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???「どこだ…?ここ…?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 19:08:27.73 ID:xcDCUglt0
オリジナルストーリーです。

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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 19:17:42.66 ID:xcDCUglt0
???「クソッ…迷ったな…」


???「冗談じゃねぇぞ…こんな樹海で救助されたりなんかしたら……」


???「自殺しに来たと勘違いされるじゃねぇか……」



白いワイシャツに黒いズボンを履いた青年が懐中電灯を持って、樹海に迷っていた。

彼は、心霊現象が起きる場所があると、友達に教えられて、渡された地図がとても大雑把に

書かれていたので樹海に入ってしまった。一度は樹海に入るのをためらったが、ひょっと

したら…と思って入ってしまったのだ。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 19:27:18.67 ID:xcDCUglt0
それに、心霊現象が起きる場所は湖の近くだと言うが、一向に湖が見つからない

さっきから、木と土と葉っぱしか見ていない、同じ景色が何度も光景するので気持ち悪く

なってきた。しかも真っ暗、便りの懐中電灯の光も消えかかっていた。

これはマズイと思った彼は、来た道から戻ろうと考えたが、印も何も付けていなかった

それよりも、樹海に入る事になるとは想定してなかったので、印を付ける物すら持って来て

いなかった。


???「……暑っ」


現実逃避するかの様にそう呟いた。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 19:34:22.53 ID:xcDCUglt0
完全に樹海を舐めてた彼は、樹海の奥に進むと…。


???「ん?」


足に何かが引っ掛かった。


次の瞬間、網が地面から現れて、吊り上げられてしまった。


???「うわぁっ!?」


懐中電灯は、さっきの衝撃で落してしまって、完全に闇に包まれた。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 19:39:57.41 ID:xcDCUglt0
???「誰か助けてくれー…」


そんな事を言っても誰も助けに来ないと言う事を知ってるので、大声は上げなかった。


すると奥から、火が見えた。恐らく松明を持った誰かがコッチに向かって来る。


???「た、助けてくれぇー!罠に掛かった!凄い原始的な罠に!」


必死に助けを呼ぶ。ようやく網と樹海から抜け出せると思った。

だが、彼はフッと思った…。


???「何で松明なんだ?」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 19:44:59.61 ID:xcDCUglt0
普通は懐中電灯のハズなのに、何故、今時松明なのだろうと。


そもそも何故、こんな真っ暗な樹海に人が居るのだろうと。


すると、彼の背筋がゾクッとした。


???「い、いやっ!助けなくていい!やっぱり大丈夫!」


変な恐怖を感じた彼は、ジタバタ網の中で暴れた。

しかし、そんな事をしている間に松明を持った集団が彼を取り囲んだ。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 19:59:13.83 ID:xcDCUglt0
その集団は全員、全身黒い布地の服を着ており、黒いターバンを巻いていた。

しかも、その集団全員が槍の様な物を持っている。


その集団の奥から、黒髪のボサボサの長髪の男が現れた、姿は周りの集団と同じ。


???「……誰だ?」


???「……お前が名乗れ」


馬之介「馬之介……市川馬之介だ、お前は?」


陽炎「オレは影法師騎士団の二番隊隊長、陽炎」


馬之介「か…カゲロウ…?」


馬之介「お前らイタイ奴らなのか?」


陽炎「……お前、ヨソ者だな?」


馬之介「は?」



急に陽炎と名乗る男は目付きが鋭くなり、部下の一人に指示を出して網を下ろさせた。


馬之介「あ、ありがと……よ?」


一斉に槍を突き付けられた。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 20:11:39.20 ID:xcDCUglt0
陽炎「連れていけ」


馬之介「お、おい!待て!」


二人掛で馬之介を連れて行こうとした。


訳の分からない集団に連れて行かれて何されるんだろう、そう思っていると

ボウンッ!という音と共に辺りが白い煙に包まれた。


陽炎「ゲホッ!ゲホッ!クッ…!?何だ…!?」


馬之介「ゲホッ!ゲホッ…グッ!?」


急に後ろから引っ張られて、首が絞まり、そのまま気絶した。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 20:23:29.21 ID:xcDCUglt0
馬之介「……ん?」


気が付くと、木で出来た小屋の中だった。


馬之介「い、いつの間に……?」


起き上がろうとすると、金色の長い髪をした十代ぐらいの少女が馬之介を見下ろしていた。


馬之介「うおっっ!?」


???「あ?起きた?」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 20:31:24.80 ID:xcDCUglt0
馬之介「誰だ!?」


朱音「朱音」


サラッと名前を言って、少女は小屋の窓を開けた。

窓から虫の鳴き声が流れてきた。


馬之介「なぁ、お前が助けてくれたのか?」


朱音「まぁ」


馬之介「アイツら何者なんだ?」


朱音「史上最強の人類『太陽族』」


朱音「私も太陽族さ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 20:40:55.31 ID:xcDCUglt0
馬之介「た、太陽族…?」


朱音「そ、太陽族」


朱音「あれ?太陽族を知らないって事は…人間?」


馬之介「に、人間…だけど…お前は人間じゃないのか?」


朱音「いや、史上最強の人類だから…あれ?私も人間だね?」


馬之介「ど、どうなんだよ…」


朱音「う〜ん……人間だね」


悩んだ挙句に出た言葉がそれだった。


馬之介「な、何が史上最強なんだよ!?」


朱音「異能な能力が使える事」


馬之介「バケモンだ!」


朱音「違うよ!酷いなぁ、れっきとした人間だよ!」


朱音「ただ、私達は普通とは違うだけなんだよ」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 20:52:14.78 ID:xcDCUglt0
馬之介「普通の人間とは違うって、どう違うんだよ」


朱音「う〜ん…右目だけ赤色で瞳の奧に十字の紋章があって……それを出したり隠したりしたり出来るし」


朱音「ジャンプだけで8メートルは飛べるし」


朱音「人間とは違う身体能力を持ってる事かな?」


馬之介「やっぱりバケモノじゃないか!」


朱音「違う!」



顔を真っ青にした馬之介は朱音から距離を取る。

必死に抗議していると、外から何か声が聞こえる。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 21:01:40.69 ID:xcDCUglt0
陽炎「そこに居る事は分かってるぞ!出てこい!」


小屋の回りに陽炎の部隊が取り囲んでいた。

完全に包囲されてしまっている。


朱音「クッ…バレたか…」


馬之介と朱音は背を低くして、外の様子を伺った。



朱音「ねぇ?キミ、戦える?」


馬之介「ふざけんな、俺は普通の人間だ」


朱音「そうだね……」


朱音「こんな時に…黒悪夢が居たら…」


馬之介「黒悪夢?」


朱音「太陽族に伝わる英雄だよ」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 21:25:59.83 ID:xcDCUglt0
朱音「その黒悪夢って言うのが今まで私達、太陽族を支えててくれたんだけど……」


朱音「黒悪夢がある日、失踪したと同時に、影法師って言う人が太陽族の長になったんだ」


朱音「影法師が太陽族の長になると、この樹海に入ってきた外の人間を何人も処刑したんだ」


朱音「その残酷さ故に太陽族はバラバラになったんだ」


朱音「そこで、影法師は残った太陽族を集めて影法師騎士団を作り上げたんだ」


朱音「その騎士団達を使って、別々に暮らしている太陽族の村を襲撃しまくって」


朱音「離れて行った太陽族を無理矢理連れ戻したんだ」


朱音「本当に酷いよねー、自分が滅茶苦茶な事をしてるくせに……」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 22:17:15.40 ID:xcDCUglt0
そんな事を言ってる間に、陽炎が強制突入をしてきた。


陽炎「うおぉらぁ!」


勢い良く、ドアを蹴って数人の部下も入って来た。


馬之介「うわわわわ!うわわ!た、助け…って居ねぇ!?」


いつの間にか朱音は逃げていた。


大人しく馬之介は連れて行かれた。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 23:32:09.22 ID:xcDCUglt0
馬之介が連れて行かれた場所は集落の様な村だった。


その村のど真ん中で、焚き火をしていた子供や女性が物珍しそうに

馬之介を見ている。必死に目を合わさない様に目を逸らす。


しばらくすると、その村で一番大きそうな屋敷の中に入り

その場に座らされた。


手は縛られてて動けない。



馬之介の目の前は真っ暗で見えない。


しばらくすると、ロウソクの炎が付いた。


「人間のガキが、この時期に樹海に迷い込むとは災難だな」



馬之介「………!?」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 23:38:13.94 ID:xcDCUglt0
馬之介は目を疑った。


目の前に居るのは老人だった、しかしただの老人では無い。


成人男性の平均身長の倍もある筋肉質の巨漢の老人が、馬之介を見下ろしていた。


影法師「ワシがこの太陽族の長、影法師だ」


馬之介「………ッ」



影法師。


最初に出会った陽炎を上回る程の悪人顔をしていた。


その圧倒的な威圧感に、普通の人間である馬之介は言葉を失った。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 23:46:00.19 ID:xcDCUglt0
影法師「ワシらの事は朱音のヤツに聞いてるじゃろうが……お前、何故この樹海に入った?」


馬之介「あ…っ…う…あ…!」


言葉が上手く出なかった。


そんな様子を見て影法師はニヤリと笑った。


影法師「クックック……いい顔だ、前にワシに命乞いしてきたヤツと同じ顔をしているなぁ」


馬之介「……ッ!」


背筋がゾクッとして、体中に鳥肌が立った。


影法師の目を直視出来ない、影法師の片目が不気味に赤く光ってるからだ。


馬之介は死の恐怖を感じた。コイツは人間じゃないと、改めて思った。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/09(水) 23:56:42.88 ID:xcDCUglt0
影法師「む……?」


女「長……食事の用意が出来ました」



馬之介の後ろから、野菜や肉がてんこ盛りの料理を持ってきた。

女は影法師の前に、その料理を置いて立ち去ろうとした。



女「それでは……」


影法師「待て」



影法師が箸で女を指して、呼び止める。


女「……なんでしょうか?」


影法師「お前……臭うぞ……」



いきなり失礼極まりない事を言い出した影法師に対して女は

呆れ顔で答えた。



女「……左様ですか」


影法師「風呂に入って落とすといい、そのワシを不快にさせる―――」


影法師「―――反逆者の臭いをッッ!!!」


女「!」



影法師は手に持っていた箸を勢い良く投げ、女の体に直撃した――


――が、直撃したのは女の着物だけで風穴が空いていた。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/10(木) 00:05:22.49 ID:VyCBkYgv0
馬之介は風穴が空いた着物に気を取られていると、馬之介の真横にサラシだけの朱音の

姿があった。



朱音「流石は影法師!この変装を見破るとはな!」


朱音「だが!次こそは、お前の首を取ってやる!」



そう言って朱音は煙幕を影法師に投げつた。


影法師「ぬぅっ!?お、おのれぇ…!下衆な真似を…!」



煙幕に怯んでいる影法師をよそに、朱音と馬之介は共に屋敷から

飛び出した。



影法師「追えっ!反逆者の小娘を人間のガキ諸共殺せぇ!」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/10(木) 20:57:04.63 ID:VyCBkYgv0
馬之介と朱音は樹海の中を逃げ回っていた。

樹海には笛の音が響いてた。



馬之介「おいおい、助けるなら陽炎とか言うヤツに連れて行かれた時に助けろよ」


朱音「すまないね、影法師に不意打ちが出来るチャンスだと思ったんだ」


馬之介「囮にしやがったな…」


朱音「失敗した事よりも、逃げる事を考えな」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/10(木) 21:20:54.57 ID:VyCBkYgv0
馬之介「また、アイツが来るんじゃないのか?」


朱音「安心しろ、陽炎は極度の女性恐怖症だ」


朱音「私が居るから、二番隊は来ない……」


朱音「影法師の村を視察して分かったのは、駐在してた部隊は二番隊の他には一番隊」


朱音「と、言うことは追いかけて来るのは―――」


朱音「―――蜃気楼!」


馬之介「!」



見上げると、満月に重なる様に木の上に人が居た。


銀髪の男がコチラを見下ろしていた。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/10(木) 21:29:22.28 ID:VyCBkYgv0
馬之介「あ、アイツは…?」


朱音「……あいつこそ、影法師騎士団の中でも一番精鋭の部隊の一番隊をまとめる隊長……」


朱音「蜃気楼さ」


蜃気楼「反逆者と余所者よ、私達からは逃げられない…大人しく降伏しろ」


木の上から指を指して指示した。


馬之介「……オイ、あいつ…強いのか?」


蜃気楼「それはその目で確かめてみろ」


馬之介「なっ!?」



いつの間にか背後に立っていた蜃気楼に驚いて

尻餅を付いてしまった。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/12(土) 23:51:40.88 ID:tYgDr2zO0
蜃気楼「何の能力を持っていない人間では俺は愚か、そこらへんの太陽族にも勝てんぞ」


馬之介「……!」


朱音「待ってくれ、蜃気楼。コイツだけは見逃してやってくれ」


馬之介「なっ!?お、オイ!?お前、何言ってるんだ!?」


朱音「いいんだ!」


蜃気楼「……何故、陽炎が一番隊隊長になれる実力がありながら、二番隊隊長止まりか分かるか?」



蜃気楼「殺すのに躊躇いがあるからだよ」



そう言い蜃気楼は電光石火の如く、手刀で朱音に目掛けて縦に振った。

咄嗟に両腕で防いだが、ブシュッ!と腕から鮮血が吹き出した。


朱音「ッ!!!」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/12(土) 23:59:13.89 ID:tYgDr2zO0
あまりのも激痛で、防御を解いてしまった。

それと同時に、蜃気楼の雷の様なキックが朱音の腹部に直撃して

数メートル木を倒しながら飛んでいった。


朱音「おぇッ…!ゲホッ!ゴホッ!」


蜃気楼「これが俺の実力だ…お前も戦ってみるか?」


馬之介「クッ…クソォオオオオオオオオオオオ!!!!」


ガムシャラに突撃して、拳を蜃気楼にぶつけようとするが、瞬時に受け止められて

腹部に何か刺された感覚がした。


蜃気楼「む……?」


突然、蜃気楼は馬之介を放して辺を見渡し始めた。


蜃気楼「……命拾いしたな」


そう言い、蜃気楼は闇の中へと消えていった。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 00:06:21.03 ID:jwWIKcG30
馬之介「何なんだ……アイツ……いつつ!」


先程から痛む腹部を見てみるが血は出ていない。

服を捲って見ると四つの痣がある、指で突き刺した様な痣だった。


馬之介「………ん?」


「お、おい!大丈夫か!?」


「何があった!?」


「お、おい!人が居るぞ!」


複数の松明を持った人が、木々の間からゾロゾロと現れた。


「あ!朱音!朱音じゃないか!?大丈夫か!?オイッ!?」


遠くの方からも声が聞こえる。


馬之介「あ、あんたらは……?」


「オレ達は、反影法師団。ナイトメアに仕える反逆者達の集まりさ!」


馬之介「ナイト…メア…?」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 00:12:31.23 ID:jwWIKcG30
朱音「黒悪夢の別名さ」


朱音が暗闇の奥から仲間に支えられて、足を引きづりながら戻ってきた。


馬之介「黒悪夢…!?そいつって、失踪したハズじゃ…!?」


朱音「あぁ……失踪した後に再び現れて、密かに反影法師組織を作り上げてたんだ」


馬之介「どうして言わなかった…?」


朱音「聞かれなかったから…いつつ……」


馬之介「腕大丈夫かよ?」


朱音「あぁ…まぁ……」


何故か朱音は浮かない顔をしていた。


馬之介「どうしたんだよ」


朱音「解せないなぁ……」


馬之介「え?」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 00:20:26.50 ID:jwWIKcG30
朱音「何故、あの蜃気楼が腕に傷を付ける程度に済ませたんだろう……あのガードでは蜃気楼ならば腕を千切るぐらい

容易いのに……」


馬之介「なんやかんやと言いながらアイツも、殺すのを戸惑ったんじゃないのか?」


朱音「そんな馬鹿な事があるハズがない、キミは知らないんだよ。『餓狼』ってあだ名で恐れられてるんだよ?蜃気楼

ってのは」


馬之介「餓狼……じゃあ、何でそんな恐ろしいヤツが手加減なんかしたんだ?」


朱音「分からない……」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 00:31:47.96 ID:jwWIKcG30
その後、朱音の仲間達や逃げて来た太陽族達が住んでいるという洞窟の前に

連れてこられた馬之介は、怪訝な目を向けた。



朱音「どうした?」


馬之介「……本当にこんな所に住んでいるのか?家とかあるとか言うのはデマか?」


心配そうな馬之介の質問に、朱音は鼻で笑った。


朱音「大丈夫だ、ビックリするなよ?」


馬之介「別の意味じゃないだろうな……?」


朱音「ホラ!早く来いってば!」


馬之介「お、オイ…!」


半信半疑の馬之介のワイシャツの袖を掴み、強引に洞窟の中に

引っ張っていった。薄暗い闇がしばし続いき、どんどん洞窟の奥へと

入って行く、すると、とてつもなく広くて、少しだけ明るい空間まで辿り着いた。

馬之介達が居る入口は高く、下を見下げると、ポツポツと人や和式の家が見える

賑やかな声が空間中に響いていた。その光景に馬之介は呆然としていた。


朱音「な?ビックリしただろ?」


馬之介「あぁ……てっきり左右に人が一人住める程度の洞穴がポツポツとあるだけかと思ってた……」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 00:35:54.24 ID:jwWIKcG30
驚き過ぎて、口が開きっぱなしの馬之介を石で出来た階段で下に降りる様に促した。


馬之介「なぁ…アレ何だ?」


空間の真ん中に聳え立つ石塔に指をさした。


朱音「あれこそが、私達の基地さ」


朱音「さぁ、早く行こう」


馬之介「あ、あぁ……」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 00:45:18.30 ID:jwWIKcG30
賑やかな通りに差し掛かると、太陽族達が一斉に馬之介に視線を向けた。


「に、人間…?」


「嘘…どうして…?」


「ま、まさか……私達を救う為にわざわざ外から…?」


「い、いや…ひょっとしたら、私達を皆殺しにしようと忍び込んで捕まったんじゃ……」


「そ、そんな事無いわよ…人間は、そんな事しないって叔母様が……」


「い、いや…分からないぞ…」



さっきまでの明るい笑い声から一変して、どよめきへと変わった。


その通りにいる老若男女の希望の眼差しや警戒する眼差しが馬之介にギスギスと突き刺さり、思わず下を向いて

しまった。


馬之介「な…なぁ…早くここを抜けよう…!」


朱音「そうか」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 00:55:44.67 ID:jwWIKcG30
馬之介「結局の所、お前達は人間なのか?化け物なのか?」


朱音「私達は人間だ…と、言いたいが見た目だけで身体能力は化け物だ」


朱音「私達は人間でもなく化け物でもない。太陽族だ」


朱音は振り向いて、ドヤ顔でそう答える。

が、馬之介はバッサリと無視して話し始めた。



馬之介「…俺はただの人間だぞ、さっきもそうだが、人間に妙な期待を持つなコイツら」


朱音「あぁ、お前達人間のいわゆる科学ってヤツが魔法か何かと思ってるんだよ」


朱音「でんしゃ?だっけ?それの事をここでは人間達に従う魔獣だと信じてるんだ」


馬之介「滅茶苦茶だな……」


朱音「人間の世界…つまりこの樹海の外の世界は聖なる領域であり、私達、太陽族は絶対に入り込めない領域であるから

樹海から出てはいけないんだ、何でも神の怒りに触れるとか」


馬之介「そんなの嘘っぱちだぞ?」


朱音「あぁ、知ってる。三人の子供が樹海の外に出たからな」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 01:06:55.74 ID:jwWIKcG30
朱音「神秘の世界、神々の世界……そんな世界に好奇心を抱いた子供三人が樹海から抜け出したんだ」


朱音「そんで、大きな都に出たらしいんだ」


馬之介「それで?」


朱音「まず、子供達が驚いた事は人間は殆ど太陽族の姿と変わらないって事と言葉が通じる事だ」


馬之介「まぁそうだろうな」


朱音「それと服装だ、私達みたいなボロい衣服じゃなくて……とりあえず珍しい服を着ていたらしい」


朱音「そんで、最後にでんしゃとくるまとやらだ」


朱音「名前は人間に聞いたらしい」


朱音「それで流石に長居するのはマズイと思った子供達は樹海に戻ったんだ、すると親や村人達が樹海の入口に

待っていたんだ」


朱音「子供達は怒られるのを覚悟したが、興味深そうに人間の世界がどんな所だったのかを一斉に聞いて来たんだ」


朱音「怒るハズの親も興味津々に子供達を問い詰めてたらしい」


馬之介「そりゃ大変だったな」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/01/13(日) 01:13:27.18 ID:jwWIKcG30
朱音「子供達の話しを真剣に受け止めた村人達は、仮説まで作り始めたし…人間を良く思う者も居れば悪く思う者も増えて

きたんだ」


朱音「神秘の世界の住人とか、侵略者とか色々」


朱音「私も子供達や太陽族の老人から話しを聞いたがバカバカしいな」


馬之介「そうだろうな」


朱音「あぁ、くるまとかでんしゃとか…そんなの架空の生物だと言うのに……」


朱音「どうせ、あの子供達は幻覚か何かを見てたんだろう」


馬之介「あぁ…ん?」


朱音「ん?どうした?」


馬之介「お前…車とか電車を生物だと思ってるのか……!?」


朱音「え…?生物じゃないのか…?って…実在するのか!?」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 01:17:44.60 ID:jwWIKcG30
馬之介「……そもそも、お前は車と電車の名前をどこで知ったんだ?」


朱音「あぁ、それは、一度この樹海に迷う込んだ人間の子供から貰った図鑑からだ」


朱音「でも人間の文字だったから読めなかったな」


朱音「図鑑と言うもんだから…動物の図鑑かと思って見たんだ」


朱音「すると、見たこともない生物が書かれていたから……」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2013/01/13(日) 01:29:26.31 ID:jwWIKcG30
馬之介「……車と電車は実在するぞ」


朱音「何ッ!?」


馬之介「その他にも自転車ってのもあるぞ」


朱音「何だと!?聞いた事無いぞ!?そんな名前!」


馬之介「他にも飛行機ってのものがある」


朱音「ひこーき?何だそれは?」


馬之介「とてつもなくデカくて空を飛ぶんだ」


朱音「飛ぶ!?飛ぶのか!?怪鳥か!?」


馬之介「違う、大雑把に言うと鉄の塊だ」


朱音「鉄の塊が空を飛ぶ!?そんな事が有り得るのか!?」


馬之介「船ってのもあるぞ」


朱音「あぁ、それは知ってる」


馬之介「……人間は巨大な鉄の船に乗るんだ」


朱音「何だと!?」


朱音「オイ!詳しく聞かせろ!何故だ!?何故、鉄で出来てるのに沈まないんだ!?答えろ!」


目をキラキラと輝かしながら鼻息を荒くしながら、馬之介を問い詰める朱音。

そんな事をしている内に目的の場所に到着した。


馬之介「お、おい…着いたぞ、ここじゃないのか?」


朱音「チッ…まぁいい、後で聞かせてもらうぞ」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 01:31:40.94 ID:jwWIKcG30
そう言い、朱音は石塔に近寄り石で出来た扉を開けた。


朱音「さぁ、入れ」


馬之介「ここに居るのか?ナイトメアが…」


朱音「あぁ……」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 01:37:46.84 ID:jwWIKcG30
中に入ると下に続くハシゴがポツンとあった。


馬之介「……外はあんなに立派な飾り付けされてるのに、中は殺風景だし狭いな」


朱音「文句を言わずに下に降りな」


馬之介「分かってる」


朱音「……いや、待て…私が先に降りる」


馬之介「あ?」


朱音「し、下着が見える///」


馬之介「見ねえよ」


朱音「………」


馬之介「な、何だよ…!?」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 01:43:28.76 ID:jwWIKcG30
一瞬、泣きそうな顔を見せた朱音は何も言わずにハシゴを降りた、それに続く様に

馬之介も下に降りた。


すぐに下に着いて狭い通路を右に曲がり、扉を開けると、神殿の様な神秘的な場所に出た。


馬之介「おぉ……」


朱音「ナイトメア、ただいま戻りました。樹海で迷ってた人間も連れて来ました」



真正面の壁に向かって、朱音が言うと、壁が回転し始めた。


馬之介「うわぁ!?な、何だ!?」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 01:49:48.92 ID:jwWIKcG30
壁が回転し終わると、黒いテンガロンハットに黒いマスクに黒いマントに黒いブーツ、唯一黒じゃない

のは、その者の髪とマントの内側の服が白い。


マスクと髪の毛が左目を隠している為、男か女なのか分からない。


とりあえず只者では無いという雰囲気は大いに出ていた。


沈黙を破ったのはナイトメアの方だった。


ナイトメア「……お前が……人間か」


馬之介「あ…あぁ…はい……まぁ…人間をやらせてもらってます……」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 01:58:08.53 ID:jwWIKcG30
ナイトメア「ん…?」


馬之介の方に向かって歩いて来たナイトメアが、馬之介の服を巻くと、痣が露になった。


馬之介「あ…!お、おい!」


その傷を見ると、ナイトメアは馬之介をジッと見た。


馬之介「か、勘違いすんなよ…!この痣はだなぁ!」


ナイトメア「……フム、誰が付けた?」


馬之介「蜃気楼ってヤツが刺しやがったんだ!指で!」


ナイトメア「あの蜃気楼がか……まさか、お前に力を与えるとはな」


馬之介「力?」


ナイトメア「蜃気楼が編み出した、体の部分を強く押す事で特殊な効果が得られる術を身に付けてたんだ」


馬之介「もしかして、蜃気楼ってのは暗殺拳の伝承者なのか…?」


ナイトメア「…恐らく、お前が思ってるのとは違うと思う」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 02:21:11.07 ID:jwWIKcG30
ナイトメア「………その痣は、太陽族の力を覚醒させる為の部分だった気がする」


馬之介「えぇっ!?じゃ、じゃあ…俺は…!?」


朱音「やったな馬之介、これでお前は私達太陽族の仲間だぞ」


馬之介「ふざけるな!俺はただの人間の学生だ!何で化け物何かに…!」


朱音「化け物じゃない、太陽族だ」


ナイトメア「それにしても、蜃気楼が何故……」


ナイトメア「もしかしたら人間に対する実験を試してみたとか……」


馬之介「……ナイトメア」


ナイトメア「何だ?」


馬之介「……アンタ、どこかで会ったか?」


ナイトメア「……気のせいだろ」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 02:45:07.69 ID:jwWIKcG30
樹海の所では、反影法師組織の兵士が散策していた。

少し、樹海の奥に進むと何かが木にもたれ掛かった倒れていた。


兵「な、何だコレは……!?」


兵士が見たのは、別の兵士の惨殺したいである。四肢切断されており、その兵士の物と思われる腕や脚が

そこら中に散らばっていた、顔は何度も鈍器の様な物で殴られた跡があった。


兵「ヒッ…!幻境だ…幻境だ…!幻境が来―――」


パニックになってその場から逃げようとした兵は体を貫かれた。


兵「ごばぁ…あがぁ…!?」


「駄目だよぅ、僕の作品はサプライズにしてナイトメアに届けるんだから、伝えに行ってくれたら困るなぁ」


兵士の耳元で青年の声が聞こえた。


ズプッと言う音がした後、兵はその場に倒れて仰向けになった。


左目の部分のレンズだけが無い、サングラスを掛けた青年が血塗れになった右腕を眺めていた

兵士はその要素を見て、腕で貫かれたと理解した兵士はその場から逃げ始めた。


「ん?」


青年は逃げようとする兵士の両足に腕を振り落とすと、両方の脚が切り落とされた。

脚が切り落とされると鮮血が噴水の如く吹き出た。


兵士「ぐわぁあああああああああああああああああああああッッッ!!???!!!」


「うん、予定には無かったけど、キミも僕の作品にしてあげる」


「僕の作品で朱音を笑顔にするんだ、協力してよ」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 02:55:36.14 ID:jwWIKcG30
兵士「あ、朱音…!?お前…朱音さんと何の関係が……」


意識が朦朧とする中、息を荒くしながら青年に問い掛けた。

すると、青年は兵士の前に座り込んだ。


「朱音と僕は友達さ、いや、それ以上の存在かな?」

「朱音ってさ、ホラ、オッチョコチョイだからさ、クールぶってるけど実は寂しいんだよ僕が居ないから

きっと僕に会いたくて、ずーっと待ってるハズなんだよ」


「彼女は僕が居ないと何も出来ないからね」


不気味に笑みを浮かべる青年、左目にはサングラスのレンズが入って無いので太陽族達が持つ紅い目が輝いていた。

それが余計に不気味さが増す。


兵士「お前の目的は何だぁッ…幻境……!?」


幻境「もちろん、朱音を取り戻してナイトメアを抹殺する事」


幻境「それが僕の最大の目的…ナイトメアと一緒にいたら朱音の処女を取られちゃうからさ」


幻境「だから早めに殺さないと―――ねっ!」


兵士「まっ――ぐぁあ!?」



幻境と呼ばれた青年は両腕をX字に振ると、兵士は瞬く間に肉塊となって飛び散った。



幻境「待っててね、朱音。僕が助けてあげるから」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 10:21:17.51 ID:jwWIKcG30
朱音「……」


馬之介「どうした?」


朱音「いや、少しだけ寒気がしただけ」


ナイトメア「とりあえず、何の力を手に入れたかは実戦してみなくてはな」


馬之介「実戦?どうやって?」


ナイトメア「それなんだが―――」


兵士「ナイトメア!大変です!影法師騎士団が洞窟付近を!」


ナイトメア「この洞窟がバレるとマズイ…早く迎撃するぞ!」


ナイトメア「喜べ、お前の力を試す時が来たぞ」


馬之介「あんまり嬉しくねぇな……」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 10:31:29.68 ID:jwWIKcG30
一斉に洞窟から飛び出すと、白い忍者服の様な格好をした連中が複数居た。


ナイトメア「あれは…三番隊か!?」


白忍A「ムッ!?反逆者!?」


ナイトメア「ここを知ってしまった以上、生かしては返さん!」


ナイトメア「ほら、行ってこい」



馬之介の背中を押して前に出させた。



馬之介「おい!待て――」


白忍A「死ねぇッ!」



白忍が一人、馬之介にナイフを持って飛びかかって来た。


馬之介「だぁー!待てってよ!」


軽く腕を白忍の顔に当てた。


白忍「ゴフッ!?」



メギィッ!と言う音共に何かを砕いた感覚が右手に感じた。


すると、白忍の顔は激しく歪んで鼻血を吹き出しながら宙を舞った。

白忍が持ってたと思われる大量の箸並みの長さをした針が地面に散らばった。


ナイトメア「丁度いい、それを使ってみろ」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 10:43:09.53 ID:jwWIKcG30
馬之介「こんなのどう使うんだよ!」


そう言いながら、その針を一本だけ拾った。


白忍の一人が再び、馬之介に対して飛びかかって来た


馬之介「うわっ!」


驚きのあまりに針を投げると白忍の胸部に突き刺さった。


白忍B「ぐはっ!?や、あ、あれ…?体が動かないぃぃ…!」


体をピクリとも動く事が出来ない白忍は慌てていた。

すると馬之介が自然と体が動いて突き刺さった針を人差し指で押し込んだ。



白忍B「やっ…助け……うぼわぁっ!」



白忍の背中から大量の血が吹き出した、辺の木々が血に染まってしまった

その光景を見た白忍達は全員逃げ去った、が。ナイトメアが回り込んで一瞬で

白忍達の首を回し蹴りで切り落とした。



ナイトメア「やるじゃないか、声や悲鳴や殺す戸惑いもなく冷徹によく動けたな」


馬之介「あぁ…自分でも信じられない…」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 10:50:07.60 ID:jwWIKcG30
馬之介「俺もそうだが、アンタも凄いな…いつの間に回り込んだんだ?」


ナイトメア「まぁな。それはともかく、人間にしては戦いや殺しに慣れてたな」


馬之介「別に慣れてる訳じゃない、そういう恐怖とかが感じないんだ」


ナイトメア「フッ…本当に太陽族に近付いて来たな……それとも蜃気楼の秘技の御陰か?」


馬之介「勘弁してくれ……」


ナイトメア「あ、そう言えば。お前は学生とか言ってたな、大丈夫なのか?」


馬之介「あー、大丈夫だよ。無法地帯化してるしさ、俺の学校」


ナイトメア「ほう、それは穏やかな話しでは無いな」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 11:02:10.86 ID:jwWIKcG30
ナイトメア「それじゃあ親は?心配してないか?」


馬之介「親なんか俺の事なんてどーとでも思ってねぇよ」


ナイトメア「それは悲しい話しだな」


馬之介「そんで?どうするんだ?」


ナイトメア「戦力が増えた事だし、そろそろ影法師騎士団の一部を壊滅させるとするか」


馬之介「二番隊か?」


ナイトメア「いや、四番隊や五番隊辺りがいいと思――」


兵士「ナイトメア!」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 11:10:03.73 ID:jwWIKcG30
後方から兵士が走って来た。


ナイトメア「どうした?」


兵士「幻境だ…!幻境が現れたんだ!」


ナイトメア「何…!?」


兵士「この洞窟の近くに見張りの死体で出来たオブジェクトが……ウプッ!」


ナイトメア「………馬之介、だったか?潰す対照が決まったぞ」


馬之介「え?」


ナイトメア「幻境……三番隊隊長幻境がまとめる三番隊が標的だ!」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/13(日) 11:22:00.85 ID:jwWIKcG30
樹海の北の部分にポツンと集落が出来ていた。

ここが、三番隊達の拠点である。


白忍者服を着た太陽族達が集団訓練をしていた、その集落の中にある大きな屋敷の前に

幻境と三人の二番隊の隊員と陽炎が居た。


陽炎「お前、反影法師組織に宣戦布告を出したそうだな」


幻境「うん、そうだよ。駄目だった?」


陽炎「別に」
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