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とある二人の超能力者 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:12:11.99 ID:u1zrU7lP0
このSSはとある魔術の禁書目録の二次創作となっています。

キャラの改変がありますのでご注意ください。
時系列はかなり昔の方から始まりますが、いろいろ混ざるかもしれません。
やや馬鹿で仲のいい一位と二位が主役です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1350925931
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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2 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:12:46.66 ID:u1zrU7lP0
 少年は絶望した。

 
 雪のように白い髪と肌、宝石のような赤い瞳。何処か作り物めいた雰囲気のある少年を取り囲むのは世界で最も科学技術の進歩している都市、学園都市の最新鋭兵器。
 華奢な少年など一発で粉砕してしまいそうな巨大な砲口を向けられた少年の中にある感情はたった一つ、怯えであった。
 兵器を向けられている事への恐怖ではない。
 自身の『能力』によって、人を傷つける事が恐ろしいのだ。


 少年の能力。超能力を日常的に開発する学園都市において唯一、頂点である最強の力。『ベクトル操作』


 表皮から数ミリ浮いた能力膜に触れた物を問答無用で支配下に置く絶対の能力。
 デフォルトで自身に有害なものを『反射』してしまうソレは、少年を孤立させた。
 同じ年頃の少年たちを反射し、止めに入った親を反射し、通報を聞いた警備員を反射し、最終的には人を殺める兵器を反射して。
3 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:13:18.44 ID:u1zrU7lP0
(……あァ。もォ疲れた)


 能力が開発された瞬間から頂点であることが決定した少年は、疲れてしまった。
 自分の居る環境に。
 外見と能力で迫害され続ける毎日に。
 並ぶ者のいない世界に。
 
 だから少年は諦めることにした。
 諦めて、どこかの研究所でモルモットになりながら静かに暮らそう。

 諦めた少年が闇に落ちかけた、その瞬間――













「ダークマターキィィィィィック!!!!!」
4 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:13:44.92 ID:u1zrU7lP0
「ごぶるゥあァッ!?」




 白い少年の顔に、某有名メーカーのスニーカーが突き刺さった。
 素っ頓狂な声を挙げながら少年はアスファルトの地面を転がっていく。


「な、なンだ……?」


 理解できない。
 あらゆるものを反射する少年の能力を何でもないかのようにすり抜けてきたのは、見間違いでなければ蹴りだった。
 初めて経験する正体不明の『痛み』に、涙目になりながらも少年は蹴りの正体を見た。
 
 そこにいるのは、自分よりも二、三歳くらい年上と思われる茶髪の少年だった。
5 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:14:10.53 ID:u1zrU7lP0
「よぉ、お前が噂の第一位候補だな?」

「あァ?」

「とぼけるなよ。へっ、特別に教えてやる……学園都市最強はな、お前みたいなモヤシ野郎じゃねぇ。この! 俺! 垣根帝督様だ!」


 垣根帝督、と名乗った少年は自信満々に胸を張った。
 一方、白い少年は呆然とその様子を眺めていた。


「俺より強いのが居るって聞いたんだけど、お前みたいなモヤシが俺より強いわけがない。きっと間違いだったんだな」

「……さっきから黙って聞いてりゃよォ……モヤシモヤシって……」


 プルプルと少年の体が小刻みに震え、頬が蹴られたのとは別の理由で赤くなる。
 それは、年相応の少年が抱く、子供っぽい怒り。
6 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:14:45.34 ID:u1zrU7lP0
「何だ? やるってのか?」

「やってやンよこの野郎ォォォォォォォォォォォォ!!!」

「おもしれぇ! お前をぶっ倒して今日から俺が第一位だ! ……っと、ちょっと待て」

「あァ?」


 水を差され、白い少年が不満げな顔を見せる。
 垣根は、自分たちを取り囲みながら唖然としている武装した大人たちを指さした。


「アイツら、邪魔じゃね?」

「……まァ、確かになァ」

「先にアレ片づけようぜ。つーかスコアバトルだ、たくさんアイツら倒した方が勝ちな」

「いいぜ。ほえ面かかせてやるよ」


「え、ちょ、ま」



 暴虐、としか言いようがない。
 学園都市第一位として生まれた能力者と、学園都市第二位となる少年のタッグは完全なるチートであった。
7 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:15:12.83 ID:u1zrU7lP0
 一時間後。


 元々学園都市の中でも重要な施設が揃っているわけではない学区だったのだが、それでもこの惨状はあまりにも惨かった。
 まるで世紀末救世主伝説でも始まりそうな程、辺りは崩壊していた。
 ひっくり返された戦車。
 粉々の建物。
 無数の屍(生きてはいる)
 
 そんな惨劇の場の中心に、少年達は居た。



「ハァッ、ハァ……ッ!」

「も、モヤシの癖にやるじゃねぇか……」


 二人とも大の字になって、息を切らして倒れていた。
8 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:15:42.60 ID:u1zrU7lP0
 のちに『未元物質』と『一方通行』と名づけられる能力のぶつかり合いは、そのまま神話になりそうな程苛烈であった。
 それでも、まだ二人の能力は開発されたばかり。改良する余地も詰める予知も十分すぎる程にある。
 まさしく、二人は学園都市が生み出した超能力者に相応しい逸材だった。


「名前、聞かせろよ。覚えておいてやるからよ……」

「……ねぇ」

「え?」

「名前、ねぇ」


 実際は名前はあるにはあるのだが、もう少年はそれを忘れてしまった。
 苗字は二文字で、名前が三文字で有った事はぼんやりと覚えているのだが。
9 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:16:14.37 ID:u1zrU7lP0
「研究者には能力名で呼ばれてる。『一方通行』ってよォ」

「一方通行、か」


 垣根は何かを考えるように一瞬黙り、そして体を起こした。


「なぁ一方通行、今日のコレは引き分けだよな?」

「……だろォなァ」

「……じゃあよ、決着は今度付けるって事にして、飯食いに行かね? 今日奨学金が貰えるから、焼肉にでも行こうぜ」

「! 焼肉……。……い、いや、俺は別に……」



 思い出したように白い少年、一方通行の腹が鳴った。
 真っ白い頬に仄かに朱が指す。
10 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:16:45.09 ID:u1zrU7lP0
「何だ、腹減ってんじゃねぇか」

「ち、違ェよ! コレは違ェよ!」

「何が違うんだよ。はー面白ぇ。ま、とりあえず行こうぜ」

「……おう」


 一方通行と垣根帝督は並んで歩く。
 初めて怒って、初めて本気で戦って、そして初めてご飯を食べに行く。

 一方通行は認めないだろうが、その光景は誰がどう見ても、仲のいい喧嘩友達にしか見えなかった。




 余談だが、焼肉屋につくころには学区一つと部隊三つを壊滅させた事を、二人ともすっかり忘れていた。















 そして、十年の月日が流れた。
11 : ◆GMrZMmzGQc :2012/10/23(火) 02:17:40.89 ID:u1zrU7lP0
ここまでです。短くてゴメンなさい。
次から本編です。もうちょっと一度に多く書けるように頑張ります。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/23(火) 04:19:16.48 ID:pJuNhe7po
乙。
期待
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/10/23(火) 08:06:56.51 ID:AdfzPXnAO
>>1
かわいい2人だ
期待してる
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/23(火) 17:29:53.85 ID:g6EV2+UDO
乙!
期待してる
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/10/23(火) 18:38:56.54 ID:c1bIOUYno
良スレの予感
16 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 22:46:50.77 ID:u1zrU7lP0
今日も更新します。途中まで書き溜め、途中からその場ですが。
17 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 22:47:55.68 ID:u1zrU7lP0
 一方通行は待機する。

 彼が今いるのは学園都市内で有名な焼肉屋。十年以上前から通っているお気に入りの店である。
 一方通行の目の前にある網ではロースや牛タンなどの部位がジュウジュウと音を立てて焼けていて、肉汁が滴り網の下で燃える炭の炎を揺らめかせている。
 ついでに白いご飯や塩キャベツなどのサイドメニューも万全で、肉もほぼ焼けている。
 ならばなぜ一方通行は肉へ箸を伸ばせないか。


「おせェ……」


 その理由は、彼の正面に座るべき人物がまだ店に来ていないから。であった。

18 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 22:48:33.47 ID:u1zrU7lP0
「おーっす、悪い悪い。遅れた」


 一方通行の聞き飽きた、ではなくて聞き慣れた声がする。
 声のした方へ顔を向けると、そこには思った通りの人物が居た。


「遅ェぞ垣根。もォ焼けてンぞ」

「おう、つーか準備が良いな。俺の分も頼んでおいてくれたのか」

「とりあえず注文しねェと居心地悪ィだろォが」


 垣根は一方通行の向かいの席へと座る。
 通りすがりの店員にジンジャエールを注文し、持っていた学生かばんの中をゴソゴソと探る。


「出かけにコレ思いだしてよ、返そうと思って」


 垣根が取り出したのは、ゲームのソフトであった。
 パッケージを見る限りどうやらゾンビをなぎ倒す系のホラーゲームらしいが、主人公たちは一切銃器や刃物を持っていない。『拳でゾンビを破壊せよ!』がキャッチコピーだ。
19 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 22:49:02.98 ID:u1zrU7lP0
「別に今日じゃなくてもいィのによ」

「今日返さねぇとまた忘れそうでよ。ま、そんな事は置いておいてもう食おうぜ」

「テメェが遅れたからお預け喰らってたンですけどォ?」


 と、言いつつも一方通行も微妙に笑みを浮かべる。
 ちょうど垣根の飲み物も来て、二人は軽く乾杯をしてから肉へと箸を伸ばした。


「そういやさ、お前テストどうだった?」


 垣根が良く焼けた牛タンを皿に乗せ、軽くレモンを絞って汁をかける。その上に塩キャベツを乗せて肉で包むようにして箸で掴み、口の中へと放り込む。


「まぁ、いつも通りだなァ。つーか教師やそこらの研究者程度が考えるレベルの問題じゃァ雑魚過ぎて話にならねェよ」
20 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 22:49:36.97 ID:u1zrU7lP0
 一方通行は肉にたっぷりとタレをつけ、それをご飯の上に乗せてタレと肉汁をご飯に染み込ませつつ、そのご飯と肉と一緒に口の中へと運んだ。柔らかい肉は噛むのではなく歯に触れただけで切れ、口の中でご飯と混ざり合いながら溶けていった。


「だよなぁ。俺もいつも通りの手ごたえだ。……つまりは、また同じか?」

「だろォな」


 期末テスト。
 どこの学校でも生徒の壁として立ち塞がる存在だが、学園都市最高の頭脳を持つ二人にとってそんなものは敵ではない。
 二人の敵は、いつだってお互いだった。

 数学や物理と言った理系科目は一方通行の方が勝るが、国語などの文系科目と美術や体育などの副教科は垣根が勝る。
 その他の範囲は勝ったり負けたりで、結局は二人とも同等の位置に収まるのだ。


「数学で勝てりゃ俺が一位になれるんだろうけどなぁ」

「そこはもォ使う能力の違いだろ。ベクトル操作は複雑な演算、未元物質は表現能力や想像力。脳味噌の使いどころが違ェンだしよォ」

「得意科目と苦手科目って奴か……能力使わないでの体育だったら俺の圧勝だしな。つーかお前、いつも思ってたんだが肉ばっか食ってんのに何でそんなに細いんだよ」

「知るか。いくら食っても太らねぇし鍛えても筋肉も付きにくいんだよ」

「女子かテメェは。まぁ目元隠せば女っぽい体つきだしな……そういや前に一度俺にモヤシ呼ばわりされたの気にしてジムに通ってたっけな」
21 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 22:50:15.01 ID:u1zrU7lP0
 ケケケ、よ妖怪の様な笑い方をする垣根。
 ジンジャーエールの追加を頼みつつ、口の中の油を塩キャベツやキムチなどを使ってリセットする。
 一方通行は若干不機嫌になりながら、肉を次々と頬張っていた。


「うるせェ。能力使えばレスラーにだって圧勝出来るからいいンだよ」

「そんなこと言ったら殆ど不可能ねぇだろ俺ら……」


 二人は学園都市の頂点、七人しかいないレベル5の一位と二位だ。
 幼い頃からあらゆる事で争い続けてきた二人は、一人で軍隊とも張り合えると言われるレベル5の力を全力で振るいながらお互いを高め合ってきた。
 もともと高い素質を兼ね備えていた二人は結果、同じレベル5ですら手の届かない領域にまで達してしまったのだ。
22 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 22:50:59.22 ID:u1zrU7lP0
お互いが一人で学園都市の全能力者と張り合えるような、そんな怪物級の力を有している。
 学園都市の管理側はそれを深刻に思い、片方を何らかの研究という名目で研究所などに留めてしまおうとしたことがあったのだが、それはあまりにも悲惨な結末を生んだ。
 一方通行の機嫌を損ねれば垣根が、垣根の期限を損ねれば一方通行が、全力でその研究所を叩き潰しに来るのだ。

 全力を出しても互角で、自分と肩を並べる唯一の存在。一方通行も垣根もそんな相手を失う事は何よりも不愉快らしい。

 
 そして最終的には、研究者たちからは匙を投げられ、もはや手の付けようのないアンチェインと化したのだった。




「……そういやさ、一方通行」

「あン?」

「お前、彼女いねぇよな?」

「あァ?」
23 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 23:07:36.87 ID:u1zrU7lP0
「いきなり何を言い出すンですかァ? オマエは」

「いや、ちょっと気になってよ……ほら、俺もお前も高校生だろ? だったら一人や二人いてもおかしくねぇはずじゃないかってさ」

「……そォなのか?」


 二人はとても頭がいい。
 しかし、勉強が出来るという事と、常識があるという事は、似ているようで全くの別物だった。
 まじめすぎる人がまじめに行った行動が天然ボケと言われてしまうように。
 二人の行動も、ある意味で天然なのだ。


「じゃァよォ、次の勝負はどっちが先に彼女を作れるか、ってのにしねェか?」

「あ? ……いいのかよ、それ」

「どォいう意味だァ?」

「オマエみたいなコミュ症で目つきの悪いモヤシに俺が負けるはずがねぇだろ」

「言いやがったなテメェコラァ! 学園都市第一位、舐めるンじゃねェ!」

「一位関係ねぇだろ」


 新たな戦いの場が決まり、二人は焼肉屋を飛び出した。
 やめればいいのに。
24 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 23:27:59.80 ID:u1zrU7lP0
 
 適当な場所へとやってきた一方通行と垣根。
 二人が居るのは人通りの多い学区であり、時間的には最終下校時間を過ぎたあたりだがそれでもまだ学生たちが多く行きかっている。


垣根「……連れてこられるがままここまで来たけどよ。どうすんだよ」

一方「決まってンだろ、ナンパだァ」

垣根「…………は?」

一方「だってよォ。マジで彼女作ろォとしたらとンでもねェ程時間かかるだろォが。同じ部活に入ったり、同じ委員会に入ったりしてまずは色ンなイベントをこなし、ライバルキャラや別のヒロインなンかも出て、ちょっとした誤解や諍いですれ違いも起きて、それでもやっぱり君が好きだ! みてェな過程がある事を考えたら半年くれェはかかる」

垣根(……こいつに漫画貸したの間違いだったかな)

一方「そォなると、ここは無難にナンパで先に女捕まえた方が勝ち。ッつーことでいいよなァ」

垣根「無難なのかは知らねぇが、まぁ別にかまわねぇよ」


 垣根は確信していた。
 負けるはずがない、というか、おそらく自分が何もやらずとも勝敗は見えていると。
25 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/23(火) 23:45:35.86 ID:u1zrU7lP0
一方「じゃァ、まずは俺からだ。さて、どいつにするか……」


 一方通行は獲物を探し、あちこちに目を向けた。
 その姿はどう見ても変質者であるが、一方通行の人相の悪さが吉とでたのか、誰も声をかける事はしなかった。
 誰だってきょろきょろしてる悪人面モヤシに声なんてかけたくないし、声もかけられたくないだろう。


一方(どォせならレベルの高ェ女捕まえねェとな。さて、良い奴は……ンン?)


 不幸にも一方通行の目に留まった少女が一人。
 強気そうな目が特徴の、茶髪の可愛らしい少女だった。中学生だろうか、年下ではあるがそれが一方通行にはストライクだった。


一方「見つけたぜェ……!」

垣根「お前そのセリフ完全に犯罪者だからな」

一方「うるせェ。おーいそこのお嬢さーン、お茶しねェかー?」

垣根「古すぎるぞそのナンパ……って、ん? あの女、もしかして……」
26 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/24(水) 00:09:17.93 ID:USBLf0LQ0
 ――御坂美琴は考える。


 ここ最近新たに見つけたストレス解消法、『絡んできた輩を合法的に叩きのめす』という暴力的な趣味で日常に潤いを与えていた美琴であったが、今日も希望通りに絡まれたのだが、今日はとても複雑な気分だった。
 その理由は、普段なら声をかけてくる者の殆どがもはや能力を使うのが面倒になるくらいのちっぽけなチンピラなのだが、今日はそれとはあまりにもかけ離れていた。



一方「こンばンわァ。ちょっと通りすがりの最強なンですけどォ、その辺のファミレスでお話でもしませンかァ?」



 今時、中学生でももうちょっとナンパは上手いだろう。
 というか、これはナンパなのだろうか。
 頭の悪い宗教勧誘かなにかではないのだろうか。
 御坂美琴はとても久しぶりに動揺していた。
 
27 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/24(水) 00:18:47.72 ID:USBLf0LQ0
美琴「あの……」

一方「まァまァ、お互い積る話もあるでしょォが、ここは俺が奢りますンでェ、ちょっと来てもらえますゥ?」


 もはや誘拐の手口である。
 

美琴(……とりあえず、寝させよう)


 美琴はとりあえず電撃で死なない程度にしびれさせて気絶させようと、やや手加減した電撃を変人白髪に向かって放った。
 手加減したと言っても、一般人に向ける電圧ではないのだが。
 

 しかし。


一方「ァン?」


 キュピンと。
 青白い閃光が文字通り『反射』された。


美琴「え!?」
28 : ◆GMrZMmzGQc [saga]:2012/10/24(水) 00:24:29.68 ID:USBLf0LQ0
眠い。今日はここまでです。短いですけどスイマセン。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/24(水) 00:33:45.48 ID:IVRWudbn0
つまらん茶々かもしれんが美琴があそこまで上条に執着したのは自分の電撃を無能力者が防いだからだと思うんだ。高レベルの人間が電撃を防いでも能力の考察ぐらいにしか発展しないんじゃないかな
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/10/24(水) 00:42:32.81 ID:yiDZc3HAO
まだ電磁通行と決まった訳じゃないぞ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/10/24(水) 00:43:02.40 ID:95QcVtivo
>>29
ホントにつまらん
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/10/24(水) 00:43:32.69 ID:8TOeFKzR0
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 00:58:14.09 ID:XeAZXgqmo
>>29
そうか?自分より強いやつがいるのが気に入らない、とか原作で言ってたし
自分より上の1位2位に粘着しなかったのは単に原作だと
美琴とは接触の機会がなかったってだけだろう
平和な状況で遭遇して「なんだこんなもんか」って言われてたら追いかけまわしてたかもよ?

>>1乙、続き楽しみにしてる
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 01:14:43.39 ID:0A2YmC/DO
って言うか無能力者だからって部分強調すると何か弱い者叩きみたいだな
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/10/24(水) 01:24:37.85 ID:oUW4UYPAO
別端末から>>29です

>>33
敗北を認められるか認められないかじゃないか?
同じ超能力者相手なら気に入らんけど負けてもしょうがないのかなってなる。実際に美琴は一方通行に対してすぐに負けを認めてる。けれど、無能力者相手にはそれを認められない。それまでの努力に絶対の自信を持つが故になにかの間違いだって考えたいみたいな。もしくは意味不明な右手の謎への挑戦か

とにかく、この話題はお開きにしたほうがいいな。揉めたら>>1に悪いし。
変なこと言って悪かった
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/10/24(水) 04:16:16.84 ID:CerJWm7co
>>1

>>35
あんな、見てるだけだったけど言いたいこと言い終わったからはい終了、は
ヘタすりゃ更に荒れる元だから今度からはやめような
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/10/24(水) 08:00:59.39 ID:oUW4UYPAO
>>36
スマン
確かに投げっぱなしはダメだと思うが、>>1の為にも静かにするし危うい空気も無くしたかった

つまり俺の事は忘れてくれ
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage saga]:2012/10/24(水) 09:34:16.42 ID:VrELKzei0
その喧騒をぶち殺す!

ごめん意味違うね
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 15:59:56.45 ID:O1FA2YLIO
なんだ、説教厨が乗り移った方だったか。
じゃあ聞いた俺たちは動揺してやんないとなー。
接待バトルだからなー
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 17:21:44.76 ID:zJ17LnoIO
初期の美琴は普通に屑だからな?無能力者馬鹿にしてたし
なのに無能力者にあしらわれてムカついたって原作にも載ってるじゃん
>>29は正しいと思うけどな
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 17:23:42.50 ID:ci5mSoHIO
カス条さんの話とかもういいから……
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/10/24(水) 17:34:10.86 ID:i+fz1/1so
>>40
初期の美琴が屑なのと、このSSの美琴、どう関係あんの?
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/10/24(水) 17:39:18.09 ID:exJxOmXuo
>>40

どっかに挑発するために〜みたいなのが書いてあった気がする
てか、連載初期なんてキャラが定まってないんだから仕方ないさ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 18:13:16.49 ID:zJ17LnoIO
これからだけど、原作の焼き直しをするなら矛盾点をうまく解消してほしいなって思いました
喧嘩腰で来る人は勘弁してほしいなぁ…
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 21:13:50.86 ID:BLdfF7QIO
そもそも原作が矛盾だらけですしおすし
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 21:20:23.73 ID:0xE7vA4IO
殆ど書かれてないのに焼き直しって分かる未来視能力者は原作だけ読んでて、どうぞ。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/25(木) 14:58:21.02 ID:sjbG0ZpZ0
なんか盛り上がってるwww
続き期待してまーす
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/10/26(金) 11:25:34.21 ID:JlY/9T6AO
そこでナンパに走るとは…

>>1乙!
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 21:14:36.98 ID:Kv7H/seIO
まだなんも始まってないのに妄想で先走ってほざいたカウパー野郎>>29と一切関係ない話だったのに急に美琴下げを始め出した嫌美琴廚>>40

始まったばかりなのになかなかだなおい


50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/07(水) 22:14:57.34 ID:hsTltN2AO
盛り上がりすぎて終わっちまった!!
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 20:34:11.69 ID:vWE1RdZDO
待ってる
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 23:30:45.29 ID:qDNGgREDO
待ってるよ…
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/23(日) 02:59:43.38 ID:u4MA2cb60
もうすぐ2カ月
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