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【零・碧の軌跡】攻略王ロイドの軌跡【安価】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆xTn7wB65oE :2012/12/14(金) 23:33:33.01 ID:8AINUSEs0
祝!軌跡シリーズ最新作『閃の軌跡』発表おめでとう!

勢いで立てちゃったで!

学園モノとか俺得なんですけどそれは……


【注意】
・これは零の軌跡ならびに碧の軌跡のネタバレを含みます
・基本安価取り。安価が失敗したらその↓で
・クロスベル解放戦のその後をイメージしてるので妄想10割です
・ルートについてですが、共通している点は正史で。ただ突入前の好感度については過去話しは聞き入れ、告白等はないことになっています
・えっちぃのは書けません
・たぶん需要ないし、イッチも安価初だから遅いし迷惑かけるで!
・誤字、呼び名がおかしかった場合は脳内変換でよろしくお願いします。

ここで軌跡ssとか見たこと無いからちょっと不安

ss書きつつ、軌跡シリーズについて語り合えたら良いね!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1355495612
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 23:37:24.61 ID:w1TubzIn0
今後どうなるか分からないが俺は期待している、頑張ってくれ
3 : ◆xTn7wB65oE :2012/12/14(金) 23:37:52.85 ID:8AINUSEs0
 ロスベル解放戦から1年が経った。エレボニア帝国の支配を受けていたクロスベルにもようやく本当の意味での平和が訪れた

 解放戦での深い傷跡を残したクロスベルであったがマクダエル議長――いやマクダエル代表による手腕により、1年という歳月の中でゆっくりと元に戻りつつあった。

 正式な独立後、嵐のような日々が過ぎて今はあの大決戦が嘘のような平凡な日々が訪れていた。

ロイド「クロスベル……か」

 クロスベルの入り口に立つ者が居る。ロイド・バニングスだ。

 特別務支援課のリーダーであるロイドは解放戦に大きく貢献し、クロスベルでも有名な人物である。

ロイド(あれから1年……しばらく離れていたけど活気が溢れてる思っていたより復興が進んでいるみたいでよかった)

ロイド(皆、元気にしてるかな)

 かつて共に過ごした仲間たちの顔を浮かべて笑みをもらした。

 ロイドは解放戦が終わった後、その敵の大きさと自分の力の無さを改めて思い知った。3度に渡って続いたクロスベルの災難の解決にロイドは大きく貢献し、これを救った。だが、どうしても自分がもっとうまくやれたら、もっと強かったら結末はもっと違っただろう。そう思えてしまう。

 自分1人でどうこうしようという愚問な考えではない。だが、そういう考えが拭えない。力だけではない。己の考え、政治のこと。すべてが足りない。

 故に彼はクロスベルを旅立った。とある人に薦められ、己を鍛える旅へと出たのだ。

 それがちょうどこの日の1年前。

 定期的に仲間とは連絡は取り合っているものの、彼がこの日に帰ってくるのを仲間たちは知らない。

ロイド(……)

 クロスベルの風は前とは少し違って感じた。

4 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/14(金) 23:38:55.43 ID:8AINUSEs0


 手紙の中で特別務支援課はまだ残っていることは知っていた。
 
 解放戦の中で民に、クロスベルに希望を与えた警察の特別務支援課は有名である。それらがなくなることは恐らくこの先でもないだろう。
 
ロイド(エリィからの話によれば忙しい合間でも支援要請は受けているようだし、まだあのメンバーでやっているみたいだ)

 エリィ・マクダエル。マクダエルの娘で同じ特別務支援課の仲間である。

 クロスベル復興と独立のため、マクダエル代表の手伝いを行なっていたが、マクダエルに諭され、今では特別務支援課に身をしっかりおいて支援要請を毎日行なっていると聞く。

 荷物を背負い直し、特別務支援課がある建物へと向かった。






ロイド「……あれ?」

ロイド(おかしいな、特別務支援課があった建物で間違いないんだけど……)

 閉まっていた。鍵がしっかりと掛けられている。

ロイド(それどころか、『CLOSE』の文字……)

 一瞬の考え、目を閉じていつの間にか癖になってしまった捜査官としての思考がロイドの身体に掛けめぐった。

 結論。

ロイド(移動した可能性が、一番か)

 別に看板の一つも見られないがここが特別務支援課ではなくなっており、さらにこの建物が店となっている可能性が充分に考えられた。

ロイド(困ったな……一番最初に顔を出そうと思ったのに)

 となれば仕方ない。

ロイド(別の場所へと行こう)

 足を中央広場へと向けた。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 23:40:52.05 ID:oLKs36OD0
軌跡シリーズとか俺得じゃねーか、期待だなこりゃ
6 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/14(金) 23:44:45.83 ID:8AINUSEs0
ロイド(さて、中央広場へと来たけど……)

 周りを見渡す。前にみたクロスベルの風景。だがどこか新しい。

ロイド(正直ちょっと辺りを見渡したいって気持ちもあるんだよな)

ロイド(でも、やっぱ最初にエリィ達に顔を出したし)

ロイド「どうしたものだろう……やっぱ警察本部かな……?」

 何処へ向かおうか >>6

1 住宅街

2 歓楽街

3 西通り

4 東通り

5 旧市街

6 港湾区

7 行政区

8 裏通り
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/14(金) 23:45:47.00 ID:TxKqoLfk0
軌跡シリーズ大好きだから期待大だわ!

それにしても特別務支援課なのが残念すぎる…
googleIMEだと「とくむ」と打った時点で候補の中に特務支援課と出るが…。
8 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/14(金) 23:46:57.64 ID:8AINUSEs0
安価失敗したので>>9
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 23:46:59.79 ID:AZxe7SsIO
え?新作?マジで⁉

ってついに軌跡シリーズ建ったか・・・
待ちわびたぞ
10 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/14(金) 23:48:54.99 ID:8AINUSEs0
安価↓でお願いします
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/14(金) 23:59:51.80 ID:kSRD7bOvo
2
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 00:03:45.01 ID:dVM3TU4So
おもろそうな物が立ってるし
ちょくちょく覗きにくるわ
13 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 00:24:53.12 ID:Q4IGHNil0
 
 クロスベル解放戦で歓楽街の――いやクロスベルの誇りでもあるアルカンシェルは大きな打撃を受けた。建物は損傷し、内部もゴチャゴチャ。旅立つ前、少し立ち寄った時には前ほどの輝きはなかった。

 だが、歓楽街に足を踏み入れれば前に残ったイメージをすべて吹き飛んだ。

 圧倒的な輝きを放つアルカンシェルがそこに存在していた。

ロイド(はははっ、余計な心配だったかな?)

 そしてアルカンシェルを包むような大段幕。そこに映るのは金と銀そして碧の衣装に身を包んだ美しい美女2人と麗しき顔を輝かせる1人の少女。

 イリア・プラティエ、リーシャ・マオ、そしてシュリ・アトレイド。

 アルカンシェルのスター達である。

ロイド(イリアさんも無事に舞台に復帰したってことはリーシャから聞いていたけど、本当に凄いな)

 イリアはクロスベル2度目の災難――碧の大樹事件の時に赤い星座とよばれる傭兵団によって大怪我を負わされる。医者からは舞台に立つことは不可能と言われたが無事に舞台に復帰。今でもその身体を縦横無尽に煌めかさせている。

 さて、無事にアルカンシェルの復活をこの目に焼き付けた所でリーシャ達に挨拶をすべきだろうか。

ロイド(やっぱり一度エリィ達に顔を出したからのほうがいいかな?)

どうする? >>14

1 リーシャ達に挨拶

2 そのまま警察本部へ

 
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 00:27:10.20 ID:/aVDfufIO
1
15 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 00:47:27.22 ID:Q4IGHNil0
>>1 リーシャたちに挨拶

ロイド(折角だ。挨拶に行こう)

 どうせすべて周る予定だったのである。ロイドはアルカンシェルへ向かった。



アバン劇団長「お客様、大変申し訳ありませんが只今準備中で――ロ、ロイドさん!?」

ロイド「お久しぶりです、アバンさん」

 アルカンシェルの中に入ると1人の紳士が対応した。このアルカンシェルの団長。アバン氏である。

アバン「お久しぶりです!ロイドさんが旅へ出たと聞きましたが、今お戻りで?」

ロイド「えぇ、随分と濃い時間を過ごしました」

アバン「それはそれは、少し心配ではありましたが老人のいらぬ事でしたな。お元気そうで」

ロイド「ありがとうございます。ところで、リーシャ達に挨拶に来たのですが……」

アバン「そうですか、ではどうぞ劇場内へお入りください。今なら良いモノが見れますよ」

 物腰の柔らかい老人が笑みを浮かべ、ロイドはその後ろへ付いていく。

 どうやら、稽古中であったようだ。しかも所謂『通し』とよばれるもので大勢のキャストが囲む中、3つの輝きが跳ねていた。

 跳ねる。その表現は失礼だったかもしれない。
 
 跳び、舞っている。輝きを放ち、まるで幻想に輝く胡蝶のように。

ロイド(相変わらず凄いな)

 踊る3つの色。その中で金を見つけてホッと息を漏らし、碧を見つけて一つ頷き、銀を見つけて笑みを浮かべた。

 やがて、踊りが終わり、ロイドはその手を自然と打っていた。

 パチパチ。乾いた音が響いて劇場の蝶達はその音に釣られて視線を動かした。

リーシャ「ロイド……さん?」

 銀が呟いた。

ロイド「久しぶり――いや、違ったな」

 ゴホン、とひとつ咳を出す。

ロイド「ただいま、リーシャ」

 彼は仲間と一人、再開を果たした。
16 : ◆xTn7wB65oE [sage]:2012/12/15(土) 00:53:24.96 ID:Q4IGHNil0
今日はここまで!

見てくれたひとありがとうございます!

もっと人少ないと思ったけど、結構知ってる人が居てイッチは嬉しいです。

正直安価から進まないと思っていたから(震え声)



閃の軌跡発表後、ふと思いついて居ても立ってもいられないので書きました。

正直勢いです。多分人も少ないだろうからゆっくりとじわりぬわりと行くでお

ここからゆっくりできるからね!



ちなみにイッチは今ナイトメアでアリアンロードを攻略中。

ダメ入らないとか巫山戯てるのか!

パーティは ロイド ノエル ランディ テイオ。リーシャ加入後はランディ外してハーレムパーティですけど何か?

ではまた明日!よければ更新するよ。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 00:55:56.28 ID:/aVDfufIO
乙〜
そのパーティーは誰もが通る道
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 00:57:44.62 ID:HhQlLUzy0

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 01:35:20.88 ID:fPdHJJ0Yo
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 18:55:52.16 ID:ZuxnFxXIO
おつー
これがキーアの望んだ世界!
21 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 19:04:30.55 ID:Q4IGHNil0
ふぅ……いまから書き始めます
22 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 19:06:25.15 ID:Q4IGHNil0
そういえば、2年後の画像を見る限りキャラは結構成長してるんですよね……

キーアもそうですけどティオなんかもう17ですか。これは色々妄想できますねぇ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 19:20:57.49 ID:Nx+7UwuIO
キーアもだがシズクの成長した姿が見たい
アリオスさんみたいに刀持ってたら最高
24 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 20:02:59.15 ID:Q4IGHNil0

リーシャ「ロイドさん!」

 彼女の顔が笑顔でいっぱいになった。やはり共に戦った仲間と再開するというのは誰でも嬉しいものなのだろう。

イリア「弟くんじゃない、旅に出たって聞いたけど帰ってきたのね」

ロイド「えぇ、イリアさんもお元気で何よりです」

 それからシェリの方を見た。

ロイド「シュリも元気でやっているみたいだな」

シュリ「まぁね、これだけが取り柄みたいなもんだからさ」

 そして、かつて一緒に戦った仲間。リーシャに向き直る。

ロイド「リーシャも、元気そうで」

リーシャ「はい、ロイドさんもお元気そうで」

 そこからは何も口に出さなかった。互いが見つめ合い、だが、どことなく悪い気がしない。お互いが何も言わずとも分かり合う部分があるのだ。それは2年のも間戦い続けた絆でもあった。

イリア「な〜に〜?いきなり見つめ合っちゃって〜」

 そんな彼らをイリアは茶化した。

イリア「熱いわね、お2人さん♪」

リーシャ「も、もう!イリアさん!」

ロイド「あはは……」

 こちらもあまり変わらないようで。

ロイド「そういえば、特務支援課が何処にあるか知らないか?前あった場所がしまってて」

リーシャ「あ、特務支援課なら港湾区に移されましたよ」

ロイド「港湾区?」

リーシャ「えぇ。……黒月があった場所です」

ロイド「……なるほど」
25 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 20:03:33.93 ID:Q4IGHNil0
 黒月。クロスベルでルバーチェと対抗するマフィア組織であった場所だ。クロスベル解放戦で帝国側に加担し、クロスベルの実質支配を行おうとして失敗。その後マクダエル代表の主軸にクロスベルのマフィア排除が行われ完全にこのクロスベルから消え去った。

 黒月は港湾区に拠点を置いていたが、どうやらあそこが特務支援課の場所となったようだ。

リーシャ「あ、でもエリィ達なら今特務支援課に居ませんよ?」

ロイド「え?」

リーシャ「今は警察の新人演習の協力で本部の方にいると思うんですけど……」

 新人演習か。

 支援要請であることは間違いないのだが、今の特務支援課ではそこまでやっているのか。

 少し驚きを隠せない。

ロイド「わかった、ありがとうリーシャ。また後でゆっくり話そう」

リーシャ「はい、また」

ロイド「イリアさんたちも、練習頑張ってください」

 ロイドは手を振ってその場を後にした。
26 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 20:04:00.61 ID:Q4IGHNil0


リーシャ「……」

イリア「1年、だっけ?」

リーシャ「はい。何だか随分と変わってましたね」

 1年前の彼とは違って見えた。外見はさほど変わらなくとも、雰囲気などが随分と逞しい。

 それに、彼自身の強さも違っているようだ。

 それはこの1年間が決して彼にとって無駄ではなかったことの証だ。

シュリ「しかし予想は外れたか〜」

イリア「ね?言った通りだったでしょう?」

シュリ「さっすがイリアさん、リーシャの事はよくわかってるなー」

リーシャ「……なんのことですか?」

シュリ「リーシャなら、ロイドと会った瞬間抱きつくんじゃないかって話」

リーシャ「なっ……!」

 瞬間、顔に熱が。

リーシャ「な、なに言ってるのよ!」

イリア「ふふっ、この子は意外に奥手だから」

リーシャ「イリアさんっ!」

 周りに笑顔が咲く中、リーシャは一人顔を赤らめた。
27 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 20:04:26.59 ID:Q4IGHNil0


 クロスベル行政区に位置する警察本部は1年前と比べて随分とでかくなっていた。度重なる敵の襲撃にクロスベルの技術者が強固に作ったのだ。

 少し懐かしみを感じながらクロスベルの警察本部へと足を踏み入れたロイドは早速よく知った顔を見つける。

フラン「ロイドさんっ!」

 フラン・シーカー。クロスベル警察のオペレーターを務める彼女は今日も受付でその愛想の良い顔を振りまいていた。

ロイド「久しぶり、フラン」

フラン「1年ぶりですね、お元気でしたか!」

ロイド「うん、フランの方も相変わらず元気だな」

フラン「私の元気の源はお姉ちゃんですから!」

 そこからは少しちょっとした世間話。少し時間を置いてさっそくロイドはフランに本題を投げかけた。


ロイド「エリィ達がここ新人演習をやってるって聞いたんだけど……」

フラン「ロイドさん……タイミング最悪です」

ロイド「……もしかして、入れ違い?」

 フランの顔を見る限りどうやら入れ違いが起こったようだ。

 新人演習の講義は先程終わり、昼休憩を挟んだ後にベルガード門に移動し、警備兵との連携演習およびに魔獣相手の実践演習が行うために移動したという話だった。

フラン「先程移動したばかりですし、今からベルガード門に行けば入れ違いも起こらずに会えると思いますけど……」

ロイド「うーん」

ロイド(さて、どうしようか)

 >>28

1 ベルガード門へ
2 このまま警察本部で待つ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 20:09:58.23 ID:78f3vobAO
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 20:10:04.38 ID:Sq1nJv15o
あえて2
30 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 20:46:51.97 ID:Q4IGHNil0
>>1 ベルガード門へ

ロイド「ベルガード門へ行ってくるよ」

 終わるのは遅くなるそうだ。折角だし、ベルガード門の警備隊にも挨拶をしに行きたい。

フラン「そうですか……うふふ」

ロイド「……?」

フラン「あ、いえ。ロイドさんは早くお姉ちゃん達に会いたいだな、って思いまして」

 全くもってその通りであるが、面と向かって言われると少し照れる。

フラン「それとも、早く逢いたいのはエリィさんですか?」

 その言葉の意味をしばし考えたが、意味を理解してロイドは確かに首を縦にふる。

ロイド「そう……だな。俺としても1年ぶりだけどクロスベルが大変な時期に抜けちゃったし。お詫びとか色々な事、話さないといけないから」

フラン「……ロイドさんは相変わらずですねー」

ロイド「……?」

 違っただろうか?

 フランと話していると、そのあいだに割って入る人物が現れた。

「騒がしいと思ったら……懐かしい顔が見れたな」

 ロイドがそちらの方を向くとこれも見知った顔が2つ。

ロイド「セルゲイさん!ダドリーさんも!」

セルゲイ「久しぶりだな、ロイド」

ダドリー「……ふん」

 セルゲイ・ロウ。アレックス・ダドリー。特務支援課の課長を努めるセルゲイにはクロスベルの災難ではかなりお世話になった。

 捜査一課であるダドリーも事件に大きく関わった人だ。

ロイド「お久しぶりです」

セルゲイ「1年ぶりくらいか。突然旅に出ると言い出してから少し心配したが無事でなによりだな」

ダドリー「クロスベルの復興の時に一人旅に出るなど、随分と偉くなったな、バニングス」

 一人はマイペースな言葉を投げかけ。一人は少し当たりの強い言葉を投げかける。

ロイド「迷惑を掛けてすいません」

セルゲイ「何、気にするな。お前が居なくともうまくやっていたよ奴らは」

ロイド「……それを聞いて安心しました」

 リーダーとして特務支援課を引っ張ってきたロイドは残した彼らに少しばかり心配の念があったがどうやら杞憂であったようだ。

セルゲイ「答えは……見つかったのか?」

ロイド「えぇ、しっかりと。色々なものを見つけてきましたから」

 セルゲイの言葉に強く頷く。

セルゲイ「そうか」

 それ以上、セルゲイは何も問わなかった。問う必要もないのだろう。

セルゲイ「そういえば、あいつらだが――」

ロイド「ベルガード門、ですよね。フランから聞きました」

 いらん心配だったな。セルゲイはそう呟いた。
31 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/15(土) 21:14:05.54 ID:Q4IGHNil0
ちょっと用事ができたので中断済まぬ・・・・
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 21:28:52.58 ID:Sq1nJv15o
おつー
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 23:07:32.47 ID:pc0UkkfW0
乙ー、ニヤニヤしてくるなぁ・・・ww
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/16(日) 08:34:29.93 ID:TPLpgIvt0
エンディングでは2年経ってるけど、ティオやキーアは大きく変わってないように見えたかな(特にどこがとは言わないけどw)
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 08:57:31.91 ID:cklkaOiIO
キッ、キーアにはまだ未来が詰まってるし
個人的にはセシル姉さんの熟しきった関係をですね
36 : ◆xTn7wB65oE [sage]:2012/12/16(日) 14:17:20.24 ID:30cE0Bg10
>>33 ニヤニヤするのは本編もそうですが、こちらでも頑張りたいとおもいます

>>34 72ぃ!? まだ成長期だから(震え声)

>>35もうすぐアラ(ry
37 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/16(日) 17:36:15.34 ID:30cE0Bg10
 ベルガード門前。

「訓練は以上!休憩を挟んだ後に特務支援課と共に魔獣退治を行う!しっかり身体を休ませおくように!」

新人警察達「イエス・マム!」

 ベルガード門の前。いつもの警備隊の訓練も違った風景を出していた。

新人A「はぁ……はぁ……」

新人B「ふえぇ……」

新人C「し、死ぬ……」

 新人警察達である。警察学校を卒業し、新しく配属された新人警察。クロスベルではその新人に対して大規模な警察演習を行なっていた。これはクロスベルの警察力を高めるために新しく提案されたモノである。

新人A「この後、魔獣退治だろ……?」

新人B「警察学校の鬼教官のメニューよりきついぜ……」

新人C「ふえぇ……」

 言うまでもなくベルガード門警備隊はミレイユ一尉を筆頭に精鋭揃いだ。3度に渡るクロスベルの事件を得て、警備隊は力の弱さを痛感。また一度鍛え直し日頃から厳しい訓練を行なっている。

「おう、新人共。このくらいでへこたれてるとこの先、生きていけないぜ?」

 ふと後ろから声がかかった。

新人A「ランディ先輩!」

 赤毛の男。ランディ・オルランド。特務支援課の彼はクロスベルでは有名であった。数々の事件。3度の災難に大きく貢献した人物である。

新人C「俺ら、警察学校でそれなりにしごかれたつもりでしたけどやっぱ本物の訓練は違います……」

ランディ「ははっは、ミレイユの奴容赦ねぇからな。あいつのあだ名知ってるか?警備隊も震える鬼一尉――」

ミレイユ「ランディ〜!聞こえてるわよっ!」

ランディ「げっ、まず」

 突如背後から声が響いて見てみると金髪の美しい女声が居た。

 ミレイユである。ベルガード門の司令を務める彼女の腕は警備隊の中でも1,2を争うほどである。

ランディ「いや、だからちょっとした冗談だって」

ミレイユ「ふんっ、鬼で悪かったわね、鬼で!」

 怒る彼女を必死になだめるランディ。それを新人達は後ろから見守った。

新人A「ミレイユ一尉。綺麗だな……俺、警備隊に入ろうかな」

新人B「残念だったなAよ。ミレイユはすでにランディ先輩とデキているそうだ」

新人A「神は死んだ」

新人C「ふえぇ……」
38 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/16(日) 17:36:53.35 ID:30cE0Bg10

エリィ「ふぅ……」

 息を吐く。エリィは先程の合同訓練を終えてしばしの休憩を食堂で行なっていた。

「お疲れ様」

 そんな彼女に声をかける人物が居た。

「ノエルもお疲れ様」

 ノエル・シーカー。元警備隊であった彼女は特務支援課と警備隊を行き来しながらも最終的には特務支援課に腰を落ち着かせていた。

ノエル「久しぶりに警備隊の訓練だったのですこし張り切ってしまいました」

エリィ「ふふふ、ノエルは相変わらずね」

 隣に腰を下ろして手に持ったミネラルウォーターを飲む。

エリィ「……警備隊が恋しい?」

ノエル「まぁ、少しは」

 ノエルが警備隊よりも特務支援課を選ぶことはエリィに取っても少し意外な事であった。根からの軍人であった彼女にもこの3年間で色々な事があったのだ。

 特に心の変化が起きたのがクロスベルでの『碧の大樹事件』。赤い星座など協力な傭兵団。そしてクロスベルの政治に関わり、軍としての彼女と特務支援課としての彼女が大きく揺れた出来事だ。

ノエル「でも、特務支援課を選んだことに後悔はしてない。あたしは軍じゃできないことを――何が大切で何を守るべきなのかを特務で知ったから。皆と仲間と一緒に仕事がしたいと思ったの」

 その言葉に迷いはなく、エリィは微笑んだ。

ノエル「司令は残念そうにしたけど」

エリィ「ふふふ、あの人、ノエルの事気に入っていたものね」

 司令とはソーニャ・ベルツの事である。ノエルの上司であり階級は昇進して一佐。タングラム門の指揮官を努めている。

エリィ「でも、それだけじゃないんじゃない?」

ノエル「?」

エリィ「3年前、ロイドに言われた事」

 エリィはそうして不敵な笑みを浮かべた。

 一瞬、何のことだろうかと、ノエルは思案したがやがてその顔を真赤に染めた。

ノエル「あ、あれは……!その……!」

エリィ「『君は俺が貰う』だっけ?」

 衝撃的な言葉。つい、あの言葉昨日の事のように思い出してきてさらに赤面した。

ノエル「か、関係ありませんっ!あたしは、あたしの意思で特務に――」

エリィ「はいはい。お腹がもういっぱいだわ」

 手を振ってやるとノエルが少し頬をふくらませた。

ノエル「エリィも……」

エリィ「え?」

ノエル「エリィはロイドに胸当ててったって」

エリィ「なっ……!?い、いつの話しよそれ!?」

ノエル「IBCが襲撃された時にだって、ランディ先輩が言ってました」

エリィ「ランディ……!」

 あの赤毛はなんてことを言うのだろうか。

 お互い、気まずそうに視線をあわせる。

ノエル「あ、あはは……」

エリィ「……もうっ」
39 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/16(日) 17:38:54.45 ID:30cE0Bg10

 ロイドに対する愚痴話は休憩がおわるまで続いた
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 18:19:19.93 ID:jt1iH7owo
ふぇぇ……爆ぜろ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/16(日) 21:53:34.47 ID:TPLpgIvt0
本編と違って登場人物間の関係がフランクになってる気がするな。
本編中ではシュリは「リーシャ姉」って呼んでたし、ノエルとエリィはお互いにさん付けで呼び合ってたし
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 22:25:29.30 ID:Y6jBUE3IO
>>41
そりゃだって本編から1年経ってるんだから多少なりとも変わるんじゃない?
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 22:30:30.64 ID:mhElQeJBo
まさかのシュリ坊反抗期!?
44 : ◆xTn7wB65oE [sage]:2012/12/17(月) 00:53:50.80 ID:Jl8Vv4290
>>41

本編から――碧の大樹事件から3年経っているのでそれなりに関係が深くなったということになっています。
ただ、シュリに関しては「リーシャ姉」の方がしっくりくるかも

>>43 

えぇそりゃもう成長期ですから、成長期ですから!
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/17(月) 01:51:25.11 ID:PVJ+8hkM0
頑張れ、頑張ってもっと書くんだ・・・                     _
じゃないとこらえきれずに零と碧をもう一周プレイしようとして過労と睡眠不足で俺がタヒんでしまう・・・
46 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 02:36:34.66 ID:Jl8Vv4290
ぐぬぬ。書き続けたけど、ちょっと書き溜めたり誤字の見直しとかするから少しお時間をくれ。

今日はここまで!少しずつですまぬぅ・・・

他のレスの人はバンバン書いて投稿してるよね。正直凄いと思う。


それから碧の大樹から3年後の世界観なので人間関係がより深く親しくなっています。

クロスベル解放戦で何が起こったかは多分ファルコム神が3rdの如く出してくれと思うから、深く書かないお。

でも、ちょっとクロスベル解放戦について書きたい気持ちも……(汗)


まぁ、それは別スレかな。明日また更新します
47 : ◆xTn7wB65oE [sage]:2012/12/17(月) 20:12:23.94 ID:Jl8Vv4290
今から書き始めます
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/17(月) 20:34:40.56 ID:Tw/uGS2IO
オッケーだ
49 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 22:06:47.61 ID:Jl8Vv4290



――――――――――――――


ミレイユ「この当たりで出没するバイトウルフを討伐するわ。群れをなして襲ってくるから各自個別に戦わないこと。必ずマンツーマン以上で組んで頂戴。魔獣ランクは低いけど決して油断しないように」

「イエス・マム!」

 新人演習もいよいよ大詰め。警察学校に入ってから魔獣が相手とは言え、実践である。新人達は勿論のこと。ミレイユなどの警備隊やエリィ達の特務支援課も緊張が走る。

 新人にもしもの事があったら、という考えだ。

 責任うんたらとかという問題ではなく、不祥事による不測の事態が一番怖い。

ランディ「……どうやら、無事に終わりそうだな」

 目の前で繰り広がる新人とバイトウルフとの戦闘。比較的に安定した戦いを見せる新人にランディは安堵の息を漏らした。

 よほど警察学校の指導が良いらしい。最初こそ実践で緊張していたのだろうが、今では余裕すら見える。

ミレイユ「安心しないで、気が緩んでいる時が一番、事が起こりやすいんだから」

ランディ「ミレイユは心配性だな」

ミレイユ「貴方がお気楽すぎるのよ」

 だが、ミレイユの言葉にも納得できる。気の緩みが大きな事故や事件に繋がるのが実戦というものだ。

ランディ「だが、ま。警戒することには越したこと無いしな」

ミレイユ「……貴方は時々真面目なのか不真面目なのか時々わからなくなるわ」

ランディ「おいおい、俺はいつだって真面目だぜ?」

ミレイユ「はいはい」

エリィ「ランディ!」

 ミレイユとの会話の途中、別の班を見ていたエリィとノエルがこちらにやってきた。

エリィ「こちらはひと通り終えたわ」

ノエル「そっちはどうですか?」

ランディ「今のところは順調だな。よほど警察学校の訓練が良かったみたいだぜ」

ミレイユ「そうね、これなら特に問題無さそう。……だけど警戒は怠らないで。いくら下位の魔獣だからといって新人クン達にとっては初めての実戦。何が起こるかわからないわ」

ノエル「イエス・マム!」

エリィ「えぇ、勿論そのつもりよ」


 それぞれが、緩んだ顔を締めたその時。


「「「う、うわあああああ!」」」

 声が響いた。
50 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 22:07:19.06 ID:Jl8Vv4290

一同「!?」

 4人の行動は素早く、悲鳴が上がった方へと走った。

ミレイユ「何が起こったの!?」

警備兵A「そ、それが――」



『グオオオオオオオオオオ!!』



 咆哮。そして続いて上がる悲鳴で4人は一斉に理解した。武器を構え、声が上がる方へと向き直ると3人の新人警官が森から出てきた。その後ろから大型の魔獣が姿を現す。

ランディ「こいつは……」

ミレイユ「ゴーディ・オッサー……?いや、それにしては毛が黒いわね」

 この辺に出没する2足歩行型の魔獣がミレイユの頭をよぎったがそれにしては毛が黒かったり、なにより体格が違う。

ミレイユ(っ……!考えている暇なんてない!)

 目の前には新人の3人。それが襲われている事実のみを把握し、すぐさま行動した。

ミレイユ「ランディ、エリィ、ノエル!」

 名前を呼ぶ。それだけで数多の修羅場を駆け抜けた彼らは行動に走った。いや、名前を呼ぶすら必要なかっただろう。

 機械音が響き、エニグマが発動する。先手を撃ったのはノエルだ。
 
――戦術(クラフト) アサルトラッシュV

 その両手に持つ銃でのラッシュ攻撃。その弾幕の嵐は魔獣の遅延時間を作る。

『グルウウウ!』

 だが、足は止まらず新人たちへと襲いかかる。

ランディ「おめーさんの相手は、俺だぜ!」

 ランディから放たれた重い一撃。ハルバートが唸りを上げて魔獣に迫り、やがて切り裂いた。

『グアアアア!』

ランディ「ちっ、硬てぇ……!」

 想像以上の硬さ。その胴体を切り裂くことはできなかったが、魔獣の足が完全に止まった。

エリィ「はああああああああ!」

 ランディの隙を埋めるようにしてノエルが躍り出る。すぐさま戦術を発動。

――戦術 ワイルドスワンV

 その華奢な身体から繰り広げる身のこなしで魔獣の懐に近づき、膝や手を伝って駆け上がる。銃撃を入れた後、その顎にサマーソルトキックを放つ。

『グエエエエ』

 確かな手応え。巨体がよろけた。
51 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 22:07:45.79 ID:Jl8Vv4290
エリィ「今のうちに!」

新人ABC「ふえぇええええええ……!」

 戦場から離脱する新人。それを確認したあとにミレイユは声を張り上げた。

ミレイユ「防御陣形D―2―8!」

警備隊「「「イエス・マム!」」」

 ミレイユの号令。その1つで10を超える警備隊が新人たちを囲むようにして陣形を組んだ。

ミレイユ「これで思いっきりやれるわね!」

 ミレイユも自らのハルバートを持ち出し前へ出た。

ミレイユ「ノエルっ!制圧処置!」

ノエル「イエス・マム!」

――戦術 電磁ネットV!

 ノエルから放たれた球体が敵へと広がり、やがて相手を行動不能へと追い込む電流ネットが敵を絡めた。

 相手の動きが止まる。

ミレイユ「ランディ!」

ランディ「合点承知!」
 
 ノエルが下がり、スイッチするのはランディとミレイユ。

 2人のエニグマが共鳴し、同調する。

 2つのハルバートが交差し、炎が立ち上がる。

ミレイユ・ランディ「「アサルトスラッシュW!」」

 2人の連携された数多の斬撃が駆け抜け、最後に同時に切り上げた。

 戦術の中でエニグマを共鳴させることで互いに力を補うコンビクラフトである。

『グアアアア……』

 斬撃が止み、魔獣は地に倒れた。巨体が堕ち、やがてセピアとなって消えていく。
52 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 22:08:11.93 ID:Jl8Vv4290

ミレイユ「ふぅ……」

ランディ「ったく、なんつータイミングだ」


エリィ(ねぇ、ノエル。2人のコンビクラフトさらに進化していない?)

ノエル(Wって言ってたよね……)

エリィ(やっぱ付き合ったりすると全然違ってくるのかな?)

ノエル(あ、愛の力とか?)

ミレイユ「もうっ、ちょっとそこ聞こえてるわよ!」

ミレイユ「大体、コンビクラフトはキチンと訓練して使い続ければ自然と息が合ってくるだけであって、別にランディとその……つ、つきあってる……と、か。そんなんじゃないわよっ!」

隊員A「ミレイユ司令、惚気話なら他でやってください」

隊員B「なんですか?俺らへの当てつけですか?訓練ばかりで出会いがない俺らへの?」

隊員C「畜生!エニグマ起動!爆ぜろリアル、弾けろシナプス!バニッシュメント――」

隊員D「Cよ、それ以上はいけない」
53 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 22:16:27.75 ID:Jl8Vv4290
 
先程の戦闘が嘘のような平穏な空気。普段しごかれている隊員は今とばかりにミレイユに対して仕返しを行い、それを周りは微笑ましく見ている。

 大型魔獣を倒した事による安心感。新人たちを含め誰しもがその雰囲気を感じた。

 だからこそ、油断を生んだ。それは彼らのとって失策だったが、其れ以上に魔獣が一枚上手だったのかもしれない。

 音が無かった。

 だが、視野ではハッキリ捉えていた。

 先程と同じタイプの魔獣がミレイユ達を襲った。

『グオオオオ!』

 勝利を確信した魔獣の咆哮。ミレイユ達は突然現れた巨体に目を疑った。

 音もなく、気配もなく。突如としてそれが目の前に現れたのだ。

 体制を整える暇すらない。凶器の手が振りかざされる。

 狙われているのは近くにいたエリィ。

 一撃で仕留めるつもりなのか、随分と大きく振り上げられた。その隙が僅かな時間をエリィに与えた。

 だが、回避はどう考えても間に合わない。彼女ができることとすれば各自身を固めるくらいだ。

 死ぬ――までは行かなくとも、それなりの大ダメージは入るだろう。

 エリィは身に遅いかかる衝撃と痛みに備えた。



 だが――


 彼女にその凶手が入ることはなかった――


 1人の男が、彼女と魔獣の間に割って出たのだ。

 
54 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 22:19:19.27 ID:Jl8Vv4290

エリィ「……?」

 

 いつまで経っても訪れない衝撃に不思議に思い、目を開けると。



 随分と懐かしい背中がそこにあった。



エリィ「ロ、イ、ド……?」

 

 彼女はその男の名を呼んだ。


 
55 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 22:40:20.23 ID:Jl8Vv4290


 熊のような手。それをしっかりとトンファーで抑えつけ、ロイドはそのまま押し出すようにして弾いた。

エリィ「ロ、イ、ド……?」

 後ろから声が掛かる。だが、ロイドはその問いに答えなかった。

ロイド「はあああああああああああ!」

 息を吸い込み、鼓舞するかのような声が響く。

 そのままかけ出して魔獣の懐に入り込んだ。

 トンファーによる殴打が魔獣の腹を捉える。抉るような一撃。割れる音が鈍く広がる。

 そのまま左のトンファーを殴りつける。

 右、左、右、左。

 交互に確実に相手を抉る攻撃を打ち込む。

 エニグマによる補助、それも兼ねた連打は一撃一撃が岩をも砕くような一撃。

 そんな一撃を食らった魔獣は

『――――ッ!!!!』

 もはや声にすらならない悲鳴を上げた。

 巨体が少しずつ後退する。真正面からの力に身体が自然と下がっていったのだ。

 やがて連打を終え、一歩後ろへと下がった。

 力が右のトンファーに込められていく。

ロイド「ネオ・タイガーチャージ!!」

 エニグマが輝き、戦術が発動する。右のトンファーの突き出しと共に白虎を形取った攻撃が繰り出された。

 放出された氣によるトンファーの一撃はロイドの2倍以上もある魔獣を飲み込み、やがてロイドが突き抜けることでその身体を四散させた。

 残ったのはセピアのみである。




新人A「す、すげぇ……」

新人B「圧倒的だ……」

 誰かが声を上げた。

 たった一つの戦術であの巨体魔獣を倒す。一体彼は何者なのだろうか。そんな声すら上がった。

エリィ・ノエル・ランディ「「「ロイド!」」」

 呼ぶ声が重なり、3人は彼の近くに寄った。

 ロイドはそんな彼女らに向き直り、とびっきりの笑顔を出す。

ロイド「――ただいま」

――「おかえり!」

 声が重なり、それぞれが笑顔だったことは言うまでもない。
56 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 22:41:02.63 ID:Jl8Vv4290
取り敢えずはここまで、明日も書くぜヨォ

57 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/17(月) 22:41:36.22 ID:Jl8Vv4290
誤字があったら基本スルーでオナシャス!
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/17(月) 23:44:37.67 ID:PVJ+8hkM0
なんだ・・・・なんなんだコイツ(ロイド)・・・・
突然現れたと思ったら美味しい所掻っ攫って行きやがった・・・

あとミレイユたん可愛いぉ!(殴
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/18(火) 00:59:18.99 ID:7xiaDzZso
さすがはロイドさん
はずさないな
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/18(火) 22:31:45.55 ID:6ttxmurP0
美味しいところを持っていく役はアリオスさんだったりエステル&ヨシュアといった遊撃士組だったはずなのに…w
まぁ碧で美味しいところをかっさらったのはツァイトだったが。しかも狙ってやったっぽいこと言ってたしw
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 16:25:25.39 ID:w85qe2XKo
流石攻略王いいとこであらわれるな

軌跡のSSは貴重やね
支援全力
62 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/22(土) 19:29:58.62 ID:oRHWaQqi0
お久しぶりです。

年末にかけて最近は忙しく中々筆が進みません。

明日はなんとか書けそうですが、更新が遅くなる事が多いです。

楽しみにしてる人がいるかわからないけど、エタる事はないと思うんでよろしくお願いします
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 20:12:21.42 ID:jfdY1u8go
待ってるよー
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 23:21:20.48 ID:DssbB2nNo
がってん承知
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/23(日) 00:48:37.19 ID:l8kwLSA/o
全裸で待っとるよ
66 : ◆xTn7wB65oE [saga]:2012/12/25(火) 00:56:26.38 ID:UajB5tE60
折角のクリスマスだし、なんかクリスマスの短編SSでも書こうかしら
67 :名無しNIPPER [sage]:2012/12/25(火) 10:19:02.17 ID:OlAw1CdAO
なんだ、かまってちゃんか……
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:48:51.08 ID:cN7LNUspo
書く書く詐欺はもういいから
はよ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 00:45:29.17 ID:FnACwqtgo
まだか
70 : ◆xTn7wB65oE [sage]:2013/01/16(水) 00:48:53.28 ID:R4OLfmgF0
やっと終わったー!

年末から年越しにかけて長い仕事が終わりを告げたぜ……。

さて、いまからちょくちょく書いていくのでよろしくお願いします。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 02:07:35.26 ID:Hy5GUYCro
おう、貴重な軌跡SSだしな待ってるぞー
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/01(金) 09:50:53.05 ID:YibalPyw0
まだー??
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/02(土) 17:04:52.91 ID:ZHoCiaAm0
期待してます―。

キーアやマクダエル市長、ツァイト、ティオ、ミシェルさんその他諸々の再開も期待!
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 18:11:07.55 ID:Nl4AHLRP0
待ってましたー!
続き楽しみにしてます!
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