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照「奈良代表の先鋒に会ってみたい」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/18(火) 23:47:16.56 ID:K7vWAseb0

照が玄と会うために何とかしてもらう話。


※注意点

・洋榎「シャッフルや!」ってSSとやることが完全に被ってますが、組合せとか違うんでご容赦下さい。

・各校の元々の部屋割等は、原作での描写の有無に関わらず、勝手に決めてます。



書き溜めほとんどないんでゆっくり更新していきます。






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バームくんへ @ 2025/06/11(水) 20:52:59.15 ID:9hFPsRzXO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749642779/

秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749484073/

【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749472989/

ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749227436/

【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749139545/

貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749038181/

阿笠「わしの乳首に米粒をくっ付けたぞい」コナン「は?」灰原「は?」 @ 2025/06/04(水) 04:01:13.39 ID:ZjrmryLdO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748977273/

レッド(無口とか幽霊とか言われるけどまだ電脳世界) @ 2025/06/02(月) 21:21:00.13 ID:ix3UWcFtO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748866860/

2 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/18(火) 23:49:07.82 ID:K7vWAseb0
インターハイ表彰式終了後――

照「インハイが終わって一段落ついて」

照「咲とも少しくらいなら話せるようになった」

菫(何だ……コイツ? 急に語りだして……)

菫「で、それがどうしたんだ?」

照「他県の学校が帰ってしまう前にもう一度会いたい」

菫「ああ、妹さんにか。でも今度長野に遊びに行く約束していたじゃないか」

照「いや、阿知賀の先鋒に」

菫「は? 阿知賀?」

照「菫。もう忘れちゃった? 阿知賀は奈良の代表校」

菫「いや、それは分かっているが……」
3 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/18(火) 23:51:45.80 ID:K7vWAseb0

照「阿知賀の先鋒……咲と同じくらいの妹力を持ってた」

菫(何を言っているんだ?)

照「もう一度会ってみたい。東京にいる間に」

菫「……そうか。頑張れよ」

照「菫。会える方法考えて」

菫「? 今から行って来たらいいんじゃないか? 淡が向こうの人の連絡先聞いていただろ?」

照「そんなこと恥ずかしくてできない」

菫「は?」

照「いきなり会いにいったら、私がとんでもなく会いたがってるみたいじゃない」モジモジ

菫(いや、その通りだろ……)

照「だから上手い方法を考えて」

菫「何で私がそんな面倒なことをしなくちゃならない」

照「助けて。スミれもん」

菫「」イラッ

菫「……今の発言で助ける気がゼロからマイナスになった」

照「え」

菫「自分で何とかするんだな」

バタン

照「……」

照「ほんとに出て行くなんて…ひどい……」

4 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/18(火) 23:54:49.17 ID:K7vWAseb0


インハイ会場周辺――


照「とにかく何とかして助けてくれる人を探さないと……」

照(面識がある中で助けてくれそうな人)

照(照魔鏡で覗いた人の中では……)

照(……)

(すばらっ)

照(! 新道寺の……!!)

照(花田すばら!)

煌「呼ばれた気がしました」すばらっ

照(すばらっ!?)

煌「あら、宮永さん? 団体戦以来ですね〜。すばらですっ」

照「新道寺……」

煌「おや、どうかしましたか? 少し元気がないようですが?」

照「実は――」


5 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:00:00.42 ID:+k6i5CLS0


煌「なるほど。他校の生徒と交流したいという訳ですか。その心意気、すばらです」

照「でも、私は口下手だから」モグモグ

煌(いつの間にお菓子を取り出したんでしょうか?)

照「誰かに助けてもらわないと無理」モグモグ

照「だから、助けてほしい。おねがい」モグモグ

煌(まったくお願いされている気がしませんが……)

煌(せっかくの機会。他校と親しくなっておいて損はないですね)

6 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:02:57.90 ID:+k6i5CLS0

煌「……分かりました」

照「!」

煌「この花田煌、全力を尽くさせていただきます!」

照「……ほんとに?」

煌「ええ、もちろん!」

照「あ、あ……」

煌「?」

照「ありが……」

煌(あの口下手なチャンピオンがお礼を言おうとしているのでしょうか? すばらっ)

照「……」

煌(?)

照「……」モグモグ

煌(途中でやめましたね!?)

煌「ま、まぁ、何とかしてみますよ」

煌「明日までに連絡させていただきます!」


7 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:11:21.12 ID:+k6i5CLS0


新道寺宿泊地――

姫子「花田ー、さっきから何度も電話かけて何しようと?」

煌「各校の三年生の連絡先を調べているの」

姫子「三年生? 何で?」

煌「少しやっかいな頼まれごとを引き受けまして」

姫子「?」

煌「せっかくですし、部長にも出席していただきますかね」

姫子「?」


8 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:12:51.51 ID:+k6i5CLS0


阿知賀 宿泊地――

玄「お姉ちゃん、新道寺の花田さんから電話だよ」

宥「わ、わたしに?」

宥「も、もしもし……?」


千里山 宿泊地――

竜華「お、知らん番号から電話や。誰やろ?」

竜華「はい? あ、こらどうも……」

竜華「え? でも、ウチは怜がまだ本調子やないから」

セーラ「何々? 何の話?」

姫松 宿泊地――

洋榎「チャンピオンが会いたいやと? おもろそうやないか」

絹恵(チャンピオンから誘われるなんてさすがお姉ちゃんや)キラキラ


9 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:20:49.87 ID:+k6i5CLS0


宮守 宿泊地――

豊音「うわぁ、絶対行くよー。ちょー楽しみだよー」ワクワク

シロ「そんなダルそうなの行くんだ……」

豊音「シロも行こうよー」

シロ「いや、ダルいからいい……」

豊音「アハハ、そうだよねー」


永水女子 宿泊地――

初美「私も巴ちゃんも3年生なのに霞ちゃんだけお呼ばれするなんてずるいですよー」

霞「行ってきてもいいのかしら……」チラッ

小蒔「」スヤスヤ

巴「姫様の事は私達が見ておきますから。霞さんもたまには羽を伸ばしてきて下さい」ニコ

霞「じゃあお言葉に甘えようかしら」


10 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:21:46.55 ID:+k6i5CLS0


次の日――

照「新道寺が言ってた場所はここ……でいいよね? 菫」

菫「ああ……何をするつもりか知らんがここまででいいだろ。私は帰るぞ」

照「」ガシッ

菫「おい」

照「何?」

菫「離せ」ブンッ

照「待って」ガシ

菫「まだ何か用か?」

照「他校生ばかりの所に私一人なんて無理。菫、何とかして」

菫「はぁ……」

煌「宮永さん、待ってましたよ。弘世さんもようこそ」

菫「お前……新道寺の……」

煌「みなさんもうお揃いですよ。さ、中にどうぞ」

菫(ファミレス?)

11 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:28:59.68 ID:+k6i5CLS0

カランカラン

洋榎「お、来たな」

豊音「わぁ、本物のチャンピオンだよー!」

セーラ「チャンプ、遅いでー」

照「」コソコソ

菫「おい、後ろに隠れるな。鬱陶しい」

宥「こ、こんにちは……」

菫「あぁ、阿知賀の。団体戦ではどうも」

哩(今度は白糸台の3年。花田んやつ何ばするつもりか)

霞(ふんふむ。あんなにおどおどしたチャンピオンが発起人? 交流会という話だけど、何か裏がありそうね)

12 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:30:16.09 ID:+k6i5CLS0

煌「皆さんお揃いのようで、すばらです!」

煌「本日集まって頂いたのは、こちらのチャンピオンが、皆さんがこちらに滞在している間に親交を深めたいとのことでしたので」

セーラ「へぇ〜、むっちゃ意外やな。宮永がそないな事言うなんて」

煌「そんなことないですよね、宮永さん」

照「うん」モグモグ

洋榎(この微妙な空気の中一人だけ何か食っとる!?)

豊音「それで、一体何をするのかなー?」ワクワク

煌「よくぞ聞いてくれました! すばらです! 皆さんのお手元に紙がありますよね」

宥「え、ええ……」

煌「その紙に自分の学校名と名前を記入して下さい」

霞「学校名も?」

煌「はい。全てこの袋の中に入れて一人一つずつ引いていただきます」

セーラ「ほぉほぉ」

煌「そして、今日一日、引いた人の宿泊地で過ごしていただきます」

豊音「おぉー! すっごくおもしろそうだよー」ワクワク

セーラ「せやなー!」

13 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:31:20.52 ID:+k6i5CLS0

霞「あの、一ついいかしら?」

煌「何でしょうか?」

霞「宿泊地ってことは、引いた先の人が二人部屋の場合は……?」

煌「もちろん、その場合は同室の方と二人で過ごしていただきますよ?」ニヤリ

霞(うちみたいな大部屋だったらいいけれど……二人部屋の所は引きたくないわねぇ……)

宥(他校の人と二人なんて……玄ちゃん、大丈夫かな?)

14 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:32:36.02 ID:+k6i5CLS0

煌「では皆さんこちらに紙を入れてください」

豊音「はーい」
セーラ「ほい」
洋榎「ほれ」
霞(仕方ないわね……)
哩(まぁ、後輩が頑張っとうけん、のっかっちゃるか)

菫「私は飛び入りだからやめておくよ。白糸台だけ二人になってしまうからな」

煌「それもそうですね。では、松実宥さん」

宥「は、はい……どうぞ」

煌(ようやくきましたね、すばらです。この阿知賀の人のくじを宮永さんに渡せば)

煌「では、宮永さん」コソコソ

照「ん」パシ

照「」ホイ

煌「え……?」

照「あ」

煌(何故お渡しした松実さんのくじを自分の分と一緒に袋の中に入れるのですか!?)

照「」シマッタ

15 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:33:57.99 ID:+k6i5CLS0

煌「……」

照「……」モグモグ

洋榎「お、全員分揃たな? じゃあ、ウチから」

セーラ「ちょぉ待て! こういうのはちゃんと順番決めてからやろ」ガシ

洋榎「何や、ケチやなー」

煌「で、では、せっかくなので、発起人の宮永さんから」

照(どうする……?)モグモグ

照(袋の中に紙は7枚。自分の分は無効になるはずだからそれを除くと6枚。だから引ける確率は……)モグモグ

照(引けるか引けないかだから……2分の1!)ゴクン

16 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:35:51.92 ID:+k6i5CLS0

照(インハイチャンプの引きを見せる時……!)

照「」ゴッ

全員「」ゾクッ

セーラ(な、何てオーラや……!?)

霞(何て恐ろしい魔力かしらねぇ)

菫(照のやつ、また一つ壁を越えたな)

豊音(ちょー怖いんだけどー)

照(コークスクリューツモ!!!)カッ


17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 00:39:28.25 ID:TWeinoISO
この確率論も理解していないポンコツは本当に麻雀のチャンピオンなのか……
18 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:43:57.83 ID:+k6i5CLS0


――――


白糸台宿泊地

洋榎「邪魔するでー」ガチャ

淡「邪魔するんやったら帰ってー」

洋榎「あいよー」ガチャ

亦野「……」

尭深「……」

尭深(お茶おいし……)ズズ

洋榎「なんでやねん!!」ガチャ

淡「おぉ〜本場のノリツッコミだ! すっごーい!」キラキラ

洋榎「あ、どもども」テレテレ

洋榎「あー、今日一日ここで過ごさせてもらう事になった愛宕洋榎や」

淡「大星淡だよー。よく来たね、洋榎!」

洋榎「他校の3年にいきなりタメ口かい!」

洋榎「自分、姫松やったらデコに落書きされとるで」

淡「私は実力が高校100年生だから大丈夫だよ!」フフン

洋榎「」ピク

19 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:44:24.61 ID:+k6i5CLS0

洋榎「ほぉー、おもろい事言うやんけ。大口叩くんはうちに勝ってからにしてもらおか」

淡「え?私と打ってくれるの?」ワクワク

洋榎「ちょうど4人おるしな。格の違いってもんを見せたる。全員卓につきや」

亦野「え」

尭深「……」ズズ

尭深(巻き込まれた……)

淡「わーい」


20 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:45:47.86 ID:+k6i5CLS0


――――


姫松宿泊地 愛宕姉妹の部屋


絹恵(お姉ちゃんが、他校の人が私らの部屋に来る、言うから掃除したけど。こんなもんでいいんかな?)

絹恵(そうや、今日は暑い日やし、クーラーの温度少し下げとくか)ピッ

絹恵(お姉ちゃんが恥じかかんように、精一杯もてなしてみせんで!)

ピンポーン

絹恵(来た!?)

絹恵「はーい、どうぞー」

宥「お、お邪魔しま〜す」ガチャ

絹恵(何やすっごい厚着の人が来た!?)

宥「な、奈良代表阿知賀女子の松実宥です」ブルブル

絹恵(この人! 確か、逆ブロックの次鋒で一番稼いどった……)

絹恵「姫松2年の愛宕絹恵です。よろしくお願いします」

宥「う、うん……よ、よ、よろしくね……」ブルブル

絹恵(?)

宥「さ、寒い……」ブルブル

絹恵(いきなりしくじった!?)


21 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:48:14.12 ID:+k6i5CLS0


――――


宮守宿泊地 シロ、豊音部屋


ピンポーン

シロ「豊音、出て……っていないのか……」

シロ「ダルい……」ガチャ

霞「ど、どうも」

シロ「永水の」

霞「何だかこちらで過ごすことになってしまって。お邪魔させてもらってもかまわないかしら?」

シロ「ん、どぞ」

霞(よりによって二人部屋の所を引くなんて……)

シロ「適当なとこでくつろいで」ダラーン

霞「え、ええ……」

霞(とりあえず座らせてもらおうかしら)

シロ「……」ダラーン

霞「……」

シロ「……」ダラーン

霞「……」

霞(な、何だか……)

シロ「……」ダラーン

シロ(何か……)

霞(気まずいわねぇ……)

シロ(気まずくて……ダルい……)


22 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:50:18.60 ID:+k6i5CLS0


――――


千里山 フナQ、セーラ部屋

豊音「関西最強の高校千里山だよー」ワクワク

豊音「園城寺さんと清水谷さんの部屋にもいけるかなー」ワクワク

豊音「とりあえず船久保さんからサインもらうよー」ワクワク

ピンポーン

豊音「……」ワクワク

豊音「……」ワクワク

豊音「……?」ワクワク

豊音「も、もう一回」

ピンポーン

豊音「……」ワクワク

豊音「……」

豊音(そろーっとドアを開けて――)

ガチャガチャ

豊音「え」

ガチャガチャ

豊音「鍵がかかってる……」

23 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:52:29.28 ID:+k6i5CLS0

豊音「留守ってこと……?」ウルウル

豊音「せっかく他校と交流なのに……」グス

豊音「うわあああぁ」

――――


怜「何や、でっかい人が泣いてんなぁ」ヒソヒソ

竜華「と、怜、あの部屋フナQの部屋やん」ヒソヒソ

怜「ほんまやな。お客さんやろか?」ヒソヒソ


――――

豊音「ううぅ……今日一日どうしよう……」グスッ

怜「あー、そこのおっきい人」

豊音「ヒック……え?」

竜華「そこの部屋の人、今日は一日帰ってこんで」

豊音「わぁ! 園城寺さんに清水谷さんだよー!」

怜「お?」
竜華「え?」


24 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:54:11.98 ID:+k6i5CLS0


――――


永水女子 宿泊地

小蒔「よくぞおいでなさいました! ささ、どうぞどうぞ!」

哩(永水は大部屋か。まぁ、元々九州大会とかで面識もあったけん気楽でよか)

初美「姫様張り切ってますねー」

巴「霞さんがいない分、自分が何とかしなきゃって思ってるみたいね」クス

小蒔「では、今からお茶をいれて参ります」

巴「私も手伝いますよ」

初美「火傷しないように気を付けるですよー」

春「……」ポリポリ

25 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:55:19.33 ID:+k6i5CLS0

哩(何やろうか……薄墨初美から……)ジー

初美(何かスッゴイ見られてる気がしますねー)

哩(私と同じ雰囲気ば感じる……春大会では感じんかった気配)

哩「なぁ……」

初美「何ですかー」

春「……」ズズ

哩「最近……」

初美「最近?」

哩「……縛られたりしたっちゃないか?」

春「!?」ゲッホゲッホ

初美「な、何言ってるですかー!?」

初美(霞さん。霞さんの代わりにとんでもない変態が来ちゃいましたよー!?)


26 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:57:08.82 ID:+k6i5CLS0


――――

新道寺宿泊地

セーラ「邪魔すんでー」

姫子「話は部長から聞いとります。どうぞ」

セーラ「お、新道寺の大将やん! 一人なんかー?」

姫子「はい。先輩達は買い物とか国会議事堂を見に行くとかで出かけとって。花田もまだ戻っとらんし」

セーラ「国会議事堂かぁ。頭ええなぁー」

姫子「飲み物用意しますんで、適当にくつろぎよって下さい」

セーラ「おお、ありがとーな!」


27 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 00:57:56.42 ID:+k6i5CLS0


――――


阿知賀 松実姉妹の部屋

玄(お姉ちゃんの代わりに他校の人が来るらしいけどどんな人かな?)

玄(優しい人だといいけど……)

ピンポーン

玄(お友達になれるといいな)

玄「はーい、いらっしゃいま――」ガチャ

照「……」

玄「……」

玄「……」ガクガクブルブル

照「……は、入っても、いい……?」

玄「……」コクコク

照「ん」スタスタ

玄(どうしよう。お、おねえちゃーん!?)

照「お邪魔する」

玄(とんでもない人が来ちゃったよー!?)


28 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/19(水) 00:59:13.92 ID:+k6i5CLS0
とりあえず今日は導入までです。明日からだいたい同じくらいの時間帯でゆっくり更新していきます。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 01:02:33.84 ID:4uqi4gY+o

期待してるわ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 01:04:03.74 ID:R6PVHEgZ0
乙乙

期待するぜっ!
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/19(水) 01:58:31.10 ID:x1EuMK1j0

さすがてるてる確率50%くらい危なげなく引き寄せよる
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 02:33:28.23 ID:8gkvSl+AO
この白糸台はきっと「納豆そば」が何も考えずにとりあえずぶん殴れの合図だな
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 17:17:02.68 ID:kh3tVEpSO
タイトル奈良時代の先鋒に会ってみたいと見間違えてびびった
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 18:09:21.13 ID:x85TnKS/o
照の脳内では咲と和が初めて会ったときのBGMが流れてるけど、玄の脳内では大魔王のテーマなのが流れると思うとなんか笑えてくる
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 18:28:41.30 ID:6v5eriiQo
乙乙
面白いな期待
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 18:52:45.94 ID:I0BKdDmDO
奈良代表先鋒をなぜか小走先輩のことだと思ってスレを開いてしまっていた
37 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/19(水) 23:16:07.26 ID:+k6i5CLS0
読んでくれてる方ありがとうございます。

ゆっくりですが更新再開します。
38 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 23:17:37.40 ID:+k6i5CLS0


――――


煌「ふぅ……何とか松実さんを引き当てるとはさすがチャンピオン。すばらでしたよ」

菫「新道寺」

煌「ん? 何でしょう? 弘世さん」

菫「うちのバカのためにわざわざすまんな」

煌「いいって事ですよ。誰かの為になれる。こんなすばらな事はありませんからね」

菫「……」

菫「なぁ……」

煌「?」

菫「その……清澄、は、今回呼ばなかったんだな」

煌「!? え、えぇ……」

煌「……実は、私の中学の後輩が清澄の麻雀部でして」

煌「宮永さんの妹さんの事も少し聞いておりまして……何でも中々複雑な間柄だとか……」

菫「そうか……知っていたのか」

39 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 23:30:06.20 ID:+k6i5CLS0

煌「余計なおせっかいでしたかね?」

菫「いや、今回はこれでよかった……と思う」

煌「……そんなに難しい状態なんでしょうか?」

菫「分からない……団体戦の後、少しだけ進展があったようだが……」

煌「……」

菫「私には、まだ、照が少し逃げているように思えた」

菫「妹さんは正面から向かってきたんだ。あとは――」

煌「宮永さん次第という訳ですか」

菫「ああ……」

煌「……」

菫「せっかくだから、ここで何か食べて行こうか。お礼といっては何だが、代金は私が出すよ」

煌「そんな事をしていただくわけには……」

菫「いいから。2年生が他校の面識のない3年を集めるなんてそう楽な事じゃないからな。これくらいの事はさせてくれ」

煌「で、では、お言葉に甘えさせていただきましょうかね」


40 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 23:36:01.26 ID:+k6i5CLS0


――――


阿知賀宿泊地 松実姉妹の部屋

玄「」ガタガタ

照(何だか、怯えられてる?)ションボリ

照(こんな時の為に持ってきた本、“年下と仲良くなれる方法”)ヒョイ

“小動物と仲良くなれる方法”

照(ん?)ゴシゴシ

“小動物と仲良くなれる方法”

照「」シマッタ

玄(ど、どうしていきなり本を読みだしちゃうの!?)

41 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 23:42:19.19 ID:+k6i5CLS0


照(ま、まぁ、これでいい。この本によると――)

“小動物と仲良くなるためには小動物をおびえさせないことが大事です。まずは相手と目線を同じか、できるならば相手より低くするようにしましょう”

照(相手より、目線を低く)ネソベリ

玄(床にうつぶせになった!?)

照(そして――)

“まだ心を許してくれない相手に急に抱き着くのは禁物です。最初は無関心を装って、相手が、同じ空間にいても大丈夫なんだ、と安心するまで大人しく待ちましょう”

照(……)

照(このままでいればいいのか)

玄(わ、私……何かを試されてるのかな!? おねえちゃーん!!)ガクガク


42 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/19(水) 23:48:14.11 ID:+k6i5CLS0


――――


姫松宿泊地 愛宕姉妹の部屋

絹恵(とりあえずクーラー切ったけど)

絹恵「寒うないですか?」

宥「うん。あったかいよ」ポワポワ

絹恵(大丈夫そうやな。よかった。流石に夏に暖房とかは耐えきれんわ)

絹恵(それにしても、ああして布団に包まっとったら……)チラ

宥(あったかーい)

絹恵(動物がコタツに包まっとるみたいでかわええなぁ)クスッ

絹恵(でも……やっぱクーラー切ると暑い)ダラダラ

宥「……」ジー

宥「あ、あの、愛宕さん?」

絹恵「絹でええですよ? 何ですか?」

宥「じゃあ、絹ちゃん。え、エアコンのリモコン、貸して?」

絹恵「は、はい?」

絹恵(やっぱりまだ寒かったんかな?)

宥「」ピッ

ヒュゥゥ

絹恵(あ、涼しい)

43 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:02:09.60 ID:lYfXIMe60

宥「わ、私は布団に包まってれば大丈夫だから。き、絹ちゃんが、我慢、しなくてもいいのよ?」フルフル

絹恵(で、でもこの人……おもっきり震えてるやん……)

宥「わ、私、お姉ちゃんだから。大丈夫」ニコ

絹恵(うわぁ……ええ人や……)

絹恵「!」

絹恵「じゃあ、私、フロントに言って毛布いっぱいもらえるよう頼んでみます!」ガチャ

宥「え?」

絹恵「あ、もしもし? 毛布持って来てもらえます? えっと、出来るだけたくさんお願いします。 ? 夏場やし、いっぱい余ってるんとちゃいます? あー、じゃあ、5枚お願いします」

絹恵「持って来て貰えるみたいです」ニコ

宥(この子……とってもいい子だ……)

宥(あったかーい)


44 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:06:05.39 ID:lYfXIMe60


――――


白糸台宿泊地


洋榎「だぁー! やられた!!」

淡「ふふーん。これでまた私がトップだよ」ドヤァ

尭深(ずっと三位……)ズズ

亦野(ずっと最下位……)ドンヨリ

洋榎「次や、次!」

淡「何回やっても一緒だよー」フフン

洋榎「“私が全部トップとるよ”とか言うたのに二回目でウチにトップとられたヤツがよー言うわ」

淡「む」

淡「そーいう洋榎こそ、“格の違い見せたるわ”とか言っておきながらトップの回数で私に負けてるじゃん」

洋榎「何やとぉ!?」

淡「何さ!」

尭深(似た者同士)ズズ


45 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:15:59.31 ID:lYfXIMe60


――――


永水宿泊地

哩「――そうか、岩手の副将、そげな力ば持っとうとか」

初美「はいー。何だか完全に身動きを封じられた感じがしましたよー」

哩「ど、どんな感触やった?」

初美(食いつく所がよくわからないですよー!?)

初美「そうですねー。両腕を斜め上から引っ張られて吊り下げられる感じですかねー」

哩(両腕……二か所やけんリザベーション2飜くらいか。いや、吊り上げられたとなると5飜以上と同格か……)ドキドキ

哩「そうか……岩手の副将か」

46 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:17:43.11 ID:lYfXIMe60

巴「どうぞ。お茶とお茶菓子です」

小蒔「頑張って入れました!」

哩「ああ。ありがとう。しかし……岩手の副将が、そげなヤツとは……」

初美(いつまで言ってるですかー!?)

小蒔「宮守女子の方々ですか? とっても優しい人達です! みなさんお友達になってくれました!」

哩「!」

初美(こ、この人に姫様と話をさせて大丈夫ですかねー)


47 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:27:59.52 ID:lYfXIMe60


宮守宿泊地 シロ、豊音の部屋


霞「〜♪」テキパキ

霞「〜♪」テキパキ

霞「ふぅっ。こんなところかしらね」

シロ「……何で掃除?」

霞「あら、ごめんなさい。じっとしていると何だか落ち着かなくて。余計だったかしら?」

シロ「別に」スタスタ

霞(あら? 勝手な事したから怒ったのかしら)

シロ「ん」スッ

霞「え?」

48 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:29:01.62 ID:lYfXIMe60

シロ「紅茶とケーキ」

霞「私に?」

シロ「掃除のお礼」

霞「どうもありがとう」クス

シロ「ん」

霞「じゃあ、せっかくだからいただきますね。洋菓子はよくわからないのだけれど、東京でわざわざ買ったってことは人気のお店のものとかかしら?」スッ パク

シロ「豊音のだから分からない」モグモグ

霞「え?」

49 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:34:25.32 ID:lYfXIMe60

霞(姉帯さんって大将戦の後に大泣きしてたわよね……)

霞「……勝手に食べて大丈夫かしら?」

シロ「多分大泣きする」

霞「え……?」

シロ「でも、後で一緒に買いに行くって言ったら大丈夫」

霞「?」

シロ「豊音は転入してきたから」

シロ「私を巻き込むことはしない」

霞「姉帯さんが気を使ってるってこと?」

シロ「ん」コクコク

シロ「それくらい一緒に買いに行くのに……ダルいけど……」

霞(この子も色々と考えてるのねぇ)

霞「小瀬川さんとしてはもっと頼って欲しいってことかしら」

シロ「んー……豊音が他の皆みたいになったらそれはそれでダルい」

霞(ダルいって言うから姉帯さんが遠慮するのでは?)

霞「でも、意外と気を遣ってるのね」クス

シロ「……ダルい」


50 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:39:27.45 ID:lYfXIMe60


――――


千里山宿泊地 怜、竜華の部屋

竜華「あー、豊音ちゃん? サイン、こんなんでええんやろか?」

豊音「うん。ちょーうれしいよー」

怜「何や、竜華のは遊び心が足らんなぁ」

竜華「む。じゃあ、怜のはどんなんや?」

怜「ほれ」

“二条泉”

竜華「怜……」

怜「ちょっとした遊び心やん。本物はこっちや」ヒョイ

竜華「どれどれ……って普通やん!」

怜「サインとか書いたことないから、よー分からんもん」

豊音「わぁーちょーうれしいよー!」

51 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:43:24.25 ID:lYfXIMe60

怜「サインのお礼と言ってはなんやけど……」

豊音「?」

怜「ちょっと、膝枕させてもらえんやろか?」

豊音「膝枕?」

怜「じゃあ、失礼して……よっと」

豊音「うわぁ」ビク

竜華「ごめんなー豊音ちゃん。怜の悪いクセやねん」

怜「ウチ、膝枕ソムリエやから」

豊音「え、えっと……が、頑張っていい膝枕になるよー」グッ

怜「ほほぉ……これはこれは……」

52 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 00:46:54.28 ID:lYfXIMe60

豊音「ど、どうかなー?」

怜「竜華ほど肉付きはないけど、広々としとって快適やなぁ。寝返りがうてるで」ゴロゴロ

豊音「あはは、くすぐったいよー」

竜華「怜、あんま迷惑かけたらあかんで。あとその言い方やとウチが太ってるみたいやんか」

怜「大丈夫や。うちは竜華の太もも好きやで」

竜華「否定してくれへんの!?」

53 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 01:08:03.24 ID:lYfXIMe60


――――


新道寺 宿泊地

セーラ「何かおもろいもんないかなー」ガサゴソ

姫子「私と花田んは別によかですけど、先輩らの荷物はあんまり漁ったらいかんですよ」

セーラ「ちゃんと戻すから大丈夫やでー」

姫子(後で怒られるの私っちゃけどなぁ)ハァ

セーラ「ん? 何やコレ? えらいジャラジャラしてんなぁ」

姫子(あ、あれは……!?)


54 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 01:08:54.40 ID:lYfXIMe60


――――


阿知賀 松実姉妹の部屋

玄(チャンピオンがこの部屋に来てしばらく経つけど……)

玄(ずっと寝っころがったままだよー!?)

照「……」ゴロゴロ

玄(でも……)

照「……」ゴロゴロ

玄(こうやってずっと寝っころがってる所はお姉ちゃんみたいだなぁ)

照「……」ゴロゴロ

玄(……思い切って話しかけてみようかな)ウズウズ

玄「……あの、宮永さん?」

照「!?」ビクッ

玄「な、何か飲み物とか……飲みますか?」

照「あ……じゃあ、何か冷たいやつを」

玄「は、はいっ!」

玄(よ、よかった! 普通に話せたよ〜!)ウルウル

照「……」

照(この本、すごい)

“しばらく経って相手が安心すると、今度は動物の方から近寄ってくるでしょう。しかし、焦ってはいけません。何度か近寄ってくるようになるまで待って次のステップに進みましょう”

55 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 01:09:36.50 ID:lYfXIMe60

玄「冷たい麦茶です。どうぞ〜」

照「あ……」

玄「?」

照「……ありがと」

玄「!?」

玄(チャンピオンにお礼を言われた!?)

玄「……」

照「……」グビグビ

玄(せっかくの機会だし、もう少し近寄っても大丈夫かな?)

玄(えっと……そうだ!)

玄「宮永さん、お菓子、食べますか」

照「ん」コクコク

玄「どうぞ」ヒョイ

照「ん」

玄(何で受け取ってくれないの!?)

照「?」

玄(え? これって……でも……)

照「?」

玄(もう……思い切ってやってみるのです!)スッ

照「」パク

玄(食べてくれた!)パァァ

56 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 01:10:32.50 ID:lYfXIMe60

玄「も、もう一個いりますか?」

照「ん」コクコク

玄(何だかすっごく嬉しい)

玄(もう一回)ヒョイ

照「」パク

玄(おぉ〜!)

照(そろそろ次のステップに進むべき)モグモグ

“警戒心が薄らいだら次は餌付けです。どんな動物も繰り返し餌をくれる人には次第に心を開いていきます”

照(は……!?)

玄「どうぞ〜」ヒョイ

照(このままじゃまずい……)

57 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 01:18:57.91 ID:lYfXIMe60

照「……」ゴゴゴゴゴ

玄(え……なんだか、すっごい怒ってるよー)ガタガタ

照「」ブンッ

玄(あ、お菓子が……)

照「ん」ヒョイ

玄「へ?」

照「はい」グイ

玄(え、えーっと……)

照「」グイ

玄(ちょっと恥ずかしいけど……)パク

照「ん」

照「どう?」

玄「あ、えっと、おいしいです」

照「そ」フフッ

玄(笑った!?)

照「」モグモグ

玄(あの、チャンピオンが笑った!?)

照「はい」ヒョイ

玄「えっと……どうも」パク

照「うん」ニコリ

玄(!?)

玄(……何だかすっごくドキドキするのです)ドキドキ


――――


58 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/20(木) 01:20:33.08 ID:lYfXIMe60
今日はここまでです。また明日にでも更新します。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 01:21:49.93 ID:MCMBCToeo
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/20(木) 01:39:31.15 ID:FTa/w9vd0
おつー
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 10:43:13.00 ID:qi6b4Y1Po
おつー
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 17:58:21.63 ID:P5ZKjweRo
おつー
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 19:00:02.20 ID:luu/ShFAO
照のポンコツぶりに哩ぶちょーの不審な言動…
この>>1なかなかやりおる
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 20:13:48.25 ID:eim+gDIyo
おつー
めっちゃ面白いし期待
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 22:52:41.67 ID:pXGYrFjoo
哩が好きになりました
66 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/20(木) 23:41:31.90 ID:lYfXIMe60
ありがとうございます。またゆっくり更新していきます。
67 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 23:42:45.23 ID:lYfXIMe60


――――


永水 宿泊地


小蒔「それで海に言った時にですね――」

初美「姫様も白水さんも宮守の話ばかりですねー」

巴「同年代のお友達ができてよっぽどうれしかったんですよ」

小蒔「はい!」

哩(こん流れなら――いけるか?)

哩「……た、確か、石戸が向かったとも宮守やったっちゃないかな?」チラッ

初美(まさか……)

68 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 23:51:04.27 ID:lYfXIMe60

小蒔「そうなんですか!? 霞ちゃんうらやましいです。私も東京にいる間にもう一度お会いしたいです」

哩「!」

哩「……せ、せっかくの交流会やけん、色んな人と交流するとがよか」チラ

小蒔「そうですね!」

哩「石戸が向かったとは宮守やけん」チラ

初美(必死にアピールしてますねー。でも姫様の空気の読めなさはピカ一ですよー。ね、はるる)ヒソヒソ

春(それが自慢)コクコク

巴(ど、どうすればいいのかしら……姫様に動く気がないと分家の私達としては……)

小蒔(何だか皆さん私を見ているようですね?)

小蒔(……)

小蒔(!)

小蒔(もしかして白水さんは霞ちゃんに会いたがっているのでしょうか?)

小蒔(それなら……)

69 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/20(木) 23:56:20.51 ID:lYfXIMe60

小蒔「決めました! みんなで霞ちゃんに会いに行きましょう!」

巴「!?」
初美「!?」
春「!?」

哩「それがよか!」

巴(即答だわ)

春(姫様が空気読んだ……)ポリポリ

初美(起こりましたねー、奇跡)

小蒔(よっぽど霞ちゃんに会いたかったのですね)ウンウン


70 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 00:06:52.20 ID:wOVMgnME0


――――


宮守 宿泊地 シロ、豊音の部屋

霞「ごちそうさまでした」カチャリ

シロ「ん」ダラーン

霞「じゃあ、このお皿――」
シロ「……ちょっと静かに」

霞「?」

ヒソヒソ

霞(部屋の外から話し声……あら、ドアが少し空いてるわね)

――――

塞「永水の石戸さんがどうしてここに?」ヒソヒソ

エイスリン「オッパイオバケ!」

胡桃「そういえば豊音が今日何かあるって言ってた」ヒソヒソ

塞「でも、それでなんで二人きり?」ヒソヒソ

エイスリン「シロ、ウワキ!」

胡桃「エイちゃん声おっきい!」

塞「そういう胡桃も!」

エイスリン「ウルサイ!」


――――


ワーワーギャーギャー

シロ「ダル……」

71 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 00:11:46.14 ID:wOVMgnME0

霞「あはは……何だかごめんなさいね」クスクス

シロ「待ってて……」スタスタ

ガチャッ

塞「!?」
胡桃「!?」
エイスリン「!?」

シロ「……」ジー

塞「し、シロ……や、えっと……今日、暇?」

シロ「お客さん来てる……」

塞「そ、そうだよねー……失礼しましたー……はは……」

シロ「ん。ごめん」ガチャ

――――

「……」

塞「……戻ろっか」

胡桃「そだね」

エイスリン「シロノオッパイオバケ!」

胡桃「エイちゃん、それちょっと違う」

72 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 00:19:05.94 ID:wOVMgnME0

――――

シロ「ダルかった……」

霞「どうして入れてあげなかったの?」

シロ「……」ジー

霞「?」

シロ「一人だけ他校とかダルいから……」

霞(私に気を遣って?)

霞「……悪い事をしたかしら?」

シロ「後でもう一回謝る……ダルいけど……」

霞「ええ、私の分までお願いしますね」クス

シロ「ダルい……」


73 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 00:21:01.07 ID:wOVMgnME0


――――


阿知賀 松実姉妹の部屋


照(餌付けの次は……)モグモグ

“餌付けによって動物との距離をこれまでにないくらい縮められましたね? しかし、ペットはなつくまで、ではなく、なついてからが本番です。最後の最後まで責任をもって飼った時、真の意味で仲良くなったと言えるでしょう おわり”

照(……)

照(……私にどうしろと?)

74 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 00:28:19.80 ID:wOVMgnME0

玄「あのー」

照「!?」

玄「さっきから何を読んでるんですか?」

照「!?」アタフタ

照「こ、これ……」

玄「小動物と仲良く? 動物とかお好きなんですか?」

玄(チャンピオンにもそんな一面が……意外だなー)

照「別にそこまで」モグモグ

玄「え……じゃあ、何でそんな本を?」

玄(もしかして……私と一緒だと暇すぎたから、とか!?)ガーン

照「間違えた」モグモグ

玄「?」

照「ほんとは年下と仲良くなれる方法のはずだった」モグモグ

玄(年下とって……もしかして……)

75 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 00:35:15.27 ID:wOVMgnME0

玄「あの……」

照「?」

玄「それって、もしかして、私と……仲良くなるため……だったり?」

照「あ」シマッタ

照「えっと……」

玄(違ったのかな? 自意識過剰な子だと思われてたらどうしよう!?)

照「その、通り……かも、しれない可能性が……無きにしもあらずというか……」ゴニョゴニョ

玄「!!」

照「……」

玄「すっごくうれしいです!」

照「!?」

玄「私も宮永さんともう少し仲良くなれたらって思いはじめてました!」

照「ほんと?」

玄「はいっ!」ニコ

照「ツモ!」

玄「……え?」ビクッ

照「?」

玄(そ、空耳かな? でも嬉しいなぁ。じゃあ、私からどんどん話しかけてもいいのかな?)ニコニコ

玄(よし頑張るよ!)


76 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 00:46:19.91 ID:wOVMgnME0


――――


都内

煌「何だか東京案内してもらってすいません」

菫「いいんだ。どうせ暇だったからな」

菫「こっちが浅草寺だな」

煌「雷門。すばらです!」

菫「近くの川が隅田川だ。花火大会が有名だろ?」

煌「花火、ですか……ふむ……」

菫「どうしたんだ? 急に考え込んで」

煌「……決めました!」

菫「何だ?」

煌「せっかく皆さんに集まって頂いたのにあのまま解散ではもったいないですからね」

菫「皆さんって、3年のことか?」

煌「ふっふっふ。この花田煌、先輩方のために一肌脱ぎますよ!」すばらっ

菫「?」


77 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 00:59:08.65 ID:wOVMgnME0


――――


千里山 怜、竜華の部屋


竜華「それにしても、豊音ちゃんは何でサイン集めてるん?」

豊音「有名人にあったらサインもらうのは当然だよー」

怜「そやろか?」

豊音「そ、それに……」グス

怜(ちょ、ちょお、涙ぐみ出したで!? 竜華、責任とりや)ヒソヒソ

竜華(え? ウチのせいなん!?)ヒソヒソ

豊音「ご、ごめんなさい……」ヒック

豊音「みんなで……インターハイに来た証拠になるから」グス

怜「あー、記念写真みたいなもんか。えぇ話やなぁ」

竜華「じゃあ、写真も撮ったらええんちゃう? ウチ、デジカメ持ってんで」

豊音「撮ってくれるの?」

竜華「もちろん」

78 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 00:59:45.18 ID:wOVMgnME0

怜「そや、それやったら、セーラとか色んな人と撮ろうや」

豊音「ほんと!?」パアァ

竜華「怜、アンタまだ本調子やないやろ?」

怜「せっかく東京に来とんのや。部屋にこもりっきりじゃ勿体無いで」

竜華「はぁ……気分悪なったらすぐ言ってな」

怜「大丈夫やって。竜華は心配性やな……よし、行くで、豊音!」

豊音「ちょーうれしいよー」


79 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 01:07:41.03 ID:wOVMgnME0


――――


姫松宿泊地 愛宕姉妹の部屋

絹恵「――ほんで、お姉ちゃんがですねー」ワイワイ

宥(ずっとお姉さんの話。よっぽど大好きなのね)

宥(あったかーい)フルフル

絹恵「――って、なんかすんません。私ばっか喋ってしもうて」

宥「ううん。いいの。絹ちゃんはお姉ちゃんが大好きなんだね」

絹恵「ええ……はっきり言われたら恥ずかしいですけど。松実さんも妹さんが」

宥「玄ちゃんはね、優しくて気が利いてあったかいんだよー。このまえなんかね――」

絹恵「へぇ〜」

80 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 01:09:10.60 ID:wOVMgnME0

宥「それでね――」

絹恵「は、はぁ」

宥「そしたら――」

絹恵(この人こんな喋る人やったんか!?)

絹恵(妹さんが大好きなんやなぁ……同じ妹としてうらやましぃなぁ)

宥「でも、玄ちゃん……大丈夫かな?」フルフル

絹恵「妹さんとこは誰が行っとるんですか?」

宥「それが……」

絹恵(それが? そんな怖い人なんやろか?)

宥「宮永さん……」

絹恵(チャンピオン!?)

絹恵「そ、それは……心配ですね」

宥「玄ちゃん、逃げ出したりしてないといいけど……」

絹恵(逃げ出すって……気持ちは分からんでもないけど、チャンピオン、ちょっと可哀相やな)ハハ

絹恵「会いに行ってみます?」

宥「え?」

絹恵「妹さんとチャンピオンに」

宥「……いいの?」

絹恵「ええ。私もチャンピオン、近くで見てみたいんで」

宥「じゃ、じゃあ、行こうかな……」フルフル

絹恵「はい!」


81 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 01:20:09.90 ID:wOVMgnME0


――――


白糸台 宿泊地 


洋榎「よ、ようやく追いついたで」ハーハー

淡「ふ、ふーん、洋榎もなかなかやるじゃない」ゼーゼー

洋榎「お、お前も、癪やけど、認めたるわ」ゼーハーゼーハー

淡「ひ、洋榎も、私の高校90年生リストに加えてあげるよ」ゼーハーゼーハー

尭深(何で麻雀やって息があがってるの?)

洋榎「ふっふっふ」

淡「あはは」

尭深(やっぱり似た者同士)ズズ

洋榎「でも、さすがに二人で打ちつづけるんは飽きるなー」

淡「そうだねー」

尭深(私達も打ってたのに)
亦野(ヒドイ……)

淡「そうだ! テルーの所に行こうよ!」

洋榎「チャンピオンの所か? おもろそうやないか」ニヤ

淡「でしょー?」ニヤ

尭深(嵐がすぎるまでもう少し……)ズズ

亦野(私は貝になりたい)


82 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 01:27:51.99 ID:wOVMgnME0


――――


新道寺 宿泊地


セーラ「これなんなんやろ? 鎖がついたベルトとか腕輪がいっぱいや」

姫子(あれは……部長と使う機会があるかもしれんと思ってこっそり持ってきた……)

姫子(結局、言い出だせんで使わずじまいやったとやけど……)ショボン

姫子(ってそんな事言っとる場合やなか!)

セーラ「なぁ、この鎖とかなんなん?」

姫子(正直に言う→ドン引き→二人きりの気まずい時間をずっと過ごす……これは無理!)

姫子「た、確か……トレーニングに使う器具やったと思います?」

セーラ「おぉ! 筋トレか? どう使うん?」ワクワク

姫子(くいついてきてしまった―!?)

姫子「ぶ、」

姫子(すいませんすいませんすいませんすいません)

姫子「部長のやけん、ちょっと使い方は分からんとですよ」

姫子(土下座でも何でもしますけん、今だけは、今だけは許して下さい! 部長!)

セーラ「そうかー……せやったら、今から白水に聞きに行こうや!」

姫子「え」


83 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 01:35:07.39 ID:wOVMgnME0


――――


宮守宿泊地


エイスリン「シロノオッパイバカ!」プンプン

胡桃「エイちゃんさっきからそればっかだね」

塞「まぁ、さっきのは部屋覗いた私達が悪いよ」

エイスリン「フン」

胡桃「拗ねちゃった」

小蒔「あ、宮守のみなさん!」

塞「神代さん!?」

初美「邪魔するですよー」

胡桃「あ、永水のちっちゃい人」

初美「」カチン

初美「何ですかー、宮守のちっちゃい人」

胡桃「む」カチン

胡桃「何よ」
初美「何ですかー」

84 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 01:42:19.13 ID:wOVMgnME0

エイスリン「ケンカヨクナイ!」

巴「そうですよ。霞さんに言いつけちゃいますよ」

初美「そ、それは困りますねー」アワワ

哩「副将は?」

エイスリン「ダレ?」

初美「福岡代表の部長さんですよー」

哩「宮守の副将は誰ね?」

塞「い、一応私だけど……?」

哩「そうか……私と一局打ってくれんか?」グイ

塞「私ですか? 東風戦くらいなら別にいいですけど……」

哩「ありがたい。じゃあ、早速打とう」スタスタ

胡桃「何だかストイックな人だね」

初美(事情を知らない人からすればそう見えますかねー)

初美(何にせよこれはチャンスですよー)ニヤリ

初美「私も参加させてほしいですよー」

塞「え」

小蒔「交流戦ですね! では私も入ります!」

塞「え」
初美「え」

哩「じゃ、始めるか」

85 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 01:49:14.11 ID:wOVMgnME0

――

東一局

哩(さて、どれほどのものが来るっちゃろうか?)ウズウズ

塞(いきなり薄墨が北家)

初美「ポンですよー」

初美「それもポンですよー」

小蒔「わわっ」

塞(何故鳴かせる? よっぽどいい手なのか?)

塞(とりあえず塞ぐか)ゴゴゴゴ

初美(私ですかー!? 福岡の人にしてくださいよー)

小蒔「あ、ツモです!」ワーイ

初美(ああ……)

哩(何も起きんかった……)

86 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 01:55:22.91 ID:wOVMgnME0

――

東二局

哩(もしかして、私がリザベーションをせな、その塞がれるって感覚は味わえんっちゃろうか?)

哩(なら……リザベーション4飜)ガッガッ

小蒔「……」スゥ

巴(あ、寝た)

初美(ほんとにですかー!?)

塞(な、何だ!? この気配……薄墨と同等かそれ以上……!?)

塞(塞げるか)

87 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 01:56:40.98 ID:wOVMgnME0

――

東三局

哩(結局また何も起こらんやった……もっと縛りばキツくかけんといかんとやろうか)

哩(なら……リザベーション7飜)ガガガガガガ

初美(何かやってますねー)チラ

塞(もう無理……大会じゃないし、塞ぐのはもうやめよう)ゼーハーゼーハー

塞「」スチャ

小蒔「ロン」

胡桃「あ、塞が飛んだ」

哩「え」

巴「ここまでにしておきましょう。春ちゃん、お願い」

春「ん」コクコク

春「姫様、起きて」

小蒔「んん……ここは」

初美(リベンジならずでしたよー)

初美「大丈夫ですかー?」

塞「な、なんとか……」ゼイゼイ


哩「え」

88 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 02:02:17.51 ID:wOVMgnME0


――――


阿知賀 松実姉妹の部屋


玄「それでですね――」

照(何だか色々話しかけてくれるようになった)

玄「――なんですよー!」

照(お菓子はいっぱいだし言うことない)モグモグ

照(そういえば……)

照「松実さんは……お姉さん、好き?」

玄「ええ、大好きです!」

照「そっか……」

玄「?」

玄(そういえば、和ちゃんのお友達が妹だったよね……?)

玄「宮永さんにも妹がいるんですよね?」

照「」ビク

玄「どうしたんですか?」

89 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 02:03:15.28 ID:wOVMgnME0

照「……咲にはひどいことしちゃったから」

玄「ひどいこと……ですか?」

照「……松実さんは」

玄「はい?」

照「お姉さんと離れて暮らすようになって、会いに行っても口をきいてくれなくて……」

照「妹なんていない……なんて言われたらどうする?」

玄「え……」

玄(玄「おねえちゃーん」 宥「……」プイッ 宥「私には妹なんていません」)

玄「うぅ……」グス

90 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 02:03:55.04 ID:wOVMgnME0

照「……ごめんなさい」

玄「い、いえ」グス

照「はい、ティッシュ」

玄「ど、どうも……って、え!?」

照「さっき道でもらった」

玄(何だかとってもエッチな写真がのったティッシュだよー!?)

照「東京にも親切な人がいる」

玄(ぜったいに違うよー!?)

91 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 02:04:43.93 ID:wOVMgnME0

照「……」

照「想像しただけで松実さんが泣いた……私が咲にしてしまったのはそういう事だから……」

玄「宮永さん……」

照「咲は全国大会に出場してまで会いに来てくれたけど……ひどい事をした私が今更姉を名乗ったって……」

照「……」モグモグ

玄(この空気でも食べちゃうの!?)

玄「……」

玄「……で、でも!」

玄「それでも、妹さんは会いに来てくれた! それはきっとお姉さんだから」

照「!?」

92 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 02:05:47.20 ID:wOVMgnME0

玄「私も、お姉ちゃんにそんなこと言われたら、多分死にたくなるくらい悲しいけど」

照「う」グサ

玄「それでも、やっぱり会いたいって思います!」

玄「だって、たった一人のお姉ちゃんだから!」

玄「例えお、お姉ちゃんに嫌われても……わ、私は大好きだから……」ポロポロ

照「そう……」

照「泣かせてごめん……」

玄「いえ、私が勝ってに泣いてるだけですから……恥ずかしいですよね……」

照「そんなことない」

照「はい……もう一個ティッシュあげる」

玄(エッチな写真のティッシュがもう一個!?)

93 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/21(金) 02:06:30.37 ID:wOVMgnME0

照「……」

照「……咲と、もっと話してみようと思う」

玄「それがいいですよ!」

ピポパ

照「うん……もう少しして決心が――」
玄「あ、和ちゃん? ちょっと宮永さんと代わってもらえるかな?」

照「え?」

玄「はい。阿知賀の松実玄です。実はお姉さんが――」

照「え?」

玄「気を付けておいで下さい!」ピ

照「は……!?」

玄「妹さん、大急ぎで来てくれるそうです!」ニッコリ

照「心の準備……あ!」

照(そうだ!!)

照(さっきも上手くいったから。この本の通りにすればイケルはず!!)

“小動物と仲良くなれる方法”
94 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/21(金) 02:08:22.85 ID:wOVMgnME0
今日はここまでです。もうちょいで何とか終わりに向かえそうな気配です。
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 02:49:50.75 ID:lT/Hmwyvo

面白いな
続き楽しみにしてる
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 07:33:32.49 ID:CMyqFhaBo
ポンコツかわいいな
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 08:13:41.94 ID:5kLUzfkpo
>>32
バカでありがとう
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 09:19:23.69 ID:Dk/Loofw0


面白すぎだろ
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 11:00:26.85 ID:FvZkMdKIO
何でてるてるはいつもポンコツなのか

可愛いからいいけど
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/21(金) 14:25:26.17 ID:o0jodyV/o
なんでだろう、俺も小走先輩のことだと思っちゃった
101 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/22(土) 00:46:43.95 ID:vuNo9b/B0
遅くなりましたが、また今日も更新していきます。

スレ立てた後に、そういえば奈良の先鋒って小走先輩じゃね?うわぁ間違えたって本気で思いました。
小走先輩の奈良代表感は異常。
102 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 00:47:21.87 ID:vuNo9b/B0


――――


清澄 宿泊地

衣「ののかー遊びにきたぞー!」

和「衣さん?」

透華「私もいましてよ!」

衣「あれ、咲はいないのかー?」

和「咲さんならお姉さんに会いに行きましたよ」

透華「お姉さん、ということは白糸台まで?」

和「いえ、阿知賀に」

透華「?」

まこ「何でも、インターハイ出場校同士で部屋を交換しているんじゃと」

衣「!」

衣「衣もそれやりたい!」

透華「あら……」

透華「困りましたわね……私達はインターハイに出場しておりませんし……清澄、風越、阿知賀以外で、今東京にいる知り合いなんて……」

和「それでしたら、鶴賀の皆さんなんてどうでしょうか?」

103 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 00:55:48.17 ID:vuNo9b/B0

衣「!!」

透華「その手がありましたわ!ハギヨシ!」パチン

ハギヨシ「ハッ。鶴賀の蒲原様とお電話が繋がっております」

――――


蒲原「衣を一日家で預かれないかって? いいぞー」

蒲原「じゃあ、今から迎えに行くぞー」

――――

透華「――ええ。では、お願いしますわね」

透華「今から迎えに来てくださるそうですわ」

衣「やたっ! お出かけだぁ!」


104 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:03:55.77 ID:vuNo9b/B0


――――


阿知賀 松実姉妹の部屋


咲「お姉ちゃん!」ガチャ

照(咲……)

玄「宮永さん、だとややこしいから……咲ちゃん、ようこそ!」

咲「あ、えと、こんにちは。えっと、和ちゃんの友達の……」

玄「松実玄です!」

照(とりあえず目線を低く……)ネソベリ

咲「松実さん、よろしくお願いしま――ってお姉ちゃん!?」

玄(宮永さん!? 何があなたをそうさせるのですか!?)

105 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:10:19.82 ID:vuNo9b/B0

照(あとは咲が近づいてくるのを……)

咲「お、お姉ちゃん?」

照(待つ身……松実さんの部屋だけに……)

咲「そ、そっか……そうだよね……」

照(?)

咲「やっぱり、まだ……私の事、怒ってるんだね……」グス

照(え?)

玄「そ、そんなことはないのです! で、ですよね!? 宮永さん!?」オロオロ

照(どこで間違えた?)

106 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:11:21.06 ID:vuNo9b/B0

照「そう。だからちょっと――」
宥「玄ちゃーん。ただいまー」

玄「お姉ちゃん!?」

絹恵「えっと、お邪魔します……って、え?」

絹恵(チャンピオンが地べたにうつぶせで、その妹さんは涙ぐんどる……どう解釈したらええんやろ?)

宥「玄ちゃん? これはいったい――」
玄「おねえちゃぁん!……私、どうしたらいいのぉ?」ダキッ

宥「く、玄ちゃん? どうしたの?」

玄「うぅ……私が余計なことしたから……宮永さん達が……」グス

照(どこで間違えたのか?)

宥(よく分らないけれど……)

宥「く、玄ちゃんは、玄ちゃんなりに頑張ったんだね?」

玄「うぅ……お姉ちゃーん」ギュ

宥「よしよし」ナデナデ

咲(いいなぁ……)ジー
照(うらやましい)ジー

咲(お姉ちゃん……)チラッ
照(咲……)チラッ

咲(あ……)
照(目があった!?)

照「あ、あのさ、咲――」

ガチャ

107 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:12:29.78 ID:vuNo9b/B0

淡「テルー。遊びに来たよー!って、またテルーがなんか変な事してるー! おっかしーんだー」ケラケラ
洋榎「邪魔すんでー。ってうわっ!? チャンピオン何やっとんの!?」

絹恵「あ、お姉ちゃん」

洋榎「お、絹も来とったんか」

照(……)

照(何一つ好転しない)

咲(お姉ちゃん……)

カガヤイテー ココイチバーン

玄「グスッ……電話だ……花田さん?」


108 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:18:44.96 ID:vuNo9b/B0


――――


胡桃「塞、お疲れ」

塞(当分麻雀はいいや……)

初美「これ、はるるからですよー」

春「疲労回復にいい」

塞「黒糖? ありがとう」

春「ん」ニコ

哩(も、もう一局とか言えん空気やね……ここは我慢しとくか)

ジャラジャラジャラ

胡桃(何の音!? 鎖?)

哩「花田んやつから電話や」

塞(どんな着信音!?)

109 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:25:17.50 ID:vuNo9b/B0


――――


セーラ「なぁ、早く白水んとこ行こうで。待ち疲れたでー」

姫子(もうこれ以上は引き延ばせん……覚悟ば決めないかんね……でも部長に何て言えばいいとやろうか……)

姫子(さっき部長がリザベーションしたやつが実体化したって言ったらごまかせるかいな)

プルルル
ピピピピ

セーラ「お? 怜から電話や」
姫子「花田から電話?」


110 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:29:37.39 ID:vuNo9b/B0


――――


菫(新道寺が言ってたのはこの辺りか?)

豊音「弘世さーん」

怜「新道寺が言った集合場所はこの辺りでいいんやんな?」

菫「ああ」

小蒔「白糸台の弘世さん! こんにちは!」

菫「鹿児島の神代……と、永水メンバーか」

菫「ん?」

小蒔「?」

菫「神代は何で浮き輪をしているんだ?」

小蒔「海岸で花火とのことでしたので。もしかしたら泳ぐかもと思いまして!」

菫「そ、そうか……」

小蒔「はめてみますか?」ヌギヌギ

菫「い、いや……」

怜「お、向こうにセーラ達も見えるな」

111 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:30:10.59 ID:vuNo9b/B0

――――

セーラ「いやぁ、みんなを集めて花火とか、新道寺も粋なことすんなぁ」ジャラジャラ

姫子(何であの道具一式持ってくると!?)

セーラ「早う、これの使い方も聞きたいなー」ジャラジャラ

セーラ「お、皆結構集まってんなー。怜たちもおるやん」

姫子(部長もおる!?)

哩「姫子」

姫子「ぶ、部長!?」

哩「ん? どげんしたとや?」

セーラ「なぁ、白水―、このお前のトレーニング器具、どう使うん?」ジャラジャラ

哩「は?」

初美(何ですかー!? あのいかがわしい道具は!?)

初美(本物の変態さんでしたねー)

哩「」

菫「後は、淡と三姉妹……反対側に見えるな」

菫「ん? 何だあの車!?」


112 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:30:58.91 ID:vuNo9b/B0


――――


衣「すごいぞーもっと飛ばせ飛ばせー!」

蒲原「ワハハ。まだスピードでるぞー!」

衣「ワーイ」

蒲原(そろそろ減速するか……)

ガキッ

蒲原(ん!?)

衣「どうしたー?」

蒲原「ぶ、ブレーキが……」


113 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:32:01.29 ID:vuNo9b/B0


――――



洋榎「お、もうみんな来とるやん」ニヤリ

淡「競争だね、洋榎」ニヤリ

洋榎「ほな行くで」

絹恵「ちょお、待ってや、お姉ちゃん」

照「……」

咲「……」

玄「お姉ちゃん、あの二人、まったく喋らないよ? やっぱり私が余計なことしたから……」

宥「大丈夫よ玄ちゃん」ニコ

玄「え?」

宥「だって、あの二人、お互いに隣から離れようとしないもの」

玄「あ……」

宥「きっと大丈夫だから。離れて見守っていましょう」

玄「う、うん!」

114 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:33:13.08 ID:vuNo9b/B0


「…………」


照「……なぁ、咲」

咲「」ビクッ

照「あのさ――」

蒲原「そこの二人―!! 危ないぞー!!」

照「」イラッ

蒲原「ブレーキが利かないんだー逃げてくれー!!」

照「え……咲、逃げ――」

咲「え……!?」ガクガク

照(震えて足が固まってる――!?)

蒲原(早くどいてくれー!!)


照「くっ」ガバッ

咲「お、ねえちゃん……」

菫(あのバカ!?一緒に轢かれるつもりか!?)

照(せめて咲だけでも……)ギュッ

115 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:34:12.78 ID:vuNo9b/B0



「妹を護ろうとするその姿。実にすばらですよ。宮永さん」



ドンッ


照(え?……新道寺?)フラッ


姫子(花田が二人を押しのけた! でもこのままじゃ宮永姉妹の代わりに花田んヤツが――)

116 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:34:54.16 ID:vuNo9b/B0

煌(もう避けられるような距離じゃありませんねー。で、でも、後悔はしてませんよ)

姫子(花田が轢かれる!?)



哩「諦めんな!!」
菫「諦めるな!!」



117 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:35:29.07 ID:vuNo9b/B0


哩「姫子、これば借りるぞ」

姫子「え?」

哩「リザベーション!」

ガガガ

姫子(部長と花田が鎖で――)

哩(ひっぱりきれるか)グイ

セーラ(ダメや! この速さじゃ間に合わん!)

118 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:36:10.58 ID:vuNo9b/B0

菫「神代。これ借りる」

小蒔「え?」

菫(シャープシュート!)

巴(浮き輪を車とあの人の間に)

春(スゴイ……)

ドン

煌「すばら〜」ヒュー

姫子「花田が飛んでいく!?」

119 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:36:59.50 ID:vuNo9b/B0

怜「このままじゃあそこの人にぶつかんで」

小蒔「あれは――霞ちゃん、危ないです!!」

霞「え?」

煌「す、すばら〜」ヒュー



ポヨン



全員「は……!?」



120 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:37:54.77 ID:vuNo9b/B0


霞「あいたたた……何かしら……」

煌「な、なんとか無事でした。す、すばらです」

菫(胸か)
哩(胸やね)
シロ(胸)
怜(胸やな)
初美(胸ですねー)
エイスリン(オッパイオバケ!)
玄(お、おもち……)

121 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:38:57.48 ID:vuNo9b/B0


――――



咲「お姉ちゃんっ!」ダキッ

咲「うう、お姉ちゃーん!!!」

照「咲、怪我、ない?」

咲「お、お姉ちゃんこそ」グス

照「大丈夫……」

咲「グスッ……ど、どうして?」

咲「どうして、私なんか助けたの……?」ポロポロ

122 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:39:43.55 ID:vuNo9b/B0

照「……」

照「咲は……」

照「い、妹だから……」

咲「え?」

照「咲は、たった一人の、私の妹だから……」

咲「お、お姉ちゃん……おえねちゃーん!!!!」ガシッ

照「ん」ナデナデ


123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 01:40:35.73 ID:acbV2ahfo
MTのブレーキ故障は60km/hくらいならエンブレ+サイドブレーキで余裕みて100mくらいでとまるよね
124 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:40:40.06 ID:vuNo9b/B0


玄「よかった。よかったよー」ウルウル

宥(うんうん。あったかーい)

絹恵「」ソワソワ

怜「ええ話やなー。ってなんで竜華も泣いてんの?」

竜華「だ、だって、なんか、感動的やん」グスッ

絹恵「お、お姉ちゃん」

洋榎「ん? どした? 絹もウチに甘えたいんか? 抱き着いてもええんやで〜」

絹恵「……やっぱり何でもないわ」フイッ

洋榎「あれ?」

淡「はぁ〜」ヤレヤレ

淡「だめだなぁ。洋榎は乙女心が分かってないよ!」

洋榎「何やとぉ!?」


125 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:42:56.94 ID:vuNo9b/B0


――


哩「姫子……この道具は……」

セーラ「ん? あれ、白水の筋トレの道具やないんか?」

姫子「すいませんでした!」ドゲザ

姫子「もしかしたら……もしかしたら……部長と使うかもしれんと思って、持ってきとったけど言いだせんやったとです」グス

姫子「今年が……部長とインハイに来れる……最後の年やったけん……」ポロポロ

哩「姫子……そ、その……可愛い後輩がそうしたいなら……私は別に、反対せん……」

姫子「ぶ、部長ぉ……」

哩「その……まだ、東京での時間はしばらく残っとうけん、な?」

姫子「ぶちょぉお!!!」ダキッ


小蒔「いい話ですねー」ホロリ

春(!?)

豊音「ちょー、いい話だよー」ポロポロ

塞(いい話か?これ?)

初美(変態と変態のコラボレーションですねー)


126 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:45:39.93 ID:vuNo9b/B0
>>123 そうなんですか。適当に書いたんで……じゃあ、すっごい飛ばしてて、パニクッてサイドブレーキひけんかったってことでお願いします(適当)
127 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:46:20.00 ID:vuNo9b/B0


――――


煌「えー、多少トラブルはありましたものの、皆さんお揃いですばらですっ!」

蒲原「すまなかったぞー」

衣「い、生きててよかった……」ブルブル

煌「本来なら手持ち花火でささやかに行う予定でしたが、協力してくれる方がおりまして。打ち上げ花火を見ながら手持ち花火ができることになりました。すばらっ!」

菫「?」

透華「おーっほっほっほ。我が龍門淵家の力を使えば、花火大会など2時間もあれば開催できますわ」

煌「という訳で皆さん。思う存分楽しんで下さいねー」


128 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:46:52.52 ID:vuNo9b/B0


――――


ドーン パチパチ ハナビアガッタデー ヒロエークラエッ ナメンナッ


照「ん」

咲「お姉ちゃん?」

照「これ、一緒に」

咲「うんっ!」

ジジジ

煌(姉妹で仲良く線香花火ですか。実にすばらです)


129 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:47:37.15 ID:vuNo9b/B0


ジジジ


照「咲……」

咲「なぁに?」

照「いつまで東京にいる?」

咲「えっと、明後日まで、かな?」

照「そ」

咲「う、うん……」


ジジジ


照「また、おいで」

咲「え?」

照「東京。今度は旅行でもなんでもいいから」

咲「うんっ。うん!」

玄「だったら、家の旅館にお二人で旅行にくればいいのです!」

照「」ビクッ

咲「玄さん?」
130 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/22(土) 01:48:57.70 ID:vuNo9b/B0

玄「宮永さん達なら大歓迎なのです!」

玄「ね。お姉ちゃん!」

宥「うん。宿泊費はいらないからぜひ」ニコ

咲「そんなっそこまでしてもらうのは……」

照「宿泊費くらい払う……でも、お邪魔させてもらっても……いい?」

玄「もちろんです!」

照「じゃあ、咲……」

咲「お姉ちゃん?」

照「奈良代表の先鋒に会いに行こうか?」

咲「うん!」パァァ


カン!
131 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/22(土) 01:50:15.16 ID:vuNo9b/B0
最後駆け足でしたが一旦ここで終わりです。
読んで下さった方ありがとうございました。

後日ちょっとおまけを投下しようかとおもいます。
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 02:38:21.08 ID:zfRC/4vSo
乙のよー
おまけ期待しちょる
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 04:35:44.76 ID:NIpDx0bio
小走先輩スレかと思って開いたらよく見たら先鋒ってかいてあった
イッチも言ってるけどなんだろうね小走先鋒の奈良代表感は
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 12:16:08.85 ID:BzwwVOpwo
小走先輩に比べてクロチャーに奈良代表の先鋒感がなさすぎるのも問題の一つ
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 13:05:06.37 ID:2OdWXlDTo
おつー楽しかった
おまけも期待
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 13:56:11.83 ID:ywPoqIA5o
すばらっ!
めっちゃ面白かった!
おまけも期待してますー
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/22(土) 14:31:27.54 ID:ke7JHC7AO
鎖も浮き輪もちゃんと伏線になってたのは見事
この>>1にはまたなんか書いてほしいな
138 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/24(月) 01:33:46.24 ID:xlAPjI0p0
皆さんありがとうございます。

とりあえずおまけ書いたんで投下していきます。
正直落としどころが分からなくなったんで中途半端に終わるけど、おまけなんで許して下され。
139 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:35:02.29 ID:xlAPjI0p0


――――


おまけ@  穏乃、憧編

憧「あ……いつの間にか玄からメール来てた。3件も?」

穏乃「玄さん? なんでわざわざメール?」

憧「さあ? 何だろ? けっこう前から来てたみたい……1通目が――」

ピッピッ

穏乃「何て内容だった?」

憧「玄の部屋に他校の3年の人が来るんだって」

穏乃「え、玄さんの部屋に?」

憧「うん。なんか今日、インハイに出場した3年生の内何人かで、部屋を交換するんだって。宥ねぇが他校に行く代わりに、誰か来るみたい」

穏乃「何それ!? 面白そう!! いいなぁ〜」

憧「たしかに面白そうではあるけど……これってかなりギャンブルだよねぇ」

穏乃「なんで?」

憧「シズみたいな人だったら別にいいけど……ものっすごく怖そうな人とか気難しそうな人が来たら気まずいじゃない」

穏乃「そうかなぁ? 私は他校の部屋に行けるなら行ってみたいけどなぁ」

憧「シズらしいわねぇ。それで、2通目は……うわぁ……」

穏乃「どうしたの?」

140 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:35:39.16 ID:xlAPjI0p0

憧「……玄の部屋に来たの、チャンピオンだって」

穏乃「ちゃ、チャンピオンがっ!? じゃあ、チャンピオンと二人きりってこと!? うわぁ〜怖そ〜」

憧「えっと……“チャンピオン、無言で床にうつぶせになってるよ。どうしよ〜(泣)”……って、これどういう状況なのよ!?」

穏乃「ああ。床って冷たくて気持ちいいもんね〜」

憧「え、共感しちゃうの……で、3つ目が――」

“何とか仲良くなれそうです! 心配しないでいいよ!”

憧(玄……頑張ったんだね……)

穏乃「いいなぁ。玄さん。私も他校の部屋に行きたいなぁ〜」

憧「なによー。シズはあたしと二人じゃ不満なわけー?」ニヤリ

穏乃「何で? 不満なわけないじゃん。憧と一緒だと楽しいよ」

憧「う」

141 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:36:17.97 ID:xlAPjI0p0

穏乃「?」

憧「そ、そう平然と返されるとちょっと照れるわね」

穏乃「でも、それとこれとは話が別だよー。私もどっか行きたいなー」

憧「もうっ。しょうがないなぁシズは……だったら和のとこでも行く?」

穏乃「よし、行こう!」ババッ

憧(準備早っ!?)


142 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:37:06.56 ID:xlAPjI0p0


――――


おまけA 花火準備編


穏乃「和〜遊びに来たよ!」

和「穏乃? それに憧も?」

憧「やっほ〜。お邪魔するね。暇だった?」

和「それが……」

煌「おや? 阿知賀の高鴨さんと新子さんですね?」

穏乃「新道寺の花田さん!? どうしてここに?」

和「実は私の長野での中学の先輩なんですよ」

憧「へぇ〜。じゃあ、準決勝の先鋒戦では、和の昔の先輩同士が対決したって事だったんだ。すっごい偶然だねぇ」

和「はい。私も中継を見て驚きました」

優希「驚きのあまりおっぱいがすっごい揺れてたじぇ!」

和「何を言ってるんですかっ! ……それよりも、花田先輩、そろそろ買い出しに行った方がいいのでは?」
143 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:37:53.51 ID:xlAPjI0p0

煌「それも、そうですね。では、そろそろ出発しましょうか!」

穏乃「買い出し?」

煌「はい。3年生のみなさんに花火で楽しんでもらおうと思いまして。大きな花火は龍門淵さんが準備して下さるそうなので、手持ち花火くらいは自分で準備しようかと思いまして」

穏乃「それ! 私も手伝っていいですか!?」

煌「手伝って頂けるのですか?」

穏乃「はい! ぜひ手伝わせて下さい!」

煌「すばらですっ! では一緒に行きましょうかね!」

穏乃「はいっ!」


144 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:38:45.14 ID:xlAPjI0p0


――――


憧「花火かぁ。とりあえず、大きなセットがいくつかあればいいよね?」

穏乃「あとはこの辺の単品を買おう! ロケット花火を100パック――」
憧「待ちなさい」ガシッ

穏乃「何だよー?」

憧「……話を聞く限り、人数がかなり多いみたいだからロケット花火はやめといたほうがよくない?」

穏乃「え、どうして?」

憧「だって、まず間違いなく、人に向けて発射する人が出てくるでしょ?」

穏乃「基本だね」

145 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:39:33.50 ID:xlAPjI0p0

憧「基本って……人が多いとそれだけ誰かに直撃する危険が大きくなるでしょ」

穏乃「そうかなぁ?」

憧「そうなの。こんなイベントで誰かがけがしちゃったら後味悪いでしょ?」

穏乃「それもそうかぁ……じゃあ、ヘビ花火を大量に買っちゃえ」ポイポイッ

憧「……何でそのチョイス?」

――

優希「ロケット花火を大量に買うじぇ!」ポイポイッ

京太郎「おいおい、それは入れすぎだろ?」

煌「だめですよ。ゆーき。今回はロケット花火は禁止です」

優希「えー? そんなのつまんないじぇ……こうなったら煙玉を大量に買ってやるじぇ!ポイポイッ

和「煙玉多すぎですよ!」

――

ケムリダマ50パックダジェー! コラユウキ!


憧「何か……シズと似たようなことやってるね?」

穏乃「アハハ。見た目は昔の憧ソックリなのにね」

憧「何か和が、私とシズの両方にちょっとずつ似てるって言ってた意味が分かるわね……」

146 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:40:43.13 ID:xlAPjI0p0


――――


おまけB それぞれの花火編

――


ヒュルルー ドォン!!

小蒔「きれいですねー。霞ちゃん」

霞「そうね。でも、こんな大がかりな事をして、費用とか大丈夫なのかしら?」

巴(流石、霞さん……所帯じみてる……)


――


竜華「怜ー、横になってても見える?」

怜「しっかり見えてんで」

竜華「そんならいいけど」

怜「竜華」

147 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:41:24.84 ID:xlAPjI0p0

竜華「ん、何?」

ヒュルルルル~

怜「いつもありがとな」

竜華「!」

ドォン!

竜華「きゅ、急にどしたん!? 怜、熱でもあるんやったらもう戻ろか!?」

怜「何か、インハイで来るのは今年が最後やったんやなぁって考えたら、言わないかん気がしてな……」

竜華「怜……」

ヒュルルル~ ドォン!!


148 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:42:11.13 ID:xlAPjI0p0


――


淡「洋榎! これでもくらえ! ネズミ花火爆弾!」バババ

洋榎「させるか、絹ガードや!」

絹恵「お姉ちゃん、私の扱いヒドない!?」

セーラ「おれも混ぜてー」

穏乃「私も行きますよー!」

エイスリン「ワタシモ!」

塞「エイスリンまで!?」

ワーワーギャーギャー

淡「みんなやるねー。こうなったら、煙玉10連発だよ!」

洋榎「ちょぉ、やめ――」

モクモクモク

淡「ゲホッゲホッ な、何これ……ゲホッ」

洋榎「グフッ い、言わん、ゲホッこっちゃない……」

ウワー!! ゲフッ ゲホゲホッ 

塞(大惨事だ……)


149 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:43:40.97 ID:xlAPjI0p0


――


モクモクモク


玄「何だか煙がいっぱい来たよ!?」

照「……」スッ

咲「お姉ちゃん?」

照「咲、松実さん達も私の後ろに隠れて」

咲「う、うん」コソコソ

宥「は、はい」コソコソ

玄(何だか、とっても頼もしいよ!)

150 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:46:04.60 ID:xlAPjI0p0

照「……」スゥ

照「!!」カッ

ギュルルルル

咲「すごい……」

玄「か、風が……煙を晴らしていく……」

照「ん。もう大丈夫……」モグモグ

咲(お姉ちゃんはやっぱりスゴイ!)

玄(かっこいいのです!)

宥(すごい……!)

豊音「宮永さん、ちょーかっこいいよー!!」

照「」ビクッ

照(お、大きい……)

照(大きい人にはあの本の内容は通用しない……どうしよう……?)

豊音「?」

照「さ、咲……」コソコソ

咲(え? 私の後ろに隠れちゃうの!?)


151 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:47:03.19 ID:xlAPjI0p0


――


哩「……」

ニョロニョロニョロニョロ

春「……」ポリポリ

ニョロニョロニョロニョロ

姫子「……」

ニョロニョロニョロニョロ

シロ「……」

ニョロニョロニョロニョロ

初美(この四人はなんで無言でヘビ花火を見守ってるんですかー!?)

胡桃(きもちわるい……!!)

152 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:47:41.32 ID:xlAPjI0p0

哩「私んとが一番高く昇ったな」

姫子「え、でも、長さ勝負やけん私のが長いっちゃないとですか?」

春「形の綺麗さが大事」

シロ「ダルい……」

初美(打ち上げ花火には目もくれずに長さ比べですかー!?)

胡桃(どうしてシロがこの面子に……!?)


153 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:48:56.41 ID:xlAPjI0p0


――


菫「新道寺」

煌「これはこれは、弘世さん。楽しんで頂けてますか?」

菫「ああ……お前には、本当に、いくら礼を言っても足りないな」

煌「いいって事ですよ」

菫「そうか……なぁ、これ一緒にやらないか?」

煌「線香花火ですか。すばらですっ」

菫「結構好きなんだよ。これ。集中力が上がる気がして」

煌「いいですよ。なら、どちらが長持ちするか、勝負ですねー!」

菫「いいだろう。手加減はしないぞ」

煌「望むところです!」すばらっ


154 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:52:35.00 ID:xlAPjI0p0


――――


憧「何だかよく分んないけど、宮永さん、上手くいったみたいね」

和「はい。よかったです」

久「あら、和としては強力なライバル登場って感じじゃないの?」

和「ライバルってなんのですか、もう……部長もちゃんと来ていただけたんですね」

久「可愛い後輩が私のために準備してくれたんだから、当然来るわよ。新子さんもありがとね」

憧「あ、いえ……」

和「部長のため、ではなく3年生の皆さんのためですよ」

久「もう、つれないわねぇ」

憧「……でも、3年生は今年が最後なんだよね」

和「憧……」

155 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2012/12/24(月) 01:54:06.36 ID:xlAPjI0p0

憧「どんなに強い人でも……それこそ宮永照さんでも、来年のインターハイには絶対に出場できない。インターハイに選手として出場できるのは本当に最後……」

和「そうですね……」

セーラ「そやから全力を尽くしたんや」ヒョコ

憧「ウワッ!? あんたいつの間に!?」

セーラ「おれは去年の先輩の姿をインハイで見とったから、今年は全力を尽くせた。おれは今年が最後やけど、フナQや泉がその姿を見とってくれた。来年はアイツらがやってくれるハズや」

憧「……」

久「そうね。きっとそうやって、次の世代に残していくものなのよ」

和「部長……」

久「和」

和「はい」

久「後はまかせたわよ」

和「!」

和「……はい!!」

憧「ま、何にしても、私達はあと二回、ここに来なきゃね」

和「ええ……私達は長野代表。憧達は奈良代表として……またここで必ず会いましょう」

憧「当然!」

156 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/24(月) 01:54:36.51 ID:xlAPjI0p0
カン!
157 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2012/12/24(月) 01:57:44.46 ID:xlAPjI0p0
最後無理矢理ですが、ここで終わりです。教訓。登場人物を増やしすぎてはいけない。

次書くとしたら、照と咲の奈良旅行編、もしくはまったく別の話か……どちらにせよしばらく間を空けると思います。


読んでくれた方々ありがとうございました。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/24(月) 04:30:37.09 ID:I6FoOkx5o
乙です

分量あるほのぼのは貴重だからね、色々期待してしまう
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/24(月) 14:03:00.38 ID:2RPrJl0lo
哩さん具現化系説
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/24(月) 17:23:50.06 ID:NTBkvhcAO
おつー
ロケット花火って人に向けるの基本なのかww
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/25(火) 17:48:00.37 ID:LHqTRGXxo
乙!
ロケット花火か、懐かしい。

川を挟んで撃ち合ったな〜

もちろん怒られたけどww
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 22:37:01.62 ID:tX0uyy8AO
面白かった
照と咲の奈良旅行がみたい
163 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/06(日) 01:20:25.38 ID:8r9RvLkW0
せっかくなんで奈良旅行編を書いて行こうと思います。
見切り発車ですけど



164 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/06(日) 01:22:57.28 ID:8r9RvLkW0
奈良旅行編

照「奈良代表の先鋒に会いに行こう」

165 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 01:24:12.74 ID:8r9RvLkW0

哩「岩手代表の副将に会いに行こう」

初美「は……!?」

哩「岩手代表の副将に会いに行こう」

霞(二回言ったわね)

初美(いきなり鹿児島に現れたと思ったら、何を言いだすんですかねー)

初美「行って来ればいいんじゃないですかねー? 鹿児島は逆方向ですよー」

哩「一緒に来てほしいとやが」

初美「何で私ですかー!? 後輩さんがいるじゃないですか」

姫子「あ、私は勝手に着いて来ただけやけん、気にせんとって下さい」

哩「お前と、後もう一人副将ば連れてけば、インターハイで副将やった同士の交流戦って名目が出来る」

166 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 01:25:24.95 ID:8r9RvLkW0

初美「いや、でも……」

初美(面倒はゴメンですよー。霞さん上手く断ってくれませんかねー)チラ

霞(初美ちゃんがこちらに視線を……そうね。小蒔ちゃんにアブノーマルな人を近づけさせたくないものね。ここは早く帰ってもらおうかしら)コクン

霞「いいんじゃないかしら。夏休みだものね。楽しんで来たらどうかしら?」クス

初美「え……」

哩「よし、行こう」ガシ

初美「抱えないで下さい!?」

姫子「行きましょう! 部長!」

初美「」

霞「いってらっしゃーい」

霞(ありがとう。初美ちゃん)

167 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 01:45:48.64 ID:8r9RvLkW0

――――


近鉄奈良駅


「――キ、起きて。咲」

咲「ん……」

照「咲、起きて。着いた」

咲「お姉ちゃん? どうして――あっ……松実さん達に会いに来てたんだ」

照「そう。ようやく目が覚めた?」

咲「うん。松実さん達はまだかな?」

照「そうみたい。JR奈良駅に迎えに来てくれるって言ってたけど……観光がてら、少し探してみる?」

咲「うん!」

168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 01:58:44.76 ID:ZRPmlS2AO
期待
169 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:02:05.83 ID:8r9RvLkW0


――――


JR奈良駅


玄「JR奈良駅に集合って言ってたけど、宮永さん達遅いね。お姉ちゃん」

宥「そうねぇ……でも、乗り換えとかで少し遅れたりするんじゃないかな?」

玄「そっか……早く会いたいね、お姉ちゃん!」

宥「ふふっ。玄ちゃんとっても楽しみにしてたもんね」

玄「そ、そうかな」テレ

宥「ええ。とっても」クスクス


170 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:02:56.53 ID:8r9RvLkW0


――――

照「この大通り沿いなら何かありそう」テクテク

咲「でも、お姉ちゃん、迷わずに歩けるかな? 私達って姉妹揃って方向音――」テクテク

照「大丈夫。今日の為にるる〇の奈良のやつを持ってきた」ガサゴソ

咲「スゴイ! 流石お姉ちゃん!」

照「ふんふむ……“路上はグルメパラダイス何でもありの屋台料理”どうやら色んな料理の屋台が出てるらしい」

咲「へー。奈良って屋台が多いんだ。全く知らなかったよ」

照「あとは……“最大の商業都市ホー”って、え? ホーチミン?」

咲「え? お姉ちゃん、その本……」

“地球の歩き方 ベトナム”

照「」ゴシゴシ

“地球の歩き方 ベトナム”

照「は……!?」


171 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:04:21.92 ID:8r9RvLkW0


――――


同刻 白糸台


亦野「なあ、誰か、部室に置いてたはずの地球の歩き方って本知らないか?」

淡「あ……あれ、亦野先輩のだったんだ」

亦野「大星、知ってる? どこにあるか分かる?」

淡「それが、これに代わっちゃって……」ゴソゴソ

菫「奈良のるる〇?」

淡「軽いいたずらのつもりでテルーの本と入れかえてみたんだけど……」

172 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:05:24.16 ID:8r9RvLkW0

菫「照のやつが気づかずに旅行に持って行ったと……」

淡「うん。大きさも色も硬さも全然違うのに気付かないとは思わなくて」

亦野「まいったなぁ」

淡「あれ、ベトナムのやつだったけど何でベトナムなんですか?」

亦野「ああ。実は私の両親はベトナム人なんだ」

淡「!?」
尭深「!?」

菫「そうだったのか。初耳だな」

亦野「すいません。嘘です」

淡「」イラッ
尭深「」イラッ

173 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:08:35.12 ID:8r9RvLkW0

菫「何故そんなどうでもいい嘘をつく……」ハァ

亦野(どうでもいいって酷っ!?)

淡「それで、何でベトナム?」

亦野「大した理由はないよ。最近よくCMで見て、たまたま家にアレがあったから暇つぶしに」

菫(CM? テレビはあまり見ないからよくわからないな)

尭深(ベトナムにもダイ〇ハウス……)ズズ

淡「ほんと大した理由じゃないね」

亦野「うっ。はっきり言うなよ」

淡「アハ。でも、ガイド無くてテルー、大丈夫かな?」

菫「照には何も出来んだろうが、阿知賀が何とかしてくれるさ」

淡「それもそうだね」

174 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:10:07.79 ID:8r9RvLkW0


――――


奈良


咲「……」

照「……」

咲「……」

照「……」

照「……何でやねん」

咲(お姉ちゃんがショックのあまり関西弁に!?)

175 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:11:31.35 ID:8r9RvLkW0

照「せっかく咲に楽しんでもらえるように準備したのに」ショボン

咲「!」

咲(お姉ちゃん……私のために?)

照「うぅ……」

咲「……お姉ちゃん、大丈夫だよ」

照「……咲?」

咲「ガイドなんか無くったって、お姉ちゃんとこうして旅行出来るだけでも十分楽しいよ」

照「咲……」ジーン

咲「だからお姉ちゃんも一緒に楽しもうよ」ニコ

照「う、うん」

咲「とりあえず、JR奈良駅に戻って松実さん達を探そっか?」

照「うん」

咲「どっちから来たんだっけ?」

照「こっち」テクテク

咲(お姉ちゃんはやっぱり頼りになるなぁ)

176 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:12:45.81 ID:8r9RvLkW0


――――


咲「何だかとっても広いところに来たね」

照「鹿がいっぱい」モグモグ

咲「お姉ちゃん、何食べてるの?」

照「鹿せんべいだって。そこでたくさん売ってた」モグモグ

咲「おいしいの?」

照「あんまり。鹿の味もしない」モグモグ

177 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:15:15.64 ID:8r9RvLkW0

照「咲もどう?」モグモグ

咲「じゃあひとつ――」
初美「鹿せんべいなんてのが売ってますよー。霞さんや姫様はおせんべいが好きですからお土産にしますかねー」

姫子「確かこれって、鹿の餌用やないとですかね?」

初美「そうなのですかー?」

哩「ああ。鹿にあげるためのやつやね。人間が食べるようには出来とらん」

初美「そうですかー。姫様が気づかずに食べてしまうといけないからこれはだめですねー」

姫子「わざと食べてみる人はけっこうおるみたいですけど、間違えて食べる人とかおるんですかね?」

初美「いえいえ、姫様をあまりなめてはいけませんよー。何も言わなかったら10枚は食べると思いますねー」

哩「神代はそげん抜けた人間やったとか」

初美「それほどでもありますよー」

テクテク

アチガノヒトサガサナインデスカー? セッカクヤケンカンコウモ ワイワイ

「……」

照「……」

咲「……」

照「食べられないこともない……はず……」

咲「う、うん。せっかくだから、ひ、一口食べてみるね」

照「無理しなくても……」

咲「えいっ」パク

照「あ」

咲「」パリパリ

照「……どう?」

咲「あんまり味しないね?」

照「やっぱり?」

咲「鹿にあげよ?」

照「うん」


178 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:21:35.49 ID:8r9RvLkW0


――――


照「動物との仲良くなる方法なら私にまかせて」

咲「お姉ちゃん動物好きだったっけ?」

照「姉とは日々進化する生き物」

照(まずは目線を低く)グッ

咲「お姉ちゃん、鹿のフンがあるから寝そべらないでね」

照「……」

照「……もちろんしゃがむだけにする」

咲(言わなかったら寝そべったのかな?)

179 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:22:12.95 ID:8r9RvLkW0

照「そして近づいてきたら、餌をあげる」ヒョイ

鹿A「!」
鹿B「!」
鹿C「!」
鹿D「!」
鹿E「!」
鹿F「!」
鹿G「!」
鹿H「!」
鹿I「!」


ドドドドドドド

照「は……!?」

咲「お、お姉ちゃん! 早く立ち上がるか、餌を遠くに投げるかして!」

ドドドッドドッド

照「あわわわ」ブルブル

ギャー


180 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:23:40.50 ID:8r9RvLkW0


――――


照「シカコワイ。シカセンベイコワイ。ナラコワイ」

咲「お姉ちゃん、よしよし。大変だったね」ナデナデ

照「うぅ……咲ぃ」グス

咲(こんなお姉ちゃんもカワイイなぁ)

憧「あぁ、宮永さん達、こんな所にいた!」

咲「あなたは和ちゃんの友達の……」

憧「新子憧でーす。行き違うといけないから玄達は奈良駅から動けなくて、代わりに探してたのよ」

181 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:24:32.36 ID:8r9RvLkW0

咲「そっか、私達、松実さん達を探しつつ、ちょっと観光してたんです」

憧「同い年だから、タメ口でいいわよ。じゃあ、せっかくだし、東大寺寄ってく? 案内するよ。もう入口すぐそこだけど。玄達にも連絡して、こっちに来て貰うわね」メルメル

咲(わぁメール打つの早いなぁ。私は携帯持ってないし、お姉ちゃんもあんんまり使わないからスッゴク早く見えるよ)

憧「これでよしっと……って、チャンピオンはどうしてボロボロで震えてんの?」

照「シカコワイ。ナラコワイ。ギャルイイヒト。シカセンベイコワイ。マンジュウコワイ。ココラデイッパイオチャガコワイ」ガクガク

咲「ちょっとしたアクシデントが」

憧「チャンピオンにあるまじき怯えようね」

咲「でも、こういうお姉ちゃんもこれはこれでカワイイよね」

憧「そ、そうね……」

憧(恋は盲目ってやつ? いや、この場合は身内びいき?)


182 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:27:51.46 ID:8r9RvLkW0


――――


憧「これが有名な奈良の大仏ね」

咲「うわぁ、おっきいねぇ」

照「うん。首が疲れる」

ギャーギャー

照「何だか向こうが騒がしい」

咲「そうだね。人だかりが出来てるよ」

憧「あっちは確か大仏の鼻の穴があるところね」

照「鼻の穴?」

憧「柱に大仏の鼻の穴と同じ大きさの穴が開いてて、そこをくぐるのよ」

咲「へぇ」

憧「宮永さん達ならくぐれるんじゃない?」

咲「?」

183 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:28:36.25 ID:8r9RvLkW0

憧「私とシズと灼さんも通れたから」

照「?」

憧「宥姉と玄は見事に通れなかったけど」

照「ああ……」ペターン

咲「そういう……」ストーン

「……」

憧「そ、それよりも、人だかり見に行って見ましょうか!」

咲「そ、そうだね」

184 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:30:03.54 ID:8r9RvLkW0


――――


初美「だから鞄かけたままじゃ無理って言ったじゃないですかー」

姫子「部長、どっちから引っ張ったらいいとですか?」

哩「はぁはぁ……胸が苦しか、そいけん前から引っ張って」

姫子「前からですね。分かりました」

哩「……でも、この窮屈さがまた」ハァハァ

姫子「!」ビビクン

初美「二人揃って何をやってるんですかー!」

「……」

185 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:31:39.36 ID:8r9RvLkW0


――――


咲「誰か挟まってるね」

照(新道寺……)

憧(あれ、新道寺の部長よね? 幻覚?)

咲「あ、あの巫女服の子、どっかで……」

照「咲」

咲「?」

照「見てはいけません」

咲「でも、どこかで、見覚えが」

照「咲、さあ、急いでここから出よう。出店でかき氷買ってあげるから」

咲「う、うん」

照(咲をアブノーマルな世界に触れさせるわけにはいかない)

憧「じゃあ、玄達が外で待ってるらしいからここを出ようか」

照「ん」

咲「はーい」

186 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/06(日) 02:34:03.99 ID:8r9RvLkW0


――――


玄「宮永さん! 咲ちゃん!」

照「あ、松実さん」

咲「玄さん、宥さんもお久しぶりです」

宥「奈良へようこそ」ニコ

憧「それで、これからどうするの?」

宥「ほんとは東大寺を案内してから旅館に行くつもりだったけど、もう一通り見てしまったみたいだから……玄ちゃん、もううちの旅館に移動しよっか?」

玄「うん。そうだね。でも、また長い移動になっちゃうね」

照「ん?阿知賀って奈良じゃないの?」

憧「一応奈良ですけど、ここからけっこう離れてるんですよ」

咲「そうなんだ」

玄「では、参りましょう! 阿知賀へ!」

照「ん」

咲「お、おー!」

宥(玄ちゃん、本当にうれしそう)フフッ
187 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/06(日) 02:37:16.90 ID:8r9RvLkW0
ひとまず今日はここまでです。

続きが出来次第更新します。
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 18:29:53.12 ID:M9TLPbiAO

続き期待してます
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 18:33:43.84 ID:QVkMFlLAO

哩ぶちょーは縛ってもらえるのか
190 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/08(火) 01:05:28.94 ID:ol4mvwLD0
ほんのちょっとだけ更新
191 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:06:11.95 ID:ol4mvwLD0


――――


穏乃「とうちゃーく! 今日はここで遊びましょう!」

照「ここは?」

憧「灼さん、あ、うちの副将なんですけど、その実家で、ボウリング場なんですよ」

照「ボウリング……聞いたことはある」

玄「ん? 宮永さんは初めてなのですか?」

照「たぶん」モグモグ

憧(多分って)

宥「咲ちゃんは?」

咲「私も初めてです。……大丈夫かな?」

宥「大丈夫。きっと灼ちゃんが教えてくれるから」

192 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:17:53.62 ID:ol4mvwLD0

穏乃「灼さーん!」

灼「穏乃。玄達も。いらっしゃい」

玄「灼ちゃん、それで、レーンの方は――」

灼「大丈夫。1人1レーン使えるくらい、多めに予約してある」ニヤリ

玄(それはやりすぎなのでは?)

憧(そんなんで経営大丈夫なの? 鷺森レーン……)

灼「これで周りを気にせずに騒げると思う」

玄「おお〜流石灼ちゃん!」

咲「あ、あの、今日はありがとうございます」

灼「ん。楽しんでいって」

咲「はい!」

193 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:24:41.20 ID:ol4mvwLD0


――――


ボールオモイ ミヤナガサン、ソレイチバンオモイヤツデス コッチガイイデスヨ


憧「シズ、ちょっと」ヒソヒソ

穏乃「ん?」

憧「こういうのはどうかな――」ヒソヒソ

穏乃「おお〜、いいねそれ! やろうやろう」

憧「でしょ〜?」


――――


憧「せっかくだから二人一組のチーム戦にしない?」

玄「チーム戦?」

憧「二人の合計スコアで競うの。それで最下位のチームは全員にジュースをおごるの」

穏乃「やろうやろう!」

194 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:25:22.87 ID:ol4mvwLD0

宥「それで、チームは……?」

憧「玄と宥姉ペアに、宮永姉妹、それで余りの私とシズの3チームでいいんじゃない?」

咲「お姉ちゃん、私達同じチームだって、頑張ろうね!」

照「うん」

玄「え、でも……」

宥「宮永さん達、初めてだから……」

憧「宥姉ちょっと来て」

宥「?」

憧「実は――」ヒソヒソ

宥「そっか、それなら大丈夫ね」ニコ

玄「?」

憧「それじゃあ、これで決まり!」

穏乃「よーし、負けませんよー!」


195 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:35:55.95 ID:ol4mvwLD0


――――


灼「これを転がして、ピンを多く倒せばいいです」

照「ふんふむ。イーピンを転がして、1〜10ピンを倒せばツモと」

灼「あ、はい……」

灼(10ピンにツモって……この人、本当に大丈夫……?)

照「行って来る」

咲「頑張れーお姉ちゃん!」

照(これはチーム戦。私が姉として咲を引っ張らないと)ギュルルルル

灼(腕の回転が……!?)

照「えい」ヒュッ

ゴロゴロゴロ ゴトン

灼(あ、ガター)

196 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:37:05.40 ID:ol4mvwLD0

照「……」

照「……あのトラップは何?」

灼「あ、えと……あそこに落ちたらほぼ戻って来ないから、落ちないように投げて下さ」

照「ふんふむ……」スゥ

照(!)カッ

ゴゴゴゴゴゴ

咲(これは……お姉ちゃんが相手を見る時の鏡!?)

玄(真剣な顔……)

憧(使いどころってもんがあるでしょ!?)

197 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:37:58.13 ID:ol4mvwLD0

照「見切った」

灼(!?)

照「せい」ビュッ

ゴロゴロゴロ

灼(お、まっすぐいった)

ゴロゴロゴロゴロ ピンッ

198 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:38:46.83 ID:ol4mvwLD0

照「一つしか倒れなかった」ショボン

咲「は、初めてだから、こんなもんだよ! 次頑張ろう、お姉ちゃん!」

灼「綺麗な球筋だったからそのうちいっぱい倒せると思……」

照「ん。次は頑張る」ニコ

灼「!?」ドキッ
玄「!?」ドキッ

照「? 何?」

灼「いえ……」

灼(チャンピオンも笑うんだ……)

玄「ふわぁ……」ポー

宥「……玄ちゃん?」

玄「はっ!? 何、お姉ちゃん?」

宥「こっちは、次、玄ちゃんの番よ」

玄「あわわ」

玄「で、では、行って参ります!」

宥(玄ちゃん……?)

199 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:41:34.38 ID:ol4mvwLD0


――――


照「咲、頑張って」

咲「うん!」

灼「とりあえず、一球目は思うように投げてみるといい。それをもとにアドバイスする」

咲「はい!」

咲「えい」ビュッ

灼(中々いいフォーム……)

ゴロゴロゴロ ゴロゴロゴロ ゴトン

咲「あぁ……溝に落ちちゃった……」

照「大丈夫。次がある」

灼「うん。いいフォームだったから慣れればいい線いくはず。あとは、投げる時に床に書いてある三角形を目印にするとい」

200 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:42:26.26 ID:ol4mvwLD0

咲「三角形……あ、ありました!」

灼「何回か投げてみて、どこの三角形を目印にするかを決めるといい。そしたら全部倒せるはず」

咲「全部……倒す……」

咲「」ゴッ

照「あ、咲が本気に」

咲(全部 ゴッ 倒す!!)

201 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:45:02.37 ID:ol4mvwLD0

咲「カン!」ブオンッ

ゴォォォ

灼(スピード速っ!?)

ゴオォォォ ドッパァァァン!!

咲「ん……あ、スゴイスゴイ! 全部倒れたよ!!」

照「ん。えらいえらい」ナデナデ

咲「えへへ〜」

憧(球速32キロって速すぎでしょ!?)

穏乃「怖っ!? よぉーし、負けないぞー!!」


202 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/08(火) 01:45:55.66 ID:ol4mvwLD0


――――


照「ん」ビュッ

ゴロゴロゴロ パァン

憧(チャンピオン、どんどん倒れる本数増えてる!?)

咲「カン!」

ビュゴオォォォ ドッパァァン!!

宥(は、速い……)

灼(二人とももう大丈夫そ。店番に戻るか……)

哩「たのもーう」

灼(新道寺の副将?)

203 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/08(火) 01:51:44.95 ID:ol4mvwLD0
更新できる分はここまでです。
また明日か明後日更新します。

読んでくれてる人ありがとうございます。
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 12:04:49.81 ID:iIBbYHlAO
おつおつ
なんだかんだで宮永姉妹強いな
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 15:34:44.22 ID:Kscg+4NAO
やっぱりてるてるはモテるなぁ〜
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:06:20.20 ID:zLWK6GY2o
更新おつ
姉妹の仲よくてほっこりする
207 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/09(水) 00:03:47.32 ID:kEku3yTv0
少しだけ更新
208 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 00:04:21.56 ID:kEku3yTv0

灼「いらっしゃいませ」

哩「岩手代表の副将に会いに行こう」
灼「ご来店ありがとうございました」

初美(まあこうなりますよねー)

209 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 00:18:13.78 ID:kEku3yTv0

姫子「待った! せめて、話だけでも! 話だけでも聞いてやって下さい!」

灼「はぁ……それで、何の用ですか?」

哩「岩手の副将に会いに行って、副将やったもん同士で対局ばしようと思っとる」

灼(インハイ終わったばっかりなのにストイックな人……)

哩「それで、副将ん中でも手強かったもんがあと一人必要やけん、誘いに来た」

灼「はぁ」

哩「一緒に来てくれんね」

灼(めんど……けど、手強かったって言ってくれるのは嬉し……それにわざわざここまで来てくれた以上追い返すわけには……あ!)

灼「いいですよ」

初美「ほんとですかー? 正気ですかー!?」

哩「おい、薄墨」

灼「ボウリングで私より高い点数をとったら、行きます」ニヤリ

哩「!?」

姫子「望むところですね、部長!」

哩「あ、ああ……」


210 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 00:45:51.63 ID:kEku3yTv0


――――


哩「姫子……始める前に話がある……」

姫子「なんですか部長?」

哩「私んハイスコアは84」

姫子「は……!? ハイスコアですか!? アベレージでも低いですよ!?」

哩「私では恐らく、阿知賀には勝てん。やけん、私は5ピン以上倒すことに全力ば掛ける」

姫子「まさか……!?」

哩「そう」コクリ

哩「一投目にリザベーション5ばかける。やけんあとの事は姫子、任せた!」

姫子「部長……!!」ウルウル

哩「」スゥ

哩「リザベーション 5!」

姫子「」ビビクン

初美(この二人はこんな公共の場で何をやってやがりますかー!?)


211 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 00:53:32.61 ID:kEku3yTv0


――――


姫子(がんばって下さいっ部長っ!)

哩「」ビュッ

ゴロゴロゴロ ゴトゴトッ

哩(いったか?)

姫子「ちょうど5つ! ナイスクリアです部長!」

哩「よし……よしっ!」グッ

灼(5ピンであんなに喜ぶなんて。ちょっと普通じゃなさそ)

哩「出番ぞ、姫子!」

姫子「はい!」

姫子(あんま得意じゃないっちゃけど……でも、部長が背中を支えとる気がする……)

姫子(それだけで負ける気はせん)ボッ

212 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 00:57:59.85 ID:kEku3yTv0

姫子(いけっ)ビュッ

ゴロゴロゴロ

灼(コースはいいけど、遅……あれじゃああんまり倒れなそ……)

ゴロゴロゴロ

ゴロゴロゴロ

コツン コツコツコツ

灼(!?)

ゴトゴトゴトン

灼(す、ストライク?)

姫子「やりました、部長!」

哩「姫子……よくやった」ウルウル

灼(負けられない!!)


213 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:04:40.26 ID:kEku3yTv0


――――


穏乃「どりゃあああ!」

バコーン!!

穏乃「うーん、こんなもんか」←130

憧「あーん、シズに負けたー」←115

穏乃「へへっ。他の人は――」

玄「ううっ、今日あんまりだったよ」←96

宥「く、玄ちゃん、気にしないで」←123

照(なぜ10ピンまでしか倒せないのか)ショボン←96

憧「うわぁ、宮永さんストライクとった後全部ガターだ……かわいそ……」

214 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:07:06.06 ID:kEku3yTv0

照「あ」

照「」ツンツン

玄「うわぁ、宮永さんっ!?」

照「同点」

玄「!? あ、点数、一緒ですね!はいっ」アタフタ

照「?」

宥「咲ちゃん、はじめてなのにすごいね」ニコ

咲「運が良かっただけですよ。ボウリングって楽しいんですね」←135


215 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:08:17.01 ID:kEku3yTv0


――――


憧(げっ玄と宥姉チームが最下位じゃない!?)

憧「ちょっと、宥姉、どうすんのよ? 宮永姉妹がジュースを買いに行ってる間に準備してたお菓子を広げて驚かす作戦が」ヒソヒソ

宥「う、うん……ごめんなさい」

玄「宮永さん達ならどこかへ行ったよ?」

憧「ほんと?」

玄「うん。おトイレかな?」

憧「チャーンス。今のうちに準備しとかないと」

宥「玄ちゃん、私達はジュースを買いに行こっか?」

玄「うん!」


216 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:23:07.39 ID:kEku3yTv0

――――


スタスタスタ

照「ん?」

照「おかしがいっぱい……ここが天国?」キラキラ

咲「すごーい!」

憧「いっぱいあるから好きなだけ食べてねー」

照(こんなにおかしをくれるなんて……いい人!)

宥「ジュースもいっぱいあるので」

咲「お姉ちゃん」チョンチョン

照「うん」

照「あの、これ……」

穏乃「これ……アイス? いただいていいんですか?」

217 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:24:00.94 ID:kEku3yTv0

照「私と咲から……感謝の気持ち……」

咲「大したお礼にはならないかもしれないけど」ニコ

穏乃「ありがとうございます!」

照「はい」

憧「ど、どうも〜」

憧(もっと怖い人達かと思ってたから、なんか感慨深い)ジーン

咲「宥さんはアイス大丈夫ですか? もしだめならあったかいものを買ってきますけど……」

宥「ううん。いいの、その気持ちがあったかいもの。ありがとね」ニコ

咲「い、いえ」

照「はい」ニコ

玄「うわわ! あ、ありがとうございます!」

咲「灼さんの分もあるんですけど」

宥「お取込み中みたいだから、お店で冷やしてもらっておくわね」

憧(あれ、新道寺の副将と大将よね? 幻覚じゃなかったんだ……)


218 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:25:18.09 ID:kEku3yTv0


――――


哩「終わった……」←67

姫子「結局リザベーションとか全然きかんやったですね……」←103

灼(結局最初だけだった……)←9フレーム終了時160

灼(最後は適当にながそ……)

初美「二回目のターキーですよー!」

灼「!?」

219 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:26:28.76 ID:kEku3yTv0

初美「どんどんきますよー」

ゴロゴロゴロ パァン

初美「170ですか。まあまぁですねー」

灼(9フレーム目はスペアもストライクもとれなかったから、最後、倒さないと私の負け?)

哩「薄墨ィ!」

初美「うわぁ、抱き着かないで下さい! 私に抱き着いていいのは姫様と霞さんだけですよー!?」

哩「ようやった……ようやってくれた!」ポロポロ

初美(なんで泣くんですかー!?)

姫子(部長……よかったですね)ホロリ


220 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:28:48.29 ID:kEku3yTv0


――――


灼「まだ終わってない」

灼「ハッ」ビュッ

ゴロゴロゴロ ポオン

哩「す、スペア……」

姫子「そんな……1ピンでも倒されたら負け……」

灼「ボウリング場に産まれた者として、ナチュラル・ボーン・ボウリンガーとして、負けられない」

灼(ここは集中して……)タタタッ

姫子「部長、ボウリングの場合ボウラーですよね? ボウリンガーって何ですか?」ヒソヒソ
哩「言わんとってやれ」ヒソヒソ

灼(ボウラー!?)

灼「しまっ!?」グラリ

221 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:30:03.64 ID:kEku3yTv0

ガター

姫子「ど、同点……この場合って……」

哩「より高い点数をとったらって約束やった。私らの負けやね。素直に引き下がろう」

初美「いいんですかー?」

哩「せっかく、薄墨が頑張ってくれたけど、仕方なか。すまんかった」

初美「わ、私は別に、楽しんでやってただけですよー」

姫子(あ、照れた)

灼(……)

灼(ま、いっか。たまには遠出も悪くない……)

灼「あ、あの――」
ガラッ
晴絵「おーい、灼―!」

灼「あ、はるちゃん」

222 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/09(水) 01:30:56.11 ID:kEku3yTv0

晴絵「今からドライブにでも行こうと思うんだけど暇か?」

灼「暇です」

初美「oh……」

灼「それじゃあ、私はこれで」ビッ

姫子「oh……」

「……」

姫子「部長……どうするとですか? 千里山に続いて断られましたけど……」

哩「し、白糸台」

初美「!?」

哩「……白糸台の副将ば連れて行く」

姫子「ってことは」

哩「ああ。東京さ行くだ」

初美(ダル……)
223 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/09(水) 01:32:25.59 ID:kEku3yTv0
ちょっとのつもりがそこそこの更新に。
また数日以内に書かせてもらいます。
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 02:32:13.22 ID:o6Y4BtAAO
レジェンゴ…
誰か哩ぶちょー縛らせてあげて
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 21:28:07.48 ID:a8lAZQEAO
さすがのボウリンガー
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 01:34:55.55 ID:RPCVT2sK0
別にどうでも良いけどはっちゃんって霞さんのことちゃん付けで呼んでなかったっけ
別に初霞とか全然興味ないんだけどねほんとにちょっと気になっただけでほんとだよ
227 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/11(金) 08:37:48.48 ID:IYJq/tTz0
>>226
うわわ。そこは書いてる時に呼び方わかんなかったんで、ニワカ咲きってサイトのネタ記事に頻繁に出現するはっちゃんもどきが霞さんって呼んでたんでそれを勝手に使ってました
228 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:32:20.04 ID:qNyVd3We0


――――


咲「おっきな露天風呂だねー」

照「ん。広くて快適。」

宥「気に入ってもらえて何よりです」

玄「う、うぅ」モジモジ

宥「?」

宥「玄ちゃん? どうしたの……? 入らないの?」

玄「え、えっと……心の準備が……」

宥「?」

玄「し、失礼します!」チラッ

照「?」

宥「玄ちゃん、タオル巻いたまま湯船に入っちゃだめよ」

玄「そ、そうだよね……」

229 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:33:57.24 ID:qNyVd3We0

バサッ

玄「お、お邪魔します」

咲「わぁ……」チラッ

玄「」ドーン
宥「」バイーン
照「」ストーン
咲「」ペターン

咲「……」ペタペタ

咲「ねえねえ、お姉ちゃん」ヒソヒソ

照「ん?」

咲「遺伝ってあるんだね」ヒソヒソ

230 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:40:07.49 ID:qNyVd3We0

照「何のはなし?……ハッ!」チラッ

玄「」オモチッ
宥「」モチモチッ
咲「」マナイタッ
照「」ヌリカベッ

照「み、宮永は、雀力に胸が吸収された呪われた家系だから……」

咲「そ、そうなんだ……」チラッ

宥「ん? どうしたの?」

咲「い、いえ、何でもないです」

宥「?」

照「……」ジー

玄(宮永さんにじっと見られてる!?)

照(これが……血筋!)

玄(うぅ〜何だかすっごく恥ずかしいよ)


231 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:47:31.75 ID:qNyVd3We0


――――


従業員「玄ちゃーん、宥ちゃーん! ちょっといいかしらー」

玄「はい?」

宥「何ですか?」

従業員「お休みの所悪いんだけど、お客さんが玄ちゃん達と一局打ちたいらしくって……」

宥「今日はお友達が来ているので、お休みを頂いてますし、そういうのはお断りしていたはずですけど……」

従業員「そうなんだけどねぇ……それが、“インターハイを見てはるばる打ちに来たんだぞ!”って言って聞かなくて……東風戦一回でも打ってくれれば納得してくれると思うんだけど……」

玄「でも……」

宥「その間二人が……」チラッ

照「私達のことは気にしないでいい」

咲「そうですよ。それくらいなら待ってますよ。そうだ! いっそのこと宥さんと玄さんが打っているのを隣で見学させてもらおうかな?」

宥「それはちょっと緊張しちゃうわね」クス

照「お風呂を堪能したあとで応援に行く」

咲「うん!」

宥「それならお言葉に甘えて……行こうか、玄ちゃん?」

玄「うん!」

玄(ここは良いところを見せねば……よし頑張るよ!)


232 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:49:46.60 ID:qNyVd3We0


――――


咲「いいお湯だったね」

ブオオオオ

照「あ゛ーーー」

咲「あ、お姉ちゃん、扇風機私にも!」

照「ん」スス

咲「ありがと」

照「あ゛ーーー」
咲「あ゛ーーー」


233 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:50:32.28 ID:qNyVd3We0

ブオオオオ

咲「ふぅ〜気持ちいいね」

照「快適」

照「そろそろ応援に行こうか」

咲「そうだね。でも対局ってどこでやってるのかな」

照「こっち」

咲「お姉ちゃん分かるの?」

照「牌がある場所はなんとなくわかる」

咲「すごい!」

照「咲ももう少ししたら分かるはず。とにかく行こう」

咲「うん」


234 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:51:48.16 ID:qNyVd3We0


――――


咲「何だか薄暗い場所だね」

照「ほら、牌があった」

咲「ほんとだ! でも古い牌だね。もしかして……ここ、物置なんじゃないかな?」

照「……でも、牌はあった」

咲「う、うん。惜しかったよ、お姉ちゃん! 次はきっと着くはず!」

照「ん。もう一回頑張る」

235 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:53:51.81 ID:qNyVd3We0

ピラ

照「ん? 古い写真」

咲「これは……宥さん? 玄さん? 微妙に違うかな?」

照「昔の写真だからきっと別人。隣にいる子供が松実さん達みたい」

咲「ってことはもしかして……松実さん達のお母さんなのかな」

照「綺麗な人」

咲「優しそうな人だね」

照「うん」

咲(でも確か、松実さん達のお母さんって……)

「……」

咲「……そろそろ行こうか」

照「うん」


236 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:55:59.93 ID:qNyVd3We0

――――


照「多分ここ」

咲「そうみたいだね」

客A「ふざけんな!」

照「」ビクッ

客A「姉妹揃って積み込みしやがって!」

客B「そうだそうだ!」

玄「つ、積み込みなんて……やってません……」ブルブル

客A「だったら何でドラがお前のところばっかいくんだよ?」

客B「そうだそうだ!」

宥「く、玄ちゃんは何も悪い事してません! だいたい全自動卓なのに積み込みなんてできません」

客A「なんだとぉ? お前だって萬子と中を積み込んでるくせに」

客B「そうだそうだ!」

咲「お、お姉ちゃん……何だか大変な事に……」ガタガタ

照(おかしい。インターハイを見て対局しに来たって言ってた。それなら松実さん達の性質も知っているはず……まさか……)

237 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 00:58:01.76 ID:qNyVd3We0

客A「このままじゃ帰れねぇよ!」

客B「そうだそうだ!」

玄「ど、どうしたらいいのですか……?」ガタガタ

客A「そうだなぁ……せっかくなんで部屋で一晩相手でもしてもらおうか」ニヤ

客B「そうだそうだ!」ニヤ

宥(この人達……最初から因縁つけるつもりで……許せない……!)

宥「あの――」
照「待って」

宥「え――」

咲(お姉ちゃん?)

玄「宮永さん?」ブルブル


238 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 01:01:00.04 ID:qNyVd3We0


――――


客A「ああん? 誰だてめえは。いきなり現れて」

客B「そうだそうだ! って、え?」

照「おかしいと思う。インターハイを見て松実さん達と対局しに来た。だったら松実さん達の牌に偏りがあることくらい知ってるはず」

玄(宮永さん――こんな怖そうな人達のまえでも堂々としてる)

照「最初から因縁をつけるために来たとしか――」

客A「あぁん! 何だとこの小娘!」バン!

照「」ビクッ

照「だ、だから、最初からそういう目的で来たとしか」
照(こ、怖い……でも、私が、何とかしないと……松実さんと直接対局してインチキなんかじゃないって分かってる私が)ブルブル

玄(宮永さん……震えてる……? そうだ、宮永さんも怖いんだ……でも、それでも、私達のために怖い人に立ち向かってくれて……)

239 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 01:02:14.95 ID:qNyVd3We0

照「あなたの要求にこたえる必要なんかない」

客A「うっせぇ!外野は引っ込んでろ!色気のない貧乳がよぉ!!」

照「あ゛?」プチン
咲「あ゛?」プツン

照「……」ゴゴゴゴゴ
咲「……」ゴゴゴゴゴ

宥(はわわわわ……)ブルブル

照「咲」チラッ

咲「うん」コクリ

照「おい」

客A「あぁん?」

照「おい、麻雀しろよ」

240 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 01:03:22.16 ID:qNyVd3We0

照「飛びなしで何局でもいい。一度でも私達の点数を上回ったら何してもいい」

客A「ばかか? そんなら勝つまで続けるに決まってるだろ」

照「御託は良いから卓に付いて。麻雀を楽しませてあげる」

咲(この二人……)
照(こいつら……)

咲(ゴッ 倒す)ボッ
照(ゴッ 潰す)ボッ


241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 01:04:31.68 ID:Dco9LyWU0
わーお
242 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 01:04:50.18 ID:qNyVd3We0


――――


照「ロン 24000」

客A「ぐわあああああ」

宥(ついに−20万点越えちゃった……)

咲「あ、それカンです! もいっこカン!カン!カン! 32000!」

客B「ぬわああああ」

宥(こっちは−25万点……)

243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 01:05:20.06 ID:nrzhqMgE0
もう駄目だ…お終いだぁ…
244 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 01:07:46.71 ID:qNyVd3We0

ロン! ヒィィイイ カン! ギャアア

宥(生牌の不要牌を捨てると大明槓責任払いで、かといってそれを抱えると照さんが先にあがってしまう……)

玄(宮永さんが連荘の一回目から高い手なんて……もしかして私達のために全力以上を……?)

照「ロン 12000」

客A「ぐわあああ」

玄(ふわぁ……)

照「ロン 18300」

客A「ぐわあああああ」

照「まだ、続ける?」

玄(か、かっこいい……)ポー


245 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 01:11:14.04 ID:qNyVd3We0


――――


客A「か、帰ります……」

客B「そ、そうだそうだ……」

照「ん。ばいばい」

「……」

照「ふぅ」

玄「ありがとうございました!」

照「!?」ビクッ

玄「宮永さんのおかげで助かりました!」

照「あ、えっと……怪我とかない?」

玄「はい!」

照「そ、よかった」ニコ

玄(わぁ〜!)ホクホク

宥「咲ちゃんもありがとうね」

咲「い、いえ……」

咲(……ちょっと、やりすぎたかな?)


246 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/12(土) 01:16:14.86 ID:qNyVd3We0
一旦ここまでにしときます。
今更どうもいいことですけど、ボウリングの所から旅行二日目っての書き忘れてました。
そろそろ終わりに向かえるかと
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 04:20:46.94 ID:tpMLOM6AO
乙ー
相手が宮永姉妹じゃなくても、一回も浮かずに20万点も取られるまで打ち続けたらかなりこたえるからな
レジェンドみたいにならなかっただけましだよ
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 10:20:32.42 ID:qfWirvq6o
乙です
宮永姉妹のコンビ打ちとか生きた心地がしないだろうな……
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 12:19:05.26 ID:BrEgFGrIo
コンビ打ちっていっても多分お互いからは上がらない程度だと思うがな
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 17:48:07.91 ID:q3yclQKAO
咲さんのカンドラで照さんは点数上げ放題じゃないか
251 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/12(土) 23:23:04.82 ID:qNyVd3We0
>>247
20万点とかやりすぎかとも思いましたが、てるてるは普通でも10万点稼いでたんで
クロチャーのため(?)に本気を出した感を出すにはこれくらいになりました。
今は反省している



今日は書き溜めなしでゆっくり更新します。
252 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 23:25:11.87 ID:qNyVd3We0


――――


テクテクテク

玄「――ん?」

玄(足音?……こんな深夜に?)

玄(お姉ちゃんは……)

宥「……」スゥスゥ

玄(起こさない方がいいよね?)

玄(……行って見よう)


253 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 23:31:46.61 ID:qNyVd3We0


――――


照(お腹すいた)テクテク

照(旅館には夜食がでてくる自動販売機があるはず)テクテク

照(どこだろ)

玄「宮永さん!?」

照「!?」

玄「ど、どうしたのですか? こんな夜遅くに?」

照「お腹が」

玄「体調が悪いのですか!? だったら、きゅ、救急車を!」

照「すいた……」

玄「それは大変です! 急いで応急処置を……って、え?」


254 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 23:37:03.83 ID:qNyVd3We0


――――


玄「えっと、簡単なものですけど、どうぞ」

照「いただきます」モシャモシャ

照「」モシャモシャ

玄「ど……どうでしょうか?」ドキドキ

照「ん。おいしい」モグモグ

玄「本当ですか!?」

照「うん。おかわり」

玄「はい!」


255 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 23:48:57.68 ID:qNyVd3We0


――――


照「ごちそうさまでした」

玄(綺麗に全部食べてくれた……何だかとってもうれしい!)

照「あ、ありがとう」

玄「い、いえ」テレテレ

照(部屋に戻るにはどっちへ行けばいいのか?)ムムム

玄(ふとした瞬間の真剣な顔がカッコイイ……)

玄「……」

玄「……あ、あの!」

照「?」

玄「もしよかったら……少しお話しませんか?」

照「!?」


256 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/12(土) 23:58:57.39 ID:qNyVd3We0


――――


縁側

玄「こ、ここでいいですか?」

照「ん。夜風が涼しい」

玄「……」

照「……」

玄(ど、どうしよう……つい勢いで言っちゃったけど、何を話したらいいのか分かんないよ!?)

玄「つ、月が……綺麗ですね」

照「ん」

257 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 00:01:22.30 ID:EHqqbbqV0
照「……」

照「……!?」

照(た、たしか咲が昔――)

――
――――

幼咲「お姉ちゃん、夏目漱石はI love youを月が綺麗ですねって言いかえたんだって。ロマンチックだね!」

照「そうだね」

幼咲「ねぇねぇ、お姉ちゃん」

照「なぁに?」

幼咲「月が綺麗ですね!」ニコ

照「ツモ!」

――――
――

照(咲は天使)

玄(話題に困ってどうでもいい事を言ってしまったよ……宮永さんも返答に困ってるし……)

258 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 00:11:35.15 ID:EHqqbbqV0

照(つまり、今求められているのは姉力。ここは姉として会話をリードする)

照(何か姉力が発揮できる話題……一つだけある姉トークの鉄板)

照「」スゥ

照「嶺上開花って知ってる?」

玄「? は、はい、麻雀部ですのでもちろん知ってますよ」

照「麻雀の役の名前で、山の上で花が咲くって意味なんだ」

玄「へぇ〜それは知りませんでした」

照(あれ? ここは“おんなじだ! 私の名前と!!”って返ってくるところじゃ……あ)ハッ

照(これ、咲にしか無理だ)

玄「み、宮永さん? それで、嶺上開花がどうしたんですか?」

照「今のなし」

玄「え?」

259 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 00:26:05.86 ID:EHqqbbqV0

照(話題、何か話題)

玄「あの……宮永さん」

照(どこかに話題はないのか)

玄「今日は、助けていただいてありがとうございました」

照「? 迷惑な客のこと?」

玄「実は、お客さんが怒ったことって今回が初めてじゃないんですよね……」

照「……」

玄「時々言われるんです。“積み込むなんて客に対して何て仕打ちだ”って」

玄「私はただ“ドラを大事にしなさい”っていうお母さんに言われたことを守りたいだけなのに……」

260 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 00:30:57.29 ID:EHqqbbqV0

照「お母さんって、もしかしてこの人?」

ピラ

玄「!? どうしてこれを!?」

照「物置に落ちてた。周りに写ってるのが松実さん達姉妹?」

玄「は、はい。何だかちょっと恥ずかしいですね」

照「……優しそうな人だね」

玄「はい……」

照「……私は、松実さんと対局したから、松実さんの力がイカサマなんかじゃないって分かってる」

玄「宮永さん……?」

照「それどころか、軽々しく他人が文句をつけていいようなものじゃない、大切なものだって分かってるよ」

照「私も、よく“一人打ちでもやってろ”とか“そんなにあがり続けて楽しいのかよ”とか言われる」ショボン

玄「あー……」

261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 00:40:37.29 ID:Wa6HdNyQo
クロチャーがカタカタしてなくて良かった
262 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 00:41:02.24 ID:EHqqbbqV0

照「……それでも、これは自分自身の力だって自分が一番わかってる。それに認めてくれる人達も、正面から向かって来てくれる人達もいる。園城寺さんとか、それに、松実さんとか」

照「だから私はどんな相手にも手加減はしない。だから、松実さんも変に気にすることない」

玄「み、宮永さん……」ウルウル

照「言いたい人には言わせておけばいい。でも、ちゃんと分かってくれる人達がいるから。あなたのお姉さんやチームメートとか。あと、私も」

玄「うぅ……」ポロポロ

照「ん」ナデナデ

玄「ううぅっぐすっ」グスグスッ

照「」ナデナデ

照(喋りすぎて喉が痛い……)

玄「うわぁああん」

照「よしよし」

照(今の私、かなり姉力が高いんじゃなかろうか)


263 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 00:50:53.93 ID:EHqqbbqV0


――――


宥「あらあら、玄ちゃんったら」コソコソ

咲「わぁ……」コソコソ

宥「優しい人なのね」

咲「はい! 自慢のお姉ちゃんです」


264 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 00:51:33.59 ID:EHqqbbqV0


――――


照「落ち着いた?」

玄「は、はい」

玄(うぅ……泣きながら抱き着くなんて……恥ずかしくて顔が見れないよ……)

照「そろそろ、戻って寝ようか?」

玄「は、はい!」

照「……」

玄「……?」

照「私の部屋……どこ?」

玄「一緒に行きましょう!」

照「ん」


265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 00:56:48.84 ID:Wa6HdNyQo
しまらねぇなwwww
266 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 00:57:07.00 ID:EHqqbbqV0


――――


東京 早朝

哩「ここが亦野の家みたいやね」

姫子「今度こそ一緒に来てくれますかね」

初美(眠い……)

哩「たのもーう」

亦野「こんな早朝から何なんだよ……って、白水哩!?」

哩「岩手代表の副将に会いに行こう」

亦野「は?」

哩「まあ、嫌やろうね。わかった。無理矢理にとは言わん。勝負して私が勝ったらでよか」

亦野(まだ何も言ってないんだけどな)

哩(麻雀なら私に分があるはず……!)

亦野「あー、じゃあ、せっかく早朝なんで、釣り勝負で」

哩「は……!?」


267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 01:05:17.94 ID:Wa6HdNyQo
アホの子だなここの哩さん
268 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 01:16:54.34 ID:EHqqbbqV0
――――


亦野「じゃあ、今から2時間以内に釣り上げた数勝負で、いいですか?」

姫子「部長、どうするとですか? 釣りとかやったことありませんよ」ヒソヒソ

哩「……私に考えがある。姫子はとりあえず餌をつけて糸をたらしとってくれ」

姫子「わかりましたけど……作戦って?」

哩「まあ見ときんしゃい」

269 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 01:17:28.52 ID:EHqqbbqV0

亦野(早朝釣りは久しぶりだな)

亦野(勢いをつけて)ググッ

亦野「よっ」ビュ
哩「釣らすっか!」ガシッ

亦野「……」

哩「……」

亦野「あの……」

哩「……」

亦野「竿、離してくれませんか?」

哩「やっぱり、ダメか?」

亦野「そ、そりゃそうでしょ」

哩「すまん……」パッ

亦野(交流試合ってんなら、別に勝負云々なくても着いて行くのにな〜)

亦野(まあ、今は釣り楽しんどくか)
270 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/13(日) 01:18:22.03 ID:EHqqbbqV0
>>267
ま、哩さんはクールビューティー
ただ塞ぐちゃんに会いたいくて仕方ない純情な……
すいません反省してます。後悔はしていない
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 01:20:23.68 ID:Wa6HdNyQo
かわいいから問題ない
272 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/13(日) 01:40:53.24 ID:EHqqbbqV0


――――


亦野(ちぇっ。たった二匹か)

姫子「部長! 一匹釣りましたよ!」

哩(なんでリザベーションが魚には使えんのか)

亦野「あの、私の勝ちってことでいいんですかね……」

初美「まだ私がいますよー」

哩「!?」

初美「それっ」ドッサリ

哩「!?」

哩「薄墨ィ!」

姫子「こんなにたくさん……ど、どうやって!?」

初美「あっちの人達が先程あげた網にかかっていた魚を頂いてきましたよー」

亦野(網って……)

姫子「あっち?」


273 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/13(日) 01:43:44.77 ID:EHqqbbqV0


――――


透華「エビを! エビを探しなさい! 衣が驚くくらい大きなエビフライにできるエビを!」

純「なぁ、普通に取り寄せた方が早いんじゃね? 金ならいっぱいもってるだろ?」

一「それじゃあ、ありがたみがないでしょう? 僕たちの手で摑まえることに意味があるんだよぉ」

純「まったく。めんどうだな」

一「そう言いつつも真面目に探すのが純君のいいところだよね」

純「う、うるっせえな」

智紀(東京で大きなエビなんてとれるの?)


274 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/13(日) 01:47:13.47 ID:EHqqbbqV0


――――

姫子「あれって龍門淵じゃ……」

哩(あの露出の多い子の鎖……いいな……)

亦野「不服ではありますけど……まあ、いいですよ」

哩「!?」

亦野「行きますよ、岩手」

哩「ほ、ほんとうか!?」

亦野「ええ。いい特訓になりそうですから」

姫子「ぶちょお! ついにやりましたね!」

哩「う、うぅっ」ポロポロ

亦野(泣くほど!?)

初美(よかったですねー。私も何だかうれしくなってきましたよー)

初美(ん?)

初美(何で私まで喜ぶんですかー!? 私は嫌々着いて来ただけですよー)

275 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/13(日) 01:51:01.30 ID:EHqqbbqV0

今日はここまでです。
ありがとうございました
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 02:55:59.20 ID:9iZ3a4O8o
おつおつ
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 09:41:39.98 ID:bMFYo4lAO
乙ー
相変わらずのポンコツレベルの高さ
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 14:01:22.76 ID:MbINp9z2o
おつー
みんなかわいい
279 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/14(月) 21:29:27.06 ID:HHf5R46v0
更新再開します。
完結まで行くかも?
280 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 21:30:48.79 ID:HHf5R46v0

哩「さぁ、ようやく向かえる。岩手へ」

初美「もうですかー? せっかくですから少し東京を見て回りましょうよー」

哩「それもそうやね」

姫子「いいとですか?」

哩「思えば、薄墨にはえらい助けてもらっとる。すこしは好きな事ばやらせたい」

姫子「部長……」

哩「岩手には明日着けば問題なか。今日は東京でゆっくりしよう」

初美「ほんとにですかー?」

哩「ああ」

姫子(流石です、部長!)

初美「だったら早く行きましょうよー!」

哩「分かった分かった」フフッ


281 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 21:35:14.75 ID:HHf5R46v0


――――


穏乃「こっちですよ! この上です」

憧「ちょ、ちょっとシズ! 早すぎるわよ! 宮永さん達がついてこれてないってば」

照「」ゼーゼー

咲「お、お姉ちゃん、大丈夫?」

照「だ、大丈夫……かもしれない」コヒューコヒュー

咲「何だか呼吸音がおかしいよ、お姉ちゃん!?」

照「さ、咲……嶺上散姉って知ってる?」

咲「そんな言葉初めて聞いたよ!?」

照「た……体力限界を超えた……高い山の上、そこに姉が散ることも……」ゼイゼイ

咲「お、お姉ちゃん!?」

照「ある……」ガクン

咲「お姉ちゃーん!!」

282 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 21:44:49.06 ID:HHf5R46v0

玄「み、宮永さん、しっかりして下さい!」ユサユサ

照「」

宥「ど、どうしよう」

玄「……」

玄「……わ、私が宮永さんを運ぶよ!」

宥「玄ちゃんが? じゃあ私も手伝うわね」

咲「わ、私も手伝います!」


283 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 21:53:23.82 ID:HHf5R46v0


――――


照「ん? ここは――」

玄「山頂ですよ」

照「そっか……」

照「あの、松実さん」

玄「はっ、はいっ!?」

照「もう、肩組まなくても大丈夫」

玄「あ、それもそうですね……」

照「ん。ありがと」

玄「い、いえいえ」

284 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:10:40.65 ID:HHf5R46v0

穏乃「そろそろ見えてきますよ」

照「……?」

照(……あ、日の出)

咲「うわぁ」

照(綺麗)

憧「シズはこれを見せたかったのね」

穏乃「うん。これが、私が毎朝見てる景色だからね」

憧「ま、毎朝って……シズ、あんた毎朝ここまで登ってるの?」

穏乃「? そうだよ? 流石に雨の日とかは来ないけど」

憧(相変わらず無駄体力……)

285 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:35:00.65 ID:HHf5R46v0

玄「でも、すっごく綺麗だね。お姉ちゃん」

宥「えぇ、とっても――」

咲(お姉ちゃんに嶺上開花のことを教えてもらった時を思い出すなぁ)

照「咲」

咲「?」

照「昔、二人で登った山を思い出すね」

咲「!」

咲「そうだね、お姉ちゃん!」パァア


286 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:35:57.82 ID:HHf5R46v0


――――


玄「ここが麻雀部の部室です」

咲「わぁ」

玄「咲ちゃん、本当にこんな所でよかったのですか?」

咲「はい! ありがとうございます! 和ちゃんが昔いた所だから、写真撮って帰ったら喜ぶかなって」

憧「和に見せるんだ。だったら私達も写ろっかな〜」

穏乃「あ、私も私も!」

咲「うん! お願いするね! 玄さん達もぜひ!」

玄「うわわ」

287 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:39:01.12 ID:HHf5R46v0

ワイワイ キャッキャ

照「……」ジー

宥「み、宮永さん? 卓をじっと見てますけどどうかしたんですか?」

照「この雀卓……古いけど、とっても丁寧に手入れされてる」

宥「そういう事も分かっちゃうんですか!?」

照「照魔鏡は万能」

宥(本当に?)

288 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:40:10.87 ID:HHf5R46v0

宥「……」

宥「……玄ちゃん、なんですよ」ニコ

照「?」

宥「ここの卓を手入れしてきたのは……この部屋を誰よりも大切に守ってきたのは」

照「松実さんが?」

宥「阿知賀女子の麻雀部は活動をお休みしていた時期があって、その代わり子供麻雀クラブの活動場所になっていたんですけど」

照「へぇ」

宥「でも、その麻雀クラブも無くなっちゃって、そこから去年の夏にまた穏乃ちゃんと憧ちゃんが戻ってくるまでずっと使われないままでした」

照「まさか、その間ずっと――」

宥「ええ。玄ちゃんが毎週お掃除や手入れをしていたんですよ」ニコリ

照「そ……ずっと一人で」

289 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:42:14.60 ID:HHf5R46v0

宥「玄ちゃんが長い間守ってきた場所に、穏乃ちゃんと憧ちゃんが帰ってきて」

宥「灼ちゃんと私が引き寄せられたのが阿知賀女子麻雀部」

宥「……なんて、身内贔屓が過ぎますよね?」クス

照「ううん。そんなことない」フルフル

照「……」ジー

照「ずっと、一人で……」ジー

宥(宮永さん? 玄ちゃんを見てる?)

290 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:43:10.66 ID:HHf5R46v0

玄「お姉ちゃん、お姉ちゃんも一緒に写ろ!」ヒョコ

宥「玄ちゃん!?」ビクッ

玄「どうしたの? お姉ちゃん? それに、宮永さんも写りましょう!」

照「」スッ

玄「み、宮永さん?」

照「ん」ナデナデ

宥「!?」

玄「ど、どうして頭を撫でるのですか!?」アワワ

照「なんとなく」ナデナデ

玄「は、はぁ?」ドキドキ

憧「ねぇ、あの二人、あんなに親しかったっけ?」

咲「お姉ちゃんはお姉ちゃん力が高いから」ニコ

憧(何言ってるのか全然分かんない)

穏乃「姉力……すごっ!」


291 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:51:04.01 ID:HHf5R46v0


――――


玄「う〜〜ん」ゴロゴロゴロゴロ

宥「玄ちゃん、どうしたの?」

玄「お姉ちゃん。その……」

宥「?」

玄「何だか宮永さん達の事考えると落ち着かなくて」

宥「まぁ」

玄「明日帰っちゃうんだって考えると居ても立っても居られなくなっちゃって」

玄「どうしてかなぁ?」

宥(玄ちゃん、もしかして……わかってない?)

292 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:56:04.94 ID:HHf5R46v0

玄「宮永さん達もう寝ちゃったかな?」ソワソワ

宥「……まだ10時だから、流石に寝てないと思うよ?」

玄「そっかぁ」ウズウズ

宥(玄ちゃんったら)クスッ

宥「……お部屋に行ってみる?」

玄「いいの!?」

宥「普通のお客さんだったらダメだけど、お友達だもの」

宥「宿泊費を頂くつもりもないから、宮永さん達さえ良ければお邪魔させてもらおっか?」

玄「お姉ちゃん!」

宥「せっかく遠くから来てくれたんだものね。なるべく一緒に過ごしたいものね」

玄「うん!」


293 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:57:35.97 ID:HHf5R46v0


――――


咲「いらっしゃいませ!」

宥「咲ちゃん、お邪魔するね」

咲「はい!」

玄「お、お邪魔します!」

照「ん。ようこそ」ダラーン

宥「え、えっと、もうお休みでしたか?」

咲「いえ、それが……朝の登山の筋肉痛が来ちゃったみたいで」

宥「な、なるほど……」

照「若さの証」

294 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 22:58:23.35 ID:HHf5R46v0

玄「あはは。でも、大丈夫ですか?」

照「もう今日は動かない」ダラーン

咲「お姉ちゃんったら」クス

照「……」

玄「……ふふっ」クス

照「?」

玄「……こうしてると、宮永さんが私の部屋に来た時のことを思い出しますね」ニコ

照「あぁ。あの時も寝そべってた」

玄「はい、お部屋に入ってきていきなり寝っころがっちゃうから何事かと思いましたよ」クスクス

咲「お、お姉ちゃん、そんなことしちゃってたの!? そういえば、私が行った時もしてたっけ……」

宥(玄ちゃん……苦労したのね……)

295 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:04:16.31 ID:HHf5R46v0

照「あ、あの時は、仲良くなりたくて必死だった」テレテル

玄「はい! それを聞いた時すっごく嬉しかったです!」

照「ん」

玄「こうして奈良にも来てくれて……最初は、こんなに仲良くなれちゃうなんて考えたこともありませんでした……」

照「……」

咲「玄さん……」

玄「明日また離れるって考えると、こんなに落ち着かない気持ちになるとも思いませんでした……」

宥「玄ちゃん……」

玄「って、何を言ってるんだろ? せっかくお部屋にきたのにこんな話するべきじゃないですよね! 何か楽しいお話をしましょう!」

宥(玄ちゃん……)

咲(玄さんって……ひょっとして……?)

照「……」

照「……」グー

照「あ」

玄「宮永さん、もしかしてお腹空いたのですか?」

照「う、うん」グー


296 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:05:25.75 ID:HHf5R46v0


――――


玄「ど、どうぞ〜」

照「ん。動けない」ダラーン

咲「お、お姉ちゃん、しっかり!」

宥(玄ちゃん……苦労するわね……)

玄「じゃ、じゃあ、私が食べさせます!」

宥「!?」
咲「!?」

照「ん。お願い」

297 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:06:03.35 ID:HHf5R46v0

玄「は、はいっ! ど、どうぞ」ソー

照「ん」モグモグ

玄「どうですか?」

照「今日もおいしい」モグモグ

玄「そうですか! まだありますよ!」

照「ん。おいしいおいしい」モグモグ

咲「よかったね。お姉ちゃん」

照「うまうま」モグモグ

玄「おかわりどうぞ」

照「ん。美味」モグモグ

宥(介護だわ……)

298 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:06:56.72 ID:HHf5R46v0

玄「はい」

照「」ムシャムシャ

玄「どうぞ」

照「」モグモグ

玄「それっ」

照「」モシャモシャ

宥「く、玄ちゃん……?」

玄「なあに、お姉ちゃん? えいっ」

照「」ハムハム

宥「そ、そろそろやめたほうが……」

玄「? そりゃっ」

照「」モグモグ

咲「あ、あの、お姉ちゃんは出されたものを食べ続けるので、与え続けると
……」

玄「はっ! ごめんなさい」

照「ん? おわり?」

玄「じゃ、じゃあ、最後に一回だけ……どうぞ」

照「ん」モグモグ

299 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:07:56.90 ID:HHf5R46v0

照「ごちそうさま。おいしかった」

玄「ありがとうございます!」

宥(餌付けだわ……)

咲(餌を与えすぎないで下さい……)

照「満足」

咲(まあ、お姉ちゃんが嬉しそうだからいいか)クス

300 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:08:59.08 ID:HHf5R46v0


――――


宥「玄ちゃん、そろそろ戻りましょうか」

玄「え? あ、もうこんな時間……そうだね」ショボン

照「どうして?」

玄「え?」

照「せっかくだから四人で一緒に寝たらいい」

玄「いいんですか!?」

照「ん。咲もそっちのほうがいいよね」

咲「うん! その方が合宿みたいで楽しいです!」

玄「じゃ、じゃあ……」チラッ

宥「そういう事でしたら……お邪魔させてもらおうかしら?」

玄「お姉ちゃん!」


301 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:11:10.72 ID:HHf5R46v0


――――


宥「咲ちゃん、暑くないかしら?」

咲「限界まで薄着にしたので、大丈夫です! 宥さんは寒くないですか?」

宥「うん。あったかーい」ポワワ

照「狭くない?」

玄「は、はいっ」

(照『布団は二組しかない。体(胸)のサイズ的に、咲と松実さんのお姉さん。私と松実さんがベスト』咲『そうだね』宥『わかりました』)

玄(ま、まさか、お姉ちゃんと咲ちゃん、宮永さんと私に分かれるなんて)ドキドキ

照「狭くない? もっとこっちに来てもいい」

玄「あ、はいっ……」

モゾモゾ

照「ん。これでいい」

玄(か、顔が近い……)

302 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:12:09.69 ID:HHf5R46v0

照「おやすみ」

玄「え?」

照「」スゥスゥ

玄(ほんとに寝ちゃった……寝つき早いなぁ)クス

照「」スゥスゥ

玄(綺麗な顔……まつげ長い……)

照「」スゥスゥ

玄「おやすみなさい。宮永さん」

玄(おやすみなさい……照さん)

玄「」スゥスゥ

照「……」

照(動悸が凄くて眠れない……)ドキドキ


303 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:15:32.76 ID:HHf5R46v0


――――


岩手 宮守

初美「ついに、来ましたねー」

姫子「ここが……」

哩「天竺!」

亦野「いや違うでしょ」

哩「ここに……ここに……」

姫子「部長、早く入りましょう」

哩「たのもーう」

トシ「何だい、こんな朝早くから……って、あんた達は」

姫子(この人確か……福岡のチームで監督ばしとった……)

初美「宮守の監督さんですねー」

トシ「新道寺に永水に白糸台とはまた不思議な面子だねぇ」

304 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:16:36.20 ID:HHf5R46v0

亦野「交流試合に来ました」

トシ「おや? 薄墨、あんた聞いてないのかい?」

初美「何ですかー?」

トシ「まあ、昨日急に決めて出発したからまだ着いてないか」

初美「なんの話ですかー」

トシ「うちの子達なら、昨日の夜出発して永水に遊びに行ったよ」

初美「は……」

哩「は……!?」

305 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:17:06.08 ID:HHf5R46v0

哩「そ、そげな……」フラッ

姫子「ぶ、部長! しっかりして下さい!」

初美「……」

姫子「部長ー!」

初美「……なんですかー……それ」

306 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:17:54.85 ID:HHf5R46v0

トシ「?」

初美「……あんまりじゃないですかー」

亦野「薄墨さん?」

初美「……この人は、宮守の副将さんに会いたくて……変な遠回りもして……」

初美「正直、意味不明なことばっかりしてた変態さんですけど……」

初美「必死に頑張って、ようやくたどり着いたんですよ……」

姫子「薄墨さん……」

初美「それなのに会えないなんてあんまりじゃないですかー!」

トシ「気の毒だけど、私に言われてもねぇ……昨日急に決めて急に出発しちゃったからね」

初美「でもっ!」

哩「そこまででよか」ガシ

307 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:19:13.12 ID:HHf5R46v0

初美「離して下さいよー」ジタバタ

哩「もうよかよ。薄墨」ギュッ

初美「うぅ……」

哩「思えば、お前には迷惑ばっかり掛けたね」

初美「私の……」

初美「私のせいですよー」ポロポロ

哩「!?」

初美「私が……ヒック……私が、東京で遊びたいとか言ったから……」

初美「昨日なら……まだ宮守の人達はここに居ました。わた、グスッ……私が遊びたいなんて言いだしたから」

初美「うぅう。うわあぁぁあ」ポロポロ

姫子「薄墨さん……」ウルウル

308 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:20:48.01 ID:HHf5R46v0

哩「お前のせいじゃなか。お前が来てくれたけんここまでこれた」

哩「お前がおらんかったら、岩手に向けて出発することもままならんかったと思う」

哩「やけん。お前が泣くことなか」ギュッ

哩「塞がれてみたいっていう、私ん勝手な気持ちでお前には本当に迷惑ば掛けたな」

初美「迷惑なんて……うぅっ。確かに迷惑でしたけど……」

姫子(やっぱり迷惑やった?)

亦野(迷惑だったのか)

初美「でも、グスッ、楽しかったですよー……エグッ」

哩「ん。ありがとな、薄墨」

309 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:22:56.96 ID:HHf5R46v0

トシ「何だい、あんたら塞がれてみたいのかい? それなら何とかなるよ」

哩「!?」

姫子「本当ですか?」

哩「ど、どうやって」ウズウズ

トシ「薄墨は実際に塞がれたことがあるからね。これを掛ければ少しは使えるはずさ」

初美「モノクルですかー?」

トシ「ただのモノクルじゃなくて、私と塞が日頃から力を溜めてる予備のモノクル達さね」

トシ「実際に塞がれたことがある人がこれを掛けて、あの時の感覚を相手に押し付けるようにすればある程度は塞げるはずだよ」

初美「ほんとにですかー!?」

トシ「まあ、塞程ってまでにはいかないだろうけどね。あの子はちょっと特殊で、塞ぐという力にピッタリの素質を兼ね備えていたから」

トシ「でも、その半分以下くらいの力なら多分薄墨でもできる」

初美(ほんとですかー!?)

310 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:23:52.46 ID:HHf5R46v0

姫子「そ、それって……私も塞がれたら、私も使えるようになるとですか!?」

トシ「これを掛ければ多分ね。さっきも言ったように、塞みたいにあんまり強力なものとはいかないけどね」

姫子「……」

姫子「……薄墨さん、私ば塞いで下さい!」

哩「姫子?」

姫子「私が塞げるようになったら、福岡に戻っても私が塞いであげられます!」

哩「姫子……!!」

トシ(塞がれたいなんて……よくわからない子達だねぇ……)

トシ「ま、実際にやってみるがいいさ」


311 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:24:55.22 ID:HHf5R46v0


――――


哩(いよいよやね……)スゥ

哩(全力ば出すっ!)カッ

哩(リザベーション 7飜!)ガガッガシャッ

姫子「」ビビクン

姫子「う、薄墨さん、い、今です!」ハァハァ

初美(えっと……あの時の感覚を思い出して……じっと相手を)ジッ

312 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:25:42.31 ID:HHf5R46v0

ゴゴゴッ

姫子(これは)ビビクン!

哩(姫子から感覚が伝わる)ビビクン!

哩「い、今んうちに、姫子……」ハァハァ

姫子(この塞がれた感覚を部長に与えるつもりで……)ジッ

ゴゴッ

哩(これが塞がれる感覚っ)ビビクン!

姫子(こんどは部長の感覚が……んっ……流れてくるっ)ビビクン!

哩(また姫子の感覚が……)ビビクン!!

姫子(部長っ)ビビクン!!

哩「」ビビクン

姫子「」ビビクン

初美(何ですかこれー!?)

亦野(何だこれ)

313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 23:28:39.09 ID:kM7i3/gio
これはトシさんも助走つけて殴るレベルww
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 23:45:51.28 ID:NLIrbRd90
亦野さんが不憫すぎるwww
315 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:49:13.17 ID:HHf5R46v0


――――


憧「じゃあ、和によろしくねー」

穏乃「たまには来てねって言っといて!」

咲「うん!」

灼「阿知賀に来た際はぜひ鷺森レーンへ」

咲「はい!」

宥「咲ちゃん」

咲「宥さん! 玄さんも、色々お世話になりました」ペッコリン

宥「帰り、気をつけてね」

咲「はい!」

宥「ほら、玄ちゃんも、挨拶しないと……」

玄「う、うん……」

316 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:51:04.86 ID:HHf5R46v0

玄「あ、あの、宮永さん……」

照「ん」

玄「お、お元気で……」
玄(違うのに……こんなことが言いたいんじゃ……)

照「ん、松実さんも」

玄「!?」

照「それじゃ……」

ガシッ

玄「待ってください……」

317 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:52:06.64 ID:HHf5R46v0

憧(玄?)

穏乃(玄さん?)

照「どうしたの?」

玄「……ろ、です」

照「?」

玄「……玄って呼んで下さい……照さん」

照「!」

宥(玄ちゃん……)

照「ん。またね、玄」ニコ

玄「!?」

玄(またねって言ってくれた!?)

玄「は、はい! 照さん!」

318 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:53:13.59 ID:HHf5R46v0

照「ん。時間だしもう乗ろうか。咲」

咲「う、うん。それじゃあ皆さん、ありがとうございました!」ペッコリン

プルルルル プシュー

――
――――
――――――


穏乃「行っちゃったね」

憧「そうね」

憧(それにしても……)チラッ

宥「く、玄ちゃん、顔をあげて……」

玄「うぅっ……うっ……」

宥「玄ちゃん……」

穏乃「玄さん!? どうしたんですか!?」

灼「大丈夫。玄は何でもない」

穏乃「灼さん?」

玄「うぅっうっ、うわあぁ……」

宥「よしよし、玄ちゃん」

玄「お姉ちゃん……うわぁぁあん」ポロポロ

319 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:56:28.06 ID:HHf5R46v0

憧(玄、そこまで……?)

宥「こ、今度は……」

宥「今度は、私達が会いに行こ」

玄「お、お姉ちゃん……?」

宥「宮永さん達に。ね?」ニコ

玄「う、うん!」

灼(流石宥さん)

憧「玄、ちょっと携帯出して!」

玄「あ、憧ちゃん?」

憧「」ピポピパ

憧「こういうのは早めに送って、次の約束取りつけないと! ほらっ」

玄(宮永さんにメール?)

320 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/14(月) 23:57:19.71 ID:HHf5R46v0

憧「自分で本文打って送りなよ! 今日のお礼とか今度の約束とか、何でもいいから!」

玄「えぇっでも……」

宥「玄ちゃん、送ってみよう?」

玄「う、うん……」

穏乃「何の話?」

憧「あー、シズは気にしなくていいから」

穏乃「何だよそれー」ブーブー

憧「あー、明日ラーメンおごったげるから?」

穏乃「おぉー! 憧、太っ腹ー!」

灼(シズ……)


321 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/14(月) 23:59:51.18 ID:HHf5R46v0
あ…灼は穏乃って呼んでた……シズじゃない……
322 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/15(火) 00:00:25.69 ID:7Cxr0Qzh0


――――


咲「お姉ちゃん、どうして鹿せんべいを持って来てるの?」

照「菫に食べさせる」フフン

咲「だ、ダメだよ!」

照「大丈夫。菫にはこれくらいがいい」ニヤ

咲(とか言って、別にお土産買ってたの知ってるんだよ)クス

照「咲……」

咲「ん?」

照「楽しかったね」

咲「うん!」

323 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/15(火) 00:01:08.60 ID:7Cxr0Qzh0

照「楽しかった……」

照「本当に……」

照「……」

ポロッ

咲「お姉ちゃん!?」

照「……あれ?」ポロポロ

324 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/15(火) 00:02:03.67 ID:7Cxr0Qzh0

咲「……」

咲「楽しかった分だけ……帰りは寂しいね……」

照「うん……」

照「……」

咲「……」

325 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/15(火) 00:02:45.66 ID:7Cxr0Qzh0

「……」

ピロリロリロ

照「ん、メール?」

咲「?」

照「まつみさ……いや、玄から」

咲「玄さん?」

ピッピッ

照「ふふっ」

咲「何て書いてあったの?」

照「ほら」

咲「わあぁ」

“照さん。今度は私達が長野に会いに行きますね”

咲「楽しみだね!」

照「うん」

照(待ってる)クス


326 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/15(火) 00:04:31.65 ID:7Cxr0Qzh0



――
――――
――――――――


煌「あら、これはこれは」

初美「お邪魔しますよー」

姫子「あ、薄墨さん」

初美「三日ぶりですねー」

哩「急にどうしたとや?」

初美「連れてきてあげましたよー」

哩「え」

豊音「あ、白水哩さんだー」

シロ「ダルい……」

霞「お邪魔しますね」

煌「永水女子に、宮守女子の皆さんですか。すばらですっ!」

姫子「ってことは……」

塞「お邪魔しまーす」

哩「!?」
327 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/15(火) 00:05:40.91 ID:7Cxr0Qzh0

姫子「あ、ああ……ぶ、部長……」

初美「福岡に寄るって言っていたので連れてきましたよー」

塞(あれ、どうしても福岡に寄って下さいって言っていたような?)

哩「薄墨ィ!」ガバッ

初美「うわぁ! 離して下さいよー!」ジタバタジタバタ

哩「ありがとう、ありがとう! 薄墨!」

初美「わ、私は、ちょっと案内しただけですよー」

巴(ハっちゃん、宮守の皆さんに必死に頼み込んでいたような……)

初美「離して下さいよー!」ジタバタ

春「嫌がりながらもうれしそう……」

霞「あらあら……少し妬けちゃうわね」クスクス


328 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/15(火) 00:07:05.68 ID:7Cxr0Qzh0

――
――――
――――――――


「元気かなぁ?」

「メール、ずっとしてたんでしょ?」

「そ、それはそうだけど……」

「もうすぐ会えるじゃない」

「早く会いたいね」

「そうだね」

「もう待てない」

「あ、ちょっと――」

329 : ◆Uzj22sUAyA [saga]:2013/01/15(火) 00:08:35.12 ID:7Cxr0Qzh0


――――

咲「お姉ちゃん、家で待ってたほうがいいよ!」

照「でも……」

――――

玄「お姉ちゃん! 早く。ここだよ!」

宥「玄ちゃん、そんなに急ぐと危ないよ」

――――

照「来た」

咲「そうだね!」


ピンポーン


「はーい」


ガチャ


「松実玄、ただいま参りました!」


「ん」


「いらっしゃい」



カン!
330 : ◆Uzj22sUAyA [saga sage]:2013/01/15(火) 00:10:45.97 ID:7Cxr0Qzh0
長くなってしまいましたがこれで完結です。


読んで下さった皆さんありがとうございました。
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 00:33:55.61 ID:G+Pc1roV0
リザベの上に塞げるようになったら、哩姫最強じゃないですかー
最近、照玄を見るようになってきたね

なんにせよ、すばらでした!
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 00:39:09.47 ID:HV2AxVv+o
乙でしたー
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 01:23:08.26 ID:AaWdQ6aO0
乙ぞ
すばらな時間をありがとう
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 19:52:35.30 ID:qFTXmF/AO
哩ぶちょーのサブストーリーが最後まで笑えたww
本筋がポンコツながらもいい雰囲気でまとまったというのに…
何にしても乙!
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 03:38:30.09 ID:RkI1UnLUo

照玄はマイジャスティス
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