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医「不治科メンタルヘルスへようこそ。」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:29:50.13 ID:kdg5t3uZ0
母「先生、治りません!息子の病気が治りません!」

医「はいはい、きょうはどういたしました?」

母「息子が二週間前から、部屋から出ようとしないんです。」

医「引きこもりですか。」

母「いえ、そんなことはありません。ほんの二週間前までは高校に通っていたんです!」


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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:30:42.08 ID:kdg5t3uZ0
医「いじめとかですかね?」

母「一応学校にも連絡を取りましたが、担任はそんな事実はないとの一点張りで。」

医「ま、学校はいじめを認めたりはしませんからね。」

母「精神的な物かとも思い、2,3他の精神科も回ったのですが、ほとんど相手にしてくれませんでした!」

医「そりゃ患者がここにいないのに病気の診察をさせられてもね。」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:31:33.71 ID:kdg5t3uZ0
母「そこを何とかお願いします!家に来て見ていただけませんか?」

医「仕方がないですね。おい、佐々木君。」

佐「はーい。」

母「なんですか彼女は?」

医「私の助手です。佐々木君。しばらく私は抜けるので後は任せた。ちなみに今日なにか他に用事はあったかな?」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:33:28.20 ID:kdg5t3uZ0
佐「童貞をこじらせた子が一人」

医「ああ、そいつか。そいつは食べていいぞ。そうすりゃだいたい治るだろ。」

佐「あら、私にも選択権がありますわ。」

医「他には?」

佐「恋の病の子が一人。」

医「ああ、わざわざ深夜に来るって言ってたやつか。ちょっとそいつはじきじきにみてやらんとな。」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:34:40.40 ID:kdg5t3uZ0
医「じゃ、それまでには戻るんで後は任せた。」

佐「はーい。」

医「それじゃ。」

ファミファミファミー♪、ファミファミマー♪
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:36:27.76 ID:kdg5t3uZ0
母「・・・なぜ病院の出入り口がファミマなんですか。」

医「趣味です。」

母「はぁ。」

医「あと、コンビニ感覚で来てもらえるようにっていう願いを込めてますね。」

母「精神科にコンビニ感覚で人が行くようになったら、だいぶまずいと思うのですが。」

医「いやー、だってひまなんですもの。」

母「はぁ。」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:37:48.81 ID:kdg5t3uZ0
医「ところで、患者のことを何も知らないと診察がはかどらないので、

歩きがてら息子さんのことをうかがわせていただいてもよろしいですか?」

母「はい。」

医「二週間前から引きこもっているといっていましたが、その前段階の症状などはありましたか?」

母「さぁ。でも、たしかにだんだんやつれていた気はするんです。」

医「受験とか?」

母「しかしまだ高校1年ですし・・・。」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:38:49.38 ID:kdg5t3uZ0
医「ちなみにいつごろからやつれてきたかとかはわかりますか?」

母「えーっと、確か11月半ば頃だった気がするんです。」

医「ふむ・・・。家族構成は?」

母「旦那は3年前に・・・。」

医「・・・失礼いたしました。」

母「いえ。」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:40:34.60 ID:kdg5t3uZ0
医「ちなみに彼の交際関係などはわかりますか?」

母「ありえません。」

医「言い切るのはどうかと思うのですが。」

母「・・・あの、これ息子の写真なんですけど。」

医「・・・あーこれはひどい。うん、なんというか、ブルドッグとゴリラをかけあわせたかんじですね。」

母「はい、まぁ、どちらかというと豚といるかをかけ合わせた感じかと。」

医「お母様もなかなかひどいことを言いますね。」

母「あら、でもかわいいじゃないですか。」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:41:33.98 ID:kdg5t3uZ0
医「なるほど。確かにいい笑顔ですね。」

母「受験合格の時に取った写真なんです。かなり頑張りましたからねぇ。」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:44:12.42 ID:kdg5t3uZ0
医「さぁ、つきましたよ。」
母「なぜわかるんですか。」
医「息子は二階の奥の部屋ですね。」

母「なぜわかるんですか!」

医「負のオーラがそこからあふれ出てきているからです。」

母「はぁ・・・。」

医「今、相談する医者を間違えたとか思いました?」

母「はい。」

医「否定してよ・・・冗談だったのに。」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:45:19.75 ID:kdg5t3uZ0
母「タカシ!お医者様が来てくれたわよ!」

タ「〜〜〜!!!!」

医「言葉にならない声を上げてますね。」

母「なぜ!」

医「たいした病気じゃないのに医者に来てもらったのが恥ずかしいんでしょうな。

母「え。」

タ「・・・」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:46:31.42 ID:kdg5t3uZ0
医「さて、あまりしゃべりたくないだろうタカシくんに提案がある。

質問があるんでYESなら二回、NOなら一回壁パンしてくれ。」

母「え」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:47:05.62 ID:kdg5t3uZ0
医「彼女はいますか?」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:47:39.94 ID:kdg5t3uZ0
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16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:48:10.69 ID:kdg5t3uZ0
医「NOですね。はい。」

母「タカシ!?大丈夫!?漫画でしか見ない擬音を「聞いた」んだけど!?」

医「リア充爆発しろと割と真面目に思ってる。」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:49:28.06 ID:kdg5t3uZ0
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18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:50:07.00 ID:kdg5t3uZ0
医「うん、いい連打だ。ボクサーの素質があるんじゃないのか。」

母「タカシ!もうやめて!ノックでいいのよ!?壁パンしなくていいのよ!?」

医「12月に渋谷や六本木を歩くのは辛い。」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:54:22.12 ID:kdg5t3uZ0
ゴッ・・・ゴッ・・・
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:54:59.02 ID:kdg5t3uZ0
医「YESね。あ、でも頭突きはダメだよ。外傷は私扱えないんで。」

母「精神科でもあんた医者でしょ!?」

医「ケンタッキーがまじつらい。ってかクリスマスソングがつらい。」

母「え?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:55:59.12 ID:kdg5t3uZ0
バキィ!バキィ!・・・シクシクシク。

母「たかし!?」

医「まぁ、そんなところでしょうね。簡単に言うとクルシミマス症候群ですね。」

母「はい?」

医「クリスマスになるとみんながうらやましくてしょうがなくってクリスマスにクルシミマス症候群です。」

母「ケンタッキーは?」

医「11月半ば。早いところだと10月からクリスマスソングを流し始めますからねぇ。」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:56:48.85 ID:kdg5t3uZ0
医「まぁ、その年になるとよくなる症状なのですが、引きこもるのは珍しいですね。」

母「えっと・・・そのクルシミマス症候群って治るんでしょうか?」

医「治るも何も、病気というほどではありませんよ。うちで取り扱うほどの病気でもないから、薬も出せません。」

母「そんな、じゃぁ、治らないんですか?」

医「・・・私の専門じゃないんですが・・・まぁいいでしょう。お母さん。旦那様の写真とかありますか?」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:57:26.88 ID:kdg5t3uZ0
母「え、はい・・・家族写真ですけど。」

医「ふむ、なるほど。息子の顔はお父さん似なんですね。」

母「はい・・・。」

医「いい笑顔ですねぇ。息子さんの事を旦那さんはなんと呼んでいましたか?」

母「・・・タカシと呼んでました。」

医「はいはい。さて・・・。」

母「・・・!」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:58:13.02 ID:kdg5t3uZ0
(不思議な体験でした。先生は目をつぶり、深呼吸。ただそれだけしかしていません。けれども・・・。)

医「タカシ・・・。」

タ「・・・」

(先生が一言話した途端。その所作、話し方、いえ・・・先生の空気そのものが、二年前に亡くなった、旦那そのものとなっていました。)
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/13(木) 23:59:38.87 ID:kdg5t3uZ0
タ「・・・親父・・・?」

父「・・・タカシ・・・みっともないなお前は。」

タ「え?」

父「クリスマスが来たくらいで部屋にこもるとはしょうがない奴だ。」

(タカシだって、お父さんが死んだことは知っています。

だから、これはいうなれば先生の演技に「合わせている」ということなのです。

しかし普通こんなことされれば、侮辱されているという風にしか思えません。)
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:01:20.10 ID:ipxr9n5s0
タ「うるさい・・・親父のせいだぞ・・・。」

父「俺のせいだ?」

タ「俺の顔!こんな、イグアナと陸ガメをかけあわせたような!こんな顔じゃ誰も俺のこと好きになってくれやしない!」

(つまり、先生のそれは、タカシがお父さんへ本気で怒りをぶつけるように、先生にぶつけてもいいと思えるほど、

「合わせてもいい」と思えるほど、自然で、力強くて、それほど先生は私の旦那そのものだったのです。)
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:02:12.72 ID:ipxr9n5s0
父「そうか?俺はお前が、俺にだんだん似てくるのが、すごくうれしかったぞ?」

タ「ふざけんな!こんな、こんな醜い顔!

俺はだんだんお父さんに似ていくのが死ぬほど嫌だったんだよ!

こんな顔じゃ、好きな子もできない!誰かを好きになっても、振り向いちゃくれない!

俺は誰かを好きになっちゃいけないんだ!」

母「たかし・・・。」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:03:17.10 ID:ipxr9n5s0
父「・・・はたしてそうかな?俺は、お母さんに出会えたぞ。」

タ「それは・・・たまたま母さんがそういう趣味だったんだろ!」

父「俺はな、お前が俺に似てきてすごくうれしかった。」










父「これならきっとお前も、お母さんみたいな素敵な人に出会えるはずだからな。」







タ「!」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:04:19.16 ID:ipxr9n5s0
父「それなのに、なんでまたお前はそんなに醜くなっちまったんだ?」

タ「え?」

父「道行く恋人を呪う事しかできず、人の幸せがうらやましくて見るのも嫌だ。

果てはクリスマスソングを聞いただけで嫌悪感がおこり、

家から出られなくなってしまった。おまえはなんて醜い子なんだ。」

タ「だって・・・だって・・・俺にはぜったいそれらを手に入れられないんだ。

人並みの幸せを、手に入れられない・・・手に入れちゃいけない・・・!

俺には!そんな権利がない!

それなのに・・・俺はそうなのに、あいつら幸せそうで、悔しくて!

・・・うう・・・」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:05:34.19 ID:ipxr9n5s0
父「タカシ・・・ひとつ言っておく。」





父「人の幸せを祝うこともできない奴を、誰が好きになるか!」





タ「!」

父「人の幸せも祝えない奴は、それこそ幸せになっちゃいけない。

いや、幸せになる、その資格がない!」

父「だが・・・人の幸せを笑顔で祝う。

「幸せになる権利」はな、そんなささやかなことができるかどうかだ。」

母「あなた・・・。」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:07:23.55 ID:ipxr9n5s0
父「・・・そして人の幸せを笑顔で祝えれば、お前のことを好きになるやつだって現れるさ。」

タ「・・・親父・・・。けど、こんなイグアナと陸ガメみたいなやつを、誰が好きになるっていうんだ・・・。」

母「・・・タカシ・・・実はね、私からなの。お父さんに告白したのは。」

タ「え!?いや、うそだろ・・・え?」

母「はじめはね、あたしもこの人の顔にびっくりしたのよ。彼はきっとマントヒヒとガラパゴスヘビの合いの子何じゃないのかとも思ったわ。

でもね、お父さんはそんなことに一切気にかけず、毎朝笑顔でみんなに挨拶してたのよ。それがすごくまぶしかったのよ。

それからお父さんはすっかりクラスの人気者になったわ。」




父「おまえ・・・(マントヒヒってお前・・・ガラパゴスヘビってお前。)」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:08:16.63 ID:ipxr9n5s0
母「タカシ・・・あなたの笑顔も、お父さんそっくりで素敵なのよ。だから、笑いなさい。」

タ「・・・笑えないよ・・・そんなすぐに・・・は・・・。」

父「いいさ。少しずつでいい。笑顔で人の幸せを祝えるようになれば、君にも素敵な人が必ずできる。」

タ「・・・そうかな。」

母「そうよ・・・だってタカシは、ほかならぬ私とお父さんの子なんだから・・・。」

(扉の向こう側で嗚咽が聞こえた。それに呼応するかのように、母も扉を挟んで泣き崩れた。

さぁ、彼らはもう大丈夫だろう。私は静かに立ち去ることにした。)

〜〜〜〜
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:09:10.66 ID:ipxr9n5s0
ファミファミファミー♪ファミファミマー♪

医「ただ今〜。」

男の子「あ、ありがとうございました・・・(フラ・・・フラ・・・)」

医「あ・・・君、大丈夫?たてる?」

男の子「イヤイヤイヤ!もう無理っス!一生分たちましましたっス。」

医「はいはい、じゃお大事に。」

ファミファミファミー♪ファミファミマー♪
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:10:05.81 ID:ipxr9n5s0
医「・・・佐々木君・・・食べてもいいとは言ったけど・・・」

佐「あら、私は、ゴムの大切さをその歴史も含めて懇切丁寧に教えてあげただけよ?」

医「か〜ら〜の?」

佐「おいしくいただきましたっ☆」

医「食べ過ぎ。」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:11:35.02 ID:ipxr9n5s0
佐「だってー・・・彼超わたくし好みの男の子だったんですもの・・・。」

医「はいはい。う゛っ、(診察台が・・・ほとばしるパトスで・・・)クリーニング代は全部給料から引くからね。」

佐「えー・・・そんな〜・・・。」

医「楽しんだんだからその代償ね。世の中只ってのはないのだよ。」

佐「あら、じゃぁあのお母さまたちからは何をもらったの?」

医「家族写真。」

佐「ふーん。ちゃっかりしてるわね。」

医「まぁな。しっかり「感情の籠った作品」を稼がないと

元の次元に戻るのがいつになるかわかったもんじゃない。」

佐「あたしこの次元が結構気に入ってるんだけどなぁ。かわいいこがすんなり堕ちてくれるし。」

医「なら一人でも残れば?」

佐「冷たいこと言うのね。」




佐「私もあなたも、一人ぼっちじゃなにもできないってわかってるでしょうに。」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:12:43.87 ID:ipxr9n5s0
(私たちはこの次元の人間ではない。

元の次元に戻るために、今はこの次元で集められるありったけの「感情の籠った作品」をかき集めている。

その代償に、この次元では治せない精神病を治しているのだ。

さて、あなたも何か下らない精神病を患っちゃいませんか?

この次元では見向きもしてくれない、されど不治の精神病。

そんな時はこの看板をお探しください。)

「不治科メンタルクリニックへようこそ。」

続く?
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 00:15:00.16 ID:ipxr9n5s0
さて、初スレ立てでしたが、いかがでしたでしょうか?
まだまだ稚拙な部分、矛盾した部分があるかと思いますが、どうかご了承ください。
(というか、旦那が死んだのが結局2年前?3年前?こんな簡単なミスをするとは。)

一応続きもあるのですが、まぁ反応がよかったら書き続けようかと思います。

それではおやすみなさいませ。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 12:42:46.98 ID:n+aEWtNAO
乙。続きドゾ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 14:20:45.28 ID:ipxr9n5s0
>>38 ありがとうございます!

もしなにか、こんな病気考えたんだけど?ってのがあったらそれをテーマに話を作っても見たいと思っていますので
どうぞ!
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 14:47:44.49 ID:m5XuK2/AO

名誉渇望症とかどうですか?
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 16:03:35.26 ID:z5QCEzBRo
期待してる
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/14(金) 23:32:27.23 ID:ipxr9n5s0
>>40 
面白そうです。書いてみましょう。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:37:02.22 ID:f56He1B+0
投下します。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:37:38.28 ID:f56He1B+0
彼氏「先生治りません!彼女の病気が治りません!」

医者「はいはい今日はどういたしました?」

彼氏「彼女とにかく多才なんです。」

医者「いいことじゃないですか。」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:38:13.75 ID:f56He1B+0
彼氏「柔道黒帯剣道3段書道3段色検3級」

医者「色険はまだ3級なんだ。」

彼氏「たぶんすぐに1級になります。他にも最近とったのだけでTOEIC、

仏検、西険、とにかくたくさんとってるんです。」

医者「まぁなんにせよ多才だねぇ。」

彼氏「でも、彼女は全く満足しないんです。」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:38:46.50 ID:f56He1B+0
佐々「あら、あなたのテクが悪いんじゃないの。」

医者「お呼びでない。お呼びでないんで。」

佐々「しつれ〜い♪」

彼氏「まだまだ足りないって言って、取れる段位級位は

かたっぱしから取ろうとしているんです。」

医者「でもいいじゃないですか。今時そんな熱心な若者、男でも女でも少ない。

文武両道を文字通り体現してるとは。」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:39:35.21 ID:f56He1B+0
彼氏「でも、昔はこれほどじゃなかったんです。

確かに彼女は、剣道では女の子では珍しいくらい強かったし、

かといって粗暴なわけでもなく、むしろ花畑を歩けば花が恥じらうほど美し―」

医者「ごめん。惚気話は興味ない。」

彼氏「あ、ごめんなさい。」

々「そしてあなたがその彼氏?(顔は100点。あっちはどうかしら。)ジュル」

彼氏「あ、はい・・・まぁ。」(ゾゾ)
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:40:30.23 ID:f56He1B+0
医者「なんにせよ、特に見る必要もないでしょう。お疲れ様、帰っていいよ。」

彼氏「だから、なんでそうすぐに匙を投げるんですか!」

医者「悪いが少年、病院は暇じゃないんだよ。」

佐々「あ、じゃぁこの子食べていいかしら?」

彼氏「へ?」

医者「駄目です。彼そういう病気じゃないんで駄目です。

   急に忙しくなったんで駄目です。」

佐々「けちー。」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:41:10.99 ID:f56He1B+0
医者「患者を何だと思ってるんだ。」

佐々「迷える子羊。オオカミに食べられちゃうって意味で。」

医者「あってるあってる。前半だけ。」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:41:45.42 ID:f56He1B+0
彼氏「あの、それで彼女の件はなんとかしてくれるんでしょうか?」

医者「まぁいいですよ。佐々木君。今日の予定は?」

佐々「特にありませんわ。」

医者「はいはい。じゃまたいつものようにお願いね。

(ん?本当になかったかな・・・?まぁいいや。)」

ファミファミファミー♪ファミファミマー♪
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:43:04.02 ID:f56He1B+0
医者「さて、佐々木君の魔の手から逃げるように出てきてしまったが、

さっきも言った通り話を聞く限りだと何にも問題がないんだがね。」

彼氏「大ありなんです!昔はこんなんじゃなかったんです。

毎日一緒に帰ってたし、週に一回はデートにも行ってたんです。」

医者「いいですねぇ。青春謳歌してるじゃないですか。」

彼氏「でも、3週間前くらいから一緒に帰ることが少なくなって、デートも上の空。

二週間前は校門で待ってたら、もう先に帰ってたし、先週はデートもキャンセルされたんです。

電話で何事かと聞いたら、勉強で忙しい。合格しなきゃいけないの、ごめんって。

期末でもないのに何がって聞いたら、あの時は仏検っていってました。」

医者「あっそう。」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:44:06.94 ID:f56He1B+0
彼氏「それに彼女・・・日に日にやつれてて・・・。それが見るに堪えなくて・・・。」

医者「ふーん・・・症状だけ聞くと末期の名誉渇望症なんだけどね。」

彼氏「名誉渇望症?」

医者「まぁ、そのまんまの病気。強い嫉妬から生まれる病気で、

普通は実績にまであと一歩届かない駄目教授とかがかかりやすい病気なんだけどね。

ただ、それとはだいぶ趣が違うみたいだね。」

彼氏「そうなんですか・・・。」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:44:39.92 ID:f56He1B+0
医者「さて、毎度のことながら歩きがてら二人の関係をうかがっていきましょう。」

彼氏「え」

医者「診察ですよ。まぁ、答え辛いことはこっちが勝手に推察するんで心配なく。」

彼氏「は、はい。」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:45:42.99 ID:f56He1B+0
医者「キスはしましたか?」

彼氏「え、ええ?」

医者「『はい』ですね。」

彼氏「い、いえいえいえ!まだです。」

医者「あ、そう?まだ付き合って浅いのか。」

彼氏「い、いいいえ!違います、その・・・幼馴染だったんですけど、

付き合ったのが3か月くらい前からで。」

医者「えーなにそれ超うらやましい。幼馴染と付き合うなんて。」

彼氏「け、けどキスとかそういうのは、結婚するまで駄目です!」

医者「古いなー硬いなー、まぁ男らしいがね。」

彼氏「いえ。」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:46:29.96 ID:f56He1B+0
医者「性行もなしと。」

彼氏「あ゛いや、いや『いや』じゃなくて、はい・・・まだ///」

医者「照れんでよろしい、気持ち悪い。」

彼氏「すみません///」

医者「付き合いたての頃、お互いどういう気持ちだった?」

彼氏「サイコーでした。」

医者「もっと具体的に。」

彼氏「え、具体的にですか。」

医者「そう。」

彼氏「えっと・・・」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:47:19.41 ID:f56He1B+0
彼氏「恥ずかしげに目を伏せる彼女の手を僕は両手で包む。

そして僕は彼女の笑顔を見つめました。

彼女は頬を薔薇色に染め、そのまま僕の胸に顔をうずめ・・・

ぼくは彼女のくすくすと笑う声を胸に受け止めました。

その時の心持はまさに天にも昇るー」

医者「ごめん。なんかごめん。もうおなか一杯。」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:48:31.02 ID:f56He1B+0
医者「君いつもそんな調子なの?」

彼氏「い、いえ・・・でも彼女のことを思うと止まらないんです。

いえ、彼女をたたえる歌なら、春を歌う鳥のように―。」

医者「わかったから。ちなみにどうやって告白したの?」

彼氏「え、いや、その・・・ラブレターです。」

医者「ほう!いいねーロマンチックだねー。とにかく理想のカップルだったんだね君たちは。」

彼氏「はい・・・。」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:49:12.22 ID:f56He1B+0
医者「さて、二人の仲はいいとして、となるとますますわからん。名誉渇望症になる理由がないんだがな。ちなみに、どのタイミングで告白したんだ?」

彼氏「えっと・・・どのタイミングっていっても・・・いつもの帰り道なんですが。」

医者「日にちとかわかる?」

彼氏「は、はい、そりゃもう!僕の人生の記念日ー」

医者「ひ・に・ち!」

彼氏「○月×日です。(なんだろう、この先生優しいようで時々冷たい。)」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:50:03.45 ID:f56He1B+0
医者「ふーん。ちなみにその日ってなんか彼女にとって特別な日だったりする?」

彼氏「えー・・・どうでしょう。前日は確か剣道の試合で僕も初めて応援に行きましたけど。」

医者「あっそう。彼女勝ったの?」

彼氏「彼女、試合で負けたことがないっていってました。」

医者「なるほど。」

彼氏「えっと、つきました。」

医者「ここね。」

彼氏「でも、出てきてくれるかな・・・。」

医者「弱気にならない。彼氏でしょうが。」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:50:38.13 ID:f56He1B+0
医者「あ、あと、もうだいたい彼女の病気になった理由はわかったんで、

私はこれで。お疲れ様〜。」

彼氏「え、えええ!?ちょっとちょっといくらなんでもそれはないでしょ!?

ここまできてさじ投げるんですか!?」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:51:24.52 ID:f56He1B+0
医者「いやさ、冷静に考えてみ?いくら自分のことを彼氏が心配してくれたからって、医者をつれてきたらドン引きますよ彼女。」

彼氏「う゛・・・でもこのままじゃどうしようも・・・。」

医者「ま、ここはお医者さんらしくお薬でも出しますか。」

彼氏「・・・なんですかその小瓶は。」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:52:31.81 ID:f56He1B+0
医者「お薬です。ただ、飲ませる必要はありません。

らちが明かないと思ったら、こびんの栓を抜いて彼女の目のつかないところに置いといてください。3分くらいで効果が表れるんで。」

彼氏「はぁ。」

医者「さて、報酬なんですが。」

彼氏「あ、そっか・・・。いくらになるんでしょうか?」

医者「お金はいりません。そのかわり―――。」

彼氏「・・・え゛。」

医者「出来るでしょう?」

彼氏「そ、そりゃできるけど。」

医者「じゃ、あとで郵便で送るように。」

彼氏「は、はぁ・・・。」

医者「じゃまた。」スタスタスタ

彼氏「(本当に行っちゃったよあの医者。大丈夫なのかな・・・。)」

彼氏「・・・」ピ、ピ。

トゥルルルル♪

彼氏「あ・・・もしもし。」

−−−
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:53:37.90 ID:f56He1B+0
―――――彼女の家。

彼女「久しぶりね。家に来るなんて。」

彼氏「うん。もう何年振りだろ。」(彼女・・・ひどくやつれてる・・・。)

彼女「寒かったでしょ、飲み物何がいい?」

彼氏「え、いや悪いよ大丈夫。」

彼女「何遠慮してんのよ。あなたは私の彼氏なんだから、当然でしょ。」

彼氏「・・・そうだよね。ありがとう。(あれ、大丈夫っぽい?)」

彼女「まぁ、くつろいでてよ、私まだ勉強しないといけないこと多いから。」

彼氏「!・・・あ、あのさ、今は何の勉強してるの?」

彼女「ウクライナ語。」

彼氏「・・・えっと、それ受験とかに必要だっけ。」

彼女「ないわ。でも仏検も西険ももう1級とっちゃったから、

ちょっと手ごわいのに挑戦したくってさ。」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:55:03.04 ID:f56He1B+0
彼氏「・・・最近、全然会ってくれないよね。」

彼女「え、あ、ごめん・・・。でも、勉強しなくちゃだったからさ。ごめんね。」

彼氏「・・・うん・・・。そう・・・」

彼氏「・・・」

(・・・キュポン・・・)」

彼女「(カリカリカリ・・・。)」

(栓を抜いて彼女には見えないところにおいておく。3分ほどで効き目は出るって言ってたけど・・・。)

彼氏「・・・ねぇ・・・僕たちって、彼氏と彼女なんだよね?」

彼女「・・・うん・・・(カリカリカリ)」

彼氏「そりゃ、毎日下校するのは、ちょっとやりすぎだったかもしれないけど。」

彼女「・・・(カリカリカリ)」

彼氏「けど・・・ねぇ、話聞いてる?」

彼女「聞いてる・・・(カリカリカリ)」

彼氏「・・・僕たち・・・合わなかったのかな。」

彼女「・・・そんなことない・・・。」

彼氏「そうかな、今僕が話してたのに、なんかそっけないし。」

彼女「・・・違うの。」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:56:09.30 ID:f56He1B+0
彼氏「毎日一緒に帰るのが苦になったんでしょ。それならそれでいってよ。」

彼女「・・・」

彼氏「デートだって、毎週はやっぱりきついよね。でも、そりゃ、勉強は大事だけど、

でもショックだよ。・・・なんだよ仏検って。」

(あれ・・・なんだろう。あたるつもりなんてなかったのに。)

彼女「・・・。」

彼氏「ねぇ、僕たち、合わないならさ・・・合わないならさ・・・。」

(やめろよ、いいたくないよこんなこと、なんで・・・!)

彼氏「別れー」

彼女「嫌!」

彼氏「え・・・。」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:56:57.95 ID:f56He1B+0
彼女「嫌、いや、いや、いや!別れないで。ごめん。別れないで、別れたくない!

何年も、何年も思い続けて、でも言い出せなくて、でも告白してくれて!

すごくうれしくて!うれしかったのに!いや!別れたくない!いや!いや!」

(彼女は僕を押し倒し、僕の胸で泣き始めた。真っ赤で、濡れた彼女の頬、

そのどうしようもない熱を、ぼくは心の臓から感じ取っていた。)
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:57:28.23 ID:f56He1B+0
彼氏「お、おれだって!別れたくなんて!ない!でもなんであんな理由で!デートを断ったんだ!」

彼女「振り向いてもらえると思ったから!告白してくれた時みたいに!」

彼氏「え?」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:57:54.77 ID:f56He1B+0
彼女「あなた、私に告白してから、全然振り向いてくれなかったから!」

彼氏「そんな、ぼくはあれから君から目をそらしたことなんて一度もないのに!」

彼女「じゃぁなんであれから抱きしめてもくれないの?手もつないでくれないの!?頭を撫でてもくれないの!?」

彼氏「え・・・」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 01:59:21.54 ID:f56He1B+0
―――――病院にて

医者「今時珍しいくらいに硬派な子だったからね。

君の言った通り、彼女は『満足』していなかったのだよ。」
佐々「あらあら。」

医者「佐々木君なら、自分が大好きだった子に告白されたのに、

キスもなし触るのもなしだとどうする?」

佐々「食べるわ。」

医者「君に聞いたのが間違いだった。きみならどうするお嬢さん?」

嬢さん「・・・その・・・そうするように誘うと思います。」

医者「そうだね。それに彼女も負けず劣らず硬派だからね。言葉にするなんてことは絶対にしないだろうね。」

嬢さん「はい・・・。」

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:00:04.32 ID:f56He1B+0
ーーーー彼女の家

彼女「キスだって・・・してくれない・・・。」

彼氏「で、でも、その、ファーストキスでしょ?」

彼女「なに?駄目なの?」

彼氏「ち、ちがうよ、その、ファーストキスはすごく大切だから、結婚する時までーー」

彼女「・・・うう゛・・・」

彼氏「え・・・。」

彼女「この甲斐性なし!」

彼氏「いたっ。」

彼女「なによ!キスくらい!ん!」

彼氏「むぐ!」

彼女「ん・・・ほら、こんな簡単なことぐらいなんでできないの!」

彼氏「・・・。」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:00:34.44 ID:f56He1B+0
彼女「ずっと、ずっと何もしてくれなくて!」

(ごめん。)

彼女「あなたから抱きしめてくれたことなんて一度もなくて!」

(これが男のけじめだと勝手に思ってた。)

彼女「手をつなぐのも抱きしめるのも全部私からで。」

(でも、君の気持に気づけていなかったんだね。)

彼女「確かに告白してくれたのはあなたからだったけど、あたし、不安で!本当にあの時あなたが告白してくれたのか!不安で!不安で!!」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:01:02.23 ID:f56He1B+0








(・・・お願い・・・もう、泣かないで。)










73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:01:41.78 ID:f56He1B+0
彼女「それなのにあなたはいつも、比喩とかそんな飾った言葉しか使わなくて!」

(ああ、ごめん。それが僕の照れ隠しなんだ。)

彼女「もっと―」

(うん。)

彼女「もっともっともっと!あなたの言葉で言ってっ!!?」

74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:03:20.67 ID:f56He1B+0
(彼女の唇を『僕から』奪った。硬直する彼女の躰を、力いっぱい抱きしめる。)

チュ・・・クプ・・・

彼女「ッ・・・ハァ・・・ハァ!・・・・」

(ひとつひとつ、彼女の感触をすべて感じるために。唇の柔らかさ、温度、鼓動、すべてを感じるために。)

彼氏「・・・フー・・・。」

(僕の言葉でいう?・・・言葉すらいらないと思うよ。)

彼氏「・・・」

彼女「・・・」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:04:05.07 ID:f56He1B+0
彼女「・・・」(ツー・・・)

(彼女の頬に伝わる涙。)

彼氏「・・・」ペロ

彼女「ひゃ・・・ちょっと・・・何舐めて・・・ん・・・♪」

(ごめんね。こんな不安な思いにさせて。だからこの涙は僕がうけとめてやる。この涙も、これから先流す涙も、全部、全部僕がうけとめてやる。)

彼氏「・・・君が欲しい・・・今、君の全部が欲しい・・・。」

彼女「・・・」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:04:36.60 ID:f56He1B+0
(恥ずかしげに目を伏せる彼女の手を僕は両手で包む。

そして僕は彼女の笑顔を見つめた。

彼女は頬を薔薇色に染め、そのまま僕の胸に顔をうずめ・・・。

ぼくは彼女のくすくすと笑う声を胸に受け止めました。

その時の心持はまさに天にも昇る気持ちでした・・・。)

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:05:39.56 ID:f56He1B+0
ーーーー病院

医者「その前の彼女の試合なんだが、日にちを調べてみたら、

剣道の日本一を決める大会だったみたいだな。そこで彼女は日本一になったようだ。」

佐々「史上最強の彼女ね・・・。」

医者「そして、その次の日に、彼は告白した。ここが問題だったようだ。

彼女は自分が日本一になったから彼が告白してくれたと思ったようだな。」

佐々「されに加えて超奥手の彼氏。」

医者「あの少年は、彼女がなんの大会で1位になったのかよくわかっていなかったようだ。

いつも通りに勝った。その程度の認識だったんだろう。」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:06:12.32 ID:f56He1B+0
佐々「でも、彼女は日本一になれるくらいじゃないと振り向いてくれないと思った。

振り向かせるために、ありとあらゆる称号を取ろうとしたと。」

医者「特製の自白剤でお互い今頃素直になってるところだろうな。

しかし、事実はそうだとしても、ふつうやるか?そこまで。」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:06:44.30 ID:f56He1B+0
嬢さん「女恋に狂わば歴史を覆すといいますから。まぁ、ありえなくもないかもしれません。」

医者「あっそう。ところで、君はいったい誰かな?」

佐々「ああ、彼女はー」

嬢さん「佐々木お姉様の奴隷です。」

佐々「・・・」

医者「・・・」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:07:55.06 ID:f56He1B+0
嬢さん「わたしは、お姉さまの従順なる下部。

彼女の幸せの為に自らの魂をささげたか弱い乙女。

私を見て奴隷とさげずむもよし。

けれども私のお姉さまの間では、『奴隷』こそ最上の『称号』!

お姉さまの為なら歴史の一つや二つ覆してやりますとも!」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:08:51.68 ID:f56He1B+0
医者「・・・佐々木君。」

佐々「ごっめ〜ん☆」

医者「まためんどくさいことやらかして。」

佐々「だってぇ〜、このこったらアホで従順で頭がよくて超かわいいんですもの。」

医者「男女見境なしか。というか、なぜこのか弱い嬢さんを私から隠した。」

佐々「またぐちぐち言われるのが嫌だったんですもの。」

医者「そりゃいうよ。まじめに仕事してくれなきゃ困るよ看板が出ている間は。」

佐々「いいじゃないの、どうせ暇だったんだし。彼女をおいしくいただいてたって。」

医者「クリーニング!ポセイドンアドベンチャーされた診察台、

お金だけじゃなくて時間もかかるんだから勘弁してくれまったく。」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:09:55.65 ID:f56He1B+0
佐々「はいはい。ところで今回の報酬は?」

医者「ああ、それは―――」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:10:57.98 ID:f56He1B+0
数日後
彼氏「(・・・彼女へのラブレターでいいっていったいなんなんだろう。

まぁ、お金があまりない学生としては実質タダですんだからよかったけど。)」

彼女「どうしたの?」

彼氏「あ、いや、ここにさ、ちょっと前にお世話になった先生がいたもんだから。」

彼女「え、どこ?」

彼氏「いや、あそ・・・あれ?(看板が・・・ない?)」

彼女「引っ越したとか?」

彼氏「う、うん・・・そうなのかも・・・。」

彼女「ふーん。連絡取れたらよかったのにね。」

彼氏「うん。」

彼女「さ、いこ、映画始まっちゃうよ!」

彼氏「・・・うん!」

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:13:05.74 ID:f56He1B+0
(あのふざけた看板が見えるのは、治療を必要とする人だけです。

ふざけた入口の音が聞こえるのも、治療を必要する人だけです。

さて、あなたには見えますでしょうか?聞こえますでしょうか?

その看板が。その歌が。

見えて聞こえる?ならおいでませ。

この次元ではくだらなすぎて、取り扱う人もいやしない。

そんな病気を治します)

「不治科メンタルヘルスへようこそ。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ファミファミファミー♪ファミファミマー♪
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 02:14:30.53 ID:f56He1B+0
以上で投下終了。いかがでしたでしょうか?
これからも書いていきますので、こんな症状はどうでしょうってのがあったら、
ぜひ書いていってくださいな。

それでは・・・

続く

・・・たぶん。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 09:30:10.27 ID:2VatuRfXo
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/13(水) 10:03:19.59 ID:mQkaqLwe0
もうすぐ2カ月
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