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俺の妹SSアナザーストーリー(オリキャラ注意) - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :串に刺さってタンゴ :2012/12/24(月) 01:34:28.82 ID:C9tkabDq0
俺妹SS PART14 207の続きから投稿していきます。

「俺の妹の親友と俺の親友との出会い(後編)」

次の日曜日、黒猫と沙織が高坂家にやってきた。
サコは日本につくのが昼過ぎになるらしく、
こちらに来れるのは夕方すぎになるそうだ。

そこで、先んじて桐乃とオタク友達との数ヶ月ぶりの
再会パーティーが始まったわけだが、そりゃぁもう大変だったわけだ。

はじめはおとなしくしていたものの、アニメ鑑賞会の後、
桐乃が黒猫を挑発し、それに応戦する形で黒猫が火に油を注ぐ。

仲裁の役目を負おうかと考えていると、沙織が既にと目に入ってくれて
いたようだ。久々の集まりがこんな風になって、沙織も起こっているのか
と思ったのだが、それは俺の杞憂で心なしか喜んでいるように見える。
こうやって、みんなでわいわい騒ぐのが心の底から嬉しいのだろう。

「京介氏、笑ってないで手伝ってくだされ。」

どうやら俺も心底嬉しいようで、顔が緩んでいたようだ。

だって、見てみろよ?あいつら、口では罵り合っているが、
顔を見るとずいぶんと楽しそうだ。黒猫も桐乃も自分の
本音をぶつけることが出来る相手が見つかって嬉しいんだろうよ。
特に桐乃の方は、あんなに必死な顔してはしゃいでいる姿なんて今まで、
見たことなかったぜ。


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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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2 :串に刺さってタンゴ :2012/12/24(月) 01:35:08.90 ID:C9tkabDq0
こんな雰囲気も悪くねぇな、なんて思うのと同時に、
桐乃とこいつらが出会うことができて本当に良かったよとも思うわけだ。

そりゃぁ、俺の面倒事も多少は増えたが、こいつらの楽しそうな顔が
見れるんだったら安いもんだ。

まぁ、手のかかる可愛い妹が増えたと思えば・・

「あら、なにをニヤニヤしているのかしら?全く、その整っていない顔が
 さらに歪になっているわよ?」

「なんて顔してんのよ。キモ。」

訂正。やっぱ、こいつら可愛くねぇ。俺を一体なんだと思っているんだ。

「うるさい、俺の顔はもともとこんななんだよ!」

「まぁまぁ、京介氏、そう怒らずに。皆さんもなにかゲームでもしようでは
 ございませんか」

そうやって、夕方まで俺たちは遊びほうけていた。

夕方になるとそこに、サコも加わった。

「お久しぶりです、京介さん」

「おー、サコ元気だったか?」

「あ、サコショーさん、おかえりー」

「はいこの通り、あ、桐乃ちゃんも久しぶり、これ二人へのお土産です」

サコはそう言うと、俺には淡い色のした帽子を、桐乃には
メルルのグッズを差し出した。
ちなみに、桐乃とサコは以前自宅に来ていた時にアドレスを交換していた
らしく、携帯小説の時にアドバイスを受けたり(パソコンの知識も
ある程度あるようだ)、シスカリの対戦なんかを通じて仲良くなったようだ。

で、桐乃はアメリカ限定のオタクグッズをサコに頼んでいたってわけだ。
「サコ、ありがとな」
お礼を言われるとサコは照れくさそうに笑っていた。

「そろそろ、拙者たちにも紹介してはくださらんか?」
そう言うと、沙織はこちらに近づいてきた。
すれそうになっていたが、今日はサコとこいつらの顔合わせの日だったな。

「紹介するよって、黒猫はどこにいった?」
見回すとリビングの椅子に座ったままうつむいている。
そういえば、こいつ人見知りだっけか。

「黒猫、そう緊張しないで、こっちにこいよ。サコは悪い奴じゃないからさ。」

「だ、だれが緊張しているですって?闇の眷属であるわたしが、
 そ、そんなことになるはずないでしょう・・」
明らかに声が上ずっている。それでもとぼとぼとこちらへやってきた。
3 :串に刺さってタンゴ :2012/12/24(月) 01:35:41.47 ID:C9tkabDq0
それから、自己紹介が始まった。

「初めまして、佐古下翔といいます。話には聞いてましたが、
 皆さんは京介さん達のお友達だそうですね。僕も京介さんには
 いろいろ良くしていただいたんですよ。どうぞ、よろしくお願いします。」

「こちらこそ初めまして、拙者は沙織=バジーナ・と申すものでござる。」
「こちらのきりりん氏と京介氏とは拙者が管理人を務めております
 コミュニティー「オタクっ娘集まれ」のオフ会で知り合った仲でして、
 その後右翼曲折を経て、今は皆、拙者の良き仲間です。
 佐古下氏、でよろしいですかな?京介氏の友人と言うことでしたら
 今後共お付き合いすることもござろう。よろしくお頼み申します。」

「わ、私の名前は黒猫よ。よ、よろしくお願いするわ」
さすがに、沙織は社交性が高い。黒猫は相変わらずだが、
そんな黒猫を見かねたのか、きりのが助け舟を出す。

「黒いの、サコショーさんってさ、ゲーム超好きみたいだから。
 あんたみたいのでも仲良くなれるとおもうよ?」
ナイス案だ桐乃、ただお前一言おおいよ。
4 :串に刺さってタンゴ :2012/12/24(月) 01:36:09.84 ID:C9tkabDq0
「それじゃぁさ、あいさつもすんだことだし、
 上でゲームでもしながら話そうぜ」

それから俺たちは対戦ゲームなんかをして過ごした。
ゲームが終わる頃には、サコも大分となじんできたようだ。

「へぇ〜黒猫さん、噂に違わず、ゲーム強いですね」

「ふん、これくらい、私の力をもってすれば、朝飯前よ」
やっと黒猫らしくなってきたな、

「サコ、どうだ?こいつら、中々楽しい奴らだろう?」

「はい、皆さん仲良くて、見ていて楽しいですね、それに
 ちょっとうらやましいです」

「まぁ、バカ騒ぎしてることのほうが多いんだけどな」
そんなことを言っていると、
 
「うぎゃー、悔し、悔し、悔し〜!!あともうちょっとだったのに!!」
後ろでは絶賛桐乃が大暴れ中、どうやら沙織にボコられているようだ。

「まぁ、まぁ、桐乃、落ち着けって」

「はぁ?アンタ何様のつもり?最近話をしてあげてるからって馴れ馴れしいん
 デスケド?」

本当、この妹様は生意気だな。

「あーもー、あんたのこと見てたら余計イライラしてきた、ねぇ、
 あんた、後でボコボコにしてあげるから、ゲーム付き合いなさいよ!」
「このアタシがあんたなんかとゲームしてあげるんだから感謝しなさいよね」

なんて理不尽な要求だ。ここは兄として反論せねば。

「お前なぁ、俺だってこのあと勉強とかしないといけないんだが」

「はぁ?日頃勉強してないくせに、何言ってんのよ?
 言っとくけど、拒否権ないから」
さすが、理不尽さには定評がある。

「あら、本当にあなたは下僕体質なのね」
そんな体質いらねぇよ!!なんだか無性に泣きたくなってきた。
今夜は徹夜でゲームか、明日起きれっかな・・
5 :串に刺さってタンゴ :2012/12/24(月) 01:36:43.55 ID:C9tkabDq0
後ろで、沙織とサコの話し声がきこえる。
「なんだか、微笑ましい光景ですね」

「ふむ、拙者もきりりん氏と京介氏の深い愛情には感慨深いものがあるでござるよ。」
「それはそうと、佐古下氏、アメリカの方でも日本のアニメキャラはブームになっているのでござるか」

「そうですね、メルルやポ○ケモンなんかもアメリカ独自の商品があるくらいですしね」

「ほむほむ、一度みてみたいものでござるなぁ」

「もし、アメリカに行く機会があるのでしたら、ぜひカリフォルニア州に行ってみてください」
「FanimeConと呼ばれる―日本で言うコミケ―お祭りは、一件の価値ありです」

へぇ、日本以外にもコミケってあるんだな。まぁ、俺にとっては疲れるだけのイベント
だったがな。

「コスプレなんかもそこら中の人、いろんなキャラクターに扮していましたね」

「へぇ、それは楽しそうね。是非私も参加してみたいわ」
「ふむ、コスプレですか、ますます行ってみたくなったでござる」
沙織と黒猫が口を揃えて反応する。

黒猫はまぁ、いいとして、沙織もコスプレに興味があったのか
ふと疑問に思ったので聞いてみる。

「沙織もコスプレに興味があるのか?」
しかし、沙織のコスプレか、全然、想像できない。

「京介氏、そんな顔しなくても、またいずれ、拙者のコスプレ姿を披露することもござろう」
そう言うと沙織はニヤニヤと笑い出した。

まぁ、機会があれば見せてもらえるのだろう。

「あ、こっちのメルちゃんかわぃい〜、あ、このタナトスもすごーい」

「そっちのがサファリ使用で、こっちのが自由の女神とのコラボ商品みたいです」

話に入ってこないと思ったら桐乃は土産のメルルグッズを堪能中のようだ。

・・・・

「さて、そろそろ良い時間ですし、失礼させてもらいましょうぞ」

「そうね、私もそろそろ妹たちの面倒をみないといけないし、失礼するわ」

「おう、今日は楽しかったよ、なぁ桐乃?」

「ん、まぁ、いい退屈しのぎにはなったかな」

相変わらずの上から目線である。

「まぁ、あんた達、また遊びに来なさいよ?約束だかんね!」

こっちが本音か。
さっきの言葉はどうやら寂しさを紛らわすための去勢だったようだ。
6 :串に刺さってタンゴ :2012/12/24(月) 01:37:09.16 ID:C9tkabDq0
「僕も楽しかったです。あの、みなさんが良ければ僕も
 コミュニティーの仲間に入れてもらえませんか?」
そういうと、サコは頭を下げた。

「俺からも頼む。こいつ良い奴だし、それに元々メンバー、
 男俺だけだったから俺としても嬉しいんだよな」


「頭を上げてください。それにそう言わなくとも、拙者はすでに
 佐古下氏は仲間だと思っておりましたぞ?」
沙織が言う。

「まぁ、この現世を仮初の姿で生きていくために、
 下僕は多いに越したことはないのだから」
黒猫も答える。わかりにくいが、OKということなのだろう。

「私も別にイイケド?お土産も貰っちゃったしね」
最後に桐乃が答える。

「皆さん、ありがとうございます、それから」

「「「「よろしくね」」(な)」(です)」
そう言うとみんなで笑いあった。

これで晴れてサコも俺たちの仲間入りというわけだ。

「そういえば、ずっと思っていたのだけれども、
 あなたのその名前と顔、どこかで見たような気がするのだけれども」

「おー黒猫氏も同じことを考えておりましたか、拙者も気になっていたの
 でござる」
二人がそれぞれ疑問を口にする。

昔、サコとあったことでもあったのかね。なんて考えていると、

「あれ?あんた達気づいてなかったの?サコショーさんって
 あの、ハッピー○テリアルとかを歌ってる歌手だよ?」

桐乃の口から驚きの事実が発覚する。

「へぇ〜お前って歌手だったんだ?」

「一応歌も歌ってますが、でも、基本的には演奏したり、
 歌詞を考えたり、作曲したりすることが多いですね」

そういえば久しぶりに会った時もフルートで演奏していたな。

「そう言えば聞いたことがありますぞ、カ○マや、○AOといった
 曲を、若干14歳の少年が作詞・作曲したっていう逸話を」

「それは僕のことですね」

「私も聞いたことあるわ。眉唾ものの噂だと思っていたのだけれど
 実在していたのね」


なんだかスケールがでかい。最近俺が出会うやつはすごいやつばかりだ。
7 :串に刺さってタンゴ :2012/12/24(月) 01:37:37.40 ID:C9tkabDq0
「だったら、今後サコの演奏でも、歌声でもいいから聞かせてくれよ」

「はい!音楽活動は東京で行っていますので機会があれば
 見に来てください」
サコは満面の笑みでそう答えてくれた。

それから、みんなと別れた俺は一息つけるわけではなく、
本当に桐乃に遅くまで、シスカリ対戦につき合わせた。

何度も俺をボコボコにし、3時になって漸く妹様は満足したようだ。

やっと解放された俺は、寝ぼけ眼をこすりながら、部屋に戻ろうとした。
その時、

「ねぇ」
桐乃から声をかけられる。

「まだなんかあんのかよ?俺はもう眠いんだ明日にしてくれないか?」
眠気からか少し語彙が強くなる。

「・・・」

反応がない。振り返ると、桐乃は俺を見つめていた。
その表情は若干悲しそうだ。そう思うとなんだか不安になる。
おれのシスコン化も大概だな。

「ん、どうした?・・はぁ、わかったよ、はやく言えよ」

しばらくして、桐乃が口を開く
「何よ、あんたが急に怒るから、ちょっとびっくりしただけじゃない」

「別に怒ってないよ」
まぁ、ここは逆らわないほうがいいのだろう。
だいたい、俺が怒ったってどうせ気に求めないだろうがよ。
なんて考えていると、予想外の言葉が帰ってきた。

「あんたさ、あの、その、・・黒猫たちにさ出会わせてくれて
 アタシ結構楽しいんだ。それにこうやっておそこまで構って
 くれるのもまぁ、それなりに嬉しいし、だから・・その・・」

「兄貴、どうもありがとう」
そう言うと、顔を赤らめながらニッコリと微笑む。

そんな顔を見て俺はこう思うわけだ。

「俺の妹がこんなにかわいいわけがない」
ってね。
8 :串に刺さってタンゴ :2012/12/25(火) 16:02:15.57 ID:BajGy3gu0
「俺が音楽に興味を持つわけがない」

とある昼下がり、俺こと高坂京介は、
友達の黒猫や沙織と一緒に秋葉原を巡っていた。

ことの発端はあやせだ。

「お兄さん、ご相談があります」

そんな風に呼び出された俺は、あやせから
桐乃が今なにを欲しがっているのかを調べて欲しいと頼まれた。

桐乃へプレゼントしたいということなら、俺なんかよりも
あやせの方が詳しいんじゃないか、なんて聞き返したら、

それじゃあ、桐乃の一番欲しいものを上げられない、だってさ。

どうやらまた、桐乃とのプチトラブルがあったようで、
その巻き返しに桐乃の趣味のものをプレゼントしたいとのことであった。

あのあやせが、自ら進んで、そんなことを言ってきた。
本当は汚らわしいと思っているのに桐乃のためにあえて頑張ってくれている。
しかも、変態鬼畜上等と思っているこの俺に頼んでまでだぜ?
断れるわけがないだろう。

そういう事で、おれはあやせからのお願いを了承したわけだが・・・

桐乃の趣味のことならあいつらの方が詳しいだろうということで、
プレゼント探しに付き合ってもらっているというわけだ。

「しっかし、ピンとくるものがないな〜」
俺たちはかれこれ1時間ほど、巡ってみたのだが、
これというものがなかなか見つからない。

「そうね、あのビッチなら、欲しいものなら手に入れているでしょうし」

あの妹様は読者モデルなんかをやっており、相当稼いでいる。、
こうやって俺たちが買えるようなものなんかはとっくに持っている
可能性が高い。そんなこともあって結構難易度が高いんだよな・・

18禁のものだったら可能性はあるかもしれないが、そんなものを
勧めた日には俺の命が危ない。依頼者に殺されてしまうかもしれん。

「京介氏、やはり、クレーンゲームコーナーにあった、
 メルルのぬいぐるみではダメですか?一応非売品になりますし・・」

「うーむ・・確かにいい線いってるんだけれど、桐乃が一番欲しいかという
 となぁ・・」

「だけど、他に何があるというのかしら?」

んー・・そうだなぁ・・どうするか・・
あ、そうだ、ちょっとあいつに相談してみよう。
俺は携帯を取り出し、連絡をとった。

「はい、佐古下です」
9 :串に刺さってタンゴ :2012/12/25(火) 16:02:56.27 ID:BajGy3gu0
・・・・

「なるほど、つまり如何わしくなくてそれなりに手に入りにくい
 アニメグッズが欲しいわけですか」

「そうなんだよ、何か心当たりはないか?」

「そうですね、ちょっと待っててください」
彼はそう言うと一旦電話を切った。

「何か、いい案はございましたか?」

「ちょっと調べてみるってさ」

「それなら、待ってる間、休憩にしないかしら?そろそろ魔翌力の補給をしたいのだけど」

「おう、そうだな。結構歩き回ったしな。二人共今日は付き合ってくれたし、
 今日は俺が出すよ」
それから、俺たちはしばらくミスドで休憩をとることにした。

暫くして、サコから連絡が入る。

「もしもし、京介さん?いくつか候補が見つかりました」

「本当か?一体どんなものなんだ?」

サコからの話をまとめるとこうだ。

一つは来週行われるコミック大会で出店される商品として、
声優の直筆サイン入りメルル使用のテーブル

二つ目は今度ここアキバで主催されるコスプレ高いの景品で、
非売品のメルルフィギュア

三つめは再来週、イベントがあり、その抽選会でメルルの文房具品が
当たるようだ。

「おう、サコ、ありがとな」

「いえいえ、また何かあれば連絡ください」

で、どうするかってわけだが、

「そうでござるなぁ、抽選イベントは拙者も存じておりましたが、
 そこで出される景品の数は10セットと限られておりますゆえ。
 少々運要素が高すぎますなぁ」

「コミック大会のことなら、私も知っているわ。でも、あそこで
 売られている商品も数に限りがあって、しかもそれなりに高価な
 ものだから、あまりオススメはしないわよ?」

「となると・・コスプレ大会ってわけか。でもこれもちょっとなぁ・・」

あやせがコスプレしてくれるかどうかは置いておいても、
勝算がなければ、結局他の案と同じ結果である。具体的にどんな
イベントかわかれば手立てがあるのかもしれないが、

「コスプレ大会と言うのはあれのことではないかしら」
そう言うと黒猫は店内に貼られているポスターを指差す。

「これが、コスプレ大会か、あれ、このキャラクターって・・もしかしたら
 いけるかもしれねぇ」

そして、翌日おれはあやせに今回の収穫を報告することになった。

・・・・

結論から言うと、無事、俺たちはメルルの景品をゲットした。
まぁ、そこに至るまでには、あやせに蹴り飛ばされたり、
マネージャーまがいのことをさせられたりと、色々あったが
その話はまた別の機会にはなさせてもらうとするぜ。
10 :串に刺さってタンゴ :2012/12/25(火) 16:03:53.22 ID:BajGy3gu0
そんなこんなでいま、俺はあやせと桐乃へのプレゼントを持って
コスプレ会場から帰路についているところである。

「あの、お兄さん、一応お礼言っておきます、
 今日はありがとうございました。これで、桐乃に喜んでもらえそうです」
あやせはそう言うと嬉しそうに微笑む。

本当、大人しくしてると本当に可愛い子だな。
例えるなら・・そうだな・・天使のような存在だな。

「しっかし、お前もよくそこまで出来るな」

「大切な親友のためですから」

そんなやりとりをしていると、ふとあやせが立ち止まる。

「お兄さん、見てください。こっちのほうすごい人だかりですね」

目をやると、屋根のない開けた会場にかなりの人が集まっている。
耳を澄ますと、歌声のようなものが聞こえてきた。コンサートでも
やっているのだろうか?

「あやせ、ついでだし、寄って行ってみないか?」

「お兄さんには今日お世話になりましたし、そうおっしゃるなら、
 私は構いませんけど?」
そう言うと、あやせは会場の方へ向かって歩きだした。

俺もあやせの後をおって会場に向かった。

・・・・・

「しかし・・すっごい熱気だなぁ」
さっきのコスプレ会場もすごかったが、ここも負けず劣らずすごい。

「どうやら、ここでは、コンサートではなくてライブをやっている
 みたいですね」
そう言ってあやせは、壁に貼られている案内を指差す。

どうやらここでは今日、サイレント・レイスと言うグループが
演奏をしているらしい。音がかなり大きく、
今もギターやドラムが入り混じった音やそれに、観客の歓声が
響いているが、不思議と心地良い。

しばらく俺たちはそのステージを鑑賞していた。

・・・・

「さっきのメルルのコンサートもすごかったけど、ここはまた違った
 感じがするな」

「そうですね、あっちのコンサートの方は、えっと・・如何わしい感じもしましたが、
 この、ライブなんかは純粋に音楽とか、臨場感とかそういったものを楽しむんです」

「へぇ〜、確かに、観客と演奏者が一体になっていて楽しそうな感じがするよな。
 てか、あやせはこういったライブってよくくんの?」

「はい、事務所の先輩にこういったのが好きな人がいて、桐乃も一緒によく、
 連れてってもらうんです」
そういってあやせははにかんだ。

どうやらあやせも楽しんでくれているようだ、こんな可愛い笑顔を見させてもらえて
俺は幸せ者だよ。
11 :串に刺さってタンゴ :2012/12/25(火) 16:04:49.35 ID:BajGy3gu0
あれ?そういえば、今、俺はあやせと二人で楽しんでるんだよな、
そこで、ふと頭によぎったことを口にしてみる。

「なんか、こうしているとデートしているみたいだな」

俺の言葉に反応すると、あやせはみるみるうちに顔を赤くする。
お、意識してくれてるのかな?なんて思ったが甘かった。

「な、何を変なことを想像しているんですか?汚らわしい、今日はあくまでもお礼で
 付き合っているだけで、お兄さんに対してそういう気持ちは一切ありませんよ?」

はいはい、わかってたことだが、コイツの中で俺の評価って最悪なのね、

「まぁ、桐乃からお兄さんの話を聞くとたまにはいいなって思うこともありますが」

あやせがまだ何かしゃべっているようだが、周りの歓声が大きすぎて聞こえない。
どうせまた俺を貶めるための言葉なんだろう。

「お兄さん、聞いてますか!」

「あ、ああ、それにしてもさらに盛り上がってきたな」

「そうみたいですね、そろそろ終わりの時間のようですし、
 クライマックスじゃないですかね?」

ステージを見ると今まで後ろの方で演奏していた金髪の少年が
前に出てくる。
その少年を見たとき、俺は少し驚いたね、
だって俺はその人物を知っている、あれは・・

「では、そろそろ時間になりましたので、最後はこの曲で締めたいと思います!
 みなさん一緒に盛り上がっていきましょう!曲はもちろん「ハッピーマテリアル!」」

前奏がはじまった。

〜光る風を追い越したら 君にきっと会えるね 新しい輝きハッピー レーディー ゴー!〜

・・・・

「あの人って佐古下さん・・ですよね?」
あやせが俺に問いかけてくる。

「そうみたいだな」
そういえば、あいつ歌手やってるって言ってたな。
12 :串に刺さってタンゴ :2012/12/25(火) 16:05:26.67 ID:BajGy3gu0
「綺麗な歌声ですね」

〜闇夜に見つけた 一瞬の輝き 流れ星みたいな 君の優しさ〜

確かに、透き通った声が耳に響く。それにしても・・

「あいつ、むちゃくちゃ楽しそうに歌ってるな」

「そうですね、見てるこっちまで楽しくなってきそうです」

確かにその通りだな。
特に趣味を持たない俺だが、彼を見ていると不思議と
一緒に演奏して楽しみたくなってくる。このライブ会場の独特の
雰囲気がそう思わせてくれているのだろうか?
それとも、単に俺がながされやすいのかね?

そして曲は終盤に差し掛かる。

〜雨降りでも平気虹になるよ〜
〜カラフル ハッピー マテリアル ゴー!君にきっと会えるね 〜
〜新しい輝き ハッピー レーディー ゴー 〜

〜君に届けたい (観客と一緒に)ハッピー レーディー ゴー 〜

「ありがとうございましたー」

彼の言葉とともに盛大な拍手とこの日一番の歓声が湧き上がった。

・・・

それから、俺たちはライブ会場をあとにし、帰りの電車に乗っていた。
あやせは疲れていたのか、メルルの商品を抱きかかえたまま眠っている。

俺はそんな姿を目に焼き付けながら、メルルのコンサートや、
ライブ会場のことなんかを思い出していた。

「音楽ってこんな清々しい気持ちにさせてくれる物なんだな」

今度は桐乃や沙織、黒猫なんかと一緒に見に行ってみようか

そんなことを思いながら俺は窓から見える夕暮れの景色を眺めていた。
13 :串に刺さってタンゴ :2012/12/30(日) 23:56:48.03 ID:oMFZyToQ0
「俺が妹の中学校に行くわけがない」



「はい、ではこの問題を来栖さん、答えてください」

「せんせーい、加奈子ぉ〜、わかりませーん」

「来栖さん、ちょっとは考えるように!じゃ、代わりに高坂さん答えて」

「はい!2Xです!」

「さすがは桐乃ちゃん、堂々と答えてますね」

「そうだな、中学じゃぁ、かなりの優等生で通っているらしいしな」

・・・

俺は今、サコと一緒に桐乃が通う中学校にいる。

その訳は、今日の日曜日、桐乃の通う中学校が授業参観なわけなのだが、
生憎うちの両親は法事で家を空けており、俺に代役の白羽の矢が立ったってわけだ。
(桐乃は反対するだろうと思っていたのだが、意外や意外、OKサインが出た。
 まぁ、舌打ち1回に、おとなしくしている事と釘を刺されたわけだが)

一人でいくのも嫌だったし、サコに声をかけるとたまたま空いてるってことで、
一緒に行くことになった。

そして今、桐乃の教室では絶賛数学の授業中・・で今に至る。(回想終了)

数学の授業はどこの中学校でも出題されそうな一般問題ではなく、
クイズ形式に設問されており、参観に来られている父兄の方々でも
楽しめるよう、工夫されているみたいだ。
14 :串に刺さってタンゴ :2012/12/31(月) 00:08:15.48 ID:gA+ZsViI0
「では、次の問題を新垣さん。答えてください。」

「はい、これは・・こうで・・ですので・・です。」

今度はあやせが指名された。そう言えばあやせも勉強できるんだったな。

あやせの説明は、模範解答のようにわかりやすい説明だ。先生なんかに
向いているのかもな。

それから授業が進み授業半ばと言う所で、先生から思わぬ発言が飛び出した。

「さて、ではここからは、父兄の皆さんにも参加してもらいましょう」

「わかった方は手を挙げて大きな声で答えてください」

それから、何人かの人たちが答えていく。

中には親が答えているのを恥ずかしそうに見ている子がいたり、
答えが間違っていて、笑いが起こったり、と和やかな時間が過ぎていった。
(勿論、俺は桐乃に釘をさされたとおり目立つようなことはしない)

そして、授業も終盤、最後の設問はかなりの難問のようだ。
ほかの親御さんからは答えがでない。

「この問題は結構難問ですからね。わかる方がいないなら今から解答を発表します」
どうやら時間切れのようだ。

一応、この問題、俺は解いていた。(大学受験を控えている身だしな)
正解発表の前に横にいるサコも解けたようで、二人で答え合わせをする。
「一問目は・・・だよな?」

「そうですね、2問目の方は・・で・・ですね」

声に出して、確認し合ってしまったのがいけなかった。

俺たちの会話を聞いていた他の父兄の方が、

「先生、この問題、この子達は解けたみたいですよ?」
なんて言い出して

「お、君たちは学生さんですか、じゃあ、前に出て発表してください」
と発表する羽目になってしまった(しかも前に出てだ)

ゆっくりと桐乃の顔に視線をそらすとジト目で俺を睨みつけている。
余計なことするなよってか?(でも、今のは俺のせいじゃないぞ?)
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