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淡「女子高校生の日常、その3」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:09:55.84 ID:y2icv7Yq0

※前→「女子高校生の日常、その2」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353055887/l50

※毎度のこと呼び方が変わってますがあんま気にしないでください


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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:10:39.17 ID:y2icv7Yq0

『女子高校生と喧嘩』

照「………」

淡「………」

照「……人来ないな」ゴゴゴゴゴ

淡(この眼――間違いなく人殺しモードになってる……!)

淡「そうだね……このままじゃ打てないよ」ゴゴゴゴゴ

照「」スクッ

淡「どったの?尻尾巻いて逃げ出す気?」

照「誰が?埒が明かないから二軍部屋で打つぞ」

淡「それがいいね。決着つけよう」

照「勝てると思うなよ」

淡「それはこっちの台詞だよ」

照・淡「」バチバチバチバチ
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:11:34.36 ID:y2icv7Yq0

淡(ということで久々の二軍部屋へ)

ガチャッ

部員A「み、宮永さん!?」

部員B「それに大星も!」

照「丁度空いてる卓はある?」

部員B「ない……ようですね。誰も座ってない卓なら沢山あるのでそこで待ってたらどうですか?」

淡「そうする」

照「」ストン
淡「」ストン

照「………」ゴゴゴゴゴ
淡「………」ゴゴゴゴゴ

部員A(なにあの卓……妖気が桁違いだ……)

照「……誰も来ないな」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:12:17.70 ID:y2icv7Yq0

Prrrrr...

淡「私のだ」ピッ

淡「もしもし?」

誠子『大星?どこにいるんだ?』

淡「亦野先輩こそ」

誠子『部室。ちょっと前に来たんだけど、いた形跡はあるのに誰もいないわ戻ってこないわで電話した』

淡「たかみ先輩はいる?」

誠子『いるけど?』

淡「分かった……今すぐ一緒に二軍部屋に来てください」

誠子『え、何で?』

淡「良いから。集中力が途切れちゃう」

誠子『……?わかった、そっちに行くよ』
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:13:04.38 ID:y2icv7Yq0

プツン

照「……何だって?」

淡「今すぐこっちに向かうように言った」

照「そう。そろそろこの因縁に決着つけれるんだな」

淡「楽しみだね、テル?」ニヤ

照「ああ。――叩きのめしてやる」

淡「ふーん……そう言ってられるのも今のうちだよ……?」

照・淡「」バチバチバチバチ

ガチャッ

誠子「こんにちはー」

照「さぁここに座ろうか、誠子に堯深」ゆらぁ

誠子「!?」ビクッ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:13:56.14 ID:y2icv7Yq0

淡「大丈夫、怖くないからさぁ……」ゆらゆらぁ

堯深「……!?」ゾゾッ

堯深「ふ、2人とも……目が怖いですよ……?」

照・淡「「ふふふふふ」」

誠子・堯深(病んでる……)

照「さあ、始めるか」

照「ルールは原点三万、ぶっとびなし、ダブル以上ありだ」

照「行くぞ!ツモ!ツモロンロンロンツモツモロンツモロンロンツモロンツモツモ」

誠子「な、何てスピード……!?」

堯深(全て三巡目にはテンパイしてる……?どうなってるの?!)

誠子(ダブル以上もありにしたのはこのためか……!?)
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:15:01.56 ID:y2icv7Yq0

淡「負けるかぁっ!ロン!!」

照「!!」

淡「ツモロンロンツモツモツモツモロンロンツモロンツモツモツモツモツモツモツモツモ」

照「そんなことをしても無駄……!ツモツモロンツモロンロンロンツモツモツモツモロンツモツモロンツモロンロンロンロン」

照「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

誠子「何かと混ざりましたよ!?」

淡「ロン!!」

淡「ロンロンツモツモロンロンロンオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラドラァ!!」

淡「君が!泣くまで!!和了るのを!!やめないッ!!!」

誠子「だから混ざってるって!!」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:15:49.31 ID:y2icv7Yq0

照「くっ……ロン!!」

照・淡「ぜーはー……ぜーはー……」

誠子「な、何がこの2人をここまで……」
(持ち点:−505100)

照「それは……今日の部室での事だった……」
(持ち点:535000)

誠子「回想パート入るんですか!?」

淡「部室に待っていたテル……今日のおやつは奮発してケーキだった」
(持ち点:535000)

堯深「ケーキですか……何かいいことでもあったんですか?」
(持ち点:−564900)

照「昨日体重計に乗ったら3キロのダイエットに成功していた」

照「だからそのお祝いとしてケーキを買った」

誠子「それプラマイゼロですよ!?」

照「プラマイゼロ!?うっ、頭が……!」ガバッ

誠子「え?す、すいません」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:16:57.57 ID:y2icv7Yq0

淡「そして事件は……どのケーキを食べるかの話し合いで起こった」

照「き、聞いてよ誠子、堯深……」プルプル

誠子・堯深「……?」

照「淡は私の一番好きなイチゴのショートケーキを狙おうとした!」

照「ダメだと言っても『後輩に気をつかえ』の一点張り!買ったのは私なのに!」

誠子(ダメだこりゃ)

淡「でも!テルは私にトラップを仕掛けているかもしれない!」

淡「なら一番テルが食べそうな物に照準を合わせるのが普通でしょ!?」

堯深(あのタバスコ、相当トラウマになってるんだ……)

照「そしてっ……話し合いで決着は着かないと判断した私たちは」

淡「麻雀によりどちらが正義なのかを争っているの……!」

照・淡「」バチバチバチバチ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:18:08.25 ID:y2icv7Yq0

堯深「……あの、オーラス始めても良いですか?」

照「ああ、これでけっちゃ――」

淡「……え?」

照・淡(オーラス?しかも親は……)

堯深「ラス親は私ですね……」ピッ

照・淡「!!!!!」

照(ま、マズイ……!私たちが費やした局数は……)

誠子「……83局です」

照「」
淡「」

堯深「和了ってます。天和・字一色・大四喜・四暗刻……」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:18:47.79 ID:y2icv7Yq0

堯深「五倍役満。80000オールです……」

照「は、はい……」

堯深「そして私の連荘です……」ニコニコ

淡「あわわわわわわ」ブクブク

照「う……あ……」ガタガタ

堯深「子供みたいな喧嘩に巻き込まれたからって別に怒ってなんかないですよ?そんな顔しないでください」

堯深「でもこれは真剣勝負ですから。力の限り全力で和了り抜きます」

堯深「始めます……ハーベストタイムの無限ループを!」ゴゴゴゴゴ

照・淡「「うわぁぁぁぁあああ!!!」」

誠子(……私完全にとばっちりじゃないか)
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:19:40.09 ID:y2icv7Yq0

〜その頃、一軍部屋〜

ガチャッ

菫「すまない、遅れた……って」

菫「……誰もいないのか。どっかに出掛けたのか…?」

菫「ん?テーブルにケーキが……」

菫「……五人分ある」

菫(実は今日、財布忘れて昼飯抜いたんだよな)

菫「みんなには悪いけど、先にいただくか」カチャッ

菫「ぱくっ…… ……!?!?」

菫「み、水……!水ーーっ!!!」バタバタ


淡(その後こっぴどく叱られたのは言うまでもありません、でした)
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:20:29.45 ID:y2icv7Yq0

『女子高校生と可愛さ』

淡「ねえテルー」

照「」モグモグ

誠子(放課後の部室。まだ弘世先輩と堯深の姿はなく、私たち三人が私用に耽っていました)

誠子(私は先日使用した釣竿の手入れ。先輩はおやつ。淡は……まぁ先輩とのお喋りです)

誠子(今日もまた淡が会話の口火を切りました)

誠子(普段通りな会話が繰り広げられるのでしょう)

誠子(……この説明デジャヴ?気のせいですよ)
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:21:11.95 ID:y2icv7Yq0

照「……なに?」

淡「イーソーって可愛くない?」

誠子「………」キュッキュッ

誠子(…………!?)バッ

照「イーソー……かぁ」

照「私はソーズならチーソーの方が好き。働き者だから」

淡「3と7は働き者だよね。でも可愛さで言えばイーソーに勝るものはなくない?」

誠子(……可愛いって何だ)
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:22:18.09 ID:y2icv7Yq0

照「私別に可愛いって思ったことない」

淡「マジで?第一打で投げられた時の悲鳴がかわいいって思わない?」

照「歪んでるよ……淡」

誠子(な、何を言ってるんだこの2人……)

淡「いやそうじゃなくて……その悲鳴があるから、チーで拾われたときのあの声が更に可愛く思えるって言うか」

照「むしろ気持ち悪くない?『俺鳴かれたぜ?必要とされてるんだぜ?』って言ってるようなもんじゃん」

淡「人それぞれなのかなぁ。私はかわいいと思うんだけど……」

淡「亦野先輩はどう思う?」

誠子(私に振るの!?)
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:22:57.68 ID:y2icv7Yq0

誠子「え、えっと……私はそんな好きじゃない……かな」

淡「そっかぁ〜〜……」

誠子(何語喋ってるんだよ……)

淡「じゃあ逆にチーソーってさ、生真面目すぎると思わない?」

照「そこがいいんじゃん」

淡「あー……そう言われると反論できないよ」

淡「そんなの結局人それぞれじゃん」

照「それでいいでしょ。淡はイーソー萌え、私はチーソー萌えで」

淡「うぅ〜〜ん……」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:23:41.76 ID:y2icv7Yq0

淡「ねぇ。亦野先輩が一番好きな牌って何?」

誠子(また私に振るのか……でもまだ答えやすいか)

誠子「普通だけど赤ウーピンかな」

淡「あーダメダメ」

誠子「え?」

淡「赤ドラはみんな浮気者だから。誰に対しても口説く男みたいなもんだよ」

照「私もそう思う。誠子、そういう男に引っ掛からないようにしてね」

誠子「え、ええ……はい」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:24:27.80 ID:y2icv7Yq0

淡「菫先輩とたかみ先輩は何萌えかなぁ」

照「堯深は間違いなく白發中だね」

淡「あー確かに。必殺技・大三元があるもんね」

照「私はあんま好きじゃないけどね、あの三匹」

誠子(単位は匹なのか……)

淡「私も。全体的にカッコつけすぎだよね」

照「うん。一番斜に構えてるのは北だけど」

淡「あはははは!!わかるわかる!」

誠子(わかんねーよ!)
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:26:08.62 ID:y2icv7Yq0

照「三麻以外は麻雀じゃねーよとかね。謎に通ぶってるよね」

淡「あははっ!でも私嫌いじゃないよ、北のこと」

照「ホント?私は大っ嫌い」

淡「そう?ちょっと一匹狼気取りたい〜って感じで思春期の息子持ったみたいな気分!」

誠子(お前が言うなよ!)

照「理解できない……」

誠子(私も色々と理解できません!)

淡「話戻そ〜。菫先輩はどうかな?」

照「難しいね……。菫からしてみれば牌なんて全て的にしか見えないんじゃない?」

淡「それはあるかも……」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:28:40.48 ID:y2icv7Yq0

淡「むしろ牌の方から嫌われそうな」

照「そ……そんなことないって。マニア好みなだけ」

淡「それってドMって事じゃないの?」

照「え、エム……?なのか」

淡「うん。菫先輩に射抜かれ隊みたいな」

淡「あと何でテルが肩落としてるの」

照「そ、それはともかく」

淡「ともかく〜?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:29:41.70 ID:y2icv7Yq0

ガチャッ

菫「お待たせ」バタン

淡「あ、本人に聞けば良かったんだ」

菫「ん?」

淡「菫先輩ってみんな仲良し麻雀牌の中で誰が一番好き?」

誠子(みんな仲良し?)

菫「南……かな」

誠子(表情一つ変えずに即答……!?)

菫「三巻でピンズ兄弟の世話してたのにやられた。かっこいい奴だよ」

誠子(漫画の話かよ!!)ドンッ
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:30:38.92 ID:y2icv7Yq0

『女子高校生と賞味期限』

ガチャッ

淡(やった、一番乗りぃ)ルンルン

淡(おやつおやつ〜〜っと)ガサゴソ

淡「あった!!」

『賞味期限切れ』<ババーン

淡「………」

淡(くっ……今度はこういう作戦で来たか、テル……)

淡(やっぱりタバスコ大量投入作戦は菫先輩に怒られたからやめたんだ。それにしても……)

淡(『賞味期限切れ』って、これ手書きだよね?どう考えても嘘じゃん)
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:31:32.04 ID:y2icv7Yq0

淡(むしろ賞味期限切れのお菓子をどうして部室に持ってくるのかと。食べちゃえ)

淡「チョコか……おいし〜〜」モグモグ

ガチャッ

照「……あ」

淡「テル、今日は私の勝ちだよ!」ビシッ

誠子(また盗み食いしてるし……)バタン

照「『賞味期限切れ』の注意書き見えなかった?」

淡「え?あったけどあれ嘘でしょ?」

照「本当だよ」

淡「ええ!?じゃあ今食べてるのって……」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:32:31.31 ID:y2icv7Yq0

淡「で、でも!一日か二日くらい切れてもさして味には」

照「二週間切れ」

淡「何でこんなの持ってきたのぉぉぉ!!」

誠子(深読みして爆死パターンか)

照「勿体ないなって思って」

誠子「流石に二週間切れは危ないですよ。お金がもったいなくてもちゃんと処分しないと」

照「いや、お菓子が勿体ない」

誠子「じゃあ期限切れる前に食べましょうよ……」

照「でも家でお菓子食べるの私だけだから、優勝祝とか後輩からのプレゼントとか貯まっていくんだよ」

誠子「あーなるほど……」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:33:22.66 ID:y2icv7Yq0

淡「で、私に処分させるために持ってきたの?」

照「私が食べようと思っただけ。トラップにするならそもそも注意書きとか書かない」

淡「……それもそーだね」

照「味はどうだった?」ヒョイパクッ

照「あ、普通に美味しい」

淡「待てないなら聞かないでよ!」

照「」モグモグ

淡(スルーされてるし……)
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:34:10.50 ID:y2icv7Yq0

誠子「貯まるって言ってましたけど、家にどれだけあるんですか?」

照「一番切れてたのはこれ。一週間切れぐらいは後二、三個かな……」

誠子「食べれそうなのだったら持ってきていいですよ。私もあんまり気にしない派ですし」

照「助かる」

淡「っていうかテルはそんなに食べてたら太るよ?」

照「私そんなに太らない体質だから」

誠子「うおっ、全国の女子を敵に回す発言」

照「来るなら来いだ」

淡「アハハ、テルなら返り討ちにしちゃうね」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:35:13.17 ID:y2icv7Yq0

照「すこやん辺りが出てきたらきついかも」

誠子「すこやんは体型とか気にしてそうですもんね」

淡「すこやんは本人に賞味期限迫ってるよねー」アハハ

誠子「ぶっ!」

照「上手い……」プルプル

誠子(……これ本人に知られたら虐殺されるな)

淡「あっそうだ。たかみ先輩に食べさせてみたらどう?」

誠子「何で堯深?」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:36:11.24 ID:y2icv7Yq0

淡「食べても良いところしか太らなそう」

照「」ピクッ

誠子「あ〜〜……あるかも……」

淡「そもそもたかみ先輩の食生活ってどうなってるんだろーねー?」

照「是非教えてもらいたい」

淡・誠子(狙いが分かりやすすぎる……)
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:38:37.33 ID:y2icv7Yq0

ガチャッ

菫「すまない、遅れた」

堯深「すみません……」バタン

淡「あ、菫先輩からも聞かないと」

照「いや……菫は身長に比例してるからしょうがない。でも堯深は明らかにおかしい」

堯深「えっ?」

誠子「全くですよね。何食べたらあんなになるんでしょうか」

堯深「??」

照・淡「「はぁー……」」

菫・堯深「「??」」キョトン
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:40:10.69 ID:y2icv7Yq0

『女子高校生と無人島』

淡「ねえテルー」

照「なに?」モグモグ

淡「無人島に一つだけ持っていくとしたら何にする?」

照「お菓子」

淡「……死んじゃうよ?」

照「お菓子の包装紙で『HELP』のメッセージを作る」

淡「ああなるほど!あったまいい〜」

菫(風で飛ぶし、そもそも包装紙でメッセージ作れるほど大量に持ち込む気なのか……)
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:40:44.13 ID:y2icv7Yq0

堯深「」ズズ

淡「たかみ先輩は?」

堯深「うーん……」

堯深「迷うけど……眼鏡かな」

淡「眼鏡ないと何も見えない?」

堯深「うん。食べれる植物かとか見分けないといけないから……」

淡「なるほどね〜」

菫(流石に眼鏡はカウントしないだろ……。その理論でいくと裸で行くことになるぞ)
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:41:53.43 ID:y2icv7Yq0

淡「次!亦野先輩は?」ビシッ

亦野「釣りざ」

淡「はい次」

誠子「ちょっと待って、今から無人島における釣り竿の汎用性をだな」

淡「菫先輩は?」

誠子「」

菫「私?そうだな……」

菫(ここまでお菓子、眼鏡、釣り竿と割と本気な回答ばっかだな)

菫(何というか……大喜利とは思わないんだろうかこいつらは)
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:42:41.55 ID:y2icv7Yq0

照「」モグモグ

堯深「」ズズ…

誠子「」ピタッ

淡「」ジーッ

菫(う……沈黙がハードル上げてないか?思いっきり気の利いた事言わないと……)

菫「そ、そうだな。やっぱり『女』!かな……」コホン

淡「え?」

誠子「女……?」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:43:16.02 ID:y2icv7Yq0

照「………」ポカーン

堯深「ごほっ、ごほっ……!」

菫「ちょ、何だその反応!?」

照「堯深、大丈夫?」

堯深「は、はい……」ゴホゴホ

淡「……流石にそれは引くよ」

菫「えっ」

誠子「弘世先輩って……結構そういう性格なんですか……」コホン

菫「あ、いやその」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:45:00.47 ID:y2icv7Yq0

照「……そもそも無人島じゃiPS使えないから女二人だけで繁殖できない」

菫「そこか!?」

淡「そもそもこれ真面目な質問なんだけど……」

菫「………」

菫「……ごめんなさい」ズーン

堯深(沈んだ……)

照「かく言う淡は?」

淡「私は決めてるんだ、とっておき」フフン

菫「と、とっておき……?」

誠子「へえ。何だ?」

淡「携帯電話!電話すれば一発でしょ?」ババーン

菫「圏外だよ!!」ドンッ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:46:10.24 ID:y2icv7Yq0

『女子高校生と尾行』

照「さっきの店、おいしかったね」

淡「うん〜♪」

堯深「紅茶も良かったですよね。また行きたいです……」

淡(休日。私はテルとたかみ先輩と一緒にスイーツ食べ歩きをしています)

淡(さっきの店は今日の予定の目玉と言える店で、味も見た目も評判通りのクオリティ)

淡(紅茶も美味しかったらしく、二人とも上機嫌です。もちろん私も)

照「次は……」

淡「ちょっと休憩しない?少し疲れちゃった」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:46:59.29 ID:y2icv7Yq0

堯深「じゃあ次の場所では時間とってのんびりすることにしましょうか」

淡「さんせーい」

照「わかった」

淡「それにしても、東京ってやっぱりそーいうお店多いんだね」

照「うん。私も上京した当初は驚いた」

堯深「先輩がお菓子好きなのはそのためですか……」

照「うん。欲望が一気に開放された気分だった」

淡「だよね〜 私の実家のトコとも大違い……」

淡「………!?!?」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:47:38.30 ID:y2icv7Yq0

照「?どうしたのあわ――」

淡「隠れてっ!!」ガバッ

照「うわっ?!」

堯深「えっ、ええ……?」

淡「……気付かれてないみたい」

照「いきなり驚くよ……一体何」

淡「こっち来て、あれ見てよ……」

照・堯深「?」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:48:27.54 ID:y2icv7Yq0

菫『…… …… ……』
誠子『…… …… ……』

淡「わかった?」

照「菫と誠子が……」

堯深「談笑しながら歩いてましたね」

照「まさか、あの二人できて……!?」ハッ

堯深「ま、まさか……。あの二人に限ってそんなこと……」

淡「いや、よく見て」

堯深「?」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:49:26.91 ID:y2icv7Yq0

淡「私、以前に亦野先輩と遊んだことがあったんだけど、その時先輩は制服だったの」

照「あー……休日でも制服系女子とか言ってたね」

淡「でも今は私服。おかしくない……?」

堯深「う、うん……」

照「ってことは、誠子が私服を来てこなくてはいけなかったほどの用」

淡「……デート、だね」

照「あの菫と誠子が……!?」ガーン

堯深(そんな馬鹿な……)
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:50:07.79 ID:y2icv7Yq0

照「ど、どうしよう」オロオロ

淡「私にも分かんないけど……と、とりあえず追おう!」

照「うん……!」コクコク

堯深「ス、スイーツはどうするんですか……?」

照「それはまた今度」ダッ

堯深(そんなぁ……)

 ・
 ・
 ・
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:50:51.38 ID:y2icv7Yq0

菫『…… …… ……』
誠子『…… …… ……』

淡「ターゲットに異常なし」

照「引き続き監視を続けろ」

淡「了解です」

堯深(ゼロ距離で言う意味あるのかな……)

淡「ターゲット、怪しい店に入るのを確認」

照「怪しい……」

堯深「少し様子を伺うことにしましょう」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:51:51.66 ID:y2icv7Yq0

(10分経過)

淡「そろそろ突入してもいいかな」

堯深「ちょっと待って……」

淡「ん?」

堯深「調べてみたの。あのお店はダーツバーらしいよ」

照「ダーツバー……。菫が選びそうな場所だ」

堯深(あくまでデート前提ですか……)

淡「店の内装とかわかる?」

堯深「写真もあったよ。中は結構広いお店みたい」

堯深「バーと言うよりは喫茶店みたいなところかな……」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:52:34.36 ID:y2icv7Yq0

照「気を付ければ隠れられそう?」

堯深「多分……」

淡「……突入、だね」

照「」コク


ガチャッ

店員「いらっしゃいませー」

淡(ダーツ場が見えるところにキャスティングしないと)

照「ここからなら気付かれずに監視できそう」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:53:21.06 ID:y2icv7Yq0

堯深「二人とも、ダーツやってますね……」

誠子『弘世先輩、やっぱり上手いですね』

菫『ありがとう。的に当てる系は大抵得意なんだ』

淡「テル、ホント?」

照「うん……。去年の文化祭、菫と私はクラスの出し物で射的場作ったんだけど」

淡「ふんふん」

照「一回菫にやらせてみたんだけど、百発百中のスナイパーだった」

堯深「客として来なくて良かったですね……」

照「むしろ『菫に勝てたら金券10枚』っていう有料コーナー作ってボロ儲けした」

堯深「………」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:54:02.05 ID:y2icv7Yq0

照「な、何その目。菫もノリノリだったよ」

淡「マジで……。ノリノリで相手を圧倒する菫先輩なんて……」

淡「……ごめん、簡単にイメージできた」

照「でしょ」

誠子『私全然当たらないんですけど』

菫『見てやるから一回投げてみろ』

誠子『はい。……やっ』ヒュンッ

誠子『……外しました』

菫『腕の角度。あと、身体の芯が動きすぎなんだ』
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:55:05.73 ID:y2icv7Yq0

淡「……ねえ、私たちって何部だったっけ」

照「麻雀は格闘技だから」

堯深「えっ!?」

照「頭脳の」

堯深「ああ……」

淡(物理な格闘の人もいるけどね!そこに!)

菫『よく見てろ。……はっ』シュッ トーン

誠子『おお……また真ん中』

照「改めて見ると菫凄い……」

堯深「誠子はダメダメですね……運動神経良さそうなのに」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:56:01.97 ID:y2icv7Yq0

照「実際どうなの?体育とか一緒にやらない?」

堯深「クラス違うんですけど、たまに一緒にやりますね……。ソフトボールで外野やってました」

照「上手かった?」

堯深「ちゃんとフライとれるから上手いと思います。私なんかはバンザイして落としちゃいますし……」

照「へえ……」

淡「……ねえ、私もやりたくなってきたんだけど」ウズウズ

照「ソフト?」

淡「じゃなくて、ダーツ」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:56:45.43 ID:y2icv7Yq0

堯深「バレるよ?」

淡「変装する。眼鏡貸してー」

堯深「度が入ってるけど……」

照「レンズ抜けば」

堯深「ダ、ダメですよ!」

淡「カバンの中に何かないかな……」ゴソゴソ

淡「帽子。サングラス。なんだいっぱいあるじゃん」

堯深(四次元鞄……)
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:57:55.05 ID:y2icv7Yq0

淡「髪結んで、帽子被って……と」キュッ

淡「よーし、行ってきます!」タタッ

照「あ、道具はカウンターで借りないと……」

照「……行っちゃった」

淡「」キョロキョロ

堯深「案の定困ってますね……」

淡「………」トコトコ

照「えっ?」

堯深(誠子と弘世先輩のとこに行っ――)
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:58:28.44 ID:y2icv7Yq0

淡「ねえ菫先輩。それどこで借りれるの?」

照「」
堯深「」

誠子「………」

菫「……お前淡か?」

淡「えっ!?」

誠子「えっじゃないだろ……」

淡「あ、あっれー!偶然!」アハハ

淡(やっばい……つい……)
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 15:59:15.32 ID:y2icv7Yq0

菫「何してんだ、こんなところでそんな格好で」

淡(ど、どーしよ。作戦を仰いで……)クルッ

照「げ」

堯深(何でこっち向くのー!?)

誠子「……あ、宮永先輩と堯深も…」

淡「あ……」

照「もう観念するしかないね」ボソボソ

堯深「そうですね……ありのまま話しましょうか」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:00:08.42 ID:y2icv7Yq0

堯深「」ズズ

菫「で、偶然見かけたから尾行することになったと」

照「うん」

菫「全く、またくだらないことを……」

淡「くだらなくないっ!」

菫「え?」

淡「二人とも聞くよ!一体どんな関係なの!」ビシッ

菫・誠子「「???」」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:00:50.71 ID:y2icv7Yq0

誠子「どういう関係……?同じ部活の先輩後輩じゃないのか?」

淡「じゃあ言うよ!亦野先輩は前私と遊んだときは制服だったじゃん!」

淡「でも今日は私服!これは今日が特別だったってことでしょ?」

淡「つまり今日のこれはデートなんでしょ!?」ビシィッ

菫「は……!?」

誠子「……一つ言っておくと、私はいつも休日制服な訳じゃないからな」

淡「……?」

誠子「お前と遊んだ日は釣りだっただろ?釣竿は学校に仕舞ってあるから、取りに行くために制服にならざるを得なかったんだよ」

淡「……あー」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:01:30.81 ID:y2icv7Yq0

誠子「だから今日みたいに釣り以外なら普通に私服なんだ。わかった?」

淡「………」

照「……私はそういう気はしてた」

淡「!?」

堯深「偶然ですね、私もです……」

淡「嘘でしょ!?寝返らないでよ!」

菫「……もういい。誤解だとわかったんだろ?」

淡「う、うん。ごめんなさい」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:02:11.59 ID:y2icv7Yq0

菫「折角集まったんだし、みんなでダーツでもやろう」

淡「あ、いいね!」

照「終わったらスイーツ食べ歩き再開」

堯深「今度はみんなで行きましょう」

誠子「そっちは食べ歩きしてたんですか」

照「うん」

淡「早くダーツやろーよー」ワクワク

菫「ああ。道具借りて来い」


淡(その後、みんなで楽しく休日を満喫しましたとさ)
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:02:54.59 ID:y2icv7Yq0

『女子高校生と試験勉強』

Prrrrr...

菫(……ん)モゾ

Prrrrr...

菫(電話……?)ムクッ

菫「もしもし……」ピッ

『ヘルプミー!!プリーズカムトゥBUSHITSU!ハリィィイアァァァッップ!!』

菫「」プツッ

菫(間違い電話か……)Zzz...
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:04:15.68 ID:y2icv7Yq0

Prrrrr...

菫(しつっこいな……)

ピッ

菫「何ですか一体?」イラッ

『ソーリーベリーマッチ!!』

菫「………」

菫「……その声、淡か?」

淡『Yes!』

菫「何で英語……」

淡『………』

菫「?」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:05:02.01 ID:y2icv7Yq0

淡『細かいことは気にしないで!』

菫(諦めたのか)

淡『というか事件だよ!早く部室来て!』

菫「……今日部活無いって言っただろ?」

淡『そ、それは知ってるけど!とにかくみんないるから早く来てね!』

プツッ ツーツー……

菫「………」

菫(久々の日曜休みくらい寝かせてくれ……)ハァ
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:06:48.79 ID:y2icv7Yq0

〜一時間後〜

ガチャッ

菫「おはよう」

照「おはよ」

堯深・誠子「「おはようございます」」

淡「菫先輩ー!」パァァ

菫「………」

菫「あ、淡が……」

淡「?」

菫「淡が本を読んでいる……!?」ガーン

淡「驚くようなこと!?」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:07:51.48 ID:y2icv7Yq0

照「それ教科書」

菫「ん?」

淡「テ、テスト勉強してるの……」ガクッ

菫「なるほどな。それでみんなを召集したわけか」

菫(そもそも日曜でも部活休みなのはテスト週間だからだったな)

淡「うん……」

菫「それにしても淡が勉強し出すとはな。留年の危機を早めに察知したのか?偉いぞ」

淡「誉められてんのか貶されてんのか分かんないよ!」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:08:44.20 ID:y2icv7Yq0

菫「で、何勉強してんだ?」

淡「英語……」ピラッ

菫「何がわからないんだ。英語なんて単語をその都度覚えて文法を復習するだけでいいだろ?」

淡「それができないから困ってるの!」

菫「む……?」

堯深(頭いい人の典型だ……)ズズ

淡「はぁ……どうしたらいいんだろ」

菫「だから単語を」

淡「菫先輩は黙っててください」

菫「ちょ」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:09:20.23 ID:y2icv7Yq0

照「そうは言っても……大体菫の言う通りだと思うけど」

堯深「うん。それか教科書の文を丸ごと覚えるとか……」

淡「大変そう……英語明日だし」ハァ

誠子「そもそも英語に関心が無いから駄目なんだ。興味を持って楽しんでやればいい」

淡「どーやって?!こんな夷狄の言語に興味持てとか拷問だよ!」

菫(何で夷狄なんて言葉知ってるんだ……)

誠子「そうだな……日常の事を英語に変換してみたりしたら面白いぞ」

淡「どゆこと?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:10:59.08 ID:y2icv7Yq0

誠子「例えばな……釣りざおを英語でいうと『rod』になる」

淡「ロッド?」

誠子「うん。ゲームとかで魔法の杖をロッドって言ったりするだろ?つまり『釣りざおは魔力を帯びた特別な物』って事なんだよ」

淡「へえー!すっごーい!」

誠子「だろ?」フフン

照・菫・堯深(それは違うと思う)

淡「なるほど……身の回りのことかぁ」

淡「じゃあ興味持つためにまず調べてみようかな」ペラペラ

菫(勉強から離れてる気がするが……まあいいか)
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:11:43.93 ID:y2icv7Yq0

淡「」チラッ

菫「な、何だ?」

淡「『菫』、菫っと〜」ペラペラ

淡「あった!」

菫(すみれ)[名]violet

淡「………」

淡「……『バイオレント』?」

菫「誰が暴力的だ!」ペシッ

淡「いたっ」

尭深(突っ込んでいいのかな……)
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:12:29.28 ID:y2icv7Yq0

菫「『ヴァイオレット』だ。または種類の違いで『pansy』もある」

淡「ふーん……でも一文字違いじゃん。もしかしたらこの二つの単語、密接な関係が――」

淡「ハッ……!菫先輩のロン和了が露骨に暴力的なのはまさか……!?」

菫「ねーよ」ペシッ

淡「いたた……あ、テルはめくらなくても分かるよ」

照「本当?」

淡「うん。電話の『TEL』でしょ?」

照「違う……」

淡「嘘!?」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:13:46.31 ID:y2icv7Yq0

誠子「そもそも電話って意味わかってるじゃんか。何で違うってことが分からない」

淡「……あ、あれか!」

淡「『tell』!でしょ?」カキカキ

照「それも違う」

淡「ええ!?」

誠子「それは話すって意味な」

菫「辞書引けよ……」

淡「はいはいこーさんこーさん」ペラペラ

照る→照りつける

淡「照りつける……あった」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:15:51.36 ID:y2icv7Yq0

照りつける[動]braze

淡「『ブレイズ』!?これって地獄の炎とかじゃないの!?」

淡「ハッ……テルの悪魔じみた強さはつまりこういうこと……!?」

照「……『照らす』で引いた方がいいと思う」

淡「あ〜同じ漢字でも意味が違ったってことね。なるほどなるほど」ペラペラ

淡「照らす照らす……あった!『terrace』」

誠子「それはテラスのことだから!」

淡「ごめん、この下だ」テヘ

照らす[動]light

淡「照=ライト=月……デスノート!?」

誠子「違うって!」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:16:32.05 ID:y2icv7Yq0

『女子高校生と演劇』

淡「みんな、演劇しよー!」

「「「「……………」」」」

菫「……どうして?」

淡「今度の学祭は演劇をやろうと思って!」

菫「今度って……学祭は11月だぞ?4ヶ月も先だ」

淡「待ちきれなくてしょうがないんだよ〜」キラキラ

菫「はぁ……その情熱をインハイに注いでほしいもんだ……」

堯深「でも演劇のアイデアはいいかもしれませんね……」

誠子「うちの部員多いから相当大がかりなのもできるかもしれません」

淡「だよね!」

菫「……まぁ、そうかもな」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:17:13.95 ID:y2icv7Yq0

照「じゃ、演劇シミュレーションやってみようか」スクッ

菫「いやいやどうしてそうなる」

照「今から演技力とアドリブ力を鍛えておく。11月なんて直ぐだ」

菫(一理あるのか無いのか……)

淡「じゃあ早速大まかなストーリーを決めよう!私は『大魔王テルーVS魔導弓師スミレ』がいいと思う!」

誠子「かなり考え込んできただろ」

淡「やっぱバレる?」テヘ

照「私がラスボスか……」

淡「ダメ?」

照「うーん……出番あんまり無いのかなって思って」

菫「何で前向きなんだよ」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:18:19.62 ID:y2icv7Yq0

淡「じゃあ勇者にちょくちょくちょっかいを出す感じの魔王にすればいいんじゃない?」

照「小物感あるけど……それでいっか」

淡「じゃあ早速始めるよ!ミス・ヴィオレット、アーユーオッケーイ?」

菫「ハリウッドっぽく言ったつもりなんだろうが全然そう聞こえない」

淡「てへ」

菫「というか私が主人こ」

淡「今ここに魔導弓師スミレの旅が始まったのである!」

菫「話聞けよ!」

淡「大魔王テルーの度重なる妨害を掻い潜り、とある街に辿り着いたのである」

照「ちょっかい全部カットされた……」

菫「街って……」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:18:57.28 ID:y2icv7Yq0

淡「スミレ、なかなかいい街ね☆」

菫「ちょっと待て誰だお前」

淡「私はヒロインのアワード・ザ・ビッグスター。あなたの旅をサポートするわ☆」

菫「ヒロインって自分で言うなよ!」

淡「あ、あんな所に大きな川が☆」

菫「街じゃなかったのかよ」

誠子「………」

菫(……かっこよくソファに座っている…)

淡「あらー?そこで釣りをしているあなたは一体誰かしら☆」

誠子「ふっ……知りたいか?」

誠子「ならば私を倒してからにしてもらおうか!」バッ

菫「何でノリノリなんだよお前!」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:20:28.99 ID:y2icv7Yq0

菫「というか名前聞くだけなのに倒す必要性あるのかよ!ないだろ!」

淡「いい突っ込みねスミレ☆」

菫「これ劇に組み込まれてんのかよ!!」

淡「こういう輩はスルーするのが一番よ☆」

誠子「ま、待て!」

淡「なーにー?まだ何かあんのー?☆」

菫(黙ってたけどお前のキャラ何なんだよ)

誠子「私に勝つことができれば大魔王の居場所を教えて差し上げよう」

淡「……あなた何者?☆」

誠子「ふふ、それが知りたければ私を倒すしかない!」

菫「面倒だな!!」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:21:29.70 ID:y2icv7Yq0

淡「スミレ!あなたのシャープシュートでぶっ殺しちゃって!☆」

菫「表現が物騒だよ!」

誠子「さあ来い!」

菫「え、ええ……?じゃあ……シャープシュート……?」

淡「ひゅんっ!」

淡「がきーん!!」

誠子「そんな攻撃、私には効かん!」

菫「旅始まったばかりなのにどうしろと」

淡「フムフム……こうなったらアワード・ザ・ビッグスターとの合体技を使わざるを得まいな……」

菫「合体技……?」

淡「その通りじゃ」

菫「………」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:22:03.12 ID:y2icv7Yq0

菫「……って、お前誰だよ!!」

淡「ワシの名は魔導老師アワード・ザ・スモールスター。アワード・ザ・ビッグスターの子供じゃ」

菫「まさかの子供かよ!!老師じゃねーのかよ!!」

菫「つーかヒロイン子持ちかよ!バツイチ!?」

淡「レディに秘密は付き物よ☆」

菫「何もんなんだよお前!つーか紛らわしいわ!」

淡「突っ込んでる余裕はないわ。敵のセイクリッド・マタノが攻めてきているわ☆」

菫「存在忘れてたわ!何してたんだよアイツ!」

誠子「な、なぜ私の名を……!」ガーン

菫「設定忘れてただけだよ!!」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:22:54.00 ID:y2icv7Yq0

淡「あなた……本当に私の顔に見覚えがないの?☆」

菫「え?」

誠子「!まさかお前……」

淡「そう。あなたはスモールスターを身籠った私を捨てた、私の元カレよ!☆」ビシッ

菫「お前『何者だ』とか言ってただろ!?」

誠子「残念ながらそれは私の双子の兄・大魔王テルーの事だろう。私ではない」

菫「おいこいつ身元全部吐いたぞ」

淡「それならあなたに用は無いわ!行くわよスミレ!☆」

菫「お、おう……?」

淡「スミレの弓に星の加護を!☆」

淡「きゅぴーん」

淡「これでスミレの弓には星の力が加わった……セイクリッド・マタノなんて目じゃないじゃろう」

菫「お前スモールスターか。相変わらず紛らわしい」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:23:32.17 ID:y2icv7Yq0

淡「行きなさいスミレ!《闇を切り裂く一閃》――!!」

菫「え?ああ……」

菫「……って!それはもう忘れろぉぉおっっ!!」ベシッ

菫「どさくさに紛れて掘り返してんじゃねーよ!!」バシッ

淡「痛い☆痛い☆やめてスミレ!☆」

菫「演劇に組み込んでしらばっくれるな!!」

淡「とにかく行くわよ!シューティングスター・ザ・ブラスター・シャープシューティング!!☆」

菫「なげーよ!しかもシューティングって二回言ったぞおい!」

淡「ひゅんっ!!」

淡「星の加護を得た矢はセイクリッド・マタノの心臓を貫き、大量の血を吐いてセイクリッド・マタノは息絶えた!」

菫「何でちょくちょく変な表現挟むんだよ!」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:24:41.83 ID:y2icv7Yq0

淡「ああ……これじゃ大魔王テルーの居場所は聞けなくなっちゃったわね☆」

菫「ノリノリで殺せとか言った口がよくそんなこと言えるな!」

淡「大丈夫、ワシが知っておるからのう」

菫「知ってるなら最初から言えよ!つーかお前結局何なんだよ!」

淡「知りたいか?知りたくば……」

菫「黙れ!!」

照(私の出番まだかな……)ウズウズ


淡(こうして――)


菫「しゅ……シューティングスター・ザ・ブラスター・シャープシューティング……」

淡「ストップ!ストォーップ!」

誠子「?」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:25:21.43 ID:y2icv7Yq0

淡「ミス・ヴィオレット!何だいその演技は!」

菫「な、なんだよ……」

淡「棒読みも棒読み!大根役者もいいとこだね!」

菫「なっ……」

淡「菫先輩、あえて地雷を踏むよ!」

誠子(素に戻ってる……)

淡「『闇を切り裂く一閃』……これをノリノリで言っていた菫先輩はどこへ行ったの!」

菫「!こっの……」ワナワナ

淡「そんな演技をしてちゃ、主人公の役なんて他に取られるよ!」ビシッ

誠子(お前が勝手に決めたんだよな?!)
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:26:26.24 ID:y2icv7Yq0

菫「………」

菫(……腹立たしいことだが、淡の言ってることは半分正しい)

菫(部長の私が率先してやらねば士気にも影響が出ると言うのもあるだろう)

菫(……私だって本気でやればそんなに演技が下手なわけじゃない)

菫(なめられたままってのも癪だ)ゴゴゴゴゴ

照「!?」ビクッ

誠子(や、やばい……これは爆発する……!?)

菫「いいだろう、やってやるよ!再開だ!」

誠子「え?」

菫「食らえ!《ShootingStar THE Blaster SharpShooting》!!」

淡(発音うまっ!)
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:27:01.45 ID:y2icv7Yq0

誠子「………」ポカーン

菫「……チッ、外したか」

誠子「え?えっ??」

菫「次は決めるぞ。セイクリッド・マジェスターノ!」

菫「歴史の闇に、永劫に消えろ!《MillionRain Blaster SharpShoot》!!」

誠子「ぐ、ぐあぁぁぁぁ!!!」バタッ

淡「エクセレント……!完璧な必殺技だったわ、スミレ☆」

菫「ふん」

誠子(どうしよう……弘世先輩がおかしくなった……)
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:28:07.51 ID:y2icv7Yq0

淡(物語はクライマックスへと向かっていき――)


菫「爆ぜろ!《Explosion CrossBuster SharpShoot》!!」

誠子「ぐあ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛っ!!!」

照(心なしか誠子の演技も迫真になってる気がする……!)

淡「セイクリッド・マタニティクローゼットを倒したわ!大魔王テルーの部屋はすぐそこよ☆」



淡(遂に終わりを迎えました)


照「これからは……一緒に暮らしていこう。星の巫女レボリューション・オオホシ」

淡「愛してます……大魔王テルーさま」

菫(大魔王って言わなければ最高だったのにな)
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:28:44.54 ID:y2icv7Yq0

淡「こうして全ての黒幕アワード・ザ・ビッグスターは滅び去り、暗黒帝国ホワイトイトダイは平和になりましたとさ」

淡「めでたしめでたし!」

菫「……ふぅーっ!」ドサッ

淡「菫先輩、名演でしたー!」パチパチ

照「うん。特に、愛するアワード・ザ・ビッグスターに弓を引くところの演技は最高だった」

菫「そ、そうか?ははは……」///

菫「そういうお前も自らの愛と国民の命に葛藤する大魔王役、よかったじゃないか」

照「そ、そうかな」テレルテル

淡「たかみ先輩も参加すればよかったのにー」

誠子「……そういえば堯深は?」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:29:31.07 ID:y2icv7Yq0

堯深「」ジーッ(携帯で撮影中)

堯深「あ、舞台裏も撮ろうと思ってるのでそのままどうぞ……」

「「「「……………」」」」

菫「……尭深」

堯深「はい?」

照「やっぱり、今思えば恥ずかしいことしてた」

淡「だから、そのデータを……」

堯深「……くすっ」

堯深「消しませんよ?みんな名演でしたから……」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:30:16.86 ID:y2icv7Yq0

菫「な、なら……」

淡「実力行使っ!」

堯深「!」ダッ

誠子「ま、待て!」

照「あのデータがコピーされたら最後……急ごう!」

菫「お願いだ!待ってくれ尭深!」ダダダ

堯深「はっ……はっ……ま、待ちませんよ……」ダダダッ


堯深(いつもと変わらない私たちの日常。チーム虎姫は今日も平和でしたとさ)

堯深(めでたし、めでたし)


おわり
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:31:14.73 ID:y2icv7Yq0

番外編『男子高校生は異常』


須賀(俺は須賀京太郎!清澄高校の麻雀部の一員だ)

須賀(今日は部活も休みということで家で友人と遊ぶことになっている)

ピンポーン

須賀「お、来た」

ガチャ

武藤「よっ」

須賀「おう。入れよ」

須賀(こいつは武藤。同じクラスになったこと縁でつるむことになった)

須賀(いつも変なパズルを首からぶら下げたり、腕輪などをチャラチャラさせてる濃い奴だ)

須賀(あと筆舌に尽くしがたい形状記憶ヘアーをしていることで上級生にも有名らしい)
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:31:58.20 ID:y2icv7Yq0

武藤「さて、何をやる?」

須賀「2人だけどスマブラでもやってよーぜ」

武藤「おう。コンセントは……」

須賀「テレビの裏だ」

ピンポーン

須賀「お、来たみたいだ。待っててくれ」

ガチャ

赤木「………」

須賀「よく来たな。武藤は先に来てる」

赤木「そうか」

須賀(こいつは赤木。武藤と同じで高校に上がってからの付き合いになる)

須賀(基本的に口数は少なくクール。人付き合いも悪いが、ゲームの腕に関しては神がかった強さを見せる事で有名だ)

須賀(俺がこいつと知り合ったのも、自習時間にモンハンで華麗な猫火事場プレイしてるのを目撃したからだ)
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:32:46.65 ID:y2icv7Yq0

武藤「よう赤木」

赤木「ああ」ドサッ

赤木「大乱か……苦手だな、こういうゲームは……」

武藤「お前さ、スマブラのこと大乱って言うのやめね?」

赤木「クク……どうでもいいことだろ……」

ピコーン

須賀「誰にしよっかな」

武藤「俺はもちろんゲームウォッチにするZE!」

赤木「俺は……そうだな、マルスにでもするか……」

須賀「俺はドンキーにでもするか」

武藤「何!これではゲームウォッチの下必殺が使えない!」

赤木「お前がゲームウォッチを選ぶことくらい読めてるんだよ……クク……」

須賀「いや真っ先に決めてたじゃねーか」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:33:27.26 ID:y2icv7Yq0

GO!!

須賀「おらっ、くらえっ!」

赤木「ククク……」

フッ ガキーン!!

須賀「うお!カウンター!?」

須賀(ならば……フェイントを仕掛けて……!)

赤木「フン……」

ガシッ!!

須賀「一瞬の隙につかまれた!?」

シュバァァン!!

須賀「うは、俺だけストック1かよ」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:34:01.36 ID:y2icv7Yq0

武藤「赤木、勝負だ!」

赤木「フン……」

ドドッ シュバァッ
ガキーン ガシッ シュシュッ

須賀「な、なんだこの高次元な戦いは……」

武藤「くっ……やるな赤木」

赤木「………」カチャカチャ

赤木「フッ……」

須賀「赤木が押している……!」

武藤「くっ、こいつ……俺の手を読みきっている……?」

武藤「……そうか」

赤木「……!?」カチャカチャ

須賀「赤木の動きが鈍った!?」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:34:39.56 ID:y2icv7Yq0

武藤「いけっ!」ガチャッ

赤木「クク……なるほどな」

武藤「ふっ、気付いたか?」

須賀「えっ?」

赤木「こいつ、俺が奴の攻めっ気……闘志で次の手を読むことを分かって、気配を消してきた……!」

須賀「気配を消す!?」

武藤「このまま押していくZE!」カチャカチャ

赤木「フッ……」

ガキーン!! ハッ

武藤「何!?フェイント読み掴み読み攻撃を読まれた……!?」

須賀「ややこしいな!」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:35:21.32 ID:y2icv7Yq0

赤木「」カチャカチャ

武藤「こ、こいつ……!」

武藤「画面を……テレビ画面を見ていない!指先の感覚と耳に入る効果音だけで状況を理解している!」

須賀「はぁ!?」

武藤「そして……俺の手元を見て、指の動きから次に繰り出す技を瞬時に読み取っているのか……!」

須賀「バケモンかよ!!」

赤木「トドメだ……!」

シュバァァン!!

武藤「くっ……」

赤木「勝負あったな。俺とお前の差は大体互角……1機の差は勝敗を決したと同義だ」

須賀(気、早すぎだろ)
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:35:59.29 ID:y2icv7Yq0

武藤「まだだ……俺はどんな苦境に落ちようと諦めないZE!」

武藤「食らえ!」ガチャッ

赤木「!」

ピリリリリリ!!!

赤木「クク、一瞬冷や汗かいたぜ……ゲームウォッチの一撃必殺を狙ってくるとはな」

赤木「だが『9』はもう出ちまった。次も再び『9』の確率を考えれば……俺の勝ちは決定的だな」

武藤「言ってろ。ゲームウォッチのハンマーは言うなればマスターの未来!」

武藤「諦める者に未来は切り開かれない。そして俺は、如何なる場合においても勝利を諦めない!」

赤木「面白い……」

ゴトッ

須賀「コントローラーを手放した……?」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:37:02.08 ID:y2icv7Yq0

武藤「どういうつもりだ、赤木」

赤木「それほどまでに自信があると言うのなら……見せてみろ、お前の未来」

武藤「ふっ……後悔しないな」

須賀「何だこれ……狂ってる……」

赤木「クク……さあ来い武藤……!」

赤木「狂気の沙汰ほど面白い……!」

武藤「いくぞ!」カチャッ

ピリリリリリリ!!!

赤木・須賀「「!!!」」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:37:38.74 ID:y2icv7Yq0

シュバァァァン!!

赤木「……なるほどな」

武藤「これで一機同士だぜ」

赤木「面白い……」

ドドッ シュバッ ガキーン!!
バチバチッ ピリッピリッ ヒュンッ!!
ピッピッピッ セヤアァッ!!

須賀「何て戦いだ!互いが200%に達しているのにギリギリの所で死を回避している!」

須賀「カウンターの応酬!互いの瞬時の読み合い!現実空間の魂のぶつかり合いが画面の中を通してハートに突き刺さってくる!」

須賀「戦闘の効果音がまるでベルリンフィルハーモニー管弦楽団が奏でるブラームスの交響曲のようだ!」

須賀「そしてゲーム画面から伝わってくる……この2人のほとばしる闘気!オーラ!勝たんとする意思!」

須賀「すげぇ……!この戦いをリアルタイムで見れている!俺はなんて幸福者なんだ……!」ウルウル
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:38:15.25 ID:y2icv7Yq0

赤木「!」ズルッ

武藤「!貰ったァーー!」

赤木「しまっ……汗でコントローラーが……」

ドゴォォォォン!!

武藤・赤木「「!?!?」」

ウィナー ドンキーコーング!!

須賀「だが……至福の時間は刹那の中にしかあり得ない……なんてな」

須賀「ははは!漁夫の利作戦!まんまと引っ掛かったな!」

須賀「はっはっはっはっは!はっはっ……」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:39:07.46 ID:y2icv7Yq0

赤木「………」

武藤「き……きっっすぁまぁぁぁ!!!!」

須賀「!?」ビクッ

赤木「これは指一本……いや、血抜きくらいやっても問題はないな……」クックックッ

須賀「はぁ!?血抜き!?」

武藤「マインドクラッシュ程度じゃ済まさない……!覚悟しろよ、この蟲野郎!!」カッ

須賀「ええええええ!?」


その後、須賀京太郎の姿を見た者は誰もいなかった……


おわり
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:39:54.96 ID:y2icv7Yq0

番外編2『女子プロも異常』


健夜「ねぇこーこちゃん、お願いがあるんだけど……」

恒子「なに?」

健夜「今度の日曜、私の家に来てくれないかな……?」

恒子「それはまたどうして?」

健夜「うーん……その、何とも言えないんだけど」

恒子「ってゆーかすこやんの家なんていっつも勝手に行ってるじゃん。別に改まって言う必要も……」

健夜「あ、そうじゃないの。実家じゃない方」

恒子「え?」

健夜「親戚が集まる会合があるんだけど、それに付いて来てくれないかな……」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:41:00.25 ID:y2icv7Yq0

恒子(……詳しいことは話してくれないし、何か表情も少し暗い)

恒子(その親戚と昔トラブルでもあって気まずいとかかな?だからパートナーである私を頼ってきてる、と)

恒子「ふふ……」

健夜「こーこちゃん……?」

恒子「私がすこやんのお願いを無下に断ったりすると思う?」

健夜「じ、じゃあ……」

恒子「このスーパーアナウンサー福与恒子に任せなさいっ!」ドンッ

健夜「ありがと〜助かるよ……」

恒子「じゃあ交換条件。親戚の事も加えて取材させてね」

健夜「記者みたいだね……。プライバシーに関わらない程度ならいいよ」

恒子「オッケーい♪」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:41:45.72 ID:y2icv7Yq0

恒子(……ということで私は今助手席にすこやんを乗せ、その親戚の家とやらに向かっています)

恒子(その家はかなり山奥にあって、車で行くのも一苦労)

健夜「もうそろそろだよ」

恒子(うおっ、まぶし……)

恒子「山抜けたね」

健夜「うん。この白壁に沿って南に行って」

恒子「オッケー」

恒子「………」

健夜「………」

恒子「ねえすこやん?」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:42:25.58 ID:y2icv7Yq0

健夜「何?」

恒子「この白壁長すぎじゃない?」

健夜「あー……これ城下町の壁なの」

恒子「……じ、城下町…?」タラ

健夜「うん。親戚が集まるっていうのはそこのお城の事」

恒子「……はい?」

健夜「この町では江戸時代のような町並みが広がってる」

健夜「ほら、曲がって」

恒子「お、おお」グイッ

恒子「……うっすらと門が見える」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:43:01.60 ID:y2icv7Yq0

健夜「ここ真っ直ぐ行けば城下町の門。そこから更に道を真っ直ぐ行けばお城だよ」

恒子「………」

恒子(すこやんの親戚って……)

 ・
 ・
 ・

恒子(と、到着……)

健夜「お疲れさま」

恒子「う、うん。それにしてもでかいお城だねえ……」タジッ

健夜「ここからは歩きだよ。付いてきて」

恒子「はーい……」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:43:45.45 ID:y2icv7Yq0

―小鍛冶城・門前―

ピンポーン……

恒子(なぜ城の門前にインターフォンが……マジで住み着いてるのかここに)

健夜「健夜です」

ギギ……

恒子(門が開いた!?)

執事「お久しゅうございます、健夜様」

健夜「お久しぶりです」ペコッ

恒子(何で和式なのに執事なんだよ!)
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:44:36.33 ID:y2icv7Yq0

執事「そちらの方は……?」

健夜「友人の福与さんです」

執事「ご友人で御座いますか」パチッ

シュタッ!!

忍者「はっ」

恒子(……ごめん、もう笑いそう)プルプル

執事「お二人のお荷物をお部屋までお持ちしろ」

忍者「はっ。お二人とも、お荷物をお預かり致します」

健夜「はい」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:45:09.80 ID:y2icv7Yq0

恒子「お、おねがいします」スッ

シュタッ!

恒子(……消えちゃった。大丈夫かな荷物)

執事「海底の間にて旦那様がお待ちになっております」

健夜「分かりました。ここからは二人でいいです」

執事「かしこまりました……」

健夜「こーこちゃん、行くよ」

恒子「お、おう……」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:45:54.95 ID:y2icv7Yq0

―小鍛冶城・廊下―

恒子「ねぇすこやん」

健夜「何?」

恒子「何?じゃないよ。色々とおかしい」

健夜「そう?」

恒子「そう?じゃないって。何で日本風のお城に執事がいるのかって思ったら忍者って!何これ!?」

健夜「少しお金がある家なんてみんなこういうものだって」アハハ

恒子「絶対違うよ!」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:46:47.28 ID:y2icv7Yq0

―小鍛冶城・海底の間―

健夜「お久しぶりです。健夜、ただいま参りました」

恒子「は、初めまして……健夜さんのお友だちをさせていただいてる福与恒子と申します……」カチコチ

極夜「わしは小鍛冶極夜じゃ。よろしくのう」

健夜(こーこちゃん、そんなにビクつかなくていいから)ボソボソ

恒子(いや、だって!広間の両脇にビッシリ人が並んでて、正直極道みたいだよ!)ボソボソ

極夜「ほら、皆自己紹介をせんか」

一夜「はい。私が長男の一夜と申します」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:47:25.33 ID:y2icv7Yq0

二夜「私が長女の二夜です」

三夜「私が次男の三夜です」

恒子(名付け方てきとー!)

百夜「そして私が三男の百夜です」

恒子(トバしすぎでしょ!!)

トメ「私は次女のトメです」

恒子(諦めんなよ!!)

健夜「で、私のお母さんがトメさんの妹ってこと」

恒子「は、はあ……」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:48:04.58 ID:y2icv7Yq0

極夜「はーしかしいい面構えをしとる!健夜が選んだのも当然じゃのう」ガハハ

恒子「?」

健夜「……お祖父様、福与さんは長時間の車の運転で疲れています。暫く部屋で休息をいただきたいのですが」

極夜「宜しい。食事の支度が出来たらまた呼ぼう。しっかり休め」

健夜「はい。こーこちゃん」

恒子「う、うん……」スクッ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:48:56.19 ID:y2icv7Yq0

―小鍛冶城・嶺上の間―

健夜「ここがこーこちゃんの部屋。隣の部屋に私がいるから何かあったら……」

恒子「そ、そんな……一緒にいてよすこやーん……」ウルウル

健夜「」ビクッ

健夜「し、しょうがないなぁ。じゃあ休み時間の間はね」

恒子「うん!……で聞きたいことがあるんだけど」

恒子「小鍛冶家って……どういう歴史辿ってるの?」

健夜「……長くなるよ」

恒子「別にいいよ」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:49:58.34 ID:y2icv7Yq0

健夜「じゃあ話すね」

健夜「小鍛冶家はその名の通り小さな鍛冶屋を営んでいた一族だったの」

健夜「江戸時代。私たちのご先祖様は偶然にもオリハルコンの生成に成功して――」

恒子「ちょ、ストップ!いきなり話が壮大になってない!?」

健夜「私もこれは流石に無いわって思ってたんだけど、裏付けがあるんだよね……」

恒子「裏付け……?」

健夜「それについてはおいおい話すよ。今はご先祖のお話」

健夜「オリハルコンの生成に成功したご先祖様は、それで麻雀の牌や点棒を作った」

恒子「何でいきなし麻雀が!?」

健夜「この辺りは麻雀が盛んでね。武士は刀の代わりに鉄製リーチ棒を帯刀してたの」

恒子「ギャグ漫画かよ……」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:50:38.77 ID:y2icv7Yq0

健夜「ちなみに白糸台の弘世菫さんや讃甘高校の新免那岐さんのご先祖様はここ周辺出で、この文化を受け継いでるんだよ」

恒子「あの人たちが高度すぎるギャグ持ってたのはそのためだったんだね!?」

健夜「で、オリハルコン製麻雀牌で打ってる内に、ご先祖様はオリハルコンパワーを受けて運命力が強くなっていった」

健夜「そしてそれがDNAに刻まれるようになったの」

恒子「DNA!?」

健夜「ん、知らない?デオキシリボ核酸……」

恒子「それは分かるよ!」

健夜「?じゃあ続けるよ」

恒子(何でさも当然みたいな対応されなきゃいけないの……やっぱおかしいわ)
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:51:26.00 ID:y2icv7Yq0

健夜「DNAに刻まれたその運命力の強さは子孫へ受け継がれていくたびに洗練されていった」

健夜「まるで動物が繁殖しながら環境に適応するかのように」

健夜「つまり、オリハルコンDNAにはご先祖様全員が打ってきた麻雀の歴史が入ってる」

恒子「宇宙だね……」

健夜「え?」

恒子「あ、いや……何でもない」

健夜「で、小鍛冶家の中でも最も強かった人間のDNAが受け継がれているのが私の家なの」

恒子「あー……裏付けって……」

健夜「うん……私が言うのも何だけど、意味不明で理不尽な強さが裏付け」

健夜「でも表の世界に出てるのは歴史上私が初めてで、ご先祖様は裏の世界で活躍してた」

恒子(ノリが極道っぽかったのはこの所為か)
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:52:15.98 ID:y2icv7Yq0

恒子「でもその最も強かったのが女性ならどうしたの?養子取ってきて継がせたの?」

健夜「いや、あくまで家主の体裁は保ちたかったらしくて。『藍秘家手』っていう秘術で女の人同士で子供を作らせてたみたい」

健夜「ちなみにその秘術は今の時代のiPSとは違って女同士でも男の子を生ますことができるらしいよ」

恒子「何でもアリだな小鍛冶家!」

健夜「で……その」モジモジ

恒子「?」

健夜「き、今日呼ばれたのは他でもなく、その事についてなんだ……」

恒子「秘術の事?」

健夜「う、うん」カァァ
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:53:05.52 ID:y2icv7Yq0

恒子「え?何で顔赤らめてんの」

健夜「その……だから……」

健夜「私もそろそろ後継ぎを作れってお祖父様から言われてて……」

健夜「私も女で家主にならなきゃいけない。だから……じ、女性と結婚しなきゃなんないの」

恒子「ふむ」

健夜「………」

恒子「それで?」

健夜「わ……わ……」

恒子「??」

健夜「こ、こーこちゃんっ!私の子供を産んでくださいっ!」///
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:53:41.51 ID:y2icv7Yq0

恒子「……………」

恒子「えええええええぇぇぇ!!!???」

健夜「」カァァ

恒子「じゃあ何なの!?私呼んだのってその秘術で私を孕ませるためなの!?」

健夜「有り体に言うと……」

恒子「え、いや……それは」

健夜「わ、分かってる。今日はただの顔合わせだけ」

恒子「顔合わせだけって……私がすこやんと結婚するのは決定済み!?」

健夜「」コクコク

恒子「んなアホな!急すぎるよ!」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:54:15.86 ID:y2icv7Yq0

健夜「だ、だって!お祖父様が急に呼ぶんだもん……私もこの歳になって恋人も居ないのかって思われたくないし……」

恒子「その意地のために私の人生は決まっちゃったわけ!?」ガーン

健夜「ご、ごめん……」

恒子「その言葉はお祖父さんに言ってよ!騙してごめんなさいって!」

健夜「………」

健夜「こ、こーこちゃんは……嫌?」

恒子「へ?」

健夜「私と結婚するの……」

恒子「え……その……」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:55:35.24 ID:y2icv7Yq0

健夜「そうだよね、私なんて取り柄と言ったら麻雀だけのアラフォー」

恒子「アラサーだよ!!って何でこれ私が言ってんの!」

健夜「若いこーこちゃんにはこれからたくさん新しい恋がある筈だし、そもそもこーこちゃんは普通に男の人の方が……」

恒子「ち、ちょっと待ってよ!嫌だなんて言ってない!」

健夜「……?」グスッ

恒子「き、急すぎるって思っただけ!」

恒子「ちゃんと挨拶とかしてくれてたら私もこんな反応しなかったよ」

健夜「……ごめん」

恒子「……許してあげるからさ、言ってよ」

健夜「?」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:56:36.30 ID:y2icv7Yq0

恒子「子供生んでくれなんて言う前に、言うべき事があるっしょ?」

健夜「あ……」

健夜「こ、こーこちゃん……結婚してくださいっ!」///

恒子「そこ!?」

健夜「へ……?」

恒子「もう一段階前!ほら!」

健夜「け、結婚を前提にお付き合いしてください……?」///

恒子「違うってー!!もう一つ前!!」

健夜「……!わ、分かった」

恒子「うん」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/13(木) 16:57:27.80 ID:y2icv7Yq0

健夜「こーこちゃん、好きです……」///

恒子「……オッケー。私も」

健夜「えっ?」

恒子「私もずっと好きだったよ!すこやーん!!」ギュッ

健夜「え、えぇ……?」///


恒子(こうしてその一ヶ月後、私はその秘術を施されて妊娠)

恒子(正式に籍を入れて小鍛冶恒子となりました)

恒子(すこやんは再びプロリーグに戻り、戦いの日々に身を投じています)

恒子(それは生まれてくる私たちの子供の夢になるため、らしいです)


カン!
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/13(木) 18:44:17.43 ID:dKoZS68IO
乙!
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/13(木) 19:16:42.22 ID:suAxyhPDO


相変わらず楽しかった
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/13(木) 19:52:59.29 ID:NCMT6bzm0
まさか続きが来てくれるとは、乙です

他の学校の日常も気になりますね
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/13(木) 20:10:52.90 ID:L3dyCDMAO
番外編その2のトンデモ設定にワロタ
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 01:31:26.52 ID:qxs11HuAO

亦野さんがそこそこ活躍するとは珍しいし貴重
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