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【咲】咲「プラスマイナスゼロ」 照「私はそんなの認めない」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/19(水) 12:17:27.79 ID:Ri8gh/tz0





「哀訴嘆願」






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1355887047
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/19(水) 12:18:18.09 ID:Ri8gh/tz0
照「咲にとっておきの技教えてあげるお母さん達には秘密だよ」

幼咲「うん、絶対約束する。お年玉返してもらうんだもん」

照「この牌をカンして、山から持ってくる…… ハイこれで和了だよ」

幼咲「わーお姉ちゃんすごいこれ何って役なの?」

照「嶺の上で花が開くって書いて嶺上開花」

幼咲「りんしゃんかいほー?」

照「うん、嶺上開花。どう咲にピッタリの役だと思わない?」

幼咲「私がりんしゃんかいほー使えるようになったらお母さんに勝てるかな かな」

照「咲ならきっと勝てるよ」ナデナデ

幼咲「ふにゃ、もっと頭なでて」ウワメヅカイ

照「よしよし良い子だね」ナデナデ

幼咲「お姉ちゃん大好き」チュ
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/19(水) 16:50:48.21 ID:dXHyY9Cg0
期待
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 16:56:51.40 ID:KfpvN7iDO
これは期待
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 18:54:46.48 ID:pfJoKYct0
期待機
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 18:57:44.56 ID:dHD+GsRD0
期待せずにはいられないな
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 19:21:14.23 ID:5FjXb/cDo
期待してるのよー
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 19:58:16.29 ID:Z8lqrEI/o
ほう
9 :ゆっくり進行で行きます  ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/19(水) 21:51:05.43 ID:Ri8gh/tz0
    チュン チュン ブロロロロ

照「やっぱり咲は世界で一番かわいいなぁ」ゴシゴシ

咲「」スヤスヤ

照「そういえば、昨日は久しぶりに咲と同じ部屋で寝たんだっけ」

咲「おねえちゃんのプリンおいしそう……」ムニャムニャ

照「ふふっ、いつ見ても可愛い寝顔。食べちゃいたいくらい」ジュルリ

照「ふう……」

照「さてと、咲を起こさないようにそーっと布団から」

咲「」カプ

照「咲! 私の指食べてもおいしくないよ(小声)」

咲「もぐもぐ むにゃ あまくておいしいなぁ」ペロペロ

咲「だめだよー それわたしのおやつ とっちゃだめー」ギュ

照「ふにゃっ!? まったく、咲は甘えん坊なんだから」

咲「えへへ、おいしいな」スヤスヤ
10 :投稿終了時だけageようかな  ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/19(水) 21:56:40.85 ID:Ri8gh/tz0
照「すっかり目が覚めた」

咲「ごめんねお姉ちゃん、普段は行儀よく寝てるんだけど昔を思い出しちゃって」アタフタ

照「ホントに寝てた? 途中から意識あったんじゃない? 30分くらい満遍なく舌で舐められた」ウタガイノメ

咲「普段寝起きが悪いのはお姉ちゃんの方でしょ 起こしてるの私なんだから知ってるんだよ」ジロッ

照「痛いところ突かれた」

照「でも髪の毛跳ねてるから説得力無い」

咲「寝起きなんだから仕方ないじゃん お姉ちゃんだってホーン立ってるくせに」

照「咲とおそろいだから問題ない」
11 :  ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/19(水) 22:02:35.94 ID:Ri8gh/tz0
咲「ああもう、寝癖が全然直らないよぅ」グスン

照「そんなに乱暴にしたら髪が傷むよ 貸してお姉ちゃんがやってあげる」

咲「あっ……」ポッ

照「……」クシクシ

咲「………」モジモジ

照「……咲の髪真っすぐで綺麗な髪してるよね。今胸くらいの長さだっけ」クシクシ

照「お姉ちゃんも伸ばそうかな」サッサッ

咲「昔はお姉ちゃんの方が長かったけど、中学に入って少ししたらばっさりいったもんねー」フニャー

照「このくらいで良いかな。(指で髪を梳いてみて)うん、このサラサラの髪は武器になる」ウンウン

咲「次は私の番だね お姉ちゃんここに座って」ポン ポン

照「お願いします」

照「(一生懸命姉の髪の毛を整えてくれる妹、こんなに仲の良い姉妹いないと思う)」

咲「最後にホーンを整えてっと、はい完成だよ」

咲「(時計を見て)あっ、もうこんな時間早くお母さん手伝いに行かないと」

照「私も行く」

12 :  ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/19(水) 22:08:57.00 ID:Ri8gh/tz0
宮永母「ふたりともおはよう 今日は咲もお寝坊さんね」ニコニコ

照「今日は一人で起きた」

咲「やっと春休みに入ったからね、でも明日からいつも通り起きるつもりだよ」

宮永母「咲の事はあんまり心配してないわ、照も咲を見習って一人で起きてほしいものね」

照「頑張ってみる」

宮永母「そうね、お父さんが来たらご飯にするから少し待ってなさい」

咲「私手伝うね」

照「(ホント咲は気が利くなぁ、私が手伝っても食器割っちゃうから待つのが私の役目)」ポスン

咲「お姉ちゃん、目玉焼き味付けどうする?」

照「シェフのおまかせで」

咲「おまかせあれ!」アッタカーイ

照「(咲のエプロン姿かわいい)」
13 :  ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/19(水) 22:14:20.80 ID:Ri8gh/tz0
宮永父「今日は咲お手製の料理だね(モグモグ)おいしいよ」

咲「やったー これでまた一歩お母さんに近づいたよ」バンザイ

宮永母「あらあら、まだまだ道のりは険しいわよ それと貴方私の料理の方がおいしいわよね」

宮永父「も、もちろん当たり前じゃないか」ブルブル

宮永母「そう、ならいいわ」

照「(モグモグ 味付けが絶妙、咲を私専属のシェフにしたい)」

照「ゲホ、ゲホ(美味しさのあまり口に入れ過ぎた)」

咲「お姉ちゃん大丈夫、はいお水だよ」ナデナデ

照「咲、ありがと」ゴクゴク

宮永母「この子ったら急いで食べるからよ。もっとゆっくり食べなさい」

照「そうする(死ぬかと思った)ケホ」グスン
14 :  ◆R4dsv2QM42 [saga]:2012/12/19(水) 22:18:58.65 ID:Ri8gh/tz0
宮永父「そういえば咲、今日は少し起きるのが遅かったようだけど何かあったのかい」

咲「別に無いよ。久しぶりにお姉ちゃんと一緒に寝たら目覚まし掛け忘れて寝坊しただけだよ」

照「咲は寝付きが良いから布団に入ってすぐ寝ちゃった」

父母「おやおや、昨日の夜にそんなことがあったとはね」

咲「もう、せっかく姉妹なんだからたまには良いでしょ」

照「……」

宮永父「ごめんごめん、照と咲が仲良しならお父さんも安心だよ」

宮永母「さあ冷めないうちに食べましょ、咲の料理が冷めちゃったらもったいないわ」

宮永父「そうだね、あまり時間もない事だし食べようか」
15 :  ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2012/12/19(水) 22:34:44.62 ID:Ri8gh/tz0
宮永父「列車の時間に遅れちゃダメだからね。今日中に荷物を整理して住める環境を整えないと明日から仕事だろ」

宮永母「しばらく研修予定だけど、新年度からは忙しくなると思う」

宮永母「ホントにこれで良かったのかな、貴方と咲を置いて東京で暮らすなんて」

宮永父「家族会議で決まった事だろ、俺も照と咲を離れ離れにしたくないけど少しでも東京に慣れた方が良いと思ったんだ」

宮永父「それに最終的には二人とも納得してくれたんだ」



咲『せっかくの栄転なんだもん、チャンス逃しちゃダメだよ』



照『友達と離れるのは悲しいけど、前々からあっちで勉強したいと思ってたんだ』



宮永母「そうね今から泣きごと言ってちゃ本社の男に舐められるわ」

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/19(水) 22:36:25.70 ID:dXHyY9Cg0
?
17 :  ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2012/12/19(水) 22:40:26.24 ID:Ri8gh/tz0
咲「お母さんその意気だよ。お姉ちゃん成分は昨日充分補充しといたから心配しないで」

咲「私はいつでもお母さんの成功を祈ってるよ」

咲「もちろん、お姉ちゃんの事いつでも思ってるからね」

咲「私も一生懸命勉強してお姉ちゃんと一緒の高校に行く。約束するよ」
18 :  ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2012/12/19(水) 22:45:18.95 ID:Ri8gh/tz0
照「時々手紙送るから読んでね。咲も返してくれると嬉しいな」

照「夏休みには帰るから元気にしててね」

 こうして私は長年慣れ親しんだ長野に別れを告げ中学生活最後の年、母と共に東京へと旅立った。


今日はここで終了です。
基本ゆっくり、sage進行で行きます
気まぐれでageにするかもしれませんがそういった方針にしておきます
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 22:54:47.63 ID:5FjXb/cDo
乙なのよー
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 23:59:38.39 ID:y7z3mODco
期待してるわ
21 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/21(金) 23:18:00.11 ID:7OhTrngx0
〜始業式の日〜
照「初登校緊張するなぁ 道こっちで合ってたかな」メモチラリ

照「こっちが近道な気がする」トテトテ

?「おい、お前どこに行くつもりだ 〇〇中は反対方向だぞ」

照「そうなんですか ありがとうございます」ペコリ

照「(やっぱり東京の人は垢抜けてるな あとこの人胸大きい)」ジー

?「どこを見てるんだ(胸を隠す)」

照「胸見てた」キリッ

?「正直にいえば良いというものでもないと思うが…… それはともかく時間大丈夫なのか?」

照「急げば間に合う……はず 道を間違えなければ」

?「もしかしなくても方向音痴なのか」

照「(期待の眼差し)」コク

?「はぁ…… そのメモ貸してみろ 目印追加してやる」カキカキ

?「こんなもんかな、じゃあ私は行くからな」

照「あっ、私宮永照っていいます 貴方の名前は?」

菫「もう会うこともないと思うが、私は××中三年の弘瀬菫だ」

菫「それじゃあな」タッタッタ

照「弘瀬菫、スミレさんか」ポー

照「さて、登校初日から遅刻する訳にも行かないし急いで行かなくちゃ」


菫「宮永照か ふふ」
22 :今日は2レスのみ  ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/21(金) 23:27:31.46 ID:7OhTrngx0
弘瀬→弘世

−講堂―

照(何とか間に合った)

照「今度会ったらスミレさんにお礼言わなくちゃだよね」

照「とりあえず」キョロキョロ

照(周りは友達グループで集まってるみたい)

照「友達沢山出来るかな」ボソッ

和服の先生(24)「そろそろ始業式始めるよ どのくらい掛るか知らんけど」

和服の先生(24)「司会は私が務めるよ みんな、ちゃっちゃと始めるから協力してねん」

照「あの先生どこかで見た気が……」

和服の先生(24)「他人の空似じゃね 知らんけど」

和服の先生(24)「じゃあ始めるよー」


和服の先生(24)「以上を持って始業式を終わるんじゃね 知らんけど」

照「和服の先生が私の担任かー あの先生親しみやすそう」
23 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/25(火) 02:32:09.33 ID:0BQHN1I80
コトシモヨロー ヨロシクネ カワイイ ワイワイ ガヤガヤ

照「そういえば、時間ぎりぎりだったからまだクラス確認してないや」テクテク

照「(人が多すぎて全然進めないよ)すみません、通りまーす」ペコリ

照「(やっと抜けられた)私の名前はどこかな」

「あの、すみません」

照「ごめんね、確認したらすぐ退くから」キリッ

「いえ上の方があまり見えないので私のクラス見てくれませんか」ゲホゲホ

照「名前教えてくれる?」

「あっ すみませ――」キュ〜 バタン

照「えっと、大丈夫ですか」ツンツン

「う〜ん う〜ん」グルグル

照「ど、どうしよう 私保健室の場所とか分からないし」アタフタ

照「(こんな時は周りに助けを求めたほうが良いかな)誰か居ませんかー」

シーン

照「みんな校舎の方に行っちゃったみたい……」

照「そ、そうだ とりあえず横になれる場所まで運ばなくちゃ」ヨイショ
24 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/25(火) 02:34:56.79 ID:0BQHN1I80
照「とりあえず近くのベンチに運んでみたけど大丈夫かな」

照「もしかして何かの発作だったり……」ガクブル

「う〜ん……」パチリ

「ここはどこでしょうか」キョロキョロ

照「良かった〜 気が付いたんだね 貴方いきなり倒れちゃうんだもん 私びっくりしちゃったよ」

「すみません、すぐ起きますから――」ガバ キュー

照「駄目だよ 顔色悪いし もう少し休んでて」グイッ ナデナデ

「あっ(ポッ)では、もう少しだけ休ませていただきます」

照「ごめんね 膝枕+頭なでなではちょっとやりすぎかも」ナデナデ

「いえ、とても落ち着くので続けてください」

「」スー スー


照「大丈夫そうでなによりだよ」

照「幸せそうな顔見てたら私も眠くなってきちゃったな 昨日ちょっと夜更かししちゃったし」

照「この子が起きるまでちょっとだけお休み……」
25 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/25(火) 02:42:26.92 ID:0BQHN1I80
?「――きろ お前起きるんだ」ユサユサ

照「んー、オハヨウゴザイマス」ポケー

?「何でカタコトなんだ それはまあ良いとして、T子を膝枕してるみたいだがお前はT子とどういう関係だ」

?「あまり見かけない顔だがリボンの色は3年のものだな」

照「わたし今日からこの学校に通うことになったの」

T子「あ〜 ともちゃんだ どうしたの〜」パチリ

会長「T子無事だったのか、何もされてないか? あとそれは二人きりの時だけの約束だぞ 会長と呼べ」

T子「ぶー ともちゃんのイジワル」

会長「それはそうとT子 HRサボって何してたんだ」

T子「今年もともちゃんと一緒のクラスなの? 嬉しいなぁ」ブンブン

会長「答えになってないぞ まあ今年もよろしくな」

T子「よろしくね〜」

T子「えっとね、わたしが貧血で倒れちゃって宮永さんに介抱してもらってたの 膝枕とっても気持ちよかったよ」

会長「そうか、疑ってしまい申し訳ない」

会長「宮永? お前が例の転校生か」

照「例の転校生って?」クビカシゲ

会長「転校初日から授業をさぼる生徒」

照「否定はしません」ズーン

会長「まあ理由が理由だし私から先生に伝えておくよ」

照「ともちゃんは優しいんだね」

会長「ともちゃん言うな」

照「ぶーぶー 贔屓だ」

会長「T子は幼馴染だから特別なの」

T子「もうちょっと素直になっても良いと思うの」

会長「大きなお世話だ (こほん) 宮永、私も同じクラスだ一年間よろしく頼む」

照「こちらこそよろしくね」ペコリ
26 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/25(火) 02:45:11.08 ID:0BQHN1I80
―帰り道―

照「さっそくお友達二人も出来ちゃったなー」

照「なんだかんだわたしの為に一通り施設の案内してくれたし、職員室まで付いて来てくれたもん」

照「ふふ、T子さんの言う通りともちゃん優しかったな」テクテク

照「あーあ 明日が待ち遠しいな」

照「ともちゃん達とは仲良くなれそう」


照「ただいまー」ガチャ

「」シーン

照「癖ってなかなか抜けないもんだな (去年までは咲が『お帰り、お姉ちゃん』って言ってくれたのに……)」

照「(そういえば、今日は咲の入学式だっけ 咲の制服姿見たかったな)」

照「さき、会いたいよ」グスン

照「咲…… 家に帰って来てるかな」ボソッ

照「(この前咲と長電話したらお母さんに怒られちゃったからほどほどにしないと)」グスン

照「でも咲が電話に出てくれなかったら心配になるし(どうしよう)」
27 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/25(火) 02:46:33.43 ID:0BQHN1I80
〜30分後〜

照「そろそろ電話かけても良いよね」

「テルル……」デンワナルデー

照「(ビビクン)誰だろ」

照『はい、もしもし』

咲『お姉ちゃん帰ってたんだ』

照『なんだ咲か、どうしたの?』

咲『宮永咲 無事入学式を終えました』ズビシ

照『私も今日始業式』

咲『お姉ちゃん、道に迷ったり蝶追いかけたりして遅刻してないよね』

照『ソンナコトナカッタヨ』

咲『やっぱり迷ったんだねお姉ちゃん 妹はお姉ちゃんがとても心配です』

照『迷ったけど、ちゃんと間にあった』

咲『やっぱりお姉ちゃんが一人で登校できるか心配だな』

照『(話題変えなくちゃ)さ、咲の方はどうかな 上手くやっていけそう?』

咲『うん…… 大丈夫 心配しないで』

照『困ったことがあったら遠慮なく言って』

咲『うん、分かった ごめん そろそろお父さん帰ってくるから切るね』

照『分かった またね』ガチャ


照「咲元気そうで良かったな これで明日も頑張れそう」フンス

照「そろそろ咲に手紙書こうかな 電話だと緊張してつれない態度取っちゃって上手くしゃべれないもんな」シュン

照「よし、書くぞー」オー
28 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/30(日) 14:16:26.91 ID:psfxjHxb0
咲『じゃあ、またね お姉ちゃん』ガチャ

咲「(嘘ついて ごめんなさい お姉ちゃん)」

咲「でも私決めたんだ。いつまでもお姉ちゃんに頼ってばかりじゃだめだから」

咲「一人で解決してみせるよ 絶対」

咲「あは、せっかく決心したのに早速泣いちゃうなんてまだまだだな」ツー

咲「お父さん帰ってくるまでに涙の跡消しておかないと……」グスン

咲「(明日からがんばるもん)」

宮永父「咲、ただいま 帰ったよー」

咲「あ、お父さん 帰ってきちゃった」グイグイ

咲「お父さん おかえりなさい」
29 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/30(日) 14:22:58.23 ID:psfxjHxb0
T子「宮永さんここ空いてますか? よろしければお昼一緒にいかがでしょう?」

照「私は構わないよ」

T子「では遠慮なく」ポスン

T子「ところで宮永さん 学校にはもう慣れましたか」

照「うん みんな優しく教えてくれるからすっかり慣れたよ」

T子「それは良かったです」

照「ところでT子さんは部活入ってる?」

T子「私ですか、私は麻雀部に入ってます。それほど強くないのですがともちゃんに誘われまして」

T子「最上級生でなければ宮永さんもお誘いしたいところですが仕方ありませんよね」

照「流石に3年生で入部するのは遠慮したいかな」

T子「そうですよね まあそうですね」

照「T子さん? 珍しいね T子さんが言い淀むなんて」

T子「いえ、何でもありませんよ」

照「そう? まあいいや それよりT子さんのお弁当おいしそうだね」ジトー

T子「あら、宮永さんのお弁当も彩り鮮やかですよ」
30 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/30(日) 14:29:51.95 ID:psfxjHxb0
会長「私も一緒に食べて良いかな」

T子「あー ともちゃん遅かったね ご苦労様だよー」

照「おいしい」モグモグ

会長「宮永は相変わらずだな」ハハ

T子「あー ともちゃん また昼ごはん簡単にすませるつもりでしょ だから成長しないんだよ」

会長「うるさいなぁ、お前も少食のくせに成長してるじゃないか ほれ」プニプニ

T子「こんなところでタッチしちゃダメだよ 後でゆっくり相手してあげるから我慢して ね☆」チラチラ

会長「T子、お前わざと誤解を生むような発言してないか?」

T子「そんなことないもん」プンプン

会長「まったくおまえってやつは…… はっ」


シュラバデスネ キマシタワー ワイワイ ガヤガヤ


照「私はお邪魔みたいだから、あっちで食べてくるね」イソイソ

会長「誤解だ―」

T子「そんなともちゃんかわいい」ニヤニヤ
31 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/30(日) 14:35:26.54 ID:psfxjHxb0
会長「ところで宮永と何の話してたんだ」

T子「わたしが何の部活入ってるの? とかお弁当の中身の話だよー」

会長「ウチの部はやめておけ!」ドン

会長「ああ、すまない 新入生ならともかく宮永はもう3年だ 無理に入部する必要はないはずだ」

照「???」

T子「宮永さん ごめんね 口で説明するのはちょっと難しいの」

会長「どうしても知りたいなら、今日部活があるから見学に来てくれ」

照「分かった 放課後行くね」

T子「それじゃあ お昼ごはん食べようか あとこれ、ともちゃんにあげるから食べてね」

会長「心配しなくても良いぞ」クー

会長「……ありがたくいただきます」
32 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/30(日) 14:43:40.84 ID:psfxjHxb0
照「迷った(念の為教えてもらったメモによると部室はこの階のはずなんだけど……)」キョロキョロ

和服の担任(24)「あっれー 宮永ちゃんじゃん こんなとこでどしたのー」

照「」パアー

照「先生〜 麻雀部の部室どこにあるか知りませんか?」

和服の担任(24)「それはちょうど良かったねぇ わたしも行くとこだから一緒に来る?」

照「」コクコク


和服の担任(24)「それにしても珍しいねぇ 部外者が麻雀部に近づくなんて」

和服の担任(24)「ってそういえばあの子が部長だっけ」

照「麻雀部の部長さんが誰か知りませんけど、私が麻雀部見学したいって言ったんですよ」

和服の担任(24)「そうなんだ なるほど なるほど じゃあ、あの事は聞いてないんだろうな」ボソッ

照「先生何か言いました?」

和服の担任(24)「うんにゃ、何にもだよ」フリフリ

和服の担任(24)「とうちゃくー ここが部室だよ 宮永ちゃん お邪魔するよー」フリフリ

照「し、失礼します」オソルオソル
33 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2012/12/30(日) 15:08:04.54 ID:psfxjHxb0
顧問「先生、何か御用ですかな」

和服の担任(24)「どうも〜 辻垣内ちゃんに書類渡すついでにこの子を連れて来ました」

顧問「辻垣内... ああ会長の事か あいつならあの辺に居るはずですよ」

顧問「どうでも良い事で指導をストップさせないで下さいよ お前らも分かってるな」

男子部員「ハイ!」


和服の担任「これが麻雀部の実態だよ」

和服の担任(24)「宮永ちゃんはどう思う?」

照「あの先生とは仲良くなれそうにないです」

和服の担任(24)「私も先輩じゃなければお近づきにはなりたくないタイプだね」

和服の担任(24)「さてとガイトちゃん〜 いるかい?」

会長改め智葉「あ、先生私に何か用ですか? あと宮永本当に来たんだな」

和服の担任(24)「偶然廊下で宮永ちゃんと会っちゃって連れて来たんだよ」

和服の担任(24)「ところでガイトちゃん ちょっと場所変えない? ここで長話してるとあの人が口出してきそうだし」

智葉「そうですね、それじゃあ少し外に出てくるから各自練習しておくように 分かったな」

女子部員「部長も頑張って先生を口説き落としてくださいねー」
34 : ◆R4dsv2QM42 [ saga]:2012/12/30(日) 15:10:03.36 ID:psfxjHxb0
今年の更新はここで終了させていただきます
徐々にペースを上げて完結まで走りたいものです
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 15:16:55.40 ID:Zgnd2tbDO
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 15:21:12.73 ID:FLyZqPX0o
乙なのよー
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 09:58:23.88 ID:FCsX4yjAO
期待
38 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/01/21(月) 18:50:07.12 ID:UTHjCV9V0
―会議室―

和服の担任(24)「さてと、まずはお茶でもいれよっかな」フリフリ

智葉「…」チラッ

照「辻垣内さんのなまえって(さとは)だったんだね」

智葉「ああそのことか、T子がいつもともちゃんって呼ぶから(ともは)だと思われがちだが智葉(さとは)だ」

T子「ともちゃんはともちゃんだからともちゃんだよ」

智葉「T子は相変わらずだな」

照「T子さんって辻垣内さんとどういう関係なんだろ 普段クールなのに」

智葉「その話気になるな 後でこっそり教えてくれ」

智葉「こほん、ところで話は変わるが宮永はうちの顧問をどう思う?」

照「えっと…… ごめん好きになれないや」

智葉「そうだな、私もあの顧問が大嫌いだ」

T子「も〜 ホントの事でも先生の前で言っちゃダメだよ〜」

和服の担任(24)「あの人ガイトちゃん嫌ってるの隠そうともしてないからねー」

和服の担任(24)「はい、租茶でごめんねー」ドウゾ

T子「あっ茶柱立ってる〜」ズズズ
39 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/01/21(月) 19:16:12.42 ID:UTHjCV9V0
智葉「先生、私に用との事でしたが例の話、感触はどうでしたか」

和服の担任(24)「正直言ってかなり厳しいねー 先生達の中でも支持している人の方が多いし、変化を嫌う人もいるかんね」

和服の担任(24)「現に結果も出てる、覆すのはちょっと難しいかねぇー」

智葉「やはりそうですか」

照「辻垣内さん何の話?」センベイポリポリ

智葉「食べるかしゃべるかどっちかにしろ」

照「…」モグモグ

智葉「宮永、私が会長を務めてるのは知ってるな」

照「知ってるよ いつも忙しそうにしてるし」

智葉「元々ウチの学校は周辺に比べクラブ活動が盛んでな。それなりに結果も出していた。」

智葉「それが去年の事だ、新しい校長が赴任してきて初めにやったことが、クラブ活動のテコ入れだった」

照「新入生は強制的に部活に入らされるとか?」

智葉「そうなっていたらどれだけ良かったことか」

智葉「校長がやったのは陸上部や野球部など一部の部活に沢山部費を配分する為に文化部の統廃合を断行したんだよ」

智葉「女子麻雀部は何とか廃部を免れたが、かなり部費は削られてしまった」

智葉「そんなこともあって、学生の声を直接届ける為に会長になったわけなんだがなかなか道のりが厳しくてね」

T子「ともちゃんいつも御苦労さまだよ」ナデナデ

智葉「やっぱり署名なりなんなりすべきなんだろうか」
40 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/01/21(月) 19:18:40.84 ID:UTHjCV9V0
和服の担任(24)「女子麻雀部の成績は悪くないけど、方針を変えさせるほどじゃないから厳しいよ」

智葉「それは分かっています、ですから先生に指導をお願いしてるんですが考えは変わりませんか?」

和服の担任(24)「ごめんねー やっぱり気持ちは変わらないねぇ」

智葉「やはり無理ですか……」

照「――私先生と打ってみたい もし私が先生に勝ったら辻垣内さんのお願い聞いてあげて」

智葉「宮永何を言って――」

和服の担任(24)「へー、宮永ちゃんもそういう表情できるんだねぇ」フムフム

和服の担任(24)「いいよ、もし宮永ちゃんが勝ったら顧問の話受けてあげるよ」

照「望むところ」

和服の担任(24)「ちょうど4人揃ってるし、今からやろうか」
41 :全然話進まんな  ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/01/22(火) 02:17:15.01 ID:PpCv8nXi0
智葉「じゃあ、始めるぞ 私が親だな」

T子「みんなよろしくだよー」

和服の担任(24)「部長さんの実力どんなもんかねぇー」

照「(久しぶりに家族以外と麻雀が打てるんだ)」ドキドキ

照「(平常心 平常心)あっ、牌倒れちゃった」グスン

東:辻垣内智葉25000
南:T子さん 25000
西;和服の担任25000
北:宮永  照25000
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/23(水) 21:57:16.56 ID:AR05tBSuo
照咲になるのか照×?なのか
期待
43 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/01/31(木) 17:30:51.11 ID:9gDtObqN0
はじめに
物語を進める上で闘牌シーンを省くことができず悪戦苦闘しておりましたが何とか目途が立ちましたので再開します

今現在の感情は
咲は照のことを姉として慕い、照は妹として咲の事を目に入れても痛くない程大切にしています

今言えるのはここまでです
44 : ◆R4dsv2QM42 [ saga]:2013/01/31(木) 17:48:35.99 ID:9gDtObqN0
―東1局― ドラC

智葉(これが正真正銘最後のチャンスだ。)
  
智葉(どれだけ言葉を尽くして説得しても首を縦に振ろうとしなかった先生が興味をもってくれた)

智葉(どんな結果になろうと先生の心を動かしてくれた宮永には礼を言わなければならないな)

智葉(とりあえず配牌は悪くない、親の間に稼いでおきたいものだ)トン

:二三三三四五六26EE北發


T子(これってチャンスだよね 私ができるのはサポート位だけど頑張るよ ともちゃん)トン

和服の担任(ガイトちゃん達麻雀部はまだまだ伸びしろがある)

和服の担任(ホントは一番最初から指導してあげたかったけど簡単に受ける訳にはいかなかったんだよね)トン

和服の担任(でも、宮永ちゃんが入れば何かが変わるかもしれないね)チラッ

和服の担任(じっくり観察させてもらうよ 善戦できるくらいじゃ認めないてあげないけどねぇ)

照(辻垣内さんは現役の部長さん、T子さんも打ち慣れてるだろうし、顧問をお願いする位だから先生も強そう」

照(私なんて三人の足元にも及ばないかもしれない) 

照(でも、啖呵を切ったの私なんだし、今は目の前の対局に集中しないと)ブツブツ
45 : ◆R4dsv2QM42 [ saga]:2013/01/31(木) 18:09:39.40 ID:9gDtObqN0
―9巡目―

T子(9巡目でこの手なら立直しても良いかなー ホントはサポートに回った方が良いんだろうけど)チラ

T子「(うん決めた。この手で上がれなかったら次から無理はしない)立直です」トン

和服の担任(T子ちゃんの先制リーチちょっと意外だね。てっきりガイトちゃんか宮永ちゃんが来ると思ったんだけど)

照(いつも通り手が進みまないよー こればっかりはどうしようもないのかな)」ショボン

照(先生はまだもう少し時間が掛かりそうだから、ここは辻垣内さんを鏡で見る!)ゴッ

智葉(気のせいか宮永から熱い視線を感じるな…… まあいい)

ツモ:7


智葉(そっちが来るか、三色も狙える手だが、今は少しでも稼いでおきたい)

智葉(T子を調子に乗せると後が怖いからな)私もリーチだ」トン

T子(やっぱりともちゃんの麻雀は華があるなー)ポッ

T子(きっと私より先に上がれる自信があるから躊躇なく立直掛けてきたんだね)

T子(お願いです。ともちゃんより先に上がらせて下さい…… やっぱり駄目か)

ツモ:G

ツモ:中


T子(ともちゃんならそろそろ上がってもおかしくないよね……)

ツモ:F


T子(あーあ、捉まされちゃった)トン

智葉「それロン、立直タンヤオドラ1 7700だ」

:二二三三三四五六567DE  ロン:F


T子「はい、どうぞ(分かってたことだけど、やっぱり悔しいよ)」


東1局1本場
辻垣内 智葉33,700 (+8700)
T子さん  16,300 (−8700)
和服の担任 25,000
宮永 照  25,000
46 : ◆R4dsv2QM42 [ saga]:2013/01/31(木) 18:22:00.63 ID:9gDtObqN0
照(辻垣内さんがいきなりの高打点 流石だね)パタン

:四六七七八九12334AA


―東1局1本場― ドラ北 

和服の担任(なるほど 流石部長さんだねぇ)

和服の担任「(でも、世の中そんなに甘くないよ)ツモ2000−4000」
:四五11233445EFG ツモ:三  裏ドラ:3


照(やっぱり先生がドラを絡めて打点を上げてきた 先生にも見えてるのかな?)

和服の担任「宮永ちゃん私の顔に何かついてるかい」

照「えっ(心読まれた!?)何もついてませんよ」ブンブン

和服の担任「宮永ちゃん鏡を使うならもっと効率良く使った方がいいねぇ」ボソッ

照(照魔鏡の事は咲にも秘密なのに先生はどこまで知ってるの?)ビク

東2局
北:辻垣内 智葉29,600 (−4100)
東:T子さん  14,200 (−2100)
南:和服の担任 33,300 (+8300)
西:宮永 照  22,900 (−2100)
47 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/01/31(木) 18:33:38.22 ID:9gDtObqN0
―東2局―

照(とにかく深呼吸して落ちつこう 気にしない気にしない)フー ハアー

照「あっ、T子さんそれロンです。 2000かな」パタン

T子「そんなー 宮永さん早すぎ、あんまりだよー」グスン

智葉「一番危ない牌切っておいてそれはないだろ それから闇雲にカンするのはやめろといつも言ってるだろ」

T子「えへへ でも不思議と手が進むんだよ」

照「そうなんだ(どことなく咲の面影あるんだよね 辻垣内さんと話してるときの表情なんて……)」

照(さてとエンジン掛かってきたし、まずは二位に上がりたいな)ギュルギュル

東3局
西:辻垣内 智葉29,600
北:T子さん   12,200 (−2000)
東:和服の担任 33,300
南:宮永 照   24,900 (+2000)
48 :ちょっと休憩します  ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/01/31(木) 18:53:07.91 ID:9gDtObqN0
ー東3局ー

T子(さっきは不発だったけど次は上がれる気がするなー あのときからともちゃんと一緒に打ってきたんだもん)ニコッ

智葉(T子のやつ、またやる気だな…… まあ結果が出ている間は好きにさせておくか 私は私のスタイルを貫くだけだ)タメイキ

和服の担任(いやー楽しいね、めちゃくちゃ面白い子ばっかりじゃん)

和服の担任(あーあ 勝負とかもうどうでも良いや 今はこの対局を楽しむよー)」トン


照(そういえば嶺上開花が頻繁に出るようになったのっていつからだろ、子供のころは普通に打ってた気がするけど)ハテッ


『―――ありがと、おねえちゃん』

『―――また明日       』


照(きっかけがあれば思い出せそうなんだけど)


『ダメだよおねえちゃん、もういいんだよ』



照(体が言う事効かない!?、頭が思い出すことを……」ポロッ


「――カン」


:■■■■■■■■■■  カン2222


照(えっ、私この雰囲気知ってる 咲が嶺上開花で上がる時と同じ、だとしたら持ってくる牌はあれしかない―――)


T子「今度こそ来たよー 嶺上開花1600です」エッヘン
  
:四四45777EFG カン2222 ツモ:3


照「嶺上開花・・・(りんしゃんかいほー)」ギリッ

照(悔しい、警戒しておくべきだったのに……)

照(でもこれで余計に負けるわけには行かなくなったよ まだお姉ちゃんより強くなってもらっちゃ困るもん)ギロリ

智葉「おい、宮永大丈夫か? どこか痛いところがあるなら少し休憩はさむが」

照「辻垣内さんありがと でももう大丈夫だよ」ニコ

東4局
南:辻垣内 智葉29,600
西:T子さん   13,800 (+1600)
北;和服の担任 33,300
東:宮永 照   23,300 (−1600)
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/31(木) 19:31:21.56 ID:dW7JY0i70
乙で?す

それにしてもT子は何者ぞ?
50 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/01/31(木) 23:20:10.81 ID:9gDtObqN0
―東4局―

照(初めての親番、先生の打ち筋まで覗く時間は無かったけどそんなの関係ない)

照(まずは、この手を自力であがる コツコツ点棒を積み上げていくのが私のスタイルだもん)
:三四五五七七8CDEG發中  

 
智葉(先生相手に2位なら大健闘と言いたいところだが胸騒ぎがする)

智葉(杞憂であってほしいものだ)

和服の担任(これが宮永ちゃんの本気、これだから麻雀はやめられないよ)

照「(久しぶりだなこの感触、家でお母さんたちと打ってる感じ)ツモ1000オール」パタッ

:二三四五五五七七ACCDE ツモ;B


照「一本場、行きますね」コト
51 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/01/31(木) 23:36:47.08 ID:9gDtObqN0
―東4局2本場―

智葉(悪い予感が的中してしまったな、宮永のあがりは点数こそ低いが他者に上がらせないスピードと判断力がある)

智葉(えっとさっき私が宮永に3900振り込んだから、順位は先生、宮永、私 T子の順だな)

T子(さっきから宮永さんの顔が怖い…… でも私は普段通り打つだけだよー)


照(次は5800狙おうかなー、でも彼女なら出してくれるかもしれないし一応確認するよ…… うん、大丈夫みたいだね)ゴッ

:■■■■■■■■白白發發發


和服の担任(宮永ちゃん何か狙ってるね 標的は多分あの子)ニヤニヤ

T子(これ通るかな、多分大丈夫だよね) 捨牌;發

照「ありがとT子さん」ニコニコ

T子「えっ、もう上がっちゃうの 宮永さん早すぎだよー」

照「ちがうちがうカンするだけだって」ブンブン

:■■■■■■■■白白   カン發發發發

捨牌:8


T子「もう、宮永さんびっくりさせないでよ 宮永さんも嶺上開花で上がっちゃうかと思ったよー」

照「そんなの(咲でもない限り)狙ってできるものじゃないよ」

和服の担任「でもT子ちゃんはもう少し河を見たほうが良いね」

智葉「私も同じ意見ですよ」マッタク

照「あはは(苦笑い)はい、これであがりだよ。点数は1600オールかな」

:八八123777白白白 カン發發發發


和服の担任「こりゃ、私一人じゃ止められないわ」オテアゲー

東4局3本場
南:辻垣内 智葉22,600 (−1800)
西:T子さん  11,000 (−1800)
北;和服の担任 30,500 (−1800)
東:宮永 照  35,900 (+5400)
52 : ◆R4dsv2QM42 [ saga]:2013/01/31(木) 23:47:32.01 ID:9gDtObqN0
―東4局3本場―

T子(どうしたら良いかな、ともちゃん)チラ

智葉(とりあえず、あいつの親を流すぞ 手伝ってくれ)ウインク

和服の担任(私はどうしよっかなー こんなときはやりんとか小鍛治プロなら問答無用で上がるだろうけど)


照(そろそろ手作りがキツくなってきたし、このまま逃げ切っても良いよね)

『油断しちゃだめだよお姉ちゃん』

『私が手伝ってあげる だから代わりに  』


照(でも手を抜いたら先生にばれちゃうかも知れない どっちにしよう)

  
1、誰か飛ばして勝利を目指す
2、このまま逃げ切りをはかる


今日はここまでです
この戦いが終わればしばらく闘牌シーンは出てこないと思います(多分ですが)
それでは
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/31(木) 23:55:58.20 ID:oB8z8R48o
一人狙い打ちやすそうだし1かな
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/01(金) 07:46:07.95 ID:0JFw59QW0
1
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/01(金) 07:48:55.81 ID:0JFw59QW0
ということは更新頻度が上がる、やた!

1でお願いします
56 : ◆R4dsv2QM42 [ saga]:2013/02/02(土) 12:07:02.16 ID:5ACna4Dc0
1ですね、了解です なるほどなるほど
選択肢は後々の展開に影響を及ぼす(かもしれません)

キーワードは「ひとりぼっちは寂しいもんな……」

*内部で数値が変動しました。


再開は夜からです。
57 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/02/02(土) 21:50:08.60 ID:5ACna4Dc0
―東4局3本場― ドラ北

照(やっぱり手を抜くのは相手に失礼だよね 全力で当たらなくちゃ)ガンバリマス

照(さっきは5800を放棄して4800であがったから、次は来るのは7700だよね)

:九13466ADEEG東發 ツモ:4


照「やっぱり私打たされてるのかな」トン


智葉(それじゃあよろしく頼む、T子)チラ

智葉(ここまで打っていればいくつか気づくこともある)

智葉(まず宮永は細かい打点の調整をしている、その証拠に一瞬手を止めるときがある まるで次にツモる牌が分かっているかのように)

和服の担任(なーんてガイトちゃんは考えてるのかな あとはイメージだけど鏡を使って打ち筋を分析してる こっちは可能性があるってレベルだけどね)
58 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/02/02(土) 21:59:49.67 ID:5ACna4Dc0
―8順目―
照(ここまで東が一枚も河に出てない、これは……抱えといた方が良さそう)
:34466ADEEFG東發


和服の担任(うはっ、宮永ちゃんとんでもない手を作ってそう)

和服の担任(でもそろそろ打点をあげるのがキツくなってくるころだね)トン

:■■■■■■■■■■■東東

捨て牌:發


智葉「それポン(とりあえず、宮永のツモ番を飛ばす)」トン

:■■■■■■■■■■ ポン:發發發

捨て牌:1


照(これで發は4枚目、安牌が増えたけど順番飛ばされた)

和服の担任(こんなことするのは今回だけだよガイトちゃん)コク

智葉(先生らしくない。いや、鳴かせてもらったのか)

智葉(今は速度重視だ 多くは望まない 次、宮永にあがられたら逆転の芽はほぼなくなるだろうな)
59 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/02/03(日) 00:23:28.97 ID:EXHAt0vY0
照(まだまだテンパイまで遠いけど負けない! たとえ東を抱えてあがれなくても後悔しない)
:34466AADEEFG東

:4466AADEEFGG東


智葉(くそ、なんで引けないんだ あと一手が遠い)トン

和服の担任(ガイトちゃん、宮永ちゃん、結局麻雀はどれだけ牌に好かれているかで決まるんだよ あせっちゃだめ)

T子(さっきから私だけ蚊帳の外。分かってるんだ、私の実力じゃ叶わないって、だからこそ足掻いてみても良いよね)

T子(当たり牌を避けつつ、華麗にあがるそんな夢をみても罰は当たらないよね)トン

照(これでリーチをかけなくても七対子ドラ2、9600で目標達成)

照(流局も覚悟していただけに重なってくれて嬉しい、リーチなしで七対子ドラ2、9600あがってみせる)
:4466AAEEFGG東東


智葉(宮永のあの目は張ったな。一歩先を越されたが、私だって負けられない戦いなんだ!)トン
:一二三五六七八八AC ポン發發發


照智(―――あとは、どちらが先にあがれるか勝負だ)

T子(私も、いつか強くなれると良いな)
60 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/02/03(日) 00:40:41.97 ID:EXHAt0vY0
和服の担任「三人ともおつかれさまー いやー楽しかったよ 咏ちゃんほどではないけど宮永ちゃんなかなかやるね」

照「先生、約束忘れてませんよね」

和服の担任「それはもちろん、女に二言はないよ」


智葉「宮永おつかれさん、やってくれたな」

智葉「お前がもう少し早くウチに来てくれていたらと思うと……T子もそう思わないか」

T子「そうだよー 宮永さんがここまで強いなんて全然知らなかったよー」

T子「でも、私嬉しいの。宮永さんの新しい一面が見れて、時々みせる無防備な表情も良いけどク―ルな表情も良いね」

照「そんな照れるよ」ウネウネ

智葉「その、なんだホーンが嬉しそうに揺れてるな」

T子「照ちゃんが照れるってちょっと面白いね」ニコニコ

照「もう、T子さんのイジワルー」


照「さっきの話だけど、私の事買いかぶりすぎだよ私なんてお母さんに負けてばっかりだもん」

智葉「それは、その母君は以前プロを目指していたとか?」

照「そういう話は聞いた事無いかな、普通の学生だったみたいだよ」

智葉「お前の家庭は良く分からんな…… とりあえず本当に今まで大会出てないんだろ? もったいないな」

照「それは本当だよ。家で打つだけでも十分楽しかったから外で打とうなんて思わなかったんだもん」


照「辻垣内さん 良かったらなんだけどわたし麻雀部に入っても良いかな?」

照「さっきも言ったけどわたし今まで家族以外と打ったこと無かったじゃない」

照「でも今日三人と打ってすごくすごく楽しかったんだ」

照「私も辻垣内さんやT子さんの為に何かしたいなって ダメ…かな」
61 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/02/03(日) 00:48:14.11 ID:EXHAt0vY0
T子「宮永さんその気持ちはとってもありがたいの でも麻雀部はちょっと困ったことになってるんだ」

T子「もしかしたら廃部になっちゃうかも知れないんだ」

照「えっ、それどういう事」

T子「来月なんだけど男子麻雀部と対抗戦するの それに負けたら女子麻雀部は廃部になっちゃうの」

智葉「私もバカだったよ。一縷の望みを掛けてあの顧問に部費の件を校長に掛けあってくれるよう頼んだんだがあいつ何て言ったと思う」

『ちょうど良い機会だ。男子の方が強いってことを身を持って体験させてやる
もし、男子に勝てたら部費の件働きかけてやる。でも負けたらお前ら麻雀部は廃部だ』

智葉「あいつは女子麻雀部に顧問が居ない事を良い事にさまざまな妨害をしてきた
   それに対して、クレームをつけたら呼びだし、担任へ告げ口、嫌がらせetc」

智葉「正直もう我慢の限界だ」

T子「ほらともちゃんって会長さんでしょ それも良く思ってないみたいなの」

着物の顧問「ホント困るよねー あのひと勤続年数だけは長いから保護者にばれてもどうにかできるって考えてるんだろうね」
62 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/02/03(日) 01:03:58.18 ID:EXHAt0vY0
智葉「そこで対抗戦に向けて白羽の矢を立てたのが先生というわけだ。先生は麻雀経験者だし、なにより生徒の目線になって指導してくれるからな」

着物の顧問「えっへん」フリフリ

着物の顧問「あの顧問にひと泡吹かせるなら喜んで協力させてもらうよ。ああもちろんさっきの試験全員合格だよ」

着物の顧問「まだまだ荒削りな部分があるけど磨けば光りそうだからこれは育てがいがありそうだね、これは忙しくなるよ」

智葉「それと宮永には悪いんだが、創設メンバーである私とT子の二人で対抗戦に挑みたいとも思ってるんだ」

T子「でもでも、宮永さんが協力してくれたら私達もっと強くなれると思うの。ともちゃんもそう思うでしょ」

智葉「それは…… 宮永本当に良いのか?」

照「最初の口ぶりから麻雀部には何かあると思ってたから、ある程度覚悟してたの」

照「それとね、辻垣内さんここまで関わっちゃったからには協力するのが友達の務めだと思うんだ」

智葉「恩に着るぞ宮永 ――いや、照」

T子「むっ、自分だけ宮永さんのこと名前呼びするなんてずるいよー 私も照ちゃんって呼ぶもん」プイ

智葉「さっき照って呼んでただろ」

T子「あっ、バレてたの」テヘ

照「こちらこそよろしく、辻垣内さん T子さん」

着物の顧問「宮永ちゃん…… そこは名前で呼んであげなよ」ポンポン


着物の顧問「さて、いろいろ手続きもあるから本格始動は来週からになるけど、各々今日の感覚を忘れないように」

智葉「じゃあ私達はこれから部室ってこの事を伝えなくちゃいけないんだが、宮永はどうする」

照「一応親にも許可もらわなくちゃいけないし、今日は帰るよ」

T子「じゃあ、また明日だよー 照ちゃん☆」

最終結果
1位、宮永照  59600
2位、和服の担任26100
3位、辻垣内智葉18200
4位、T子さん -3900
63 : ◆R4dsv2QM42 [ sage]:2013/02/03(日) 01:07:52.94 ID:EXHAt0vY0
訂正 これから部室って→これから部室に戻って

今日はここまで
次の目標は打倒男子麻雀部
64 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/07(木) 21:43:56.87 ID:8KsrD86S0
ひっそり投下


照「くしゅん、風邪かな?」ムズムズ

照(お母さん私が部活に入りたいって言ったらびっくりするだろうな)トテトテ

菫「えっと宮永だったかな、今帰りか」

照「あっ、弘世さんこんばんは」パアア

照「私はこれからスーパーで夕食の材料買いに行くところだよ」

菫「こっちの地区にスーパーはないんだが…… まあいい、どうせまた道に迷ったんだろう」

菫「ちょうど私も行くところだから一緒に行くか」

照「ご迷惑をおかけします」シュン


〜スーパー〜

菫「それで宮永は何か部活に入ったか?」

照「わたし? 私は麻雀部に入ったよ」

菫「それは奇遇だな。私も麻雀を打ってるんだ」

照「でも、背中にあるそれは麻雀に必要ないような」

菫「ああ、これのことかこれは弓道に使う用具だ。今日は弓道部の方に参加してきたからな」

照「へー 弘世さんは麻雀部と弓道部かけもちしてるんだー 弓を引いてる人は胸も育つって聞いてたけど」チラ

照「迷信じゃなかったんだね うらやましい」

菫「こんなもの大きくても得なんてしないぞ 肩は凝るし男子はじろじろ見てくるし」

照「またまたー 持ってる人はみんなそういう事言うよね 私にも分けてほしいよ」プンプン

照「それで弘世さんのお家は夕食のメニューなあに?」

菫「うちはハンバーグとサラダだな お前のところはどうなんだ?」

照「うち?うちは今日お母さん帰ってくるの遅いから簡単に食べられる惣菜と肉じゃが、あと冷凍食品かな」チラリ

菫「宮永、その肉じゃないこっちの肉だ」

照「でもこっちのほうが安いよ」

菫「よーく見てみろ、買うのは豚肉だろ、それは鶏肉じゃないか」タメイキ

照「あっ、ほんとだ」

菫「お前、あんまりスーパー来たことだいだろ」ジトー

照「ばれちゃった」テヘ
65 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/07(木) 22:07:04.64 ID:8KsrD86S0
  オカイアゲアリガトーゴザイマシタ

照「重い……」グッタリ

菫「私も両手一杯に荷物を持っているから手伝えないぞ」ハア

照「大丈夫、家はすぐそこだから」トテトテ

照「重いよ―」

菫(これはどこかで休憩させないと、もたないな)

照(咲は小さい時から買い物任されてたし、このくらい重くても平気なのかな。うう、お姉ちゃんなのに)

菫(あっ、急に落ち込んだ)

照(私のスキルはお湯を沸かす、洋服を畳む、机の上を綺麗にする。このくらいできれば暮らしていけたもん)フンス

菫(今度は自信たっぷり胸を張って歩いてる、張る胸はないがな)

照「弘世さん、今失礼な事考えてなかった」

菫「そうだ宮永、そろそろ休憩しないか ジュースくらいおごってやるぞー」

照「あー 話題そらそうとしてるー」

照「罰としてジュース二本ね」


―公園―
菫「ほれ、これでも飲んで元気だせ、私の奢りだ」

照「ぷんぷん、どうせ絶壁ですよーだ」プシュ

菫「そんなに怒る事でもないだろ、お前ももうすぐ膨らむって、機嫌なおせよ」

照「知らない」プイ

菫「(宮永を見ているとアイツを思い出すな)そういえば宮永、さっきの話だが、辻垣内智葉って知ってるか」

照「辻垣内さんは私と同じクラスだよ。何で?」

菫「そうなのか、私は辻垣内と個人的に付き合いがあるんだ」 

菫「あいつが順調に成長していれば、今年全国の舞台に立つだろう」

菫「もちろん、あいつが抱えている問題も知っている」

照「そうなんだー やっぱり辻垣内さんって県内でも一、二を争う有力者?」

菫「ああ、去年は二年生の中でTOPの成績をあげている そして今年の個人戦優勝候補の一人だ」

照「なるほどなるほど」

菫「できれば全国でも活躍して、辻垣内の名を轟かせてほしいと思っている。もちろん、簡単に勝たせる気はないがな」

菫「それと、これはあいつの友人として忠告させてもらう。このままあいつの傍にいるなら責任持って最後まで付き合ってやってほしい頼めるか」

照「分かってるよー ちゃんと最後まで付き合うもん」ブーブー

菫「だったら良いんだ、さてと、そろそろ帰って夕食の準備をしなくてはならない」

菫「まあなんだ、せっかい再会できた訳だしお前はなかなか見所がありそうだ。」

菫「これ、私のケータイ番号だ。用事があったら遠慮なくかけてくれ じゃあな」

照「弘世さん またねー」

照「さてと、私も帰ってご飯の準備しなくちゃ」
66 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/07(木) 22:15:48.94 ID:8KsrD86S0
照「いただきまーす(モグモグ)このコロッケおいしー」

宮永母「照が買って来たお惣菜だけどね」アラオイシイ

照「お母さん、最近帰ってくるの遅いけどやっぱり仕事忙しいの?」ダヨー

宮永母「照どうしたの、いつもは黙々とご飯食べてるのに」

照「もぐもぐ、ごっくん、気になっちゃってお母さんったらこっちに来てから働きづめなんだもん 心配もするよ」

宮永母「今の時期会社は修羅場ってるから仕方ないの、もう少ししたら定時に帰宅できるから照には迷惑かけるわね」ペコリ

照「(体大事にしてね)そんなこといって全然迷惑だなんて思ってない癖に」ボソ

宮永母「テ ル − 今何か言ったかしら?」
67 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/07(木) 22:26:31.09 ID:8KsrD86S0
宮永母「はい照、食後のお茶よ」

照「ん、ありがと そうだお母さん、私麻雀部に入りたいんだ」ズー

宮永母「あら、珍しいわね照が部活にはいるだなんて、前の中学の時は帰宅部だったのにどういう心境の変化かしら」ズー

照「別にー、それでお母さん入部しても良いかな」

宮永母「反対する理由は無いし、照の決めた事なんだからって言いたいところだけど照の事だから理由があるんでしょ」

宮永母「(あんたは抜けてるように見えて、案外慎重なところがあるからね)話してみなさい」

照「あのね、同じクラスに麻雀部の子が居るんだけどその子に誘われて見学に行ったの」

照「麻雀部の子はみんな楽しそうに打ってるしこれなら私でも馴染めるかなって」

宮永母「うん、それで? 何年貴女の母親してると思ってるの、他にも理由があるんでしょ」

宮永母「聞かせてくれるわよね」

照「う、うん 実は……」
68 :今日の分はこれで終わり  ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/07(木) 22:30:42.22 ID:8KsrD86S0
照「……ってことなんだ」

宮永母「なるほど、理由は分かったわ やっぱり照は優しい子だね」ナデナデ

照「ふにゃー」ゴロゴロ

宮永母「担任の先生の情報が本当なら保護者が訴えを起こしても内々で処理される可能性が高そうだし……」

照「大丈夫だよ、絶対勝つもん」フンス

宮永母「そうね、そうなると良いけど……」

宮永母(これは私も調べてみる必要があるわ、知り合いにも協力してもらわなくちゃ)

宮永母(それに、その男子麻雀部顧問とやらは信用に値しない この子の為にも頑張らないとね)

照「もっと頭撫でてくれないの」ウズウズ

宮永母「もう仕方ない子わね」ナデナデ

宮永母「ナデナデ、ナデナデ、グシャグシャ、ファサファサ―――」

照「お母さん、もうそのくらいで……」イタイヨ

宮永母「あらごめんなさい、妹が早起きして毎日手入れしていた髪がどんなものかと思ってね」フフフ

照「もう、お母さん」プンスカ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/08(金) 19:14:16.14 ID:OhHQGtrU0
テルテルかわいいよテルテル
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/10(日) 04:35:36.32 ID:A9d27w6Mo
久々に続きが楽しみなSSに巡り会えた
ワクテカしながら待ってます
71 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/13(水) 17:44:06.13 ID:uMuDknPr0
―翌日―

照「みんな、おはよー」

「てるてるおはよー」

「今日はちょっと暑いね」

照「長袖だとちょっと暑いくらいだから服選ぶの大変だよー」

「うん、うん 宮永さんおしゃれさんだもんね」ニヤニヤ

智葉「宮永、今日は来るのが遅かったな」

照「辻垣内さんもおはよー あっ、智葉って呼んだ方が良かった?」

智葉「お前の好きにしろ、私も……慣れるまで両方使うから」モジモジ

「おやおや、宮永さんが会長さんを名前で呼んでますよ 奥さん」

「これは修羅場、いやすばらですね 辻垣内さんもまんざらではない表情、これは全校生徒に知らせなくては」サラバ

智葉「お ま え ら そ こ に な お れ ! な に を す る つ も り だ」

「ごめんごめんついからかいたくなって あれっ? いつもならここでツッコミがはいるよね?」

智葉「ツッコミ役とはT子の事か、あいつなら今日は休みだ」

「なるほど、いつもなら真っ先に来るあの子が居ないのはそういうことか」

「でもT子ちゃん辻垣内さんにべったりだから仕方ないよね じゃあねー 三十六計逃げるに如かずだよー」

智葉「待て、まだ話は終わってないぞ」
72 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/13(水) 17:58:01.23 ID:uMuDknPr0
智葉「あいつら、後で覚えてろよ」ゼー ハー

照「みんな、辻垣内さんの事が好きなんだよ たぶん」

智葉「たぶんとは何だ、まったく、お前が来てから、みんなの私に対する認識が大きく変わった気がするぞ」

智葉「以前はここまでからかわれることなんてなかったのに」ジー

照「気のせいじゃないかな?」

智葉「まあいい、後であいつらからきっちり搾り取るとして」

照「搾り取る!? 何を!? 今、何か不穏な事言ったよね」

智葉「それこそ気のせいじゃないか ともかく昼、空けといてくれ」

 「嫁が居ない隙に浮気ですかー」クスクス

智葉「だからあいつは私の嫁などでは決してないと」ブツブツ

照「あのさ、浮気は絶対だめだよ でもどうしてもっていうなら、秘密にしておいてあげるよ」

智葉「お前、分かってて私をからかってるな よーしじっとしてろー 動くなよ」

照「ほらもうチャイムなるから席にもd」グリュ ゴキ グシャ


照(レイプ眼)

照「智葉に犯された…… 理不尽すぎる」

智葉「ふうすっきりした じゃあ昼空けておいてくれ大事な話だからな それとも、もう一度食らいたいのか」ワキワキ

照「モウイイマセン ゴメンナサイ」ガクブル


キーン コーン カーン コーン

  「ねえ、辻垣内さんってあんなに面白い子だっけ」コソコソ

  「前は近寄りがたい雰囲気だしてたけど変わったよね 今の方がずっと良い」ヒソヒソ
73 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/13(水) 18:13:52.48 ID:uMuDknPr0
着物の顧問「今日の授業はここまでだよ」

照「やっとお昼だ、お昼、ひるごは〜ん☆」

智葉「宮永は随分とご機嫌だな、じゃあ行くぞ」テクテク

照「どこに行くの? あっ、辻垣内さん今日はお弁当じゃないんだ」トコトコ

智葉「今日は学食だ 今日の当番はT子だったから用意できなくて……」

照「ちょっと残念だな、今日こそ辻垣内さんのおかずもらおうと思ってたのに」

智葉「機会があったら、作ってやるよ 何が好きなんだ」イジイジ

照「やった」ガッツポーズ


―学食―

照「絶対だよ 智葉ちゃん」

智葉「善処する えっとああ居た居た、おーい」

 「センパイお疲れ様です」ズビシ

智葉「先に来ていたのか席を取らせて悪かったな、えっと昨日の今日だから覚えているだろうがこれが宮永照だ」

 「宮永センパイおはようございます」キリッ

照「お、おはよう?」コソコソ

智葉「じゃあ私は列に並んでくるから、二人で談笑でもして待っていてくれ」スタスタ

 「(興味津々)」ジロジロ

照(き、気まずい 早く戻って来てよー)

 「――先輩、麻雀めちゃくちゃお強いんですよね 部長から聞きました」ニコニコ

照「こ、子供のころから打ってたからある程度は打てるかな」エヘヘ

 「うらやましいです、私は中学から始めたのでまだまだですよ」キラキラ

智葉「いちいち謙遜しなくても良いぞ、お前の実力は私がよく知っている」コツン

「ほめてもなにも出ませんよ部長、あと副部長が居ないからってそんなメニュー選んで まったく手のかかるセンパイですね」

照(おいしそう)クー

照「ごはん食べようか」ウズウズ

 「センパイもこうおっしゃってますし、話は後にしましょう」

智葉「腹が減っては何やらとも言うからな」

照智「いただきまーす」
74 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/13(水) 18:18:34.58 ID:uMuDknPr0

照「満足まんぞく、あとはー 食後のデザート♪」モグモグ

智葉「照、お前まだ食べるのか」

照「デザートは別腹だから大丈夫」ゴックン

智葉「じゃあ食べながらでいいから聞け 今後の話だ」

智葉「あれから先生と話し合って決めたんだが、早速来週の土日で強化合宿をすることになった」

智葉「場所は私の家だから、荷物は着替えセットで十分だぞ」

照「辻垣内さんのお家に部員全員お邪魔するの? 迷惑じゃない?」

智葉「ウチは無駄に広いから心配しなくても良いぞ、さすがに食事は分担して作ってもらうがな」

照「ねえねえ、辻垣内さんのお家ってどんな家なの」コソコソ

 「センパイのお家は、この辺りで一番大きい家ですね。一度遊びに行ったことがありますけど、びっくりしますよ」ゴニョゴニョ

智葉「だから親御さんに許可もらっておいてくれよ」

照「うん分かったー」

智葉「さて宮永、私にもそれ一口くれ」

照「もぐもぐ、もうないよ」カラン

智葉「お前の胃袋どうなってんだ」
75 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/13(水) 18:37:12.16 ID:uMuDknPr0
―部室―

智葉「今日の部活はここまで、みんなおつかれ」

照「ふう、疲れたよー」モミモミ

智葉「お疲れさん、早速打ってみた感想はどうだ」ポン

照「智葉もお疲れさま いろんな人と打つのがこんなに楽しいなんて思わなかったよ」ダルー

智葉「うんうん、良かった良かった これなら後輩の指導も任せられそうだ」

智葉「それはそうとこれからT子のところに見舞いに行こうと思っているがお前も来るか?」

照「行きたい行きたい T子さんのおうちがどんなところか気になるー」

智葉「よし、分かった じゃあ戸締り確認してから行くぞ」


ー通学路ー

照「ねえねえ、前から気になってたんだけどT子さんと智葉は仲良いよね」

智葉「そうだな、あいつとはもうかなり長い時間一緒にいるな」

照「それでもしかして何だけどT子さんはちょっと身体が弱かったり?」

智葉「そうだな…… あまり体力があるタイプじゃないな 少し前にも――」

智葉(いや、こういう話は本人の了承なしで話すべきではないな)

智葉「なーんて話してる間に着いたぞ ここがあいつの家だ」デデーン

照「えっ、T子さんのお家ってお金持ち? 東京って土地とか高いんじゃ?」

智葉「まあその辺は追々話してやるよ」ピンポーン

智葉「おーいT子居るかー」

「……」シーン

智葉「うーん こっちじゃないのか (だとすると)すまない、照こっちだ」スタスタ

照「自己完結しないで、説明してよー」
76 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/13(水) 18:45:40.33 ID:uMuDknPr0
智葉「あいつが家に居ないならT子は私の家に居るはずなんだよ」

照「辻垣内さんのお家?」

智葉「そう、そして隣が私の家だ 驚いただろ」

照(デカッ! えっと長野のお家があれくらいだからそれと比べると……)

智葉「まあ、賊に言うお隣さんってやつだ」

照「昼に聞いたから覚悟はしてたけど大き家だね お屋敷みたい」

智葉「そんなもんか? 私にはよく分からないな」


智葉「ただいま帰りました」

智葉母「智葉おかえりなさい あら、珍しいわね 貴女がお友達を連れてくるなんて、これはお赤飯炊かなくちゃ」

智葉「炊かなくて良いから…… お母様 T子こっちに来てますか」

智葉母「T子ちゃんなら病院に連れていってからずっとこっちで寝てるわよ あと、そちらのお譲さんもおあがりなさい」

照「こんにちは 辻垣内さんの友達で宮永照と言います」

智葉母「宮永さんね 智葉から聞いているわ よくぞ来て下さいました お母さん歓迎しちゃう」

智葉「お母様、宮永はT子のお見舞いに来てくれたんだから、話は後でね」

智葉母「もー 智ちゃんは意地悪ね こんな可愛い子を離せだなんて酷いわ」

智葉母「でもお見舞いなら仕方ないわね でもお見舞いが終わったら顔見せてちょうだい 絶対よ」

智葉「はいはい、お母様の事はよーく分かってますよ」

智葉「こうなったお母様は満足するまで離してくれないもの」フウ
77 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/13(水) 18:51:54.04 ID:uMuDknPr0
ー廊下ー

照「智葉のお母さん若くて綺麗だね」

智葉「二人で歩いていると時々姉妹に間違えられる事さえなければなぁ」(遠い目)

照「うらやましいなー、そういえばT子さん大丈夫かな」(小声)

智葉「んー 朝会ったときはダルそうにしていたが大したこと無いと思うぞ」スタスタ

智葉「この部屋だな T子、調子はどうだ」コンコン

T子「あっ、ともちゃんの声だ おかえりーだよ。入って入って」

照「T子さん身体大丈夫?」

T子「照ちゃんも来てくれたんだ。お見舞いありがとー」

T子「お医者さんはただの風邪だって言ってたから明日にはすっかり治ってるよー」

照智「(ホッ)良かった」

T子「二人とも心配だったのかなー ありがとね」ウワメヅカイ

智葉「そ、そんなことないぞ 決してT子の昼ごはんが食べられなくて残念だとか全然ないぞ」

照「この前もらった玉子焼きは絶品だった。智葉は胃袋を掴まれてる」キリッ

T子「うんうん、素直でよろしい 今度作ってあげるね」

智葉「本当に大したことなさそうで良かったよ、じゃあお母様が乱入してくる前に撤収するよ」

T子「うん分かった 挨拶が終わったら戻ってきてね 寝てばっかりだと暇なんだもん」

智葉「うむ、じゃあ照、応接室に案内するから付いてこい 迷いやすいから気をつけろよ」
78 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/13(水) 19:05:36.26 ID:uMuDknPr0
―玄関―

照「前言撤回、智葉のお母さんちょっと苦手 もうお嫁に行けない」ブルブル

智葉「我が母とはいえ、あのテンションについていくのは正直キツイと思っている」

智葉「それでだな えっと、今日はT子のお見舞いに来てくれてありがとう」ペコリ

照「転校初日にあんなことがあったんだもん 気になっちゃうよ」

智葉「T子はな、子供の頃からすぐ仲良くなれるが、その関係が今も続いているのは私しかいない」ー

智葉「去年まではもう一人親友が居たんだがそいつともいろいろあって疎遠になってしまった」

照(それってもしかして弘世菫さんの事なのかな)

智葉「私から頼むのは筋違いかもしれないが、アイツの親友になってほしい」ペコ

照「――智葉 これからどんな事が起こるか分からない、今も不安でいっぱいだけど」

照「私、智葉ちゃんもT子さんも大事な友達だと思ってるよ」

智葉「そうか私達はもう友達だよな」アハハ

照「そうだよ 智葉ちゃん あと夕ごはん美味しかったって伝えておいてね」

智葉「一応伝えておく 泣いて喜ぶ光景が目に浮かぶよ」

智葉「いつでも遊びに来て良いぞ 私も…… 来てくれると嬉しいから」ボソ

照「何か言った?」

智葉「何でもない 気を付けて帰れよ」


ここで一旦セーブ
ちょこちょこ更新しますがスピードアップするのは来月くらいになります
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:19:27.29 ID:hoIwGde/o
T子の事情、智葉と菫の関係とか、すごく気になる
先が楽しみです
80 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/21(木) 17:20:40.92 ID:Z96d4dV/0
ー翌日の教室ー

T子「とうちゃくー みんなおはよーだよ」

「おはよう、今回は早かったね」

T子「おかげさまでこの通り、すっかり良くなったよ ほら見てみて」ピョンピョン

「きゃっ、すごーい 元気そうで何よりだよー」

照「智葉もおはよう、T子さん大丈夫そうだね というか前より元気な気がする」チラ

智葉「ああ、おはよう照 それより聞いてくれ」 

智葉「今朝タイマーを10分早くセットして様子を見に行こうと思っていたんだが、あいつときたら目覚ましが鳴る前に部屋に来て私を起こすんだぞ」

智葉「病みあがりの身体でわざわざ起こしに来なくて良いものを……」

照「あはは、やっぱり学校休みたくないんじゃないかな ほら寝てるだけって結構暇だし」

照「あと対抗戦まで時間ないから、一日も無駄にしたくないじゃないかな」

智葉「恐らくそうなんだろうな あいつは昔から人に頼るのが苦手だからギリギリまで病気を隠し通すんだ」

智葉「そして、病状が悪化して保健室に連れていくのはいつも私」

智葉「こればっかりは注意しても聞く耳を持ってくれないんだよ 眼の届く場所で静かにしてもらいたいよ……」

照「やっぱりT子さんの事を第一に考えてるんだね 智葉らしいな」

智葉「別にそんな事は うわぁ」

T子「なになに、二人で内緒話はずるいと思うんだ 私も聞きたいなー」ダキツキ

智葉「こら、公衆の面前で抱きつくな 分かった 分かったからじっとしていてくれ」

T子「わーい ともちゃん ありがとー だいすきー」ギュッ

「うんうん、いつも通りのT子さんだね 朝からエンジン全開だよー」

「もうすっかり日常の風景だよね 昨日は一日教室が静かだったもん」

着物の顧問「はいはい、HR始めるよ みんな席についてねぇ」

全員「はーい」
81 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/21(木) 17:29:27.36 ID:Z96d4dV/0
教科担任「今日の授業はここまでです」

T子「これで午前中の授業終わったー さてと、ご飯食べよー」

T子「昨日作ってこれなくてごめんね 今日はその埋め合わせだよ」

教科担任「おーい辻垣内 今時間あるか ちょっと生徒会活動の事で話があるんだが」

智葉「はい、分かりました! T子 ちょっと先生の所へ行ってくるから待っててくれ」タッタッタ

T子「いってらっしゃーい 早く帰って来てねー」フリフリ

T子「ちぇっ、せっかくお弁当作って来たのに…… お預けだよ あの先生話長いし」ギリギリ

T子「仕方ないか、宮永さんお弁当ご一緒にいかがですか」

照「もちろん良いよ あっ、今から飲み物買いに行くんだけど買ってきてほしいやつある?」

T子「いえ、結構です。私は水筒に飲み物を持参しているので」イソイソ

照「分かった。じゃあ行って来るね」トコトコ

照「ふう……(T子さんはつれないなぁ)あんまり待たせちゃ悪いし急いで買ってこないとね」

「そこ、廊下は走らない!」

照「はぅ」

T子(宮永さんは変わらないな それでいて勘は鋭いし、周りの子とはちょっと違う感じ)

T子(あーあ 早く帰ってこないかな お腹ぺこぺこで背中とお腹がくっ付きそう)
82 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/21(木) 17:35:33.94 ID:Z96d4dV/0
―部室―

智葉「ツモ、2000−4000」

T子「あちゃー また負けちゃったよ 今日こそ勝てると思ったのに」ツンツン

智葉「そう簡単に私に勝てると思うなよ さて、私は一年生の指導に行って来る」

T子「むぅ、いいもーん 私は照ちゃんに相手してもらうもん」プンスカ

照(どっちが本当のT子さん何だろ 多分T子さんは意識して使い分けてるんだろうけどみんなは違和感を感じてないみたい)

照(それとも同じクラスの子は全て受け入れてるって事? 部活中は智葉が居るから普段通りだし)

照(―――こういうときどうすれば良いのか分からないよ…… 誰か頼りになる人居ないかな)

T子「照ちゃん話聞いてた? もう一回勝負しようよ」ユサユサ

照(―――そうだ、咲が居る 今日帰ったら電話で相談してみようかな 最近忙しくて声聞いてないし久しぶりに咲の声が聞きたい)

照「ごめん 考え事してた 何の話」ペコリ

T子「もう、しっかりしてよね まったく もう一回打とうって話だよ ただし鏡使うのなし」

照「東1局目から和了にいくけど大丈夫?」

T子「どうせ打つなら全力で、そうじゃないと意味がないもん」

智葉(あいつら、すっかり打ち解けたな)シミジミ

智葉(少しずつ自然な表情が出て来てるし、良い傾向だ)

智葉「(この調子なら今度の合宿くらいに事情を話しても問題なさそうだな)そうだな、この場面ではその牌を打った方が良いぞ」ズビシ

智葉(あいつには、もっと広い視野を持って大きく羽ばたいてほしい)

83 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/21(木) 17:48:27.65 ID:Z96d4dV/0
智葉「今日はどうする?」

照「ごめん、今日は夜ごはんの買い物して帰らないといけないから一緒に帰れないや」

智葉「そうか、母がT子の快復祝いに御馳走を作るって言ってたからどうかと思ったんだが仕方ないな」

照「また誘ってくれると嬉しいな じゃあお先です」

T子「また明日ねー」


〜帰り道〜

照「…」テクテク

照(ここの路地を一人で歩いてると時々弘世さんと会えるんだけど、今日は居ないか…… ちょっと期待してたんだけどな)

照(キョロキョロ)ウーン コッチ
84 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/21(木) 17:53:26.45 ID:Z96d4dV/0
―自宅―

照「布きんで水滴を拭いて、洗いものはこれで終わりかな やっぱり割れないお皿って便利だよね咲に比べればまだまだだけど、一通りできるもん まだ練習中だけど」グスン

照「今日は早めにお風呂に入って課題も智葉に教えてもらった。まだ寝るには早い時間だし 明日の準備も確認した 今なら電話掛けても咲が出てくれると思う」

照「お母さんは今日も帰ってくるのが遅いから長時間電話してもばれないはず!」

照「いざ、鎌倉へ! ―――じゃなくて咲に電話します あとお父さんも居るかな」ポチポチ

照(早く出ないかなー)ドキドキ


照『あっ、もしもし咲?』

咲『もしもしお姉ちゃん 久しぶりだね』

照『咲、久しぶり 今日はお母さんが帰ってくるの遅いから長電話できるチャンスだった』

咲『そっか、この前3時間位電話してたもんね 私もお父さんに怒られちゃったよ』

咲『あれから、お姉ちゃん電話してくれないし 私お姉ちゃんの声が聞けなくて寂しかったなー』

照『ごめんね お母さんとの生活にはなかなか慣れないし、ご飯の準備も咲みたいに手際よくできないから』

咲『お姉ちゃんは昔から炊事洗濯苦手だもんね 仕方ないよ』

照『長野に居た時に比べれば格段に上達した』

咲『またまた、お姉ちゃんが上達しても私とは年季が違いますから』フンス

照『咲に追いつくには一人暮らししないと無理かも』ショボン
85 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/21(木) 18:00:19.15 ID:Z96d4dV/0
咲『それはそうとお姉ちゃん 聞いて聞いて、私文芸部に入ったんだ』

照『文芸部か みんな元気にしてるのかな』

咲『お姉ちゃんのお友達が部長さんしてるよね 私めちゃくちゃ可愛がってもらってるよ 図書の貸し出しとかラベル貼りとかも楽しい』

照『私もボランティアで手伝ってたけど、新刊をいち早く読めるのは文芸部だもん』

咲『まったくもってお世話になってます』

照『うんうん、咲は相変わらずみたいだね お姉ちゃんは安心しました 今度そっちに帰ったらまた貸し借りしようね』

咲『楽しみにしてるよ、こっちじゃ扱ってない本でも東京なら手に入るはずだし』

照『うん、約束する』

咲『なんか私ばっかり話してるね、今度はお姉ちゃんの話も聞かせてほしいな』

照『そうかな私はこのままでも良いんだけど、まあ 今日電話を掛けたのは咲に相談したい事があったからだから相談するよ』

咲『えっ、私に相談事? お役に立てるか分からないけど私でよければ相談に乗るよ。久しぶりの電話が相談事ってのもお姉ちゃんらしいけどね えへへ』

照『ありがと 咲』

照『お姉ちゃんこっちで麻雀部に入ったんだ』

咲『お姉ちゃんが麻雀部にねぇ お姉ちゃんが強いのは知ってるから不思議じゃないかな』

照『そこに気になる人が居るの』

咲『ふーん なるほど、気になる人が麻雀部の人だったと お姉ちゃんにも春が来たんだ』

照『春? まあ、出会ったのは桜満開の木の下だから間違ってないけど』

咲『それでそれで どんな人なの』

照『背は私より少し小さくて、少し運動が苦手だけど、とっても明るくて一緒に居てすごく楽しい娘』

咲(背が小さくて、運動が苦手な子 まるで私の事みたい いやいや好きな人って男の人だから)

照『料理も上手で時々おかずの交換もしてる』

咲『えっ、それってお姉ちゃん』

照『少し咲に似てるかなってどうしたの? 私何かおかしい事言ったかな』

咲『続けて、続けて(お姉ちゃんって結構行動力あるんだな あ、あと私に似てるって)』ドキドキ
86 : ◆R4dsv2QM42 [sage]:2013/02/21(木) 18:58:21.23 ID:Z96d4dV/0
照『でもその娘は私の友達にべったりで、その娘が居ないときは対応がつれないんだ』

咲(三角関係 お姉ちゃんの初恋にはライバルが居るんだ 修羅場だよ 修羅場)

照『それでもお姉ちゃん声を掛け続けてたら、最近ちょっとだけ反応が変わって来たんだ』

咲『お姉ちゃん すっかり恋する乙女さんだね』

照『えっ、咲なに言ってるの? その娘も友達も女の子だよ』

咲『女の子? 好きな人が出来たからどうしようって話じゃなかったの』

照『??? え、えっと』カオマッカ

照『ちちち ちがうよ じぇんじぇんそんにゃはなしじゃにゃいにょ はぅぅ』

咲『お姉ちゃん照れてる 照だけに』キリッ

照『照れてにゃいもん (こほん) 照れてません』

咲『きゅふふ あー 久しぶりに笑った気がする』

照『話を元に戻すけど、その娘は意識的にそうしてて、智葉も理由を知ってるみたいなの』

咲『(お姉ちゃんの友達が智葉さんかな)えっと確認だけど、意識的にってのは具体的に?』

照『智葉が近くに居る時と部活中はくだけた感じだけど、ひとりの時はやたら口調が丁寧で壁を感じるかな』

咲『ふむふむ、なるほどね それは裏がありそうだね』

咲『お姉ちゃんは人を見る目あるほうだし、悪い子じゃないからほっとけないんだね』

照『流石咲だね、話が早いよ』
87 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/02/21(木) 23:11:05.09 ID:Z96d4dV/0
咲(私もその娘の気持ち少しだけ分かる気がする。信頼できる人が近くに居ないと不安になる気持ち 今の私がその状態)

咲(お姉ちゃんと別々の家で暮らし始めてから何カ月も経った訳じゃないのにふとした時に感じる寂しさ
  困った時はいつでも連絡が取れる距離だけど、迷惑なんじゃないか 私の独りよがりかもなんて考えたりもする)

咲(きっとその人もそんな経験をしてるから余計に智葉さんに依存してるんだよ
  でもお姉ちゃんはすごいと思う 出会って間もない人の為にそこまでするなんて) 

咲(私はまだまだお姉ちゃんには敵わないな 今はお姉ちゃんと電話で繋がってるから寂しくないけれど
  もしかしたら次の電話が待ち遠しくて枕を濡らしちゃうかも)


照『サキ さき 聞いてる?』

咲『あ、ごめんなさい それでどうすれば良いかって相談だよね』

照『そうなの 咲の知恵を貸して下さい』

咲『今まで通りで良いんじゃないかな 急激に仲を深めようとして失敗するより段階を踏んでじっくりいくべきだよ』

咲『お姉ちゃんは智葉さんと友達なんでしょ 友達を信じてあげなくちゃ』

照『ありがと お姉ちゃんちょっと元気出た』

咲『頼りない姉を励ますのも妹の役目です なんてね』

照『普通逆だと思う』

咲『まあまあ、細かい事は気にしない そういえばお姉ちゃん 家の近くに新しいケーキ屋さんできたよ』


今回の更新はここまでです
多くの問題を抱えながら一歩一歩確実に歩んでいく照さん
一方、長野に残された咲さんの心境にも変化が!? そのあたりはまた後々語っていくことになります
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/22(金) 09:11:18.07 ID:cjHsXKRxo
乙!続きも期待しています
89 : ◆R4dsv2QM42 [saga]:2013/02/26(火) 23:16:23.28 ID:EsET+S130
×月×日
私は一人ぼっちだ

ひとりぼっち 

ぼっち

ぼっち

一口にひとりぼっちといってもいろいろあると思う

世の中には両親が共に他界しているだとか、生まれてすぐ捨てられた子もいる

幸い私の家は両親とも健在である

ならば貴女はひとりぼっちなどではないという人もいるだろう しかし私は断言できる

私が本当に心を許せる人物など一人も居ない…… ならば両親が無事であろうがなかろうが関係ない

だから声を大にして言う事が出来る

やはり私は孤独な人なのだ
90 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/02/26(火) 23:22:02.05 ID:EsET+S130
×月××日

先日、私は一人ぼっちだと書いた

今でもその考えが変わる事は無い

その原因はいくつかある。一つは私の育った家庭環境にある

私の両親は共働きで、ごく幼い時期を除けばほとんど彼らに遊んでもらった覚えはない

私はその頃近所に住んでいた祖父の家に預けられていた

祖父は私を孫としてだけでなくひとりの人間として扱ってくれたし、私が大人顔負けの知識を得られたのも彼のおかげである

だから祖父には感謝している 

ただ祖父は還暦を過ぎても活発な人で身寄りの無い子供のための施設を経営していた。

それが問題だった

祖父は日中雑務で忙しい 私は施設の子どもたちと遊ぶ事が多かった 

だが、そこには大きな問題が立ち塞がっていた

それは帰る場所のある者とない者との差である これが私を苦しめた

普段彼らはとても聞きわけが良く、私と一緒にお絵かきしたりブロックで遊んだりしていた

しかし大人の目が届かぬ場所では私は仲間外れだった

露骨な暴力を受けることこそなかったが、嫌がらせを受ける事は日常茶飯事であり私は施設に行くのが大嫌いだった

この経験が私の人格を形成するにあたって大きな影響を与えたのは言うまでもない
91 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/02/26(火) 23:28:57.64 ID:EsET+S130
×月△×日

それまでの私はとても素直で引っ込み思案な子供だった

だが、私の中に一つの考えが浮かんだ

「このままでは私という人間が死んでしまう」

「恐らく周りの態度が変わる事はない。ならばじぶんが変わらなくてはいけない」

私はそう考えた。それから私は周りの様子を観察することにした。

施設とはいえ一つのサークル、参考にするにはうってつけな環境だ

一か月観察した結果、私は一つの教訓を得た

それは、「人というものは本音と建前を使う生き物である」ということだ。
親しくなるには相手の動きを見極め、慎重に行動し時には頭を下げる事も必要だという事だ

そこから比較検討しそれが成果に結び付くまでは多少時間を要したものの、これまでの苦労に比べれば大した労でもなかった

だだ、私の心は晴れない。
施設で彼らと親しくしているのは自分が作り出したもう一つの人格であって本来の自分ではないということに気付いたからだ


92 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/02/26(火) 23:32:42.63 ID:EsET+S130
○月×日

「絶望した」 「もう誰も信じない」



「どうでもいい」 「どうせ私を必要としてくれる人なんていない」







「えへへ あはははははは きゃははははははははははははははははははははははははは」







                    ダレ
                   カタ
                  スケ
                 テク 
                  ダサ
                   イ
                    ヨ
                    ロシク
                   オネ
                  ガイ
                タスケテ
                  タス
                   ケテケテ

93 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/02/26(火) 23:33:52.80 ID:EsET+S130
△月 日

「お願いです」「誰か私の事を見て、ひとりで良いから」


 私の心は確実に崩壊への道を辿っていった
94 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/02/26(火) 23:35:11.06 ID:EsET+S130
○月○日
また彼女は子供の頃身体が弱かった。

週に一度病院で診察を受け、夏と冬には入院し、外出は付き添いなしでは無理だった

身体の不調と心の不調これを併発してしまえば、どうなるか分かるだろう

そう  である

この時ばかりは両親も彼女の事を心配し、面倒をみてくれた
95 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/02/26(火) 23:36:37.69 ID:EsET+S130
□月 日

思えば、当時の私は袋小路から抜け出せられなくなっていた

自分の味方はひとりも居ない

誰かを頼ろうにも、私の世界はとても狭い 

だから私は無理を承知で願っていた。

いつか私を外の世界に導いてくれる王子様が現れんことを
まあ、神頼みなんてしても無理だろうけど
96 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/02/26(火) 23:49:14.14 ID:EsET+S130
○月×日

その日は珍しく体調が良かったので家族には秘密で外出した。

ちょっとした探検気分だ。周りは誰も私の事を知らない、自由に街を歩き、コンビニでお昼ご飯を買って公園で一休み

いつもは食べたいものより栄養の採れるモノ、ファーストフードなんてご法度 
でも今日のご飯は添加物がたっぷり入っていそうなサンドイッチ

「うん、この味 このあじ」

食後の休憩を取った後はいよいよ本日のメインイベントショッピングモールでのお買いもの

目的地まであと一息の場所で運悪く信号に捕まる。やっぱり私はツイてない

この道路は昔から呪われた信号と呼ばれているとても危険な道路だ。ほら、今も猛スピードで走ってくるトラックが―――

運転手は携帯電話で通話しながらハンドルを握っているようだ。
何故か周りの風景がスローモーションで流れる

そう、あまりに突然の事で私は身体が動かなくなってしまった


「あはは、今更気づいても私を避ける事なんて出来ませんよ」
「ひと思いにやっちゃってください」

(でも本当に良いの? まだやり残したことがあるんじゃないの)

「私が死んだところで、悲しむのは身内くらいのものだよ あはははははは」

(そっか…… もったいないな もったいない 私はやりたいこと沢山あるよ)

「えっ……」

(じゃあ、もしも もしも生き残る事が出来たら 体もらっちゃっても良いんだよね☆)

「できるもんならやってみてよ」

(絶対約束だよ)


『危ない』ドン

キキ― ドン


「事故だ 119番だ 急げ 車から火が 運転手を助け出せ」

私は状況を理解することができずしばらく立ち上がることができなかった

『えっと、大丈夫?』

『しっかりしてください 痛いところとかありませんか』

生きてる? 私生きてるの、あの状況で助かったってこと?

「何とか大丈夫です」

何とか絞りだす事が出来たのはその言葉だけ

『本当に大丈夫? もうすぐ救急車が来るからきみもみてもらうと良い』

そこにはもう一人私と同い歳位の女の子が居た。どうやら私の王子様は二人のお姫様だったようだ

『じゃあ、お言葉に甘えて☆』


これが全ての物語の始まりである
97 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/02/26(火) 23:52:20.80 ID:EsET+S130
○月○日

今日から心機一転、古い日記帳は鍵のかかる場所にしまって新しい日記帳に変えました

昨日までの私にサヨナラを告げて、一歩前に進もうと思います

だって、あの二人が居るだけで世界の見え方が180度変わるなんて(ポッ)

ともかく彼女達が居るだけで幸せになれそうな気がするの

明日は二人を私の家に招待して遊ぶ日

気にいってくれると嬉しいな


「しばらく預けておくよ でもいつか返してもらうから覚悟してね」
98 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/02/26(火) 23:54:15.34 ID:EsET+S130
照「おはよー」

智葉「照、おはよう ん? 私の顔に何か付いてるか」

照「何でもないよ」ポスン

T子「まだ話の途中だよ ともちゃん」キャイキャイ

智葉「じゃあ、また後で(照の奴、昨日と雰囲気が少しだけ違うような まあいい)」

照(あせらず、一歩一歩確実に 今は見守る事にするね)


今日はここまで
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 00:20:22.97 ID:xsYguFyDO
>>97は日記書いてるって感じがするけど、以外は日記書いてる姿が浮かばないな。
日記風にする必要は何だったんだろう
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/27(水) 00:45:07.41 ID:Uaqq2PiKo
オリキャラ掘り下げか…
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/01(金) 06:32:35.36 ID:81jYIAH90
ハードルあがったよ〜
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/09(土) 21:54:56.32 ID:mF79bbUPo
雰囲気が好きなので応援してます
103 : ◆R4dsv2QM42 [saga sage]:2013/03/09(土) 22:09:41.55 ID:ESJjx+Wf0
ちょっと時間がかかりそうなので次の土曜日まで更新はなしです
この作品と同時期に思いついたネタがようやく形になったので、こちらは一時休止します

すみません
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/12(火) 16:22:11.72 ID:240d/ZHa0
待ってるよー

自分のペースでどうぞ続けてください
105 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/03/23(土) 15:42:30.11 ID:maRm0BtL0
番外編(?)投下でさえ二週間前、本編に至っては一カ月前か……
ちょっとスランプ気味なので、調子が戻るまで形式変えます
106 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/03/23(土) 15:59:02.27 ID:maRm0BtL0
<図書館で勉強会>

 
『あんまり根を詰め過ぎちゃだめだねぇ、明日は部活は休みにするよん』

 先生の判断で今日は久しぶりに部活が休みです。
 麻雀漬けの日々も楽しいけど、学生の本分は勉強ということで、私達は図書館に来ています。
 

照「うんうん」ジー

智葉「……」カキカキ

T子「ねぇってば」ツンツン

照「ふむふむ、なるほどなるほど」チラチラ

智葉「おい、照 さっきからこっちをチラチラ見たりして、分からない問題でも有ったのか」

照「今のところは大丈夫だよ。多分智葉の気の所為じゃないかな」メソラシ

智葉「いいや、今絶対こっちを見てた。 とっても生温かい視線を感じた」

智葉「お前どうしたんだ? 最近変だぞ」

照「智葉の気のせいだってば、ほらT子さん 分からない所があったら教えてあげるよ」

智葉「ほら、そうやってすぐ話題をそらそうとする」

智葉「お前は表情を隠すの下手なんだから、丸分かりなんだぞ!」ドン

「そこ! うるさい 図書館では静かに」

智葉「あ、すみません」ペコリ

T子「二人ともごめんねー せっかく部活が休みなのに課題手伝ってもらっちゃって」

照「私は家に帰っても暇だからちょうど良かった。
  それに……こうやって友達と図書館で勉強するの憧れてたの」

照「あと、帰りに何か奢ってくれるなら尚良い」

智葉「お前、今日の昼も何か食べていた気がするんだが、まだ食べるのか?」

照「甘いものはどれだけ食べても平気」フンス

照(でも二人がイチャイチャしてるのを見てると何だか心がモヤモヤしてくるんだよね
  親友っていうよりしっかり者の姉と甘えん坊の妹みたい)

照(どこかで甘えたいと思ってるのかな)
107 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/03/23(土) 16:32:26.06 ID:maRm0BtL0
T子「じゃあ、宮永さんここ教えてほしいな」ウワメヅカイ

照「えっと、世界史だね。中国の統一がなされたのは紀元前221年斉を滅ぼした秦ってところまでは分かるよね」

T子「うん。横にある参考地図だと秦が西の方、斉が東の方の国だから、順番に倒していくとそうなるかなー」

照「細かい事をいうと必ずしも近くの国がつぶれていった訳じゃないけど、
  まあ試験で細かい事まで聞かないと思うからそんな風に理解しててくれれば大丈夫だよ」

照「じゃあ次の問題、秦の始皇帝の行った政策をあげてみて」

T子「えっと、万里の長城を作ったり、皇帝になった人!」

照「皇帝はあってるけど、万里の長城は半分正解かな
  秦に潰された国が外敵の侵入を防ぐために作った壁を繋ぎ合わせたものを秦が利用した感じだから」

T子「宮永さんのイジワル それ正解で良いと思うな あと、なにがあったかな……ギブアップ」

照「まずは、貨幣の統一かな。共通の通貨がないといろいろ不便だし、あと交通網の整備もしてるね」

智葉「道路の整備といっても、幅を整えたり、運河を建設するのが主だな」ボソッ

照「言われてみたらなるほどって思うけど、当時は国ごとに幅が違ったの。
  理由は、おなじ幅だと戦車とか馬車が簡単に侵入できちゃうからだね」

照「最近は、漫画でこのあたりを扱ってるものもあるし、時代は遡っちゃうけど封神演義にもちょこっと出てるよ」

T子「それ見たことあるー」

照「私、単行本持ってるから今度かしてあげるねー」

T子「わーい」

照「じゃあ、次の問題は……これかな」

智葉(しばらく照に任せても大丈夫みたいだな)カキカキ

照「―――ここは、こうなるよ」
108 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/03/23(土) 16:43:53.48 ID:maRm0BtL0
<甘いものの話には弱いよね>

智葉「話は変わるが、照は甘いものだと何が一番好きなんだ?」

照「えっと プリンにケーキあとクレープも捨てがたいよね ああ、もちろんアイスも好きだよ」

照「あとあと和菓子も忘れちゃいけないよ 最中に羊羹 食べたくなってきた」

智葉「ストップストップ 照が甘いもの好きなのはよーく分かったからその辺にしてくれ」ドウドウ

照「でも、東京ばなな食べてたこと無いから、夏休みに実家へ戻る時は買ってこうかな」

照「智葉は他にもお勧めある?」

智葉「そうだな……スカイツリーや東京タワーもあるからそれにちなんだものなら喜ばれるんじゃないか」

T子「そういえば、宮永さんと遊びにいったことないもんねー」

照「今まで部活漬けだったからそんな暇なかったし、時間ができたら観光もしてみたい」

T子「今週は合宿、来週は病院に行かなくちゃだから私はダメだけど、ともちゃんに頼んでみたらどうかなー」

智葉「私か? 来週なら何とかなるかな」

照「まぁ仕方ないか その代わり、智葉が何か奢ってくれるんだよね 期待してるねー」

智葉「何でそうなる」ペシ

照「暴力はんたーい」グスン

智葉「それにしたって、照がここまで興奮するして饒舌になるとはスイーツ恐るべし」

T子「女の子はみんな甘いもの好きなんだよ。ともちゃんだって私が試作品だってお菓子作ったら一つ残らず食べるよね」

智葉「後で体重計に乗ったらものすごく後悔するが、目の前にお菓子があるのに見逃すわけにはいかんだろ」

照「T子さんはお菓子作りも上手なんだね じゃあ今度の合宿の時に何か作ってもってきてほしいなー」ワクワク

T子「お安い御用だよー もちろん簡単に作れて部員みんなに配れるモノになっちゃうけどそれでも良ければ」フンス

照「まあ、他の子にも悪いからそうなっちゃうよね 楽しみ」
109 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/03/23(土) 21:19:14.62 ID:maRm0BtL0
智葉「そういう照は料理の方どうなんだ?」

照「子供の頃、包丁で怪我して以来台所に入れてもらってない……でも、ヤカンでお湯は沸かせるよ」

智葉「それは誰でもできるだろ まあ今の時代レンジが使えれば何とか生きていけるからな」

T子「そういう姿勢だと二人とも上達しないよー、もしかしたら隠れた才能があるかもしれないもん」

智葉「そんなこと言って、お前に作ってやっても不味いっていう癖に」

T子「それはそれ、これはこれだよ。段々上達しては来てるから」ポンポン

智葉「くっ、今度風邪をひいたとき覚えてろよ」グヌヌ

照「T子さん、私にもそういう才能あるかな?」

T子「調理実習はしばらく無いし、見てみないと何とも……かな」

T子「それに何事も、チャレンジあるのみ 私だって最初は失敗ばっかりだったもん」チラ

照「T子さんは智葉に作ってあげてる間に上達したと、そういうわけね。
 (私も好きな人ができたら手作り料理位は作ってあげたいとか思うようになるのかな)」
110 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/03/24(日) 01:32:43.66 ID:XuQggDOk0
「すみません 盛り上がってるところすみません お静かにお願いします すみません」

照T智「もう静かにするから、ごめんね」ペコリ

「お願いします ごめんなさい」ススス

照T智「…」

照「今の子すごく謝ってたね 悪い事しちゃったかな 私達がうるさくしてたのに……」


「あうっ、ごめんなさいごめんなさい」アタフタ

「気にしないでいいよー」フリフリ

「ふぅ、アンタはもう少し自分に自信持った方が良いって、注意するのも仕事なんだからさ」

「ぶちょー」


智葉「図書部の子はお淑やかな子が多いから仕方ない部分があるのは否めないな、
   部長だけは例外だが」

T子「そうかなぁ 私は違う理由があると思うなー 」

智葉「もしかして、私が居たから? 要望をはね付けたり、いろいろ改革もしてきたからな、
   うむむ 反省せねば」

照「騒がしくしなければ良いんだし、気にすること無いってば」

智葉「そうだな さて、充分休憩もとったしそろそろ課題の続きやろうか なぁに二人で教えればすぐ終わるさ」

T子「もういやー、範囲広すぎるよー」

智葉「泣き言言ってる暇があったら腕を動かせ」


<いったん休憩します>
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/24(日) 03:00:38.56 ID:sVAluSpVo
乙乙〜
112 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/02(火) 02:36:14.90 ID:GJLyJCJg0
T子「これがこうなってっと 終わった― もうペン持つ力残ってないよー」プルプル

照「こうやって図書室で勉強するのもいいものだね 分からない事があったら調べられるし」ノビー

智葉「んー 私は最近忙しくて復習サボり気味だったからちょうど良かった
   部屋だと周りの目が無いからどうしても妥協してしまうからな」

智葉「立場上、ある程度の成績を取らねばならないし」

智葉「それに…… 照が来てからT子に構う時間も減ってたから
   ゆっくりできて良かったよ」

照「よっこしょっと じゃあちょっと私、新刊の棚見てくるね」テクテク

T子「いってらっしゃーい」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/02(火) 02:39:26.43 ID:hysrpO9to
キタッ!
114 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/02(火) 02:57:06.87 ID:GJLyJCJg0
<二人のヒミツの話>

T子「ふふ 照ちゃんはどんなジャンルが好きなのかな?
   いつもカバー付けて読んでるんだもん 気になるなー」

T子「恋愛小説とかケータイ小説かな」

智葉「どうだろうな 元々こっちに来たのは親の仕事の都合もあったみたいだが
   行きたい学校が東京にあったからってのもあるみたいだからな」

T子「そっか、私達三年生だもんね そろそろ進路考えなくちゃだよね
   智ちゃんは、どこ狙ってるの?」

智葉「もちろん麻雀の強い学校だ。夏の大会で上位に入れば声をかけてくれる高校があるかもしれないし
   一般でもいくつか受けるつもりだ」

T子「このあたりで強いところって松庵女学院とか臨海とかかな?」

智葉「そのあたりは一通り受けるかな まあ臨海は外国から留学生を集めているから団体ででるのは難しいかもしれないな」

T子「そんなことで諦めるともちゃんじゃないし、声かかるとイイね」

智葉「そうだな(アイツとは別々になるのかな)」

T子「私は付いて行くだけだから」ギュッ
115 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/02(火) 03:15:10.54 ID:GJLyJCJg0
智葉(今はまだ好きにしてやるか……こいつの負った傷はそう簡単に埋まるものでもないからな)


T子「んっ、ともちゃん肩コチコチに固まってるよ 疲れ残ってるんじゃないの」サワサワ

智葉「毎日かかさず風呂上がりにマッサージしてるはずなんだが、なかなか取れなくてな」

T子「じゃあ私が揉んであげるね 課題見てくれたお礼だよー」

智葉「おっ、気がきくな よろしく頼む」ゴキゴキ

T子「力抜いてねー」ポスン

T子「よいしょ よいしょ 石みたいにカチコチだよ
   まったく、こんなに頑張らなくて良いのに」モミモミ

智葉「毎度のことながら、お前のマッサージ、んっ、うまいな……」

T子「えへへ、時々お父さん相手に練習してるもん ほらほら」

智葉「んっ、あ ああ……! んんっ……!

智葉(T子、うますぎ……。 体が蕩けそうだ。)

T子「やった、褒められた じゃあ……こっちはどうかな えいっ☆」

智葉「あふっ、んっ、あっ、あんっ……んくぅっ……」

T子「だいぶ リラックスしてきたね」

智葉(軽い気持ちで頼むんじゃなかった……)

T子「残念だなー お家だったら体全体くまなくしてあげるのになぁ」

智葉(正直これ以上されたら声を抑える自信ないぞ……)

T子(智ちゃん ちょーかわいいよー このまま私のテクニックで ふふふ)

智葉(気持ち良すぎて身体に力が入らん 助けてくれ 照)
116 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/02(火) 03:30:17.16 ID:GJLyJCJg0
T子「(ちょっと悪戯しちゃおっかな)えいっ☆」ツンツン

智葉「ちょ、どこ触ってるんだ ふぁ……」

T子「どこって、私の口で言わせるのー ともちゃんのエッチー」

智葉「いくら私が(モゴモゴ)だからって、それに揉んでも楽しくないぞ」

T子「いいんだもん、大きくても小さくてもそれには価値があるんだから」

智葉「うまく言いくるめられた ような?」

T子「まあ、私は今の身体に満足してるから じゃあ照ちゃんはどうだと思う」

智葉「宮永か、アイツは……今後に期待だな」

T子「結構酷い事言ってるよそれ」

智葉「努力しても手に入れられないものはあるんだ……ときには諦める事も肝心」

T子「……今度みんなに作っていくお菓子甘さ、控え目にしようかな
   ついちゃいけないところについてるし」チラ

智葉「私は標準だぞ お前が細すぎるだけだ もう少し食べろよ」

T子「いやん」ツンツン


照(あの二人何やってるんだろ うわっ、あの子顔が引きつってる
  これはしばらく図書室出入り禁止になるかも)
117 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/02(火) 03:47:21.27 ID:GJLyJCJg0
<照お姉さまと文学少女の妹>

照「あっ、この人の新作出てたんだ これ借りようかな」スッ

「あれは三年の宮永さん (これはお近づきになるチャンスだわ)」コソコソ

照(もう一冊借りれるのか、あっちの棚まだ見てない)

「こちらに来ましたわ どうしましょう とりあえず……何か読んでる振りを あっ」ヒュー

照「危ない!」ガバッ

「宮永さんが私をかばって下さったわ」//

照「君、大丈夫 怪我ない?」

「ええ、そちらこそ大丈夫ですか?」

照「何ともないよ、高いところの本を取る時は踏み台使わないとあぶないよ」キリッ

「はい」ハナヂダラー

照「鼻血出てるよ 保健室行こうか?」

「だ、大丈夫ですわ 安静にしていればすぐ収まりますから(せっかく憧れの宮永センパイと会話しているのに)」

照「そう? じゃあ私は行くね」

「ええ、ごきげんよう ――――しばらく止まりそうにありませんわ」

照(私の見ている場所で怪我とか絶対だめなんだから……)
118 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/02(火) 04:13:38.89 ID:GJLyJCJg0
「はい貸出ですね あっ……さっきのセンパイ」ビクビク

「(ピッピ) 貸出期間は2週間です あと その 部長に追い出される前に……」ボソ

照「えっと、いろいろごめんね 二人にはキツーく言っておくから」

「いえ、分かっていただけたなら その 良いんです」ポッ

照「ところでさっきから気になってたんだけど、貴女が使ってるシャンプーって○○だよね もっと近くで嗅いでも?」

「えっ、そんな、センパイ 顔近すぎです」

照「えっ、このくらい普通だよ」

「はうう、でも、私の香りなんかで良ければ 幾らでも嗅いでください センパイ」ウルウル

照「じゃあ遠慮なく嗅がせてもらうね うん、この香りまちがいないよ」クンクン

照「手入れも行き届いてて綺麗な髪だね ほれぼれしちゃう」サワサワ

「センパイにほめていただけるなんて、光栄です」

「でも、あっ、そんなとこ 触られると ワタシ 我慢できなくなっちゃいます」

照「我慢しなくて良いんだよ 自分に正直になって ほら」

「あの そのセンパイ とってもお綺麗です」セキメン

照「それで?」スッ

「センパイ 私 もう我慢できません」ガバッ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


照「なんて展開の小説ないかな?」

「流石に中学校の図書室には……でも、センパイはそういうの似合いそうです」

照「そう? でも良かったー 散々迷惑かけちゃって謝りに来たら 同好の士が居るとは」

「会長が…… あんな様子なので…… ここだけの話ウチは結構多いんですよ

照「なるほどねぇ」チラリ


「二人ともいい加減にしろ! いちゃつくなら外でやれ!」

智T「はい!」


照(ご愁傷さま、でも自業自得だよ)アーメン

「ああ、やっぱりかっこいいです」ポッ

照(こっちはこっちでお似合いかも)


 女の子同士の恋愛 こっちにくるまでは小説とかアニメの中の出来事だと思ってた。
 でも、こっちにきてその考えは改めることにしたの。

 同性の恋愛は確かに障害も多いし、おおっぴらにはできない(まあ、女の子同士なら多少のスキンシップはできるけど)
 ただ智葉やT子さんを見ていると、恋愛より深い関係ってのもあると思うな
 どっちも依存してるけど、いつか解決しなくちゃいけない

 素人考えかもしれないけど二人は羽を休めてるんだと思う いずれやってくる嵐に備えて
 そして私も……
119 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/02(火) 21:34:20.37 ID:GJLyJCJg0
智葉「お前のせいで追い出されたじゃないか」ポコ

T子「いやーん ともちゃんに怒られたよー 宮永さーん」ヨヨヨ

照「仲が良いのは良い事じゃないかな それに二人は気付いてないかもしれないけど、
  普段よりおとなしかったくらいだったよ」

智葉「なん……だと、照の眼、いや周りにはそう見えてるのか、そう言う事は早く言ってくれよ」グスン

照「だって、引き離すの可哀そうだし……」

T子「それってクラス公認ってこのだよね やったー」

智葉「いいや、これから、少し自重する! というかT子 お前がスキンシップを減らせば変なうわさも消えるはずだ」

T子「いくら智ちゃんのお願いでも、それだけは嫌だよー」

照(そうだよね 私ももう手遅れだと思うなぁ)


照(そういえば帰り際にモブ子さんが呟いてた言葉がちょっと気になる)


『噂には聞いていたが、最近T子さんのスキンシップは目に余るモノがあるな。
 教師陣に付け入る隙を与えなければ良いのだが……』

『校門前で生徒にインタビューをしていた女性も気になるし……』

『どちらにしろ辻垣内には大いに期待しているんだ。
 宮永さん、よろしく頼むよ。私達、図書部もできるだけ協力するから」

照『辻垣内さんに伝えておくね。』

照『(考えれば考えるほど理不尽な話だよ! 断固反対!)』


『ああ、よろしくな モブ子付いてこい 裏で作業するぞ』
120 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/05(金) 02:11:36.86 ID:O5i+u+jL0
智葉「今日はどうする?家、良かったら家に寄っていくか?」

照「あ、帰りに本屋で買いたい本あるんだ ごめんね」

T子「そっかー じゃあ、そこでお別れだね」

智葉「そうだな、私達はこっちの道だから、また明日な」

照「また明日だよー」

照「さて、じゃあ行こうかな」テクテク


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


照「そういえばお金あったかな…… 他にも欲しい本があるかもしれないし」ゴソゴソ

照「うん、これなら足りそう」

照「近くの店はあんまり品揃え良くないから、駅前の方に足延ばさなくちゃ行けないんだけど……」

照「やっぱり東京の道は複雑!」

照「何とか到着ー ってあれ? あんなところに見覚えのある人が居る。あれってお母さん?だよね」

照(横に居るのは……私の知らない人 多分お母さんの会社の人だよね?)

照(でもちょっとおかしいな、お母さんの仕事って確か って何か隣の人に言ってる)

照(ここからじゃ良く聞こえないし もう少しだけ近くに)ソロソロ
121 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/05(金) 02:33:52.18 ID:O5i+u+jL0
男「宮永さん、ホントにこれやる気ですか?」

宮永母「当たり前じゃない、私達は真実を世間に伝えるのが仕事よ」

男「……分かりましたよ やれば良いんでしょやれば じゃあ、俺は伝手使って知り合いから情報収集しますんで」

宮永母「ええ宜しく頼むわ、貴方には危ない橋渡らせることになるけど、頼りにしてるわ」

男「まったく、先輩には随分世話になりましたからね。それに俺だって業界に長く居るんですよ」

男「俺の勘ではこのネタはかなり大きなヤマになります それに先輩のお子さんが巻き込まれてると聞いたら
  喜んで手を貸すヤツはごまんといますよ」

宮永母「買いかぶりすぎよ まあ期待しないで待ってるわ」

男「久しぶりに燃えてきたぜ うおー」


宮永母「あの子も相変わらずね。これで裏の情報は大丈夫だとして……」ブツブツ


照(良く聞こえなかったけど、まだ仕事中みたいだし 気付かれないようにしようかな)

 イラッシャイマセー
122 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/07(日) 01:12:27.64 ID:sEOpulRB0
宮永母『もう一度照から詳しい話を聞いた方が良いかしらね 一番リスクの低いのはあの子から聞く事だし、
    友達経由でいろいろ聞けるかもしれないわ』

宮永母『携帯が鳴ってる…… 噂をすれば何とやらね はい、もしもし宮永です ええ 今のところ妨害はありません』

宮永母『あとで報告書にまとめてお見せしますが少し触っただけでも出るわ、出るわ
今まで放置されていたのが不思議なくらいですね」

宮永母『そうですね 今、言えるのはそろそろ相手もこちらの存在を嗅ぎづける始めるはずなのでより慎重な取材が必要だってことです』

宮永母『そこでなのですが……無理は承知なんですが若いの何人かこっちの回してくれませんか?』

宮永母『知り合いにも協力してもらってますがこのネタはウチが最初に見つけたんですからね』

宮永母『ありがとうございます えっ、社に戻らなくても良い…… 部長ありがとうございます』

宮永母『詳しい事はまた後で はい失礼します』ピッ

宮永母『(部長は渋ってたけど都合が付いたらこっちに回してくれる 久しぶりに大きな仕事になりそう)』

宮永母『照大丈夫かな…… ただでさえ多感な時期で話たいことも沢山あるはずなのに泣きごと一つ言わないし』

宮永母『あの子も少し大人になったってことかな? 部長の許可が出た事だし、久しぶりに照の好物作ってあげよっと』
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 01:15:07.78 ID:QGwdpJbko
なんかきな臭くなって来た!?
124 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/11(木) 00:46:29.30 ID:w+IN4XzG0
説明するまでもないかもしれないけど照母の仕事は雑誌の記者さんです。
125 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/11(木) 00:50:17.67 ID:w+IN4XzG0
<母子の団欒>

宮永母「ただいまー 照、帰ったわよ―」

照「お母さんおかえりー 今日は早かったね はい、上着貸して」

宮永母「あら、悪いわね」ドウゾ

照「このくらいはしないとね……これでよしっと」

照「そろそろ暖かくなってきたからクリーニングに出さないとだよ」

宮永母「もうそんな季節なのね。長野に比べれば東京は随分暖かいけど、照の言う通り薄手の物に変えることにするわ」

照「絶対そのほうが良いよ ところでお母さん今日はどうする?」

宮永母「久しぶりに料理しようと思って、ほらちゃんと買い物してきたわよ☆ 
    お母さん着替えてくるから、照は宿題でもして待ってなさい」

照「はーい(お母さんの手料理、おかず何かな)」ウキウキ
126 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/11(木) 01:04:30.46 ID:w+IN4XzG0
宮永母「♪〜」トントン

照(今の状況を説明するね、、宿題は放課後図書室で全部終わってる だから手持無沙汰……)

照(だから私はリビングで寛いでる)モグモグ

照「(こんなとき咲ならお母さんを手伝うんだろうけど……)あーあ」

宮永母「どうかしたの? それから、ご飯前なんだからお菓子はほどほどにしときなさいね」お玉肩手

照「何でも無い」

宮永母「そう? じゃあ照に手伝ってもらおうかな」

照「私は何をやれば良いのかな? できることあんまりないけど」ジー

宮永母「そうね、照に包丁を持たせるわけにもいかないし、かといって二人で作業するにはちょっと手狭だし……
    そうだわ。食器を棚から出してくれるかしら」

照「お皿? いつも使うやつだからこっちの底が深い方が良いかな」

宮永母「そうね、今日のおかずはそっちの方が良いわ じゃあ3つお願い」

照「ん、おまかせあれ」


照「持ってきたよ」

照「えへへ」

宮永母「何だか嬉しそうね」

照「うん、お母さんとこうやって台所に立つの久しぶりだなって」

照「この匂いは唐揚げ?」クンクン

宮永母「そうよ ちょうどタイムセールの時間で安かったからお肉沢山買っちゃった☆」

宮永母「もちろん食べきれない分はお弁当に入れるから心配しないで」

照「お母さんの唐揚げ冷めてもおいしい ほかのおかずも私の好物」

宮永母「ふふっ、これ秘密のレシピなの これはまだ咲にも伝授してないのよ」

宮永母「さてと、じゃあ次は台拭きお願い テーブル拭いといて」

照「りょーかーい よいしょ 円を描くように……じゃないや」

照「確か縦に動かした方がムラなく拭けるんだよね 咲が言ってた」フキフキ

照「こんなもんかな」ピカピカ
127 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/11(木) 01:06:35.70 ID:w+IN4XzG0
宮永母「(照は……ちゃんとやってるわね)えーっとどこに置いたかしら あったあった」

宮永母「時間のある時位はダシの素じゃなくて、煮干しと鰹節で出汁を取ったお味噌汁作らないとね」フンス


宮永母『まずは2Lの水に対して大体30gの鰹節を用意します』

宮永母『この水が沸騰するまで鍋で火にかけます』

宮永母『沸騰したら一度火を止めて、温度を下げます 面倒な人は差し水(びっくり水)で下げても大丈夫です』

宮永母『温度が下がったらすぐに、鰹節を入れます』

宮永母『これを火にかけて沸騰したら20〜30秒煮出します。尚、沸騰している間はアクを取り続けてください』

宮永母『最後にキッチンペーパーなどで、鰹節を濾します。時々鰹節を押し当てる人もいますがそれは間違ったやり方です』

宮永母『これで鰹節の出汁は完成です』

宮永母『次に煮干しで出汁を取る場合ですが頭とはらわたを取ったものを水出しし、それを煮出します』

宮永母『時間の無い時はレンジなどで加熱すると、効率よく出汁を取ることができます』



照『お母さん 誰に説明してるの?』

宮永母『誰得のちょっとした豆知識よ 照』

照『基礎の基礎の話だけどね』

宮永母『未だにお湯を沸かす事しかできない人に言われたくないわ』

照『そうかな この前もだけど、ちょこちょこ豆知識入れてくるよね』

照『それとお母さん、私だってやる時はやるんだよ 具体的には2年後だね』

宮永母『メタ発言はダメよ あっちは番外編みたいな扱いなんだから』

照『いまからコツコツやっていればワンチャンスある?』

宮永母『無いわね』

照『それもそっか 私も咲が元気なら別に良いと思ってるし』

照『でも続きを書きたいとは思ってるんでしょ?』

宮永母『それはまあ……ってそろそろこの話終わりにしない?』

照『ちょっとした雑談みたいなものだよ お母さん』
128 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/11(木) 01:26:43.41 ID:w+IN4XzG0
宮永母「はっ、少し夢を見ていたみたいだわ」グツグツ

照「何の話か私にはチンプンカンプンだけど薬缶沸騰してるよ」

宮永母「急須にお湯を入れて……よしっ、じゃあご飯にするわよ」

照「ご飯! 唐揚げ!」

宮永母「はいはい、ご飯大盛りで良いわね」

照「もちろん」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

照「もぐもぐ ゴクゴク」

宮永母「そんなに急いで食べなくても誰も取ったりしないわよ」

照「ゴクゴク ぷはぁ だってお母さんの手料理すごく美味しいんだもん」

照「私も人並みに作れるようになれば、お母さんに楽させてあげられるのに ごめんね」

宮永母「人には向き不向きがあるから仕方ないわ じっくり覚えていけば良いのよ お代わりいる?」

照「コクコク」

宮永母「照が喜んでくれるなら、作った甲斐があったってものよ」

宮永母「はい、どうぞ」
129 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/11(木) 01:29:10.98 ID:w+IN4XzG0
区切りも良いので少しだけど今回の投下はこれで終了です。
次回の更新は誰得展開予定
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 01:42:38.39 ID:TUvyg/v/o
メタ発言の所、よろしければ解説お願い
131 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/11(木) 16:06:34.40 ID:w+IN4XzG0
>>130
まったくペースが上がらない時期に気分転換でもしようと思って書いた話ですが、
一か月位前にこのSSを土台にして書いた話の内容が約2年後を舞台にしたものだったんです。
その中で、てるてるがある人の為に料理(?)を作るシーンがあります。

2年もあれば菫さんやガイトさんの指導もあって、料理スキルがレベルアップしているはず 多分……
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 17:07:23.11 ID:l/W4Ixano
>>131
>>130じゃないが興味が湧いた
タイトル知りたい
133 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/13(土) 17:52:32.97 ID:ux+wgIwe0
<幕間>

照「けふっ……お腹一杯、もう入らないよ」

宮永母「この子ったら うふふ」

照「えへへ」

宮永母(この様子なら食器を片付けるのはもう少し後でも良さそうね)



宮永母「ねぇ、照? 学校はあれからどう?」

照「そうだなー あれからあんまり変わらないかな。」

照「あの先生、相変わらず高圧的な態度で私達の邪魔ばっかりしてくるし、
  今日も本当は部活があったんだけど急にミーティングするからって女子は休みになったの」

照「流石にやりすぎだと思うの。まあそのおかげで智葉に授業で分からないところ教えてもらえたから別に良いかなって」

照(寝る前に今日買った小説読まないとなぁ)

宮永母「そうなんだ。(照がここまで言う顧問の先生って一体……学校で相当幅を利かせてるのね)」

照「あとね、これは噂なんだけど、最近このあたりに変質者が居るみたいなんだ。クラスの子も見たって話」

宮永「物騒な話ね。照も絶対一人で下校しないようにしなさい 絶対よ」

照「大丈夫できるだけ部活の子と帰るようにしてるよ」

宮永母「そう? だったらいいのよ」
134 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/13(土) 18:11:54.19 ID:ux+wgIwe0
宮永母(やっぱり照の耳にも入ってたのね)
   
   照から聞いた話は私がインタビューした子が全員が言ってた話。
   特徴はスーツを着た30歳位の男の人、あと学校から100M以内で目撃されてるってこと。
   
   全て鵜呑みにするわけには行かないけど普通は保護者に連絡があってもおかしくないはずなのよね。
   それが未だにない。
   もちろん、回覧板は回って来てないし、考えれば考えるほどおかしな話ね
   現時点で考えられる可能性はこんなところかしら


   1、学校側が、把握していないもしくは単なる噂としか受け取っていない場合

   でもこれは少しおかしいわ 照は『最近このあたりに変質者が居るみたいなんだ。クラスの子も見たって話』と言った。
   これが担任からもしくは集会なんかで話が出ているなら噂なんて言い方この子はしない。
   目撃証言が学校周辺ならなおさら注意喚起が行われるべきなのにそれすらない。
   特に中高生の周りでの噂話なんて、一週間も経たない間に学校中に知れ渡るはずよ
   中には、担任に相談した子もいるだろうし……
   聞いた話だと最初に目撃されたのは3か月も前から、これはおかしいわね

   2、意図的に隠してる
     
     信じたくないけど、こっちの方が可能性が高いと言わざるおえないわ。
     調べただけでも校長が交代して方針が大きく変わってから15人も教師が異動してる。
     これは流石に異常ね。 
     あとは追突事故を起こしたにも関わらず、そっちがバックしてきたのが悪いと言い張って、
     学校を首になった人も居るみたいだし……どうなってるのかしら

     話を総合すると学校関係者が犯人とまではいかないにしてもその変質者を知っていると考えるのが合理的かしら
135 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/13(土) 18:19:29.07 ID:ux+wgIwe0
照「あと、後輩の子がこんなこと言ってたよ。
  ウチの男子麻雀部は県だと絶対3位以内に入るんだけど、関東大会とか大きな試合だと弱かったって」

照「でも今の顧問に代わってからは、全国でも見違えるような成績あげるようになったみたいだよ。
  私は好きになれないけど、指導力はあるみたい」

宮永母「指導力ね……」

照「ところでお母さん……食後のデザート食べても良い?」チラチラ

宮永母「まだ食べるの? やれやれ、どうせダメっていっても食べるんでしょ アンタは」フウ

照「やった。おやつ おやつ おやつだよー きょうはなにがあるのかなー♪」ルンルン

宮永母「じゃあお母さんはやり残した仕事片付けてくるから、自分で食べた分シンクに置いといてね」

照「りょうかーい あっ、これかな」

宮永母「もう、こういうときだけ元気なんだから」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 19:32:43.17 ID:bASEUkS8o
続ききてたー!
137 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/13(土) 23:31:18.74 ID:ux+wgIwe0
宮永母「ふう……」バタン

宮永母「さてと、ちゃっちゃと終わらせますかね」ポチ

 それから私は部長に渡す報告書を作り始めた。
 ここ数日足を使って集めた情報と昔の仲間から貰った情報。
 さっき照から聞いた情報をもとに、私なりの解釈をまとめる作業。
 
 元々こういう仕事は嫌ではないし、久しぶりにやりがいのある仕事。
 貴方には悪いけど、今の部署は忙しくて休む暇なんてこれっぽっちもないけどすごく楽しい。
 長野に居た時は照も咲も小さかったから、定時に帰宅できる部署だった。
 それが悪い訳じゃない、分かってる。
 でも私の天職はやっぱり最前線でバリバリ働くことだってこっちにもどって実感した。

 
 少し思考が乱れてしまったのを自覚し、もう一度目の前の作業に集中することにする。


宮永母「やっぱり、これってそういう事なのよね」

宮永母「いざ自分の身に降りかかると某ルポライターとか窓際さんが苦労して調べてるのも良く分かるわ」

 私は少ない情報から真相を暴く安楽椅子探偵タイプじゃない
 あくまで自分の足を使って情報収集するタイプだと思ってる。
 
 この仕事は天職だと思ってるしいつまでも続けたいと思ってるんだけどね。
 まあ、仕事柄警察とは対立することも多いけどそこは持ちつ持たれつ、
 実際、知り合いの中には警察上層部の人も居るからこっそり情報をもらったりしてるわけで
138 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/13(土) 23:37:26.51 ID:ux+wgIwe0
宮永母「分かっていたこととはいえ、扱い方を誤ると沢山の人生を左右しかねない……恐ろしいわ」

 今、私が担当してるのは政治・芸能を扱っている雑誌のコラム
 独身の時は番記者として、総理官邸とか大臣相手にバリバリ働いてたけどあの人と結婚して長野に異動してからは構成担当。
 今では良い経験をさせてもらったと思ってる。

 当時の先輩から東京に戻ってくる気はないか?って誘われた時はすぐ断るつもりだったけど、、
 二人が「心残りがあるなら、挑戦してほしいな」背中を押してくれて、旦那も賛成してくれた……
 
 今でもこの選択が正しかったのか分からない。
 
 でも、これだけは言える。

 離れていても、娘を心配する気持ちは変わらないって事。


宮永母「でもやめられない、零か百、ここまで来たら全てを白日のもとに晒さなくちゃいけない」

宮永母「(照・咲・貴方)貴方達が居るから私は頑張れるの」


宮永母「宛先と内容を確認、うん大丈夫だわ」ポチ

宮永母「うーん 久しぶりに座って作業したー」ノビー

宮永母「後片付けしてお風呂に入ったら明日に備えて今日は早めに布団に入ろうかな」ガチャ


  仕事部屋は照明が落とされ、わずかにPCの周りだけ明かりが灯っている
  彼女が立ち去ってから数秒後、メールソフトが起動し、宛先にメールが届けられる。

【宛先】〇〇社 文芸部 月刊△△ 担当■■部長

【件名】男子インターミドルに蔓延る闇 東京都〇中顧問による不正に迫る

【添付ファイル】資料A 〇中教師一覧表 資料B ここ3年間の東京都団体戦インターミドルのトーナメント表 etc
139 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/13(土) 23:50:59.19 ID:ux+wgIwe0
今日の分はこれで終了です。 まさに誰得のお話ですね……

次は本編に戻ります、と言いたいところですが今週は多分更新なしです。
毎月恒例の板落ちが月〜水辺りに来そうなので、その間に前回話題に出した話の続きを書いてリハビリしてきます

今の予定だと淡視点で見る照のその後なので、照が高3の話かな
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 00:01:03.64 ID:Ab9VurLYo
乙先の展開も楽しみです
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 07:38:00.47 ID:4T9pVwoOo
続き期待してます
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 02:42:21.45 ID:mluztCaOo
復帰したので投下に期待してる
143 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/20(土) 14:44:21.80 ID:81tqAdjl0
小ネタ 生存報告

淡「テル― 生存報告って何?」

照「まだ生きてる、つまりまだ書く意思があると報告すること 淡のほっぺモチモチだね」ツンツン

淡「えへへ そりゃ高校100年生ですから! でも>>1は今週更新しないって言ってたよ」

照「予定は変わるものだよ。あと、どうしても出さなきゃいけないキャラが未だに本編に登場してないからあせってるの」

淡「菫みたいに、予定を立てておけば良いのに 無茶するからだよ」

淡「でもテルーっていろいろ酷いよね。ルームメイトの菫、可哀そう」

照「それはまあ……悪いと思ってるよ」チラチラ

淡「まあ菫がそれで良いなら私が言うことでもないしー」

照「菫 良い子 悪い子 不憫な子」

淡「あんまり弄ると部活中にお菓子食べるの禁止になっても知らないよ」

照「それはダメ!」ブンブン

淡「じゃあ、おとなしくしておこうよ」

照「分かった! では、またお会いしましょう」パチパチ

淡「あれ? でも何か忘れてるような?」
144 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/04/20(土) 14:45:40.69 ID:81tqAdjl0
<閑話>

プルルルル…… プルルルル……

T子「電話鳴ってる 誰だろ?」

T子『はい、もしもし』

『もしもし、T子さんのお宅でしょうか?』

T子『はい……ってその声は! 久しぶり、元気だった?』

『久しぶりじゃのぅ、T子嬢も元気じゃったか?』

T子『まだ病院には通ってるけど、普通に生活する分には問題ないかな』

『それは良かった。』

T子『そっちはどんな感じ?』

『ぼちぼちじゃな、それはそうと久しぶりに会えんか?』

T子『そうだなぁー 週末は予定入ってるから来週でも良いかな』

T子『ちょうど、定期健診入ってるから』

『うむ、分かった。待ち合わせはいつもの場所かの』

T子『うん―――いつもの場所で―――』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


T子『じゃあ、切るね おやすみ』

『うむ、久しぶりにお主の声が聞けたので、今日は気持ちよく眠れそうだ おやすみ』ガチャ

ツーツーツー

「T子の奴に次の能力を伝授しても良さそうだの」

「オリジナルには敵わぬが、少しは足しになるじゃろ……」

「照ねぇ……咲嬢……元気かな」




というわけで、今後のカギを握るキャラを無理矢理登場させました。

名前アリのキャラの追加はあと一人だけ許して下さい。

本編の更新はそのうちやりますよ(予定は未定)

145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/20(土) 15:07:57.17 ID:wkXSQyKco
ルームメイトになる予定なのか
146 : ◆R4dsv2QM42 [sage saga]:2013/05/09(木) 18:31:54.72 ID:VwkMHy8V0
今月中に再開できると良いな……
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/09(木) 20:59:24.09 ID:PXuQdP98o
期待してますー!
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 04:02:10.09 ID:CTNsjG5xo
同上!
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 13:57:44.82 ID:riKflD2To
酉を付けていませんが1です。

最後に本編を投稿したのが4/13 立てたのが去年の12/19
このスローペースでは完結など到底無理なので一度落とします

日記のくだりや学内の抗争が正直邪魔なので、再挑戦する際これらの要素は省きます
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 15:56:32.14 ID:fYpKgTPto
ありゃ残念
再始動お待ちしています
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