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少年「俺が魔法学園に?」教師「そうだ魔銃士」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :1 [saga]:2012/10/11(木) 14:43:04.15 ID:u92shSzk0
少年「なんで?」

教師「お前がまだ未成年で学校に通う年だからだ」

少年「でも、十分稼ぎはあるし」ジャラ

教師「人を殺して得た金など見せびらかすな」

少年「なんで? 大人がやってることなのに?」

教師「お前のその力はきっと世界中の人々を幸せにできる」

少年「え、別に興味ないけど」

教師「頑固な奴だな」

少年「あんたもね」

アナウンス『少年! もう時間だぞ! 早く来い!!』

少年「あ、行かなきゃ!」

教師「あっ、ちょっと待て!」

少年「じゃあね!」バイバイ

教師「………」

少年(おっぱいのでかい人だったなぁ)タタタッ




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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 :1 [saga]:2012/10/11(木) 14:48:50.78 ID:u92shSzk0
司会「次の戦いは、魔剣士対少年!!」

ギャラリー「うぉおおおお!!」ワァァァァァ!

爺「わしゃ、魔剣士にかける!」

不良「俺はやっぱ少年だな! 魔銃士の射程距離の長さに適うわけねぇ!」

中年「だが、この魔剣士の風貌、ただものじゃないな!」


魔剣士「ふむ。この街は活気に溢れているな」

少年「そりゃ、魔鉱石が採れるからね」

魔剣士「それにしては瘴気が少ないような?」

少年「まぁいいじゃん。おじさんは今日死ぬんだし」

魔剣士「強気な少年だな。手加減はせんぞ」チャキッ

少年「好きにしたらいいよ」チャキチャキ

魔剣士「二丁拳銃か。造りはなんだ?」

少年「それは秘密」

魔剣士「ケチだな。死にゆく男に冥土の土産も渡さぬか」

少年「死ぬ気はないんでしょ?」

魔剣士「そうだった」

少年「面白いおじさんだけど…さようなら」


司会「それでは、試合開始!!」


魔剣士「行くぞっ!」ダッ
3 :1 [saga]:2012/10/11(木) 15:01:32.78 ID:u92shSzk0
少年「発! 発! 発!」パンッパンッパンッ

魔剣士「ぬぅん」カキンカキンカキン

少年「おじさん、侍みたいだね!」

魔剣士「一時期倭の国で修行していたからなっ!」ブンッ

少年「後!」シュンッ

魔剣士「おぬし、魔法も使えるのか?」

少年「自己流だけどね」

魔剣士(こんなところいる器ではないか…)

少年「こんなこともできるよ。はぁっ!」

魔剣士「気功術か?」

少年「前に戦ったおじさんが使い方を教えてくれたんだ」

魔剣士「一日で覚えたのか?」

少年「覚えたというか見ただけだし、結局自己流かな」ニコッ

魔剣士(なんという才能…殺すには惜しい……しかし)

魔剣士「私も負ける訳にはいかんからな」ジャキッ

少年(おじさんより大きな剣を肩に担いだ?)ゾクッ

魔剣士『 一 刀 両 断 』ブゥン!

少年「げっ…やばっ」

教師「………」バッ

魔剣士「………ぬ?」

教師「構成、補填、解放!」ゴォッ!

少年「お姉……さん?」

教師「少年、これが“結界魔法”だ」

魔剣士「………」チャキッ

少年「お姉さん………」

教師「礼には及ばぬ。弱き者を守るための魔法だ」



少年「なんてことしてくれんだよぉおお!」



教師「!?」ビクッ
4 :1 [saga]:2012/10/11(木) 15:09:14.04 ID:u92shSzk0
司会「魔剣士の勝利!!」

ギャラリー「Booooooooo!!!」

教師「な、なんだ?」

少年「……一対一を邪魔したんだから当然でしょ」ハァ…

地主「おーおー、少年。やってくれたなぁ」

少年「地主さん…ごめんね」

教師「………」

地主「いいさいいさ。少年は悪くない。この麗しき女性の正義感がさせた行動だ」

少年「じゃあ、これからも出場しても良い?」

地主「いや、そういう訳にはいかねぇ。この魔闘技は一対一を原則とした誇り高き戦いだ。少年はそれを汚した。……理由は何にせよな」

少年「………」シュン

地主「だが、一つだけ方法がある」

少年「え!? ほんと!?」

地主「……ああ、そこの姉ちゃんが魔闘技に出るんだ」

少年「え?」

教師「………やはりそういうことか」

地主「女性の参加ってのはそれだけで話題性があるんだ」

教師「何が誇り高き戦いだ…」ヤレヤレ

少年「お姉さん! お願いだっ! 参加しておくれよ!」

教師「………一日くれ」

地主「良いだろう。心を決めたらまたここに来い」ニヤァ
5 :1 [saga]:2012/10/11(木) 15:19:39.27 ID:u92shSzk0
少年の家。

教師「さぁ、訳を聞かせてもらおうか」

少年「訳?」

教師「なぜあそこに参加したがる」

少年「ああ、……稼ぎが良いからさ」

教師「稼ぎ?」

少年「そ、それだけ」

教師「稼いでどうするんだ?」

少年「病気の治療だよ」

教師「病気? 誰が?」

少年「僕だよ。ほら」サッ

教師(右腕に浮かび上がる幾何学模様…)

教師「瘴気に侵されているな。だが、これは一般に出回る魔鉱石によるものじゃないな…」

少年「さすが先生だね。これは“死瘴石”を掘り出した時にかかったんだ」

教師「死瘴石だと?」ピクッ

少年「お姉さん美人なのに、そんな顔したら怖いよ」

教師「……び、美人」///

少年「地主さんに頼まれたんだ。死瘴石は固定化するまで子供にしか触れないからね」

教師「それで瘴気に…」

少年「その代わり報酬は弾んでもらったからね」

教師「だが、病気の治療でそれ以上にお金がかかるのだろう?」

少年「まぁね。でも、この右手のお陰で色んな事をすぐ覚えられるようになったんだ」

教師(たしかに…瘴気は身体を侵す一方で副産物を生む。そうして中毒者が年々増えている…)

少年「分かった? だから僕は試合に出続けなければならないんだ」
6 :1 [saga]:2012/10/11(木) 15:20:07.44 ID:u92shSzk0
中途半端ですがいったんここまで!


では!!
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/11(木) 15:26:17.85 ID:z3VA1xdXo
期待支援
8 : [saga]:2012/10/11(木) 17:38:11.08 ID:eJ/yyYNV0
少しだけ続きー。

9 : [saga]:2012/10/11(木) 17:43:16.39 ID:eJ/yyYNV0
少年「それよりお姉さんお腹すいてない?」

教師「あ、ああ…」グ〜///

教師(恥ずかしい…)

少年「こう見えても僕、けっこう料理得意だから任せて」ニコッ



少年「よっと」ジャージャー

教師(美味しそうな匂い…)クンクン

教師「少年の家族はどこにいるんだ?」

少年「両親ならとっくに処刑されたよー」トントントン

教師「……すまない」

少年「いいよー。本当の両親じゃないし、物心ついた頃には一人で生活してたし」

教師「本当のご両親は?」

少年「うーん、よく分かんない。死んだ両親は教えてくれなかったな」

教師「そうか…」

教師(この辺りは治安こそ悪いものの、戦争がないため孤児は少ないと思っていたが…)

少年「できたよ」ドンッ
10 : [saga]:2012/10/11(木) 17:46:48.79 ID:eJ/yyYNV0
教師「ほう、倭国料理か」

少年「これはニモノって言うらしいよ。後は焼き魚と、オミソシルそして白ご飯だね」ニコッ

教師「肉はないのか…?」

少年「お姉さん…肉食なの?」

教師「ばっ、馬鹿っ! 少年の成長を気遣ったのだっ!」カァ///

少年「肉は食べすぎると健康に悪いから一日一食だけね」ニコッ

教師「しっかりしてるのだな」ズズッ

少年「いろんな人が面倒みてくれたから」ニコニコ

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/11(木) 18:01:55.18 ID:VfR9/ZWIO
ほう
12 : [saga]:2012/10/11(木) 19:48:12.68 ID:eJ/yyYNV0
少年「デザートいる?」

教師「……もらおう」///

教師(甘いもの好きなんて言えない…)

少年(甘いもの好きなのかな…?)

少年「ワラビモチ黒蜜かけだよ」トローリ

教師「お、おおふ…」ソワソワ///

教師(おいしそう! おいしそう!)

少年「遠慮せず食べてね?」

教師「あ、ああ…」パクッ

教師(ワラビモチとやらのモチモチとした食感。きな粉と黒蜜が混ざり合ったほどよい甘さ…)

少年「どう?」

教師「う、うまい…」ホロ…

少年「な、何で泣いてるの!?」ビクッ

教師「…ぐすっ、普段は厳格な教師としてあまり甘いものを食すことはできんのだ…。だから、だから…」

少年「あー、はいはい。おかわりあるから食べてね」ドンッ

ワラビモチ「よう」テンコモリ

教師「……わぁ」パァ///
13 : [saga]:2012/10/11(木) 19:52:53.48 ID:eJ/yyYNV0
教師「……ごちそうさまでした」

少年「ありがとう」ニコッ

教師「この借りはいつか必ず返す」

少年「じゃあ、明日返してよ」ニコニコ

教師「少年。一つだけ言っておく。その病気は一般の医者じゃ治療は不可能だ」

少年「でも、痛みは和らぐよ?」

教師「痛むのか!?」ガタッ

少年「う、うん。魔法を使った後とか…」

教師(瘴気は痛覚を遮断するはずなのだが…。侵食が深くなるにつれ、痛みが強くなりすぎているのか…)

少年「だから治療は続けてもらわないと戦いに勝てないし…」

教師(完全に目的と手段が混ざり合っている…。これはまずいな…)

教師「………わかった。明日は私が出よう」

少年「わぁ! ありがとう!」ギュッ

教師「あ、ああ…」///

教師(頑張ろう…)ヨシッ
14 : [saga]:2012/10/11(木) 19:59:24.82 ID:eJ/yyYNV0
翌日。

司会「なんと、今日は女の参加だ野郎どもー!!」

ギャラリー「うぉおおおおおお!!!」

教師「………」


不良「び、美人だ…」ゴクリ

戦士「だが、相手は昨日の魔剣士…。賭けるのはもちろん彼だな」

爺「あの強気な表情、豊満な胸……ば、ばぁさんに全財産かけるぞぃ…」プルプル

中年「あんたのばあさんは生きてるだろ…。まぁあいつに賭けるのはこの爺さんだけになりそうだな」


少年「ひやー、すごい盛り上がりだね」

地主「そりゃあ、女の参加だからな」

少年「でも、一か月くらい前の時は盛り上がらなかったよ」

地主「そりゃあ、オークみたいな顔した女じゃ盛り上がらないさ」

少年「なんで美人だったら、盛り上がるの?」

地主「そりゃあ決まってるじゃねーか…


負けた者は犯すも殺すもギャラリーの自由だからさ」ニマァ


少年「えっ、で、でも…今まで何も…」

地主「まぁいいじゃねーか。気にすんなよ」

少年「お姉さん……」
15 : [saga]:2012/10/11(木) 19:59:52.23 ID:eJ/yyYNV0
一旦ここまで!
続きは夜か明日!


では!!
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/11(木) 20:17:45.12 ID:ErugN6DJ0
導かれてきた
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/12(金) 00:17:17.03 ID:GYTBwiiK0
なんだお前か
今回は行き当たりばったりの継接ぎワールドはやめてくれよ

期待
18 :1 [saga]:2012/10/12(金) 01:22:03.78 ID:qqPcN+Tz0
>>17
ツンデレめ。

がんばります。

ただいま続き。
19 :1 [saga]:2012/10/12(金) 01:38:30.35 ID:qqPcN+Tz0
魔剣士「あんた、昨日俺の一撃を防いだよな。……期待してるぜ」

教師(自信満々だな。実際、学園でも彼レベルの生徒がいるかどうか…)

魔剣士「だんまりか。まぁいいや。先に聞いておくが、負けた時守った方がいいか?」

教師「何故だ?」

魔剣士「昨日もそうだが、俺は人を殺したりはしない。殺さないとなると、あんたみたいな美人は敗者の洗礼を必ず受けるだろう。……それを守った方がいいかって聞いてるんだ」

教師「ああ、そういうことか。まぁ、その時は頼もうか」

魔剣士(素直だな。勝つ気がないのか?)

司会「二人とも準備はいいか? それでは、試合開始!!」バッ

魔剣士「最初から本気で行くぜ!!」ジャキッ

魔剣士『 一 刀 両 断 』バッ

教師「構成」

教師(ふむ、範囲指定、威力指定、属性指定問題なし)

教師「補填」

教師(昨日の威力から推し量るに、一級魔法に必要な魔力の量を込めておこうか)

教師「解放!」ズッ

教師(ただのエネルギー砲弾だが…まぁ大丈夫か)

魔剣士「げぇ!? 何だよそれ、太陽……か…よ」ズォォッ

少年「……なんて威力…」ゾクッ

地主「やるじゃねぇか」ニヤ

司会「なんという魔法! 試合終了か!!?」

教師「………ほう?」
20 :1 [saga]:2012/10/12(金) 01:45:44.45 ID:qqPcN+Tz0
魔剣士「はぁっはぁっはぁっ……」ボロッ

司会「おーっと!! 生きてます!」


ギャラリー「わぁああああああ!!」


教師「ふむ、威力的に死ぬことはないと思っていたが、よもや倒れぬとは…」

魔剣士「あ、ああ…、最悪だ。貯め込んだ防御アイテム全部使っちまった…」ハァハァ

教師「そうだったのか。だが、残念ながらそれは無意味な行動だったな」

魔剣士「え、魔法の構成が目に見えて…」

教師「少年! 入学試験だっ!!」

少年「え、僕入学する気ないんだけ――」


教師「私の魔法に耐えてみろ」ニヤリ


少年「………っ」ゾクッ

魔剣士「くっ、移動アイテム!」シュンッ


教師『撃滅呪文・レベル0』


少年「皆逃げて!!」

地主「バカ野郎……おせーよ」

少年「くっ……」

少年(僕…防御魔法は苦手なんだよ)

地主「少年、一つ教えてやる」

少年「え?」


地主「攻撃は最大の防御なんだぜ」ニマァ


少年「くっ」ダッ
21 :1 [saga]:2012/10/12(金) 01:54:24.83 ID:qqPcN+Tz0
教師「はぁあああああああああ!!」ズゥォオオオオ!!

ギャラリー「ひ、光が、あっああああああ!!」

少年「紅と蒼! 最大補填!!」ズゥゥゥ…

少年(僕の相棒…耐えてくれよ…)

少年『最大発射!!』ゴォォォォォオオ!!









地主「たく、無機物消滅魔法なんて神話でしか聞いたことねぇよ」

教師「これで魔闘技なんて開いている暇なくなっただろう?」

地主「くそっ、……まぁいいや。あいつらも仕事してる方が健康的だろ」

ギャラリー「ふ、服が…」チーン

少年「そんなぁ…」ボロッ

教師「魔法に直接攻撃を加えようという発想は良かったが、威力を見誤ったな。……だが、試験は合格だ」

少年「だから僕は…」

地主「少年、黙って行って来い」

少年「え?」

地主「俺だって悪魔じゃねーよ。お前の病気のことは悪いと思ってんだ。…学園に行って何とかしてもらえ」

少年「地主さん…」

教師「…後はお前次第だが、どうする?」

少年「………分かったよお姉さん。お姉さんについていくよ」ニコッ

教師(やった♪)ニヘラ

教師「……それじゃ、さっそく行こうか」キリッ

少年「その前に、……家帰ってご飯にしない?」

教師「………分かった」グゥゥ…///
22 :1 [saga]:2012/10/12(金) 02:04:12.38 ID:qqPcN+Tz0
少年の家。

少年「はい」ゴトッ

教師「これは?」

少年「ヤキソバって言って異界の料理だよ」

教師(香ばしい匂いで食欲がそそられる…)グゥ

少年「僕は荷物まとめてるから食べててよ」

教師「あ、ああ…いただきます」モキュモキュ

少年(あー、何持って行こうかなぁ…)ゴソゴソ

教師「おいひぃ…」モキュモキュ

しょうねん「デザートもあるからねー」

教師「やった……ごほんっ。…ありがとう」モグモグモグ
23 :1 [saga]:2012/10/12(金) 02:58:57.65 ID:qqPcN+Tz0
教師(美味しかった…)ホフゥ///

少年「こっちも準備できたよー」ヨイショ

教師「意外に荷物あるな」

少年「僕と戦って死んだ人の持ち物、必ず一つは貰うようにしてるから」

教師「何故だ?」

少年「じゃないと彼らが生きた証がなくなっちゃうからね」

教師「……そうだな」

少年「よし、行こっか」

教師「連れていくのは私だがな」

少年「はーい」

24 :1 [saga]:2012/10/12(金) 03:12:25.85 ID:qqPcN+Tz0
――大都市へ続く中央道。

少年「魔法学園って大きいの?」

教師「そうだな…。少年がいた街が10以上は入るだろうな」

少年「すげー。あそこ人口1万人くらいいるよ」

教師「学園は全校生徒で2万人近くいる」

少年「………僕が行く必要…あるの?」

教師「……バカだな少年」ガシガシ

少年「え?」キョトン

教師「学園が少年を必要としてるんじゃないさ。



―――少年に学園が必要なんだよ」ニコッ



少年「……お母さん」

教師「誰がお母さんだ」ゴッ

少年「痛い……」サスサス
25 :1 [saga]:2012/10/12(金) 03:24:58.60 ID:qqPcN+Tz0
少年「ねぇ、学園って武器の持ち込み自由なの?」

教師「魔法属性が付加された武器のみだ。純粋な武器はこちらで預かる」

少年「じゃあ、この紅と蒼は使ってもいいの?」ニコッ

教師「ああ、その魔銃器は持ち込み可能だ。…しかし、威力制限はされるだろうが」

少年「そうなの? まぁいいけど」

教師「詳しいことは学園に着いてからだ。今は旅を楽しめ」

少年「はーい」

教師(ああは言ったものの、学園“も”この少年を必要としているのは事実…)

少年「〜♪」テクテクテク

教師(嘘をつき続けるのは苦しいな…)

教師「はぁ…」

少年「お姉さん、ため息吐くと婚期が一年延びるらしいよ」

教師「私はまだ21歳だ」ゴッ

少年「じゃあ、僕と5つしか変わらないんだね」

教師「そうだな」

少年「ちょうど良い年齢差だねっ」ニコッ

教師「は、はぁ!? な、何を言ってるんだっ!」ダッ///

教師(こいつは私のことを好きなのかっ!!?)ダダダッ

少年「ちょっ、お姉さん早い早い!!」タタタッ

教師「私は教師だぁああ!!」ダダダダダッ

少年「知ってるよ」タタタッ
26 :1 [saga]:2012/10/12(金) 03:31:45.19 ID:qqPcN+Tz0
今日はここまで!

登場人物&設定資料集

・少年:魔銃士
 年齢16歳。黒髪で背丈は標準サイズ。
 右腕が死瘴石の瘴気に侵されている。
 そのおかげで魔法の解析・吸収能力が格段に高い。

・教師:???
 年齢21歳。蒼い髪に白い肌。表情はきついが優しい。
 豊満な胸は見るものをくぎ付けにする。
 神話級の魔法を使える。少年の料理に弱い。

・魔剣士:魔剣士
 年齢??歳。全身を魔法の鎧で包んでいる。
 戦闘に自信があったが、教師の圧倒的な魔法の前に逃亡。
 どこに行ったかは不明。


魔法学園…生徒数二万人の大規模魔法学校。
     中央大陸随一の学園で、貴族から孤児まで様々な生徒がいる。



それでは!!
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/12(金) 07:18:52.61 ID:Py9GJgxIO
おつ
前作からきますた
28 : [saga]:2012/10/12(金) 10:55:39.87 ID:r0iYxRNm0
>>27
あざます。

おはようございます。
今日もゆるゆるいきます。

続きー。
29 : [saga]:2012/10/12(金) 10:59:49.14 ID:r0iYxRNm0
教師「魔法学園は年齢性別関係なく一定のカリキュラムを受けてもらう」

少年「じゃあ、小っちゃい子と授業することがあるってこと?」

教師「そうだな。普通は4、5歳で入学して18で卒業するから、すでに16歳の少年は年下と授業を受けることが多いだろう」

少年「えー、僕年下範囲外だよー」

教師(えっ、こいつこんな性格だったのか?)イラッ

教師「まぁ、ある程度基礎ができている者に関しては飛び級制度も設けられているから、そこで頑張れ」

少年「なんか急に冷たくなってない? お姉さん?」

教師「うるさい」

少年「………?」
30 : [saga]:2012/10/12(金) 11:11:43.29 ID:r0iYxRNm0
教師「授業とは別に年齢別に40人程度のクラスに所属してもらう。そこには担当の教師がついて、魔法以外の一般教養を教えていく」

少年「もちろん僕はお姉さんが担当だよね?」

教師「し、しるかっ! それは上の人間が決めることだ」カァ///

少年「そうなんだ。残念だな」チェッ

教師(こいつは子供の皮を被ったただの女たらしか!?)

少年「そういえば、僕授業料払えそうにないんだけど」

教師「それは大丈夫だ。家族や自分の収入がない者は週末に学園管理の仕事をすることができる」

少年「たとえば?」

教師「……言いたくはないが、お前はきっと魔物狩りに参加するだろうな」

少年「魔物狩り!? 楽しそう!!」キラキラ

教師(この少年は家庭的な面を持ちながら、どうしてここまで好戦的なんだ!?)

教師「最初はCランクの魔物を集団で狩るところから始まる。戦績が認められAランクになれば中央大陸同盟が指定した危険種の討伐に参加することもできる」

少年「すげー。がんばろ」

教師「……しかし、残念ながら魔物狩りは一か月後に開催する生徒たちの魔法試合に一勝でもしなければならない」

少年「魔法試合!? それってあの街の――「違う」

教師「お互いの技術を高めることだけを目的とした“模擬戦”だ。武器の威力制限もつくし、お前の思っているような展開にはならん」

少年「えー、つまんない」

教師「稼ぎの為だけじゃないだろ絶対」

少年「うん。命のやり取りは熱いよね」ニコッ

教師「……こいつ学園にいれて大丈夫かな」ハァ…

少年「お姉さんため息吐くとごっ――」ゴンッ

教師「………余計なことを言うな」

少年「…ぁい」サスサス
31 : [saga]:2012/10/12(金) 11:17:47.93 ID:r0iYxRNm0
教師「そういえば、先に聞いておくがお前は声紋認証型なのか?」

少年「………何それ?」キョトン

教師(知るわけないか…)

教師「魔法の発現の引き金を声に設定してるのか?」

少年「ああ、これ?」チャキッ

少年「発!」バンッ

教師「そう。それは“発”がないと撃てないのか?」

少年「撃てるよ」バンッ

教師「なら何故声に出す?」

少年「その方が弾が安定するから」

教師(うーん、弾の安定性なんかは最初の構成の段階で決まっているはずだから気持ちの問題か?)

教師「じゃあ、引き金を引かずに撃てるのか?」

教師(多くの魔銃士はトリガーの部分に魔法陣を組み、そこで発射を制御してる)

少年「撃てるよ」バンッ

教師「………?」

教師(他に発射のタイミングがあったか?)ウーム
32 : [saga]:2012/10/12(金) 12:52:41.53 ID:r0iYxRNm0
教師「ちょっと銃を貸してくれないか?」

少年「いいよ」ハイ

教師「………」ジロジロ

教師(造りは純度の高い魔鉱石。構成は素人丸出しだけど無駄は少ない…)ペタペタ

教師「………」スッ

少年「え、撃つの?」ビクッ

教師「……駄目か?」

少年「やめといた方が良いかも…」ビクビク

教師「なら、やめとくが…」

少年「うん。多分お姉さんが使ったら、この街道吹っ飛ぶよ」アハ

教師「えっ?」

少年「僕、生まれつき魔力がほとんどないから、その銃の構成の八割は威力向上に費やしてるんだ」

教師(それでこんな仰々しい構成になってるのか…)

少年「だから、僕が魔力制御受けることはないだろうね」ニコ

教師「ありがとう。返そう」ハイ
33 : [saga]:2012/10/12(金) 13:00:03.64 ID:r0iYxRNm0
教師(まずいな。魔力がほとんどないとは……先に調べておくべきだった…)

少年「お姉さん?」

教師「ああ、すまん。ちょっとこれに全力で魔力を補填してくれないか?」

少年「スーパーボール? いいよ?」

教師(魔力玉は一般人で魔力量100、手のひら大まで大きくなる。彼と同い年でトップレベルは背丈を越すほどの玉になる…)

少年「ふんっ」ブゥン

魔力玉「ちょっと膨れたぜ」プクッ

教師「………今、魔力放ったか?」

少年「うん。も一回やる?」

教師「いや、いい」スッ

教師(魔力量………35、だと…)ガクゼン…

少年「魔力があればもっと色んな魔法使えるんだけどなぁ」

教師「そうだな…」

34 : [saga]:2012/10/12(金) 13:06:19.01 ID:r0iYxRNm0
少年「はぁ…やっと着いた…」ハァハァ

教師「ここが中央大陸でもっとも栄えている都市“王都・スメラギ”だ」

少年「うわぁ…でけぇ…」ボーゼン

教師「人口5000万人を超す大都市で、敷地面積も学園の何十倍もある」

少年「そんな広くて防衛機能を果たせるのかなぁ」

教師「門外不出の防衛機能があるらしい。おそらく、箱庭システムの応用だろうが」

少年「へぇ、それじゃあそれが奪われたら危険だね」ニコッ

教師「そうだな。…それゆえにここではそう言った危険な言動は避けろ」

少年「はーい」

教師(この子の恐ろしさは発想力にあるな…)
35 : [saga]:2012/10/12(金) 13:08:19.69 ID:r0iYxRNm0
宿屋『キラメキ』

店主「部屋数は?」

教師「一つでいい」

少年「いいの?」

教師「……いい」///

店主「若夫婦には避妊魔法具を売ってるがいるかい?」

教師「いらんっ!」
36 : [saga]:2012/10/12(金) 13:12:32.93 ID:r0iYxRNm0
部屋。

少年「疲れたー」ドサッ

教師「今日で行程の七割は歩いたから、明日の朝出発すれば昼過ぎには着くだろう」

少年「はーい」

教師「晩御飯はどうする? 外に食べに行くか?」

少年「うんっ、行ってみたい!」

教師「よし、じゃあ汗を流してから行こう」

少年「汗をかいたら行こう? 今から汗をかくの?」

教師「ばっ、な、ななっ、何を言ってるんだ!」///

少年「???」

教師「シャワーを浴びてくるという意味だっ!」ダッ

少年「いってらっしゃーい」
37 : [saga]:2012/10/12(金) 13:19:33.53 ID:r0iYxRNm0
魔法料理亭『ヒラメキ』

店員「いらっしゃーい♪」

教師「二人だが空いてるか?」

店員「はーい♪ こちらでーす♪」タタタッ

少年「うわっ、布面積せまっ、えろっ」

教師(こいつがだんだんおやじに見えてきた…)

店員「それではご注文がお決まりになりましたらお呼び下さい♪」タユンタユン

少年「………」ジーッ

教師「………っ」ペタッ

少年「……お姉さ――あいたっ」ゴツンッ

教師「エッチな目で見るな馬鹿者」

少年「違うよ。あの子首と両足に黒い痣があるよ?」

教師「ああ、それは“契約奴隷”の証だ」

少年「契約奴隷?」

教師「各地にある儀式場で主従関係を結ぶと、肉体的にも精神的にも支配する者とされる者に分かれるんだ」

少年「じゃあ、あの店員さんは…」

教師「ああ、誰かの所有物だろう」

少年「………」

教師「スメラギでは認められているが、学園では認めていない。…こんな人権を踏みにじることは」ググッ

少年(やり方聞こうと思ったけど、口にしなくて良かった)ホッ…

教師「決まったか?」

少年「うんっ」
38 : [saga]:2012/10/12(金) 13:23:51.64 ID:r0iYxRNm0
店員「はい、養殖竜のステーキセットとヒラメキ特製閃きセットお待ちっ」タユンッタユンッ

教師「………」ジュルッ

少年「お姉さんってやっぱ肉食だよね」

教師「う、うるさいっ! 頂きます!」モグモグ

少年「あ、これって…店員さーん!」

店員「はーい」ユッサユッサ

少年「………」ジーッ

店員「な、なんですかっ?」///

少年「これってチャーハンだよね?」

店員「よく知ってますね♪ これマスター特製料理なんですよっ」

少年「特製かー。じゃあ、味わって“調べる”しかないなぁ」

教師「何をだ?」モキュモキュ

少年「作り方♪」モグモグ
39 : [saga]:2012/10/12(金) 13:27:54.31 ID:r0iYxRNm0
自室。

教師「………おいしかった」ハゥ…

教師(それにしても、帰ってくるなりトイレに駆け込むとは健康的な奴だ)

教師「私など三日目だというのに…」ハァ

少年「何が三日目なの?」

教師「!? う、うるさいっ!」

少年「おいしかったね、お姉さん♪」

教師「まぁ、少年の料理の方が好きだがな」

少年「そりゃそうだよ。店の料理なんて万人に食べてもらうために画一化されてるんだからさ。お姉さんの好みに味付けした僕の料理の方がお姉さんは美味しいと思うに決まってるよ」

教師「なぜ私の好みがわかる?」

少年「………んー、経験と勘?」

教師「そんなに生きていないだろう」

少年「あはは、そうだね」

教師「……さて、寝るか」

少年「はーい」

40 : [saga]:2012/10/12(金) 13:32:50.36 ID:r0iYxRNm0
少年「………」zzz

教師「………」ジーッ

教師(本当にこの子が“そう”なのか?)

教師「予知魔法学科の奴らに権力を握らせて大丈夫なのだろうか」

少年「………」zzz

教師「それに魔力量が基準値を満たしていないことが分かると、貴族会の末端が何を言い出すかわからんな…」

教師(しかし、才能はある。…確実に)

教師「何とかして入学させてやりたいな」ナデナデ

少年「………」zzzニコッ

教師「か、可愛い…」ゴクッ

教師(だが、少年はいずれ生徒となる。恋愛感情を持つのは倫理的に間違っている…)

教師「………寝よう」ポスッ

教師「………」zzz
41 : [saga]:2012/10/12(金) 13:39:08.04 ID:r0iYxRNm0
教師「さて、昼までには学園に帰りたいが、スメラギで行きたい場所あるか?」

少年「………闘技場!!」

教師「それはまた今度な」スタスタスタ

少年「ひどいっ!」ガーン

教師「…観光代が浮いた代わりに魔力列車で学園まで帰ってしまおう」

少年「魔力列車乗れるのっ!?」キラキラ

教師(やはり男の子、そういうのに弱いのか)

少年(魔力列車と言えば殺人事件!)ウズウズ

教師「さ、行こう」

少年「うんっ!」
42 : [saga]:2012/10/12(金) 13:46:11.88 ID:r0iYxRNm0
魔法学園駅。

教師「着いたぞ」

少年「………何も起きなかった」ムスッ

教師「何を怒っているんだ。行くぞ」

少年「はーい」トコトコ


正門。


門番「………」ファァ

教師「油断していると……」スッ

門番「え? ……ひ、ひぃ!?」

少年(門番の剣を抜いて切っ先をのど元前に正確に置く。…なんて速さなんだ)

教師「まぁ、魔法結界が厳重すぎて暇なのもわかる。わかるが、身内が殺された時悔やまないように最善を尽くせ」

門番「はいっ!」ビシッ

教師「それじゃあ通してくれるかな?」

門番「はいっ! お帰りなさい聖騎士様!!」

少年「聖騎士?」

教師「ああ、私の称号だ。魔法学園25歳以下の公式大会で優勝した者に与えられる称号だよ」

少年「すげー」カンシン

教師「見直したか?」

少年「最初からすごいと思ってたよ」ニコッ

教師「………っ」///

門番(聖騎士様が顔を赤くしてる…可愛い)ポーッ

教師「だから貴様は油断するな」

門番「は、はいっ!」ビシッ
43 : [saga]:2012/10/12(金) 13:54:15.21 ID:r0iYxRNm0
魔法学園内部正面玄関。

少年「うわぁ…でか…」

教師「それじゃあ、今から居住区でしばらく寝泊りする場所を案内す――」

??「待ちなさい!!」ビシッ

教師「………嫌だ」テクテク

少年「………?」テクテク

??「待ちなさいってばっ!!」ガッ

教師「貴様!」ガッ

少年(えっ、えっ!?)オロオロ

??「きゃぁ!!」ドサッ

教師「魔法使いの腕を掴むことがどういうことか分かっているのか!


 生徒会長!!」


少年「生徒会長?」

会長「………はい」グスンッ

少年(金髪ロングに白い肌。すごい美人さんだなぁ…)

会長「私はその殿方に用事があるだけですわ」

教師「それは私の公務を阻害する必要性があることか?」ギロッ

会長「ひっ、そ、それは…」オドオド

少年(お姉さんって学園じゃ怖かったんだなぁ…)

会長「そ、その殿方に魔力検査を受けさせろと理事会からの通達が来ておりますの!」バッ

教師「………っ」チッ

少年「………え、何?」オロオロ

会長「さ、行きますわよ」スッ

少年「はーい…」

教師「…後で迎えに行く。必ずな」スッ
44 : [saga]:2012/10/12(金) 13:58:12.32 ID:r0iYxRNm0
会長「はぁ…怖かったですわ」

少年「大丈夫?」

会長「気遣い無用ですの。聖騎士様が怖いのはいつものことですし」

少年「そうなんだ」

会長「それよりも歩きながら説明させていただきますけど、今から受けていただくのは単純な魔力検査ですわ」

少年「ふむふむ」

会長「魔力量検査するための魔力玉に魔力をこめていただくだけで検査は終了しますの」

少年「え、それって…」

会長「あなたは16歳ということで、合格ラインは10歳の標準値、



 80以上で合格です。簡単ですわね」ニコッ



少年「え、そ、そうですね」ヒクッ

少年(や、やばい…)
45 : [saga]:2012/10/12(金) 14:01:48.29 ID:r0iYxRNm0
一旦ここまで!

今日はぬるぬると更新していきます!

新キャラ(主要人物)
・会長:???
 金髪に白い肌の美しい女生徒。上品な言葉づかいと平等な対応で人望がある。

・聖騎士=教師
 25歳以下の魔法公式大会で優勝した者に与えられる称号。18歳から三連覇している。


「」の前の名前は聖騎士に変えた方がいいかな?


とりあえず、では!!!
46 : [saga]:2012/10/12(金) 17:39:53.76 ID:r0iYxRNm0
ちょろっとー続き!
今回は読者少なそうなので勝手やっちゃいます。

教師⇒聖騎士でおねがいしやす。
聖騎士のお姉ちゃんです。
47 : [saga]:2012/10/12(金) 18:01:35.69 ID:r0iYxRNm0
観測部屋。

少年「うわ、真っ白な部屋だ。何もない」

生徒会長「魔力量や属性を的確に調べるために、この壁は一切の魔力を遮断しますの」

少年(つまり、外部からの不正はダメと…。まぁどっちみち協力者がいない僕には関係のないことか)ハァ…

会長「それでは、この魔力玉をお渡ししますので、自分のタイミングで魔力を量ってください」ハイ

少年「ありがとうございます…」

会長「それでは私は外でお待ちしております」ペコ

少年「………」

少年(魔力を増幅する構成が武器道具無しでなんとか組めないものか…)

会長「…あと一つだけ言い忘れてましたわ。この部屋、魔力を放つ以外の構成が一切できませんのであしからず」ニコッ

少年「………最悪だ」
48 : [saga]:2012/10/12(金) 18:17:19.44 ID:r0iYxRNm0
少年「………」ヨッコイセ

少年(うーむ、どうしたものか…)

少年「魔法玉の造り自体を変えてしまおうと思ったけど、…構成できないから無理だ」

少年(とりあえず一度構成してみるか?)スクッ

少年「一応、玉は部屋の隅に置いて」

少年(構成……できない)

少年「構成を積み上げてもすぐに霧散していく…」

少年(内気功はどうだろ)コォォ…

少年「肉体の強度あげても意味ないな」ヤレヤレ

少年(どうしたものか…)

少年「右手の“これ”さえなければなぁ…」

少年(生まれてくる魔力全部“喰われてる”感じがするしなぁ…)

少年「………これも、一種の構成なのか?」

少年(……やるしかない…)グッ
49 : [saga]:2012/10/12(金) 18:20:38.11 ID:r0iYxRNm0
観測部屋、前。

少年「………」カチャ

会長「あら、ずいぶんと時間がかかりましたのね」

少年「………はい」ハァハァ

会長(すごい疲労度…この時期の新入であることと良い、かなりの高数値に違いないはず…)ゴクリ

少年「どうぞ」ハィ

会長「はい」スッ

会長(…って、え? 手で持てるの?)



魔法玉「ちょっと膨らんだよ」ソフトボールダイ



会長「…………114…」ガクゼン
50 : [saga]:2012/10/12(金) 18:23:01.33 ID:r0iYxRNm0
少年「合格ラインだね。もう行っていいでしょ」スッ

会長「え、ええ…」

少年「それじゃ、僕はお姉さんの所に帰ります」フラフラ

会長「ちょ、ちょっと待ちなさい!」

少年「……なんですか?」



会長「………魔法学園へようこそ」ニコッ



少年「ありがとうございます」ニヘラ
51 : [saga]:2012/10/12(金) 19:08:14.49 ID:r0iYxRNm0
大会議室。

聖騎士(教師)「ただいま帰還いたしました」サッ

校長「うむ、ご苦労さん」ニコニコ

教頭「……で、見つかったのか?」

聖騎士「はい、彼らの言うとおり“この世で唯一の黒髪の少年”を見つけ、連れてきました」

長距離魔法学科主任(以下:長主任)
「…で、予知科の通り、“革命魔法”っての使えるの?」

聖騎士「確認はとれませんでしたが、類まれなる才能を持っております」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/12(金) 21:05:11.11 ID:jZCFLZeIO
おつ
53 : [saga]:2012/10/12(金) 21:26:23.79 ID:r0iYxRNm0
ちょと眠気の限界で今日はここまで!


では!!
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/12(金) 23:49:29.40 ID:yzCsQFbIo

スレタイと一人称が変わってる…
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 06:45:57.51 ID:9yeLqhsIO
これあかんやつや
ネタが寒いわ
56 : [saga]:2012/10/13(土) 10:16:12.14 ID:I3EIJEAa0
>>54
ほんまやっ!!(驚愕

>>55
自分の面白いと思うとこまでまだ数千里あります。


少しキャラ崩壊ありつつの続きー
57 : [saga]:2012/10/13(土) 10:30:50.11 ID:I3EIJEAa0
少年「はぁ…お姉さんどこにいるんだよぅ」テクテク

??「お腹すいたよぅ…」トコトコ

少年「………疲れたな――っと!?」ドンッ

??「きゃぁ!」ドサッ

少年「………ごめんね、大丈夫?」

??「ああ、大丈夫だよ」テテテッ…

少年(か、可愛いっ)ドキッ

勇者「僕の名前は勇者。君は?」

少年(透き通るような蒼い髪、吸い込まれそうなくらい綺麗な瞳、どことなく雰囲気はお姉さんに似てるけど、優しそうで可愛い…)///

勇者「おーい、聞いてる?」

少年「ああ、僕は少年、魔銃士さ」ニコッ

勇者「そっか、僕は勇者だよ」ニコッ

少年「勇者って…あの勇者?」

勇者「そ、あの魔王を討伐する勇者」

少年「………君みたいな子が?」

勇者「僕みたいな子が」ニコニコ

少年「今すぐ勇者やめて僕と一緒にくらざっ――」ゴンッ

聖騎士「妹に手を出すな」ギロッ




少年「えっ、お、お姉さんの妹!?」ビクッ




勇者「あ、お姉ちゃーん」ギュゥゥッ

聖騎士「勇者ももう17歳なんだから甘えるな」ナデナデ

少年(僕より一つ上…)ガクゼン
58 : [saga]:2012/10/13(土) 10:40:07.36 ID:I3EIJEAa0
聖騎士「それより少年、試験はどうだったんだ?」

少年「余裕だったよ?」

聖騎士「では、左腕から漏れている魔力はなんだ?」

少年「………ちょちズルしました」スッ

勇者「うわ、腕が血だらけ…」

聖騎士「まさか腕に直接構成を書き込むとは…。馬鹿か」ポカッ

勇者「ドエムなんですね!」ニコニコ

少年「断じて違います」ビシッ

勇者「ドエスなんですか!?」ビクッ

少年「ベッドの上では攻めるほぶっ――」ゴスッ

聖騎士「相手の年齢を考えろよ」ギロッ

少年「……一つ上…」サスサス

聖騎士「それより家はどうする?」

少年「家って学園だし寮じゃないの?」

聖騎士「秘術を扱う魔法使いがセキュリティ皆無の寮に住む訳ないだろう。まぁ、10歳以下と住みたいというのなら紹介してやらんこともないが…」ジトーッ

少年「ぜひ家が欲しいです」
59 : [saga]:2012/10/13(土) 10:49:35.56 ID:I3EIJEAa0
外。

少年「んー、やっぱ外は気持ちいいなぁ」ンーッ

勇者「こういう日は外でのんびり昼寝だねぇ」ンーッ

少年「性的な意味でおつきあいします」キリッ

聖騎士「殺すぞ」ゴスッ

少年「冗談です。…で、どうやって家を買うの? 僕お金ないよ?」

勇者「僕と一緒に住むかい」

少年「ぜひ」ソクトウ

聖騎士「そ、そんなのは絶対許しません!!」

勇者「でも、結局毎日この人に解呪の波動送るんでしょ?」

少年「解呪?」

聖騎士「……気づいていたか」

勇者「だって右腕から“化物と同じ臭い”がしてるんだもんっ」アハハ

少年「マジ?」クンクン

聖騎士「その臭いじゃない。魔力の属性の話だ」

勇者「しかも強ボス級だよこれ」クンクン

少年「ちょ、ち、近いっ」ドキドキ

聖騎士「死瘴石に侵されてるからな」

勇者「へぇー」

少年「この子が治してくれるのか?」

勇者「そうだよ。勇者だからね」

聖騎士「勇者だからな」

少年「それじゃあついでに僕のはじめで――っ」ガスッ

聖騎士「………」ギロッ

少年「で、どうすればいいの?」

聖騎士「仕方ないな。特例で同居を認めよう」ハァ…

勇者「わぁ、楽しみ」キャッキャ

少年「僕も僕もー」ニヘラ

聖騎士(心配なのは私だけか…?)
60 : [saga]:2012/10/13(土) 10:50:04.34 ID:I3EIJEAa0
ここまで!

では!!
61 : [saga]:2012/10/13(土) 13:16:09.53 ID:I3EIJEAa0
ちょろっとだけ続きー。
62 : [saga]:2012/10/13(土) 13:26:12.61 ID:I3EIJEAa0
勇者の家。

少年「……ずいぶん遠かったね」ハァハァ

勇者「ごめんね。僕弱いから」テヘ

少年「強い弱いと家が遠いの関係あるの?」

聖騎士「この学園では、魔法部門、戦闘部門、戦略部門、技術部門など各ランク分けされていて、その序列が上であるほど学園に近い場所に住むことができる」

少年「ちなみに勇者ちゃんは何位なの?」

勇者「………」モジモジ

聖騎士「1万5000位。最低ランクだ」

勇者「てへ」///

少年「ちなみにお姉さんは教師だからランク外なの?」

聖騎士「いや、ランク付けに関しては教師も参加する。私は120位だ」

少年「聖騎士なのに!?」

勇者「お姉ちゃんは技術・戦略が全然ダメなんだよー」

聖騎士「うるさいっ」カァ///

少年「ちなみに120位だとどの辺に住めるの?」

聖騎士「学園まで歩いて三分の場所だ」

少年「………」

聖騎士「勇者もつらいだろうが、優遇するわけにはいかん。わかってくれ」

勇者「大丈夫だよー。少年君がきっと良い家にすませてくれるし」ニコッ

少年「えぇっ!?」ビクッ

聖騎士「頑張れよ」ポン
63 : [saga]:2012/10/13(土) 13:33:37.53 ID:I3EIJEAa0
聖騎士「それじゃ、私は公務があるからこれで帰るよ」

少年「えっと、これから僕はどうすればいいの?」

聖騎士「明日の朝、使いの者が来るはずだから、それまでゆっくりしておけ。服装は自由だし、準備物もいらない。強いて言うなら銃の手入れでもしておけ」

少年「はーい」

聖騎士「それと、勇者」

勇者「ん?」

聖騎士「解呪の波動のことわかってるな」

勇者「うん、大丈夫だよっ」ニコッ

聖騎士「それではまた」シュンッ

勇者「移動魔法いいなぁ」

少年「移動魔法は勇者の十八番じゃないの?」

勇者「無理無理。私解呪の波動以外全然だめだから」アハハ

少年「勇者ってもっと万能型だと思ってた」

勇者「そんなおとぎ話みたいにうまくいかないよぉ」アハハー

少年(おとぎ話みたいな存在じゃないか…)
64 : [saga]:2012/10/13(土) 13:43:11.57 ID:I3EIJEAa0
少年「へー、一人暮らしなのに5部屋以上あるなんてすごいなぁ」

勇者「魔法の授業で造るんだけど、私はへたくそ過ぎたからお姉ちゃんの知り合いが作ってくれたんだぁ」

少年「一部屋貰っていいの?」

勇者「いいよー。お風呂とか台所は共同になるから、もし入浴中だったらごめんねー」アハハ

少年「いえ、むしろありがとうですよ」キリッ

勇者「?」キョトン

少年「そういえばお昼過ぎだし、ご飯食べる?」

勇者「少年君作れるの!?」パァ

少年「うん、任せて」ニコッ

勇者「よかったー。これで一週間パンのみ生活とおさらばだー」キャッキャ

少年(お姉さん、この子ほったらかしにしてたらマズイと思いますよ)アセ
65 : [saga]:2012/10/13(土) 13:48:55.40 ID:I3EIJEAa0
少年「………食材買いに行くのに一時間かかるとは…」

勇者「これからは買いだめだねー」

少年「早くランクあげなきゃね」

勇者「だね」

少年「勇者ちゃんが唐揚げを美味しそうに見てたので今日は唐揚げ定食ね」

勇者「わーい、少年君大好きー♪」

少年「………」ニヘラ


――数十分後。


少年「どうぞ」ドン

勇者「わぁ、おいしそう♪」

少年「デザートもあるからね」

勇者「いただきまーす」モグモグ

少年「………」

勇者「……あ、そっか」ガタッ

少年「……?」

勇者「少年君、今までつらかったね」スッ

少年(俺の右腕に勇者ちゃんの手のひらが…蒼い光?)

勇者『解呪の魔法』パァ…

少年「………痛みが…」

勇者「死瘴石って三大欲求のどれかを食いつぶすんだよね」

少年「そうだったの?」

勇者「んー、よく分かんないけど、そうみたい」アハハ

少年「それで食欲がなかったのか…」グゥゥ…
66 : [saga]:2012/10/13(土) 13:50:39.18 ID:I3EIJEAa0
少年「うわっ、僕の料理うまっ!」ガツガツ

勇者「久しぶりの料理だもんね」

少年(実はお姉さんと食べた料理を吐き戻したことは内緒にしておこう…)

少年「しあわせだぁ!!」ガツガツガツ

勇者「〜〜♪」ニコニコ
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 17:10:03.14 ID:6ZnCoFfIO
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 18:49:54.82 ID:tjSH5mtlo
期待してる
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 20:19:29.20 ID:lUo9PtZIO
勇者いいね
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/13(土) 23:20:27.35 ID:tiEpLe+DO


最低ランクでも勇者ってなんやろ
血筋?
71 :1 [saga]:2012/10/14(日) 09:08:10.79 ID:EeDxcBKa0
おはようございます!
昨日睡眠のチャンスができたので寝たら12時間寝てました。

勇者褒められるとうれしいです。あざしゅ。

というわけで今日もゆるゆると続きー。
72 :1 [saga]:2012/10/14(日) 09:19:40.47 ID:EeDxcBKa0
少年「デザートはプリンだよ〜♪」トンッ

勇者「わぁ♪ 何これー?」キラキラ

少年(デザートに対する反応はさすが姉妹だなぁ)ホノボノ

少年「たぶん食べたことないだろうと思って、王道プリンにしてみました。無翼竜のミルクと卵が安く売ってたからね」

勇者「いただきまーす」パクッ♪

少年「………」モグモグ

少年(あー、もう一生食べ物なんて食べれないと思ってたけど、これで魔道具から栄養補給の生活とはおさらばだー)

勇者「んーっ! 何これ甘いっ↑」キャーキャー♪

少年「さすが世界中とワープゲートでつなげてる魔法学園だけあって、各地の名産がいっぱい売ってるよね。その甘さは西の大陸の無翼竜のミルクで、彼らはストレスの全くない環境で美味しいものばかり食べて育ってるんだって」

勇者「んまーっ♪」パァ

少年(ほっぺに両手を当てて微笑むなんてかわいすぎるだろその反応…)ドキドキ

73 :1 [saga]:2012/10/14(日) 09:28:30.52 ID:EeDxcBKa0
――食後。

少年「でも、あのお姉さんがよく同居を許してくれたなぁ…」

少年(解呪の魔法なんて通えばいくらでもできるのでは?)

勇者「僕と一緒に住むのいやだった?」ウル…

少年「ちょっ、そんなことないよっ! むしろご褒美だよ!」ブンブン

勇者「よかったー♪」

少年「ただ、一応僕たち異性だし、文化的に問題があるかなぁって」

勇者「それは大丈夫だよ♪」

少年「え、なんで?」

勇者「私とお姉ちゃんで“不純異性交遊禁止契約”を結んでるから」ニコニコ

少年「な、なにそれ?」

勇者「よくわかんないけど、私とお姉ちゃんが認めた相手としか手をつないだりできないんだって」

少年(複数人で契約魔法を交わしてより強力な魔法を使うのは聞いたことあるけど…。これは相当過保護だなお姉さん…)

勇者「でも大丈夫だよっ。少年君ならね」ニコニコ

少年「へっ?」ボッ///

少年(ど、どどど、どういう意味だよっ)

勇者「えへへー」///

少年(意図が読めない…)
74 :1 [saga]:2012/10/14(日) 09:41:29.26 ID:EeDxcBKa0
――庭。

少年「……あれ、結界張ってる?」

勇者「うんっ、魔法開発は探り合いだからね。スパイ防止に結界張ってるんだけど…」

少年「けど?」

勇者「魔法の開発なんて成功したことないんだよね」アハハ

少年「開発したことはあるの?」

勇者「うん。回復魔法を一度に大勢かけたくて」

少年「あー、おとぎ話じゃよく勇者が使うもんねー」

勇者「そうなの。かっこいいよねー。僕も使いたいなぁ」

少年(何で攻撃魔法は複数をターゲットにできるのに、回復魔法はできないんだろう)

勇者「僕魔力量も多くないから、範囲指定の大規模回復もできないし、結局個人に回復魔法かけるしかないんだ」

少年「そっか…」

勇者「でも、いつか開発してみせるんだ」ゴォッ

少年「おお、燃えてる…」

勇者「ところで、なんで庭に出てきたの?」

少年「いや、実はちょっと稽古したくて」

少年(二、三日くらい決闘してないからウズウズしてるなんて言えないし…)

勇者「じゃあ僕が相手になったげるねっ♪」

少年「え、いいのっ!?」

勇者「うんっ」ニコッ
75 :1 [saga]:2012/10/14(日) 10:00:01.81 ID:EeDxcBKa0
勇者「面白い装置があるんだよー」ポンポン

少年「何これ?」

勇者「“アーケード”って言って、名前に意味はないんだけど、これを使えば決闘する人のステータスが表示されるんだよ!」

少年(見た目は異界の“ゲーセン”っていう遊戯施設にある“カクゲー”ってゲーム機に似てるな…。裏側に着いた大きなレンズが対戦者を補足して数値化するのか…)ブツブツ

勇者「どうしたの?」

少年「面白いねっ!」

勇者「うんっ!」

少年「じゃあ、やってみよう!!」

勇者「はーい♪」
76 :1 [saga]:2012/10/14(日) 10:25:43.85 ID:EeDxcBKa0
少年「えっと、開始の合図は―――」

アーケード「ラウンド」

少年「!?」ビクッ

少年(なんでいきなりおっさんの声が!?)

アーケード「ワン」

勇者「あはは、そういう機能もついてるんだよー」

アーケード「ファイト!」

勇者「それじゃ、全力で行くねー」シュンッ

少年(黒い刀身と白い刀身の二対の刀…。面白いな)

少年「僕と同じ二刀流だね」サッ

勇者「赤と青の魔銃器かぁ、遠距離苦手なんだよねぇ」シュンッ

少年「はやっ」バッ

勇者「おりょ、いない」ザンッ

少年(空気を裂く音が聞こえてきた。相当威力のある斬撃だぞっ!?)


アーケード『ぴぴぴ…』


勇者
攻撃力:127(標準100)
スピード:142(標準100)


少年「これで一万五千位かよ…」アセ

勇者「総合だけどね」ニコッ

少年(そっか、聖騎士のお姉さんでさえ120位なのは、戦闘特化だけでは順位には響かないからか…)

少年「面白くなってきたっ!」ダダダッ

勇者「おわっ、拳銃なのに連射できるの!?」

少年「魔銃器を見た目で判断するのは危険だよ」ニコッ

少年
攻撃力:64
連射性能:A(最高位AAA)

77 :1 [saga]:2012/10/14(日) 10:44:34.85 ID:EeDxcBKa0
勇者「やぁっ!」ザンッザンッ

少年「おわっ、やばっ」


―――キィィィンッ!


勇者「ありゃ!?」ドサッ

少年「あぶなっ…」フゥ

勇者「今のなに?」

少年「銃器“蒼”に組み込んだ特性“自動防御”だよ。蒼は攻撃は相手の動きを封じる程度だけど、防御には長けてるんだ」


少年
防御力:130

魔銃器『蒼』
武器ランクC(標準B)
・自動防御の特性を持つが、構成のほとんどを威力向上と射出安定に裂いているため、武器としての性能は限りなくバランスが悪い。


勇者「僕の“白”も攻撃以外の特性を持つんだよ」シュィィィン…

少年(刀身から白い光が…。現実で白い光なんてあるんだなぁ…)

勇者「やっ!」ザンッ

少年「うわっ、斬撃が飛んできた!?」

少年(…と、思ったら、二メートルくらいですぐ消えたぞ?)

勇者「えへへ、僕がダメダメだからこんだけしか飛ばない」アハハ


勇者
名刀『ホワイトウイング』
武器ランクS
・使用者の魔力に応じて様々な特殊攻撃が可能。かつて最も闘技に長けていた魔王を倒した勇者が装備していたと言われている。
※勇者の能力が低いため、性能が劣って見える。


少年「もしかして、勇者ちゃんの斬撃が強く見えるのも…」

勇者「えへへー、実は黒のおかげなんだぁ」テレテレ///

少年(照れるところか…?)


勇者
名刀『ブラッククロウ』
武器ランクS
・使用者の思い描いた軌道を黒き刀身が確実になぞる。そのため、使用者は全力で振るうことができる。


少年「ちなみに戦闘のみだと何位くらいなの?」

勇者「一万位くらい」ニコッ

少年「………」



78 :1 [saga]:2012/10/14(日) 10:52:23.33 ID:EeDxcBKa0
少年(子供同士の喧嘩で使い方のわからない拳銃を持ってきても、安全装置を解除しない限り鈍器としてしか使えないって感じだなぁ)

勇者「はぁっ、やぁ!」ブンッザンッ

少年(黒い刀身を蒼の弾丸で防御して)

勇者「わわっ」ヨロッ

少年(そのまま、懐に突っ込む)サッ

勇者「えっ?」

少年(この前武闘家のおっさんが教えてくれた内気功の応用を使って――)トンッ

少年「やぁっ!」ドンッ

勇者「きゃんっ!!」ドッ


アーケード『少年――YOUWIN!』


勇者「………あうぅ」キュ~

少年(どんだけ体力ないんだよ)ヤレヤレ
79 :1 [saga]:2012/10/14(日) 11:51:50.53 ID:EeDxcBKa0
アーケード『解析中』ピピピ…

勇者「………わくわく」

少年(これが現代の勇者か…。天敵である魔王自体も弱体化してるし、100年前に女神も魔族に攻撃されて弱ってるって噂だし、仕方ないのかな?)

素体ステータス

勇者:ランクD(近接戦闘タイプ)
体力:C(最低ランク)
攻撃力:52(標準100)
防御力:32
スピード:150
技術・命中:C

総合C
・武器頼りの弱キャラ。マニアの間ではただの魅せキャラ。


少年:ランクB(変則タイプ)
体力:?(攻撃を受けていないため計測不能)
攻撃力:78
防御力:120
スピード:110
技術・命中:S

総合:B
・基礎値は低くないが、技の豊富さが仇となり勝ちパターンがつかめない。使いこなせば鬼キャラとなる可能性も。


少年「何で使われる側なんだ…?」

勇者「少年君強そう」キャッキャ

少年「これ、お姉さんのデータないの?」

勇者「あるよー」ポチポチッ


勇者姉(聖騎士):ランクS(タイプ判別不能)
体力:計測不能
攻撃力:300(上限)
防御力:300(上限)
スピード:300(上限)
技術・命中:SSS

総合:SSS
・使えば卑怯者と罵られる裏キャラタイプ。見た目の荘厳さも相まって伝説のキャラとなること間違いなし。
一つだけ勝機を見出すなら、使用者への直接攻撃をお勧めする。


少年「」

勇者「でもこのステータスって、聖騎士になる二年前だから今はもっと強いと思うよ」アハハ

少年(逆らわないでおこう…)
80 :1 [saga]:2012/10/14(日) 11:59:52.58 ID:EeDxcBKa0
風呂。

少年「………」フゥ…///

少年(風呂もでかい…。これ造った人は相当勇者ちゃんのことを好きなんだなぁ)

少年「………痣の痛みも引いてるし…」

少年(死瘴石を触ったあの日から続く痛み。薬でも完全に誤魔化すことは不可能だったのに…)

少年「でも、こいつのおかげで多くの魔法や技術を身につけてきた。今更手放せるのか?」

勇者「おっふろー♪」ガララ

少年「」

勇者「あ、しょ、少年君!?」ビクッ

どこからか聞こえてくる声
「契約に触れました。自動攻撃魔法発動」

少年「な、なにっ!?」

勇者「逃げてっ!!」

少年「で、でも!」

少年(タオル一枚越しに見える勇者ちゃんの身体…ごくりって違うどこに逃げればいんだよっ!)

どこからか聞こえてくる声
『神槍・滅』ゴォォォ

少年「ぎゃぁあああああああ!!」ダダダッ

勇者「ごめんねぇ!!」

少年「先に謝ってたのはこれのことかぁああああ!」ダダダダッ


―――その日、少年は一晩槍に追い回され羽目となった。


序章 終
81 :1 [saga]:2012/10/14(日) 12:04:59.39 ID:EeDxcBKa0
キリもいいので、いったんここまで!

小一時間して戻ってくるかも!

登場人物(序列順)
・長主任(87位)
・聖騎士(120位)
・生徒会長(135位)
・勇者(15000位)
・少年(‐位)
・校長(殿堂入り)
・教頭(殿堂入り)

次回予告!
『祝・魔法学園入学! そしていきなり始まる模擬戦!!』

では!!
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/14(日) 12:17:09.57 ID:2sqCLX9C0
乙!
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/14(日) 13:33:54.34 ID:reuCu2wAo
84 :1 [saga]:2012/10/14(日) 13:46:57.57 ID:EeDxcBKa0
茶利出北。

勇者ちゃんはおっとり系蒼髪美少女!!

聖騎士ちゃんはギロリ系美処女!!

>>1の悪い癖はどんどん女キャラが増えて主人公ハーレムにしちゃうこと!!

では少しだけ続きー。
85 :1 [saga]:2012/10/14(日) 13:50:18.47 ID:EeDxcBKa0
朝。

少年「おはよー」トントンッ

勇者「わぁ、朝食が温かい〜♪」ハワワ-

少年「ミソシルと白ごはん、そして今日は……水龍の明太子だっ!」ジャーン

勇者「わぁい! 勇者辛いの大好きぃ〜♪」

少年「興奮すると自分のこと名前呼びになるんだ」ニヤニヤ

勇者「………しまった」カァ///

少年「冷めないうちに食べよ」

勇者「はーい」

少年「毎回サラダはあるからね」

勇者「誰に言ってるの?」

少年「勇者ちゃんの健康を心配する人たち」

勇者「誰それー」アハハ
86 :1 [saga]:2012/10/14(日) 13:52:31.28 ID:EeDxcBKa0
通学。

勇者「トレーニングになって良いねー」タッタッタ

少年「そうだね。途中で勇者ちゃんがばてなかったらね」ニコッ

勇者「あうぅ…、その時はよろしくです」

少年「はいはい、引きずってでも連れて行くよ」ニコッ

勇者「それはやめてほしいな」ニコッ

少年「ところで、使いの者って来なかったね」

勇者「そうだね。なんでだろう?」


???「………」ニヤリ


87 :1 [saga]:2012/10/14(日) 13:59:23.47 ID:EeDxcBKa0
少年「はぁ、やっと半分か…」

勇者「すごいねぇ、もう道覚えてるの?」

少年「まぁ、それなりにね」

勇者「私なんかいまだに道に迷うよー」アワワ

少年「わかるわかるー」

勇者「………」ジトーッ

少年「………」ゴホンッ


??「隙あり」シュッ


勇者「………っ! 危ない少年君!」

少年「うん、正面からナイフ投げてくる女の子がいたら危ないよね」バンッ

??「ひっ」ビクッ

勇者「ひょえー、空中でナイフを撃ち落すなんてこわーい」

少年「君の黒と似たような特性だよ。僕の照準に極めて近い場所を通るように構成してる」

??「こわいよぅ」ガクガク

少年(黒のローブに身を包んでる…誰だ?)

勇者「こういう時って逃げるんじゃないの?」

??「はうあっ、そうだった!!」ピコーン

少年「逃がさないけどね」バンッ

??「あうっ」ドサッ

勇者「うわぁ、足を撃ち抜くなんて鬼畜ー」

少年「相手は僕の額を狙ってたからね。仕方ないよ」

??「いたいよぅ…ぐすっ、うぇえええん!!」

少年「さぁ、君は誰な……んだ?」バサッ

勇者「あーっ! 君は暗殺者のあんちゃん!」

あん「……ゆうちゃん、おはよぅ」グスッ

少年「………は?」
88 :1 [saga]:2012/10/14(日) 14:05:23.60 ID:EeDxcBKa0
少年「じゃあ本当に暗殺なんて学科もあるの?」

勇者「そうだよー。怖いよねー」

あん「ねー」

少年「君がその暗殺学科だろ」

あん「そうでした」テヘヘ

少年(見た目年齢10歳くらいで赤い髪に弱気な表情。顔はけっこうかわいい…これで暗殺者)ジーッ

あん「あん恥ずかしいです」カァ///

少年「暗殺者の癖に感情も殺せないのか」ハァ

あん「だってあんは落ちこぼれ暗殺者ですからっ!」ムンッ

勇者「あんちゃんは18000位だもんねー」

あん「恥ずかしいですー」キャッキャ

少年(なんだこの空気…)

少年「ところで、何で僕を暗殺しようと?」

あん「それは私に暗殺依頼が来たからですー」

少年「依頼? 学生に依頼がきて、しかもそれを実行するのか? マジ?」

勇者「私もよく魔王討伐依頼が来るけど怖いから断ってるー」

少年「それもどうかと思う」
89 :1 [saga]:2012/10/14(日) 14:12:04.13 ID:EeDxcBKa0
少年「で、誰から依頼が?」

あん「それは言えないですー」

少年「どうして?」

少年(さすがに依頼主の秘密は守るのか?)

あん「依頼主の名前が難しすぎて読めなかったですー」

少年「」

勇者「それは仕方ないねー」

少年「まじかよ」

あん「ちなみに依頼書はこれですー」サッ

少年「見せるなよ」


※ひらがなの所はこの話の世界でのひらがなのような文字です。

あんさついらい 魔法部

××地区にいる少年を殺してほしい。

【少年の写真】

依頼料は別途振り込む。


少年「なんて簡易な」ズルッ

あん「わかりやすくてよかったですー」

少年「魔法部?」

勇者「魔法学園には多くの部活動があるんだよー。その中でも魔法部は100以上あるんだ」エヘン

少年「なぜ君が威張る…」

勇者「僕も魔法部の一人だからさっ」

少年「そうなんだ」

あん「ちなみにあんは射撃部だよ」ニコッ

少年(しかし、そうなると絞れないな…)フ-ム

90 :1 [saga]:2012/10/14(日) 14:17:05.95 ID:EeDxcBKa0
少年(まぁ、そもそもガチの暗殺依頼だったらこの子に頼る訳ないし、これは何かのメッセージととらえたほうがいいか…)

あん「先払いで払い主が分からないから、失敗してもウマウマですー」

勇者「やったねあんちゃん♪」ニパー

あん「うんっ」ニパー

少年(本当に勇者は17歳かよ…)ハァ

少年「で、もうあきらめたの?」

あん「うんっ、あんは見切りの良さに定評があるんだよ」ニコッ

少年「見切り…ね」ニヘラ

勇者「あわわっ、これじゃ遅刻しちゃうよ!?」

少年「……まさか、これが狙いか?」ザッ

勇者「どうしたの少年君…」

少年「ごめん、先に言ってる」

少年『加速装置』ブゥン

少年(ただの加速魔法だけど…)

少年「発射!!」ドッ

勇者「   あれ?」

あん「   少年さんがいない…」キョロキョロ

勇者「少年くーん」オーィ

あん「どこ行ったんですかー」


――二人が捜索をあきらめたのは5分後だった。


91 :1 [saga]:2012/10/14(日) 14:22:33.25 ID:EeDxcBKa0
聖騎士「遅い……」イライラ

少年「加速装置解除!!」ドッ

聖騎士「わっ! お、遅いじゃないかっ!」

少年「いや、ちょっとあって」

聖騎士「まぁ、間に合ったから許すけど」

少年「ところで使いの者が来なかったんだけど」

聖騎士「本当か? 学園庶務の交通安全課に後で確認をとっておこう」

少年「まぁ、いいじゃない?間に合ったんだし」

聖騎士「そうだな」

少年「それより、この学園に魔法部でよくない噂の出てるとこある?」ゴニョゴニョ

聖騎士「……ふむ、それならいくつか思い当たるな。どうしたんだ?」

少年「いや、ちょっとね」

聖騎士「………?」

少年(お姉さんに迷惑がかかったらいけないし黙っておこう)

聖騎士「まぁ、それじゃあ入学式に行こうか」

少年「入学式? 今日が入学式なの?」

聖騎士「何言ってるんだ? 入学式というのは、


在校生徒と模擬戦することだぞ」


92 :1 [saga]:2012/10/14(日) 14:25:39.98 ID:EeDxcBKa0
少年「そうだったんだ」

聖騎士「相手はこの学園でちょうど真ん中あたりの序列に位置する生徒だ。もちろん戦闘のみの順位だ」

少年「それで僕の順位が決まるの?」

聖騎士「そうだ。それと同時に週末の魔物狩りへの参加権の付与も決まる」

少年「よーし、がんばるぞ」

聖騎士「大体、入学生の勝率は3割だ。といっても、実践豊富な少年なら余裕だろうが」

少年「はーい」
93 :1 [saga]:2012/10/14(日) 14:31:22.83 ID:EeDxcBKa0
闘技場。

聖騎士「どういうことだっ!」

魔法学科主任(以下魔主任)
「いやぁ、申し訳ない。選ばれた生徒が急に体調を崩してな。きちんと代わりは用意している」

不良「………」ニマァ

聖騎士「不良の序列は戦闘1000位じゃないか。これでは序列が測れないぞ!」

魔主任「まぁまぁ、行程を見て判断するということで」

長主任「仕方ないじゃないか」

近接戦闘学科主任(以下近主任)
「それでは魔物狩りの参加権はいかがいたしましょう?」

魔主任「それも行程を見て決めましょう」

聖騎士「………分かった」

少年「お姉さん」

聖騎士「すまん。私の力が及ばなかった」

少年「僕は大丈夫だよ」

聖騎士「相手は1000位だ。お前の戦った魔剣士並みの実力はあるだろう」

少年「まじ?」

聖騎士「………健闘を祈る」グッ

少年「………お姉さんのためにがんばるか」ヨシッ
94 :1 [saga]:2012/10/14(日) 14:38:10.80 ID:EeDxcBKa0
不良「………」キゼツ

魔主任「なっ…」

長主任「………っ」ガタッ

近主任「ほう…」

聖騎士「少年…」ニヘラ

少年「え、これで1000位?」

校長「ほっほっほ、まさかの展開ですのぉ」

教頭「え、ええ、驚きの結果です」

長主任「な、何かの間違いだ」ワナワナ

近主任「800位くらいでよろしいですか?」

教頭「………そのくらいが妥当だと…」

長主任「いや、1000位でしょう」

聖騎士「貴様……」ギロッ

長主任「相性がある。1000位を倒したからといって999位が倒せるとは限らん」

少年「だったら、あんたとやろうか?」

長主任「今なんといった?」ギロリ

聖騎士「おい、やめろ」

少年「こっちは命の張り合いで生きてきたんだ。相性なんかで勝ち負け決まるような甘い世界にはいない」

聖騎士(こいつ、こんな迫力も出せるのか…)

校長「ほっほっほ、長主任の負けですな」

長主任「校長!」

校長「ですが、ここは私が出ましょう」

一同「「なっ!?」」

聖騎士「校長!!」ガタッ

校長「私の決定です」スッ

聖騎士「………っ」ビクッ

聖騎士(なんという威圧感……)

少年「………」
95 :1 [saga]:2012/10/14(日) 14:47:14.83 ID:EeDxcBKa0
校長「君の順位は1000位以上は確定しています。私に勝ったら殿堂入り。一撃加える度に一つ順位を上げてあげましょう」

少年「面白いね」ニコッ

聖騎士(校長は元聖騎士、黒騎士、老騎士全ての冠を持ち続けた人だぞっ!)アセアセ

長主任「それでは、試合…開始!!」

少年(いきなり決めてやる!)

少年『全弾発射!!』バッ

長主任「なんて数だ……」

聖騎士「まるで砲弾の雨」

校長「ほっほ、食らえば一気に100位以内に入れますな」バッ

校長「覇っ!」ドォ

少年「えっ? な―――」ガクッ

聖騎士「………少年!?」

長主任「な、なにが?」

校長「ほっほっほ。聖騎士よ。まだ戦いは終わっておらんぞ」

少年「ぐぐぐっ」

少年(蒼の防御弾も全弾発射しといて良かった…)ハァ…

少年「い、今の魔法?」フラァ

校長「いや、ただの魔力じゃな」ホッホッホ

少年「そりゃ…強すぎ…」ドサッ

聖騎士(衝撃の後にくる校長の膨大な魔力による“魔力酔い”。なんて強さだ…)ゴクリ

校長「おや、一撃だけ食らってたか」プスプス

長主任「………」

校長「それでは999位でよろしいかな? 皆の者?」

一同「異論ありません」

校長「ほっほっほ。楽しかったなぁ」スッ

96 :1 [saga]:2012/10/14(日) 14:48:48.78 ID:EeDxcBKa0
いったんここまで!

続きは夕方か夜中になります!!

なんか楽しくなってきた!!

では!!
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/14(日) 14:54:03.54 ID:12RANS+IO
おつ
勇者ちゃんきゃわわ
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/14(日) 14:56:11.59 ID:t9THlXGIO
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/14(日) 15:37:07.92 ID:lHCeRl2/0

校長一発もらっちゃうのかよ;;
100 :1 [saga]:2012/10/14(日) 17:23:36.77 ID:EeDxcBKa0
ただいまそー。
途中で!ID変わると思います。

実は学園には非公式の序列。
かわいい子ランキングがあったりなかったり…。

では続きー。
101 :1 [saga]:2012/10/14(日) 17:26:48.71 ID:EeDxcBKa0
学園校長室の屋根の上。

校長「ほっほっほ、まぁ戦闘力のランキングなら250位くらいかの」

使い魔「とか言って一発もらってたくせに」ケケケ

校長「この煙草の火のことかの?」プスプス

使い魔「げ、やっぱ嘘かよ狸ジジイめ」

校長「長主任、聖騎士、そして少年が納得するにはこれが一番なのじゃよ」ホッホ

使い魔「ほんと食えない爺さんだぜ」

校長「お前は美味い成分でできとるがの」

使い魔「やめてくださいお願いします」ペコペコ

校長「ほっほっほ」
102 :1 [saga]:2012/10/14(日) 17:30:19.80 ID:EeDxcBKa0
中庭。

少年「あー、頭がぐわんぐわんする」

聖騎士「大丈夫か?」

少年(あれ? なんでお姉さんの顔がこんなに…美人だなぁ…って)

少年「お、お姉さん!? ひざまくら!?」カァ///

聖騎士「ああ、そうだ。魔力酔いは外の空気を吸うのが一番だからな」

少年「お姉さん……」

聖騎士「気分はどうだ?」

少年「うん、こんくらいなら何とかなるよ。でも、もう少しこうしていたいかな」

聖騎士「馬鹿を言うな。これからカリキュラムを決めに行くぞ」

少年「はーい」
103 :1 [saga]:2012/10/14(日) 17:36:45.32 ID:EeDxcBKa0
職員室。

少年(うわ、広い…。たくさんの机があって、職員さんたちが何人か働いてる)

聖騎士「少年は将来何になりたいんだ?」

少年「何に?」

聖騎士「どうせ今まで戦いのことばかり考えてきたのだろう? だが、学園に入学したからには、それ以外の可能性も考えてもらわねばな」

少年「そんなこと言われても…」

聖騎士「いやなに、勉学に励んでいるうちに興味の対象がずれることなんてよくあることだ。今は何になりたいのか思い浮かばないか?」

少年(僕が…働く?)

聖騎士「料理人とかどうだ? あんなに美味いものを作れるんだ」

少年「うん、それも…いいかもね」

聖騎士「なんだ、しっくりきてない顔だな」

少年「いや、やっぱり戦いから離れるなんて考えられなくて」

聖騎士「そうか、まぁ、それなら今は普通科にしておくか?」

少年「普通科?」

聖騎士「そうだ。本来各学科ランク1000位以上は専門学科を習うのだが、少年はどの学科でも1000位以上になれそうだ。それなら逆に一年間は普通科で幅広く勉強してはどうだ?」

少年「うん……それがいいかな!」

聖騎士「わかった。手続きしておこう」
104 :1 [saga]:2012/10/14(日) 18:13:42.41 ID:I1d0Y9XJ0
少年「ちなみにお姉さんは何学科の先生なの?」

聖騎士「私は戦闘分野全ての補佐をしている。騎士の称号を持つ者は担当学科を持たないんだよ」

少年「なんで?」

聖騎士「それは言えない。だが、少年の授業を補佐することもあるだろう」

少年「楽しみだなぁ」キラキラ

聖騎士「そ、そうだな」カァ///

少年「で、カリキュラムはどうすればいいの?」

聖騎士「それはだな…」

??「ちちち、遅刻しましたー」ダダダッ

少年「誰だ? 眼鏡の…先生?」

眼鏡「やぁ、ぼ…俺は君の担当教師の眼鏡だ。よろしく」

少年「はぁ…」

聖騎士「眼鏡先生はランクこそ200位だけど、戦闘以外のランクは全て50位以内に入るんだ。戦闘分野以外で少年が見習うことは多いだろう」

少年(お姉さんやけに戦闘分野を強調するなぁ)

眼鏡「それじゃ行こうか」ニコッ

少年(丸い眼鏡かけなければイケメン…なのか?)

少年「…あれ? 先生額に傷が?」

眼鏡「ああ、いや、これはちょっと昔怪我して…あはは」サッ

少年(隠したいことなのかな?)

聖騎士「それじゃ私も公務があるからこれで」スッ

少年「はーい」
105 :1 [saga]:2012/10/14(日) 18:28:05.33 ID:I1d0Y9XJ0
眼鏡「それじゃ、まずはカリキュラムを決めようか」ニコッ

少年「はい」

眼鏡「幸いまだお試し週間だから好きなだけ受けてみるといいよ」

少年「どうすれば受けられんですか?」

眼鏡「そうだった。これが君の学生証兼情報端末だ」

少年「“スマホ”?」

眼鏡「よく知ってるね。異界の技術を魔法工学で応用した“スマホウ”だ。基礎的な使い方は魔法でインストールしてくれる」

少年「はい。インストールは…これか」スッ

眼鏡「インストールしてる間に一日の流れを説明しよう」スッ





少年「へー、なんか倭国の“大学”って学校の制度に似てますね」

眼鏡「そうだね。似てるかもね」
106 :1 [saga]:2012/10/14(日) 18:55:15.47 ID:I1d0Y9XJ0
少年「スマホウおもしれー」スッスッ

眼鏡「どうだい? 決まったかい?」

少年「うーん、こんな感じかな」


月曜
午前:基礎魔法学
午後:戦闘魔法学
放課後:フリー

火曜
午前:料理学科
午後:サバイバル学科
放課後:フリー

水曜
午前:一般教養
午後:応用魔法学
放課後:フリー

木曜
休み

金曜
午前:暗殺学科
午後:近接戦闘学科
放課後:フリー

眼鏡「料理が好きなのかい?」

少年「まぁね」

眼鏡「ちょっと魔法学に偏りすぎだと思うけど、最初の年は好きに組んで楽しんだほうがいいからね」

少年「部活ってどうやったら入れるんですか?」

眼鏡「スマホウをスライドして、部活のアイコンタッチしてみて」

少年「はい」スッ

107 :1 [saga]:2012/10/14(日) 19:17:41.94 ID:I1d0Y9XJ0
少年(うわ、どんだけ部活数あるんだよ)

眼鏡「戦闘関連だけじゃなく運動部や文化部も数多くあるからね。興味があったら入ってみるといいよ」

少年「魔法部だけでもこんなにあったら…ん?」


スマホウ画面
・二次元魔法部
・裏・暗殺部
・正統魔法部(顧問:長主任)
・素手格闘部
・山岳部


少年「顧問って書いてあるのは?」

眼鏡「職員が監督してる部活だね。顧問がいたら活動費がもらえたり学園内に部室があったり有利な点が多いからね」

少年「長主任ってどんな人?」

眼鏡「んー、いきなりだねー。聞いたよ。長主任と言い合ったんだってね」ハハハ

少年「ちょっと言い方に腹が立って」

眼鏡「あの先生は簡単に言ったら保守派だから外部で魔法を覚えた人間が嫌いなんだよ」

少年「そっか…」

眼鏡「後は魔物狩りなんかもスマホウで登録するから家に帰って確認しておくんだよ」

少年「はーい」
108 :1 [saga]:2012/10/14(日) 19:35:09.73 ID:I1d0Y9XJ0
眼鏡「言い忘れてたけど金曜の午後はホームルームだから、空けておいてね」ニコッ

少年「そう言えば、僕のクラスメイトって誰がいるんですか?」

眼鏡「ぼ…俺のクラスは年齢も性別も種族もバラバラだから驚くと思うよ」

少年「へーそうな「あーーー!! いたぁ!!」

少年「へ?」

勇者「少年ぐんいたーっ!」ドーンッ

少年「あぶばっ」ドサッ

勇者「寂しかったよー!」ウェエエン

少年(なんで触れても大丈夫なんだ?)

少年「ごめんな」ナデナデ

勇者「いいよぅ、生きてて良かったよぅ」エグエグ

少年「いきなり殺すなよ」アハハ

勇者「午前も午後も授業休んじゃった」エヘヘ///

少年(うっ…かわいい)///

少年「………あれ? 眼鏡先生は?」キョロキョロ

勇者「誰かいたの?」

少年「授業に行ったのかな?」

勇者「少年君……」

少年「な、なに?」ドキドキ

勇者「お腹すいた…」グゥゥ

少年「………お昼にしよっか」
109 :1 [saga]:2012/10/14(日) 20:00:04.28 ID:I1d0Y9XJ0
北第二校舎――家庭科室。

勇者「こんにちわー」

生徒「はい! どうしました?」

勇者「ここで料理させて欲しいんだけど?」

生徒2「ちょっと今部活中なので…」

少年「なんて部活なの?」

生徒3「倭国料理部です」

少年「倭国料理?」

生徒2「東の大陸にある国です。そこでは“ワフウ”というジャンルの料理を――」

??「お待ちなさい」

少年「あなたは?」

撫子「私の名前は大和=撫子。倭国出身の女です」ペコッ

少年(うわ、綺麗な人…)ポーッ

勇者「………むぅ」プクーッ

撫子「あなたから微かに香るショウユの匂い。…あなた、倭国料理を食べたことがありますね」

少年「いや、まぁ、たまに作るけど…」

生徒3「まぁ、そうでしたのっ」パァ

生徒2「ぜひ食べたいですわ」ギュッ

少年「ちょ、手っ」アセアセ

撫子「あなた達、はしたないですわよ」

生徒達「……はい、部長」シュン

撫子「とは言え、あなたの料理を食べてみたいのは私も同じ。どうでしょう、私達と料理対決しませんこと?」

少年「はぁ…」

少年(対決ははしたなくないのか…)

勇者「頑張ってね少年君!」
110 :1 [saga]:2012/10/14(日) 20:13:01.85 ID:I1d0Y9XJ0
――1時間後。

撫子「できましたわ」バーン

【水龍のお造り】

少年「すご…」

生徒2「撫子様の包丁技術は学園一ですわ!」

撫子「言葉を慎みなさい。包丁技術は誰かを喜ばせるために身につけた技術。誰かと競うためではありませんわ」

勇者「美味しそう…」ジュルリ

生徒1「少年さんはどんな料理を?」

少年「えっと…」

【ラーメン】

一同「」

少年「一応倭国の料理らしいけど違った?」
111 :1 [saga]:2012/10/14(日) 20:18:45.18 ID:I1d0Y9XJ0
生徒2「どうなんでしょうか?」

生徒3「私には分かりかねます…」

撫子「………」

少年「撫子さん?」

勇者「少年君が変な料理作るから怒っちゃったんじゃない?」ボソボソ

撫子「こ、こんな所で、古代倭国料理を見られるなんて」ブワッ

少年「え、ええ?」

少年(白ひげの変なお爺さんがくれた料理だったけど…)

少年「とりあえず食べませんか?」ニコッ

一同「はーい♪」

少年(なんか華やかだ)

112 :1 [saga]:2012/10/14(日) 20:23:10.33 ID:I1d0Y9XJ0
勇者「うまうまー♪」ニパーッ

撫子「これが…ラーメン…」モグモグ

生徒「すごい美味しい…」

生徒2「ショウユの味を100%生かせてますわね!」

生徒3「少年さんにお嫁に来てほしいですわ!」

少年「倭国料理は基本薄味だからね。ラーメンの濃い味が珍しいだけだよ」

少年(それにしても、この芸術的な切り身の数々…。この人戦闘スキルも相当高いんじゃ…)

勇者「し・あ・わ・せー」ニコニコニコ♪

一同(( かわいい… ))///

113 :1 [saga]:2012/10/14(日) 20:31:22.38 ID:I1d0Y9XJ0
食後。

撫子「本当に入部していただけませんか?」

少年「ごめん、でもたまに来てもいいかな?」

生徒達「「もちろんですわっ!」」フンッ

撫子「いつでも歓迎いたします」ニコッ


廊下。


勇者「美味しかったー♪」ニコニコ

少年「だねー」

勇者「少年君のおかげー♪」ニパーッ

少年「いえいえ」

勇者「それじゃあついでに魔法部に入っちゃおう」

少年「おーっ、…って、え?」

勇者「手を貸してほしいのっ」ギュッ

少年「え、ええ?」

勇者「さっ、いこっ!」グイッ

少年(ご、強引だっ)
114 :1 [saga]:2012/10/14(日) 20:52:02.87 ID:I1d0Y9XJ0
学園外、勇者部部室。

少年「勇者部?」

勇者「あ、えっとね、良い名前がなかったから…」アハハ///

少年「そうなんだ」アハハ

勇者「こんにちわー」

部員「勇者、来た」ボソッ

勇者「部員ちゃんお待たせ♪」ギュッ

少年(薄紫のショートヘアー。無表情なところが逆に彼女らしさを引き出している…)

部長「あら? 遅かったじゃない。デート?」

勇者「そんなところですー」

少年「否定しないんだ」

勇者「え、否定するのっ!」ガーン

少年「しないよっ」アセアセ

あん「これで五人目。これで大会に参加できるねっ」

少年「え、ちょ、僕入部決定!? って、暗殺者ちゃん!?」

あん「お久しぶりですっ♪」ニコッ

勇者「お願い少年君! 力を貸して!!」ギュッ

少年「まぁ、別にいいけど…」

勇者「やった!」

三人((色仕掛けに弱い、と))メモメモ
115 :1 [saga]:2012/10/14(日) 21:02:42.95 ID:I1d0Y9XJ0
少年「で、どうするの?」

勇者「来月開かれる学園内の大会で上位を目指したいのっ!」

少年「魔法部のみの大会?」

部員「どの部でも参加自由。去年は400の部活動が参加した」

部長「やっぱり、上位に行くと戦闘系の部活ばっかりになるけどねー」

少年「ちなみに去年の成績は?」

勇者「………一回戦敗退」

少年「相手の部活動は?」

部長「………第一シードの正統魔法部」

少年「…ふーん」

あん「ちなみにこれが去年のトーナメント表」ハイ

少年「…………他のシードは全部戦闘系以外の部活動が相手…」

部長「気になることがあるの?」ズズイ

少年(お姉さんに負けず劣らずのナイスバディ…)ドキドキ

少年「い、いや、魔法部がいきなりシードと当たるなんておかしいなぁって」

部員「正論」ボソッ

勇者「………そうか、そういうことか」ビシッ

少年(どっかの名探偵のような決めポーズとってどうしたんだ…)

部長「何か分かったの?」

勇者「今年は第一シードと当たらないように祈ろう!」

一同「………」
116 :1 [saga]:2012/10/14(日) 21:07:33.57 ID:I1d0Y9XJ0
帰り道。

少年「そういえば、僕のランク999位だけど、あの家捨てるのはもったいないよね」

勇者「大丈夫だよ」ニコニコ

少年「どうして?」

勇者「お姉ちゃんの移動魔法に対応してるから」ニパーッ

少年「すげーな」

勇者「スマホウ開いて」キャッキャ

少年「えっと、引っ越しのアイコンを押して」スッ

勇者「うわー! 1000位以内ってこんな範囲あるんだぁ!」コウフンッ

少年「やっぱ学園に近い方がいいのかな?」

勇者「でも、自然豊かな方がいいなぁ」

少年「じゃあ、この辺?」

勇者「あ、ここがいいっ!」

少年「なんで?」

勇者「近くに賢者ちゃんがいるからっ!」

少年「賢者ちゃん?」

勇者「うんっ♪」
117 :1 [saga]:2012/10/14(日) 21:15:16.48 ID:I1d0Y9XJ0
賢者の家。

賢者「それで、ここに引っ越してきたと…」

勇者「そうだよ」ニコニコ

少年「はい…」

少年(うわ、紫のロングヘアーがサラサラして綺麗だ…。見た目も妖艶なお姉さまって感じだし…)

勇者「賢者ちゃんはまだ13歳なんだから僕が守ってあげないとね」

少年「ぶっ、じゅ、十三歳!?」

賢者「見えませんか?」

少年「ま、まぁ…」

勇者「少年君っめっ!」

賢者「ふ、ふぇええええん!」

少年「な、泣きだしたっ」ビクッ

勇者「賢者ちゃんは繊細なんだから気をつけてよねっ」

少年「ご、ごめんな」

賢者「………」ムスッ

少年「はい、飴ちゃんあげる」

賢者「………」スッ

少年(まだ怒ってるのかな…)

勇者「賢者ちゃん良かったね♪」

賢者「うんっ」ニパーッ

少年「………っ」ドキッ///

少年(見た目年上の人が子供っぽい笑顔見せたらギャップにやられちゃう)ドキドキ

勇者「ほんと少年君って可愛い子好きなんだから」

少年「………」
118 :1 [saga]:2012/10/14(日) 21:24:39.45 ID:I1d0Y9XJ0
勇者の家。

少年「お待ちどうさま」トン

勇者「わぁっ、シチューだぁ♪」

賢者「美味しそうですー」ニパーッ

少年「翼竜の肉が安く売ってたからね。野菜もたくさんあったし」

あん「いただきますぅ」

勇者「あんちゃんっ! いつからいたの!?」

あん「あんは何時でもあなたの背後を狙っています」キリッ

少年「勇者ちゃんが机でウトウトしてる間に来てたよ」

賢者「この白いつぶつぶは何ですか?」

少年「お米知らないの?」

勇者「賢者ちゃんはパン派だからねー」

あん「あんはどちらでもいけますー」

少年「はいはい、それじゃ手を合わせてー」



一同「「 いただきまーす 」」



119 :1 [saga]:2012/10/14(日) 21:29:35.96 ID:I1d0Y9XJ0

第一章 完



あー、一気にキャラ増やし過ぎた―。

でも勇者ちゃん一番きゃわいー。

メインヒロイン一覧。

・勇者ちゃん
・暗殺者ちゃん
・大和撫子
・聖騎士
・部長
・部員
・賢者ちゃん


いったんここまで!

もしかしたら夜中更新するかもしれませんが、しないかもしれません。


では!
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/14(日) 21:34:38.81 ID:SkE7Y6Rko
乙!
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/14(日) 21:35:43.93 ID:C9/1Bp/5o
>でも勇者ちゃん一番きゃわいー。
激しく同意

122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/14(日) 21:37:41.48 ID:12RANS+IO
おつ
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/14(日) 21:41:12.99 ID:lHCeRl2/0

校長あたってねーのかよ!そこはあたっとけよ!
賢者ちゃん新しいな
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/15(月) 02:35:08.64 ID:DX94h4rko
眼鏡ハリポタかよ
125 :1 [saga]:2012/10/15(月) 14:39:20.71 ID:A7bs19Eq0
おはようごじゃる。

今日はあまり更新できないと思われます。

ではすこしだけ続きー。
126 :1 [saga]:2012/10/15(月) 15:06:10.05 ID:A7bs19Eq0
水曜・一般教養


――東第一校舎 第三教室


講師「今週はまだ仮登録週間ということで、教科書は進めません。皆さんこの世界、文化、魔法などで質問はありますか?」

少年(入学して三日目。授業というのは案外面白く、僕は真面目に授業を聞いていた)

生徒「せんせー! この世界で一番強い人って誰ですかー?」

生徒2「えー? それ聞いちゃう?」

生徒3「そんなん校長先生に決まってんじゃん」アハハ

少年(校長…あの人はめちゃくちゃ強かった。一生戦わないリストに入れておこう)

講師「そうだなー、確かに校長先生は最強という部類に入るだろうね。だけど、この大陸だけで見ても武闘大会で校長先生を倒せる人は何人かいるだろうね」

生徒4「はいっ! 前勇者様のことですねっ!」

講師「ああ、前勇者もそうだね。今は北の未開の地へ行ってるらしいけど。あの人の女神から授かった魔法無効化スキルは、魔法使いの校長にとって致命的なスキルだからね」

少年(魔法無効化スキルってチートすぎだろ)

生徒5「私はマリアント王女だと思います!」

講師「あー、確かに、“単に”最強と言えば彼女かもしれないね」

少年(中央大陸を実効支配しているスメラギの第一王女マリアント。世界各地から集められた国宝級の魔武器は全て彼女に与えられてるって噂だしな…)

少年「せんせー、おね…聖騎士様はどのくらいの強さなんですかー?」

講師「お、良い質問だね。この学園25歳以下で最強の聖騎士様は大陸だとどれくらいの強さだろう…」ウーン

生徒1「あの人強いけど、それ以外何もできないからなー」アハハ

生徒2「何やってもからきしだから、空の騎士なんて呼ばれてるしね」

少年(こいつら……)ググッ

??「抑えて」スッ

少年「………?」

少年(なんだ…力が抜け…いや、穏やかに…)

??「いい子」ギュッ
127 :1 [saga]:2012/10/15(月) 15:15:07.49 ID:A7bs19Eq0
授業終了後。

少年「君は?」

聖女「私は聖女。いきなり手を握ってごめんなさい」ウフフ

少年「い、いや、君のおかげで助かったよ」

聖女「聖騎士様はとても素晴らしい人だわ。西の大陸の侵略から何度も守っていただいているし。そんな人の事を悪く言うなんて信じられません」

少年(銀髪が腰まで伸びててこの人自身が輝いているようだ…)ポーッ

少年「君はお姉さんと知り合いなの?」

聖女「いえ、私は今週入学させていただいたばかりで、まだ右も左も分からない状態ですわ」

少年「そっか、今度聖騎士のお姉さんと一緒にお昼でも食べよ」

聖女「まぁっ! よろしいの!?」ギュッ

少年「ああ、うん」カァ///

聖女「それでは約束ですわよ」ニコッ

少年「あ、ああ!」

聖女「そろそろ時間なので私は行きますわね」ペコッ

少年「う、うん。それじゃ!」


少年(聖女さんか…大人っぽくて綺麗な人だったな)

勇者「………」ジトーッ

少年「え、えーっと…」

勇者「少年君のエッチ」ジトーッ

少年「な、なんででしょう…」

勇者「あの子の事をそういう目で見てた」ジトーッ

少年「そんなことない」

勇者「やだやだやだーっ! 少年君がスケベなのやだーっ!」ジタバタ

少年「だからそんなことないって言ってるだろ!」

勇者「じゃあ誓って! 僕以外とお付き合いしないって誓って!!」

少年「分かった誓う、誓うよ! ……って、え?」

勇者「……あ、間違えた」ギギギ

少年「ちょっと待て」ガシッ

勇者「えへへ…散っ!」ボンッ

少年「うわっ!」モクモク

勇者「忍術でござるー!」

少年「お前勇者だろ……」

少年(勇者ちゃんも独占欲の強いお年頃なんだなぁ…)

128 :1 [saga]:2012/10/15(月) 15:22:05.17 ID:A7bs19Eq0
昼休み・西校舎大食堂。

少年「えっと、ドラゴン定食一つ」

おばはん「あいよっ!」

少年(広い…今まで見たどの部屋より広い…)

生徒達「「」」ザワザワ

少年「二万人がいっぺんに食事できちゃうのか?」

おばはん「おまたせっ!」ドンッ

少年「ありがとう」ニコッ

おばはん「やだねおばちゃんにそんなスマイル見せて!」ドンッ

子龍「あんぎゃー!」

おばはん「子龍つけとくからねっ!」

少年「ちょっ、俺オークじゃないから生きたままなんか食わないってのっ」

おばはん「次の子おいでー」

少年「聞いてねーし」

少年(まぁいいや。…あ、あそこ空いてる…)

少年「ごめんね、隣失礼しまーす」

あん「あ、少年君♪」

少年「あんちゃんっ、奇遇だね」

あん「そうだねー。今日は自炊じゃないんだ」

少年「ああ、毎回家庭科室使わせてもらうのも悪いからね」

あん「って…それ、子龍じゃん…」ポンッ

少年「そうだけど…って、あれ? あんちゃん角生えてるよ」

あん「あ、言ってなかったっけ? 私オークと人間のハーフだよ」ニコッ

少年(なんか幼児に角って可愛いな)ナデナデ

あん「あんっ、や、やめっ…」クネクネ

少年「え?」

あん「あんの角は敏感なんだからあんまり触らないで…」カァ///

少年「ご、ごめんっ」

あん「代わりにこの子はいただきまーす」パクッ

子龍「ぐげぇっ」グシャ

少年(正直グロいです)

あん「うんまー♪」
129 :1 [saga]:2012/10/15(月) 15:26:24.18 ID:A7bs19Eq0
中途半端ですが、今日はここまで!

いくつかのルートを考えているのですが、なかなか決まりません。

勇者ちゃんが可愛すぎるのですが、勇者ルートは後にとっておきたい気も…。

もしよかったら皆の活躍してほしいキャラを教えてください。

メインヒロイン一覧。
・勇者ちゃん
・暗殺者ちゃん
・大和撫子
・聖騎士
・部長
・部員
・賢者ちゃん
・聖女ちゃん


では!!
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/15(月) 18:09:06.11 ID:1t6GTJ1d0

あんちゃんェ…だがあんちゃんを推す
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/15(月) 19:28:40.70 ID:BFldDlVEo
じゃあ勇者で
132 : [saga]:2012/10/15(月) 20:28:00.96 ID:cxdz8F4X0
>>130>>131あざざす。
それではあんちゃんと勇者を中心に前ならえで行きます。

少し続きー。
133 : [saga]:2012/10/15(月) 20:34:48.11 ID:cxdz8F4X0
中庭。

少年(一年中咲き誇る世界中の花々で造られた庭園か。天国みたいだ…)

あん「美味しかったぁ〜♪」ポンポン

少年(赤い髪が綺麗な頭の耳後ろに生えた小さな角…)ソーッ

あん「あっ、ダメダメっ。まだお昼なんだからねっ」プンプン

少年「夜だったらいいの?」

あん「夜だったらいいよ」

少年「なんで?」

あん「せ○くすできるから」

少年「おい…やめてくれ…幼女から聞きたくない…」

あん「あんは大人だぁ!」プリプリ

少年「えっ? そうなの?」

あん「これでも人間年齢30歳くらいだよ」

少年「マジか。生々しいな」

あん「オークは戦闘民族だから大人になるまでが長いんだよ」

少年「でもバカじゃん」

あん「知能の育ちも遅いから」

少年「ごめん」

あん「でもせ○くすはできるよ」

少年「そこだけ大人にならないでくれ夢が壊れる」

134 : [saga]:2012/10/15(月) 20:40:07.40 ID:cxdz8F4X0
少年「でも、オークって戦闘民族だろ?」

あん「うん、相手が巨竜でも一人で殺しに行くくらいには」

少年「じゃあなんで暗殺者なんてやってるんだ? オークの生き様とは程遠いじゃん」

あん「あんは弱いから…」

少年「それは知ってるけど」

あん「違うの。他のオークはもう自分くらいの岩は素手で粉々にできるの」

少年「それは強すぎだろ…」

あん「でもあんは手で持てるくらいの大きさしか壊せない…」

少年「それで暗殺者に?」

あん「うん…後暗闇にマスク着けて音も立てず走り回る姿に憧れて…」

少年「それ忍者じゃね?」

あん「に…んじゃ?」

少年(ん? 忍者も暗殺者みたいなもんか? 暗殺学科で教わるのか?)

少年「いや、忘れてくれ。それより射撃部なのに勇者部に入ってなかったか?」

あん「掛け持ちだよ。あ、少年君も今から一緒に射撃部行こう!」

少年「あ、でも、授業が…」

あん「来てくれたら…い・い・こ・としてあげる」ボソッ

少年「行きます」

あん「うんっ!」
135 : [saga]:2012/10/15(月) 20:44:31.99 ID:cxdz8F4X0
東運動場横・射撃場。

少年「うわー広いなぁ」

あん「あっちは運動場でそっちは模擬戦争するところで、こっちが射撃場だよ!」

オタク「おや、あん殿、今日は遅かったでござるなwwww」

少年(なんだこの迷彩服デブは…)

あん「あ、お兄ちゃん! おはよう」

オタク「でゅふふwww知らない人の前でお兄ちゃんなんて言われたら恥ずかしいでござるww」

少年「あの、あなたは…」

オタク「拙者はオタクwwただのしがない射撃部部長でござるwww以後お見知りおきをwww」

少年(なんかうざい…)

あん「少年君、いきなりだけど部長さんに腕前披露したげて!」

少年「え、やっていいの?」

オタク「良いでござるよww拙者の記録を越せるかなwwwでゅふふwww」

少年(がんばろう…)
136 : [saga]:2012/10/15(月) 20:48:28.82 ID:cxdz8F4X0
あん「まずは定位置から前方の的を撃ち落とすだけのゲームからね」

少年「ああ、分かった」チャキ

オタク「二・丁・拳・銃wwwどっちつかずの挫折パターン確定www」

少年「〜〜〜♪」

少年(久々に本気で撃てる〜♪)

あん「的は全部で100枚だから頑張ってね! ヨーイはじめっ!!」バッ

的「アテテミロ」バババッ

少年「おーっ、すごいすごい」パパパパパッ

少年(当てるだけで良い的なんて、連射重視にすれば一分で1000発は撃てるな)

オタク「………」アングリ

あん「………♪」フフンッ

137 : [saga]:2012/10/15(月) 20:48:54.31 ID:cxdz8F4X0
中途半端ですがいったんここまで!

では!
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/15(月) 20:51:58.82 ID:k1Mcpehfo
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/10/15(月) 20:59:05.35 ID:nuN2asHWo


次も期待してる
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/16(火) 01:58:03.60 ID:F1ulEtwIO
おむ
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/16(火) 02:26:25.75 ID:EOzIo1Pco
良い意味で厨二病やな。良い意味で
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/16(火) 04:03:02.76 ID:RQUfC1dvo
おい
ピザオタ馬鹿にすんな
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/16(火) 10:57:39.33 ID:W6hz5broP
聖騎士の乳がデカかったりペタンだったり?
144 :1 [saga]:2012/10/17(水) 01:29:22.05 ID:fu2Qyrnk0
ただいまー。
昼間更新しようとしたら入れなかった。

>>143
聖騎士のお姉さんはボインバインです。もし違った表現があったらそれは>>1のせいです。

では続き―。
145 :1 [saga]:2012/10/17(水) 01:37:59.92 ID:fu2Qyrnk0
定位置射撃――終了。

少年「得点は!?」ワクワク



魔法掲示板

【0点です】


少年「はい?」

オタク「???」

あん「少年君ダメダメ―」アハハー

オタク「…あ、まさか?」

オタク(拙者が見ている限り、的には“全て”当たっていた)

少年「僕は駄目駄目だったのか…」ハァ…

オタク「しょ、少年殿! 今さっきの威力の弾を拙者に撃ってくれないか!?」

あん「部長キャラ変わってるー」

オタク「いや、あれは異界の勇者が使う言葉づかいを真似しているだけで、本当はこんな感じなんだ」

少年「じゃあ、本当に撃つよ?」ジャキッ

オタク「あ、ああ」ゴクリ



―――パンッ!!




あん「ぶちょぉおおおおおおおお!!!!」ガクッ
146 :1 [saga]:2012/10/17(水) 01:53:54.72 ID:fu2Qyrnk0
オタク「いや、死んでないからwww」

あん「てへ、つい♪」

少年「僕の魔法弾は連射性能と命中率を上げたら極端に威力が落ちちゃうんだ」

オタク「あれは氷のように割れやすい的だから、“赤子を触るような威力”じゃないとそんな芸当はできないよ」

オタク(質量を持たない魔法なんてこの世に存在するのか!?)

あん「それじゃあ敵を殺したいときはどうするの?」

少年「連射性能を落とすか、命中率は経験でカバーするとかかな」

オタク「そ、それじゃ、次は実戦射撃をしてみてもらってもいいかい!?」

オタク(その“性能を落とした射撃”をぜひ見てみたい!!)

少年「うんっ! 僕もしてみたいです!」

あん「男の子だなー」
147 :1 [saga]:2012/10/17(水) 02:33:50.34 ID:fu2Qyrnk0
実戦射撃場。

オタク「的は仮想魔族でござるww前後上下左右、さらには動き回るだけでなく攻撃もしてくるでござるよwww」

少年「あー、つまり実戦ね」

あん「あんはつい噛みついちゃうのですー」

少年(本当にこいつ暗殺者になる気あるのか?)

オタク「それじゃ、準備ができたら、あそこの円の中に入るでござるww」

少年「ちなみに部長さんの得点は?」

オタク「………23点でござる」ボソッ

あん「部長は動き回るの苦手だもんねー」

オタク「でゅふふww痛いところ突かれたでござるwww」

少年「とりあえず準備はオッケーだよ」ニコッ

オタク「それじゃあ始めるでござるwwよーいどんっ!」

仮魔「きしゃぁああ!」バッ

少年「こわっ」パンッ

仮魔「げぇっ」ドサッ

少年(今のはたまたま当たっただけだ。次――)チャキッ

仮魔「ぎゅっ!」ブンッ

少年「次っ!」パンッ

仮魔「ぐえぇ」ドサッ

オタク(射撃の瞬間、相手を見ていない…外すことは考えていないのか?)

少年「次っ! 次っ!!」パンパンッ

少年(やばっ、めっちゃ楽しい!!)ルンルン

あん「………」ドキドキ


148 :1 [saga]:2012/10/17(水) 02:49:17.88 ID:fu2Qyrnk0
仮魔三匹「「きしゃぁああ!」」

少年(なんでだろう…。今まで一対一しかやったことないのに…………見える!)パパパッ

仮魔二匹「「ぐぇっ」」ドサドサッ

オタク「一匹残った!?」

仮魔「きしゃぁ!!」ブンッ

少年「………」チャキッ

オタク(仮魔の攻撃の方が速い―――)


―――ガキィィンッ!!


少年「次っ!!」パシュンッ

オタク「なぜ!?」

あん「………どきどきするぅ!!」バッ

少年「なっ!?」

オタク「あん殿!?」



あん「私もまーぜーろー!!」ガバァ

少年「くっ」パシッ

あん「きゃんっ!」

オタク(あん殿に視線を向けず、勘だけで足払いしながらも次の行動に移す…何者だよこの少年は…)

少年(何か……楽しい)バッ

あん「少年君…なにそれ?」

オタク(右腕に…光る痣?)
149 :1 [saga]:2012/10/17(水) 02:54:06.92 ID:fu2Qyrnk0
北校舎・プール。

勇者「あはははー♪ プール楽しい♪」ジャバババッ

子供「せんせー、あのお姉ちゃんうるさいですー」

先生「……あの子の事は放っておきなさい」

先生(何の手違いで子供用体育に勇者である勇者さんが混じってるのよ)ハァ

勇者「あはははは―――」


―――キィィィィンッ!!


勇者「……何、これ?」フラッ

先生「ゆ、勇者さん?」

勇者「少年君が…泣いてる?」ダッ

先生「ちょっと勇者さんっ! 水着のままよあなたっ!」

子供「やれやれお姉ちゃんはバカなんだから」ハァ…



勇者「急がないとっ!!」ポヨンポヨン
150 :1 [saga]:2012/10/17(水) 03:03:14.45 ID:fu2Qyrnk0
少年「次! 次! 次!!」

あん「だ、駄目だよぅ。少年君、それ以上は…あんっ、だ、だめぇ…」ビクッ

オタク「な、何が怒って…」

少年「あーもう! 銃なんてめんどくさい!」バッ

オタク「なっ!?」

仮魔「きしゃ!」ブンッ

少年「いいね、それ」ガシッ

少年『弾けろ』

仮魔「ぐs――」ボンッ

あん「も、もうだめだよぅ!」バッ

オタク(あん殿の姿がみるみる大きく……)

あん(大人VER)「………殺す」ゴスッ

少年「………」ジーッ

少年(誰だこいつ?)

あん「強い奴、好き。だから殺す」バッ

少年「うるさいっ」ガシッ

あん「は、なせ……」ジタバタッ

少年『この世の絶望をみs「だめぇえええええ!!」ガシッ

オタク「なっ、水着の美少女!?」

勇者『解呪の魔法!』ゴォォッ

少年「………あ、れ? ゆうしゃ…ちゃん?」ドサッ

勇者(お姉ちゃんごめん…)

勇者『解呪の波動!』

少年「がっ!! ぐっ、ぐぁっ!」

オタク(少年の腕が青白く光ってる!!?)

勇者(解呪は使いすぎると使用者に反動がくる)クッ…

少年「………」ガクッ

勇者「………はぁはぁ…、少年君」ギュッ

あん「………ちっ、面白くない」シュゥゥンッ

オタク「あん殿! 大丈夫でござるかっ!?」

あん「え? 何のこと?」キョトン

オタク(覚えていない…?)
151 :1 [saga]:2012/10/17(水) 03:09:23.69 ID:fu2Qyrnk0
中央校舎、中庭。

少年「……こ、こは?」ウーンッ

勇者「だめっ、大人しくしておくことっ!」グイッ

少年「おわっ」フニッ

少年(思わず手をのばしちゃったけど…この感触は)モミモミ

勇者「だ、だめだよぉ/// 皆見てるよぅ///」アンッ

少年「だぁっ!? ご、ごめんっ!」バッ

勇者「もう……僕だって恥ずかしいんだよ?」モジモジ///


聖騎士「水着の痴女が何を言うか」


勇者「お、おお、お姉ちゃん!」

聖騎士「あんた解呪についてあれだけ言ったのに…」ヤレヤレ

勇者「し、仕方なかったのよ!」

少年「勇者ちゃん! 何かあった…の?」

勇者「だめっ! こっち見ないで!」

少年(顔の右側に赤黒い痣…?)

勇者「ばれちゃったかぁ…」

聖騎士「解呪は自己を犠牲にして他人を助ける勇者という存在そのもののような魔法。乱用すればその反動がでかいことは自分でも分かっていたはずだ」

勇者「だって…」グスン

少年「僕の……せい?」
152 :1 [saga]:2012/10/17(水) 03:12:55.39 ID:fu2Qyrnk0
勇者「そ、そそ、そんなことないよっ!」ブンブンブンッ

聖騎士「そうだ。これはこいつの問題だ。いくら少年が暴走しようとも、適度に解呪すればこんなことにはならなかった」

少年「………それでも…ごめん」スッ

勇者「触っちゃ駄目だよ…汚いよ」ウルッ

少年「……そんなことないよ…」ニコッ

聖騎士(もうダメだ…認めざるを得ない…)

勇者(私…絶対、うん、絶対そうだ…)



聖騎士・勇者

((少年君のことが好きだ…!))


少年(なんとか痣を消す方法を考えないと…)
153 :1 [saga]:2012/10/17(水) 03:14:19.25 ID:fu2Qyrnk0
今日はここまで!

勇者ちゃんの痣はもののけ姫のアシタカの腕みたいなイメージでお願いします。

あんについての話はこの先必ず。

眠すぎて行ってはいけない方向に行きそうなので寝ます。

では!!
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/17(水) 04:07:58.62 ID:HyfS/MyYo
乙!
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/17(水) 04:34:28.73 ID:s8VxKEiIO
おつ
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/17(水) 07:48:16.15 ID:Qb0Ls6rgo
乙ー
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/17(水) 08:19:08.73 ID:f45u82cIO
設定は好きなんだが、ハーレムがあんまり好きじゃない俺にはちときついな
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/17(水) 19:39:47.65 ID:6oV/wWkqo
男成分もほしいよな
159 :1 [saga]:2012/10/17(水) 21:25:49.33 ID:fu2Qyrnk0
お疲れ様です。

>>158
僕としても欲しいですね。
考えてはいるのですが…

とりあえず続きー
160 :1 [saga]:2012/10/17(水) 21:32:31.17 ID:fu2Qyrnk0
夜――風呂。

少年「……綺麗に消えたな」チャプ

少年(痛みも全くなくなったし、魔力を吸われていないせいか身体に溜まっている…)

少年「銃も作り直さなきゃな…」

勇者「おじゃましまーす」ガラガラ

少年「ちょっ!?」ビクッ

少年(やばいっ! 契約魔法で殺される!!)

勇者「ちょ、ちょっと待って!」

少年「……あれ? 何も起きない…」

聖騎士「説明しよう」ガララッ

少年「はぁ!? ………はぁあああん!?」

少年(な、ななっ、お、おっぱいが四つ!!!???)ガクガク

聖騎士「少年よ。私達はお前を認めたのだ」

少年「み、認めたぁ!?」
161 :1 [saga]:2012/10/17(水) 21:50:26.07 ID:fu2Qyrnk0
聖騎士「そうだ。少年の優しさ、器用さ、そして何より強さに惹かれた。つまり…」

勇者「好きになったの」

少年「そ、そうなのですか」

聖騎士(しまった! 先を越された!!)

勇者「だから賢者ちゃんに相談したら、異界の文化に“混浴”というものがあるって…」

少年「混浴?」

聖騎士「異界の影響か分からんが、倭国にもある。異性が一緒に風呂へ入り交友を深めるのだ」

少年(深めるのだと言われても…)

勇者「まぁ、一応タオル巻いてるし、家族みたいなものだし気にしない気にしない」アハハ

少年「いや、二人が良いんなら僕はかまわないけど」

二人「じゃ、決定で」ジャバッ

少年(身体を先に洗えっ! だけどなんにせよ……)

三人「「いい湯だなぁ…」」フゥ…

162 :1 [saga]:2012/10/17(水) 21:54:14.35 ID:fu2Qyrnk0
リビング。

少年(し、刺激が強すぎた…)フラフラ

勇者「ふぅ、気持ち良かったぁ」ポカポカ

聖騎士「ああ、これから毎日入ろう」フゥ…

少年「え?」

聖騎士「……? ああ、少年には言ってなかったな」

勇者「今日からお姉ちゃんもここに住むんだよ」ニコニコ

少年「そ、そうなんだ…」

聖騎士「嫌か…?」

少年「めちゃくちゃ嬉しいよ」ニコッ

聖騎士「………っ」ボンッ///

勇者「あー、いいなぁ」

少年「と、とりあえず風呂上りにアイスでもいかがですか?」

二人「「いただきまーす」」ニパーッ
163 :1 [saga]:2012/10/17(水) 22:12:55.84 ID:fu2Qyrnk0
少年「勇者ちゃん痛いとかない?」

勇者「この痣? うん、大丈夫だよ」ニコッ

聖騎士「だが、女は顔が命だからな。なんとかせねば…」

少年「校長先生なら何とかできるんじゃない?」

聖騎士「そうだな。明日相談してみよう」

勇者「うんっ」

少年「僕も今までは治療しながらも死瘴石の“副作用的な恩恵”に頼っていたから、これからは意識を変えないと…」

聖騎士「あの時、死瘴石について領主に聞いた話では“知”の死瘴石だったらしいな」

少年「うん、だから僕に降りかかる副作用は“理解力”と“応用力”だったよ」

聖騎士「一度“視たり聴いたり受けたり”したら理解し、自分のものとして応用する。…便利な力だな」

少年「特に料理の分野ではお世話になったなぁ」シミジミ

勇者「惜しくないの?」

少年「いや、そりゃあれば良いと思うし、今まで散々利用してきたけど…、今日みたいな暴走は二度と起きてほしくないから」

少年(あのまま暴走してればあんちゃんを傷付けてたかもしれないし…)

聖騎士「そうだな。死瘴石に呪われた者による犯罪は日々増えてきている。……それだけ大地が呪われているということだ」

少年「大地が?」
164 :1 [saga]:2012/10/17(水) 22:29:19.32 ID:fu2Qyrnk0
聖騎士「ああ、死瘴石が歴代の討伐された魔王の欠片であることは知っているか?」

少年「うん、死瘴石を触った時に石が教えてくれたよ。あの人は三代前の魔王“ベルフェゴー”だった」

勇者「ベルフェゴーって唯一西大陸を使って“人間も対象にした政治”を行った魔王だよね」

聖騎士「よく覚えてるな」

勇者「えへへ、昨日習ったんだ」

聖騎士「そうか、今年も勇者学を…」

勇者「うん。三回も落ちちゃったからね。今年こそは…」

少年「勇者学って僕も受けられるの?」

聖騎士「ああ、二年目からな。今選べる授業はいくつある?」

少年「えっと…15かな?」スッ

聖騎士「来年は30、再来年は100以上に増える。その中には勇者だけでなく賢者や果ては“魔王になるための学問”などもある」

少年「え、なんでそんなことが!?」

聖騎士「校長に聞いてくれ。まぁ、魔王だからと言って、自治区内で平和に死んでいった奴もいるしな」

勇者「ファルオールだね」

聖騎士「ああ、…そこで話は戻るが、魔王というのは血筋でなく“魔力の受け継ぎ”制なのだが、その魔力というのが


そこにあるだけで大地を汚してしまうんだ」


少年「大地を…」
165 :1 [saga]:2012/10/17(水) 22:42:45.86 ID:fu2Qyrnk0
聖騎士「死瘴石の呪いを受けた者は“この世界そのもののエネルギー”の影響を強く受ける。特に魔王の力と相性の良い“闇”の影響を」

少年「闇は人間にとっての毒…」

勇者「闇堕ちした勇者が出ると五大大陸全ての戦力を持って制圧する…」

聖騎士「闇そのものが悪いとは言わん。闇がなければ人間は光の魔力を扱えなかったからな。……だが、扱いきれていないのも事実」

少年「でも、汚れた大地を戻すにはどうすればいいのかな」

聖騎士「方法は二つ。だが、それは今少年に必要な話じゃない」

少年「たしかに」

勇者「あ、でも、少年君もまだ完治とは言えないから気をつけてね」

少年「そうなの?」

勇者「ほんの少しだけだけどね。副作用も痛みもないと思うけど…」

聖騎士「女の子を不埒な視線で見て闇に落ちないようにな」

少年「その心配は常にしておかないと…」

勇者「あはは」

少年「そうだお姉さん、後で相談したいことがあるんだけど」

聖騎士「なんだ?」

少年「後でまた計測して欲しいんだ魔力」ニコッ

166 :1 [saga]:2012/10/17(水) 22:48:19.40 ID:fu2Qyrnk0
外。

少年「ここ数年、夜でも暖かいね」

聖騎士「それも大地の汚れが影響している。大地が汚れればそれを浄化しようと大地が活動を強める」

少年「そっか…」

聖騎士「それで、自分ではどれくらい増えてると思うんだ?」

少年「そうだね…体内の魔力はかなーり強まってると思うんだけどな」

勇者「少年君がんばれー」ドンドンパフパフ

聖騎士「そうだな。平均値越えたらキスしてやるよ」ポン

勇者(自分がしたいくせに…)ボソッ

聖騎士「………っ」

少年「よし…、いくぜっ」

魔法玉「コイヨ」



少年「うぉおおおおおおおおお!!!!」ガァッ!!



勇者「おおおっ!」

聖騎士「これは…」
167 :1 [saga]:2012/10/17(水) 23:01:11.84 ID:fu2Qyrnk0




魔力玉「ちょっと膨れたぜ」プクッ




少年「」

聖騎士「よ、四十…」

勇者「少年君がんばった!!」パチパチパチ

少年(な、なんでっ!?)

聖騎士「……少年、確かに身体の中の魔力は増えてるのだな?」

少年「うん」

聖騎士「もしかしたら魔力を放射する穴が縮んでるのかもな」

少年「えっ…?」

聖騎士「穴というのは言葉そのものの意味でなく、人間の体のどこかにあるものではない」

勇者「じゃあどこにあるの?」ジロジロ

聖騎士「お、お尻にはないっ!」カァ///

少年(お姉さんがお尻って言った…可愛い)///

聖騎士「まぁ、魔法を使っている内に穴は開いていくさ」

少年「そっか。じゃあ構成はどうしよう…」

聖騎士「構成?」

少年「うん、蒼と紅の構成」チャキッ

聖騎士「気にすることはあるまい。威力は大きいに越したことはないし、一定量を越した威力は学園内では相殺される」

少年「まぁ、そうだね」
168 :1 [saga]:2012/10/17(水) 23:05:55.66 ID:fu2Qyrnk0
勇者「それじゃ、もう夜も遅いし、寝ようか!」ムンッ

聖騎士「なんでそんな威張ってるんだ?」

少年「確かに眠い…」スタスタ

勇者「私ももう限界…」ウトウト

聖騎士「私も明日は朝早いからな」スタスタ



少年の部屋。



少年「……で、なんで…」

勇者「………くぅ」zzz

聖騎士「………久しぶりだな。同じ部屋で寝るの」

少年「なんで僕のベッドの上にいるんだよぉおお!!!」

勇者「………少年くぅん♪」zzz

聖騎士「早く寝るぞ」

少年「……分かったよ」ハァ


―――翌日、ベッドから蹴落とされた少年は硬い床の上で目を覚ました。


第一章 完
169 :1 [saga]:2012/10/17(水) 23:13:28.27 ID:fu2Qyrnk0
ちょっといったんここまで。

序章の次に第一章を終わらせてしまった…

気にしない気にしない。


第二章は魔物狩りを中心に展開していきます。


魔物狩りは三人一組で行います。

ここで新キャラ(男)を登場させようと思っています。

名前何にしよう…

もしかしたらすぐ戻ってくるかもー。

では!
170 :1 [saga]:2012/10/17(水) 23:21:11.81 ID:fu2Qyrnk0
と思ったらまだ時間があったので続き!!
171 :1 [saga]:2012/10/17(水) 23:28:56.83 ID:fu2Qyrnk0
週末――中央校舎玄関。

少年「うわー、人がいっぱいいるなぁ」

部員「少年」ボソッ

少年「おわっ、部員さんっ」ビクッ

部員「私16歳。少年は?」

少年「僕も16歳だけど…?」

部員「なら呼び捨てでいい」

少年「あ、うん。わかったよ部員」ニコッ

部員「……私を簡単に落とせると思わないでよね」ボソッ

少年「えっ、え?」

部員「ノリが悪いぞ」

少年(部員は全部無表情だからノリが分からないよ…)

受付生徒「それでは受付を開始しますので、スマホウを開いてください!!」

生徒達「「はーい!!」」スッ

少年「あ、僕も…」スッ

部員「………出でよ、我がしもべ」スッ

少年(部員のスマホウ…なんか可愛い絵がいっぱい張ってある…)

部員「…これ、異界の文化“ニジゲン”」

少年「そうなんだ…」

部員「うん」
172 :1 [saga]:2012/10/17(水) 23:36:05.07 ID:fu2Qyrnk0
少年「部員ってランク何位なの?」スッスッ

部員「戦闘系は6000位くらい」

少年(ランク1000であれだったけど…魔物狩りに参加して大丈夫なのかな?)

部員「私は補助魔法専門だから、一対一で決める戦闘ランキングでは私の価値は測れない」

少年「そうなんだ。じゃあ、僕と一緒に行こうよ」

部員「いいだろう。同じ星に生まれし運命を共に歩もう」ニヘラ

少年(部員はちょっと不思議系だな…)

受付「ランクに合わせて倒せる魔物が違いますのでご注意ください! なお最低ランクで魔物狩りに失敗すると参加権はく奪となりますのでそちらもご注意ください!」

少年「僕は初めてだから最低ランクなんだろうなぁ…」


少年:ランクC(標準ランク)


少年「あ、下がっていくシステムなのか…」

部員「なん、だと?」ワナワナ

少年「どうしたの部員―――」


部員:ランクE(最低ランク)


少年「…参加し始めてからの戦績は?」

部員「………0勝99敗」

少年「……がんばろう」

部員「うん…」
173 :1 [saga]:2012/10/17(水) 23:44:43.44 ID:fu2Qyrnk0
勇者「あ、少年君いたー」ニパーッ

少年「勇者ちゃん……と、君は?」

騎士「初めまして、俺の名前は騎士。白騎士さ」ニコッ

少年「白騎士?」キョトン

騎士「し、白騎士を知らないのかい?」

勇者「白騎士っていうのはねー。18歳以下の学園大会で優勝した者の称号だよ」

少年「ああ、聖騎士の年齢低い版だね」ニコッ

騎士「そうだ。ちなみに俺のランキングは総合150位、戦闘ランクは12位だ」

部員「円卓の騎士」

少年「円卓?」

勇者「同じ大会で準優勝とかで称号を持たないランク上位の人たちも含めて、ランク12位以上は“円卓の騎士”って呼ばれるんだよ」

少年「へぇ、そうなんだ」

騎士「俺は今年で19歳。技術的にも精神的にも、聖騎士の称号を狙っている」

少年「じゃあ、白騎士が空いちゃうね」

部員「少年チャンス」ニヘラ

騎士「へぇ、君も強いのか。ランクはいくらだい?」

少年「ランク999位」

騎士「…まぁ、誰にでもチャンスは平等だからね」

少年「なんかむかつくな」

勇者「少年君も部員ちゃんも一緒に行こう!」

少年「いいけど、今日は負けられないからあまり強いのいかないよ?」

騎士「なぜだい?」
174 :1 [saga]:2012/10/17(水) 23:56:36.00 ID:fu2Qyrnk0
勇者「そっか、それじゃ負けられないね」

部員「うん。お金も必要だし」

騎士「………」

少年「どうしたの?」


騎士「……いや、ここはランクBを狙おう」


三人「「えっ、なんで!?」」

騎士「いいかい。君達レベルでは今後も負けることがあるだろう。俺がいつ参加できるか分からないからね」

少年「………」ムッ

騎士「だから今日一回で一気にランクをCまで戻すんだ。ランクEがランクBの魔物にとどめを刺せばいけるはずだ」

部員「で、でも…」オロオロ

少年「ランクが下位でも参加できるの?」

騎士「パーティに一人でも対象ランク者がいればね。ラッキーなことに先週僕はランクBに昇格した」

少年(初めてBに挑戦するのかよ)

部員「………」

騎士「それに、少年がいずれ俺の地位を狙ってるなら、こんなことで躊躇してはいけないよ」ニヤッ

少年(部員のことは無視かよ…)ググッ

部員「少年…大丈夫だから」

少年「部員……」

騎士「決まりだね。まぁランクBでも一番弱そうなこいつにしておこう」ピッ


【メールが届きました】


少年「魔獣“レインボウ”?」

騎士「力、技、スピード、どれも強力だけど、思考が単純で動きを読みやすい。ソロプレイヤーでも倒しているランクBの雑魚キャラさ」

勇者「私は少年君に従うよー」ニコニコ

少年「………」チラッ

部員「………」コクン

少年「………よし、それにしよう」

騎士「それじゃ、さっそく申請しよう」スッ


【騎士の申請が受理されました。成功報酬は50万円です】


少年「すげ…」

少年(それだけ危ないってことか…)

騎士「それじゃ、出発!!」シュンッ


??「………」チャリッ

【暗殺部:死神】

175 :1 [saga]:2012/10/17(水) 23:57:44.01 ID:fu2Qyrnk0







第二章【魔獣狩りと死神の罠】


メイン出演者
・少年
・部員
・勇者
・騎士
・死神



176 :1 [saga]:2012/10/18(木) 00:03:57.76 ID:Jkmh1hFG0
少年「……ここは」キョロキョロ

騎士「この植物、暖かい気候…おそらく南大陸だね。魔獣は各大陸に何匹もいる場合があるから、どこに飛ばされるか分からないんだ」

部員「暑い……」

勇者「そうだねー。部員ちゃんいつも青のローブ着てるもんね」

部員「これは異界の魔術師スタイル」ビシッ

少年「相当異界が好きなんだね」

部員「うん、いつか向こうに行くの」

少年「行けると良いね」

部員「うん」

騎士「その時はぜひ、異界の武器を持って帰ってほしいものだね」

勇者「異界の武器に興味あるの?」

騎士「ああ。異界の人間はいつだって、人間同士で争ってきた。だから武器自体もそれなりに違う進化を遂げているはずだ」

少年「でも、それじゃ対人間用になってるんじゃ?」

騎士「だからそれを研究すれば大会に勝ちやすくなるじゃないか」

少年「………」

少年(この人の発言は悪意を感じないけど、重みがない…本当に大丈夫か?)
177 :1 [saga]:2012/10/18(木) 00:13:11.34 ID:Jkmh1hFG0
少年「そういえば、タイムアップってあるの?」

勇者「あるよ。大体一カ月くらいかな」

少年「一か月!?」

騎士「心配するな。学園に戻った瞬間“時の魔法”で週末に戻る」

少年「身体も?」

部員「それはない。経験までなくなっちゃう」

少年「そっか」

勇者「でも、一週間くらいで成果が見られなかったら強制送還されちゃうけどね」

少年「改めて学園のすごさを実感したよ」

騎士「はははっ、そうだろう」

少年(なんで自慢げなんだよ…)

勇者「騎士君は近先生の子供だから学園を褒められるの好きなんだよね」

騎士「ああ! 父上は生徒のため学園のために保守派と戦い続けている俺にとっての英雄だ!」

少年「戦い続けてる?」

部員「保守派はランクの低い生徒を切り捨てようとしてる…」

騎士「嘆かわしいことだ。弱いからと言って強くなるチャンスを与えないなんて」

少年(基本的には良い奴なのか…よくわからないな)

178 :1 [saga]:2012/10/18(木) 00:23:17.08 ID:Jkmh1hFG0
少年「で、まずはどうすればいいの?」

勇者「まずはタレこみだねっ!」

騎士「逆だろ! 聞き込みだよ! 聞き込み!」

部員「飛ばされる近くには必ず人のいる街や施設がある」

騎士「そこで聞き込みをするんだ。魔獣についての」

少年「へぇ、それなら魔獣の近くに飛ばしてくれればいいのに」

騎士「昔にその方法で目の前に飛ばして何人か死んだらしいんだ」

勇者「実際に離れた所から見てみないと勝てるかどうかも分からないしね」

少年「そっか…」

騎士「向こうに気付かれずに帰還した場合はランクに影響はない。まぁ俺達は倒すんだけどな」

部員「見えた。街」

騎士「ラッキーだね。南大陸でも有数の鍛冶ギルドのある街“イリヤ”だ」

少年「へぇ…」
179 :1 [saga]:2012/10/18(木) 00:27:52.25 ID:Jkmh1hFG0
中途半端ですが今日はここまでにします!

騎士は金髪で気の強い、騎士の青年をイメージしてください。

部員ちゃんは長門をイメージしてください。

勇者ちゃんはもうきゃわいいと思うだけで良いです。皆気を使って触れないだけでまだ顔には痣があります。


では!!
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/18(木) 00:31:26.73 ID:41OLJE1IO
おつ
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/18(木) 00:54:53.45 ID:s/HCSJvao
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/10/18(木) 01:57:53.22 ID:K22S+iP4o
>>179
顔に痣があろうが、勇者ちゃんの可愛さに何も変わりがないと思うの。
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/10/18(木) 01:58:45.09 ID:K22S+iP4o
「乙」抜けてましたごめんなさい
184 :1 [saga]:2012/10/18(木) 14:38:44.93 ID:Jkmh1hFG0
おはよーぼざいます。

>>182
可愛さは不変だけど、他の題材で似てるのを言えなかったので。

では続きー
185 :1 [saga]:2012/10/18(木) 14:53:17.02 ID:Jkmh1hFG0
イリヤ

少年(鉄と火と灰の臭い…。正直嫌いじゃない…)

勇者「くちゃい……」ズーン…

少年「勇者ちゃんはこの臭い駄目?」

勇者「ちょっと苦手かも…」

部員「私は平気。少年は?」

少年「……僕はむしろ好きかも」

勇者「よっしゃー深呼吸〜♪」スーハースーハー

少年「いや、別に吸うのが好きなんじゃなくて、この雰囲気や空気に包まれてるのが好きっていうか…」

勇者「ざぎに言ってよぉ…」ズーン…

騎士「俺は嫌いだ。だが、ここがなければ人類の武器発展はなかった。だから認める!!」ムンッ

少年(別に君に認められなくても…)

町人「あれ、あなた達は魔法学園の生徒さん?」

四人「??」

町人「もしかして、魔獣討伐の依頼を受けたんじゃ?」

少年「はい、あなたが依頼を?」

町人「まぁ、私というか私達というか…」

勇者「元気がないね? どうしたの?」

少年(この気さくさが勇者の良いところだな)
186 :1 [saga]:2012/10/18(木) 14:59:48.67 ID:Jkmh1hFG0
町人「レインボウは見た目は黒い獅子なのだけど、その大きさと圧倒的な身体能力、そして時折発動する魔法で私達の採掘場を荒らすのです…」シュン

騎士「そうですか…」

勇者「騎士君どうしたの?」

騎士「あ、い、いや、採掘場に出没するという情報が分かって良かったなと思って」アセアセ

少年「………?」

町人「今日は私の父が経営する宿屋でお休みください! 明日その採掘場へ案内します!」

部員「把握した」

少年「それじゃ、宿屋の場所を調べたら今日は自由行動で」





187 :1 [saga]:2012/10/18(木) 15:07:45.01 ID:Jkmh1hFG0
商店街。

少年「いいの? 二人とも僕についてきて…」

勇者「僕は少年君と一緒に行動したいもん」ニパーッ

部員「私も少年に興味がある」ニヘラ

少年「…本当に好きに動くからね?」

二人「「はーい」」

少年「じゃあ、まずは銃を扱う店に…」


―――ドーーーーーンッ!!


三人「!!?」ビクッ

少年「な、なんだ!?」

店員「ごほっごほっ…爆発したですぅ」

少年「大丈夫…ですか?」

店主「大丈夫な訳あるかぁ!! 俺っちの自信作“超・炸裂弾”を暴発させるなんて!!」

少年「ここは銃を扱う店ですか?」

店主「ああ、拳銃から水鉄砲、魔銃器や大砲まで俺っちに任せとけ!!」

勇者「かっこいーーー」パチパチパチ

部員「男の中の男ー」パチパチパチ

少年「あの、じゃあ魔銃器を“最適化”してくれたりします?」

店主「なんだぁ? お前魔銃士か?」

少年「はい」

店主「それなら早く見せろってんだ! 俺っちは見たことない銃を見るのが好きなんだっ!」コウフンッ

少年「これです」コトコト

店主「ほう…」
188 :1 [saga]:2012/10/18(木) 15:17:34.84 ID:Jkmh1hFG0
店主「造りの八割は威力向上と射出性能の安定に割いてるな…」

少年(すごい…こんな速く解析するなんて…)

店主「射出性能は分からないでもない。だが威力をそこまで上げたい理由はなんだ? 魔神でも倒すのか?」

少年「いや、実は僕一度に射出できるい魔力が極端に低くて」チャキッ――パンッ

店員「あぁああ!」

店主「……無傷か」

少年「威力向上使わない時の最大値がこれです」

店主「そりゃ難儀なこって」

少年「少しでも他の性能を上げるために最適化して欲しいのですが」

店主「まぁ、できて15%空けるくらいだな」

少年「そんなにも!?」

勇者「それってすごいの?」

部員「さぁ…?」

少年「すごいよっ! 僕が限界まで小さくした構成をさらにそれだけ縮められるなんてっ!」

店主「いや、すごくねーよ。あんたは本来でかい構成のほうが得意なだけだ」

少年「そうなんですか?」

店主「それなのに魔力は少ないなんてもったいねー話だ。まぁ、明日の朝とりに来い。なんとか終わらせてやろう」

少年「いくらかかりますか…?」

店主「そうだなぁ…10万ってとこか?」

少年「いっ……」

勇者「大丈夫だよ! レインボウを倒せば50万だよ!」ニコッ

店主「レインボウを倒すのか!?」

少年「い、一応、討伐依頼は受けてます」

店主「そうか…うん、それなら最適化は後にしろ。まずはレインボウを倒せ」

部員「なぜ?」

店主「レインボウから採取できる魔鉱石を利用すれば20%は空けられるはずだ」

少年「ほんとですかっ!?」

店主「ああ、俺っちは嘘つかねーよ!」

少年「がんばります!!」
189 :1 [saga]:2012/10/18(木) 15:18:34.73 ID:Jkmh1hFG0
いったんここまで。

今日は夜中更新できたらやります!

少年のために無理する勇者ちゃんきゃわわ。

では!!
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/18(木) 16:21:40.98 ID:8oICulVIO
おつ
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/18(木) 19:47:35.66 ID:LQZo9ZV9o

とても面白い
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/19(金) 00:46:01.69 ID:+RSJNDk30

べ、別にあんちゃんのことなんて気にしてないんだからねっ
193 :1 [saga]:2012/10/19(金) 01:15:03.67 ID:dAWAC2660
お疲れ様です。

続きいきますー

>>192
ちゃんとメインルートに入ってますのでいずれ出てきますー

では続きー
194 :1 [saga]:2012/10/19(金) 01:30:33.42 ID:dAWAC2660
――宿屋への帰り道。

少年「そう言えば、部員の武器は何なの?」

勇者「ふふん、聞いたら絶対驚くと思うよっ」ニパーッ

少年「なんで勇者ちゃんが自慢げなの」

部員「私の武器はフィンファンネル」キラリンッ

少年「ふぃ、ふぃふぁね?」

勇者「この前と名前が違うー」

部員「簡単に言えば、武器を遠隔操作できる」

少年「同時にいくつ操れるの?」

部員「うーん……最大七つ、普段は二つ」

勇者「部員ちゃんはテンションが魔力に影響しちゃうんだ」

少年「へー、そういう人もいるんだ」

部員「テンション下げないでね、きらりん」

少年「勇者部で大会出た時のために覚えておこう」
195 :1 [saga]:2012/10/19(金) 01:54:47.06 ID:dAWAC2660
宿屋。

騎士「遅かったね。部屋は二つ用意してもらってるよ」

少年「えっ、二つ!?」

騎士「何か不都合があるのかい? 男二人と女二人で十分だろ?」

勇者「ちょーっと待ったーっ」ビシッ

部員「私もっ」

騎士「え、え?」

勇者「私は少年君と寝るわ」

部員「私も少年と寝る」

少年「あ、あはは、って部員まで!?」

騎士「ど、どういうことだい?」

勇者「私は少年君と一緒に住んでるから今日も一緒にいるのっ」

部員「私は少年と仲良くなりたいから一緒に寝る」

少年「ちょ、ちょっと待ってよ。僕らは明日魔獣を倒すんだよ?」

騎士「そうさっ、もっと真剣にやれよっ」

勇者「僕はいつだって少年君に真剣だよ!!」キッ

少年「………っ」カァ///

部員「これが若さか…負けたよ」

勇者「部員ちゃんの方が一歳年下だけどね」

騎士「えっ、それじゃ…」

騎士(俺とこの子が…?)ドキッ

部員「宿屋の店主に言ってもう一部屋借りてくる」テクテク

騎士「………っ」ガクッ
196 :1 [saga]:2012/10/19(金) 02:00:35.42 ID:dAWAC2660
自室。

少年「これで良かったのかな」アハハ…

勇者「いいのっ」ニパーッ

少年「それにしても、校長先生は何で痣を消してくれなかったんだろう…」

勇者「いいの。校長は何時だって生徒のことを考えてくれてるから…」

少年「すごい信頼だなぁ」

勇者「昔はカッコよかったからファンクラブあるくらいだよ」

少年「すげぇ」

勇者「少年君ならファンクラブできそうだよね」

少年「そうか? 騎士の方がいそうだけどな」

勇者「うーん、悪い人ではないんだけど、いまいち魅力に欠けるというか…」ムゥ…

少年「そうなんだ」

勇者「少年君の方が100倍かっこいいんだよっ♪」ギュッ

少年「あ、あはは…」

勇者「部員ちゃんのために明日は頑張ろうね…」

少年「うん、そうだね」
197 :1 [saga]:2012/10/19(金) 02:10:45.41 ID:dAWAC2660
部員の部屋。

騎士「ちょっといいかな」コンコン

部員「どうぞ」

騎士「失礼するよ」ガチャ

部員「どうしたの?」

騎士「明日は俺があいつを倒して君をランクCまで引き上げて見せる」

部員「……? お願いします」

騎士「信じてほしい。俺なら絶対大丈夫だから」

部員「……もしかして、不安なの?」

騎士「な、何言ってんだよ。俺は白騎士だ。ランクBだ。だから絶対大丈夫。……それだけだ」ガチャ

部員「………少年君」ボソッ
198 :1 [saga]:2012/10/19(金) 02:39:46.65 ID:dAWAC2660
翌日。

少年「おはよう、勇者ちゃん」ニコッ

勇者「少年くぅん、おはよぅ」ニパー

少年「勇者ちゃんのゆるふわ頭がぼさぼさになってるよ」

勇者「や、やだぁ」ガシガシ

少年「さ、顔を洗ったら朝食にしよう」

勇者「はーい」スクッ

少年「昼食用にサンドイッチも作ったからね」

勇者「わーい」テクテクテク

少年(しかし、今日いきなり魔獣と戦って大丈夫なのか?)

勇者「ただいまー」ユルフワ

少年「どうやったら一瞬でそんな可愛い髪形になるんだよ」

勇者「乙女の嗜みなのだよ」ニパーッ
199 :1 [saga]:2012/10/19(金) 02:54:57.50 ID:dAWAC2660
宿屋前。

騎士「遅いぞ、二人とも」

勇者「ごめーん」テヘヘ

少年「おまたせ」

部員「ま、まってた訳じゃないんだから」

町人「それでは採掘場へ案内します!」

少年「その前に一つだけ確認したいんだけど?」

町人「はい?」

少年「君は見たの? レインボウ」

町人「い、いえ…私は」

騎士「そんなことはどうでもいいじゃないか。俺達が今日倒すのだから」

部員(この人、本当倒すことしか考えていない…)

少年「見たことないなら、採掘場の近くになったらまっすぐ引き返すんだ。危険すぎる」

町人「わ、私なら覚悟はできて――」

少年「死ぬ覚悟?」

騎士(なんだ? 急に威圧感が増した…)

少年「死ぬ覚悟なんてできる奴はいない。僕達は“いつだって生きる覚悟”しかしていない」ググッ

勇者(少年君は何人も殺してるから言ってることがリアルだなぁ…)
200 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:02:31.53 ID:dAWAC2660
採掘場への森。

町人「それじゃあ私はこれで…」スッ

部員「女泣かせの少年」

少年「………ごめん」

勇者「私はかっこよかったと思うよ」ニコッ

騎士「まぁ、何にせよ俺達が倒しさえすれば大丈夫さ」

少年「そうだね…」

部員(少年はいつも不安顔…でも何度も生死のやり取りをしてきている…)

勇者「見えた! 採掘じょぉ…だ」ピタッ

少年「………マジかよ」



虹獣(レインボウ)
「ぐるぅぅぅううぁああああああ!!」ゴォオォォオォォ!!



騎士「………」ゴクリ

部員「これって倒せるの…?」

勇者「わかんない…」

少年「逃げ……「うぉおおおおお!!」

三人「「騎士(くんっ)!!?」」

騎士「俺がっ、俺がぁああ!」シュンッ

虹獣「ぐるぅぉおお!」ブンッ

騎士『加速制御魔法!』クンッ

少年「二人とも騎士の補助を頼むっ!」ダッ

少年(くそっ、それはただの無謀だろうに!!!)
201 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:09:14.04 ID:dAWAC2660
騎士(いけるっ)ザッ

虹獣「ぐぅぉおお!」ブンッ

騎士「やはり動きが単調だっ!」サッ、ザシュッ

虹獣「ぎゃぁおぉぉお!」ブゥンッ

騎士「しまっ――

少年「蒼!!」ダダダッ



―――がぎぃぃぃんっ!!



虹獣「ぐるぉおお…」グルッ

少年「すげぇ迫力…楽しいな」ゴクリ

騎士「すまない…」

部員『加速補助』ブゥン

騎士「今度こそっ!」シュンッ

勇者「ぼ、僕はどうすればっ」アタフタ

少年「勇者は回復魔法を!」

勇者「あ、あいっ!」

勇者(小回復しかできないけど…)アセッ

少年「紅! 最大発射!!」ドォンッ

虹獣「ぐるるるるるぅぅっ!?」グググッ

少年「最大でも少し後ずさりする程度かよ…」

騎士「はぁあああ!」ザンッ

虹獣「ぎゃぁお!」バッ

騎士「くっ」ゴロッ

勇者『回復魔法!』ブゥンッ

騎士「すまないっ!」


??「………きひひっ」


202 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:17:24.34 ID:dAWAC2660
騎士「やはり動きは単調だ。いけるっ!!」

少年「逸るなっ!!」パンッ

虹獣「ぎゃぉおおお!!」ガキィィィンッ

騎士「ナイスアシスト!」ザシュッ

虹獣「ぐるぉおおおおお!!」ジタバタ

少年(くそっ、連携なんてとったことないけど、これは最悪だっ!)

部員『防御補助!』ブゥンッ

騎士「ランクBもこんなものかっ!!」ザシュッ

少年「戦ったことなかったのか!?」

騎士「先週ランク上がったばかりだと言っただろう!」

少年「くそっ、紅、連射!」パパパッ

勇者「ぼ、僕もっ」

少年「出るなっ! 無意味だっ!」

勇者「あいっ!」ビシッ

少年(くそっ、僕の攻撃が通らない今、騎士の攻撃だけが頼りなんだ! 冷静になれ!)

虹獣「ぎゃぁお!!」バッ

部員「えっ!?」

少年「くそっ! 蒼最大!」バンッ


―――ガィィィィインッ!!


部員「あ、ありがとう」サッ

少年「勝てるのか?」ハァハァ

騎士「大丈夫だっ、あいつの攻撃パターンは大体読めた! 後は魔法にだけ気をつければいずれ倒れる!」



??(ところがどっこぉい、無理なんだよねぇ)ブゥンッ


虹獣「!!!!????」ジタバタ

四人「なっ!?」

虹獣「…………ぐるるっ」ユラァ

少年「雰囲気が…変わった?」
203 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:22:30.95 ID:dAWAC2660
虹獣「がぁあ!」ブゥンッ

騎士「くっ!?」ガキィンッ

虹獣「ぐぉおおお!」バッ

勇者「きゃぁあああ!」ダダダッ

少年「明らかに今までと動きが違う! いったん集まるんだ!」




騎士「す、スマホウ――“帰還”!!」ブゥン



三人「なっ!?」

騎士「こんなの無理だっ! “セーブ機能”も拒否してるし命には代えられないよ!!」シュンッ

少年「セーブ機能ってなんだ!?」

勇者「……命を保存して、万が一魔獣に負けても学園で復活できる魔法…」

少年「それを拒否してるってことは……」

勇者「死ねば…終わりだよ」

部員「………」
204 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:23:17.62 ID:dAWAC2660







部員「諦めよう……」







205 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:29:24.80 ID:dAWAC2660
二人「!?」

部員「命には代えられないよ」グスッ

少年「それは…そうだけど」

勇者「……いいの?」

部員「私なら大丈夫だよ」ニコッ

少年「………」

少年(ただでさえ僕の攻撃は通らない…さらに唯一の弱点だった単調な攻撃がなくなった)

少年「……くそっ」

勇者「だ、駄目だよ…」

少年「え?」

勇者「僕は勇者、魔王を倒す存在なんだ。




一度でも退けば………力を全て失うんだ」




少年「……マジか?」

勇者「マジです」コクリ

虹獣「ぐるぁああ!」ブンッ

少年「蒼っ!」ガキィンッ

部員「力を失うとは?」

勇者「たぶん……魔力だけでなく視力も…失う」

少年「魔力が視えるからか」

勇者「うん」

少年「………」

206 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:30:21.47 ID:dAWAC2660






??『力が欲しいのか? 小僧』






207 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:38:58.90 ID:dAWAC2660
――?。

少年「誰だっ!?」

??「誰だと思う?」

少年(なぜ急に視界が暗転した? 何故僕に声をかけてくる?)

??「ヒントは小僧は俺様を良く知っている」

少年「………ベルフェゴー?」

ベル「そうだ。小僧は特別に俺様のことをベルと呼ばせてやろう。感謝しろ?」

少年「ベル…。僕は少年だ」

ベル「知っている。俺様は知の魔王ぞ」

少年「消滅したんじゃ…」

ベル「あのポンコツ勇者に俺様が消せる訳がなかろう。…まぁ俺様の力の大半は奴にとられたがな」

少年「急にどうしたんだ?」

ベル「だから言ってるじゃないか。力が欲しいのかって」

少年「そりゃ、奴を倒せる力が欲しいさ」

ベル「そうか。だが、あいにく俺様が与えられるのは“知”だけだ」

少年「………」

ベル「知はいるか?」

少年「………くれるのか?」

ベル「俺様はもう“世界そのもの”だ。誰の味方でもあり、誰の敵でもある」ニヤ

少年「………ありがとう」

ベル「礼には及ばんさ。知があったからと言って、倒せるかどうかは結局小僧の手にかかっているのだから」ニヤニヤ

少年「がんばるさ」

ベル(しかし、小僧の魔力、姿、性格……どう見ても――)

ベル「いや、勘違いも甚だしいな…」
208 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:45:41.25 ID:dAWAC2660
少年「ぐっ、ぐぅぅぅ!!」グググッ

勇者「少年君!?」

部員『結界魔法!』ブゥンッ

虹獣「ぎゃぉおおお!」キィィンッ

少年「………はぁはぁ」

勇者「その右腕…まさかまた?」

少年「説明は後、とりあえず“還してもらうよ”」スッ

勇者「え?」ジュゥン

少年「ふぅ…」

勇者「何したの?」

少年「強いて言うなら、“魔王と契約魔法”したってところかな」

勇者「えええぇええええ!?」

部員「避けて!」

少年「………」サッ

少年(しかし…、ベルがくれたのはあくまで“知”。あいつを殺す一手ではない…)

【NTシステム】

少年「えぬてぃーしすてむ?」

ベル『勇者の胸でも股でもいいから、触れっ!』

少年「ちょっ、……ごめんっ」モミッ

勇者「きゃぁっ!?」カァ///


【システム作動】


勇者「な、何これ…」

少年(なんだこの…“視界が増えたような感覚”は…)
209 :1 [saga]:2012/10/19(金) 03:53:12.89 ID:dAWAC2660
ベル『来るぞ、“同時に動かせよ”』

少年「……!? そういうことかよっ!」バッ

勇者「きゃぁ!? 身体が勝手にぃぃぃ!!」バッ

少年(何だこれ、同時に身体を二つ動かしてるのに、それが全く難しいと感じない)

ベル『どうだ少年。これがベルフェゴーが得意とした思考同期システムだ。まぁいうなればミサカネットワークの強化版だなっ!』ハッハッハ

少年「訳分からんし、一部のファンに怒られるぞ」

ベル『勇者の潜在能力と部員とやらの補助魔法、そして少年の銃、何より俺様の知があれば、あんなの雑魚敵だ」ハハハ

少年「やるっきゃないってわけかっ!」ジャキッ

勇者「わわわっ」ダッ

少年「部員! 勇者に加速補助を!」

部員「了解!」

部員『加速補助魔法!』ブゥンッ

勇者「いやぁああ! 怖いぃいいい!」シュンッ

少年「蒼! 勇者を援護! 紅! 隙を作れ!」パパパッ


虹獣「ぎゃぉおお!」ガキィィンッ


勇者「のけぞったっ!?」

少年「いまだっ!」

勇者『魔法剣・雷鳴!!』ブゥゥゥゥンッ

勇者(何これ!? 僕知らないよ!?)

少年「一撃必殺!」

少・勇「「 雷 鳴 剣 ! ! 」」ズシャァァアアッ


虹獣「ぐるぅぉおおお・・・・・・」ドサッ


少年「た、倒した……」ドサッ

勇者「ふにゃぁ……」

部員「すごい…」
210 :1 [saga]:2012/10/19(金) 04:03:19.10 ID:dAWAC2660
町。

店主「いやぁ! お手柄だったなぁ!」ハッハッハ

少年「いえ、たまたまです…」

少年(本当にたまたまベルが現れてくれたから助かった…)

勇者「いやー、全部少年君のおかげだよー」ニパーッ

町人「あれ? 勇者さんの顔…」

勇者「あー、僕の痣なら少年君が吸い出してくれたんだ」ニコニコ

部員「愛の力…」

少年「いや、どちらかと言えば魔王の力だけど」

店主「まぁ何にせよ、これで我が町も安泰、少年も銃が最適化できて一件落着というわけだ」ハハハ

少年「そうですね」

店主「あいつから採れた鉱石のお陰で、すぐに最適化できたしな」

少年「お世話になりました」

店主「また来てくれよ」

三人「はーい」
211 :1 [saga]:2012/10/19(金) 04:07:08.73 ID:dAWAC2660
学園。

騎士「倒したってのか……」アゼン…

勇者「ふふーん、驚いたかぁ」

部員「らっきーくっきーっもんじゃやきー」

少年「………」

騎士「ランクB、ランクB、ランクC…ほんとうだ」ワナワナ

少年「悪いことは言わない。あんたは今後他人の命を守るために戦わない方が良い」

騎士「なんだと……」ググッ

少年「最初からずっと違和感はあったんだが、あんたには“誰かを想う心”が育ってない」

騎士「………誰かを、思う…心」

少年「ああ、それがない間に同じことをすれば……あんたはいつか人を殺す」

騎士「……きさまぁ…」

勇者「少年君かっこいい…」ウットリ

騎士「今すぐ勝負しろっ!!」ビシッ

少年「…………」
212 :1 [saga]:2012/10/19(金) 04:15:34.14 ID:dAWAC2660
審判「騎士の勝ち!」

騎士「……はぁはぁ…」

少年「………」ムクッ

騎士「みたか! 俺は強いんだっ!!」ハァハァ

少年「ああ、あんたは強い。



 だけど―――逃げたんだ。仲間を置いて」



騎士「………」ワナワナ

少年「僕はもう君とは組まない。僕の仲間も組ませない。話はこれで終わりだ」

騎士「待てっ!」

少年「話はこれで終わりだと言ったはずだ」ガッ

騎士「ぐぎっ」バタッ

少年「“勝ち負けのスポーツ”なら負けるけど、命のとりあいなら……僕は負けない」ギロッ

騎士「………」ガクガク

少年「………じゃ」

勇者「まってー」タタタッ

部員「……一緒に行ってくれてありがとう」ペコリ



騎士「…ちく、しょう」



213 :1 [saga]:2012/10/19(金) 04:20:01.72 ID:dAWAC2660
部員「今日は本当にありがとう」

少年「気にすることないよ」

勇者「そうそう、お金もたくさん手に入ったしね」ニパーッ

少年「レベルアップもしたしな」

勇者「そうなんだよー。少年君の魔法で僕は操られるままだったけど、その動きを僕自身もできるようになったんだ」

部員「すごい…」

少年「発動方法が変態だけどね」アハハ

勇者「僕なら大歓迎だよ?」

部員「今度私にも・・・して」モジモジ///

少年「なっ!?」

勇者「あははー、少年君モテモテー」ニパーッ

少年「あはは…、いつかね」

部員「それじゃ…私はこれで」クルッ

少年「……部員!!」

部員「?」


少年「ランクCに昇格、おめでとう!」ニコッ


部員「……っ、ありがとう!」キュンッ

部員(初勝利をくれてありがとう――少年)
214 :1 [saga]:2012/10/19(金) 04:25:10.03 ID:dAWAC2660
帰り道。

勇者「それにしても、ベルフェゴーって生きてるんだねー」

少年「生きてるって訳じゃなさそうだけど。なんか、“大地と同化”してるって感じだった」

勇者「もう話しかけれないの?」

少年「風が急に吹くように、向こうからしかコンタクトとれないみたい」

勇者「腕は痛くないの?」

少年「あ、うん。大丈夫。前までと違って僕の一部って感じがする」

勇者「でも闇の魔力は感じるよ」

少年「そっか、気をつけないとなぁ」

勇者(それになんだか“違う闇の魔力”も…)

少年「ん? どうした?」

勇者「ううん、なんでもないー」ニパーッ

少年「それじゃ、今日はごちそうだ」

勇者「わーい」




??「“騎士の暗殺”に失敗したが、これはこれでありか…」シュンッ




215 :1 [saga]:2012/10/19(金) 04:32:28.60 ID:dAWAC2660
自宅。

聖騎士「良かったなぁ勇者」ギュゥゥ

勇者「お姉ちゃん痛いよー」

聖騎士「少年、本当に気をつけろよ。ベルフェゴーは頭は良いし人の存在を認めていたが、“うそつきで遊び人”だったというからな」

少年「確かに…それっぽい」

勇者「それより今日のご飯はー?」

少年「はいっ、スキヤキだよー」グツグツ

二人「美味しそうっ」キャッキャ

少年「倭国料理の一つで、本来なら牛と呼ばれる倭国産の動物の肉を使うんだけど、養殖の太竜の肉で我慢ね」

聖騎士「太竜は私の好物だ」ニパーッ

少年「あ、お姉さんも太陽笑顔できるんだ」

聖騎士「太陽笑顔?」

少年「これだよ」

勇者「美味しいー♪」ニパーッ

聖騎士「私もこんなに可愛らしい笑顔が?」ワナワナ///

少年「とっても可愛かったよ?」

聖騎士「………っ」カァ///

勇者「あーっ、お姉ちゃん照れてるー!」

聖騎士「照れてなどいない!」

少年「うまうま」パクパク

勇者「私も食べるー」パクパク

聖騎士「こらっ、私の分も残せ―!」



―――その日、三人は珍しく平和に夜を過ごしたという。



第二章 完
216 :1 [saga]:2012/10/19(金) 04:38:48.92 ID:dAWAC2660
第二章終わりました。

これがssじゃなければ、もっと時間をかけて魔獣を調査し、倒すんでしょうが、やっぱssはスピードが命だとおもうのでスピード展開に。

屈辱に塗れた騎士の未来はいかに。

そして騎士の暗殺を目論んでいたジョーカーとは。

ベルが感じたものとは一体。

次の話は、
1.あんちゃんルート
2.聖騎士ルート
3.聖女ちゃんルート
4.新キャラ(竜娘)ルート


明日の夜までの安価で決めたいと思います。
特に内容が決まる訳でもないので、好きに選んでください。


メインヒロイン一覧

・勇者ちゃん
・暗殺者ちゃん
・大和撫子
・聖騎士
・部長
・部員
・賢者ちゃん
・聖女ちゃん


それではおやすみなさい!!
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/19(金) 04:51:06.21 ID:PmI2XbZbo
乙!
騎士ざまぁwwwwww
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/19(金) 05:44:26.00 ID:nKO+Bu6IO
新キャラ期待おつ
219 : [saga]:2012/10/19(金) 18:30:51.21 ID:hwf5SCXY0
お疲れ様です。
今日はゆるゆる更新になります。

>>218が期待してくれたので、新キャラルートでいきます。

つづきー。
220 : [saga]:2012/10/19(金) 18:37:52.04 ID:hwf5SCXY0
朝。

少年「オーク族と竜人族が険悪?」

あん「そうなんだよー」モグモグ

竜娘「そうなんですー」モグモグ

少年(さりげなく朝食に交じってるピンクの髪の可愛い子は竜人族なのかな…)

聖騎士「種族間のいがみ合いは第三者が介入する問題ではないな」モグモグモグ

竜娘「そんなぁ…」ガクッ

少年(頼られてるんだなぁお姉さん…)

勇者「でも、一番の被害者ってハーフのこの子達だよね」モグモグ

少年「えっ、勇者ちゃん種族間の問題について理解できるの!?」

勇者「失礼だなぁ。勇者たる者、種族ではなく悪の心を斬らなきゃダメなんだよっ」

少年「そっか、確かに悪い種族なんてこの世にはいないもんな」

少年(逆に言えば、勇者ちゃんは人間でも斬らなきゃならない時がくるのか…)

221 : [saga]:2012/10/19(金) 18:44:50.30 ID:hwf5SCXY0
聖騎士「しかし、今更争いが起きるほど根の浅い問題ではないはずだが…」

あん「そうだよねー。オークと竜人は絶対に同じ授業を受けないように調整されてるし」

竜娘「大会なんかも二種族が戦い終わった後は、精神を落ち着ける魔法をかけるしね」

少年「そこまで徹底されてるのか…」

勇者「少年君の街ではそういう争いなかったの?」

少年「良くも悪くも領主様が完全に統治してたから」

聖騎士「あいつ、なかなか奥の深い男だったな…」

少年「戦いは全くダメなんだけどね。付き人が超強いし、政治面では領主様は最強だったからね」

聖騎士「あの街はある意味“完成”された街だったのかもしれないな」

少年「うん。貧富の差も激しかったけど、だれも不満なんか言わず日々を生きてたな」

聖騎士「……もしかして、戻りたかったりするか?」

少年「………ううん、お姉さんには感謝してる。ありがとう」ニコッ

聖騎士「………っ」モジモジ///

竜娘「こんな先生見るの初めてですー」

あん「新鮮だよねー」

勇者「で、どうするのお姉ちゃん」

聖騎士「そうだな…」
222 : [saga]:2012/10/19(金) 19:25:06.17 ID:hwf5SCXY0
学園東地区。

少年「なんで僕が…?」

あん「まぁまぁ、これも社会勉強だって」

竜娘「東地区はドラゴン族がたくさんいるから、あんちゃんは残ってた方が良いかも」

あん「そうだねー。あんはいったん離れておくよ」

少年「それじゃあまた」

あん「ばいばーい」ダッ


竜娘「………」モジモジ

少年(あんちゃんがいなくなった途端、この子の態度が急に変わったぞ!?)

少年「そ、それじゃ行こうか」

竜娘「あ、あの…少年さん」モジモジ

少年(あんちゃんと一緒にいるから若く見えたけど、この完成されたプロポーション。いわゆるボンッキュッボンッは正直言って目に毒だぁ)

少年「なにかな…」

竜娘「私、あなたが欲しいです」

少年「は?」
223 : [saga]:2012/10/19(金) 19:25:41.33 ID:hwf5SCXY0
一旦ここまで!

更新は夜中になると思われます!

では!!
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/19(金) 19:37:36.91 ID:a4JAvPJro
225 : [saga]:2012/10/19(金) 19:40:34.56 ID:hwf5SCXY0
ごめんちゃい。

まだ時間あったんで少しだけ続きー。
226 : [saga]:2012/10/19(金) 19:45:04.84 ID:hwf5SCXY0
竜娘「あなたからとても美味しそうな魔力の匂いがします」クンクン

少年(ああ、そっか。竜人は属性付きの魔力食って力をつけていくんだっけ…)

少年「いや、やめといたほうがいいよ。消化不良起こすと思うよ…」

竜娘「いただきまーす」

少年「聞いてないし」

少年(てかどうやって魔力吸い取るんだr――)チュッ

少年「!?!?!?!?!??!」ビクッ

竜娘「はむっ、ちゅっ、じゅるっ…」ブゥンッ

少年「んっ、や、やめっ…」ググッ

少年(すごい力だ。びくともしない)

竜娘「んっ、あぁっ、す、すごぉぃ」グテッ

少年「あ、離れた」

竜娘「はぁはぁはぁ……美味しかったぁ」トローン…

少年「僕のファーストキス…まぁいいけど別に」

竜娘「…………んんっ!?」ビクンッ

少年「どうしたの!?」
227 : [saga]:2012/10/19(金) 19:54:34.33 ID:hwf5SCXY0
竜娘「ぐ、ぐるっ、ぐっ…」ズズズッ

少年(髪が…黒く…)

竜娘「ぐぉおおおおおお!!」ジャキンッ

少年「げっ、爪?」

竜娘「がっ!!」ダッ

少年「蒼!」パンッ

竜娘「がぁっ!」ブンッ



―――バキィイインッ



少年(くそっ、竜人の動きなんて読めるかっ!)バッ

竜娘「がぁっ!」ブンッ

少年「あぶなっ」パンパンッ

竜娘「ぎっ!?」ドスドスッ

少年「まるで効いてない…」

ベル『うわぁ、やっちまったなぁお前…』

少年「え?」

ベル『竜人と言えば、“自分を狂わせるほどの魔力”を受け取ったら、そいつに生涯寄り添って生きるんだぞ』

少年「それはつまり…」

ベル『まぁいうなれば婚姻の儀を済ませたってことだ』ニヤニヤ

少年「心の声でニヤニヤすんなぁ!!」

ベル『まぁまぁ、とりあえずこの前勇者にやったように“リンク”してみろ』

少年「いや、リンクしろって…」

竜娘「がぁっ! ぐぎゃぁああ!」ブンブンッ

少年「……どうやって?」

ベル『………はぁ、ほんと、最近の人間は知恵を使わなくなったな』ヤレヤレ

少年「むっ……」

竜娘「がぁっ!」バッ

少年「くそっ!」ジャキッ



少年「蒼! 最大発射!!」ジュッ…



少年(何だこの感じ? ……やばっ――)
228 : [saga]:2012/10/19(金) 19:55:05.90 ID:hwf5SCXY0






―――――――       。







229 : [saga]:2012/10/19(金) 19:58:56.16 ID:hwf5SCXY0
竜娘「………」ドサッ

少年「大気を……切り裂いた?」

ベル『とっさに銃口を上げてよかったな。下手したら存在そのものを消滅させてたぞ』

少年「竜娘ちゃんっ!」ダッ

ベル(竜娘によって“無理やり広げられた魔力の発射口”から出たのは俺様の魔力じゃない…。ということはやはり?)

竜娘「………きゅぅ〜〜〜」

少年「よかった…気絶してるだけだ」ホッ

ベル『俺様はもう行くが、その子を自分から引き離すなら、



殺せよ』




少年「なんでさっ!!」

ベル『それは今から行く竜人の地区でわかるだろ。じゃあな』

少年「くっ…どういうことだよ」

竜娘「………」スゥスゥ
230 : [saga]:2012/10/19(金) 20:00:00.57 ID:hwf5SCXY0
中途半端ですがここまでにします!

途中すぎるのでなるべく夜中に更新します!


竜娘ちゃんは黒髪になりました!


では!!
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/19(金) 20:07:35.46 ID:I3qZxJnDo
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/19(金) 20:09:48.00 ID:nKO+Bu6IO
おつ
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/19(金) 20:10:33.29 ID:HeqsnhEIO
そういえば少年は唯一黒髪なんだっけ?
234 :1 [saga]:2012/10/20(土) 01:00:02.72 ID:T3c9S9Uw0
ただいまですー。

>>233
紺や藍色はいますが完全な黒は少年と竜娘だけです。


では続きー。
235 :1 [saga]:2012/10/20(土) 01:11:33.45 ID:T3c9S9Uw0
少年「………重い」ゼェゼェ…

竜娘「………すぅ」プニプニ

少年(なぜこの子を殺さないといけないんだ…)モミモミ

少年「柔らかいな…」



【システム作動】




少年「げ…寝てても作動するのかよ」

竜娘「………」フラッ

少年「これがこの子の視界…」

少年(どういう理論か分からないけど、視界が人間よりかなり広い)

少年「まぁ、歩いてくれるお陰で楽になったかな」

オーク1「見つけたぞ、竜人…」フラッ

少年(ここにはオークはいないんじゃ…)

オーク2「へへっ、待ち伏せしたかいがあった」

少年「あんたら、この子に何か用かよ」

鬼王子「けじめをつけにきたんだよ」

少年「けじめ?」

オーク1「うるせぇ! やっちまうぞっ!!」ダッ

少年(オークが7人…。蒼もさっきの暴発で使えない…どうする)

少年「竜娘ちゃんだけでも逃がせられれば…」

オーク2「うらぁ!!」ブンッ

少年(これが攻撃か!? 竜娘ちゃんの視界だと止まって見えるぞ!?)
236 :1 [saga]:2012/10/20(土) 01:16:46.85 ID:T3c9S9Uw0
竜娘「………」バキッ

オーク2「うわぁ!」ドサッ

少年「紅は……仕方ないか」ジャキッ

鬼王子「銃? 貴様魔銃士か!?」

少年「そうだけど?」

竜娘「………」ゲシッ

オーク3「うわぁ!」ドサッ

鬼王子「ならば我と戦え!」ガシャンッ

少年「それは魔砲?」

鬼王子「よくわかったな! 口径は50センチの超強力魔砲よっ!」ウィィィンッ

少年「一分待て!!」

オーク4「うわぁ!」ドサッ

鬼王子「分かった!!」

オーク5「うわぁ!」ドサッ

竜娘「………」ユラァ
237 :1 [saga]:2012/10/20(土) 01:25:20.91 ID:T3c9S9Uw0
少年(今撃てば紅まで壊れるかもしれない…。こうなったら構成自体を変えるしか…)

少年「“構成・壱”」ガシャンッ

少年(構成の三割に威力制御、ただし威力の向上はなし)

少年「“構成・弐”」ガシャンッ

少年(構成の二割に射撃性能、射出安定、弾丸の軌道補正)

少年「“構成・終”」ガシャコンッ!!

少年(残り全てに存在固定、耐久力上昇……あ…)

少年「これって…ただの銃じゃないか」アララ…


鬼王子「準備はできたか?」ウィィィィィン!!


少年「くそっ!」ガシャッ

鬼王子「うむ、それでは……勝負じゃ!!」ドォォォンッ

少年「“射出”!!」ウゥゥゥゥン………ジュッ!!!

鬼王子「なっ、光線銃じゃと!?」ビクッ

少年(しまったっ! ここまで威力が強いなんて!?)

少年「避けてっ!」

鬼王子「!? くっ!」バッ


―――――ズパッ!!!


鬼王子「なんという……威力じゃ」
238 :1 [saga]:2012/10/20(土) 01:36:26.95 ID:T3c9S9Uw0
竜娘「………はっ!? ここはどこ!?」キョロキョロ

少年「あ、起きた!? システム解除」

【システム解除】

竜娘「………うはっ!? 今の何!? 私ぃ!?」

少年「そうだよ。まぁ、動かしたのは僕だけど」

少年(このNTシステムの最大の利点は、僕自体の思考や行動に全く影響を与えず他人を動かせるってことだなぁ)

竜娘「あ、ひとつだけいいかな少年君」

少年「ん?」




竜娘「ウチのこと僕にするか嫁にするかどっちにする?」





少年「えっと…他に選択肢は?」

竜娘「後はそうだねー。ウチを殺すとか?」アハハ

少年(本当は自分の事ウチって言うのかー………って現実逃避してしまった!!)





少年「じゃあ、今日から僕は君の全てだ」





竜娘「はい、ご主人様♪」ニコッ

239 :1 [saga]:2012/10/20(土) 01:45:12.10 ID:T3c9S9Uw0
ベル『マジかよっ! そんな簡単に決めて良かったのか!?』

少年「何万という魔族を従えてた魔王のいう台詞か?」

ベル『俺様は魔王だからな。だが、お前は人間だろ? 主従関係なんて持つ覚悟ができてるのか?』


少年「ベルの人間好きって本当だったんだな。でも、“この子は僕が必要”なんだ」


ベル(価値観も人間から逸脱している。まるで“初代”みたいだな)

ベル『お前、おもしれーな』

少年「そう? 普通だけどな」

ベル『再来年は必ず魔王学受けろよ』

少年「なんで?」

ベル『俺様はお前を“魔王”にしたくなったからだよ』ニマァ

少年「やだよ」ソクトウ

ベル『ふんっ、そんなこと言ったって魔王にしてやるんだからなっ』

少年「なんだそりゃ…消えたし」
240 :1 [saga]:2012/10/20(土) 01:51:46.62 ID:T3c9S9Uw0
鬼王子「おのれ…我を退けた上に、竜族と契約を交わすとは…」ググッ

オーク達「王子……」

鬼王子「今日は帰るぞ!」

オーク達「「へいっ!!」」

鬼王子「覚えておけ、鬼神族王子――戦神の鬼王子が必ずお前達を殺しに行くからなっ!」

少年「えー……なんで怒ってるんだよ…」ハァ

竜娘「ご主人様。理由は集落についてから説明します」

少年「あ、主従関係は結んだけど、普段は友達のように接してね」ニコッ

竜娘「は…い」カァ///

少年「なんか僕のせいで髪や目の色を黒くしてしまってごめんね」ナデナデ

竜娘「いえっ、むしろ嬉しいで…嬉しいよ」モジモジ///

少年「ありがと…。いこっか」

竜娘「はいっ!」

241 :1 [saga]:2012/10/20(土) 01:57:49.33 ID:T3c9S9Uw0
竜人族の集落。

竜人1「お帰り竜娘ー」ニコッ

竜娘「たっだいまぁ!」

少年「髪の色違うけど分かるの?」

竜娘「竜族は心臓の鼓動で誰か判断するから」

少年「へぇ…」

竜男「あー!! 竜娘! お前“儀式”しちゃったのか!?」

竜娘「えへへー、いいでしょ〜♪」

竜男「きさまかぁ!」ガッ

少年「離してよ」

竜娘「竜男!!」

竜男「こいつはなぁ、この集落の誰よりも純粋で誰よりも強かったんだ…。こいつを従えるということは、どういうことか分かるか!」

少年「………僕が一番?」

竜男「そうだよ! くそっ!! 俺がこいつを嫁にするつもりだったのに!!」バッ

竜娘「竜男じゃむりだよー。ウチ強いもん」アハハ

竜人2「そりゃそうだな」

竜人3「あははははは!」

少年(なんだこのノリ…)アハハ…
242 :1 [saga]:2012/10/20(土) 02:01:49.92 ID:T3c9S9Uw0
竜女「……竜娘、良い人を見つけたみたいね」

竜娘「あ、お姉ちゃんっ! うんっ! 最高だよ!」ニパーッ

竜人1「お、おい、あんまりはしゃ――


―――ぱぁんっ!!


竜娘「……えっ」ヒリヒリ

少年「………っ」グッ

竜男「動くな」チャキ

少年(刀…こいつ竜族なのに武士か…)

竜女「私はあの“オークにやられた”のよっ!! むりやりに…拒否したのに…」グスッ

竜娘「お姉ちゃん…」

少年「どういうことだ?」

竜男「説明してやるから、ついてこい」

少年「……ああ」

少年(今は竜娘には声かけない方がいいな…)
243 :1 [saga]:2012/10/20(土) 02:10:00.44 ID:T3c9S9Uw0
――集落外れ。

竜男「竜族はな、同種だろうが異種だろうが、魔力の強い者に従う。時には僕として、時には夫や妻として…」

少年「うん」

竜男「だが鬼族は違う。全くの逆だ」

少年「逆?」

竜男「あいつらは自分より弱い存在を探す。そして奴隷にしたり、繁殖相手にしたりする」

少年「あ……」

竜男「分かったか? 竜女はな、その鬼にヤられたんだ。それはつまり…」

少年「奴隷にされるか…繁殖相手に…」

竜男「そうだ。しかも、竜族は自分より強い魔力を身体に流されたら逆らえない」

少年「そんな……」

竜男「事態は最悪だ。竜と鬼は代々いがみ合ってきた存在。この事が故郷にばれたら…」

少年「どうなるんだ」

竜男「故郷である西の大陸は、1000年前の竜鬼戦争時代に逆戻りだ」

少年「………まじか」

竜人3「おいっ! 二人とも戻ってきてくれ!!」

二人「!?」
244 :1 [saga]:2012/10/20(土) 02:15:21.08 ID:T3c9S9Uw0
竜女「誰か、誰か殺してよぉ…」フラフラ

竜娘「お姉ちゃんやめてよぉ!!」ガシッ

竜女「離せよっ!」ブンッ

竜娘「きゃっ!」ドサッ

少年「竜娘!!」ダッ

竜男「竜女!!」

竜女「竜男……あんたなら私を殺せるだろ? 頼む、頼むよ…」

竜男「………竜族は誇り高き一族…同種を殺したりは…しない」プルプル

竜女「駄目なんだよ…。私の中に流れる汚い魔力が私の自殺を拒むんだよ」ガクガク

少年「………っ」

少年(なんて…、なんて醜い…)

少年「………紅」ブゥン

竜娘「ご主人…さま?」

竜男「おい、何する気だ」

少年「………人は、死ぬよりも苦しい世界では生きない…」チャキッ

竜女「ああ…ありがとう…ありがとう…」

245 :1 [saga]:2012/10/20(土) 02:22:53.23 ID:T3c9S9Uw0
鬼王子「待て待て。それは無駄な行為じゃ」

竜男「貴様っ!?」

竜人1「鬼族共が何の用だ…」ジャキッ

オーク1「うっせーよ。近づくなこらっ!」ゾロゾロ

少年「なぜ無駄だと?」

鬼王子「決まっておるじゃろ。学園内では殺人行為を防ぐために威力制限されておるからだ」

少年「………あ」

竜女「あ、ああ……」

鬼王子「おぬしか。わが鬼族の面汚しに襲われたという



愚か者は」



竜女「………っ」ビクッ

竜男「きさまぁああああ!」バッ

鬼王子「………忍(しのぶ)」

忍「………」スッ



―――ギィィィィンッ




少年「忍者? いや、くのいちか?」

鬼王子「ワシは鬼族の王子じゃ。今争えば故郷がどうなるか分かっておる。戦う気などない」

少年(殺すとか言ってたくせに)ボソッ

忍「………主は負けず嫌いだから」ボソッ

鬼王子「忍っ!」カァ///

竜女「殺して…殺してよぉ」

鬼王子「………」

246 :1 [saga]:2012/10/20(土) 02:27:58.57 ID:T3c9S9Uw0
鬼王子「ならば殺してやろう」チャキッ

少年(刀? 本当は武士だったのか?)

竜男「自分で言ってたじゃないか。この学園内――」

鬼王子「この妖刀ならば、学園の理を破ることも可能じゃ」ジャキッ

竜女「はやく…はやく殺して…」

竜男「やめろ…。あいつに手を出せば戦争だ…」ワナワナ

鬼王子「それも仕方なし」ズリッ

竜娘「……てよ」

少年「………?」



竜娘「止めてよぉおおおお!!」ゴォッ



竜人達「「なっ!? この力は!?」」

少年(これは……ベル? …いや、違う。…僕?)

鬼王子「な…なんじゃこれは…」ガクガク



少年「止めろ!!」



竜娘「………っ」ピタッ

247 :1 [saga]:2012/10/20(土) 02:42:53.65 ID:T3c9S9Uw0
鬼王子「ちっ、とにかく、“奴”は再びおぬしらに襲いかかるじゃろう。気をつけることじゃ」クルッ

忍「………ツンデレ」シュパッ

オーク達「「………ぺっ」」ゾロゾロ


竜男「帰って行った…」

竜人1「つまりどういうことなんだ…」

竜人2「もしかして、本当に鬼族は関係ないのか?」

竜女「そんなわけないじゃない!!」

竜男「竜女…」

竜女「こんな…醜い魔力…奴ら以外に」プルプル

竜人1「それもそうだが、竜娘。さっきのはなんだ?」

竜娘「え?」

竜男「そうだ。あまりに強い魔力だったから足がすくんだぞ」アハハ

竜娘「む、夢中だったから…」

竜人2「契約者の魔力に呼応するから…」ジッ

少年「……え?」

竜人3「この人が…これほどの魔力を…」

少年「ええ!?」

竜娘「ご主人さま…」ウットリ
248 :1 [saga]:2012/10/20(土) 02:49:51.01 ID:T3c9S9Uw0
竜娘の家。

竜娘「ご主人様、ご飯は何がいい?」

少年「そうだなぁ…」

竜娘「って、私が作れるのはこれだけだけど…」ドンッ

魔物「ぎしゃぁ」ウネウネ

少年「………」

竜娘「………」

少年「えっと、僕が作ってもいいかな?」

竜娘「お願いします…」

少年「それにしても、学生なのに大変だなぁ」

竜娘「あはは…、逆だよ。学生なのに種族間の問題を持ちこんでしまう駄目駄目ちゃんばかりなんだよ」

少年「そういう考えもできるな」トントントン

竜娘「……あ、あの…ご主人様」

少年「……ん?」サッサッ

竜娘「なぜ、あの時お姉ちゃんを殺そうと?」

少年「…ああ、そのことか」ジュゥ…
249 :1 [saga]:2012/10/20(土) 03:00:18.85 ID:T3c9S9Uw0
少年「逆に聞くけど、君が死ななきゃ僕が殺される状況で、君はどうする?」

竜娘「ウチが死にます」ソクトウ

少年「その覚悟と同じものを竜女さんから感じた。そして、それを認めないことは彼女を殺すことより惨いと思ったんだ」

竜娘「………ごめんなさいご主人様」グスッ

少年「え?」

竜娘「ウチがバカだからご主人様の行動を信じられなくてぇ!?」ウワァアアン

少年「な、泣かないでよっ!」

竜娘「ご主人様に一生ついていきます〜」エンエン

少年「ああ、うん。ありがとう」ナデナデ

竜娘「ご主人様ぁ…」ギュッ


勇者「………」ジトーッ


少年「………」ギギギッ

少年(な、なんだ…今の視線…)

勇者「………」ジトーッ

竜娘「あ、勇者ちゃんっ!」

勇者「少年君の、少年君の…



あほーーーーーー!!!」ダッ



少年「勇者ちゃぁあああああん!!!」




―――その後、森で迷子になった勇者を助けた少年は、一晩中勇者を慰める羽目にあった・・・。



第三部上 完
250 :1 [saga]:2012/10/20(土) 03:01:57.71 ID:T3c9S9Uw0
今日はここまで!!

ついに少年のファーストキス!

そして初めての従者!

勇者の恋はいかに!!


第三部下 お楽しみに!


では!!
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/20(土) 03:20:07.30 ID:yQwIHBWKo
より強い魔翌力で上書きはできないんか?

不憫すぎてな…
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/20(土) 04:06:57.22 ID:gcs6YU4Mo
NT(乗っ取り)システム便利っすなぁ
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/20(土) 09:13:03.64 ID:53wkbQYIO
おつ

>>251
俺も考えたけど予想は頭の中にしまって置け
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/20(土) 09:13:57.54 ID:ij1sNoquo
予想はよそう
255 : [saga]:2012/10/20(土) 10:25:16.00 ID:qzpm53Wm0
おはようごじます。

予想されるとうれしいですが影響されそうで怖いですね。

今日はゆるゆる一日中少しずつ更新します。

では続きー。
256 : [saga]:2012/10/20(土) 10:31:21.12 ID:qzpm53Wm0
竜娘の家。

竜娘「………」zzz

勇者「………」zzz

少年「………なんだこの光景、可愛すぎるだろ」コト

少年(しかし、一晩考えたけど腑に落ちないことがある)

少年「強い者に従い繁殖していく習性があるなら、“最強”になった竜はどうなるんだ?」



ベル『魔王になるのさ』



少年「ベル!?」

ベル『よぅ少年。魔王になる決心はついたか?』

少年「ならない。それより、最強の竜はなんで魔王になるんだ?」

ベル『そりゃ、神を呪うからさ』

少年「神を?」

ベル『神が生き物を造ったのなら、“俺を孤独にしたのは神だ”ってね』

少年「たしかに…僕でも耐えられないかも…」

ベル『魔王ってのはな、基本的には救われない者達のなれの果てなんだよ…』

少年「ベルも…なのか?」
257 : [saga]:2012/10/20(土) 10:38:21.57 ID:qzpm53Wm0
ベル『俺様ももちろん愛と哀しみに溢れる悲劇の魔王だったさ』

少年「そんな明るく言われても…」

ベル『信ぴょう性に欠けるか? そうだな。お前も魔王になればわかるさ』

少年「だからならないって」

ベル『じゃあ、なぜ殺そうとした?』

少年「………っ」

ベル『あの子に説明したことも本心だろう。だが、お前が心底で考えたことはなんだ?』

少年「僕は……」


―――哀しみをこの世から消したい―――


ベル『まぁ、悩むといいさ。そして、いつか気づく。お前がいかに魔王に向いているかってな』

少年「ベル! 教えてくれ! “僕は、本当に彼女を…”」

ベル『それに正解はない。…だが、お前はそこの娘の人生を奪ったんだろう?』

少年「ああ…。それに、何十人という命を消してきた…」

ベル『なら、いまさら迷うな。聖騎士の言葉は世界の一面にしか過ぎないぞ』シュンッ

少年「………くそっ」

勇者「………」

258 : [saga]:2012/10/20(土) 10:44:58.18 ID:qzpm53Wm0
竜娘「うわぁっ、美味しそうな丸焼きぃ♪」ジュルル

少年「竜娘の好物は素材をそのままかぶりつくことっぽいからね」

勇者「………」ジトーッ

少年「勇者ちゃんはこれね」コトッ

勇者「サンドイッチ…」ヒョィ

少年「ただのサンドイッチじゃないぞ。南大陸の豊潤な大地が育んだ野菜を挟んでるんだ」

勇者「……おいひぃ…」モグモグ

竜娘「…勇者ちゃん、ごめんね」

勇者「…ふぇ!? な、何が!?」

竜娘「私達は強い魔力の誘惑に逆らえないから…」

勇者「………」シュン

竜娘「で、でもっ、ウチとご主人様は主従関係だからっ、勇者ちゃんが彼女になっても全然かまわないよっ!」

勇者「そうなの!?」パァァッ

少年(僕の意志は…まぁいいけど)ヤレヤレ

勇者「それならいいや」ニコニコ

少年「でも、強い魔力に逆らえないなら、みんな一人に群がっちゃうんじゃない?」

竜娘「ううん、それはないの」
259 : [saga]:2012/10/20(土) 10:53:04.14 ID:qzpm53Wm0
竜娘「あまりに力の差が大きいと、今度は敵視しちゃうの」

少年「なんで?」

竜娘「じゃないと、身体が魔力に耐えられなくて壊れちゃうから」

少年(生存本能ってやつか…)

勇者「それじゃあ、竜娘ちゃんは少年君の魔力に耐えられたって訳だ」

竜娘「そうだよっ! あまりに美味しかったからついつい長いキスになっちゃったけ…ど…」ギギギッ

勇者「……き………す?」ゴゴゴゴゴッ

竜娘「」

少年「」

勇者「キスしたの?」ボソッ

竜娘「ききき、キスって言っても、竜の一族にとってキスと魔力の吸出しは別物だから、カウントには入らないよっ!」アセアセ

少年「確かにそうだっ。あれはノーカウントだっ」

少年(勇者が“闇堕ち”しそうだっ)アセ

勇者「………じゃあ、さ」

少年「?」

勇者「僕と……き「竜娘!大変だっ!!」

竜娘「竜男!? どうしたの!!」ガタッ

勇者「………」プルプル



竜男「竜女が…竜女が……いなくなっちまった!!」


竜娘「!?」

少年「………」

勇者「………キスキスキス…」ブツブツ
260 : [saga]:2012/10/20(土) 10:58:43.23 ID:qzpm53Wm0
中央校舎――職員室。

聖騎士「ダメだ、許可できない」

竜娘「何でですか!? あっちにお姉ちゃんが行ってるかもしれないんですよっ!?」

聖騎士「理由も言えないし、許可もできない」

少年(さすがお姉さん。仕事の時は規律正しいなぁ…)

聖騎士「三人の表情を見ていれば、大体どの程度のことが起きたかわかる。…が、今学園ではそれ以上のことが起きているんだ。…すまない」

竜娘「………はい、分かりました」

少年「お姉さん、一つだけ聞いてもいい?」

聖騎士「……なんだ?」

少年「お姉さん………



人を殺した?」ボソッ



聖騎士「………!?」ビクッ

少年「一人で抱えちゃだめだよ」スッ

勇者「どうしたの?」

少年「お姉さんは相当大きな事件にかかわってるみたいだ。邪魔したら駄目だから離れよう」

竜娘「………うん」

聖騎士「………なんで」
261 : [saga]:2012/10/20(土) 10:59:21.25 ID:qzpm53Wm0
いったんここまで!

朝だからホラーチックになっちまった!

すぐ更新するかもしれないし、できないかもしれない。

では!!
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/20(土) 12:12:28.03 ID:53wkbQYIO
おつ
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/20(土) 12:41:25.33 ID:Ax9CYnrYo
264 : [saga]:2012/10/20(土) 13:14:24.52 ID:qzpm53Wm0
続きー。

このスレ、1スレじゃ終わらなさそうだけど、みんなついてきてくれるだろうか…。
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/20(土) 13:16:08.02 ID:Ax9CYnrYo
>>264
問題ない
目指せいけコカでよろしくおねがいします
266 : [saga]:2012/10/20(土) 13:23:35.81 ID:qzpm53Wm0
中庭。

少年(お姉さんが人を殺さないといけない状況ってなんだ? 聖騎士とはいえ教師だぞ…?)

竜娘「お姉ちゃんが殺されないか心配だぁ」アタフタ

勇者「竜女さんと竜娘ちゃんって姉妹なの?」

竜娘「ううん。お姉ちゃんはどんくさいウチをいつも助けてくれる優しいお姉ちゃんだよ」ニコッ

少年「そっか、それじゃ助けないとね」ナデナデ

少年(竜娘はもう僕の一部みたいなもんだ。彼女が助けたいなら僕も全力を尽くさないと…)

少年「領主様…あなたはいつもこんな気持ちで…」

勇者「そうだ! 予知科の先生に聞いてみようよ!!」

少年「予知科?」

竜娘「未来や遠い場所の出来事を言い当てる学問だね。……分かるなら何でもいいよ!」

少年(胡散臭いけど…じっとしてるよりはマシか)




??「きゃははっ、ホントに“予知した通り”になったっ♪」キャッキャ

??「もしもーし、予定通りそっちに行ったよー♪」

??「……面白くなってきたぁ♪」ニマァ





267 : [saga]:2012/10/20(土) 13:36:10.69 ID:qzpm53Wm0
予知科――星詠み教室。

少年「すみません…」ガララッ

少年(暗い…)

竜娘「いつきても広いなぁ」スタスタスタ

少年「こんな暗くても見えるの?」

竜娘「竜は目だけが視界じゃないんだよ」キョロキョロ

勇者「私も勇者パワーで見えるよぉ」ニパーッ

少年「勇者ちゃんの太陽笑顔だけは拝めたよ」アハハ

勇者「この教室って教室っていうより、壁に囲まれた平原だよね」

少年「そんなに広いの?」

竜娘「端っこまで行こうと思ったら、ダッシュで十分くらいかかりそう」

少年「すごいなそりゃ…」

勇者「でも、いつもなら誰かが星を見てるんだけどなぁ…」

少年「ていうかなんで屋根ないのに暗いの?」

??「魔法でここから見える空は太陽光を遮断してるからだよ」

少年(誰だ?)

竜娘「星詠先生!」

勇者「お久しぶりっす」ビシッ

星詠「あはは、二人とも久しぶり。君は初めましてだね」ニコッ

少年「………ども」

竜娘「先生! お願いがあるんです!!」

星詠「待ちたまえ、この私がそれを予測してなかったとでも?」

勇者「ということは…?」

星詠「ああ、君の義理のお姉さんのことはすでに予知しているよ」

竜娘「先生…」

星詠「……だが、それを良しとしない人たちがいるみたいだね…」

忍者達「………」ゾロゾロ

クノイチ「………」ゾロゾロ

268 : [saga]:2012/10/20(土) 13:41:21.34 ID:qzpm53Wm0
少年「なんだ…この気配…」

竜娘「あなたたち…鬼族の!?」

鬼王子「ぬしらか……」ワナワナ

少年「は?」

鬼王子「ぬしらが、我が妹の鬼姫を連れ去ったのか!!」

勇者「鬼姫ちゃんが!?」

少年「………違うと言ったら?」

鬼王子「我ら鬼族は一度こうと決めたら、殺してでも勝ち取るのじゃ!!」バッ

鬼王子「いけぃ! 闇の頂点を極めた忍一族の力見せてみよ!」

忍者達「………」バッ

クノイチ「………」シュパッ

少年「………やばいな」

勇者「少年君、あれ使って」

竜娘「そうだね。ウチらの視界を使えば、ご主人様もきっと動けるはず」

少年「……頼む」モミッモミッ

勇者「あんっ」ビクッ///

竜娘「んっ」カァ///


【システム発動】


少年「……これが、二人の視界」

少年(ていうか二人同時にリンクしたけど、さらに視界が広がったな)

ベル『じゃじゃーん、俺様参上!』

少年「なんか、ゲームのチュートリアル用キャラみたいだな」

ベル『………帰る』シュン…

少年「だぁ! 嘘だって! 魔王がすねるなっ!」

ベル『俺様も冗談だ』グスッ

少年「見えないけどな」

ベル『……ごほん。少年、言い忘れていたが、二人以上とリンクすれば“特典”がつく』

少年「特典?」

ベル『そう、しかも二つだ。お買い得だねー』

少年「通販かよ」
269 : [saga]:2012/10/20(土) 13:50:24.32 ID:qzpm53Wm0
ベル『まずは、個人に動きを任せられる“任意モード”。二人の時は“強制モード”と説明するから覚えておけ』

少年「マジで何キャラだよ。そんな名前いちいち考えてるのか?」

ベル『なんだかだんだん風当り強くなってきたね』

少年「心が打ち解けてきたのかな」

ベル『そうか! 魔王になる日も近いなこりゃ♪』ルンルン

少年「で、任意モードのいいところは?」

ベル『考えてもみろ。視界は共有しつつ、勝手に動いてくれて、しかも自分のタイミングで強制と切り替えられるんだぞ』

少年「背中に目がついたみたいだな」

ベル『まぁ、別に視野が広がるわけじゃないから、お前の方が弱かったら意味ないけどな』

少年「この二人なら大丈夫だと思う。もう一つは?」

ベル『ああ、これはすごいぞ。……なんと、意識がもう一つ増える!』

少年「意識が?」

ベル『そうだ。これは少年なら普段は必要ないのだが、ある時にすごい役に立つ』

少年「……構成?」

ベル『さすが俺様が見込んだ男! その通り、魔法の構成をまったく別の場所で行える。それを利用すれば様々なことができるだろう』

少年「……たしかに、それはすごい」

ベル『それじゃあな少年。俺様は行くとこがあるのでこれで失礼するよ』

少年「ああ、ありがとう…」

ベル『ああ、後一つだけ、



この世で予知できる者がいたとすれば、それは初代魔王だけだ』シュンッ




少年「消えた…いったいどういうことだよ」

270 : [saga]:2012/10/20(土) 18:14:10.79 ID:qzpm53Wm0
少年「とりあえず、二人とも自由に動けるから、暴れまわってくれ!」

竜娘「了解です!」バキッ

勇者「うん、わかったぁ」ドガッ

忍者「ぐはっ」ドサッ

クノイチ「やんっ」ズザザッ

少年「二人の視界を合わせたら、僕自身が見えなくてもなんとか把握できそうだ…」

忍者「遅い…」シュッ

少年「紅! 発!」ドンッ

忍者「ぐおぉ! な、なぜっ!」

少年「竜娘の視界からは丸見えだよ。……君は勇者ちゃんの視界から丸見えね」ドガッ

クノイチ「ふぐっ…」ドサッ

少年(これマジでチートすぎないか?)

鬼王子「……くそぉ…」グググッ
271 : [saga]:2012/10/20(土) 18:19:29.06 ID:qzpm53Wm0
少年(えっ、勇者ちゃんの意識を使えば僕が勇者ちゃんの魔法を使うことが…?)

少年『雷撃魔法』ピシャッ

忍者「ぎゃんっ」ドサッ

忍者達「「つ、強すぎる……」」

鬼王子「忍! どうなってんだよっ!」

忍「こいつら忍者って言っても、しょせん学生だし。隠密行動未経験だし」スパー

鬼王子「ふてくされてんじゃねーよ! お前がいけっ!」

忍「はいはい…」ユラァ

少年(忍だけはレベルが違う…。一気に決めてしまうか?)

少年『変更・強制モード』

勇者「え?」ガクッ

竜娘「任せました」ガクッ

少年「鬼王子、もうやめにしないか?」

鬼王子「…無理だ。ワシにもメンツがある」

少年「そう…残念だよ」
272 : [saga]:2012/10/20(土) 18:30:06.47 ID:qzpm53Wm0
勇者「たぁああああ!!!」バッ

忍(速い…だが……)シュンッ

竜娘「やぁああ!!」ブンッ

忍「くっ…」バッ

少年「紅! 最少射出!」バンッ

忍「主、こいつらズルすぎです」ドサッ

少年(終わった…か?)



―――いや、忍よ。お主はよくやったよ。



少年「なっ!?」ゾクッ

竜娘「ど、どこに行くんですかっ!」ダダダッ

勇者「すごい魔力…でも、少年君負けないよね!」ダダダッ

少年「ああ、“二人が斜線上にいたら邪魔”だからどけてもらったよ」

少年(あと、二人の構成力を全て借りるよ)

勇者「……!? あぁあああぁあああああ!!!」ガクガク

竜娘「……っ、うぅうぁあああああああ!!!」

少年(本当だ、店主のおっちゃん。僕、“大きい構成の方が得意みたい”)

忍「なっ……なんという力…」

鬼王子(構成が目に見えるほど強力で、しかも天を貫くほど巨大な方陣を描くとは…しかしっ)

鬼王子「鬼族が一子相伝必殺の一撃! 受けてみよ!」ブゥゥウゥンッ!

少年『虚空』シュゥゥゥゥゥンッ


鬼王子『   覇ぁっ!!   』少年














273 : [saga]:2012/10/20(土) 18:37:25.73 ID:qzpm53Wm0
校長室の屋根。

校長「ほっほっほ。危ない子達じゃ」

使い魔「校長の結界を打ち破るなんて、殺した方が良いんじゃね?」

校長「なぁに、結界を破ればそこに待ってるのは“おしおき”じゃよ」

使い魔「もしかして“わざと”打ち破れるようにしてたりする?」

校長「ほっほっほ、どうじゃろうなぁ」

使い魔「ほんと性悪爺さんだな。それより、どっちかかなり危険な魔力発してね?」

校長「そうかの? 大切なのは魔力じゃない。心じゃよ」ホッホッホ

使い魔「たく、殺されてもしらねーぞ?」

校長「ほっほっほ」

使い魔「ちっ、殺される気なんてさらさらねーな」

校長(懸念があるとすればむしろ“こっち側”の方じゃの…)
274 : [saga]:2012/10/20(土) 18:43:07.64 ID:qzpm53Wm0
少年「う、動けない……」ピクッピクッ

鬼王子「くそ…が」ググッドサッ

忍(何が起きたんだ?)

勇者「僕も動けない……」グデー

竜娘「ウチは…かろうじて…」フラァ

星詠「……校長先生に魔力を根こそぎ奪われたようですね」ヤレヤレ

少年「制限を越える威力を放てば、その空間にいる者すべての魔力を奪う…すごいな」

鬼王子「……くそ、このままじゃ妹が…」

少年「今のうちに教えてくれ。お前の妹に何があったんだ?」

鬼王子「………」

忍「主、ここは彼らに協力を請いましょう」

鬼王子「おぬし……」

少年「そもそも僕たちは君と敵対するつもりなんてさらさらないんだ」

勇者「怖いの嫌いだし」

竜娘「お姉ちゃん助けたいし」

鬼王子「………分かった…」
275 : [saga]:2012/10/20(土) 18:51:26.10 ID:qzpm53Wm0
数分後。

少年(やっと動けるようになってきた…)

鬼王子「おぬしの姉を襲ったのも、ワシの妹をさらったのも、どちらも暗殺学科の者じゃ」

少年「暗殺学科の?」

忍「鬼一族の中で私たちと別行動しているのは、暗殺学科の三番手“夜叉”だけじゃ」

勇者「夜叉って聞いたことある! たしか円卓の騎士の一人だ!」

鬼王子「そうじゃ。その荒々しい行動のせいで三番手に甘んじておるが、戦闘力だけで言えば聖騎士に負けずとも劣らないやつじゃ」

少年(お姉さんと? マジか…)

竜娘「何でその夜叉とかいう人がお姉ちゃんを襲う訳?」

鬼王子「冷静になれば簡単なことじゃ。…これを狙っておったんじゃな」

少年「竜と鬼のぶつかりあい…」

忍「私は最初から気づいていましたけどね」

鬼王子「うるさい」
276 : [saga]:2012/10/20(土) 19:03:27.17 ID:qzpm53Wm0
勇者「でも、暗殺学科って基本的には依頼がないと動かないよね。しかもこの学園内じゃ殺せない訳だし」

鬼王子「じゃからそやつの姉を襲ったのじゃろ。間接的にせよ暗殺できるからの」

少年「じゃあ、鬼姫さんをさらった理由は?」

鬼王子「……昨日、ワシが夜叉に竜族を襲ったことを問い詰めたからじゃ」

竜娘「!? なぜ!?」

鬼王子「ワシらは確かに弱い者を蹂躙した歴史がある。じゃが、現代の鬼一族は規律に従って、弱気をくじくような行為は一切しておらん!」

少年「確かに、僕のいた街の鬼族っぽい人たちも全然普通だったし」

竜娘「そうだったの…」

鬼王子「夜叉は笑いながら言ったのじゃ。“依頼主が望むなら、強姦でも拷問でもなんでもしてやる”と」

勇者「許せない……」グググッ

少年(勇者ちゃん?)

鬼王子「それを聞いたワシはいつの間にか妖刀を抜いていた。しかし、その時には夜叉は……」

忍「私が駆け付けた時には、鬼姫様はすでにさらわれていました」

少年「なら、なぜ今日僕たちを襲ったんだ?」

鬼王子「夜叉が言ったからじゃ。依頼主は竜の一族の者だと」

少年「それも、全て計算の内……」

勇者「もー! 許せないよぉぉおおお!」ガバッ

少年「勇者ちゃん…」

少年(正義の怒りを力に変える…これが勇者としての器……)
277 : [saga]:2012/10/20(土) 19:11:00.39 ID:qzpm53Wm0
少年「そうなると、問題は誰が“本当の依頼主”かってことだね」

鬼王子「ああ、それについてはさっぱりわからない」

竜娘「お姉ちゃん……」

星詠「見えます…。女の子が二人、南の学園外へ連れ出されている光景が…」

一同「「なっ!?」」

勇者「僕、先に行ってくる!!」ダッ

少年「勇者ちゃん! 待って!!」

少年(この人の予知を信用しちゃいけない!!)

竜娘「ご主人、ウチの背中に乗って!」ヨイショ

少年「ごめん…頼むよ」

竜娘「ウチらの問題に手を貸してくれてるのはご主人様じゃないか! これくらいなんてことないよ!」

鬼王子「待てっ!」

二人「?」

鬼王子「忍、おぬし二人についていけ」

忍「マジですか」

鬼王子「動けないふりしておるが、本当は何ともないくせに」

忍「てへ」スクッ

少年「え、なんで?」



忍「いやぁ、私実は“魔力が全くなくて”」タハハ



少年「!?」

竜娘「ほんとだ…全く感じない」

鬼王子「今日から、その男がおぬしの主じゃ。…じゃが、命に代えても鬼姫は救ってくれ」

忍「らじゃ」ビシッ
278 : [saga]:2012/10/20(土) 19:27:00.37 ID:qzpm53Wm0
南街道。

少年「それじゃあ、君は異界から?」

忍「はい、そうですー。私は○○からやってきましたー」

少年(○○が文字として認識できない。異界の言葉だからか?)

忍「でも、こっちの方が面白いので、これからはあなたを主として仕えさせて頂きます」ペコ

少年「いや、竜娘もそうだけど、僕まだ学生だよ」

忍「鬼王子はすでに100人近い従者がいますよ」

竜娘「竜之介様もウチと同い年で学生だけど、50人近い竜人と主従関係結んでるよ」

少年「そうですか……」ハハハ

少年(ほんと、価値観の違いって怖いな)

ベル『お前が始めたことだろ』ニヤニヤ

少年「ベル!」

ベル『お前さんに悪い知らせだ。半年はNTシステムが使えなくなった』

少年「まじかぁ…」

ベル『あんま驚いてないな』

少年「だって、腕の痣も消えちゃったし。ベルの能力や魔力が校長に吸い取られたんでしょ?」

ベル『まぁ、そんなところだ。NTシステム自体はすでに少年のものになったから使えるはずだ。だが、もう俺様の“知”には期待しない方が良い」

少年「……最初からそんなにあてにしてなかったけどね」

ベル『お前って、ほんと酷い奴だな』

少年「そう? で、ベルももう消えちゃうの?」

ベル『いや、俺様は最初から大地の力で少年に話しかけてたからな。これからも定期的にコンタクトをとるぞ』

少年「そっか、よかった」ニコッ



―――ベル、お前がいてくれてよかったよ。



ベル『………っ』

少年「ベル?」

ベル『なんでもねぇよ。じゃあまたな!』

少年「はーい」
279 : [saga]:2012/10/20(土) 19:32:51.20 ID:qzpm53Wm0
魔法学園――南門。

夜叉「はっはー!」ブチュッ

竜女「………」

夜叉「ほんと馬鹿な女だな! 自分から飛び込んでくるなんてよ!」ジュルッチュバッ

竜女(本当は殺したかった…でも、もう殺して……)

夜叉「この門出たらぶっ殺してやるからよっ! 楽しみにしとけっ!」

鬼姫「やめるのじゃ、夜叉よ」

夜叉「あ? おめーにそんな権利あると思ってんの?」

鬼姫「ある。なぜならばわらわは鬼姫じゃからじゃ」

夜叉「あー、はいはい。お前も南門出たらぶっ殺してやるからな」

鬼姫「させぬ…させぬぞ」キッ

夜叉「はっはー! 後ちょっとでお前たちの命も―――「待てぇ!!!」

夜叉「………誰だぁ?」




勇者「僕は勇者、お前を倒しに来たぞ!!」ゴォオオ!!!




夜叉「……ほぅ」ニマァ

280 : [saga]:2012/10/20(土) 19:39:54.86 ID:qzpm53Wm0
まるで週刊誌みたいなタイミングですが、いったんここまで!

続きは夜中いけたらいきます!


>>265
いけコカは見たことないですが、あそこまで続けると無職になっちまいます。


現在の状況。

少年一派
・勇者が夜叉に追いつく。少年たちは勇者を追いかける。

鬼一派
・忍が少年の従者となる。鬼王子達は体力の回復を待って夜叉を追いかける。

竜一派
・状況がつかめていない模様。竜娘に期待をしている。

聖騎士
・誰かを殺した?

学園
・まだカリキュラムのお試し期間中なのに、事件で混乱している。
・校長は全てを把握してそう。

暗殺学科
・誰かの依頼を受け、夜叉が動く。

騎士
・誰かに命をねらわれている。父親が保守派と対立している。

保守派
・あまり少年の入学を歓迎していない。弱い者を排除しようという考え。

ベル
・少年を魔王にしたい。少年と誰かを重ねている?

魔剣士
・どこへ行った?



けっこう相関図だけでもすごいことになりそうですね。

あんちゃんの出番はあります!!忘れてないです!!

応援よろしくです!!

では!!
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/20(土) 19:56:18.81 ID:NlT1ha8DO
乙乙
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/10/20(土) 19:56:38.59 ID:ib0BPm1z0
乙!!
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/20(土) 22:19:49.48 ID:+fm8ihW+o
乙です
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/20(土) 23:52:26.73 ID:xFdodaYU0
285 :1 [saga]:2012/10/21(日) 01:19:09.20 ID:XL7Otgp80
ただいまんちょす。

超おねむなので、少ししか更新しないかも。

では、続きー。
286 :1 [saga]:2012/10/21(日) 01:26:06.39 ID:XL7Otgp80
勇者(力が溢れてくる……)キッ

夜叉「おーおー、気合入ってるなぁ」バッ

竜女「……っ、はぁはぁ…」ボーッ

勇者「竜女さんっ! ……よくもっ」

夜叉「あん? 何言ってん――「うるさいっ!」ドガッ

夜叉「ぐぅっ」ズザザザッ

鬼姫「あの夜叉を吹き飛ばしたじゃと!?」

夜叉「……ぺっ。…へぇ、案外やるじゃねーか」

勇者「僕は勇者。正義を守り、弱者を助け、そして悪を倒す!!」

夜叉「おめぇが勇者か…へへ、探す手間が省けたぜ」バッ

勇者「逃げるのか!?」ダッ

鬼姫「深追いはやめるんじゃ! そこは“学園外”じゃ!!」

勇者「えっ!?」

夜叉『斬っ!』ズンッ

勇者「うわっ!」

夜叉「ちっ、鬼姫の奴余計なことを…」

勇者(ここを越えれば結界の外……でも)

夜叉「こねーのか? それなら」

竜女「……ぐっ」



夜叉「 殺すぞ? 」



勇者「うりゃぁああああ!!」ダッ
287 :1 [saga]:2012/10/21(日) 01:38:19.10 ID:XL7Otgp80
勇者(少年君の魔法で強くなってなかったらすぐ負けてた…)ブンッ

夜叉「おっと、へへへ、やっと人が殺せるぜぇ」

勇者「 雷鳴剣!! 」バチバチバチ

夜叉「………」スッ

勇者「やぁああああ!」

夜叉「……それで殺し合いしてるつもりか?」ドガッ

勇者「ぐぶっ…か、はっ」ドサッ

夜叉「つまんねぇ…つまんねぇよお前」スッ

勇者(鉈? ……大きいな…僕の首、吹っ飛ぶかな…)

夜叉「……じゃぁなっ」ブンッ



――――ザンッ!!



竜女「………あ、ああ…」

少年「くっ………」ポタポタポタ…

夜叉「おめぇ…少年とか言う奴か?」

勇者「あ…ああ、い、いやぁああああ!!」

少年「大丈夫!! 右目をやられただけだから!」バンッ

夜叉「はっはー! おめーは“やれる目”をしてるな」ブゥン…

少年(くそっ、魔力がない上に紅は威力上昇の構成もない…)

夜叉『………斬っ!!』ブンッ

少年「……っ」ズシャッ

少年(紅が粉々に…おっちゃんごめん…)

夜叉「ふぅん」

少年(内気功!)ブゥン

夜叉「それは俺ら鬼一族の得意技だぜ」ブゥン


少年「 覇っ!!! 」夜叉


少年「ぐうっ!」ズザザザッ

忍「主、大丈夫ですか」ガシッ

少年「…ああ、すまん」

忍「いえ、後で性行為してくれれば許します」

少年「なんでだよ!」

忍「クノイチなので」

少年「わかんねぇよ!!」

竜娘「お姉ちゃん!!」ダッ

竜女「竜娘……」フラッ

288 :1 [saga]:2012/10/21(日) 01:38:51.09 ID:XL7Otgp80






竜女「 私を 殺して? 」







289 :1 [saga]:2012/10/21(日) 01:45:44.47 ID:XL7Otgp80
勇者「あ、ああ……」ガクガク

勇者(何を僕は思い違いしてたんだ。僕はダメ勇者なのに…僕のせいで少年君を…)ガタガタ

少年「……くっ、血が止まらない…」

忍「任せてください」サササッ

少年「おお、一瞬で包帯巻きに」

忍「忍法ぐるぐる巻きです」

少年「適当だな」

忍「適当です」

竜娘「駄目だよ、駄目だよお姉ちゃん…」ググッ

夜叉「はっはー! おい、そこで絶望的な顔してる勇者! おめーに良いこと教えてやるよ」

勇者「……えっ」

夜叉「おめーが助けようとした“弱き者”はな、



 自分から俺に腰を振ってきたんだぜ」




勇者「……えっ」

竜女「………」

夜叉「強い魔力に惹かれるんだろ? だったら、俺に惹かれるのは当然だろ」ゴォッ

竜娘「なんと強く、まがまがしい魔力…」


夜叉「俺は円卓の騎士だぜ?」


勇者「ほん…とうなの?」

竜女「………仕方なかったのよ。本能には逆らえない」
290 :1 [saga]:2012/10/21(日) 01:55:42.45 ID:XL7Otgp80
夜叉「さぁ、正義の味方さん。自分から飛び込んできた女の味方をして、俺を殺そうとする行為……


果たしてそれって正義なのかねぇ」ニマァ


勇者「あ、ああ…」ドサッ

夜叉「あーあ、気付いちまったかぁ。おめーら正義の味方はいつもそうだ。勝手に決めた正義で、勝手に決めた弱者のために、勝手に決めた悪を殺すんだ」

勇者「いや、いやぁ…」ガタガタ

夜叉「ほんと、いつだって正義っての「黙れよ」

夜叉「あん?」

少年「黙れって言ってんだ」ギロッ

勇者「少年…君」グスッ

少年「勇者ちゃん。君には君の正義があり、理念があり、信条がある。僕はそれを絶対に否定したりしない。だから、自分を信じて」ニコッ

勇者「じょうねんぐぅん…」グズッ

夜叉「ふーん、もっとクールな奴だと思ったけど、案外――」タラァ

夜叉(血?)

少年『蒼・限界突破』ボトッボトッ

忍「主、血が…」

少年「いい。どうせ僕の腕はこれに耐えられない」ドンッ

夜叉「ぐっ」ボコッ

夜叉(なんて威力だ。人型では竜族に次いで堅い俺の皮膚をへこませるなんて…)

竜娘「ご主人様、それ以上は腕が…」

少年「………良いんだよ。それより竜娘ちゃんはお姉さんを見てあげて」ニコッ

竜娘「…はいっ」ダッ
291 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:01:58.98 ID:XL7Otgp80
夜叉「はっは、おもしれー! おもしれーなお前!!」

少年「僕は面白くもなんともない! 皆はそれどころか悲しんでる!!」ドンッドンッ

夜叉「ぐぅっ!」ズザッ

少年「僕は僕の大切な人たちを傷付けるのを黙って見ている気はない!」シュゥゥゥンッ…

夜叉「……これはちょっとやべーな」

少年「最大は「こいつはだーれだ」

あん「………」ボロッ

少年「あん…ちゃん?」

夜叉「こいつが昨日襲いかかってきてよ。返り討ちにしてやったんだが、お前の知り合いだったか?」

少年「お…ま……えぇ」グググッ

夜叉「はっはー!! 背中に隠しておくのは面倒だったが、こんな所で役に立つとは思わなかったぜぇ!」

少年「………」グググッ
292 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:02:26.50 ID:XL7Otgp80






ベル『力が欲しいか?』





293 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:08:00.59 ID:XL7Otgp80
少年「ベル?」

ベル『お前が今欲してるのは知でも癒しでもないだろう。



―――純粋な力だ』



少年「……ああ、そうだ。僕は今、状況を解決に導く術も、傷ついた人たちを癒す光も欲していない」

ベル『ああ、そうだな』

少年「僕は今、欲している」

ベル『そうだ、欲している』









少年「僕は、僕を邪魔する奴を殺す力を欲している」








294 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:09:00.00 ID:XL7Otgp80








ベル『受け取れ。これが―――力だ』







295 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:20:52.29 ID:XL7Otgp80



少年「あぁあぁあああああぁああぁあああぁあああ!!!!!」

夜叉「なんだぁ?」

忍「主…」

竜娘「ご主人様!」

勇者「少年…君」

少年(黒い、暗い、汚い、醜い、弱い、あざとい、


しかし……生きたい)



少年「これが……力」ブンッ

夜叉「な、に?」ドサッ

夜叉(俺が…この俺が“魔力酔い”だとぉ!?)ガクガクガク

竜娘「まるで校長みたい…」

少年「竜女、こんな“ちっぽけな魔力”に惹かれてるんじゃねぇよ」

竜女「は、い……」

竜女(なんだろう…この人の前では全てが無意味な……)

少年「だが、もう遅いんだろ」スッ

竜女「お願いします」スクッ



少年「ああ、今―――救って(殺して)やる」ググッ




勇者「あぁああああ!!!」ガッ

少年「………勇者、ちゃん?」
296 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:27:45.23 ID:XL7Otgp80
勇者「………」ユラァ

少年(気を失っている? なんだこの威圧感…怖い)

ベル『少年、逃げろ。“今はダメだ”』

少年「……“何から”?」



ベル『 勇者からだ 』



少年「……嫌だ。あの子は仲間だ」

ベル『今は敵だ!! もう分かっているだろ!!




 それは魔王の力だっ!!』





少年「それでも……嫌だ!」

ベル『………っ』


―――殺されると分かってても、…俺は嫌なんだよ。ベル。


ベル『ちっ、分かったよ』スッ

少年「……あっ」フラッ

ベル『魔王の話はいったん保留にしてやる』

ベル(初代の二の舞になられてもごめんだからな)
297 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:34:55.66 ID:XL7Otgp80
少年「………」ドサッ

忍「主」シュタッ

忍(傷が全て癒えている…今の力はいったい…)

竜娘「ご主人様ぁ!」ギュッ

竜娘(一瞬感じた闇は……怖かった…)ギュゥゥッ

勇者「………」スゥスゥ…

あん「………」zzz

鬼姫「なんじゃこやつらは……」

鬼王子「……バカ、じゃろうな」ヤレヤレ

鬼姫「兄上……」ウルウル

鬼王子「鬼姫…心配したぞ」

鬼姫「兄上ぇえええ!」ギュッ!!

鬼王子「……夜叉を捕らえよ」

忍者「はっ!」シュッ

夜叉「………ぜってぇ殺す」ゼェゼェ

竜女「………わ、たし…?」

竜娘「お姉ちゃん!! お姉ちゃんから夜叉の魔力が消えたよ!!」

竜女「うそ……」

竜娘「ほんと良かったよぉ」ギュゥゥッ

竜女「うえぇ、うえぇえええん!!」
298 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:39:46.79 ID:XL7Otgp80
保健室。

少年「………」クゥクゥ…

勇者「………」zzz

聖騎士「すまなかったな。二人とも」ナデナデ

黒騎士「聖騎士。時間じゃ」

聖騎士「はい。準備はできてます」

黒騎士「…本当に良いのか? 道は修羅の道だぞ?」

聖騎士「黒騎士様も同じでは?」

黒騎士「そうだな。しかし、タダでは死にはせぬわ」

聖騎士「ええ…、それは私も同じです」






黒騎士「行くか―――保守派を殺しに」





聖騎士「はい」スクッ

聖騎士(勇者……少年君。次会う時は“敵”…かもな)スッ
299 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:43:12.10 ID:XL7Otgp80



――結局、目を覚ませば何もかもが終わっていた。



勇者「おねえちゃぁあああん!!」




――お姉さんは保守派の教師を皆殺しにした罪で指名手配となった。




校長「……そうじゃな。暗殺学科は廃止じゃ」




――暗殺学科など“負の学科”と呼ばれる学問は全て無期限休校となった。





300 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:48:49.77 ID:XL7Otgp80
勇者の家。

少年「生徒達も三割が退学、二割が休学。カリキュラムも作りなおす…か」

忍「異界の学校制度を取り入れるそうです」

竜娘「私達は“高校生”ってのになるらしいですよ?」

勇者「僕は高校三年生だって」

少年「僕が二年生」

忍「私も二年生」

竜娘「ウチは一年生」

少年「え、そうなの? 年上だと思ってた」

竜娘「ご主人様が望むなら年上のように優しくリードしてあげてもいいよ」ギュッ

少年「おおふ…」

少年(お姉さん…大丈夫かな……)

301 :1 [saga]:2012/10/21(日) 02:53:32.44 ID:XL7Otgp80
少年「おまたせー」グツグツ

勇者「わぁ! スキヤキだぁ!」

少年「ちっちっち。今回は…じゃーん、キムチ鍋だぁ!」

一同「辛そ〜〜」キャッキャ

少年「白飯もたくさんあるから、いっぱい食べていいよ〜」

一同「はーい」




少年「なんか忘れてるような……」




あん「ここ、どこですかぁ〜?」キョロキョロ


――後日、あんちゃんは捜索隊により無事発見された。


第三章下 完


302 :1 [saga]:2012/10/21(日) 03:00:14.14 ID:XL7Otgp80
第三章終わったー!!

最終的に少年は銃を二丁失い、魔力を失くし、ベルの知を失うという主人公とは思えない失いっぷりを発揮しております。

しかし、従者に竜娘と忍、仲間に勇者。友達がたくさんできました。

ということで、次回予告!



第四章 光と影 



メインヒロインは聖女ちゃん。

サブヒロインを投票で決めるぜ!

・勇者ちゃん
・暗殺者ちゃん
・大和撫子
・聖騎士
・部長
・部員
・賢者ちゃん
・竜娘
・忍

明日の夜くらいまでに多いキャラで。
一人一票です。


では! おやすみんみん!
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 04:13:50.24 ID:mwfk/k/yP
投票とか萎える
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 08:04:52.03 ID:z0sF59yVo
聖騎士
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 08:08:53.37 ID:AZrYlQ5DO
聖騎士
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/21(日) 10:20:42.27 ID:XQ9iWPsBo
乙だが
投票とかヒロインとか死ぬほどどうでもいい
307 : [saga]:2012/10/21(日) 10:38:46.17 ID:J1NlSx6F0
おはよーごじゃじゃまーす!

>>303>>306
>>1の前作を見てほしいってこっちからは飛べないのか。
今作の出だしは不評だったから少しずつ修正してたけど、もう好きに書いてもいいのかな…。

それじゃ、今日もぬるぬると続きー。

聖騎士はどっちみちサイドストーリー展開あるのでご心配なく。
308 : [saga]:2012/10/21(日) 10:41:57.83 ID:J1NlSx6F0




―――起きて。




少年「うぅん…、あとちょっと…」ゴロンッ




―――起きてよ! 少年!




少年「えぇ? やだよー。もう後五分…」




先生「起きろや。少年」ズズイ

少年「うわっ! 化物!?」

先生「誰が化物だ。教師に向かってこら!!」

生徒「「はははははっ」」

少年「………」

少年(今のは夢…なのか?)
309 : [saga]:2012/10/21(日) 10:46:41.46 ID:J1NlSx6F0
屋上。

少年「それにしても、校長すごすぎだろ…」

勇者「ほんとだねー」

竜娘「魔法ってここまでできるんですね…」


少年「すべての校舎を“一晩”で造り変えるなんて化物だろ…」


忍「いやー、私としては懐かしいですねー」

少年「○○にこんな学校あったの?」

忍「あったというか、学校はほぼこんな校舎でしたねー。…まぁ、闘技場とかはなかったですけど」

忍(学園の敷地全体を見ればなんか某学○都市みたいな感じになってるし…)

少年「カリキュラムも大学に入るまでは一律なんだってなぁ」

勇者「そのことなんだけど……」ドヨーン

竜娘「どうしたの?」
310 : [saga]:2012/10/21(日) 10:53:47.95 ID:J1NlSx6F0
勇者「来週に学年、学科、クラスを決める学園一斉テストがあるらしいの」

少年「何か問題があるの?」

忍「はい。私がスパイしたところ、成績いかんでは“小学生”…つまり10歳前後の生徒と授業を受けなければならなくなります」

少年「……マジ?」

忍「マジです。ちなみに、成績表を見たところ、危険なのは勇者さんと主です」

勇・少「「嘘ですよね?」」

忍「マジです」

勇者「や、やだよぉ〜」グスッ

少年(まぁ、魔力がまったく戻らないからなぁ。僕の戦い方は少ないながらに魔力頼りだし)

忍「しかし、勇者さんはいずれ大学で勇者学を専攻するため、落ちることはないと思いますが…」

少年「……僕?」

忍「主は魔力が戻らない限り…やばいですね」

竜娘「ご主人様…」

少年「マジか……」

忍「そこで良いお話があります」

少年「お前は万能すぎるだろ」

忍「それなら抱いてください」

少年「で、いい話って?」

忍「………ちっ」

少年「今、ちって言っただろ!」

忍「実は…」

少年(無視された…)
311 : [saga]:2012/10/21(日) 10:54:43.17 ID:J1NlSx6F0







忍「奇跡姫という生徒がおられまして」





312 : [saga]:2012/10/21(日) 10:58:49.40 ID:J1NlSx6F0
少年「奇跡姫?」

忍「ええ、なんでも彼女が助けたいと願った者にはすべからく奇跡が起きるらしいです」

少年「それはすごい…」

忍「さらにすごいのは、その女性がまるで女神のように美しいのです」

少年「ほうほう」

勇者「………」ジトーッ

竜娘「ご主人様…」ヤレヤレ

少年「………ごほん」

忍「その子になんとか会うことができれば現状は打破できるかも…」

少年「……ま、そうだね」スクッ

勇者「少年君?」



少年「まずは自分が努力してからね」ニコッ



忍「ああっ、まぶしい! 成績を改ざんした自分がちっぽけに見える!!」

少年「そんな技術がありながら、そんなことにしか使えない君は十分ちっぽけだよ!」

忍「てへ」
313 : [saga]:2012/10/21(日) 10:59:33.68 ID:J1NlSx6F0







第四章 光と影






314 : [saga]:2012/10/21(日) 11:00:15.38 ID:J1NlSx6F0
いったんここまで!

もしかしたら昼更新するかもしれないし、明日になるかもしれません!!



では!!
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 11:14:54.42 ID:CYq746IIO
おつ
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/21(日) 11:58:14.82 ID:Zcbu87u+o
おつ
317 : [saga]:2012/10/21(日) 12:48:16.88 ID:J1NlSx6F0
やばい勇者ちゃん推しから忍推しに変わりそう。

いけコカの人いろんな人に絵を描いてもらってうらやましす。

がんばろう・・・

という訳で、時間ができたので少しだけ続きー。
318 : [saga]:2012/10/21(日) 12:59:14.62 ID:J1NlSx6F0
三日後。。。少年の教室。

少年「クラス分けまで後4日…」

忍「現状、主の成績ではラインは突破できません!」

少年「でも、いきなり小学生はないだろ?」アセ

忍「そうですね。悪くても中学3年生ってとこでしょうか」

少年「でも、恥ずかしいなぁ」

忍「今回の落第は、“弱い”か“バカ”か“不器用”かが皆にばれるってことですからね」

少年「頑張るっきゃない」ゴゴゴ

忍「ところで、なんで主の魔力は戻らないんですか?」

少年「……さぁ? もしかして忍みたいに元々ないのかもな」

忍「おそろいですねっ!」

少年「絶対嫌だけどな」

忍「………ひどい」グスッ

少年「それは何て術?」

忍「忍法“一階から目薬”の術でごじゃる」

少年「………」


――キーンコーン...


??「さぁみんな席についてくださぁい」

少年「え、今の声…」

賢者「授業をはじめますよー」

少年「賢者ちゃん!?」

賢者「少年さん」ニコッ

忍「ナイスバディなのに、幼い声…これは危険だ」バッ

賢者「授業中に外へ出てはいけませんよ」

忍「あばばばば」ビリビリ

賢者「さっ、はじめましょう」ニコッ

生徒たち((鬼教師がきた…))ガタガタ
319 : [saga]:2012/10/21(日) 13:14:00.31 ID:J1NlSx6F0
賢者「それじゃ今日はここまでにします」ニコッ

生徒「気をつけー、れいー」

全員「ありがとうございましたー」ペコリン

少年「賢者ちゃんっ」

賢者「………」ツーン

少年「………賢者先生?」

賢者「なんですか? 少年君」ニコッ

少年(ほんと、賢者ちゃんってその年で先生になるくらい優秀なのに…子供だよなぁ)アハハ

少年「賢者ちゃ…先生はずっと先生するの?」

賢者「そうですねー。今は大学と掛け持ちだから、どっちかに絞るかもしれないですね」ニコッ

少年「そっか…、いずれにせよこれからもよろしく」ニコッ

賢者「あなたのそういう所、英雄気質よね」

少年「英雄?」

賢者「勇者って、ある意味才能がなきゃなれないじゃない?」

少年「うん、確かに」

賢者「でも、勇者としての才能がなくても、勇者のように人民の先頭に立って世界を救う人物のことを、



―――英雄って言うんだよ」ニパーッ




少年「英雄か…」

少年(魔王になれと言われたり、英雄になれると言われたり…みんな僕を買い被ってるなぁ)

賢者「それじゃ、私は次の授業があるので失礼します」

少年「あ、うん。ありがとう」

勇者「少年くーーーんっ!」ドンッ


320 : [saga]:2012/10/21(日) 13:19:46.56 ID:J1NlSx6F0
勇者「ねぇねぇ、さみしかった? さみしかった?」ギュッギュゥッ

少年「うん、そうだね。さみしかったかもねー」ナデナデ

竜娘「ご主人様ーーー!!」ドーンッ

少年「ふごっ」

竜娘「ウチさみしかったよー」ギュッ

忍「では、残りの隙間と言えば下半身しか残っていませ「やめろ」ゴツン

忍「……痛いでごじゃる」サスサス

男子生徒たち(( うらやましい奴めっ ))ゴゴゴゴッ

騎士「よぉ、久しぶりだな」

少年「騎士……」

騎士「ぶ、部員は元気か?」

少年「? 元気だよ。てか同じクラスじゃん」

騎士「そ、そうだったかなぁ。…それよりもっ!」ビシッ

少年(めんどそう…)

騎士「来月の新・ランキング戦。俺とどっちが上にいけるか勝負だぞ!」

少年「……はぁ。…楽しみにしとくよ」
321 : [saga]:2012/10/21(日) 13:25:57.89 ID:J1NlSx6F0
生徒達(元白騎士に勝負挑まれるってあいつどれだけすごいんだよ)

鬼王子「よぉ、久しぶりじゃのぉ」

少年「そうかな?」

生徒達(今度は鬼一族のトップが現れたぁあ!!?)

少年「鬼姫ちゃんは元気か?」

鬼王子「……それを聞くならちゃんと責任とれよ」

少年「なんでだよっ! 近況報告くらいしろよ!」

鬼王子「お主の今の状況見てたら兄として不安にもなるわっ!」

少年「………ぐっ、ひ、否定できない…」

鬼王子「とにかく、来月の新・ランキング戦「もう知ってるよ」

鬼王子「そうか、楽しみにしておるぞ」ハハハ

少年「いや、まぁ、僕も楽しみにしとく…」

忍「主のハードルがどんどん上がっていく」
322 : [saga]:2012/10/21(日) 13:41:27.54 ID:J1NlSx6F0
昼休み。

少年「―――と、いう訳で奇跡姫を探したいと思う」

勇者「はーい」

忍「噂が本当なら、私たちと同い年らしいですよ」

少年「へぇ、同い年で美人かぁ」ポッ

竜娘「あーーー! ご主人様が変な想像したぁあああ!」

勇者「だめーーーー!!!」

少年「してない! してないって!!」

忍「私は主と変なことする想像しかしたことないです!」

少年「堂々と言わないで! そういうのは隠して!!」

??「ふふっ」クスクス

少年「ん? 今の声…」

聖女「お久しぶりですね。少年様」ニコッ

少年「聖女ちゃん!」

聖女「皆様もお元気そうで何よりです」ペコ

三人「はぁ、ご丁寧にどうも」ペコペコ

少年(勇者と忍と竜がペコペコすんなよ)ヤレヤレ

聖女「何のお話してたんですか?」

少年「いや、実はきせ―――」
323 : [saga]:2012/10/21(日) 13:47:23.99 ID:J1NlSx6F0
少年(銀色の髪…美しい姿…もしかして………)

少年「奇跡姫?」

聖女「…あら? 私、その呼ばれ方あなたにお話ししましたっけ?」

忍「キターーーーー!」

勇者「えー、君が奇跡姫なの!? 美人過ぎるよぉ」グスッ

竜娘「強くはないけど美味しそうな澄んだ魔力の匂い…」スンスン

聖女「な、何のお話…で……「こっち来て!!」ギュッ

聖女「まぁっ」///

忍「護衛します!」シュタッ

竜娘「ウチもー!」

勇者「僕もー!!」

男子生徒たち((あいつマジで死なねーかなマジで))

女子生徒たち((少年君ってやっぱ魅力的なのね…))///
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 13:55:36.38 ID:+X0WmBCJo
>>1
前作のタイトルは?
325 : [saga]:2012/10/21(日) 13:55:58.16 ID:J1NlSx6F0
屋上。

少年「お願いっ!!」

聖女「まぁ、私を頼ってくださるのね」パァッ

忍「主の魔力が戻らないのです」

竜娘「ご主人様の女好きが直らないのです」

勇者「少年君が僕のことだけ愛してくれないのです」

聖女「え、えーっと…」

少年「無視していいよ無視」

竜・勇「ひどいっ!」

忍「私はまともなこと言ってるのに…」


聖女「しかし、私の力でどうにかできるものか…」ウーン

少年「できそうにない?」

聖女「いえ、そもそもが私の奇跡と呼ばれる力は、前向きな心の者には届かないのです」

四人「???」

聖女「私の聖魔法――いわゆる法術は、その人の心に光を照らし浮き彫りとなった影を視る力なのです」

少年「つまり、正の感情…他人を助けたいとか世界を救いたいという願いはかなわないと?」

聖女「いえ、違います。それらは“本人が叶えるべき所業”なのです」

少年「あ…そういうこと」

聖女「誰かを殺してしまった、誰かを消してほしいなど、“取り返しのつかない所業”に関しては法術はかなり有効です」

忍「主のはどっちだ?」

勇者「そりゃあ、主はエロいから大丈夫でしょう」

少年「おい」

聖女「ふふっ、あとは属性も関係します」

少年「属性?」
326 : [saga]:2012/10/21(日) 14:00:08.48 ID:J1NlSx6F0
途中ですが、仕事に戻るのでここまでにします!

続きは夜いきたいです!!

>>324
男「本当の魔法使いはこんなもんさ」女「さいてー」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348748568/

です。
いかに着地点を見失ってるかわかると思います。
だから、今回は読んでくれてる人が誰に興味があるか調べつつ話を進めてたのですが、萎えるのは困るので投票はやめときます。

もしよかったら読んでみてください。

では!!
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/21(日) 14:48:24.93 ID:ld99sVRL0
乙!
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/21(日) 19:45:52.94 ID:xM94BQkj0
読んだ!!!
あれはいいものだ
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/21(日) 20:34:16.59 ID:Zcbu87u+o
マモノがよかった
330 :1 [saga]:2012/10/22(月) 00:20:47.95 ID:X2uGVBnx0
>>328>>329
あの作品は自分のエゴ丸出しだったので、褒めてもらえるとうれしいです。

こっちもがんばるじぇい!



二時あたりまで続きー
331 :1 [saga]:2012/10/22(月) 00:46:20.47 ID:X2uGVBnx0
少年「属性っていうのは、魔力の属性の事?」

聖女「ええ、それもあります。でも魔力は環境で変化しますので、どちらかと言えばその人の本質…とでもいう存在の属性ですね」

勇者「へー、なんか面白いー。僕の属性はー?」

少年「え?」

竜娘「何を言ってるの?」

忍「あなた…バカじゃないですか?」

勇者「がーん…」

聖女「ふふっ、勇者さんは本当に面白い人ですね」

勇者「聖女ちゃんまでー」グスッ

少年(もう“ちゃん付け”…さすが勇者ちゃん)

聖女「勇者さんはもちろん光属性ですわ。魔力も本質も光属性の中心にいますね」

勇者「えへへー♪ いいでしょ〜」

少年「いや、自慢されても…」

聖女「忍さんは魔力をお持ちでないんですね。もしかして異界からこられました?」

忍「すごい、ばれたの初めて」

聖女「本質は…これも珍しいですね。“無”ですか」

忍「無?」

聖女「はい、そうです。異界の方でも色は着くのですが…」

忍「あー、もしかしたら私は捨て子だからかも」

少年「捨て子?」
332 :1 [saga]:2012/10/22(月) 01:01:06.51 ID:X2uGVBnx0
忍「これ以上は乙女の秘密です」チュパッ

少年「投げキッスすな。…言いたくないなら聞かないよ」

忍「だから主は鬼王子より好きー」ニコッ

少年「………っ」///

聖女「不思議なことに少年さんの本質も無……いえ、違いますね」ジロジロ

少年(うわ…肌つやつや。髪さらさらすげー)ドキドキ

勇者「………」ムーッ

聖女「魔力は…残り香みたいなものですが…闇ですね。人でこんな闇の中心にいるのは初めて見ました」

少年(やっぱベルからもらった分が残ってるのか?)

聖女「……? もうひとつ魔力が…??」グルグル

少年「どういうこと?」




聖女「光と闇が同居…ありえません」




少年「???」
333 :1 [saga]:2012/10/22(月) 01:51:43.72 ID:X2uGVBnx0
聖女「………そういうことですか」ナットク

少年「どういうことですか?」

勇者「早く教えて―」ハヤクハヤク

聖女「少年さんの本質は“虚”ですね」

勇者「うろ?」

聖女「はい、無以上に珍しいですね。…言いにくいのですが、説明聞きますか?」

少年「言いにくい? …聞かせて欲しいかな」

聖女「……虚の属性を持つということは、




常に世界から迫害されているということです」




少年「はく…え? 何それ?」

聖女「……もしかしたら、少年さんも異界の人間なのかもしれませんね。この世界があなたの存在自体を拒否しています」

竜娘「それってあれですね。まお――」ギュムッ

忍(勇者さんの前でそれは禁句ですよ)ボソッ

竜娘「あい…」
334 :1 [saga]:2012/10/22(月) 01:57:52.34 ID:X2uGVBnx0
聖女「とても不思議な集まりですね。竜娘さんの本質は焔。これは竜の一族に多い属性ですね。…けど、魔力は闇の中心にいます」

竜娘「ご主人様の魔力に支配してもらったからねー」

聖女「あなた達はまるでこの世界そのものみたいですね」ニコッ

少年「…ちなみに、聖女さんの属性は?」

聖女「……自分の属性は視えないのです」

少年「そっか」

335 :1 [saga]:2012/10/22(月) 02:07:52.76 ID:X2uGVBnx0
聖女「それで…魔力を戻す、でしたっけ?」

少年「うん、じゃないと…じゃないと大変なことにー」

聖女「私の法術は対象者と世界を繋げることです。…虚属性を持つ少年さんは…」

少年「あ……拒否される…のか」ガク

忍「漫画のようにうまくはいきませんなー」

竜娘「そもそもご主人様の魔力が回復しない理由ってなんなんだろうね」

少年「そうなんだよな。それが分かれば対策も考えられるのに…」

聖女「それなら簡単ですよ?」

少年「え?」




聖女「少年さんが光も影も同居させてる所為で、どちらも動くことができなくなっているだけです」




少年「僕…が?」

聖女「はい。おそらく、それは精神的なものかと…」

少年「あ…」




――僕は、僕を邪魔する奴を殺す力を欲している。




少年(そうか…僕は明るい世界に生きようとしてるのに、心では“それ”を欲していたのか…)

聖女「どちらか選べば回復はするでしょうが…。あまり人間に闇属性の魔力はお勧めできませんね」

少年「……うん、分かるよ」
336 :1 [saga]:2012/10/22(月) 02:14:44.07 ID:X2uGVBnx0
勇者「………」zzz

竜娘「いつの間にか寝ちゃってる」ツンツン

忍「……私は勇者さんを保健室で寝かせてきます。竜娘さんも行きますよ」

竜娘「え? わた「行きますよ」ニコニコ

竜娘「……あい」スクッ

少年「忍…ありがとう」

忍「……いえ。私は主の気持ち…痛いほど分かりますから」スッ



少年「どうすればいんだろ…」

聖女「…少年さんはこの数週間でずいぶんお変わりになられましたね」

少年「そう?」

聖女「はい。前のあなたならきっとこの問題にも“即答”しておられましたよ」

少年「……!」

聖女「それは一面から見れば“弱さ”ですが、他面から見れば“成長”です」ニコッ

少年「適わないな…」

聖女「いえ、私など少年さんのお力になれない非力な存在です」

少年「そんなことはないよ」

聖女「うふふっ、他人のことには即答なさいますのね」ニコ

少年「………」カァ///
337 :1 [saga]:2012/10/22(月) 02:17:48.50 ID:X2uGVBnx0
聖女「光が強まれば影はいずれ滅び、影が増せば光は届かなくなりますが、住み分けすることもできるはずです」

少年「どうやって!?」

聖女「周りを見てください。光も闇もどっちも存在してませんか?」

少年「…たしかに、でも」

聖女「屁理屈…ですか?」

少年「現実として今、僕の中で住み分けできてない訳だし」

聖女「それは、あなたがどちらかを心のどこかで恥じてるんじゃないですか?」

少年「………!? …聖女さんには適わないや」

聖女「良ければお聞かせ願いますか?」

少年「……うん」
338 :1 [saga]:2012/10/22(月) 02:20:12.99 ID:X2uGVBnx0
眠気が限界なので、かなーり中途半端ですがここまでにします!

では!
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/22(月) 02:29:29.38 ID:3neftZyQo
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/22(月) 02:35:28.41 ID:f71wqBt70
おつー
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/22(月) 03:03:05.62 ID:ZV1wi90IO
おつ
342 : [saga]:2012/10/22(月) 10:33:02.23 ID:FuJHZdgK0
おはよーごじます。

眠すぎです。今日は更新チャンスなのに…

続きいけたらいきます。
343 : [saga]:2012/10/22(月) 10:48:58.44 ID:FuJHZdgK0
いったんサイドストーリー行きます。




Side Story
〜空の騎士〜




出演者
・聖騎士
・黒騎士
・男
344 : [saga]:2012/10/22(月) 11:03:31.49 ID:FuJHZdgK0
北の大陸――戦場。

兵士1「た、隊長! もちません!!」

隊長「ええい、ひるむなっ! 魔族も疲弊してるんだっ!」

魔族達「「けけけっ」」ザッザッザッ

隊長(くっ、本隊が到着するまで後三日もあるのか!?)

男「ねぇねぇ、あんたが隊長さん?」

隊長「!? ………見知らぬ者には教えられん」


男「俺をさ、一日3万円で雇わない?」


隊長「は? 誰がお前なんか」

男「そう? 良い働きすると思うんだけどな」

隊長「わが部隊に入りたければ入隊試験を受けるんだな」

男「………仕方ないなぁ。勝手にやりますか」トコトコトコ

隊長「おいっ、そっちはマモノの大群がっ!」

男「ふーん」スタスタ

魔族「きしゃぁあああ!!」バッ

男「………」スッ
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2012/10/22(月) 13:25:30.92 ID:FuJHZdgK0



男『狂化』グググッ



兵士2「な、なんだあいつ…化物になっていくぞ」

兵士3「た、隊長! あいつは味方なのですか!?」

隊長「わ、分からん…わからんが…いったん退却だっ!!」

兵士たち「「わぁあああああ!!」」ドドドドッ

男「ぐるるるるる…」ギロッ

魔族1「きしゃぁ!!」バッ!!

男「がぁっ!」ズシャッ

隊長(自分よりでかい魔族を片手で地へ叩きつけるとは…何者だ)

男「―――ぁあああああ!!!」シュンッ

兵士「きえ・・・た?」

魔族「ぐぁああああっ!」ドサドサッ

隊長「魔翌力を帯びさせなければ傷も与えられない魔族を素手で切り裂いておる…」ゾクッ

男「ぎゃぁあああぉぉおぉおおお!!」ガァアァァァァ!!!

隊長(まるで…“神獣”そのものだ…)
346 : [saga]:2012/10/22(月) 13:27:13.73 ID:FuJHZdgK0
>>345ブラウザを間違えた。魔翌力=魔力でお願いします。

続き。
347 : [saga]:2012/10/22(月) 13:37:42.86 ID:FuJHZdgK0
――戦場より少し離れた地。

聖騎士「……話とは違うな」

黒騎士「ああ、人間勢はみんな戦場から離脱している」

聖騎士(保守派の幹部はこの大陸に逃げ出したと聞いたが…)

黒騎士「ふーむ、それにしてもあの男、一人であの軍勢を圧しておる」

聖騎士「あれは人間なのですか!?」

聖騎士(赤黒い皮膚に視認できるほど禍々しい魔力に覆われたあいつが…?)

黒騎士「ワシは属性を視ることができる。おぬしは妹君と同じように清々しいほどの光属性だ」

聖騎士「それは初耳です。…光か」

黒騎士「奴は……虚だな。この世界から嫌われておる」

聖騎士「うろ…ですか?」

黒騎士「ああ、虚の属性をもつ者は“常に死を求める”。殺すか…それとも殺されるか…」

聖騎士「しかし彼が人間なら、私たちは…」

黒騎士「……うむ。加勢しよう」チャキッ

聖騎士(初老だというのに両手剣を軽々と…。この人が老騎士でも黒騎士でもなく聖騎士の大会に出てたらもしかしたら…)

黒騎士「行くぞ」

聖騎士「はい」スッ
348 : [saga]:2012/10/22(月) 13:42:26.87 ID:FuJHZdgK0
男「がぁああ!」ドッ

魔族1543
「かかったな」ニマァ

男「?」ググッ

魔族1543
「魔族に栄光あれ――」


―――ドォォォォオオオオンッ!!!


男「ぐぅぅ…」ドサッ

魔族2098
「深手を負った! いけるぞっ!」オォオォオォオオ!!

男「ころ…すぅ…」ヨロッ

魔族3333
「死ねぇええええ!!」バッ


―――ギィィィィイイィイインッ!!!


男「………あ?」

黒騎士「大丈夫かの?」グググッ

聖騎士「加勢する」バッ

黒・聖「「やぁあああああ!!!」ダッ

男「………ちっ、良いとこどりかよ」スッ

魔族「ぎゃぁああ!! 退却、退却ぅうううう!!」ダダダッ



聖騎士「……なんだ? 手ごたえのない…」
349 : [saga]:2012/10/22(月) 13:52:46.45 ID:FuJHZdgK0
―――人間軍拠点。

隊長「おお、あなたが中央大陸の最終砦、黒騎士殿ですか」ビシッ

黒騎士「昔の話だ。今は魔法学園で教師を…これも昔の話だな」

隊長「そしてあなたがその魔法学園で最強の称号を持つ聖騎士殿ですね」

聖騎士「……私も昔の話です。今はただの罪人」

隊長「罪人?」

聖騎士「いえ、こっちの話です…」

男「ねぇ、俺の話はまだぁ?」

兵士1「おい、うるさいぞお前っ!」

男「はぁ、俺が一番敵を殺したのに…」

兵士2「隊長、こんな奴放り出しましょうよ」

隊長「まぁ待て、こんな見た目でも魔族軍を退けたのは確かだ」

聖騎士(確かに…異界の“学ラン”と呼ばれる黒い服に茶髪、そしてピアス。礼節を重んじる北の軍人には理解しがたい所があるだろうな)

男「こんな姿って、これ立派な学生服だけど!」

隊長「あー、それは申し訳なかった。謝ろう」

兵士2「隊長!」

男「あー、いいよいいよ。それよりさ、軍隊に入れてくれんの?」

隊長「……実力は認めるが、そなたは規律を守れそうにない。軍への入隊は許可できない」

男「ちぇ、またダメか」ハァ…

聖騎士「またダメとは?」

男「いやぁ、実は東の大陸でも同じことしたんだけど、魔族の大半をぶっ殺したら、“大きすぎる力”は時に災いをもたらす。って断られちまったんだよ」

黒騎士「東大陸が人間側優勢になったのはお主のおかげかっ」

男「へへー、褒めてもいいよ」ニコッ

聖騎士(あ…笑った顔が少年に似てる…)///
350 : [saga]:2012/10/22(月) 13:59:58.99 ID:FuJHZdgK0
男「あー、それじゃあ、次は南の大陸でも行ってみようかなぁ」

聖騎士「なぜ南に?」

男「え、だって中央は人間が支配してるでしょ。西は人間領を越えたら魔族も近寄れない瘴気の海じゃん。東はこの間行ったし南に行くしかないじゃん」

黒騎士「なぜそこまで魔族を殺したがる?」

男「なんでって…あんたらが殺したがってるからでしょ?」

聖騎士「……!!」

男「俺は異界から来たけど人間だから、人間の味方をする。当然じゃん」

聖騎士「魔族の方が正しかったら…?」

男「正しいとか正しくないとか関係ないでしょ。



―――勝ち残った方が歴史、だろ?」



黒騎士「……そうだな」フッ

聖騎士「黒騎士?」

黒騎士「男…と申したかな?」

男「うん、男…もしくは狂戦士と呼んでよ」

黒騎士「男…もしよかったら我らと共に来ないか?」

男「え? あんたらと?」

聖騎士「黒騎士!?」

黒騎士「我らは訳あって魔族の幹部を“数人”殺さねばならない。どうだろう力を貸してくれぬか」

男「いいよ」アッサリ

黒騎士「そうか、なら準備でき次第、北へ向かおう」

男「はーい」

聖騎士(あ、今の返事の仕方も少年君そっくり…)
351 : [saga]:2012/10/22(月) 14:04:09.74 ID:FuJHZdgK0
――拠点、外。

聖騎士「………」

男「いやー、仲間がいるって楽しいなあ」ルンルン♪

黒騎士「そうだな。だが、お主の戦い方はいささか集団戦には向いておらんの」

男「大丈夫大丈夫。あんたら強いから避けれるっしょ?」

聖騎士「……なっ」

黒騎士「はははっ、殺されないようにしないとなっ!」

男「俺もあんたらに刺されないようにしなきゃな」アハハ

聖騎士「………」

男「あ、そういや、一つ聞きたかったんだけど」

聖騎士「なんだ?」




男「少年って子とそいつを誘拐した二人のこと知らない?」




352 : [saga]:2012/10/22(月) 14:07:13.56 ID:FuJHZdgK0





サイドストーリー
 〜空の騎士〜
第一話『狂戦士』完




353 : [saga]:2012/10/22(月) 14:08:23.92 ID:FuJHZdgK0
もう一人の主人公、男君が出てきました。

男ははっきりと異界の人間だと明言しています。

狂戦士=男です。


それでは続きは夜か夜中に。

では!!
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/22(月) 16:00:33.02 ID:RX/mbgu+o
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/10/22(月) 16:31:34.32 ID:vyxChikv0
どういうことだ…
まあ取り敢えず乙!
356 :1 [saga]:2012/10/22(月) 18:43:48.69 ID:X2uGVBnx0
睡眠とるには中途半端な時間ができてしまったので続きいきます。

本編に戻ります。

つづきー。
357 :1 [saga]:2012/10/22(月) 18:58:29.36 ID:X2uGVBnx0
少年「実は、僕はある時期から昔は記憶がないんだ」

聖女「記憶が…ない?」

少年「うん、なんか両親…って言っても義理の両親なんだけど、僕をどこからか誘拐してきて子供として育てたんだ」

聖女「誘拐……」

少年「その義理の両親ってのが、この世の終わりにしかいないような悪党で、盗み脅し殺しなんでもやってた。もちろん、自分の住んでる街の外でばれないように」

聖女「少年さんは何かされたのですか?」

少年「それが覚えてないんだ。僕が聞いたのは両親が処刑された後からだし」

聖女「怖いですね…」

少年「うん、何が怖いって、


――自分が二人に利用されてどんな悪いことをしたのかが分からないことが怖いんだ」


聖女「あ、それで…」

少年「うん、だから僕は自分が光の属性を持てるような、勇者ちゃんのような純粋な存在じゃないと思うから…」

聖女「たしかに少年さんからは死の魔力をいくらか感じます」

少年「死、だって?」

聖女「はい、生き物は死んだ瞬間に死の魔力を周囲に放ちます。それを浴びた人は死の魔力を帯びていくのです」

少年「浴び過ぎると…?」

聖女「特に何もありません。東の大陸の“虐殺王”…一万人以上の自国民を自らの手で殺してきた彼でさえ、何もなかったのですから」

少年「そっか、良かった」

聖女「それに、あなたが帯びている死の魔力は恨みや悲しみを全く感じません。だから相手は満足の死を迎えたのでしょう」

少年(あの闘技場で殺されてたら僕も満足だな…)
358 :1 [saga]:2012/10/22(月) 19:08:51.39 ID:X2uGVBnx0
聖女「あなたは確かに虚の属性をお持ちです。大切な時に大地が、大空が、木々達が味方してくれないのは辛いでしょう。ですが、虚とはそれ自体が一つの世界です。あなたの優しさ、公平さ、強さ、そして何より包み込むような柔らかさが周囲を幸せに導くでしょう」

少年「……聖女さんが仏すぎて涙でそう」ウッ

聖女「い、いえっ、結局のところ解決策も見いだせず、辛い過去を掘り出しただけですからっ」アセアセ///

少年「そんなことないよ。…ありがとう」

聖女「いえ……」

少年「聖女さん…」

聖女「少年さん…」

忍「少年さん…(聖女の真似)」

少年「おわっ、忍っ!」

忍「主様ー。それはちょっと節操がなさすぎるんじゃねーですか?」

少年「………気をつけます」

忍「まぁ、私はそんな主も好きだから気にしないけどね」ニッ

少年「………っ」カァ///

聖女「あ…ひとつだけ、道はありました」

少年「え、ほんと!?」
359 :1 [saga]:2012/10/22(月) 19:17:37.16 ID:X2uGVBnx0
二日後――中央校舎。

少年「ランクBか…」

騎士「…ふ、ふんっ。別にお前のためじゃないぞ! 俺はお前にランクBなんか目じゃないところを見せるためにだなぁ」

忍「はいはい、すごいすごい」

勇者「部員ちゃん、また頑張ろうね」

部員「うん」コク

騎士「目標はランクBの上位魔獣“ウルガ”でいいのか?」

少年「うん、お願い」

騎士「今回は五人編成か…竜族の女はどうした?」

少年「竜娘なら南大陸に行ってもらってる」

騎士「南大陸?」

勇者「この前の銃を売ってたお店に行ってもらってるんだぁ」

少年「銃が壊れちゃったからね。基礎だけでも造ってもらおうかと思って」

少年(属性付与できるならしてもらいたいし…)

騎士「ふーん、じゃあ今回は何を武器にするんだ?」

少年「これ」ジャキ

騎士「銃じゃないか」

少年「うん、ただの鉄砲。口径がでかいから反動を抑えるくらいにしか魔力を使わない奴」

騎士「心配になってきた…」

少年「あれ? 僕の力を頼るの?」

騎士「だ、誰が頼るかっ!」フンッ

少年「あはは」
360 :1 [saga]:2012/10/22(月) 19:18:08.23 ID:X2uGVBnx0
やっぱ眠気りーむー。
ちょっと寝てきます。

では!
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/22(月) 20:55:57.47 ID:BzbZG5yIO
乙!
というか7時から寝るのかwww
362 :1 [saga]:2012/10/23(火) 15:53:31.39 ID:jmiFackK0
おはようございます。

続きいきますー。
363 :1 [saga]:2012/10/23(火) 16:02:34.16 ID:jmiFackK0
騎士「で、なんでウルガなんだ?」

少年「ああ、あいつがこの世界で唯一の全属性を持つ魔獣らしいから」

騎士「全属性?」

少年「うん、なんでもダメージ与える度に身体から魔力を発散するらしい」

忍「それを吸収するのが目的です」

部員「でも、ウルガと言えば、“瘴気の海の番人”で殺したらまずい」

騎士「じゃあなんで討伐依頼が来るんだ?」

部員「瘴気の海の瘴気を吸い続けて巨大化してるから、ある程度まで小さくするのが討伐内容」

少年「間違えて殺したらえらいことになりそうだなぁ」

騎士「……気をつけないとな」ゴクリ
364 :1 [saga]:2012/10/23(火) 16:06:04.44 ID:jmiFackK0
西の大陸――倭国周辺。

少年「うわぁ、綺麗だなぁ」

忍「ほんとこの国は○○の●●に似てますねー」

少年(また認識できない単語が増えた…)

部員「倭国でももっとも西の町“リュウキュ”が近い…」

勇者「風流だねぇ」ボーッ

少年「とりあえず、リュウキュに行こうか」

四人「はーい」
365 :1 [saga]:2012/10/23(火) 16:16:30.54 ID:jmiFackK0
リュウキュ。

少年「そういえば撫子先輩元気かなぁ」

勇者「学園改変の時に休学しちゃったんだよね」

少年「美味しかったのになぁ」シミジミ

騎士「…親の立場としては殺人事件が起きた学校にはいてほしくないだろ」ムスッ

少年「なんで騎士君が怒ってんの? 殺されたの保守派の人たちだよね」

騎士「……そりゃ保守派は俺だって嫌いだったさ。でも、父は学園を愛していた。その学園の価値が下がったんだ」グググッ

部員「大人になったな」ナデナデ

騎士「ばっ、バカにするなよっ」カァ///

忍「ツンデレ…という奴ですね」

少年「騎士君、前に言ったことは取り消すよ。君はもう十分他人のことを思いやれる人だ」

騎士「少年……」

勇者「え、そっちルート?」ガーン

二人「「ちがうっ!!」」


―――姫様のおとーりー!!!


五人「なんだ?」

町人「お、おいっ! はやく頭を下げろ!」

少年「え、なんで?」

町人「そりゃ、この国で一番偉い人の娘さんが通るからだよ!」

忍「……どうします? おそらく頭を下げなきゃお尋ね者になりますよ」

騎士「この国の重要人物なら俺達も学園の者として敬意を払わなければ」スッ

勇者「お姫様見たいけどなー」スッ

忍「主、どうします?」




少年「―――いや、無理っ」ドンッ




忍「了解しました」ドンッ

三人「」
366 :1 [saga]:2012/10/23(火) 16:23:56.93 ID:jmiFackK0
騎士「な、何を言ってるんだお前は!」

勇者「そうだよ! 礼儀はきちんとしなくちゃ!」

少年「え、僕…え?」

少年(断ったの? 僕が? えぇ!?)


ベル『よぅ、久しぶりだな少年』


少年「ベルっ!」

ベル『お前も良い具合に王の資質が備わってきたなぁ』

少年「な、なんで!?」

ベル『まぁいいじゃねーか。魔王が簡単に頭を下げてちゃ話にならねーからな』ハハハ

少年「だから僕はっ――『ならねーのか? 



―――誰かを守るためでも?』



少年「………」

ベル『いやー、今日は良い日だなー。今の魔王も進軍を始めたみたいだし』






少年「  え?  」





367 :1 [saga]:2012/10/23(火) 16:33:41.35 ID:jmiFackK0
侍「お前! なぜ頭を下げぬ!」チャキッ

少年「………」

侍2「口を開かぬなら……斬る」チャキッ

騎士「止めてください! こいつは悪気ないんです!」

部員「少年を斬るなら…守る」スチャッ

騎士「ちょっとあおらないで!」ガーンッ

勇者「落ち着いてよーーー!」




少年「………マジかよ」




忍「主…大丈夫ですか?」

少年「ああ、うん。だけど……いや、今はやめとこう」

侍1「これ以上は我慢できぬ! 死ね!!」ブンッ

少年「………」スッ

侍1「なっ、避けた!?」

少年「ちょっと君達の代表と話したいんだけど」

侍2「何を急に!!」ブンッ


――キィィィンッ!!


忍「主に危害を加えるなら……殺しますよ?」ギロッ

侍2(なっ…なんという殺気)ゾクッ

騎士「くそ、なんだよこれ!」

宮本「………ワシが相手になろう」チャキチャキッ

侍3「み、宮本殿! お願いします!」

町人「ひぃぃっ! 二刀流の宮本じゃぁ!」

少年「あなたが代表?」

宮本「いや、ワシは姫を守るただの刀じゃ」スッ

少年(隙がない…さっきみたいには避けられない)スチャッ

宮本「……強いな。が、どうやら武器に慣れておらぬようだな」ダッ

少年「はやっ!」バンッ

宮本「………しょせんこの世は弱肉強食だ」ブンッ

忍(くっ、まにあわな―――)


??「止めなさい!! 宮本!!」


宮本「………っ」ピタッ
368 :1 [saga]:2012/10/23(火) 16:43:28.25 ID:jmiFackK0
宮本「なぜ止めるのですか。……大和姫」

撫子「私はあなたの命を案じて止めたのです。右を見てみなさい」

宮本「……? ……なっ!?」

勇者「ふーっ、ふーっ!!」グググッ

撫子「後1センチでも斬り込んでいたら……分かるでしょう」

宮本「………」スチャッ

少年(僕も銃で刃を撃ち抜く予定だったんだけどなぁ…まぁいいけど)

撫子「お久しぶりですね。少年君、勇者ちゃん」ニコッ

少年「え? 撫子先輩が姫様?」

撫子「ふふっ、驚いた?」

生徒1「ちなみに」

生徒2「私達は」

生徒3「姫様の従者でしたー」ジャーンッ

少年「そりゃ、休学も仕方ないね」

撫子「ええ。それで、話したことって言うのは?」

少年「実は……」



少年「瘴気の海から―――魔王軍が進軍してきます」



369 :1 [saga]:2012/10/23(火) 16:44:36.62 ID:jmiFackK0
時間的にいったんここまで!

続きは10時以降に更新します!

次は再びサイドストーリーです!
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/23(火) 19:46:36.46 ID:OvyEprlIO
おつ
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/23(火) 19:53:42.92 ID:Prqu724Co
おつ
372 :1 [saga]:2012/10/23(火) 21:50:10.84 ID:jmiFackK0




サイドストーリー
  第二話
『転送 装置』





373 :1 [saga]:2012/10/23(火) 21:56:11.88 ID:jmiFackK0
北の最果て城。


聖騎士「お、追い詰めたぞっ!」ハァハァ…

長主任(焔の王)
「久しぶりだな。聖騎士…そして、黒騎士殿…」

黒騎士「ふん、そんなおぞましい姿になっても記憶は残っているのだな」

焔王「ああ、姿はこっちの方が“効率が良い”から選んだだけだ。私はまだ人間だよ」

聖騎士「ふざけるなっ! 人間が魔族を使役して人間を殺すのかっ!?」

焔王「……何を言ってるんだ?」

聖騎士「………何…を?」



焔王「お前だって“教頭先生”を殺したじゃねぇかぁ」ニマァ



374 :1 [saga]:2012/10/23(火) 22:07:48.85 ID:jmiFackK0
聖騎士「それはっ! あいつが学園を崩壊させようと、生徒を殺そうとするからっ!」

焔王「ああ、そういえばお前は知らなかったなぁ。



あいつは家族を人質にとられてただけだぜぇ」ニヤァ…




聖騎士「な……ん、だ…と?」ガクッ

黒騎士「………起きろ聖騎士。今は嘆いている暇はないぞ」

焔王「無理だよなぁ! お前ら姉妹は教頭に拾われ、育てられた命の恩人だからよぉ!!」

聖騎士「……めろ…」ガクガク

黒騎士「黙れ魔族がっ! あやつは殺されることを望んでおった! そして、その相手を最初から聖騎士に選んでいたのだ!!」

聖騎士「………え?」

焔王「はははっ! 内情なんか歴史に残らぬよ!! 学園一強く、名誉ある聖騎士が、無理やり悪を演じさせられていた男を無残にも殺した!!」

男「………」スタスタスタ

焔王「しかも、その聖騎士ってのが




―――勇者の姉なんだか「うっせぇええええ!!」ボコォッ!!




焔王「ぐぎげがしゃぁがヴぁぁ!!」ドガァアアアンッ

聖騎士「……男?」

男「立てよ聖騎士。今のお前の姿を、教頭…お前の義父さんが望んでいると思うか?」

聖騎士「………っ!」

男「その人が望んでたのはお前が正義のために、人民のために戦い、平和を守ること。違うか?」

聖騎士「……ああそうだ」スクッ

男「それなら立ち止っちゃいけねぇ。お前が後ろなんか振り返らず、前に前に突き進んでいって背中から羽根が生えたみてぇに未来を切り開いていくその姿をその人は望んでるんだ!! 聖騎士!!!」

聖騎士「うぉおおおおおおお!!!」ダッ

焔王「くっ…つっ…」

聖騎士『究極魔法・終の槍!』ボゥッ

男「…すっげぇ光…。ははっ、お前が勇者じゃねーのか?」

聖騎士「喰らえぇええええええ!!」ブンッ
375 :1 [saga]:2012/10/23(火) 22:08:17.30 ID:jmiFackK0








??「それを撃ち込まれちゃ困るな」ガシッ







376 :1 [saga]:2012/10/23(火) 22:14:55.47 ID:jmiFackK0
聖騎士「なっ、素手で受け止「避けろ聖騎士!!!」バッ

黒騎士「つぇえええええい!!」ブンッ

??「それは触ると危険だね」ブゥンッ


―――ギィィィィンッ!!



黒騎士「くっ、くそぉっ……お前が……お前のせいで…



―――星詠ぃいいい!!」



星詠(??)
「懐かしい名前だね。でも、もう違う。それは僕が人間だったころの名前だ」

聖騎士「星詠…先生?」





星詠(魔王)
「―――俺の名は魔王。星の魔王“ゲルニカ”だ」





黒騎士「くっ……やはりそうだったのか…」

男「後ろのあんた……見たことあるぜ」

眼鏡「……それは学園でかな?」

男「○○でだっ!! “稲妻の傷を持つ”魔法使いと人間を繋ぐ英雄じゃなかったのか!!



―――ダニエル!!」



眼鏡(ラド)
「今はラドと呼ばれている。君もそう呼ぶと良いよ」
377 :1 [saga]:2012/10/23(火) 22:24:03.71 ID:jmiFackK0
魔王「ははは、なかなかに運命的で愉快な出会いだな。…だが、焔王はまだ死んでもらう訳にはいかんのだ」

焔王「魔王様……私は」

魔王「分かっている。だが、今は少しでも可能性を潰しておきたい。…なんせ私は歴代最弱の魔王だからな」

ラド「その自覚が、歴代最強の魔王軍を作るんだな」


聖騎士「歴代最強の魔王軍…だと?」


魔王「ああ、そうだ。よかったら君も入らないかい?




―――親殺しの聖騎士君?」




聖騎士「っ、あぁあああああ!!」ブゥンッ

黒騎士「止めろっ! 今は退くぞ!」

魔王「あー、良いよ。俺達が消えるから」スッ


転送装置「スタンバイOK」ブゥンッ


ラド「東の大地へ飛ぶぞ」

魔王「ああ、虐殺王が待っている」




男『最狂化』ググググッバッ




ラド「どうやら君も“○○から来た副作用”にやられてるようだね」

男「ぐぉおぉおおおおお!」ドンッ

ラド「だけど、そんなのは核兵器と一緒だ。“大ざっぱなんだよ”」スッ

黒騎士(杖?)

ラド『眠れ』

男「ぐおぉおおぉお   」バタッ

魔王「相変わらずラドの魔法はすごいなぁ」

ラド「そうか?」

魔王「じゃあね。聖騎士君は考えておいてね」バイバイ
378 :1 [saga]:2012/10/23(火) 22:25:13.14 ID:jmiFackK0







ラド「あー、そうそう、言い忘れてたけど、




この城、転送装置で西の大陸まで飛ぶから」ニコッ







379 :1 [saga]:2012/10/23(火) 22:29:45.18 ID:jmiFackK0



黒騎士「……くそっ、なんという無力!!」ダンッ

男「………」zzz

聖騎士「………」

黒騎士「とにかく、転送装置とやらが働く前に逃げだすぞ」グイッ

聖騎士「………」ポロッ

黒騎士「聖騎士ぃぃいいいい!!」バシッ

聖騎士「……少年ぐぅん」ボロボロボロ

黒騎士(…聖騎士とはいえ、まだ成人したて…。人を殺したのも初めてでしかもそれが義理の親なれば…仕方ないか)

黒騎士『結界化』ブゥゥゥンッ

聖騎士「会いたいよぉ…少年くぅん」グスッ

黒騎士「心身に影響が出なければ良いが…」

男「………少年…」zzz




―――こうして、北の大地最果てにそびえていた城は、一瞬にして姿を消した。




サイドストーリー
 第二話 完



380 :1 [saga]:2012/10/23(火) 22:32:57.41 ID:jmiFackK0
次から本編に戻りますが、いったん風呂行きます!


風呂入ったらまた更新するかも!
ラドの杖の大きさはもちろんあのくらいです。笑


では!!!
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/23(火) 23:04:34.82 ID:y4RypoYIO
おつ

>“稲妻の傷を持つ”魔法使い
>
>―――ダニエル!!」
>
>眼鏡(ラド)
>「今はラドと呼ばれている。

ハリ◯ポッター?
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/23(火) 23:05:29.25 ID:CluoKJN1o
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/23(火) 23:15:19.64 ID:p0UKV89yo
>>381
クリフが出てきそうだなwwww
384 :1 [saga]:2012/10/23(火) 23:35:14.88 ID:jmiFackK0
ただいまるこぽーらんど。

>>381
>>1は地球人なのでもしかしたら似てる人もいるかもしれません。

本編続きー。
385 :1 [saga]:2012/10/23(火) 23:44:55.34 ID:jmiFackK0
リュウキュより西の平原。

騎士「俺達は参加しなくて良かったのか?」

忍「死にたければどうぞ?」

部員「私は怖いわ」

少年「僕に力があれば…でも、中途半端な気持ちで参加しても士気を乱すだけだよ」

勇者「僕は……」

忍「勇者さん、私達がウルガを小さくすることは、結果的に瘴気を減らして魔王軍の力を弱めることになります」

勇者「…うん」

騎士「そうだな…。前回逃げだしておいて偉そうなこと言った。すまん」

少年(騎士君は本当に成長したなぁ…)シミジミ

部員「ていうか皆…」

勇者「うん、そうだね…」

騎士「やっぱりか…」




ウルガ「…………」ゴォォォォォオォォ…




少年「“山”じゃなくてあれがウルガだよなぁ…」ハァ…
386 :1 [saga]:2012/10/23(火) 23:57:14.56 ID:jmiFackK0


ウルガ「………」ゴォォオォォォォオ…


少年「あれは“牛”だね」

騎士「牛?」

忍「頭に角の生えた四本足の動物…ですが、大きさが違いすぎます」

少年「もちろん、見た目の話であって中身は全く別物だろうなぁ」

勇者「うん、あれの中からすごい魔力を感じるよ…」カタカタ

部員「どうやって戦うの?」

騎士「ダメージを与えるだけでいいんだろ? だったら――」ブゥゥンッ



騎士『覇ぁっ!』ブンッ



少年(光の刃。当たったらどうなるのか)

少年「部員、勇者ちゃん。結界を張っといて」

二人「…うん」ブゥンッ



ウルガ「………グゥウウゥッ!」グググッ


少年「少し縮んだ?」



ウルガ「ガァアアアアアアアアア!!」ドァアアアアン!!



五人「「うわぁあああああ!!」」ズザザザッ!!

少年「なんて威力……結界が無意味だ…」グググッ

部員「しかも、魔法でもなんでもない…魔力を放出しただけ」

勇者「これが瘴気の海の番人…」プルプル

387 :1 [saga]:2012/10/24(水) 00:14:05.48 ID:eQfwpdP10
騎士「で、魔力は奪えたのか?」

少年「少し溜まったかも…」

勇者「僕は闇の魔力受けてフラフラだよ−」フラフラ

忍「バリバリ光属性の勇者さんには少しきついかもしれませんね」

少年「………次は僕に行かせてくれ」ザッ

四人「………」コクン


少年「あの尻尾、色が変わってる。…もしかしたら色のタイミングで…」チャキッ

ウルガ「………」ゴォォオオォオォォ…

少年「………………今だっ!」ドンッ



ウルガ「ぐぅぁあああああああ!!」ドァアアアアアンッ!!



少年「………ぐぅぅう…」ドサッ

少年(光の魔力でも喰らうとこんなにきついのか…)

勇者「ふっかーーーーつ!!」バーンッ

騎士「威力が弱いと衝撃も弱いな」フラフラ

部員「そう言いながらフラフラしてる」フラフラ

忍「二人ともね」ピンピン

少年「忍は平気なんだね」

忍「なんででしょうね。魔力がないせいでしょうか」

少年「それもあると思うけど、属性が無なのもあるんだろうきっと」





ウルガ『……咆哮』ウィィィィンッ





少年「!? 構成!?」

忍「勇者さん部員さん! 速く結界を!!」

騎士「俺も手伝う!!」

少年(……あの構成は…無理だ)

少年『加速…魔法…改!!』ドンッ

四人「わわわっ!」


オルガ『……解……』ピカァアアアアアアッ!!


少年「……大地が裂けてる…」

勇者「死んでたかも…」プルプル
388 :1 [saga]:2012/10/24(水) 00:17:15.92 ID:eQfwpdP10
少年「でも、やっぱり魔力は回復してる。魔法に気をつければ行ける…」チャキッ

騎士「そうだな」スチャッ

勇者「闇の魔力はどうするの?」

少年「もちろん“全回復”だ。その時は勇者は離れててくれ」

忍「がんばりましょう」スチャスチャ

部員「少年のためなら頑張れる」グッ


五人「「うぉおおおおお!!!」」


389 :1 [saga]:2012/10/24(水) 00:29:12.02 ID:eQfwpdP10
―――1時間後。

ウルガ「………」チマッ

少年「これ以上は殺してしまうかもな」ツヤツヤ

忍「そうですね。ていうか、ウルガの向こう側ってすぐ瘴気の海だったんですね」

勇者「………黒い霧?」

少年「瘴気は人間に悪い影響だけでなく副産物を与えてくれる場合があるんだけど……この瘴気は駄目だ」

部員「なんでわかるの?」

少年「なんでだろ。まるで“この世の絶望”が詰まってるみたいに見える…」

騎士「いくら副産物があっても、こんなのに触れたくもない」

忍「……あの城はなんでしょう…」

少年「城?」

部員「霧の揺らめきじゃない?」

忍「……そうですね」

少年「魔王軍が進軍してくるんだ。城があってもおかしくはないさ」

忍「帰りましょう。これ以上は無意味です」

少年「そうだね……」


390 :1 [saga]:2012/10/24(水) 00:33:07.03 ID:eQfwpdP10
リュウキュ。

撫子「お世話になりました」フカブカ

少年「いえ、僕達は力になれず…」

宮本「情報は何物にも変えられない力……感謝する」

勇者「手伝わなくてもいいですか?」

撫子「倭国は何千年と自分達で国を守ってきました。だから今回も大丈夫ですよ?」ニコッ

部員(…死亡フラグ)

少年「それじゃ、帰ろう!!」

四人「はーい!」
391 :1 [saga]:2012/10/24(水) 00:33:51.86 ID:eQfwpdP10







―――その数週間後、僕達は何もせず帰ったことを後悔することになる。







392 :1 [saga]:2012/10/24(水) 00:51:04.74 ID:eQfwpdP10




第四章 完




393 :1 [saga]:2012/10/24(水) 00:53:07.85 ID:eQfwpdP10
第四章終了です。短めでしたね。

五章はほとんど学園が舞台です。

聖騎士のサイドストーリーは続けたほうがいいかな?
テンポ遅くなるかなぁ。

とりあえず、夜食食ったらまとめ入れます。

では!
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 00:58:34.61 ID:HUoO8YYuo
サイドもいれた方が個人的には好み
どっちでもいいけど!
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/24(水) 01:16:39.16 ID:hvIt72OZo
396 :1 [saga]:2012/10/24(水) 01:18:26.66 ID:eQfwpdP10
【魔法学園】

・少年
・忍(従者)
・竜娘(契約者)

・勇者

・部員
・聖女
・騎士


【聖騎士】現在西の大陸?

・聖騎士
・黒騎士
・男

【魔王軍】東の大陸?

・魔王(星詠)
・ラド(眼鏡)
・焔王(長主任)

【その他】

・大和撫子
・宮本
・従者三人娘

・銃の店主


397 :1 [saga]:2012/10/24(水) 01:19:52.73 ID:eQfwpdP10






第五章 仮初平和 学園生活








398 :1 [saga]:2012/10/24(水) 01:29:19.57 ID:eQfwpdP10
朝。

少年「………」zzz

勇者「………くぅくぅ…」ギュッ

竜娘「むにゃむにゃ…おいちぃ」ギュッ

忍「三人とも起きてください。ご飯ですよ」

少年「…んっ、この匂いは………鍋?」

忍「私、ちゃんこしか作れないのでっ」ハハハ

少年「威張ることじゃないよ。今度一緒に作ろう」

忍「手とり足とりですね」

少年「いや、主に口を出す」

忍「口で出す……私、自信ありま「ちがーーーーう!!」


勇者「……おはよぅ…みんな」ムニャムニャ


少年「ああ、おはよう。…竜娘はもう少し寝かせておこう」

忍「そうですね。長旅で疲れたでしょうし」

少年「そのおかげで最高の銃が帰って来たしな」ニコニコ

勇者「少年君が珍しくすごいご機嫌だぁ」ニパーッ

忍「二丁の銃の出来がそれだけ良かったんですね」

少年「〜〜〜♪」
399 :1 [saga]:2012/10/24(水) 01:54:39.97 ID:eQfwpdP10
少年「まぁ、たまには朝からちゃんこもいいなぁ」ハフハフ

忍「いつでも作りますよ」ハフハフ

勇者「美味しー」ニパーッ

少年(最近また笑うようになったなぁ…)

忍「それで、銃の構造は同じなのですか?」

少年「いや、全然違うよ。まず、蒼の後継銃“白夜”。護り専用の銃で、蒼以上の防御力を持ってるよ。連射性能も格段に上がってるんだ」

忍「白夜という名前の由来は?」

少年「白夜…常に大地を照らし続ける太陽は僕らを闇から護る」

忍「では、もう一丁は?」

少年「紅の後継機“赫灼(かくしゃく)”これは攻撃専用の銃で、連射性能は前より落ちて1秒間に1発程度。だけど、威力や効果が幅広くなったんだ」ニコニコ

忍「名前の由来は全てを燃やしつくす太陽ですね」

少年「うん。店主の知り合いに命名士がいて、名付けてくれたんだ」

勇者「白夜と赫灼かぁ、カッコ良いね」ニパーッ

少年「今なら校長にリベンジできそうだー」

二人「「無理(ですね)」」

少年「……分かってるもん」グスッ

竜娘「おはよーございます」ネムネム
400 :1 [saga]:2012/10/24(水) 01:58:37.05 ID:eQfwpdP10
少年「それで、今日は週明け…」

忍「いよいよ、試験の日ですね」

竜娘「ご主人様、大丈夫ですよ!」ニコッ

忍「私も大丈夫だと思います。魔力も回復してますし」

少年「……そうだね。がんばるよ」フッ


勇者「………そういえば僕は?」


三人「――――あ…」
401 :1 [saga]:2012/10/24(水) 02:10:26.59 ID:eQfwpdP10
試験場。

少年「プールみたいな空間だな…」キョロキョロ

賢者「あ、次は少年さんですかぁ?」ニコニコ

少年「賢者ちゃん! 君が試験をしてくれるの?」

賢者「はいっ♪ 試験は三種あって、“戦闘”“技術”“知識”の三種類です。知識で学年を分け、技術で専門授業を決め、戦闘でクラスを分けます」

少年「ここでは何を試験するの?」

賢者「まずは戦闘です。私が召喚する魔獣と戦ってください」スッ


魔獣達「ぐぎゃぁああ」


賢者「ちなみに少年さんで受験者数半分くらいですが、最大ダメージ370。最大討伐数56匹。最小被ダメージ75です」

少年「それは一人なの?」

賢者「いえ、最大ダメージは竜娘さん。最大討伐数は魔法剣士さん。最小被ダメージは忍さんです」

少年「うわ……こりゃ頑張らないと…」

賢者(計測不能が一人いましたが今は黙っておきましょう)


少年「よし、いつでもいいよっ!」


賢者「それじゃ、用意……はじめっ!」
402 :1 [saga]:2012/10/24(水) 02:27:00.33 ID:eQfwpdP10
少年「赫灼!!」ドンッ

魔獣「」ドサッ

賢者「………!」

賢者(前よりも威力が上がってる)

魔獣「しゃぁああ!!」バッ

少年「白夜!」ダダダッ



―――ギィィィンッ!!




賢者(すごい…、銃の構成のきめ細かさもだけど、少年さん自身の魔力の質が高くなってる)ゾクゾクッ

少年「ははっ、たーのしぃ!」バンッ

魔獣「」ドサッ

魔獣達「………」ゾロゾロ

少年『空間把握』ブゥン

少年(領主様の得意魔法…懐かしいな)

魔獣「ぐるぁああ!」バッ

少年「………試してみるか…」チャキッ

賢者(銃をくっつけた?)


少年『モード“虚無”』ガションッ


少年(このモードにするために、“わざと構成を中途半端”にして、攻撃防御どちらかしか使えなくしたんだ)

少年「虚無状態では魔法弾だけでなく、“その軌道”も武器になる」ドンッドンッドンッ

魔獣「」ドサッ

魔獣「」ドサッ

魔獣「ぐぉおお」バッ

少年「そこ…危ないよ?」

魔獣「ぐぉっ」ドサッ

賢者(軌道上に残った魔力をそのまま攻撃に流用するなんて…造った人はよほどの銃好きね)

少年「もういっちょ!!」ドンッ

403 :1 [saga]:2012/10/24(水) 02:34:58.02 ID:eQfwpdP10
―――終了。

少年(魔力が減ってる…やっぱり回復はないのか)ハァ…

賢者「おー、すごいですねぇ。最大ダメージ365、最大討伐数91匹、被ダメージ量95…総合で言えばトップクラスですね」

少年「たまたまだよ」

賢者「たまたまって、二つの部門はわざと“二人に勝てない”ように調節したくせにぃ」

少年「それこそたまたまだよ。だって、ダメージの数値化を把握してないのに」

賢者「……まぁ、そういうことにしときましょう」

賢者(それが分からなくても、竜娘さんと忍さんの攻撃水準、防御水準が分かればできない芸当ではないでしょう)

少年「次はどこに行けばいいのかな?」

賢者「次は技術だから、体育館です♪」

少年「はーい」
404 :1 [saga]:2012/10/24(水) 02:42:57.96 ID:eQfwpdP10
体育館。

先生「それじゃ、今から魔法で大量のデータを脳に通しますね」

少年「あーはい」

先生「いきます」サッ

先生『送信』ブゥン

少年「おぉおおぉおぉ…」

少年(すごい…映像がぐるぐる回ってる)

先生「はい、いいですよー」

少年「はははっ、頭が回ってます」

先生「それだけ、あなたが才能豊かだということですよ」

少年「どういうことですか?」

先生「流したデータに脳が、身体が興味を持たなければ、それは何事もなくスル―されるのよ」

少年「それだけ興味が沸いたってことですか」

先生「そうですねぇ。あなたは特に料理に興味を持っているようですが、あなたのスキルの高さでは学園は何も教えることはできないでしょう」

少年「はぁ」

先生「リストを作っておきますので、また後日取りに来てください」

少年「はーい」

405 :1 [saga]:2012/10/24(水) 02:48:32.40 ID:eQfwpdP10
教室。

先生2「………全教科ほぼ満点…」

少年(もしかしたらベルの“知”も魔力の回復と共に戻ってきてるのかな)

先生2「あなたの知識なら大学生から始められますがどうしますか?」

少年「……いえ、今のままでいいです」

少年(お姉さんが望んだこと。それを僕は…)

先生2「そうですか。まぁ、大学への出入り許可証を造っておきますので、暇な時に遊びに行ってみてください」

少年「はーい」

賢者「少年さん、終わりましたねー」

少年「うん、終わったー」

賢者「さっそく結果発表ですぅ♪」

少年「………」ゴクリ

賢者「少年さんはぁ…」
406 :1 [saga]:2012/10/24(水) 02:53:02.80 ID:eQfwpdP10





賢者「高校二年生、Sクラスでーす」パチパチパチ





少年「それって落第じゃないってことですよね」

賢者「そうですぅ。さらに言えば首席にもっとも近い立場ですよー」

忍「ちなみに私もSクラスだ」ガララッ

竜娘「ウチもー」ニパーッ

少年「ほんと落第しなくて良かった」ホッ

賢者「ランク1000位以内の少年さんが落第になる訳ないじゃないですかぁ」

少年「でも、魔力がなかったら危なかったなぁ」

賢者「いえいえ、少年さんなら大丈夫ですって」ニコニコ

少年「ありがと」ニコッ

忍(だとしたら…あれはいったい何のデータだったんだろう…)

407 :1 [saga]:2012/10/24(水) 02:58:23.80 ID:eQfwpdP10
職員室最重要金庫内。


【学園内における戦争時存在優先度】

≪最重要レベル≫

・勇者
・少年

≪重要レベル≫

・騎士
・聖女
・賢者
・鬼王子

≪一般レベル≫

・竜娘
・部員

≪拘束レベル≫

・忍
(異界の人間のため危険度A。有事の際には拘束、もしくは“処分対象”)

408 :1 [saga]:2012/10/24(水) 03:04:03.36 ID:eQfwpdP10
――中庭。

少年「そういえば勇者ちゃんはどうなっただろう」テクテク

勇者「……少年ぐーんっ!」ドンッ

少年「おわっ、ゆ、勇者ちゃん!?」

勇者「……わだじ…わだじ…ぐすっ」

少年「ま、まさか落第!?」

勇者「ううん……実は…


三年Aクラス入りですー♪」


少年「おめでとー♪」

勇者「皆のおかげー」ニパーッ

少年「そうだね」ナデナデ

騎士「ちなみに俺は三年Sクラスだ」ニマァ

鬼王子「わしも三年Sクラスだ」フンッ

部員「二年Cクラス……」ズーンッ

少年「あはは…まぁ何にせよ、これからよろしくね」



全員「「 ああっ! 」」



??「………」スゥッ
ネームプレート【ジョーカー】チャリッ


409 :1 [saga]:2012/10/24(水) 03:10:35.88 ID:eQfwpdP10
教室。

少年「それじゃ、次は来週の校内ランキング戦だね」

竜娘「暫定の聖騎…じゃなかった。学生代表を決める戦いだからね。三年生は負けられない戦いだね」

忍「まぁ、私にはあまり興味のない話ですね」

少年「僕もあまり興味ないな」

竜娘「そんなこと騎士君が聞いたら怒っちゃうよ?」アハハ

少年「たしかに。でも元白騎士としては今回も優勝したいだろうね」

忍「ぜひ阻止してください主」

少年「まぁ、戦うのは嫌いじゃないけど、騎士君には一度負けてるからなぁ」

忍「もし優勝したらセックスしてください」

少年「なんで俺が優勝してお前の望みをかなえなきゃならないんだっ!」

竜娘「う、ウチが優勝したら、キ、キスの続き……良い?」///

少年「………っ」カァ///

忍「よし、がんばろう私も」シュッシュッ

少年「頑張らんでいい」

竜娘「この話聞いたら勇者さんも喜びそう」アハハ

忍「そうですね」アハハ

少年「そういえば、勇者ちゃんの記録はどうだったんだろう…」
410 :1 [saga]:2012/10/24(水) 03:13:36.98 ID:eQfwpdP10
研究室。

賢者「………恐ろしい数値」スッ


【戦闘試験データ】

≪勇者≫
最大ダメージ999(計測不能)
最大討伐数150匹(時間内全魔獣討伐)
被ダメージ量0(ダメージなし)


賢者「……これが魔獣相手の勇者ちゃんの実力」

賢者(でも…勇者の力が高まる時。…それは魔王の脅威が迫っている時…)

賢者「もうすぐ近いのかもね…勇者ちゃん」
411 :1 [saga]:2012/10/24(水) 03:15:14.52 ID:eQfwpdP10
今日はここまで!

勇者ちゃんがだんだん勇者として覚醒しています。

一応6か7章で第一部は終了しますので、これからもお付き合いよろしくです。


では!!
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 08:14:27.50 ID:DPX7iGUIO


赤毛の少年と栗毛の少女は眼鏡と来てないのか
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/10/24(水) 09:58:26.31 ID:JV9F0kL+o
どこにもオリジナル要素がないんだが????????
414 :1 [saga]:2012/10/24(水) 10:25:40.18 ID:eQfwpdP10
同僚のしりぬぐいで仕事に出て来た…ねもい
おはよーございます。

>>413に対してマジレス4行書いたけど、よく考えたら読者がそう思ったなら、それは間違いではない訳で書き手が口出しすることではないな。

ただ、>>1で書いたとおり、この話は完全オリジナルです。
他のどの作品も批判、推奨することはありません。


ということで、続きー。
415 :1 [saga]:2012/10/24(水) 10:32:45.78 ID:eQfwpdP10





―――こうして、何事もなかったかのように高校生活が始まった。





416 :1 [saga]:2012/10/24(水) 10:58:03.67 ID:eQfwpdP10
先生「―――で、あるからして、世界と異界は表裏一体であり…」

少年(筆記の授業は退屈だなぁ…)

先生「…それじゃあ、少年君。なぜこの世界と異界は衝突しないのでしょうか」

少年「えっと、……時間の場所が違うから?」

先生「良い答えですね。かなり近いです。だけど、違うのは時間だけでなく“認識”も違います」

生徒「認識?」ザワ

先生「あー、よくわからないですよね。説明します」カッカッ

少年(○○?)

先生「この文字をあなた方は生涯言葉として認識できることはありません。なぜなら、この二つの文字だけでは何も意味を示さないからです」

忍「主、あの上の文字は大地を示し、下の文字はボール――球を示すのですよ」

少年「へぇ」

先生「この文字と同じで、常にそこにあっても、われわれはそれを“物質”として認識できないのです。それを物質として認識するには、…あくまで仮定ですが、それの流れる時間を認識し、それの全体像を認識し、それの下で生きていると認識しない限りは我々は異界へと足を踏み入れることはできないでしょう」

少年「………??」

先生「この話はまだ解明されておらず、皆さんは“異界はある”ということ、そして“異界には行けない”ということさえ覚えてくれればいいです」

忍「先生、異界からこっちに飛べる理由はあるのですか?」

少年(へぇ、忍ってけっこう勉強家なんだな…。そういえば知識も豊富だし、鬼王子の奴こんな有能な部下手放して大丈夫か?)

先生「あります。異界の人間は我々と違って魂が転生します。魂という存在は、大地に根付き新たな命へと入り込むのですが、時折大地から切り離された魂がこの世界へと迷い込むのです」

少年「こっちの世界の人間はどうなるんだ?」


――キーンコーン…


先生「チャイムが鳴ったので、少年君の質問“この世界の生き物は死ぬとどうなるのか”については各自次の授業までに考えをまとめておいてください」

生徒達「はーい」

先生「ではごきげんよう」ニコッ

417 :1 [saga]:2012/10/24(水) 11:06:38.11 ID:eQfwpdP10
教室。

少年「この世界の生き物はどうなるか…か」

生徒1「お前のせいで難しい課題出されたじゃんっ」

少年「ごめんごめん」アハハ

女生徒1「でも、少年君って頭良いよね。どこで勉強してたの?」

少年「勉強? ……したことないけど?」

生徒2「えーっ、嘘っでー。俺みたいな孤児でも勉強はしてたぜ」

女生徒2「勉強してないのに頭良い少年君ってかっこいー」

生徒1「くっそー、俺も言われて―!」

少年「ははは、それより次は体育だろ。皆準備しようぜ」

生徒達「はーい」


少年「………」ニコニコ


忍「青春ラブコメですね」

竜娘「ご主人様ー。ウチも構ってくださいー」ウルウル

少年「大丈夫。一番大切なのは分かってるから」ナデナデ

二人「………」モジモジ///

少年「竜娘はともかく、忍が照れるのは珍しいな」

忍「そ、そうですか? 主はあまり私を褒めてくれないので…」シュン

少年(そうか…有能すぎてそれが当たり前になってたのか…)

少年「ごめんな。忍に頼り過ぎてた…。忍が有能だからそれに甘えてたよ…」

忍「………いえ、クノイチが主に何かを求めること自体が甘えなのです。だから大丈夫ですよ」ニコッ

少年「バカ。お前はクノイチである前に学生だ。……甘えたっていんだよ」

忍「………はいっ!」

竜娘「良かったね、忍!」ギュッ
418 :1 [saga]:2012/10/24(水) 11:08:24.28 ID:eQfwpdP10
体育の場面に行く前に、眠気が襲ってきたので、いったん終わります。

続きは夜か夜中になります。

忍が可愛すぎて辛い…

では!!
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 11:50:36.89 ID:EQwAyzQIO
おつ
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/10/24(水) 14:58:45.03 ID:JV9F0kL+o
そっかそっかww
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/24(水) 15:28:15.68 ID:9dKLQtTDO
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 18:31:30.55 ID:yv8FxX6do
おつ
423 : [saga]:2012/10/24(水) 18:38:15.57 ID:ONVvjJHU0
お疲れ様です。
明日はちょっとした試験の日なので、夜中は更新できないかも・・・

それにしてもライジングインパクトの作者の最新作、僕らファンタジーss書きにとってはうれしい連載ですね。
もし、まだ読んでない人がいたら読んでみてください。

では、少しだけ続きー
424 : [saga]:2012/10/24(水) 18:41:33.26 ID:ONVvjJHU0
夜――自宅。

少年「夜は異界の料理“オコノミヤキ”です」ジュ~

忍「お好み焼きは私大好きです」ニパーッ

少年(お、忍が太陽笑顔だすの珍しいな。今日の出来事は良い方に働いたのかな)

竜娘「ウチのには肉がたっぷり入ってる〜♪」ニパーッ

勇者「………」ニコニコ

少年「………」ジュ~ジュ~

425 : [saga]:2012/10/24(水) 18:45:21.45 ID:ONVvjJHU0
忍「それにしてもご主人様って変な人ですよね」ハフハフ

少年「え、何で?」

忍「この間、私が言ったことを自分で否定することになりますが、一般の未成年は誰かを従えようなんて思わないですよ」

竜娘「そうそう、それはウチも思った。まぁ、断られるより格段に良いけどさ」ハフハフ

少年「あー、そうだねー。じゃあ、少しだけ昔の話をしようか」ジュ~ジュ~

勇者「昔の?」ハフハフ

少年「うん、僕の義理の両親が領主様に処刑されたあの日以降の話を…」
426 : [saga]:2012/10/24(水) 18:50:28.01 ID:ONVvjJHU0
~回想~

少年「………」ボーッ

領主姉「いや、何であたしがこんなガキを育てないとだめなのよ」

領主「そりゃあ、俺の金で遊びほうけてんだから言うこと聞けよ」

領主姉「……ふんっ、虐待しても知らないよ」

少年「………」

領主「馬鹿か。こいつにとって虐待ってのは、



――何の罪のない孤児院を焼き払ったり、



――人間のありとあらゆる皮を○○して●●するよりひどいことをしないとだめだぞ?」


領主姉「……っ、こいつどんな人生送ってたのよ」

領主「………一言で言えば―――地獄のような人生さ」

少年「………」ボーッ
427 : [saga]:2012/10/24(水) 18:58:41.99 ID:ONVvjJHU0
領主「まぁ、心配すんな。知り合いに頼んで浄化してもらってるから、怨念の類は消えちまってるはずだ」

領主姉「…ふん、せいぜい働かせていただくわよ!」

領主「頼むわ…」

少年「………」

領主姉「あんた……何でそこまでするのよ。殺しも盗みもなんでもしてきたあんたが…」

領主「……お前は義理の姉貴だ。家族だから面倒は見るが…俺の心のうちまでは干渉させねーよ」

領主姉「…ふんっ、義理でも家族だから抱かないって言ったくせに」

領主「ああ…そうだな」ニィ

領主姉「………っ、行くよ“少年”!」カァ///

少年「………?」

領主「少年っていうのはお前の仮の名前だ。義理とはいえ両親を殺した俺に名前を付ける権利はねぇ。


――だから、もし自分の愛する人間ができた時、その人に名前を付けてもらえ」


少年「………」コクンッ



領主「………はは、はははっ、俺にだって手に入らなかった“それ”をお前は手に入れろよ。――絶対にな」

少年「………」

428 : [saga]:2012/10/24(水) 19:03:57.47 ID:ONVvjJHU0
領主姉「遅いよ。忘れ物くらいサッととってこい」

少年「………」コクンッ

領主姉「……ちっ、さっさと言葉くらいは覚えてもらわないとね」

少年「………」コクコク

領主姉「…言葉を覚えたいのかい?」

少年「………」コクコクコクッ

領主姉「何でだい?」

少年「………」ババッババッババッ

領主姉「ジェスチャーで言われてもわかんないわよ」タク…

少年「………」シュン…

領主姉「………っ」キュン///

領主姉(娼館言ってもこんな可愛い子はいないわね…)ゴクリ

領主『あーそうそう、もしお前が少年に手を出したら…殺すからな』ゴゴゴゴゴ

領主姉「……いつか向こうから来させよう」ウン

少年「………?」
429 : [saga]:2012/10/24(水) 19:09:29.41 ID:ONVvjJHU0
――数週間後。

少年「みじゅ…」ユビサシ

領主姉「そうだよ。それが水だよ」ニコニコ

少年「りんど」

領主姉「そうさ、リンゴさ」ニコニコ

少年「お母しゃん」ユビサシ

領主姉「……っ!? あ、あたしをお母さんって呼んでくれるのかい?」プルプル

少年「………」ニコッ

領主姉「少年!!!」ギュ~~~ッ


領主「……こいつは…驚いた」

姉執事「はい。この子には人を惹きつけ良い方向に変えていく力があります」

領主「マジか…。はは…頼みにくくなったじゃねーか」

領主姉「おっ、弟! 良い所に来たよ!」ブンブン

領主「………?」

領主姉「この子はな。この数週間、一生懸命言葉を覚えたんだ。……何でだと思う?」

領主「あ? なんでだよ」

領主姉「少年。ほら、言ってみな」ドンッ

少年「あ、あの……」モジモジ///

領主「………?」
430 : [saga]:2012/10/24(水) 19:10:03.09 ID:ONVvjJHU0






少年「たすけてくえて、……ありあとぅ」ニコッ///






431 : [saga]:2012/10/24(水) 19:11:29.19 ID:ONVvjJHU0
領主「………っ」

領主姉「………」ニヤニヤ

領主「………くそっ」バッ

姉執事「領主様?」

領主姉「あれ? どうしたんだい?」ニヤニヤ

領主「用事だよ!!!」

少年「あ……」オロオロ…

領主姉「ありゃあ泣いてるな。よく頑張ったな少年」ナデナデ

少年「………」コクン
432 : [saga]:2012/10/24(水) 19:12:51.73 ID:ONVvjJHU0
路地裏。

領主「くそっ、くそっ…」ドンッ

領主(何の嫌がらせだよ! このタイミングで言うか!?)






領主「俺は今からあいつに、




―――死瘴石取りに行かせて殺すんだぞ……」クッ





433 : [saga]:2012/10/24(水) 19:13:32.55 ID:ONVvjJHU0
中途半端ですが、いったんここまで!


仕事に戻ってきます!!


この後、少年の過去がさらに明らかに!

では!!
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/24(水) 19:24:36.66 ID:hOyXcYRgo
な、なんだってーーー!!
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 20:10:03.62 ID:xwi+Q/rj0
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/24(水) 20:20:14.96 ID:C6M6DRi0o


ちょっとコウノトリさんに少年1人発注してくる
437 :1 [saga]:2012/10/25(木) 01:18:26.06 ID:ogndOxBE0
試験なんて関係ねぇ♪
何の試験かはきかねーでくれ
落ちたら笑ってくれw

では続きー。
ちょっと鬱ルートかもね。
438 :1 [saga]:2012/10/25(木) 01:22:33.50 ID:ogndOxBE0
―――現在。

忍「………」ウルウル

竜娘「………」グス

勇者「………」ドバーッ

少年「おいおい、泣くなよ。そんな良い話じゃないんだからさ」

忍「似た境遇を持つ私としては涙ぐまずには…」ウッ

竜娘「ウチ……幸せだったんだな」

勇者「じょうねんぐん、じゅぎー」ダバーッ

少年「いや、だから良い話じゃないんだって。だって、




全部打算だもん」




忍「」

竜娘「」

勇者「うぇえぇぇん」←聞いていない。



少年「…そう、僕が義理の両親から教え込まれたこと。それが僕を愛する人を殺すんだ。



――殺すんだ」



439 :1 [saga]:2012/10/25(木) 01:29:55.81 ID:ogndOxBE0
~再び回想~


少年(二人がいた時は、言葉を発さない方が都合が良かった。喋れないふりをしていれば標的は“ペット”のように可愛がってくれた)

少年「ママ…」ギュッ

領主姉「……はいはい、寂しいんだね」ギュッ

少年(ママは拠り所を探している。…というより領主様の心が自分に向かないことに疲れきってる)

領主姉「あんたも何も持ってないんだよね…」グスッ

少年「……ママがいる…」ギュゥ

領主姉「………ありがとうね」ギュゥッ…

少年(しかし、一つ困ったことがある)

少年「ママ、……好きだよ」ニコッ

領主姉「……っ、将来あたしと結婚しておくれぇ」ギュッ




少年(困った。本当に困った……




僕は、この人を“殺したらいいのか”?)




―――その二日後、領主様は死瘴石採掘の募集開始した。





440 :1 [saga]:2012/10/25(木) 01:54:52.98 ID:ogndOxBE0
少年「ししょうせき?」キョトン

領主姉「あんたは知らなくていいのー」トントントン

少年(本当は知ってる。死瘴石は貴族が喉から手が出るほど欲しくて、犠牲者は万を越してて、そして―――子供にしか採取できないことを)

領主姉「なんでもさぁ、子供にしか採取できないらしいんだけど、魔王の欠片? みたいなもんだからすごい力が手に入るらしいよ」

少年「へぇ〜、かっくいぃ〜」キラキラキラ

領主姉「でも、あんたは駄目よ。死瘴石は呪われた石だから触ると祟りが起きるんだから」

少年(子供にしか採取できないのは、死瘴石は魔力を吸い取るから。大人が持つくらいの魔力量を吸い取れば死瘴石は一瞬にして“魔族”へと生まれ変わる…)

領主姉「……あんたって、時々子供じゃない顔してるわよね」

少年「えっ?」ギクッ

領主姉「………そんなあんたも好きだよっ」ギュゥ~~

少年「………」ホッ…

領主姉「………」
441 :1 [saga]:2012/10/25(木) 02:04:47.12 ID:ogndOxBE0
――さらにその二日後。

領主「……駄目だ。誰もやりたがらねぇ」

領主姉「そりゃそうだろ。誰が可愛い子供を生贄に差し出すのさ」

領主「…だよなぁ」

少年「……あ、あのぼ「それより、その石を欲しがってるのは誰なの?」

領主「ああ、なんかここより北にある魔法学園の教師だ。なんでも未来を予知するのに必要らしい」

領主姉「へぇ、値段は?」

領主「●●●●万円」

領主姉「ぶっ、そりゃすげーじゃねーの。……偽物じゃ駄目なの?」

領主「バカか。この世界は信頼が大事なんだよ。特に魔法学園の“保守派”の連中は金払いが良いからな」

領主姉「じゃあ、適当に奴隷でも買って取りに行かせたら?」

領主「駄目だ。奴隷の絶望に反応して、死瘴石が暴走してしまう」

領主姉「それじゃあ諦めるしかないね」

領主「やだなー。お金欲しいなぁー」

領主姉「また孤児院拡張するんだってね」

領主「うるせーな。俺の勝手だろ」

領主姉「孤児は駄目なのかい?」

領主「………あいつらは…無理だよ」

領主姉「この子も無理だろ」ガシガシ

少年「……僕は…」

領主「ああ、そうだな。…くそっ、死瘴石の道も開通してるのに…」フラッ

領主姉「どこいくんだい?」

領主「……帰るんだよ」

少年「………」
442 :1 [saga]:2012/10/25(木) 02:12:17.37 ID:ogndOxBE0
領主姉「……あんた、変なこと考えないでね」ナデナデ

少年「何が?」

領主姉「死瘴石のことさ。弟のために何とかしようなんて思わないこと」

少年「………でも、欲しがってる」

領主姉「まぁね。…あたしが行ければ良かったんだけどさ」

少年「………」

領主姉「昔はさ。何が何でも弟の望むことを叶えようとして、なんでもやった」

少年「今は?」

領主姉「今は……弟の考えが分かんない。世界中から孤児を拾ってきてさ。確かに愛情はあるんだけど、……なんだか時折哀しそうな目をしてるんだ」

少年「………」

領主姉「…あいつが何を企んだって、私はあんたを絶対に護ってみせる。絶対に…」

少年「僕は……」

領主姉「………」zzz
443 :1 [saga]:2012/10/25(木) 02:21:46.37 ID:ogndOxBE0
―――現在。

勇者「……予知学科の先生が死瘴石を?」

少年「今思えば変な話だね。ずっと忘れてたけど」

竜娘「領主さんって人は良い人なんですか?」

少年「悪い人」ソクトウ

忍「学園の人間が悪い人と取引を…きな臭いですね」

少年「だからきっと、保守派は殺すべき人間だったんだろうね」

忍「それについて最近嫌な噂を聞くんですが…」

少年「噂?」

忍「普通、人が死んだら遺族は学園の責任を追及しますよね」

勇者「そうだね」

忍「しかし、今回の事件で保守派の遺族は誰ひとり裁判を起こさなかったらしいんです」

少年「………」

忍「というよりも、保守派の殺された人間ってのが、



―――全員家族のいない一人身の教師だったらしいのです」



少年「なんだか、全ては繋がってるように見えるね」

忍「あくまで噂ですけどね。校長先生ならなんとかしそうですし」

竜娘「それで、ご主人様の話の続きは?」

少年「………ああ、あの時僕は思ったんだ。




―――最優先すべきことは何かって」




444 :1 [saga]:2012/10/25(木) 02:26:47.24 ID:ogndOxBE0
~回想~

――小高い丘。

領主「おー、少年、久しぶりだな」

少年「三日ぶり」

領主「そうか、まだそんなもんか」

少年「領主様、命令して」

領主「あ?」

少年「欲しいんでしょ?」

領主「あー、別に良いよ。あれは諦める」

少年「なんで?」

領主「たったウン千万のために犠牲にできる命はねぇ」

少年「……でも、目的のためなら…」

領主「ああ、そうだな。お前はやっぱ分かってるな」ニマァ

少年「だから、命令。僕は絶対にそれを実行してみせる」

領主「………ちっ、姉貴に似てきたな。あーはいはい、



さっさと俺の前に死瘴石をとってきやがれ」



少年「…………分かった」ニマァ

領主「……っ」ゾクッ

領主(なんだ…この寒気…こいつ、本当に人間なのか…)ゴクリ
445 :1 [saga]:2012/10/25(木) 02:28:22.87 ID:ogndOxBE0






―――その二日後。


僕は手のひらに収まる大きさの死瘴石を握り締め、


吐血と発熱を我慢しながら領主の前に倒れこんだ。




446 :1 [saga]:2012/10/25(木) 03:08:26.24 ID:ogndOxBE0
領主姉「あんたがっ! あんたがあんたがっ!」ゴッゴッ

領主「………すまん」

少年「………うっ、ううっ…」

領主姉「大丈夫か、熱は下がら――「触るな」バッ

領主姉「きゃっ、何をするんだい!!」

領主「今大人のお前が触れば、



こいつは魔族になるぞ!!」




領主姉「………っ」

領主「こいつは死瘴石は採掘できた。死にさえしなければ、絶対に元気になる」

領主姉「なんで分かるのさ…」

領主「学園の予知できる奴が言ってたんだ。こいつは将来的に歴史に残る人物になるって」

領主姉「………少年…」

少年「右腕が…熱い…」

少年(なんだ…これ、…情報が…詰め込まれる…)



447 :1 [saga]:2012/10/25(木) 03:18:10.37 ID:ogndOxBE0
―――二年後。

領主「よぉ、少年頑張ってるか?」

少年「はい、領主様」ニコッ

領主「お前は鍛えれば強くなる。強くなったら闘技場への参加を認めてやるからな」

少年「嬉しいです」ニコッ

領主「……お前、昔みたいに打算的な行動しなくなったな」

少年「……気付いてましたか」

領主「そりゃ、なんてったって打算の頂点みたいな立場にいるからな」

少年「ママが教えてくれたんです。他人を護る強さを…」

448 :1 [saga]:2012/10/25(木) 03:18:40.19 ID:ogndOxBE0






領主「あいつが死んでからもう一年か…」






449 :1 [saga]:2012/10/25(木) 03:19:26.48 ID:ogndOxBE0
少年「最後の最後まで、僕のことを本当の息子のように扱ってくれました」

領主「本心は打算の塊だったのにな」

少年「違いますよ。…死瘴石は教えてくれたんです。本当に人を動かすには“心”が必要だって」

領主「魔王の欠片なのにか?」

少年「魔王の欠片だからですよ」

領主「……あいつ、幸せだったかなぁ」

少年「死瘴石の二次災害は、尋常じゃない痛みと苦しみを伴います。きっと…地獄にいるより辛かったでしょう」

領主「…そっか。それは……幸せだったんだろうなぁ」ツーッ

少年(涙…)

少年「なぜですか…?」

領主「……ああ、お前も将来は部下を持て。愛する家族を持て。…そうすれば見えてくるさ」

少年「………はい」

領主「その代わり、闘技場で死んでもしらねーぞ」

少年「ママと約束したんです。



―――僕は世界を牛耳る男になるって!」



領主「ははは…そりゃ子供の時の俺の口癖だ…」

少年「知ってましたよ」アハハ
450 :1 [saga]:2012/10/25(木) 03:33:39.45 ID:ogndOxBE0
―――現在。

少年「とまぁ、そんな感じで、僕を求める人を拒んだりはしないし、それは僕にとって必要なことなんだよ」

勇者「………」

忍「………」

竜娘「………」

少年「ど、どうしたんだ?」オドオド





三人「「ママとの愛情生活をはしょっただろ」」





少年「………っ」カァ///




―――こうして、一晩中からかわれ続けた少年だが、三人は同じ想いを抱いていた。




三人((……ママは幸せだったんだよ。少年君っ!))



451 :1 [saga]:2012/10/25(木) 03:35:10.28 ID:ogndOxBE0
今日はここまで!

そろそろ寝ます!
次は本編に戻るか、サイドストーリーで行きます!!


では!!
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/25(木) 08:15:14.54 ID:7/mPUrfDO
乙です!
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/25(木) 08:31:29.56 ID:vPMe7NbQo


次は本編かサイドストーリーか

きっと犯人は10代から30代もしくは40代から50代かそれ以上の男もしくは女だな
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/25(木) 11:57:49.20 ID:A4RXCP7IO
ああ七つの大罪はライジングインパクトの人か

だから絵柄見たことあったのか
455 :1 [saga]:2012/10/25(木) 13:52:31.50 ID:ogndOxBE0
>>453
まだ俺の手札にはギャグ回やショートスト―リーが残ってるぜ城之内くん。

でも本編行くけどー

あー、一レスで寝ちゃうかも…

続きー
456 :1 [saga]:2012/10/25(木) 14:04:36.49 ID:ogndOxBE0
学園――体育館。

少年(今日はいよいよランキングを決める大会の日だ。高校生だけでなく、小中、それに大学生もきている。……それが全員入る空間…広すぎだろ)

校長「ほっほっほ。いやぁ、今日は楽しい日になりそうじゃのぉ」

教頭(元近主任)
「それでは今からルール説明します。

対象は教師も含めた殿堂入り以外の全員です」

少年(あ、騎士君のお父さん。そういえば教頭になったんだっけ…)

教頭「対戦方法はまず自由に東西の校舎に分かれてもらいます。どちらかに偏っても自由です」

勇者「一緒の校舎に行こうね!」

少年「うん」

教頭「まずは東西のチームで集団戦をしてもらいます。

その際、試験で最も成績の良かった生徒が自動的にリーダーになります。その際、頭の上に天使の輪っかが浮かぶので各自合図の鐘がなったら頭上を確認してください」

忍「どちらにせよ、主が総大将になりますね」

少年「いや、学年トップってだけで、大学生もいるんだからそれはないだろ」

教頭「各自ライフゲ「ほっほっほ、まぁ後は各々で判断してもらおうじゃないですか」

教頭「校長……」

校長「ほっほっほ。君達がいくら傷つけ合おうとワシの魔法で死ぬことはない! 各自全力で戦い抜きなさい!!」


生徒達「「おおおおおおおおお!!!」


457 :1 [saga]:2012/10/25(木) 14:14:23.28 ID:ogndOxBE0
東チーム――領土内。

少年「僕達のチームは…」

竜娘「学園に残った竜一族は皆こっちにきてるよ」

忍「鬼一族は逆にあっちに固まったみたいですね」

少年「人間達はまばらに分かれてるし、実際竜と鬼の戦いって感じだね」

勇者「後の種族は固まって戦おうってのはいないんだね」

少年「とにかく、まずは東チームを勝利に導かないとね」



――リンゴーンリンゴーン



魔女「………あら、私がトップなの?」ブゥン

勇者「あー、魔女のお姉ちゃんだぁ!」ダッ

少年「魔女?」

少年(ボンキュッボンの……あれ、黒髪?)

魔女「勇者ちゃーん。久しぶりねー」ギュ~~

勇者「魔女さんがいれば勝利は確定だね」ニコッ

魔女「んな訳ないじゃない。ぼろ負けよぼろ負け」アハハ

聖女「少年さん」

少年「聖女ちゃん。どうしたの?」

聖女「あの人、人間なのに……全属性です」

少年「全……でも全属性は…」

聖女「ええ、ウルガだけだと思っていました。……まさか他にも、しかも人間でいたなんて」

魔女「………まぁ、ただ負けるのも嫌だし、私から仲間へプレゼントよ」グッ



魔女『格の視覚化』



少年「なんだ…これ?」

少年(右目に違和感…?)

魔女「みんな左目を閉じてみなさい」

少年「………」ギュッ

458 :1 [saga]:2012/10/25(木) 14:20:22.38 ID:ogndOxBE0
少年「おお、皆の横に字が…」

勇者(レベル13)
総合力 B
戦闘力 S
技術力 C
知識力 C

忍(レベル‐‐)
総合力 S
戦闘力 S
技術力 S
知識力 A

竜娘(レベル27)
総合力 B
戦闘力 S
技術力 C
知識力 C

聖女(レベル32)
総合力 C
戦闘力 D
技術力 B
知識力 A


魔女「あくまで前回の試験を反映してるだけだから、実際の強さとは関係ないわ。でも、目安にはなるでしょう?」

少年「自分を見るときは?」

魔女「逆の目を閉じれば浮かび上がるわよ」

少年「………」ギュッ


少年(レベル37)
総合力 A
戦闘力 A
技術力 A
知識力 A


少年(もうちょっと頑張ればよかった…)
459 :1 [saga]:2012/10/25(木) 14:20:49.04 ID:ogndOxBE0
中途半端ですがねます!!

では!!
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/25(木) 17:19:01.96 ID:5IMATMLfo
おつ
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/10/25(木) 19:44:53.06 ID:6mTQGWzT0

…忍ェ
462 : [saga]:2012/10/25(木) 20:06:34.93 ID:bdxn9G6z0
あー、超ねむたすねむたす。

つづきー。

463 : [saga]:2012/10/25(木) 20:10:10.10 ID:bdxn9G6z0
少年「忍…それやりすぎちゃう?」

忍「てへ★」

少年「感情こもってないのに悔しいが可愛いっ!」

魔女(ふーん、“虚”に“無”に勇者のパーティなんて面白いわね)ジロジロ

少年「な、なんですか?」

魔女「……あんたに指揮を任せるから」ポンッ

少年「え、ええっ!?」

魔女「はいはい、リーダーが言ったことだから文句言わない」


――リンゴ―ン。戦争開始まで、あと10分です。


魔女「その代り、こっちが有利にしてあげるから」ニコッ

少年「……は、はい」

464 : [saga]:2012/10/25(木) 20:18:39.73 ID:bdxn9G6z0
西側――リーダーのいる地点。

賢者「………しまった」

賢者(私がリーダーになっちゃってるじゃん)

鬼王子「どうしても東の奴らに勝ちたいのじゃ!」

賢者「えー? そんなこと言われたってー」

鬼王子「ぬしがリーダーなのじゃから、仕方なかろう。絶対に勝つぞ」

賢者「………はぁ、分かったよぅ」

鬼王子(賢者の癖になんて子供っぽいんじゃ)プンプン


??『はーい賢者ちゃん』


賢者「お姉ちゃん!?」

魔女『私が東側の大将だから、悪いけど西側ぼっこぼこにするねぇ』ニヤニヤ

賢者(なんで!? あの人“学園の人間じゃない”じゃん! ていうか魔王軍に行ったんじゃ!?)

魔女『あんたが何で悩んでるか丸わかりだけど、悪いけどこっちの人間には私の存在を幻惑魔法で滑りこませてるから無駄よ』

賢者「何のためにそんなことを!?」

鬼王子「ど、どうしたのじゃ急に!!?」ビクッ

魔女『あー、それは言えないわぁ。でも、私の目的が今私の目の前にいるってことだけは教えといてあげるー』

賢者「………」

魔女『あ、そろそろ時間だから行くねー。あ、そうそう、



あんたのお気に入りの少年君。可愛いわよねー』ニマァ



賢者「………っ!!」

賢者(少年さんに手を出したら絶対に許さないんだからっ!)
465 : [saga]:2012/10/25(木) 20:27:06.34 ID:bdxn9G6z0
校長室。


校長「珍しい子がおるのぉ」

使い魔「“死神”のことか?」

校長「あれはずっとこの学園におったぞ。まぁ、今回は本気みたいじゃが」

使い魔「じゃあ誰のことだよ」

校長「……言ったところで、お主には分からんと思うがのぉ」

使い魔「言わなきゃわかんねーだろ」

校長「二代目の魔王じゃよ」

使い魔「は?」

校長「まぁ、正確には“魔王の残り火”というやつじゃがな」ホッホッホ

使い魔「……訳わかんねーよ。ほんと」


――リンゴ―ンリンゴ―ン。試合開始10秒前です。
466 : [saga]:2012/10/25(木) 20:42:01.96 ID:bdxn9G6z0
10

少年『みんな聞こえるか。作戦通りに頼むぞ』

全員『おお!』ゴッ



少年(異界の装置“インカム”って便利だけど邪魔だな)



魔女「少年君、勝ったら良いことしてあげる」ウフ

少年「おおふ」///



女子達「「………」」ムッ



少年「頼むぞ忍」

忍「任せてください」ニコッ



竜娘「竜娘は魔女の護衛を頼む」



竜娘「いえっさー!」



少年「勇者ちゃん、いける?」

勇者「いけるよぉ」ゴォッ



少年(勇者ちゃんの魔力が、今は怖ろしくさえ感じる…)



少年「……でも、それでも僕は勇者ちゃんの仲間だ」

勇者「………え、なんか言った?」


START!!


少年「なんでもない! 行くよ!!」

勇者「―――うんっ!!」
467 : [saga]:2012/10/25(木) 21:01:06.49 ID:bdxn9G6z0
少年「……格の視覚化か」ギュッ


西生徒1(レベル7)
総合D


少年(総合力が分かるだけでずいぶん助かる。……レベルは何のレベルだ?)パンッ

西生徒1「うっ……」シュンッ

勇者「負けると消えちゃうんだね」

少年「学校全体にそういう魔法がかけられてるんだろうね」スッ

西生徒2・3・4・5
「「うぉおおおおおお!!」」

勇者「少年君っ!」

少年「白夜!」バババババッ

西生徒達
「「なっ!?」」ビタッ

勇者「やぁあああああ!」ザンッ!!

少年「ナイス」スッ

勇者「少年君もナイスアシスト」コンッ


――ほっほっほ。さっそく無双しておる生徒がおるようじゃな。


少年「校長?」ピタッ


――各自余裕ができたら自分のスマホウを見るのじゃ。


勇者「スマホウ……あ、なんかインストールされてる!」


――これが現在のランキングじゃ。単純な戦いだけじゃなく、戦略なんかも見ておるから、戦闘能力の低い者も諦めるでないぞ。


少年「どれどれ、一位は…」

1位西・鬼王子(92人撃破)
得点数 392点

2位西・賢者(73人撃破)
得点数 280点

3位東・騎士(45人撃破)
得点数 160点

西チーム(253人撃破)
総合得点1459点

東チーム(176人撃破)
総合得点972点


468 : [saga]:2012/10/25(木) 21:01:37.84 ID:bdxn9G6z0
少年「……知り合いばっかじゃん。しかも負けてるし」

勇者「あ、私たちのあったよー」

28位東・少年(1人撃破)
得点数 132点

43位東・勇者(4人撃破)
得点数 78点


勇者「なんで少年君の方が点数多いのよー」プンプン

少年「そ、そりゃ僕が作戦考えたからじゃない?」

勇者「………そっか」

少年「とにかく生き残ることが大事だから点数は気にしないでおこう」

勇者「そうだね…」


―――ピッ。


撃破数ランキング。
1位西・死神(129人撃破)
得点数 129点


東生徒130
「や、やめて…」ガタガタ

死神「やーだねっ♪ ひひっ!!」ドスッ

東生徒130
「く……そっ」ドサッ

死神「今日こそ騎士君と勇者ちゃんと―――少年君を殺すぞ〜♪」イヒヒッ
469 : [saga]:2012/10/25(木) 21:19:11.94 ID:bdxn9G6z0
――1時間後。

東チーム残り7045人(1650点)

西チーム残り8043人(2897点)


少年「……うーん、そろそろかな」

忍『お待たせしました皆さん!!』

勇者「………! 来たよ!!」


――本陣。


魔女「ふふん、いくら優秀な駒がそろっていても、“配置がばれてるのとばれてない”のでは全然違うってこと教えてあげなくちゃね」

忍「これです」ゼーッゼーッゼーッ

魔女「ご苦労様。使い魔なのに疲れるのね」

忍「………クノイチでも走れば疲れます」

魔女「…まぁいいわ。回復してあげる」サッ

忍「……おお、動けます」スクッ

魔女「賢者ちゃんは私たちが配置を調べて共有することまで“読んでるわ”。…だから、第二段階行くわよ」

忍「はい」サッ



魔女「さぁ少年君。この世界の主人公らしいとこ見せてよね」ニマァ



470 : [saga]:2012/10/25(木) 21:24:25.79 ID:bdxn9G6z0
学園中央。

賢者「北に配置した第七小隊が集団に負けたの?」

西生徒560
「はい、まるで“そこにいるのが分かっていた”かのようでした」

賢者「そう。…“やっぱりね”」

鬼王子「どうするんじゃ?」

賢者「配置がばれてるってことは、もちろん戦力分布もばれてるってこと。…だから」スッ


賢者『無差別交換』ブゥン


鬼王子「え、ワシも―――」シュンッ

賢者「あなたは一番行きたいところへ行かせてあげるわよ」

賢者(……さすがに“5000人以上”を同時に転送するのは疲れるわね)ドサッ

忍者「賢者様っ」

賢者「……大丈夫よ。でも、十分だけここを守り通して」スゥ…

忍者たち「「御意っ!!」」
471 : [saga]:2012/10/25(木) 21:32:31.59 ID:bdxn9G6z0
少年「待ってたよ。鬼王子君」

鬼王子「久しぶりじゃの。少年」ニヤァ

勇者(魔女さんはほんとにすごい! 賢者ちゃんの思考を読んで“最強の駒”が来る位置を把握するなんて)

鬼王子「さぁ、また楽しい戦いをしようぞ」チャキッ

少年「いや、悪いけど、君の思惑通りにはいかないよ」ニッ

騎士「そうだな」チャキッ

鬼王子「………読んでおったか」

少年「賢者ちゃんの千里眼がこっちに向いてたのはわかってたんだ。だから利用させてもらった」

騎士「そういうことだ。おとなしく負けろ」ググッ



鬼王子「ワシらが“わかってなかった”と思ってるのか?」



勇者「………騎士君前に跳んでっ!!!」ゾワッ

騎士「なっ!」バッ

死神「あ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」スカッ

鬼王子「こっちは“得点数最高”と“撃破数最高”で挑ませてもらうぞ」ニマァ

死神「………殺しそこねた」チッ

少年「な、なんか物騒なこと言ってるぞ」

鬼王子「…はっ、主らは何か勘違いしておるが、


ワシの部下のほとんどは元々“暗殺学科”ぞ?」


死神「まぁ、自分は暗殺学科の落ちこぼれだけどね」

鬼王子「貴様は機密を守ることも証拠を残さず殺すこともできないからじゃ」
472 : [saga]:2012/10/25(木) 21:39:44.20 ID:bdxn9G6z0
勇者「はぁ…はぁ…。鬼王子君、早く彼から離れて」チャキッ

死神「あー、勇者ちゃんはまだ待っててほしいなぁ」

鬼王子「勇者よ。ワシはこいつが保守派の人間に飼われた魔王軍の犬じゃということは全部わかっとる」

死神「何で言うんだよーーーー!」

鬼王子「どうせ後で自白するじゃろ」

少年「保守派魔王軍……それで騎士君を!?」

死神「それでかどうかわかんないけど、君らが魔獣を討伐してた頃から狙ってたよ」ニコッ

少年(返り血を浴びたかのような紅の髪は本当に…?)

鬼王子「あーそうそう、言い忘れてたがの。ワシら鬼一族の生徒は卒業と同時に、



魔王軍と共闘するから覚えておけ」



少年「………なっ」

勇者「うぅ……」グググッ

騎士「くそっ、状況がつかめん」

少年(とにかく、必要なのは死神を追い払うことだ…)チャキッ


死神「とにかく……死んでよ騎士」シュンッ

騎士「くっ、はやっ―――




―――斬っ!!




―――その音は以外にも甲高く、皆の耳を光の速さで突き抜けた。





473 : [saga]:2012/10/25(木) 21:40:37.23 ID:bdxn9G6z0




第五章 完





474 : [saga]:2012/10/25(木) 21:44:32.23 ID:bdxn9G6z0
キリがいいのでここまでにします!

次回予告。
第六章 希望と絶望


第六章は200〜300レスくらい使いたいです。(書き溜めてるわけじゃないけど)
第六章の前半も学園のままです。

その前に第5.5章(サイドストーリー)として、聖騎士の話を一気に進めたいので、よろしくお願いします。

では!!
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/10/25(木) 23:04:28.84 ID:6mTQGWzT0
騎士ぃぃぃ!?
とりあえず乙っ!!!
476 :1 [saga]:2012/10/26(金) 01:14:34.90 ID:F8yPeyZh0




 〜空の騎士〜
最終話 空駆ける。




477 :1 [saga]:2012/10/26(金) 01:23:43.08 ID:F8yPeyZh0
―――西の大陸、瘴気の海。

男「ててて…、二人とも大丈夫か?」

黒騎士「ああ、大丈夫だ。どうやら、瘴気の海の中へ放り込まれたらしいな」

聖騎士「………」

男「瘴気の海? 西大陸の未開拓地か?」

黒騎士「ああ、初代魔王の墓標だとか、五代目魔王の寝床だとか伝説は数多く残るが、そこに何があるか人間は誰も知らないんだ」

男「なぜ?」

黒騎士「簡単だ。瘴気は人間にとって有害だからだ」

聖騎士「……行きましょう」

男「聖騎士? 大丈夫か?」

聖騎士「今は弱音吐いている場合じゃないわ」

黒騎士「そうだな。行こう」

男「で、でも、瘴気があるんだろ? どうするんだ?」

黒騎士「急に弱気になってどうした? 死ぬのが怖いか?」

男「当たり前だろ! 死ぬってことは終わるってことだぞ!!」

聖騎士「そんなの誰だって知ってるわ」ボソッ

男「どうしたんだよお前」ガッ

聖騎士「 さ わら な いで 」

男「おまえっ!?」

男(目の白い部分がなくなってる!?)ビクッ

黒騎士「くそっ、“すでにやられていたか”」バッ
478 :1 [saga]:2012/10/26(金) 01:27:48.36 ID:F8yPeyZh0
男「ちょっ、何構えてんだよおっさん! こいつは仲間だろ!!」

黒騎士「今は敵だ!! 聖騎士は“闇に堕ちた”!!」

男「闇に?」

聖騎士「違うわ。私は……元々闇の中にいたのよ」

黒騎士「どういうことだ?」

聖騎士「それを答えてほしかったら――」チャキッ

男「なんだよこれ…」




聖騎士「私を倒すことね」ブゥン




479 :1 [saga]:2012/10/26(金) 01:34:08.97 ID:F8yPeyZh0
〜回想〜

聖騎士「私に…勇者の力が?」

教頭「ああ、そうだよ」ナデナデ

聖騎士「そっか……私、勇者になるんだ」ニヘラ

教頭「元々君の両親は勇者になれる素質を持っていた。たまたま、別の青年に勇者の力が宿っただけ。だから心身ともに清らかな聖騎士が選ばれたんだよ」

聖騎士「うんっ!」

勇者「おねーちゃーん、どこー?」テクテクテク

聖騎士「あ、勇者ちゃん、こっちよ!!」

勇者「いたぁー」ニパーッ

教頭(しかし、懸念がある。聖騎士の魔力はどう考えても……)

聖騎士「よしよし、あっちで遊ぼうね」ニコッ

教頭「いや、考えすぎだな…」

480 :1 [saga]:2012/10/26(金) 01:37:23.59 ID:F8yPeyZh0
模擬戦。

審判「聖騎士の勝利!!」

生徒達「「わぁああぁあああ!!」」

聖騎士「はぁはぁはぁ……」グッ

聖騎士(これが…勇者の力…)

教頭「………やはり」ハァ…

聖騎士「私、…やるよ、お父さんっ」ゴォォオ



審判「生徒の勝利!!」

勇者「……また負けちゃったぁ…」グスン…

481 :1 [saga]:2012/10/26(金) 01:43:35.03 ID:F8yPeyZh0
――旅立ちの日。

勇者「おねぢゃぁん」グスッ

聖騎士「お姉ちゃんやるね」ナデナデ

教頭「しっかりやるんだよ」ニコッ

聖騎士「はいっ!」

校長「聖騎士。勇者として旅を続けていれば困難の連続じゃろう。じゃが、負けるでないぞ」

聖騎士「はい!」


教頭「……行ってしまった」

校長「心配かな? 彼女の魔力が………“闇”であることが」

教頭「勇者の力は不変の“光”。いつか彼女が光に押しつぶされないか不安で…」

校長「……ふむ―――じゃが忘れるな。悪は常に心の隙を突いてくるぞ」

教頭「………はい」

教頭(聖騎士……負けるな)
482 :1 [saga]:2012/10/26(金) 01:53:34.70 ID:F8yPeyZh0
―――二ヶ月後、水王の城。

聖騎士(……くっ、やばいわね)

水王「ふははっ! 勇者と聞いてみればこんなものかっ」ドパァッ

聖騎士「うぅっ!!」ドッ

聖騎士(背中が…、くっ…)ビキッ

水王「さぁて、どうしてやろうかな」ニヤァ

聖騎士「く、くるな…」ブンッ

水王「効かぬわ」ガシッ

聖騎士(なっ、なんで!? 勇者の力が宿った剣なのに!?)

水王「不可解な顔してるな」ニマァ

聖騎士「くっ…くそっ」

水王「冥土の土産に教えてやるよ。



―――お前の心が闇に浸かっている限り、勇者の力は魔族には効かぬ」




聖騎士「え、な……え…

483 :1 [saga]:2012/10/26(金) 01:54:10.43 ID:F8yPeyZh0








―――私が…闇の属性?







484 :1 [saga]:2012/10/26(金) 01:56:48.36 ID:F8yPeyZh0
水王「やはり知らされておらぬか! ふははははっ! どうやら人身御供とされたようだな!!」グワァアア

聖騎士「ころ……さ…」ボーッ

水王「死ねぇええええ!!!」ブンッ





―――ギィィィィンッ!!





水王「邪魔をするなぁ―――人間!」

教頭「………」グググッ

485 :1 [saga]:2012/10/26(金) 02:03:51.80 ID:F8yPeyZh0
水王「なんだぁ? ただの人間が何の用だぁ」

教頭「頼む、見逃せ」

水王「できる訳ねーだろぉ?」グワァッ



教頭『爆撃』ドプッ



水王「なっ、……身体が…」グググッ

教頭「……水の王よ。取引だ」

水王「取引ぃ?」

教頭『爆睡』

聖騎士「………」カクッ

教頭「この子の属性を変えろ。お前ならできるだろう」

水王「なぜそんなことをせなばならぬ」

教頭「なぜ? それは状況を見ればわかるだろ」


教頭『撃滅』ゴッ


水王「お、おお、お……」フラフラ

水王(この強さ……まるで…こいつの方が…)

教頭「どうする。魔王軍のために何もせず死ぬか、自分の命のために属性を変えるか」ギロッ

水王「わ、分かった」



―――ただし、条件がある。



聖騎士「………」フラフラ

聖騎士(お父様、何を…)
486 :1 [saga]:2012/10/26(金) 02:06:27.02 ID:F8yPeyZh0
水王「勇者の力は手放してもらうぞ」

教頭「…………無理だ」

水王「俺だって危険な道を歩いてるんだ。お前だってリスクは負えよ。そもそも勇者の力で護られた奴の属性なんて変えられねーよ」

教頭「………ちっ、分かった」

水王「取引成立だなぁ」ニマァ

487 :1 [saga]:2012/10/26(金) 02:10:14.33 ID:F8yPeyZh0





教頭「き、さまぁ……」




水王「いひっ、いひひっ! 騙された騙されたっ!」

教頭「今すぐ放せっ!!」

聖騎士「お、お父様…」

水王「まぁとにかく勇者の力を抜くぞ」グッ

聖騎士「あ、ああぁっ!!!」

水王(こいつ…“素質”あるじゃねーか)ニマァ

教頭「放せっ!!」ブンッ

水王「……ちっ」バッ

聖騎士「―――んっ」ドサッ

教頭「聖騎士!!」ダッ
488 :1 [saga]:2012/10/26(金) 02:22:36.81 ID:F8yPeyZh0
聖騎士「うっ、うぅ…」グググッ

教頭(勇者の力が完全になくなっている…)

教頭「さぁっ! 今すぐ属性を変えろ!!」

水王「分かっているさ。これを胸に当てろ」カランカラン

教頭「……なぜ二つある」

水王「一つはお前のだ。爆雷の戦士よ」

教頭「知っていたのか…」

水王「これだけ大規模魔法を連発できる人間はそうそういないからな」

教頭「それで、これはちゃんと属性を変えるものなんだろうなっ!」

水王「ああ、あたりまえじゃねーか」

水王(これだから人間は甘い甘い…)

教頭「………まずはこの子の属性を変えろ」ペタッ

水王「ああ」クンッ

聖騎士「………うぅ」ジュゥ…

教頭「………どうやら本物のようだな」

水王「次はお前だ」

教頭「………その前に魔法でこの子を安全な場所へ送り届ける」バッ


聖騎士「おとう…さま」シュンッ


教頭「………」ニコッ

水王「さぁ、さっさとやれ」
489 :1 [saga]:2012/10/26(金) 02:25:43.34 ID:F8yPeyZh0






教頭「悪いが断る」






水王「……なぁっ!?」

教頭『爆散!!』

水王「ぐぉおおおおっ!!」バンッ

教頭『爆裂!!』

水王「がぁああああっ!!」ドサッ

教頭「悪いが私は勇者のような綺麗な人間ではないのでな」ギロッ

水王「………くそっ」

教頭「死ねっ!!」

教頭『ばk――「やりすぎだよ」ポンッ



教頭「………ま、おう?」



魔王(星詠)
「はい、魔王です」グッ

教頭「ぐっ」ドサッ
490 :1 [saga]:2012/10/26(金) 02:37:28.15 ID:F8yPeyZh0
魔王「やだねー。世の中には汚い人間や魔物が多くて」ヤレヤレ

教頭「…はなせ」

魔王「いいよ」パッ

教頭「………っ!」ダッ

教頭『撃めt「静かにしてね」スッ

教頭「がっ、がぁっ…」

魔王「いいかい。君は今から“無事に学園に帰る”。そして、教頭として生活をする」

教頭「……な、に…を」

魔王「だけど、君はもう、僕達の仲間なんだ」グググッ

教頭「く…そ、やろ…」

魔王「なぜならば、君の大切な勇者ちゃんに勇者の力が移っちゃったからね」

教頭「―――な、に?」ドサッ

魔王「いやぁ、残念だねー。まさか、



―――君の“本当の娘”に勇者の力が宿っちゃうなんてね」



教頭「なぜ…それを!」

魔王「ははは、秘密だよ。だけど、僕は歴代最弱の魔王だ。このままいけば勇者ちゃんは何事もなく幸せな人生を送れるだろう」

教頭「………」

魔王「しかし、残念なことにこの世界にはもう一人魔王足りえる人物がいるんだ」

教頭「なんだと?」ピクッ

魔王「その子は、これから何年か後に学園へ入学する。その時、彼を暗殺できる状況にしとかねばならない」

教頭「できるわk「娘がどうなってもいいの?」

教頭「くっ…」

魔王「だから、君は僕達の仲間なんだ。仲良くやっていこうね」



―――仲良くね


491 :1 [saga]:2012/10/26(金) 02:38:54.91 ID:F8yPeyZh0
今日はここまで!!

何も回想じゃなかったので、過去に差し替えてください。


聖騎士は本当に属性が変わったのか!?

ご期待あれ!

では!!
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/10/26(金) 03:17:05.84 ID:RHOiczsr0
乙っ
493 : [saga]:2012/10/26(金) 13:40:45.16 ID:hu5Xoizj0
―――数年後。

聖騎士「それでは、いってまいります」

教頭「うん、たのんだよ」ニコニコ

教頭(聖騎士は都合の良いことに自分が勇者であったことや、闇の属性をもっていたこと、そして勇者として旅していたことすべての記憶を失っていた)

校長「しかし、黒髪の少年とは珍しい子がいたもんじゃのぉ」

教頭「はい。ですが、予知学科の星詠先生が言うのであれば…」

校長「そうじゃの」

教頭(私は自分の立場を全て利用し、魔王軍を教師として迎え入れ、保守派の勢力を伸ばした。保守派は言わば校長崇拝派。彼らを尊重する意見を言っておけば学園内で私の地位が崩れることはない)

校長「しかし、彼女も強い子じゃ。勇者として責務を全うできなったというのに絶望することなく聖騎士まで上り詰めた」

教頭「本当に…そうですね」

教頭(聖騎士の成長は誤算の一つだ。彼女がこれ以上成長し真実を知れば私を殺しにくるかもしれない)

教頭「……そうなってほしいものだ」ボソッ


校長「………」


494 : [saga]:2012/10/26(金) 13:44:21.72 ID:hu5Xoizj0
―――数週間後、教頭の部屋。

教頭「なんということだ……」

教頭(魔王の計画に勇者と少年を引き合わせる話はなかった。それが一緒に暮らすだと?)



教頭「お父さんは許さんぞぉおおお!!」



教頭「………」カァ///

教頭(…しかし、たった数年で私も汚れてしまったものだ。かつて白から老まですべての騎士をやってきたとは思えないな…)

教頭「だが、娘だけは………」グッ


495 : [saga]:2012/10/26(金) 13:49:32.92 ID:hu5Xoizj0
>>295の時、教頭の部屋。


教頭「………っ!?」ゾワッ

教頭「この魔力は……まさか魔王!?」

教頭(いや、違う……星詠よりも強力で暗い…まさか少年が―――)




―――この世の絶望が解き放たれた。

私が自室でそれを感じた直後。

懐かしい感覚と共に、



世界を救う光が私のそばを駆け抜けた。




教頭「これが……勇者、なのか?」
496 : [saga]:2012/10/26(金) 17:33:04.63 ID:hu5Xoizj0
教頭「私は……なんという…」ガクッ

教頭(娘が二人も勇者になるという神からのご寵愛を受けながら、私はこんな…こんな……)



―――その時、扉の開け放たれる乱暴な音と共に、私は自身の死を悟った。



聖騎士「……お父さん…あなたが…」

教頭「……そうだ。私が元凶だ」バッ

教頭(せめてこの子が罪悪感を持たぬよう、悪役に徹するんだ…)

聖騎士「…………覚悟」グッ

教頭「こいっ!!」チャキッ

聖騎士「たぁああああああ!!!」



―――ザンッ!!!



教頭「ぐっふぁっ…」ヨロッ

聖騎士「………」ズッ

教頭「……聞け、聖騎士。私は―――」



聖騎士「聖騎士? 誰それ?」ボソッ
497 : [saga]:2012/10/26(金) 17:33:35.91 ID:hu5Xoizj0








教頭「―――――は?」









498 : [saga]:2012/10/26(金) 17:45:51.83 ID:hu5Xoizj0
聖騎士「ああ、そうそう、私の名前だった」テヘ

教頭「あ、な、何を?」ヨロッ

聖騎士「あー、もう死んじゃうあなたに良い土産話をあげるわ」スッ

教頭(い、意識が…)




聖騎士「私はあんたに殺された“闇”の部分だよ」

教頭「………!!!」

聖騎士「まぁ、でもよかったじゃない。絶望を背負う必要もないんだから」ニマァ

教頭「………き、し」ドサッ

聖騎士「あー、すっきりした! 後はまた意識下に潜り込んで…」


黒騎士「聖騎士!! やったか!?」


聖騎士「……あ、ああ」

聖騎士(なぜだ…。現実味がない…)

黒騎士「これで学園にいた保守派は全滅だ。残りを追うぞ」

聖騎士「はい…」

聖騎士(少年君……会いたいよ)
499 : [saga]:2012/10/26(金) 18:01:27.88 ID:hu5Xoizj0
現在――最果ての城。

男「つ、つぇええ…」ボロッ

黒騎士「聖騎士はもともと闇の属性だったのだ。相性が悪すぎるの」ゼェゼェ

聖騎士「さて、そろそろこいつの中で死瘴石も育ちきっただろうし。こんなやつ“用なし”ね」

男「聖騎士を返せぇえええええ!!」ガァァァァッ!!!

黒騎士(狂化!? 聖騎士を殺すつもりか!?)

聖騎士「返すわよ。こんな恋する処女なんて」バッ

男「なっ!? 何か飛び出してきたぞ!?」ビクゥッ

黒騎士「………死瘴石…」ボソッ


聖騎士「………」フラッ


男「聖騎士!!」ガシッ

??「きゃははっ! そいつはもう私に“全てを奪われた空っぽちゃん”だけど、性玩具くらいにはなるんじゃない!?」

聖騎士「………」ボーッ

男「お前……聖騎士を元に戻せっ!!」

??「無理よ。今から私は西の大陸にいる人間皆殺しにするんだから」

黒騎士「なっ…」

??「それじゃ、ばいばーい」ニコッ



男「まてぇええええええええ!!」



―――男のすがるような叫び声は誰の耳にも届かず、誰の心にも響かなかった。



サイドストーリー 完



500 : [saga]:2012/10/26(金) 18:05:32.51 ID:hu5Xoizj0
いったんここまで!

次から第6章に入っていきます!

では!!
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/26(金) 18:05:55.83 ID:CArFkclxo
乙です
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 20:20:56.42 ID:ArhKdwuQo
乙!
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/26(金) 21:38:19.57 ID:yZH0nmaio


誰かなぜ魔王の言いなりになったか教えてください
504 :1 [saga]:2012/10/27(土) 00:58:21.83 ID:LZCOCijE0
>>503
描写不足だったかな?いや、それは全部かwww
父親のエゴです。


少しだけ続きー。
505 :1 [saga]:2012/10/27(土) 00:59:51.04 ID:LZCOCijE0




―――これは絶望の物語。





506 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:00:26.00 ID:LZCOCijE0





―――そして、希望を夢見る物語。





507 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:01:41.04 ID:LZCOCijE0





―――振り抜いた刃は空を斬り、






508 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:03:21.79 ID:LZCOCijE0






―――少女は自分の“愚かさ”に気付いた。。。








509 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:04:02.90 ID:LZCOCijE0






第六章 希望と絶望と。








510 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:12:54.10 ID:LZCOCijE0
死神「あはははっ! やるねっやるねっ」ジュゥ…

勇者「はぁーっ、はぁーっ……」キッ

死神「斬ったね。僕を斬ったね! あはははっ!



勇者が私情で学生を殺したね!!」シュンッ



勇者「………っ」ハッ

鬼王子「死んどらんじゃろ…。そもそも魔王軍の人間じゃし。まぁ、確かに勇者にしては冷静じゃなかったがの」ギロッ

勇者「わたっ、わたし…」ユラッ

少年「勇者ちゃん」ガシッ




―――魔王の気配…?




勇者「ひっ!」ブンッ

少年「ちょっ、落ち着いて!!」ガシッ

勇者「いやっ、放せ! 放せよ!!



―――魔族なんかに触られたくない!!!



少年「………え?」パッ

勇者「ふーっ、ふーっ……え? 少年…くん?」

騎士「………」チャキ
511 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:21:08.23 ID:LZCOCijE0
>>510 勇者の一人称間違えました。わたし→僕に脳内変換お願いします。



勇者「ち、違うの…」ガタガタ

少年「大丈夫、分かってるから」

勇者「ああ、僕はなんてことを…」ガタガタ

鬼王子「隙だらけじゃぞー!!」バッ

騎士「お前もなっ!!」

鬼王子「むっ?」



―――ギィィィンッ!!



騎士(くそ、妖刀相手に普通の剣じゃダメか!!)バッ

鬼王子「ちっ、連携が崩れておるとはいえ、これはまずいの…」スッ

勇者「ふぇ…もう、やだぁ…」ドサッ

少年「勇者ちゃんっ!」

騎士「一度本陣に戻れ!」

少年「……勇者ちゃん、立てる?」グッ

勇者「………っ!? う、うん」ガタガタガタ

少年(すごい震えだ…僕の魔力に怯えている…?)

少年「騎士君、君が勇者ちゃんを頼む」

騎士「はぁ? 何言って―――」

少年「“頼む”」ジッ

騎士「……ああ、行くぞ勇者」

勇者「………うん」トボトボ


少年(なんかすごい心が……痛い)


忍「主! 大丈夫ですか!」

少年「忍……僕…」ツーッ

忍(涙!?)ダッ
512 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:24:24.72 ID:LZCOCijE0




―――主ぃっ!!





少年「……忍」

忍「………大丈夫ですよ」ギュッ

少年「僕、自分が何者なのか……知らない」

忍「……私もですよ」ナデナデ

少年「勇者ちゃんが僕を魔族と言ったんだ。……だから本当に「何を言ってるんですか」

少年「え?」

忍「生まれや育ちに何の意味があるんですか?」

少年「え、いや、でも…」

忍「はぁ…そんなこと言ったら私なんて……



――生き物ですらないですよ?」



少年「……え?」
513 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:32:12.22 ID:LZCOCijE0
忍「私は限りなく有機物に近い構造をしている無機物です。つまり、“モノ”なんですよ?」

少年「どういうこと?」

忍「私が生まれた国ではある条件下で物に魂が宿ります。それが私です」

少年「つまり……人形?」

忍「いえ……あ、いや、向こうの世界ではそうだったのですが、こっちに来た時に構造に変化があったみたいで…」

少年「つまり?」

忍「よくわからないのです」アハハ

少年「………」ズルッ

忍「……こんな訳のわからない存在は嫌ですか?」

少年「そんなことあるか! 忍は忍だっ!!」



忍「じゃあ主は主ですよ」



少年「………」

忍「結論は出ましたか? じゃあ、行きますよ?」

少年「……分かったよ、忍」



―――ありがとう。



514 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:39:12.45 ID:LZCOCijE0
東チーム・本陣

魔女「圧倒的にウチが負けてるわねー」

竜娘「鬼王子さんが無双状態でぶっちぎりの一位ですね」

魔女(まぁ、そういう風になるようにさりげなく誘導してるのだけどね)

竜娘「あー、鬼一族には負けたくないなぁ」

魔女「そうね。私も賢者ちゃんには負けたくないわ」ニコッ

魔女(それにしても、面白いわね。賢者ちゃんは勇者側、私は魔王側、でも賢者ちゃんの従える生徒は将来の魔王軍。こちらはその逆…)

竜娘「ご主人様大丈夫かな―」

魔女「行ってみる?」

竜娘「駄目。ウチの役目は魔女さんを護ること」

魔女「あらそう、それじゃ頑張って護ってね」

竜娘「任せて」ニコッ

魔女(二代目魔王の魂が可愛い女の子を求めてる……)ハァハァ

竜娘「な、なに」ズザザッ

魔女「もう…逃げないでよ」ハァハァハァ

竜娘「ご主人様助けてー」イヤァ…
515 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:53:22.10 ID:LZCOCijE0
――試合開始より3時間後。

東チーム残り672人(3071点)

西チーム残り2109人(5710点)


1位西・鬼王子(2212人撃破)
得点数 2002点

2位東・少年(1976人撃破)
得点数 1771点

3位西・賢者(1061人撃破)
得点数 1451点

4位東・騎士(802人撃破)
得点数 817点


――戦場、中央。

少年「くそ……どんだけいるんだよ」ハァハァハァ…

忍「主、魔力は大丈夫ですか?」

少年「無理無理無理。ほぼなくなってるよ」ハァハァ…

鬼王子「おう、少年。がんばっとるようじゃが、もはや勝負は決まっとるぞ」

少年「え?」





鬼王子『式神操作』ババッ




516 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:53:56.18 ID:LZCOCijE0






忍「あぁああああああ!!!」バチバチバチッ








517 :1 [saga]:2012/10/27(土) 01:57:13.70 ID:LZCOCijE0
少年「―――忍!?」

忍「主……逃げて…」

鬼王子「ワシら鬼一族は妖怪を従えることができる。忍も同じじゃて」

少年「くっ…」

少年(もう、銃を撃つ魔力もほとんどないぞ…それなのに忍を助けることなんて…)




―――諦めるのか?




少年「ベル!?」

ベル『よぉ、久しぶりだなぁ。少年』ニヤッ
518 :1 [saga]:2012/10/27(土) 02:05:43.07 ID:LZCOCijE0
―――東の大陸、虐殺王の城。

魔王「来たっ!」

ラド「ここまでうまく行くなんて、神様の冗談かな」

??「倭国滅ぼしてきたわよー…って、何喜んでんの?」

ラド「やぁ、サキュバス。久しぶりだね」

サキュ「挨拶は良いから質問に答えてよ」

魔王「先代が二つに分けた魔王の力が現れたんだよ!」

サキュ「え、知の魔王が出て来たの?」

ラド「ああ、しかも今回は実態として現れてる。奪うなら今しかない」

魔王「だが、死神のバカはゲームから離脱してるし、鬼の王子君は力の大きさに裏切りかねない」

ラド「それなら、魔女に行かせるか?」

魔王「それこそ言語道断だ。二代目は女好きで面白いことにしか興味がない。あいつに渡れば力が七つくらいに分かれる羽目になる」

サキュ「それじゃあ、どうするの?」

魔王「………ま、あれは魔王の力だ。結局“魔王の器”がこっちにある限りはどうしようもないさ」

ラド「それに、今完全に魔王になっちまうと、勇者にやられかねないしね」

魔王「ああそうだ。勇者は器も力も完全に合わさっている。だからこそ、慎重にならなくては」

サキュ「一つだけ言ってもいい?」

魔王「なんだい?」ニコッ
519 :1 [saga]:2012/10/27(土) 02:06:27.93 ID:LZCOCijE0






サキュ「魔王のくせに“ちっさい奴”」ヤレヤレ






520 :1 [saga]:2012/10/27(土) 02:11:06.08 ID:LZCOCijE0
魔王「………」

ラド「魔王、お前…」

魔王「いや、気にしてない。俺は歴代一弱い魔王として、歴代一強大な魔王軍を造り上げるのだ」グスンッ

サキュ(正直こんなキモいのより少年に魔王になってほしいなぁ……)

サキュ「………そうだ」ニマァ

ラド「どうした?」

サキュ「私、遊んでくるね―」スーッ

魔王「行ってらっしゃい」

ラド「それじゃあ、僕も行ってくるよ」

魔王「そうだね。君は君の世界を護らなくちゃね」

ラド「待っててね、陰険女と平凡赤毛男」スッ

魔王「さて……重臣がいなくなったわけだけど」

焔王「私がいます!!」ハイッ

魔王「……虐殺王の部屋行ってこよう」

焔王「ひどいぃっ」
521 :1 [saga]:2012/10/27(土) 02:14:29.82 ID:LZCOCijE0
今日はここまで!

眠たいので、寝ます!!

忍のところはもっとちゃんとやりたかったんですが、意識が……

これ完成したら、ちゃんと作りなおそう…うん。

それではまた明日!!

522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/10/27(土) 02:44:52.40 ID:mTydtJk30
おつ
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/27(土) 02:57:10.32 ID:VekVsV+So
状況が分かりづらい
524 : [saga]:2012/10/27(土) 12:52:32.38 ID:W1jR5+vX0
おはようございます。
>>523
すんませんその通りです。
ちょっと最近過密スケジュールすぎて、無茶苦茶になってますね。気を付けます。

仕事しすぎて人生初の痔の可能性が!!……orz

いらん情報でしたね。つづきー。
525 : [saga]:2012/10/27(土) 13:03:06.66 ID:W1jR5+vX0
少年「諦めてはないけど…」

ベル『取捨選択は必要だって?』

少年「命の危機が迫ってるわけじゃないし」

ベル『合理的だな。魔王に向いてるよ』

少年「なんで?」

ベル(こんな状況でも知的好奇心は持ち続ける…。俺様が気に入ったのはこの部分か…)

ベル『魔王軍なんて、毎日が取捨選択だ。一つの街を滅ぼすのに、万の部下を殺すこともある。だったら、そういう合理的な心はいるだろ?』

少年「ベルは…耐えられたのかよ」

ベル『耐えられる訳ないじゃん。だからこうして死んでいる』

少年「僕も……」

ベル『耐えられないのか? それなら、



―――なんで“力を受け入れてでも”我を通さない?



少年「………っ!!」

ベル『さぁ、力を受け取れよ』

少年「僕は………」
526 :1 [saga]:2012/10/27(土) 22:14:50.08 ID:LZCOCijE0











     “力”を受け入れた。








527 :1 [saga]:2012/10/27(土) 22:40:33.13 ID:LZCOCijE0
少年「………」グッパ

少年(基本的には何も変わらないんだな)


ベル(たとえゲームでも自分が有利になるなら、“それ”に手を出す。――ははっ、実に良い選択だ)


ベル『少年、世界には自分を線引きし、踏み出す勇気を恐れ、“逸脱”することに躊躇する者達であふれている』

少年「そりゃあ、これはゲームだしなぁ。普通魔王の力なんて手出さないでしょ」

ベル『だがお前は手を出した。それがお前だ』

少年「そっかー、まぁ仕方ないな」

ベル(魔王に執着心はいらない。地位も名誉も部下も仲間も簡単に捨てられる)

ベル『……だが、お前は少し優しすぎるな』

少年「そう? けっこう人殺してるけど?」

ベル『お前にとってそれは人か? 世界中で魔族に殺されている“お前が見たこともない人間”を同情しないことは優しくないのか?』

少年「さすが知の魔王。よく分からん」

ベル『いずれ分かる。だが、先輩としてあえて忠告してやる。“大切なものは封印してでも外に出すな”』

少年「うわっ、それ魔王っぽい」

ベル『……だが、誰もそれをできない。――できないんだ』

少年「そっか…」

ベル『それじゃあ、行け。



―――魔王の力で暴れてこい』



528 :1 [saga]:2012/10/27(土) 22:43:45.58 ID:LZCOCijE0
少年「………」チャキッ

鬼王子「…………まさ――パンッ

少年「あ、ごめ、撃っちゃった」

鬼王子「ま、おう…」シュンッ

少年「………」ユラッ

西生徒達「「ひっ……」」

忍「………」



少年「もう大丈夫だよ。忍」ニコッ



忍「あれ、ほんとだ…」

少年「忍――わりぃ。




“俺”、魔王になっちまったわ」ニッ




529 :1 [saga]:2012/10/27(土) 22:50:53.16 ID:LZCOCijE0
―――本陣。

魔女「………っ」ゾクゾクゾク

魔女(分かる。分かるわぁ…)

勇者「あ、ああ…。あぁぁああああぁああ…」ガクガク

竜娘「……うぅ…何これ」ドクンドクン

騎士「なんだよ…これ」

魔女「抑えなさい二代目…今はまだ…」



校長「おぬしに魔王を抑えつけられるかな?」



魔女「……っ! 勇者ぁぁああ」

騎士「えっ? 勇者!?」

校長「ほっほっほ、はるか昔の話じゃよ。今はただの爺じゃ」

使い魔「良く言うぜ。ずっと“俺”を使役してるくせに」

校長「ほっほっほ、お前が出ると話がややこしい、消えてなさい」サッ

使い魔「お前ら覚えておけっ! この世界は、まお――」シュンッ

魔女「ほんと、相変わらず無茶苦茶な魔力ね…」

校長「ワシの学園はどうかの?」

魔女「二代目はお気に召してるわよ。あんたが来年取り入れようとしてる制服は特にね」

校長「異界のセーラー服は男のロマンじゃからの」ホッホッホ

勇者「………」グググッ
530 :1 [saga]:2012/10/27(土) 23:05:08.10 ID:LZCOCijE0
校長「さて、目的は何かな? “二代目の死瘴石”はうまく抑えつけておるようじゃが」

魔女「やっぱり分かるのね。“自分で討伐した”からぁ?」アハン

校長「さぁの。じゃが、二代目は初代に比べてずいぶん魔王らしい魔王じゃったからの。誰かに使役されるとは思えんが」

魔女「あら、私達はお互いに平等な関係よぉ。こうしてる今も、意識下ではセックス三昧だけどぉ」

校長「……やはり色欲の魔王か」ヤレヤレ

魔女「私達が造りたいのは誰もが裸で暮せる楽園。そのために魔王の力はいただくわ」

校長「ほっほっほ。じゃが、魔王の器は―――



―――魔王の器は俺が持ってるけど?



校長「………魔王か」

魔王『東の大陸からで悪いんだけど、ちょっと割り込ませてもらうよ』

魔女「なによぉ。今日は私の好きにさせてくれるって言ったじゃない」

魔王『ごめんごめん。だけど、少年君が魔王の力を手に入れたから、予定を繰り上げようと思って。だってさ――


勇者「ぐぅ……ぐっ…」ゴゴゴッ


魔王『勇者ちゃんが力に目覚め始めてるからね』
531 :1 [saga]:2012/10/27(土) 23:08:40.64 ID:LZCOCijE0
勇者(視界が狭い、暗い…この感覚は何?)


―――護れ。


勇者「な、何から?」


―――護れ。


勇者「分かんないよ。私、“本当の勇者”じゃないもん!」


―――護れ。


勇者「怖いよぉ。嫌だよぉ。おねえちゃん…」グスッ



少年『大丈夫だよ。勇者ちゃん』ニコッ



532 :1 [saga]:2012/10/27(土) 23:20:20.93 ID:LZCOCijE0
勇者「少年君……」

少年『正確には、“君の中の少年”だけどね』

勇者「僕……僕…」

少年『あー、君が怖いのは魔王? それとも、



―――僕が魔王であること?』



勇者「……僕、少年君が好き。勇者なんかしたくない」

少年『じゃあ捨てる?』

勇者「できるの?」

少年『君が本当に捨てられるなら』

勇者「………できない」

少年『なんで?』

勇者「僕、弱くてビビりでダメダメで、できることならずっと遊んでいたいし、少年君のご飯食べたいし…」

少年『じゃあ捨てたら?』

勇者「駄目だよ。どれだけ弱くても……勇者は皆を護るために魔王を倒すんだ」

少年『ふーん、じゃ、がんばろう』ニコッ

勇者「うん、がんばる」
533 :1 [saga]:2012/10/27(土) 23:29:35.65 ID:LZCOCijE0
勇者「………あれ? 解決になってない…」

少年『そうだね。勇者でいるなら魔王の僕を倒さなきゃならないんだからね』

勇者「でも、魔王って他にいるよ?」

少年『先生じゃなきゃ何も教えられないの? 勇者じゃなきゃ魔王を倒しちゃいけないの?』

勇者「そっか……じゃあ、逆に魔王でも倒さなくてもいい場合もあるんだ」




少年『ないだろうね』




勇者「え?」
534 :1 [saga]:2012/10/27(土) 23:50:58.52 ID:LZCOCijE0
少年『そもそも、勇者の力って何? 魔王の力って何?』

勇者「それは…神様が…」

少年『神様って何?』

勇者「僕達の世界を造ってくれた人…?」

少年『じゃあ神様は何で相容れない二つの存在を造ったの?』

勇者「……あ」

少年『勇者と魔王という存在を誰が、どうやって造ったのか、それとも自然にできたのかは、君の中の僕じゃ分からない。

だけど、この二つは衝突するしかないことは分かる。だから君も分かってるんだろ?』

勇者「……うん」

少年『まぁ、でも、君の中の僕だから言えることだけど』

勇者「なに?」

少年『僕ならきっと、何とかするんじゃないかな』

勇者「うわぁ、自信満々だねぇ」

少年『それだけ君は僕が好きなんだね』

勇者「………うん」カァ///

少年『僕は僕じゃないよ』アハハ

勇者「もう、バカ…」
535 :1 [saga]:2012/10/28(日) 00:05:43.65 ID:FZVffvKa0
魔王『さて、校長先生。一つ提案なのですが、少年君を貸してもらえないですかね?』

校長「ほっほっほ、生徒を引き渡せと?」

魔王『いえいえ、借りるだけです。魔王の力を貰ったら無傷ですぐに返しますよ』

校長「まぁ、それなら別に――」

竜娘「校長先生! ご主人様を売る気!?」

校長「無傷だと言っておるし」

騎士「魔王が約束を守るとでも!?」

校長「魔王は約束を守らないのかの?」

騎士「それは……」

校長「じゃが、そうじゃの。私としては君が魔王を続けるより、少年に魔王になってもらうほうがおもしろいかの」

魔王『………』

校長「悪いが、魔王。あんたの言うことは聞けんな」ホッホッホ

魔王『そうですか…残念です。それなら―――
536 :1 [saga]:2012/10/28(日) 00:06:21.61 ID:FZVffvKa0






―――世界中にいるあなたの教え子を皆殺しにしましょうか。







537 :1 [saga]:2012/10/28(日) 00:18:07.20 ID:FZVffvKa0
校長「………」

魔王『俺は歴代一弱い魔王でね。どんな手でも使うんですよ。……たとえば』グィ

撫子『ぐぅっ!』

騎士「その声……」

勇者「撫子先輩!!」

魔王『倭国は素晴らしい国だった。侍の戦闘能力も高いし、軍略も素晴らしい。しかし、“歴代最強の魔王軍”の前じゃ何もできなかったみたいだね』

校長「今すぐ生徒“達”を返すんじゃ」

魔王『へぇ、さすがだね。“生徒だけは一人も殺してない”のが分かるんだ』

校長「その気になれば、今すぐ“東の大陸の一部分”だけ滅ぼすこともできるぞ」

魔王『はははっ、そうだろうね。あなたならできるよ。……でも、“今”は無理でしょう?』

校長「………!」

魔王『俺が直々に学園へ潜んでいた理由がわかったかい? そう、あなたの力を全て“理解”するためさ』

校長「きさま……」ゴゴゴッ

騎士(校長が感情をあらわにしてる…)

竜娘「………熱い」ハァハァ

魔王『校長、あなたは学園を愛しすぎた。…愛しすぎて、あなたの“全てを学園に捧げた”みたいですね』

校長「………油断したかの」

魔王『いえいえ、そんなことないです。あなたが“学園内から出られず、学園内でしか力を使えない”のは俺の努力の賜物だとほめていただきたいくらいです』

校長「………」

魔王『しかし、あなたには唯一外界に干渉する方法がある』

校長「……まさか」
538 :1 [saga]:2012/10/28(日) 00:19:32.82 ID:FZVffvKa0






魔王『ええ、そうです。あなたの大切で重要な黒騎士さんは殺させてもらいましたよ』







539 :1 [saga]:2012/10/28(日) 00:28:11.29 ID:FZVffvKa0
校長「きさまぁ!」ゴォォォォオッ!!

魔女「あららぁ、これはまずいわねぇ」スッ

校長「逃がすかっ!」ブンッ

魔女「あらあら、そっちの方が素敵よ」チュッ

騎士「消えた……」

校長「二代目の得意な幻影魔法……」グッ

魔王『実は殺してないんですけどね』パチンッ

黒騎士『………校長、すみません』

校長「大丈夫か」

黒騎士『いえ、駄目です。今すぐ契約魔法をお切りください』

魔王『ところがどっこい無理なんですよねぇ』

校長「黒騎士を殺せば城が吹き飛ぶぞ」

魔王『そう思いますか? でも残念です。こっちには異界の勇者とも呼ぶべき稲妻の魔法使いが“転送装置”を造ってくれたので、黒騎士には異界で死んでもらいます』

校長「………」

魔王『さぁ、どうします? 誰も傷つかずにすむ方法と、あなたの大切なものを多く失う方法とどちらがよろしいですか?』

校長「くそっ……」

540 :1 [saga]:2012/10/28(日) 00:36:56.72 ID:FZVffvKa0
少年「………だってさ」

ベル『ふぅむ、今回の魔王は俺様より頭いんじゃねーか?』

少年「僕、……行ってもいいかな?」

ベル『さぁ? 俺様としてはお前があいつから器を奪ってくれたら万々歳だけど』

少年「でも、勝てるわけないよなぁ」

ベル『そうだな。戦力で言えば竜対蟻だな』

少年「そんなに? 僕も魔王の力持ってるのに?」

ベル『お前、魔王の力だけでなんとかなるなら器なんていらねーだろ』

少年「確かに」

ベル『いいか。銃で例えれば力は弾丸だ。それ自体でも敵を殺せるような危ない弾丸だが、結局のところ弾丸は銃本体に装填しなければ力を発揮できない』

少年「えー、今でも十分やばいけどなぁ」

ベル『だが、勇者は違う。勇者は器として生まれる。だから力を受け継げば完成体となる』

少年「じゃあ、なんで勇者ちゃん弱かったの?」

ベル『銃も錆びてたり使い方が分からなきゃ意味がないだろ?』

少年「ふぅん」

ベル『そうだな。一つ提案があるんだが』

少年「何?」

ベル『それはだな―――』
541 :1 [saga]:2012/10/28(日) 00:47:12.07 ID:FZVffvKa0
魔王『さぁ、どうする校長先生! あなたの愛する生徒ちゃんが死にますよぉ!』パチンッ

撫子『ぁああああぁあぁぁぁああああぁああ!!』

校長「………」

魔王『あ、驚いた!? 大丈夫だよ、処女は奪ってないよ! ただ、このままいくと子供が生まれなくなるかもね』

校長「……わか――「校長先生!!」

竜娘「あ……」

勇者「少年君……」

少年「僕に任せてくれませんか?」

校長「少年君………」

魔王『やぁ、少年君。久しぶりだねぇ』

少年「全部、仕組まれてたことなんですね」

魔王『そうだよぉ。ちなみに、君の大好きな領主は魔王軍として頑張ってるよ』

少年「そうですか。で、僕がそっちに行けば皆を助けてくれるんですよね?」

魔王『いいよぉ。俺は優しいからねぇ。それじゃ「歩いていきます」

魔王『なんだって?』

少年「今から、歩いてそっち行きます」

魔王『へぇ……何故なんだい?』

少年「時間稼ぎと、あなたを倒す戦力を持とうと思って」

魔王『ばらしちゃってもいいのかい?』

少年「その方が提案を受け入れてもらいやすいでしょ」

魔王『はははっ、確かにそうだっ! いいねぇ君。仲間に欲しいよ!!』

少年「僕はお断りです」

魔王『分かった! 受け入れよう! 君の提案を!!』

少年「はい、それじゃ、その証に今人質にしてる人全員返してください」

魔王『……ちぇ、分かったよ』
542 :1 [saga]:2012/10/28(日) 00:52:51.02 ID:FZVffvKa0
―――数時間後。

賢者「…まさか、お姉ちゃんが死瘴石に侵されてたなんて…」

校長「すまんな」

少年「いえ、僕の友人も人質にとられてましたし」

勇者「少年君……僕」

少年「勇者ちゃん、……一緒に行こう」ニコッ

勇者「えっ…」




少年「僕達はいずれ戦い合う運命かもしれない。だけど、僕は―――




―――何があっても勇者ちゃんを手放したりはしない」




勇者「!! ……うん、うんっ」グスッ
543 :1 [saga]:2012/10/28(日) 00:55:12.67 ID:FZVffvKa0









   第六章  勇者としての旅立ち。魔王としての出発。








544 :1 [saga]:2012/10/28(日) 01:06:23.19 ID:FZVffvKa0
――翌日。

校長「すまんの。教師陣に戦闘が得意な者がおらんのじゃ」

少年「いえ、それも魔王の策略だったのでしょう。それより、撫子さんを頼みます」

校長「任せておけ」

黒騎士「……すまない、俺が情けないばかりに」

少年「そんなことないです。それより、おねえ…聖騎士さんは本当に生きてるんですね?」

黒騎士「ああ、それは絶対だ。そういえば少年、“男”を知ってるか?」

少年「………男?」

黒騎士「そうだ。異界の青年なのだが、君のことを知ってるようだった」

少年「知りません」

黒騎士「そうか。彼が聖騎士を連れて逃げているはずだ。きっと無事ここまで連れて帰ってくれる」

少年「はい」

忍「皆準備できました」

少年「そう? それじゃ行こうか」

校長「少年君、一つだけ君に言っておこう」

使い魔「おい、やめろ」

少年「?」



校長「勇者としての心を持ち、魔王を超える力を持った時、君は全く違う呼ばれ方をするはずじゃ」



少年「……?」

校長「覚えておくのじゃ」

少年「はい」
545 :1 [saga]:2012/10/28(日) 01:12:47.44 ID:FZVffvKa0
忍「はいじゃあ、点呼とりまーす。勇者さん」

勇者「はぁい」

忍「賢者さん」

賢者「はい」

忍「騎士さん」

騎士「いるぞ」

忍「竜娘さん」

竜娘「はい」

忍「そして私と、主」

少年「はーい」

騎士「これで大丈夫なのか……」

少年「大丈夫大丈夫」ニコッ

部員「少年。お願い、部長を……」

少年「うん、絶対殺させないよ」ニコッ

部員「帰ってきたら…デートしてね」

少年「………う、うん」カァ///

勇者「………」ムゥ
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/28(日) 01:16:27.47 ID:TqRgP1H3o
今更だけど、魔王はどこから沸いてでてきたの?
ラドに宿ってたんだと思ってたけど、今はラド=魔王になってるの?
547 :1 [saga]:2012/10/28(日) 01:30:20.04 ID:FZVffvKa0


―――船。


少年「さて、状況を整理しよう。忍」

忍「まず、魔族の勢力図ですが」スッ

勇者「地図って苦手ぇ…」ウヘェ

忍「元々、先代魔王の残党は北の大地に根を張っていました。そのため、北の大地は“白夜戦争”と呼ばれるほど戦争の毎日でした」

竜娘「今は?」

忍「現魔王がほとんどの魔族を連れて東の大陸へ拠点を移動しました。その影響で、北の大地は人間の領土となりました」

騎士「西の大陸はどうなったんだ? 倭国は滅ぼされたんだろ?」

忍「はい。西の大陸に人間は存在しなくなりました。しかし、侍の一人がウルガを殺したため瘴気の海が大陸全土に広がり、今は瘴気の大陸となってます。そこに魔族がいるかどうかは分かりません」

少年「南って魔獣は多いけど平和だよね」

忍「南の大陸は“女神の支配下”と呼ばれるほど魔族が弱体化してしまうので、今なお人間の領土です」

少年「そうだったんだ」

騎士「東の大陸は虐殺王が支配してるのか?」

忍「いえ、虐殺王はしょせん人間を虐殺しただけ。東大陸の六割は竜の一族が支配してます」

竜娘「戦争にならなきゃいいけど……」
548 :1 [saga]:2012/10/28(日) 01:34:57.15 ID:FZVffvKa0
>>546
>>376で、星詠が星の魔王宣言してます。
ポッターは幹部です。
549 :1 [saga]:2012/10/28(日) 01:40:44.12 ID:FZVffvKa0
少年「それじゃあまとめると…」


北…人間の土地。

中央…人間の土地。

南…人間の土地。

西…瘴気の大陸。

東…竜一族と虐殺王の土地。


竜娘「こうして見ると人間の土地ばっかりだね」

騎士「そりゃ、先代勇者が歴代最強と呼ばれるほど強かったからな」

忍「どこへ行ったんですか?」

騎士「分からない。瘴気の海に入って行ったことは分かっているんだけど」

少年「そっか」

騎士「でも、新たな勇者が現れたってことは、そういうことなんだろうぜ」

勇者「僕も先代くらい強かったらなぁ…」

一同(無理無理…)アハハ

勇者「むぅ…」
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/28(日) 01:42:36.97 ID:TqRgP1H3o
>>548
ああ、そうだったか
ありがとう
551 :1 [saga]:2012/10/28(日) 01:47:23.72 ID:FZVffvKa0
騎士「ところで、俺達の目的って魔王を倒すことだよな?」

少年「えっ?」

忍「えっ?」

竜娘「マジ?」

勇者「えぇっ無理だよぉ」

騎士「ちょっとまて、勇者の発言だけは納得いかないぞ」

少年「まぁ、必要なら倒さなきゃならないけど、目的はそれじゃない」

騎士「なら、なんだ?」

少年「………魔王の器は僕が貰う」

騎士「ええええ!?」

勇者「………」

騎士「ちょ、ちょっとまて。魔王っていうのはあれだぞ? 人類の敵だぞ?」

少年「分かってる」

騎士「………」
552 :1 [saga]:2012/10/28(日) 01:53:45.39 ID:FZVffvKa0
忍「でも、このままじゃ勝つ可能性は限りなく低いですね」

少年「……うん、でもゼロじゃない」

勇者「僕もいるしね」

一同「………」

勇者「ちょっと黙らないでよぉ」ワァン

少年「そういえば、賢者ちゃんは?」

騎士「ああ、調べ物らしい」

賢者「お待たせですぅ〜」ポヨンポヨン

少年「良いタイミングだね」ニコッ

賢者「ちょっと世界中の精霊と交信していたのですが、





―――竜の一族とレイド王国が戦争を始めたみたいです」





竜娘「え?」
553 :1 [saga]:2012/10/28(日) 02:12:46.93 ID:FZVffvKa0
賢者「正確には魔王の味方をした虐殺王に竜の一族が怒ったみたいですけど」

少年「竜の一族って魔族嫌いなの?」

竜娘「魔族が嫌いって言うか、人間と魔族が手を組むことを恐れてるって感じ」

賢者「現在は人間と竜の戦いなので竜の一族が押してますけど、魔族が加われば…」

騎士「ちょっと待て、レイドの兵士って言ったら奴隷ばかりなのだろ?」

賢者「そうですね。多くの兵士は自らの意思とは無関係に戦場へ駆り出され、恐怖と共に戦っています」

騎士「そうなると…、俺達はどうすればいいんだ?」

賢者「気にする必要はないと思います」

騎士「え?」

賢者「私達が向かうのは虐殺王と魔王のいる首都レイドです。戦場はもっとみな――


少年「いや、戦場へ向かおう」


一同「!!」


少年「戦争を止めるんだ。そして、共に魔族と戦う」



554 :1 [saga]:2012/10/28(日) 02:35:12.22 ID:FZVffvKa0
―――東の大陸。

勇者「ついたーっ!」ジャーン

死体の山「」

忍「これは…」

少年「どうやらここも戦場みたいだね」

乗客「ひっ、なんだこれは」

乗客2「や、やっぱ船に戻る!」

乗客達「「う、うわぁあああ!!」」ダダダッ

賢者「誰ですかっ!」

??「お前達、この大陸に何の用だ?」

少年「僕達は――「竜娘?」

竜娘「あ、お兄ちゃん!」

竜兄「久しぶりだな」

賢者「えー、お兄ちゃんも戦争に参加してるの!?」

竜兄「ああ、子供以外は皆参加してる」

賢者「戦況を教えてもらえませんか?」

竜兄「いやすまん。俺も隊から離れてしまってな。状況は分からないのだよ」

賢者「そうですか」
555 :1 [saga]:2012/10/28(日) 02:45:24.56 ID:FZVffvKa0
忍「では、私は偵察へ行ってきます」

騎士「俺も一緒に行く」

忍「え…足手まと――」

騎士「それは言わないでぇえええ!」

忍「嘘です。行きましょう」

少年「――無理はダメだよ」

忍「主がセックスしてくれたら大丈夫です」

少年「………帰ってきたらな」ニコッ

忍「………っ」カァ///

騎士(少年が進化した)

賢者(少年が大人になった)

勇者(今度僕も言おう…)

竜娘「ご主人様ウチとセック――「おいぃぃ!! 兄ちゃんの前で爆弾発言するなぁ!!」

忍「行ってきます」ニコッ

556 :1 [saga]:2012/10/28(日) 02:56:23.95 ID:FZVffvKa0
竜娘「なんで騎士君もついていったんだろうね」

勇者「あ、皆知らなかったっけ?」

一同「???」



勇者「騎士君って部員ちゃんのことが好きなんだよ?」




一同「!!」

勇者「だから部長さんを助けに行ったんだよ」

少年「部長って東大陸に住んでるの?」

勇者「うん、レイド王国に支配されてない土地出身だよ」

賢者「それなら、探知くらいはしてあげれば良かったかなぁ…」

勇者「大丈夫だよ。騎士君なら!」

少年「というより、忍がいればなんとかなりそうだな…」

一同「だね」ウンウン

竜兄「それじゃ、俺は本陣に戻るが竜娘はどうする?」

竜娘「どうするのご主人様?」

少年「うんそう―――「ご主人様だぁ?」

竜兄「きさまっ! 妹と契約したのかぁああ!!!」

少年「は、はい…」

竜兄「………決闘だ」

少年「え?」

竜兄「契約破棄を賭けて決闘しろ!!!」

一同「「え、ええええ!?」」
557 :1 [saga]:2012/10/28(日) 02:56:59.31 ID:FZVffvKa0
今日はここまでにします!

では!!
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/28(日) 03:46:07.21 ID:vruR2D3IO
おつ
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/28(日) 09:53:58.20 ID:A90n9tML0
560 :1 [saga]:2012/10/28(日) 10:52:17.01 ID:XpWc3Pgg0
竜の一族本陣。

竜兄「……え、そんな制度ない?」

総大将「馬鹿か。それがないから年々若さゆえの過ちで自殺する奴が増えてるんだろ」

竜兄「そんな……」ガクッ

総大将「…すまんな、うちの息子が馬鹿なことを言って」

少年「いえ…、……ただ、学園にいる竜女さんは契約解除されましたけど」

総大将「本当か!?」ガシッ

少年「ええ、なぜそうなったのかは分かりませんが、確かに解除されました」

竜兄「……よっしゃぁああああ! テンションあがってきたぜぇええ!」

総大将「うるさいシスコン」ガツッ

竜兄「あうっ…」

総大将「しかし、あんたらは何故このタイミングでこっちの大陸に? 学園におれば安全は確保できるだろうに」

竜娘「それはね……」

総大将「お前は黙っとれ」キッ

竜娘「うっ……」

少年「それは、この大陸にいる魔王を倒すためです」

総大将「ふむ…。しかし、子供だけで何ができるというんだ?」

賢者「舐めてもらっては困りますね」

勇者「ぷはぁ…太竜のミルク美味しー」ニパーッ

一同「………」
561 :1 [saga]:2012/10/28(日) 10:59:09.26 ID:XpWc3Pgg0
―――本陣横草原。

少年「何でこんなことに…」チャキッ

賢者「少年さんが正直に魔王の力のことを話すからです。相手は魔王軍と何百年も交戦してきた一族なんですよ」

勇者「それにしてはあんまり敵意がないような…」

竜娘「一族も魔王の存在そのものが嫌なわけじゃないの。竜王と呼ばれた五代目魔王は竜の一族を率いてこの東大陸を制圧した歴史もあるし」

少年「つまり、戦い方を通して僕達を見極めようと…」

竜娘「うん。だから殺される心配はないと思う。……ただ、油断してると足の一本や二本は持ってかれるよ」

勇者「………帰りたくなってきた…」ゴクリ

総大将「相談は終わったか? ならば――」スッ

少年(素手?)

総大将「行くぞっ!」ズンッ

少年「竜の爪かっ!!」ダンッ

総大将「遅い!!」シュンッ

少年「くっ、賢者ちゃん!!」

賢者「はいっ!」

賢者『結界!!』ブゥンッ

総大将「どりゃぁあああ!」ガッ
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/28(日) 12:00:46.60 ID:TqRgP1H3o
台詞だけで書くなら、こういう描写すっとばして、どうしてこうなった的なのはしないほうがいい
わかりにくい
563 : [saga]:2012/10/28(日) 13:29:08.55 ID:XpWc3Pgg0
>>562
分かります。
どうしてこうなったというのは本当は>>1の台詞なのであまり突っ込まないで頂きたいorz

でも、みんなの指摘のおかげで次はもっと良い作品が作れそうだ。感謝。

ということで、続きー。
564 : [saga]:2012/10/28(日) 13:37:56.92 ID:XpWc3Pgg0


―――パキィィィインッ!


賢者「結界が破られた!? そんなっ!」

総大将「まずはお前からだっ!」ブンッ

少年「賢者ちゃん! 後ろに跳んで!」

賢者「はいっ!」バッ

少年「赫灼!」ズッ

少年(しまった! また“威力が上がりすぎてる!”)ドォォッ!!

総大将「ぬぅっ!」ガシッ

少年「す、素手で受け止めた!?」

総大将「ぐぬぬっ…」グググッ

勇者「今だ!」ブンッ

竜兄「おっと」キィンッ

竜娘「やぁああ!」ブンッ

竜兄「確かに魔力が大きくなってるね。でも、扱いきれてない」ガッ

竜娘「あっ……」ドサッ

竜兄「これだから妹はまだ俺が面倒見なくちゃならないんだ」

総大将「ぬぅん! 黙れシスコン! ワシの勝負を邪魔しよって!!」

竜兄「今の放っておいたら負けてたでしょ」

総大将「ぬぅん! その通りだっ!」

賢者「さすが、竜一族を束ねるだけはありますね」

少年「………」スチャッ 
565 : [saga]:2012/10/28(日) 13:42:53.68 ID:XpWc3Pgg0
総大将「さて、あまり遊んでいると士気にも関わるからな。本気を出そうか」ググググッ

少年「な、何?」

賢者「体が膨れ上がってる…これはまさか」

勇者「もしかして、ご飯食べすぎちゃったの!?」

少年「勇者ちゃん一緒にいるとなごむわー」

賢者「なごみますねー」

総大将「がぁぁっ!」ゴォォォォッ

少年「ドラゴンになった……」

賢者「竜化ですね。竜人は本来こちらの姿で闘うので、強さで言ったら何倍にも跳ね上がってますね」

少年「やばいなぁ…」



総大将「ガァアアッ!!」ブゥンッ



566 : [saga]:2012/10/28(日) 13:51:29.83 ID:XpWc3Pgg0
少年「白夜!」ダダダッ



―――ギィィィンッ!!



少年「最大連射でも受け止めるのがやっとかよ!」

賢者「少年さん! 尻尾です!!」

少年「―――え」

勇者「危ない!!」ズッ

総大将「ぐぅぅぅぅっ…」

竜兄「竜の尾に傷をつけた!?」

賢者「……竜の尾は生物の中で最も硬いと言われてます。それを斬るなんて…」

勇者「はぁはぁはぁ…どうだっ!」

総大将「………見事なり。ワシの負けじゃ―――勇者!」

少年「えっ?」

勇者「いえ、仲間がいてくれたから掴みとれた勝利です」

少年「えっ、えっ?」

総大将「我々は勇者一行を歓迎しよう!」シュゥンッ

勇者「やったね!」ニパーッ

少年「え、これって僕が竜娘と契約してることについての戦いじゃなかったの!?」

総大将「がははっ! 娘が決めたことについて細かく物を言うか! ただの口実じゃ!」

少年「……やられた」ハァ
567 : [saga]:2012/10/28(日) 13:55:29.69 ID:XpWc3Pgg0
総大将「―――で、実際これからどうするんだ? 魔王のいるところまで送って行ってやろうか?」

少年「いえ、僕たちじゃ今の魔王軍を倒せるとは思えません」

竜兄「確かにね。君たちはともかく竜娘が戦力になるとは思えないや」ハハハ

竜娘「お兄ちゃん嫌い」

竜兄「許して下さい」ドゲザ

総大将「ならばどうするのだ?」

少年「そのためにここまで来ました。



……今すぐ人間との戦争をやめていただきたい」



総大将「………」ピクッ

竜兄「あ?」

568 : [saga]:2012/10/28(日) 14:06:35.34 ID:XpWc3Pgg0
総大将「我らに降伏しろと?」

少年「いえ、そうじゃないです。人間と協力して魔王軍を倒してほしいのです」

総大将「あんなクズ奴隷達と力を合わせろと?」ギロッ

賢者「彼らだって生きています。今の発言は訂正してください」

総大将「うるさいぞ小娘。自分の考えを人に押し付けるな」

賢者「………っ」プィッ



少年「こうしてる今も! あなたたちの子供は危険に晒されているんですよ!!」キッ

総大将「!? 危険じゃと?」

少年「ええ、魔王は実家へ帰った生徒たち全員の命をねらっています。それはあなたたち竜の一族も例外じゃないです」

総大将「放っておくと殺されると?」

少年「事実、倭国は彼らに滅ぼされ、そこにいた子供たちは人質に取られました」

総大将「なんという卑劣な…」グググッ

少年「魔王と取引をして何とか人質は解放されましたが、かといって命が保障されたわけじゃありません。魔王の一派は常に生徒たちをねらっているのです」

竜兄「世界中の子供たちを…ゆるせねぇ」

竜娘「いつのまにかシスコンがロリコンになってる」

竜兄「ちょっっ!?」

総大将「………仕方ない。今すぐ会合を開いて今後を決めよう」

少年「お願いします」

総大将「良い男と契約したな。竜娘」

竜娘「うんっ!」
569 : [saga]:2012/10/28(日) 14:14:28.95 ID:XpWc3Pgg0
―――数時間後。

総大将「うむ、会合の結果、戦争の相手を人間から魔王軍へと移行した」

竜兄「虐殺王はムカつくけど、魔王の方が許せなくなったからな」

竜娘「さすがロリ兄!」

竜兄「俺の扱いがひどい!!」

総大将「それで、少年。お前に一つ部隊を指揮してほしいのだが」

少年「え、僕が? 竜の一族を?」

総大将「ああ、と言っても、成人したての戦争経験もない若造集団だ。彼らは平和に浸りすぎて生死をかけた戦いを忘れておる。自分より年下のお前が指揮をとれば、少しは負けん気を出してくれると思うのだが…」

賢者「いい考えですね。同時に向こうの奴隷達も人間が指揮をとってくれるなら仲間になってくれるかもしれない」

総大将「頼めるか?」

少年「……分かりました」コクン
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/29(月) 02:13:10.20 ID:PTfFaMF8o
支援
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 18:58:47.65 ID:x6Ow2nkIO
どうした?
572 :1 [saga]:2012/10/29(月) 19:05:34.52 ID:/eMqVCIZ0
ただいまです。

いやー、一回頭リセットするためにもう一つss始めてました。

それでは続き行きます。
573 :1 [saga]:2012/10/29(月) 19:13:39.83 ID:/eMqVCIZ0
少年「えっと、これで全員かな」

壱「はい。私は壱と申します。全員で5名です」バッ

少年(この人は軍隊としての規律は守ってくれそうだな…)

弐「隊長、隊長はなぜ人間なのにこの隊のリーダーするんすか?」

少年「えっと、君らが弱いから?」ニコッ

少年(弐は血気盛んで喧嘩っぱやそうだ)

参「私、あなたの魔力好みかも…」ドキドキ

少年(参は普通の竜人の女の子か)

勇(よん)「ぼ、僕は…」ガクガク

少年(勇は気弱そうな子だ…)

伍「………」ペコ

少年(伍は無口な女の子か)

賢者「私達を入れて9名か…」

竜兄「いや、俺を入れて10人編成の小隊だ」

竜娘「えー、お兄ちゃんもついてくるの?」

竜兄「なんか俺の扱いがゴミみたいになってるな…」ガーン
574 :1 [saga]:2012/10/29(月) 19:18:22.28 ID:/eMqVCIZ0
少年「賢者ちゃん、全員の戦闘力を数値化できる?」

賢者「うーん、できないことはないけど、やっぱり実戦を見ないと…」

少年「そっか…。じゃあ、やっぱりまずは戦場にでなきゃなぁ」

勇者「で、でも…戦場に出たら人間を……」

少年「勇者ちゃんは勇者だから戦争に参加しないほうがいいかも」

勇者「なんでさっ! 僕だって平和のために――」

賢者「そういう意味じゃないよ勇者ちゃん。勇者が悪と認識する以外の存在を殺したら、勇者の加護を失っちゃうよ」

勇者「そんな…」

少年「ていうか、そんなの勇者学で一番に習うでしょ」

勇者「私…勇者学の最初サボりまくってたから…」

竜兄「こんなのが・・・勇者」アゼン…
575 :1 [saga]:2012/10/29(月) 19:24:28.67 ID:/eMqVCIZ0
勇者「こんなのって酷いな」プンプン

少年「それより、お兄さん」

竜兄「お前が俺を兄と呼ぶな」

少年「えっと、竜兄さん。僕達はまず本隊の端へ行こうと思います」

竜兄「はぁ? いきなり本隊に参加すんのかよ!?」

賢者「それは危険行為ですね」

少年「ち、違うよっ。まずは中央の戦争から離脱してきた部隊を叩くところから始めようと思う」

竜兄「残党狩りってやつか」

少年「捕虜にするためなるべく無傷で、かつ相手に恐怖心を与える戦い方でいきます」

賢者「捕縛魔法は任せてください」

竜兄「テンションあがってきたな」

勇者「人を殺さなくても良いなら参加してもいいかな!」

竜娘「大丈夫なんじゃない?」

勇者「やったぁ!」ニパーッ

少年(勇者ちゃんってなんだかんだで戦うの好きだよな…)

少年「それじゃあ、俺達の初陣だっ!!」


全員「「おお!!」」


576 :1 [saga]:2012/10/29(月) 19:41:04.20 ID:/eMqVCIZ0
あー、また一人称間違えてる。もう気にしないでください。魔力のせいです。

つづきー。
577 :1 [saga]:2012/10/29(月) 19:48:26.76 ID:/eMqVCIZ0
夜。

少年「それじゃ、初陣成功を祝して――」

全員「「かんぱーい」」ガチャンッ

弐「隊長すげーっす! つえーしはえーし誰も殺さないし、ほんとに俺達より年下っすか!?」

少年「そうかな。弐の槍術のほうがすごかったけどな」

弐「てへへ」

参「私の補助魔法も褒めてー」

少年「そうだね。参の補助魔法がなければ壱と勇は怪我してたな」

壱「確かに。しかし、どうしてそれが分かったのですか?」

勇「そ、そそ、そうですよっ! その時隊長は別の所にいたのに!」

伍「………他の二人も急に動きが変わった」

弐「そうだよな。勇者さんと竜娘姉ちゃんもいきなり超絶つえーくなったしな!」

勇者「えっ、そ、そうかな?」

竜娘「あ、それは――」

少年「………」シーッ

竜娘「あっ、えっと……本気を出せばあんなもんだよ!」

弐「すげーーーー」キラキラキラ

賢者(隊員の連携を強めるために、自分の功績をあえて伏せる。少年さんは軍略の才能もあるのですぅ)ウットリ
578 :1 [saga]:2012/10/29(月) 19:55:04.36 ID:/eMqVCIZ0
竜兄「今日から作戦を変えたお陰で、死者数は激減して捕虜数が一気に増えたらしい」

少年「ちゃんとご飯は…」

竜兄「ああ、もちろんお前に言われた通り、俺達と同じだけの量を与えたぜ」ニッ

少年「ありがとうございます」

竜兄「しかし、あいつらどんな食生活送ってんのかね。泣いて喜んでたぜ」

賢者「レイドの奴隷兵はレイドでは最下層の人間ですからね。動物のような扱いを受けていてもおかしくありません」

少年「彼らを味方に引き入れるなら、あくまで僕達と兵士たちは対等だということを示さなきゃいけない」

勇者「どこでそんなこと覚えたの?」

少年「あ、うん、領主様が教えてくれたのと、領主様のお姉さんが揃えてくれた文献から…」

賢者(…となると、魔王軍に領主というかたがいるのは我々にとって由々しき事態なのかもしれませんね)

少年「大体、皆の戦闘能力も把握したし、明日は僕達は戦争には参加せずに違う任務をする」スクッ

壱「隊長、どこへ?」

少年「ちょっと総大将のところへ」ニコッ

賢者「私も行きます」

579 :1 [saga]:2012/10/29(月) 20:01:26.10 ID:/eMqVCIZ0
会議室。

総大将「噂を流す?」

少年「ええ、なのでレイド兵から数人仲間に引き入れようかと思います」

総大将「裏切る心配はないか?」

賢者「もちろん、それ相応の報酬と裏切った時の制裁は与えます。…それでも彼らにとって虐殺王からの解放が一番欲しい物でしょうが」

総大将「ふぅむ、作戦を変えて初日だ。もう少し様子を見た方が…」

少年「それでは遅いのです。噂の浸透は普段の会話量から決まりますが、奴隷の人たちに会話は少ない」

竜兄「確かに、捕虜たちはほとんど無言だったな」

少年「多くの噂を広めるためには今から動かないと」

総大将「よし、その作戦はそなたに一任しよう」

少年「はいっ」

賢者(少年さんは将来世界にとって大きな存在になりそうですね)
580 :1 [saga]:2012/10/29(月) 20:43:56.08 ID:/eMqVCIZ0
翌日、捕虜の収容部屋前。

少年「………」ジーッ

捕虜達「………」ギロッ

少年(領主さまは信用できる者の奥底には意思を宿した“何か”があるって言っていたけど)

捕虜1「なんだよ?」

捕虜2「あぁ?」

少年(この人達は相手を殺すことしか考えていない。…負の感情しか見えない)

捕虜3「………」

少年「……! あなたは…」

少年(なぜこんな所に…)

少年「この人を外に出してください!」

竜兵「はっ!」ガチャッ
581 :1 [saga]:2012/10/29(月) 20:52:28.36 ID:/eMqVCIZ0
少年「お久しぶりです…“姉執事”さん」

執事「……ご無沙汰してます」ペコリ

勇者「知り合い?」

少年「前に話した領主姉の執事さん。…なぜレイドの兵に?」

執事「領主姉様は死ぬ間際に私に領主が人の道を外したら全力で止めるように申しつけました」

少年「それで、全力で止めに行って…」

執事「……すでに領主様は人ではありませんでした。私はすぐに捕らえられ、気付けば奴隷兵として戦場に送られていました」

竜娘「そんな、酷い…」

執事「いえ、領主様は私を引き離しておきたかったのだと思います」

勇者「引き離す?」

執事「ええ、じゃないと私を立場上殺さねばならない。それは嫌だったのでしょう…」

少年「領主様……」

執事「領主様は少年様が発掘した死瘴石の半分をご自分の物にしました。…それからすぐにして魔王軍に入ることを決意したそうです」

少年「知の魔力で何を知ったのだろう…」

執事「しかし、少年様はご立派になられましたね」ニコッ

少年「そ、そうかな…」カァ///

執事「それで、捕虜に何かあったのでは…」

少年「そうなんだ。……実は」

582 :1 [saga]:2012/10/29(月) 20:56:31.75 ID:/eMqVCIZ0
執事「………良い作戦です。領主様も褒められましょう」

少年「そうかな」エヘヘ

勇者(……なんか)

賢者(……少年さんは)

竜娘(……領主様の話をしてる時が一番楽しそうじゃないか?)


三人((もしかして……ゲイ?))ジトーッ


少年「え、ちょ、何見てんの?」アセアセ

執事「その作戦なら、私一人で完遂させられましょう」

少年「また戦場に戻ってもらうことになるけど……」

執事「ええ、任せてください」ニコッ

583 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:07:33.80 ID:/eMqVCIZ0
一週間後。

少年「多くの捕虜は、連合軍への参加を希望しています」

総大将「それは頼もしいな」ハッハッハ

竜兄「隊長のおかげだぜ。一生ついていくからな」アッハッハ

竜娘(竜の一族は強い奴に惹かれるのは分かるけど、お兄ちゃんご主人様のこと尊敬しすぎ…)

少年「いや、そのことですけど、僕達は次の虐殺王攻略作戦には参加しませんよ」

竜兄「なん、だ、と?」ガクゼン

少年「だって、僕達の目的は魔王の所へ行くことですし」

総大将「そうだったな」ハハハ

竜兄「だったら俺も――」

少年「竜兄。お前は僕の代わりに“牙竜部隊”を引っ張るんだ」

竜兄「牙竜部隊を…」

少年「ああ、彼ら五人はまだ若い。が、力を合わせればとても強い。きっと素晴らしいチームになるはずだ」

竜兄「分かった。…だけど、いつか必ず戻ってきてくれよ」スッ

少年「約束はできない……けど、いつかまた一緒に戦おう」ガシッ

竜娘「……なにこのノリ」

賢者「正直暑苦しいですね」

勇者「…かっこぃぃ」ダバーッ

二人「」

少年「さ、僕達も行こうか」ニコッ
584 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:14:02.84 ID:/eMqVCIZ0
レイド王国より少し北、神聖王国。

国王「では、本当に奴らは魔王に?」

忍「はい。しかし、竜の一族と戦争を続けており、かなり疲弊しています」

国王「それは偵察部隊の報告で聞いた…」ムムム

騎士「レイド王国を野放しにしておくことは、将来的にこの神聖王国にも悪い影響を及ぼすでしょう」

部長「お父様……」

忍(騎士さん。あの人ですよね)

騎士(ああ、どうやら部員には身分を隠していたようだ。全く助ける必要がなかった)

国王「……分かった。我が最強の魔法兵団を率いてレイド王国を滅ぼす時がきたのじゃ!」ガタッ

忍「これで、任務は完了」

騎士「それじゃあ、合流地点へ行こう」

部長「あ、騎士君ちょっとちょっと」クイクイ

騎士「え?」

部長「………部員ちゃんに私の身分のこと内緒にしてくれるなら、良い報告してあげるからね」ボソッ

騎士「なっ、なぁっ!?」カァ///

忍「やれやれ、若いっていいですね」

騎士「い、いくぞっ!!」

部長「行ってらっしゃーい」フリフリ
585 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:21:16.30 ID:/eMqVCIZ0
合流地点。

賢者「ここです」

少年「忍っ!」

忍「主、ご無沙汰しております」シュタッ

騎士「やぁ、みんな元気だったか?」

勇者「あったりまえだよぉ」ニパーッ

竜娘「いつものメンバーになると落ち着くねー」

少年「どう? うまくいった?」

忍「はい、周辺諸国はレイド王国へ攻め入ることを決意しました」

少年「これで、事実上虐殺王の部隊は無力化できるな」

賢者「後は、魔王軍ですね」

勇者「………っ!?」フラッ

少年「しかし、魔王軍はどこにいるんだ? 何万という兵を隠すことはできないはず…」




―――ここにいるよ。




少年「―――え?」

魔王「やぁ少年。久しぶりだね」ニコッ

ラド「君達がフクロウ便より遅いからこっちから来ちゃったよ」HAHAHA

サキュ「あーっ、少年君久しぶり―」

少年「えっ、



―――お姉さん?」




586 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:28:53.43 ID:/eMqVCIZ0
勇者「まおぉおおおおおお!」ダッ

ラド「!?」サッ

魔王「あー、いいよいいよ」

勇者「うりゃああああ!」ブンッ

魔王「あ、やっぱダメだ。ラド君お願い」

ラド「そういうと思ってたよ」

ラド『跳ね返せ!』ダァンッ

勇者「くっ」ズザザザッ

賢者「私も……」

魔女「あら、あなたの相手は私でしょうよ」ニヤニヤ

賢者「お姉ちゃん……」

魔女「あららぁ、まだ私をお姉ちゃんって言ってくれるのね。嬉しい」ニコッ

竜娘「賢者ちゃん。私も手伝うよ」スッ

賢者「竜娘ちゃん……」

魔女「それじゃ、私達は舞台を変えましょうか」スッ
587 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:34:23.86 ID:/eMqVCIZ0
少年「なんで、お姉さんがここに?」

サキュ「お姉さんって聖騎士のこと? あいつならどっかで死んでるんじゃない?」

少年「どういうこと?」

サキュ「私は長い間あの子にくっついて魔族となった“死瘴石”よ」ニコッ

少年「え?」

忍「聖騎士さんは本当に死んだのですか?」

サキュ「さぁ? 私は見てないわね」

少年「なんで…なんで…」

サキュ「まぁどっちでもいいじゃない。それより今ここで死ん――」



聖騎士「うぉおおおおおおお!!!」ブンッ



サキュ「うわっ危ないわね!! ……って聖騎士ちゃん!?」

聖騎士「……やっと見つけたぞ。サキュバス!」

少年「お姉さん…」

聖騎士「久しぶりだな、少年君。だが、今は話は後だ」スッ

男「少年、こっちは俺に任せときな」ニッ

少年「………」

男「お、おい、そこはもっとリアクションとれよ」アセアセ



少年「お兄さん……誰?」



男「」ガーンッ
588 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:34:50.14 ID:/eMqVCIZ0








男「お前は俺の兄貴だろぅがぁあああああ!!!」








589 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:36:34.71 ID:/eMqVCIZ0
少年「えっ」

忍「えっ」

聖騎士「えっ」

勇者「えっ」

ラド「えっ」

魔王「えっ」

サキュ「は?」

男「ちょっと待て!! 魔王軍の奴らまで何言ってんだよこのやろぉおお!」




魔王「だって、お前、少年は初代魔王の息子だぞ」




590 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:39:06.01 ID:/eMqVCIZ0
少年「えっ」

忍「えっ」

聖騎士「えっ」

勇者「えっ」

ラド「えっ」

サキュ「死ね」

魔王「ちょっと同じ反応恥ずかしいじゃぁああん! しかもなんでサキュが落とすのぉおお!?」

男「知ってるよ」

魔王「お前からは初代魔王のエネルギーは感じないぞ?」

男「いやだって、俺達異父兄弟だし」

魔王「どういうことだ?」





男「だから、初代魔王が地球に飛んできたの」





591 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:42:23.26 ID:/eMqVCIZ0
一同「」ボウゼン

男「まぁ、少年は赤ん坊の時、初代魔王の作ったゲートでこっちに飛ばされたから、覚えてるわけないんだけどな」アハハ

少年「それ笑いごとなの?」

勇者「ちょ、ちょっと思考回路が止まりそう」アワワ

ラド「ということは、僕の目的はあなたじゃなくても達成できそうですね魔王」

魔王「はぁ!? ちょっと待てよ! 俺はお前が必要なんだけど!」

サキュ「私もあんたみたいな奴より少年君の方が可愛くて良いわね」

魔王「………やばい、泣きそう」グスッ

少年「すでに泣いてるし」
592 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:48:26.00 ID:/eMqVCIZ0
少年「て、なんか変な空気になったけど、これどうする?」

ラド「いやぁ、マジで少年君のほうがいんだけど」

サキュ「私はもうこっち側だけどね」

聖騎士「ちょっと待て。私が納得いかん」

サキュ「あんたは良いじゃない。私のおかげで闇属性がなくなったんだし」

聖騎士「まぁ…そうなのだが」

魔王「………くっそー! 覚えてろぉおおおお!」バサッ

少年「あ、飛んだ」

ラド「西の大陸まで一人で飛んで帰る気かな」

勇者「なんで西の大陸?」

ラド「さっき虐殺王が捕獲されてね。こっちにはいられないんだよ」

少年「展開速いなぁ」

忍「とりあえず、賢者さん達を呼んできますね」

賢者「ああ、良いです。帰ってきました」

魔女「聞いてないわよー。そんな話ー」

少年「なんか和やかだね」

竜娘「男の人の叫び声が聞こえて、こっちとリンクしたら少年が初代魔王の血を引いてるっていうから」

魔女「私が同化した二代目の死瘴石でしょ。二代目は初代大好きだから敵意が一気にさめちゃった」

騎士(………俺が空気のようだっ!)

少年「一件落着?」

593 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:54:07.77 ID:/eMqVCIZ0
中央大陸魔法学園中央校舎第一教室。

少年「という訳で帰ってきました」

賢者「ここなら元魔王軍の彼らも力を使えないですしね」

ラド「だからもう敵対しないって」

サキュ「私ももう少年君しか見てないし」

魔女「私はここにいた方が可愛い女の子も男の子もいっぱいいるし」

黒騎士「なんとまぁ…」

校長「ほっほっほ。面白いのぉ」

忍「しかし、主と男さん周りの関係性が掴めません」

男「だから簡単だって。いいか、初代魔王…まぁ俺達の親父だけど、あいつは俺が小さい時にいきなり地球に現れたんだ」

聖騎士「回想に入らんでも良いから分かりやすくな」

男「ひどいっ」
594 :1 [saga]:2012/10/29(月) 21:58:18.14 ID:/eMqVCIZ0
男「そして、母さんは傷ついた親父を必死に看病して、そのまま結婚し少年を産む」

忍「そこでなんでゲートでこっちの世界に主をこっちの世界に?」

男「ああ、逆だ逆。こっちの奴が物騒なもんこっちに送ろうとしたから、親父がゲートを開いて止めようとしたら、少年がぽろっと」

少年「ぽろっと……」ホロ…

男「だぁ、泣くなよ! 冗談じゃねーか! 本当は最初から少年が狙いだったんだ」

少年「僕が?」

男「ああ、領主って男がいるだろ? あいつが全ての元凶さ」



少年「………領主様が?」



校長「………」フム
595 :1 [saga]:2012/10/29(月) 22:00:18.88 ID:/eMqVCIZ0
いったんここまで!
今日は仕事休みだから話がどんどん進むじぇ!
ちょっともうひとつのss書いてきます。ではー。
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 22:18:25.93 ID:tDEED2rvo
乙!
あっちも読んでるよー
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 22:19:47.11 ID:x6Ow2nkIO
急展開
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/30(火) 00:35:38.15 ID:gXmBC8lIo
>>594

忍「そこでなんでゲートでこっちの世界に主をこっちの世界に?」
男「ああ、逆だ逆。こっちの奴が物騒なもんこっちに送ろうとしたから、親父がゲートを開いて止めようとしたら、少年がぽろっと」

こっちの世界にこっちの世界に?
こっちのやつがこっちに送る???
って頭の中はてなだらけになったけど誤字?
599 :1 [saga]:2012/10/30(火) 02:12:44.79 ID:5GMZEBc60
>>598
間違いです。ごめんちゃい。


正)

忍「そこでなんでゲートでこっちの世界に主を送ったのですか?」
男「ああ、逆だ逆。こっちの奴が物騒なもん地球に送ろうとしたから、親父がゲートを開いて止めようとしたら、少年がぽろっと」


気をつけます。

では続き―。
600 :1 [saga]:2012/10/30(火) 02:20:02.71 ID:5GMZEBc60
男「異界の人間ってのはこっちの奴にとってとても都合がいいのさ」

少年「そうなの?」

聖騎士「ああ、そうだな」

校長「嘆かわしいことだが、召喚士が儀式場で召喚した者はすべからく召喚した者の“所有物”となる」

少年「あ、それで…」

忍「私は逆にこの世界で言う転送術で送られてきたので所有者はいません」

男「俺も同じだ。で、話を戻すが、領主は都合の良い駒を手に入れた。そして、駒は存分に利用された」

少年「僕は……」

男「領主を慕ってるんだろ? 分かるぜ。それは全部催眠魔法だ」

少年「えっ…」

校長「………ふむ」スッ


校長『解除魔法』カチッ


少年(なんだ、これ…)ザワッ
601 :1 [saga]:2012/10/30(火) 02:27:28.38 ID:5GMZEBc60
―――少年に流れる記憶。

少年「………」ビクンッビクンッ

領主「あちゃー、とうとう“壊れちまった”」ボリボリ

召喚士「そりゃ、ファルム王国を一人で滅ぼしたら色々壊れますよ」

領主「うーん、こいつが“俺の切り札”になると思ったんだけどなぁ」

召喚士「どうしましょう…」

領主「……そうだな、ここは“完全忘却魔法”をかけてくれないか?」

召喚士「分かりました」

領主「それから、催眠魔法を頼む」

召喚士「内容は?」

領主「そうだな…。“最終的に俺を信じる”ようにしてくれ」

召喚士「はい」

領主「……成り上がってやるぜ。魔王によぉ…」

少年「………」ガクッガクッ
602 :1 [saga]:2012/10/30(火) 02:37:17.63 ID:5GMZEBc60
少年「思い出した」ウン

男「どうだ?」

少年「領主様は魔王になりたいみたい」

一同「「!!」」

ラド「そうだな。彼なら魔王になれるかもしれない」

忍「なぜですか?」

ラド「いやぁ、実は彼に魔王の器を奪う装置を造ってあげてさー」HAHAHA

一同「「確信犯かっ!」」

サキュ「今頃殺されてるかもねー魔王」

勇者「そしたら僕が分かると思うんだけど…」

竜娘「ところで、ラドさんの目的ってなんですか?」

ラド「あ、ぼ、…俺? 俺の目的は向こうの世界にいる親友を生き返らせること」

少年「え、僕蘇生魔法なんて使えないけど…」

校長「完全な魔王になれば使えるのぉ」

ラド「そうなんだ。だから魔王をぶっ殺して完全になってくれよ!」HAHAHA

一同((向こうの世界の人のノリが分からない…))

603 :1 [saga]:2012/10/30(火) 02:51:11.34 ID:5GMZEBc60
魔女「私は可愛い子がいれば満足だしー」ギュッ

サキュ「私は少年君がいれば満足だしー」ムニッ

少年「僕を挟まないでください」

忍「殺しますよ?」ジャキッ

竜娘「屠りますよ」グッ

勇者「殴りますよ」グィ

賢者「散らしますよ」ニコッ

三人(あれ? 賢者さんがログインしてる…)

聖騎士「それより、今後のことを話しませんか?」

少年「お姉さん……」

校長「そうじゃな。結局のところ、魔王軍の脅威が去ったわけじゃないのだし、対策は考えないといけんのぉ」

男「魔王をぶっつぶしに行こうぜ」キラリン

少年「お断りします」

男「えぇっ」ガーン





604 :1 [saga]:2012/10/30(火) 03:18:30.73 ID:5GMZEBc60
少年「たとえ催眠魔法だったとしても、領主様は僕に大切なことを教えてくれました」

男「………」

少年「その領主様が魔王になりたいんなら、僕はそれを止めることはしたくありません」

校長「そうかそうか」ホッホッホ

賢者「しかし、今のままでは世界に脅威が…」

ラド「それなら大丈夫でしょ」

サキュ「うん、だいじょぶだいじょぶ」

魔女「だって…」

三人「「魔王って弱いし」」

聖騎士「彼は自身でも弱いって言ってますが、私の攻撃を受け止めましたよ?」

ラド「ああ、それは演出だよ」

聖騎士「演出?」

ラド「だって、何もできない魔王相手さ、君がテンション下げるなんてしないと思って」

サキュ「実はあの時けっこうやばかったでしょー」

ラド「ああ、黒騎士と二人がかりでこられてたら確実に負けてたなぁ」HAHAHA

聖騎士「………」

605 :1 [saga]:2012/10/30(火) 03:22:31.14 ID:5GMZEBc60
校長「それでは、今日のところは解散とする。学生は明日から授業に出るように」

少年「はーい」

男「なぁ弟。俺も家に泊めてくれね―か?」

少年「勇者ちゃんの家だから勇者ちゃんに聞いてよ」

男「なぁ勇者ちゃん、俺を家に――」

勇者「駄目ー」ブーッ

男「そんな…」

校長「心配せずとも、君達の家はちゃんと用意してある」

ラド「それはありがたいね」

魔女「シャワー浴びたいわぁ」

サキュ「私もー」

男「………」ガックシ

校長「それじゃ、ワシも家に帰るとするかの」

少年「行っちゃった…」

忍「帰りましょう主」

少年「ああ…」

勇者(少年君が初代魔王の…)

少年「勇者ちゃん!」

勇者「はっ、はえっ!?」

少年「いこっ」スッ

勇者「………うんっ!」ギュッ

606 :1 [saga]:2012/10/30(火) 03:23:43.76 ID:5GMZEBc60
今日はここまでにします!

明日と明後日は朝から晩まで仕事なので進行遅いと思います!

では!!

なんかサモンナイトばりに仲間が増えてしまった…。
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/30(火) 14:52:03.66 ID:FytpTQVIO
展開いっきに加速したなぁ

乙!!
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/30(火) 16:59:13.33 ID:YuKErTHio
ギャグ描写と真剣な描写の境目かなくて、何だかなぁ
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/30(火) 17:12:52.49 ID:+7cdkb+Bo
>>608
漫画とかだと良さそうなんだがな
緊迫感があるのかないのかわからなくなるときはあるな
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) :2012/10/30(火) 19:32:12.10 ID:+8hD9lflo
そんな細かいこと気にするなら見るなよ
お前らみたいに想像力の欠落した人間はこのss見る資格無いんだよバーカ
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/30(火) 19:33:19.22 ID:3OpZG0Yzo
>>610
SSをwwwwwwww見る資格wwwwwwwww
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/30(火) 23:33:17.09 ID:+7cdkb+Bo
作者マンセー読者と率直な意見を言う読者
作者にとってはどっちがありがたいんでしょうかねぇ
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/10/30(火) 23:46:01.13 ID:s4ookPz1o
もうちょいゆっくり書いてもいいのよ?
設定とか面白いけづやや唐突な印象があるイメージ
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/10/31(水) 00:23:21.07 ID:3tzsuUzp0
どうでもいいけどほんわかしようね
615 :1 [saga]:2012/10/31(水) 01:29:44.06 ID:VFBWUvsW0
お疲れ様です。ただいま戻りました!

沢山のレスありがとうございます。

ご指摘の通り、11月はかなり忙しくなるので展開はやめちゃいました。

ちょっとリセットするために、ドラゴンボール的展開をとらせていただきます。

舞台は高校卒業の三年後で行きます。
616 :1 [saga]:2012/10/31(水) 01:36:47.63 ID:VFBWUvsW0


―――3年後。


担任「まさか、本当にその道で行くとはなぁ」

少年→青年
「いやぁ、やっぱ戦争好きだし」

忍「ご主人様は凶暴ですからね」

竜娘「夜も凶暴ですからね」

青年「ちょっとまてっ! 俺は貞操を守り切ったぞ!!」

勇者「………」

青年「勇者はやっぱ旅に出るのか?」

勇者「うん、僕はスメラギの酒場で仲間を集めて魔王討伐の旅に出ようと思う」

青年「そっか。それなら領主様と戦う時が来るだろうけど、遠慮なく倒してくれ」

勇者「青年君も死なないでね」

青年「ああ、まかしてとけ」ニッ

青年(魔王の力が戻ってくるまで後二年。俺はそれまでに絶対……)

竜娘「準備できましたよぉ〜」ブンブン

校長「ほっほっほ、青年や。期待しておるぞ」

青年「はいっ!」
617 :1 [saga]:2012/10/31(水) 01:48:29.17 ID:VFBWUvsW0
飛行艇“空竜”。

青年「まずは東大陸からだな」

忍「東大陸は虐殺王の息子がレイド王国を復興させ、現在五大陸で最も戦争が激しい大陸ですからね」

青年「ああ。神聖王国が俺達を雇ってくれるらしいから、東大陸は神聖王国と竜一族の国で統一するぞ」

竜娘「やる気満々だねぇ〜」




青年「二年間で五大陸同盟を実現させるからな」




忍「今は同盟はおろか、どの国も大陸内の戦争で手一杯ですからね」

青年「ああ、だから魔王軍が侵攻再開したら西以外の大陸も危ない…」

竜娘「でも、ご主人様はその方が“好都合”じゃないんですかぁ?」

青年「何言ってんだよ。魔族しかいない世界なんて可愛い女の子がいなくてつまんねーだろ」

忍(この三年間で一番成長したのは、ご主人様の女の子に対する免疫がなくなったことですね)

青年「よっしゃ、とにかくまずは東の大陸だっ!!」

忍・竜娘「「はいっ!!」」
618 :1 [saga]:2012/10/31(水) 01:49:32.52 ID:VFBWUvsW0








 ―――第二部 【世界傭兵編】







619 :1 [saga]:2012/10/31(水) 02:05:21.02 ID:VFBWUvsW0
≪出演者≫

【フリーの傭兵チーム】
名前:青年(魔王と異界の女のハーフ)
職業:傭兵(魔銃士)
備考:魔法学園出身で、五大陸同盟実現のために傭兵として戦っている。各大陸の一国(ないし二国)統一のため、どこか一国に傭兵として雇われる。

名前:忍(異界の式神)
職業:クノイチ
備考:青年の従者。めちゃくちゃ強い(たぶん青年より強い)。どんな武器でも扱える。

名前:竜娘(竜一族)
職業:従者
備考:青年と契約している竜人。戦闘能力は竜一族でも指折り。

名前:執事
職業:傭兵
備考:青年の誘いを受け、傭兵兼雑用として空竜に乗る。戦闘能力は意外に高い。


【その他】
名前:勇者
職業:勇者
備考:三年間で勇者学を修了し、勇者として旅立つ。青年への愛は健在。


以下適当に各人の紹介。

・男はラドと共に異界へ帰っている。

・騎士は白騎士を守り切り、聖騎士を倒すために日々鍛練中。

・聖騎士は青年への思いを秘めたまま、教師として奮闘中。

・賢者と魔女は喧嘩をしつつも、学園で勉強している。

・サキュは貯め込んだ魔力を消費しすぎて、聖騎士の元へ戻る。

・部員は大学へ進学、騎士のアプローチを断り続けている。
620 :1 [saga]:2012/10/31(水) 02:15:26.80 ID:VFBWUvsW0
神聖王国――謁見の間。

部長→姫
「久しぶり青年君。良い男になったわねー」ニコッ

青年「姫様、ご無沙汰しております」

国王「三年ぶりじゃな。またそなたに頼るのは王として情けない話じゃ…」

青年「いえ、東大陸は戦国時代と呼ばれるほど多くの国が覇権争いを繰り広げてます。大陸平和のためにぜひ力添えさせてください」

忍(ご主人様…立派になられて)ウゥ…

国王「……すまん。恩に着るぞ…」

大臣「王! このような男に首を垂れるなんて――」

姫「大臣? 虐殺王討伐作戦成功の功労者に向かってその口はなんですか?」

大臣「なっ、虐殺王がなぜここで……」

国王「……大臣、そういえばそなたは自分の地位を守ることばかりでなく、もっと大切なことを知るのじゃ」

大臣「………くっ」

621 :1 [saga]:2012/10/31(水) 02:15:54.52 ID:VFBWUvsW0
青年「それで、俺達はどういう扱いになるのでしょう」

国王「そうじゃな…。そなたは今週の戦略会議に参加してもらえるじゃろうか?」

青年「はい。もちろんです」

国王「その時、決めよう。それまでは自由に国を散策してくれ」

青年「分かりました」ペコッ

姫「青年君、後で遊びに行くからねー」ブンブン

青年「………」ニコッ

姫「あー、婿に欲しいわー」

大臣「………」グヌヌ…
622 :1 [saga]:2012/10/31(水) 02:17:50.85 ID:VFBWUvsW0
今日はここまで!

このssを考えて一番書きたかったのはこの第二部と第三部なので、もしよろしければお付き合いお願いします。

623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/31(水) 05:06:18.11 ID:SmiQoynCo
成長したのが女の子に対する免疫がなくなった
って逆じゃないか?
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/31(水) 06:31:36.24 ID:LNk8diYDO
おもしれーと思いながら一気に読んだけど…
ここからまた期待
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/31(水) 07:45:40.49 ID:QclxBALno
そんな細かいこと気にするなら見るなよ
お前らみたいに想像力の欠落した人間はこのss見る資格無いんだよバーカ
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/31(水) 08:23:41.05 ID:c7YznmaM0
SS見る資格(笑)について産業で
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/31(水) 08:32:47.44 ID:irJjoDuko
>>626
>>610に聞いてくれ
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/31(水) 13:18:26.06 ID:7BSfdNMWo
これコピペにして流行らせるわ
629 : [saga]:2012/10/31(水) 20:33:27.59 ID:Bn8M81TE0
>>623
忍はクノイチなので、人心掌握的なあれで免疫がなくなったことを評価してます。

>>610>>625>>1の拙い文章から壮大な映像をクリエイトしてくれてると信じてそっとしてあげてください。

>>1としてはss見てもらえる資格をもらえるようにがんばります。

では少しだけ続きー。
630 : [saga]:2012/10/31(水) 20:46:11.55 ID:Bn8M81TE0
 神聖王国首都“ノルエ”――宿屋。

青年「んーっ! やっぱ王様の前とか疲れるー!」ノビーッ

忍「まぁ報酬はそれなりにもらいましたし」ジャラッ

青年「これ以上貰ったら専属契約と思われる量はとるなよ」

忍「はい」

青年(それでも、戦力や設備を充実させようと思ったら金はいる。しかし、金と借りは紙一重だし…難しい問題だ)

竜娘「ご主人様ー。一週間何するの?」

青年「そうだなぁ、竜娘は故郷に帰ってきたらどうだ?」

竜娘「えっ、いいのっ!?」

青年「ああ、ついでに神聖王国と同盟結べないか聞いといてくれよ」

竜娘「うん、わかった―」ニパーッ

青年(竜娘の軽いノリは三年間で衰えることがなかったな…)

執事「それでは私はレイド王国へ密偵してきます」

青年「お願いします」

執事「……なぜ私には敬語なのですか?」

青年「……おねがい」

執事「かしこまりました」タッ

忍「あの人……いい人だけどめんどくさいね」

青年「ああ…いい人だけどな。強いし」ウン
631 : [saga]:2012/10/31(水) 20:51:55.24 ID:Bn8M81TE0
忍「二人きりになりましたね」ツツーッ

青年「主の顎を指で沿わせて誘惑するな」

忍「クノイチとして産まれて何十年か、一度も“やったこと”ないんですよぉ!!?」

青年「知らん。俺の従者でいる限りは諦めろ」

忍「………もしかして、ほ―――」

青年「その頭文字はいろいろと危険な単語を想起させるからやめろぉおおお!」

忍「冗談です。でも、デートくらいはしてくれますよね?」ジッ

青年(可愛いんだから見つめてくんなよな…)///

忍「私、カジノにこれ全部使いたいです」ジャラ

青年「使い切ったら忍を売るからな」

忍「……神聖王国名物特大パフェを食べたいです」

青年「よし、いこか」
632 : [saga]:2012/10/31(水) 20:58:28.48 ID:Bn8M81TE0
ノルエ――中央通り。

青年「ほい、特大パフェ」ンッ

忍「で、でかい…」ハゥッ

青年(忍は甘い食べ物の時だけ人格変わるなぁ…)

青年「それにしても……」チラッ

鬼人1「………」

鬼人2「………」ギロッ

青年(故郷を失った鬼一族が、世界中でマフィアまがいなことしてるらしいけど…。こんなとこまで)

鬼人3「おい、お前ら」ドンッ

青年「何?」

鬼人3「さっきからジロジロ見やがって、俺らを鬼神組だと知っ――」パァンッ

鬼人3「」ドサッ

鬼人1「「てめぇええ!」」ガタッ

忍「ご主人様、こんな街中で発砲してどうするつもりですか?」

青年「そんなの言い訳するに決まってるだろ…」チャキッ
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/31(水) 21:10:00.50 ID:RoDMm1Oqo
>>629
>>625はあまりにも>>610が面白かったからただのコピペしただけだ
634 : [saga]:2012/10/31(水) 21:37:12.49 ID:Bn8M81TE0
鬼人14「つ、つえぇええ…」バタッ

青年(いや、弱すぎだろ……)

忍「鬼一族は繁殖の為、自分より戦闘能力の弱い者と子作りしますからね。確率的に言えば劣化していくばかりで、こうして群れないと何もできないのでしょう」

青年「でも、鬼王子は強かったよな」

忍「彼らは肉体、魔力の劣化を誤魔化すために武器の製造力やそれを扱う技術力を高めてきました。そのため、こういうゴロツキは弱く、一部の鬼人が強いという格差が生まれてしまったのです」

青年「これから先も鬼一族との衝突は避けられないだろうし、知識は多いにこしたことはないな…」

忍「はい」


自警団団員1
「うおっ、なんだこれっ!?」

団員2「至る所に銃痕…、マフィアの抗争か!?」

青年「あ、それ俺がやりました」ハイ

団員達「」ポカーン

635 :1 [saga]:2012/11/01(木) 01:44:44.79 ID:/flIbBuO0
鬼少年「お、お前がぁ、お前がやったのかぁ!!」

団員1「こ、子供!?」

鬼少年「絶対お前をぶっこ――」パァアアンッ!!

鬼少年「」ドサッ

青年「………」スッ

団員2「ひ、ひぃ…撃ちやがった…」ガタガタ

団員3「だ、団長〜」

団長「お前っ! 何故こんなことをするんだ!?」

青年「何故って、お前らこそ何でこんな違法滞在者を野放しにしておくわけ?」

団員3「そ、それは…」

忍「神聖王国は魔王軍であることを宣言した鬼一族の滞在を許可してはいないはずです」

団員1「そう、なのか?」ドウヨウ

団長(ちっ…大臣が隠すように言ってた情報を…)

団長「と、とにかく、こいつらを捕らえるんだ!!」

青年「………」
636 :1 [saga]:2012/11/01(木) 01:50:41.50 ID:/flIbBuO0
団員1「う、うぅ……」ガクガク

団員2「俺達、人殺し自体も初めてなのに…無理ですよぉ」

団長(くそっ、内部の警備を弱める目的でこいつらには美味い汁ばかり吸わせてきたのが間違いだったか…)

青年「……あんたら、騎士団にでも頼んだら?」

団長「か、彼らに頼らなくても我々で――」

団員1「」ドサッ

団員2「」ドサッ

団員3「だ、団長……」ドサッ

忍「残るはあなただけです」パンパンッ

団長「な、なんなんだよお前ら……」ワナワナ

青年「何? 何って……




青年・忍「「傭兵だよ(ですよ)」」




団長「よ、傭兵?」ヘナッ

団長(戦争屋なんかに俺は……)ハハ…

637 :1 [saga]:2012/11/01(木) 02:01:53.58 ID:/flIbBuO0
国民1「お、お前ら、確かにこいつらは不法滞在者かもしれない…」ガクガク

青年「……?」

国民2「だけど、この子はこの国の女性とハーフだったのよ!?」

青年「………それが?」

国民1「なっ、お前には人としての情はないのかっ!」

青年「うーん、ないかな」ニコッ

国民「」アゼン

忍(ほんと、“嘘”がお上手になりましたね。ご主人様…)

青年「……それよりも、だ」チャキッ

国民1「ひっ……」
638 :1 [saga]:2012/11/01(木) 02:09:09.34 ID:/flIbBuO0
青年「この国に来る前に調べてこなかったと思うか?」

国民1「な、何をだ……」

青年「この国の行方不明者数だよ」

団長「や、やめろ…」

青年「国民総数5000万人に対してよ」

国民2「………?」

青年「年間1000人以上が急にいなくなるってどういうことか分かるか?」

国民1「ど、どういうことだよ」

青年「しかも、9割が若い男女だ。それが何を意味するか分かるか?」

国民2「ら……拉致?」

団長「やめろぉおおおお!!」ジャキッ

青年「……忍」

忍「もう、すでに」チャキッ

団長「………く、そ」ドサッ

青年「分かるか?



戦争はすでに始まってんだぞ?」



国民1「あ、ああ、ああぁあ…」ガクガク

青年(もう一度国王と会わないと…)

忍「結局、休暇なんてとれないんですね」

青年「でも、俺といないと意味ないだろ?」ナデナデ

忍「………ずる賢くなりましたね。“主”」

青年「だろ?」ニッ
639 :1 [saga]:2012/11/01(木) 02:14:16.35 ID:/flIbBuO0
神聖王国――謁見の間。

国王「話は騎士団の者から聞いたぞ……まったく、とんでもないことを…」

大臣「こ、こんな野蛮な者達をここに入れること自体が間違っているのです!」

姫(私が割って入ると邪魔になりそうだから黙ってよーっと)

青年「国王、一つ良いですか?」

国王「な、なんじゃ?」




青年「俺は、別にあんたが大陸を統一しなくても良いと思ってる」




国王「」アングリ

大臣「なっ、なっ…」パクパク

姫「ぷっ…」クスクス

青年「あーごめん。言葉が足りなかったかな。もし、あんたらが本気で国の事考えてないなら、



明日にでも違う国に行くけど?」



忍(それは追い打ちです。ご主人様…)ヤレヤレ
640 :1 [saga]:2012/11/01(木) 02:25:44.58 ID:/flIbBuO0
国王「わ、ワシは神聖王国第176代目国王として……」

青年「国王として?」

国王「この国のために…、国のために…」

国王(ワシは……国のために…“国民”のために何かをしてやれたじゃろうか…)

大臣「国王! あなたは国の顔です。この国のトップです! 政治事は我らに任せて、そこで最終決定を下してくれればよいのです!!」

大臣(くそっ、このバカ国王が! お前がバカでいてくれないと、俺の人身売買や武器密売、さらに違法賭博や癒着まで悪事が全てばれてしまうではないかっ!)

国王「大臣……ワシは…」

青年「国王、悪いけど、あんたの大切な部下を殺すぜ!」チャッ

大臣「ひ、ひぃ!? ワシぃ!!!?」

国王「青年! や、やめんかっ! それは犯罪―――」

国王(これは犯罪なのか? ワシはこの国で起きた犯罪をここ十数年まともに耳にしておらんぞ? 本当に“平和だから”犯罪が起きておらんのか?)

青年「行くわけないじゃん。こんな神聖な場所で」ピタッ

大臣「は、ははっ…」ヘナヘナッ

青年「その男を処刑するのはあんたの役目だ国王」

大臣「……へっ?」

青年「俺達は北の平原で数日待つから、あんたらが答えを出したら来てくれ」フリフリ

国王「………ワシは…」ドサッ

姫「お父様……」

大臣「国王! あなたはこの国の長であり父です! あなたが間違った意思を示せば……」クドクド


641 :1 [saga]:2012/11/01(木) 02:30:51.76 ID:/flIbBuO0
城門。

団長「おいっ! 俺と戦えっ!!」

青年「………なんで?」

団長「なんでって、お前が俺の人生をめちゃくちゃにしたからだっ!」

青年「めちゃくちゃ?」ウーン

団長「騎士団入りも夢じゃなかったのに…お前のせいで…くそっ」

青年「あんたにとって、“人生の理想の状態”ってどんなの?」

団長「それは俺が騎士団の一員として、国民のために活躍して――」

青年「ふーん、良い目標だね」ニッ

団長「ば、バカにしてるのかっ!?」

忍「グダグダ言ってないでさっさと殺されたらどうですか?」

団長「………く、くそぉおおお!!」バッ

青年「………」スゥ…
642 :1 [saga]:2012/11/01(木) 02:33:13.15 ID:/flIbBuO0








青年「騎士団員にならなくても、あんたを求める国民はいっぱいいるはずだぜ」バキッ







643 :1 [saga]:2012/11/01(木) 02:36:33.08 ID:/flIbBuO0
団員1「団長!!」ダッ

団長「………俺は、間違っていたんだな」ヨロッ

青年「何も間違っちゃいないさ。ただ、あんたは自分の事しか見えていなかった。それだけだ」

団長「………」

忍「近いうちにあなた達が必要な状態になります。それまでに自分の進むべき道を決めておいた方が良いでしょう」

団員1「………」

青年「それじゃ、俺らは帰るから」バイバイ

忍「また会いましょう」

団員達「「………」」

団長「俺は……」
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 02:47:34.89 ID:IXUkbU6Yo
かっけえ
645 : [saga]:2012/11/01(木) 10:51:40.65 ID:fN8q0yDe0
 空竜――エントランス。

青年「ひまだねー」パチッ

忍「ですね」パチッ

青年「……マジ? その魔法剣士獲られると一気に形勢逆転しちゃうんだけど…」パチッ

忍「こっちの将棋は飛び道具や罠があるから面白いですねー」パチッ

青年「まぁ、その代り運要素がついて実力差ってのが分かりにくいんだろ?」ウーム…

忍「でも、戦場なんてそんなもんじゃないですか」

青年「それもそっか。じゃないと俺が勝てる要素がなくなっちゃうもんな」パチッ

忍「……彼らじゃ何も変えられないと思います」パチッ

青年「変えられないということと、変わらないということは違うよ忍」パチッ

忍「主にとって、今生きる人々よりも未来の方が大切ということですか?」パチッ

青年「わかってるくせに聞くなよ。チェックメイト」パチッ

忍「………まいりました」

青年「これで俺の30連勝だね」ニッ

忍(今を大切にしていないのは、主じゃなく“今を生きる彼ら”の方だ。個に固執し、仲間をないがしろにする…)

青年「――忍」

忍「はい…」

青年「あんま思い詰めるなよ。お前の決めたことはいつだって正しいんだからな」ナデナデ

忍「……むぅ」///


646 : [saga]:2012/11/01(木) 11:02:58.13 ID:fN8q0yDe0
――夕食。

執事「ただ今戻りました」

青年「おー、お帰りんさい」ジュージューッ

執事「これは……焼きうどんですか?」

青年「うん、ラドの開発した転送装置が安定して物品を供給してくれるから、異界の料理が作りやすくて」カチャカチャ

執事「それでは私はカクテルなどを…」

青年「おいおい、焼きうどんにカクテルってどんなセンスだよ…」

執事「それしか知らないもので…」

青年「今週は酒はなし。いつ戦争が始まるかわかんないからね」

執事「はい……」ショボン…

青年「……俺がここにいる時は執事は飲んでいいよ」

執事「………ありがとうございますっ!」パァッ

青年(奴隷時代に酒を覚えたから、安酒をごくごく飲めるせいか若干アル中だな執事は…)

忍「あ、お帰りなさい。収穫はどうでしたか?」

執事「今報告しても大丈夫でしょうか?」

青年「うん、作りながら聞くわー」
647 : [saga]:2012/11/01(木) 11:13:20.02 ID:fN8q0yDe0
執事「息子は虐殺王と違って、自国民に対する恐怖政治や奴隷制度は全く致しておりません」

青年「それはいいことだね」

執事「ですが、世界中から奴隷を買い入れて、過酷な労働や残虐なショーを開催し、自国民のストレスをそこで発散させているようです」

青年「………」

執事「他国からは残虐王と呼ばれ、ある意味父親以上に恐怖の対象になっているようです」

青年「間違っている…とは思わないけど、やっぱ多国籍の魔法学園出身としては許せない話だな」

執事「ええ、特に世界の為に汚染された魔力を浄化する一族“妖精族”を清浄装置として利用しているのは、非常に許しがたい事実です」

青年「やっぱあの国は滅びてもらうしかないな」

執事「それは種族ごとということですか?」

青年「そうだなぁ…。鬼一族と違って、トップの一族だけが腐ってるのかもしれないしなぁ…」

忍「しかし、首をとったところで…」

青年「次の首がまともに育つのかって言えば素直に頷けないよなぁ…」ウーン…

執事「調べましたところ、レイド王国の国民は9割以上がレイディアン系で、国民総数は1000万人。三年前の解放戦で男性が多く死んだことが起因してこれ以上彼らが増えることは現状考えにくいですね」

青年「三年前は1億以上、奴隷は3億ほどいたのにな」

執事「竜の一族の猛攻がそれほど恐ろしいものだということですね」

青年「だな」
648 : [saga]:2012/11/01(木) 12:45:45.59 ID:fN8q0yDe0
執事「現在、中央にレイド王国、囲むように三つの国があり、大陸で見て南半分は竜の一族が支配し、北東を神聖王国が支配しています」

忍「ご主人様はなぜ竜の一族で東大陸を統一しようと思わなかったのですか?」

青年「まぁ、パワーバランスかな。東大陸は五大陸でもっとも大きな国だ。土地も潤沢で多くの種族が繁栄している」

執事「下手に力を与えると、魔王軍以上の侵攻王国になってしまうかもしれませんね」

青年「ああ。さらにその先を考えても、神聖王国のような多種族で構成されている国に力を与えておきたい」

忍「それでも鬼一族は……」

青年「鬼一族と言っても、あいつら鬼人のほとんどは元々鬼モドキと呼ばれる鬼に擬態して狩りをする一族だけどな」

忍「鬼王子も見極めるのに苦労していました」

青年「ま、それはさておき食べようぜ」ドンッ

忍・執事「「はいっ」」
649 : [saga]:2012/11/01(木) 12:46:57.96 ID:fN8q0yDe0
いったんここまで!

眠すぎて仕事にならん;;

でじゃ!
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 21:50:16.27 ID:0SpmsXQIO
おつ
651 :1 [saga]:2012/11/04(日) 14:52:37.76 ID:wgzFscMg0
――翌日。

神聖王国従者
「―――というわけで、大臣及び不正に関わった一族は全て国外追放とすることにしました」

青年「ふーん、機密を知ってる人間を国外にねぇ…」

従者「国王も苦渋の決断だったのです。長年国を支えて来た大臣を処罰するのは…」

青年(まぁ、後で殺しておけばいいか…)

青年「で、再編に時間はかかるのか?」

従者「そうですね。なんせ国の中枢が抜けた訳ですから。今は国王が本当に信頼に足る人間を探している状態です」

青年「……そっか、それなら…忍、選挙制度のファイル持ってきて」

忍「はい、こちらです」スッ

従者「それは?」

青年「異界で発案された政治家を決めるシステムだ。それを俺達が手を加えている。目を通してくれ」

従者「私が?」

青年「国民の全てに納得してもらえる制度じゃないと」

従者「……はい」パラ…
652 :1 [saga]:2012/11/04(日) 15:10:19.95 ID:wgzFscMg0
従者「議会制というのがとても良さそうに見えますが、なぜダメなのですか?」

青年「大陸を統一したらそれも良いだろうけど、戦争中の今はそれじゃ遅すぎる。国民全員が納得して命を預けられる人間を選出するんだ」

従者「しかし…その人間が大臣のようなお人だったら…」

青年「いや、それは無理だ。選ばれた人間は二択を迫られる」

従者「・・・二択?」

青年「ああ、国のために全てを捧げるかどうかだ。選ばれた者は生活のほとんどを管理される。通信記録も全てだ」

従者「繋がりを排除するわけですね」

青年「ああ、もちろん大陸統一するまでの間だ。選ばれた者は任期を終えたらそれ相応の報酬が支払われる」

従者「しかし、問題は選ばれるような人間がいるかどうか…」

青年「まぁ、それは募集してから考えれば良いんじゃないか?」

従者「そうですね。帰還後すぐ国王に提出してみます」

青年「ああ、頼む」

青年(俺が国王なら独裁政治するけどね…)

653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/11/05(月) 12:40:59.37 ID:rA6gFGTAO
追い付いちゃった( ゚Д゚)<乙
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 12:51:10.12 ID:KUYuZswIO
珍しく時間が開いてるな…

見てるよ〜
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 22:38:56.05 ID:NyDx29Bho
まだかな
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/18(日) 08:58:31.25 ID:P+yGAWRJ0
丸々二週間空いたか…
せめて生存報告だけでも…
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 22:13:16.39 ID:D2suJ8FTo
まだ?
はやくしてくれないと死ぬ…
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 04:03:21.74 ID:eE5i1z5Vo
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 18:05:07.65 ID:eZr2Y5Ipo
まだかな…
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 13:17:38.19 ID:VeXa4U+oo
はよ
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/25(火) 06:25:35.07 ID:/igPSMHIO
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 06:24:01.90 ID:8XyE1wNqo
そろそろ落ちるべ
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