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とあるドSな魔人探偵 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 00:57:58.52 ID:aDl5OhV90
「…………」


「我が脳髄の空腹を、この魔界は満たしてはくれなかった」



「地上だ」



「地上に求めよう」



「もっとも複雑で」



「もっとも深淵で」



「そして最も美味な」












「究極の『謎』を」













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(安価&コンマ)コードギアス 薄明の者 @ 2025/07/23(水) 22:31:03.79 ID:7O97aVFy0
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ご褒美にはチョコレート @ 2025/07/23(水) 21:57:52.36 ID:DdkKPHpQ0
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ビーノどっさりパック @ 2025/07/23(水) 20:04:42.82 ID:dVhNYsSZ0
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コナン「博士からメールが来たぞ」 @ 2025/07/23(水) 00:53:42.50 ID:QmEFnDwEO
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4日も埋まらないということは @ 2025/07/22(火) 00:48:35.91 ID:b9MtQNrio
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クリスタ「かわいいだけじゃだめですか?」 @ 2025/07/19(土) 08:45:13.17 ID:AK1WfFLxO
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八幡「新はまち劇場」【俺ガイル】Part1 @ 2025/07/19(土) 06:35:32.67 ID:BGCulupRO
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【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 @ 2025/07/18(金) 23:44:57.84 ID:Xc8IdKRvO
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 00:58:43.73 ID:LrHpdXsSO
とある垣根の人か?!
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 00:59:38.87 ID:aDl5OhV90
禁書×ネウロの物語です。


時系列はネウロは初めて地上へ来た時と旧約一巻がほぼ同時、というタイミングです。


拙い文章ではありますが、どうぞよしなに
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:02:49.49 ID:aDl5OhV90
 七月二十日。


 うだるような暑い夏の日の事、上条当麻は絶望していた。
 冷蔵庫の故障、キャッシュカードの粉砕、カップ焼きソバだばぁ、補修。
 自業自得を含めてもテンションが下がるのは致し方ない朝だった。

「うがー……チクショウ、不幸だ……」

 口癖とも上条当麻のアイデンティティとも言えるセリフを吐きながら、上条当麻は何をすべきかを考える。
 無意味にテンションを挙げた昨晩のツケが回ってきているのか、寝不足で痛む頭では最良の回答を導き出せるとは思えない。

 そもそも上条当麻は平常時でも馬鹿である。

「とにかく冷蔵庫とキャッシュカードか……補修の前に朝飯は食っとかないとマズイよなぁ」

 学園都市、またの名を実験都市ともいうこの街は地球レベルでの科学の最先端。日常的に人間の脳を開発し、『超能力』と呼ばれる異能の力を研究している。
 また、異能以外の分野でも学園都市は学園都市の『外』と比べ、二、三十年は先を歩んでいると言われている。三十年後の世の中なんて、想像がつかないだろう。今から三十年前に生きていた人の誰が、スマートフォンの国民的な普及など想像したか。
 せめて、流しにこぼれない焼きそばが開発してほしい所だ。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:06:16.29 ID:aDl5OhV90
 しかしながら、上条当麻という人間は六段階の分かれている異能力のレベル判定で最低である『レベル0』に分類される人間であった。

 六段階に分かれる学園都市のレベル分け。
 下から順に0から始まり、最高位がレベル5.
 レベル5とされる能力者は230万人の学園都市の住人の内、七人しか存在しないのに比べてレベル0は全体の六割とも言われている。
 つまりは、目に見えて能力を発揮できる学生の方が少ないわけだが、やはり超能力に憧れて学園都市にやってくる学生が多い学園都市では、それはコンプレックスになりうるのだ。
 最も、上条当麻はレベル0である事を特に気にしていない。
 
 ……奨学金が少ない事は、少々悩みの種だが。

「よし、まずは布団を干そう。ふかふかの布団で寝れるようにしよう」

 何故かその考えに思い至った上条は布団を両手で掴み、ベランダへと移動する。
 その途中、酸っぱくなった焼きそばパンを素足で思いきり踏みつけたが、もはやその程度の不幸、上条にとっては片腹痛い。
 不幸な境遇にも人間は慣れてしまう生き物なのだ。


 青空、ではなく隣の建物の壁が広がるベランダに上条当麻はたどり着く。


 そして、目撃する。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:08:01.94 ID:aDl5OhV90

 上条がベランダへやってくる五分ほど前。


 本来布団が干される場所であるはずの手すりには、すでに白い物が干されていた。
 白いものは布団のように平たくなく、立体で、というかソレは人の形をしており、紛れもなく人だった。

 白い修道服に身を包んだ、銀髪の少女であった。

 歳は十四かその程度、外国人らしい白い肌にエメラルド色の瞳が映えて美少女と表現しても何の差支えもない容姿をしていた。
 しかし、そんな少女と言えども何の変哲もない男子寮のベランダにぶら下がっているのはおかしい。
 いくら美少女でも、世の中には許されないこと、認められない事はある。
 それはシスターでも許されないんだよ。

「うう……お腹が減ったんだよ……」

 亡者のうわ言のように、可愛らしい少女の口からそんな言葉が吐き出される。
 グーギュルギュルグギギギギ、と可愛らしくない音が少女の腹部から響く。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:09:37.68 ID:aDl5OhV90
 現状とセリフだけを考えればとてもシスターらしくない、というか科学の街たる学園都市にシスターが居る事自体中々に不自然なのだが、それはこの際おいておく。
 どうして彼女がこんな場所に居るのか。
 その理由はわかりやすく、彼女は別に居たくてここに居たわけではない。


 彼女は追われ、逃げ、ここに落ちてしまったのだ。


「逃げるにしても食べ物が必要なんだよ……この飢えを満たさないことには何も始まらないんだよ……」

 煩悩丸出しの、驚くほど庇護欲をそそられないセリフを吐く修道女。
 暴食が大罪であることなど知らないかのような発言。
 熱心な信者から十字架で撲殺されてもおかしくない、とまでは言わないけれど。
 少女の欲望は信仰心をぎりぎりで上回るのだ。


 そんな彼女の元に救世主がやってくるまで残り三分、といった所で――悲しいかな、その出会いは偶然にも、運命的に起こってしまった。

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:11:09.76 ID:aDl5OhV90




「ほぅ。貴様も飢えに苦しむのか。我が輩と同じではないか」





「……え?」


 声がする。
 少女の、真上から。
 
 最初はこの階の上の住人が喋ったのかと思った、しかし違う。
 あまりにも、声が近すぎる。

「……」

 なんだか嫌な予感がプンプンするが、確かめないことには始まらないし物語も始まらない。
 空気を読んでくれたのか、それとも以外にも強い意志を持っていたのか。
 修道女は、意を決し顔を上へと向けた――
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:14:11.66 ID:aDl5OhV90




「我が輩も飢えている。『悪意』に満ちた芳醇で美味なる『謎』にな」




 声の主は、壁に"立って"居た。
 地面と九十度のマンションの壁。
 捕まるところも無ければ引っかかるところもない平らな壁に、ソイツは平然と立っていた。
 

「だ、誰なのかな……?」

「我が輩か? おお、そうか。人間は名乗らねばわからんか。……我が輩の名はネウロ。脳噛ネウロだ」


 ネウロ、と名乗ったその男。
 胡散臭いという言葉を物質として身に纏っているような、得体のしれない男であった。
 壁に垂直に立っているという事実よりも目につくその異形とも呼べる異様な雰囲気。
 垂れた涎は赤子的可愛らしさを演出することなく、むしろ化け物が獲物を見つけて喚起しているような、そんな危機感を覚えさせた。


 修道女は直感する。
 この男は、間違いなく科学の人間でも『こちら側』の人間でもない。

 全く別の何かであると。

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:17:02.56 ID:aDl5OhV90
「……フム」

 
 ひょいっ、とネウロは自らの足を階段を一段昇るかのような気軽さで持ち上げ、マンションの壁から離脱する。
 そして――そのまま右腕一本で少女の頭を鷲掴みにし、審査員が居れば文句なしの十点をたたき出せるような美しい片手逆立ちの姿勢を取った。
 ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ。
 少女の頭から拷問器具のような軋む音が奏でられた。


「痛い痛い痛い痛い痛い! 痛いかも!」

「中々の掴み心地だ。貴様は奴隷に向いているな。喜べ」

「その評価は全く喜べないかも!」

 
 いきなり奴隷認定された修道女は涙目で抗議する。
 その時、ベランダは開いた。
 現れたのは、ツンツン頭の男子生徒。

 とても不幸な、男子学生。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:19:52.36 ID:aDl5OhV90
上条「……」

?「……」

ネウロ「……」


 三者はそれぞれの理由で沈黙していた。
 まず、ここの家主たる上条当麻は目の前の状況について行けずに沈黙。
 見るからに怪しい男はニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら様子を窺っているようにも見える。
 そして、その男の下で――四つんばいになって男の椅子と化している少女は、涙目で震えていた。

上条(ツッコミてぇ……)

 しかし、この状況。
 下手に動けば何があったかわかったものではない。
 好奇心は猫をも殺すように、ちょっとした好奇心が上条当麻を殺しかねない。
 死んだことを不幸と片づけられるほど、上条当麻は達観しているわけでも現世に諦めがつくわけでもないのだ。


 だが、アクションを起こさない事には何も始まらない。
 いつだって物事は一つの行動から始まる。
 それは逆らえない運命のようなもので、始まりのない物語はない。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:21:45.26 ID:aDl5OhV90
上条「あ、あのー……」

ネウロ「ム? どうした」

 上条当麻のアクションに、ネウロは割と普通に返してくれた。
 これはイケる。
 上条当麻は確信した。やめればいいのに。


上条「どうしたじゃねぇよ! 趣味は人それぞれだけどせめて上条さんの目の届かない所でやってもらえませんかねぇ!?」

 怒涛のツッコミ。
 常識人、とは言えないかもしれないが、自分はボケではなくツッコミなのだと自分に言い聞かせてきた上条当麻の全力のツッコミがほとばしる。
 上条当麻は普通よりもかなり不幸なだけの、ある程度は平凡と呼べる人生を生きてきた少年である。
 いきなり目の前で見知らぬ男女が、しかも自分の部屋でSMプレイを始める事に対して耐性があるはずがない。

 あってたまるか。


?「わ、私にこんな趣味はないかも!」

ネウロ「だ、そうだ。安心しろ、これはこのシデ虫の趣味ではない。我が輩の趣味だ」


 ニタリとネウロは笑う。
 生粋である。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:24:13.64 ID:aDl5OhV90
上条「余計性質悪いわ!」

ネウロ「フハハハハ。……しかし、それはそうと腹が減ったな」

上条「腹ぁ?」

?「私もお腹が空いたかも! 後自己紹介が遅れたけど、私はインデックスって言うんだよ!」

上条「いや、ウチに食い物なんてねーし……つーか本当に自己紹介遅れたな」


 自己紹介する前に椅子として四つんばいになる人間は中々居ないだろう。
 今目の前に居るけれど。


上条「……で、アンタは?」

ネウロ「我が輩か? 我が輩はネウロ。脳噛ネウロ。魔人だ」

イン「魔神!?」


 そのワードに激しく反応したインデックスがガバッと体を起こす――事はできずに、そのままネウロに後頭部を掴まれ上条家の床へと押し付けられた。
 しかも、心なしかグリグリしているように見える。
 何やらすすり泣きのようなものが聞こえる気がするが、上条当麻はスルーした。
 別に上条が生粋のサディストなわけではない。断じて違う。
 ネウロの標的にされるのが嫌なだけなのだ。保身である。
 危険な者には近づかない、近づけない。これぞ究極の守り。

 護身、完成。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:26:30.75 ID:aDl5OhV90
イン「ま、魔神なんてありえないかも! だったらこのインデックスを知らないわけがないんだよ!」

 インデックスは顔を押し付けられたまま叫ぶ。
 見ていて痛ましい光景ではあるのだが、その光景こそがネウロの望む光景なのだ。
 常人には度し難いだろう。しかしわかる人にはわかる。
 インデックスのいじめられる姿というのは、実に映える!

ネウロ「貴様の常識など我が輩の知った事ではない。そして我が輩は紛れもなく魔人。貴様ら人間とは全く別の種族、魔界の住人だ」

イン「……ん?」


 どうやらインデックスは違和感に気が付いたらしい。
 ネウロの口にする「まじん」とインデックスの知識にある「まじん」は、どうやら別物のようだ。
 

ネウロ「……フム。やはり魔界で手に入る地上の知識などたかが知れているか。ではそこのウニ頭」

上条「……それはもしかして上条さんの事を言っているのでせうか?」

ネウロ「貴様以外誰が居る。ここは何処だ? 深い情報はいらん、この都市や制度について、必要な事だけを話せ」

上条「……」


 絶賛SMプレイ実行中の男、ネウロに偉そうな口を利かれ、上条は少々ムッとする。
 上条だって普通の人間、意味もなく偉そうな人間にはイラッと来るのだ。
 
 だが、残念なことにネウロは意味もなく偉そうなわけではないし、そもそも人間ではなかった。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:27:42.78 ID:aDl5OhV90
ネウロ「おや、反抗的な目をしているな。面白い、立場をわきまえていないようだ」

 ネウロは適当に辺りを見渡し、床に乱雑に置いていた週刊少年跳躍と半分になったキャッシュカードを拾った。

ネウロ「週刊少年跳躍か。貴様らは精々これを読んで楽しむだけだろうが……」

 キャッシュカードを適当はページに挟み込み、ネウロは表紙側と裏表紙側を両手で押さえつけギュウと押した。
 インデックスと上条の頭上に?マークが浮かぶ。
 
 そして、押す事約一秒。



ネウロ「だが我が輩には、週間雑誌で人を殺す事まで可能なのだ」



 ペラリと。
 ギャグ漫画で勢いよくあけられた扉に挟まれたキャラクターのように。
 週刊少年跳躍のページとページの間から、まるで下敷きのように薄く押し延ばされたキャッシュカードが落ちてきた。
 
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:29:21.65 ID:aDl5OhV90

 雑誌で人を殺すという事は、もしかしたら可能かもしれない。
 月刊誌などの分厚い雑誌ならば、角で殴れば鈍器になるだろう。しかし週刊少年跳躍。少年のための少年漫画雑誌。
 それで『挟み殺す』なんて芸当、人間に可能な技ではない。


ネウロ「力の差が理解できたか? では四の五の言わずに説明しろ。それとも貴様が週刊少年跳躍の一ページになりたいというのであれば、話は別だが……?」


「…………」


 思考など、必要なかった。
 当然のように、当たり前のように、上条当麻は最短で己の選択肢の中で最も賢い選択肢を選んだ。

 すなわち、服従。

 上条当麻はひれ伏す。
 まるで舞でも舞うかのような美しく無駄のない動きで両手と額を床へこすり付け、誠意と言う目に見えぬ心を全身から滲みださせ。

 上条当麻は、圧倒的強者にひれ伏した。

 


 そんな様子をインデックスはとても悲しそうな目で見つめていたが、忘れてはいけない。
 彼女もまた、ネウロの椅子として絶賛活動中だという事を。

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/26(金) 01:34:49.38 ID:aDl5OhV90
初回更新は、こんなものでどうでしょう?

暗殺教室が面白くて、ネウロ熱が再発したので書き始めてみました。
球磨川と咲ちゃんが学園都市に来る奴と最後の最後まで迷いましたが、今回は魔神様で。


>>2 ごめんなさい。別人です。私も続きをまってます。


書き方とかこのままで大丈夫ですかね。地の分の少ない所はセリフの前にキャラ名をつけてますけど、読みにくかったらやめます。
変な文章で申しわけない。


多分結構ゆっくりな更新になりますが、のんびり続けますのでのんびり付き合ってください。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 01:36:12.11 ID:LrHpdXsSO
乙。期待大
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 01:36:19.27 ID:i2jwQ4c1o
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/26(金) 01:40:51.94 ID:eoipq2+Qo

期待してるぞ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/10/26(金) 01:54:51.95 ID:0z00tH/G0
これは期待弥子は出てくる?
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/10/26(金) 01:59:15.53 ID:WHFsuA1AO


インデックスが奴隷ということはヤコは出ないのかな
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/26(金) 02:07:47.09 ID:9JQO+Or8o
乙カァン
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 02:57:36.55 ID:3ckjIs0V0
役どころは大食い→インデックス、不良→上条かな?
まあ、あれと一緒にする必要はないけど
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 04:36:15.55 ID:nwCqmedK0
球磨川と咲Verもあったんですか、機会があったらそっちもやってほしいです!

神裂「急にズボンを…斬りたくなった!!!!」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 08:41:40.71 ID:wZe/Ut7ko
ネウロのクロス物はマトモに完結したの見たことない…
期待してます
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 09:29:37.82 ID:nwCqmedK0
HAL「学園都市…」があるよ
ネウロしっかり読んでて良作SS
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/27(土) 00:23:32.67 ID:KAUGPevx0
>25 300年以内に絶対流行る
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/10/27(土) 02:46:52.57 ID:dNuZkB500
@です。

日曜日に更新します。
酉つけた方がいいのかな。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 03:11:51.46 ID:qI4KfIxFo
ネウロスレとか期待するしかねぇ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 03:27:38.20 ID:MV2N7nTSO
つけないと何かあった時、依頼出す時に>>1ですって証明できないよ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/10/27(土) 03:41:01.91 ID:3jMqKfWn0
やべえネウロ好きな俺クソ歓喜
ゆっくりで良いんで完結させて下さいお願いします
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 18:47:55.24 ID:eQvVvaRA0
いじめられるインデックスかわいい

俺にはわかるぜ、実に映える!
34 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 00:59:57.48 ID:yCo6AY590
こんばんわ、遅くなりました。

色々と期待されている。これは緊張しつつも期待に応えざるを得ない。うっほう。

色々と試行錯誤しながら投下していきます、今日は台本形式的なセリフの前に名前を消す感じで投下していきます。
35 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:01:15.30 ID:yCo6AY590

 学園都市。
 科学の最先端。
 超能力。
 脳開発。


 上条は学園都市の概要、基本とも呼べる情報をネウロに伝えた。
 所見では理解しにくいかもしれない学園都市だが、ネウロは少しだけ考える様子を見せ、静かに息を吐いた。

「……成程な、我が輩は運が良い。地上に来て最初に訪れたのが最先端なのは都合がよかった」

(地上?)

「となると、やはり情報を集めねばならんな。……この家にパソコンはないのか。仕方あるまい、『謎』への一歩となるなら少々の面倒は容認せねば」

「……まぁよくわからないけど、とりあえずこっちはいいや……。で、そっちの絶賛チェアー中のインデックスさんは一体何なんですかね?」






イン「私はね、十万三千冊の魔道書を所持しているっていう理由で魔術結社に追われてたんだよ」







 沈黙。
 凍りついたような静寂が、上条家を包み込んだ。


36 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:03:39.34 ID:yCo6AY590
「成程、電波か……」

「よくわからないけどなんだか凄く馬鹿にされた気がするんだよ!」

「馬鹿にするっていうか、そもそもそんなオカルトが信じられないからなぁ」


 例えば、じゃんけんで十回連続で負ける事。
 例えば、一発だけ弾丸を込めた拳銃でのロシアンルーレットで一発目に弾丸が発射される。

 敗北に明確な『理由』は存在しない。敗北は敗北でしかなく、『今日のかに座は運が悪かった』なんて理由は理由として成り立たない。
 偶然を必然とするにはあまりに頼りない根拠。
 科学的ではない、という学園都市の否定の基準は揺るがない。


「むー……それでも魔術はあるもん。たとえば私のこの服は『歩く教会』と言って、包丁くらいじゃ傷一つつかない防御力があるんだよ!」

「どう見ても普通の服ですが」




「いいや、このシロアリの言っている事は意外と本当かもしれんぞ」
37 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:06:13.72 ID:yCo6AY590
 意外な事に、ネウロが口を挟んできた。
 まぁ、今の今までインデックスはネウロに座られながら喋っていたわけだが。


「ねうろ!」

 インデックスが目を輝かせながらネウロの顔を見る。
 座られたままで。

「どういう事だ?」

「先ほどこのゾウリムシの頭を掴んだ時、コンクリート程度なら芥子粒になるくらいの力を込めたのだが砕けなかったのだ」

「知られざるバイオレンスッ!」

「ねうろは何してくれてるのかな!?」


 インデックスはキレた。
 当然である。

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/29(月) 01:11:32.88 ID:tqzQ+TcLo
さすがネウロさんや、さりげなく鬼畜ってレベルじゃないことをやってのける
39 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:12:48.79 ID:yCo6AY590
「もしも私が普通のお洋服を着ていたらどうするつもりだったのかな!?」

「その時はまさしく運が悪かった、という奴だろう。大体貴様はシスターなのだろう? 許せ」

「こんな傲慢で暴力的な人は神様も許してくれないんだよー!」

「何だ、心が狭いな。魔界のシスターはこんなものではなかったぞ。免罪符と言って札型の爆弾を渡し、爆死する信者を見て爆笑する」

「シスターを完全に馬鹿にしてるんだよ!」


 ていうか、魔術て。魔界て。
 上条はいくつかのツッコミどころをスルーした。
 人間には対応できないことってあるよね。





「あー……もしもその服が本当に異能だってんなら、確かめるいい方法があるぞ」
40 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:15:31.27 ID:yCo6AY590
「え?」

「俺の右手、『幻想殺し』って言ってさ。異能の力な何でも打ち消せるんだよ。神様の作ったシステムすら破壊できる右手だ」

「…………………」

「うわ、露骨に疑ってかかってきやがる」

「だって、こんな神様も信じてないような国の人がシステムを破壊なんて言っても信用できないかも」

「じゃあその服に触らせてみろよ。ま、本当にお前が言う魔術とやらが存在していたらの話だけどなーあはははは」


 上条はインデックスの修道服に右手で触れる。


 その瞬間、シュルシュルとなんだか糸の解けるような音がして――――インデックスは真っ裸になった。


 フードと靴下だけはそのままに、くるぶしから上首から下だけが生まれたままの姿になった。
 しかも、その状態で四つんばいで男の椅子となっている。

 これなんてプレイ?
41 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:17:28.53 ID:yCo6AY590
「…………」

「oh……」

「露出壁とは、度し難い奴隷だな」



 いつの間にかネウロはインデックスから降りている。

 白い歯がギラリと光る。
 それは羞恥か、はたまた怒りか。
 
 しかし、確信できることがある。
 それは、上条当麻の覚悟。


 わが命はここまでだという悟りであった。
42 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:19:45.28 ID:yCo6AY590







「さて、私はそろそろ行くかも」



「ん?」

 上条の全身に一通り歯型を付け終わり、少々すっきりした様子のインデックスがそう切り出した。

「何時までもここに居るわけにはいかないんだよ。色々と迷惑がかかっちゃうし、部屋ごと爆破されちゃうかもしれないし」

「(爆破?)でも、行くあてとかあるのか?」

「とりあえず、日本で英国式の教会を探すんだよ。数は少ないと思うけど、ココからロンドンに行くよりはまだ可能な気がするから」

「学園都市にも協会は確か一つあったけど、英国式かどうかはわからねぇしなぁ……本当に追われてるっつーなら、一人で行かせるのもなぁ」

「大丈夫だよ。それに私と一緒に居る方が危険かも。……それでも、私が心配だっていうなら」
43 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:20:23.45 ID:yCo6AY590





「私と一緒に、地獄の底までついてきてくれる?」




44 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:22:19.45 ID:yCo6AY590

 笑顔。
 それ以上の言葉はなかったけれど、インデックスの真意は上条当麻に嫌と言う程伝わった。
 ついてくるな。
 満面の笑みの裏に隠された、明確な拒絶の意思。
 しかしそれは、一切の悪意がない。
 慈愛の拒否。
 地獄の入り口で思い人が寄ってこない様にしているかのように。

 
 インデックスは、善の感情を持って上条当麻を拒絶した。



「……何かあったら、また来いよ。力になるからさ」

「ありがとう」
45 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:24:08.57 ID:yCo6AY590
 そう言ってインデックスは上条当麻の部屋を後にした。
 残された上条の目に映ったのは、部屋の片隅にひっそりと落ちていた白いフード。
 インデックスが忘れていった、修道服の一部だ。

「…………」

 今から走って探せば追いつけるだろう。
 だが、上条はそれをしなかった。
 なぜしなかったのか、深い理由は思いつかない。しいて言えば、何となく。
 可愛い女の子とのつながりが欲しかった、なんて言えば微笑ましいかもしれない。

 あれがあれば、またインデックスと会える気がしたのだ。


「さて、上条さんは補修に行きますかねっと……って、アレ?」


 上条は思い出す。




 そういえば、いつからネウロの姿は見えなくなっていた?

46 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:24:58.50 ID:yCo6AY590
「……ぅぅぅ……」

 
 インデックス の にらみつける こうげき!
 
 しかし 清掃ロボットには こうか が ないみたいだ……


 自動でウィンウィン動きながら街の掃除を続ける清掃ロボット。
 学園都市には数十台、数百台と蠢いているありふれた全自動ロボットであるのだが、科学とは無縁の生活を送ってきたインデックスにはそれは驚異的な何かにしか見えない。
 マシーン化された使い魔、なんて意味不明なイメージを持ったくらいだ。

「うーん……フード、どこに行っちゃったんだろう」

 インデックスは自分の頭を擦りながら、いつの間にかなくなっていた大切な衣装の一部の身を案じた。
 先ほど上条のHARENCHIな右手によりバラバラに粉砕されたインデックスの修道服は現在、安全ピンでパンクな応急処置を施され何とか衣服の形を取り戻していた。
 しかし、修道服――【歩く教会】の持つ防御力は失われ、今のインデックスに身を守る手段は何一つ存在しない。
 今ここで敵に見つかれば、すぐにでも襲われてしまうだろう。
47 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:25:59.70 ID:yCo6AY590
(そのためにも、まずは色々と必要なものを集めなきゃなんだよ)

 具体的には地図や移動手段、あと食料とか食料とか食料とか。
 餓えは敵である。害悪である。許されざる難敵なのである。
 襲撃者よりも恐ろしい、ひもじさという切なさ。

 インデックスは空腹を拒絶する。
 まずは食料を捜し、それから教会を見つけるための行動をしようと決意した。

 追われている自覚があるのかこいつは。









「何をしているのだ、この節足動物め」

「ひゃぅっ!?」
48 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:27:02.08 ID:yCo6AY590
 突然背後から声をかけられ、インデックスは前のめりに転んだ。
 ネウロはその無様の様子を見下しながら、ニヤニヤと笑みを浮かべている。


「ドラム缶のようなものを見つめていると思えば……確かに貴様と体型は似通っているからな、仲間意識でも感じたのであろう?」


 清掃ロボットスリーサイズ、上から100、100、100。
 見事な寸胴である。
 そしてネウロのセリフは間違っての女性という生物に対して放ってはいけないタヴ―であった。


「ねうろにはデリカシーってものが無いのかな!? かな!?」

「何を言う。我が輩は貴様を立派なれでぃ〜として扱っているではないか。


 ネウロのレディーに対する礼儀。

 ・初対面の女の子の頭を鷲掴み。
 ・快適な椅子として使用。
 ・ドラム缶扱い。


 誰か辞書持ってきて。意味調べて。
49 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:28:56.88 ID:yCo6AY590
「ひどすぎるんだよ……あんまりなんだよ……」


 絶望しかけるインデックス。
 しかしネウロに気にする様子はない。


「まぁ貴様の体系など我が輩にはどうでもいい。我が輩にとって価値があるのは空腹を満たすという事だけだ」

「お腹なら私も空いてるけど……ハッ! もしかしてご飯を御馳走してくれるのかな!?」

「我が輩の食い物は貴様ら人間が喰うような物質ではない。少々特殊故、地上で食事するためには協力者が必要なのだ」


 瞬間、インデックスの脳裏に電流が走る。
 嫌な予感がする。
 とびっきり嫌な予感が。
 ネウロのインデックスを見つめるあのニヤニヤした目。




 気が付くと、インデックスは逃げ出していた。
50 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:30:04.72 ID:yCo6AY590



 気が付くと、ネウロに座られていた。
 歩道のど真ん中で。 








「あまり騒ぐな。地上で我が輩はあまり目立ちたくないのだ」

「こんな所で女の子に座ってる時点で目立ち過ぎだと思うんだよ!」

「なら手短に話すとしよう。我が輩には協力者が必要なのだ、地上で活動するにあたっての代理人。それを貴様に任せたい」

「代理人って……私には色々と無理があるんだよ。さっきのとーまに任せた方がいいと思うんだよ」

「最初は我が輩も考えた。が、どうにもあのウニの右手と我が輩は相性が悪いらしい。その点、貴様からは中々芳醇な香りがする」

「え? 私、そんなにいい匂いかなぁ……?」


 自分の体をクンクンと嗅ぐインデックス。
 ネウロは口元に笑みを浮かべながら、続ける。
51 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:31:37.43 ID:yCo6AY590
「だが、まだ時期が早いようだ。そう時間はかからんと思うが、もう少しお預けされてやる。その間我が輩は地上の情報について調べるとするか」

「……? ねうろ?」

「安心しろ。その時になれば嫌でもわかる。……おお、そうだ。貴様のフード、先ほどの家に落ちていたぞ」

「えっ!? 本当!?」

「ああ。しかし奴は学校があると言っていた。夕方過ぎにでも行ってみると良い」

「うん、わかったんだよ。ありがとう、ねうろ!」


 たたたたっ、とインデックスは小走りでその場を去っていく。
 残されたネウロはその後ろ姿を見つめながら、小さく呟いた。








「……さて、あのワラジムシに向けられた『悪意』は如何程なモノか。楽しみだ」





 ジュルリと。
 舌なめずりをしながら。
52 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/10/29(月) 01:33:46.09 ID:yCo6AY590
今日はここまでです。

何が難しいって、ネウロの理不尽さや小ネタなんかは絵で表現してこそで、文章で表現するのがとてつもなく難しいのです。どら焼き喰ったのび太っぽい人に殺意と拳銃を向けるどらちゃんとかどう書けばいいのよ。


もう少し地の文を増やしたい気持ちもあります。あと設定の改変も多少出てくる予定ですので、ご注意ください。



では、また近いうちに。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 01:35:02.02 ID:99KejLC6o

ネウロの舌の上で転がされる面子が気の毒だなぁ(棒)
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/10/29(月) 01:38:37.93 ID:Mq6GFQsAO
乙です。
流石のネウロでも上やんの右手は動かせないのか。
しかし謎は喰われて、戦えば恐竜と蟻位の差があるし、聖人も何もできんな。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 02:35:15.44 ID:dyPZlzLco

ネウロ好きとしては面白そうなものが投下されてた
期待!
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 02:49:06.60 ID:6WwNQcqIO
>>54
右手に干渉できなくても、二次元の刃は接触したという事象すら無く結果だけが残るから結局は……

というか、777つ道具複数使われたら終わりか
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/10/29(月) 04:11:50.85 ID:S+kPqd8Mo

これは期待できそうな感じ

>>56
上条さんはそもそも身体能力は人間としては高い程度なのでネウロとガチバトルしたら殴られるだけで吹き飛ぶな
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 11:48:46.18 ID:jgYzh6WIO
ネウロが相手じゃあ接待バトルルールも無意味だしな
そげぶパンチが吐息で止められそう
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 19:46:01.83 ID:qg6Rhjz2o
HAL終わって寂しくなってたところにまたネウロスレ
めちゃくちゃうれしい
60 :VIPにかわりましてゾウリムシがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 20:05:22.20 ID:dXmJGOa10
乙乙
小ネタもネウロらしくて面白い!
期待してます
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/30(火) 11:28:05.23 ID:2gAWXz1DO
禁書は読んだことないが、このチートドS魔神に対抗できる奴はいるの?
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/30(火) 11:40:50.00 ID:j8vRuJjqo
6編ネウロが相手なら俄然勝ち目が出てくる
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/30(火) 13:24:24.00 ID:4+aIKBzho
>>61
理屈の上ではいなくもないがいかんせんネウロの実力が未知数過ぎて
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/30(火) 15:42:39.12 ID:ioOQ/7ODo
ありとあらゆる手段を封じられてプライドをへし折られる一方通行が浮かんだ
65 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/01(木) 01:49:21.39 ID:cVhBHbAE0
明日、ていうか今日の夜十一時くらいから登校予定です。
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/01(木) 01:50:29.75 ID:dxNIP6l/o
夜間学校?
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 12:42:46.32 ID:ViHx34tOo
wktk
68 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/01(木) 23:27:04.10 ID:cVhBHbAE0
登校じゃないよ投稿だよていうか投下って書けばよかったちくせう。

ネウロの強さ設定とか、後禁書とネウロの設定をいい感じで混ぜ合わせたちょっとしたオリ設定なんかも色々考えてます。そこまで進むのが大変ですがねぇ。


いきなりミスってややテンションが下がってますが、投下していきます。急がしくて書き溜めがつくれん。とほほ
69 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/01(木) 23:27:46.66 ID:cVhBHbAE0








 上条当麻は所謂『落ちこぼれ』とされる生徒だ。


 学園都市の要ともいえる超能力開発、コレに関して一切の成績を出せていないのは、まだ特殊な右手を理由にできるかもしれない。
 だが、その他の教科も決して良いとは言えない。悪いとは言える。そんな成績なのだ。

 最も、上条の成績の悪さの原因の一端には様々な理由、不幸があるのだが。


(はぁー……いくら薬を飲んでも電極をぶっ刺してもこんなペラペラな紙一枚の裏側も見えないんだもんなぁ)

 
 別にレベル4やレベル5のような、絶対的な力を駆使したいというわけではない。
 いや、物凄い力に憧れると言うのは男子であるからには必ず通る道であり、誰もが一度は夢見る地上最強の男のように背中に鬼を飼いたいと思ったことは一度ならずはある。
 しかし、上条が真の欲するのはレベルによって、大きく差の出る奨学金なのだ。
70 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/01(木) 23:43:17.46 ID:cVhBHbAE0
 当然、レベルが大きい程多くの奨学金が支払われる。
 特に特徴のない普遍的な高校に通うレベル0の上条が手にする奨学金は、高位能力者から見ればスズメの涙程度なのだ。

(お金が湧いて来たり、空から降ってきたりする能力とかがあればなぁ……」

 科学的ではないとはいえ、妄想は自由だ。
 全て科学で説明のつくRPGや漫画なんて面白くないだろう。
 楽しく生きる為に必要なのは、少々の妄想と人の発想の裏を潜る発想なのだ。


 上条はチラリと窓から外を眺める。
 グラウンドにはテニスに励む女子達の姿。夏休みは運動系の部活に所属している人にとっては貴重かつ重要な練習期間だろう。
 天気は快晴、これも運動日和だ。もう少し涼しければ教室に黙って座っているのももう少し楽になりそうなのだが。
 そして、窓にべたりと張り付いているネウロ。
 まるで壁に投げつけたら張り付いて、そのままペタンペタンと降りていくゴムの人形みたいに両手だけで窓の外に張り付いている。
71 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/01(木) 23:43:50.67 ID:cVhBHbAE0
「…………まぁ、夏だしな」


 夏になると暑くなる。
 暑くなると、よくわからない行動に出る者もたくさんいる。
 きっとネウロもそうなんだろう。あんな格好をしていれば暑いに決まっている。

 さて、俺は勉学に励もう。
 上条当麻は大きく深呼吸をし、黒板に顔を向け――――もう一度窓の方を向く。






「いやいやいやいやいやいやいやいや!」







 上条は立ち上がる。
 スルーしてはいけない。
 あれを無視するのは、人間としてできない。
 突っ込まざるを得ない。

 たとえ、黒板の前で小学生にしか見えない担任の女教師が涙目で上条を見つめていたとしても。
 上条当麻は理不尽に立ち向かう。
 
72 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/01(木) 23:53:14.81 ID:cVhBHbAE0


 ――――まぁ、既にネウロは窓から姿を消していたのだが。








「……え?」

 いなくなるネウロ。
 クラス中から突き付けられる視線。
 涙目の幼女(担任)

 上条当麻は不幸な少年である。
 この上なく。
 弄られる側として輝く不幸のエンターテイナーなのだ。
 

「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁみ条ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

「不幸だぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」




73 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/01(木) 23:53:47.47 ID:cVhBHbAE0









「ハァ……不幸だ……」


 帰り道。
 
 上条当麻はいつものように溜息を吐きながら、いつものように呟いていた。
 
 学園都市七不思議にも数えられる担任教師とのタイマン補修コース〜お説教を添えて〜の威力は絶大である。
 はちみつ漬けにした飴玉の様な甘ったるい声でのお説教は、人によってはご褒美に思えるかもしれないが、上条は運が悪い事に、世間的には良い事なのだが、性癖に関してはまともだった。
 というわけで、ただただ精神を摩耗させられ体力を根こそぎ奪われ、上条は疲労困憊で帰宅中なのだ。


「このまま何事も無く平和に家に帰りたい……」

 
 上条はぼやく。
 しかし、彼は気づけなかった。
 その台詞はフラグであると。
 「こんな所に居られるか! 俺は一人で脱出するぞ!」とか、「俺、戦いが終わったら学校行くよ……馬鹿って他の奴らに馬鹿にされるのも結構いいかもな」のような台詞に匹敵する、テンプレの代名詞であると。
74 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/01(木) 23:54:23.28 ID:cVhBHbAE0



「見つけたぞ、上条」

「居た居た見つけたわよこの野郎!」



 二方向から上条に向かって声がかけられる。
 一つは右から、一つは左から。
 一つは、どこか苛立っているように思えるが、澄んだ綺麗な声であった。
 一つは、この世の何よりも胡散臭いが脳の最深部にまで届いてきそうな声であった。




 パリパリと淡く電気を纏うその少女は、身に纏う制服だけで己の力を証明していた。
 学園都市屈指の名校門、常盤台中学の制服。
 レベル3以下の生徒は入学できないという狭き門の奥にて頂に立つその少女。
 学園都市の広告塔。
 七人しか存在しないレベル5の第三位。
 学園都市最強の電撃使い。

 
 超電磁砲〈レールガン〉の御坂美琴だ。
75 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/01(木) 23:54:59.10 ID:cVhBHbAE0
「……あー、またかビリビリ中学生」

「ビリビリ言うな! 私には御坂美琴って名前があんのよ!」

 
 電撃が少しだけ強まる。
 以前不良に絡まれていた所に上条が割って入り、何故か彼女は逆切れし、ついでに能力が通用しない上条に興味を持ち、今に至るというわけだ。
 上条にとっては彼女に絡まれることは不幸以外の何物でもない。
 
 その上。
 今は、更なる面倒の種が一緒にやってきている。

「どうした上条。ただでさえフナ虫の様な顔がさらに陰気くさくなっているぞ?」

「誰のせいだ誰の!」

 学園都市最強の一角に絡まれるよりも面倒な人物、じゃなくて魔人。
 
「つーかさっきは何してたんだよ!」

「パソコンを探していてな。貴様の通う学校にならばあるだろうと思い立ち寄ったのだ」
76 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/01(木) 23:55:42.37 ID:cVhBHbAE0

 確かに情報実習室には何台ものパソコンがある。
 授業中にこっそり忍び込めば、騒ぎを立てずに済むだろう。
 なのに敢えて見つかるリスクを冒してまでネウロは上条をおちょくりに来た。
 理由は一つ、ただただ上条が困る姿を見たいだけであった。


「おかげである程度の情報は手に入った。不十分ではあるがな」

「ああそうですか……」


「ちょっと、私も会話に入れなさいよ。……ていうか、アンタ誰? 見るからに学生って雰囲気じゃないけど」

「初めまして! 僕は上条君が【外】に居る時の知り合いでして」

(僕!?)


 クルリと。
 美琴に顔を向けたネウロはまぶしい程の笑みを浮かべていた。
 その顔を見た上条の背筋に寒気が走る。

77 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/02(金) 00:01:47.61 ID:wv0Rx/J70

「外の……でも学園都市って、そんな簡単に外からの人を入れるかしら」

「学園都市にある、とある大学で研究資料をお借りするために来たんですよ。でも僕は学園都市について詳しくないので、上条君に案内してもらってたんです」

「ふぅん……」


 
 むろん、全てデマカセである。
 しかしネウロのにじみ出る胡散臭さはデフォルトのように思えたが、ああやって完全に『好青年』を演じられるとなると、とても厄介だ。
 所見でネウロを警戒することが難しくなる。
 つまり、あの理不尽さに悩まされる人が増えていくと言うわけだ。
 嗜虐性たっぷりなネウロのドSさの被害者は、このままでは際限なく増えていき最終的には学園都市を支配してしまうかもしれない。


「……大丈夫か、学園都市」


 上条は学園都市の行く末を心から心配した。
78 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/02(金) 00:02:15.74 ID:wv0Rx/J70

「まぁ、いいわ。私が用があるのはそっちのツンツン頭だし」

 美琴が上条の方を向く。
 指を突き付けられた上条は非情に面倒臭そうな顔を浮かべるが、それがまた美琴の琴線に触れた。

「何よその顔」

「いや、だって、ねぇ……」

「今日こそ証明してみせる。アンタなんか私の敵じゃあ無いってことをね!」


 バチバチと。
 御坂美琴の周りに青い電流が迸る。
 それは規模は小さいものの、紛れもない本物の【雷】であり、御坂美琴の操れる電気の力は学園都市に居る他の電撃使い全員と対峙しても、それを上回るほどだ。
 単純な放電だけではない。磁力操作、電磁波、電気による水分子の制御など、電気がかかわる事ならば美琴は平然とやってのける。
 
79 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/02(金) 00:05:08.67 ID:wv0Rx/J70
 以前上条は美琴の放ってきた攻撃を、右腕一本で全て対処したことがある。
 しかし、美琴はその時の戦闘で唯一、使用していない攻撃があった。
 
 人間一人に向けるには、あまりにも非人道的なその攻撃は美琴の名前の由来にもなった、現代科学最強の電気の一撃。


 ”超電磁砲”

 
「受けてみなさい、正真正銘、コレが学園都市第三位の超能力者、御坂美琴様の一撃よ!」


 ポケットから取り出したのは、ゲームセンターのメダルゲームなどで使用されるコイン。
 それを指で上へと弾き、腕を一直線に上条の方へ向けて狙いを定める。

(やべぇ。消せたとしても怖いっていうか超電磁砲なんてレベル0に向けていいものじゃねぇだろちくせう)
80 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/02(金) 00:07:09.16 ID:wv0Rx/J70
 異能の力であればすべてを打ち消せる上条の右腕。
 しかし、たとえば念動力で飛ばされてきた車に触れても、車が消えるわけではない。車は念動力の制御からは外れるが、車そのものは異能の力ではないのだから。
 つまり、磁力で砂鉄の剣すら作り出せる美琴がそこら辺にある車や鉄柱を上条に向かって放てば、右腕以外は普通の人間である上条など簡単に圧死してしまう。



「喰らえッッ!」
 
 

 美琴の指にはじかれて、オレンジ色の軌跡を描きながら音速以上の速度で放たれる超電磁砲。
 幸いなのは、弾道が一直線に飛んでくるという事がわかっている、という事。
 上条は美琴の腕と一直線になる様に右腕を配置しておいた。

 右腕は、添えるだけ。

 放たれてから避けるのでは遅すぎる。だが超電磁砲は右手で触れさえすれば防ぐ事が出来る。
 上条は右腕をまっすぐ構えたまま、超電磁砲が勝手に右腕に向かってきてくれるのを待った。



 のだが。
81 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/02(金) 00:09:19.57 ID:wv0Rx/J70





「くしゅんっ!」


 

 ボシュッと、なんだか気の抜けた音がした。
 と思っていたら、上条に向かってきていたオレンジ色の光が一瞬にして消えてしまった。
 上条はアレ? と思う。
 なぜなら、超電磁砲はまた右腕に当たっていないからだ。


 今、何があった?

 上条当麻は考える。

 今起こったことを考察してみよう。

 ネウロがくしゃみをした。

 それだけである。



 …………え? 
82 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/02(金) 00:15:04.37 ID:wv0Rx/J70
「いやぁ、夏風邪でも引いてしまいましたかね。あはははは」

 ネウロがそう言いながら、胡散臭い笑みを浮かべて笑う。
 しかし、上条と美琴の表情はそれとは対照的に、完全に引きつっていた。
 
 上条は自分の右腕に超電磁砲が届かなかったことがわかっているし、美琴は超電磁砲までもが上条に無効化されたと思い込んでいる。


「私の必殺技まで……」

「おっと、そろそろ僕は失礼します。上条君、案内をよろしくお願いします」

 
 物腰丁寧に上条の服の襟をつかんで、ネウロは引きずるようにその場を立ち去ろうとする。
 首根っこを掴まれた猫状態の上条は呆然としながら、まさかとは思うが一応確認を取ることにした。


「……なぁ、ネウロさんや」

「何だ」

「……さっき、ビリビリのアレ、ネウロさんが何かしたんでせうか?」

「何を言う。吾輩はくしゃみをしただけだぞ? まぁ、吾輩はくしゃみどころか咳で人を殺せるがな」

「…………」
83 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/02(金) 00:23:59.28 ID:wv0Rx/J70
「そんな事よりも、行くぞ」

「? 良くって、どこに?」


「貴様の家だ」

「……何で?」


 上条としてはご遠慮願いたかった。
 あの電波ながらも可愛らしい少女ならまだしも、ドS魔人と部屋に二人っきりなど御免であった。

「というよりも、貴様の家の方向だな」

「……?」





「吾輩の大好きな【悪意】が、動き始めたようだ」



 魔人、脳噛ネウロは笑う。
 人の闇のにおいをかぎつけ、涎を垂らし。

 本能の赴くままに、悪意を喰らうために。
84 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/02(金) 00:26:36.09 ID:wv0Rx/J70
短いですがここまで。

文章書くの難しすぎる。あと忙しい。もっと気楽に台本形式のギャグとかにすればよかった。

何となく書く展開とネウロがわからご登場いただくキャラ何かは決めています。バッと駆け足でテンポ重視で進めていこうかな。

では、また次回。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 00:31:05.86 ID:LAmUDLVNo
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/11/02(金) 00:39:27.46 ID:CVRhUhvv0

ドーピングコンソメスープは出して欲しい
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/11/02(金) 00:47:01.16 ID:HhhHHWsAO
乙です。
このネウロさんは魔翌力が満タンだからな、確か核兵器でも傷一つつかないんだっけ?
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 00:50:21.40 ID:JahfmGOw0
それを食らったインデックスがムキムキの筋肉ダルマになるのか
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 01:21:26.70 ID:C9hbNN7SO
乙です
ぬふぅーん!も好きなネタだが、xがどう物語に絡んでくるか気になる

90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/02(金) 01:43:08.60 ID:sJPbcEfZo
触れずに消せるとかさすがネウロさんまじぱねぇ
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/02(金) 02:00:52.28 ID:DaPyXJmXo
次の展開をどんどん見たい欲求と、『謎』の扱いがどうなるのかを詳しく見たいっていうのがあるなあ
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/02(金) 02:02:10.52 ID:RShFwtV5o
魔術サイドで魔界カピバラを召喚すればさしもの全盛期ネウロでもいちころよ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 02:45:08.93 ID:RBUXyf7to
なんだこれは・・・超期待乙!
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 02:51:29.45 ID:85wdNwuSO
乙です
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 05:32:57.19 ID:ftJxl+iIO
インペリアルデックス「ぬっふぁーん!」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 08:54:37.94 ID:C1WIAVoIO
この世界の新しい血族は魔術と科学が融合してさらに凶悪なヤツらになってそうだ
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 11:19:30.81 ID:XOud4Bz50
魔術と科学のハイブリッドなどとうの昔に完成している
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 11:24:08.81 ID:XOud4Bz50
>>52とりあえず自分で書いたヘタウマな絵を文中とかあとがきとかにのっけるとか
99 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/02(金) 16:33:38.67 ID:wv0Rx/J70
>>98
誰か代わりに描いてくれてもいいのよ?
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/02(金) 18:08:01.64 ID:GYuL/nawo
>>99
m9
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 22:28:31.91 ID:1+ZdRZ3Z0
スマホからの画像の張り方を教えてください
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/02(金) 23:54:56.97 ID:kXyyN/jh0

意外と人がいてネウロ好きな俺としては嬉しい
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/03(土) 11:03:35.22 ID:YtDuhNwIO
>>101
専ブラならカメラマークとかあるはず、それでがんばれ
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/03(土) 21:36:20.95 ID:1/nFFbQRo
>>101
普通にアプリでアップロードしてURL張ればいいよ
105 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/04(日) 16:33:50.93 ID:NhGKkmQI0
今日の夜に更新します。日付が代わるあたりかそのころに。
あと、>>101には期待していいのよね?
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 17:42:15.71 ID:2tLOe5BD0
>>101です。悪戦苦闘中。なんてアプリ?URLってなに?
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 18:29:11.53 ID:C1dqCKOto
>>106
>URLってなに?

えっ!?
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 18:47:08.97 ID:9QFI3LSZo
流石にネタだろ
ネタじゃなかったら[ピーーー]
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/04(日) 18:59:13.97 ID:KFyGWPLKo
謎の匂いがするぞ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/04(日) 19:13:43.42 ID:IqgV6Oo00
前菜にもならないレベルだな
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/04(日) 19:31:20.71 ID:VxlV4sv70
>>106

URLも知らないでネットやってんじゃねぇよ!
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/04(日) 20:07:53.50 ID:2tLOe5BD0
すいまセーン…

ボクウソついてまーシタ…

URLがアドレスてっこと知ってまース…

オーガット!!ひどすぎマース!!ネタでこんなに叩かれたの初めてデース!!

二度と死ねなんて言わせネェッ!!!!!
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/04(日) 20:33:12.30 ID:e6Pq2MLXo
>>112
その前にAndroidかiPhoneか教えろ
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2012/11/04(日) 20:39:26.97 ID:VG7JDC7r0
>>112

死ね

115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 20:51:14.47 ID:H2T/y7wIO
>>112
産まない女王様植え付けたわ。
Dレーションだけ食って生きてろ。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/04(日) 21:17:42.12 ID:2tLOe5BD0
オーマイガッ!!!!ココロガ…ココロガ折れちマッタ――――ッ!!!!!

iPhoneです
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/04(日) 21:39:59.97 ID:e6Pq2MLXo
>>116
すまんiPhoneは分からん
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/04(日) 21:56:00.57 ID:WtbtYgeuo
で、どうしてここの人はsageない人ばかりなんですかね・・・
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/04(日) 22:22:11.54 ID:KFyGWPLKo
HALが気づかせてくれたんだ…sage進行無視の快感を…
120 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:29:45.38 ID:eJ+J7z4B0
電子ドラッグ流行しすぎワロタ。


コメント返しというのをやってみたいのでやってみる。


>>86 禁書で料理人的なキャラを思い浮かべたところ一人見つけたんですが、すごく怒られそうな気がします。誰かに。

>>87 魔界から出てきたばかりの頃は核でも死なないらしいです。それでも万分の一というのだから恐ろしい。

>>88 >>95 インペリアルドラモン「滾る! 滾るんだよ!」

>>89 ご登場にご期待ください。

>>90 フハハハハ。

>>91 細かい描写が苦手です。ていうか学園都市でトリックってあんま存在しない気がしてきました。犯罪行為が能力とか超科学ばっかりなんですもの。

>>92 ガブリエル以上に難しいんじゃないですかね。カピパラさんは。

>>93 ご期待いただきありがとうございます。

>>96 >>97 血族はぜひとも出したいですねぇ。ていうか出す。

>>101 あてにはわかりません。すいません。

>>102 ネウロはちゃんと綺麗に最終回を迎えられた稀有な良作なので、好きな人が多いのは嬉しいです。

>>103 >>104 親切な人が多いですね。

>>106 !?

>>107 !?

>>100 >>110 ある意味凄い謎かと。

>>111 Uいはると Ruいこちゃん Laブラブ

>>112 つ「納豆」

>>115 そばかパスタかコーヒーなら何とか生きていける自信があります。

>>116 リクエストは国家でお願いします。

>>117 無念

>>118 電子ドラッグオソロシス。

>>119 HALさん活躍する場所間違えてます。




では、更新していきます。割と頑張って書いたつもりの赤毛神父戦です。
121 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:33:35.86 ID:eJ+J7z4B0



 上条当麻は予感する。


 
 見慣れた自宅の階段が、まるで異空間へとつながる入口のように思えた。
 得体のしれない何か、普通に生きている人間ならば決して生涯知ることのないアンノウンへとの境界線。

 『運命』だとか、『嫌な予感』とか、そんな不確かなものを鼻で笑う科学の都市のど真ん中で、上条は確かな悪寒に襲われた。
 
 警告。
 この先に進んではいけない。
 この先にあるモノを見てはいけない。

 見てしまえば、きっと上条当麻は戻れなくなる。
 平和な日常は失われ、何か大切なものを失ってしまう。そんな悲劇が待っているだろう。

 退け。
 やめておけ。
 日夜不幸に襲われる上条当麻の本能が、優しく上条に進言する。
122 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:34:45.27 ID:eJ+J7z4B0
 しかし、上条は進む。
 進んでしまう。

 例え何があろうとも、目の前が化け物の牙がぎらつく口の中であろうとも。
 上条当麻と言う人間は、そこに何かがあるのなら、進んでしまう人間だった。

 行動するからこそ、上条当麻は上条当麻なのだから。





「上条」

 
 上条が住んでいるのは七階。
 一階に下りてきたエレベータの中で、ネウロが口を開く。

「間違いなく、我が輩は貴様の部屋の前から悪意を感じている。そこに【何か】があるのは間違いない」

「…………」

「だが、貴様は我が輩の食事の準備を手伝えばそれでいい。それだけで貴様と、貴様に関わる命の保証はしよう」
123 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:35:39.75 ID:eJ+J7z4B0
「……何か、意外だな」

「ん?」

「アンタが何なのか、はっきり言って俺にはまだイマイチピンと来ない。魔人なんて言われたってすぐには信用できない。けど、アンタがとてつもない化け物だっていうのはわかる」


 一人で軍隊とも戦える力を持つ少年少女が七人も存在する学園都市。
 その都市の住民をもって、とてつもない化け物と表現される脳噛ネウロとは一体何なのか。

 上条の右腕に触れて消えないという事は、確かにこの世に存在するモノ、生物なのだ。
 存在自体は『異能』ではなく、確かな現実。
 くしゃみで第三位の超電磁砲をかき消す様な、規格外の化け物が現実に存在すると言う非現実的な現実。


 上条当麻は考える。

 ありえない物が目の前に存在する、この状況で。
 今まで自分の周囲を取り囲んできた世界、『化学』の外側にあるもう一つの世界の事を。



 今朝出会ったばかりの、白い少女が語った世界の事を。

124 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:42:06.10 ID:eJ+J7z4B0
「さて、着くぞ」

「……ッ!」


 扉が開き、上条とネウロはエレベータを降りる。
 目の前にある角を曲がれば、上条家はすぐだ。

 すると、上条の耳に何かの音が届いた。

 機械の駆動音、一台ではなく、数台が動いているような無機質な音の多重奏。
 

 嫌な予感が加速する。
 精神が不安定になる。
 思考が拒絶している。


 しかし、現実は非常にも事実だけをただ淡々と、あるがままに突きつける。




 上条とネウロは、【ソコ】へ足を踏み入れた
125 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:44:05.15 ID:eJ+J7z4B0



 血。





 むせ返るほどの血臭。
 無機質な清掃ロボの駆動音。
 
 そして、インデックス。
 

 穢れなき純白に身を包む聖女は、紅い血だまりの中に沈んでいた。




「…………」

 上条当麻の思考が止まる。
 惨状を捉える視覚が、血の匂いを嗅ぎ取る嗅覚が、どうしようもない現実を脳へと突きつけてくる。
 受け入れられるわけがない。
 普通の生活をして生きる学生が、血だまりの中に沈む少女を見てすぐに状況を理解できるわけがない。

 だから、上条当麻は固まっていた。
 しかし、人ならざる存在は、動いていた。
126 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:48:03.01 ID:eJ+J7z4B0
「フム、死んではいないな。腰のあたりに傷がある。長く切れ味のいい刃物で一閃された様な傷が」


 ネウロはインデックスの状態を冷静に見極めていた。
 それから、ようやく上条は体と思考の自由を取り戻す。


「……ッ! 離れろ! くそっ!」


 上条はインデックスに群がる清掃ロボットをどかそうと、三台のうちの一台に掴みかかる。
 清掃ロボットは血を汚れとして処理しようとしているだけなのだが、その光景が上条には死肉に群がる虫に見えた。
 無機質な機械に生理的嫌悪感を覚え、上条はいてもたっても居られなくなった。


「何だよ、何なんだよ! 誰がいったいこんなことを!」


 上条は激昂する。
 

 すると、以外にも、上条は想像すらしていなかっただろう。




 答えが、返ってきた。
127 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:50:32.59 ID:eJ+J7z4B0





「うん? 僕達『魔術師』だけど?」





128 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:51:33.97 ID:eJ+J7z4B0

 冷徹な声だった。
 若く、上条よりも幼いであろうその声の主は階段の奥からその姿を現した。


 長い赤髪の、漆黒の修道服に身を包んだ少年。

 上条当麻は理解する。
 コレが、『魔術師』だと。
 インデックスが言っていた、科学と対をなすもう一つの世界のサイド。

 煙草の紫煙を揺らしながら、少年は一歩ずつ近づいてくる。

「やれやれ、そこのドラム缶みたいなモノが血の跡を消してくれたからラッキーだと思っていたんだけどね。まぁ、見つかってしまったからには仕方ないかな?」

「……テメェ」

「ああ、僕はステイル=マグヌス。Fortis931でもいいよ。それと、この名前は別に覚えてもらうための名前じゃない。君達を殺す前の、まぁ儀式と言うかしきたりみたいなものでね」

129 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:54:18.65 ID:eJ+J7z4B0
 ステイルは余裕の表情を浮かべる。
 実際、警戒なんてものはしていなかったのだろう。

 警戒する価値があるのは、『魔神』の域に届きうる知識を脳に詰めた、横たわる血まみれの少女のみ。
 
 ステイル=マグヌスは恐れない。
 

「それと、これは親切心で一応言っておこう。そこのソレに関わろうだなんて、間違っても思わないほうが良い」

「……何だと?」

「その子は、運が悪ければ『引き金』になる。世界大戦クラスの、死体と貧民を無尽蔵に生み出す醜悪な戦いのトリガーになりうるんだ。その子が頭に抱えた十万三千冊の魔道書がね」

 
 吐き捨てるような言い方だった。
 しかし、上条の耳はその言葉をとらえているものの、思考はステイルの方に向いていない。
130 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:55:35.27 ID:eJ+J7z4B0
 魔道書。
 十万三千冊。
 全て、全てインデックスが上条の部屋で口にした言葉だ。


 電波発言でも、嘘発言でもない。

 
 全て真実。コレが現実。

 上条当麻の視界がぶれる。
 怒り。
 己への、怒り。

 この惨状を生み出した、『ありえない』と否定した軽率な自分への怒りに上条当麻の思考が赤くなっていく。

 無意識のうちに右手を強く握りしめる。 
 あらゆる異能を防ぐ絶対の盾にして、あらゆる異能を破壊する絶対の矛。
 矛盾など、ありえない。
 異能であるのなら、それは死ぬ。必ず殺す。


 それが、上条の『幻想殺――
131 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:57:35.73 ID:eJ+J7z4B0





「落ち着け、毛じらみ」

「ギャーッ!?」






 親指を、目の中に突っ込んで、そのまま殴りぬけられた。
 眼球は何とか眼孔内に収まっているものの、動機が止まらない。別の理由で視界がぶれた、物理的に。


「何をするんだよ!?」

「物事には適切な対処がある。貴様が今最も優先すべき事柄は何だ? あの赤ワラジを殴る事か? それとも――――白雑巾を助ける事か?」


 ハッと。
 上条は後ろを振り向く。
 血だまりに沈む白い聖女の姿は、以前変わりなく。
 生命の元は絶え間なく滴り落ちている。
132 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 00:58:45.79 ID:eJ+J7z4B0


「……そんなの、決まってる」

「よかろう、我が輩とて人間を死なせるつもりは毛頭ない。――さて、来るぞ」

「っ!」



 ステイルが口にくわえていたタバコを手にし、それを指で弾いて投げ捨てる。
 オレンジ色の軌跡を描くソレは隣の建物の壁にぶつかり、小さな火の粉を散らし――



「――――炎よ」


 
 瞬間、それは炎の剣と変わる。
 轟々と燃え盛る大火を凝縮したその剣は見ているだけで視界を焼かれてしまいそうな程、灼熱の熱気を辺りへと吹き散らしていた。
 




「――巨人に苦痛の贈り物を」

133 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 01:01:53.33 ID:eJ+J7z4B0
 灼熱が叩きつけられる。

 周りの壁を、床を、熱気だけで焦がしながら剣自体が爆発し、人体を滑らかに溶かす高温がぶちまけられた。
 黒煙が立ち上がる学生寮の廊下でステイルは溜息を吐いた。

「ああ、やってしまった。僕も気が立っていたからね、力加減が出来なかった。これじゃああの子を回収できない、やれやれ、まったく」

 
 インデックスは業火の向こう側に倒れている。
 回り込むための階段などはないため、炎が消えるのを待つしかない。


「恨むなよ。恨むならあの子と関わってしまった自分の運命を呪うとい――







 言葉が、途切れた。
 途中で千切られた。
134 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 01:03:55.46 ID:eJ+J7z4B0

 肉体の反射的な反応。
 硬直。
 ステイル=マグヌスは理解が遅れ、そして反応も遅れた。



 しかし、即座に反応などできるわけがなかった。


 炎の向こう側から飛んできた清掃ロボット、何て、誰が尊像できるというのか。


 当たり前のように回避できずに、二メートル近い巨体が機械の衝突で大きく吹き飛ばされた。


「な……ッ!? ぐっ!」

 
 爆発の勢いで吹き飛ばされたのだろうか?

 いや、違う。 

 爆発など、起こってはいないはずだ。

 それに、清掃ロボットにあるこの不自然な【へこみ】。
 
 まるで、何かが殴り飛ばしたような――






「フハハハハ。便利だな、その右腕は。護る手間が省ける」

「……そういうアンタはもっと便利そうな体だけどな。デコピンであれを吹っ飛ばすってどういう事だよ……」
135 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 01:06:49.10 ID:eJ+J7z4B0


 異常。
 若干十四歳にして魔術師殺しの専門機関にて天才と呼ばれたステイル=マグヌスは戦慄し、そして恐怖する。
 炎の中で口を開く、二つの人影。
 談笑する二人。
 その光景が、ステイルにはまるで地獄の業火に焼かれる人間を嘲笑う悪魔のように見えた。
 
 腕を振り払うと、摂氏三千度の炎が風に吹かれたかのように消え失せる。
 まるで、最初から何もなかったかのように。


「な、に、が……」

「上条。貴様はそこに倒れている白ミミズを連れて行け。息があるのが不思議なほどのダメージを負ってはいるが、それでまだ生きているのならば治療を施せば何とかなるだろう」

「……アンタは?」

「我が輩は食事の下準備だ。豪勢な食事の前に軽い運動でもさせてもらう」

「……」


 上条はインデックスを背負い、その場から立ち去る。
 ステイルは当然止めようとしたが、清掃ロボットをどかすのに手間取っている間に上条はステイルの横を過ぎて階段へと姿を消してしまった。
136 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 01:08:35.61 ID:eJ+J7z4B0
「……やってくれたね。また追うのは面倒なんだよ。ここで君を殺す事の千倍は面倒だ」

「フハハハハ。我が輩を殺す、か」


 ネウロの挑発に乗る義理はない。
 しかし、状況が状況。
 出し惜しみをするくらいならば、とっとと片づけてしまう。




「『それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり。
  それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり。
  その名は炎、その役は剣。
  顕現せよ、我が身を喰らいて力と成せ―――【魔女狩りの王】ッ!』



 爆炎と共に、それは顕現した。
 溶岩が人の形をしたような、紅く黒くドロドロとしたものが芯となって炎を纏っている。
 必ず殺す、そんな名を与えられた必殺の炎。
 
 【魔女狩りの王】
137 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 01:10:25.24 ID:eJ+J7z4B0
「……」

「今度こそ、焼けて死ね!」


 魔女狩りの王の腕が、ネウロを押しつぶす。
 あまりの熱量に、腕が押し当てられている部分の通路が融解し始めていた。
 
 終わりを確信する。

 あれの直撃を受ければ、たとえ彼女でも耐えきれないだろうと、ステイルは同僚の【聖人】を思い浮かべる。
 
 
(ま、僕に切り札を出させたんだ。驚嘆モノだよ)

 今度こそ、終わり。
 並みの防御術式では一秒も持たない熱量と質量を併せ持つ【魔女狩りの王】の一撃は、あの男の肉体を一片も残さず溶かし――――
138 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 01:11:11.41 ID:eJ+J7z4B0





「…………フム、この程度か」




139 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 01:11:48.55 ID:eJ+J7z4B0

 ありえない。

 状況を確認する前に、その言葉がステイルの脳内を支配した。
 悪寒、寒気。
 背筋が凍り、嫌な汗が全身を滴るのがわかる。
 
 嘘だ。
 バカな。
 ありえない。

 あってはならない!


「一億度の業火に耐える魔界生物の我が輩に、炎で挑んだ時点で貴様は負けていたのだ。シデ虫めが」


 カツ、カツと。
 振り払うわけでもなく、消し去るわけでもなく。
 まるで今も浴び続けている炎を『感じていない』とでもいうかのように。



 魔人、脳噛ネウロは【魔女狩りの王】の中を悠々と闊歩する。
140 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 01:15:09.98 ID:eJ+J7z4B0
「…………ッ!」


 ルーンを極めし天才魔術師は絶句する。
 己の才覚を存分に出しきってこそ顕現が可能な『魔女狩りの王』、その威力は教皇クラスの魔術であり、元となるルーンが存在していれば無限に再生する。
 しかし、一歩ずつ歩みよってくる化け物にはそんなステータスは何の意味もなかった。

 ネウロは『魔女狩りの王』を消し去るどころか、無視しているのだ。 

 三千度の灼熱の中で、悠々と笑みを浮かべているのだ。

 
 そんなもの――――どうしようもない。



「安心しろ、殺しはしない。ただ喋ってもらうだけだ、『謎』を食うのに必要な情報をな」


 ニタリと。
 手袋を外し、その下に潜む歪な蟷螂の鎌のような五指を晒しながら、ネウロは笑う。

 
 愉快そうに。
 まるで、ご馳走を目の前にした子供のように、純粋な笑みをを浮かべ。


141 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/05(月) 01:20:01.26 ID:eJ+J7z4B0
今宵はここまでです。

ちなみに私も専ブラ使ってません。よくわからねーっす。


とりあえず事務所手に入れるまではサクサク進んでいきたいです。

ではまた次回。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 01:21:02.83 ID:o55O3bkJo
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/05(月) 01:22:17.10 ID:7mKOAjHoo

相変わらずのチート生物だなネウロは
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 01:28:17.82 ID:CdJyvbdIO
iPhoneならBB2Cで、書き込みウィンドウのカメラマークから画像を専用アップローダーに上げられる。
アップロード終わったらそのURLが自動で来るから、URL貼ればおk


あと、Dレーションは米軍が南方の気温でも溶けないようにしたチョコレートスティック。
人の体温でも溶けないので口の中で延々ネッチネッチと粘土のように残ります。
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/11/05(月) 01:28:47.73 ID:tmgIxECAO
乙です。
ネウロ相手に三千度程度じゃな。
上やんの右手もとい防御の意味がねえ。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 05:46:15.03 ID:Q+uahiS/o


もしかしてダンテ×学園都市の人?
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/11/05(月) 08:01:39.43 ID:W+V9RP020

太陽にコタツ置いて我慢大会してるような生物に三千度…
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/05(月) 09:49:40.83 ID:+L38bkSio
このドS相手のクロスSSは読むたびに相手が可哀想になるわww
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/05(月) 10:10:45.45 ID:q9C3A1Pe0
ネウロ 聖杯戦争 ってのがあるんだけどあれは非道い
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 11:18:03.03 ID:GjVsveDIO
あのSSは正しくネウロの理不尽さを表してたな
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/05(月) 13:01:23.64 ID:iTPKz4gF0
暗殺教室も半年後にはssが書かれているんだろうな……
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 13:10:30.23 ID:q9C3A1Pe0
匿名で趣味を見てもらえるっていいよね
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 13:14:32.41 ID:JqIPs+lDO
至近距離で核兵器をくらっても無傷でいられるドS魔人に三千度の炎とか効くわけないわな
で、ステイルとやらは禁書だとどれぐらいの強さなの?
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/05(月) 13:17:34.91 ID:vzPsAiero
下準備すればそのフィールド内でかなり強いけど
温度が上がる訳じゃないからネウロ相手じゃ噛ませにもならない
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 16:20:02.65 ID:41PyIpqPo
まあステイルくんは噛ませが板についてるので、禁書クロスでは特に
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 16:56:37.56 ID:OM7LL/XSO
むしろ噛ませにならならいすているを見た事ないんだよ
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 17:40:47.20 ID:xmPLye730
同じ努力家なのに御坂との扱いの差はなんなの

ステイル「燃え燃えしてぇ!!燃やしてハァハァしてぇよぉ!!!!」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/05(月) 18:09:35.37 ID:XrWi5asLo
ステイルは陣地形成して拠点防衛するのに向いた魔術を極めておきながら最前線に出張りまくるんだもの
そら本領発揮できず噛ませにもなるわ…

ステイルが最大戦力を整えたところでネウロにとってはそよ風程度でしかないが
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [sage saga]:2012/11/05(月) 19:48:41.11 ID:35xzVG550
ネウロ殺したかったらゼットンかラギュ・オ・ラギュラでも連れてくるしか無いわなw
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/05(月) 20:23:25.88 ID:Le0n3H1io
ネウロのクロスって何か他にあったっけ?
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/05(月) 23:49:09.56 ID:4/4MTnOEo
>>160
>>27
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 00:08:49.92 ID:U4fdZ5Ry0
>>160
ネウロ「聖杯戦争?」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/06(火) 00:37:03.08 ID:T7eq31CTo
>>161
>>162
さんくす
さっそく読むわ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/06(火) 08:09:35.91 ID:Xkr1vIdq0

地味にディオと同じ事やってんのなw
165 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/06(火) 15:52:18.80 ID:9hW+E3w60
今日の日付が変わる頃に更新予定ぜよー
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 16:00:20.97 ID:QsqTQBv2o
ボクの国では更新を待つ時は・・・全裸にネクタイって決まってマース・・・
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 17:25:30.91 ID:nfWK5MxZ0
>>120>>111

この発想であんたのキャラ見えた気がする
さては自分の娘に涙春とか名付けて一生恨まれるタイプだな
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 17:30:45.77 ID:rwhWMzFOo
さすがに短絡的すぎんダロ
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 17:33:31.29 ID:iTQw90DIO
息子には正影って名付けると五年前から決めてます(憤怒)
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/06(火) 21:49:29.17 ID:7zyfuJ+IO
無礼な!
171 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 00:55:03.30 ID:yuclJ6wM0
下着泥棒にあった女性が居たとする。犯人が捕まった場合、盗まれた下着はどうするのだろうか? 返却されるのだろうか、新品がもらえるのだろうか。
もしも返却だった場合、私が女性であったならばその下着を今までのように履く自信は無い。その下着はもうすでに私以外の人間を知ってしまったのだから。
だが、それでも声を大にして言いたい。
下着に罪はないのだと。


>>142 おつありです。

>>143 松井先生が描かれる人外は素晴らしい。探偵然り先生然り。

>>144 詳しくありがとうございます。チョコレートは好きですが、とけて消えるような儚さが好きなのでソレは勘弁してほしいですね。

>>145 自分で思ったんですが、魔界で耐えられた温度が1億36度ならば地上だと一万分の一になるんじゃないだろうか・・・まぁ魔人様にはそんな常識は通用しねぇ。

>>146 別人です。あんなに長く書ける気がしません。

>>147 溶岩に耐える魔界のコタツ、一家に一台この冬どうです?

>>148 ネウロ「敗北を知りたい」

>>149 ギル涙目のアレですね。

>>150 理不尽さこそネウロの魅力です。

>>151 まどかあたりとクロスしそうですね。

>>152 最高です。

>>153 ステイルは強いんですよ、本当は。ただ防衛が得意なのにいっつも殲滅とかに向かわされるだけなんです。ステイルは悪くないんです。

>>154 準備さえすればペンデックス相手に粘れるんです、彼は。

>>155 クロスじゃないですけど、鋼盾君が主人公のSSではステイルがぱねぇくらい格好良かったです。

>>156 ぜひ鋼盾君が主人公の奴を見てみてください。ぱねぇっす。

>>157 そういえばどっちも14歳……やめてくださいステイルさん、洗脳溶けてもそれが素だったなんてオチはやめてください。

>>158 ステイル「違うよ、泣いてないよ。これはあれだよ、たばこの煙が目に染みるんだよ」

>>159 アーカードの旦那もよさそうですね。ちなみに最初【武術サイド】という事で禁書とバキのクロスも考えてみたんですが、収拾がつかなくなりそうでやめました。

>>160 自分が知る限りではHALがメインの禁書クロス、まどか、Fateくらいですかねぇ。案外少ないものです。

>>164 ジョジョが大好きなのです。あちこちにネタとしてちりばめていこうかなと思います。

>>166 オーウ……ソンナ国があるなんてシンジラレマセーン……でもボク、コウシンする時はいつも裸靴下デース……

>>167 自分に娘が生まれたならば沙耶と名付けようと思ってます。何故ならこの名前は僕の初恋の肉塊でくぁwせdfrtgyふじこlp

>>168 自分が単純な人間であることは否定しません。

>>169 吉影でもいいと思いますよ? 貴女の名字が吉良ならなおいい(ニッコリ)

>>170 怒らないでよ!(憤慨)


 では、投下していきますかねぇ。ヌルフフフフフフ
172 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 00:59:24.94 ID:yuclJ6wM0


ネウロとステイルの一方的な拷問、もとい戦闘が行われている間、上条当麻は恩師の元へとやってきた。





 インデックスが【禁書目録】として起動し、その指示を仰いで学園都市の脳開発を受けていない大人――――月詠小萌の創り上げた即席の【回復術式】によって、インデックスは一命を取り留めた。
 最も、状況の説明をしろと小萌に睨まれ、上条は現在土下座体勢であるが。


「まぁ、シスターちゃんの傷が治ったのは何よりなのです。……まだ無事とは、言えないかもですが」


 インデックスは現在、高熱で寝込んでいる。
 鼻やのどの痛みを伴わない、風のような症状。
 それはインデックスの体力が失われ、大切な【何か】が摩耗していることを意味していた。
173 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:00:30.71 ID:yuclJ6wM0
「でも、先生にはとりあえずお礼を言っておきます。……俺だけじゃ、何もできなかっただろうし」

「そんな事はないのですよ、上条ちゃん。結果を蔑にする事はよろしくないですが、『何もできない』から行動しないのではなく、『何かできるかも』と思って行動する事が大切なのですよー」

 
 子供の様な容姿で、幼子の様な声で、月詠小萌は上条を諭す。
 我らが愛するミニマム教師は、その実誰よりも大きな器を持っているのではないだろうか。
 いや、疑う余地なんてない。

 上条は一生かかっても月詠小萌先生には敵わないだろう。


「先生はお夕飯のお買い物をしてくるのです。上条ちゃんはシスターちゃんのそばにいてあげてくださいね」

「はい」


 小萌は何かを感じ取ったのか、わざと上条とインデックスを二人きりにする口実を作った。
 「先生は買い物に夢中で忘れてしまうかもしれないですから、帰ってきたらちゃんと上条ちゃんの方から相談するのですよ」なんてセリフを素敵な笑顔で吐きながら。
 
174 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:05:46.02 ID:yuclJ6wM0
「さて、と。大丈夫か? インデックス」

「うん……だいぶ楽になったかも」

 
 嘘だ。
 十四かそこらの少女の嘘など、バレバレである。
 ただ単に、強がっているだけ。
 虚勢を張るのは、人に弱さを見せたくないから。人の不安になりたくないから。

 ……そんなこと、考えなくてもいいのに、と上条は思う。
 
 子供は頼るのが当たり前。
 泣きついて、縋りついて、助けを求めればいい。

 たとえば月詠小萌の様な偉大な大人に。
 たとえば上条当麻の様な身近な友人に。

 しかし、そんな事すら許されなかったのだろうか。
 禁書目録と言う存在は。
 十万三千冊を抱える少女は。
175 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:07:16.02 ID:yuclJ6wM0
「……話してくれよ」

「え?」

「話してくれよ、インデックス。お前の抱えてるものを。力になりたいんだ」

 
 上条は受け入れる覚悟をきめる。
 少女が抱えてきた『闇』を。
 






「そうだ上条、知識を欲せ。人間は忘れれば忘れる程退化するが、知れば知るほど進化する生き物なのだから」







 天井から声がする。
 向けば、そこには布団に寝ているインデックスと平行になる様に、天井に背を付けて寝そべっているネウロが居た。
176 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:09:00.71 ID:yuclJ6wM0
「……いい加減、突拍子もない登場の仕方はやめてくれませんかね。重力完全無視か」

「地上の重力如きが我が輩を縛れるものか。だがそれはどうでもいい、話せインデックスよ。貴様が向けられてきた『悪意』、我が輩が見定めてやる」


「…………」


 インデックスは話していない。
 今から一年前以降の記憶がない事。
 頼る人間のいない世界。
 たった一人、追われながら生きてきた禁書目録としての生。


 苦しかった。
 悲しかった。
 寂しかった。
 切なかった。
 過酷だった。
 

 十四歳程度の少女に課せられた、あまりにも重たい指名。
 彼女の魔法名が指し示す、彼女の指針。
 献身的な羊は、人々の知識のための贄とされてきた。

 それは、一人で背負うにはあまりにも重たい業。
 雁字搦めにすべてを縛ってしまう鎖。

 だが、もしも。

 隣で一緒に背負ってくれる人がいるならば――――
177 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:18:53.15 ID:yuclJ6wM0

「…………」

 インデックスはあふれる涙を抑えられなかった。
 自分に向けられた、純粋な思いやる気持ち。
 上条当麻がくれた、この暖かさ。

 これを裏切る事は、どうやっても出来そうにない。



 インデックスは語る。
 己の氏名、己の生き様、己の記憶、己の心情、己の真意。


 上条当麻は、黙ってそれを聞き続けた。


 脳噛ネウロも、それを黙って聞いていた。
 じゅるりと。
 舌なめずりは、したけれど。

178 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:19:33.90 ID:yuclJ6wM0











 語り終えたインデックスがまずはじめに感じたのは、不安であった。



 人間らしいとはとても言えぬ、過酷な人生。
 それを知って、彼らは自分を恐れてしまうのではないかと。

 しかし。


「……大変だったな、インデックス」


 ポンと。
 インデックスの頭に乗せられた右手は、とても暖かくて。
 感じた不安など、一瞬で消え去ってしまって。


「素晴らしい」


 人間離れした体制で天井に立っているネウロは笑った。


「人間は進化の可能性に満ちている生物だ。逆境にめげず、苦難に挫けず、今日まで生き延びた貴様は間違いなく進化しているであろう」

「ねうろ……」

「…………それにしても、『記憶』か」
179 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:20:39.09 ID:yuclJ6wM0

 ネウロは初めて、少し苛立ったような表情を見せた。
 インデックスを苦しめる最大の要因でもある、『記憶の忘失』。
 全てを忘れてしまうと言うのは、いったいどれほど辛い事なのだろうか。

 しかし、この化け物が人に同情するなんてことはどうやっても考えられない。
 おそらく、人間離れした理由で怒っているのだろう。
 知る由もないし、知りたくもないが。


「上条、ちょっと来い」

「え? あ、ああ」


 ネウロは天井を歩いてそのまま窓から家を出ていく。
 上条も慌てて安いスニーカーを履き、インデックスにちょっと待っててくれと言い残して家を出て行った。



180 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:21:36.27 ID:yuclJ6wM0







「いきなり出て行って、どうしたんだよ」

 上条はビルの壁面でしゃがみ込んでいるネウロに向かって声をかける。
 額に指を当て、何かを考えるような仕草をしているネウロは暫し上条の呼びかけをスルーし続け、五分ほどたってからようやく反応を見せた。


「上条」

「……何だ?」


「我が輩は先ほど、あの赤蛾をほんの少しだけ、軽く、優しく拷問した」


 きっと地上波では決して放映できないようなえげつない拷問だったんだろうな、と上条は二秒で確信した。


「口は中々固かった、が幾つか情報は聞き出せた。まぁまだ何か隠してはいるのだろうが、それはいい。肝心なのは奴らはインデックスの仲間である、という事だ」

「……は?」


 ネウロの言葉の意味が理解できない。
 仲間? 
 インデックスを、あんな姿にしたアイツらが、仲間?
181 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:25:09.20 ID:yuclJ6wM0
「インデックスの記憶の消滅、それにも理由がある。記憶を消したのは奴ら魔術師で、理由はインデックスを生かすため、とのことだ」

「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 全然意味がわからねぇよ!」


 インデックスを斬り、その上記憶まで奪おうとして、それがインデックスを生かす為に必要だなんて、信じられるわけがない。
 ステイルとかいう魔術師が、ネウロをだますために嘘の情報を流したとも考えられる。
 いや、その可能性の方が圧倒的に高いだろう。


「インデックスの完全記憶能力、それがどんなものかわかるか?」

「えっと、一度見たものは絶対に忘れない、ってやつだろ?」

「そうだ。インデックスの脳の85パーセントは『魔導書』とやらに占領されているらしい。残りの15パーセント、それを見るもの見るもの全て記憶して忘れないとすれば、脳の記憶の容量を超えてしまう」

「……!」


 たとえば、道ですれ違った人々の顔。
 たとえば、風で舞う木の葉一枚一枚の模様。
 たとえば、野原に咲く花の花弁の形や色、数、配置、本数までも。

 そのすべてを、明確に覚えているとしたら。
182 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:25:57.56 ID:yuclJ6wM0

「……じゃあ、本当にアイツらはインデックスの為にやってたって事なのかよ」

「だろうな。少なくとも奴らは『ソレ』がインデックスに与えられる唯一の救いだと考えている」

「……ふざけやがって」


 上条は拳を握りしめる。
 ふざけるな。
 あの少女に涙を流させることの、何が救いだ。
 そんな救いが、あってたまるか。

 あの子の信じる神が、そこまで無慈悲であってたまるものか。


「だが、この話にはおかしな点がある。魔術師は科学に疎いらしいからな、大方それっぽい理由をでっち上げられたのだろう」

「……? どういう事だ?」

「それを今から説明してやる。……つもりだったのだがな」


 ネウロの前髪がうねる。
 まるで、何かに反応しているように。
183 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:26:41.12 ID:yuclJ6wM0
「悪意、ではない。殺気だな。悪意の欠片が何一つ存在しない、純粋な救いの気持ちで作られた殺気とは中々稀有だぞ、女」











「……私の気配を察知するとは、アナタ、何者ですか?」





 ゆらりと。
 闇の中から現れたのは、白刃の様な鋭さを美しさを持った、女。



184 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/07(水) 01:29:38.33 ID:yuclJ6wM0
すいません。短いですか今回はここで終わりです。


ちなみに今やってるインデックス編というかプロローグ的な者が終わると、いくつか変更点がある予定です。
・地の分がインデックス視点に
・ちょくちょく短編的な形で事件解決を挟むか、ちゃんとストーリーの中でぶっ飛んだ犯人と対峙するかは未定。

くらいしか考えてませんがね。

あと、暗殺教室のSS誰か書いたら教えてください。


では、また次回。なるべく近いうちにお会いできるよう頑張ります
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 01:31:03.94 ID:jXckoHUYo
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/07(水) 01:41:57.74 ID:u2OI8JM0o

アカン、ねーちん調教されてまう
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 01:47:30.01 ID:Y0FDDoi80

今から神裂が調教されてる光景が見えるなw
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/07(水) 01:50:46.31 ID:qWUBaMneo

ああ……ねーちん終わったな……(遠い目)
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 01:58:27.67 ID:pdaL6j8SO
乙。次回からネウロ様の靴を舐め、踏まれる事を喜ぶねーちんが見れるのか…ワクワク
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 02:11:13.33 ID:J4F9o57B0
拷問楽器・妖謡魔使ったんだろうなぁ…

アレエグいよなぁ…
そして相当ハイセンスだよね
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/07(水) 09:31:15.28 ID:pfAXnjb6o
ねーちん調教とかぞくぞくするな
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 09:39:26.37 ID:LExu1wkIO
ところでねーちんって綺麗な髪してるよね
土台のことはどうでもいいが
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/11/07(水) 09:48:16.57 ID:BF7Ej6XCo
ステイル「這ッッ這ッッ……白ッッッ」
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/07(水) 10:58:23.72 ID:gnC8me3Go
調教され従順になるねーちん……ウッ……ふぅ…

魔界777ツ道具とか魔帝7ツ道具はガチでエグイの多いからなー
あ、ステイルは無事に生きてるかな?
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/07(水) 11:08:31.05 ID:s4XZE/uuo
というか、これ、ローラ=スチュアートがガチ拷問受けるフラグでね?
アヤ=エイジアポジに行けるはずもないし
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/07(水) 11:47:44.03 ID:7TkZZqW5o
首輪とリード装備のねーちんか…
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 12:27:28.75 ID:J4F9o57B0
急にズボンを斬りたくなった!!急にシャツをまくりたくなった!!

そして急に…堕天使エロメイドを着たくなったんだ……
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 12:32:52.70 ID:J4F9o57B0
アレイ☆「私は科学の千年帝国を創るのだッ!!!!!」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 13:57:12.84 ID:bFOArDyDO
新規で生け贄一名ご来場で〜す
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 18:08:05.02 ID:zkCBHvyko
ジェニュインがネウロの靴を舐めるシーンをねーちんで見れるのだろうか・・・
うわゾクゾクして来た
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 19:01:37.67 ID:J4F9o57B0
おまえら…ねーちんをなんだと思ってんだ…
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/11/07(水) 19:13:51.33 ID:ZuDOnkuf0
謎を作ったのはローラだよねたぶん。
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 21:17:34.71 ID:DUnVVoXIO
>>201
犠牲になるのだ……
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/07(水) 22:33:22.18 ID:HvhMfcfo0
ローラは胸が足りないからジェニュインポジはねーちんだろうなおそらく
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 22:48:22.14 ID:I3AofXTR0
>>202
HALの防衛システム?を乗っ取ったら謎を食えたみたいだし誰が主犯かとは関係なしに悪意のある仕掛けならそれ自体が謎なんだろ
今回で言えば首輪をとったらその時点でおkなんじゃね?
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/07(水) 23:36:55.27 ID:bFOArDyDO
シックスポジションは誰なんだろ
207 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/08(木) 00:45:30.77 ID:hD2aSxXc0
明日ちょっと多めに更新しますね。

今のうちに今来てるだけコメント返しておきます。

ちなみにコメントをもらえると滾ります。何がとは言いません。しかし滾っているのです。ぬふぁーん!



>>185 おつありです。

>>186 >>187 >>188 >>189 >>191 >>192 >>194 >>196 >>197 >>199 >>200
お前らどれだけねーちんの痴態を期待してるんだ。ちょっと書き溜め少しだけ修正してくるわ。

>>190 あのデザインは秀逸だと思います。ほかに自分は【銀の避雷針】とか【激痛の翼】とか好きです。

>>193 ステイルのポジションは実はもうすでに決めてあります。

>>195 拷問シーンは更新三回分くらいの内容にしましょうかねぇ(ニッコリ)

>>198 コック役もとりあえず決めてあります。

>>201 ほんとよね。

>>202 どうでしょうねぃニヤニヤ

>>203 俺たちの性欲の・・・その犠牲にな・・・・

>>204 個人的にはちっぱいの強気な子を調教させてみたい気もします。バードウェイとかレイヴィニアとか鳥道とか。

>>205 そうなるのかな? 『謎』の定義が実はイマイチわかってないまま書いてます。

>>206 虚構の世界では決して満足しない客が、ここにひとりいる。


では、明日の日付が変わるころに。
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/08(木) 02:28:37.78 ID:LT5iLWry0
いやいや這って動くのは駒場だろ
HALクロスのつかみ初回暗殺教室の如くバッチリだったし
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/08(木) 11:29:34.40 ID:BFw4Qm9fo
>ちょっと書き溜め少しだけ修正してくるわ。

期待してますよ?(ゲス顔)
仕方ないよね、ねーちんは顔もスタイルも服装も全部エロイんだもの、期待もするさ
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 12:38:45.83 ID:CsolSMmIO
ビッチねーちん!
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 16:56:33.46 ID:EK57QMr5o
ここはSの多いインターネッツですね(歓喜)
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 17:05:49.58 ID:LT5iLWry0
>>201その質問に答えよう、
ヤムチャでありエロい人であり同人誌のエースであると
あとヤムチャ

PS:ヤムチャ
213 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/09(金) 00:41:55.73 ID:kHsuYcI/0
忘れないでください。
貴方は一人じゃありません。
貴方が苦しいとき、悲しいとき、そして喜びを分かち合いたいとき。
私はいつも、あなたのそばにいます。
だから、負けないで。

わたしがついてるから。

                   メリーさん。




こんばんは、少し遅れましたが投下していきます。

>>208 あれは凄いインパクトでした。しかし偉大な先駆者様の二番煎じにはあまりなるべきではないので、ぎりぎりまで頑張って考えてみます。

>>209 私の文章力でねーちんのエロスを表現することは至難の業である。

>>210 ビッチじゃないよ、純情お姉さんだよ(棒)

>>211 類は友を呼ぶ。

>>222 個人的にはオルソラかバードウェイの薄い本を増やしてほしいです。待ってます。いつまでも。待ってます。待ってますから!




では、行きます。



214 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 00:43:45.90 ID:kHsuYcI/0



 日本刀。

 漫画、アニメ、ゲームなど、戦闘がある創作物ではほぼ必ずと言っていい程現れる武器。
 研ぎ澄まされた刃は武器としてだけではなく、芸術品としてさえ崇められる極東が誇る究極の殺人兵器。

 女の持つ刀は長大だった。
 二メートル近くはあるだろう、遠目に見ると薙刀のようにも見えるソレを、女は竹の棒でも持っているかのような気楽さで、悠々と携えていた。

 アシンメトリーのジーンズ、結ばれた白いシャツ、長い黒髪――――確かに目を引く格好である事は違いない。
 しかし、女の異様な点はそんなところではない。
 そんなものではない。

 雰囲気、気迫、オーラ。

 上条当麻は圧倒されている。先ほどの赤毛の神父と同じように、明らかに住んでいる世界の違う存在に。
215 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 00:46:00.77 ID:kHsuYcI/0

「テメェは……」

「神裂火織、と申します。アナタが上条当麻ですね。……………そちらの方は、身元が確認できませんでしたが」


 忌々しげに神裂はネウロを睨む。
 当然だ。
 身元どころか、そもそも地球出身であるかどうかも疑わしい。


「お尋ねします。アナタがステイルを【あんな風に】したのですか?」

「さて、どうだったかな」


 ネウロはステイルと対峙した。
 インデックスを救うためにすぐその場を離れた上条には、二人が何をやっていたのかはわからない。
 ただ、【あんな奴】と対峙して服に一切の汚れもなく戻ってきた時点で、脳噛ネウロは計り知れない存在であることは疑いようもないのだが。
216 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 00:48:29.16 ID:kHsuYcI/0
「おかげで人払いのルーンも自分で刻まなければいけない始末……私はルーンが苦手なのに、ステイルがあんなになってしまったから私は本を見ながら必死に張ったんですよ……!」

 
 ワナワナと神裂の体が揺れている。
 何となく、理不尽な怒りを向けられている気がした。


「……ゴホン、失礼。それはそれとして――――あの子を、保護させていただきたいのですが」



 首を斬られた。
 ような気がした。

 そう錯覚するほどに、神裂の放った殺気は鋭く凄まじかった。


「……嫌だと言ったら?」

「実力行使に出させていただきます」


 ほんの少しだけ、神裂が鞘から白い刃を覗かせた。
 白銀の雪の様に煌めく刃は、触れただけであらゆるモノを絶つ一撃。
 瞬殺でもあり、必殺でもある一撃。
217 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 00:51:36.52 ID:kHsuYcI/0
 上条当麻は考える。
 あの刀は紛れもないリアル。
 上条の右腕は何の効果も発揮することなく、切り裂かれるだろう。
 
 しかし、逃がしてくれるわけがない。

 逃げるわけにはいかない。

 インデックスを護ると決めた今、逃げるわけにはいかないのだ。




「上条、貴様は行け」

「っ!」


 壁を蹴って地面に降り立ったネウロが、上条と神裂の間に割って入る。
 神裂の目つきがより一層鋭くなるが、ネウロは大して気にした様子もない。


「ここは我が輩が片づける。貴様は貴様にできる事をするのだ」

「俺に、出来る事……?」

「そうだ。貴様にしか出来ないことが必ずある。自らの力を最大限に発揮できる場を見つけ出すのだ。そうすれば貴様はきっと【進化】できる」

218 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 00:52:20.63 ID:kHsuYcI/0

 進化。
 ネウロがたびたび口にする、口癖のような言葉。
 人間の可能性。
 
 

「…………任せてもいいのか?」

「フン。我が輩を誰だと思っている。魔界の謎を食いつくした男だぞ?」



 ネウロがそう言った瞬間、斬撃が走る。
 一撃ではなく、七撃。
 一度の抜刀で七つの斬撃がネウロと上条に向かって空を走ってきた。


「貴様も奇怪な技を使うようだな」

「……私の【七閃】を腕で払う方に、奇怪とは言われたくありませんね」

「フン。【魔術】か……人間ではない我が輩には使えんだろうが、我が輩にも貴様ら人間には使えないとっておきが777つ程存在するぞ?」

「アナタは人間ではない、と?」

「その通り。と言っても我が輩は地上では目立つことが出来んからな。人間のふりをしている」

「……面白くない冗談、ではなさそうですね。しかしながら、人間でない事をアドバンテージにするのは、少々無理がありますよ」

「ほぅ?」
219 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 00:54:49.25 ID:kHsuYcI/0












「なぜなら、私も人ではなく――――【神の子】、聖人なのですから」












 刃が。
 研ぎ澄まされた白刃が、ネウロの腕を襲う。


「――ッ!」

 赤。
 銀の刃に滲む、わずかな血。

 魔人、脳噛ネウロの初めての負傷。
220 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 00:57:25.76 ID:kHsuYcI/0

「……地上では我が輩の力は万分の一。とはいえ地上に出てきてからこんなにも短時間で地上の人間に傷を負わせられるとは、成程素晴らしい」


 ニタリと。
 ネウロは心の底から愉快そうな笑みを浮かべた。


「……」

 神裂は後ろに飛び、ネウロから距離を取る。
 ダメージ、とは呼べない程度の軽傷。

 むしろ、精神的なダメージが神裂の心にはあった。



(……手加減なしの、本気の一振りを命中させてあの程度とは……)


 魔術を使って防御された気配はない。
 特殊な防御を行った形跡もない。
 この街に溢れる異形の科学を使った様子もない。

 あの男は、本当に腕で『聖人』神裂火織の本気の一撃を止めたのだ。
221 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 00:59:04.52 ID:kHsuYcI/0

(ステイルの敗北もうなずけます。あんなもの、そこらの魔術師でどうにかできるレベルではない。まるで神話に出てくるドラゴンのようですね)


 世界に二十人しか存在しない【聖人】
 神の子に近い背何時を持って生まれた彼らは皆一様に、人間をはるかに超越した身体能力を誇る。

 まさしく神に愛され祝福されて世に生まれ落ちた、聖なる存在だ。
 


(……これは一筋縄ではいきませんね)


 神裂は唾をのみ、背中に流れる冷や汗を無視する。
 恐れてはいけない。
 飲まれてはいけない。

 少しでも隙を見せれば、奴は――――
222 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 00:59:40.65 ID:kHsuYcI/0













「おや、どうした? 身体能力が自慢なのではなかったのか?」


「…………え?」







 気が付くと。
 脳噛ネウロは神裂の背後に居た。



「っ! いつの間に……!」

「今更慌てたところでもう遅い。喜べ、ファッションセンスが欠落している貴様を我が輩がコーディネートしてやったぞ」

「は?」

223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 01:00:57.34 ID:rtgHo+Lto
ゴクリ・・・♀
224 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:02:57.47 ID:kHsuYcI/0


 神裂は恐る恐る、自分の体を見る。





 そこには、ジーンズを太もも付け根辺りで切り揃えられ、もはやジーンズではなくブリーフのような状態になったモノを穿いている神裂火織(18)の姿が!



「ギャ―――――ッ!? ななななななななぁっ!?」

「フハハハハハ、見違えたぞ。どれ、もう少し我が輩が手入れしてやる」


 ネウロが魔人の身体能力を見せつけるたび、神裂の外見が少しずつ変わっていく。

 白いシャツは結び目が解かれ、完全にパンツinシャツ状態に。電気街でよく見そうなファッションへと変貌を遂げた。
 さらにそのシャツの背、無地の白いシャツの背中には墨のようなもので『喧嘩両成敗』とデカデカと書かれていた。
 さらにさらに、髪の毛は謎の力で固められ、ペガサスも昇天してしまいそうな程にマックスで天を穿つ程高くそびえたつ、前衛的なスタイルへと変化した。。


 とどめと言わんばかりに、刀の鞘には【Japanese Cool SAMURAI】と書かれた。



 あんまりである。
225 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:05:48.54 ID:kHsuYcI/0

「うわぁぁぁぁぁあああああああああ! あああああああああああああああああ! ああああああああああああああああああああああああああああああああ!」


 マジ泣き。
 神裂火織(18)はマジ泣きだった。
 泣きすぎて横隔膜が変になるぐらい泣いた。
 うぇぇぇん、とかヒック、レベルじゃない。うぉぉぉぉぉ! とか唸る感じの、抑制のきかない完全な号泣。
 負けるな神裂火織(18)
 頑張れ神裂(18)
 相手が悪かっただけだ、(18)


 
「こ、このド素人がっ! いえ、どチクショウが! このこのこのこのこのぉ! わ、私が、どれ、どれだけ頑張って術式を守りつついい感じの服装を探すのに苦労したと!」

「……いい感じ、だと思っていたのか」


 嗚呼。
 ただ単に魔術のため、とだけ言っておけばいいわけが出来たかもしれない。
 しかし神裂は左右非対称による術式構築を服装で再現する際、片方カットジーンズと結び白シャツを「中々良い」と思ってしまった。
 庇いようがない。
 
 あのネウロが、若干呆れた様な仕草を見せたほどである。
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 01:07:21.89 ID:rtgHo+Lto
素晴らしい・・・(ゲス顔)
227 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:07:28.82 ID:kHsuYcI/0
「斬ります! 斬ってあの子を連れ戻します! でもその前に斬ります!」


 何だか使命よりも私怨の方が勝っている気がしないでもない。
 しかし、ネウロもやられるわけにはいかない。
 というか、負けるわけがない。

 神裂を手入れ(笑)したのは、ただ単なる嫌がらせだ。
 自分の手を触手状にすることも考えたが、やめておいた。
 ネウロが本当に神裂を【敵】と認識したのなら、神裂はもうすでにこの世に塵すら残っていない。


 つまりは、ネウロは神裂を敵とすら思っていない。


「さて、我が輩が何の為に貴様を手入れしたのかわかるか?」

「……え?」








「もしも我が輩が学校の教師などで有れば、貴様を手入れするだけに留まるかもしれん」

「だが、我が輩は違う」




「我が輩は奴隷を捕まえ手入れした後、調教するのだ」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 01:09:30.78 ID:JAW0tg850
テレスティーナは素でぶっちゃけてるよね

教調しがいがあるぜ
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/09(金) 01:10:02.22 ID:f6hEYfdko
先生っぽいとおもったら先生だった
230 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:11:32.95 ID:kHsuYcI/0
 ゾクリと。

 聖人、神裂火織は背筋が凍ったように冷たくなるのを感じた。
 今まで対峙してきたどの敵とも違う、殺意とも悪意とも違うこの感覚。

 例えるなら、目の前に置かれたおもちゃでどうやって遊ぶかワクワクしながら考えている子供のような。

 無邪気さゆえの恐怖感が、神裂を支配する。



「魔界777ツ能力”手掘りの土竜”【イビルガントレット】…」



 ネウロが何かを口にした。
 瞬間、神裂の足を何かが掴む。


「何……ッ!?」

「地上に出たばかりの吾輩の力、たとえ貴様が何者であろうとも抗えるものではない。ウサギ風情がどれだけ爪を突き立てようが、虎の絶対優位は覆らんのだ」
231 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:18:28.69 ID:kHsuYcI/0
 人間をはるかに超えた身体能力を持つ神裂の全力をもってしても、足を掴む『何か』の拘束から逃れる事は出来ない。
 
 ならば刀で応戦しようと鞘から刀を引き抜くと、名刀【七天七刀】の刃にはまるで長時間噛んでそのまま道路に吐き捨てたガムのようにネバネバするものが大量に付着していて、もはやただの鉄の芯があるネバネバした棒になってしまっていた。


「動けまい。だが安心しろ、吾輩は貴様の命を取ることはせん。奴隷は丁重に、そして身分の違いをやさしく優しくその体に刻み込んでやらねばならんからな」


 目を怪しく光らせたネウロが神裂へ一歩ずつ近づいてくる。
 すると、ネウロの手に何かが握られていることに気が付いた。
 
 

 最初は拷問器具かと思ったが、違う。
 形状的には、衣服のようなものだ。
 しかし、服にしては布の割合が少ない気がする。
 あと、何か羽みたいのがついてる気がする。
 天使のわっかみたいなオプションまである。



「吾輩があのウニの部屋に来たとき、隣の部屋に面白そうなものを見つけたのでな。少々拝借してきた」

「あ……! あぁ…………っ!」


 怯え、もがき、恐怖する。
 されど、無意味。





「いやぁぁあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ……………………――――






 聖人の叫びが夜の街に木霊する。
232 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:19:38.24 ID:kHsuYcI/0














 場所は移り、月詠小萌のアパートへ。

 


「ハァ……ッ! ハァ……ッ!」


 インデックスの頭痛が目に見えて酷くなっている。
 コレが魔術による影響ならば、上条の右手で触れれば痛みなど消え去るのに。
 こんな時、何の役にも立ってくれない幻想殺しはあたかもインデックスが苦しむ現実をまざまざと見せつけて来るようで。


「……クソっ!」

 上条当麻は考える。
 己にできる事。

 インデックスの苦痛の原因は、脳を圧迫する記憶情報。
 八十五パーセントが魔導書に埋め尽くされ、残り十五パーセントしか余裕が存在しない脳。
 『完全記憶能力』が五感で感じられるすべての情報を記憶してしまうため、脳の容量が追いつかない。
233 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:25:55.46 ID:kHsuYcI/0








 ”自らの力を最大限に発揮できる場を見つけ出すのだ。そうすれば貴様はきっと【進化】できる” 








「……!」


 ネウロの声がした。ような気がした。
 おそらくは、幻聴なんだろう。
 だが、あの化け物の言葉がふいに蘇った事には、何か意味があるような気がした。
234 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:26:44.07 ID:kHsuYcI/0

(俺にしか、出来ないこと。俺の力を最大限に発揮できる場……)


 魔術師にも、ネウロにも存在しない上条当麻だけのアドバンテージ。
 それはこの右腕、魔術だろうと超能力であろうと問答無用に[ピーーー]幻想殺しともう一つ。


 科学サイドの住人であるという事実。


(そうだ、インデックスを苦しめているのは結局は脳みそ、記憶だ。記憶は魔術サイドのものだけじゃない)


 人の記憶なんてものは曖昧だ。

 例えば、老化。
 例えば、アルコール。
 例えば、強い精神的ショック。
 例えば、病気。
 例えば、薬品。


 人間が記憶を忘れるのなんて、あまりにも容易い。
 そしてここは学園都市、科学の中枢、脳開発の拠点。
 人体を超能力に目覚めさせた学園都市の技術なら、記憶を消すなんて事はあまりにも簡単すぎる。
235 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:28:05.16 ID:kHsuYcI/0

(頭の中にある魔導書とやらを消せばいい。そうすれば85パーセントの余裕が生まれてインデックスは一年おきに記憶を消さなくてもよくな、る…………?)


 引っかかり。
 魚の小骨が喉に引っかかったような、そんな違和感を上条は覚えた。

 何か、恐ろしい事実を見落としているような気がする。
 あまりにも単純すぎて、スルーしていたような気がする。

 何だ、何だ?
 違和感の正体は何だ?

 考えろ。思考を止めるな、考えろ、考えろ、考えろ。














 
 『一年で十五パーセントしか空きがない脳の記憶容量は埋め尽くされてしまう』




236 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/09(金) 01:29:04.23 ID:kHsuYcI/0



 光が指した。

 そうだ、と上条はあまりにも単純な事実に笑みすら零れてきた。
 十五パーセントを一年で消費するのであれば、完全記憶能力を持つ人間は六年か七年程度しか生きられないことになる。
 そんな症状が実在するのならば、もっと世間に知られてもいい。
 つまりは、嘘、真っ赤なウソ。

 インデックスの記憶が圧迫され死なないために、一年ごとに記憶を消さなければならない。という制約そのものが、悪意に塗り固められた虚構なのだ。


「…………!」

 
 上条はインデックスを見る。
 インデックスを苦しめているのは脳――――ではなく、インデックスにその悪意の塊のようなシステムを植え付けた教会の罠。
 それがどんなものかは、上条にはわからない。
 だが、一つだけ確信できることがある。

 それは、協会が仕掛けた罠はおそらく魔術である事。

 魔術であるならば、話は早い。
 
 こんなバカみたいな悪意は。
 こんな残酷なシステムは。

 そんなふざけた幻想は。


 上条当麻の右手が、容赦なくぶち[ピーーー]。








 その時、ギィと音がして玄関の扉が開いた。


「帰ったぞ、馬糞め」

「せめてウニをつけてくれませんかねぇ……って、それどころじゃねぇ! おいネウ――

237 : ◆MMo8Ze62oINh [saga]:2012/11/09(金) 01:34:03.29 ID:kHsuYcI/0

 思考が、止まった。
 あろうことか、助言をしたネウロのせいで。



「中々の耐久力と速さだ。褒めてやるぞ、わが奴隷よ」

「ああぁ…………ありがとうございます、ネウロ様ぁ……♪」


 ネウロが、戻ってきた。
 美人な黒髪女性に乗って。
 日本刀を帯刀した魔術師に乗って。
 たまらなく幸福そうな顔をした神裂に乗って。
 

 なぜか胸部や太ももが尋常じゃないくらい露出しちゃってる、エロというか破廉恥なメイド服に身を包んだ神裂を馬のように乗りこなしながら。




 脳噛ネウロは、帰宅した。
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/09(金) 01:34:59.14 ID:9r7yq+Vjo
おぉ、もぅ・・・
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/09(金) 01:35:28.58 ID:f6hEYfdko
やっぱりネウロがナンバーワン
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/09(金) 01:35:31.86 ID:nhngXCCko
ああ…うん…
241 :sage更新してた、すいません  ◆IdffqD8Gh6 [saga]:2012/11/09(金) 01:35:50.28 ID:kHsuYcI/0

「…………ネウロさんや、一体何をしたんでせう?」

「ム? 何、ほんの少しだけ調教してやっただけだ」

「調教て…………」


 エロスな火織、じゃなくて香りがするワードに思春期学生上条当麻は少しだけドキドキワクワクしてしまう。
 そんな上条の劣情を感じ取ったのか、ネウロが下りて自由になった神裂は一瞬で上条の目の前に移動しアームロックを仕掛けた。


「ぎゃーっ!?」

「私をそんな目で見るんじゃないこのド素人が! 私をそんな目で見ていいのはネウロ様だけです!」

「やめて! それ以上はいけない!」

「同じ奴隷でも私の方が階級は上なんです! 覚えておきなさい! この! ド素人がッ!」

「俺は奴隷じゃないしそもそもアンタさっきまで超クールな敵の雰囲気だったっていうかとりあえず腕を離してぇぇぇええええええええええええええええええええええええ!」


 上条は助けを求める為にネウロの方に視線を向ける。
 ネウロは油性ペンでインデックスの顔に落書きをしていた。
 あの野郎! 後でげんころ確定だ!

 他の助けを求めるため、とにかく上条は部屋中を見回す。
 何でもいい、この窮地を脱する頃が出来る、何かを――――
242 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/09(金) 01:36:50.72 ID:kHsuYcI/0






「……」

「……」

「…………」

「…………見守る、僕は優しく、見守る」


 シュバッ! っと。
 赤毛の神父が、窓辺から姿を消した。






「不幸だぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」




 こんなことをしている場合じゃない、と上条が冷静になるまで残り約十分。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 01:37:28.28 ID:rtgHo+Lto
アカン。カオスすぎる
244 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/09(金) 01:39:16.64 ID:kHsuYcI/0
sage更新してたりとミスが目立ってしまった。申し訳ありません。あとキャラ崩壊もすいません。

最初はこんな予定じゃなかったんだよ、ねーちん・・・ただね、天が囁いたんだ。あなたはエロくあるべきだと。

そしてまさかネウロが最初に使う能力がイビルガントレットになるとは思ってませんでした。


インデックス編も割ともうすぐ終わるかもしれません。そのあとが本番ですが。


では、また次回。


あ、途中レスも大丈夫ですので。コメントはありがたいです。
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/09(金) 01:40:24.89 ID:9r7yq+Vjo

ステイル浅田ポジションかよwwwwwwwwww
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/09(金) 01:43:06.72 ID:nhngXCCko
               . -―- .      やったッ!! さすがネウロ!
             /       ヽ
          //         ',      おれたちにできない事を
            | { _____  |        平然とやってのけるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ     
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′     そこにシビれる!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ     _ _      あこがれるゥ!
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {              \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |   `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 01:51:44.61 ID:QgVjNod10
乙でーす
原作で神裂ポジションってジェニュインだったよね?あっちは最終的に忠誠心で覆したけど
この神裂に可能か気になるなー
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 01:54:16.78 ID:rtgHo+Lto
せっかくだから神裂さんに馬乗りしたネウロのAAを作ろうかなと思ったんだが
該当する画像がなくて断念した
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/09(金) 01:55:35.67 ID:cof9yWDXo
ねーちんは犠牲になったのだ…ネウロの遊び心…その犠牲にな…
聖人をいきなり手篭にするとか戦力的には最強すぎるぞwwww

神の右席でも相手にならないであろうペンデックスさんを相手にネウロはどれだけやれるのか
ねーちんで一応ネウロに傷をつけられるってなるとパワーバランスが難しそうだ
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 02:04:33.68 ID:JAW0tg850
深夜なのにコメント多いな

次回には洗脳溶けてると信じてるぜ
いやわりとマジで
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 02:07:26.51 ID:qnEcsgxSO
神裂さんにはネウロ原作ではなかった奴隷のまま定着を是非。ネウロと事務所に入り浸りな感じで
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 05:06:47.67 ID:3iTlv21IO
ステイルもインカ帝国さんのストーカー続けてぬっふぁーんするといいと思う
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/09(金) 07:35:51.27 ID:fcgiewgH0
ネウロの弱体化の原因って魔翌力の枯渇なんでしょ?
なら魔術師が魔術を使う際に放出する魔翌力は奪えないのかな?
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/11/09(金) 07:57:33.89 ID:CDixDfsf0

若干ネウロが殺せんせー化してたな
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 09:12:23.69 ID:eDTbGxUIO
>>253
それ+地上の瘴気が薄いことによる肉体の弱体化
しかしネウロが魔術を使えないのは意外だったな
禁書世界の魔術は異界の法則を引き出して使うモンだからその異界から来たネウロには普通に使えると思ってた
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/09(金) 10:24:50.82 ID:N82X098go
このネウロさんは割と始めから人間の進化の可能性に興味深深なのね
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/09(金) 11:15:29.28 ID:+8Djl5uRo
上条サイドとネウロサイドの温度差wwww
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 12:30:20.70 ID:VdHV+Q100
上条当麻の右手が容赦なくぶち[ピー]

決めゼリフすら潰すとはさすがネウロだ!
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 16:08:20.77 ID:0zBNQ9dDO
人間の可能性がどうこう言ってるがこのネウロは原作終了後のネウロなのか?
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 16:15:56.62 ID:XydtIf93o
冒頭の台詞からしてその可能性はないだろう
自分が降りた街が異能力を扱える人間達で溢れ返ってるから、本編よりもかなり早く可能性云々に気がついたんだと想像補完してる
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/10(土) 00:44:29.11 ID:6AJ9L/OZ0
ネウロはネウロが必死になって人間を守る理由が道徳とかそんなんじゃなくて自分の利益のためだってのがいいよな
言ってることがくさい綺麗事にならないし「食」ってのは基本どんな奴にも必要なもんだし
気合いだの根性だの一切言わないで進化の可能性を説くもんだからなんか妙に納得してしまうし
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/11/10(土) 00:48:20.42 ID:7GH6KGeno
>>255
天界から来たわけではないのでは?
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/10(土) 00:52:03.42 ID:5vwmK2Lto
ステイルそこのポジかあwwwwwwww
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/10(土) 09:07:51.73 ID:WW2Z4WcIO
>>262
うろ覚えだけど禁書世界には天界のほかにも地獄やら魔界なんかの複数の異なる界があるみたいなことが書かれてた気がする
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/10(土) 16:01:33.04 ID:zLDdxyNw0
神裂さん(18)イマジンブレイカーで正気に戻ったらとてもおもしろい最高のショーが見られそうだ☆

やっぱ女は恥じらいだよね
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/10(土) 16:08:31.51 ID:wvIWJ63Ho
正気に戻ったらステイルと一緒に自爆しちゃう
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/10(土) 16:56:24.59 ID:Qu1fsAoe0
そもそも異能の力を使ってるんだろうかという疑問が・・・
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/11(日) 02:11:02.71 ID:DkuEcg6Xo
待つ、僕は優しく、待ち続ける
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/11(日) 17:59:27.75 ID:ps3r1dOio
服従心と常識の間で揺れる神裂さんが見たいです
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/12(月) 18:30:39.57 ID:SZoqHJZm0
この調教って魔翌力による強制服従だっけ?
それとも本質的に精神に奴隷根性を刻み込むんだっけ?
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 19:01:55.50 ID:7q82NndUo
片方も両方もある
272 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/12(月) 20:14:41.20 ID:rLXmO/C/0
やべぇレポートとか課題とかがやばいマジで、書き溜めが作れななななななな

…何とか今週中に一度は来ます。お待たせして申し訳ない・・・・

こういう時に限ってアイデアわくのにね。
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/12(月) 20:16:54.15 ID:TtcBsvz/o
アイデアだけメモに殴り書いてまずは課題をこなすんだ
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 20:29:14.05 ID:7q82NndUo
課題のほうが大切だから先ずは課題を済ませるべき
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/12(月) 20:40:03.26 ID:xKAOnJrTo
無理せずやってくれ
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 21:49:04.69 ID:fZO8rGUg0
そんな時はこれをどうぞ

つ理性的逆上
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/13(火) 07:23:04.69 ID:Ae+WtWBy0
わかるわ
テスト前とかアイデアが出すぎて困るんだよなぁ
まずは課題消化を頑張って進化してくれ
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/11/13(火) 08:55:15.86 ID:AJz8rxp7o
がんばれ
つ理性の媚薬(イビルアンプル)
279 : ◆iW5DTNIVQY [sage]:2012/11/15(木) 20:24:25.76 ID:+D5odrm20
明日! 明日更新する予定……ッ!
授業中に禁書と別作品のクロスSSの案が5個くらい浮かんだよ。
なのにネウロはなかなか進まんくて申し訳ない。
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/15(木) 21:17:14.74 ID:EybYdQFCo
六個並走するって?
応援するぜ
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/15(木) 21:51:21.23 ID:2k8dJ2nuo
ドMの>>1がいると聞いて
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/15(木) 22:19:30.41 ID:0AjfN+T+o
>>279
来たあああああああああああああ
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/15(木) 22:34:53.82 ID:XocPHrYD0
理性的逆上[イビルファンブル]ッ!!!!!
これを飲む事により脳の演算スキルがアクセラレータ並みに!!!!

これで六個平行できるなwww
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/15(木) 23:15:26.11 ID:QN7hpaiQo
知恵熱を起こして救急車に運ばれる可能性が高いじゃないですかーやだー!
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/15(木) 23:19:17.37 ID:XocPHrYD0
かまわん!!ひたすら投与だッ!!!!!
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 00:06:58.37 ID:Hh6nq3eIO
知恵熱に負けない体を作ろう
魔界の泥をお食べ
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/16(金) 07:18:49.43 ID:8lxGqoMp0
これぞまさにシックスってかwww
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/16(金) 08:35:35.34 ID:AOjA9Te60
>>246中の人つながりwwwwww

俺は!人間をやめるぞ!!ジョジョ―――――ッ!!!!!
つドーピングコンソメスープ>腕ブス

ネウロ「魔術?超能力だと?人間ごときモンキーが魔翌力も脳も勝てると思ったかシデ虫が」
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/16(金) 10:14:30.31 ID:d/DqicVvo
アニメ?声優?うっ、頭痛が…
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 10:32:54.47 ID:AOjA9Te60
目をそむけるんじゃあないッ!!!これがァ!現実なのだァァァァ!!!!
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 14:01:18.35 ID:zqt4+dGEo
アニメなんて無かっただろ!いい加減にしろ!
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 15:46:39.69 ID:LZsvKRLZ0
君が!認めるまで!書き込むのを!やめないッ!!!(CV:子安)

>>285(CV:子安)
>>290(CV:子安) アニメ/ネウロ(CV:子安)
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 16:11:17.37 ID:L3odd7Uco
正直言ってそのノリ寒いぞ
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 19:07:05.36 ID:LZsvKRLZ0
理性的逆上、ダメ、ゼッタイ。

>>1「最高に「ハイ!」ってやつだァァァァァァ!!!!!」
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 19:51:17.26 ID:BeA5TJKIO
かなりしつこい
アニメからジョジョ入ったみたいな恥ずかしいニワカレスやめてな
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/16(金) 20:44:55.02 ID:d/DqicVvo
そうだよ(便乗)
297 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 00:32:09.03 ID:EL+JoHL70
お待たせしました。久々に投下します。

……なんかコメントもすさまじいことになってる。こんなに見てくれる人がいるなんて、もう何も怖くない。

ちなみに前にボソッと言った他作品の案は

・白魂(銀魂×禁書)
・とある悪鬼と善悪相殺 村正と禁書
・とある教師の暗殺計画 暗殺と禁書
・とある王者の選定戦争 ガッシュと禁書
・とある交差の聖杯戦争 Fateと禁書
・とある奇妙な人間賛歌 ジョジョと禁書 
・とある水槽学園生徒会執行部の皮肉的学園都市視察 めだかと禁書

こんな感じのを思いつきました。ほとんど悪乗りです。数多くンがマダオになったり麦のんがVの姿勢を取ってブルゥアアアアアアアアア!って言ってるシーンしか考えてません。並走? 何それ食べやすいの?



>>245 考えた結果、ピッタリでした。

>>246 右の人喋ってください。キリトさん張り切りすぎです。

>>247 多分ねーちんはネウロ奴隷チームイギリス支部で頑張ってくれます。

>>248 どうしてそこで諦めるんだよ! もっと頑張ってみろよ! 何なら馬乗りしてなくてもいい、俺はただねーちんの痴態が見たいんだよ!

>>249 パワーバランスはぶっちゃけノリで考えてます。ねーちんにも活躍の場が少しくらいあってもいいじゃない、聖人だもの。

>>250 残念です。いろいろと

>>251 多分その設定で行くと思われます。

>>252 魔界の泥を投与するタイミングはいくらでもありそうですが、インダストリアルイリュージョン社さんがチョコを食べずに誰かに渡せる気がしないです。

>>253 ネウロの魔力と禁書界の魔力は別物と考えておいてください。そのへんはネウロが魔術を使えないという事あたりで絡める予定です。 

>>254 暗殺教室面白いです。応援してます。単行本も初版を初日に購入させていただきました。個人的にタコをちゃんと吟味してるカルマ君は良いキャラだと思います。

>>255 ネウロの住む魔界はかなり特殊なものだと思ってください。都庁より大きいカピパラが居る世界は宗教として崇めたくないです。旧支配者とか好きですけどね。

>>256 その辺は少し扱いやすくしてしまいました。

>>257 シュールギャグ好きです。

>>258 さすがドS。石垣的な扱いは流石にかわいそうな気がするのでそこまでエスカレートはしませんが。

>>259 一応一巻だと思っておいてください。

>>260 脳内補完ありがとうございます。足りない部分はよろしくお願いします。

>>261 主人公が最強で性格も悪い、だけど徐々に弱体化していくし人間を独自に認めてくれるというあのキャラ設定は凄いと思います。松井先生マジ最強。個人的には読みきりでやった離婚調停やデパートの奴も連載版を見てみたいです。

>>262 むしろ地底から来てるイメージ。地下にあるわけではないらしいですけどね、魔界。

>>263 天職です。

>>264 ネウロの故郷は観測されていない界の一つだと思ってください。

>>265 恥じらいを持ちつつも従順なキャラがいいですよね。屈服させたくなります。

>>266 ステイルは割と正気です。正気のままストーカーです。どっかのアステカみたいなもんです。

>>267 若干魔力は使いましたが、そこはネウロのテクニックが光りました(意味深)

>>268 ありがてぇありがてぇ。いやほんとありがとうございます。

>>269 もう振り切っちゃってるよねーちん。ごめんね。

>>270 ダブルパンチです。
298 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 00:47:35.20 ID:EL+JoHL70
>>271 今回は両方バージョンです。

>>273 メモ帳がえらいカオスになりました。 端の方に書かれた67798212という数字がなんなのか思い出せなくてすげぇ悩んでます。

>>274 調子に乗ってフランス語を選択したのが間違いでした。後福祉関連の授業がエグイ。

>>275 ありがとうございます。

>>276 ヤバい方じゃないですかやだー!

>>277 追い詰められたときはインスピレーションがやばいです。アヤ編で出てきた締め付け男も同じ気持ちだったんでしょうかねぇ

>>278 人間バージョンだわーい! 

>>280 MURYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!

>>281 ええええええエムちゃうわ! 書いてみたい気持ちもありますがねぇ

>>282 来ましたあああああ

>>283 また魔人版があbbbbbbb

>>284 三年後に結婚できるフラグ。

>>285 やめてください死んでしまbbbbbbbbbb

>>286 ぬっふぁーん!

>>287 シックス(カチャ……カチャ……ターッン!)←SS書いてる

>>288 確かに人間をやめたと言わざるを得ない体系に・・・やめてくださいURYYYYじゃなくてゴシカァンはやめてください。

>>289 最終回はリアルでネウロの犯人みたいな顔しました。OPのヤコは可愛かったですけど。

>>290 新しい血族編を原作水準でちゃんと作ってくれるならBDも買いますよ余裕で。

>>291 コッチヲ見ロォォ〜

>>292 ディオ、ネウロ、ボーボボとジャンプ作品でよくお世話になります。ボーボボはいま読み返すとすごく面白く感じます。さすが松井先生の師匠。

>>293 私のSSほど寒い物もない。

>>294 三かいくらい投与されちゃったよ兄さん。

>>295 ジョジョ好きが増えるのは良い事なんですが、話題になったからってちょっとかじって得意げになるのはちょっと見ていて嫌です。なので皆さん原作や小説を買いましょう。恥知らずのパープルヘイズは面白いので買いましょう。

>>296 ノリがいいのは良い事ですが、何事も程々です。


 すげぇ時間かかった・・・ではこれから投下します。
 今回の更新でインデックス編終わらせちゃいます。かなり駆け足になるのでスイマセン。
299 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 00:48:56.72 ID:EL+JoHL70

 







 ネウロの推理は、二人を真実に気付かせると同時に大きなショックを与えた。


「何だと……ッ!? じゃあ、僕らがしてきたことは……! クソッ! あの女狐め!」

「私達の彼女を思う心を弄んで……ッ!」


 上条の推理は正しかった。
 地上の知識を上条が学校に行っている間に何らかの手段で入手したネウロも同じ結論に至っており、すでに先ほどの落書き中にインデックスに仕掛けられた【罠】を見つけ出していた。

 ステイルと神裂が今までしてきたことは、全てイギリス清教が仕掛けた罠に踊らされていただけの無駄な事だったのだ。


「……」

 上条当麻は考える。
 様子を見るに、二人はインデックスの事を本当に大切に思っているのだろう。
 片方はエロいメイド服で、片方はストーカーっぽくなってるけど。
 二人は、至極真面目なんだろう。
300 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 00:50:34.70 ID:EL+JoHL70

「ネウロさんや、何とかして服装だけでもどうにかできませんかね」

「何を言うんですか上条当麻、この服はネウロ様が私に下さった衣服。私がこれを常に着続ける事は何ら不可解な事ではありません」

「いや、その考えはおかしい」

「僕は彼女を見守るだけさ。陰から、後ろから、かどから、優しく、静かに、ひっそりとね」

「やべぇよアンタら」


 話が進まない。
 仕方ないので上条はこの先をネウロにお願いする。
 ネウロも食事途やらを早く済ませたいのか、勝手に説明を続けてくれた。



「服装などどうでもいい。何より優先すべきは我が輩の食事だ。もはやこの『謎』は我が輩の舌の上。後は食事の場を整えてやればいい。……おい、そこの赤潮」

「……僕の事かい?」


 この場で赤と言われ、当てはまるのはステイルくらいだ。
 赤潮ではないですけどね。


「このシロアリに仕掛けられたトラップを今から破壊するわけだが、何か必要な準備はあるか?」

「……そうだね。あらゆる場合に対応できる準備として、まずは人払いのルーンを配置、あとは……この部屋の周りにイノケンティウスのルーンを配置しておきたいね」
301 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 00:51:38.94 ID:EL+JoHL70
「時間はどれほどかかる?」

「……一時間、あればいいかな。十分とは言い難いけどね」

「構わん。最低限でも人がやってこない小細工さえしておけばいい。……おい、奴隷」

「はっ、はい!」


 奴隷呼ばわりされて顔をパァァァと顔を輝かせる十八歳の奴隷。
 トラップを破壊する前に彼女の人権が音を立てて崩壊しているわけだが、指摘すると神裂かネウロのどちらかから攻撃が飛んできそうな気がするので上条はスルーする。
 空気を読まぬ男、上条当麻がよくぞここまで成長したものだ。


「貴様は何か準備は必要か?」

「いえ、私はこの刀があればあの子を救い、かつご主人様のお役に立つことが可能です」

「そうか、ならば貴様はこの部屋で待機だ。馬糞も同じく待機していろ。赤潮の準備が終わり次第、ディナータイムだ」

「はい!」

「……」

 負けるな上条当麻。
 この空間にツッコミを入れることは間違いだ。決して交わってはいけない。関わってはいけない。



302 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 00:52:54.40 ID:EL+JoHL70










 上条当麻はやることが無かった。

 愛すべきミニマム教師、月詠小萌はまだしばらく帰ってこない。
 ストー……ステイルは準備を行うために家の外に出ている。今頃家の周りや家そのものに意味不明な札や文字を刻んでいる事だろう。
 一方どれ……じゃなくて、ちょっと服装の常識が天元突破している神裂は、先ほどから熱にうなされているインデックスのそばでずっと手を握っていた。
 はた目には小さな子を心配するお母さ……お姉さんにしか見えない。格好を除けば。色々と台無しな服装を除けば。


「この子は、ずっと苦しんできました」


 独り言のように思えたが、その言葉はどうやら上条に向けられているらしかった。


「記憶が失われる事への恐怖、追われる事への恐怖……そして、恐怖は私達をも蝕んだ。この子を苦しめている自分が怖かった」

「……」

「過去、何度彼女のパートナー達は彼女を縛る鎖へ挑み、そして心を折られたか……私達の前任者も、不可能という空虚に囚われてしまった。私達は、彼のようにはならず、負けず、ただ彼女を生かす為だけに悪鬼になろうと誓った」


 その言葉は、神裂を、ステイルを縛る鎖。
 言葉には意味があり、力がある。
303 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 00:54:40.00 ID:EL+JoHL70

 インデックスを縛る鎖はそのまま、彼女を守ろうとした人たちの心までもを縛りあげた。

 虚実を織り交ぜた悪意の罠によって。純粋な、献身的な心は汚された。


「…………上条、当麻」

「……」


「あなたと、ネウロ様は、彼女を救ってくださるのですか?」


「ああ。約束する。インデックスを縛る悪意なんか、俺が壊してネウロが食ってやるよ」




















「ネウロ”様”だド素人がぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「イヤァァァァァァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」



(……うるさいんだよ……)

304 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 00:56:30.13 ID:EL+JoHL70
 空気一転。







 布団でぐったりとしているインデックスの口を開けると、そこには何やら魔法陣のような、異様な紋様が喉の奥に見えた。
 神裂とステイルはその意味がわかるのか、域を飲み込んだ。


「読み通り。さぁ馬糞ウニよ。その右手でその紋様に触れるのだ」

「……ああ」


 ゴクリ、と唾をのみ上条はインデックスの喉奥へと指を伸ばす。


 刹那。






 バチン! と上条当麻の体が大きく『何か』に弾かれた。







「が……っ!?」

「上条当麻!?」
305 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 00:57:50.44 ID:EL+JoHL70






「――警告、第三章第二節。Index-Librorum-Prohibitorum――禁書目録の『首輪』、第一から第三までの全結界の貫通を確認。再生準備……失敗。『首輪』の事故再生は不可能、現状、十万三千冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」




306 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:02:34.81 ID:EL+JoHL70


 無機質。
 機械よりなお機械的な、人の声帯から発せられているとは思えぬほどに冷たい声。
 それは紛れもなく、目の前の修道女から発せられており。
 彼女の瞳には、つい先ほど見たばかりの嫌な光景をフラッシュバックさせる、深紅の魔法陣が浮かび上がっていた。


 インデックス。
 禁書目録。
 十万三千冊の魔道書を持つ少女の真の姿とでもいうべきだろうか。
 いや、違う。
 こんな。
 こんな姿が、陽だまりの様な笑顔を見せたあの少女の真の姿であっていいわけがない!



「そうだ、さらけ出せ。貴様の悪意を、【謎】の可能性を、人間の欲望を」



 軟体生物の様な動きで起き上がるインデックスのすぐ目の前に、魔人脳噛ネウロは立つ。
307 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:06:59.91 ID:EL+JoHL70


「危険だネウロ! その子は今おそらく記憶している魔道書に記された魔術を全て扱える、文字通りの魔神だ! いくら君でもひとたまりもない!」

「フン。赤ダニ如きが我が輩の心配をするなど片腹痛いぞ」


「――侵入者個人、外部勢力に対して最も有効な魔術の組み込みに成功。『聖ジョージの聖域』の発動による『竜王の殺息』の再現、発動します」


 インデックス”だったもの”の声に神裂とステイルの顔が真っ青に染まる。


「竜王の殺息だって……!? そんなもの、こんな所で発動させられたらこの家どころかこの街ごと消飛ぶぞ!」

「慌てるな赤虫めが。……奴隷、貴様は赤虫と共にヤツの足場を崩せ。アレの攻撃は我が輩が何とかしてやる。そしてムラサキウニ、貴様はもう一度アレに触れろ。我が輩の推理が正しければ、それですべてが終わる」


 ネウロの弾き出した解答。
 ただ、それが正しいかどうかはわからない。
 過去、幾人もの魔術のプロフェッショナルがたどり着く事の出来なかったインデックスの救済というゴール。
 そこへあろうことか、魔術を知らぬ、人間ですらない存在がこう易々とたどり着くものか。
308 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:08:59.17 ID:EL+JoHL70

 神裂火織とステイル=マグヌスは考える。
 そして、一秒もかからず答えは出た。
 二人そろって、一寸の狂いもなく。



「――Fortis931!」

「――Salvare000!」


 二人の魔法名が部屋に響くと同時に、斬撃とルーンが部屋を埋め尽くした。
 何千、何万と言うルーンは部屋の天井や壁に張り付き、小萌宅は擬似的な結界へと変貌する。


「イノケンティウス! 上条当麻の援護をしろ! 腹立たしい事この上ないが、それが唯一の出口というのなら、たとえ茨の道であろうとも進んでやるさ!」

「ステイル……」


 一方、神裂の放った斬撃、そして異常な強度と切れ味を誇るワイヤーはインデックスの立つ足場を一瞬でバラバラに解体した。
 居住者(小萌)からしたらたまったものではないが、彼女の事を考えている人間はこの場に一人も居ない。

 足場を崩され、インデックスの眉間辺りに発生した不気味な『亀裂』がわずかに上を向く。



 瞬間、放たれた光の柱は天井を純白の羽に変えながら、夜空を引き裂いていった。
309 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:09:54.46 ID:EL+JoHL70
「気を付けて! あの羽に触れればどうなるかわかりません! 特に上条当麻! アナタの右腕でもどうなるか――」


「攻撃は我が輩に任せろ、と言ったはずだ。……この我が輩が、食事の為に何の手も打たないとでも思っていたか?」


 畏怖。
 インデックスから発せられる不気味な雰囲気よりなお悍ましい【何か】がネウロを包んでいく。
 そして、粉砕された天井の向こう側に、うっすらと何かが見える。
 まるで、巨大な魚の様な。
 まるで、巨大な砲筒の様な。


「な、んだいアレは……ッ!?」

「魔術でも、科学でもない……」



「魔術とやらが神からの授けモノならば、こちらは魔界王の護身兵器で相手をしよう。これでも貴様を打倒せるとは思えんが……何、我が輩は貴様の纏う『謎』を食えればそれでいい。止めは人間に任せるとしよう」

310 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:10:38.20 ID:EL+JoHL70

 魔神と魔人。
 魔術を極め、神の領域にまで足を踏み込んだ存在と、存在そのものが最初から人間の想像をはるかに超えた生物。
 二つは似て非なるモノ。
 人であって人を超えた存在と、人ならざる存在でありながら人を必要とする存在。

 戦闘と食事。
 救済と悪意。

 二つのまじんは、どこまでも正反対だった。










「『竜王の殺息』により敵を殲滅します」

「魔帝七ツ兵器”深海の蒸発”【イビルアクア】!!」










 そして、二つの光の柱がぶつかり合う。
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/17(土) 01:12:54.12 ID:tMiW+JaSO
初っぱなからそんな魔力大量消費を撃っちゃうのか…
312 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:13:02.98 ID:EL+JoHL70

「な、なんて閃光と衝撃……ッ! 教皇クラスでも扱いきれないようなエネルギー同士がぶつかり合っている……!」


 空気が蒸発する音が耳を撫でる。
 しかし、両者の攻撃は全く同質、互角と言うわけではない。
 わずかに、ほんのわずかに――ネウロの放っている攻撃の方が、押され気味だ。



(フン、地上ではこの程度の出力しか望めんか……が、それを抜きにしてもこの魔術とやら、魔人に匹敵する力を有するとは成程、地上の人間も『謎』を創り上げる畑として以外にも様々な使い道がありそうだ)
 

 が。
 ネウロの目的は力のぶつかり合いに打ち勝つことではない。
 ネウロのやる事。それは『食事』とそのための準備に過ぎない。
 食事の為に、畑となる人間は殺せない。

 だから、ネウロは現在、ステイルや神裂が思っているよりも全力を尽くしている。

 例えば、強力なエネルギー同士のぶつかり合いでこの場所自体が消飛ばない様に、ボロボロのアパートを支えている【朽ちる世界樹】という【深海の蒸発】並みの魔力を消費する強力な魔帝七ツ兵器を使用している。
 ただでさえ膨大な魔力を消費する二つの魔帝七ツ兵器を同時使用など、本来なら考えられない愚行だ。
 しかし、魔界で最も優れた頭脳を持つ生物、脳噛ネウロはそんなリスクを前にしても、目の前の食事に対する欲求を抑えきれない。
 そこに【謎】がある。

 それだけが、脳噛ネウロの行動理由なのだから。
313 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:14:46.06 ID:EL+JoHL70

(殺してしまえば【謎】は喰えん。だから我が輩がやるのはここまでだ。あとは――)


 脳噛ネウロの止めの一手。
 食事のための最後のスパイス。


 それは―――― 


「さぁ行け、ウミウシよ」










「うおぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」









 ――――人間。
314 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:16:46.64 ID:EL+JoHL70

 上条当麻は走り出す。
 たった一つの武器、己の肉体、右腕だけを前にだし。
 最堅の盾と最強の矛であるそれを突出し、上条当麻はインデックスに向かって一直線に走り出した。

 恐怖はある。
 当たり前だ。

 しかし、上条当麻は止まらない。
 たとえ、目の前が地獄であっても、彼の右手は何もかもを破壊する。


 心優しい少女をつなぎとめる鎖を、上条当麻の右腕は容赦なく破壊する。



「良いぜ。この世界が、神様の作った奇跡の通りに動いているっていうんなら―――― 


 
 頭上に舞う幾十幾百の白い羽。
 目の前に佇むのは囚われの姫君。
 背後には正体不明の化け物。
315 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:19:09.72 ID:EL+JoHL70
 ただの日常よりも、普通の人よりも不幸な人生を送ってきた上条当麻。
 だが、彼は右腕以外は普通の人間だった。
 笑って、泣いて、苦しんで、それでも幸福に生きている。そんな人間だった。

 普通ではない状況。
 普通ではない世界。
 普通ではない生物。

 上条を囲むそれらは、全てが違っていてすべてがかけ離れている。

 恐れるだろう。
 恐れ慄くだろう。
 普通ならば。

 上条当麻は、諦めない。
 その拳は、最初からわかりきった答えだけを提示していた。
 
 羽を防ぐことでも、化け物を援護する事でもない。


 上条当麻はただ一度、たった一撃の渾身の拳に全てを込めて、インデックスを縛りあげる鎖を殺す。





「――――まずは、その幻想をぶち殺す!」


316 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:20:01.08 ID:EL+JoHL70


 上条の拳が、黒い亀裂に触れたその刹那。
 ほぼ同時。
 
 インデックスの放っていた攻撃は停止し、部屋を覆い尽くさんとばかりに広がっていた魔法陣は消え、辺りはあっけない程に静寂に包まれた。
 それが、間違いなく『終わり』の合図であると確信した上条当麻は、気が緩み――



「っ! 上条当麻!」


 神裂火織の必死な叫びに反応するのが、一瞬遅れた。

 白い羽。

 たった一枚が上条当麻の頭に優しく舞い降り、上条は全身から体が抜けるのを感じた。


 そして――――上条当麻は意識を手放す。




 それが、魔人脳噛ネウロが地上に来て初めて目撃した『人間の死』であった。

317 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:21:32.79 ID:EL+JoHL70













 上条当麻が目を覚ましたのは、病院だった。



 まず気が付いたのは、己の状態。
 ここが病院だという事はわかる。
 自分が寝ているものがベッドであるというのもわかる。
 言葉も覚えているし、残念なオツムとはいえ高校生程度の知識は入っている。


 だが、エピソードが、思い出せない。
 
 写真の中で自分と親しくしている友人の顔を見ても、それが誰なのか思い出せない。
 
 忘れたのでもなく、封じられたのでもなく、記憶そのものを『破壊』された。


 死んだ人間を完全に生き返らせることなど出来ない様に。
 破壊された脳細胞は、記憶は、どうやっても取り戻せない。

318 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:24:27.18 ID:EL+JoHL70


「…………」



 そして今日は、上条が目を覚ましてから数日たった日。
 二人の『魔術師』を名乗る奴らが上条の担当の先生に色々と経緯を説明してくれたらしい。

 ……一人はとても扇情的な格好を、というか完全に風俗チックな衣装だったのであらぬ誤解を受けそうになったが。

 自分がどうして記憶を失ったのか、上条は知っている。 
 そして、今日、ここを訪れる少女の存在も。








 お昼前、上条のいる個室病室の扉が、控えめにノックされる。
 やや時間をおいて入ってきたのは、白い病室よりもなお白い美少女。

 その整った顔に映るのは歓喜――そして、何かへの恐怖、不安だ。
319 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:26:13.97 ID:EL+JoHL70

「……とーま」

「……当麻って、誰です? 部屋間違ってません?」

「……ッ」


 少女の顔の絶望がより色濃くなる。
 わかっている。
 上条は、彼女をこんな顔にするために記憶を失ったわけではない。
 わかっている。
 どうするべきかは。
 たとえ、それが本当に正しいのか、それを判断することは出来ないが。

 上条当麻は、口にする。



「なーんつってー、引っかかった引っかかったアハハハハー!」


「……え?」


「ばぁか。俺の頭に降ってきたアレは魔術的な物だろ? じゃあ俺の右手でイチコロさよならばいばいだろーが」

「……」


 きょとんと。
 上条の言葉がちゃんと頭に入っているのかどうか疑わしくなるくらい、インデックスの顔からは表情が失せていた。


「……おう、嫌な予感」







 上条当麻は二度目の人生最初の悲鳴を上げた。

320 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:26:50.21 ID:EL+JoHL70





「フム、相変わらず騒がしい事だな駄犬どもは」




 頭を押さえ泣きじゃくる上条と、まだ不満そうなインデックスのいる病室に新たな来客が訪れた。
 背の高い、どこか異様な雰囲気を纏う美青年。
 上条はこの男を覚えていないが、情報だけは医者から聞いている。
 脳噛ネウロ。

 魔術師曰く、絶対に警戒を解いてはいけない存在だと。

 最も、医者によるとそれを言っていたのは赤髪の男だけで、破廉恥な女の方はそれを男が口にした瞬間ド突いていたらしいが。


「ネウロも俺のお見舞いに?」

「いいや、違う。貴様という奴隷に我が輩自ら人事を伝えに来てやったのだ」

「人事?」


 その前に奴隷という言葉に引っかかる。
 記憶を失う前の自分は、もしかして人間の尊厳を有していなかったのかと不安になった。


「ウム。上条当麻、貴様の今回を働きを考えて、我が輩は言い渡そう」
321 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:27:50.15 ID:EL+JoHL70










「――――上条。貴様リストラ」









322 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:28:29.15 ID:EL+JoHL70

 思いっきり見下しながら。
 親指をグッ!と下に向けて
 唾でも吐きそうなトーンで言い渡された。


 泣きそうになった。



「…………え?」

「ちょ、ちょっとねうろ!? いきなりどうしたの!?」

「貴様は我が輩の奴隷から解雇だ。勝手に行動してもらおう」


 何たる言い草。というか、奴隷から解雇って良い事なんじゃないだろうか?
 上条当麻の記憶が残っていれば喜んだかもしれないが、今の状態では微妙に喜びにくい。
323 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:30:28.04 ID:EL+JoHL70
「理由は色々ある。貴様は素晴らしい働きをしてくれた、その点については賞賛しよう。だがその右腕と我が輩の異常なまでの相性の悪さ、そしてこれが最大の理由だが、そこの雑巾に仕掛けられた【悪意】はまだ消えていないのだ」

「え……っ!?」


 その言葉に驚いたのは、インデックスの方だ。
 インデックスを縛っていた【首輪】は、完全に破壊されたはず。
 なのに――


「貴様に未だ隠されている【悪意】、それを完全に解いたうえで仕掛けた張本人に敗北を認めさせなければ【謎】は喰えん。が、今の状態ではそれは難しい。だから上条、貴様は我が輩から離れて行動し、貴様のご自慢の『不幸』で事件に巻き込まれたら我が輩に知らせろ」

 
 つまり、上条は撒き餌だ。
 ネウロの欲する、人の悪意が作り出した『謎』を得るための手段の一つ。
 それが上条当麻の解放理由なのだ。





「まぁ、そこの白雑巾はまだまだ利用させてもらうがな。むしろ、こちらの方が我が輩にとっては本命だ」

「え……?」
324 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:30:55.61 ID:EL+JoHL70

 理解できていないインデックスの頭を鷲掴みにして軽々と持ち上げるネウロ。
 インデックスが小柄だといえ、片手でリンゴでも持つかのように軽々と扱っているネウロはやはり化け物なのだと上条は実感した。


「まぁ、貴様と白雑巾がかかわる機会はこれからも多かろう。よろしく頼むぞ? 我が輩にすら見えぬ可能性を右腕に秘めた人間よ」


 そう言って、脳噛ネウロは出て行った。
 残された上条当麻は流れて行く状況と自分の現状が相まって中々理解に手間取ったが、とりあえず一つだけ結論が出せた。



 ……これからの自分の人生は、波乱に満ちたものになるだろうという事が。
325 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:33:54.62 ID:EL+JoHL70













「ねうろ、私をどうするつもりなのかな?」

 
 未だ掴まれた状態のインデックスは、階段を昇るネウロに問いかける。


「貴様には我が輩の隠れ蓑をやってもらう。貴様を探偵に仕立て上げ、貴様が解いた事にするのだ。我が輩は地上では目立てぬ身でな」

「……この移動方法を選択した時点で、目立たないっていうのは至難の業かも」


 すれ違う人が必ず二度見するであろうクレーンゲーム的移動を続ける二人。
 そして、たどり着いたのは屋上へと通じる扉だ。


「そのために吾輩は貴様が探偵として【謎】を集めやすいように場所、探偵事務所と人員を探していたのだ」

「……私が探偵になるってこと?」

「そうだ」


 一切の話し合いなく人を探偵に仕立て上げるつもりのネウロは、屋上の扉を開ける。
 ガチャリと、扉を開けたその先には――
326 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:34:44.21 ID:EL+JoHL70


「畜生! 俺をどうする気なんだよこの化け物!」

 悪態を付く茶髪の、ジャージ姿のガラの悪い青年と。


「あらぁ、可愛い子ねぇ☆」

 長い金髪の女子中学生が居た。


 あまりにも似つかわぬ二人。
 その二人が、ネウロが連れてきた探偵事務所のスタッフ。


「さぁ、こいつらが秘書と雑用になる。探偵は貴様、吾輩は助手。さて、事務所へと移動しましょうか――――先生♪」



 ネウロの胡散臭い笑みが、インデックスにとっては何故かとても恐ろしい物に見えた。


327 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:35:43.37 ID:EL+JoHL70

















 暗い部屋だった。
 証明的な意味でも、雰囲気的な意味でも。

 暗いと言うよりかは、重い。
 
 圧倒的な重圧、プレッシャーを放つ二人の対談は、他の一切を拒絶していた。


「……禁書目録に付けていた首輪とやらは、壊れたそうだね?」

「……」


 片方は男、片方は女。
 男は口調こそ気さくであるものの、その声のトーン、雰囲気、喋り方はまるで心の奥底を何か湿り気を帯びたザラザラしたもので撫でまわされているような、そんな嫌悪感を催した。
 圧倒的な邪悪。
 吐き気を催す邪悪。
 悪のカリスマ。
 
 はたして、男の全てを的確に表現する言葉は世界に存在しうるのだろうか。
 それほどに、かけ離れた男であった。
328 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:37:11.39 ID:EL+JoHL70
「アレの頭に記憶させた魔道書の内、6万6666冊は我が一族の蔵書なんだがね。……さて、君が一体どんな謝罪をみせてくれるのか楽しみだよ。ローラ=スチュアート」

 
 女――ローラ=スチュアートは押し黙る。
 身の丈の二倍以上は有ろうかという長い髪の毛を撫でながら、その瞳はまっすぐ男を見据えていた。
 イギリス清教の最大勢力、【必要悪の教会】の最大教主。
 インデックスに首輪を仕掛けた張本人は考える。

「私に非は無きよ。私の仕掛けたる首輪は機能こそ破壊されてしまいけれど、それは幻想殺しの非でありけるわ」

「……」

「そして私は貴様とのお喋りは好まぬのよ」


 男に向かってこう言える女性は、おそらくローラくらいなのではないだろうか。
 ちょっとした気まぐれで、否、気が向かなくても人を殺す様なこの男を前に。
 ちなみに、ローラの喋り方はふざけているわけではない。
 決して、ふざけているわけではない。

「そうか、ならば私は帰る事にしよう。八つ当たりは君にはしないから、安心しなさい」


 男は立ち上がり、ローラに背を向ける。
 視線だけで人を殺せそうな、凄まじい殺気を込めた視線をローラは男に向けたが、男はそれに気づいたうえでローラに笑顔を向ける。
329 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:39:48.51 ID:EL+JoHL70
「科学側にも、近いうちに私自身が挨拶しなければいけないね。忙しくなりそうだ」

「……魔術サイドと科学サイド、両方を敵にまわしけるの?」

「おや、おかしな言い方だ。それではまるで私達が君達の仲間であるかのような言い方だね。おかしいのは言い方だけではなく、喋り方もだがね」

「……戦争が起こりけるわよ」

「それは素晴らしい。戦争は何時見ても心が洗われるよ」

「まったく、吐き気がする事ね」

「最高の褒め言葉をありがとう。では、失礼するよ。次会う時はとても面白い事になってそうだ。楽しみだよ」


 男は去る。
 それは、ある意味で決別の合図であった。
 人ならざる者。
 人を超えた者。
 人を滅ぼそうとする者。

 科学サイドとも、魔術サイドとも違う存在。



 『新しい血族』は、水面下で静かに蠢く。

330 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:42:37.11 ID:EL+JoHL70















 明るい部屋だった。
 満天の星の如く光を放つ無数の画面やボタンの明かりが部屋中を埋め尽くしていた。
 その中で一際異彩を放つ、部屋の中央に鎮座する巨大なビーカー。
 色のついた液体に満たされたその中には、逆さまに浮かぶ人影が一つ。
 
 男にも女にも、老人にも子供にも、聖者にも愚者にも見えるその男。

 学園都市統括理事長、アレイスター=クロウリーは静かに口を開く。


「……つまり君は、ではなく君達か。いったいどうしたいのかね?」

「いやぁ。俺はつまんねぇ男なもんで、アンタみたいな黒幕チックな奴らの考えてる事なんかわかんねぇんですが……ちっとばかし燃え上がれそうな場所を探してるんですよ」


 アレイスターと話す男は部屋の中でも帽子を外さず、咥えた煙草から紫煙を曇らせていた。
331 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:43:20.54 ID:EL+JoHL70
「ま、今回は顔見世程度って事で。さっき俺がした話、頭の片隅にでも入れといて下さい。じゃ、これで失礼させてもらいます」


 男は後ろに待機していた赤髪の女に合図を送り、そのままその場から消える。
 この部屋に唯一入る事の出来る能力者と男が消え、一人になったアレイスターは呟く。

「……動き始めたか。だがまだそれは想定の範囲として、問題はあのイレギュラー」


 学園都市に突如現れた、謎の男。
 魔人と名乗っていた、どの文献にも知識にも存在しない化け物。
 全てを狂わせる可能性を持った、完全なイレギュラー。


「……まぁいい。イレギュラーは取り込んで【プラン】の短縮に繋げてしまえばいい。暗部の方も少しずつ動かすとしよう」


 アレイスターは笑う。
 恐ろしい程に、人間らしく。



332 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:44:17.60 ID:EL+JoHL70







 アレイスターと喋っていた男は、一人歩いていた。
 新しい煙草をポケットから取り出し、それに火をつけながら。


 その時、ドンッと、通行人と肩がぶつかってしまった。


「っと……悪い悪い、ちょっとよそ見してた」

「あ、いえ、こちらこそすいません」


 ペコリと頭を下げた相手は、知っている顔だった。
 学園都市の外で生活する人間でさえ知っている、有名人。
 頂点に君臨する七人の、三番目。


「……」

「?」

「ああ、何でもない。それじゃあ」



 男は去る。
 そして、笑う。





「……火火ッ。中々熱くなりそうじゃねーの、何てな」


 煙草の煙は風に吹かれ、すぐに見えなくなった。

333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 01:48:11.29 ID:hI6cq0hB0
たなびき、迫る悪意の影……!
334 : ◆iW5DTNIVQY [saga]:2012/11/17(土) 01:49:41.47 ID:EL+JoHL70
今回はこれで終了です。
ついでにインデックス編も終了です。

ここで終わることもぶっちゃけ考えてたりしたんですが、せっかくなのでまだ描き続けることにします。
最初に書いたクロスの奴も建てるかもしれません。SS速報で同時進行ってありでしたっけ? ていうか並走できるかどうかも怪しいです。めだかならいけるかな・・・?

まぁ、次回から新章です。インデックス視点の三人称文章に変わります。試験的ですけどね。

上で書いたタイトルで何かが建てられるかもしれません、個人的にはめだかか村正が書いてみたいです。


では、次回。あまり時間を空けないように頑張ります
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/17(土) 01:54:00.92 ID:z8l6zhS80
乙!
規模がでかくなってきて興奮してきたわ。


ちなみに ガッシュと禁書なら
ビクトリーム&ビアージオが一番衝撃だとおもう
邂逅シーンを回想で入れたら面白そうだ。
個人的には
上条&ガッシュ
一方&ゼオン
御坂&ウマゴン
御坂妹&ティオ
麦野&ブラゴ
食蜂&ゾフィス
アックア&バリー
浜面&ドンポッチョ

みたいな組み合わせかなぁ。
王をも殴れる男をやれるのはアックアさんしかいないと思う。
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/17(土) 01:54:47.34 ID:ibA8I8ipo
乙シカッ
よくある原作再構成クロスだと勝手に思い込んでたかをくくってたから新展開でびっくりだ
この分だとインさんが空気にされることがなさそうで嬉しいんだよ
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 01:59:40.83 ID:hI6cq0hB0
乙ー。
同時進行は確かアリだよ。
三つぐらい掛け持ってる人もいるし。

まぁ浜面はそのポジが妥当だわなwwwww
そしてやっぱみさきちも調教されたんかな……?
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/17(土) 02:00:33.13 ID:FvCXBn6vo
おつ
同時進行したいならすればいいけど、エタるのはやめてな
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 02:36:11.22 ID:QK4c0dy5o

こんな序盤に新しい血族とか予想できんかったわ・・・
それとエタらなきゃ同時進行だろうがなんだろうがしてもいいと思うよ、俺は
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 03:07:30.82 ID:4zZQvm0o0
無茶はしない方が良い、学校もあるのに確実に潰れる
自分なりのペースでやればいいじゃん
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 03:48:07.36 ID:4zZQvm0o0
でも個人的には球磨川見たいですけどw
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/17(土) 08:11:07.25 ID:ALTrVKgS0
えーっと、上条さんは
推理をしないで事件を呼び寄せるコナンくん
ってこと?
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/17(土) 08:46:40.64 ID:Zn0q8HV/o

次は…原作に沿うなら三沢塾か、ネウロ側イベントならDCSか?どちらでも面白くなりそうだ

禁書めだかは期待したい半面大変荒れやすいからやるなら気をつけて…
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 09:17:06.89 ID:LQrE9Edl0

なにげにネウロの介入でツリーダイアグラムが破壊されてないんだよな・・・
さていったいどういう影響が出るんだろうか
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 09:22:37.05 ID:4zZQvm0o0
ガッシュの雷句誠が禁書の絵やったらすごくマッチすると思う。妄想だけどね
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 10:59:04.03 ID:6noWt7dO0

しかし、一方通行とシックスはどっちが強いんだろうか
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 11:17:30.58 ID:9QAySGUeo
身体に触れられて合成金属の流れを変えられたら肉体崩れそうだな
そう考えたら相性的には一方通行のほうが強いかもしれない

まぁシックスなら相性の悪い敵は相対される前にどんな手段を使ってでも消すだろうしなぁ・・・
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 11:36:09.78 ID:1HOLap1k0
>>344
自分で書いといてなんだがよく見たらイビルアクアとの激突前に空に向かって放たれてたな
ツリーダイアグラムの破壊は確定か
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 11:48:43.70 ID:Rjv6DKIQo
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 15:26:41.74 ID:tMiW+JaSO
葛西は好きだから活躍して欲しいぜ火火ッ
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/17(土) 19:19:17.30 ID:GuhZrF16o
浜面はともかくみさきちは意外だった
でも精神系の能力は一番適当っちゃ適当だね
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/17(土) 21:46:21.89 ID:77VVTbwI0
>>351
ネウロは交渉技能もあるから浜面は拉致としてみさきちは交渉したのかもな
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 21:55:58.37 ID:dQGT5Jf70
>>352
ネウロの頭なんて覗いたら精神崩壊起こしそうだしな
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 22:08:02.95 ID:9QAySGUeo
覗こうとしたら早坂弟にしたみたいな感じの警告入ると思うんだ
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/17(土) 23:19:50.00 ID:fDcWen1a0
皆、ここは雑談スレじゃないんだ
これ以上レスを消費したら>>1が世界大戦まで書き上げる前に書き込めなくなる

感想や疑問、乙以外のレスはそろそろ自重しよう(提案)
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 03:21:24.89 ID:dclsYqTdP
次スレ立つんじゃね
それに感想とかならいいでしょ
357 :♯んー愛 [sage]:2012/11/18(日) 04:08:06.04 ID:QGjsnuUO0
このスレで終わらないことは確実ですね…
インデックスでこれだけ行くと2スレ目ですら感想が無くとも終わらないかもしれないという恐怖
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/18(日) 04:09:30.72 ID:XVubZU8bo
別に何スレだろうと

私は一向に構わんッ!!
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/18(日) 05:43:51.48 ID:E521hMtGo
6対一方通行なら一方通行が勝つと思うがネウロ対一方通行はネウロの価値じゃないかな
というか一方さんが勝つヴィジョンが想像できない
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 12:11:46.73 ID:jS8ClWnd0
>>359
そういった展開・勝敗予想は>>1の進行の妨げになるからやめたほうがいい
>>1以外が結論を出したとこで意味がないし、それによってスレ自体が荒れたら元も子もない

ウチも我慢するから>>359も我慢してくれ
361 : ◆3e98J5/Lds [sage]:2012/11/18(日) 20:54:04.55 ID:F/i1DYkW0
スマホで書きこんだら酉がうまく行かなかったよ。
というわけでちょっと変更。

ごめんなさいね。あと火曜日くらいに頑張って更新予定です。
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 21:01:35.95 ID:HJdDs77SO
乙!
無理せんとも自分のペースでやってくれ

363 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:05:56.29 ID:8OSqLZmL0
予定を変更して今から投下します。

そして六つの同時展開は流石に無理でしたが、一つ息抜き執筆で建てました。

禁書×グッドルーザー球磨川で、『とある水槽学園生徒会執行部の皮肉的学園都市視察』というスレです。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353240092/#header

グッドルーザーっぽい書き方をしてますので、もしよければよろしくお願いします。


そして、こっち側の更新は最後に読んだ上でのちょっとしたアンケートにご協力いただけるとありがたいです。


>>335 ダブル若本は協力ですねぇ・・・そしてドンポッチョってどんなキャラだっけと思い出すのにものすごく苦労しました。いたなぁ、そんなの・・・

>>336 インちゃんはむしろメインキャラです。ご安心を。

>>337 三つは凄いなぁ・・・そして五大ポジションは最初から浜面しか思いつきませんでした。

>>338 投げ出すことはしません。禁書もネウロもめだかも好きなので。

>>339 メインで出てくるのはまだ先になりそうですけどね

>>340 向こうはかなりゆとりを持ってやる予定なので、多分大丈夫です。

>>341 立てちゃいました。もしよければ見てください。

>>342 そうです。頭の悪い脳筋コナンです。

>>343 割とまだ迷ってます。荒れるのは避けたいなァ・・・

>>344 粉砕されてます。描写が足りなかったと公開

>>345 あの人の絵は結構好きです。書いてくれないですかねえ、何かの記念に。

>>346 今のところは未定ですが、シックスはまともには戦ってくれなさそうですね

>>347 直接戦闘だと一方通行さんに分がありそうですが、悪意の塊が正々堂々戦ってくれるかどうか。

>>348 粉砕されてます。やったねあわきん

>>350 私も好きなキャラです。依怙贔屓するかも。

>>351 扱いやすい秘書キャラです。

>>352 交渉・・・交渉ねぇ・・・・

>>353 みさきちがインちゃんの頭を覗いて全身から血を流すSSを見たことがあるような気がします。

>>354 覗かせてくれないでしょうねぇ

>>355 雑談も悪くはないんですけどね。さすがに100とか行くと微妙ですが、雑談を返すのも結構楽しかったり。

>>356 次スレには確実に届く。

>>358 お付き合い下しあ

??359 その対決も多分書きますので、お楽しみに。

>>360 ピタリと当てられるとドキリとしますね。

>>362 ありがとうございます。


 では、ゆきます
364 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:08:07.79 ID:8OSqLZmL0



 


 私の名前はインデックス。

 本当の名前は別にあったのだろうけれど、その名前に意味はない。
 禁書目録。
 これが、今の私を指し示すすべての言葉。

 私の中に、脳の中に封印された十万三千冊の魔道書。
 これを保持し保護することが、私に課せられた唯一にして最大の使命。

 献身的な子羊は強者の知識を守る。

 私はきっと、神様に捧げられた生贄だったのだろう。
 ただ食べられる時を待つだけの存在だったんだろう。


365 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:12:09.11 ID:8OSqLZmL0





 けれど。


 私の目の前に現れた二人のひーろーが、私を救ってくれた。

 神様の作った奇跡なんて鼻で笑って、罰当たりな右腕を振りかざし。
 神様よりも理不尽な暴力的な怪物は、本能の赴くままに行動し。

 私は、救われたんだよ。

 神様に捧げられた子羊が、神様から逃げ出すだなんて私はシスター失格かもしれないけれど。
 私を救ってくれた人たちを、私は見捨てられない。
 だって、私はシスターだから。
 救われない人を救うのが、シスターだから。
 
 私を救ってくれた人が、とーまとねうろが不幸な時も。



 だから。
 だから、私は。
 


 どんな時でも二人と一緒に居たいと思ったんだよ。


366 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:13:20.34 ID:8OSqLZmL0

























「フム、中々の座り心地だ」

「光栄です、マイロード」


「……」

「……」


 ……でも、今はちょっと、一緒に居たくないかも。

 
 とーまが退院して少し経った日。
 私達が居るのは、学園都市の駅のあぱーと。
 あぱーとと言うよりは、マンションなのかな? とーまの部屋とは比べ物にならない程広いんだよ。
 ネウロがすたっふって言ってた二人の内の一人――みさきが別荘代わりに使ってる所なんだって。
 ちなみに、今ねうろが座っている綺麗な人が、みさきなんだよ。
367 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:15:50.91 ID:8OSqLZmL0

「チクショウ俺の中で常識が崩されていく……レベル5ってのはイカレた人格破綻者で暴虐的なヤツってイメージしかなかったのに、何だこの光景」

 
 私の横でブツブツ呟いてるのはしあげ。
 ねうろ曰く、使い勝手のいいどれいらしいんだよ。

 ……同情したいし、奴隷と言う立場はシスターからみて救う対象なんだろうけれど、ねうろに逆らうのはちょっと勇気が足りないんだよ……


「つーかお嬢ちゃん、どう見ても学園都市の人間じゃねぇよな?」

「私はイギリスから来たんだよ」

「イギリス? すげぇな、つーか大星覇祭とかの時期でもねぇのによく入れたな」


 ……こっそり侵入したなんて、言えないかも。


「ま、いっか。あー、俺みてぇな奴に言われるのもアレかもしんねぇけど、お嬢ちゃん。アレには関わらないほうが良いと思うぞ」

 ヒソヒソとしあげが私に耳打ちしてくる。
 アレっていうのは勿論ねうろの事で、正直恍惚の表情を浮かべているみさきに座っているねうろは何処からどう見ても怪しい人。
 でも、私はねうろがどんな人か知っている。
 人じゃ、ないんだけどね。
368 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:16:27.91 ID:8OSqLZmL0
「大丈夫だよ。ねうろは、悪い人じゃないから」

「……悪い奴かどうかは置いておいて、とりあえず性格は悪いけどな」


「奴隷の分際で主人をアレ呼ばわりとは、偉くなったモノだな」

「ぐひゃっ!?」

 いつの間にか天井に立っていたねうろは、しあげの鼻の穴に指を突っ込んでそのまましあげの体を持ち上げた。
 とーまよりもがっしりしてるしあげの体を持ち上げるねうろの力は凄いけど、今はそれよりしあげの鼻がピンチなんだよ。
 
「あ痛たたたたたたたたた! や、やめろ降ろせ化け物!」

「フハハハハハ。その姿勢のまま空中土下座三回転捻りを見せたらやめてやろう」

「出来るかっ!」

 
 当然のツッコミなんだよ。
369 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:18:04.06 ID:8OSqLZmL0
「うーん、マイロードが浜面クンの方に行っちゃったから、私はインちゃんで遊ぼっと☆」

「わわっ!?」


 さっきまでねうろに座られてたみさきが、私を後ろからギュッと抱きしめてきた。
 ……背中に当たる感触は、とっても羨まし……いや、シスターにはそんなものは必要ないんだよ!
 私を抱きしめたまま、私のほっぺたを指でツンツン突いてくる。


「うーん、気持ちいいわぁ。癖になっちゃうんだゾ☆」

「や、やめてほしいかも!」

 
 なんだかみさきの触り方がちょっぴりエッチで、私の方が照れちゃった。
 みさきも多分わざとやってるのかも。すっごく笑顔なんだよ。


「可愛い可愛い☆ よしよし、お菓子をあげるわぁ」

「え、お菓子!?」


 みさきが見せたのは、チョコレートの味のクッキーだった。
370 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:21:23.45 ID:8OSqLZmL0
「はい、あーん☆」

「あーん!」

 私は大きく口をあける。
 チョコレートのクッキーはとっても甘くてサクサクしてて、すっごく美味しい。
 
「あぁん、可愛いペットみたい……」

「む、それはちょっと失礼かも」

「ごめんねぇ☆ はい、あーん」

「あーん!」


 パク。モグモグモグ。ゴックン。
 うん、美味しいんだよ!


「可愛い……」

 なんだかみさきがほっぺたを押さえてクネクネしてる。
 どうしたんだろう、残りのクッキーも貰っていいのかな? 

「そういえば、みさきとしあげはどうやってねうろと知り合ったのかな?」

「ん? ああ、私の場合はねぇ――――
371 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:22:27.10 ID:8OSqLZmL0







 常盤台中学 女子寮



女生徒1「女王! 今日も麗しゅうございますわ!」

食蜂「そぉ? ま、当たり前だけどねぇ☆」

女生徒2「今日も派閥の一つを女王の参加に加えることが出来ました。これで常盤台中学は名実ともに女王の支配下です」

食蜂「そうねぇ。後は御坂さんが私と『お友達』になってくれればいいんだけどぉ」

女生徒3「御坂様も女王と同じくレベル5、そして御坂様を慕う生徒達が女王の唯一の障害ですね」

食蜂「そうなのよねぇ。ねぇあなた、御坂さんを暗殺とかできなぁい?」

女生徒4「あ、暗殺!? そ、それはさすがに不可能です……御坂様は女王よりも上位のレベル5、レベル3の私ではとても……」

食蜂「カッチーン☆ なんだかその言い方にムカついちゃった。と、言うわけでエイッ☆」ピッ

女生徒4「あ……」

食蜂「そのまま学園都市ゲテモノメニューグルメツアーに行っちゃいなさい☆」

女生徒「はい、女王」スタスタ

食蜂「んー……でも、今のままじゃ満足できないのは事実なのよねぇ。どうしようかなぁ……」

372 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:22:55.78 ID:8OSqLZmL0














ネウロ「フム、ハッキングした情報通り、女王気取りの女はここにいたか」









食蜂「っ! 誰!?」

ネウロ「我が輩か? 我が輩はネウロ、脳噛ネウロだ」

食蜂「ネウロ……? 知らない名前ねぇ……」

食蜂(姿を現すまでその存在に全く気付かなかった……それに、この男の心が読めない……? どういう事?)
373 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:23:37.24 ID:8OSqLZmL0
ネウロ「貴様はどうやらこの学園都市で天狗になっている人間のうちの一人らしいな。人の脳や心を完全に支配する能力。魔人にすら難しい所業をよくぞ人間如きが成し遂げたものだ。確かに称賛に値する」

食蜂「魔人……?」

女生徒5「女王! お下がりください!」

女生徒6「ここは私達が!」

ネウロ「フン」

女生徒7「強気で居られるのも今の内です。私達は女王の側近部隊、全員がレベル4の大能力者です」

女生徒8「たとえあなたがどんな能力者だろうと、この人数差は覆せませんわ」

ネウロ「……」

食蜂「あらぁ、私に気づかせずにここまでやって来た事は凄いけど、さすがに怖くなっちゃったかしらぁ? この子達は特に念入りに洗脳したから、私がその気になればどんなに非道な事でも



 バキッ



 ドゴッ



 メキッ



 ゴシャッ

る  

 ガツンッ



 バシンッ


の……よぉ……?」
374 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:24:07.13 ID:8OSqLZmL0
ネウロ「……フー……二十人を気絶させるのに二秒か。やはりあの二つを同時に発動させたのが想像より負担になっているらしいな」

食蜂「な、に……? いま、何が……?」

ネウロ「おや? さっきまで女王気取りであったというのに、今はまるでガタガタと震えた捨て犬のようではないか?」

食蜂「あ、……ああ……っ! え、えいっ!」ポチ

ネウロ「……」

食蜂「な、んで、何で能力が効かないのぉ!? どうしてよぉ!」

ネウロ「我が輩の脳を人間如きが操るなど、片腹痛い。……さぁて、では我が輩が直々に教えてやろう。奴隷の上手な作り方、そして主人に尽くす悦びをな」

食蜂「い、や、いや、いやっ、いやぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」



375 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:25:06.25 ID:8OSqLZmL0














「と、いうわけで私はマイロードと運命の出会いを……」

「ゴメン、全然理解できないんだよ……」


 みさき、後半悲鳴しか上げていなかったような気がしたんだけど……


「ま、もう少し大人になればわかるかもねぇ☆」

「それが理解できるのが大人なら、私は将来に著しい不安を抱くかも」

 
 まぁ、みさきはかなり特殊な例なんだと思う。
 そう思わないと、やってけないかも。
 後は、しあげ何だけど……顔から色んな液を垂らしながら、ビクンビクンしてるしあげにはちょっと声がかけにくいかも。
376 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:25:39.48 ID:8OSqLZmL0
「う、ううう……あの化け物……」

「だ、大丈夫? しあげ」

「ああ、お嬢ちゃん……俺には君が聖女に見えるよ……」

「一応、シスターなんだけど……」

 
 聖女って呼ばれるのは、ちょっと照れちゃうかも。


「クソ……鼻取れてねぇよな? まだ引っ張られてるような感覚がするぜ」

「ご愁傷様かも。そういえばしあげはどうやってネウロと知り合ったの?」

「ん? あー……知り合ったっつーか、なんつーか……俺はもともとスキルアウトっつーグループに居たんだよ。お嬢ちゃんは学園都市の住人じゃないからわからねぇかもしれないけど」

「すきるあうと?」

「簡単に言えば、不良さんよぉ☆」
377 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:26:28.80 ID:8OSqLZmL0

 私を後ろから抱きしめたみさきが、私の耳に優しく囁きかけてきた。

「わわっ」

「学園都市の能力開発はねぇ、絶対じゃないの。何の能力も発現しない、もしくは目に見えるレベルの力が扱えない、そんな人が半分以上。才能がない、って言っちゃうと残酷だけど一番ぴったりなのよねぇ」

「……」


 そういえば、とーまもレベル0とかなんとか言ってたかも。
 みさきはレベル5、つまりこの街で一番の超能力者……って事なのかな?
 
 そして、しあげも、とーまと同じくレベル0。
 才能がない、なんて烙印を街に押されてしまった人。


「そんな人たちが徒党を組んで、武装して学生を襲ったり、時には大規模な犯罪をする。それがスキルアウトよぉ」

「……テメェみたいな能力者、しかもレベル5なんてバケモンにはわからねぇだろうよ。能力がねぇってだけで蔑まれ馬鹿にされる気持ちが」

「わからないわぁ。私の『心理掌握』があれば大抵の事は叶っちゃうわけだしぃ」


 なんだか二人の間にぴりぴりした空気が流れてる。
 このままだと、二人がケンカしちゃうかも!
 どうしよう、シスターである私がなんとか宥めないと。喧嘩なんて絶対によくないんだよ!
378 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:26:59.51 ID:8OSqLZmL0



「…………と、ちょっと前までは他人を馬鹿にしていたんだけどねぇ☆」 

「は?」

「え?」


 私としあげが同時にみさきの顔を見る。


「マイロードの教えを受けて、私は改心したのよぉ☆ 具体的にはそれまで私の忠実な部下だった生徒全員の洗脳を解いて、派閥も解体して、勝手に占領してた女子寮の一つも解放したのっ☆」

 とても嬉しそうに話すみさき。
 一体、ねうろに何をされたんだろう。

「するとね、それまでプライドに固執してた自分とはまるっきり逆で、すっごく晴れ晴れとした気持ちになったの。ああ、コレが解放感なのねぇって爽やかに感じたわぁ。これを教えてくれたマイロードに、私は服従と忠誠を――


「うるさいぞ、アシナガバチめが」


「ありがとうございますっ!」



 ねうろのビンタで吹っ飛んだみさきは、何故かお礼を言っていた。
 ごろんごろんと床を転がっているみさきはすっごく爽やかな笑みを浮かべているんだよ。
 ……なんか、なんだろう。どう表現すればいいんだろう。みさきを見ていると泣きそうになるんだよ。
379 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:27:33.45 ID:8OSqLZmL0

「……何か、あんなのが頂点の学園都市に軽く同情してきた」


 しあげが目元を抑えていた。
 泣いているのかも知れない。
 …………なんて声をかければいいのかな。


「さて、我が奴隷人ぎょ……もとい、インデックス魔界探偵事務所のメンバーたちよ」

「今完全に奴隷人形って言おうとしたよな? なぁ?」


 しあげの当然の抗議を、ねうろは華麗にスルーする。
 

「この場所はあそこのハチが超能力とやらで手に入れた場所だ。ここを探偵事務所として拠点にする」

「マイロード、褒めてください☆」

「黙れハチ」

「ありがとうございます!」


 ねうろが絡むと、みさきはとことん駄目になるんだよ。
380 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:28:30.38 ID:8OSqLZmL0

「すでにホームページやチラシ的なものは制作してある」

「え? いつのまに作ってたの?」

「貴様がウニ頭の家でモヤシを貪っている時にだ」

「失礼かも! モヤシは安くておいしいんだよ!」

「あ、怒るのそこなんだ」

 しあげがボソッとツッコミを入れる。
 モヤシは家計の味方かも!


「依頼人に『謎』の気配があれば、依頼を受ける。なければ即座に追い返す。基本方針はこれだ」

「ひでぇ経営……」


 しあげがボソリと呟く。
 全く否定できないのもちょっと悲しいかも。


「そら、そんな事を言っている間にも……どうやら依頼人のご登場だ」

「え?」


 ねうろがそう言った、瞬間。
 扉が、ノックされた。
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/11/19(月) 00:30:54.86 ID:uWZBUZTto
この、みさきちください。
382 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/19(月) 00:31:58.15 ID:8OSqLZmL0
今回はここまでです。

で、簡単なアンケートです。鎌池先生の小説じゃなくて、ガチの。

ここからの書き方なのですが、


@最初通りの三人称
A今回のようなインちゃん目線がメインの一人称
B台本形式


この三つのうちのどれが一番読みやすいですかね? 
いただいた意見から考えて、今後の方針を決めたいと思います。


それでは、また次回。全裸パーカー先輩と咲ちゃんの方もよろしくお願いします
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/19(月) 00:34:22.19 ID:Tca4vrmIo
乙ー
俺はAがいいかな
どれでもおもしろそうだけど
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/19(月) 00:36:58.27 ID:4gA/WBc7o
@かAかな、個人的には@

どんどん奴隷が量産されていく…www
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/19(月) 00:38:03.70 ID:DISvPoUFo
基本Aでいいと思いますの
というか台本形式でネウロを表現するのは無理に等しいのではないだろうか
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 00:39:18.60 ID:1gx3XwVxo
Aならメインキャラによって雰囲気も変わるから面白そう
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/19(月) 00:45:17.14 ID:C8h1yV/S0
乙!

選択肢はAかな
ネウロ原作もそんなだったし、雰囲気合いそう
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/19(月) 00:47:42.02 ID:HVmimDec0
乙!
書き方に関しては>>1の一番書き易い形式がいいと思う。
どの書き方もそれぞれ長所と短所があるから(テンポがいいとか先入観による伏線を張りやすいとか状況を説明しやすいとかまたその逆もしかり)>>1が書き易い書き方が筆も進み易いし出したい雰囲気も出せると思う。

あとこれは個人的な意見ですが、洗脳された人が頭にそげぶされると奴隷根性が抜けてネウロに反旗を翻すもまた洗脳されてさらに奴隷根性が染み付いちゃってる。みたいなギャグを見てみたいです。
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/19(月) 01:00:00.01 ID:7NhtEgwh0
?が一番読みやすい

…沖田曰く普段プライドが高い奴ほどへし折ってやれば中身は案外柔らかいそうだ
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 01:09:05.58 ID:bOfH0U9c0
俺は?かな
今更ながらインデックスが記憶してる魔道書の半分以上が血族所有ってヤバイな
ある意味魔術世界の半分を牛耳ってるようなモンだし
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 01:17:07.70 ID:7NhtEgwh0
>>389文字化している…他のコメントは大丈夫なのに

2でお願いします
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 01:32:03.67 ID:bOfH0U9c0
あれ?俺のも変になってる
>>390は1ね
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 02:06:39.64 ID:Ve3yboEVo
@かAだな、まあ>>1のやり易いようにどうぞ
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 02:15:59.06 ID:7NhtEgwh0
かまちーの新作インテリビレッジの座敷童出たな

強烈なセンスとアイデアに涙が出そうになった
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 02:34:22.69 ID:C+HIKIAw0
乙でした
>>385と同じで基本A、ときどき@のような原作に近い視点がネウロの妖しさを引き立てやすいと思います
“全開”パーカー先輩と咲ちゃんの方も支援させていただきます

>>390
そして兵器分野においても最先端で各機関の要人も抱え込んでいるというね
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/19(月) 02:44:05.19 ID:K6ZvRe6Io
>>363
そういうのがあるのか・・・配慮が足りませんでした
土下座でもシックスにいたずらでも何でもしますから許してください

>>382
アンケートは2がテンポが良くて好きです
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 07:02:02.96 ID:CvRHYLrhP
2たん燃え……
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/19(月) 07:57:02.94 ID:1uTyasTO0

ハチって結構ランク高い生物だよな
みさきん良かったな
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/19(月) 09:53:33.30 ID:Kl2XiOgIO
1で
>>395
まあある意味魔術って外道の法理だしな
血族との相性はいいのかも
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2012/11/19(月) 19:39:41.54 ID:BYW2CUIqo
2かなー
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/20(火) 11:38:09.40 ID:w8hFX0Fy0
1か2で
402 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/21(水) 00:19:40.16 ID:x71Bx0zi0
アンケートにご協力いただき、誠にありがとうございました。

コメント返し&更新は明日を予定しておりますー。

明日はこっちと球磨川の方、両方を更新したいと思います。

では、『また明日とか』
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/21(水) 23:54:59.29 ID:h0o12i840
神裂・ヴェント・あわきん・サーシャ
「見た目で人を判断するなぁ――――!!!!」

七天七刀、ハンマー、軍用ライト、バール ゴシカァァァン!!!!
404 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 00:45:57.94 ID:Z4VVzTP+0
遅くなってしまいました、申し訳ない。
久しぶりに、本当に久しぶりにやったら面白すぎるんです。
リメイクだしてくれないかなぁ、DS版の世界観じゃなくて、GBA版の世界観でリメイク出してくれないかなあ。

ボクらの太陽。


>>381 やらん。絶対。

>>394 まだ買えてないんですよねぇ、読みたいです

>>398 虫扱いが良い方というマジ外道なネウロさん。



 アンケートの結果、基本はインちゃん視点で文を進めていき、戦闘描写などの一部では三人称をつかう、という方針にしました。
 ご協力、ありがとうございます。


では、投下
405 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 00:46:51.80 ID:Z4VVzTP+0
>>403 サーシャちゃんはまだわかるが、ヴェント、君はおかしい。あとあわきんはあの恰好だからいいのですよ!
406 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 00:49:09.34 ID:Z4VVzTP+0






「邪魔するぜい」

「よっ、インデックス」


 部屋に入ってきたのは、私を救ってくれた大切な人の内のひとりだった。


「あ、とうま!」」

「……上やん。あんなロリっ子と一体何を……」

「何もしてねーよ! 青ピかてめーは!」


 とうまと一緒に入ってきた人は、アロハシャツを着てサングラスをかけた人だった。
 ……? なんだろう、とうまの友達っぽいから、科学の人なんだろうけれど……。

 何となく、不思議な雰囲気がするんだよ。

 みさきやしあげというよりかは、どちらかというと、私に近いような、そんな感じが。
407 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 00:50:09.38 ID:Z4VVzTP+0
「ここに来たという事は、そういう事なのだろう? ウニめ」

「(こういう事って何だ……?)あ、ああ。コイツ、土御門って言うんだけど……ここのホームページを見たらしいんだ」


 ほーむぺーじって、なんだろう? ほーむは家だよね、ページはそのままページでいいから……
 あ、おうちのカタログの事かな?


「ココって、何か調べてほしい事を調べてくれるって書いてたんだけど、本当かにゃー?」


「ええ、もちろんですよ!」

 しあげの声でも、みさきの声でもない爽やかな声。
 誰かと思って振り向くと、そこに居たのは爽やかな笑顔を見せる……ねうろだった。


 ねうろだった。




「…………」

「…………」

「素敵です、マイロード☆」
408 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 00:50:53.84 ID:Z4VVzTP+0
 私としあげは石化の魔術でもかけられたみたいに固まっちゃったけど、みさきは体をクネクネさせていい笑顔をしていたんだよ。
 何なんだろう、この空間。

「ようこそ、アナタはインデックス魔界探偵事務所のお客様第一号です! さぁさぁ、おかけになってください。あ、操祈さん。お茶をお願いします」

「はぁい☆」


 嬉しそうにキッチンの方に向かうみさき。
 しあげは何をすればいいのかわかっていないらしく、とりあえず近くの椅子に座っていたんだよ。
 私は……ええと、探偵役をやらなきゃいけないんだよね?


「と、とりあえずお話を聞くんだよ。ええと……」

「土御門元春、だにゃー。よろしくだぜい、インデックスちゃん」

「こちらこそなんだよ、もとはる」


 手を差し出されたので、握手をする。
 ……やっぱり、何か違和感があるかも。
 かすかに、魔力を感じるような気がするんだよ。
409 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 00:52:43.95 ID:Z4VVzTP+0
「それで、本日はどうなされたのですか?」


 進行役はねうろがやってくれるみたい。
 

「ああ、実はだにゃー……俺には愛する妹がいるんだぜい」

「いもうと?」

「おぅ。名前は舞夏っていうすっげぇ可愛い妹ぜよ」

 
 この言葉だけで、もとはるがまいかって妹をすっごく大切にしているのが伝わってくる。
 うんうん、親愛は美しいかも!


「俺は妹になら童貞をささげられるにゃー」

「!?」

「!?」

「……?」

 しあげととうまが目を見開いている。
 どうてい、ってなんだろう?
410 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 00:56:46.77 ID:Z4VVzTP+0
 と、私が考えている間にとうまが、いきなりもとはるの頭を殴った。


「とうま!? いきなりどうしたの!?」

「上やん、痛いぜぃ?」

「馬鹿野郎! テメェインデックスの前で何言ってるんだよ!」

 
 とうまは何故か、もとはるに物凄く怒っていた。
 どうしたんだろう?
 どうていって、私をバカにした言葉なのかな?


「インデックスよ。童貞という言葉はな、誇り高い男を指す言葉なのだ」


 ねうろが私の耳にそっと語りかけてくれた。
 そうなんだ、つまりもとはるは、妹の為に誇りを掲げられるって事なんだね。
 なんだか騎士みたいで、格好いいかも!
 
 あ、だったら……
411 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 00:59:50.68 ID:Z4VVzTP+0



「じゃあ、とうまも立派などうていなんだね!」

「!?」







 とうまが物凄くびっくりした顔で、私を見てきた。
 きっと、照れてるんだよ。

「とうまは、立派などうていなんだよ! 私が保証するかも!」

「…………」

「上やん。気持ちはわかる」


 何故かとうまは泣いていた。
 泣くほどうれしかったのかな?


「お嬢ちゃん」

「ん?」

 しあげが、すごく悲しそうな顔でとうまを見ながら、私の頭を撫でた。

「その言葉はな、おいそれと男に向かって言っちゃあならねぇんだよ……タヴ―なんだよ」


 何故かしあげも、目元に涙を潤ませていた。
 ……今度、ちゃんと調べてみよう。どうていってどういう意味なのか。
412 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:00:18.80 ID:Z4VVzTP+0
「それで、妹がどうかしたのかな?」

「それなんだがにゃー……最近様子が変なんだぜい」

「変?」
 
「ああ。舞夏は良くできた妹でにゃー。よく手料理何かを作って持ってきてくれるんだけど……最近はめっきり来なくなったんだぜい」

「忙しいんじゃねぇの?」


 しあげが暇だったのか、口を挟んできた。
 確かに、それだけじゃあ何とも言えないかも。


「そうなんだが、昨日舞夏が何をしているのか知ろうと思って、こっそりつけてみたんだぜい」

「それっと、すとー……」

「素晴らしい愛の力なんだゾ」


 みさき、それ多分違う。
413 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:01:17.14 ID:Z4VVzTP+0

「そしたら、ずっと台所の方にこもっててにゃー……ブツブツ独り言を言ってたんだぜい」

「独り言?」



「ああ。『私の料理は至高にして究極なのだぞー……』だとか、『フゥ〜……フゥ〜……いいんだぞー……』とか」




「……」


 何だろう。
 ものすごく、嫌な予感がするんだよ。


「だから、ここで舞夏の事について調べてもらおうと思ってにゃー、頼めるか?」

「え、えーっと……」

「引き受けましょう!」


 むっぎょぉ!?
 ガタンといすを後ろに引っ張られ、私は頭を強く床にぶつけた。
 め、目が回るんだよ……
414 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:01:50.93 ID:Z4VVzTP+0

「あなたの妹さんの素行調査、このインデックス先生が引き受けました。お任せください、全て解決してさしあげますと先生もおっしゃっております!」


 ねうろは笑顔をもとはるに向ける。
 けれど、後ろから、下からみえるねうろの 表情は、違った。
 笑ってはいる。
 けれど、その口元は歪んでいて、涎が零れ落ちそうになっていた。



 つまり。






 ねうろが、ご飯を見つけた合図。
415 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:02:36.52 ID:Z4VVzTP+0









 もとはるの妹、まいかは『りょうらんかせいじょがくいん』って言う学校に通ってるらしいんだよ。
 そこではお料理とか、お裁縫とか、そういう事を勉強するらしくて、まいかの料理はとっても美味しいんだともとはるは語っていた。
 ……じゅるり。

 おっと、いけないいけない。
 とりあえずは、もとはるの依頼をしっかりこなすんだよ!


「なぁインデックス」

「ん?」


 とうまが私に声をかけた。
 ちなみにみさきはねうろの後ろについて歩き、しあげは欠伸をしながら少し離れたところを歩いてるんだよ。


「こういう探偵業ってさ、やっぱ危ない事とかもあるだろうから、上条さんはあんまお勧めできないんだよな」

「うーん……大丈夫だと思うんだよ。ねうろもいるし、みさきも……えっと、れべるふぁいぶ? っていうすごい能力者らしいし」

「レベル5、ねぇ……」
416 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:03:53.98 ID:Z4VVzTP+0

 とうまは微妙な顔つきで、みさきを見る。
 ……みさきは、ねうろに鼻の穴に指を突っ込まれて、恍惚の笑みを浮かべていた。
 人通りの多い所では、やめてほしいんだよ。


「ま、ネウロがいりゃ大抵の事はどうにかなるか」

「うん! それに、探偵はお仕事なんでしょ? 私がお金をもらえれば、とうまも私も美味しい物が食べられるかも!」

「インデックス……!」

「わわっ!?」


 とうまが目をウルウルさせながら、私を強く抱きしめた。
 は、恥ずかしいんだよ! ひひ、人前でこんな……!


「あららぁ、青春しちゃってぇ。妬けちゃうんだゾ☆」

「畜生、何で俺には彼女が出来ねぇんだ……!」

「上やん。爆発しろ。憤慨、爆発せよ。だにゃー」

「道端で盛るな、海洋生物めが」


 …………なんだろう。
 ものすごく、とうまの不幸っぷりが加速しているような気がするんだよ。
417 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:05:51.91 ID:Z4VVzTP+0

「と、とにかくまずはまいかの所に向かうんだよ!」


 私は照れちゃって、とうまから少し強引に離れる。
 ……ちょっとだけ、もったいないような気もしたけれど。
 でも、恥ずかしかったのは本当だったんだよ!


「舞夏は今日、月に一度ある色んな学校の料理発表会に出演してるにゃー」

「繚乱家政女学院の料理の発表会か……旨い料理がたくさん出るんだろうなぁ」


 しあげが唾を飲み込んでいた。
 でも、ねうろが「主人を差し置いて食事を楽しもうと言うのか」と言って、理不尽な暴力をしあげに浴びせているんだよ……
 みさきは、とうまと何か楽しそうにお喋りをしていた。
 たまに話題に出てくる、『みさかさん』って一体誰なんだろう?
 うーん、色々とわからないこともあるけど……とりあえずは、まいかって子に会ってみるしかないんだよね。

 



 でも、私はその時、気づいていなかった。
 ねうろが求める『謎』の気配がする、という事は。





 私達の行く先で、事件が起こるっていう事なんだって。
418 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:06:33.20 ID:Z4VVzTP+0












「おー、あにき。よく来たんだぞー」

「にゃー。舞夏の所にだったらたとえ別の世界からだって来てやるぜい」


 着いたのは、大きな儀式場みたいな場所(とうまが言うには、色んなイベントに使われるドームらしい)で、入った瞬間から色んな良い匂いがした。
 あっちこっちにコックさんや、まいかみたいな従者の恰好をした人がたくさんいて、色んなお料理をしている。
 まいかも、きっととっても美味しい物を作っているんだろう。

「今回は何を作ったんだにゃー?」

「うむ、よくぞ聞いてくれたんだぞー。今回は自信作なんだぞー。名付けて『マガモ胸肉のグリエ塩漬けレモンとソースアンディ―ブ添え』だー」

「マガモ……なんだって?」

 とうまが何それ? みたいな顔で聞き直していた。
 しあげも『そんなオシャレな肉料理見た事もねーよ。肉料理と言えば焼肉だろうがよー……』と、何故か微妙にひがんでいるんだよ。
 みさきは「あらぁ、美味しそう☆」と一人まともな反応をしていた。
 三者三様すぎるんだよ。
419 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:07:21.90 ID:Z4VVzTP+0
「私自身、かなり究極に近い出来栄えだと思うんだぞー……まぁ、目指すべき究極の料理も、もうすぐ出来上がるんだけどなー」

「それって、あの鍋かにゃー?」

 もとはるが指さした先には、弱火でコトコト煮込まれている大きなお鍋があった。
 さっきの料理名を聞く限り、煮る物はないから……アレは別の料理なのかな?

「うむ。まぁまだ開けちゃだめなんだぞー。まだ完成していないからにゃー。完成したらちゃんと味あわせてあげるんだぞー」

「にゃー、楽しみにしてるぜい」

「……所で、このシスターさんとあっちのイケメン外人は誰なんだー? そっちのヤンキー風兄ちゃんと常盤台の人も知らないぞー」


 そっか、もとはるはとうまの友達だから、知ってるんだ。
 しあげとみさきは学園都市の人だから説明しやすいけど、私、特にねうろはどうやって説明しよう。


「私は食蜂操祈って言うの☆ 学園都市レベル5の第五位で、マイロードの忠実な下僕なんだゾ☆」

「うぉぉぉぉっい!」


 とうまが慌ててみさきの口をふさぐ。
 ……抱きつく必要はないんじゃないかな? かな?
420 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:08:30.21 ID:Z4VVzTP+0
「下僕!? 何だ何だ、歪んだラブの匂いがするぞー!」


 まいかはものすっごく食いついていた。
 この人もちょっとおかしいんだよ。

「俺は浜面仕上ってんだ。あの化け物に拉致され……いや、あー……まぁアルバイトみてぇなもんだ」


 拉致されたって言っちゃってるんだよ。
 幸い、まいかはふーんと聞き流してくれた。
 ……あれ? 助かったはずなのになぜか腑に落ちないかも。


「そして僕はネウロと言いまして、こちらのインデックス先生の助手を務めさせていただいています!」

「先生? 何か教室でも開いているのかー?」

「あ、えっと、私は探偵なんだよ」

「探偵さんかー。すごいなー、ちっこいのに頭がいいんだなー」

「ムッ!」


 小さいは余計かも!
 頭には自信があるけど!
421 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:09:21.84 ID:Z4VVzTP+0
「ところで、繚乱家政女学院からは舞夏しかエントリーしてないのかにゃー?」

「ううん。もう一人いるんだけどなー。「どこかに私のプライドを傷つけてくれるコックはいないだろうか」とか言いながら、どっかに行っちゃったんだぞー」

「ああ、あのちょっと不思議な子だにゃー。あの人も姉と同じく不思議な人だぜい」


 うーん……ずっと見てるけど、まいかにおかしなところは見られないんだよ。
 もとはるの勘違いだったのかな?


「ねぇ、ねうろ」

「心配するな」

 
 辺りを見渡しながら、ねうろは呟く。


「『謎』の気配は消えていない。もうすぐ、確実に間もなく、事件は起こる」


 ねうろがそう口にした瞬間。
 あたりに、すごい音が響き渡った。
422 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:17:25.00 ID:Z4VVzTP+0
今回の投下はここまでです。

うーむ、インちゃんの口調は存外書きにくい。可愛いんだけど。

そして今回の話を書いてるとき、ふとDCS真拳という技を使うキャラがボーボボに出演していたことをオモイダシ、ブックオフに行きました。


では、また次回。ありがとうございました。
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/22(木) 01:17:55.04 ID:WweAtE+fo

まだ完成していないからにゃー
ボクタイはいいよな クソムズいパズルとか音楽とか
DSよりはGBAの方が好きだ
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 01:18:41.07 ID:7ivSaFKdo
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/22(木) 01:19:20.95 ID:xz6arOSBo
インデックスが弥子ポジションになった理由に料理の話が出るまで気づかなかった自分が恥ずかしいんだよ
至郎田 is GOD
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/11/22(木) 01:19:47.38 ID:bOpeOMSJo
おつ
ボクタイはどれも好きだな、GBAもDSも
まあドキドキワクワクハラハラ感は完全にGBAだが
てかDCS真拳のキャラ完全にそのまんまのキャラだったじゃねえかwwww
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/22(木) 01:20:20.13 ID:RG+8zBico

舞夏がDCS摂取したらお兄ちゃん倒れるで
428 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/22(木) 01:29:22.08 ID:Z4VVzTP+0

 学園都市の超能力開発は、イコール脳開発だ。


 つまりは、脳に電極を差し込んだりして脳の回路を人工的に人為的に組み替えてしまう。
 他にも血管に薬を打ち込んだり、特殊なリズムを脳に刻み込んだりと、能力を『開発』する事と『強化』する事は違うみたいだ。
 そして、脳を開発された生徒達は自動的に、その素質によって六段階に分類される。
 


 まず、学園都市で最も多い、約六割を占めるのがレベル0、すなわち何の能力も発言しない、もしくは目に見えるレベルで異能の力を発揮できていない生徒の事だ。
 これはそのまま、能力開発が当たり前に行われている学園都市において、落ちこぼれ扱いされると言う事になる。
 私達風に例えるのならば、皆が当たり前にやっている算数で、九九がどうしても覚えられない。みたいな感じだろうか。
 他の人には当たり前にできる事が、自分にはどうやっても出来ない。
 レベル0というのは大きなコンプレックスになりやすく、武装した不良グループ、通称『スキルアウト』なんて輩もほとんどがレベル0だそうだ。

 勉強が出来ずに不良になる人と、超能力が使えないから不良になる人にはここでは大きな差はないのだろうけれど、どうにも私には不思議に映る。
 滑稽に、と言い換えてもいいかもしれない。
 私自身、『操作礼状』というスキルを秘密にしている身分ではあるのだが、この能力に執着した事なんてただの一度もない。

 例えるなら、たまたま身長が高かったからバスケをやっている、みたいなものだ。
429 : ◆3e98J5/Lds [sage]:2012/11/22(木) 01:30:06.48 ID:Z4VVzTP+0
やべ、ミスった。


>>428はスルーしてください。こっちのSSには何の関係もございませぬ・・・
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/11/22(木) 07:56:43.62 ID:xwDAEpB+0
>>429そっちもちゃんと読んでるぜ!
まさか舞華が…
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 10:18:20.84 ID:6U1zDXws0


みんな大好き「ゴシカーン」「クシカーツ」に期待
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 19:15:00.85 ID:uzAcUPzro


なににミスってんだよwwwwww
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 20:05:46.36 ID:x/ErOJbZ0

まさか舞華が作ってるのって・・・
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 20:09:05.39 ID:g8aDCkB7o
ドーピングコンソメスープだ・・・
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/22(木) 20:09:28.05 ID:xz6arOSBo
さあ諸君、
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 22:57:12.89 ID:Q2G/auKSO
いただきます!
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/22(木) 22:58:35.95 ID:miYe+XZn0
私のsage進行無視を止められるかな?
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/23(金) 10:35:22.60 ID:VGwBUPP10
お前らも立派などうていなんだろ?
俺は違うけど
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 11:35:13.69 ID:+KEtMUDIO
ぶぶ無礼な…たたたかがSSSSS速報のガキが…わわ私の高潔な純潔にししし知ったようなく口を…
440 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/26(月) 23:55:32.01 ID:xGJFMISa0
お待たせしました。投下します。

……そしてちょいと時間がなくて、途中から書き溜めなしで書いていくのでちょい遅くなってしまいますがご勘弁ください。
途中レスは構いません。


>>423 初代ボクタイの宝物庫だかが難しかった記憶があります。良い難易度だった。

>>424 オツアリデス。

>>425 いつの間にか神格化している・・・・異論はありませんが。

>>426 食【えじき】 食の先年帝国! とかいう技つかってましたっけ・・・あのノリでジャンプに帰ってこないかなぁと思ってたんですが、たしか今首領パッチの奴書いてるんでしたっけ?

>>427 誰も得をしない光景。

>>430 ありがとうございます。よろしくお願いします。

>>431 誤植というか誤読なんでしたっけ? ゴシャァンがゴシカァン……まぁ、似たようなものです。

>>432 間違ってもいいじゃない、人間だもの。・・・・すいません。

>>433 何でしょうね・・・・・・・

>>434 >>435 >>436 やめろー! どうなってもしらんぞー!

>>437 速さが足りない。止めて見せます。

>>438 どどど童貞ちゃうわ。

>>439 良いじゃない、純粋なまま汚れてしまいましょうよ。げへへへ。



 では、のんびりと投下
441 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/26(月) 23:57:13.97 ID:xGJFMISa0




 音のした方向から、続けて色んな人の悲鳴が聞こえてきた。
 それが異常事態であることは、すぐにわかる。



「! ねうろ!」

「フム……どうやら、【謎】が茹で上がった様だ」 



 私達も、すぐにその場へと向かう。











「……ッ……!」


 とうまが、そこにあった光景を見て顔をひきつらせた。
 ……ねうろはまだわかるけれど、みさきも、しあげも、もとはるも、何故か動揺しているようには見えなかった。

 まるで、こういう場面を『見慣れている』みたいに。
442 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/26(月) 23:57:47.76 ID:xGJFMISa0

 音の正体は、人がお鍋を巻き込んで倒れる音だった。
 そして、倒れた人は――死んでいた。

 黄色の、まいかが来ている奴にちょっと似てるけど、全然違ったタイプの服を着た女の子だった。


「そんな……」


 まいかはその人を見て、物凄く動揺していた。
 もしかして……


「この人が、まいかと一緒に来てた人?」

「……その通りだー……」


 ともだちが死んでしまう事は、とっても悲しい事。
 まいかが今感じている辛さを、私は周りの人に与えていたのかな……。


「……とりあえず、風紀委員に連絡するぜい」


 もとはるが小さな機械を耳に当てながら、ちょっと離れたところへ行った。
443 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:00:13.08 ID:H8jcW1rX0
「ねうろ、どうするの?」

「警察機関、……ここでは風紀委員だったか。それが来るまでは下手に動けば怪しまれる。ここは大人しくするとしよう」

「……わかったんだよ」


 死者を弔う気持ちを、ねうろは一切持っていない。
 人が死んだことを、自分の食事の合図だとねうろは言う。

 やっぱり。
 ねうろは私を助けてくれたけれど、返しきれない恩もあるけれど、信用だってしているけれど。


 ねうろは、人間じゃないんだ。
 人の心の中は、何一つわからないんだ。


 私は、周りの人のざわめきを聞き、その内容全てを脳に記憶しながら、「じゃっじめんと」の到着を待った。

444 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:01:24.38 ID:H8jcW1rX0








 二十分くらいして、『じゃっじめんと』っていう組織の人が来た。
 聞き込みをしている人は、私と同じくらいかな? ツインテールの女の子だったんだよ。


「ええと、そうですわね……まずは彼女が死亡した時の様子を詳しくお聞かせ願えますの?」

 
 しらいくろこ、と名乗ったその女の子は、死んじゃった子の一番近くで料理を作っていた人にまずお話を聞くらしい。


「ハイ。ワタシハココデ『娼婦風スパゲッティ』ヲ作ッテイマシタ」


 一番近くに居た人は、私と同じ外国人の男の人で、作っていたのはトマトのパスタらしかったんだよ。
 ……遠目に見ても、すごくおいしそう。 
 
 ………………。

 ……後で、貰えないかな?


「アノオ嬢サンハ、色々ナ料理ヲ食ベ歩イテイタラシイノデスガ……」

「あなたの所の料理は食べましたの?」

「イエ、ココニ来ル時ニ突然苦シミ始メマシタ……」
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2012/11/27(火) 00:01:39.93 ID:zCqyjh/Ro
まりあー
446 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:02:24.40 ID:H8jcW1rX0

 いきなり苦しみ始めたって事は……毒とかかな?
 魔術には色々毒草を使うモノもあるけれど、周りから魔力は感じなかったし……

 
「では、まずは料理のチェックから始めますの。固法先輩、お願いしますの?」

「ええ」


 一緒に来ていたメガネの人が、辺りを見渡しながら歩き始めた。
 ……何してるのかな?


「ふぅん、中々便利な能力なのねぇ」

「え?」


 みさきが独り言のように呟いた。

「あの人、名前は……固法美偉っていうみたいだけど、レベル3の『透視能力』の持ち主らしいわぁ。遠くを見たり、物の中身を見る能力ねぇ。アレで怪しい毒物だとか、そういうモノを探してるんじゃないかしらぁ?」

 
 そういえば、みさきの能力は『メンタルアウト』とかいう凄い能力だってしあげに聞いたことがある。
 人の考えを見抜いたり、操ったり……人の心についてなら、何でもできる能力だって。
 もしもみさきが、私の頭を覗いたらどうなっちゃうんだろう……

 ……あまり、考えたくないかも。
447 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:03:59.17 ID:H8jcW1rX0

「……つーかよ」


 しあげが、ボソリと呟いた。

「アンタの能力でココに居る全員の心を読めば、犯人が誰かなんてすぐにわかるんじゃねーの?」

 
 あ、そうか。
 みさきには口を割らせるためのあらゆる工程が必要ないんだもんね。
 たしかに、それならすぐに……


「そうなんだけどぉ、それだとマイロードのお邪魔になっちゃうのよねぇ」

「邪魔?」

「そう☆ 私の能力で犯人を見抜いても、相手の悪意を解き明かして【謎】を直接食べるマイマスターのお食事の邪魔になっちゃうのよぉ。だから、私は犯人を直接見つけるって事は基本的にはしないんだゾ☆」

「……ふーん、面倒くせぇの」


 しあげは、興味なさげだった。
 ……ねうろに無理やり連れてこられたとはいえ、人が死んでいるのを見て、こんなにあっさりしていられるものなのかな……?

448 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:06:35.44 ID:H8jcW1rX0

「おいハチ」

「何でしょう? マイロード」


 ねうろがこっそりと、みさきの耳元に顔を近づけて何かを囁いた。
 ……? 何を話しているんだろう?

「……了解しました、マイロード。方法は何でも大丈夫なんですよねぇ?」

「そうだ、貴様に任せる」


 ねうろはスタスタとその場を去っていく。
 みさきになんて言ったのかな?





「インデックスちゃーん☆ ちょっと来てくれるぅ?」

「ん?」


 私はみさきに駆け寄る。
 すると、みさきは私と手をつないで、さっきのじゃっじめんと……くろこだっけ?
 その人の所に、近づいた。

449 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:09:50.65 ID:H8jcW1rX0
「はぁい☆ 白井さん」

「ん……? ゲッ、食蜂操祈……」


 くろこは、みさきの顔を見て物凄く嫌そうな顔をしていた。


「そんな顔しないでよぉ、傷付いちゃうゾ☆」

「こんな顔にもなりますの。……というか、そちらの外人の女の子はどなたですの? まさかとは思いますけど、お得意の能力で誘拐でもしたのではありませんの?」

「失礼しちゃうわぁ。インデックスちゃんは私の友達よぉ? ねぇ?」

「うん、みさきは私の友達なんだよ!」

「ほらぁ☆ 可愛いでしょう?」


 みさきが私の頭とほっぺたを撫でる。
 ちょっとスキンシップが恥ずかしいけど、気持ちいいから拒否はしないんだよ。
450 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:11:42.05 ID:H8jcW1rX0
「……確かに、愛らしい方ですの。ま、お姉様には及びませんの」

「おねーさま?」

「常盤台のエースで、食蜂さんよりも上の順位を与えられている方ですの」


 よくわからないけれど、とりあえず凄い人って事でいいのかな?
 

「御坂さんの事なんて、今はどうでもいいわぁ。実はねぇ、この子、探偵さんなのよぉ☆」

「探偵?」

「そう☆ とびっきり凄腕の探偵さんなんだゾ☆」


 ……見せかけの探偵なんだけど、警察みたいな人たちの前で嘘を言っていいのかなぁ……?


「……若干、いえ、かなり怪しいですが、最近改心したと噂のあなたがお勧めするという事は、その実力はあるんでしょう」

 くろこは、信じてくれたっぽかった。
 改めて、みさきは凄いんだって思ったかも。
451 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:12:51.25 ID:H8jcW1rX0
「で、その探偵さんがどうしたんですの?」

「実はねぇ、この事件はこの子がもうすぐ解けるっていうのよぉ」






 え?
 ……え?





「本当ですの?」

「ええ、もちろぉん☆ ねぇ? インデックスちゃん☆」

「え、あ、う、うん! こ、こんな事件、朝飯前何だよ!」

 ええええ!?
 な、何一つわからないんだよ!?
 

「なら、是非とも真相がわかった暁にはお聞かせ願いたいのですけども……」

「いいわよぉ☆ でも、その前にインデックスちゃんの頭脳を冴えわたらせるための、儀式をやってもいいかしらぁ?」

「? 構いませんですのよ」

452 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:15:23.30 ID:H8jcW1rX0

 儀式、って何をするんだろう?
 さっきねうろと話していたのと、何か関係があるのかな?


「はーい☆ みんな、ちょっと見てくれるぅー?」


 みさきが大きな声を出して、周りに残っていた人達の視線を自分に向けた。
 みんながこっちを見てるのを確認して、みさきは私と向き合ってしゃがんで、目線を同じくらいに合わせたんだよ。


「これから、超絶探偵インデックスちゃんの、推理タイムが始まるわよぉ☆ インデックスちゃんだけの特別な思考の仕方、とくとご覧あれぇ☆」


 そう言って、みさきは――
453 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:15:49.55 ID:H8jcW1rX0






 ズキュゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!





454 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:18:24.80 ID:H8jcW1rX0


 ……。
 …………。
 ………………?



「!? !!? !!??」




 あれ?
 これ、どうなってるの?
 何か、みさきの顔がすっごく近い。
 そして、お口がなんだか暖かい。
 そして、柔らかかった。
 
 何だろう。
 私は、今何に触れているんだろう?




「うおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「いやっほぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「ディ・モールトベネ!」


 周りが物凄く盛り上がっていた。
 特に、しあげともとはるのテンションが半端なかったんだよ。
455 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:24:13.28 ID:H8jcW1rX0


 ……?
 あれは……




「魔界777ツ能力”断面への投擲”【イビルジャベリン】」





 ネウロが、誰の視線も向けられていないことを確認してから、何か不思議な力を使っていた。
 上着を脱いで腕を振ると、体がまるで刃のように鋭くなり、この会場を両断するように【何か】が走った。


 でも、それに気づいている人は誰もいない。
 私以外。
 ……みさきに、えっと、その……あれを、されている私以外


456 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:29:52.86 ID:H8jcW1rX0
「……ぷはっ、お疲れ様ぁ☆」


 みさきがようやく離れてくれた。
 ……十数秒くらいかな?
 なんか、ぼんやりしてはっきりと思い出せないんだよ……。


「……あなた、そのような趣味をお持ちでしたの?」

「あらぁ、いいじゃない。私が好きなのはかわいい子なんだからぁ☆ それに、白井さんだって大好きなお姉様の下着を随分隠し持ってるみたいだけどぉ?」

「なぁ!? ま、まさかあなた能力で……!」

「……白井さん?」

「固法先輩!? いえ、あの、これはですね、その、ワタクシの中にある熱いソウルが……」

「……この後で、逮捕状書かないといけないわね。面倒だわ」


 なんだかくろこが取り乱していた。
 ……ものすごい誤解をされているような気がしないでもないけれど。


 
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 00:44:52.11 ID:qkVBJ/bBP

 *     +    巛 ヽ
            〒 !   +    。     +    。     *     。
      +    。  |  |
   *     +   / /   イヤッッホォォォオオォオウ!
       ∧_∧ / /
      (´∀` / / +    。     +    。   *     。
      ,-     f
      / ュヘ    | *     +    。     +   。 +
     〈_} )   |
        /    ! +    。     +    +     *
       ./  ,ヘ  |
 ガタン ||| j  / |  | |||
458 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:48:56.57 ID:H8jcW1rX0


「おやおや先生! 随分ジャッジメントの方々と仲良くなってますね!」

「へぶっ!?」


 背後から突然頭を掴まれたかと思うと、首がごきってなるくらい後ろに引っ張られた。
 真上をむいた私の顔は、ねうろの満面の笑みを視界に捉えたんだよ。


「(準備は整った。この謎はもうすでに吾輩の舌の上だ)」

「(……もう、犯人がわかったの?)」

「(そうだ。貴様は言葉を発するだけでいい)」




「では、先生。そろそろお願いいたします♪」


 ねうろが笑顔で私から離れた――瞬間。



 手が。
 指が、勝手に動き始めた。


 これは……ねうろの意志!?
459 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:53:59.93 ID:H8jcW1rX0
「さぁ、先生。犯人を――指さすのです」


 ぐぐぐ、と。
 私の手が、まるで見えない糸に操られているかのように、勝手に動く。
 ねうろの意志が、私の体を勝手に動かしているんだ。


 天井を指すように、人差し指だけピンと伸ばして、一度私の手は止まる。
 きっと、私がこんなセリフを言えば、この手は勝手に犯人を指し示す。

 人の気持ちのわからない怪物が、人の命の失われた事件を解き明かし、人の悪意を食べつくす。
 
 ねうろは、食事の合図を、「いただきます」を待っていた。




 そして、私は、初めて、口にする。




「犯人は……あなたなんだよ!」



 その言葉と共に。
 私の指は、犯人を指した。
460 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/11/27(火) 00:56:15.07 ID:H8jcW1rX0
ここまでです。
……何書いてるんだろう、私。

……とりあえず、次回は解決編、そしてこの次のお話への導入部分あたりの予定です。
視点が世紀末帝王になるかも……


あと、トリック云々なんですが、ネウロの本編のような感じでいくので難解なトリックとかはありません。そんなもん書けません。とんでもトリックで強引に押していきます


では、また次回。
ありがとうございました。

461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 00:57:26.56 ID:xA4E8u14o
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2012/11/27(火) 00:57:47.81 ID:bQvY3OvOo

まあ本家が推理物の皮を被った単純娯楽漫画だし多少はね?
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 00:59:37.18 ID:lyEh6D8s0
>>462 そんなこと言ったらアニメ版はどう表現すればいいの?
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/27(火) 00:59:39.85 ID:SM/v0w330

こういう殺人事件じゃ警備員が来そうだけど細かいことはいいっすね
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/27(火) 01:04:36.95 ID:hMmixVyt0

Yが出てるから新しい血族編までやるのはわかってるけど
やっぱ怪盗]編とかもやるよね?
少なくとも∧Lへ編はやってほしいな
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 01:07:35.78 ID:PaVxv4U70
>>465
電人UIH∧Lか
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 01:41:11.09 ID:fujCMBnN0
なんだこの女…ドーピングコンソメスープで口を洗っているぞッ!!!!!
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/11/27(火) 05:19:41.60 ID:iqvECtHz0
>>444 トニオさんきたァァ♪

お、俺もトニオさんの『娼婦風スパゲッティ』を食いたい
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/27(火) 07:39:00.03 ID:5AX+88sO0

インテルさん、みさきんどっちか俺と変われ
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 08:46:55.07 ID:yNZ1bs3S0

今日の浜面の活躍
歓喜の雄叫びをあげる……うん、いつもの浜面だった
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 09:22:13.47 ID:ptrHyX2f0

せんせー、>>454の後にあるインさんとみさきんのチョメチョメが見れませーん
どうすれば見れるようになりますか?

>>464
それすら>>1の壮大な伏線だったんだよ!!
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 09:43:49.18 ID:hwvN0vpHo
ジョジョクロスになってんぞオラァ
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/27(火) 17:18:04.49 ID:VBrO0V0vo
乙です
この世界だとジュニュインが本当の魔女になれそうだな
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/27(火) 18:21:42.57 ID:TUCSjBwe0
あかねちゃん「意外ッ!それは髪の毛ッ!」
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/11/27(火) 19:33:41.70 ID:mfvtAe9Fo


参考画像がないとか…
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/30(金) 21:04:24.82 ID:rni/WWsy0
インデックスちゃんの特別な推理方法

つまりこれから推理するたびにズキュゥゥゥゥンってなるのか
477 : ◆3e98J5/Lds [sage]:2012/12/01(土) 15:59:33.68 ID:pesjqHKW0
今夜・・・更新します・・・
やべぇ・・・一人称書けねぇ・・・

あんまりにも書く速度が遅くなったら、初期の視点に戻すかも知れなくなるです・・・
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 16:32:37.16 ID:tHOZbQLSO
乙です
確かに筆が速いのに越したことは無いが、更新さえ続けば速度なんて気にしない
>>1のペースでやってくれ

479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 20:03:53.64 ID:NywWuYiP0
料理食った瞬間今週から始まった週刊少年跳躍で始まった料理マンガみたいなリアクションにはならんよな?
インデックスが裸体をさらしながらぬふぁ―――――っ

……ごめんなさい、自重します
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/12/01(土) 20:24:59.33 ID:tyzgP+EZo
>>479
…私は優しく見ているだけ…優しく目に焼き付けているだけ…
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 20:56:34.46 ID:NywWuYiP0
くらえ卑焼け線照射器〈イビルロウビーム〉ッ!!!!!
482 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:27:59.59 ID:VSkS5hZI0
ああ……書けぬ。三人称を舐めていた。
自律思考固定砲台ちゃん可愛い。
遅くなって大変申し訳ないです。球磨川の方も書きたいのに時間がない・・
自律思考固定砲台ちゃん可愛い。
今回は謎解きくらいしかやりませんが、次の話の導入としてご覧ください。
自律思考固定砲台ちゃん可愛い。
割とゆっくりめの透過になるかもしれませんが、ご了承くださいな。
自律思考固定砲台ちゃん可愛い。


自律思考固定砲台ちゃん可愛い。




>>461 おつありです。

>>462 推理漫画をずっと続けられる漫画家の脳みそはどうなっているんでしょうか。

>>463 アニメ?ナンノコトデスカ?

>>464 ……こ、こまけぇこたぁry

>>465 とりあえずやりたいのは血族、X、HALですね。どううまく禁書と絡めるか・・・

>>466 そういえば初春さんがHALの手下として活躍してましたね、某SSで・・・ミサカ刹那号は良いアイデアだと思いました。

>>467 ディオ「こ、この女ぁ! わざとDCSで口を洗って自分の意志をしめ……? え、ちょ、何だ、何だその姿はぁぁぁぁ!? あ、侮っていた! この女の爆発力をッ!」

>>468 検索すると割とレシピが出てきます。割とおいしいです。

>>469 間に入るという選択肢を忘れていませんか?

>>470 抜群の安定力。三度死んだ主人公とは違いますね。

>>471 自分だけの現実を鍛え上げてください。そして伏線・・・か、お、おぅ。

>>472 詰まるとジョジョネタに走る癖が最近目立ちすぎますね。ちょいと自重します。

>>473 魔女でもいいからあの乳は素晴らしい。

>>474 あかねちゃんの場合はラブ・デラックスのような気がしないでもない。

>>475 今すぐ描く作業に入るか書いてくれる人を探すんだ。誰かいませんかねぇ・・・?

>>476 知将みさきちの策略。

>>478 すまぬ・・・すまぬ・・・頑張ります。

>>479 あのマンガわりと良いと思うんですがねぇ・・・キリコさんは可愛い。自律思考固定砲台ちゃんはもっと可愛いけどな!

>>480 お疲れでしょう、目薬でも使ってください。つ「目潰し目薬」

>>481 目がぁぁぁ! 目がぁぁ〜〜〜!



 では投下します。
 ちなみに今回の犯行のトリックは、漫画「鉄鍋のジャン」を参考にしました。

 本当にこうなるのかは怪しいらしいですが、そこはまあ「凄み」で何とかお願いします。 
483 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:30:23.26 ID:VSkS5hZI0

 私が指をさしたのは――――依頼者であるもとはるの妹、舞夏。

 の、後ろ。

 「げんばけんしょう」……だったっけ? それで残されていた、名前も知らない料理人の女の子だった。



「……!」

「アナタですよね? 彼女を殺害した犯人は」


 ねうろが不敵な笑みを浮かべながら、私が指を指した女の子に近づいていく。


「……な、何で私が犯人扱いされるのよ! 濡れ衣よ!」

「それを、今から僕が先生に変わって説明しましょう。……と、その前に」


 ねうろがくるりと身をひるがえし、さっきの……このりセンパイって言われていたメガネの女の人に近づいた。
484 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:32:40.42 ID:VSkS5hZI0

「申し訳ありませんが、彼女を透視していただけますか? 主に、首から上を」

「……? まぁ、いいけれど……」


 よくわからないお願いをされて、このりセンパイさんは女の人の頭らへんをじっと見つめた。
 そして、少しして、その表情がこわばる。


「……! ……あなた、どうしてそんなものを?」

「……ッ!」


 何かを指摘されて、明らかに動揺してる女の人の頭に、ねうろがそっと触れた。
 

「先生の目はごまかせませんよ。……地毛が見えていた、そうです」


 ぐいっと、ねうろが女の人の金髪を引っ張った。
 すると、中から出てきたのは……ジャパニーズの、とうまと同じく真っ黒い髪の毛だった。
 それと一緒に、何故かお化粧までもが落ちていく。
 ……また、ねうろが何かしたのかな?
485 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:33:56.76 ID:VSkS5hZI0

「! おまえはー!」


 まいかがその人を指さした。
 相手の女の人も、忌々しげに顔をゆがめる。


「まいか、知り合い?」

「そうだー。私の学校の同級生なんだぞー」


 どうきゅうせいって事は、まいかと同じ学校に通ってる子って事だよね?
 アレ? じゃあなんであの人は離れたところで、まいかみたいな服も着ないで、一人でやってたんだろう……?


「被害者と顔見知りならば、変装する必要がある。係りの人に話を聞いたところ、アナタはこの場所をもともと志願していたようですね?」

「……」

「その時点で、繚乱家政女学院の位置はあの場所に決まっていたそうです。そう、アナタはどうしてもこの場所に身を置きたい理由があった」


 ねうろの言葉が、少しずつ、毒のように、女の人を追い詰めていく。
486 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:35:48.65 ID:VSkS5hZI0
「なるべく多くの料理を食べた後にターゲットが来るように、アナタは出来るだけ距離を置いた。様々な人の料理を食べていれば、それだけ犯人の絞り込みが難しくなる」

「……だ、だけど、私は毒なんて持ってないし! 毒殺なんて……」

「そう、あなたは毒物など用いていない。個人の得意メニューをそれぞれ作るこの会場に持ち込んでも何の違和感のないモノを使ったのです」


 そう言って、ねうろは沢山おかれたてーぶるの内の一つに近づいた。
 そこに置いてあるのは、綺麗な色のソースがかかったお肉料理だ。


「これが、アナタの作った料理ですね?」

「そ、そうよ」

「牛フィレ肉のソテー、オリジナルフルーツソース……これがあなたの作った料理。一見普通の料理ですが、これこそが彼女を死に追いやった凶器です」


 おりょうりが、凶器?
 なのに毒は使ってないって……一体、どういう事なんだろう?
487 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:37:42.46 ID:VSkS5hZI0
「どういうことですの?」


 じゃっじめんとの二人も、言ってる意味がわからない、っていう顔をしてるんだよ。


「実は、彼女は二種類のソースを作っていたんです。今そこにある料理にかかっているソースは普通のフルーツソースですが、彼女のタネはもう一つのソースにあります」

「……? 一通り調べたところ、毒物的なものは見つからなかったけれど?」

「ええ、先ほど言った通り、毒なんて入っていません。もう一つのソースに使われているのも果物とお酒、その他もろもろの調味料ですから」

「…………」

 やっぱり、どこもおかしい所なんてないかも。

「普通のフルーツソースじゃないの? でもそれだと二種類作る意味がないから、別の果物を使ったソースって事よね?」


「はい、そうです。あそこにある料理にかかっているソースはリンゴなどの果物を使った物で、もう一つのソースは……ドリアンという南国の果物を使った、特製ソースです」

「!」

「……ドリアン?」
















「それって、最凶死刑囚の……」

「違うにゃー」

488 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:41:17.76 ID:VSkS5hZI0
 ふたりが何か、よくわからない会話をしていたんだよ。


「そう、ドリアン自体はただの果物、持ち込んだところで咎められるものではありません。ほかの酒類も同様……ですが、二つのフルーツソースの違いは、その濃度と度数です」


 ねうろが、さっきの料理のすぐそばにあったお鍋を開けて、その中を確認しニヤリと笑った。


「特殊な料理法でも使ったんですかねぇ、度数が80パーセント以上の強いお酒に、濃縮されたドリアンのソース、ご丁寧に身もわずかに入れている。そして一番肝心なのは、ドリアンとアルコールを同時に摂取すると化学反応が起きる、という点です」

「!!」

「ドリアンとアルコールを同時に摂取すると、胃の中で急激な発酵を起こし、吐き気や熱、頭痛などを引き起こします。最悪の場合死に至る事もあるようで……このソースは普通に食べるよりも十倍近くの濃度、おそらく試食程度の量でもショック死させるには十分すぎます」


 ……知らなかったかも。
 ドリアンとお酒って、そんなに危ない物だったんだ。
 あ、私は未成年だし、神聖な神様に仕える身だからそういった嗜好品とは無縁かも!

 まぁ、神の血ってことでお酒を飲む信徒もいないことはないんだけれど。
489 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:44:26.50 ID:VSkS5hZI0
「あなたは彼女がここに試食に来たとき、ドリアンのソースの方を彼女に食べさせた。材料はただの食品だけで見た目も普通のフルーツソース。これならば風紀委員の目を掻い潜る事が可能でしょうが、先生の目はごまかしきれなかったようですね」

「……!」




 女の人が、悔しげに膝を床に着いた。


「……どうやら、そのお方の言った通りのようですの」

「凄いわね……」



 じゃっじめんとの二人も、あっけにとられていた。
 ねうろって本当に頭がいいのかも。

 って、私が思った ――――瞬間。

490 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:44:53.07 ID:VSkS5hZI0










「いただきます」









491 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:46:54.46 ID:VSkS5hZI0
「……!?」


 何かが。
 何かが、この場所から消えた。
 そんな気がした。
 まるで、この場所を作っていたものが、丸々なくなっちゃったような――




「流石先生! お見事です、すっかり解決してしまいました」


 ねうろが、口元をぺろりと舐めた。
 まるで、ご飯を食べ終わって、その余韻に浸っているような、そんな仕草。


「……【謎】を、食べたの?」

「……フン、薄味の【謎】ではあったが、まぁいい。この場所にもう用はない」


 そういって、ネウロはくろこのところへ歩いて行った。

「あとはお任せします、インデックス魔界探偵事務所をよろしくお願いしますね♪」

「え? あ、はいですの……」


 それだけ言って、ねうろはこっちに戻ってきたんだよ。
 犯人の女の人は、泣きながら何か事情を話してるみたいだけど……
492 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:48:25.82 ID:VSkS5hZI0














「劣等感? 才能の壁? ふざけんな! そんなつまんねぇ言葉で人の命を、自分の人生を棒に振っていいわけねぇだろ! 全員が全員天才じゃないんだ、だからみんな頑張って努力して、そうやって生きてるんだろうが! 良いぜ、お前が劣等感だけで人を殺したっていうんなら、まずはそのふざけた幻想をぶち壊す!」



 すごく熱く喋りながら、とうまが女の人を殴っていた。
 ……女の人は吹っ飛ばされて気絶したいみたいで、くろこに手錠をかけられていた。

 あと、とうまも女の人を殴ったという事で、手錠をかけられていた。
 不幸だー!って叫んでたけれど、女の子を殴るのはちょっといただけないんだよ。







 …………そういえば。

 あそこにあるお料理は、別にドリアンのソースじゃないんだよね……?


「インちゃん? 駄目よぉ? つまみ食いなんてしたらぁ」

「むぐっ!?」
493 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:49:38.39 ID:VSkS5hZI0

 つ、つまみ食いなんてするつもりはないかも!
 ただ、その……食べ物を粗末にするのはもったいないんだよ!


「ハチと馬面。とっとと来い。貴様らは事務所の宣伝をしろ」

「イエス、マイロード☆」

「はぁ? 何で俺が――」

「いやなのか……?」

「……ッ! ちくしょー!」


 ……ちなみに今のは、ねうろの残念そうな顔に観念したわけじゃなくて。
 お願いしているねうろの手が、なんだかギロチンみたいな形に変化しているのを見たからなんだよ。

494 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:50:59.83 ID:VSkS5hZI0










「何だ何だ? 何やら騒がしいな、私のプライドを傷つけられそうな出来事でも起こったのか?」




 はきはきとした、綺麗な声が聞こえた。
 見ると、そこには……さっき死んじゃった人とすごくよく似た、黄色いメイドさんの服を着た女の子が居たんだよ。


「おおー、雲川ー」

「おぅ、またまたエキセントリックな子の登場だにゃー」


「? まりあって言うの?」

「おや、これは可愛らしい子の登場だ。私は雲川毬亜。どうだ、この才能あふれる私を思う存分こき使って見ないか?」


 いきなり、よくわからない提案をされたんだよ。
 この人も、ちょっと変わってるかも。
495 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:54:48.49 ID:VSkS5hZI0

「それがなー、あの雲川に憧れてた女の子いただろー?」

「ん? そんなものは無数にいるが、そういえばこのイベントにも一人、舞夏と参加しているんだったな。私と同じような格好までして」

「……その子なんだが、実はさっきなー同じくうちの学校の奴の陰謀で、死んじゃったんだぞー」

「…………それは、プライドを傷つけると言うよりも心の根底を抉り取るような事件だな。望まないし、誰の徳にもならん」

「犯人の方は、そいつが雲川だって事に気づかずやっちゃったらしいんだなー。服装も髪型も、メイクまでわざわざ凝らしてたからなー」

「……絶対に被らない様に、完全自作の衣装を明日から着るかな」


 何だか二人で会話が進んじゃってる。
 私はどうすればいいんだろう? 話に入れるわけでもないし……

 とりあえず、ねうろの所に戻――――――














「そういえば、舞夏。お前凄い料理を作ったんじゃなかったのか?」

「おおー、そうだそうだー。事件のおかげっていうともの凄く失礼だけど、おかげで人目につかずに予約してた人たちに渡せたからなー」

「……?」

「いつか目にするかもしれないぞー。とりあえず私はあれと引き換えに手に入れたお金で、さらなる改良と量産に励むのだー」

「……よくわからんが、前に行って居た思考にして究極の料理ができたのならば、今度食べさせてくれ」

「いいぞー、また作るからなー、まぁ材料を集めるのが難しいから、時間はかかるかもしれないけどなー」

「了解した。……おや? そういえばあの可愛いシスターさんは何処に行った?」

「インデックスか―? さっきまでそこに……って、あれー? 本当に何処に行ったー?」
496 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/02(日) 00:57:58.35 ID:VSkS5hZI0
今日はここまでで許してください。
す、すくねぇ・・・!

正直な話、多分近いうちに最初の文体に戻すかもしれないです・・・インちゃん視点がどうしても変な傍観者になってしまう・・・

重要なところとかは、キャラ視点に戻す予定ですが。


コロコロ人称が変わって、本当に申し訳ない・・・どんな文章でも書けるようになりたい・・・


あ、あと例のスープは登場しますから。


今回もアリガトウゴザイマシタ。
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 00:58:27.77 ID:wTRuRzhzo
学園都市の技術なら可愛い自律思考固定砲台ちゃん作れるだろ
問題ない
出そう
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 01:01:13.08 ID:1uf0fYnG0
乙です
自律思考固定砲台ちゃん可愛い
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 01:01:49.65 ID:yYHJ5TPBo
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 01:03:29.41 ID:Tj/GnaDvo

きっとそのうち移動し砲台になるよ
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 01:03:39.72 ID:X0MsS2o70

DCSが出てこないのかと思ったが安心した
あと自律思考固定砲台ちゃんへの愛wwww
名作漫画をクロスさせるのは難しいだろうけど頑張って!
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/02(日) 01:20:35.39 ID:M7xFxlbF0
>>495前に行って居た思考

日本語でOK

503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 02:40:25.97 ID:PwAP03xZ0

俺は死刑囚の内ならシコルスキーが好きだよ
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 16:31:36.35 ID:AbWq1vDi0
乙ちゃん

トリックに使われた元ネタ漫画は知らないが面白そう
あと……
自律思考固定砲台ちゃん、きゃわわわわ

505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 17:51:51.60 ID:M7xFxlbF0
ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか、完成度たけーなおい。
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 22:11:41.92 ID:D10m10GIO
鬱です。 そうだね、自律思考固定砲弾ちゃんかわi・・・ あれ? 中学生の容姿な筈なのに麦野の姿がダブった?
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:15:37.89 ID:Mi3AtzZDO
そういやとあるSSのオマケ(次回予告?)でジェニュインがリアルに魔女になってたな
10万3000冊オーバーの魔術の知識量とかとんでもないチート化してたけど
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 14:18:48.29 ID:TBM+9VRIO
律たそ〜
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 17:51:36.13 ID:bMrarpZM0
ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロングたん―
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 21:14:54.74 ID:W/LIHWoKo
予想が外れたwwww
良いことだww
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 19:52:13.46 ID:dt5pn2bm0
律ちゃんを見てあかねちゃんを思い出すのは俺だけだろうか?

律ちゃん可愛い
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 20:50:12.87 ID:HYp2GAEt0
「ジャンプの水着姿のヒロインのポスター」の企画で何故かヤコでは無くあかねちゃんがついたケータイがビキニを着ているという謎過ぎる構図があったよね

つまりヒロインはヤコでは無くあかねちゃんということに
常に発想がぶっ飛んでいる松井優征であった
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 20:58:39.28 ID:WW1WF3g5o
頭おかしくなくちゃあんな漫画は書けないから(褒め言葉)
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 20:59:45.63 ID:2fS1yhlpo
ああいう方向に頭おかしくなりたい
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 14:12:02.09 ID:+5+oJMeD0
>>453ブラボー!おおブラボー!!!!
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 17:01:33.35 ID:DdkQcWSl0
ドーピングコンソメスープ!飲まずにはいられない!!
517 : ◆3e98J5/Lds [sage]:2012/12/10(月) 20:09:17.04 ID:4upGFTaJ0
(今日の……日付が変わるころに……更新……します……)

518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:20:59.30 ID:8VXFXEXno
こいつ直接脳内に...!
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:39:03.15 ID:niRkmRYC0
脳内?NO!無い!
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:08:39.71 ID:Rsa0mi2go
ふぇぇ指咥えて待ってるよぉ
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:18:12.48 ID:OSKxAIPk0
じゃあ、ネウロの靴を舐めて綺麗にしてるみさきちの靴を舐めて待ってる
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:29:56.77 ID:niRkmRYC0
このドーピングコンソメスープを作ったのは誰だぁっ!
523 : ◆3e98J5/Lds [sage]:2012/12/11(火) 00:28:32.81 ID:iTS38Mwn0
やぁ、ずいぶん遅かったじゃないか、待ちくたびれたよ・・・


>>497 よし、出そう。

>>498 律ちゃん、キルコさんが今の二大ヒロイン。今までを含めるとパピヨンとスピードワゴンも捨てがたい。

>>499 おつありでさぁ

>>500 スマホとかの端末に入れて持ち歩くと良いと思うんだ。

>>501 むしろ出番が多いかもしれないです、DCS……

>>502 oh・・・sorry・・・

>>503 自分はスペックvs花山がベストバウトですかねぇ。ていうか最終決戦のバキvs勇次郎は・・・うん・・・・

>>504 主人公の性格が最低、料理対決で後に出した方も負ける読めない展開、料理に毒キノコやら蛆虫を盛る主人公と素晴らしい料理漫画になっております。

>>505 雪がたくさん降っている地域に住んでいるので、とりあえず三つ作りました。

>>506 麦のんは若いだろ! いい加減にしろ!

>>507 新しい血族がどうあがいてもチートになりそうで怖いです。

>>508 Dを一つ失う所から始まるんですよ。

>>509 ついてません。

>>510 良い事だ。

>>511 似たようなポジなのかもしれないですねぇ、人外便利キャラ。可愛い

>>512 あったなぁ、そういえば……太臓はあれを女として認めてくれるのかしら。

>>513 天才とキチは紙一重。

>>514 あれくらい狂えると楽しいですよね。

>>515 食鋒「アーマーテイクオフ!」ヌギッ イン「み、みさきが一瞬で服を脱ぎ捨てたんだよ!?」

>>516 DIO「うげぇー!」←水平跳び

>>518 RPGとかでよくあるアレ

>>519 脳みそ・・・重要語句。

>>520 そのまま・・・噛み千切るっ!

>>521 靴舐め連鎖・・・・興奮してきた、服を脱げ。

>>522 アステカ「至高のメニュー・・・食べずにはいられないッ!」



 投下します。
 投下します。
 投下します。



524 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:29:17.70 ID:iTS38Mwn0






 お嬢ちゃん――言われるがままに探偵をやらされている女の子が、行方不明になった。

 メイド服を着た女の子の話によると、ちょっと目を離した間に煙のように一瞬で居なくなってしまったらしい。



 
 ……あの子が、何も言わずにいきなり消えるとは思えない。

 あるとすれば誘拐か?

 でも、そんな考えを持っている奴がお嬢ちゃんの近くに居れば、第五位が気づきそうなもんなんだがな。 
 
 第五位は、あの化け物にどういうわけか忠誠を誓っている。

 人格破綻者、我の強い怪物が更なる怪物の奴隷扱いだ。

 特に、精神操作の超能力者である第五位は、特に他者に対しては破綻した考えの持ち主だと聞いていたんだが……。



「マイロード、インちゃんは……」

「ウニ頭も知らんらしい、大方誘拐だろう。あの奴隷の脳にある記憶は魔術サイドとやらでは貴重らしいからな」
525 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:31:55.90 ID:iTS38Mwn0

 魔術。

 たまにお嬢ちゃんや化け物が口にする単語。

 ゲームや漫画じゃ当たり前のように出てくるが、現実、特にこの学園都市じゃ鼻で笑われるような単語だ。

 ……でも、こんな化け物が今目の前に実在してるって事は、あるのかもしれねぇな、魔術。

 あるなら、使ってみたいもんだが。



「我が輩の所有物に勝手に手を出すとは愚かな事だ。犯人にはきついお仕置きをせねばならん」

「マイロード、私にもお仕置きを……」

「黙れ雌豚。貴様はそこで膝の上に熱湯を入れたペットボトルを乗せて正座していろ」

「イエス! マイロード!」



 
 高級マンションの一室の隅っこで行われるSMプレイ。

 ……何だこの光景。

526 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:32:32.66 ID:iTS38Mwn0
[つーか、誘拐なら犯行声明とかありそうなんだけどな」

「向こうは金などには困らんのだろう。資金が目的ならばこのハチに対して何らかの要求があるはずだ。……となると、やなり……」


 化け物が顎に指を当て、何かを考え込む。

 ……なんつーか、とにかく不気味な光景だ。

 レベル5の奴らは例外なく化け物で、それは間違いないんだろうけども、今目の前に居る化け物は正真正銘人間ではない化け物。

 そして、化け物と称される超能力者は、今部屋の隅で恍惚の笑みを浮かべている。

 シュールすぎるぞおい。













「君の推理通りだよ。脳噛ネウロ」
527 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:37:02.08 ID:iTS38Mwn0
「あ?」


 ノックも無しに玄関の扉が開いたかと思ったら、いきなり長身赤ロン毛の奴が部屋に入ってきた。土足で。

 香水の匂いをプンプンさせてる上に煙草の煙までくもらせ、目の下にはバーコードみてぇなタトゥーまで入れている。

 何だコイツ、何個属性つけるつもりだ。アホか。お腹いっぱいだわ。


「フン、やはり魔術サイドのイザコザか」

「そうだ、それも僕達『必要悪の教会』のイザコザだ。犯人の正体も居場所もわかっている。……ご協力願いたい」

「いいだろう。アレは我が輩のオモチャだからな。ハチ、馬。貴様らの出番だ」

「イエス、マイロード☆」

「はぁ? 俺も?」


 いきなり出動命令を出された。

 この胡散臭い神父野郎の名前すら知らないってのに、協力しろなんざ無理だろうが。
528 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:38:04.68 ID:iTS38Mwn0

「この件に【謎】の気配は感じん。犯人には何の悪意もないのであろうな」

「……」

「よって、貴様らの手に負えないと判断した場合は吾輩が手を下すが、それ以外は貴様らで何とかするがいい」


 ……我儘な野郎だ。

 スキルアウトとして、リーダーの信頼も貰ってて……いきなり現れた化け物に無理やり拉致られて、こんな面倒事を押し付けられて。

 逆らえば、意味不明な力で脅されて。 





 ……畜生。

 何やってるんだよ、俺。


 情けねぇ。
529 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:45:45.33 ID:iTS38Mwn0













「……それが、彼女に関わる話。そして魔術についての簡単な説明だ」


 道中、ステイルっつー名前の神父は色々な話をした。

 壊されるはずだった記憶、繋がれていた首輪、上条当麻という男、魔術。

 あまり出来のよろしくない俺の頭はショート寸前だったけど、食蜂がわかりやすく、科学サイド的な説明をしてくれたのである程度は理解した。


「ふぅん……魔術っていうのも色々面白そうねぇ」

「興味本位で首を突っ込まないほうが良い、とだけ言っておくよ。能力者が魔術を使うと酷い拒否反応を起こし、下手をすれば死ぬからね」


 それは、食蜂みてぇなレベル5でも、俺の様なレベル0でも同じらしい。

 脳の回路を無理やり捻じ曲げた人間は、神聖な力が使えない……ってか?

 便利そうだったんだけどな、魔術。
530 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:50:51.24 ID:iTS38Mwn0

「で、今から向かってるのが『三沢塾』ねぇ。前に私の派閥に勧誘に来てたっけ」

「そうなのか?」

「ええ☆ ま、あんまりにしつこかったから能力で色々させちゃったんだけどね☆」

「……」


 怖ぇよ、食蜂。


「で、そこに居るのがインちゃんのを救おうとして、失敗した人なのよねぇ?」

「そうだ。アウレオルス=イザード。優秀な人間だったんだけどね」


 記憶を失うインデックスちゃんは、そのアウレオルスとかいう奴の事を全く覚えていないそうだ。

 そして、アウレオルスはその失われる記憶に挑戦し、打ち砕かれた。

 今もなお、そいつはインデックスのためだけに生きていると言う。



 インデックスが、もうすでに救われているとも知らずに。
531 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:51:27.92 ID:iTS38Mwn0

「彼は壊れてしまった。僕も彼女が救われてなきゃああなっていたかもしれないけどね。……協会側からは処刑命令が出ているけれど、個人的には遠慮したいね」

「……つまり、私がその人の記憶を全部書き換えて、整形でも受けさせて別人に変えちゃえ。って事よねぇ?」

「……僕は協会の命令を受けているから、何も言えないよ」


 その通り、って言ってる様なもんだな。

 聞けば、ステイルもアウレオルスも同じことを願って、お互い失敗した身だ。

 インデックスちゃん、罪作りな女だな。


「ここが三沢塾のビルだ。魔術的な仕掛けで本来の入り口は隠されているね。……と、その前に嫌な顔を視なきゃならない」

「嫌な顔?」

「ああ、とびっきりムカつくウニ頭だ」




 ……あ? あのビルの前に居る奴、何か見た事あるな。

 そうだ、会場で犯人殴り倒して風紀委員に連れて行かれた馬鹿じゃねぇか。
  
 何かこっち見て手を振ってるし。別にそんな仲良くねぇだろ俺ら。

 ……あーあー、キレたステイルが炎の剣だしてアイツに切りかかっちゃったよ。


 かっけぇな、炎の剣。魔術いいなぁ、俺も才能がねぇってわかってたら魔術を習いたかったよ。
 
532 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:53:08.50 ID:iTS38Mwn0
「ちくせう、酷い目にあった……」

「フン。死ぬよりもひどい目に合わずに済んだことを感謝すべきだね」


 ひとしきりのじゃれ合いを終えて、二人が戻ってきた。

 二人とも無傷なのは、まぁステイルはわかるが、あっちのウニ頭の方も無傷なのはステイルが手加減したからなんだろうなぁ。



「……って、ん? あれ、何でお前らもここに居るんだ?」

「それはこっちのセリフよぉ」


 食蜂が上条の前に飛び出した。

 ……今更だけど、アレ本当に中学生か?

 主におっぱ――ゴホン、胸部が著しく発達しているような気がするんだが。


 いやいやいやいやいや、この俺、男の中の男である浜面仕上は間違っても女子中学生相手にそんな如何わしい感情を抱くわけがないし、第一俺のタイプは何処か守ってあげたくなるお姫様タイプので口数少なげで健気なヒロインなわけで、こんなザ・遊んでるみてぇな外見のしかも第五位なんかに、いや俺も真面目か遊んでるかって聞かれたらそりゃ遊んでるタイプに入るんだろうけども、そこは希望と言うか夢と言うか、見るだけはただであり抱く事に意味があってだな……


「……浜面さぁん? 後でちょーっとお仕置き決定だゾ☆」

「うっひゃぁぁぁああああああああああああああ!!? バレてるぅぅぅううううううううううう!」


 そうだった心が読めるんでしたねチクショウ!
533 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 00:54:17.17 ID:iTS38Mwn0

「何か俺、浜面に物凄い親近感がわいてきたよ。あ、俺上条当麻な」

 
 上条がポンと俺の肩に手を置いた。

 ……俺も、何かコイツとは仲良くなれそうな気がしてきた。


「無駄話は後だ。とにかくこの四人でまずは侵入するよ」


 そう言ってステイルは手に何枚かの、カードみてぇな紙を持った。


「一見はただの学習塾、だがそれはあくまで表の姿だ。アウレオルスは表側には居ない。裏側でトラップを幾つも張り巡らせ、彼女を隠しているんだろうね。僕達がやるべきことは、彼女の奪還だ」

「あの化け物がお仕置きだのほざいてたけど、それはどうすんだ?」

「安心しなよ。正直な話、ネウロには今回仕事はない。アウレオルスは確かに有能で優秀ではあるが、体育会系ではなく文系。戦闘には不向きな錬金術師だからね」

「でもぉ、その『錬金術』だっけぇ? それって聞く限りは結構厄介そうだけど」

「錬金術は完成しない技術だ。気にする程もない。……さて、さっさと仕事を終わらせることにしよう。行こうか」


 俺達はステイルを先頭に、『三沢塾』のビルの入口へと向かう。
 

 そして、俺達はのちに公開することになる。

 ……俺達は、甘かった。

 まさか、あんな光景が待っていただなんて。




 思いもよらなかったんだ。
 
534 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 01:00:01.06 ID:iTS38Mwn0














 愕然。

 ……私のやって来た事は、私の積み上げてきた英知は。

 無意味だったと言うのか、無価値だったと言うのか。
 
 あらゆるものに反旗を翻し。

 喜怒哀楽の全てを捨て去り。

 たどり着いたこの場所は、手にした機会は、揃えた手札は。

 皆、皆、皆――――すでに遅すぎたというのか。


「…………」


 彼女は私を見る。

 その視界に映る私は、いったいどれほど愚かで滑稽なのだろうか。
535 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 01:02:10.01 ID:iTS38Mwn0
 救い難い。もはやあの少女にすら救えぬほど、私は自らを犠牲にしてきた。

 彼女の為だけに書き連ねた魔導書は、きっと彼女の頭の中には存在しているのだろう。

 だが、ソレを書いた私は、それを渡した私は、笑顔で受け取ってくれた彼女は、もう彼女の頭の中には居ない。


「…………」


 自らの自我が壊れたいと叫ぶ。

 我が脳内に構築された世界は、一点の曇りもなく違いもなく、存在していると言うのに。
 
 だが、壊れるわけにはいかない。

 彼女はまだ、救われてなど居ないのだから。

 この世界が、理不尽が、魔術が存在する限り、彼女は救われない。
536 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 01:03:45.35 ID:iTS38Mwn0
 我が名誉は世界の為に。

 もはや、この魔法名すら意味は無し。

 我が英知は、我が反逆は、我が全ては。

 彼女に捧ごう。

 彼女に委ねよう。

 偶然。

 私にはアレがある。

 この街に来た時に知った、実験段階ですら危険視されたという代物が。

 アレとわが英知が組み合わされば、彼女に真なる救済を与えられるかもしれない。

 我が名誉は彼女のために。

 世界の英知は彼女のために。

 救われぬ子羊に、自由と救済を与えるために。
537 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 01:07:38.51 ID:iTS38Mwn0








 このひとは、きっと悲しんでいる。

 そして、祈っている。

 救われることを、祈っている。

 でも、この人はわかっているんだ。

 自分が救われないことを。

 そして、それでも構わないという事を。

 この人が私を見る目は、なんとなくだけど、かおりやすていると似ていた。

 私の事を知ってる人の目。

 とーまみたいに、がむしゃらの目。

 わたしのために、何かをしようとしている目。

 私の話を聞いて、この人は悲しんだ。

 シスターとして、お話を聞いてあげたかった。





 でも、私じゃ駄目なんだ。
538 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 01:08:34.62 ID:iTS38Mwn0
 私が居るから、この人は絶望してしまったんだ。

 この人、あうれおるす、金色のアルス=マグナ。

 きっと、私の為に絶望してしまった人。

 私の記憶の消失が、この人を悲しませてしまった。

 だから、私には話す事と聞いてあげることはできても、この人を救う事は、出来ない。

 私はもう、救われてしまっているから。

 ねうろととーまに、助けられたから。


「……あうれおるす」

「……」


 あうれおるすは、私の方を見る。

 けれど、その瞳の中にまで、私は入っていないみたい。
539 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 01:17:19.08 ID:iTS38Mwn0

「……話す必要など、ない」


 あうれおるすは、泣いていたんだよ。
 
 涙も流さず、声にも出さず。

 一人ぼっちで、泣いていた。


「君は、ただいるだけでいい。君は背負う必要のない苦痛を、悲しみを、不条理を、すでに必要以上に背負ってきた。それが如何ほどに非道な事か、それを忘れている事だけは唯一の幸運と言えよう」

「……」

「これから行う事は、私の自己満足と考えておいてほしい。君は自分を救われてると思っていても、私は君を救われたとは思えない。……君に降りかかるであろう悪意を、策略を、打ち砕かない限りは」


 その言葉は、とても強い意志が宿っていた。

 言葉も、祈りも、届かない。

 神様さえも打ち砕こうとする、人の意志。

 それは、誰にも否定できない新しい信仰。
540 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 01:34:24.65 ID:iTS38Mwn0
 私に、あうれおるすを止める資格は、きっとないんだよ。

 だって、この人は、私のためにこうなってしまったから。

 そして、きっと、あうれおるすの前にみんなは立ちはだかるんだと思う。

 ねうろも、とーまも、きっとあうれおるすの敵になる。

 それは、すごく悲しい事。

 どっちも、私のために行動してくれているのに。

 決して交わらない道を行く二つ。

 同じ道を反対に進むあうれおるすととーま。

 その中心で、私は祈るしかない。

 二人の無事を。

 二人の救いを。

 二人の祈りを。


 天にまします我らの父よ。

 どうか、どちらもお救いください。
541 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 01:41:27.84 ID:iTS38Mwn0


 そして、あうれおるすは立ち上がる。


「……ネズミが、入り込んだようだ」


 きっと、とうま達なんだよ。
 
 ねうろもいるのかな?

 
「今は、我がダミーが相手をしているようだ。……が、そこまで時間を稼げるとは思えん。当然、やはり時間はあまり残されていないか」

 
 あうれおるすが私に近寄って、やさしくほっぺたに触れた。

 まるで、すぐにでも壊れてしまいそうな、シャボン玉でも触るようにやさしく、いとおしそうに。


「……聖女たる君は、騎士たる存在に救われる。私は騎士にはなれない、ヒロインの心を手に入れる事は出来ない。だが、それでもいい。我が英知のすべてを君に捧ぐ。だから、君は何も心配しなくていい」

「…………」

「ここにて待っていてくれ。私は準備を進める」


 あうれおるすは、どこかに行ってしまった。

 わたしの言葉の届かない、どこかへ。
542 : ◆3e98J5/Lds [saga]:2012/12/11(火) 01:44:41.78 ID:iTS38Mwn0
ここまでです。

アウレオルスは好きなキャラです。程よいチートで、上条と対比されたキャラである彼はもしかしたら一方通行と垣根のような関係になれたのではないでしょうか。

そして、不幸な訃報なのですが、多分このままだと書く速度が尋常じゃなく遅くなってしまいそうなので、要所ではキャラ視点、それ以外は最初のように地の文で進めていきたいと思います。ごほぉ、スマヌ、スマヌ・・・・


パピヨンが学園都市に来るSSも考えたけど、正直超電磁砲の爆弾魔にすら勝てないような気がしないでもない
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 01:45:52.39 ID:ZCem6MRWo
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 03:32:58.43 ID:UXZYZvOG0
>>533俺達はのちに公開することになる
みさきんが痴態でも見せびらかしてくれるのか

そしてネウロが介入したことで■■の存在が消し飛んだ瞬間でもあった。
常時イビルブラインド状態やなあの娘
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 03:39:33.23 ID:5qMTuELI0
乙でした

学園都市の技術を盗んでパワーアップしたパピヨンを書けばいいのでは?
もちろんこちらを落とさないこと前提ですが……


そういや今回、なんか一人足りなくね?
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 07:21:56.48 ID:59FiT230o
ホムンクルスさんの方かな
そうだったら普通にLv5程度の能力はありそう
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 08:44:50.62 ID:e++dQQwIO
ぶっちゃけ本編でもステイルと上条さんが煽らずにキチンと説明してりゃ敵にはならなかった気がしないでもない
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 10:46:35.60 ID:qJPsomHt0

見た目がビッチ(遊んでそう)でも、ビッチ先生と麦のんは許す!

あれ、こんな時間に客か……?
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 11:58:02.53 ID:BAUGjrnuo
誰か一人重要人物が出てないような気がするがストーリー的には全く問題ないな
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 12:53:02.83 ID:UXZYZvOG0
キングクリムゾン!!!!!

■■の存在はフッ飛んだ…!
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 13:49:53.95 ID:CYU5pkjSO
アウさんの心意気、おら好きだ
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 18:53:11.30 ID:vhrfzonN0
なんかインさんが起きていて心情を語ってると「私のために争わないで!」みたいな図になってるように見えるww
まぁ実際その通りなんだけど
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:24:48.74 ID:oX2rsyn90
>>547
ホントなんであの場面で煽っちゃったんだろうね・・・
あれがなきゃ少なくとも殺し合いにはならなかっただろうに
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:27:47.06 ID:I/eHZuCco
基本的に何に対しても慮るということを禁書キャラはしないから仕方ないね
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:34:29.03 ID:ug1S9p9AO
半分位ステイルの八つ当たりじゃね
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 22:03:40.87 ID:ft/xILi20
そりゃ最終的には殴って解決したいからだろ

話し合いをしないで殴った後に一方的に説教。これが禁書のスタイル
基本的にこの作品、敵の行動理由とかメンタルとかが大体豆腐なのにな
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 22:09:20.39 ID:ZhWeCQ+Zo
設定はいいのに作者自身が設定に振り回されてる素晴らしい作品、
とある魔術の禁書目録
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/13(木) 02:57:19.51 ID:G2uwH3kv0
マリアン
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 15:57:02.13 ID:hl62cRSb0
ブラボーのシルバースキンって超電磁砲も防げるかな?
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 16:05:10.24 ID:2jl1fPK70
■■さんは・・・
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 00:51:45.60 ID:vEDvmUvF0
絶ッッッッッッッッッッッッッッッ体に出さんのだァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/17(月) 13:42:33.40 ID:/JOomEmX0
アウレオウスだけが作品に出る事を許可しろォォォォ―――――!!!!!
だが!■■は許可しないィィィィィ――――――!!!!!!!!!!
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/18(火) 12:25:57.22 ID:zwhGLUfm0
>>553->>562
おまいらいい加減にしようや
乙や感想ならともかく、このSS自体に関係ない話をここでする必要はないだろ
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/18(火) 13:11:02.25 ID:ZEIGNaezo
そうだよ
究極の料理の話をしよう
565 : ◆3e98J5/Lds [sage]:2012/12/21(金) 00:46:20.12 ID:GDK040Fn0
へい、聞いてくれよジョニー、笑っちまうぜ・・・

イギリスに半年ほど渡ることになっちまったんだ・・・

将来的な意味で仕方がない事なのですが、このスレと球磨川の方はどうしようか……「>>1なんか目じゃねぇぜ! 俺の方がもっとうまくクロスさせられるんだ!」ドヤァ って人が居れば乗っ取ってくれても構わんです。

ジャパンに帰ってきたらまた建てるかも。




次回更新で■■さんが出る予定だったんだがなぁ・・・・・・・
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 00:49:59.28 ID:3B0qdw0Go
■■さんの呪いか
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 00:54:29.85 ID:6jpULXHq0
イギリスでも更新出来るだろwww




ところで日本にイギリスなんて地名の場所あったっけ?
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 00:59:43.43 ID:+H+/tqljo
あるよ
http://www.nijinosato.com/map/british/british.htm
569 : ◆3e98J5/Lds [sage]:2012/12/21(金) 01:02:35.39 ID:GDK040Fn0
>>568 日本にいるなら更新するよ!!!


流石にこのまま投げ出すとアレなので、この後の展開で書きたかった場面を切り出し方式で書いてってもいいかな?
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 01:07:51.11 ID:VJSzYKEHo
別にいいんじゃね?
ああ、でも再開したときの楽しみが・・・
まあスレが落ちるまでに帰って来れないようならHTML依頼出しといてな
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 01:10:41.88 ID:+H+/tqljo
仮に海外からでもここにアクセスできたらぜひ向こうから継続してください
何でもしますから!
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 01:13:06.44 ID:4bs03Fka0
再開したときの為にとっとこう
むしろ今できてる分だけ

イギリスファイト!
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 01:18:26.11 ID:e9c6f/S6o
とりあえず生存報告さえしてくれたら俺はいいから

小出しにしないでどーんと一度に吐き出そうよ
574 : ◆3e98J5/Lds [sage]:2012/12/21(金) 01:25:30.53 ID:GDK040Fn0
とりあえずHTML化の依頼に出してきた。球磨川の方も。


小出しはあまりよくない感じなので、やめておきます。

復帰まで最速でも半年・・・そのあともごだごだしそうではありますが、何とか帰ってきて復活したいと思います。


じゃあみんな、またな!

俺たちの戦いはこれからだ!
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 23:00:54.42 ID:GRHgKi7o0
イギリスなら仕方がない

国外で不安もあると思うけど頑張ってください
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/23(日) 00:20:10.74 ID:SCGy+Oqqo
俺今年の3,4月にイギリスにファームステイしてちょい留学してきたけど、いいところさ
楽しんできな〜
向こうでもネット回線あれば書き込みできるんじゃないかな………
無理だったっけ……………

乙!またなー
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