を移動し、次々と削板の護衛艦を破壊していく。
既に、10隻程の護衛艦が破壊された。死者は数百人にも登るだろう。
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:08:36.21 ID:tY8dVhpR0
削板「…………」クルッ、スタッ、スタッ、スタッ




船員「船長!?どこへ行くんですか船長!!待ってくださ」










削板「黙れ」










船員「ッ!?」ビクゥッ!!!!!!




貿易船の船員から、一気に冷や汗が噴き出す。
削板がキレている。明らかに。


船員が怯え、瞬きしている間に、削板は姿を消した。
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:12:41.87 ID:tY8dVhpR0
甲板




佐天「11…………12隻目……そんな……もうやめて……」ガタガタ




半蔵「オイオイ……やり過ぎだろテメェ。いい加減にしてくれねぇかなぁ?」グググッ!!!





制限時間が過ぎようとしている、半蔵の能力であるライフルを握る手に、余計な力がこもる。




よく削板の航海のついでに、船に乗せてもらう半蔵にとって、ここの船員達はほとんどが知り合いである。

それがドンドン、虫ケラのように殺されていく。





半蔵「俺の全力の魔力を込めた弾丸だ。遠慮せずに喰らってくれや!!!」カチッ!!




怒りを込めた、半蔵の一撃がエグドラシルへと向かった。









エグドラシル『見えているぞ?そこの小僧!!』ガパァッ!!!


再生したエグドラシルの頭部の大きな口が開かれる。
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:14:59.22 ID:tY8dVhpR0
今日は雲一つない晴れ晴れとした青空が広がっている。

この壮大で大きな空を見れば、大概の悩みなんて吹き飛んでしまうだろう。


不幸にも、この晴れ空がいけなかった。




ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!!!!!!





エグドラシルの大きな口から大きな光線のようなものが放たれる。
エグドラシルは大樹の化身のようなものである。
それ故、太陽の光を吸収し、力に変えることができる。




エグドラシルから放たれた光線は、大きな体に溜められた太陽の力により発射された、ソーラービームのようなものであった。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:17:10.10 ID:tY8dVhpR0
ドゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!!!





半蔵のライフルの弾丸と、エグドラシルのソーラービームが相殺される。

そのとてつもないエネルギーは、宙で爆散し、辺りの海面は更に荒れた。






半蔵「ッ!?クソ!!バレてやがった!!」シュゥゥゥゥウ……」




制限時間を越え、ライフルがその姿を消した。
これで半蔵は、およそ2分間ほど完全に無能力者となる。




半蔵「ちくしょう!!2分もあれば護衛艦の半分以上やられちまうぞ!!!」




既に14隻目の護衛艦が犠牲になっている。
移動速度を増したエグドラシルは、確実にこちらへと距離を縮めていた。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:19:04.59 ID:tY8dVhpR0
佐天「やっぱり……やっぱり無謀だったんですよぉ……私達じゃあ……」ガタガタ




半蔵「早く……早く2分経て……サイコロで1さえ出れば、あんな化け物速攻で……」グググッ……







ドゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!!!



遂に、15隻目の護衛艦が破壊された。











「いい加減にしねぇかこのデカブツが」










ドゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!!!
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:23:08.95 ID:tY8dVhpR0
エグドラシル『グハァァァァァアア!!!!』グラァッ……



突如、エグドラシルの体が大きく揺らいだ。






浜面「そ、削板さん……一体どうやってこんなところまで……」




バイクで氷の海上を進む浜面の目に飛び込んだのは、エグドラシルの巨大な頭部を殴りつけた削板の姿だった。





エグドラシル『き、貴様……素手で私を殴りつけるとは!!人間の身で何という男だ!!』




削板「黙っていろ。今はもう、お前の顔を見たくない。
声も聞きたくない。そのまま沈んでろ」




ガシッ!!!





エグドラシル『なっ!?』




削板が、エグドラシルの頭部の一部を、右手で鷲掴みする。












削板「ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!!!!」








ブンッ!!!



そのまま力の限り、海面へとエグドラシルの頭部を叩きつけた。
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:25:13.32 ID:tY8dVhpR0
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオンッ!!!!!!!!!!







浜面「…………スゲェ…………」






ケルベロス「や……ヤツは本当に人間なのか……エグドラシルを海面に叩きつけおった……」





削板が、エグドラシルの頭部を海面に投げつけるように叩き込むと
エグドラシルは体ごと、前のめりに海中に沈んだ。







削板「浜面ァァァァァァァアアア!!!!!
今の内だ!!!!コイツを封じこめろォォォォォォォオオオッ!!!!!」

146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:32:24.14 ID:tY8dVhpR0
削板は、吼える。



例え、圧倒的な力を持つ削板でも、再生を際限無く繰り返す、エグドラシルを倒すことはできない。

せいぜい、こうやって弱らせ一時的に動きを封じるだけだ。



だからこそ、植物の活動を止めることができるケルベロスの氷の力が必要だったのだ。






浜面「ケルベロス……今の俺が、お前の第二形態の力を使えばどうなる?」




ケルベロス「……この2ヶ月で、貴様はかなり強くなっている。
それでも、1秒持たずに魔力が尽きるだろうな。
まだ完全には力が解放されていないのだから」




浜面「魔力が尽きるだけなら十分だ。この一撃で終わらせるんだからな」





ケルベロス「フン……これは裏技のようなものだ。
早く我を実力で倒せるほどまで成長してほしいものだな」






カッ!!!!




ブワァァァァァァァアアアッ!!!!!!
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:34:13.81 ID:tY8dVhpR0
…………




20分後



貿易船 甲板






佐天「浜面さん!!大丈夫ですか浜面さん!!!」




浜面「ん……あぁ、涙子ちゃん。無事だったか……あー、力が全然入んねぇ……」




半蔵「魔力を全部使い切ったからな。しばらくは動けないハズだ。
削板さんがお前背負って戻ってきたんだ。後で礼言っとけよー」




浜面「そうか……削板さんが。
そうだ……俺は成功したのか?アイツを封じるのに」





半蔵「あぁ……大成功さ。何なら見てみるか?まだ見えるぞ?アレ」ヨッ





半蔵が浜面に肩を貸し、立ち上がらせる。





浜面「おお……我ながらとんでもないことやっちまったなオイ……」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:39:48.86 ID:tY8dVhpR0
コォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ






エグドラシル「」






コォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ





貿易船から3kmほど離れた地点には
全長500mにも及ぶエグドラシルが、完全に凍り漬けになっている姿が見えた。



まるで、一つの島全体が凍りついたような姿のそれは、大きな氷山のようにも見える。





佐天「ホント凄かったですよ!!!
いきなりあの魔物が海面に頭から沈んだと思ったら、次の瞬間には一気に凍りついたんですから!!!」




半蔵「削板さんだろ?アレを沈めたの。
あの人も完全にキレてたからなぁ……今は反省として、ずっと部屋の中に閉じこもってるが」




浜面「あぁ……凄かったよ、あの人は。人間の力じゃなかった」




半蔵「いや、人間だよあの人は。
誰よりも立派に人間として生きている」




浜面「あぁ……そうだな」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:41:01.24 ID:tY8dVhpR0
船長室




トントンッ




浜面「削板さん、失礼します」ガチャッ




削板「ん?おお!!気がついたか浜面!!よくやってくれたな!!
お前の根性のお陰で、アイツの日本への上陸を、大幅に遅らせることができそうだ!!!」ハッハッハッ




浜面「いや、俺も必死でしたから。何とかなってよかったですよ」




削板「大丈夫だ!!お前くらいの根性だったら必ずできると信じていたからな!!
安心してあの場を離れることができたぞ!!」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:42:41.50 ID:tY8dVhpR0
浜面「すんません……俺がもっと早く、アイツを封じることができたら仲間の人達は……」




削板「……別にお前のせいなんかじゃない。
俺の根性が足りなかったから、アイツらを死なせただけさ。

俺の力は酷く不安定でな。あの時は何とかなったが、いつ暴走するかわからないんだ。

俺の根性が足りてれば、俺がアイツを仕留められたかもしれないんだけどな」




浜面「削板さん……」




削板「さ、そろそろお前は休め。もうすぐ日本に着くからな。

そこからは一旦お別れだ。

このまま進めば、あと二日で工業都市に着くだろう。
半蔵もいるし、根性で先へ進んでくれ!!」



浜面「……了解です。ありがとうございました」ガチャッ




スタッ、スタッ、スタッ、スタッ








削板「……悔しいな。自分に力が足りないというのは……」



浜面が出て行った部屋の中で一人、削板は己の無力を悔いていた。
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/08(月) 22:44:41.46 ID:tY8dVhpR0
今日の投下終了です。


エグドラシル無双と見せかけて
削板無双でした。


それでは、またある程度書き溜めたら、工業都市編スタートします。
おやすみなさい。
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/08(月) 23:03:24.70 ID:utarlIjD0
荵吶〒縺吶ョ
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/08(月) 23:21:53.72 ID:pvXXFzbN0

愉オブにするとは
さすがワンちゃん
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/08(月) 23:59:06.45 ID:JIao+6pR0
ひっくりかえったままなのか?wwwwww
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/10/09(火) 00:01:23.56 ID:/fGn3Wuw0

佐天がいるってことは、初春も出るのかねえ?
後、ゴーレムは、シェリーさんもろに被ってるなww
この世界観だと、吸血鬼も出てくるかな?
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/10/09(火) 16:03:54.60 ID:M2ZUNkm10
>>155前作見直してこい
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/10/11(木) 22:21:14.94 ID:onhYdAM30
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/10/13(土) 21:13:00.73 ID:tBekx31h0
こんばんわ、お久しぶりです。1です。
22時までには投下開始します。
今回は少ししかないので、次回までのツマミ程度にお読みください。


>>153
>>154
沈んだままですね。まさに愉快なオブジェww
>>155
>>156
吸血鬼は前作、浜面「俺は勇者なんかじゃないさ」に出てますよー。吸血鬼要素は少ないですがww
>>157
ありがとうございます!!
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 21:51:11.07 ID:tBekx31h0
2日後






佐天「浜面さーん!!起きてくださーい!!」ユサユサ



浜面「ん……涙子ちゃんか……どうしたんだ?」ウトウト



佐天「いいから!!早く起きて身支度してください!!遂に到着したんですよ!!」



浜面「到着?到着って何処にだよ……」ファァァ……



佐天「何言ってんですか!!日本に着いたんですよ!!工業都市に!!もう港が見えてますよ!!」



浜面「!?マジか!!ちょ、全然準備なんてしてねーぞ俺!!」バタバタ
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 21:53:11.55 ID:tBekx31h0
佐天「もー!!昨日の内にやっといてって言ったじゃないですかー!!
先に外行ってますよー!!凄いですよ?大きな建物がいっぱいで!!」タッタッタッタッ




浜面「ようやく着いたかー。長い一週間だったなぁ。
さっ、早く準備して俺も見に行くか。どんなところ何だろうな、工業都市ってのは」ゴソゴソ




浜面は、部屋に散らばった荷物を一気に纏めあげ、急いで甲板へと走っていった。
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 21:54:38.58 ID:tBekx31h0
浜面「おお……これが『工業都市』か!!見たことないデカイ建物がいっぱいじゃねーか!!!」



佐天「凄いですよねー!!ほら、あの建物なんて、20mくらいあるんじゃないですか?さすが、最先端の街ですねー」




半蔵「……お前等、何か勘違いしてないか?」




浜面「お!!あれが港か!?凄えな!!船がいっぱい並んでらぁ!!
倉庫みたいな建物も、沢山並んでるぞ!?」




佐天「あっちでは、魚が大量に下ろされてますよ!!
さすが工業都市!!漁業も盛んなんですねぇ!!」




半蔵「おーい……」




削板「よし!!ここでお前等とは一旦お別れだ!!
工業都市までのあと少しの道のり、気をつけて行けよ!!」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 21:59:02.85 ID:tBekx31h0
浜面「へ?何言ってんですか削板さん。工業都市ならもう着いてるじゃないですか。
ほら、見たことない機械が荷物運んでるし。
俺のケルベロスのバイクよりもずっと大きな機械の乗り物なんて、初めて見ましたよ!!」



削板「?何言ってんだお前等。ここはただの港町だ。工業都市は、更に陸路で少し進んだところにある。
ほら、ずーーーーーっと先に高い壁に囲まれたところがあるだろ?あれの中が工業都市だ」




浜面「……は?」



佐天「……へ?だ、だってこんな見たことない建物や、機械や乗り物が並んでるんですよ?
こんな近代的な町なのに、ただの港町って……」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:05:39.95 ID:tBekx31h0
半蔵「今の日本はな。工業都市のお陰で、大昔の『昭和』ってくらいの文明までは復興してるんだ。
工業都市の中はもっとすごいぞ?
次の『平成』って時代まで文明が復興している。中と外じゃあ別世界だ」





浜面( ゚д゚)「」



佐天( ゚д゚)「」




削板「お前等の前に乗せた、嬢ちゃん達もそんな顔してたなぁ!!
ま、あれから1ヶ月は経っているんだ。あいつ等も、そこそこ工業都市にも馴染んでるんじゃねぇかな?」




半蔵「さ、車も借りたし、行くぞーお前等。
浜面様御一行の工業都市観光ツアーだ」ハタフリ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:07:13.53 ID:tBekx31h0
浜面「こ、ココよりも凄い街だと……」ゴクリ



佐天「ちょ、ちょっと想像できないですよね……皆空飛んでたりするのかな?」ゴクリ



浜面「ていうか、何だよこの車って乗り物……どうやってこんなんが動いてんだよ……こえーよ日本……」



佐天「それを言うなら、浜面さんのバイクも仕組みが全然わかりませんけどね……」



半蔵「よし、乗ったか?じゃ、出発進行ー♪」ブロロロロッ……
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:14:11.94 ID:tBekx31h0
…………




2時間後




浜面( ゚д゚)「」




佐天( ゚д゚)「」





半蔵「さ、着いたぞー。この防壁の奥が、『工業都市』だ。
最先端の技術と、強力な兵器を生み出す、人類復興の希望の街さ」




半蔵の運転する、軽トラックから降りた浜面達が見たものは、50mもの巨大な壁。

そして、壁に散りばめられるように配置されている、巨大な火器の数々。

極めつけは、目の前の高い壁よりも、遥かに高い、巨大なビル群であった。
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:15:05.05 ID:tBekx31h0
浜面「せ、世界観が変わっちまうぜ……こんなもん見せつけられた日にはよぉ……」



佐天「私が居た国なんて、石造りの建物ばっかりだったんですよ?
そりゃあ、綺麗でいい国ですけど……同じ世界にあるものとは思えない……」




半蔵「ま、見た目は別世界でも、中にいる人達はさほど違いはないよ。
目的は皆同じ。
この魔物達に支配された、イカれた世界をどうやって生き抜くかってことさ」




半蔵は、高い壁の中への入り口の門へと歩みを進める。
入り口には、大勢の兵隊がいるようだ。

それぞれ皆、見たことのない大きな銃や、剣などの多種多様な武器を装備している。
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:20:39.94 ID:tBekx31h0
半蔵が兵隊に話しかける。しばらくすると、半蔵が手招きしてきた。

どうやら、門の前にいる兵士達と話がついたようだ。
兵士達が、門を開けようとしている。




半蔵「待たせたな。そんじゃ、『工業都市』へとご案内だ。
といってもこっからは、俺とはしばらくの間別行動だが、あんまし迷うんじゃねーぞ?」


浜面「ん?お前も一緒に俺等と行動するんじゃないのか?」


半蔵「言ったろ?ここは俺等盗賊団の本拠地でもあるんだ。一回顔出しにいかないとな。
心配するな。この街では、俺等は悪さなんてしないさ。する必要がないからな。
じゃ、また機会があれば会おうぜー」

その場を去る半蔵に、誘われるように浜面達は、工業都市への門をくぐる。
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:22:13.56 ID:tBekx31h0
浜面(・Д・)「」



佐天(・ω・)「」




半蔵が、そそくさと別行動をとる中、浜面と佐天は未だに固まっていた。





見たことのない大きな建物。

見たことのない映像を映す機械。

見たことのない乗り物。

見覚えはあるが全然違うバイクのような乗り物。



活気に溢れたこの街で、今まで見たことないほど多く人々が、忙しなくそれぞれの目的地へ歩いて行く。





浜面「は、はは……何てこった……ホントに別世界の景色だぜ……」



佐天「あ、あちこちがキラキラして眩しい……あ、あの子の着てる服可愛い。
着てるものも、外とはまた違う感じですねー。ヒラヒラしてる」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:23:35.43 ID:tBekx31h0
浜面「まぁあんな感じのオシャレしてる子達も居れば、俺らみたいな冒険者みたいな格好のヤツもいっぱいいるな。
さすが、世界復興の最前線都市。勇者や旅人も、多く立ち寄る街ってわけだ」



佐天「あーゆう人達見ると、何か安心しますよね。
ここはちゃんと自分達の世界の一部なんだって」



浜面「そーだなぁー。あんまし発展しすぎるのも考えものだよなぁー」



ーーーーー




浜面「さてと……落ち着いたところでまずはどこに行こうか。
他のヤツらと合流するにしても、皆ここに来てるのかわかんねぇしなぁ。
しかもこう広いと偶然ばったり会うって可能性も期待できないし」



佐天「とりあえず、地図見つけましょうよ地図。そして、情報収集です。
酒場的な冒険者が集まる店に行けば、手掛かりが見つかるかもしれませんしね」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:24:39.26 ID:tBekx31h0
浜面「お、地図ならここにあんぞ?えーと……ここは第二地区ってとこらしいな。
そんで、冒険者の施設が集中してんのが……ここだ。
第七地区。まずはここに行ってみるか!!」



佐天「浜面さーん!!この女の人に聞いたら、第七地区に行くなら、あの電車って乗り物に乗ればいいみたいですよー」




「あんた達、旅人?ようこそ工業都市へじゃん!!」



浜面「うぉ!!!な、何だあのそびえ立つ双丘は……
麦野。いや、美鈴さん並の戦闘力を感じる……」ゴクリ
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:25:52.61 ID:tBekx31h0
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

佐天「浜面さん?」ニコリ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




浜面「はっ!?いやいや、何でもないぜ涙子ちゃん。ありがとな、そこのおねーさん」ペコ



「困ったことがあったら、いつでも私達『警備員』に尋ねるじゃん。
私達はこの工業都市のガードマンみたいなもんじゃん」






ガタンゴトン ガタンゴトン




浜面「いやー、ホント珍しいものばっかで目移りしちまうなぁ。こりゃ第七地区ってとこも楽しみだ」



佐天「目移りしてんのは、何に対して何ですかねぇ?全く……」



浜面「涙子ちゃん?な、何で機嫌悪いんだ?」



佐天「いーえー、別にー。皆と合流したら、真っ先に麦野さんにチクってやろ」ボソッ



浜面「何でだろ……今なんか、死刑宣告をされた気がするんだが……やべ、寒気が」ブルッ……
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:26:59.18 ID:tBekx31h0
第七地区 駅前広場



浜面「さ、あっという間に第七地区到着だ」


佐天「ここも大きな建物が多いですねぇー。
あ、見てくださいよ。階段がいっぱいあります。
降りた先にはお店がいっぱいありますし」



浜面「とりあえず、情報収集に酒場でも行ってみるか。
何人かは、お尋ね者板でもみればわかるかもしれないしな……」ハァ……




佐天「な、何か嫌な探し方ですね、それ」



浜面「前科あるヤツがいるからなぁ……皆同じ考えなら、まずは冒険者施設の集まるこの地区にくるだろうしよ」



佐天「とにかく、行ってみましょう。もうここに来てるとも限りませんしね」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:27:48.14 ID:tBekx31h0
第七地区 冒険者の酒場 Julian




浜面「…………あり?」


佐天「ないですね。それっぽい情報はお尋ね者には」


浜面「おっかしいなぁー。まだ誰もこの街に来てないのかなぁー」アレー?


佐天「いや、ここに載ってるほうがおかしいんですからね?ダメですよそこ勘違いしたら」


浜面「ま、無いものはしょうがねぇ。賞金首の情報でも探して、金稼ぎながら待つとしようぜ」


佐天「そうですねー。あ、私お腹空いちゃいましたよ!!何か食べていきましょー♪」


タッタッタッタッタッ……











ピラッ……
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:29:00.54 ID:tBekx31h0
<店長からのお願い>




最近、店内への食べ物の持ち込みが多発しております。




皆様のご迷惑になるため、食べ物の持ち込みはなさらぬようお願いします。




特に、生の魚介類を持ち込み、調理してくれというお客様。




当店では、そのようなサービスは行っておりません。




断ったからといって、店員に脅しかけるのはやめてください。
あまりの恐怖で店員がやめていきます。






皆様の節度のある行動をお願いいたします。



店長

175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/13(土) 22:32:45.12 ID:tBekx31h0
投下終了です。


とりあえず、工業都市到着です。


モデルは、言うまでもなく、学園都市です。
生活レベルや技術とかに関しては、そのまま今の東京くらいをイメージしてください。

あまり、進展のない展開が続くかもしれませんが、今しばらくお待ちを。構想だけならだいぶ練れたんで。

それでは、また明日。おやすみなさい。
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/13(土) 22:36:07.96 ID:hwjq+YHZ0

むぎのん何やってんの…

あと悪さしないといいつつ
軽トラに三人乗りさせる
半蔵さんは逮捕で
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 20:32:18.86 ID:s+u/3Gwv0
こんばんわ、1です。


少しづつ、書き始めたので投下しときます。


>>176
半蔵「まだ都市の中には入ってなかったからノーカウントだ、ノーカウント」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 20:35:44.79 ID:s+u/3Gwv0
浜面「ぷはー、食った食ったー……」




佐天「それで、これからどうしましょうか……
情報は見つからないし、装備整える為にお金稼ごうにも、この辺は魔物も出ないみたいで賞金首情報も少ないし……」




浜面「それについて何だがな……何かこんなもんを見つけたんだ」つチラシ




佐天「えーっと何々……

『工業都市最強勇者・戦士決定戦!!個人部門、チーム戦部門、サバイバル部門あります!!揃ってご参加を』。

……賞金凄いじゃないですか!!!これだけあれば、装備整えてもまだまだ余りますよ!!!」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 20:38:46.95 ID:s+u/3Gwv0
浜面「だろ?しかも、その大会で、強いヤツがいれば、俺たちの仲間になってくれるよう交渉する。
更に、俺らが勝ち進めば、知名度も上がり、麦野達や上条達と合流しやすくなる。まさに一石二鳥ってヤツだ!!」



佐天「いやー、珍しく冴えてますねぇ、浜面さん!!
いけますよこの作戦!!あわよくば賞金もGETです!!」ヒャッハー



浜面「珍しくって何だ珍しくって。
さ、そうと決まれば早速エントリーしにいかないとな。
場所はこの地区の『コロシアム』ってトコロだ」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 20:45:04.39 ID:s+u/3Gwv0
第七地区 コロシアム




ワイワイガヤガヤ ワイワイガヤガヤ




浜面「いい加減ここにも慣れてきたが、また変わった建物だなぁ……」




佐天「これだけ大きくて丸い建物も珍しい……ていうか見たことありませんね。
周りを囲っているのは観客席でしょうか?うぅ……緊張してきましたね」ブルブル



浜面「それにしても、凄え人数だなぁ……今日はエントリーだけなんだろ?
てことは、これ全部参加者かよ……今いるだけでも何千人といるぞ」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 20:47:37.64 ID:s+u/3Gwv0
佐天「いやー、皆さんホント強そうですねぇ。
そういえば浜面さん、私達は、どれに参加するんですか?」



浜面「とりあえず、チーム戦は人数足りねーから個人トーナメントと、サバイバルに参加だな」



佐天「サバイバルですかー……ん?サバイバルって何するんですかね?生き残り戦?」



浜面「えっと……説明書みたいなのには、工業都市第19地区全土を使っての生き残り戦だってよ。
バッタリ出会って、倒されたらそこで終わりってヤツだ」



佐天「一地区丸ごとって……いいんですかそんなことやっちゃって!?街が壊されちゃいますよ?」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 20:49:05.50 ID:s+u/3Gwv0
浜面「いや、この19地区ってのは現在使われていない地区だそうだ。
どうせだから、こういう時に活用しておこうってことだろ。
めちゃくちゃ人気あるらしいからな。この大会」



佐天「なるほど!!じゃあ、思う存分暴れられるってことですね!?
頑張って優勝してくださいね!!浜面さん!!」




浜面「おう!!ってちょっと待て!!俺任せかよ!!涙子ちゃんも頑張れよ!!」




佐天「いやー、私の実力じゃ、まだ優勝は無理でしょう普通に。
ま、修行の場として頑張りますけどね。麦野さん達との合流の目的もあるし」





浜面「サッパリしてんなぁ……まぁいいや。
とりあえずエントリーだけしてさっさと帰ろうぜー。こんなに人が多いと人混みに酔いそうだ」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 20:50:49.48 ID:s+u/3Gwv0
…………




???「へぇー……任務でこんなとこまで来たと思ったら面白そうなことやってるじゃないか。
どうだい神裂、ステイル。あたし等も参加してかないかい?どうせしばらくは暇なんだしよ」




黒いゴシック調の服を着た、金髪ライオンヘッドの女性が話す。




神裂「……あまり遊んでいるわけにはいかないんですがね……
ただ、これだけの強者が集まってるんです。新しい資質を見つけるにはよいかもしれませんね」




ステイル「僕は賛成だね。自分の今の力を試すためにもちょうどよさそうだ」




???「決まりだね。じゃ、ちょっくらエントリーしてきてよステイル」クイッ




ステイル「……こういうのは、言い出しっぺがやるもんじゃないのかい?シェリー……」




シェリー「細かいこと気にすんなよ。英国紳士だろ?女を無闇に動かすんじゃねぇよ」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 20:52:12.59 ID:s+u/3Gwv0
第七地区 超高級ホテル


がよく見える宿屋






浜面「うっひゃあー……何だあのめちゃくちゃデカイ建物は。
旅掛さんの国の東の塔なんか、比べもんになんねーくらいデカいな」




佐天「何か、お偉いさんや、お金持ちが泊まれる宿屋らしいですよーあの建物。値段聞いたら血の気が引きましたけど」ハハハ……



浜面「ま、俺等にゃ縁の無いところってこった。
これくらいのシンプルな部屋の方が落ち着いて寝れらぁ」ポスンッ




佐天「そういえば私達同じ部屋なんですよね……ハァッ……」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 20:53:19.95 ID:s+u/3Gwv0
浜面「ん?いつも通り節約の為に、同じ部屋とっただけだったんだが……まずかったか?」



佐天「いえ……そうですよね。いっつも同じ部屋でしたよね。船の中じゃ別々だったからすっかり忘れてました」



「(あぁ!!出港する前には裸見られるわ、膝枕の時にはチューしそうになるわで同じ部屋だと落ち着かない!!前まで特に何とも思わなかったのに!!)」ウワアアアアア



「(ど、どうしよう……とりあえず早くお風呂入りたいな。いろいろあって汗かいちゃったし。
し、下着も可愛いの着けておいたほうがいいのかな?ガッカリされたら……って何で見られる前提なんだよ!!あー!!頭が混乱してきたー!!)」ジタバタ ジタバタ





浜面「……やっぱそろそろ部屋別々にしたほうがいいよなぁ。涙子ちゃんも女の子なんだし」





次の日


浜面「クカー……」zzZ


佐天「……ね……寝れなかった……いろんなこと考えすぎて」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:00:03.46 ID:s+u/3Gwv0
第19地区 中心部 旧市街地



ワイワイガヤガヤ ワイワイガヤガヤ





浜面「すんげぇ人数だな……万は行ってるな、これは」



佐天「ヒャー……皆強そうですねぇ。生きて帰れるかな私……」ゴクリ



浜面「治療に関してはスペシャリストが勢ぞろいらしいから問題ないってさ。ま、殺さない程度に思いっきりやれってこった!!」






『はいどーもー。お集りの皆さん、お待たせしましたにゃー』






浜面「お、始まるみたいだぜ?金髪サングラスとは、また目立つヤツだなー、司会」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:11:48.75 ID:s+u/3Gwv0
『ただいまより、工業都市最強勇者・戦士決定戦。サバイバル部門を開催いたしますにゃー!!!』




ドーン


ドーン


パンッ!!パンッ!!パンッ!!




佐天「いやー、完全にお祭りですねぇ。ちょっと楽しくなってきました!!」




『ルールは簡単!!この第19地区中に散らばった選手を倒していき、最後の一人になった人が優勝だぜぃー!!
ただし、殺しはご法度!!それ以外なら、工業都市が誇る優秀な治療スタッフが大勢待機しているから、思いっきり戦り合ってほしいですたい!!




ちなみに、上位100位から賞金は出るから、優勝は無理だと思ってる人も100位以内狙って頑張ってほしいぜよ!!』

188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:18:39.94 ID:s+u/3Gwv0
佐天「どうやら無理みたいですね、それ」




浜面「みたいだな……ま、どちらにせよしばらくは様子見できるんだ。
背後取られなきゃ、何とでもなるか」




『それでは、30分間。各自、隠れるなりなんなりしてほしいにゃー!!
ちなみに別にグループで行動してもOKだぜぃ?
最終的には仲間内でもやり合うことになるだろうがな』





浜面「どうする涙子ちゃん。俺等も二人で行動するか?」




佐天「んー……いや、やめときます。いつでも浜面さんに守ってもらうわけにはいきませんからね!!
1人で戦いぬく予行練習にはうってつけです!!」



浜面「ハハッ、あんまし無茶はすんじゃねーぞー?」



佐天「わかってますよー!!そんなこと言ってたら、浜面さん見つけたら後ろから斬っちゃいますからねー」




浜面「ハハッ……普通にやめてほしいな、それ……」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:25:43.41 ID:s+u/3Gwv0
30分後




浜面「よし……しばらくはこの建物の中に隠れとくか……」ゴソゴソ





『準備は整ったかにゃー?紳士淑女の諸君!!それでは、賞金と名誉を賭けたサバイバル…………スタート!!!!!』






ピカッ!!!


ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!



ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!!




スタートの合図と共に、凄まじい轟音と、何十人もの悲痛な叫び声が、浜面のいる建物から数百mほどの地点から聞こえてきた。





浜面「……なーんか覚えのある光と音が聞こえてきたんだが……嘘だろ?」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:27:05.56 ID:s+u/3Gwv0
「おおっ!!超周囲を一掃しちゃいましたね!!さすがパワーアップした『原子崩し』!!」




「ていうかやり過ぎなわけよ!!殺してないでしょうね?」




「大丈夫。今の砲撃で、死んだ人は誰もいないよ。皆気を失ってるだけ」




「単純なパワーアップじゃなく、細かい調整もできるようになったからねぇ。
ホント、一ヶ月苦労した甲斐があったわ」





浜面は、建物から轟音が鳴り響いた方角を見る。



数百m先。更地となった廃墟の周辺に、4人の少女達が現れた。
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:30:14.28 ID:s+u/3Gwv0
浜面「やべぇ……あいつ等も参加してたのかよ。
再会できたのはいいが、久しぶりーってノリで合流するのは賭けだな。
あいつ等、こういう勝負事には本気でかかってきそうだし」






滝壷「むぎの。向こうの方角、数百m先に1人。
強い反応があるよ。なんだろ、懐かしい反応なんだけど……」ユビサシ




絹旗「む?生き残りがいたんですね。
あの建物周辺は壊れてませんね。超ラッキーなヤツです」




フレンダ「いや、どちらかといえば不幸なわけよ。
スタート早々、私達に追われることになるんだからさ」



麦野「じゃ、誰がコイツを始末するか競争でもしようかにゃーん。
勝者にはあの酒場で好きな料理を一品プレゼントー♪」






「「「「それじゃあ、よーい……スタート!!!!」」」」





シュンッ!!!!




4人の少女達は、一斉に姿を消した。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:32:50.97 ID:s+u/3Gwv0
浜面「速い!!!あいつ等相当強くなってやがるな!?しかも滝壷まで……
ちょっとまて。てことは、このままじゃ俺、絶対逃げきれねぇじゃんか!!!!」




ザザザザッ!!!!




建物の周囲を少女達が囲む。




浜面「やっぱ速ぇぇえ!!!!クソ!!どうすりゃいい!!
俺だとバレたら、面白がって全力で狙いにくるに決まってる!!
あいつ等が知らない俺の力で逃げ切る……これしかねぇ!!グリフォン!!!」




カッ!!!



ブワァァァァァァァァァァァァァァァアアア!!!!

193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:34:34.28 ID:s+u/3Gwv0
滝壷「!!反応がさらに強力に……後ろ!?」バッ!!



トンッ!!




グラァ……


ドサッ……





浜面「滝壷クリア。……あと三人か。
滝壷の能力が使えない今なら何とか逃げられるかな?」




フレンダ「誰だか知らないけど、結局逃がすわけないわけよ」



浜面「!?」バッ!!



バキィィィィィィッ!!!!!




滝壷を気絶させ、レーダーにより追われることが無くなり安堵した浜面の背後から、フレンダの鋭く強烈な蹴りが放たれた。

すんでのところで、腕でガードしたが、明らかに2ヶ月前のフレンダとは別人のように強くなっている。
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:37:07.00 ID:s+u/3Gwv0
浜面「痛ぇ……女の子の蹴りじゃねぇな。この二ヶ月で何があったんだよお前等」ボソッ



フレンダ「滝壷は気絶してるだけみたいね?誰だか知らないけど容赦しないわけよ」グッ



フレンダは、自身の服の中から何かを取り出そうと身構える。
相対しているのが浜面とはまだ気づいていないようだ。






浜面がこの二ヶ月の間に行ったこと。


自身を一から鍛えあげ、基本的な身体能力の底上げ。

自身の能力の応用の研鑽。

佐天との実践練習。



そして、能力に頼らず、自身の力のみで、自分の中に宿したグリフォンを倒すことであった。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:38:23.48 ID:s+u/3Gwv0
先日、半蔵との戦いで実質完敗した浜面は、自身の中でグリフォンを倒すことに専念し、先日ようやく死闘の末、グリフォンを討つことができた。



その結果、浜面はグリフォンの力を使った第二形態を得ることができた。




外見上は特に変化はない。
長いマフラーのようなものが浜面の顔の下半分を隠すように巻かれている程度だ。
その為、フレンダはまだ浜面に気づいていない。



変化と言うのは、両手に持つ双剣のことだろう。
通常の剣とほぼ同じくらいの大きさで、柄の部分には、グリフォンの翼を象るような翼の装飾が施されている。



浜面は、見た目から単純に、この剣を『隼の双剣』と名付けた。

その力も正に、隼のような力なのだが、それはまた後の話。
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:40:37.27 ID:s+u/3Gwv0
フレンダ「とりあえず、半殺し程度に抑えてあげるからさ。
さっさとくたばってほしいわけよ!!」チャキッ!!




フレンダは拳銃を取り出し、浜面へと向ける。
彼女もこの工業都市で入手したのだろう。
剣等を使うほどの力や技術は無く、トラップで相手を倒す戦術の彼女にとっては使い勝手のよい武器になりそうだ。




しかし銃口の先には、浜面はいない。



フレンダ「!?アレ?どこにいったのアイツ」キョロキョロ



フレンダは銃を構えたまま周りを見渡す。
その直後、後頭部に軽い衝撃が走り、彼女の目の前は真っ暗になった。



ドサッ……





浜面「フレンダクリア。
残るは絹旗、麦野の二人か……肉体派じゃない、滝壷やフレンダがこんだけ強くなってんだ。
相当厄介になってんだろうなぁ、二人共」



浜面は元いた建物から、麦野達にバレないよう、急いで離れて行った。
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:42:19.54 ID:s+u/3Gwv0
絹旗「フレンダ!!滝壷さん!!しっかりしてください!!」ユサユサ



麦野「あんま揺さぶってんじゃないわよ絹旗。
大丈夫、気絶してるだけみたいよ?二人共」



浜面が潜伏していた建物の中で、絹旗と麦野が、何者かに倒された二人を発見する。



麦野「これでこの二人は失格、ってことになるのかしら?
開始数分で脱落か。意外にこの大会、レベルが高いみたいね」



絹旗「やっぱり、世界中からの勇者や旅人が集う街なだけありますね。
削板船長の修行を終えた、私達の腕試しには超もってこいみたいです!!」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:43:57.30 ID:s+u/3Gwv0
麦野「こっからは、マジでやるわよ絹旗。
最悪手足の一つや二つぶった斬ってやっても治るみたいだし、そのつもりで行くわよ」




絹旗「麦野の場合、消し飛ばしちゃうから手加減しないとダメですよ?
ま、滝壷さん無き今、手がかりもないですし、超気長に行きましょう」




麦野「でも、この建物から逃げてくヤツは見たわよ?
両手に剣を持ってマフラーみたいなのしたヤツ。
アンタが呼ぶから撃ちそびれちゃったけど」



絹旗「…………ま、次のチャンスを待つとしましょう!!そう超簡単に向こうもやられないでしょうからね」





サバイバル開始20分経過

参加者15000人
残り9800人



フレンダ
滝壷
失格
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/14(日) 21:47:48.88 ID:s+u/3Gwv0
本日の投下終了です。


まさかのサバイバル編突入です。

まぁ、この世界で人間同士、味方同士で戦わせるにはこれしかないわけで……


来週は時間があるので、多目に投下できると思います。
それではおやすみなさい。


ちなみにグリフォンver2の浜面の格好は、ペルソナ4の陽介のイメージで。確かマフラーしてたはず。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/14(日) 22:47:39.89 ID:VaoYzQd90


ペルソナは全然わからんな
アニメだけで理解できるかしら
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 18:42:47.67 ID:CItGjGrP0
こんばんわ。1です。

今日はちょっと少なめですのでご了承を。


>>200
すいません。多分余計にわかりにくくしちゃったかもです。

まぁ、マフラーで顔を隠した二刀流の浜面を想像してくれたらそれです。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 18:45:53.29 ID:CItGjGrP0
サバイバル開始30分経過




19地区 西側 アパート密集地 駐車場




佐天「ヤァァァァァァァァア」ブン!!



ズシャァァァァァァァァア!!!!



戦士1「グァァァァァァア」



ドサッ……



佐天「ハァッ、ハァッ、これで3人目だよね?まだまだ先は長そうだなぁ……」



誰も使わなくなった古い駐車場で佐天は、サバイバル開始から数えて3人目となる戦士を斬り倒した。



その直後、倒れた戦士の元には、白い服を来た回収班がさっそうと現れ、戦士を回収し、恐らくは治療所に運んで行った。
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 18:51:42.36 ID:CItGjGrP0
佐天「もういい加減慣れたけど、仕事早すぎますよねー。どっかで見られてんのかな?」



ふと佐天は疑問に思った。


その予想はズバリ正解である。




実は、この19地区には、ありとあらゆる場所にカメラが仕掛けられている。



そして、その映像を工業都市に住む人間のほとんど見ているのだ。
それほど、この大会は人気を博している。



人気に乗じて賭けなどが行われており、莫大な金が動いているが、その賭けの胴元は明かされていない。

もっとも、カタギの人間ではないことは確かだが。
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 18:59:12.26 ID:CItGjGrP0
工業都市のどこか モニタールーム





工業都市のどこかにあるこの場所には、何千ものモニターが表示されている。




ここでは、19学区で行われているサバイバルの映像を管理・発信しており
したがって全ての映像を見ることができる。





男「お、あの嬢ちゃん中々やるじゃねぇか。将来が楽しみだなぁ、いろんな意味で」



浜面達とそう年は変わらないだろうが、明らかにカタギではなさそうなガラの悪い雰囲気をした
顔立ちの良い長身茶髪の男が一つの映像を見て呟く。



恐らくは何千ものモニターを全て把握しているのだろう。
凄まじい観察力と、情報処理能力を持っているようだ。
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:23:01.57 ID:CItGjGrP0
少女「あら。貴方あれくらいの年の女の子が好みだったの?なら何で私の相手はしてくれないのかしら?」



側にあるソファーでくつろぐ、佐天とそう変わらないくらいの年の、キャバ嬢のようなドレスを来た少女が男に問う。




男「誰がそんなこと言ったんだよ。俺は将来性に期待してんだ。
お前の将来は、キャバ嬢一直線だろうが。
現に、都市の偉いおっさん達の酒の相手とかしてんだろ?」



少女「あら、失礼ね?あの人達も一生懸命働いてこの都市を動かしているのよ?
少しくらい私のような癒しの場があってもいいんじゃないかしら?」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:24:19.72 ID:CItGjGrP0
男「身の丈に合ったことをしろっつってんだよ。
お前みたいなチンチクリンがする仕事じゃねぇだろそれは」



少女「あぁ……ごめんなさい。ケンカ売ってたのね貴方。
それならそうと言ってくれたらいいのに……」スッ……




ドレスを着た少女は、そのドレスの肩ひもを下げようとした。



男「よせよバカ野郎。こんなところでお前の能力を出す気か?
機材がメチャクチャになるだろうがよ」



少女「あら。そんなもの、貴方ならすぐに買い替えられるんじゃないの?
この大会の運営者さん兼、賭けの胴元さん?」スッ……



少女がドレスの肩ひもを元の位置に戻す。
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:25:10.66 ID:CItGjGrP0
男「無駄に金使う必要もねぇだろうがバカ野郎。
さて……今賭けの倍率はどうなってるんだ?」




少女「今のところ、開幕初っ端から暴れた麦野って人の人気が圧倒的ね。
美人であの力。インパクトを与えるにはいいキャラよね。
あのスタイル、羨ましいったらないわ」




男「ガキがんなこと気にしてんじゃねぇよ。これからだ、これから」




少女「あら?慰めてくれるの?優しいトコロもあるのね」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:26:15.43 ID:CItGjGrP0
男「さすがにそのチンチクリンのままだと可哀想だからな。
ちょっとくらいは夢持たせてやらねぇと」



少女「とりあえずぶっ飛びなさい」スッ……



カッ!!


ドォォォォォォォォォン!!!!




男「グァァァァァァアッ!!!」ガッシャーーーン!!!



茶髪の男は吹き飛び、部屋のガラスから外へと飛び出した。
部屋は、高層ビルの一室だったようだ。男はビルから落下した。
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:27:57.91 ID:CItGjGrP0
ーーーーー




男「さて、このままあの麦野って子が独走ってのもバランスが悪いからなぁ……

賭けの投票締切まではまだ時間もあるし、そろそろ、少し奴ら使って展開を面白くしてみるか?

他にも実力を見てみたい、いろいろ気になるヤツもいることだしよぉ」




少女「超高層ビルから落ちても、何事もなかったように話進めてるけど、やっぱり不死身なのね貴方。
そういうとこ好きよ。ちょっとムカつくけど」



男「お前ごときが俺を殺そうなんざ100年早ぇーよ『心理定規』<メジャーハート>」
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:30:05.84 ID:CItGjGrP0
心理定規「そうよね。こんなんでも、世界を跨る盗賊団『スキルアウト』の頭領だもんね」クスッ……




男「何で笑ったんだ今?バカにしてんのか?」




心理定規「いいえ別に?ただ貴方が盗賊だなんて……長い付き合いだけど未だに笑っちゃうわ。
落ちぶれたものね、かつての最強の勇者、『垣根帝督』さん?」プークスクス




垣根「うっせぇなー。いいんだよ、今はそれで。
どーせこのままじゃアレイスターには絶対に勝てないんだ。
しばらくは盗賊団ごっこを興じるのもアリだろ」
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:31:53.18 ID:CItGjGrP0
心理定規「……貴方ってホント変わった人よね。
あれだけの力を持ちながら、簡単に魔王討伐を諦めちゃうなんてさ」




垣根「現実主義なんでな。無駄なことはしたくないのさ。
俺らだけでは、確実に奴には勝てやしねぇ。
ていうか、そんな俺についてくるお前も大概変だと思うがな」




心理定規「貴方がいないと私の人生つまらなくなっちゃうのよ。
せいぜい私を楽しませてよね。盗・賊・さん♪」フフッ……




垣根「チッ……あーもしもし?俺だ俺。そろそろお前等の出番だ。
死なねー程度に軽く相手してやってくれ。標的は……」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:33:25.28 ID:CItGjGrP0
19地区 西側 古い駐車場



佐天「…………貴女、いつからそこにいたんですか?」



佐天がふと駐車場の一角に目をやると、そこには胸にサラシを巻いた麦野と同じくらいの年の少女が立っていた。




少女「んー……私が相手して大丈夫なのかしらこの子。
みたところ、まだまだ発展途上でしょ?垣根のヤツ、ちゃんと人選は考えなさいよ」ウーン




佐天「あのー……質問に答えてもらっていいですか?
いつからいたんですか?貴女は」チャキッ



佐天は、両手に剣を持ち構える。
右腕には、能力を一点集中させる腕輪、左腕には、また違う効果を持った腕輪を着けている。
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:35:28.74 ID:CItGjGrP0
全力だ。
じゃなきゃ、下手すれば殺される。




佐天は直感でそう感じた。
この大会のルール上、死ぬことはほとんどないが、それほど目の前にいる少女との力の差を佐天は感じた。




少女「いつ?って言われるとねぇ……『今』としか言いようが無いんだけど。あ、自己紹介だけしておくわね?
私は『結標 淡希』。よろしくね?将来有望なお嬢さん♪」スッ



結標と名乗る少女が何か、太い棒状のものを取り出し、佐天へとそれを向ける。





シュンッ……











佐天「…………へっ?」キョトン



気がつくと、佐天の身体は遥か上空800mほどの所にあった。
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:37:14.60 ID:CItGjGrP0
19地区 北側 廃中学校 グラウンド




絹旗「中々見つかりませんねー。さっきのマフラー男」トテトテ



麦野「そうねー。さっきから雑魚にしか会わないわ。
もう何十人倒したのかしら。そろそろ強いのとやりたいわねぇ」





「なら、俺が二人とも相手しようか?お嬢さん方」




談笑しながら歩く麦野達の前に、一人の男が立ち塞がる。




麦野「あら、二人同時に相手してくれるの?中々欲張りな男ね」



絹旗「私達をその辺の女の子と超同じ扱いしていると
退屈すぎて腕の一本二本じゃすまないかもしれませんよ?」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:39:22.79 ID:CItGjGrP0
男「男なら、女の子二人くらい相手にできる甲斐性がねぇとなぁ。
心配すんなよ、退屈なんてさせないから。愉快に踊ろうぜーお嬢さん方」スッ……




男がポケットからサイコロを取り出し、地面に投げた。
サイコロの目は6を指している。




男「あちゃー……ま、出だしはこんなもんでいいか。どうせ殺す気もないしよ」
ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ



男の両手には、真っ白な拳銃が握られている。





麦野「へぇ……変わった力ねぇ。何者かしら、貴方」スッ……



麦野がただならぬ気配を感じたのか、臨戦態勢に入る。





「俺か?俺の名前は『服部半蔵』。『半蔵』って呼んでくれよ」チャキッ




半蔵が麦野と絹旗それぞれに、両手の拳銃を向ける。
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:44:42.90 ID:CItGjGrP0
北側 麦野達から1kmほど離れた道路




浜面「……何のようかな?おっちゃん。
ちょい前からずっと熱い視線を感じてたんだが」



車の通らない道路を進む浜面の背後には、フランケンシュタインのような大男が立っていた。



大男「お前が半蔵の言っていた浜面とやらか。
なるほど、中々の力を秘めているようだ」ブンッ!!




ガキィィィィィィィィィン!!!!




大男は、突然浜面に対して殴りつけてきたが、とっさに浜面は剣でガードする。
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:46:46.96 ID:CItGjGrP0
浜面「アンタ……その手、何か仕込んでやがんな?
剣でガードしたとき、金属音がしたんだが」



ギギギギギギギギギッ!!!




大男「ああ、工業都市製のグローブだ。
通常はただのグローブだが、強く拳を握れば鉄の硬度にまで硬くなる」




バッ!!!!




剣と拳の競り合いから離れ、浜面と大男は体勢を整える。




浜面「さっき半蔵がどうのって言ってたな。もしかして、お前も盗賊団の一味なのか?」




大男「ああ……この都市の外ではそうだな」



浜面「外では?んじゃこの都市ではどうだって言うんだよ!!」



大男「問答は、後にしようか。
今はお前の力を見せてもらうことが先決だ。
一応……名乗っておこう。俺の名は『駒場 利徳』だ」












………………




垣根「標的は佐天涙子、麦野沈利、そんで半蔵が言っていた浜面仕上だ。
勢い余って殺すなよ?お前等」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/15(月) 19:49:16.78 ID:CItGjGrP0
今日の投下終了です。

サバイバル編

VS盗賊団戦、突入です。


イマイチキャラが合ってないかもしれませんが、ご勘弁を。
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/15(月) 19:54:33.82 ID:9gG3mJka0

ていと君と駒場さんが組んでんのかょ

とりあえず毎度アイテムは
ほぼフルボッコに近いねぇ

まさに試練
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/15(月) 20:23:43.11 ID:N1+jfCQw0


だがアイテムは可愛い子揃い
最愛ちゃんぺろぺろ
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/15(月) 20:28:14.00 ID:r7R7yf5do
おつ
上条さんが参加してて覚醒してほしい
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/18(木) 17:32:51.46 ID:mI7TDaOGo
失速したね
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/10/20(土) 21:14:17.76 ID:FTnYs3p10
こんばんわ、1です。

しばらく更新できず、すいません。
しばらくバイオ6やってました。てかまだ最後まで終わってません。




とりあえず、佐天VS結標戦だけ投下しておきます。
バイオ6やりながら、ちょくちょく書き溜めておくので、気長にお待ちください。
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:17:50.76 ID:FTnYs3p10
19学区 西側 上空800m地点







ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


佐天「キャァァァァァァァァァァァアアア!!!!!」


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!





突如、上空に飛ばされ、地上へと落下していく佐天は、かなり混乱していた。





佐天「(ナニコレナニコレナニコレェェェェェエエ!!!!
え?夢?それにしてはやけにリアルだけど……って夢じゃないし!!)」








ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!



佐天「(ヤバイ!!何が起こったか全くわかんないけど、このままじゃ落ちてペチャンコになっちゃう!!
どうする、どうするよ私ィィィィィィ!!!)」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:22:08.19 ID:FTnYs3p10
地上 19地区 西側 駐車場




結標「あら?大丈夫かしらあの子……ま、まぁ落ちる前にまた転送してあげれば死なないわよね?
……でもあの落下のスピードで上手く座標指定できるかしら?……ヤバッ!!!」アタフタ





結標は、アタフタしている。
殺す気は全くないのだ。
ただ単に佐天の実力を測るために、ここに来たのだから。




結標「こ、こうなったら一か八か私があの子まで飛んで、キャッチして一緒に移動するしかないわね。……ん?」




結標は上空を見つめる。佐天が何かをやろうとしている。
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:23:46.07 ID:FTnYs3p10
上空400m




ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ

佐天「(集中だ。集中しろ私。私なら出来る!!
強い風を掴むイメージで!!風の流れを操りきるイメージで!!)」バッ!!




佐天は手を真下に突き出し、右腕に能力を集中させる。




佐天「ウオリャァァァァァァァァァァァアッ!!!!」



ドォォォォォォォォォンッ!!!!


ブワァァァァァァァァァァァァァアアアッ!!!




右腕から放たれた風の塊を爆散させ、その勢いで、落下スピードが急激に弱まり
ホンの少し、佐天の身体が滞空状態になる。
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:33:06.63 ID:FTnYs3p10
佐天「ここで風の流れを!!!」バッ!!!



ブワァァァァァァァァァァァァァアアアッ!!!!



佐天は自身の能力『空気使い』の力を使い、自身の身体を押し上げるように上昇気流を生み出す。



一か八かの賭けであった。
自分の体重を風の力だけで支えられるか。
何より、自分の今のレベルでそこまでの風の操作ができるのか。




佐天は賭けに勝った。




佐天「ハァッ、ハァッ、何とか成功したみたいだね……少しチビったかも……」



佐天は上空100mほどのところで滞空している。
あと数秒遅ければ、それはもう見るも無残な光景が広がることであっただろう。


その前に結標に助けられたかもしれないが。
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:35:22.75 ID:FTnYs3p10
結標「あーよかった……何とか自力で対処できたみたいね。
それにしても中々凄いわね、あの子。
いくら風使いでも、自分の身体を浮かせられるのなんて上級の技でしょうに。
…………垣根の言うとおり、将来有望ね」




佐天がゆっくり、地面に着地した。



パチパチパチパチ



佐天「…………」



結標「素晴らしいわ、貴女。
さすがにやり過ぎたと思ったらあんな方法で対処するなんて」パチパチパチパチ
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:36:43.06 ID:FTnYs3p10
佐天「……さっきのは貴女の仕業なんですか?」




結標「えぇ、そうよ。ごめんなさいね、ついやり過ぎちゃって。
でもちゃんと助けに行くつもりだったのよ?」テヘペロ♪




佐天「いえ……感謝してますよ。
貴女に殺されかけたおかげで自分の力を成長させることができたんですから……」




結標「へ?まさか土壇場でアレをやったの?やっぱり凄いわね!!
貴女将来かなりの実力者になるわよ?お姉さんが保証するわ!!」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:44:21.58 ID:FTnYs3p10
佐天「えぇ……ありがとうございます。結標さん……でしたっけ?
成長できたお礼が是非したいんですが……」コォォォォ……





結標「お礼?やだなぁ、そんなのいいわよー。
……あ、貴女弟とかいたりする?よかったらその子紹介してほしいんだけど……。
いや、やらしい意味ではないのよ?ただ単に子供好きなだけで」ハァッ…ハァッ…ハァッ…




佐天「遠慮しないで喰らってくださいよ……この露出狂のショタコンがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」バッ!!!



ドゴォォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!!!
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:46:38.97 ID:FTnYs3p10
佐天の右腕から怒りを込めた、強烈な風の塊が放たれる。

成長したことにより、風を操る量が増えたのだろう。
今までとは比べものにならないほどの質量と威力の風の塊が、駐車場近くの古いアパートを粉々に粉砕した。




佐天「ハァッ、ハァッ、ホント死ぬかと思ってちょっとチビったかもしれないんですからね!!
乙女に恥をかかせた罪は重いですよ!!結標さん!!」



結標がいた地点には駐車場のアスファルトが抉れた後があった。
怒りの一撃恐るべし。



結標「もー、危ないじゃないの。いきなりあんなの撃ってくるなんて!!
死んじゃったらどうすんのよー!!」プンプン!



佐天の背後のアパートの屋根から声が聞こえる。
乙女に恥をかかせた忌々しい声が。
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:47:29.98 ID:FTnYs3p10
佐天「……やっぱり貴女の力は白井さんと同じ。
『空間移動』系ですね?しかも白井さんより遥かに強力な」




結標「あ、さすがにバレちゃった?
そうね、その白井さんって子がどれくらいの力かは知らないけど、私は空間移動の能力者よ。
『座標移動』って呼んでるけどね。私は」



結標が、手に持つ棒状のモノから光を出したり、消したりしながら答える。
どうやらあれはライトという光を出す機械のようだ。
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:49:34.79 ID:FTnYs3p10
佐天「それで……貴女みたいな凄い力を持った人が、私に何のようですか?」



結標「貴女の実力が見たかったのよ。勇者として通用するのかという資質もね。
うん、合格よ貴女は。まだまだ発展途上みたいだけど、努力とセンスを感じるわ」



佐天「へぇ……それはそれは有難いことですね……」



結標「よかったらね?この大会が終わった後に来てほしいところがあるのよ。
損はしないと思うわよ?もしかしたら今よりもっと強くなれるかも」




佐天「そんな怪しい宗教勧誘みたいなのについて行くと思ってんですかぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」バッ!!



ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!



再び佐天の右腕から、強烈な風の塊が放たれ、結標が立っていたアパートが壊される。
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:51:15.24 ID:FTnYs3p10
結標「もー、だから危ないでしょー。むやみに力を人に向けたら駄目じゃない」



結標は、最初に現れた地点。抉れたアスファルトの駐車場の一角にいた。



佐天「そんなに私の力が見たいんだったら……自分で味わうのが一番だと思いますよ!?」バッ!!



更に、結標に対して追撃を加える。
それでも結標には当たらない。
瞬間移動よりも速い攻撃など存在しないのだから。



結標「そうね……少し私が直接相手してみようかしら。
死なないでね?貴女のような逸材は無駄にしたくないの」スッ……



結標がライトを駐車場に置いてある古い車に向ける。



次の瞬間、佐天の頭上にその車が現れた。
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:54:39.11 ID:FTnYs3p10
ガッシャァァァァァァァァァァァァンッ!!!!




大きな音をたてて、車は落下した。



結標「…………そこっ!!」ブンッ!!



ドゴォォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!!!



結標の右上方から、既に脱出していた佐天の風の塊が放たれるが、再び車を移動させ盾とした。


結果、車は大破し、部品が駐車場に散らばるが、既に結標、佐天は駐車場にはいない。




佐天「そういえば白井さんと違って、対象に触れなくてもテレポートさせることができるんでしたね……
次はドコいったんだろ?」キョロキョロ
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:56:10.80 ID:FTnYs3p10
佐天は、結標の姿を探す。



空間移動系の能力者の怖いところ。
それは、どこからでもどんな時でも、死角からの奇襲が可能なことだ。



見えない敵と戦う術を、佐天はこの戦いで身につけなければならない。
さもなくば、いつか簡単にやられてしまうだろう。


このように。





佐天「ッ!!痛ッ!!!!」



佐天の足に、いつの間にかコルク栓のようなものが突き刺さっている。



結標「躱せないわよー。私の攻撃は絶対に。
私の姿が見えない内は特にね。
さすがに今みたいなのは卑怯だから今回はもうやらないけど」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 21:58:07.26 ID:FTnYs3p10
どこからか、結標の声が聞こえる。
この辺りはアパートが密集している。
どこかの部屋から自分を見ているのだろう。



佐天「ホント……皆さんチートな能力ばっかりですよね。
半蔵さんといい……ただの空気使いの私じゃ嫌になっちゃいますよ……」



結標「そう落胆しちゃ駄目よ?貴女はまだこれからの子なんだから。
能力ってのは、どんなものでも使う人の発想で化けるものよ?こんな風にね……」



佐天の頭上に、十数本もの包丁のような刃物が現れる。
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:08:02.92 ID:FTnYs3p10
佐天「くっ!!」バッ!!


ブワァァァァァァァァァァァァァアアア!!!


佐天が咄嗟に強い風をぶつけ、落下の軌道を逸らした。



結標「まだまだ行くわよー」ソレッ♪


ありとあらゆる家財道具が、佐天の頭上から降り注ぐ。



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!



佐天「死なないでとか言っといて、殺す気満々じゃないですかぁぁぁぁぁあ!!!」ダダダダダダダダダッ!!!



強い追い風を纏い、降り注ぐ家財道具から、全速力で佐天は逃げる。

全く逆転の目が見えない。

相手は自分をどこからか視認しているが、こっちは相手が全くどこにいるのかわからないのだ。
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:09:54.33 ID:FTnYs3p10
佐天「……こうなったら奥の手を使うしかないか」



逃げながら佐天は右腕に力を溜める。
そして、溜めた力を右手に集中させ、左手につけた腕輪を触る。



強力な風の塊を生み出す力が左手に移った。



そして左手を側にある塀に当てる。



この動作を、佐天は全速力で走りながら、駐車場の周囲の道で数回繰り返す。




結標「……何を企んでるのかしらあの子?」




結標は、アパートを転々と移動し、片っ端から佐天の頭上目掛けていろんなものを移動させる。



佐天「準備は整いました!!覚悟してくださいよ!!結標さん!!」



佐天はそう言い放つと、全速力で荒れ果てた駐車場に戻り、その中心に立った。
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:11:05.17 ID:FTnYs3p10
結標は、駐車場から50mほど離れたアパートの一室からその様子をジッと見ている。




佐天「まだまだこの戦法は隙だらけだし、時間がかかるからいっぱい改良しないといけないんですけどね……
結標さんが私を試すような戦いをしてくれてるから何とかなりました。
私の今の全力……特と味わってくださいね!!」バッ!!




佐天が左手を地面につける。




ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!




駐車場の周りの数カ所から、一斉に強烈な爆風が噴き出した。
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:16:58.97 ID:FTnYs3p10
結標「な……何よこの凄い風は!!あちこちでいろんなものが舞い上がってるじゃない!!」




バキャァァァァァァアアアッ!!!!



結標のいるアパートの屋根が風に舞い上げられる。
部屋に暴風が吹き荒れ始めた。



ビュォォォォォォォォォォオオオオ


結標「キャァァァァァァァァァアアアアッ!!!ちょ、ちょっと何なのよこれ!!」



駐車場の中心で、佐天が両手を左右に広げている。


佐天「グギギギギギッ…………ちょ、ちょっとキツイですね……この規模の風を操ろうとするのは…………」ググググッ!!



あちこちから吹き荒れる暴風を、どうにかコントロールしようとしているようだ。
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:18:52.79 ID:FTnYs3p10
佐天「こんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」グッ!!!!


ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!



佐天「ハァッ、ハァッ、な、何とか成功したみたいですね……疲れた……」



吹き荒れる風が、佐天を中心に直径50mほどの大きな渦となり纏まって行く。

どうやら佐天の目論見は成功したようだ。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:24:21.35 ID:FTnYs3p10
佐天「この左腕の腕輪の能力はですね……
様々なエネルギーを、その場に固定して設置する能力です。
要するに、右手に集中させて溜めた風の力を、左手でどこにでも置くことができるようになるんですよ」



佐天がどこかで聞いているかもしれない結標に話しかける。



佐天「数カ所に設置した風の塊を一気に解放させる。
そしてその風の流れをを私の力で操作して渦を巻くように一つにまとめる。
今の私にはすんごい難しいんですけどね……
これで擬似的な竜巻が作れるんですよ」



竜巻が結標がいたアパートを飲み込み、バラバラにして舞い上げる。



佐天「あとは、渦が少しずつ縮小され、更に旋回速度が増していくんです。
それまでに周囲は荒れ果てちゃいましまけどね……
おかげで隠れるとこがなくなったでしょ?見えていますよ?結標さん」





結標「これ、もしかしなくてもあの子の仕業よね?
こんな規模の竜巻なんてあの子のレベルじゃ到底……天才なのかしらね?」


佐天から100mほど離れた場所から、アパートから脱出した結標が佐天のほうを見ている。


結標はまだ、佐天が竜巻のスキマから、結標に気づいていることに気づいていない。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:26:37.67 ID:FTnYs3p10
佐天「本来なら、この竜巻をそのままぶつけてやるんですけどね……
多分このままぶつけてもテレポートで逃げられそうですからね。
これでホンの少しだけでも驚いてくれたら今は満足です」スッ……



佐天が両手を左右に広げ、再び竜巻に何らかの操作をしようとしている。



「これだけの規模の収束された風のエネルギーが一気に拡散されたら……かなり広範囲に届きますよね、多分」バッ!!!




ブワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!



竜巻が中心から爆散し、爆風が周囲に放たれる。


竜巻が舞いあげていた木片や鉄屑などが、凄まじいスピードで爆風と共に放たれた。



竜巻の被害を免れた建物に破片が次々に突き刺さる。




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:27:51.73 ID:FTnYs3p10
………………





佐天「クカー……」zzZ


力を出し切り、疲れ果てた佐天が駐車場だった場所でスヤスヤと眠っている。


側には、服がボロボロになり、ただでさえ露出が高い服が、更に高くなり、身体中切り傷だらけの結標が立っていた。



結標「全く……とんでもないことやってくれたわね、この子。
そこら中から盾になる頑丈なモノを集めてこなかったら死んでたわよ私」



結標がいた場所には、多数の大きなコンクリートや数台の車などの塊が、いろんな破片が無数に突き刺さった状態で放置されていた。
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:30:28.87 ID:FTnYs3p10
結標「でも、ちょっと悪いことしちゃったわね……
私が相手しなければ、結構最後らへんまで残ってたかもしれないのに。
ま、この一戦で、大きく成長できたみたいだから大目に見てよね?佐天さん♪」スッ……




シュンッ!!




結標がライトを佐天に向けると、佐天の姿が消えた。
どうやら、救護隊のところまで送ったようだ。





ピ、ポ、パッ



結標「……あ、もしもし垣根?ゴメン、佐天さん倒しちゃった。
ちゃんと救護隊に送っておいたから後よろしくね?」



垣根『見てたよオイ!!俺らがゲームの選手の結果に干渉してどーすんだこのバ』



プツンッ、プーッ、プーッ






結標「まぁ、いーじゃないの。次の世代、新たな芽が順調に育ってんだしね」



結標は、ご機嫌な様子で歩きだした。













サバイバル開始45分経過



参加者15000人
残り7499人





佐天 涙子

失格
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/20(土) 22:37:06.99 ID:FTnYs3p10
今日の投下終了です。



全力佐天VS手加減結標戦でした。


佐天ちょっと強くしすぎたかな?
まぁゲームでいうアクセサリー的なもので強化してると思えば何とかなるか。


次回は、主に麦野、絹旗VS半蔵を投下したいと思います。
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/20(土) 22:57:52.69 ID:t5zwq1+v0


いいんでないすか
半蔵があれですし

とりあえずメインの面子が何人残れるやら
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:34:16.77 ID:tNfWlNpq0
こんばんわ、1です。


今日は絹旗、麦野VS半蔵をお送りします。
といっても、前哨戦みたいなもんですが。


>>248
まぁ、半蔵は登場人物の中でも、大分強めに設定してますからね。
どーせなら脇役をめちゃくちゃ強くした方が1的に面白いので。
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:41:59.74 ID:tNfWlNpq0
佐天が結標に上空に飛ばされた頃


19地区 北側 廃校舎 グラウンド




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



麦野「チッ!!何なんだあの力は!!まともに近づけやしねぇ!!」



絹旗「あの威力であの超連射ですからね!!
私の強化された窒素装甲でも、できれば喰らいたくないレベルです!!」




半蔵「どーしたどーしたお嬢さん達。
逃げてばっかじゃ勝負になんねーぞー」ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:43:06.62 ID:tNfWlNpq0
半蔵は能力で出した、真っ白な拳銃を放ちながら喋る。



突如、半蔵の拳銃が消えていった。




麦野「ん?」



絹旗「へ?」



半蔵「あ、やべ。時間切れだ……ゲッ!?」





ニィィィィィィィィィィィィィィィィ………

そのセリフを聞いた麦野と絹旗がこの上ない邪悪な笑みを浮かべゆっくりと近づいてくる。




麦野「絹旗ちゃーーん……さっきあのお兄さんなんて言ったっけかにゃーーーーん?」ニィィィィィィ……



絹旗「そうですねぇ……確か逃げてばっかじゃ超勝負にならないって言ってませんでしたかねぇー?」ニィィィィィィ……
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:44:06.33 ID:tNfWlNpq0
麦野「そっかー……それじゃあ逃げてばっかりじゃないところを見せてあげないといけないわよねぇー」ニタァァァァ……




絹旗「そうですねェ……しっかりと超見せつけてあげましょうかァ……」ニタァァァァ




半蔵「おいおい……女の子がそんな顔するもんじゃないぜお嬢さん達……」タラー……





麦野「その腐れチ○コ切りとってやっからよぉぉぉぉぉお!!!
覚悟しろやこのクソ野郎ぉぉぉぉがぁぁぁぁあ!!!!」バシュゥッ!!!



ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォオオッ!!!!!
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:45:04.49 ID:tNfWlNpq0
麦野「そっかー……それじゃあ逃げてばっかりじゃないところを見せてあげないといけないわよねぇー」ニタァァァァ……



絹旗「そうですねェ……しっかりと超見せつけてあげましょうかァ……」ニタァァァァ




半蔵「おいおい……女の子がそんな顔するもんじゃないぜお嬢さん達……」タラー……




麦野「その腐れチ○コ切りとってやっからよぉぉぉぉぉお!!!
覚悟しろやこのクソ野郎ぉぉぉぉがぁぁぁぁあ!!!!」バシュゥッ!!!



ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォオオッ!!!!!
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:46:04.74 ID:tNfWlNpq0
半蔵「ウォォォォォォオオオ!!!!ちょっ、ちょっと待て!!殺す気かアンタ!!」バッ!!



半蔵はすんでのところで原子崩しを躱す。



このサバイバルでは、殺しはご法度なのだが、麦野は気にしない。
さっきから半蔵に攻められ続け、ストレスMAXなのだ。




絹旗「余所見してたら、ボッコボコにしちゃいますよお兄さん!!」バッ!!



半蔵「チッ!!」チャキッ!!



パァンパァンパァンッ!!!



半蔵は絹旗の足を目掛けて普通の拳銃を撃つ。
しかし、弾は絹旗の身体まで届かず、ひしゃげてその場に落ちる。
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:47:20.68 ID:tNfWlNpq0
半蔵「なっ!?」



絹旗「私の窒素装甲は拳銃如きじゃ貫けませんよ!!」ブン!!


バキャァァァァァァアアアッ!!!




絹旗のパンチが半蔵の拳銃を砕く。



半蔵「クソ!!砲撃と接近戦のエキスパートってか!!
俺には嫌な組み合わせだぜ全く!!」バッ!!



半蔵が、廃校舎の中へ逃げる。



絹旗「逃がしません!!麦野!!ヤツが出てきたところを狙い撃ってくださいよ!!」



麦野「了解!!気をつけなよ絹旗。
あの銃を出す能力、時間切れで消えたとか言ってたけど、すぐ復活するかもしれないんだからね」



絹旗「わかってます!!例え復活しても、あれくらいなら私の窒素装甲で何発かは余裕で耐えられますよ!!」ダッダッダッ
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:48:37.60 ID:tNfWlNpq0
廃校舎内 1F




スタッ、スタッ、スタッ、スタッ


絹旗「これだけ広くて誰もいないと少し不気味ですね……
おーい!!出てこーい!!超相手になりますよー!!」ウガー



シーン……



絹旗「まさかこのまま時間稼ぎして、あの能力を復活させる気じゃないでしょうね?やっぱり一回建物から出て……」




半蔵「心配ねぇよ。もう復活したからな」ポイッ…



絹旗「!?」ゾクッ!!


絹旗の背後で、半蔵がサイコロを放り投げる。
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:50:03.88 ID:tNfWlNpq0
サイコロの数字は3を指している。



半蔵「これは……ちょっと加減が難しいな。絹旗ちゃんだっけか?
やっぱ逃げてもいいぞ?下手すりゃ死ぬから」



半蔵の手には、真っ白なライフルが握られている。
先日、エグドラシル相手に使った時よりだいぶ、小さなタイプのライフルのようだ。



絹旗「(な、なんでしょうか……あの銃が自分に向けられると思うと……凄い心臓に圧迫感が……)」




半蔵「最低限の魔力でこれだからな……ホント使い勝手が悪い能力だよ」チャキッ……




半蔵のライフルが絹旗に向けられる。

絹旗は、全速力でその場を離脱した。






ドォォンッ!!!
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:51:23.21 ID:tNfWlNpq0
廃校舎 グラウンド




麦野「やけに静かね……やられちゃってんじゃないでしょうねあの子」




グラウンドで一人、半蔵が出てくるのを待つ麦野がいた。






ドォォン……





ふと、校舎の中から微かに銃声が聞こえてきた。


麦野「……一発だけか。さっきの銃とはまた少し違うのかしら?」




麦野が校舎へと注意を向けたその瞬間






ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!!!!
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:53:42.89 ID:tNfWlNpq0
麦野「…………ウソでしょ?」





約100mくらいに横に広がった建物の3分の1ほどが、火柱に包まれ崩壊した。





ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォオオ…………




麦野「オイオイ……ちょっと待ちなさいよ。
さすがにこれはないでしょ……だって銃よ?ただのちょっと威力のある銃」



エグドラシル戦の時よりは、遥かに威力も規模も小さいが
本来の破壊力を知らない、かつ脅威的な破壊力を見せつけられた麦野はひどく混乱していた。
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:54:54.86 ID:tNfWlNpq0
麦野「ていうか絹旗……アンタ死んでないでしょうね!?
こんなゲームで死んでちゃ笑い話にもなりゃしないわよ!!」




燃え盛る、崩壊した廃校舎の一部を見つめ麦野が叫ぶ。





ガラガラガラガラ……



ガバァッ!!!!





絹旗「ブハァッ!!!ちょ、超死んだかと思いました!!
ていうか熱っ!!熱いです!!助けて麦野ー」ギャー!!




瓦礫の中から、絹旗が這い出てきた。思ったより無事なようだ。
炎に囲まれ今にも死にそうだが。
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:55:54.80 ID:tNfWlNpq0
麦野「ハァッ……心配させんじゃないわよアンタ……」



バシュッ


ゴォォォオオッ



絹旗「グヘェェェェェェッ!!!」ズザァァァッ!!




麦野は絹旗に向け、超手加減した原子崩しをぶつけ、絹旗を瓦礫の中から吹き飛ばした。

といっても、絹旗のような防御力が無ければかなりのダメージのレベルだが。



絹旗「アイタタタタ……もうちょっと優しく助けてくださいよ麦野!!
私以外だと、あれだけで超KOですよ!?」ウガー!!



麦野「アンタだからあーやったのよ。手っ取り早いでしょう?」ハァッ……
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:57:01.36 ID:tNfWlNpq0
麦野「で……少しはヤツの能力についてわかったことはあったの?」




絹旗「そうですねー……何かサイコロ投げてましたよ?
そういえば、最初に銃を出した時もサイコロ投げてた気がしますけど」



麦野「サイコロねぇ……そんでアンタが校舎に入ってちょっとしたら銃声したし。
サイコロが銃を出す条件で、制限時間あり。
復活するまでの時間は大体2-3分ってとこかしら?

中々トリッキーな能力じゃない。浜面や上条並みにレア能力なんじゃないの?」



半蔵「驚いたな。
あれだけのやりとりでもうそこまで把握されたのか。こりゃ厄介だな」



いつの間にか、半蔵が麦野達の目の前に立っていた。

263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:58:37.72 ID:tNfWlNpq0
麦野「ホント、トリッキーねぇ……いつの間にいたのよアンタ」



半蔵「こう見えて、俺は忍者の末裔だからな。隠密行動は、お手の物さ」ニンニン



麦野「その割には、あんたの能力は隠密さの欠片も見当たらないけどね。
派手過ぎよ、さっきの火柱にしても」



半蔵「いやー、あれでも全力で威力抑えてんだけどな」




麦野「……危険すぎるわね、アンタ。こんな序盤で当たりたくなかったわ」



半蔵「まぁそういうなよ。所詮ただのゲームなんだ。楽しんでいこうじゃねぇか」スッ……



ポイッ



半蔵の手からサイコロが投げられる。



サイコロの目は5を指している。
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 21:59:30.26 ID:tNfWlNpq0
半蔵「5か……ま、これくらいならちょうどいいんじゃないかな?」
ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ




半蔵の右手には、いつの間にか真っ白なサブマシンガンが握られている。





絹旗「麦野……何かコイツからは、超逃げたほうがいい気がしませんか?」




麦野「逃げたきゃ逃げていいわよ?私はコイツの正体に興味があるの。
アンタ、ただの参加者じゃないわよねぇ?半蔵クン?」




半蔵「……何でそう思うんだい?」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 22:00:37.02 ID:tNfWlNpq0
麦野「アンタからは、このゲームに勝ち抜きたいという意思も、私達を倒すという意思も感じられない。
絹旗もあの通りピンピンしてるしね。
少なくとも、優勝狙いでこのゲームに参加してるわけじゃないわね」




半蔵「まいったなぁ……アンタの前じゃ隠し事はできないようだ」チャキッ




半蔵が、右手のサブマシンガンを麦野に向ける。




麦野もいつでも動けるように身構えている。




半蔵「そうだな……この銃が消えるまであと40秒。
それまで倒れなかったら教えてやるよ。俺達の正体をな」
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 22:03:57.17 ID:tNfWlNpq0
投下終了です。


とりあえず、絹旗では、能力使用時の半蔵には手も足も出ないってことですね。


もしかしたら、後で同時刻の浜面VS駒場を投下するかもしれません。


やるとしたら、今日中にやるので、0時越えるまでに投下してなかったら多分寝てますのでご了承を。
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 22:08:56.00 ID:/37xqXiN0


絹旗弱すぎるwww
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 23:12:55.24 ID:5PHy+kM10
1もさぁ
おもしろくないし
つまらないssかくな

269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 23:42:23.05 ID:kGMHUe7m0
投下には間に合わなかったけど面白かったよ!
乙!!

やっぱ半蔵つえーなwwwwww
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 23:42:57.65 ID:tNfWlNpq0
1です。ある程度まとまったので投下します。

何故かいくら更新押してもさっき投下したのが出てきません。
レスしてくれた人、すいません。明日にはレス返します。
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 23:47:05.16 ID:kGMHUe7m0
おお!待ってたら出くわしたヽ(*´∀`)ノ
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 23:52:30.19 ID:tNfWlNpq0
更新できたー。レスありがとうございます。

>>267
相手が悪かったってことで……絹旗も大分レベルアップしたのでいつか活躍しますよ多分。

>>268
面白いの書けるよう頑張ります!!

>>269
ここまで来たら、いかに半蔵を強くさせるかにこだわりたいですww
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 23:53:47.23 ID:tNfWlNpq0
佐天が結標に上空に飛ばされた頃

麦野と半蔵の戦いが始まった頃





麦野達から1kmほど離れた道路





ドガァァァァァァァァァァァァアアアッ!!!!!



浜面「グァァァァァァァアアアッ!!!」ズザァァァッ!!


強烈な打撃音と共に、浜面が吹き飛ばされ、アスファルトの道路を滑っていく。



目の前には、ガタイのよい、フランケンシュタインのような大男、駒場がゆっくりと歩いてくる。
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 23:55:39.61 ID:tNfWlNpq0
駒場「その程度なのか?新米勇者殿……
半蔵からは期待できる男と聞いているのだがな」



冷静沈着かつ、威圧感のある声が浜面へと放たれる。




浜面「冗談じゃねぇや……アンタにとっちゃその程度でも、こっちにとっては結構マジでやってんだけどな……」グググ……



立ち上がろうとする浜面の身には、メタルスライムの鎧が纏われている。

すなわち、かつて戦った魔人デュランと互角に競り合った力で駒場と相対しているのだ。

それでもなお、浜面は駒場に押されている。
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 23:57:08.02 ID:tNfWlNpq0
浜面「ウォォォォォォォォオオオッ!!!!」ダッ!!



浜面は真っ直ぐ駒場へと向かっていく。手にはメタルスライムの剣を持ち、駒場へと斬りかかる。



ガキィィィィィィィィィィィィイイインッ!!!




しかし剣は、鉄以上の硬度を持つ、駒場のグローブに防がれる。




浜面「まだまだぁぁぁぁぁああああ!!!!!」ブンッ!!



ギィン!!ギィン!!!ギィン!!!!ガキィィィィィン!!!!
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 23:58:25.59 ID:tNfWlNpq0
駒場「どうした?その程度のスピードしかでないのか?」



ギチギチギチギチギチッ!!!!



浜面「その程度って言われてもなぁ……普通の人間よりは断然速いハズなんだが。
アンタが速すぎんじゃねぇのか?」




再び浜面の剣と駒場の拳が競り合う。




浜面はかなり本気で斬りつけている。
デュラン戦の時のように死に物狂いではないとはいえ、それなりに本気で。

しかし、駒場へは一太刀も入らない。
しまいには、何発もカウンターを喰らう始末である。
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/21(日) 23:59:43.66 ID:tNfWlNpq0
浜面「人間がただ鍛えただけの力や速さじゃねぇな。アンタも能力者か?」




駒場「その通りだ。大した能力ではないがな。
ただ人より少し、傷の治りが速いだけだ。ただそれだけの能力」バッ!!




浜面と駒場が互いに離れる。



浜面「傷の治りが速いだけ?それだけなのか?
だとしたらその力と速さの説明がつかないんだが」



駒場「この工業都市には、戦いに赴く者の為に様々な道具が開発されているのでな。
中には、使用者の身体能力を著しく上昇させるものもあるのだ」



駒場が自身の服の袖をめくり上げる。
そこには、包帯のようなものにグルグル巻きにされた腕が現れた。
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:01:17.17 ID:1dGbAS+90
浜面「なるほどな。それを身体中に巻きつけることで身体能力があがるってことか。
いいなそれ。俺も欲しいんだけどどこに売ってんだ?」




駒場「これは非売品だ。そもそも欠陥品なのでな。
貴様が使えば、一度の使用で身体が壊れてしまうだろう」




浜面「はぁ?ちょっと待て。
ならなんでアンタは……そういうことか」




駒場「そういうことだ。俺の身体は、これを使用している間、常に破壊され再生されている。
故に俺のような能力を持った人間にしか使えないのだよ。
この『発条包帯』というモノはな」
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:03:08.72 ID:1dGbAS+90
浜面「バカ野郎が……例え再生能力があったとしても、痛みはあるんだろうが。
破壊される時にしろ、再生する時にしろ……」




駒場「それがどうした。この程度の痛み、我々の目的の為なら苦になどならんよ」ザッ、ザッ、ザッ






駒場が再びゆっくりと浜面に近づいていく。






ドォォォォォォォォォォォォオオオオンッ!!!!!!







浜面「なっ!?」



駒場「む!?」



浜面と駒場が一斉に轟音の鳴った方向を振り向く。
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:05:21.19 ID:1dGbAS+90
振り向いた先には、何やら大きな火柱が立っていた。
最近似たようなものを見たような……浜面の記憶の片隅に何かが引っかかっていた。




駒場「あれは半蔵か……全く、ヤツも加減というものを知らぬようだな。
あの様子では相手もタダでは済むまい」





浜面「半蔵……そうか!!半蔵の能力か!!」




片隅に引っかかっていたこと。
エグドラシル戦で半蔵が見せたライフルの能力の威力。
規模は小さめだが、あれと酷似していたのだ。
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:08:10.23 ID:1dGbAS+90
浜面「お前ら……俺以外にも似たようなことをやってんのか?力を試すとかいうことをよ……」



駒場「ああ、その通りだ。
基本的に、俺達は相手を殺す気はないが、向こうは殺す気で攻めてくるように仕向けている。
そうしないと、そいつの力を測れないのでな」



浜面「間違って自分が死んじまったらどうすんだよ……相手は殺す気でこさせるんだろ?」



駒場「別にどうということはない。
俺たちを倒せる程の力を持った人間が現れた。
それだけのことだ。
そして俺たちはそいつを探しているんだ。俺たちを超える力を持つ人間をな」



浜面「なるほどな……それがお前ら盗賊団の裏の顔か。何と無くわかってきたぜ」


駒場は再び歩みを進める。
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:10:22.28 ID:1dGbAS+90
駒場「俺たちはそれぞれ覚悟を持って動いている。
俺は、目的の為に、常に身を襲う激痛と共に闘い続ける覚悟をな。
それに対し、貴様はどうだ?浜面よ。
貴様は今、なんらかの覚悟を持って俺と対面しているのか?」





ポタッ、ポタッ




駒場の歩いた跡には、血が滴り落ちている。

発条包帯により、活性化された筋肉組織が膨れ上がり、内出血を起こし、血が滲みでているのだ。


しかし、その損傷はすぐに再生される。その身には激痛を残したまま。


しかし、駒場の表情は何ら変わらない。

その乏しい表情から何とか読み取れるもの。

それは浜面の力を見極める。
ただそれだけの為に駒場は歩みを進める。
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:11:28.71 ID:1dGbAS+90
浜面「そうかい……そんな覚悟、俺にはなかったな。謝るよ駒場。
今から俺は、本気でアンタを倒す。それで満足してくれるか?」



浜面は、メタルスライムの鎧と剣を解いた。



駒場「あぁ。そうしてくれると助かる」




浜面「じゃあ、とくと拝見してくれ。これが今の俺が出せる全力だ。
見せてやろうぜグリフォン!!!」



カッ!!!


ブワァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:13:28.66 ID:1dGbAS+90
駒場「…………そうか。これがお前の全力なのだな。ならば俺もその力に答えよう」ググッ……




駒場は腰を落とし構える。
いつでも、浜面へと向かっていけるように。
いつでも浜面を迎撃できるように。




目の前の浜面の身には、首からかかるマフラーのようなもの。

両手にはグリフォンをイメージした、隼のような鍔の双剣を携えていた。



見た目としては、先程のメタルスライムの鎧の方が強そうではある。
しかし、駒場も感じたのだろう。先程よりも一つ上の強さを。





瞬間、目の前から浜面の姿が消える。
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:15:44.95 ID:1dGbAS+90
駒場「ッ!?」バッ!!



ガガガガガッ!!!



一瞬で何度も斬りつけ、防がれたような音が聞こえた。



浜面「……このスピードでもまだ反応するのか。半蔵といい、お前らはどんだけなんだよ……」



ギギギギギギギギギギッ!!!



再度、駒場と浜面は剣と拳で競り合う。
今までと同じに見えるが、駒場の顔には多少の焦りが見える。



駒場「貴様……先程とはまるで動きが違うではないか。一体何があった!?」
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:17:23.70 ID:1dGbAS+90
浜面「半蔵から俺の能力については聞いてないのか?
俺の能力は、仲間の魔物の力を借りることなんだ。
借りる仲間を変えれば、力が変わるのは当然だろ?」バッ!!




浜面と駒場が互いに離れる。





浜面「さっきの鎧の力は、攻守速の万能タイプってとこだ。
そんでこれはグリフォンの力と俺の力を掛け合わせた力なんだけどよ。
どうやらとことん、スピードに特化した力みたいなんだわ。
覚悟はいいか?駒場利徳。俺の全力を受ける覚悟はよぉ?」



浜面が両手の剣をクルクルと回す。
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:18:49.78 ID:1dGbAS+90
駒場「そうか……それがお前の力なのだな。
よくわかった。ならば、俺も全力で受けて立つとしよう」グググッ!!




ダンッ!!!!




強烈な踏み込み音の後、駒場の姿が消える。




ガキィィィィィィィイインッ!!!



大きな金属音と共に、駒場が姿を現す。
金属音の正体は、駒場の高速の右蹴りを浜面が双剣で受けた音であった。



浜面「オイオイ……お前、まだ速くなれたのかよ……身体は大丈夫なのか?」
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:20:45.83 ID:1dGbAS+90
駒場「問題ない。それよりも、自分の身を案じることだ。
まだまだ速く、重くなるぞ?俺の攻撃は!!」ブンッ!!




駒場の蹴り足が戻ると同時に、左のストレートが浜面を襲う。
浜面は、剣で拳を受け流しながら、身体を回転させ、そのまま片方の剣で駒場を横から斬りつける。



駒場が身を屈め、剣を躱すと、そのまま右手を地面につけ、勢いよく水面蹴りを放つ。




ダンッ!!!



一瞬速く、宙に飛んだ浜面は、空中で態勢を整え、下にいる駒場へと、落下しながら剣を振り下ろす。



水面蹴りで一回転した駒場は、回転した勢いそのままに、拳を頭上の浜面に向けて放つ。



再び、ガキィィィィィィィイインッ!!という金属音が辺りに鳴り響いた。



再度、剣と拳が衝突するが、どちらにも未だダメージは無く、お互い距離をとっての仕切り直しである。
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/22(月) 00:21:54.08 ID:hnIDFV1Lo
いちはちゅうがくせいかな?^^
はやくねたほうがいいよ^^
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/22(月) 00:32:03.04 ID:WQ0iA6WG0
1がきてたー

やっぱ駒場△
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:32:59.79 ID:1dGbAS+90
浜面「まいったな……この力はスピード特化なのに、このスピードにすらついてきてやがる。
お前も半蔵と一緒で、俺の数段上のレベルの世界にいるんだな」




駒場「俺はただの愚直なファイターにすぎない。
すぐに俺など追い越すだろう。お前には可能性がまだまだ眠っているようだ」




二人は、お互い、呼吸を整えながら、身体を軽く動かしつつ、ほぼ同時に姿を消した。
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:34:45.04 ID:1dGbAS+90
高速でお互い動き合う中、駒場が右足を軸に回し蹴りを放つ。


浜面は、その重い蹴りを双剣で受け止めるが、受け止めきれず吹き飛ばされる。


吹き飛ばされながら、浜面は腰に装着していたサブマシンガンを手に取り駒場へと撃ち出す。

パラララッという音が聞こえると同時に、駒場の姿は既に無くなっていた。



ふと横を見ると、吹き飛ばされている浜面と並走するように駒場が浜面に追いついていた。
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:46:19.17 ID:1dGbAS+90
浜面「どんだけ速いんだよテメェは!!!!」チャキッ!!



浜面が宙に浮いた状態で、再びサブマシンガンを駒場に向けるが、駒場の手で銃口を掴まれる。

怯まず、サブマシンガンのトリガーを引き、何とか駒場に隙を作ろうとしたが駒場は全く動じない。




ふと、浜面の襟元を駒場が掴む。



駒場「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」



ブンッ!!!!



駒場が叫びと共に、道路の側にあるガソリンスタンドへと浜面を投げ飛ばす。



ガッシャァァァァァァァァァアアアアンッ!!!!!



ガソリンスタンドの給油口の機械に突っ込んだ浜面は、そのまま店内へと突っ込んでいった。
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:48:16.34 ID:1dGbAS+90
壊れた給油の機械からは、ガソリンが噴き出ている。
どうやら使われなくなった後でも、ガソリンが溜まっていたようだ。




バキャァァァァァァァァアアアアアッ!!!!!




再び、駒場が何かを蹴り飛ばす音がした。
何やら鉄の塊のようだ。まるで車のような形をした……ていうか車だ。
道路に放置されていた廃車を駒場がガソリンスタンドへと蹴り飛ばした。


車はスタンドの中へ、一直線に吹き飛び、浜面へと追い打ちをかけるように、中へと突っ込んだ。



カチャッ……


ボゥッ……



駒場は、ポケットからオイルライターを取り出す。
そしてそれに火をつけ、そのままガソリンが噴き出ているガソリンスタンドへと投げつけた。



まばゆい閃光が走った瞬間、轟音と爆風が辺りを包んだ。
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 00:53:04.63 ID:1dGbAS+90
投下終了です。


書いてて思いましたが、駒場さん殺す気無いとか言っておきながら、思いっきりトドメ刺してんじゃん!!

つい、ツッコミ入れたくなりました。1の頭の中の半蔵と駒場さんが強すぎます。


次回の投下では、麦野VS半蔵と、浜面VS駒場が上手くクロスオーバーできるようにしたいもんですねぇ。

それではおやすみなさい。
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/22(月) 00:53:49.70 ID:/h5r9yaco
おつ
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/22(月) 06:31:45.75 ID:ohbLu04Q0


浜面さんもうワンちゃんだすしか
ないやん

自分も終了すっけど
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/22(月) 15:58:17.14 ID:dZYJ34v10
>>1はものすごくポジティブ
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 17:54:46.92 ID:1dGbAS+90
こんばんわ、1です。

引き続き、麦野、絹旗VS半蔵
浜面VS駒場の模様をお送りします。


>>296
ありがとうございます!!生で見ていただいてたみたいですね。

>>297
あれは、裏技みたいなもんですので。
そう簡単には使えない感じです。

>>298
ポジティブというか能天気なだけかと……w
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:01:47.83 ID:1dGbAS+90
廃校舎 グラウンド





ゴォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ……




グラウンドに一人立つ半蔵の目には、少し離れたところで、何かが派手に炎上しているのが見えていた。



半蔵「おおー。あっちでも派手にやってんなぁ。
誰だか知らねぇが祭りはこうでなくっちゃなぁ?お嬢さん達」




半蔵は、完全に崩壊した校舎の方を見ながら話しかける。



半蔵の手には既に、能力で出した真っ白なサブマシンガンはない。

制限時間を過ぎた為、消えてしまったのだが、彼が言った40秒の間、一体何が起こったのか。

それは、闘いを繰り広げた麦野、絹旗、半蔵にしかわからない。





ただ一つ言えることは、この崩壊の原因は半蔵ではない。
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:05:51.59 ID:1dGbAS+90
「チョロチョロ逃げ回ってんじゃねぇぞこのインポ野郎……テメェが勃たねぇからってケツ振ってぶち込まれんの待ってんのか?」




ガラガラガラガラ……




崩壊した校舎の中から、悪魔のような顔をした麦野が出てきた。
片手には、今回、今のところお荷物と化している絹旗を抱えて。





絹旗「し、死ぬかと思いました……いくらなんでも超やり過ぎですよ麦野!!」




麦野「しょうがないでしょー。アイツがちょこまか逃げ回るんだから。
数撃ちゃ当たるで行くしかないじゃない。当たらなかったけど」




半蔵「いやー……傍若無人とはアンタみたいな人の事を言うんだろうな……全力で逃げなきゃ死んでたよマジで」
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:07:59.14 ID:1dGbAS+90
この40秒間。



半蔵が能力で出したサブマシンガンを使う前に、麦野が霊装『アルテミス』を取り出し、ひたすら原子崩しを撃ち続けた。
それはもう、マシンガンのようにひたすら。



たまらず、半蔵は校舎の中へと逃げ出すが、壁など御構い無しに貫く原子崩しを前に、自身の履いている重力靴をフルに使いながら全力で躱し続けた。

なんせ、一発当たれば即アウトなのだから。



結果、折角のお披露目の機会となった、出目5の能力、サブマシンガンは、使う暇無くお蔵入りとなった。
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:09:45.20 ID:1dGbAS+90
半蔵「まいったな……こっちは、攻め続けるつもりで40秒って言ったのに、攻められるだけで終わっちまった」




麦野「あいにく、攻められっぱなしってのは性に合わないのよね。
戦闘でも、ベッドの中でもさぁ」










絹旗「え?麦野ってまだ処」


麦野「絹旗ちゃん?また辱められたいのかにゃーん?今度こそ嫁の貰い手なくなるわよ?」ニタリ……



絹旗「もう超ヤリまくりですよ麦野は!!ガバガバですよ!!」



半蔵「……うわぁ、引くわー……」



麦野「……やっぱりアンタお仕置き確定ね」


絹旗「ヤダァァァァァァァァァァァァアアア!!!!!」ビエーン!!
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:12:37.27 ID:1dGbAS+90
半蔵「さてと……約束通り40秒耐えた……というかむしろ俺が逃げ切ったわけだが。
どうする?俺たちの正体、聞いておくか?」




麦野「いいえ、結構よ。
別にそこまで興味があるわけでも無いし、アンタ全然本気でやってないから何か癪だし」




半蔵「さすがに本気ではやれねぇなぁ。
万が一殺しでもしたら、俺がウチの大将に殺されちまう」



麦野「あぁ、そう……なら少し本気を出してもらおうかしら。ねぇ?絹旗」
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:14:38.59 ID:1dGbAS+90
絹旗「オシオキヤダ。オシオキヤダ。オシオキヤダ……」ブツブツ


半蔵「ん?そのちっちゃい方が次はやるのか?
大丈夫か?さっきは死にかけてたけど」




麦野「……アンタこの子舐め過ぎなのよ。
今のこの子、下手したら、私や浜面より強いかも知れないわよ?」



半蔵「へぇ……そりゃあ、興味があるな。じゃ、ちょっと試してみるか?」チャキッ


半蔵は、普通のサブマシンガンを、両手に取り出した。






絹旗「オシオキヤダ。オシオキヤダ。オシオキヤダ……」ブツブツ


麦野「絹旗……アイツを叩きのめしたら、お仕置きやめてあげてもいいわよ?」ボソリ




絹旗「ッ!?」


ブワァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!



突如、絹旗の周りに白い靄が、大量に集まってきた。
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:17:19.63 ID:1dGbAS+90
半蔵「うおっ!!!何だこりゃあ!!!大気があの嬢ちゃんに集中して……
そいやあの嬢ちゃんの能力、『窒素装甲』って言ってたな。てことはありゃ窒素か!?」




麦野「正解よ。この子は、空気中の7〜8割を占める窒素を纏い、攻撃と防御を行うの。
そして、その能力には更に上があったのよ」バッ!!!




麦野が突如、絹旗から距離をとる。






ヒュォォォォォォォォォォォォォオオオオ…………




半蔵「ん?何だいきなり。ちょっと寒くなってきたな……」



絹旗の周りに冷たい風が吹く。
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:20:35.70 ID:1dGbAS+90
半蔵「何だこりゃ……寒い!!
今はもう6月に入るころだぞ!?何だこの寒さは!!」ブルブル!!




冷気が絹旗の周りから溢れ出す。
明らかに、さっきの能力とは違う。半蔵は身構える。





麦野「窒素ってさ……いつもは、空気中に酸素と一緒に紛れ込んでるらしいのよ。
そして絹旗は、空気中から窒素を集めて自分で纏っている。
この街に来て、いろいろ調べてわかったんだけどさぁ。
液体窒素ってのが存在するみたいなのよねぇ、世の中って」





半蔵「ッ!?」




半蔵はそういうことかと言う顔になる。そして、急いで絹旗から距離を取る。
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:23:14.37 ID:1dGbAS+90
麦野「その液体窒素を調べるとさぁ……
酸素と分離してからどうこうすることで作れて、何か気化熱とかで−200℃くらいまで熱を下げるって言うじゃない。

そんでこの子はピンと来たわけよ。
窒素を操る自分になら、自分でこの液体窒素を作りだし、操れるかもしれないってさ」




絹旗の周りがキラキラと光っている。

空気中の水分が凍りつき、太陽の光に反射しているのだろう。

中心にいる絹旗の可憐さも合わさって、とても幻想的な絵に見える。




麦野「ここに来るまでに行った特訓と、ここに来てからの勉強の甲斐あってさぁ。
見つけたみたいよ絹旗は。

自分で液体窒素を作り、操り、身に纏う術をさ」
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:25:37.56 ID:1dGbAS+90
半蔵「なるほどな……思わぬ掘り出し物を見つけちまったじゃねぇか。
ダイヤの原石をよぉ!!」スッ……




ポイッ




半蔵は、手にしたサブマシンガンを直し、サイコロを振る。

出目は5。

危うくお蔵入りになりかけた、真っ白な2丁サブマシンガンが再度出現する。







パキパキパキパキィィィィィィィィィィイイ……



空気中の水分が、もの凄い勢いで凍っていく音が聞こえる。





コォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


絹旗「……『窒素装甲ver2』ってとこですかね。
逃げてもいいんですよ?半蔵さん。
この能力、人に向けて使うには超危険ですからねぇ」


ォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオ…………
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:26:36.66 ID:1dGbAS+90
絹旗が、凄まじい冷気に包まれている。

かつて敵として闘ったケルベロスの冷気と同等。それ以上かもしれない。

自身の能力を深く知ることで、絹旗の力は、今までと似て非なる強力なものへと進化する。





半蔵「大将からの指令は麦野沈利だったが、予定変更だ。
こんな原石魅せられちゃあ、たまんねぇよなぁ!!!」チャキッ!!!




半蔵のサブマシンガンが、絹旗に向けられる。
パララララッ!!!という発砲音と共に、互いに人間として最強クラスの、矛と盾が激突する。
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 18:32:23.42 ID:1dGbAS+90
いったん休憩です。続きは21-22時くらいに投下します。



絹旗超進化の巻でした。

役立たずのままじゃあ終わらせません。
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/22(月) 18:42:39.22 ID:Hl2uKw220


駒場は強くてもいいんじゃね
一方通行追い詰めたし
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/22(月) 19:50:26.06 ID:ZACZnEnx0


役立たずはフレ…
いやなんでもない

314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/22(月) 20:18:27.49 ID:hnIDFV1Lo
もうちょっと価格の勉強したほうがいいよ
中学生とかならしょうがないとはいえ
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:15:08.44 ID:1dGbAS+90
そろそろ再開します。


浜面VS駒場サイドです。


>>312
1なりの駒場さんの強さをご覧ください。

>>313
フレンダも、工業都市の技術を利用して強くなってますよ。出番はしばらく先ですが……

>>314
まぁ、ぶっちゃけ理論なんて適当ですからねぇ……漫画みたいなもんですしwww


それでは再開します。
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:19:25.42 ID:1dGbAS+90
時は少し遡る。





麦野達の廃校から500mほど離れた道路

ガソリンスタンド






ゴォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ……



まだ日も高く明るいこの時間、さらに辺りを照らす炎が大きく上がっていた。
ガソリンスタンドが爆発し、生まれた炎は、延々の燃え盛っている。



駒場「これで……終わりとは到底思えぬのだがな。浜面よ」



浜面をガソリンスタンドへ吹き飛ばし、追撃に車を蹴り飛ばし
終いにはライターを投げつけ爆発させた犯人、駒場利徳は静かに佇んでいる。
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:29:15.36 ID:1dGbAS+90
この男の力は、少し人より、再生能力が高いだけである。


ただそれだけの能力を最大限に使うだけで、この男は、魔人デュランと競り合い、立派に勇者として名乗れるほどに成長した浜面を叩きのめした。



駒場「もしや、本当に終わりなのか?
そんな実力で、よくもまぁ世界を救う勇者を名乗ることができたものだな。
貴様程度の力なら、ここから先の地獄を味わう前にここで倒れておくのが正解かもしれん」





「…………は?」




ドォォォォォォォォォォォォオオオオオンッ!!!!!
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:30:33.92 ID:1dGbAS+90
そう駒場が告げた瞬間、ガソリンスタンドから爆発が起きる。



爆発と共に、一つの影が、炎上するガソリンスタンドから飛び出す。


影が駒場の前へと着地した。





浜面「好き勝手言ってくれるじゃねぇか駒場ァ……勝負はまだまだこれからだってのによぉ!!」




影もとい、浜面が駒場に対して叫ぶ。

舐められっぱなしでは終われない。

師匠である麦野譲りの負けん気が、浜面の闘争心に更に火を付ける。
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:41:31.78 ID:1dGbAS+90
駒場「ふっ……そうでなくてはな」スッ……



駒場が力を抜いたように立つと、再び姿を消す。



浜面「オラァァァァァァァアアアッ!!!!」ブンッ!!!



再び、浜面の剣と駒場の拳が衝突する。


猛烈な剣と拳のラッシュが双方から繰り出され、辺りには絶え間無く衝突音が流れていた。



駒場「どうするつもりだ?このままでは先程と同じ。
貴様が競り負ける展開になるぞ?」



ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガカッ!!!!!!


浜面「うるせぇ!!!今考えてんだよ!!
お前に一泡吹かせる方法をなぁ!!!」チャキッ!!
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:44:37.61 ID:1dGbAS+90
ラッシュの合間に、浜面がサブマシンガンを取り出す。

パララララッ!!!という音と共に十数発の弾丸が放たれるが、銃口の先から常に避ける駒場には当たらない。


浜面が頭上にサブマシンガンを投げつけ、再びラッシュを仕掛ける。

しかし、駒場は既に目の前にはいない。



ふと、背後から浜面の腰辺りを掴まれる。




駒場「隙だらけだぞ勇者殿!!」ブンッ!!!




そのまま、見事な放物線を描きながら、浜面にジャーマンスープレックスを仕掛ける。
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:46:05.21 ID:1dGbAS+90
浜面「クソがァァァァァァァアア!!!」



浜面は両手の剣を上にあげ、頭が地面に叩きつけられる前に、地面に剣を突き刺す。


とんでもない負荷が、浜面の腕にかかる。




浜面「グッ!!!!ウォォォォォオオオッ!!!!」バッ!!



駒場にブリッジの状態で抱えられたまま、浜面は負荷がかかり痺れた腕を上に伸ばし
先程頭上に上げたサブマシンガンをキャッチする。




駒場「!?」バッ!!!


バキィィィィィィイイイッ!!!!
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:49:53.87 ID:1dGbAS+90
すかさず、駒場は浜面を離し、体を回転させながら、浜面を蹴り飛ばす。

自動車を蹴り飛ばすほどの威力を持つ蹴りが浜面に襲いかかるが、サブマシンガンを持つ逆の手に握った剣で、直撃を避ける。
それでも相当のダメージだろうが。


そのまま、浜面は吹き飛んでいく。浜面の体は、道路脇に止まっていた自動車に突っ込んだ。



浜面「ガハァァァァァァァァァアアアッ!!!!!」ブハァッ!!!



浜面の口から苦痛の声が漏れる。
背中を強打し、呼吸が一時困難になっているのだろう。



駒場が追撃にとこちらに走ってくる。



浜面「出て来いアイアンゴーレムッ!!!!」


カッ!!


ブワァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:51:20.26 ID:1dGbAS+90
一瞬で、力を入れ替えた浜面の背後にアイアンゴーレムの両腕が現れる。




浜面「これならどうだよこの野郎ォォォォォオオ!!!!」ブンッ!!!




浜面の動きに合わせて、アイアンゴーレムの右腕が、駒場に殴りかかる。

それに駒場の体重を乗せた右ストレートが炸裂する。


アイアンゴーレムの右腕に、ヒビが入る。



浜面「グッ!!!マジかよ!!」ブンッ!!!



続いて左腕で殴りかかるが、駒場が右足を軸に、左足で回し蹴りを炸裂させる。


アイアンゴーレムの左腕は大きな音を立てて粉砕された。


浜面の左手に付けられた黒い籠手が破壊される。
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:53:48.12 ID:1dGbAS+90
浜面「もういっちょ右だぁぁぁぁぁぁああ!!!!」ブンッ!!!



怯むことなく、浜面の右手が動き、同時にヒビ割れたアイアンゴーレムの右腕も動き出す。



駒場「愚かな……粉々にされないと気がすまないのか?」ブンッ!!



駒場が再び拳で迎え討つ。


衝突する瞬間、アイアンゴーレムの右腕が消える。


駒場「なっ!?」


浜面「ガラ空きだぜ駒場ぁぁぁぁぁああ!!!!」チャキッ!!




駒場の目の前には、アイアンゴーレムの力を消し、その瞬間、両手にサブマシンガンを構えた浜面がいた。
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:56:14.03 ID:1dGbAS+90
パララララッ!!!!
パラララララララララララッ!!!!!



両手のサブマシンガンから、一斉に駒場へと弾丸が撃ち出される。



攻撃が完全に空回りした今の駒場になら当たるハズ。
浜面は一太刀喰らわせたと確信する。



しかし次の瞬間、駒場の姿が、目の前から消えた。



浜面「…………マジかよ」




浜面が辺りを見回すと、駒場が頭上に飛び上がり、こちらへと降下している。



ズンッ!!!という重量感のある着地と共に、駒場の左手が浜面の顔を鷲掴みする。
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 21:58:46.85 ID:1dGbAS+90
浜面「…………やっぱ強えな、アンタ……」




ブンッ!!!


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!



駒場は無言で浜面を鷲掴みにしたまま
先程浜面が吹き飛ばされ、叩きつけられた車へと、もう一度叩きつける。





浜面「ガハァッ……!!」






駒場「そろそろ限界が近いようだな……
浜面、貴様はよく闘った。
垣根は怒るだろうが、健闘を称え、俺が決着をつけてやる。ゆっくり休むがいい」スッ……



駒場が、浜面との勝負に決着をつけようと、拳を振り上げる。





パララララッ!!!!!パララララッ!!!!!


パキパキパキパキィィィィィィィィィィイイイッ!!!!



ふと近くから、銃撃と何かが凍るような音が聞こえてきた。
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/22(月) 22:05:42.12 ID:1dGbAS+90
投下終了です。



駒場さんの強さはこんな感じです。
いいですよね。別に強過ぎても。
結標に完封してましたもんね、駒場さん。
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/10/22(月) 22:29:36.71 ID:OFtcvSyE0


別にいいんじゃねえ?
流石にレベル5クラスってなるとちょっとなってのはあるけど
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/22(月) 22:40:20.20 ID:dZYJ34v10
駒場△  
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/23(火) 01:33:26.29 ID:M0ydSvp+0


駒場さん倒すには圧倒的火力しかないのよね

331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:18:05.63 ID:t7mS9vsx0
こんばんわ、1です。


>>328
レベル5か……そんな枠組みとっくに外しちゃいましたよ……半蔵の強さ弄った時点で。

>>329
駒場さんには、いっぱい活躍してほしいもんです。脇役好きな1としては。

>>330
まぁ、今はガチ殺し合いじゃないので、あまり火力出せないのが残念なとこですね。


それでは、ゆっくり投下します。

今日は、絹旗VS半蔵がメインです。
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:19:39.84 ID:t7mS9vsx0
時は少し遡る。





廃校舎 グラウンド




コォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ……


冷たく、凍えるような空気がグラウンドに流れる。

絹旗が纏う、液体窒素装甲の影響で、周囲の温度が著しく下がってきているのだ。

既に、絹旗の周りには、地面から氷柱が伸びている。




半蔵「とんでもねぇ隠し球持ってたんだなぁ、お嬢ちゃん。
流石に俺もビックリしたぜ」




絹旗「麦野のお仕置きを回避できるかどうかがかかってるんです。
超温存なんかしてられませんよ!!」ダッ!!



絹旗が、半蔵へと飛びかかる。
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:23:19.13 ID:t7mS9vsx0

半蔵「いきなりかよ!?いくらなんでも不用意だぜお嬢ちゃん!!」チャキッ!!


パララララッ!!!!
パララララッ!!!!



半蔵の両手のサブマシンガンから魔力のこもった弾丸が放たれる。



弾丸は、ほぼ全弾、絹旗へと命中した。




いくら窒素装甲でも、これだけの数の、魔力のこもった弾丸なら受けきれまいと半蔵は考える。



半蔵「チッ!!これでも届かねぇのか……」



考えが甘かったようだ。

全ての弾丸は、絹旗には全く届いていない。
先程までの窒素装甲同様、窒素の膜に防がれている。
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:28:05.92 ID:t7mS9vsx0
半蔵「だけどよぉ……これはただの弾丸じゃないんだぜ?」スッ……




半蔵が指をパチンッ!と鳴らす。



絹旗「!?」カッ!!



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!


その瞬間、絹旗の方から閃光が走り、何十発もの小さな爆発が起こる。








麦野「へぇ……そのサブマシンガンってヤツ、弾丸の一つ一つが爆弾みたいなもんなのね?」



半蔵「正解だ、お嬢さん。
サイコロの出目5の能力。この銃から発射される弾丸を爆弾と化し、リモコンのようにどの弾丸も、好きなタイミングで爆破させる能力だ。今回は、威力抑えてるけどな」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:29:25.64 ID:t7mS9vsx0
麦野「怖い能力ね……でも、今の絹旗にそんなの効くのかしら?」




爆破による煙が晴れてくる。





絹旗「…………今何かしましたか?半蔵さん」



絹旗には、傷どころか、汚れ一つついていない。




半蔵「オイオイ……あれでも通用しねぇのかよ。
纏っている窒素を全部吹き飛ばすつもりだったのによぉ」チャキッ!!


再び、半蔵は絹旗にサブマシンガンを向ける。




絹旗「そう何度も超喰らうわけないでしょう!!」ダンッ!!
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:30:55.59 ID:t7mS9vsx0
絹旗が半蔵の頭上高くに飛んだ。
窒素装甲を利用した、身体能力向上は無くなっていないようだ。




半蔵「空中じゃあ方向転換できねぇだろ?いい的だぜお嬢ちゃん!!」チャキッ!!



半蔵が、頭上の絹旗へ銃口を向ける。



絹旗「それはどうなんでしょうね!!!!」ダンッ!!



その瞬間、絹旗が素早く、足場の無いハズの空中で方向転換する。



半蔵「何!?一体どうやって!!」バッ!!



突如、方向を変えた絹旗へと、照準を向け直す。

パララララッ!!!!!
パララララッ!!!!!
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:32:18.76 ID:t7mS9vsx0
パキパキィィィィィィィィィィイイッ!!!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



その時、突然、半蔵の目の前に、巨大な氷の塊が現れる。


絹旗を狙った銃撃は、その氷の塊が壁となり防がれる。



絹旗「ウリャァァァァァァァアアアアッ!!!!」ブンッ!!!



絹旗の叫び声と共に、壁となった巨大な氷の塊が砕け、大小の無数の破片が、散弾のように、半蔵へと襲いかかる。



半蔵「チッ!!」バッ!!


ドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



咄嗟に躱したおかげで、氷の破片は半蔵に当たらず、グラウンドに突き刺さる。
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:34:04.91 ID:t7mS9vsx0
パララララッ!!!!
パララララッ!!!!


再び、半蔵は絹旗に向けてサブマシンガンを放つ。



絹旗「何度やっても超同じことですよ!!!」バッ!!



その銃撃とほぼ同時に、絹旗は、しゃがみ込んで地面に両手をつく。


パキパキィィィィィィィィィィイイッ!!!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!




その瞬間、絹旗の周りを囲むように、巨大な氷柱が地面から生え、またも絹旗を守る盾となる。
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:36:08.00 ID:t7mS9vsx0
半蔵「またかよチクショウ!!」パチンッ!!


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!



ガッシャァァァアアンッ!!!というガラスが割れるような音と共に、弾丸の爆破によって絹旗を守る氷柱の盾が砕けていく。

その瞬間、砕けていく氷柱の中心にいる絹旗から、拳大の大きさに固定された液体を、放物線を描くように、ポイッと投げつけられる。





半蔵「アレは……マジかよ、嘘だろオイ!!」バッ!!




半蔵が全速力で逃げる。



パシャァァァァアアッ…………
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:39:48.77 ID:t7mS9vsx0
パキパキパキパキパキパキパキパキィィィィィィィィィィイイッ!!!!!



液体が地面につき、水風船が割れるような音がした瞬間
その周囲10mほどの何もかもが、一瞬で凍りついた。




半蔵「ハァッ、ハァッ、マジで危ねぇ……
あの嬢ちゃん、守り一辺倒かと思ったら、とんでもねぇ爆弾持ってやがった!!」


10mほどの範囲内には動くモノなどありはしない。
どんな人間だろうと、どんな生物だろうと。
おおまかに言えば、分子単位で動くモノは存在しない。



麦野「うわぁ…………初めて絹旗の新しい能力見たけど、こんなエゲツない力だったのね……
全部、本当に何もかも凍っちゃってるじゃない……」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:42:54.92 ID:t7mS9vsx0
液体窒素というものは、大気の8割近くを占める、窒素を液化したものである。


液体から、気体へと変わることを気化と言うが、簡単な例として、水が完全に気化するには、100℃ほどの熱が必要である。


しかし、液体窒素が窒素へと気化する温度は−200℃近く。
つまり、裏を返せば、通常では決して、窒素は液体にはならないのだ。


しかし、絹旗の能力で、大量の窒素のみが集められ、更にそれを圧縮することで、温度など関係無しに、絞り汁のように、液体窒素が生まれる。



その液体窒素は、大気に触れた瞬間から、窒素に戻ろうと気化を始める。

そしてその時、周囲からとんでもないスピードで、あらやる熱を、エネルギーを奪うのだ。
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 22:45:11.69 ID:t7mS9vsx0
つまり、絹旗は、−200℃という、分子レベルで動くものが存在しない
絶対零度状態に近い空間を自分で作り出すことが出来る。


例えSSランクの魔物、魔人でも、魔術、魔力で絶対零度状態を作り出すことは容易ではない。


自身の窒素を操るという力をとことんまで突き止めた結果、驚くべき力を絹旗は身につけたのである。





絹旗「ちょっとやり過ぎちゃいましたか。すいませんねぇ……まだ新しい力の使い方に超慣れてなくて」


半蔵「やり過ぎなんてもんじゃねぇよ。下手すりゃ一瞬で凍てついて粉々になっちまう。
かすっただけでも、凍傷でその部分は壊死しちまう。
なんちゅう物騒な力だよ全く……」
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:04:51.76 ID:t7mS9vsx0
絹旗「アナタにだけは超言われたくないんですが……
さっきの爆発する弾丸も、前の私だったら大ダメージですよ」パキパキィィィィイイッ……



絹旗が半蔵へとゆっくり歩みを進める。歩を進めるたびに、何かが凍りつくような音が鳴り響く。



シュゥゥゥゥゥゥゥゥウウ…………



半蔵の持つ、真っ白なサブマシンガンが制限時間を超え、消えていく。



半蔵「時間切れか……こりゃあいよいよヤバイかもなぁ」
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:27:47.50 ID:t7mS9vsx0
絹旗「素直に降参したらどうですか?今なら超普通の窒素パンチ一発で許してあげてもいいですよ?」




ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

半蔵「いや、遠慮しとくよ。まだ俺には手が無いわけじゃあ無いからな」

ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


半蔵から、とんでもなく異質なオーラが放たれる。





絹旗「へぇ……どうするんですか?超普通の銃だったら絶対に私には届きませんよ?」ジリッ……


絹旗に緊張が走る。
今の自分はそう簡単にやられはしない。

しかし、わかっていても、絹旗にはどうしても不安感が拭えない。


相手はまだ何か隠しているのか?
あの校舎内で放った銃のような、非常識な威力のものが自分に向けられた時、果たして自分は耐えきれるのか?


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

半蔵「そうだな……とりあえず……」グググッ……

ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ



絹旗「ッ!?」バッ!!

半蔵が動くそぶりをした瞬間、絹旗の警戒レベルがMAXになる。



半蔵「逃げる!!!じゃあなーお嬢さん方!!」ダッ!!!



ダッダッダッダッ……


半蔵は、全速力で廃校舎のグラウンドから脱出する。
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:29:41.85 ID:t7mS9vsx0
絹旗「……あれ?」キョトン




麦野「あの野郎!!マジで逃げやがった!!!!!」





絹旗と麦野は唖然としている。
あれだけヒョウヒョウとしつつも好戦的だった半蔵が、あっさりと逃げていったのだ。




麦野「絹旗!!追うわよ!!
アイツの金玉捻り潰してやらないと気が済まないわ!!」




絹旗「超ガッテン承知です!!このまま逃がしてたまりますかー!!!」グググッ!!!



ドォンッ!!!!!




足に窒素を集中させ、爆散させることで得る推進力を利用し、絹旗は半蔵を追いかける。
後ろからは、麦野も続いて追いかけて行った。
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:31:16.40 ID:t7mS9vsx0
ダッダッダッダッ……



半蔵「さーて……このまま逃げ切れるのか、追ってくるか……
ある程度力は見れたから俺はもういいんだがなぁ」



廃校から脱出した半蔵は、長く続く一本の道路を、全速力で走り抜ける。



バシュゥ……

ゴォォォォォォォォオオッ!!!




半蔵「ウォォォォッとぉ!!!やっぱ追ってきやがったか!!」バッ!!



半蔵の背後から、麦野の原子崩しが襲いかかる。




麦野「逃がすかこのエセ忍者がぁぁぁあ!!!」バシュゥ!!バシュゥ!!


ある程度距離の空いた後方では、麦野が走りながら、原子崩しを撃ってきている。
もはや、殺しご法度のルールなんてお構い無しである。
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:32:36.27 ID:t7mS9vsx0
半蔵「チクショウ!!何とか反撃してやりてぇが、能力が使えねぇ今の状態じゃ簡単に達磨にされちまう!!」ダッダッダッダッ!!



半蔵はひたすら道路を走る。
後ろから来るターミネーターを彷彿させる追跡者から逃れる為に。



パキパキィィィィィィィィィィイイッ!!!!!



背後から、何かが凍りつくような音が聞こえてきた。
後ろを振り向くと、半蔵が通ってきた道路が凍りついている。
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:35:14.50 ID:t7mS9vsx0
絹旗「あれだけ超好き勝手やられて逃がすわけないでしょぉぉぉおお!!」スイーッ



凍りついた道路の上を、絹旗がスケートのように滑りながら追いかけてくる。

半蔵が走るスピードより、そのスピードはかなり速いようだ。
距離はグングン縮まっていく。





半蔵「それあの漫画のパクリだろ!?もはや何でもアリだなお嬢ちゃん!!!」ポイッ




背後に向かって半蔵が何かを投げつけた。



絹旗が見つめる地面に落ちたソレは、何やら缶のような形状をしている。
何かフレンダが同じような物を持っていたような……



ドォォォォォォォォオオオオンッ!!!!
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:37:21.46 ID:t7mS9vsx0
突然、缶が爆発し、辺りが爆炎に包まれる。

缶の正体は手榴弾であった。

そういえばこの都市に来た時
フレンダが色々買い漁っていた中に、同じものがあったなと、少し後ろから見ていた麦野は思う。




半蔵「これでちょっとは怯んだか?出来ればそのまま気絶でもしててほしいが」




半蔵が爆発した地点を見ていると、そこから再び、液体が固定されたようなものが半蔵へと投げつけるように飛んでいく。



半蔵「……またかよ!!」チャキッ!!




パララララッ!!!
パララララッ!!!


半蔵が咄嗟にサブマシンガンを取り出し、液体に向かって放つ。
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:39:05.01 ID:t7mS9vsx0
パキィィィィィィィィィィィイイイッ!!!!



弾丸を受けた液体は爆散し、その瞬間その周囲5mほどの空間が、完全に凍結した。



絹旗「チッ!!今度は超マジで狙いましたのに!!」



半蔵「だからそれ人に向けて使うなっつってんだろ!!
半端無く危ないんだよ!!!」ダッダッダッダッ!!!



絹旗「こんな超か弱い少女に爆弾投げつけるような人に言われたくありませんよ!!!」スイーッ




ドゴォォォォォォォォ…………


何処からか、何かを叩きつけたような音が聞こえてくる。
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:41:03.11 ID:t7mS9vsx0
半蔵「か弱い少女には俺だってあんなことしねぇよ!!
か弱い少女にはな!!!」ダッダッダッダッ!!!



絹旗「よーし!!今の言葉ちゃんと聞き取りましたからね?
麦野じゃありませんが、アナタの汚いモノを凍らせて粉々にしてあげますよ!!!」スイーッ!!



絹旗の追いかける速度が更に上がる。



半蔵「ふざけんなー!!!まだ使って無いのに無くしてたまるか!!!絶対逃げ切ってやる!!」チャキッ!!



パララララッ!!!パララララッ!!!!


半蔵のサブマシンガンが絹旗に向けられ撃ち出される。



絹旗「超観念して、これからは乙女な半蔵ちゃんとして生きてくんですねぇ!!!」

パキパキパキパキィィィィィィィィィィイイイッ!!!!



辺りに半蔵の銃声と、絹旗の銃弾を凍らせる音が鳴り響く。



真っ直ぐ伸びた、一本の道路を走り抜ける二人の前に、一台のボロボロの車と二人の男の姿が現れる。
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:42:10.39 ID:t7mS9vsx0
半蔵「おっと!!ちょっと失礼するぜお二人さ……って駒場の旦那!!!」



駒場「お前は……半蔵か。何をしているんだこんな所で」



半蔵が、同じ組織の仲間である駒場利徳を見つけ、咄嗟に名前を呼ぶ。

よく見ると、駒場は戦闘中のようだ。相手は恐らく浜面だろう。



半蔵「いや、ちょっと厄介なのに追われてて……
やべ!!旦那!!一旦そっから離れろぉ!!!!」ダッ!!!



駒場「むっ!?」バッ!!!



駒場は、手に掴んでいた浜面を抱え飛び、自動車から離れる。
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:45:13.36 ID:t7mS9vsx0
絹旗「超ぉぉぉぉぉ喰らぇぇぇぇぇええええ!!!!!」ブンッ!!!



ガッシャァァァァァァァァァァァァァアアアアアアンッ!!!!!




絹旗が自動車を全力で殴りつけると、ガラスが割れるような音と共に
駒場と浜面が居た自動車周辺が、大きな氷柱群に覆われた。




駒場「なっ!?何だこの力は!!新たな能力者か?」


宙を舞いながら驚く駒場の、浜面を抱えるその力が緩んだことを、浜面は見逃さなかった。
その一瞬、浜面はサブマシンガンを手に取る。
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:47:19.76 ID:t7mS9vsx0
チャキッ!!



駒場「ッ!?グッ!!」バッ!!



不穏な気配を感じた駒場が、とっさに浜面を投げ飛ばし、腕で顔の辺りを、ガードする。



パララララッ!!!
パラララララララララッ!!!!


バスバスバスバスッ!!!!



駒場「グハァッ!!!」



放たれた弾丸は、駒場の全身に突き刺さる。
空中でバランスを崩した駒場は、そのまま地面に背中から落下した。



半蔵「旦那っ!!!」



絹旗「余所見をしてる場合じゃないですよ?半蔵さん!!!」グググッ!!



絹旗が自ら作り出した氷柱群の近くで、腰を落とし、力を溜めている。
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:48:47.33 ID:t7mS9vsx0
絹旗「オリャァァァァァァァァァァアアアッ!!!!」ブンッ!!!



絹旗の蹴りが氷柱群を砕き、大小様々な氷が半蔵へと飛んでいく。



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!



当たったのか避けられたのかわからないが、半蔵がいた辺りには、氷の塊が大量に突き刺さっていった。








浜面「ッ!?」チャキッ!!!


絹旗「ッ!?」バッ!!!



お互いの相手を一旦撃破した所で二人は、突如現れたお互いにとっての乱入者に照準を合わせる。


ここでようやく、二人はお互いの正体を認識する。
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:50:44.82 ID:t7mS9vsx0
浜面「お前……絹旗か?何だそのキラキラ光ってるのは」



絹旗「その冴えない顔に金髪は……浜面!!
浜面じゃないですか!!やっと会えましたね浜面!!!」



絹旗は、一旦別れたかつての仲間との再会に喜び、咄嗟に浜面に抱きつこうとする。



浜面「絹旗!!!……ってうぉ冷たっ!!!ちょっと待て絹旗!!!
何だお前その冷気!!!ちょ、ちょっとまだ近づくな!!」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:53:49.97 ID:t7mS9vsx0
絹旗「何ですか!!!せっかくの再会と言う感動的なシーンなんですから、こういう時くらい抱きつくのが流れじゃないですか!!

そういう空気も読めないから浜面は浜面なんですよ!!!」プンプン!!




浜面「ふざけんな!!!今お前に抱きつかれたら死ぬわ!!!
全身凍りついて粉々にされちまうっつーの!!!
なんだよお前のソレ!!!お前そんなことできたのか!?」




絹旗「?……あぁ、そういえば、今ver2状態でしたね。超うっかりです。
危うく浜面を、H/A/M/A/D/U/R/Aにするところでしたね」ヤレヤレ




浜面「どんだけバラバラになるんだよ俺!!
あっ、そっか。粉々になるもんな。やかましいわ!!!」
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:55:42.21 ID:t7mS9vsx0
絹旗「落ち着いてください。
心配しなくても、浜/面にならもうすぐなれますよ。ほら、もうすぐここに超やってきます」




バシュゥッ!!!



ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!




浜面「ウォォォォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!」バッ!!!




凄まじい轟音と共に、浜面へと大きなビームが放たれる。
このやりとりも久しぶりだなと、浜面は、命からがら思う。




麦野「あら、久しぶりね仕上。何とか生きてたみたいね?」



浜面「あぁ……今正に、死ぬところだったけどな。主にお前のせいで」



約3ヶ月ぶりに、浜面は、師匠である麦野グループと合流した。
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/23(火) 23:59:15.18 ID:t7mS9vsx0
今日の投下終了です。

浜面、麦野グループに合流です。


ちなみに、絹旗の新能力は、某少年漫画の、根掘り葉堀りという言葉にキレる人を参考にしています。
わかる人には多分わかります。
あの漫画では、1はその人戦が一番好きです。


それではおやすみなさい。
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/10/24(水) 00:02:03.99 ID:sDM1FQfw0
ああ…あの人か
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/24(水) 03:18:58.36 ID:F6n9gA9J0


浜面さんのツッコミのキレが
相変わらずで安心したぜ
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 15:20:05.52 ID:7DYEwSUS0

絹旗つええええええ
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 18:47:52.65 ID:G+ie0iOc0


ゴーグルの少年に出番を
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 20:42:49.56 ID:jQOpues/0
こんばんは、1です。
21時くらいに投下始めます。


>>360
えぇ、あの人です。クソッ!!クソッ!!

>>361
最近ギャグパートがないから寂しいです。

>>362
元になった人がめちゃくちゃ強いですからねぇ……

>>363
ん……うん。出ないな。
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:11:44.60 ID:jQOpues/0
とある高層ビル モニタールーム



心理定規「あらあら。どうやら、あの麦野って人と、半蔵の言ってた浜面って人は顔見知りみたいね。
半蔵達追い詰められてるみたいじゃない。大丈夫なの垣根?」



垣根「みたいだな。まぁ、あの二人なら問題ねぇだろ。
一番の心配は、駒場はともかく、半蔵がやり過ぎねぇかだ。
アイツがマジになって、しかもサイコロの1が出た日には、下手すりゃ19地区は壊滅だ。
俺だってアレが出てきた時には迷わず逃げる」



心理定規「あぁ……アレね。
確かにアレが出たら、少なくともあの人の100m以内には居たくないわね。
私としては、2も大概だけど」



垣根「そろそろ潮時かもしれねぇな……半蔵がやらかす前に、撤退させるとするか」ピッ、ポッ、パッ
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:12:49.38 ID:jQOpues/0
19地区 北側 道路沿いのガソリンスタンド周辺



プルルルルルルルル……


プルルルルルルルル……



浜面「ん?何か音しねぇか?」



麦野「あぁ、この都市の中で使える携帯電話ってヤツよ。
テレパシー能力みたいに、電波で声が遠くからでも伝わるの。
ある程度の距離なら、外でも使える無線機ってのも売ってたから、フレンダが大量に買ってたわよ」




絹旗「電話の音、あの浜面と一緒にいた大きい人から聞こえませんか?
ていうか、あの人生きてんですか?
浜面の銃弾、まともに喰らってたみたいですけど」
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:13:51.16 ID:jQOpues/0
浜面「ゲッ!!そういえば、モロに命中してたなアレ!!やべぇ、駒場!!生きてるか駒」




ガバァッ!!!!



浜面「うぉっ!?」ビクッ!!


麦野「ゲッ!?」ビクッ!!


絹旗「ウヒャアッ!?」ビクッ!!




地面に横たわっていた駒場の身体が、突然上半身が跳ね起きた。
まさにフランケンシュタインのような光景である。




ピッ


駒場「……駒場だ」

368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:14:45.62 ID:jQOpues/0
浜面「ビッ、ビックリしたぁ……何だよアイツ。ピンピンしてんじゃねーか。
ていうか何でピンピンしてんだよ!!!あんだけ銃弾喰らってただろアイツ!!」




麦野「ホントの不死身なのかしら……アンタの様子見ると、相当ボロボロにやられたみたいだし、そっちも化け物クラスとやりあってたのね」




絹旗「化け物は、半蔵さんだけで超充分過ぎます!!」




駒場「あぁ……わかった」ピッ


駒場が電話を切る。
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:15:41.35 ID:jQOpues/0
駒場「引き上げるぞ半蔵。目的は果たした。
俺たちの出番は終わりだ」



駒場が、地面に突き刺さった氷の塊の辺りを見ながら話しかける。
その直後、どこからともなく半蔵の姿が現れる。



半蔵「お、とうとうお役目御免か。あー助かった。
最後らへんはちょっと本気だそうかと思っちまったよ」




絹旗「そういえば、全然本気じゃなかったんですよねこの人……
こっちは超死に物狂いで追い詰めていったのに」



麦野「何かスッキリしないわねぇ……ま、こっちも出来れば相手をするのはゴメンだけどさ」
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:20:18.52 ID:jQOpues/0
浜面「なぁ駒場、半蔵。結局お前らの正体は何なんだ?お前らのホントの目的は?」




半蔵「んーそうだなぁ……言ってもいいか?駒場の旦那?」



駒場「今となっては別に構わない。信じるかどうかは知らんがな」



半蔵「じゃあ教えてやるよ、浜面。
薄々感じてるとは思うが、俺らの盗賊団って肩書きは、表向きなだけだ。
アレイスター側に、こっちの狙いを悟られないためのな」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:21:38.19 ID:jQOpues/0
浜面「あぁ……その辺は何と無く気づいてたよ。最初にお前とやり合った時からな」


麦野「大体、そんだけの化け物じみた実力で、ただの盗賊ってのが無理があんのよ」



半蔵「なら話が早いな。
俺や駒場、そして他の盗賊団『スキルアウト』のメンバーはある目的の為に動いているんだ」




浜面「ある目的?それが俺らの力を測るってことか?」



半蔵「まぁそれは目的へと繋がる手段なだけだがな。
しかし、とても大事なことだ。俺たちの目的はな、浜面……」









「魔王アレイスター軍を完全に殲滅する為に
勇者、能力者、戦士を世界中から集め、育成し、結託する。
それが俺たちの本当の目的の為の組織、『スクール』の目的だ」
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:35:35.12 ID:jQOpues/0
浜面「『スクール』……それはいわゆる勇者養成所ってことなのか?」



半蔵「まぁ、そんな表現で間違ってはいないな。
要するに、アレイスターの軍勢に対抗するため、俺たちも結託し、勇者、戦士の軍勢を作ろう!!ってことさ。
そして、俺や駒場は、『スクール』の核メンバーってわけだ」



麦野「なるほどね。だから私たちも、そのスクールってのに勧誘しようとした訳か」
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:36:36.41 ID:jQOpues/0
半蔵「その通りだ。
一般兵は、心意気があれば誰でも大歓迎だが、重要な作戦を行うメンバーは、誰でも大歓迎ってわけでもない。
あるレベル以上の強さが見込めなければ、簡単に死んでしまうからな。無駄な犠牲は無くしたいんだ」




絹旗「それで、私達は貴方達のお眼鏡に超かなったと言うできなのでしょうか?」




駒場「そういうことだ、十分な実力を見せてもらった。
貴様らの力、ぜひ貸してもらいたい。
既に人類滅亡のカウントダウンは始まっているのだ」




麦野「それはアレイスター軍の、総攻撃のことかしら?」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:37:37.99 ID:jQOpues/0
半蔵「ッ!?……驚いた、知っていたのか?」




麦野「こっちも、それなりに修羅場くぐってきたからね。
あと一年ほどで、アレイスターの総攻撃と共に世界は終わる。
アンタたちは、それを防ぐ為に動いているのね」



駒場「そういうことだ。一番の目的は、総攻撃前にアレイスターを倒すこと。
失敗した時の予防策として、この工業都市や日本だけでも守れるようにするのだ。
この島国なら、世界中の人間を避難させることも、人類の技術を守ることも出来るからな」
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:39:04.16 ID:jQOpues/0
半蔵「だから俺たちは、盗賊団に粉して世界中を駆け回り、あらゆる能力者や戦士を集めてるんだ。

最悪の場合、この国に避難させた人間だけでも守れれば、人類はまたやり直すことができる。

その為にも、多くの力が必要なんだよ。なぁ、お前ら。協力してくんねぇか?」




浜面「どうするよ麦野?」ヒソヒソ



麦野「アンタはもう、私達からは独立してんでしょ?自分の道は自分で決めなさい。
私らの考えはもう決まってるわ」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:40:07.93 ID:jQOpues/0
絹旗「え!?私まだ何も言ってないんですけど!?」



麦野「私がリーダーなんだから、私が決めるわ」



絹旗「ちょ、超横暴です……いや、別にいいんですけどね……」




麦野「私達は、アンタらの考えには賛成する。
だけど、アンタらの組織には入らないわ。
私達は、私達で好きに動く。まぁ、アレイスターをぶっ殺す作戦や、緊急時には、協力してあげてもいいけどね」




半蔵「なるほどな。指図は受けないってことか……
それでも構わないさ。もしもの時に協力してくれるだけでも大歓迎だ。
浜面、お前はどうだ?お前の考えを聞かせてくれ」
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:41:04.27 ID:jQOpues/0
浜面「そうだな……俺も不本意だが、弟子として付いて来てくれる子がいる身だからな。
悪いが、その『スクール』ってのに入る気にはならねぇ。
俺たちも、お互い連携しているヤツらがいるんでな。
ソイツは多分、この国だけじゃなく、世界中を守れなきゃ意味がないって言いそうだ」




半蔵「そうか……まぁ俺たちも、第一目標はアレイスター討伐だ。
出来ればその時には協力してもらいたいな」




浜面「あぁ、その時には俺達も駆けつけるよ。
そしてその為にはアイツ等の力が必ず必要になるだろうよ」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:41:51.76 ID:jQOpues/0
半蔵「アイツ等?それはお前が連携しているってヤツらか?」




浜面「あぁ……ちょーっと複雑な事情があるが、二人共、アレイスターを倒すには、恐らく欠かせない人材だ。



『幻想殺し』を持つ勇者、上条当麻。


『ベクトル操作』を持つ一方通行。


こいつ等がいてくれれば、百人力だと思うぜ?」





半蔵「ッ!?」


駒場「一方通行だと!?」ギリッ!!!



突然、半蔵と駒場から殺意が発せられる。
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:42:55.83 ID:jQOpues/0
浜面「な、なんだよお前ら怖い顔して……どうした一体?」



半蔵「浜面……お前、一方通行と繋がりがあったのか?」



浜面「繋がりというか……前に魔物の襲撃を喰らった時に、仲間の一人を助けてくれて
あとは俺等にアレイスターの総攻撃の情報を教えてくれたってトコだけど」




駒場「そうか……悪いことは言わん。
浜面よ。一方通行と関わるのは止めておけ」



浜面「な、何でだよ……アイツのこと、何か知ってんのか?
確かに元アレイスター側だってことは聞いたけど……」
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:44:12.12 ID:jQOpues/0
半蔵「俺たちはなぁ、浜面。
元々は、それぞれ勇者としてアレイスター討伐の為に旅をしていたんだ」



麦野「なるほど……それでその力か。納得が言ったわ。
アンタ達は、私達より遥かに格上の勇者だったのね」



駒場「我々の力は、既に成長のピークは過ぎた。
心配せずとも、いずれ、貴様らは我々を超えて行くだろう」




半蔵「そして俺たち核メンバーのほとんどはなぁ……
一方通行に半殺しにされ、その時の仲間を皆殺しにされてんだ。
俺も駒場も。仲間の結標も、ウチの大将の垣根もな」
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:46:00.90 ID:jQOpues/0
浜面「なっ!?」



絹旗「半蔵さんを半殺しって……あの白い人はどれだけの超実力者なんですか!?」



麦野「魔王軍時代の罪ってヤツか……
インデックスも言ってたわね。一万と31人が皆殺しにされたって」




浜面「だ、だけどアイツはもう魔王側じゃないんだろ?だったら……」



半蔵「だからはいそうですかと、俺等が信用すると思うか?それは無理な話だぜ浜面よ。
悪いが、アイツとだけは協力できねぇ。
いつ裏切るかもわからねぇし、裏切られたらその時は、人類終了確定だ。
アイツに対する、とっさの対抗策なんざありゃしねぇ」



駒場「貴様らも気をつけることだ。
ヤツの強さは何よりもデタラメで、ヤツの本性は、獣よりも残虐なものだ」



浜面「そうか……もうアイツは、そういうヤツじゃないって信じたいけどな、俺は」









サバイバル開始から1時間半経過



参加者15000人
残り3700人



浜面仕上

麦野沈利

絹旗最愛


続闘
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 21:48:25.80 ID:jQOpues/0
投下終了です。


半蔵達の正体編でした。


23時くらいに投下できそうならします。
0時回ったら多分寝てるので、その時はおやすみなさい。
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/26(金) 22:14:52.23 ID:q/6aZUMu0


コーヒー好きな旅人さん
どんだけ恨みかってるやら

そういや人間ばっか増えてきたので
たまには浜面さんのために
お色気モンスターを
バニーガー… いやなんでもなす
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:41:10.50 ID:jQOpues/0
1です。投下できそうなので、駆け足で投下していきます。


>>383
つ いっかくウサギ
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:42:40.76 ID:jQOpues/0
サバイバル開始から3時間後 18:00




ピンポンパンポーン



『皆さん元気にしてるかにゃー?』



気の抜けるような声が、19地区中に響き渡る。
ルール説明の時にいた、金髪サングラスの男の声だ。



『現時刻をもって開始から3時間経過したぜよ。
残ってる人も5分の1くらいになって、そろそろ相手とかち合うことも少なくなってきた頃だろう。
そこで、そろそろ活動エリアを狭めようと思う。
今から30分後に、19地区の外側から10?ほどのエリアを完全封鎖するにゃー。
該当エリアにいる選手は、急いでエリアから離れてほしいですたい』
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:44:14.76 ID:jQOpues/0
放送と共に、生き残っているものはそれぞれ動き出す。



外側エリアにいたものは、内側のエリアへと。


内側のエリアにいたものは、外側からくる人間を迎え討とうと準備を行う。




そして先程、駒場利徳との対決を生き延びたこの男、浜面は、外側エリアにいた。
それも、かなり端っこのほうに。



浜面「すっかり忘れてたぜチクショー!!!
そういや、どんどん範囲が狭くなるって言ってたなオイ!!」ダッダッダッダッ!!


浜面は、内側のエリアを目指すべく、古い建物の屋上を飛び移りながら走っている。
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:45:43.61 ID:jQOpues/0
先程まで『スキルアウト』のメンバーや、麦野達といた浜面は、再び別行動をとっていた。



麦野いわく

「折角の機会だし、アンタとは組まずに敵対のままにしときましょう?
次に会ったら問答無用で浜/面にしにいくから」ニィィィ……



と、なんとも邪悪な笑みで言われた。





アレから30分、浜面は誰ともかち合っていない。
既に、相当な数がリタイアしているのだろう。
人口密度が減ったため、かち合う機会が全くなかったのだ。




しかし、今、この時は、全参加者が動いている。
だからこそもちろん、参加者同士がかち合う危険は、爆発的に上がるのだ。




こんな風に。
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:46:56.30 ID:jQOpues/0
ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!



浜面「うぉぉぉぉぉおおっ!!あ、足場が!!」バッ!!



突如、浜面のいた建物が崩壊を始める。

崩壊する建物から浜面は、次の建物に飛び移る。




「おやおやぁ……久しぶりに獲物を見つけちまったねぇ。逃がしはしないよ?なぁエリス……」




ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!



浜面「チッ!!こっちもやられたか!!」バッ!!



浜面は、また別の建物へと飛び移る。

そして、その時建物の下を覗いた瞬間、浜面は見た。
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:48:50.69 ID:jQOpues/0
浜面「何だありゃあ……もしかして魔物か?何でここに魔物が……」



崩壊する建物の側には、瓦礫が積み重なり、人の形を成したような怪物の姿があった。



「魔物何かじゃねーよ。エリスは私の作品だ。
どうだい?中々イカした造形をしているだろう?」



怪物の側には、金髪ライオンヘッドの褐色の女性が立っている。
似合わないゴスロリ姿で。




浜面「なるほど。アンタは『人形師』ってヤツか?また珍しい系統の能力者がいたもんだな」


浜面は、建物の上から怪物と女性を見下ろす。

390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:50:09.31 ID:jQOpues/0
「『人形師』だぁ?そんなチャチなもんじゃねぇよ私は。
私の芸術は、ジャンルが多様化してるんでなぁ」スッ……



カッ、カッ、カッ、カッ……



女性が、手にオイルパステルを持ち、何やら文字を地面に書いている。




「とりあえず、いつまで見下ろしてんだよテメェは。
いい加減降りろ、そこから」カカッ!!



数秒で、女性がオイルパステルで、文字を書き終わる。




その瞬間、女性の周囲の地面が隆起する。
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:51:37.05 ID:jQOpues/0
浜面「なっ!?じ、地面が……おわぁ!!!」グラァッ!!



ズズズズズッ…………ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!!!





突如、浜面のいる建物の地盤が持ち上がり、建物がひっくり返るように倒壊していく。
辺りには、瓦礫と砂埃が舞っていた。




浜面「ゴホッ、ゴホッ……何だよあの女の力は。
あの怪物を作って操るだけじゃねーのか?」ガラガラ……




瓦礫の中から、砂埃に纏わりつかれながら、浜面が出てくる。




「ハァーイ。ようやく降りてきたわねクソ野郎」パチンッ



ブンッ!!!

ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!


突然、目の前に現れた女性が指を鳴らすと、背後にいた巨大な瓦礫の巨人が、浜面に拳を振り下ろしてきた。
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:53:44.65 ID:jQOpues/0
「へぇ……中々素早いじゃないの。やるわねアンタ」


拳の下には誰もおらず、少し離れたところに浜面は移動していた。



浜面「そんな簡単にやられるほどやわな鍛え方はされてねぇよ。
それより、アンタも内側のエリアに行かなきゃ行けないんじゃねぇのか?
どうだ?ココは仲良く休戦ってことに」




カッ、カッ、カッ


「却下ね」カッ!!



ドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!


浜面の足元から、土の槍のようなモノが出現し、浜面を貫こうとする。


しかし、浜面は既にその場から離れている。
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:55:37.30 ID:jQOpues/0
ブォン、ブォン……




女性の頭上には、浜面がスラ坊の、宙に浮くバイクに乗っている。



浜面「そうか。だったら俺一人で逃げるだけだけどな!!」ギュルンッ!!

ブォォォォォオオオッ!!!!


アクセルを全開にし、浜面は、戦線から全速力で離脱した。




「……チッ。流石にアレには追いつけないわね。
あの乗り物……もしかして、アレがステイルの言っていた珍しい能力者なのかしら?」



カッ、カッ、カッ

女性は、オイルパステルで自身の足元に文字を書く。
地面からは、土でできた鳥のようなものが現れた。

バサッ、バサッ

「中々面白そうなヤツじゃないか。
雑魚の相手も飽きてきたころだしね。ここらで少し、大物でも狩るとしようか」



女性は、創り出した鳥に乗り、内側のエリアへと向かう。
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:56:48.32 ID:jQOpues/0
サバイバル開始から3時間半経過



ピンポンパンポーン



『30分経過したにゃー。
そんじゃあ、外側から10?。これから完全封鎖を行うぜよ。

どうやら、この30分の間にも、かなりの脱落者が出たみたいだからな。
残っている選手諸君。最後の一人になれるよう、頑張ってくれよな』




絹旗「ふぅ……何とか超無事に移動できましたねぇ」


麦野「そうね。さて、行動範囲も狭くなったことだし、ドンドン他のヤツとかち合うことになるわよー」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:58:33.09 ID:jQOpues/0
『…………あ、一つ言い忘れていたにゃー。
これから数時間、ゲームを円滑に進める為に、こちらで用意した魔物を何体か放つことにしたにゃー。
そいつらは中々強力なヤツだからな。
自身のないヤツは、素直に逃げることをオススメするにゃー』





絹旗「……ですってよ?麦野」


麦野「魔物なんて放して大丈夫なのかしら?
まぁ、浜面のような魔物使いの能力者がいるなら可能でしょうけど」




ドゴォォォォォォォォォオオオッ…………


ギャァァァァァァァァァア…………


ヤ、ヤメロ、クルナ、クルナァァァァァ………





麦野「……大丈夫なのかしら?」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/26(金) 23:59:45.00 ID:jQOpues/0
内側エリア 19地区中心から北へ5?地点 児童公園




浜面「……魔物ってアレだよな?
放送直後に遭遇するってどんだけツイてねぇんだよ俺は……」




ゥゥゥゥゥゥウウウ……


イ、イテェェェェェェ……





浜面の目の前には、ベンチや、ブランコなどの遊具がおいてある
50mほどの大きさの公園の中で、数人ほど血だらけで倒れている光景があった。



その中心には、人型ではあるが、決して人には見えない魔物の姿が。
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:03:10.15 ID:+X/x9wOG0
浜面「うわ……超怖ぇなコイツ……俺には仲良くなれなさそうだ」



その魔物の容姿は、恐怖の一言である。



頭には、山羊の白骨化した頭部のようなモノに赤く光る目。
人の肉体をした両手には、1mほどの大きさの大剣を軽々と持ち、下半身は獣のように毛に覆われていた。






とある高層ビル モニタールーム



垣根「今回はどんなヤツを放したんだ?心理定規」



心理定規「一体は『山羊頭のデーモン』って子よ。<ダークソウル>
怖そうに見られがちだけど、意外に優しいのよ?あの子。
私を守る戦士さんって感じね」


垣根「お前の能力で仲間にした魔物のセンスはイマイチわかんねぇんだよな……
何だっけ?チェスの役割に合わせてジャンル分けしてるんだよな?」



心理定規「えぇ。私をキングに例えるなら……まぁあの子はポーンね。
弱いわけじゃないんだけど、特に特色も無いし。ランクもCくらいだしね。
でも、あの子にはポーンらしい一面もあるわよ?」
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:04:34.33 ID:+X/x9wOG0
ザッ、ザッ、ザッ……



山羊頭のデーモンが、ゆっくり浜面に近づいてくる。



浜面「んー……別に逃げてもいいんだけどよぉ、やっぱ一体一なら逃げるわけにはいかねぇよな。男として」チャキ……



浜面は両手に剣を構える。




ダンッ!!!

その瞬間、山羊頭のデーモンが浜面に飛びかかってきた。






山羊頭のデーモンが持つ、二本の大剣が、山羊頭と共に地上に振り下ろされる。



ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!!



強烈な破壊音と共に、公園の地面がひび割れる。
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:06:01.42 ID:+X/x9wOG0
浜面「なんちゅう馬鹿力だよ!!人間大の大きさのクセに!!」ダッ!!


着地後、隙が出来た山羊頭に浜面が追撃する。




ギロッ!!

瞬間、山羊頭の目がこちらを睨む。



浜面「イ"ィ"!?」キキキッ!!ダンッ!!




浜面が急ブレーキをかけ、真上に飛び上がった瞬間
山羊頭の片手に持った大剣が、ブンッ!!という音と共に、高速で横一線になぎ払われる。



浜面「あっぶねぇー!!!油断も隙もねぇなコイツは!!」チャキッ!!


浜面が背中からショットガンを取り出し、構える。
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:06:59.96 ID:+X/x9wOG0
ドォォンッ!!
ジャキッ!!



ショットガンの散弾が、山羊頭に放たれるが、山羊頭のもう一本の大剣が盾となり、散弾を防ぐ。




そのまま山羊頭のもう一つの大剣が、浜面に振り上げられる。



ガキィィィィィィィッ!!!



浜面は、ショットガンで大剣を受け止めるが、勢いに負け、そのまま公園のベンチの方向へ吹き飛ばされる。




浜面「イテテテ……攻撃の時の瞬間的な速さはデュラン並みか。そんで攻撃に重みもある。
俺みたいな接近戦タイプには、中々手強いな」
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:08:04.40 ID:+X/x9wOG0
ベンチの側で座り込む浜面に、追い討ちをかけるように山羊頭のデーモンが襲いかかる。



浜面は座り込んだまま、ゴロンと横に転がり、山羊頭の一撃目を避ける。



そのまま、横一線に、二撃目が放たれるが、後ろに転がりながら跳ね起き、難を逃れた。




浜面「さてと……能力を使うべきか、使わないべきか……ちょっと迷うとこではあるな。
元々腕試しなんだから、能力使わずどこまでいけるかってのには興味があるし」



場を離れた浜面へと、山羊頭のデーモンが視線を移す。
そのまま、再びゆっくりとこちらに歩いてきている。
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:09:06.44 ID:+X/x9wOG0
浜面「見たところ、実力的にはアイアンゴーレムと同じくらいか?
だとしたら、やっぱ能力使わずにいくしかないよな?」チャキッ



浜面は双剣を構える。
その瞬間、山羊頭のデーモンが凄い勢いでこちらに走りながら、両手の剣を振りかざしてきた。




ザクッ!!




肉に刃物が突き刺さる音がした。


浜面が片手を前に突き出している。その手には剣が握られていない。

山羊頭のデーモンを見ると、脇腹辺りに浜面の剣が突き刺さっていた。
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:10:02.84 ID:+X/x9wOG0
単純な話、ただ剣を投げて刺さっただけである。
もちろん、これだけで山羊頭の動きが鈍るわけでもなく、浜面のすぐ前まで迫ってきている。




浜面「ウォォォォォォォオオッ!!!」ブンッ!!



浜面が全力で剣を振りかぶる。
それを迎え討つように、山羊頭のデーモンも、両手の大剣を振りかぶる。





しかし、二人の剣が衝突することはなかった。



浜面は、剣が衝突する前に剣を引き、そのままスライディングするように山羊頭の大剣をくぐり抜けた。
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:11:21.51 ID:+X/x9wOG0
浜面「お前と力比べしても負けるのはわかってるんだ!!
だったら、まともに相手しなけりゃいい!!」ガシッ!!



浜面はスライディングしながら、山羊頭の懐に入りこみ、脇腹に刺さった剣を掴み、抉りこむように斬り抜けていった。



たまらず、山羊頭の膝が地面につく。
脇腹からは、大量に出血している。




その隙を浜面は見逃さない。

スライディングで背後に回った瞬間、脇腹に刺し、そのまま斬り抜けた剣を、思いっきり山羊頭のデーモンの背中に突き刺した。



山羊頭のデーモン『オゴォォォォォォォォオオッ!!!!』ゴフッ!!
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:13:11.76 ID:+X/x9wOG0
山羊頭のデーモンから、初めて声が発せられる。
声と共に、血を吹き出したようだ。




その時、山羊頭の大剣が、背中へ横一線に振られるが、それを躱した浜面は、背中に刺さった剣を握り、再び抉りこむように前へと斬り抜ける。




ドサッ……




山羊頭のデーモンの両膝が地についた。
もはや反撃の力は残っていないようだ。




チャキッ!!



浜面「お前、俺の能力みたいに誰かの能力で現出してんだろ?
なら死ぬわけじゃないよな?」




抵抗できない山羊頭のデーモンの頭に、浜面がショットガンを突きつける。





ドォォンッ!!!

ズシャァァッ……



ゼロ距離で放たれたショットガンの散弾を喰らった山羊頭のデーモンは
そのまま公園の地面の上で仰向けに倒れた。
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:14:25.85 ID:+X/x9wOG0
とある高層ビル モニタールーム





ピクッ……

心理定規「あら……早くも山羊頭の子、やられちゃったみたいね。垣根、相手は誰かわかる?」




垣根「あぁ、相手は半蔵お気に入りの浜面ってヤツだ。
しかも、能力使わずに、自分の力だけで倒しやがった。中々やるなぁ、コイツ」





心理定規「へぇ……やるわね。でも少し気の毒ね。
その浜面くんって人、しばらく安息の時間はないわよ?」クスクス……
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:15:35.76 ID:+X/x9wOG0
公園




浜面「さてと……駒場と戦ったことで、また少し強くなってるみたいだな。
この調子なら100人の中には残れるんじゃねえか?」




タッタッタッ……



浜面が去った後、公園には、倒れた山羊頭のデーモンと、山羊頭にやられた人々だけが残っていた。

やられた人々には、そろそろ回収班がくる頃だろう。




「イテテテ……スゲぇなあの兄ちゃん。
この化けモンを倒していきやがった」



やられた人の中の、一人の男が意識を取り戻していた。
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:17:50.59 ID:+X/x9wOG0
「しかし、救護班みたいなのはまだこねぇのか?
……なっ!?あ、あ……」ガタガタ




突如、男の身体が震え出す。





ォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ


山羊頭のデーモン「…………」


ォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ




男の目の前には、いつの間にか、浜面にやられたハズの山羊頭のデーモンが立っていた。
先程よりも、赤く、ルビーのように赤く光った目で、浜面の向かった方向を睨みながら。




あまりの恐怖に、男の意識は再びそこで消えた。










…………



心理定規「あの子、かなりタフで再生能力も高いのよね。
その上、やられる度に身体能力が上がるし、やられた相手にはとことん付き纏うから……
進化する戦士ということで、ポーンとしては最適な子なのよね。
下手したら浜面くん死んじゃわないかしら?……まぁ危なくなったら私が戻すけどさ」
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/27(土) 00:22:39.68 ID:+X/x9wOG0
投下終了です。


シェリーさん、強化して登場。


心理定規の能力、一部公開。


ダークソウルから、山羊頭のデーモン登場。


いろいろと急展開の投下でした。


ちなみに、ダークソウルの、山羊頭は復活したりは特にしません。


イメージとしては、バイオハザードのタイラントみたいな感じで、いくら倒しても追いかけてくるプラス、やられる度に強くなるというオリジナル設定で今後お楽しみください。


ではおやすみなさい。
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/10/27(土) 00:32:07.09 ID:65vYoZUH0
超乙です
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/10/27(土) 01:00:22.91 ID:vFxnM/jG0
乙です
浜面と心理定規の基本が似すぎだろ
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/27(土) 07:03:07.00 ID:iVOMONyl0


心理定規から山羊さんをntrする
浜面△になるんだろぅか
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/10/27(土) 08:17:32.44 ID:2ETRCSNro
乙です
山羊さんサイヤ人ですかいな
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:02:37.21 ID:lZn2BR0n0
こんばんわ、1です。


中々書ける暇が無くて、しばらくは途切れ途切れになりそうです。


少しですが、こっそり投下していきたいと思います。



>>410
超ありがとうございます!!


>>411
むしろ、ドラクエのモンスターマスターなら、心理定規や心理掌握とかのほうが浜面より断然あってますよね。心通わす感じが。


>>412
ntrかー。どっちにしようか正直迷うな……


>>413
最後には金色に輝く、伝説のスーパー山羊頭さんが現れるんですね?
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:21:44.75 ID:lZn2BR0n0
19地区 最初の広場周辺の道




駒場「やれやれ……どうにか封鎖エリアからは逃れたようだな……」



半蔵「気がついたら、19地区の端っこに居たからなぁ。
流石にあそこから走ってくるのは疲れたよ」




浜面、麦野、絹旗と別れた半蔵達は
封鎖エリアを逃れ、サバイバル開始時に集まっていた広場の近くまで戻っていた。




プルルルッ……

プルルルルルルルッ……




半蔵「鳴ってるぜ?駒場の旦那」



駒場「あぁ……駒場だ」ピッ
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:23:35.90 ID:lZn2BR0n0
結標「あ、もしもしー?駒場?
そっちに半蔵もいるのよね?貴方達どこらへんにいるのかしら?」



電話口からは、同じ『スキルアウト』であり、『スクール』の仲間である結標の声が聞こえて来た。




駒場「内側エリアの中心部辺りだ。どうかしたのか?」




結標「いえ、特にないわ。垣根から、次の指示があるまで、アンタ達と合流しておこうと思って。
それじゃあ、今からそっちに向かうわね」プツン…
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:24:44.01 ID:lZn2BR0n0
半蔵「結標からかい?旦那」




駒場「あぁ……次の指示がくるまで、こちらと合流するそうだ」



半蔵「次の指示かー。
今のところ、こっちの収穫は、浜面と麦野サンと、掘り出しモノの絹旗の嬢ちゃんか。
まだまだ今回はいるのかねぇ?強いヤツらは」




駒場「どちらにせよ、上位100人に関しては、全て勧誘していくんだ。
遅かれ早かれ、わかることだ」




シュンッ



結標「お待たせ。成果はあった?」


空間移動能力者である結標が、突然現れる。
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:26:19.54 ID:lZn2BR0n0
半蔵「上々だ。そっちはどうだった?」



結標「こっちもいい子が居たわね。成長性に期待できる子だったわ。
さて、これから指示があるまでどうしよっか」



半蔵「いっそのこと、俺らもこのゲームに軽く参戦するかい?
極力、相手にトドメを刺さないようにすりゃいいんじゃね?」



駒場「……お前の能力は、自分の意思で手加減しきれるモノではないだろう」フゥ……
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:28:15.15 ID:lZn2BR0n0
結標「ま、却下でしょうね。
……でも、普通に歩いてて、もし誰かとばったり会って、攻撃されたら……
その時は、仕方ないわよねぇ?」ニヤリ




半蔵「そうだな……正当防衛だよなぁ?」ニヤリ




駒場「……やり過ぎるなよ?お前達」ハァ……






サバイバル開始3時間15分経過





参加者15000人
残り1900人



服部 半蔵


駒場 利徳


結標 淡希




勝手に本格的に参戦
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:32:28.80 ID:lZn2BR0n0
浜面が山羊頭のデーモンと戦闘中



サバイバル開始から3時間35分経過




ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ




半蔵「お、向こうから誰か来るみたいだぜ?」ワクワク



結標「わかってる?半蔵。基本的には私達から先に仕掛けちゃダメだからね?」



半蔵「わかってるって。さぁ、一体どんなヤツかなぁー?」



ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ




「だ、誰かいるのですか!?」



駒場「むっ?」
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:35:13.86 ID:lZn2BR0n0
結標「あら、美人さんね。それにしても凄いスタイルね」



半蔵「こ、これは強敵みたいだな……主に胸の辺りの戦闘力が半端ねぇ……」ゴクリ……



半蔵達の前に現れたのは

長い髪を後ろに束ねて結え、左右非対称な丈の個性的な格好をした、ダイナマイトなバディを持つ女性であった。




「や、やっと話を聞いてくれそうな人に会えました!!
もう何時間も迷って迷って……それでお聞きしたいんですが、ココ、どの辺りなんでしょうか?」


422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:37:05.59 ID:lZn2BR0n0
………………




とある高層ビル モニタールーム




垣根「あいつ等勝手に動きやがって……」



心理定規「あらあら、大変ね、トップに人望がないと」クスクス



垣根「うるせぇよバカ野郎。
しかも早速、普通の選手と接触しやがってるしよ……
ん?あの姉ちゃん、どっかで見たことあるような気が」ハテ?



心理定規「あら、凄いスタイルね、あの人。
それにかなり個性的と言うか何というか……変な格好ね」
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:38:56.48 ID:lZn2BR0n0
垣根「変な格好のエロい体つきの姉ちゃん……
あっ!!思い出した!!あいつ等、初っ端からとんでもない大物と当りやがったな」


垣根は、何か思い出したようだ。




心理定規「どうしたの垣根?知り合い?」




垣根「あぁ、昔チラッと会ったことがあるんだがな……
あのエロい姉ちゃんは教会の人間だ。それもトップクラスのな……」





19地区 最初の広場




「いやー、助かりました。スタートしてから、ずっとこの辺りをウロウロしてたものでしたから。
たまに人を見かけても、問答無用で向かってくるからいつまで経っても道を聞けずじまいだったんですよー」
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:40:50.48 ID:lZn2BR0n0
半蔵「そういや、ココ、スタート地点の広場からそう離れてないよな?
どんだけ方向オンチなんだよこの姉ちゃん……」ヒソヒソ




結標「外の人間でしょ?こんな変な格好してるんだから。
田舎から都会に出てきた人みたいなものよ」ヒソヒソ




駒場「…………」.



スタッ、スタッ、スタッ、スタッ



「あ、ココ、最初の広場ですね?ありがとうございました。
これからは、下手に動かず、ここでジッとしておきます」ペコリ




半蔵「い、いや、ここでジッとしててもしばらくは誰も来ないと思うんだけど……」



「ハイ?それがどうかしましたか?」
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:42:33.07 ID:lZn2BR0n0
結標「貴女、このサバイバルの参加者でしょ?闘わなくていいの?」




「あー……私は付き添いみたいなものですから。
仲間の二人は開始早々はぐれてしまいましたので……正直、私はあまり結果には興味ないんです」



半蔵「残りってもう2000人切ってるよな?こんなんで、よく生き残ってたな、この姉ちゃん」ヒソヒソ



結標「あまり、誰とも会わなかったみたいだし、会った人も、弱い人だったんじゃないの?」ヒソヒソ
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:45:04.64 ID:lZn2BR0n0
「それではありがとうございました。貴方達も参加者ですよね?ガンバッてくださいね」ペコリ




駒場「……一つ、頼んでいいか?」



半蔵「ん?駒場の旦那?」




「はぁ……私ができる事でしたら少しは……」



駒場「少し、俺と手合わせしてくれないか?」




結標「はぁ!?」



半蔵「ちょ、ちょっと旦那!?」




「手合わせ……ですか?」



駒場「あぁ……お前からは、何やら不思議な力を感じる。
普通の人間とは違う、何やら温かく、光のような力を」

427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:46:32.37 ID:lZn2BR0n0
「……わかりました。それが貴方にとって、先程のお礼になるのなら……」スッ……



女性は、何処からか、とても大きな日本刀を取り出した。




半蔵「刀って……アンタ、日本出身の人だったのか?
それにしても馬鹿長ぇ刀だな、おい」




結標「……何やら、とんでもない大物の気配が漂って来たわね……さっきまでタダの迷子だったのに」




駒場「そういえば、まだ名前を聞いてなかったな。伺っておこうか」





「そういえば、そうでしたね。
『神裂 火織』。教会にて、女教皇の席に座らせていただいております。お見知り置きを」ペコリ
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:48:58.03 ID:lZn2BR0n0
半蔵「ゲッ!?」



結標「教会の人だったのね……しかも女教皇ってトップクラスの人じゃないの」



駒場「やはり、只者ではなかったか……」




神裂「それでは、参ります。くれぐれも、無茶はしないようにしてくださいね?」





………………




垣根「『神裂 火織』。
かつて、世界に20人。今はもっと少ないだろうな。
それくらい希少な『聖人』の力を持つ人間か。こりゃあ、あいつ等ボコボコにされんぞ?」




心理定規「止めなくていいわけ?」



垣根「勝手に動いたあいつ等の責任だ。
お灸を据えるには、ちょうどいいんじゃねぇか?」



心理定規「クス……酷いリーダーね、貴方」クスクス



垣根「聖人の力ってヤツにも少し、興味があったんだ。
この際だし、じっくり見させてもらうとするか」
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/10/30(火) 21:52:33.02 ID:lZn2BR0n0
今日の投下終了です。


元祖最強キャラ、神裂さんが本格的にバトルパート参戦です。


主人公サイド以外のインフレが止まりません。
主人公サイドが急激に強くなる予定も、特にありません。


このSSの主役は一体誰だったっけ……
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/10/30(火) 22:36:24.56 ID:Z/41KM4R0
乙です
メインは浜面、忘れないで
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/31(水) 00:03:01.86 ID:+rBM97yPo
何故だ...
神崎の口調がオルソラに見える...
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/31(水) 00:15:00.01 ID:5Sb1gG2z0


浜面さんと愉快なモンスター達が
一応主役だった気がする
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 16:15:20.59 ID:j3yajkGd0
主人公?そんなもん決まっているじゃないか?

   こ の s s に で る 全 員 が

    主  人  公 だ ろ?
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 18:38:34.31 ID:6rk3i+7/o
なにこいつくっさ
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 21:27:12.23 ID:/JOIqg0e0
こんばんわ、1です。


今日も主人公不在で、最強脇役達が暴れます。
禁書、人数多いし、一人一人主役級にキャラ立ち過ぎなんだよチクショウ……


>>430
>>432
そ、そうか。浜面が主人公か。……今回も出ないんだよな……

>>431
正直、1も神裂さんってこんなんだっけと感じました。
まぁ迷子の神裂さんも新鮮じゃないかってことで。


>>433
>>434
確かに青くさい……だが、それがいい!!


それではスタートです。
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 21:51:14.05 ID:/JOIqg0e0

サバイバル開始から4時間経過 19:00




19地区
最初の広場から東に3kmほど離れた、見晴らしのよい丘





絹旗「……あそこらへんにいるのって誰なんでしょうね?麦野」



麦野「さぁね……誰だか知らないけど、今、あの場所に近付きたくないことは確かだわ」




ドォォォォォ……




日も落ちようとしているころ

19地区の中心から少し離れた小高い丘のような場所で、絹旗と麦野は、最初の広場の辺りを見ていた。




その辺りでは、度々爆発音が鳴り響き、周囲の建物が時々崩れていっている。
まるで、あそこだけ、他とは別次元の闘いが行われているようだ。
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 21:53:07.21 ID:/JOIqg0e0
絹旗「私が知る限りでは、あんな超芸当ができるのは、麦野の原子崩しと、半蔵さんの能力なんですよね……
もしかして、半蔵さんが暴れてるんですかね?」



麦野「どうかしらね……でも、あいつ等は余り目立たないように動いてんじゃないかしら?
裏で暗躍するスカウトマンみたいなもんだからねぇ」




麦野達は、様々な憶測を始める。




後に語られるが、この時、最初の広場周辺では、とある何かによる、壮絶な闘いが繰り広げられていた。



しかし、麦野達には全く関係のない話なので、今は置いておこう。
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 21:55:41.51 ID:/JOIqg0e0
麦野「ところで、これからどうしよっか?あらかた片付いたみたいだけど」




麦野達の周辺には、様々な武器、格好をした、サバイバルの参加者が気絶している。
人数としては、15、6人といったところか。




絹旗「全く!!か弱い乙女にこんな人数で襲ってくるなんて、男の超風上にも置けない人達ですよ!!」プンプン



麦野「か弱いねぇ……私じゃやり過ぎるからって、ほとんどアンタが倒した気がするんだけど」




絹旗「見た目の話です!!
こんな可愛らしく愛らしい、私に斬りかかるなんて、ゲーム中じゃなければ、こんなもんじゃ超すみませんでしたよ」プンプン



自分でそこまで言うか普通、という顔で、麦野は絹旗を見つめる。
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 21:57:28.31 ID:/JOIqg0e0
麦野「まぁ、それはどうでもいいとして……そろそろ完全に暗くなるわね。

まぁ、月明かりもあるし、ゲーム中は、この地区にも所々明かりがついてるみたいだから、何も見えないなんてことはないけど」



絹旗「暗い上に、もうそろそろ、生き残ってる参加者も限られてくるんじゃないですかねぇ?
この人達みたいな、雑魚ばかりではないことを超期待したいです」



麦野「そんなに強いのとやりたきゃ、さっきの爆発とかが見えた場所に行けばいいじゃない。
私は止めないわよ?別に」




絹旗「世の中、順序というものが超あるんですよ麦野。
あーいうのは、最後に残しておけばいいんです」



麦野「上手いこと逃げるわねアンタ……長生きするわよきっと」
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 21:59:15.46 ID:/JOIqg0e0
ゴォォォォオオ…………



麦野「ッ!?」ピクッ


絹旗「ッ!?」バッ!!



麦野が気だるそうに答えたその時、近くに強い、何かが燃えているような光が現れる。


麦野と絹旗は、一瞬でリラックスモードから、臨戦体制に入る。




麦野「何か燃えているみたいね……近いし、見にいってみる?」



絹旗「そうですね……ようやく強敵が超現れる気配がして来ましたよー」



麦野達は、注意深く、光の元へと進んで行った。
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:01:39.98 ID:/JOIqg0e0
麦野「これは中々……どうやら炎の能力者みたいね」



麦野達の目の前には、既に火の消え、焦げた跡の残る地面が見えた。
そして、その中には気絶している男の姿が。



絹旗「でも、この気絶している人、そんなに超酷い怪我じゃないですよね?
これだけ地面が焦げてるのに何ででしょう?」




麦野「そういう加減ができるレベルの能力者ってことなんでしょ?
まだその辺にいるかもしれないから、油断しちゃダメよ、絹旗」





「別に油断してようが構わないよ。
無理に戦おうとは思っていないから」ボゥッ……
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:03:24.23 ID:/JOIqg0e0
麦野、絹旗の背後で、小さな火が灯る。

それと共に、背後の人物の口元から、何やら煙草の煙が吐き出されているようだ。




麦野「アンタ……どっかで見たわね。確か私が両腕を無くした時……」




絹旗「あー、居ましたねぇこの人。
確か、浜面と戦って超負けた、ステイルとか言う……」




フゥゥゥゥ……


赤髪の背の高い少年が、煙草の煙を吐き出しきると、落ち着いた様子で口を開く。



ステイル「嫌な思い出し方をしないでもらいたいね……
ステイル・マグヌスだ。君たちも、この都市に来て居たんだね」
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:05:09.65 ID:/JOIqg0e0
ステイル・マグヌス 14歳




とても14歳に見えない外見の彼は、幼少よりその才能を認められ
たゆまぬ努力と研鑽の結果、若くして教会の上層部に所属している。



以前、麦野が負傷し、浜面が能力に目覚めた時
『聖人』神裂と共に、麦野達の元へ訪れた。


その際、浜面の力を確かめる為、浜面と戦うが、ケルベロスの力を宿した浜面に完敗している。




麦野「それで、何でアンタがこの都市にいるの?
教会の人間がいるってことは、アンタ達も勇者探しってことかしら?」
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:07:28.04 ID:/JOIqg0e0
ステイル「まぁそれもあるんだが……
『も』ってなんだろうか?僕たちの他にも勇者を探している人物がいるようだが?」



麦野「男が一々小さなことに突っ込んでんじゃねぇよ色男。
女の子を詮索したらダメって連れの巨乳に教えてもらわなかったのかにゃーん?」



ステイル「フン、どうやらまともに話す気はないようだな。
まぁいい、君たちのような人間と、今は関わる気は無いんだ。
さっきから同じようなのに絡まれてウンザリしてるからね」




麦野「」ピクッ……


絹旗「」イラッ……
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:09:10.27 ID:/JOIqg0e0
ステイル「今回は、腕試しのつもりで参加してるんだ。
僕はもっと強そうな人間を探しにいくよ。君たちも頑張ってくれ」スゥ……




ステイルが再び、新しい煙草を口に咥える。


バシュウ!!


ゴォォォオオッ!!


突如、ステイルの目の前に閃光が走り、煙草の先端が消滅し、火がつく。




ステイル「……わざわざ火をどうも。気が効くじゃないか、勇者様」



麦野「女の子の前で煙草なんて、マナーがなってねぇなーステイル君。
丁度いいや……お姉さんが大人のマナーをしっかりと教えてやろうかしら」ニコォォォォオオオ……



麦野は満面の笑顔で答える。
しかし、背後にはドス黒い殺意が見え隠れしている。
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:11:00.30 ID:/JOIqg0e0
絹旗「何か今、超さらっと雑魚扱いされた気がしたんですが……
気のせいですよねぇ?あの時の浜面に負けた分際で、この私を雑魚扱いするなんて……」



絹旗の周りに大量の大気が集まっている。
今にもver2に変身しそうな勢いである。




ステイル「やれやれ……参ったな。
一応、僕は英国紳士だから、これでも女性には優しくしているつもりなんだが」ポイッ……




ボゥッ!!



ステイルが投げた煙草が、宙に投げ捨てられた瞬間、燃え尽きた。



麦野「ッ!?」


絹旗「なっ!?何ですかこの超重っ苦しい空気は!!」



その瞬間、ステイルの周りに重苦しいほど濃厚な魔力が纏わり付いてきた。
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:13:08.66 ID:/JOIqg0e0
もう一度紹介しよう。



彼の名は、ステイル・マグヌス 14歳


『魔女狩人』の能力を持ち、幼少から才能を認められ、努力と研鑽の結果、若くして教会の上層部に所属する天才。



14歳である。



絹旗が、能力を強化し、新しい力に目覚めたように
常に進化し続ける天才。そして人間として、成長期真っ只中であるステイルも、浜面に敗れた後、更なる鍛錬と研鑽を積んでいた。



結果、彼の力もまた、爆発的な成長を遂げることとなる。
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:14:06.02 ID:/JOIqg0e0
ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオ


ステイル「身にかかる火の粉は、払わなければならない。
少し……痛い目に合うかもしれないが、まぁ自業自得ってことだね」


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオ




ステイルの魔力の増加と共に、周囲の温度が徐々に上がっていく。



麦野「何よ……あれから強くなったのは私達だけじゃあないってことかしら?」



絹旗「ただそこに居るだけでこの熱気……
これは私も本気でいかないと、やられちゃいますね」
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:15:48.70 ID:/JOIqg0e0
ステイル「ついでだ。君たちも、あれから強くなったんだろ?
君たちの力を見せてくれよ。
もちろん、僕のことを殺す気で来てくれて、構わないよ?どうせ無理だからね」




ピキピキッ!!!



麦野「……絹旗、殺れ」



絹旗「超了解です」



パキパキィィィィィィィィ……


絹旗の周囲が冷気に覆われていく。


身に纏う窒素装甲を更に圧縮し、超低温を生み出す液体窒素を操る、窒素装甲ver2である。



絹旗「いっぺん氷漬けにして、その超傲慢な態度を矯正してあげますよ!!」ダッ!!



冷気を纏った絹旗がステイルに飛びかかる。
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:17:12.86 ID:/JOIqg0e0
ステイル「……炎剣」ボゥッ……




ステイルの右手に炎が灯る。
その炎は見る見るうちに大きくなり、剣の形状を形作る。




絹旗「とりあえず、一発!!」ブンッ!!



絹旗の拳がステイルに襲いかかる。



一手早く、ステイルの右手が、横一直線に振られる。



ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!




その瞬間、巨大な炎が横一線になぎ払われ、絹旗は爆風と共に吹き飛ばされた。
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:18:48.74 ID:/JOIqg0e0
麦野「……わーお」



麦野は驚愕している。



たった一撃で、絹旗が、炎と共に吹き飛ばされたことに。


半蔵との闘いでも、その圧倒的な火力に驚いたが、ステイルの炎にも驚きの一言である。




ステイル「何やら凄い冷気を纏ってたみたいだからね。
あれくらいじゃ、死なないと思うよ?
さ、次は貴女だ。どうする?やめとくかい?」



ステイルの一言に、麦野の口元が緩む。




麦野「……プッ、プククッ……」プルプル



ステイル「ん?どうしたんだい?」
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:20:40.76 ID:/JOIqg0e0
麦野「アッハッハッハッハッハッハッ!!!!何カッコつけてんのさ。
確かに、浜面とやり合った時より、桁違いに強くなってるみたいだけどさぁ……
それくらいであの子がくたばると思ってんのか?なぁ、絹旗?」




パキパキィィィィ……

再び、辺りが冷気に覆われる。



絹旗「当然ですよ……この程度なら、まだ前に戦った
ジャミラスの方が全然強かったです」コォォォォォ……



絹旗の周りの炎が、一気に沈静化する。
冷気が全ての熱を奪い、炎はその熱を維持できずに消滅してしまった。
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:22:09.52 ID:/JOIqg0e0
ステイル「なるほど。あの程度じゃビクともしないか。
少し、舐めすぎていたようだな」スッ……



ステイルが、胸元から、何やら一枚の文字の書かれた札を取り出す。



その札が炎をあげて燃え、炎の塊となり、ステイルの周りをゆっくりと回りだした。



絹旗「何やら見慣れぬ道具でしたね」



ステイル「これは、僕が昔、インデックスと共に研究し、見つけた、古代のルーン文字というヤツさ。
文字の文字の一つ一つに魔力が宿り、組み合わせることで、魔術や能力を強化するんだ。こんな風にね」
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:23:42.91 ID:/JOIqg0e0
ステイルが指をパチンッ!と鳴らす。


その瞬間、ステイルの周りを回っていた炎の塊から、マシンガンのように火の弾丸が撃ち出された。




絹旗「せいやぁぁぁぁぁああ!!!」バッ!!


絹旗が両手を前に出すと、白い靄と共に、超低温の盾が出来上がる。


炎の弾丸は、その盾に完全に阻まれ、消滅する。




ステイル「次はこれだ」ボゥッ!!



ステイルが、また違う札を取り出し、魔力を込めると
ステイルの背の高さほどの、大きな炎の槍が出現し、ステイルによって投げられる。


かなりの速度で絹旗へと槍は飛んでいく。
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:25:10.04 ID:/JOIqg0e0
絹旗「集中、集中ゥゥゥゥゥゥウウッ!!!」コォォォォォ……




右腕に着けていた、魔力を集中させる腕輪の力で、絹旗は、右手に冷気を集中させる。



そのまま拳を前に出し、炎の槍を殴りつけ、相殺させる。




ステイル「なるほど。中々応用力のある能力のようだ。
しかも、超低温に囲まれてるのに、自分自信には影響ないらしいな。中々完成されている」



絹旗「こんな小手先だけで、この最愛様を倒せると思ったら、超間違いなんですよ!!」ビシッ!!




絹旗が、あまりない胸を張りながらステイルに指差す。
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:26:47.46 ID:/JOIqg0e0
ステイル「このままやっても埒があかないようだしね。
しょうがない。一つ、手の内を明かすとしようか」スッ……



ステイルが数種類のルーンを手に取る。



絹旗「む?またその札ですか?何度やっても超無駄ですよ!!」



ステイル「同じじゃないよ。種類の違うルーンだ。
先程とは比べものにならないくらい、扱いが難しい」バッ!!



ステイルが、ルーンの書かれた札を投げ捨てる。




ステイル「そういえば……僕の能力『魔女狩人』の、由来を知っているかい?」



ステイルが絹旗に問う。
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:29:10.43 ID:/JOIqg0e0
絹旗「知りませんねぇ。
大方、魔女を殺すのに火あぶりの刑が超ポピュラーだったからじゃないですか?」



ステイル「へぇ、意外に博識な子のようだ。まぁその通りだね。
魔女を焼き尽くす炎を操る能力。僕もそう思っていたよ。昔はね」バッ!!


ステイルが、宙に浮かぶルーンの札に、魔力を込める。



ステイル「きっかけは、僕の最大の技、『魔女狩りの王イノケンティウス』を強化しようとしたことだ。
あの膨大な炎を、制御しきれなくてね。一度、力が暴走してしまったんだ」


宙に浮かぶ、数枚のルーン札が燃え、炎が混ざり合う。
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:36:44.93 ID:/JOIqg0e0
ステイル「その暴走した時の様子を見ていて思ったんだ。
イノケンティウスの膨大な量の炎を圧縮し、別の型に形成したらどんな威力になるのかってね」




混ざり合った炎が圧縮され、魔力の塊となり、ステイルへと戻る。



ステイル「その答えがこれだ。『魔女狩人』。
この名前がヒントになり、型のイメージは作りやすかったよ。
古代の魔女が受けた、拷問具の数々。君も味わってみるかい?」



絹旗「ッ!?」グッ!!



絹旗がステイルの攻撃に備え、身構える。



その瞬間、絹旗の背後に炎で形作られた、大きな人を模した像が現れる。
像の顔の部分には、苦悶に浮かぶ女性の顔が。
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:37:59.88 ID:/JOIqg0e0
絹旗「な、何ですか!!この超悪趣味な像は!!」ブルッ!!



ステイル「『鋼鉄の処女』<アイアンメイデン>。
何百もの針がセットされた、その像の中へと捕らえられた者は、その身に宿る穢れた血を流しきるまで、解放されることはない。
それをモチーフにしたモノさ。
この『灼熱の処女』<フレイムメイデン>はね」スッ



ステイルが絹旗の側へと一瞬で移動する。


絹旗「クッ!!」バッ!!

パキパキィィィィィィィィ……!!!!


絹旗が、冷気を最大限に高め、ステイルの攻撃を防ごうとする。
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:43:32.42 ID:/JOIqg0e0
ステイル「無駄だよ。さっき君は僕の炎を相殺して見せたよね。
なら、君の氷も、僕なら相殺できるはずだ」ブンッ!!


ステイルが絹旗に対し、炎に包まれた右足で、前蹴りを放つ。



絹旗「グゥッ!!」バキィィッ!!



通常の攻撃なら、絹旗に届く前に凍りついてしまうが、ステイルの炎に相殺され
絹旗は蹴りをまともに喰らい、吹き飛ぶ。




ギィィィィィィィィィィィイイイイッ!!!



吹き飛ばされた先には、左右に身体が扉のように開いた灼熱の処女の姿が。
絹旗は、像の内部に入れられ、身体が閉じられる。
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:45:37.59 ID:/JOIqg0e0
絹旗「ヒィッ!!!!!」



絹旗は恐怖する。


動けない。


自身の冷気で、炎でできたこの悪趣味な像を相殺しようとするが、相殺されない。



ステイル「それを相殺することはできないよ?
イノケンティウスの炎を元に作られたんだ。
いくら消されようが、消された端から再生していく」






絹旗は恐怖する。


先程の話をそのまま真に受けるなら、自分はこれから何百もの針に串刺しにされる。

しかも全く身動きがとれないまま。
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:47:09.07 ID:/JOIqg0e0
「絹旗ァァァァァァアアアッ!!!!」




ふと聞き覚えのある声が聞こえた気がした。
しかし、今の絹旗の頭にはそれが理解できない。






嫌だ




怖い




こわい




コワイ




コワイ……





…………







恐怖に塗り潰され、絹旗の意識が、途切れた。






サバイバル開始4時間20分経過



参加者15000人

残り360人





絹旗 最愛


失格
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/01(木) 22:50:32.51 ID:/JOIqg0e0
投下終了です。

ステイルさん強化編でした。
絹旗退場です。


魔女狩りの王なんだから、別に拷問器具くらい使えても不思議じゃないよね。実際。


次回こそ浜面を出したいな……
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/01(木) 22:53:11.03 ID:zyCNFKsz0
乙です
次は山羊さんをntrする話ですか?!
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/01(木) 22:57:54.87 ID:GVSC9hwE0


浜面と絹旗はよく吹っ飛ばされてますなぁ

次回はハマゴロウさんと山羊のふれあいに
期待してる
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/11/02(金) 01:03:13.54 ID:tLw2ZhZBo
なんかみんなみんな強くなっていって
ぼくのかんがえたさいきょうのとあるまじゅつのいんでっくす
みたいになってきているな
嫌いじゃないけど
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/11/02(金) 01:33:53.64 ID:3iFS7Y8Qo
>>466
こんぐらいインフレしないと魔王倒せないんじゃね?
まだ足りないぐらいだと思ってる
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/11/02(金) 05:21:56.46 ID:evQZ9nTt0
おはようございます、1です。投下じゃないですがすいません。
今日は休みなので、必ず投下しますので、よろしく。

>>466
その認識で普通にOKですww
なんせ、こんくらい強化しないと、この章後半で出す予定のザコ敵にすら勝てない気がしたので……
要は、禁書キャラがインフレしてるんじゃ無くて、敵キャラが先にインフレしてます。


ちなみに、このSSは、禁書のキャラで、アークザラッドやドラクエの世界観を、DMCのようなぶっ飛んだアクションゲームにしたイメージです。
ちなみに難易度は、初見デモンズ・ダークソウル並で。
そんな感じで見てくれれば、ちょうどいいと思います。
要は、いいとこ取りです。
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 14:00:54.15 ID:EgZOsDtN0
>>1
乙ー
舞ってる 今の唯一の楽しみはこのssだけだ
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:12:08.65 ID:evQZ9nTt0
こんばんわ、1です。

宣言通り、投下していきます。
今までと比べると少し長いので、何回かに分けて、ゆっくり投下します。

まとめて一気に見たい方は、23時くらいに見ると、丁度いいかもです。



>>464
>>465
残念ながら、山羊さん第二ラウンドはもう少しだけ先です。

>>467
最後の章の敵の予定はほぼ完成してますが、このままインフレ続けても勝てるかどうか……
いや、割りとマジです。


>>469
もったいない言葉ですねぇ……ホントに。
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:21:53.89 ID:evQZ9nTt0
サバイバル開始から3時間40分


神裂と駒場が戦闘開始したころ


児童公園から、南東に500mほど進んだ道




山羊頭のデーモンを撃破した浜面は、特に目立つ建物のない、何の変哲もない道を進んでいた。




ドサァ……




浜面「っしゃあ!!3人目撃破ぁ!!」エイドリアーン



その道中、ようやく浜面は、一般参加者レベルの戦士と戦闘を始めていた。
といっても、もはやそこらの普通の戦士では、能力を使わずとも浜面の相手ではない。

実質、能力無しで、大体Cランクくらいの実力なのだから。
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:23:01.17 ID:evQZ9nTt0
浜面「そろそろアイアンゴーレムにも勝てるかもしれねぇなー。
この大会が終わったら一回チャレンジしてみるか?」



グリフォンを撃破し、新しい力を得た浜面が次に目指すのは、アイアンゴーレムの撃破である。


もっとも、あの堅固な鎧を看破する手段など、特に見つかってないのだが。


そんなことを考えるくらいには、今の浜面は余裕ができていた。




「おっとぉ……待ちな、そこのにぃちゃん」



浜面「ん?俺のことか?」クルッ



浜面が振り向くと、そこには二人の男が立っていた。
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:26:12.12 ID:evQZ9nTt0
一人は白髪に近い髪で、ところどころ歯の抜けた、ガタイのいい、いかにもチンピラのような男。



もう一人は、黒髪の一見普通の青年である。



白髪「さっきから見てたんだがよぉ。中々やるじゃねぇかお前」



浜面「そうか?そりゃどーも。褒めても何も出ないけどな」



黒髪「どうだ?俺達と組む気はないか?
1人より、数人で行動するほうが、生き残る確立は上がるぜ?」




白髪の男の粗暴な態度を余所に、黒髪の男が浜面へと交渉する。
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:27:30.20 ID:evQZ9nTt0
浜面「んー、悪いな。俺はこの大会に修行の意味も含めて参加してんだ。
1人で戦わないと意味がないからな。余所を当たってくれ」



黒髪「そうか……それなら仕方ないな。他を当たるとするよ」



潔く、黒髪の男が引き下がる。



ふと、浜面は気付く。



白髪の男はどこにいった?







黒髪「なら、俺らとお前は敵同士ってことだな。それなら容赦しねぇぞ?」ニィィィ……




その瞬間、浜面の背後から、ナイフを持った白髪の男が腕を振りかざしてくる。



ガキィィィィィィイイッ!!!
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:34:05.81 ID:evQZ9nTt0
…………




白髪「ハッ!!よく気付いたなぁ。
気配は消したつもりだったんだけどよぉ」ギギギギッ……




浜面「そりゃあ、いきなり姿が見えなくなれば。
しかも気配すら感じないとなれば、嫌でも警戒するわなぁ。主に背後らへんを」ギギギギッ……



ギィンッ!!!



浜面と、白髪の男が競り合いから離れる。



黒髪「いやー、驚いたな。
大概のヤツはあそこで終わるか、よくて傷を負うんだが……完全に防ぐヤツも珍しい」パチパチ




黒髪の男が、浜面に拍手を送る。
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:35:29.84 ID:evQZ9nTt0
浜面「そりゃあどーも。中々汚い真似してくれるじゃねぇか?」



白髪「そりゃあ、俺らは盗賊だからなぁ……汚い真似してなんぼってもんだぁ」




浜面「盗賊?お前等も、『スキルアウト』のメンバーなのか?」



黒髪「いや、俺たちはフリーさ。『スキルアウト』に知り合いでもいんのか?
あいにく俺らは組織化されたものは嫌いでな。
好きに奪い、生きていくのが性分なんだ」




浜面「そうか。なら、本物の盗賊なんだな……」
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:37:18.36 ID:evQZ9nTt0
白髪「偽物の盗賊がいるかどうかは知らねぇがよぉ。
とりあえず、お前はここでリタイアして貰おうかぁ。
いつもなら、殺していくんだが、失格にでもなったら賞金が貰えないからなぁ」




浜面「リタイアすんのはテメェらだよ、このクソ盗賊が!!」チャキッ




半蔵達とは違う、人を襲い、殺し、奪う、本物の盗賊に激昂した浜面が、剣を構える。




しかし、目の前には白髪の男の姿がない。




目の前にいたハズの白髪の男は背後にいた。
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:38:39.98 ID:evQZ9nTt0
浜面「なっ!?」



白髪「どこ見てんだぁ?」ブンッ!!



ザシュッ!!



浜面「クッ!?」バッ!!



浜面の腕を、白髪の男のナイフがかすめる。



白髪「やっぱ反応がいいなぁ、コイツ。コレは中々骨が折れそうだぁ」



黒髪「みたいだな。長引かせても厄介だ。あまり時間はかけるなよ?」



二人の盗賊の男が、浜面のほうを注視する。



そして、浜面は混乱している。



浜面「(いつの間に背後に移動された?ヤツの能力はスピードアップ系か?
だとしても速すぎる!!まるで空間移動みたいだ)」



白髪「考えてる暇はねぇぞぉ?にぃちゃんよぉ!!」ダッ!!



白髪の男が突っ込んでくる。
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:47:29.52 ID:evQZ9nTt0
浜面「ダメだ、わかんねぇ!!とりあえず、近寄んじゃねぇ!!」チャキッ!!



パラララララッ!!!



浜面がサブマシンガンを構え、白髪の男に向かって撃つ。




黒髪「させねぇよ」バッ!!



ズギャァァァアアッ!!!!



黒髪の男が、何やらキラキラと光る粉のようなものを撒いた瞬間
白髪の男に向かっていた弾丸が、全てひしゃげる。



浜面「はぁ!?意味がわかんねぇ!!」



黒髪「ネタばらしは無しだ。悪いがそのまま、退場してくれ」



白髪の男が、浜面のすぐ目の前まで迫る。
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:48:50.49 ID:evQZ9nTt0
浜面「チッ!!来るなら来いってんだ!!」ブンッ!!



浜面が剣を振りかざす。



白髪「だから、さっきからどこ見てんだよお前はよぉ?」



左側から、突如現れた白髪の男のナイフが、浜面のわき腹辺りを狙っていた。



ガキィィィィィィイイッ!!!



浜面「クソッ!!何なんだお前等の能力は!?」ギギギギッ!!



浜面は、咄嗟に出した二本目の剣で、白髪の男のナイフを再度防いだ。
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:50:11.80 ID:evQZ9nTt0
白髪「三度目かぁ……今のはタイミングもバッチリだったんだがなぁ。
こりゃ、いよいよ本気で殺る気でいかねぇとなぁ?」



黒髪「そうだな。俺も少しだけ手伝うとするか」



黒髪の男が、懐から銃を構える。




浜面「……こりゃあ、そろそろ能力解禁しねぇとマズイかもなぁ」ゴクリッ……




再び、白髪の男が浜面へと突っ込んでくる。



浜面「少しは考えさせろよ全く!!」ブンッ!!


浜面の剣が、白髪の男へと突き刺さる。
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:52:20.10 ID:evQZ9nTt0
ハズだったのだが、何故か白髪の男は、ほんの少し左側にズレた位置に立ち、ナイフを振りかざす。



浜面「クッ!!またかよ!!」バッ!!



ズシュッ!!


浜面が、ナイフを剣で受け止めようとするが
剣を通り抜けるようにナイフが浜面の肩辺りを傷つける。



浜面「グァッ!!」




白髪「お?やっと当たったかぁ?」ブンッ!!



追撃として、白髪の男から回し蹴りが放たれる。



浜面「クソッ!!」バッ!!



浜面が腕を畳んでガードしようとする。


バキィィィィイイッ!!!
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:53:29.07 ID:evQZ9nTt0
浜面「ガハァッ……」



しかし、間違い無く防ぐハズのコースを外れ、浜面のガードを抜け、強烈な蹴りを喰らう。




白髪「痛ぇだろぉ?俺の蹴り。靴に鉄板仕込んであるからなぁ。
まともに喰らえば、人間の骨くらい、簡単に折れるぜぇ?」



浜面「グッ……」



浜面が、白髪の男の顔を睨みつける。



白髪「おっとぉ……俺ばっかりに構ってていいのかぁ?」



浜面「ッ!?」



浜面は辺りを見る。



黒髪の男はどこだ?
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:55:31.70 ID:evQZ9nTt0
パァンッ!!




浜面「ガァァァァァッ!!!」ドサッ!!



浜面の左腕を、銃弾が貫き、膝をつく。
幸い、腕の表面辺りをを抉っただけのようだ。
それでも、決して小さくはない痛みが浜面を襲う。




黒髪「おいおい……こりゃあ、一体一でも楽勝だったんじゃねぇか?」



白髪「かもしれねぇなぁ。ま、所詮能力のないヤツの限界ってトコだ。
さっきから能力使ってねぇみたいだし、無能力者だろぉ?」




ピクンッ…



黒髪「そういやそうだな。ま、無能力者にしては大変よくできましたってトコだろ。
さっさとトドメ刺しちまえよ。まだソイツ、ピンピンしてんぞ?」




浜面「無能力者無能力者うるせぇなぁ……」ムクリ……



浜面がゆっくりと立ち上がる。
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:57:00.33 ID:evQZ9nTt0
浜面「決めた。お前には、ぜってぇ能力は使わねぇ。
その上で、ボコボコにしてやるよ……」




白髪「お、立ち上がったかぁ。で、どうするんだ?
力の差は思い知ったと思うがよぉ?」




白髪の男が、ナイフを持って浜面を見る。



浜面「続行に決まってんだろうが、歯抜け野郎……」チャキッ



黒髪「ハッ!!まだそれだけ啖呵キレるとはいい根性だ。
褒美に次こそ終わらせてやれよ」




白髪「野郎ぉ……切り刻んでやる!!」ダッ!!
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 18:58:11.75 ID:evQZ9nTt0
白髪の男が浜面に突っ込んでくる。
ワンパターンだが、これが避けられないから厄介である。



浜面「どうせ避けられないならよぉ……」



浜面は剣を持って突っ立っている。



白髪「隙だらけだぜぇ、この野郎ぉぉぉおお!!!」ブンッ!!!


グサァッ!!!



白髪の男のナイフが、浜面の左腕に突き刺さる。




白髪「ハッハッハッ!!!コレで左腕は、まともに動かねぇだろぉ?オイ!!」



白髪の男の高笑いが響き渡る。



ガシッ!!!




白髪「…………ハッ?」キョトン




白髪の男の腕を、浜面が右手で掴む。
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 19:07:19.68 ID:evQZ9nTt0
黒髪「ッ!?あの馬鹿っ!!」


白髪「な、何で俺を掴むことが……」


浜面「お前の能力、多分幻覚系だろ?詳しくはわからねぇけどよ。
そんで、惑わされてるのは視覚だけだ。痛覚も、触覚も正常みたいだしな。



……だったら、攻撃して来た手を掴めばいいだけの話だろうが!!!」ギリギリッ!!!




白髪「グッ!!ガァァァァァッ!!!は、離せ!!この馬鹿力野郎がぁ!!」



白髪の男の腕を、浜面が握り潰す。
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 19:09:15.97 ID:evQZ9nTt0
ちなみに、白髪の男の能力は、『偏光能力』。
光を屈折させ、自分の姿を、相手に違う位置で視認させる能力である。



もっとも、今となってはどうでもいいことだが。




浜面「ぉぉぉぉぉおおらぁぁぁぁあああっ!!!!」ブンッ!!



メキィッ!!!!!!!



白髪の男の顔面に、浜面の渾身の頭突きが炸裂する。




ズルズル……


ドサッ……



白髪の男は、完全に意識を失った。
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 19:12:11.04 ID:evQZ9nTt0
ちょっと休憩です。

続きは20時半〜21時までには投下したいと思います。
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/02(金) 19:33:01.71 ID:lJCKitQO0


浜面さん力技

そういやこの白髪は幻想御手みたいなの
つかってるんかな
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2012/11/02(金) 19:52:38.59 ID:p12rXpKKo

浜面さんかっこいい
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 20:50:39.57 ID:evQZ9nTt0
そろそろ再開します。

>>490
ドーピング系は使ってないですね。
使ったらどうなるかは少しだけ考えてますが、出すかどうかは決めてません。

>>491
ありがとうございます。
ただ、若干浜面がヤンキー化した気が……まぁ、元が不良だからいいか。


それでは投下します。

またもや、脇役が強化されてます。ていうか、大抜擢です。
能力におかしいとこがあったらすいません。
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 20:57:52.80 ID:evQZ9nTt0
黒髪「……チッ、油断しやがって馬鹿野郎が」



黒髪の男が気だるそうにしている。



浜面「イ"ッ!!……よぉ、次はお前の番だぜ?覚悟はできてんだろうな?」



浜面は、黒髪の男を睨みつける。




黒髪「あ?俺をそこの歯抜けと同レベルに考えてんじゃねぇよ馬鹿。
しかも、その左腕……痛そうだなオイ。そんなんで、俺に勝てるとでも思ってんのか?」



浜面「お前みたいなヤツは、右腕一本で十分なんだよ」
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 20:59:12.66 ID:evQZ9nTt0
黒髪「あーそうかい。じゃあ、特に遠慮はいらねぇな」チャキッ!!



パァンッ!!!


黒髪の男が拳銃を取り出し発砲する。




浜面「どこ狙ってんだよ!!」ダッ!!



銃口を避けるように動き、浜面は右手に剣を持ち、黒髪の男に向かっていく。



パァンッ!!


パァンッ!!



立て続けに発砲されるが、浜面には当たらない。



浜面「もらったぁ!!」ブンッ!!


黒髪の男の目の前まで辿り着き、浜面は剣を振るう。





パキィィィィイインッ!!


その瞬間、浜面の剣が、音を立てて割れるように折れた。
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:00:39.58 ID:evQZ9nTt0
浜面「なっ!?」



黒髪「どうしたんだ?俺は何にもしちゃあいねーぜ?」ニヤリ……



黒髪の男の周りには、何かキラキラと光るものが漂っている。
絶対何かしてるだろお前と、浜面は内心ツッコむ。



驚いている浜面に向けて、黒髪の男が拳銃を向ける。



浜面「ちょ、クソ!!」バッ!!



パァン!!


パァン!!


慌てて浜面がその場を離れ、何とか切り抜けた。



浜面「ハァッ、ハァッ、チクショウ!!
アイツの能力は一体何なんだ!?絹旗みたいな防御の力か?」



浜面は、道端に点在する建物の影へと逃げ込んでいた。
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:02:29.42 ID:evQZ9nTt0
絹旗のように、見えない何かで身を守る能力。
それなら、サブマシンガンの弾丸も、さっきの剣も防がれたのはわかる。



だけど、何かが引っかかる。
さっきの剣。あれは、防がれたことで折れたようには思えなかった。




何かの攻撃で壊されたような……



黒髪「よぉ。解決策は見つかったかい?」



ドドドドドドドドドドドドドッ!!!




不意に、黒髪の男の声が聞こえる。

その瞬間、隠れて建物の壁が、何千、何万もの、針のように小さい穴だらけになった。


その小さな穴からヒビが入り、壁が崩壊し、外にいた黒髪の男の姿が現れる。
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:04:27.61 ID:evQZ9nTt0
浜面「訳がわかんねぇ!!
やっぱ防御だけの力じゃねぇな!?何なんだその力は!!」




黒髪「何だと聞かれてすぐに教えるほど、俺は優しくねーよ。少しは自分で考えな。
さ、どうするんだ?
このまま穴だらけになるか。この拳銃に撃たれて倒れるか。好きなほうを選べよ」




浜面は考える。


コイツの攻撃手段は何だ?


防御手段は?



さっきの小さな何百何千の小さな穴は何だ?まるで小さな粒のような……




浜面は思い出す。
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:05:31.69 ID:evQZ9nTt0
そういえば、最初にサブマシンガンを防がれた時、アイツは何かを白髪の男に投げつけなかったか?



何かキラキラ光るものを。



そして、さっき剣を壊された時も、何かキラキラ光るものが、アイツの周りを漂っていた。




そして今、アイツの足元辺りには、そのキラキラ光るものが落ちている。



確定だ。



アイツは、あの光るものを操っている。




浜面「わかったぞ。テメェの力、念動力みたいなもんだろ?それで、そのキラキラ光る粒を操って、攻撃と防御を行ってるんだ!!」



浜面が、黒髪の男に向かって叫ぶ。
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:06:59.79 ID:evQZ9nTt0
黒髪「んー……40点ってところかな。確かにコイツを使って防御もしたし、壁も壊した。
あ、ちなみにコレは、この都市で手に入れた、工業用ダイヤモンドを粉々にした粒な。
本物は簡単には手に入らないし、さすがに勿体無いから」




浜面「40点?半分も当たってないのかよ!!」



黒髪「そうだなぁ……頑張ってそこまで辿り着いたんだし
そろそろ少しだけタネ明かししてやろうか」スッ



黒髪の男は、手にビー玉サイズの鉄球を2、3個取り出した。




黒髪「ほいっ」ポイッ



その鉄球を、建物の壁に向かって軽く、下から投げつけた。
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:09:24.96 ID:evQZ9nTt0
浜面「……ん?アレ!?」




浜面は目を疑う。




鉄球が落ちない。



投げられた時の速度を維持しながら、真っ直ぐ。
ただ真っ直ぐに進んでいく。




ドドドドドドドドドドッ!!!!



そして、鉄球は壁を貫き、崩壊させると、しばらくすると、力が抜けたように落下した。



浜面「なっ……なんだそりゃあ……」




黒髪「ま、タネ明かしすれば単純だ。俺の力は『絶対等速』<イコールスピード>。
俺が触って動き出した物体は、重力や摩擦、あらゆる障害を無視して、ひたすら真っ直ぐ突き進む。
俺が力を解除するか、その触った物体が壊れるまでな」
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:14:11.33 ID:evQZ9nTt0
浜面「『絶対等速』だと……」



黒髪「いちいち確認するなよ。恥ずかしいだろ」



黒髪の男は、気だるそうにしている。







ここで、『絶対等速』の能力について、詳しく説明しておこう。


1.黒髪の男が触れて、動き出した物体は、その物体が完全に破壊されるか、能力を止めるまで、ひたすら直進を続ける。
その際、重力や摩擦、障害物の有無は全く影響しない。

動いている物体の質量、硬さ、速度によって、破壊力が変化する。
ただし、その辺の小石を軽く投げた程度でも、当たれば人間くらいの強度なら簡単に砕き、貫く。



2.途中で動きを止めることも出来る。
それにより、物体をその場に固定し続けることも可能。
黒髪の男が持っている工業用ダイヤモンドの粒を、宙に固定することで
ダイヤモンドの粒が破壊されない限り、その場にあり続ける。
その為、ほとんどの物理攻撃を通さない。



3.尚、速度制限はない。
速度を固定すれば、その時点の速度で直進を続ける。
ちなみに数量制限もない。魔力が尽きる以外の時間制限もない。重力制限もない。
ただし、能力使用中に、物体の方向を変えることはできない。
物体の強度も変わらない。
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:15:58.29 ID:evQZ9nTt0
黒髪「要するにだ……俺がその辺に落ちてる石ころを蹴れば、石ころが砕けるまで直進し続けるってことだ。
人間の体は脆いぞー?下手すりゃ、石ころ一個であの世行きだ」




浜面「……一つ聞いてもいいか?何でお前は、それだけの力を持ちながら、盗賊何かやってんだ?
お前の力なら、勇者として生きていくことくらい簡単じゃ」



黒髪「勇者だぁ?
は、冗談はやめてくれよ。何が悲しくて、世の為、人の為に生きなきゃなんねぇんだ?」

503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:17:31.30 ID:evQZ9nTt0
浜面「だって誰かが魔王を倒さねーと、この世界は……人間は全滅しちまうんだぞ!?
そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!!」




黒髪「別にいいじゃねぇか。こんな世界も人間も、全部ぶっ壊れちまえばよぉ」




浜面「なっ!?」




黒髪「そうだな……特別サービスだ。少し、お話を聞かせてやるよ。
この世界にありふれてる、面白くも何ともないお話さ」

504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:19:39.07 ID:evQZ9nTt0
「ある村に、1人の少年と、一つの貧しい家族が居ました。

家族には、少年の両親と妹。

家族のいる村は、とても貧しく、その日その日を生き抜くことで精一杯でした。

とても辛い日々でしたが、家族は皆、それなりに幸せを感じていました」




「そんなある日、村の領地を治める国の兵士が、村へとやって来ました。

何やら、魔王軍の討伐の為に、人を集めているようです。

大人達は、迷いましたが、これも国の平和の為。
少年の父親を含む大人の男達は、村への援助を条件に、国の招集に応じました」




「そして、父親達が去って一ヶ月。国からの援助は一向に来ません。
村の皆に限界が迫っています。
そして、追い討ちをかけるように村へ魔物がやってきました」




「魔物によって、次々に少年の知り合いが食い散らかされてしまいます。
少年の母親は、少年とその妹を庇い、傷を負い、父親の元へ逃げるよう伝え、最後には魔物に食い殺されてしました」
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:21:49.29 ID:evQZ9nTt0
浜面「…………」




「少年は、妹と共に必死で国まで走りました。
時には畑の作物を拝借し、時には道端に生えている草や虫を食べ、雨水で渇きを潤しながら、三日三晩走りました」




「ようやく少年と妹が国に辿り着くと、ボロボロになった少年達に1人の老人が声をかけてくれました。

老人は、家に少年達を招き、温かい食事と風呂を用意してくれました。

老人曰く、自分達の村から集められた人間は、1人残らず全滅したそうです。
少年は絶望に沈みました」




「そんな時、その老人が、自分達をこの家に迎えくれると言い出しました。
少年は悩みましたが、妹を守る為、優しい老人の提案を受けました。
これで、妹も自分も救われると信じていました。
しかし、その老人は実は、人売りの商人で、少年と妹は離れ離れに売られてしまいました」




「ある日、奴隷として売られた少年は、運命的な再会を果たしました。
何と、父親が生きていたのです。奴隷となって。
そこで、父親から真実を聞きました。

兵士として招集された父親達は、全て、国の奴隷として働かされていたのです。

わざわざ、戦死したと言う触れ込みまで流して」




「国には、初めから魔王軍と戦う気などありませんでした。
ただ、労働力を集めるため、近隣の村から大人を集め、利用していたのです。
もちろん、それぞれの村の住人は、援助の約束を破られ、労働力が無くなり、全て飢えて亡くなりました」
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:23:58.60 ID:evQZ9nTt0
「奴隷として一年生活した少年の居る国に、ある日魔物が攻めてきました。

国王は、国を守る為に戦うと思いきや、いの一番に逃げだしました。

全ての国民と、奴隷を囮にして。

少年は、父親の助けによって、運良く逃げ出しましたが、父親は死んでしまいました」




「少年は、それから1人で生きていきました。
時には、畑から作物を盗み。
時には、民家に入り金を盗み。
そうしなければ、少年は生きていけなかったのです」





「そんな生活を続け、何年か後、ある日、少年はある街の片隅で、見せ物小屋を見つけました。

小屋の中には何と、生き別れた妹の姿がありました。
裸で首輪に繋がれ、目の焦点は合っておらず、身体は火傷や痣でいっぱいでした。

そして、そんな妹の姿を見て、街の皆は笑っていました」




「怒りと悲しみに震える少年。
その時、突然少年の前に、男にも女にも見え、若者にも老人にも見え、天使にも悪魔にも見える1人の人物が現れ、言いました。







『力が欲しいかい?』と」
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:26:07.17 ID:evQZ9nTt0
浜面「ッ!?」




「絶望の底に沈んだ少年は、その悪魔の笑みを浮かべる人物に願いました。力が欲しいと。

少年には、一つの能力が宿りました。真っ暗な絶望の底で生まれた力が。

少年は、その場にいた街の人間を皆殺しに。そして、妹を助け出しました。

しかし、すでに妹は、妹ではありませんでした。

記憶を無くし、言葉は喋れず、ただ涎を垂らし、糞尿を垂らし、ヘラヘラと笑うだけの人形と成り果てていたのです」




「少年は、妹を自らの手で殺しました。
安らかに眠れるように優しく。

そして、妹を見晴らしのよい場所に埋め、自らは能力を使い、フリーの盗賊として生きていくことを決め、旅立って行きましたとさ。

おしまい」パチパチパチッ





喋り終えた黒髪の男は、浜面に問いかける。
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:28:33.91 ID:evQZ9nTt0
黒髪「さて、ここで問題です。
果たして、強力な力を得たこの少年は、自らの力を使って、この先世の為、人の為に働くことができるのでしょうか?」




浜面「…………」



浜面は絶句している。

救いなど、一つもない。

絶望に満ちたお話。





黒髪「なぁ、教えてくれよ。
どうやったらこのお話の少年は世界を守る勇者様になれるんだ?



父親が連れていかれなかったらか?


母親が死ななかったらか?


老人に騙され、奴隷にならなかったらか?


国王が魔王軍から逃げず、父親が死ななかったらか?


妹がまともに生きていてくれたらか?


なぁ、教えてくれよ?どうすればいいんだ?」
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:31:01.56 ID:evQZ9nTt0
黒髪の男は、満面の笑顔で問い続けている。
その様子はあまりにも不気味で、あまりにも悲しそうに見える。




浜面は口を開く。




浜面「お前……もしかして、アレイスター側の人間か?」




黒髪「さぁな。別にそんなこと、どうでもいいじゃねぇか」





浜面「そうか。……その少年には、俺は何も言えない。言うことができない」




浜面は力無く、喋り始める。



浜面「俺とその少年の生き方は全く違う。桁違いに。
価値観も変わるだろう。人の生き死にの価値観も。命の価値観も」


黒髪の男がじっと浜面を見つめている。



浜面「その少年からしたら、俺の言葉なんざ、綺麗事だらけだろう。
俺の人生なんか、まるで子供の絵本の中の幸せな物語……別世界の話なんだろう」




浜面は、そこまで喋り終えると息を整える。


そして、真っ直ぐ黒髪の男を見つめる。
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:33:35.94 ID:evQZ9nTt0
浜面「だけど、それはもう、過去の話だ。
終わった物語なんだ。

人間は変わることができるはずだ。

人生のどんなタイミングでも。

絶望の中を生きた少年が、幸せな物語を歩んじゃいけない決まりなんかないんだよ」




黒髪の男は、表情一つ変えずに浜面に答える。




黒髪「ダメだな……そんな答えじゃあ全然ダメだ。
とても少年を救い出すことなんか出来やしねぇ」ヒョイ




黒髪の男が足元に転がっている石ころを拾い上げる。




黒髪「ちょっと無駄話が過ぎたかな……
もう賞金なんざいらねーや。
お話の聴講料は、お前の命だ」ポイッ……



ブンッ!!


ドゴォォォォォォォォォオオッ!!!!


黒髪の男が投げた石ころを蹴りで粉砕し、破片が浜面の方へ、真っ直ぐに向かっていく。
ただひたすら真っ直ぐに。



それは、まるでショットガンの散弾のようである。





カッ!!


ブワァァァァァァァァァァアアアッ!!!
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:36:09.84 ID:evQZ9nTt0
光と砂煙と共に、浜面の姿が消える。




黒髪の男の背後には、メタルスライムの鎧に身を包んだ浜面の姿があった。






浜面「能力解禁だ……
アンタの物語に希望を書き込むには、こっちも全力でいかねぇとな」




黒髪「お前、能力者だったんだな。
俺の物語に希望?そんなもんありゃしねぇよ。

盗んで奪う。

壊して奪う。

殺して奪う。

たったそれだけの人生だ」スッ……




黒髪の男は、ビー玉サイズの鉄球を何十個も取り出す。




浜面「…………アンタ、名前は?」



黒髪「名前か……忘れちまったなぁ、もう。
能力名の『絶対等速』<イコールスピード>でいいんじゃねえか?」
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:37:58.38 ID:evQZ9nTt0
浜面「そうか……覚悟しろよ?『絶対等速』!!
俺がお前に、希望ってもんを叩きこんでやるからよぉ!!」チャキッ!!




絶対等速「いいよ別に。めんどくせぇ」ブンッ!!




絶対等速は、建物のあちこちに鉄球を投げ、ばら撒く。



ドドドドドドドドドドッ!!!!!


直径5cmにも満たない小さな鉄球が、一個につき、直径20cmほどの穴を開ける。

その穴からヒビが建物全体に入り、建物は崩壊しようとしている。
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:39:28.73 ID:evQZ9nTt0
絶対等速「とりあえず、生き埋めになっててくれ」バッ!!



絶対等速は、空いた穴から建物を脱出する。



浜面「……いや、わざわざ崩壊するまでいるわけねーだろ!!」ダッ!!



浜面は、絶対等速を追いかけるように、建物を脱出しようとする。

しかし、次の瞬間、絶対等速が建物の外から、小石や砂を大量に投げようとしてくる様子が見えた。


絶対等速「ピッチャー第一球……投げましたぁ!!!」ブンッ!!!
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:41:43.43 ID:evQZ9nTt0
浜面「ヤベッ!!」クルッ


ブシュウウウウウウウウッ!!!!


鎧の後背部についている、圧縮空気の噴射口からジェット噴射のように噴射させ、猛スピードで浜面は反対方向から逃げる。

背後からは、建物の壁など関係無しに貫き、小石と砂が迫ってくる。


絶対等速の攻撃は、絵的には何ともしょぼいが、威力が高く、ただの小石でも当たれば致命傷となる。


しかも、その投石速度の最高速度を維持することが出来るので、全力で投げられると、全速力で逃げなければ追いつかれる。

何とも、絵と性能が一致しない能力である。
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:43:11.21 ID:evQZ9nTt0
ガラガラガラッ……



崩壊した建物から少し離れたところに絶対等速は立っていた。



絶対等速「まさかあのまま生き埋めになってるわけねーよな?いくらなんでも」




ブシュウウウウウウウウッ!!!!



浜面「当たり前だろ!!」ブンッ!!



側面から、猛スピードで浜面が突っ込み、剣を振りかざす。



ガキィィィィィィィイイッ!!!


しかし、浜面の剣は絶対等速には届かない。
絶対等速の周りには、キラキラと光る粒が漂っていた。
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:45:28.96 ID:evQZ9nTt0
浜面「これもその絶対等速の力だったんだな。
さっき言ってた工業ダイヤの粒を固定して、盾にしているのか」バッ!!



浜面が絶対等速から離れる。



絶対等速「そういうことだ。破壊されない限り、直進も固定も止まらない。
言い換えれば、俺にとってどれだけ小さいものでも、数と強度さえあれば、最強の武器にもなり、盾にもなるんだ」



絶対等速が能力を解除すると、ダイヤの粒は地面へと落下する。



絶対等速「ま、弱点はこういう小さいものは、回収がめんどくせぇことだな。
鉄球も、飛ばしたものを拾いに行くのがめんどくせぇし。
ほとんど使い捨てだな」



所々地味な能力である。
しかし、シンプル故にこの能力は強い。


事実、浜面は攻めあぐねていた。
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:47:06.12 ID:evQZ9nTt0
浜面「剣もダメ。銃もダメ。物理系は全部防がれる……あれ?俺詰んでないか?」アレ?



絶対等速「ん?もしかして打つ手無しなのか?だったらさっさと死ねよ!!」ブンッ!!




絶対等速が鉄球を数個投げつける。



銃弾よりはもちろん格段に遅いが、それでもかなりスピードがあり、同時に投げられると避けるのに必死になる。
なんせ当たれば大ダメージ確定なのだから。


ブシュウウウウウウウウッ!!!!


ジェット噴射で、浜面は逃げ続ける。
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:48:27.87 ID:evQZ9nTt0
絶対等速「どうした?逃げるだけじゃあ勝てないだろ?」ブンッ!!



絶対等速が浜面の進行方向に向かって鉄球を投げつける。


そして能力によって、その場に固定され、鉄球は浜面の行く手を塞ぐ。




浜面「クッ!!」ダンッ!!




浜面は鉄球の壁を乗り越えるように、高くジャンプする。



絶対等速「空中じゃ、隙だらけだろ?」ブンッ!!



ジャンプするタイミングを見計らって鉄球が、宙を飛ぶ浜面に投げつけられる。

何気にさっきからこの男、コントロール抜群である。
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:50:22.32 ID:evQZ9nTt0
浜面「お前一体、何個鉄球持ってんだよ!!!」バッ!!



ブシュウウウウウウウウッ!!!



浜面がジェット噴射で滞空し、鉄球をやり過ごそうとする。


しかし、鉄球は浜面から少し離れたところで止まり、動かない。



浜面「ウソォッ!?」



絶対等速「物体固定だ。滞空も出来んだな、その鎧。
でも、いつまでもは浮かべねぇだろ?俺と違って」



浜面の滞空が切れ、落下を始める。



絶対等速「直進再開だ。タイミングばっちりだな」



落下中の浜面の左肩に、鉄球が当たる。




メキィィィィィィィイイッ!!!



浜面「イ"ッ"!!!!」ボキィッ!!!!



ドサァッ!!!
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:52:16.92 ID:evQZ9nTt0
命中した箇所の鎧を砕き、骨が折れ、体を捻るように浜面は地面に落下した。


浜面に投げつけられた鉄球は、浜面の真上で宙に浮いたまま、固定されている。



絶対等速「能力解除。そして、直進固定だ」



能力を一瞬、解除された鉄球は、重力に従い真下へと落下し、能力により、そのまま真下の浜面へと直進する。




浜面「ッ!?クソォッ!!!」ゴロゴロッ!!



ドスドスドスドスドスドスッ!!!!!!
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:53:50.28 ID:evQZ9nTt0
浜面が転がって避けたことで、鉄球が地面に突き刺さり、埋め込まれた。


今はもう、能力が解除されているが、そのまま直進させれば、地下深くのマグマで溶けるまで、鉄球は直進を続けるだろう。



浜面「痛ってぇ……折れてんな、完全に。
それだけで済んだのはまだ運がいい方だけど」ズキズキ……



絶対等速「一発マトモに喰らったみたいだな。
頭か胸にでも当たれば致命傷だったのに、運のイイヤツだな全く」カッ、カッ、カッ



絶対等速がこちらに近づいてくる。



そのまま近づいて、接近戦なら、こちらに分があるかもしれないと、浜面は考えるが、絶対等速は途中で足を止める。


いわゆる、何があっても対処出来る距離で。


少年の頃より、常に警戒心を持って生きてきた絶対等速に、隙や油断など全く見られない。
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:55:28.07 ID:evQZ9nTt0
浜面「クッ……今日はマジで強いヤツばっかと当たる日だなぁ。
ここまで何人も俺より強いヤツが集まるとは思わなかったぜ……」



絶対等速「そうか。そりゃあ災難だったな。
まぁこっちもお前殺したら、失格になるから災難だが」



浜面「じゃあ、殺さないでくれよ……」



絶対等速「あー、それもいいが、何かお前は気に入らねぇんだ。
お前のその目。希望と自信に溢れた目だ。
楽しい人生送ってきたんだろうな、お前は」



浜面「なんだよ……自分は不幸ですって言いたいのか?慰めてほしいのかよ……」グググッ……


浜面が折れた肩を触りながら立ち上がる。
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 21:57:19.70 ID:evQZ9nTt0
絶対等速「いや別に。
正直比べるのもバカバカしいからなぁ、他人の人生なんざ。
皆似たりよったりの人生で、面白味の欠片もない。
だけど、たまにいるんだよ。お前みたいなヤツ」




浜面「何がだよ?」




絶対等速「別に幸せなだけの人生じゃない……どちらかと言えば苦難と試練の人生だ。
だけど、俺はそれを乗り越え、ここにいる。
そんな目をしてんだよ、お前は。それがムカつくんだ」




浜面「そんなことを言ったら……お前は乗り越えてきたんじゃないのか?

貧困も、残酷な運命も、人の裏切りも、家族の死も。

乗り越えたからこそ、今、ここで生きてるんじゃないのか!?」
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:00:07.67 ID:evQZ9nTt0
絶対等速「違うな。全部乗り越えてなんかいない。
俺は人間の、汚い負の部分に負け、何もかも奪われたのさ。

家族も。心も。命の価値も。希望も。

そして、俺は別にこれでいいんだ。この力で、他の人間から全てを奪い、全てを壊す人生でな」ゴソゴソ



絶対等速は鉄球を取り出す。



絶対等速「その身体じゃもう、さっきみたいに素早く逃げられねぇだろ?チェックメイトじゃねぇのか?」



浜面「まだ幕引きには早ぇよ……お前の倒せるかもしれない方法を試さねぇとな」カッ!!


ブワァァァァァァァアアアッ!!!
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:01:38.87 ID:evQZ9nTt0
……………




絶対等速「……そんなもんまで出せんのか?お前の能力は」




ブォン、ブォォォン!!!



浜面「左手使えないからちょっと運転難しそうだな……
ケルベロス、少しフォローしてくれよな」



ケルベロス「フン、また無様にやられよって。
半蔵という小僧といい、先程の駒場という男といい、このところ負け続きではないか貴様」
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:04:07.48 ID:evQZ9nTt0
絶対等速「で?そのバイクでどうするつもりなんだ?
轢き殺すつもりか?
多分、ダイヤの粒の壁で、お前がズタズタになるだけだと思うが」



浜面「俺の力の中で、物理攻撃以外の攻撃ができるのは、これとグリフォンのグライダーだけだ。
威力のある方を選んだだけさ」



絶対等速「ん?まぁよくわからんが、それがお前の最後の手なんだろ?
こいよ。それをしのげば俺の勝ちだ」



浜面「そうか。じゃあ早速」カチッ



パラララララララッ!!!!



絶対等速「ッ!?」バッ!!



ギィンッ!!ギィンッ!!


ケルベロスのバイクについた、機関銃で絶対等速を狙い撃つ。
もちろん、全て防がれている。
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:05:10.97 ID:evQZ9nTt0
ブォォォン!!!ブォォォォォォォオオオッ!!!



絶対等速が銃撃を防いだ瞬間、浜面がアクセルを回し、バイクを走らせる。



絶対等速「チッ!!何をするかと思えば、今までとあまり変わんねぇじゃねぇか!!」ブンッ!!



絶対等速が、自分の周囲を囲むように、大量の鉄球を固定させる。
これで、どこから浜面が突っ込んできても、その方向へ進む鉄球の固定を解除すれば、迎撃できる。



浜面は、絶対等速の周囲を旋回するようにバイクを走らせている。
バイクが通った跡が繋がり、円が描かれたようだ。
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:06:44.68 ID:evQZ9nTt0
絶対等速「そろそろ終わらせてもいいか?グルグル回られて目が回りそうなんだ」



浜面「ハッ!!やれるもんならやって見ろってんだ!!」



絶対等速「じゃあ、お構い無く」スッ



絶対等速が手を前に出すと、浜面を真っ正面に捉えた鉄球が次々と固定を解除され、真っ直ぐに進みだす。




浜面「ケルベロス!!お前の出番だ!!」



ケルベロス「ウォォォォォォォォオオオオンッ!!!!」ガパァッ!!!



絶対等速「ッ!?魔物だと!?一体どこから!!」
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:08:18.15 ID:evQZ9nTt0
浜面の叫びと共に、バイクが消え、ケルベロス本体が姿を現す。
そして、その瞬間、三つの首が絶対等速を捉え、口を大きく開く。



ドドドドドドドドドドドドッ!!!!



そして、ガトリングガンのように、口から氷の槍を次々と発射させた。



絶対等速「氷の魔物か!?だが、所詮は氷も物質。しかも固体だ。
物理的な攻撃じゃあ、俺には届かないぜ!?」バッ!!



絶対等速が、ダイヤの粒を大量に取り出し、前方に広く投げつける。
5mほど直進し、固定されると、ケルベロスの氷の槍を防ぐ盾となった。
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:09:38.59 ID:evQZ9nTt0
絶対等速「問題にならねぇな。コイツが切り札だったのか?なら、これでお前は終わりだ!!」


絶対等速が鉄球を再び投げつけようとする。


ケルベロス「浜面!!今の攻防で、円に魔力と冷気が少しは溜まったハズだ!!
発動させるぞ!!」スゥゥゥゥッ



浜面「あぁ!!頼んだぜケルベロス!!」




「ウォォォォォォォォォォオオオオオンッ!!!!!」ビリビリッ!!




ケルベロスの遠吠えが辺りに響きわたる。


その瞬間、絶対等速の回りに、青白い円が浮かび上がる。
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:10:47.75 ID:evQZ9nTt0
絶対等速「な、なんだこの円は!!」



絶対等速がうろたえる。



浜面「魔力と冷気がギリギリ足りたみたいだな……それは、氷の捕縛陣みたいなもんだ。
前にデュランに引っ掛けた時は失敗したが、人間相手なら十分効果あんだろ」



パキパキィィィ……



バイクで描かれた円の中が、みるみる内に凍結していく。



絶対等速「バカなっ!!こんなことで、俺が……」パキパキィィィ……


絶対等速の身を氷が包んでいく。あっという間に、絶対等速は身動きが取れなくなった。
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:12:06.53 ID:evQZ9nTt0
浜面「ふぅ……終わったか。ありがとな、ケルベロス」



ケルベロス「いつまでたっても危なっかしいヤツよ。
このままでは、佐天の小娘に抜かれてしまうぞ?」



シュンッ……



ケルベロスが浜面の中へと戻り、浜面が、氷詰けの絶対等速の前に立つ。




絶対等速「…………さっさと殺せ」



浜面「悪いな。殺したら失格なんだ。
どうだ?少しは頭が冷えたか?」


絶対等速「むしろ頭以外が冷えきってんだよ。あー……意識が遠くなってきた」
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:14:52.55 ID:evQZ9nTt0
浜面「そりゃあ、そういう効果の技だからな。
お前が完全に気絶したら、解放されるようにしておくよ。
そんで、すぐ治療してもらえるだろ。

……なぁ、今からでも遅くない。俺らと一緒に世界を救う、勇者として旅に出ないか?
過去の事を背負いながらでも、違う道を歩めるだろお前なら」




絶対等速「それは無理だ。絶対にな。
俺とお前ら勇者は、根本的に違うんだよ。性質がな。
絶対に交わらない道を進んでるんだ。俺とお前は」




浜面「そうか……残念だよ、ホントに。
じゃあ、この都市の警備員とか言うのに引き渡すしかねぇな。盗賊として」




絶対等速「あぁ……好きにしろ。俺はもう眠くなってきたんだ……ゆっくり寝させてくれ……」コテン



浜面「あぁ……じゃあな、『絶対等速』」クルッ



パリィィィィィィィイインッ!!



ドサッ……



気絶した絶対等速を解放し
浜面は、また違う場所へと移動を始めようとする。
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:16:18.05 ID:evQZ9nTt0
その瞬間、浜面は見た。






すっかり暗くなった辺りに、浜面を真っ直ぐ見つめる、真っ赤に光るルビーのような目を。






サバイバル開始から4時間10分経過 19:10






偏光能力<トリックアート>



絶対等速<イコールスピード>




撃破
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/02(金) 22:26:13.74 ID:evQZ9nTt0
投下終了です。


2章のボス級へと大抜擢された、絶対等速さんでした。

ちょっと能力変かもしれないですね。構想不足です。
再登場までにしっかり考えます。

てか2章長すぎです。今の時点で、前章のアイアンゴーレム登場くらいのとこです。



前章終盤くらいまでに、見てる人増えてきたみたいですね。
今の時点で100人くらい見てくれてたらいいなぁ。
それは流石にないか。


次回は、超山羊頭人戦をお送りする予定です。
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/02(金) 22:30:40.88 ID:8ZC7IMoBo
1レスあれば20人いるって聞いたから、5レスあれば100人いるんじゃね?

あ、乙
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/02(金) 22:32:22.93 ID:sUuBFgjno

できれば麦野の方の話も進めてほしい
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/02(金) 23:12:19.98 ID:pdPb1BCco

インフレハンパねえ
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/02(金) 23:23:11.44 ID:8ZC7IMoBo
麦野「私が勇者?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349340966/
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/03(土) 01:37:56.35 ID:wWB6JDpb0


等速さんいいキャラしてるわ

次回は浜面さんのナンパ大作戦か
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:13:23.14 ID:4ZQBaXRz0
こんばんわ、1です。

予定のとこまで書けたので投下します。



>>536
てことは、最初の投下のレスも合わせて7人か……150人くらいはいてくれてるのかな?
いいモノ書けるように頑張りたいですねぇ。

>>537
麦野勇者の方でもレスありがとです。

>>538
むしろ、浜面が全く成長してくれねぇ……浜面の2章のラスボスはもう決めてますが、勝てる要素が……w

>>539
仕事速いですね!!ありがとうございました!!!


>>540
ナンパというか、ストーカーされてるんですけどねw


それでは、ゆっくり投下します。
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:21:37.42 ID:4ZQBaXRz0
浜面「オイオイ……冗談だろ。
こっちはもう、身体中ボロボロだってのによぉ」



ナイフで刺され、鉄球に骨を折られた左腕に右手を触れながら、浜面は力無く笑う。



浜面「大体、さっき倒したハズだろお前は。一体どうなってんだよ……」





浜面の目の前には、山羊の白骨化したような頭部を持つ、人型の魔物『山羊頭のデーモン』が立っていた。


その両手には、先程の両手に大剣ではなく
等身大の大きな斧と、直径2m近い、大きな鉄球が長い鎖で繋がった武器を持っている。
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:24:31.72 ID:4ZQBaXRz0
浜面「何か、さっきより強くなってる気がするな……冗談じゃねーぞ全く!!」カッ!!



ブワァァァァァァァッ!!!




ケルベロス「魔物使いの荒いヤツだ。引っ込めたと思ったらまた出しよって」



ケルベロス本体が、再び現れる。



浜面がケルベロスの背中に乗る。




ケルベロス「む?なんだ彼奴は……我と同等。いや、それ以上の力を感じるぞ?」



浜面「そうか。だったら今は逃げるしかねーなぁ!!
頼むケルベロス!!全速力で走ってくれ!!」




バッ!!!!


浜面の叫びと共に、ケルベロスは走り出す。







ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ


山羊頭のデーモン「…………」ダッ!!


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ



山羊頭のデーモンもまた、ケルベロスを追うように走り出す。
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:27:53.60 ID:4ZQBaXRz0
ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ



浜面「ケルベロス!!とりあえず、あの小高い丘を目指してくれ!!
万が一戦う時は、広い場所の方が俺らに有利だ!!」




ホイミスラ坊「ピー(仕上、じっとして!!)」ペカーッ!!




浜面はスラ坊に、怪我と体力を少しでも回復してもらいながら、ケルベロスに乗って、東の丘を目指す。




ケルベロス「ッ!?くるぞ!!しっかり掴まれ浜面!!!」




浜面「へ?……ゲッ!?」ガシッ!!




浜面は後ろをチラッと確認すると、ケルベロスにしがみついた。
その瞬間、ケルベロスが素早く横に回避する。
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:29:54.54 ID:4ZQBaXRz0
ドゴォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!




それまでケルベロスがいた地点に、巨大な鉄球がめり込む。


追ってきているのだ。


巨大な斧と鉄球を抱えたまま、真っ赤に目を光らせた山羊頭のデーモンが。




浜面「足速ぇなアイツ!!!どうやったらあんな重そうなもん担いで追いかけてこれんだよ!!」



ケルベロス「喋っていると舌を噛むぞ、浜面!!」



ズザァァァァァァアアッ!!



ケルベロスが足でブレーキをかけながら、180度ターンし、山羊頭の方へ向く。



三つの首が、山羊頭を狙い、口を開く。
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:31:55.98 ID:4ZQBaXRz0
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!



大量の氷の槍が、ガトリングガンのように山羊頭に降り注ぐ。


ジャラッ!!!


ドガガガガガガガガガガガッ!!!!




山羊頭は、鉄球を鎖で引き寄せ、自分の周囲で斧と鉄球を振り回す。

次々と氷の槍は、鉄球に粉砕されていく。




ケルベロス「クッ!!足止めにすらならぬか!!
浜面!!貴様がヤツを足止めしろ!!我は前進と回避に専念する!!」ダッ!!!



ケルベロスが再び、東の丘に向けて走り出す。




浜面「あぁ、わかったよ!!」チャキッ!!


浜面は、ケルベロスの魔力を充填したサブマシンガンを右手に取り出す。
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:34:16.90 ID:4ZQBaXRz0
パラララララララッ!!!!




氷の魔力を帯びた弾丸が、山羊頭のデーモンに放たれる。



その瞬間、山羊頭が宙に飛び上がり、弾丸を躱す。
浜面がそのまま、空中の山羊頭へと照準を向けるが、山羊頭は、斧を持つ手を振りかぶっている。




浜面「ケルベロス!!斧がくるぞぉ!!!上からだ!!」ガシッ!!




浜面は叫びながら、ケルベロスにしがみつく。
ケルベロスは、再度、真横に回避する。




ドゴォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!!



ケルベロスの真横に、巨大な斧が突き刺さった。




そして鉄球を持った山羊頭のデーモンが、浜面達の頭上へと降りてくる。鉄球を振りかぶりながら。
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:35:45.30 ID:4ZQBaXRz0
浜面「舐めんなぁぁあっ!!!!」チャキッ!!



浜面が、ケルベロスの魔力を帯びたショットガンを取り出す。




ホイミスラ坊「ピー!!(仕上!!まだ左腕が)」



ドォォォォオンッ!!!!!



ショットガンの散弾が、山羊頭のデーモンへ命中し、山羊頭が後方へ吹っ飛んだ。



浜面「グッ!!」ズキィィッ!!!



浜面の左腕に、酷い痛みが走る。




浜面「ケルベロス!!今の内に、アイツと距離を離せ!!
俺の左腕がまともに動くまで、あんなヤツ相手にしてられるか!!!」
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:37:10.28 ID:4ZQBaXRz0
ズザァァァァァァアアッ!!!




空中で、散弾を受けた山羊頭のデーモンは、体勢を整え、地面に着地した。
ダメージは見る限りなさそうだ。




その前に、ケルベロスは走り出していた。


ケルベロスも、山羊頭の危険度がわかるのだろう。
浜面負傷の今のままでは、勝ち目がないとわかっているのだろう。





ケルベロス「スライムよ!!浜面の左腕、あとどれくらいかかる!?」



ホイミスラ坊「ピー(あと3分もあれば、一時的には大丈夫だと思うよ)」



ケルベロス「3分か……長い逃走になりそうだ」チラッ
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:38:26.02 ID:4ZQBaXRz0
ドゴォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!






ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオ


山羊頭のデーモン「…………」ダッ、ダッ、ダッ、ダッ


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオ




ケルベロスが後ろを見ると、周囲の建物を破壊しながら山羊頭のデーモンが追いかけてくる。


先程よりはかなり距離が開いているが、油断はできない。
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:40:16.71 ID:4ZQBaXRz0
浜面「大体、何でアイツはケロッとしてんだよ!!!
今もお前の魔力の散弾、まともに喰らったんだぞ!?」




ケルベロス「簡単な話だ。ヤツの力が、我よりも上がっているのだ。現在進行形でな。
最初は我と同等であったが、今はもう、ヤツのほうが少し上だ」



浜面「戦闘中に少しづつ、強くなってるのか!?何て厄介な……」



ケルベロス「ここで完全にトドメを刺さねば、後々手がつけられなくなるぞ?
左腕が治り次第、全力で叩き潰せ」





ドゴォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!!


ケルベロスの背後に、鉄球が降ってきた。
山羊頭が少しづつ、速度を増してきているようだ。



ケルベロス「……もっとも、それまでに、我等がやられなければの話だがな」



浜面「やめろよ……そろそろ冗談に聞こえなくなってきた」
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:41:34.20 ID:4ZQBaXRz0
…………



垣根「オイオイ……心理定規。まだ、山羊頭のデーモン戻さなくていいのか?
ちょっとシャレにならなくなってきたぞ?」



心理定規「いや……実はさっきから戻そうとしてるのだけど……その……」モジモジ




垣根「どうした?」




心理定規「何か反抗期みたいで……
浜面君と決着つけるまで、戻らないって。アハハ……」タラー……





垣根「…………企画ミスったかな……流石に魔物投入はマズかったか?」ハァッ……




心理定規「ご、ゴメンね垣根。
まさか、あの子がここまで強情だとは思わなかったから……」アハハハ……ハァッ……
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:43:07.91 ID:4ZQBaXRz0
19:15




ダッ、ダッ、ダッ、ダッ



ケルベロス「着いたぞ浜面!!東の丘の麓だ!!」


ダッ、ダッ、ダッ、ダッ



山羊頭のデーモン「…………」



ダッ、ダッ、ダッ、ダッ




ケルベロスの後方、20mほどに、山羊頭のデーモンが迫っている。



斧や、鉄球の射程距離まであと10m。





浜面「何とか辿り着いたか……スラ坊!!俺の腕は!?」




9m。




ホイミスラ坊「ピー(これで少しは使えるハズだよ!!)」
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:45:07.37 ID:4ZQBaXRz0
8m。



7m。



浜面「おっし!!ありがとなスラ坊!!」


シュンッ!!


スラ坊が浜面の中へと、一旦戻る。




6m。




5m。




浜面「ケルベロス!!お前も戻れ!!」


シュンッ!!!



4m。


3m。


2m。



山羊頭のデーモンが、走りながら巨大な斧を振り上げる。



1m。












浜面「お前の腕、まだ一発くらい撃てるよなぁ?アイアンゴーレム!!!」カッ!!!



浜面の背後に、駒場戦でヒビの入った、アイアンゴーレムの腕が現出する。
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:47:26.56 ID:4ZQBaXRz0
0m。





山羊頭「ッ!!!」ブンッ!!!




山羊頭のデーモンが、巨大な斧を投げつける。










浜面「生憎テメーみたいなゴツいストーカーは、お呼びでないんでなぁ!!!

主人のところへ強制送還だ!!クソ山羊野郎ォォォォオオッ!!!!」ブンッ!!!!




ドゴォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!!!!





二つの破壊音が、同時に東の丘の麓に響き渡る。







パキパキ……パリィィィィィイインッ!!!!



何かが割れる音が聞こえる。











…………



垣根「どうやら、決着がついたみてぇだな」



心理定規「えぇ……そうみたいね」


556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:49:00.52 ID:4ZQBaXRz0
浜面「ハァッ……間一髪だったな。
ゴメンな、アイアンゴーレム。荒い使い方しちまってよぉ」




浜面の僅か30cmほど横に、山羊頭のデーモンが投げた巨大な斧が刺さっている。




そして、山羊頭のデーモンは
アイアンゴーレムの腕が、砕けるほどの攻撃を受け、ピクリとも動かない。





パァァァァァァァァァアアッ!!!!



山羊頭のデーモンの体が、光に包まれ霧散する。
どうやら、主の元へ帰っていったようだ。





浜面「さて……まだ左腕が痛むが、何とか動けそうだな。
とりあえず、丘の上に登ってみるか」




浜面の視線が丘の上に移る。








ゴォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!




次の瞬間、横一直線に薙ぎ払われるように、炎の壁が立ち昇る。
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:50:13.96 ID:4ZQBaXRz0
浜面「……オイオイ。ここにも厄介そうなヤツがいるのかよ」




浜面は考える。



退くべきか、進むべきか。



自分の状態を考えると、あまり無茶はできない。





「せいやぁぁぁぁぁああ!!!」




炎の壁が見えた辺りから、少女の声が聞こえてくる。




浜面「ッ!?今の声は……絹旗か!?まさか、アイツがあの炎のヤツと?」




かつての仲間の声を聞いた浜面は、進む方を選んだ。
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:52:10.22 ID:4ZQBaXRz0
19:20




浜面「何だあの不気味な像は……炎で形作られてんのか?」




丘を登る浜面の視線の先に、女性の悲痛な顔が印象的な像が現れる。



そして、その近くに絹旗と麦野。

対峙しているのは、かつて戦ったことのあるステイルである。




突如、ステイルが絹旗に向かって蹴りを放ち、絹旗が像の中へと吹き飛ばされる。



像が絹旗を飲み込むと、開いていた扉が閉じ、絹旗が閉じ込められた。




浜面「なっ!?いくらなんでもヤベェだろアレは!!!」バッ!!



浜面が戦いの場へと、急いで駆け込む。
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:53:03.03 ID:4ZQBaXRz0
麦野「ッ!?仕上!?何でアンタがここに!!」



突然の浜面の登場に、麦野は驚いている。



浜面「絹旗ァァァァァァァァァアアアッ!!!!!」




ステイル「むっ?」



ステイルが、突如現れた浜面の方を向く。

そこには、鬼の形相をし、剣を握った浜面が立っている。




浜面「ステイル!!!テメェェェェエエッ!!!」ダッ!!



ステイル「チッ!!」バッ!!



ガキィィィィィイイッ!!!



ステイルが短刀を取り出し、浜面の剣を受け、かつて最初の街で戦った二人が、再度剣を交えた。
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/03(土) 22:53:45.39 ID:4ZQBaXRz0
投下終了です。


山羊頭さん、お疲れ様でしたー。
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/03(土) 22:54:47.56 ID:5DlAwgAQo
おつ
山羊頭さんおつかれっす
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/11/03(土) 22:57:41.86 ID:OLjAwCmU0
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/03(土) 23:16:47.31 ID:Oap4VKXP0
>>1「はいカットー!!山羊頭さんのシーン終了でーす!!お疲れ様でしたー!!」


浜面「あ、山羊頭さんお疲れ様です!!追いかけてくる演技最高でした!!」



山羊頭「あぁ、お疲れ様。アクションの主役は大変だね。
続編出せるように、頑張ってくれよな。そん時は私も呼んでくれ」ハッハッハッ



何か知らんが、こんな感じまでは想像できた。
乙。
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/04(日) 00:18:53.11 ID:00qzmRl4o

モジモジする心理定規たんかわいいハァハァ
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/04(日) 01:06:09.25 ID:F3Z9IJso0


浜面さんだめだろ
ちゃんと口説かないと山羊頭さんは堕ちませんよ

566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/04(日) 07:07:18.94 ID:WtbtYgeuo
山羊頭さんは仲間にならないのね
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 18:22:39.93 ID:cY/EBAZd0
こんばんわ、1です。



>>561
>>562
>>563
山羊頭さんの再登場にご期待ください。



>>564
正直、心理定規のキャラがいまいちわかりませんので、こんな感じでいきます。


>>565
心理定規「ひとのモンスターをとったらドロボウ!!」


>>566
あくまで、野生?の魔物を仲間にしていく感じですね。



今日は少なめで、バトルはありません。
たまには、バトルもシリアスもお休みで。

では、投下します。
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 18:40:08.58 ID:cY/EBAZd0
ステイル「……いきなり現れて、こんな真似とは、いくらなんでも失礼ではないかい?勇者、浜面……」



ギギギギギッ……



浜面「うるせぇ!!テメェ、絹旗はどうなってんだ?
無事じゃなかったら承知しねぇぞ!?」



互いの剣が競り合う中、浜面は、ステイルを鬼の形相で睨みつける。

ステイルは多少呆れ顔になっている。




ステイル「やれやれ……そういうことか。彼女なら無事だよ。
本来なら、あの像に閉じ込めたあと、何十もの炎剣を突き刺すんだが、彼女は閉じ込めただけだ。
せいぜい気を失っているだけだろう」
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 18:41:06.00 ID:cY/EBAZd0
浜面「……信じるぞ?その言葉」スゥ……



ステイルの言葉を聞くと、浜面は怒りを沈め、剣を退く。




ステイルが指をパチンッと鳴らすと、灼熱の処女像が消え、絹旗の姿が現れる。



ドサッ……



浜面「絹旗ッ!!」ダッ!!



浜面は、絹旗に駆け寄り、抱きかかえる。
多少うなされているようだが、どうやらただ、気を失っているだけのようである。



浜面「フゥッ……よかった。本当に無事なようだな」



麦野がヤレヤレといった顔で、浜面を見ている。
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 18:42:26.72 ID:cY/EBAZd0
麦野「たくっ……焦りすぎよアンタは。
第一、私の目の前でそんな滅多なことさせるわけないでしょ?
万が一、何かあったら、その男が殺してくれと言うまで地獄見せるだけよ」ニコッ





ステイル「…………」ブルッ……




麦野が、優しい笑顔でとんでもないことを言い放つ。





浜面「まぁ、そういうなよ。
お前や滝壺が、姉のような存在なら、絹旗やフレンダは、俺にとって妹みたいなもんなんだ。
万が一のことがあったらと思うと、流石に動揺しちまうよ」
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 18:44:16.86 ID:cY/EBAZd0
麦野「……その言葉、絹旗が聞いたらどう思うのかしらね。
照れるのか、無邪気に喜ぶのか……いえ、多分表面上は、妹扱いに怒るでしょうね、あの子は」クスッ……



浜面「ん?どういうことだそれ?」




麦野「別に何でもないわよ、この鈍感インポ野郎が」ニコリ



笑顔でさらりと毒を吐く麦野である。
流石に、浜面も少し涙目になってきている。



浜面「ま、まぁ、皆まだ無事でよかったよ。絹旗は気絶してるし、失格だろうけどよ」




ステイル「勝負だったからね。その辺は、キッチリ決着をつけさせてもらったよ」
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 18:46:06.08 ID:cY/EBAZd0
浜面「そういや、ステイル強くなってたなぁ……あれって新しい技だろ?
今の俺じゃ、敵わねぇな、お前には」




ステイル「努力したのさ。血の滲む努力をね。
なんなら、今すぐにでも君にリターンマッチを申し込みたいところだが……また今度にするよ」



浜面「あぁ……その方が助かるよ。今のボロボロの俺じゃあ、全く相手にならねぇ……」



ステイル「そうか。それは災難だな。
せいぜい、これから起こる戦いで、死なないように気をつけてくれ」チラッ




麦野「…………」ニコニコ



ステイルが東の丘を降り、市街地へと戻っていく。
その時、ステイルの目は、浜面に憐れみを込めた目を送っていた。
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:27:42.94 ID:cY/EBAZd0
浜面「ふぅ……いやー、よかったよかった。何とかまた合流できてよかったよ麦野」



麦野「そうね、私も嬉しいわ。仕上、怪我してるの?」ニコニコ



麦野が笑顔で浜面の怪我の具合を聞いてくる。




浜面「あー、ちょっとな。でも、スラ坊に少しずつ回復してもらえば、いずれ治るよ」




麦野「そう、ならよかったわね。10分だけ待ってあげるから、すぐに回復しておきなさい。
10分たったら問答無用で始めるから……」ニコニコ




浜面「へ?始めるって何を……」




バシュウ……


ゴォォォォォオオッ!!!!
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:30:53.50 ID:cY/EBAZd0
浜面「…………へ?」



浜面のすぐ側を、麦野の原子崩しが通りすぎる。



麦野「言ったでしょ仕上?……次に会ったら、問答無用で浜/面にするって……」




浜面「……い、言ってたっけなぁ?そんなこと……」ガタガタ




浜面の声が裏返る。


忘れてた。完全に。



次に会ったら、敵対すると、麦野は確かに言っていた。
そして、それが冗談にじゃないことも、浜面は理解していた。





ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ


麦野「ほら、早く回復しときなさい……あと9分40秒後には、アンタは死ぬ気で逃げ回らなきゃならないんだからさ……」ニコォォオ……


ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ






浜面「……スラ坊、全速力で回復してくれ。
いいか?全速力でだ。少しでも遅れれば、俺の命に関わる……」ガタガタ



浜面仕上。
このサバイバル、一番闘いたくない相手との闘いが、内定したようだ。
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:34:53.39 ID:cY/EBAZd0
<浜面回復中>





おまけ『その頃、あの人は』






サバイバル開始から4時間30分経過



とある高層ビル




プルルルルルルッ……


垣根「さてと……ようやく、残り300人以下にまで絞られたか」



心理定規「今回は、早く絞れたわね。前回なんて、終了まで12時間くらいかかったのに」




垣根「まぁ、エリア封鎖とかが効果あったんだろうよ。あと、お前の魔物参戦がな……
参戦させた魔物が強すぎだ!!馬鹿野郎!!!」ハァッ……
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:36:27.79 ID:cY/EBAZd0
プルルルルルルッ……


プルルルルルルッ……




心理定規「だ、だって、人選は任せるって言われたから……参戦してみたいって言う子を適当に3匹選んだのよ」オドオド




垣根「じゃあ、その3匹のこの1時間の戦績を教えてやるよ……



山羊頭のデーモン 撃破数16人

まぁ、これはそこそこだな。
早い段階で、浜面にやられなきゃ、もっと倒してたかもだが」




心理定規「殆どが、浜面君を追いかけてた時に、巻き込まれた人だもんね。撃破数の人って……」
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:38:34.48 ID:cY/EBAZd0
プルルルルルルッ……

プルルルルルルッ……

プルルルルルルッ……




垣根「次、牛頭のデーモン。撃破数 35人。

コイツが1番丁度いいな。
でも、シェリーってヤツが瞬殺しちまったからなぁ。あんまし強くなかったな、コイツ」




心理定規「まぁ、その子はポーンでも、一番弱い子だからね。
この子に負ける程度の人じゃあ、どの道生き残れなかったでしょ?そんなもんじゃない?」
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:46:11.99 ID:cY/EBAZd0
垣根「ここまではいい。ここまではいいんだ。ラスト、『塔の騎士』。

心理定規……コイツに関して、何か言いたいことはあるか?」ジロッ





心理定規「えっと……あの子は私の中で、チェスでいう『ルーク』のカテゴリーに分けてて
巨大な身体を巨大な鎧で覆い、巨大な盾と槍で戦う、とっても頼れる騎士さん……かな?」アハハ……







垣根「…………塔の騎士 撃破数419人。



やり過ぎだ馬鹿野郎ッ!!!!お前、たった一時間で、この大会で、コイツが1番人数倒してんじゃねーか!!!!
しかも、コイツ俺も知ってんぞ?お前の主力の魔物の一匹じゃねぇか!!!

勝てるか!!普通のヤツらがこんなもん!!半蔵達でもキツイわ!!」
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:52:12.32 ID:cY/EBAZd0
心理定規「や、やっぱりマズかった?
なんだか、あの子、妙にやる気あったからさ……最近暴れてなかったからかしら?」



垣根「マズイのは、お前の人選センスだ。こんなゲームに主力を選んだ意味がわかんねぇ。

さっきから、テレビで見てる視聴者から、苦情が殺到してんだよ!!
自分が賭けてた選手が、変なデカイ騎士にやられたってなぁ!!」



プルルルルルルッ!!

プルルルルルルッ!!

プルルルルルルッ!!



垣根「ダァァァアッ!!!!うっせぇ!!
心理定規!!電話線全部引っこ抜くか、お前が苦情処理しろ!!」




心理定規「うぅ……やればいいんでしょう?やれば……はい、こちら運営」ガチャッ




垣根「全く……あの『聖人』が止めてなかったら、もっと酷いことになってただろうな……」ハァッ……




垣根は深い溜息をつく。
組織のトップって大変だなぁと感じる今日この頃の垣根であった。




心理定規「はい、はい、申し訳ございません。
こちらの調整ミスでして……賭け金の返金?
いえ、それは受け付けできませんので……」グスンッ……
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:54:15.18 ID:cY/EBAZd0
19時30分



最初の広場



神裂「ふぅ……流石に疲れましたね……こう強敵との連戦でしたので」チャキッ……



『聖人』神裂 火織が愛刀を鞘に戻す。どうやら、一通り片がついたようだ。





駒場「」



半蔵「」



結標「」



塔の騎士「」



その他大勢の参加者「」



先ほど、神裂に戦いを申し込んだ駒場の他に、大勢の人間+αが気絶している。
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:57:19.94 ID:cY/EBAZd0
あちこちの建物や、景観が崩壊し、何百人もの人間が倒れているその画は、まさに地獄絵図であった。



実際は、誰も死亡者はいないので、別にそこまで深刻な話でもない。




その殆どは、先程、垣根達が嘆いていた、塔の騎士が張り切り過ぎた結果だが。






>>1『塔の騎士がわからない方は、「デモンズソウル」をやってみよう。
体感すればわかります。そのえげつなさが』





ちなみに、19:00の時点で、麦野達が東の丘から見ていた光景は、主にこの塔の騎士が原因である。




神裂「もう、この辺りには、誰もいないようですね。
さてと……それでは、しばらくはこの広場でじっとしておきましょうか。
もう迷いたくありませんからね」ヨイショ



神裂は、広場のベンチでゆっくりと寛いでいる。
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 19:59:54.24 ID:cY/EBAZd0
1時間半後




神裂「スピー……」zzZ




21:00



サバイバル開始から6時間経過




神裂火織




失格




参加者15000人



残り1人



サバイバル終了。
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/04(日) 20:04:43.12 ID:cY/EBAZd0
投下終了です。


少しほのぼのさせてみました。



ちなみに最後を補足させていただくと、神裂さんは、最後の二人までは残ってたということをお伝えしたかったのです。


次回の投下から、時間を戻して、再びバトルパートに戻ります。
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/04(日) 21:26:51.61 ID:Fimxm57h0


ねーちんvs睡魔

睡魔さん最強じゃないか

とゆーかねーちん超天然
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/11/05(月) 08:03:35.37 ID:gOp5JODK0
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 20:21:23.85 ID:8ozvVFl20
こんばんわ、1です。


>>584
神崎さん、ちょっと天然にしすぎた感が……w

>>585
ありがとうございます!!!


それでは、浜面VS麦野開始です。
今日は少なめですが。
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 20:26:24.25 ID:8ozvVFl20
時は遡り、サバイバル開始から4時間39分経過




20:39



麦野「…………」グッ、グッ


浜面「…………」ダラダラダラダラ……


麦野が宣告した10分まで、残り1分。

麦野は、闘いへの準備として、念入りに身体の調子をチェックしている。

その様子を見て、スラ坊により、回復中の浜面は、流れる冷や汗が止まらない。




浜面「スラ坊……今、俺の怪我はどんくらい治ってんだ?」


ホイミスラ坊「ピー(大体7割くらいだよ。僕の力じゃ、これが限界だね)」ピカーッ!!
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 20:52:00.97 ID:8ozvVFl20
30秒前



麦野「さーて……仕上、そろそろ準備はできてる?」



麦野が浜面の方を見る。その眼差しからは、麦野のヤル気が丸見えである。



浜面「どうかな?できれば、延期してもらいたいもんだな……」



麦野「アハハッ……何寝ぼけたこと言ってんだよ馬鹿面。
敵が待ってくれるわけないだろうがよぉ?
10分待ってやっただけでもありがたいと思わないとなぁ……」



麦野の口調が、荒々しくなってきている。
完全に戦闘モードへと移っているようだ。
もはや、誤魔化しは効かない。
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 20:54:00.40 ID:8ozvVFl20
あと20秒




ガサッ!!


男1「ハッハァッ!!!こんなところに獲物がいたぜ!!」バッ!!


男2「悪いな姉ちゃん!!優しくしてやっから、大人しく寝ててくれや!!」バッ!!



浜面「麦野っ!?」ガバッ!!



突然、麦野の背後から現れた二人の男が麦野を狙う。
他の生き残りであろう。思わず、浜面が立ち上がる。




ブンッ!!


バキィィィィィイイッ!!!

ドゴォォォォォオオッ!!!



その瞬間、二人の男が、麦野に蹴られ殴られ、それぞれ一撃で沈む。



麦野「何よ、いきなり立ち上がって……準備でもできたの?」パンッ、パンッ……




浜面「なっ!?……そうか。そういえば、俺の格闘技もお前に習ったんだもんな」
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 20:55:28.40 ID:8ozvVFl20
10秒前


9


8


7


麦野「はぁまづらぁぁぁあ……そろそろ行くけど覚悟はできてんだろうなぁ?」キュイイイインッ……



6

浜面「スラ坊!!ありがとな!!ここまででいい」


シュンッ!!



5


8割ほど回復したところで、浜面はスラ坊を戻す。
まだ、左腕や身体の痛みは残っているが仕方ない。
動けないよりはよっぽどマシだ。


4


3



麦野「それじゃあ、スタートよ。
師弟の直接対決……本気でこないと、マジで浜/面になるからね?」キュイイイインッ!!!



2


1



浜面「できればお前とはやりたくなかったな……例えこんな大会でもよぉ……」



0



バシュウッ!!!



ゴォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!



カウント終了と同時に、麦野の原子崩しが浜面に襲いかかる。
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 21:36:12.46 ID:8ozvVFl20
浜面「ォォォォォオオオオッ!!!」バッ!!!



ゴォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!



浜面の側を、原子崩しが通り過ぎる。

一応、威力だけは抑えているようだが、それでも当たれば即退場の威力だ。

いくら、躱すことに慣れている浜面といえど、毎回命掛けである。




麦野「オラオラオラオラァァァァァァァアアアッ!!!!!」



ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!



出力が抑えられた分、連射が効いている原子崩しの矢の雨が、次々に浜面へと放たれる。
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 21:37:02.10 ID:8ozvVFl20
浜面「ハッハァッ!!!残念だったな麦野ォ!!小さい頃からコレを躱し続けてきたんだ!!
そう簡単には、当たらねぇぜこの野郎ォ!!!」ダッ、ダッ、ダッ



浜面が全速力で走り回り、逃げ回りながら、麦野を挑発する。
正直、絵的にはかなり主人公らしくはない光景である。




麦野「あぁそうかい……だったら近づいて、直接ブチ込んでやろうか!?」グッ!!



ダンッ!!!



勢いよく麦野が踏み出すと、見る見る内に浜面との距離を詰める。
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 21:38:04.10 ID:8ozvVFl20
浜面「速っ!?」



麦野「オラ、この距離からの連射だ。
さっきみたいな口聞いてみろよ!?このチェリー君がよォォォオオ!!!!」バッ!!!




ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



先ほどより、かなり距離を詰めた状態で、麦野の原子崩しの連射が放たれる。
躱す暇を与えないほどに。




浜面「まだまだァァァァァアアッ!!!」ダッ!!



浜面は、あえて麦野の方向へ走り出し、更に距離を詰める。



麦野「ッ!?いい度胸じゃねーか!!はぁまづらァァァァァアアッ!!!!」

ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!


麦野は、怯まず連射を続ける。

人間相手ならば、一発当たれば勝ちなのだ。
この距離ならば当たるハズ。
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 21:39:07.35 ID:8ozvVFl20
しかし、浜面は迫り来る原子崩しの矢の雨を躱しながら、前に進む。




麦野「なっ……何で当たらねぇ!?アンタ、いつの間にそんなに……」


ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!



浜面「お前と別れてから2ヶ月間!!遊んでたわけじゃないんでなぁ!!!

できるだけ能力に頼らず、自分の性能を上げる鍛錬と実戦を繰り返して来たんだ!!!

さっきなんざ、これ以上の鉄球の雨を躱してきたんでなぁ!!
もう俺は、お前の知っている浜面仕上とは別人なんだぜ!?」ザッ!!
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/11/07(水) 21:55:32.02 ID:Nc8z3q3Lo
ファンタジーの世界ってあっさり法則無視できるから
中途半端にスキル鍛えるより身体能力鍛える方がよっぽど強くなれそうだww
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:04:48.49 ID:8ozvVFl20
遂に、浜面が麦野の目の前まで辿り着き、剣を構える。




浜面「もらったぜ麦野!!
昔は組手でも負けてたがよぉ!?今回は、俺の勝ちだァァアッ!!!」ブンッ!!



浜面は、剣の刃を立てずに、麦野へ振りかぶる。
あくまで目的は気絶させること。何も斬りつけることはないと考えて。


そこには、麦野が女だからという、浜面の優しさも込められていた。




しかし、闘いにおいて、優しさは時に、取り返しのつかない甘さとなる。
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:06:15.00 ID:8ozvVFl20
ガシッ!!



浜面「ッ!?」



剣を振るう、浜面の腕が麦野に掴まれる。




麦野「何も成長してんのは、アンタだけじゃないわよ……」ニィィイ……



ブンッ!!



浜面「ウォッ!?」グルンッ!!



ドサッ!!!



腕を掴まれたまま、浜面は足を払われ、地面へと打ちつけられる。



浜面「グッ!!このっ……」ガバッ!!




麦野「遅いっ!!」バッ!!



浜面が起き上がろうとするその前に、麦野は浜面の顔面に、右手のひらを向ける。
その手はいつでも、原子崩しを放ち、浜面の頭を消し、兵面にすることができる。



勝負ありである。
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:08:47.26 ID:8ozvVFl20
浜面「クソッ……結構いいとこまでいったと思ったけどなぁ……やっぱお前には勝てねぇのか」ドサッ……




浜面は、地面に寝転び大の字になる。








サバイバル開始から4時間50分




参加者15000人


残り170人




浜面 仕上

















麦野「何でそんな簡単に、負けを認めてんのよアンタ……」スッ……





麦野の顔が、一瞬悲しみの表情を浮かべる。




次の瞬間、麦野の手が、浜面の顔を鷲掴みする。
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:10:03.65 ID:8ozvVFl20
ギリギリギリギリッ!!!



浜面「アッ!!ガァァアッ!!!」



麦野が浜面の顔を、万力のような力で掴みながら持ち上げる。

明らかに、女のだせる力ではない。




麦野「なぁ?聞いてんのか浜面ァ……テメェ、ふざけてんのか?
誰に対して手ェ抜いてんだよ?」ギリギリギリギリッ!!!




先ほどの悲しげな表情から一転、麦野の顔は怒り一色に染められている。
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:12:14.53 ID:8ozvVFl20
浜面「グッ……誰も手ェなんざ抜いて……」



麦野「じゃあ、何で能力使って私にかかってこねぇ……
終いには、剣の刃ァ立てずにかかってきやがり、ちょっと押されただけであっさり負けを認めやがって……
テメェは私をおちょくってんのか浜面ァァァァアアアアッ!!!!!」ブンッ!!!




ドゴォォオッ!!!!




麦野の膝が、浜面の腹に突き刺さる。



浜面「グハァッ!!!」ゲホォッ!!



麦野の万力のような、鷲掴みから解放された浜面は、思わず膝をつき苦しんでいる。



ブンッ!!!


バキィィィィィイイッ!!!!



追い打ちをかけるように、麦野の回し蹴りが、浜面の顔面に突き刺さる。


浜面は、そのまま5mほど吹き飛ばされた。
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:13:42.74 ID:8ozvVFl20
浜面「グッ……お、女の蹴りじゃねぇ……」ヨロッ……




浜面はよろけながら立ち上がる。



麦野「私はお前の何だ?小さい頃から鍛えてやった師匠だろうが!!!
そんな私に、何一丁前に手ェなんざ抜いてんだよ?なぁ、浜面ァァアッ!!!」



浜面「…………」



浜面は黙って麦野の恫喝に耳を傾ける。


その通りだ。


自分は心のどこかで思っていたのかもしれない。


自分が本気で麦野と闘えば、麦野に怪我をさせてしまうと。


麦野に怪我をさせるよりは、自分が身を引いた方がいいと。



思い上がりも甚だしいことだ。

師匠である麦野にとっては、何よりも屈辱であることだろう。

弟子に手加減をされ、気を使わさせるなど。
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:15:00.56 ID:8ozvVFl20
麦野「もういい……テメェはもう私の教え子でも、弟分でもなんでもねぇ。

馬鹿は馬鹿でも、そんな腑抜けた腰抜けを弟子にとってた覚えはねぇ。

この大会が終わったらどこにでも行くといいわよ……そんで、二度と私の前に、その顔見せんじゃねぇ!!!」



バシュウッ!!!



ゴォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!


麦野が浜面に向けて、再度原子崩しを撃つ。


浜面「……………」


迫り来る原子崩しの前に、浜面はピクリともしない。


原子崩しが浜面のいた場所を通過していった。
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:17:04.39 ID:8ozvVFl20
麦野「…………今更どういうつもりだ浜面ァ……」



麦野が前方を見つめる。



浜面「…………」




前方には、剣を持ち、黙って立っている浜面がいる。
どうやら、先ほどの原子崩しは、すんでのところで、避けたようだ。




浜面「麦野……俺が馬鹿だったよ。
俺の甘さと思い上がりが、お前のプライドを傷つけた」




麦野「そうね。弟子に手加減されるなんざ、恥以外何者でもないわ。
こっちは、初めからアンタを倒すつもりでいってるのにね。
……ホント馬鹿みたい。1人で何してんだろうね、私」




浜面「あぁ。ホント、悪かったよ。俺が悪かった。だから……」



ダンッ!!
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:18:21.87 ID:8ozvVFl20
麦野「だから何……!?」バッ!!



バキィィィィィイイッ!!



麦野が左腕を上げ、ガードの態勢を取る。
その左腕には、浜面の蹴りが。




浜面「麦野……俺はお前をここで倒していくよ。ここで師匠を超える。
それが、ここまで強く育ててくれた、お前への恩返しだ!!」


カッ!!


ブワァァァァァァアアアッ!!!



浜面が光に包まれる。
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:20:37.41 ID:8ozvVFl20
麦野「全く……いつも気付くのが遅いのよアンタは。
ここまで言わないとわからないなんて、ホント馬鹿なヤツだわ。
……今のアンタの馬鹿さは好きだけどね」



チャキッ


麦野も、自身の力を最大限に生かす霊装「アルテミス」を右腕に装着する。

浜面が能力を使う今、自分も120%の力を出さなければ負ける。


浜面の力を誰よりも認めているからこそ、麦野は決して油断も慢心もしない。





麦野「さぁて……どっからでもかかってきなさいよ。
今、この時が私の……勇者、麦野沈利ではなく!!
『浜面仕上の師匠』としての、麦野沈利の最後の闘いよ!!」
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/07(水) 22:22:13.85 ID:8ozvVFl20
投下終了です。


まずは、準備運動ってとこです。
次回からは、お互いマジのバトルをお届けします。


多分、明後日くらいに投下します。
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 22:29:38.21 ID:nQA07PwM0


削板とどんな修行してたのか
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/11/07(水) 22:50:27.81 ID:Nc8z3q3Lo
おつー
ほんと師匠・・・女っけないな(誉め言葉)wwwwww
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/07(水) 23:19:29.30 ID:kXi+Mggd0


マジバトル?
多分マゾバトル(主に浜面さん
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/12(月) 00:54:31.42 ID:PPfYMjN20
明後日ってどの位の期間だっけ…?
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/11/12(月) 19:25:45.80 ID:PMPl53Kx0
こんばんわ、1です。

だいぶ遅くなりました!!とりあえず、浜面VS麦野戦は終わりまで書けたのでゆっくり投下していきます。

多分今日中に全部やると思います。


>>607
設定では、基礎能力アップが主です。
あといくつか新技を。

>>608
多分、乙女な麦野が見れますよ。多分。


>>609
ヤラれればヤラれる程強くなりますからね。どマゾですよね。


>>610
あんまし次回予告しないほうがいいですねー
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 19:28:24.38 ID:PMPl53Kx0
麦野の恫喝を受け、甘さを無くした浜面は、何か能力を出した瞬間から姿を消していた。



麦野「さぁて……どこから何をしてくるのかしらねぇ……」




ォォォォォォンッ……



ピクッ……



その時麦野は、微かに聞いた。
聞き覚えのある、浜面お気に入りの魔具の音を。




ブォンッ!!!



浜面「背中がガラ空きだぜ麦野ォォォォオオオッ!!!!」ブォォォッ!!!
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 19:29:58.03 ID:PMPl53Kx0
現時点の性能で、瞬間最高速度が180km/hを超える、スラ坊のバイクに乗った浜面が、麦野の背後に現れる。


どうやら、この周囲を猛スピードで走り回っていたようだ。




浜面「オラァァァァァアアアッ!!!!!」ブンッ!!



バイクに乗ったまま、浜面は剣を振るう。

今度はしっかりと刃を立てて。

流石に急所は狙わないが、確実に行動不能にするために。




背後を取られた麦野の口元が、ニヤリと歪む。



バチィィィィイイイッ!!!
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 19:32:13.05 ID:PMPl53Kx0
浜面「何っ!?」バチバチバチッ!!!



浜面の剣は、麦野の背中を捉えていたが、届くことはなかった。
間に設置された原子崩しの盾に、浜面の剣は防がれる。



麦野「ケルベロスを倒した時から、戦法が変わってないわね。
そんなんじゃ、私を倒すことなんざ一生叶わねーぞ浜面ァァァアアッ!!!」バッ!!!



アルテミスの照準が、一瞬浜面に合わされる。



浜面「!?撃つか?悪いが、当たる気はないぜ!?」ギュルンッ!!



ブォォォォォオオッ!!!



アルテミスを向けられ、麦野の原子崩しの気配を察した浜面は、全速力で退避する。
このスピードなら、麦野の原子崩しは十分過ぎるほど、避けられるだろう。
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 19:33:59.04 ID:PMPl53Kx0
麦野「反応が、ホンの少しだけ遅れたわね。
アルテミスの力、舐めてたら簡単に終わっちゃうわよ?」チャキッ!!!



キュゥゥゥゥゥンッ!!!



アルテミスから、エネルギーを溜め込むような高い音が聞こえてくる。



麦野「原子崩しver『ロック』。逃がさないし、逃げられないわよ」



カチッ!!




ババババババババババシュゥッ!!!!



アルテミスから、次々に原子崩しの矢が発射される。


矢は、高速移動を続ける浜面に向かって一直線に飛んでいく。
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 19:38:19.65 ID:PMPl53Kx0
浜面「追いかけてくる原子崩しって……最悪の攻撃じゃねーかチクショウ!!!」ギュンッ!!



アクセルを握り込み、浜面は全速力で追いかけてくる原子崩しから逃げる。



左右上下自在に走り回るスラ坊のホバーバイクで必死に逃げ回り
それを追いかけてくる原子崩しの矢も、何本かは障害物に当たり消滅したが、数本の原子崩しの矢がどこまでも追ってくる。




麦野「まずは一つ……撃破ね、浜面ァ」




ゴォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!


原子崩しの矢が数本、浜面のすぐ背後まで迫っている。



浜面「クソったれがぁぁあっ!!!振り切れねぇ!!」



カッ!!


ドォォォォォォオオンッ!!!
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:27:26.60 ID:PMPl53Kx0
原子崩しがスラ坊のバイクに命中し、大破した。
浜面は爆発によって投げ出されるが、次の魔具をだそうとしている。




カッ!!



ブワァァァァァァアアアッ!!!



浜面「悪いが、もう一回頼むぜスラ坊!!!」シュゥゥゥゥッ……



次に現れた魔具は、メタルスラ坊の鎧であった。
メタリックカラーの鎧に包まれ、浜面が剣を構える。



ブシュゥゥゥゥゥウウウッ!!!!



後背部の噴射口から、圧縮空気がジェット噴射のように勢いよく噴き出し、浜面は高速移動を開始した。
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:28:49.71 ID:PMPl53Kx0
麦野「馬鹿の一つ覚えで向かってきても、さっきと同じよ!?」チャキッ!!!



バババババババシュゥッ!!!



再び麦野から、追いかけてくる原子崩しの矢が放たれる。
原子崩しの矢は、真っ直ぐ浜面へと向かっていく。



浜面「避けられないなら正面突破しかねぇだろうよ!!!」チャキッ!!



ドォォォオンッ!!!

ドォォォオンッ!!!



メタルスラ坊の剣をショットガンに変形させ、迫り来る原子崩しに放つ。

メタルスラ坊の炎の魔力が宿った散弾によって、原子崩しは次々に相殺されていく。
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:30:26.13 ID:PMPl53Kx0
浜面「どうやらそのタイプの原子崩しは、威力が弱まるみてぇだなぁ!?
このまま接近戦だぜ麦野ォォォォオオオッ!!!」チャキッ!!



再び剣に変形させ、麦野の元へと直進していく。


能力使用時ならば、先ほどのように格闘で遅れをとることはまずない。
浜面はここで勝負がついてほしいと思っていた。

火力は圧倒的に麦野の方が大きい為、長引けば、確実にこちらが不利なのだから。








麦野「原子崩しver『ソード』……」



ブゥンッ……



浜面の目の前で、麦野のアルテミスから剣状に固定された原子崩しが出現する。
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:32:31.30 ID:PMPl53Kx0
浜面「そんなのもアリなのかよ!!!」



麦野「アリなのよそれが。修行の成果の一つね。
アルテミス装着時なら、能力を高い出力のまま、形を固定し維持することができる。

物体の硬度に左右されず、あらゆる物を貫く原子崩しを剣にしたもの……
コレに斬れないものなんてないわよ?」グッ……



麦野が浜面を迎え打とうと構えている。




浜面「だったら試してやろうじゃねぇか!!!」ブンッ!!



高速移動の勢いのまま、浜面が麦野に剣を振りかぶる。




ズシュッ!!!!!





浜面「……ガァッ……」




麦野「この斬れ味……存分に味わってもらえたかしら?浜面ァ……」
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:36:57.55 ID:PMPl53Kx0
麦野が原子崩しの剣を振り抜くと、浜面の剣は切断され、鎧は斬り裂かれ、浜面の身体から血が噴き出してきた。



全てを斬り裂く原子崩しの剣は、メタルスラ坊の剣や鎧など物ともせず、浜面を斬りつけていた。



麦野「手応えはあったわ……その傷じゃあ、どうやら私の勝ちかしらね?浜面ァ……」




カッ!!!


ブワァァァァァァアアアッ!!!!





麦野「……どうやらまだ諦めてないみたいね。それでこそアンタだわ」
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:38:54.62 ID:PMPl53Kx0
ブォォンッ!!ブォォンッ!!




重低音のマフラー音と共に、浜面の乗った超大型のケルベロスバイクが現出される。


そのまま100mほど麦野から一旦離れ、浜面はアクセルをふかしている。


浜面「こっちはまだ全てを出し切ってないんだ……終わるには早過ぎんだよ!!」ギュルンッ!!



ブォォォォォォォォォオオオッ!!!!



スラ坊バイクの速度には遠く及ばないが、力強い走りで麦野へとケルベロスバイクが走り出す。
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:44:10.94 ID:PMPl53Kx0
麦野「そう……だったらこれを躱してみせなっ!!!」チャキッ!!



麦野のアルテミスが浜面をロックする。



バババババババシュゥッ!!!!



アルテミスから標的をどこまでも追いかける、大量の原子崩しの矢が放たれる。




浜面「ォォォォォォォォオオオッ!!!!」グンッ!!



体重を思い切り後ろにかけ、浜面が勢いよく前輪を持ち上げる。



浜面「ラァァァァァァアアアッ!!!」ズンッ!!!



パキィィィィィィィイイイインッ!!!!



そのまま地面に前輪を叩きつけると、バイクの周りから浜面を守るように大きな氷柱が生えてくる。
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:47:06.03 ID:PMPl53Kx0
ドドドドドドドドドドドッ!!!



大きな氷柱に阻まれ、原子崩しの矢は消滅する。



麦野「チッ!!流石に火力不足みたいね。
レベルが近い同士で殺したらダメってのは思ったより厄介なルールだわ」





ブゥォオンッ!!!!



氷柱の壁を飛び越えるように、浜面がバイクに乗って飛び出してきた。



ダンッ!!



浜面「このまま行くぜ麦野ォォォォオオオッ!!!!!」ブォォォォォオオッ!!!!!


着地すると同時に、バイクは麦野へと向かっていく。
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 20:48:07.65 ID:h1BY/ki+0
おおお来てた!
待ってました!!
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:48:30.78 ID:PMPl53Kx0
麦野「原子崩しver『レイン」!!」チャキッ!!



バシュンッ!!!!




一発の球体が、空に向かって放たれる。



球体はしばらく直進した後静止し、空中で炸裂する。




麦野「原子崩しの雨よ。躱しきれるかしら?」




ドドドドドドドドドドドッ!!!!




何百何千もの原子崩しの小さな弾が、地面に降り注ぐ。
一発一発が、本来普通の銃弾並みの威力であり、今回威力を抑えているとはいえ、一発でも当たればそれなりのダメージを喰らう。
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:50:55.74 ID:PMPl53Kx0
浜面「構ってる余裕はねぇ!!!このまま全力疾走だ!!」ブォォォォォオオッ!!!!



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!




降り注ぐ原子崩しの弾を物ともせず、浜面は直進を続ける。
身体のいたるところに命中しているが、痛みを気にしている場合ではない。




遂に、麦野までの距離が20mほどになった。




ゥォオンッ!!!



バイクの前輪が持ち上がり、ウィリー状態で前輪を麦野へぶつけようと突進する。
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/12(月) 20:51:14.50 ID:yXEikiJ20
むぎのん猛烈アタック中〜
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:55:56.07 ID:PMPl53Kx0
麦野「そんな馬鹿正直な突進が当たるわけねぇだろうが!!!」パリパリィィィッ……



麦野が左手をかざすと、原子崩しの盾が出現する。



ドゴォォォォォオオッ!!!!




バイクの前輪と盾が衝突し、衝撃が走る。



ブォォォォォオオッ!!!!



盾に衝突してなお、浜面はアクセルを握り込み、凄まじい勢いで前輪を回転させつづける。
盾は少しずつ、崩壊を始めている。



麦野「トコトン諦めの悪いヤツねぇ。だいたいアンタ、私が斬った傷はどうなってんのよ?」



浜面「氷の力で傷を凍らせ、収縮させて防いだ。死ぬほど痛ぇがなぁ!!!」ブォォォォォオオッ!!!!
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 20:57:22.99 ID:PMPl53Kx0
麦野「馬鹿ねアンタ……無茶しすぎなのよ。死ぬわよホントに」



浜面「俺は死なないさ。お前に勝って、いつか皆でアレイスターを倒すまではな!!」ブォォォォォオオッ!!!!




パリィィィィィィィッ!!!!



ついに浜面のバイクが、麦野の盾を崩す。



浜面「オッシャァァァァアアッ!!!!これで終わりだぁ!!」ブォォォォォオオンッ!!!



盾を突破した浜面は、目の前の麦野へと突進する。









麦野「原子崩しver『スフィア』……」キュゥゥゥゥゥンッ……



ドォゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!!
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 21:04:30.90 ID:PMPl53Kx0
浜面「ッ!?何だこりゃっ!!!」バチィィィィッッ!!!



空間を震わせるような重低音と共に、原子崩しを圧縮した球体が、麦野の前方に現れる。
球体とケルベロスバイクの前輪が接触する。



浜面「タ、タイヤが消滅していく……」バチバチィィィィッ!!!



麦野「さっきの剣のように、原子崩しのエネルギーを超高濃度に圧縮した球体よ……
触れるものは全て消滅させる。

高濃度すぎて、少しの距離しか飛ばせないのが残念だけど、カウンターとしては丁度いいでしょ?」バッ!!!




カッ!!



ドォォォォォォォォォォオオオオンッ!!!!
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 21:07:39.82 ID:PMPl53Kx0
バイクと競り合っていた球体が炸裂し、辺りに爆風が吹き荒れる。
麦野はいち早く離脱したようだが、爆心地にいた浜面は大ダメージ必須であろう。



麦野「これでアンタの能力は、殆ど全部潰したわね……流石にそろそろ勝負アリなんじゃないの?はぁまづらぁぁぁああ……」



ビュォォォォォォォォオオオ……



ボタボタッ、ボタボタッ……




浜面「あぁ……?馬鹿言ってんじゃねぇよ……俺はまだやれるぜ?」



爆発による煙が晴れ、血だらけの浜面が姿を現す。
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 21:09:53.00 ID:PMPl53Kx0
麦野「流石にしぶとさもそこまでいけば心配になるわね……アンタにはもう手はないでしょ?
全力で来てくれたんだから、私としては十分満足なんだけど」




浜面「言っただろ……俺はここでお前を倒すって。ここで倒さなきゃ、俺はお前を超えたことにならねぇ。
俺はお前を超えなきゃいけないんだ。
ここまで俺を強くしてくれた、お前の為にもなぁ」




麦野「へぇ……なら見せてくれるんでしょうね?私を超える瞬間ってのを」






浜面「あぁ……やるぞ、グリフォン」





カッ!!




ブワァァァァァァアアアッ!!!!
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 21:15:44.43 ID:PMPl53Kx0
一旦終了です。


浜面さん片っ端からやられてます。


続きは0時までに投下できなければ、明日の夜に回します。



635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/11/12(月) 21:33:43.14 ID:1wtAJLjn0
待ってる
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/12(月) 21:36:20.17 ID:vF4U94YR0


これこそ
浜面クオリティ
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 22:37:40.66 ID:P2UdPw0h0
麦野つよww
原子崩しって結構便利だったんだねwwww
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/12(月) 22:49:32.91 ID:PPfYMjN20
>>637戦うときだけな
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/11/12(月) 23:00:27.41 ID:inuhmAloo
日常の愛情表現にだって使えるよ
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/12(月) 23:05:32.02 ID:s7Xc9Wy/o
もう暴王の月並みじゃねーか
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 23:06:54.37 ID:xMZWyzGoo
>>640
なんか見覚えがあると思ったらそれだ
PSYREN懐かしい
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 23:12:35.75 ID:tj5nCw+DO
これが世代の差…あ、なんか光が近づい…ギャアァァ!
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/12(月) 23:14:16.57 ID:ZQOylLLqo
原子崩しを剣化とか…科学勉強してみろよ
あと擬音使いすぎて読みづらい
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/12(月) 23:15:18.44 ID:xMZWyzGoo
>>643
ライトセーバー「」
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 23:18:39.09 ID:juJiFtAto
原子崩しの時点でもう科学とかそんなの超越してると思うんだけど

あくまで現代の科学だけど
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/12(月) 23:20:58.56 ID:ZQOylLLqo
>>644
ライトセーバーは科学に則るなら先端に反射板とりつけないといけないらしいが
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 23:22:54.17 ID:5FsLZA53o
科学勉強した人がこんなライトノベル書くわけ無いだろ
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 23:36:23.12 ID:PMPl53Kx0
こんばんわ、1です。

何とか再投下出来そうなので、投下します。


ていうか、しばらく目を離した隙に凄い数のレスが……


とりあえず、原子崩しの剣はライトセーバーみたいな感じで。
他の技は、デビルメイクライのアルテミスの技です。


あんまし科学とか深く考えず、簡単なバトル漫画的な感じで読むのが一番だと思いますよー。
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 23:43:04.88 ID:PMPl53Kx0
麦野「……その姿、どっかで見たわね。
まさかアンタ、開始早々滝壺とフレンダとやり合ってたヤツじゃないでしょうね?」



麦野の目の前に現れたのは、サバイバル開始早々、滝壺とフレンダが倒れた現場を逃げるように去っていった、双剣にマフラーのようなものを首にかけた浜面の姿があった。



浜面「あぁ……それ俺だ。あん時は、滅茶苦茶焦ったよ。
スタートからいきなりお前らが現れるんだからなぁ」
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 23:46:04.41 ID:PMPl53Kx0
麦野「なーんだ。アンタ、そんな最初の方から近くにいたんだ。
ホントいつでも、私の近くにいるのねアンタは」



浜面「ホント、腐れ縁にも程があるな。
どうやら、この大会の中でお前とは、必ず闘うことになってたみたいだ。
……そんじゃあ、そろそろお開きにするか」



麦野「えぇ、そうね。これで終わりにしましょ。
昼から戦いっ放しでそろそろ疲れてきちゃった。
……手足がもげて、ダルマになってもずっと側にいたげるから安心しなさいな、はぁまづらぁぁぁぁぁああっ!!!!!」チャキッ!!!



麦野のアルテミスが、浜面に向けられる。
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 23:48:31.96 ID:PMPl53Kx0
浜面「お前ならホントにやりそうだから怖ぇな……
そんな心配しなくても大丈夫だ。俺はここでお前に勝つんだからな」グッ!!




バババババババシュゥッ!!!!



追いかけてくる原子崩しの矢が、浜面に放たれる。




浜面「オラァァァァァアッ!!!」ブンッ!!



浜面が手に持つ双剣で、原子崩しの矢を叩き落とす。




麦野「なっ!?」



浜面「オラオラオラオラオラオラオラァァァァアアアッ!!!!」



ドドドドドドドドドドドッ!!!



凄まじい速さの剣捌きで、襲いかかる原子崩しの矢を次々と落としていく。

グリフォンの力によって現出したはやぶさの双剣により、浜面の剣は最大限に剣速を増している。
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 23:50:00.93 ID:PMPl53Kx0
麦野「っの野郎……やってくれんじゃねーか浜面ァァァァアアアッ!!!!」




麦野は怯まず、連射をつづける。



浜面「行くぞ麦野ォォォォオオオッ!!!!!」ググッ……



ドンッ!!!!!



浜面が足に力を溜めると、凄まじい速さで麦野に迫り来る。
はやぶさの双剣の力により、身体能力と反射神経が強化され、高速移動が可能となっている。




浜面「オラオラオラオラオラオラオラァァァァアアアッ!!!!」



ドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!


原子崩しの矢が四方から迫ってくるが、直進を続けながらそれを撃破し、麦野の目の前まで辿り着いた。
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 23:52:00.26 ID:PMPl53Kx0
麦野「接近戦なら分があんのか?コレを忘れてんじゃねぇだろうなぁ!?
舐めてんじゃねーぞオラァァァァァアッ!!!」ブゥン……



アルテミスから、高濃度の原子崩しの剣が現れる。
そして、その剣をそのまま横一直線に振り抜く。




浜面「クッ!!」ザザァァアッ!!!



浜面は、ブレーキをかけながら大きく身体を反り、スウェーさせ、剣を躱す。




麦野「このっ……そんまま縦に真っ二つだ!!!」ブンッ!!!



もはや、殺しご法度のルールなど欠片も気にしていない麦野の、躊躇のない一撃が振り下ろされる。



スウェーの状態のまま身体を捻じり、浜面は横に反転しながら麦野の攻撃を躱す。
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 23:53:22.95 ID:PMPl53Kx0
麦野「チョロチョロ逃げ回ってんじゃねぇぞォォォォオオオッ!!!!」ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!



浜面「お前の剣は、物理防御ほば不可だろ!?躱すしかねぇんだよ!!」



浜面は麦野の剣を全て受けずに、全て躱している。
当たれば腕の一本や二本、簡単に斬りとられる剣を前に、浜面は凄まじい集中力を発揮している。




浜面「フッ!!!」ブンッ!!



麦野「っ痛っ!!」ズシュッ!!



浜面が攻撃の隙間を縫って、下から左手の剣を切り上げる。
麦野の左腕が斬りつけられ、多少動きが鈍くなった。
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 23:55:10.27 ID:PMPl53Kx0
麦野「クッソ……」チャキッ!!



よろめきながら、痛みを感じながらも、右手のアルテミスを浜面へと向ける。



浜面「これで終わりだ麦野っ!!!」ブンッ!!



一瞬早く、浜面の剣が麦野の身体を肩から斜めに斬りつけられる。





ズシュッ!!



麦野「ガッ!!……アッ……」ブシュゥッ……



ドサッ……



斬られた麦野が、たまらず麦野が膝をつく。
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/12(月) 23:58:28.73 ID:PMPl53Kx0
麦野「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」




浜面「勝負アリだな、麦野。
約束通り、容赦無く斬らせてもらったよ……最後の最後にどうにかなったな」スッ……




膝をつき、息を荒げる麦野に浜面が手を差し伸べる。
かなり深く斬った為、一刻も早く治療させなければ危険である。
そう思った浜面の、相手への優しさである。




麦野「ハァッ、ハァッ、ハッ、ハハッ……」



手を差し伸べる浜面に対し、麦野は静かに笑い出す。



麦野「甘いわね……甘過ぎて反吐が出そうだ。
まだそんな甘さを抱えてんのかテメェは!!!」チャキッ!!!



アルテミスが浜面に向けられる。


浜面「なっ!?」バッ!!



ゴォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:00:14.44 ID:jwPTJfyG0
先程までとは違い、目の前にあるモノ全てを粉砕する威力の原子崩しが、アルテミスから放たれる。



浜面は間一髪、とっさに躱したようだ。




浜面「馬鹿野郎!!!傷はかなり深いハズだ!!もういいだろ麦野っ!!!」




麦野「何言ってんだよ……アンタだって、私の剣やスフィアの爆発を喰らっても立ち上がってきただろ?

まだ終わってねぇ……私だってまだ終われねぇんだよ浜面ァァァァアアアッ!!!!」チャキッ!!!



キュゥゥゥゥゥウウンッ!!!!



アルテミスが原子崩しの魔力を溜め出す。
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:01:32.34 ID:jwPTJfyG0
麦野「私の残りの全魔力を絞り出す!!当たりゃあ即死。
もちろん、私はアンタに当てる気で放つ!!
……私からの最後の試練だ。お願いだから受けてよ仕上」ブシュゥッ!!!



ボタボタボタッ!!!



魔力を集中させている麦野の身体からは、とめどなく血が流れている。
いつ出血多量で気を失ってもおかしくはない。




浜面「何でそこまで……そこまでして俺には負けたくないってのか!?」

659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:03:35.64 ID:jwPTJfyG0
麦野「こういうやり方でしか、私はアンタに伝えられないのよ……
アンタが私にしっかりトドメをさせば、この最後の攻撃はなかった。
相手が私だから、アンタは最後の最後で甘さを出したんだ。

決着が完全についてないのに相手に手を差し伸べるだぁ?
その瞬間にブチ殺されても文句は言えねぇんだぞこの馬鹿面がぁぁぁぁあああっ!!!!!」キュゥゥゥゥゥウウンッ!!!!




浜面「何だよ……だからってそこまでやるか!?早く手当てしねぇとマジで死ぬぞ!?」



麦野「いい?仕上……アンタは優しい男だ。だけど、闘いにおいてその優しさはアンタを必ず殺す。
これは私の師匠の最後の言葉だ……

闘いに相手に対する情はいらない。やると決めたのなら、最後まで非情になりきれ。
例え相手が肉親でも、最愛の人でも。
でなければ、勇者を名乗る資格なんてない!!」
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:04:57.51 ID:jwPTJfyG0
浜面「ッ!?そうか……だからお前は……」



浜面は麦野との修行や、これまでの闘いを思い出す。


麦野は今まで全く、闘う相手に情けをかけるというものをしたことがない。
麦野は必ず相手を殺すか意識を完全に奪うまで、攻撃態勢を緩めなかった。



今回のように、幼少から共に育った浜面に対しても。



10年前、麦野と出会う以前。麦野にも修行を積んだ時代があったのだろう。

その時の教えを、麦野は今もなお、忠実に守っているようだ。
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:06:40.88 ID:jwPTJfyG0
麦野「さぁ、覚悟は出来たかしら……?今残っているフルパワーの原子崩しだ。
防ぐにしろ、躱すにしろ、簡単にはいかないわよ?」チャキッ!!



力を溜めたアルテミスが浜面に向けられる。




浜面「わかったよ……確かにまだ甘さが残っていたみたいだ。もう次はない。
それを撃った後、俺はお前を確実に倒す!!」チャキッ!!!




麦野「信じてるわよ……仕上」カチッ!!





ドォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオッ!!!!





麦野から特大の原子崩しが発射される。
かつてアクバーに向けて放たれたものと同じほどの規模であろうか。
当たれば確実にチリも残さず消滅するだろう。



眩い光が辺りを激しく照らし出す。
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:12:22.42 ID:jwPTJfyG0
麦野「……さぁ、どうやって凌いだのかしら?
まさか跡形も無くなったなんてオチはないでしょうね」




麦野の目の前には、切り拓かれた荒野が広がっていた。
木々生い茂る、豊かな緑の丘の上で闘っていたが、原子崩しの通った跡には何も残っておらず、浜面の姿もなかった。



麦野「存在は微かに感じる……滝壺みたいな力は無いから方向とかはわからないけど、間違い無く生きてはいる。
だけど魔力は感知できない。
……それに何で姿が見えないのかしら?」




浜面「俺なら目の前にいるぜ?さっきからずっとな」
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:13:40.80 ID:jwPTJfyG0
麦野「ッ!?」チャキッ!!!




突如、麦野の目の前から浜面の声が聞こえる。
麦野が声の方向にアルテミスを向けるが、やはりそこには誰もいない。




バチバチバチッ……



ズシュッ!!!



麦野「……なっ……」ブシュゥッ!!!



突如、アルテミスを構える右腕に痛みが走り、血が噴き出す。
右腕に力が入らず、アルテミスを構えることができず、ダラリと腕を下げた。



バチバチバチッ……



その瞬間、麦野の目の前の空間に火花のような電気のようなものが走り、空間が揺らいだような光景が見えた。
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:15:21.97 ID:jwPTJfyG0
麦野「何よ……そんな力温存してたわけ?」


揺らいだ空間から、突如人間の身体が覗かれる。


浜面「温存しなきゃいけなかったんだ。
これをちょっとでも使うと、俺の魔力がかなり持ってかれちまうからな。もうスッカラカンさ」




バチバチバチッ!!!



空間から浜面の姿が現れる。
その身体には、首に掛かっていたマフラーが大きく広がり、マントのように浜面を覆っていた。




麦野「透明になる能力……なのかしら?そのマフラーは。
だけどそれなら私の原子崩しはどうやって防いだのかしら?」


突如現れた事と、ずっと目の前にいたと言うことを照らし合わせ、麦野はそのマフラーの力を推測した。
一つ、原子崩しの対処への疑問を残して。
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:16:43.98 ID:jwPTJfyG0
浜面「このマフラーは透明になる能力じゃないさ。
覆ったものの空間をホンの少しだけ本来の世界からズラし、その世界から完全に隔離する能力。

ようは、俺は確かにここに居るんだが、この力を使っている間は、俺も相手もお互いに干渉することは出来ないんだ。

半端なく、燃費悪いけどな。今の俺の魔力なら10秒くらいしかモタねぇ」





空間干渉能力。



白井や結標の空間移動とはまた違う、絹旗の窒素装甲とも違う、完全防御としての空間能力を、グリフォンの力によって浜面は手に入れていた。
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:18:27.33 ID:jwPTJfyG0
チャキッ!!


浜面「その腕じゃあ、もう原子崩しを撃てねぇだろ。
撃てたとしても、照準なんざまともに合わないハズだ。

これが最後だ。ここで負けを認めなければ、俺はお前を更に斬る。

次はもう、容赦はしない。
斬ってその後、全力でお前を助けて見せるよ、麦野」



麦野の首元に剣先を置き、浜面が尋ねる。


麦野「たくっ……容赦無く斬れっつってんのにまだそんな甘いことを。
まぁ、気は緩めてないみたいだから、一応合格点にしておくか」フッ……



ドサッ……



麦野はゆっくりと地面に倒れた。
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:21:04.43 ID:jwPTJfyG0
浜面「麦野っ!!スラ坊、悪いけど応急処置で回復してやってくれ。
早めに処置すりゃあ、死ぬことはないだろうからな」



スラ坊「ピー!!(了解!!)」ピカー!!




麦野「これでアンタは私を完全に超えたわけか……もう師匠としての麦野沈利は終わりね。
……仕上、ちょっときて」



浜面「ん?何だよ。こんだけの闘いの後だから、救助の人も遅れてるみたいだし、ちゃんと安静にしてろよな」



麦野「いいから来なさい。ほら」グイッ!!



浜面「ちょっ!!おい、麦」



麦野が浜面の腕を掴み、思いっきり引っ張ると、浜面は麦野の元へと引き寄せられる。


そして……







チュッ



浜面「……へ?」


麦野「…………」///


二人の唇が重なった。

668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:25:16.96 ID:jwPTJfyG0
浜面「な……む、むぎのサン?一体何を……」ダラダラ…




麦野「言ったでしょ?もうアンタの師匠の役割は終わり。

これからは、本格的に1人の勇者として。

そして、 1人の女『麦野 沈利』として生きていくの。
だからもう、何にも我慢することなんてないのよ」




浜面「そ、そうですか……だ、だからって、何で今あんな……」ダラダラ…




麦野「……ハァッ。どこまでも鈍い馬鹿面ねぇ。決まってんでしょ?」




麦野が一呼吸、間を置いて口を開く。
普段の彼女からは想像できない、とても優しく、柔らかい表情で。




麦野「好きよ仕上。10年前からずっと。

弟分としても、男としても、私はアンタのことをずっと見ていた。

これからもずっと、アンタを見て行きたいのよ。今度はパートナーとしてさ」




浜面「」



麦野の突然の告白に、浜面の表情は完全に固まっている。
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:27:00.12 ID:jwPTJfyG0
麦野「だからさ、仕上。しばらく離れてたけど、これからはずっとアンタの側にいさせてよ。
正直、この2ヶ月寂しくて仕方なかったんだからさ。
……い、今ならアンタに何されても、私は大歓迎よ?」///




麦野の顔が凄まじい勢いで紅潮していく。


その姿は、完全に乙女のそれである。




浜面「」



麦野「……仕上?」アリ?




浜面「」グラァッ……




ドサッ……



浜面が、直立不動のまま、ゆっくりと麦野の側に倒れる。
どうやら、この出来事は彼の頭では、殆ど処理しきれなかったようだ。
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:31:05.16 ID:jwPTJfyG0
麦野「……ありゃ?もしかして、こういう場合でも失格なのかにゃーん?
しかも、まだ私負け宣言してないし、気絶したから、形式上は仕上の負け?

…………ま、いっか。力関係はホンの少しだけ妻の方が上。
そんくらいが一番、夫婦仲が続くっていうしねぇ。
聞いてるー?大会側の人。私の順位、コイツより一つだけ上にしといてよね?」ヨイショ




固まっている浜面の頭を、麦野は膝の上に乗せ、浜面の頭を愛でている。

自身も傷が痛むハズだが、不思議と今は全く痛みを感じない。

原因は目の前の男だ。




麦野「覚悟しなさいよ仕上……10年間、溜まりに溜まった思いを全部ぶつけてやるから。
他の女なんざ、目に入らないくらいさぁ……少しずつライバルが増えてきたみたいだし、ここらで差をつけないとね」ナデナデ








サバイバル開始から5時間50分


参加者15000人

残り3人



麦野 沈利 第4位


浜面 仕上 第5位
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 00:36:16.16 ID:jwPTJfyG0
投下終了です。



浜面VS麦野終了です。


なんだかんだで勝者麦野サンです。


あと浜面ハーレムに、ようやく人間が入りました。
思いっきりデレさせるか普段通りで行くか迷いどころですねぇ。


それでは、次回は優勝決定編をお送りします。


おやすみなさい。
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/11/13(火) 00:38:59.03 ID:aMVx9Eilo
うむぅ・・・これぞ噂に名高い光源氏計画

半分人間やめt(ブシュ
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 00:54:02.96 ID:ExCmvtFUo
マフラーが完全に全て遠き理想郷な件
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/13(火) 00:59:28.21 ID:PgCjy6HI0


とりあえずひさびさに
浜面爆発なw

一位は睡魔さんじゃなかったっけ
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 06:25:48.34 ID:E4ICNsnDO
これから修羅場編か…強敵だな浜面(笑)
後れ馳せながら乙でした〜
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 19:22:46.84 ID:PlYitfHg0

楽しみにしてるよ!
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/11/13(火) 20:46:35.31 ID:jwPTJfyG0
こんばんわ、1です。


少なめですが、何とか今日も投下できそうです。


>>672
言われてみれば、源氏物語ですね。気がつかなかったw


>>673
?と思って調べたらマジでそのままでしたwww
まぁ、基本ジャンプとかの漫画や有名なゲームしか知らないので。

>>674
一位は別にいますよー。睡魔さんは対神裂に大活躍ですがw


>>675
>>676
ありがとうございます!!!これからもよろしくです!!


それでは、ゆーっくり投下していきます。


678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 20:49:22.31 ID:jwPTJfyG0
とある高層ビル




垣根「ウォォォォオオオオオッ!!!!流石クライマックス!!視聴者数が凄まじい勢いで上昇していくぜ!!!」




心理定規「まぁ、あんな青春甘々なシーン流されちゃあ、皆喰い入るように見ちゃうわよね。
ちゃんと、オチもついてたことだし。

羨ましいわねぇー、あーいうのって」ハァッ……



垣根「いやー、あの二人のお陰で何とか今回の大会は成功に向かいそうだな。
心理定規、残りは何人だ?」
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 20:52:16.50 ID:jwPTJfyG0
心理定規「残りは3人ね。私の『牛頭のデーモン』を倒したシェリー・クロムウェル。

駒場さんや、『塔の騎士』を倒した神裂 火織。

あとは……えっと、この『ミチユキ・ヒトカタ」って人ね」



垣根「どれどれ……へぇー、顔がよく見えねぇが、こんな黒髪ヒョロヒョロのもやしっ子が残り3人にまで残ってんのか。
スゲーなぁ、番狂わせにも程がある。
ちなみにコイツに賭けているヤツは何人だ?」



心理定規「ちょっと待ってね……えっと、締め切りの開始1時間の時点で、二人だけね。
「ウチドメ」って人と、「パンダ」って人……偽名でしょうね。
二人とも100G(日本円で1万)賭けてるわね」
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 20:56:15.08 ID:jwPTJfyG0
垣根「へぇー、ならそいつら今の時点で相当儲けてるな。
100位以内から各順位で配当があるから……もしこの『ミチユキ・ヒトカタ』が3位でも、この倍率ならそれぞれ50万Gくらいか。
しかもこんな、マイナーもやしっ子にどちらも同じ値段賭けてるってことは、この二人多分、もやしっ子の知り合いだな。
もしこのもやしっ子が一位なら、二人合わせて1000万Gほどか」



心理定規「この二人にしてみれば、配当だけで相当な金額が手に入るわけね。
一体どんな力を持った人なのかしら?その『ミチユキ・ヒトカタ』って人は」」



垣根「そういや、浜面VS麦野に集中してたから、他の対戦見るの忘れてたな。
お、今まさにやってるじゃねーか。


…………ん?この力どっかで……」
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 20:59:20.63 ID:jwPTJfyG0
20:55



19地区 最初の広場から1kmほど南に離れた商店街




シェリー「ハァッ、ハァッ、ハァッ」ダッ、ダッ、ダッ




ボサボサの金髪に、ゴシック調の服を着た女性、シェリー・クロムウェルはひたすらに走っていた。




シェリー「何で……何でアイツがこんなところに!!」ダッ、ダッ、ダッ




その背後からは、天使のような悪魔のような少年がゆっくりと歩いて追いかけてくる。











「はっはァ!ンだァその逃げ腰は。愉快にケツ振りやがって誘ってンのかァ!?
ちょっとだけよってかァ?アンタも好きねェってかァァァァァァァァァァァアアッ?」
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 21:10:04.42 ID:jwPTJfyG0
背後の少年は、誰もがどこかで聞いたことのある軽い口調でシェリーを追い詰める。



少年は先程、垣根や心理定規の話題になっていたか細い少年だ。
その見た目は黒髪に黒い縞模様の服と全体的に黒いが、肌は雪のように白く、その目は赤く光っていた。





シェリー「クソッタレがぁ!!!近づくんじゃねぇ!!!」カカッ!!!



シェリーは手に持つオイルパステルで、凄い速さで地面に何やら文字を書いている。


次の瞬間、地面にヒビが入る。
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 21:21:45.99 ID:jwPTJfyG0
ドォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!


ドォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!





そのヒビから尖った石柱が何重にも重なって飛び出し、そのまま前方へ地面を破壊しながら突き進む。
進みながらその石柱は数を増し、勢いもドンドン増している。
さながら、雪崩の土砂や岩版のような勢いである。



シェリーにとって最大級の技であり、一切の手加減無しで放たれたコレは、完全にその黒い少年を殺す気でいる。
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 21:38:06.50 ID:jwPTJfyG0
「……チッ」



キィィィィィィイイインッ!!!!!





ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!


シェリー「なっ!?跳ね返って……」カカカッ!!!


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!




少年を押し潰す勢いで迫っていた岩崩は、何を思ったのか少年に当たる寸前にそのままシェリーの元へと戻っていった。
そして、そのまま術者であるシェリーを押し潰す。
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 21:40:54.69 ID:jwPTJfyG0
パラパラパラッ……




「……ったく、死ンじゃいねェだろォな?
テメェが死ンだら折角ここまで勝ち残った苦労がパァになンだよ」ハァッ……



少年が気怠そうに溜め息を吐く。




目の前には、土砂や石柱に覆われ尽くした商店街の無惨な光景が広がっている。
とてもじゃないが、生存者がいるとは思えなかった。





シェリー「エリィィィィスッ!!!この邪魔な土砂を吹っ飛ばせぇ!!!!」



ドゴォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!




突如、土砂の中から、瓦礫で出来た腕のようなものが現れる。
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 21:43:48.48 ID:jwPTJfyG0
「お、何とか生きてるみてェだな。ひとまず安心といったところかァ……」



腕が出ると共に、その巨大な全体も土砂から這い出るように出てくる。
その傍らには、土で汚れたシェリーの姿があった。



シェリー「チクショォ……舐めやがって!!何でテメェがこんなトコにいるんだよ!!!一方通行!!!」



一方通行「あァ?誰ですかァそれは?僕の名前は『ヒトカタ ミチユキ』なんですけどォ?」
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 21:45:53.52 ID:jwPTJfyG0
シェリー「しょぼい芝居してんじゃねぇよ!!!
バレバレなんだよその忌々しい能力で!!!
その髪もカツラだろ!?さっきからチラチラ白髪の部分が見えてんだよ!!!」



一方通行「なンのことだかサッパリですねェ……
どうやら疲れて錯乱してるみたいですから一発、気付け代わりにイッときますゥ?」ダンッ!!!



ブンッ!!!


ドゴォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!




地面を蹴った瞬間、一瞬でエリスと呼ばれる石像に近づいた一方通行が、軽く拳を振り当てると、エリスは粉々に粉砕された。
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 21:53:02.34 ID:jwPTJfyG0
シェリー「エ、エリスが一撃で……クソッ!!!」ダッ!!!




シェリーは再び逃げる。




こんな化け物に勝てる訳がない。




この化け物は、1人で協会の人間と、魔王の軍勢を皆殺しにしたのだ。




大体何でこんなゲームみたいな大会にコイツが……





一方通行「いい加減追いかけっこはヤメにしようぜェ!!!」ダンッ!!!



ザッ!!!



シェリー「クッ!!」ザザァッ!!!



突如、進行方向に一方通行が現れる。
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 21:54:37.83 ID:jwPTJfyG0
一方通行「悪いがここでお前はゲームオーバーだ。
こっちには腹空かしている口うるせぇガキが二人もいるンでなァ!!
そろそろ金持って帰らねェと何言われるかわかンねェんだよ!!!」ブンッ!!!




バキィィィィィィッ!!!!!




シェリー「ガッ…………」ズザァァァァァァァアアッ!!!!




相手が女でも容赦無い、一方通行の拳がシェリーの顔面を捉え、吹き飛ばす。

能力によって何倍にも威力を高められたパンチを喰らい、シェリーは一撃で気絶した。








一方通行「ったく……手っ取り早く金稼ぐ為とはいえ、なンで俺がこンなことしなくちゃならねェんですかァ?」
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 21:56:20.56 ID:jwPTJfyG0
ーーーーーーー



垣根「間違いねぇ……この理不尽な能力。
アイツだよ……そういやアイツもこんなもやしっ子だったなオイ」




心理定規「もしかして彼が、貴方がコテンパンにやられたことがある一方通行?
思ったよりだいぶ華奢なのね。私と同じくらい細いんじゃないかしら?」




垣根「アイツの能力じゃ、体格なんて関係ねぇよ。
どんな攻撃も通用しねぇし、どんな盾も役に立たねぇ。
人間でヤツに勝てる可能性のあるヤツなんざ、俺くらいだろうな。今の時点じゃあ」
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/13(火) 22:29:15.33 ID:bKaGZZLE0
30分経過
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 22:32:39.94 ID:jwPTJfyG0
心理定規「何気に自信過剰よね、貴方。
そういえば、あの『聖人』の人はどこ行ったの?神裂さんって人」




垣根「!?そうだ!!あの聖人だったらヤツに勝てるかもしれねぇ!!
さっきまだ残ってるって言ってたよな!?神裂火織は」



心理定規「えぇ。現時点で残ってるのは一方通行と神裂火織の二人だけよ。そして神裂さんは……アレ?」



垣根「どうした心理定規?神裂は今どこにいるんだ?」




心理定規「場所は最初の広場の中だけど……どう見ても彼女……」







神裂「スピー……」zzZ




カメラの映像の先には、ベンチに座り、スヤスヤと眠る神裂火織の姿が映っていた。
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 22:34:10.00 ID:jwPTJfyG0
垣根( ゚д゚)「」





心理定規「……こういう場合どうなるの?」



垣根「……意識を失ったと判断した時点で失格だ。
よって現時刻を持って神裂火織は失格、優勝はあのクソ野郎だよ……
何だこの終わり方は!!!!斬新ってもんじゃねぇぞ!!!」




プルルルルルッ!!!


プルルルルルッ!!!



心理定規「あら、早速電話よ?言っとくけど今度は私取らないからね?私のせいじゃないもの」




垣根「クッ……はい、こちら運営。
……えぇ、そうですが。……は?いや、ウチの大会はヤラセなんざやってませんが?
……んなこと知らねぇよ!!!選手が勝手に寝てんだからこっちはルールに従って失格にしただけだ!!
……だからヤラセじゃねぇって言ってんだろが!!!!!ぶっ殺すぞコラァッ!!!!!」




心理定規「ちょっと待って!!やっぱり私がやる!!貴方にやらせると悪化どころじゃないわ!!」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/13(火) 22:41:21.31 ID:jwPTJfyG0
今日の投下終了です。


すいません、途中メシ食ってたので中断してました。


これでサバイバル編完全に終了です。


次回からは、しばらく日常編。


その後、次スレで、1スレ丸ごとバトルの予定です。
このSSのバトルが好きな人には、満足できる内容にできるよう頑張って考えときますねー。


ではおやすみなさい。
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/11/13(火) 22:45:21.55 ID:FACRC+690


最初は一方通行だとは気づかなかったがウチドメで理解した
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 22:59:57.65 ID:PlYitfHg0
乙!
全国中継されているんですね
という事は、もし妹達がみてたら・・・あれ?妹何人だっけ?
まぁいいや
テスト勉強の休憩になりました乙でーす楽しみにしてます
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/13(火) 23:46:49.48 ID:YlJc1Xhh0


地味にシェリーさんが3位に食い込みやがった

てか賭けた金とりにいくとき
パンダで店員に笑われてるだろな
ですのさんは
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/14(水) 00:43:16.38 ID:1oX9n4f4o
乙でした
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 19:18:02.69 ID:BvnahYr80
こんばんわ、1です。
今日もゆっくりと投下していきます。

予告した通り、しばらく日常編です。



>>695
ちょっとわかりにくかったですかね?すいません。

>>696
暇つぶしになれれば幸いですねぇ。

>>697
シェリーさんあんまし出せなかったなぁ……ま、次スレでは存分に働いてもらいますけどね。


>>698
ありがとうございます!!!
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 20:21:55.57 ID:BvnahYr80
22:58



サバイバル終了から2時間後




工業都市第7地区 とある病院



浜面「んー……イテテテテ。あー……よく寝た」



佐天「あ、気がつきましたか?浜面さん」



麦野の熱い告白に意識を奪われた浜面は、病院の一室で目が覚めた。
側には包帯を巻いた佐天が座っている。




浜面「お、涙子ちゃん。何だか随分久しぶりに会った気がするなぁ。
どうだった?結果は。結構いいとこまでいけたか?」
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 20:23:58.27 ID:BvnahYr80
佐天「いやー、順位は7511位だそうです。
ちょっと思わぬ強敵に出会っちゃいまして……
でもでも!!私、凄く強くなりましたよ!?」エッヘン



浜面「おー、そうかそうか。まぁ運がなかったみたいだけど、いい経験になってよかったな」ナデナデ



佐天「えへへー///あ、そういえばもうすぐTVで大会の特集やるみたいですよ?
私もついさっき目が覚めて、聞いた話だと浜面さん。
結構後のほうまで勝ち残ってたみたいだから、もしかしたら100位以内に入ってるかもしれませんよ?」ワクワク



浜面「お、そういえば結果どうなったのかな?
何か最後らへんの記憶がアヤフヤでよく覚えてないからなー」
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 20:30:26.70 ID:BvnahYr80
23:00




TV『皆さんこんばんにゃー!!!皆のお茶の間アイドルつっちーだぜよ!!
さぁ、今日の午後3時から行われた強者達によるサバイバルゲーム!!
今回は参加者15000人が6時間の激闘を繰り広げたぜよ!!」



浜面「あ、広場にいた金髪グラサンだ。コイツも半蔵達の仲間なんかなー?」



佐天「ん?半蔵さんがどうかしたんですか?」モグモグ



浜面「ん?あ、いや。こっちの話……おっ。美味そうなモン食ってんじゃねーか。」


佐天「さっきこの病院の売店でおにぎりとおかずを沢山買ってきたんですよ。
もう夜だし、これ食べながらTV見ましょ」モグモグ
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 20:55:59.47 ID:BvnahYr80
TV『それでは100位以内に入った強者達を、ゲーム中の勇姿を混じえてお伝えするぜぃ!!まずは記念すべき第100位!!」




・・・・・・・・・・



22:30



TV『20位から10位をお届けしたぜい!!
流石にここまで来ると、この大会の常連や、歴戦の強者が名を連ねてくるな!!

しかぁぁあしっ!!!10位から1位までの半数以上が、何と今大会初参戦だ!!
まだまだ世界には強いヤツが一杯いるんだにゃー」
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 20:57:41.74 ID:BvnahYr80
佐天「ふぁぁぁ……結局11位まで知り合いすら出てきませんでひたねぇ」zzZ




浜面「そうだなぁ……てか俺誰に負けたんだっけなぁ?
何か凄い目に会った気がするんだが……」ンー




佐天「平気そうに喋ってますけど、浜面さん結構重傷ですからね?
何か凄い熱で焼き斬られたような痕があったらしいですし。
きっと上位入賞の人の誰かにやられたんですよ」



浜面「焼き斬られたねぇ……そういやステイルもいたよなぁ。でもアイツとは戦ってないし。
そういえば絹旗は無事なんだろうか?……ん?絹旗ともう一人いたような」
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 20:59:24.67 ID:BvnahYr80
TV『それでは第10位!!!教会神父のステイル・マグヌスだにゃー!!

彼の炎の能力は、まさに能力名である『魔女狩人』の名に恥じぬ戦いだったぜよ!!
特に、この絹旗という女の子と戦った時の力は凄かった。
相手の絹旗ちゃんにも健闘を称え、拍手を贈りたいぜぃ!!10位の賞金は1万Gだ!!」




佐天「あー!!!絹旗ちゃんがTVに出てるー!!わ、凄い!!何か氷出してるし!!
あーでもこのステイルって人に負けたんだ。
やっぱり上には上がいるんですねぇ」




浜面「あ、そうか。涙子ちゃんはステイルとは会ったことないよな。今度紹介するよ」
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:03:52.52 ID:BvnahYr80
佐天「えっ!?知り合い何ですか浜面さん!?」モグモグ




浜面「知り合いも何も戦ったこともあるよ。お、次は5位だってさ」モグモグ








TV『第5位ィィィィイイ!!!!彗星の如く現れた無名無所属の勇者!!浜面仕上ェェェェエエッ!!!」






浜面佐天「ブーーーーーーーーーー!!!!!!!」




二人の口の中のモノが、一斉に飛び出した。汚い。
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:05:53.49 ID:BvnahYr80
佐天「は、は、は、浜面さん!!!5位ですよ5位!!
何ですか?何で黙ってたんですか!?」アタフタアタフタ



浜面「そ、そ、そんなこと言ってもだな!!俺だって何のことやら!!」アタフタアタフタ





TV『彼ほど今大会、運に恵まれた人間は居ないかもしれないにゃー!!

開始早々何十人も脱落した場面でのただ1人の生き残り!!
その後、危うく敗退しそうな場面を、知り合いと思われる絹旗選手達に助けられ、難を逃れている!!

しかし、その後の活躍は目を見張るものがあったにゃー。
こちらの放った魔物を二度に渡り撃退し、高レベルの選手を次々に撃破。

最後は優勝候補の麦野選手との戦いで互角の戦いを演じるも、惜しくも敗れている。
だがその戦いには、不屈の闘志を感じることができたにゃー!!」
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:08:11.47 ID:BvnahYr80
佐天「す、凄い……改めて見てみると、やっぱり浜面さん強いですね!!
ていうか、最後は麦野さんとだったんですね!?
やっぱり師匠超えは難しかったんですか?」




浜面「…………思い出した。
そうか、最後の最後で俺は……涙子ちゃん!!今すぐTVを消すんだ!!」




佐天「へ?どうしてですか?こんなに大々的に取り上げてくれてるのに」





TV『そして、浜面選手の注目のシーンだがココだ。』




<チュッ>





佐天( ゚д゚)「」



TV『何と麦野選手との熱いキスシーンが映されているにゃー!!
この瞬間、運営への電話が殺到。

主な内容は、『浜面殺す』『浜面もげろ』『浜面爆発しろ』など、怒りの内容であったみたいだにゃー!!

ここで俺からも一言。
夜道の背後には気をつけることだな、背中を刺されないように』




浜面( ゚д゚)「」
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:09:27.28 ID:BvnahYr80
TV『以上!!いろんな意味で注目の浜面選手をお送りしたにゃー!!それでは続いて4位の発』



プツンッ!!




突如、病室のTVが消される。




浜面「る、涙子ちゃん?一体どうしたのかな?」ダラダラ……




佐天「浜面さん……ちょーーーーっといろいろと、根掘り葉掘り聴いてみたいことがあるんですけどいいですか?いいですよね?」ニコォォォォオオ



浜面「は……はい……」ガタガタ
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:10:40.95 ID:BvnahYr80
とある病院 別フロアの病室



『第四位は、これまた無名の勇者!!
エレガント&バイオレンスなお姉様、麦野 沈利ィィィィイイッ!!』




フレンダ「何やってるってわけよぉぉぉぉぉおおお!!!!!!
これ工業都市の全地区で放送されてるのよ!?
お茶の間の前で熱いキスシーンかましてんじゃないわけよ!!!」



麦野「いやー……何か雰囲気に流されてそのままやっちゃったのよねぇ。
ま、やっちゃったモンはしょうがないわよね」テヘペロ
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:12:02.88 ID:BvnahYr80
フレンダ「何そのムカつく顔!?しかもよりにもよって相手が浜面とか……そりゃある程度予想してたけど!!
よりによってこんな時に告るか普通!?ってわけよ!!」



麦野「うるさいわねぇー。一応けが人なんだから静かにしてよねー。傷に響くのよ。
それより、喉渇いたからジュース買ってきてよ?
ウチのメンツでも戦闘員なのに12500位のフ・レ・ン・ダ☆」




フレンダ「うわーーーーん!!!だっていきなり浜面と当たるとは思わなかったんだもーん!!!
しかも、全然準備してなかったしーーー」ダッ、ダッ、ダッ
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:13:20.09 ID:BvnahYr80
麦野「まぁ、アイツはああいう大会向けじゃないからねぇ……ね、滝壷?」




滝壷「むぎの……やってくれたね」ゴゴゴゴゴ……




麦野「そんなに凄まないでよ……ま、これで私は仕上GETレースに、三馬身くらい周りからリードした訳だ。
アンタもちゃっちゃと告っちゃえば?
大分楽になるわよー?モヤモヤが」




滝壷「……私はむぎのと違って、まだ浜面と深い絆で繋がってないから……」
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:14:38.14 ID:BvnahYr80
麦野「そんなこと言ったら、私は深い絆だからこそ、ダメだった時のダメージが半端ないんだから。
仕上を譲る気はないけど、アンタの気持ちを無下にもしたくないのよ、私は。
どうせなら同じ土俵で戦いたいの」




滝壷「優しいね、むぎのは。でもとても残酷」



麦野「その通り。優しくはないわよ私は。
アンタが土俵に上がらないなら、私がドンドン差を広げて行くだけだからね?
あ、あと涙子ちゃんと絹旗がいつか上がってきそうだし」




滝壷「同じ土俵か……私にできるのかな?」
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:16:13.20 ID:BvnahYr80
ーーーーーーーー




佐天「大事な大事な勝負の最中に何やってんですかー!!!
しかも、勝ってたのに負けてるし!!
5位と4位じゃ賞金もかなり違うんですよー!!!!」ポコポコポコポコッ!!!ドゴォォォッ!!!



浜面「グハァァァァアアッ!!!る、涙子ちゃん……
マウントはまだいいとして、一発だけ強いのが……」




佐天「謝りませんよ?全く……とうとう麦野さんが動き出したか。
私も早く何とかしないと……」ビシッ!!ビシッ!!ビシッ!!



浜面「痛い!!痛い!!涙子ちゃん!!
せめてこっち見ながら叩こうか?マジで痛いんだけど!?痛い!!」
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:18:30.51 ID:BvnahYr80
『それでは栄えある第一位の発表ですにゃー!!第一位は……』





23:50



とある高級ホテルの一室




一方通行「あー……疲れた。何だって俺がこンなことしなくちゃならなかったンですかァ?」グデー




打ち止め「お勤めご苦労様、ってミサカはミサカは貴方をねぎらいながらマッサージ!!
それにしても、今日一日だけで物凄い額を稼いじゃったね」




白井「一方通行様の優勝賞金が1000万G、私達の賭けた配当で1000万G……合わせて2000万G(20億円)ですの。
これでやっと極貧生活から脱出できましたのぉぉぉぉおお!!!!!」
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:20:46.84 ID:BvnahYr80
一方通行「全く、金が入ったからってさっそくこンなクソ高そうなホテル借りやがって……
典型的な宝クジ当選で、人生終わる人間のパターンじゃねェかよ」




白井「失礼な!!こんな贅沢は今回だけですの!!
なんせ、この賞金の殆どは、借金の返済で消えていくのですから……」グスン




一方通行「あーそういやあったなァ、そンなもン。
めンどくせェからチャチャっと払ってこいよ」




白井「借金の原因は主に貴方ですのぉぉぉぉぉぉおおっ!!!!
行く街行く街で問題ばっかり起こして、街中めちゃくちゃにして弁償に追われ……私はともかく、打ち止めお嬢様までひもじい思いを……」グスン
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:23:55.86 ID:BvnahYr80
打ち止め「ミサカは別に気にしてないよ?
食べられる野草や果物の勉強にもなったし、魚釣ったり狩りをしたりで楽しい2ヶ月だったって、ミサカはミサカは貴方の側にいるだけで幸せって告白してみたり!!」キャッ///




一方通行「世界中を旅してンだからそんくらい普通だ普通」




白井「普通に旅していたら、こんな借金発生しませんのぉぉぉおおっ!!!
とにかく、折角借金がチャラになったんだからこれからは問題行動は慎むように!!
これ以上、打ち止めお嬢様を野生児にしてはなりませんの!!王女様ですのよ!?」
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:25:10.36 ID:BvnahYr80
一方通行「ンなこと言ってもテメェ等が勝手に着いてきたンだろうが!!」



打ち止め「でも、最初の時と違って国へ帰れとか、そういう類のことは言わなくなったよね?
って、ミサカはミサカは貴方が私達が側にいることを認めてくれて感激してみたり!!」




一方通行「……チッ、どうせ追い払っても着いてくるンだろうがァ……」




白井「ま、何にせよ、今日一日お疲れ様でした。
そういえば、21時に終わったみたいですが、帰りは遅かったですのね?」
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:26:56.10 ID:BvnahYr80
一方通行「あァ、優勝者のインタビューとか番組出演のオファーとか雑誌の写真撮影のオファーとか色々あったからなァ……適当に流してきたけど」




白井「あら、貴方の性格からそういうのは受けると思ってましたのに。
何気に目立ちたがりやですわよね、貴方。寒いギャグを見せたがるし」



一方通行「誰が寒いギャグだコラァ!!テメェには一度、芸人とは何ぞやを説いてやらなきゃならねぇなァ……。
大体、こンなところで俺が目立っちまったらとンでもないことになるだろうが。
だからわざわざ変装して大会に出てンだろ?
前に言っただろォ?俺が今まで何をしてきたのか」
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:29:40.73 ID:BvnahYr80
白井「それは……しかし、その話の真実を皆さんに伝えれば、きっと貴方の罪は……」




一方通行「真実なんざ知る必要はねぇ。
実際に俺は何万、何十万の人間や魔物を殺した、イカれた殺戮者だ。

多分、この街にも俺に怨みがある人間がゴロゴロいるだろォよ。

……一応、言っておく。俺といるとテメェ等の命の保証はねェ。今からでも国へと」


ギュッ!!

721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:31:03.67 ID:BvnahYr80
一方通行「?」



打ち止め「ミサカは最後まで貴方と一緒にいるよ?
ってミサカはミサカは当然のことのように言ってみたり!!」




白井「……打ち止めお嬢様を守ることが、旅掛様より受けた命。
ならば私も最後までお供いたしますわ」




一方通行「……そォかい、勝手にするンだなァ」プイッ





TV『以上、第一位『ミチユキ ヒトカタ』選手でした!!それではまた次回のサバイバルゲームでお会いするにゃー!!バーイセンキュ!!』


プツンッ……
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/17(土) 21:33:58.09 ID:BvnahYr80
投下終了です。


特に話が進むわけではありませんが、まぁ後の伏線張りってことで。



723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/11/17(土) 21:38:08.14 ID:0BKgiN/X0
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/17(土) 21:45:11.39 ID:8m7sY/280


これで浜面さんは一方通行並みに
狙われる存在になったわけですね

725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/17(土) 23:29:45.81 ID:LeFdYPpwo
乙でした
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/18(日) 11:44:45.54 ID:cHBxuwhqo
おつー
俺もキャンプの技術ならあるからもしかして幼女にモテるかもしれない!?
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 17:38:46.06 ID:yeLaxkny0
こんばんわ、1です。


>>723
>>725
ありがとうございます!!!

>>724
主にここの人達に狙われることになりますね……


>>726
え?あ、そ、そっすね……



今日の投下で、更に浜面の主人公の座が揺らぎそうです。

それではゆっくりと投下します。
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 17:53:36.69 ID:yeLaxkny0
3日後



浜面「よぉーし、大分身体も回復してきたみたいだなぁ」グッ、グッ



佐天「相変わらず、怪我の治りが速いですねぇ」


浜面「スラ坊にも回復してもらってたからな。
さっさと退院して、賞金で美味い飯でも食いに行こうぜ」



佐天「あ、いいですねぇ!!
じゃあ、今日は私が奢りますよー、ねぎらいを込めて」



浜面「ん?涙子ちゃん賞金無かっただろ?」
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 17:54:55.83 ID:yeLaxkny0
佐天「賞金は無くても……賭けの配当ならあるんですよ!!!
浜面さんに私の全財産賭けといたんですよぉぉぉおお!!!

どうやら浜面さんに途中から賭けてた人が結構いたみたいで、倍率はそこまで高くはないですけど、5位の配当ボーナス込みで、しばらく贅沢できる額です!!」



浜面「マジかよ!!こりゃあ高級装備に変えてもしばらくは贅沢できそうだな!!
こうなったら工業都市を満喫するか!!」



佐天「そうですね!!そしたらまずはこないだの酒場に行きましょう!!
何か情報が入ってるかもしれませんからね!!」
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 17:56:34.01 ID:yeLaxkny0
第7地区 冒険者の酒場 Julian





佐天「こ、これは……」



浜面「来たな……ついにあの嵐を呼ぶグループがこの街に……」ゴクリ








指名手配書


銀髪の大食いシスター


罪状 当店での食い逃げ及び第7地区の他店舗にて食い逃げ



電撃ビリビリ少女


罪状 当店での電撃による破壊行為



ウニ頭の少年


罪状 上二人の共犯




もう勘弁してください。店長のライフは0です。

店長
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 17:57:59.85 ID:yeLaxkny0
佐天「美琴姫……すっかり上条さん達に染まっちゃって……」ホロリ



浜面「やはり来たか……ってこれよく見たら、上条何にもやってないよな?
ただ二人と一緒に居ただけで指名手配とは……」ホロリ




店長「いらっしゃいませー……」




佐天「あ、すいません。このカルボナーラ一つ」


浜面「あ、俺このサーロインステーキセットで」



店長「かしこまりました……すいませんが、代金を先に戴いてもよろしいですか?」


佐天「へ?……あー、食い逃げ防止ですか。大変ですねー」
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 17:59:08.29 ID:yeLaxkny0
店長「えぇ……あのシスターにはやられちゃいましたよ……
店の在庫の半分は食い尽くされ、そのままトンズラですからね。
しかも、逃げる時に電撃を店の中で撃たれるし」




浜面「そ、それは災難っすね……」




店長「最近変な客が多くてね……こないだから、何かくる度に鮭や鯖持って来て調理しろって客もいるし。
こっちはまだお金払うからマシだけどね……あ、あのお客さんですよ」




浜面「へー、そりゃなんとも変わった……」クルッ
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:02:35.14 ID:yeLaxkny0
麦野「店長ー!!この鮭さばいてよー!!市場ですんごいイキがいいのが手に入ってさー!!
3日間鮭食べてないから、こんくらい上等じゃないと取り返せないのよ!!」



つ鮭「」ビチビチビチビチッ!!



フレンダ「私には、これで鯖の味噌煮作って欲しいわけよ!!!
あと、保存用に缶に詰めて欲しいわけよー!!」


つ鯖「」ビチビチビチッ!!


店長「だからウチではやってませんって。そんなサービス。
第一、魚捌ける人間がいないんですから」
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:04:15.53 ID:yeLaxkny0
店員「店長。自分は魚捌けますよ?」ニコニコ


店長「ホントかい!?じゃあ悪いがやってくれないか新人君。
この人達、こないだの大会で有名になったからあまり手放したくないんだ」



店員「えぇ、お任せください」ニコニコ



麦野「あら、見ないイケメンね。新しく入ったの?店長」



店長「えぇ、何人か辞めちゃったんで(主にアンタが脅すせいで)」



絹旗「うぅ……まだあの閉じ込められている感覚が超忘れられないです……」ガタガタ



滝壷「大丈夫?きぬはた……」ヨシヨシ






浜面( ゚д゚)「」


佐天「あ、麦野さん達だ。オーイ」フリフリ
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:05:42.88 ID:yeLaxkny0
麦野「ん?あら、涙子ちゃんに仕上。アンタ達もココに食べに来てたのね」



フレンダ「あ、浜面!!アンタ、麦野から聞いたわけよ!?
開始早々私と滝壷を気絶させた奴って、結局アンタだったのね!?」



浜面「……あっ!?そういやそんなことも……いや、でもアレはしょうがないだろ!!
やらなきゃやられる勢いだったんだから!!」



フレンダ「問答無用!!滝壷!!今こそ復讐の時な訳よ!!」



滝壷「いや、私は別に気にしてないよ?それよりも、きぬはたが」



絹旗「うぅ……怖い、お外超怖いです……」ガタガタ
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:07:04.88 ID:yeLaxkny0
佐天「き、絹旗ちゃん!!どうしたの!?そんな虐められた子犬みたいに震えて」



麦野「あー……この子、あの日からこんな感じなのよ。よっぽど怖い目にあったのね」



浜面「ステイルとやった時のアレか……そういやアイツも10位まで残ってたんだな。
一体誰にやられたんだか。
絹旗、もう大丈夫だ。いつまでも震えてるなんてお前らしくないぞ?」



絹旗「は、浜面ァ……そ、そんなこといっても勝手に超震えちゃうんですよぉ……」ガタガタガタガタ
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:08:05.59 ID:yeLaxkny0
浜面「相当あの像の中で怖い思いしたんだな……ホレ、大丈夫大丈夫」ギュッ!!



絹旗「はぅっ!!」ギュッ!!






麦野「ッ!?」ピクッ


佐天「なっ!?」


滝壷「ハグ……だと……」
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:09:32.56 ID:yeLaxkny0
絹旗「は、浜面ァ……」ギュッ!!



浜面「悪かったな、絹旗。
あの時もっと早く合流できてたら、少なくともこんな怖い思いはしなかったのによ」ナデナデ



絹旗「へ?き、来てくれてたんですか?
そういえば、あの時麦野とは違う、私を超呼ぶ声が……は、浜面ァァァァアアッ!!!!!」ガシッ!!




佐天「何だろ……普通すんごい嫉妬する場面だろうけど、何か見ててシミジミする……」グスン



麦野「何かホームドラマでも見てる気分よね。何でかしら?」



滝壷「あ、きぬはたの震えが止まってきてるね」
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:10:31.79 ID:yeLaxkny0
絹旗「浜面ァ……私……私は……」グスン、グスン



浜面「ヨシヨシ。大丈夫だ、絹旗。もう怖がることなんてないさ。
お前には、皆がついてるだろ?それに俺もな。いつでも助けにいってやるからよ」




絹旗「浜面……そんなに私のことを超大事に……」




浜面「当たり前だろ……何たってお前は俺にとって……」




絹旗「……ハイ」ギュッ!!








浜面「手のかかる妹みたいなもんだからな」
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:11:55.98 ID:yeLaxkny0
絹旗「」ピクンッ




麦野「あーあ、やっちゃった」


佐天「浜面さん、それはないわー。マジでないわー」


滝壷「あの雰囲気でそのセリフは中々出ないよね」


フレンダ「要するに、完全に女としては見られてないって訳よね」



浜面「へ?え?どういうことだそれ?」ハテ?




絹旗「……フフ、ウフフフフ……」プルプルッ……


コォォォォォォォオオッ……
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:13:24.83 ID:yeLaxkny0
浜面「アレ?絹旗?また震えてきてんぞ?もう心配すんなって」



絹旗「えぇ……お陰でもう超大丈夫です。
この震えは、また違う震えですよ……」プルプル



浜面「違う震え?……て寒っ!!もうすぐ7月なのに何だ?この寒さ!!
そうか!!寒いから震えてんのか絹旗!!」



絹旗「いーえ……私は寒くないですよ。
今私は、乙女の心を弄ばれた怒りで超煮えたぎってますからねぇ……」コォォォォォォォオオッ……




浜面「そ、そうか……ならよかっ……よくはないな。
絹旗。何か俺の身体が凍っていってんだけど……」ピキピキッ……



絹旗「気のせいです。超疲れてるんですよ、浜面。
安心してください。私が永遠に眠らせてあげますから……氷の中で」

コォォォォォォォオオッ!!!
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:20:07.17 ID:yeLaxkny0
浜面「」パキィィィィィン





麦野「……まぁこれはしょうがないわね」


佐天「ですよねー。あそこまでやられたら普通、勘違いしちゃいますよねー」



滝壷「きぬはた。もう怖くない?」



絹旗「平気です!!もう何か色々と超吹き飛んじゃいました!!今日はやけ食いです!!」



店員「お待たせいたしました。鮭のムニエルホワイトソースとキノコを添えてと鯖の味噌煮です」コトッ



麦野「あ、美味しそう。いただきまーす」モグモグ



フレンダ「ところであの氷の像どうする?」モグモグ
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:21:19.81 ID:yeLaxkny0
絹旗「店長ー。インテリアにどうですか?カーネルさんみたいに、玄関先に超置いとけば。
一応、サバイバル5位だから有名ではありますよ?」モグモグ




店長「ウチでは引き取れないね。他所を当たりな」



麦野「んー。今日の鮭の味はいつもと違う気がするわね。やるじゃない、新人君」モグモグ




店員「恐縮ですね」ニコニコ



フレンダ「ここの支払いどーするー?」



佐天「あ、今日は私が払いますよ」



麦野「あー、いーいー。そこのニブチンにでもつけときな。今回は」



浜面「」
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:23:46.58 ID:yeLaxkny0
浜面に天罰が下った頃





第7地区 コンビニ


ピンポーン


「いらっしゃいませー」




一方通行「」スタッ、スタッ、スタッ



工業都市に何百もある内の一つのコンビニに、人類最強クラスのモヤシ、一方通行がいた。
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:25:41.65 ID:yeLaxkny0
一方通行「ほォ……この国じゃあ、こンな風にコーヒーが買えンのか。便利なモンだなァ」ガシャ、ガシャ



一方通行が、ありったけの缶コーヒーを買い物カゴの中に入れていく。
見た目真っ白な彼が、ブラックを買い漁る光景は、何とも言えない光景である。




一方通行「ふゥ、こンなもンでいいか。……ン?なっ!?」バッ!!!



ふと、コンビニの書籍コーナーに目をやった一方通行の目に、とんでもないお宝が見えた。
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:26:41.95 ID:yeLaxkny0
一方通行「まさか……こんな伝説級の古書がこんな店にあるたァ……
とんでもねェ国だぜェ、この日本の工業都市ってのはよォ!!!」スゥッ……





一方通行が一冊の本を手に取る。その本のタイトルとは……







つ『○時だョ!全員集合伝説』






おおよそ、皆さんの予想の範疇を超えることのないものだった。
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/18(日) 18:28:10.14 ID:SMyntPDX0
一方さんwwwww
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:29:34.96 ID:yeLaxkny0
一方通行「おォ……まさかあのネタにこンな設定があったとはなァ……深ェ、深すぎるぜェ……」パラッ……




一方通行は、コーヒーを大量に入れたカゴを足元に置き、一心不乱に読みふける。




ピンポーン



「いらっしゃいませー」



スタッ、スタッ、スタッ



また一人、このコンビニの中へとお客が入る。


スタッ、スタッ、スタッ



一方通行「フムフム……何だと!?ビートルズの公演の前座を務めただってェ!?
オイオイ、ドリフの面子を前座に使うたァ、一体このビートルズってのはどンだけの大物なんだよ……クカカ、広いねェ、世の中ってェのは……」




「久しぶりだなぁ、一方通行<アクセラレーター>。いや、今は『ヒトカタ ミチユキ』君か?」
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:31:53.47 ID:yeLaxkny0
ピクッ……




一方通行の眉がピクリと動く。
そのままジロリと横目で声の方向を見る。



垣根「よぉ。何してんだ?こんなところでよぉ?」



一方通行「お、お前は……」




一方通行の横には、パッと見ホストのようで、明らかに一般人ではない雰囲気を纏った男がいた。



一方通行はジッと顔を見る。間違いない。コイツは……





一方通行「……あー、すいませン。どなたでしたっけェ?」




垣根「……は?」








知らないヤツだ!!
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:36:45.78 ID:yeLaxkny0
垣根「……チッ!!相変わらずふざけた野郎だなぁ。久しぶりにあってそれかよ」



一方通行「あ?あ、あァ……お前こそ相変わらずじゃねェか。
(ヤベェ!!冗談だと思われた!!マジで誰だよコイツ!!
何か俺のコトはよく知ってるみてェだけど、全然見覚えねェよ!!)」



垣根「ハッ、相変わらずときたか……前までの俺と思うなよ?
テメェがこの街で何をしようとしてるかは知らねぇが、返り討ちにしてやっからよぉ……」




一方通行「ハッ、そういうところが相変わらずだって言ってンだァ。
(前までもクソも知らないンだって!!お前のこと!!昔の俺にヤられたヤツの一人か?)」
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:39:05.79 ID:yeLaxkny0
垣根「言ってろよクソ野郎。で、ホントお前何しに来たんだ?
魔王軍からは離れたって聞いてるけどよぉ。
さすがにお前クラスのバケモンは敵側じゃなくても警戒せずにはいられねぇんだよ」



一方通行「お前には関係ねェよ。ちょっとした観光だ観光ォ。
(初対面の奴にペラペラ喋れるわけねェだろォが!!)」





垣根「観光だぁ?つくならもっとマシなウソつけよな。
まぁいい。どうやらこの街を潰しに来たような雰囲気は感じねぇしな。
テメェは覚えちゃいねぇかもしれねぇが、テメェにやられた駒場や半蔵も警戒している。
下手な真似はしないよう気をつけるんだな」



一方通行「あァ……ご忠告どーも。
(駒場に半蔵?あァ、そいつ等は知ってるな。中々骨のあるヤツラだった……

だけどお前は知らねェんだよマジで!!!頼むから早くどっか行けよ!!ヒヤヒヤしてンだよコッチは!!)」
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:41:10.61 ID:yeLaxkny0
垣根「あ、そうだ。ついでにもう一つだけ忠告しといていいか?」




一方通行「ご自由にどォぞー(しつけェよ!!)」










ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオ





垣根「もしこの街に手を出そうなら……俺はお前を殺すぜ?どんな手を使おうとな」





ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオ









一方通行「…………あァ、覚えといてやるよ」



垣根「チッ……じゃあな、俺も色々と忙しいんでな。あ、店員さん肉まん二つ」




一方通行「あァ……」
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:42:49.41 ID:yeLaxkny0
「あ、肉まんですかー?まだあったまってないんですよー」




垣根「あぁ?何だそりゃあ……チッ、しょうもねぇ店だなぁ」スタッ、スタッ、スタッ





「ありがとうございましたー」





一方通行「(そりゃあ、あったまってる訳ねーだろ……だって蒸し器のコンセントが抜けて、携帯充電してンじゃねーか!!気づけよアイツ!!)プルプルッ……
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/18(日) 18:43:56.82 ID:jInT1lq1o
垣根ェ・・・
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:44:37.54 ID:yeLaxkny0
とある高層ビルの一室



バタンッ



心理定規「あら、おかえりなさい。……どうしたの?ニヤニヤと」




垣根「いや……久しぶりに一方通行と対峙してきたが、気が抜けちまってな。
野郎、ホントに平和ボケしてやがる。何があったんだかな……」



心理定規「いいじゃない、厄介な敵が減ったのなら。
もし味方につけば、凄く頼もしいじゃないの」



垣根「そうそう上手くいくとは思えねぇがな……ま、引き続き監視はしとくか」








とある高級ホテルの一室




バタンッ



白井「あら、お帰りなさいませ。……どうなさいましたの?ニヤニヤと」



一方通行「いや……笑いの神に愛されているヤツがいたンでな。少し羨ましく思えただけだァ」プルプルッ……



白井「?」
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 18:48:15.39 ID:yeLaxkny0
キリがいいので、一旦休憩です。

21-22時くらいには、再開できると思います。



以上、浜面への天罰と、垣根、一方通行の壮絶なすれ違いをお送りしました。


次回はようやく、あのグループが登場です。
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/18(日) 18:55:34.26 ID:SMyntPDX0


愉オブ浜面さんになりましたか

ていと君はやるときはやるんだぞ!
多分
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2012/11/18(日) 19:06:56.36 ID:vH1kCES8o

なんか本編の上条属性が乗り移ってね?
フラグ立て能力といい鈍感っぷりといい
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/18(日) 20:09:47.41 ID:yer6kqCYo
結局浜面ハーレムかよ…
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 21:34:16.81 ID:yeLaxkny0
そろそろ再開します。



>>757
垣根さんは特に何も悪くないんです!!忘れてる一方さんが悪いんです!!


>>758
一応、麦野の気持ちはちゃんとわかってますよ。
他は基本意識自体してないので。


>>759
恋愛と親愛は違うんですよ?
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:04:03.29 ID:yeLaxkny0
垣根と一方通行のすれ違いが終わった頃




店長「ありがとーございましたー」


麦野「美味しかったわよ新入り君。また鮭持ってくるわね?」


店員「えぇ、お待ちしていますよ」ニコニコ





浜面「うぅ……寒い……」ガタガタ



佐天「流石に自業自得ですよ、浜面さん」


滝壷「ごめん、さっきのはまづらは応援できない」


絹旗「氷漬けを解いてあげただけでも超感謝してほしいくらいです!!」プンッ!!


浜面「お、俺が一体何をした……」ガタガタ
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:05:47.68 ID:yeLaxkny0
麦野「寒そうねぇ仕上。どう?私が温めてあげようか?」ニコリ



佐天「!?」バッ!!


滝壷「!?」バッ!!


絹旗「……」チラッ




浜面「さ、寒さで頭がボォッと……もう何も考えられない……」フラフラ



麦野「さぁ、おいで仕上。その凍えた身体、私の身体で温めてあげるわ……」ニヤリ



浜面「む、麦野から慈母の光が見える……」フラフラ



麦野「おいでー、おいでー……」→ホテル
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:07:02.14 ID:yeLaxkny0
佐天「ダメです浜面さん!!アレは慈母なんかじゃなく、獲物を狙う女豹です!!」



滝壷「むぎの……とことん攻めて行くつもりだね。恐ろしい子……」ガタガタ



フレンダ「あれー?絹旗止めなくていいわけ?」ニヤニヤ



絹旗「べ、別に浜面が誰と何しようが……うぅ……」アタフタアタフタ




麦野「さぁ、仕上……家族のように育って来た私達が、本当の家族になれる場所までもう少しよ……」



浜面「家族……麦野と家族に……」フラフラ
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 22:09:10.25 ID:/Jbht1DDO
洗脳寸前やんか…恐ろしや恐ろしや
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:13:34.65 ID:yeLaxkny0
佐天「あぁ!!完全に操られている!!恐るべし麦野さん!!」



滝壷「ダメだよはまづら。はまづらが見ている麦野は幻想だよ!!
その建物に入ったら最後。最後の一滴まで搾りとられるよ!?」







「そうだ浜面。お前は今、幻想にとり憑かれている!!」







佐天「!?」


滝壷「あ、貴方は……」


麦野「チッ!!その声は……」
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:16:04.11 ID:yeLaxkny0
「お前が麦野さんと2人でホテルだって?そんなことあるハズがない……あってはならないことなんだ!!
お前1人がいい思いをする現実なんてあるわけがないんだよ!!」




フレンダ「か、カッコ悪すぎる……」



絹旗「完全に男の妬みが超混じってますね……」






「いいぜ……お前がもし!!あのホテルで麦野さんと×××や○○○○や<ダメェェェェエエ>なんて出来ると思ってんなら!!」



麦野「いや、流石にそこまではしないけどね……」





「読者を代表して!!俺がその幻想をぶっ殺す!!」ブンッ!!!



浜面「へっ?へぶしっ!!!!」ドゴォォォオッ!!!




ズザァァァァアアアッ!!!
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/18(日) 22:17:37.94 ID:3GwOPXMA0
上条さん

同意だけどメタっすよ
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:18:28.48 ID:yeLaxkny0
浜面「な……か、上条……何で……」ガクッ……




上条「許せ浜面……
これが……これが世界の選択だ!!!お前にはまだ早い!!!!!」グググッ……




絹旗「ち、血の涙を浮かべながら握り拳を……」



フレンダ「友としては、温かく見送りたかったけど、男として全力で阻止するしかなかったわけね」




インデックス「果てしなくカッコ悪いんだよ、とうま」




御坂「ん?さっきの×××や○○○○や<ダメェェェェエエ>ってどういう意味なの麦野さん?」



麦野「へ?え、えっとね……その……」
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:20:32.65 ID:yeLaxkny0
佐天「あ、女豹モードが解けて乙女モードになりましたね」



滝壷「むぎのは攻められると弱いんだよね。みことみたいに純粋な子って怖いよね」




フレンダ「ていうか久しぶりなわけよ、美琴とインデックス」フリフリ




インデックス「久しぶりなんだよ。久しぶりなのに登場がこんなのなんて、扱い酷すぎなんだよ!!」

770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:24:00.94 ID:yeLaxkny0
とある高級ホテル





佐天「ひゃー、凄い凄い!!こんなところに麦野さん達泊まってたんですか!?」



麦野「退院した後からだけどね。
4位の賞金と、賭けの配当金で一財産できたし、必要以上に貯め込む必要もないからねぇ。
アンタ達の部屋もとっといたからしばらく使いなさいな」




御坂「んー……久しぶりに豪華なところで寝れるわねぇ。私達はいっつも安宿か野宿かだったし」



佐天「あ、私もですー。こういう豪華なところなんて一生縁がないと思ってましたよー」




浜面上条「「稼ぎが少なくてすいません!!!」」


_| ̄|○

_| ̄|○

771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:25:46.87 ID:yeLaxkny0
インデックス「全くなんだよ!!ちょくちょく賞金首の魔物倒して稼いでるのに、どこにお金が消えてるのか不思議かも!!」



上条「殆どお前の食事代だろぉがぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!!」






浜面「さてと……とりあえず、さっき何故か殴られたことは置いといてだ。
久しぶりだな上条。昔の村に一旦戻るとか言ってたが……どうだ?何か記憶の手掛かりは掴めたか?」



インデックス「……」


御坂「……」



上条「いやー……それがさっぱりでさ。正直無駄足だったよ。
あ、でもよ。途中のダンジョンですんげーいいアイテム見つけたんだぜ?な?インデックス」
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:27:28.24 ID:yeLaxkny0
インデックス「へ?……あ、うん!!そうなんだよ!!皆私達に感謝して欲しいかも!!
激レアで超強力なアイテムなんだよ!!」サッ!!



ズラァァァァァァァァアアアッ!!!!!



浜面「ん?何だこりゃあ……鉱石か?」



御坂「あ、浜面さんにはあまり意味がないアイテムなのよね実は」



浜面「……へ?」





インデックス「これはね……魔物の力をこの石に封じ込め、その力を元に魔具を作り出すの。
『クリスタル』って鉱石なんだけどね。それの最も純度が高いヤツなんだよ」
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:29:51.91 ID:yeLaxkny0
麦野「クリスタル?それって人工の魔具に使われている鉱石でしょ?魔力に反応するっていう。
私も昔使ってたわよ?欠片だけどね」




インデックス「うん!!魔力を蓄積したり、性質を変えたりと、クリスタルと合成させた鉱石によってその効果は様々なんだよ?
だけど、このクリスタルは純度100%の超レアモノ。
その効果は、魔力だけじゃ飽き足らず、魔物の魂まで吸収し、力に合わせてその形状を変えてしまうんだよ!!!!」



佐天「なるほど……つまり、この鉱石を使えば、浜面さんの能力に似た力が使えるということなんだね?インデックスちゃん」



インデックス「そういうことなんだよ!!」
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:36:15.66 ID:yeLaxkny0
浜面「へ?……ってことは、俺の能力はもう、俺だけが使えるってわけじゃ……」



フレンダ「浜面……今まで主人公ご苦労様ってわけよ」ポンッ



絹旗「心配しないでください!!私達は、いつでも浜面の超味方ですよ?」ポンッ


滝壷「はまづら……これからはツライ時はいつでも休んでていいからね。
私達が代わりに頑張るから」ポンッ



浜面( ゚д゚)「」
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:38:25.10 ID:yeLaxkny0
麦野「じゃ、次のタイトルは『とある異世界の勇者達』で決定ね。
それで最終決戦までに一番活躍した人が、最後のタイトルに名前を乗せると。
そうと決まればさっそく閉幕の準備ね」ゴソゴソ



絹旗「空いた主人公枠の争奪戦ってことですね?超やる気が出てきました!!」



滝壷「じゃあ、お決まりのセリフを言わないといけないね」



フレンダ「そういうことってわけよ。じゃあ皆一斉に。せーの」





『俺たちの冒険はここからだ!!!』







ご愛読ありがとうございました。
次スレ『とある異世界の勇者達』でもよろしくお願いします。











浜面「ってふざけんなぁぁぁぁあああっ!!!!!」ガッシャァァァアン!!
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 22:39:37.28 ID:evHnkLZA0
乙!
次も楽しみにしてるよ!
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:40:03.44 ID:yeLaxkny0
麦野「これでもか!!ってくらい全力のちゃぶ台返しがきたわね」


浜面「当たり前だ!!さっきからわけのわからんことばっか言いやがって!!」


フレンダ「だって、本当に浜面の役割が分散しちゃうってわけよ」


浜面「なんだよ役割って!!俺の役割ってモンスター関連のことだけなの?」



絹旗「へ?他に何かあったんですか?」キョトン



浜面「て、テメェラ……」プルプル……
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:42:31.26 ID:yeLaxkny0
浜面「表でろやお前等ァァァアッ!!!
いい加減、このわけのわからん冷遇を終わりにしてやる……
下克上だ下克上ォォォォォオオッ!!!!!」



麦野「仕上のくせにいい度胸じゃねぇかぁ……上等だコラァァァアッ!!!」



フレンダ「サバイバルの時の借り、100倍にして返してやるってわけよぉぉぉぉおおお!!!」



絹旗「さっき超粉々に打ち砕かれた乙女の心の仇、とって見せますよ!!」



滝壷「大丈夫。待遇に恵まれないはまづらを、私は応援している」
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:44:15.09 ID:yeLaxkny0
テメェラオレヲ、ナンダトオモッテンダー!!!



キヌハター!!ウシロカラマワリコメー!!



ハマヅラー!!イイカゲン、ソノニブサチョウナントカシテクダサイ!!!




フレンダトクセイ、グレネードランチャーッテワケヨー!!



ドォォォォォォォォオオオンッ!!



ギャァァァァァァァアアアッ!!!!






インデックス「むー……まだ話は全然終わってないんだよ!!最後まで聞いてほしいかも!!」



佐天「ん?他にも何かあるの?インデックスちゃん」
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:46:36.11 ID:yeLaxkny0
インデックス「まず、しあげの能力と違って、魔物自体を現出することは基本的には出来ないんだよ。
しあげは魔物に協力してもらって、魔具を作り出してるけど、このクリスタルは強制的に隷属化してるだけだからなんだよ」



佐天「フムフム。ようはクリスタルから捕まえた魔物を出したら、逃げちゃうってことなのかな?」




インデックス「大雑把に言えばそうかも。だけど、その魔物自体と絆が深まれば、協力してもらえるんだよ!!
それと、しあげの魔具には成長要素があるけど、クリスタルの魔具には成長要素はないんだよ。
Aランクの魔物を捕らえたら、魔具自体の性能はAランクを超えることはないんだよ!!」



佐天「浜面さんの乗り物魔具が、武器魔具に進化するみたいなことがないってことなんだね?」
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:49:06.46 ID:yeLaxkny0
インデックス「そういうことかも。

あとは、しあげの場合は魔物の力との掛け算で能力を発揮するけど、クリスタルでは基本的には足し算にしかならないんだよ。

だけど、このクリスタルの魔具には持ち主との相性があるから、もの凄く相性のいい魔具を使えば、掛け算とまではいかなくても、+αはあるかも」



佐天「そっかー。そういえば、浜面さんは力を借りた魔物の力は全部使いこなせてるからなー。
私達には、そう簡単には使いこなせないってわけか」



インデックス「それだけ、魔物使い系の能力はレアってことなんだよ!!

ちなみに、捕まえた魔物の魂はいつでも逃がせて、クリスタルは再利用可能だから、本当に相性のいい魔物を探してみるといいんだよ!!

一応、皆に2個ずつ配れる数はあるから、いろいろ試してみてほしいかも」
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:51:08.66 ID:yeLaxkny0
佐天「わー、ありがとうねインデックスちゃん。
……そういえば、インデックスちゃん達はもう、魔物捕まえてみたの?」




インデックス「とうまには、例のごとく使えないから、私とみことは一体ずつ持ってるんだよ!!
お互い、相性のいい魔物を見つけたかも!!
ちなみに、みことは魔物を現出することが出来るくらい仲がいいんだよ!!」




御坂「向こうが私を気に入ってくれてるみたいなんだけどね……。
私にはその……少し刺激が強すぎて……」ボソボソ



上条「あぁ……上条さんも初めて見た時は目を奪われたものですよ……いろんな意味で」シミジミ
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:52:51.34 ID:yeLaxkny0
佐天「?さ、流石ですねぇ……。
へー、これで私も自分だけの魔具が使えるようになるんだー。
なんだかワクワクしてきたなー」




麦野「ただいまー。あー疲れた疲れた」



佐天「あ、おかえりなさい。終わりました?」


フレンダ「終わったわけよー。今、絹旗がおぶさって連れてきてるよ」



絹旗「全く……妹分におぶられるとは、超手のかかるお兄ちゃんですねぇ、浜面は」


滝壷「きぬはた何だか嬉しそうだね。顔がイキイキしてるよ?」


絹旗「へ?き、気のせいですよ滝壷さん。……まぁホンのちょっとだけ、気分はいいですけど」ボソリ



浜面「うぅ……テメェラもっと俺に優しくしろぉ……」グッタリ
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:55:35.47 ID:yeLaxkny0
工業都市第19地区 最初の広場




浜面「さて。再びこの広場に皆で来たわけだが」


佐天「久しぶりに全員合流しましたからね。
次の戦いに備えて、皆で特訓でもしましょうかってことです」



麦野「真面目な子ねぇ……やっぱり涙子ちゃん、仕上よりも私に弟子入りしない?」



佐天「んー……いえ、やっぱり今まで通り浜面さんについて行きたいですね。
なんだかんだで私を、大きく成長させてくれてますから」
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:56:54.52 ID:yeLaxkny0
浜面「えぇ子や……」ジーン……



麦野「仕上……アンタこの子立派に育てないと浜面♀にするからね?」





インデックス「それで、特訓っていっても何するのかな?」



佐天「私はしょっちゅう浜面さんと実戦形式でやってましたけどね」



フレンダ「じゃあそれでいいんじゃない?
といっても私はこんな広々としたとこじゃ、結局特に出来ることないわけよ」



絹旗「それよりも、インデックスちゃんの持ってきたクリスタルの力が超見てみたいんですけど」



滝壷「そうだね。一体どんな力なのか気になる」
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 22:58:55.73 ID:yeLaxkny0
インデックス「んー……私のは少しわかりにくいから、みことのを見せてあげたらわかりやすいかも。
みこと、あの人出してあげたら?」




御坂「え?私の?んー……あまり気が乗らないけど……ちょっとだけね」ジャラッ……



浜面「ん?そのネックレスにクリスタルをつけてんのか?」




御坂「そのままにしとくと無くしそうだったからねぇ。
じゃ、いくわよー……ネヴァンさん出てきて!!」





カッ!!


ブワァァァァァァァァァアアアアッ!!!!
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 23:00:11.01 ID:926D6o4B0
Time to rock!
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 23:01:21.26 ID:yeLaxkny0
浜面「おお、本当に俺の力とそっくりだな!!さ、どんな魔物が出てくるのか……」ワクワク




佐天「あ、煙が晴れてきましたよー!!」



モクモクモクモクモクモクモクモク…………






「はぁーい。お姉さんを呼んだ?美琴ちゃーん」




煙が晴れた先には、全裸に黒いロングコートを羽織ったような格好の、金髪のナイスバディな女性が現れた。




浜面「グハァッ!!!!!」ブシュゥゥウッ!!!


滝壷「あ、はまづらが倒れた」




麦野「はぁっ!?魔物じゃないわけ!?てか何よその格好!!痴女?」





「あら、美琴ちゃんのお友達?初めまして。お姉さんは魔女ネヴァン。
ま、ネヴァンってのは魔女の時の名前で、人間の時はオリアナ・トムソンって名前だけどねぇ」
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 23:06:48.82 ID:yeLaxkny0
浜面「」ドクドクドク……




佐天「は、浜面さんが一撃でやられるなんて……御坂さん!!凄い人を仲間にしたんですね!!」




御坂「いや……まだ何もしてないんだけど……
ていうかネヴァンさん!!いい加減、もっとちゃんとした服着てよ!!」




オリアナ「いやねぇ、美琴ちゃん。
人間の時の私のことはオリアナって呼んでくれなきゃあ……お姉さん、またイタズラしちゃうわよ?」ペロリ……




御坂「うぅ……やっぱりこの人苦手だわ……」
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 23:08:24.08 ID:yeLaxkny0
絹旗「えっと……それで、その超エロい格好と体のお姉さんは、結局魔物なんですか?」



オリアナ「あら?可愛いお嬢さんね。お姉さん味見しちゃおうかしら?」ペロリ




絹旗「ヒッ!?」ゾゾゾッ……




御坂「魔物というか……魔女というか悪魔というか……とにかくよくわかんないわ。
とある大きな街のオペラハウスにいたんだけど……その……」モジモジ……




フレンダ「オペラハウス?そんなところで何してたったわけよ?」
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 23:10:44.25 ID:yeLaxkny0
オリアナ「お姉さんの歌声に誘われた男の人達とイ・イ・コ・ト☆してたんだけどねぇ。

何か街の人に美琴ちゃん達が頼まれたらしくってぇ……お楽しみの最中にそのまま退治されちゃったのよ。

その時に美琴ちゃんのこと、お姉さん気に入っちゃってねぇ。
ちょうどクリスタルを持ってたみたいだから、中に入ってついてきちゃったの」




佐天「い、イイコトってまさか……」カァァァァアッ!!



麦野「こりゃあ、とんでもない凸凹コンビね……見た目も中身も」
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 23:13:42.88 ID:yeLaxkny0
絹旗「なるほど……クリスタルに入れて無理矢理力を使ってるんじゃなくて、オリアナさんが美琴に超友好的だから、こうやって外に出てこれてるんですね?」




オリアナ「そういうことねぇ。
お姉さん、男の子も女の子も大好きだからさぁ……特に美琴ちゃんみたいに純情な子は食べちゃいたいくらい♪」ペロリ




御坂「だからあまり見せたくなかったのよ……」カァァァァアッ!!!





滝壷「それで、おりあなの力ってどんな力なの?みさか」




御坂「へ?あ、あぁ、そうね。ネヴァンさん、魔具になってよ」



オリアナ「はぁーい」




カッ!!


ブワァァァァァァァァァアアアアッ!!!




麦野「思ったんだけど、この光と煙は毎回出るわけ?」


インデックス「演出って大事なんだよ!!」
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 23:17:02.89 ID:yeLaxkny0
御坂「……ふぅ。これがネヴァンさんの力で作られた魔具よ?
まだまだ使いこなせてないんだけどね」シュゥゥゥウウウ……




佐天「へ?それが魔具なんですか?浜面さんのとは、全然違うんですねぇ」




御坂の手には、紫電に染まった奇抜なデザインのエレキギターが現れていた。
ギターからは、とてつもない雷の力を感じる。



麦野「なるほど……オリアナさんの力は美琴と同じ、シンプルな電撃系統なのね。相性がいいはずだわ」



インデックス「実際はかなり複雑な力なんだけどね……お披露目はまた別の機会なんだよ!!」
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 23:19:42.24 ID:yeLaxkny0
ネヴァン「ちょっとぉ……魔女の時や魔具の時はネヴァンって呼んでくれなきゃ、お姉さん拗ねちゃうわよぉ?」バチバチバチッ!!



浜面「グァァァァァァァァアアアアッ!!!!!」バチバチバチバチッ!!!!!



佐天「浜面さーーーーーーん!!!!」



御坂「ちょ、ちょっとネヴァンさん!!電気漏れてる漏れてる!!」



フレンダ「うわぁ……めんどくさっ!!!」
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/18(日) 23:26:49.43 ID:aqioZxZb0
ちょいメガテンみたいね
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/18(日) 23:29:43.96 ID:yeLaxkny0
投下終了です。



更に勇者側の強化に入ります。
もうインフレが止まりません。


まぁ、仲間も魔物の力使い出すのは予定の内だからいいか!!


あと、ネヴァンさんがわからない人はこちら。DMC3からです。
http://img08.pipa.jp/tegaki/user_img8/13016/130162746216727.png

ゲームの絵があればよかったですが、わかりにくいのしかなかったので。

上の絵をオリアナ風に頭の中で変換しといてください。
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 23:32:44.02 ID:926D6o4B0

美琴の背中に小悪魔チックな翼が生えて飛んでくる妄想した
デビルトリガーひきそうになった、…ふぅ
この中で右手一本で渡り合う上条さんがヤベえ。
帝国九七式破城槌型魔導鉄甲でも装備するかハンズ・オブ・グローリーでも体得するしかねえな
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 23:36:21.01 ID:qAkHkWwIO
乙おつ
個人的に浜面佐天は好きなのでもっと見たい
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/18(日) 23:46:51.01 ID:3cD+71980


ここのフレンダなら魔物がつかまるまで
鯖の保存箱変わりにすると予想

鯖臭いクリスタル…
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/11/19(月) 20:16:36.84 ID:FJc6hYwW0
こんばんわ、1です。



いよいよ、今スレでの、2章本編ラストです!!
キリがいいので、ここら辺でこのスレは終わりにします。


もしかしたら、明日くらいに次スレの浜面初戦の相手を安価で皆さんに頼むかもしれません。

多分ですが。

その時は、皆さんよろしくです。



>>797
よく考えてください。確かネヴァンの技にエアレイドがあったハズです。
つまり……

ちなみに上条さん、現時点の勇者側の中で2、3番目に強いっすよ?

>>798
その辺は、どうなるかわからんとです。

>>799
それなら麦野も自動的に……
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 20:22:01.67 ID:FJc6hYwW0
とあるビルの屋上




ヒュォォォォオオオオッ……



上条「…………」


煌びやかな街並みを見下ろしながら、上条は静かに風にうたれていた。



一方通行「よォ……ようやくこの街に来たんだな、人類存続の鍵を握る勇者様」スタッ!!



空から突如、一方通行が屋上に降り立つ。



上条「お前も来てたんだな……。
ていうかやめろよ、そんな仰々しい言い方……まぁ、実際その通りなんだけどな。
俺の行動次第で人類が勝つか滅ぶかが決まっちまうかもしれないんだから」
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 20:28:12.30 ID:FJc6hYwW0
一方通行「なンだ?お前には荷が重すぎたかァ?だったら話は簡単だ。
今すぐそこのフェンスを飛び越えて、ここから飛び降りればいい。
10秒ほど目をつぶってればプチっと楽に逝けるぜェ?」



上条「そんな逃げるような真似はしねーよ。先のことはわかんねーのに逃げてどーすんだ」



一方通行「ハッ!!立派なことでェ。
……で、どうだったんだ?生まれ故郷に戻って得たものはあったのか?」



上条「……いや、何も無かったよ。本当に何も無かった。
村自体が無くなってたんだ。跡形もなく」
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 20:31:01.70 ID:FJc6hYwW0
一方通行「…………そりゃあ、消されたンだな。魔王軍の誰かに。
よほどお前に知られたくない、見られたくないものが、あの村にあったって証拠だ」



上条「だろうな……インデックスが言うには、確かにアイツと出会って旅立つ時には、村もあったし生き残った人も居たみたいなんだ。
もっとも、俺の両親が生きてその村に居たかどうかはわからないけどな」




一方通行「まぁ、それだけわかれば少しは謎が解けてきただろォ……。

魔王軍は何かをお前から隠している。

それがアレイスターの指示なのか、個人の判断かは知らねェが、お前の過去に関わる何かを消そうとしているな」
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 20:32:43.99 ID:FJc6hYwW0
上条「一体何があったんだろうな、俺の過去に。
親父に厄病神と呼ばれるほどのことがあったに違いないんだろうが」ハハハ……




上条は力無く笑っている。





一方通行「そのことなんだがよォ……親父のその言葉は、本当にお前に向けて放たれた言葉なのか?」





上条「は?どういうことだよそれ?」
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 20:34:36.21 ID:FJc6hYwW0
一方通行「そのままの意味だ。
お前は親父の叫ぶ声は聞いたが、肝心の映像は思い出せなかったと言ってたな?

母親が倒れている映像は見たけど、その時の状況はわからなかったって言ってたな?

どれも、お前が何かやらかした可能性もあるが、同時に他の誰かがやらかした可能性がある」




上条「な、なんだよそれ……他に誰が居たってんだよ!!」




一方通行「ンなこと知るか。あくまで可能性だ。
本当にお前が母親を手に掛け、父親に厄病神扱いされた可能性もある。
……お前以外、その場には居なかったのか?」
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 20:36:17.45 ID:FJc6hYwW0
上条「俺以外……俺以外にあの場に居たのは……」






『俺様じゃない!!お前がやったんだ!!全てお前のせいだ!!』






上条「…………誰かいた。確かに聞き覚えのない男の声が聞こえた!!
あの時、あの場に居たのは俺と俺の両親だけじゃなかった!!」




一方通行「これで一つハッキリしたな……恐らく、お前の村で起きた事件の、全ての真実を知る人間が何処かにいる。
そして、ソイツが元凶である可能性もあるってことだ」
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 20:38:58.54 ID:FJc6hYwW0
上条「そんな……インデックスは何もそんな話は……」





一方通行「あのガキも知らなかったンだろ。

あのガキが村に着いた時には、既に村は魔物に襲われ、お前は『魔王の使い』と戦っていた。

そして、生き残った村の人間が、お前を責めていたら、そりゃあお前が何かやらかしたと思うのが普通だ。

お前が昔から、お前の中に眠る竜王の力のせいで、不幸な目に会うことが多かったことも合わさってな」




上条「…………」
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 20:41:24.44 ID:FJc6hYwW0
一方通行「だからってあのガキを責めンじゃねぇぞ?
あのガキのおかげで、記憶を無くしたお前は今、前を向いて進めるンだからなァ」



上条「あぁ……わかってるよ……」





一方通行「どォだ……少し両親を殺したかもしれない罪悪感が晴れてきただろォ。スッキリしたところで一本飲めよ」つ缶コーヒー





上条「…………苦ぇな」ズズッ……




一方通行「コーヒーが苦いのは人生の味だからってなァ……俺らみたいな苦労人にはピッタリだろォが」
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 21:19:48.01 ID:FJc6hYwW0
第19地区 最初の広場





浜面「あり?アレって半蔵じゃねーのか?」



麦野「あらホントね。横の二人は知らないわね……何しに来たのかしら?」




半蔵「よう!!修行ははかどってるかい?
5位と4位のカップルさんと涙子ちゃん。あとその仲間達」




佐天「半蔵さん!!」



絹旗「超ついでに言ってんじゃないですよ!!」



フレンダ「ていうか誰なわけよこの人達!!」
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 21:28:29.03 ID:FJc6hYwW0
説明中




御坂「なるほどね……魔王軍を倒すために集められた精鋭か。
それで、そんな凄い人達が何の用?
私達も多分、その組織自体には入らないわよ?」



半蔵「あぁ、ちょっと紹介したいヤツがいてな。
この二人が、ウチの『スクール』のトップとその右腕なんだ」



垣根「垣根帝督だ。
お前等の力は、先日のサバイバルの中で見させてもらったぜ?皆、中々やるじゃねぇか」



心理定規「私は心理定規<メジャーハート>と呼んで。
あの大会、実は私達の組織が運営してたの。
ようやく、貴方達みたいに可能性に満ちた人達が見つかったわ」
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 21:43:08.61 ID:FJc6hYwW0
浜面「そういえば、有望なヤツや100位以内は全員スカウトするって言ってたな。
それで、改めてトップ直々にスカウトしに来てくれたのか?」



垣根「いんや、それよりももっと重要なことだ。
浜面……お前、ここに来る途中に、エグドラシルって魔物とやり合っただろ?削板や半蔵から聞いたんだがな」



浜面「削板さんも知ってんのか。エグドラシルってあのクソデカイ魔物だろ?
俺とケルベロスで氷漬けにして封印したんだ」



垣根「削板からの報告だ。
アイツの封印が解ける兆候が見られたそうだ。もってあと一週間だとよ」
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 21:44:27.79 ID:FJc6hYwW0
浜面「なっ!?」



佐天「えぇっ!?」



半蔵「残念だが、これは事実なんだよお二人さん。
あのバケモンが再び動きだし、この工業都市目掛けて襲いかかってくる。
何とか都市の兵器での迎撃の準備は済んでいるが、それでもまだ不安要素はあるんだ」



浜面「不安要素?」



半蔵「お前はあのバケモンが単体でココに攻めてくると思うか?
俺らはそうは思わねぇ。この都市みたいな要塞は、中と外同時に攻めてくんのがセオリーだ。
外はあのバケモンが引き受けるとして、中には向こうの兵隊がウジャウジャ入ってくるかもしれねぇな」
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 21:55:02.86 ID:FJc6hYwW0
麦野「なるほどね……一理あるわ。
都市自体の迎撃をそのエグドラシルってのに向けられている際中に、小回りの効く奴らが中で暴れるってことか」




垣根「そういうことだ。悪いが俺は、エグドラシルの迎撃に回らなきゃならねぇ。
SSランクの相手なんざ、現状、俺か心理定規か半蔵しかできねぇし、半蔵の能力は運頼みだからな。
肝心な時に役に立たなかったらヤバすぎる」



半蔵「厳しいこというなぁ……まぁ、その通りなんだが」ガックシ
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 21:57:58.41 ID:FJc6hYwW0
垣根「そういうわけで、中の指揮はこの心理定規に任せる。

半蔵、駒場、結標……あとここには居ないが、中々出来るヤツらがいるんだがな。
お前等もそいつ等と共に、中の守備の主力として手伝ってほしいんだ。

時期は少し早いが、工業都市総出の防衛戦になるだろうからな。
アレイスターの総攻撃へのリハーサルみたいなもんだ」





浜面「……わかった!!俺らも協力するよ」



佐天「この都市がやられたら、人類に大きな痛手ですからね!!」



御坂「私達も協力するわよ。私の国でも似たようなことがあったからね」



インデックス「教会の人達にも応援を要請しておくんだよ!!きっと力になってくれるかも!!」



浜面「あ、そういやステイルがこの都市にいたよな。
アイツ一人じゃないみたいだし、何人か教会の人間もいるんじゃないか?」
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 21:59:53.45 ID:FJc6hYwW0
麦野「私達も参戦させてもらうわ。だけど、ちょっと気になることがあるんだけど?」



垣根「ん?どうした?」



麦野「そこのドレスの女の子……アンタ本当にそんなに強いわけ?
都市の中の指揮をするってくらいだから、相当の実力者じゃないと誰も指示なんて聞きやしないわよ?」




心理定規「へ?私?」



半蔵「あー……確かに見た目はなぁ……実際コイツが強いわけじゃないし……」




心理定規「ちょっと!!失礼ねぇ、半蔵!!」
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:01:29.37 ID:FJc6hYwW0
垣根「丁度いい。自己紹介代わりに、ちょっとお前の力見せてやれよ心理定規。
アイツ等修行中みたいだし、いい修行になるんじゃねぇか?」




浜面「へぇ……そんなに強いのか?この子……」



麦野「美琴と同じくらいの年なのにねぇ……いいわ、私が相手になる」



心理定規「んー……どうせだから全員で来たほうがいいかもしれないわよ?」



浜面「へ?」


麦野「あ?」ピキッ!!


佐天「むっ!?」ピクッ


絹旗「なんですとっ!?」ピクッ


御坂「いい度胸ね……」パチパチィィ……


インデックス「流石に舐めすぎなんだよ!!」


フレンダ「ちょっとお仕置きしてあげなきゃって訳よ……」



滝壷「あ、私パスしておくね」ε
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:05:20.57 ID:FJc6hYwW0
心理定規「えーっと……」ブゥゥゥゥゥン……


ヌギヌギッ


パサッ……



浜面「ゲッ!!」


佐天「浜面さん!!見ちゃダメです!!」サッ!!



心理定規「いや、別に見られても大丈夫だけど」


心理定規の身体中に、突如、様々な模様が浮かび上がる。
それと同時に、着ていたドレスを脱ぎ、心理定規は下に着込んでいた水着姿となる。



垣根「お前の能力は毎回脱がなきゃならんのか?」



心理定規「しょうがないでしょー。身体の模様に直接触れなきゃ召喚出来ないんだから。
服着たままだと特定の子を探すのは面倒なのよ。
だからちゃんとドレスの下には水着着込んでんの!!」ブゥゥゥゥゥン……



フレンダ「水着と言っても結構際どいわけよ……ヒモ?」
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:06:42.08 ID:FJc6hYwW0
心理定規が目を閉じる。



心理定規「さて……今出てこれる子いるー?……えっと、コレとコレと……あとココかな」スゥ……




心理定規が身体に浮かび上がる模様を順に触れていく。
次の瞬間、触れられた模様が激しく光だす。



カッ!!!


ブワァァァァァァアアアアッ!!!!







浜面「…………マジかよ。俺と同じ能力なのか?」


麦野「仕上……アンタ本当に、出番少なくなるかもね」


インデックス「げ、激レアなんだよ……この能力も……」
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:09:46.53 ID:FJc6hYwW0
心理定規「紹介するわね?大きいのが『塔の騎士』


人間サイズの子が『つらぬきの騎士』


いっぱいいるのが『ファランクス』よ。お手柔らかにね?」





ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ



塔の騎士「…………」


つらぬきの騎士「…………」


ファランクス「…………」



ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ





心理定規の力によって現れた3体の魔物。




塔の騎士は、サバイバルでも出てきた巨大な槍と盾を持つ、巨人の騎士。



つらぬきの騎士は、見た目こそ人間の騎士だが、その威圧感は尋常じゃなく重く、長い剣を構え、その剣の先端が槍のように尖っている。



ファランクスは、何やらドロドロとした魔物が盾と大きな槍を構え、それと同じ魔物が100体近く集まり、それらが怪しく光るファランクスの核を守るように、円形の陣を作っている。

見た目は完全に盾に覆われており、隙間が見当たらず、どこから攻めていいかわからない。



ちなみにランクで言えば、ファランクスがAの下位、塔の騎士がS、つらぬきの騎士がSの上位である。
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:12:59.71 ID:FJc6hYwW0
垣根「心理定規……いくらなんでもやり過ぎだろお前」



半蔵「何気に麦野ちゃんに少し舐められたこと、怒ってんじゃないのかねぇ?」



心理定規「そんなんじゃないわよ!!ただ単に今暇してた子がこの子達だったのよ」





浜面「麦野、勝てる自信は?」


麦野「ないわね。これっぽっちも。
一体ずつならまだしも、あのレベルで三体同時は無茶苦茶ね」


佐天「で、でもこれだけ強力そうな魔物なんです!!三体同時召喚が限界なのかも……」
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:15:33.28 ID:FJc6hYwW0
心理定規「あ、ちなみに私の能力は、簡単に言えば心を通わせた魔物を異世界から召喚するんだけど、都合が合う子を召喚する時は魔力いらないの。

つまり、皆の都合が合えば、100でも200でも魔力無しで呼べるわよ?
ま、それくらいなら、無理矢理召喚して魔力使っても余裕だけどね。
でも、それをすると、皆機嫌悪くするから、あまりやりたくないのよね」




フレンダ「えーっと……やっぱり私帰っていい?」ダラダラ……



絹旗「逃がしませんよフレンダ?……死ぬ時は道連れです」



御坂「ネヴァンさん!!出て来て!!はやく!!」



「ごめんねー、お姉さん今からデートなの。また今度ね☆」



御坂「うわぁぁぁぁぁん!!!肝心な時に使えないよこの人ぉぉぉぉぉおおお!!!!」



インデックス「こうなったらヤケクソなんだよー!!!全員突撃ーーー!!!」




「「「ウォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!」」」ダッ、ダッ、ダッ、ダッ
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:23:19.15 ID:FJc6hYwW0
心理定規「それじゃ、あとはよろしくね皆。気絶させる程度でいいからね?」




塔の騎士「…………」コクン



グググググッ…………



その瞬間、塔の騎士の盾がゆっくり振り上げられる。


ブンッ!!!


そのまま巨大な盾が、地面に叩きつけられる。








一分後




浜面「」


麦野「」


その他「」




心理定規「ご苦労様。またよろしくね」フリフリ


心理定規の労いの言葉と共に、3体の魔物は姿を消していく。
異世界のそれぞれの住処に帰っていったようだ。



彼らに会いたければ、ぜひデモンズソウルをプレイしていただきたい。
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:25:04.17 ID:FJc6hYwW0
滝壷「…………やっぱりダメだったんだね」ソー……




浜面達が気絶している中、一人危険を察知していち早く逃げた滝壷が、物陰から覗いていた。




垣根「まぁ、あんななりでもウチのNO.2だからなぁ。それなりに強いぜ?」



滝壷「…………私に何か用?」



垣根「いや、アンタは感知タイプの能力者みたいだからな。
別に戦闘に参加しなくてもいいんだろうが……ただな」



滝壷「?」
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:26:45.06 ID:FJc6hYwW0
垣根「これからの戦いは、とてつもなくキツイものになるからな。
皆自分のことに精一杯で、もしかしたらアンタを守れなくなるかもしれねぇ。
その前に、アンタも自分の身を守る術を身につけておいたほうがいいぜ?」




滝壷「……わかってるよ、そんなこと」




垣根「そうか……それとちなみに、その懐に隠している『体晶』は使わないほうがいいぜ?
何が起こるかわからないし、アンタの身体がもたねぇかもしれねぇからな」




滝壷「ッ!?何でコレのことを……」
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:28:46.85 ID:FJc6hYwW0
垣根「さぁ……何でだろうなぁ。
でも俺はよーくそれのことを知ってるぜ?誰よりもなぁ。
だからこそ、止めてるんだ。それを使うことをな」




滝壷「でも……これが無かったら私には他に手段が…」




垣根「その為にその石があるんだろ?魔物の力を封じ込め、利用することができるクリスタルが。
アンタの能力に合う強いヤツを捕らえて、その力を使えば少しはマシになるだろ」




滝壷「…………この石のことまで知ってるの?」



垣根「あぁ、知っている。というより、俺も一つ持ってるからな。
もうコイツとも長い付き合いになる」



垣根は、首元にぶら下げているネックレスを滝壷に見せる。
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:30:52.63 ID:FJc6hYwW0
滝壷「凄い力をそのクリスタルから感じる……一体その中には何がいるの?」



垣根「まぁ、いつかお披露目する機会もあるだろうよ。
アンタもじっくり考えな。自分に何ができるのか。
自分に合ったスタイルは何なのかってな。
そのクリスタルを手にすることで、お前等の戦い方は爆発的に進化するハズだ」



滝壷「…………」




心理定規「垣根ー。貴方もこの人達を運ぶの手伝ってよ」



垣根「お前が全員気絶させたんだろうが!!全く……」



滝壷「私にできることか……」
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:33:40.69 ID:FJc6hYwW0
とある高層ビル 『スクール』のアジト





浜面「イテテテテ……いやー、アレはキツイわ。
少なくとも遊び半分で戦える相手じゃあねぇな」




半蔵「わかるぜその気持ち……俺もついこの間、あの『塔の騎士』にボコボコにされたばっかりだ……。
アイツ、殆どの攻撃を盾で受け止めちまうから、俺との相性悪すぎなんだよ」




御坂「私と同じくらいの年の女の子なのに……あんなの反則よ!!!」




麦野「あんな見た目でも、流石世界中を旅していた勇者ね……実力差があり過ぎるわ。
アンタ達、今のまんまでも十分魔王軍と渡り合えるんじゃないの?」
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:35:16.34 ID:FJc6hYwW0
垣根「そんな簡単にいかねぇから、こうやって見所のあるヤツを集めてんだよ。

いいかお前等?……お前等もこれまでに、それなりに修羅場をくぐり抜けて来たかもしれねぇが、そんなものとこれからの戦いは比べもんにならねぇ。

総攻撃の際に攻めてくる、アレイスター直属の魔物の軍隊は、一体一体が最低でもCランク以上だ」




麦野「……は?」




浜面「最低でもC!?それは、ただの一兵卒でもCランク以上ってことか?」


垣根「そういうことだ。総数は詳しくはわからねぇが、恐らく今残ってる人類よりは向こうの方が多い。

内訳を教えてやろうか?C、B、Aランクが合わせて80%、Sが9%、SSが1%ってとこだ。
更にほんの一握りの数だが、その上のSSSランクがいる。
まぁ、SSSランクは、アレイスターの傘下なんかには殆どいないだろうがな」
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:36:35.96 ID:FJc6hYwW0
佐天「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!!
Cランクでも、こっちにとっては相当な強敵なんですよ!?
それが向こうの最低レベルなんて……そんな相手にどうやって勝てって言うんですか!?」



垣根「勝てる勝てないの問題じゃない。勝たなきゃ全員死ぬだけだ。
俺たち『スクール』は、アレイスターが総攻撃を仕掛ける前にこっちから攻める予定だ。
タイムリミットまで残り1年もないが、それまでにお前等には、一人一人が最低でもSランクと互角に戦える程まで強くならなければならねぇ」
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:38:52.04 ID:FJc6hYwW0
麦野「Sランク……つまり、私達の今までの相手で言えば、アクバーや魔人化したデュランと一人一人が互角以上の戦いをしなければいけないってことか。

笑えるわね。あんなのと一人でやらなきゃいけないなんて」




浜面「馬鹿野郎……俺や麦野は俺らのグループで言えば主力だ。
だったら向こうの主力であるSSランクを一人で倒すくらいには俺らは強くならなくちゃいけねぇんだよ」



御坂「そういえば、今の番外個体がSSランクってあの白い人が言ってたわね……。
てことは私も、SSランクを倒せるくらいにならないといけないのか」
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:40:47.13 ID:FJc6hYwW0
フレンダ「あまりにも現実離れし過ぎて想像すらできないわけよ……」




絹旗「わかってはいましたが、ここまで超力の差があったんですね……」




垣根「そう絶望することでもないさ。
俺、心理定規、半蔵は少なくともSSランクの魔物の撃退を果たしたことがある。
あと1年以内に、今の俺達の域まで辿り着けばいいだけだ。そう考えると簡単だろ?」



浜面「さっき簡単にボコボコにされたばっかだろうが……余計に気が遠くなるんだよ」



麦野「流石にこれはキツイわね……特に精神的に」





滝壷「…………私はやるよ。必ずSSランクまで辿り着いて見せる」
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:42:17.89 ID:FJc6hYwW0
浜面「なっ!?」



麦野「た、滝壷!?」



フレンダ「滝壷が……そんなこと言うなんて……」



絹旗「ウチのグループでも非戦闘員の滝壷さんが……」




垣根「いい目をしてるなぁ、アンタ。
だがアンタは能力の性質上、他の人間よりも、遥かに険しい道のりだ。アンタにできるのかい?」



滝壷「できるできないじゃない。やるの。
だって私はこの世界が好きだから。

はまづらがいて、むぎのがいて、きぬはたやフレンダがいて、町の皆がいて……そんな大好きな世界を、アレイスターに壊されるわけにはいかない」
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:43:47.15 ID:FJc6hYwW0
麦野「滝壷……アンタ……」




浜面「あぁ……カッコ悪いなぁ、俺。
滝壷みたいな大人しい子が、ここまで覚悟決めてんのによぉ……。
男の俺は、相手がSSランクだというだけでビクついてやがる」スタッ、スタッ、スタッ、ピタッ!!




フレンダ「浜面?何やってるわけよ、鏡の前なんかに立って」




浜面「いや……自分が今、どんなツラしてんのか気になってな。
見ろよ、この馬鹿面。ガムシャラに突っ込むだけしか脳がねぇくせに、一丁前にビクビクしてやがる。
いくらなんでも、これはカッコ悪過ぎだよなぁ……」



ブンッ!!!




ガッシャァァァァァァァァァァアアアアンッ!!!!!!!
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:45:38.53 ID:FJc6hYwW0
麦野「はぁ!?」



フレンダ「ちょっ!?」



絹旗「何で鏡に超頭突きなんてしてんですか浜面!!!とうとう頭おかしくなったんですか!?」







ドクドクドクッ……


浜面「どうだ……滝壷?ちゃんといつもの俺の顔に戻ってるか?
鏡が無くなっちまったから確かめようがねぇんだよ」



滝壷「…………うん、どこからどう見ても、いつもの無鉄砲なはまづらだよ」ニコッ
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:47:17.58 ID:FJc6hYwW0
浜面「そうか……ならよかった……」フラッ……




ドサッ!!



心理定規「あら、気絶しちゃったわね」




佐天「はぁ……怪我も治りきって無いのに無茶するからですよ。
ちょっと手当てしてきますね」ズルズル……




麦野「フフッ……大変ね、涙子ちゃん。師匠がバカばっかするとさ……」



佐天「えぇ、弟子としては参っちゃいますよね……。
ま、でもこんな馬鹿な浜面さんだからこそ、私は今まで……そしてこれからも、浜面さんの弟子なんですけどね」ニコッ
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:48:45.23 ID:FJc6hYwW0
麦野「えぇ……全くだわ」




フレンダ「フゥッ……ま、結局気は進まないけど、やるしか無いみたいだからやるか!!ってわけよ!!」



絹旗「そうですね。このまま何もしないまま終わるってのは、いくらなんでもつまんないですよね!!
こうなったら超足掻いてやりますよ!!!」フンスッ!!




御坂「まぁ、私はやるって決めてたけどね。
番外個体を……お姉ちゃんを、必ず家に連れて帰るってさ」



インデックス「私はとうまを守る為にも、もっと強くならなきゃいけないんだよ!!」



麦野「決まりね……垣根だったっけ?アンタなら、私達を強くしてくれるの?」
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:50:15.24 ID:FJc6hYwW0
垣根「さぁな……そこはお前等次第だ。悪いが俺はスパルタだぜぇ?
削板が天使に見えてしまうくらいになぁ……」クククッ……




滝壷「大丈夫。私は必ず乗り越えてみせるよ。必ず」




フレンダ「上等ってわけよ……やってやろうじゃないの!!」



絹旗「強くなったら仕返ししますから、超スパルタでオッケーですよ!!」




麦野「よーし!!まずは一週間後の防衛戦に向けて特訓だ!!やるわよ!!アンタ達!!」





To be continued
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 22:57:19.85 ID:FJc6hYwW0
投下終了です。


以上、2章の前半戦でした!!長い!!長すぎる!!!
ちなみに前半戦は、新味方キャラの自己紹介みたいなものです。


次スレからは、ドラクエに近い世界感なのに、何故か現代都市でのモンスターラッシュになります!!
ガンガン勇者サイドを殺しにかかるんでよろしくです!!


浜面初戦の相手の安価は、日が決まり次第、お伝えします。

それでは、おやすみなさい。
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 23:03:58.15 ID:awxpHbsDO
乙でした〜次回でクリスタルが活躍するのかな?
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 23:15:45.72 ID:YAx/8lga0

エグドラシル戦は
一方通行、垣根、削板のチートリオ共闘クルー?
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/19(月) 23:58:00.99 ID:FJc6hYwW0
1です。
安価の方法を考えたのでお伝えします。


明日か明後日に、後半に繋がるエピローグを投下しますので、終了後にコンマ何秒までの時間を指定します。


例 23:31:45.50

このSSを継続して見てくれてる人が多そうな23時から23時半くらいの間に、最後の投下をするので、その時に指定した時間に一番近いレスの人のモンスターを出したいと思います。


モンスターは、1の都合上

デビルメイクライシリーズ
ドラクエモンスターズシリーズ
デモンズ、ダークソウルシリーズのどれかからお願いします。

強すぎ、弱すぎはどちらでもいいです。どちらでも物語は進められます。

ちなみに、浜面が勝てたらそのモンスターは仲間にする予定です。

あと、浜面の現時点の強さはAランクの下位です。好きなモンスターを仲間にしたい人は、参考にしてください。


安価が無ければ、そのまま物語を進めます。
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/20(火) 03:10:46.08 ID:c8aWEvha0


モンスターハーレムに追加が!

とりあえず垣根の特訓だと
みんなメルヘンチックな
特性の追加になりそ
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [sage]:2012/11/20(火) 12:31:34.03 ID:OHzSjBTJo
乙乙

ケルベロスがきて、ネヴァンがきて、じゃあ次はときたら、あの漫才コンビしかいないよな!
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/20(火) 13:31:14.66 ID:8+T4IZrfo
DQのサージタウス
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/20(火) 15:42:30.23 ID:MZu0u+/50
サージタウスは倒せる気がしないww
キラーマシンとかマジンガさんとかでいんでね?
個人的にはブオーンやオーシャンクロー、アラストル(DMC)とかも捨てがたい
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 18:46:30.15 ID:0GSLTu+Z0
こんばんわ、1です。業務連絡です。

今までと比べると短いですが、何とかエピローグが書き終わったので、予定通り23時ー23時半くらいに投下終了になるように投下します。

なので、エピローグ開始は22時くらいになると思います。

皆さんが戦わせてみたいモンスターをしっかり考えておいてください。
多分、オリジナルより1によって5割増しくらいに強くなります。

ちなみに、後半戦スタートは、一週間後くらいになると思います。



>>839
活躍しまくりの予定です。
じゃないと、今のままじゃあとても、殆どのメンバーがモンスターラッシュを生き残れません。


>>840
とりあえず、垣根VSエグドラシルは確定ですね。
他は秘密です。ていうかまだ決まってません。


>>842
皆に天使の羽がつくんですね?却下ですw


>>843
あのコンビはヤダー!!書きづら過ぎる!!まだベオウルフのがいいです!!

>>844
>>845
閃きました。ありがとうございます。
安価に選ばれなくても3章に必ず出します!!
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/20(火) 19:10:46.27 ID:Pw2vYml40


夜勤で参加できねぇぇ

おまいら新モンスターを
頼んだぞ
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/20(火) 20:46:04.53 ID:GoZxORmxo
本当になんでもいいん?
井戸魔人でもいいん?
爆弾岩でもいいん?
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:04:03.46 ID:0GSLTu+Z0
>>847
夜勤お疲れ様です!!!

>>848
私は一向に構わん!!!!!

…………でも井戸魔人はちょっと難しいですね。
てかホントにそれでいいの!?井戸魔人ですよ!?w


そろそろ投下開始します。


短いです。しかも、まさかのこの人です。
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:14:50.68 ID:0GSLTu+Z0
ザッ、ザザッ、ジジジッ!




絶対等速「オイオイ、まだ舞台は完全には移りきってねぇってのに勇者様達はどこにいったんだよ……。
俺のその後なんざ知っても面白いことなんざないぜ?どうせ、これから一生檻の中なんだからよぉ」





ザザッ、ザザッ、ザァァァァァァァァァァァァァ、プツン!!!
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:22:32.65 ID:0GSLTu+Z0
本編から一週間後




工業都市 第7地区留置場




ウォォォォォォンッ!!!


ウォォォォォォンッ!!!




工業都市全体から響き渡る警戒警報が、この留置場内にも鳴り響いている。





絶対等速「騒がしいな……警備員のヤツ等も慌ててるし、外で何が起きてんだ?」



工業都市全体が、この都市に迫る『何か』に警戒している中、絶対等速は、留置場の狭い牢屋の中で、静かに座っている。
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:28:05.84 ID:0GSLTu+Z0
自分はこれからどうなるのだろうか?
これまでの罪を償うのか?ならば判決は、確実に死刑であろう。



これまでに自分は、多くの人から奪い

多くの人のモノを壊し

多くの人の命を奪った。



別にそのことに後悔も罪の意識も何もない。
そういう生き方しか自分は知らないからだ。


幼いころから人間の最底辺で生きた彼にとって、人から奪う、壊す、殺すというのは、日常茶飯事のことであった。

それは、強力な能力を手に入れた今でも変わらない。



金品を持っている人間をみれば奪う。

気に入らないものがあるのなら壊す。

邪魔になる人間は、確実に殺す。
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:29:22.38 ID:0GSLTu+Z0
『だけど、それはもう、過去の話だ。 終わった物語なんだ。

人間は変わることができるはずだ。 人生のどんなタイミングでも。

絶望の中を生きた少年が、幸せな物語を歩んじゃいけない決まりなんかないんだよ』




絶対等速「……人は過去から絶対に逃げられねぇんだよ。生きている限りはな。

ま、いいさ。どうせもうすぐ死ぬんだ。
俺の糧になった奴らもこれでようやく浮かばれるんじゃねぇのか?」
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:35:17.74 ID:0GSLTu+Z0
『その通り。人は過去から決して逃げられない生き物なのだよ。

そして、君は私からも逃げられない。

君が私から能力を授かった時点で、君はもう私と関わってしまったのだから』
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:37:04.34 ID:0GSLTu+Z0
いつの間にか、絶対等速の牢屋の前に、一人の人物が立っている。
その人物は、男にも女にも見え、若くも見え老人にも見える不思議な雰囲気を出していた。




絶対等速「…………驚いたな。再びアンタと会うことがあるとは。
俺みたいな人間のことなど眼中にもない、ただの気まぐれで俺に力を与えたと思っていたよ」




『気まぐれなどではないよ。
私はあの時、壊れ果てた妹を目にした君の絶望の声を確かに聞いた。

そして、その声に惹かれたんだ。心の底からこの世界の全てを憎む声に。

だから私は、君に力を与えたのさ。君が憎んだこの世界に復讐できるように』
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:44:06.39 ID:0GSLTu+Z0
絶対等速「そうかい。それはありがだいことだな。
ま、折角力を貰ったのに悪かったな。俺はここまでだ。
見ろよ、この不甲斐ない様を。目先の大金に惹かれ、気がつけば檻の中さ。
俺はもう、ここから出る気になんかなれないよ」




『ふむ、それは困ったな。君にはこれから、この都市であることをやってもらわねばならないのだが。
まぁ、すぐにここから出たくなるだろうがね』



絶対等速「なんだと?それは一体どういう……」



その瞬間、絶対等速は言葉を失った。
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:47:03.42 ID:0GSLTu+Z0
『どうだ?懐かしい顔触れだろう。君が望んでやまなかった家族との再会だ。

もっとも、まだこの3人にはそれぞれの魂が入っていないのだがな。

君が私の頼みを成し遂げ、事が終わった時には、必ず彼等を生き返らせることを約束するよ』





牢屋の前の人物の横には、3人の男女が並んでいる。




絶対等速「父さん……母さん……そして……お前は……」




『君が救えなかった妹だ。どうだ?もう一度この三人と一緒に暮らしてみたくはないかい?
もう君を支配する憎しみから永遠に解放されるんだ』
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:50:00.22 ID:0GSLTu+Z0
絶対等速「…………俺に何をしろってんだ?」




『流石に話が早いな。
何も難しいことじゃないよ。君が得意なことさ。

これからあるモノを破壊してくれればいい。
恐らく完全に破壊することは君一人では不可能だろうが、一瞬でもそれの機能を止める、或いは弱めることが出来れば、その瞬間、この都市は地獄と化すだろう』




絶対等速「……この都市の人間を犠牲に、俺の望みが叶うということか」




『何も躊躇することはあるまい。今まで君がやってきたことと規模は違えど、本質は同じだ。
他人から奪い、壊し、殺す。それだけのことさ』




絶対等速「あぁ……そうだな。全くその通りだ」
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:52:06.15 ID:0GSLTu+Z0
『心配するな。君には更なる力を私が与える。
この都市を破壊しつくした後、君はその力で家族を守り、幸せに暮らすがいいさ』





絶対等速「わかった……だが一つだけ言っておくぜ?アレイスター」




アレイスター『なんだい?』




絶対等速「人間はそう簡単には、アンタ等に負けねぇと思うぜ?
だからこそ、俺は今この牢の中にいるんだからな」




アレイスター『フフフッ……肝に命じておくよ。ないけど』










………………





アレイスター『人間はそう簡単には負けないか……わかってるさ。嫌というほどな』



fin
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 22:58:20.36 ID:0GSLTu+Z0
投下終了です。


これにて、2章前半を終了いたします。


蛇足だったとか言わないでください。一応、後半序盤の重要な伏線なんです。





それでは、そろそろ安価の時間を発表します。
用意はいいかァァア!!!野郎共ォォォォオオ!!!!


ぜひ、見応えのありそうなモンスターを選んでほしいものです。


時間は


23:05:55.55です!!


この時間に一番近い人のモンスターを出します!!


ちなみに、外れた方のモンスターも、参考にするので、ROMの方もドンドンやっちゃってください!!


それではスタートです!!!!
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/20(火) 23:05:55.10 ID:GoZxORmxo
ダークソウルのガーゴイル
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/20(火) 23:06:01.24 ID:4YD0AdVXo
よし
アグニ&ルドラ
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/20(火) 23:10:28.48 ID:GoZxORmxo
1時間間違えた
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/11/20(火) 23:11:02.85 ID:rVAHHG200
PCの調子が悪くて出遅れたぜい
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/20(火) 23:11:55.90 ID:Cal5WfPbo
あ、終わってた・・・
乙です
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 23:15:53.01 ID:0GSLTu+Z0
>>861さん!!
ダークソウルのガーゴイルに決定です!!!

>>862さん!!
だからアグニ&ルドラやめてっていったのに!!!www容赦ないですね!!!
ホントよかったよ!!!



てか結構最近レス増えたから10人はいくかなと思ったけど現実は中々残酷ですね……

それでも協力してくれた方ありがとう!!!感謝です!!


引き続き、モンスター出演のリクエストは受け付けてます。
このスレの残りは、リクエストとかでご自由に使ってください。



それでは

浜面「俺は勇者なんだ!!」2

で、お会いしましょう!!!!
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/20(火) 23:18:56.89 ID:MZu0u+/50

来てみたら安価終わっていたでござるの巻
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/20(火) 23:24:33.34 ID:0GSLTu+Z0
1です……


何か、後から続々参加予定だった人が来てくれてるみたいですね。


ホントすいません。

安価の出し方が素人で。


なお、今度から、スレが終わる度に出演安価を出したいと思います。


次からは、土日とか、もっと前持って時間指定するとかにします!!

安価やる気満々だった方、次回もよろしくです!!!
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/20(火) 23:28:08.29 ID:4YD0AdVXo
スナイパー過ぎてワロタ

>>866
乙乙でした

浜面的に炎と風属性が良いかなと思ったんだwwwwww
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/20(火) 23:31:06.35 ID:4YD0AdVXo
何かバグって草いっぱい生えた
すいませんでした
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/20(火) 23:44:46.35 ID:pQhWBRpRo
とりあえず浜面は剣術を覚えた方がいいと思う
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/21(水) 02:18:44.83 ID:J3Cy1NJX0


夜勤休憩に覗いたら
ガーゴイルかぁ

とりま翻弄されまくりの
等速さん…

あと一方さんがクリスタル持ったら
ポケモンのソーナンスが素敵かも
まあネタにしかならんけどねぇ
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/21(水) 07:46:23.67 ID:828wBQExo
モンスターなんてピカチューとか、ゾンビぐらいしか知らないもん

ジェイソンはモンスターじゃないよね
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/22(木) 19:40:02.24 ID:1GsIxMnmo
>>871
剣術って一年やそこらで覚えられるもんじゃないぞ
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/23(金) 00:30:04.41 ID:lkEdHPnuo
>>874
でもモンスターだよりのスピードじゃいずれ負けると思う
てかもう負けてるし駒場とか駒場とか駒場とか
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/11/24(土) 22:21:31.25 ID:PgMNfy/h0
1です。

新スレ

浜面「俺は勇者なんだ!!」2


を始めました。


ここで見ていた方々、次の物語へどーぞー!!


あと、どなたかよろしければ、こっちに続編をリンクさせてくださると助かります。
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 23:38:45.26 ID:XWsL8qJDo
浜面「俺は勇者なんだ!!」2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353759220/

これか乙
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/26(月) 18:47:51.10 ID:pTIBcryoo
乙!
ユグドラシルの方も楽しみだ

削板さんとの共闘が見られるのだろうか
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