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フィアンマ「安価、で」上条「目一杯幸せになろうな」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 00:42:31.29 ID:H4HsGsEAO


◆H0UG3c6kjA改め◆2/3UkhVg4u1Dです。


前々スレ

フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」+フィアンマ「安価で、」上条「幸せなら何でもいいです」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353577810/

前スレ

フィアンマ「…安価け焼きそば」上条「どう見ても焦げの塊だろ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1355303533/



・(元)右方のフィアンマさんが時々病気にかかりながら上条さんといちゃつくお話

・時間軸不明、新約以降(色々と)捏造

・基本はほのぼの進行

・キャラ崩壊注意

>>1は(安価スレの割に)遅筆




※注意※
当スレのフィアンマさんは女性です。
安価次第で著しく展開が変わります。
エログロ展開の可能性があります。
小ネタを挟む可能性があります。




感想・雑談・考察・予想はお気軽にどうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1356450151
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=^・ω・^= ぬこ神社 Part125《ぬこみくじ・猫育成ゲーム》 @ 2024/03/29(金) 17:12:24.43 ID:jZB3xFnv0
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VIPでTW ★5 @ 2024/03/29(金) 09:54:48.69 ID:aP+hFwQR0
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:43:29.01 ID:Oqiw0aj20
ついに神浄スレ超えなるか
3 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:45:06.45 ID:sifO4obD0

○(元)右方のフィアンマ(本名:Ofelia=Cannavacciuolo《オフィーリア=カンナヴァッチュオロ》 他呼称:フェリーチェ、フリッグ)

一人称は『俺様』。

『神の右席』から除籍されたローマ正教所属の魔術師兼修道女。
また、開店休業中『グレムリン』の正規メンバー。
(元)『右方のフィアンマ』として扱える術式は『神の如き者』に関連した『聖なる右』など。
その身に『世界を救える程の力』を宿している。
また、『聖なる右』を用いた蘇生術式も可(ただし自らが殺害して人物に限る)。
『神の右席』に所属出来る身体であるにも関わらず、例外的に通常魔術と特殊術式を併用出来る、所謂天才。
自らの職業(=右方のフィアンマ)を示していた赤い衣装を、現在は単なる衣服として使用している。
また、白いワンピース系の衣服を着る事も多い。これは『フリッグ』の性質を活かす為。


"白馬の王子様"を割と本気で信じてしまっている系女子。
夢は『上条当麻のお嫁さん』。
世界平和と人類皆平等について極限まで突き詰めて考えた結果、世界が歪んでいることに気がついた。
世界の歪みは自らの手で正さなければならない、という常軌を逸した考え(義務感)に囚われ、一時正気を喪った。
優秀な魔術師だが、人を傷つける・殺害するのは苦手。同情的で涙もろい気質。
しかし、身を守る為等、どうしても必要とあらば容赦はしない。
上条を一度喪った経験から、彼を傷つける人間は即座に殺してやりたいと思う短期決戦型ヤンデレ。

料理上手。ただし、和食は上手く作れない。
肝心なところで詰めが甘かったり微妙に失敗したりするドジっ娘。天然気味。
頭は悪くないのだが、日常生活において、やや常識が欠けている。所謂世間知らず。
『虚空年代記(アカシックレコード)』と呼ばれる、禁書目録にすら保管されていない特殊な『原典』を所有・保有している。
現在はその『原典』による精神汚染が減退している為、概ね自分の思うように人生を生きている。
世界を救わなければならないという義務感は病気という形で潜伏中。
また、その『原典』の影響の為、他人の名前や能力等、情報を把握出来る場合が多い。
『原典』の内容を活用し、通信や治癒術式などを自在に操る事が出来る。

16歳(高校一年生)、とある高校に通学中。
身長(172cm)に栄養分諸々を取られた為か、胸が無い(=AAサイズ。本人は時折気にしている)。
赤い髪を順調に伸ばしている。現在は肩を過ぎる程度。
色白で細く、美人系寄りの可愛らしい顔立ちをしている。

『神浄』を二つに分けた内の『慈愛に満ちた脆弱性』たる『神上』。

天使(属性含)に友情・被救助・改心、人外(属性含)に恋愛・好意フラグを立てる傾向がある。

上条当麻の恋人。

本シリーズのメイン主人公。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:45:09.59 ID:H4HsGsEAO
+
5 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:45:52.65 ID:sifO4obD0

○上条当麻

一人称は『俺』。

ありとあらゆる異能の力を破壊・消滅させる『幻想殺し』の右手を持つ学園都市に住む男子高校生。
過去の記憶から人間不信気味。世界への憎悪を我慢している。
神聖にして異能を消し去るその右手の副作用のせいかどうかは不明だが、とことん不運。
右手が異能の力を消すことと幸運が消えることとを関連付けて解釈しているので、自分の右手を億劫に思っていた。
現在は人を救える優しい右手として、自分に誇りを持つよう心がけている。
一般的な男子高校生らしい感性をしている少年。

可愛い女の子と運命の出会いを果たした系男子。
夢は『オフィーリアと暖かい家庭を築いて楽しい食卓を囲むこと』。
年下は恋愛的に対象範囲外。
肝心なところで鈍感なので、自分の恋愛事には疎い。
オフィーリアを馬鹿にされるとカッとなる。その場合の暴力に躊躇が無い。

卑屈な部分があり、愛されているかどうか、自分に自信が持てない。
人が傷つく姿はなるべく見たくない性格。
敵味方の区別に時折難儀する。
自らを『偽善使い(フォックスワード)』などと自嘲する。
完全なお人好しではなく、完全な人嫌いでもない、そこに関してはとても人間らしい少年。
自分のせいで周囲が不幸になっている、と軽く思い込んでいる節がある。

とある方法で救われたが、一度死んだ事がある。

『神浄』を二つに分けた内の『正義感に塗れた暴力性』たる、本質的な『神浄』。

所謂早年生まれで、15歳(高校一年生)。
親友と差のある身長(現在171cm)の低さを時折気にしている。
黒い短髪をワックスでツンツンに立たせている。
適度に日焼けをした、健康的な容姿。

オフィーリアの恋人。

本シリーズのメインヒロイン。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:45:53.92 ID:H4HsGsEAO
+
7 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:46:46.37 ID:sifO4obD0

○一方通行

一人称は『俺』。

暗部組織『グループ』の構成員。
現在は『グループ』含む旧暗部が活動停止した為、暇を持て余している。
学園都市『超能力者』第一位の能力である『一方通行』を所有し、操る。
また、本名は本人曰く"忘れた"。よって、能力名を名前として使用している。
打ち止めを助けた時、天井亜雄によって撃たれた後遺症から、妹達に演算代理を頼んでいる。
その為、バッテリーが切れると言語が理解出来ず、自力では歩けない。
普段は杖をついて歩く。
バッテリー総量は能力使用モードで最大三十分。
普段着ている服のセンスは、かつての親代わりである木原数多譲り。

性悪説を信じている系?子。
人生最大の汚点を知られたオフィーリアに諭され、一生懸命贖って生きることを決めた。
オフィーリアを恩人と認識した上で、友人として接している。
垣根帝督の親友。
打ち止めや黄泉川愛穂、芳川桔梗といった光の中で生きるべき善人を眩しく思う。
これ以上汚れた手で打ち止めに触れたくない、あのシスターに懺悔して甘えてしまうから、という理由から、人を殺さない。
それは日常であっても仕事であっても同義。
不殺主義を貫いている。

料理は人並み。お菓子作りの才能がある。
策士な所もあるが、大概は大人ぶっているだけで少年らしい感性。
猫好き。

17歳。
顔立ちの整った、細い身体。
白髪に赤瞳と人目を惹く見目をしている。


彼?居ない歴=年齢。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:46:47.56 ID:H4HsGsEAO
+
9 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:47:14.59 ID:sifO4obD0

○垣根帝督

一人称は『俺』。

暗部組織『スクール』のリーダーを務めていた少年。
現在は『スクール』含む旧暗部が活動停止した為、暇を持て余している。
学園都市『超能力者』第二位の能力である『未元物質』を所有し、操る。
想像力が逞しく、基本的には平和主義。仕事以外で人死にを出すのは好かない。
ホスト予備生とも、チンピラとも見える服は仕事用。普段はシンプルなシャツ・ズボンを好む。
本当の入信まではしていないが、密かに十字教を信仰している。
一方通行の親友にしてオフィーリア・上条と友人。

性善説を信じている系男子。
"とある出来事"から、学園都市の全てを掌握したいと考えるようになった。
老若男女問わず、人の幸せそうな笑顔を好む。
あくまでそれは彼の性格であり、必要時に殺すかどうかは別問題。

料理下手。ただし、お味噌汁だけやたらと上手い。
策士にして、常識人。
無類の犬好き。

17歳。
顔立ちの整った、所謂モデル体型。

前作にて、幼い頃に麦野沈利と一度出会っていた事が判明。


麦野沈利の婚約者。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:47:15.51 ID:H4HsGsEAO
+
11 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:47:43.40 ID:sifO4obD0

○麦野沈利

一人称は『私』。

暗部組織『アイテム』のリーダーを勤める少女。
旧暗部の活動は停止したが、自らの意思で『アイテム』を存続させている。
学園都市第四位のレベル5であり、有する能力は『原子崩し(メルトダウナー)』。

気に入らないという理由で相手を殺したりする、とても残忍な性格。
また、ミスを許せない人間でもある。
ミスをしてしまった場合はそれ以外の事で帳消しにしようと別の目的を見出そうとし、それにこだわることで結果的に本来の目的にさえ意識を向けなくなる。
だが、この傾向はオフィーリアの慈愛に触れ、薄らいでいる。
『アイテム』メンバーの命を脅かされ、木原病理に脅されるまま動く程、現在は仲間を大切に思っている。
我侭で自己中心的を装っている。
その一方で、自分が周囲からどう見られているのか気にする一面もある。

プライドの高い女王様系女子。
格下の泣き顔に悦を感じる。
壊すことしか出来ない能力だと自負しているものの、仲間と親密になりたいと思っている。

料理上手。特にオムライスが得意。
非常に短気だが、これと決めたものは譲らない。
また、親密になった相手の為に怒る事も、泣く事も出来る、本来は情に厚い人格。
猫が好きな寂しがり屋。
普段はそうでもないが、戦闘等でテンションが上がると非常に下品かつ汚くなる。

18歳。
美人だが、気のキツさが表れている。

前作にて、幼い頃に垣根帝督と一度出会っていた事が判明。


垣根帝督の婚約者。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:47:44.34 ID:H4HsGsEAO
+
13 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:48:03.74 ID:sifO4obD0

○木原数多

一人称は『俺』。
学園都市の研究者の一部では有名な、『木原一族』の科学者。
かつて一方通行を直接開発、研究していた。
しかし、"とある出来事"以降、一方通行とは離れ離れに。
最後にくだらない理由で大喧嘩してから和解出来ずに離れたことを気に病んでいた。
現在は和解済み。
顔に刺青をしている。
暗部組織『猟犬部隊』、その中でも上の地位にいた為、アレイスターから直接指令を受けていた。
現在は一方通行の活躍によって暗部抜け、まったくもってフリー。
人道的な方面から一方通行を再開発しても良いかもしれないな、とうっすら考えている。

一方通行(=XXXXX)を遠まわしにでも守る為に暗部へ身を堕した経歴を持つ。
だが、『絶対能力進化(レベル6シフト)』計画に一方通行が参加したと聞き、やや幻滅。
正確にはそこまで見境の無くなった彼に絶望し、以降、殺して楽にしてやろうと考えていた。

目一杯科学と才能に愛されている男性。
口は悪く暴力的なものの、元は穏和なインテリ。
"とある出来事"について調べており、その詳細を知った瞬間から木原病理を憎んでいる。

家事が壊滅的に出来ない。
常識はあるものの、それを上回る非常識な振る舞いをする時がある。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:48:04.75 ID:H4HsGsEAO
+
15 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:48:28.35 ID:sifO4obD0

○木原病理

一人称は『私』『病理ちゃん』。
学園都市の暗部に君臨する『木原一族』の一人。
普段はパジャマを着て車椅子に乗っている女性。
絶望に満ちた瞳をしており、その悪意は優しげな口調でさえ滲む。
かつて垣根帝督(=『未元物質』)を直接開発、研究していた。
その為、『未元物質への戦闘』に対しては絶大なる強さを誇る。

敵対勢力の様々な試みに干渉して挫折させ、秩序を守ることを得意分野とする『諦め』のプロフェッショナル。
彼女自身も『他人を諦めさせるというスタイル』以外の様々なものを諦めてきた。
幼少期から脚が動かず、また女性であった為、研究において様々な差別を受けた。
元は繊細な女性であった為に差別に対して深く傷つき、やがて人格すら歪んでいった。
自分らしく生きることさえやや諦めている節があり、全てに諦念と絶望を抱いている。

垣根帝督の実の母親。垣根弟というクローンを生み出し、『使用』していた。
しかし彼を産んだのは研究する為であり、心底から愛しているかどうかは不明。
"とある出来事"を起こした本人であり、一方通行や木原数多、垣根帝督が絶望に堕ちた姿を優雅に愉しんでいた。
現在は垣根本人に何もかも剥奪され、『諦める事』を『諦めて』日々を過ごしている。

車椅子生活だが、家事が得意。
常識が少し抜けている部分があり、どこか天然な雰囲気を醸し出している。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:48:29.04 ID:H4HsGsEAO
+
17 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:48:52.20 ID:sifO4obD0

○垣根弟

一人称は『カキネ』『この個体』。

学園都市第二位、垣根帝督の体細胞クローン。
帝督の事は『兄貴』か、『垣根帝督』と呼んでいる。
また、麦野沈利については『ママ』と呼んでいる。
学園都市『超能力者』第二位の能力である『未元物質』を精製するだけの能力(=『物質精製(マテリアライズ)』)。
想像力に乏しく、食欲が旺盛。
患者服のようなものを着せられて培養基に入っていたが、服のセンスは垣根帝督と同様。

「〜〜と、カキネは述べた」等、過去形で完結するやや説明口調の話し方をする。

キャベツと油揚げの味噌汁を何より好む。
垣根帝督<オリジナル>については好きでも嫌いでもない。
子供の割に策士。しかし、何かと諦めが早い。
無類の犬好き。

見た目は9歳。
実年齢は不明だが、垣根本人より年下であることは確か。

浜面仕上を未来の結婚相手と決めている。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:48:53.57 ID:H4HsGsEAO
+
19 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:49:22.25 ID:sifO4obD0

○オーディン(=オッレルス)

一人称は『私』『俺』。

開店休業中『グレムリン』の主要構成員を務める魔術師。
隻眼で、物々しい眼帯を左目に着け、水色のセーターと牛柄っぽいズボンを穿いている金髪の青年。
また、オティヌスへの当て付けに、彼女と似た魔神らしい装いをしていることも。
『主神の槍(グングニル)』へ至る道を模索している。
元・純粋な魔神であり、格落ちした今もその実力は健在。
主神の力を思うがままに振るう。イヌ科の生き物に好かれやすい。猫好き。

虚ろな瞳をしており、オフィーリアの持つ『絶対の成功率(=幸運)』に興味を示す。
拷問・虐待・殺人をすることに躊躇は無く、人を傷つける事をやや好む傾向がある。

オフィーリアだけは二度と傷つけない、と決めている。
その代わり、彼女に危害を為した者への容赦は一切無い。
また、オフィーリアを妻だと思い、信じ込んでいる。
亡き恋人・シルビアを思い出してか、金髪の男女に(性的な意味で)手を出す傾向が大きい。

オティヌスが嫌い。彼女の事は魂レベルで穢らわしいと認識している。

世界中の幸運と不運を逆転させる(世界単位で事態を滅茶苦茶にする)等を愉しそうだと感じる人物。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:49:23.38 ID:H4HsGsEAO
+
21 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:49:46.64 ID:sifO4obD0

○ウッルル(=オティヌス)

一人称は『私』。

オーディンの暴走を食い止めるべく動いている魔術師。
隻眼で毛皮のコートの中に黒の革の装束を着ており、鍔広の帽子を被っている、ほっそりとした少女。
純粋な魔神となった。
文字通り『無限の可能性』を持つが故に、あらゆる物事に対して、成功する可能性と失敗する可能性の両方を抱えている。
確率が完璧に五分五分であるがゆえに予想がつかず、非常に厄介なことになっている。
純粋な魔神であるものの、それでも尚現状、オーディンに勝利することは出来ないと自覚している。


意思の強い瞳をしており、上条当麻の持つ『絶対の失敗率(=不運)』に興味を持っている。
オーディンが嫌い。触られるだけで吐きそうになる程の嫌悪感を抱いている。

世界はありのまま滅ぶことが一番美しいと考えている。退廃的で自虐的。
危険人物かというとそうでもなく、上条当麻の言葉には耳を傾ける傾向がある。

最近命懸けで拾った子猫『ミューズ』にデレデレ。猫好き。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:49:47.70 ID:H4HsGsEAO
+
23 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:50:33.79 ID:sifO4obD0

○ウートガルザロキ

一人称は『俺』『お兄ちゃん(対オフィーリア)』。

開店休業中『グレムリン』の正規メンバーを務める魔術師。
スーツを着た軽薄そうな金髪の男。
外見や態度からは、『この世のあらゆるものと真面目に取り合わない』というスタンスが感じ取れる。
幻覚系統の魔術に長け、特に『五感のひとつが得た情報を他の五感に移す』ことによって、炎の写真で火傷の痛みを負わせたりといった戦法を得意としている。
ただしこの術で精密な幻覚を見せるためには、相当量の『素材』を相手に提示しなくてはならない。
質量を自分や物に肩代わりさせることで、自らが取得している情報に沿った精密な幻覚を見せる事も出来る。

元々は真面目な性格をしていた。
幼い頃に両親を喪い、唯一の家族である妹の病気を治そうと奮闘していたが、その努力全てがむしろ『余計な事』となり、妹を死なせてしまった経験がある。
それ以降彼は嘘や虚飾で自らを繕うようになり、そうすることで自分を守ってきた。
また、『余計な事』をすることを嫌う。
幻術使いになったのは妹が死ぬ少し前からの事であり、それ以外の物理的な魔術もそこそこに扱える。
妹へ『マッチ売りの少女』を参考に幸福な幻想を見せたが、それすらも死への恐怖を与えるという裏目に出た。
一生懸命やっても失敗した時の悲痛を知っている為、もう二度と勇敢なヒーローの真似事はしないと堅く誓っている。

オーディンに拷問され、重傷ながらも怪我を治療して微笑むオフィーリアの姿を、健康な自分と違って病気に苦しみながらも自分を応援してくれた妹の姿に重ねている。
オフィーリアの本名を知って以降も『フェリーチェちゃん』と呼び、(義)妹として可愛がっている。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:50:35.19 ID:H4HsGsEAO
+
25 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:50:57.97 ID:sifO4obD0

○トール

一人称は『俺』。

開店休業中『グレムリン』の正規メンバーを務める魔術師。
腰まである長い金髪と相まって、どこか少女的な印象を受ける少年。
黄色と黒を基調とした体のラインに沿う上着とズボンを着用し、肩にはストールを纏っている。
純粋な個人としての力でもって戦争という状況を実現する、破格の力を持った存在。
『雷神』と評される生粋の戦争代理人であり、『グレムリン』の中でも特に直接的な戦闘行為を専門に担当する。
しかし、スプラッター映画は苦手、お化け屋敷に入りたいとは思わないという性格。
神話的事実の応用で、適切な材料さえ手元にあれば女に化ける事が出来る(=変装術式)。

『グレムリン』一の男好き。
自分と同年代が特にストライクゾーンとなる。
上条当麻のセフレにして友人。オッレルスの性奴隷。


かっぱ巻きを河童という生き物、或いはその肉が巻かれていると想像する等、日本については詳しく無い。
時々学園都市へ来訪する。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:50:58.98 ID:H4HsGsEAO
+
27 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/26(水) 00:51:45.21 ID:sifO4obD0

○サローニャ=A=イリヴィカ

一人称は『私』『サローニャちゃん』。

元ロシア成教、開店休業中『グレムリン』所属の魔術師。
白い肌に金髪を持つ15歳の少年(前作にて、薬物により性転換した)で、出身はエカテリンブルク。
ロシア成教系魔術である『レーシー』を扱い、術式の使用に合わせ、緑を貴重とした衣装に膝上まである革のブーツを着用している。
ヨーロッパの一員である事を誇りに思い、アジアの一角と呼ばれることを最大限に嫌う、典型的なロシア人の思想を持つ。
第三次世界大戦終結後、世界各国が復興に向かう中、祖国が学園都市やアメリカの踏み台として使われる事を許せず『グレムリン』に参加。
『正義を利用して利益に結びつけられる』と考えている連中を、ロシアやヨーロッパ地域から押し返す事を目的として行動する。

会話中の名詞などに『ちゃん』をつける傾向がある。

本来ウッルルに殺されてもおかしくないところを上条に助けてもらった為、心から感謝している。
オーディンに好意を抱いていたものの、騙されたと知って現在は憎悪に近い思いを抱いている。
惚れっぽい性格。上条に告白してフラれた。現在はトールにアプローチをかけている。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 00:51:57.07 ID:H4HsGsEAO
+
29 :安価について  ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 00:53:22.10 ID:sifO4obD0

○連続取得・連投は良識の範囲内でご自由に
○基本的に雑談の時は最後に『kskst』や『安価下』と付け加えていただければ嬉しいです
○どうしても捌けない場合のみ、適宜安価下や最安価で対応していきます
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 01:04:16.37 ID:tHxOmQzSO
スレ立て乙。
前から思ってたが、オッさんの紹介の幸福と不幸の逆転って例えなってもそんな意味なくね?

不特定多数の、誰かにとって幸福な事が起き、誰かにとって不幸な事が起きるのが入れ替わっても、それは50%50%じゃね?被害の大きさが多少変わるくらいで。

人生の6割は不幸だ、とか哲学的な価値観を元にしてても、それはその哲学者の中だけの答であって、確率論的に言えば…
31 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 01:54:35.30 ID:sifO4obD0
>>30様 被害を拡大させたい、常識をぐちゃぐちゃにしたい、という思考だと思われます ヤンデレでもベースはキチってるので》


お正月である。
大晦日の年越し蕎麦を食べる際に音を立てるように言われて困惑するオフィーリアが、昨年の愛らしいハイライトであった。
また、大晦日ということで、晩御飯はお餅だった。
詩菜手作りのおつゆに浸した餅は美味しく。
お雑煮、餅入り汁粉、きなこ餅、あんこ餅。
沢山のお餅に満足したのか、オフィーリアはそれでも砂糖醤油餅に目を惹かれていた。

そして、大晦日が終わり。
オフィーリアは現在、詩菜の手によって着付けされていた。
詩菜が学生時代に着ていたものらしく、お嬢様然とした可愛らしいデザインの着物。
ベース色が赤色なので、彼女の髪色と相まってよく似合った。

詩菜「どうせだから髪型も変えちゃいましょうか」

フィアンマ「そこまでお手数をおかけする訳には、」

詩菜「いいのいいのー」

上条「……」

うずうずと待つ上条。
オフィーリアは本来お参りに行ってはいけない立場なのだが、事前に神様へお祈りをしておいたらしい。
今年は、上条の為に着物を着て、一緒に初詣へ行ってくれる。
そんな訳で、上条は早起きしてだし巻き卵を摘みつつ、オフィーリアの着付け終了をじれったく待っているのだった。

詩菜「あらあら、もう少し詰め物した方が良かったかしら」

フィアンマ「これ以上は、…うぐ」

上条(…な、何かエロいぞ…)

詩菜「はい、終わり」

フィアンマ「は、…」

ようやく、襖が開いた。
詰め物をして帯を巻いた為に苦しいのか、ゆっくりと深呼吸しつつ。
オフィーリアは我慢して正座をすると、上条は頭を下げた。

フィアンマ「…、あけましておめでとうございます」

上条「こ、こちらこそ…あけましておめでとうございます…」

神妙な気分になりながら、頭を下げる上条。

フィアンマ「…似合っているか? …細身は似合わんらしいのだが」

上条「>>33
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 01:56:12.03 ID:tHxOmQzSO
逆だ、細いから似合うんだ
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 02:12:45.68 ID:P30Kh6tDO
幸福の定義によるけど、仮にお金だとして
裕福な人達がいきなり貧乏になったら生活に耐えれなくて絶望するだろうし、貧乏なスラムとかの人達がお金を持ったら自分の好き勝手にお金使ったり今まで自分達を見下して虐げてきた人達への報復にお金をつぎ込んで地獄絵図になるんじゃないかなぁ
ってのがオッさんがしたいことに対する私の勝手な見解でーす

安価は上
34 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 02:26:46.26 ID:DU+Sxs8n0
《経済の価格変動で表現するとわかりやすいのだろうか…うーん インフレとデフレを極端にがっくんがっくん揺さぶると色々破綻するので、そんな感じでしょうか 原作だと『水道からオレンジジュースが出る世界』です  今日はここまで。お疲れ様でした》


上条「逆だ、細いから似合うんだ」

確かに、ふくよかな人でも似合う。
だが、恋人とは最高のえこひいき相手。
上条にとって一番美しくて可愛いのは、オフィーリアに他ならない。
例えどんな美人を一列に並べ立てたところで、上条の目には彼女が一番に映る。
故に、どんな体型が着物に似合うかどうかではない。
彼女の髪色などと合っているかどうか、ただそれだけが問題なのだ。

上条「可愛い」

へら、と呑気な笑みを浮かべる上条に、オフィーリアは嬉しそうにはにかんだ。

詩菜「じゃあ、お昼ご飯の用意してるから行ってきてね」

上条「ん、行ってきます」

フィアンマ「…行ってきます」

下駄はヒールと勝手が違うのか、オフィーリアは不可解そうに首を傾げる。
そんな彼女を転ばせないよう手を引き、握りながら、上条は歩き出す。
ゆっくりと、歩調を合わせて。
どうせ早く行ったところで、混んでいるのだから。

予想通り、長蛇の列。
大人しく並びながら、オフィーリアは上条の手をむぎゅむぎゅと握った。
白い息を吐きだし、遠い階段の向こうを見据える。

フィアンマ「…当麻」

上条「んー?」

フィアンマ「賽銭はいくら入れるんだ。…"縁"で五円玉か?」

上条「>>36
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 02:33:56.34 ID:tHxOmQzSO
何か他にもあったな安価↓
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 02:38:10.12 ID:P30Kh6tDO
乙でしたー
私の中では>>1様のオッレルスが印象強くて[原作のオッさんって誰?]って状況です
kskst
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 02:42:17.05 ID:tHxOmQzSO
あ、説明サンクス。DOも>>1も安価↓
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 08:27:53.19 ID:s47BI3Be0
25円入れよう二重のご縁があるように
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 08:39:25.95 ID:SfsuPuMN0
トールとサローニャの濃厚なセックスシーンをだな


kskst
40 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 15:10:57.23 ID:69EeRJkD0
《トルサロは追々… 原作の、魔神になれなかった優しい男:オッレルスさんもよろしくお願いします》


上条「25円いれよう」

フィアンマ「? 半端な額だな」

上条「"二重のご縁がありますように"って」

フィアンマ「…なるほど」

ふむ、と納得する彼女へ十円玉二枚と五円玉一枚を渡し。
自分も同じ硬貨をポケットに入れたまま、静かに並んだ。

やがて、境内の中へ。
建物の中では、ご祈祷を受けている人も居る。
また、無料で甘酒も振舞っているようだ。

上条「甘酒か、懐かしいな」

フィアンマ「昨年呑んだのか?」

上条「まぁな。お参り終わったら呑むか」

番が回ってきて、脳内のマナーに沿ってお願いする。お賽銭も投げ入れた。
無宗教な上条にとって、初詣とは儀礼的・イベント的なものだ。
神様に祈ろうとは思わない。そもそも、特別な右手を持っている上条は、神様へ真面目に祈る訳もない。
だから、これは自分への決意表明。

上条(>>42
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 15:13:01.17 ID:VTtje/Um0
進級出来ますように!
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 15:27:03.21 ID:tHxOmQzSO
オフィーリアは宗教的にお参りとか不味かったんじゃなかろうかミサとかそーいうのしなきゃ不味かったんじゃなかろうか安価↓
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 16:52:54.63 ID:tHxOmQzSO
オフィーリアと一生一緒で幸せに暮らして行く!


……あと、来年こそは、来年こそは2年生になる!
44 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 17:04:15.99 ID:69EeRJkD0
>>42様 だいぶ不味いので事前に唯一神に祈り、お許しをいただいてから来てます》


上条(オフィーリアと一生一緒で幸せに暮らして行く! ……あと、来年こそは、来年こそは2年生になる!)

決意表明をしばらく脳内でハウリングさせ。
彼が目を開けた時、オフィーリアは既に目を開けて上条を待っていた。
彼女は十字教徒なので、神社に居わす神に祈る必要が無い。

二人揃って横に逸れ。
お守りを買おうと並ぶ人々を横目に、おみくじのある場所へ。
今更ながら、やはり十字教徒を神道の場所へ連れてきたのはまずかったのではと思う上条だったが、オフィーリアはいろいろなものに興味津々だ。
おみくじも例外ではないらしい。
彼女の中では、宝くじのような認識なのだろうか。

フィアンマ「これは何だ」

上条「おみくじ。…俺は嫌な思い出しかないけどな」

フィアンマ「神籤か」

預言は神託に繋がるところがある。
が故に興味が湧くのか、オフィーリアは期待の目で上条を見やる。
大凶が出る事はほぼ確定しているようなものなのだが、中身が気になるらしい。

上条「…まあ、いいか」

上条には、神籤を引いても後ろめたい事は無い。
そんな訳で、イベント感覚で百円玉を箱へ投入。
お金を入れてから引く形式なのだ。

上条「…よ、っと」

取り出した紙を、丁寧にぺりぺりと剥がしていく。
やがて、結果が出てきた。






お神籤の結果(大凶・吉など)>>46

お神籤の結果(例:結婚―今年は控えよ、受験―努力叶う等)>>48-50
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 17:09:16.79 ID:P30Kh6tDO
上条さんは大凶かなー、オフィーリアと一緒に居るから若干運勢上がって末吉かも?
kskst
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 17:11:52.29 ID:tHxOmQzSO
最凶

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 17:19:20.80 ID:J677tZHp0
結婚-無理嫌シンドイ
受験-来年頑張れ
健康-まぁ…元気出せよ
金運-借金地獄、地下帝国の作業員になるもやむなし

運を切り開く人物 172cm赤髪のAAサイズの病み気味な女の子
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 17:34:00.13 ID:tHxOmQzSO
恋愛…引き裂かれかねないので注意

仕事…天から艱難辛苦を山程与えられているのかと錯覚するほど辛いでしょう

49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 17:41:03.89 ID:PhqAnXyb0
受験ー来年頑張れ

金運ー自分で管理しないほうがいいでしょう
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/26(水) 18:36:41.75 ID:tHxOmQzSO
勉学…死ぬ気でやらねば明日はない
51 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 18:47:34.78 ID:69EeRJkD0
《ご協力ありがとうございました》

----------------------------------------------------------------------
運勢:『最凶』

恋愛…引き裂かれかねないので注意

結婚…厳しい。今ある縁を大切に

引越…夏にするが吉

就職…来年に期待せよ

仕事…天から艱難辛苦を山程与えられているのかと錯覚するほど辛いでしょう

勉学…死ぬ気でやらねば明日はない

進学…来年頑張れ

金運…自分で管理しないほうがいいでしょう

健康…怪我に注意せよ

----------------------------------------------------------------------


上条「…うっすらとはわかってたけどさ」

凶以下の悪い運勢の神籤は、お納めする事で、巫女さんから安全祈願のお守りをもらえる事になっている。
俺の右手で壊れない辺り実はご利益なんて無いだろ、と思いながら、上条はお納めし、お守りを受け取った。

上条「何だよ最凶って!?」

フィアンマ「…大凶よりも更に悪いんじゃないか?」

上条「何で!?」

フィアンマ「……すまない」

上条「…いや別にオフィーリアのせいじゃないけど…オフィーリアが居て最凶って…俺って…」

貰ったお守りをポケットにしまい。
しょんぼりとしながら、上条は甘酒を貰った。
オフィーリアも貰いつつ、紙コップへ口を付けてずずずと啜る。

上条「…よし、気分切り替えた。…結構甘いなー、これ。オフィーリアは好きな味か?」

フィアンマ「ん、>>53
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 18:49:25.70 ID:tHxOmQzSO
ドロドロさがなければな…
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 19:39:16.26 ID:ps1Rbxg40
ぽー///(酔った)
54 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 19:56:50.96 ID:69EeRJkD0

フィアンマ「ん、…」

ぽー、とした様子。
上条は首を傾げ、彼女の目の前で手をぱたぱたと振る。
ふにゃ、と間の抜けた声を出して、顔を若干赤くしながら、彼女は上条の手を触った。
無意味ににぎにぎとしながら、甘酒を飲み干す。

フィアンマ「……」

上条「…も、…もしかして…酔ったのか?」

フィアンマ「…酔ってにゃい」

上条「…どう見ても酔っぱらいの言い訳、っていうか甘酒で酔うって酒弱いんだな…」

上条も呑みほし、空になった紙コップは二つ丸めてぐしゃりと潰し、設置されていたゴミ箱へ。
酔いとはいっても、顔が少し赤くなる程度のほろ酔い。
着物に合わせてまとめた髪は、そんな顔を隠さずに見せる。
ゆっくりと階段を下り、神社の境内ではなく、しかしまだまだ人の多い公園まで降りてきた。

フィアンマ「……当麻がふたりいる」

上条「居ません」

フィアンマ「…居る。かおが二個ある」

む、とむくれるのも、頬を膨らませるという非常に子供っぽいものだ。
上条の手を握ったまま、腕を組む。

フィアンマ「…きぶんが良い」

上条「そんな感じするけどな」

フィアンマ「…んー…とうま、ちゅー」

上条「ち、」

街中で何を言い出すのかと驚く上条。
だがしかし、彼女はほろ酔いの酔っ払いである。

フィアンマ「…ちゅー」

上条「……」

携帯を購入した時のキスは、学園都市内だった。
それも、人が行き交う地下街だったから、ささっと出来たのであって。

フィアンマ「…してくれないのか」

上条「…ほら、外だし」

フィアンマ「…外だからしてくれにゃいのか。当麻のばか。てすと平均さんじゅう」

上条「>>56
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 20:16:26.36 ID:P30Kh6tDO
上条さんは平均30も取れてませんとのことよ…?
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 20:48:03.89 ID:ps1Rbxg40
さすがにそれほどひどくない
57 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 21:12:49.45 ID:H/SSvQvX0

上条「流石にそれ程酷くない」

がっくり、と項垂れながら訂正しておく上条。
少なくとも、50行くか行かないかが平均点数である。
オフィーリアはしばしむすくれた後、上条の腕をぐいぐいと引っ張った。

上条「今度は何、ん」

フィアンマ「…ん」

キスしてくれないなら、こちらからすれば良い。
そういった結論に至ったらしい彼女は、上条へと口づけた。
三秒程唇を重ねた後、満足そうに口を離す。

上条「…あのな」

衆人環視で、とため息を吐き出す上条。
しかし、常ならばともかく、酔っている少女には届かない。

フィアンマ「はつもうでは済ませたんだ。帰るぞ」

上条「はいはい」

生返事を返しながら、歩き出す上条。
一時間もせずに、家へ着く。



詩菜「お帰りなさい、ってあらあら、オフィーリアちゃんどうして酔ってるのかしら?」

フィアンマ「酔ってらいです」

上条「境内の甘酒で酔ったみたいなんだ」

詩菜「あらあらー。学生時代を思い出すわ。やっぱり男の子はお母さんに似た人を好きになるものなのねー」

何やらほこほことしている詩菜に勧められるまま、着席して食事。
その内に酔いが冷めたのか、オフィーリアは丁寧に謝罪した。

詩菜「そんなに気にしなくて良いわよ。…何だか当麻さんとオフィーリアちゃん、母さんが刀夜さんと初詣デートした時とそっくりね」

上条「え、そんなに似てたのか?」

詩菜「>>59
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 21:28:43.00 ID:cDPURji10
言ってなかったけど当麻さんは私が甘酒で酔った勢いで出来ちゃった子なのよ♪
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 21:29:49.23 ID:fKg8Ybx8o
ぜんぜん関係ないけど賽銭は45円いれて欲しかった

安価下
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 21:39:59.59 ID:tHxOmQzSO
中々にねー。あの時は…本当に……グス
61 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 21:55:35.31 ID:H/SSvQvX0
>>57 ×似てた ○似てる  始終ご縁がありますように…なるほど…》



詩菜「中々にねー。あの時は…本当に……ぐす、っ」

上条「……、…その内さ、帰ってくるよ」

そう言って、励まして。
何も裏事情など知らない子供のフリをして、微笑む。
それくらいの事しか、上条には出来なかった。
詩菜は自分が涙ぐんでいた事に気がついたのか、はっとしながら席を立つ。
食べ終わった後の空になった食器を洗うから、という名目で。
家事を手伝う方向でいるオフィーリアだが、今回は立たないでおいた。

上条「……、」

フィアンマ「………」

どうしようもない。
何せ、連絡がつかないのだから。
きっと、ロシアで、どうにか生きていると。
そう、願うしか無い。

初詣も終わったので、写真を撮った後、オフィーリアは着物から赤い衣装へ着替えた。
いつもの装いである。
詩菜は家事に疲れたという理由によって、眠っている。
本当に寝ているかどうかはさておいて、邪魔をするつもりは無い上条とオフィーリアは、どうやって時間を過ごすか悩む。




お正月、は日本行事だ。
だが、年越し自体がイベント感覚である事は間違い無い。
そんな訳で。

ほんのちょっとだけ和解というか妥協した魔神及び魔神候補と。
スカートからズボンに変更したものの未だ妖精のような印象漂う少年と。
通常運転な『グレムリン』直接戦闘担当の雷神は。

四人で、賭け事をしていた。
新年早々不健康な事である。

どちらかというと、これはトールとサローニャの戦いなのだが。

トールはオッレルスに、サローニャはオティヌスの勝ちに賭けている。
やっている内容は、大富豪だった。

オッレルス「―――決着をつけようじゃないか」

オティヌス「―――後悔するなよ」

二人が何を賭けているかはさっぱりだが、物騒なもののようだ。
ちなみに、トールがオッレルスの勝ちに賭けているのは、サローニャのセフレ権。
サローニャがオティヌスの勝ちに賭けているのは、トールの恋人権。
やっぱり全員不健全だ。

サローニャ(こ、この戦い…)

トール(負けられねえ)

しかし、平和である。

オティヌス「サローニャ」

ひそひそ、と話しかけるオティヌスへ、サローニャはひそひそと返す。

サローニャ「はいはいちゃん?」

オティヌス「>>63
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 22:12:06.09 ID:tHxOmQzSO
もし、私が勝った場合、当然私に報酬を支払うだろうな?
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 22:16:39.77 ID:P30Kh6tDO
安価上

25円も45円も知らんかった……私が知ってるのは[充分に御縁がありますように]の15円だけだった、来年の初詣は45円入れよう
64 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 22:23:58.87 ID:H/SSvQvX0

オティヌス「もし、私が勝った場合、当然私に報酬を支払うだろうな?」

サローニャ「ぎくっ」

トールと賭けをしていた事など、とうにバレていたらしい。
可能性を50:50で持つ彼女にとって、こうしたゲームでの勝ちはちょっぴり難しい。
そんな訳で、努力するにも条件が必要だった。
勿論、彼女個人としても、オッレルスに負けるのは癪だろうが。

サローニャ「も、勿論ちゃん。…えーっと…えっと…」

オティヌス「……モノ次第では、頑張ってやらんでもないんだぞ?」

サローニャ「うぐ…そ、そうだ。えっと、猫型クッキーちゃん作るよ」

オティヌス「猫型?」

サローニャ「等身大の…ミューズちゃんくらいの」

オティヌス「…ふむ」

彼女は猫好きである。
種類問わず本物の猫だけでなく、猫型の物も。
猫型のカバンから、食べ物から、全てである。

オティヌス「…作れるんだろうな?」

サローニャ「難しいから…じゃあ、彫こクッキーが難しかったら、猫シルエットブックカバーちゃん作る」

だから、お願い。
指折り組む彼女に、オティヌスはわかったと頷いた上で、何枚かカードをさりげなくトレードする。


反対に、オッレルスサイド。
トールはオッレルスと有利な手札を交換しながら、話していた。

オッレルス「…それで、私が勝ったら何を寄越すつもりなんだ?」

トールとしては、是非彼に勝って欲しい。
故に、何らかの供物を用意せねばなるまい。

トール「>>66
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 22:45:30.99 ID:fKg8Ybx8o
俺を
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 22:47:46.47 ID:ps1Rbxg40
俺の身体
67 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 22:54:36.29 ID:H/SSvQvX0

トール「俺の身体」

オッレルス「…労せずしていつも手に入れているものを貰ってもな」

トール「く、……いたぶっても良いぜ?」

オッレルス「…」

トール「抵抗しないから、好きなだけぶん殴ってくれて良い。加えて、一生懸命奉仕する」

誘うように頼み込むトール。
しかし、そこで簡単に頷くオッレルスではない。

トール「……よし、じゃあ…おまけにフリッグちゃんとのデートもつける」

何とか策略に嵌めてデートの約束を取り付ける。
だから、お願い。
それなら、まぁ良いか、とオッレルスは手札を見やった。
彼としても、オティヌスに負けるのは若干癪に障る。

そんな訳で、大富豪が始まった。

トールやサローニャはオッレルス、或いはオティヌスを支援すべくイカサマ。
オッレルスやオティヌス自身も、イカサマを使いながら手札を出していく。

カジノ顔負けの戦いの結果、勝利したのは。





>>+1のコンマ一桁(22:23:58.8「7』←この場合は7)で勝敗判定

0〜4 オティヌス&サローニャの勝ち(オッレルス&トールの負け)

5〜9 オッレルス&トールの勝ち(オティヌス&サローニャの負け)
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 22:56:26.27 ID:5EKIFuga0
 
69 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 23:06:20.45 ID:H/SSvQvX0
>>68 22:56:26.2『7』 結果:オッレルス&トールの勝利 ご協力ありがとうございました》


トールとオッレルスの側であった。
イカサマの技術が多少こちらの方が上だったのだ。
うう、と悔しさに項垂れるサローニャ。
オティヌスは後一枚で勝てたのにとは思いながらも言い訳はせず、手札を捨てた。

トール「よっし」

サローニャ「うう…もう少しだったのに…」

オティヌス「……」

オッレルス「…魔神になっても格下は格下のままか」

オティヌス「黙れ」

睨まれたところで、オッレルスは怯える訳でもなく。
悔しさの苦汁を味わいながら、オティヌスはトランプを片付ける。

今回の戦いでトールが獲得したものは、セフレ権。
オッレルスが獲得したものは、SMプレイ権とオフィーリアとのデートだ。

トール(後はどうやってフリッグちゃんを騙すか…最悪、真面目にバラして頼み込むっていう方法もあるな)

オッレルスは基本的に無慈悲な男だ。
故に、約束を守らねばどうなるか、トールはうっすらと予想がついている。

トール「約束は守る。…サローニャ、敗者は素直に従えよ?」

サローニャ「……」

むぅ、とむくれるサローニャ。
恋人権を獲得すれば、トールの男漁りを止められたのだが。
何はともあれ、新年最初の不健全行事は終了である。





上条とオフィーリアは、ゲームをしていた。
具体的に言うと、しりとりである。
負けた方は、勝った方へ甘い言葉を囁くという罰ゲーム付き。
ちなみに言葉しりとりであったりする。
相手の言葉の最後を取って、会話を続けていくのだ。

フィアンマ「当麻、大好き」

上条「>>71
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 23:09:00.55 ID:tHxOmQzSO
キスしたくなる事言うなよ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 23:26:13.74 ID:5EKIFuga0
キスしていいか
72 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/26(水) 23:52:40.85 ID:sQEiMy580

上条「キスしていいか」

フィアンマ「…軽くなら」

上条「ん、」

言うだけでなく、彼は軽く口付ける。
ふに、と柔らかい感触がした。

上条「ら…乱暴にしたら、怒るよな」

フィアンマ「何、少々のデコピンで済ませてやる」

上条「る…る…る…ああちくしょう、『る』で続く訳無いだろ!」

フィアンマ「勝ちは勝ちだ」

ふふん、とドヤ顔を披露するオフィーリア。
ぐぅ、と唸りながらも、上条は一生懸命に甘い台詞を考える。

上条「…俺は」

フィアンマ「……」

上条「色々あって、一回死んだし」

フィアンマ「……」

上条「色んな事に首突っ込むけど」

フィアンマ「……」

上条「…いつでも、オフィーリアの事を考えてる。…愛してる」

フィアンマ「…、…ん」

事情を知らなければ、感動のかの字も無い台詞だ。
けれど、事情を知っていれば、響く。

フィアンマ「……ありがとう」

上条「…ん」

フィアンマ「……当麻、雑煮が食べたい」

上条「雑煮?」

フィアンマ「当麻の作った雑煮が食べたい」

上条「>>74
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 23:53:58.72 ID:ps1Rbxg40
まかせろ
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/26(水) 23:57:22.70 ID:5EKIFuga0
良いだろうとっておきの雑煮を食べさせてやる
75 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 00:09:20.33 ID:kJbA1bFe0

上条「良いだろう、とっておきの雑煮を食べさせてやる」

待ってろ、と言い残し、上条は部屋を出て行った。
材料は冷蔵庫にあるので、二時間もすれば、美味しいお雑煮が食べられるだろう。
オフィーリアはベッドへ腰掛け、無意味にぱたぱたと脚を揺らす。
此処は上条が帰ってきた時に眠る寝室だ。
上条が部屋に居ない事を良い事に然りげ無くタイツの腰部分をぐいと上げて直しながら、時間を持て余した。
そんな彼女に、通信が届く。

トール『聞こえてるか?』

フィアンマ「問題無いぞ」

部屋に響くのは、彼女一人の声。
まるで独り言のようだが、立派な会話、もとい通話だ。

トール『まず先に、ハッピーニューイヤー』

フィアンマ「あぁ、忘れていた。ハッピーニューイヤー…で、どうしたんだ」

トール『賭け事をして勝ったのは良いんだが、ちょっと条件無茶しちゃってさ』

フィアンマ「金が足りんのか?」

トール『それなら困ってない。…後生だ、オーディンとデートしてくれ。二月で良いから』

フィアンマ「…デート?」

トール『上手い事当麻を騙して、行ってくれないか?』

フィアンマ「…んー」

トール『俺の首が物理的に飛ぶかどうかの瀬戸際なんだ』

フィアンマ「>>77
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 00:09:56.36 ID:5lOxbjYSO
詳しく話せ
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 00:10:16.32 ID:ctHNwBHn0
人の男を取るような奴の事など聞けんな
諦めろ。それじゃ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 00:11:56.22 ID:KHjoXKE20
断る
この間のような問題を起こしたくない
79 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 00:20:12.10 ID:kJbA1bFe0

フィアンマ「人の男を盗るような奴の事など聞けんな。諦めろ。それじゃ」

トール『ちょ、ストップストップ! 当麻も同意の上だって聞いてねえのかよ』

フィアンマ「…聞いているが」

トール『俺に怒るのはお門違いじゃねーの?』

フィアンマ「……、…デートというのは、何か。オーディンと寝ろということか?」

トール『いや、そんなんじゃねえよ。普通に、会って話してくれれば良い』

フィアンマ「本当にそれだけだろうな?」

トール『疑うなら"覗いて"も良いんだぜ? …こっちとしてはそっちの方が手っ取り早いし』

割と必死な声色である。
個人で戦争を体現するのが彼なら、個人で世界の破滅を体現するのがオッレルスだ。
つまり、オッレルスがその気になれば、トールは殺されてしまう。
見殺しは気分が悪い。自分が会えば、彼が殺される事は無いと言う。
どうしてそんなことになったのかは『視』た方が早いので、オフィーリアはしばし意識を集中させた。

露呈したのは、賭け事の些末である。

トール『…な?』

フィアンマ「…下らん理由だな…俺様が本気で断ったらどうするつもりだったんだ?」

トール『死ぬしかねぇな…』

フィアンマ「生き急ぐな。…、……」

考え込む。
トールの人命がかかっている。
彼の事は、そう憎い訳ではない。友人だ。

フィアンマ「…わかった」

トール『…悪い』

フィアンマ「何、それ程までに勝ちたかったんだろう。それに対してオーディンの要求が底なしだったんだ」

トール『ありがとな。今度何か…頼み聞くから。詳しい日時は知らせる』

渋々、というかたちで引き受け。
トールと通信を切ったところで、上条の声が聞こえた。
部屋から出ると、良い匂いがする。醤油の匂いだ。

上条「出来たぞ」

フィアンマ「ん、…」

席につき、お祈りをして、口にする。
温めてから入れてくれたのか、硬いところの一切無いお餅は、美味しい。

上条「隠し味も色々と入れて工夫したんだけど、美味しいか?」

フィアンマ「>>81
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 00:22:59.41 ID:5lOxbjYSO
まいうー
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 00:24:08.86 ID:ctHNwBHn0
んぐっ!んんんん!んぐぐぐぐ!!!






うまい!
82 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 00:31:49.99 ID:kJbA1bFe0

フィアンマ「んぐっ! んんんん! んぐぐぐぐ!!!」

餅を嚥下するのは一苦労。
もしかしてロクに噛んでないのでは、と心配する上条。

フィアンマ「うまい!」

ぱあっ、と明るい笑顔での感想に、上条もつられて笑んだ。

上条「そっか。頑張った甲斐があったな」

フィアンマ「ん、…当麻が温めたモチは硬さが無いから好きだ」

もちもち、とガムのように餅を噛む。
ちなみに、彼女は食べる時にもちもちとしているからモチなのだろうと思っているようだ。

上条「本当餅好きだよな。気に入ったのか?」

フィアンマ「そうだよ。美味しいだろう」

上条「俺も好きだけど…飽きないか?」

フィアンマ「飽きんな」

上条「おかわりするなら注ぐぞ」

フィアンマ「頼む」

餅が好きとはいえ、上条の作った雑煮のつゆも好きらしい。
きっちりと呑みほし、空の椀を差し出す。
常に無い食べっぷりは、餅にのみ発揮されるものだ。
上条としては、彼女がもう少し太れば胸に望みが…等と考えているので、機嫌よくおかわりを注ぐ。
胃腸を痛めない限り、沢山食べる子の方が魅力的で気分が良い。

上条「はー、一月か…」

フィアンマ「?」

上条「…二月ってバレンタインだろ?」

フィアンマ「そうだな。それがどうかしたのか?」

上条「今年も義理チョコでステータスが決まるな、と…」

フィアンマ「…チョコが欲しいのか?」

イタリアにおけるバレンタインデーは、恋人や夫婦同士がプレゼントを交換する日だ。
故に、チョコレートにこだわる理由がわからず、首を傾げる。

上条「>>84
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 00:32:38.92 ID:5lOxbjYSO
"想い"が欲しいんだよ
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 00:39:23.90 ID:ctHNwBHn0
チョコよりオフィーリアたんがほしいなー
85 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 00:46:01.42 ID:kJbA1bFe0

上条「チョコより、オフィーリアたんがほしいなー」

正直、チョコレートなどいつでも買える。
そして、恋人がいる上条は、もはやクラスの男子がチョコを貰っていようといまいと妬む要因が無い。
故に、どちらかといえば、チョコまみれのオフィーリアを抱く方が良いと、思う。
食事中に下ネタの話へさらっと入ったのが気に入らなかったのか、上条はぐいと足を踏まれる。

上条「痛たたた」

フィアンマ「品が無い」

上条「ごめんごめん」

謝りながら、上条は彼女がお雑煮を食べる様子をのんびりと眺めた。
好物に対して素直な彼女は、ちゃんと噛むよう心がけながら、食べていく。
彼女の味覚も、好みも、もうだいぶわかっていた。
それは幸せなことだ、と上条は思う。

あーん、とされつつ餅を食べ。
満腹になった二人は、部屋へと戻る。
一月といえば、正月シーズンといえば。
自然と、福袋に目が行く。


そんな訳で、二人は食休みを取った後、ショッピングモールへとやって来た。
沢山並ぶ福袋は、食べ物に関するものが多い。

上条「んー」

フィアンマ「…どれを買うんだ?」

上条「そうだなー…>>87
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 00:50:37.11 ID:5lOxbjYSO
…そーだなー……じゃあ、


そこに、福袋に詰められてる哀れな雷神をちょっと品定め〈はなしをきく〉しようか…
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 00:56:07.54 ID:KHjoXKE20
88 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 01:02:11.79 ID:kJbA1bFe0

上条「そうだなー……そうだなー……じゃあ、」

彼はじとりと視線を向ける。
そこにあるのは、忘れ去られたかのような福袋。
まるで、買った人間が壁際へ適当に捨てたかのような。
その中に入れられているのは、一人の少年だ。
人身売買組織よろしく、怪我をした様子で詰められている。
どこか、捨て猫を連想させる雰囲気だった。

上条「そこに、福袋に詰められてる哀れな雷神をちょっと品定め<はなしをきく>しようか…」

フィアンマ「…何をどうすればこうなるんだ…?」

ダンボールに入っている仔猫へ近寄るように。
二人はそろそろと、トールの入っている福袋へ近寄る。

トール「……」

上条「……、…何があったんだ?」

トール「…>>90
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 01:10:42.53 ID:5lOxbjYSO
ッハ、わかるだろ?俺にこんな真似が出来る猛者と間柄、人でなしが誰か、なんて…ゴフッ……

通信、聞かれてて…
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 01:15:15.12 ID:ctHNwBHn0
助けてくれマイハニー。助けてくれたら
またガン堀り、しゃぶりつくしてやるから
91 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 01:20:10.58 ID:kJbA1bFe0

トール「…助けてくれマイハニー。助けてくれたら、またガン掘り、しゃぶりつくしてやるから。頼むよ」

上条「…ちょっと別の福袋買って帰るか、オフィーリア」

フィアンマ「そうだな」

トール「冗談だって、冗談! 痛ってて…」

上条「…お前にこんな事出来る…のは、二人位しか居ないよな」

トール「ご名答。そんでもって、オティヌスじゃねーよ」

上条「そんな気はしてたけど」

上条が手を伸ばし、袋に触れた瞬間。
ぱぁん、と袋が弾け、只の紙くずと化した。
どうやら、福袋に見せかけた拘束霊装だったようだ。
中から出、ふらふらと立ち上がったトールは、ボロボロだった。
そこかしこに生傷が絶えず、見ているだけで痛い。

フィアンマ「オーディンに何かしたのか? でなければ、此処に捨てられる事もなかろう」

自分がデートを承諾した以上、トールが攻撃された上に捨てられる道理は無いのでは。
純粋な疑問のままに、彼女は首を傾げる。

トール「>>93
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 01:21:35.13 ID:lFam9Fcoo
嘘だと思われてるんだよ……
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 01:30:20.13 ID:fm+E3cEDO
俺の命がかかってるって言って弱味につけこんだのと、お前の恋人との事をネタにお前が一度断った意見を撤回させたのが気に食わなかったらしくてな……
94 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 01:40:06.68 ID:kJbA1bFe0
《オーディンさんキレるの早い、キレる理由少ない、と思ったけどよくよく考えたらあの人別に無くても困らない協力を引き出す為に酷い事した人だった》



トール「俺の命がかかってるって言って弱味につけこんだのと、お前の恋人との事をネタに、お前が"一度断った意見を撤回させた"のが気に食わなかったらしくてな……」

フィアンマ「…それだけなのか?」

トール「フリッグちゃんが思ってるより、短気なんだぜ?」

彼女を困らせるのは自分一人でいい。
彼女に何かを嫌々頷かせるのは、自分だけでいい。

げに恐ろしきは、異常な独占欲といったところか。
しかし、ボロボロながらも致命傷は無く、殺されていない辺り、まだ慈悲があったのかもしれない。
或いは、オッレルスも丸くなったということなのか。
尖った彼を丸くする為に傷ついたのは山の数の人間だが。

トール「面倒臭い性格してるよな…ま、助かった。ありがとな」

上条「弱みにつけこむとか、ネタに断るとか、何の話だ?」

トール「あー、それはだな…殴るなよ?」

言いながら、トールは簡易的に説明する。
誤解を生みそうな部分には、オフィーリアが補足情報を付け加えた。
全ての事情を聞き、上条はやれやれとため息を吐きだした。

上条「>>96
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 01:43:31.37 ID:5lOxbjYSO
よォォし、覚悟は出来てンだなァ?テメェェ!!!!
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 01:47:44.36 ID:KHjoXKE20
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 01:53:10.23 ID:fm+E3cEDO
俺は確かに自制せずにお前と性行為に及んだかも知れねぇ、抵抗も確かにしなかった…
だけど…だからと言ってそれを理由に少しでもオフィーリアがお前の思い通りになると思ってるなら……俺がまた過ちを犯してお前とまた肉体関係をもつと思ってんならまずはその幻想をぶち[ピーーー]っ!!
俺だけじゃなくオフィーリアにまで手をだしてんじゃねぇ!(男女平等パンチ)

by俺の友達
わざわざ考えてたから書き込んだだけなので、スルー推奨
98 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 02:02:41.00 ID:kJbA1bFe0

上条「よォォし、覚悟は出来てンだなァ? テメェェ!!!!」

トール「此処でやるにはちょっと危ないんじゃねえの」

しゅっ、と右ストレートを突き出す上条に対し、トールは華麗な回避を見せた。
怪我をしていても、戦争代理人は戦争代理人らしい。
オフィーリアはというと、無理に止めるのも良くないか、と上条達から一旦離れた。
携帯電話はあるので、いつでも連絡は取れる。
人ごみにすっと消えたオフィーリアに気づく事無く、上条とトールは暴力的な追いかけっこを開始したのだった。




オフィーリアはしばらくショッピングモールを歩いた後、ペット許可の字を見、家に一旦引き返した。
何故かというと、帰省の際に連れてきたシャミセンの散歩チャンスだと思ったからである。

シャミセン「みゃー」

フィアンマ「…ん、…」

抱き上げようとするも、ずっしりと重い。
やはりおやつは今度から抜きにしよう、と思いつつ、オフィーリアはシャミセンを伴ってショッピングモールへと戻る。
道の途中から、人ごみになってきた。
流石に人ごみの中をついていくのはシャミセンにも厳しいので、抱き上げる。

フィアンマ(…携帯電話の充電はしてあるし、連絡に関しては問題あるまい)

猫を抱っこしたまま歩く彼女はマイペースだ。
上条に叱った事はけじめとしてのもので、トールとの浮気に関してはそんなに怒ってもいない。
人ごみからてくてくと歩いていると、一人の男が乱暴にぶつかってきた。
上条やトールではない。急いでいるというよりも、八つ当たりのようだった。
所謂、ヤのつく職業人だろうか。どちらかといえば、チンピラだ。
彼からぶつかって来たにも関わらず、オフィーリアのせいにしたようだ。
猫を抱えている細身の少女。一人。この条件で、オフィーリアをふっかける相手として決めたらしい。

男「テメェ何処見て歩いてやがる」

フィアンマ(…テンプレート通りの台詞だな)

コテンパンにしてしまっても良いのだが、『聖なる右』は目立つ。
シャミセンのあご下をくすぐり、ぶつかった肩の僅かな痛みにため息を呑み込む。
倒せない相手ではない。むしろ、倒す方法に迷う程。
どうしようか、とシャミセンを抱え直した彼女の隣に、一人の青年が立つ。
先程の話題の中心とも言える、オッレルスだった。
トールを捨てた位なのだから、この近辺に居てもおかしくないとは思っていたが。

フィアンマ「オーディン」

呼びつつ、痛む肩を無意識に摩った。
人ごみは、三人を避ける様に過ぎていく。

オッレルス「>>100
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 02:07:19.49 ID:fm+E3cEDO
最近SOさんの長文鬼畜レスがないですねー

kskst
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 02:15:42.67 ID:5lOxbjYSO
すまない、私の連れがご迷惑をおかけしたようですね。もしよろしければ、治療費等をお支払致しますので、こちらでお話を…←路地裏につれてく


さて、叫べないようにしようか?←咽を引きちぎる。
ああ、心配せずとも、治療費は支払うとも。あの世への橋渡し賃だが。←顔を掴んで地面に何度も叩きつけながら奥まで進む

俺はね、君達みたいな人種はへどが出るほど嫌いなんだよ。ましてや、大事な人が傷つけられたら……ね?←両腕、両足を指先から付け根まで砕いていく

さて、君こそどこに眼をつけてるのかな?俺に教えてくれ←目玉引っこ抜く

…殺さないあたり、俺も丸くなったな…
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 02:24:30.23 ID:fm+E3cEDO
キター、やっぱりSOさんはこれですよね(褒め言葉…?)
まぁ今回は控えめな感じでしたけど、今のオッさんはこんな感じでしょうしねー
上条カップルと垣根カップル以外はどんな目にあっても多分許容できます、垣根弟のカップルは……浜面爆発しろ
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 02:24:57.59 ID:5lOxbjYSO
DOの期待に答えようと思ったがちょい安っぽいかな…スマン
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 02:28:35.09 ID:fm+E3cEDO
安っぽいだなんてそんなことないですよ、私的に満足です!!
これを考えて書くSOさんも凄いけど、この安価を活かせる>>1様も凄いですよね…基本的に一言一句変えない場合が多いですし
104 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 02:37:41.14 ID:kJbA1bFe0

オッレルス「すまない、私の連れがご迷惑をおかけしたようですね。もしよろしければ、治療費等をお支払致しますので、こちらでお話を…」

丁寧な言葉だった。
男は、物々しいとはいえ、眼帯をしているオッレルスも弱者と認定したらしい。
オフィーリアよりも金を取りやすいと踏んだのか、誘われるまま、路地裏へとついていく。
どうして離れるのかといえば、オフィーリアに血がかかることをオッレルスが嫌がった、ただそれだけのこと。
彼はまず、下準備を徹底することにした。料理と同じで、手を抜くと後々困ってしまう。

オッレルス「さて、叫べないようにしようか?」

言うなり、彼は手を伸ばす。
男に疑問を抱かせるまでもなく、喉を圧倒的な握力で引きちぎる。
動脈などには触れない。ただ、声帯を確実に潰すだけ。

男「ご、…ひゅッ、」

何が起きたか、男にはわかっていない。
オッレルスはそのまま男の肉を放り捨て、男の顔面を掴む。
ミシミシと頭蓋骨が圧迫される音を聞きながら、抵抗出来ない男の身体を、まるでバスケットのボールのように地面へ何度も叩きつけ。
それでいて、散歩のような気軽な足取りで、路地の奥まで進んでいく。

オッレルス「ああ、心配せずとも、治療費は支払うとも。あの世への橋渡し賃だが」

彼が飛び散る血液を想定して傷つける角度に気を配っていた事に、男は気づけただろうか。
気付けていたのなら、彼は、まだ逃げる事が出来たかもしれない。

オッレルス「俺はね、君達みたいな人種はへどが出るほど嫌いなんだよ。ましてや、大事な人が傷つけられたら……ね?」

飛び散った血液は、路地裏の中に陣を気づく。
その中へぞんざいに放られた直後、男は激痛に息が止まりながらも、絶叫しようとした。
けれど、叫べない。正確には、呼気に過ぎない叫びは、誰にも届かない。
動かそうとした先から、指が折れていく。関節ごとに、人形のように。
指からビキビキと昇ってきた、骨を砕かれる痛みは、やがて両腕、それでも足らず、両脚にまで広がる。
逃げようと藻掻く事すら出来ない男の瞳へ、青年の手がかかった。男が運命を呪っても、彼は許さない。

オッレルス「さて、君こそどこに眼をつけてるのかな? 俺に教えてくれ」

彼の不幸は、オフィーリアに目をつけていたこと。
そして、オフィーリアがオッレルスの唯一所有していたいもの<妻>だったこと。

ごりゅ、ぶちゅり、という嫌な音と共に、男の視界が文字通り『喪失』する。
神経に肉の付着したそれをぐちゃぐちゃと片手で握り潰し、オッレルスは一度だけ後ろを見やった。
猫を抱えていたからだろう、オフィーリアは来ていない。制止の声は無かった。

オッレルス「…殺さない辺り、俺も丸くなったな…」

彼女に危害を加えて、摩らせる程に肩へ痛みを与えたのだ。本来、彼の中では殺しても良い部類に入る。
そこまで考えたところで、思い出したようにオッレルスは男の肩を踏み抜くと、今来た路地裏を引き返す。
その途中に様々な術式を応用し、身を清めて。まるで、何事も無かったかのように。
彼は、人を殺しに来た訳ではない。彼は、オフィーリアとデートをしにやって来たのである。

オッレルス「ただいま」

フィアンマ「…お帰り?」

シャミセン「にゃー」




女性との食事はしないと決めている彼は、女性とのティータイムまで許容範囲とするらしい。
そんな事を思いながら、彼女は現在、ショッピングモール内の、ペット可な喫茶店へ来ていた。
彼女の膝上に丸まっているのはシャミセンである。ぷらん、と尻尾を揺らしている辺り、退屈に思っているのかもしれない。
甘い甘いキャラメルココアを啜り、その温かさに息を吐きながら、カップをソーサに戻して。

フィアンマ「助けに来てくれたのか? それとも、観光か? トールが痛々しい怪我だったぞ」

オッレルス「>>106
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 02:42:12.99 ID:5lOxbjYSO
…………………観光だよ

トールが誰にどうされたかなんて俺にはどうでもいい。
…猫、好きなのか?
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 02:53:18.70 ID:fm+E3cEDO

十分たったから安価上
107 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 03:00:52.65 ID:kJbA1bFe0

オッレルス「…………………観光だよ」

ある意味本当で、ある意味嘘だった。
彼は最初、オフィーリアを捜していただけで、あのような凶行に及ぶつもりはなかった。
しかし、やられてしまったからには仕方無い。

オッレルス「トールが誰にどうされたかなんて、俺にはどうでもいい」

悪びれるでもなく本心からそう言いながら、彼はコーヒーを啜った。

フィアンマ「…まったく。……こら、」

不意にシャミセンがモンブランに手を伸ばしかけ、ぱしっと止めるオフィーリア。
が、そのまま怒るだけではなく、頭を撫でる。
シャミセンは上条以上に彼女へ懐いているので、ごろごろと喉を鳴らしていたずらをやめた。

オッレルス「…猫、好きなのか?」

かくいう彼も、猫好きである。
しかし、オティヌスの鉄壁のガードの前に、ミューズをもふもふ出来ないストレスがあった。
オフィーリアは問いかけに対してこくりと頷いた後、シャミセンの肉球を触る。

フィアンマ「…オーディン。……抱いても、…良いんだぞ?」

一瞬、オッレルスの全時間が止まった。
次に、正しい意味を把握して、時間が動き出す。

オッレルス「……その猫が嫌がらないなら」

フィアンマ「人見知りはあまりしないんだ。大丈夫だろう」

肉球を触れれて困惑気味のシャミセンを抱っこし、オッレルスへ手渡す。
オッレルスはそっとシャミセンを受け取り、撫でる。

シャミセン「みゃぁ」

シャミセンはちょこんとオッレルスの膝上にお座りし、彼の手に甘えた。
セーターの感触が気持ちいいのか、すりすりと懐き、甘えている。

フィアンマ「可愛いだろう。…最近は太りすぎが懸念されているがね」

オッレルス「>>109
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 03:03:02.82 ID:fm+E3cEDO
予告がなんだか純愛じゃない予感(←誰だこんな失礼なこと言ったやつ
kskst
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 03:05:15.64 ID:5lOxbjYSO
…ああ、これは…おっふぅ、かわ、可愛いな…ワシャワシャ

…も、もっふもっふじゃないか…ハハハハハハ
110 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 03:19:40.54 ID:kJbA1bFe0
《半分位は確信犯でした  …誰だよオーディンさんの事キチってるとか怖いって言ったの…可愛い人じゃないか…。 オーディンさんが持ってきた指輪はこちら参照→http://www.queensjewelry.jp/story/1709.html



オッレルス「…ああ、これは…おっふぅ、かわ、可愛いな…」

言いかけて、攻撃される。わしゃわしゃと腹毛を撫でた。
しかし、その猫パンチすらも愛らしい。
また、甘えの意図からの攻撃であるが故に、可愛いだけ。

オッレルス「…も、もっふもっふじゃないか…ハハハハハハ」

上機嫌である。
残された隻眼が、喜色にきらきらと輝いている。
それも、普段の歪んだ愉快さにではなく、純粋な楽しさ。
猫好き、且つ、猫に触れられなかったフラストレーションが爆発しているのだろう。
甘えてくるシャミセンと戯れる彼の表情は珍しく豊かで、充実していた。
オフィーリアはメニュー表を眺め、猫用おやつの販売が無い事を確認してから、懐より煮干を取り出した。
猫用クッキー等は太るとわかったので、これはおやつ兼ごはんだ。

フィアンマ「…与えるか?」

オッレルス「…、良いのか?」

言いながら、煮干の袋を受け取り。
彼は一つずつ、シャミセンへ与えた。
口元に運ばれ、シャミセンはうにゃうにゃと煮干を食べている。
普段、外に出ない影響で猫に餌付けをする機会の無いオッレルスは幸せらしく、満ち足りた表情で食べさせている。
アニマルセラピーをすれば、今以上に丸くなってくれるだろうか、とオフィーリアは首を傾げた。

三十分程戯れ、煮干の袋をしまい。
満腹になったシャミセンは、無防備にもオッレルスの膝上で眠り始めた。
やや重いが、それに耐え切れない程ヤワな脚でもない彼は、退屈紛れにシャミセンの丸い背中を撫でる。
そして、ようやく思い出したように、ポケットから一つの箱を取り出した。
紺色のそれは、所謂ジュエリーケースだった。長細くないので、指輪かブローチだろう。

オッレルス「君に渡しそびれていたものがある」

言って、彼は中身を提示した。
0.7ctのダイヤモンドで作られた、綺麗なリング。即ち、指輪。
職業上、金属類の判別に敏感なオフィーリアは、それがプラチナ製である事に気がついた。

フィアンマ「…指輪?」

何故、という顔をした彼女へ、オッレルスはいたって普通に返す。
本当に、タイミングが無くて渡していなかったかのように。
恥ずかしがる様子もなく、普通の態度で。少々、安堵のような色も見えるが。

オッレルス「>>112
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 03:22:06.62 ID:5lOxbjYSO
ksk
112 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/27(木) 03:35:34.45 ID:kJbA1bFe0
《今日はここまで。お疲れ様でした》
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 03:37:31.79 ID:5lOxbjYSO
乙↓
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 03:39:33.44 ID:fm+E3cEDO
乙ですの
安価下
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 07:06:43.58 ID:bdBV4SRP0
結婚してくれ
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 13:05:16.05 ID:9iK4xvM7o
SOとDOが気持ち悪すぎる
117 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 14:31:42.77 ID:QRuGQUop0

オッレルス「結婚してくれ」

交際も無く、突然のプロポーズ。
オフィーリアは驚いた後、思わず聞き返した。

フィアンマ「…結婚?」

オッレルス「そうだよ」

フィアンマ「…『彼女』のことはどうした」

オッレルス「忘れた訳ではない。忘れられるはずがない」

オフィーリアは、じっとリングを見つめた。
爪を剥がした際に、彼は自分の指へ触れた。
そこから逆算して指の太さを考慮し、オーダーしたのだろう。サイズはぴったりのように思える。
嵌ったダイヤモンドは、カフェの光を浴びてキラキラと輝いていた。

オッレルス「……。…世界を憎ませ、気が狂う程愛したのが、『彼女』だ。…世界を少しだけ許す気分にさせてくれて、正気を取り戻す程愛したのが、君だ。正直、俺は生涯でこの二人の女性しか愛せる気がしない」

恩義と独占欲、執着と希望。
それらを一纏めにした結果、愛情に変化した、と彼は言う。

フィアンマ「………、…」

彼は、ある意味において彼女の投影だ。
上条を喪えば、彼女もオッレルスのようになっていたかもしれない。
故に、彼女は心から彼に同情している。同一視、という言葉が正しいだろう。
上条が死んだ時のように絶望はしないが、彼が死ねば、彼女は泣き崩れて暫く口を利けなくなる。

そっと、指輪を箱から取り出す。
これの本来の受け取り主は、最早この世界の何処にも居ない。

オッレルス「籍は入れなくても、構わない。上条当麻との関係も、続けたままでいればいい」

だから、指輪だけは受け取って欲しい。
そんな、ある意味卑屈とも聞こえる言葉に、彼女は視線を彼の瞳に向けた。

フィアンマ「…それで良いのか。お前は」

オッレルス「>>119
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 15:05:31.04 ID:5lOxbjYSO
まぁ、知るかクソボケ、としか言えねーわキモくて悪いな安価↓
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 15:10:08.91 ID:zqHGiGu80
欲を言えば嫌だ
120 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 15:24:13.34 ID:QRuGQUop0

オッレルス「欲を言えば、嫌だ」

フィアンマ「……」

オッレルス「…でも、仕方が無いだろう? …彼と一緒に居る事が、君の一番の幸せなら。俺は、君が幸せに生きられるだけの環境を整えるだけだ」

それは例えば、彼女を傷つけた人間への報復であったり。
彼女が自分に微笑んでくれる時間を大切にする事であったり。

勿論、オッレルスだって、好きな相手と一緒に居たいに決まっている。
だけれど、彼にはその資格が無い。
『あれだけの事』をしておいて、彼女を幸せに出来るなどとは、言えない。
故に、離れた場所に居る。そして、傷ついた時には、守る。
例え世界中を滅茶苦茶にしても、彼女だけは守り通すと決めた。

フィアンマ「……、…お前は」

指輪を持ったまま、煌くダイヤを見つめる。
彼は歪んでいるし、狂っているが、ある意味で真っ直ぐな男だ。
妥協をしないし、これと決めた事は突き通す強さを持っている。

フィアンマ「…お前は、それで良いのか。…そんな、人生で…幸せなのか」

だからといって、上条からオッレルスへ鞍替えする訳でもないくせに。
そんな事を言ってしまう自分が嫌いで、彼女は俯いた。

オッレルス「…あれだけの事をした俺に、それでも君は絶望して尚、優しかった。君には、決定的な暴力性が欠けているのかもしれない。……だが、その異常さも含めて、好きだ。好きな相手に指輪を受け取ってもらえて、幸せでない男は居ない」

オッレルスは、オフィーリアに虐殺されても文句を言えない。それだけの事をした。
彼女を心身共に傷つけ、絶望させた。それに対して、彼女は破壊という手段には出なかった。
それは、絶望から彼を殺す事でオッレルスの思うツボにはまりたくないという意地ではなく、オフィーリアの優しさからだ。
人間的でない、神のそれにも似た慈悲だ。

フィアンマ「…わかった」

指輪を、撫でる。
プラチナにしたのは、錆びないように、だろうか。
彼の心が錆びつかない事を意味するのかもしれない。





どこの指に指輪をする?(範囲:右手・左手どちらかの親指〜小指まで)>>+2
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 15:25:42.18 ID:5lOxbjYSO
シャミセンの薬指
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 15:33:24.47 ID:ctHNwBHn0
オッレルスがはめて上げようとしたら
ピタゴラスイッチ的なことがおこって
オティヌスの薬指に
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 15:42:06.30 ID:5lOxbjYSO
涙目オッレルス、とばっちりオティヌスwwww
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 15:47:34.19 ID:ctHNwBHn0
右手の薬指でも左手の薬指でもどっちでも良いです
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 15:50:59.15 ID:KjiJw1gSO
まあどんな理由にせよ指輪受け取ったら最悪な浮気だろ、常識的に考えて

安価下
126 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 15:54:05.82 ID:QRuGQUop0
《ピタゴラスイッチ過ぎる、何と不幸な…  指輪は嵌める場所によって意味が違うので何とも言えないような》


オッレルス「…俺が嵌めるよ」

言われ、オフィーリアは一旦彼の手に指輪を返す。
彼はジュエリーボックスをしまうと、彼女の左手を引いた。
薬指へ宛てがい、嵌める直前。
近くの猫に反応したのか、急に起きたシャミセンが、猫パンチによって運悪く指輪を弾き。
弾かれた指輪はそのままゴミ排出機に直結しているチューブに吸い込まれ。
すぽん、とゴミ収集機に処理されるはずだったそれは何故か異物検査によって勢いよく弾かれ、直球に郵便局の受付ポストへ。
偶々サローニャに送られていた手紙にぴたりとくっつき、切手状態のそれは違和感無く郵便員によって運ばれていく。
最終的にそれはオティヌスのところまで至り、サローニャが冗談半分に磨いた後、心の安定に、とオティヌスの右手薬指へと嵌めた。

ただし、彼等が確認出来たのは、指輪が弾かれて何処かへ消えた、ただそれまでである。

オッレルス「……」

フィアンマ「……」

オッレルス「……」

オフィーリアが居るにも関わらず、この不運。
つまり、今日のオッレルスはすこぶるツイていないらしい。

フィアンマ「……、…オーディン」

あまりの不幸に言葉に詰まり、彼女は慰めるように彼の手を握った。

フィアンマ「……ま、…また贈ってくれ」

オッレルス「…そうするよ」

がっくりと項垂れないのは、落ち込みが表面に出ないタイプだからだろう。
犯人がシャミセン、つまりは猫である為に、怒る事も報復も出来ない。


オッレルスにシャミセンを抱っこさせ、もう片手は、人ごみではぐれないよう繋いでオフィーリアが歩いている最中。
トールと上条は、追いかけっこが転じて、勝負になっていた。
何の勝負かというと、格闘ゲームである。

トール「実戦とは勝手が違うだろうが、説明は覚えたし、本気でかかってこいよ」

上条「…望むところだ」

キャラクター選択。

上条「…っていうか、何で賭けの対象にオフィーリア含めようと思ったんだよ、お前」

トール「>>128
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 15:58:30.74 ID:ctHNwBHn0
お前とサローニャで連結するためさ!!!
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 16:10:53.88 ID:5lOxbjYSO
彼氏以外の男からプロポーズと一緒に指輪送られて、それを受け取ってつけるなんてどの指輪につけようが手酷い裏切りでしょ安価↓
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 16:12:31.50 ID:a9SWizKZ0
フィアンマと上条のやりとりより
垣根麦野のやりとりの方が楽しみでござる
kskst
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 16:13:24.12 ID:KjiJw1gSO
嵌める場所は関係無いな
プロポーズした男からの指輪を受け取る、身につける、お前を守りたいとかの妄言を受け入れる、恋人は立場もクソも無い、一つだけでも破局もの。更にこれを隠そうもんなら…
上条の立場じゃ自分を殺して恋人をさらった奴よ?話に受け答えしてるだけで発狂するよ普通

安価下
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 16:26:35.52 ID:5lOxbjYSO
そうでもしなきゃ、オーディンが動いてくんねーからだよ
132 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 17:22:48.45 ID:Ps2C0ZFI0
《皆さんとの浮気の前提条件がズレていたのか…申し訳ありません 垣麦のターンはバレンタインなのでもうしばしお待ちください》



トール「そうでもしなきゃ、オーディンが動いてくんねーからだよ」

さっさとキャラクターを決め、戦闘開始。
近接戦闘に浸かっている反射神経が作用してか、トールはなかなかに格闘ゲームが強い。
オーディン、という五文字を聞く度に心がざわつくのを感じながら上条も応戦した。
防戦一方の上条に対し、魔法攻撃を連発するトール。
魔術と格闘ゲームのコマンドは似たところがあるのだろうか、飲み込みが早い。

上条「…アイツ、まだオフィーリアの事狙ってんのか?」

トール「狙ってる、の意味が違うと思うけどな。半分は罪滅し的感覚なんだろうけど」

上条「は?」

トール「あれ、聞いてねえのか。…無理もねえな」

三回戦で戦うも、上条の一勝二敗。
そんな訳で、二人はアイスの自販機でアイスを買った後、ゲームセンターコーナー内の休憩ベンチに腰掛けた。
もぐ、とモナカアイスに噛み付き、上顎に張り付くような感覚に首を傾げながら、トールは話す。

トール「何をしたか、詳しくは知らねーけど、…フリッグちゃんがトラウマ抱えるには充分過ぎる程の"何か"をしたらしくてな。それでも承諾しなかったからなのか、当麻が死んで以降の彼女を見てそうなったのかは知らないけど、オーディンはフリッグちゃんに執着してる。会話中に悪口一つ言おうもんなら、腕の一本や二本はイかされるだろうな。そりゃ、好きなヤツを馬鹿にされたら当麻も怒るだろうけど、それと同じか、それ以上に怒りやがる。そもそもよく怒る野郎だけど。…前は幸運体質が気になってただけみたいんだけど、今は違う。彼女を傷つけた人間全員皆殺しにする、って感じの事を決めてる。だから多分、…俺に対しては認めないけど、好きなんじゃねえかな。だから、前みたいに傷つける為に狙う事はしないだろうけど、"そういう"意味では狙ってると思う」

上条は、がりがりとアイスキャンディーを噛み砕いた。
彼女は優しい。本来持っているべき『怒る』や、『不快』が欠如気味だ。
それは優しさというよりも甘さなのかもしれない。転じて、弱さでも、強さでもある。
本物の聖職者は恋人に向いていないというが、正にそれだ。
進んで浮気はしないだろうが、哀れみから、誰にでも手を差し伸べる傾向はある。
それが例え、自分を滅茶苦茶に傷つけた人間であっても。

トール「…これは俺の予想だけど。……当麻より強いから、彼女を守れるって思ってんじゃねえかな。当麻とフリッグちゃんの生活を邪魔しようと思ってるかどうかは知らないけど、多分それは無い。でも、何かとフリッグちゃんに接触はしてるみたいだ」

上条「…>>134

133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/27(木) 17:28:18.35 ID:5lOxbjYSO
アレだ、もうオッさんを皆でリンチして殺るしかねーよ。それで万事解決じゃねーか

酷い殺され方したって文句言えねー事散々してきたんだからよ

134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/27(木) 17:30:36.44 ID:j3RPAO7A0
オッレルスを殺す
絶対に許さない(神浄化)
135 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 17:47:41.05 ID:Ps2C0ZFI0
《神浄化の定義って何だろう…うーん》



上条「オッレルスを殺す」

改めて思い、ぎりりと上条は歯ぎしりをする。
彼の中で、何かが変化しているように思えた。
オフィーリアが本来持っているべき暴力性の大半を、上条は抱えている。

上条「絶対に許さない」

思い起こせば、性行為をする時、オフィーリアは僅かに怯えていたように思う。
あの時は初めての性行為に対するそれかと思ったが、きっと、そうではない。
強姦か、或いはそれよりも酷い事をされたのか。あの彼女は、条件反射的に怯える位。

トール「…殺すんなら手伝うけど。当麻が手を汚すのは、あの子が嫌がるんじゃねえの?」

上条「…嫌がるだろうけど、…仕方ないだろ」

正当な復讐の為なら、仕方が無い。
そう結論付けて、上条は立ち上がると共にアイスのゴミを捨てた。
そして、トールと共に、諸悪の根源を探しに、歩き始める。



オフィーリアは、オッレルスと共に人気の無い広場に居た。『人払い』をしてあるのだ。
彼と繋いでいた手を離し、シャミセンを膝上に乗せた彼女は、視線を地面に落とす。
オッレルスは彼女の膝上で丸くなっているシャミセンの背中を撫でた。
彼等は共に、様々な術式の応用で、近い時間の未来が『視』える。
彼女はほぼ先天的に、オッレルスは後天的に。
そして、それを覆すつもりは無かった。
彼等は、お互いの間に、一つの契約をなし、履行している。
『上条当麻が蘇った後は、オフィーリアは、オッレルスの眠りを妨げない』と。

オッレルス「…やっぱり、指輪は渡せないみたいだ」

残念そうな声音でなく、彼は言う。
決まっている未来は、彼が殺される事。

フィアンマ「そうだな。…終ぞ、お前の事は救えなかった」

オッレルス「そんな事は無いよ。……俺は、取り返しのつかないことをしてきたが、…君に救われたんだ」

フィアンマ「……、…安らかに眠れ。お前は、もしかすると『彼女』には会えないかもしれないが、…いつか、地獄で苦しんだ後、煉獄で罪を浄め、会えるかもしれない」

オッレルス「夢を見せるのが、上手だな」

フィアンマ「夢じゃない。……お前が死ぬ前に、…多少なりとも、お前の感情が理解出来て、良かった」

みゃあ、と。
何らかの不穏な雰囲気を感じ取ったシャミセンが、不安げな鳴き声を漏らした。
彼女が宥める為にあご下をくすぐったところでオッレルスは手を離し、立ち上がると、数歩、彼女から距離を取って前に出る。

その広場へやって来たのは、二人の少年。

上条「>>137

オッレルス「…>>139
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 17:49:18.78 ID:5lOxbjYSO
人の女に手ェ出してんじゃねーよ人でなし
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 17:53:59.40 ID:a9SWizKZ0
ようオフィーリア、ちょっと眠っててくれ

トール、頼む
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/27(木) 17:59:30.74 ID:5lOxbjYSO
…自分一人で戦えないガキが、魔神を簡単に殺せると思うなよ
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 18:05:46.38 ID:6mK2RIjC0
やれるもんならやってみろ
140 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 18:19:51.57 ID:Ps2C0ZFI0

「ようオフィーリア、ちょっと眠っててくれ。…トール、頼む」

眠る為の術式をかけようとしたトールだったが、オーディンに阻まれた。

「やれるもんならやってみろ」

言う彼は、オフィーリアへ何ら干渉させない。
トールが何度仕掛けても、介入して無効化する。

「…チッ、悪い当麻、無理だ」
「……オフィーリア、目を閉じててくれ。頼む」

上条はトールの言葉に頷き、拳を握る。
今日、ここで。彼は、人を殺す。

上条の言葉に、オフィーリアは首を横に振った。
長い赤い髪が、緩やかな風に揺れる。

「オフィーリア…?」

まさか、と色々な事を勘ぐる上条を見やり、彼女は言う。

「…加勢はしない。だが、死に様は見届ける」
「…、」

上条は少々の苛立ちを覚えながら、向き直る。
その右手には、何とも表現し難い、銀の靄のようなものが纏われていた。
全てを殺し叩き壊す、神浄の力。それは、『竜王の顎』のようにも思えた。
オーディンは怯むでもなく、靄を見据える。抵抗を危惧したトールは、幾つかの霊装を撒いて仕掛けた。


そして。


神浄が一撃を振り下ろして彼を呑み込むのと、雷神の仕掛けておいた幾千もの拘束霊装が彼を留めるのとは、同時だった。
『竜王の顎』が、かの魔神を呑み込み、殺すのは。
神話にて、『終焉の狼』が、主神オーディンを殺すことと、酷似していた。

そもそも、抵抗するつもりは一切無かった彼は、ぼたぼたと溢れていく自らの内臓を一瞥し、その場へ倒れる。
俯せに倒れた彼は、一時間と経たない内に死体となることは明白だった。
致命傷。彼と彼女が視た出来事通りに、冷たい未来はやって来る。

オフィーリアはシャミセンを手放した。
猫は血液が好きではないのか、上条に近寄り、足元へまとわりつく。
彼女は静かに彼へ歩み寄ると、血だまりの中にしゃがみこんだ。
神浄は更に攻撃を加えようとしたが、オフィーリアに危害が及びそうになったこともあり、やめる。

「…何か、…言い残す事は、あるか」

殺しも、生かしもしない。
やがて目の前の人物が死ぬと理解しつつ、彼女は最後に問いかけた。
最期の願いに何を言えば良いのか、迷って。魔神の座から堕ちた魔術師は、呟くように答える。

「………>>142
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 18:40:54.17 ID:5lOxbjYSO
…厚かましいが、出来れば俺の遺体はシルビアと一緒の墓に埋葬してくれると嬉しい。


………すまなかった。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 18:42:58.51 ID:5O/Uhpjy0
>>141

そして、ありがとう。やっとシルビアのもとへ逝ける
143 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/27(木) 18:55:41.67 ID:95ekRRLAO
オーディンさんが死んだことで泣いてそのせいで鼻血出た うぐ
144 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 18:56:03.81 ID:Ps2C0ZFI0

「…………厚かましいが、出来れば俺の遺体はシルビアと一緒の墓に埋葬してくれると嬉しい」

言う度に、彼の口から血液がどろどろと溢れる。
けほ、と咳き込みながらも、彼はオフィーリアに血液が付着しないよう努力した。
こくん、と頷いた彼女に、続けて言う。

「………すまなかった。そして、ありがとう」
「…あぁ、……良かったな…」
「やっと、…シルビアのもとへ、逝ける」

ぽた、ぽた、と彼女の瞳からこぼれた涙は、血だまりに溶ける。
彼は最後の最期で、愛しい人に会えたのかもしれない。
そうでなかったにせよ、彼はこれから、死後の世界で罪を贖う事になるだろう。
オフィーリアはぐしぐしと目元を乱暴に擦り、それでも流れてくる涙に咳き込みながら、立ち上がる。
そして、上条を見た。上条は、後悔していない。




フィアンマ「…埋葬をしてきたいのだが、…ここの掃除を頼めるか。流石に、関係の無い一般人にグロテスクなものを見せるのは忍びない」

掠れた声だった。
心からの頼みでも、あった。

上条「>>146

トール「>>148
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 18:59:57.99 ID:5lOxbjYSO
ksk
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 19:05:53.23 ID:z6i0pevV0
まかせろ
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 19:16:54.11 ID:5lOxbjYSO
鼻血出すほどオッさんの事が好きなのか…スゲーな…安価↓
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 19:20:14.82 ID:iFS9WSUJ0
当麻抱いて良い?
149 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 19:38:16.66 ID:Ps2C0ZFI0
>>147 大好きでした。あんなに犯したい人もなかなか居ない 惜し(くな)い人を亡くしたものです》



上条「任せろ」

トール「当麻抱いて良い?」

フィアンマ「ダメだ。だが、報酬はやる」

トール「はいはい。…どうせ当麻一人じゃ処理出来ねえしな」

言葉を交わした後、オフィーリアはのろのろとオッレルスの身体を抱きかかえる。
腕が臓物に触れたが、嫌な顔一つせず、抱き上げる。
しばらく黙ったまま立った後、彼女は上条達に背を向け、一歩踏み出した。
姿が、消える。平行線上に、遠くへ移動したのだろう。後ろ姿すら見えない。

トール「…さて、片付けますかね。当麻、今から言う物を用意してくれ」

人が死んだ後の惨状を何の違和感も無く片付けるには、特定の道具が必要だ。
上条はトールの指示を受けるまま、頷いて動き始める。



シルビアの墓は、綺麗ながらも、ひっそりとしていた。
もう、この墓の世話をする人間は、いなくなってしまった。
彼女はオッレルスを木に寄りかかる形で寝かせ、墓を掘っていく。
その中の柩を開け、女性ものと思われる人骨に沿わせる形で、オッレルスの死体を寝かせた。

フィアンマ「…安らかに眠れ。……貴方がたの願いが、実を結びますように」

呟いて、そっと柩を閉めた。
再び埋め直して、墓を元通りに正す。
正規の手順、十字教式の葬儀を行わなかったのは、それをすることで、二人が会えなくなっては困ると思ったからだ。

死者の眠りに、永遠あれ。

墓の前に座り込み、彼女は血まみれの手で神に祈った。
どうか、もう一度だけお慈悲を。彼等を引き合わせ、幸せにしてください。

フィアンマ「……、」

二時間程、経った頃。
彼女はようやく涙を拭い、身を清めた。
そうして初めて、自分が失声症になったことに気がつく。

フィアンマ(…本当はもっと早く、こうしてやるべきだったんだ)

声を一切出せないとわかっても、困ったとは思わない。
それ程まで、自分は彼の死にショックを受けたのだ。それは、正常な人間に近づいた証でもある。
墓石の向こうに見える夕陽が、綺麗に緋く燃える。



片付けを終え、トールと別れ。
上条は一人、ショッピングモールのフードコートに居た。
彼の手元にあるのは、コーラの上にバニラアイスの乗っている、所謂コーラフロート。
そんな彼の向かい側に、誰かが座る。オフィーリアだった。

上条「ん、…お帰り」

彼女はぱくぱくと口を動かした後、懐からメモを取り出し、さらさらと文字を綴る。

上条「…なになに、…『ただいま。しばらく話せない』…、…何でだよ」

フィアンマ「……」

上条「…『>>151』?」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 19:43:29.42 ID:IoKatomA0
何故こんな結果になったかって?
>>1の浮気概念がずれまくってるからさ!
彼女出来たら寝取られないようにしろよ
kskst
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 19:54:34.09 ID:kMRHfXYIO
なんだかんだいっても友人だったからな
152 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 20:27:43.65 ID:4p0I7v8o0
>>150様 経験済みです…。そんな訳で、今は彼氏も募集してます やっぱりトール君並みに頑張らないと出来ませんかね》


上条「…『なんだかんだいっても友人だったからな』?」

フィアンマ「……」

無言のまま、彼女はこくんと頷く。
友人が目の前で殺されば、一時的に失声症に陥っても、仕方のないことかもしれない。
オッレルスを殺した事自体には罪悪感を抱かないものの。
自分のせいで彼女が話せなくなってしまったのだと思うと、上条は悲しくなって目を伏せた。

上条「…ごめんな」

フィアンマ「……」

ふるふる、と首を横に振り、オフィーリアは上条のコーラフロートに目を向ける。
彼女は、フロートのアイスが溶けて炭酸と混ざり、泡になった部分が好きだったりする。
食べたい、とばかりに口を開けておねだりするオフィーリアへ大人しくアイスを食べさせ。
そうしてようやっと、上条は彼女が話せない対外的な理由について、考えるのだった。


二人は、ようやく家に帰って来た。
何だか、長い一日だったような気がする。
シャミセンはベッドでお昼寝中。
上条は、今更ながら殺人をしてしまったというショックに黙り込んでいた。
オフィーリアはというと、話せない期間、どのようなカンペが一番意思疎通しやすいだろうか、とパターンを考えていた。
毎回毎回書いて返すのでは、少々非効率だ。
いっそ、念話能力に目覚めたということで、『預言』による通信を使おうか、とも考える。

フィアンマ『そう落ち込まなくても良いだろう』

上条「>>154
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 20:30:03.53 ID:5lOxbjYSO
勢いで殺っちまった…
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 20:33:11.01 ID:kNabOYhC0
経験済みクソワロタ

kskst
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 20:52:16.17 ID:0m/ScvjG0
そうだな。俺を殺したやつを殺し返しただけだもんな

156 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 21:04:52.18 ID:4p0I7v8o0

上条「そうだな。俺を殺したやつを殺し返しただけだもんな」

フィアンマ『考え様によってはそうなるな』

上条「…疲れるなら、無理に相槌打たなくても良いんだぞ?」

フィアンマ『カンペ作りを手伝ってくれ』

上条「ん、わかった」

二人で『うん』『はい』『いいえ』等のカンペを作り。
詩菜には喉を痛めたなどと適当な言い訳をして。
冬休みは、呑気に過ぎていった。




二月。
二月といえば、節分である。
バレンタインデーだと胸を張って言う人間も居るが、そもそもは節分なのだ。
節分といったら、豆投げである。
そんな訳で、平和な黄泉川家は、じゃんけんで鬼を決める事にした。
その結果、敗走したのは、珍しくも番外個体だった。
彼女は何だかんだで日常に馴染んでしまい、現在は一方通行との距離の取り方に難儀している。
そして、豆を投げられる事に嫌だと思った彼女は。
家の中、追いかけっこで逃げる側であった。

番外「おちび容赦ない…」

一方通行「番外個体ちゃン、出ておいでェ…?」

番外「っっ、」

焦る番外個体だったが、逃げ場所は、もう何処にも無い。
そんな訳で、豆が安全で彼女を傷つける事は無いとわかっている学園都市第一位は。
ニヤリと軽薄に笑んで、豆を投げつけ始めるのだった。




麦野「……何で、こうなっちゃうのかな…どうして…?」

彼女の前には、惨状が広がっていた。
手は、赤黒く汚れていた。
涙こそ流さないものの、彼女は喪失感に項垂れる。
どうして、こんな事になってしまったのだろう。一生懸命、頑張ったのに。
ただ、帝督の笑顔が見たくて、努力しただけなのに。全部、空回り。



二月。
二月といえば、バレンタインデーである。
節分だと胸を張って言う人間も居るが、バレンタインこそがメインなのだ。
日本のバレンタインといったら、チョコレートである。
そんな訳で、平和な『アイテム』は、麦野沈利と浜面仕上のチョコ作りを手伝っていた。
そして、失敗した結果が先程の麦野である。ラズベリーソース入りガトーショコラを作ろうとしたのだ。

麦野「何で爆発すんのよ…」

フレンダ「>>158
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:09:44.11 ID:5lOxbjYSO
そりゃー、結局、私の小型爆竹入れたらそうなるに決まってるって訳よ
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:10:51.05 ID:0m/ScvjG0
チョコ溶かすのは湯せんって言ったのに
ダルいからって原子崩し使うから…
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:13:06.83 ID:fm+E3cEDO
なんだか純愛じゃない予感(←誰だこんな失礼なこと言ったやつ
けど上条カップルはヤンデレ過ぎて純愛かどうか曖昧…

気持ち悪いと言う件については、なんというかすいません
SOさんはなんだかんだ良い人ですから大目に見てくださいね
160 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/27(木) 21:17:48.56 ID:0m/ScvjG0
>>159

だからそーゆう擁護っつーかなんちゅーか…

ダメだうまく言えない
161 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 21:22:27.49 ID:4p0I7v8o0
《純愛(じゅんあい)とは、邪心のない、ひたむきな愛。純愛の定義としては、他に『その人のためなら自分の命を犠牲にしてもかまわないというような愛』『肉体関係を伴わない愛(プラトニック・ラブ)』『見返りを求めない愛(無償の愛)』などがある―ウィキペディアより この定義だと上条右方も魔神右方も純愛になるのか…日本語不思議》



フレンダ「チョコ溶かすのは湯煎って言ったのに、ダルいからって原子崩し使うから…」

麦野「…手っ取り早いと思ったのよ。溶けたし」

フレンダ「結局、鉄が溶けるのとほとんど同じ原理だったって訳よ」

麦野「う、うっさいわね…やり直すから手伝いなさいよ」

暗部の女王も、何だかんだあって丸くなったものである。
フレンダに八つ当たりの原子崩しを仕掛ける事なく、やり直し。

フレンダ&麦野とは別に、浜面は頑張っていた。
度重なる垣根弟のアプローチに折れたのである。
大人が子供の戯れ言と思っている事の中には、時々生涯の夢が含まれている。

絹旗「テンパリング丁寧にしないと超ムラ出ますよ」

滝壺「かきねおとうとは…子供舌だから…甘くしないと…」

浜面「料理なんざこれまでほとんどした事ねえんだよ…」

正確には、菓子作りが、である。
所謂ドカ盛りや、丼といった男飯であれば、まぁ作れない事も無いだろう。
しかし、繊細なお菓子作りなど、浜面にとっては初めての経験だった。

浜面「…っていうかお前達は垣根弟には作ってやらないのかよ」

絹旗「>>163
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:23:25.02 ID:fm+E3cEDO
>>160
上手く言えないって、傷の舐め合いとか友達ごっことか言いたいんじゃないんですか…?
大丈夫ですよー、私も第三者視点なら多分そんな感想ですから
kskst
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:24:00.00 ID:onCnlHOK0
浜面のお嫁さんにチョコはあげれませんよニヤニヤ
164 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 21:31:36.79 ID:4p0I7v8o0

絹旗「浜面のお嫁さんにチョコはあげられませんよ」

にやにや、と笑む絹旗。
材料の板チョコを一枚拝借し、もぐもぐと食べる滝壺。

滝壺「うん…それに…いっぱい食べたら虫歯になっちゃうし…」

浜面「テメェら…」

絹旗「私や滝壺さんが作らなくても、麦野が第二位ついでに超作るでしょうし、大丈夫でしょう」

言っている間にも、麦野チームはどんがらがっしゃんと物を落としたりしている。
バレンタインまでにまともな物が作れるのだろうか、と思いながら、浜面は再び調理に立ち戻った。
丁寧に丁寧にテンパリングを重ねれば、舌触りの良いものになる。
買った方が正直早いのだが、垣根弟曰く『この個体は手作りチョコが良い、と希望を宣言した』だそうで。
浜面仕上はこうして、仕方なく作っているのだった。
先程絹旗はお嫁さんと言ったが、実際には垣根弟の嫁役が浜面だそうだ。
しかし、そんな事はどうでも良い。

絹旗「そういえば、浜面は何作ってるんでしたっけ」

滝壺「>>166
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:34:25.28 ID:onCnlHOK0
自分の陰茎型チョコ
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:35:10.52 ID:5lOxbjYSO
がとーしょこら
167 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 21:52:45.83 ID:4p0I7v8o0

滝壺「がとーしょこら」

絹旗「あぁ、麦野みたいに超ラズベリーソース入ってない方の」

滝壺「うん…初心者にしては、難しい選択だったかも…」

絹旗「浜面が超頑張れば超何とかなるんじゃないですか?」

浜面「何とかなるって…」

ため息をつきながらも、チョコレートを湯煎にかける。
麦野も一生懸命にチョコレートを溶かした。
ソースが酸っぱいので、彼女はチョコに練乳を溶かす。

麦野(…帝督、喜んでくれるかな)

美味しいと、微笑んで欲しい。
その為に何度も失敗した彼女に、引き下がる道は無い。
こうなっては、完璧なガトーショコラを作るまで、彼女の気は治まらない。

麦野「フレンダ、味見」

フレンダ「結局、これが一番の楽しみって訳よ。…ん、美味しい…けど、甘すぎるかも」

麦野「ソースの配分変えるか…」





チョコレート貰う<ホワイトデー>サイドはというと。
全員で、ファミレスにて駄弁っていた。
構成メンバーは、一方通行、垣根帝督、垣根弟、上条当麻である。

垣根「…しかし、お前デカくならねえな」

垣根弟「まだ年数が足りない、とカキネは説明した」

上条「小さい方が可愛いような気もするけどな」

一方「…ショタコンとか…引くわァ…」

上条「!? ち、違いますよ!?」

垣根弟「そういえばこのツンツンとした黒い頭の人物は、とカキネは問いかけた」

垣根「そういや会った事無かったな。>>169

一方「>>171
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:54:02.40 ID:5lOxbjYSO
俺の舎弟だキリッ
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:57:01.32 ID:onCnlHOK0
ザ・ゾンビ(蘇りし者)だ
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 21:59:10.28 ID:5lOxbjYSO
俺の憧れ、No.1hero、上条当麻さンだ。さン付けで呼べよオマエら
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:00:17.34 ID:onCnlHOK0
>>170

172 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 22:12:17.83 ID:4p0I7v8o0

垣根「そういや会った事無かったな。ザ・ゾンビ(蘇りし者)だ」

一方「俺の憧れ、No.1 hero、上条当麻さンだ。さン付けで呼べよオマエら」

上条「垣根お前…いや否定出来ないけど…って、一方通行?」

一方「あン?」

上条「この際ヒーローは置いといて、さん付けで呼べとか言っといてショタコン扱いってどういうことだ」

一方「敬うのと恭しいのは別だろ」

上条「えええそんな乱暴な理論聞いたの初めてだよ!?」

一方「アクセラレータ理論な」

垣根「何かありがちだから困るよな」

垣根弟「…ショタコンヒーロー(でもゾンビ)という結論で良いのか、とカキネは確認した」

垣根「良いんじゃねえの?」

垣根弟「シヒゾンさん、これからよろしくお願いします、とカキネは頭を下げた」

上条「シヒゾン…全然格好良くねえ…」

垣根「何かこう、Tシャツのプリントにありそうだよな。『SIHI☆ZONE』みたいな」

一方「カッコイー」

上条「棒読みしやがって…ッ!」

そこから気付けば、男だらけの惚気大会。
一方通行は独り者の為、大体は聞き役だった。


日本行事に則りたい、ということで。
上条に何度も抱かれては妊娠の危険性が危惧されるオフィーリアは、フォンダンショコラ等のチョコ菓子を作っていた。
見られながら作るといまいち集中出来ないので、上条には適当に遊んできてもらっている。
失声症は未だ治らないものの、彼女は割と元気だった。
上条相手と違い、魔術を阻害するものはないので、『預言』で会話をしている。

ウート「それで、何で俺は呼ばれた訳?」

フィアンマ『お兄ちゃんにも手伝ってもらおうかと』

ウート「えー」

フィアンマ『良いじゃないか』

ウート「…まぁ良いけど。その後、上条とはどうなの?」

フィアンマ『>>174
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:14:02.21 ID:5lOxbjYSO
ボチボチでんな
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:15:47.78 ID:lIzcRwWE0
縺昴j繧繧ゅ≧繝ゥ繝悶Λ繝悶□
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:17:24.88 ID:onCnlHOK0
ヤりまくってる
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:18:16.47 ID:lIzcRwWE0
文字化け…

安価なら
楽しいさ
いつか結婚したい
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:20:41.68 ID:fm+E3cEDO
文字化けって糸辺の感じ多い気がする
一方さんは一応は男として皆に認識されてるんだな
178 :アセロラ [sage]:2012/12/27(木) 22:34:04.48 ID:CJGDMkVi0
毎日が記念日///
179 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 22:37:21.42 ID:4p0I7v8o0
>>172 ×ありがち ○ありそう》


フィアンマ『ヤりまくってる』

ウート「………まぁ、…高校生だしな」

フィアンマ『冗談だ』

ウート「え、冗談なの?」

フィアンマ『そんな訳無いだろう。あんなに疲れる上に痛い事は一年に一回で良い』

ウート「やー…それはそれで男の方には辛いもんだぜ? 不可抗力とはいえ、上条が下手なのも一因か」

しゃかしゃか、と泡立て器でボウルをかき混ぜ。
オーブンの余熱加減を見ながら、一見ウートガルザロキが独り言を漏らす形での会話。
オフィーリアはココアシフォンケーキを作るか迷いながら、生クリームを泡立てる。

ウート「逆に、困ってる事は? 何でも言えよ。お兄ちゃん最近暇なんだ」

フィアンマ『んー…』

ウート「ちょっと気にかかってる事とか」

フィアンマ『>>181
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:38:33.26 ID:CZFlq9s60
生理が来たと思ったらパタリと来なくなった
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:40:08.09 ID:lIzcRwWE0
182 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 22:46:19.99 ID:4p0I7v8o0

フィアンマ『生理が来たと思ったらパタリと来なくなった』

ウート「…フェリーチェちゃん、それっていつからの話?」

フィアンマ『んー…』

ウート「…そもそも、最後に生理来たのいつ? で、来なくなったのは?」

うーん、と考え込むオフィーリア。
彼女はひとまず目の前の調理を優先させた。
危機察知能力が無いのかどうか。
ウートガルザロキは一応、彼女が転ばないよう最大限努力した。
もし彼女が妊娠していた場合、お腹の子が危ない。

フィアンマ『>>184
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:48:06.79 ID:lIzcRwWE0
当麻と初めてつながって少し経ったぐらいかな?
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:48:21.48 ID:CZFlq9s60
二ヶ月前
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:48:25.58 ID:5lOxbjYSO
すまん、正確な日付は覚えていない
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 22:49:05.37 ID:CZFlq9s60
ごめん安価下にして
187 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 22:58:23.23 ID:4p0I7v8o0

フィアンマ『すまん、正確な日付は覚えていない』

ウート「そっか。…ちょっと特別な身体でも、生理はあるんだな?」

フィアンマ『日数が短いだけで、な。だが、妊娠確率は非常に低い』

ウート「ふーん」

フィアンマ『何だ』

ウート「何って、簡易腹巻き」

彼が彼女の腹部にそっと巻いていたのは、マフラーだ。
彼女にもらったものである。つまり、紫。
丁寧に巻いたそれは、簡易的な腹巻としての役割をもたらす。

ウート「で、調理終わったら病院な」

フィアンマ『確率は低いと言って、』

ウート「幸運体質、忘れてる訳じゃないだろ?」

むぅ、とむすくれるオフィーリアだったが、兄代わりと認めた相手には従うらしい。
それからもしばらく、製菓作業は続いた。




どうにか、試作品は出来上がった。
そんな訳で、『アイテム』はティータイムを開始した。

絹旗「チョコが甘いので、今回は超ライチ紅茶です」

麦野「砂糖無しでも美味しいわよね。ちょっと甘くて」

滝壺「…良い匂い…」

浜面「はー…」

フレンダ「結局、美味しそうって訳ね」

絹旗「麦野の方の仕上がりはどうなんですか?」

麦野「>>189
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 23:13:07.02 ID:5lOxbjYSO
まっきいろになったけど、大丈夫よね?
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 23:18:22.99 ID:iFS9WSUJ0
できたわ!ほら! ブジュウゥゥゥキシャァァァ バーーーン!!

ちくしょぉぉおおおお!!!
190 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 23:29:53.53 ID:4p0I7v8o0

麦野「出来たわ! ほら!」

彼女が思い出したように台所から持ってきたもの。
ぶじゅうぅぅぅ、きしゃぁぁぁ、ばーーん、等、およそ食べ物から出ているとは思えない音。
焼きすぎたのかもしれない。もしや、何らかの化学反応を起こしてしまっているのか。

麦野「ちくしょぉぉおおおお!!!」

絹旗「………」

滝壺「……うーん…」

浜面(これは酷ぇな…俺の作ったヤツと途中まで同じだった筈なんだが…)

麦野「……はぁ……やっぱり向いてないんだ…」

絹旗「…そ、そんな事無いですよ麦野、今日はたまたま、そう、超たまたまです!」

フレンダ「麦野、元気出して欲しいって訳よ」

滝壺「とりあえず…はまづらの…みんなで食べよう…?」

麦野「……」

何だか惨めな気分で、ガトーショコラを口にする。
浜面が苦心して作ったそれは、まぁまぁの味だった。
最早食卓に並べるまでもない麦野の失敗作とは、まるで別物。

麦野(もうやだ……)



チョコ菓子を沢山作り終えたオフィーリアは、ウートガルザロキと共に病院までやって来た。
冥土帰しの居る、優秀な病院だ。
調度急患等は居なかったのか、冥土帰しに見てもらえた。

冥土帰し「…うん、結果が出たね?」

フィアンマ「……」

ウート「……」

ぎゅ、とウートガルザロキの衣服を握るオフィーリアは、どこか幼く見える。
冥土帰しは、診断結果を、告げた。

冥土帰し「>>192
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 23:34:09.87 ID:5lOxbjYSO
いつつごなんだね?
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 23:35:58.17 ID:iFS9WSUJ0
双子だね

おめでとう
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 23:36:00.77 ID:lIzcRwWE0
おめでただね
194 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 23:47:22.77 ID:4p0I7v8o0

冥土帰し「双子だね。おめでとう」

フィアンマ「……、」

彼女は、ちらりとウートガルザロキを見た。
彼はいつもの軽薄さはどこへやら、割と真面目に言う。

ウート「とりあえず、諸手続は手伝うから、上条に言えよ」

フィアンマ「……」

こくん、と彼女は頷いた。
右手で、自分の下腹部を摩る。
平らな此処に子供が二人も宿っているのかと思うと、何だか不思議だった。



必要な手続きを済ませ。
入院は必要無いとのことで、彼女はウートガルザロキと一緒に病院から出てきた。

フィアンマ『……、…どうしよう』

ウート「どうしようって、普通に言えば良いんじゃねーの?」

フィアンマ『……当麻はまだ学生だぞ? …迷惑になる』

ウート「最悪、フェリーチェちゃんの蓄えでやっていけるだろ。学校卒業したら上条も働くんじゃねえの?」

フィアンマ『大学に行きたいかもしれん』

ウート「…それは本人に聞かねーとどうとも言えねえな」

フィアンマ『……重荷だと思われたら、どうしよう』

急に、弱気になっていた。
ウートガルザロキの服裾を握っている彼女は、今にも泣き出しそうだ。
それでなくても、上条はトールに浮気したことがある。そして、女性にモテる。
故に、身重となった自分が鬱陶しがられないか、不安なのだ。

ウート「>>196
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 23:49:05.91 ID:5lOxbjYSO
安心しろ、上条はそんなやつじゃない感じだし、も仮に捨てられても俺が貰ってあげるよ
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 23:50:27.18 ID:iFS9WSUJ0
安心しろ、上条はそんなやつじゃない
197 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/27(木) 23:58:03.45 ID:4p0I7v8o0

ウート「安心しろ、上条はそんなやつじゃない」

フィアンマ『…でも』

ウート「死ぬかもしれないってわかってて、フェリーチェちゃんを助けに来たような奴だぜ?」

フィアンマ『……』

ウート「…怖がる事なんかねえだろ。フェリーチェちゃんの為に、本気で怒って、本気で泣ける男だぞ」

ぽん、と頭を撫でられ。
オフィーリアはこくり、と小さく頷いた。
きっと、当麻なら手放しで喜んでくれる。
そう、信じて。



ウートガルザロキが帰って一時間程後に、上条は帰って来た。
オフィーリアはやっぱり不思議そうに自分の下腹部を摩り、彼を見た。

上条「ただいまー」

フィアンマ「……」

上条「…どうしたんだ? 腹痛いなら胃薬あるけど」

チョコを作る過程で胃腸を痛めたのか、と心配する上条。
オフィーリアはふるふると首を横に振り、彼の手を握る。
ぐいぐいと引っ張って隣に座らせると、メッセージではなく、口で伝えた。

フィアンマ「………」

上条「…? あ、か、ち、ゃ、ん、を、さ、ず、か、っ、た」

フィアンマ「……」

こく、と頷くオフィーリア。
上条は言葉を文章として組み立て、理解する。
そして、彼女の下腹部を見やった。
もう一度、彼女の顔を見る。

フィアンマ「………」

上条「ふ、た、ご、と、い、わ、れ、た……」

フィアンマ「……」

反応を窺うような、不安げな視線を受け。

上条「>>199
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/27(木) 23:58:56.28 ID:5lOxbjYSO
どうしよう…
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 00:00:18.53 ID:s1emwPw30
や、や、やったぁぁぁぁ!!!

あ、でもお金無いどうしよう
一方通行達に借りようかな…
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 00:02:23.06 ID:s1emwPw30
バニシングツインにならなきゃいいにゃー
201 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/28(金) 00:05:31.42 ID:tjH9yyEAO
それに限らず流産・死産に関しては不安ですね…幸運体質が働けば…。
しかし、子供か…この分だと神浄スレより未来性(内容)も長さも超えそうですね
双子は一卵性か二卵性か…


ちょっと風呂行ってきます
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 00:15:37.35 ID:s1emwPw30
聖人の双子とかだったら面白いのに
203 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 01:23:06.19 ID:87gAVjC+0
《双子聖人…一家族で世界征服出来るな…》


上条「や、や、やったぁぁぁぁ!!!」

上条はまず、素直に喜んだ。
飛び上がりかけ、そして、はたと気がつく。

上条「あ、でもお金無いどうしよう。一方通行達に借りようかな…」

そんな彼の手首を握り、彼女は言う。
ちなみに上条は、この短期間でだいぶ読唇術を覚えた。
彼女の無言の口パクを読み取りつつ、上条は言葉を返す。

フィアンマ『金ならある』

上条「でも、それってフェリーチェの貯金だろ?」

フィアンマ『だが、問題は無いぞ?』

上条「んー…でもちょっと、全額出させるってのは情けないし…かといって学生やめたら追い出されるから…とりあえず、バイトするよ」

フィアンマ『……すまない』

上条「何で謝るんだ? とりあえず、オフィーリアは冷えと、後食べ物とか、タバコ、酒に気をつけてくれ。お腹の子に悪影響だから」

フィアンマ「……」

こくり、と頷くオフィーリアに、上条はのんびりと未来を予想して笑む。
不安はいくつかあったが、努力次第で踏破出来るものだ。問題は無い。




垣根帝督は、自宅マンションに帰って来た。
垣根弟は、浜面の住む『アイテム』の方へ預けてきた。
だから、家に居るのは麦野一人。
彼女は、台所で、白いエプロンをところどころ赤黒く汚し、ぐすぐすと泣いていた。

垣根「…ただいま」

麦野「…、…」

垣根「…何で泣いてんの?」

麦野「>>205
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 01:26:28.82 ID:12z2rxOSO
な、泣いてねぇよ…!
205 :アセロラ [sage]:2012/12/28(金) 01:51:09.61 ID:qA95JSCy0
べっ!別にないてなんか!!・・・なっ、ないてなんか・・・
206 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 01:57:23.26 ID:87gAVjC+0

麦野「べっ! 別にないてなんか!! …なっ、ないてなんか…」

垣根「どう見ても泣いてんだろ。何、また『アイテム』の面々と何かあったのかよ?」

麦野「…無いわよ」

垣根「ふーん」

麦野の心は、悔しさに塗りつぶされていた。
浜面はきちんと出来たのに、自分には作れなかった。
ガトーショコラ。
垣根に喜んで欲しくて、必死に頑張ったのに。
頑張れば頑張る程、どうしても空回りして、うまくいかなくなって。
タネが上手に出来た時に限って、焼きすぎてしまう。
半ナマならまだやり直せたものを、焦げたものではどうしようもない。
結局、自分には人を喜ばせる事なんて、出来ないんだ。
『あの人』みたいに、何かを作って、人の心を開かせる事なんて。
嬉し涙すら引き出せるものなんて、作れない。

やっぱり、自分には能力しか価値が無いのかもしれない。

どん底にまで落ち込むのは、それ程までに彼女のプライドが高いという訳ではない。
それ程までに、頑張ったのだ。一生懸命。
チョコを切るべく何度も包丁を握って、少し指を痛めてしまう程に。
いつもマニキュアやハンドクリームで手入れをされている綺麗な手は、ところどころ火傷等で汚れてしまっている。

麦野「っ…」

垣根「…ん?」

垣根は彼女に近寄り、奇妙なものを見た。
黒く焦げた、謎の物体だ。
だが、よく、よーく見て見れば、食べ物に見えなくもない。

垣根「何だ、バレンタイン作ってくれてたのかよ」

麦野「…どうせ上手く作れないわよ。悪かったな、料理下手で」

垣根「んー」

無気力な声を出し、垣根は焦げた謎物体を口にする。
まるで、つまみ食いでもするかのように。

麦野「ッ、吐けよ、そんなの食べ物じゃない!」

垣根「>>208
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 01:58:28.96 ID:12z2rxOSO
…なんだ、意外とイケるじゃねーか。…美味いぞありがとなワシワシ
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 02:02:13.83 ID:EuOoBOLDO
未元物質が暗黒物質を食べてる的な…?

安価上
209 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 02:10:58.97 ID:87gAVjC+0

垣根「…なんだ、意外とイケるじゃねーか。…美味いぞ、ありがとな」

あっさりと笑って、垣根は摘んで汚れたのとは反対の手で、麦野の頭をわしわしと撫でる。
勿論、額面通りに美味しい訳が無い。
やたらとべたべた甘いし、それでいて焦げも手伝ってか滅茶苦茶苦いし、ソースが輪をかけて酸っぱい。
けれど、たったそれだけだ。麦野が一生懸命作ってくれたのだから、これは『美味しい』のだ。
例え百人中百人が『不味い』と断じても、垣根だけはそう言わない。愛しているから、言う必要が無い。
麦野ははくはくと口を動かし、唇を噛み締め、下を向く。

麦野「…味見した。不味かった」

垣根「お前の口に合わなかっただけだろ」

麦野「そんなんじゃない。…食べ物じゃない」

垣根「食べ物から作ったんだから食べ物だろ?」

麦野「…焦げた。酸っぱいのと甘いのがバラバラになってる」

垣根「一緒に口ん中入れれば問題ねえな」

麦野「…馬鹿、……何で、…不味い、って…いわない、のよ…真面目にやって…ばかみたい…」

垣根「…あのな」

はぁ、と垣根はため息をつく。
自分の前では脆い彼女が、愛おしくも、時々残念に思う。

垣根「多少の失敗が何だよ。お前が指怪我して、エプロン汚して、髪ドロドロにしてまで作ったモンが不味いなんて言うと思うのかよ。それこそ馬鹿だろ。……いいんだよ。沈利がくれんなら、味はどうでも。これだけ努力してもらったんだ、お返しは弾まねえとな」

麦野「……、」

垣根「…俺たちが居るのは、もう、結果主義の暗部組織じゃない。仕事じゃねえんだ。結果じゃない。過程なんだよ」

麦野「……、……」

じわじわと目に再び涙を溜め、彼女は目を伏せる。
そんな麦野を抱きしめ、垣根は嬉しそうに笑んだ。

垣根「…ありがとな、沈利」





その頃、『アイテム』メンバーが住んでいる建物では。
絹旗とフレンダ、滝壺は隣の部屋で暇を潰し。
浜面仕上は、垣根弟と二人で居た。

垣根弟「…おお、とカキネは感動した」

浜面「結構甘めに作ったが、ちょいと苦いかもしれねえな」

るんるん、と気分良く垣根弟はガトーショコラを口にする。
もぐもぐ、と口を動かした。柔らかな頬が膨らむ。

垣根弟「>>211
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 02:15:32.55 ID:12z2rxOSO
ん?ケーキの中に何か…?ペッ

これは…
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 02:48:14.18 ID:12z2rxOSO
人いねーし↑
212 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 02:59:28.82 ID:87gAVjC+0

垣根弟「ん? ケーキの中に何か…?」

首を傾げ、垣根弟は口の中の異物を手のひらに吐き出す。

垣根弟「これは…」

指輪だった。
それも、値が張る代物ではない。
七百円かそこらで買えそうな、安物。
垣根弟は、浜面を見上げる。
彼はちょっぴり困った顔で、或いは照れた顔で、視線を逸らした。

浜面「…ほら、一応…あれ、恋人ー…なんだろ? だったらそういうのもいーかな、と」

一応、浜面が折れる形で、垣根弟と浜面仕上は恋人ということになっている。
なので、こんなものを用意してみた訳だ。
浜面一人でこんな案が浮かぶ訳もない。絹旗の入れ知恵だったりする。
曰く、『映画だと超ありがちですし』だそうだ。

浜面「……余計だったか?」

垣根弟「>>214
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 03:00:57.55 ID:12z2rxOSO
ksk
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 03:12:04.08 ID:I7HCgK44o
これは新婚初夜という奴だな
さぁベッドに行くぞ
215 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 03:17:46.20 ID:87gAVjC+0
《うううやべえ鼻血二回目は不味い…》



垣根弟「これは新婚初夜という奴だな。さぁベッドに行くぞ、とカキネはやる気を露呈した」

浜面「ヤる気はいらねえよ! うわあああ嫌だああああ」

最近は未元物質の応用に慣れたのか、垣根弟は力強い。
ぐいぐいと寝室に引っ張り込まれながら、情けない声をあげる浜面。
そんな声を隣の部屋で聞き、眠った滝壺はそのままに、フレンダと絹旗は笑った。

フレンダ「結局、浜面は浜面って訳ね」

絹旗「ええ、超浜面です」




一方通行は、タイミングを窺っていた。
何をかというと、黄泉川と二人きりになるタイミングである。
この生活の中で、大人に頼るということを知った彼の、一番の味方が黄泉川だ。
打ち止めと番外個体が買い物に行ったところで、話しかける。

一方「オイ黄泉川」

黄泉川「はいはい、どうしたじゃん?」

一方「…友達と恩人が付き合ってて、恩人が妊娠した場合って何贈ればイインだ?」

黄泉川「>>217
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 03:28:35.21 ID:12z2rxOSO
ブフゥ?!え、ちょ、ひょっとしてアイツらの事じゃん?!

にんし、ハァ?!
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 03:30:06.78 ID:mygSlweM0
218 :小ネタ:巡り物   ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/28(金) 03:30:22.56 ID:87gAVjC+0
《今日はここまで。お疲れ様でした 安価下》


魔神は、一人。
部屋で、自分の右手薬指をなでていた。
巡り巡って彼女の薬指に嵌ったそれは、もうこの世に居ない男が、愛する女へ贈ろうとしたものだ。

「……ふん。良い気味だ」

得体の知れないものは身につけない彼女は、様々な方法でこの指輪について調べた。
そして、これが造られた経緯を知った。それでも尚、彼女はまだ捨てていない。
彼女が持っている限り、これは本来の持ち主の手に渡らない。

「……、…」

魔神の心は、魔神にしか理解出来ない。
そして彼女には、オッレルスの気持ちがわからない訳ではなかった。
彼は最後の最期まで、運命に振り回された馬鹿な男だった。

オティヌスは、そんな男の事が、好きだった。

昔。優しかった時代の彼の、事が。
けれど、自分には何も出来なかった。
彼の愛する『誰か』を、救えなかった。
だから、彼は狂った。そして、恋をして、死んだ。

一度目は、とある聖人に。
二度目は、とある聖女に。

最期まで、オティヌスは彼の隣に立つ事は無かった。
それでいいと、思う。一度目はともかく、二度目の時点では嫌いだったのだから。

死んだから美化しようとは、思わない。
彼女は今でも、彼の事が大嫌いだ。




「…Glædelig Valentinsdag」
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 03:33:33.84 ID:12z2rxOSO
乙。いい感じにせつねーな
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 11:04:23.79 ID:WeprrVBm0
トール上条サローニャ連結まだー?
221 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 13:49:29.55 ID:S1F9rgHL0
>>220様 正直、書きたいのは山々なんですが今浮気するとオフィーリアちゃん流産しちゃうかなと…》


黄泉川「ブフゥ?! え、ちょ、ひょっとしてアイツらの事じゃん?!」

一方「オマエの言う所の『アイツら』が誰かは知らねェが、まァ、黄泉川も知ってんじゃねェの」

黄泉川「にんし、ハァ?!」

一方「そう珍しい事でも無いだろうよ。ガキなンざ、ヤればデキンだし」

黄泉川「いや、そうじゃなくて…!」

一方「そういやまだ結婚してねェな…私生児じゃアレだし、結婚すりゃイイのに」

黄泉川「結婚すりゃ、って…、つまり産む事が前提じゃん?」

一方「でなけりゃ友達の方から『聞いてくれよ、彼女が妊娠したんだ。ちょっと情けない話だけど、出産費用諸々でもしかすると金借りる羽目になるかもしれない、ごめん』なンてメールは来ねェだろ」

黄泉川「……」

黄泉川が心配しているのは、その二人が生活していけるかどうか、だ。
ちなみに、一方通行は借金が晴れて帳消しになったこともあり、支援するつもりでいる。
うーん、と考え込んでしまった黄泉川に、ダメだこりゃ、と見切りをつけた一方通行は、もう一人の保護者(?)に電話をかける。

木原数多である。

一方「木原くン元気ィ? 元気なら病気になってくたばりやがれ。…時間あるか?」

数多『>>223
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 13:50:30.72 ID:EZ1LcBCt0
>>220

アホ。パラレルワールドとかにしときゃいいんだよ
kskst
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 13:56:48.93 ID:EZ1LcBCt0
お前をぶちのめすまで[ピーーー]ねぇよ糞餓鬼が
元気ハツラツだぜおかげさまで

時間?大丈夫だぜ
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/28(金) 13:57:17.71 ID:EZ1LcBCt0
死ねねぇよ糞餓鬼
です
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 14:03:07.95 ID:EuOoBOLDO
>>221
書きたいの山々とか言わないで、これ以上上条カップルに修羅場与えないでよ…
つーか皆してトールトールって言いやがって、アッークアさんとテッラちゃんのその後は気にならねぇのか!?
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 14:08:03.55 ID:/JJKBl/T0
>>225
腐ってるねぇ…
227 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 14:30:44.23 ID:S1F9rgHL0
《パラレルワールドか…うーん そういえば後方左方カップルはいつ頃結婚式挙げるんでしょうか》


数多『お前をぶちのめすまで死ねねぇよ、糞餓鬼が。元気ハツラツだぜぇ、おかげさまでー。時間? 大丈夫だぜ』

一方「ごめンごめン、お年寄りは意外と元気だもンなァ。ちっとばかし相談があるンだが」

数多『あん?』

一方「…友達と恩人が付き合ってて、恩人が妊娠した場合って何贈ればイインだ?」

黄泉川にした質問と、まったく同じ質問をする一方通行。
非常識な言動・行動の目立つ木原数多だが、常識人ではある。
質問をされた彼はしばし考えた後、至って真面目に返答した。

数多『まだ腹がデカくなってねえ時期なら、カフェインが入ってねえ飲み物。もうすぐ産まれんならナーシングカバー…辺りか。最悪、テメェの場合有り余ってる金を商品券か何かの形でやっても良い』

一方「ン」

数多『オイル、ハーブ系統は子宮収縮効果のあるモンもあるから、やるんならよくよく考えろ。…ま、妊娠ならあんまり祝わない方が後々、流れた時に気まずくねえ。出産祝いの方が肝心だろうな』

一方「…わかった。ンじゃな、木原くン。早いとこくたばれよ」

数多『あー、そっくりそのまま返すわ』

電話を切る。
最初から最後まで口汚いものの、これはコミュニケーションである。
一方通行は全力で木原数多の命を救った。彼も、それはわかっている。

一方(カフェインが入って無いモンか。刺激物は基本的に良くないからな)

ふむ、と考え。
一方通行は聞かれた情報を元に、自分でも考えるのだった。




上条「……」

上条当麻は、幸せだった。
自分の好きな女が自分の種で孕んだのだから、本能レベルの喜びである。
そんな訳で、彼は先程からずっとオフィーリアの下腹部を撫でている。

フィアンマ『…舞い上がってないか?』

上条「>>229

228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 14:52:15.80 ID:lrAPwBhH0
舞い上がってますとも
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 15:06:40.21 ID:12z2rxOSO
誰でも嬉しかったらこうなるんじゃないか?
230 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 15:10:51.39 ID:S1F9rgHL0

上条「誰でも嬉しかったらこうなるんじゃないか?」

フィアンマ『不安は無いのか』

上条「あるけど、不安ばっかり気にしてても仕方ないし」

上条は、不幸慣れしている。
故に、不幸の回避に全力を尽くす傾向にある。
そして、不安がったところで何も解決しないことを、知っている。
だから、彼は眼前の幸せを毎回毎回精一杯享受していた。

上条「どうせなら、俺は楽しい事を考えてたい。問題が起きたら、その時対応すればいい」

フィアンマ『…そうか。……男と女、どちらが良い?』

上条「んー」

双子だもんなー、と上条は考える。
ついでに「パパだぞー」等と話しかけ、答えを出した。

上条「>>232
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 15:14:09.09 ID:12z2rxOSO
男二人か、姉、弟だな
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 15:18:01.46 ID:VEqTHY9u0
姉と弟
233 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 15:32:21.71 ID:S1F9rgHL0

上条「姉と弟」

フィアンマ『ほう。理由は?』

上条「一姫二太郎…はちょっと違うか。俺、一人っ子だろ? だからさ、昔姉が欲しかったんだよ」

フィアンマ『なるほど』

上条「勿論、アバウトな理想だから、そうじゃなくても構わないんだけど。オフィーリアは?」

フィアンマ『男二人…か、兄と妹だな』

上条「へー、俺と同じような理由?」

フィアンマ『そうなる。…今は兄のような存在は居るがね」

上条の手を触り、自分の下腹部を撫で、オフィーリアは憂鬱そうにため息を吐き出す。
マタニティブルーには少々早いが、問題が山積みなのだ。

フィアンマ『…結婚しないで子供を産む羽目になりそうだな』

上条「>>235
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 15:34:00.74 ID:VEqTHY9u0
内縁、内縁。
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 15:42:56.66 ID:12z2rxOSO
そんなカップル、世の中にはごまんといるんだからいいじゃねぇか。

…まぁ、苦笑いな反応くらいはされるだろうけど、俺はオフィーリアと一緒にいれればそれで。
236 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 15:59:12.18 ID:S1F9rgHL0

上条「そんなカップル、世の中にはごまんといるんだからいいじゃねぇか」

フィアンマ「……」

無言の、ちょっぴり不満そうな顔。
上条は苦笑しながら言う。

上条「…まぁ、苦笑いな反応くらいはされるだろうけど、俺はオフィーリアと一緒にいれればそれで」

問題は戸籍ではない、と上条は言う。
オフィーリアがこだわっているのはそこではない。
否、勿論子供が私生児扱いになるのが嫌だというのもあるが。

フィアンマ『…神に祝福されたい』

上条「あ、そこなのか」

結婚式は、女の子のロマンと言われる。
修道女であるオフィーリアでも、それは変わらないらしい。
むー、とちょっぴりむすくれた彼女は、上条の手を握る。

フィアンマ『籍を入れなければ子供が非嫡出子扱いになる。それに』

上条「それに?」

フィアンマ『……、…どうせ産むのなら、…"オフィーリア=カンナヴァッチュオロ"としてではなく、…"上条オフィーリア"としてが良い』

ちら、と視線を向けられ。
上条はしばしもごついた後、言葉を返した。

上条「>>238
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 16:03:15.97 ID:12z2rxOSO
じゃあ俺と結婚して婚姻届出してくる?



結婚式は…まぁ、日を見て。
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 16:07:46.50 ID:N9fiR+C40
いちおう土御門と一方通行達に相談してみようぜ
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 16:08:05.21 ID:EuOoBOLDO
確かイギリスだったら親の同意だかなんだかが必要だけど、男女共に16で結婚できるはず
神崎やインなんとかさんに頼めばどうにか……ならないかな…
kskst
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 16:16:27.03 ID:12z2rxOSO
イギリスの家族法は知らんが、その場合少なくとも上条さんとオフィーリアのイギリス国籍取得が必要になりますの
241 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 16:24:22.92 ID:S1F9rgHL0

上条「一応、土御門と一方通行達に相談してみようぜ」

上条はこの時程、自分の年齢を呪った事は無い。
オフィーリアは結婚出来る年齢ではあるが、上条は出来ない。
言うと、上条は一旦家を出た。
隣の部屋に居る、土御門元春へ話を持ちかける為である。



事情を説明した。
土御門は眉間の皺を深めた後、とりあえず上条の頭を嫉妬混じりに叩いた後、真面目に答えた。

土御門「色々と迂回すれば、出来ない事も無いぜい?」

上条「っていうと?」

土御門「婚礼に年齢制限の無い国の国籍の迂回だにゃー」

上条「イスラム圏の国籍取得後、入籍すれば良いのか」

土御門「そういう事になる」

うん、と頷いた土御門。

土御門「それにしても、責任取れない年齢でデキちゃうとはにゃー。カミやんもついてないというか何というか」

上条「>>243
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 16:40:25.32 ID:12z2rxOSO
あー、本当に、何であの時生でヤっちゃったかなー…ヤっちゃったなー…でもあの状況で断れるわけないものなー…

まだいっぱい抱きたかったってのによぅ…高校でガキとか…勘弁してくれよー…


実は某ある人の愚痴安価↓
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 16:53:07.43 ID:E49Cy8170
>>242

誰だ


安価は 年齢は後悔しているが

他は後悔していない
244 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 17:38:33.36 ID:S1F9rgHL0
>>242様 どなたでしょう》


上条「年齢は後悔しているが、他は後悔していない」

土御門「はー。これから高校二年だってのに潔いにゃー」

上条「オフィーリアには申し訳無いとは思ってるけど…将来的には、何にせよこうなってた訳だし」

土御門「ま、これでもカミやんの親友だし、籍の方はこっちでちょいとやっとくぜい」

上条「いや、やり方さえ教えてくれれば」

土御門「これを懐妊祝いってことで頼むにゃー。式とか、日本の方で、式は将来的に挙げるんだろう?」

上条「まぁな」

土御門「なら問題無いぜい」

上条「…土御門、お前って結構イイヤツだよな」

土御門「今更気づいたのかにゃー?」

親友の好意に甘え。
ひとまず、オフィーリアの願いを叶える事に成功した上条は、家へと戻る。

上条「ただいま」

フィアンマ『お帰り』

上条「ちょっと話した結果、どうにかなるみたいだ。…高校、もうちょっと通いたかっただろ。ごめんな」

フィアンマ『>>246
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 17:42:25.39 ID:12z2rxOSO
いや、いいんだ。充分、楽しんだ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 17:44:09.25 ID:smj/YgTN0
>>245

247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 17:44:52.30 ID:tjH9yyEAO
>>244
×式とか、
248 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 19:10:58.17 ID:LodX4UKT0

フィアンマ『いや、いいんだ。充分、楽しんだ』

上条「…ん、…オフィーリアの場合、立場がアウトローだから、学生じゃなくても住めるかもしれない」

フィアンマ『外部客扱いか。…いや、少々細工しても良いのだが。ま、住居は移動しなくても済むように手はずしておく』

上条「あぁ」

上条は相槌を打つと、再び彼女の下腹部を撫でる。
彼女を好きになってから、イメージしていた。
暖かい家庭を二人で築く事を。
上条は、小学校に入ると同時に学園都市へやって来た。
年に一度、年末には帰省してはいるものの、それでも少々、実感は足りない。
両親には感謝しているが、それ以上に身近ではなくて、憧れている。

上条「…双子、か」

自分達の性質を受け継いでいなければ良い。
不幸や幸運に振り回される事の無い、平凡な子供に産まれて来て欲しい。

上条「……、…そういえば母さんに言ってねえな…」

気が重い。
ずーん、と落ち込みながら、上条は携帯電話を取り出した。

上条「…もしもーし」

詩菜『もしもし、あらあら、どうしたの?』

上条「えーっと、…オフィーリアのお腹に子供が出来たから、結婚する事になりました。とはいっても金無いし、ちょっと外国経由して籍入れるだけなんだけど」

詩菜『>>250
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 19:21:02.36 ID:EuOoBOLDO
あらあらお母さん耳の調子がよくないみたいね、耳鼻科にいってこなきゃ

なんか双子だと片方が幸運で片方が不運そう…
一人だったんなら先天的に魔神のような50:50の確率の子になるかとも思った
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 19:28:44.53 ID:zRax5cyn0
………父さん帰ってきたから代わるわね
251 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 19:36:54.36 ID:LodX4UKT0
《魔神のような性質の子が産まれてきたら上条さんのトラウマが…》


詩菜『………父さん帰ってきたから代わるわね』

上条「!!!!?? …わかった」

上条は、色々な意味で動揺した。
父親が無事だった事、且つ、家へ帰っていたこと。
そして、先程詩菜に伝えた内容を告げねばならないこと。
動揺しながらも、切らずに、上条は静かに待つ。
報告よりも先に、聞きたい事を消化せねばならないだろう。

上条「…」

不安になる上条の服を、オフィーリアがそっと掴む。
上条はそんな彼女の手を握り、反対の手でしっかりと携帯電話を握った。

上条「…」

刀夜『もしもし、当麻。当麻?』

上条「…父さん。…生きて、たんだな」

刀夜『ちょっと色々やらかして怪我はしちゃったけど、生きてるよ』

上条「…さっき母さんにも言ったんだけど」

刀夜『うん?』

上条「…オフィーリアのお腹に子供が出来たから、結婚する事になりました。とはいっても金無いし、ひとまず、ちょっと外国経由して籍入れるだけなんだけど」

刀夜の策略によって、上条とオフィーリアはこの世に産まれてきた。
その二人が結ばれて、子供が産まれる。
それは何か不味い事態を引き起こすだろうか、と、上条は今更ながらに思った。

上条「……ちなみに、双子。まだ二ヶ月位だし、性別とか障害の有無もわからない。でも、オフィーリアは産むつもりだし、俺も、産んでもらうつもりだ」

たっぷりの沈黙の後、刀夜は言葉を返す。

刀夜『>>253
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 20:14:50.47 ID:WeprrVBm0
おめでとう。きっと良い子が産まれるよ
保証する。
金銭面は任せろ
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 20:25:33.65 ID:x5NsSPtmo
一回……会わないか?
子供を一回視ておきたいんだ
254 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 20:50:59.56 ID:LodX4UKT0

刀夜『一回……会わないか? 子供を一回視ておきたいんだ』

上条「まだお腹も目立たない時期だぜ?」

刀夜『初孫なんだ、良いだろう? ほら、今から計画しても、会う時期は遅くなるだろうし』

上条「……。…わかった。日時は、どうする?」

オフィーリアの手をやんわりと握ったまま、上条は離す。
計画が失敗した以上、刀夜は上条当麻の父親というだけだった。
警戒する必要はあるのかもしれないが、そもそもあれは刀夜一人の野心という訳でもない。
言うなれば、刀夜もオフィーリアと同じように、運命と使命感の犠牲になった人間だ。
しばらく刀夜と話し、会う場所などについて決める。
彼は上条の実の父親なので、前もって言えば、学園都市へ入る事も出来る。


四月になり、上条は高校二年生になった。
オフィーリアは上条の家で専業主婦状態となっている。
学校に行っても良いのだが、危険はなるべく抑えておきたかった。
五月下旬、ギリギリまだ梅雨には入っていない時期。
オフィーリアのお腹は、少しだけ目立つようになっている。
双子なので、お腹が膨らむにも一人の場合と比べて顕著だ。

上条「ただいま。明日、外出られそうか?」

フィアンマ「あぁ、あの人に会いに行くのか」

上条「そうそう。父さん、夜までには着くって」

子供が成長するにつれて、オフィーリアは精神的ショックから立ち直った。
失声症の治った彼女は数度のリハビリの後、現在はこうして普通に話せている。
上条は貯蓄すべく、学校とアルバイトに追われる日々を送っている。
忙しいながらも、それなりに平和だった。
また、一方通行や垣根などの友人から、既にいくつかの贈り物をいただいている。
故に、ひとまず、不安はあまりなかった。

上条「ただいまー、パパだぞー…やっぱり子供にはパパって呼ばせた方が良いのか? 本屋で育児書立ち読みしてみたんだけど、よくわかんなくてさ」

フィアンマ「>>256
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 21:32:41.91 ID:EuOoBOLDO
いやー人居なさすぎるでしょう?
まぁ俺も今下ごしらえ終わった休憩中ですぐまた離脱はするのだが、何が言いたいかというとお父さん生きててよかったっ!!

kskst
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 21:35:04.24 ID:VEqTHY9u0
お父さん、お母さんを希望したい
20になってもママーはキツい
257 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 21:44:38.48 ID:LodX4UKT0
《下ごしらえってことはDOさんは料理上手の女の子か…そうか…》


フィアンマ「お父さん、お母さんを希望したい。20になってもママーはキツい」

上条「やっぱりそうか…いや、でも性別による所無いか?」

フィアンマ「それにしても、…そもそも、俺様に親の定義について聞くな」

上条「ごめんごめん」

でも女の子ならパパって呼ばれたいな、等とぼやきながら、上条は簡素な服に着替える。
これから三時間程バイトに行って、帰ってくるのだ。

フィアンマ「毎日毎日、身体を壊すぞ?」

上条「丈夫だけが取り柄だから大丈夫」

フィアンマ「…怪我はするなよ」

上条「気をつける。行ってきます」

さっさと着替え、出ようとする上条の手を掴み。
引き寄せ、額へ口づけ、オフィーリアは見送った。
平凡な日々の毎日が、たまらなく幸せに感じる。




次の日。
上条とオフィーリアは、オープンテラス型のカフェでお茶をしていた。
上条刀夜の到着を待っているのに、立っているのは疲れるから、という理由である。

刀夜「遅くなったな」

やって来た彼は、左足を骨折していた。
松葉杖をついてはいるが、概ね元気なように思える。

フィアンマ「…お久しぶりです」

刀夜「>>259
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 21:46:47.46 ID:12z2rxOSO
……息災かい?…ああ、ちょっと見ない間に、随分変わったなぁ…
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 21:47:59.74 ID:VEqTHY9u0
ジーーーーーー……

うん、元気ハツラツな子だね
しかも二人とも聖人だ
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 21:55:14.94 ID:EuOoBOLDO
くっこの安価で子供たちが決まるとは、魔神(の性質持ち)と聖人の双子にする予定が…

しかも>>1様が勝手に俺の人柄を決定してる、けどよく考えたら年齢はハッキリしてない筈だから、バツイチ子持ちの可能性アリとか言ってみる
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 21:59:59.54 ID:VEqTHY9u0
>>260

17歳!
262 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 22:02:24.54 ID:LodX4UKT0
《バツイチ子持ちの17歳、か……うん、悪く無い…》


刀夜「ああ、久しぶりだね」

言いながら、彼はじーーー、と食い入るように彼女の腹部を見つめた。
妊婦の腹を凝視するというのは、さほどおかしくはない。
だが、彼が視ていたのは、そこではなかった。

刀夜「うん、元気ハツラツな子だね」

上条「…見ただけでわかんの?」

フィアンマ「実際、病院でも順調だと言われているが」

上条「ん、良かった…」

刀夜「しかも、二人とも聖人だ」

上条「ぶっ」

刀夜「当麻、外でコーヒーを吹き出すんじゃない」

上条「いや、だって、え!?」

刀夜「実際に『聖人』かどうかは産まれてみないとわからないが、魔術の才能はあるだろう。…才能無き者の為の技術が魔術だから、この表現はおかしいかもしれないが」

うんうん、と頷き、刀夜は一旦店内に消え、コーヒーを買って戻って来た。
カップはセルフで片付ける、テイクアウト式のカフェなのだ。
刀夜はオフィーリアや上条と向かい合う形で座り、二人を見た。
その視線は優しく、戦争中と変わらず、穏やかだった。息子と娘を、見守る視線だった。

フィアンマ「…魔術師の出発点は、苦悩だ。……なって欲しくは、無いが…それは、本人が決める事だしな」

オフィーリアは自分の膨らんだ下腹部を優しく摩り、ため息を漏らした。

上条「…ちなみに、性別とかわかんの?」

刀夜「可能性しかわからないな」

上条「まだ病院だとはっきりしない時期なんだ、よかったら教えてくれよ」

刀夜「>>264

263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:04:47.96 ID:EuOoBOLDO
>>261
基本的に言葉遣いは丁寧なんですけど、
おいてめェもしかして仲間由紀恵か?(←違ったらすいません
なンでピンポイントで当てれるンですかねェ!?

>>262
待って冗談だから、バツイチ子持ちが有り得なくはない年齢だけど冗談だから

kskst
264 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/28(金) 22:06:23.06 ID:VEqTHY9u0
>>263

当たったのかwwwwww
ちなみに勘だキリッ
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:06:27.57 ID:12z2rxOSO
…いや、止めておこう。あくまで父さんがわかるのは『可能性』だけだしな。

それに、こういう事は、自分達自身が病院で聞くもんだ。その方が、"親になる"事を実感させてくれる。…父さんもそうだったよ
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:06:55.46 ID:VEqTHY9u0
おれの安価下で
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:10:37.85 ID:EuOoBOLDO
もうやだぁ、ネットなのになぜか素性が明かされてく…
仲間由紀恵さんって何者なんですか…とりあえずいつか[ピーーー](sagaじゃないのは仕様です
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:13:56.83 ID:VEqTHY9u0
17歳JKに殺されるなら本望ですの
269 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 22:17:39.54 ID:LodX4UKT0
《バツイチ子持ち17歳少女と聞いて、今、>>1は某亡くなった魔神状態です》


刀夜「…いや、止めておこう。あくまで父さんがわかるのは『可能性』だけだしな。それに、こういう事は、自分達自身が病院で聞くもんだ。その方が、"親になる"事を実感させてくれる。…父さんもそうだったよ」

上条「やっぱそういうもんなのか…」

フィアンマ「…何となく予想はついているが」

上条「!」

刀夜「…そういえば、母さんも当麻の事は『男の子が産まれる気がする』と言っていたな。実際、その通りだったが」

神浄などが絡んだ事を抜きにしても。
刀夜は、上条当麻が産まれる瞬間を心待ちにしていた。
オフィーリアのお腹の子について知りたくて仕方が無い息子の様子に微笑ましくなりながら、そう言う。
上条はというと、刀夜の言葉に信ぴょう性を得たのか、わくわくと目を輝かせる。

上条「ど、どうなんだ?」

フィアンマ「…男二人だと思うぞ?」

上条「直感?」

フィアンマ「直感だ。こればかりは予測しても意味が無いから、『預言』も働かん」

上条「そっかー、男二人かー」

性格はともかく、身体が元気な子がいいな、と上条は思う。
バイトや学校生活でストレスは溜まっているだろうに、彼は前向きだった。

上条「…先輩として聞きたいんだけど、…父親として大切な事って何?」

刀夜「……」

父親失格とも言える自分が、答えても良いのか。
しかし、言う程、彼は父親失格という人間ではない。

刀夜「>>271
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:23:01.64 ID:12z2rxOSO
そーだなー…色々あるが、自分が、自分の子供の道標であろうとする事、子供がやりたい!と思う事を尊重し、伸ばしてやるよう心掛ける事、後は…子供が何歳になっても、ちゃんと向き合って、対話して、例え何をしても、世界中が敵になったとしても、最後まで味方でいてやる事だな
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:24:14.70 ID:VEqTHY9u0
>>270

272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:28:46.98 ID:12z2rxOSO
>>1が荒ぶってるwwww
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:31:04.62 ID:EuOoBOLDO
魔神化したなら皆殺して自分も[ピーーー]ば良いのに…(sagaなしはry
274 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 22:32:39.05 ID:LodX4UKT0
>>272様 だ、大丈夫です、一期の方です! DOちゃんは卑屈な子なのか…そうか…世界ごと…そうか…》



刀夜「そーだなー…色々あるが、自分が、自分の子供の道標であろうとする事、子供が"やりたい!"と思う事を尊重し、伸ばしてやるよう心掛ける事。後は…子供が何歳になっても、ちゃんと向き合って、対話して、例え何をしても、世界中が敵になったとしても、最後まで味方でいてやる事だな」

上条「…ふ、深いな」

フィアンマ「実にわかりやすい『父』のあり方の説明だな」

刀夜「当麻もまだ子供だから、厳しいかもしれないな」

上条「うぐ…」

フィアンマ「最初から完全な人間は居ない。追々、努力すれば良い」

上条「…頑張る。頑張ります」

上条の様子に小さく笑い、オフィーリアはココアを啜る。
コーヒーはカフェインが入っているので、摂取しないことにしていた。

刀夜「そういえば、名前の案は決めてあるのか?」

フィアンマ「いえ、まだ」

上条「性別に合わせた方が良いかな、って思っててさ」

刀夜「候補だけは、決めておいて損は無いぞ? 産まれたらすぐ出生届を出さなければならないからな」

上条「んー…」

フィアンマ「…何か希望はあるのか?」

上条「>>276
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:35:51.87 ID:Dj5+f2fK0
日本人みたいな名前にするか
ローマっぽい名前にするか…
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:36:22.93 ID:12z2rxOSO
男ならシンジ、女ならレイと名付けるつもりだ(笑)
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:36:56.87 ID:12z2rxOSO
あ、やっべ安価↓でたのまぁ
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:38:37.77 ID:EuOoBOLDO
卑屈じゃないですー、てか貴方達(下ごしらえの件からさっきまでSOさんと仲間由紀恵と>>1様しか居ない驚き)死んだらそれなりに悲しいとか思ってますー

名前とか重要なのはキツイ
kskst
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:38:47.25 ID:Dj5+f2fK0
>>276

ゲンドウさん…
ksk
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:39:25.07 ID:OKzfhS4F0
275
281 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 22:54:02.66 ID:LodX4UKT0
《死んだら悲しんでくれるのか…ふむ》


上条「日本人みたいな名前にするか、ローマっぽい名前にするか…。ローマっていうか、イタリア風か」

フィアンマ「…イタリアに住む訳ではないのだから、日本名で良いんじゃないか?」

上条「苗字が『上条』だもんな」

刀夜「時代の流行り廃りに合わせるという手段もあるが、子供が将来、名前を使って困らないものにしてあげなさい」

フィアンマ「ある程度平凡が一番だ」

上条「名前に個性出したいとかって親のエゴだもんな。んー…」

真剣に考えたところで、さっと決まる訳ではない。
ペットの名前と違って、呼べれば良いというものでもないのだ。

上条「何か、意味を込めた名前にする。でも、一応人名辞典買うからな」

フィアンマ「わかった」

刀夜「何か困ったら、いつでも連絡してくれ。……父さんは、応援しているよ」

フィアンマ「…ありがとうございます」

上条「…ありがとう」

ほんわかしんみりとして、お昼が、終わった。



刀夜は予定があるのか、やはり体調が悪いのか。
早めに帰った為、二人はゆっくりと歩いて帰っていた。
その途中、声をかけられる。

美琴「ねえ、ちょっと」

思わず、立ち止まった。
振り返った上条へ、御坂美琴は何かを言おうとする。

美琴「あのね、アンタの記憶喪…し…」

言いかけて、上条と手を繋いでいるオフィーリアに気がついた。
そして、細身に似合わない、膨らんだお腹も。
太った、とは明らかに違う、妊婦姿に。

美琴「…、…何で?」

上条に記憶喪失と聞かされて以来、彼女は様々な方面をあたってみた。
あの第五位にも頭を下げたのだ。この、彼女が。
そうして必死になって、ようやく予定が立ったからと来てみれば、好きな人は、子供を孕んでいる女と手を繋いで歩いている。

上条「……」

フィアンマ「…当麻? 挨拶しないのか?」

上条は、オフィーリアに、御坂美琴へ記憶喪失と嘘をついたことを教えていない。
故に、合わせてくれるはずもなく、普通に話す。

上条「…、……」






美琴はどうする?>>+2
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:57:42.63 ID:EuOoBOLDO
いや死なないでくださいね!?
みこっちゃん、ビリビリっとお腹の赤ちゃん殺っちゃいそうだよね
kskst
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 22:57:51.34 ID:12z2rxOSO
とりあえずはおめでとう。してその場を去る。

そして、オッレルス以上に病む
284 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 23:08:43.09 ID:LodX4UKT0
《でも、君が泣いてくれるのなら…   あの人以上に病むってどんな…》


美琴は震える手で、指で、スカートの端を握る。
現実があまりにも突飛過ぎて、ついていけない。
上条がバイトしていることは、知っていた。
でも、それは金欠だから始めたのだろうと、思っていた。
学校を終えた後、真っ直ぐに帰る事も、知っていた。
けれど、それは疲れているからだろうと思っていた。

違った。

全部、あの女の為だったんだ。
ひいては、あの女の子供の為だったんだ。
そして、あのリアクションからして、上条は嘘をついた。
自分に対して、嘘をついたのだ。
記憶喪失という嘘を信じて駆けずり回った自分の努力は、何だったのか。
どうして、こんなことになってしまったんだろう。
もっと早い段階で、素直に告白しておけばよかったああそれなのにそれなのに自分は馬鹿だったのだ知識などというレベルでなく!!!!!

美琴「……」

上条「…み、」

美琴「…おめでとう。じゃあね」

言うなり、彼女は踵を返して走っていく。
身重の彼女を守る使命が先に立つ上条は、当然のことながら、追いかけられなかった。

フィアンマ「……当麻。記憶がどうこうと言っていたが、何なんだ?」

上条「…>>286
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 23:11:23.62 ID:12z2rxOSO
見せてやろう、真のヤンデレールガンを…



安価とれれば…安価↓
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 23:26:17.08 ID:EuOoBOLDO
泣くなんて言ってないじゃないですか自意識過剰ヤダー、泣いてやらないこともないがな

安価なら
その……男にはしちゃったけど、前にも言ったように女には浮気したくなくて…
絶対しないつもりだけど可能性すら潰そうと思って、アイツの事知らないフリ…というよりは記憶喪失のフリをしてたんだ
287 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 23:34:26.56 ID:LodX4UKT0
《…だって、DOちゃんは>>1の妻だろう?》


上条「…その……男にはしちゃったけど、前にも言ったように女には浮気したくなくて…」

フィアンマ「…なくて?」

上条「絶対しないつもりだけど、可能性すら潰そうと思って、アイツの事知らないフリ…というよりは記憶喪失のフリをしてたんだ」

フィアンマ「…悪質だな。何やら、努力してくれた様子だったぞ?」

上条「正直、悪い事したとは思ってるけど…アイツ、俺の事見たら雷撃放ってくるんだよ。だから、オフィーリアに危害が及んだりしないか不安なのもあって」

フィアンマ「…」

上条「…今度会ったら、ちゃんと謝る」

フィアンマ「…会ったら、な」

やれやれ、と溜息を吐きだし、オフィーリアは肩をすくめる。
上条は苦笑すると、彼女の手を握り直した。




御坂美琴は、寮に帰って来た。
ルームメイトの白井黒子は、いつも通り明るく出迎えた。

黒子「お帰りなさいませーっ、お・ね・え・さ…あら? あらあら? お避けにならないので? はっ、これはもしや刺激的なお仕置きな感じですのね!?」

美琴「…ただいま、黒子」

黒子「…、…お姉様、何事かあったんですの? 今日はあの類人猿の記憶の件でお出になられたのでは」

美琴「…>>289
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 23:38:10.00 ID:EuOoBOLDO
オッさんの尊大さは>>1に、病み具合はビリビリにか…
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 23:41:23.08 ID:e7EfgL900
ああ、もう記憶戻ってた
290 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/28(金) 23:46:10.60 ID:X6U6pMm+0
DOは俺が貰う
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 23:47:34.58 ID:EuOoBOLDO
>>290
おい待てコノヤロウ、つーか>>1もちゃん付けしてんじゃないの!
292 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/28(金) 23:48:29.01 ID:LodX4UKT0
《君に渡す訳にはいかない…彼女は俺の妻なんだから…    いやそんな継承とかあったら怖いです》


美琴「…ああ、もう記憶戻ってた」

嘘だ。
本当は最初から喪われてなど、いなかった。
どうして、嘘なんかつかれてしまったんだろう。
そんなにも、自分の事が嫌いだったのだろうか。
確かに、いつも雷撃の槍は放っていた。
だが、あれは彼なら死なないだろうと思っていたからだ。
デリカシーの無い発言をされて前髪から紫電が飛び散るのは、不可抗力。
でも、そんなところの一つ一つが、彼の気に障っていたのかもしれない。

手を繋ぎたかった。
好きだ、と言って欲しかった。
あの女になりたい。
上条の子供を孕んで、幸せそうに笑える女になりたい。
その為に、何が足りない?
容姿だろうか。
人格も含めて全部が全部だろうか。

彼女の『自分だけの現実』が、ぐちゃぐちゃになっていく。

美琴(…きらわれてるわけ、ないじゃない)

だって、助けてくれた。
妹達の時、命を張って、一緒に死線を潜ってくれた。
自分を死なせたくないと、走り回ってくれた。
罰ゲームの時には、ペア契約もしてくれた。

美琴「……」

何がいけなかったのか、それすらわからない。
彼女はベッドに腰掛け、目を伏せる。
黒子は心配になりながら、彼女の隣に控えめに座った。

黒子「…お姉様、…元気が無いように、見えますの。……何か、悩み事なら…この黒子に何なりと、相談してくださって構わないんですのよ…?」

美琴「…>>294
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:03:58.24 ID:bZYSSAHDO
私のために争うのはやめてっ!!
………冗談でもそういうことされると照れちゃうんですけどー
継承者とかカッコよくないですか?

kskst
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:04:37.39 ID:6psvvBaSO
…うん、じゃあ、一つ相談に乗ってくれる?

……私ね、もう『何もかも引き裂いてやる』の

手伝いなさい。そしたらご褒美もアゲル。
295 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 00:15:56.55 ID:9iRHj+4K0
《……廚二…?》


美琴「……うん、じゃあ、一つ相談に乗ってくれる?」

黒子「はい、何ですの?」

黒子は美琴に相談してもらえることが嬉しくて、表情を和ませる。
最愛の彼女が悩まない事が一番ではあるものの、それとこれとは別だ。
そして、思いつめ、"壊れた"美琴は、その善意を悪用する。

美琴「……私ね、もう『何もかも引き裂いてやる』の」

黒子「…引き裂い…?」

首を傾げる黒子を視界に半分入れていない状態で、彼女は言う。

美琴「手伝いなさい。そしたらご褒美もアゲル」

何でも、してあげる。
言って、彼女は黒子の頬を撫でた。
こそばゆさと、その淫猥さに何だかちょっぴりと赤面しながら、黒子は首を傾げた。

黒子「よくわかりませんが、何をすればよろしいんですの?」

美琴「…うん。紙に書くね」



手を繋ぎたかった。
好きだ、と言って欲しかった。
あの女になりたい。
上条の子供を孕んで、幸せそうに笑える女になりたい。
その為に、何が足りない?

そして、     何が、     余計なんだ?




帰り道、子供につける名前の大全と書かれた本を買い。
帰宅した二人は、のんびりと本を開いていた。

上条「んー……」

フィアンマ「…最近は英語を漢字で読むものが多いのか。素直に英語の方が早かろうに」

上条「当て字、ってやつだろ」

フィアンマ「一応、女の名前も候補は作っておこう。葉月、はどうだ」

上条「葉月…はづき、か。良い響きだな。それなら男でもイケそうだし」

フィアンマ「日本の人名はくっきりしていないな…」

上条「イタリアってくっきりしてるのか?」

フィアンマ「フェリーチェは男性名だぞ?」

上条「え」

フィアンマ「…小雪…」

上条「じゃあ、オフィーリアは女の子の方考えてくれ。俺は男の方捜してみる」

フィアンマ「あぁ」



雨が、降っている。

美琴「…黒子、やって欲しい事を書いたから、見てもらって良い?」

黒子「はいはい、何ですの?」




紙の内容>>+2
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:22:06.18 ID:bZYSSAHDO
はっはい、厨二って解釈でいいですよ!(やっべその厨二って言葉を遠回しに>>1様に言ったのバレてないよな…?)

kskst
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:23:25.72 ID:iQpEYe6W0
私を…殺しなさい…

そして…上条当麻に…絶望を…
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:25:21.93 ID:6psvvBaSO
一応置いとくか

1、上条当麻の彼女(恐らく)、赤髪の女を『上半身のみ』ビルの壁の中に転送。

2、他言無用

3、これから作る組織の手伝い。(但し、『仕事』が終わった後、別途指示するので命令あるまで待機)
299 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 00:29:10.76 ID:9iRHj+4K0
《廚二だって突き通せばファンタジーになるんだ》


--------------------------

私を、この世界で実現可能な
内、最も残酷な方法で殺しな
さい。
そして、上条当麻に告げて、
復讐と称して、アイツが付き
合ってる女も殺して、絶望を
与えて
--------------------------

黒子「…お姉、様?」

美琴「ちょっとわかりにくかったかな。書く順番、間違えちゃったし」

黒子「そ、そうではなく」

美琴「私を殺すのは、最後の最後、ね?」

黒子「…、」

美琴「先に聞いておきたいんだけど、黒子、直接触ったものなら、座標指定で中途半端に"跳ばせる"のよね?」

黒子「…え、…ええ」

美琴「もう一個聞いておきたいんだけど、…出来なくてもいいわ。袋の中に物があったとして、中の物だけ跳ばす事って出来る? 外に出すだけでもいいんだけど」

黒子「麻袋の中に二つの弾を入れておいて、その二発を取り出せるか…ということでよろしいんですの?」

美琴「うん、そういう解釈でいいわ」

黒子「>>301
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:30:52.79 ID:6psvvBaSO
やっぱ、それに行き着くよな

安価↓
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:35:33.18 ID:iQpEYe6W0
無理でしょう
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:37:31.67 ID:bZYSSAHDO
貴方の頭がファンタジー♪(すいません
失恋した御坂は切ないけど"好きって言って欲しかった"ってとこが可愛くて好きだったけど、今の御坂はフィアンマちゃんに危害加えるから嫌い…
けど>>301のお陰で子供は救われた!
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:44:46.04 ID:6psvvBaSO
一応、できないはずはないがな。
じゃなきゃ服だけ飛ばすができないし、飛ばす時に指定物の演算をしなければいいだけなんだから

まぁアレだろうけど
304 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 00:46:17.30 ID:9iRHj+4K0

黒子「無理でしょう。袋の一部を移動させて、その後直接中身に触れれば問題ありませんけれど」

美琴「うーん、やっぱりそっか…」

御坂美琴の声は、軽い。
まるで、ケーキを作る為のバターが無いと告げられた程度のもの。
彼女はしばらくうーんうーんと考え込んだ後、ベッドへ横たわり、黒子を手招いた。
きょとんとしながらも、何だか美琴の調子がおかしいとしか思っていない彼女は、素直に隣へ横たわる。
美琴は、ぎゅっと黒子を抱きしめた。

そして。

電撃を、用いた。

黒子「あぐっ」

彼女は、『電撃使い』だ。
そしてそれは、生体電気に繋がる事もある。
記憶を読み取るという離れ業を一度起こした事のある彼女は、自らの能力を悪用する。
風紀委員である黒子が、罪を進んで犯す事は出来ないと、わかっているから。

美琴「……邪魔なものは、消さないと。年末の大掃除みたいなもんだもの」

黒子「……、…はい、…ですの…」

彼女の意識に、上条の彼女への殺意を植え付ける。
御坂美琴の苦しみを、憎悪を、電子データをコピーするかのように。

美琴「…まぁ、あの女自体は殺せなくても、最悪仕方無い。でもね、お腹の子には居なくなってもらわないと、困るのよ」

上条と自分の間ならばまだしも。
上条とあの女の間の子供なんて、いっそ産まれない方が良いに決まっている。

美琴「…大丈夫よね、黒子。…私を、助けてくれるわよね?」

黒子「………はい」

虚ろな瞳をした黒子の頬に、美琴は軽く一度、口づけた。



一ヶ月経った。
気付けば、梅雨の時期。
じめじめとした空気だったが、散歩をした方が良いだろうと、珍しくバイト休みだった上条は、オフィーリアと一緒に散歩をしていた。
相合傘で手を繋ぎ、ゆっくりと歩く二人は、誰が見ても幸せそうに見える。

誰が、見ても。

黒子「………止まりなさい」

上条「? あぁ、白井か」

フィアンマ「……」

ぴりりとした殺気。
気づかない上条と違い、オフィーリアは眉を潜める。

黒子「個人的な恨みはそれなりにありませんが、…最低条件が、そこの女の子どもを消し去る事なので、努力させていただきますの」

彼女は、普段犯罪を犯すスキルアウト等に使う、先端の丸い針を手にした。
あんなものを彼女の腹の中へ移動されてしまえば、どうにもならない。

上条「ッ、」

訳もわからないまま、上条は、動く。







上条はどうする?>>+2
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:46:22.44 ID:bZYSSAHDO
>>303
そうゆうこと言わないの、短パンはいてる御坂のパンツだけテレポしてたけどそうゆうこと言わないの!
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:51:09.88 ID:iQpEYe6W0
黒子のテレポートは対象に触れないと駄目じゃなかった?

kskst
307 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/29(土) 00:53:26.29 ID:9iRHj+4K0
http://www12.atwiki.jp/index-index/pages/2665.htmlより

>>触れた物体しか飛ばせないため、
>>箱の中身だけを移動させて取り出すといった芸当は無理だが、
>>箱だけを飛ばして中身を残すといった応用なら可能。
>>服だけを飛ばして素っ裸にすることも可能で、御坂美琴さえも戦慄させた。

安価下
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:54:07.33 ID:6psvvBaSO
対象物に触れるのは限定条件だけど、触れてさえいるならばある程度転送の取捨選択はできるはず。じゃなきゃDOの言うようにスカートに触れただけで短パンを取れない。

もしくは、『取り出す』結果だけが必要ならば触れている物の外側のみを転送すればいい。あわきんの時のアタッシュケースとか、確かそうだったはず安価↓
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 01:05:50.90 ID:bZYSSAHDO
黒子はWikipediaに触れてないといけないとか箱の中身だけ取り出すのは無理だってハッキリ書かれちゃった……
あわきんは直接物体に触れなくても良いから例外ですし…
私の間違い及びに勘違いです、短パンの中のパンツの転移は意味不明
kskst
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 01:09:54.98 ID:bZYSSAHDO
あれ…でもやっぱりSOさんのいうとおり、密着度合いによっては同一認識で取捨選択できるかも
だってじゃないと人を転移するときに服が転移できない…
kskst
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 01:13:15.77 ID:6psvvBaSO
オフィーリアに平行移動させて逃がし、自身がとっこう
312 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 01:19:50.54 ID:jmJGpi+k0
>>304 ×それなりに ○それなりにしか》


上条「オフィーリア、白井が目視出来ない場所まで逃げろ!」

フィアンマ「わかった、」

叫びながら、上条は駆ける。
黒子が針を転移させるのと、オフィーリアが退くのとでは、黒子の方が遅かった。
オフィーリアの調度下腹部に入るはずだったそれは、ばらばらと地面に散らばる。

上条「ッ」

頭に血が上るのを感じながら、上条は黒子の顔面を殴り飛ばした。
当然、少年の拳に、細身な少女は軽く吹っ飛んでしまう。
壁に背中を勢いよく叩きつける前に、白井は転移した。
上条の背中に回り込み、ドロップキックを見舞う。
いつもの、美琴に近寄るなという牽制のそれではなく、暴力のみの色合いで。

上条「が、ッ」

当然、蹴られるがまま、上条は地面へ倒れる。
白井は落ちていた針を拾い上げ、上条を見据える。

白井「これを体の中に入れて欲しく無いのでしたら、大人しくしてくださいませ。貴方までは傷つけるなとのご命令ですの」

上条「命…令…? 何、なんだよ…誰に…?」

白井「>>314
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 01:28:39.41 ID:bZYSSAHDO
神……ですの
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 01:29:58.94 ID:6psvvBaSO
正直、最初は奇襲をかけるべきだったな

安価なら、…聞かれてホイホイ答える訳ないでしょう。←針を上条の太股、二の腕に転送、右手首に紙切れ転送、切り離した後に共にテレポ
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 01:31:24.66 ID:bZYSSAHDO
>>314
えっ…右手切り落としたら……
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 01:33:13.26 ID:6psvvBaSO
覚醒するかはわからないし、何なら脅せば済む話。『私以外にも仲間がいる、彼女に危害加えられたくなきゃ大人しくしとけ』とか
317 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 01:35:40.20 ID:jmJGpi+k0
《奇襲すべきだった、マズった…》


白井「…聞かれてホイホイ答える訳がないでしょう」

冷たく言い、彼女は針を転送させる。
一本は太もも、一本は二の腕に、貫通する形で、突き刺さった。
絶叫する上条を見下ろし、彼女は淡々と演算を行う。
適当な、取り出したメモ用紙を転送するのは、彼の右手首。
ぼたん、と手首が落ちて転がったところで、黒子は彼を連れて転移した。
向かう先は、病院。
患者を手当する筈の場所は、転じて、牢獄ともなりえるから。




移動してきた、雨の中。
オフィーリアは、静かに歩いていた。
そして、裏路地に誰かがいることに、気がついた。

フィアンマ「……」

濡れた髪を退ける気力も無く、顔を上げる。





裏路地に居る人物(禁書キャラ名、一人)>>+2
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 01:39:52.80 ID:bZYSSAHDO
まぁ覚醒辺りは>>1様次第ですしね

安価なら
一方通行
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 01:56:11.55 ID:6psvvBaSO
トリックアート
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 02:01:37.25 ID:6psvvBaSO
あ、もしわかんなかったらスキルアウトA、B、Cで
321 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 02:04:08.12 ID:jmJGpi+k0

そこに居たのは、一人の男。
三人組のスキルアウトのリーダーを務める男だ。
能力は、『偏光能力(トリックアート)』。
自身の周囲の光を捻じ曲げ、実際とは違う位置に像を結ばせることで、周囲の目を誑かす能力。
彼は、前々から、暴行・薬物・等々の犯罪に手を染めていた。
そして、現在の彼は、洗脳されていた。言うまでもなく、彼女に敵意を向けている、とある少女に。

トリック「へ、へへ…」

どこか酩酊した様子で、彼はへらりと笑う。
薬物で、所謂ラリった状態なのかもしれない。

トリック「わ、…わぁ、るく…思うなよ…」

ふらふらとしながら、彼はナイフを構える。
かと思うと、姿が見えなくなった。
オフィーリアは『虚空年代記』へお伺いを立て、術式を行使した。
空中に浮かんだ黄金の剣が、横に振るわれる。

トリック「ごぁ、ッ!?」

『偏向能力』の脚が、切断された。
両足を切断して立てる筈もなく、彼はばたりと倒れる。
本来は土下座させて説得程度にしてやるのだが、彼女の身体は今、彼女一人の身体ではない。
自分はともかく、二人分の命を無駄にすることは、出来なかった。

美琴「えぇ…? ちょっとはうまくいくと思ってたのに。やっぱりスキルアウトはスキルアウト、か」

フィアンマ「…お前は」

美琴「常盤台の電撃姫、ってことでいいわよ。邪魔者さん」

フィアンマ「……当麻への好意に狂ったか」

美琴「>>323
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 02:06:00.10 ID:6psvvBaSO
まさかの即退場か…安価↓
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 02:07:29.22 ID:MCScLiuSO
アンタ以外にもアイツを死ぬほど愛してる女は腐るほどいるの
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 02:09:12.80 ID:bZYSSAHDO
だって黒子にすらやられたし、あのときはレベルアッパー使ってなかったっけ…
そもそも肉弾戦相手にしか戦えない能力ですよねー

安価なら
失礼ね狂ってないわよ、狂ってるのはアンタでしょ?
人の男寝取って孕むなんて正気の沙汰じゃないわよ?
325 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 02:12:53.84 ID:jmJGpi+k0
《調べても口調がわからないので活かせなかったというか…すみません》


美琴「アンタ以外にも、アイツを死ぬほど愛してる女は腐るほどいるの」

フィアンマ「そうだな」

美琴「だから、アンタは邪魔なのよ」

フィアンマ「……」

美琴「アイツはね、本当は私を好きになるはずだったの」

フィアンマ「……」

美琴「少なくとも、私じゃなかったにせよ、アンタじゃなかったッッ!」

暴論を叫んで、少女はコインを弾く。
彼女ご自慢の『超電磁砲』は、オフィーリアの脇を逸れて壁をぶち壊した。
彼女は狂ってしまった。加えて、まだ中学生の少女だ。
情緒不安定な時期に、自分の感情のセーブは、利かない。

美琴「……アンタが居なくなれば、全部解決すんのよ」

呟いて、彼女はもう一枚、コインを取り出す。
オフィーリアは、静かに御坂美琴を見据えた。

フィアンマ「…俺様と、この子供を殺しても。当麻は、お前を嫌い、憎むだけだ。わかっているのか? わかっていて、そういった行為に及ぶんだな?」

美琴「>>326
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 02:14:42.65 ID:6psvvBaSO
いや、偏光させた像のみを先行させ、腹蹴りさせようかと。

聖なる右でも『映像』は倒せないし、いくら右手をふっても倒せない相手を出してビックリさせたかった…
オフィーリアみたいなタイプなら確実に術中に…安価↓
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 02:18:50.49 ID:bZYSSAHDO
あぁなるほど、けど目の錯覚レベルだから……等と議論してもよく解らないまま消えてしまったからどうにもならないか
けどオフィーリアならやっぱ預言があるからなぁ、あとは無差別に右手振っちゃうとか…危なすぎるな

安価なら
……うるさい…うるさい、うるさいうるさいうるさいうるっさぁーいっ!!(泣きながらレールガンどーん)
328 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 02:43:13.84 ID:jmJGpi+k0
《その手があったか…想像力及ばず申し訳無いです》


「……うるさい…うるさい、うるさいうるさいうるさいうるっさぁーいっ!!」

全てを打ち払うように、彼女は超電磁砲を発射した。
泣いている彼女の視界は曇り、射線が通らない。
故に、オフィーリアに当たる筈もなく、壁を壊した。

「幸せになった人間なんかにはッ、わからない! 私はっ、」

孤独だった。
超能力者、たったそれだけで、いつだって一線を引かれてしまう。
黒子はなついてくれているけれど、それだって尊敬という線がある。
そんな時、自分と対等に、見下しも見上げもしない人と出会った。
彼女にとってのそれが、上条当麻だった。

手を繋ぎたかった。
好きだ、と言って欲しかった。
上条の子供を孕んで、幸せそうに笑える女になりたい。

告白しなかった自分にだって、非はあったかもしれない。
だが、それにしても、上条は、酷い。
上条が嘘をついたのは、この女のせいだ。
美琴は憎悪を瞳に滲ませ、駆け、彼女の首を絞める。

『…君に憎悪を教えてあげよう。もう二度とコイツだけは許さないと、敵にしても愛することなど出来ないと』

本物の憎悪は、これか。
オフィーリアは理解して、うっすらと笑う。
美琴は馬鹿にされたと感じたのか、怒鳴りつけた。

「この、ッ」

頭に血が上っている彼女の精神的な防護は、薄手だった。
だから、彼女の人生を、オフィーリアは一瞬にして知る。
そして、今度こそ。 正しい意味で、嘲笑した。

「お前の方が、幸せじゃないか。満たされているクセに」

彼女は美琴の肩を掴み、地面に叩き伏せる。
あまりにも強い力に、ロクな受身も取れないまま、彼女は地面に倒れた。

「が、ぐ」

げほげほと咳き込み、美琴はオフィーリアを見上げた。
彼女の表情は、侮蔑に歪んでいる。無理もない、自分と子供を敵意に晒された女は、皆こうなる。
反撃しようとした彼女の腕が、妙な方向へ捻じ曲げられる。

「ひ、」

そんな彼女の細い指へ、オフィーリアの指がかかった。
『天使の力』の恩恵を受けているが故に、尋常ならざる握力や腕力を持つ彼女は、目を細めて笑む。

「心配せずとも、ボクシングで例えれば軽いジャブ程度だと思うぞ?」

べりぐりゅ、とすさまじい力で、御坂美琴の右手指の爪が全て剥がれた。

「が、ぐ…、」
「…俺様は、お前なんかよりずっと不幸だったんだ!! 預言に振り回され、愛する人間を一度奪われ、どこまでも卑屈に生きてきて、死ぬ思いをして、ようやく掴んだ幸せをッ、お前みたいな幸せに生きてきた小娘に邪魔されてなるものか!! もう二度と、盗られて、たまるかああああああああ!!! お前が、お前が消えろッ、貴様が居なくなれ、お前が邪魔なんだ、消えろおおおおおおおおおおおおお!!!!」

絶叫しながら、彼女は御坂美琴の左手指に手をかけた。
美琴は死の恐怖、痛みに、一時、正気を取り戻す。
緊張状態が酷い為、演算がうまく働かないのだ。

「あ、…ま、…待って…いた、…いたいよ…痛いの…やめ、て…?」 

掠れた懇願。
オフィーリアは御坂美琴の太ももを踏みつけ、見下ろす。
そして、言葉を返した。

>>330
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 02:46:54.27 ID:6psvvBaSO
今更謝ってももう遅いな地獄で懺悔しろ

クソガキ
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 02:49:06.61 ID:bZYSSAHDO
うわぁそういえば上条関係にだけフィアンマちゃんはヤバイんだよな、ヤンデレだし…

安価なら
俺様じゃなければ死んでいた(←上条さんが御坂の電撃食らった時に御坂に言うみたいにしてくれると助かります、御坂は別に助からなくても…)
331 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 03:04:16.20 ID:jmJGpi+k0
《子供は上条さんの血を引いてるのでヤンデレ対象です》



「…お前の放った『超電磁砲』。たまたま外し、俺様だったから死ななかったというだけで、一般人であれば死んでいたんだぞ?」
「あ、……ゆ、ゆるし、て…」
「……『そうだな。俺を殺したやつを殺し返しただけだもんな』。…お前の愛する当麻によれば、許されるんだ。殺す事が。だが、俺様は優しいからな」
「え…?」

かたかたと震える御坂美琴に、オフィーリアは微笑みかける。
軽薄な、酷薄な笑みだった。

「殺さないでおいてやる」

言って、彼女は美琴の左手の爪を剥いだ。
痛みに泣き喚く彼女の腹部を蹴り、オフィーリアは憎悪に顔を歪ませる。
一度目はわからなかった。二度目、ようやく教えられた。
これが、本当に、心底人を憎んで嫌って、殺したいと思うということだ。

「あ、いだ、ぃだい、」
「痛いだろうな」

痛くなければ意味が無い。
そう断じて、彼女は美琴の腕や肩に手をかける。
そして、プラモデルの部品を取り外すように、無造作に『外した』。
次いで、ぐにゃぐにゃとなった腕の中にある骨を、握力で握る。
少女の細い骨には、ビキビキとヒビが入っていった。

「あ、ああああああ! 痛い!!! 痛いっ、痛い痛い痛いいいいい!!」
「叫んだところで、助けが来ると思っているのか?」

言いながら、彼女は空間を仕切る。
以前は、一方通行を救う為に使った『領地設定』だ。
美琴の悲痛な叫びは、どこにも届かず、消えていく。

「ゆるして、ゆるして、ゆるし…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!」
「俺様は、幼少期には孤児だった。兄代わりの少年に食事を貰いながら、ひもじく生きていた。兄代わりは死に、俺様を愛してくれる人と出会った。その優しい時間もすぐに終わった。死という形でな。それでも生きていた俺様は、頭の中に埋め込まれたモノを元に、化け物として生きてきた。簡単には死ねない化け物だ。誰も傷つけたくないのに、俺様をかばって沢山の人間が死んでいった。友人等居なかった。お前のように満たされた瞬間など、数える程にしかない。当麻は俺様を救ってくれた。命を賭けて、俺様一人の為に、イタリアまで来てくれた。散々傷つけて、それでも好きだと言ってくれた。嬉しかった。嬉しかったんだ。今も嬉しい。当麻と過ごす一日一日が、ドラマか映画のように流れていく。積み重なっていく平穏が幸福を形作る。当麻も、俺様も、あるべきだった幸せを今から自力で掴み取っているんだ。お前のような幼稚な恋心じゃない、お前と一緒にするな、お前は満たされているのに、強欲になるな、俺様から当麻を、ッ、奪うな!!!」
「あああああ! やめて、めで、痛い、いだ、…いたい…いたいよ、とうま…」
「ッ、当麻の名前を口にするな、」

殺してやる。
彼女は手に黄金の剣を現出させ、動けない御坂美琴へ、ふり下ろそうとする。
そんな彼女の手を、誰かの手が掴んだ、少年の、手だった。上条当麻の、再生した右手だった。

「…当、麻……?」

服と顔を血まみれにしたオフィーリアに対し。
ほぼ全身包帯塗れの上条は、言う。

>>333
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 03:09:15.44 ID:bZYSSAHDO
ヤンデレは純愛(?)だから好きですよ、一方的なヤンデレはあまり好きじゃないですけど

kskst
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 03:21:31.83 ID:6psvvBaSO
ヤンデレールガン編終了か…

安価なら、

そこまでにしてくれ

…もう、大丈夫だから。元はといえば俺の最低な言動のせいだし…

御坂は、まだ14で、なまじ頭がいいのと"力"を持っちまったから、感情のブレーキが壊れちまっただけなんだ

頼む、それ以上はあの魔神と同じになっちまう…
334 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 03:29:03.14 ID:jmJGpi+k0
>>321 ×切断して ○切断されて》


上条「そこまでにしてくれ」

彼は、病院に連れて行かれた後、早急に治療を受け、白井の洗脳状態を解いた後、ここまで走ってやって来た。
御蔭で包帯は汗で濡れているし、息は荒い。

上条「…もう、大丈夫だから。元はといえば俺の最低な言動のせいだし…」

フィアンマ「……」

上条「御坂は、まだ14で、なまじ頭がいいのと"力"を持っちまったから、感情のブレーキが壊れちまっただけなんだ」

フィアンマの手に、力が入る。
上条は、一生懸命に彼女の手を握った。
そして、情けなくも、死者を引き合いに出す。
掠れた声で、懇願するように。

上条「頼む、それ以上はあの魔神と同じになっちまう…」

フィアンマ「…、……」

『……黙れ。お前に何がわかる』
『愛する人がいて、生きて、帰りを待ってもらえるお前なんかにィ………ッッ!!!』
『……目の前で、生涯愛すると誓った人を…親しかった友人達に陵辱、拷問をされた上で虐殺されてみろ。それなら少しは俺の気持ちがわかるんじゃないのか?』

『お前の方が、幸せじゃないか。満たされているクセに』
『…俺様は、お前なんかよりずっと不幸だったんだ!! 預言に振り回され、愛する人間を一度奪われ、どこまでも卑屈に生きてきて、死ぬ思いをして、ようやく掴んだ幸せをッ、お前みたいな幸せに生きてきた小娘に邪魔されてなるものか!!』
『お前のような幼稚な恋心じゃない、お前と一緒にするな、お前は満たされているのに、強欲になるな、俺様から当麻を、ッ、奪うな!!!』

フィアンマ「……」

はたと気がつき、彼女は剣を取り落とした。
上条はすかさず触れ、バラバラに壊す。

フィアンマ「……、……ぁ。…俺様は、…」

何を。
美琴の血に汚れた手を見、オフィーリアは閉口する。

フィアンマ「…ち、…違うんだ…俺様は、ただ…守ろうとした、だけなんだ……だから、…だから、その…違うんだ…」

上条「>>336
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 03:35:03.27 ID:bZYSSAHDO
狼狽するフィアンマちゃん想像したら可愛かった、まぁ上条さんはオッさん殺っちゃってるからフィアンマちゃんをあんま責めないと信じてる…
てかよく見たらSOさんが禁書スレにはいつもいる気がする(←気がするとか言いつつ最初っから知ってた人

安価下
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 03:36:01.41 ID:6psvvBaSO
抱きしめて


ああ、わかってる。だから、止まらなきゃ。

…既に、俺達は戻れないとこまで来ちまったけど、だからこそ、これ以上進んじゃダメだ。

337 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 03:48:50.27 ID:jmJGpi+k0

上条「ああ、わかってる」

上条は、狼狽する彼女を抱きしめた。
そして、ズキズキと身体が悲鳴をあげていることを感じながらも、彼女の背中を摩る。
優しく頭を撫で、視線を合わせた。

上条「だから、止まらなきゃ」

上条が殺した彼は、誰にも止めてもらえなかった。
そして、止まることもしなかった。
故に、沢山の人を傷つけて、死んでいった。
最後の最期、満足そうな顔をしていたのは、そんな人生から解放されたから。
だとすれば、あの人のような、かの魔神のような人生を辿ってはいけない。

上条「…既に、俺達は戻れないとこまで来ちまったけど、だからこそ、これ以上進んじゃダメだ」

フィアンマ「……、…」

流れる涙を指先で掬ってやって、上条は優しく微笑む。
彼女が一生懸命過ぎるが故、思いつめてしまうことを、知っている。
今回の事だって、お腹の子を守ろうと必死になった結果、このような事態に発展してしまった。
彼女は本来優しすぎる性格だ。何かが逆鱗に触れてしまっただけなのだ。

上条「…ちょっと騒がしくてびっくりしちゃったな。もう大丈夫だぞ。お母さんはな、頑張り過ぎちゃっただけなんだ。許してあげてくれ」

上条は、そっとオフィーリアのお腹を撫でる。
彼女を責めるつもりはなかった。自分だって、人を殺している。

美琴「…ぁ、…」

もはや指先一本すら動かせない彼女は、上条を見上げた。
自分を助けてくれたのだと認識して、声をかける。

美琴「わた、…私、ね。…当麻の事、…ずっと、好きだったんだよ…? だから、…許してくれると思って、…いつも、雷撃とか…でも、…でもね、…もう、しないから…もう絶対しないから…許して…? 私、…私、その女が居なくなったら、付き合ってくれるって、思った、だけなの…。高校生で子供がデキたなんて、絶対苦労するって思ったから…ね、…消そうとした、だけなんだよ…? 本当だよ…? 当麻だって、…バイト、とか疲れてる、でしょ…? 私、頑張ったんだよ…それだけなんだってば……そんな女より、私の方が、きっと、色々出来るよ。当麻の、為なら…死んだって、いいんだもん…。私は、当麻を守りたかったんだよ……お願い、しんじて…」

掠れた声音で、それでも、彼女は言いたい事を伝えきる。
オフィーリアと同じ調子で言い訳をすれば、許されると思ったのかもしれない。

上条「…>>339
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 04:00:21.41 ID:6psvvBaSO
…そうか。

…悪いが俺はもう、お前には『何も言わねぇ』よ。さっさと帰れ。
339 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/29(土) 04:01:34.20 ID:yX2NQM6AO

今日はここまで

ヤンデレールガンちゃんが病むはずだったのに…。
お疲れ様でした

安価下
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 04:03:59.69 ID:MCScLiuSO
俺が好意を踏みにじる『嘘』をついたんだ
許されないのは俺のほうだ
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 04:09:05.84 ID:bZYSSAHDO
乙でした

なんとなく置いておこう
俺のためなら死んだっていい…?
なら[ピーーー]よ、俺の知らないところで、俺に関係なく、他の誰でもない俺のためにと思うお前自信のために、[ピーーー]ば?
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 04:11:03.39 ID:6psvvBaSO
乙。ちょいみこっちゃんとの直接対決が早すぎたな…オフィーリアちゃん強すぎるから、まともにやり合う場合100%みこっちゃん負けるから…

こういう流れ嫌いな人とかのためにはすぐ終わったのは良かったかも知らんが


安価↓
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 05:09:27.34 ID:bZYSSAHDO
>>342
御坂の件は早く終わってくれないと、子供達死亡→暴走→廃人の展開に進むんじゃないかと思ってハラハラするからさ…
私としては御坂は殺しとかないと後々面倒じゃないかなとか思ったり、あぁちなみに原作の御坂は好きなのですよ?
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 07:16:04.24 ID:rNHABc5K0
お前ら総じてクズ
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 12:18:25.03 ID:2i+U/31Co
今となってはどうでもいいけど子供を一回視ておきたいっての魔術的な意味でだったんだけど別に関係ないからややこしいこと言ってごめんね安価下
346 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 16:12:49.16 ID:AOg/lDEt0

上条「…俺が、好意を踏みにじる『嘘』をついたんだ。許されないのは俺のほうだ」

美琴「当、麻…?」

上条「ごめんな。…本当に、ごめん」

上条はボロボロながらも、美琴や偏向能力の為に救急車を手配する。
美琴は許されたと感じたのか、表情を和らげる。

上条「…でもさ」

手配を終え、此処に到着するまで約三十分。
上条は、冷静に御坂美琴を見た。

上条「俺は、一度だってお前に、オフィーリアに対する愚痴を言った事は無い。ましてや、居なくなって欲しいなんて、思った事すらない。……それに、子供がデキて迷惑だと思った事もない。バイト諸々、疲れるけど、それだって嫌じゃない。苦労だなんて思わない」

美琴「……」

上条「今日の事を抜きにしても、オフィーリアが死んで、お腹の子も死んでしまっても。俺は、御坂とは付き合わないよ。お前が俺の為に頑張ったっていうのは認める。だけど、彼女が死んでも、俺は変わらない。オフィーリアが死んでも、俺はオフィーリア以外の女の子を好きにはならない」

美琴「…どう、して…? …私と、…なに、…何が…違う、の…?」

上条「………お前が、俺と同年代の誰かじゃ、換えが利かないのと、一緒だよ。お前がそんなになってまで俺を好きでいるように、俺もオフィーリアの事が好きなんだ」

もうすぐ、救急車が来るから。
そう言って、上条はオフィーリアの手を引いた。
血まみれの彼女を誰かに見られるのは、少々不味い。




上条とオフィーリアは、家へ帰って来た。
風呂に入り、服を着替え。
オフィーリアはベッドに座り、目を伏せる。
上条はそんな彼女の隣に座り、優しく頭を撫でていた。

『…俺様は、お前なんかよりずっと不幸だったんだ!! 預言に振り回され、愛する人間を一度奪われ、どこまでも卑屈に生きてきて、死ぬ思いをして、ようやく掴んだ幸せをッ、お前みたいな幸せに生きてきた小娘に邪魔されてなるものか!!』

上条「…オフィーリア、…ちゃんと怒れたんだな」

フィアンマ「…自分の為には、怒れんよ」

上条「…。…そっか」

フィアンマ「……、…あの子に酷い事をしてしまった。年端もいかぬ少女に、…残酷な仕打ちをしてしまった。痛かっただろう。……あちらが先に仕掛けてきたとはいえ、…やり過ぎた。…危うく、殺してしまうところだった」

上条「>>348


347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 17:48:10.66 ID:rWFEZizB0
…でも、殺さなかった

それはオフィーリアが人間である証拠だよ…
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 18:13:04.66 ID:cvKsb0EL0
>>347

349 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 18:26:41.23 ID:AOg/lDEt0

上条「…でも、殺さなかった」

上条の説得に、耳を傾けた。
そして、自分のしている事の是非に気がついて、剣を取り落とした。

上条「それは、オフィーリアが人間である証拠だよ…」

本当に、冷酷無慈悲なら。
憎悪にとらわれてしまったのなら、上条の言葉でも止められなかった筈だ。
人間だから、ロボットや、感情の無い化け物ではなかったから。
彼女は、人を殺さなかった。美琴を、殺せなかった。
上条は、そう思う。制止を聞いて理性を取り戻せるのは、人間だけだ。
常々、自分は化け物なのだという自覚のあるオフィーリアは、唇を噛み締めて頷いた。

フィアンマ「……」

上条「…俺は男だから、よくわかんないけど。子供を守る為に何でも出来るのが、母親だと思うんだ。だから、オフィーリアは途中までは間違ってなかったと思うよ」

言いつつ、彼は彼女の下腹部を摩った。
攻撃しながらも腹部を圧迫する姿勢は取らなかった為、胎内に問題は無かった。

上条「ごめんな、怪我してなかったらすぐ守りに行けたんだけど」

フィアンマ「…、…入院しないで良いのか。重傷に見えるが。病院を抜けて来たんだろう?」

上条「>>351
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 19:13:26.13 ID:U4QVvDpIO
…そうだな

一応検査してみるよ
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:12:33.29 ID:em+hZG+H0
大丈夫大丈……夫
やっぱ無理…
352 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 20:23:40.38 ID:nLgiVjUt0

上条「大丈夫大丈……夫」

言っている途中に、手術の為の部分麻酔が切れてきたのだろう。
全身を襲うとんでもない痛みに、上条は弱々しく首を横に振った。

上条「やっぱ無理…」

フィアンマ「…そうか」

魔術で手当を行う事は出来ない。
故に、病院へ向かう事にした。



まず、抜け出した事を怒られた。
次に、再び手当をされた。
そして、入院しろとの命令が下った。
上条が取った行動はというと、まず、バイト先への謝罪と、小萌先生への言い訳だった。

病院には、御坂美琴と白井黒子が居た。
正確には、御坂美琴の病室前に、白井黒子が立っていたのだ。
黒子は上条達を見やると、深々と頭を下げた。

黒子「…本当に、…申し訳ありませんでした」

上条「怪我は治療受けたし、入院予定も立ったし、俺は大丈夫」

黒子「そちらの方も…」

フィアンマ「…俺様は怪我をしていないからな」

上条と冥土帰しによって正気に戻った彼女は、罪悪感から何度も謝る。
彼女は風紀委員で、本来はこのような行動を咎める立場の人間だ。

黒子「…お姉様はおいでになれませんが、……お姉様の分も、代理として謝罪申し上げますの…」

上条「>>354
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:24:56.77 ID:cYEUfDz70
あー右手が痛いなー
生えてるけど痛いなー
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:25:16.33 ID:6psvvBaSO
まぁ、慰謝料やら謝罪やらは御坂からまた直接もらうからもういいよ
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:26:01.66 ID:6psvvBaSO
スマン流石に安価↓で頼むよ
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:32:21.73 ID:cYEUfDz70
>>353

357 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 20:33:54.98 ID:nLgiVjUt0

上条「あー、右手が痛いなー、生えてるけど痛いなー」

黒子「…申し訳、ありません」

上条「…冗談だよ。…謝罪は、代理でするもんじゃないからさ。御坂の分は、しなくていいんだよ」

黒子「はい…」

美琴の病室へ行こうとする黒子を、上条は呼び止める。
そして、苦笑い混じりに言った。

上条「今回の事は、勿論良くないことだ。…でも、…御坂の事、嫌わないでいてやってくれな。俺なんかよりずっとわかってるだろうけど、アイツ、本当は良い奴だから」

黒子「…勿論ですの。…ご迷惑をおかけしました」

もう一度だけ静かに数秒頭を下げた黒子は、今度こそ病室に消える。
上条の階はもう一つ上なので、彼はのろのろとエレベーターへ向かった。



点滴だるい。
そんな事を言いながらオフィーリアと上条が病室に入ると、大部屋であるそこには、先に入院患者が居た。
垣根帝督と、浜面仕上だった。
二人共顔見知りである。というよりも、上条にとっては友人だ。

上条「…何か、多いな」

垣根「ん? 怪我か」

上条「まぁ、うん」

浜面「そっちの妊婦さんは大将のオンn…じゃなかった、彼女?」

上条「…どっちかっていうと、もう妻って事で良いのか?」

フィアンマ「良いんじゃないか?」

言いつつ、ベッドへ。
上条は痛い痛いと呟きながら、ベッドへ横たわる。

上条「二人は何で入院?」

浜面「>>359

垣根「>>361
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:35:36.48 ID:6psvvBaSO
オッレルスとかいう奴に因縁ふっかけられて…
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:38:04.58 ID:iQpEYe6W0
掘られて…
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:39:00.30 ID:sXNwpmdI0
沈利より美味い料理作ったらキレられた…
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:41:41.99 ID:6psvvBaSO
ヘルニア
362 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 20:46:17.73 ID:nLgiVjUt0

浜面「掘られて…」

垣根「ヘルニア」

上条「あー…何というか、…垣根は、その…ドンマイ…」

垣根「手術は近々する。ま、治るだろ」

上条「浜面は掘られたって何だよ」

上条は仰向けに横たわり、左手でオフィーリアの手を握る。
そういえば、婚約指輪位は渡した方が良いだろうか、と思う。
思いながら、浜面に言葉をかける。

浜面「…意味はわかるだろ。わかってくれ、後生だ」

上条「まぁ、わかった。掘られたって、どんな野郎に?」

浜面「>>364
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:49:06.25 ID:VtLx5kIb0
女だと思ったら金髪の男に変身した
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 20:49:46.35 ID:6psvvBaSO
量子変速
365 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 21:01:42.66 ID:nLgiVjUt0

浜面「量子変速(シンクロトロン)」

垣根「能力名じゃねえか」

浜面「その能力持ちのスキルアウト。…って名乗ってた」

上条「…もしかして、裂けたのか?」

浜面「いや、どっちかっていうと抵抗して殴られた方が重傷で」

上条「…なるほど」

つまり、浜面は怪我が治るまでの入院らしい。
上条当麻と、ある意味同じような理由である。
垣根は手術がダメでも最悪能力で何とかするつもりなのか、半分は興味本位の入院らしい。
超能力者というのは何でもありだなあ、と思いながら、上条はオフィーリアの手を撫でた。

垣根「あ、言い忘れてたけど近々結婚するかもしれねえ。式やるだろうから呼ぶわ」

浜面「あー」

なる程、と頷く浜面。
上条ものんびりと頷いた。
上条とオフィーリアの場合は仮結婚なので、発表に値しない。

フィアンマ「麦野沈利か」

垣根「そうそう」

フィアンマ「もう式場などの見取りは済ませたのか?」

垣根「>>367
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 21:05:08.41 ID:0QDeZH5b0
いんにゃこれから

浜面には言ってなかったけどデキ婚です
デキてなくても結婚する気満々だけどね!
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 21:27:07.85 ID:0QDeZH5b0
>>366

368 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 21:32:38.84 ID:nLgiVjUt0

垣根「いんにゃ、これから」

とりあえずはヘルニア治さないと、とぼやいて。
それから、垣根は思い出したように言葉を付け加えた。

垣根「浜面には言ってなかったけど、デキ婚です。デキてなくても結婚する気満々だったけどね!」

浜面「マジかよ」

垣根「擬似家族ごっこは終わり、って訳だ。…ほら、垣根弟もお前の所ばっかり行ってるしな。どうせお前女にモテないし、いいだろ」

浜面「俺の扱い…」

垣根「後数年待ってみろ、アイツ俺にそっくりなイケメンになるから」

フィアンマ「時期によるが、出られるようであれば出席させてもらう」

垣根「ん、ありがとよ。でも、無理すんなよ」

垣根はオフィーリアの腹部を見やり、麦野の事を思ったのか、表情を和らげる。
彼もまた、幸せを自ら掴み取ろうと動いているのだろう。




夜になり。
明日もまた来る、と立ち上がるオフィーリアを、上条は引き止めた。

上条「…あのさ」

フィアンマ「ん?」

上条「…安物になっちゃうだろうけど、…指輪、欲しいか?」

彼女は自分の下腹部を撫で、少し考える素振りを見せた後に答える。

フィアンマ「>>370
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 21:33:51.58 ID:6psvvBaSO
当麻が選んだ、ものっそい高くて、俺様にぴったりの奴がいい
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 21:35:33.97 ID:0QDeZH5b0
当麻が選んだものならなんでも良い
371 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 21:46:34.43 ID:nLgiVjUt0
《何の安価スレ立てるか悩んでます…どうせフィアンマさんかオッレルスさんか魔神関連になる上にまだフィア神スレ書き溜め出来てないんですけど》


フィアンマ「当麻が選んだものなら、何でも良い」

安物でも、何でも。
上条が贈りたいと思ってくれた事だけで、充分過ぎる程。
やんわりと笑むオフィーリアに、上条も笑みながら頷いた。
まずは退院する事が重要になるが、それは努力すべき事案ではない。

上条「…きっと、夏には贈る」

フィアンマ「…ありがとう」

言って、彼女は病室を出て行った。
一人で帰れるか少しだけ上条は心配になったが、彼女もまた優秀な魔術師、きっと大丈夫だ、と目を閉じた。
一刻も早く怪我を治し、何の変哲もない日常へ戻りたい。



入院生活とは、得てしてつまらないもの。
術後、だるだると過ごしていた垣根は、見舞い客に反応した。
浜面は垣根や上条と違い、前々から入院していたので、いち早く退院。
今頃は『アイテム』の面々や、垣根弟と過ごして、暮らしている事だろう

垣根「沈利、来てくれたんだな」

麦野「…まぁね」

垣根「…腹のガキ、大丈夫か?」

麦野「>>373
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 21:48:26.01 ID:6psvvBaSO
神裂さん「じゃあ安価でやればいいじゃないですか!」

安価↓
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 21:52:11.25 ID:0QDeZH5b0
ついでに見てもらったんだけど
元気いっぱいな子だって
374 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 22:00:16.39 ID:nLgiVjUt0
>>372様 安価…うーん…非安価の方が、良いかなって…どなたともネタ被りしなさそうですし…》


麦野「来たついでに見てもらったんだけど、元気いっぱいな子だって」

垣根「そりゃ安心だ」

安堵に笑み、垣根は麦野の下腹部を撫でた。
まだ膨らんではいないものの、そこには子供が宿っている。
命を奪う立場である暗部に身を置いてきた自分達でも命を生み出せるのかと思うと、垣根は何だか嬉しいような、申し訳ないような、不思議な気分になった。

麦野「…そっちは?」

垣根「あ? 術後経過? 問題ねぇよ」

麦野「…そ」

内臓系の病気で入院している垣根は、見舞い品を食べられない。
そんな訳で、麦野が持ってきたのは雑誌だ。
Rのつくいかがわしい方ではなく、垣根が好む雑誌等である。
麦野は垣根の向かいのベッドを見やる。

垣根「上条が入院してる」

麦野「へえ」

垣根「あっちもデキてんだと」

麦野「前々からそうじゃないの?」

垣根「いや、子供の話」

麦野「なるほど」

上条の方には、見舞いが来ていない。
上条自らが、オフィーリアにはあまり来なくて良いと告げたのだ。
身重の彼女には、あまり動いて欲しくなかったから。

垣根「…そういや、式の方はどうすんの? お前、親とか来れんだっけ?」

そもそも麦野の親は了承してくれたのか、と垣根は首を傾げる。

麦野「>>376
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 22:04:09.11 ID:6psvvBaSO
…来てくれるわけないじゃない
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 22:10:22.71 ID:5EtSLewN0
親?とっくに死んだわよ
377 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 22:28:57.36 ID:nLgiVjUt0

麦野「親? とっくに死んだわよ」

垣根「何だよ、早く言えよ」

麦野「父親の方は去年まで生きてたみたいだけどね」

垣根「ふーん」

そう話す麦野の顔には、何の色も見えない。
惜しむというよりは、ざまあみろといった風の色合いが浮かんでいた。
垣根は適当に相槌を打ち、彼女を傍らに座らせる。
見舞い客用のパイプ椅子に腰掛けた彼女の手を触った。
女性的な手を握り、目を閉じる。



サローニャは、暇を持て余していた。
トールが出かけてしまったのだ。
ついていこうとは思ったのだが、その前に行ってしまった。
そんな訳で、退屈した彼女、もとい彼は、オティヌスの様子を眺めていた。

サローニャ「…最近オティヌスちゃん、元気無いね。もしかしてその指輪、呪いの指輪ちゃんだった?」

オティヌス「>>379
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 22:30:36.01 ID:6psvvBaSO
…そうだな。ある意味呪いの指輪だったよ
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 22:31:43.80 ID:UbXx3RsX0
>>378

380 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 22:40:29.26 ID:nLgiVjUt0

オティヌス「…そうだな。ある意味、呪いの指輪だったよ」

右手の薬指は、心の安定、落ちつきを司どる。
また、創造性やインスピレーションを刺激するジンクスもある。
そして『恋を叶える』という効果もあった。

サローニャ「それにしても、その指輪ちゃんってどこから来たんだろう? 高そうだけど」

オティヌス「7030ユーロはしただろうな」

サローニャ「そ、そんなに!?」

オティヌス「ダイヤにプラチナ、加えていくつか見えない加工がしてあるからな」

サローニャ「ふーん。何かあれだね、婚約指輪ちゃんみたいだね」

オティヌス「だろうな」

サローニャ「無くなって困ってるかな?」

オティヌス「……もう困らんだろうさ」

皮肉にも、オティヌスの恋はもう叶わない訳だが。
ジンクスを思い出したところで、恋愛体質少年サローニャは唐突に提案した。

サローニャ「オティヌスちゃんは恋しないの? 相手捜してくるよ」

暇暇ちゃんだし、等と付け加える彼の瞳はきらきらとしている。

サローニャ「恋をしたら元気になるかもしれないし」

オティヌス「>>382
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 22:43:37.52 ID:bZYSSAHDO
相変わらず神の右席が出ない……原作でも>>1様のでも右席は好きなのに…

安価は、ならばトールを頂こうか?
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 22:44:41.50 ID:UbXx3RsX0
可愛い女の子が良い
383 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 22:51:54.47 ID:nLgiVjUt0

オティヌス「可愛い女の子が良い」

サローニャ「女の子ちゃん?」

オティヌス「出来れば細身で明るい髪色で胸があるヤツが良い」

サローニャ「わかった!」

頑張って探してみる。
ぐ、と何やら決意のポーズを取っているサローニャ少年に、オティヌスは深くため息をついた。
残念ながら、この魔神は恋愛体質の真逆を行っているのである。



ヴェント「…何か嫌な予感がする。こう、狙われてる、みたいな」

アックア「唐突であるな」

右方のフィアンマがやめたことを皮切りに、『神の右席』は総辞職状態だった
ただし、後方のアックアだけはそのままである。
そんな訳で現在、ヴェントは傭兵の真似事をしながら、今日はアックアの所へやって来ている。
彼女がアックアと顔を合わせたのは、実に数ヶ月ぶりのこと。

ヴェント「いや、何か、ね。…ところで、あんまり聞きたくないんだケド、テッラとはどうなの?」

辞めた以上別の呼び方をしなければならないか、と思いながら、彼女は問いかける。
話題のテッラは現在、パン屋さんで就業中である。

アックア「>>385
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 22:56:57.76 ID:bZYSSAHDO
おっしゃ右席来た!! ありがとー
上条カップルの息子の1人は神の右席に入って後方継いで二重聖人になる……展開を>>1様が書いてるのをさっきまで夢に見てた

kskst
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 23:11:13.53 ID:D/Io3XYR0
ヤらない日は無い
386 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/29(土) 23:24:06.20 ID:nLgiVjUt0
《そんな訳無いじゃないですかーやだー   今日はここまで。お疲れ様でした》

アックア「ヤらない日は無い」

ヴェント「…ご愁傷サマ」

テッラを不憫に思いながら、ヴェントはしんみりと呟く。
ある意味仲が良いのだろう、とも思うのだが。

アックア「問題は、最近仕事が多い事であるな」

ヴェント「アンタの?」

アックア「テッラの、だ」

ヴェント(…それってアンタの性欲から逃げてるだけじゃ)

アックア「私も行為が全てだとは思っていないのである」

ヴェント「その割にはヤってんじゃない」

アックア「…成すものが無い事が、かえって重圧なのであるよ」

ヴェント「ふーん」

男女との関係と違い、同性は生み出せるものがない。
だからこそかえって求めてしまう。
なるほど、その理論には納得させられるものがある。

ヴェント「たまには性行為のイベント事でもしたら?」

アックア「…ふむ」

ヴェント「誕生日とか。ヤるだけってのもつまんないでしょ」

アックア「……何だかんだでそういった平凡な日常には親しみが無くてな」

ヴェント「この言い方も何だケド、エロ方面以外でいちゃついたりしないワケ?」

アックア「>>388
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 23:25:20.08 ID:6psvvBaSO
乙↓
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 23:25:52.05 ID:bZYSSAHDO
乙でした
kskst
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 01:41:54.16 ID:iQS0QXHSO
…何をしたらいいのか、わからんのである。
390 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/30(日) 16:49:56.73 ID:+6WpJPn30

アックア「…何をしたらいいのか、わからんのである」

彼は、傭兵だ。
そして、優秀な魔術師であり、二重聖人でもある。
そして彼は、今まで誰かを愛した事が無かった。
勿論、大切に思っている人や、戦友は居る。
けれど、それと愛情はイコールではない。
そんな彼には、恋愛の何たるかなどわかるはずもなく。
一番わかりやすい性行為という手段が、愛情表現となってしまった。
無論、そればかりでは、如何に同性同士といえど、良くないこととはわかっている。
別に、テッラの身体だけが欲しい訳ではないのだ。

例えば、微笑み。
例えば、優しい言葉。

そんなものが欲しい。
だが、どうやればそれを引き出せるのか、わからない。
巷で売っている恋愛指南書たるものは、男女向けのものばかり。
それも、恋人に対してのそれではなく、どちらかといえば恋人になる前の話だ。
傷つけたい訳ではない。優しくしたいとは、思う。
しかし、戦場で生きてきた彼には、わからない。

例えば、戦友なら。
大切にするということは、信頼すること。

例えば、王女なら。
大切にするということは、敬い、忠義を尽くすこと。

例えば、仲間なら。
死なせないよう、懸命に頑張ること。

でも、恋人は。
恋人を大切にするということはどういうことか、わからない。

恋愛偏差値などというものがあるとすれば、それは小学生以下。
どうしたらテッラが自分を好きになってくれるか、わからない。
人に好かれようと思って生きてきた事が、無いから。

ヴェント「…>>392でもしたら?」
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 16:58:37.31 ID:iQS0QXHSO
デート
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 17:58:25.63 ID:lsvMuXLDO
安価上
393 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/30(日) 20:06:45.87 ID:qzxxhYnU0

ヴェント「…デートでもしたら?」

アックア「…デート?」

ヴェント「会って、話して、イベントを楽しむ。デートよ、デート」

アックア「……」

ヴェント「…気乗りしないワケ?」

アックア「いいや、…浮かばん」

デートプランが、ということらしい。
そんなことなら、とヴェントは肩をすくめた。
彼女もまた、恋愛には詳しく無い。
だが、アックアよりは幾分か、人と楽しい事をするということに長けていた。

ヴェント「適当にプランは組んであげるから、まずは誘いなさいよ」

アックア「……」

彼は無言のまま、こくりと頷いた。
付き合って約一年だというのに、先が思いやられる。



夜。
左方のテッラは、アックア宅に帰って来た。
店の残りを引き取って来たらしく、夕飯はパンだった。
黙々と菓子パンを食べながら、アックアはタイミングを窺う。
戦友を呑みに誘うのとは違って、少々の緊張感が身体を支配していた。
だがしかし、彼に好かれたいのなら、デートに誘わねばならない。
後方のアックアの名にかけても(一度辞めた後、再度任に就いたのがこの男、ウィリアムア=オルウェル)、だ。

アックア「テッラ」

テッラ「はいはい、どうしました?」

アックア「>>395
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 20:10:09.77 ID:O20qI3JP0
今週末どこかでかけないか
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 20:14:41.07 ID:iQS0QXHSO
…トイレットペーパーが切れていたのである。

…たまたま暇だし、週末に他の日用品の補充を兼ねて一緒に買いにいかないか
396 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/30(日) 20:25:46.48 ID:qzxxhYnU0

アックア「…トイレットペーパーが切れていたのである」

テッラ「おや、そうでしたか。気づきませんでしたねー」

アックア「…たまたま暇だし、週末に他の日用品の補充を兼ねて一緒に買いにいかないか」

週末は、テッラの経営しているパン屋は原則休みだ。
加えて、何人か店員を雇い入れたので、実質、いつでも休みはとれる。
日常必需品を引き合いに出したアックアは、賢かった。
テッラはこくりと頷き、ついでだから食事も週末は外で食べようかと考えている。
無事誘う事に成功したアックアは、少しだけ、肩の力を抜いた。


深夜。
テッラは真面目に祈った後、眠りに就いた。
アックアは独り、寝付けないから悶々としている…という訳ではない。
ヴェントと、通信術式で会話していたのだった。

アックア「…誘いは無事かけられたのである」

ヴェント『テッラの奴、良いって?』

アックア「ああ」

ヴェント『簡易プランは考えたけど、そっちの予定は?』

アックア「日用品の補充、買い出しである」

ヴェント『そ。じゃあ、結構融通は利くか。食事と、買い物と…』

アックア「…何かしておいた方が良い事は、あるか」

ヴェント『>>398
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 20:48:58.43 ID:iQS0QXHSO
ksk
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 22:02:31.72 ID:0YQLdMmT0
綺麗なパンツはいてけ
399 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/30(日) 22:45:53.23 ID:qzxxhYnU0

ヴェント『綺麗なパンツ穿いてけ』

アックア「…パンツであるか」

ヴェント『衣服によって気持ちが左右されるコトもある。…ああ、そういう事じゃないからね?』

そういうこととは、即ち性的な意味である。
そういった事をしたい訳ではないアックアは、勿論だと頷く。
汗をかいた衣服では集中し辛いように、確かに文明人は衣服で精神を左右される。
拘束服などは最たるもので、正常な神経をしていれば、あんなものを着せられた時点で抵抗する気が失せる。

ヴェント『じゃあ、プランは適当に送る。好きに組み合わせて何とかして』

言って、彼女は通信を切る。
これで仲が深まるのかと首を傾げ、アックアは一度、テッラを見やった。



そしてやって来たのは、楽しい週末である。
そんな訳で、テッラとアックアは家近くの料理店へとやって来た。
かしこまったレストランではなく、カフェに近いスタイルだ。

テッラ「そういえば、最近あまり寝つきが良くないようですが、大丈夫ですか?」

アックア「>>401
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 22:47:20.26 ID:iQS0QXHSO
一緒にいるとドキドキして眠れんだけなのでる
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 23:34:03.74 ID:lsvMuXLDO
人少ないですね

安価は上に口が滑った感じで
402 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/30(日) 23:52:13.35 ID:qzxxhYnU0
《年末ですしね… 余談ですがもう一つスレ始めました》



アックア「一緒に居ると、ドキドキして眠れんだけなのである」

つい、口が滑った。
彼は寡黙な男だ。
故に、口説き文句というものが浮かばない。
だから、今の言葉はつい口が滑った。
本音の言葉は飾り気が無く、故に人の心へ届くものだ。
言い終えてようやく、余計な事を言ってしまったか、とアックアは思う。
しかし、そこで言い訳を重ねることも出来ないまま、テッラを見やった。

余談だが、テッラは聖職者だ。
今でこそパン屋だが、出身は聖職者なのである。
かのオフィーリアよりも、純真なのである。
要するに、ちょっと夢想家な所があったのだった。
意訳すると、乙女な部分があるということだ。
故に、照れる。
一般男性ではあまり照れない言葉に。

テッラ「……、…そ、…そうですか」

口ごもる。
そんなテッラの様子は、所謂『引いた』ように見えた。
少なくとも、この不器用な傭兵の目には。
失言だった、と判断して。
謝罪しようとしたアックアだったが、うまく言葉が出てこない。
口ごもる両者は、誤魔化すように食事を口へ運んだ。

テッラ「…今日明日は暇ですし、買い出し以外にも出かけましょうか。何処か行きたい所はありますかねー?」

アックア「>>404
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 00:09:55.32 ID:Hf6jNJ6DO
あっそういえばもうあと24時間たたずして来年なんですね、今年もお世話になりましたー
安価スレ見つけました!!

安価は、テンパりながら
「行きたいところがあるから買い出しと言う口実を使ってまでお前を誘ったのである
これは実はデート目的なのである」
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 00:21:35.41 ID:Hf6jNJ6DO
10分たったんで安価上でもいいですかね…?
>>1様的に駄目なら気にせず安価下
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 00:29:59.19 ID:Z4G6ygKho
じゃああんかうえで
406 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/31(月) 01:22:35.78 ID:r8idxc3K0
《今日はここまで。お疲れ様でした》


思いがけぬ質問に、アックアはテンパった。
デートという慣れない状況に、意識に、緊張していたことも手伝って。

アックア「行きたい所があるから、買い出しという口実を使ってまで、お前を誘ったのである」

そんな理由もあってか。
隠し事を好かない彼は、愚直だった。
テッラはきょとんとしながらも、薄く笑んで言葉を受け止める。

アックア「これは、…実はデート目的なのである」

テッラ「…デート、ですか」

アックア「……、…嫌ならば、買い出しを終えて帰っても、…仕方あるまい」

テッラ「嫌でしたら、そもそも貴方と一緒に住んでいませんよ」

のんびりと言って、彼は食事を終えて水を飲む。
『神の右席』を終えて以降は"補充"の必要が無いので、テッラは酒をまったくのまない。

そして、彼らは映画館へとやって来た。
現在上映中の映画は、数本。
まったく系統が違うものばかり。

テッラ「……」

アックア「……」

うーん、と頭を悩ませる。




二人は何の映画を見る?(ホラーなど、ジャンルのみでも可)>>+2
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 01:39:28.12 ID:Hf6jNJ6DO
乙でした、他スレですが某姫神も乙です

kskst
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 02:19:15.38 ID:gqiVevlx0
ホモの恐ろしさがわかるようなやつ
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 15:51:17.14 ID:CcGljY4AO
+
410 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/31(月) 15:51:20.59 ID:ugx0Bv9A0

結果として、命運に任せた。
簡単に言えば、『神様の言う通り』である。
そして、ドキュメンタリーとも恋愛モノともつかない作品に決まった。
面白いかどうかはともかく、一緒に過ごした時間・記憶が重要になる。
ヴェントの言葉を思い返しながら、アックアはテッラと共に上映所へ入るのだった。

スクリーンに映し流れていく物語。
最初こそありがちな恋愛物語だったのだが、段々と内容が変貌していく。
テーマとしては、同性愛が如何に危険なものか、という内容だ。
不健全且つ病気になる恐れが高い、精神的にも異常である、などと。
差別表現こそ使っていなかったものの、啓発に等しい。
世の中の映画には、時々こういったものが紛れている。
動物のほのぼの映画かと思いきや、捕鯨反対運動の映画だったりするのだ。
しかし、テーマがテーマな為、ドンピシャで二人の心へ突き刺さる。
お互い、この同性愛関係が世の中で正しいものとは思っていない。
他人の女を寝盗るよりは幾分かマシかもしれないが、それでも、ローマ正教的には罪に相当する。

映画の後、気分を切り替えるべく買い出しへ。
大型スーパーを歩き、テッラは少々思いつめた表情だった。
彼は敬虔な信徒だ。アックア以上に、この関係を前々から良くないと思ってはいる。

テッラ「やはり、認められない関係ですしねー」

しんみりと呟き、浮かべられた笑みは薄く、弱々しい。
気の利いた言葉をひねり出す事の出来ないアックアは、思うままだけを口にする。

アックア「問題は、認知されるされないでは無い。承認が欲しいのであれば、オフィーリアから既に受け取っている。……例え世界中から咎められようと、私が貴様に好意を向ける事に、一切の曇りも変化も無いのである」

テッラ「…>>412
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 18:31:55.00 ID:zbeg9PeSO
同性愛ってかなり大昔から存在してて、猿とかにだってあるくらいありふれた事象なのに、未だに偏見が完全に解消されないのも変な話だよな?


俺は同性よりちょっと年上の綺麗なバインバインのおねーさんのが好きだが安価↓
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 20:26:03.21 ID:Hf6jNJ6DO
同性の方に人気のある俺はなんなんだ……、ちなみに俺は違うけど同性愛肯定派だったりする

安価なら
そういって頂いて…安心しました
413 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/31(月) 20:40:55.63 ID:MiVmWr3o0
《ペンギンも同性愛カップル居ますしね。両性愛者は許されるのに、同性愛者の方はどうして肩身が狭いのか…まあ歴史的なものですが》


テッラ「…そう言って頂いて…安心しました」

感情と理論は別物だ。
物語に限らず、罪ある関係とわかっていても、人は恋に堕ちれば、愛に狂う事もある。
理論で全てが片付くのなら、それはもはや人間とは言えない。
理論や道徳では割り切れない部分があるからこそ、人は人として生きていける。
理性を持つと同時に、それをも飛び越える激情も、人間に与えられた権利だ。

アックア「…何も案ずるな」

非生産性は、子供を作らないカップルとて同じ事。
アックアは自らの想いを否定しないし、テッラと別れるつもりもない。

テッラ「ありがとうございます」

ほんの少しの照れ混じりに綺麗に笑ってみせて。
テッラは少しだけ勇気を出して、アックアの手を引いた。
傭兵は驚いた後、拒否をせず、歩いていく。




オティヌスは、困っていた。
まさか、サローニャが本気で女を捕まえてくるとは思わなかったのだ。

サローニャ「ちゃんとオティヌスちゃんの要望通り、『細身で明るい髪色で胸があるヤツ』だよ!」

麻袋の中では、がさごそと何者かが蠢いている。
『神の右席』を降りた彼女は、ただの人間。
人間―――前方のヴェントである。

ヴェント「オイコラ、」

オティヌス「………」

どうしろというのだ。
オティヌスは視線を彷徨わせ、少し考える。
と、そこへ面倒臭い悪戯好きが帰って来た。

トール「ただいま。ん? 何の騒ぎだよ」

サローニャ「オティヌスちゃんの恋人候補ちゃんを捕まえて来たの」

トール「へー」

オティヌス「…>>415
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 20:48:12.21 ID:Hf6jNJ6DO
>>1様も両性愛者や同性愛肯定派っぽいですよねー

kskst
415 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/31(月) 20:58:31.10 ID:JJFj2IbX0
本人同士が良いなら良いと思います
だけど百合が好き

安価は
合格!
416 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/31(月) 21:05:36.71 ID:MiVmWr3o0
>>1自身が前者なもので 後同性愛者=男or女なら誰でも って訳じゃないと思う》



オティヌス「…合格! という訳でお前らはあっち行け」

サローニャ「えー」

トール「良いだろサローニャ、こっち来いよ」

麻袋の中を見やり、オティヌスはそう述べる。
追い立てられるまま、トールとサローニャは別室へと消えた。
あちらはあちらで"充実"するだろうから放っておこう、と結論付け。
オティヌスは麻袋の中からきちんとヴェントを出してやった。
彼女は幾つかの拘束霊装で頑丈に身体の動きを封じられていた。

ヴェント「…何が目的よ」

じろり、と睨まれ。
オティヌスは目的が無い為、何か適当にでっち上げようかと考えた。

オティヌス「>>418
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 21:12:01.25 ID:Hf6jNJ6DO
そうか>>1様はバイなのか…ゲイ(レズ)は他姓を"愛せない"人ですからどっちでもよくはないんですよね
由紀恵さんは変態です!
たまに同性に告白されますがマジかノリかが分からない…
418 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/31(月) 21:15:51.79 ID:lpBvxm9E0
>>417

キスを迫って出来たら本気だろ
まぁシてしまった時点で終わるけどね
kskst
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 21:19:52.24 ID:Hf6jNJ6DO
>>418
いや私は普通に異性が好きだからキス迫ろうとは思いませんので…

安価は
サローニャの独断だ
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 21:21:42.13 ID:f2Brg4Tl0
>>419

えっ
421 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/31(月) 21:22:10.44 ID:f2Brg4Tl0
えっ
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 21:53:00.66 ID:Hf6jNJ6DO
>>421
オイマテコノヤロウドウイウイミダ?
俺は普通に男の人に恋慕を抱くんだよ悪いか!
423 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/31(月) 21:57:16.37 ID:E8Sa8X190
>>422

てゆうことは俺にも可能性が…
424 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/31(月) 22:00:57.24 ID:ZK4Lgpit0
《だからDOちゃんは俺のだと何度言えば…ッ  あ、そういえば神浄スレ超えた、やったー》


オティヌス「サローニャの独断だ」

考えた末、正直に話す事にした。

サローニャが恋愛を提案したこと。
自分が適当に返答をしたこと。
サローニャが本気にしてしまったこと。
勝手に動いたサローニャが、このような状況を作ったこと。
ある意味、自分にも責任があるということ。

そこまでを話したオティヌスは、やれやれとため息をついた。
本当に、余計な事ばかりしてくれるものだ。

ヴェント「…はぁ」

オティヌス「……すまなかったな」

ヴェント「…ま、ついでだからアンタの素性も聞いておくコトにする。名前は?」

オティヌス「オティヌス。……、…純粋な魔神だよ。お前は?」

ヴェント「>>426
425 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/31(月) 22:04:08.01 ID:E8Sa8X190
>>424
DOの性別と年齢を見抜いたのは俺だ

426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 22:06:32.98 ID:Hf6jNJ6DO
>>423
二人ともある意味半分アリで、半分ナシです☆
今までに告白されたことなくはないですが、個人の時間が減るとSS読んだりしてこういう風に皆さんと過ごせなくなるんで付き合う気はありませーん

神浄超えおめでたです!

安価は
立場も役目もなくなったただの魔術師だよ
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 22:09:50.29 ID:E8Sa8X190


付き合って自分の時間が減るくらいなら
俺は彼女いらないと思うのだがどうか

友人に言ったらお前はおかしいと言われた

kskst
428 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/31(月) 22:15:54.59 ID:ZK4Lgpit0
《問題は気持ちの強さだよ。 …いや、実際は>>1の嫁は『聖なる右・第三の腕』なので 彼女も彼氏も、好きな人が相手なら付き合うべきでは。無闇に作るものじゃない   今年はお世話になりました》


ヴェント「立場も役目も無くなった、ただの魔術師だよ」

オティヌス「ほう」

ヴェント「…適当にヴェントで良い」

オティヌス「…前代『前方のヴェント』か?」

ヴェント「過去の話よ」

オティヌス「それは過去というより実績と呼称するべきだ」

肩をすくめ、オティヌスは拘束霊装を外していく。
時々ヴェントの胸に触れるなどのラッキースケベはあったが、オティヌスは無感動だった。
というよりも、無感動を装っているというべきか。
ヴェントは、オティヌスのストライクゾーンぎりぎりの範囲内である。

オティヌス「…ところで、現在は何処かの結社に所属しているのか?」

ヴェント「していない。…する必要も無いし。色々見失った」

科学サイドに対しての復讐だとか、色々と。
上条とオフィーリアの仲の良さを見る内に、彼女の復讐心はすっかり削がれた。
と同時に、生きる指針そのものも削がれてしまった。

オティヌス「…まだ結社名は決めていないのだが、此処に残るつもりは無いか? 暫定、『グレムリン』という事になっているがね」

ヴェント「…どういう仕事してんの? 目的は?」

オティヌス「>>430
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 22:19:21.14 ID:Hf6jNJ6DO
個人の時間が減る分、好きな人との幸せな時間を過ごすのが恋愛ですからねー
いつか共通の思い出を作り共通の時間を過ごしたいと思える人に会えるといいですよね

今年もお世話になりましたー、って今年はもう更新しないんですか!?
430 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/31(月) 22:20:44.81 ID:mcUKaP5J0
お世話になりましたー

何故かいつのまにかコテが仲間由紀恵になりつつある
kskst
431 :仲間由紀恵 [sage]:2012/12/31(月) 22:25:31.02 ID:mcUKaP5J0
でも実際付き合うなら自分の趣味を理解してくれる人か同じ趣味の人じゃないとキツいと思う

気に入らないからって物を捨てられたりしたら
たまったもんじゃない

kskst
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 22:30:19.96 ID:Hf6jNJ6DO
……最低限前のグレムリンとは別のことをする予定だ、実際まだ何も特に決まってはいない
433 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/31(月) 23:13:27.15 ID:ZK4Lgpit0
《後もうちょっと更新した、い… 来年もよろしくお願いいたします》


オティヌス「……最低限、前のグレムリンとは別のことをする予定だ、実際まだ何も、特に決まってはいない」

ヴェント「…適当なモンね」

オティヌス「…私としても、現時点では住み込み型保育園を経営している気分だ。差し詰め、全寮制といったところかな」

ヴェント「構成員は?」

オティヌス「私、先程の二人、別所に居る人間が一人。…元メンバー二人は単独で行動しているから、戻ってこないだろうな」

現在、『グレムリン』は少ない人員で経営している。
オティヌス、サローニャ(またの名をヴァーリ)、トール、ウートガルザロキ、フリッグ。
サンドリヨンはマリアンが持って行ってしまったし、ベルシは行方不明。
フリッグに関しては、目的によっては参加しないだろう。
そもそも、前リーダーである『オーディン』が勝手に引き入れたのだから。

オティヌス「…と、そんな訳だ。現在はまだ、こうして遊んで過ごしているだけだが」

ヴェント「…ふーん」

オティヌス「…そうだな、…『世界の危機を救う』とでも目的設定してみようか。わかりやすい」

ヴェント「…」

オティヌス「強制はしないが、残るのであれば生活の面倒は看る。部屋は余っているしな」

ヴェント「>>435
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 23:16:19.29 ID:X1NHekfA0
年越しそば食った?
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 23:26:42.40 ID:Hf6jNJ6DO
私が知ってる限り>>1様の今年のフィアンマスレ25個ありましたー(全部ブックマークしてます)
お疲れ様でした、来年も楽しませていただきます

年越し蕎麦を作るので私はひとまず離脱します、さよならー

安価は
考えとくよ
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 00:07:09.79 ID:SljMxZMDO
一応あけおめとだけ言ってみる
437 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/01(火) 00:18:01.29 ID:i149joDy0
《年越し蕎麦、忘れずに食べてきました(カップだけど) そんなにフィアンマスレ立ててたのか…。 喪中だったのでおめでとうは言えないんですが、本年もよろしくお願いします》


ヴェント「考えとくよ」

オティヌス「そうか」

ヴェント「…でも宿捜すの面倒臭いし、しばらく泊まらせてもらうわ」

オティヌス「好きにしろ」

言って、オティヌスは退屈そうにソファーへ腰掛けた。
彼女は基本的に、サローニャやトールの様子を眺める事で暇を潰している。
時に動く事もあるが、基本的には物見高いのだ。
ヴェントは少し迷った後、空いている部屋へと入る。
そして荷物を適当にバラして配置すると、ベッドに座った。

純粋な魔神など、初めて見た。

ヴェント「…寝よ」

とりあえず、疲れた。
ヴェントは警戒心を撒きつつも、目を閉じるのだった。




サローニャの膝枕に寝転がり。
トールは時々彼の手を触りつつ、会話をしていた。

トール「何で連れて来たんだ?」

サローニャ「恋人候補ちゃんって言った筈だけど?」

トール「それだけじゃねえだろ」

サローニャ「んー。…オティヌスちゃんがやる気出せば、色々と出来るから」

トール「ふーん。何かやりたい事でもあんの?」

サローニャ「祖国の復興は勿論」

トール「なるほど」

サローニャ「他に無い訳じゃないけど」

トール「例えば?」

サローニャ「>>439
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 00:25:41.02 ID:SljMxZMDO
今年もよろしくですね、年越し蕎麦美味しく作れましたよー♪
まぁタレしか作ってないですが、流石に蕎麦は市販です


kskst
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 00:45:48.99 ID:iG116b0Co
恩返しかな
440 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/01(火) 01:00:49.30 ID:i149joDy0
《DOちゃんの茹で蕎麦、か…》


サローニャ「恩返しかな」

トール「当麻に?」

サローニャ「うん」

トール「…って言っても、あっちはあっちで幸せそうだけどな」

サローニャ「うん。私もそう思うよ。…だからね、お金を稼いで仕送りちゃんしたいの」

トール「仕送り?」

サローニャ「…私は、本当はぼっこぼこのギタギタにされて殺されても仕方無かった。でも、ツンツン頭ちゃんは、私を助けてくれた。その勇気は、お金には換えられない。…でも、今のツンツン頭ちゃんは、きっとお金に困ってる」

トール「で、組織で動いて貰ったお金を送る、と」

サローニャ「うん。私の衣食住はオティヌスちゃんに頼ってるしね」

トール「健気だな」

サローニャ「今は好きっていうのとちょっと違うから。ツンツン頭ちゃんには幸せになって欲しいんだ」

『……ロクにスパイなんか出来ないかもしれないのに、どうして私を生かしたの…?』
『…もし、オフィーリアがあの時、あの場所にいたら、きっと形はどうあれお前を助けたんじゃないか、と思ったから』

サローニャ「勿論、ツンツン頭ちゃんが私を助けてくれる要因になったあの人にも」

トール「フリッグちゃんか。…つわりとか酷く無いと良いけどな」

サローニャ「そうだね…」

トール「……」

サローニャ「……って訳で。オティヌスちゃんとあの金髪ちゃんをくっつけたいんだけど、どうしたらいいかな?」

トール「>>442
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/01(火) 02:00:28.76 ID:SljMxZMDO
一口くらい食べますか?
あーんくらいしてあげますよー(笑)

てか寝落ちしてました、布団モフモフ……気持ちいい…
kskst
442 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2013/01/01(火) 02:17:26.66 ID:i149joDy0
《是非お願いします!


今日はここまで。お疲れ様でした

安価下》
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 15:00:02.04 ID:cHwtabPSO
あけでと
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 16:16:11.00 ID:SljMxZMDO
あれ、安価ってまだ続いてる…?
安価なら
知るかよ、俺はヤってから落とすし男専門だ
445 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/01(火) 16:34:27.29 ID:3Ka/GDM90
《あけでとです!》


トール「知るかよ、俺はヤってから落とすし」

何より、と彼は付け加える。

トール「男専門だ」

だから、女の事はよくわからない。
肩を竦めるトールに、サローニャはうーんと唸った。
唸りつつトールの髪を撫で、イタズラに編む。

トール「お前は元女だったし、むしろお前の方が詳しいんじゃねえの?」

サローニャ「…そうかも」

しかし、サローニャは惚れる事が多い。
何をしてもらったから、というのはわかっても、何かをして惚れられた経験は皆無であったりする。

……雷神トールを除いて。

サローニャ「うーんうーん……」

トール「…働けって直談判した方が早いような気がするが、どうかね」

サローニャ「私は下っ端だしにゃーん」

はー、とため息をつく。
そして、トールの顔を見ながら、ふと思いついたように言った。

サローニャ「そうだ、ヤってから落とす作戦ちゃんだ!」

トール「あん?」

サローニャ「1.オティヌスちゃんに媚薬を盛る。2.オティヌスちゃんがムラムラちゃんになる。3.あの金髪ちゃんを夜這いちゃんする。これで既成事実完成!」

トール「>>447
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 17:23:52.80 ID:SljMxZMDO
………魔神にも媚薬って効くのか?
いや良くは知らないんだけどなんとなくさ、オーディンより親しみやすいけど一応魔神だろ?
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 18:59:10.36 ID:G6r22sus0
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 19:07:55.54 ID:cHwtabPSO
効く云々の前に見抜かれそうやん?
449 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/01(火) 19:13:06.15 ID:3Ka/GDM90

トール「………魔神にも媚薬って効くのか?」

オーディンとある意味親しかったトールだが、その手を試そうと思った事は無い。
薬物を盛った事がバレた時点で殺されるから、という理由が最たるものだった。
確かに、オティヌスなら多少盛っても半殺し程度で済ませてくれるかもしれない。
しかし、純粋な魔神は特殊体質だ。だから、通常の人間に対する物が、果たして効果を発揮するだろうか。

トール「いや、良くは知らないんだけど、何となくさ」

サローニャ「…」

トール「オーディンより親しみやすいけど、一応魔神だろ?」

気付けば効果を相殺するだろう。
気づかないにしても、やはり、市販のものでは意味が無いのでは。
興奮剤の大半は、血圧をあげ、脳内物質を分泌させるものだ。

トール「身体が特別なんじゃねえかと思うんだよ」

サローニャ「そっかー…うーん、うーん…あっ、そうだ」

トール「? 何か名案が?」

サローニャ「うん」

サローニャは頷いて、いそいそと準備を始めた。
オフィーリアに通信を仕掛ける為の準備である。




上条が眠ってしまい、オフィーリアは退屈を持て余していた。
彼を起こそうとは思わない。
アルバイトや勉学で疲れている身体を酷使させたいとは、考えない。

フィアンマ(…退屈だ)

それにしたって、暇だった。
お腹の子供はあまりお腹を蹴らないタイプなのだが、一応話しかけてはいる。
だが、それとて限界はある訳で。とにかく、彼女は暇潰しを探していた。

サローニャ『もしもしちゃん』

フィアンマ「…? あぁ、サローニャか」

上条に告白していたところを目撃した時は不安だったものの、今は不安など微塵も無い。
何をしても、どんな人間でも、上条が自分を選んでくれると、自信を持てているから。

サローニャ『うん。今、忙しい?』

フィアンマ「調度暇を持て余していたところだ」

サローニャ『良かった。…魔神の身体について、詳しい?』

フィアンマ「…魔神の身体?」

監禁生活中、オーディンと長く過ごしていたオフィーリアは、魔神についてまあまあ詳しい。

サローニャ『ちょっとご相談ちゃんがあって』

フィアンマ「>>451
450 :仲間由紀恵 [sage]:2013/01/01(火) 19:17:19.82 ID:HVZHOeQd0
酒飲んでまーす酔ってまーすbye20歳
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 19:45:10.08 ID:SljMxZMDO
>>448
トールとサローニャですから…ね?

>>450
バカだー、二日酔いになりますよー?

安価は
まぁそこら辺の魔術師よりは詳しいだろうな
452 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/01(火) 19:54:22.59 ID:3Ka/GDM90
《お酒は摂取量と節度を守って楽しんでくださいねー 果たして恋の媚薬大作戦『プロジェクト=アッポロディシエク』は成功するのか…》



フィアンマ「まぁ、そこら辺の魔術師よりは詳しいだろうな」

サローニャ『はー、良かった』

フィアンマ「…それで、その"ご相談"とやらは何だ」

サローニャ『えーっとね』

"視"られないよう工夫しつつ、サローニャはオブラートに包んで事の次第を話す。

オティヌスの元気が無い事。
心配しているということ。
彼女には、何か原動力が必要だということ。
手っ取り早いのが恋愛だということ。
恋愛にはきっかけが必要だということ。
その為に既成事実を作りたいということ。
必要な媚薬を作るにも、魔神について詳しい人間が居ないとどうしようもないということ。
困った結果、オフィーリアに助けを求めたということ。

サローニャ『…っていう訳なんだけど』

常のオフィーリアであれば、素っ気なく説教をして通信を切っていただろう。
だが、今の彼女は違った。頭の良い暇人程厄介なものはない。

フィアンマ「わかった。…それで? タダ働きとは言わんだろうな」

報酬の要求。
つまり、言外に承諾の返事。

サローニャ『>>454
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/01(火) 20:03:46.60 ID:SljMxZMDO
お酒って飲んだことないんですよねー、ちょっと気になります…

kskst
454 :仲間由紀恵 [sage]:2013/01/01(火) 20:18:06.20 ID:xxmxzGs00
酔ってると自覚できるタイプです!
kskst
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/02(水) 00:44:36.59 ID:ad7dMPaDO
誰も安価取ってないこの驚き…

安価は
勿論!!
456 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/02(水) 01:11:58.90 ID:lQ/XtAKT0
《年始+このスレの内容、人を選びますからね…》


サローニャ『勿論!!』

フィアンマ「具体的には?」

サローニャ『ちょっと不味いけど、魔術的なものを抜きにした栄養ドリンクとか』

フィアンマ「…当麻に、か?」

サローニャ『うん。バイトとかでお疲れちゃんらしいし』

フィアンマ「……ま、妥当か」

あくまでアドバイスなのだから、その程度の報酬で引き受けよう。
頷いて、オフィーリアはサローニャにアドバイスを始める。
サローニャはふむふむとメモを取りながら真剣に聞いた。

曰く、魔神に対しては特殊な材料が必要である。
且つ、一般人では耐えられない程の効き目が見込めねばならない。

サローニャ『うんうん…んーっ、後は盛るだけ…』

フィアンマ「失敗するなよ」

サローニャ『勿論ちゃん。じゃあ、報酬は明日には届くようにしておくから』

言われ、通信が切られた。
精々死ななければ良いが、と思いながら、オフィーリアは腹を摩る。





サローニャ「作業ちゃんにとりかからないとね」

言って、彼はいそいそと準備を始めた。
トールは退屈そうに、そんな様子を眺めている。

トール「作るのは良いとして、バレないように盛れるもんか? そんなに簡単にはいかねえだろ」

サローニャ「そんな事ないよ」

トール「弱点をつけば、ってところか? 大体、オティヌスの弱点なんて何処にあるんだ」

サローニャ「>>458
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/02(水) 02:18:03.53 ID:ad7dMPaDO
あー魔神立場入れ替わりでフィアンマの性転換に、キャラがホモってたり改心したりと…よく考えたらキャラ崩壊半端ないですね…
普通に面白すぎて気づきませんでしたー(褒めっ)
てか普通に俺も前レスから一時間とか放置してますし…寝てました

kskst
458 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/01/02(水) 02:31:45.32 ID:AM/Txd8AO
正直やりすぎた感はあります…。

今日(?)はここまで。お疲れ様でした

安価下
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/02(水) 03:09:02.60 ID:ad7dMPaDO
面白ければすべてよし、やり過ぎ万歳!
乙でしたー

安価は
にゃんこちゃんが好きすぎるところだよ
460 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/02(水) 12:26:15.38 ID:j8Hgrzi/0

サローニャ「にゃんこちゃんが好き過ぎるところだよ」

トール「……猫取って脅す訳じゃねえだろ?」

サローニャ「勿論。そんな脅迫の仕方をしたら、流石に殺されちゃうし」

要するに、猫のせいにしてしまえば問題無いのだ。
確かに、猫がやってしまったのなら、オティヌスはだんまりだろう。
魔神とはそういうものなのか、魔神を目指す過程でそうなるのかは知らないが、彼女もまた、オーディンと同じように傍若無人な部分があり、オーディンと同じように、猫には怒れない。
それを逆手にとり、猫にやらせれば良い。
言いながら彼女はまず、オフィーリアへの返礼用のドリンクを作り。
不味そうなそれを丁寧に瓶へ詰め、魔術を応用して贈る。
同時進行で作っていた媚薬をちゃちゃっと仕上げ、丁寧に漉していく。

トール「いくらお前の扱う術式が『レーシー』でも、猫の手に媚薬の瓶握らせるってのはキツいだろ」

サローニャ「うん。ちょっと無理だね。だから、私はミューズちゃんを使ってピタゴラスイッチちゃんを造る」

トール「なるほど」

サローニャ「トールちゃんも協力して」

トール「…ま、暇だしな」





そんな訳で、セッティングを済ませ。
オティヌスが寝ている間、サローニャはミューズの餌付けを行っていた。
サローニャの手にあるおやつに齧り付き、ミューズはごろごろと喉を鳴らす。

サローニャ「そういえばトールちゃん、ミューズちゃんの性別って女の子ちゃんだっけ?」

トール「>>462
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/02(水) 13:36:41.26 ID:ad7dMPaDO
kskst
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/02(水) 16:10:32.08 ID:3Idl5TGSO
いや知らんけど?つかキ○タマついてるか確認しろよ
463 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/02(水) 18:29:08.04 ID:Ha9x3WbZ0

トール「いや、知らんけど? つーか、キ○タマついてるか確認しろよ」

そっちの方が手っ取り早いよ、とのツッコミに、サローニャはもじつく。
美少女なら可愛い動きだが、今の彼は美少年である。
しかし、トールの目にはそちらの方が可愛く見えるので、問題無いのかもしれない。

サローニャ「下品な言い方しないの、トールちゃん」

トール「…お上品に言うモンでもないだろ」

そんな事を話す子供達を放って、オティヌスは安眠を貪っている。
ただしそれはミューズが上機嫌だからであって、蹴飛ばそうものならすぐに起きだして殺すのだろう。
基本的に、彼女にとって猫>>>>>>人命なのであった。

サローニャ「あ、女の子ちゃんだった」

トール「…前々から思ってたけど天然気味だよな」

サローニャ「? 普通ちゃんだよ」

トール(お前が普通ならフリッグちゃんが天然どころじゃなくなると思う)

サローニャ「うん、餌付け完了。さ、晩御飯作ろう」

ピタゴラスイッチ的配置は済んでいる。
丁寧に漉した媚薬は水にしか見えないので、オティヌスの飲み水として提供するつもりだ。
無味無臭なので、後は猫が軽く飛ばしてしまって料理に混入してしまえば、彼女は絶対に口にする。

トール「頑張れよ」

サローニャ「トールちゃんも作るんだよ」

トール「俺も?」

サローニャ「……ダメ?」

トール「>>465
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/02(水) 19:03:21.99 ID:ad7dMPaDO
デザート(お前)はあるんだろうな?
465 :仲間由紀恵 [sage]:2013/01/02(水) 20:49:11.83 ID:+K/uFCod0
PS3とvita買ったった 安価は上
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/02(水) 23:43:31.08 ID:7S+rdwrt0
>>1の霊圧が消えた
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/03(木) 01:26:12.61 ID:MieDeIfSO
流石の>>1も、連日連夜遅くまで書きつづけていれば内部電源終了、活動限界になるさ…
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/03(木) 01:31:17.97 ID:U7yuZTdDO
まぁ毎日あの量を更進してるのって実はスゴいことですからね…
疲労が溜まって風邪とか引いたんですかね?
469 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/03(木) 02:50:05.48 ID:8cEX4h4F0
《ガチで寝てました 風邪は引いてないんですが意識がログアウトしてました おはようございます》


トール「デザート(お前)はあるんだろうな?」

サローニャ「トールちゃん…」

照れ気味にはにかんで、サローニャはこくりと頷く。
トール程ではないが、彼もそこそこに性行為が好きである。
そんな訳で、少年二人は早速調理に取り掛かる。
水が混入しても気にせず食べられるメニューということで、今晩はシチューである。
濃い目のビーフシチューを作るべく、サローニャはお湯を沸かしつつ、野菜の下ごしらえを始める。
トールものんびりと優しの皮を剥き、肉を一口大に包丁で切った。
途中ミューズが寄ってきた上に足元でねだるように鳴いた為、彼等は人参の皮を丁寧に洗って与えた。
うっかりタマネギを与えかけてトールが怒られたのは内密の話である。

サローニャ「何だかあれだね、新婚ちゃんみたいだね」

トール「>>471
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/03(木) 07:06:00.03 ID:G9Li+B7ko
まぁ、似たようなものだろう
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/03(木) 07:14:36.50 ID:WtwUwD+10
違ったのか?
472 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/03(木) 13:22:33.79 ID:2CcATj6p0

トール「違ったのか?」

サローニャ「…?!」

小さく笑うトールに、サローニャは口ごもる。
彼は何だかんだで恋する乙男なのであった。

沢山の野菜と肉を煮込み、最後にシチュールーを溶かす。
丁寧に丁寧に溶かしていきながら、隠し味にブイヨンを一つ。
もう少し、隠し味にワインをグラス半分だけ入れて出来上がり。
コトコトと煮込みつつ、サローニャはオティヌスを起こすことにした。

サローニャ「オティヌスちゃん起きてー」

オティヌス「…む」

サローニャ「む、じゃないよ」

オティヌス「…朝か?」

サローニャ「夜だよ!」

寝起きのオティヌスの頭が働かないことをいいことに、サローニャは席まで誘導した。
トールも席につき、ミューズを見やる。

そして、数秒後。

ミューズは、ばったん、とオティヌスのコップを倒した。
水の色をしている媚薬は、少量シチューに混ざる。
怒るに怒れず、彼女はそのまま食べた。

トール(よし)

サローニャ(やった!)

オティヌス「……、………何か盛ったか?」

サローニャ「」

トール「」

呑み込んだ後、オティヌスは眉をひそめて問いかける。
対して、二人は言葉を返した。

トール「>>474

サローニャ「>>476
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 00:47:55.36 ID:xobUvLvV0
な、なんにもしてないぜ?(目そらす)
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 01:29:01.96 ID:TS1v5e2k0
媚薬なんて盛ってないんだよ
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 08:29:44.39 ID:9BAlJWKSO
というか何でそう思ったの?

476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 18:40:58.97 ID:9BAlJWKSO
…ごめん、おいしくなかったかな?
477 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/04(金) 20:00:58.47 ID:CaGs5SbU0

トール「媚薬なんて盛ってないんだよ」

サローニャ「…ごめん、おいしくなかったかな?」

落ち込み気味を装うサローニャ。
オティヌスは、そんなことないぞと訂正した上で。
そうして、トールの言動に再び眉をひそめた。

オティヌス「…媚薬?」

トール「」

サローニャ「…」

トール「い゛っ」

サローニャは無言でトールの足を踏む。
トールはズキリとした痛みに口を噤んだ。
スプーンを落とすというカモフラージュをすることで、オティヌスの視線から逃れる。
少々不審に思いながらも、魔神はまあいいやと結論付けて食事を続けた。



恋の媚薬大作戦は危うく失敗するところを掻い潜って成功に終わり。
やや遅効性のそれは、オティヌスがヴェントの部屋を訪問した際に効果を発し始めた。

オティヌス「……、…やはりやられたか。アイツら…」

ヴェント「何かあったワケ?」

仲間割れか何かにしては騒ぎが無かったような、と首を傾げるヴェント。
その仕草がツボ(という名のストライクゾーン)に入りながらも、オティヌスは首を横に振った。

オティヌス「いや、…何でも…」

ヴェント「…っていうか何か話に来たんじゃないワケ?」

オティヌス「ん、…>>479
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:16:39.83 ID:9BAlJWKSO
ksk
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:37:37.17 ID:xBqwggdN0
私の女になれ
480 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/04(金) 20:43:25.38 ID:CaGs5SbU0

オティヌス「ん、…私の女になれ」

ヴェント「は!?」

オティヌス「サローニャの独断であったことは本当だが、…好みの範囲外という訳でもない」

ヴェント「いや、ちょ、」

言いながら、オティヌスは段々と近寄ってくる。
ベッド上に追い詰められ、ヴェントは思わず後ずさった。
神様の領域に足を突っ込んでいるオティヌスと違い、ヴェントはただの人間。
しかも、腕力の見込めない細身の女性だ。
当然、オティヌスの力に勝てる筈もない。
どんどんと追い詰められていく中、ヴェントは慌てて拒絶として手を出した。
頬をぶたれるも媚薬効果でか快感に変換されたことを認識しながら、オティヌスはヴェントを見下ろす。

オティヌス「不服な思いはさせないし、お前も気持ちよくなる様にしてやる」

金品だってどうにかして用意するから、という言葉の響きは艶かしく。
かたかたと身体が震えるのを感じながら、ヴェントは言葉を返す。

ヴェント「>>482
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:59:09.50 ID:9BAlJWKSO
や、やめろっ!わ、私は好きな奴がいんだよっ!だからお前と関係を持ちたくないんだよォォ!!!
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 21:28:48.54 ID:83OCjlKZo
うえ
483 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/04(金) 21:34:37.81 ID:CaGs5SbU0

ヴェント「や、やめろっ! わ、私は好きな奴がいんだよっ! だからお前と関係を持ちたくないんだよォォ!!!」

本気でじたばたと抵抗を始めるヴェント。
対してオティヌスは情欲の治まらないまま、彼女の首筋を撫でた。

オティヌス「わかった」

ヴェント(や、やめる…?)

オティヌス「でも一回だけ」

ヴェント「何をだよ!?」

ヴェントの下衣に手がかかる。
媚薬の内容に不備があったのか、そこで欲情が途切れた。
オティヌスはその体勢のまま、ぴたりと動きを止める。
そして自分と彼女の下衣をきちんと直すと、落ち込み始めた。

オティヌス「私はアイツとは違う私はアイツとは違う…」

ヴェント「お…オイ?」

オティヌス「………」

がっくりとうなだれたまま落ち込む少女。
ちょっとだけ哀れに思いながらも、ひとまず貞操は守られた、とヴェントはほっと胸をなでおろした。

オティヌス「…詫びだ。恋を叶えてやる。…好きな相手とは誰だ」

ヴェント「別に、」

オティヌス「いいから聞かせろ」

ヴェント「…>>485
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:01:48.85 ID:9BAlJWKSO
ないとりーだー(笑)
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:29:53.34 ID:xobUvLvV0
たてみやさん
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:35:49.70 ID:xobUvLvV0
あれ?
そういえばこのスレで建宮出てきたっけ?
487 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/04(金) 22:45:25.75 ID:Y/iLTo+B0
《そういえば出してませんでした》


ヴェント「…タテミヤさん」

オティヌス「…タテミヤ?」

ヴェント「って、名乗ってただけで、詳しくは知らないんだケドね」

オティヌス「ほう。きっかけは?」

すっかり元の体調を取り戻し、オティヌスは悠然と問いかけた。
ヴェントは視線を彷徨わせ、もごもごと答える。

ヴェント「…組織を辞めて以来、…放浪してたんだケド」

オティヌス「ほう」

ヴェント「ちょっとしくじって囲まれて、あーこれは死んだな、っていう状況の時に」

オティヌス「偶々通りかかったにも関わらず颯爽と間に割り入って格好良く倒してくれた、か?」

ヴェント「……」

オティヌス「ありがちだな。つまらん程に」

ヴェント「オイ」

オティヌス「しかし、美談でもある」

まずはその人間の詳細を調べよう、と言い出したオティヌスに聞き出されるまま、ヴェントは情報を話す。

わざわざ黒く染め直した髪を、ツンツンに固めたクワガタのような髪型。
衣類は、白地に斜めの赤十字が染め抜かれたぶかぶかのTシャツに、だぼだぼのジーンズ、
1m程もの長さの靴紐、首には小型の扇風機が四つ。
本来両手持ち用のフランベルジェを片手で軽々と振り回す豪腕。
しかし、細身である。凛々しい面立ち。

オティヌス「…少しサーチをかけてみたが…建宮斎字、か」

ヴェント「……」

ふむふむ、と頷いて、オティヌスはがさごそと部屋を漁る。
そして、カラスの置物のようなものを取り出した。
その中央には水晶玉が嵌められており、オティヌスが指先で数度なぞると、建宮の姿を映し出す。
彼は笑顔で、長身の女性と話していた。スタイルの良い女性は女聖人―――神裂火織。

オティヌス「デフォルトで恋敵。…黒髪の男がモテる風潮なのか?」

ヴェント「……」

オティヌス「アプローチを仕掛けよう。…おい、何を落ち込んでいる?」

ヴェント「>>489
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:46:24.60 ID:sqYgXuSN0
無理だー…マジ無理だー…
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:05:09.69 ID:tmlCCmDN0
>>488

490 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/04(金) 23:14:03.63 ID:Y/iLTo+B0

ヴェント「無理だー…マジ無理だー…」

オティヌス「気弱になりすぎだろう」

ヴェント「…いや、だって比較してみろよ。身長、胸、立場」

オティヌス「……ふむ」

ヴェント「……はー…」

オティヌス「会話を聞く辺り、奴らは組織のリーダーと部下…というよりも、リーダーと準リーダーのようだが。恋仲には発展しないんじゃないか? 親しいの度合いが違う」

ヴェント「慰めなんか要らないわよ…」

オティヌス「聞けばわかる」

オティヌスは言いつつ、指先で水晶玉に触れる。
そのまま数度こすると、ヴェントの耳に建宮と神裂の声が聞こえてきた。

神裂『いつもすみません、任せきりで…ありがとう』

建宮『女教皇様が別件で忙しいことはわかりきっていることなのよな。お任せください』

オティヌス「…ほら、部下と上司…精々、仲間程度の会話だろう?」

ヴェント「…そうみたいね」

だからといってどうアプローチをかけろというのか、とヴェントはため息を漏らす。
こちらはあちらのことをある程度知ることが出来ても、イコールあちらと親しくなる訳ではない。

ヴェント「どう近づけってのよ。私はローマ正教所属…天草式十字凄教とは相容れない」

オティヌス「宗派の違う禁断の恋か…」

ヴェント「ドラマ感覚で目を輝かせてんじゃねえよ」

オティヌス「そうだな…アプローチ…>>492
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:18:30.48 ID:9BAlJWKSO
とりあえず、目一杯お洒落して、たまたま近くまで来たんでーとか言って会いに行き、この前のお礼に、と食事にでも誘え。
んで、色々話して、やっぱ好きだと思えたなら連絡先交換してこい。

とりあえず、今できるのはそれくらいだろう。なんなら通信術式を耳につけて行け。適宜アドバイスくれてやる
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:37:36.17 ID:xobUvLvV0
493 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/04(金) 23:50:16.23 ID:Y/iLTo+B0
《今更というか言い訳なんですが、文法的に繰り返し等の部分は変えたり、付け足し・削減してます 悪意あって安価内容を改変している訳では…》


オティヌス「そうだな…アプローチ…とりあえず、目一杯お洒落して、"たまたま近くまで来たんでー"とか言って会いに行き、この前のお礼に、と食事にでも誘え」

ヴェント(…ハードル高い…)

オティヌス「んで、色々話して、やっぱり好きだと思えたなら連絡先交換してこい。ひとまず、今できるのはそれくらいだろう。なんなら通信術式霊装を耳に着けて行け。適宜アドバイスくれてやる」

ヴェント「……と、…とりあえず、明日ね。…明日」

オティヌス「頑張れよ。…実らん恋は、………虚しいからな」

言いながらオティヌスはカラスの置物らしき霊装をしまいこみ、がさごそとポケットを漁る。
コートのポケットの中から出てきたのは、一見して黒いだけのピアス。

オティヌス「明日出かける際には、これを着けて出て行け。縦をイメージして魔力を流せば循環する」

ヴェント「……ドーモ」

ヴェントは比較的素直に受け取り、じろじろとピアス、もとい霊装を眺めた。




ヴェントの部屋から出たオティヌスは、リビングへとやって来た。
まず最初に行ったのは、トールへのヘッドロックである。
オティヌスの形の良い、しかし控えめな胸が顔に押し付けられ、トールは嬉しさもなくむぐぐと暴れる。

オティヌス「貴様ら…!!」

さすがは魔神、といったところか。
殺られる、と他者に思わせるには充分なオーラが放たれている。
実際にが殺さないのだが。

トール「ぐ、っぐ…さ、サローニャ、俺がやられてる間に行け…!」

ばっちり死亡フラグを決め込むトール。
実を言うと、彼はこういった死亡フラグの乱立が好きだったりする。
あまりにも立てすぎているので、生存フラグへ転化していなくもない。

サローニャ「>>495

494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:52:24.89 ID:9BAlJWKSO
ごめんね…!トールちゃん!貴方の事、好きだったよ…!ダッ
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 00:04:18.46 ID:tv5fvzCO0
貴方をおいてなんていけないよ
496 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/05(土) 00:10:18.20 ID:Rg377bM30
>>493 ×にが ○には》


サローニャ「貴方を置いてなんて行けないよ…!」

トール「いいんだ、俺はもう…ッぐう」

オティヌス「命乞いをするなら今の内だぞ? ん?」

これではオティヌスが悪者のようだが、正直に言えばサローニャ達が悪いのである。
ヘッドロックががっちりと決まり、やがてがくりと意識を絶たれるトール。
そんな少年の身体を無残に捨て置き、オティヌスは隻眼から放たれる鋭過ぎる視線をサローニャへと向けた。
びくつきながら、サローニャは一歩下がる。オティヌスが一歩踏み込んだ。

オティヌス「…タダで済むと思うなよ。…恨むなら、トールがやられている間に逃げなかった自分の愚かさを恨むんだな」

サローニャ「ひっ……うわああああああああああああああああああっっっ!!!」





そんな訳で、翌日なのであった。
翌朝、オティヌスは魂の抜けた死骸(死体ではない)を横目に、朝食であるトーストをもぐもぐとかじる。
ヴェントがのろのろと部屋から出てきた。
目一杯おしゃれ…といっても、彼女はそもそもあまり服の持ち合わせが無い。
強いて言えば霊装以外のピアスを全て外しているのが幸いか。

オティヌス「…その格好では男は堕ちんぞ」

ヴェント「う…」

オティヌス「行きに服を買って行け」

ヴェント「…わかった」

言われるまま、彼女は外へ出る。
オティヌスはのんびりと通信準備を待った。

一時間程して、繋がる。
どうやら今現在、服屋に居るらしい。

ヴェント「…で、どんな服着りゃイイのよ?」

オティヌス「何故キレ気味なんだ? …ふむ、…>>498
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 00:19:18.79 ID:tv5fvzCO0
きいろのワンピ
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 00:36:15.52 ID:kZxZX0y3o
しろのワンピ
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 00:39:30.60 ID:kV5Hb30SO
そーだなー…ヴェントはスレンダー系のいいスタイルだから、体のラインがよくわかるタイプがいいだろう。

季節感を考えつつ、全体的に優しめな服調がいい。

ゲームやら何やらでやたらとデートで服選びする時『白いワンピース』が出るが、あんなもん、私に言わせれば場違いだ。
対象となる女性にあったイメージ、服、季節感、スタイルでコーディネートしなければただの痛い奴だわ!ガン
500 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/05(土) 00:42:19.89 ID:Rg377bM30

オティヌス「何故キレ気味なんだ? …ふむ、…白のワンピースだ」

ヴェント「…白の?」

オティヌス「そうだが? 何か問題でも?」

ヴェント「……」

オティヌス「魔術的なものであれば問題無いぞ。最悪、私が守ってやる」

ヴェント「頼もしい…ってコトでいいのか」

オティヌス「その前にタテミヤが守ってくれそうではあるが。……ちなみに昨日のあれで見ているからな」

ヴェント「……、」

大丈夫なんだろうか、色々と。
そんなことを思いながら、ヴェントはいそいそと服を選定する。

一着目は、フェミニンな印象の白いワンピース。
二着目は、薄手の透け素材…と見せかけたそれなりに機能性のあるワンピース。
三着目は、白いワンピース風のシャツ。一応分類としてはワンピースシャツだろうか。

どれも彼女の見目とスタイルには合っている。
サイズも合っているが故に、迷わざるを得ない。

ヴェント「……っていうか白いワンピースが多すぎる。もっと絞れよ。…こん中からでもいいケド」

オティヌス「>>502
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 00:54:10.25 ID:kV5Hb30SO
後で、これとまた組み合わせるんだ。それに、お前が着たいと思えるもの、お前のセンスで服を選ばねば意味はないからな
502 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2013/01/05(土) 01:22:19.26 ID:Rg377bM30
《今日はここまで。お疲れ様でした 安価下》
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 01:24:46.72 ID:kV5Hb30SO
乙↓
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 01:30:28.75 ID:kqOee9Obo
乙でした

1着目のやつかな
あとはそれに合うバッグと帽子かな
505 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/05(土) 15:37:14.58 ID:Zk+d5ngq0

オティヌス「1着目のやつかな」

ヴェントの様子を眺め、オティヌスは答える。
ヴェントはその言葉に従い、他の二着を片付けた。
これで良いのかと思う彼女に、続けざま指示が飛ぶ。

オティヌス「後は、それに合うバッグと帽子かな」

ヴェント「バッグ?」

オティヌス「と、帽子。…右通路だな」

言われるがまま、ヴェントはてくてくと歩いていく。
入り込んだのは小物ゾーン。
バッグ、小物、安いネックレス等が陳列されている。

ヴェント「……」

しばし、悩んで。

薄黄色の鍔の広い帽子。
フェミニンなワンピースに印象ごと合わせたもの。

黄色のケリーバッグ。
上品な印象のもの。

黄色いパンプス。
こちらはバックリボンが着いていてなかなかに愛らしい。

オティヌス「黄色ばかりだな」

ヴェント「一番似合うんだから仕方ないでしょ。…着慣れてんのよ」

白と黄色という色に包まれた彼女はタグを取ってもらい、着替えて外に出る。

オティヌス「その進行方向を左」

ヴェント「ん」

言われるまま、てくてくと歩いていく。
そして、オティヌスが仕組んだ通り、偶々一人で歩いていた建宮とぶつかった。

オティヌス(日本国の漫画ではありがちだったな)

すっかり物見高く楽しんでいる魔神である。

建宮「ああ、だ、大丈夫なのよな?」

焦った建宮が、手を差し出す。
ヴェントは緊張しつつ言葉を返した。

ヴェント「>>507
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 18:34:59.45 ID:tv5fvzCO0
だ、大丈夫です///
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 19:22:01.70 ID:kV5Hb30SO
す、スミマセン///私、よそ見してて…って、貴方はあの時の//?
508 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/05(土) 19:30:40.66 ID:Zk+d5ngq0

ヴェント「す、スミマセン」

顔を赤くしながら慌てるヴェント。
偽りの演技ではなく、本気で照れている。
ヴェントはおずおず、本当に慣れていない様子で、建宮の手を取る。
そうして視線を合わせ、わたわたと言った。

ヴェント「私、よそ見してて…って、貴方はあの時の?」

未だ顔を赤くしているヴェント。
建宮はしばし彼女の様子を眺め、はたと気がついた。

建宮「おお! いつだったか囲まれていたご婦人よな?」

ヴェント「あ、ああ、あの時はお世話にというかお手間をおかけし、えっと、」

テンパる彼女は、ぺこりと頭を下げる。
建宮はちょっぴり照れくさそうに、苦く笑う。

建宮「いや、困っている女を見捨てるのは男のする事じゃねえのよ」

オティヌスは少し考えて、彼女に指示を下す。

ヴェント「あの、っ、でも私の気が済みませんし、この前のお礼に食事でも…忙しかったらごめんなさい」

どれだけ強力な魔術師であったにせよ。
ヴェントは今や、ただの純真な女性である。
今までお礼の言葉や物をいくつも頂いた建宮だったが、女性から食事へ誘われた経験は無かったのか、視線を彷徨わせる。
脈があるじゃないか、とオティヌスはのんびり思った。

建宮「>>510
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 19:45:44.89 ID:cChiWSjN0
アサヒスーパードライ美味しいのか不味いのかわからん

安価は 喜んで
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 19:52:43.35 ID:tv5fvzCO0
511 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/05(土) 19:59:35.22 ID:Zk+d5ngq0
《ビールは好みのような気が…》


建宮「喜んで」

建宮はそう返答し、ようやく気がついたように手をそっと離した。
きちんと立ち上がったヴェントは手で服の汚れを払い、誘えた喜びに打ち震えながらも、さてどうしようかと悩む。
別に金はあるのだが、何処に行けば良い店があるのかわからない。

オティヌス「そこの先を右に曲がるとイタリア料理、左に曲がると和食だったように思うが」

ヴェント「どう配慮するか、ね」

オティヌス「…お前のホームグラウンドの方がやりやすいんじゃないか?」

料理を残すのはマイナスイメージ。
ということで、ヴェントは建宮と共にイタリア料理店へ向かうことにした。
人から敵意を向けられる道を選んで生きてきたヴェントには、どう話せば人が楽しむか、勝手が掴めない。
どうにか世間話をこなしていきつつ、料理店へ。
建宮はタバコを吸わないタイプなので、禁煙席。

サローニャ「うぅ…オティヌスちゃん、…元気になったみたい…?」

トール「他人の恋愛事で盛り上がれんのは女の特権だろうな…っ痛てて…」

二人の少年の言葉を聞くでもなく、オティヌスは楽しそうに水晶玉を見つめる。
ヴェントと建宮は向かい合った二人がけの席に腰掛ける。
その日のおすすめのメニューを注文して、お冷が運ばれて。

ヴェント「…何について話せば良いのよ」

オティヌス「そうだな…>>513
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 20:33:58.39 ID:kV5Hb30SO
そんな俺の酒盛りする時毎回選ぶビールはアサヒスーパードライ。
私のおじいさんがくれた初めての酒、それはアサヒスーパードライで私は4歳でした。
その味は荒々しく、辛味、苦味がきいてる味でこんな素晴らしい酒をもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。
今では私がおじいさん孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。

なぜなら彼もまた特別な存在だからです。

安価↓
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 21:55:10.52 ID:kV5Hb30SO
この自分の寒いギャグの滑りっぷりが心地いい…///


安価なら
まず、そのクワガタの容姿について聞いてみろ。奇抜な格好をしてる、お洒落っぽい格好の奴は大半、自分の『見た目』の話に食いつく。

んで、褒めても大丈夫そうなら、お世辞、リップサービスと思われない範囲で褒めろ。人間褒められて嫌悪感を持つ奴はそんなにいない。
514 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/05(土) 22:05:21.88 ID:fYolWQZb0
《最後まで改変しきっていればこんな事には…》


オティヌス「そうだな…まず、そのクワガタの容姿について聞いてみろ。奇抜な格好をしている、お洒落っぽい格好の奴は大半、自分の『見た目』の話に食いつく」

ヴェント「なるほど」

オティヌス「んで、褒めても大丈夫そうなら、お世辞、リップサービスと思われない範囲で褒めろ。人間褒められて嫌悪感を持つ奴はそんなにいない」

人間誰しも、けなされれば腹が立ち、褒められれば気分を良くする。
第一印象が悪いのであれば褒めても意味は無いが、良いのならば効果を発揮する。
くれぐれもリップサービスと思われない範囲内でだぞ、と言われ、ヴェントは頷きこそしないものの承諾する。

ヴェント「そういえば、どうしてその髪型のセットにしているんですか?」

天草式十字凄教といえば日常に溶け込む衣装では、と首を傾げる。
内心は地雷を踏まないかヒヤヒヤとしているヴェントだが、幸いにも建宮はのんびりと穏やかだった。

建宮「教皇代理として、前に出る立場なのよな。だから、後ろ姿で尚目立つように…との配慮の意味合いだ。まぁ、必ずしも効果を発揮しているかどうかは未定だが…」

おしゃれというよりは、仲間への配慮だったらしい。
ヴェントはよくよく考えて、一生懸命褒めてみる。

ヴェント「配慮が出来る事は大切だと思います。前に立つ器で、それでいて仲間思いなんですね」

優しさと格好良さを兼ね備えていて、素敵です。


慣れない敬語、慣れない褒め言葉。
だけれどもどうにか笑みを形作るヴェントに、建宮は僅かに顔を赤くして黙り込む。

ヴェント「…あ、…あの…?」

ヤバいマズったか、と顔にこそ出さないものの、焦るヴェント。

建宮「>>516
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 22:07:25.57 ID:kV5Hb30SO
ksk
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 22:20:18.85 ID:kZxZX0y3o
そんなこと言われたのは初めてなのよな
517 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/05(土) 22:30:07.43 ID:fYolWQZb0

建宮「そんなこと言われたのは、初めてなのよな」

ヴェント「そ、そうなんですか…? むしろ言われ慣れてるかなって、…あの、悪い意味じゃなくて、その、」

建宮「…ありがたいことよな」

へら、と笑むその顔は嬉しさが伝わる柔らかなもの。
射抜かれた様に数秒固まり、そのヴェントの視線を遮るように、料理が運ばれてくる。
そこで一旦話を打ち切り、ヴェントは食事へ目を向けた。
正直、緊張してしまってロクに味もわからない。
やっぱり自分はこの男が好きなのだと自覚しながら、ヴェントは少しずつ料理を口にする。

ヴェント(わ、話題話題話題…)

模索してみるも、浮かばない。
そういえば、相手方は自分の正体、もとい前職歴を知っているのだろうか、と思う。
そして次に、建宮は立場的に恋愛すべき立場ではないのでは、とも。
根が後ろ向きであることも手伝い、ヴェントの思考は沈んでいく。

ヴェント「…感触は悪く無い。でも、連絡先を交換して連絡したら、迷惑なんじゃ…ほら、…この、…タテミヤさんの立場的に…」

はぁ、とため息をつきながらも、オティヌスは支援する。
少しでも長く、自分が楽しむ為に。

オティヌス「>>519
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 22:42:18.69 ID:kV5Hb30SO
ハゥ…。いいか?相手の立場なんてもんを考えるのは『さっさと落としてから』だ。脈ありなら尚更な

向こうがそういうのを気にする、あるいは問題があるタイプなら、普通自分から断りを入れるし、直接聞くのはNGだ。

そういうのはお前がアプかけていけばその内わかるし、なんなら機を見てそれとなくフェードアウトしてく感じで身を引けばいい。

とにかく先ずはやるだけやってから、だ
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 23:10:47.43 ID:kqOee9Obo
うえ
520 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/05(土) 23:19:47.67 ID:fYolWQZb0

オティヌス「はぁ…。いいか? 相手の立場なんてモンを考えるのは『さっさと落としてから』だ。脈ありなら尚更な」

ヴェント「……」

オティヌス「向こうがそういうのを気にする、あるいは問題があるタイプなら、普通自分から断りを入れるし、直接聞くのはNGだ」

ヴェント「……」

否定形は無い筈の彼女は、だんまりだった。

オティヌス「そういうのは、お前がアプかけていけばその内わかるし、なんなら機を見てそれとなくフェードアウトしていく感じで身を引けばいい」

そして、まとめるように彼女は言う。

オティヌス「とにかく先ずはやるだけやってから、だ」

経験談のような、どこか信頼のおけそうな語調。
やるだけやってみる。
その言葉を認識し、ヴェントはわかったと承諾した。


料理を食べながら、味について話をする。
しょっぱめの味付けが好きなのか、パスタについては少しだけ味が薄いとの感想。
些細な情報も漏らさずにしっかりと記憶しながら、ヴェントは言葉を返していく。
人を怒らせるのはともかく、楽しい気分にさせる会話は、なかなかどうして難しい。

ヴェント「…と、もうこんな時間ですね。長くお引き止めしてすみません」

建宮「今日は休みというか、問題も無かったし、大丈夫なのよな。それに、美人と話が出来てこちらとしては得したのよ」

ヴェント「びじ、」

切羽詰まりかけて、彼女は今がタイミングだと感じ取り、言う。
そう、そうなのだ、連絡先を聞かねば。

ヴェント「あの、…連絡先を教えていただけませんか……?」

建宮「>>522
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 23:26:24.01 ID:kV5Hb30SO
ksk
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 23:27:02.76 ID:kZxZX0y3o
自分でいいのなら喜んで交換させていただくのよな
523 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/05(土) 23:39:04.13 ID:fYolWQZb0

建宮「自分で良いのなら喜んで交換させていただくのよな」

ヴェント「! あ、ありがとうございます」

安堵の笑みを浮かべ、両者は連絡先を交換する。
連絡先といっても、科学サイドの産物たるケイタイデンワーではない。
十字教のそれを応用した、暗号による判別式の通信用霊装の暗号だ。
それを紙に綴りあい、互いに眺めて覚える。

建宮「ん…よし、完了なのよな」

ヴェント「機会を見て連絡しますね」

建宮「お待ちしています」

どこか格好つけたように言って、彼は明るく笑った。
ヴェントは本心からはにかみ、立ち上がる。




支払いを済ませ、別れ。
帰路を進みながら、ヴェントはようやくゆっくりと息を吐きだした。

ヴェント(…まぁまぁうまくいった…ハズ)

オティヌス「なかなか良かったぞ」

ヴェント「流れが?」

オティヌス「流れが」

ヴェント「そ」

そんな事を話しながら、ヴェントは無事、帰って来た。
連絡先を脳内で繰り返し、そそくさと部屋へ消える。

オティヌス「……ふむ」

後は手出し無用だろうか、と魔神は首を傾げた。












雨が降っていた。
人の気配の無い学園都市の街の中で、二人の『木原』と、二人の少年少女が対峙していた。

ベルシ「……」

病理「あら、あらあらあら…復讐にでも来たんですかー?」

マリアン「死にたくないなら退いた方が良いよ。…ま、殺さない事も出来るんだけどさ」

少女は工具片手に垣根を見据える。
垣根は、少女に視線を返した。
自分がどけば、病理は殺される。

垣根「>>525
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 23:42:05.63 ID:kV5Hb30SO
…テメーらいい加減に暴れんのやめろ。ここ病院だぞコルァ
525 :小ネタ:病条さんの不安  ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2013/01/06(日) 01:46:17.26 ID:moyAIJB70

上条(オフィーリアが今日こけそうになった)

上条(階段なんか無くなれば良いのに)

上条(オフィーリアがかがまなきゃいけなかった)

上条(自動販売機なんが滅びれば良いのに)

上条(オフィーリアが火傷しかけた)

上条(電気コンロは安全じゃねえのかよいい加減にしろ)

上条(オフィーリア、子供産む時に死んだりしないよな?)

上条(もしオフィーリアが居なくなったらどうしよう)

上条(ちゃんと子供の面倒は看るけど、)

上条(どうしようどうしようどうしよう………)

フィアンマ「…ま」

上条(オフィーリアが居なくなったら不幸に逆戻りじゃねえか…嫌だ嫌だいやだ…)

フィアンマ「当麻、」

上条(オフィーリアを外に出さない方が良いよな、この前の御坂のこともあったし)

フィアンマ「…当麻」

上条(万が一怪我とかしたらさせられたら俺は…)

フィアンマ「…当麻、ご飯だぞ」

上条「……はっ、……ああ、ごめん。ちょっと考え事してた」

フィアンマ「? そうか」




《今日はここまで。お疲れ様でした。

安価下》
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 01:47:17.29 ID:HiClo++Mo
おつ
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 01:48:14.77 ID:HiClo++Mo
ごめんあんかした
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 02:40:09.25 ID:31ZhnnBG0
さてお前ら…この俺学園都市の第二位に喧嘩売るということは、殺されても構わないんだな?
529 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/06(日) 14:15:12.30 ID:1bxkfJPh0

垣根「さて、お前ら…この俺、学園都市の第二位に喧嘩売るということは、殺されても構わないんだな?」

傘を病理に受け渡し、垣根は鋭い眼光で眼前の二人を睨み付ける。
彼は術後経過が良かったということで、ようやく退院出来たのだ。
そして、偶々スケジュールの合致した病理と共に、自宅へ行こうとしていた。
仕事以外で人死にを出す事は好かないが、自分や親しい周囲に危害を加える人間については、別だ。
別に、病理に何の非も無いだろうとは、思っていない。
相手方にとって何らかの、それこそ病理を殺すだけの理由があったのだろう。

ベルシ「出来れば子供に手はあげたくなかったが、」

病理「相変わらず加群ちゃんはべったべたのあっまあまですね?」

ベルシ「ッ、」

病理「あの日の事を恨んでいるんでしょう? だって、仕方が無いじゃないですか。"木原のクセに"まっとうな教師なんかやられてちゃ寒くて堪らないです」

ベルシ「……やはり、その為だけに、あの子を唆したのか」

病理「ええ。諦めさせることは、特技ですから」

邪悪な笑みを浮かべる女性は、傘を差したまま楚々としている。

垣根「…どういうことだ」

ベルシ「そこの女は、…私が教職に就いてまっとうに暮らしている、そのことを駆逐する為に、一人の少年を唆した。そして、その子は通り魔という形で、私の生徒を襲った。……そして、そういった事情をわからずに、…私は、あの子を殺してしまった」

病理「結局、戻って来てくれましたね」

研究者側に。
そううっすらと笑う笑みは、実に邪悪で。

垣根「……、」

マリアン「…私はただ単に、ベルシの手伝い。殺されても仕方が無いだけの理由があるんだし、諦めた方がいーよ。アンタがそこの女とどういう関係性かは知らないけど」

垣根「>>531
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 16:47:12.05 ID:9wqnLVd60
いや、どうかねぇ。母親の命ってのはどんな時でも諦めちゃいけねぇもんだと思うぜ?


……えーと、親戚にあたんのか。叔父さんとか?



kskst
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/06(日) 18:00:46.21 ID:nB0HJgMSO
……わりぃな

そんな悪党でも俺のたった一人の母親なんだ。母親見す見す殺させる息子がいてたまるかよ

どーしても殺りたいなら俺を殺してからにしろクソッタレども
532 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/06(日) 19:14:00.86 ID:zjCFje200

垣根「……悪りぃな」

木原病理がどんな人間か。
垣根帝督は、そんなことを身に染みて理解している。
理解しきっている。
彼女は、殺されても仕方の無い方の人間だ。
きっと第三者から見れば、こちらが八割以上悪いに違い無い。
わかっている。判断出来ている。
自分だって、悪党だ。それも、お世辞にも一流とは言えないだろう。

垣根「そんな悪党でも、俺のたった一人の母親なんだ」

だが、垣根は譲らない。
物事の善悪、自分が立っている場所のことも。
理論を超えた部分で、此処を退くわけには、いかない。

垣根「母親をみすみす殺させる息子が居てたまるかよ」

目の前の人間からは、病理への殺意しか感じられない。
自分に対しては、微塵も殺意を向けてなど居ない。

垣根「どーしても殺りたいなら」

彼の背に負われているのは、白い翼だった。
どこかメルヘン染みたそれは似合わないと、垣根は自覚している。

垣根「俺を殺してからにしろ、クソッタレども」

ベルシ「マリアン、お前は無力化を頼む」

マリアン「りょーかい」

軽い返事をして、彼女は踏み込んでくる。
そして、工具を振るった。

垣根「な、に…?」

翼の内、一つが丸められていた。
どういう原理でこうなっているのか、わからない。

病理からありとあらゆる攻撃手段を剥奪したことに、垣根は今更ながら後悔する。
この二人を殺さねば、平穏は無い。

垣根「ち、」

翼を広げ、烈風による攻撃を行う。
平然と両者は防ぎ、男は右手を伸ばす。
伸ばされた右手の人差し指と中指から、青白い光の刃が飛んだ。
病理に向かう。木原病理は、何も思っていなかった。全てを、諦めている。






垣根はどうする?>>+2
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 19:14:15.46 ID:NiRDomt6o
ksk
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 19:15:52.42 ID:tPnbDGy00
身を挺して庇い 
覚醒
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 19:20:10.47 ID:nB0HJgMSO
病理さんの前に未元物質の壁をと繭を5重で展開、同時に未元物質の剣でベルシとマリアンに攻撃。(剣を振り切った時にビルが斬り倒されるように)
536 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/06(日) 19:25:32.90 ID:zjCFje200

垣根は自分を能力で保護しながら、刃の前へ躍り出る。
どういった原理なのか、いまいち防ぎきれない。
左肩に刃が食い込み、激痛に歯を食いしばる。
どうすればいい。どうすれば勝てる。どんな攻撃をすれば、良い。

垣根「ッ、……ろす」

殺す。
呟きながら、彼は翼を僅かに動かす。
垣根帝督の瞳が、不気味に紅い光を見せた。
白い羽はそのままに、髪の色が金を超えてやや白く染まる。
天使というよりは、死神の様な見目だった。
そのまま振り下ろされた翼は、一撃必殺のもの。

激しい衝撃と共に、周囲の地面がえぐれ、クレーターを作った。

これで、殺せただろう。
そう思う垣根だが、ベルシの身体には傷一つ無い。
致命傷は、かえって、彼に効かない。

垣根「な、に…? fyxguzhwiaq何…な…vgsq、…」

ベルシ「……、」

動いたのは、男ではなく少女だった。
懐から何かを捻り出して、工具を振るう。
小さなブロックか何かだったそれは、人間へと早変わりする。
そして、両手がチェーンソーのような形をしていた。

マリアン「行ってらっしゃい☆」

場違いに明るい声と共に、人間兵器が怯えた表情で襲いかかってくる。
垣根は一撃にて打ち払い、けほけほと噎せる。

病理「…>>538
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 19:28:02.40 ID:NiRDomt6o
ksk
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 19:28:59.25 ID:nB0HJgMSO
まぁまぁ、ていとく?もう諦めちゃいましょうよ

こんな母親庇っても録な事ないですよ?

…お願いだから、これ以上傷つかないで
539 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/06(日) 19:34:56.37 ID:zjCFje200

病理「…まぁまぁ、ていとく? もう諦めちゃいましょうよ」

困ったような、女性の声。
垣根は未元物質で造り出した剣を手に、眉を潜める。
病理は笑って、諦めて、言う。

病理「こんな母親、庇っても碌な事無いですよ?」

事実、彼女はそう思っている。
母親らしいことなど、ほとんどしてこなかった。
そして、この復讐は実に正当性のあるものだ。
全てを傷つけて諦めさせてきた自分が諦めて死ぬのは、当然のこと。

それに。

木原病理は、ようやく日常という平和の中に溶け込んだ垣根帝督を、自分の息子を。
もう、暗部に連れ戻したくなかった。
何より、もう、傷ついて欲しくなかった。
思わず、本音が漏れる。

病理「…お願いだから、これ以上傷つかないで」

彼女に残された肢体である腕が、震える。
剣でもってマリアンと打ち合いながら、垣根は不愉快そうに言葉を返した。

垣根「>>541
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 19:36:03.83 ID:nB0HJgMSO
ksk
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 19:42:43.20 ID:F8c+D6K00
生きること諦めないで死ぬこと諦めやがれクソババァ!
>>535
542 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/06(日) 19:58:47.39 ID:zjCFje200

垣根「生きること諦めないで死ぬことを諦めやがれ、ッ、クソババァ!」

言って、木原病理の前に未元物質の壁と繭を5重で展開する。
これで攻撃を通すことは難しい。ほぼ不可能になる。
剣を握ったまま、マリアンとベルシ、双方へ斬りかかった。
握っている剣はいくらでも増減・加工が可能だ。

垣根「xhgfegywuihsjoaqッッ…!」

言語化出来る程度の低級な思考の、その向こう側へ。
触れてはいけない、到達してはいけない場所の最奥へ。

自分に出来ないことがあるなどと思うな。
今の自分なら、全力を出した一方通行に勝利することだって出来る――――ッ!」

マリアン「ま、っず、」

ベルシ「っ、マリアン!」

垣根の剣を避けた。
だが、ビルが倒壊してくる。斬り倒された。
『加工』が間に合うか、とマリアンは工具を抱えた。
一発一発は細かい攻撃、故にベルシは彼女をかばえない。
まだ、死ぬ訳にはいかないから。復讐を、終えていないから。





>>+2のコンマ一桁で決定  

0〜4 マリアン=スリンゲナイヤー無力化

5〜9 『加工』が間に合い、垣根が攻撃を受ける
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 20:00:39.87 ID:NiRDomt6o
ksk
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 20:03:41.94 ID:nB0HJgMSO
はて
545 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/06(日) 20:17:40.30 ID:zjCFje200
《ご協力ありがとうございます。 20:03:41.9『4』 結果:マリアン=スリンゲナイヤー無力化》




多少の『加工』は間に合えど、脚をやられた。
思って、マリアンは謝罪の言葉を零した。

どうやら私は、リタイアみたいだ。

ベルシは冷静に頷き、光の刃を再び垣根達に向ける。
一発一発が致命傷を起こす垣根の攻撃は、ベルシと相性が悪い。
ベルシはその身に施した術式の恩恵により、致命傷は喰らわないのだ。
ビルの破片によって多少傷つけられたベルシではあったが、その程度で彼は止まらない。
元より、復讐を終えてまで生き延びようとは思っていないのだから。
復讐を終えると共に死ぬ、それこそが彼の理想形。

垣根「ッ、」

ベルシ「…、」

刃が跳んでくる。
それは垣根の足止めだけでなく、未元物質の盾を削る効果もあった。
5重ものそれは、がりがりと削られていく。
大きな攻撃にはいくらでも耐えられるが、段々と削られていくことに、盾は耐えられない。
垣根は剣を振るって、斬りかかる。ベルシは、対して懐から取り出した剣で堪える。
特殊な加工(要するに霊装なのだが)を施されているそれは、垣根がいかに力を籠めようと折れない。

垣根「っっ……」

ベルシ「……例え何を喪おうとも、私は退くつもりはない。君は悪いが、ヤツと私が死ぬことで、あの子への弔いになる」

前を向く為に、ではない。
後ろを振り向く為に。
手向けの為の、復讐を。

垣根「…>>547
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/06(日) 20:21:13.69 ID:tPnbDGy00
死にたいならテメェ独りで死にやがれ三下ぁぁぁぁ!!(垣根の頭上に天使の輪が)
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 20:38:07.75 ID:nB0HJgMSO
ならねーよ

死んだ奴のために何かしたって、死んだそいつには何一つ届きゃしねぇんだから。
…弔いだの手向けだのってのは、結局のところ生きてる奴の自己満足だ。

お前はただ、行き場のない怒りをぶつけて自分が楽になる先を探してるだけだろ

元教師のクセに、復讐の為だけに生きる事の愚かさがわかんねーのかよ?もっぺん道徳の教科書でも読み直せタコ

…後よ、お前の体がどーいう理屈で守られてるかわかんねーけど、アイアンメイデンみてーなのに閉じ込められたら…流石に戦闘不能だよな?
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 20:39:26.94 ID:jNGcfAUX0
もんむすくえすとのアイアンメイデンになら
閉じこめられたいです
549 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/06(日) 20:54:04.86 ID:zjCFje200
《ググってしまった エロ過ぎワロタ》




「…ならねーよ」

吐き捨てるように、彼は言う。
何故なら、彼も同じ道を歩もうとしたことが、あったから。
自分が殺した子供達の為に、誰かに復讐しようと、思った。
だが、その前に彼は気づいたのだ。その行為に、何の意味も無いことに。

「死んだ奴のために何かしたって、死んだそいつには何一つ届きゃしねぇんだから。…弔いだの手向けだのってのは、結局のところ生きてる奴の自己満足だ」

何をしたところで、死者は死者。
復讐をしても、ありがとうと喜ぶでもないし、どうしてこんなことを嘆く訳でもない。

「お前はただ、行き場のない怒りをぶつけて自分が楽になる先を探してるだけだろ」

垣根の腕に、手に、力が篭る。
剣が、形を変えていく。段々と、剣とは呼べない形態へ。

「元教師のクセに、復讐の為だけに生きる事の愚かさがわかんねーのかよ? もっぺん道徳の教科書でも読み直せタコ」

きっと、ベルシには、垣根と同じか、それ以上の苦悶があって。
人生を賭けてでもやりとげたい復讐なのだろうと、垣根は思う。
その相手が垣根に何の関係も無い人間なら、協力してやっても良い。
だが、そうではない。妥協する訳には、いかない。

「…後よ、お前の体がどーいう理屈で守られてるかわかんねーけど、アイアンメイデンみてーなのに閉じ込められたら…流石に戦闘不能だよな?」

言って、剣が完全に形を変えた。
ベルシには致命傷程の大ダメージは意味をなさない。
だが、『細かい傷』が積み重なれば、いずれ失血死することは確定だ。
剣が形を変えて作ったものは、『鉄の処女』。
あるいは、未元の処女とでも言おうか。

「ッ、何、」
「……は、」

垣根は一瞬剣に篭める力を抜き、ベルシの身体を突き飛ばす。
『未元の処女』に囚われ、彼は針に貫かれていく。
このまま失血すれば、当然ながら、人間である彼は死に至る。

ガラリ、と音がした。
ビルの建物、そのゴミ破片の中から、マリアン=スリンゲナイヤーが地べたを這い出てきた。
そして、目撃する。ベルシが、まもなく死に至るということを。
最早、何を気にする余裕も無い。彼女は淡々と、ギリリと歯ぎしりをして、みっともなく這いずったまま。
一本の刀剣を取り出し、僅かに抜いた。

ドグン!! という音を、自覚した。

垣根帝督と木原病理の心臓が、止まる。

「あ…?」

本能的な、恐怖。
あの剣に殺されてしまうくらいなら、自分で死んだ方が良い。

一瞬にして、一転攻勢。

「ベ、ルシ…」

垣根帝督は、先に完全に彼女を叩きのめしておくべきだったのだ。
垣根が視線を逸らせば、木原病理もまた、意識を喪っている。心臓が止まっているのだろう。

(く、そ……)

ここまで、来て。
勝利を確信したというのに、負けるのか。

そんなことを考えながら、倒れたままの彼の前に、誰かが立った。
そして、調子を確かめるように、数度"特別な右手"を握る。

「…れ、…だれ、だ…?」

掠れた声で、問う。
恐怖で、目を開けられない。

「……>>551
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 20:57:01.31 ID:J5/6X2nm0
神浄の討魔
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/06(日) 20:57:47.56 ID:xBMorKuno
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 21:07:21.76 ID:xBMorKun0
もんむすくえすと オススメです
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/06(日) 21:07:58.32 ID:xBMorKuno
専ブラ入れ忘れた
554 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/06(日) 21:08:58.75 ID:zjCFje200
《なかなかいいerg…》


神浄「……神浄の討魔」

そう呼ばれる時も、ある。
言って、彼は垣根から離れ、マリアンへ歩み寄っていく。
演算は出来ないが、それだけで、垣根は呼吸がきちんと確保されていくのを感じた。

「…抜くなよ、マリアン」
「……もうすぐベルシは死ぬ」
「もうすぐ、だろ?」

神浄は、マリアンに何事かを言った。
マリアンはしばらく黙って言葉を聞き、彼を見上げる。


神浄が去った時。
そこには、木原病理と垣根帝督だけが居た。
気づけば、雨も止んでいる。
目を開けた。どういうことだ、と垣根は首を傾げる。

垣根「……何だったんだ、今のは…?」




上条「ただいま」

フィアンマ「お帰り。…早かったな」

言いながら、オフィーリアは回復準備をしていた。
事の次第は、彼女が暇潰しに『虚空年代記』を通して友人の様子を眺めていたことから始まった。
垣根と病理が襲撃されているのを見て、オフィーリアは動こうとした。
病み上がりとはいえ彼女を外に出す訳には、と必死で食い止め、上条は垣根の下に走り。
そして、今に戻る。

マリアンとベルシは大人しく治療をされている。
ベルシに至っては、血液量が足りないので、ぐったりと意識を失っていた。

マリアン「……」

フィアンマ「…とんでもないものを取り出すものではない」

マリアン「…>>556
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 21:17:35.32 ID:/SYN22Vw0
だって…
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 21:18:18.26 ID:nB0HJgMSO
…ふぁーっく、ふぁーっく、ふぁっきー…ん。今すぐ抜いてやろうか?
557 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/06(日) 21:32:33.75 ID:zjCFje200

マリアン「……ふぁーっく、ふぁーっく、ふぁっきー…ん。今すぐ抜いてやろうか?」

フィアンマ「いきり立ったところで無駄だぞ。俺様にも当麻にも効かんからな」

マリアン「……ちっ」

むすくれてそっぽを向く黒小人。
フィアンマは増血剤の錠剤をベルシの口の中へ押し込み、術式を完遂させていく。
段々と二人の怪我は癒されていき、万全とは言い難いが、ほとんどが治る。
自らの意思で増血剤を噛み砕き、ベルシは目を覚ました。

ベルシ「…此処は」

フィアンマ「一般的な学生寮だ」

ベルシ「……、」

フィアンマ「…あの時は世話になったな」

ベルシ「…そうか。良かったな…ぐ、」

上条と結ばれて良かったな、と素直にオフィーリアを祝福して。
しかし、起き上がろうとして、ぐったりと彼は倒れる。
まだまだ、血液が足りない。貧血症状だ。

フィアンマ「…当麻がお前達を此処まで連れてきた。そして、俺様が治療した」

ベルシ「……」

フィアンマ「…お前が復讐しようと思った理由は、わかった」

ベルシ「…そう、か…」

フィアンマ「…相手を殺すだけでなく、自分も死ぬことを前提としたその復讐の考えは真っ当だと、思う」

ベルシ「……」

フィアンマ「…だが、…あの女は、俺様の友人の母親なんだ。……諦めてやっては、くれないか」

ベルシ「しかし、」

フィアンマ「死者を想って復讐をしようとすることがどのような人間を作ってどのような結果を産むか、忘れた訳ではあるまい」

上条が殺した、魔神が、居た。
ベルシは、木原加群は、沈黙する。

フィアンマ「…復讐と同義語はな、幸せになることだ」

ベルシ「………」

フィアンマ「お前が殺してしまって悔やんでいる相手には、自分の寿命が尽きてから謝れば良い。その眠りまで妨げようとは言わん。だが、現在においては」

ベルシ「…おいては…? 最も良い方法が、どこにある…」

卑屈だな、とオフィーリアは思う。
あるいは、復讐に駆られる人間は皆そうなのだろうか。

フィアンマ「お前を好いている女の傍に居てやれ。そして、死んだ後、謝るが良い」

ベルシ「そんな相手など、」

フィアンマ「居るじゃないか。今さっき、俺様に挑戦的な文句を言い放った女が」

即ち、マリアン=スリンゲナイヤー。
彼女は顔を真っ赤にしてわたつく。

マリアン「>>559

ベルシ「>>561
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 21:36:54.02 ID:nB0HJgMSO
ksk
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 21:38:38.74 ID:J5/6X2nm0
えっ!あの、その!えっと!ええええ!?
あたし!あのその!うえええ!?
なんでばれた!?
560 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2013/01/06(日) 21:43:41.38 ID:zjCFje200
《今日はここまで。お疲れ様でした 安価下》
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 21:46:14.78 ID:J5/6X2nm0
落ち着け!落ち着け!!!落ち着くんだぁぁぁぁ!!!
562 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/07(月) 19:27:48.44 ID:R8Sfahu20

マリアン「えっ! あの、その! えっと! ええええ!? あたし! あのその! うえええ!? なんでばれた!?」

わたわた。
パニック最高潮のマリアン。
彼女につられてしまったのか、ベルシも慌て気味に制止する。

ベルシ「落ち着け! 落ち着け!!! 落ち着くんだぁぁぁぁ!!!」

マリアン「」

いつにないベルシの切迫した声にひとまず黙るマリアン。
何故バレたも何も、とオフィーリアは笑顔で首を傾げる。

フィアンマ「バレバレだったぞ?」

上条(…覗いたってのもあるんだろうな)

確信がある辺り、と思う上条。
マリアンは視線を彷徨わせ、逃げ出そうとした。
ベルシはオフィーリアから増血剤の錠剤を受け取って噛み砕く。
無理やりにのろのろと身体を起こし、マリアンの手首を掴み、引き止めた。

ベルシ「……、…私のような人間を、…好きでいてくれたのか」

どっかで聞いた会話だな、と上条は他人事のように思った。

マリアン「…当たり前だろ。出会った瞬間からとは言わないけど、……私は、…ずっと、ベルシが好きだったよ」

ベルシが死ぬと判断して、ダインスレーヴを抜く程に。
彼女は、ベルシのことが好きだった。
力の底上げをしたのも、復讐の手伝いをしたのも、復讐を終えて尚、彼に生きていて欲しかったからだ。

マリアン「でも、別にそれに応える必要はナシ。……私はほら、恋愛とか似合わないし、」

ベルシ「>>564
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 19:53:11.33 ID:ntLx/s1DO
kskst
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 20:08:28.14 ID:gQlxZd/p0
私でかまわないのか?
565 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/07(月) 20:24:24.01 ID:R8Sfahu20

ベルシ「私で構わないのか?」

マリアン「…え?」

やっぱりどこかで聞いた会話だな、と上条はやっぱり他人事のように思う。
案外、どんなカップルも闇を抱えていればこういう会話に落ち着くのかもしれない。
マリアンは疑問の感情を瞳に宿し、ベルシを見つめる。
仮面を取り、木原加群、もとい普通の男性として、彼はマリアンを見つめ返した。
マリアンはしばらく考えて、顔を真っ赤にしたまま、言う。

マリアン「構わないも何も、…私はそもそも、ベルシしか好きじゃないよ」

ベルシ「……、…マリアン…」

ベルシは、彼女の性格をよく知っている。
敵にはどこまでも残虐で、冷たくて。
その代わりに、身内や好きな相手には献身的で優しい少女であることを。
彼は沈黙して、錠剤を呑み込む。
そして壁に手をついて立ち上がると、オフィーリアを見やった。

ベルシ「…世話になったな」

フィアンマ「これで借りは返したつもりだ」

先生、と笑って。
そんな少女に穏やかな笑みを返し、彼はマリアンの手を引いて家を出て行った。
上条が施錠に向かった間に、オフィーリアは血液などを片付け、術式に使ったものを撤去する。
上条はベルシ達の姿が見えなくなるまで見送った後にドア・鍵を閉めて戻って来た。
調度掃除を済ませたオフィーリアは、上条を見上げる。

フィアンマ「当麻」

上条「ん?」

フィアンマ「縁結びの神様になろうと思うんだが、どう思う?」

上条「>>567
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 21:18:52.51 ID:ntLx/s1DO
縁結びの神(そんなもの)にならなくても、既に俺の女神だよ(キリッ イケメンA+
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 21:28:05.00 ID:tMC2WXYk0
オフィーリアに会えなくなるなら却下
568 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/07(月) 21:33:48.35 ID:R8Sfahu20

上条「オフィーリアに会えなくなるなら却下」

フィアンマ「当麻らしいな」

くすりと笑って、オフィーリアはベッドに腰掛けた。
そのまま、ぽふりと上体をベッドへ預けてしまう。
だいぶ大きくなっている自分の下腹部を優しく摩った。

フィアンマ「…もうそういったものに固執はしていないが」

神様だとか、神上だとか。
そんなものを目指すより、上条の傍に居る方が余程楽しい。
そして、幸せだから。別に、神様の領域へ足を踏み入れようとは思わない。
大体、そんなことをすればオティヌスと勝負になりかねない。
修羅場や戦いからは、もう遠ざかりたかった。

フィアンマ「……人を助けている時の当麻が一番格好良いな」

この話題で喧嘩をしたこともあったか、とオフィーリアは思い返す。
あれについてはもうお互いの意思を確認しているので、もう喧嘩にはならないだろう。

上条「>>570
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 21:35:56.62 ID:ntLx/s1DO
俺なんかよりも人を救ってるオフィーリアの方がカッコいいというか、美しいと思うよ
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:02:43.44 ID:atok4GXm0
>>569

571 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/07(月) 22:09:25.47 ID:R8Sfahu20

上条「俺なんかよりも、人を救ってるオフィーリアの方がカッコいいというか、美しいと思うよ」

フィアンマ「…俺様のは病気だからな」

上条「俺もほとんど病気みたいなもんだよ」

フィアンマ「んー」

自分に美しさは無いだろう、とオフィーリアは首を傾げる。
そしてやや猫撫で声で、自分の下腹部へ話しかけた。

フィアンマ「お父さんの方が格好良いだろう?」

上条はそっと、彼女の下腹部に触れてみる。
まるで肯定するように、トン、とお腹を内側から蹴る音が聞こえた。

上条「……そうかな」

照れくささに苦笑する上条。
オフィーリアは穏やかにはにかんで、こくりと頷く。

幸せだ。




オティヌスは悩んでいた。
いつもの魔神スタイルではなく、以前のセータースタイルにて、学園都市内に居たのだった。
何をしに来たのかというと、携帯用ゲームが見たくてやって来たのだった。
お供はというと、トールである。

オティヌス「…お前の好みそうなゲームがあるぞ?」

ほら、と彼女が指差した先。
所謂BでLなゲームだった。

トール「>>573
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:12:49.27 ID:atok4GXm0
リアルが充実してるからいらない
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:13:00.30 ID:A/ooOrhSO
あー…、いいわ。俺3次元で満足出来てるしな
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:13:56.16 ID:ntLx/s1DO
あー無理無理、ゲームってなんだかんだで第三者視点だろ?
俺は自分が参加したいし、ぶっちゃけゲームよりリアルでヤりたい派だから
575 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/07(月) 22:17:28.33 ID:R8Sfahu20

トール「あー…、いいわ。俺3次元で満足出来てるしな」

オティヌス「そろそろ落ち着くつもりはないのか?」

トール「えー。落ち着くって何が」

オティヌス「サローニャとくっつくだとか」

トール「好みだし相性も良いけど、それとこれとは別」

セックスは趣味みたいなもんだから、とトールは肩を竦める。
彼はどこまでもアウトローでフリーな人格だった。

トール「…っていうか、あの黄色いやつの支援はやめたのかよ?」

オティヌス「だいぶうまくいっているからな。むしろ、余計な手出しをしては良くない」

トール「ふーん。で、暇潰し道具を探しに来た訳か」

オティヌス「正直ミューズが居ればそれで良いのだが、あまり構い過ぎてもストレスになろうだろうし」

トール「そりゃそうだ」

片や、世界を指先一つで滅ぼす力を持つ、純粋な魔神。
片や、個人でもって戦争という状況を体現する雷神。

しかし、こうした光景を見ていれば、そうとは思えない。
完全に日常に溶け込んでいる。

オティヌス「…すっかり甘くなってしまったものだ」

上条に毒されたかな、とオティヌスはぼやく。
特殊な右手カップルは、どうにも彼女を腑抜けさせてしまった。

トール「だからってやりてえこともないんだろ?」

オティヌス「>>577
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:19:10.64 ID:A/ooOrhSO
ヤりたい事はあるけどなキリッ
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:20:37.63 ID:atok4GXm0
>>576

578 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/07(月) 22:28:03.96 ID:R8Sfahu20
《今日はここまで。お疲れ様でした》


オティヌス「ヤりたい事はあるけどな」

きりっ、という効果音つきの表情。
何だかな、と思いながら、トールは首を傾げる。

トール「可愛い女と?」

オティヌス「ああ」

トール「…学園都市の、引っ掛けんの?」

オティヌス「迷っている」

呟いて、彼女は所謂百合ゲーを手に取る。
愛らしい女の子達がキスをしているパッケージだ。
うーん、と考える素振りを見せている彼女はなかなかに美人なのだが、リアルで引っ掛けるつもりは無いらしい。

オティヌス「私は一途だからな」

トール「…一途?」

オティヌス「何だ?」

トール「いや、別に」

そういえば結構引きずってるもんな、とどこぞの隻眼男を思い浮かべ。
トールはオティヌスの様子を眺める。

トール「お眼鏡に適う女の子の性格、何か希望とかねえの?」

オティヌス「>>580
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:29:38.74 ID:A/ooOrhSO
別に男でも構わないがな…
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:32:41.52 ID:d7dGk/HS0
そうだなぁ…お、あそこの眼鏡巨乳なんかストライク
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:46:52.17 ID:fY7X5Uzq0


眼鏡巨乳というと固法さんか寮監さん?
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:48:12.30 ID:A/ooOrhSO
乙鉄装さん、親船(娘)とか?
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 22:56:37.49 ID:PgfUGafqo
天使のことっしょ
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 23:53:42.71 ID:8D4QT61V0
風斬さんですサーセン
585 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 18:24:01.99 ID:MQUV2PCb0

オティヌス「そうだなぁ…お、あそこの眼鏡巨乳なんかストライク」

トール「あん?」

魔神が指差した先。
そこにはどこか気弱そうな少女が居た。
長いストレートヘアから一房だけ束ねられた髪が伸びており、知的な眼鏡を掛けているが、多少ずり落ちている。
オティヌスが言った通り、かなりの巨乳だ。
かといってトールのお眼鏡とはそもそも色・系統が違う子だが。
そもそも男ではないので、トールとしてはどこがいいのか納得出来ない。

トール「…あの子?」

オティヌス「…可愛いじゃないか? ちょっと透けているが」

そわそわとしている辺り、本当にドンピシャなのかもしれない。
ちなみに彼女の好みは気弱でもいいから優しいタイプである。
見目・内面共に優しい感じの子が大好きなのであった。

風斬(やっぱり…色んなものが、ある…)

プレイは出来ないものの、見ていて楽しい。
動物を育てる系の、所謂育成ゲームのパッケージを読み、彼女はふふふと柔らかく笑う。

オティヌス「」

ずきゅん、と胸を打ち抜かれ。
オティヌスはよろめきそうになりながら、少女―――風斬氷華を見つめる。

トール「…おい?」

オティヌス「………」

トール「……オティヌス?」

オティヌス「おい、あの女を手篭めにする方法を考えろ」

トール「そんな無茶な、」

オティヌス「早くしろ」

猫にするぞ、という謎と恐怖に満ちた脅しを受け、トールはうんうんと考える。
これだから魔神は嫌なのだ。

トール「>>587
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 18:30:30.23 ID:DUMq7h7SO
つかお前ヴェントにあんだけアドバイスしてたんだから自分でやれよ

俺は男専だからわかんねーよ
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 19:12:12.67 ID:9aLFhwV60
>>586

588 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 19:27:36.90 ID:MQUV2PCb0

トール「つか、お前ヴェントにあんだけアドバイスしてたんだから自分でやれよ」

ふと思い出し、トールは指摘する。
ついでにいえば。

トール「俺は男専だからわかんねーよ」

こちらが本音である。
男のオとした方ならまだしも、女のオとし方などわからない。
考える必要は無いし、これまでだって考えてこなかったし、これからだって考えない。

オティヌス「使えんな」

トール「……」

魔神はどいつもこいつも身勝手なやつばっかりだ。
思いながらもトールはやれやれとため息をつくのみ。
オティヌスはうんうんと考えて、ひとまず手にしていたゲームソフトを元の棚に戻した。
そしてトールから離れると、風斬に恐る恐る近づいていく。

オティヌス「…あの、」

風斬「は、はい?」

オティヌス「えっと、」

本命を前にすると尻ごんでしまうのがオティヌス少女であった。
トールはやる気なくがんばれー、と応援していた。

風斬「?」

オティヌス「>>590
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 19:28:28.98 ID:mZcPVATC0
で、デートしてくだしゃい!
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 20:01:38.43 ID:p3LLdXV4o
うえ
591 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 20:08:53.68 ID:MQUV2PCb0

オティヌス「で、デートしてくだしゃい!」

雷神魔神((か、噛んだ))

風斬「デー…? で…デー、ト…?」

風斬は単語の意味を理解するまでに数分かかり。
そうしてようやく、混乱を始めた。
何せ、ナンパという経験が初めてなのである。
以前であればともかく、きちんと自我が目覚めた今、感情はいたって人間的なものだった。
えっ、あっ、と視線を彷徨わせる風斬。
オティヌスはどう見ても少女だ。
水色のセーターにクリーム色のベスト、牛柄っぽいミニスカート。
医療用眼帯を右目にしている彼女は、どう見ても男性ではなかった。
もしかすると、所謂男の娘というものなのかも? と風斬は首を傾げる。

オティヌス「お願いします」

日本人の習慣を思い出し、ぺこ、と頭を下げるオティヌス。
風斬はデートというものをしたことがないので、同性同士のそれはデートという呼称にはならないのでは、と思った。

オティヌス「……」

ふるる、と震えている。
彼女は本気だった。
珍しく、一目惚れだった。
容姿ではない、動物に関するゲームソフトを見ていた時に風斬が零した、優しい笑顔に、だ。

風斬「…>>593
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 20:09:41.39 ID:nnRZoTFk0
良いですよニコ
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 20:45:41.27 ID:/nxLAv2jo
え、と… 一緒にお茶とかで良いんでしょうか?
594 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 20:51:24.80 ID:MQUV2PCb0

風斬「…え、と…一緒にお茶とかで、良いんでしょうか?」

よくわからないまま、風斬はそう問いかける。
そもそも彼女は友人が少ないし、恋人などもっての他。
未だに自分は化け物だと思い、自覚のある彼女にとって、揶揄ではないこうした誘いは嬉しい。
そして、学校に在籍しながらも通う必要の無い自分にとっては、時間など余る程だった。
ただしお金が無い、と視線を困ったように彷徨わせる風斬。

オティヌス「勿論。まずは友人からでお願いします」

彼女の隻眼が輝いた。
見目に似合わぬ年齢だったとしても、恐ろしい魔女だとしても。
結局のところ、彼女はどこまでも割とピュア(笑)な少女なのだった。

風斬「…今から、ですか?」

いつでも良いのけれど、いつが良いのだろう、と風斬は考える。
オティヌスはにこにこと笑み、こくんと頷く。
そしてトールの方を向くと、無表情で追い払う様な手の動きを見せる。
トールはうっすらと笑みを浮かべ、外に出た。




どちらを描写しますか?

1.トールサイド

2.オティヌスサイド



>>+2
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 20:57:04.20 ID:DUMq7h7SO
いっそ同時中継でも面白かったかもな
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 20:57:24.94 ID:BMInVdke0
>>1なら両方出来るよね(ゲス顔)
597 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 21:05:55.92 ID:MQUV2PCb0
《はーい、よーいスタート(棒読み)》


オティヌスはドギマギとしながら、風斬を連れて外に出る。
既にトールは見当たらなかった。
子供ではないのだし(年齢的には子供なのかもしれないが)、放ってオティヌスは進む。
向かう先は、お値段がちょっとお高いカフェだった。
お高いだけあって、煩い客は居ない。
お金の持ち合わせが無い為に恐縮気味の風斬は、店員に案内されるまま、席へ腰掛けた。
オティヌスも向かいに腰掛け、まずは風斬に術式を適用して実体化させてしまう。

風斬「え…あれ…?」

オティヌス「…、細かい事は気にせずに」

言いながら、彼女はメニュー表を差し出した。
おしゃれなメニューを受け取り、風斬は急に実体を持った自分の身体に首を傾げながらも、注文に悩みあぐね始めた。
オティヌスは和やかな微笑みを浮かべて、風斬を、見つめる。



外に出た雷神トールがすべきことは一つ。
即ち、好みの男をしれっとナンパすることである。
帰ればサローニャが待っているが、たまにはつまみ食いがしてみたい。
一人相手に留まるのは、どうにも趣味に合わない

トール「んー……」

てくてくと歩いていく。
何処かに好みの男は居ないものだろうか。
きょろきょろと見回す。てくてくと、進む。

トール「お」

ふと、足を止めた。
なかなかに、好みの男が居る。




好みの男は誰?(禁書キャラ。1名)>>+2
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:08:52.91 ID:KjYQhk7S0
浜面
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:12:33.82 ID:nq3UbLTM0
土御門
600 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 21:18:17.28 ID:MQUV2PCb0

身長は180cm前後。
染めたと思われる金髪。
胡散臭いサングラス。
アロハシャツの向こうに透ける逞しい身体。
しかし、見たところ、トールと同じ程度の年頃。
上条当麻のクラスメートである。
その名も、土御門元春。
タイプだ、とトールは思う。
土御門の様子をよくよく観察して、考える。

トール「んー…」

さてここは、そのまま近づくべきか。
しかし、見た様子ではノンケっぽい。
となれば、女の格好で近づき、路地裏へ引っ張り込んだ方が良いだろうか。
体格はまずまずだが、自分が負けることはないだろう、とトールは思う。






どんな女の子に化ける?>>+2
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:19:25.19 ID:X8mZp8490
この前見かけたメイド服の女の子(舞夏)
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:26:02.12 ID:nq3UbLTM0
オリアナ
603 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 21:34:48.71 ID:MQUV2PCb0

男子高校生。
それも、日本人の憧れといえば、金髪美人だ、とトールは考えている。
別に自画自賛という訳ではなく。

胸が大きく、反して手足は細く。
尻はきゅっと締まっていて、金髪は甘い巻き髪。
そして、露出の多い服装。

オリアナ(トール)「…と、これでいいかな」

一度見かけたことのある抜群のグラマー美人を真似てみた。
自分はまるで興味を持てないが、大体の男は興奮するに違い無い。
ミニスカートにはスリットが入っており、ガーターベルトはだいぶむき出し。
とてつもなくエロティックな格好だ、とトールは自負する。

オリアナ(トール)(後は誘うだけだ)

土御門はというと、家に向かっていた。
しばらく舞夏は来ないし、隣人はいちゃついているし、正直もう色々と投げ出したい程に荒んでいる。
ぶっちゃけていうと、帰りたくなかったりする。
そんな彼へ、トール扮するオリアナは声をかけた。

オリアナ(トール)「ねぇ、そこの坊や」

土御門「にゃ?」

誰だ、と土御門は振り返る。
そして、オリアナを見、大覇星祭の際の事件を思い出して警戒した。

土御門「今度は何の用だ。誰に雇われた」

突然敵意をむき出しにされ、トールは首を傾げる。
誰かと勘違いされているらしい。
はたまた、参考にした女性と面識があったのか。

オリアナ(トール)「>>605
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:37:11.91 ID:nq3UbLTM0
そういや面識あったな

kskst
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:40:45.30 ID:Af1j+38Bo
今日はお仕事じゃないのよ
606 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 21:44:27.94 ID:MQUV2PCb0

オリアナ(トール)「今日はお仕事じゃないのよ」

そう微笑んで、トールは一歩進む。
土御門は後ずさる事なく。
時々素直にトールの脚や胸元へ目を向けた。
土御門は周囲を見渡し、オリアナが危険でないかどうかを、判断する。

土御門「……。…で、仕事じゃないなら何なのかにゃー?」

そして、ふざけ口調に戻した。
いつも通りのスタイルへ。
トールは安堵しながら、にこやかに誘う。

オリアナ(トール)「…お姉さんね、すっごくムラムラしてるの。気持ちヨぉくしてあげるから、付き合ってくれない…?」

やや前かがみで、胸の谷間を見せながら。
スカートのスリットに細い指先を差しこみ、トールは誘う。
オリアナの色っぽい仕草に、セリフに、土御門の股間と心臓が反応した。

オリアナ(トール)「タダでいいから…ね? ほら、ホテルも近いもの」

土御門「>>608
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:48:02.44 ID:mrC6iFTo0
男に抱かれたくないにゃー
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:49:29.90 ID:/nxLAv2jo
609 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 21:53:22.54 ID:MQUV2PCb0

土御門「男に抱かれたくないにゃー」

反応しながらも、土御門は見抜いていた。
それは、彼本人が多重スパイとして、人を騙して生きているからこその審美眼。
トールは目を瞬かせ、小さく笑った。
そして、オリアナという名の仮面をぶち壊して、姿を現す。

トール「何だ、バレてたのかよ。つまんねえな」

土御門「こっちもそれなりに修羅場潜ってるもんでにゃー」

言いながら、土御門は一歩下がる。
魔術を使っても、相性が良くない。
土御門が最も得意とする魔術は、水を使ったもの。
そして水は電気を通してしまう。
そうでなくとも、発生までにタイムラグがある土御門は辛い。
純粋な体術でやりあうにしても、土御門よりトールの方が実力は上だ。

土御門(ま、まずい…)

ヤられる。
今更になって、だらだらと冷や汗を流しながら、土御門は追い詰められていく。

トール「まあ、そうビビんなよ。男のヨさってやつ、教えてやるから、さ」

土御門「>>611
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:54:41.10 ID:mrC6iFTo0
嫌だ、ちょおま、やめろ!
(手コキ、フェラそしてアッー)
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:56:17.43 ID:nq3UbLTM0
お、落ち着こうぜい?

まずは、話し合おうではないか
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 21:57:30.91 ID:HJ6oUsizo
お断りだ

おとこわりじゃないぞ
613 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 22:03:28.10 ID:MQUV2PCb0

土御門「お、落ち着こうぜい?」

こうなっては、口で言い負かすしかない。
そう、抱きたくないと、萎えさせれば良いのだ。
暴言では、かえって興奮させるかもしれない。
暴漢相手には冷静な会話が必要不可欠だ。
そして、冷静な態度でいれば、ヤられないはず。
頭脳をフル回転させながら、土御門は制止するように両手を出す。

土御門「まずは、話し合おうではないか」

トール「話し合う、か」

ふふ、とトールは笑う。
その笑みを見た者の背筋が、びくりと震えるような、淫靡な笑み。

トール「いいぜ、存分に話し合おう」

土御門「……」

希望を抱く土御門。
そして雷神は、乱暴にその希望を叩き折る。

トール「肉体同士で、な」

肉体言語。
その単語が指し示すのは、一つの行為。

土御門「い………いやだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアッーーーー!!!!!」






絶叫がハウリングして僅かに耳に届き、風斬はびくりとする。

風斬「…何か、喧嘩…とか、かな…?」

オティヌス「恐らくそうだと思う」

適当な相槌を打ち、オティヌスはカフェオレを啜る。
風斬も、倣う様にしてカフェモカを飲んだ。
チョコレートソースのたっぷり溶けたそれは、甘い。

風斬(…うん…おいしい…)

ふにゃ、とババロアのように柔らかい笑顔。
オティヌスは堪えた。
手を出してはならぬ。

オティヌス「……」

ヴェントのアドバイスにはノリノリだったが、こと、自分の恋愛に、オティヌスはうまく踏ん張れない。
そうしてもたついている内に、相手は別の誰かに惚れてしまうのだ。

風斬「あの…どうして、その…でー…デート、なんて…?」

どうして、自分なんかにお誘いを?  


そういった趣旨の質問に、オティヌスは一生懸命言葉を選んだ。

オティヌス「>>615
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 22:11:08.83 ID:DUMq7h7SO
乳がデケーからオラわくわくがとまらなくなっちまってよ!
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 22:16:29.51 ID:mrC6iFTo0
可愛い女の子が好きでね
616 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 22:28:43.06 ID:MQUV2PCb0

オティヌス「可愛い女の子が好きでね」

それも、優しそうな。
素直且つわかりやすい一言を受け。
つまり、風斬は自分が可愛く優しいと判断されたのだと知り、照れに顔を赤くする。

風斬「私は、…優しくなんて、ないです。それに、…そ、それ、に…」

オティヌス「…それに?」

風斬「……私は、化け物ですから。今は何故だか、ちゃんと身体がありますけど…これだって、能力者の皆の力が集まって出来たものなんです。きっと、身体中をぐちゃぐちゃにされても死なないし、…人間じゃないんです。私を人間だと認めてくれた友達は居ますが、…やっぱり、化け物なんですよ」

化け物。

その単語を聞いても、オティヌスはそうとは思わない。
それは、本物の化物を知っているからでもあり。
"身体中をぐちゃぐちゃにされても死なない"女の子の事を知っているからでも、ある。
そもそも、純粋な魔神であるオティヌスだって、化け物なのだ。

オティヌス「化け物、か」

風斬「………」

風斬は少しカフェモカを啜り、視線を落とす。
対して、オティヌスは優しく微笑んだ。

オティヌス「安心しろ。少なくとも、お前は人間だ」

風斬「え…?」

オティヌス「…本物の化け物は、自分を真人間だと思ってるものだ。だから、自分でそんなことを言うのは、人間だからだよ」

そして、と彼女は付け加える。
指で、自分の胸を指し示した。

オティヌス「私も化け物だ。…君とは逆、あるいは別領域に存在する化け物」

風斬「……、…見えません」

オティヌス「ありがとう。…でも、その言葉はそのまま返す」

風斬は、少し黙って考えた。
眼前の人物は、自分の言葉を聞いて、それでいてきっちり否定した。

風斬「……>>618

617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 22:29:57.78 ID:0UHvDCi/0
お友達になってくれますか?
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 22:31:32.97 ID:DUMq7h7SO
…ありがとう。
619 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 22:40:39.90 ID:MQUV2PCb0

風斬「………ありがとう」

温かな感情を覚え、風斬は薄い笑みと共に礼の言葉を述べた。

オティヌス「…それにしても、その身体は難儀だな。実体化はし易いが」

風斬「え?」

オティヌス「…気がつかなかったのか」

自分が実体化したんだ、とオティヌスは言外に述べる。
何冊もの魔道書の原典を暗記した上で操る彼女に、限界というものはあまり無い。
成功する可能性は半々だったが、何度も繰り返して継続して術式を施せば、いつかは成功する。
オフィーリアに開運アイテムの相談でもしてみるか、とオティヌスはうっすらと考えた。
風斬は自分のスカートを撫で、その布らしい布の感触に、目を細める。

もしかして、この人と一緒にいたら。
自分は、自分で認められるくらいに、人間になれるのでは、ないだろうか。

そんなことを思って、その利用しようとする浅ましさに、風斬は沈黙する。
好意に甘え過ぎてはいけない。そんなのは、よくない。

オティヌス「……学園都市では、友人になったら何をするものなんだ?」

思い出したように、彼女は問いかける。
笑みは穏やかなまま、風斬を見つめていた。
この自分を実体化させる謎の能力を持っている辺り、確かに彼女も同類<化け物>なのかもしれない、と一瞬だけ思って。
すぐさまそんな失礼な考えを打ち消して、風斬はうーん、と考える。

風斬「>>621
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 22:42:18.18 ID:DUMq7h7SO
ひょうかをかなり実体化させたって…ヤバくね安価↓
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 22:44:41.85 ID:HXX5PxyR0
なんで? 
安価は

ゆ、遊園地行ったり…とか
622 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 23:00:03.23 ID:MQUV2PCb0
《オティヌスちゃんマジオーディン(※史実の方)》


風斬「ゆ、遊園地行ったり…とか」

思い当たったのは、行った事の無い場所。
確か、友人同士で楽しく行く場所だったような、と思う。
けれど、やはりお金がかかるから、と前言撤回をしようとして。

オティヌス「遊園地、か…予定の空いている日は?」

風斬「え? あ、…私は、その…いつでも」

オティヌス「なら、明日行こう」

撤回する前に、さっさと決められてしまった。
何度も失敗しているオティヌスは、勇気を振り絞る。
いつだって自分の引っ込み思案が、想いの成就を蝕んだのだから。

風斬「明日…?」

オティヌス「…やはり、都合が悪いか?」

風斬「ううん、悪くないけど…でも、お金が、」

こうしたお茶やお菓子ならばまだ、奢ってもらっても罪悪感が無い。
まったく無いとは言えないが、本当にありがとう、の一言で済む。

だが、遊園地のチケットともなると、高価であることを、風斬は識っている。
カフェモカ一杯なら並ぶ数字は三つ。
だけれど、チケット一枚の為に並ぶ数字は絶対に四つだ。
オティヌスとしては、将来付き合いたい程好きな相手の金を肩代わりするのは当たり前だと考えているのだが。
そういえばレディーファースト的慣習は日本では薄れつつあるのだったか、と魔神は今更ながら思う。
彼女も女なのだが、其の辺はすっぽ抜けているというか、度外視扱いらしい。

オティヌス「>>624
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 23:00:42.63 ID:QmRhH9OD0
トールと土御門の濃厚なフェラをだな
kskst
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 23:03:42.20 ID:DUMq7h7SO
ええい甘えるんじゃない!働け働けぃ!ビスマルク曰く若者に対して言う事は、働け、働け、もっと働けだ!


安価↓
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 23:07:06.31 ID:nq3UbLTM0
なんだそんなことか

それくらいなら俺様が出す
626 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 23:15:26.04 ID:MQUV2PCb0

オティヌス「何だ、そんなことか。それくらいなら私が出す」

問題無い、とオティヌスは言い切ってしまう。
サローニャに金を貸してくれと言われた時には物品で済ませたが、彼女は金が無い訳ではない。
最悪、ちょっとした裏の手口を使って金を増やす方法も獲得してある。

風斬「でも、」

オティヌス「…だから、私と過ごしている時、楽しいと感じた時には笑っていて欲しい」

代償条件。
敢えて提示することによって、風斬の罪悪感を薄める。
オティヌスの言葉にしばし黙って、風斬はこくんと頷いた。
密やかにガッツポーズを内心でバッチリ決めながら、オティヌスは明日のデートは大丈夫だろうかと不安になるのだった。






土御門の勃起した自身からは、先走りが溢れている。
どろどろとした白みがかった苦い液体は、トールの口元を汚している。
舌先でくすぐるように鈴口を舐め、ちゅうちゅうと甘えるように吸い付く。
暇を持て余さないよう手は扱く事に用いて。

土御門「っ、…」

トール「ん、…」

深くくわえこみ、太めのソレを喉でもって愛撫する。
ぬるついた粘膜の蠢きがたまらない快楽をもたらし、土御門は背筋を震わせた。
逃げられない。抵抗する気力が、湧かなくなってしまった。
男なんてゴメンだ、絶対に。
そう思っていたのに、何故だろう、そんなに悪く無いと…少し、思ってしまう。

トール「ふ…きもちい?」

土御門「>>628
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 23:17:11.31 ID:DUMq7h7SO
全然ダメだなとりまくたばれパーン
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 23:26:20.07 ID:nq3UbLTM0
そんなこと…ある…わけ…

くっ!
629 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/08(火) 23:37:28.74 ID:MQUV2PCb0

土御門「そんなこと…ある…わけ…」

掠れた声で、言い返そうとして。
薄く愉快そうな笑みを浮かべたトールは、土御門の尻を撫でる。
そして、ぐい、と深く深く呑み込んだ。
自然と喉が痙攣し、筋肉は土御門自身をきゅう、と締め付ける。

土御門「くっ!」

耐え切れず、精液を吐きだした。
どろどろと濃厚な精子を、時間をかけて、トールは飲み下す。
咽て、万が一にでも吐き出してしまわないように。
あるいは、じっくりじっくりと、味わって呑み込むように。
そうして満足したのか、残滓をちゅうっと吸い上げて、トールは口を離した。
ちゅぽん、という、ともすれば間抜けな音が、かえっていやらしい。

土御門「ッ…」

トール「ん、…ごちそうさま」

お疲れ、とばかりにトールは背を向けた。
土御門は、トールの手首を掴む。

トール「何?」

土御門「>>631
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 23:38:54.04 ID:nq3UbLTM0
次はお前の番だにゃー

kskst
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 23:51:16.11 ID:DUMq7h7SO
まー、まー。俺にも手コキくらいさせろよニギ


そういう趣味ではない人を襲うのはいただけないんだぜい?ポキャ←トールのペニスへし折った
632 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 00:11:29.49 ID:8nGzSofu0

土御門「まー、まー。俺にも手コキくらいさせろよ」

言いながら、土御門の手はトールの股間へ。
そして、半勃ちのそれをそっと握り、にこりと笑んだ。

トール「ん、」

土御門「…そういう趣味ではない人を襲うのは、いただけないんだぜい?」

揶揄めいた口調とは裏腹に。
土御門はその握力でもって、七割程勃起したトール自身をへし折る。

トール「っが……!」

土御門「……」

ふん、と鼻を鳴らす土御門。
トールはううう、と唸りながらしゃがみこみ、股間を手で押さえ。

トール「……なんてな」

土御門「何、」

トール「北欧神話一辺倒で生きてきてる訳でもないんでな」

トールが見せたのは、ラテン十字―――の形をしていた残骸。
持つ意味は『罪を請け負った我らが主の恩恵』、転じて、身代わりとなる。

土御門「」

マズい。
土御門は、思った。
だが、逃げられない。

土御門「ふ…」

トール「いやー、危なかった。こればっかりはフリッグちゃんに感謝だな」

残骸<ゴミ>を握りつぶして捨て、トールは土御門の服へ手をかける。
乱暴な手つきだった。もう、逃げられなかった。

土御門「不幸だあああああーっ!!」







上条当麻は、のんびりとしていた。
不意に、オフィーリアが小さく笑う。
トールの行動を『視』ていたのだ。
そして、その絶妙な展開をドラマ感覚で見ていた。

上条「…何か面白いものでも視たのか?」

フィアンマ「んー、>>634
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 00:16:24.95 ID:Zq6v6ULm0
土御門が襲われている…性的に
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 00:16:53.25 ID:5GD5AnuSO
雷神の一物が8回くらいへし折られたな
635 :小ネタ:正妻達の密談  ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2013/01/09(水) 00:43:32.89 ID:dvTGXAlg0

サローニャ(トールちゃん行っちゃった…)しゅん

ミューズ「みゃー」

サローニャ「はいはい、おやつちゃんねー」

ミューズ「にー」

サローニャ「よしよし。…はぁ」

サローニャ(トールちゃん、きっとまた誰かを引っ掛けてるんだろうなあ…もう、ヤれないように折られちゃえばいいのに…)

ミューズ「みぃ」

サローニャ「よしよーし。…あ、そうだ」




サローニャ「もしもしちゃん」

フィアンマ『ん? サローニャか』

サローニャ「うん。そういえば、ドリンク効いた?」

フィアンマ『ああ。当麻が不味さに身悶えていたが、効果はあったよ』

サローニャ「そっか、良かった。あのね、お願いちゃんがあるの」

フィアンマ『お願い?』

サローニャ「トールちゃんが今学園都市に居るんだけど、多分誰かとヤってると思うんだ。それでね、トールちゃんのトールちゃんが折れちゃうように画策してくれないかな」

フィアンマ『構わんが。預言の行使で、襲われている側を唆せ<アドバイスすれ>ば良いんだろう?』

サローニャ「うん! ありがとうっ」

フィアンマ『お前も苦労するな』

サローニャ「ううん、トールちゃん大好きだもん。トールちゃんが女の子ちゃんになっても大好きだよ」







《今日はここまで。お疲れ様でした》
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 02:07:52.20 ID:lZE/FkpVo
乙でした
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 03:37:10.20 ID:5GD5AnuSO
乙。病むサロニャ
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 05:02:37.94 ID:h2wiQiYY0
トールと土御門の濃厚なアナルほぐしから
挿入の瞬間 快感を感じ始める 男も良いかもしれない
二人同時射精
ってなるまでの濃厚なSEX描写まだー?
639 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 15:03:53.91 ID:1znKVD2g0
>>638 残念ながら無いです><》



フィアンマ「んー、雷神の一物が8回くらいへし折られたな」

上条「雷神…って、トールか? 一物…いち、…」

オフィーリアの言葉を聞いて想像し、上条は思わず股間を押さえる。
オフィーリアは無言のまま、被害者たる土御門にアドバイスを授ける。
土御門は素直にそれを聞き入れ(彼女と知り合いだというのもあり)、トールに攻撃をしていた。
それにしてもトールの執着は甚だしいもので、襲撃は終わらない。

上条「…っていうかそれ、笑い事じゃないからな?」

フィアンマ「そうか?」

上条「男にとっては」

フィアンマ「俺様は女だしな」

しれっと言う彼女だが、性器を傷つけられる死にそうな痛みを知らない訳ではない。
惨たらしい修羅場をくぐったり他者に感化された結果、彼女は少々物見高く意地の悪い性格になったのかもしれない。


結果としては、土御門の勝利。
しかし、土御門側も貞操という名の代償を払った。
だが、トールの方が深刻である。
何しろ、トールの愛刀(隠語)が折れたのだから。

トール「ぐ…」

土御門「はぁ、っ…」

救急車は呼んでやる。
そう述べて、土御門は電話をする。
そうして連絡がついた後、オフィーリアの指示に従って逃げた。



そんな訳で、雷神トールが病院に運ばれたのだった。

トール「…俺、セーフ…、か…?」

血色は最悪だし、激痛に耐えながらも意識を失わないのは、流石直接戦闘担当といったところか。




>>+2のコンマ一桁で冥土帰しの診断結果決定


0〜4 「残念ながら、もう男性として生きていくことは難しいね?」

5〜9 「この程度の損傷であれば問題無いね? 治療を始めよう」
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 15:05:31.76 ID:5GD5AnuSO
まぁ冥土なら
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 16:12:39.85 ID:5GD5AnuSO
ベクトル操作で加速
642 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 16:18:09.57 ID:vzmyv1A80
>>641 16:12:39.8『5』》


冥土帰し「この程度の損傷であれば問題無いね? 治療を始めよう」

トール(よ、良かった……)

例えセックスを抜きにしても、男にとってムスコのあるなしはアイデンティティーに問題がある。
トールはほっと胸をなでおろし、次からはどうにか口説いてからヤろうと思った。




オフィーリアは『視』るのをやめ、上条の左手を握る。
そして、サローニャに通信を仕掛けた。

フィアンマ(……)

サローニャ『もしもしちゃん。成功したの?』

フィアンマ(残念ながら失敗だ)

サローニャ『…むぅ。残念』

フィアンマ(今は病院で治療を受けているようだ)

サローニャ『……どうしたらトールちゃんは、…私だけを…見てくれるように、なるのかな』

泣きそうな声。
オフィーリアは、うーん、と考えてみた。
相談、もとい利用という形で、『虚空年代記』を使う。
コンマ三秒と立たずに、結果が出た。

フィアンマ(>>644
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 16:23:12.04 ID:5GD5AnuSO
えー…去勢して人間社会と切り離し、暫く監禁して自分しかいないと思わせるとか?
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 17:48:52.67 ID:5GD5AnuSO
入院中のトールに献身的に介護、ずっと側にいる
645 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 18:07:26.12 ID:vzmyv1A80

フィアンマ(入院中のトールに献身的に介護、ずっと側に居る)

サローニャ『そっか。重傷だもん、トールちゃん入院するよね…』

フィアンマ(…問題はその猫の世話をどうするか、だな)

サローニャ『うーん。…流石にお願いは出来ないよね?』

フィアンマ(既に猫が一匹いるからな…ん、世話をしてくれそうな心当たりはあるぞ)

サローニャ『本当!?』

フィアンマ(ああ)

サローニャ『じゃあその人にお願いしてミューズちゃんのお世話してもらってる間にトールちゃんの介護・看護を…』

フィアンマ(それが効果的だろうな。少し待て)

サローニャ『うん』

携帯電話でかけ直すようにして、オフィーリアは通信を切り。
次に、ウートガルザロキへ連絡をした。

フィアンマ(…お兄ちゃん)

ウート『ん、どうした?』

フィアンマ(友人が猫の世話を任せる相手を探しているのだが…猫は嫌いか?)

ウート『>>647
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 18:17:11.53 ID:5GD5AnuSO
わり。俺猫アレルギーなんだわ…
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 18:25:38.20 ID:ic3gZVrZ0
猫にはトラウマがあるからキツい
648 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 18:36:21.78 ID:vzmyv1A80

ウート『猫にはトラウマがあるからキツいんだわ。ごめんな?』

フィアンマ(そうか……すまない)

ウート『ん。オティヌスなら喜んで面倒看るんじゃねーの?』

フィアンマ(そのオティヌスの飼い猫なんだ)

ウート『あー、なるほど。…残念、類友だな、お兄ちゃんの知り合いにも居ねえわ、猫好き』

フィアンマ(ん、わかった。すまなかったな)

ウート『いや、大丈夫。またな』

通信を切り、オフィーリアはうんうんと考える。
人脈はあるのだが、定住している友人が好ましい。
そうでなければ、猫の面倒を看ることは難しいからだ。

フィアンマ(垣根…は現在治療中。……あの浜面仕上という男にコンタクトを取るか)

上条が入院中、友人になった不良少年だ。
定住しているかどうかは知らないが、預けられるだろうか。

フィアンマ(何はともあれ、やってみなければわからん)

考えるより先に、たまには行動してみよう。
そんな訳で、フィアンマは術式を行使する。




浜面「うおおお!?」

急に脳内へ声が響き、浜面仕上はビクついた。
現在、絹旗と垣根弟が落ちものパズルゲームで勝負していたのを眺めていたのだが。

絹旗「浜面超うるさいです」

浜面「いやごめん、…幻聴、か…?」

通信術式を知っている、はたまた念話能力者の知り合いが居れば、浜面はわかっただろう。
しかし、唐突に脳内へ声が響けば、幻聴や妄想を疑ってしまうもので。
とうとう精神を病んだのか、と落ち込む浜面。

フィアンマ(…浜面仕上、聞け)

浜面(な、何だ…はっ、もしや俺は勇者とかそういう系統の子孫…?)

フィアンマ(………)

浜面(もしかして天使様なのか!? お、おおお俺やってきたことは確かに全部悪い事ですけど、まだ死にたくないですお許しください!!)

フィアンマ(…>>650
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 18:55:07.87 ID:Op2/bJwqo
いいから聞いてくれ、上条当麻と聞いて心当たりがあるようなら聞いてくれ
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 19:02:21.65 ID:5HrG14yR0
貴様には天罰がくだるだろう
一生男にしか愛されなくしてやろう


651 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 19:09:26.39 ID:vzmyv1A80

フィアンマ(…貴様には天罰が下るだろう。一生男にしか愛されなくしてやろう)

浜面(ひぃ!? ど、どうすれば回避できますか!!)

フィアンマ(良いですか、よく聴くのです)

浜面(はいっ!)

フィアンマ(今から一人の少女がそちらへ向かいます。そして、猫の世話を看て欲しいと頼みます。それを引き受けるのです)

浜面(ね、猫の世話…?)

フィアンマ(良いですか?)

浜面(そ、それで一生男にしか…ってのは無いんですよ、ね…?)

フィアンマ(きちんとやり遂げれば、あなたは祝福されるでしょう)

浜面(お、お任せください!!)

びくつき、涙目で頷く浜面。
オフィーリアは満足そうに通信を切り、サローニャへ再度連絡をした。
浜面の居る場所へ猫を預けに行け、という連絡だ。

フィアンマ「…学園都市の人間でも、天使の言う事は聞くのだな」

上条「>>653
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 19:19:29.79 ID:cUM6D1SM0
サローニャ女に戻ったの?kskst
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 19:25:25.02 ID:aFdNo/j2o
「(やりたい放題だな)」
654 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 19:34:41.97 ID:vzmyv1A80
>>652様 完全に油断してました…   >>651 ×少女 ○少年》


上条(やりたい放題だな)

何をやっているかは、上条は正確には知らない。
だが、何となく予想はつく。
これだけ無言で何か精神的作業を行っているということは、つまり『虚空年代記』を使っていたということだ。
こうして安易に使わせない為にかつて『おじいさま』は物理的な鍵をつけたのかな、と上条はうっすら思う。
だが、彼女を止めるつもりはないのだが。
間違ったことをしない、と彼は信じている。
というよりも、正確には、信じていたい。

上条「……あんまり振り回しちゃ駄目だからな?」

フィアンマ「わかってはいるが」

退屈なのだ、と彼女は言う。
身重なので、外にあまり出ていないからだろう。
だからといって上条も彼女を外に出すつもりも無い。
胎教に悪いので、映画やゲームという手段も浮かばない。
頭を使うゲームは上条が負けてばかりなので、それはそれでつまらない。

フィアンマ「…暇だ」

うーん、と上条にくっつき、オフィーリアはため息を吐き出す。

上条「んー。>>656
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 19:52:55.63 ID:Zq6v6ULm0
誰か呼ぶか…
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 19:56:24.20 ID:E+IZaOE40
垣根と麦野でも呼ぶか?
657 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 20:02:22.63 ID:vzmyv1A80

上条「んー。垣根と麦野でも呼ぶか?」

フィアンマ「ん、…いや、垣根帝督はまだ治療中のようだ」

上条「あー、そっか。麦野は?」

フィアンマ「んん……、…現在料理中のようだな」

上条「じゃあ呼べるかな」

毎回『視』てから彼女は言う。
これが能力なら超能力者なんだろうな、と思いつつ、上条は携帯電話を手にする。
お互いにとってお互いが恩人であり、現在は垣根との結婚待ちである少女を呼び出す為。



暇だったらしい。
彼女は呼んでから一時間程でやって来た。
まだそんなにお腹は大きくなっていない。

麦野「久しぶり、って訳でもないわね」

フィアンマ「そうだな」

上条「そういえば、垣根について…連絡入ってるか?」

麦野「知ってるわよ、それ位。不審者に襲われて病院へ逆戻り、でしょ?」

不審者の正体を知っている上条達としては、苦笑するしかない。
麦野はオフィーリアの下腹部を見やり、うっすらと笑む。
自分も妊娠しているので、同族好意だ。

麦野「そっちはうまくいってんの?」

フィアンマ「>>659

上条「>>661
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 20:06:45.90 ID:Op2/bJwqo
ああ、その不審者退治もな
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 20:09:36.01 ID:VsNK8pZv0
垣根に当麻に感謝するよう伝えておいてくれ
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 20:14:42.65 ID:e786/jwH0
俺の右手がひかってもえるぅ!
轟きさけぶぅ!!
かそく
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 20:26:12.54 ID:IeoCHolD0
おかげさまで好調だ
お腹の子もな
662 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 21:44:27.61 ID:/YfGdbrS0

フィアンマ「垣根に、当麻に感謝するよう伝えておいてくれ」

上条「お陰さまで好調だ。お腹の子もな」

麦野「そ。……? 不審者の件?」

フィアンマ「そうだ」

上条に感謝しろというメッセージはどういうことか、と麦野は首を傾げる。
オフィーリアは端的にそう答え、下腹部を摩る。
麦野は気になったものの話題を変え、オフィーリアの下腹部を眺める。

麦野「出産予定日は?」

フィアンマ「9月16日から9月22日の範囲内だな」

麦野「無事産まれるといいわね」

嫌味なくそう呟き願って、麦野はのんびりと笑む。
満たされている者は、誰に牙を剥く事も無い。
そもそも、麦野が彼女達に牙を剥く事はもうほぼありえないのだが。

フィアンマ「そちらはどうなんだ。垣根はお腹の子に対して前向きなのか?」

麦野「>>664
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 21:45:31.79 ID:hPUoL45W0
部屋にマタニティグッズが溢れてるわ
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 22:19:35.60 ID:0yGOp7LU0
>>663

665 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/09(水) 22:33:18.24 ID:/YfGdbrS0
《今日はここまで。お疲れ様でした》


麦野「部屋にマタニティグッズが溢れてるわ」

フィアンマ「ほう」

麦野「気が短いモンだから、今から名前何にしようとか悩んでるわよ」

フィアンマ「何事も、早め早めの方が良い」

オフィーリアはのどかな笑みを浮かべ、下腹部を摩る。
この分だと、お腹の子は、麦野の子供とは幼馴染なりそうだ。






翌日。
オティヌスは、風斬を待っていた。
待ち合わせ場所は、公園。
それなりに人通りが多い中、ミニスカート姿の彼女は絡まれていた。

スキルアウト「ねえねえ、俺達と遊ばない?」

スキルアウト2「頼むよー、俺達暇なんだ」

古典的だな、とオティヌスは思う。
面倒臭いな、とも思った。

オティヌス「>>667
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 22:35:15.20 ID:e786/jwH0
貴様ら二人仲良く掘られてこい(ロシアのハッテン場に転移させる)
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 22:35:36.39 ID:Zq6v6ULm0
[ピーーー]ぞ?
668 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/10(木) 18:14:32.02 ID:brGk+Kud0
《原作オティヌスちゃんの性格がオーディンさんだった…だと…?》


オティヌス「殺すぞ?」

脅しではない。
事実というか、注意だ。
殺されたくないという意思があるのなら、今の内に離れておけ、という話。
当然、彼女のオーラを察する事すら出来ない不良は、笑う。

スキルアウト「君の細い腕じゃ無理だと思うけど」

スキルアウト2「かんわいー。ナンパ慣れしてない感じ?」

オティヌス「………」

魔女は、説明出来るような動作は何一つしなかった。
ただ、『説明の出来ない力』で、彼らを吹き飛ばす。

オティヌス「……貴様等のような醜男は私とデートするに値しない」

非日常へ誘う、殺気。
スキルアウト達は、気づかずに心へ滑り込むその恐怖に、震える。
そして顔を見合わせると、走り去っていった。

オティヌス「…まったく、」

やれやれと思いながら振り返ると、風斬が居た。
マズイところを見られただろうか、と思う。
喫茶店で使ったような平穏な内容ならばまだしも、攻撃の瞬間というのはマイナスイメージだ。

オティヌス「あ…いや、…えっと…今のは…」

風斬「>>670
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 18:50:50.48 ID:cmPKsp5DO
原作読でもSSでもたまに思うけどスキルアウトってばかですよねー
「やめておけ」とか「怪我するぞ」とか言われてるのに外見で判断してみくびるとか……舞台は学園都市(能力者の居る町)のはずなんですけどね?

kskst
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 19:06:42.96 ID:hKHF9XQSO
そらー230万人のうち6割はlevel0だし、level1〜3程度なら大概複数人で襲えばイチコロだからやん?

一方さんやらの一部のレア能力持ちや強能力持ち〈ハズレ〉に当たる確率のが低いんだから

安価↓
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 19:35:52.06 ID:4mfmJpuK0
どうしたんですか?

早く行きましょう
672 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/10(木) 19:40:51.84 ID:mxdUeLs90

風斬「どうしたんですか?」

どうやら、目撃されていなかったらしい。
風斬はにこにこと柔和な笑みを浮かべて首を傾げる。

風斬「早く行きましょう」

オティヌス「…、そうだな」

可愛い。
本当に可愛い。
文句のつけようが無い位にかわいい。
思いながら、オティヌスは風斬の手を引いて遊園地へ向かった。
開園時間に調度間に合う時間だ。

風斬「…遊園地に行くの"は"初めてなんです」

オティヌス「……私は一度だけ覚えがある。だから、詳しく無い…が、エスコートはする」

緊張しながらも、昨日よりは数段マシに。
てくてくと歩いて中に入り、オティヌスはマップを風斬に提示する。

オティヌス「どれが良い?」

アトラクションでも何でも。
そう問いかけるオティヌスに、風斬はうーん、と悩んだ。

風斬「…>>674
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 20:03:07.81 ID:4mfmJpuK0
kskst
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 20:13:33.11 ID:1YTvIQe30
えーっと……ジェットコースター!
675 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/10(木) 20:21:31.83 ID:mxdUeLs90

風斬「…えーっと……ジェットコースター!」

マップを眺め、うんうんと考えた後、風斬はそう言ってはにかんだ。
オティヌスは相槌を打ち、マップをしまって彼女の手を引く。
遊園地ということもあり、女の子同士で手を繋いでいるのはそう珍しいことではなく。
人目を引かない事に少しばかり(風斬の心情を思って)安堵の息をつき、彼女はマップ通りに向かった。

ジェットコースター。

夏時期ということで、涼しさ重視らしい。
とはいえ、オティヌスも風斬も暑い寒いには疎いのだが。
そういえば吊り橋効果というものがあったかな、と思いながら、オティヌスは列に並んだ。
彼女も短気な部分はあるが、そうそうすぐにはキレない。

風斬「やっぱり並んでますね…」

オティヌス「混んでいるからな」

風斬「…ジェットコースター。…楽しいかな…」

想像して、風斬はにこにこと笑む。
そして、手をきゅっと握り返した。
思わず、オティヌスは顔を赤くして隻眼の視線を彷徨わせる。

風斬「? どうかしました?」

オティヌス「>>677
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 21:12:46.71 ID:anWYHkjwo
ななにゃなんでもにゃい
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 22:31:20.25 ID:4mfmJpuK0
ふぇ?

あ、いやにゃんでもないぞ?

なんでも…///
678 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/10(木) 22:50:50.87 ID:ChV3m9fC0
《今日はここまで。お疲れ様でした》


オティヌス「ふぇ?」

聞き返し、オティヌスは動揺する。
そうして自分が動揺しているのを自覚し、口ごもって。

オティヌス「あ、いや、にゃんでもないぞ?」

噛んでしまった。
彼女は緊張してしまうと噛む癖があるようだ。
訂正しようにも、もはや何を言おうと格好良さのレールからは外れてしまっている。

オティヌス「なんでも…」

もごもごと。
口をつぐみ、彼女は顔を真っ赤にした。
風斬はそんな彼女の様子を見て、優しく微笑む。
馬鹿にする笑顔ではなく、見守るような。

そうして、順番がやって来た。

乗り込み、シートベルトを締める。
機械によるチェックの他にも、係員がチェック。
気付けば、発車していた。

オティヌス「…ところで、怖いのは大丈夫なのか?」

落ち着きを取り戻し、彼女は問いかける。
風斬が拒否しないので、手は繋いだままだ。

風斬「>>680
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/10(木) 23:49:53.04 ID:4mfmJpuK0
安価した自分が言うのもなんだけど、オティヌスさんが可愛く見える
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 01:10:43.76 ID:OzFckn4SO
あんまり大丈夫じゃないけど、貴女と一緒なら平気かも
681 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/11(金) 17:02:26.84 ID:EL5vRJsb0

風斬「あんまり大丈夫じゃないけど、貴女と一緒なら平気かも」

照れた様子で、彼女は言う。
オティヌスがぴたりと制止したところで、一気にコースターが下り始めた。
この程度のGショックには慣れているオティヌスは、存分に思考する。

オティヌス(わ…私と、一緒…なら…?)

これは。
これは、所謂。
これは、所謂、脈アリなのでは。

汗をかかないよう自らを律しながら、オティヌスは手を握る。
そっと指を絡ませてみた。
猛スピードで下っているその恐怖に耐えている為、風斬は拒否をしない。
恋人繋ぎへシフトさせていきながら、魔女は嬉しそうな笑みを浮かべた。





そんな訳でグロッキーである。
風斬は休憩用ベンチに腰掛け、オティヌスに買ってもらったオレンジジュースを飲んでいた。

オティヌス「……、…大丈夫、か?」

風斬「んん、>>683
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 19:35:24.55 ID:YxxWxOx80
うぇぇ…気持ち悪い…(服がはだけて胸元が!)
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 19:48:04.59 ID:SfbA7pA3o
ちょっと休んだから、もう大丈夫
684 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/11(金) 20:10:54.35 ID:OTvrSVop0

風斬「んん、ちょっと休んだから、もう大丈夫」

数度深呼吸を繰り返し、オレンジジュースを飲み下して。

風斬「心配してくれてありがとう」

はにかむ笑顔に、オティヌスはもごもごと言葉を呑み込む。
風斬は、オレンジジュースを彼女へ返した。
間接キスについてうっすらと考えながら、オティヌスはジュースを口にした。
子供向けの甘ったるい味が、広がる。




垣根帝督、病院へ逆戻り。

垣根「……はぁ」

検査入院であった。
せっかく退院してすぐに入院とはどういうことだ、と項垂れている。
病室のドアが、開いた。
入ってきたのは、麦野と木原病理。

垣根「……、…仲良くなったの?」

麦野「>>686

病理「>>688
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 20:14:20.48 ID:S5wbsx4r0
素敵な御義母様じゃない
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 20:22:07.77 ID:bEtFRuKio
ん、まぁ
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 21:58:03.59 ID:QGHZpLj40
 
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 21:58:30.24 ID:QGHZpLj40
とても良い子を嫁にしたわね帝督
689 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/11(金) 22:04:43.33 ID:OTvrSVop0
《今日はここまで。お疲れ様でした》


麦野「ん、まぁ」

病理「とても良い子を嫁にしたわね、帝督」

『アイテム』メンバーを人質にハメられたことは、水に流したらしい。
まあいいか、と思いながら、垣根はぐったりと横たわった。
限界を超えるということは、ありとあらゆる部分に負荷がかかるものなのだ。

垣根「式も籍もまだだけどな」

病理「式が楽しみです」

にこにこ、と笑みを浮かべる病理。
彼女はミント味のガムが詰まったボトルを、垣根の傍らに置いた。

麦野「…調子はまぁまぁっぽいわね」

垣根「…はぁ」

麦野「そうそう。オフィーリアがアンタに『当麻に感謝しろ』だってさ。何でかは知らないけど。何かあった訳?」

垣根「>>691
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 22:30:46.23 ID:0bMVGx54o
そういやあん時"カミジョー"の何とかとか……ありゃなんだったんだ?
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 22:35:32.01 ID:O5nur0RK0
神浄の討魔って言ってたなぁそう言えば
692 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/12(土) 11:56:52.30 ID:0BkWHjjV0

垣根「神浄の討魔って言ってたなぁ、そう言えば」

垣根はボトルを開封してゴミを捨て、ガムを口に含む。
ぼりぼりと噛んでストレスを解消しながら、首を傾げた。

垣根「ああ、アイツが上条だったのか」

普段とまるで雰囲気が違ったな、と垣根は不可解に思う。
麦野はやっぱりよくわからないまま、ひとまず見舞い品を差し出した。

垣根「あん?」

麦野「林檎」

垣根「ん、」

垣根はりんごを受け取り、ガムを噛みつつ見つめた。
ふと、思い出した様に問いかける。

垣根「……お前は問題ねえの? 気は配ったつもりだが。あの後襲撃されてねえ?」

病理「>>694
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 12:21:48.96 ID:S3kvgxVJ0
新人の看護士さんがテンパってこけたくらいです
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 12:51:49.54 ID:zgO21IiSO
…お陰様で。
695 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/12(土) 13:13:12.56 ID:0BkWHjjV0

病理「…お陰様で」

垣根「そ」

ならいいや、と垣根はベッドへ横たわる。
身体が疲れ傷ついているだけで、精神的には問題ない。

『……悪りぃな』
『そんな悪党でも、俺のたった一人の母親なんだ』
『母親をみすみす殺させる息子が居てたまるかよ』

木原病理は、黙って考える。思い出す。
こんなどうしようもない人間に、垣根はそれでも命を賭けた。
そして、一生懸命に守ろうとした。
心根の優しい子なのだろうと、思う。

垣根「暇で仕方ねえよ」

麦野「運悪かったんだから仕方無い」

垣根「はー……」

病理「…帝督」

垣根「あ? 何?」

病理「……ありがとう」

垣根は、呆気にとられたような顔をして、笑った。

垣根「>>697
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 13:30:46.05 ID:zgO21IiSO
はじめての親孝行だな
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 14:11:26.47 ID:eYmaWqLs0
当たり前のことをしただけだ
698 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/12(土) 14:16:18.27 ID:0BkWHjjV0

垣根「当たり前のことをしただけだ」

どれだけクズであっても。
自分の母親は守りたい。
だから守っただけ。
垣根帝督はただ単に、自分が行うべきであり、やりたいことを好き勝手にやっただけだ。
感謝など求めていないし、こうして防衛に成功したのだから、それだけで充分だ。




オフィーリアから連絡を受け、魔術的な戸締りを済ませ。
サローニャはミューズを抱き上げ、学園都市へやって来ていた。
トールが入院している病室については既に聞き及ぶところである。
まずは先に、ミューズを任せなければならない。

サローニャ「んん、ここかな?」

『アイテム』メンバーの住む場所。
サローニャは割と気軽にインターフォンを鳴らした。

浜面『はい』

サローニャ「えっと、猫ちゃんをお願いしにきました」

ガチャッ、とドアが開く。
半泣きの男が出てきた。

サローニャ「…??」

浜面「>>700
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 14:18:17.25 ID:eYmaWqLs0
よくきてくださいましたぁぁぁぁぁ!!
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 14:18:32.41 ID:zgO21IiSO
君が天使か!
701 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/12(土) 14:26:30.81 ID:0BkWHjjV0

浜面「君が天使か!」

サローニャ「て、天使? 私にはトールちゃんが居るから口説かれても困るんだけど…」

浜面「丁重にお世話させていただきます!」

今すぐにでも土下座しそうな雰囲気で、男が頭を下げる。
サローニャは呆気にとられながらも、オフィーリアとの間で何らかの話し合いが持たれたのだろう、と判断する。
そして、そっとミューズを任せた。

サローニャ「用事が済んだら迎えに来るので、お願いちゃんね。傷つけられたら私も殺されちゃうから…」

浜面「はい!」

敬礼でもせんばかりの態度で、浜面はミューズを受け取る。
ミューズはごろごろと喉を鳴らした。



浜面にミューズを預け。
サローニャは身分をところどころ誤魔化しながら、病院へ入った。
トールの入院している場所は個室だ。

サローニャ「トールちゃーん」

がらがら、とドアを開ける。
トールはというと、ぐったりした状態でサローニャを見上げた。

トール「>>703
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 14:28:30.60 ID:zgO21IiSO
お?おおー…元気か?俺は元気じゃない
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 14:50:07.16 ID:yB6RJHtE0
おー
マイラブリーエンジェル
704 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/12(土) 14:57:11.11 ID:0BkWHjjV0

トール「おー、マイラブリーエンジェル…」

冗談めかして言うが、覇気は無い。
ぐったりとベッドに沈み、彼はため息を漏らしている。
サローニャは、ここへ来る途中に購入したフルーツバスケットを、トールの枕元に置いた。

サローニャ「これ、お見舞いちゃん」

トール「どーも…」

だるそうに横たわったまま、トールは礼を言う。
セックスが出来ないというのが既にストレスらしい、イライラしていた。
さて、何をどうして彼を自分の振り向かせるか。
サローニャは悩みながら、いかにしてトールを自分に依存させるか、考える。






サローニャはどうする?>>+2
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 15:07:08.39 ID:zgO21IiSO
何かして欲しい、もしくは欲しい物があるか聞く。
持ってきていた入院生活は死ぬ程暇になるので本やら何やらを渡す
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 15:08:06.16 ID:zgO21IiSO
まちがい。

×持ってきていた入院生活は死ぬ程暇になるので本やら何やらを渡す

○入院生活は死ぬ程暇になるので、持ってきていた本やら何やらを渡す

安価↓
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 15:34:13.07 ID:UKx4nLZ9o
女にする
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 16:54:13.32 ID:dLljBccC0
フェラ
709 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/12(土) 23:06:03.65 ID:ymPMm7FX0
《今日はここまで。お疲れ様でした》




サローニャ(トールちゃんを女の子ちゃんに…)

実を言うと。
彼はポケットに、例の薬を所持している。
これを飲ませれば、運がよければトールは女になれるはずだ。
しかし、無理矢理に飲ませれば付き合うどころではない。
トールはというと、そんな思惑も知らずにフルーツへ手を伸ばした。

トール「んー…」

悩んだ結果、りんごを手にする。
そのまま手で数度摩り、かじりついた。

トール「…美味いな。品種改良ってヤツかね」

感想をぼやきながら、彼はしゃくしゃくと食べていく。
だるだるとベッドに横たわり、サローニャを見た。

トール「オティヌスの野郎はまだ家に戻ってねえだろ。猫はどうしたんだ?」

サローニャ「ミューズちゃんなら預けて来たよ」

トール「へえ。わざわざ俺を見舞う為に?」

彼は揶揄するような口調で問いかけ、小さく笑う。

サローニャ「>>711
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 23:08:18.00 ID:e8ksR8Fr0
えへへ

……ねぇ溜まってない?(性的な)
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 23:09:33.20 ID:Lj+s2jPAO
(早く家に帰って監禁した打ち止めを再度犯したい)
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 23:10:44.92 ID:e8ksR8Fr0
>>710

713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 23:11:18.36 ID:e8ksR8Fr0
>>711はクソ安価のAOだからスルー推奨
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 23:16:45.68 ID:zgO21IiSO
この>>1は優秀なできる>>1だからあの安価でも上手い!な捌きをしてくれるのではワクワク
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 01:39:55.17 ID:asMQKHqDO
だがあの安価だと下手したらサローニャが死……
監禁してるし、"再度"犯したいってことは1回は犯してるから一方さんがキレて……こわっ
716 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/13(日) 13:34:29.04 ID:IbX16Blq0
>>714 過大評価です><》


サローニャ(うーん。早くお家に帰って監禁した打ち止めちゃんを再度犯したいにゃーん)

サローニャ「勿論。トールちゃんが心配ちゃんだったから」

トール「ふーん?」

余談だが、彼女は猫と暮らすだけの単調な日々に飽きてエロゲーを購入していた。
そもそも、オティヌスがゲームを買おうかと思ったのがそこからきている。
そのエロゲーの中でも『打ち止め』という10歳児相当の愛らしいロリキャラが居て。
サローニャはそんなロリキャラが好みなのであった。
故に、選択肢を厳選して監禁ルートに入ったのだ。
一度セックスをする選択をし、行為後にセーブをした。
とはいえ、今の今まで忘れていた。思い出してしまうと、早く家に帰りたくなってしまう。
ゲームとは恐ろしく中毒性・依存性が高い代物なのである。

サローニャ「それにしても、トールちゃんも災難だったね」

トール「自業自得だからな、別に」

リンゴを綺麗に食べ終え、トールは肩を竦める。

トール「あ、そうだ。サローニャに頼みがあるんだけど」

サローニャ「はいはいちゃん?」

トール「>>718
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 15:10:59.58 ID:DcjUP9OSO
ああ、>>1はかなりよく頑張ったな。可能なら頭撫でたい安価↓
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 16:02:13.62 ID:DcjUP9OSO
下の売店でジャンプ買ってきてくんない?
あ、赤マルじゃない方な?くれぐれもおかーさんみたいな間違いすんなよ?

719 :仲間由紀恵 [sage]:2013/01/13(日) 20:17:01.96 ID:F965cnzI0
DO結婚して(酔ってます)
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/13(日) 20:24:44.79 ID:BlGCriFTo
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 22:59:43.84 ID:asMQKHqDO
えっ仲間由紀恵さん、それって私ですかー?
いや……最近あんまり書き込んでないから違う人だな、うん
722 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/13(日) 23:02:40.89 ID:Z5eUt/f30
>>717様 ナデナデシテー      最近更新少なくてすみません、今日はここまで。お疲れ様でした》


トール「下の売店でジャンプ買ってきてくんない?」

サローニャ「ジャンプちゃん?」

所謂少年漫画雑誌である。
ふむ、と考えるサローニャに対し、トールは思い出したかの様に言葉を付け加える。

トール「あ、赤マルじゃない方な? くれぐれもおかーさんみたいな間違いすんなよ?」

サローニャ「うん、大丈夫大丈夫。お任せちゃん」

頷き、サローニャはてくてくと病室の外へ。
売店に行ったらついでにご飯も買おうか、とぼんやり思いながら。



一階、売店。
おにぎりやサンドイッチ、缶コーヒーなどが売られている。
雑誌のところには、わかりやすくジャンプが置いてあった。
サローニャはそれを抱え、他に何を買おうかと悩む。

サローニャ(アイスがある…)

うーん、と考え込み。
目移りしてしまうと、なかなか決まらない。



トールがだらけていると、脳内へ声が響いた。
オフィーリアのものだ。

トール「あん?」

フィアンマ『重傷だな。見舞いには向かえん、すまないな』

トール「そっちは腹のガキ最優先だろ、いいっていいって」

フィアンマ『全治何ヶ月だ?』

トール「>>723
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 23:05:55.93 ID:Js7d94XC0
>>721
17歳JKなら君だ
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 23:06:37.93 ID:Js7d94XC0
安価は1週間と3日
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 23:13:53.18 ID:asMQKHqDO
あっじゃあ違いますね、違うといいな、違わないのかな、違わないんだよな……
いきなりプロポーズとか照れるよりも先に、意味不明すぎて混乱しますのでお引き取り願います
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 00:09:47.49 ID:ICSQFj9DO
仲間さんあんまり飲み過ぎはよくありませんからねー
酔ってるの自覚できるとはいえ、酔ってるのに変わりはないんですから

あと>>1様乙でした
727 :仲間由紀恵 [sage saga]:2013/01/14(月) 08:35:36.84 ID:34slsZGRo
専ブラってこれでいいのかな
728 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 10:41:49.07 ID:Aqpxgg9s0

トール「一週間と三日」

フィアンマ『十日か』

トール「優秀な医者だったからな、担当が。安静にしてろと」

フィアンマ『なるほど』

トール「そっちはどうなの?」

フィアンマ『子供か?』

トール「そうそう」

フィアンマ『問題無いよ。少なくとも、お前よりは元気だ』

トール「はは、違いねえ」

個人で戦争を体現出来る彼は、怪我に慣れている。
故に、こうして落ち着いてしまえば、痛みにも耐えられた。

フィアンマ『ああ、これはおせっかいなのだが』

トール「あん?」

フィアンマ『サローニャを大切にしてやれ』

トール「>>730
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 10:47:01.14 ID:gC5uWuTSO
……おい、まさか…
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 11:06:51.00 ID:+G1dFOhS0
「ハハッ・・・大丈夫だって」コエガワリ
731 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 11:12:51.72 ID:Aqpxgg9s0

トール「ハハッ…大丈夫だって」

言っている途中から、声が変わる。
トールは不可解そうに眉を潜めた。
オフィーリアも同じく、不思議そうに首を傾げる。

フィアンマ『…声がおかしくなっていないか? 声変わりか』

トール「いや、声変わりなんてとっくのとうに済ませてるぜ?」

フィアンマ『……そうだな、声変わりならば声が低くなる筈だ』

トール「…どういうことだ?」

風邪か何かか、と思いながら、トールは喉に手を充てがう。
そのまま撫でて声を出してみるも、やはり声音がやや高い。

トール(な、何だ…?)





トールが声変わりした理由>>+2
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 11:24:20.96 ID:9nCoPsRS0
女体化が進んでいる
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 11:33:03.62 ID:gC5uWuTSO
チン○がへし折られ発動する女体化魔術が遺憾なく発揮された
734 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 11:52:12.16 ID:Aqpxgg9s0

フィアンマ『……ふむ。どうやら自業自得のようだな』

トール「あ? 全然思い出せねえんだが。何がどうしてこうなってやがる」

フィアンマ『お前が自分にかけた術式だぞ?』

トール「は?」

トールが考えている間にも、オフィーリアは『視』ているらしい。
しばらくして、情報が纏まったのか、完結に答えを叩きつけた。

フィアンマ『男性器が著しく傷つけられた場合、女体化する様に術式を多重掛けしていたようだ。俺様の渡したあの霊装効果で安心していたから、忘れていたんだろう』

トール「あ…ああ、…そういやそうだった…」

もし、男性器をへし折られたら。
中途半端な男として生きているのは辛い。
ならばそのまま女になってしまえば、さほど辛くもないだろう。
そんな思考回路で、過去、自分に術式を仕掛けておいた事を忘れていた。
性器が全治するまで、トールは女性のままとなる。

フィアンマ『……サローニャにヤられてデキなければ良いな。子供がデキれば最後、お前は元に戻れなくなる』

トール「恐ろしい事言うんじゃねえよ」

フィアンマ『……まあ、いいやつだったよ』

トール「!? 何で俺がやられること前提なんだよ」

フィアンマ『もう一度言っておくぞ。サローニャを大切にしろ』

トール「>>736
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 12:07:08.60 ID:gC5uWuTSO
え、何でそんなプッシュすんのなにそれこわい
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 12:11:38.18 ID:52KQrdblo
お、おう
737 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 12:14:38.31 ID:Aqpxgg9s0

トール「お、おう」

何故そこまで念入りに言うのかわからないトール。
裏事情を知れば納得するだろう、サローニャは所謂ヤンデレ気味である。
オフィーリアは、わかればいいと相槌を打って、通信を終える。
密かに少しばかりビビりながらトー^ルが横たわっていると、サローニャが戻って来た。

サローニャ「ただいまちゃん」

トール「ん、お帰り」

サローニャ「はい」

ジャンプを手渡され、トールは軽く礼を言いながら傍らに置く。
サローニャは見舞い客用のパイプ椅子を組みたて、腰掛けた。
そして、袋からアイスクリームを取り出して口にする。
練乳モナカ、と銘打たれたそれは、商品名そのままに練乳味のアイスが挟まれたモナカアイスだ。

トール「…すげえ甘そうだな」

サローニャ「>>739
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 12:17:42.56 ID:gC5uWuTSO
味わって、みる?
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 12:31:37.21 ID:KKvyxqSio
食べる?
740 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 15:27:39.64 ID:MXnavAC50

サローニャ「食べる?」

言いつつ、サローニャはパキリと割る。
上あごにモナカが張り付いてしまう事を除けば、なかなかに美味しい。
トールは迷いながらも受け取り、もぐもぐと食べてみた。

甘い練乳。
中にはホワイトチョコレート。
練乳の溶けたミルクアイス。
モナカに伝う、白い練乳。

口の中が真っ白な甘さへ、瞬時に染め上げられていく。
もぐもぐ、とトールは口を動かした。
ちなみに彼は内臓は痛めていないので、物を食べても問題無い。

サローニャ「美味しい?」

トール「>>742
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 15:29:34.05 ID:gC5uWuTSO
…ああ、美味いけど、スンゲーブラックコーヒー欲しくなるよなコレ…モッチャモッチャ
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 15:37:00.30 ID:gC5uWuTSO
トールさんもサローニャさんも今口から白くてドロい液体が垂れてるわけか…何それエr


安価↓
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 16:15:53.60 ID:lTOPds+T0
まずい
744 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 20:37:42.13 ID:8BnMXvA20

トール「まずい…」

甘すぎる、とトールは項垂れる。
サローニャはくすりと笑い、モナカを頬張った。

サローニャ「トールちゃんは甘党ちゃんじゃないもんね」

トール「コーヒーが好きだ。豆から淹れた美味いヤツな」

サローニャ「でもインスタントちゃんでも飲むよね」

トール「本当に美味しい味を知ってるのとそれしか飲まないって意地を貫くのは別物だと思うぜ?」

サローニャ「ん、それは私も思うよ」

やがてアイスを食べ終え、ゴミを片付け。
サローニャは長い脚を組み、暇そうにトールの様子を眺めた。

サローニャ「早く治るといいね」

トール「約十日かかるってよ」

サローニャ「毎日お見舞いに来るね」

トール「来たいなら止めないけど。…そういや、サローニャは俺のどの辺が好きな訳?」

サローニャ「>>746
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 20:39:49.70 ID:gC5uWuTSO
語ったら朝になっちゃうけどいい?キラン
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 20:46:23.65 ID:p2Bdrx2X0
全部、あと身体の相性
747 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 20:56:19.61 ID:8BnMXvA20

サローニャ「全部、あと、身体の相性」

はにかみながら、サローニャは答える。
戦闘狂なところも含めて、全て好きだから。
強いて言えば、やたらめったらと男に手を出すところだけはいただけない。

サローニャ「説明出来ない位好きだよ」

トール「…ふーん」

自分を好きになっても良いことなどないだろうにな、とトールは思う。
そもそも恋愛感情というものはメリットに基づいたものではないのだが。

トール(…大事にしてやれ、か)

オフィーリアがそうしつこく言うということは、何らかの未来が視えているということなのだろうか。
思いながら、トールは首を傾げ。
やがて鎮痛剤による不自然な眠気に、目を閉じた。






九月。
初秋とも呼べるその時期は、地味に肌寒く。
臨月を迎えたオフィーリアはというと、日々ぐったりとしていた。

上条「…だ、…大丈夫か…?」

本日は休日である。
バイトの妨げにならないよう必死こいて勉強をしている上条は、もはや補習という言葉とは疎遠であった。

フィアンマ「>>749
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 20:58:31.12 ID:ry6P0U820
吐き気が…
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 21:11:34.88 ID:+G1dFOhS0
お腹がキツイ
750 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 21:16:42.99 ID:8BnMXvA20

フィアンマ「お腹がキツイ」

彼女は細身だ。
そして、今までの食生活は慎ましいものだった。
故に、太った経験が無い。
仮に沢山食べても、体重に反映されない体質をしている。
なので、こうした身体が重いという状態が辛いのだろう。
上条もあまり太った事が無いので、気持ちはわかり辛い。
だが、何度か怪我で入院をしたことはあるので、あまり動きたくない苦しみについては理解出来た。

上条「産まれちゃえば楽になると思うから…な?」

フィアンマ「んー…」

オフィーリアは上条の手を握り、こくりと頷く。
腹に六キロ強の重いものを抱えているのだから、さぞ辛いことだろう。
太るのとはまた違って、妊娠によるその重みは、決して慣れる事は無い。

フィアンマ「…そういえば、出産は立ち会うのか?」

上条「>>752
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 21:17:46.64 ID:DeFyL0Ls0
俺が居て大丈夫かな?(右手あるし)
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 21:29:53.50 ID:gC5uWuTSO
勿論。最初から最後まで一緒にいる。手、握っててやる。
753 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 21:35:25.37 ID:8BnMXvA20

上条「勿論。最初から最後まで一緒にいる。手、握っててやる」

もしもその時学校やバイト先だったら早退して駆けつける。
そう言って、上条はこくりと頷いた。
オフィーリアは表情を和らげ、上条の手を握ったまま数度頷く。

フィアンマ「その前に産まれなければ良いが」

上条「どうだろうなー…っていうか、双子だからもしかすると帝王切開かもしれないし」

フィアンマ「その恐れは示唆されていたな。…手術の場合、それはそれでやりやすいが」

上条「オフィーリアが死なないかどうか心配で…」

フィアンマ「それで死ぬのなら、今までの人生の中で死んでいるよ」

だから大丈夫だ、と彼女は肩を竦める。
何でもないような顔をして、それでいて不安がっていることを上条は知っている。

上条「結局、お腹の二人の性別ってどうだったんだっけ」

この間検診の際に聞いたのである。

フィアンマ「>>755
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 21:36:14.20 ID:gC5uWuTSO
ksk
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 21:38:35.87 ID:f7lt/sVK0
男と女
756 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 21:43:43.43 ID:8BnMXvA20

フィアンマ「男と女だよ」

上条「ん、そっか。…双子の兄弟の定義ってどっちが先にお腹から出てきたか、だっけ?」

フィアンマ「確かそうだったように思うが」

上条「どっちも無事で産まれてくると良いな…」

冥土帰しの居る病院で出産する予定なので、誰が死ぬことも無いだろう。
と、思いたい上条である。

上条「名前はもう決めてあるんだけど」

フィアンマ「ほう」

上条「まあまあ可愛い名前と格好良い名前だと思う」

フィアンマ「人名辞典とにらめっこしていたしな」

上条「真面目に考えてつけないと、親の好き勝手は良くないし」

フィアンマ「まあな」

上条はオフィーリアの腹部を摩り、話しかける。
その度にお腹を蹴り、元気であることは大体確認出来た。

上条「つわりって酷いのか?」

フィアンマ「>>758
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 21:45:01.98 ID:gC5uWuTSO
体質のおかげでさほど辛くはないが…
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 21:46:42.95 ID:8LLRTYFm0
うえ
759 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 21:56:20.84 ID:8BnMXvA20

フィアンマ「体質のお陰でさほど辛くはないが…」

体質。
即ち、異常な程の幸運。
上条とは正反対のそれ。
要するに、普通の人が二回苦しむつわりを、オフィーリアは一度で済むということだ。
まったく無い訳ではないし、それなりに辛い時は辛いものである。

上条「そっか…代われたらいいのになー…」

フィアンマ「男は継続的な痛みに弱いらしいぞ」

上条「?」

フィアンマ「つまり、当麻が耐えられる痛みは俺様は耐えられないし、俺様が耐えられる痛みは当麻が耐えられないということだ」

上条「そういうもんなのか…」

フィアンマ「そういうものだ」

首を傾げ、上条はオフィーリアの腹部に耳を宛てがってみる。
その瞬間に蹴ったのは、拒絶か、返事か。






九月二十日。
オフィーリア=カンナヴァッチュオロは絶不調だった。
朝から嘔吐を繰り返しているし、立つ事もままならない。

フィアンマ「…し、…ぬ」

上条「びょ、病院行くか…?」

フィアンマ「う…」

出産予定日の範囲内ではある。
上条はオフィーリアは支えながらもオロオロとしていた。

フィアンマ「あ」

上条「…どうしたんだ…?」

フィアンマ「…これは破水というやつか」

上条「!? 何でそんなに冷静なんだよ!」

フィアンマ「俺様がうっかり死んだ時には、子供達を頼むぞ。先に言っておく」

上条「>>761
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 21:58:44.99 ID:gC5uWuTSO
バカっ!今救急車呼ぶからな!
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 22:09:05.04 ID:A1Rut+sM0
え!ちょ!あの!救急車!土御門ー!
762 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 22:28:45.71 ID:8BnMXvA20

上条「え! ちょ! あの! 救急車! 土御門ー!」

完全に恐慌状態だった。
幸い、上条の叫びは隣人に届いたらしい。
土御門は上条の頭を叩いた後、救急車を呼んだ。
上条は正気に戻った為、オフィーリアを励ます事に専念する。



何とか帝王切開は免れたものの。
初産ということで、時間がかかるのは明白だった。
そんな訳で、上条は消毒済みの服を着ていた。
現在地、病院の分娩室である。

御坂妹「ゆっくり息を吸ってください、ひっひっふーです、とミサカはラマーズ呼吸法についてわかりやすく述べます」

看護師である彼女はそう促し、不測の事態に対応出来る様準備を済ませている。
彼女は最初こそ、上条と付き合ったオフィーリアを恨んだものの、上条の様子や、御坂美琴撃退の話を聞き、身を引いたのだった。
ちなみに現在、彼女は彼氏募集中である。

フィアンマ「……、……」

上条「……お、オフィーリア…?」

フィアンマ「も、もう嫌だ、死ぬ、…っぐ、…クソ、オーディンにやられた時に死んでおけば…ッ!」

上条の手を握り締める手の力は強い。
余程痛いのだろう、とんでもないことを言い出していた。

上条「>>764
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 22:30:20.59 ID:gC5uWuTSO
何気にもうすぐ終わる気配だな…安価↓
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 22:32:33.06 ID:0QwfduD80
頑張れ!俺はずっと一緒にいるからな!

死なないでくれよ!
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 22:34:33.88 ID:KhiYkTTU0
>>1よ出産時の妊婦さんの握力は青竹を握り潰すほどだから
手の骨砕けるぞ 実際に手を握ってて骨を砕かれた人もいるし

安価は
大丈夫!ここの先生優秀だから!
766 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 22:37:41.53 ID:8BnMXvA20
>>763様 何でわかったんですかーやだー  いや迷ってるんですけどね》



上条「頑張れ! 俺はずっと一緒にいるからな! 死なないでくれよ!」

上条も強く手を握り返して励ます。
オフィーリアは歯ぎしりをして、呼吸を繰り返す。
痛みで投げやりになりながらも、御坂妹の指示には従っていた。

フィアンマ「っ、……は…」

上条「代わってやれないけど、俺は傍に居るから」

フィアンマ「ん、……いた、い…本当に、痛く、て…痛い…」

子宮の痛みは、即ち内臓の痛み。
鍛えたところで、耐えられない痛みだ。
ぼろぼろと涙を流しながら、オフィーリアは咳き込んだ。
上条は彼女と視線を合わせ、思いつく限りの言葉を投げかけて励ます。







>>+2のコンマ一桁で第一子の性別決定

0〜4 男

5〜9 女
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 22:38:53.53 ID:gC5uWuTSO
ある程度イベント消化したし、ショタンマスレに集中したいっぽいものな
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 22:41:42.01 ID:1T1DfhLf0
いや、だから骨砕けるってば
769 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 22:50:46.92 ID:8BnMXvA20
>>765様 情報提供ありがとうございますなにそれこわい 文章に反映します >>767様 半分の理由はそうなんですけどね 何というかこう、マンネリ感が  >>768 22:41:42.0『1』 結果:第一子・女》



三時間程経過しただろうか。
時間の概念が曖昧になるほど、長い時間の後。
ようやく一人目が産まれた。
御坂妹はテキパキと産湯等で処置し、赤ん坊の様子を眺める。

御坂妹「元気な女の子です、とミサカはセオリー通りに事実を述べます」

第一子が産まれれば、産道は既に開いている。
第二子である男の子が産まれるまで、さほど時間はかからなかった。

上条「よ、良かった……」

安堵しながら、上条はそっと手を離す。
どのみち保育器には入れられるものの、元気ではあったらしい。
オフィーリアはぼんやりとした表情で赤ん坊二人を見つめた。

フィアンマ「……、…ん」

手を伸ばし、赤ちゃんの手に触ってみる。
小さい手は、反射的にオフィーリアの手を握った。

上条「二人共元気そうで…良かっ、た…」

言いながら、上条はしゃがみこむ。
握られていた手の骨がほぼ砕けてしまった。
興奮状態から冷めるにつれ、上条の手の痛みは増していく。

上条「や、ばい、今度は俺が、しぬ、」

それでも手を離さなかった彼の精神力は賞賛に値するものだろう。

ただし、複雑骨折なので手術室行きである。










あてがわれたのは、病院の大部屋。
オフィーリアがぼんやりとしていると、上条がやって来た。
右手はぐるぐると包帯で巻かれている。痛々しい。

フィアンマ「…すまなかった。必死だったからあまり覚えていないんだ」

必死に握っていたので、砕いてしまった。
しゅん、と落ち込みながらも、謝罪する。
彼女は彼女で体力を消費している筈なのだが、『世界を救える程の力(=強大な生命力)』が作用したのだろうか、顔色はもう悪く無い。

上条「>>771
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 22:53:37.44 ID:gC5uWuTSO
いや、大丈夫。こうなる覚悟で握ったんだ

771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 22:53:57.33 ID:mEakWEi10
オフィーリアの痛みとくらべたらなんのその
772 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 23:00:40.60 ID:8BnMXvA20

上条「オフィーリアの痛みと比べたらなんのその」

大丈夫大丈夫、と応えて、上条はオフィーリアの隣のベッドへ座る。
彼がガラガラと引いている点滴の中身は鎮痛剤だ。
その内副作用で眠くなるだろうと思いながら、上条はオフィーリアを見つめた。

上条「……良かった。赤ちゃんも元気だったし、オフィーリアも生きてるし」

フィアンマ「死ぬかと思ったが」

上条「死ぬ死ぬ言ってたしな」

珍しく、と笑い。
上条は、折れて使い物にならないのとは反対の手で、オフィーリアの髪を撫でる。
大人しく撫でられながら、オフィーリアは欠伸を噛み殺した。

上条「一姫二太郎…とはちょっと違うか。姉弟だったな」

フィアンマ「当麻の理想通りだったな」

上条「まあな。でも、双子だし何とも」

年齢差が無いから姉弟という感じはしないかもしれない、と上条は思う。

上条「……オフィーリア。ありがとな」

フィアンマ「…>>774
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 23:01:50.32 ID:gC5uWuTSO
どういたしまして旦那様
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 23:03:11.61 ID:mEakWEi10
これからもよろしくな
お父さん
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 23:03:18.10 ID:0QwfduD80
776 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/01/14(月) 23:13:15.88 ID:8BnMXvA20

「…これからもよろしくな」

言って、彼女は思い出した様に付け加える。

「お父さん」
「…ああ、…よろしく、お母さん」

思えば、長かった。

初対面の時は、戸惑った。
家事手伝いを条件に始まった同居だった。
プールに行った時、彼女が泣いた事があった。
一緒に姫神秋沙を助けた事もあった。
彼女が助けてと言ったから、イタリアまで追いかけた事もあった。
神浄を二つに分けた存在、ということが判明した。
彼女が魔神に攫われたこともあった。
何度も世界を救って、何度も傷ついた。一度、死んだ事も、あった。
大喧嘩をした。何日も会えなかった時、辛かった。
魔神を殺した。彼女が埋葬をした。
赤ちゃんがデキた。御坂美琴に殺されかけたこともあった。

「オフィーリア」
「んー?」
「退院したら、子供と一緒に家に帰ろう」
「……そうだな」
「それで、これからもこれまでと同じ様に、それよりもっと幸せに暮らすんだ」

無事な方の手を繋いで、上条当麻は幸せそうに微笑む。
今まで不運不幸と辛い目に遭ってきたのは、今この瞬間の為の布石だったのかもしれない。





「今、俺は…上条当麻は、世界で一番幸せだ!!」














                                                         おわり
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 23:15:41.92 ID:gC5uWuTSO
乙。長い間お疲れ様
778 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/01/14(月) 23:15:42.50 ID:aUQhxr1AO

投げっぱなしのところはご想像にお任せします。 長い間お付き合いいただき、ありがとうございました。
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 23:32:46.20 ID:ICSQFj9DO
>>1様乙でしたー、いや乙という言葉じゃ足りないくらい乙でした!
垣根兄弟の恋愛や後日談も気になるとこですが脳内保管しときます
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 01:04:31.25 ID:+2EYRswBo
乙でした
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 04:46:58.75 ID:xkAuTecRo
おつ、だけど何で姉弟になっちゃったんだ?

あと他のかっぽぅとか、垣原親子とかもいろいろ見たかったけど

改めておつ!
782 :仲間由紀恵 [sage]:2013/01/15(火) 07:18:42.06 ID:na/68aSK0
乙でした
さて次の目標はこのスレ越えですねニヤリ
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