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和久「見滝原残酷物語」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 21:58:31.28 ID:tEix+pPB0
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714194866/

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 21:59:31.14 ID:tEix+pPB0
鹿目家寝室 PM8:00

鹿目家の専業主夫である和久は、いつものように長男タツヤを
寝かしつけようとしていた。

知久 「さあタツヤ、そろそろお休みの時間だよ」
タツヤ「パパ〜、寝る前にお話してえ」
和久 「わかったよ、今日は何がいいかな」
   「桃太郎?浦島太郎?」
タツヤ「タローは飽きたぁ」
和久 「そうか、何回も話したから飽きちゃったか」
   「ん〜と、タツヤはどんな話を聞きたいのかな?」
タツヤ「こわいのがいー」
和久 「怖い話か」
   「(そういえば最近、ねないこだれだの絵本がお気に入りなんだよな)」
   「タツヤも大人になったんだね」
   「でも、パパの怖い話はとびっきりだからトイレに行けなくなっても知らないよ?」
タツヤ「トイレひとりでいけるもん」
   「たつやおとなだもん!」
和久 「ああそうだね、悪かったよ」
   「よーし、じゃあまずはこの話からだ」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:00:15.32 ID:tEix+pPB0
************

【ワルベス様】
元ネタ:グリム童話「コルベスさま」

昔、お菓子の魔女とおめかしの魔女がいて、一緒に旅をしようと思いました。
それでお菓子の魔女は、四匹の使い魔ピョートルの車輪がついた車を用意し
おめかしの魔女は使い魔のももいろさんとあかいろさんを二人づつ呼び出し
四匹を車につなぎました。お菓子の魔女とおめかしの魔女は一緒にその車に乗り
一緒に出かけました。

まもなく委員長の魔女に会いました。委員長の魔女は二人に訊きました。

委員長「ドコニイクノ?」

お菓子の魔女が、

お菓子「ワルベスサマノイエニイクトコロダヨ。」

と答えました。

委員長「イッショニツレテイッテ。」

と委員長の魔女が言いました。お菓子の魔女は、

お菓子「イイトモ、ウシロニノッテ。マエダトオチルカモシレナイカラ。
    ピョートルヲヨゴサナイヨウニキヲツケテネ。シャリンタチヤコロガレ。
    モモイロサンアカイロサンタチヤ、キーキーナケ。ワタシタチハ、
    ワルベスサマノイエヘイクトコロ」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:00:53.71 ID:tEix+pPB0
と言い、おめかしの魔女と委員長の魔女と一緒に出かけていきます。
このあと、救済の魔女が来て、それから人魚の魔女が、それから銀の魔女が、
それから武旦の魔女が、それから此岸の魔女が来て、みんな車に乗り、
一緒に行きました。一行はワルベス様の家に着きました。ところが、
ワルベスさまは留守でした。あかいろさんとももいろさんたちは車を納屋に入れ、
お菓子の魔女はおめかしの魔女と一緒に止まり木に飛び、委員長の魔女は
暖炉のそばに座り、人魚の魔女は井戸の柱の上に座りました。銀の魔女は
タオルの中へ転がって潜り、武旦の魔女は大きな椅子の影に入り、
此岸の魔女はベッドに飛び乗り大きな枕の真ん中に入り、救済の魔女は
戸の上に寝ころびました。

それからワルベスさまが巨大な歯車を回転させながら帰ってきて、暖炉の
ところに行き、火をつけようとしたら、委員長の魔女がワルベスさまの
顔に灰を投げつけました。ワルベスさまはその灰を洗い落とそうと
大急ぎで台所へ飛んでいきました。すると人魚の魔女が顔に水をはねつけました。
ワルベスさまは水をタオルでふこうとしましたが、銀の魔女が転がってきて
ぶつかってきました。ワルベスさまは休もうと思い、椅子によりかかりました。
すると武旦の魔女が槍で突き刺しました。ワルベスさまはかんしゃくをおこして、
ベッドに寝転がりましたが、枕に頭をのせた途端、此岸の魔女が針で突き刺しました。
それでワルベスさまは大声で悲鳴を上げ、怒って広い世界へ飛んで行こうとしましたが、
家の戸口に来ると、救済の魔女が落ちてきて、ワルベスさまをつぶし殺してしまいました。

ワルベスさまはきっととても悪いひとだったにちがいありません。


************
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:01:27.89 ID:tEix+pPB0
************

知久 「どうだった?」
タツヤ「さるかにさるかに〜」
和久 「そうだね、この話は日本のさるかに合戦によく似てる。これはドイツに
    伝わっている話なのに不思議だね。」
タツヤ「でも、こわくない・・・」
和久 「そうか・・・よし、次は怖いぞ!」

************


【わがままなマミ】
元ネタ:グリム童話「わがままな子供」

昔々あるところに母と娘がおりました。娘は器量もよく、村でも評判でしたが、
母親は数年前に夫と離婚してからというもの、新しい男を見つけてはくだらない
理由で別れ、また新しい男を見つけては別れるという悪循環の中におり、
ときたま精神が不安定になることがありました。

ある昼下がり、母と娘は午後のティータイムを楽しんでおりました。

マミ 「ふう〜、仕事も一段落して小腹がすいちゃった。お母さん、今日のおやつは何?」
和子 「今日はいただきもののシュークリームよ」
マミ 「わあ、嬉しい。あれ、お皿が出てないわ」
和子 「何ですって?」
マミ 「シュークリームを載せるお皿よ。私、手づかみのまま食べるのは―――」
和子 「まあ、何てことなの!あなたもあの人みたいなことを言うのね!?」

母親はマミの一言で夫との離婚前夜の喧嘩を思い出したのです。
何と、二人が別れた理由は目玉焼きにかけるものの相違というくだらない
ものでした。

和子 「シュークリームのお皿のあるなしも、目玉焼きにかけるものが
    塩でも醤油でも、どっちでもよろしい!!」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:02:16.90 ID:tEix+pPB0
バシッ

マミ 「きゃっ!」

母親は突如怒り、娘を思い切り殴りました。娘は床に倒れこみ頭を強く
打ち付けました。

和子 「あら、私ったらなんてことを・・・ごめんなさい、マミ。マミ・・・?マミっ!!」

正気に戻ったも時すでに遅し。かわいそうに、娘は打ちどころが悪かったのです。

和子 「どうしましょう・・・実の娘を・・・そうだわ、シュークリームに当たって
    死んだということにしましょう」

母親は何と、自分の罪を隠すために嘘をつくことにしたのです。母親はすぐに村の
神父の元へ行き、墓と埋葬の手続きをすることにしました。頭にたんこぶができた
死体を見られれば食中毒で死んだはずがないということは一目瞭然でした。
しかし、食中毒でもがいてる最中に頭をぶつけたというと、あまり深く追求されず、
娘はすぐに埋葬されました。この村の神父は飲んだくれだったのです。
しかし、その晩事件が起きたのです。突如娘の墓標前の土が盛り上がり、
娘が頭を土の上に出しました。

マミ 「げほっ、げほっ、一体どうしたことなの、いきなり生き埋めにされるなんて・・・」

実は娘は生きていたのです。単にうちどころが悪くて気を失っていただけでした。
やっとのことで、頭だけ地表に出すことができたのですが、その様子はまるで
さらし首のようでした。

マミ 「これ以上は無理そうね・・・助けを呼ばないと。誰か、誰かああああ!!」

娘は必死に声を上げます。すると、運良く旅人が通りかかりました。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:02:45.48 ID:tEix+pPB0
中沢 「あれ、今誰か叫んだような・・・」

旅人が声のした方を見ると、視線の先には墓標。おまけに下にはさらし首。

中沢 「うあわああああああああ!!」
   「助けてえええええええええええ!!」

旅人はびっくり仰天、そのまま逃げ出してしまいました。さて、幸か不幸か
助けを求めた先は娘の実家、母親のもとでした。母親は突如飛び込んできた
旅人を優しくなだめていました。

中沢 「ありがとう、だいぶ落ち着きました」
和子 「それにしても、あんなに慌ててどうかなされたの?」
中沢 「実は、墓場にさらし首の幽霊が出たんです。金髪の巻き毛の若い女でした・・・」
和子 「なんですって!?」

母親は旅人の話を聞き、さらし首の幽霊の正体が自分の娘だと確信しました。
いてもたっていもいられなくなった母親はすぐに神父のもとに行きました。

和子 「申し訳ありません、神父様。私、嘘をついていました」

母親は自分で娘を殺したことを白状しました。神父は一通り聞き終えると、
口を開きました。

詢子 「まあ、恐らくあんたの娘は恨めしくて化けて出たんだろうな」
和子 「神父様、私をお救いください。このままでは呪い殺されますわ」
詢子 「方法はないわけでもない」
和子 「わ、私なんでもしますわ!!」
詢子 「だったら、ことが済んだら出るとこに出て罪を償え」
和子 「は、はい・・・」
詢子 「よし、それじゃさっさと墓に行ってムチで娘さんの頭を叩くんだ。
    そうすりゃきっと、娘さんは地中に引っ込んで二度と出てこなくなる」

母親はすぐに家に戻り鞭を手にすると、墓へと急ぎました。
旅人の話のように、娘の首だけが地面から出ています。
娘は母親を見ると歓喜の声をあげました。助けが来たと思ったのでしょう。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:03:45.81 ID:tEix+pPB0
マミ 「お母さ――」
和子 「ごめんなさい、マミ!今楽にしてあげるわ。ターッ!!」
マミ 「ちょ・・・」

バシイッ!ビシイッ!

和子 「悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散!」
マミ 「ちょっ、痛いッ!痛いわっ!」

真夜中の墓場に奇声と悲鳴が響きます。

和子 「オワタアアアアアアッ!」
マミ 「ひでぶっ」

母親が渾身の一撃を与えると、娘の首は地中へと潜っていきました。

和子 「やったの・・・?」

正確に言うと娘は母親の攻撃に耐え兼ねて頭を引っ込めただけでした。
そして、娘が二度と地上に姿を現すことはありませんでした。

************

タツヤ「なまくびこわーい」
知久 「悪い子にしてると必ず天罰が下るってことだね。でも、タツヤいい子だから
    大丈夫だね」
タツヤ「いいこいいこ!パパーもっともっとー」
和久 「よし、次だ!」

************
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:04:11.46 ID:tEix+pPB0
【大きな首】
元ネタ:アメリカ文学「大きな指」

あるところにおばあさんがおりました。
おばあさんが墓地に散歩に出かけると地面から大きな首が生えていました。

杏子 「こりゃあいい出汁が取れそうだ」

お婆さんは首を引っこ抜くと家に持ち帰り大鍋で煮始めました。
鼻歌交じりにおたまでかき回せば香ばしい香りが家中に広がります。
しかし、そのときでした。

?? 「私の首を返してください」

外からか細い女性の声が聞こえてきました。おばあさんは知らんぷりで
お玉で鍋をかき回します。すると、再び外から声がしました。

?? 「私の首を返しておくれ!」

声はさっきよりも大きかったのですが、おばあさんは

杏子 「気の短い奴もいるんだな」

などと独り言を言いながら味見をしていました。
すると、また声がしました。今度は家が壊れるくらいに大きな声でした。

?? 『首返せ!!』

おばあさんはいい具合に出汁のとれた首を鍋から引っ張り出すと、思い切り
外に投げつけました。そして、負けないくらいのでかい声で叫びました。

杏子 『もってけ!!』

************
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:04:46.94 ID:tEix+pPB0
************

タツヤ「パパー、おーきいこえだしてどうしたの?」
和久 「はあはあ・・・これはね、ジャンプストーリーっていってね。
    語り手が突然大きな声を出して聞き手を驚かせる形式の物語なんだ。
    驚いたかい?」
タツヤ「おもしろかったー」
和久 「そ、そんなあ・・・これは自信作だったのに」
タツヤ「もっとじゃんぷ、じゃんぷ」
和久 「いや、ちょっと喉が・・・ちょっと待って。別の話を・・・」

************

【ものわかりのいい杏子】
元ネタ:グリム童話「ものわかりのいいハンス」

ものわかりのいい杏子が出かけようとしているところに
母親が尋ねました。
ほむら「杏子、どこへ行くの?」
杏子 「さやかのところへ」
ほむら「うまくやりなさいね」
杏子 「だいじょうぶ、うまくやるよ」

ものわかりのいい杏子はさやかのところにやってきました。

さやか「こんにちは杏子」
   「何か良いものを持ってきた?」
杏子 「なんにも持ってきてない」
   「何かくれ」

杏子はさやかから針をもらうとそれを干し草を積んだ車にさして帰りました。
家に帰って、母親が尋ねました。

ほむら「さやかさんに何をもらったの?」
杏子 「針をくれたよ」
ほむら「その針はどこにあるの?」
杏子 「干し草の車にさしてあるぜ」
ほむら「馬鹿ね、針は袖にさしておくものよ」
杏子 「こんどはうまくやるよおっかあ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:05:20.05 ID:tEix+pPB0
次の日も杏子はさやかのもとへ行きました。今度もらったのは剣でした。
杏子は剣を袖にさして帰り母親に呆れられました。服の袖はボロボロになりました。

ほむら「馬鹿ね、剣は鞘に入れておくものよ」
杏子 「こんどはうまくやるよおっかあ」

その次の日も杏子はさやかのもとへ行きました。今度もらったのはインキュベーターでした。

杏子 「きたねえ淫獣だなあ・・・」
QB 「やあ、僕と契約を・・・」

淫獣は何か言いましたが、杏子は構わず鞘に入れようとします。しかし、いくら何でも
細長い鞘に入れることは無理でした。

杏子 「ちっ、全然入らねえぞ」
QB 「そんなの不可能に決まってるじゃないか」
杏子 「待てよ、もしかしたらおっかあは鞘に入れるんじゃなくて
    鞘を入れるって言ってたかもしれねえぞ。でも、どこにだ?」

杏子は淫獣の体中を見回しました。最初は口に入れようとしましたが、
淫獣は口を閉じているので無理でした。いろいろ考えた結果、
肛門に入れることにしました。しかし、さすがの淫獣も必死に抵抗します。

杏子 「暴れんなよ!暴れんな!」
QB 「何をしているんだ、やめてくれよ!」
杏子 「暴れすぎいいいいぃッ!!!」
QB 「アッー!!」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:05:57.81 ID:tEix+pPB0
苦労しましたが、なんとか鞘を淫獣の肛門に押し込めることができました。
しかし、淫獣はピクリとも動きません。それそのはず、肛門から入った鞘は
体を貫いていたのです。またも杏子は母親に呆れられました。

ほむら「馬鹿ねえ、淫獣は人を騙すから口を塞いでロープで縛って川に捨てなきゃ」
杏子 「こんどはうまくやるよおっかあ」

その次の日も杏子はさやかのもとへ行きました。今度もらったのは召使の中沢でした。
杏子は早速中澤を縛り、口に猿轡をして川に連れて行きました。

中沢 「ン〜ン〜」
杏子 「悪く思うなよ、うちには召使を養う余裕なんてねーんだ」

ドッボーン

そういうと、杏子は中沢を川に投げ入れました。深くて流れの速い川だったので
中澤はすぐに見えなくなりました。またも杏子は母親に呆れられました。

ほむら「馬鹿ね、召使は市場に連れて行ってお金に変えなきゃ」
杏子 「こんどはうまくやるよおっかあ」

次に行った時、杏子はさやかから何ももらいませんでした。
さやかが杏子と一緒に行くと言ったので、杏子はさやかの首に紐をつけて
市場へと連れて行きました。杏子が引っ張るたびにロープがさやかの首に食い込みます。

さやか「痛い、痛い、痛いっ!何するんだよ!?」
杏子 「ほら、さっさとついてくるんだ」
さやか「杏子、どうしてこんなことをするの!?」
杏子 「おっかあが召使は市場に持って行けって言ったんだよ!」
さやか「さやかちゃんは召使じゃないわよ!」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:06:31.69 ID:tEix+pPB0
さやかはそう言うと、ロープを引きちぎり、杏子に平手打ちを食らわせると
家へと帰って行きました。またも杏子は母親に呆れられました。

ほむら「馬鹿ね、さやかさんが目の前にいたら唇を奪わなきゃ」
杏子 「こんどはうまくやるよおっかあ」

杏子はすぐに準備をしてさやかの家に行きました。

さやか「あら、召使に何か用ですかご主人様?」
杏子 「この間は悪かったよ、この通り謝るからさ」
さやか「まあいいわ。で、今日は何しに来たのよ?」
杏子 「アンタの唇を奪いに来た」
さやか「え・・・急ね。だけどさやかちゃんにも心の準備が・・・」
杏子 「うまくやるさ、そのために家で一番切れる包丁を持ってきたんだ」
さやか「へ、包丁?」
杏子 「よく切れる包丁の方が唇を切り落としやすいだろ。さ、観念して―――」
さやか「なめんじゃないわよ!!」
杏子 「アン!」

乙女心を踏みにじられたさやかは二度と杏子に会おうとしませんでしたとさ。

************

タツヤ「くちびるをとられるの・・・?」
和久 「ははは、違うよ。唇を奪うってのはね・・・あ、タツヤにはまだ早いか・・・
    まあ、タツヤも大人になればわかるよ」
タツヤ「はやくおとなになりたーい」
和久 「ああ、僕も楽しみだよ」

************
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:09:10.57 ID:tEix+pPB0
【杏子のさやか】
元ネタ:グリム童話「ハンスのトリーネ」

ある日、農夫の杏子がお嫁さんをもらいました。ところがお嫁さんはいつも仕事や
家事をサボってばかりでした。

さやか「食べようかしら、寝ようかしら、それとも仕事をしようかしら?
    そうだ、まず食べよう」

お嫁さんはまずお腹いっぱい食べました。すると、今度はベッドでお昼寝を始めました。
すると、そこに業を煮やした農夫が現れました。

杏子 「てめー、いい加減にしろよな・・・」

農夫は何を思ったか、寝ているお嫁さんのスカートを半分の長さに切ってしまいました。
夕方頃、お嫁さんはようやく仕事に向かいました。しかし、外に出てみて自分のスカートが
いつのまにか短くなっていることに気づきます。

さやか「あれ、スカートが短い・・・私はさやかちゃんなの、さやかちゃんじゃないの?
    あっそうだ、家族に聞いてみればいいわ」

さやかは家に戻り、扉越しに声をかけます。

さやか「すいませーん、さやかちゃんいますかー!?」

母親はてっきりさやかがまだ寝てると思い、こう返事をしました。

まどか「さやかちゃんならまだ寝てますよー!!」
さやか「あ、そうなんですか。じゃあ私はさやかちゃんじゃないんだ」

さやかはそれを聞いて納得するとどこかへ行って二度と帰ってきませんでした。

************

タツヤ「ごろごろだめー」
和久 「そうだね、ちゃんとお手伝いの出来る子にならないとダメだね。
    タツヤはまだ小さいから無理かもしれないけど、大きくなったら 
    パパの手伝いをしてくれるかい?」
タツヤ「うんっ!」
和久 「よし、約束だぞ!」
タツヤ「つぎのはなしー」

************
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:09:44.68 ID:tEix+pPB0
【マーミンさんを待とう】
元ネタ:アメリカ文学「マーチンさんを待とう」

ある昼下がり、一人の娘が森を散歩していると突如雨が降ってきました。
娘は運良く小屋を見つけて避難しました。小屋の中には古びた椅子が一つ。
娘はそれに腰掛けると、いつの間にやら眠ってしまいました。
目を覚ますと椅子の前に一匹のインキュベーターがいました。

まどか「(可愛い猫さんだな・・・)」

娘は再び眠りに落ちました。
再び目を覚ますと、インキュベーターが二匹に増えておりました。
そして二匹はこんな会話をしていました。

淫獣1「やるかい?」
淫獣2「いや、マーミンさんが来るまで待とう」

娘は訳が分からなかったのですが、また眠りに落ちていきます。
また目を覚ますと、インキュベーターは三匹に増えておりました。

淫獣1「やるかい?」
淫獣2「いや、マーミンさんが来るまで待とう」
淫獣3「待ちきれないよ」

娘ははっきり意識を取り戻すと、悪寒を感じ、雨の中小屋を駆け出していきます。
そして、小屋に向かってこう言いました。

まどか「マーミンさんがきたら言っておいて!」
   「私は待てなくなったって!」

しかし、その時でした。

ドンッ
まどか「きゃあっ」

娘は何かにぶつかって尻餅をつきました。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:10:11.72 ID:tEix+pPB0
???「あら、大丈夫?」
まどか「はい・・・」
   「きゃあ!!!」

娘の目の前にいたのは、白いカバのような生き物でした。後ろ足だけで立ち、
体は全体的に丸く、頭には金色の髪の毛と三角の耳が生えておりました。
髪型はツインテールでバネのようにカールしています。

まどか「ム、ムー○ン・・・?」
???「あら、妖精違いよ」
   「そうそう、自己紹介しないとね」
   「私はマーミン」
   「マーミン・トモールよ」
まどか「ムー○ン・トロールじゃなくて?」
マーミ「マーミンよ。飲み込みが悪いのね。さて、それじゃあ行きましょう。」

マーミンはそのまま娘を抱えると、先ほどの小屋へと向かいます。

まどか「え、ちょっ・・・?」
   「いや、離して!」
   「だれか、だれかあああああああああああ!」
 
マーミンと娘が小屋に入ると音もなくドアが閉じました。しばらくして雨が止み
森は静けさを取り戻しました。マーミンやインキュベーターたちが何者だったか、
また、娘がその後どうなったかは誰にもわかりません。

************

タツヤ「おんなのこはどうなったのー?」
和久 「わからない。それがこれの怖いところなんだよ。消化不良の恐怖って
    いうのかなあ・・・」
タツヤ「しょーかふりょー?」
和久 「タツヤには難しかったね。よし、次は二本一気に行くぞ!」

************
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:10:47.10 ID:tEix+pPB0
【ドラム】
元ネタ:アメリカ文学「ドラム」

昔々あるところに仲の良い姉妹がおりました。姉妹は優しい母と、まだ小さい妹と
一緒に幸せに暮らしておりました。ある日二人はいつものように墓地へ遊びに行きました。
すると、知らない女の子がいました。女の子は不思議なドラム(小さな太鼓)を持って
おりました。叩くと中から王子様とお姫様の人形が出てきて踊る仕掛けのある
素敵なものでした。二人はそれが欲しくなりました。

杏子 「おい、そのドラムあたしたちにくれよ」
まどか「え〜、だめだよ、ティヒヒッ♪」
ゆま 「お願い、なんでもするから・・・」

妹のなんでもするという言葉に女の子はタチの悪い笑みを浮かべました。

まどか「それじゃあ、家に帰ったら悪いことをたくさんして♪」
ゆま 「それはちょっと・・・」
まどか「ドラムが欲しくないのかな〜ティヒッ♪」
杏子 「ゆま、やるぞ」
   「あのドラムを手に入れるんだ!」
まどか「決まりだね、それじゃあ明日結果を聞かせてね、ティヒ♪」

二人は家に帰ると、さっそく悪いことを始めました。家に帰っても手を洗わず、
夕食は嫌いなものを残し、妹の面倒は見ず、夜は遅くまで起きていました。
はたから見れば取るに足らないことでしたが、普段いい子にしている二人からすれば
十分に悪いことだったのです。もちろん二人は母親に叱られましたが、これで
ドラムが手に入ると思い、むしろ嬉しい気持ちでいっぱいでした。

翌日、二人は墓地に行き、女の子に昨夜の悪事を包み隠すことなく話しました。
しかし、女の子は二人にドラムを渡そうとしませんでした。

まどか「だめだよ、もっと悪いことしなきゃ、ティヒヒヒヒ♪」
ゆま 「約束が違う・・・」
杏子 「そうだ、約束は守れ!」
まどか「もっと悪い子にならないとドラムはあげないよ、ティヒヒ♪」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:11:25.46 ID:tEix+pPB0
二人は嫌になっていましたが、再び悪い子を演じることにしました。
花壇を踏み荒らし、庭を泥まみれにし、壁に落書きをし、皿をわりました。
また、妹のおもちゃを取り上げたりしました。母親はいつもいい子にしている二人の
豹変ぶりに心を痛めました。

マミ 「どうしてこんなことをしたの!?」
   「妹に謝りなさい」
モモ 「うあ〜ん」
姉妹 『ごめんなさい・・・』
マミ 「あななたたちが悪い子のままだと、私はモモとここを出て行くわ」
    そしたら足に大きな歯車がついて逆立ちしてケラケラ笑う
    目のない新しいママがやってきますからね」

母親だけでなく二人もかなり心を痛めていたのでした。
そして翌日、二人は夜明けと同時に墓地へと向かいました。

ゆま 「いっぱい悪いことしたんだからそろそろドラムをちょうだい!」
まどか「ダメだよ、もっともーっと、悪いことしなきゃ、ティヒヒヒヒヒ♪」
杏子 「てめえ、いい加減にしろよ!」

姉は女の子の胸ぐらに掴みかかります。

まどか「今日が最後だからさあ、ティヒヒ♪」
杏子 「本当なんだな・・・」
まどか「うん、本当だよ、ティヒ♪」
ゆま 「キョーコ・・・」
杏子 「やろう、ゆま」
   「もらわなきゃ今までやったことが無駄になる」
ゆま 「そうだよね、ドラムを手に入れたらモモも笑ってくれるよね」
まどか「決まりだね」
   「最後なんだから今まで以上に悪いことしなきゃだめだよ、ティヒヒ♪」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:12:14.06 ID:tEix+pPB0
二人は最後に今まで以上に悪いことをすることにしました。
まず近所の豚小屋から豚を盗んでくると、ペンキで体に大きく”マミ”と
書いて家の外につないでおきました。センナ茶を新しい紅茶と偽り母親に飲ませ、
ひどい下痢にしたりもしました。また、母親の大事なティーセットを
盗み出すと、壁にスパーキングして粉々に割りました。最後に母親の
秘密のポエム帳をやぶいて紙ヒコーキにして村中にばら撒きました。
それはとある貴族と召使に拾われました。

織莉子「あら、紙ヒコーキが飛んでるわ」
キリカ「なにか書いてあるよ。

   『私は恋する臆病ポーン。いつもルークの影にキャッスリング。だけど今日は
    生まれ変わってプロモーション。アンパッサンでライバル散らしてあなたの心を
    チェックメイト!』

    だって・・・。」
織莉子「恋をチェスに例えたのかしら・・・まあ、おもしろいから屋敷の者たちにも
    見せてあげましょう」

ポエムは村の外にも持ち出され、母親はところどころで笑いものにされました。
二人もドラム欲しさに必死だったのです。母親の怒りと悲しみは頂点に達しました。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:12:44.62 ID:tEix+pPB0
マミ 「ひっく、ぐすっ、ママはもうあなたたちにはがっかりよ・・・
    ポエムもばらまかれて・・・もう外は歩けないわ・・・
    恥ずかしい・・・もう村を出ていくしかないじゃないッ!
    あなたたちは、足に大きな歯車がついて逆立ちしてケラケラ笑う
    目のない新しいママに面倒を見てもらえばいいわ!」

母親は姉妹のベッドの横でなにやら言っていましたが、姉妹はドラムのことで
頭がいっぱいで聞いていませんでした。翌朝、二人が目を覚ますと母親と妹は
いませんでした。昼まで待ちましたが一向に帰ってきません。心配でしたが、
待ちきれないので、遠くに買い物にでも行ったのだろうとお互いを納得させ、
墓地へと急ぎました。いつものように女の子はいました。

杏子 「なあ・・・いい加減にドラムくれよ」
ゆま 「もう嫌だよお・・・グスッ」
まどか「へえ〜、ベソかくなんてよっぽど絞られたんだね、ティヒヒ♪」
杏子 「もったいぶらないで早くしろよ」
まどか「だめだよ、最初からドラムをあげる気なんてないよ。これはね、
    私の村に伝わる遊びなんだ、悪く思わないでね、ティヒヒッ♪」

女の子はおかしな笑い声を上げるとドラムを抱えてどこかへ走り去りました。
くやしかったのですが、大怪我を負った二人にはもはや追いかける気すら
起こりませんでした。二人はすすり泣きながら家へと帰って行きました。

日も暮れかけた頃、ようやく二人は家が見えるところまで着きました。
ふと、家を見ると明かりがついていました。

姉妹 『(お母さんたちが帰ってきてる!)』
 
二人は体の痛みも忘れて走り出します。家に入ったらいっぱい謝らないと、
明日からはいい子に戻らなきゃ、などと思いながら勢い良くドアを開けました。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:13:17.04 ID:tEix+pPB0
しかし、家に入った二人を出迎えたのは、
足に大きな歯車がついて逆立ちしてケラケラ笑う目のない新しいママでした。
新しいママは振り返ると真っ赤な口を開き、二人に笑いかけました。

新ママ「アーッハハハハハハ!」
姉妹 『キャアアアアア!!』

ビュオオオオオオオオッ

新しいママの笑い声とともに突如強い風が吹き、玄関のドアが閉まりました。
そして、親子三人の夜が始まるのでした。









母親が出て行って一週間後、姉妹は新しいママと楽しく暮らしておりました。

新ママ「アハハハハハハ!」
ゆま 「くすくす、もう、ママったらそのギャグ古いよ」
杏子 「ママといると楽しいぜ」
ゆま 「それにしてもさ、新しいママはいいよね」
   「いつも笑ってるし、色白だし、おしゃれなドレス着てるし」
   「この間友達に褒められちゃった」
杏子 「誰かさんと違ってウエストもきゅっとしてるし、足は細いし」
   「本当に美人だよなあ」
新ママ「アッハ、アハハハハハハハ!」
杏子 「ママは謙虚だよなあ」
   「褒められても全然得意げにならねーんだから」
ゆま 「ドラムは手に入らなかったけど、代わりに新しいママが来てくれたから
    どうでもいいよね」
杏子 「ああ、全くだぜ」
新ママ「アハハハハハハハハハハ、アハハハハ!!」
ゆま 「そうだね、これからも楽しく暮らしていこうね」
杏子 「ママ、一緒に風呂入ろうぜ!」
ゆま 「ゆまが背中流してあげる」
新ママ「アハッ(///)!」

こうして三人は末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。


************
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:14:00.90 ID:tEix+pPB0
【アーニャと9】
元ネタ:アナンシと5

昔々あるところに9という名前のインキュベーターがいました。しかし、
9は自分の名前が嫌いでした。

淫獣 「まったく、どうして僕は9って名前なんだ。おかげでみんなから
    馬鹿にされる毎日だ。ファッ9だとか、きゅうりの9ちゃんだとか、
    淫獣鉄道999とか、9ティーハニーだとか、わけがわからないよ。
    そうだ、9って言う奴はみんな[ピーーー]ばいいんだ。よし、呪いをかけよう」

こうしてインキュベーターは9といったものが死ぬ呪いをかけたのです。
この一部始終を見ていたのがアーニャでした。アーニャは
落書きの魔女アルベルティーネの手下で、とにかくとても悪い奴でした。
アーニャはこの呪いを利用することにしました。

アーニャは9つのりんごを用意して市場へと行きました。すると、
薔薇園の魔女ゲルトルートに出会いました。

アーニ「コンニチハ、ゲルトルートサン」
ゲルト「アラ、アーニャサン。ゴキゲンウルワシュウ。オイシソウナリンゴデスワネ」
アーニ「エエ、ソウナンデスガヒトツコマッタコトガ。アタシハアタマガワルクテ
    ゼンブデイクツアルカワカラナイノ。カゾエテクレマセンカ?」
ゲルト「オヤスイゴヨウデスワ、イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、ナナ、ハチ、キュウ・・・」

バタッ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:14:57.91 ID:tEix+pPB0

9と言った途端にゲルトルートの息の根は止まりました。9の呪いが発動したのです。
アーニャはほくそ笑むとゲルトルートを瞬く間に食らってしまいました。

アーニ「アー、マズカッタワ。デモ、チカラガワイテクルワ。」

満腹感に浸る間もなく、次の獲物がやってきました。銀の魔女ギーゼラです。

ギーゼ「コンニチワ・・・アーニャ・・・ガガギギ・・・」
アーニ「ギーゼラサン、チョウドイイトコロヘ・・・コノリンゴヲ・・・」

この調子でアーニャはいろいろな魔女を騙して食らっては力を貯めていきました。

アーニ「ダイブタベタワネ。コレデアタシモ、モウスグアルベルティーネヨ。
    ア、アイツハ・・・」

アーニャの目の前を人魚の魔女オクタヴィアが通ります。

アーニ「アイツハ、オクタヴィア。マジョデイチバンアホダカラ、コロリネ。
    アトイッピキデアタシモマジョ。サイゴガアイツナンテツイテルワ。」

アーニャはオクタヴィアを呼び止め、りんごを数えるように言いました。

オクタ「エー、オクタヴィアチャンバカダカラワカンナーイ」

オクタヴィアは魔女界一のアホの子だったので数も数えられなかったのです。
そんなはずはないと、アーニャはしきりに頼みますが、取り付く島もありません。
とうとうアーニャは業を煮やしました。

アーニ「コノアホ、トンマ、バカ、アホ、ドジ、マヌケ、アンポンタン!
    カズモカゾエラレナイノカ!ヨクミテロ、コウヤルンダ!
    イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、ナナ、ハチ、キュウ・・・」

バタッ

かわいそうに、9といった途端にアーニャは息絶えました。

************

和久 「と、まあ・・・嘘をついたり悪いことをしたりすると必ず・・・」
タツヤ「さっききいたー」
和久 「おっと、ごめん。なんだか説教臭くなってしまったね」
タツヤ「なんだかねむーい・・・」
和久 「よし、次で最後だぞ!」

************
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:15:41.25 ID:tEix+pPB0
【不幸なまどか】
元ネタ:絵本「不幸な子供」

昔々あるところにまどかという女の子がいました。まどかは優しい両親と、
お気に入りのお人形マーミンスに囲まれ幸せに暮らしておりました。

しかし、そんな幸せも長くは続かなかったのです。ある日お父さんが
戦争に駆り出されてしまいました。

恭介 「それじゃあ行ってくるよ」
さやか「ちゃんと帰って来てね」
まどか「こんなのおかしいよ・・・お父さんが戦争に行くなんて・・・」
恭介 「大丈夫だよまどか、ちゃんと生きて帰ってくるからさ」

笑って戦場に向かう父をまどかと母親は涙で見送りました。
しかし現実は残酷なもの。数週間後に父親が戦死したという通知が届いたのです。
そして母親もすっかり酒に溺れて体調を崩してしまいました。

さやか「ああ、まどか・・・さやかちゃんはもうダメですよ。
    いつもの歌を歌ってちょうだい。」
まどか「貧しい絵描きがぁ〜女優に恋をしたぁ〜百万本の〜バラの〜花を〜
    あなたにあなたにあなたにあげる〜♪」

やがて母親は死んでしまいました。

少女は母方の祖父に預けられました。しばらくは平和な日々が続きました。
しかし、ある日まどかと祖父が一緒に出かけているときのことでした。

まどか「おじいさん、危ない!」
中沢 「ぎゃっ!」

祖父は頭の上にレンガが落ちてきて死んでしまいました。
まどかは祖父の知り合いのキュゥベエのもとに預けられました。しかし、
キュゥベエは感情のない冷たい者でした。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:16:10.66 ID:tEix+pPB0
QB 「やれやれ、中沢の知り合いの子だから仕方なく引取りはしたが、
    生憎僕には感情がないからどう育てたらいいかわからない。
    仕方がないからまどかは寄宿学校に入れるとしよう。
    遺産はまどかがもっていても仕方がないから僕が有効に使わせてもらうよ。」

こうしてまどかは寄宿学校に入れられました。寄宿学校では辛い日々がまどかを
待っていました。

和子 「まどかさん、靴は右足から履くべきですか?それとも左から?」
まどか「み、右からです・・・」
和子 「違う、どっちでもよろしい!靴の履き方ごときにこだわる人間なんて、
    みんな[ピーーー]ばよろしい!というわけで腕立て伏せ百回!」
まどか「ひいいっ!」

授業はわけが分からず、他の生徒たちからはいじめられました。

織莉子「まどかさん、そのお人形は?」
まどか「こ、この子は私の友達のマーミンスです・・・」
織莉子「違うわ、ここは寄宿学校。あなたは寄宿学校がなんなのかわかってるのかしら?
    家を離れて、淑女として巣立っていくために身も心も鍛える神聖な場所。
    なのにこんなドリルヘアーの人形を持ち込むなんて、あなたは何を考えているの?」
まどか「ご、ごめんなさい」
織莉子「口ではなんとでも言えるわ。どうやらあなたには覚悟が足りないようね。キリカ!」

織莉子はまどかからマーミンスをひったくると、両手で体を持って友人のキリカに
首を向けました。

キリカ「愛のムチってやつだね」

キリカはそれに応えるように頭を両手で持ちます。

まどか「やめてください、マーミンスはお父さんとお母さんの形見なの!」
キリカ「うん でも ま その あれだ ささいだ」
織莉子「行くわよ、キリカ!」

ブチイッ!

二人が力を込めてマーミンスを引っ張ると、マーミンスの首が胴体から引きちぎられました。

まどか「ひどいよ・・・こんなのあんまりだよ・・・」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:16:45.35 ID:tEix+pPB0
このようにまどかは他の生徒や先生達から日々いじめ抜かれました。食事を
抜かれる日々も珍しくありませんでした。そしてまどかはある日の夜中に
孤児院を脱出しました。しかし、栄養が足りておらず、すぐに道路に
倒れこんでしまいました。そこに怪しい女が現れました。

杏子 「お、なんだコイツ。死んでるのか?いや、まだ息がある。
    よし、今日はコイツを売ってうめえ晩飯にありつくぞ!」

怪しい女はまどかを卑しい場所へ連れて行きました。女は知り合いのゴロツキに
まどかを売ることにしました。

杏子 「よう、景気はどうだ?」
ほむら「杏子・・・何しに来たの?私はいま内職で忙しいの」

ゴロツキは造花の内職をして生計を立てていました。

杏子 「つれねえなあ、せっかくおまえの内職を手伝ってくれる人員を連れてきてやったのに」
ほむら「人員・・・ほむっ!?」

ゴロツキはまどかを見るなり歓喜の声をあげました。まどかはゴロツキの好みに
どストライクだったのです。ゴロツキは少ない手持ちを女に渡してまどかを買取りました。
与えられる食事は少なかったものの、内職を手伝っていたので、まどかはひどいことを
されませんでした。しかし、ゴロツキは時々まどかを卑猥な目で見ていました。
ある日、とうとうゴロツキが発狂しました。

ほむら「ほむっふるうううううう!!」
   「マドカアアアアー!!」
まどか「嫌です、やめてください!」
ほむら「キス、キスだけでいいから!」
まどか「いやあああああああああ!!」

少女はゴロツキを振り払うと、道路に飛び出しました。そこに車が通りかかります。

キキーッ!

車は運良くまどかの目の前で停車しました。車からひとりの男が出てきました。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:17:22.22 ID:tEix+pPB0
恭介 「何をしているんだ!危ないじゃないか!」
まどか「ごめんなさ・・・あれ、お父さん?」
恭介 「まどかか?」

なんと男は戦死したはずのまどかの父親でした。実は戦士したのは誤報で戦争が終わり
無事に生き延びた父親は帰っていたのでした。父と娘が再会に驚くのも束の間、
一人の女が車から降りてきました。

仁美 「恭介さん、お知り合いですか?」
恭介 「仁美・・・」
まどか「だ、だれ・・・?」

女は父親の愛人でした。実は父は家を出る前から浮気をしていました。
戦争から帰って妻は病死、娘が行方不明になったのをこれ幸いにと
愛人と暮らしていたのでした。しかし、目の前に現れたのは実の娘。
独身ということで女と付き合っていた父親にしてみれば蒼天の霹靂。
既婚者とバレたら愛人に嫌われるかもしれません。女は大金持ちだったので
結婚して逆玉に乗るという夢も崩れてしまいます。良心の呵責もありましたが
結局父はまどかを見限ることにしました。

恭介 「し、知らないよ・・・こんな汚い子」
まどか「ひ、ひどいよ・・・私がわからないの!?」
恭介 「お前なんか知らない、あっちに行け!」
まどか「パパ!」
仁美 「いい加減にしなさい!娘のふりをして恭介さんに取り入ろうとするなんて
    最低な子供ですわ!あっちに行きなさい!」

女はまどかを突き飛ばすと、父親と一緒に車に乗って行ってしまいました。
まどかは一人呆然と座り込みます。しかし、そこに容赦なくゴロツキが迫ります。

ほむら「ほ、ほむう・・・ま、まどかあ・・・はあはあ・・」
まどか「・・・・・・」

まどかは全てに絶望し、抵抗なくゴロツキに抱えられ家の中に戻されました。
こうしてまどかは死ぬまでゴロツキにほむられることになりましたとさ。

************
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:17:54.60 ID:tEix+pPB0
タツヤ「すうすう・・・」
和久 「話の途中で寝ちゃったみたいだね。少しは楽しんでくれたかな。
    さて、もうすぐママが帰ってくる時間だ。夜食でも作っておくか。
    おやすみ、タツヤ。」

鹿目和久の夜は長い。こうしてまた鹿目家の夜がふけていくのであった。

END
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 22:18:46.68 ID:tEix+pPB0
杏子父「見滝原残酷物語2」

に続くかも
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/12(水) 23:13:47.98 ID:tn/tEmlDO
乙。おもしろかった
童話系ならわかるがアメリカ文学系は元ネタどうなってるの?タイトルでググってもでてこないんだが
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/13(木) 02:37:36.16 ID:6mBi425AO
最後のはエドワード・ゴーリーかな?不幸ぐあい原作超えちゃってない?ww
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 22:17:11.71 ID:U71JGuaW0
>>30
アメリカ文学のは小学生の頃読んだアメリカ産の怖い話集で読んだやつ
大きな指・・・元ネタはおばあさんが墓で拾ってきたでかい指を煮る。それ以外はほとんど原作準拠。
マーチンさん・・・原作はQBが猫でまどかがおじいさん。寝るたびに猫が増えて、
         おじいさんが小屋から逃げるとこで終わり。
ドラム・・・ほぼ原作通りだけどオリジナルは新ママ(ガラスの目をして木の根っこの足を持った)が
      出てきたこところで終わり

>>31
そのとおり。原作以上だと思ってもらえたら幸いだよ。ギャシュリークラムとQBをかけたネタがあったから
自分も書いてみたいと思ったのがきっかけ。 機会があったら自転車のにも挑戦したいな
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/13(水) 10:00:38.88 ID:mQkaqLwe0
2カ月
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:02:41.97 ID:eKmivGTh0
完結してるよな・・・依頼してないだけ?
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