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上条「オレは、インデックスの誕生日に何かしてあげたい!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:18:13.19 ID:AzI0O91q0

別スレで書いていた禁書SSですが、「スレタイと内容がズレまくり」「ちょっと長くなりそう」「きちんと完結させたい」などと考えた結果、
新しくスレを立てさせて頂きました。

一応、話の設定はこれまで書いたSSのものを(ほんとに多少ですが)引き継いで書くつもりです。

なお、そのSSは「上条 インド人」で検索して頂ければ、出てくると思います。駄作ですが……

以上、よろしくお願いします。







SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1350479893
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/17(水) 22:19:28.22 ID:MrIEA9jw0
スレ立て乙
3 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:22:09.54 ID:AzI0O91q0

<このSSについて>


・禁書+超電磁砲の日常ほのぼのSS。

・台本形式。原作なぞりや戦闘描写はなし。

・細かい設定には気をつけているつもりですが、大目に見て頂けると…。

・SS初心者、修行中の身。

4 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:33:07.47 ID:AzI0O91q0



(とある朝)



イン「ねぇ、とうま」ソワソワ

上条「ん、なんだインデックス?」

イン「ねぇねぇ」ワクワク

上条「…何だよ?」

イン「ねぇってばー」ブーブー

上条「だから何だよっ!」



イン「むー、何か私に言いたいことはないのかな?」ムスッ

上条「おまえに言いたいこと? そうだなー、とりあえず料理に掃除に洗濯……少しは家のことやってくれよ、頼むから」

イン「そ、そんなどうでもいい話をしてるんじゃないんだよ!」

上条「どうでもいい? 全然よくねーよ、このポンコツ居候シスターめ」

イン「ちょっと、それは聞き捨てならないかも! この信心深く敬虔なシスターを、ラーメンのスープのダシ呼ばわりするなんて!」

上条「それ、ポンコツじゃなくてトンコツな」

イン「……うぅ、日本語ってむずかしいんだよ」グスン


5 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:34:11.92 ID:AzI0O91q0


イン「と、とにかく、今日が何の日か知ってるの、とうま?」

上条「インデックス……、俺たちも長い付き合いなんだ、忘れるわけないだろ?」キリッ

イン「と、とうま…!」ドキドキ



上条「そう! 駅前のスーパー、月に一度の牛肉半額セールの日なのであ〜る!」

上条「だから朝からソワソワしてるんだろ? へへん、肉に目が無いインデックスさんの変化に、気がつかないわけないんです…よ……?」


イン「とーーうーーまーー!!」



6 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:35:14.25 ID:AzI0O91q0


ガブッ


上条「ぎゃああぁぁあああぁあぁああああ!!!!」

イン「もう、とうまのばかばか」グスン

上条「いきなり何すんだおまえは!! 肉が食いたいんなら、素直にそう言えばいいだろーが」イテテ

イン「そんなんじゃないもん!」

上条「はぁ、じゃあ一体なんなんでせうか」

イン「もう知らないんだよ! ……かおりに聞いてみるといいかも」プイッ



上条「(何だ何だよ何ですかぁ? このいつにも増して不機嫌なインデックスは)」

上条「(と、とにかく神裂に電話だ)」


7 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:39:11.19 ID:AzI0O91q0



プルルルー



??『はい、こちらイギリス清教第零聖堂区、必要悪の教会(ネセサリウス)です』

上条「あのー、わたくし上条当麻と申しますが、神裂火織さんいらっしゃいますかー?」

神裂『か、上条当麻ですか?』

上条「おーなんだ神裂か、久しぶりー」

神裂『え、えぇ、お久しぶりです…(いきなり過ぎて、こ、心の準備が…)』

上条「っていうか、聖人でも電話番とかするんだな」

神裂『茶化さないで下さい。これも立派な仕事ですから』

上条「わりぃわりぃ、んでそっちは元気にやってるか?」

神裂『は、はい。ステイル、それに天草式の面々も』

上条「そっかー。しばらく会ってないからさ、近いうちにまた遊びに来いよ」

神裂『伝えておきます、彼らもきっと喜ぶでしょう』



上条「あ、おまえも絶対来いよ、久しぶりに会いたいし」

神裂『え?私に会いたい? は、はぃぃっそれはもう喜んでえぇっ??(って何言ってるんですか私はっ!!)』

上条「ん?どうした神裂、声裏返ってるぞ?」

神裂『いえ、気にしないでください…どうか…』

上条「お、おう、分かった」


8 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:40:39.80 ID:AzI0O91q0


神裂『それで、今日はどういった用件で?』

上条「あぁ、こっちでかなりマズいことになっててさ」

神裂『!! まさか、学園都市で魔術関連のトラブルでもありましたか!?』

上条「それがな……」

神裂『はっ!? もしや、インデックスの身に何かっ!?』グッ

上条「俺一人じゃどうにもならなくて……」

神裂『大至急、天草式の人員をそちらに送ります! 五和、準備を!』



上条「実は、さっきインデックスが今日が何の日か聞いてきて、分からないって答えたんだ、そしたら何かすねちまってさー」

神裂『』

上条「いやー、いきなり怒り出しやがって、上条さん困っちゃいましたよ」アハハ

神裂『……』


9 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:42:08.64 ID:AzI0O91q0



シュパーーン!!



上条「ちょちょちょっと神裂さーんっ? 電話越しにワイヤーの音聞こえてますけどっ?」

神裂『上条当麻、あなたという人は……人が本気で心配したというのに……!!』

上条「いや、すまん、えーっと、俺が悪かった!! だから落ち着いてくれぇぇ!!」



神裂『……まぁ今日の所はいいでしょう』

上条「(ホッ)」


10 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:43:15.43 ID:AzI0O91q0


神烈『それで、今日が何の日か、でしたか?』

上条「そ、そうなんだよ、アイツが神裂に聞くと分かるって言ってたから、電話したってわけ」

神裂『なるほど、そういうことでしたか』

上条「?」


11 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:44:14.62 ID:AzI0O91q0


神裂『実は』




神裂『今日は、あの子の――――』


神裂『――――インデックスの、誕生日なんですよ』


12 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/17(水) 22:45:38.61 ID:AzI0O91q0


上条「そ、そうだったのか? どおりで何かソワソワしてたわけだ…」

神裂『はい、あの子もきっと、一番身近にいるあなたに祝って欲しかったんでしょうね』

上条「なんか俺、悪いことしちゃったみたいだな」

神裂『いえ、誕生日の情報など、あなたは知らなくて当然です。それよりも』

上条「それよりも?」



神裂『どうか今日一日……あの子の我が儘に付き合って頂ければ、幸いです』



上条「なーんだ、そんなことか」

神裂『?』

上条「神裂もかしこまんなって。インデックスの我が儘に付き合う? そんなの、上条さん得意中の得意なんですことよ」

神裂『ふふ……そうでしたね。それではお願いできますか?』

上条「おう、任せとけ!」


13 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:05:28.13 ID:WSEchnyW0



ガチャッ


上条「さて、と」スタスタ



上条「なー、インデックス」

イン「…とうまなんて知らないもん」

上条「俺ちょっと出かけてくるけど」

イン「勝手に行けばいいかも」フンッ


上条「そっかー、それは残念ザンネンだー」

イン「?」

上条「今日が期限のクレープ無料引換チケットが二枚あるんだけど、どうしようかなー」

イン「」ピクッ

上条「あれ、こんなところにトッピング無料チケットも二枚あるぞー」

上条「一人じゃきっと食べきれないだろうなー、しんどいなー」

上条「でももったいないなー、しょうがないから一人で行くかー」


イン「……」プルプル


14 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:06:36.09 ID:WSEchnyW0


上条「それじゃ、行ってきまー」


イン「と、とうま!」

上条「ん、なんだインデックス?」

イン「あ、甘いものを食べすぎると、おなかこわしちゃうんだよ! シスターとして、見過ごすわけにはいかないかも!」

上条「そうか、じゃあ行くのやめようかなー」ニヤニヤ

イン「で、でもチケットをむだにするのは、お、お店に失礼なんだよ! だから…」

上条「だから?」ニヤニヤ



イン「もう! とうまのいじわるー!」バッ

上条「お、おい、勝手に取るなっ!」

イン「行こうスフィンクス、クレープ売り切れちゃうんだよ〜」ダーッシュ

スフィ「にゃー」

上条「って待て待て、機嫌直るの早すぎだろーっっ!!!!」


15 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:07:29.18 ID:WSEchnyW0



イン「ふう、もう食べられないんだよ」

スフィ「にゃー」ゲプッ

上条「はぁ……けっきょく無料の二つじゃ当然足りず、追加で四つも食べやがった……」サイフスッカラカン


イン「ねー、とうま」

上条「何だ?」

イン「ありがとね、クレープ。美味しかったよ」

上条「そうか、良かった。まー誕生日なんだから、たまにはな」

イン「! やっと気づいてくれたんだね、このどんかんとうま」

上条「わりぃわりぃ、でも初耳なんだけどな?」

イン「む、そこは乙女の仕草や表情から、読みとるものなんじゃないのかな?」

上条「そんなこと、女の子とのイベント要素が皆無の上条さんに分かるわけないでしょーが」

イン「(よくもまぁしれっと言えるんだよ…)」ハア


16 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:08:51.27 ID:WSEchnyW0



(帰宅後)


上条「さーて、天気もいいし、布団でも干すか」

イン「」ゴロゴロ

上条「おーいインデックス、布団干せないんだけど?」

イン「おふとん気持ちいいね、スフィンクスー」

上条「聞こえてるんだろ、さっさとどきやがって下さいな」

イン「やだやだ、私はまだゴロゴロしていたいから、どかないんだよー」ジタバタ

上条「そういえばこの布団、かれこれ1か月も干してねーや、きっとダニだらけなんだろうなぁ」ボソッ

イン「し、仕方ないから干して欲しいんだよっ」

上条「なんか色々混じってるぞお前……」


17 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:09:50.50 ID:WSEchnyW0



イン「ひまなんだよひまなんだよひまなんだよー」

上条「暇ってことは平和、平和ってことは不幸じゃない……あーなんて良い響き!」

イン「とうまもひまなら、遊ぼうよー」

上条「残念、朝食の食器洗いが残ってるんですよー。そうだインデックス、風呂洗っといてくれよ」

イン「」

上条「ん、聞こえなかったか? 風呂を」

イン「そんな……まさか……」プルプル

上条「ど、どうした!?」


イン「とうまは……とうまは、今日が誕生日というおめでたい人に対して、お風呂そうじをしろというんだね? 信じられないんだよ、それでも正気なのかな?」

上条「って、それ誕生日という名を借りたワガママだから!」


18 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:11:03.72 ID:WSEchnyW0



上条「ちょっと早いけど、晩メシにするか」

イン「ごっはん、ごっはん♪」

上条「喜べインデックス、今日はちょっと奮発しちゃったぞー、ほれ!」ジャーン


イン「ハンバーグ? いつもと同じようにしか見えないんだよ」

上条「何言ってる、豆腐100%じゃなくて、今日はなーんと90%だ! 肉が入ってるぞ、そら食え食え!」

イン「……このおみそしるは?」

上条「ほほーう、さすがはインデックスさん、お目が高い! 実はな……」

上条「今日の味噌汁の具にはお金がかかっている!」

イン「」

上条「これまで上条家の味噌汁の具といったら、八百屋でタダでもらえるキャベツの外葉と大根の葉っぱ、これが定番だった」グスン

上条「くそっ、なんてわびしいんだっ……あれ? あれあれ? 味噌汁に赤・白・黄色の物体?」

上条「YEEEEEEEEEEEEEEES!! 人参、大根、じゃがいもぉぉオオwoooooo!!!!」


イン「……分かったから早く食べたいかも」ハア


19 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:12:37.58 ID:WSEchnyW0


上条「はいはい、それじゃーいただき……って、こらこら」

イン「なぁにとうま? 手も洗ったし、コップもおはしもちゃんとあるんだよ?」

上条「そうじゃなくて」ダキッ


イン「ちょ、ちょっととうま!? いきなり抱きかかえて、なにする」

上条「ほれ」ヒョイ

イン「……?」



上条「お前の座る席は、お誕生日席、だろ?」ニコッ



イン「おたんじょうびせき?」

上条「あぁ、誕生日の人は注目されやすいようにテーブルの短い方に座る、っていう習慣なんだ。イギリスにはなかったのか?」

イン「う、うん、聞いたことない」

上条「そっか、まーたまにはいいんじゃないか? いつもと座る位置が違って、なんか新鮮だし」

イン「たしかに、とうまの横顔を見ながら食事とか、なんかおもしろいかも」

上条「ははは、なーんだそれ」


20 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:13:13.71 ID:WSEchnyW0


上条「それじゃあ、改めて……」


上条&イン「「いただきまーす!!」」


21 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:13:49.50 ID:WSEchnyW0


上条「そういや、せっかくの誕生日なんだし、他になんか願いごととかあるか?」パクパク

イン「ねがいごと?」モグモグ

上条「あぁ、お金はないから物は買ってあげられないけど、何かしてあげることはできるぞ」

イン「ほんと? ほんとにいいの?」

上条「おう、この男・上条当麻にどーんと任せなさいっ!」

イン「それじゃあね……」


22 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 00:16:25.46 ID:WSEchnyW0

と、今日はここまでです……。

この話は単独で完結させたいので、なんとか頑張ります。

それでは。

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/18(木) 00:36:21.18 ID:zmMvUWbqo
イイネ!
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/18(木) 18:54:55.10 ID:4Wg/q9+xo
ええな
25 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:07:05.47 ID:WSEchnyW0

今日もちょこっと投下。
筆は進んでるけど、書き溜め分の校正がぜんぜん追いつかない……


>>23>>24

ありがとうございます。励みになります。
26 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:08:46.83 ID:WSEchnyW0



上条「……」

一方通行「ンでよォ、三下ァァ」



上条「……」

美琴「こんな夜に急に呼び出したと思ったら」



上条「……」

イン「とうまー、このパフェ甘くておいしいんだよー」パクパク




美琴&一方通行「「このメンツはなんなのよっっ(ですかァアアッッ)!?!?」」

上条「ひいいぃっっ!!」


27 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:10:29.38 ID:WSEchnyW0


イン「むっ、たんぱつもあくせられーたも、何をそんなに騒いでいるのかな?」モグモグ

一方通行「うるせェ、テメエはそこで一生パフェとだべってろォオッッ!!」

美琴「ちょっとアンタ、さっさと説明しなさいよ!」

美琴「(だいたいこのシスターはともかく、一方通行って……どんだけ気まずいと思ってんのよ!)」コソッ

上条「(わ、わりぃ御坂)」

一方通行「ンで、一体なンだってンだァ?」

上条「お、おう、実はさ」



上条「今日は、インデックスの誕生日なんだ」

イン「そうなんだよ!」エヘン

一方通行「チッ、それで何だ? オレたちに、このガキがロウソク吹き消すのを手ェ叩いて祝えってかァ? クカカ、血反吐が出ンぜェ!」

美琴「何よ、ってことはパーティーでもするの?」

上条「パーティーというかですね……」

イン「仕方ないなあ、とうまは説明ベタだから私から話すんだよ」ペロリ

上琴通行「「「(最初からそうしろ(しなさい)よ(ォ)っっ!!!)」」」


28 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:11:45.23 ID:WSEchnyW0


イン「えっとね」

イン「私は、学園都市に来てから、数え切れないくらいとうまに助けてもらったんだよ」

美琴「……」

イン「ステイルとかおりのこと、記憶のこと、イギリス清教のこと、ひょうかのこと……」

イン「でも、私はとうまのこと、なんにも知らないんだよ」

上条「インデックス……」

イン「だから、まずはとうまの周りにいる、とうまにとって大切な人たちを、もっと知りたいんだよ」

美琴「大切な人、ねぇ」チラッ

一方通行「あァン? なンか文句でもあるンですかァ?」ギロッ

美琴「べ、別に」


29 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:12:35.85 ID:WSEchnyW0


上条「と、いうわけなんだ」


美琴「で、わたしたちは何をすればいいの?」

上条「あぁ、それなんだけど、とりあえず何人か知り合い連れてきてくれればそれでいいんだ」

美琴「何それ? 話が見えないんだけど?」

上条「なんか、俺たちの日常の会話ってのを、覗いてみたいんだってさ」

一方通行「けっ、そんなくだらねェもン除くたァ、シスターってやつもけったいなご趣味をお持ちなことで」ヘラヘラ

イン「む、そんなことないかも。大切な人のことをもっと知りたい、もっと知ろうという気持ちは、なにも恥ずべきものではないんだよ」

一方通行「はいはい、そーですかァ」

イン「……そこはかとなく馬鹿にしてるね?」

上条「まーまーインデックス、話を先にすすめようぜ、な?」


30 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:14:46.35 ID:WSEchnyW0


美琴「で、それはいつやるつもりなの?」

イン「うーん、あさってがいいかも」

上条「おいおい明後日って、そんな急に!? どんだけ身勝手なんだよ、おまえはかぐや姫かっ!」

イン「その冴えないたとえツッコミ、言う必要あったのかな」

上条「うるせー、お気に入りのヤツだから、どうしても言いたかったんだよ!」

美琴「アンタのツッコミの趣味、どーなってんのよ」ハア



美琴「っていってもねー、そんなこといきなり言われても……」

一方通行「無計画に見切り発車、ンで仕上げには無理な頼み、と。こりゃ迷惑のフルコース、ってかァ?」

上条「…」


美琴「明日誘ったとしても、みんなもう予定入ってるかもしれないし」

一方通行「大体、オレにそンな知り合いなンざいねェよ」ケッ

上条「……」


31 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:16:31.84 ID:WSEchnyW0



上条「すまん二人とも、こ、この通りだっ!」ドゲザッ


美琴&一方通行「「!!」」


上条「オレは、インデックスの誕生日に何かしてあげたい!」

上条「でもこれは、オレ一人の力じゃどうにもならない!」

上条「こんなこと、心から信頼してる、オマエらにしか頼めないんだよ!」


イン「とうま……」ウルウル


32 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:17:07.26 ID:WSEchnyW0


美琴「ま、まぁ、アンタがそこまで言うなら? 美琴センセーやさしいし、面倒だけど仕方ないから手伝ってあげようかなー」

一方通行「ひ、ヒーローが悪党に土下座ってかァ? 哀れだなァ、その惨めさに免じて協力してやンよォオオ」


上条「ホントか? サンキュー御坂、一方通行!」

イン「(ツンデレールガンとツンデラレータのせいで、感動が台無しなんだよ……)」ハア


33 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:17:58.11 ID:WSEchnyW0





(そして翌日、3人はそれぞれ、参加者集めに奔走した)




34 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:18:53.48 ID:WSEchnyW0



青ピ「カミやんと同居してるシスターの誕生会やて? ボクで良ければなんぼでも行ったるで〜」

土御門「オレも顔出させてもらうぜよ、ねーちんによろしく言われたからにゃー」

青ピ「なんやつっちー、ねーちんって? はっ、まさか……シスコンを卒業して、年上にシフトしたんかー?」

土御門「甘いぜ青ピ、オレは舞夏ひとすじなんだにゃー」キリッ

青ピ「それでこそつっちーや! ロリは永遠なり、ロリこそ真理やで!」

上条「(なんでこうなる……)」



上条「えーっと、あとは、っと……」

姫神「私で。良ければ。是非」

小萌「上条ちゃん、ホームルーム中に何を騒いでいるのですかー?」プンスカ

上条「あ、小萌先生っていう手があったか! 実はですね……」

小萌「ふむふむ、シスターちゃんのお誘いですか? それは嬉しいですね」

上条「先生にはいろいろ世話になってますし、インデックスもきっと喜ぶと思います!」

小萌「うふふ、なんか楽しくなりそうなのですよ〜」


「あれ?私。いるのに…」

「あの…」



(ある者は、インデックスのために)


35 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:19:54.33 ID:WSEchnyW0



美琴「……ってことなんだけど、どうかな?」

黒子「はぁ…お姉さま、また類人猿絡みですのね」

初春「まぁそう言わずに、せっかく誘ってくれたんですから行きましょうよ」

美琴「お、初春さんノリいい〜♪」

佐天「あたしも、御坂さんがどうしても”会いに行きたい”っていうんなら、行こっかなー?」

美琴「わ、わたしは別に会いに行きたいとかそんなんじゃないんだから! 頼まれたから、仕方なくよ、仕方なく」カアアッ

佐天「またまたー、顔赤いですよ?」ニヤニヤ

美琴「ちょ、赤くなんかないってば! もう佐天さんったら!」


黒子「」イライラ



(ある者は、命の恩人であり、何かと気になるアイツのために)


36 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:21:58.86 ID:WSEchnyW0



一方通行「……」


黄泉川「お前が頼み事なんて、ずいぶん珍しいじゃん」

一方通行「チッ、別に頼ンでねーよ」

打ち止め「はいはーいミサカも行きたいーって、ミサカはミサカは元気よく立候補!」スクッ

御坂妹「久しぶりにお姉様にも会えるのでしょうか?、とミサカは無い胸を踊らせます」パクパク

一方通行「ってなんでオマエがここにいるンですかァァアッ??」

打ち止め「それは夕飯に誘ったからだよ、ってミサカはミサカは家族団らんの食事を噛みしめてみるー」


打ち止め「あれ、ヨミカワはどうひゅるの?、ってミサカはミサカはお肉をほおばりつつ聞ひへみはり」モグモグ

黄泉川「そうだなあ、まぁ保護者として行ってあげてもいいじゃん?」

一方通行「けっ、テメエに保護されるほど、オレはヤワじゃねェっつンだ」

芳川「そうね、警備員(アンチスキル)の愛穂がいれば、もし何かあっても安心ね」

一方通行「うっせーよ。 ……おい、芳川」チラッ

芳川「私はコミュ障だから、遠慮しておくわ」

一方通行「……だろーなァ」



(そしてある者は、自らを変えるきっかけを与えてくれた、ヒーローのために……)


37 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/18(木) 23:29:50.75 ID:WSEchnyW0

と、ここまでがプロローグです。若干、登場人物を詰め込みすぎた感はありますが。

石の上にも三年、とにかく書き続ければ上達への道が開ける……と信じて、コツコツ頑張ります。

それでは。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/18(木) 23:31:19.28 ID:4Wg/q9+xo
俺得
頑張ってください
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/18(木) 23:37:56.84 ID:/PUJIqGyo
おつ
黒子がやばい、暴走するぞ
40 : ◆jg9LstscLY [sage]:2012/10/20(土) 18:44:55.21 ID:q4hdo3R00

こんばんわ。

今日は久しぶりにたっぷり時間があるので、書き溜め分の投下、頑張ります!


41 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 19:42:55.68 ID:q4hdo3R00



(当日、第三学区のとある個室サロン)

(200号室)



上条「受付のテーブルよし、インデックス用のモニターよし、集音マイクよし……廊下とか階段のカメラはどうだ?」テキパキ

イン「大丈夫、3階も2階も1階も、ちゃんと映ってるんだよー」

上条「よーし、それじゃこんな感じでいいかなっ」

上条「いよいよだなインデックス、わくわくするだろ?」

イン「うん、今朝は楽しみでごはんがぜんぜん喉を通らなかったんだよ! ねースフィンクスー」

スフィ「にゃー」

上条「茶碗5杯もたいらげて、よく言うぜ……」ハア



上条「でも、ホントにいいのか? お前はここで見てるだけで」

イン「だーかーらー、私は既にできているグループにずかずか入っていけるほど、厚かましくはないんだよっ」

上条「……俺と会って数分後に部屋で野菜炒め食ってたシスターは、どこのどいつでせうか?」

イン「ち、ちがうもん、最初は焼きそばパンだったもん!」

上条「順番の問題じゃねーからっっ!!」


42 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 19:54:22.57 ID:q4hdo3R00


上条「よし、じゃあ機械の操作を説明しとくぞ、ちゃんと聞いとけよ?」

イン「うん、私の完全記憶能力の出番だね!」

上条「いいか、まずこのボタンがカメラの電源な。それでこっちがマイクの……」



バーーーーン



土御門「カーーーーミやーーーーん!!」ダーイブ

上条「どわぁぁああぁっっ、つ、土御門っ!!??」

イン「あ、もとはる、こんにちはなんだよ」

土御門「おう禁書目録、誕生日おめでとうにゃー」

上条「お前、ノックもしないでいきなりドア開けんなよ!! ちくしょー、足の指の皮、剥けちまったじゃねーか」ベローン

土御門「すまんカミやん、まさかドアの真後ろにいるとは思ってなかったんだにゃー」サッ

イン「もう、とうまはそういうとこでもニブいんだから!」

上条「はいはい、もういいですよ……それより土御門、会場の予約とか機材とか、いろいろサンキューな」

土御門「いいってことよ〜」


43 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 19:55:36.11 ID:q4hdo3R00


上条「(しっかし、この最新鋭の機材はともかく、ここまでいろんなとこにカメラ設置するのを、店が許すかフツー?)」

上条「(コイツのコネの広さには恐怖すら感じるぜ、ったく大概にして……)」


土御門「大概に、なんだにゃー?」

上条「あわわわっ、いやそのあのですね、今日の晩ごはんは鯛がいいなー、なんつって」アハハー

イン「ふふーん、とうま、今の発言はしっかり記憶したんだよ?」

上条「えーっと、インデックスさーん? これはその、話の流れで仕方なくですね」

イン「あら煮におっさしみ、鯛茶漬け〜♪」ルンルン

上条「はぁ、さようなら俺の財布のお金たち……」

土御門「カミやん、嘘をつくのがヘタな男は女に苦労するぜよ」

上条「勉強になりますです……」


44 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 19:59:19.15 ID:q4hdo3R00


土御門「まーとにかく、ねーちんのためにも、今日は成功させてやらないとにゃー!」

上条「そうだな、あいつもインデックスのこと、気にかけてるだろうし」

土御門「もちろんですたい、それに」

上条「それに?」


土御門「ちゃんとプレゼントも預かってきたんだぜい〜♪」

土御門「ほらよ禁書目録、神裂のねーちんからだ」ヒョイ

イン「かおりから?」

上条「おー、かわいいパジャマじゃないか。おっ、スフィンクスの分もある」

イン「し、しかも私のとお揃いになっているんだね、すごくかわいいかも! ありがとう、もとはる!」

土御門「どういたしましてにゃー」

上条「サンキュー、土御門!」


土御門「それじゃ、オレはちょっくらトイレに行ってくるぜよ」スタスタ


45 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:04:11.92 ID:q4hdo3R00


イン「ふふふん、ふふふん、ふっふっふーん♪」

上条「良かったなーインデックス」

イン「うん、あとでかおりにありがとうの電話をしなきゃだね!」

上条「このパジャマ着たら、明日からぐっすり眠れるかも、なんてなー」

イン「……それは難しいかも」

上条「ん、何でだ?」


イン「空腹でぜんぜん寝つけないんだもん……」

上条「そんぐらい我慢しろーー!!!!」


46 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:20:02.82 ID:q4hdo3R00



コンコン


上条「おっ、誰か来たぞ。はいはい今開けますよっと」


ガチャッ


美琴「おーっす、来てあげたわよー」

イン「あ、久しぶりなんだよ、たんぱつ!」

上条「お、御坂か! 後ろは白井に……初春さん、佐天さんだっけ?」

黒子「……どうもですの」

初春「あ、お久しぶりです上条さん、覚えてて下さってたんですか?」

上条「そりゃ当然だろ、こんなかわいい子、忘れるわけないだろ?」キリッ

初春「ええぇっ? そそそれは大げさですよぉ」テレッ

美琴「ちょ、ちょっとアンタ! なに初春さんに色目使ってんのよ!」ビリビリ

上条「わわっ、何すんだビリビリ、俺はそんなつもりじゃ」

佐天「(うわー、分かりやすいヤキモチですね)」ニヤニヤ


47 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:21:05.28 ID:q4hdo3R00


黒子「……コホン」


黒子「それで、わたくしたちはどうすればいいんですの、そこの正体不明のシスターさん?」

イン「む、正体不明っていうのは私のことかな? 私には、インデックスっていう名前がちゃんとあるんだよ!」

佐天「あー、この子が誕生日っていう」

黒子「インデックス? 随分と珍しい名前ですわね……よくよく見たら外人さんですし、服装も奇抜……」

美琴「あー、その辺は話すと長くなるから、スルーした方がいいわよ、黒子」

上条「そ、そうだな、ハハハッ(魔術だなんだなんて、言えねー)」

黒子「なーんか怪しいですの」

初春「まぁまぁ。とりあえず、誕生日おめでとうございます」

イン「ありがとうなんだよ!」


48 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:22:39.41 ID:q4hdo3R00



上条「さてさて、御坂達の部屋割りはっと……やべっ、携帯にメモしておいたのに家に忘れちまった」

イン「もう、とうまはドジなんだから。はいこれ」ピラッ

美琴「ちょっと、部屋割りって? 私たちの中で分かれるってこと?」

イン「フフン、そうなんだよ」

佐天「ってことは、見ず知らずの人としゃべるってことですか?」

初春「えぇっ!? 佐天さんはそういうの得意そうですけど、私は……」

上条「あー、そんなに気負い過ぎないでくれよ。2人ずつにはなるけど、普段通りでいいからさ!」

初春「そ、そうですか…」

佐天「まー異文化交流ってことですね! どうしよう、もしかしたらレベルアップのコツとか聞けちゃうかも〜」ワクワク


49 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:35:44.11 ID:q4hdo3R00


イン「それじゃあ、ついんてとお花の女の子は301号室ね」

初春「はい、分かりました」

黒子「了解ですの」

イン「で、たんぱつと花飾りの子は、303号室」

美琴「はいはい」

佐天「ラジャー!」

イン「それじゃ、いってらっしゃいなんだよ〜」



黒子「うぅっ……」

初春「あれ、どうかしたんですか白井さん?」

黒子「お姉さまとしばしの別れ……」

初春「そんなぁ、大げさですよもう」

黒子「わたくしに課された宿命(さだめ)とはいえ、黒子は、黒子はぁっ!」ヒュン

美琴「!?」


黒子「悲しみで胸が張り裂けそうですのぉー!」スリスリ

美琴「こ、こっちは怒りで血管がブチ切れそうだっつーのっっ!!」ビリビリー

黒子「あっふうぅぅんんっっ」


佐天「あっちゃー……、白井さん、さてはだいぶ溜まってるなこりゃ」


50 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:38:05.62 ID:q4hdo3R00



スタスタ

スタスタ


美琴「ちょ、ちょっと!」ギュッ

上条「ぎゃああああああっっ!!!!」

美琴「ふぇ? ど、どうしたの?」

上条「人の足踏んづけといてそれはないだろ! チクショー、痛えよぉぉ」グスン

美琴「足踏まれたぐらいで何弱っちいこと言ってんのよ、アンタ」

上条「うるせえな、こっちは足の指の皮が剥けたてホヤホヤなんですよ」

美琴「あっそ。ご愁傷様」


イン「むむ、今のとうまは日本の言葉でいう“泣きっ面に蜂”ってやつかも! テレビでやってたんだよ」

佐天「すごいすごい、外国人なのに日本のことわざ知ってるんだー」

イン「ふふん、シスターにできないことなんてないんだよ!」

上条「炊事……掃除……洗濯……」ボソボソ

イン「とうま、なにか言った?」

上条「いえ、何も」


51 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:39:20.75 ID:q4hdo3R00


上条「で、なんだっけ?」

美琴「……部屋割りのことなんだけど」

上条「あー、変更の希望ならインデックスが受け付けないって言ってたぞ」

美琴「そうじゃなくて! ア、アンタは何号室なのよ?」

佐天「おっと、御坂さん攻めるぅ〜♪」

上条「ん、攻める? よく分かんねえけど、誰と同じ部屋になるかはお楽しみなんだったよな、インデックス?」

イン「そうなんだよ、その方がドキドキ感が出るからね!」

美琴「なんだ、そうなの」ショボン

上条「でもよ、そんなこと聞いて何になるんだ?」

美琴「そそそそれは……////」


上条「はっ、まさか!」

美琴「(! マズッ!?)」



上条「ビリビリ……お前こんな楽しい日にも俺に電撃浴びせようとするのかよ……しかも逃げようにも逃げられない個室サロンという密室を利用して……」ハア

美琴「」


佐天「(あちゃー、上条さんは超がつく鈍感さんなんですね……。御坂さん、ファイトー)」


52 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:41:33.88 ID:q4hdo3R00



イン『さてさて』



イン『ここで、このSSを読んでくれてるみんなに、かんたんなルール説明なんだよ!』

イン『といっても、別にゲームをやるわけじゃないから、設定の説明と言ったほうがいいかも』


イン『とうま、たんぱつ、あくせられーた、それぞれ3人ずつ呼んでくれてるみたいだから』

イン『4人を2人ずつのペアに分けて、計6つのペアを作って……』

イン『このペアをシャッフルして、3つの部屋に分かれてもらうんだよ』

イン『受付兼私のモニタールームが、2階の200号室』

イン『あとの3つは、3階の301、302、303号室だね』


イン『さて、とうまの周りにいる人たちは、知らないもの同士、いったいどんな話をするのかな?』

イン『こういうのを、ここ科学の街・学園都市では“科学反応”っていうとか……』

イン『……まぁ、魔術の世界で生きてきた私には、よくわからないんだよ』


53 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:42:14.54 ID:q4hdo3R00


上条『おいインデックス、長々と語ってるところ悪いんだがな』

イン『むむ、とうま、せっかくの出番をじゃましないでほしいかも!』



上条『……科学反応じゃなくて、化学反応だぞ』ボソッ

イン『』ガビーン


54 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 20:43:05.57 ID:q4hdo3R00



≪現在の参加リスト≫



200号室:インデックス、上条、(土御門)

301号室:{黒子・初春}{     }

302号室:{     }{     }

303号室:{美琴・佐天}{     }


55 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 21:07:56.60 ID:q4hdo3R00
ちょっと休憩。
今夜はあと1回、投下する予定です。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/20(土) 22:33:11.77 ID:ymZE0110o

近頃、インさんの扱いが酷い中
こんな俺得なスレがあって嬉しい。
続きも期待してます。
57 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:31:31.84 ID:q4hdo3R00



コンコン



上条「おっ、次は誰かな?」


ガチャッ


打ち止め「ヒーローさんこんにちはー!って、ミサカはミサカは胸に飛び込んでみる!」ダキッ

御坂妹「ご招待いただきありがとうございます、とミサカは感謝の意を全身で表現します」ギュッ

上条「うおぉっ、打ち止めに御坂妹……って、二人とも近い近いっ!」

黄泉川「おいおい、両手に花とは最近の高校生もなかなかやるじゃんよ」

上条「よ、黄泉川先生っ?」

黄泉川「夜遅くなると心配だからな。これでもコイツらの保護者じゃん」

上条「そういうことですか、助かります」

黄泉川「なーに、なんでも小萌センセも来るらしいし、お前たちは安心して楽しむじゃん」

打ち止め「ヨミカワもこう言ってるし、今日は朝まで語りつくそうー!って、ミサカはミサカは夜更かし上等の不良に変身してみたり!」


58 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:32:52.86 ID:q4hdo3R00


一方通行「……チッ、なーに言ってンだクソガキがァ」

上条「一方通行! みんな集めてくれて、ホントありがとうな!」

一方通行「れ、礼を言われる筋合いなンざねェよ、あー眠ィ、だりィ」ポリポリ

御坂妹「相変わらずのツンデラレータですね、とミサカは溜息を交えてつぶやきます」

イン「やっぱり、くーるびゅーてぃもそう思う?」

御坂妹「! いつの間にいたんですね、あまりの存在感の無さで気がつきませんでした、とミサカは心からの謝罪をします」

上条「いやいや、何気にヒドいこと言ってますけど!」

イン「む、それは今日の主役に向かっての言い草なのかな?」プンスカ

御坂妹「これはこれは、申し訳ありません(……と今日くらいは花を持たせてあげましょう、とミサカは不本意ながらも撤退宣言をします)」

打ち止め「い、10032号が皮肉も言わず素直に引き下がるとは……!って、ミサカはミサカは誕生日というイベントの圧倒的破壊力に、思わず息をのんでみるっ」ゴクッ


イン「まぁ、気分がいいから許してあげてもいいかも。あぁ、素晴らしきかな誕生日なんだよ〜♪」ニマッ


59 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:33:54.41 ID:q4hdo3R00


イン「とにかく、みんな来てくれてありがとう、よろしくなんだよ!」

上条「じゃ、2人ずつに分かれて部屋に入ってもらいますね、4人のペア分けは……って、あれ?」チラッ

黄泉川「あー上条、ちょっといいか? 実はその件で話があるじゃんよ」

上条「?」



ゴニョゴニョ



上条「わ、分かりました了解です。全然構いませんよ、なぁインデックス?」

イン「うん、私はシスターだから、迷える子羊はいつでもウェルカムなんだよ!」

打ち止め「良かったねー!って、ミサカはミサカは後ろを振り返ってみる」

一方通行「チッ、手間かけさせやがって」

黄泉川「おいおい、元はと言えば一方通行、お前が言い出したんじゃん?」ニヤニヤ

一方通行「……あァそォかい、知らねェなァ」


黄泉川「っつーことで、後よろしくな」

イン「ふふん、私にドーンと任せておくと良いかも!」


60 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:34:40.59 ID:q4hdo3R00


上条「それじゃあ、改めて」


上条「黄泉川先生と御坂妹は、302号室に行ってください」

黄泉川「分かったじゃんよ〜」

御坂妹「了解しました、とミサカは部屋の番号を頭にたたきこみます」

打ち止め「ねぇねぇ、ミサカはどこのお部屋?」

上条「えーっと、打ち止めと一方通行は……」


61 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:35:49.99 ID:q4hdo3R00



(301号室)



黒子「まったく、お姉さまの頼みだから来てはみましたが、いったい何なんですの?」ブツブツ

初春「まぁまぁ、抑えて抑えて」

黒子「こんな密室で、どこの馬の骨とも分からない方と話をしろだなんて…… はっ!み、密室?」

初春「ど、どうしたんですか!?」

黒子「お姉さまは今頃、あの腐れ類人猿と密室であんなことやこんなことを……キーッ!!」

初春「み、御坂さんに限ってそんなことは(御坂さん奥手だし…)」


黒子「こうしてはいられませんわ。初春、こんな部屋とっとと出て、お姉さまを助けに行きますわよ!」スクッ

初春「ちょちょちょっと、白井さん!」


62 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:37:00.66 ID:q4hdo3R00



ガチャッ



打ち止め「いえーいミサカが一番乗りなのだー! ってミサカはミサカは扉を思いっきり開けて勝ち誇ってみる!」

打ち止め「……ってあれ? もうお客さんがいるよ、ってミサカはミサカはしょんぼりしてみたり……」



ポカーン



黒子「あなたは……小さい、お姉さま?」ピクッ

初春「あ、あのときのアホ毛ちゃん!?」


63 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:38:20.08 ID:q4hdo3R00


打ち止め「あ、花飾りのおねえちゃんだー、ってミサカはミサカは予期せぬ再会に目を丸くしてみる!」

初春「久しぶりだねー、元気だった?」

打ち止め「うん、あの時はどうもありがとう、ってミサカはミサカは素直に感謝の気持ちを伝えてみる」

初春「いえいえ、どういたしまして」


打ち止め「あれれ、なんか背後から鼻息がフンフン聞こえるんだけど……って、ミサカはミサカはちょっと気持ち悪くて眉間にしわを寄せてみたり……ってわわっ!!」

黒子「わたくし、お姉さまの露払いをしております白井黒子と申します、以後お見知りおきを」スリスリ

初春「ちょ、さっそくですか白井さん!」

打ち止め「あ、会っていきなりのスキンシップは恥ずかしいかも、ってミサカはミサカは思わず顔を手で隠してみたり」キャッ

黒子「あぁ、ここで出会ったのは何かの運命! なんて縁起の良い部屋なんでしょう、わたくしずっとここにいたいですわ〜」ハアハア

初春「さっき、こんな部屋とかとっとと出たいとか、言ってたような……」

黒子「初春、細かすぎる女は殿方に嫌われますのよ」

初春「ガチ●ズの白井さんに、男を語られたくありません」フンス


64 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:41:24.18 ID:q4hdo3R00



カツカツ


一方通行「ちっ、なンだなンだよなンですかァ? この低能な会話と、耳に障るババア声は」

初春「(あれ、この人どこかで……?)」

黒子「あら失礼な、私が低能ですって?」

一方通行「オマエはどっちかっつーとババア声のほうだわ」

黒子「なっ…! ふん、よろしいですわ、見せて差し上げますの」ヒュン


打ち止め「あれれ、ツインテールのおねえちゃんが消えちゃったよ? ってミサカはミサカはただちに捜索を開始!」バタバタ

一方通行「……ほォ」

打ち止め「どーこに隠れていっるのっかな〜……って、あれ?」

黒子「ここですの」ヒュン

打ち止め「わーすごいすごい、さっきまで全然気配も無かったのに! ってミサカはミサカは捜索をそそくさと打ち切って感激に浸ってみたりー」

初春「白井さんは、学園都市でも珍しい、レベル4のテレポーターなんですよ」

打ち止め「へー、おねえちゃんちょっと気持ち悪いけどすごいんだね、ってミサカはミサカは人は見かけによらないことを再確認してみる……」

黒子「それほどでもありませんの、見直してくださいまして?」


65 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:42:20.80 ID:q4hdo3R00


打ち止め「でもねでもね、この人はもっとすごいんだよーって、ミサカはミサカは自慢の息子を紹介してみるんだけど!」

一方通行「おいクソガキィ、俺がいつからオマエの子供になったってンだよ」

黒子「あら、このヒョロ長もやし人間がですの?」クスッ

初春「ちょ、白井さんっ!」

一方通行「あー、めんどくせェ」


66 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:43:27.25 ID:q4hdo3R00


打ち止め「この人はなんと! 学園都市230万人の頂点、レベル5の第一位なのだー!って、ミサカはミサカはまるで自分のことのように叫んでみたりっ!」

初春「レベル5の第一位!? ってことは、あの御坂さんより上ってことですか?」

黒子「またまたご冗談を、このような方がお姉さまより上であるはずがありませんわ」

打ち止め「嘘じゃないよ、ホントだよ、ってミサカはミサカは……うぅ……」グスッ


一方通行「!」


黒子「まぁ、さしずめ肌と髪の白さなら第一位、ってところですかねぇ」オホホ

黒子「さぁさぁ、こんな赤眼の白ウサギさんは放っておいて、小さいお姉さま、私と夢の続きを!」スリスリ


67 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:44:30.37 ID:q4hdo3R00



「」カチン



一方通行「いいぜェ、冗談かどォか、確かめてやろじゃねェかァ……クカカ」



タンッ



黒子「って、ぎょえぇぇえええぇっっっっ!!!!」


68 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:45:15.52 ID:q4hdo3R00



(303号室)


佐天「い、今の聞こえました?」ガクガク

美琴「うん、確かにく、黒子の声よね」ブルブル

佐天「いったい何が起こってるんでしょうか……」


69 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:45:48.47 ID:q4hdo3R00



≪現在の参加リスト≫


200号室:インデックス、上条、(土御門)

301号室:{黒子・初春}{一方通行・打ち止め}

302号室:{黄泉川・御坂妹}{     }

303号室:{美琴・佐天}{     }


70 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:48:41.05 ID:q4hdo3R00



(200号室)


ガチャッ


上条「おー土御門、やっと戻ってきたか」

土御門「すまんすまん、もう参加者はそろったのかにゃー?」グッタリ

上条「えーっと、まだ来てないのが」



コンコン



上条「おっ、ウワサをすれば……」


71 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:49:27.92 ID:q4hdo3R00


ガチャッ


青ピ「待たせたぜカミやん〜、教師と生徒の壁を乗り越えた、青髪ピアスと青髪小萌の登場でっせ〜」クルクルー

小萌「ちょ、何を言ってるんですか青髪ちゃん!?」

上条「(青ピは無視して、)小萌先生! 来てくれてありがとうございます」

青ピ「ボクの出番って一行だけかいな!? 厳しすぎるぜカミやん〜」

小萌「(青髪ちゃんは無視して、)いえいえ、お誘いありがとうなのですよー」

青ピ「あれあれ、なんかボクいないことにされてる? どないしよ、つっちー!」

土御門「……いちいちメンドくさい奴ぜよ」ボソッ


72 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:50:09.60 ID:q4hdo3R00


イン「あ、こもえ!」

小萌「ふふふ、久しぶりなのですよー。ちゃんとお利口さんにしてましたか?」

青ピ「おっ、この子がカミやんと同居してるっていうシスターやな! くーっ、銀髪碧眼とか、ごっつたまらんわー」

イン「なーんか、嫌な視線を感じるかも」

上条「気をつけろよ青ピ……舐めてかかると噛まれるぞ」

青ピ「舐める?噛まれる? んんー、どっちもボクぁ大歓迎やでーー!!」

小萌「もう青髪ちゃん、初対面の女の子の前で失礼なのですよー?」プンスカ


上条「はぁ、果たしてコイツに礼を失するという感覚はあるんだろうか……いやないな、絶対ない」

土御門「こればっかりは、カミやんに同意するぜい」


73 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:50:45.00 ID:q4hdo3R00


小萌「それよりシスターちゃん、お誕生日おめでとうなのです。はい、これ」ヒョイ

イン「これは?」

小萌「2日遅れですけど、誕生日プレゼントなのです」

イン「ほんと? ありがとうなんだよ、こもえ!」

土御門「良かったな、禁書目録」

青ピ「さすがは小萌センセ、気ぃ利きまんなー」

上条「先生、わざわざすいません」

小萌「いいのですよー。それより、開けてみてください」

イン「なにかな、なにかな?」ガサゴソ


74 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:51:43.74 ID:q4hdo3R00


イン「こ、これは……!!」

土御門&青ピ「「おぉぉっっ!!」」



小萌「じゃーん、あの豪華絢爛焼肉セットがその場で食べられる、焼肉店のサービス券なのです!」

イン「す、すごい……すごいよとうま! いちまんえんって書いてあるよ!」

上条「ほ、ホントかインデックス!? どれどれ……って確かに一万円分だ!」

小萌「これなら大食いのシスターちゃんでも大満足ですねー」

イン「おっにく、おっにく♪」

青ピ「こんな小柄なのに、大食いやてっ? これはギャップや!ギャップ萌えやーー!」

上条「だからいちいち茶々いれんなよ!」バキッ

青ピ「ほげええぇぇっっっ」


75 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:52:33.35 ID:q4hdo3R00


青ピ「」ピクピク


イン「……とうま、この人ホントにとうまの友達?」ムッ

上条「ハハッ、残念ながらな」

土御門「右に同じくにゃー」

小萌「もう、上条ちゃんと土御門ちゃん、青髪ちゃんはほんとに仲がいいのですねー?」フフフ

上条「ちょっと先生、笑わないでくださいよ!?」

小萌「いいじゃないですか。子供の楽しそうな顔を見るのが、私の喜びなのです」

小萌「だからシスターちゃん、私のためにも、今日はめいっぱい楽しんでくださいね?」

イン「うん、ありがとうこもえ!」


76 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:53:10.44 ID:q4hdo3R00



上条「よーし、これで参加者全員そろったな!」

イン「そろそろ、とうま達にも移動してもらいたいかも」

土御門「へいへい、こちとら待ちくたびれたぜよ」


上条「えーっとペア分けは確か……、小萌先生は土御門とで、青ピと俺、だったよな?」

イン「そうだね、みんなよろしくなんだよ!」

土御門「了解ですたい」

小萌「行ってきますなのですよー」

青ピ「ほなシスターのお嬢ちゃん、またなー」ヒラヒラ

上条「って復活はやっ!?」


77 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:53:41.73 ID:q4hdo3R00



イン「さて、いよいよ始まるんだよ!」

イン「いったいこの後どうなるのかな、すごくワクワクするかも」


78 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/20(土) 23:54:31.71 ID:q4hdo3R00



≪現在の参加リスト≫


200号室:インデックス、{小萌・土御門}{青ピ・上条}

301号室:{黒子・初春}{一方通行・打ち止め}

302号室:{黄泉川・御坂妹}{     }

303号室:{美琴・佐天}{     }


79 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/21(日) 00:04:08.04 ID:7+4FyiNe0

ふう。登場人物がそろった(?)ところで、今日はここまで。
この後、各部屋ごとに同時進行で話が進んでいきます。
果たして、残りの部屋割りはどうなるのか? そして、黒子の運命やいかに?


>>38
読んでいただき、ありがとうございます。引き続き頑張ります。

>>39
ありがとうございます。
黒子はいったん美琴とは離ればなれになりますが、またすぐに会える……かも?

>>56
励みになります。今後とも宜しければお付き合い下さい。
しばらくインさんは各部屋のモニターがメインになりますが、後半ではバッチリ暴れてもらいますので、どうぞお楽しみに。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/21(日) 12:47:45.10 ID:sAxohaUPo
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/21(日) 13:01:01.32 ID:vZfDJlCBo
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2012/10/22(月) 18:29:27.45 ID:ngqcpsrV0
超電磁砲アニメ2期決定記念カキコ

SSも頑張れ
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/24(水) 01:25:30.31 ID:5uPMhkCi0
続き期待乙
84 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 21:23:02.90 ID:sjbG0ZpZ0
お久しぶりです。
見てくださっている方、いつもありがとうございます。

夕飯を食べ終わり次第、投下したいと思いますので、後ほどまた……。

>>82
レールガン2期、来ましたね!
ネットでもTwitterでもすごい反応で、自分と同じようにみんなも待ってたんだなーと思うと、なんか嬉しいです。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/25(木) 21:36:02.11 ID:6mnoXPfD0
おつ
部屋のメンバーシャッフルとかあるの?
86 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:25:55.71 ID:sjbG0ZpZ0
>>85
当初は途中でシャッフルして、という流れで書いていたのですが、
「自己紹介を繰り返さなきゃいけない」「前いた部屋での会話をふまえた絡みを……」などと考えた結果、
駆け出しの自分のスキルではプロットがごちゃごちゃになってしまい、表現しきれず断念しました。悔しい

それでも良ければ、よろしくお願いします。


では、投下します。

87 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:33:52.74 ID:sjbG0ZpZ0



(200号室)



シーーーーン



イン「……」


イン「さ、さーて、たんぱつのいる部屋を見るんだよー」



88 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:34:46.16 ID:sjbG0ZpZ0



(303号室)


コンコン



佐天「だ、誰か来ましたよ」

美琴「さっきの黒子のこともあるし、なんかちょっと怖いわね…」

佐天「何かあったら、守って下さいね」セナカニカクレル

美琴「ちょちょちょっと佐天さん!?」



美琴「あーもう、どこのどいつか知らないけど、来るなら来なさい! 超能力者(レベル5)が相手になってやるんだから!」



89 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:35:48.77 ID:sjbG0ZpZ0


ガチャッ



美琴「――――ななな何しに来たのよ!!!!」

??「……」


美琴「って、アンタは!」

土御門「おっと、ここは超電磁砲の部屋みたいだにゃー?」

美琴「……舞夏のアニキ、だっけ」

佐天「なんだ、御坂さん知り合いですか。緊張して損したー」


佐天「というわけで初めまして、柵川中学1年、佐天涙子でーす」

土御門「オレは土御門元春、よろしくにゃー」

美琴「あれ、受付では2人ずつって話だったけど……もう一人は?」


90 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:37:36.01 ID:sjbG0ZpZ0


トテトテ

ガチャッ



小萌「もう、土御門ちゃんは歩くの速すぎなのですよー」プンスカ

土御門「おー、小萌センs…、ってどうした超電磁砲?」


美琴「アンタって人は……」

土御門「ん?」

美琴「舞夏だけでは飽き足らず……」

土御門「え? え?」



美琴「まさか、シスコンに加えてロリコンだったとはね!」ビシッ

土御門「」

小萌「し、失礼な! 先生はロリじゃないのです〜」アセアセ

美琴「いやいや、身長130?で全身ピンクとか、どこからどう見てもロリでしょーが!!」

土御門「とりあえず、落ち着け超電磁砲、な?」

佐天「そうですよ御坂さん、それにこの人教師だと思いますよ?」ヒョコッ

美琴「きょ、教師? 佐天さんこの子知ってるの?」

小萌「だからこの子呼ばわりはおかしいのです! 先生はこれでも立派な成人なのですよ〜?」


佐天「前にあたし、幻想御手(レベルアッパー)使用者への特別講習っていうのに行ったじゃないですか? ほら、御坂さんがゲコ太の夏祭りイベントに行きたがってた日です」

美琴「ちょっと、そんな大声で言わないでよ…」

土御門「レベル5がゲコ太ぁ? こりゃ世も末だぜい」ププッ

美琴「あ、アンタみたいな金髪グラサン野郎に、ゲコ太の何が分かるっていうのよ!」

佐天「御坂さん、ここはスルーするとこですって……」


91 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:40:46.60 ID:sjbG0ZpZ0


佐天「えっと、実はその時に、この月詠先生の授業を受けたんですよ」

小萌「あ、確か……午後のランニング、最後まで頑張ってたコですね?」

佐天「そうですそうです、しっかしあれ、キツかったなー」

美琴「ふぅん、この子が先生、ねぇ……」

佐天「はい、見た目は若干アレですけど、授業自体はすごくためになりましたもん」

小萌「だから、外見をイジらないでくださいぃ!」フルフル

土御門「くーっ、イジられて悶える小萌センセ、たまらんぜよ」

小萌「もう、土御門ちゃんも! 明日の宿題増やしちゃいますよー?」

土御門「センセ手作りのプリントなら、何枚でもウェルカムなんだにゃー」


佐天「えっ、宿題? ってことは、月詠先生は土御門さんのクラスの担任だったりするんですか?」

小萌「そうなのです。土御門ちゃんも上条ちゃんも、手の焼ける生徒なのです」

美琴「!」

佐天「じゃあじゃあ、土御門さんって上条さんと同じ高校なんですか?」

土御門「そうだにゃー、カミやんとは高校どころか、クラスも頭の悪さも同じだぜいっ」キリッ

小萌「成績は土御門ちゃんの方が若干悪いですけどね」ボソッ

土御門「」


92 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:42:22.12 ID:sjbG0ZpZ0



佐天「ちょっと、御坂さん御坂さん!」グイッ

美琴「な、なによいきなり」



佐天「(なによじゃないですよ! 上条さんについていろいろ知る、チャンスじゃないですかぁ)」コソッ

美琴「(な、なんでここでアイツが出てくんのよ! あんなやつ、どうでもいいんだから!)」カアアッ

佐天「(またまたー、たまには素直になりましょうよー)」

美琴「(だから素直になるとかならないとか、そういうんじゃないんだってば!)」

佐天「(でも、気になる人の友達と担任の先生から話が聞けるなんて、そうあるもんじゃないですって)」

美琴「(た、確かに……って、違う違う!)」ブンブン


佐天「((あーもう、じれったいなあ……おっ、そうだ♪))」


93 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:43:38.43 ID:sjbG0ZpZ0


佐天「(それに御坂さん、まだ上条さんに勝ったことないって言ってましたよね? もしかしたら、弱点とか聞けるかもしれませんよ)」

美琴「(そ、そうね、弱点なら知りたいわ、ついでにアイツの好きなタイプとかも……って、ついでよ……ついでなんだから……ゴニョゴニョ)」

佐天「(これは打倒・上条さんに向けて、絶好の機会ですね!)」

佐天「((ここでいう打倒っていうのは、2つの意味でですけどwww))」

美琴「(ま、まぁ、佐天さんがそこまで言うなら? 暇つぶしがてら、聞いてみてもいいかなー?)」



佐天「そうこなくっちゃ! 御坂さん大好きー」ギュッ

美琴「ちょ、ちょっと佐天さん!?」


佐天「(むふふ……ツンデレールガン、一丁あがり〜っと)」ニンマリ


94 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:44:21.07 ID:sjbG0ZpZ0



(200号室)


イン「うーん」

イン「たしかに、何も知らない人がこの303号室をみたら、こもえが一番年下だって思うにちがいないんだよ」

イン「こもえ、小さくなるおくすりでも飲んでるのかな?」


イン「……科学の力って、やっぱりおそろしいかも」ブルブル


95 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:45:48.29 ID:sjbG0ZpZ0


イン「むむ、たんぱつとお花の女の子が何かコソコソしゃべってるんだよ、すごく聞きたいかも」

イン「そうだ、マイクのボリュームをもっと大きくすれば!」

イン「あれれ、ボタンはどれだったかな? もとはるのせいで途中から教えてもらってないんだよ……」

スフィ「にゃー」

イン「ねースフィンクス、知ってる?」

スフィ「にゃにゃにゃ!」ダッ


ポチポチポチポチ


イン「ちょ、ちょっとスフィンクス!? そんなにボタンたくさん押したら、ダメなんだよ!」

スフィ「にゃ?」

イン「ってあれ? たんぱつ達の声が大きくなったかも?」

イン「すごいすごい、お手柄なんだよスフィンクスー!」ナデナデ

スフィ「にゃー」ゴロゴロ



「……」ズズー


96 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:46:23.38 ID:sjbG0ZpZ0



≪現在の参加リスト≫


200号室:インデックス

301号室:{黒子・初春}{一方通行・打ち止め}

302号室:{黄泉川・御坂妹}{     }

303号室:{美琴・佐天}{小萌・土御門}


97 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:46:58.33 ID:sjbG0ZpZ0



(302号室)


御坂妹「しかし、この二人の組み合わせというのもなかなか珍しいですね、とミサカは部屋に充満する気まずい空気を暗に表現します」

黄泉川「まぁそう言うなよ、お前のことは打ち止めがよく話してるから知ってるじゃんよ」

御坂妹「では、ミサカの下着が青と白の縞模様であることもご存じなのですね? とミサカは教師という立場を利用したセクハラに断固抗議します」

黄泉川「……自分から発表してるじゃん」


98 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:48:39.31 ID:sjbG0ZpZ0



コンコン

ガチャッ


上条「失礼しまーす……どうも、黄泉川先生、御坂妹も」

黄泉川「おー上条か、お前と同じ部屋なら、さっき言ってくれれば良かったじゃんよ」

上条「いえいえ、実は俺もついさっき知ったんですよ、インデックスがお楽しみってことで」

御坂妹「ふふふ……これは、お姉様との争いを一歩リードするチャンス到来です、とミサカは内心ほくそ笑みます」ニヘラー

上条「お、おい御坂妹、よだれ垂れてるって」

青ピ「女子のよだれやて? んなんボクぁ大歓迎やで〜!」ニョキッ

上条「だから何でこのタイミングで出てくるんだオマエはっ!!」

御坂妹「よだれなら、お主自らいくらでも出せるではないかー、とミサカは自己紹介もせずいきなり入って来た無礼者を成敗致します」ズバッ

青ピ「ま、参りましたぁ〜」グハッバタッ

上条「って部屋の入り口で時代劇ごっこするなよ!」


黄泉川「なんだなんだ、この見た目も中身も軽薄そうなバカは?」

上条「あのですね、コイツは青髪ピアスっていって、俺と一緒で小萌先生のクラスの生徒です」

黄泉川「……あぁ、デルタフォースだっけ? 月詠センセから話は聞いてるじゃん」

青ピ「はい、わたくし青髪ピアス、愛する小萌センセのためなら、たとえ火の中ベッドの中!!」スクッ


黄泉川「(話に聞いてる以上の大バカじゃん)」


99 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:50:21.74 ID:sjbG0ZpZ0


青ピ「あらら、ってかよく見たら、前にカミやんと漫才やっとったコやんな?」

御坂妹「はいそうです、あなたの漫才もなかなかでしたよ、とミサカはてきとーーに相づちを打ちます」

黄泉川「なんだ、一方通行と組む前にもやってたのか、ちっとも知らなかったじゃん」

上条「はぁ、それは今となっては上条さんにとっての黒歴史でしてね……」


青ピ「その制服、キミ常盤台なん?」

御坂妹「いえ、これはお姉様と同じものを着ているだけです、とミサカは……」

上条「そ、そうそうそうだよなー、御坂妹?(頼む、説明するのめんどいから適当にゴマかしてくれ!)」チラッ

御坂妹「? はい、常盤台中学に通っています、とミサカは瞬時にトークの軌道修正を図ります」

青ピ「くーーっ、お嬢様学校、女子だけの秘密の花園……想像するだけで鼻血が出そうやわぁ」ブーッ

上条「いや、それ完全に出てるだろ」


100 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:51:43.44 ID:sjbG0ZpZ0


青ピ「……そういやさっきからカミやん、御坂妹ゆーとるけど、この子、御坂ちゃんってコの妹なん?」

上条「えっ? あ、あー、まぁそんなとこそんなとこ」

黄泉川「ちなみに御坂っていうのは、あの超能力者(レベル5)の御坂美琴のことじゃんよ」

上条「ちょ、黄泉川先生ぃぃっ!?」

黄泉川「(まぁまぁ、この大バカにはどうせ分からないじゃん)」

上条「(でももし妹達の話とかバレそうになったら……)」


御坂妹「ご存じないのですか? 学園都市最強の電撃使い(エレクトロマスター)、御坂美琴お姉様ですよ、とミサカは鼻高々に自慢を始めます」

上条「っておいおい、御坂妹まで!?」

御坂妹「(まぁまぁ、とミサカも同調します)」


青ピ「常盤台……電撃……ま、まさか、あのカミやんをいつも追っかけ回してるっていう……」ハッ

上条「ま、まずっ??」


101 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:52:45.81 ID:sjbG0ZpZ0


青ピ「か、カミやん!!」ギロッ

上条「はいぃぃっっ?」




青ピ「ボクが吉●家で一人さびしく牛丼を食べてる間に、カミやんは常盤台の漁れたてピチピチ姉妹丼を」




上条「言わせねええぇぇええよおおぉぉおぉぉぉおおおおっつっっ!!!!!!」バキイイイッ

青ピ「ぐはああああぁぁあぁっっ」


102 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:53:23.38 ID:sjbG0ZpZ0


青ピ「」


上条「ったく、青ピのヤロー……ちっ、手に血がついちまったぜ、って服にも!? はぁ、不幸だ」

御坂妹「よろしければハンカチをどうぞ、とミサカはここぞとばかりに気配りのできる女性であることをアピールします」

上条「おぉサンキューな御坂妹。ちょっとトイレで拭いてくるわ」スタスタ

御坂妹「……ミサカの健気なアピールは一体いつになったらあの人に届くのでしょうか、とミサカは自らの恋路の先行きを心配します……」



103 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:54:07.29 ID:sjbG0ZpZ0



(200号室)


イン「……」

イン「とうまは学校でも、いつもあんな感じなのかな」

イン「もしかして、とうまの成績が悪いのは、あの青い髪のへんな人のせいなのかも」

イン「友達付き合いって、むずかしいんだね」



イン「さーてっ、301号室はどんなかんじかな……」チラッ


104 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:55:17.27 ID:sjbG0ZpZ0



ザザザーーー


イン「あれ? 映像が、モニターに映ってないんだよ?」

イン「ねぇねぇスフィンクス、今度はどうすればいいの? ねぇってばー!」ギュッ

スフィ「にゃにゃっ!?」ジタバタ

イン「あーんもう、スフィンクスのばかー!」

イン「どうしようどうしよう、見たいんだよ見たいんだよー!」バンバンバン


イン「あ、あれ?」



ウィーーン



イン「……な、直った! あくせられーたもついんても、ちゃんと見えるんだよ!」

イン「なーんだ、叩いてれば直るなんて、科学も実はたいしたことないかも」フフン

イン「さ、続き見よーね、スフィンクスー」



「……」ズズー


105 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 22:56:05.08 ID:sjbG0ZpZ0



≪現在の参加リスト≫


200号室:インデックス

301号室:{黒子・初春}{一方通行・打ち止め}

302号室:{黄泉川・御坂妹}{青ピ・上条}

303号室:{美琴・佐天}{小萌・土御門}


106 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:01:32.20 ID:sjbG0ZpZ0
ちょいと補足。


>>99
漫才のくだりですが、ここは前作SSの設定を引き継いでいます(※この後も、たまーにあるかもしれません)。
気になる方は↓↓
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347971430/l50

このような誘導が適切かどうか分かりませんが、ご理解いただければと思います。


それでは、続きをば。
107 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:07:55.35 ID:sjbG0ZpZ0



(301号室)


黒子「はぁ……はぁ……な、なんだったんですの今のは」ゼーハー

初春「あの人が地面を踏みつけた瞬間、部屋中の物がいっせいに白井さんに向かって飛んできましたね……」

打ち止め「ツインテールのおねえちゃん、大丈夫? ってミサカはミサカは心配してみるんだけど」

黒子「え、えぇ何とか……それより、この殿方は本当に学園都市の第一位なんですの?」

打ち止め「うん、ベクトル操作って言って、あらゆる力の向きを変換・操作することができる能力なんだよ、ってミサカはミサカは解説者としての仕事を全うしてみたりー」

初春「(この能力、やっぱり!)」



黒子「あの」

一方通行「あァン?」

黒子「お名前、うかがってもよろしいですの?」

一方通行「……アクセラレータ」

黒子「アクセラレータ、ですの……随分と変わった名前ですのね」

一方通行「ちッ、変態ババア声に言われたくねェよ」

黒子「変態はともかくババア声とは、なんなんですの!」ムキー


打ち止め「二人とも仲直りしたみたいだねー、ってミサカはミサカはホッと一安心!」ニコニコ

初春「あはは、これ仲直りっていうのかな……」


108 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:08:48.78 ID:sjbG0ZpZ0


初春「あ、あのー」

一方通行「変態の次はオマエか、なンだァ?」

初春「私は初春飾利といいます。前に私のこと、助けていただきましたよね?」

黒子「あら初春、この殿方とお会いしたことがありまして?」

一方通行「はン? 知らねェな、人違いだろ」

初春「そんなことありません、確かに覚えてます。十月九日、学園都市の独立記念日、このアホ毛ちゃんに会った日です」

一方通行「けッ、勝手に言ってやがれ」


初春「ええ、それじゃあ勝手に言わせてもらいます」

一方通行「あァ?何をだ?」


109 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:09:29.19 ID:sjbG0ZpZ0



初春「……あのときは、本当にありがとうございます」ペコリ



一方通行「……おォ」



黒子「あら、素直じゃないですわね」クスッ

打ち止め「うん、この人は不器用なだけで、ほんとはすっごく喜んでると思うんだ、ってミサカはミサカは隠れた真実見抜く、見た目は子供で頭脳は大人、その名は名探偵コ……もごごごっ」

一方通行「おィクソガキ、勝手なこと口走ってンじゃねェ!(後半は権利的にもマズいぜェ!)」


110 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:10:33.13 ID:sjbG0ZpZ0


初春「ところで、アホ毛ちゃんの名前はなんていうの?」

打ち止め「ミサカの検体番号(シリアルナンバー)は20001号なのだー、ってミサカはミサカはみんなにだいぶ遅れて自己紹介をしてみる!」

一方通行「(ちっ、バカがっ!)」

初春「し、シリアルナンバーですか? それって、製品とか機械についてる……」

一方通行「ンなワケねェだろ、小学校で流行ってるスパイごっこのコードネームかなンかだろォ」サラットフォロー

黒子「あら、最近の小学生はずいぶんとマセた遊びをするんですのね」

一方通行「テメエも去年まで、ランドセルと仲良しこよしだっただろォが」

初春「ですよねー」

黒子「初春、あなたどっちの味方についてるんですの!?」


111 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:11:18.83 ID:sjbG0ZpZ0


初春「でも、よく見たら御坂さんに似てますよね? っていうか瓜二つのような」

黒子「確かに、わたくしのお姉さま秘蔵盗撮盗品コレクションの中にも小学生時代の写真がありますが、本当にそっくりですの」


通行止め「」


初春「……白井さん、二人とも引いてますって」

黒子「あら、わたくしのお姉さまへの愛が理解いただけないとは、残念ですわ」

初春「(ここまでド変態を貫いてると、もはやすがすがしいですね)」


112 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:12:12.61 ID:sjbG0ZpZ0


打ち止め「えーっと、ミサカがお姉様と似ているのは当然なんだよ、ってミサカはミサカは科学技術の発展に感心してみたり」

初春「お、おねえさま? ってことは……妹?」

一方通行「ちげェな、このガキは第三位の親せきだァ」メンドクセ

黒子「あら、ではなぜ“お姉様”とお呼びになるんですの?」

一方通行「それは……あれだ、小さいころからずっと一緒に遊んでたから、姉妹みたいなもンなンだろォよ」

打ち止め「そ、そう、そうなんだよーって、ミサカはミサカは空気の読める良い子を演じてみる」アセアセ

黒子「あら、そうだったんですの」


初春「でもこの前は、ファミレスにもクローンかよ!ってくらい激似な親せきがいたし……御坂さんの家系って、みんなそっくりなんですかねぇ」

一方通行「お、おォ、なンか発電能力系の人間の家系は、か、顔が似るらしいぞォ」

初春「あはは、なんですかそのつまらないボケはー!」

一方通行「ぼ、ボケてるわけじゃァないンですけどォ、なァァンちゃってェエ?」

一方通行「(くっ……、覚えてろよ第三位ィィッ!!)」


黒子「初春……あなたの頭の花、色がだんだん黒くなってますわよ」ゾクッ


113 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:13:36.32 ID:sjbG0ZpZ0



(200号室)


イン「花飾りの子は、見た目によらずけっこうキツイことを言うんだね……」

イン「あと、あくせられーたが周りのフォローに回ってるのを見るのは、なんか新鮮かも」



ガガガピーーー



イン「あれ? なんか音が聞こえなくなったんだよ」

イン「えーっと、こんな時は……」


イン「いけスフィンクス! ぼたんおしだ!」

スフィ「にゃにゃにゃ!」ダッ


ポチポチポチポチ


イン「うん! やっぱり音が大きくなったんだよ、スフィンクスはお利口さんだねー」ヨシヨシ

スフィ「にゃー♪」


114 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:14:38.29 ID:sjbG0ZpZ0



ザザザーーー



イン「こ、今度は映像が2つも映らなくなったんだよ……」

イン「えい、えいっ!」バンバンバンバン


ウイーーーーン…


イン「やっぱり戻った! これはもはや、魔術の完全勝利なんだよ!」ニンマリ


115 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:15:49.48 ID:sjbG0ZpZ0


…ガタガタガタガタ


イン「ふふん、私のあまりのすごさにモニターもガタガタ震えているんだね……って、ええ?」

イン「も、モニターが、なんか揺れてるんだよっ!?」

イン「ど、どうしようスフィンクス?」

スフィ「にゃあ!? にゃにゃにゃ!?」

イン「とととにかく何とかしなきゃ…… 止まれ!止まれ!」バンバンバンバン


ウイーーーーン….


イン「よ、良かった、止まったんだy」



プシューープシューープシューー
ピーピーピーピーピーピー



イン「こ、今度はけむりが出てきたんだよっ、それにへんな音も!!」

イン「どうしよう……これは未曽有の大ピンチかもっ!?」


116 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:17:34.96 ID:sjbG0ZpZ0





ガタッ





??「まったく……そんなに騒がれると、のんびりコーヒーも飲めないわ」




117 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:19:02.35 ID:sjbG0ZpZ0


イン「や、やっとしゃべってくれたんだね? とにかく何とかしてくれると嬉しいかも!」

??「はいはい、分かったからちょっと待ってなさい」



ポチポチ
カシャカシャ

ウイーン

ピッ





シーーーーン



イン「す、すごいんだよ! 見て見てスフィンクス、あっという間に元通りだよー!」

スフィ「にゃー!」

イン「でも、なんで急に変になっちゃったのかなぁ」

??「そりゃ、あんだけ乱暴に扱ったらこうなるわよ」

イン「そうなの? 科学のものは、やっぱりよく分からないかも」


118 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:20:13.67 ID:sjbG0ZpZ0


イン「それよりやっと自己紹介ができるね、私の名前はインデックスっていうんだよ!」

イン「ねぇ、あなたのお名前はなんていうのかな?」

??「あら、まだ言ってなかったかしら? 私は芳川桔梗よ」

イン「よろしくね、ききょう!」

芳川「……えぇ、こちらこそよろしく」


イン「でも、ききょうはすごいんだね! 私にはなにをどうやったのか、全然分からなかったんだよ」

芳川「これでも前は研究者だったのよ、機械をいじるのなんてお手の物だわ」

イン「ふーん」


イン「でも、それならもっと早く声をかけてくれれば良かったかも」ムスッ

芳川「……私、そっち方面は苦手なのよね」


119 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:20:43.87 ID:sjbG0ZpZ0



≪参加リスト≫


200号室:インデックス、芳川

301号室:{黒子・初春}{一方通行・打ち止め}

302号室:{黄泉川・御坂妹}{青ピ・上条}

303号室:{美琴・佐天}{小萌・土御門}


120 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/25(木) 23:32:07.42 ID:sjbG0ZpZ0
ということで、キリがいいのでここまで。

実は芳川さんも付いて来てた、というオチでした。いろいろと文中に散りばめておいたのですが、伝わりましたでしょうか。なにぶん、自分はこういう手法が好みなので……。

あ、もし分かっても予想の書き込みなどはご遠慮くださいね。


それでは。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/25(木) 23:32:31.08 ID:EcmFHHXi0
おつ
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/25(木) 23:33:19.56 ID:6mnoXPfD0

青ピの扱いがww
まあ青ピだからいっかww
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/26(金) 23:32:24.62 ID:s8e8+dZp0
乙?
青ピってホント便利だよな(笑)

続きも期待してます!!
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 00:40:34.78 ID:7p3rqvVA0
乙。前スレの>>1とは思えないくらい成長したな。
頑張ってくれ。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/29(月) 00:51:54.06 ID:0v/h750No
言われてみれば前スレはツッコミどころフルコースだったのに
今作は普通にホンワカできて面白いな
成長はえーよ
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2012/10/29(月) 19:14:07.60 ID:+KDwBZXJ0
ここスタートで前スレ見たけど、前スレ>>100くらいからなかなか面白い。
あと最初叩かれすぎワロタ(笑)

引き続き頑張れー
127 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 20:46:05.94 ID:VMjVd7Zb0
お久しぶりです。


こんなにコメントが!
驚き半分・喜び半分、という感じですが、とにかく読んで下さっている皆様、ありがとうございます!

>>122>>123
青ピと黒子は、困ったら変態モードにすれば何とかなる(?)ので、ホント助かってます。

>>124>>125
ウソでもお世辞でも、嬉しいです! もし最初から続けて読んで頂いているのでしたら、ただただ感謝です。
今後も謙虚に頑張っていく所存ですので、よろしければお付き合い下さい。


では、夕飯を食べ終わり次第、投下します。

128 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:29:25.66 ID:VMjVd7Zb0



(303号室)


美琴「さっきは失礼なこと言って、ごめんなさい」

小萌「もういいのです、先生慣れてますから」

佐天「はは、たしかに慣れてそう……」


美琴「私は御坂美琴っていいます」

小萌「もちろん知ってますよ、常盤台の超電磁砲(レールガン)ですよね?」

佐天「さっすがー、御坂さん有名人!」

美琴「もう、佐天さんったら」

土御門「まぁ、超能力者(レベル5)ともなれば、当然ぜよ」


小萌「私は月詠小萌といいます。よろしくなのです、御坂ちゃん」

美琴「はい、よろしくお願いします!」


129 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:30:08.30 ID:VMjVd7Zb0


佐天「ところで、上条さんって学校ではどんな感じなんですかぁ?」

土御門「カミやんか? (ま、まさか、ここにもカミやん病患者が……?)」

佐天「はい、なんか気になりますよねー、御坂さん」チラッ

美琴「ふえぇっ? ま、まぁアイツがどんなバカやってるかを聞いて、笑ってやりたいわねー」

土御門「(! なるほどな、この佐天涙子という女……できるぜい!)」


土御門「あいつは二十四時間・四六時中、不幸のオンパレードなんだにゃー」

小萌「時計が壊れて遅刻、宿題のプリントが水浸し、財布を忘れて昼ごはん抜き、補修に出れず再補修……挙げたらキリがないのですー」

土御門「おかげで、クラスメートからは“不幸の避雷針”としてありがたがられてるんだぜぃ」

美琴「やっぱりね……しっかりしなさいよ、もう」ボソッ


130 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:31:04.26 ID:VMjVd7Zb0


佐天「それでそれで?」

小萌「でも、ムードメーカーにもなれて、クラスの仕事は率先してやってくれる、そんなお人好しで優しい上条ちゃんを、先生は誇りに思うのです」

佐天「ふーん、そうなんですね」

美琴「ま、まあアイツ無能力者(レベル0)だし? それくらいやんなきゃバチがあたるわよ」

佐天「あはは……」


土御門「ところがどっこい、クラスの女子にも、結構人気あるんだにゃー」

美琴「!!」

佐天「そ、そうなんですか? いつもモテないモテない言ってるイメージが……」

小萌「上条ちゃんは鈍感の世界チャンピオンですからねー」

美琴「あああアイツが女子に人気? ないない、そんなのあるわけないですよぉぉおお」アセダラダラ

佐天「あのー、御坂さん? 声裏返ってますよ?(あちゃー、分かりやす過ぎ)」

土御門「汗もすごい出てるぜよ、クーラーの温度下げるか?(恋愛のレベルは0ってとこか)」

美琴「ずうぇえんずうぇえん、だいじょおおおおぶよぉぉ」パクパク


小萌「(ほほーう、そういうことだったんですね?)」チラッ

佐天「(はい、そういうことだったんですよ)」ニヤニヤ


131 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:31:49.53 ID:VMjVd7Zb0



ピロピロリーン


土御門「おっと、噂をすれば。カミやんから電話だ」

美琴「アイツから電話……?」ピクッ

土御門「すまんが、ちょっと席外すぜい」スタスタ


小萌「ふふふ、気になりますねぇ」

佐天「えへへ、気になりますよぉ」


132 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:33:44.40 ID:VMjVd7Zb0



バタン


小萌「とにかく!」エヘン

小萌「上条ちゃんを落とすには、回りくどい言葉やさりげないアピールではダメなのですよ?」

美琴「わわわ私は別に、落とすとか思いを伝えるとか、そんなんじゃ」

小萌「そうやって自分の気持ちに嘘をついていると、そのうち誰かにとられちゃいますよ、それでもいいのですか?」

美琴「うぅ……」

小萌「直球勝負はなにも男の子だけの特権ではないのです、相手の目を見て、思いっきり投げ込むのです!」ビシッ

美琴「相手の目を見て……////」カアアッ


佐天「(天下のレベル5に恋愛のアドバイスをする女児……、くーっ、シュールすぎるぅっ)」パシャッ

佐天「(よし初春に写メっと……あれ? この部屋圏外じゃん、もうなんなのよこんな時にー)」


133 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:34:56.40 ID:VMjVd7Zb0


美琴「で、でも私、アイツにいつも電撃浴びせたり文句言ったりしてるから、きっと私のことなんて……」グスン

佐天「(いやいや、今のうるうる顔見たら、たいていの男の人はイチコロでしょー!)」


小萌「御坂ちゃん、恋愛成功の秘訣は何だか、知ってますか?」

美琴「?」

小萌「それは自分に自信を持つこと、なのですよ?」

美琴「自分に自信を、持つ……」

小萌「自分で好きになれない自分を、他の誰かが好きになってくれるほど、世の中甘くないのです」

美琴「……」

小萌「だから、自分の気持ちを信じて、まずは一歩、踏み出してみるのです」

小萌「そうすれば、きっと上条ちゃんもそれに応えてくれるのですよ?」

佐天「そ、そうですよ御坂さん! 今日をその第一歩にしましょう、そうしましょう!」

美琴「一歩……」


美琴「まずは一歩、か……」


134 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:35:59.55 ID:VMjVd7Zb0



コンコン



佐天「あ、土御門さん戻ってきたのかな」



ガチャッ



佐天「お帰りなさい、上条さん何の用だったんですか……」


135 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:37:45.51 ID:VMjVd7Zb0




佐天「って、か、上条さんっ!?」



小萌「!」



美琴「(う、ウソウソ!!??)」



136 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:42:05.65 ID:VMjVd7Zb0


土御門「すまんすまん、カミやんがどうしてもこの部屋に来たいって言うから、連れてきたにゃー」

上条「ど、どうも御坂さん」

美琴「?」

土御門「って、緊張で何かしこまってるんだにゃー?」バシッ

上条「ひいいぃっっ! わ、わりぃわりぃ」


佐天「(なんというタイミング! さては土御門さん……で、できる!)」

小萌「(こういうことに関しては、土御門ちゃんはホント鼻が利くのですねー)」

美琴「ななななななな、何しに来たのよアンタっっ??」

美琴「(ってマズいマズい、心の準備が!!)」バクバク


137 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:42:52.33 ID:VMjVd7Zb0


上条「い、いや、土御門から御坂が俺の話をしてるって聞いてさ」

美琴「! ちょ、ちょっと!」グイッ

土御門「そんなに慌てて、一体なんぜよー」


美琴「(アンタ、どこまで話したのよ?)」ボソッ

土御門「(大丈夫、好きのキの字も出してないにゃー)」ニヤリ

美琴「(ってことはスは出したんかーーい!!)」ビリビリ

美琴「(って、あれ……? なんか緊張が解けた、みたい?)」


138 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:47:47.28 ID:VMjVd7Zb0



上条「なぁ、御坂」

美琴「ふ、ふぇっ?」

上条「今日は、来てくれてありがとうな」

美琴「う、うん」

上条「俺なんかの頼み、まさか聞いてくれるとは思わなかったよ」

美琴「べ、別に……」


上条「俺はドンくさいし、不幸体質だし、無能力者(レベル0)だし、お前とは住む世界も何もかも違う」

美琴「ほ、ホント、すぐ面倒に巻き込まれるし、おせっかいだし、あきれるくらいの怖いもの知らずだし」

小萌「(み、御坂ちゃん! 素直になるのですよ!)」アワワ

佐天「(深呼吸です、御坂さん!)」アセアセ



美琴「でも、アンタはいつだって優し――――」



139 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:48:21.41 ID:VMjVd7Zb0




上条「――――それでもそんなお前を、お前の周りの世界を、俺は守りたいと思う」




140 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:49:19.99 ID:VMjVd7Zb0




美琴「…………?」




上条「なんてな、ちょっとキザすぎたかな」


佐天「(ま、ま、まさかの上条さんからのアプローチ!?)」

小萌「(な、な、なんなんですかこの漫画みたいな展開は!?)」



上条「いきなりゴメンな、それだけ言いたかったんだ」

美琴「え、えっと////」カオマッカ

上条「それじゃ、な」


141 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:50:23.91 ID:VMjVd7Zb0



バタン


美琴「………………」

佐天「……」

小萌「……」



土御門「いやー、しっかし、まさかの展開だったにゃー」

佐天「って、連れて来たの土御門さんじゃないですかぁ!! もうビックリして心臓何回か止まりましたよー」

小萌「ほんとうなのです、サプライズをするならちゃんと教えておいて欲しいのです!」

土御門「すまねえですたい、カミやんが急に言ってきたもんで」

佐天「というか月詠先生、事前に教えたらサプライズでもなんでもないですって」


土御門「とにかく驚かせて悪かったな、超電磁……砲?」チラッ



142 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:51:11.59 ID:VMjVd7Zb0




美琴「ふ、ふにゃーーーーーー////////」トローーーーン



佐天「み、御坂さん!? いや、これはもはや御坂さんではない!?」

小萌「緊張から解き放たれたと思ったら、目の前であんなこと言われて……こうなっても仕方がないのです」

佐天「でも、とりあえず第一歩は踏み出せたんじゃないですかね?」

小萌「というより、上条ちゃんが十歩くらいすっ飛ばしちゃったような……」

佐天「ですねー」

土御門「だにゃー」



佐天「あー、あまりの急展開で、なんか頭が痛い……、あたし外の空気吸ってきまーす」


143 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:52:20.61 ID:VMjVd7Zb0



テクテク


佐天「おっ♪」



佐天「上条さーん!」

上条「! は、はいー?」

佐天「ちょっとー、何かそっけなくないですかぁ?」

上条「い、いや、さっきあんなこと言った手前、冷静になってみるとなんかこっ恥ずかしくてさ」アセ

佐天「またまた照れちゃってー、でもカッコよかったですよ?」

上条「自分としては複雑なんだけどな……土御門のヤロー」

佐天「ぜんぜん複雑なんかじゃないですよ、だって御坂さんも……(って、おっと)」

上条「なんだ?」

佐天「いえ、何でもないでーす」


佐天「(ここから先は、御坂さんが一歩、踏み出すんですもんね!)」

上条「そっか、じゃあ俺戻」


144 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:53:06.49 ID:VMjVd7Zb0


佐天「あれ、そのポケットに入ってるもの、何ですか?」

上条「ん、ポケット?」

佐天「……石、ですかね?」

上条「って、!!!!」サットカクス

佐天「む、動揺してますね? 上条さん怪しいですよ〜」ニヤニヤ

上条「こ、これはだな、えーっと、その」


佐天「はっはーん、佐天涙子、分かっちゃいましたよー?」

上条「! ちが、これは……」


145 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:53:56.94 ID:VMjVd7Zb0


佐天「ズバリ!! 御坂さんへの、プレゼントですね??」デデーン

上条「」

佐天「さっきの突然の訪問で御坂さんの気持ちをグッとつかみつつ、今日の帰り道にでも渡しちゃうつもりなんですね! しかも宝石ですか? くーっ、上条さんってば見かけによらず甘甘ぁ!!」

上条「はは、ば、バレちゃったみたいだな」

佐天「大丈夫です、こう見えてあたし口は堅いですから! ぜったい御坂さんには言いません!」

上条「そうしてくれると助かるよ……」


佐天「それじゃ、また後でー」

上条「おう、じゃあな」



テクテク


佐天「ひゅーひゅー、上条さんやるぅ♪ もうすぐカップル誕生かぁ!」ウキウキ


146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/31(水) 21:54:47.66 ID:wscZO/Hj0
この上条まさかエツァ…
147 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:55:07.87 ID:VMjVd7Zb0



(302号室)


黄泉川「ふーん、お前、犬を飼ってるじゃん」

御坂妹「はい、黒くて小さいイヌを飼っています、とミサカは懇切丁寧に説明します」

黄泉川「それならいいことを教えてあげるじゃん?」

御坂妹「ほう、気になりますね、とミサカは大げさに食いついてみます」

黄泉川「犬は集中力の持続がせいぜい10分までだから、しつけや遊びもそれまでに終わらすじゃん」

御坂妹「ふんふん、それで?」

黄泉川「それから、10分の遊びを1回よりも、2分の遊びを5回みたく分けてやると、より効果が出るじゃんよ」


御坂妹「なるほど。ですが」

黄泉川「なんだ、質問か?」


148 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:56:02.99 ID:VMjVd7Zb0


御坂妹「ミサカの飼っているイヌは、集中は2分も持ちません、とミサカは黄泉川理論に反する事実を残酷にもつきつけます」

黄泉川「そ、そんなはずないじゃん、2分も集中力が続かない犬なんて、猫じゃあるまいし聞いたことないじゃんよ」

御坂妹「えぇ、ですから……」

黄泉川「?」



御坂妹「ミサカが飼っているのは、“イヌ”という名前の猫なのですよ、とミサカはここにオチの完成を高らかに宣言します」ドヤッ

黄泉川「お、お前っ!!」

御坂妹「イヌ……猫なのにイヌ……フフッ」

黄泉川「ったく教師をからかうとは、お前良い度胸じゃん。覚えとけよ?」


149 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:56:54.20 ID:VMjVd7Zb0



御坂妹「その2つの巨大な物体は、どのようにして作られたのですか? とミサカは自らのものとの違いに絶望しつつも質問します」

黄泉川「ん? 別に、気が付いたらこうなってたじゃん」

御坂妹「あなたは今、世の女性を敵に回しましたね……とミサカは無神経な発言に怒りを覚えます」ワナワナ

青ピ「いや〜、巨乳はすべての男子の憧れ、黄泉川先生サイコーや!」

黄泉川「男が男みんな好きな訳ないじゃんよ。現にお前はロリが好きなんだろ、ロリはペチャパイが定説じゃん」

青ピ「ボクぁロリが好きなンちゃうでー、ロリも好きなんやでー」キリッ

黄泉川「(こ、コイツ、救いようのないバカじゃん)」

御坂妹「(その点に関しては全力で同意します、とミサカは一時休戦を申し入れます)」


青ピ「よっしゃー、本日2度目の……ロリは永遠なり、ロリこそ真理やでー!!」グッ


150 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 21:57:28.11 ID:VMjVd7Zb0



ガチャッ


黄泉川「お、上条、戻ってきたか」

青ピ「カミやん、どうしたん? なんか疲れが顔に出とるでー?」

上条「い、いや……Tシャツについた血が、取れなくてさ、ハハッ」

青ピ「そかそか、それはとことん不幸やなー」

上条「って、オマエのせいだろーがあぁっっ!!」


151 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:29:08.92 ID:VMjVd7Zb0



(200号室)


モグモグ


イン「むむ、肉野菜炒めという料理は、こんなにも肉が入っているものだったんだね! 新たなる発見なんだよ、スフィンクス!」

スフィ「にゃー」

イン「あれもこれも、みんな美味しいんだよ」ムシャムシャ

芳川「あら、それは良かったわね」ズズー

イン「うん、たかがルームサービスと侮っていた私が、ばかだったんだよ!」


イン「あ、もしもし? Lサイズのピザを3枚と、カルボナーラを2つ、なるべく早く持ってきてほしいかも」

スフィ「」

芳川「にしてもそれだけの量、その小さな体のいったいどこに入っているのかしら……ふふふ、研究者の血が騒ぐわね」ニヤリ

イン「き、ききょう、目がこわいんだよ……」


152 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:30:25.85 ID:VMjVd7Zb0


イン「ふーっ、お腹もいっぱいになったし」

イン「とうまたちも、だいぶ打ち解けてきたみたいだね!」


イン「301号室は、顔見知りが多かったのか、あくせられーたを中心にすごく楽しそうなんだよ」ニコニコ

イン「302号室は、青い髪のへんな人とくーるびゅーてぃに、とうまが振り回されてるね」アハハ

イン「303号室は……たんぱつは素直じゃないよね、まぁ気持ちは少し分かるかも」ハァ


イン「って、とうま、いつの間に移動したのかな!? 部屋を行ったり来たり、勝手な行動は困るんだよ!!」プンスカ

イン「これはちょっとお仕置きをしないとダメかも」


イン「そうだ!」


153 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:31:04.42 ID:VMjVd7Zb0


イン「ねーききょう、とうまが今いる302号室の音声を、他の部屋に流すことってできるの?」

芳川「できるけど……そんなことして何になるのかしら?」

イン「ふっふーん、それは見てのお楽しみなんだよ♪」フッフッフーン

芳川「面倒なことになっても、責任は取らないわよ」

イン「いいからいいからー」

芳川「はいはい」ピッピッ


154 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:31:54.06 ID:VMjVd7Zb0



(301号室)


打ち止め「あれ、なんかヒーローさんの声が聞こえてくるよ?って、ミサカはミサカはこのサロンの防音設備に不安を覚えてみる」

黒子「これは……別の部屋の音声がそのまま、流れてきていますわ」

初春「ほんとだ、会話の内容はアクセラレータさんについて、ですかね?」チラッ

一方通行「はン、興味ねェなァ」


155 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:33:34.05 ID:VMjVd7Zb0


・・・・・・


黄泉川『しかし上条、今日はどうしてこんなメンバーになったじゃん?』

青ピ『確かに、ボクやつっちーはカミやんに誘われたからいいとしても、お嬢様にJCにロリに巨乳……カミやんはいったいどんなネットワークを持ってるんや? くーっ、羨ましいでー』

上条『お前……もう少し言い方なんとかなんねーのかよ』

青ピ『ん? 羨ましいなぁ、のほが良かったかんか? あんま変わらん気ぃするけど』

上条『そこじゃねーよ!』バキッ

青ピ『がはあぁぁっっっ』

黄泉川『(この大バカにいちいち突っ込むとは、コイツも超のつくお人好しじゃん)』

御坂妹『(そこがこの人の憎めない良いところなのですよ、とミサカは思い人の魅力を存分に語ります)』



156 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:34:45.71 ID:VMjVd7Zb0


青ピ『』ピクピク


上条『ったく……メンバーはですね、俺が一方通行と御坂に頼んで集めてもらったんですよ、あいつらなら信頼できますからね』

黄泉川『ふーん、一方通行を信頼するなんて、ガキにしては珍しいやつじゃん』

御坂妹『どちらかといえば敵の方が多い、いや本人が味方を作ろうとしないといったほうが正しいですね、とミサカは彼を取り巻く環境を端的に表現します』


上条『あいつは……これまできっと感情を押し殺して生きてきたんだ、そういう周りに対する接し方とか自己表現とか、まだ良く分からないんだと思う』

上条『それでも、何だかんだいって俺のわがままに付き合ってくれたり、インデックスや打ち止めの世話をしてくれたり……根はスゲエ思いやりのある、優しいやつだと思うんだ』

上条『ま、皮肉ももれなくセットでついてくるけどな』ハハッ

御坂妹『できれば思いやりや優しさだけ、単品で注文したいものですね、ミサカはファーストフード店を使ったうまい例えをドヤ顔で披露します』

黄泉川『ダメダメ、それだと一方通行じゃなくなるじゃん、アイツはアイツのままでいいじゃんよ』

上条『たしかに、そうかもしれないですね!』


157 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:35:50.36 ID:VMjVd7Zb0


・・・・・・


一方通行「……チッ、なーに言ってやがンだ、揃いも揃って勘違いのバカ共がァ」

一方通行「平和ボケでもしてンのか、虫唾が走るぜェ」

打ち止め「もう、素直じゃないんだからー、ってミサカはミサカは物分かりの悪い息子のおしりをペンペン叩いてみる!」

一方通行「な、なにすンだクソガキィっっ!!」


黒子「はぁ、何なんですの? このベッタベタなやりとりは」

初春「まーまー、微笑ましくていいじゃないですか」


初春「おっ、次は御坂さんの話になりましたよ? 御坂さんもこの音声、聞いてるのかな……?」


158 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:37:05.12 ID:VMjVd7Zb0


・・・・・・


黄泉川『で、御坂ってのはあの超電磁砲のことじゃん? あんな有名人とお前みたいなバカが、どうしてつながってるじゃんよ?』ニヤニヤ

上条『あー、それは何というかですね……』

御坂妹『お姉様が一方的に付きまとっているのですよ、とミサカは助け船を出します』

黄泉川『ん、それって一般的にみたら嬉しいことじゃん? 常盤台のお嬢様に思いを寄せられてる、ってことなんだろ?』

上条『はぁ、だったら上条さんも苦労しないですよ』

黄泉川『?』


上条『アイツ、毎日のように公園で俺を待ち伏せしては、電撃浴びせて来るんですよ? レベル5の電撃とか、少しでもくらったら即死だっつーの』

上条『しかも会えばバカだの鈍感だの無神経だの……こっちが年上なのに、もはや人として見てないんですよね、俺のこと』

上条『俺が女の子と話してると、いっつも邪魔してくるし……上条さん至福のひと時を、なんでブチこわすかなぁ』

上条『それじゃーってことでたまにこっちから会話しようとすると、顔真っ赤にして何もしゃべらなくなるとか……俺がいつオマエの機嫌を損ねたんだよ、と』



黄泉川『』

御坂妹『』


159 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:38:01.92 ID:VMjVd7Zb0


上条『って黄泉川先生、聞いてますか?』プンプン

黄泉川『お、おう、もちろん聞いてるじゃん』

上条『この前なんかですね……』


黄泉川『(ダメだ、こいつは手に負えないタイプの鈍感ヤローじゃんよ)』

御坂妹『(えぇ、しかし相変わらず凄まじいフラグの折りっぷりですね、とミサカはお姉様への同情の念を禁じ得ません)』


160 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:38:36.67 ID:VMjVd7Zb0


上条『だいたい、アイツの周りにいるやつが、注意とかしないもんですかねえ?』イライラ

上条『とくにあの白井黒子とかいう生意気なJC! じゃっじめんとですの〜とか粋がってるくせに、身近な人間のことは見て見ぬふり、ってかぁ?』

上条『そもそも、血もつながってねえのにお姉さまとか、御坂妹に失礼だろーが』

御坂妹『純粋な血液という意味ではミサカもつながっていませんが、とミサk』

上条『しゃべり方はババくせえし、髪の毛は長くてうっとうしいし……あーやだやだ』


161 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:39:16.55 ID:VMjVd7Zb0


・・・・・・


初春「(……ま、マズい! マズすぎますって上条さん! 本人に丸聞こえですから!)」

初春「あ、あのー、白井さん? これは何かの間違い……って、あれ?」

打ち止め「つ、ツインテールのおねえちゃんなら、さっきものすごい形相で部屋を出て行ったよ? ってミサカはミサカはこれから起こることを想像して恐怖に震えてみる……」ガタガタ

一方通行「……まァ、香典は弾んでやンよ、三下ァ」


162 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:40:29.18 ID:VMjVd7Zb0



(302号室)


黄泉川「か、上条……いくらなんでも言い過ぎじゃん?」

御坂妹「とりあえず落ち着いてください、とミサカは深呼吸をし一杯の水を飲むことを提案します」サッ

上条「これが落ち着いていられますか。上条さんだって、たまにはストレス発散したいんですよー!」

上条「あぁ! 何か叫んでたら気分悪くなってきた! なんかスッキリしたいなー」


163 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:41:26.62 ID:VMjVd7Zb0



ガチャッ


上条「あれ、頼んでないのにルームサービス? ちょうどいいや、マッサージとかやってもらえたりします?」

??「はーい、マッサージですねぇ♪ かしこまりましたぁ♪」

??「当店のマッサージはとても評判ですのよ?」

上条「そうなんですかー、そりゃ楽しみだなー」


164 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:42:23.51 ID:VMjVd7Zb0



??「ええ、あまりに気持ち良くて……」


上条「?」









美琴「心臓が止まっちゃうかもねええええぇぇぇえぇえぇえっっっ!!!!!!」



上条「って、みみみみさかさーん????」



165 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 22:44:12.79 ID:VMjVd7Zb0




美琴「黒子ォォォォォォォォ!!!!」バチバチ




黒子「お姉さまっっっっっっ!!!!」ヒュン




美琴「これが私の…………」


上条「まてまてまてまて、話せば分か」







美琴「全力っっっだああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」ビリビリズドーン





166 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/10/31(水) 23:04:21.14 ID:VMjVd7Zb0
と、今日はここまでです。

アニメ超電磁砲の名シーンとか、猫なのにイヌとか、書きたいものを詰め込んだらこうなりました。

それではー
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/31(水) 23:05:45.07 ID:spFnu1D6o
おつ、上条さんも正論お疲れ様です
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/31(水) 23:07:06.65 ID:mEjmfo6Mo
>>146でやっとわかった
石ってのは黒曜石ナイフかな?

169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/31(水) 23:07:59.33 ID:vgLJIo7ho


これは上条さん悪くないよなあ…
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 21:15:22.59 ID:RjEi/PIV0
上条さん……、ストレス溜まりすぎだろ。
いやまあ、言っていることは何も間違っていないんだがな。
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 06:39:26.55 ID:Nx0D4GLxo
黄泉川さんは上条さんの言葉を聞いててさらに中学生2人の攻撃も見たことになるわけで
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/02(金) 19:20:28.99 ID:37n1DjqG0
おっつ?

>>171
??
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 20:16:25.74 ID:D3Siw3g5o
>>172
上条さんが
「御坂がいつも攻撃してくるし、しかもそれを風紀委員の白井が見逃してる」
みたいなことを言ってるのを聞いてて、さらにその2人は今実際に能力を使って攻撃に来たわけだから黄泉川さんも黙っちゃいれんよねって思っただけ、すまん

174 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 20:56:22.24 ID:iuDZX6l00
こんばんわ。ちょっと空いてしまいましたが、今晩投下します(10時頃〜?)。

みなさん、いつもコメントありがとうございます。

>>171
そこまで深く考えてませんでした!
黄泉川先生的には、「男女の痴話ゲンカ」みたいな感じに捉えた、という感じで書いていました。
詳しくは続きの文中で。
175 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:02:54.21 ID:iuDZX6l00



イン「な、なんか、上の階からすごい音がしたかも……見に行くんだよ」トテトテ



イン「とうまーっ!!」


176 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:03:49.82 ID:iuDZX6l00



ガチャッ



上条「」グッタリ

御坂妹「」ポカーン
黄泉川「」ポカーン
青ピ「」ピクピク



イン「これは、ど、どういうことなのかな、たんぱつ!?」

美琴「どうもこうもないわよ、コイツが私達の悪口をペラペラとしゃべるもんだから、その仕返しよ!」

美琴「あんなことみんなに聞かれるとか……は、恥ずかしいじゃない……」モジモジ

黒子「まったく、何なんですのあの声真似はっ? ぜんっぜん似てないですの、わたくしはもっと品のある清らかな声ですのよ」ムキー

美琴「後半に関しては同意しかねるわ、黒子」

黒子「だいたい、陰口ならまだしも、本人に直接聞こえるように音声を流すなんて。あぁ、なんたる下衆の極み!」


イン「そ、それは」アワワッ


177 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:05:00.47 ID:iuDZX6l00



上条「」ムクッ



美琴黒子「「!!」」



上条「ぐっ……今回ばかりは、ちっとばかしこたえたぜ」イテテ

美琴「……アンタ、あれで死なないとかどうかしてるわよ」

上条「あのー、殺す気で電撃ってのは、ちとマズいんじゃないでしょうか?」

美琴「そんなこと言って、ピンピンしてるくせに。あーもう、ホントむかつくー」


黒子「まったく、しぶとい殿方ですわ。さしずめ、生への欲求が人一倍、といった所でしょうか」

上条「し、白井ぃ? せ、性への欲求って、やっぱり上条さん溜まってるのバレちゃってます?」

美琴「ちょ、ちょっと//// 女の子の前で、何てこと言ってんのよアンタはーっ!」ポカポカ

上条「うわわっ、何すんだよビリビリ!?」

美琴「ビリビリってゆうなー!」

黒子「」イライラ


178 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:07:07.76 ID:iuDZX6l00


イン「と、とうま、身体はホントに大丈夫?」

上条「あぁ別になんともない、そんなことより」

イン「どうかしたの?」


上条「そんなことより、どういうことか説明してもらおうか、インデックス!」

美琴「?」

黒子「?」

イン「な、なーんのことかなっ?」

上条「お前……」


上条「なーんのことかな、じゃねーだろ!! さっきの話聞いてたぞ、どうして俺がいた302号室の会話の内容を、他の部屋にいたはずの御坂と白井が知ってるんだよ!!」

イン「!」ギクッ

美琴「そ、それは、いきなりアンタの部屋の音声がうちの部屋に勝手に流れてきて……」

黒子「あら、わたくしたちに嫌がらせか何かのつもりで、あなたがおやりになったのではなくて?」

上条「そんなことするかよ! ったく、こっちだって寝耳に水なんだから」

美琴「え? それってどういうこと?」

上条「さーて、納得できるように説明してもらお」クルッ



ソローリ....



上条「って何こっそり逃げようとしてんだああああああああ!!」

イン「ひいいぃっっ!! 話す、話すんだよっっ……」


179 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:08:20.90 ID:iuDZX6l00



カクカクシカジカ
シカクイムーブ



美琴「なーんだ、そういうことだったの」

イン「うん、ちょっとしたいたずらのつもりだったんだけど」

上条「いたずらなんつーカワイイ言葉じゃ済まねーだろうがっ! こっちは危うく死ぬところだったんだぞ?」

イン「うぅ……ごめんね、とうま」

黒子「時にシスターさん、自分ではそのつもりが無くても知らず知らず他人に迷惑をかけてしまう、そういうこともありましてよ」

イン「め、面目ないかも……」


180 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:10:16.37 ID:iuDZX6l00


イン「」シュン


美琴「にしても変だと思ったのよね、いきなりアンタの部屋の音声が入ってくるなんて」

上条「ったく勘弁してくれよ、もう」

黒子「勘弁してほしいのはこちらですの、あんな薄汚い言葉でレディを罵るとは」

上条「ソレニツキマシテハ返ス言葉モアリマセンデス」


美琴「でも、アンタが私のこと、あんな風に思ってたなんて……」

上条「い、いやぁ、それも見解の相違というかですね」イイワケ

美琴「さっきはあんなこと……あんなこと、目の前で言ったくせに……何だったのよ、もう」カアアッ


181 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:10:44.95 ID:iuDZX6l00





上条「ん、さっき?あんなこと? 何だそれ」





182 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:11:30.79 ID:iuDZX6l00


美琴「なっ……!? あんだけのこと言っておいて、自分だけ忘れるつもり? 人をさんざん振り回しておいて、信じらんないっ」ビリビリ

上条「えーっと、御坂さん? わたくし上条当麻、話がぜーんぜん見えないんですけど」

美琴「だから!! さっき土御門と一緒に、私達の部屋に来たでしょーが!! そのあと……ゴニョゴニョ」

黒子「ぬわあああんですってぇ!? あなた、わたくしのいないところで、お姉さまと密会をっ!?」

上条「ちょっ、誤解だって白井!」

黒子「誤解? あなたの言動はどうもいまいち信用なりませんの」

上条「信用もなにも、御坂とは最初の受付のあと、今の今まで一度も会ってねーよ!」


美琴「……えっ?」


183 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:12:47.80 ID:iuDZX6l00


美琴「え?え?」

上条「だから、お前の部屋なんて行ってないって」

黒子「……お姉さま?」

美琴「ちょ、ちょっと何言ってんのよ、電撃くらって頭のネジ外れちゃった?」

上条「は? お前の方こそ、何言ってんだ?」

美琴「もうや、やめてよねー、また記憶喪失にでもなったとかいうクチ?」

上条「はぁ、身に覚えのないことで中学生に怒鳴られるなんて、不幸だ……」ガクッ

黒子「あのお姉さま、先程からこの類人猿と話が噛み合っていませんが、どうかなさいまして?」



美琴「(どういうこと……一体何がどうなって……?)」

上条「おーい、ビリビリー?」



美琴「ま、まさか!!!!」


184 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:13:14.01 ID:iuDZX6l00



ダーーッシュ



上条「な、なんだったんだ?」

黒子「お姉さま……?」


185 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:15:05.78 ID:iuDZX6l00



(3階の廊下)



スタスタ



美琴「!」



??「よくやってくれた、あとはバレないように……」

美琴「ちょっとアンタ! 待ちなさい!」


186 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:15:56.14 ID:iuDZX6l00


土御門「っと!! お、おぉ、じゃあそういうことで頼むぜよ〜」ピッ


土御門「すまんすまん、ケータイで電話してたとこだにゃー」

美琴「……」

土御門「で、どうした超電磁砲? カミやんならたぶん元の部屋に……」

美琴「いい加減、その白々しい演技やめなさいよ」

土御門「な、なんのことだにゃー?」

美琴「あら、知らなかったの?」スッ

土御門「なんだいきなり携帯電話って、自分の待ち受けでも自慢する気……」



土御門「!」ハッ


187 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:16:40.12 ID:iuDZX6l00


美琴「そう、このサロンは、部屋の中も廊下も……」

美琴「圏外なのよ」

土御門「!!」

美琴「……さぁ、観念して、どういうことか話してもらいましょうか」

土御門「えーっと、何を話せばいいんだにゃー? カミやんの好きなタイプなら知ってるぜい?」

美琴「アンタ、この期に及んでまだしらばっくれるつもり?」

土御門「あーりゃ、なーんか話が見えないぜよ」チラッ


188 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:17:31.34 ID:iuDZX6l00


美琴「ふん、まあいいわ」


美琴「アンタが話す気がないなら……」

土御門「ここはひとまず撤収、ってな感じはどうかにゃー?」チラッ

美琴「……お友達にでも、聞いてみようかしらね!!」

土御門「ま、まず……!!」




美琴「ほーら、隠れてないで出てきなさいよ――――――」ガバッ




189 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:18:15.62 ID:iuDZX6l00








美琴「――――――海原光貴!!!!!!」








190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 22:22:13.85 ID:weqhjYi40
上条さん、皮膚をごっそり持ってかれてるんじゃね

いたそう
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 22:23:04.19 ID:svz/G6Nto
海原でもないけどね
192 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:49:12.44 ID:iuDZX6l00



(303号室)



シーーーーン


土御門「……」セイザ
海原「……」セイザ



佐天「えーっと御坂さん、年上の男の人2人も正座させて、これは一体? ってか片方は知らない人なんですけどっ?」

小萌「さっき御坂ちゃんが出て行ったあと、ものすごい音がしましたが……、そのことと何か関係があるのですか?」

小萌「確かに上条ちゃんはちょっと言い過ぎだったって、先生も思いますよ、だからだから」

佐天「あの、聞いてますか御坂さーん? 顔がすごくこわ」

美琴「2人は少し黙ってて!!」


佐天&小萌「「は、はいいぃっっ」」


193 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:50:33.32 ID:iuDZX6l00



美琴「さて、と」


美琴「洗いざらい、白状してもらうわよ!」




土御門「で、どこで分かった、超電磁砲?」


194 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:55:56.91 ID:iuDZX6l00


美琴「……サロンに到着して、受付でしゃべったとき」


美琴「アイツ、携帯を家に忘れたって言ってたのよね」

美琴「それなのに、さっき303号室にいたときアイツからアンタに電話があった。最初に不自然さを感じたのは、ここ」

土御門「サロンの固定電話という可能性は?」

美琴「関係ないわ。だって、この部屋が圏外なんだから、どっちにしてもアンタの携帯に着信はないはず」

美琴「よってあの電話はフェイク、そうでしょ?」

土御門「……続けろ」



美琴「しばらくしてアンタが連れて来た“アイツ”、その第一声。今思うと、あの時点で気づくべきだったわ」

土御門「ちっ、やっぱりか……お前のミスだぞ、海原」

海原「すみません、呼び捨てにはどうしても抵抗がありまして」

美琴「土御門の不自然な言動と、あの第一声。それにアイツが言ってた、皮が剥がれたっていう怪我」

美琴「この情報を総合し演算、はじき出される答えは……」


海原「自分というわけですか。さすがは御坂さん、降参です」

美琴「ふん、伊達に超能力者(レベル5)やってないわよ」


195 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 22:57:15.86 ID:iuDZX6l00


佐天「ちょ、ちょっとストーーーーップ!! 話が見えないんですけど!?」

小萌「そうなのです、この男の子は誰なのですか?」

美琴「あー、コイツ?」

美琴「コイツは……、そうね、肉体変化(メタモルフォーゼ)の能力者、ってとこ。一時的にだけど、他の人間になりすますことができるのよ」

美琴「(って、本物の海原光貴は、念動力(テレキネシス)の能力者だっけか)」

海原「まぁ、いろいろと準備が必要なんですが」

土御門「その準備に走り回ったのは、ほとんど俺なんだけどにゃー」

土御門「(カミやんの皮膚ゲットに、口調のレクチャー。いろいろ大変だったぜい)」


小萌「でもでも、肉体変化は学園都市でもかなり希少な部類の能力なのですよ?」

佐天「すごいですね、そんな能力があるなんて!」

佐天「あれ? ってことは?」

小萌「はい、話の流れから考えると……」


196 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:00:34.04 ID:iuDZX6l00



美琴「そう、さっき私たちの部屋に来たのは、コイツ」



佐天&小萌「「ええええぇぇぇぇっっ????」」

佐天「でもでも確かに……思い返してみると、ちょっとタイミング良すぎる感はあったかも」

小萌「何より、上条ちゃんが女のコにあんなに積極的になるなんて、ありえないのですよ」

美琴「ホントそうよね、一人で舞い上がってた私がバカだったわ」ハア

美琴「だいたい、なーんであんなヤツにこの私が振り回されなきゃいけないのよ……」



土御門「――――まったく」スクッ


197 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:02:04.42 ID:iuDZX6l00


美琴「ちょ、ちょっと、なに勝手に立ち上がってんのよ!? まだ話は終わってな」



土御門「不幸な奴だにゃー、お前も」



美琴「な、なによ、いきなりっ!?」


土御門「そうやっていつも強がって、拒絶されるのを怖がって、自分の感情を素直に伝えられない」

土御門「親身になってアドバイスをしてくれる大人、自分を応援してくれる友達……そんな人達が周りにいるにもかかわらず、だ」

美琴「う、うぅ……」

土御門「まー、カミやんもカミやんで、超がつくほどの鈍感だから」

土御門「カミやんの口から直接言わせれば、お前もちょっとは自分の気持ちと向き合うようになる、オレはそう思ったんだけどにゃー?」ニャハハ

美琴「そ、そんなの! お、大きなお世話なんだからっ」

海原「たしかに、御坂さんには要らぬお世話だったかもしれませんね……」


198 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:03:29.28 ID:iuDZX6l00


土御門「だがな超電磁砲」ギロッ

美琴「な、何よ?」

土御門「コイツが……海原が、どんな気持ちで手伝っていたか、分かるか?」

土御門「愛する人間の幸せを思って、愛する人間の恋を応援する、コイツの気持ちが」

美琴「そ、そんなこと言われても」

海原「いいんですよ御坂さん……自分の気持ちは、そんな格好の良いものではありませんから」



土御門「なぁ、もうそろそろ、自分と向き合ってみてもいいんじゃないか? 一歩を踏み出してみても、いいんじゃないか?」

美琴「…………わ、私だってよく分かんないのよ! このモヤモヤする気持ちがなんなのか……」

土御門「なら、それをそのまま、カミやんに伝えるんだな」

佐天「そ、そうですよ御坂さん! 一生懸命、精一杯、今の自分の気持ちを伝えようとすれば!」

小萌「きっと上条ちゃんにも、伝わるはずなのですよ!」

美琴「佐天さん……小萌先生……」

土御門「そうだろ、海原?」

海原「もちろんです。御坂さんの第一歩、自分も陰ながら見守らせていただきますよ」


美琴「うぅ……」


199 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:04:22.00 ID:iuDZX6l00



海原「……おや、そろそろ終わりのようですね」

佐天「ほんとだ、もうこんな時間かあ」

土御門「さて超電磁砲、オレたちにできるのはここまでだ。あとは自分でどうするか、考えるんだな」

美琴「か、考えるって、何を」

小萌「御坂ちゃん、先生報告を楽しみにしてるのですよー?」

佐天「どうしてもっていうなら、この佐天涙子が相談に乗ってあげてもいいんですけどね〜」ニヤニヤ

美琴「ちょ、ちょっと!!」



美琴「みんなして何なのよ、もうっ!!」


200 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:08:01.63 ID:iuDZX6l00



(301号室)


ガチャッ


打ち止め「つ、ツインテールのおねえちゃんお帰りー、ってミサカはミサカは平常心を装い話しかけてみる……」ビクビク

初春「し、白井さん、さっきものすごい音がしましたけど、それってまさか」

黒子「えぇ、そのまさかですわ」

初春「やっぱり御坂さんが! そ、それじゃ、上条さんは」

黒子「大丈夫ですの、残念ながらピンピンしておりますわ」

初春「そ、そうですか、良かったー」

打ち止め「あの人も不幸じゃないときがあるんだね、ってミサカはミサカはホッと胸をなでおろしてみたり」ホッ

一方通行「ゴキブリ並にしぶといヤローだな、三下ァ」


201 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:09:01.16 ID:iuDZX6l00


初春「でも、御坂さんって上条さんの前だといっつも本気出してるっていうか、素が出るっていうか……」

打ち止め「そういうのを“気の置けない仲”って言うんだよねー、ってミサカはミサカは間違えやすい日本語を自慢げに紹介してみる」

初春「おっ、物知りだねアホ毛ちゃん! 油断のならない、っていう意味と間違えちゃうんだよねー」

打ち止め「えへへー」

一方通行「チッ、二人揃ってめでてェヤツらだなァ」


202 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:09:50.86 ID:iuDZX6l00



黒子「ところで」コホン


初春「あれ、白井さん?」

黒子「先程からずっと気になっていたのですが、アクセラレータ……さん」チラッ

一方通行「あァン、なンだァ?」

黒子「その……お聞きしたいことがありますの」

一方通行「断ったらどうすンだァ?」

黒子「構わず言わせて頂きます」

一方通行「チッ、これだからババアは……」


203 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:12:06.78 ID:iuDZX6l00



黒子「あなたは仮にも学園都市第一位の超能力者」

一方通行「勝手に仮にしてンじゃねェよ」

黒子「そして失礼ですが、あなたは一般人とはかけ離れた能力、そして独特な雰囲気を醸し出していらっしゃいますわ」

黒子「そう、まるで周りの人間を近づけず、自分から隔離するような」

初春「ちょ、ちょっと白井さん」

一方通行「……」


黒子「そんな方が、お姉さまの親せきのこんなに小さな、それもこんなに瓜二つの女の子と、仲睦まじいやりとりをなさっている」

黒子「……一体あなた方二人に、どんなつながりがあると言うんですの?」

打ち止め「それは……」

黒子「それに、お姉さまの話をするときの、あのどこか寂しげな眼差し」



黒子「……お姉さまと、一体どんな関係がおありで?」


204 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:13:25.86 ID:iuDZX6l00



黒子「どうか、答えて頂けませんか?」



一方通行「……」


一方通行「別に、オマエに話すほどのことなンざねェよ」

黒子「はい?」

一方通行「第三位と俺がどんな関係か、だって? あーくだらねェ」

黒子「くだらないって、あなた」




一方通行「だから、くだらねェっつったらくだらねェンだよっっ!!!!」



205 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:15:12.03 ID:iuDZX6l00


初春「あの、えっと、いきなりどうしたんですか?」

黒子「……?」



一方通行「よく聞けクソ女。言っておくが、アイツが死のうが生きようが、この俺にとっちゃどォでもいい」

一方通行「だから、語ることなンざ何もねェ。第一、こっちはああいう直情的な女、勘弁なンですよォ」

一方通行「大した能力(チカラ)も持ってねェクセして、暑苦しい正論振りかざしやがって……」

黒子「ちょっとあなた、いくらなんでもそれは言い過ぎですのよ! 撤回して、お姉さまに謝って下さいまし!」


一方通行「はァ? この俺が謝るゥ? 笑わせンなよ低能が」

一方通行「第三位もめかしこンで光の世界の住人を気どってッけどよォ、たいそうな闇抱えてンじゃねーか」

一方通行「あンなこと引き起こしといて、よくもまあ平然と生きてられるy」


206 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:16:09.33 ID:iuDZX6l00






打ち止め「やめてよ! ってミサカはミサカは――――」






207 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:16:44.23 ID:iuDZX6l00




打ち止め「お姉様のこと、そんな風に悪く言わないで……って、ミサカはミサカは声を振り絞って、お願いしてみる……」ウルウル




黒子「??」

初春「アホ毛……ちゃん?」


208 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:22:24.03 ID:iuDZX6l00


打ち止め「あのね」



打ち止め「ミサカ達が生まれてこれたのは、お姉様のおかげなんだよ?」


打ち止め「苦しい、辛い、悲しい、嬉しい、楽しい、大好き。この世界には感情っていうものがたくさんあるんだってことも」

打ち止め「生きることの難しさ、生きることの喜び、生きることの意味も」

打ち止め「教えてくれたのは、全部お姉様なんだよ?」


209 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:23:16.19 ID:iuDZX6l00


打ち止め「だから、すっごくすっごく、感謝してるの」


打ち止め「でもね、お姉様にとって、ミサカ達は忌み嫌うべき存在なのかもしれない……そう考えると、すっごく不安で、すっごく怖かった」

打ち止め「でもお姉様は、ミサカが、ミサカ達が生まれてきたことを喜んでくれた。私の妹なんだからって、言ってくれたの」

打ち止め「妹なんだから、頼りなさいって、守ってあげるって。言ってくれたの」

打ち止め「そんなお姉様が、ミサカは大好きなんだよ? だから――――」グスッ


210 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:24:08.63 ID:iuDZX6l00





打ち止め「――――だから、そんなこと言わないで、ってミサカはミサカは……ひっぐ……うぇええええん」





211 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:25:16.92 ID:iuDZX6l00








「…………悪かった」ポンッ








212 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:27:53.71 ID:iuDZX6l00



打ち止め「ふ、ふえぇっ?」

一方通行「だから悪かったって言ってンだろ、いい加減泣き止め」ナデナデ

打ち止め「ちょ、ちょっと恥ずかしいよ、ってミサカはミサカは目をゴシゴシこすりながら答えてみたり……」

一方通行「チッ、お前が泣き出すからいけねェンだろーが」



黒子「(? ? ? ?)」ポカーン

初春「(えーっと、色々分からないことがありすぎますね、はい)」

黒子「(この子が生まれてきたのが、お姉さまのおかげ? たかが親せきに過ぎないというのに、どういうことですの?)

黒子「(ってあれ、妹とか言ってまして?妹?美しき姉妹愛? あーんもうこの際どっちでも良いですわ! あぁ、お姉さまぁぁああっっ!!)」ハナヂブー


初春「(白井さん、このシリアスな場面でも平常運転ですね……)」

初春「(とにかく、この子が御坂さんのことをすごく好きなんだってことだけは、分かりましたけど)」


213 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:28:53.48 ID:iuDZX6l00



打ち止め「あ、それからね」クルッ

初春「?」



打ち止め「お姉様のおともだちに会えて、おしゃべりもできて。とっても嬉しかったんだよ、ってミサカはミサカは今の気持ちをまっすぐに伝えてみたり」

打ち止め「命を賭けてでも守りたい大切な人がいるからこそ、お姉様は強くたくましくいられるんだね、ってミサカはミサカは人の思いの強さを再確認してみる」

一方通行「……」

黒子「あなたって子は」

初春「アホ毛ちゃん……」


打ち止め「だからこれからもお姉様と仲良くしてあげてね、ってミサカはミサカはペコリと頭を下げてみる」


214 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:30:33.05 ID:iuDZX6l00


黒子「もう」

黒子「仲良くするだなんて、ねぇ、初春?」フフッ

初春「はい! そんなこと考えなくても、誰が何と言おうと、私たちは友達ですからね!」ニコッ

打ち止め「それってホント?ホントにホント? ってミサカは……」

黒子「もちろんですの、わたくしたちは固い絆で結ばれていますの」

打ち止め「そっか、良かった……、ってミサカはミサカはニッコリ笑ってホッとした気持ちを隠さず表現してみる」

黒子「そう、わたくしたちの絆は、たとえ学園都市第一位であっても壊せないですわ」

一方通行「そォかいそォかい、なら今度試しに行ってやンよォ」

打ち止め「じゃあじゃあ、ミサカもついでに遊びに行くー! ってミサカはミサカは突然の参加表明!」

黒子「臨む所ですわ。お二人共、いつでもお待ちしておりますの」

初春「なんか、いろいろ楽しみになってきましたねー」


215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 23:32:02.20 ID:weqhjYi40
やっぱ初春はいろいろ知ってんのかな…

あと美琴の闇云々は今月の超電磁砲でも言ってたな。
美琴ほど闇に関わっておいて闇に堕ちてないのは異常だって
216 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:32:19.07 ID:iuDZX6l00



打ち止め「ねぇねぇ」ツンツン

初春「なあに、アホ毛ちゃん?」

打ち止め「今度一緒に遊ぶの、ミサカとの約束だよ?って」

黒子「?」


打ち止め「ミサカはミサカは二人に向かって、両手の小指をおもむろに突き出してみるー!」スッ

初春「そうですね、それじゃあみんなで約束しましょうか!」

一方通行「チッ、くだらねェ。そンな古くせえ習慣、いったいどこで覚えてきやがった」プイッ

黒子「あら、あなたも輪に入りたいようでしたら、わたくしのこのしなやかな小指、一本お貸しいたしますわよ?」

一方通行「生憎だ、断る」

初春「あ、あの、私の小指も片方……」

一方通行「だから断るっつってンだろーがっ!」


打ち止め「もう、あなたはホントに素直じゃないよね、ってミサカはミサカはぶーたれてみたり」

黒子「仕方ありませんわ。それでは、わたくしと初春の小指も……」スッ

初春「はい、これで準備オッケーですっ」




打ち止め「それじゃあ……」

打ち止め「せーのっ!!」


217 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:33:12.72 ID:iuDZX6l00




打ち止め「ゆ〜びき〜りげんまんっ!」




黒子「嘘ついたら針千本!」




初春「のーますっ!」




「「「指切った!」」」



218 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/05(月) 23:51:54.03 ID:iuDZX6l00
今日はここまで。

ということで、エツァリさん登場の回でした。

実は前回の投下中には>>146のコメントに気づかず、後日みなさんのコメントで知った⇒(゜Д゜)ポカーンとなった次第であります。
といっても、いろいろヒントはちりばめておきましたし、謎解きがメインの話ではないので。何より、予想するぐらい読んで頂けているのが、素直に嬉しいです。

「携帯が圏外の個室サロンとか誰も行かねーよ」とか「エツァリが化けるにはもう少し皮膚要るだろー」とかのツッコミはスルーしつつ、美琴センセーの解説をふまえて以前の文章を読み返していただければ、作者としては本望です。


>>191
美琴は海原の中の人(エツァリ)については詳しく知らないはずなので、海原と呼ぶしかない、とここでは解釈しています。

>>215
初春のPCスキルを持ってすれば、おそらくやろうと思えばある程度の学園都市の闇には近づける、と思うんですよね。
なのに佐天さんにスカートをめくられる日々……美琴に代表されるように、表と裏の世界とは、案外紙一重なのかもしれませんね。
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 01:17:28.48 ID:sGaZDCogo
表の世界で生きてる学園都市の広告塔みたいなもんだからかなあ

あと御坂って人質がいるだの罪をおかしただの置き去りだのじゃないし、
正直妹達も残骸も言葉にしにくいけど、闇に引っ張られたというより自分から突っ込んでるし、
多いっていっても多いなあと思うほどでもないって思う

一般人よりそれが多いのは超能力者だから
で済みそうなこともありそうななさそうな

とりあえずおつ!
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 02:02:21.44 ID:zmkWCoszo
美琴が暗部落ちしてないのは単純に親の功績だろ
PTA代表の母親に☆と直でやり取りするエージェントな父親に騒がれたら面倒くさい
それを排除して暗部として使うより、表向きのレベル5代表例として飾っておくほうが利益が大きいって判断なんじゃね
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 05:38:40.24 ID:VApeUoSSO
ただ単に上条に救われた、エツァリ等の暗躍、妹達が重要なのであって変に正義感の強い御坂は暗部にいらんってだけじゃねーの
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 07:34:05.01 ID:eEjJTRUIO
上条さんいなかったら御坂も暗部堕ちもしくは冷蔵庫行きってのもありえたんじゃねーかとも思うがな
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 18:11:47.59 ID:hV4IkmVIO
神条かいなかったら一方通行に凸ってハンバーグになるからどちらにもならない
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2012/11/06(火) 18:14:03.56 ID:Kk+eM8Bs0
あれ、こんな真面目に語るスレだったっけ?
まぁ打ち止めちゃんカワイイからいいや、>>1
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 23:39:42.48 ID:Wn8ZqizA0

エツァリって上条さんに扮した状態で美琴を口説いて美琴がキュンキュンしてるのを見て悦に入ってんの?
だいぶ偏見だがそう考えるとキモすぎた

闇に堕ちる前に上条さんと親密になっとけば☆がそいつを暗部堕ちさせないとかありそう
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/11/08(木) 21:13:53.84 ID:7zFKOl8Vo
御坂が暗部落ちしないのは学園都市の広告塔として使うためだろ
暗部にして好き勝手されたら面倒だろうし
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 20:07:27.55 ID:gMugtSFk0
まだか
228 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 19:03:52.72 ID:omN/R55e0
お久しぶりです。1週間とちょっとぶり、でしょうか。
今日は、サッカーが終わった後に投下しようと思います。ガンバレニッポン


>>220
美琴の両親って何気にスゴイですよね。旅掛さんの出番は今後あるのでしょうか?

>>224
打ち止めは>>1も大好きです。個性がはっきりしているので、話にも登場させやすいですし(←あと黒子と青ピも)。

>>225
エツァリさんは、美琴の恋心に気づいている+応援している、ということで何とかなりませんでしょうか……。
>>1の中ではエツァリは「愛する人の幸せのためならなんでもする」というようなキャラクター解釈なので。


それではのちほど。
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/11/14(水) 19:37:14.40 ID:yilZ2qPm0
きたああああああああああああ
230 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:08:07.30 ID:omN/R55e0



(302号室)


黄泉川「……い、いやー、こんなとこで電撃ぶっ放すとか、天下の超電磁砲も随分ぶっ飛んでるじゃん」

上条「なんかいろいろすみません、黄泉川先生」

御坂妹「お姉様はこの人のことになると見境がなくなりますからね、御坂だけに……とミカサは……ふふふ……」ニヘラー

上条「おい御坂妹、全然話うまく落とせてないぞ?」

御坂妹「ですが、すさまじい能力を目の当たりにして、ミサカは改めてお姉様とのスペック差を感じ溜息をつきます」ズーン

上条「話の次は肩を落としたってか、いろいろ忙しい奴だなお前」

黄泉川「いくら中学生とはいえレベル5ともなると、さすがの私でも腰が抜けて声も出なかったじゃんよ」

御坂妹「恥ずかしながら私もです、とミサカは呆然と立ち尽くしていた数分前の情けない自分と、秩序のない現代にドロップキックをかまします」

上条「ハハハ……病んでる」

黄泉川「ハハハじゃないじゃんよ、ったく上条は。今後、痴話喧嘩は能力なしでやるように、これはアンチスキル命令だ」

上条「ひいぃっっ! も、申し訳ございません」


231 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:09:25.55 ID:omN/R55e0


黄泉川「しっかしなあ」

上条「はい?」


黄泉川「あんなとんでもない電撃まともにくらって、ケロっとしてるお前も大概じゃんよ」

上条「まー毎日のように待ち伏せされては電撃くらってますからね、そりゃ耐性もつきますよ」

黄泉川「慣れとか耐性の次元を超えてるじゃん! お前、無能力者(レベル0)じゃないのか?」

上条「はぁ、たしかに、身体検査(システムスキャン)ではレベル0なんですけどね……」

黄泉川「ん、どういうことじゃん?」


上条「俺の右手には幻想殺し(イマジンブレイカー)っていう力が宿ってて、あらゆる異能の力を触っただけで打ち消すことができるんですよ」

黄泉川「そ、そんな能力……聞いたこともないじゃんよ」

御坂妹「なんせあの学園都市第一位、一方通行をも倒したチート能力です、とミサカは2人の馴れ初めを思い出し胸を熱くします」

黄泉川「一方通行を、た、倒したぁぁ??」

上条「まぁ戦ったのは、“昔”のあいつと“今”の俺、ですけどね……」

黄泉川「驚いた……上条、お前ただの鈍感大バカ野郎じゃないんだな」

上条「俺だって、やるときはやるんですよ」キリッ

御坂妹「ですが、あなたの度を過ぎた鈍感さがどれだけの人を困らせているか、一度ゆっくり考えてみる価値はあると思いますよ、とミサカはふくれっ面をしつつ提案します」

上条「そうなんでせうか……」ガクッ


232 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:11:01.30 ID:omN/R55e0


黄泉川「でもまあ、それを聞くと納得だな」

上条「何がですか?」

黄泉川「一方通行のお前に対する接し方が、妙に自然、ってことがじゃん」

上条「えーっと、はい?」

黄泉川「なんというか、どこか気を許しているというか」

上条「うーん、あいつに限って、そんなことはないんじゃないですか?」

黄泉川「いや、一方通行が人からの好意を受け入れるのは珍しいことじゃんよ」

上条「?」


233 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:12:26.98 ID:omN/R55e0


黄泉川「アイツは、人へ好意を向けることはもちろん、人からの好意を受け入れることもしようとしない」

黄泉川「裏目に出て、取り返しがつかなくなるのが恐いから」

黄泉川「でもその例外が…」

御坂妹「上位個体とこの人ですね、とミサカは話の先を読んで、食い気味に発言します」

黄泉川「あぁ、そうじゃんよ」

上条「……」


234 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:13:13.49 ID:omN/R55e0


黄泉川「アイツはさ」


黄泉川「自分で自分を、救われてはいけない人間、なんて言ってるんだ」

黄泉川「それは、今まで自分がしてきたことの重みを、他の誰よりも理解しているってことの裏返しだろ?」

黄泉川「だからこそ、他人へのささいな好意・優しさなんてものは、その重みに比べたらちっぽけでくだらないもの……そう考えてるじゃんよ」

上条「……」


黄泉川「その一方で、お前のそのバカみたいにお人よしな優しさが、周りの人間に大きな影響を与えている」

黄泉川「少しの優しさ、少しの思いやりで、一人の人間の生き方が変わることだってある……」

黄泉川「アイツは、きっとそれを間近で感じてるじゃん」

上条「黄泉川先生……」


235 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:14:11.87 ID:omN/R55e0


黄泉川「なぁ、上条」

上条「……なんですか?」

黄泉川「アイツは、きっとこれから一生かけて、負債を返していくことになる」

黄泉川「それがたとえどんなに小さくて、どんなに目に見えなくて、どんなにくだらないモノであっても、な」

黄泉川「幸い今のアイツには、他人を気遣う優しさがある。それを実現するだけの力もある。ただ――――」



黄泉川「――――ただ、自分の背中を、決意を、後押ししてくれる存在。それが足りないじゃん」

上条「……」


黄泉川「弱いんだ、アイツは」

黄泉川「弱くて脆い心を、強気な言葉で、冷淡な態度で、覆い隠そうとしてる」

黄泉川「……学園都市第一位も、所詮は人間じゃん」


236 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:15:11.10 ID:omN/R55e0



上条「……で、何故こんな話を俺に?」

黄泉川「さっき話してた、お前の一方通行への思い。あれを聞いたから、私も話してみようと思えたじゃん」 

黄泉川「それに、あんな歩く殺人兵器と普通に付き合えるのは、お前みたいな鈍感大バカ野郎ぐらいだろうからな」アハハ

上条「ちょ、ちょっと、そんな理由ですかっ?」

黄泉川「そういうことだ、だから上条」




黄泉川「アイツを、一方通行を。よろしく頼むじゃんよ」



237 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:17:03.10 ID:omN/R55e0



上条「……分かりました、俺で良ければ喜んで力になります」

黄泉川「いい返事だ。お前に頼んで正解だったじゃん」

御坂妹「二人が仲良くしてくれるとなると、ミサカ達の会話のネタにも事欠かないので大歓迎です、とミサカは巨乳じゃんじゃん教師の提案に賛成の意を示します」

黄泉川「お、おい何だその呼び方、失礼にもほどがあるじゃん!?」

御坂妹「おや、的確に特徴を捉えたキャッチーな呼び方だと思ったのですが、とミサカは肩を落とします」

上条「御坂妹、この人ナメてると痛い目に遭うぞ」

黄泉川「よく言った上条、私はレベル3程度の能力者なら武器なしでも十分捕まえられるじゃんよ」

御坂妹「なっ……! ミサカ達の電撃は高く見積もってもレベル3……これは分が悪そうですね、とミサカは戦略的撤退をここに宣言します」サッ

黄泉川「おーっと残念、ここは個室サロンじゃん? 逃げも隠れもできないじゃんよ」ニヤリ

御坂妹「きょ、教師たるもの、アンチスキルたるもの、幼気な子供を守るのがその責務ではないのですか? とミ、ミサカは焦りを隠せずにはいられません」

黄泉川「ふん、それはお利口さんな子供に限るじゃんよ!」ガバッ

御坂妹「!! ミサカは自我制御機能の維持を必死に試みmsqwdmv失rftgst停pylp」


ピーピーピー


上条「あちゃー、どうしてこうなった」


238 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:17:38.27 ID:omN/R55e0




上条「(っと、気がついたらもうすぐ終了の時間だ)」


上条「(いい機会だし、後で話してみる……かな)」



239 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:19:38.11 ID:omN/R55e0



(200号室)


イン「ふう、すっかりこんな時間だね」

イン「いろいろあったけど、すっごく楽しめたんだよ!」

イン「それじゃあ、3つの部屋に……」チラッ

芳川「はいはい、音声を流せばいいんでしょ」ピピッ

イン「ありがとね、ききょう!」



イン『そろそろ終わりなんだよー、みんなお疲れさま!』

イン『キリのいいところで、200号室に戻ってきてねー』


240 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:20:57.43 ID:omN/R55e0



(200号室)


黒子「おんねぇっさま〜っ♪ しばらくの間会えなくて、黒子とっても寂しかったんですの〜」ダキッ

美琴「ったく、ついさっき会ったばっかでしょーが」

初春「そうそう、御坂さんの親せきのアホ毛ちゃん、とってもかわいかったですよー」

美琴「アホ毛ちゃん? あぁ、打ち止めのことね」

佐天「なになに初春、アホ毛ちゃんて?」

初春「それがですね……」

美琴「(親せき、ハハハ……)」


初春「あれ、御坂さん顔赤いですよ? なんかボーっとしてるっていうか」

美琴「あ、えっと、そうかな?」

佐天「あれれ〜、何か考え事ですかぁ?」ニヤニヤ

美琴「そ、そんなんじゃないってば!」

黒子「もう佐天さんったら。お姉さまも、そろそろ行きますわよ?」

美琴「あ、うん」


初春「それじゃーインデックスちゃん、またね!!」

黒子「失礼致しますの」

イン「うん、4人ともありがとうなんだよ〜」バイバーイ


241 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:22:04.37 ID:omN/R55e0



土御門「いやー、何か三日分くらい疲れたぜい」

青ピ「おかしい……ボク随分長い間寝てたような気ぃするんやけど……」

上条「正確に言うと、>>156あたりからだな、うんうん」

青ピ「なんやその事務的な報告はーっ! ひどい、ひどすぎるわぁ」

上条「それは自業自得だろーが」

青ピ「だからって、起こしてくれたって……」ブツブツ

上条「さーて、そんな青ピはほっといて、上条さんは部屋の片付けに取りかかりますかね」


土御門「そうそう、カミやん」

上条「ん、なんだ?」

土御門「しっかりにゃー!」キリッ

小萌「しっかりなのですよ!」ビシッ

上条「あのー、土御門に小萌先生? いったいなんのことでせうか?」


土御門「」ニヤニヤ

小萌「」ニヤニヤ

上条「(か、感じる……なにかとてつもない不幸の予感をっ!!)」


242 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:23:11.99 ID:omN/R55e0


土御門「ほいじゃーそろそろ帰るぜよ、またな、禁書目録」

小萌「シスターちゃん、さようならなのですよー」

イン「うん、またね! こもえ、もとはる!」

青ピ「あれ、なんかボク今いないことにされたような」

イン「……あなたといると、とうまがもっと不幸になる気がするんだよ」ギロリ

青ピ「そ、そない言わんといてやー? ボクとカミやんは、熱い友情で結ばれとるんやから、なっ、カミやん?」クルッ

上条「」スルー

イン「ほーらね」


青ピ「そそそそんな冷たくされると、カチコチに凍ってしまうわー、そや誰か温めてくれへん?」チラッ

土御門「」スルー

小萌「」スルー


青ピ「こ、これは……スルーが3つでスル―スリー! ホアーッ!アタタタタター!なーんちゃって!」

青ピ「どやインデックスのシスターちゃん、これでボクのことを少しは見直して」クルッ



青ピ「って誰もいないんかーいっ!!」ダーッシュ


243 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:24:15.01 ID:omN/R55e0


テクテク


佐天「へぇ、そんなことになってたんだー」

初春「それでですね、白井さんったら何と一方通行さんに」

黒子「もう初春、その話はよして下さいまして?」

初春「えーっ、いいじゃないですか、白井さんのケチ」ブーブー

黒子「まったく……。それよりもお姉さま、……お姉さま?」

美琴「えっ、何?」

黒子「どうかなさいましたの? 先ほどから、会話も上の空ですのよ?」

美琴「ごめん、別に、なんでもないから」


佐天「……」


244 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:26:07.60 ID:omN/R55e0


佐天「御坂さん!!」

美琴「な、なに、佐天さん?」

佐天「何じゃないですよ、しっかりしてくださいって!」

美琴「え?」

佐天「まったく、しょうがないなー!」



佐天「きっかけっていうのは、待ってるんじゃなくて、自分からつかみにいくものなんですよ!!」グッ

美琴「ちょ、ちょっと何するの?」

佐天「ほーら、御坂さんの次の一歩は、私たちとは逆方向、でしょ?」クルッ

美琴「!! 佐天さん……」

佐天「もう、そんな顔して! 今度、根掘り葉掘り聞かせてもらいますからね、約束ですよ?」

美琴「……ありがとう、分かった」ニコッ


黒子「お姉さま? わたくし話が全然……」

初春「えっと、どこか行くんですか?」

美琴「うん、ちょっとね。みんな、先帰ってていいから!!」ダッ

黒子「お、お姉さま? いったいどちらへ?」

佐天「御坂さーん、気合いですよ気合いー!!」ブンブン


245 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:28:07.13 ID:omN/R55e0



(3階の廊下)


打ち止め「さーて晩ごはんが待ってるぞ、いざ帰らん! ってミサカはミサカは腹ペコ具合をアピールしてみるー」

御坂妹「おや、ということは既に支度済みなのですか? とミサカは黄泉川家の準備の良さに感心します」

打ち止め「えっへん、出かける前にちゃんとセットしてきたのだー、ってミサカはミサカはヨミカワとの共同作業を自慢してみたり!」

一方通行「セットッつーことは……」ハァ

黄泉川「今日のメニューは、パエリアにミネストローネ、餃子、それに鶏の唐揚げじゃん」

打ち止め「ちなみに餃子はミサカが包んだんだよ? ってミサカはミサカは今晩のおすすめメニューを紹介してみる!」

一方通行「あァそォかい……しっかし、餃子はともかく、炊飯器で唐揚げだァ? タ●ガーにケンカ売ってンだろオマエ」

黄泉川「何言ってるじゃん、炊飯器はなんでもできる万能の逸品じゃんよ」

御坂妹「いっそのこと、明日から料理教室でも開いてみてはどうでしょうか、とミサカはこの奇抜な料理法を世に広めていくことを提案します」

黄泉川「おっ、嬉しいこと言ってくれるじゃーん? よし、お前も今晩うちで食ってくか?」

御坂妹「ではお言葉に甘えて……とミサカは食費の節約を達成し、一人ほくそ笑みます」ニヤリ

一方通行「オマエはそこらへンの雑草でも食ってろォおおおッ!!」


246 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:28:52.30 ID:omN/R55e0


打ち止め「そうと決まれば急がなきゃー、ってミサカはミサカは駆け足で階段を下りてみるー」ダダダッ

黄泉川「おっと、気をつけな打ち止め、家に帰るまでが遠足じゃんよ」

打ち止め「うん、しおりもお弁当も記念写真も無かったけど、とっても楽しい遠足だったねー、ってミサカはミサカは大満足!」

御坂妹「確かに、あの大食いシスターにしてはなかなか面白い企画でしたね、とミサカは上位個体の意見に賛同します」



芳川「そうね、でもあの子を見てるだけでもなかなか面白かったわよ」スタスタ


247 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:29:28.76 ID:omN/R55e0


打ち止め「あっ、おかえりヨシカワー! ってミサカはミサカは久しぶりの再会を喜んでみるー」

黄泉川「おー桔梗、シスターのお守りお疲れ。いつの間に戻ったじゃん?」

芳川「たった今よ、部屋の後片付けとかは手伝わなくていいって言われたから」

一方通行「ちったァ働け、このクソニートが」

芳川「あら一方通行、私は職探し中だからニートには該当しないのよ、知らなかった?」

一方通行「……はァ、くだらねェ」


248 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:30:25.07 ID:omN/R55e0


打ち止め「ねぇねぇ、シスターさんと仲良くなれた?って、ミサカはミサカはコミュ障のヨシカワにおそるおそる聞いてみるんだけど……」

芳川「えぇ、とっても良い子だったわ。若干、天然さんみたいだったけど」

打ち止め「天然さんってどういう意味ー? ってミサカはミサカは詳しい説明を求めてみる」

御坂妹「天然とは頭のネジが外れている、主に女子に嫌われる人種のことですよ、とミサカは女性向け雑誌に載っていた情報をそのまま伝えます」

打ち止め「なるほど、あのフードはネジが外れた頭を隠すためにかぶっていたんだねー、ってミサカはミサカはシスターさんの変てこファッションにようやく納得!」

芳川「あら、私はああいう格好、嫌いじゃないけど」

黄泉川「き、桔梗がシスターぁ? 想像するだけで腹痛いじゃんよー」アハハ


249 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:31:31.38 ID:omN/R55e0
御坂妹「そういえば、天然は男受けが良いとも書いてありましたね、試してみましょうか……」

御坂妹「と、ミサカは持っているペットボトルの中身を隣にいる白モヤシにぶちまけてみます」バシャ

一方通行「って、いきなり何やってンだァああテメエはァァァっっ!?」

御坂妹「……おや、雑誌もウソを書くのですね、とミサカは定期購読の解約を視野に入れます」

一方通行「よーしいいぜェ、オマエの命の契約を一足先に解約してやンよォ」

御坂妹「そのあたりのことは把握していないので、詳しくはカエル顔の医者に聞いてみて下さい、とミサカh」

一方通行「事務手続きじゃねェェェェっっ!!」



250 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:32:24.37 ID:omN/R55e0



黄泉川「」クスクス

一方通行「あン? なんだ黄泉川ァ」

黄泉川「いや、お前もなんだかんだで楽しめたみたいじゃんよ?」

一方通行「はァ? どこをどう見たら、そんなアホ解釈になるンですかァ?」

黄泉川「さあなー、後で自分の胸に聞いてみるといいじゃん?」

一方通行「……勝手に言ってろ」


一方通行「あー疲れたァ、とっとと帰ンぞォ」カツカツ


251 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:36:13.65 ID:omN/R55e0


スタスタ


上条「!」



上条「おい、一方通行」

一方通行「おっと、ここでヒーローのご登場、ですかァ?」クカカ


上条「ちょっと話あるんだけど、いいか?」

一方通行「こっちはさっさと帰って休みたいンですけどねェ」

黄泉川「まぁまぁ、こいつらは私が連れて帰るじゃんよ。あとよろしくな、上条」

上条「はい。先生達も、今日はありがとうございました」

黄泉川「おーう、そんじゃなー」

一方通行「チッ……」



ナンダロウ?ッテミサカハミサカハ

マーホットクジャン


252 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/14(水) 23:41:40.89 ID:omN/R55e0
ちょっと風呂たいむ
ニッポンおめ
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/11/14(水) 23:50:23.06 ID:z6obx51Zo
たいき
254 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:36:33.51 ID:qjahmCIS0



一方通行「さァて……どうせくだらねェ話だろ、手短に頼みてェなァ」



上条「さっきの」

上条「……俺たちの部屋の会話、聞こえてたんだってな」

一方通行「思いやりがあるだの優しいだの……ケッ、俺の聞き間違えだってことを祈るぜェ」

上条「聞き間違いなんかじゃねぇよ」


一方通行「はァ、何言ってやがるンですかァ? この俺は第三位のクローンを一万人ほどブッ殺した、筋金入りの極悪人なンだぜェ?」

一方通行「それだけじゃねェ、気に食わねェ能力者や無抵抗の一般人、肉塊にした人間の数かぞえたらキリがねェ。それこそ、一生かけてもなァ」

上条「そんなことねぇよ」

一方通行「そんな怪物が、優しさだァ? 冗談にも程があンぜ」


上条「だからそんなことねぇって、言ってんだろ!!」


255 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:37:27.87 ID:qjahmCIS0


一方通行「……声、でけェンだよ、この三下がァ」


上条「確かにお前は、妹達の命を奪ったかもしれない、多くの人達を苦しめ傷つけたかもしれない。その事実は一生変わらない」

一方通行「だろォなァ、だったら」

上条「けど、そんな人間が思いやりを、優しさを持つようになっちゃいけないなんて、誰が決めたんだよっ!? 一度過ちを犯した人間は光を夢見ちゃいけねぇなんて、誰が決めたんだよっ!?」

上条「お前の過去をすべて知って、すべて受け入れて、それでもお前に好意を向けたい、お前からの好意を受け入れたい……そう思ってる人だって、たくさんいるんだよ!!」



上条「だから……」



上条「いい加減目ェ覚ませよ、最強!!」


256 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:38:37.73 ID:qjahmCIS0



一方通行「……はッ、くだらねェ、くだらねェなァ!」

一方通行「思いやり?優しさ?好意だァ? そんな物、所詮はゴミみてェなちっぽけなもンだろーが! 一億の負債に対して一円を返済した所で何になる、今さら何が変えられるってンだよ、あァ!?」


上条「いや、変えられる」

一方通行「……」

上条「変えられるさ、絶対な」

上条「たとえどんなにちっぽけで、どんなに無様だとしても」

上条「そのくだらないモノの積み重ねが、負債を返していくことになるんだ。お前だってもう分かってんだろ、一方通行?」

一方通行「……そういうことかよ、黄泉川のヤロー」


257 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:40:06.75 ID:qjahmCIS0


上条「なぁ、お前の能力(チカラ)は、誰もが持っていない、誰もがうらやむ、そんな能力じゃねーか」

上条「そしてそれを必要としている人達は、お前が思ってる以上に、きっとたくさんいる」

上条「だからその能力を、他の誰かのために使ってみろよ、ほんのちょっとでいいからさ」


上条「そうやって、お前が自分から進んで他人に心を開くこと」

上条「死んでいった妹達も、今この瞬間を生きている妹達も、打ち止めも……きっとそれを、望んでるんじゃないかな」

一方通行「チッ……テメエ、アイツらの保護者かってンだ」

上条「ハハハ、無能力者(レベル0)の上条さんも、ふところだけは深いんですよ」

一方通行「そォかい、ンじゃお礼にそのふところよりも深い傷、たっぷり負わせてやろォかァ?」

上条「ななな、一方通行サン? あーそうそう!わたくし3階の片づけなど残っておりましてですね……」ヒヤアセ



258 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:44:02.91 ID:qjahmCIS0


一方通行「はァ、冗談に決まってンだろ、いちいちめンどくせェ」

上条「あ、さいですか」ホッ

一方通行「それより人を勝手に呼び止めといて、勝手に切り上げるたァ、隅に置けねェなァ」

上条「わりぃわりぃ、あんまり遅くなると、インデックスに怒られちまうからさ」

上条「それじゃーな!」ダッ





一方通行「三下ァァ!!」

上条「ん?」


259 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:45:00.71 ID:qjahmCIS0



一方通行「…………考えといてやンよ」



上条「何だ? よく聞こえねーけど」

一方通行「何でもねェ、さっさと行きやがれ」

上条「えっ、いいのか? そんじゃまたな、一方通行!」

上条「ってやべぇ、もうこんな時間かよ! 神様どうかインデックスをお鎮めくださいぃ〜」ダーッシュ



一方通行「チッ、三下のヤロー、毎度のお説教が長げェっつンだよ」


260 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:45:33.56 ID:qjahmCIS0





一方通行「心を開く……ねェ」





一方通行「簡単に言うなってンだ、クソッタレが」




261 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:46:43.00 ID:qjahmCIS0



(サロンの1階、外)


カツカツ


??「はぁ、はぁ、はぁ」タッタッタ


一方通行「(ン……アイツ??)」


262 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:47:34.57 ID:qjahmCIS0



一方通行「よォ第三位、ご自慢のコインでも部屋に忘れて、鼻水垂らして取りに戻ってきたってトコかァ?」ニヤニヤ

美琴「……うるさいわよ、そこどきなさい」

一方通行「まァせっかくだ、ちょっと顔貸せ」

美琴「……?」


美琴「何なのよ一体。随分と珍しいじゃない」

一方通行「うるせェ、ガタガタ言わずに黙って聞け」

美琴「……?」


263 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:49:56.79 ID:qjahmCIS0



一方通行「……打ち止めのことなンだが」

美琴「あの子が、どうかしたの?」


一方通行「アイツはガキだが、一人の人間としてもまだまだ未熟だ」

一方通行「常識もねェし、知らねェことだらけで、おまけに口調もイカれてやがる」

美琴「あら、いきなり保護者面ってとこ? 大体、あの子も何でアンタなんかに懐いてるんだか」

一方通行「知らねェな、こっちも大概迷惑してンだ」

美琴「さて、その世界最恐の保護者様が、いったい打ち止めの何を心配しているのかしら?」

一方通行「ケッ、心配なンつー甘ったるい感情、あいにく俺は持ち合わせてねェんだわ」

美琴「あっそ、なら」

一方通行「ただ、アイツは――――」


264 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:50:33.93 ID:qjahmCIS0


一方通行「――――アイツは、これから外の世界に出て、世の中の事を自分で学ばなきゃなンねェンだ」

一方通行「アイツ自身もよく分かってる、きっと色々な物に触れて、色々な人間に接して、吸収したいと思ってンだろうよ」

一方通行「だが、俺はそンなあのクソガキの思いに対して、何もしてやれねェ」

美琴「……だったら何なのよ」


265 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:51:38.72 ID:qjahmCIS0


一方通行「アイツはオマエを慕ってるし、尊敬もしてる。何より妹と認めてもらえたのが、嬉しかったンだろォなァ」

一方通行「だから……まァ、あれだ」




一方通行「たまにはアイツと……打ち止めと遊んでやってくれ。周りにいる、ギャーギャーうるせェ奴らも一緒にな」

一方通行「俺が言えた義理じゃねェのは分かってンだ、それでも一言、言っておきたかった」


266 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:52:58.03 ID:qjahmCIS0


一方通行「そンだけだ、じゃあなァ」



美琴「……ちょっと待ちなさいよ、どういう風の吹き回し?」

一方通行「なァに、別に深い意味なンざァねェよ」

美琴「さては、私と仲直りでもしにきたつもりかしら」

一方通行「クカカ、そりゃ違ェねェなァ」



美琴「勘違いしないでよね、私は」


267 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:53:35.49 ID:qjahmCIS0


美琴「私は、妹達を10031人も殺したアンタを、一生許さない」

一方通行「……別に許しを乞おうなンざ、微塵も思ってねェよ」

美琴「アンタを許さないし、私は絶対に忘れない。一生背負って行くって、そう決めたの」

一方通行「あァそうかい、勝手にしろォ」

美琴「そしてアンタにも、残った妹達の命を背負う、義務がある」


美琴「だから今ここで約束しなさい。あの子達を、妹達を……」

美琴「一生かけて、命がけで守るって」


268 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:55:30.07 ID:qjahmCIS0



一方通行「……」



一方通行「……できねェ」

美琴「!?」


一方通行「それはできねェなァ、第三位」

美琴「あ、アンタっ……!!」



一方通行「つーかよォ」


一方通行「約束っつーもンは、何も一方的にするもンじゃあ、ねェだろうがよォ?」

美琴「……どういう意味よ」

一方通行「さァ、知らねェなァ? ただ――――」


269 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:56:06.12 ID:qjahmCIS0





一方通行「テメエのその約束を、この俺が果たしてンのかどうか――――テメエで一生見守っていやがれってンだ」





美琴「……いいわよ、そうさせてもらうわ」

一方通行「……好きにしろォ」


270 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 00:57:03.95 ID:qjahmCIS0



美琴「それじゃあ、私急ぐから」

一方通行「三下の所に、ってかァ?」ケラケラ

美琴「なっ……! アンタなんで……!?」

一方通行「その汗まみれのシケたツラに、思いっきり書いてあンだろーが」

美琴「!!」カアアッ

一方通行「アイツなら、シスターと一緒に2階の片づけでもしてンだろォよ」

美琴「べ、別に聞いてないわよ!」

一方通行「あァそォかい、ンじゃせいぜい達者でな」カツカツ

美琴「ちょ、ちょっと!? どんだけマイペースなのよアンタは!?」



シーン



美琴「ったく」



美琴「何なのよ……アイツ」クスッ


271 : ◆jg9LstscLY [saga]:2012/11/15(木) 01:04:59.80 ID:qjahmCIS0


と、今日はここまで。

とりあえず、新約3巻でもちょこっとあった、美琴と一方さんの気持ちの整理をつける場面を入れてみました。む、難しい……。

それから、黄泉川センセは確かシェリー&エリス退治の時に上条さんの幻想殺しを見てた……ような気がしますが、まぁ自己紹介とかもしてなかったんで忘れてた、ということで。

上条さん、説教おつかれさまでーす!

272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/15(木) 01:40:29.37 ID:WS7P3OqUo
乙ー

ただ一方さんって無抵抗の一般人には手出したことないぞ
向こうから襲ってきたら遠慮なくボコるけど
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/15(木) 06:55:51.70 ID:JK+ArBCLo
乙でした

いや、力の制御できない頃にやってるんじゃないか?
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/15(木) 13:46:15.86 ID:hDW7c4EIO
禁書は基本的に性善説だからなー
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/17(土) 19:22:59.09 ID:DP3lo1ZP0
乙続き期待
昔はいろいろ暴れてたんでしょ、一方さん
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/25(日) 12:32:54.79 ID:QdfQmWKl0
おつ
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 22:27:53.53 ID:mWs/ygkD0
もう来ないのかな
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