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岩瀬「……幻想郷?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 01:16:07.45 ID:D3PJ5Rpr0
高木監督「岩瀬、お前はクビだ」

岩瀬「えっ」

小田「岩瀬さん……今までありがとうございました」

岩瀬「えっ」

ネルソン「これからはミーがストッパーだね!」

岩瀬「えっ」

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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
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さくらみこ「インターネッツのピクルス百科辞典で」大空スバル「ピクシブだろ」 @ 2024/04/13(土) 20:47:58.38 ID:5L1jDbEvo
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暇人の集い @ 2024/04/12(金) 14:35:10.76 ID:lRf80QOL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1712900110/

ミカオだよ。 @ 2024/04/11(木) 20:08:45.26 ID:E3f+23FY0
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アルミン「どうやら僕達は遭難したらしい」ミカサ「そうなんだ」 @ 2024/04/10(水) 07:39:32.62 ID:Xq6cGJEyO
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 01:16:27.68 ID:o815CgHFo
岩瀬かと思ったら岩瀬だった
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/26(金) 01:18:14.84 ID:vf/zSO0X0
ほう
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 01:20:21.44 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「クビになったよ。戦力外だ」

岩瀬妻「あなた……」

岩瀬「心配するな。コーチか、球団職員か、働き口ならあるさ」

岩瀬「ん、電話か。早速連絡が来たのかもしれない。俺が出るよ」

岩瀬「はいもしもし、岩瀬です。はい、はい。幻想郷?」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 01:24:45.44 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「落合記念館……ここか。入場料高いなぁ」

紫スカウト「ようこそ」

岩瀬「うわっ。あ、あなたが紫さんですか?」

岩瀬「(おいおい気配を感じなかったぞ。赤星だってかすかにスチールするぞ! と意気込んでたってのに)」

紫スカウト「岩瀬さん。あなたにストッパーをしてもらいたいの」

岩瀬「い、今の俺にストッパーを?!」

岩瀬「(地方球団か? だが、ストッパーを、もう一度ストッパーをやれるのなら)」

紫スカウト「えぇ。お願いできるかしら?」

岩瀬「は、(待て! 女房子供を置いて、どこの国とも知れない球団へ入るのか? もしかしたらイタリアかもしれない。家族旅行にいったらクビニされるような国だったら)」

紫スカウト「年棒はこれくらいでどうかしら」

岩瀬「こ、こんなに!?」

紫スカウト「お決まりのようね」

岩瀬「は、はいっ」

岩瀬「(また、走り込みしなくちゃな)」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 01:30:03.37 ID:D3PJ5Rpr0
映姫「あなたが、岩瀬ですね」

岩瀬「はい監督」

映姫「……監督ではないのですが、まぁ、それでもよいでしょう」

岩瀬「はぁ」

映姫「あなたには小町のストッパーを申しつけます。懸命に働きなさい」

岩瀬「はい」

岩瀬「(なんだ。ストッパーとは、そういう意味だったのか。こりゃ球団の誘いを蹴ったのは早まったかな)」

映姫「……岩瀬、あなたに言っておくことがあります」

岩瀬「何でしょうか」

映姫「岩瀬、あなたはなぜここに来たのです」

岩瀬「それは……」

映姫「今のあなたに、ストッパーなど務まるわけがありません」

岩瀬「ぐっ」

岩瀬「(その通りだ。ストレートどころか、決め球のスライダーですら三振を取れない、今の俺に……土壇場でリリーフを出されるような俺に……)」

映姫「そう、あなたは他人に頼り過ぎる。もっと自分の力で戦わねばあなたの積んだ善行は、あなたのものではなく、
あなたを助けた者の物になるでしょう。あなた自身は深い業に苛まれ、地獄へと落ちるでしょう。だからあなたは自分の足で立たねばなりません。小町を支えることで、その端緒となしなさい」

岩瀬「はい」

岩瀬「(帰りたいな……ナゴヤドームに」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 01:36:17.93 ID:yrjKw6TDO
興味湧いてきた
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 01:39:41.00 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「(綺麗な、桜だなぁ)」

岩瀬「(はぁ、走りこみをする気力も湧かない)」

岩瀬「(どのみちこんな河川敷じゃ、足を痛めるだけか)」

岩瀬「(三途の川、か。まるで冗談みたいだけど幽霊がそこら中にいるし、ここがそうなんだろうな)」

小町「そこのお兄さん! ボーっとしてるお兄さん!」

岩瀬「(いかん。しまったな。ワンピースを持って来るべきだった)」

小町「あなたが岩瀬さんでしょ! 新しい死神の!」

岩瀬「俺はもう死神じゃない! 死神じゃないんだ!」

岩瀬「……はっ」

小町「なーんだ聞こえてるんじゃないですか〜。あたい、小野塚小町と申します。これからこき使うので敬い慕ってくださいねー」

岩瀬「お、おす!」

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 01:46:15.04 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「(ど、どういうことだ!? あのスカウトといい、気配が全く感じられなかった! まるで瞬間移動じゃないか!)」

小町「さあ、乗った乗った」

岩瀬「は、はいっ」

岩瀬「(おかしい。さっきまで川に舟なんてなかった。福本さんだとか広瀬さんだとかそんなレベルのものじゃ断じてない……もっと恐ろしい盗塁を味わった気分だ……)」

岩瀬「(ぐずぐずしていても仕方がない。乗り込むか)」

小町「では出発進行、は後にして、話しましょうか」

岩瀬「あの、先輩、自分の仕事はどんなものなんでしょうか?」

小町「基本的にあたいがカバーしきれない、悪霊を退治してもらうことになりますねー。そういえば岩瀬さん、飛べますよね?」

岩瀬「先輩。人間は普通、飛べませんよ」

岩瀬「(マサさんは電柱に引っ掛かったラジコンを取る時、ちょっと飛んでたけど、あの人はどこか人と違うと所があるからなぁ……いや、鈴木なら余裕できるかもしれない)」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 01:54:59.45 ID:D3PJ5Rpr0
小町「バカ言っちゃいけないよ岩瀬さん。死神が飛べなくてどうするんだい」

岩瀬「だから! いえ、すいません」

岩瀬「(先輩といった瞬間、態度が変わったな……まるで立浪さんみたいだ)」

小町「さあさあ、さっさと飛ぶんだ。別にわけないだろう?」

岩瀬「ウスッ!」

岩瀬「(困ったぞ。俺は張本さんみたいなジャンプ力があるわけでもないし)」

岩瀬「(えぇい! ダメでもともとだ! マサさんだって出来たんだ! 俺にも出来る、かもしれない!)」

岩瀬「(足元にリリーフカーをイメージ。そう。俺の足はマウンドへと駆けるリリーフカー、ギャバンだって目じゃない。空を飛ぶなんてわけないさ)」

岩瀬「ピッチャーの交代をお知らせします!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 02:00:30.92 ID:D3PJ5Rpr0
小町「なんだやっぱり飛べるんじゃないか」

岩瀬「ハハッ」

岩瀬「(まさか飛べてしまうとは)」

小町「さて、岩瀬さん。あんた、球を操る程度の能力を持っているらしいねぇ?」

岩瀬「は?」

小町「ほい」

岩瀬「うわっ」

岩瀬「(こ、これは!? 統一級! 来年は廃止されるらしいのにどこからこんなにたくさん持ってきたんだ?)」

小町「これを預けとくよ。悪霊が出たら、あんたのところへ飛ばすから、頼んだよー」

岩瀬「せ、先輩!?」

岩瀬「消えた……」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/26(金) 02:01:35.30 ID:9JQO+Or8o
イワークwwwwwwwwwwww
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 02:11:42.73 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「さて、どうするかな」

岩瀬「投げ込みは……あの木に当てればいいか。ほっ」

岩瀬「おぉ。コントロールはまだまだいけるな」

岩瀬「お次はスライダーだ!」

亡霊「止まって見えるぞ!」カキーン

岩瀬「なっ」

岩瀬「(打たれた……ろくに構えてもいなかったバッターに……小野塚さんが、早速送ってきたのか?)」

亡霊「なぜ打たれたのかという顔をしとるな」

岩瀬「くっ」

岩瀬「(一体何者なんだこの老人は!? 松井かそれ以上のプレッシャーを感じる……!)」

亡霊「体が生きて、間が合えば、必ずヒットになるものじゃ」

岩瀬「(な、何を言っているのか分からない! まるで全盛期の前田を相手取っているようだ! いや、それ以上の凄みを感じるッ!」

亡霊「どうした、もう終わりか」

岩瀬「(笑った)」

岩瀬「(あの老人は、俺を嘲笑った。マウンドにいるこの俺を! まるで炎上するしか脳のない中継ぎにやるように!)」

岩瀬「(俺は、)」

岩瀬「(俺は、俺は中日の死神、岩瀬仁紀だぁああぁ!!)」

岩瀬「なら、食らえっ!」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 02:22:13.28 ID:D3PJ5Rpr0
亡霊「かはっ……無念」

小町「ふぅ。岩瀬さん」

岩瀬「面目、次第もございません」

岩瀬「(一球も、一球も空振りを取れなかった!)」

小町「いいのいいの。元々これはあたいの仕事だからね。それにあの榎本とかいう亡霊は、ちょっと新人には荷が重かった」

岩瀬「すいません」

小町「なに。あの程度、この鎌でちょちょいのちょいさ!」

岩瀬「(俺は、俺はこんなに衰えていたのか……? 高木監督の判断は、正しかったのか)」

岩瀬「(山井じゃなくて俺なら、なんて思うのは、思い上がりに過ぎなかったのか?)」

岩瀬「(あぁ……)」

岩瀬「(俺は、俺はもう)」

小町「ま、まぁ、次がある! そんなに落ち込むな岩瀬!」

岩瀬「……おす」

岩瀬「(ついには呼び捨てか。こんな若い娘さんから……ハハッ)」

小町「じゃあ任せたよ!」

岩瀬「はい」

岩瀬「(任せてください)」

小町「頑張りなよ、岩瀬」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 02:28:22.33 ID:D3PJ5Rpr0
小町「…………」

岩瀬「すいません」

小町「こんな日もある。明日から、また頑張ればいい」

岩瀬「すいません」

小町「何に、謝っているんだい」

岩瀬「えっ」

小町「あたいは別に迷惑だなんて、思っちゃいないさ」

小町「あんたはあたいの可愛い後輩。初日の失敗ぐらいで、見限りゃしない」

岩瀬「せ、先輩……!」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 02:34:09.11 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「(……朝か)」

岩瀬「(せめて、先輩に迷惑かけないようにしないとな)」

岩瀬「走るかぁ」




岩瀬「ハッ、ハッ、ハッ」

岩瀬「よし、50キロも走ればいいだろう。次は投げ込みだ!」

雑魚亡霊「キシャアアアア!」

岩瀬「むっ。来たか」

岩瀬「ふん。そんな鈍い体裁きで俺のスライダーをかわせると思ったか!」

岩瀬「うっ」

岩瀬「(ま、不味い。走り込みで足がっ)」

雑魚亡霊「ジョイナアアアアアス!」

岩瀬「うわああああああああ!」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 02:43:09.42 ID:D3PJ5Rpr0
小町「大丈夫かい?」

岩瀬「すいません」

小町「まだ慣れてないんだ。仕方がないさ」

岩瀬「本当にすいません」

小町「ほれ、酒だ。飲んで忘れちまいな」

岩瀬「……ありがとうございます」

岩瀬「(忘れられるわけがない。俺は、酒は飲めないんだから)」

岩瀬「(あぁ……悔しいな)」

岩瀬「(悔しいだって? 俺が?)」

岩瀬「(……そうだ。悔しいに決まってる)」

岩瀬「(あんなスローな相手にさえ、やられるだなんて!)」

岩瀬「(怪我は、いいわけにはならない)」

岩瀬「(守護神は、どんなときでも頼りにされる存在なんだ)」

岩瀬「(かつて江夏さんが、佐々木が、高津が、そうだったように)」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 02:48:54.49 ID:/vzZiugto
なんで俺の地元が……?
と思ったら岩瀬だった
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 02:57:21.21 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「くそっ!」

雑魚亡霊「BOW! BOW!」

岩瀬「ふぅー」

岩瀬「(落ち着くんだ。軌道はめちゃくちゃだが、亡霊の動きは全然キレてない。あんなザマで自由自在に空を飛べるわけがないんだ)」

岩瀬「(対して俺は走り込みだけは立派にこなす細身の男。その上リリーフカーに乗った俺には絶対に追いつけない!)」

雑魚亡霊「ジャイアンツ! とってもいいきゆうだん!」

岩瀬「食らえ!」

岩瀬「(まず見せ球にフォーク!)」

雑魚亡霊「!」

岩瀬「(よしっ怯んだ! あんなに体制を崩したバッターなんて赤子のようなものだ!」

岩瀬「はぁあああ!」

雑魚亡霊「ゆう……しょう! ゆうしょよう!」

岩瀬「なっ! 俺のスライダーが!」

雑魚亡霊「BOW……BOW!」

岩瀬「またか……またなのかっ!」

岩瀬「(どうしてなんだ。球速は下がっていない。今だってあそこに決まればぺタジーニを打ち取れる自信だってある!」

岩瀬「(なぜだ……なぜなんだ……)」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 03:04:34.18 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「よしっ」

岩瀬「(こんなものだろう。朝に走り過ぎて、また足がつってもな)」

岩瀬「(今日はまだ来ないみたいだし、投げ込みでもするか)」

岩瀬「はっ」

岩瀬「(やっぱり、球威は衰えていない。スライダーだって昨シーズンより余っ程キレてる)」

岩瀬「ふっ」

岩瀬「(だのに、抑えられない)」

亡霊「……」

岩瀬「……悩む時間も、与えてはくれないか」

亡霊「Come on kid!」

岩瀬「行くぞ!」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 03:12:47.94 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「はっ、はぁ、はっ、はっ!」

亡霊「Is that all? Gotta be kidding me!」

岩瀬「(何なんだこの男!)」

岩瀬「(どの球で、どのコースに投げても真芯でとらえられる! ボールゾーンに逃げてもホームランだ! イチローだってこうはいかないぞ!」

岩瀬「あ、あなたは一体……?」

テッド・ウィリアムズ「If there was ever a man born to be a hitter it was me.」

岩瀬「(最後の四割打者!? そんなの抑えられるわけがない!」

岩瀬「(いや、待てよ。この方はバッティングの科学なんて本を出してノムさんに影響を与えたぐらいの理論家だ! 何かヒントをくれるかもしれない!」

岩瀬「教えてください! 俺は、俺はどうすればいいんです?!」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 03:23:23.65 ID:D3PJ5Rpr0
テッド・ウィリアムズ「............」

岩瀬「…………」

テッド・ウィリアムズ「...By the time you know what to do, you're too old to do it.」

岩瀬「(どうやればいいのか分かったときには老いさらばえてもう手遅れだってこと、か?)」

岩瀬「そんな!」

テッド・ウィリアムズ「But!」

テッド・ウィリアムズ「Never never give up. Because we are baseball player, everybody's glorious dream. you know.」

岩瀬「プロ野球選手は、みんなの、夢」

テッド・ウィリアムズ「Oh shit!」

小町「大丈夫か岩瀬!? このっ! 食らえっ!」

テッド・ウィリアムズ「Ouch!」

小町「これで、どうだ!」」

テッド・ウィリアムズ「...Good luck, good pitcher」

小町「ふぅ。中々しぶとい男だったな……どうした岩瀬?」

岩瀬「いえ、ありがとうございます」

小町「いいってことよー」

岩瀬「(ありがとう。テッド)」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 03:31:31.40 ID:D3PJ5Rpr0
岩瀬「(そうだ。俺たちは夢なんだ!)」

岩瀬「(たとえTV中継されなくても、岩瀬ってまだいたのなんて言われても……)」

岩瀬「(どんなに落ちぶれても、たとえ、ストッパーじゃなくなってしまったとしてもっ)」

岩瀬「(今では少なくなってしまったかもしれないけれど、野球が好きな連中がいつかなりたいと夢見た、プロ野球選手なんだ!)」

小町「岩瀬……気にするな。あたいなんていつも四季様に叱られてるよ。な? 酒飲んで忘れろって」

岩瀬「頑張ります」

小町「岩瀬?」

岩瀬「俺、頑張ります!」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/10/26(金) 03:32:34.22 ID:OBmO5odeo
テッドはボールゾーンは絶対振らなそうなイメージだけど
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 03:44:35.39 ID:D3PJ5Rpr0
>>24
今のMLBの審判でもたまに明らかなボールをストライクなんていうけど、当時はそれ以上だったはず。今だってそのせいでMLBの一流打者はボールゾーンにもヒットゾーンを持つという。だから大昔、テッドのストライクゾーンはバカみたいに広かったということで一つ


――岩瀬「胃に汗をかけ! 一度死ぬんだ!」

岩瀬「(あの年の佐々岡さんだって耐え抜いたんだ! 俺に出来ない通りがあるか!)」

――岩瀬「投げ込み300球! いいや500だ!」

――岩瀬「走るんだ! 走って走って全盛期のキレを、スタミナを取り戻すんだ!」

岩瀬「(絶対的な球を! キレを!)」

――岩瀬「まだだ、まだ足りない!」




小町「…………頑張れ、岩瀬」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/10/26(金) 04:14:37.39 ID:D3PJ5Rpr0
眠い。多分、明日また続き書きます
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 08:17:20.61 ID:yrjKw6TDO

岩瀬さんは幻想郷でサクセスするんだろうか?

後、球を操る能力って、球状の弾幕相手なら結構
強力な能力じゃね?なんか当たらない様に出来そうだし。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 09:44:44.69 ID:Yt25ytsIO
山本昌「岩瀬も引退か寂しくなるな」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 09:49:59.53 ID:Yt25ytsIO
山本昌「岩瀬も引退か寂しくなるな」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 09:58:38.42 ID:pUZQELe10
>>27
詳しくは「投球を操る程度の能力」なんじゃね?
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/10/26(金) 12:30:09.82 ID:YlJyI5MAO
イワークwwwwwwwwwwwwww
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 16:02:08.72 ID:NbocS3dgo
岩瀬?かと思ったら岩瀬だった
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2012/10/26(金) 23:09:09.68 ID:sFhmkSO40
こんばんは>>1です。合いの手、乙、レス、ありがとうございました

>>27 >>30
申し訳ない。「球拾いする程度の能力」はちょっとあれだなぁと思って「球を操る程度の能力」と書きました
おぉ、こっちの方が卑猥でいいなとか思ってましたすいません
能力自体はプロ野球の投手なら大体もってる残球補充の汎用能力です。念じればボールが戻ってきます
投球に関しては完全に本人の実力です

もうちょっとしたら再開します
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/26(金) 23:52:21.11 ID:sFhmkSO40
岩瀬「ようし。行くぞ!」

岩瀬「ふっ!」

木「ヒギィッ!」ヒュッ

岩瀬「うん」

木「ひでぶっ」ズズーン

岩瀬「大分、戻ったな」

岩瀬「(スライダーで木を切るなんて、何年振りだろう)」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/26(金) 23:58:08.43 ID:sFhmkSO40
亡霊(?)「えっ。あれ。どこだ、ここ……?」

岩瀬「早速来たか。丁度いい。試し切りといくか」

亡霊(?)「い、岩瀬さん!?」

岩瀬「新井?! どうしてここに!」

新井「いや、その。さっきまで護摩行をやっていたはずなんですが」

岩瀬「まさか、それで死んでしまったのか?」

新井「そ、そんな!」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 00:06:11.76 ID:P3mTpL6j0
新井「嘘だ!」

岩瀬「……お前は護摩行をやっていたといったな。ならなぜ、ユニフォームを着ている? バットまで持って」

新井「そ、それをいうなら岩瀬さんだって!」

岩瀬「これは仕事着だ」

新井「戦力外になったのに仕事着も何もないでしょう!」

岩瀬「……」

新井「す、すいません」

岩瀬「謝るな。謝る必要もない」

新井「岩瀬さん……?」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 00:12:52.29 ID:P3mTpL6j0
岩瀬「勝負だ。新井」

新井「し、勝負って。そんなことよりここから出る方法を探しましょうよ!」

岩瀬「ここは三途の川、お前は亡霊だ。そして俺は死神の補佐。だから俺はお前を、彼岸に渡してやらないといけない」

新井「意味が分かりませんよ!」

岩瀬「構えろ、新井」

新井「そんな、そんなバカなこと」

岩瀬「打ち取られるのが怖いのか? 新井が悪いなんて言われて、本当に怖気づいてしまったのか?」

新井「……違いますよ」

岩瀬「広島時代と違って、お前は怖くないバッターだ。打ち取るのなんてわけない」

新井「戦力外のあなたが、いうことじゃないでしょう!」

岩瀬「なら構えろ、新井。勝負してくれ。頼む」

新井「……いいでしょう。一度だけですからね」

岩瀬「二度目は必要ない」

岩瀬「(さぁ、正念場だ)」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 00:23:07.48 ID:P3mTpL6j0
新井「(おそらく、低めに散らしてくるだろう)」

岩瀬「準備はいいか?」

新井「えぇ」

新井「(鋭い眼差しだ。まるで10年前の岩瀬さんみたいだ。でも今の岩瀬さんには、決め球がない)」

新井「(そう、怖くないのはあなただ! 岩瀬さん!)」

岩瀬「食らえ!」ヒュッ

新井「なっ」ブン!

新井「(は、速い!)」

岩瀬「ワンストライクだ」パシッ

新井「(140後半、下手すると150を越えてる……こ、これが戦力外になった男の球か……?)」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 00:39:38.69 ID:P3mTpL6j0
新井「くっ」ブンッ

岩瀬「ツーストライクだ」パシッ

岩瀬「(次は、次はどこに投げればいいんだ)」

岩瀬「(くそっ。一人で投げるってことがこんなに恐ろしいだなんて!)」

岩瀬「(小田……)」

岩瀬「(ダメだ! 映姫監督がいってたのはこういうことだ!」

岩瀬「(一人で投げきることもできないのならマウンドに登ってはいけない。そんな男は、ストッパーじゃない!)」

岩瀬「新井。後がないな」

岩瀬「(一球、外すか)」

新井「…………」

岩瀬「シャッ」ヒュンッ

新井「ラァッ!」ファール

岩瀬「……」パシッ

新井「……」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 00:59:57.10 ID:P3mTpL6j0
岩瀬「ふぅー」

岩瀬「(やはり、四番を任された男なだけはある)」

岩瀬「(あれだけ泳いでおいて、外角低めからボールになるフォークをカットするなんて、そうそう出来ることじゃない)」

新井「来いっ!」

岩瀬「(どうする。インコースか? それともアウトコースか?)」

岩瀬「(くっ。なんだあの目は。まるで野球を始めたばかりの子供じゃないか!)」

岩瀬「(プレッシャーを感じているのは俺だけだ。あいつは、野球を楽しんでる!)」

岩瀬「ええいっ、ままよ!」ヒュガッ

岩瀬「(決まった! 外角低めのスライダー!)」

新井「ニィニッ!」ファール!

岩瀬「なん…だと…!?」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 01:06:25.53 ID:P3mTpL6j0
岩瀬「バカなっ!」

岩瀬「(今の球は完璧だった! 全盛期の福留だってカットできないはずだ!)」

新井「岩瀬さん。やっぱり、今のあなたは怖くない」

岩瀬「!」

新井「さぁ、続きをやりましょう」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 01:19:53.41 ID:P3mTpL6j0
ファール!

ファール!

ファール!

ファール!

岩瀬「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

新井「さすがですね、岩瀬さん」

岩瀬「(何がさすがだ! 外角低めギリギりの球をことごとくカットしておいて!)」

岩瀬「(それに、いやに構えがどっしりとしてきた)」

岩瀬「(タイミングが完全に合ってきてる。俺が打ってもヒットにならないコースへ投げ込んでいるだけで)」

新井「どうしたんです。来ないんですか?」

岩瀬「(ぐぅっ。どこへ投げ込んでも、カットされるような気がする!)」

岩瀬「(……一旦外そう)」

新井「休憩ですか。じゃあ、僕は素振りしてますね」ブンッッ!
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 01:33:11.33 ID:P3mTpL6j0
岩瀬「(恐ろしいスイングだ。風がここまで届いてくる。亡霊になって腰が治ったのか?)」

岩瀬「落ちつけ、俺」ガッガッ

岩瀬「(どうすればいい。どうすれば)」

新井「にいにっ!」ブンッッッ!

岩瀬「(……インコースしかない)」

岩瀬「(怖くないと言われるピッチャーは大抵の場合、インコースを攻められないピッチャーだ)」チラッ

岩瀬「(だがもし甘く入ったら? あのスイングだ。彼岸まで持っていかれる)」

岩瀬「(考えてみると、俺は榎本さんにも、テッドにも内角攻めをしていない)」

岩瀬「(していない、じゃない。できなかったんだ)」

岩瀬「(手が、震えている)」グッ

新井「岩瀬さん、いつまでそうやっているつもりです」

岩瀬「あぁ。タイムは終わりだ」

岩瀬「(脅えるな)」

岩瀬「(ボールの縫い目の感触が指先に伝わる。がっしりと構え、俺を睨む新井の視線を肌で感じる)」

岩瀬「(脅えるな)」

岩瀬「(俺は取り戻したんだ。絶対的な球を。死神の鎌をまたこの手に)」

岩瀬「ふぅーーーーーっ」

岩瀬「行くぞっ、新井!」

新井「おうっ!」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 01:48:55.62 ID:P3mTpL6j0
岩瀬「はっ!」ヒュンッ

新井「うぉお!」

岩瀬「(不味い! 内角に行きすぎた! あれじゃデッドボールだ!)」

新井「ぐっ!」ブンッ ドグォ!

岩瀬「新井!」

新井「完敗です……岩瀬さん」

岩瀬「大丈夫か!?」

新井「ききましたよ。ですが、俺はこれでもプロ野球選手です。この程度で、死にはしません」

岩瀬「確かに傷は無いようだが……お、おい! お前透けてきてるぞ!」

新井「……なんだか、火傷の痛みが戻ってきました。どうやら俺は戻れるようです」

岩瀬「そ、そうか!」

新井「岩瀬さん、これを」

岩瀬「おい。いいのか? このバットはお前の魂も同然じゃないか」

新井「せめてものお詫びです。あなたは怖いピッチャーだ。護摩行より、ききましたよ」

岩瀬「……なら、ありがたく受け取ろう」

新井「またやりましょう、岩瀬さん」

岩瀬「あぁ。またな」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2012/10/27(土) 02:02:37.54 ID:P3mTpL6j0
ちょっと休憩します
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/27(土) 02:11:53.38 ID:ASmkoKUQo
だいじっこ!
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2012/10/27(土) 02:14:30.09 ID:P3mTpL6j0
Very important stuff!
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 03:24:58.47 ID:P3mTpL6j0
では再開します


小町「やったじゃないか岩瀬!」

岩瀬「先輩……」

岩瀬「(見てたのか)」

小町「さあ、祝いの酒だ! 飲みねえ飲みねえ!」

岩瀬「いや先輩、仕事の方は」

小町「いいのいいの! 最近どうにも亡霊が多くてねぇ
   だからあたいがちょっとサボったところで数はあんまり変わらない。わかりゃしないよ」

岩瀬「だからといって」

小町「うるさいねぇ! 飲め! 話しはそれから聞くよ!」

岩瀬「グボェッ!」ゴクゴクゴク、ゲハッ

小町「あ〜あ〜勿体ない」

岩瀬「グハッ! うぇえっ」

小町「ん〜おいし」

岩瀬「ごほっ、ごほっ。勘弁して下さいよ……」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 03:30:32.88 ID:P3mTpL6j0
小町「で、」

岩瀬「?」

小町「すっきりしたかい?」

岩瀬「……はい」

小町「この際だ。全部吐き出しちまいな」

岩瀬「(あぁ、なんだか身体が熱いな)」

小町「言っておくけどね。あたいはあんたより余っ程長生きしてるんだ。恥ずかしがることはないよ」

小町「後輩のケアも先輩の仕事。いいサボりの口実だ。だから遠慮するない」

岩瀬「ふぅー」ゴクゴクゴク

小町「いい飲みっぷりだ。じゃ、あたいも失敬して」ゴクンゴクンゴクン

小町「ぷはー」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 04:01:30.07 ID:P3mTpL6j0
岩瀬「………………………………………………」

岩瀬「……後輩にお膳立てを頼み、失敗すれば尻拭いもさせる、介護の必要なピッチャー
   そんな俺にいつまでもてこずっているほど、プロ野球は甘くはなかった」

小町「うんうん」

小町「ありゃ岩瀬、あんたこの間の酒、飲まなかったのかい」

岩瀬「それでも、抑えられると思っていた。気にしていないと口では言っていても、8年連続30セーブという記録が俺の目を曇らせていたんだ」

岩瀬「いざというときは絶対に打たれないピッチャー、自分がそうだと俺は本気で信じていた」

小町「ふむふむ」グビグビ

岩瀬「そんなわけがないのに」

小町「いざというときには、なんとかなると思ってたわけだ」プハー

岩瀬「俺はマウンドの上で、バッターの、野球の本当の恐ろしさを忘れたんだ……」

小町「それを、思い出したのかい」

岩瀬「滅多打ちだった。すごいバッターだった。怖かったけれど、少しワクワクもした。あとで自分が榎本喜八に、テッド・ウィリアムズに勝負を
   挑んでいたと聞いて、すごく感動した。夢みたいだった。だからか、あの頃の夢をはっきりと思い出せたんだ。この間まで自分がそこに立っ
   て、投げていたということがどんなにすごいことだったかも」

小町「うむ」

岩瀬「広島式キャンプも敢行した。辛くても、耐えられた」

小町「そういやバカみたいに走ってたねぇ」ゴクゴクゴク

岩瀬「新井を三振にとることが出来た。凄いスイングだった。どこに投げても打たれる気がした。けれど、俺は打ちとった」

小町「うーい」

岩瀬「あの緊迫感。食うか食われるかの瀬戸際で投げるボールの感触。十円ハゲになってもあの瞬間のために、俺は野球を好きでいられたんだ」

小町「べらぼうめ」

岩瀬「聞いてますか、先輩」

小町「うるさい! 飲め! 飲め岩瀬!」

岩瀬「うわっ、ちょっ」グビグビグビグビ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/27(土) 04:09:34.11 ID:P3mTpL6j0
岩瀬「うげぇー、うげぇー」

小町「弱いねぇ……「星野」を持ってくればよかったか」

岩瀬「星野……オリンピック、2008……うっ、頭が」

小町「吐いちまえば楽になるのはゲロも一緒だよ。そら、三途の川に流しておやりな」

岩瀬「うぅ、俺は、臆病な男だ。タフな男じゃない。だからあの瞬間を味わえるんだ……タフな俺なんて、俺じゃないんだ」

小町「わかったわかった。さぁ、いってみよう」

岩瀬「うぇー」トシャトシャトシャ

小町「はいよくできました。じゃあ飲みなおそうか」

岩瀬「」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/27(土) 04:10:53.03 ID:P3mTpL6j0
ねむい。多分、また明日やります
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/10/27(土) 07:23:24.39 ID:rt7Aa91e0
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 08:01:59.86 ID:+SLbVh5DO
幻想郷でアルハラがどうのだとかは通用しないんだよねぇ。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/10/27(土) 08:28:52.09 ID:4sd/RfS30


幻想郷でも貫禄の4凡期待してます
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 10:19:00.43 ID:T/hmqwfT0
うちの父ちゃんは確か……プロより高校野球の方が好きだって言ってたな。真剣さが違うって。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 10:41:18.72 ID:3QOBNu1oo
>>56
そりゃ負けたら次が無い、プロや強豪の大学に入る気の有る奴からしたら将来の行き先が決まるかも知れない高校野球とお金を貰って野球することが仕事のプロ野球じゃ、真剣さも何も違うだろ
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/27(土) 16:55:13.36 ID:uXs+gpy3o
同じ競技とはいえ違う舞台なんだから同じ物差しで計るのは間違ってる
高校野球の一試合にかける真剣さが好きってだけなら分かるがプロと比較した時点でアホの極み
そしてスレチ
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/10/27(土) 20:11:31.95 ID:FwoVp2/5o
真剣さが違うのはトーナメントで一発勝負だからだろ
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2012/10/27(土) 20:41:02.09 ID:wGqGOcRm0
乙、レスありがとうございました。0時から1時ごろに再開します

高校野球「一瞬…!! だけど… 閃光のように…!!!」
プロ野球「ドラゴンボールがあるからでぇじょうぶだ」
大学野球「今、誰か俺を笑ったかぁ? 」

つまり高校野球が仮面ライダーWとしてプロ野球に参戦する可能性が微レ存……?
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/27(土) 20:57:19.70 ID:ASmkoKUQo
???「フハハ!やっぱり高校野球のスターこそが本物ですよ!」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2012/10/27(土) 21:31:46.31 ID:wGqGOcRm0
ボウカーの冷静なヒーローインタビューワロタw

斎藤はいつになったら手のひら返させてくれるんですかねぇ
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 00:45:04.19 ID:shz0+Lad0
では再開します



小町「岩瀬!」


大谷『俺、日ハムに入団します!』

栗山『おぉ! よく決心してくれた!』

大谷『やっぱり、夢でしたから。NPBでプレーするのが』

栗山『ありがとう……ありがとう……!』

岩瀬妻「あなた。朝から何をにやけてるの?」

岩瀬「いや、TVのニュースで大谷が日本ハムに入団すると聞いてな」

岩瀬妻「まぁ!」

岩瀬「そうだよな。NPBは、MLBに負けてないよな」

岩瀬妻「当り前じゃないですか」


小町「起きろ! 岩瀬!」

岩瀬「はっ」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 00:54:15.86 ID:shz0+Lad0
岩瀬「えっ? ここは……ベンチの中?」

小町「起きたら何か、妙な建物の中にいたんだよ」

小町「あんたが起きる前に、変なきぐるみが8つも走っていくし」

小町「あたいはまだ酔っぱらってるのかねぇ」

岩瀬「まさか!」

小町「お、おい岩瀬!」

ワァアアアアアッ!

岩瀬「ここは、ナゴヤ球場じゃないか!」

岩瀬「(マウンドの感触も本物だ。観客の怒号も、売り子の呼び声も)」

岩瀬「(一塁側は俺達だけだったのか……三塁側は)」

田口「ふっ、はっ!」ブンッ、ブンッ

大島「頼むぞ、田口」

田口「任せてください。打って見せますよ」

岩瀬「(オリックス、ブルーウェーブ……!?)」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 01:04:26.59 ID:shz0+Lad0
岩瀬「(守備についているのは、ドアラか。しかし一体これはどういうことなんだ……?)」

小町「急に出て行くな岩瀬!」

岩瀬「すいません」

小町「全く。しっかし、とっとと片付けないと四季様にどやされるねぇ、これは」

映姫「自覚があるのは、いいことね」

小町「ひぃっ!」

小町「すみません! すみません!」

岩瀬「か、監督」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 01:13:29.72 ID:shz0+Lad0
映姫「この、すたじあむとやらが三途の河原にいくつも建てられている」

映姫「小町、あなたは何をやっていたの?」

小町「岩瀬のメンタルケアをやっていたんですよ! なっ、な? 岩瀬」

岩瀬「は、はい」

映姫「本当でもあり、嘘でもある。素直に謝れば許してあげなくもなかったというのに」

小町「えっ」

映姫「そう。あなたはいい訳をつきすぎる」

映姫「本当は岩瀬を口実にして酒を飲んでいただけでしょう」

小町「すみません!」

映姫「私たちは生前の罪を裁く者。仕事をサボって酒を飲み、寝過ごしたことを恥とも思わぬ者では決してない」

映姫「私たちは自身に対しても、公明正大であらねばならない」

映姫「嘘をついてごまかすなど言語道断」

映姫「このままでは……小町、あなたを首にしないと示しがつかない」

映姫「岩瀬、あなたもです」

岩瀬「……はい」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 01:28:03.97 ID:shz0+Lad0
映姫「小町、あなたは博麗の巫女を迎え撃ちなさい」

小町「誰です? それ」

映姫「……」ピキッ

映姫「異変解決に乗り出した彼女は、あなたの手には負えない実力者」

小町「異変?」

映姫「……」ビキィッ

映姫「彼女に勝てたなら、首を取り消す」

小町「し、四季様?」

映姫「まだ何か?」ギロリ

小町「きゃん!」

映姫「岩瀬は小町の指示に従いなさい。おって沙汰を下します」

岩瀬「分かりました」

岩瀬「(あ、あの監督の目。使いものにならなくなったピッチャーでも見るかのような、冷たい目だ)」

岩瀬「(残酷な目だ…『かわいそうだけど、あしたの朝にはうどん修行の旅に出る運命なのね』という感じの!)」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 01:34:29.07 ID:shz0+Lad0
岩瀬「(あぁ、そうだ。首になるのなら妻に連絡を取らないと)」

岩瀬「(突然押し掛けても、な)」

岩瀬「監督」

映姫「何です」

岩瀬「家に連絡をとりたいのですが、電話を貸していただけませんか?」

映姫「……聞いていなかったのですか」

岩瀬「は?」

映姫「残念ですが、それはできません」

岩瀬「な、なぜです!」

映姫「……それでは頼みましたよ、小町」

小町「あいあいさー」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 01:47:14.98 ID:shz0+Lad0
小町「さて、大変なことになったねぇ。ありゃあ本気で怒ってたよ」

岩瀬「……先輩は、誰かと勝負をしにいくとのことでしたが」

小町「あぁ、まぁね」

岩瀬「俺も手伝いますよ」

小町「それには及ばない。岩瀬は連中の相手をしておいて」

――イチロー「遅いなぁ」

――仰木「まだ後楽園でやっとるんだろう」

岩瀬「先輩?」

小町「四季様は優しい方だよ。あたいみたいなのでも我慢して使ってくれてる」

小町「口ではああいっても、ここまで様子を身に来たのはあたいたちを心配してのことだ」

小町「だから岩瀬、お前はここで頑張りな。あたいも、向うで頑張るよ」

岩瀬「(……つまり俺じゃあ、足手まといだということか)」

岩瀬「(いやそれだけじゃない。先輩は俺のことを心配していってくれている)」

岩瀬「(情けない。だが、おそらく俺が足手まといになると言うのは本当の事だ)」

岩瀬「(先輩は俺の投球を見ていた。これはそれを見た上での、判断なのだ)」

岩瀬「……わかりました」

小町「じゃあ、いってくるよ」

岩瀬「ご武運を」

小町「岩瀬も」
70 :sage [sage]:2012/10/28(日) 01:50:35.58 ID:A/tOCsnFo
金本「……幻想郷?」
小久保「……幻想郷?」
石井「……幻想郷?」

オラ、わくわくしてきたぞ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 01:54:14.57 ID:shz0+Lad0
岩瀬「(いってしまった……)」

観客「まだドラゴンズはこないのかーー!」

仰木監督「ドアラも守備についていることだし、もう始めたらどうだ」

審判「し、しかし」

仰木監督「しかしも案山子もあるか!」

岩瀬「(さて、さっさと打ちとって先輩を追いかけたいところだが、)」

仰木監督「大体岩瀬がマウンドにあがっとるだろうが!」

田口「すまない。岩瀬、いいか?」

岩瀬「えぇ。俺は構いませんよ」

田口「ありがとう。審判!」

岩瀬「(そう簡単には、いかないだろうな)」ゾクゾクゥ
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 02:13:38.69 ID:shz0+Lad0
審判「プレイボール!」

岩瀬「(まずは少し甘めの外角でスイングを確かめるか)」

岩瀬「(少し肩を内にした構え、あれは誘いだろう)」

岩瀬「(ここはあえてその誘いに乗り、威力のあるストレートで見た目通り若返っているのかを見極める!)」

岩瀬「はっ」ヒュッ

田口「……」

審判「ストライッ」

岩瀬「(み、見逃した?)」パシッ

岩瀬「(態勢も崩さず、目でボールを追っておきながら……ハッ)」

岩瀬「(まさか球筋を見極めようと、最初から一球捨てるつもりでいたのか?)」チラッ
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 02:23:33.33 ID:shz0+Lad0
>>70
金本は広島球場で北別府と、小久保は福岡ドームで杉浦と、琢朗は横浜スタジアムで佐々木と対決中


岩瀬「くっ」

岩瀬「(普段の人懐っこい顔とは大違いだ!)」

岩瀬「(今度は開き気味に構え、左足でタイミングをとりながらインコースを待ってる)」

岩瀬「(ならお望み通り、内角低めだ! ただし、ボール球のな!)」

岩瀬「食らえっ」ヒュオン

田口「むっ」カキーン

岩瀬「なっ!」

岩瀬「(思い切り身体を開いて、狙い打ちしただとぉ!?)」

審判「ファール」

田口「うーん、おしかったなぁ」

岩瀬「(間違いない……この田口さんは、最盛期の田口さんだ!」

田口「次は、どうしようかな」

田口「そうだ。たまにはホームラン、狙ってみるか」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/10/28(日) 02:31:56.11 ID:CDFJDJ9w0
そろそろジャーマンも幻想郷に呼ばれる頃だな
昌さんは・・・あと10年は大丈夫か
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 02:32:43.96 ID:shz0+Lad0
岩瀬「(しらじらしい。そんな気は毛頭ないくせに)」

岩瀬「(だが、追い込んだ)」

岩瀬「(次で決める)」

岩瀬「(もういっちょ、内角低め。今度はストライクゾーンにスライダーだ!)」

審判「プレイ!」

岩瀬「……はぁっ!」ヒュガッ!

岩瀬「(また狙ってきた!?)」

田口「くっ、ぐぅ!」ブンッ!

審判「ストライッ! アウッ!」

岩瀬「よ、よしっ!」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 02:45:58.58 ID:shz0+Lad0
パ・リーグのジャーマンは輝いていたのに……山本昌はもう生涯現役でいいんじゃないかな


ウグイス嬢「二番、セカンド、大島」

岩瀬「(さて、また曲者だ)」

審判「プレイ!」

岩瀬「(右打席に入ったか。どうにも、スイッチヒッターってのはやりにくいな)」

岩瀬「(足は開き気味だが……大島さんは確かいつもこんな構えだったはず)」

岩瀬「ふぅー」

岩瀬「(力のあるバッターじゃない。ここはインハイにストレートで詰まらせる!)」

岩瀬「うぉおっ」ヒュオンッ

大島「ぐっ」ガキィ!

審判「ファール!」

岩瀬「(今の球をカットしてくるか……)」パシッ
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 02:54:42.92 ID:shz0+Lad0
審判「ボールッ!」

審判「ボールッ!」

審判「ファール!」

審判「ボールッ!」

審判「ファール!」

D・J「ツースリー! ツースリー!」

大島「まったく……セ・リーグにはこんなピッチャーがいたのか」

岩瀬「うぅっ」

岩瀬「(選球眼が良すぎる!)」

岩瀬「(あの構え、あれが滅多に崩れないからか……?)」

岩瀬「(それにしたってツーストライクからボール球になる変化球をことごとく見逃すだなんて!)」

大島「ふぅーーーっ」

岩瀬「(くっ。できればネクストのイチローに見せたくはなかったが)」

大島「来い」

岩瀬「(スライダーしかない!」

審判「プレイッ!」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 03:02:34.73 ID:shz0+Lad0
大島「うぉっ」ブンッ!

審判「ストライッ バッターアウッッ!!」

岩瀬「よし」

大島「ふっ」ニヤリ

大島「頼んだぞ、イチロー」

イチロー「えぇ。後は任せてください」

岩瀬「(……やられた! 大島さんは初めからこのつもりで!)」

岩瀬「(あのしてやったりな笑み、三振したというのにあくまでも堂々とした足取り)」

岩瀬「(田口さんの打席を見て自分では打てないとすぐに見切りをつけ、次に繋げようと粘りに粘ることで
    イチローに俺の球筋を見せていたんだ!)」

ウグイス嬢「三番、ライト、イチロー」

観客「ワァアアアアアアッ!」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 03:17:12.04 ID:shz0+Lad0
審判「プレイィッ!」

岩瀬「(……この男に小細工は通用しない。ストライクゾーンならどこでも三割五分以上打ってくる)」

岩瀬「(イチローが、照準を合わせるように立てたバットを睨み、その先の俺を薄目で睨み据える)」

岩瀬「(かかってこい。そういうことか)」

岩瀬「まったく」

岩瀬「(怖いなぁ。怖い)」

岩瀬「(細い身体だ。あのゆったりとしたフォームも見ようによっては貧弱。しかし、全く隙がない)」

岩瀬「(ふっ。遊び球なんて投げている余裕はないか)」

岩瀬「行くぞっ」

岩瀬「(俺のスライダーを二度見ただけで打てるなら打ってみろ!)」

イチロー「…………」

岩瀬「うぉおおっぉおお!」ヒュガッッッッ!

観客A「デ、デッドボールだ!」

観客B「危ない!」

イチロー「フッ!」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 03:30:28.21 ID:shz0+Lad0
カキーン!

岩瀬「(最高の、ボールだった)」

観客A「す、すげえええ!」

観客B「うぉおお! イチロー!」

岩瀬「(イチローの身体に当たる直前、確かにボールは真横に滑った
    それを見越していたように、イチローは恐れなく踏み込んでいった)」

観客「イ・チ・ロー! イ・チ・ロー!」

観客C「2アウト三塁なら、一点もらったも同然だな!」

観客D「いいや、ニールのホームランで二点だ!」

岩瀬「(まるで俺以上のスライダーを見たことがあるみたいに……そうか! リベラか! 158キロのカットボール!)」

岩瀬「くそっ」

岩瀬「(悔しいが、切り替えよう。次は四番だ)」




仰木監督inコーチャーズボックス「で、どうだった」ボソッボソッ

イチロー「凄い球でした……あれ程となると、メジャーでも滅多にお目にかかれませんよ」ボソッボソッ
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 03:44:43.12 ID:shz0+Lad0
岩瀬「ハッ」ヒュンッッ

ニール「オォッ!」ブンッッッ

審判「ストライァッ!」

岩瀬「うっ」パシュッ

岩瀬「(猛烈な風が頬を切り裂いていった。唇に、血が流れ落ちてくる)」

岩瀬「(凄まじい空振りの余波だ)」

岩瀬「(これは松井並みかそれ以上のスイングだな……」パシッ

ネクストのD・J「2ストライク! 見逃さず、しっかり振っていけ!」

岩瀬「(だが、選球眼がよくない。丁寧に投げ込めば打ちとれる相手だ)」


仰木監督「あかん。こりゃダメだ。イチロー、ホームスチール狙えそうか?」ボソッ

イチロー「いや、無理です。隙がありません」ボソッ
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 03:59:02.89 ID:shz0+Lad0
審判「ストライッ! バッターアウトォゥッ! チェンジッ!」

岩瀬「ふぅー」

岩瀬「(なんとか、抑えられたか)」

ウグイス嬢「中日ドラゴンズの野手が到着していないため、引き続き、オリックス・ブルーウェーブの攻撃です」

岩瀬「おいおい……」

観客「ウォオオオオッ!」

ウグイス嬢「5番、ファースト、D・J」

岩瀬「(これじゃあ、先輩を追いかけるどころじゃないな……)」

D・J「ヘイヘイ! 来い! 岩瀬とやら!」

岩瀬「(諦めて試合に集中するか? いやしかし、)」




謎のスクリューロマン「ピリッとしないな、満太郎」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 04:09:46.43 ID:shz0+Lad0
謎のスクリューロマン「審判、タイムだ!」

審判「タイム!」

謎のスクリューロマン「ふふっ、やっぱりここはいい。本当にいい球場だ」

岩瀬「ま、マサさん!? どうしてここに?!」

山本昌「……終わったのさ。バカな俺たちにもわかるぐらい、はっきりとな」

岩瀬「えっ?」

山本昌「まぁ、それはいずれわかる。それと、救援に来たのは俺だけじゃないぞ」

小笠原「遅くなって悪かったな」
浅尾「すいません岩瀬さん。少し、中島を打ち取るのに手間取りました」
野口「長嶋さんといい、王さんといい、ことごとく俺のスライダーを打ちやがる」
川上「問題はキレよ」
山井「残りの投手と野手連中も、もうちょっとしたらきます」
田島「すごかったすよ。稲尾さんと落合監督の勝負」

岩瀬「……みんな!」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 04:23:48.12 ID:shz0+Lad0
サムソン・リー「イワセ、後は俺たちに任せろ」

ギャラード「ゴー、岩瀬」

岩瀬「いや、俺は」

山本昌「あのお嬢さんのところへ、行きたいんだろう?」

岩瀬「な、なんで」

――D・J「おい! いつまでタイムをとってる!」

――小川「まぁまぁ落ちつけ」

山本昌「後楽園からちょっと歩いたところで、巫女服の少女と凄い空中戦をやってたぞ」

岩瀬「……先輩」

山本昌「それを遠くから眺めていた偉そうなちびっこがな、花占いをしながら呟いてたのさ」

山本昌「『小町の補佐を任じたというのに岩瀬は何をやっているのですっ』ってな」

山本昌「歯ぎしりしながら、えらく心配そうにだ」

山井「このサングラスでばっちりと捉えました。間違いありません」

岩瀬「監督……」

森繁「こっちは心配するな。俺も投げる」

山本昌「というわけだ。ほら、もってけ」ヒュッ

岩瀬「これは」パシッ

山本昌「ラビットボールだ。そっちの方が、統一級よりお前の手になじむだろう」

山本昌「抑えてこい」

岩瀬「マサさん……」



岩瀬「みんな、ありがとう! 行ってきます!」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/10/28(日) 04:25:52.42 ID:shz0+Lad0
今日はここで中断します。明日できるかどうかは分かりませんが、次でなんとか最後までやるつもりです
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/28(日) 08:39:33.08 ID:b6HBAhUDO
乙!
野球ってのは只でさえ時間が掛かるもんなんだから、そんなに急かして
やるのは酷ってもんですよ映姫様(花占いとか可愛らしいなオイ)。

後、生きてる人達は生き霊かなんか?それともゆかりんのご招待?

そして霊夢さんとはどういう事になるのか?

次回も待ってます!
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/10/28(日) 09:12:46.83 ID:CDFJDJ9w0



この頃のBWなら伊藤智仁のスライダーなんかも岩瀬に匹敵するもの投げてたなあ
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/28(日) 10:25:48.11 ID:0V70rPlQ0
岩瀬「(凄まじい空振りの余波だ)」  ←実際こんな事あったの?ww
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/28(日) 12:39:58.06 ID:KevcgaWLo
そらそうよ
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/28(日) 18:18:07.40 ID:jgFyD3Ex0
合いの手、乙、レスありがとうございました
ちょっと今日はBOWちゃんのせいで二日酔いなので多分明後日やります

>>86
3時間半ルールで短くなった気がしましたが、よく考えると3時間半って長いですねww
ありがとうございます。次は小町と霊夢の弾幕勝負から始めます。

>>87
そういやあの頃でしたっけ。古田と野村監督が最高のスライダーって褒めてたり、もはや伝説ですよねぇ
出来れば生で見てみたかった


おいおい澤村、またデッドボールか





91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/28(日) 18:22:25.93 ID:jgFyD3Ex0
>>88
ハトをボールで爆[ピーーー]るピッチャーがいるなら、スイングでカマイタチを起こす助っ人外人がいてもいい
自由とは、そういうことだ

>>89
そらそうよ
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/10/28(日) 21:12:57.44 ID:5mFeDpA0o
岩瀬って何のキャラだよって思ったら岩瀬だった
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/28(日) 22:50:22.85 ID:DlOIpHnko
万が一岩瀬だったらと思ってスレ開いたら本当に岩瀬だった
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/28(日) 23:10:53.25 ID:b6HBAhUDO
BOW……バイオですか?
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/10/28(日) 23:24:36.83 ID:+Cd7C53Yo
岩瀬だと思ってスレ開いたら岩瀬で安心した
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/10/28(日) 23:25:26.71 ID:/1Nqo2++o
>>94
巨人のボウカー
BOW!BOW!BOW!         BOW!BOW!BOW!      BOW!           BOW!  BOW!
BOW!     BOW!      BOW!       BOW!    BOW!          BOW!  .BOW!
BOW!      BOW!    BOW!         BOW!    BOW!   BOW!   BOW!   BOW!
BOW!      BOW!    BOW!         BOW!    BOW!   BOW!   BOW!   BOW!
BOW!     BOW!     BOW!         BOW!    BOW!  BOW!   BOW!    BOW!
BOW!BOW!BOW!  .     BOW!         BOW!    BOW!  BOW!   BOW!   .BOW!
BOW!     BOW!     BOW!         BOW!     BOW!  BOW!  BOW!    BOW!
BOW!      BOW!    BOW!         BOW!     BOW!  BOW!  BOW!    BOW!
BOW!      BOW!    BOW!         BOW!     BOW! BOW!  BOW!
BOW!     BOW!       BOW!      BOW!       BOW! BOW! BOW!     BOW!
BOW!BOW!BOW!         BOW!BOW!BOW!           BOW! BOW!       BOW!
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/10/29(月) 00:20:19.45 ID:W/NA5cln0
あーげないwwwwwwww
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 13:06:05.98 ID:XSIjh95m0
>>91
本当に何故あのハトは自分から突っ込んで来たのか……
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/29(月) 21:14:19.25 ID:1IjN1n3N0
こんばんは、>>1です。レスありがとうございます

今日の夜中にやるつもりだったのですがPCが不調なのでちと延期します
(ウイルス13件引っ掛かった上に今年買ったばかりのマウス壊れたンゴwwwwww
今週の木曜までにはなんとかするつもりです

さすが岩瀬だなんともないぜ!

昨日のBOWちゃんがいつも通りで安心した(コナミ)

>>94
その発想はなかった

>>98
他にもああいうケースがあるみたいですし、白いものに向かっていく習性でもあるんですかねぇ
せめて星の王子様のボールなら助かったかもしれないのに……
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/10/29(月) 22:14:57.46 ID:W/NA5cln0
ウイルス13件・・・13・・・


ハッ・・・岩瀬の背番号!
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/29(月) 22:16:36.40 ID:dHbAX5IAo
向こうで尊師への殺害予告が急増してたのはこのウイルスのせいか(納得)
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 22:18:25.47 ID:XXAz679Mo
遠隔操作ウイルスはもう流れてないんだよなあ…
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/10/30(火) 02:00:47.38 ID:XPuHbAsb0
本編も面白いけど、>>73 の他球場の結果も気になるなw

<金本は広島球場で北別府と、小久保は福岡ドームで杉浦と、琢朗は横浜スタジアムで佐々木と対決中

対戦カードはこんな感じか。こんな試合なら見てみたいwww
・広島球場    阪神(2012?)     vs 広島(old)
・福岡ドーム   ソフトバンク(2012?) vs 南海ホークス(old)
・横浜スタジアム 広島(2012?) vs 横浜(old)
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/30(火) 10:26:59.71 ID:SjZLqz1T0
まさに夢の試合ってやつか
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/30(火) 23:44:49.08 ID:j8vRuJjqo
札幌ドームに現れなかったカッスもどこかで北の侍と戦っている・・・!?
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/31(水) 18:31:28.66 ID:eqm2hl8b0
こんばんは>>1です。なんとか治りました。サンキューjoshin。これからはLogicoolに切り替えていく
今日再開します

>>100
おかげで縁起が悪いのかいいのかわかりませんww

>>101
>>102
これもうわかんねえな

>>103
>>104
メモだけですが、やるとしたら概要はこんな感じ

・(石井琢朗の代わりに山下大輔がショートに入ってる)マシンガン打線全盛時の横浜(斎藤隆先発)VS今シーズンの広島(マエケン先発)
スコアは2−1
(一回、立ち上がりのフォアボールで出したランナー。ロバート・ローズの2ラン。
8回表、迎がフォアボールで出て、廣瀬がバント失敗、倉がバント成功。マエケンに代打前田。タイムリーを放つ)。
8回裏は今村がなんとか抑えた。
9回表、大魔神登場。もうダメだぁおしまいだぁと静まりかえる広島球場。そしてあっさりツーアウト。
しかし石原奇跡のツーベース。これには野村監督も苦笑い
ここへ代打石井琢朗。大歓声の中、フォークで空振り三振。ゲームセット。漢泣きする琢朗を余所に大喜びする大正義ベイスターズ

・アナウンサーに試合への意気込みを問われ達川⇒井川を打ち崩すのは難しい、なんせ現代野球で20勝した男だからとコメント。ピコーン
リーグ優勝時の阪神と広島黄金期メンバーの対決。井川先発、北別府先発。初回、金本が北別府からソロホームランを放つ
しかし井川がピリッとせず、4回までに山本浩二の満塁ホームランなどで7点を取られる。タッツ猛打賞。
ジェフと藤川が頑張ったのでなんとかそれ以降は0点に。
一方畜生北別府は立ち上がり以外完璧で、ほとんどコントロールミスもなしに打線を抑え込む。結局阪神の得点は金本のソロホームランのみ
そして途中から霧が出てきて7回コールド。
「な」

・100打点カルテット時のダイエーと1959年優勝時(杉浦による巨人四タテ)の南海の対決。斎藤先発、杉浦先発
9回裏2アウト、9番鳥越に代打、このとき怪我でいなかったはずの小久保
(スコアは0−3で南海リード)
小久保、ノムさんにささやき戦術(「よう、キャプテン。巨人はもうこりごりか」「勘弁して下さいよノムさん」「次、ストレート行くぞ」ボソッ)
をくらいながら、杉浦からどん詰まりの中前打を放つ。このヒットをきっかけに怒涛の6連打。杉浦を攻略し、同点。延長にもつれ込む
鶴岡監督が交代を告げかけるも、杉浦が続投志願。バルデスを三球三振にきってとる
しかし杉浦、斎藤ともにそれから一点も許さず、引き分けに終わる
試合終了後、ノムさんは鶴岡監督に小久保への配球の件でぶんなぐられ、一足先に彼岸へ

>>105
ガッツは…ガッツはまだ終わっちゃいない…!
なお現在は幸運の置物の模様。かなC


中村先発…だと…!?
阿部はやっぱり怪我ひどいのか……
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/31(水) 18:49:18.02 ID:eqm2hl8b0
ガッツ……二周り目に期待

小久保の解説面白いわ
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2012/10/31(水) 22:02:23.83 ID:E5glyDSl0
>>1は兎ファン?
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/31(水) 23:00:35.70 ID:9uDvuMH20
まさかの飯山wwwwwwwwww
これで2−2か。盛り上がってきたなぁ
ちな檻

そろそろ再開します。フォーエバーガッツ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/31(水) 23:55:50.02 ID:9uDvuMH20
盗塁亡霊A「ララーラァララァ」ダダダダダッ

盗塁亡霊B「ラーラララ……」ダダダダダッ

霊夢「粘るわね死神」ヒュヒュヒュヒュヒュバッ

小町「(こりゃ不味い。本格的に逃げ場がなくなってきたねぇ)」チャリンッッッ

小町「(多重円状のお札弾幕、妙ちくりんにうねるそれの後からは、たくさんの陰陽玉が不規則な軌道を描いて飛来する)」

小町「よっ、はっ!」

小町「(これだけなら、なんとかなる。冷静になれば穴のない弾幕なんて存在しないからね)」

盗塁妖精C「ララーラァララァラーラララ……」ダダダダダッ

小町「(しかし、あの亡霊・妖精どもが厄介極まりない!)」

小町「(岩瀬と同じような服装、空を飛ぶと言うより宙を踏みしめ、目にもとまらぬスピードで走る男たち)」

小町「(下手すると天狗よりはやい。あんなもの、あたいには連鎖的に爆破することはできない)」

小町「(だっていうのに、あの巫女はよくもまぁ……)」

霊夢「ハッ!」ヒュバッ

盗塁妖精C「カケェヌゥケローォオ!」ズドーン!

盗塁亡霊A、B「ホームマデ!」ダダダダッ

盗塁亡霊C「ララーラァララァラーラララ」ダダダダッ

小町「(そして「あの幽霊」の一部である妖精を倒したことで、亡霊が発生する。増える一方のこいつらを死神のあたいが
    活性化させてしまうせいか、やたらと勢いよく飛び込んでくるわくるわ。まったくとんだセクハラだよ!)」

霊夢「――――霊符「陰陽印」」ヒュババババババババッ ヒュバッッッ

小町「くぅ」チャリンッッッ! チャリンッッッッ!

盗塁亡霊A、B、C「カケェヌゥケローホームマデ!」ダダダダッ
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/01(木) 00:20:15.71 ID:TlYyfIpk0
小町「(これは、避けきれない!)」

小町「(風が頬を撫でる。飛び込んできた亡霊どもの靴裏の刃物が鈍く光っている。
    あたいはそこへスピードを上げて突っ込んだ)」ヒュンッ

小町「(鎌を振って首を狩り、亡霊の顔面を蹴った。前へ飛ぶ。少しの力が漲って来る。しかしまだ、足りない)」

小町「このぉっ!」

小町「(押し寄せてくる弾幕に身を捩った)」

小町「(綺麗な風きり音が辺り一帯を埋め尽くす。遠く、歓声が聞こえた。あたいは口元に笑みを浮かべ、突撃する)」

小町「(多すぎる弾幕を無視して目前のそれに集中。お札に向けて、思いっきり銭をぶん投げた)」チャリンッッッッ!!

小町「なめんじゃ、ないよ!」

小町「(力が、足りない)」

小町「(続けて飛んできたバカでかい陰陽玉の隙間を縫うように三匹の妖精が宙を走る)」

小町「うわっ」ザシュッ

小町「(弧を描いて反転。妖精の靴裏が肩をかすめた。痛みに歯を食いしばり、構わず直進する)」

霊夢「終わりね」

小町「(あぁ、ダメだね、こりゃ)」

小町「(こっちへ向かってくる陰陽玉の動きが、やけにゆっくりして見えた)」

小町「(軌道を変えて、わざわざこっちに来なくてもいいだろうに)」

小町「クビは、いやだねぇ」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 00:35:13.62 ID:TlYyfIpk0
ttp://www.youtube.com/watch?v=z_aC5xPQ2f4

霊夢「何よこの音楽」

小町「な、これはっ!?」ピチューン

小町「うわぁーっ」

謎の死神「ピッチャーの交代をお知らせします!」ヒューッ

小町「わっ」ポスッ

小町「えっ、ここは……さっきのあの変な建物と同じ……?」

謎の死神「先輩、大丈夫ですか」

小町「岩瀬!? なんだってここに来たんだいっ!」

岩瀬「救援に来たんですよ」

小町「ダメだ! お前の敵う相手じゃない!」

              大 一 番
岩瀬「……先輩、俺はこれでも日本シリーズじゃ、負けたことはないんですよ」

小町「何をいって」

岩瀬「先輩はベンチで休んでいてください」ビュゥッ

小町「ま、待て岩瀬っ!」

小町「あんのバカっ!」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 00:50:31.59 ID:TlYyfIpk0
岩瀬「(ここは……ナゴヤドーム、ナゴヤドームなのか?)」

ドアラ(?)「おま…たせ…」

岩瀬「(あぁ、そうか)」

岩瀬「(ホームベースの上で、ドアラが手を振っている。他には、不自然なくらい誰もいない)」

岩瀬「(中の人は、お前なんだな? ナゴヤドームよ)」

岩瀬「(お前は今もまだ、俺を認めてくれるというのか)」

岩瀬「ふぅ」

岩瀬「(……これが最後だ。これが、果たせなかった俺の引退試合)」

小町「ま、待て岩瀬!」

岩瀬「(空へ、俺のマウンドへ)」

岩瀬「(統一級の数を確認。13球。その他ベルトに差したバットとグローブ、武器はこれだけだ)」

岩瀬「(先輩みたいにやるには足りないかもしれないが、野球をやるには十分に過ぎる)」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 00:55:09.54 ID:TlYyfIpk0
岩瀬「待たせたな」

霊夢「いいえ。で、あんた誰よ? 人間……それとも死神?」

岩瀬「ストッパー、岩瀬仁紀」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/01(木) 01:02:10.76 ID:TlYyfIpk0
ちょっと酔いが回ってきたので休憩します
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 01:19:21.36 ID:yLpXiWT70
如何な勝負が繰り広げられるのか……!
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/01(木) 02:04:38.61 ID:TlYyfIpk0
すいません。眠気が押し寄せてきたので外で素振りしてきます。再開まで少々お待ち下さい
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 03:00:02.58 ID:TlYyfIpk0
では再開します


霊夢「そう、よくわからないけど、まぁいいわ」

岩瀬「勝負を、受けてくれるのか」

霊夢「ええ」

岩瀬「ありがたい……では、いくぞ!」

霊夢「ご随意に」

霊夢「(おそらくこの男もぷろやきゅう選手。弾幕に慣れてはないはず)」

霊夢「(右足を上げ、身体を開いた。流れるようなその動作)」

霊夢「(間違いない。この男も、「弾幕」を張ることはできない)」

霊夢「フッ」ヒュバババッ

岩瀬「んなっ!」

霊夢「(でも妙な予感がする。油断をするなと私の勘が囁いてる)」

霊夢「(投擲した札たちと衝突する直前、ボールが直角に曲がり、かすめた弾幕を切り裂いていった)」

霊夢「(霊力どころか魔力も何もこめられていない癖に随分な切れ味ね)」

霊夢「けど、それ以上は許さない」ヒュババババッ

岩瀬「なっ!?」

盗塁妖精A「ララーラァララァラーラララ」

霊夢「来たわね」

霊夢「(こいつらから霊力を吸収し、一気にかたをつける!)」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 03:16:16.64 ID:TlYyfIpk0
岩瀬「(渾身のスライダーだった)」

岩瀬「(札を切り裂き、真っ直ぐに少女の元へ進んでいくその様は、イチローへ投げ込んだボールと何の遜色もない)」

岩瀬「(しかし、少女はそれを札ではじき返してみせた。ボールから目を切りながら、なんでもないことのように)」パシッ

盗塁妖精A「ララーラァララァラーラララ」

霊夢「来たわね」

岩瀬「あれは……ロッテ荻野?!」

岩瀬「(いや、違う)」

岩瀬「(閃光のように、荻野(?)が空を走っていく。瞬きの間に奴は少女に向かってスライディングをかましていた)」

岩瀬「(感じる。あれは荻野とは違うものだ。少女の何かを狙う、人間とは別の何かだ。
    あれは単に荻野の姿をとっているにすぎない。いうなればグラウンドの妖精。
    松山の悲劇を引き起こした悪魔のような、不可思議な存在だ)」

霊夢「ふぅ……」ヒュババババババッ

岩瀬「何のつもりだ?」

岩瀬「(なぜだかこちらへはやってこない妖精、彼女はそれを狙い撃ちしていた)」

岩瀬「(塁線上の荻野と見まがうばかりのスピードでかける妖精が次々と撃ち落とされていく。まるで花火か西部劇)」

岩瀬「(だが、隙だらけだ。ろくに構えも取らず、狙い球を絞るわけでもない)」

岩瀬「俺を、舐めるな!」ヒュガッッッッ!!
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 03:28:20.25 ID:TlYyfIpk0
霊夢「邪魔よ」ヒュバッ

岩瀬「くっ」パシッ

岩瀬「(み、見切られている!? いや違う!」

岩瀬「(ホームベースから二塁までの間を、彼女は縦横矛盾に飛びまわる。
    蜘蛛の巣のように張られた閃光の網を潜り抜けては撃ち落とし、
    その上視覚の外からやってきた球をもたやすく打ってみせる)」

岩瀬「(勘だ。彼女はただ来た球を打っているだけなんだ! あの長嶋茂雄がやっていたように!)」

岩瀬「(認識を改めなければならない! この少女は、天才だ!)」

岩瀬「(かといって、どうする。スライダーが通用しないとなると……)」

岩瀬「(突然、音が止んだ。少女が手を振り上げ、涼やかに何かを告げる)」

霊夢「――――霊符「博麗幻影」」

岩瀬「!」ゾクッ

岩瀬「(決め球が、くるっ!)」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 03:46:33.27 ID:TlYyfIpk0
岩瀬「(13のボールをかき集め、臨戦態勢に入る)」

岩瀬「(そしてセンター上空に現れたのはもう一人の少女、彼女が号令をかけると凄まじいお札の群れが空に放たれた)」

岩瀬「ど、どうすりゃいいんだ!」

岩瀬「(外野の空間全てを埋め尽くすように見える弾幕、そこに隙間があるようには思えない)」

岩瀬「(それでも、逃げるしかないじゃないか!)」

岩瀬「くっそぉおお!」

岩瀬「(ひとまず、観客席に避難だ!)」

岩瀬「(後頭部にちりっと熱が走る。お札が、追いかけてきている。気にせず、そのまま観客席にもぐりこんだ)」

岩瀬「(あんなもの、かわせるわけがない! くそっ、どうすればいい、どうすれば!」ズドーン!

岩瀬「ぐぉっ!?」ヒューン

岩瀬「(な、何が起こった!)」

岩瀬「(芝生の感触に、自分がライトへ落ちたことを認識。上を見上げると、観客席が粉微塵に砕けていた)」

岩瀬「(バカな、ホーミング変化球だと!? そんな非常識な!)」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 04:02:46.20 ID:TlYyfIpk0
岩瀬「(投手としてもバッターとしても超一流、まるで勝さんがパワプロで作った選手みたいだな……)」

岩瀬「(眼前に広がるあまりの弾幕に、そんな逃避じみた思考がよぎる)」

小町「何をぼさっとしているんだい!」

岩瀬「!」

小町「穴のない弾幕なんてない! きちんと見定めれば、道は開けているんだよ!」

岩瀬「ありがとうございます!」

岩瀬「(そうだ。冷静になれ。今の俺は、今だけは、ストッパーなんだ!)」

岩瀬「(ふと見るともう一人の少女は消え、彼女は再び荻野虐殺作業に戻っていた。
    つまり、弾幕はこれ以上増えはしない)」

岩瀬「(よく見て、投げるんだ)」

岩瀬「(円状の弾幕には少しの隙間がある。
    その後ろには巨大な、外野フェンスより少し小さい黒白のボールがひしめき合っている)」

岩瀬「(リリーフカーをイメージ。空へ舞い上がり、再びマウンドに足をつける。
    ボールを握り、縫い目の熱さに身震いする。さっき弾き返されたときにこもった熱だ)」

岩瀬「(投擲。札と札の間に身体を突っ込み、その先の黒白へとストレートを叩きこむ)」ヒュッッ

岩瀬「(命中。ワンアウト。返ってきたボールは縫い目がほつれてしまったが、撃破には成功)」

岩瀬「(これなら、打ちとれる)」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 04:09:44.59 ID:TlYyfIpk0
岩瀬「うぉおおっ」ヒュガッッッ ヒュガッッッ ヒュガッッッ

岩瀬「(円状の札弾幕を潜り抜け、何度も何度もボールを投げる)」

岩瀬「(真っ二つになって弾け飛ぶ大玉は、なぜか神聖なもののように見えた)」

岩瀬「(高速で変化の幅が全く落ちない、夢のようなナックルだからだろうか)」

岩瀬「(そんな下らないことを考えられるほど状況は落ち着きを見せ始めていた)」

岩瀬「(ボールは6球が使いものにならなくなったが、向うの弾幕も大分目減りしている)」

岩瀬「(もう放っておいてもいいだろう)」

岩瀬「次は、俺の番だ!」

霊夢「いいえ。私のターンよ。ずっと、ずっとね」

岩瀬「んなっ」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 04:19:24.90 ID:TlYyfIpk0
岩瀬「(大玉が、乱れ飛ぶ)」

岩瀬「(上空から隕石のように降り注ぐナックルの群れに、俺はたまらず高度を上げる)」

岩瀬「(俺が大玉を警戒するとみるやこの対応。やはりただモノではない。
    確かに俺があんなものを食らえば一撃で終わってしまうだろう。あれはそんなボールだ)」

小町「危ない、岩瀬!」

岩瀬「はっ!」ヒュオンッ

岩瀬「(あ、危なかった)」

岩瀬「(避けたはずの大玉が、帽子をかすめ過ぎていった。なぜだか、冷や汗が止まらない。得体のしれない悪寒がする。
    まるでもう勝ち目のない試合を、ただ耐えているような……)」

岩瀬「(振り返ると大玉は内外野のフェンスでバウンドし、偶然こちらへ向かってきたようだった。
    なんだ秘打美しき青きブルーウェーブもどきかと安堵の息を吐く)」

岩瀬「(だがそれが間違いだと、少女は速やかに宣言した)」

霊夢「霊符「博麗幻影」」

岩瀬「またか!」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/01(木) 04:31:33.77 ID:TlYyfIpk0
眠い。キリが悪いですがここで中断します。最後までやるどころか戦闘が終わらなかったンゴ……

126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 07:50:38.19 ID:giojJS5IO

面白い
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 09:20:34.86 ID:O9HaZPkSO
岩瀬かと思って開いたら岩瀬だった。な、何を言ってるか
ゲンソーキョーは全く知らないけど何度も笑った
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 09:59:26.64 ID:hFVnSecDO

霊夢相手に挫けない岩瀬さんは凄いな。
恐らく霊力で強化されているだろう札を裂いてる時点で十分凄いけど。

盗塁妖精は、東方のいつものあいつらが
コスプレしてるんだと思ったら可愛かった。
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2012/11/01(木) 10:08:33.23 ID:AGZEecKqo
荻野「ハルデスヨー」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 11:08:34.97 ID:4XfQsPWS0

って霊夢さん!もっと威力抑えて!もし当たったりでもしたら岩瀬さん死んじゃう!
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/01(木) 18:13:51.52 ID:13MXAnsI0
こんばんは>>1です。乙、レスありがとうございました
次の更新は今週日曜あたりを予定しています

>>116
お待たせして申し訳ありませんでした

>>126
>>127
ありがとうございます

>>128
そうですね。やっぱり伊達に何年もストッパーをやっていません
ぶっちゃけ小町がいなければあの時点でやられていましたが

でもあれ、顔も身体も荻野なんだ……改めて考えるとむさすぎるわ
だから一匹ぐらいコスプレしたいつもの妖精が混ざっていてもいいよね!(懇願)

>>129
福留「ずっと、春だったらいいのに……」

>>139
幻想卿の住人なら当たってもちょっと痛かったり意識が飛ぶくらいでまず死にはしないと思いますよ(ゲス顔)
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 10:54:35.93 ID:YlJJEj+M0
対戦方式は【花】に近い感じ?
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 12:02:46.62 ID:BxaflKkIO
やべえよ…やべえよ…

中日 岩瀬ら4選手に“引退意識調査” 球団代表「こちらは遠慮はしない」
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/11/02/kiji/K20121102004464870.html
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/02(金) 14:35:32.59 ID:JJzHkyIT0
>>132
はい。ストーリーの方も基本は花映塚です

>>133
なんてことだ…なんてことだ…
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 16:39:45.73 ID:/5Htlyfx0
ボスラッシュだからか、東方の中では花が一番頑張れるんだよな
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/02(金) 18:09:48.52 ID:JJzHkyIT0
ふむ、そうなんですか。花は対戦型だから少し特殊だって話しは聞きましたが、やっぱそこら辺ちょっと違うんですね
俺、日本シリーズが終わったら紅魔郷か文花帖買いにいくんだ……

多分今日やります
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/02(金) 21:56:36.07 ID:QBP1TZVf0
邪魔崎さんが現役続行を表明してしまった・・・
なんで英智が戦力外通告でジャーマンが現役続行なんだ
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/03(土) 01:13:50.60 ID:vLvFe3VO0
>>137
ジャーマン、今年全然打ててませんしねぇ……英智は、守備固めとしてやるにはやっぱりもうきつかったのかもしれません
さびC

じゃ、そろそろ再開します
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/03(土) 01:24:22.13 ID:73k10gWgo
あくしろよ(せっかち)
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/03(土) 01:31:39.46 ID:vLvFe3VO0
岩瀬「(進むしか、ない!)」

岩瀬「(ガッ、ガッと大玉がぶつかり合い、空中イレギュラーを繰り返している。
    それを包み込むように、円状の札が群れをなして耳に痛い風きり音を発し、落ちてくる。こちらへ、一斉に)」

岩瀬「(その全てが140キロ以上。加えて下面はイレギュラーの網の巣だ。戻ったところでどうしようもない)」

岩瀬「ふぅー、行くぞ!」

霊夢「来なさい」

岩瀬「シィッッ!」ヒュガッッッ ヒュガッッッ ヒュガッッッ

岩瀬「(三球のスライダーが切り開いたスペースへ、一息に突っ込んだ)」

岩瀬「(獰猛な風が目の奥を揺らす。デッドボールを頭部に食らったような嘔吐感)」

岩瀬「(限界以上のスピードで加速。そしてそのスピードを利用し、思い切り踏み込んだ)」

岩瀬「シャッァッ!」ヒュガッッッッッ 

パンッ パンッ
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/03(土) 01:55:58.72 ID:vLvFe3VO0
>>139
サーセン

岩瀬「(これでアウト二つか。合計は、いくつだったかな。まぁ27には程遠い)」パシッ

岩瀬「(握りしめたボールはでこぼこしていて、指をうまく縫い目にひっかけられない)」ポイッ

岩瀬「(仕方なくボールを投棄。これであと6球。残った大玉は15。下の大玉は札が防いでくれる、はず)」

霊夢「死神はどいつもこいつも、しぶといのね」

岩瀬「この程度ぉおっ!」

岩瀬「(スライダーを、一心不乱のスライダーを!)」ヒュガッッッ ヒュガッッッ ヒュガッッッ ヒュガッッッ ヒュガッッッ ヒュガッッッ

パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ 

岩瀬「グハッ」グボォッ

パンッ パンッ パンッ パンッ 

岩瀬「(く、食らってしまったか)」

パンッ パンッ

岩瀬「(背中が熱い。胸を張る。この感じ、まだ背筋はいかれていない)」

岩瀬「(横へ滑りながら、なんとか札をやり過ごす)」ヒューン

岩瀬「まだ、やれる」パシッ パシッ

岩瀬「(ちっ、使いものになるのはあと一球か)」ポイッ

岩瀬「(うねりくねる3の高速ナックル、彼我の距離は約16メートル。全く回転のない、無垢なボール)」

岩瀬「(当てること自体は難しくない。いくら変化が不規則で大きいとはいえ所詮大きな的、
    スライダーという線で狙えば簡単に真っ二つだ。しかし、距離の空いた三つとなると一球で仕留めるのは難しい)」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/03(土) 02:14:46.59 ID:S1yTh/fDO
すいません。なぜかいきなりPCのネット接続が切れたので一時中断します

おのれゴルゴム!
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/03(土) 02:27:24.61 ID:73k10gWgo
加藤「多田野選手が回線を切ってました」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/03(土) 03:09:19.32 ID:S1yTh/fDO
TDN「おかしい・・・こんなことは許されない・・・」

すいません。どうにもつながりそうにないので、申し訳ありませんが、続きはまた後日ということでお願いします
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/03(土) 11:18:18.27 ID:M3/buZYr0

しかし厳しい勝負を強いられる
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/03(土) 14:15:35.10 ID:SotqrzbF0

ボール達にもお疲れ様を
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/04(日) 15:07:10.72 ID:QP5J8k++0
こんにちは>>1です。乙ありがとうございました
ようやっと繋がりました
(またウイルスかと思ったら今度はケーブルが断線していたンゴwwww
次回更新は未定です。来週中にはなんとか

やっぱり阿部って凄いわ(コナミ)
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/04(日) 16:02:08.45 ID:QP5J8k++0
小町「岩瀬!」

岩瀬「(心配しないでください。先輩)」

岩瀬「(目を、閉じる。感じとれ。風の中を揺れ動く三つの巨大な異物、すぐ近くに迫っている幾多の札の微かな風)」

岩瀬「(逃げ場はない。ここで決めなければ、俺は墜ちる。だが、)」

岩瀬「うぉおっぉおっ!」ヒュガゥッッッッッッッ

岩瀬「(それが、ストッパーであるということなんだ! とるかとられるか、それが、それこそが!)」

岩瀬「(ぬるりと指先を離れたボールのひどく確かな感触に、思わず口端がつりあがる)」

パンッ ズパッッッ パパンッ

岩瀬「(まず一つ目の大玉を打ちとり、そのまま切り抜けた瞬間、死神の鎌が閃いた。瞬きの内に一閃。
    10メートルは開きのあった距離を刹那の内に横切り、二つの大玉を切り裂いた)」パシッ

岩瀬「(完璧に打ちとった。しかしもう球が……あっ、そういえば)」ドグォッ!

岩瀬「ぐぁっ」パキッ

霊夢「あら。もう必要なかったかしら」ヒュババババッ

盗塁妖精「ひぎぃっ!」ズドーン


ピシッ
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 16:12:48.28 ID:t7trnIyIO
>岩瀬「ぐぁっ」パキッ

柳田「えー、博麗選手を危険球として退場…致します」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/04(日) 16:23:11.38 ID:QP5J8k++0
>>149
西「誤審は覆しておいたぞ」


岩瀬「なっ、ぐはっ」ヒューン

岩瀬「(し、下からっ!?)」

岩瀬「(凄まじい衝撃が下腹をつきぬけた。墜落しそうになるのをこらえ、上昇しつつ歯を食いしばる。
    唇から血が零れ落ちた。内臓か肋骨が少し、やられたか)」

岩瀬「(たまらず下腹を抱え、上へと逃げる)」

霊夢「本当に、しぶといわね」

岩瀬「(今度は下から大玉が三つ。まったく、さっきの悪寒はこのことだったのか)」チラッ

岩瀬「(札の壁を突き破り最初の大玉が俺に肉薄する。ゆらゆらと、うなりを上げながら)」

岩瀬「(それに続いて後の二つも揺れ動きながら浮き上がってきている)」

岩瀬「(どうやらグラウンド上でボールとボールの衝突、
    つまり空中イレギュラーを繰り返してこちらへ上がってきたらしい。
    あの三球以外、もう大玉がないのはそういうことだろう)」

岩瀬「これ以上、逃げられないか」

岩瀬「(横へ滑れば札が来て、下へ逃げれば大玉にズドン。加えて頭上は天井、八方ふさがりとはこのことだ)」

岩瀬「(考えろ、考えろ、考えろ)」

岩瀬「(あの少女はまたあれをやってくるだろう。しかし俺にはもう……)」

岩瀬「(いいや。諦めるという選択肢はない。まだ、ボールは残っている)」

岩瀬「ちぃっ。早速、来るかっ」

岩瀬「(諦めないというのなら、ここでボールを使うことはできない!)」

岩瀬「(ベルトからバットを引きぬいた。重いが、不思議と手になじむ)」

岩瀬「(打つのたやすい。ボールも動くが、バッターボックスも動かせるからだ。
    問題は俺のスイングであんなものを打ち返せるかどうか……)」

岩瀬「それでも、やるしかない!」

岩瀬「(力をかしてくれ、新井!)」


ピシッ
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/04(日) 16:35:50.23 ID:QP5J8k++0
岩瀬「ぐぅぅっっぉおおお!」ビキィ!

岩瀬「(重い! ボールが、大きすぎる!)」

岩瀬「(今にもグリップが根元から折れそうだ。支えているこちらの腕も腰も悲鳴を上げている。押し返せない)」

岩瀬「(胸が痛む。息が、苦しい)」

岩瀬「う、つっ!」ピキィッッッ!

岩瀬「(なっ、もう一球来ただとぉっ!?)」

岩瀬「(右肩がみしりと軋む。なんとか腰を回転させようと左足を踏ん張るも、二つのボールの圧力には抗しきれない)」

岩瀬「(直列を組んだ大玉二つの重量に、バットどころか身体ごと真っ二つになりそうだ)」

岩瀬「(くそっ、ダメだ! 折れる!)」バキィッ

岩瀬「うぉおおおっ!」

岩瀬「(逸れていった大玉と投げ捨てたバットから視線を切り、迫る大玉にグローブを構えた)」

岩瀬「(左手をグローブにそえ、振り上げる。やけにボールがスローだ。俺はボールの側面をこするように、グローブを思い切りたたきつける)」パシュウッッ

岩瀬「(ナックルに回転を加え、指向性を与えてやる。
    別にそんなことを考えていたわけではないが本能が自然とグローブをプッシュしていた)」

岩瀬「(頬をかすめ過ぎていく大玉を感じながら、もうダメになったグローブを放棄する)」ポイッ

岩瀬「(三球目は妙な軌道を描いて、見当違いの方向へ飛び去って行った)」

岩瀬「(身体は、まだ動く。なら怪我の事はあとで考えればいい)」

岩瀬「今度こそ……俺の番だな……!」


ピシッ ピシッ
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/04(日) 16:50:09.38 ID:QP5J8k++0
霊夢「霊符「陰陽印」」ヒュバババッッッ

岩瀬「(ちぃっ、ダメか!!)」

ピシィッ

岩瀬「(前戯とばかりに札の群れを放つと、なぜか少女はゆるやかに笑った)」

岩瀬「(加速するごとに、腹が痛む。大玉を受け止めた右手に感覚がない。最後のボールを握りしめ、
    俺はなんとか札と札の隙間に身体を潜り込ませた)」

岩瀬「(勝利を確信したわけでも、俺を嘲笑ったわけでもない。ただ彼女は上を指差し、それだけで弾幕を止めた。
    これ以上近づくわけにもいかず、俺は彼女をじっと見やる。走り回っていた妖精たちも、今は不気味に静かだ)」

ピシッ

霊夢「まったく」

岩瀬「っ!」

岩瀬「(ふと視線を上向けると、そこにはひび割れた天井があった)」

岩瀬「(ピシッ、ピシッと天井を中心に、急速にドームがひび割れ落ちていく。
    観客席も、グラウンドも、ベースも、フェンスも、何もかもが)」

岩瀬「(もう、俺の引退試合は終わったということなのか? ナゴヤドームよ……)」

霊夢「隙あり」

岩瀬「あっ」

岩瀬「(くっ! 間抜け! 勝負球を、使うしかないか!)」

岩瀬「(目前に迫った札が、さっき以上にゆっくりとして見える。
    ここにきて監督に言われたことや、先輩に飲まされた酒の味、榎本さんやテッドとの逢瀬、
    新井との勝負、マサさんやみんなとの再会、それらが、赤い札の上を猛スピードで過ぎ去っていった)」

ピシッ

岩瀬「(ここまでか)」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/04(日) 17:18:42.88 ID:QP5J8k++0
ドアラ(?)「――させ…ない!」ピシィッッッ

岩瀬「ドアラ!?」

霊夢「そう。それが、あなたの切り札というわけね」

岩瀬「お、俺を庇ったのか……?」

岩瀬「(顔だけで振り返って、ナゴヤドームが罅だらけの笑顔を浮かべて見せる)」

ドアラ(?)「……がんばれ…いわせ…」パキンッ

岩瀬「……あぁ、あぁ!」

パリンッ

岩瀬「(ドアラが、粉々に砕け散った。ガラスのように綺麗な音を立てて。
    青い雪片が舞い上がる。
    それに集うように、砕け散った全てが青く渦巻き、しゃらん、しゃらん、と少女へ突き進んでいく)」

岩瀬「(編み上げられたのは硬式ボール。ナゴヤドームの全てを込めた、魂のストレート)」

小町「おぉっ! 戻った!」

霊夢「ハッ!」ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ

岩瀬「(景色が、戻った)」

岩瀬「(ストレートに少女の札が突き刺さる。しかし止まりはしない。かすかに口元を歪め、少女は決め球を宣言した。
    凄まじい量の弾幕がストレートに突き刺さる。それでも、それでもボールは止まろうとしない)」

岩瀬「(今はそのことに手一杯なのか少女の動きが単調になっている。狙うなら、今だ)」

霊夢「これで、終わり」ヒュバッッッッ

パリンッ

岩瀬「(大玉の群れに耐えきれず、とうとうボールは砕け散った)」

岩瀬「(ラビットボールをきつく握りしめる。痛みはない。ひどく身体が熱い。
    スッと足を振り上げた。
    口から、獣のような唸り声が漏れ出てくる)」

岩瀬「うぉお、うぉおおおっ」

岩瀬「(最後の、これが最後のスライダー!)

霊夢「ま、まずっ」

岩瀬「くぅらぇええええええええ!」

ヒュガッッッッッッッッ
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/04(日) 17:43:30.24 ID:QP5J8k++0
小町「(何の変哲もない球に見えた。あの巫女は何をそんなに焦っているのだろうと不思議に思うほどに)」

小町「(必死に急旋回し、その場から逃げようとする巫女を追って、岩瀬のボールがひた走る)」

小町「(突然、だった)」

小町「(いつボールが曲がったのか、あたいには分からなかった。
    それにそれは「曲がった」なんていう呑気な言葉で片付けられる光景じゃあなかった)」

霊夢「っ!」

小町「(ぱっくりと開いた「それ」に、さしものあのお気楽巫女も目をカッと開いて驚いたぐらいだ)」

小町「(あのすらいだーとかいう岩瀬のボールはなんと空間ごと、巫女を切って見せた。
    あたいだって驚きだ。呆れて声も出ないよ)」

岩瀬「や、やったか……?)」

小町「(その「穴」に吸い込まれた巫女に向かって呟く岩瀬はひどくボロボロだった。
    もうあと何秒も飛んでいられないだろう。今にも気を失いそうな顔をしている)」

小町「(軽く、地を蹴った。勢いよく舞い上がる)」

ヒューン

小町「よくやった。岩瀬」

岩瀬「せ、先輩? まだ、勝負は」

小町「(肩で息をしながら血を吐く岩瀬を、抱きかかえた。
    抵抗しようとしているようだけど抑えつける必要もないぐらい弱々しい)」

小町「あんたはよくやったよ。あたいが誇りに思うぐらい、立派にね」

小町「(ちらりと、穴の向こうを見据える)」

小町「(穴の向こう、急速に高まる霊力に思わずタメ息が漏れた)」

小町「(巫女は、まだ健在だ)」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/04(日) 17:49:38.23 ID:QP5J8k++0
岩瀬「(もう、一球も投げられない)」

霊夢「どう? まだやる?」

岩瀬「(破けた巫女服、痣のついた肌。
    少しふらついたかと思うとすぐにシャンと背筋を伸ばし、少女は俺をぼんやりとねめつける)」

岩瀬「(勝負、あったか)」

岩瀬「参った。もう、」

小町「い、岩瀬!? おい!」ガシッ

岩瀬「(……あぁ、楽しかったなぁ……)」

霊夢「そう。じゃあね、ストッパー」

小町「おい、しっかりしろ岩瀬!」
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/04(日) 17:51:46.65 ID:QP5J8k++0
今回はこれで以上です。あとは後始末とEDと後日談をやって終了となります。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 18:40:25.38 ID:pzX4UhaIO
???「岩瀬さん、巫女服の少女を倒しておきました。後は止めを刺すだけです」

158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/04(日) 20:09:22.27 ID:w0JdfISDO
乙!
あんなデカい陰陽玉、普通なら逃げるところを真っ向から……岩瀬さんって凄ぇなあ。

バットもグローブもすぐに逝っちゃったのは可哀想だったな。
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/11/04(日) 22:23:56.16 ID:hnue8gtCo
いつもの

http://p.twipple.jp/BP24E
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/05(月) 03:24:30.76 ID:WD17LT3b0
ゲームセンターCDの画像マダー
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/05(月) 11:08:08.43 ID:CwguPhML0
さようなら……ナゴヤドーム
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/06(火) 17:48:51.86 ID:2a2uH6yy0
こんばんは>>1です。乙、レスありがとうございました
次回は月末あたりにでもやれれば、いいなぁ

>>157
浅尾……無茶しやがって……

>>158
あれぐらいミネソタの金塊でもやってのけますよ! きっと、おそらく
野球用具は弾幕戦なんて想定してないからしゃーない

>>159
これは中日の死神ですわ

>>160
あれは違和感無さ過ぎて泣けてくるわ

>>161
サンキューナゴヤドーム、フォーエバーナゴヤドーム


木田が現役引退して妙に寂しい。これからどうするのかな
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 03:09:38.77 ID:yKw9svUi0
岩瀬「(……楽しかった)」

小町「岩瀬、身体は大丈夫なのかい?」

岩瀬「えぇ。もう何ともありませんよ」

小町「……そんな暗い顔をするない。きっと大丈夫さ。四季様はそこまで薄情なお方じゃあない」

岩瀬「そうですね」

岩瀬「(……楽しかった、か。あぁ、楽しかった。けれど、やっぱり悔しい。悔しくってたまらない)」

小町「あの幽霊の後始末が終われば、宴会だ。それまで頑張ろうじゃないか」

岩瀬「うすっ」

岩瀬「(やっぱり、俺は心の底では……)」

岩瀬「(ストッパーとしてマウンドにあがるだけで、どんな打者でも抑えられると思っていたのかな)」
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 03:21:26.39 ID:yKw9svUi0
映姫「来ましたか」

小町「四季様、お身体の方は?」

映姫「仔細ありません」

小町「……」

映姫「……」

岩瀬「(そうか。監督も、あの少女にやられたのか)」

映姫「小町、あなたには「プロ野球」の後始末を命じます」

小町「し、四季様!」

映姫「あの巫女は私が思う以上の難物だったもの。それを相手に互角の勝負をしたのだから」

小町「ありがとうございます!」

映姫「でも、減給処分は受けてもらうわよ?」

小町「うげっ」

映姫「不満が?」

小町「いえ!」

小町「(なっ? なんだかんだいって、優しいだろう四季様は)」ヒソッ

岩瀬「(えぇ)」ヒソッ

映姫「何か?」

小町「いえいえー」

映姫「ふぅ……小町。あなたはもう少し正直になりなさい。あなたの美徳は隠されて、輝く性質のものではない。
   正直という美徳こそが、あなたには必要なもの。
   対してその虚偽のヴェールは貴方を貶める上に私を苛立たせ、あなたの給料までさらに下降させる」

映姫「小町、あなたは来月まで給料なし」

小町「きゃん!」
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 03:40:20.48 ID:yKw9svUi0
映姫「岩瀬。あなたは引き続き小町の補佐を」

岩瀬「ありがとうございます」

岩瀬「(首には、ならなかったか。だがボールも何も持たない今の俺に、何ができるというのだろう)」

岩瀬「(先輩の足を引っ張るぐらいのことじゃないか?)」

映姫「……そう、岩瀬。あなたは誰かに頼り過ぎる。此度の弾幕勝負にしても、球場での勝負にしても。
   あなたを助けに来た彼らがいなければ、あなたは小町の補佐という役目を果たすことすらできなかった。
   小町の助言がなければあなたはあそこまで粘ることもできず、
   あの亡霊の助けがなければ一矢報いることもできずに終わったことでしょう。
   そして今のあなたにはボールも、バットも、ユニフォームさえない。単なる岩瀬仁紀に過ぎません」

岩瀬「(今の俺が名古屋以外の街中を歩いて、誰が元プロ野球選手だと思うだろう?)」

映姫「あなたはあの勝負に全てをかけ、敗北した」

小町「し、四季様! お言葉ですが!」

映姫「ですが、あなたは役目を果たしたのです」

映姫「あなたはあの場で、私が期待する以上のことをやり遂げたのです」

岩瀬「……」

映姫「胸を張りなさい。その結果は、あなただけのものです。
   あなたが、あなたの意志で全てをなげうち、勝ちとった結果なのです」

岩瀬「……っ!」

小町「四季様……」

映姫「……引き続き、精進することです」

岩瀬「はいっ!」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 03:57:06.87 ID:yKw9svUi0
岩瀬「…………先輩」

小町「なんだい?」

岩瀬「(櫂を置いて、先輩の隣に座る)」

岩瀬「(歓声が舟を揺らす。どこからか飛んできたボールが、ジャポンッと川面をはねた)」

岩瀬「(舟の後ろに着いて野球を楽しむ皆が、三途の川を所狭しと埋め尽くしている)」

岩瀬「いいんですか?」

小町「いいのさ。連中、球遊びするだけで、あんまり害はないしね」

小町「飲むかい?」

岩瀬「いえ、仕事中ですから」

小町「おかたいねぇ」グビッ
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 04:07:44.91 ID:yKw9svUi0
岩瀬「先輩」

小町「なんだい?」

岩瀬「監督が、「プロ野球」の始末を頼むと仰っていましたが」

小町「……たまにあるのさ。こういうことは」

岩瀬「えっ」

小町「あの亡霊たちは全て「プロ野球」という一つの幽霊なのさ」

岩瀬「は?」

小町「「武士」だとか「大日本帝国」だとか、そういうものが終わった時にもこんな風なことが起こった。
   ……人の夢ってのはおかしなものでね。長い間大事にされると、死んでしまえるんだ。
   だから別にこれは異変ってわけじゃない。あの巫女や四季様は真面目だからそうとはとらなかったみたいだけどね」

岩瀬「ですが、プロ野球はまだ」

小町「武士だってその時代が終わってもまだいたって話だし、日本って国もまだあるんだろう?」

岩瀬「それは……」

小町「夢の終わりと、それから続いていくものはまた別モノだってことなんだろうさ。
   所詮あたいには、わからないことだがね」

謎のスクリューロマン「おい、満太郎。もうへたばったのか」ダンッ
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 04:17:00.72 ID:yKw9svUi0
岩瀬「マサさん!」

山本昌「まったくユニフォームも脱いじまって……試合はまだあるぞ?」

小町「おいおい、うちの死神をサボらせないでくれるかい?」

山本昌「おうねーちゃんすまねえな。だが、こいつはうちの守護神でもあるんだぜ?」

小町「今は四季様も認める、あたいと同じ死神さ。悪いけど渡すわけにはいかないねぇ。それはそうと酒でもどうだい?」

山本昌「悪いが試合に響く。断らせてもらおう」

小町「まったくプロ野球選手ってのはこれだからいけないねぇ」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 04:27:29.33 ID:yKw9svUi0
山本昌「隣、邪魔するぞ」

岩瀬「いえ」

山本昌「……不思議そうな顔をしているな」

岩瀬「……えぇ」

山本昌「日本のプロ野球はな、夢としてはとうに限界だったんだ」

岩瀬「そ、そんなことは!」

山本昌「イチローや松井、ダルビッシュ、スターはみんなメジャーへ行った。プロ野球じゃ、満足できなくってな。
    高校球児だって夢はメジャーだなんていう奴もいる。
    ……なぁ、満太郎。プロ野球は夢の舞台じゃなかったのか?」

岩瀬「マサさん……」

山本昌「お前は大谷がメジャーへいったとき、どう思った」

岩瀬「えっ」

山本昌「俺は悔しいと思うより、悲しくなったよ。
    もうプロ野球は、それほど大きな夢じゃなくなったんだな、と思えてな」

岩瀬「そ、それは……」

小町「人の夢は、儚いもんだね」

山本昌「全くだ……みんながもう、以前とは違うんだと理解してしまっただけで、こうなっちまうんだからな」

岩瀬「なら、ならもう本当にっ!?」

小町「岩瀬……」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 04:30:56.74 ID:yKw9svUi0
岩瀬「(確かに、確かに以前ほど視聴率はとれなくなったかもしれない!)」

岩瀬「(お笑いやサッカーに負けることだってあるだろう! けれど、たったのそれだけで!)」

――「そうだよな。NPBは、MLBに負けてないよな」

岩瀬「(っ!!)」

山本昌「じゃあな、満太郎。先にいってるぜ」

岩瀬「マサさん!」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 04:36:24.59 ID:yKw9svUi0
小町「いっちまったね」

岩瀬「先輩」

小町「なんだい?」

岩瀬「お酒、頂けますか」

小町「もちろん! さあ飲みねぇ飲みねぇ!」

岩瀬「ありがとうございます」グビグビィ

岩瀬「うっぷ」

小町「おいおい、いきなり吐くんじゃないよ」

岩瀬「だ、大丈夫です。それよりせっかくですから野球のルールをお教えしましょう。
   酒を飲みながらの野球観戦はオツなもんですよ」

小町「ほう。それじゃあ、お願いしようかね」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 04:44:29.34 ID:yKw9svUi0
――――ひと月後


ミスタープロ野球「我々は今日、この世を去ります」

亡霊たち「…………」

ミスタープロ野球「ですが我々の夢は! 我々プロ野球は、永久に不滅です!」

亡霊たち「ワァァアアアアアアアアッ!!!!」
亡霊「あっぱれ!」

小町「泣いているのかい、岩瀬」

岩瀬「…………っ」ダバダバダバ

小町「あぁ、風が来たよ。彼岸の風が」

岩瀬「!」

岩瀬「(散っていく……プロ野球が、俺たちの夢が散っていく……)」

岩瀬「(ミスターが、マサさんが、全てのチームが、観客が、アナウンサーが、審判が、スタジアムが、子供たちが!)」

岩瀬「(消えていったナゴヤドームのように、綺麗に)」


小町「消えちまったね。気のいい連中だった」

岩瀬「…………」

小町「ありゃ、あれは」

小町「おい! 岩瀬! ちょっとこっちにきな!」

岩瀬「は、はい」


小町「ほれ」ポイッ

岩瀬「うわっと」ポスッ

岩瀬「これは……バットとボール、それに、グラブ?」

小町「以前のときもそうだった。武士は刀を、大日本帝国は三種の神器を、ここに残して消えたのさ」

小町「それにもそれと同じくらい、凄い力がこもってるよ」

岩瀬「(温かい……)」

岩瀬「(空洞が、また満たされていくのを感じる。以前以上に、それが激しく熱く脈打っている)」

岩瀬「(あぁ――――これは、俺たちの証しなのか)」

小町「それはあんたが持っておきな。大事にするんだよ」

岩瀬「えぇ、もちろんです」パァァ…ッ

小町「おぉ、岩瀬。あんたその服」

岩瀬「どうです? 似合いますか?」

小町「さっきのしょぼくれた格好より、よっぽどね」

岩瀬「ははっ」

小町「んじゃ、とっとといくよ」

岩瀬「えっ、どこへですか?」

小町「神社へさ。あの巫女のね」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 04:48:49.15 ID:yKw9svUi0
霊夢「死神と閻魔が遊びに来る神社なんて、縁起が悪いったらないわ」グビグビッ

映姫「誰も訪れないよりは、幾分マシじゃないかしら」

小町「四季様ー!」

映姫「やっと、きましたか」

岩瀬「遅れて申し訳ありません」

映姫「構いません。さぁ、あなたも飲みなさい」

岩瀬「では失礼して」

小町「四季様、あたいの分は……?」

映姫「……」ニコッ

小町「えっ」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 04:53:49.45 ID:yKw9svUi0
小町「そ、そんな四季様!」

映姫「冗談よ。そんなに慌てなくてもいいじゃない」

小町「四季様が、冗談…だと…!?」

映姫「フッ」

小町「きゃん!」ガスッ


霊夢「あなた、えぇーとストッパーの、」

岩瀬「岩瀬です」

霊夢「あぁ、そう。岩瀬さん。一杯どう?」

岩瀬「頂きます」グビグビッ

岩瀬「うっぷ……」

霊夢「弱いのね」

岩瀬「どうにも、酒は苦手で。これでも慣れたぐらいなんですが」

霊夢「そう」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 04:58:20.25 ID:yKw9svUi0
岩瀬「そういえば、身体の方はなんとも?」

霊夢「むしろあなたの方が重傷だったと思うのだけれど」グビグビッ

岩瀬「これでも元プロ野球選手ですから」

霊夢「横文字を使っても、理由になっていないことはわかるわよ?」

岩瀬「これは失礼を」

霊夢「……」

岩瀬「……」

小町「四季様ー」

映姫「映姫でいいわよ。岩瀬だってそういってたでしょう?」

小町「映姫ー」

映姫「呼び捨てにしろとはいってないわ」ヒュッ

小町「きゃん!」ガスッ

霊夢「外の世界で、何かあったの?」

岩瀬「えぇ。俺たちにとっては辛いことでした」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga]:2012/11/08(木) 05:07:34.51 ID:yKw9svUi0
岩瀬「でもまぁ、大したことはありません。皆、頑張っていますから」

岩瀬「(プロ野球は、生きている)」

岩瀬「(確かに夢は終わってしまったのかもしれない。けれど皆が生き続けている限り、また別の夢をみることができる)」

岩瀬「(新井が、マサさんが、みんなが頑張り続けている限り、その可能性は決して潰えない)」

霊夢「そう。まだ飲む?」

岩瀬「頂きます」グビグビッ

小町「映姫ーかたいこというなよー」

映姫「調子に、乗るなっ!」ガスッッ

小町「いたーいー」ギュッ

映姫「離れなさい!」

霊夢「大変そうね」

岩瀬「そうでもないですよ」

霊夢「……そう」

岩瀬「一杯、どうです?」

霊夢「頂くわ」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/08(木) 05:08:48.49 ID:yKw9svUi0
ねむい。続きはまた今度やります
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 10:01:54.63 ID:Un/W4ZzIO
自分涙いいすか
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 12:10:52.51 ID:ctbPTU8f0

――― このSSという宇宙で、一つの夢が、寂しくも終わりを迎えた。

       しかし、歴史は繰り返すもの。いつの日かまた、その夢が、激しく燃え上がる時が訪れるかもしれない。

                     今、我々が言える事があるとすれば、   乙=@  ただ、それだけである。 ―――
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2012/11/08(木) 18:21:25.48 ID:B/chhn9xo
気持ち悪いなあ
コピペかこれ?
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/08(木) 21:41:45.49 ID:71utUhBA0
野球道具一式くらいは、残って良かったな
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/11(日) 07:15:18.55 ID:5flXZOGM0
おはようございます>>1です。レスありがとうございました

>>178
ええんやで(ニッコリ

>>179
>>180
名将どえがき「ヒャッハー!」

>>181
これから幻想郷で野球が流行する可能性が微レ存……?
ないな(断言)
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/11(日) 19:00:55.79 ID:HsFUviyd0
脳内に「Dream Park 〜野球場へゆこう〜」がBGMで流れてくる・・・
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/13(火) 19:15:18.95 ID:/fE/OXVt0
この妙にチャリティソングっぽい感じがまた……
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/15(木) 21:13:05.54 ID:iBqVvSRK0
あと二、三時間したら始めます
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/15(木) 23:32:20.80 ID:iBqVvSRK0
岩瀬「お先です」

小町「お疲れさーん」

岩瀬「ふぅー」

岩瀬「(そろそろ契約更改の時期か)」

岩瀬「(三途の川に沿って砂利道を行く。煌々と降り注ぐ月灯りが水面できらめている。ひどく静かだ)」

岩瀬「(野球から離れて、もうすぐ一年)」

岩瀬「(せめて、こちらでも野球中継でも見られればなぁ)」

紫「退屈そうですわね」

岩瀬「……お久しぶりです」

紫「あら、驚かないのね」

岩瀬「いい加減になれましたよ。オーナー」

紫「オーナー? わたしはそんなに偉くはないわよ?」

岩瀬「そうですか」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/15(木) 23:44:30.18 ID:iBqVvSRK0
岩瀬「それで、オーナーはここで何を」

紫「話しを、しにきたのよ」

岩瀬「契約更改のですか?」

紫「……それもあるけれど。ねぇ」

岩瀬「?」

紫「あなたはなぜ空を飛べるのかしら。なぜ霊夢にこっぴどくやられておいて、ピンピンしているのかしら?
  ただの人間のあなたが」

岩瀬「……元、プロ野球選手ですから」

紫「いいえ、あなたが死神だからよ」

岩瀬「それが契約と何か関係するのですか」

紫「契約? 何か勘違いしているようね。あなたの意志は関係ないの。
  わたしと契約した時点で、あなたにここから離れる術はない」

岩瀬「妻と連絡を取れないのも、オーナー、あなたが原因ですか」

紫「わたしは神隠しの主犯」

紫「岩瀬、あなたはもう世間では死人なの。死んでしまった人間は生き返らない。
  失われてしまったものは戻って来ない。
  そしてわたしもあなたを手放す気はない。だからあなたは帰れない」

岩瀬「で、ですが新井もマサさんも、みんな、俺を!」

紫「彼らはあなたが「ここ」にいることに違和感を感じていたかしら?
  まるでいて当然のように接していなかったかしら?」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/16(金) 00:00:04.08 ID:y8Kgpw3f0
岩瀬「そんなことっ」

紫「あなたはもう人間ではなくなりつつある」

岩瀬「……」

紫「あの閻魔の能力はご存じ?」

岩瀬「白黒はっきりつける程度の能力、ですか」

紫「あのひどく二元的で強引な能力は、彼女の性格と密接に関連している。
  彼女があなたを死神として認めたなら、元々その資質のあったあなたは益々死神に近づいていく。
  あなたは彼女の元で一年を過ごしたわ。あなたの「人間」はあとどのくらいなのでしょうね」

岩瀬「(……霊夢さんが俺を死神か人間かと問いかけたのも、先輩が俺を死神扱いしたのも、そういうことか)」

岩瀬「ふふっ」

紫「何を笑っているの」

岩瀬「すぐに怪我が治ったからなんだっていうんです? 金本さんはあんな怪我で試合を休んだりしない。
   空を飛べるからなんだっていうんです? マサさんだって空を飛ぶことが出来た。
   俺が人間じゃないんだっていうなら、イチローは神様ですよ」

岩瀬「まぁ、そんなことはいいです。それよりも妻は、子供たちはどうしていますか?」

紫「あなたの給料は滞りなく振り込まれているから、生活には困っていないでしょうね。
  そろそろ再婚でも考えている時期じゃないかしら」

岩瀬「うっ」

紫「あら、どうしたのそんな顔をして」クスクスッ

岩瀬「け、契約を更改すれば給料の振込は続けてくれるのですか?」

紫「えぇ」

岩瀬「なら、お願いします」

紫「お願いされました」ニヤニヤ
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/16(金) 00:13:31.58 ID:y8Kgpw3f0
岩瀬「……オーナー」

岩瀬「オーナーはなぜ、俺をスカウトしたんですか」

紫「ファンだったからよ」

岩瀬「はっ?」

紫「あら、わたしがあなたのファンじゃいけない?」

岩瀬「い、いえ光栄です」

紫「冗談よ」

岩瀬「……」

紫「ふふっ」

紫「もう行くわね。頑張りなさい、岩瀬」

岩瀬「ありがとうございます」

紫「……幻想郷は全てを受け入れる。失われた夢を手に生きる男には、残酷なまでに居心地のいい場所」

紫「あなたを歓迎するわ、岩瀬」

岩瀬「はぁ、ありがとうございます」

紫「……」ニヤニヤ

岩瀬「あのぉ、それで、もしよければスポーツ新聞だけでも融通して頂けませんか」

岩瀬「あっ、いや図々しいとは思うのですが」

岩瀬「(し、しかし! ここで聞いておかねばこの人と今度いつ会えるかは分からない!)」

岩瀬「(この際デイリーでもいい!)」

紫「……給料から引いておくわ」

岩瀬「あ、ありがとうございます!」

岩瀬「消えた……」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/16(金) 00:17:22.70 ID:y8Kgpw3f0
岩瀬「……帰るか」

紫「あぁ、それと」パッ

岩瀬「うわっ!」

紫「考えているといったのは嘘よ。あなたの奥さん、もう再婚しているわ」パッ

岩瀬「……また、消えた……」

岩瀬「(さ、再婚していたのか……あれはオーナーなりの気遣いだったのかな)」

岩瀬「(やっぱりスポーツ新聞を頼んだことに、怒ったのかもしれない。しかし、)」

岩瀬「(そうか。俺は家族より野球の情報を求めたのか)」

岩瀬「とんだ人で梨田な……」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/16(金) 00:21:10.93 ID:y8Kgpw3f0
翌朝

岩瀬「おっ、オーナー、ちゃんと届けてくれたのか」

岩瀬「ありがたい。なになに? オリックス日本一!?」

岩瀬「信じられない……中日はまた二位か……」

小町「おい、岩瀬」

岩瀬「うひゃぁっ!」

小町「時間だぞ? なにグズグズしてる」

岩瀬「すいません!」

小町「いくぞ、岩瀬」

岩瀬「はいっ!」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/16(金) 00:33:21.11 ID:y8Kgpw3f0
小町「じゃ、いつも通りに頼むよ」

岩瀬「了解です」

岩瀬「……先輩」

小町「なんだい?」

岩瀬「俺、来年からもここにいることになりそうです」

小町「ほぉ、そりゃよかった! ならそうだね。これからはさしずめ、幻想郷のストッパーってところだね!」

小町「プロ野球選手じゃなくなったからって、ただの岩瀬になることはないさ!」

岩瀬「……ありがとう、ございます」

小町「あっははっ! 今夜は飲むぞ! 映姫様も誘おう! あの巫女のところにおしかけるのもいいな!」

岩瀬「えぇ」
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/16(金) 00:35:47.23 ID:y8Kgpw3f0
50年後


幽霊「お久しぶりです、岩瀬さん」

岩瀬「……久しぶりだな、新井」

岩瀬「どうだ? プロ野球は、まだ生きているか?」

新井「えぇ。WBCは今じゃワールドカップに匹敵する大会です。NPBもMLBのいいところを取り入れたりして
   ものすごく進歩しました」

新井「子供たちの将来の職業トップは、ダントツでプロ野球選手ですよ」

岩瀬「(あぁ、よく知ってる)」

岩瀬「よくやったな。新井」

岩瀬「(本当に、よくやってくれた)」

新井「みんな、みんな頑張りましたから」

岩瀬「そうか……さて、やるか。新井」

新井「ふふっ、今度は負けませんよ?」

岩瀬「大口叩きやがって」

新井「戦力外がえらそうに」

岩瀬「いったなこの野郎」

新井「来い! 死神!」

岩瀬「いくぞ赤ヘル!」

プレイボール!
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/16(金) 00:36:35.67 ID:y8Kgpw3f0
以上で完結です。今までお付き合いいただき、ありがとうございました
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 01:05:22.19 ID:pu/aI0Fyo
乙!
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/16(金) 01:37:02.53 ID:4oc7MOEw0
良かった事も、悲しい事も様々に……ただ、そこに居て、自身を貫き続けている事だけが、確かな事。

笑いあり、努力あり、涙ありの素敵な物語を、どうもありがとうございます!お疲れ様でした!!
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/16(金) 10:13:06.38 ID:d/DqicVvo
最後の最後で風評被害を受ける梨田
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/11/16(金) 15:42:52.87 ID:bCA/0TIio
お疲れ様
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2012/11/16(金) 17:30:50.44 ID:bGEw9yPqo

辛井さんが赤ヘルだと?
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/16(金) 20:56:12.00 ID:0V909Dcq0
こんばんは>>1です。乙、レスありがとうございました
まさかの炭谷wwwwww

>>195
ありがとうございました

>>196
過分な評価を頂き、ありがとうございました

>>197
た、単なる誤字やから(震え声)

>>198
お付き合いいただき、ありがとうございました

>>199
未だに新井=広島のイメージが抜けてくれないんだ……>>35からのくだりもイメージは赤ヘルでした

そろそろHTML化申請してきます。それでは
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/16(金) 21:21:37.17 ID:d/DqicVvo
お疲れやで
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/11/18(日) 00:02:03.13 ID:EQ5jnsZt0
乙。楽しかった(小並感)
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/18(日) 14:12:07.27 ID:cFSjN1+SO
乙。楽しかった
横浜は日本いちになれなかったのか……いや、中日が2位なら横浜が優勝したのかも
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