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くりむ「麻雀大会に参加するよ!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:31:10.67 ID:XGXSK9pY0

杉崎「また随分と面倒なこと考えましたね・・・・・・俺、麻雀の知識なんてまったく」

真冬「真冬も家でモンハンする予定が・・・・・・」

知弦「あら、全国大会にはキー君や真冬ちゃんの大好きな美少女や美少年もたくさん参加してるみたい」

杉崎「よしっ!今から徹夜でルール覚えて全国目指して頑張ります!」

真冬「ふふっ、真冬はネトゲ麻雀では『役満のまふー』と名の知れた存在なんですよ? 任せてください!」



知弦(これでよかったの、アカちゃん?)

くりむ(こうでもしないとやる気出ないでしょ、この二人)

深夏「全国かぁ・・・・・・燃えるぜ!」

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寝こさん若返る @ 2024/05/11(土) 00:00:20.70 ID:FqiNtMfxo
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第五十九回.知ったことのない回26日17時 @ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715300281/

ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part13 @ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715263679/

今際の際際で踊りましょう @ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1715262444/

誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715258363/

A Day in the Life of Mika 1 @ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715180413/

真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715130904/

愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715108060/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:32:49.93 ID:O8QkZT480
久々の生存ssか…

たぎってきた
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:37:37.72 ID:Py8vXDUDO
くりむは国士無双以外を覚えられるのか……
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:40:53.54 ID:s56MAS/co
杉崎が空気キャラになる可能性が微レ存?
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:45:21.15 ID:XGXSK9pY0

真冬「でも、なんで会長さんが麻雀なんかに興味持ったんですか?」

杉崎「確かに麻雀って基本的に年齢が高い人がやるもんですよ?」


くりむ「それだよ!」


杉崎「へ?」

くりむ「みんな普段から私を子供子供って馬鹿にして! 私だって麻雀くらいできるもん!」

くりむ「そのためにみんなには内緒で、知弦にこっそり麻雀のルール教えてもらってたんだよ!」

くりむ「全国大会に優勝して、日本中に碧陽学園の生徒会長がいかに偉大か知らしめてやるんだよ!」

杉崎「普段から俺らにいじられてること、すっげえ根に持ってるんすね・・・・・・」

真冬「真冬たちを見返すための手段が『麻雀』っていかがなものでしょうか・・・・・・」

知弦「そのためにアカちゃんと私の三人でここ三日猛特訓してたのよ」

杉崎「三日っすか!? いや確かに会長の思いつきの行動ならそれが限界か・・・・・・」

知弦「最初はそれで気が済むと思ったんだけどね、深夏が練習の風景を見てたみたいで」


深夏「アタシが『全国目指さねえか?』って声かけたんだ」


杉崎・真冬『主犯はお前か(ですか)!』
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 00:02:00.34 ID:bqeDEd5B0

深夏「まあ待てよ? いいか、全国だぞ? ナンバーワンだぞ! トーナメント方式って燃えねえか!?」

杉崎「お前、熱い展開になれば何でもいいと思ってるだろ!」

深夏「まぁ話は最後まで聞けよ。もしアタシたちが優勝するようなことになるとする・・・・・・どうなると思う?」

杉崎「そりゃあ碧陽の知名度が上がって、俺たち生徒会メンバーの知名度が上がって・・・・・・はっ!?」

杉崎「全国中の美少女が優勝した俺の元に集ってくるのか!?」

真冬「真冬のBL理想郷も完成するということだね、お姉ちゃん!」

知弦「取材もたくさん来るでしょうね。そうすれば小説以外の収入源も生まれるかもしれない」

くりむ「そして、日本の高校生雀士が碧陽の前にひれ伏すことになるんだよ!」

深夏「そうだ、いいことづくめだ。アタシたちにデメリットは何一つない」

杉崎「元々うちの生徒会はこれといった活動もしてないしな、それが何かの記念になるならやってみるか」

くりむ「みんな、目標は全国大会制覇だよ! 会長命令!」

5人『おー!』


――こうして俺たちの、麻雀道が始まった!
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 00:05:44.98 ID:jGXxREok0
相変わらず自分の欲望に忠実な連中だなw

後sage取ってくれるとありがたいです
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 00:18:09.91 ID:bqeDEd5B0

――次の日


俺らは重大な事実に気づいた。


五人(この大会、男子は参加不可できないじゃん!)


杉崎「俺参加できないじゃないっすか! どうするんですか、会長!」

くりむ「んー残念だったね。杉崎の分は私たちが頑張るよ」

杉崎「昨日必死に麻雀のルール覚えた俺の時間返せコノヤロー!」

深夏「でも、実際これやばいぜ。鍵がいなくても、メンバー足りねえんじゃねえの?」

知弦「大会に出場するためには、女子五人と監督が必要って参加申込書に明記されているわ」

真冬「それって、真冬達はまた始まる前から挫折するんですか・・・・・・」

深夏「それはそれで、生徒会らしいけどな・・・・・・でもさ」


くりむ「せっかく頑張ってルール覚えたのに・・・・・・」ウルウル


四人「・・・・・・」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 00:30:16.26 ID:bqeDEd5B0

杉崎「会長。俺、知り合いに片っ端から声かけてみます」

くりむ「へ?」

深夏「あたしも2−Bのみんなに頼んでみるぜ」

真冬「真冬も、クラスメイトの皆さんにお願いしてきます! ・・・・・・断られるかもしれませんけど」

知弦「教職員の方や新聞部あたりにも相談してみようかしら」

くりむ「みんな・・・・・・」

杉崎「せっかく会長がやる気なんです。その思いを無下にするようなことはしませんよ」

知弦「私がアカちゃんを裏切るような行為なんてしないわ」

深夏「全国に行こうなんて言いだしたのはアタシだしな・・・・・・責任はとるさ」

真冬「真冬も精一杯頑張りますから、会長さん泣かないでください!」

くりむ「・・・・・・うん、そうだね。こんなところでくじけないよ、私!」

杉崎「じゃあ、また明日の放課後に結果報告ということで」

くりむ「そうだね! 私も精一杯頑張るよ!」


くりむ「ありがとね、みんな」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 00:48:30.94 ID:bqeDEd5B0

――とあるゲームショップ

杉崎「よっ、水無瀬」

水無瀬「これはこれは、日を重ねるごとにワキガ臭くなってきた杉崎君じゃありませんか」

杉崎「俺はワキガじゃねえ! 毎日体洗ってるよ!」

水無瀬「臭いが・・・・・・おえぇ」

杉崎「お前は相変わらず俺に対して敵意むき出しだな!」

水無瀬「仕方ありませんね。私がこのファブリーズで除菌してあげましょう」

杉崎「お前は俺をなんだと思ってるんだよ!?」

水無瀬「バクテリア」

杉崎「お前は俺がぶっつぶす」

水無瀬「・・・・・・ところで、昨日もエロゲをたくさん買って、バイト代がすっからかんと言っていたあなたが」

水無瀬「とてもエロゲを購入しにきたようには思えないのですが」

杉崎「ああ、実はだな・・・」

・・・・・・

・・・
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 01:00:33.64 ID:y33WqJ8d0
真っ先に水無瀬を出すとかこの>>1分かっていると言わざるを得ない
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 01:07:48.04 ID:bqeDEd5B0

水無瀬「なるほど、だから私に麻雀大会に参加して欲しいと」

杉崎「なんとかならないか?」

水無瀬「杉崎君も知っての通り、私は勉強に集中しててそんな暇はありません。すいませんが他をあたってください」

杉崎「だよな・・・・・・」

水無瀬「・・・・・・それに」

杉崎「?」


水無瀬「実は私、その大会に出場します。他校の生徒として」


杉崎「・・・・・・は?」

水無瀬「確か・・・・・・釧路にある鶴賀学園でしたか。父親の仕事の都合でその学校の麻雀部の部長と面識があるのです」

杉崎「へぇ・・・・・・」

水無瀬「私は最初断ろうと思いましたが、数少ない友人の一人の頼みごとなので承諾しました」

杉崎「・・・・・・」

水無瀬「杉崎君、参加するなら私も全力であなたがたを潰しにきますから」


「その時はどうかよろしくお願いします」


杉崎「・・・・・・お、おう。楽しみにしてるぜ。じゃあな」


・・・・・・


・・・


杉崎(・・・・・・参加しなきゃいけない理由がまた増えちまったな)
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 01:29:51.59 ID:bqeDEd5B0

――2-B教室

深夏「うっす、鍵」

杉崎「おはよう、深夏」

深夏「部員集めどうだったんだ?」

杉崎「……あれからいろんな所に電話かけてみたけど全然ダメだった」

深夏「あたしもできるだけ学校中の知り合いに頼んでみたが」

深夏「……みんな部活動が忙しいとか麻雀に興味ないとかで断られたよ」

杉崎「こりゃ部員探すのは困難を極めそうだぞ……」


???「なにやってんのよ、二人して深刻な顔して」


杉崎「……おぅ、巡か」

巡「アンタ達が落ち込んでるとこっちまで調子狂うのよ、悩みがあるなら相談しなさいよ」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 01:38:39.61 ID:NB3Vvqig0
ちなみにまだ巡の好意には気づいてませんよね?3年生の初期段階ですよね??
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 01:43:53.07 ID:0n5tw3Jbo
えっ? 鶴賀学園?

……やっぱ杉崎が空気キャラになるん?それともホモ?
釧路なら別物であって欲しいレベル
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 01:47:55.58 ID:bqeDEd5B0

巡「なるほどね、話はよくわかったわ」

杉崎「おう」

巡「じゃあこの私が参加してあげるわよ!」

深夏「本当か!」

巡「大事なクラスメイト(というか杉崎)のお願いだもの!そのくらい容易いわ!」


守「こらこらこらこら待てぃ」


杉崎「お前は……外伝では地味な活躍しかしない微妙な超能力者の宇宙守君」

守「なにその悪意のある自己紹介! てかそれが今日、俺に向けての第一声ってひどくね!?」

深夏「せっかく部員がそろって歓喜に満ちてるんだ、水を差さないでくれよ」

守「深夏まで!? 俺そんな悪いことしましたか!?」

巡「アンタ……そんな生意気な弟に育てた覚えは無いわよ!」

守「俺は姉貴に育てられた覚えねぇよ!それに今の行動のどこに生意気な箇所があったんだよ!」

守「あぁもう……」


守「姉貴はアイドルなんだから、どう考えても部活する時間なんてないだろう!」


三人『あっ』

守「みんな今気づいたの!?」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 02:09:32.97 ID:bqeDEd5B0

巡「迂闊だったわ……まさかスケジュールが空いてないなんて」

守「仮に空くようなことがあっても、ろくに練習すら出来ないだろ?」

巡「うぅ……ごめんね、杉崎」

杉崎「いや、気持ちだけでも嬉しいぜ。ありがとな、巡」

巡「はうっ!」

守(あちゃー姉貴のヤツ、また杉崎の言葉に興奮してるよ)

深夏「なぁ、守も話聞いてたんだろ? 何かいい案ねえか」

守(これはチャンス! なんとしてでも深夏にいいところ見せねば!)

守「ま、任せろ!……おっ、見える、見えるぞ! お前らが大会に参加するビジョンが!」

深夏「未来予知か!? お前にはアタシ達が大会に参加する未来が見えるのか!?」

守「ああ!……おっ、これは」

深夏「どうしたんだ?五人目のメンバーが見えてんだろ」

守「……いや、見えたには見えたんだが」ダラダラ

杉崎「おい黙ってないで何か言えよ」


守「五人目は……女装して参加する杉崎の姿が」


杉崎「」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 02:32:23.02 ID:bqeDEd5B0

杉崎「ま、まぁ、守の未来予知は微妙だし当たんないって!」ハハハ

深夏「まったく守は相変わらずだなぁ」ハハハ

守「それなら別にいいけど……」


中目黒「もし杉崎君が嫌なら、僕が代わりに女の子として大会に参加するよ!」


杉崎「おおっ、中目黒!?」

中目黒「女の子の顔立ちに近い僕なら女子として参加しても違和感ないよね!」

杉崎「いや、それは常識的に考えてだな……」

中目黒「杉崎君、僕じゃ嫌なの?」

杉崎「何この真冬ちゃんがいたら喜びそうなシチュエーションは! 顔近いから離れろって!」

杉崎「お前の気持ちはよくわかった、でもこれはあくまで女子限定だからな! 可能な限り女子を探すさ」

中目黒「もしどうしても見つからない時は僕に言ってね! 僕も麻雀の練習しておくからさ!」



深夏「結局2-Bもダメか、もう知り合いいねえぞ」

杉崎「俺、昼休みに真冬ちゃんのクラスにいってみるわ」

深夏「アタシは校内で他に頼めそうなやついないか探してみるよ」

杉崎「頼む」


……
 




巡(……杉崎のやつが困ってるのに私は何もできないのかしら)

巡(……)
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 02:41:21.59 ID:bqeDEd5B0
今日はここで寝ます。続きは目が覚めたら
次回は部員集め後編から始まります

>>14 はい。時系列は深夏デレ以前となります

>>15 生徒会の頑張りを描くのと、咲のキャラとのクロスオーバーというのが趣旨でして
長野のキャラを出す場合、地方予選の時点で無理やり北海道を魔境にしなければなりませんでした
あらかじめご了承ください。あと、杉崎を空気にすることはいたしません、キー君はいつだって物語の要です
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 02:51:40.08 ID:0n5tw3Jbo
乙なのよー、にしとこ。期待しとるよー
空気キャラにならんのなら安心やね!京ちゃんはヤバい
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 03:02:19.08 ID:O4R95mato
乙ー
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 09:30:58.63 ID:OgOb3I9o0


やはり咲とのクロスか、ということは

(はいてない)

と思って期待しとく
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 11:25:10.22 ID:EgtLMwQMo
生徒会って途中で買うのやめたんだけど会長達って留年したの?
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 11:33:57.56 ID:wyjyGIdIO
急に鶴賀が地元にある設定になったから何事かと思ったら
そういや生存って北海道が舞台っぽい描写あったな…
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 15:11:37.14 ID:bqeDEd5B0
目覚めたので再開
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 15:27:34.67 ID:uFjQcE6p0
>>23

いや普通に卒業したよ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 15:43:30.74 ID:bqeDEd5B0

――1-C教室

杉崎「うーっす。真冬ちゃんいるか?」

ワイワイ ガヤガヤ マフユサマワタシノモノ ウオオオオオオオオオオオ

杉崎「ん? 妙に騒がしいな」

秋峰「先輩、いいところに来てくれました!」

杉崎「どうした秋峰?」

秋峰「実は、椎名のやつが麻雀をするっていうので一人メンバーを募集してたんですよ」

杉崎「まぁ俺達生徒会が始めようっていったからな……(あの人見知りの真冬ちゃんも頑張ってくれてるんだ)」

秋峰「しかしそれを聞いたうちの女子連中が……」


「私が真冬様と一緒にやるのよ」 「いや、ここは麻雀に詳しいこの私が!」

「待てっ、なぜ男子は参加してはならんのだ!」 「ここは我々の力を使って大会規定を変えてもらうか?」

「それは許されないぞ!女神は我らの愚行を望んではいない!」 「やはりここはリーダーであるこの薄野虎太郎が……」


秋峰「……この有様です」

杉崎「これはひどい……ところで、真冬ちゃんは?」

秋峰「椎名は『1-Cの人は優柔不断なのです、プンプン!』といって、ゲーム部のほうに行きました」

杉崎「それは賢明な判断だ……ところで国立さんは麻雀には興味ないのか」

秋峰「さすがにリリね……委員長は麻雀には興味――」


凛々「何を言ってるのですか、葉露君!」


秋峰「!?」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 15:59:54.92 ID:bqeDEd5B0

凛々「お姉ちゃんは麻雀くらいできます!」

秋峰「いや、これ全国だよ? 委員長をあんまり面倒ごとに巻き込みたくなくて」

杉崎(相変わらず小賢しい! お前、国立さんと一緒にいたいから参加させたくないだけだろ!)

秋峰「そ、そうだ。杉崎先輩からもなにかいってやってくださいよ! 頼みます!」

杉崎(そこまで国立さんと一緒にいたいのか!? お前必死だな!)

杉崎(……しかし、秋峰にここまで懇願されちゃぁな)

杉崎「あの大丈夫ですよ、国立さん。あなたが参加しなくても、メンバーは足りそうなんで」

凛々「そうですか……もし困った時は力になりますよ」

杉崎「気持ちだけ受け取っておくよ」


秋峰「……先輩、恩に着ります」ボソッ

杉崎「別にいいって」


千歳「あっ、すぎすぎ先輩にゃ!」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 16:16:47.14 ID:bqeDEd5B0

杉崎「どうしたんだい、千歳ちゃん?」

千歳「すぎすぎ先輩が麻雀大会に出るのを聞いて飛んできたのにゃ!」

杉崎「もしかして、俺達を助けてくれるために……」


千歳「あえて敵校のチームを強化して、碧陽の最大のライバルにするのにゃ!」


杉崎「だろうねぇ! 君のことだからなんとなくだけどわかってたよ!」

千歳「すぎすぎ先輩達はちーちゃん率いる最大の敵・風越女子高校を撃破できるのか、最高に面白いにゃ!」

杉崎「俺らはちっとも面白くねえ! むしろ苦行なんですが!」

杉崎「んっ……風越? どっかで聞いたことあるような」

千歳「そりゃそうだにゃ! だって道内では麻雀の名門校として有名なのにゃ」

杉崎「ああ、だから聞き覚えが」

千歳「ちーちゃんはそこの子と知り合いなのにゃ! もしよかったら、今度練習試合申し込んであげてもいいにゃ!」

杉崎「君は一体何者なんだ!?」

千歳「それまでに、五人ちゃんとと集めてくるのにゃ! 楽しみにしてるにゃ!」


……





杉崎「なんかどんどん話が大きくなってないか、おい。絶対参加しなきゃいけない雰囲気になってんじゃねえか」

杉崎「……駄目元で新聞部いってみるか」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 16:37:05.70 ID:bqeDEd5B0

――新聞部

リリシア「なぜ私、この藤堂リリシアが新聞以外の道楽に手を染めねばなりませんのかしら!」

リリシア「探すなら他を当たってくださいまし! おーっほっほっほっ!」

杉崎「だろうね! この人が俺達に協力する気なんて百パーないと思ってたよ!」

ガラガラ

知弦「お邪魔するわ」

杉崎「知弦さん」

リリシア「何をしに来たんですの、紅葉知弦? 私はもう断って……」

ドサッ

リリシア「なんですの? そのバック?」

知弦「この中にキー君のプライベートを収めた映像が一週間分収まっているわ」

リリシア「!?」

知弦「これで取引しましょう」

杉崎「えええっ!? 勝手に何やってんだ、アンタ!?」

知弦「ごめんねキー君、なんとしてでも部員が欲しいのよ。これも皆のため」

杉崎「なんだ、それなら……って、いやいやいやいやっ! 一週間前はまだ会長も麻雀始めてない頃でしょう! いつから撮ってるんすか!?」

知弦「紅葉知弦、趣味は盗撮です」

杉崎「あんたやっていいことと悪いことがあるぞ!?」

リリシア「ふむ、これをネタに杉崎鍵のデタラメ記事を書くのもアリかもしれませんね」

杉崎「アンタはアンタで俺をいじる気満々じゃねえか!」

リリシア「取引成立ですわ……しかし、私は新聞部の活動を継続するため参加できませんの。だから……」


リリシア「風見部員、ちょっとこちらへ」


めいく「げっ!?」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 16:48:46.12 ID:4sHOdKhO0
めいくキターーーーー!!
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 17:04:10.68 ID:bqeDEd5B0

リリシア「この風見部員を、大会終了まで使いまわすことを許可しますわ」

めいく「ちょっ、部活は!?」

リリシア「あなたがいなくても、私一人で回りますわ。ご心配なさらずに。参加しない場合はどうなるか、わかっておりますよね?」

めいく「や、やりますよ! ……ったく、なんで私が杉崎鍵なんかと!? これは悪夢よ、夢であって欲しい……」

杉崎「おーい、聞こえてるぞ。ラブコメ女」

めいく「私には風見めいくっていう名前があります!」

知弦「キー君、知り合いなの?」

杉崎「はい、いろいろ複雑な経緯がありまして」

リリシア「もし我が碧陽が優勝すれば、新聞部のさらなる知名度向上につながりますわ!」

リリシア「……それに」

杉崎「それに?」


リリシア「あの『トウカ』に、目に物を見せてやることが出来ますわ」


杉崎「トウカ?」

リリシア「杉崎鍵には関係ないことですわよ」

リリシア「もし、他校に関する必要なデータが欲しい場合はこの藤堂リリシアにお任せくださいな」

知弦「藤堂さん、やけに協力的だけど、どうしちゃったの?」

リリシア「利害の一致と気分の問題ですわ」

杉崎「はぁ」

めいく「そしてその気分のせいで巻き込まれる私の気持ちも考えてください!」

杉崎「まぁまぁお前もかわいいんだから自信持てよ!」

めいく「な、なにを言ってるんですか、あなたは!」



知弦「……まぁ、これで部員は五人確保ね」

杉崎「あとは……顧問か」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 17:26:34.39 ID:bqeDEd5B0

――職員室

真儀瑠「おう、おまえらどうしたんだ? 麻雀部の顧問ならやらないぞ?」

杉崎「話は聞いてたんすね……何とかなりませんか」

真儀瑠「これは教師である私の一存で決められる問題じゃないからなぁ」

杉崎(……あぁ、《企業》絡みか。この学園で流行したことは全国に波及するからな)

杉崎(しかも今は麻雀ブームが起きるかもしれない状況だ、《企業》としても利益にあやかりたいはず)

杉崎(だが、流行を見守るための存在である《企業》関係者は、碧陽生徒への干渉ができない)

杉崎(真儀瑠先生じゃどうしようもないのか……)

知弦「では他に適任者は?」

真儀瑠「……そういや『アイツ』なら、ちょうど都合がいいかもな」

杉崎「アイツ?」

真儀瑠「そう、お前もよく知っている『アイツ』だ。夕方までには紹介できると思う」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 17:48:06.70 ID:bqeDEd5B0

――放課後、生徒会室

めいく「というわけで、これからしばらくよろしくお願いします」

くりむ「この子が五人目?」

杉崎「はい、リリシアさんの所にいる部員です」

深夏「よろしくな、めいく!」

真冬「めいくさん、よろしくです!」

めいく「は、はぁ」

めいく(ありえない、ありえないわ!なんでこの碧陽で一番の魔境の生徒会に、平凡な私が在籍してるのよ!?)

めいく(早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたい)

深夏「……なぁ、この子うなされてるけど大丈夫なのか?」

杉崎「あの新聞部の部員という時点で察しろ」

真冬「碧陽独特の変人オーラがぷんぷんしますです」

くりむ「しかし、一人足りない時はどうなるかと思ったよ! これも会長のなせる業だね!えへん!」

四人(お前、なんにもしてねえだろ!?)

ガラガラ

真儀瑠「よっ、お前ら。顧問を連れてきてやったぞ」

杉崎「本当っすか!?」

知弦「でもその人って期待できる人なんでしょうか?」

真儀瑠「大丈夫、アイツは腐っても仕事はできるからな……入れ」

杉崎「おい、それってまさか……」


???「ふんっ! やっと《楽園》から出てきたかと思えばガキ共の子守か! 実に不愉快だ!」


杉崎「枯野恭一郎!」

枯野「くくくっ、相変わらず生意気なヤツだ、杉崎鍵」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 17:52:49.64 ID:bqeDEd5B0
飯くってくる
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 19:10:04.75 ID:bqeDEd5B0
真儀瑠「今日から麻雀の部活動は、この枯野恭一郎氏に一任する」

知弦「あら、枯野さん?」

深夏「確か文化祭前夜に全校生徒を呼び出したとき、鍵と一緒に体育館のステージに立ってた…」

杉崎「なんでアンタが・・・・・・」

枯野「貴様らを全国大会に導くために真儀瑠に雇われたのだ。私の練習は厳しいぞ・・・・・・覚悟しておけ!」

杉崎「この人、意外と乗り気だ!」

真冬「枯野さんって麻雀はできるんですか?」

枯野「ふん、大人の社会では付き合いで麻雀をやることなどよくあることだ。私が本気出して負けることはほとんどない」

くりむ「じゃあさ、早速私達に麻雀を教えてよ!」

枯野「よかろう、まずはこの私と紅葉知弦、椎名深夏、椎名真冬の四人で行うとするか。桜野くりむと風見めいくはそこで見学しているといい」



杉崎「・・・・・・これでいいんすか」ボソッ

真儀瑠「しょうがないだろ、あいつが一番自由に動かしやすいんだ」

真儀瑠「それに企業の方も早速麻雀を流行らそうと乗り気だしな。桜野が麻雀にはまった時点で諦めてたさ」

杉崎「しかし人選が間違ってないっすか・・・・・・碧陽つぶすために何してくるかわからないっすよ?」

真儀瑠「それはない、条件付きで開放してるんだ。無事にことを進めたら《楽園》から脱出させる手続きをとってある」

真儀瑠「それにあいつはあいつでなかなか面白いやつだぞ」

杉崎「はぁ」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 19:43:07.86 ID:bqeDEd5B0

くりむ「これでようやく大会に参加できるよ! 念願の大会!」

枯野「相変わらず貴様らは能天気だな」

深夏「どういうことだよ?」

枯野「聞けば貴様ら、全国大会制覇が目標らしいじゃないか……くくっ、笑わせてくれる」

杉崎「は? 何がおかしい」

枯野「お前らはこの北海道地区のレベルを知っているのか?」

真冬「そういえば……」

知弦「何にも知らないわね」

枯野「どこまでものんきなヤツらなのだ。今のうちに断言しておくぞ」


枯野「貴様らでは2回戦を勝ち抜くことすら困難だ」


六人『……』

枯野「一通り貴様らの実力を拝見させてもらった。……だが、全員及第点にすら至らないゴミクズ共ではないか」

枯野「たかだか1週間もやっていない素人が、大会を制覇できるなんて夢を見すぎだ」

枯野「ままごとならこの生徒会室だけでやっていろ、実力も無い人間に大会を生き残ることは不可能だ」

くりむ「うっ……うっ……」

杉崎「おい枯野、ちょっと言い過ぎだぞ!」

枯野「おかしなことを言うなクソガキ? 私は現実を直視させてやってるだけだ。この程度で挫折するようなら、その程度の覚悟だということだ」


枯野「信念の無い人間は今すぐ[ピーーー]。戦うということは、他人を蹴落としてでも生き延びるということだ」


杉崎「……っ」


――正論だ。枯野の言っていることは何一つ間違っちゃいない。

  
  (俺たちはいままで正面から戦いを挑んだことが無い)


枯野「今の貴様らに、麻雀を教える価値など無い。悔しかったら……強くなれ」

カタカタ

六人『……』

 
――俺達は自分達の無力さをかみ締めながら、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/05(土) 19:45:17.93 ID:bqeDEd5B0
>>37 修正

くりむ「これでようやく大会に参加できるよ! 念願の大会!」

枯野「相変わらず貴様らは能天気だな」

深夏「どういうことだよ?」

枯野「聞けば貴様ら、全国大会制覇が目標らしいじゃないか……くくっ、笑わせてくれる」

杉崎「は? 何がおかしい」

枯野「お前らはこの北海道地区のレベルを知っているのか?」

真冬「そういえば……」

知弦「何にも知らないわね」

枯野「どこまでものんきなヤツらなのだ。今のうちに断言しておくぞ」


枯野「貴様らでは2回戦を勝ち抜くことすら困難だ」


六人『……』

枯野「一通り貴様らの実力を拝見させてもらった。……だが、全員及第点にすら至らないゴミクズ共ではないか」

枯野「たかだか1週間もやっていない素人が、大会を制覇できるなんて夢を見すぎだ」

枯野「ままごとならこの生徒会室だけでやっていろ、実力も無い人間に大会を生き残ることは不可能だ」

くりむ「うっ……うっ……」

杉崎「おい枯野、ちょっと言い過ぎだぞ!」

枯野「おかしなことを言うなクソガキ? 私は現実を直視させてやってるだけだ。この程度で挫折するようなら、その程度の覚悟だということだ」


枯野「信念の無い人間は今すぐ消えろ。戦うということは、他人を蹴落としてでも生き延びるということだ」


杉崎「……っ」


――正論だ。枯野の言っていることは何一つ間違っちゃいない。

  
  (俺たちはいままで正面から戦いを挑んだことが無い)


枯野「今の貴様らに、麻雀を教える価値など無い。悔しかったら……強くなれ」

カタカタ

六人『……』

 
――俺達は自分達の無力さをかみ締めながら、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 21:24:48.90 ID:gdTUpFpv0


[ピーーー]ってなるのはメール欄にsagaって入れれば無くなりますよ
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/06(日) 15:03:39.64 ID:JBb68CTk0

――次の日

くりむ「敵を知り己を知らば百戦危うからずなのよ!」

くりむ「というわけで、まずは私たちの実力を思い返してみようと思うのよ!」

杉崎「……今の俺らにはそれが一番っすね」

杉崎(確かにまだ一週間未満で麻雀始めた俺らと、毎日練習している他校の生徒じゃ歴然の差だもんな)

くりむ「というわけで、知弦! 昨日の記録とってあるよね!」

知弦「ええ、昨日、枯野さんと麻雀やった時のデータをまとめてあるわ」

知弦「まず、アカちゃんだけど……和了ることすらできてないわね」

知弦「ポンやチー、カンをやった形跡も一回も無し。アカちゃんって何を狙おうとしてたの?」


くりむ「ふっ、もちろん『国士無双』だよ!」


五人『……』

くりむ「な、なによ。みんな急に無言になっちゃって」

杉崎(ああ、この感覚。どこかで味わったことあると思ったら……)


杉崎「知弦さん……この人、『クリムゾンの悲劇』から何も学んでないじゃないですか」


 ――そう、『クリムゾンの悲劇』。
 
 生徒会メンバーでポーカーをした時、会長の絶望的な勝負運のなさと
 
 どうしても一勝したい会長のわがままによって、延々とポーカーをさせられたあの事件。


知弦「……確かに麻雀とポーカーって似てるところあるわよね」

深夏「だとしたらまずいぜ……このままだとあの悲劇再来だぜ」

真冬「もっと早く気づくべきでした、どうあがいても絶望だということに」

杉崎「下手したら会長だけで飛んじゃう可能性ありますよ……」

杉崎(枯野の言うとおりだ、これは勝てない。いや勝負がどうこうの問題じゃない)

杉崎(いったいどうすれば……)


めいく「あの、会長」

くりむ「なに?」

めいく「どうして会長は大役狙いにいくんですか?」

くりむ「そりゃもちろん、役満決めた時が一番かっこいいからだよ!」

めいく「そうですか……でも」


めいく「麻雀では大技決めるよりも得点稼いだほうがかっこいいんですよ?」


くりむ「へ?」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/06(日) 15:59:09.69 ID:JBb68CTk0

めいく「翻というのは知ってますよね」

くりむ「数字が大きいほど、役が大きくなって得点も増えるんだよね!」

めいく「はい……しかし、大きい役でアガることだけが大事じゃないんですよ?」

くりむ「そうなの?」

めいく「ええ。例えば、ドラが乗ったり、役を沢山作ったりしても翻は大きくなります」

くりむ「ふむふむ」

めいく「つまりやり方次第では役満を超えることができるということですよ、塵も積もれば山となります」

くりむ「なるほどなるほどー」

めいく「聞いたところによると、会長は自力では役を作れないそうですね。ならば鳴く事をおススメします」

めいく「翻は減るけど、早く役を作るならこれが一番です。役満は当たればデカイですが、通常では狙わないことをおすすめします」

くりむ「でも、どうしても役満決めたいよぉ」

めいく「個人戦ならそれは会長の自由です、でも私たちが目指しているのは団体戦ですよね?」

めいく「団体戦は、みんなが一丸となって頑張ることが勝利の鍵です。大きな賭けをしてボロ負けするのは他の人に負担を抱えることになります」

くりむ「……」

めいく「会長、あなたは勝ちたいんでしょう? だから昨日あんなに枯野さんに言われてへこんでも、めげずに今後の対策会議してるんですよね」

くりむ「……うん」

めいく「賢い会長なら、これからどうするかわかってますよね? どうすればかっこよくなれるか」

くりむ「……ふふふ」

杉崎「? 会長?」



くりむ「めいくちゃんの言うとおりだよ! まぁ全知全能の私なら国士無双がなくても問題ないしね! ……これからはテクニックの時代だよ」


ポカーン


杉崎知弦深夏真冬(なぜか新聞部員が会長を懐柔した!?)


杉崎「てかお前、昨日の今日でもうルール覚えたの!?」

めいく「ええ、ちゃんと真面目にやらないと……後が怖いですし」

知弦「まさかアカちゃんを説得できる人間が他にもいるなんて……めいくちゃん恐ろしい子!」

深夏「しかしこれで『クリムゾンの悲劇』を回避できそうだぜ」

真冬「よかったです!」



めいく「これでよかったんですか……藤堂先輩」ボソボソ

リリシア『演技はばっちりでしたわよ。よく私の言うとおりに動いてくれました』

リリシア『杉崎鍵や紅葉知弦は桜野くりむに甘いですし、椎名姉妹には説得すら出来ませんわ』

リリシア『それに論点のすり替えは我が新聞部の十八番ですわ』

めいく「ていうか、なんで通信機まで用意してこんなことするんですか。そんなに麻雀詳しいなら、あなたが代わりに打てばいいのに……」ボソボソ

リリシア『私にとって、今の楽しみは新聞作りなので』

リリシア『でも……やり残したことがあるのも事実ですわ』
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 21:12:31.29 ID:wCfL7o4U0
4円
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/06(日) 22:40:23.27 ID:JBb68CTk0

くりむ「次は深夏だね」

深夏「おうっ、アタシは先手必勝だ!」

知弦「確かに深夏は勝負をスピーディーに仕掛けるから、前半の方では活躍するでしょうね」

真冬「……でもお姉ちゃんは早くアガるために鳴いてばかりだよ?」

深夏「別にいいじゃねえか? だけど、アガりまくれば得点は稼げるぜ?」

真冬「これにも欠点があって、あまりにカンやポン、チーを乱用すると、相手に狙っている役を悟られてしまうんだよ」

真冬「だから、鳴きは何回も使うようなものじゃないんです。相手に狙いを悟られないように、タイミングをよく考えて使わないと」

深夏「むぅ相手もいろいろ考えてるんだもんな……これはなかなか面倒だな」

杉崎「深夏の攻め方を理解したら、相手もアガらせまいといろいろやってくるからな。ただ無鉄砲に攻めるのは無用心だ」

くりむ「その点、真冬ちゃんにはなかなかロンさせてもらえないよ」

真冬「真冬は防御型なのですよ〜」

知弦「そういえば真冬ちゃんはゲームで麻雀やったことあるのよね」

真冬「そうです、真冬は会長さんやお姉ちゃんみたいに下手にアガりにいこうとは思いません」

真冬「真冬はスジを理解しているのです」

くりむ「スジ? 牛肉?」

真冬「例えば1・4・7の数牌がありますです。1と4の間には2と3が入りますよね。同様に4と7の間には5と6が入ります」

真冬「このように、数牌の間2軒の牌の組をスジと言います。携帯の配置で覚えると楽ですよ」

深夏「1・4・7、2・5・8、3・6・9の3つだな!」

真冬「スジは相手にロンさせないための知識なのです」

真冬「1・4・7で例を出してみるのです。相手が4を捨てているとした場合、2・3と5・6待ちはありえないということになります」

真冬「この場合、1か4を捨てれば相手にロンをされずに済みます。相手の捨て牌の把握も重要なのです」

真冬「真冬は待ちの種類も合わせ打ちも理解してますから、ある程度の攻撃から身を守ることはできます……後は運ですかね」

杉崎「君はインドア趣味に関しては本当に凄い知識量だな……」

知弦「真冬ちゃんが輝ける唯一の場よね」

真冬「普段はいらない子扱いの真冬ですからね……やるときにはやるのです!」

くりむ「ところで、知弦はどうなの? 最初からやけに麻雀に詳しかったけど」

知弦「普段からよく麻雀をやる機会が多かったのよ」


知弦「……主に闇取引で」


杉崎「あんた本当に高校生か!?」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 02:54:48.86 ID:Mtdjjdazo
知弦さんなら代打ちもしてそうだな
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 11:04:42.81 ID:+ca2ZKMy0
役満のまふーさんが防御力高いって…
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/07(月) 15:28:31.05 ID:P4bNsHP50

知弦「私って心理戦は得意だから、相手の表情を読み取って状況判断して戦法を変えるの」

知弦「場を引っ掻き回して、相手の困った顔を見るのが大好きなのよね、私」

杉崎「アンタ麻雀でもドSなんだな! いや勝ちに行けよ!」

知弦「相手がテンパったと判断したらその時点でアガりにいく。そして絶望する相手……そそるわね」ジュルリ

杉崎「鬼だ! アガることよりも相手をいたぶることが目的になってないっすか!?」

知弦「麻雀の楽しみ方って、人それぞれよね」

杉崎「アンタの楽しみ方は絶対に歪んでると思うんだ!」

真冬「紅葉先輩はオールラウンダーなのですね」

知弦「場を引っ掻き回すだけなら深夏みたいなタイプもいるけど、あまりやりすぎると相手も早くアガろうとするのよ」

知弦「そのため勝負は短期決戦になる……ここで重要なのはいかにして相手を鳴かせないか」

知弦「鳴かなければ、それだけいい手牌も揃えにくいのよ。そのため鳴けない相手はオリを強いられる」

知弦「ただ、最初からいい手が揃ってたり、三暗刻狙いとかならどうしようもないけどね。これは運の問題」

知弦「だから鳴かせないためには、相手の捨て牌の把握やスジも重要なの」

知弦「まぁ私は全体の得点の状況もみて動くけどね、アガらせたらまずい人には徹底的に仕掛けるわ」

深夏「知弦さんすげえな……そこまで考えてんのか」

知弦「これは初歩よ? 真冬ちゃんぐらいならこれくらい把握しているはずよ」

知弦「というか、大会に集まる人はこんなものじゃないはずよ? いずれも中級者以上の実力者と思っていいわ」

くりむ「知弦みたいなのかいっぱいいるの!? ……こりゃ、早くもめげそうだよ」

杉崎「ははは……あっ」


(ちーちゃんはそこの子と知り合いなのにゃ! もしよかったら、今度練習試合申し込んであげてもいいにゃ!)


杉崎「そういや、真冬ちゃんのクラスメイトの千歳ちゃんが他校の生徒と練習試合を申し込んであげるっていってたな」

真冬「巽さんが?」

杉崎「なんか千歳ちゃんの友達がその高校の生徒で何かコネがあるみたいなんだよね。たしか風越って名門校」

めいく「風越!? あの風越ですか!?」

杉崎「おおっ!? いきなり出てくんじゃねえ!」

めいく「風越っていったら、あの全国大会にも何度も出場している高校ですよ。新聞部が知らないはずないでしょう」

めいく「でも、今の実力でいったらボコボコにされるだけですよ? さすがにやめといたほうが」


枯野「いや、おもしろいではないか。その試合、参加するぞ」


六人「!?」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 15:48:54.10 ID:Ezzw/FVAO
北海道なら有珠山高校出さないとね(ニッコリ
いまんとこ成香ちゃん、チョコレしかわからんが

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/07(月) 15:49:54.90 ID:P4bNsHP50

杉崎「おまえ、いつから! てかお前、初日から勝手に帰ったじゃないか!」

枯野「相変わらず生意気なガキだ。……今のお前らに麻雀を教える義理など毛頭ないが、練習試合をさせないとは一言もいってないぞ?」

杉崎「は?」

枯野「それに練習試合に監督が引率してないといろいろまずいだろう、手続きはこちら側で済ませておく」

枯野「まぁ貴様らでは歯が立たないだろうがな、くくくっ」

スタスタ

深夏「何しに来たんだ、あの人……」

杉崎「……さぁ」

杉崎(アイツ……俺たち生徒会の負ける姿を見たくてこんなことやってるんだな。くそっ、相変わらず嫌なやつだ)

杉崎「いや、負けてたまるか! ここで負けたらあいつの思う壺だ!」

くりむ「そ、そうだよ! 私たちであの人の鼻を明かせてやろうよ!」

知弦「ここまでコケにされて何もしないほど私も馬鹿じゃないわ」

深夏「ここで常連校に勝てばアタシ達も全国制覇に一気に近づくしな!」

真冬「真冬、絶対負けません!」

めいく「はぁ、わかりましたよ。後で風越のデータを新聞部の部室からとってきます」

杉崎「頼んだぜ!」





……


くりむ「毎回地方大会ベスト4までいくんだ、なかなかの強敵だよ」

知弦「このオッドアイの子が一番強そうね」

杉崎(みんな、風見の持ってきたデータに没頭してるな)

杉崎(……しかし、よくよく考えると俺は麻雀に参加することできないんだよなぁ)

杉崎(あー、何かすげー損した気分)


深夏「おっ風越って女子校みたいだな」

真冬「ここなら男の人苦手な真冬でも安心ですね」


杉崎(へー、女子校かー)

杉崎(…………)


杉崎「何ですとぉ!?」


めいく「何奇声をあげてるんですか?」

杉崎「あっ……いや、悪い」

杉崎(そうだよ! 俺の目的はハーレム!)

杉崎(俺が麻雀うまくなれば、他校の美少女雀士を攻略して、より盛大なハーレムエンドを目指せんじゃねえか!?)

杉崎(おう、盲点だったよ! これは、俺にとっても負けられない戦いになるんだ!)


杉崎(この勝負、ツモらせていただきます!)
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 18:48:11.56 ID:s+gI4c5o0
杉崎ェ・・・
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/07(月) 23:25:15.65 ID:OPKwsKYW0

――練習試合当日 風越女子高校

千歳「紹介するのにゃ! いとこのカナブンだにゃ!」

池田「華菜ちゃんだし! よろしくだし!」

杉崎「うっほ! 風越の女子ってレベル高けええええええ! よし華菜さん! 結婚しよう!」

くりむ「」

知弦「」

深夏「」

真冬「」

めいく「まぁ杉崎先輩らしいですけどね」

枯野「くくくっ、相も変わらず笑わせてくれるこのクソガキ」

池田「ま、ここにいる人たちよりも華菜ちゃんが一番強いし! かわいいし! 雑魚は引っ込んでほしーし!」

碧陽女子「こいつ、うぜぇ……」


コーチ「池田ァ!!」


池田「びくっ!」

コーチ「そんなところで突っ立ってないでさっさと準備しろ! お前が試合を懇願したんだろ!」

池田「ひぃ! わかったし!(本当は千歳のやつに頼まれてだし!)」

タッタッタッ

枯野「申し訳ありません、わざわざこんな奴らの為に試合を引き受けていただいて」

コーチ「いえ、互いに切磋琢磨し合うことでこの地域のレベルが向上しますし」

コーチ「あのバカにも刺激を与えたいですしね」


くりむ「そういやアンタ! なんでいきなり他校の生徒に告白してんのよ! 見境なさすぎにもほどがあるよ!」

杉崎「すいません、美少女だったもので」

くりむ「あんたどこまでハーレム街道突き進めば気が済むのよ、まったく……」

くりむ「みんなだって麻雀に集中……」

知弦「あの猫の子をムチで叩きたいわ」ハァハァ

深夏「とりあえずこの部室で一番強いやつと格闘技で勝負だ!」

真冬「ゲームとBLを理解してくれる人はいるでしょうか?」ドキドキ

くりむ「これいつもの生徒会と変わらなくない!? すでに目的見失いつつあるんだけど!?」

めいく「とりあえず部室行きましょうか」

くりむ「……そうだね」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/08(火) 11:55:46.18 ID:oc1GhTPv0

――部室

美穂子「皆さん、お待ちしておりました。ようこそ風越女子高校麻雀部へ!」

美穂子「私はキャプテンの福路美穂子です。今日はよろしくお願いしますね」

知弦「こちらこそよろしくね、福路さん」

杉崎(福路さんって清楚な人だなぁ……)ボーッ

美穂子「? 何か?」

杉崎「い、いや! なんでも!」

美穂子「?」

杉崎(碧陽のレベルも高かったけど、こうしてみると俺は井の中の蛙だってことを改めて思い知らされるな)

杉崎(よ、よし! 何とかここの部員の人と仲良くなるぞ!)

池田「さっそく麻雀打つし!」

コーチ「慌てんな。勝負は大会と同じルールでいくぞ。手加減はするなよ」

コーチ「Aグループ:福路・吉留・紅葉・風見」

コーチ「Bグループ:池田・巽・桜野・椎名真」

コーチ「Cグループ:深堀・文堂・椎名深・杉崎……以上だ」

杉崎「!? コーチ、俺、男っすよ!?」

コーチ「構わん。大会メンバー以外はは別メニュー中だ。それに、お前も麻雀ができると枯野監督から聞いたが」

杉崎「枯野!?」

枯野「くくくっ、何、ほんのサービス精神だ、ありがたく受け取るがいい」

杉崎(うそだ! 絶対俺をバカにしたいからだ!)

杉崎(……しかし、直接麻雀できるということは美少女と交流できるということではなかろうか)

杉崎(これはチャンス! 是非とも成果を上げねば!)



ドシン ドシン

深堀「どうぞよろしくお願いします」

杉崎「」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/08(火) 14:53:58.22 ID:8VPmF90AO
池田千歳
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/19(土) 16:58:11.37 ID:ypZPgqia0
待ってる
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