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ガラスの中に君はいるの? - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/11/30(金) 21:54:03.46 ID:JgTdaBLIO
昔々のお話。
舞台は神様を怒らせてしまい、二度と晴れなくなってしまったとある国。

国の人々は神様に謝り、懇願しました。
「お願いします。どうか、どうか太陽を再びお見せになってください」

神様は言いました。
「人間は信用ならん。人質として生け贄を差し出せ」

人々は話し合い、その国の王様の娘を差し出すことになりました。

娘はまだ若く、美しさの中にあどけなさを残した少女でした。

王様もこれには反対しましたが、もともとは王様が原因。どうしようもありません。

その後、生け贄として娘を差し出すことで無事に太陽を戻すことができました 。
それから何年も時が流れます。

歴史は繰り返す。この言葉通り民は太陽を再び失い、さらには神様は怒り、幸せとはいかないまでも、神様の建てた塔でともに過ごしていた娘は石にされてしまいます。


これは、そんな昔話のある国でのお話。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1354280043
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2 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/11/30(金) 22:03:47.31 ID:JgTdaBLIO
「ねえ、この話の続きは!?」
幼い頃の少年はお母さんに尋ねます。

「さあ?どうなったのかしらねえ」
お母さんは目を細め、もう何百年も曇ったままの空を眺めます。

「王様のこどもはどうなっちゃったの!?なんにもしてないのに、石にされたなんて可哀想だよ!」

少年の目は少し潤んでいました。

「かわいそうだねえ……じゃあ少年、少年が助けてあげなさい」
「僕が?」
少年は目を丸くさせます。

「そうよ。いつか少年が大きくなった時、あの塔に行って少年が助けてあげるの」
3 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/11/30(金) 22:29:27.54 ID:JgTdaBLIO
タメ書き無しでのそのそ書いていくんで遅くなると思います
4 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/11/30(金) 23:06:06.64 ID:JgTdaBLIO
「夢……」

夢の中の数年後の少年は目覚めます。
ベッドの近くの窓からちょうど外の景色が見れます。

「曇り……か」

少年は17年。太陽を見たことがありません。今日がその17年目です。

今日は霧もひどいのか、辺り一面が灰色です。
そんな霧の中、うっすらと建物が見えます。

「塔……」

誰も立ち入ろうとせず、風化してしまった塔がぼんやりと見えるのです。

ああ、曇り空と言いましたが訂正します。一部を除いて曇り空です。


塔の付近だけが、晴れなのです。


塔の頂はいつも青く輝いています。綺麗な青です。

ですが、今日だけは違いました。いつもよりも光が弱いように思えます。毎日のように見つめている少年がそう思うのですから、確かなのでしょう。



気づけば、体は動いていました。
5 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/01(土) 00:17:17.43 ID:LqP1NA0IO
中は明かり一つない暗闇でした。

時間と比例して目は暗闇に慣れていきますが、壁に手をつけていないと満足に歩くこともできません。

壁は石でできていて、ひんやりとしています。

視界がままならないせいか、自分の身体が壁に吸い込まれてしまうような感覚さえします。

少年はおそるおそる足を踏み出します。

『石にされた少女』

昔話の一節を思い出しました。

初めてその話を聞いたときは少女のことを想い、泣きそうになりました。

その時のことを思い浮かべ少年は苦笑い。
6 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/01(土) 00:45:35.37 ID:LqP1NA0IO
ふと、なんで自分が塔にやってきたのか首を傾げます。

兎に角くる必要があると思ったのです。

いつもと違っていたから。不安になったのです。

決して、石になった少女のためではありません。というか、それは昔話の中での設定です。
流石にこの歳になってまで、夢物語なことを考える少年ではありません。

先ほど見つけた階段を登りながら考えます。

考える。という行為は久しぶりです。少年だけではなく、この国の人々は太陽がなくなってから考えるという行為をやめてしまったのです。


あの青い光は何でしょうか?
7 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/01(土) 14:15:53.81 ID:LqP1NA0IO
少年は上を見つめます。

階段の先には暗闇ばかり。

ここに入ってから何時間たったのかわかりません。

「……」

ふと、帰り道のことを考えてしまいました。

あまり泣かなくなった少年でしたが、目には涙が浮かんでいます。


それでも不思議と後悔はありませんでした。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 14:21:09.91 ID:/9Y7Y+8a0
こういうの大好き、期待している
9 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/01(土) 14:24:57.54 ID:LqP1NA0IO
「うわっ」

手をついていた壁が急に途切れ、少年は顔から転んでしまいます。

「え……?」

鼻に熱を感じながらも顔をあげた少年の目に映ったのは青でした。


青。


まるい、まるい。
10 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/01(土) 14:32:02.57 ID:LqP1NA0IO
それはガラスの中にありました。

青く輝き、吹き抜けの天井に向かって光を当てています。

いや、どちらが光を照らしているのでしょう?

だって、空は晴天でそちらからは太陽の光が差し込んでいるのです。


気づけば、ギリギリで留まっていた少年の目からは涙がこぼれていました。
11 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/01(土) 17:19:16.90 ID:LqP1NA0IO
青く輝くたま。

少年は少し、信じてみたくなりました。

「それは君なの?」

言葉が少し変です。少年はそれに気づいていましたが、なんだかこの言葉がしっくりきたのです。

もちろん、返事はありません。

青く輝き続けるだけ。

まるで宝石をあつかうショーケースの中でたまは青く輝きます。
12 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/01(土) 17:25:36.11 ID:LqP1NA0IO
「ガラスの中に君はいるの?」

たまは何も答えません。

ガラスの中でぼうっと輝き……


そこで少年は気づきます。


そのガラスの中は白い煙のこもったように濁っているのです。

いや、どちらかというと灰です。

白と黒の入り混じったガラスの中で輝いていたのです。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 18:13:16.77 ID:cdHxF2aqo
ロマンチック
14 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/02(日) 14:22:11.90 ID:1pXsz8oIO
「……?」

そのガラスの向こう側、何かがあることに少年は気づきます。

透明な灰色と、青い光に透けてほんのわずかに見えるのです。

少年は恐る恐る、回り込んで覗こうとします。

少しずつ見える何か。

今更になって少年は床が真っ黒ななにかでできていることに気づきます。


……まあ、それとこれは全く関係ないですが。
15 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/02(日) 14:27:11.00 ID:1pXsz8oIO
そこには少女がいました。

眠っています。


すー、すー。


小さく息をたてて。


黒に近い灰色のワンピースは、少女の髪と全く同じ色でした。

少年は息を呑みます。

少年はこんなに明るい所で女の子を見るのは初めてでした。

いつも薄暗く、夜には数本の蝋燭で暮らのですから。
16 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/02(日) 14:39:08.26 ID:1pXsz8oIO
起こそうかな?

少年は考えます。

なんだかんだで不安なのです。

少女と話がしたいのです。

でも、なんだかためらわれます。


少女の周りだけ床が白くて、触れがたいものに思えてしまうのも原因でしょう。
17 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/02(日) 14:56:25.77 ID:1pXsz8oIO
少年の手が少女の肩に触れようとした、その時です。

「……?」

少年は目をこすります。

信じられません。

少女のいた白い床と黒い床の境界線がぼんやりと、あいまいになるのです。

それは黒が白に混ざろうとしているように見えます。


「あ……」


少女は小さな声を出し、ゆっくりと目を開けます。
18 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/02(日) 17:17:21.82 ID:gI7604OIO
その声と同時に境界線は大きく動き出します。

狂暴と言ってもいいでしょう。

まるで刃のように。

白に向かって攻撃を仕掛けます。

その中心にいる少女は目を閉じます。

少年にはその姿は祈っているように見えました。

ただ、時折少女は苦しむように口を曲げます。
19 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/12/02(日) 17:23:42.51 ID:gI7604OIO
その光景の中、少年はどうしていいかわかりません。

苦しむ少女の姿。

そんな状況にもかかわらず、少年は何かと戦う少女に魅力を感じました。


それはただただ、きれいなのです。


気づけば……黒と白の境界線は落ち着きを取り戻し、少女は大きく息をついていました。
20 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/02(日) 22:46:48.28 ID:gI7604OIO
「君は誰?」

2人は同時に、お互いに問いかけます。

2人は見つめ合ったあと、小さく笑います。


それだけで、なんだか分かり合えた気がしました。
21 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/12/02(日) 22:53:47.05 ID:gI7604OIO
一通り、自己紹介を終わらせた後、2人は並んで座ります。

青いたまを背にして。

「わたしはね。ずっと昔からここにいるの」

「いつから?」

「わかんない、記憶があいまいなんだ」

少し悲しそうに少女は笑いました。


『ここでなにしてるの?』


愚問でした。

なので、
「あの黒は……」

少女の額に滲む汗を見ながら少年は口を開きます。

結構な間2人は話しているのに彼女の顔色は優れないのです。
22 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/12/02(日) 23:04:04.65 ID:gI7604OIO
それ悟ったように少女は話してくれました。

最初の頃は真っ白な床だったこと。

黒もそれほど苦しくはなかったこと。

昔は記憶が残っていたこと。

ガラスの中もきれいな透明で輝きは今よりもずっと強かったこと。

半分が黒になった頃には一日中苦しくなったこと。


「最初の頃はね、遠くの空まで晴れ渡ってたんだよ」


少女は笑います。

少年は悲しみます。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:05:12.28 ID:+OYJak/AO
支援!
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 07:55:34.24 ID:vswxI+jto
乙ー
25 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/03(月) 13:15:49.97 ID:Kv6PTvSIO
少年は考えます。

どうすればいいか。

少年の頭の中は少女を救うことばかりです。

「わたしの髪ね。昔は真っ白だったんだよ」

愛おしそうに少女は自分の髪に触れます。

それにつられるかのように、少年は少女の髪をなでます。

そおっと。壊してしまわないように。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 13:41:53.42 ID:Lex59gpDO
もし前に何か書いてたなら教えてもらえないかな
27 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/12/03(月) 15:17:51.74 ID:Kv6PTvSIO
いままでいろいろ書いてきたけど、今回のは試みみたいなもので全く書き方が違うからあんまりおすすめはしない
最後に宣伝を少しだけさせてもらおうと思ってる
28 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/03(月) 22:01:43.81 ID:Kv6PTvSIO
少女は一瞬目をまるくしますが、それでも撫でつづけると気持ち良さそうに目を細めます。

「えへへ」

なんてはにかんで。

少年はその表情を眺めるために撫で続けます。


ずっと、ずっと。
29 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/04(火) 21:55:17.52 ID:fkkAIjpIO
あーー。

悔しいなあ。

なんだか少年は負けた気分です。

自分の人生すべてを少女に一気に奪われてしまいました。

「死んでもいいなんて気分になっちゃうじゃないか」
「え?」

少年はそれ以上なにも言いません。
30 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/04(火) 21:58:22.20 ID:fkkAIjpIO
少年は少女のもたれていたガラスに薄く彫られた文字に気づいていました。

少女は気づかなかったのでしょうか?

そんなわけがありません。

そこには少年の国の文字で


『光を欲する者、生贄を捧げよ』
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 23:01:24.40 ID:tJH5bH0AO
乙するタイミングが掴めないッ!
32 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/05(水) 13:24:02.88 ID:gG5+Zf3IO
今日の夜には完結予定
33 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/05(水) 21:17:12.85 ID:gG5+Zf3IO
少女は少年の目線に気づきます。

「あ、これ?何か彫られてるでしょ。実はね、わたし文字が読めないの」

そう言ってそっとガラスに触れます。

「なんて書いてるの?」

「……」

少年は黙ったままです。

「ねえ」

黙ったままの少年に我慢しきれず、少女はもう一度口を開きます。

「どうしちゃったの?」
34 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/12/05(水) 21:18:12.34 ID:gG5+Zf3IO
少年は答えることができませんでした。

あることに気づいてしまったからです。

「黒が……」

「え……嘘……。1日に何度も出ることはなかったのに」

黒は刃となり、少女に襲いかかります。

少女は少年を白の外から押し出そうとします。

少年もわかっていました。

黒の中にいれば無事なのです。

黒の味方であれば安全なのです。




だから。

だから少年は白から出ようとはしませんでした。
35 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/12/05(水) 21:19:18.31 ID:gG5+Zf3IO
ですが、なぜでしょう。

少女の押し出そうとする力は少年の思っている以上に力強く、少年はつい一歩、後ろに下がってしまいます。

少年の足元は黒でした。

さっきまで三人が座れるくらいにはあった白が今ではぎりぎり2人座れるかどうかの大きさです。

少女は目をつむります。

必死で痛みに耐えるかのように。

ふと見えるガラスに映る自分の黒髪になぜか苛立ちを感じます。
36 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/05(水) 21:21:37.47 ID:gG5+Zf3IO
苦しそうに少女は首を振ります。

「だめ……だよ?」


少女は苦しそうに少年に笑いかけました。


わたしは大丈夫。


そう少年に言いかけるように。






ああ……。


死んでもいいな。

少女のその表情は少年にとってどうしようもありませんでした。
37 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/12/05(水) 21:24:05.19 ID:gG5+Zf3IO
少年は手をのばします。

少年は少女の手をつかみます。

そしてそのままこちらに引き寄せます。

少女の身体はとても軽く、力を全く感じられません。

あっけなく少女は黒に引き寄せられ。




「生贄は誰だっていいんだろ?」




少年は白に足を踏み入れます。

「だめ!」

小さく、悲鳴のように少女は叫びます。

2人の位置は全く逆のものになり……


たまは青く、青く輝きます。




その優しい青は2人を包み込み……
38 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/05(水) 21:33:51.54 ID:gG5+Zf3IO
昔々のお話。

ある国は神様を怒らせていまい、太陽を失い、ずっと薄暗い空の下で過ごしていました。

国民は神様に乞います。

「どうか太陽を戻してください!」

神様は言います。

「どうしてもと言うなら生贄を差し出せ」

国民は泣く思いで国の姫君を差し出します。

その後、何百年も人々は太陽を取り戻しますが、歴史は繰り返すもの。人々は再び太陽を失います。


ただ、神様の建てたあの塔の空を除いて。




そこには、不思議な少女がいました。

真っ白できれいな髪をした……必死でこの国の太陽を守ろうとした少女。
39 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/12/05(水) 21:37:04.95 ID:gG5+Zf3IO
いつしか真っ白な塔と真っ白な少女は黒く、灰色に汚れていきます。

それでも少女はこの国のため、太陽を守り続けました。

これは、そんな昔話のある国でのお話。
40 :月日進 ◆EIVbeOiPes [sage]:2012/12/05(水) 21:41:08.07 ID:gG5+Zf3IO
ある時、塔の青い光が強くなりました。

それはこの国全体を覆い尽くします。

昔話はいつでも多くの人にとってハッピーエンドです。

最後にはこの国は太陽を取り戻し、国民は穀物を耕し平和に暮らしました。
41 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/05(水) 21:45:21.08 ID:gG5+Zf3IO












一説によると、昔話はもう少し続きがあるそうです。


塔には最上階で眠る2人がいるそうです。


2人はまるで兄妹のように同じ、白く、灰色の髪を持つそうです。


その2人は寄り添うように肩を並べ、手をつなぎ幸せそうに眠っているそうです。


ずっと。ずっと。





おしまい
42 :月日進 ◆EIVbeOiPes :2012/12/05(水) 23:09:01.76 ID:gG5+Zf3IO
これで終わり
一週間見てくれた人はありがとう

少しだけ宣伝
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43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 23:43:25.56 ID:xbTLyl1AO
乙〜
たまにはこういうのもイイね!
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 00:19:15.00 ID:MuMRFeKro
見続けててよかった。乙
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 19:07:59.70 ID:QObvmNA9o
乙ー。
こういうの好きだわ
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