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妹「一人っ子は辛いよ……」男「は?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :(お題・温度計) [sage]:2012/10/29(月) 05:57:57.42 ID:3OsxgEVIO
妹「いや、だから一人っ子は辛いなあ……とね?」

男「いやじゃねーだろ、なんだそれ」

妹「だから!一人っ子は……」

男「それだよそれ。なんでお前一人っ子なんだよ。おかしいだろ」

妹「お父さんとお母さんが一回しかやらなかったから?」

男「さらっと下品なこと言うなよ。そういう意味でもなくてだな、一人っ子なのにどうして妹なのかな、と」

妹「えー……親がそう決めたからじゃないですか?」

男「名前じゃねーんだよ。自分の子供に勝手に兄とか姉とか妹とか弟とか立場与えられるわけないだろ」

妹「できないこたないんじゃないですか? ほら、一人っ子が母親にお兄ちゃんなんだから、とか、お姉ちゃんなんだから、とか言われてるじゃないですか」

男「それとこれはちょっと違うだろ。それは子供の躾としてやってるだけじゃん。お前もうまんま妹ってどういうことだ」

妹「そんなこと言われても妹は妹だし……」

男「どっかに絶対お兄ちゃんがいるだろ、お兄ちゃんが」

妹「は?」

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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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2 :やべえ名前欄間違えちゃった [sage]:2012/10/29(月) 06:23:19.73 ID:3OsxgEVIO
男「いるっつーかいるべきだな、妹にお兄ちゃんは」

妹「なにいってるの?」クイッ

男「首を可愛く傾げて中指を立てるな。というかなにが不満なんだよ」

妹「不満もなにも、不潔じゃん」

男「ひどい!妹SSの妹はそんなこと言わないよ!?お兄ちゃん大好きっていっつも言ってるはずなのに!」

妹「は?SS?」

男「え……ああ、お前は『こっち』を感知する能力がなかったな」

妹「は?なんだそのガキくせえ世界観」

男「いや、だから二次元と三次元を繋ぐ未知の物質であるダークマターが溢れ出した世界で二次元人類に『向こう』の存在を感知できる能力者が現れてだな……」

妹「ダークマターにそんなことできるわけねえだろ。未知の物質にどんだけ期待してんだバカ。いや、もうそういうのはいいからさ、なんで妹に兄が必要なのか教えてよ」

男「……だって妹はあれじゃん。お兄ちゃんがいてこその妹キャラじゃん。どこぞの○ーゼン○イデンの蒼い人なんか妹なのにSSではほとんど妹扱いされてないじゃん」

妹「つまりどういうことだってばよ」

男「妹が妹キャラたるには!お兄ちゃんが絶対に必要だってことだよ!弟キャラに姉が必要なように!それはもう切っても切れない関係なんだよ!」

妹「男のオタクだけでしょ!一緒にしないでよ!」

男「ちょっと待て女オタ設定まで付いてんのかお前」
3 :やべえ名前欄間違えちゃった [sage]:2012/10/29(月) 06:34:58.93 ID:3OsxgEVIO
妹「兄×弟の良さがわからないやつは[ピーーー]ばいいと思うよ」

男「おまけに腐かよ。お前喋るたびにどんどん妹から離れて行くな」

妹「いいじゃん別に!そうやってレッテル貼りばっかりするのはめっ!なんだよ!」

男「そうそう、そうやって多少ぶりっ子してでもいいから挽回してかなきゃな」

妹「なんだてめえ」

男「ほらほらそれやそれ!突然マガオになるのはやめなさい!どんなシリアスなシーンもギャグになっちゃうんだよ!」

妹「今までのどこがシリアスだったのさ。むしろギャグも交えつつって感じだったでしょ?」

男「毛色の違うギャグはいらないんだよ!むしろ邪魔!ほのぼの四コマ漫画で突然人が死ぬようなギャグやりだしたらドン引きするでしょ!!?」

妹「その漫画を結構読んできた人ならあまりのギャップに逆に笑えると思う」

男「怒り狂う人と絶賛する人で半々になると思うけどな。でもよ、それだって失敗するとどうなるかわかるか?」

妹「どうなるの?」

男「こう!!」ボキッ

妹「………っぎゃああああああああ腕があああああああ!!!!」ゴロゴロゴロゴロ
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 06:43:30.35 ID:3OsxgEVIO
男「なる!」メキボキバキャッ

妹「足が……!!!!足が痛い痛い痛い痛い痛いよおおおおおおおおおお!!!!!」ボロボロ

男「んだ!!」グチョバキュグシャッゴスッ

妹「お母さぁん!!お母さぁぁぁぁぁぁぁっぎゃあああああああああああだずげでぇぇぇええええええ!!!!!」ジタバタ

男「どうだったよ」

妹「[ピーーー]」ドッ

男「ふごっっ!!!……くくく、そう、そういうことです」

妹「本気で死ぬかと思ったのになんでそんな顔してられるの!?もういい!最低!」

男「オラッ!!」バチコーン

妹「うぎゃっ!!!!?」

男「それがダメなんだよ!お前からは妹の匂いがしない!」

妹「なんだそれ気持ち悪っ!!!」

男「いいか……妹ってのはよ、痛がり方にしろ怒り方にしろ叫び方にしろ……なんかこう普通の女とは違うなにかがあるんだよ」

妹「はあ……」

男「それがお前には!!ない!!一つ屋根の下で年が少しだけ離れている異性と一緒に暮らしているからこそ妹からはなんか違うなにかが出ているんだ!それなのにお前は!」

妹「ケッ」

男「お前は!!」

妹「そう大事なことでもないのになんで二回言ったんや」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 07:02:04.30 ID:3OsxgEVIO
男「ああ……もういい!お前なんか妹じゃない!」

妹「一人っ子だから私は他の妹とは違う特殊な妹なんだよ、たぶん」

男「その前提が間違ってると先ほど指摘したばかりだろうが!」

妹「うるさいな!私は私!他所は他所!そんなに『妹』ってのがいいなら他所に行けば!?このバカ!」

男「それだ!」

妹「まだなんかあるの!!?」

男「それだよ!お前に足りなかったのは!ちょっとした罵倒!」

妹「それならさっきから散々叫んでたじゃない」

男「お前のはきっついんだよ。淡々と喋りつつ語尾にバカをつけるのと怒りのやり場を失ってもどかしく言うバカは全然違うんだ」

妹「なんつーかあんたさっきからキモいわ」

男「キモくなくてこんなこと説明できたらそいつは岡田准一くん並みのイケメンだわ。残念ながら俺は大してカッコ良くない!……そんなことよりもだ。まずその淡々と人を罵倒するのをやめなさい。妹はそんなことしない!」

妹「なんでさ。してもいいじゃん」

男「いいですか!?いいですか!?妹にとって兄は始めて接する年齢の近い異性!そして家族である!異性は互いに反発し合う面もあるのですが、これが兄と妹という関係になると異性云々以前に家族という関係が重要になってくるのです!」

妹「はぁ」

男「家族にはあまりにもひどいことは言えない。そうした緊張感が確かに家族間にはあるのです!そうした仮定のうえで話を続けますと、これはもうきっつい下ネタもバンバン飛び交う男女の口喧嘩もまた変わったものにならざるを得ないのです!」

妹「あんたさっきから仮定ばっかだな。どこぞのカラサワみたいだわ」

男「家族間では当然下ネタは禁止!というか性的な話題はすべてタブーに値します!となると兄妹でこれを喧嘩で使うことにはできない!そうすると自然とバカアホドジマヌケなどといった、日常でも使われておりなおかつ曖昧な定義しかなされていない罵倒語が出てくるのです!」

妹「それ以前に下ネタがバンバン飛び交う喧嘩なんてそう深い関係でもない限りできないだろ」

男「いいんだよ必殺重箱の隅つつきは!とにかく、そうした様々な禁則事項を孕んだうえでなおかつ溢れ出てくる不満や怒りが押し込められて『……バカッ!!もう知らない!』として表出するのです!」

妹「これ兄妹いるやつが聞いたら背中がぞわぞわしそうな話だな」

男「ちょいちょい男言葉いれるのやめろ!!ボーイッシュ妹もいいがお前はそうじゃない!」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 07:13:50.06 ID:3OsxgEVIO
妹「……さっきから聞いてりゃやめろやめろって……結局君は私のことを妹でがんじがらめにしたいだけなんでしょ?」

男「そんなこと言ってない!」

妹「言っとるわ!アホ!もう知らん!あんたみたいなのが人の個性を潰すんや!ボケナス!オメコ!」

男「他地方のスラングなら許されると思うなよ!?」

妹「やかましわ!もうこれからは大阪弁で行かせてもらいますわ!」

男「やめろ!大阪のおばちゃんかお笑い芸人になってしまう!」

妹「大阪人は全員お笑い芸人やってまっせ!兄も姉も妹もみんなお笑い芸人ですわ」

男「やめろーーー!!!聞きたくない!標準語の地域以外に妹がいるなんて……耐えられない!」

妹「あんたほんまええ根性しとるな!ユニバの入り口んとこに『一発殴れば無料入場券差し上げます』って書いた看板と一緒に縛り付けて放置したるわ!」

男「そういう長い罵倒はだめだ!ダメダメ!それがダメ!!」

妹「なんの口真似やボケェ!!」

「まあまあ、そう騒ぐなよ」

男・妹「誰だ(や)!!?」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 07:28:58.28 ID:3OsxgEVIO
「喧騒の最中に現れた金色の救世主……そう!!俺だ!」

男「誰だ!!」

妹「あの人名前がないね」

「今紹介したじゃん……ってあれ、ほんとだ」

男「おい、括弧の前に名前欄があるだろ。そこにfusianasanっていれてみ」

fusianasan「こうか!?」

妹「バカなんでしょうかね、このお方」

男「妹よ、俺はお前のキャラがわからなくなりつつあるぞ……おい、それ冗談だっつの。名前をそのまま書き込め」

兄「ああ!!?罠だだったのかこの野郎!よくも騙しやがって……リアルだったらこの金色の救世主がぶっ飛ばしてるぞ!」

妹「な、な、な……兄ですと!!?」

男「なんてこった!マジで兄が出てきやがった!!」

兄「無視するんじゃねえ!反応してくれたのはありがたいけど話も聞いてくれ!金色の救世主の!!」

男「さっきからなにかあるたびに呟いてるそのどうでもいい二つ名っぽいのはなんだよ」

兄「どうでも良くねえ!ほら!俺全身金ピカだろうが!金時計に金ネックレスに金の指輪に金縁メガネに金の刺繍入りのスーツに金髪に金歯に……」

妹「金歯はむしろ格好悪いからやめたほうがいいのでは……」

男「そーだそーだ!この成金野郎!なあ妹!?」

妹「……ジャージにスポーツ刈りのあなたよりはマシだと思います」

男「ひどい!スポーツ刈りいいじゃん!千円カットの床屋にいっても滅多に失敗されない部類のカットだし!」

妹「というか千円カットに行ってる時点でいろいろ悲しいんですよ!」

兄「ちょくちょく無視するんじゃない!金色の救世主!」

男「もう金色の救世主いらねえだろ!」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 07:43:43.34 ID:3OsxgEVIO
妹「……というかなんで今更兄が出てきたんですか?私に兄なんていませんけど」

男「そうだよ。俺も妹のことだいぶ前から知ってるけどお前みたいなやつの話は聞いたことがないぞ」

兄「おそらく忘れていたかしたんだろう……ふふふ、軽いおつむは相変わらずだな☆」

妹「……なんだこいつ……」

男「一瞬本気で殺意が湧いたぜ……おいお前、一発殴らせろ」

兄「いやだよ!!やめてよ喧嘩とか嫌いなんだから!」

男「振るなら白旗を振れ白旗を!金糸の旗を振るな!目がチカチカする!」

妹「この溢れ出る成金小物臭といいひどい言動といい絶対兄には欲しくないタイプですね……」

兄「そんなこといっても仕方ないだろ!?兄と妹という関係は断ち切れない!例え金で交渉されてもね!」

男「カネカネうるせえ野郎だな、お前みたいなのは夏の終わりにノスタルジーと一緒に寂しく鳴いてりゃいいものを真冬にしゃしゃり出てきやがって」

兄「ひぐらしのことを言っとるのか君は!?まあ残念ながら」

妹「さっさと死んでください」

兄「俺は日暮らしどころか百年遊んで暮らしても金は余りあるほどの金持ちだがな!」

兄「おい妹!唐突に罵倒を挟むな!」

男「うるせえやつだなまったく。ひぐらしどころかアブラゼミじゃねえか。お前のテンションは今の場にそぐわないんだよ」

妹「この場違いさがまた金持ちキャラを体現しているようで鬱陶しいですね……」

兄「君らは俺の悪口しか言わんな!もっと積極的に褒めてみたまえよ!」

男「すげー!こいつ一週間経ったのにまだ生きてる!」

妹「おしっこかけられた!?」

兄「全部セミか!後者に至っては褒めてすらいないじゃないか!」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 07:54:38.25 ID:3OsxgEVIO
兄「まあいい……ツッコミすぎで喉が枯れる前に本題に移ろう。妹よ、お前を迎えにきた!」

男「帰ろうぜ妹」

妹「おう兄やん」

兄「待て待ちたまえ!兄は俺だ!そいつはただの他人だぞ!?男だ男!」

妹「それがどうしたっていうんですか?」

兄「私は肉親なんだぞ!!?昔生き別れたお前を探しに探して15年、とうとうお前を発見したのだ☆」

男「うぜえ……なあ妹、生き別れたってマジか?」

妹「そんなことはありませんでしたよ?この男も当然知りません」

兄「強がりはやめなさい!お前が俺の妹だということは様々な調査の結果判明していることなんだ!さあ!俺と一緒に家族として暮らそう!」

男「……なあなあ、あんたよ」

兄「なんだね!?」

男「いちいち叫ぶなっつつーの。あのさ、あんたが兄ってことは本当なんだよな?」

兄「当たり前じゃないか!それに疑いの余地はない!」

男「うん。それはいいんだがよ、ならまずはあんたが妹の兄だっていうその証拠を見せて欲しいな」

兄「いいとも!見たまえこれを!」

妹「なんですかこれ、紙?」

兄「雇っていた探偵からの調査報告書だ!みたまえ!ここに証拠がずらりと羅列されている!」

男「どれどれ……」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 08:06:24.84 ID:3OsxgEVIO
男「えーなになに、『戸籍抄本の一致……DNAの一致……出生地の一致……』なんだこれ!?全部漠然としかかいてねえじゃねえか!」

兄「でも800も証拠があるんだぞ!?いくらなんでも赤の他人ではこうはならないだろう!」

男「具体例を伴わないならいくらでもこんなん言ってけるわ!しかも800ってなんだ800って!探偵仕事しすぎだろ!嘘八百ってか!?」

妹「んなバカな……でもこれじゃあ確かに証拠にならないですね」

男「一応聞いとくけどさ、妹これを読んでみてやっぱりあいつを兄かもしれないとか思ったの?」

妹「全然ですよ。だって全部適当に書いてあるとしか思えませんもん」

男「……だってよ。おい聞いたか?こんなも!証拠にならねえよ。ただの紙だ紙」

兄「それだ!」

男「どれだよ」

兄「嘘八百!!あの野郎、それを狙ってこんなにも羅列しやがったんだ!」

妹「ええー……」

男「そこかよ」

兄「まあいい……こんなもんよりももっと明確な証拠を俺は持っているからな……」

男「もったいぶってねえではじめからそっち出せよ!」

妹「でもなんでしょう……その証拠って……」

男「どうせろくでもねえよ。こういうやつが溜めて出す言葉は大抵くだんねーとしか言えないんだよ」

兄「くくく……いってろ……これがその証拠だあああああああ!!!」

男「?」

妹「?」

兄「妹に……兄がいないわけねえだろうがああああああああああ!!!!!」

男「くだんね」

妹「くだんね」

兄「正論だろうが!!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 08:12:35.64 ID:3OsxgEVIO
男「こんなつまんない答えねえわ」

妹「それさっき男さんが言ってましたしね」

兄「なんだよ!こんな的確な言葉って他にあるか!?兄もいない妹なんかただの女だろ!!」

男「もういいよその話は。こいつは兄妹のいない妹っていう特殊なポジション得たし」

妹「わざわざ築き上げた平和を切り崩しにかかるってまるでジョーカーですね」

男「ダークナイトは傑作だわ。ビギンズは凡作、ライジングは秀作」

妹「なんという的確な……!!」

兄「聞けよお!!コウモリの話ばっかしてないでセミの話も聞けよお!」

男「自分でセミ認定しやがったこいつ」

妹「追い詰められたいじめられっ子の境地ですね」

兄「うあああやめろ!トラウマが!」

男「自分からいじめ経験を暴露しやがった……」

妹「いじめられっ子にはよくあることです」

兄「やめろおおお……寂しかったんだよおおお……」ボロボロ

男「これまた唐突に……」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 08:24:16.65 ID:3OsxgEVIO
兄「ううう……毎日毎日いじめられて……それを克服しようと上がり症をなおして大声でハキハキとしゃべれるようにして出世したのに……」

男「語りだしたぞこいつ」

妹「まあまあ、聞いてあげましょうよ」

男「いいのか?こんな勘違い野郎」

妹「それだけ辛かったってことかもしれないですし。ちょっとからかいすぎましたからね」

兄「あああ……妹も弟もいないのに兄ってなんだっていじめられて……くそが……なにが上流階級だ……兄には妹がいて妹には兄がいる……それが当たり前で他はダメだなんて……あいつら大嫌いだちくしょう……」

男「大変やったねえ」

妹「せやねえ」

兄「だから……自分を乗り越えようと……あいつらを見返してやろうと妹を探したのに……こんなことってあるか!!あああああ!もうみんな嫌いだ!どうせ俺は一人なんだ!孤独なんだちくしょう……」

妹「まあまあ……嫌なことがあったんですね……これでも飲んで一休みしてみてください」」

兄「うう……ありがとう……ツッコミで乾いた喉に沁みる……」

妹「よしよし」ナデナデ

男「おい、ズルいぞ。そのお茶俺にもくれよ。喉乾いて……」

妹「」ギロッ

男「いやなんでもないんだなこれが、へへへ、サーセン」

兄「ああ……こんなに心が落ち着いたのは久しぶりだ……」

妹「結局私は貴方の妹じゃなかったかもですけど……また嫌なことがあったり疲れたりしたら会いにきてくださいね。待ってますから」

兄「ありがとう……そうさせてもらうよ」

男「……なんだよ……いい話になってんじゃん」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 08:29:10.02 ID:3OsxgEVIO
兄「それじゃあ……なんだか僕の勘違いに巻き込んでしまって済まなかったね」

妹「いえいえ、別に気にしないでください。結果的に私たちも楽しめたわけですし」

男「俺は全然……」

妹「」ギロ

男「へへっ楽しかったっすわwwサーセンっすwwへへっww」

兄「でも……なんだかな、君は本当に妹というより、母親って感じがするな!」

妹「え、母親!?」

兄「母性に溢れているというか……うん!いいぞ!そういうものは金じゃ買えないからな!大切にしたまえ!!!」

男「回復早っ!!」

妹「すごいですね……」

兄「立ち直るのが早くなきゃ上流階級もやってられんのだよ!それではさらばだ!はははは!」

男「走るのは普通だ!」

妹「金の旗振ってますね……」

男「まあ、よかったんじゃないの、あいつには結果的にさ。人のぬくもりとか忘れてたっぽいし」

妹「よかったですねえ」

男「……あ!」

妹「どうしたんですか?」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 08:31:05.91 ID:3OsxgEVIO
ちょっとバイトいってきます。こんな時間だから誰もいないだろうけど……
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 08:32:23.57 ID:uFPISodlo
面白い、乙。期待する
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 12:49:56.16 ID:3OsxgEVIO
男「どうしたんだじゃないよ君ィ!!あいつがなんか変なところに入ってきたせいでお前の母性がスパークしちゃったけどさ、よく考えたら俺たちはおケンカの最中だったじゃないか!」

妹「おケンカって妙に上品に言わないでください!腹が立ちます!」

男「敬語が身についたのは大いに結構。だが、やはりそれだけじゃ妹には足らんのだよ!」

妹「足らんってどういうことですか!?……どういうことだ!」

男「敬語を指摘されたからって治さなくていいんだよ別に。褒めてんだから!」

妹「そうやってすぐ本題からズレる。いいですか!?私今あなたが言う私に足りないものの正体を聞いているんですよ!?」

男「説明しなくてもいい!まあよかろう……それはギャップだ!」

妹「っスか」

男「無視して続けるぞ!ギャップ萌えという言葉がある通りギャップとはある程度のものならばキャラクターの強い武器になるのである。それはキャラクターだけに限ったことではない……例えば『イニシエーション・ラブ』という小説がございますが、これはタイトルから想像される激安女と激安男の激安恋愛おセ○クス小説の皮をかぶった、ある種のミステリー小説なのであります」

妹「すごいね!セ○クスにまでおをつけて丁寧語にしちゃうなんて!」

男「安い感想だな。でだ!この小説のどこがミステリーなのかというと、読者が小説を読んで頭の中に作り出す「小説内の状況」を作中で起きている事態とはまったく違うものに錯覚させるという叙述トリックが使われているのだ!すごいだろ!」

妹「はあ」

男「この小説は発売当時恋愛小説ファンはもちろん巧妙に仕組まれたトリックでミステリー小説ファンをも唸らせ、このミステリーがすごい!の第12位にランクインまでしちゃったのだ!すごいだろ!」

妹「要するにジャンルが違う分野から本場を凌ぐトリックを使った小説が現れたので、そのギャップもあって賞賛されたと」

男「すごい!俺があと八行ぐらい使って説明しようとしたことを一行で説明してくれた!そこに……シビ……れ……」ゼェゼェ

妹「普通に喋っていいですよ?」

男「あ……ありがと……あこがれ……るゥ」ゼェゼェ
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 13:21:53.44 ID:3OsxgEVIO
男「だがギャップはあまりにも強すぎてはいけない。例えばハーレム漫画にはよく腹黒キャラが出てくるが、これは大抵実は性癖がSだったり、笑顔がかわいいが本性は暴力も厭わない性格であるといった、いわば現実からそう離れていない性格付けがなされている」

妹「いきなり真顔にならないでください……なんだか不安になります」

男「そうしたキャラクターはまあ女王様とかいうあだ名をつけられて一部の読者にある程度の人気を得ることができるのですよ。ところがですね、これがマジでやばいやつになると……例えば実はヤクザの組長で人をバンバン殺しても平気だとか、金のためなら友達も[ピーーー]だとか、まあ行きすぎたギャップを持たせると途端に非難されるようになるのです」

妹「まあ普通に許容度ってのがあるんでしょうね」

男「そう!それの見極めが重要なんだ。腹黒の対極にある良い子もやりすぎると嫌がられるだろう。いかにして多くの人の許容度を守ったギャップを得るか!それが素晴らしい妹への大きな道の一歩だ」

妹「簡単に言える事を難しく言うのが得意ですね」

男「現実にはそれぐらい難しいってことだ。それにな、物事ってものは知れば知るほどそれがいかに奥深く様々な問題や哲学を内包しているかわかるようになるもんだ。萌えキャラだってそうだ。アニメも漫画もちゃんと歴史と痔続きになっているものだしな」

妹「その漢字だとお尻が痛いことになってしまいますが」

男「漢字と感じをかけたか……やるな」

妹「かけてませんけど」

男「とにかくお前にはギャップが必要なのだ!ここまで傍から見ていて、お前が俺の予想以上の行動をしたことは一度もないぞ!それじゃキャラクターが勝手に動いてくれんからな!」

妹「とんでもなく失礼なこと言われた気がするけど……まあ取り合えず話に乗ってみましょうか」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 13:43:59.83 ID:3OsxgEVIO
男「うむ!ではこれから妹にギャップ萌を叩き込むために実演して差し上げよう」

妹「帰ります」

男「ま、待て!俺じゃない!俺がやってもキモいだけってことぐらい自覚してる!ちゃんと講師を呼んでるんだ!」

妹「ずいぶんと用意がいいんですね……」 ジト

男「おおう!ジト目もいいがまずは講師の紹介からだ!ずいぶんと待たせちゃったしな!それでは先生!どうぞ入ってきてください!」

妹「今更だけど私たちどこかの部屋にいるんだね」

男「余計な茶々いれるな!」

こうしくん「はい、どうも」

妹「ギャップ強えええええええええええええええええええ!!!!!!」

男「講師とこうしを掛け合わせたギャグでした」

こうしくん「ふふふ、面白い方ですね」

妹「肝心のギャップの破壊力やばいのにお前なに無視しとんじゃハゲエエエエエエエエエエエ!!!!!」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 13:52:43.87 ID:3OsxgEVIO
男「どうだ、ギャップというものがわかったろう」

妹「十分すぎるほどにわかりましたよ!っていうかこうしくん絶対あんなキャラじゃなかったでしょ!!?なんであんな余裕見せて……」

男「じゃじゃ丸ちゃんいるじゃん」

妹「はあ……」

男「子供できたんだってさ」

妹「」

男「どうだ、すごい破壊力だろ」

妹「凄まじいわ!!越えちゃいけないライン考えろよ!!ボーダーラインとっくに突破してんだよ!!」

男「ほら興奮すると敬語忘れる癖やめい!!」

妹「そんなんよりさっきの忘れさせてくれええええええええ!!!!」

こうしくん「まあまあ、落ち着いてください」

妹「お前帰れ!!」

男「まあまあ……せっかくこのSSを二次創作ものまで引き上げてくれたんだよ?」

妹「オリジナルは二次創作の下にあるもんじゃないだろうが!」

こうしくん「そうです。平等こそが平和への道なのです」

男「こうしくん偉いなあ」

妹「偉けりゃいいんもんじゃねーぞ!キャラ考えろキャラ!ギャップじゃ済まされないぞこれ!」

こうしくん「ではそろそろ……妻が私の帰りを待っているので失礼させていただきますね」

男「お疲れ様でしたー」

こうしくん「頑張ってくださいねー」

男「はーいさよならー」

妹「なんだこの中身のない会話!!?」

男「あいさつなんて大概中身ないだろうが。……まあいい、もう目的は達成したしな」

妹「は?」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 14:06:26.28 ID:3OsxgEVIO
男「は?じゃねーよ。お前のギャップ、決まったろ」

妹「へ?」

男「キレると敬語忘れて全力で突っ込みする!どこぞのビュティさんみたいにな」

妹「はあ……はっ?」

男「全然腑に落ちてないみたいだが、思えば簡単なことだったんだ。もともとお前は突っ込み体質だしな」

妹「え……じゃあこうしくんを読んだ意味は?」

男「え……だから講師とこうし」

妹「それだけ……」

男「……うん……だけだけど……」

妹「……くだんね」

男「……すんません」

妹「つーかさ……この中身のない会話なに?」

男「これまで散々……会話の中身を詰め込んできたつもりだから……息抜きでもしようかな……と……」

妹「そうですか……息抜きも……大切ですしね……」

男「……そうですよ……あれ……僕も……声が敬語に……」

妹「……なりましたか……」

男「はい……」

妹「いいですねえ敬語……」

男「はい……」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 14:18:02.72 ID:Tcz2By7IO
やまなし
おちなし
いみなし
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 14:20:34.55 ID:3OsxgEVIO
男「はい、というわけでお前の突っ込み属性が決まったわけですけども」

妹「今のほとんど無駄で構成されたレスはなんだよ!!?」

男「はい、ご感想の方をどうぞ」

妹「感想もなにもないわ!こんなのにどんな感情抱けばいいんですか!?無理やり捻り出しても『微妙』しか出ない!」

男「いいねえ、突っ込むねえ。今度は俺のを突っ込ませてよ」

妹「唐突な下ネタやめろ!!」

男「こう突っ込まれるといろいろボケたくなっちゃうな。なあ、こんなにお客さんもいるわけですし、いっちょ漫才でもやりますか?」

妹「お客さんなんかいないし少なくとも人が見にこれるところに私たちは立ってないよ!」

男「そりゃそうだ!だってここは一次元ですからね!ダークマターお疲れさん!」

妹「未知の物質がバーゲンセールじゃねえか!つーかこの話のオチどうするんだ!!」

男「そりゃもちろん……」

妹「?」

男「一二三と全部繋がってロクでもない、話ですわ」

妹「お後が宜し……くない!!」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 14:38:08.80 ID:3OsxgEVIO
男「つーかさ、ぶっちゃけやりたいこととかもう終わっちゃってるからいいんだよね、妹とか別に」

妹「身も蓋もないこと言うな!だからこんなグダグダになったのか!!?」

男「うんまあ、もういいんじゃないかな。お前が誰の妹だとか、もう誰も気にしてないと思うよ。あれだよ、『読者の妹という念が結実してできた精神的存在』とかそんなんでいいよもう」

妹「どっかで聞いたようなオチはやめろ!っていうかあんたはなんなんだ!?私のこと誰の妹だってバカにするけどさ!あんたはただの男なんだよ!?『男』!」

男「それはあれだろ、俺が男だからその特徴を捉えて……」

妹「兄も男でしょ!?男だけが特徴ってどんだけ特徴ないんだよ!」

男「えー……だってただの男なら自分のこと投影させたりできるわけじゃん。だから男でいいんだよ。主人公は男、これだけあれば十分」

妹「ふざけるな!もっと特徴……だからスポーツ刈りとか、そういう表記にしなよ!」

男「え……スポーツ刈りってやだなあ」

妹「嫌だったの!?」

男「千円カットだし……」

妹「さっきまで肯定してた癖に!……と突っ込みと見せかけておりゃー!」

くぁwせふじこ「な、なにをする!!?や、やめ……」

妹「おらっ!!今日からお前はスポーツ刈りだ!」

男「うわー!?なにしやがる!」

スポーツ刈り「な、なんてこった!!これじゃあ俺は男じゃなくなる……ん?」

男「この野郎!ならお前もただの『女』に……あ」

スポーツ刈り「え」

妹「……え……」

男「あー……あ……やっちゃった……」

スポーツ刈り「お……お前……誰だ……」

妹「いったい……どういう……」

男「あのー……」

スポーツ刈り「なんだ……?」

男「ダークマターで……本編やりません?他のやつらもやりたがってるし……」

妹「あれお前!!?てかあと何人男いるんだよ!!」

スポーツ刈り「お……俺は一人だぞ……」

スポーツ刈り「そうだそうだ……」

スポーツ刈り「……え?」

妹「ぎゃーー!!!増えた!!」

男「まあ……あれだな」

妹「この喧騒のさなかにもったいぶってないで早く言え!」

男「文字ごときに踊らされるな……と」

妹「SS全否定じゃねーか!!!」


24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 14:41:40.36 ID:3OsxgEVIO
方向性を見失いがちな僕の個性がでたSSに成り下がったと思います
何事も計画的でなければできません
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/10/29(月) 17:01:58.42 ID:FxEKDXq5o
>>24
こういうのはvipでやれよ
ここじゃいつまでも残って余計お前の恥を晒すぞ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/10/29(月) 17:03:49.51 ID:Tcz2By7IO
あげとこう
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/29(月) 17:15:35.67 ID:uFPISodlo
ぶん投げ乙
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