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杏子「魔法少女戦争、か」渚「そりゃいいヒマ潰しだ♪」  - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 17:46:09.71 ID:Y84fm/x20
このスレの主人公は小早川 渚という、魔法少女まどか☆マギカのオリジナルキャラです。

他にも色んなオリジナルキャラが出ます。


前々回 渚「とことん潰してやろっと♪」新川「マジッスか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351455360


前回 渚「絶望的にヒマだー♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353584791



上記のスレを見てないと、混乱する事になるかもしれませんが…


「そんなの知ったこっちゃねぇ!」ンバッ!って方はご気軽にどうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1355129169
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

空を自由に飛びたいな @ 2024/11/22(金) 15:47:22.22 ID:UV495csLo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732258041/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:20:24.33 ID:WpWM+xYMo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227623/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:18:35.89 ID:Vr506SRJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227515/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:49.87 ID:t6dKBjAuo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227469/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:17.71 ID:/UbTl3Hgo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227436/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:16:22.54 ID:Un8tNByuo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227381/

ミア「歩夢・・・辛かったな・・・」ナデナデ歩夢「ミアちゃん・・・うぅ・・・」 @ 2024/11/22(金) 00:59:47.53 ID:w7bhdEV4O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1732204787/

ちんぽいぬ @ 2024/11/21(木) 22:13:45.60 ID:BuRqeSctO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732194825/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 17:54:25.37 ID:Y84fm/x20
ここはアパート、とんでもなくボロい。


もしもここが友人に知られたら卒倒する程のボロさである。


そのボロいアパートの一室の窓が開き、ピョコンとアホ毛が伸びた青黒色の髪をした少女が


ブラックコーヒーを片手に朝の街を眺めていた。



零「フー、いい朝だ☆」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 18:03:36.65 ID:Y84fm/x20
零(え?お前が主人公だって?あぁ、まぁそうだよ?体は主人公のだけどね☆)


零(あー…途中から見た人や、忘れた人も居るから説明しなきゃならないのか)


零(えっとね、前回を見たら早いんだけど、『館花勢力』っていう悪い魔法少女が見滝原中学を占領したんだ☆)


零(そこに小早川 渚っていう私の友達があまりにもヒマ過ぎたせいで、自分のソウルジェムを割ったんだ☆)


零(それで、私は小早川 渚の『バックアップ』の役割をしてるから、小早川 渚が死ねば私と入れ替わる仕組みになってるんだ)


零(何で入れ替わるのかは…まぁ説明すると色々ややこしいからアレだけど……ね)


零(まぁ、私は創造神でもあり破壊神でもあるからさ)


零(さて……そろそろ、ソウルジェムが復元出来た頃かな…?)


零(よし、交代だ)フッ…
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 18:05:04.93 ID:Y84fm/x20




渚「さ、主人公のお出ましだぜ♪」ムクッ



5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 18:09:26.46 ID:Y84fm/x20
小早川 渚。


ネガティブ系魔法少女と呼ばれる特殊な魔法少女の一人であり、大規模のネガティブ系魔法少女だけの

団体を纏めるリーダーである。


ネガティブ系魔法少女とは、異常な回復速度や異様な魔法を持ち、いくら魔法を使ってもソウルジェムは

濁らないという。


しかし、もちろんこのネガティブ系魔法少女とは完璧では無く、倒せる方法はいくらでもある。



渚「さーて♪暇潰し探しだー♪」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 18:22:13.07 ID:Y84fm/x20
同時刻、とある見滝原の雑居ビル。


一つの病院のベットがポツンと置かれただけの部屋だった。


その部屋には三人の少女、ベットに座ってる少女を合わせて4人が部屋にいる。


そのベットに座っている少女は右腕が無くなっており、頬には『斬』という漢字が切り刻まれた少女が

座っていた。


佐倉杏子との戦いに敗れた橘であった。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 18:28:59.94 ID:Y84fm/x20
橘「……で?何を聞きたい?」


キリカ「アイツは恐らく厨ニ病だよ織莉子」ヒソヒソ…


織莉子「人の事を言えないわ」



橘から遠く離れ、部屋の隅っこに居るのは美国織莉子と呉キリカ。



そして橘の近くに居るのは過激派魔法少女集団のリーダー格、斎藤翔子が鋭い眼光で橘を睨み付けている。


橘「はッ…!そんな睨むなよ」プイッ



キリカ「ほら!やっぱり」ヒッソォォ!


織莉子「黙りなさい」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 18:39:35.29 ID:Y84fm/x20
斎藤「答えろ、お前達の他にも別の魔法少女を来ると言う情報……」



橘「あぁ……その事か、あぁ来るよ?『館花勢力』なんて赤ん坊のクシャミ程度に思う程にデカい嵐が来るよ?」



左手を大きく回して、そう答える。すると奧からキリカが動いた。



キリカ「おいおい、私が命を賭けてまで倒した『館花勢力』がクシャミ程度だって?」



そう、呉キリカは三度に渡る『館花勢力』の総リーダー館花鶴来との激戦を繰り広げて、やっとの思いで

倒した強敵である。



まだ残党は残っているが、結果的にはその瞬間『館花勢力』は崩壊したのである。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 18:45:20.63 ID:Y84fm/x20
橘「あぁ、館花鶴来の内蔵をエグリ出して倒したの、キミなんだ」


橘はそう言って、ベットから立ち上がる。


斎藤「どこに行く気だ?」


橘「もう私は何も知らないよ?これから来る魔法少女の事なんて何も知らないし」


斎藤「だからと言って野放しにする訳にはいかない、その後から来る魔法少女とやらが来るまで監禁する」


橘「ご自由に……」


橘は再びベットに座り込んだ。


斎藤「呉キリカ、美国織莉子、コイツの監視は頼んだ」


キリカ「うぇっ!?わ、分かったよ……」


一瞬だけキリカは嫌な顔をした。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 18:52:17.32 ID:Y84fm/x20
――――――

ここは見滝原中学校、学校の入口で鹿目まどかが立ちすくんでいた。


さやか「どうしたの?まどか?」


後ろからやって来た美樹さやかが、まどかに声を掛けた。



まどか「あ、さ、さやかちゃん…おはよう……」


まどかの表情がやけに暗い、それもそのハズだ、この前『館花勢力』が襲撃してきて


見境なく教師と生徒も無惨に殺され、まどか達が出る頃には地面には死体と夥しい程の血があったのだ。


さやか「………あの事件、本当に辛かったね」


まどか「……うん」


さやか「…一応さ、入ってみようよ」


まどか「うん……」


まどかとさやかは力無く溜息を付いて学校の中に入った、すると――


まどか「え?」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 18:57:21.25 ID:Y84fm/x20
学校の玄関には大量の弾薬箱が山積みになって置かれており、その隣には重火器や武器が並べられてある。


まどか達はこの状況をどう受け取っていいのか分からず、思わず唾を飲んだ。


「まどか?美樹さん?」


聞き覚えのある声が左方向から聞こえた、フッと左を向くと、機関銃を持ったほむらが立っていた。



まどか「ほむらちゃん!」


ほむら「何してるの?二人共?」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 19:05:40.06 ID:Y84fm/x20
さやか「何って…!学校に来たんだよ!」


ほむら「今日は日曜よ」


ほむらがそう言うと、さやかは押し黙った。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 19:12:40.27 ID:Y84fm/x20
さやか「あ、あー…まぁ、知ってたけどね!」


頭をポリポリと掻いてさやかは汗を垂らしながらそう言う。


そして、まどかはこの弾薬について、ほむらに聞いた。



まどか「ねぇ?この山積みになってるこれは?」


ほむら「……戦争の時に必要なのよ」


さやか「せんそう?」


さやかはほむらの頭がおかしくなったのかと思って、ほむらの頭を撫でた。



さやか「……」ワシャワシャ…


ほむら「な、何するのよ…」グイッ


さやか「あうー…」


まどか「いいなー…」ボソッ
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 19:56:17.65 ID:Y84fm/x20
さやか「で?戦争って何だよ?」


ほむら「……後で巴さんから話すつもりだったけど、まぁいいわ」


ほむら「知ってる?今日から普通・ネガティブの魔法少女が何人かがこの見滝原に侵入してくるのよ」


さやか「え、えぇえええええええ!!!!???!?」


ほむら「だから戦争よ、見滝原を賭けて大戦争が巻き起こるわ!」


さやか「……ちなみにそれ、誰からの情報?」


ほむら「小早川さん」


さやか「まぁどうでもいいか」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 20:21:41.91 ID:Y84fm/x20
どうせいつもの渚の冗談だろう、さやかはそう思って本気にしなかった、一人を除いては。


まどか「えっ!?戦争!?ほむらちゃん、戦争に行っちゃうの!?」


ほむら「安心して、まどか。絶対にこの見滝原は別の魔法少女には渡さないわ」


ほむらはまどかの両手を優しく包み込んだ、その隣でさやかは小芝居でも見てる感覚でその様子を眺めていた。


さやか「……ほむら、マジで信じてるのか?」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 20:34:51.29 ID:Y84fm/x20
その時。


第二会議室の方から女性がすすり泣く声が聞こえて来た。


さやか「え!な、何…!?朝っぱらから幽霊!?」


ほむら「あ、私が武器を見つけた部屋?」


不気味だった、静まり返った学校からすすり泣く声が響いてたのだから。


ちなみに外は雪が降っている。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 20:50:09.04 ID:Y84fm/x20
さやか「ちょ、ちょっと見てくる……」ガチャッ


まどか「さ、さやかちゃん……」


ほむら「あ、カービンライフルを……」



さやかは大量の銃器の山からカービンライフルを持ち出して、第二会議室に恐る恐るドアに手を賭けて…

勢い良く開けた。


その瞬間、ドアから黒い特徴的なアホ毛ロングヘアーに黒いビジネススーツを着用した大人の女性が

手に持っていたショットガンでさやかのカービンライフルを弾き返して、さやかの喉に掴みかかり壁に

叩きつけた。


さやか「ぐぇっ!?」


まどか「さやかちゃん!?」



ビジネススーツを着た女性は、さやかから手を離して、さやかの頭にショットガンを突きつけ、さやかが持ってた

カービンライフルを持ち上げた。


「安全装置が掛かってるぞ新米」



ほむら「小早川先生!」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 20:57:25.69 ID:Y84fm/x20
その女性は見滝原中学で教師とカウンセラーをやっている、小早川渚の姉、小早川蓮美だった。


蓮美の顔は涙で酷い顔になってた。


さやか「い、いきなり何するんですか……」


蓮美「あぁ!ゴメンよゴメンね!さやかちゃん!うぅ〜……」



蓮美は再び泣き出した、さやかは山積みの弾薬箱や武器を見て。



さやか「あ、アイツです!ほむらです!勝手に小早川先生の私物を盗んだのは!」


ほむら「えっ!ち、違う!私は何も悪くない!」


さやか「は、白状しろ!」


蓮美「あー…別に武器ぐらい取ってもいいよ…♪それ、フロリダのマフィアから強奪したヤツだからさそれ…♪

それよりももっと大変な物を取られたよぉ〜!およよよよ……」グスグス…
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 21:05:42.11 ID:Y84fm/x20
さやか「ど、どうやってコレだけの量を日本に?」


蓮美「えっとね、三重密輸入出っていう方法を使ってね……あ、この先は教えられないよ♪」


人差し指で自分の口を押さえてそう言い、漫画の女教師みたいな仕草をした。


ほむら「で?小早川先生が取られた大切な物って?」



蓮美「えっ…い、言えない……」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 21:12:47.77 ID:Y84fm/x20
まどか「何でですか?」


蓮美「だ、だって…これ言ったら渚ちゃんに嫌われちゃうもん」


蓮美は強度のシスコンであり、その事を知っているのは渚本人とその友人なら分かる。


あまりにもシスコンのせいで、行き過ぎの愛情表現をしてしまう。嫌われてしまうのが

怖がっていて涙目になっている、嫌われてるに近いという事に気付いてないのだろうか?
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 21:24:26.86 ID:Y84fm/x20
蓮美「とにかく!こんな感じの大きさで茶色いアルバム本を見つけたら、中身を見ずに直ちに私に渡す様に♪」


そう言って、立ち去り際に武器の山から拳銃を二丁を服の中に仕舞って、去って行った。


ほむら「……何なのかしら?」


まどか「……さぁ?」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 22:14:05.19 ID:Y84fm/x20
同時刻 雑居ビル


橘の部屋の隣に、斎藤が椅子に座ってる。その斎藤の膝の上にキリカが座ってる。


まるで何かを期待してる様にキリカは斎藤の膝の上に座っていた。


斎藤「………」


キリカ「………」ワクワク…


斎藤「………」


キリカ「………」ドキドキ…


斎藤「もう何も言わんぞ」


キリカ「……!」ガーンッ!


ツッコミ待ちだったキリカはショックを受けて諦めて斎藤の膝の上から退いた。


キリカ「なーんだよ斎藤!ノリが悪いなーきみはー!」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 22:31:43.11 ID:Y84fm/x20
斎藤「何なんだ……」


ガチャッと部屋に入って来たのは織莉子だった、もう一つの部屋で未来予知をしていた

織莉子はテーブルに置いてあった紅茶を飲んだ。


キリカも紅茶に角砂糖四つぐらいぶち込み、飲んだ。


キリカ「プッハー!で?どうだった?織莉子?」


織莉子はカップをテーブルに置き、斎藤の方を振り向いた。


織莉子「うふふ……墓標が見えたわ」クスッ


斎藤「墓標?」


織莉子「えぇ……貴方と小早川渚の名前が刻まれた墓標が……ね」


斎藤「………」


織莉子「でも、この未来は変える事は出来るわよ?小早川渚だけの名前を刻む事も……」


斎藤「フン、下らんな……」


そう言い、斎藤は立ち上がってテーブルに置いてあるコーヒーが入ったカップを手に取って窓の方へ歩いた。



斎藤「その墓標に名前を刻まれるのは私でもなく、ましてや小早川渚では無い……」


織莉子「……つまり?」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 22:36:23.26 ID:Y84fm/x20






斎藤「墓標に刻まれるのは、この街を奪おうとする身の程知らずの名前だけで充分だ」












25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/10(月) 22:37:20.63 ID:Y84fm/x20
今日の投下はここまでです。


それではまた次回。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 14:51:56.04 ID:lE+ElB+O0
その時、斎藤の隣部屋。


ベットに寝転がって、天井を見ていた橘は、隣から白い猫の様な生物が現れた。


QB「やぁ」


橘「キュゥタロウか」


QB「キュゥべえだよ、いい加減に覚えて欲しいな」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 14:58:55.73 ID:lE+ElB+O0
橘「……お前の顔はしばらくの間、見たくなかったんだがな…お前の御陰で私の右腕はお釈迦になってしまったんだからな」


QB「それは僕のせいじゃないよ、杏子がやったことじゃないか」


橘「結果的にはお前がやった様な物じゃないか、佐倉杏子が私の家族を皆殺しにしたなぞ嘘を吐きやがって」


そう言って橘はキュゥべえに嫌悪の眼差しを向ける。

だがキュゥべえはそんな事も気にせず、橘が座っているベットにピョンっと飛び乗った。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 15:04:49.98 ID:lE+ElB+O0
QB「僕は悪くないよ、キミが魔法少女を何人も殺そうとしてたからだよ」


橘「それで…?私をどうするつもりだ?」


QB「協力して欲しいんだ」


橘「……利用と言う名の…?」


QB「そう言う事になるね」

橘「………」


沈黙が続いた。
そんな重苦しい空気の中、またキュゥべえが切り出した。



QB「これから来る魔法少女はキミ達にとっても不利益な事になるよ?」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 15:37:01.34 ID:lE+ElB+O0
同時刻、繁華街の裏路地。

巴マミは魔女狩りを終えていた。


マミ「……」


後ろから気配を感じた。

マミは後ろを振り向かず…


マミ「そこに居るのは分かってるのよ?出て来なさい」


そう言うと後ろから、ヌッと黒いパーカーにミニスカートを履いた少女が

物陰から現れた。


「流石です、私の気配を感じとれたのは、あなたで38人目です」


マミ(それって凄いの…?)


その少女の後ろからもう一人、マスクを付けた銀髪の少女も現れた。


千晶「あぁ、私の名前は柴本千晶です、気軽に『ちーちゃん』とでも呼んで下さい」


千晶「そして後ろのは今川筑音、喉を痛めて話せない様ですので、無理矢理喋らせない様に」


筑音「………」ペコリ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 15:50:45.39 ID:lE+ElB+O0
千晶「さて、私があなたに近付いた理由を話さなければなりませんね」


柴本千晶と名乗る少女は声の質を変えてマミに問いかけた。


千晶「巴マミ…いえ、巴さん、私達と共に見滝原を取り返しましょう!」


マミ「……は?」


意味が分からなかった。
何言ってんだこの子は?頭打ったのか?とまでは思って無いが、千晶の
言ってる意味が一つも理解出来なかった。


マミ「えっ…え−っと…何?取り戻すって誰から?」


千晶「だ、誰って!小早川さんと斎藤さんからですよ!」


マミの返答に意外だったのか、千晶は元の声に戻り取り乱して両腕を振り回しながら
地団駄踏んだ。


千晶「ネガティブ系魔法少女の小早川勢のリーダー格である小早川 渚と―――」


千晶「過激派魔法少女の斎藤勢のリーダー格の斎藤翔子から取り戻すんですよ!」


マミ「えっ!?二人って見滝原を我が物顔で貰ってたの!?」


千晶「え、い、いや…そう言う意味じゃなくて…別に二人はそんな事思っても無いと思いますが……」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 15:58:21.80 ID:lE+ElB+O0
千晶「えぇいっ!コンチクショー!これから起きる『戦争』にドサグサに紛れて全ての勢力を打ち倒して

見滝原を巴さんと独占するんですよ!!!」


千晶「あっ!しまっ……」バッ


喋り過ぎたと思った千晶は口を両手で押さえた。


マミ「戦争……?」


千晶「え、えぇっと……」


マミ「ねぇ?何か企んでない?」


千晶「た、企んでなんかいませんよ!別に巴さんを担ぎ出して第三勢力を作り上げて、小早川さんも斎藤翔子も

これから来る魔法少女を倒して、そんで巴さんをハメて見滝原を私が独占するなぞ……!」


千晶「あっ!しまっ――」バッ!


マミ「ふーん……」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 16:50:42.36 ID:lE+ElB+O0
その事を聞いたマミはその場から立ち去ろうとした。


千晶「あ!ま、待って!無し!今の無し!オールナッシング!」


マミを呼び止めようとするが、無視して裏路地から出ようとしていた。


千晶「ま、待って!」ガシッ!


何としてでも止めたかった千晶はマミのスカートの端を掴んで、その場にしゃがみこんだ。


しかし、その抵抗も虚しく、ズルズルと引きずられて繁華街に出ようとしていた。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 17:11:42.10 ID:lE+ElB+O0
千晶はこのままではマズイと思い、マミの前に出て繁華街の道を塞いだ。


マミ「……悪いけど、貴方達の要求は飲めないわ」


千晶「あ、そ、そんな、ま、待って下さい!あ、あのコレ!」ゴソゴソ…


ポケットの中から慌ただしく取り出したのは、小銭だった。

その小銭を律儀に並べて、土下座の姿勢をとった。


千晶「コレが私の全財産です、お願いですから話しを聞いて下さい……!」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 17:19:25.13 ID:lE+ElB+O0
マミ「……どうしてそこまで、私にこだわるの?」


そうマミが問うと、千晶は半泣きの顔を上げた。


千晶「私達はマミさんの噂を聞き付けて、やって来たのです!」


千晶「先程は私利私欲であんな事を言いましたが、本当のお願いを聞いて下さい!」


マミ「……いいわ、話して」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 17:46:29.70 ID:lE+ElB+O0
千晶によると。


柴本千晶と今川筑音は斎藤の過激派魔法少女の魔法少女らしい。


この二人に、苦戦してる魔法少女が居ると聞いた千晶と筑音は

すぐさま、その魔法少女の元へ駆けつけた……が。


辺は血の海になっており、応援を出した魔法少女と応援に駆けつけた魔法少女が

変り果てた姿で地面に転がっていた。

取り乱した千晶と筑音は、斎藤に報告しに行くが、斎藤は何故か不在。

斎藤の仲間かもしれない呉キリカも美国織莉子も不在。

そして部屋に閉じ込めて監禁していた橘も不在。


こんな時に何をしてるんだろう、そう思った千晶は呆然とした。

そう言えば、と筑音は提案を出した。

前にこの見滝原を縄張りとしてた巴マミが居るじゃないか!と。

そして千晶はマミにコンタクトを取って、この見滝原に訪れている危機を早急に

排除するべく、マミと協力して見滝原を救いたいらしい。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 17:54:16.21 ID:lE+ElB+O0
千晶「お願いします!斎藤さんが居ないんじゃ、この見滝原は終わります!」


千晶「そんで、聞いた情報だと、複数の魔法少女がコッチに向かって来てるんです!」


マミ「え?そ、その魔法少女達の目的は!?」


筑音「………見滝原占領もしくは鹿目まどかの抹殺」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 18:02:27.88 ID:lE+ElB+O0
掠れた声が裏路地に響いた。

声の主はさっきから黙って喋らなかった今川筑音だった。


マミ「か、鹿目さんの抹殺…?どう言う意味…?」


筑音「………」


筑音は喉を押さえて、千晶の方を見る。

代わりに言ってくれと言う事を理解した千晶は代弁した。


千晶「えぇ、確か、鹿目まどかさんには恐ろしく強大な暴力の塊の様な魔女になると聞きましたな!」


千晶「確か『館花勢力』もその為に来たんでしたっけ?」


マミ「………まだ、鹿目さんは魔法少女じゃないわ」


千晶「え?そうなんですか?何かそれだけの情報が流れてたモノで……」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 19:23:29.52 ID:lE+ElB+O0
千晶「モチロン!その鹿目さんを倒そうと思う者も倒しますので!」


本当はまどかを抹殺しようと、企んでいた千晶だったが。

マミがまどかの事を『鹿目さん』と言ったので知人の可能性があると思い

計画を変えてまどかを守る方に回った。

それに、まどかが魔法少女だろうがそうじゃなかろうが殺そうとしてた。

千晶はまどかがどんな人物かは知らない、それは連れ人の筑音も同様だ。

ひょっとしたら見滝原を独占しようとする者かもしれないし、ネガティブ系魔法少女に

なるかもしれない。

魔法少女は絶対にいい方には思わない、基本は絶対に悪い方に考えて危機になる者は即排除する。

良い方に考えて信じていた魔法少女も居たが、大抵は裏切られ死んでいるのだ。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 19:34:24.32 ID:lE+ElB+O0
マミ「この条件を飲めるなら、私の勢力を作っても構わないわ」


千晶「ハイ!どーんど来いですよ!」



一つは『最優先的に見滝原に危機が及ぶものを排除する』


二つは『鹿目まどかの安全を守る』


三つは『小早川勢のネガティブ系魔法少女とは争わない』


四つ目は『電話番号を巴マミに渡す』


千晶「あ、あのー…最後の方はプライバシー保護でしなくていいですかね?」


マミ「そんじゃあ結成してやんない」


千晶「ぐぅ…ツックー、紙とペン持ってない?」


筑音「……」ゴソゴソ…
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 19:37:48.89 ID:lE+ElB+O0
マミ「それじゃあ結成するわよ!『巴勢力』!!!」


千晶「おぉー!(やっとか…」


筑音「長かった……」


マミ「それじゃあ、早速私の家でこれから来る魔法少女の対策を考えるわよ!」


ノリに乗ったマミは大急ぎでマンションへ向かった。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 19:43:09.06 ID:lE+ElB+O0
この時、マミはまだ知らなかった。




柴本千晶と今川筑音の正体を。




42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 19:51:03.14 ID:lE+ElB+O0
キリカ「お前はゲゲゲの鬼太郎か!」ビシッ!


唐突で混乱しただろう。


今、とある雑居ビルの裏の空き地で呉キリカが意味不明な

ツッコミをしていた。


この練習には一体どんな意味があるのだろか?

そしてその練習をして行き着く先は何なのか?

目的は後から来る斎藤に、この意味不明なツッコミをかまして

斎藤のツッコミが返ってくる⇒ウケる⇒織莉子大爆笑⇒アラブの石油王
と、いう流れを呉キリカは望んでいた。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 20:00:18.26 ID:lE+ElB+O0
キリカ「あ!」


すると、ビルの裏口から織莉子が出てきた。

その後、来たのが斎藤。


キリカは猛ダッシュで左手を上げて……


キリカ「おーい!斎藤ー!」


斎藤「!?」


キリカ「お前はビル・ゲイツかぁ!!!」バッシィーン!


意味が分からない。


一体、どこにビル・ゲイツの要素があったのだろうか?

それにさっきのは、ツッコミというか暴力に近かった。


当然、仕返しは来た。


パッシィン!

キリカ「アウッ!」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 20:07:32.88 ID:lE+ElB+O0
織莉子「フフ…何やってるのよ、キリカ」


キリカ(あ、大爆笑とまではいかなかったけど、織莉子笑った…)


斎藤はさっき、頭を叩かれた痛みが残ってるのか、頭を右手で押さえて

後ろを向いてつっ立っていた。

どんな表情をしてるのか……恐らく、いつもの鉄仮面だろう。


織莉子「ねぇ?キリカ?どうしてそんなに斎藤にちょっかい出すの?」


キリカ「……斎藤は織莉子を助けた、それで織莉子が斎藤に付き添う様になった」


織莉子「あら?嫉妬?」


キリカ「そんなんじゃないよ、織莉子が好きな物なら私も好きになる」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 20:11:53.62 ID:lE+ElB+O0
キリカ「でもアラブの石油王にはなれなかったなー!」


織莉子「アラブの石油王?」


斎藤「オイ、訳の分からん事を言ってるヒマがあったら早くここから出る準備をするぞ」


織莉子「でも、橘はどうする気?」


斎藤「………橘は今日から、我々の仲間だ」


キリカ「えー…!?あんなヤツをー…!?」


斎藤「……文句言うな」


キリカ「あ、待ってよ斎藤ー」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 21:56:55.93 ID:lE+ElB+O0
数時間前


斎藤「仲間にしろだと?」



斎藤と織莉子は橘の部屋に居た。


橘「そう言ったんだ……」


織莉子「そんなの出来るハズが無いわ、貴方の様な化け物…いえ、悪魔なんかを……」


低い声で織莉子は橘に言い投げた。


橘「化け物だろうが悪魔だろうが何だっていい、で?どうするんだ?仲間にしてくれるのか?」


斎藤「……断る、と言ったら?」


橘は鼻で笑った。


絶対に斎藤は断らない、そう思ってるからだ。


何故なら斎藤には『スキャンダル』がある。

その斎藤の過去にある人生史上最悪最低のスキャンダルの一つをキュゥべえが橘に教えた、橘が簡単に

斎藤の仲間になる様に。


橘は斎藤に向き直って、ネガティブ系魔法少女の独特の不敵な笑を浮かべた。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 22:02:20.02 ID:lE+ElB+O0









橘「別に断ってもいいよ?斎藤翔子……いや、『小早川 希』だったかな?」








48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 22:12:39.64 ID:lE+ElB+O0
織莉子「……え?」



辺りが沈黙した。


あまりにも衝撃的過ぎた為、時間が遅く感じた。


織莉子は『小早川』という名字に聞き覚えがあった、斎藤の

方を見ると今まで見たこと無いような顔になっていた。


『恐怖』に近い表情だった。



斎藤「こ、小早川希…!?な、何だその名前は…!?何故、小早川が付く!?」


橘「それがキミの本当の名前だよ。キミの父…いや、小早川彩夏の兄か?聞いてなかったのか?」


橘「キミが小早川家の次女と言う事も?」


斎藤「そ、そんなの…は、初耳だぞ…!は、ハッタリもいい加減にしろ!」


橘「ハッタリなモンか、コレはキュゥべえ(だっけ?忘れた)から聞いたスキャンダルだぜ?」


斎藤「………!」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 22:23:06.32 ID:lE+ElB+O0
斎藤の顔には大量の冷や汗が出て、目が泳いでいる。

完全に同様している。


嘘だと思いたいが、何故か受け止めてしまう。


斎藤「だ、だが!私は小早川家の父の顔も母の顔も知らんぞ!?」


橘「あぁ、それはキミが幼い頃だったからな、無理もない」


橘「まぁ災難だね、ようやく長い病院生活が終わったと思いきや誘拐犯に誘拐されて

戻って来た頃には小早川家の父も母も行方不明になったんだから」


橘「それで仕方なく、小早川彩夏の兄である斎藤一之に引き取られて斎藤家で過ごし……」


橘「そして真実も知らないまま、斎藤一之は交通事故で死んだんだからな」


斎藤「お、お父さんの事…まで…!?」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 22:32:58.32 ID:lE+ElB+O0
橘「この後、斎藤一之の妻、斎藤沙苗から聞いたらどうだ?あ、斎藤沙苗は癌で死んだんだったな?」


斎藤「お母さんの事まで……!?」


斎藤「だ、だが!もし、仮に私が小早川家だとすれば…!『アイツ』の顔ぐらい覚えてるハズだぞ!」


橘「あー…それは覚えてるハズが無いもん、その間はずーっと誘拐されてたんだよ?キミ?」


斎藤「………って事は……やっぱり……!」


生唾を飲み込んだ。

恐い、この言葉を言うのが恐い。


コレを言えば。


自分が今まで戦ってきた『アイツ』が、争い、騙し合い、時にはジャレた『アイツ』が身内という事になる。


そんな斎藤にトドメを刺すかの様に……橘は『真実』を口にした。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 22:37:06.46 ID:lE+ElB+O0








橘「斎藤翔子、いや、小早川 希。

  

      お前は、小早川蓮美の妹であり―――――

  

        ――――――小早川 渚の姉だ      」







52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/11(火) 22:51:07.58 ID:lE+ElB+O0
今回はここまでです。


衝撃の真実を知った斎藤は……
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 16:08:47.16 ID:FE/WkR0G0
深夜の廃墟。

斎藤は建物の中に居た。


斎藤「…………」


頭の中は真っ白だった。
衝撃の事実を突きつけられた斎藤は、項垂れていた。



斎藤(……あれが本当だとすると、私が今まで殺そうとしてたのは…生き別れの妹ということになる)


「斎藤翔子」


上から名前を呼ばれ、斎藤は殺意だけで仲間では無いと
感じ取り、後ろを振り向かなかった。


斎藤「……何者だ」


海月「『円形四天王』の一人だ、杉村海月と呼ばれている」


斎藤「円形四天王…?そうか、最初の見滝原の侵略者はお前らと言う事か」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 16:15:46.53 ID:FE/WkR0G0
二階の柵に両腕を置き、異様な雰囲気を漂わせる少女が居た。


その少女はソウルジェムを取り出し、すかさず変身した瞬間
下に居た斎藤に大量の剃刀の刃を凄いスピードで投げつけた。


斎藤「……やはり、話し合うつもりは毛頭無いと言う事か」


斎藤も瞬時に変身して、サバイバルナイフで剃刀の刃を叩き落とした。


海月「流石だ、流石は斎藤翔子…やはり私は魔法を使わざるを得ないな」


海月「だが…私の魔法は、流石にここでは窮屈だな」


斎藤「?」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 16:23:10.28 ID:FE/WkR0G0
ゾォォッ!


その瞬間、景色が変わった。

魔女の結界に入ったのだ。


斎藤「チッ…!こんな時に…!」


辺はかなり広く、壁は緑色で床は白色の殺風景な場所だった。



海月「ふむ、まぁこれぐらいでいいだろう!」バッ!


海月が右手を振り上げた瞬間、辺に大量の海月が現れた。


斎藤「なッ…!?分身!?」


海月「しかもただの分身では無いぞ?この分身は全てが実体だ」


海月「そしてその分身の数、約七千億五十万六千人」


海月「さぁ、数に屈して果てるがいい」


斎藤「クッ……コイツ、ネガティブ系魔法少女か…!」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 16:37:21.33 ID:FE/WkR0G0
本物の海月が右腕を振り上げると、一斉に全ての海月が
斎藤に飛びかかって来た。


斎藤(集団攻撃だと……!?)


斎藤は8人の海月の攻撃をかわし、一人の海月の首をナイフで斬り付けると

その海月は煙となり、消えた。


斎藤(攻撃を喰らうと、直ぐに消えるのか…!だが、この人数……持ちこたえられるか…)



斎藤「瞬間舌!」


斎藤は自分のスキルを上げる魔法を使い、猛スピードで本物の海月の元へと
飛んだ。



海月「!」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 16:45:11.88 ID:FE/WkR0G0
斎藤「お前を倒せば、このフザケた分身は消えるんだろう?」グッ…


海月「あぁ…そうだね、倒せるならね」ニヤッ


ナイフで海月の首元を刺そうとしていた斎藤の腕は分身の海月達に捕まり、そのまま落下

していった。


斎藤「うおっ……!」



ズガァアアアアアンンン!!!!



斎藤「ぐはぁ…!」


地面に叩き付けられた斎藤は上を見ると、数人の海月の下着が見え…剃刀を構える

姿が見えた。


斎藤「顔に合わず、可愛らしいパンツじゃねぇか!」


海月「うわぁ!見るなよ!分身っつても、見て良い物と悪い物が……!」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 16:52:48.33 ID:FE/WkR0G0
斎藤「発光舌ッ!」


斎藤の周辺が強烈な光に包まれて、海月の分身達は目が眩んでしまい

その瞬間に本物の海月の下に再び戻った。



海月「……無駄だ!」


二人の分身に斎藤を後ろから両腕を掴まれてしまった。


海月「コレでお前の負けだぁ!」スッ…


右手から巨大な剃刀を出現させ、それで斎藤を斬り付けようとした…が。


メギッッッ!!!


海月「ぱ……おうっ…!?」



海月の顔面に斎藤は右足で本気で蹴った。

顔を歪ませた海月は数メートルは飛んで行った。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 16:58:25.33 ID:FE/WkR0G0
海月「げほっ!べほっ!ゴホッ…!」


歯が数本抜けてしまい、大量の鼻血が吹き出ていた。



海月「ゲホッ!し、信じられない…!コレが少女がする事か普通!?」


海月「しかも少女の顔面に普通、本気で蹴りを入れるかなぁ!?」


海月「テレビアニメだと正義感溢れる魔法少女の戦い方か!?コレが!?」



斎藤「生憎、私達はそんな正義のヒーローみたいな物では無いだろう?」


斎藤「それは私達が一番知ってるハズだぞ?」


海月「……違いないねぇ!」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 17:53:16.30 ID:FE/WkR0G0
斎藤「!」


上方から数人の分身が斎藤の上に降り注いだ。



斎藤「ぐわぁっ…!」


海月「さっきの、いいキックの仕返しだ!」



数人掛りの分身で斎藤を袋たたきにした。

蹴られまくってる斎藤左手を見た。


斎藤(マズイ…!ソウルジェムが…!次魔法を使うと魔女化する…!)


斎藤(クソッ…!せっかく形勢逆転したのに…すぐに追い込まれてしまった…!)
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 18:06:30.68 ID:FE/WkR0G0
気が遠くなっていく中、斎藤は渚の事を思い出した。


斎藤(何で…こんな時にアイツの顔なぞ思い出すんだ……)


斎藤(……恐らく、私が誘拐されてなかったら小早川渚との仲は変わってたのかもしれないな)


斎藤(……小早川蓮美も小早川渚も、自分の妹、姉である私がまだ生きていると信じてるんだろうな…)


斎藤(ここで私が死ねば、永遠に会えないんだろうな…でも一生真実を知らずに……)


斎藤「それは……嫌だな」



斎藤がそう呟くと、海月の分身達の猛攻撃から掻い潜って抜け出した。



海月「!まだそんな力が残っていたか…」


海月「まぁいい、もう終わりだ……ラクにしてやるのだ」



海月の分身達は斎藤に向かって一斉に走り出した。



斎藤「出来る限り…魔法を使わず……」


斎藤「―――!」



すると、斎藤の目の前に赤色の髪をして槍を持ったポニーテールの少女が

舞い降りて、海月の分身を一気に薙ぎ払った。



海月「う、うわっ…!な、何だ…!?」



斎藤「………!」


杏子「よっ!翔子、珍しいな、お前が苦戦とはなぁ」ニヤニヤ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 18:22:12.83 ID:FE/WkR0G0
斎藤「杏子か……別に苦戦なぞしてない、ただ相手が多いだけだ」


杏子「まぁ、確かにこの人数じゃ、流石のお前でもキツイだろうなぁ」


斎藤「だが気を付けろよ杏子、あれは全てが実体の分身だ」


杏子「分身…ねぇ、よーし!この喧嘩、アタシが買った!」


斎藤「……オイ、何を勝手な事を……」


杏子「お前はもう魔法が使えないんだろ?そこで大人しくしてろって、ホレ、グリーフシード」ポイッ



杏子はグリーフシードを斎藤に投げ渡した。



杏子「安心しろって、今日のアタシはすこぶる調子が良いんだ」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 18:42:49.34 ID:FE/WkR0G0
海月「オイコラ、キミが斎藤の代わりに戦うというのか?」


海月「つまらなさそー」


杏子「安心しろ、三分で終わらしてやるからよ」ジャキッ



その杏子のセリフに頭に来たのか、一斉に海月は分身が杏子に襲いかかったのだ…が

海月の分身達は全員吹っ飛んだ。


中から、杏子の分身が閃光の如く本物の海月が居るところに向かっていった。


海月「…!分身使い!?」


海月「だが甘いな、分身はあれだけじゃ無いぞ!」


またどことからもなく、海月の分身が複数、分身した杏子に襲いかかった。



海月「ハッ…!かませ犬め!」



斎藤「………」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 18:47:51.97 ID:FE/WkR0G0
杏子「いや、本物はコッチだ」


海月「!」


いつ間にか居た海月の背後に杏子が立っていた。

慌てた海月は剃刀で杏子を斬ったが…斬れた感覚がしなかった。


これも偽物だった。


海月「じゃ、じゃあどこに!?」


海月が後ろを振り向こうとした瞬間―――


ザグッッ!


背中から腹部にかけて激痛が走った。

何かに貫かれた感覚がしたので、海月はゆっくりと視界を下ろすと……。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 18:51:42.71 ID:FE/WkR0G0
杏子「はい、おしまい」


海月「げほぉっ……!?」


槍を引き抜くと、海月は力弱くうつ伏せに倒れた。


杏子「ここの魔女を倒して結界が消える前に倒せたし、やっぱ最近のアタシ調子いいな」


杏子「まるでアタシが主人公みたいだな!」ヘヘン
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 21:06:44.39 ID:FE/WkR0G0
同時刻  ファミレス



店内の一番奧の端っこの席に、異様な雰囲気を持つ少女が3人居た。

穏やかな表情をした少女と男の様な顔をした少女と左の顔に火傷の傷がある少女。

そして一番、危険なオーラーを発してるのが幼い子供に用意される椅子に座った少女だ。


「坂本優衣、風間美篶。杉村海月はどこに行った?」


その危険なオーラーを放つ少女が低い声で、二人に問いかけた。


優衣「あぁ、海月なら斎藤を見つけたとか何とか」


美篶「そんな事より水夢ちゃん、お口にケチャップが付いてるよー?」


水夢「や、止めんか…!」


口を拭かれて抵抗する水夢と言う少女、どう見ても小学1年生と同じぐらいの背丈である。

お子様ランチのサラダ類を傍にやっていた。


美篶「また野菜残してるよ!」


水夢「やかましい!何故、うぬに我の食事に口出して来るのだ!?」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 21:38:32.49 ID:FE/WkR0G0
水夢「野菜なぞトマトジュースと幽霊の次に嫌いじゃ!」


この少女達は『円形四天王』と呼ばれる団体である。

先程、斎藤と杏子と戦っていた杉村海月もこの四天王の一人である。


何故、円形四天王と呼ばれるのかは、円形四天王達の最終目的である

『円形陣の儀式』から取ってるのだ。



この『円形陣の儀式』には神に近い者を生贄に捧げる事で

世界や人々が幸せになると言うのだ。
 

神を相対する者がこの見滝原に居ると聞き、見滝原にやって来たのだ


円と言えば0『ゼロ』。

そろそろ気付いてると思うが、彼女達はカルト宗教団体なのだ。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 21:46:53.86 ID:FE/WkR0G0
水夢「しかし…この見滝原は本当に街全体が儀式場になってるのか?」


美篶「何を今更…大魔神様のお告げを聞いたのでしょう?」


水夢「うむ……」


優衣「そう言えば、この見滝原に小早川蓮美導師が居ると聞いたが」


水夢「何!?その話しは本当か!?」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 22:58:05.85 ID:FE/WkR0G0
その頃、学校の第二会議室。


ほむらは会議室の椅子に座って、テーブルの上に『暁美ちゃんへ』と書かれたテープレコーダーを

再生した。


ほむら「………」カチッ


蓮美『やぁ、ほむらちゃん。このテープレコーダーを聞いてくれると信じて録音しておくよ』


蓮美『あのね、キミだけが聞いてくれると嬉しいんだけどね、まぁ、さやかちゃんでもいいけど…まどかちゃんが居る

なら退室して欲しい』


ほむらは第二会議室を開けて外の廊下を見渡すと、まどかが居ない事を確認してドアを閉めた。



蓮美『さて、話しに入ろうか♪』



QB「………」コソッ…
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 23:13:23.97 ID:FE/WkR0G0
蓮美『見滝原に最初の脅威が現れた』


蓮美『その子達はネガティブ系魔法少女で、私の同胞だ♪』


蓮美『彼女達の望みは恐らく、鹿目ちゃんの命だろうね♪』


蓮美『彼女達は私の言った冗談を間に受けてしまったのか知らないけど、まどかちゃんを生贄に棒ようとしてるんだ』


蓮美『まどかちゃんを守ると言う事は暁美ちゃん、キミに危険が及ぶという事だ』


蓮美『それと、渚ちゃん知らない?』


蓮美『何かさ、行方不明みたいなんだ♪』


蓮美『渚ちゃんを見つけたらさ、私に電話してくる様に言ってくれないかな?』


蓮美『それじゃあ……えーっと、一人じゃ危ないから暁美ちゃんも勢力作ったら?』


ボォンッ!


その蓮美の言葉と共にテープレコーダーは爆発した。

ほむらは部屋を見渡した、誰かの気配がした。


ほむら「……誰?」


ゆま「………う」ガララッ…


窓から千歳ゆまの顔が出てきた。

何か思いつめた表情をしてるので、さっきの話しを聞いたのだろう。


ほむら「……聞いてたのね?」


ゆま「……」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 23:21:49.35 ID:FE/WkR0G0
ほむら「……さっきの話しは忘れなさい」


ゆま「えっ!?で、でも…!えっ…えっと…赤城?」


ほむら「暁美よ、暁美ほむら」


ゆま「ほむら姉ちゃん、見滝原を守ろうとしてるんでしょ!?」


ほむら「見滝原だけじゃ無いわ、私の大切な友人も守らなきゃ」


ゆま「ゆ、ゆまも手伝う!」


ほむら「足でまとい……いや、歯でまといよ」


ゆま「何それ!?」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 23:40:03.39 ID:FE/WkR0G0
ほむら「いい?これから始まるのは、醜く血腥い殺し合いが始まるのよ」


ほむら「そんな戦場にあなたを放り込むなんて、とてもじゃ無いけど出来ないわ」


ゆま「や、役に立つよ!ゆま!」


ほむら「いや、あなたは足を引っ張る…いや、足どころか体全部をオリハルコン製の鎖で雁字搦めになるわ」


ゆま「そんな事無いよ!ゆまはしょーこのお仕事だってこなした事あるもん!」


ほむら「しょーこ?あぁ、斎藤翔子ね?確か彼女はフィクサーもやってたらしいわね」


ほむら「何の依頼?」


ゆま「大事な書類を他の魔法少女に届けてた!」バァーン!


ほむら(小学生で怪しまれないから、運び屋にされてるわ……!)
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/12(水) 23:54:43.97 ID:FE/WkR0G0
ほむら「…それで?他には」


ゆま「えっとね……お弁当とかじゅーすとか買ってた」


ほむら(パシリじゃないの?それ)


ほむら(いや…恐らく、斎藤翔子がこの子に危害が及ばない依頼しか出さないのね……)


ほむら(大事な書類を運んで捕まったとしても、子供である、この子には危害は加えないわよね……)


ゆま「あ!コレはしょーこの依頼じゃないんだけど、きりかからの依頼で―――」


ゆま「―――おりこのスカートを捲る依頼もあったよ!」


ほむら(純粋な子供になんて危険な依頼を……!)


ほむら(呉キリカ、あなたと言う女は…!)


ほむら(そんな無茶な依頼、ジョン・マクレーン刑事もお手上げよ!)
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 00:03:04.19 ID:9b8P2R4m0
ほむら(ま、仲間が一人も居ないよりもマシよね……)


ほむら「分かったわ、えーっと確か、千歳ゆま?」


ゆま「何で知ってるの?」


ほむら「一回、佐倉さんから聞いた」



ほむら「あなたは『飛行場で飛行機で逃げようとしたテロリスト達の一人と、飛行機の左翼の上で戦って

一人はエンジンに巻き込ませて殺したけど、なんか落ちてしまって、予め開けてたガソリンタンクから漏れたガソリンに

ライターで火を付けて、飛行機が飛び立つ瞬間にガソリンタンクに火が引火して爆発してテロリスト達は爆死させた』

という危険なミッションをこなした、あなたなら私の味方になっても安心だわ」



ゆま「……?……?」


ゆま「うん!」ニコッ!
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 00:07:56.39 ID:9b8P2R4m0
今日はここまでです。

結構、焦って書いたのでおかしな部分があると思いますので

ご了承ください。


チトセ・ユマレーン刑事
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 18:40:03.64 ID:9b8P2R4m0
その頃。魔女の結界内。



斎藤「………」


斎藤と杏子はうつ伏せに倒れている、海月を見下ろしていた。


杏子「なぁ、斎藤。コイツ何者なんだ?」


斎藤「……円形四天王とか言ってたな、コイツらが何を企んでるのか知らんが……」


斎藤「見滝原の脅威には違いない」


そう言って、斎藤は一番下の地面まで飛び降り、杏子はその場に

留まった。


杏子「オーイッ!コイツはどうするんだ!?」

杏子が手をメガホンの様にして、斎藤に叫んだ。


その瞬間。


天井の暗がりが針状の様に伸びて、杏子に襲いかかった。


杏子「うわっ!?」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 18:44:21.91 ID:9b8P2R4m0
杏子はその針状になった影をよける為に後ろに下がると

踏み外してしまい、一番下の地面まで落ちた。


地面に落ちる前に、斎藤が素早く杏子を地面に落ちない様に受け止めた。


杏子「お、おぉっ!?」


斎藤「……アイツは…!」



斎藤が見上げると、見覚えのある顔が出て来た。


橘奈南だ。



橘「………」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 18:49:58.29 ID:9b8P2R4m0
杏子「あ!アイツは!」



橘は倒れていた海月を背負い、斎藤達を見下ろした。


橘「………悪いな斎藤、私は円形四天王に付く」


橘「コイツらを利用する事にする」



そう言った瞬間、結界にヒビが入った。

すると、橘はグリーフシードを取り出して、斎藤達に放り投げた。


橘「ここの魔女のグリーフシードだ、私は使わないからお前達が使え」


橘「それではな、小早川 希」



斎藤「……ッ!」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 18:57:17.80 ID:9b8P2R4m0
結界は完全に消えて無くなり、元の廃墟に戻った。


斎藤「………」


杏子「なぁ、橘のヤツが言ってた小早川ってのは……」



杏子が聞こうとすると、突然、斎藤が倒れた。


杏子「お、オイ!翔子!?」



慌てて杏子は斎藤を支えた。


斎藤「スー…スー…」


寝息を立ててるのを聞いた杏子は、ホッとして

斎藤を背負い、廃墟から出ていった。



杏子「お前……寝てないのかよ、どんだけ疲れてんだよ」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 20:50:44.74 ID:9b8P2R4m0
明日の朝頃。



公園付近に、まどかが通り掛かった。


学校に行っても誰もおらず、殆どが精神病院に入院してるらしいので

休校だった。

仕方が無いので、帰る事にしたまどかだった。


まどか「そう言えば…さやかちゃんもほむらちゃんも仁美ちゃんも渚ちゃんも来なかった様な……」


まどか「みんな途中で帰ったのかな?」


すると、公園のトイレの中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。



「う、うわぁああ!!!だ、誰だお前!?く、来るなぁ!」



まどか「さ、さやかちゃん!?」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 20:58:06.83 ID:9b8P2R4m0
さやか「このっ!や、止め…!こ、こはっ……!」


さやか「がっ…!ごほっ…!うがぁ…!」


まどか「さ、さやかちゃん!」


親友の危機を感じたまどかは、思わず公衆トイレに飛び込んだ

しかし、そこに居たのは顔に火傷の傷を負った少女、優衣だった。


まどか「え…?だ、誰…?さ、さやかちゃんは…?」


優衣「美樹さやかは居ない、美樹さやかの声の真似をしてお前を誘き出したのだ、美樹さやかの声真似しにくいな」


まどか「むぐっ…!?」グッ!


すると、後ろから羽交い締めされ、ハンカチで口を押さえつけられてしまった。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 21:04:23.45 ID:9b8P2R4m0
美篶「はいはい、落ち着いて落ち着いてー、別に私達はあなたを生贄に捧げようなんて考えてないから」


「言ってるではないか」



新たに声がした、まどかは声がした方向を見たが、誰も居なかった。


水夢「どこを見ているのだ、下だ下」



下を見ると、まどかより背が低く、弟のタツヤと同じぐらいの背の少女が

仁王立ちしてまどかを見上げていた。



水夢「ようやく見つけたぞ、魔人ゼロに相対する存在、鹿目まどか」



その言葉を聞いた後、まどかはそのまま気を失ってしまった。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 21:09:22.99 ID:9b8P2R4m0
美篶「ありゃー、気を失ってしまいましたねー」


優衣「それで?どうする気だ?もう儀式を始めるのか?」


水夢「いいや、儀式の日はしっかりと守らなくてはいかん……12月3日に始める」


美篶「そうですよねー、日にちはちゃんと守らなきゃねーっと!」


美篶は気を失ったまどかを背負い、公衆トイレから出ていった。


優衣「………」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 21:21:42.18 ID:9b8P2R4m0
優衣「……あの橘という魔法少女……」


腕を組んで考え事をしていた優衣は、思い出したかの様に口を開いた。



優衣「あの橘という魔法少女……信用出来るのか?」


水夢「………信用するしかあるまい」


美篶「確か、海月ちゃんの救出に向かってるんだっけ?」


美篶「海月ちゃんに何も無かったらいいんだけどなぁー」


美篶「あの子、いかにも『危険』!って感じだったもん」


水夢「確かに、あやつの目は殺意に溢れていた、我に恐怖を与えた程の殺意を持っておった……」


水夢「……だが、仲間にした以上…信用するだけだ」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 21:28:56.29 ID:9b8P2R4m0
同時刻、とあるビルの地下室。


上半身裸の杉村海月が壁にもたれて座っていた。

体は包帯まみれだった。


海月は何故、ここに居るのか分からなく。

辺をゆっくりと見渡した。

すると、橘が海月を見下ろしていた。


海月が意識を取り戻した事に気付いた橘は髪で隠れた右目辺の髪の毛を

右手で上げた。


橘「やぁ、杉村海月。今はどんな気分だ?」


海月「……脳ミソをシェイクされた気分だよ」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 21:33:25.50 ID:9b8P2R4m0
橘「はっはっは!それはよかった、クックック……」


海月「……この包帯はキミが?」


橘「ん?あぁ、そうだ。医者の免許も持ってない上にヤブ医者の治療だがな」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 21:40:02.14 ID:9b8P2R4m0
海月「しかし解せないね、何でキミは全裸なんだい?」


そう、長い髪で隠れて見えなかったが、橘は衣服を全て身に付けて

いなかった。


橘「……途中で出会ったんだよ、小早川 渚に」


橘「ヤツの襲撃を喰らって、御陰で服はボロボロ……」


橘「魔法少女に変身させる間もなく攻撃してきたんだからな」


海月「小早川 渚……!?行方不明って聞いたけど……」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 21:47:28.60 ID:9b8P2R4m0
橘「おや?そんな噂が流れていたのか?」


橘「安心しろ、ヤツは行方不明ではない。勢力を立ち上げる為に

身を隠してるだけだ」


海月「………!」


橘「アイツが再び表に出た瞬間……お前達の計画は確実に破綻してしまうな」


海月「円形陣の儀式が……?」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 22:00:38.16 ID:9b8P2R4m0
海月「それは大変だね……」スッ…



海月は立ち上がり、服を着始めた。



橘「小早川 渚を殺しに行くのか?」


海月「いいや、あの人の強さは私も知っている……だから闇雲にあの人には挑まない」


海月「その前に、私をマグレで倒した佐倉杏子を殺す!」


その言葉を聞いた橘は笑を浮かべた。

史上最悪のシナリオを思いついた橘は、去っていく

海月の肩を掴んだ。



橘「待て」


海月「はい?」


橘「私も手を貸してやろう、アイツには右腕の借りがあるから」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 22:08:52.94 ID:9b8P2R4m0
ほむらとゆまは、このビルの3階に居た。


ほむらはビルの窓をずっと見つめていた。


ゆま「何か見えるの?」


ほむら「……私達では恐らく無理ね」


ゆま「え?」


ほむら「相手はどんな力を持つのか分からない、あなたの回復魔法は確かに役に立つけど……」


ほむら「所詮は僧侶枠ね」


ゆま「むぅ、僧侶を馬鹿にすると僧侶に泣くよ?」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 22:16:02.99 ID:9b8P2R4m0
ゆま「それより何をしてるの?」


ほむら「神様を待ってるのよ」


ゆま「かみさま?」


ほむら「えぇ、神様よ」



それから数分も経つが、ほむらが言う神様は現れなかった。

神様を待つのが飽きてきた、ゆまはウロウロし始めた。



ほむら(何してるのよ…ゼロ神)


ゼロ『ただの神じゃないよ!創造神でもあり破壊神でもあるんだよ!』


ゆま「うわ!」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 22:21:45.64 ID:9b8P2R4m0
窓に鮮やかな真紅の長髪でアホ毛が伸びた和服を着た少女が映り込んだ。


ゆま「う、うわぁ!お化けぇ!」


ゼロ『誰がお化けだ!』


ほむら「ゼロ、あなたにお願いがあるの」


ゼロ『へ?何?』


ゼロは首を傾けて頭に?マークを浮かべた。


ほむら「小早川 渚の居場所を―――」


ゼロ『無理』
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 22:26:38.62 ID:9b8P2R4m0
ほむらが言葉を言い切る前にゼロがバッサリと切り捨てた。


ほむら「……どうして?」


ゼロ『無理なものは無理ー☆だって渚ちゃんが教えちゃ駄目って言うんだモン☆』


ほむら「そこを何とか」


ゼロ『嫌だよ☆渚ちゃんは私の友達なんだから、友達の約束は守らなきゃ☆』


ゼロ『私がどれだけゲスい神でも友達との約束ぐらい―――』


ほむら「……分かったわ、時間を取らせて悪かったわね」


ほむら「それじゃあ、行きましょう、ゆま」


ゆま「う、うん…じゃあね、お化けさん」


ゼロ『だーから!誰がお化けだ!私は創造神でもあり破壊神でもあるゼロ様だぞぉ!』
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/13(木) 22:36:22.21 ID:9b8P2R4m0
今日はここまでです。


渚は一体どこに……?


このままでは主人公(笑)になるぞ!
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 02:08:35.78 ID:nxylfLh+0
夜  裏路地


橘「気付かれたらお仕舞いだ、アイツには急な攻撃は効く」


橘「それと、さっき言った様に佐倉杏子はこの世から消えてもらう」


海月「じゃあ早く行こうよ」


橘「まぁ、待てよ、落ち着きなよ……まだ、佐倉杏子の弱みが来てない…」


橘「……いや、お前と私だけで十分か……」


橘「……それじゃあ行くぞ」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 02:15:55.75 ID:nxylfLh+0
繁華街に杏子は居た。


杏子「……何だ?妙に静かだな」


その繁華街に人が一人も居なかった。

しかし――わずかな殺意があった。


その殺意に気付かなかった。



海月「ハッ―!」


建物の屋上から海月の分身が数人投下してきた。



杏子「!?」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 02:23:46.72 ID:nxylfLh+0
杏子「また、お前かよ!」


瞬時に気付いた杏子は海月の一人一人の

攻撃をよけた。


最後の海月の攻撃をよけて

裏路地に入ろうとした瞬間、裏路地の影の中から

刀を突き刺す構えをした橘が飛び出してきた。



杏子「えっ―――」



遅かった。

あまりにも不意打ち過ぎた。


その為、刀が杏子の右目に――――


ザグッッ!!!
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 02:34:56.39 ID:nxylfLh+0
杏子「ぐわぁああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」


右目から溢れ出す血を両手で押さえて

あまりのも激痛にのたうち回った。


そんな杏子の頭に足で踏み、杏子の血が付着した刀を

手で拭いていた。



橘「クックック……これでおあいこだな」


橘「ちなみに今の技は影潜りっていう技だ」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 03:02:01.32 ID:nxylfLh+0
杏子「橘ぁああああああああああああ!!!!!!!」


橘の足を掴む杏子。


ゆま「キョーコ!?」


ほむら「……!」


杏子「ぐ…あぁ…!ゆ、ゆま!?ほむら!?」



海月「おっと、増援か」


橘「………ちっ」


橘「離せッ」


ズバァッ!


橘の足を掴んでた杏子の左腕を刀で切り落とされた。


杏子「ぐわぁっっ!」


ゆま「キョーコ!」


杏子「来るなッ!」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 19:06:38.58 ID:nxylfLh+0
橘「おや?気付いたか、流石だ佐倉杏子」


杏子の影にいつの間にか刀を突き刺していた。

このまま、ゆまが来ていれば杏子の影を使って殺していたかもしれない。


杏子「お、お前は…!とんだクズ野郎だな…!」


橘「何とでも言え、お前なんかに私達ネガティブの気持ちなんか一生分からない」


橘は軽く溜息をつくと、刀を仕舞った。



橘「今日は挨拶だけだ、今度は無惨に殺してやる」



橘はそう言い残し、影の中へと消えていった…。
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/14(金) 19:12:04.28 ID:nxylfLh+0
ほむらは繁華街の建物の上を見渡していた。

さっきの分身を使った海月が居ない。

恐らく、橘が帰ると同時に海月も引き上げたのだろう。


杏子の方へ目をやると、ゆまの魔法で切断された腕は元通りになり

潰された目も治っていた。


杏子「へへ、ありがとうな。ゆま」


ゆま「えへへ……///」


杏子「それと、ほむらも」


ほむら「私はここを通り掛かっただけよ、本当に感謝すべきなのは、その子だけでいいのよ」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 08:59:43.66 ID:jPBYi2GI0
ほむら「ところで、さっきの人は?」


杏子「橘だよ、『橘勢力』のリーダー」


ほむら「立花!?彼女は確か魔女化したハズ…!」


杏子「は?何言ってんだよ、橘は生きてるぜ?アタシが倒した後、斎藤の所に連れていってやったし」


ほむら「でも、あの時、確かにグリーフシードを使って……あら?」



ほむら「……?」


杏子「………?」


ゆま「……?」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 09:20:07.61 ID:jPBYi2GI0
どこの勢力の様子を見ますか?


1 斎藤勢力


2 巴勢力


3 円形四天王



+1
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 10:56:52.12 ID:lH6JiuHro
3
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 14:17:56.15 ID:jPBYi2GI0
円形四天王の優衣・美篶・水夢は、廃ビルの前で橘と海月の
帰還を待っていた。


優衣と美篶は寒さを凌ぐ為に廃ビル内に居たが、水夢だけは
廃ビルの外で待っていた。


優衣「おーい!早く入って来いよー!」


水夢「嫌じゃ!お化けが出たらどうする気じゃ!」


水夢「我は絶対にこのビルの中には入らんぞ!」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 14:22:01.81 ID:jPBYi2GI0
そう言って水夢は座り込んでしまった。



ビルの中には優衣と美篶、そして、誘拐したまどかも居た。

まどかは恐怖のあまり、体中が震えてしまい、まともに顔を上げられなかった。


まどか「…………!」


美篶「ん?寒いの?」


まどか「い!いえっ!な、何でもありません!」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 14:34:39.89 ID:jPBYi2GI0
まどか「……わ、私を、どうするつもり……なんです?」


美篶「まぁ、そう怯えるなって!大丈夫、ただ協力してくれるだけでいいんだよ」


優衣「そうだ、協力するだけでいいんだ」






「協力するだけで」


その言葉の真の意味は、まどかはまだ知らなかった。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 14:36:53.53 ID:jPBYi2GI0
どこの勢力の様子を見ます?



1 斎藤勢力


2 巴勢力


3 不明の勢力
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 14:54:02.35 ID:lH6JiuHro
2
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 15:12:31.38 ID:jPBYi2GI0
筑音と千晶はマミを待っていた。



千晶「……遅いね」


筑音「………」



スーパーから買い物袋を持ったマミが出てきた。



マミ「ごめんなさい、待った?」


千晶「待ちましたよ、こんな寒い中で!」


マミ「ふふ…ごめんなさいね、すぐに買い物が終わると思ったのに……」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 17:00:49.06 ID:jPBYi2GI0
マミ(勢力を作り上げたのはいいけど……)


マミ(……とりあえず、彼女達に色々聞きたい事があるわ…)


マミ(……何について聞こうかしら?)



1 見滝原の現状


2 見滝原にやって来た勢力について


3 千晶と筑音ついて



+2
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 22:35:03.46 ID:jPBYi2GI0
詰め
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 22:35:55.94 ID:jPBYi2GI0
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 22:44:09.61 ID:jPBYi2GI0
マミ「見滝原の現状はどうなってるの?」


千晶「う〜ん…良いとは言えませんね、既に脅威勢力が既に侵入してるみたいですし」


マミ「……そう」


千晶「それに、鹿目まどかが失踪したみたいです。昨日、鹿目まどかの両親が探してる姿を目撃しました」


マミ「何ですって…!?」


千晶「ほら、そこに張り紙が」



千晶は歩道沿いにある電柱を指差した。

そこには、まどかの写真が載った張り紙だった。



マミ「あら、本当…気付かなかったわ……」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 22:49:26.59 ID:jPBYi2GI0
マミ「という事は…鹿目さんは既に……」


マミ「………」



筑音「……拉致、されただけであろう。円形四天王が鹿目まどかを殺すハズがない……」


筑音「ヤツらの目的は、あくまでも鹿目まどかの身柄だ……」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 23:09:28.05 ID:jPBYi2GI0
マミ「円形四天王?」


筑音「………ゲホッ」


千晶「あぁ、円形四天王ってのは……」


千晶「……宗教団体の特定の信者の集まりって事です」


マミ「それだけ?」


千晶「それだけなんですよ……えへへ……」



そう言って千晶は、誤魔化す為に笑顔で舌を出した。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 23:33:35.22 ID:jPBYi2GI0
マミ「本当にそれだけなの?」


千晶「はい、そうです。『鴉の嘴』の連中から聞けば、もっと情報を集めれるかも……」


マミ「か、鴉の嘴?何それ?」


筑音「………」


千晶「あ!あぁ…気にしないで下さい……」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 23:42:56.99 ID:jPBYi2GI0
マミ「気になるわよ、教えて。その鴉の嘴って連中は……」ズイッ


千晶「あ、あぁ…い、いや………」


筑音「………鴉の嘴とは、情報屋の連中の事だ」


筑音「私達も分からない事があれば、連中に聞く」


千晶「つ……つっくー……!」


マミ「……どうして、最初っからその連中に聞かなかったの?」


筑音「……情報料を払わなきゃいけないんだ」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/15(土) 23:59:00.93 ID:jPBYi2GI0
マミ達は廃ビルの前に居た。



マミ「この中にその連中が……?」


千晶「は、はい……まぁ……で、でも……つっくー…」



心配そうに、千晶は筑音の方を見ていた。



筑音「……心配するな、千晶。お前が怖い目に遭うわけじゃないん……ゲホッ!だ」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 00:34:11.25 ID:WtTwY7ar0
廃ビル内



マミ「……ねぇ、何をするつもりなの?」


筑音「………気にしなくていい」


千晶「…………」



三人は錆びれた鉄の扉の前に立った。

扉には『立ち入り禁止』と書かれた張り紙が張ってある。



筑音「………」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 00:44:54.19 ID:WtTwY7ar0
扉を開けると、金髪のホスト風の男が机に座っていた。



男「おや?これはこれは……筑音ちゃんと千晶ちゃんと……その子は?」


筑音「……この人は私達の友人です、黒羽根さんは…?」


男「組長なら、遊びに行ってる。それで?ここに来たって事は、情報が欲しいんだろ?」


筑音「……アンタは鴉の嘴のメンバーじゃないハズじゃ?」


男「大丈夫だって、鴉の嘴より特上の情報を提供をしてやるからさ……」


男「いつもの情報提供料を……さ?」


筑音「………分かりました」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:05:05.51 ID:WtTwY7ar0
そう言うと、筑音は躊躇なく服とスカートを脱ぎだした。



マミ「えっ!?ちょっ…!今川さん!?」


千晶「………ッ!」



男「うっひょー!いいね、いいね…それじゃあ、下を行こうか?」


筑音「……はい」



今度は下着に手を掛け、生まれたままの姿になった。


筑音「これでいいんでしょ?早く、情報を……」


男「まぁ、待ちなよ。まだ終わっていない」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 01:19:37.41 ID:WtTwY7ar0
男「俺とヤる覚悟は出来てるだろうなぁ?」


筑音「……言ってる意味が分かりません、私はただ…」


男「じゃかましいわ!ゴタゴタ言わずに俺と……!」


ガチャッ


黒い和服の少女「何の騒ぎや!?あら?筑音はん…」


男「お、お嬢…!」


筑音「黒羽根さん……」


マミ(……!あの指輪、ソウルジェム!?まさかこの子も…!?)
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 02:35:37.33 ID:WtTwY7ar0
黒羽根「まぁ、服を着いな。今日は寒いで」


筑音「はい……スミマセン……」


男「お嬢……どこに言ってたんですか?組長が心配してましたよ?」


黒羽根「昨日、鵜飼と一緒に……な」


男「また、あのお嬢さんと?……あのお嬢さん、末期の癌らしいじゃないですか」


黒羽根「どっから聞いてんその情報!まぁ……そんな事はどうでもええ」


黒羽根「筑音はん、今日は情報提供者の鴉の嘴の連中はおらん」


黒羽根「それに、前みたいなストリップ紛いな事はもうせんでええ」


黒羽根「サツにでもバレたらエラい事になるからなぁ」


筑音「ありがとうございます、黒羽根さん」


黒羽根「かまへんって」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 02:44:45.08 ID:WtTwY7ar0
マミ「ね、ねぇ…柴本さん……」ヒソヒソ…


千晶「はい?」


マミ「このお方達は?堅気ではない気が……まさか……」ヒソヒソ…


千晶「そのまさかですよ、ご察しの通り、この人達はヤッチャンです」ヒソヒソ…


千晶「テレビでやってたんですけど、兵庫のヤッチャンと見滝原のヤッチャンの『お友達会』がこの前の夜開かれて……」ヒソヒソ…


千晶「こっちの見滝原のヤッチャン、つまり黒羽根組が兵庫のとある組のヤッチャンリーダーと黒羽根組の

ヤッチャンリーダーと一緒に「これからも平等で仲良くしようね♥」って言ってお酒を飲んだんですが…」ヒソヒソ…



マミ「……さっぱり意味が分からないわ、だれか翻訳してくれない?」ヒソヒソ…
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 03:00:14.90 ID:WtTwY7ar0
千晶「黒羽根組のヤッチャンリーダー…つまりこの人、黒羽根みさきのお父さん……

黒羽根轟蔵の娘さんなんです」ヒソヒソ…



千晶「それでですね、ちょーっと兵庫のヤッチャンボーイが黒羽根組のヤッチャンブラザーを襲撃しちゃって……」ヒソヒソ…


千晶「今、黒羽根組はピリピリしてるんですよ……そんな状況で、鴉の嘴をあまり使いたくなかったんですが……」ヒソヒソ…


千晶「……我々は純粋な魔法少女で夢や憧れを幼き少女達に分け与える存在ですが……

たまにはこの黒羽根ヤッチャンズの状況も心配した方がいいですね」ヒソヒソ…


マミ「そうかしら…?」ヒソヒソ…


千晶「そうですよ!もしただでさえ鬱陶しい状況なのに、ヤッチャン同士で戦そry」ヒソッ…


千晶「見滝原で黒羽根のヤッチャンと兵庫のヤッチャンとドッヂボールが始まるんですよ!?迷惑ったらありゃしない!」ヒッソォォ!


千晶「だから面倒な事になる前に、私達がなんとかしましょうよ!ね!?」ヒソヒソ…


マミ「ふぅー…それ、魔法少女の仕事じゃないんじゃない?」ヒソヒソ…
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 03:13:03.93 ID:WtTwY7ar0
千晶「そんな事言わないで下さいよー……ただでさえ、ヤッチャン同士の争いは鬱陶しいんですから……」ヒソヒソ…


千晶「ヘタしたら無関係な人間もドッジボールに巻き込まれるかも……」ヒソヒソ…


マミ「確かにそれは大変ね……」ヒソヒソ…


黒羽根「ハイ、これが、その円形四天王とやらの情報や」



黒羽根は茶色い封筒を机から取り出し、それを筑音に渡した。




筑音「ありがとうございます、黒羽根さん……」


黒羽根「構わへんって」


筑音「それでは、私達はこれで……」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 03:27:58.94 ID:WtTwY7ar0
ビルの外



マミ「ね、ねぇ…今川さん……」


筑音「………はい?」


マミ「え、えっと……」



1  黒羽根と筑音の繋がり


2  兵庫のヤッチャンについて


3  服を脱いだ後、どうするつもりだったのか



+1    
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 03:40:30.14 ID:n0Z0QOs0o
1
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 12:50:01.39 ID:WtTwY7ar0

マミ「あの黒羽根って人と貴方ってどういう関係なの?」


筑音「黒羽根さんと私は、組長の娘と元若頭の娘って事です」


マミ「えぇっ!?今川さんのお父さんヤッサンなの!?」


筑音「……まぁ、そうなんですけどね」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 14:40:22.23 ID:WtTwY7ar0
マミ「それで……あの、他にも聞きたい事が……」


筑音「……?」


千晶「?」


マミ「えっと……」



1  黒羽根が言ってた『鵜飼』について。


2  円形四天王について


3  小早川渚について



+1
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 18:14:01.63 ID:WtTwY7ar0
マミ「円形四天王の情報は何か知った?」


筑音「あぁ、うん………」


マミ「見せてくれない?その資料」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 18:32:16.37 ID:WtTwY7ar0
筑音「………」スッ…



渡したその封筒の中には数枚の紙が入ってあった。

その紙には何者かの血痕が付着してあった。


マミ「な、何…?この血……」


千晶「零真教の教団名簿……から盗んだ物でしょうね」


千晶「恐らくその血は零真教の名簿を昔、盗んだ人が居て――」


千晶「デストロイされたんでしょうね」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 18:40:35.33 ID:WtTwY7ar0
マミ「ところで、この零真教って………あのカルト集団の?」


千晶「変な宗教団体とは聞きましたよ、学生とかに凄い支持をされてるとか」


筑音「………」


マミ「……あの教団のメンバーの一人か三人が東京の国会議事堂に自爆テロしたらしいじゃない」


マミ「そんな連中が、魔法少女になるなんて……」


千晶「本当ですよ。そんな連中、ヤッチャンの次に鬱陶しいですよ」



三人はその場を後にした。


円形四天王の対策とまどかの救助策を練る為に、三人は一旦

マミのマンションに向かった。
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 18:52:53.79 ID:WtTwY7ar0
暗い地下室。

再びこの雑居ビルに橘と海月は戻って来たのだ。

海月からは橘が何かをしている後ろ姿が見える。


橘「私は昔、アイドルだったんだよ」



突然、橘が衝撃な発言をした。


海月「アイドルぅ?その目付きと髪の長さでぇ?」


橘「いや、当初はもっと髪が短かったんだよ。ショートヘアーでね」


橘「それで目付きは、昔はもっと澄んでいて純粋な瞳だったんだぞ」


海月「自分で言うそれぇ?」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 18:58:51.81 ID:WtTwY7ar0
橘「私がこうなったのは、何もかもを失ったからさ」


橘「枕をやったアイドルにさ、蹴落されちゃってね」


橘「まったく……あの世界をあまりにも甘く見すぎてたよ」


海月「……まさかと思うけど、キミの願いって……」


橘「そう、その枕をやったアイドルを『影に追いやる事』さ」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 19:05:30.75 ID:WtTwY7ar0
橘「だけど……ある日、私が魔法少女だという事が父にバレてしまったんだ」


橘「事情を話した、それで…何を願ったのかも言った……」


橘「すると、父は初めて私を殴ったんだ」


橘「『お前は人の不幸をする魔女だ!』って罵倒されちゃってね」


橘「父はさ、そういう人を不幸にする人が大っ嫌いだからさ……まぁ仕方ないと思ってたんだ」


橘「それから、私は父に芸能界を引退させられたんだ……」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 19:10:43.61 ID:WtTwY7ar0
橘「そんで私達家族は一気にド貧乏になっちゃってね……」


橘「……私が家から出かけてから何時間後して帰ったら」


橘「みんな、死んでいたんだ」


橘「母も妹も……そして父も」


橘「母は胸を刃物で一突き、妹は脳天に刃物が突き刺さってた」


橘「そして、父は……」


海月「……父は?」


橘「……首吊り自殺、した」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/16(日) 19:24:07.29 ID:WtTwY7ar0
橘「はは……酷いよな、そんなの」


橘「いくら憎いって言っても、自分の娘を残して死ぬとか……」


海月「……で?悲劇のヒロインの話を聞かせてどうする気なのかな?」


橘「あっはっは!そう言うな海月、聞き流せ」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/17(月) 17:19:56.24 ID:shUMvKtg0
橘「えーっと、聞いた事あるだろ?」


橘「………」カチッ



橘は机の上にあったラジカセを再生させると

激しい音楽が流れてきた。



海月「『海のガーデニング』?ま、まさか…!?」


橘「あぁ、私が小五の頃のデビュー曲だよ」


海月「橘ななみ…そうか、思い出したよ。ヘビメタ系アイドルの……」


橘「ま、今はもう、ただの嘘つきだけどね」


橘「その音楽の他にもほんわりしたのも歌ってたんだぜ?あの頃が懐かしいな」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/17(月) 22:31:08.18 ID:shUMvKtg0
橘「ま、もう過ぎ去った話しだけどな」


バンッ!



ラジカセを強く叩いて、ラジカセの再生を止めた。

橘はウロウロし始めた。



海月「ところでさ、他の四天王とは合流しないのか?」


橘「今、合流する訳にはいかない。もう少し待て」


橘「四天王と合流するのは、今じゃない。もう少し待て」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 18:38:18.03 ID:WwtjNjSl0
夜の公園に、さやかが居た。

行方不明になった、まどかを探しに来てたのだ。



さやか「おーい!まどかー!どこー!?」


さやか「うー…寒いなぁ、もう……」


体を震わせながら、辺を探していると、さやかの携帯が鳴った。



さやか「……?何だ?この番号……」ピッ


さやか「はい?もしもし?」


『クックック……久し振りだな、美樹さやか』



さやか「あぁ!その声は!?海雪!?」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 18:43:25.87 ID:WwtjNjSl0
携帯電話から聞こえた声は、久藤海雪の声だった。

実は久藤も渚の行方不明と同時に一緒に行方不明になってたのだ。


さやか「あんた……!」


久藤『フッ……何故、キサマの電話番号を知ってるだと…!?ハッ!愚問だな!』


久藤『オレ様のデーモン・アイを使えば、キサマの電話番号如き……』


さやか「いや!何で今まで行方を暗ましてたのかを聞こうとしたんだけど!」


久藤『ヌッ……』
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 18:50:41.67 ID:WwtjNjSl0
久藤『まぁ、そんな事はさておき……』


さやか「えっ!?」


久藤『安心しろ、小早川渚もここに居る』


さやか「渚…!?居るの!?」


久藤『ま、作業中らしいがな……』


久藤『さて、美樹さやか。キサマは今、鹿目まどかを旋律の闇から探し出そうとしてるのだろう?』


さやか「う〜ん…意味分かんないけど、そうだよ」


久藤『鹿目まどかは……悪の手によって拐われた』


さやか「……!?何だって!?」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 19:01:55.49 ID:WwtjNjSl0
久藤『よーく聞け、この見滝原は、今最悪の危機に陥っている……』


久藤『オレ様だけで、この危機を遠ざけてやって欲しいが……クッ!古傷が……!』


さやか「で?危機ってのは?」


久藤「一つは見滝原に脅威勢力が現れた…その勢力の名は『円形四天王』……ヤツら四天王が我々の今回の敵だ』


久藤「そしてもう一つ、見滝原の極道組織と兵庫の極道組織……黒羽根組と濟賀組が見滝原で縄張りを賭けた

戦争が勃発寸前……」


さやか「うげっ…何かややこしそう……」


久藤「そして…最後に一つの危機、もう一の魔法少女勢力が見滝原に向かって来てるらしい」


さやか「……なんか、本当にタイミング悪いよね」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 19:18:31.08 ID:WwtjNjSl0
久藤「極道同士の戦いは我々、魔法少女には関係ない…と、思いがちかも知れないが…オレ達はこの見滝原を守るという

使命があるのだ!」


さやか「まぁ…そりゃそうだけど……って」


さやか「どわぁ!?いつの間に後ろに!?」


久藤「クックック……オレ様の気配にすら気付かないとは…キサマもまだまだだな……」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 20:24:11.36 ID:WwtjNjSl0
久藤「さてと…美樹さやか…キサマは濟賀組の拠点に偵察しに行くといい…」


さやか「はぁ!?な、何であたしが!てゆうか、まどかはどうすんのさ!?」


久藤「鹿目まどかはオレ様が探す……キサマでは永遠に見つからないだろうからな……」


さやか「何だよ、アテでもあんの?」


久藤「フッ……オレ様の千里眼を使えば、鹿目まどかの居場所なぞ――」


さやか「あー!はいはい!分かったよ!分かりましたよ!行けばいいんでしょ!行けば!」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 20:51:56.01 ID:WwtjNjSl0
同時刻、ビルの屋上。



織莉子「…………」


橘「美国織莉子だな?」


織莉子「――!?」


橘「おっと…動くなよ、動けばお前の首は宙に舞う事になるぜ?」


織莉子「………何の用?」


橘「話ってのは他でもない、斎藤勢力を裏切れ」


織莉子「……貴方と同じ事をしろっていうの?」


橘「私が一時だけ斎藤勢力に入り込んだのは、どれくらいの力を持ってるかを調査しただけだ」


橘「お前は斎藤勢力を裏切って、スパイとなれ」


織莉子「断るわ…そんな事したって何のメリットも――」


橘「『美国久臣の汚職事件』」


織莉子「!?」


橘「あの事件の真相…知りたくないか?」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 20:57:42.76 ID:WwtjNjSl0
織莉子「し、真相…何を言ってるの?あ、あれは……!」


橘「そう、あれは美国久臣が経費の改竄の不正行為で自殺した……濡れ衣を着せられてね」


織莉子「ぬ、濡れ衣…!?」


橘「とある議員はお前の父の存在が邪魔だったんだ、父が逮捕か自殺でもする事で得する人間が一人……」


織莉子「だ、誰……!?」


橘「―――民自党の、鍋島現官房長官だ」


織莉子「なっ……!?」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 21:05:14.62 ID:WwtjNjSl0
織莉子「デタラメよ!鍋島さんとお父様は××党で切磋琢磨した……」


橘「お前だって気付いてたハズだろ?鍋島官房長官と美国議員の当時の支持率は一二を争ってた」


橘「そのどちらかが居なくなれば、必ず一人の方が有利になる」


橘「――だけど、鍋島官房長官自身も、この事は絶対に知らないと思うぜ?」


織莉子「え!?」


橘「鍋島官房長官も美国議員も……ある人間に利用されてたんだよ、鍋島官房長官が××党から離党して

民自党に入ったのは、ある人物の指示なんだよ……黒幕のね」


織莉子「だ、誰!?その黒幕ってのは――」


橘「おっと!ここから先は教えられない、まずは裏切るか裏切らないか返事を聞かせてもらおう」


織莉子「クッ……!」
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 21:14:26.08 ID:WwtjNjSl0
橘「……少しだけ教えてやろう、鍋島官房長官は官僚側と交友関係がある」


織莉子「じゃ、じゃあ……その官僚の中に……黒幕が……」


橘「……で?どうするんだ?」


織莉子「………分かったわ」


橘「……」ニヤッ
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 21:17:11.25 ID:WwtjNjSl0
橘「それじゃあ、定期的に連絡するようにね。ヤバくなったら逃げてくれ」


織莉子「待って!その前に……!」


橘「………」シュッ!


織莉子「!」パシッ


織莉子「……テープレコーダー?」


橘「言っとくけど、全てが真実だと思うなよ。そのテープレコーダーも真実の一端に過ぎない」


織莉子「………」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 21:23:52.69 ID:WwtjNjSl0
橘はそう言い残し、闇の中へと消えていった。

織莉子は誰も居ない事を確認するとテープレコーダーを再生した。


ザザ……


『――――党首会談まで、後三日ですよ?』


織莉子「お父様…!?」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 21:32:24.66 ID:WwtjNjSl0
久臣『いいんですか?明日はアメリカの国防省との会議もあるらしいじゃないですか』


老いた声『いや、いいんだ。横浜までなら直ぐに行ける』


久臣『……それで、私に話しとは?』


老いた声『あぁ、いや…話って程のものじゃないんだが……』


老いた声『キミの娘さんだっけ?えぇ?確か名前は――』


久臣『――織莉子です』


老いた声『あぁ、織莉子ちゃんかぁ。そうだったね』


老いた声『鍋島君からも、昨日、その子の名前を聞いた事があるんだった』
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 21:38:14.50 ID:WwtjNjSl0
老いた声『あの子、生徒会長を頑張っとるかね?』


久臣『………はい』


老いた声『まぁ…それはさておき……話と言うのは……』


老いた声『経費の改竄したの……本当?』


久臣『……違います、私じゃない!』


久臣『あれは!どう考えても誰かの策略としか……!』


老いた声『まぁまぁ…落ち着きたまえ、美国君』


老いた声『そう熱くならないで、さ』
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 21:41:26.20 ID:WwtjNjSl0
久臣『……とにかく、私じゃないんです』


久臣『どう誤解を解こうとしても、言い逃れ扱いされますし……』


久臣『経費の改竄なんて……!』


老いた声『そう、経費の改竄なんて無いさ』


久臣『え?』






老いた声『あんな物は、キミを陥れる罠に決まってるだろ?』



タァンッ!
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 21:50:11.11 ID:WwtjNjSl0
久臣『ぐわぁ!』



織莉子「!?」


テープレコーダーから、銃声が聞こえた。

そして数分後、何かが床に落ちる音もした。



老いた声『キミと鍋島君が居続けてたら政権交代になる可能性が高いんだよ』


老いた声『そんなの、私達の面子が丸潰れだからさ』


久臣『ぐぅ…うぐ…!さ、笹川首相…!あ、あんたって人はぁ…!』
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 21:58:29.94 ID:WwtjNjSl0
笹川『まぁ……キミを殺す事で、鍋島君を操れるかもね……彼と私って仲が良いからさ』


久臣『ごほっ…!うぐ…!』


笹川『悪く思わないでくれ、美国君。キミはこの国……日本の為に死ぬのだよ』


久臣『な、何が…!この国の為だ…!民自党の為に死ねって…言ってる様なものじゃないか…!』


笹川『う〜ん……ま、そうなるね』



その瞬間、三発の銃声が聞こえて、物が散乱する音も聞こえた

銃声が止むとドサッ!と音がした。

その音が何かは、織莉子は察していた。


織莉子「お、お父様……!」




笹川『あ、もしもし古谷君?』


笹川『あぁ、美国久臣は始末したよ』


笹川『自宅で首吊り自殺したって事にしてくれないかな?』


笹川『不正行為の追求を逃れる為の自殺って事で』


笹川『……あぁ、うん。それじゃあ、いつもの口座でいいね?』
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:07:22.53 ID:WwtjNjSl0
そこでテープレコーダーは止まった。

織莉子は真実を知った事で項垂れた。



織莉子「……そんな、お父様……全ては笹川首相が黒幕なの?」


織莉子「………でも、笹川首相って兵庫県加古川市で暗殺されて水死体として発見された人」


織莉子「笹川首相を殺した犯人はまだ見つかってないけど………橘が言ってたのも気になるわね」


織莉子「『これは真実の一端でしかない』……か」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:34:39.16 ID:WwtjNjSl0
キリカ「織莉子?」


織莉子「わっ!?キ、キリカ!?」


キリカ「どうしたんだい?顔が青いよ?」


織莉子「何でも無いわ……気にしないで」


キリカ「そう?」


織莉子(ごめんなさい……キリカ、私は真実を知りたいの……)
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:36:31.96 ID:WwtjNjSl0




今日はここまで
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 05:58:18.32 ID:sVxeqWUj0
さやか「えーっと…確か、このビルだよな……」


さやか「濟賀組ってのはここにいるって海雪から聞いたけど、本当かな?」



「何やとこのボケぇ!もう濟賀も黒羽根もあるか!戦争じゃ!」



さやか(うっひゃぁ!)
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 06:06:58.34 ID:sVxeqWUj0
さやかの目の前のビルから、ドスが効いた男の怒号が飛んできた。


「うっさいわ!お前ら、関東最強かなんか知らんけどワシらはお前らなんかに怖気付かへんぞ!」


「あぁ、そや!見滝原の工場地帯……そこで決着付けたる!」


「首洗って待っとれや!それまでに余命を過すんやな黒羽根ぇ!」
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 06:22:29.88 ID:sVxeqWUj0
さやかが窓越しに覗くと、黒い服を着た男が八人ぐらい居て、白いスーツを着てるのが

さっき怒鳴っていた男だろう。


さやか「……あれが濟賀隆文…完全にその筋の方だね……」



濟賀「黒羽根のクソジジィが…!報復されんのは当然やと!?」


濟賀「ワビの金を払っとんやぞ…!あのアホがぁ…!」



さやか(何か知らないけど……ご立腹だね)


さやか(確かに、このまま放っておいたら、見滝原は危ないね……)


さやか(……ここでヤッチャン同士で争い始めたら確かに鬱陶しいねこりゃ……)


さやか(警察にでも―――)



その時、さやかの服の襟を後ろから掴まれて。

ビルの中に引きずり込まれた。
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 06:30:21.17 ID:sVxeqWUj0
そのまま、濟賀が居た所まで連れてこられ

床に乱暴に投げられた。


構成員A「親父!スパイ見つけましたで!」


濟賀「……なんやこのガキは」


構成員A「ずっとこのビルを覗いとったんです!黒羽根組のスパイでっせ!」


濟賀「……そうか、そりゃご苦労……さんッ!」



濟賀が手に持ってた火が付いた煙草を、その構成員の顔に

押し付け、さやかは目を背けた。


濟賀「こんのトンチがぁ!お前はスパイのスの字も知らんのかぁ!?こんな嬢ちゃんをスパイにするアホが

どこにおんねん!!!」


構成員A「あぢぢぢぢ!!!す、すんません!」


あまりにも熱さで、その構成員も床に伏した。


濟賀「ただでさえイラ付いてるって言うのに……こんな時にオモロイギャグかませんな!」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 06:37:53.00 ID:sVxeqWUj0
濟賀「悪いのう、嬢ちゃん。このアホのせいで恐い目に遭わせてもうて」


さやか「い、いや……」


さやか「そ!それじゃあ!あたしはコレで!」



さやか(無理無理無理!あんなの無理!絶対に交渉とか絶対に無理!今日は偵察だけにしておこう!うん!

明日から本気だす!)
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 15:33:50.27 ID:sVxeqWUj0
そして翌日。


ほむら「……それで?話とは?」


ほむらは自宅に居た、ほむらに向き合って座っていて

結構、若めで黒いスーツに黒いネクタイにボサボサの髪を

した男が座ってた。


能登村「あぁ、改めまして。私は見滝原警察の能登村と申します」


能登村「少しお伺いしたいのですが………」


能登村「鹿目まどかさんが失踪したのはご存知ですか?」


ほむら「………!? いえ」


能登村「……美樹さやかさんも失踪したのも?」


ほむら「………はい」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 15:36:16.72 ID:sVxeqWUj0
能登村「あぁ…そう、ですか…。実はね志筑仁美さんにも伺ったのですが、知らないって言うものでして……」


能登村「何も知らないならいいです、それでは」


ほむら(……あの二人、どこに行ったの?)
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 15:48:52.07 ID:sVxeqWUj0
さやかと久藤は廃工場に居た。



さやか「ねぇ、何でこんな所に居るの?」


久藤「フッ…この魔の空間ならば誰にも聞かれる事は無いだろう」


久藤「さて、死神の契約をした今の美樹さやかならば私が言おうとしてる事は分かるだろう?」


さやか「ごめん、分からないや。てゆうかそんな契約した覚えないんだけど」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 16:17:15.05 ID:OUFEG/sPo
くぅ〜選挙に疲れましたw これにて政権与党完結です!
実は、国民が騙されてチェンジしてしまったのが始まりでした
本当は与党やるはずじゃなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので日本ぶち壊してみた所存ですw
以下、大敗を喫したゆかいな仲間たちのみんなへのメッセジをどぞ

管「みんな、今まで民主と友達でいてくれてありがとう
ちょっと売国なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

前原「いやーありがと!
ミンスのキモさは十二分に伝わったかな?」

仙谷「こんなのが与党だったなんてちょっと恥ずかしいよね・・・」

枝野「こんな政党を選んでてくれてありがとな!
正直、に言った私のただちに影響はないって気持ちは本当だよ!」

鳩山「・・・クルッポゥ」フリフリ

では、

管、前原、仙石、枝野、鳩山、野田「皆さんありがとうございました!」



管、前原、仙石、枝野、鳩山「って、野田君まだ死んでなかったの!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 16:57:08.56 ID:sVxeqWUj0
>>170

そのままミンスが空中分解するのは、また別のお話。
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 17:00:10.60 ID:sVxeqWUj0
てゆうか選挙で思い出したけど、織莉子のお父さんの、久臣ってどう読むんだっけ?
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 18:44:18.19 ID:sVxeqWUj0
久藤「フン、まぁいい……鹿目まどかの情報だ」


さやか「……! それで!?まどかの居場所は!?」


久藤「下見滝原のとある山中……そこに居ると聞いた」


さやか「それじゃあ早く行かなきゃ!」


久藤「待て!一人で行くつもりか…?」


さやか「えっ!?」


久藤「クックック……喜べ低俗なメス猫。このオレ様が手を貸してやる」


さやか「メス犬って言ってたらブッ飛ばしてた所だけど、猫ならいいや!それじゃあ行くよ!」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 18:48:51.42 ID:sVxeqWUj0
電車内


久藤「………」


さやか「………」


ヒソヒソ…ヒソヒソ……



さやか「ねぇ、あんた…少し距離を取っていい?」


久藤「フッ…好きにしろ、オレ様の近くに居ると、結界に触れる可能性もあるからな」


さやか「……あんた、そのキャラって好きでやってるの?」


久藤「キャラ?何の事だ」


さやか「まぁそりゃあ……そう言う年頃だけどさ、女なのに『オレ様』っておかしくない?」


久藤「クックック……何を言い出すかと思えば……」


さやか「……あんた、女としてモテないでしょ?」


久藤「なうッ!?」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 18:53:26.73 ID:sVxeqWUj0
久藤「ふ、ふふ…ふざけるなよ…!ぉ…お前は…!」


さやか「図星なんだ?」


久藤「………!」


『次は下見滝原ー、下見滝原です。まもなく発車致します』


さやか「さっきの駅で一気に人が居なくなったな、丁度いいや。海雪ちゃん、そこに座って」


久藤「…………」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 18:59:41.69 ID:sVxeqWUj0
さやか「これまでにさ、男の子に話しかけられた事は?」


久藤「……何故、それを言わなきゃならない」


さやか「誰も居ないからいいじゃん!で?」


久藤「……無い、小学校の頃は特にだ。女子とも、あまり話した事が無いと思う」


さやか「あー…そう、原因は何だと思う?」


久藤「オレ様の結界のせいだと思う」


さやか「……そう思うならそうなんだろうね、キミの中ではな」


さやか「まず、さ。そのオレ様って言う一人称止めたら?」


久藤「断る、オレ様は 第三帝国の一つであるエスポワール――」


さやか「それじゃあ、いつまで経っても男の子に話し掛けられないよー?」


久藤「……私は第三帝国の一つであるエスポワールの守護神として――」


さやか「あ、変えた」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 19:06:37.84 ID:sVxeqWUj0
さやか「一人称を変えたって事は男の子と話し掛けられたいのね?」


久藤「ハッ!そんな訳では無い、少しだけキサマの指示に従ったまでよ……クックック」


『下見滝原ー下見滝原ですー。』



さやか「それじゃあ降りるか」


久藤「………」



恭介「あれ?さやかじゃないか」


さやか「あ、恭介!」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 19:11:58.75 ID:sVxeqWUj0
さやか「どうしてここに?」


恭介「下見滝原に用があってね……で?さやかの後ろに隠れてる子は……」


久藤「………」ヒシッ


さやか「あ、この子は――」スッ


久藤「……」サッ


さやか「ちょっ…海雪――」スッ


久藤「……」サッ


さやか「何でそう後ろへ後ろへ回るの!?」


久藤「………」ヒシッ


さやか「もう!夏目とは、よく話してたじゃないか!」


久藤「夏目は……無意識だった……」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 19:17:55.57 ID:sVxeqWUj0
さやか「ホラ!自己紹介しなよ!」


久藤「な、何で私が……」


さやか「早く!」グイッ!


久藤「わぁ!」



久藤はさやかに前に押し出されてしまい、久藤は恭介と目が合った瞬間

顔を伏せてしまった。


恭介「だ、大丈夫?」


さやか「何でそう言う所だけ純情なのかな…?」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 19:23:24.16 ID:sVxeqWUj0
久藤「わ……わひゃ…私のな、名前は…く、久藤海雪です。見滝原中学の一年です……」


その久藤の声は今までの様な、ハッキリとした声では無く

よく聞かないと聞こえないレベルの声だった。



恭介「あぁ、久藤さんね?僕は上条恭介。さやかと同じ学年なんだ、よろしく」


久藤「あ、は、はい…よ…よろしく…です…上条先輩……」


さやか(私には先輩呼びしないのに……)
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 20:31:54.92 ID:sVxeqWUj0
恭介「あれ?右手どうしたの?そんなに包帯を巻いて」


久藤「あ!い、いや……コレは……や、火傷で……」


さやか「嘘つき」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 20:40:16.94 ID:sVxeqWUj0
久藤「美樹先輩は黙ってて」


さやか「あれれー?美樹先輩?さっきまで私の事をキサマとか呼び捨てとかしてたのに」


恭介「え?」


久藤「わー!ち、ちょっと!止めて下さいよ!とあるネガティブ系魔法少女の過去の話しをしますよ!?」


さやか「あぁ!やってみなよ!その代わりトイレの近くでな!」


さやか「最悪、卒倒するかもしれないからッ!」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 20:51:53.00 ID:sVxeqWUj0
久藤「それは……とある少女の昔話である」


さやか「え、マジですんの?」


久藤「その少女はいつもいつも、むさ苦しい男達に絡まれては服を剥がれては強姦され

その少女の股間には痛烈な痛みが日々残っていた」


さやか「あ、ご、ごめん、それマジでヤバイヤツだわ、ごめん」


久藤「ある日、一人の少年がその男達からその少女を救い出した」


久藤「少年はニコリと笑顔で、その少女に手を差し伸べた」


久藤「『大丈夫、キミがどんなに恐い目にあっても僕が助けてあげる』」


久藤「そう少年が言った瞬間、少女はその少年に一目惚れしてしまったのだ」


久藤「これが恋い…『恋い』と言う異様な感情が芽生えた少女は、少年に今まで自分が受けてきた

仕打ちを語った」


さやか「あ、ヤバイわ、それマジで最終的にギクシャクするヤツだわ」


さやか「ごめん、本当ごめん、からかってごめん、土下座するから」


恭介「………」ゴクッ…
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 21:02:26.00 ID:sVxeqWUj0
久藤「しかし、少年は何も言わずに彼女の過去・経歴を全て受け入れてくれた。家族からも虐待され祖父祖母からも虐待

され親戚にも虐待され続けられた少女にとっては本当に嬉しかった」


久藤「そして、その少年と交際をする様になった。虐待もあったがもう心が折れる事は無かった」


久藤「しかし、ある日。少年が転校する事になった」


さやか「あ、や、止めて」


久藤「少女は衝撃を受けて、少年に残って貰おうと問い詰める、絶対に離したくない、絶対に別れたくない

あんな思いをするのはもう懲り懲り」


久藤「しかし、気が付くと、少女の両手は少年の首を強く締めていたのだ」


さやか「うわぁあああああ!聞こえなーい!聞こえないよーほほほほほ!!!」


久藤「その少年は口から泡が吹いており、目は見開いたままだった。少年は死んでしまったのだ」


さやか「ぎやー!むぎゃー!うびょー!」


久藤「その時、通りすがりの女性にその様子を見られてしまった」


久藤「普通なら誤解を解こうとするが、しかし、少女は無表情のまま、たまたまあった鉄パイプを拾い……」


さやか「わ……わわ…わ」



久藤「その女性の頭に思いっきり殴りつけたのだ」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 21:13:45.40 ID:sVxeqWUj0
久藤「撲殺、あまりにも冷静に少女は通りすがりの女性を撲殺したのだ」


久藤「そして、またその様子を通りすがりのサラリーマンの男性に見られてしまった」


久藤「その男も、この少女の手によって撲殺」


久藤「まるで殺しに馴れてるかの様に鮮やかに殺した」


久藤「そして、その様子を通りすがりの老人に見られてた」


久藤「その老人も撲殺」


久藤「殺人現場を目撃する者は全て殺した」


久藤「会社員、教師、高校生、大学生、中学生、妊婦に病人に手足が不自由な人も勿論」


久藤「何もかも平等に殺した、最終的には小学生、幼稚園児に生後3ヶ月の赤ん坊まで」


久藤「気が付くと少女は返り血で真っ赤っかになってて振り向くと、死体がゴロゴロ転がっていた」


久藤「――そして、少女は。絶望の壁を通り越してしまい、笑い声をあげた」


久藤「気が付くと、少女は殺人が唯一の快楽となり、人を殺す事で性的刺激感覚がするようになった」


久藤「そしてキュゥべえと出会うことによって、彼女はネガティブ系魔法少女となった」


久藤「願いは勿論、『人を嬲り殺しにしたい』」


久藤「彼女は日に日に殺し回って、少女が住んでいる街は恐怖のドン底に堕ちた」


久藤「そして、もし彼女と遭うような事があれば……彼女はこう言うだろう」





久藤「『今度はお前が私を満たしてくれるのかぁぁっっっ!!!!???』」グワァッ!


さやか「にぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 21:19:16.37 ID:sVxeqWUj0
さやか「きゅー!」バタッ


久藤「……話しの提供は小早川渚」


恭介「凄いや久藤さん!それ、本当にあった話しなの!?」


久藤「えっ!?あ、あぁ…い、いやぁ…!こ、これは…!」


恭介「ねぇねぇ!?その少女って本当に実在してるの!?」ガシッ


久藤「あ、あ…て、手を……ち、近いです…そ、その…は、恥ずかしいですよ……」



顔を赤らめて恭介から目を背ける久藤。

恭介は我に返って久藤から手を放した。



恭介「あ!ご、ごめん…ちょっと興奮して……」


久藤「い、いえ……」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 18:18:08.54 ID:1YpU/IXD0
その頃、鹿目タツヤこと夏目貴也は繁華街に居た。


姉のまどかの失踪事件の謎を解き明かす為にゼロに未来から連れてこられたのだ。

さっき、まどかが行方不明になった事に刑事に聞かれ、そして再び

まどかの行方を探そうとしていた。


夏目「………どうしよう、館花勢力とか言うのはもう潰れたんじゃないのか?」


手掛かりも無く、ただ闇雲に探していても仕方が無いと思い

聞き込みをする事にした。



「聞き込みしたって無駄さ、あたしもそれをやったが収穫無しで終わったんだからね」



夏目「!?」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 18:28:28.94 ID:1YpU/IXD0
夏目(だ、誰だ…?男の子かと思ったけど、あの制服は女子の制服……しかし、あのヘアピンどこかで……)



青に若干白が入った髪をして目付きが鋭い少女は、夏目の事をジッと見つめている


あきな「私の名前は『美樹あきな』久藤海雪の代わりに、あんたをサポートさせて貰う」


夏目「……美樹?って事は…いや、違うかも知れないけど、美樹さやかさんと何か関係が?」


あきな「ん?まぁ…そうだね」


夏目「じゃあ…親戚か従兄弟?」


あきな「……いや違うよ」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 18:34:08.18 ID:1YpU/IXD0
あきな「あたしも、あんたと同じく未来から連れてこられたんだよ」


夏目「え!?そうなんだ!?」


あきな「ま、ちょっと時間軸が違うけどね」


夏目「じゃあキミと、さやかさん はどう言う関係なの?」


あきな「親と子。お母たま、もとい、美樹さやかの娘だよ」


夏目「………え?」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 18:42:28.29 ID:1YpU/IXD0
夏目「えぇー……!?来た時間軸が違うって…そう言う事…?」


あきな「フム、その言い方はおかしいね。来た未来が違うと言うべきか……」


あきな「そんな事より鹿目タツヤ、もとい、タツ兄ぃ。あんたが探している、まどか姉ちゃんを

一緒に探そうじゃないか」


夏目「そ、そりゃ…嬉しいんだけど……大丈夫なの?」


あきな「安心しろ、コレがある」チャキッ


夏目「け、拳銃……本当に大丈夫なの?」


あきな「超大丈夫」グッ!


親指を突き立て、無表情のドヤ顔をした。
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 18:48:52.49 ID:1YpU/IXD0
夏目「ん?キミがさやかさんの娘って事は、お父さんは?」


あきな「お、お父たま…?」


夏目「……上条恭介?」


あきな「………へ?誰です?それ?」


夏目「上条さんじゃない?じゃあ……誰なの?」


あきな「…………」


あきなは少しだけ難しい表情をした。

黙ってポケットから、一枚の写真を取り出した。


あきな「真ん中が小学生の頃のあたしで、左がお母たま、右がお父たまだよ」


夏目「へー、どれどれ………ッ!?」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 18:54:34.48 ID:1YpU/IXD0
写真に映ってたのは、大人のさやかとあきな。

さやかは笑顔だが、あきなは無表情でカメラの方を睨んでる様に見える。

そして、その隣には。


完全に50代か60代ぐらいのバーコード頭の『社長』と呼ばれてそうな、おじ様が立っていた。


夏目「こ、これはッ……!?」


あきな「…………」


夏目「ぁあ……いやぁ……これは……さやかさん……悲惨と言うか……何というか……」
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 19:04:49.68 ID:1YpU/IXD0
あきな「まぁ、その写真の人はお母たまの仕事の上司なんだけどね」


夏目「なんだよそれ!」


あきな「コレが本当の写真、騙して悪かったね、怒ったタツ兄ぃの顔可愛かったよ」


夏目「お世辞でしょ?……えーっと…遊園地の写真か…」


夏目「……上条さんだよね?この人」


あきな「そうさ、お父たま、もとい上条恭介が私のお父たまだよ」


夏目「なーんだ、って…この写真でもキミ不機嫌そうだね……楽しくなかったの?」


あきな「うんにゃ、逆にテンションが半端無かった気がする」
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 19:29:40.34 ID:1YpU/IXD0
あきな「他にも写真あるけど」


藍色のカバンの中から数枚の写真を取り出して、夏目に手渡した。



夏目「沢山持ってるね……」


夏目「……どの写真もキミ、不機嫌そうだね」


あきな「……あたし、笑顔とかあまり出来ないんだよね」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 20:02:13.03 ID:1YpU/IXD0
その時、音も無くほむらとマミと杏子が、路地裏に入ってきた。


あきな「Oh」


ほむら「話は全て聞かせて貰ったわ、夏目貴也に美樹あきな」


夏目「あ……いやぁ……」


マミ「貴方達…未来人だってね」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/20(木) 20:10:28.07 ID:1YpU/IXD0
下見滝原


さやか「………ん?」


久藤「目が覚めたか」


さやか「ここは?」


久藤「下見滝原の公園だよ」


さやか「公園……何か人気が少なくない?ここ?」


久藤「そりゃそうだろ、一時期、ここはネガティブ系魔法少女達に壊滅させられたんだから」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 06:49:26.07 ID:6vTelM9c0
さやか「あ!そうだ!まどか!」


久藤「待て、どこに行く気だ」


さやか「まどかを助けに行くんだよ!」


「待って」


さやか「!」


久藤「き、キサマは……!?」


あきな「あたしは美樹あきな、よろしく」


久藤「美樹あきな、だと……?」


さやか「こんな所で同じ名字の人と出会う事になるとはね……」


あきな「あんた達では、まどか姉ちゃんを拐ったヤツを倒せない。指でもくわえて見ているんだね」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 06:55:47.12 ID:6vTelM9c0
さやか「あんた…ッ!何であんたなんかに命令されなきゃならないのよ!」


あきな「命令なんかじゃない、変な被害妄想は止めてくれないかな?」


さやか「くっ…!ほんと、ムカツクやつ…!」


あきな「お母たま、いくら、あたしをボロカスに言っても構わない。だけど、まどか姉ちゃんを拐ったヤツと

戦わないで、お願い」


さやか「………え?お母たまって…あたしに言ったの?」


あきな「………」


久藤「洗い浚い吐いて貰おうか」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 07:00:53.93 ID:6vTelM9c0
あきな「あたしは美樹さやか、もとい、お母たまの娘だ」


さやか「は?」


あきな「……実は、ある人物のサポートをする為にゼロと言うヤツに未来から連れてこられたのだ」


さやか「うぇえっ!?って事はマジで…!?」


あきな「うん」


さやか「……あたしの娘ってこんな目付き悪くなるの…?コレは、あたしの遺伝なの…?」


あきな「さぁ?お母たまはお父たまの遺伝だって言ってた気がする」


さやか「……ん?お父たま?」


さやか「ね、ねぇ……」ドキドキ…


あきな「なーに?」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 07:06:02.45 ID:6vTelM9c0
さやか「あ、あの…その…あ、あんたの…お父さんって……えっと…誰なのかな……?」ドキドキ…


あきな「え?あ、あぁ……」


さやか(この顔、そう言えば、どことなく恭介に似ている…気がする……)


あきな(……ここで本当の事を言えば、お母たまはお父たまと結婚するのは宿命だと思ってしまい

執拗以上のアプローチをしなくなるかも……)


あきな(……ごめん、お母たま。あたしは鬼になるよ)スッ


あきな「コレが写真」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 13:19:48.93 ID:6vTelM9c0
さやか「」


久藤「成程、それでキサマはここに来たのか?」


あきな「予め、情報を集めていてね、他の魔法少女達もコッチに向かって来てると思うよ?」


久藤「ところで……キサマは魔法少女なのか?」


あきな「一応、でも無駄な魔力を使わない為に拳銃を持ってるけどね」


久藤「フン、能ある鷹は爪を隠す、と言った所か…クックック……」


さやか「」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 08:40:15.72 ID:x7RwYpx+0
雑居ビル



ゆま「た、助けてー!」


海月「待て!この野郎!」ガッ!


ゆま「うわぁ!」


海月「ようやく捕まえ……」


タァンッ!


海月「ぐえっ!?」ピシッ!


海月「ぎゃああああああ!!!!肌が溶けるぅううう!!!!」ジュゥウウ…





渚「私のアジトで騒がないでくれるかな?」ガララッ


ゆま「な、なぎさ!?」


渚「あ、ゆまちゃん♪」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 08:45:41.35 ID:x7RwYpx+0
渚「主人公の割には地味な登場だったね♪ごめんね♪」


「お前が小早川 渚か」


影の中からヌゥッと橘が出てきた。


ゆま「わっ!?お化け!?」


渚「………♪」


橘「………」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 08:58:39.21 ID:x7RwYpx+0
渚「やっ♪奈南ちゃん♪」ニヘラッ


橘「……相変わらず、ふざけたヤツだな」


渚「奈南ちゃん、昨日人妻の調教モノのエロ本買ったんだけどさ♪…見る?」


橘「いらん、そもそも女子中学生が見ていいものじゃねぇだろ」


渚「別にいいじゃん、女子だけこういう物見ちゃいけないって言う法律なんて無いじゃん♪差別すんなよ♪」


渚「百合百合系の本?BL系の本?どっち見たい?あ、奈南ちゃんは純情だからこう言う物見ないか♪」


橘「………」


ゆま「なぎさ?それどんな本なの?」


橘「お前は気にしなくていい」


ゆま「敵は黙っててよ!」


橘「てッ…!?」


渚「最初に奈南ちゃんに勧めた本は、ある日突然仕事の上司に自分の妻が目の前で延長コードで亀甲縛りにされて――」


橘「説明すんな!」


ゆま「きっこーしばりってなーに?」


渚「後でしてあげる♪」
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 09:07:57.36 ID:x7RwYpx+0
渚「そんな訳でさ、私達は大人の世界にエンジョイするからさ♪奈南ちゃん、帰ってくれない?」


渚「キミが居ると何か臭うからさ?腐卵臭?それが漂うから凄く萎えるからさ、まったく発情しないんだよね♪

ゆまちゃんを縛り上げたいからとっとと出て行ってくれないかな?何その髪の長さ?ウケ狙い?(笑)」


ゆま「し、縛り上げるって…!?何する気!?」ブルブル…




橘(コイツは人をイラつかせる世界チャンピョンだな…!)


橘(だが落ち着け……コレはコイツの策略だ…!)
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 09:12:26.25 ID:x7RwYpx+0
橘「お前のハラは見えているんだよ、そうやって私をイラ付かせ攻撃させ―――」


橘「――正当防衛とか何とか言う気だな?」


ゆま「………」


渚「………?」


渚「何言ってるの?事実を語ったまでだけど?」



橘「」
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 09:28:21.64 ID:x7RwYpx+0
海月「うわぁあああ……肌がぁぁぁ……」ジュゥゥ…


橘「………柴本海月に何を撃った?」


渚『溶解弾』!溶かす対照は皮膚に設定した弾丸を撃ったのさ」


渚「ネガティブ系魔法少女の自然即効治療魔法能力のせいで生き地獄を味わう物さ♪」


橘「……コイツは私の協力者だ…効果を解いてもらおうか」


渚「円環のお断り♪」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 09:40:20.96 ID:x7RwYpx+0
橘「そうか…ならば…ここで死ねッ!」ジャキッ



瞬時に刀を取り出して、橘は渚の首に刀を突き刺そうとしたが



グシュッ!!!



橘「なッ……!?」



渚は迷いもなく、左手で刀を掴んだ。



渚「いいかい?奈南ちゃん、キミが私に従わない事に怒ってる訳じゃないんだよ♪」


渚「いきなりキミが攻撃してきた事に腹が立ったんだよ♪―――殺すぞ」チャキッ


橘「……!?」



橘の眉間に銃口を突きつけられ、目を見開く橘。

渚の目から殺意がドッと溢れ出した事に恐怖を感じて身動きも出来なくなった。


そして、引き金を――



タァンッ!
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 09:53:08.37 ID:x7RwYpx+0
橘「む…!ぐぁぁ……」ドサッ!


橘「し、死ぬぅ……」ガクガク…


ゆま「何をしたの……?」


渚「『希望弾』を撃った、基本は対ネガティブ系魔法少女専用の弾丸さ」


渚「これに撃たれた者は……」チラッ



橘「あぅん!あひぃん!き、気持ちぃぃ……!」クチュクチュ…


橘「やんっ!あんっ!んっ!いやぁ!イグゥ!イッくぅ!」クチュクチュ…



渚「――と言う効果がある」


最低だ!帰れ!


朝っぱらから何やってんだ!



渚「やかましぃ!」クワッ!


ゆま「!?」ビクッ!
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 10:01:15.37 ID:x7RwYpx+0
渚「まぁ、この弾丸は何か色々と幸せになってどんな性格の者でも公開オ○ニーをさせるという弾丸だ!」


ゼロ『さ、最低だ!』


渚「とにかく!この弾丸は『発情弾』とは訳が違う!『発情弾』だと(放送事故)を(放送事故)に入れて!と

涙ぐんで誘ってくるが……『希望弾』は鑑賞用だね♪」



ゆま「?、??」


渚「この二つの弾丸をセットで合わせて今なら『五円』!」


ゆま「安い!」


渚「お電話は0795ー()です!お早めに!」


ゆま「買お!」
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 10:14:08.89 ID:x7RwYpx+0
橘「この…この…んっ!フザケた…やんっ!弾丸撃ちやがってぇんんん…!」グチュグチュ…


渚「ゆまちゃんは、あっち向いてて♪」


ゆま「?」クルッ


渚「ついでに耳も塞いでて」


ゆま「?」スッ



渚「そんな、ヨダレ垂らして自分の指で絶頂してる雌犬に何を言われても全然怖くないし♪」


渚「それに、ちゃんと考えて撃った弾丸だよ。キミの様なプライドが高いヤツはコレが一番だからね♪」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 10:19:30.68 ID:x7RwYpx+0
渚「薄い本なら怖いお兄さんが入って来て奈南ちゃんを犯して――」


渚「――そして最終的には私まで犯されるんだけど」


渚「残念ながら、そんな展開は誰も望んでない様だし♪私は帰るかな♪」


橘「ま、ま…までぇ……!」


渚「私に歯向かった事……後悔しろよ?二人共♪」


渚「もう少ししたら効果が切れるから安心しな、ゆまちゃん!行くよ!」


ゆま「う、うん…!」
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 19:21:58.14 ID:x7RwYpx+0
廃工場



優衣「メリークリスマス!」


美篶「クリスマスなんて灰になれ!」


優衣「あははははははははは!」


美篶「あはははははははははは!」


まどか「は、はは……」


水夢「何がメリークリスマスだッ!とっくに儀式の日はとっくにすぎてるぞ!このうつけ共がぁ!」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 19:28:33.02 ID:x7RwYpx+0
美篶「だって何日待っても海月も橘も帰って来ないんだもん」


優衣「面子が揃わなければ意味がない」


水夢「ぬぐぅ……」


美篶「ケンタのチキン食べる?」


まどか「あ、ありがとうございます……」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/25(火) 11:52:25.16 ID:EkfQC1Or0
ガララッ!


橘「ハァ…ハァ…帰ったぞ……」


美篶「あ、噂をすればなんとやら」


まどか「えっ!?もしかして、ななみちゃん!?」


橘「?」


優衣「何だ、知り合いか?」


橘「いや……」


まどか「アイドルの橘ななみちゃんだよね!?」


水夢「あいどるぅ?」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/25(火) 12:01:25.67 ID:EkfQC1Or0
橘「あ、そう言う事で知ってるのか」


まどか「でも、当時は短髪だったよね?」


橘「あぁ…これは…その色々あってな……」


優衣「おい、杉村は?海月はどこに行った?」


橘「さぁ?知らん、目が覚めたら居なくなってた」


美篶「目が覚めたって…どこで寝てたのさ」


橘「どこだっていいだろう」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 19:02:58.46 ID:UtRTFi8Y0
橘「そんな事より大変だ、小早川渚と出会ったぞ」


水夢「小早川渚だと…?表に出始めたのか?」


まどか(渚ちゃん……)


美篶「何故、今頃出てきたんでしょうね?」


橘「恐らく考えられるのは……円形四天王の他に鹿目まどかを狙う勢力が――」



その時だった。


橘は話しを止めて上を見上げる、他水夢や美篶、優衣も見上げると――



ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!



橘「!」


まどか「きゃっ!?」



いきなり天井が崩落して、瞬時に橘はまどかを押し倒して覆い被さる形になった。
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 19:14:57.99 ID:UtRTFi8Y0
幸い、橘とまどかは落下物に当たらずに済んでいた。


橘もまどかもホッとした。


その数秒後で複数の揉める声聞こえた。



???「いてて…!だ、誰だよお前達!?」


???「あなた達が円形四天王ね?大人しく鹿目まどかを引渡しなさい!」


???「黙れ!うぬら何者だ!?」


???「あ!髪の毛掴まないでよ!」


???「このぉ!クリスマスケーキが台無しじゃないか!」


???「もういい、コイツら連れて行くでござるよ!」


???「止めろ!運ぶな!」


???「クソ…!離せ!」


???「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!こ、こしょばい!」



誰が誰の声なのか分からなかった、橘はそれを黙って聞いてるだけだった。

しばらくすると、声は遠のいていった。それを確認した橘は起き上がった。
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 19:26:35.95 ID:UtRTFi8Y0
橘「………」


まどか「あ、な、ななみちゃん……助けに行かないの?」


橘「……いい、私とアイツらとは表面上の仲間でしかない」



まどかも起き上がり、鉄骨やなんやらが散乱したのをジッと見つめていると

ガレキの間に何か光る者があった。



まどか「……?これ、何かな?」


橘「……それは?」


まどか「……ボタンみたいな物なんだけど……何か書いてある……」


橘「M……T…S?」
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 19:36:44.65 ID:UtRTFi8Y0
まどか「知ってるの?」


橘「知らん……新たな勢力だ」


橘「今度は何だってんだ……」



ハァと深い溜息を付いた橘は地面に座り込んだ。

その隣にまどかもしゃがみ込んだ。


まどか「……また、魔法少女同士が争うのかな?」


橘「……そうだろうな、普通にせよネガティブにせよ元は人間だからな」


橘「自分の利益しか考えないんだよ」


まどか「そ、そんな事無いよ……」


橘「あぁ、そうだ。お前の仲間は特殊なんだろう」


橘「力を手に入れたら大抵は欲に走るのだがな、お前の仲間はそうでは無いみたいだ」




そう言って橘は突き抜けて空が見える天井を見上げた。
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 19:55:35.84 ID:UtRTFi8Y0
斎藤はホテルに居た。

外は明るく時計を見れば朝だった。


斎藤の隣に杏子が死んだ様に寝ていた。



斎藤「………」



ベットから出て窓の方に向かうと、背後に誰かの気配が感じ

振り向こうとした途端に、後頭部にカチャッと金属の物の感触がした。



斎藤「……誰だ」


渚「久し振りだね♪翔子ちゃん♪」


斎藤「……ッ!?お前……!?」



改めて斎藤が振り向くと渚がヘラヘラと笑ってた。



渚「おはよう翔子ちゃん!杏子ちゃんに負けないぐらい寝顔が可愛かったよ!眼福眼福♪」



気になる事を言ったがそれはスルーして、斎藤は訪ねた。


斎藤「……お前、今まで何をしていた?」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 20:04:34.03 ID:UtRTFi8Y0
渚「来る見滝原の危機に備えて色々していた♪」


斎藤「だからその色々ってのは何だ」


渚「色々と言ったら色々だよ♪神に懺悔したりとか、エロ本買いに行ったりとか、違法風俗店を利用したりとか」



相変わらず意味不明で適当な事を言う渚に呆れて斎藤は椅子に座った。



斎藤「本当の事を言え」


渚「………>>223だよ♪」


斎藤「は?」


渚「聞き取れなかった?>>223だよ!」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 21:22:26.73 ID:kDJ22gKDO
君を守る為に動き回っていたんだよ!
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 21:30:40.73 ID:UtRTFi8Y0
渚「君を守る為に動き回っていたんだよ!」


斎藤「……何故だ?」


渚「そりゃあ……」


斎藤「お前と私は敵だし何の繋がりも無いだろ」


斎藤「何の得があるんだ、他人同士なのに」


渚(うーん…答え次第で翔子ちゃんを仲間に付ける事が出来るかも……)


渚(とりあえずここは>>225
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 22:43:43.75 ID:UtRTFi8Y0
渚「実は、私には生き別れの姉がいた」


斎藤「!」


渚「翔子ちゃんが、その生き別れのキャリーさん知ってるんじゃないかなって」


斎藤「……誰から聞いた」


渚「キュゥべえから♪」


斎藤「……カッ」
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 23:14:23.65 ID:UtRTFi8Y0
斎藤「それで?お前の姉と言えば蓮美が居るじゃないか」


渚「いやー♪お姉ちゃんからは聞きにくいからさー♪」


斎藤「…私から、お前のもう一人の姉を教えたらどうする気だ?」


渚「……どうするつもりもないよ、ただどうして家から出て行ったのか、それを知りたい」


渚「もう一人の姉が居れば……私はこんな事にならなかったハズなのに……」



いつものヘラヘラした表情ではなく、至極真面目な表情で斎藤に語る。

「♪」付けも抜きにして、本気で知りたいというのが良く分かる。



斎藤「……出ていった訳じゃない」


渚「え?」


斎藤「出て行った訳じゃない、誘拐されてたんだ」
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 23:24:59.11 ID:UtRTFi8Y0
斎藤「………」


渚「……誘拐…そんな話し聞いた事無い」


斎藤「お前の家族は殆ど、その姉の事を諦めかけてた様なんだ」


斎藤「多分…それでお前に話さなかったんじゃないのかな」


渚「……初めっからギスギスした家族だったから、私には教える気もなかっただけだと思うね」


斎藤「お前が何でそうなったか…私は初めっから知ってた、元は狂人の様な人間じゃないって事も知ってる」


斎藤「……私が居れば、お前はそうならなかったハズなのにな」


渚「うん、翔子ちゃんが居ればね、確かに翔子ちゃんがお姉ちゃんだったら良かったのに♪」


斎藤「そうなんだ」


渚「は?」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/26(水) 23:33:00.82 ID:UtRTFi8Y0
斎藤「私は……お前の、あ、姉なんだお……」


渚「ぷっ…!あはははは!まさか、翔子ちゃんが冗談を言えるとはね♪」


渚「今まで争ってきた敵同士がまさかの姉妹だなんて!あははは!」


渚「は…首がよじれる!あははははは!」ゲラゲラ…


斎藤「……小早川希」


渚「!」ビクッ!



斎藤がその名前を呼ぶと渚は表情が固まった。
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 01:49:58.68 ID:0QohpvDf0
杏子「う〜…ん?何やってんだ…?」


すると、異変に気付いた杏子は目をこすりながら起きた


渚「……あ!杏子ちゃん!おはよう♪」


杏子「って渚じゃねぇか!?今までどこに行ってたんだよ!?」


斎藤「………」


渚「と、とにかく、私はコレで失礼するぜ♪それじゃあね♪」



いそいそと部屋から出ていった。
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 02:26:40.37 ID:0QohpvDf0
その頃、さやかとあきなそして久藤は天井が抜けた廃工場に居た。


さやか「な、なんだこれ…!?」


久藤「私達が知らない間に邪神の手が伸びていたか…?」


あきな「………」


ゼロ「あーあ、少し来るのが遅かったね☆」



何の前フリも無く、三人の背後にゼロが現れた。



さやか「うわぁ!?ゼロ!?実体化してるし!てゆうか何そのセーラー服!?」


ゼロ「あ、コレ?いつもの和服でウロチョロすると目立つからさ☆」


あきな「……」
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 02:37:17.85 ID:0QohpvDf0
ゼロ「私が実体化してるのは、ジャバウォックが仮死状態になってるからだよ☆」



一瞬、耳を疑う様な事を言ったので、さやかは眉をひそめた。


ゼロ「私のセーラー服姿に酔いしれるのはいくらでも構わないけどさ、本来の目的を忘れないでよね☆」


ゼロ「ところで、あきなちゃん、どう?この時代」


あきな「…あまり慣れないね、あたしが赤ん坊の頃に無くなった建物が多かったし」


ゼロ「フーン……」


斜め上を向いて何か考え事をして、ゼロは辺をウロウロし始める。

急に足を止めてさやかの方を向いた。



ゼロ「ねぇ、美樹ちゃん。今のキミでさ、鹿目ちゃん助けれると思う?」


さやか「え?」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 02:51:36.14 ID:0QohpvDf0
ゼロ「案外マジな方でさ、円形四天王に勝てると思う?」


さやか「あたしは……まどかを助ける為なら誰でも……けど」


さやか「ネガティブ系魔法少女とすら戦った事無いのに……そんな連中に勝てるのかな……?」


ゼロ「自身が無いんだろ?だから私はジャバウオックを仮死状態にしてまでキミに勝機を付ける為に来たんだ」


さやか「え…?ど、どうしてそこまで?」


ゼロ「渚ちゃんに言われたんだよ…と、言いたい所だけどコレは私の個人的な協力さ☆」


ゼロ「魔法少女の中でも、さやかちゃんが弱いからね☆」


さやか「ぬぐぅ……」
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 12:06:12.22 ID:0QohpvDf0
ゼロ「さーて…それじゃあ始めますかね☆」



ゼロが手をポンッと叩くと、辺りが真っ白になった。

その異世界の様な所に、さやかとゼロだけしか居ない。



さやか「あ、あれ!?どこここ!?」


ゼロ「仮想空間さ、あまり説明させないでくれよ☆面倒臭い」


さやか「い、いや…」


ゼロ「さーて…それじゃあ、美樹ちゃんに訓練というかバーチャルシュミレーション?をやってもらうかね☆」


ゼロ「そんじゃあ、ソウルジェム出してホラ」



さやかはゼロにソウルジェムを渡すと。

ソウルジェムにゼロの人差し指と中指を突き刺すと、ソウルジェムの中に大量のドス黒い

穢れが流れ始めた。



さやか「え!?い、いや!?ちょ…!何して……!」


ゼロ「黙ってな」グッ…



パリンッ!
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 12:16:25.20 ID:0QohpvDf0
さやか「い…たた…」


さやか「あれ?何だここ…?」



辺を見渡すと、先程の真っ白な景色では無く

オーケストラのコンサート会場の様な所だった。


クラッシック(?)音楽がその空間中に響いていた。


今の状況に混乱していると、さやかの目の前に上半身が鎧で下半身が魚の

化け物の様な物が居た。



「グォオオオオオオオオオオ!!!!!」


さやか「うわぁ!何だコイツ!?気持ち悪ぅ!」
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 12:26:59.78 ID:0QohpvDf0
ゼロ「まずは、自分を越える事だ☆そうすることで、ようやくネガティブ系魔法少女を倒せる☆」


ゼロ「多分だけど」


さやか「じ、自分を越える…?」


ゼロ「アレはキミの『甘さ』だ」


さやか「甘さ…?」


ゼロ「そう、甘さ。かまってちゃんで被害妄想でスイーツ(笑)キミのそういう甘い所の塊みたいな物さ」


ゼロ「言ってみればキミの魔女だね」


さやか「……サラッとボロカスに言いやがって」


ゼロ「あはは☆ごめんごめん☆別に悪気があって言ってる訳じゃないんだよ☆」


ゼロ「キミの甘さ……それを越える事で、キミは何かが変わると思うんだよ」


さやか「………」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 12:34:14.93 ID:0QohpvDf0
ゼロ「まぁやるかやらないかはキミの自由だけどさ」


ゼロ「やらねぇって言うなら、暁美ちゃんか巴ちゃんに泣きついて鹿目ちゃんを助けに行かすのを強要させるか

鹿目ちゃんとは絶交して他の『お友達』でも探すんだな」



さやか「……誰が、やらないって言ったのさ!」


ゼロ「……」ニィ…


ゼロ「キミならそう言うと思ってた様な気がするけど、思ってたよ」ヒュッ


さやか「私のソウルジェム……!」


ゼロ「それじゃあ、壁を越えてみせてよ☆キミの、甘さを」



さやか「へへ…!言われなくても!」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:59:15.25 ID:AYdEkKjDO
初めから見てて、ずっと待ってるよ
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 16:21:57.74 ID:4emVD7/40
>>237

ありがとうございます、お待たせしました。


少しゲームにハマってました。
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 16:25:59.59 ID:4emVD7/40
???




水夢「ムッ…!?ここはどこだ…!?」



辺は真っ暗で何も見えない、それに妙に暑い。

水夢は椅子に縛り付けられていた。



「目が覚めたか、円形四天王よ……」



水夢「何奴…!?」


宮本「私の名は宮本紅音、『メンタリスト』の一人だ」


水夢「メンタリストだとっ…!?」
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 16:50:48.87 ID:4emVD7/40
宮本「お前達が、鹿目まどかを抹殺しようとすると聞いてな」


水夢「他の美篶や優衣は…!?」


宮本「別室だ、なに…手荒な真似はさせてはいない」


水夢「うぬの目的はなんだ…?」


宮本「鹿目まどかの保護、これ以外目的など無い」


水夢「………うぬもネガティブ系魔法少女か?」


宮本「……フフ、さぁ?どうかな?」



宮本は水夢の頭を掴んで無理矢理、頭を上げさせる。



宮本「だがこれだけは言える、私は『人間』ではなく『宇宙人』だ」


水夢「何っ!?それはどう言う―――」




宮本『私の命令に従えッ!!!』


水夢「――!?」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 16:56:33.77 ID:4emVD7/40
宮本のその言葉を聞いた途端、水夢は人が変わった様に喋り出した。



水夢「――了解」


宮本「……これからお前は私の命令に従え、いいな?」


水夢「――承知」


宮本「ククク……」



「やぁ、宮本」
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 17:01:13.63 ID:4emVD7/40
奥から白衣を着て白髪の短髪で灼眼の少年か少女か分からない人物が現われた。



宮本「……お前か、心配ない。計画通りだ」


「それは助かった」


宮本「どちらにせよ、この戦いは我々に有利だな」


宮本「しかし名残惜しいな、この星を早急に潰せとはな」


「宮本、キミの役割はまだ終わって無いよ」


宮本「分かってる……任せろ」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 17:07:10.53 ID:4emVD7/40
その白衣の人物は大量にプラグが取り付けられた無線を取り出した。


「やぁ、ほむらかい?」


ほむら『テレパシー…?あなた、今までどこに居たの?』


「実は話したい事があるんだ、今から言う場所に来てくれないかな?」


ほむら『……何を企んで居るの?』


「別に?それじゃあ言うね」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 17:10:31.69 ID:4emVD7/40
「―――って訳で、それじゃあ、その時に会おう」


ほむら『待って、まだ何も―――』ブツッ!


宮本「……どうする?」



「回線繋げて、早急にはこの星を潰せそうにはないや」
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 17:15:40.01 ID:4emVD7/40
倉庫



ほむら「………」ギィィ…


QB「やぁ」


暗闇の奥からQBが現れた。



QB「魔法少女姿で着たのかい、相当嫌われてるね、僕も」


ほむら「何の用?こんな所に呼び出して?」


QB「……その事何だけど」






QB「――――死んでくれないかな?」


ほむら「!」バッ!



その言葉を発した途端、闇の中から触手の様なヌルヌルした気持ち悪い物が

ほむらの体に巻き付いた。


ほむら「くっ…!何…!?これ!?」



咄嗟に取り出してた拳銃で、QBに向けて発砲した。
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 17:22:28.01 ID:4emVD7/40
QB「うわ」



が、大きく外れてしまい闇の奧へと弾丸は飛んでいった。


バギィンッッ!コロコロ……


何かが壊れる音がして、暗闇の中からQBの顔をしたスイッチの様な物が転がって来た。


コッ…コッ…コッ…


「あーあ……ラジコンが壊れちゃった、これじゃあ指示が出せないね」


「仕方がない、久々に人間と顔を合わせて喋るか」



暗闇の中から白衣を着た灼眼で白髪の少年が歩いて来た。


両手には真ん中が半壊したラジコンの様な物を持っている。


その少年は謎の触手に捕まった、ほむらを見上げる。



ほむら「その声……まさかッ……!?」





キュゥべえ「やぁ、初めまして。僕がキュゥべえさ」
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 17:29:42.67 ID:4emVD7/40
キュゥべえ「そしてコッチが僕が作った、ラジコンさ」


QB「―――」


ほむら「と、とにかく、この変な触手を……!」


キュゥべえ「嫌だよ。キミ、絶対に僕を撃つからさ、このラジコンなら幾ら撃っても構わないよ

でも操作してる僕を撃たれたら一溜りもない」


キュゥべえ「僕は戦いとか苦手だからさ」



ほむら「………!」


キュゥべえ「感情が無いってのはラジコンだけであって、僕はちゃーんと感情があるから安心してね」


キュゥべえ「だけど、情があると思って『助けて』なんて言っても絶対に助けないから」


キュゥべえ「下衆の命乞いなんて聞こえないからさ!」ニコッ


キュゥべえ「さて、キミみたいな低能な生物が僕と話すという貴重な体験を今からするから、今日の出来事を

日記に書くことをオススメするよ」




ほむら「ムカツクやつ……!」
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 17:35:32.96 ID:4emVD7/40
キュゥべえ「あまり僕の機嫌を損ねさせない事だね、命が惜しかったら黙ってるといいよ」


ほむら「………」


キュゥべえ「あのね、ほむら。キミをどうやら殺さなきゃならないみたいなんだ」


ほむら「……何故?」


キュゥべえ「え?何でって…キミが僕の邪魔をするからだよ?まどかを魔法少女にさせないさせない方に

誘導してさぁ、一種の営業妨害だよこれは」



ほむら「私は!あなたの思い通りにはさせない!」


キュゥべえ「黙れ、キミの意見なんて聞いてない」
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 17:44:59.14 ID:4emVD7/40
キュゥべえ「ま……そんな訳で死んでよ、僕は他のみんなとは違って戦闘向きの能力は持って無いけど」


キュゥべえ「拳銃で……葬ってあげるよ」



ほむらが手に持っていた銃を取り上げキュゥべえは、ほむらのソウルジェムに銃を突き付けた。


キュゥべえ「キミは本当に邪魔だ、障害以上に障害だ……」


キュゥべえ「――死ね」


ほむら「……!」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/29(土) 17:58:30.51 ID:4emVD7/40
ほむら「待って…!」


キュゥべえ「何?遺書が必要?」


ほむら「………私はまどかを守る!」プッ!



キュゥべえ「……ッ!?毒霧…!?」



ほむら「今だ……!時間停――」



宮本「何をモタモタしている!」


ほむら「しまった!?まだ仲間が…!?」
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/27(日) 16:47:17.07 ID:r5AhJUTDO
イッチー待ってるよー
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/01/30(水) 23:32:30.50 ID:YPKuYM/I0
一方その頃、まどかと橘は倉庫の辺りを歩いていた。


橘は何かを考え事をしていたので、まどかは橘に今何をしているのかを聞けなかった。



まどか「あ、あの…ななみ…ちゃ…たちば…さん……」


恐る恐る、まどかは橘に話しかける。


橘「ななみでいいよ、え?何?」


まどか「今、何してるの?ここ、さっき通った道だよ?」


橘「え?別に?」


まどか「え」


橘「ボーッとウロウロしてただけ」


まどか「えぇっ!?」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/01/30(水) 23:38:07.71 ID:YPKuYM/I0
橘「なぁに、ただウロウロしてるだけじゃないさ」


橘「待ってるんだよ」


まどか「な、何を?」


橘「何をって…0時をさ」


橘「夜になったら、この工場地帯から抜け出すよ」


まどか「夜って…!そんな時間になったら家に心配かけちゃう……!」


橘「いやいや…拉致られてたんだから心配もクソも無いでしょ」


橘「それに…私は夜になれば固有魔法を使いやすくなるからね」


まどか「あぁ…そうだぁ…私、拐われてたんだ…」


橘「聞いてる?」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/01/30(水) 23:47:23.27 ID:YPKuYM/I0
まどか「あ、うん、聞いてる聞いてる!」


橘「とりあえず、キミをどうするかだね……」


「どうするもクソも、返して貰うよ♪」


橘「!」


まどか「…! 渚ちゃん!?」


渚「よーやく見つけたよ♪」


橘「どうしてここが分かった?」


渚「どうしてって…ネガティブ系魔法少女の情報網舐めてない?」


橘(あぁ…そういう事か…)


渚「今回は、ゆまちゃんを連れて来てないよ♪血腥い戦いが始まるかもしれないからね♪」


橘「………」


まどか「! ち、違うよ!渚ちゃん!ななみちゃんは私を―――」


全てを言い切る前に、橘がまどかの前に立ち塞がった。


橘「お前にはトンデモない屈辱を味わされてるからね……」


橘「ひょっとしたら…本当に血腥い泥試合になるかもよ?」


渚「構わない♪」


二人はソウルジェムを取り出し、変身した。


橘「確実に殺す…!」


渚「……♪」
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/01/30(水) 23:55:09.68 ID:YPKuYM/I0
渚(こりゃ本当に泥試合になるかもね♪両者共、ネガティブ系魔法少女だし♪回復能力が異常同士だ♪)


橘(だが、構うものか…内蔵をエグリ出してでも…殺す!)


橘は刀を渚の肩に振り上げた。

肩から鮮血が吹き出す渚は無表情のまま、血が吹き出す様子をジッと見てた。

すると、つまらなそうに渚は溜め息をついた。


渚「やれやれ…ネガティブ系魔法少女なら首を狙いなよ、手加減して肩って…」


橘「やかましい、これが私の戦い方…だッ!」


渚の刀に刺さってる刀を勢い良く抜いた。


渚「あらら」


忘れてると思うが、ネガティブ系魔法少女は異常な回復能力を持つ代わりに

痛覚の遮断が出来ないのだ。

そのはずなのに、痛みを感じない渚に対して少しだけ気持ち悪さを橘は抱いだ。
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/01/31(木) 00:07:43.09 ID:XTdyf3Fe0
橘「死ね…!」ジャギッ


渚「キミがね♪」チャキッ


タァンッ!


橘が所持している拳銃が火を吹いた。

銃弾を軽々と避けて、刀を水平に空振りした…


すると、渚の首から血が吹き出た。


渚「ご…わっ!?」


影を操ったのである、渚の背後にあった渚の影法師を操り、針状にして首を突き刺したのだ。


まどか「な、渚ちゃ――」


渚「あはっ♪大丈夫だよ♪こんなの回復すれば―――」


その時だった。


ドスッ!ザクッ!ザクッザクッ!グサッ!


渚「――え」


無数の刀が橘の背後から飛んで来た。

その刀は上手く、橘を避けて…渚に数本刺さった。



橘「……影を操るだけだと思ってたのか?」


渚「………」


渚の体に数本もの刀が貫通したまま、渚は目を閉じた。

あまりにもグロテスクでショッキングな光景なので、まどかは地面に

崩れ落ちた。

吐き気も込み上げてきて、何とも言えない感情が込み上げてきた。


橘「……終わったな」


橘「しかも瞬殺…呆気ない上、期待はずれだったな」


橘「所詮はマグレで勝ったヤツって訳か」
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/04(月) 22:03:48.99 ID:8eEnBY+b0
「いや…私は確かに実力で勝ったさ♪」


後ろから声が聞こえた。


そんな馬鹿なと思い、橘が後ろを振り向くと



渚「ネガティブ系魔法少女なのにネガティブ系魔法少女の回復力舐めてない?刀が数本刺さった程度では死なないぜ♪」


綺麗に刀が体から抜けており、傷も治っている渚が拳銃をクルクル回しながらそう言った。


橘「そんな馬鹿なッ…!?いくら回復力が異常でもあまりのも痛みで……!」


渚「――舐めんなよ」


言葉を遮る様に渚が低い声で喋った。


渚「刀が刺さった程度なんじゃ、私にとっては痛くも思えないよ」


渚「肉体的痛みなんて嫌と言うほど味わってきたんだよ」
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/04(月) 22:14:18.11 ID:8eEnBY+b0
渚「――なんてね♪」


その言葉と同時に渚は再び明るい声と表情に戻った。


橘「………!」


橘「フン…だが、これで終わりだと思うな…」


そう言って橘は刀を振り上げ、影を操ろうとした…が


渚「無駄さ♪」


上空に向かって拳銃を構えた渚は橘に向けてウィンクすると

拳銃を発砲した。


すると辺りが白い光に包まれた。


橘「ぐぅっ!?な、なんだ…!?」


光に怯む橘は目を腕で光から守る。


渚「『発光弾』辺り一面に強烈な光を発生させる特殊弾…さ!」


橘「ぐぅっ!がぁ…!」


説明をしている間に拳銃を瞬時にカービンライフルに変えて、橘の光にもがき苦しむ声だけを

頼りに、渚は橘の居る方向に向けて連射して発砲した。
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/04(月) 22:25:46.98 ID:8eEnBY+b0
ガガガガガッ!!!!ドガガガガガッ!!!!


容赦の無い発砲音が工場地帯に響く。


渚「フフフンフーン♪フフフンフーン♪」


鼻歌混じりで弾倉を替えて、再びライフルを構える。


ガガガガガガガガガッッッ!!!ドガガガガガガッッッ!!!!


再び発砲音が工場地帯に響く。


渚「フフフーン♪フフフフーン♪」


渚「終わりっ♪」


そう言うと渚は変身を解いた。


まどかがその渚の声を聞くと、恐る恐るとさっきまで銃撃があった場所に目を

向ける。


煙が晴れると、氷漬けにされた橘が直立していた。


まどか「……!」
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/04(月) 22:41:29.08 ID:8eEnBY+b0
渚「『冷凍弾』、見てのとおり相手を氷漬けにする弾丸さ」


渚「あれだけ撃たれたら…う〜ん、約28年ぐらい溶けるのに時間掛かるかもね」


橘「…!…!」


何かを叫んでる橘を完全に無視して、渚は工場の中から何かを持ってきた。

両手で重そうに持ってきたのはチェンソーだった。


渚「でも、ずっと氷漬けのままだと可哀想だから助けてあげるよ♪」


渚「四肢切断された状態……でね♪」


そう言うとチェンソーを作動させる。

渚はチェンソーの勢いでよろつくが、なんとか体制を立て直して

チェンソーを再び構え直す。



渚「あはは♪それじゃあ救助開始ー♪」


まどか「ま…待って!渚ちゃん!」


渚「どわぁ!?ま、まどかちゃ――」
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/04(月) 23:00:17.29 ID:8eEnBY+b0
―――――――――


工場地帯の付近に警察が大量に駆けつけていた。

先程の発砲音を聞いて誰かが通報した様だ。


その工場地帯から離れた公園で、渚とまどかと気絶した橘が居た。


渚「はぁ…はぁ…もー!誰さ、通報したの!」


まどか「はぁ…はぁ…でも…あのまま…ななみちゃんを…殺してたら…渚ちゃんが…!」


渚「あー大丈夫大丈夫、私の力を持ってすれば完全犯罪なんて楽勝だから♪」


得意気に語る渚だが、まどかはそんな渚を睨みつける。

そんなまどかの痛い視線に耐えられず、肩をすくめた。


渚「ご、ごめん…」



渚が小声でそう言うと、まどかは溜息をついた。
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/05(火) 18:56:45.71 ID:pWwr+1Sd0
渚「ムムッ!」


まどか「どうしたの?」


渚「魔女の気配がする!」


まどか「えっ!?」


渚「コッチだ」


まどか「あ、ななみちゃんは!?」


渚「『解凍弾』撃っておいたから、すぐに溶けるよ♪」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/05(火) 19:17:46.03 ID:pWwr+1Sd0
―――――


渚「ありゃ!?魔女の反応が消えた!?」


まどか「え?どうして?」


渚「…多分、他の魔法少女が倒したか…移動したかだよ♪」


渚「―って、ここはライブ会場?」


まどか「……こざっぱりとしてるね」


渚「あ、ベンチが空いてるよ♪ちょっと疲れたから休憩しようよ♪」


まどか「何でこんなに人が少ないんだろうね?」


渚「うーん…何でかな?」


よく辺を見渡してみると、ステージの裏方と思われる人達が右往左往していた。


渚「………♪」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/05(火) 19:32:31.72 ID:pWwr+1Sd0
ライブのステージ裏では裏方達が言い合いをしている。


「そんなの聞いてないよ!」


「急にキャンセルだなんて…!」


「申し訳ございません!仕事の都合上で来れなくなりまして…!」


「さっきまで人集りが出来てたのに、もう数えれる程しか居ませんよ」


「あーもう…ライブステージを組み立てるのに時間掛かったのに…」


「で、でも大丈夫です!代理を呼んでますんで!」


「代理?」



橘「その代理は大丈夫なんだろうな?プロデューサー」


P「あ!?き、キミは…!奈南ちゃん!?」


橘「久し振りだな…少し訳があって、コーヒーか何か温かい物くれ」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/05(火) 19:48:19.59 ID:pWwr+1Sd0
橘は体を震わせながらスタッフに渡されたコーヒーを飲んだ。


橘「なぁ…一度だけその代理を見せてくれないか?」


P「え?あぁ、いいよ?」


P「あ、あの娘だよ」


プロデューサーが指を示す方向を見ると、60年代のオバサンがフリフリの衣装を着て

座っていた。


橘「……今回、誰が来る予定だったんだ?」


スタッフA「今、人気急上昇中の中学生アイドルです」


橘「プロデューサー、アンタにはアレが中学生に見えるのか?」


橘「見えると言うなら、あのマダムを出すといい。それでこのライブが成功するといいな」


P「うぐぅっ…」


冷や汗が溢れ出てきた、目も泳いで完全に同様しているプロデューサーを尻目に

橘はその場から立ち去ろうとしていた。


橘「それじゃあな、新米プロデューサーさん」


P「うぅ…みなさん…スミマセンが、今日のライブは中止…」
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/05(火) 20:19:30.19 ID:pWwr+1Sd0
P「あ、いや待って」


橘「?」


P「キミが出ればいいんじゃないのか?」


橘「は?」


P「うん、それがいいよ、さ、さっさと着替えて」


橘「いやいやいや…ちょっと待て!」


P「大丈夫、髪の毛はまた切ってショートカットにすればいいから」


橘「そ、そう言う事じゃない!もう、何年もアイドル活動は停止中なんだぞ!?」


P「大丈夫大丈夫、すぐに慣れるさ」


橘「私はもう変わったんだぞ!あんな子供みたいにヘラヘラとしたり意味不明な言語は使わないぞ!?」


P「うん、それでもいいから早く早く」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/05(火) 20:40:12.35 ID:pWwr+1Sd0
――――


渚「なんか人が増えて来たね」


まどか「うん、暗くなってきたし…そろそろ――」


『長らくお待たせいたしました、まもなく開始いたします』


渚「あ、始まるみたいだよ?」


まどか「本当に長かった―――」


???『いえーいっ!みんな!待たせちゃってゴメンねー!』


???『待った?待ってない?まぁそんな事どうでもいっかー!わっはっはー!』


渚「おやぁ?妙にハイテンションなアイドルだね♪」


まどか「誰だろう?よく見えないよー」


渚「肩車してあげよっか?」


まどか「い、いいよ!渚ちゃんが見れないでしょ!?」


渚「私はいいって♪いっくよー……そうれぇい!」


まどか「わひゃっ!?ちょ…渚ちゃ……」


まどか「あ」


渚「ちょっとー?まどかちゃーん?目を塞がないでくれるー?本当に何も見えないからー」


268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/05(火) 20:51:34.54 ID:pWwr+1Sd0
織莉子「何故、私はここに来てしまったのだろう……」


キリカ「ねー、織莉子ーここどこなのかなー?」


織莉子「おや?何かしら?向こうが賑やかね」


キリカ「わ!凄い人だね!?」


???『みんなー!私の事覚えてるー!?覚えてるよねー!?』


???『あ、覚えてくれた人が一杯居るー!私、すっごく感激してるよ!(*´∀`*)』


織莉子「………フッ、弱みを握れたわ」


キリカ「? 知ってるの?あの子?」


キリカ「確かにどっかで見た様な……」


269 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 16:09:06.45 ID:lp16ME4IO
煌びやかなステージの上に居たのは、髪を短く切った橘だった。

ついさっきまでのドスが効いた声では無く、明るい純粋な少女の声だった。

そこギャップの激しさに、まどかは困惑していた、今の姿、というか、橘の衣装を渚に

見られてしまえば、橘は完全に終わってただろう。

幸い、渚は気付いていない。
270 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 16:15:28.03 ID:lp16ME4IO
渚「ねー?誰なのー?おーい!」

まどか「・・・・・」

渚「まどかちゃーん?おーい」

まどか「これはきっと、悪い夢なんだよ」

渚「?」
271 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 16:25:45.21 ID:lp16ME4IO
渚「もう!まどかちゃんの意地悪!」


そう言うと、渚は無理矢理まどかを降ろした。

まどか「あ!駄目ッ!ーー」


渚は、まどかを降ろすと強引に人混みの中へと押し入った。


まどか「渚ちゃん!行っちゃ駄目ぇ!」


そんな、まどかの声も大歓声にかき消されてしまい、
ズンズンと渚は奥へと入って行く。
272 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 16:33:11.93 ID:lp16ME4IO
そして、遂に渚は最前列まで来て、ポコッと顔を出した。

渚「おや…?」

橘『クマを殺して森を焼き払いー』

渚「やっぱりこっからの方がいいな♪」
273 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 16:41:57.73 ID:lp16ME4IO
その頃、さやかは。


さやか「げほっ!がはっ!」

ゼロ『オイオイどうした?もうギブアップ?』

さやか「へ、へへ…ま、まさか…」
274 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/09(土) 17:54:21.59 ID:lp16ME4IO
ゼロ『まぁ、頑張りな。なんせ、今度ばかりは、さやかちゃんに期待してるんだからさ☆』


ゼロ『とりあえず、ネガティブ系魔法少女を倒せるぐらいにはなってよね☆』


ゼロ『…その前に、自分自身を倒さなきゃならないけどさ☆』

さやか「ゼロ…」


オクタヴィア『ゴォオオオオオオ!!!!』

さやか「どわぁ!?」


さやか「やってやる…!絶対に倒す…!」


ゼロ『…☆』


ゼロ『甘っちょろさんだねぇ…☆そこは、「殺す」だぜ?』
275 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/09(土) 18:03:18.63 ID:lp16ME4IO
ゼロ(美樹ちゃんは、出来れば極悪非道のクソ野郎になって欲しいんだけどね☆)

ゼロ(それに、この戦いは、美樹ちゃんの正義を押し殺す戦いでもある)

ゼロ(今回の騒動…悪が制すと私は思い始めた)

ゼロ(じっくりと、悪の本質を見極めるといいさ☆)

ゼロ(その事で、キミは『躊躇い』が無くなるだろう…)
276 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 11:51:16.00 ID:UUrTmx8IO
渚「……?」


渚は首を傾けた。

目の前のステージに立っている少女を見るとなんだか

どこかであった様な気がする。

ステージで歌い踊ってる少女は渚の存在にまだ気付いていない。


渚「あ」


渚が先に気付いてしまう。

そうだ、橘だ。あの左頬にあんな何の目的であるのかも分からない

文字を書いているのは橘しかいない。


普通の人、というか情けを持った人間ならば黙っておくハズなのだが

渚は徹底的に屈辱感を与えてやろうと悪巧みをしていた。


やはり、あの場で、あの女を殺さなくて良かったと

渚はホッと胸を撫で下ろす。
277 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 11:58:31.76 ID:UUrTmx8IO
さっそく準備に取り掛かり、持っていたデジカメで橘を激写する。

これなら橘の弱みを握れると踏んだ渚はもっと撮ろうとして

デジカメを構えたが。

魔女の気配を察知した。


渚は軽く舌打ちして魔女を探しに始めた

魔女のせいで何かが起きれば、この『公開処刑』が中止になってしまう

ので、渚は自動販売機でジュースを買いに行く様な感覚で、渚は魔女を探しに行った。
278 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 12:05:35.64 ID:UUrTmx8IO
ステージの裏側に行くと魔女の気配が強まる。

しかし、直ぐに気配は消えた。


渚は無駄な労働をしたせいで、いつもの愛嬌がある顔をしているが
こめかみに青筋を立たせていた。


仕方が無く、渚はステージ裏から出ようとするが……


橘「は?」
279 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 12:08:36.99 ID:UUrTmx8IO
間違ってステージに出てしまった。


辺りに充満する香水の様な匂いに吐き気を感じた渚は

鼻を押さえた。


渚「やぁ♪ななみちゃん♪元気にしてた?」
280 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 13:36:02.62 ID:UUrTmx8IO
渚「ごめんね♪それじゃあ、私はコレで♪」

橘「………!」


体を震わせ、この世の終わりの様な顔をした橘を尻目に

渚はその場を去った。


あえて、何もせずに帰ったら渚はニヤリと笑みを浮かべた。
281 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 18:18:56.10 ID:UUrTmx8IO
それから、渚はステージを後にして、まどかを呼びにいく前に
公衆電話を使ってた。


他のネガティブ系魔法少女に連絡をとっていたのだ。

渚「え?円形四天王が行方不明?」

渚は予想もしていなかった出来事に眉をひそめた。


何故、よりにもよってあのキャラ付け集団とはいえ、ネガティブ系魔法少女の

四人共行方不明になるのか、理解が出来なかった。


渚「うん、うん、分かった。それじゃあ」
282 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 18:24:34.54 ID:UUrTmx8IO
ガチャりと受話器と下ろし、テレホンカードが出てくる。

そのテレホンカードを取って、スカートのポケットに仕舞った。
渚は深く考え込んで、ハッ!と顔を上げる。


渚「………♪」

283 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 18:45:42.76 ID:UUrTmx8IO
まどかを呼びに行こうと、会場付近に行こうとすると

血相を変えた橘が渚の方に走って来た。服装は普段着に戻ってた。

渚に近付くと胸倉を掴んだ。


橘「テメェッ!生きて帰れると思うなよ!」

渚「おーこわ♪あ、そうそう。ななみちゃんに聞きたい事があるんだけど?」

橘「お前に答える事なんてーー」

渚はここぞとばかりにデジカメを取り出して
デジカメを裏向けて、橘に見せた。


画面には例の橘の姿が写っていた。

284 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 20:32:13.45 ID:UUrTmx8IO
それを見ると、橘は大きく 目を見開く。

すると、みるみると橘の顔が赤く染まっていく。

橘「か、返せ!」

元からこのカメラは私の物だし、と、心の中でつっこんだ。

渚「消して欲しかったら、お願いしろよ」

低い声で不気味に笑みを浮かべながらそう言う。


橘「こ、このクズ野郎…!」

渚「否定はしないよ♪」

285 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 20:42:28.19 ID:UUrTmx8IO
悪態をつく橘だが、心底は渚の事を恐れていた。

なんせ、目の前に居るのは、人を殺す事を何とも思わないヤツだ
だから仕方なく、橘は渚に跪いた。


橘「消して下さい………!」

渾身の一言だった。

こうでもしなければ、あの黒歴史をばら撒く可能性がある。

最悪の場合は、ポスターにして、街中に貼り出されるかもしれないから。

渚「それじゃあ、知ってる事を話して貰おうか♪」

橘「…………」
286 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 21:20:49.55 ID:UUrTmx8IO
渚「……ふーん、成る程ね♪」

橘「もういいだろ!?私はこれ以上何も知らなーーーー」


喋ってる途中だった橘の唇に柔らかい感触がした。
渚が橘に強引にキスをしたのだ。

橘が何か抗議してるような声が聞こえるが
無視して、渚は橘の口内に舌を侵入させる。

抵抗しようとするが、舌を絡めてきた。

橘は完全に意識が飛んだ状態なので、渚にされるがままだった。

287 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 21:54:48.93 ID:UUrTmx8IO
その時、橘のズボンの中を弄る感覚がした。

橘もさすがにマズイと思って突き放そうとしたが
橘の体に電流が走った。

渚の右手の人差し指と中指が橘の秘部を貫いたのだ。
味わった事も無い快楽に怯んだ橘は脚の力が抜けてきた。


キスだけで濡れてたらしく、渚は高速に右手をピストンさせると
橘の息が徐々に上がってきた。

愛液が地面に飛び散るが、そんな事より、この光景を誰かに見られれば
一大事だ。

しかし、どんどん、そんな事はどうでもよく感じて
最終的には反応が殆ど無くなってた。
288 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/10(日) 22:00:31.52 ID:UUrTmx8IO
左手で橘の乳房を少しだけ愛撫した後に橘をベンチに座らせて
右手を引き抜く。


渚「ご褒美だよ♪」

液体が纏わり付いた右手を舐めて、そう言うと
その場を後にして、橘は残された。
289 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/11(月) 08:21:31.76 ID:oGB6B0EIO
渚「あーあ…またやっちゃったよ♪」


渚の癖で、渚に大きい利益をもたらす様な行為及び情報を
伝えると、先ほどの行為を報酬としてするのだが、
嫌がる人も居ると思い、レズと一部の男性だけにしていた。
レズの時は一方的に渚がめちゃくちゃにされるが。
それが気色悪いったら、ありゃしない。基本、Sなんで。
男の時は手か足でやる。何回か、無理矢理、キスされそうになったり
押し倒そうとしたりしたヤツらのモノを包丁で刺したりした。
さすがに報酬でも、そりゃ無理だぜ。結構な働きをしないとな。
んな展開誰も望んじゃいないよ、エロ同人でやってな。

それなら、私は思うがままにされるぜ。現実では無いけどな。
290 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/11(月) 08:53:38.33 ID:oGB6B0EIO
その途中で六人の魔法少女に囲まれる。

「アンタでしょ!?私達の仲間を拐ったネガティブ系魔法少女ってのは!?」

は?何言ってんだ?この雑魚共は?

渚「人違いじゃないのかな?私、キミ達の仲間なんて知らないし♪」

「とぼけないで!」

渚「証拠も無いクセに私を犯人扱いするのはどうかと思うけど♪」

「アンタよ!アンタしか居ないのよ!このクズ!」

何だ、そのこじつけ。

渚は面倒臭そうにソウルジェムを取り出した
ドス黒いネガティブ系魔法少女のソウルジェムを見るのが始めて
だったのか、目を大きく見開いた。

「な、何よ…やる気…?」

こんなのに構ってる余裕は無い。
291 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/11(月) 10:26:18.10 ID:oGB6B0EIO
乾いた音が鳴り響き、暗がりに眩い光が光った。

六人の少女達は声も上げずになぎ倒され、顔面や腹部に赤いクレーターが出来ていた。

渚の手にはいつもの拳銃ではなく、ショットガンを
持っていた。

そして、トドメと言わんばかりに顔面をショットガンの
台尻で気が済むまで殴り続けた。

そして、ソウルジェムを正確に潰しておいた。
今は人一人も通っていないが、先ほどの銃声を一般人が聞きつけ
通報していれば一大事である。もし捕まえられればどう答えたら
いいのだろうか?

そんな事を考えても無駄だ。
この力は完全殺人なぞ簡単に出来る。

そんな事を考えてると、不意に、まどかの顔を思い出す。
自然と溜息が出た。


292 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/11(月) 10:34:51.64 ID:oGB6B0EIO
しかし、本当に魔法少女同士の戦争が始まってるのだと
改めて感じとる。

渚にとっては、町内会の祭り程度にしか思っていない
暇潰しで、それに参加してるぐらいだ。


しかし目的の、まどかを救い出したから。もう渚は再び日常に戻ろうとしてた
後は、まどかの両親をどうすればいいのかを考えていた。
293 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/11(月) 10:43:34.30 ID:oGB6B0EIO
次の日。

渚はアパートに居た。

結局、まどかは、実家に帰れた。
親には渚が有る事無い事をごちゃ混ぜにして何時間も説明した。

その疲労で、渚は疲れ果てていた。
一日中寝ようと思ってた。

しかし、さやかやほむら達には、まだ何も説明してない
まぁ、学校に行った時に説明しよう。

今度は昨日説明した事を短縮して説明しようと
渚は考えてた。
294 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/11(月) 10:59:20.53 ID:oGB6B0EIO
ゼロ『渚ちゃん』

聞き慣れた声が渚の背後から聞こえた。

ゼロだった。

ゼロは渚をジッと見つめていた。

渚「何のよう?」

振り返らずに寝そべったまま、話しかける。

ゼロ『いや、何、まどかちゃんの件はよくやってくれたよ』

やはり知っていたか。

ゼロ『あ、そうそう。ほむらちゃんが誘拐されたよ』

軽い声でトンデモない事を口に出した。
平気で言うかそれ?

それを聞くと、渚は一瞬で眠気が吹っ飛び、飛び起きた。

そして直ぐに電話を取り出してネガティブ系魔法少女達に、ほむらを
探し出すように指示を出した。

渚は時計をパッと見ると、六時だ。
早く見滝原に行かなくてはと思い、パパッと着替えて
普段着に着替えて外に出る。

早歩きで駅に向かってる途中で髪をセットするが、アホ毛だけは
どうしても治らない。
295 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/11(月) 14:14:11.59 ID:oGB6B0EIO
急いで切符を買い、改札口を通って、電車に乗った。
渚が乗った車両は朝だというのに、ガラガラだった。

渚は席に座らず立っていた。
まるで誰かを待ってるかの様に。

すると、一人の少女が電車に駆け込んで来た、
その少女が電車に入ると同時に魔法少女に変身して
消音銃に変えて、少女を撃った。

被弾した少女は強烈な眠気に襲われて、寝てしまう。

変身解除した渚は、バックの中からロープを取り出して
少女の手を縛り、ガムテープを口に貼った。

またバックの中から、帽子を深く被せ、マスクを着けさせた。
そして、少女の隣に座り、電車がいいタイミングで動き出す。
296 :vipにかわりましてnipperがお送りしま [saga]:2013/02/11(月) 16:13:34.94 ID:oGB6B0EIO
見滝原に到着すると、隣の少女を、おんぶして電車を出て
駅員の所に行き。友人が寝たと説明すると、渚と少女の切符を渡した。

そのまま、渚は近くの廃ビルに入って行った。
297 :小早川 渚の性格 [saga]:2013/02/11(月) 16:35:12.13 ID:oGB6B0EIO
魔法少女劇場♪


渚「うっせぇ、黙ってろ豚が」

魔女『ギャアアアアアアア………』

渚「テメェなんかに負ける私じゃねぇよ」



まどか「な、渚ちゃんって…さっきの性格といつもの性格、どっちが本当の渚ちゃんの性格なの?」

渚「……どっちの渚ちゃんがいい?」

まどか「い、いつもの渚ちゃんがいい!」

渚「おー、よしよし♪」

298 :斎藤が…… [saga]:2013/02/11(月) 16:39:56.60 ID:oGB6B0EIO
杏子「たっく……無茶しやがって……」

斎藤「…………」

杏子「よっと………重ry」

斎藤「黙れ」

杏子「………」
299 :エイゴ [saga]:2013/02/11(月) 17:05:47.88 ID:oGB6B0EIO
さやか「あ、渚」

さやか(英語で話しかけてやろっと)

さやか「グットモーニング渚!」

渚「Do not talk from behind suddenly dies.」ニコッ!

さやか(多分、通じた!笑顔で応えてくれたし!)

訳:いきなり後ろから話しかけんな、死ねよ。
300 :エイゴ2 [saga]:2013/02/11(月) 17:21:50.24 ID:oGB6B0EIO
さやか「渚って英語上手だね」

渚「まぁね♪」

さやか「私なんて全然だし……」

渚「I like your toilet bowl.って言ったら、英語が上手になるよ♪」

さやか「マジで!?」

渚「じゃあ言ってみよう!I like your toilet bowl.」

さやか「あ、I like your toilet bowl.……」

渚「オッケー!それを外国人に言うと、きっと驚くよ!」

さやか「マジで!?じゃあ、さっそく、外国人捜そう!」

渚「…………♪」

渚「さよなら、さやかちゃんの処女」
301 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 18:44:56.59 ID:oGB6B0EIO
ーーーーーーーーーーーーーー


廃ビルの二階に上がって、無人の部屋に入り
部屋の真ん中にあった、椅子におぶっている少女を
座らせて、椅子に固定した。


ガムテープを剥がして、強く顔を拳で寝てる少女を殴り起こした。

殴った勢いで横へ椅子ごと倒れる。

目を覚ました少女は、何事かと思い、上を見上げると
満面の笑みを浮かべた渚が見下ろしていた。

渚「久しぶり、美穂ちゃん♪」

そう言うと、今度は倒れるている美穂と呼ばれた少女の
顔面を足で踏み付けてグリグリとした。

何かを言ってるので、顔から足を退けて、美穂の腹部を思いっ切り
蹴り飛ばした。


美穂は胃にあるものを、全て吐き出した。

美穂「な、何…?小早川さん…?」

震え声で美穂はようやく喋れた。
302 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 18:55:03.72 ID:oGB6B0EIO
美穂と渚は、前の前の前に転校した学校のクラスメイトである。

美穂は転校したての、渚を執拗以上にイジメていた。

仕返しをしない渚に対して集団でイジメるのが楽しくて仕方が
無かった。

しかし、ある日。

美穂の友人の遺体をセッセッと埋めようとしてる渚を見つけてしまった。

全身に冷や汗が溢れ出て、その場を離れようとしたが、渚に捕まり
「長生きしたかったら黙っている事だね」と釘を刺された。


それ移行、美穂は渚に関わらなかった。
303 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 19:00:44.75 ID:oGB6B0EIO
渚「あれから実に何ヶ月経過するのかな?」

美穂「こ、小早川さん…や、止めて…」

涙を浮かべながら、渚に媚びるような声で抗議した。

渚「いや、何か勘違いしてないかな?私は君に聞きたいことがあるんだよ♪」
304 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 19:23:40.52 ID:oGB6B0EIO
渚はポケットから携帯電話を取り出して、画面を見せると、ほむらが写っていた。


渚「昨日、見滝原に居たキミなら分かるかもしれないけど……知らない?」

美穂「知らーーー」

言い切る前に、もう一回。腹を蹴った。
痛みにもがき苦しむさまは、実に面白かった。

コイツもこんな気持ちでイジメていたのだろうか?

反応が面白かったので、もう一度、腹部を蹴る。

しかし、直ぐに飽きた。
305 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 19:42:57.33 ID:oGB6B0EIO
渚「君が昨日、見滝原に居たって情報を掴んだから、キミなら知ってるかなって思ったんだけど…」

美穂「ご、ごめん……」

涙が溢れ出した。
こんなハズじゃなかった。今日は生意気な女子生徒をイジメて
一生忘れない屈辱を味わせようと思ってたのに。

こんな化け物と出会うなんて……

助けて、お母さん。
306 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 19:55:41.88 ID:oGB6B0EIO
そんな願いが行き届いたのか、拘束を解いて、美穂を立たせた。

あぁ、やった。私は助かったんだ。

渚「何も知らないんじゃ、仕方ないね♪」

え、嘘、やだ、止めて。

美穂「や、止めて…本当に…何でもするから…」

美穂の言葉を完全に無視して、渚は前に進む。
止めてヤダ来るな来るな。

美穂「お、お願い…お母さんやお父さんが心配してるとお、思うから…」

美穂「ま、まだ、私、死にたくないよ……」

美穂「ゆ、許してよ……」

後ずさる美穂だが、後ろの壁にぶつかり、尻餅をつく。

美穂「い、嫌だ……」

渚は美穂の前にしゃがみ込み、同じ目線になった。

殺される。


そう思い、ギュッと目を瞑ると、涙が大量に溢れ出た。

もうダメだ。



ーーーチュッ

307 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 20:02:20.18 ID:oGB6B0EIO
頬に何か柔らかい感触がした。

渚が美穂にキスしたのだ。
それに気付いた美穂は視界が暗転した。

恐怖のあまり、失禁までしていた。


渚「キスされただけで、気絶して漏らすとか、とんだドMだね♪」

美穂を再び、椅子に固定して、ガムテープを貼らせて拘束した。
308 :vipにかわりましてnipperがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 20:25:57.76 ID:oGB6B0EIO
廃ビルから出ると、手をポンッと叩き、思考を巡らせる。

あの劣等女は何かに利用出来るかもしれないから、拘束しておいた。

肝腎なのは、ほむらの行方だ。
何としてでも、ほむらの目撃情報を掴もう。
ただの人間如きに捕まるハズもない、と、なると魔法少女か。

仕方が無い、少し面倒だが、ほむらを助ける為だ。
魔法少女を見つけて聞き出すしかない。
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/11(月) 23:17:24.22 ID:yYDcyAUS0
さてと、探すか。

渚は魔法少女に変身すると、辺をキョロキョロし始めた。
どこかに魔法少女は居ないのか。

見滝原はマミさんの縄張り(一応)だし、ここには
ほむらちゃんは居ないかも。


だとすると、残るは下見滝原か上見滝原か……
考えていても仕方が無い、とりあえず、下見滝原に行ってみるか。

それにしても何故か人の目がコッチに来るな。
あ、そっか、魔法少女の状態だったんだ。

ま、いっか。
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/11(月) 23:26:54.36 ID:yYDcyAUS0
しばらくすると、ギョッとした顔でこちらを見てきた人がいた


マミ「こ、小早川さん…?」

千晶「え?こ、小早川?」

筑音「………」


渚「こんにちは、マミさん♪あの、パトロールの所、恐縮なんだけど、ほむらちゃん知りませんか?」


マミ「暁美さん?さぁ…知らないわね…」


渚「そうですか…それならいいですよ」


マミ「ごめんなさいね、力になれなくて」


マミは申し訳なさそに、そう言う。


渚「いえいえ、いいんですよ♪」
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/11(月) 23:34:49.87 ID:yYDcyAUS0
マミさんが知らないという事は、やはり見滝原には居ないのか。

そう思うと、渚は下見滝原に向かった。

ショートカットしようと、路地裏を通ろうとして
路地裏に差し掛かると、フッと気が付いた。


渚はただのネガティブ系魔法少女という事が、魔法少女達の中で浸透しているし
この付近の魔法少女達ならば、渚の顔を知らないという魔法少女は少なくは無い。
恐らく、無理矢理、聞き出したとしても、警戒して本当の事を言わないだろう。


渚は、Uターンして中学校に向かった。
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/11(月) 23:43:16.83 ID:yYDcyAUS0
中学校のカウセリング室に忍び込んで、姉の蓮美が居ない事を確認すると
ソファーを退けて、地下に続く隠し階段を降りた。

そこには、ギッシリと鬘や服などがあった。

蓮美は変装マニアだった頃があったらしく、その変装グッズを
ここに持ってきて、仕舞ってたらしい。


今は魔法少女の姿だが、後で解除する事にして、衣装を選んだ
そして赤い糸を取り出して、鬘を作り始めた。

楽しくなって鼻歌を歌いながら作業をした。
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/11(月) 23:50:42.24 ID:yYDcyAUS0
渚「出来た♪」


満足気な表情で、完成した鬘を被った。

変身を解除して、衣装に着替えると、カウセリング室に

戻って冷蔵庫の中からリンゴを一個、パーカーのポケットの中に入れて

蓮美が買ったと思われるお菓子を数個ポケットに積み込み、ポッキーを一本
口にくわえた。


これならどこからどうみても、佐倉杏子だ。
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 00:04:15.19 ID:emn7KG/90
カバンの中に荷物を雑に詰め込んで、さぁ、ようやく出発だ。

声を変える為に鬘が完成した後に杏子の声になる様に調節した『声色弾』を自分に撃っており
声でバレる心配も無い。

ソウルジェムを見られたら、バレるが。


杏子は普段、乱暴な事をしているので、多少な事をしても大丈夫だろう
もし。復讐やらなんたらになれば殺せばいい。


学校から抜け出して、駅に向かおうとしてると、フラフラの足取りで
歩いている人が居た。


さやか「あー…杏子…?」

やつれた顔をした、さやかだった。


渚「お、オイ!?さやか!?何があったんだよ!?やつれてるじゃねぇか!?」


さやか「う、うん…ゼロと修行しててね……」


渚「大丈夫かよ……」


さやか「うん、大丈夫大丈夫……」

全然、大丈夫じゃない。
完全にこれは疲労で睡魔に襲われている。

とりあえず、さやかをどうにかしよう。


渚「仕方ねぇな…おぶってやるよ」


さやか「本当?ありがと――」

全てを言い切る前に、渚の胸に倒れた。

渚はさやかを背負い、とりあえず、もう一回
学校に戻ろうとした。


まどか「あれ?杏子ちゃん?」
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 00:09:46.68 ID:emn7KG/90
渚「あぁ…まどかか」


まどか「あれ?さやかちゃん、どうかしたの?」


渚「何か知らないけど、疲れてたんだ。あ、そうだ、アタシ、コイツの家分んねーからよ
後は頼むわ」

まどか「えっ!?ちょっ、杏子ちゃん!?」


渚「じゃあな!」


まどかにさやかを押し付けて、渚は走って駅に向かった。
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 00:14:54.76 ID:emn7KG/90
下見滝原に到着すると、駅で魔法少女の気配を感じて
その少女を追いかけて、人気が無いところに着いたらすぐさま
その少女を拘束した。


「な、何よアンタ!?」


渚「聞きたい事があるんだよ♪しっかりと、聞いてね♪」


渚「答え次第では、キミの処遇が変わると思うよ?」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 19:50:24.15 ID:emn7KG/90
渚「この子、知らないかな?」

携帯を取り出して、ほむらが写ってる写真を見せた。


「た、確か、白い、白衣を着た人に、連れていかれてたわ、白衣の人の顔は、よく見えなかったけど……」

「は、放して、苦しい……」


渚「どこに連れていかれたの?」


「森林の中に、連れていかれてたわ…てゆうか、その喋り方どこかで…」


ブンッと少女の体を勢い良く壁にぶつけ、少女は気を失った。

まずいまずい、無意識で、いつもの喋り方をしていた。気付かれないと
思ってたのに。

今度はしっかりと、杏子ちゃんの喋り方を真似ないと。
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 20:11:22.86 ID:emn7KG/90
ゾワッッ!


景色がいきなり、不思議な空間に飲み込まれた。

生暖かい空気が流れ込み、不思議な香りが漂う。
見上げると、気味の悪い化け物が渚を見下ろしていた。

魔女の結界に入ってしまったのだ。しかし、渚は魔法少女にはならなく
ただ、その魔女を見つめているだけだった。

魔女の方も、渚を襲わず、ジッとして獣の様な唸り声を出して
渚に何かを言おうとしていた。

しかし、生憎、渚は魔女語が分からない。ゼロならば分かるかもしれないが
今はゼロが居ない。


渚もほとほと困っていたのだ、毎日では無いが、渚が何かをしようとした時に
たまに渚を魔女の結界に入れるのだ。

風の噂だが、この魔女はとても凶暴で、何人もの魔法少女が犠牲になっている
らしい。

『狂気の魔女』と呼ばれている。

渚はこの魔女をクトゥルフに登場するナイアーラトテップと名付けている。
最初の第一印象が、ナイアーラトテップという化け物によく似ているから
そう名付けたのだ。
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 20:28:56.28 ID:emn7KG/90
ナイアーラトテップは渚に何かを語りかけている。

その獣の様な声はどこか、悲しげな声だった。

今から、一人で、危険を省みず、ほむらを助け出そうとしているから
考え直せとでも言いたいのか?

それなら余計な心配だ。私は、雑魚には負けない。

しかし、それでも、ナイアーラトテップは引き止めようとする
声を出す。

鬱陶しい。

魔法少女に瞬時に変身して、ナイアーラトテップに向けて銃を放とうとすると
目にも止まらないスピードで、回避して、渚の背後に回る。


渚の動きも迅速だった、拳銃からショットガンに変化させて
背後に居るナイアーラトテップを射殺しようとしが、銃弾は
ナイアーラトテップの顔部分をかすめただけだった、もう一度、発砲
しようとすると、ナイアーラトテップの触手が、優しく、渚の手を包んだ。


渚「………?」


やはり、何かを伝えたがっている。
分からないものは分からないんだ、そもそも、化け物の話しなんか聞きたくない。

私の名前を呼んでる気がする…涙を流している気もするが、気のせいだろう。
まぁいい、死ね。

タァンッ!と乾いた音が結界中に響く。

すると、ナイアーラトテップの顔面が半壊して、苦しんでいる。
追い打ちをかけようとするが、結界ごと移動させて逃げられてしまう。

渚は軽く舌打ちした。
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 20:37:16.47 ID:emn7KG/90
まったく、余計な時間を費やした。

何なんだ、あの化け物は。今度、会ったら殺してやる。

まったく、調子が狂う。

あの魔女を見ると、何故か胸が痛みだす。
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 20:58:32.04 ID:emn7KG/90
渚「………?」

フッと、渚は立ち止まり、建物の前に立った。
中は真っ暗で、何も見えないが、気になって入ってみる。


どんどん、奥へ入っていくと…血の臭いがした。
曲がり角を曲がると、血溜まりが出来ていた。

渚は、その血の出処を見て見ると、女が壁にもたれ掛かって
倒れている。

腹に数本の剣の様な物が刺さっている。
それにしても、この剣、どこかで見たことがある。


渚「……さやかちゃん?」
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 21:17:49.66 ID:emn7KG/90
背後に気配がした。

すると、真っ黒いレインコートを着た少女が不気味に立っていた。
フードを取ると、さやかと瓜二つの顔をした少女だった。

美樹あきなだ。

その目は鋭く、渚はその眼光に怯みかけた。

さやかとは違う殺意が、建物中に広がる。


渚「誰かな?」

あきな「………」


渚「え?」


あきな「―――アンタは、暁美ほむらを、助けてはいけない」
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 21:54:36.94 ID:emn7KG/90
さやかは目を覚ました。

いつの間にか部屋に居た。

思い出せない……どうしてここに居るのか……

すると、さやかの携帯が鳴る。

誰からだろう?布団の中から、手を伸ばして携帯を取る。

電話番号は000―000―0000と表示されていた、見たことも
無い番号だ。

警戒しながら通話ボタンを押して、恐る恐る、電話を耳に当てる。


ゼロ『やぁ☆』


やっぱりお前か。
実は薄々、気付いていた。


ゼロ『さやかちゃん、キミは素晴らしいよ、よく自分の壁を乗り越えれたね☆』


あぁそうだ…私は自分の魔女と戦っていたんだ、それで何とか魔女を倒して
それでとにかく寝たかったから、帰っていたら杏子に会って……

あれ?アイツ、アタシの家知ってたっけ?


ゼロ『途中で、鹿目ちゃんに送ってもらってたんだよ』


さやか「あぁ……」

324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 22:06:02.64 ID:emn7KG/90
ゼロ『さて、と。心の壁を越えた事だし……』


ゼロ『キミを早速、ネガティブ系魔法少女にしようかな』


さらっとトンデモない事を言い始めた、ちょっと待てと言いかけた途端に
急に頭痛が走る。

声を上げたい程の頭痛が走る。


ゼロ『声は上げない方がいいよ、お隣さんに迷惑だろ?』


そんな事分かってるって、と心の中で密かに思いつつ、激痛に耐えて
声を枕で押し殺す。


ゼロは何やら鼻歌を呑気に歌っている、人がこんなに苦しんでるのに
お前、何様だよ。
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 22:15:40.86 ID:emn7KG/90
ゼロのヘラヘラした顔がこんな時に頭を横切る。
絶対にこの痛みをこらえてやる。


数分後。
ようやく、痛みが治まった。

別に何も体に変化が無い。

そうだ、ネガティブ系魔法少女になれたなら、ソウルジェムを見るのが
早い。

そう思い、さやかはソウルジェムを取り出そうとしたが……


窓が割れる音と同時に、さやかの体に長い槍が3本刺さった。
普通なら即死なのだが、魔法少女なので死なない。

さやか「あ…れ…?」


痛みが感じない、おかしい、やっぱりネガティブ系魔法少女に
なってないじゃないか、あのキャラ付け野郎。
てゆうか、この槍なんだ。


以前のさやかならパニックになっていたかもしれないが、冷静に落ち着いて
槍を抜く。


さやか「あれ!?傷がもう塞がってる!?」


ゼロ『やぁ☆驚いた?ごめんね☆窓ぶっ壊しちゃって☆』


さやか「ど、どういう事!?これって…!?」


ゼロ『ネガティブ系魔法少女特有の魔法『即効回復』』


ゼロ『痛みを感じないのは、私の力の御陰さ☆』
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 22:24:52.91 ID:emn7KG/90
それって、完全にゾンビになったんじゃ……
だけど、まぁ…もう、何でもいいや。


どっちにせよ、今は危機的状況だ、ネガティブ系魔法少女の力があれば
見滝原の脅威を取り除けるだろう。

デメリットは少ないハズだ。


さやか「きゃー!デメリットは少ないハズだだってー!アタシにあわない事を考えちゃったー!」


ゼロ『楽しそうで何よりだよ☆』
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/12(火) 22:31:24.11 ID:emn7KG/90
さやか「あ、そんな事よりさ、まどか…助かったの?」


ゼロ『え?うん、渚ちゃんに助けて貰ってた』


さやか「そっかー……」


ホッと一安心したさやかは、ソウルジェムを改めて見た。

ソウルジェムの中に黒い液体が混ざっていて、今にも魔女化しそうな
雰囲気だった。

試しにグリーフシードを使おうと思ったが、止めた。


ハッキリ言って、ネガティブ系魔法少女の仕組みがあんまり理解出来てないから。
他の魔法少女とは違う、チート魔法が多いって事は聞いた事がある。
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/13(水) 20:39:56.20 ID:N1nLk2hR0
ナイアーラトテップは叫んだ。

結界中に響く程の、異様な叫び声に、蜘蛛の様な使い魔達は
飛ばされていく。


その叫び声は、とても悲しそうだった。

まるで、死にに向かっている友人を止めれなかった事を後悔
するように。


何故、あそこで逃げてしまったのだろう。

何故、友人は気付いてくれないのだろう。

何故、友人は死ななければならないんだろう。


この魔女に記憶など無い、ハズなのだが、ナイアーラトテップの記憶の中に
ある、少女が映っていたのだ。


何故かこの少女を助けなくてはならないと思ってしまう。


だが


もう遅い。


友人は…少女は死ぬ。


死ぬかもしれない。


だから泣き叫ぶ。


それしか出来ない。
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/13(水) 21:07:54.99 ID:N1nLk2hR0
辺は弾丸の弾と剣が散らばっている。

壁には穴が大きく空いたところもあり、天井にも
穴が空いている。


その荒れた建物の中の丁度、中央に美樹あきなが立っている。

真っ黒のレインコートは真紅の血がベッタリとついている。


その、あきなの目の前には、左腕と右足を切断された渚が剣で
身動きがとれない様に、数本体を貫通して、地面に突き刺さっている。


渚「………」


あきな「………フン、こんなものか」


即効回復される前に、腕や足を切断されていて、体は殆ど半壊状態になり
回復に追いつかず、あきなに負けてしまった。


とんだ無惨な状態だ。
なんてザマだ。
無様だ。


あきなは血溜まりの中にある、渚のソウルジェムをテーブルの上に置いた。


あきな「事が終わったら、お母たまを呼んで回復させてあげるよ。第二者じゃないと、治せないんでしょ?」


あきな「そんじゃ、タツ兄ぃが未来に帰るらしいから、アタシは見送りしに行かなきゃね」


何言ってんだこの子は。


あきな「ゼロに会って、みんな、アタシと出会った記憶を消してもらってから。ほむ姉を助けるか」


ゼロ?ゼロちゃん?

何でゼロちゃんを知ってるの?
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 18:44:22.68 ID:+JzaY+u50
―――――――


キュゥべえ「あばばばばばばばばあああああああああああああ!!!!!!!」


キュゥべえは自分の右腕を抑えながら、転げまわっていた。

頭を壁にぶつけたり、右腕を地面に叩きつけたり、意味不明な
行動に捕らわれている、ほむらはぽかんとしていた。


キュゥべえ「薬…薬薬薬薬薬薬薬薬………」

念仏の様にブツブツ喋りながら、デスクに散乱している紙をどけて
プラスチックの箱を取り出した。

その中から、注射器を取り出して、自分の震えている右腕を押さえつけて
注射器を打った。


キュゥべえ「ふぅぅぅ……」
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 18:47:05.84 ID:+JzaY+u50
注射器をゴミ箱に捨て、椅子に座って、ほむらに向き直った。


キュゥべえ「ごめんね、少し取り乱しちゃったよ」


さっきのが嘘の様に、落ち着いた声で、ほむらに語りかける。


ほむら「……あの注射器は?」


キュゥべえ「……キミには関係ない」


薄く笑みを浮かべて、そう言う。
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 18:59:05.58 ID:+JzaY+u50
キュゥべえ、この男?女?よく分からないけど、コイツがあの忌々しい生き物を
操作して、契約を迫っていたのね。


キュゥべえは、ほむらをジッと見つめている、さっきまではよく分からなかったが
顔がやつれている。

その灼眼の目には、吸い込まれそうだった。

シワクチャになった白衣を着て、白いゴム手袋をしている。


見た目は人間ポイが、やはり人間では無いのだろう。


キュゥべえ「………」


ほむら「………何よ」


キュゥべえ「………いや」


頭を傾げて、何かを、考えている様だった。

すると、何かを思いついたのか、デスクの中からオイルライターを取り出した。

部屋はパソコンの光だけしか無いため、殆ど部屋全体が薄暗い。
その暗がりの奥から、灯油を入れる容器を持ってきた。

重そうにそれをニ個、外に持っていった。


ほむらは、寒気がした。
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 19:17:26.49 ID:+JzaY+u50
―――――


あきなは裏路地を歩いていた。


先程、タツヤが未来に帰るのを見届けて、その後にゼロに、あきなとの出会いを無かった
事にした。

さやか達はモチロン、あきなを見かけた人達も、あきなの事を記憶から消しさっている
ハズだろう。

本当に一からやり直しだ。
いや、ゼロからやり直しと言ったところか。


そんな事を思いながら、あきなは、立ち止まった。


小早川 渚…ヤツは危険だ。アイツが行動すると、何か、不幸な事が起きる様な気が
して仕方がない。


ゼロは、渚があんな事になってる事に気付いて……いや、気付いているだろうな。
あえて、気付いてない振りをしているのだろう、だから、何も言わなかったんだろうな。
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 19:35:12.00 ID:+JzaY+u50
そんな事より、ほむらを探さないと……。

しかし、どこに居るのかまでは、分かっていない。


「死ね!美樹さやか!」


上から何か気配がした、どうやら、さやかと勘違いしている様だ
まぁ、仕方がないか。


黒いレインコートを上に投げ捨てて、目隠しを作った。

案の定、上から攻撃してきた者はレインコートに被さって、そのまま地面に墜落した。

「うわぁ!?何だこ――」


ザスッ!とあきなは剣を、そのレインコート目掛けて突き刺した。
抜き取ると、ベッタリと血が付着している。

レインコートを取ると、やはり魔法少女だった。

本当に魔法少女同士で戦争が起きているのか。

そう思いながら、相手のソウルジェムを踏み潰し
その魔法少女は動かなくなった。
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 19:49:40.66 ID:+JzaY+u50
あきなは、死んだ魔法少女の遺体を近くのポリバケツの中に押し込んだ。

黒いレインコートはビリッビリに引きちぎり、スペアの黒いレインコートを
着た。


あきなは素早く、その場を離れた。


早く目的地に行こうとした。

あきなが向かってる場所は、まどかの居る家。

今、まどかを狙っている者も居る。

もし、まどかに何かあったら危険だ。別の未来の道に行くかもしれない。


あきなは出来るだけ早く、まどかの家に向かった。
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 19:56:46.62 ID:+JzaY+u50
ようやく、まどかの家の前に辿り着いた。

少し、手荒でもいいか、何としてでも、まどかを守らないと。

まどかの家に侵入しようと家に入り込もうとすると、家の前に
軽トラックが止めてあるのを気付いた。


玄関の前で、白衣を着た者が何か液体を撒いていた。

何をしようとしているのか、近付こうとした瞬間。


あきな「!?」


ボウッ!と一瞬にして、火が燃え上がり、まどかの家が炎に包まれた。

白衣の者は軽トラックに乗り込み、その場を立ち去った。


あきなは軽トラックを追いかけようとしたが、まどかを助ける事に決めて、
まどかの家の中に飛び込んだ。
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 20:04:39.47 ID:+JzaY+u50
家の中に入り込むと、とても暑かった。
まぁ、それもそうか。


まどかを探しに、家の中をウロウロしていると、台所に、誰かが倒れていた。
誰かと確認しようと、近付くが、火が燃え移り、顔が見えなくなった。


腹部に包丁が刺さってるのが見えた。

嫌な予感がする。

もしかすると、既に、別の未来に進んでるのでは?


あきなは首を振り、再び、まどかを探しに行く。

二階に行って、部屋を開けると、まどかが深く眠りについていた。

あきな「!」


あきな「まどか!まどか!起きろ!」


あきなは、まどかを叩き起す。


まどか「んー…何?さやかちゃん…?」


顔も声もほぼ、さやかに似ているので、あきなをさやかと認知した
まどかは、眠そうな目を擦りながら、呑気に起きる。


あきなの後ろに燃え上がっている、炎を見て、まどかは
一気に眠気がすっ飛んだ。


まどか「きゃああああああああああああ!!!?!??」


混乱に陥ったまどかは、思わず叫び声を上げた。
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 20:14:20.25 ID:+JzaY+u50
あきな「こんな所でグズグズしてる暇は無い!早く逃げるぞ!」


まどか「待って!さやかちゃん!お父さんやタツヤが――」


あの台所に倒れていた死体は…もしかして。
タツヤがこの家に居る?だが、この炎では、助かるハズが無い…


「助けてぇ…ママぁ…パパぁ…まどかぁ…」


どこからか声が聞こえる。


まどか「タツヤ…?」


あきな「……!」


あきなは声がする方向に向かった。

まどかもその後に続いた。

たどり着いた所は、一つの部屋だった。


あきな「たっくん!?そこに居るの!?」


「助けて…助け…」


あきな「今、助けに……!?」


ドアを押そうとするが、一向に開かない。
逆に引いて見るが、それでも開かない。

ドアを押していると、メキメキッと音がするので、恐らく、何かが
通せんぼしているのだろう。


魔法少女の力で壊すという手もあるが……破片が飛んでタツヤの安全が
保証されない。


あきなは力いっぱいに、ドアを開けようとする。


あきな「開け!開け!開けってんだよ!」


あきな「クソッ!たっくん!大丈夫か!?」


「………」


何も返事が聞こえなかった。

恐らく…もう…
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 20:21:09.89 ID:+JzaY+u50
あきなは、もう全焼寸前だと言うことに気付いて、唖然としている、まどかを
抱え上げて、まどかの部屋に入り、そこの窓から飛び出た。


あきなとまどかは燃えていく家から抜け出した。

遠くからサイレンの音が聞こえてくるのに気付いて、家の前には
野次馬が一杯居る。


まどか「さやかちゃん……お父さんは…?」


座り込んでいる、まどかが呟いた。


あきな「……おじさんは……殺された」


まどか「………」


あきな「……ごめん」


自然と謝ってしまった。

まどかは、そのあきなの言葉に対して、大きく首を振る。


あきな「でも、まだ、おばさんが居るじゃないか」


まどか「そうだね……お母さんを……」


それ以上は言葉が続かなかった。
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/15(金) 20:30:16.14 ID:+JzaY+u50
――――

『今日、未明。見滝原行きの電車が脱線事故を起こし、何人もの死者と負傷者が続出しており――』


まどかの顔が蒼白になった。

近くの公園で、あきなの携帯でテレビを見ていると、脱線事故のニュースが流れていた。


あきな「……どうしたの?」


まどか「ま、まさか……お母さん……」


あきな「………」


おかしい。

何故、こうも、まどかの身内が狙われるんだ?

まるで、何か、誘導されてるかの様に……

それに、あの白衣の人は一体…?
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/16(土) 18:36:56.73 ID:0SwCWU9O0
数時間前




薄暗い裏路地に、二人の白衣を着た者が居た。


もう一人はキュゥべえで、もう一人は同僚の男の様だ。
その同僚は青筋を立たせながら、キュゥべえに何かを言っていた。


「このキチガイが!あんなガキを拉致ってどうすんだよ!」


キュゥべえ「作戦に使うんだよ」


「作戦!?ほう!ガキを拉致って変態共に売り捌いて、ヤクの金を稼ぐ作戦か!?」


キュゥべえ「違う」


「それとも何だ!?ガキの内蔵を売るのか!?それとも身代金か!?」


キュゥべえ「違うって言ってるでしょ!」


「いいや違わないね!お前はヤクに溺れた変人だって事は前々から知ってたが、ここまでとはな!」


キュゥべえ「薬は関係ないでしょ!」


「じゃあ、お前が持ってる注射器を、今から捨ててみろよサイコ野郎!」


同僚の怒号を聞いたキュゥべえは、少し、顔を引き攣らせる。
そして、再び、言い争いが続いた。
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/16(土) 18:45:34.99 ID:0SwCWU9O0
キュゥべえ「だからぁ…!あぁ…!もう…!何で分からないのかなぁ…!」


キュゥべえは、白衣の内ポケットを探り出した。

すると、内ポケットの中から、包丁を同僚に目掛けて刺し始めた。

しかし、上手く防御した同僚は、キュゥべえを押さえ込もうとする。


「この野郎…!何しやがる!」


キュゥべえ「………!」


瞬時に距離を取った後、キュゥべえは腰を低くして、同僚の腹部を目掛けて
突き刺した。


「ごはぁ…!?あ…が…っ!?」


包丁を抜くと、その辺りに血が飛び散り、同僚は前に倒れる。


キュゥべえはトンデモない事をしてしまったと悟り、同僚の死体を
黒いゴミ袋の中に詰めて、近くにあったポリバケツの中に入ってあった
ゴミを辺に撒き散らかす。


死体が入ったゴミ袋を、灯油容器の隣に置いて、警察に止めさせられない様に
安全運転で軽トラックを発進させた。


運転席の隣の助手席には、ガムテープを口に貼られて、手錠を掛けられている、タツヤが居た。
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/16(土) 18:59:20.17 ID:0SwCWU9O0
そして、まどかの家に到着すると、せっせっと、灯油容器をまどかの家の前に
並べ始めた。


そして、手に持ったカセットテープを持って、まどかの家の中に入り、二階に上がる。

一室の個室の中に、タツヤの声が録音されたカセットテープを置く。
自作のカセットテープなので、遠隔操作で再生する事が出来る。


そして、ゴミ袋の中に入っていた死体を台所に持ち込んで、死体を出す。

この死体は優先的に燃やそう。


ついでに持ってきた灯油容器から、キュゥべえ特製の可燃性の液体を
死体の回りにまんべんなくかける。


家中に可燃性の液体を家に撒いたら、外に出て、家の回りにも
可燃性の液体を撒く。


そして、オイルライターを取り出して、火を点けようとする。

そう言えば、まどかは?いや、まどかは、まだ、帰って無いのだろう…
家の中には物音一つもしなかったし…。


キュゥべえは後ろに誰かが居る気配がした。


誰だ…だが、早くこれを点けないと…!


オイルライターを点火させて、投げ捨てた。

すると、自分の予想以上に燃え上がり、一瞬にして、まどかの家は燃え上がった。

この火だと、簡単に消えそうに無いな。


そんな事を思いながら、キュゥべえは、軽トラックに乗り込んで
発進させた。


バックミラーを見ると、黒いレインコートを着た、さやかが、立ち竦んでいた。
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/16(土) 19:28:44.65 ID:0SwCWU9O0
すっかり暗くなってしまった。


軽トラックは駅の駐車場にたどり着いた。
軽トラックから降りると、キュゥべえは、ポケットから粘土の様な物を取り出した。
名前は忘れたが、簡単に言うと爆弾だ。

それをポケットに仕舞い、線路の所へ行こうとした時…


「待って」


キュゥべえが後ろを振り向くと、拘束してたハズの、ほむらが居た。

は?何で居るんだ?


ほむら「キュゥべえ…あなた、今、何をしようとしてるの?」


ほむらはいつもの敵意と殺意しかない表情ではなく、悲しそうな表情で
キュゥべえに問い掛けた。


キュゥべえ「何って…決まってるじゃん、電車で帰って来る、まどかの両親を殺すんだよ」


面倒臭そうに、キュゥべえは答える。

だからなんで、お前がここに居るんだ。


ほむら「……その計画で、何人の人が犠牲になるの?」


キュゥべえ「知らないよ、いくら死のうが、ボクは痛くも痒くもない」


ほむら「キュゥべえ……また…あの悲劇を繰り返す気?」


キュゥべえ「……!!!」


そのほむらの言葉を聞いた、キュゥべえは母星に居た頃を思い出す。


軍の研究員の中でも、トップに君臨していたキュゥべえは、誰からも尊敬されていて
上司からも一目置かれていた。


だが、誰かに羽目られてしまい、キュゥべえはあっという間に犯罪者呼ばわりされ
上司や同僚からも、冷たい態度をとられる様になった。


こんな理不尽な苦しみから逃れる為、麻薬を摂取し始めた。

すると、直ぐに中毒になり、あの天才と呼ばれてた頃の栄光は完全に泥沼の
中に沈んだ。


ある日、そんなキュゥべえに仕事が入る。

人体実験の手伝いだ。

各星にそれぞれの星で、第二次成長期の少女を実験体に使う。

理由はなんでも良く、『宇宙が滅びる』とか『この惑星が消滅する』とか

『竹馬ブームが終わるから』とか言って、実験対象者を丸め込む。


実験対象者は、既に、決められており、その実験対象者の名前を書かれたリストを
各研究員達に渡される。


とりあえず、エントロピーがどうこう言っておけばいいか、とキュゥべえは思ってた。


キュゥべえの担当の星は地球だった。
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/16(土) 19:38:34.17 ID:0SwCWU9O0
ほむら「………キュゥべえ」


キュゥべえはハッ!と我に帰った。

目の前には、相変わらず悲しい表情をしたほむらが立っている。


ほむら「……もういい、もういいのよ、あなたは…もう、これ以上、手を汚さなくてもいいのよ」


ほむら「まだ引き返せるわ…だから、戻ってきて……」


ほむら「こんな計画、絶対に間違ってるわ……」


突然、ほむらは泣き崩れた。

その時、キュゥべえはフラッシュバックした。


ほむら「私は!もう、あなたが人を傷付ける所を見たくないわ!」


ほむら「だから戻って!『天才』と呼ばれてた頃の優しいあなたに!」


違う、違う、違う…ボクは…何も間違っていない…。

それに、この仕事を終われば、沢山の薬を貰える。

だからさっさと、まどかを契約させて…薬を…。
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/16(土) 19:46:33.01 ID:0SwCWU9O0
ほむら「止めて!もう止めてキュゥべえ!」


ほむらの悲痛な声が、キュゥべえを留まらせる。

それと同時に『嫌な事』も思い出す。

今のほむらの様に、必要以上に止めた女……。


ほむら「まだ引き返せる!まだ引き返せるから!」


ほむら「お願い!戻って来て!キュレ――」


キュゥべえ「その名前を言うなぁあああああああああ!!!!!!!」


マグマの様に怒りが大噴火したキュゥべえは

しゃがみ込んでいる、ほむらに殴りかかった。


すると拳から、血が吹き出した。


気が付くと、キュゥべえはコンクリートを殴っていた。


まさか時間を――

いや、無いな。それに、あれは、ほむらではない……。


先程の、ほむらは薬の影響で現れた幻覚だ。

つまり、傍から見たら、キュゥべえは一人で話してたのだ。


よりにもよって、こんな時に幻覚を見るとは……。

頭を抱えながら、キュゥべえは、そそくさと線路に出る。
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/16(土) 19:59:46.18 ID:0SwCWU9O0
作戦は失敗した。


まどかの両親が乗ってくる予定の電車ではなく、別の電車が
脱線をした。


極力、爆薬を抜いていたハズだが、電車は吹き飛んでいた。


余計な犠牲を払ってしまった。

まぁいい、気にすることはない、こっちには鹿目タツヤが居る。


キュゥべえはポケットから注射器を取り出して、腕に打つと
ラジコンを取り出した。
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 16:57:08.21 ID:wk22NvC30
古い錆びれた倉庫の前に、キュゥべえは軽トラックを止めた。


右手に持っている持っているラジコンにオートと書かれたランプが、赤く点灯していた。

タツヤは軽トラックに閉じ込めて、倉庫に入ると、ほむらが柱に貼り付けにされていた。


ほむらは、キュゥべえを睨みつけるが、キュゥべえは興味なさそうに、真っ直ぐ、ノートパソコンが
置かれたデスクに向かった。


ほむら「………」


キュゥべえ「………」


暫しの沈黙。

重苦しい空気が広がる。


不意に、キュゥべえはほむらの方向に振り向いた。


ほむら「………」


キュゥべえ「………」


少しの間、見つめ合いが始まるが、数分でキュゥべえはパソコンに向き直った。


ほむら「何なのよ」


キュゥべえ「別に」


ほむら「私を捕まえて……」


キュゥべえ「幼児体型に興味は無い」


何も言ってないのにズバッと言うキュゥべえに対して、ほむらは青筋を立てた。

349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 21:38:34.58 ID:wk22NvC30
キュゥべえはデスクの下にある、ダンボールの中から、大量のブラックコーヒーを取り出した。

あんなに沢山、買ったのか?


コーヒーの缶を開け、注射を打ってから、コーヒーを一口飲んだ。


それから、倉庫中に、キーボードを打つ音が響く。

ほむらは、退屈そうに、キュゥべえの後ろ姿を眺めていた。

何をする気なのだろう?

とっくに危機感を忘れ去った、ほむらは、大きなあくびを思わずしてしまった。


ほむら「眠いわ…」


その言葉を聞いた、キュゥべえは立ち上がり、ほむらを柱と一緒に縛ってあったロープを解く。
手錠はしたままだが、手錠のチェーンが異常に長く、柱まで繋がっていた。

ほむらは異常な眠気による抵抗する気も無かった。

ほむらはキュゥべえに背中を押されて、簡易ベットに押し倒して、ほむらに足枷を付けた後
デスクに再び戻った。


再び、キーボードを打つ音が聞こえてきた。


危機感が解れたほむらは、数分後、眠りついた。
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 21:51:55.82 ID:wk22NvC30
ほむらが眠ってから数分が経つ。

全く、世話の焼かせる…立って寝れないのか?


キュゥべえはパソコンに向き合って、キーボードを打つ。


キュゥべえ「………よし」


ノートパソコンを閉じると、背伸びをした。
ようやく長い報告書を書けた。


キュゥべえはフラフラとした足取りで、白衣を脱ぎ捨て、簡易ベットに潜り込んだ。

コーヒーは結局、飲まず仕舞いだった。


とりあえず眠たい、早く寝よう。


そう言えば、ほむらはどこにやったっけ……?まぁいいか。

完全に疲労してるキュゥべえは、深い眠りに落ちた。
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 22:03:11.73 ID:wk22NvC30
―――――――――

―――――


キュゥべえ「まどかを魔法少女にさせれば…ボクは大量の薬が手に入る」


キュゥべえ「以前のボクなら、こんな計画は断固反対したり、中止に追い込んだりしたりしたかもしれない」


キュゥべえ「だけど…もう、無理なんだ」


キュゥべえ「僕はもう、薬の快楽から逃れられ無いんだよ!」


ほむら「……そう」


ほむら「なら、別の快楽を与えてあげればいいのでしょ?」


ほむら「そうすれば、あなたは、まどかを魔法少女にさせずに済む」ファサァ…


キュゥべえ「は…?うわっ!?」ドサッ


ほむら「勘違いしないでね、これは、まどかを助ける為なのよ」


キュゥべえ「ち、違う!違うんだ!そういう快楽と薬の快楽はまた別物で……!」


キュゥべえ「あっ!止めて!そんな所、舐めないで!」


キュゥべえ「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………」
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 22:08:31.75 ID:wk22NvC30
キュゥべえは目を覚ました。


倉庫の外では、鳥の囀りが聞こえてくる。

清々しい朝なのに、あんな悪夢を見るなんて。

恐らく、今まで見た悪夢の中でも最凶クラスだな
薬の影響かな…?


冷や汗でビショビショのキュゥべえは起き上がろうとした、が

体が動かなかった。


何か、重いと感じたキュゥべえは布団を捲ると、ほむらが乗っていた。

悪夢の原因はコレか。しかも、足枷の鍵を閉めるのを忘れてた為、外れていた。


キュゥべえは、熟睡しているほむらを押し退けて起き上がる。
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 22:32:10.24 ID:wk22NvC30
「はい、はい…分かりました…それでは…」


「能登村さん、鹿目まどかの家が燃えた件…放火の疑いがあるらしいですよ」


能登村「やっぱりか……チッ、オイ、一条。煙草持ってるか?」


刑事顆の能登村は部下の一条に、煙草を要求するが、一条は首を振る。


一条「あの鹿目まどか失踪事件と関係があるんでしょうか?」


能登村「あぁ?あー…ある訳ねぇだろ……」


一条「結局、アレどうなったんですか?」


能登村「理由言うだけでもバカバカしい……」


能登村は大きく溜息をつく。


能登村「あー…で?一条、鹿目家はどうしたんだ?」


一条「アパートを借りるらしいです……けど」


能登村「あ?」


一条「鹿目まどかの弟が行方不明なんです」


能登村「………」
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 22:38:26.74 ID:wk22NvC30
能登村「放火犯が誘拐したかもな……」


一条「……?何で分かるんですか?」


能登村「勘だよ勘、刑事の勘に決まってんだろ」


一条「……信用なるんですか、それ?」


そう言うと、能登村は顔を背ける。


一条「……能登村さん、自分、この見滝原で…何か起きてる気がするんです」


能登村「あ?」


一条「まるで、裏で戦争が起こってる様な……」


能登村「見滝原でか?なんでそんな事が分かるんだ?」


一条「……刑事の勘ですよ」
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 22:49:02.35 ID:wk22NvC30
能登村「阿保な事を言ってないで、とっとと車を出せ!」


一条「あ、は、はい!」


能登村「たっく…署に戻った後、鹿目まどかの弟を捜すぞ」


一条は車を発進させて、見滝原署に向かう。

すると、軽トラックとすれ違う。


能登村「………」


何を感じとったのか、能登村は後ろを振り向いて、軽トラックのナンバープレートを
記憶する。


忘れない内に、メモに書き写す。


一条「どうかしたんですか?」


能登村「何でも無いから前向いて運転しろ!前見ろ!前ッ!」


子供が飛び出してる事に気付いた能登村は、一条に大声を浴びせる。
ハッと気付いた一条は、力強くブレーキを踏んだ。

運良く、子供に当たらずにブレーキ出来た。

ホッとした一条は前屈みになり、能登村は大きく息を吐き出して後ろにもたれかかる。


能登村「一条…テメェ、ガキ轢き殺してたら退職どころじゃねぇって事ぐれぇ分かるよな?」


一条「は、はい…すみません……」


気を取り直し、一条は再び車を発進させた。
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 23:00:25.48 ID:wk22NvC30
一条「そう言えば、斎賀組と黒羽根組の戦争が勃発寸前って知ってますか?」


能登村「オレ達はセイアン(生活安全課)だろうが」


一条「そ、そうです……けど……」


一条「じゃ、じゃあ、瞬間移動する少女は知ってますか?黒い長い髪をした少女が―――」


能登村「知らねぇっつてんだろ!黙って運転しろ!」


一条「す、すみません……」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 23:17:21.18 ID:wk22NvC30
暫しの沈黙の後に、バイブレーションの音が聞こえ、ポケットから
携帯電話を取り、目を通すと、能登村の表情は一瞬で歪んだ。


能登村「チッ……」


一条「……ど、どうかしたんですか?」


能登村「……どうもこうもねぇよ、今回の放火事件と誘拐事件は警視庁に任せろだと、さっきメールで来た」


一条「警視が?」


能登村「見滝原署に捜査本部を建てる気らしい……何のつもりだクソッタレが」


一条「それで?自分達は何をすれば?」


能登村「お決まりのセリフだ、SHDだとよ」


その略は、直ぐに分かった。

S(所轄)H(は)D(黙ってろ)だ。


それを聞いた一条も、溜息をついた。
手柄を横取りされる気分だった。
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 23:28:56.83 ID:wk22NvC30
一条「そうですか…」


能登村「何より気に食わないのは、メールで連絡して来た事だ…!舐めてんのか!」


より一層、機嫌が悪くなった能登村に肩をすくめ、一条は早く署に到着したかった。


しかし途中で、渋滞に巻き込まれる。


能登村「あぁ…もう…!くそッ…」


能登村「ま、いっか…丁度いい…一条、コイツを見たことないか?」


能登村は携帯を一条に突きつける。
画面には白衣の人物が映し出されていた。


一条「い、いえ……この人がどうかしたんですか?」


能登村「知らねぇならいい…コイツは、二年前に起きた少女銃殺事件の実行犯だ」


一条「刑事の勘ですか?」


能登村「違ぇよ馬鹿、ちゃんと捜査した結果、コイツの目撃情報が何人もあったんだよ」


能登村「まぁ知らねぇならいい」


そう言うと、携帯を閉じ、再びポケットに入れる。
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/17(日) 23:36:54.83 ID:wk22NvC30
能登村「………」


一条「………」


能登村「………」


一条「……ラジオ付けます?」


能登村「……勝手にしろ」


沈黙に耐えられなくなった一条は、ラジオを付けた。


『あン!らめぇ!そんな所ぉ!』

『やっ…ちょ……あン!あン!』

『あぁあああ!!!そこォ!そこが気持ちぃのぉ!もっとぉ!もっと突いてぇ!』


ラジオから卑猥な声が車内に響いた。
さらに気まずくなってしまった。


能登村「………」


一条「………変えていいですか?」


能登村「構わねぇ、後でこのラジオ局教えろ…」


一条「え」


能登村「勘違いすんなよ」


一条「は、はい、そういう事ですか…」
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/18(月) 00:00:20.75 ID:qrqA1ikO0
一条「――それで、美樹さやかと鹿目まどかの写真を見せたら、成瀬さんが『こんなブスを助けるなんて、どうかしてるわ』って……」


能登村「そうか?普通だと思うが……自分はマントヒヒが整形手術に失敗して顔面を金槌で砕かれたツラしてるクセにしてな、よく言うぜ成瀬の野郎」


一条「中学生相手にムキになるんですもん」


能登村「つぐつぐ何であのマントヒヒが警察やってんのか気になるぜ」


能登村「おい、一条。成瀬に言ってやれ、『人の事より、自分のツラを心配しな』ってな」


一条「はは…駄目ですよ能登村さん、自分、殺されちゃいますよ」


苦笑いを浮かべる一条。

雑談をしている内に、警察署に到着した。
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/19(火) 00:23:13.13 ID:LmR88ns70
その頃、マミと千晶と筑音は、マミのマンションに居た。


テーブルには、グリーフシードが数個置いてある。


マミ「今日は、襲ってきた魔法少女は八人だったわね」


千晶「あと、魔女も……」


筑音「………」


千晶「あーあ!なんか申し訳無いですぅ…後半、マミさんに任せてばっかりで……」


マミ「フフ、気にしなくていいわよ…」


それでも、千晶は申し訳なさそうな表情をしている。


マミ「そうだわ、お茶持ってくるわ」


そう言って、マミは台所へ向かうと、千晶は床に崩れる様に座った。
座ると同時に大きな溜息をつく。


筑音「どうしたんだ…」


千晶「いやー…世話焼かせてばっかりで……何か申し訳無いなーって」


筑音「……しっかりしろ、らしくないぞ」


千晶「でもー…」
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/19(火) 17:35:41.51 ID:LmR88ns70
千晶「………そう言えばネガティブ系魔法少女達が見かけなくなった様な……」


筑音「………確かに、私も不自然には思ってたんだ」


千晶「見滝原には小早川 渚が居るのに、一人も見掛けなくなるなんてね……」


千晶「まさか、全員――」


筑音「そんな訳あるはずが無いだろ、それに、私達は―――」


言い切る前に、マミが紅茶を持って来た。
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/19(火) 20:27:36.25 ID:LmR88ns70
――――――――――


渚「………」

トイレの個室の洋式便所に、服がボロボロに引きちぎられた渚は縛り付けられていた。

前のドアは閉まってある。


トイレの外から、三人ぐらいの女子の笑い声が聞こえる。

渚は、このドアを開かない様に願っていた。


昨日は、ミミズを生きたまま食わされ、その次はサンドバックにされ
その次の日は校長室を荒らした罪を被らさせられた。


今度は一体、何をされるんだろうか。


渚の目から、涙が溢れそうになった。
もう渚は孤立無援。学校も相手にしてくれないし、父親は聞きもしなかった。


一度だけ、勇気を振り絞って、担任の先生に言ったが、ただ注意するだけで
その後、酷い仕返しをされた。


生徒も、学校も、親も、誰も助けてくれない。


どうして神様は私を助けてくれないの?

こんな思いするなら、死んだほうがいい。


だけど、死ねない自分が情けない。

臆病者だ、私は……


その瞬間、目の前のドアが開き、渚はビクッとした。


「さぁて、早速、授業を始めるわよ」


複数の女子が、渚を見下ろしていた。
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/19(火) 20:35:29.72 ID:oEiyRGtIO
え…まさか…
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/20(水) 20:43:54.80 ID:iD9u8hsW0
「待ちなさい!」


個室の外から、声が聞こえてきた。


「あなた達!何をしてるの!?」


「な、何もしてないわよ…行きましょ?」


そそくさと、トイレから複数の女子が出ていくと、
個室に誰かが顔を覗かせた。


「大丈夫!?なんて酷い……」


渚「え……あ……」


体に巻きつけてあったロープを解いてくれた。


正義はこの世には存在しないものだと思ってたのに…助けなんて
絶対に無いと思ってたのに…

この人は……。


「あ、自己紹介がまだだったわね」


「私の名前は片桐市子って言うんだ」


「あなたの名前は?」


渚「こ、小早川 渚……」
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/20(水) 22:40:00.59 ID:iD9u8hsW0
その後、市子ちゃんと友達になった。


私の初めての友達。


それ以降、私が虐められることは無くなった。

虐められかけられると、直ぐに市子ちゃんが助けに来てくれる。

まるで王子様みたいに。

あ、市子ちゃんは女の子だったか。


でも…男の子だったらきっと、好きになってたかも。





『今日未明、○○小学校の生徒、片桐市子ちゃんの死体が川沿付近で発見され、死因は不明で――』


あまりにも突然の死だった。

まだ友達になってから三ヶ月しか経ってないのに
そんな、どうして。


「ねぇアンタ」


渚「!」ビクッ


「あの馬鹿女が死んだ事だし、久々に私達と遊びましょうよ」


違う、市子ちゃんは馬鹿なんかじゃない。


「ハッキリ言って、あの女には前からムカついてたんだよ。いっつも正義気取っててさぁ」


あぁ、またあの悪夢が始まるのか。

助けてよ市子ちゃん。

助けて市子ちゃん。

市子ちゃん……




後頭部に激痛が走ると、渚は気を失う。
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/20(水) 22:55:07.38 ID:iD9u8hsW0
――――――


渚「……ん?」


気が付くと、辺は不思議な空間になっていた。

魔女の結界だと言う事にすぐに気が付いた。


それにしても、どうしてこんな所に倒れてるんだ?


すぐに思い出した、あの、美樹さやかに似ている魔法少女との戦いの末に
惨敗してしまったんだ。


渚「……体が、治ってる?」


いつの間にか、謎の魔法少女に切断された箇所が治療されている。

それにしても見覚えのある空間だな、と思いながら後ろを振り向くと
エイリアンの様な巨大な化け物が居た。

ナイアーラトテップだ。


恐らくこの魔女が治療したんだろう、でも何故?
渚は怪訝に思った。


ナイアーラトテップは突然触手を伸ばし、攻撃を開始した
しかし、攻撃をしたのは渚にでは無く、上に向かって攻撃した。


「うわぁ!?た、助け―――」


恐らく魔法少女が入り込んだのだろう。

体中雁字搦めにされて、黒い影がジタバタしている。

あれはもう助からないな、と渚は呑気にその様子を眺めながら
思った。


「あぐわぁあああ!!!腕がぁあああああああ!!!」


何か黒い影から何かが吹き出ている、腕をちぎられたのか?
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/20(水) 23:02:17.35 ID:iD9u8hsW0
上から降ってくる血がナイアーラトテップにかかる、その御陰でさらに
不気味さを増していく。

「う……ごぁああああ…め……」


今度は、頭がちぎれた様だ。

頭が渚の目の前に落ちて来た。


渚「うわぁ♪ダイナミックぅ♪」


ナイアーラトテップは残りの胴体を、乱暴に地面に叩きつける。

三回大きくバウンドした胴体も、渚の目の前に転がってきた。


初めて見たナイアーラトテップの戦い方に思わず感動した。


ナイアーラトテップは再び、渚を見下ろし始めた。
攻撃を仕掛けてくる様子は無かった。
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/20(水) 23:32:03.78 ID:iD9u8hsW0
渚は、死体に近付く。

よく見ると、魔法少女では無く男だった。

何だ、ただ、運悪く魔女の結界に入ってしまった人か。


首が無くなった胴体の方を見ると、白衣が血で真っ赤になってた。


まぁ、初めてナイアーラトテップの戦い方を見ただけでも貴重だったかな。


渚は上を向いてナイアーラトテップを改めて見ると、触手に紙束の様な物を持っていた

その紙束を渚の前に置いた。


その紙束は夥しい程の血がベッタリと付いていた。
先程の『処刑』の血だろう。


血で殆ど読めないが、渚は紙を遠おく持ったりして読もうとした。
紙の一番右上に見覚えのある動物がいた。


渚「………この写真、キュゥべえじゃないのか?」


渚「えーと、遠隔操作式動物型個体……QB…?」


渚「遠隔操作式って……まさか、あのキュゥべえを操ってるヤツが居る…?」


ハッと気が付くと、いつの間にか結界から出ていた。
地面にあった死体も無くなっていた。
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/20(水) 23:44:39.22 ID:iD9u8hsW0
紙束を読みながら辺をウロウロしていると、裏路地に死体があった。


渚は裏路地に入り込むと、その死体に近くに行った。


渚「……こいつら、円形四天王?」


二人の死体は円形四天王だった。

しかし、顔の損傷が酷く、誰が誰だか分からない。


とゆうか、こんな状態でも円形四天王だということに気付いたのは凄いな。


自分を自画自賛すると、渚は死体を探り始めた。

こんな場面は出来る限り知人に見られたくない。
そう願いながら渚は死体を漁り続ける。
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/21(木) 00:06:39.56 ID:JKrq0AUE0
キュゥべえ「……………」


ほむら「…………」


長い睨み合いが続く。


ほむらをまどかの契約を邪魔しない様にお願いしてもどうせ聞かないだろう。
協力者だった宮本が居ればよかったんだけど、彼女はさやかの襲撃で剣が数本
突き刺さって絶命した。


仕方なく、宮本の死体を放置して逃げてしまった。


それにしても、あそこで、さやかが来るとは予想外の伏兵だった。
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/21(木) 20:27:50.95 ID:JKrq0AUE0





チャプター:1


         「絶望しかない未来」


 
           美樹あきな編 
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/21(木) 20:36:59.64 ID:JKrq0AUE0
最悪だ。


鹿目まどかの家を放火されるとは夢にも思わなかった。


両親は無事だったのはともかく、弟の鹿目タツヤが誘拐された可能性がある。

暁美ほむらを連れ去った人物と同じなのか…?あの白衣の連中が怪しいとは前々から
思っていたが…。


白髪の方は取り逃がしたが、もう一人の方は何とか仕留めれた。


しかし、今回の放火は未来が変わる結果になったかもしれない。

その未来が希望に進むのか…または絶望に墜ちるのか…。


あきな「……悩んでたって仕方が無い、ほむ姉を探し出しタツ兄も救うか」


あきな「未来を変えなくては……」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/21(木) 20:52:51.76 ID:JKrq0AUE0
辺は既に暗い。


今、この状況で襲撃されれば―――


などと考えて居ると


「美樹さやか!その命貰ったぁ!」


闇の中から出て来た魔法少女が、あきなに目掛けて突進してきた、が。

あきなの黒いレインコートの中から出てきた剣が閃光の様に魔法少女の首に
突き刺さった。

「ごはっ…!」


ソウルジェムを叩き割り、確実に殺す。


魔法少女の死体を見下ろし、死体を蹴って鼻で笑う。



そして何事も無かったかの様に、あきなは歩き出した。
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/21(木) 20:58:09.20 ID:JKrq0AUE0
あきなは住宅街に差し掛かる。

この住宅街を探そうと、あきなは住宅街に踏み込んで
搜索を始める。


家から漏れている、温かい家族の声が聞こえてくる。
元の時代が愛おしく思ってきたが、振り払う。


この時代を助けないと、未来が変わる。
アタシが何とかしなきゃならないんだ。


あきなは自分にそう言い聞かせた。
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/21(木) 21:08:59.71 ID:JKrq0AUE0
「ねぇ、キミ、何してるの?こんな夜中に」


後ろから声が聞こえた、振り向くと白衣を着て髪が薄い中年男性が
立っていた。


「危ないよ、こんな所に一人で歩いていたら」


危ないのはどっちだ。

あきなはこの男が善意で話し掛けてきた訳では無いと見抜いていた。


その男はハァハァと息をして、今にも飛びついて来そうな雰囲気だった。


「とにかく、コッチに来なさい」


頭大丈夫かコイツ。
アホでも引っ掛からないぞ、その見え見えの罠。
恐らく、コイツの家に連れて行くつもりだろう。


あきな「……はい、分かりました。ありがとうございます」


だが、あえて引っ掛かる。

この中年男性が、本当に一般の人間ならば無視して捜索を再開するが
この男は白衣を着ている。


恐らく、取り逃がした白髪の方の仲間かもしれないからな。
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/21(木) 21:19:37.25 ID:JKrq0AUE0
連れてかれた場所はやはり民家だった。


男に家の中に入る様に誘導され、指示に従って家の中に入る。


部屋の奥に連れていかれると、どうやら寝室の様だ。
今、男は疾しい事をするつもりなんだろう。


あきなは辺りを見渡すと、引越ししたばかりの様にダンボールが
積まれていた。


最近、ここに来たのだろうか。


そんな事を考えていると、男は突然、服を脱ぎ始めた。


「いやー、暑いね。こうも暑いと服を脱ぎたくなるねー」


当たり前だろう暖房が効きすぎてるからだ、と言いかけたが飲み込んだ。


男は全裸になると、あきなをベットに押し倒される。


「ハァハァ…キミも脱ぎなよ」


あきな「………断る」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/22(金) 07:02:06.20 ID:iiHV8p360
あきなは男の股間に目掛けて足を蹴り上げた。


脂汗が滝のように流れ、悶え苦しんでいる時に、あきなは剣を突き立てた。


あきな「答えろ、お前の仲間はどこだ?」


「な、何の事だよ…?」


あきな「お前の他に、仲間が居るんだろ?特に、白髪の白衣を着たヤツだ」


「ま、まさかそいつは、キュレイの事を言ってるのか?」


あきな「そのキュレイってヤツはどこに居るんだ?」
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/22(金) 07:11:10.91 ID:iiHV8p360
「アイツは今、○○倉庫に居る…ここからすぐ近くだ……」


あきな「アッサリと口を割るんだな、仲間なんだろ?」


「ハッ…!あんなヤク中、仲間なんて思って無ぇよ…てゆうか、お前…魔法少女だったのか…」


「資料には…お前は居なかったのに……」



あきなは黙ってその場を離れた。
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 00:26:06.69 ID:54M+iF4p0
あきなは住宅街から離れ、倉庫がある場所に向かう。

早く助けようと、やや早歩きになる。

すると、あきなの隣に軽トラックが過ぎる。
一度、振り返るが、気にしなかった。



倉庫に着いた。


倉庫を開けると、もぬけの殻だった。

馬鹿な、一体、どこに行ったんだ。


辺を見渡すが、ほむらの姿はどこにもない。


アイツが嘘をついてる様には見えなかった…となると、逃げられたか。


あきなは溜息をついて、その場を離れようとする……


倉庫から出ようとした瞬間、不思議な空間に包まれた。



あきな「チッ…魔女か…」
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 00:40:05.51 ID:54M+iF4p0
振り返ると、人型の化け物が向かって来た。


『助けてぇ……死にたくない…』


あきな「……?」


人の声が、あきなの脳内に響く。


『やめて、殺さないで』


『この子だけは殺さないで!お願い!』


この声の主は目の前にいる使い魔の物だとすぐに分かった。

あきなは剣を構える。


あきなは思う。

こんな事をされれば、美樹さやかは絶対に斬るのを躊躇うだろう。

だが。


アタシは違う。


閃光が使い魔達の前に過ぎると、使い魔達の体はバラバラになった。


『うぎゃあああっっっ!!!い、痛いぃぃぃいいい!!!』


『そ、そんな!酷い!』


言ってる事とは裏腹に、使い魔達は長い爪で、あきなに襲いかかる。


『この悪魔め!』


あきな「聞こえないね」


ズバァッ!と斬れる音が響く。

真っ二つになった使い魔達は次々と消えていく。


あきな「アタシは殺人剣だ、同情なんてしないよ」


あきな「そんな小細工した所で、アタシはアンタらを斬るのを躊躇わないさ」
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 00:46:23.05 ID:54M+iF4p0
次々と使い魔達を切り捨て、どんどん最深部へと向かって行く。

アタシはお母たまとは違う、アタシは斬る剣だ。

いちいち相手を同情していたら、コッチがやられる。


何で、アタシはこんなに、お母たまに対して対抗心剥き出しなんだろう…?

何でだっけ…。


あきなは前から突撃してくる使い魔達を斬り捨てながら記憶を探る。
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 01:04:38.76 ID:54M+iF4p0
――――――――


さやか「あきな、無茶してない?」


あきな「何が?」


病院の近くの公園に、あきなは、さやかが乗った車椅子を押しながら答える。


さやか「魔女狩りよ」


あきな「あぁ、その事…別に無茶なんかしてないよ」


無愛想に答える。


さやか「本当?でも、あきな、アタシはね、魔女なんかより、アンタが一番恐いのよ」


あきな「アタシ?」


さやか「うん、一度だけ、あきなを戦ってる所を見たけど、あきなの戦い方は人助けの為じゃなくて

ただ殺戮をしたいだけで戦ってるみたいなのよ」


さやか「殺す、という快楽を求めて」


心外だ、アンタは娘に対してなんて事を…と言いたい所だが
自分でも自覚はしていた。


さやか「……アンタがいつまでも殺人剣のままだと、本当に自分を見失うわよ」


そんなまさか、逆に活人剣なんて甘ったれた剣術の方が自分を見失う。

お母たまはよく、そんな甘い性格で生き抜けたものだと、あきなは呆れを
通り越して関心した。
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 08:32:59.32 ID:54M+iF4p0
気が付くと、既に最深部に到着していた。


上を見上げると、スピーカーの様な化け物が降りてきた。

この化け物が現れると同時に、頭の中に響く声もより一層強くなった。

鬱陶しいな…『雑音の魔女』って言った所か。


雑音の魔女『ゴォオオオオオPィイイ!!!』


鼓膜が破れそうな不協和音が結界中に響く。


あきな「うぐっ…!?」


思わず耳を塞ぐと、使い魔があきなに目掛けてタックルしてきた。


あきな「ぐわぁっっ!!!」


衝突したあきなは後ろにノーバウンドで飛ばされ、使い魔達が次々と突進
してくる。


あきなは慌てて、体制を取り戻し、剣を構えるが、再び不協和音が響く。


あきな「チッ…!クソッ!」


片手で剣を持って、片方の耳を抑えながら、使い魔を斬り倒す。


しかし、後方に居た使い魔に捕縛され、身動きが取れなくされ
前方から使い魔が長い爪を突き立てながら突進してくる。


あきなは身を回転させ、長い爪は使い魔に刺さった。
完全に貫通する前に抜け出して、刺してきた使い魔を斬る。


雑音の魔女『ゲッ!グルィィィャアアアアアア:;@」:@』


言葉では無い言葉を発しながら、魔女は宙を舞う。


あきなは宙に浮いてる魔女に剣を投げつける。
魔女は華麗に避け、あきなに目掛けレーザー砲の様な物を発射させようと
していた。


あきなは回避しようとするが、頭の中にまた声が流れ込む。


『あきな……』


あきな「ッッ!!?」
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 08:41:57.60 ID:54M+iF4p0
動揺して逃げる事を忘れた、あきなはレーザーの様な物に
当りかけた。

上手いこと、体を捩らせて避けた。


『あきなは…誕生日のプレゼント、何がいい?』

『あはは、そう睨まなくてもいいじゃないか』

『この前は、忙しかったからプレゼント渡し損ねたからさ』

『今度は僕からもプレゼントさせてよ、あきなはお母さんのバッカり貰ってるし』


あきなは頭の中に響く雑音をかき消す様に、頭を振る。

クソッ…さっきの幻聴か…。


あきなは剣を再び構え直し、魔女にフラつきながらも、近付く。


魔女は逃げ様ともせず、あきなを見下ろしていた。
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 09:02:49.62 ID:54M+iF4p0
先程の幻聴のせいで、まともに歩くことが出来なかった。

薄れる視界に、あのレーザーを放とうとしていた魔女が居た。
あれを喰らえば一溜りもない…早急に退避しようとするが
倒れそうだった。


魔女が渾身のレーザーをあきなに目掛けて放った。


凄まじいレーザーは地面や壁を削ぎ落して、砂煙が舞い上がった。
砂煙が晴れると、あきなの居た場所には、縦に真っ二つになったレインコートが
落ちてあっただけだった。


肝心のあきなは消えていた。


魔女はあきなを捜す様に、辺を見回そうとすると
突然、視界が二つになった。


なんとか回避してた、あきなが魔女の真上に飛んで、剣で
縦に二つに斬ったのだ。


雑音の魔女『ゴギャアアアアアアアア……___』


魔女は叫び声と共に爆発して消滅した。


あきなは落ちたグリーフシードを拾い、穢れに穢れたソウルジェムの穢れを取る。
後もう一歩で魔女になっていたかもしれない。


ドッと冷や汗が出た、あきなは結界から立ち去る。
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 09:25:10.20 ID:54M+iF4p0





                チャプター2


               『踊れ、未来人』   
 



388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 09:30:50.03 ID:54M+iF4p0
あきなはビルの廃墟の中に身を潜めていた。

ビルの入口には手製のバリケードを張っており、出来る限り、魔法少女達に
ここに侵入出来ない様にしてある。

ちなみに、あきなは、下水道が通ってこの廃墟に入った。


わざわざ、下水道にまで入って廃墟に入ろうとするヤツは居ないだろう。


だから、あきなはここを隠れ家としている。
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 10:26:05.31 ID:54M+iF4p0
あきなはテレビをつける。
最初は電波が入らないんじゃないか?と不安になったが、
なんとか、つく事は出来る様だ。


テレビにはニュースをやっていた。

あきなは普段は、ニュースでは無くバラエティやスポーツ番組を見るのだが、
この時間帯には、どのチャンネルもやっていなかったので、仕方が無くニュースを
見ることにした。


『――続いてのニュースです』


『見滝原の某事務所で、大量の死体が発見されました』


『死体の殆どは、暴力団組織の『濟賀組』の構成員と思われ』


『濟賀組の組長の死体らしきものも発見されており』


『警察は、殺人事件として捜査を―――』


まったく、物騒な所だ。

あきなは缶コーヒーを一気に飲み干した。
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 13:27:20.26 ID:54M+iF4p0
そう言えば、ここの近くに警察がウロウロしていたな。
ひょっとしたら、事務所とやらもこの近くなんだろう。


それにしても、こんな時期に殺人鬼が出るとはな。


『――凶器は猟銃と思われています』


銃?猟銃なんかで殺人事件を起こしたら、近隣の……それは無いか

ここは、ゴーストタウンになりかけの地域だ、それだから変な噂やらなんやら
が広がって、一般人は気味悪がって近付かないんだ。


犯行を行なったのが夜ならば尚更だ。
かなり人気も減るし、殆ど通行人0状態になる。もし、夜中にここを入ろうと
するヤツは結構、勇気のあるヤツだ。


まぁそれはともかく、こんな所で猟銃をブッ放しても、人が居ないんじゃ聞こえようが
無い。

昨日の朝と昼に、アタシはここに居たが、何も聞こえなかったって事は、やはり犯行は夜に
実行したのか?


昨日の夜は疲れたから公園で寝てたし。
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 13:30:31.34 ID:54M+iF4p0
ま、所詮はヤクザ同士のイザコザなんだろう。

アタシには関係ない。


あきなはそう言って、下水道に繋がる通路を降り
鼻につく様な臭さが広がっているが、我慢して地上を目指す。
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 16:15:05.31 ID:54M+iF4p0
あきなが出た場所は、裏路地だった。

強烈な臭気に苦しんだが、外に出ればコッチのモノだ。

下水道に通じる穴は蓋をし、臭いを取り払う様に黒いレインコートを
手で払う。



裏路地を道なりに進むと、大通りに出た。

あきなは白衣の者を探し始めた、宛はモチロン無い。
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 17:00:57.47 ID:54M+iF4p0
しばらくすると、人が完全に少なくなった。

おかしい、この時間帯なら、溢れる程居るはずなのに…。


あきなは何かに気付き、後ろを振り向くと、白衣の男が千鳥足で
こちらに歩いてきた。


「Eles colocaram a droga bastardo que tal ... porque na medicina que ... Merda, no meu corpo! Ah ... Deus ...
(クソッ…あの薬中め…あの野郎、俺の体にあの薬を入れやがったな…!あぁ…神よ…)」


日本語では無く、別の言語を喋りながら、歩いていた。
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 18:08:09.15 ID:54M+iF4p0
「Eu já sei, eu vou fazê-lo quando se trata deste!」
(もう知るか、こうなったらやってやるよ!)


白衣の男の体の至るとこから黒い触手が突き出て来た。


「Sinto muito, meu cordeiro! Matou-me um pouco!」
(ごめんな、お嬢ちゃん!ちょっと殺されてくれよ!)


「Dans mes mains! Victoire」
(勝利を我が手に!)

言語が変わった事に、あきなは気付いた。

ポルトガル語の次はフランス語を喋り始めたぞコイツ、万能君か。

そんな事を考えている内に、みるみる巨大になっていき、最終的には触手の化け物になった。


あきな「………」


右斜めに降り下ろされる触手を斬り、左斜めから来た触手を避けて、剣を壁に刺して
建物に張り付く。


こんな所に一般人でも来たら、大騒ぎだろうな。
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 19:14:43.05 ID:54M+iF4p0
「Ne fuyez pas!」
(逃げるなよ!)


何本もの触手が、あきなに向かって飛んで来た、
あきなは壁を駆けて、触手から逃げた。


近づきかけた時に壁を強く踏み、バック回転して触手を二三本切り落とし
残った一本の触手に上に乗り、本体に向かって走る。


降り掛かる触手は迅速の斬り落とし、本体目掛けて剣を突き刺した。


「Damn it!」
(クソッ!)


あきな「Venez pour de bon」
    (本気で来い)


「Même sans être dit!」
(言われなくても!)


あきな「まったく…フランス語は小学三年以来だぞ」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 21:21:01.94 ID:54M+iF4p0
数本の触手が、あきなに向かって飛んで来た。

二本ほどは斬り落としたが、一本の触手にあきなの腕を捕まえた。


あきな「!」


軽々と持ち上げられ、力強く前に投げた。

猛スピードで飛ばされたが、途中にあった街灯に掴まり
遠心力で元に戻って来た。


「Quoi! ?」
(何だと!?)


本体に強烈な飛び蹴りを与え、本体の丸い体に風穴が
出来た。


「Ribbit!」
(グワッ!)


本体は大きく仰け反り、傷口から大量の黒い液体を撒き散らしている。


あきなは、剣を上段に構えた状態で本体の真上に飛んだ。
本体は完全に動揺しており、触手で防御する暇が無かった。


構えた剣を、本体に目掛けて振り下ろす。
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 21:32:04.48 ID:54M+iF4p0
それも一振りでは無い。

縦・横・斜めに迅速に斬り刻む。
本体や触手が次々と斬り落とされる。

ある程度、斬り終わると、剣を持っている右腕を後ろに引き
思いっきりで突き刺した。


剣で刺した場所から大量の黒い液体が吹き出した。

液体の、ほぼ全てが出終わると、本体は崩れ倒れた。
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 21:56:31.41 ID:54M+iF4p0
本体に近付くと、わずかな隙間の中から、男が見えた。


あきな「Le jeu est plus。Quel est le compagnon de vous, Où est l'homme?」
   (遊びは終わりだ。お前の仲間を教えろ、仲間はどこだ?)


あきなは剣を男に向けると、男は両手を突き出した。


「待ってくれ!分かった!俺の負けだ!勘弁してくれ!」


あきな「今度は日本語か?忙しいヤツだな、まぁいい、その方が都合がいい」


あきな「お前の仲間の中で白衣を着て、白髪で紅い眼をしたヤツは居るか?」


「あぁ、そりゃあ、キュレイの事だ!キュレイ・ジェレルドってヤツだ!」

「あ、あの薬中をブッ殺すなら俺もさ、賛成だぜ!」


あきな「キュレイ…やはり……」


あきな「そいつは今、どこに居る!?」


「た、確か、CDショップに行くとか行ってた…そ、それしか知らねぇんだ!」


あきな「お前達は何が目的だ!?暁美ほむらと鹿目タツヤを誘拐したり、鹿目まどかの家を燃やしたり

何なんだお前らは!?そのキュレイってヤツは何がしたいん―――!?」


僅かに後ろから気配を感じて、あきなは横に大きく避ける。
すると、本体に穴が空いた。


「うわぁ!?」


狙撃…クソッ、逃げるしかないか。

あきなはその場を急いで離れた。
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 23:08:34.16 ID:54M+iF4p0
しばらく離れた所に来ると、銃声が聞こえた。

先程、戦闘をした方向からだ。

アイツに何かあったのか…?まぁいい。気にする事は
無い。


どうせ死ぬ運命だったに違いない。


あきなは急いで、CDショップに向かった。
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 23:12:49.14 ID:54M+iF4p0



     

           チャプター3
         
          『迷え、未来人よ』 
          
   







401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 23:31:09.82 ID:54M+iF4p0
CDショップに寄ったが、案の定、それらしき人物は見つからなかった。

仕方が無く、適当にフラついていると、コンサート会場の前を通り掛かった。
あきなは吸い込まれる様に、コンサート会場の中へと入って行った。

会場から入るとバイオリンのコンサートの最中だった。

ステージには、少年がバイオリンを弾いていた。


あきな「…………」


どこかで聞いた事がある音色……確かどこかで…
忘れた…それに、このコンサート会場も何か見覚えがある。

何だ?変な気持ちだ。
それに、あの少年もどこかで見た事がある。


あきな「………ここに居たって仕方が無い、早く捜索を始めるか」


会場から出ようとすると、丁度、演奏の方も終わったらしい。

観客席から大きな拍手が鳴り響き、少年は一礼する。


少年は、あきなと目が会うと、驚いた様な表情をした。
すると、少年は、あきなに笑顔を見せる。


あきな「………?」


知り合いか…?それか誰かと見間違えた?
でも、誰かに似ている…誰かに……あぁ…もう、思い出せない。


あきなはコンサート会場を後にした。
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/23(土) 23:34:25.68 ID:54M+iF4p0
よく考えれば、この時代にアタシを知ってるヤツなんて居ないな。
やっぱり誰かと見間違えたんだな…。


あの少年には申し訳無い事をした様な気がしてきた。


あきなはそんな事を思いながら、捜索を続ける。
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/24(日) 00:43:48.25 ID:8kAg75ok0
恭介は会場の外に居た。


恭介「さやかのヤツ…来るなら来るって言えばよかったのに」


携帯を取り出し、さやかに電話をかける。

三秒後に、すぐ繋がった。


さやか『はい?もしもしー?』


恭介「さやか、来るなら来るってぐらい言ってよ」


さやか『来るって?どこに?』


あれ?おかしいな…惚けてる訳じゃなさそうだし…。


恭介「コンサート会場に来なかった?」


さやか『え?行ってないけど…?何かあったの?』


恭介「……分かった、もういい、後でかけるよ」


さやか『あ、ちょ、恭――』


あの子は誰だったんだ…?まだ、近くに居るかもしれない…探してみよう…。
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/24(日) 08:25:32.45 ID:8kAg75ok0
「美樹さやか!」


後ろから、声が飛んできた。
振り向くと、白衣の女が立っていた。


あきな「……人違いじゃないのか?」


「フフ…ちゃんと写真を見て確認したんだ。間違える訳がない」


だからちゃんと見ろって。


「なにより、そのffの形をした髪留めが何よりの証拠だ」


いや、これは…形見的な…いや、死んで無いけど、お母たまから貰った物なんだけど。
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/24(日) 09:30:54.60 ID:8kAg75ok0
「そして…何よりの証拠が、これだ」


恭介「さ、さや、か…?」


恭介が捕まった状態で連れてこられた。

しかし、あきなはまだ気づいていない。


恭介「さやか!逃げろ!僕の事は気にするな!」


だから人違いだって、そう言いかけたが飲み込んでしまった。

許せ、少年。アンタには恨みは無いが、その鬱陶しいヤツを殺す為だ。


あきなは剣を取り出し、恭介ごと斬ろうとした――が
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/24(日) 12:27:19.87 ID:8kAg75ok0
思い止どまってしまう。

いやいや待て待て…まだ方法があるハズだ、
少年はただ巻き込まれただけだ、殺すのはあまりにもやりすぎだ。


「ハハッ!やっぱりな!お前の弱点は、この上条恭介だからな!」


あきな「上条恭介だと…!?」


驚いた。まさか、お父たまだったのか、そう言えば、バイオリンをやってたな
言われてみれば、面影がある。
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/24(日) 12:48:30.90 ID:8kAg75ok0
お父たまとは、最近、会って無いからな…。


「喰らえ!」


白衣を女は、右手に拳銃を持って、あきなに向けた。

しかし、対応はあきなの方が速かった。持っていた剣を投げ
白衣の女の顔面に突き刺さる。


「あ…?」


白衣の女は何が起きたか分からないまま、その場に倒れた。

恭介「え、な――」


死体を見てしまう前に、後ろから、あきなが両手で恭介の両目を覆った。


あきな「見ない方がいい」


恭介「さ、さっきの人は…?」


あきな「……大丈夫、気絶させただけだ」


殺してるけどな。と心の中で思う。


恭介「……キミは、さやかじゃないよね…?声は同じみたいだけど…口調とか違うし……」


あきな「……そんな事より、ここから離れよう」


恭介の両目を覆いながら、歩いて死体から遠ざけてゆく。
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 06:48:00.54 ID:Lp1zb3gC0
まったく…死体なんか見せたら大変な事になってた。

充分離れると、手を離し、恭介は振り向いて、あきなを見つめた。


恭介「……キミは、何者なんだ?」


あきな「アタシは、美樹さやかの従姉妹だ」


恭介「え?いや、でも…従兄妹って……」


あぁ、そうだった。幼馴染だって言ってたな…うっかりしてた。


あきな「……と、言うのはフェイクで、ただのソックリさんだよ」


恭介「あぁ……」


妙に、美樹家の事情に詳しい事を口から漏れる事があるかもしれないから、身内関係
の方が良かったけど、こうなったら仕方た無い…。
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 06:55:20.95 ID:Lp1zb3gC0
恭介「あ…あの!えっと…」


あきな「ロザミス・ウェルダン・アンドリューでいい」


恭介「は?」


あきな「アタシの名前だ」


恭介「え、えっと…ロ、ザミス・ウェルダン・アンンドリューさん…あの人は…?」


言うんかい。

やっぱ真面目だから、ボケに鈍いっていう話しは本当なんだ。


あきな「嘘だよ嘘……あきなでいいよ」
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 07:01:37.82 ID:Lp1zb3gC0
どうやったらツッコミが貰えるんだ…やはり、お母たまレベルの露骨なヤツ
じゃないと……


あきな「あの白衣のヤツはラーメン屋の人だ」


恭介「え?へー…最近のラーメン屋は変わってるんだ…」


あきな「……嘘だ、アタシも知らない」


恭介「………」


何やってんだアタシ……さっきまで、あんな事があったのに、冗談なんて
言ってる状況じゃないよね…。
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 21:08:14.05 ID:2SdjTmSq0
あきな「……とにかく、キミの家まで送るよ」


恭介「……いや、一人で帰れるよ」


あきな「でも……」


恭介「大丈夫、家に直行するつもりだから」


あきな「………」
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 22:06:42.89 ID:2SdjTmSq0
あきな「そう言う訳にはいかない、さっき、あんな事があったんだよ?」


同行する様に迫る、あきなに、恭介は仕方なく承知して
結局、一緒に帰る事になった。


人が一人も居ない道を通るのに慣れたのか、不思議と、違和感が感じなく
なった。それにしても、まだ昼なのに、どうしてこんなに人が少ないんだ?


あきなは何かに気付いた様に上を見上げた。

今にも雨が降りそうなドンヨリした雲であった。あきなはレインコートを
着ているから大丈夫だが、恭介は傘も何も持っていなかった。


あきな「キミ、早く帰ろう。雨が降りそうだ」


恭介「うわ、本当だ…あともう少しで着くよ」


あきな「それじゃあ早く行こう」


急かす様に、恭介の背中を三回叩き、徐々に早歩きになっていく。


そしてようやく、家が見えた。


恭介「じゃあ、僕はこれで」


恭介が家に入るとほぼ同時に、雨が降ってきた。
後、何秒か遅れてたらアウトだったな。
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 22:15:27.59 ID:2SdjTmSq0
すると、魔女の気配を感じた。

丁度良かった、グリーフシードが足りなくなっていたのだ。

あきなはフッと、見滝原に魔法少女達が押し寄せて入る事に気付く。


早めに、魔女の反応がするところに走った。


魔女の結界の入口は廃ビルの中にあった、誰も入った気配が無く
ホッと一安心した。

魔女の結界に入る為に、剣を突き刺そうとするが。


突然、あきなは結界に吸い込まれた。

何が起きたか分からないあきなは奈落に落下していた。
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 22:24:05.47 ID:2SdjTmSq0
ようやく地面が見えると、体制を迅速に調整して着地した。

顔をあげると、炎の形をした使い魔が突進してき、あきなは剣を持ち構えて
使い魔を斬り倒す。

三体の使い魔を倒すと、突然、背中にズシッと重量を感じた。
上から何か重い物でも降って来たようだった。


あきなはうつ伏せに倒れて、起き上がる事が出来なかった。
何かに踏み付けられている様な感覚がした、なんとか上を見上げると
角が生えた巨大な騎馬が、あきなに乗っていた。


あきなは恐らく、背中にある足であろう物を剣で刺すと、騎馬は大声をあげて
前足を上げた。


足をあげてる隙に逃げ出して、改めて魔女を見ると、とてもデカい。


騎馬の魔女…まぁそのままだな…。
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 22:38:36.53 ID:2SdjTmSq0
騎馬の魔女『グゥゥゥゥゥゥオオオオオオオオオオオ!!!!???』


馬の鳴き声じゃないだろ、と思ったが、翌々考えると魔女だから仕方が無いか
と、あきなは一人で納得する。


そんな事を考えてると、魔女が角を前に突き出したまま突進してきた。


素早く、横に避けるが、魔女の方も迅速に体制を変えて、あきなの腹部を蹴り上げる。
前足は、見事にクリーンヒットして、あきなは顔を歪める。


基本、あきなの魔法少女姿は、さやかから受け継いだ物なので、さやかの魔法少女姿の上に
黒いレインコートを羽織っているだけだ。

だから、ソウルジェムの位置も同じである為、先程の蹴りで割れたと思い、ヒヤヒヤした。

思わず溢れ出た冷や汗を手で拭う。
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 22:51:55.14 ID:2SdjTmSq0
咳払いをして気を紛らわせ、剣を取り出し構える。

魔女は再び、頭を突き出して突進してきた。あの角に当たるのは確実に
即死すると思い、あきなはジャンプして回避を試みるが、予測していたかの様に
魔女は急反転して、強烈な後ろ蹴りを、ジャンプで無防備になっているあきなに
蹴り付ける。


とっさに剣で防御するが、剣はいとも簡単に折れて、あきなはモロ後ろ蹴りを当たり
数メートル飛んで、壁に激突した。


回復魔法もさやかから受け継いでおり、瞬時に回復して、剣を再び取り出す


魔女が助走を付けて再び突進してくる。先程よりも加速している。
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 23:00:02.68 ID:2SdjTmSq0
今度はそのまま、あきなも突撃した。

角に当たる前に、魔女の真上に飛んで、一刀両断しようと、剣を上段に構えるが
魔女の尻尾が突然伸びてきて、あきなの足を捕まえ、また壁に叩きつけられる。

そしてもう一回、もう一回、4回ぐらい叩きつけられた時に、タイミングを把握して
剣で尻尾を斬ると、魔女は自分の長い首をバットの様に横スイングして、あきなは再び
吹っ飛ばされる。

予想外の攻撃に、あきなは対応出来ず、地面に数バウンドした。


あきな「………」


今度は剣を二本取り出した。
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 23:08:00.31 ID:2SdjTmSq0
再び、魔女は突進してくる。

今度は動かなかった。

ただ、ボーッと立ってるだけだった。

魔女が数メートルまで近付いた所まで来ると、カッ!と目を見開いて
左手に持っていた剣を、魔女に投げる。


矢の様に飛んでいった剣は、魔女の片目に突き刺さり、魔女が悲鳴をあげ
長い首を真上に上げる。


その瞬間を見切った、あきなはクラウチングスタートの様な体制をすると
ロケットダッシュの様に、魔女の近くまで飛んだ。


右手に持っていた剣を両手で振りかぶり、魔女の首を横に切り落とす。
しかし、それだけでは済ませなかった。

何度も何度も閃光の様に斬りつけ、魔女の大きな体は細切れにされた。
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 23:16:13.05 ID:2SdjTmSq0
魔女は消え失せ、グリーフシードが残る。

グリーフシードを取り、しばらくすると、結界が崩れ始めた。

結界が完全に消えると、入った場所に戻っていた。

先程のグリーフシードで穢れを取り、その場を去ろうとすると
目の前に、知っている人物が立っていた。


さやか「……え?」


あきな「………」
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 23:21:18.75 ID:2SdjTmSq0
さやかだった。


さやかは鳩が豆鉄砲を喰らった様な顔で、あきなを凝視している
それもそうかも、自分とほぼ似ている人間が目の前に立っているからな。


さて、どうする。知らん顔でこの場を立ち去るか……。


―――いや、今ここで戦えば、お母たまの活人剣とやらが見れる、ならば、アタシの
殺人剣で叩き潰せば……。


あきな「……アタシは、アンタを殺す者だ」
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 23:24:13.30 ID:2SdjTmSq0







                   チャプター4
                 『野望に酔え、未来人よ』 
                 
                




422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 23:35:58.77 ID:2SdjTmSq0
さやか「……え?」


突然の発言で驚いた、さやかは再びあきなを凝視した。

まぁ、本当に殺すつもりは無いが、お母たまに勝てれば、情は人を惑わす事を
証明する事が出来るかもしれない。


あきなは、さやかに剣を突き立てる。後退りする、さやかはとっさにソウルジェムを取り出して
魔法少女に変身した。


変身と同時に、あきなはさやかに向かって剣を振り落とそうとするが、さやかも気付いて剣を
取り出して、あきなの剣を防ぐ。


さやか「あ、あんた何者よ!?」


あきな「……アンタは知らなくて当然だ」


さやか「何て事だ!あたしのクローン実験が進められてたのか!?」


そんな訳無いだろ、と心の中で密かのツッコむ。

あきなは、がら空きになってる、さやかの腹部を蹴り飛ばすと
壁を突き破って、たまたま通りかかった電車の上に落ちた。


あきなは追いかける様に電車の上に飛び乗った。
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 23:50:28.93 ID:2SdjTmSq0
少し、バランスを崩しかけるが、なんとか持ち直す。

さやかはフラフラとした感じで、今にも落ちそうだった。


その隙を見逃さなかった、剣を突き立てた状態のまま、さやかに突進したが
さやかも気付いて、剣で防御する。


あきなの豪雨の様な攻撃に、さやかはひたすら防御する。

その様子を見て、あきなは溜息をついた。そんな情が命取りになるのだと
それとも、この時のお母たまは弱かったのか?


さやかの剣は折れかかってヒビが入ってきた、額から汗を流して焦ってる様子が
分かる。


あきなは剣を大きく振りかぶり、さやかの剣を縦に叩き割り
そして、あきなは剣で、さやかの首を突き刺す。


さやか「ごはぁっ……!?」


鮮血が、さやかの首から吹き出る。

勝った、やはり活人剣では駄目だ。


さやか「こんっの……!」


さやか「死んだらどうしてくれるのよッッ!!!」


あきなの剣を掴み、自分で抜いた後、さやかは剣を取り出して、あきなを斬り付けた。

その動作は読めたが、さやかの傷が既に塞がっていた。


そんなバカな、いくら回復魔法だからって…そんな回復力…。

動揺したあきなだったが、すぐに分かった。

ゼロに何かされたんだろう。
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/25(月) 23:59:54.54 ID:2SdjTmSq0
気を取り直した、あきなは剣を居合の様な構えをする。

さやかは何の警戒も無く、突っ込んで来る。


あきな「……バカが」


ヒュッ!とさやかの前に閃光が横切る、僅か数センチの差。
あきなはチッと舌打ちした。


さやか「うわっとっと……」


電車から落ちそうだったが、さやかは体制を変えて、何とか持ち直した。

確かこの電車は特急列車だから、この辺りで下ろした方がいいか
早くしないと、見滝原から出てしまう。


風見野辺りに来たと心配したが、まだ見滝原だったので、急いでさやかを落とそうとしたが
無駄に防御だけ上手かった。


仕方が無いから、あきなの強烈な横蹴りをして、さやかを飛ばした。
くの字に体が折れたさやかは、顔を歪め、建物に直撃した。

425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 07:02:48.42 ID:cXG45klj0
あきなも建物の中に飛び移った。

砂煙で見えなかったが、すぐに晴れてきた。

晴れると同時に、さやかが飛びかかって来た。気付かなかったあきなは驚いて
慌てて仰け反る。


その隙を見逃さなかった、さやかは大きく剣を振り上げ、あきなを斬ろうとするが
あきなも迅速な対応で、さやかの剣を右手に持ってた剣で弾き飛ばした。
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/26(火) 14:42:12.50 ID:KEg6ybbK0
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/26(火) 17:12:18.60 ID:x9xaahSIO
乙乙(ダブルオツ)
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 19:55:08.42 ID:cXG45klj0
獲物が無くなった、さやかに向かって剣を突き刺そうとする。

だが、体を刺した感覚ではなく、金属を刺した感覚だった。


あきな「………」


杏子「ヘッ…大丈夫かさやか?」


さやか「杏子!?あんた、どうして…!」


杏子「アンタらが電車の上で戦ってる所を見つけたからさ、駆けつけたって訳さ」


佐倉杏子…いつの間に……タイミング良く、アタシと美樹さやかの間に潜り込んで
槍でガードした……。


ヌルい、ヌルすぎる。


あきなは溜息をつき、杏子を睨みつけた。


あきな「……邪魔するヤツは、斬る」


杏子「ハッ!やってみろ、さやかモドキ!」


何だと、この野郎。
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 20:57:07.01 ID:cXG45klj0
あきなは後ろにバックステップして距離を空け、剣を構え直して、杏子に向かって走り出した。

杏子「ハッ…!」


杏子「ロッソファンタズマ!」


あきな「!?」


分身して、あきなの攻撃を攪乱させ、四方八方からから攻撃を仕掛けようとする
しかし、あきなは冷静に剣を振り上げ、剣を横に薙ぎ払う姿勢をとった。


あきな「小細工だ……ブレイクエマージェンシー!」


剣が横に一閃すると、杏子の分身は消え、本物の杏子は飛ばされ、壁に衝突した。
何が起こったか分からない、さやかも飛ばされた。


杏子「クソッ!アイツもマミみたいに必殺技の名前を言うのか!?」


これはアタシの意志じゃない、未来の巴マミの意志だ。と、心の中でひっそりと呟く。
言わされる理由は、巴マミの必殺技の名前のセンスを追求したからである。


あきなはそんな苦い思い出を思い出しながら、剣をもう一度、構え直した。
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 21:12:14.99 ID:cXG45klj0
さやか「来るよ!」


杏子「分かってらぁ!」


槍を分解させて、あきなを捕縛して、壁に叩きつけようとしたが
あきなは大股にし、投げられない様にするように力を入れる。

杏子も思わず戸惑った瞬間を突いて、突撃した。

杏子はその勢いで飛ばされ、あきなは反時計回りに何回か回り、捕縛を
解除した。

剣を振り上げ、倒れ込んだ杏子の頭に目掛けて降り下ろそうとしたが、杏子は横に避け
直撃を避けた。

杏子は槍を持ち構え、もう一回、鎖の様にしてあきなに振る。

つまらなそうに息を深く吐いて、あきなは剣で、鎖を砕く。

鎖の残骸が、あきなの前に散乱する、さぁ突撃しようとした所、真上に
さやかが居た、剣を振り上げていた。


あきなは真上のさやかの存在に気付かなかった為、対応に遅れた。

そのまま、さやかは剣を、力一杯振り落とした。



死んだ。
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 21:24:12.33 ID:cXG45klj0
パキンッ!と音がした。

目を力強く瞑ってた目を、ゆっくりと開くと、手に持ってた剣が折れていた。

さやかが、剣を折ったのだ。


あきな「……何故、斬らない」


さやか「あたしが斬るのは悪のみ」


さやか「あんたは良い奴そうだから斬らない」


何言ってんだ、さっきまで命を取られかけてたのに、ボコボコにしたヤツを
悪いヤツじゃないって何を考えてんだ。


さやか「……本当の事を言うと、体が勝手に動いたのよ」


あきな「……?」


さやか「……あんたを斬ろうと思ってた、だけど、一瞬、あんたの顔を見た瞬間に戸惑いが生じたの」


さやか「その瞬間、体が別の誰かに動かされたかの様に、剣を折ってた訳…」


さやか「ま、あたしの直感が、あんたは悪者じゃないって思ったのかもね」


さやかと杏子は、呆然と立ち竦んだあきなを残して建物から出た。


あきな「……負けた、か」

鼻で笑い、剣を床に乱暴に投げ捨てた。


432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 21:33:21.19 ID:cXG45klj0




                 チャプター5 
                 『堕ちた天才』 
                    

                 キュゥべえ編
               


433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 21:50:26.06 ID:cXG45klj0
宇宙のどこかにある惑星。

この惑星は、列強惑星の一つであった。
最強の惑星と呼ばれる理由は二つ。

一つは、最新の技術で作られた最強の兵器の数々。

そして、もう一つは、その兵器を作る科学者達の力である。


科学者達は、惑星の防衛の為に次々と兵器を作りあげ、侵略者から防衛したり
侵略したりしていた。


その惑星の中でも最強の帝国に、一人の科学者が居た。

その科学者こそ、キュゥべえであった。

彼はとても誠実で、仕事に対しては前向きで正義感が強い科学者であった
彼の技術力は帝国内でも大きく評価されていた。



キュゥべえ「ボクはそんな実験には参加出来ません」


「ほう、何故かね…これ程、面白い実験は無いと思うぞ?」


キュゥべえ「魔法少女なんて言ってますけど、ようするに実験なんでしょ?軍に

少女達にも出来るだけ戦わせる為の研究なんでしょ?」


「いいや、そうでは無い。どちらかというとスカウトだな」


ハゲた淵無し眼鏡を掛けた中年の白衣の男は、キュゥべえに向かって不敵な笑みを
浮かべる。


「この実験で6年間生き延びれた者を、この惑星に連れて、帝国の戦力にするんだ」


「どこかの惑星でもいい…そうだなぁ…キミは地球に行って―――」


キュゥべえ「お断りします、だから言ったでしょ、実験対象者に命が関わる様な実験はしたくない」


「……宇宙の命がかかっててもか?」


キュゥべえ「え…?」
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 22:00:17.36 ID:cXG45klj0
「あぁ…もう、キミだけしか教えないが……宇宙は終わりに近付いている」


「だから、他の星でエネルギーを摂取するしか無いんだよ」


「これが、本計画の資料だ」


紙束を見たキュゥべえは驚愕した、なんだコレは、こんなエグイ事をする気なのか…?
冗談じゃない。


キュゥべえ「……!こんなの…!尚更です!ボクは辞退させて貰います!」


怒りが爆発する前に、キュゥべえは、髪束を白衣の男に押し返して、別室へと
早歩きで行った。


「……また尋ねるよ、その時は返事を聞かせて貰うよ」


白衣の男は、そう呟いた。
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 22:09:39.85 ID:cXG45klj0
「今度、こそはちゃんとした返事をしてくれよ」

―――――――――――――――


キュゥべえは怒りに荒れてた、水をイッキに飲み干し、コップを
強くデスクの上に置いた。


「おいおい、キュレイ…どうした?荒れてるな?」


キュゥべえ「何でもない!」


同僚に思わず大きな声で怒鳴ってしまった。
同僚は肩をすくめた。


キュゥべえ「ストライカー……この前、トレイズが来たでしょ?」


ストライカー「あ?あぁ、あのハゲジジィか……もしかして」


キュゥべえ「そのもしかしてだよ、ボクに例の計画の話しを持ちかけて来た」


ストライカー「お前に?はは…でも、お前の力があったら、あんな計画……」


キュゥべえ「朝飯前だとでも?」


睨みつける様な目でストライカーを見る。


ストライカー「その目で睨むなよバカ、恐いんだよ」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 22:13:12.49 ID:cXG45klj0
キュゥべえ「いいかい、あんなエグイ仕方をしなくても、別の方法で宇宙を救えると思うんだ」


キュゥべえ「だから、ボクがなんとしてでも別の方法を探す」


ストライカー「………」


同僚のストライカーは黙った、何かを思いつめた表情だった。


ストライカー「ま、お前なら何とかなるかもな…そんじゃあな『天才』」


ストライカーは、部屋から出て行った。
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 22:25:46.35 ID:cXG45klj0
キュゥべえは探した、宇宙を別の方法で助ける方法を。

何度も。何度も。

しかし、見つからない、あの計画が実施される前に早く見つけなくては
何か方法があるはずだ……考えるんだ……。



そしてキュゥべえは遂に見つけた。

宇宙を救う方法を。


これを実施すれば、あの計画は空中分解してしまう…!
やった、様々な人が不幸にならずに済んだぞ!


喜びの余り、笑い声が溢れた。



だが。



その方法を発見してから三日後、キュゥべえは『皇帝暗殺未遂容疑』で逮捕された。

いきなり捕まえられ、キュゥべえは混乱していた、そんな訳の分からない罪を擦り付け
られたからだ。

思ったよりも早く釈放されたが、惑星の国民達は、キュゥべえを批難した、見つけただけで殴り
罵声を浴びせ、ストレス発散の為にキュゥべえを探す者までも現れた。

最終的にはキュゥべえは強度なストレスの為、薬に手を出してしまう。


そして計画実施の一日前……キュゥべえはフラフラとした足取りで研究所に向かったが…

キュゥべえは驚愕した。

研究所は燃え盛る炎に包まれていた、何もかも燃えていた、宇宙を救う別の方法を書かれた
資料までも。

何でだ。

何でこんな事に。ボクは早く宇宙を助けようと思っただけなのに。

何でこんな目に。


すると、キュゥべえの携帯が鳴る。
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 22:34:34.56 ID:cXG45klj0
電話に出ると、聞き覚えのある声がした。


ストライカー『悪い、キュレイ…』


同僚のストライカーだった。


ストライカー『あ、あのハゲジジィに脅されて、お前の研究所を燃やさないと、妻や娘を殺すって

脅されたんだ!頼む!許してくれ!』


キュゥべえは黙っていた。薬のせいか、ストライカーが笑っている様に聞こえる。

キュゥべえの心の中から何かが吹き出た、ドス黒い、ドロっとした闇が。


そしてキュゥべえが、ようやく喋った。


キュゥべえ「……事情は分かった、ストライカー、今、どこに居る?」


ストライカー「オ、オレの研究所だ……」


キュゥべえ「キミの妻と娘もその研究所に連れて来るんだ」


ストライカー「あ、あぁ!分かった…!」


ストライカーは何の警戒心もなく、自分の妻と娘を呼ぶ事を
約束した。


電話を切ると、キュゥべえの表情は無表情だった。

目から血涙が流れている事に、自分自身は気付いてない。
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 22:46:31.08 ID:cXG45klj0
数時間後。

外は完全に真っ暗で、大雨が降っていた。

研究所内では
ストライカーは、そわそわしており、ストライカーの妻は、まだ4歳ぐらいの娘を
遊ばせていた。


他の研究員達も、キュゥべえをどう匿うか相談していた。

そんな中、突然、停電した。


「何だ?」


すると、門が開く。

人影が立っていた
ストライカーは目を凝らして良く見ると、キュゥべえだった。

ホッと息をするが、キュゥべえが持ってる者を見ると、体が凍りついた。

ポンプ式ショットガン。キュゥべえはゆっくりとした動作でショットガンの
狙いを定める。


ストライカー「ま、待て!キュレ――」


ショットガンの轟音が、ストライカーの声をかき消し、ストライカーは血煙を吹き出しながら
吹っ飛んだ。


「な、何だ!?」


「一体何なんだ!?」


「何が起きてる!?」


パニックに陥った研究員達は、ガムシャラにあちこちに走り回る音やストライカーの
娘の泣き声も聞こえる。


キュゥべえは音だけを頼りに、次から次へと撃っていった。


何回か撃つと、音が消えた、娘の泣き声だけだった。

キュゥべえは手探りで、コントロールパネルを開けて、緊急点灯装置を点ける
辺は真っ赤に光に包まれると、複数の死体が転がっていた。
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 22:52:41.48 ID:cXG45klj0
奧の方に、妻が体中から血を流して倒れているのが分かる。

その妻を揺する、娘が泣き叫びながら二度と起きない母を起こそうとして
いる。


娘はキュゥべえを見ると、涙が大量に溢れ出てきてる事に気付いた。


キュゥべえ「痛い事はしない。目を瞑って」


優しくそう言うと、娘は言われるがままに目を瞑る。

そしてキュゥべえは、ショットガンを大きく振り上げ台尻で、娘の頭を叩き割り。
娘は力なく倒れた。

今日、ストライカーの娘の誕生日だという事を思い出すと、ショットガンを痙攣している娘の
顔に突き付けた。


キュゥべえ「ハッピバースディートゥーユー」


歌うようにそう言うと、引き金を引いた。
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 22:56:44.92 ID:cXG45klj0
キュゥべえの白衣は血で真っ赤になっていた。

さぁ帰ろうと、研究所から出ると、白衣の中年男性が立っていた。

「よくやったキュレイ、合格だ」


拍手しながら言った。


キュゥべえ「……どう言う事です?」


「……もう一度聞くが、キミはこの作戦に参加するかね?」


白衣の男は紙束を取り出す。

その髪束を見たキュゥべえは、笑った。


キュゥべえ「……報酬は、薬だ」
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/26(火) 23:06:43.61 ID:cXG45klj0
―――――――――


眠りから目が覚めると、ムスッとしたほむらの顔が飛び込んで来た。

思わず寝てたのか、クソッ……。


キュゥべえは頭を抱えながら立ち上がり、パソコンを見ると、通信が来ていた。

通信を繋ぐと、キュゥべえはヘッドホンをした。


『大変だ、美樹さやかにそちらの居場所を嗅ぎつけられたぞ』


キュゥべえ「何……?」


『スロングのヤツがチクッたんだよ』


あのロリコンがか、頭が良い変態だと思ったが、無能で変態だとはな。


だとすると、さっさとこの場から去るか。


キュゥべえは、ほむらを拘束してるロープを外し、軽トラックに無理矢理押し込んだ。


ほむら「あんた、この子まで拐って…!」


タツヤの存在に気付いたらしい、そんな事はお構い無しに、ほむらの膝の上に、タツヤを乗せた。

大急ぎで荷台に詰んだ、軽トラックを発進させた。
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/27(水) 14:07:18.10 ID:ALUWJT/n0
軽トラックを、民家の前に止め、荷台に積んであったゴルフクラブを取り出し
民家の中に入った。


玄関から進むと、全裸の男が床に転がっていた。

その男は、誰かが入って来たと思い、後ろをみると、誰かが立っていた。
見上げると、キュゥべえの笑みがあった。



「あ…!キュ、キュレ…い、いや、キュゥべえ!大丈夫だったの――」


言い切る前に、手に持っていたゴルフクラブを振り下ろして、首をへし折った。


痙攣している男に、タンスの中にあった、黒いスーツを男に着させて、玄関に置いてあった
ブルーシートを持って来て、男をブルーシートに包んで、ガムテープでグルグル巻にする。


ブルーシートを担いで、荷台に積み込み、再び軽トラックを動かす。
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/27(水) 14:24:45.75 ID:ALUWJT/n0
今度は人気がない場所に来た。

ポツンと、光が点いているビルの前に止め、そこで降りた。

濟賀組の事務所だ、この時間だと、濟賀組の構成員は全員集まってるハズだし
人は絶対に通り掛からない…と、思う。


荷台から、今度はポンプ式の散弾銃を取り出して、事務所に向かった。


勢い良く開けると、鳩が豆鉄砲を喰らった様な顔して立っている、組長の濟賀がいた。


濟賀「な、なんやおま――」


轟音と共に、濟賀の顔は吹っ飛び、突然の事態に慌てた回りの構成員達は武器を取りに行ったが
背を向けてる隙に次々と撃っていった。


事務所は一瞬で血で染まった、トイレで隠れてたヤツが居た、そいつはスラッグ弾で
鍵が掛かっているドアごと撃ち殺した。


とりあえず、死体の山を築く事が出来たので、外に出てブルーシートを引っ張り出して
男を血だまりの上に転がした。

コピーしていた濟賀組の代紋を男に着させたスーツに付け、散弾銃で顔面を撃った。
顔が吹き飛んで、辺に色んな物が飛び出た。


事務所から出て、白衣を荷台に置いて、ダンボールの中からミネラルウォーターを
浴びて、返り血を洗い流す。白衣は後で選択する事にした。

バスタオルで頭を拭いて、ワイシャツやズボンも拭いておいた。

軽トラックに乗ると、ほむらがキュゥべえの後ろに見える、事務所のドアが開けっ放しで
事務所の中の無残な死体の山を見ると、吐きそうになっていた。


猿轡をさせているが、吐かれたら吐かれたで困る。
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/27(水) 19:10:43.60 ID:ALUWJT/n0
アイツは粛清したし…とりあえず、次はさやかを粛清するか。


キュゥべえ「……ほむら、もちろんキミも後で粛清する」


キュゥべえ「キミはずっっとボクの邪魔をするからね」

ほむらはキュゥべえを睨みつけ、何かを言ってる様に見えるが
運転に集中する。


キュゥべえ「うぐっ!?」


突然、頭が痛む。

フラッシュバックだ。
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/27(水) 19:26:19.13 ID:ALUWJT/n0
――――――――


マミ『―――ティロ・フィナーレ!』


さやか『やったぁ!』


何だ、この映像は…。

ん…?マミ、さっきの攻撃で魔女の本体が出て……あ、食われた。


黒く長い魔女にマミは食われ、キュゥべえは、ずっとケーキとか甘い物ばっかり
食べてたから、きっとさぞかし甘い味がしたんだろうな、と思った。


すると突然、頭が痛みだした。


QB『なんて事だ、マミが死んだ』


QB『そんな、マミ』


QB『何で死んでしまうんだい…』


キュゥべえ『………お前は感情を抜いたハズだが』


QBは何も答えなかった。


QB『マミはキミの事を友達と言ってくれた子なんだよ?』


キュゥべえ『知らないよ、そんな事。あんなのが死んでもボクは痛くも痒くもない』


キュゥべえ『友達が出来たから浮かれて死ぬ。そんなマヌケな死に方を死ぬ様なヤツなんか……』


キュゥべえは鼻で笑った。マミの死をどうとも思っていなかった、自分も死を恐れていない
もう失う物は何も無いからだろう。


むしろ、キュゥべえにとっては死は救いに思ってるのだろう。
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/27(水) 19:35:04.90 ID:ALUWJT/n0
キュゥべえ「ゴハッ!ガハッ…!」


長いフラッシュバックの様な物が終わると、キュゥべえは汗が滝の様に
流れていた。


それにしても頭が重い、と思うと手を頭に伸ばす、柔らかい手触りがした
バックミラーに映ってたのは、キュゥべえの頭の上に、QBが乗っていた。

何でコイツ、自分の上司の頭の上で寝てるんだ。

フッと隣を見ると、笑いを堪えてるほむらがいた
キュゥべえは頭に乗ってるQBをそのままにして運転し始めた。


もう知るか。
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/02/28(木) 13:44:39.50 ID:MyOKjQBN0
しばらくして、軽トラックを止め、ほむらを下ろす。

寝ているタツヤもついでに下ろした。


荷台から散弾銃を取り出し、ほむらをタツヤを抱えたまま壁を背にした立たせた。


ほむら「………」


キュゥべえ「それじゃあ、キミの処刑を始める」
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/03(日) 23:36:14.94 ID:IkqIgTFM0
散弾銃を構えて、狙いを定るが。

後方から銃声が聞こえ、キュゥべえの右肩に銃弾が貫通した。

キュゥべえが後ろを振り向くと、男が立っていた、能登村だった。


能登村「よぉ、こりゃ現行犯逮捕だなオイ」


能登村「でも悪いが、テメェの場合は逮捕なんて生温い事しねぇよ」


能登村「少女射殺事件の犯人さんよぉ」


鬼の様な形相で拳銃を構えていた、コイツは確実に殺す気だ、何を考えてんだ
ここは日本だぞバカ。


能登村「一課の刑事が本庁のヤツらに動かない様に待機されて、しかも本庁のヤツらも動きもしない…

本庁のヤツらの中にテメェの手先でも居るんじゃねぇのか?」


キュゥべえ「………能登村刑事、銃を下ろしてくれない?誤って後ろの子を――」


能登村「安心しろ、今は、俺とテメェと二人っきりだ」


後ろを振り返ると、ほむらとタツヤの姿が無かった。恐らく、能登村の部下、一条刑事に保護されたのだろう
しまった、話してる隙を突かれたか。


まぁ、大丈夫だ。能登村を撃ち殺せば済む―――


散弾銃を能登村に構えようとした瞬間に、能登村が躊躇いもなく発砲した。

キュゥべえはとっさに避けて、頬をかすめる。


散弾銃を構えて狙いを定めるが、能登村の矢の様な蹴りがキュゥべえの顔面を捕らい
後ろに吹っ飛ばされる。


頭がクラクラする。意識が朦朧とする中、能登村が拳銃を構えてる姿が見えた。

450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/03(日) 23:52:10.49 ID:IkqIgTFM0
能登村が発砲する前に、姿勢を低くしてタックルをした。

キュゥべえの体当たりが、クリーンヒットして、後ろに飛ばされ
手に持ってた散弾銃で能登村に目掛けて振り落とす、が能登村は素早くかわして
素早く立ち上がり、手に持ってた散弾銃を蹴り飛ばされる。


能登村は殺意溢れる目で、キュゥべえの眉間を目掛けて拳銃を構えた。



轟音が響いた。


キュゥべえ「…………」


能登村はフッと腹部を見ると、赤黒い穴が空いていた。

再び顔を上げると、キュゥべえは散弾銃を持ってた手とは逆の手に
拳銃を持っていた。

白衣の内側のポケットに隠していた拳銃を素早く取り出して、能登村の腹部を
撃ったのだ。


キュゥべえが持っていた拳銃が火を吹くと、能登村の眉間から血が噴水の様に
吹き出た。


そのまま、力弱く、能登村はうつ伏せに倒れた。

少女の代わりに無念を晴らそうとしたらしいが、無駄に終わったな能登村。
そういう正義が命取りになるんだ。


キュゥべえは能登村の死体を見下ろして、嘲笑った。
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/04(月) 00:01:55.78 ID:2rkgl0NZ0
能登村の死体をブルーシートに包み、軽トラックの荷台に積んで、ナンバープレートを念の為に
変えておいた。


一条とほむらを粛清する前に、能登村の死体を処理しないとな。警察は、動けない様にスパイを使って
動けない様にしているが、放っておくと、誰かが、たまたまここを通りかかり、通報しかねない。


軽トラックに乗ろうとすると、バックミラーに影が見えた。

誰だ、恐らく。先程のやりとりを見ていたのか?

マズイと思ったキュゥべえは拳銃を懐に入れ、その影を追った。
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/04(月) 00:07:16.11 ID:2rkgl0NZ0
路地裏を曲がると、小走りする後ろ姿が見えた。

遠目でも分かった、呉キリカだ。


まったく、よりにもとってあのレズビアンに見つかるとはな。


溜息をつきながら、キュゥべえは拳銃を取り出して、キリカ目掛けて狙う。

すると、キリカは何かを感じ取ったかの様に走り出して、キュゥべえは慌てて
三発発砲するが、取り逃がしてしまった。


軽く舌打ちすると、キュゥべえは拳銃に赤色の弾丸を入れ、キリカを追う。
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/04(月) 00:20:46.82 ID:2rkgl0NZ0
キリカ「ハァ…ハァ…もう…何なんだ…!?」


キリカはキュゥべえの追撃から振り切って、建物の中に逃げ込んでいた。



キリカ「それにしても……あの白衣のヤツ…無茶するなぁ…」


暫くすると、誰かが階段を上ってくる音が聞こえた。
総毛立ったキリカは、ソウルジェムを取り出して、魔法少女に変身しようと
するが、何故か魔法少女になれない。


キリカのソウルジェムは白い白濁の液体に満たされていた、徐々に近付く足音に
焦りを感じたキリカはソウルジェムを大きく振り始めた。



キュゥべえ「無駄だよ」


キュゥべえ「魔法少女について研究させた小早川蓮美が作った魔法ジャマーだよ」


キュゥべえ「彼女は人間の技術の割には、結構よく出来ているよ。彼女を手放すのはやっぱり惜しかったな」


陽気な声で、キュゥべえが拳銃をクルクル回しながら、キリカに近付いてきた。


キュゥべえ「もちろん、このジャマーが張られている間は、魔法は全部無効。キミは。もうただの人間だ」


キリカ「き、きみは…一体」


キュゥべえ「あぁ…いつもは声変換機を使って、分かりにくいか。ボクだよボク、キュゥべえだよ」


鳥肌が立った。コイツがあの…?しかし、キリカは動揺した感じは見せないように努力した。
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/04(月) 00:29:26.59 ID:2rkgl0NZ0
キュゥべえ「さて、キリカ。最後に言い残す事は無いかい?」


そう言って、拳銃を構える。


キュゥべえ「あ、そうだ」


キュゥべえ「普通の魔法少女にして、ネガティブ系魔法少女に近い性格を持つキミを実験するっていう方法があるな」


キュゥべえ「キミをいつか実験しようと思ってたんだ」


目を輝かせながら、キュゥべえはそう言い。キリカの背筋に悪寒が走った。


キュゥべえは歩いて、キリカに近付く。キリカは石の様に体が動かなくなっていた
何故かは分からない……この化け物に恐怖してるというのだろうか…。


キュゥべえは薄く笑った。
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/05(火) 01:26:10.79 ID:+246BsaQ0
マミ「キュゥべえ…あぁ…キュゥべえ…」QB「………」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362326556

息抜きスレ
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/05(火) 08:35:52.73 ID:g+wwylLu0
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/05(火) 22:38:17.62 ID:+246BsaQ0
キリカを気絶させ、軽トラックの助手席に乗せた後、軽トラックを発進させた。

警察が検問とかしてたら、完全にアウトだったかもしれない。でも、その心配は無い

ここの警察は、予め潜入させている仲間に動けない様にしてるから大丈夫だ。


それにしても、能登村はどこまで知ってたんだ?計画全体を知ってたとすると…一条も…
いや、それは無いな。能登村の性格からして、一条…部下を危険な目にあわせる訳にはいかないから。
しかし、どちらにせよ、一条は障害になる事には変わりは無い、手っ取り早く、粛清しなければ…。


その前に、能登村の死体の処理とキリカの拘束がまだ残ってる。

458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/05(火) 22:51:09.57 ID:+246BsaQ0
その時、腕が唐突に痙攣し始める。

咄嗟に気付いたキュゥべえは軽トラックを止めて、プラスチックのケースの
中から注射器を取り出し、腕に打つ。


キュゥべえ「よりにもよってこんな時に……」


『そろそろ限界じゃないのか?』


隣で気絶していたハズのキリカが口を開いた。
キリカの目は、灼眼に光っていて、白衣をまとっていた。
しかし、キュゥべえは、これが幻覚と幻聴だという事にすぐに気が付いた。


キリカ『薬もそろそろ無くなってきたじゃないか、本気で鹿目まどかに契約を迫った方がいいじゃないか?』


キュゥべえ「……だが」


キリカ『お前自身が出ればいい、お前自身が鹿目まどかの前に現れればいい』


キリカ『なぁに、鹿目まどかの前にお前は現れれば、暁美ほむらだって来るさ』


キリカ『邪魔者を始末出来るチャンスだぜ?』


不気味に笑を浮かべ、淡々とキュゥべえに語りかける。


キリカ『まぁ、障害になるヤツはとっとと消せばいい、今までだってそうしてきただろうが』


キュゥべえ「………!」


視界が一瞬だけ暗転して、目を覚まし、隣を見ると、キリカは気絶したままだった。

気が付くと雨が降り始めていた。

459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/05(火) 22:56:54.58 ID:+246BsaQ0
障害になる者……まずは巴マミだな。

巴マミはいずれボクの存在に気付くかもしれない、そして新たな脅威になるのは
必然的だ。


いや、利用という手もあるな、巴マミを騙して、ほむらを粛清させるっていう手も…
それならいけるかもしれない、あの女は単純そうだからな。

ちょっと優しくしたらすぐに騙されるヤツだ、チョロイもんさ。


待てよ、とキュゥべえは思考を巡らせる。


今現在で障害になっているのは、さやかだ。

それならば、さやかから粛清しよう。それがいい。

キュゥべえは白衣のポケットから携帯を取り出した。

460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/05(火) 22:58:48.99 ID:+246BsaQ0






            チャプター2
          
            『灰は灰に』
          





461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/05(火) 23:12:26.02 ID:+246BsaQ0
結局、能登村は埋葬という形になった。

こんな事もあろうかと、予め掘っておいた穴に埋めた。

夜・雨の最悪のコンディションの中で森の中からこの場所を見つけれたのは奇跡と言ってもいいだろう。

まぁこれで邪魔者は減った、能登村の粛清がまさかこんな形で出来るとは思わなかった。


さて、今度はキリカの拘束……その後は本格的に邪魔になる者は全て切り捨てる。

穴をしっかりと塞ぐように、シャベルで叩いて平たくする。
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/05(火) 23:25:10.60 ID:+246BsaQ0
キュゥべえは軽トラックに戻り、タブレットを取り出してスケジュール表を出す。


とりあえず一番邪魔なのは、ほむらだが、先に潰す者を決めておこう。


『今までの時間軸』で出てこなかった魔法少女を全て切り捨てる。


それはほとんどがネガティブ系魔法少女になるのだが……特に小早川 渚は早めに粛清が必要だ。


2年前ぐらいにネガティブ系魔法少女のシステムを中止されて、ネガティブ系魔法少女に関する資料や全部
処分されているらしい。


まったく、余計な事しやがって。
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/05(火) 23:27:42.69 ID:+246BsaQ0
ボクがネガティブ系魔法少女を粛清してる間に、さやかはどうしよう。


あぁ、そうだ。仲間に任せればいいか、この前作った、生物兵器をアイツに
飲ませればいっか。


それなりの戦力にはなるだろう。
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/03/05(火) 23:57:55.24 ID:+246BsaQ0
今日はここまでです。

自分でオリキャラ書いてて、何日かするとそのオリキャラの設定や性格を忘れたりします。

オリキャラが多すぎて混乱する人が多いらしいですので。

ちょっと数を減らします。



続けていく自信が無くなってきましたが、最後まで出来るように頑張ります。
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 15:20:29.78 ID:h0T1u/OC0
――――――――――――――

少女が顔が半分になりながら、数メートル飛んだ。


キュゥべえは、見滝原の広範囲に魔法妨害装置を設置しているので、ネガティブ系魔法少女達を
普通の少女に戻しているので、即効回復魔法も無効になっている。

死んだネガティブ系魔法少女のソウルジェムは、ドロドロに溶けていく。


キュゥべえは紙束を取り出して、一枚一枚に×印をつけている。

結構、殺したな。橘は失踪したらしいし、円形四天王の二人は粛清して残りの二人も失踪した
恐らく、小早川蓮美に泣きつきに行ったのだろう。


ちょっと路地裏に入ったり、人気の無い所を入ったりすると、必ずと言っていいほど魔法少女同士で
争っている現場に入ってしまう。


魔法少女同士で殺し合いして貰うのは結構だが、絶望させろよ。と、キュゥべえは心の中で愚痴る。
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 15:26:57.62 ID:h0T1u/OC0
そろそろ、さやかが生物兵器と戦ってる時間だな。この辺りには魔法少女も大体、殺したし
後で見に行くか。


しかし、魔法妨害装置の事を思い出すと、溜息をついて、回収に向かう。


もうそろそろ、この戦争に終止符を打とう。まどかを拉致って契約させるしかない
強引な方法でもいい、まどかさえ手に入ればコッチの物だ。


それなら、アイツを使えばいい。アイツは、さやかを絶望させる為に送り込んだヤツだが
一刻の猶予も無い。


キュゥべえは携帯を取り出した。
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 15:36:25.94 ID:h0T1u/OC0
――――――――――

まどかは学校の教室に呼び出されていた。

学校は静まり返っており、久々に教室に戻って来た事を実感している内に
まどかを呼び出した人物が教室の中に入って来た。



まどか「………あ、仁美ちゃん?」


仁美「お待たせしました、鹿目さん」


まどか「あれ?仁美ちゃん…どうして、白衣なんて着てるの?」


仁美は何も言わなかった、ただ固く口を閉ざしていた。

重苦しい空気が教室に広がる。ただ、目の前に友人が居るだけなのに、何故か
身の危険が感じる、脳が逃げろ、と指示してるかの様に、まどかの体は自然と後ろに下がった。

それに続いて、仁美は無言で前に出た。
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 15:43:58.26 ID:h0T1u/OC0
まどか「ひ、仁美ちゃん…?」


一気にまどかとの間合いを詰めて、仁美がポケットから取り出した無地のハンカチを
まどかの鼻と口に押さえつける。


仁美はまどかの服の襟元を掴んで、机の上に押さえつけた。


三分ぐらい経つと、まどかは大人しくなった、気絶している事を確認すると、まどかを背負い
誰かが来る前に、仁美は部屋から出た。
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 15:49:43.92 ID:h0T1u/OC0
―――――――――――


キュゥべえ「…………」


キュゥべえはイラついていた、さやかを殺すハズだった生物兵器は無残に細切れにされていた。
生物兵器を体に植えつけた実験体に対して、八つ当たりの様に、撃ち殺した。

折角、一般人が通らない様に、仲間を大掛かりに使ったのに。


そんな事より仁美からの連絡が来て、まどかの拉致は成功した様だ。
よし、とキュゥべえは小さくガッツポーズを取った。
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 16:07:48.70 ID:h0T1u/OC0
キュゥべえは注射器を取り出して、腕に打とうとするが、少しだけ思い留まった。

この薬は精神安定剤みたいな物だが…もし、薬を摂取するのを止めたらどうなるのだろうと。
背筋が凍りついて、軽く頭を振り、注射を打った。


その時、車がキュゥべえに近付いて来て、運転席の窓が開いた。

仁美だった。


キュゥべえ「まどかは?」


仁美「後部座席で寝てますわ」


キュゥべえ「そうか…!」


思わず笑みが出そうだったので、手で押さえる。

この生物兵器を始末する様に仁美が既に仲間に連絡しているらしい、有能な同僚を持つ程
幸運な事は無い。


キュゥべえは車の助手席に乗り込み、仁美は車を発進させた。
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 16:13:33.55 ID:h0T1u/OC0
仁美「鹿目さんは…もう魔法少女にするんですの?」


キュゥべえ「あぁ、当たり前さ、早くしないとほむらがボク達の居場所を突き詰めるかもしれない」


仁美「美樹さんは?」


キュゥべえ「本星からロブスターを取り寄せる、ロブスターと戦って貰うよ」


仁美「ロブスターですか…?」


ロブスターと言っても、モチロン地球サイズのロブスターでは無い。

全長約158メートルあるロブスターだ、コレとさやかを戦わせる、まぁ、さやか程度では
即死だろうな。

キュゥべえは腹の中で笑うが、仁美はなんだか気が進まない様な表情をしていた。
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 16:22:06.06 ID:h0T1u/OC0
――――――――――


夜、キュゥべえと仁美は地下研究所に来ていた。

ロブスターの転送を待っていたのだ。


しかし、すぐにロブスターは転送された。


キュゥべえ「おぉ…おぉおおおおおおおお!!???」


光の中から、長い触手が出てきた。

仁美とキュゥべえは走って研究所から抜け出した、仁美が予想以上にデカい物が来たので、驚いて
逃げる途中コケていた。
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 16:26:23.13 ID:h0T1u/OC0
ある程度、走ると、街の中から怪獣の様な巨大なロブスターが現れた。

これは、さやかには悪い事したな、とキュゥべえは初めて罪悪感を覚えた。


こんなの怪獣じゃないか…いや、怪獣と言えばベムスターだろう、ベムスターと比べれば
巨大ロブスターなんて可愛い物だろう。


キュゥべえは頭の中で、ウルトラマンジャックと戦うベムスターを連想した。
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 16:35:44.71 ID:h0T1u/OC0
キュゥべえと仁美は巨大ロブスターを放置したまま、その場を離れた。


コレでさやかもそうだが、全て終わるな、確実に。


勝利を確信した途端、胸から鮮血が吹き出る。

意識が朦朧とする中、目を細めると、目の前にほむらが立っていた。
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 16:36:48.99 ID:h0T1u/OC0





        




            jfeiofio@ek23gs
            『塵は塵に』
  





476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 16:45:36.13 ID:h0T1u/OC0
あきなは巨大ロブスターの存在に気付いた、何だアレは。


さやか「うわっ!?何だアレ!?」


建物の外から、さやかの声が聞こえた。

考えてる暇は無い、杏子が居るからまだ大丈夫かもしれないが、真っ先に、さやかがやられるかも
しれない。


あきなは、建物から飛び出すと、既に杏子は戦いに向かっていた。


さやかも今すぐに戦いに行こうとした、が、あきなは慌てて、さやかを掴んで
後ろに投げ捨てると、巨大ロブスターに向かって走った。


さやか「何すんのさ!」


さやかの怒声を聞き流し、あきなは降り掛かる巨大なハサミを剣で両断する。


杏子は驚いて、こちらを見ていた。しかし、ハサミは直ぐに復活して、あきなに殴りかかる。
あきなは横に移動して、何とか回避した。


何だコイツ?ザリガニ?ザリガニの魔女か何かか?
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 16:51:46.61 ID:h0T1u/OC0
あきなは呑気にそんな事を考えていると、ロブスターの口から白い液体を吐き出した。

白い液体を浴びた、あきなは飛ばされて壁にに衝突した。


杏子「このッ!」


槍を刺すが、甲羅があまりにも固く全然貫けなかった。


さやか「加勢するよ!」


さやかも続いて、杏子の元に向かう。


あきな「クッ……」


あきなは白い液体の中から出てきた、液体はドロドロとしているので体が重い。
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 16:58:51.92 ID:h0T1u/OC0
黒いレインコートを脱ぎ捨て、出来るだけ体を軽くする。

あきなは疾風の如く走り出し、ロブスターとの間合いを詰める、ロブスターの隙を完全に付いて
剣を突き刺す。

しかし、まったく甲羅は貫通しなかった。


気が付くと、頭上にロブスターの巨大なハサミを振り落としそうな素振りを見せていた。

当たれば確実に粉々になるかも、とそんな事が頭に過ぎると、次の瞬間ハサミは粉砕された。

爆風に投げ出されたが、あきなは受身を取って起き上がり、振り返ると、見覚えのある人物が居た。


マミ「大丈夫?美樹さん?」
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 17:00:40.32 ID:h0T1u/OC0
さやか「マミさん!?どうしてここに!?」


マミ「あれ…?美樹さんが二人…?」


あきな「………」


さやか「コイツは偽者です!」


あきな「偽者って…」


反論しようとしたが、止めた。今は論議してる場合じゃない。
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 17:56:42.43 ID:h0T1u/OC0
あきなは、マミの持っていたマスケット銃をひったくり、ロブスターの元に向かった。

マミに何者か聞かれると、ややこしくなるので逃げる様にマミからロブスターの方へ走った。


ロブスターをジャンプして飛び越し、甲羅に目掛けてマスケット銃を振り上げ、甲羅に
マスケット銃の台尻で殴る。

出来る限り多く殴り、少しだけ甲羅にヒビが入る。


マスケット銃をマントの中に仕舞い、剣を取り出して、ヒビに突き出そうとするが、ロブスターは
急に暴れ出して、あきなはバランスを崩してロブスターの上から落ちた。
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 18:19:05.17 ID:h0T1u/OC0
ロブスターはハサミを振り回して暴れている。

あきなは、あの状態で背後に回る事は無理だな、と思うと、居合の構えを取り、そのままロブスターに向かって走り出した。


杏子「どわぁ!?」


杏子はハサミに直撃して飛ばされ、あきながロブスターの顔の前に来ると、左右からハサミが飛んで来たが、両方共
剣で一瞬にして粉砕した。


再び、液体を吐き出そうとした瞬間、マントに隠し持っていたマスケット銃を構え、ロブスターの口内に発射する。
ロブスターの口は粉々になり、白い液体が滝の様に流れている。


ロブスターが動揺している間に、瞬時に背後に回り、ロブスターの甲羅のヒビに目掛けて剣を強く突き刺した。
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 18:30:37.20 ID:h0T1u/OC0
―――――――――


ほむら「あなたは……志筑さん?」


仁美「………」


ほむら「あなた…!どうしてこんなヤツなんかと…!」


ほむらの疑問の声を仁美に投げかけるが、仁美は血塗れのキュゥべえを見下ろしたままだった。


仁美「……『死はボクにとっては救いでしかない』そうでしたわね、キュレイ」


ほむら「志筑さん?何を言って――」


突然、見滝原中に獣の様な叫び声が響いた。

地面が揺れ始めた。


仁美「でもキュレイ、貴方はここで死ぬ人ではありませんの、もちろん暁美さん、貴方も」


仁美「暁美さん、お手数ですが、『ゼロ』からやり直して下さいまし」


ほむら「志筑さん!?あなた、何者――きゃっ!」


地割れが始まり、ほむらは奈落に落ちた。


仁美「暁美さん、ゼロから巻き戻したら小早川 渚と美樹あきなに会うのです」


仁美「そうすれば、全ての謎が解けますわ」


仁美「ま、貴方が覚えていたらの話しですが」


ほむらの視界は暗転した。
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/03/06(水) 18:32:10.81 ID:h0T1u/OC0
このスレは終わりです。

次に続きます。
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/03/10(日) 01:10:48.88 ID:1wGg4Q2l0
ほむら「絶対に貴方を潰す」キュゥべえ「絶対にボクはキミを殺す」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362562999


『本部』再来。
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