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まどか「同じ道 あなたとわたしが 歩む時」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:00:02.19 ID:AhKyMhs7o

――――――――――――――――――――

誰も、誰も居ない空間...。
宇宙の始まりと終わりを見ることができそうな空間。
美しいながらも寂しすぎる空間。


そんな空間にピンクの綺麗な髪に純白のドレスを着た少女がいた。
儚げながらも、美しい少女だった。
ここは彼女のための空間である。


もはや、少女と呼ぶにはふさわしくない時を過ごしていた。
一人でずっとその空間にいた。
役目を果たす時以外、ずっと...
彼女は魔法少女をを救済する願いを叶え概念に成り果てた。


それでも、彼女の中にはある少女への思いが、満ち溢れていた。
常識では考えられない時間が過ぎていた。
普通の人間なら自我を保っていられないような時間。


それほど、彼女の思いは強かった。
その少女を思うことで自我を保っていたのだろう。

彼女はふとなにか思い立ったように、つぶやきはじめた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1355835601
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秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
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【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:02:09.34 ID:AhKyMhs7o



まどか「ほむらちゃんに会いた、会えないけど見ていたいなぁ」

彼女は鹿目まどか。

この空間の主である。

まどか「少しくらい、いいよね?」

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:05:27.56 ID:AhKyMhs7o


*注意*

このスレは、>>1が地の文なしで書くことに限界を感じて改めて建てなおしたものです

元々書いていたものからは、色々設定が変わっています

この話はまどかが契約して世界を改変した後の話です
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:06:44.77 ID:AhKyMhs7o


彼女は魔法少女を全て導いた。


もともと友達であった子。
頼っていた先輩だった子。
一緒に友達を救おうとした子。
そして、彼女にとっての最高の友達であった子。


全てを導いてしまったからこそ、彼女の役目はもう終わっていた。


インキュベーターが引き起こす喜劇と悲劇は永遠ではなかったのだ。
人類は膨らむ太陽に飲まれていく地球を離れ、
魔法少女の敵であったインキュベーターと同じように旅にでた。
彼らの予言通りに...


そして、魔法少女はいなくなった。


まどか「別に時間なんて、無限なんだしいいよね?」


誰かが聞いているわけないのに、
誰も責めるわけないのに、
することは他にないのに、


一人で考えていた。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:09:56.33 ID:AhKyMhs7o


未来を見ても、なにもないのに等しい彼女にとっては、

他の時間軸を見ること以外に、することが無いはずなのに、

あの少女に触れることを罪と考えているのかのように、我慢していた。



まどか「神様なんだし、わたしが決めていいよね」


ひとりごとをつぶやくくらいに、
彼女の心は幼い。

そんな心で最愛の人と会わず、
果てしない時を過ごしてきた。



6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:11:26.80 ID:AhKyMhs7o


常識では考えられないことだ。

たった一度あの少女に会うためだけに、
そして、救済のために会った後も、
やることがなくなった後でも、
ずっと、ずっと我慢していた。


まるで忘れていたのかのように...


もし覚えていたのなら、
罪と考えている以外に、どうして彼女があの少女から離れていたかわかないほどであった。
しかし、その楔からも解き放たれてる時が来たようだ。


その罪も楔も忘れたかのように
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:13:16.18 ID:AhKyMhs7o


鳥の声が彼女を迎えるように騒ぐ。

ここは計画都市として作られた町である見滝原。
まどかが人間であった時、
父親と母親と弟と大切な友達に包まれ暮らし、
ごく平凡な生活をし、
不思議な生物と出会い、


契約して概念になった町である。


まどか「どっこかな〜?」


まどかは最愛の人を探す。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:14:31.64 ID:AhKyMhs7o

――――――――――――――――――――



鳥の声が彼女を迎えるように騒ぐ。

ここは計画都市として作られた町である見滝原。
まどかが人間であった時、
父親と母親と弟と大切な友達に包まれ暮らし、
ごく平凡な生活をし、
不思議な生物と出会い、


契約して概念になった町である。


まどか「どっこかな〜?」


まどかは最愛の人を探す。

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:14:58.80 ID:AhKyMhs7o
>>7誤爆
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:16:59.69 ID:AhKyMhs7o

まどか「・・・あれ?」

まどか「あの青い髪の子と緑の髪の子ってもしかして?」

懐かしい顔を見る。
まどかの友達であった二人だ。



名前は...?



ぼんやりと彼女達を覚えているだけだった。


さやか「ほむら、遅いね〜」

仁美「珍しいですわね 暁美さんが遅刻するなんて」

どうやら、まどかの最愛の人を待っているようだ。


二人のうちの片割れは、
まどかのいた世界で、死んでしまった。

もう一人が原因でもあったが。
その死んだ友達が生きていることはまどかを喜ばせることであるはずだった。


しかし、彼女は理解していなかった。


彼女は曖昧な記憶を辿る。


特に何も思うとこはないようだ。


まどか「楽しみになってきたよ、てぃひひ」

ただまどかにとっては、ほむらだけが楽しみであった。
まどかは心からの笑顔でほむらを迎えようとしていた。
ほむらには見えるわけないのに、
それでも、そう迎えたかったのだ。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:21:04.95 ID:AhKyMhs7o

タッタッタ

さやか「お、きたきた」

必死になって走る足音が聞こえた。

ほむら「はぁ、はぁ...」

ほむら「ごめんなさい 寝坊しちゃって...」

懐かしい光景だった。
ここまで、三人が仲良くしている様子を見たことをまどかはなかったが、
懐かしい光景だったろう、

きっと、そうであろうとまどかは思う。

さやか「おそいよー、ほむら」

青い子がほむらをそう諭す。

ほむら「ごめんなさい、さやか...」

ほむらが謝る。

さやか「悪い子だなぁ...わたしの嫁となんかしてたのかぁ?」

さやかがまた諭す。
まどかはさやかに嫁がいることを知る。
そして、さやかは、ほむらに対して冷たいなぁと思う。


ほむら「もう、謝ったでしょ あんまりくどいと...」


ほむらが怒る。


別の時間軸でもこのような光景を見たかもしれない。


あまりにも長い時間が経ったので、まどかはやっぱり思い出せなかった。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:26:23.62 ID:AhKyMhs7o

さやか「わ、わぁ! ごめんって...あんまりほむらをいじることができないからさ... ね?ね?」

さやかがあっさりと折れる。
優しい子なのであろうとまどかは納得する。


きっと、相変わらず光景なのだろうまどかは思う。

ほむら「まったくもう...」

目の前の光景を、見ながら思う。
あまりに眩しい、
眩しい光景だった。


しかし、彼女はもう思い出すのを諦めていた。


ほむら「仁美もおはよう」

ほむらが仁美に挨拶をする。

仁美「おはようございます、ほむらさん」


まどかはほむらの左手を確認する。
ソウルジェムがあった。

まどかはほむらが魔法少女であることを確認した。
ほむらとさやかと仁美は、仲よさげに会話をしている。


まどかは羨ましく思って眺めていた。


こんなこともあったのだろうと納得することにしたようだ。



この中に混ざって自分もいたのだろうと...

13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:31:11.80 ID:AhKyMhs7o

――――――――――――――――――――


そのまま、一行は学校に向かう。
楽しそうに向かっていた。


とある交差点であった。
まどかもよく通った道。

そんないつもの道であるはずのところで...


さやか「それでね...」

ほむら「さやか!」



バンッ




ほむらが、さやかを突き飛ばす。




ほむらは、さやかを守ろうとした。





理解した瞬間には、もう遅かった。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:37:09.35 ID:AhKyMhs7o


まどかは周りを見て気づき、


何もできないのに、助けようとほむらの方へ向かった。


さやか「え?」

さよか「ちょっと、ほむ...ら?」


もうとっくに、助けられる時間は過ぎていた。

触れられないのに、まどかは助けようとする。


彼女が触れることが出来れば、助かったかも知れない。


だけど...


そのとき、やっとさやかは気づいたようだ。


高速のトラックが近くにいた。


キィィィィ


ブレーキを掛ける音が響く。


もう手遅れであるのに、必死になって...


まどかは、ほむらに触れられないのを理解しながら、
ほむらを抱きしめようとする。


もちろん、触れない。



まどか「あぁ... あぁぁぁあああ」


まどかが力なく叫ぶ
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:44:33.78 ID:AhKyMhs7o



バンッ



ほむらのやせ細った体は空を舞った。

ほむらの魔法少女としての力は弱い


普通の魔法少女なら助かる怪我でも彼女にとっては致命的なこともある。

それでも、普通の人間が轢かれるよりマシだと思ったのだろう。


ほむら「ッ...」


ほむらが無意識に声を上げる。

衝撃がそれだけ強かったのだ。



一瞬が、無限に感じられる時をまどかは感じていた。


ほむらの体が空を飛ぶのを眺めるだけの...


ドサッ


ほむらの体がアスファルトに打ち付けられた。



まどか「え、そ、そんな...う、嘘だよね...?」

まどか「ぁぁあああぁぁぁぁっ」


まどかが、誰にも聞こえない悲鳴を上げる

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:47:27.69 ID:AhKyMhs7o

さやか「ほ、ほむらああああああっ」

仁美「あ、暁美さん しっかり...しっかりしてください...」

さやかと仁美がほむらに駆け寄る。

一生のうちに見なくて済めば嬉しい光景の一つであろう。


ほむらはもう時間があまりないことを悟りながらも、

ひしゃげた腕をそっと伸ばす。
さやかは手を握り、涙を流す。
赤い液体が溢れ、
橙色のようなゼリー状の物質が飛び散っていた。
それらがほむらの綺麗な黒い髪を染める。
仁美がほむらの傷を塞ごうとするも、
もうとっくに手遅れだった。


まどかはその光景を理解していた。



だけど、理解したくなかった。



しかし、まどかは理解することになる。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:52:18.11 ID:AhKyMhs7o


ほむら「まどか...」


最後の一言であった。


ほむらはまどかの方を見て、笑顔でそう呟いた。
凄惨な光景であったが、そのときのほむらの顔は、
どんな宝石にでも負けないような美しい顔であった。


満足し、幸せそうな


聞こえないであろう、だけど言わざるを得なかった。


まどか「ごめんね、ほむらちゃん...」


ほむらはもう息をしていないようだった。
聞こえたかはわからないし、
まどかに向けられたのかさえ、わからないのに返した言葉だった。


まどか「さようなら...」


そっと、つぶやき。


目をつぶる。


まどかは何も考えたくなくなり、そのまま...
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 22:57:16.94 ID:AhKyMhs7o

――――――――――――――――――――


鳥は彼女を迎えない。


代わりに不気味な空気と魔女の笑い声が迎えた。


ここは、見滝原であろうか...
綺麗な町は作り変えられ、瓦礫の町になっていた。

アハハハハッ

作り替えた本人が笑う。

そんな中二人の少女がいた。
この世界のまどかとほむらであった。
ほむらはもうボロボロであった。
足を瓦礫に傷つけられ、もう歩けない状態であった。

それでも、彼女は戦おうとしていた。

もう、限界なのはわかっているのに...


あの時と同じ世界だ。


ほむら「まどか...」


そんな中、力なくほむらが声を出す
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:02:24.23 ID:AhKyMhs7o

この世界のまどかがほむらに話しかける。

まどか「ごめんね、ほむらちゃん... わたし、魔法少女になる」

ほむらにとっては衝撃的なことである。
それは彼女の存在意義を失いかねないことであるからだ。

傍観しているまどかは深く理解していたが、
この世界のまどかには、あまり理解できていないことであった。

ほむら「それじゃぁあ、それじゃ...」

ほむら「私は、何のために...」

当然のように、ほむらは嘆く。
また、救えなかった。
また、彼女を犠牲にする。


そんな思いで彼女の言葉を迎える。


まどか「ごめん」

まどか「ホントにごめん。」

この世界のまどかは必死に謝る。

まどか「これまでずっと、ずっとずっと、ほむらちゃんに守られて、望まれてきたから、今の私があるんだと思う」


ほむらを説得しようと、必死に必死に語りかける。


ほむら「うぅ...うわぁあぁぁぁあああ」

まどか「ほむらちゃん、聞いてお願い...」


もう、ほむらには何も聞こえていないようであった。


ソウルジェムが濁りきっていた。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:06:25.19 ID:AhKyMhs7o

ほむら「あはは...あはは...」

力なくほむらは笑う。

ほむら「もういいや...」

力なくほむらはつぶやく。

ほむら「もういいの...」

力なくほむらは...


ほむら「見て、わたしのソウルジェム...」

まどか「ねぇ、ほむらちゃんしっかりして...」


真っ黒だった、光も通さないほどの深い闇。


ほむら「えへへ」

また笑う。

ほむら「もう、無理かな...」

まどか「...」

この世界のまどかは、もう掛ける言葉がないようだ。
強い決心をして、ほむらに会いに来たのに、
それでも、受け入れかねる状態だった。


ほむら「あはは、あはははははは」


大きな声で、ほむらが笑う。

もう、どうしようもない。

ほむら「ごめんね、ごめんね...」

ほむら「あなたを救えなくて...」

ほむら「こんな役立たずで」


必死に言葉をひねり出したようだが、ついに


ほむら「看取って...」


途中で言葉が途絶えてしまった。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:11:11.70 ID:AhKyMhs7o

まどかは導こうとした。
だけど導けなかった。
この世界はもともとまどかがいた世界ではないからだ。

まどか「ほむらちゃん!」

この世界のまどかがほむらに呼びかける。


ポタッ

ソウルジェムにしずくが当たる。

パリンッ


ほむらのソウルジェムが、グリーフシードに変化する。
そして、ほむらの魔女が現れた。
本当に魔女らしい魔女である。

この世界のまどかは、吹き飛ばされた。

まどか「キャッ...」

それを魔女が迎える。

まどか「イタタ...」

homelily「......」

まどか「ほむらちゃん?」

まどか「...」

まどか「あはは...あはははは...」

ついに、まどかの心も壊れてしまった。

QB「まどか、契約はどうするんだい?」

空気を読まないように、インキュベーターが話しかける。
もはや、誰の声も聞こえていない。

まどか「もういいや、わたしに関わった人はみんな不幸になるんだね」


まどかは壊れた。


良かれと思ったことが空回りして、最後の友達を失った。


もう治ることはない...
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:16:00.45 ID:AhKyMhs7o

まどか「厄病神だったんだね、わたし...」

まどか「えへへ、えへへへへへへへ」

QB「まどか、しっかりするんだ ほむらの魔女が...」

守りたかったまどかをほむらが襲う。

まどか「えへへ、ほむらちゃん大好きだよ あなたに、殺されるなら本望だよ」

まどか「こんな、悪魔で良ければ同じ世界に行きたいな...」

まどかはそれを受け入れることに決めて、
そのまま そのまま

QB「・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」

まどか「・・・・・・・・・・・・・」


ドシャッ


守りたかった人を守りたかった人が切り裂いた。



守りたかった人は



ただの肉塊になった。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:19:00.70 ID:AhKyMhs7o

QB「折角の逸材だったのに、残念だなぁ...」

そう感情がないはずの生き物がつぶやく。

QB「はぁ... また、地道に契約か...」

まるで感情があるかのように残念がる。

QB「しかし、暁美ほむらからのエネルギーはとんでもないものだったな」

そして、満足しているようだ。

QB「まどかがグリーフシードになる時のエネルギーとは、比較にならないだろうけど」

QB「それでも、相当なものだったね」

色々なことをつぶやいていたが、それを

ガシッ

彼女は許さない

QB「きゅっぷぃ... そうかい、僕が結界にいるのは邪魔かい?」

QB「魔女になっても、変わらずか...」

QB「ありがとう、暁美ほむ」

ガツッ ガツガツッ...

ベチャァッ

homelilly「............」

そしてほむらは旅だった。


すべてのものを彼岸に届けるために。


そして...
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:24:00.32 ID:AhKyMhs7o

――――――――――――――――――――


今度は、ガンガンという扉を叩く音だった。

夜だった。

ここは廃工場だろうか?
まどかは誰かに助けられたのを思い出す。
だけど、誰だったかはわからなかった。
きっと、ほむらであろうと納得する。

そこにほむらがやってきた。

ほら、やっぱりとまどかは納得する

ほむら「はぁ... 間に合った...」

そこには、この世界のまどかが倒れていた。

ほむら「まどか、無事かしら?」

ほむら「まどか?」

ピクリとも動かなかった。
ほむらは理解せざるを得なかった。

ほむら「嘘...」

この世界のまどかが死んだ。
ほむらにとってはよくあることだろう。


そうほむらにとってはループで、一回は見ることになることだ。


だけど、このほむらにとってはちょっと違っていた。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:29:19.37 ID:AhKyMhs7o

仲良くしたいと思って、お互いにそう思えて。
ずっと、一緒にいようと誓った相手だった。

ほむら「そんなぁ...」

ドサッ

思わず、膝から崩れ落ちる。

いつものほむらならすぐに盾を回すだけだろうが、
今の彼女には出来なかった。

ほむら「まどか、付いて行ってもいいかしら?」

思わず、そう呟いた。

ほむら「ダメとは、いわせないわよ...」

つぶやきはほむらにの意思を強固にした。

ほむら「最高の友達...」

ソウルジェムを砕く、それが彼女の答え。


傍観者はもう諦めていた。

どうせ、何もできないのだから。

カチッ

ほむらは慣れた手で安全装置を外す。


チャキッ


ほむらは震えながら、自分のソウルジェムに狙いを定める。

ほむら「あ...う....」


ポタッ


ほむらは震え..........




ここにいるのは、二人から一人になっていた。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:32:58.20 ID:AhKyMhs7o

ほむらがソウルジェムを砕いて、結構な時間がたった。

まどか「うぅ...」

気を失っていたこの世界のまどかが目を覚ます。
魔女に襲われ、傷めつけられ、気を失っていたのだ。


その間に悲劇が起きていたことを知らずに...


まどか「たしか、魔女に... ほむらちゃんかな、助けてくれたの...」

ただ、ほむらにありがとうと言おうと思った。

そのためにそっと横を見る

ほむらだ。


ほむらだった。



ほむらだったものだ。


まどか「...ほむらちゃん、起きて?」

すぐに異変に気づいた。
息をしてない。
すぐに確かめようとした。
脈もない。
心臓も止まっている。

ふと、気づく。


ほむらがソウルジェムを持って無いことに、


最悪の出来事が起きたのを理解した
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:44:28.92 ID:AhKyMhs7o

まどか「ほむらちゃん、約束を護るよ」

そう、凛々しい顔で呟いた。

まどか「わたしも付いて行っていいよね?」

拒否されるわけない、質問をする。

する相手がいないからだ。

あとは彼女が決めるだけ...

まどか「ごめんね、パパ、ママ、たっくん...」

残すことになった人たちに謝る。
それよりも、ほむらと一緒にいたいと思ったから...

どうして、自殺したのかは考えなかった。

そんなのあまり関係ないことだから。

ふと、ほむらが握っていた拳銃を見つける。
ほむらがこれで自殺したのを理解した。

なら、わたしもこれを使おうと思って、
ほむらの手から拳銃を借りる。


拳銃を握る。


まどか「大好き...」

絞り出したような声で、最後の告白をする。

震えた手で、拳銃を持ち上げる。


重い。


こんなものを扱っていたのかと感心しながら、

口に加える。
そぉっと、引き金引っ張る。


カチッカチッ


非力な力で、恐る恐るも引き金を引こうとする。
涙がこぼれた。
それが救いになるわけがなかった。


カチンッ

パンッ


そして...



そして、誰もいなくなった。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/18(火) 23:52:11.95 ID:AhKyMhs7o

――――――――――――――――――――


いつもの空間に戻ってきたようだ

廻って、廻っていろいろな世界を見た。
廻って、廻って酔そうになって、
廻るのをやめた。

まどかが理解したことはいくつかあった。

自分がいた世界にしか干渉することができないこと。
時間軸は無限の様に存在すること。
そしてすべての世界で、まどかとほむらが同時にあの日を超えられている世界がないこと


悲しくなった。

悔しかった。

自分の世界だって、碌なものではなかった。
それよりも悲惨な世界しかなかった。

惨めだった。


どうしようもないのだ


見たからといって、何もできない。

そうして、彼女は気づく、



もう、




もう、何もすることがなくなったことを

29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/18(火) 23:55:03.16 ID:AhKyMhs7o

眠ることにした。

それ以外することなんてないからだ。

そっと、目をつぶる。


疲れないはずの彼女だったが、ものすごい疲労感を感じた。



そして、目を覚まさなかった。

あの子の夢を見ているのだろうか...
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 00:01:39.22 ID:jFq4T2Ooo

――――――――――――――――――――


どれくらいたっただろう。

まどかにとっては、一瞬にすぎない時間。
時間なんて無限であった。
そのはずだった。


目を覚ます。


寝ぼけた目で周りを見る。
いつもの空間ではなかった。
風が吹いていて、とても心地が良かった。

まどかはやっと気づいた、ここがいつもと違う場所であることを

いつからここにいたのだろう?

寝冷えしてしまう程の時間はいたようだ

肌寒い

まどか「ここは...?」

思わず声を出してしまう。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 00:05:20.33 ID:jFq4T2Ooo

少し前にここに来た。
そうだ、ここは見滝原だ。

いや、それがどうということはない

前も見ることはできたのだ。
それ以上のことができる。

そんな気がした。

そもそも、寒さを感じるなんて初めてだ。

近くにあった草に触れてみる。

クシャクシャ


触れた。

触れたのだ。


干渉することができたのだ。

理解した。

改変された元の世界に戻ってきたのだと

まどか「えへへ、えへへへ」

笑い声が漏れる。
また、ほむらに会えるのだ。
嬉しすぎて、周りの目など気にならないほどに燥いだ。

その時、まどかは思い出す。
他の世界でまどかとほむらが一緒に生きていた世界はなかった。

まどか「ほむらちゃん!」

心配になって、走りだした。
全速力で走り出した。


タタタタッ...

32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/19(水) 00:09:50.71 ID:jFq4T2Ooo
とりあえず、ここまでやり直しのくせしてスピード遅すぎるw
一日の投稿料は、多くないですが更新頻度は早めに頑張りたいです。
また、一度スレを落としてもらって、
再び書き直していることを深くお詫びします。
今度こそ完結させますので、お付き合いくださると幸いです。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 01:33:55.69 ID:nGbqNmDAO
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 02:08:32.49 ID:p3QnQ1qI0
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 05:53:52.85 ID:Opzv1C10o
こっちの方が読みやすい
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 14:06:37.27 ID:o4Qm1B6DO
おつ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 22:47:37.89 ID:hO8eP4aao
こんばんわ、乙ありがとうございます。
今から始めます

>>35
前のを自分で読み返して、納得がいかなかったので書き直しました。
今のを納得しきっているわけではないですが、そう行言ってくれると嬉しいです。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 22:49:59.63 ID:hO8eP4aao

――――――――――――――――――――


3月30日午後5時頃 見滝原


ピンポーン

まどか「はぁ... はぁ...」

全速力で走ったが、まどかにとってあまりに久々すぎることで、
疲れきってしまったようだ。


ほむらに会える。
ただ、その一心でここまで来た。

しかし、まどかはほとんど覚えていなかった。


どこにほむらが住んでいたかだ。

それでも、いつの間にかたどり着いていた。

その不思議な事にまどかは気づいていない...

それよりもどんな顔して、ほむらに会おうか。
チャイムを押してから考え始めていた。

ほむら「はい」

まどかの心臓の鼓動が早くなる。


遂に会える、遂に会える。


嬉しくて、嬉しくて頭が真っ白になる。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 22:55:38.69 ID:hO8eP4aao

ガチャッ

扉が開く。

ゆっくり、ゆっくり

スローモーションの様に見えた

ほむら「何方様ですか?」

自分に向けられたものを聞くのを諦めていた声


それを聞いて。
どうでもいい、どうでもいいほむらちゃんに会いたい!

まどかはそう思うことにした。

そして


上ずった声で



絞り出したように


まどか「お、お久しぶり... ほむらちゃん?」


二人して硬直してしまった。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:12:18.87 ID:hO8eP4aao

ほむらは状況を理解できていないようだった。
それもそうであろう、ずっと会うことができないと思っていた人に会えたのだ。

ほむら「...」

声にならない声を出していた。
嬉しかった、嬉しかった。

まどか「...」

まどかは理解していながらも、声になっていなかった。
このままいつまでも時間が流れていきそうであったが...

沈黙が破られた。

ほむら「ま、まどかなの?」

たくさんの思いが頭を廻って、廻って...
やっと捻り出した言葉である。


ほむらが今表現できる限界の言葉であった。

まどかはそっと答える。

まどか「うん、まどかだよ...」


ペタンッ


言い終わった瞬間に、ほむらが膝から崩れてしまった。

まどか「だ、大丈夫? ほむらちゃん!!」

まどかは驚き手を貸そうとする。

ほむら「えぇ... ちょっと嬉しすぎて、嬉しすぎて...」


エッグエッグ


ほむらの嗚咽が響く。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:21:44.41 ID:hO8eP4aao

それは悲しいものでない、とても幸せなものであった。
この世界の為に、彼女の為に戦い続けると決めた。
その彼女と会えたのだから...

そっと、まどかはほむらの涙を拭う。
ほむらは気持ち良さそうにそれを受ける。

まどか「ほむらちゃん...」

まどかはまた呼びかける。

ほむら「おかえり...おかえりなさい...」

嘘か真か、理解できないながらも
ほむらはそれに答える。

そして、力強い声で
まどかに向かって。

ほむら「おかえり、まどか!」

ほむらはもう笑顔だった。


それに答えて

まどか「ただいま、ほむらちゃん!」

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:30:37.72 ID:hO8eP4aao

ほむら「それでどうして戻ってこれたの?」

まどか「実はね、よくわからないの...」

率直に答えた。

ほむら「...?」

まどかは説明をすることにした。

まどか「色々な世界をめぐってたらね 色々なほむらちゃんを見て」

まどか「一緒に色々したいなって思ってたら」

まどか「いつの間にか、町にいたの」

ほむら「よくわからないわね」

ごもっともである。
お互いどうしてかなんて分からない。
ただ、

まどか「そうだね... てぃひひ」

ほむら「なんであろうと... まどか、またあえて嬉しいわ!」

まどか「うぇひひひ、わたしもだよ、ほむらちゃん!」


二人にとっては、あんまり関係ないことであった。
今は、再会を喜ぶだけだった
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:36:26.65 ID:hO8eP4aao

しかしまぁ、いいことばかりという訳にはいかない。
まどかは話すことにする。

まどか「えっとね...」

ほむら「どうしたの?」

まどか「うーん、嫌なことだけど、どうしても伝えなきゃいけないことがあるの」

ほむら「嫌よ! また、離れるなんて!」

まどか「そういうことじゃないんだけどね...」

さくっと説明した。
これ以上でも、これ以下でもない。

ただ、ほむらとまどかが一緒に同時に生きていないことを説明した。

これ以上でも、これ以下でもない...


たぶん...

ほむら「他の世界で、一緒に生きていることがないねぇ...」

ほむら「どうしてそうなるのかしらねぇ...」

ほむらは、困った顔で答える。
まどかも、困った顔で答える。


解決策など思いつくわけない。

まどか「わたしも、全くわからないんだ...」

まどか「わからないけど、お互い気をつけておかないとと思って」

ほむら「そうね」


嫌なことを告げる会話は、すぐに終わった。
お互いがそう望んでいたからだろう。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:37:42.66 ID:hO8eP4aao

まどか「思ってたより、驚かないんだね」

ほむら「まぁ、また乗り越えるだけよ」

乗り越えてきた彼女が力強く言う。

まどか「そうだね」

乗り越える力になる彼女が力強く答える。

まどか「だけど、本当に大丈夫?」

ほむら「二人で乗り越えれなかった世界はないでしょ?」

まどか「うん、そうだね!」


二人なら、なんでもできると信じているから何も思わないようだ。


実績があるからこそ、そう思い合えるのだ。
それだけじゃなく、お互いに信用があるからだろう。
そして、お互いを想い合う会話に摩り替わった...


ほむら「出会ってこういうのもなんだけど...」

ほむら「寂しくなかった?」

当たり前の質問をする。
ほむらも答えは知ってているつもりだ。

まどか「寂しくないわけ無いよ」

当たり前の回答をして、

まどか「でもね?」

ほむらの次の言葉を遮るように、
そして

まどか「ほむらちゃんがいたから、大丈夫だったんだよ?」

心からの気持ちを伝える。

まどか「ほむらちゃんもさ そういう思いだったんじゃないの?」

ほむらは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに嬉しそうな顔をして...

ほむら「なんて言っていいかわからないけど... ありがとう」

まどか「てぃひひひ、どういたしまして でもさ、似たもの同士だからね?」

ほむら「そうね、お互い思い合ってるものね///」

まどか「そうだよ!」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:39:26.47 ID:hO8eP4aao
>>38 修正

――――――――――――――――――――


3月30日午後5時頃 ほむら宅


ピンポーン

まどか「はぁ... はぁ...」

全速力で走ったが、まどかにとってあまりに久々すぎることで、
疲れきってしまったようだ。


ほむらに会える。
ただ、その一心でここまで来た。

しかし、まどかはほとんど覚えていなかった。


どこにほむらが住んでいたかだ。

それでも、いつの間にかたどり着いていた。

その不思議な事にまどかは気づいていない...

それよりもどんな顔して、ほむらに会おうか。
チャイムを押してから考え始めていた。

ほむら「はい」

まどかの心臓の鼓動が早くなる。


遂に会える、遂に会える。


嬉しくて、嬉しくて頭が真っ白になる。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:40:59.47 ID:hO8eP4aao

――――――――――――――――――――


3月30日午後五時半頃 ほむら宅


時間を消費しながらも、くだらない会話をする。
そんな中、今後の方針のためまどかは尋ねる。

まどか「ところで、今日は何日なの?」

ほむら「わたしが転校してニ週間目くらいかしら...」

ほむら「だから、えっと3月30日かしら?」

3月30日かぁ...

まどか「なるほどね...」

まどかは何かが引っかかる。
何故だろう、胸騒ぎがする。

まどか「ねぇ、ほむらちゃん 他のみんなはどうしているの?」

思い出せない、最近は記憶のもちが悪い。

ほむら「たぶん、魔獣狩りに行ってると思うけど それがどうかしたの?」

たぶん、このことだろう。胸騒ぎの元は...

まどかは素直に打ち明けるべきと思い。

だが、その前に...
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:42:10.11 ID:hO8eP4aao

ほむら「...大丈夫?」

まどかの不安そうな顔に気づきほむらが尋ねる。

まどか「胸騒ぎがするの...」

まどか「私たちのことじゃなくてね... 三人が心配なの」

まどか「挨拶もしたいからさ、みんなの所いかない?」

ほむら「それも、そうね...」

少し残念そうな顔をしながら、ほむらは答える。
折角会えたのに、水を指すのだから残念だろう。

まどか「これから、いつでも一緒だよ!」

心を読んだかのように、そうまどかが急かす。
ほむらは呆気にとられながらも、一緒に走りだす。


何かが起きる予感を感じ取って...
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:43:50.35 ID:hO8eP4aao

――――――――――――――――――――


3月30日午後5時半過ぎ 見滝原市街


今日は瘴気が強いのは、感じ取っていた。
だけど、家に帰らないとと思い、マミ達の誘いを断った。
さすがにこんなことがあるとは思わなかったが...

街をめぐる、今も昔も地味な作業だ。


そして、その瘴気の場所はすぐに見つかった。

あの忌々しい場所。

さやかが魔女化してしまったあの...

そう、ほむらは気づく。

しかし、まどかは嫌な予感を感じているだけで、
そのことにまでは気づいていなかった。

ほむらはそれを気づいている前提で動いていた。


まさか、まどかは忘れているなんてことは毛頭にも...
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:45:44.67 ID:hO8eP4aao

――――――――――――――――――――


午後5時45分頃 見滝原の繁華街の近くの駅



ほむら「ここね... 凄く瘴気が濃いわね」

まどか「ここまで濃いのはあまりみないね...」

普通の人でもこの禍々しさに逃げ出してしまうような濃い瘴気だった。

一人でこの中に普通の魔法少女なら入ろうと思わないような...

まどか「行くよ!」

その中に入っていく。
すごい魔獣の数だ。


その中で三人が必死に戦っていた。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:46:50.82 ID:hO8eP4aao


杏子「くっそぅ、今日に限ってなんでほむらが...」

マミ「わがまま言わないの、彼女だって用事があるのよ」

元気なのか、追い込まれすぎて、
諦めて会話でもしているのかわからない声が聞こえてきた。

さやか「あはは、仕方ないよね... 頑張らな...」

ドサッ

さやか「あっが...」

気を取られていったのか、後ろから魔獣の腕に直撃する。


そのまま、倒れてしまい...


魔獣が...



杏子「さやかぁっ!」

杏子がそれを許さない、さやかを守ろうと
周りの魔獣を一瞬で蒸発させる。

杏子「大丈夫か...?」

さやか「えっへへ、平気だよ! ありがと、杏子」

思ってもいないことをさやかは杏子に伝える。

杏子「そうか... 怪我の治療してる時間はない、いくぞ!」

51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:48:41.31 ID:hO8eP4aao

さやか「おっけー!」

元気そうに振る舞うも、さやかの力であろうとも...

今のは致命傷になりうるものだった。
後頭部からは赤い液体が流れている。

立ち上がろうとした...
クラクラして直立さえ出来なかった。

それでも...立ち上がり...

これ以上はまずいかな...そんなことを思っていた。
この二人でも、流石に...

それなら、せめてわたし一人だけで...


そう思った、そういう魔法の使い方をしようとした。

さやか「ごめんね、みんな...」


作れる笑顔の限界で覚悟を決めてつぶやいた。



その瞬間だった。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:49:44.04 ID:hO8eP4aao

まどか「みんな、避けて!」

バシュッズババババッ

神々しい光の矢が魔獣めがけて飛んでいく。

美しい光景だった。

ウォォオォオオッ グオオオオッ

魔獣共の断末魔が響き渡る。

杏子「な、なんだ!? ほむらか?」

さやか「助かった...」

さやかは満足気にその場に倒れる。
満身創痍になりながらも、命をかけて戦おうとした。


無理もない。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:51:35.82 ID:hO8eP4aao

マミ「美樹さん! しっかり...」

さやか「マミさん ちょっと治療お願いします...」

さやか「少し休ませてください...」

そのまま、眠ってしまった。

杏子「さ、さやか...大丈夫か?」

杏子は、さやかの方を掴み揺らそうとする。
しかし、マミがそれを許さなかった。

マミ「大丈夫... 美樹さんの力ならどうにかなるわ...気絶してるだけ」

パァァァッ

さやかの頭の傷を直し始める。

杏子「馬鹿野郎... 虚勢張ってどうするんだよ、こいつは...」

杏子「こんな、ひどい傷で...」

仲間思いな二人が準備ができたところで、

マミ「助かったわ、あ...けみさん?」

いつもと違う雰囲気に気づく


ほむらに礼を言おうとしながらも、ほむらの横の少女に気づいた、
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:52:11.45 ID:hO8eP4aao


ほむら「わたしではないわ」

理解していない二人にはちょっと冷たい言葉を掛けた。

マミ「魔力の感じが違うと思ったけど...あなたは もしかして?」

だが、すぐに理解したようだ。

まどか「はじめまして、鹿目まどかです!」


かつての友人たちに挨拶をする。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/21(金) 23:57:16.50 ID:hO8eP4aao
終ーわりーです〜。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 00:52:08.88 ID:3z0QzeJoo
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 07:07:03.71 ID:MHXL2Rydo
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 09:16:00.64 ID:og9FGZ3DO
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 01:22:57.07 ID:5hK0rJo5o
乙ありです、短いですが投下します
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 01:23:37.35 ID:5hK0rJo5o

――――――――――――――――――――

午後6時頃 マミの家



やっとの思いで、さやかをマミの家に連れてきた。
誰にも見られていなければいいが...

まどか「目、覚まさないね」

マミ「無理もないわよ、あれだけの傷だもの」


すー すー


椅子で横になっているさやかの寝息が聞こえる。

杏子「ほんと、心配させやがって...」

ほむら「ごめんなさいね、わたしがいればこんなことに...」

マミ「仕方ないわよ... むしろ助けてくれてありがとう、鹿目さん?」

まどか「あ、はい えへへ」

まどかがぎこちなく笑う。
それをほむらが不思議そうな顔をしながら眺める。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 01:27:31.59 ID:5hK0rJo5o

杏子「こんな事聞くのも野暮だけどさ、なんで助けに来てくれたんだ?」

何気ない言葉だったが、場が引き締まった。

まどかは不安そうに喋る。

まどか「胸騒ぎがしたの」

杏子「胸騒ぎ?」

まどか「よくわからないのだけど、嫌な予感がして...」

まどか「わたしもどうしてそう思ったかは、よくわからないのだけど...」


信用してもらえるとは、思えなかった。

あまりにあてにならない理由。
逆に怪しまれてもおかしくないものだったからだ。



杏子「そっか、よくわからないけど ありがとな」

まどか「え?」

キョトンとした顔で迎える。

以外だった。

杏子「え?じゃないよ 聞いてるよ この堅物の心の拠り所ってな」

意外と単純な子なのだろうか。

ほむら「誰か堅物よ」

ほむらは表情を変えずに返す。

いつものやり取りなのだろう...

杏子「だから、信用したいからさ」

まどか「...ありがと、杏子ちゃん」

心配そうにしていたまどかが笑顔になる。

拒絶されると思っていた。


ほむらから聞いて、全てお見通しのようだ。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 01:33:37.61 ID:5hK0rJo5o


さやか「ふあーあ... あれ、ここは?」


その場を遮るように、さやかが目を覚ます。

杏子「目覚めはどうだ? 無茶しやがって...」

さやか「ひゃっ!? きょ、杏子?」

さやか「あはは えーっと...助けてくれてありがとう」

杏子「礼ならそこにいる奴に言え」

さやか「えっと... まどか? だよね...?」

まどか「あたりだよ、さやかちゃん... ほむらちゃんから聞いたの?」

さやか「うん、まぁね... そっか、助かったよ」

まどか「どういたしまして!」

いつか見た光景だなとほむらは思う。

懐かしいなぁと そっと笑う。

本人は気づいていないようだが...


マミ「うれしそうね」

キョトンとした顔になる。

マミの笑顔の理由がよくわかっていなかった。

ほむら「え?」

マミ「あなたがそんなに笑顔になってるの 久しぶりに見たわよ」

ほむら「いつの間にか、にやけていたみたいね...」

マミ「うふふ、いいことね」

ほむら「...」

なんだかんだで、この人には勝てないなぁと思い。

これ以上、何も言わなかった。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 01:38:13.15 ID:5hK0rJo5o

...

ほむら「さて、さやかも無事みたいだしわたし達はここらへんでお暇...」

マミ「待って」

不思議そうにほむらがマミの方を向く。

マミ「今日くらい、一緒にご飯食べない?」

折角の再会だし、当たり前のような。なんか違うような。
まどかとの接点を増やして欲しいし、拒否する理由が無い提案だった。

ほむら「そうね、それがいいわね」

まどかは困った顔をしていた。

そして、ほむらが不思議そうな顔でまどかを見る。

すると、すぐに笑顔にしていた。

今更ながら、まどかの様子がおかしい。


緊張しているだけだろうか?


マミ「じゃあ、お買い物の準備を...」

そのまま、部屋に準備をしに行ってしまった。
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 01:45:05.35 ID:5hK0rJo5o

マミがいなくなってから、さやかが話しかける。

もう元気なようだ。さすがの回復力

さやか「ところで、まどか 服はそのままでいくの?」

まどか「あ... この格好じゃまずいかな?」

照れくさそうに、綺麗な白いドレスを揺らす。
長いピンクの髪に凄く映えて、似合っているが...

さやか「綺麗だけど、派手じゃない?」

まどか「綺麗って... うれしいな でも、さすがにこの格好は... どうしよっか」

杏子「わたしの服貸すか?」

まどか「あれ、杏子ちゃんってマミさんと一緒に住んでるの?」

杏子「おう、そうだぜ マミがわたしにたくさん服を買ってくれてな...」

杏子が遠い目をする。
ほむらとさやかはどうしてそんな目をしているか知っている。


まどか「ありがとう、サイズも合いそうだから...」

杏子「よし、じゃあ ついてきてくれ」

二人でさっさといなくなってしまった。

まどかがさらわれるような目をしていたのが、印象的だった。


そして...二人になった。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 01:56:34.42 ID:5hK0rJo5o

さやか「...いい子だね」

ほむら「ええ あなたもそう思ってくれるのね」

さやか「ほむらから聞いたことしか知らないけど、ほむらが助けたくなったのもわかるよ」

ほむら「信用してくれてたの?」

さやか「友達の話だもん、とんでもない話でも信用したいよ」

ほむら「ありがと... 嬉しいわ」

ほむらは照れくさそうに返す。

さやか「お、デレ期きた? 」


ほむらはよく知っている。
甘やかすと良くない。
飴と鞭が重要である。

ほむら「そうね」

折角なので、不気味なくらいの笑顔で返してみた。

さやか「あはは すいませんっした」

扱いやすくて結構そう心なかでつぶやく。

勝ち誇った顔をするが...
自分を客観的に見ることは苦手なようだ。

さやかは知っている。
ほむらは強がりで意地っ張りだ。
仲良くなるとすぐに弱点を出すような。
そして友達思いで寂しがりやだ。
わたしを何度も助けてくれた。

思い出す。
まどかと呟いて涙を流していたほむらを
覗き見だったので、たぶんバレなかったろうけど
きっとそれが本当のほむらなのだろうと。
友達なのだから、少しくらい支えになってあげようと。
そう思ったことを

さやかの方が何枚も上手だった。
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 02:04:37.56 ID:5hK0rJo5o

これでまた違った一面が見られることを期待すると嬉しかった。
みんなと仲良くしているだけで、魔法少女になってよかったと感じる。
支えになっていたつもりだけど、支えにしていたのかもしれないと思っていると。

まどか「おっ待ったせー!」

飼い主の元に戻るペットのようにまどかがほむらのところへ向かっていた。
フリフリの服だった。
あまり帰る必要がなかったのではないかと思うような。
でも似合っていた、さっきの服もだが。

ほむら「おかえり あれ、後ろの羽根は?」

まどか「魔法で作った羽根だから消したよ〜」

ほむら「便利ね...」

準備が終わったのか、マミが戻ってきた。

マミ「あれ、その服 佐倉さんのよね?」

杏子「まどかに似合いそうなのを上げたよ 似合ってるか?」

マミ「うーん、いいわねぇ」

マミとほむらの視線が合わさって...

お買い物が楽しみになった。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/24(月) 02:08:02.85 ID:5hK0rJo5o

――――――――――――――――――――
午後6時過ぎ モールへの道にて



「なるほどね...」

「あの子にもね、日常をなるべく取り戻してあげたいのよ」

「そうね...賛成なんだけど、戸籍とか大丈夫なの?」

「まぁ、なんとかするわ...」

「まぁ... わたしはそれに賛成したいわ」

「ありがとう...」

「フォローとかはまかせなさい」

これで良かったのだろうかと考える。

自分の意思の弱さが嫌になる。

68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/24(月) 02:12:35.85 ID:5hK0rJo5o

本日はここまで
改行忘れとかミスが目立って、悲しくなる 
いいクリスマスを
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/24(月) 07:12:55.50 ID:mGTTZoit0

と言うか、まどか学生じゃなくてアルティメットの状態で戻って来たんかいwww
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/24(月) 13:20:43.89 ID:dHK4TokTo
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 21:55:21.71 ID:zSRVtet2o
こんばんわ
乙ありがとうございます。
また、テザリング機能のバグにより投稿が遅れたことをお詫びします。

>>69 
女神まどかがそのまま戻ってきて干渉する作品をあまりみないのでやってみましたw
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 22:02:40.78 ID:zSRVtet2o

――――――――――――――――――――


午後6時半頃 近くのモール



杏子「マミー、これ買っていいか?」

マミ「また、おやつ?」

杏子「いいだろ、せっかくのパーティなんだし」

マミ「一週間先のおやつを買おうとしてるように見えるだけど... まぁ...いいわよ」

杏子「サンキュー」

さやかは仲の良い二人にちょっと嫉妬しながら割り込む。

さやか「ところで、ほむらとまどか... どこいったんですか?」

マミ「服を買いに行ったわ わたしも早く買い物終わらせて、色々着せたいのになぁ」

そんな意識は勿論なく、マミは普通に返す。

さやか「そうですね! わたしもしたいなぁ」

マミ「一緒に選びましょうね」

さやか「は、はい」

マミの目が不気味なくらいに輝いている。
さやかは思わず返事が変になってしまった。
わたしもまだ知らないことは多いみたい。

ふと見ると、右で杏子が遠い目をしている。


73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 22:10:55.10 ID:zSRVtet2o

――――――――――――――――――――


その頃 とある服屋


まどか「ねぇ、ほむらちゃん?」

すごい形相でほむらを見つめるまどか。

ほむら「何かしら?」

気にしないでかえすほむら。

まどか「一体どれだけ試着させる気なの!」

ほむら「あなたは今着れる服がないんだから 色々見ないと ね?」

まどか「うー、言い返す言葉がないよ〜だ」

軽くあしらわれ服装に返す。

ほむら「はいはい、マミが来る前に終わらないと大変なことになるよ?」

冷静に考え始める。

まどか「ふぇ?」

まどか「...」

まどか「......」

不思議そうな顔をしながら、少しずつ顔が暗くなっていく凄くシュールな光景だ。

この着せ替えをもう一回だ。わたしもされたくない。

震えそうな声で訴える。

まどか「ほ...ほむらちゃん 早く終わらせないと」

まどかはマミのお姉さん気質を感じ取って、理解した。

ほむらは杏子の引越しの際に服を一緒に買いに行ったが
ものすごく時間がかかって疲れたのをを覚えている。

さやかにその後、一緒に行きたかったと言われたが、返す気力もなくなるほどに
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 22:26:14.06 ID:zSRVtet2o


ほむら「そうね、でももう手遅れだと思うわ」

まどか「わたしはみんなのきせかえ人形じゃないのにー」

ほむら「はいはい、諦めなさい」

またあしらうように返す。

顔をプクッと膨らませ抗議をしているが、可愛いだけ。

マミ「やっと、買い物が終わったわ」

キラキラした目でマミがやってくる。

さやか「ちょっとまってくださいよ 重い〜」

杏子「急ぎ過ぎだよ,,,マミ」

後ろから、荷物を持ってくたくたの二人が来る。
因みに言うと、マミも同じような荷物を持っている。

まどか「来ちゃったよ...」

悲しそうにつぶやく。

ほむら「それじゃあ、マミ」

ほむら「ここに買う予定のものをおいてあるから、後は任せたわ わたしは他に用事あるから」

マミ「わかったわ さて、鹿目さん、覚悟はいいかしら? どれにしようかなぁ...」

まどか「...」

巣を襲われ諦めた小動物のように黙りこむ。

誰もマミに手を出そうとしない。

ほむら「それじゃあ、まかせたわ」

マミ「これも、これもいいわね」

まどか「た、助けてほむらちゃぁあん」


悪趣味だが、愉快な悲鳴が響くのを聞きながらほむらは去った。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:02:26.03 ID:zSRVtet2o

――――――――――――――――――――



ほむらはまさにシーズンであるものを買いに行く。

ただし、自分の中学校のものは奥にしまわれているようだ。

まだ、学校にいけると決まったわけでもないけど、気が気じゃなくて買いに来た。


きっと、どうにかなる。


そうやって、生きてきたんだ。

辛いことも楽しいことも...



きっと、今回もどうにかなる。


どうにかする。


...


......



思いが巡る。


嬉しいが、本当にこれでよかったのだろうか。



自分は逃げている。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:03:54.21 ID:zSRVtet2o

まどかのこと
魔法少女のこと
戻ってきたこと
魔女と魔獣のこと
他の世界で二人で生きていることがないこと
そして、自分のことでさえも

今までは、まどかのことを優先して考えるという名目で


逃げた。


逃げてきた。


その名目もなくなって、一ヶ月の迷宮からも開放された。

ラビュリントスが可愛く見えるような、


これからは普通に時が進む。

忙しく感じる。


山積みだったものに、更に積まれた。

一つ一つが簡単に終わるものでもないのに


逃げ出したい...

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:04:39.51 ID:zSRVtet2o

まどかのことでさえ疑ってしまっている。



何か隠しているのではないか、本当は偽物なのでないかさえ...



寒気がした、そんなことは考えたくもない。

忘れよう、一つ一つこなして行こう。

いや、忘れてはいけない。

それも一つ一つこなして行く。


一番の難題は何もせずとも達成できたのだ。



だから、きっとできるはず...



笑おう、表情を失った頃に戻るわけには

それこそ、努力がまた無に帰る。


だから、楽しもう。

こなしていくことさえも...


乗り越える。

そして、笑いながら幸せに生き続けてやる。



あいつらの思い通りには、絶対にさせない。


78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:09:23.65 ID:zSRVtet2o


可愛らしい筆箱を手に取る。


こんなの使ってみたかった...


まどかならきっと似合うだろう。


しみじみとしながらバスケットに優しく入れる。

自分なりに考えて選んだつもりだ。

気に入ってくれたら嬉しい...



色々な思いが巡り。


やっぱり



自分は弱いんだな

そう思う。


今、活き活きしているのはまどかが帰ってきたから。

ただ、それだけ...

人として普通なのかもしれないが、弱さを感じる。


誰にも頼らない。


そんなことを思った頃が懐かしい。

あのまま続けていたら、すぐに壊れていただろう。

自分なんて、その程度だ...

79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:14:39.03 ID:zSRVtet2o


――――――――――――――――――――


物思いに耽けながら、マミ達の元に戻る。

ほむら「おまたせ」

まどかはカーテンの奥で見えない。

マミ「あら、早かったわねもう少しで終わるわ どうだった?」

ほむら「えぇ、わたし、センスがないから気に入ってもらえるかわからないけど...」

マミ「大丈夫よ、あなたの選んだものなら喜んでくれるわよ」

ほむら「受け入れてもらえるかしら」

マミ「あの子も望んでいることだと思うわよ」

ほむら「そうだと、いいのだけど...」

不安そうな顔を見せる。

そして、マミの自信満々な顔に勇気づけられる。

あぁ、やっぱり甘えている。

シャァァ

マミ「鹿目さん、着替え終わったのね」

粉のようになった、まどかが出てきた。

さやかをふと見るとあの日来なくてよかったと理解し、悟った顔をしていた。

マミ「うん、これはこれでお疲れ様、これでおわりよ」

シャァァ

無言でカーテンを閉める。
疲れきって、言葉も無いようだ。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:26:49.83 ID:zSRVtet2o

――――――――――――――――――――


ほむら「お疲れ、まどか」

やっと、優しい声を掛ける。

まどか「うん... 疲れたよぉ...」

疲れながらも、嬉しそうだ。

まどか「えっとぉ... これ全部買うの?」

マミ「暁美さんが決めてたのと合わせるとこれくらいになっちゃったわ」

結構な枚数だ、一年間でもここまで買わないかもしれない。


まどかは不安そうにほむらを見つめる。


ほむら「そう、じゃあ、お会計はわたしだから気にしないでね」

まどか「え、大丈夫なの?」

ほむら「大丈夫、どうにかなるものよ」

マミ「わたしの選んだ分くらいは...」

ほむら「いいえ、この事はわたしの役目なのよ ここはわたしに譲って欲しい」

マミ「...わかったわ なら他に言うことはないわ」

ほむら「ありがとう さて、お会計行きましょうか」

まどか「ところで、マミさん?」

間髪入れる前に、元気になったまどかがマミを止める。


81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:28:55.59 ID:zSRVtet2o

マミ「なに?」

まどか「ほむらちゃんにも、服買ってほしいなって」

逃げよう。


そう思った時には、肩が掴まれていた。


マミ「いいわね」

ほむら「いや、そのわたしは間に合ってるから...」

まどか「いこうよ...ね?」

不気味なくらいの笑顔のまどかにキラキラした目のマミ


まだだ、まだあきらめない...


冷静にできるはずだ...


マミ「さぁ、いくわよ暁美さん?」

ほむら「まどか? マミ? なんか、いつもと雰囲気が違うわよ?」

腕を掴まれた。

ほむら「ちょっと、さやか杏子助けなさい!」

反応がない...

ほむら「あぁぁあああ...」

さやか「さて、ゆっくり待ちますか」

杏子「そうだな...」

哀れな小動物を見る目で、流される。


まぁ、仕方ない...
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:37:55.49 ID:zSRVtet2o

――――――――――――――――――――


ほむら「疲れた...」

クタクタになりながら、会計へ向かう

悪い気はしないが、ただ疲れた。

結局、着せられた服をわたし買ってくれるらしい。

嬉しいが、嬉しいけど 疲れた。

この場で寝れそう...。



店員「全部で、○○万○○○○円になります」

計算済みだったが、大変な金額だ。

当然、持ち合わせはなく。

ほむら「デビット決済で、お願いします」

お金を使った感じがしなくて危ない、カードで済ます。

店員「ありがとうございました」


これからのための有意義な買い物であったらいいなと考えたいたが...


大量の荷物を目の前にそうも思えなくなっていた。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:48:52.94 ID:zSRVtet2o

――――――――――――――――――――


8時半頃 マミの家にて

いっただっきまーす!!

五色の音色が響く。

杏子「待ちくたびれたぜー」

マミ「お話しは楽しかったかしら?」

まどかが暗い顔をする。
違和感を覚える。

まどかはほむらがいないと居づらそうにする。

さやか「いやぁ〜、普通に他愛のない話してたくらいですよ」

まどか「てぃひひひ、久々に街に行きたくなったよ...」

作っている笑いだ。
経験がわたしに警告する。

ほむら「さぁ、食べるわよ 早くしないと、全部わたしが食べちゃうわよ?」

そっと助け舟を出す。

さやか「はいはい、そのない胸を成長させるためにどうぞ、どうぞ」

ほむら「そうね、あなたの分は絶対残さないわ」

安っぽい挑発を受け、それに乗る。

やりにくそうなまどかが居た堪れなかったから...

杏子「あ、ほむらずるいぞ!」

三人が仲良さげに、突っ付き合う。

まどか「うん、いつものみんなだよ...」

まどかは引きつった感じながらも嬉しそうにつぶやく。

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:52:40.25 ID:zSRVtet2o

――――――――――――――――――――


午後9時頃 帰り道


ほむら「案外、みんなおとなしかったね」

食べた後、逃げ帰るように出てきた。

まどか「そうだね、もっと驚くかと思ったけど」

気づいているのかわからないが、普段通り返される。

ほむら「きっとね、みんなあなたのことを全て忘れることはできなかったのよ」

まどか「そうなのかな?」

ほむら「奇跡だって、あるのよ きっとね!」

ほむら「わたしもだいぶ丸くなったわよ みんなのお陰でね」

まどか「そうなんだ...」

ほむら「目標も一つ終わって、後は魔獣を狩ることだけを考えるだけだったから」

ほむら「みんなと仲良くすることも簡単だったわ」

まどか「...わたしのせいか」


悲しそうな顔でほむらに伝える。


まどかは思う。

自分は殆ど覚えていないから、何も伝えられない。


辛い。


どのほむらがわたしにとってのほむらだったか覚えていないから
明るい性格、暗い性格どんな性格だったかわよく覚えていない。

ただ共通点としてあったのは、友達思いで意地っ張りでいい子なだけ


片思いなのだろう。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:54:06.36 ID:zSRVtet2o


ほむら「ち、違うわ わたしの考えた方法がそうだっただけ 仲良くする方法もあったはずだから」

まどか「う、うん... そっかぁ...」

ほむら「終わったことよ、気にしないでね」

まどか「ありがとうね...」


自分のことしか考えられてないわたしなんかに...


きっと、片思いなのだろう。


ほむら「うぅん、あなたが居たからなんでもできた それだけよ」

まどか「わたしのせいで、これからも、今までもの人生が大きく変わった...ご」

遮るように、ほむらが訴える。

ほむら「謝らないで! わたしが魔法少女にならないで生きていたら、なんにもできずに

まどかは知っている。

ほむらは契約しなくても、立派に生きていけるのを...

胸が痛い。

わたしのせいだ、覚えていないのに...
わたしのせいだ...


ほむらちゃんが望んでくれるなら...
ほむらちゃんに任せよう...


でも、今くらい...


まどか「ありがとう、一緒に歩めて嬉しいよ」

ほむら「そうよ、わたしも 嬉しい!」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:55:32.64 ID:zSRVtet2o
>>85訂正〜

ほむら「ち、違うわ わたしの考えた方法がそうだっただけ 仲良くする方法もあったはずだから」

まどか「う、うん... そっかぁ...」

ほむら「終わったことよ、気にしないでね」

まどか「ありがとうね...」


自分のことしか考えられてないわたしなんかに...


きっと、片思いなのだろう。


ほむら「うぅん、あなたが居たからなんでもできた それだけよ」

まどか「わたしのせいで、これからも、今までもの人生が大きく変わった...ご」

遮るように、ほむらが訴える。

ほむら「謝らないで! わたしが魔法少女にならないで生きていたら、なんにもできずに

まどかは知っている。

ほむらは契約しなくても、立派に生きていけるのを...

胸が痛い。

わたしのせいだ、覚えていないのに...
わたしのせいだ...


ほむらちゃんが望んでくれるなら...
ほむらちゃんに任せよう...


でも、今くらい...


まどか「ありがとう、一緒に歩めて嬉しいよ」

ほむら「うん、一緒に歩みましょうね...」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/27(木) 23:57:30.50 ID:zSRVtet2o

――――――――――――――――――――


午後9時過ぎ ほむらの家

これからどうするかはほむらちゃんに任せよう

望まれたとおりにするだけ...

ただ、それだけだ...


ほむら「しかし、よかったわね」

まどか「うん、楽しかったよ! また、パーティしようね!」

思ってもいないことを告げる。
今しても 思い出せなくて、辛いだけだ...

ほむら「そうね!」

まどか「ふぁあぁ〜、ちょっと、疲れちゃったみたい」

ほむら「案外、体力ないのね...」

まどか「だって、歩くの久々なんだもん」

ほむら「ずっと、飛んでたのね」

まどか「そういうことだよー」 

ポフッ

ほむら「こら、シャワー浴びないと...」

まどか「スースー」

ほむら「やれやれ...」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/28(金) 00:01:44.62 ID:sdnvCCX4o


着替えて部屋に戻る。


まどか「スー スー 」


まどかの寝顔が見える。

契約して成長してしまったけど、やっぱり幼気な顔は変わってはいなかった。

ずっと見ていたかったこの顔
それが叶った。

幸せだ。

おかえり、まどか 

ずっといっしょにいようね、まどか

神様いるのでしたら、ずっとこの幸せを...

...

...


神を憎んで、憎んで憎んで、憎んで憎んで憎んで...

懐かしい。そんな日々が

そして、こんな日々が来るなんて...

それでも、疑ってしまう...

本当にまどかなのだろうか...

何か隠しているのではないか...

聞こうと思ったが、勇気も時間もなかった。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/28(金) 00:09:49.49 ID:sdnvCCX4o

あの頃はそうだった。

友だちになって、
仲良くなって、
何したって、


いくら持っても一ヶ月だった。


だから、心配になる。

この幸せがすぐ崩れるのではと...

...

...


やめだ、やめだ...

感慨に浸る時間なんてこれからいくらでも来る。

楽しむと決めたんだ。

ナイーブな心が嫌になる。

わたしに対するナイーブは英語の意味のnaiveだ。

繊細なではなく、幼稚なや愚かなだ。

このネガティブな性格を治したい...


堂々巡りは終わりだ。


他のものに意識をやる。

そういや、布団がない まどかが使っているから

可愛い寝顔が少し悪魔に見える。

いや、そう見えるように思ってみた。


布団を探して、収納を開ける。


防虫剤の香りがする布団が顔を出す。
好みの別れる香りだ。
わたしは好きな方だ。
嬉しそうに見える。

匂いがそれを引き立てる。


持ち主が使ってくれるのを喜んでいるように



伝える相手がいなくなって足の早くなった言葉のように...

90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/28(金) 00:14:57.39 ID:sdnvCCX4o

ほむら「まどか、おやすみなさい 明日も、一緒にいてくれるわよね?」

聞いていないのは、知っている。
だけど、語りかけずにはいられなかった。


ただ、怖いのだ。


一緒に明日を迎えれるか。

明日には消えてしまっているのではないかと...
これは夢なのではないかと...


ナイーブだ、今回は和製英語の方だ。

どうして、繊細なという意味が出てきたかわかるような気がする...


ほむら「ずっと、一緒だって約束したもの おやすみ まどか」


まどかに言葉をかける。


そっと、肥やしになっていた布団にほむらが消える。

嬉しそうに、布団がほむらを包む...


足が早くなっても、まだ大丈夫だったようだ。

91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/28(金) 00:35:14.12 ID:sdnvCCX4o

――――――――――――――――――――


まどかは夢を見た。

夢であって欲しかった。

目を開けると、そこは果てしない時を過ごした空間だった。

「う、嘘...」

「い、嫌だ ほむらちゃんのとこに!」

絶望がまどかを襲う。

絶句する。

思わず泣き出そうとすると、何かが聞こえてきた。

『1b89342026780d2fc12f44cddcbb6024389883019a9b185b34d5e105b03e
3933c68c8af9e068880d90b10860c7303669ce027e72bfd997ab5d773e68
7e24531c15d5d4f289ace67f597df8c7e39d4bda42f93fe09866ce479864a
e9eed6b4338bb0e2bebc26199580b450753005a13dd06230640420de21a』

聞こえたのではなかった、テレパシーの用なものだ。
なにかは分からないが、一瞬で頭に異常な英数字の羅列が頭に入ってきた。

分からない。
だけど、悲しそうだった。
わけもわからないのに悲しそうだった。

頭が処理しきれずに、脳が悲鳴を上げる。

「グッ... 一体...何なの?」

泣いているようだった。
意味も伝えられずに、泣いているようだった。


『8997942dd38ba60d26692a98417a4aa8acd76a15eeedc39e20fd0091489269c
6304f59829fb2a5bec941dbda77fd6800252c18420209eadb6c90667007ab3707』

分からない...
分からないけど胸が痛い。ついでに頭も...

「お願い...あなたは何なの?」

こっちに近づいて。

『33822313451e1eab7c3d49169e4015f0c329412dbffc8310c6c11df33a883d12
bd8efbb39a17357047a214a3ec176dc462dd442dd0ee36e3646977ca2fd1d1f2』

また、語りかけてきた。

太陽と月の仮面をつけたような生き物をだった。


どうしていいかわからず考えていると

いつの間にか、深い闇に沈んでいた...
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/12/28(金) 00:35:40.37 ID:sdnvCCX4o
今日はここまで〜
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 07:28:03.12 ID:IPbI4RFJo
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 08:40:46.87 ID:uKnkFUTAO
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/27(日) 05:41:40.88 ID:RWhHB0Jo0
来てないか…
続きが楽しみなんだがな
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:22:22.64 ID:UcH4L8jbo

こんばんわ、投下がとても遅れたことをお詫びします。
理由は色々ありますが、語らないでおきます。

>>95
期待ありがとうございます。
不定期かつ見づらい文章でしょうが今後共お付き合いくださると幸いです...
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:25:41.35 ID:UcH4L8jbo

――――――――――――――――――――


3月31日午前6時頃 ほむらの家


まどか「...」

嫌な夢を見たものだ...


いつか見たような生き物だった。


いつだったろうか?


膨大な魔力を持っていた。

...

......

ただの夢だ、今は何も考えないでおこう...


右を見れば、きっと忘れられるはず。
愛おしいほむらがいた。

まどか「うぇひひひひ」

何度かは見たことはあるが、今回は寝息を感じることもできる。
触れることすら出来るんだ...


そう思うと、ドキドキしてきた。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:29:29.08 ID:UcH4L8jbo


気付かれないように、ほむらに近づく。

わたしのせいで、布団で寝ているようだ...


まどか「ごめんね、ほむらちゃん...」


スー スー

寝息が聞こえる。

そっと顔を見る。

何時以来だろうか?

ぼんやりと覚えているのは、凛々しかった顔だけ

無理して、泣くのを我慢して走り続けていた時の顔

ここまで気の抜けた顔は覚えていない...


そんなほむらのことが哀れに感じてしまう。

わたしの性なのに...

そして...




...我慢出来ない
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:31:37.51 ID:UcH4L8jbo


プニプニ

頬をつついてみると、柔らかい...

...

スー スー

気にしていないようだ。

ならば、もっとだ!

プニプニ プニプニ

ほむら「ん...」

......起こすのはかわいそうだ、やめておこう



良かった、夢なのではないかと寝るのが怖かった。


一緒に居られる。

触れられる。



ただ、今だけは

この幸せを享受しよう...。

100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:35:50.10 ID:UcH4L8jbo


ほむら「んっ...」

突っついたり、息をかけたりしたせいで目が覚めたのかな?

まどか「おはよう、ほむらちゃん!」

ほむら「ふぇっ? ふぁぁ...」
ほむら「...」
ほむら「...?」

ほむら「おはよう、まどか」

まどか「眠そうだね」

ほむら「だ、大丈夫よ!」

まどか「うぇひひひ、嘘つき〜!」


強がっている姿は本当に愛おしい。

本当は...なのに...


ほむら「う、嘘じゃないわ!」

まどか「そう? 一緒に寝たかったんだけどなぁ」

ほむら「あ... うん...」

まどか「あはは、残念だなぁ...」

失敗かな...?
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/31(木) 22:39:03.69 ID:UcH4L8jbo



...

暫しの沈黙が起こる。

...

気まずい

......

...


沈黙を破ったのはほむらだった。


ほむら「そ、それで今日はどうするの?」

まどか「うーん、ほむらちゃんは学校だから 町を一人でふらつこうかと思ったけどね」

小悪魔のような顔でほむらを見る。

まどか「ほむらちゃんと一緒に行きたいなぁ」

ほむら「そ、そう? なら放課後に...」

困った顔をしながらも嬉しそうに答える。

まどか「昨日買ってもらった服とかほむらちゃんの私物とか漁ってようかな」

ほむら「な、何言ってんのよ... 3時頃学校に来てね。」

まどか「てぃひひひ、冗談だよ! 半分はね」

ほむら「...」

まどか「あわわ、冗談だから!」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:43:04.83 ID:UcH4L8jbo


――――――――――――――――――――



ほむら「う、うん... 後ね、先生と少しお話があるから」

ほむら「少し遅目に来てもらったほうがいいかもしれないわ」

まどか「わかったよ!」

ほむら「それじゃあ 鍵渡しておくわね」

チリーン

鈴の音とともに、熊の可愛いキーホルダーがついた鍵が出てくる。

まどか「ありがと」

可愛い...

こんな趣味もあったんだ。

ほむら「あぁ、そうだ 朝ごはん忘れてたわ 今から、作るわ ちょっとまっててね」

まどか「わたしもお手伝いしたいなぁって」

ほむら「なら、パンを焼くのと冷蔵庫に入ってるサラダの盛り付けをお願いするわ」

まどか「わかったよ!」


二人の初めての共同作業みたいなものかな?



ふと、後ろの窓に番(つがい)の鳥が飛んでいった。

103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:46:07.40 ID:UcH4L8jbo



ジュウウウウ

カチャンッ


まどかの皿の準備する音とほむらの炒める音が響き渡る。


まどか「いい匂いだね」


二人分のおかずが作られる。

仲睦まじいとはいえない地獄絵図とも言える状況だが悪くはない様子に見える。


高温で炙られているだけなのだが


ほむら「そうね ただのベーコンと卵なのだけど、今日は特別な気分」

まどか「てぃひひひ、一緒のご飯楽しみだな〜」

ほむら「そ、そうね... 楽しみだわ」

まどか「...そうだね はい、お皿」

ほむら「ありがと」

カチャン コトッ


二人分のごはん、ほむらにとってもまどかにとっても何時ぶりか?

家族と離れ、どれだけ経ったか?

そんなのは、二人には関係無いようなものだった。


まどほむ「「せーの」」

まどほむ「「いっただきます!」」


二人の元気な声が響き渡る。

104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:48:09.45 ID:UcH4L8jbo


まどか「はい、ほむらちゃん牛乳」

ほむら「ありがとう」

ほむら「いいものね 人と食事をするのは」

まどか「そうだね、なんでもないのに楽しい気分かも」

ほむら「なんでもない...か」

まどか「そうだね...なんでもなくはないのかな?」

しみじみとした声を二人共出す。

まどか「でもね? もう、これはふつうのコトなんだからさ?」

ほむら「ええ、そうよね...」

まどか「そうなの!」


当たり前の時間を堪能しながら、少しずつも時間が流れる。

105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:51:35.76 ID:UcH4L8jbo


楽しくも当たり前の束の間。

ほむら「さて、時間ね」

まどか「あぅ... そんな時間かぁ」

学校に行くには、ちょっと遅いかもしれない時間。

ほむら「それじゃあ、そろそろ行くわね」

まどか「あっと、えっとね?」

ほむら「どうかしたのかしら?」

まどか「いや、その、学校行く前に...」

ほむら「?」

まどか「もういいよ!」

まどか「いってらっしゃい、ほむらちゃん!」

ほむら「え、えぇ... いってきます、ま、まどか?」


まるで浮気でもして追い出される様に、ほむらは出て行く羽目となった。

106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:54:52.93 ID:UcH4L8jbo

――――――――――――――――――――



午前八時半頃 通学路


さやか「おっす、ほむら!」

仁美「おはようございます、ほむらさん」

ほむら「おはよう、さやか、ひとみ」


非日常なのか日常なのかわからない世界から本当の日常に戻ってきたと自覚させられる。


さやか「おやおや〜、今日は機嫌良さそうですねぇ〜!」

ほむら「う、うん...」

さやか「まんざらでもない様子だね、よかったよかった」

仁美「さやかさん、ほむらさんがどうかされましたの?」

さやか「昔の親友がお泊りしてるんだって」


人の心にづけづけ入り込んでくるのは相変わらずね...

それに助けられることも多いのだけど。

107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:57:23.84 ID:UcH4L8jbo


仁美「あら、それは素晴らしいことですわね」


それでも、いい気分かな...?


楽しい気分の部屋に人を呼べるというのは嬉しいことかもしれない。


さやか「それで、上機嫌っていうわけなのさ!」


あなたのせいで、機嫌悪くなりそうよ。


仁美「それで、まどかさんは今日どのように?」

ほむら「今日は、家にいてもらってるわ」

さやか「...?」


いたって普通のやり取り。


...



...何かがおかしい。


さやか「仁美、なんでまどかのことを?」


さやかは逃さなかった。


わたしは逃したのだけど...

108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 23:00:18.23 ID:UcH4L8jbo



そうである。

何故、覚えているのだろうか?


ほむら「あ、あなたもしかして覚えているの?」


二つの意味で動揺しながらも、尋ねる。


仁美「いえ、なんとなく、そんな気がして」


奇跡なのだろうか、それとも...


仁美「前、ほむらさんから聞いたような」

ほむら「そうよ! その子が来てるのよ」

本当に嬉しい気分だ。

覚えている、覚えていないの話じゃない。


まどかのカケラがこんなトコロにも残っていた...


仁美「そうなのですか、わたくしも一度お会いしてみたいですわ」

ほむら「そうね、仁美にも会わせるわ!」

仁美「楽しみにしておきますわ!」



嬉しそうに、仁美が返す。

...わたしは志筑仁美に対する認識を改めなければいけないのかもしれない。

無碍に扱っていたような気がする...


さやか「いいのかい、ほむら?」

ほむら「ん?」

仁美「わたしにもチャンスがありますわ〜!」


方向は変えないほうがいいようだ。

109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 23:10:52.65 ID:UcH4L8jbo


――――――――――――――――――――



午後三時頃 学校の帰りの会


キーンコーンカーンコーン


起立 気をつけ さようなら さようなら


あっという間の時間だった。


さやかがわたしが同棲を始めたという噂を流したり


さやかのせいでまどかの話が学校に響き渡ったり


さやかを追い回したり


さやかをボロ雑巾にしたり


...

......

それはもう素敵な一日でしたよ。


誰かさんのお陰でね。



馬でも連れてこようかな?

恋路じゃないけど、効果はありそう。

110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 23:13:12.78 ID:UcH4L8jbo



ほむら「早乙女先生 放課後少しお話よろしいですか?」

早乙女「いいけど、大切なお話かしら?」

ほむら「はい、できれば職員室でお話したいです」

早乙女「わかったわ」


すんなりと受け入れてくれたが正直心配だ。


モブA「ねぇ、聞いた? 女神様が見滝原に降りてきたって話」

モブB「え〜、なにそれそんな話あるわけ無いじゃん...」

モブA「いやぁ、わたしも聞いただけなんだけど綺麗なピンクの女の子で...」



掃除中に非常に気になる話が始まっていた。



...まどかのことよね?



あの子一体どうやって、見滝原に現れたのかしら...
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 23:21:42.78 ID:UcH4L8jbo

――――――――――――――――――――



午後三時頃 職員室の個室にて



小学校の時いじめられた時の相談で来て以来のこの雰囲気の個室だ。


この部屋で先生に怒られるいじめっこのことを考えると逆に哀れになりそう...


それくらい緊張した様子で話が始まる。


早乙女「それで、どんな話?」

わたしの雰囲気を察したのか、口火を切ってくれた。

ほむら「わたしの知り合いの子なんですが訳ありで、学校に通ってない子がいるんです」

ほむら「一人の子は、家族が心中してしまって戸籍上では亡くなっている子」

ほむら「それといろいろなことが重なってしまって、存在していないことになっている子がいるんです」

ほむら「これがその二人のプロフィールです」

早乙女「なるほどね無視することは、できない話ね」


早乙女先生が担任で良かったとはよく思う。


あの話がなければだけど
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 23:23:31.29 ID:UcH4L8jbo



ほむら「私立の中学校だからこそどうにかならないかなと思って相談してみたんですが」

早乙女「暁美さん、転校してきてから変わったわね?」

ほむら「そうですかね?」


話題を変えられた、大丈夫なのかダメなのか不安だ。


早乙女「最初はね? 生き急いでて、心がそこにないような感じな子だと思っていたけどね」


図星すぎて、怖い。


早乙女「今はやっと自分を見つけた感じがするの あなたの思いは無駄にしたくない」

早乙女「だから、やれることはやってみるわ 方法は...」


次の言葉はあまり聞きたいものではなかった。
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 23:58:45.34 ID:UcH4L8jbo


早乙女「校長と直談判か、養子にすることかしらね?」

ほむら「...養子ですか?」

予想外の言葉に動揺する。


早乙女「わたしの友達でね、娘を欲しがっている子がいてね」

ほむら「......」

早乙女「養子にするのは心配かしら?」

ほむら「いえ、大丈夫だと思います」

早乙女「ふぅ... そうね まぁ、あなたがいったとおりここは私立だから」

早乙女「ある程度融通は、効くでしょうけどね あなたの時も、色々あったのよ?」


耳にも心にも来ることを何度も言われて、ちょっとつらい


ほむら「申し訳ないです...」

早乙女「そういう意味じゃないわよ ただね?」

ほむら「?」

早乙女「あなたの成長が嬉しいだけよ なんとかしてみせるわ」

早乙女「それじゃ、また後日」

ほむら「ありがとうございました よろしくお願いします...」


...やむを得ないか


心にそう言い聞かせる。


....



114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 23:59:53.47 ID:UcH4L8jbo



早乙女「なんとか、あの子にとって一番いい方法を取りたいのだけど...」


プロフィールを見て本当に驚いた。


早乙女「まさか、鹿目と佐倉とは... 鹿目まどかか...」

早乙女「それに、佐倉ってやっぱりあの...」



昔、大きなニュースになったのを思い出した。



一家心中...


115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 00:00:59.43 ID:42P0d8YGo

今日はここまでです
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/01(金) 02:17:21.96 ID:4QYyPETh0
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 05:39:31.25 ID:YP2YogoB0
来てた!乙!!
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/02(土) 05:43:08.82 ID:YP2YogoB0
来てた!乙!!
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/16(土) 22:19:56.03 ID:8vow8MZUo

――――――――――――――――――――


午後三時半頃学校の外にて



頼りになるなぁ...

正直助かった。

窓から見た時に気づいていたが、すごい人混みができている。

一体、なんだろう アイドルでも来ているのだろうか?

ワー ワー

...


...?


中心にいたのはまどかだった。
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/16(土) 22:26:13.36 ID:8vow8MZUo

『カワイイー ドコカラキタノ? テンコウシテクルノ? ヨロシクネ!』

まどか「てぃひひひ、えっとね...?」

中で困っているまどかとそれをフォローするさやかだ。

さやか「はいはーい! 連れの人が来たよ、撤収だよみんな!」

『エエー ア、アケミサンダ シカタナイナー』

青だからか、まどかまでの通り道ができた。

ほむら「まどか、何があったの?」

まどか「みんながかわいいってさ、てぃひひひ」


苦しそうな笑顔で、捨て犬の様な目でこっちを見る。

なんとなく、懐かしい感じかも...
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/16(土) 22:37:59.38 ID:8vow8MZUo


さやか「それじゃ、また明日ね! まどか!ほむら!」

さやか「楽しんできなよ〜!」

元気そうに、空気を読んで去っていく。

まどか「ば、ばいばい?」

さやか「ばいば〜い!」

まどほむ「....」

ほむら「えっと、いきましょう?」

まどか「うん...」


ムードメーカーがいないと少しさびしくもある。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/16(土) 23:28:47.99 ID:8vow8MZUo


目的もなく学校から逃げるように街の方へ歩く。

このままじゃいけない

そう感じ話を振る。

ほむら「どこに行く?」

まどか「あ、そ、そうだね... とりあえず大通りに行こうよ」

考え事をしていたのか、おどおどしている。

ほむら「わかったわ」

まどか「わたしが久々に来たっていうだけで、あんまり変わってないなぁ」

ほむら「そうなの? よくわからないわ」

まどか「え?」

ほむら「こうやって、景色を楽しむのも最初くらいだったから」

ほむら「それに、町の方に来ることはあまりなかったから」

まどか「そうだね、本気でやりたいこと見つけちゃうと見えなくなるよね」

ほむら「そうねぇ」


ダメだ、どうしても前向きな話じゃなくて後ろ向きの話になってしまう...
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 15:56:07.30 ID:yfyB0xNz0
来た、見た、読んだ
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/18(月) 05:20:07.76 ID:WfPgd6yP0

まどマギ自体暗かったから仕方ないと思う。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:25:05.61 ID:pWo0Efl4o

乙ありです


>>124
そうですねぇ... わたしの感情の吐露ではなかったのですが
言われてみると、改めてそう思います。
そのギャップなのかSSは明るいものが多い印象ですよね〜
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:26:26.57 ID:pWo0Efl4o

場を変えなくては...

ふと思い出す。


ほむら「そうだ、はいこれ」

皮革で作られたカラフルで可愛らしいお財布を渡す。

二万円もしたし、気に入ってくれれば嬉しいのだけど...

まどか「お財布?」

ほむら「気に入らないかもしれないけど...」

まどか「すっごく嬉しいよ!」

お財布に抱きつくかのように嬉しそうに握り締める。

まどか「ありがとう、ほむらちゃん!」


よかった...
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:29:14.54 ID:pWo0Efl4o



ほむら「それと、お小遣いみたいなの入ってるから」

まどか「え? うわ、こんなに! だ、だめだよ」

ほむら「いいの、ちょっと多いかもしれないけど 今、服くらいでしょ?」

ほむら「だからさ、必要なもの買って?」

財布が軽い...こんなの初めて...

そんなことを心のなかで叫べるくらいの状況ではあるのだけれど

まどか「あうぅ... ありがとう、迷惑かけるけどありがと...」

ほむら「気にしないで でも、すぐ使いきっちゃダメよ?」

まどか「つ、使い切れないよ!」

今のわたしにできるのは少しでも不安を与えないことだけだから。


...無力感を感じる。


力があったことなんてないのだけどね。

128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:32:17.67 ID:pWo0Efl4o


まどか「これね、店で前見て欲しいなぁって思ってたやつなの」

まどか「ちょっと、可愛すぎるかなってやめてたんだけど...」

ほむら「それくらいで、お似合いよ」

まどか「うん、ありがとう! 大切にするね!」

まどか「そういや、ほむらちゃん」

さっきの笑顔がどっかいったのか、怒った顔になった。

なんか、悟られたのか...

まどか「おなかすいたよ〜」

なんともなかった。

そして、情けない顔になった。

正直、おもしろい。

ほむら「ごはん置いてかなかったものね...」

言われて思い出す、テストを受け終わった時のような気分だ。

まどか「そうだよ... お昼ごはん!」

まどか「じゃあ、今日はほむらちゃんのおごりで食べたい店行こうね!」

通帳まで軽くなりそう...
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:41:46.23 ID:pWo0Efl4o

――――――――――――――――――――


午後三時四十五分頃大通りにて



まどか「歩くと結構距離あるね」

ほむら「電車で移動することが多いから、知らなかったわ」

ほむら「知ってたのに、歩いたの?」

まどか「うん! 一緒に歩きたかったかね」

嘘だけど、結果オーライかな?

ほむら「そうね、楽しかったわよ」

まどか「ティヒヒヒ、それは、よかったよ!」

まどか「ついた、ついた、こっちの店だよ!」

ほむら「良さげなお店ね」

まどか「一度来てみたかったんだ〜」


嘘だけどね。


カランカランッ


本に乗ってただけだよ。
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:45:11.07 ID:pWo0Efl4o

――――――――――――――――――――

同時刻とあるイタリア料理店にて



入ったことのない、デートをするときに入るような店に入ってしまった。


イタリア料理...か...


食べたこと無いよ...


まどか「さて、何頼もうかなぁ? あれ、ほむらちゃん苦手だった?」

困った顔してたかな?

ほむら「そうじゃなくてね... あまり食べたこと無いのよ」

ほむら「家でも、病院でもほとんど和食だったから」

正直なとこ退院数日前と自分で作った料理しか覚えていないのだけどね。

まどか「そうなんだ でもね、大丈夫だよ! 絶対美味しいからさ!」

ほむら「たしかに、美味しそうね...」

まどか「チーズは、大丈夫?」

ほむら「大丈夫、だけど...」

まどか「だけど?」

ほむら「さすがに、二食は無理よ...」

まどか「え? あ、そうだったね... ならケーキ頼とかどう?」

ほむら「そうするわ... それでまどかは?」

まどか「えっとねぇ... わたしはエビのリゾットトマトクリームソースで...」

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:46:15.65 ID:pWo0Efl4o


注文を終え、また二人きりになる。


...正直に嬉しいのだけどね


まどか「えへへ」

居づらい雰囲気だったから、まどかの笑い声が救いに聞こえる。

ほむら「...どうかしたの?」

まどか「いや、なんか畏まった顔が面白くてね」

ほむら「酷いわよ...」

まどか「あまり見ない顔だからさ 可愛いなって」

ほむら「そ、そうかしら...」

まどか「えへへ」

店員「お待たせいたしました」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:48:17.90 ID:pWo0Efl4o


ほむら「美味しいわね 今度は普通のごはん食べにきたいわ...」

まどか「そうだね! さて、これからどうしようっか?」

ほむら「そうねぇ、街にいってなにしよう...」

まどか「そうだ! 食器とか見てみない?」

ほむら「食器?」

まどか「せっかく、一緒に暮らすことになったんだからさ、色々揃えたいなって!」

友達とそういうことってしたことなかったなぁ。

嬉しいな...

ほむら「いいわね!」

まどか「てぃひひひ、ほむらちゃんいい笑顔だよ!」

うん、幸せだよわたし、
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:52:36.48 ID:pWo0Efl4o

――――――――――――――――――――


午後四時二十分頃地下街にて



ほむら「さてと、じゃあどこいけばいいかしら?」

まどか「雑貨店だけど、どこがいいのかなぁ?」

ほむら「具体的に何を買うの?」

まどか「そうだね、お皿以外にも ほむらちゃんの部屋殺風景すぎるから」

まどか「もうちょっと、生活必需品を揃えたいなって」

ほむら「そう? 十分だと思ってたんだけど」

まどか「部屋に時計がない人が、行っても説得力無いよ?」



反論できない...

ほむら「け、携帯があれば、十分よ...」

まどか「それが、ダメなの!インテリアは癒しになるんだよ!」


このまどかには勝てる気がしない...

諦めって肝心よね。
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/18(月) 21:55:02.69 ID:pWo0Efl4o


思い返せばそうだ、確かに酷い部屋だ。

友達が来ても何もすることがない様な...

ここは、参考にしてみるべきかな?


ほむら「そうね、まどかの部屋も可愛らしかったわね」

まどか「う、うん 色々置いてあったでしょ?」

ほむら「人形がいっぱいで可愛かったわ」

まどか「でしょ? そういうものでもいいから色々見ようよ?」

ほむら「で、でもキャラじゃないし...」

やっぱり、抵抗は残る

まどか「だーめ、わたしはそういうのが似合うと思うの!」

ほむら「そ、そうかしら?」

まどか「そうだよ!」

まどか「だからさ、行こ?」

ほむら「わかったわ...」


違和感を覚えながらも、まどかに押し込められ引っ張られていく。

...

まどか...


あなたも街の事詳しくないのね...
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/20(水) 13:40:50.83 ID:j2s5Wh86o

一気に読んだが全体を貫く不安定感が良い効果を出してるな
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 00:12:11.27 ID:16lqf4HMo
とうかします〜

>>135
不安感の描写がくどくなったり、弱すぎたりしないようにするのが難しいです...
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 00:14:34.94 ID:16lqf4HMo

――――――――――――――――――――


午後四時三十分頃とある雑貨屋

ほむら「へ〜、いっぱいあるわねぇ」

まどか「えへへ、知らないできたけどあたりだね!」

ほむら「このフォークとスプーンの詰め合わせ安いわね」

まどか「本当だ、セールって書いてるし良さげだね!」」

ほむら「あ、この食器も可愛い」

まどか「あー、もう」

ほむら「これも!これも!」

ほむら「...! ...!」

まどか「あはは、やっぱりお似合いじゃん」

まどか「...」


......

ほむらちゃん、―がいたいよ...

殆どわからないのだけど、懐かしい。


癒されよう...


...


わたしを忘れて、――になったらあんな感じなんだろうか?
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 00:24:48.01 ID:16lqf4HMo

――――――――――――――――――――


ほむら「あ、あれ... まどか?」

思いたくもない想像をしていたら、わたしのこと

忘れてたみたい。


忘れないでほしいな...


わたしには...


まどか「大丈夫、ここにいるよ 夢中になっちゃってるんだもん!」

ほむら「ごめんなさい」

まどか「てぃひひひ ほら、お似合いじゃん!」

取り繕った笑顔

実は結構傷ついてるんだよ?

ほむら「返す言葉がないわ...」

まどか「あはは、それで何を買う?」

ほむら「そうね、家具とかは ちょっと今日買うのは無理だから」

ほむら「さっき言ってた食器とか買わない?」

まどか「うん、そうしよ!」

ほむら「えっとぉ... どれにしましょう?」

まどか「えー、ほむらちゃんが好きな奴選んでよ」

ほむら「わたしもまどかに選んでほしいわ」

まどか「じゃあ、一種類ずつ選ぼう?」

ほむら「えぇ!」

まどか「じゃあ、わたしはね この花の模様のついたお皿で」

ほむら「じゃあ、わたしはこの二つでセットに成ってるカトラリーセットで」

まどか「うん、おそろいだね!」

ほむら「うん!」


うん、よかったのかな?

気に入ってくれて、よかったぁ...
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 00:29:17.29 ID:16lqf4HMo

――――――――――――――――――――


まどか「あー、疲れた」

あの後、時間の限り店を歩いた。

ほむらちゃんに引っ張られてね...

ほむら「あら、もう夜なのね」

まどか「そうだね、あっという間だったね」

まどか「喫茶店くらい行きたかったなぁ...」

ほむら「うぅ、ごめんなさい...」

まどか「じゃあ、夜のお店はほむらちゃんが決めてね?」

ほむら「わ、わかったわ」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 00:43:19.46 ID:16lqf4HMo

ほむら「そうだ、この近くにてんぷらの美味しい店が」

なるべく、エスコートしてきたつもりだ。

無理はさせたくない。

ほむら「何度か行ったことあるから、味は保証するわ!」

まぁ、わたしのセンスが良くないのは気づいているから...

まどか「じゃあ、そこにいこっか」

ほむら「そうしましょ!」

提案が飲まれて、ほっとする。


推測だが、

まどかはあまりこの街に詳しくないのだろう。

魔法少女の救済

その役割を果たすことで...

何が逢ったかは、わからない。

だけど、自分なりの推理の結果だ。

大通りまでの道、雑貨店までの案内の中で気づいたつもりだ。


忘れてしまったのだろう。


どこまで、覚えているのかは検討も...

だけど、わたしのことは覚えている。

それなら、なんとか...


141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 00:48:55.64 ID:16lqf4HMo

――――――――――――――――――――

午後六時半頃 店内にて

丼物頼んだら下品に見られるかなぁ?

ほむら「♪」

ほむらちゃんは、気にせず定食のページ見てるし

まどか「ほむらちゃんは、何にするの?」

ほむら「え、わたしは この時期のおすすめにしようかなって」

天然だよね、ほむらちゃんって

ほむら「まどかは?」

まどか「うーん、蝦定食にしようかな?」

ほむら「あら、丼物にしないの?」

まどか「ふぇ?」

ほむら「いや、悩ましそうに丼物のページ見てたから」

こういうとこだけ、察しがいいんだよね...

作戦失敗だよ...


ま、ままよ...


まどか「じゃあ、海老天丼で!」

ほむら「うん、店員さん呼ぶわね?」

まどか「大丈夫だよ!」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 00:52:09.95 ID:16lqf4HMo


やっぱり、上品に食べれなかった...

ほむら「よかったわね!」

まどか「うん...」

上品に食べてたなぁ...

ほむら「さて、どうする?」

まどか「うん? あぁ、そっかどうしよう」

ほむら「元気になった?」

まどか「あ、うん...大丈夫」

ほむら「無理して、付きあわせてごめんね」



ええー

まどか「そ、そんなことないよ... 楽しかったよ!」

ほむら「ほ、ほんと?」

まどか「ほんとだよ! また来ようね」

ほむら「ありがと」


いい笑顔だね...

うん、よかった。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 01:03:14.73 ID:16lqf4HMo

――――――――――――――――――――


午後七時半頃 ほむらの家にて


まどかはお風呂にそのまま入ってしまった。

疲れてしまったのはわかるが、原因は色々想像出来過ぎて困る。

どうしたら、よいのだろう?

今日の方法は正しかったのか?

それこそ、わからない。

食事の時、少なくても食べ方を気にしていた。

忘れていると仮定した際、そこまで最悪ではないのだろう。

そこは安心...

で、いつか?

今か?

本人に任せるべきだろうか?

逃げているわけではない...

たぶんだけどね。

そして、違和感がある。

その違和感が不気味さを感じる。

何かはわからないのだけど...

何かがあっても、まどかはまどかだ。

性格が環境によって変わるとしても、その閾値内に入っているだろう。

彼女はまどかだ。

なのに、違和感。

なんだろう?

...


......



あぁ、もう!

もやもやするし面倒くさい!




わけがわからないよぉ...
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 01:04:25.93 ID:16lqf4HMo


ジャアアアアアア

...



あぁ、もう知らない店を知っている振りをするのにも限界があるんだよ...

ま、まぁ...

楽しんでくれてよかったなぁ...

...

......


隠し通せるのかな?


いつ打ち明けたらいいんだろう...

145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 01:12:21.58 ID:16lqf4HMo


まどか「出たよ!」

悩みことがないように見せるように振る舞う。

ほむら「あら、早かったわね」

お互い様かな?

まどか「うん、ほむらちゃんも疲れてるでしょ?」

ほむら「ありがと、じゃあ入ってくるわ」

バタンッ

まどか「さて、買ってきた髪飾り いつ渡そうかなぁ」

まどか「えへへ、絶対似合うよね!」

花と蝶のついた、派手だけどシンプルな髪飾り。

まどか「いつ渡そうかなぁ、楽しみ!」

まどか「あのリボンって、誰からもらったんだろう?」

...?

まぁ、いっか。


まどか「あ、そうだ... ほむらちゃん、床で寝てるんだよなぁ」

まどか「...」

いつの間にか、トマトの様に顔がなっていた。

そういや、ほむらちゃんっていつからあの髪型なんだろう?


146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 01:15:21.95 ID:ovUjW51go


...


ジャアアアアアアアアアアッ



なんなのだろう...


違和感...?



そういや、今のまどかには違和感が少なかった?


なんだ、それ。


わけがわからない。


勘違い?

匂い?

保湿?

疲れ?


何故?

147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 01:17:48.57 ID:ovUjW51go


ほむら「ふぅ...」

まどか「おかえり!」

ほむら「ただいま、...シャンプーはわたしと同じでよかったの?」

ほむらちゃんの髪質に興味あるんだよね...

まどか「うーん、このシャンプーもいい匂いだからさ これ使ってみようかなって」

ほむら「そう? 嫌なら、一緒に買いに行きましょうね」

まどか「好きで使ってるからいいの!」

ほむら「さて、時間早いけど疲れちゃったわね」

まどか「うん、まだいっぱいしたことあるけど もう、眠いよぉ...」

ほむら「じゃあ、今日はもう寝ちゃいましょ?」

まどか「うん」

ほむら「布団引くから、まどかは先に寝てていいわよ」

まどか「あ、あのね」

ほむら「?」

まどか「ほむらちゃんが床で寝させるのが嫌だからさ」

まどか「い、一緒に寝ない?」

ほむら「狭くないかしら...?」

まどか「ダ、ダメかな?」

ほむら「い、いや 嫌じゃないわよ...?」

まどか「そ、そう? う、嬉しいな///」

まどか「じゃあ、寝よっか!」

ほむら「う、うん」


作戦成功!
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/07(木) 01:25:09.61 ID:ovUjW51go

一緒に寝るか...


初めてなのかな?


おとまり会とか、したことなかったもの...


ほむら「それじゃ、おやすみ」

まどか「おやすみ! ほむらちゃん!」


パチンッ


暗闇が訪れる。


まどかがちょっと困っているような気がする。


どうかしたのかしら?



考えながらも、睡魔が蝕む。


友達と一緒、それだけで彼女の心は満たされ。


そして、違和感も不安も遮るには十分すぎた。




そのウラで、まどかは震えている。

昨日の夢を思い出し...

ほむらとの関係に...
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/07(木) 02:29:47.89 ID:YGPkP40j0
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/07(木) 11:05:29.80 ID:XSDaKQxro
乙。
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/20(土) 14:46:31.56 ID:vZTAtzrbo
はよ
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/05(日) 05:41:36.11 ID:VWSpUkJUo
はやくしろ
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