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勇者「さぁ!魔王城はどこだ!」魔王「こっちこっち!勇者こっち!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:20:43.88 ID:nd/i9zJ70
勇者「おぉ!そっちか」

魔王「全く…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1357896043
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:25:00.86 ID:nd/i9zJ70
勇者「ねぇ魔王」

魔王「ん?なんだ?今、竜王とバトってんだから邪魔しないでよ」

竜王「俺のターン……どっローー!」

竜王「きた!」

魔王「トラップ発動!今引いたカードを墓地へおくれ!」

竜王「そんなカードねぇだろ!」

魔王「魔王の心の中には存在してるんだよ」

竜王「はぁ?!」

魔王「さぁ……墓地へ」ギロッ

竜王「は、はい…」

勇者「魔王」

魔王「なにさ!」クルッ

勇者「何か敵が攻めてきたんだけど」

敵スライム「魔王をたおせー!」

「「「「おおおおおお!!」」」」


魔王「Oh反乱だ」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:33:25.95 ID:nd/i9zJ70
勇者「ネェスライム君」

スライム「あ!勇者さん!」

勇者「今の魔王はこわいよ?バトル邪魔されて機嫌悪いから。
ね?今日は大人しく帰りなよ」

スライム「勇者よ…貴様魔王に怖気ついて僕になったてのは、どうやら本当だったか」

勇者「それ逆なんだけどな…」

スライム「まぁいい!今の魔王は先代魔王に比べて我らの扱いが酷すぎる!」

スライム「よって私達は反乱を起こす!」


魔王「あ!竜王ずるだよそれ!」

竜王「は?ww蘇生は列記とした策ですぅ〜」

魔王「だ、だったら魔王も策しちゃうもん!」

魔王「黄泉より還れ!りゅうお〜〜う!」

ゴゴゴゴゴォォ!!

竜王「と、父さん?!」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:37:38.30 ID:nd/i9zJ70
スライム「き、聞け!」

勇者「あはは」苦笑

スライム「ッ!こ、こうなったら勇者!貴様を倒…」

勇者「あ”?」剣構える

スライム「ヒッ!」

勇者「誰が、誰を…ナニするって?」ゴゴゴ

スライム「ぼ、僕が」

勇者「おまえが」

スライム「…勇者様を」ガクブル

勇者「俺を?」

スライム「……」ガクガクブルブル

勇者「ナ・ニするって?」

スライム「あ、あわわわわわ!」汗

勇者「ん??」

スライム「た、たたたたた」

勇者「んん??」

スライム「大変申し訳ございませんでした!」orz

勇者「何故謝る?」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:41:58.13 ID:nd/i9zJ70
スライム「そ、それは」

勇者「ん?」

ドゴォォンッ!

スライム・勇者「「?!」」


骨「  」

▼ヘンジガナイタダノシカバネノヨウダ

竜王「父さん!?」

魔王「よ、良く認識できたね」

竜王「この鎖骨(?)間違いなく父さんだ!」

魔王「鎖骨で認識?!」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:46:11.85 ID:nd/i9zJ70
勇者「な、何このでかい骨」

魔王「魔王が蘇生したの」ヘヘン

勇者「骨を?」

魔王「ホネを!」

勇者「……意味は?」

魔王「魔王そんなの知らない!」エッヘン

勇者「そうなのー…良い子良い子」ナデナデ

魔王「ま、魔王嬉しくないもん!」///
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:47:02.37 ID:nd/i9zJ70
スライム「……帰ろうか」

「「「おおぉ」」」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:50:09.10 ID:nd/i9zJ70
勇者「さってと、じゃあ魔王」

魔王「ん?」

勇者「始まりの街の王様に会いに行くか」

魔王「そうしよう!」

竜王「おくってく?」

魔王「いいの!」

勇者「だめっ」ペシッ

魔王「えー!なーんーでー!」

勇者「お前が世界を旅したいって、言ったんだろ!なら歩けよ!」

魔王「やだーつかれたー!」

魔王「……じゃなくて!その前に魔王城に忘れ物!」

勇者「…ハッ!魔法使いと戦士と司教様を魔王城の魔王の間の柱に縛ったままだった!」

魔王「まったく…勇者は忘れん某なんだから」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:51:07.13 ID:nd/i9zJ70
竜王(何でしばったんだ?)

勇者「じゃあ行くか」

魔王「うん!」

竜王「たっしゃでなー」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:54:48.67 ID:nd/i9zJ70

勇者「さって…この冥界の森を越えれば魔王城だ!」

魔王「あるけー!」

勇者「上で暴れるな!落ちるぞ!?」

魔王「ッ!」ピタッ

魔王「ゆ、ゆ〜っくりあるけぇ〜」

勇者「はいはい」


魔物「ぐしゃー!人間くってやる!」

魔王「…」ギロッ

魔物「ヒッ!魔王様!?」

魔王「どけ」

魔物「サー!イエッサー!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/11(金) 18:58:47.86 ID:nd/i9zJ70

勇者「脅すときだけ体元の大人サイズになるのやめて、いきなり重くなるとキツイ」

魔王「重くないし!軽いし!風でトバされるレベルだし!」

勇者「わーったわーった」

魔王「も、もう助けてあげない!」

勇者「はいはい」


魔物「ぐへへへ〜可愛い娘発見ぐへへ〜」

魔物「この男ころして娘食う!」

勇者「…だって」

魔王「しらないっ!」

勇者「知らないって…お前食われるんだぞ?」

魔王「ふんっ!」

勇者「…だって」

魔物「しねぇ!!」

勇者「ッ!」
_____

斬るッ!
_____

魔物「うッ!……」バタッ

勇者「勇者なめんなよ」

魔王「キャー!勇者さまー!スッテッキー!」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/11(金) 19:29:03.73 ID:TfawtPCT0
期待
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/12(土) 17:16:01.98 ID:cX7nQlsq0

勇者「はいはいわかったから…だから暴れないでね?」

魔王「んー!」ジタバタ

勇者「…行こっか」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/12(土) 17:19:01.14 ID:cX7nQlsq0

勇者「なんか熱くない?」

魔王「今年は1万年周期で回ってくる火山の噴火年だから…そのせいじゃないか」

勇者「1万年…お前何歳だよ」

魔王「乙女に年齢聞く〜?」

勇者「乙女って…」

魔王「乙女だし!」

勇者「その見た目だと早く大人になりたがってる子供だぞ」

魔王「これでどうだ!」シューー

勇者「グッ!…お、おも…」

魔王「くない」

勇者「い、いいから元に戻れ」

魔王「はーい」シューー
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/12(土) 17:26:04.65 ID:cX7nQlsq0

魔王「おっ!見えてきた!我が城!」

勇者「よし!降りろ!」

魔王「何故?!」

勇者「最後くらいは歩けよ」

魔王「ぶーぶー勇者の意地悪!……私とは遊びだったのね!」

勇者「どこからそんな考えが生まれた」

魔王「と、言いながらも良い子の魔王は降りて自ら歩くのでした」

勇者「はぁ…」

魔王「さぁ!行くぞ」シューー

勇者(大人の姿に戻った…)「そーだな」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/12(土) 17:32:40.84 ID:cX7nQlsq0

魔王城〜


魔王「王が帰ったぞ!」

側近「え?早くない?!」

魔王「忘れごとだ」

側近「……もしかして勇者さんの仲間?」

勇者「うん」コク

側近「今は皆裏の湖に釣に言ってますよ」

魔王「だって」

側近「それと…『今度勇者に会ったら絶対「ピー」するって』」

勇者「…誰が?」

側近「俺が」

勇者「!」

側近「可愛い魔王様を返せ!」

勇者「嫌だ!」

側近「なーにーー?!」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/12(土) 17:37:16.08 ID:cX7nQlsq0
側近「魔王様は俺の嫁だぁ!」

魔王「えー」

側近「無理やりにでも!」

魔王「…いけ!勇者!」

勇者「はっ!仰せのままに!」

______

斬るッ!×2
______

側近「くっ!私をそこらの雑魚と一緒にするなよ…!」

側近「秘技!目潰し!」シュッ

勇者「その指もらった!」斬

スパッ

側近「…ゆ、指が!俺の指がァ!あああああ!!」

勇者「な〜に、刀背打ちだ」

側近「その剣刀背打ちできねぇじゃん!いでぇええ!」

魔王「回復回復」ポワポワーン

勇者「はははは!この魔王城は俺のものだ!」

側近「こ、この魔王め!」

魔王「よんだ?」

側近「あ、いえ」

魔王「そう」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 04:39:39.61 ID:5g4DjPqDO
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 20:16:23.86 ID:nN2SU2lX0

勇者「とにかく皆の所行こう」

魔王「おう!」

側近「私はいきませんよ!」

勇者「すきにすれば」

側近「ムッキーーー!」怒

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 20:32:55.76 ID:nN2SU2lX0

魔王城〜裏庭・湖


勇者「おぉ〜…なんか赤い湖が」

魔王「空が赤いからね」

戦士「あれ?勇者ジャネ」

魔法「本当だー!勇者だ!」

神父「脱げー!!!」

魔法「まだ言うか!この変態神父!」

魔王「お、おい何か変な事叫びながらこっちに向かってくるんだが」

勇者「何があったんだ?」

戦士「それがな──」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 20:38:32.62 ID:nN2SU2lX0
勇者たちが来る数分前


戦士「こんないい天気の日には海水浴だな!」

魔法「湖だけどね…それに天気もなにも魔界は一年中赤い空よ」

戦士「さぁ!泳ぐぞ!」バサァッ!

魔法「服の下に水着!?泳ぐ気満々!しかもグラマーな戦士さん!」

※戦士は女です。

戦士「さぁ!魔法使いも!」

魔法「ちょ!や、やめて!」

神父「おーい何か変なきのみ拾ったんだけ…」

その時、神父の目には女の子同士が半裸で抱き合っているように見えた。
そう、戦士は女だが男勝り。
よって上半身は付けていない。
神父は職業を忘れ、ハレンチな目で二人を見ていた。

魔法「私は男です!そんな目で見ないでください!」

神父「今更何を!女装してるんだ。なんだっていい!」

魔法「お前神父失格だよ!」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 20:42:11.90 ID:nN2SU2lX0

神父「勇者一行はなんでも許されるんだよ!」

魔法「く、来るな!」ステテテテー

神父「まてぇ!さぁ!脱ぐんだァ!」

魔法「ッ!あぁ!詠唱めんどい!」

魔法「あの男を焼き尽くせ!炎!」

神父「きかねぇ!俺は聖水を体中にまいている!」

魔法「んな馬鹿な!?」

神父「…熱!」ジュゥゥゥ

戦士「身体についた聖水が蒸発してるんだな」ウンウン

神父「が!横に湖がある限り!とう!」トビコミ

バッシャーンッ

ザバァッ!

神父「聞かないよ!」

魔法「くーるーなー!!」///

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 20:44:04.01 ID:nN2SU2lX0

戦士「てなことがあってな」

勇者「またあの変態か」

魔法「あの子男なの?!」

勇者「なんだ、半殺しにしといて知らなかったのか」

魔法「半殺しにするのに理由なんていらないし」

勇者「……」ゾッ

戦士「〜!」ゾゾォ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 20:49:26.42 ID:nN2SU2lX0
戦士「話は変わるがよ」

勇者「ん?」

戦士「俺が上半身裸なのを少しはツっこんでくれ」

勇者「あ、ボケてたの?」

戦士「流石に俺も男に裸を見られるのは…その……はずかしい」///

勇者「…」(・_・)

戦士「何故真顔で黙る!?」

勇者「いや、『今更?』て感じで…」

勇者「だって、今まで何度も見たし」

魔王「見たの?!」Σ(゜д゜)

勇者「だってコイツ、風呂上りにそのまま寝るんだもん。1年もそれが続けばなれるし
……勃たなくもなる」

戦士「おい!勃てよ!何故勃たない!」

魔王「そこ?ツッこむ所?!」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 20:56:01.13 ID:nN2SU2lX0

側近「…外が騒がしい…と言うか賑やかだ」

側近「あれ?騒がしいと賑やかって何が違うんだ?」

側近「………」

側近「……」

〜〜♪

〜〜ッ!

オォォ!!

側近「なんの雄叫び?!」

側近「……?静かになった」

ゴゴゴゴ!

側近「ゆ、揺れてる…地震?!」



側近「…あ、やんだ」ホッ



サキュバス「あ、側近さーん」

側近「あ?…ん?どうした?」

サキュ「何か城が半壊したんですけど

側近「……」Σ(・_・)

真顔のまま固まる側近であった。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 21:00:15.01 ID:nN2SU2lX0
側近が真顔のまま固まる少し前。

勇者「いいか?もう『脱げ!』なんて言って走り回るな?」

魔法「勇者似てる〜w」

神父「俺はそんな言い方してない!」

勇者「いいから!…するなよ?」

神父「…はい」

魔法「怒られてやんのォー!ププークスクス」スクッ

勇者「おい。まだお前の説教は終わってないぞ?」

魔法「…え?」

勇者「お前は人に攻撃魔法を使うな!…と、俺は何回言った?」

魔法「えっとぉ……さ、3回?」

戦士「今ので3333回目。ゾロ目だな」

勇者「…だ」

魔法「あ、あははー……」

勇者「…」ゴゴゴ

魔法「すいませんでしたァ!」


魔王「何か勇者がすごい」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 21:08:06.88 ID:nN2SU2lX0
神父「…!!」

勇者「なんだ?」

神父「あ、あ〜いや…その」

勇者「…?」

神父「う、うしろ、勇者のうしろに…」

魔法「…!!???!?!??!!?!?????!???!?!?!?」アワアワワワワ

勇者「ま、魔法使い?!お、落ち着け!」

戦士「お、おい!勇者…構えたほうが良さそうだぜ」

勇者「え?」
振り向いた勇者の後ろには、湖から足のあるデカイ鯉(?)
がこちらに向かって突進してきていた。

勇者「な、何だあれ?!」

魔王「あれは!で、デカイコーイ!」

勇者「そのネーミングセンスどうにかなんないか!」

魔王「そんなことはいいだろ!あれは3年周期で現れる幻の鯉!攻撃翌力は仔犬を倒すのが
ギリギリできるか位だが、防御力は隕石を受けてもピンピンしてるほどの…とにかく硬い
鯉だ!」

戦士「説明ありがとう」

勇者「でもさ」

魔法「あの鯉…」

神父「プリンみたいwwなんかプルンプルンなってるww」笑笑

魔法「あ、あれぇ?!」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 21:15:37.95 ID:nN2SU2lX0
鯉「……うっふぉ!何か半裸の女子発見!突進開始しまーす♪」

5人「……喋った?!」

勇者「てか目的おまえだってよ」

戦士「…」(^言^し)

「ポンッ」と戦士の肩に手をおく勇者。

勇者「…お前のことは忘れないぜ」

戦士「え」

そして魔法使いも戦士の肩に手をおき。

魔法「…今まで…ヒック…痴態を晒してばかりのあなたでしたが…一生忘れません!………多分」

戦士「お、おい?」

戦士の肩はいっぱいなので、頭に手をのせ

神父「…わすれな──」

戦士「触れるな!」

「バキッ」
神父は戦士の裏拳をくらって地面に倒れ込んだ。

神父「そ、その元気さがあれば…だいじょう…ぶ」(>_<)b!
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 21:28:43.84 ID:nN2SU2lX0

戦士「お前が行ってこいやぁぁぁああ!!」

戦士は神父の胸ぐらを掴み回転で速度をまし、
神父を湖へとほおり投げた。

神父「ちょ!い、いやぁぁぁっぁ!」

鯉「…んあ?」

恋が開けた口の中に神父は見事に入っていった。


戦士「……お、おっしゃー……」


勇者「神父ゥウウ!」

魔法「変態ぃ!!」

魔法「なんか知らない人ォ!」

勇者「よ、よくも」

魔法「よくも神父さんを……変態だけどいい人だったのに!」


魔法・勇者「「よくやった!デカイ鯉!」」グッb

魔王「オイッ!」

鯉「半裸女子!半裸女子!」三┌(┌^o^)┐
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 21:42:16.42 ID:nN2SU2lX0
戦士「ッ!来るなァ!そして神父…いや!兄さんを返せェ!」

魔王「お兄さんを投げたんですか?!」

戦士「返せェ!」

鯉「女子ィ!!!Fooooo」

鯉「女子は俺のも……?!もうひとり発見!」

魔法「…い、いや!わた…俺は男だ!」

鯉「おとこ…おとこおんな…男の娘!?………アリ!」

魔法「なんでだよぅ!」

勇者「こりゃあ…」

戦士「戦うしか」

魔王「ないみたいだね。魔王の本気……見せてあげるわ!」ビリビリッ!

魔翌力がオーラのように魔王の体を包む
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 21:48:52.80 ID:9LsJLqfAO
メール欄にsaga入れるとちょっと幸せになれるよ

sage(さげ)じゃなくてsaga(さが)な
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 21:52:39.99 ID:nN2SU2lX0
戦士「お、おい…俺たちと戦う時と魔翌力が桁違いじゃねぇか」ビク

勇者「だ、だな」

魔王「これは我が魔族に伝わる最強のモード…魔甲…いかなる攻撃も魔翌力がもつ限り
無限に防御する。そして魔翌力がもつ限り無限に対象を……破壊する!」シュンッ

勇者「ッ!何処にいった?!」

戦士「あ、あそこ!鯉の上!」


魔王「我!魔王なり!汝、魔族ならば我の言うことを聞け!」

鯉「魔王…?魔王の言うことはきけん!」

動きを止め魔王を見る。

鯉「なぜなら!私は魔族などという汚れたものではなく…神族。神と言う清い種族
なのだから!」

魔王「神族?!」

鯉「そう…わ〜たしは〜神に〜えらばれた〜しゅ〜ぞ〜く〜〜♫」


戦士「音痴だ」

勇者「聞いてらんねぇ」


魔王「ほぉ…我らと敵対する神族か…手合わせ願いたいな」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 21:53:43.08 ID:nN2SU2lX0
sagaね。ありがとう
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 21:59:14.91 ID:nN2SU2lX0
鯉「…ふ!下等種族が!…われに喧嘩をうるか!」

魔王「あぁ…私も最近は本気を出せる機会が少なくてな。少し試したいんだ
今の私の全力を」


戦士「あんなこと言ってますよ」

勇者「何か色々自信なくした」

魔法「まぁまぁ」


鯉「いいだろう。その誘い、のってやろう」シュゥゥ
体から黄色い炎が吹き出る。

魔王「?」

鯉「この体ではやりにくい…私も本気をだそう」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 22:11:05.19 ID:nN2SU2lX0

鯉「オォォオオオォォォ!」
鯉の体は人間サイズになっていく

魔王「くっ!」

戦士「魔王!これ使え!」ヒョイッ
剣を投げる。

勇者「これも!」
ダイナマイトを投げる

魔王「それはこっちに投げるなぁ!」

鯉「ん?なんだ?」
ダイナマイトは鯉の目の前を通過。
だがダイナマイトに鯉から出る黄色い炎が引火。

魔王「逃げろ!」シュンッ

引火した炎の勢いは強く、直ぐに爆発した。
「ボガゴラァンッ!」

鯉「なっ!」
爆発に巻き込まれ、鯉は城の外壁に打ち付けられると同時に元の姿にもどる。

魔王「……魔王の城がぁああ!」Σ(´○д○`)
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 22:17:38.75 ID:nN2SU2lX0

魔王「…てなことがありまして」

側近「…わ、私の家が」

魔王「魔王のだよ」

側近「あ″?」

魔王「はい。その通り!側近君の家です!」

側近「直すのにはどんくらいかかるか」

サキュ「人員に物資に資金調達それだけでも10ヶ月はかかります。」

側近「…魔王さま?」

魔王「ん?」

側近「しばらく旅にでられるんですよね?」

魔王「うん」

側近「勇者よ」

勇者「はい?」

側近「こい」

勇者「お、おう」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 22:53:50.46 ID:nN2SU2lX0

勇者「なに?」

側近「魔王様はあんな感じで子供みたいにはしゃぐ。」

勇者「うん」

側近「今はよくなったが、昔は少し期限を悪くして壁をなぐったらその部屋と横の部屋がつながるんだ。」

勇者「う、うん…で?」

側近「いまこの城は半壊。そしてなおす。」

勇者「ふむ」

側近「あの人が手伝ったらその作業がかなり…おくれる」

勇者「…つまり俺に魔王城の修復が終わるまで、魔王と旅をしろ、と」

側近「話がわかるやつで助かったぞ」

勇者「お安い御用。そのかわり、今度なんかおごれよ?」

側近「おーけ」

こうして二人の内緒話は終わったのだった。

魔王「…なーに話してるの?」

勇者「お前を頼むっていわれたの」

魔王「な!なななな!なんで側近にそんなこと言われなきゃいけないのさ!」カァー

側近「かわいい魔王さまはちゃんと任せられる人に任せたいんです!」

魔王「い、意味わかんないしー!」スタタタ


側近「では頼むぞ、修復が無事終わるように!」

勇者「おうよ!」

ここに男のゆうじょうあり…
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 22:56:23.83 ID:nN2SU2lX0
そうして肩を組む勇者。

側近「ち、近寄るな!」

勇者「なんで!?」

魔王「勇者、女の子にそんなに着やすく触れちゃいけないよ」

勇者「…女?!」

側近「な、なんだよぉ!」

勇者「…ただのイケメンじゃん!」ユビサシ

側近「ゆびさすな!」

ゴキッ

勇者「うがっ!」


魔法「いい友達になれそうな予感」

戦士「ははは」






湖の底〜

神父「   」ブクブクブク
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 23:07:19.50 ID:nN2SU2lX0
翌日〜


勇者「んじゃ行くか。始まりの街」

戦士「おう!」

魔法「さ!いきましょう」

勇者「じゃあ神父はおきたら好きにこき使ってやってくれ」

側近「使いまくってやるよ」

魔王「じゃあよろしくね」

側近「はい。お気を付けて。……と、これは旅の足しにでもしてくれ」⊃1万G

勇者「こんなにいいのか?」

側近「あぁ…そのかわり」

勇者「わかったから。何を言っても無視するから」

側近「では」

魔王「またねーみんなー!」

サキュ「い、いってらっしゃいませ〜」シクシク

トール「いってらっしゃーい」

なんか得体の知れないブリーフ履いたちょんまげのイケメン(?)「いってまいれ!」

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 23:15:01.78 ID:nN2SU2lX0

森をこえ、竜王の洞窟をこえ、さらに平原をこえた勇者一行+魔王
は一つの街にたどり着き、一晩宿を取ることにした。


戦士「よーし…ちょっくら街の探索してくらぁ」

勇者「気をつけろよ」

_______

街〜噴水広場〜
_______

戦士「ひぃ〜久々にのんび……いや、二日前は普通に釣りしてたからのんびりしてたな」

男「…見かけない顔ですね」

戦士「ん?なんだ?お前」

男「私はこの街のただの一般市民です」

戦士「おれは戦士…よろしく」

男「……」ジー

戦士「な、なんだよ?」

男「いや、指名手配犯の似顔絵に似ていたもので」

戦士「はぁ…まぁ人違いだな」

男「ならいいのですが、SS級の犯罪者なんてこの街にいたら国王軍がこの街を
壊しに来ますから」

戦士「…どういうことだ?」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 23:21:47.91 ID:nN2SU2lX0

男「知らないんですか?」アヤシイ

戦士「俺は旅してんだ。そういうことにはうとくてな、よかったら教えてくれ」

男「…なるほど」

戦士(俺って嘘つく才能あるんじゃね?)

男「犯罪者にはいろんなレベルみたいなものがあるんです」

男「それはE級からSS級までE級は窃盗犯やら人に直接的に害をなさないひと。
C級にもなると殺人やら。そしてA級はテロ。
そしてSS級は魔王のように世界に害をなすとみなされた人」

男「そんな危険な人物がその街に潜んでると知ったら国は──」

戦士「その街を封鎖して街をあら捜し。最悪町ごと…」

男「はい。ですから勘違いでよかった…と」

戦士「そんなに似てるのか?」

男「ちょうど手配書もってますから…みます?」

戦士「たのむ」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 23:26:32.94 ID:nN2SU2lX0
手渡された紙を見て戦士は少しの間固まっていた。

男「…ね?似てるでしょう」

戦士「あ、あぁ…」

戦士(手配度SSランク…確かに昔テロやら何やらをした人物はすごい額で
手配されるとはきいたが…100億だと?しかもそれが4人も…)

戦士「なぁ、この紙もらってもいいか?」

男「え?」

戦士「言ったろ、俺は旅をしてるんだ。だから何処かで合うかもしれないし、
俺は覚えるのは苦手だから持っておきたいんだ」

戦士(我ながらじょう舌だな)

男「なるほど…いいですよ。その紙は街中に貼ってありますし」

戦士「ありがと!」ニコッ

男「ッ!」キュンッ

戦士「またいつか会おうぜ!じゃーな」

男「は、はい!また!!」



戦士「この紙……勇者たちに見せねぇと!」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 23:29:20.02 ID:nN2SU2lX0

街〜宿

「バンッ」と宿のドアを蹴りで開ける。

戦士「ゆうしゃ!」ハァハァ

ガラーン
部屋には誰もいない。

戦士「ど、どっか出かけたのか?」

ヒュゥーウ

戦士「?」

窓が割られている。
よく見ると地面には血の足跡がそこらじゅうに

戦士「ッ!何があった!」

壁に立てかけてある剣を手に取り、
部屋を後にする。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 23:37:32.03 ID:nN2SU2lX0

街〜丘の上〜

勇者「ッ!大丈夫か二人共」ハァ

魔法「ゆ、勇者こそ!腕から血が!」

黒人「見つけたぞ…!」

全身を黒い布で覆い、両腕の袖から剣を出している男が
勇者たちに襲いかかる。

勇者「ッ!」

黒人の攻撃を剣でガードするが
ガキンッ
剣は折れ、魔法使いと魔王の後ろまで飛ばされる。

勇者「グハッ!」

黒人「…手配度SSランク『勇者』『魔法使い』貴様らをこの執行者が葬る!」

戦士「させるかぁ!!」ブンッ

背後から大剣を振り落とす。

黒人「!…何奴!?」サッ

戦士「い、今のをよけた?!」

黒人「……手配度SSランク…『戦士』だな」

戦士「…誰だ」

黒人「執行者。手配人を狩る者」

戦士「へぇ、おまわりさんですか」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 23:43:21.19 ID:nN2SU2lX0

勇者「な、何か知っているのか?…戦士」ゼェーハァー

戦士「長いから、簡単に言うと俺たち勇者一行はなぜか指名手配犯。
それも超極悪人だ」

魔法「な!」

勇者「……ッ!アイツの仕業か」

魔法「え?」

勇者「…あぁあああ!!!」スクッ

魔王「む、無理するな!勇者!」

勇者「なんだっけ?魔甲モード?だっけかぁ」

魔王「そ、それがどうし……!!まさか勇者」

勇者「俺はなぁ、剣術や魔術なら見ただけで真似できる天才ちゃんなわけよ」クク

魔王「あ、あれは魔族の身体の丈夫さだからできるんだ!お前みたいな普通の人げ…」

勇者「は!普通の人間?」ハァハァ

勇者「俺は…なぁ……そこらの人間より頑丈で強い…ッ!勇者だ!」ハァハァ

腕から、腹部から血を吹き出しながらも立ち上がる勇者。

魔法「回復してあげたいけど…あの男に本と杖を燃やされちゃったから…」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/14(月) 23:48:43.77 ID:nN2SU2lX0
勇者「俺は…王道のキャラが嫌いだ」

魔王「な、何をいきなり」

勇者「最後の力振り絞ってラスボスに勝つ?倒した瞬間ぶっ倒れる?
そんなのゴメンだね!俺は最後の力なんて振り絞らないし、倒れない」ハァハァ

勇者「…でも、なんかしら力が覚醒するってのは……大賛成!」

戦士「ッ!意味わかんねぇこと言ってないで、グッ!動けるなら手伝ってくれ!」

黒人「はぁ!」

両手の剣が左右から戦士の首めがけ斬りかかる。

戦士(!!…防げない!)

ガキンッ!

勇者「だから……」シュゥゥゥ

戦士「勇者…!」

勇者「だ…から……この一回だけに俺の力を全て賭ける!」

魔王「結局?!」

勇者「おらぁああああ!!」

黒人「ッ?!」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 00:08:50.08 ID:Z4eLDg1O0
勇者の頭突きが黒人の頭にヒットし
黒人を覆っていた布が剥がれ、姿が顕になる。

勇者の額からは血が垂れる。

魔王「勇者!」

魔法「勇者さん!」

勇者「…た、たおれねぇ……よ」クラッ

ダキッ

戦士「おっと!大丈夫か?」

勇者「…ねむい」

戦士「寝な。あとはもう大丈夫。今は寝な」

勇者「…そう…する」

戦士「…もう寝やがった」

魔王「しかしコイツァ…」

魔法「木人形…ですね」

魔王「魔力は感じない…」

戦士「それは人の目に付かないように捨てておく。今は勇者を寝かせよう」

魔法「宿…大丈夫でしょうか」

戦士「映画の撮影とでも言っておけ」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 00:18:41.09 ID:Z4eLDg1O0
夢を見た。
俺は空を飛んで、仲間が俺のいないパーティーで違う勇者と
旅をしている。
おれはそれをずっと空の上から見ていた。
そして魔王を倒した勇者が、俺を見て、空を見てこういったんだ。
「俺が本物だ」
確かに彼はそう言っていた。
俺はその言葉を聞いて無性に腹が立った。

そして目が覚めた

勇者「…ん……んあ」

魔王「…起きたか勇者よ」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 00:27:05.88 ID:Z4eLDg1O0
目を覚ました俺は横からの声に顔を向けた。
そこには魔王の顔が少し動いただけで当たりそうな位置にあった。

勇者「…うぅ…なんか寒い」

魔王「すまん…勇者があまりに起きないから先に旅をはじめさせてもらった」

勇者「…どれくらい?」

魔王「約1ヶ月と半分」

勇者「…そっか」

魔王「あの技は魔族の技だ。人間には負担が」

勇者「あぁ…あれはいざという時だけにするよ」

魔王「その「いざ」が来ないことを魔王は願ってるよ」

勇者「…今は夜?」

魔王「うん」

勇者「寒いんだが…ここどこ?」

魔王「北の大地。雪の園庭(スノーガーデン)」

勇者「…俺かなり薄着じゃない?」

勇者「何か臭うし」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 00:30:26.69 ID:Z4eLDg1O0
魔王「勇者以外は皆女の子だから…着替えも体も拭けないんだ」

勇者「魔法使いは…」

魔王「『私は無理!』だって」

勇者「傷つく」

魔王「でも傷はちゃんとしといたから、大丈夫」

勇者「ありがとう」

勇者「二人は?」

魔王「外でスノーヘルドラゴン4体と交戦中」

勇者「なんでおまえいるんだよ!戦えよ!」ガバッ

魔王「そんな直ぐに起きたら!」

勇者「ッ!」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 00:35:53.44 ID:Z4eLDg1O0
魔王「私は勇者を温めていなきゃいけなかったんだから」

勇者「は?……な!?」

よく見ると魔王は裸で俺に抱きついていたらしい。
そして魔王は「寒い」と言い俺を抱き寄せ、
再び寝転がらせた。

魔王「…あの二人は強い。だから大丈夫だよ」

戦士「あぁ。私たちは強い」

戦士「だがな、…お前が一緒に戦わないのは気に食わんなぁ!魔王!」

魔王「ッ!夫婦みずいらずを邪魔するか!この男女!」

戦士「あぁ?!この異種!」

魔王「あ!それ差別!それさーべーつー!いけないんだー!」

戦士「うるせぇ!この痴女!」

魔王「あれぇ〜?それはあなたでは?」

戦士「んだと!」

魔王「やりますかぁ?」フフフ


魔法「またですか」

勇者「仲良くなったな」

魔法「まぁ色々ありましたし」

勇者「…あれ?お前胸出てない?」

魔法「まぁ…これも色々ありまして」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 00:37:19.91 ID:Z4eLDg1O0
今日はこのへんで終わりにしましょう。

また内容が思い浮かんだら書いていきたいです。
それと『saga』の事教えてくれた人ありがとうございます。
ではまたいつか〜
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 16:15:30.37 ID:Z4eLDg1O0

勇者「一体俺の寝ているあいだに何が?!」

魔法「一番衝撃的だったのは真の魔王が現れて世界征服しようとして、それを私たちが阻止したことかな」

勇者「なんか一番すごいこと起こっている?!」

魔王「あれは凄かった…すごく強かった」

戦士「あぁ…何回勇者を盾にしても全く防げなかった」

勇者「俺そんなことされてたの?!何してくれてんの!俺病人なのに!」

魔法「まぁ…いろいろあって私たちはまだ犯罪者扱いのままですがね」

勇者「そこは変わっていて欲しかった」

戦士「とりあえず今日は寝よう。明日は起きたらすぐ出るぞ」

魔王「了解です」

魔法「はい」



54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 16:22:42.16 ID:Z4eLDg1O0

翌朝


勇者「お!吹雪いてないな」

戦士「昨日はすごかったんだから」

勇者「…それより風呂だな風呂。寒いし臭いし…風呂!」

魔法「お風呂ならここから少しいったところにヤダがあるらしいです」

勇者「よし!そこ行こう!」

風呂〜風呂〜♫


戦士「騒ぎすぎでしょ…まったく」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 16:31:25.59 ID:Z4eLDg1O0

宿〜風呂〜

勇者「でっけ〜」ホエー

チャポンッ

勇者「ふぅ〜」

勇者「にしても…俺の体綺麗だな〜」

勇者「……な、ナルシストじゃねぇよ!今まで戦ってきて、なのに傷が全くない」

勇者「多少はあるが…それでもまだ綺麗だなぁ〜と…」

勇者「いや〜こんなでっかい風呂を独り占めっていい感じだな〜」

ガラガラ

勇者「お?別のお客さんかな?(あれ?客俺たち以外にいたっけ?)」

「いやぁ〜寒いから早く入ろうぜ!」

「はしゃぎすぎですよ、戦士さん=v

勇者「…?!!??!」

勇者(や、やばい!これヤバイ!見つかったら…)
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 16:40:37.38 ID:Z4eLDg1O0


戦士「ほぉ〜てめぇ〜…いい度胸してんな!」

魔王「流石に魔王もひくぞ勇者。見たかったら直接言え」

魔法「そうですよ!」

戦士「少しお仕置きが必要かな」

魔王「そうですね…フッフッフ」

魔法「フッフッフッフ」

戦士「ほぉ〜らここか?ここがいいのか?え?」サワサワ
そう言いながら戦士は俺の胸元を触りながら、俺の股間部分についている
アレを刺激してくる。

魔王「勇者はこれがいいんだよね〜」
俺の右手を掴み魔王は自分の胸へと俺の右手を付ける。
俺はそのまま魔王のを…。

魔法「わ、私のも触ってください!」
なぜか巨乳の魔法使いは胸は触らせずに、俺にもついているアレを
俺の左手に握らせ、俺の右手と魔法使いのアレをこすらせる

勇者「み、皆…せ、積極的ィィィィ!!」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 16:45:02.58 ID:Z4eLDg1O0

勇者(……じゃねぇや!)ハッ

勇者(このままだと普通になりかねない状況ではあるが、俺も男。
裸を見られるのは恥ずかしい!…よって隠れる!)

戦士「ん〜…ちょうどいい温度」

魔王「フィー…気持ちいいですねぇ〜」

魔法「んっ…んん!」

魔王「どうしました?」

戦士「なんだ?日焼けでも痛むか??」

魔法「いえ…気持ちが良くて」

戦士「ほぉ〜、気持ちいいとそんな声がでるのか」ワキワキ

魔法「そ、その手はなんですか!こ、来ないでください!」キッ

戦士「おっとぉ?私に魔法を使うのか?勇者に怒られるぞ」ニヤニヤ

魔法「今は勇者いませんからいいんです!」


勇者(ごめん。いる。いるよ!潜ってます。あなたたちのすぐ後ろに潜ってます!)
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 16:48:54.84 ID:Z4eLDg1O0
魔王「まぁまぁ…とりあえず落ち着いて」

戦士「お前男なのになんで胸あんだよぉ!」
そう言い、魔法使いの胸を揉みしだく。

魔法「し、しらな!んっ!」ピクッ

魔王「もう…まったく〜!私も混ぜてくださいよぅ!」

魔法「止めてよぉ!」

戦士「ほらほら〜」モミモミ

魔王「こ、これは…適度な大きさで豆腐よりも柔らかい…楽しい!」(`・ω・´)

魔法「楽しくないですぅー!」

魔王「えいえいえいえいえい!」

ムニュッ

魔王「ふにゃッ!」

戦士「ん?どうした?」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 16:51:47.12 ID:Z4eLDg1O0

魔王「な、何かがその…お、お股にあたって」

戦士「何かって?」

魔王「な、なんだか…ゴツゴツしたものが」


勇者(フーーー!フーーッ!)

勇者(い、今魔王のあ、あああ、アレが…か、顔に!)

勇者(…Fooooo!あ、………勃ったw)

戦士「………」ブクブク

勇者「………」

戦士「……」ニカッ

勇者「……」ニコッ

水中で二人は微笑みあった。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 16:57:30.77 ID:Z4eLDg1O0

戦士「まったく…何してんだ勇者」

勇者「お、お前らがあとから入ってきたんだろ!」

戦士「今の時間は女湯だ!…そう言われたろ」

勇者「あらコイツは?コイツは男だろ!」

魔法「わ、私ですか?」

勇者「ほら!付いてる!俺のと同じの!ホラ!」

戦士「見せんな!」

ゴキッ!
戦士の右足が勇者の足の付け根を勢いよく蹴り上げる。

勇者「ッ!がっ!あ……ガァッ!」バタッ
股を両手で抑えながら倒れ、悶え苦しむ。

魔法「…勇者」

勇者「あァ、がッ!ンガァッ!」

魔法「…ごめんね?」

勇者「あ、……」チーン

魔法「勇者?!…勇者ぁ!!」

戦士「さ、風呂風呂」

魔王「極楽極楽〜」

「ゆうしゃーーー!」
風呂場には魔法使いの叫び声が響いていた。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 17:07:50.14 ID:Z4eLDg1O0

翌日〜

勇者「…なぁ魔法使い」

魔法「何?」

勇者「……俺子孫残せるかな」

戦士「!」ピクッ

魔法「…大丈夫だよ。きっと」

勇者「tねだといいな」ジトー

二人は戦士のことを「ジッ」と見つめている。

戦士「…」ムズムズ

魔王「ズズズー」

魔王「この緑茶…おいしいですね、あ、このまんじゅうもなかなか」

戦士(和んでないで助けろ魔王ォォ!)の眼差し

魔王(…何やら視線を…)感じ取った魔王

魔王(…あれは戦士さんが悪いでしょう。あなたの力で蹴ったんです。勇者も男なんです
…子孫は大事なんですよう?)

戦士(何言ってやがる!変態を成敗したまでだ!)

魔王「あ、まんじゅうなくなった…お茶も…そうだ!トイレいこう」

戦士(魔王ォォ!!!)
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 17:13:53.21 ID:Z4eLDg1O0
さらに翌日。
勇者たちは北の大陸を過ぎ、東の大陸を旅していた。


勇者「やっとあの極寒地獄から抜けれた」

魔王「ずっと半袖で過ごしていたのに寒かったの?」

勇者「まったく!」

魔王「丈夫だね〜」

魔法「私は厚着しても寒かったです」

勇者「北国育ちは冬でも半袖さ!」キラーン

魔王「勇者スッテキー!」キャーキャー

戦士「とりあえずこの森抜けようぜ。さっきから魔物がこっちを狙っている」

魔王「魔王の命令もきかないしね〜」

勇者「お前も魔王じゃないんだな」

魔王「魔王今無職だもん!」

勇者「お前容姿が退化すると中身も退化するのな」

魔王「さぁいけ勇者!我の馬となり走れ!」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 17:20:17.88 ID:Z4eLDg1O0
?「勇者?」

髪の長い金髪の少女?少年?がこちらに歩いてきた。

?「今、勇者と…言ったか?」

勇者「え?…呼んだ?」

魔王を肩車したままその場に立ち止まり、
声のした方向へ振り向く。

?「あなたが…勇者さま?」

勇者「ん〜…そうだよ」

?「!!や、やっとであえた!」

勇者「…君は?」

エルフ「失礼。私エルフ族のエルフと申します」
膝を地面に付け、名乗る。

勇者「はぁ…で?出会えたってのは?」

エルフ「我らの村は魔人に占拠されてしまったのです」

魔王「…ま、魔王は知らないよ!」

勇者「…続けて」

エルフ「そこを占拠した魔物は『我は魔王!この村を返して欲しくば女をさしだせ!』
と言って、村の女を全て連れて行ってしまったのです。」

エルフ「そして女がいなくなったから食物を全て…私たちはもう耐えられないのです」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 17:22:15.19 ID:Z4eLDg1O0
勇者(面倒事の予感)

エルフ「どうか!どうか魔王を倒し我らの仲間を助けてください!」

勇者(ほらきた、そして正義感の強い戦士は…)

戦士「な、泣ける話じゃねぇか!仲間思いのいい奴じゃねぇか!
よし!私らに任せろ!絶対助ける!」

勇者(こいつ神父がいなくなってから歯止めが効かなくなったな)
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 19:34:22.85 ID:Z4eLDg1O0
戦士「な!勇者」

勇者「……ハァ…わかりました。引き受けましょう」

エルフ「あ、ありがとうございます!」

エルフ「魔王がいるのはこちらです!」

魔王「……」

勇者「どうした?」

魔王「すぐに戦えるようにしとこう」シュゥ

勇者「…ッ!だから俺の上で元に戻るな!」

魔法「いきmしょう!」

戦士「おう」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 19:41:22.48 ID:Z4eLDg1O0
エルフ「こちらで…」

「ご苦労」

エルフ「ひっ!」

木の上から見下ろしている女。

女「下がっていいぞ」

勇者(人?)

魔王(人だな)

女「…貴様が?」

勇者「何が?」

女「勇者?」

勇者「そうだ」

女「…きましたぜ!頭ァ!」



盗賊「ここではまおうとよべと……」

勇者「な!お前!?」

戦士「盗賊?!」

魔法「誰でしたっけ!?」

盗賊「おひさ〜正義の味方ぶってる勇者さんw」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 19:47:04.29 ID:Z4eLDg1O0

勇者が旅を始めたばかりの頃〜


勇者「このパーティーで俺は魔王をたおすんだぜ!」

戦士「はしゃぐな、餓鬼」

勇者「な!俺はもう14だ!」

戦士「餓鬼だろ」

勇者「な、舐めてると痛い目みるぜ…」ギリッ

魔法「まぁまぁ」

神父「落ち着くんだ、勇者くん」

勇者「な!みんな敵か?!」

盗賊「いや、俺は味方だ!」

勇者「…頼りないなぁ」

盗賊「おぉいっ!」

俺たちは5人で仲良くやっていた。
…あの街にいくまでは──
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 19:55:40.67 ID:Z4eLDg1O0

盗賊「…人も、家も、…何もかもが焼かれている」

戦士「ここは疫病がはやったからって焼かれたみたいですね」

勇者(15)「ッ!…生存者をさがそう!」

盗賊「無駄だ!生きていても疫病が…」

勇者「それでも生きている!」

盗賊「ッ…ん?あれは」

勇者「ん?」

盗賊「あのでっかいおっさん…なんか食ってる」


おじさん「ムシャ…ムシャ…」

?「イ……ダァ……イィ」


勇者「な!」

盗賊「子供を食ってやがる」

おじさん「……?」クルッ
振り向いた顔は血まみれで、目は血走っている。
所々に虫が付いていた。

勇者「…な、なぁ…なんかヤバくないか?」

盗賊「同感…」

おじさん「…い、きてる人?」ノソッ

勇者「ッ」

おじさん「…た…べる。食べる!」ノソッノソッ!

盗賊「み、みんな!逃げろぉ!」

戦士・魔法・神父「「「?」」」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 19:59:23.77 ID:Z4eLDg1O0
盗賊「勇者、あのおっさん…羽生えてる」

勇者「きっと…魔物だろうな」

おじさん「くぅぅ!!!」

勇者「…斬る!」

盗賊「賛成」

魔法「に、逃げないの?!」

盗賊「逃げても無駄だろうさ」

おじさん「うがぁあっぁぁぁ!」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:04:32.35 ID:Z4eLDg1O0
勇者「はぁ!」

剣をおじさんへ向け、突き出す

おじさん「ッ…んがぁ!!!!」オォ

盗賊「おらぁ!」

右拳を後ろから一発。

盗賊「まだまだまだ!」

続いて左足で顔を蹴り、右足を振り落とし、頭蓋を割る。

おじさん「んなぁあぁぁあぁぁあああ″!」

盗賊「いけ!魔法使い!」

魔法「濡らせ!水!感電せよ!いかずちィ!」

水で濡らしてからの電撃で、おじさんは気絶した。
そしておじさんに刺さった剣から雷は勇者にもつたわった。

勇者「うががががががががが!」

盗賊「勇者?!」

魔法「きゃー!」

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:08:32.16 ID:Z4eLDg1O0

戦士「おい!空からなんかきたぞ!」

バサッバサッ!

勇者「うっ……次はなんだ?」

?「まだ生きているものがいたのか」バサッバサ

勇者「こど…も?」

悪魔「われは悪魔…まぁこの体はこの街の子供のものだが」

勇者「え?」

悪魔「ふっ、お前もこうなるってことだよ!」

戦士「あぶない!」

悪魔と名乗る羽の生えた子供の重いパンチを防いだ。

悪魔「……この一撃を防ぐ人間がいるのか」

悪魔2「どうした?」

そして空から降りてきたもうひとりの青年。

悪魔「いや…おもしろい!」シュッ

スピードをあげ、再び攻撃してくる。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:12:49.63 ID:Z4eLDg1O0
盗賊「とりゃ!」パンチ

飛んできた悪魔に横から攻撃を加える。

悪魔「んがっ!」ボトッ

地面に落ちる。

悪魔2「!…悪魔をやるとは…貴様たちは?」

盗賊「俺たちは!」

勇者「勇者一行…魔王を倒すために旅する者だ」

盗賊「…だ!」

悪魔2「魔王を…なるほど、どうりで」

勇者「?」

悪魔2「」シュンッ

空の上から勇者の前まで、目にも止まらぬ速さで移動する。

勇者「?!!??」

悪魔2「…おそいな」

ドガッ
勇者は腹に一発くらいその場に膝をつく
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:16:48.35 ID:Z4eLDg1O0
勇者「ッ!」キッ

悪魔2「いい目だ」

神父「神よ、邪なるものを聖なる光で滅したまえ!」

悪魔2「聖職者?!ッ!」

悪魔2「ぐああっぁぁぁああ!!」シュゥゥ

羽が焼かれ消えていく。

青年「……ん…ん?ここは…一体」

勇者「え?」

神父「神の光でその人に付いていた悪魔を祓ったのです」

青年「ん!ウエォオオ」

神父「多少気分が優れないですが、大丈夫です」

青年「あ、ありがとうございます」

悪魔「ッ!…はわれたか、雑魚め!」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:20:03.27 ID:Z4eLDg1O0
盗賊「勇者!」

勇者「ッ!」

シュッ

悪魔「……な!」

勇者は悪魔の背後にまわり、剣を首筋に向けている。

悪魔「は、早いな…お前」

勇者「俺は見たらその技を真似できるんだ」

悪魔「ふっ…でも体はもつのか?」

勇者「もたない…だから」グラッ

悪魔(チャーンスッ)

ガシッ

悪魔「?!」

盗賊「逃がさねぇ!」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:23:44.01 ID:Z4eLDg1O0

盗賊「勇者!やれ!」

勇者「し、神父!この子も祓ってくれ!」

神父「無理だ。その子の体も消えてしまう!」

悪魔「そうだ!俺を祓えばこの娘の体もただじゃすまねぇ…はは!お前は俺をころせるか?」

勇者「…ッ!」

盗賊「勇者!はやく!」

勇者「お、俺には……ッ!」

盗賊「〜〜!このあまちゃんが!」

盗賊は勇者の剣を奪い、悪魔の首に剣をあてる

悪魔「お、お前?!正気か!」

盗賊「正気さ。だからここでお前をやらなきゃいけないとわかる」

悪魔「は、はぁ?」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:28:22.87 ID:Z4eLDg1O0
盗賊「お前をやらなきゃまたこの街みたいな被害が出る」

悪魔「そ、それがどうした!俺以外にも仲間はいるぞ!」

盗賊「だがお前を倒しとく価値はある!」

悪魔「なっ!」

スパッ
そのまま盗賊は剣を横に引いた。

勇者「ッ!」

顔を背ける。

盗賊「お前…あまいな」

勇者「…クッ」

盗賊「お前みたいなあまちゃん…嫌いじゃねぇが勇者には向いてない」

勇者「!」

盗賊「俺は俺で魔王を倒すよ…じゃあな」

勇者「ま、まてよ!」

戦士「そうだよ!何も抜けること!」

魔法「うんうん!」

神父「相談になら乗りますから」



盗賊「ありがとう。…でも無理だ。お前たちじゃいつか終わる」

そう言って盗賊は俺たちの前から消えていった。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:30:11.71 ID:Z4eLDg1O0

勇者「おまえ…なんで此処に!」

盗賊「あれから3年…お前が魔王を倒したって聞いたよ驚いた」

盗賊「そしてもう一つ驚いた。お前が魔王の代わりに世界を征服するって知ったときは」


勇者「ごめん。話が見えない」

盗賊「あれぇ?w」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:34:18.74 ID:Z4eLDg1O0
盗賊「だ、だってお前……えぇ?」

戦士「なるほど」

魔法「え?」

戦士「俺たちが指名手配されてる理由がわかったよ」

魔法「……?」

戦士「国王は俺たちが魔王を倒したと知って、俺たちが怖くなった。いつ…」

魔王「いつ反乱を起こされるか怖くなって、
いっそのこと犯罪者にしちゃえばいいんじゃないか?と」

勇者「なるほど…でもそれは逆効果だな」

戦士「あぁ…それが俺たちにバレたら反乱どころか命の危険にさらされるとも知らずに」

盗賊「話見えねぇwそしてその美少女だれ!?」

魔王「魔王は魔王だ」

盗賊「…マオウ?」

勇者「世界征服企んでた魔王だよ」



盗賊「うっそ!?」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:36:18.61 ID:Z4eLDg1O0
勇者「それよりお前何やってんの?!」

盗賊「そ、それは…」

女「かしら!」

盗賊「あ?今話中!」

女「それより…見つけました!」

盗賊「!本当か!何処に?!」

女「エルフの族長を見張っていたところ…地下牢を見つけて、その中にいました!」

勇者「だから話がわからん!」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:46:43.19 ID:Z4eLDg1O0
盗賊「遥か昔……約一年前」

勇者「いいから話せ」

盗賊「……俺の嫁がエルフにさらわれたから助けようとエルフの里を占拠しますたww」

勇者「まじかよ…」ウワァ

盗賊「だ、だって!普通に言ったらあいつら攻撃してくるんだもん!」

勇者「『もん』じゃねぇよ!何やっちゃってんの?!」

魔法「で?なんで勇者さんを探して?」

盗賊「最近ね?エルフがね?なんかつよーい魔物を使役したらしくて…助けてチョ?」

勇者「てっしゅー!」

戦士「おう」

魔法「ですね」

魔王「くっだらねー、好きな女ぐらい自分で助けてやれ」

女「行かせないぜ!」

手下「われらが姫を助けてくれ!」

勇者「…姫?」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:49:47.06 ID:Z4eLDg1O0
勇者「…どうゆうことだ?」

盗賊「……お、おれの嫁は…西の国の姫なんだ」

勇者「……え?お前それじゃぁ」

盗賊「……王です」

魔法「わお逆玉」

戦士「出世したなぁ」

勇者「…わ〜お」

盗賊「たのむ。!魔物を食い止めるだけでいい。俺は姫を牢屋から出すだけで」

女「それがですね頭」

盗賊「?」

女「牢の場所なんですが……」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:52:48.91 ID:Z4eLDg1O0


盗賊・勇者「「エルフの里のど真ん中?!」」

女「私もびっくりしやしたぜ。地下牢が里の真ん中に空いた穴だったなんて」

勇者「…お、俺は帰るぞ!」

魔王「そうだね〜魔王もなんかやる気起きないし」

盗賊「助けてくれたら旅の資金を免除しよう」

勇者「で、どうやって助け出すよ」

魔王「ゆうしゃぁ?!」Σ(゚Д゚)ノ

盗賊「まずは俺の部下たちが──」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 20:59:07.11 ID:Z4eLDg1O0

勇者「あと三分で魔法使いがあの穴へ炎を放つ」

魔法「了解です」

勇者「そのあと1分たってから戦士が里へ突入。そして牢の入口を」

戦士「開ける。了解だ」

勇者「そしてそのあと俺と魔法使いと魔王が戦士の元へ行き盗賊たちが姫を奪還して
戻るまで入口を守る。そして盗賊が戻ってきたら即逃げる!」


勇者「強引な作戦だが…いいな!」

3人「「「おおぉ!」」」



84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 21:14:10.70 ID:Z4eLDg1O0

勇者「いけ!魔法使い!」

魔法「降らせ!炎の雨を!火しぶき!」


エルフ「な、なんだ?!火が降ってきた!」

エルフ2「み、皆を建物のなかへ!」

「いそげーいそげー!」

そして里のものは皆家の中へひなんする。

勇者「まだ降らすんだ」

魔法「わかってる!」


勇者「よし!いまだ戦士!」

戦士「おう!」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 21:16:36.26 ID:Z4eLDg1O0
エルフの民家のあいだを駆け抜ける。

戦士「100M5秒きってる私を舐めるなってんだ!」スタタタタ

戦士「ん?…あれか!牢屋の入口」


戦士の様子を望遠鏡で見ていた勇者は、
入口を開けた戦士をみて、里の中に盗賊達と突入した。


勇者「いくぞ!」

みんな「「おぉ」」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 21:20:58.47 ID:Z4eLDg1O0
スパンッ!

勇者「?!……矢?」

エルフ戦士「行かせないぞ!」


勇者「あの距離からここまで…しかも狙って撃てるのかよ」

エルフ達「「うぉぉぉ!」」

戦士「くぅ!」

エルフ「死ねぇ!人間!」

戦士「しまっ!」

エルフ「ぐほっ!」バタッ

横から蹴りを入れるひとりの女性

?「なにか騒がしいと思って牢をぶち破ってきてみれば…何の騒ぎですか?」

戦士「え?……え?あなたは」

姫「どうも。西の国の姫です」

戦士「ど、どうも…」

姫「それよりこれは」

ゲシッ

エルフ「ぐっ!」

戦士「えっと…カクカクシカジカで…」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 21:24:01.59 ID:Z4eLDg1O0
姫「なるほど…旦那ですか…もう」

戦士「こ、こちらに!」

姫「私も戦えるから…行きましょう!」

戦士「あ、は、はい!」


エルフ戦士「おらぁ!」シュパパパパ

連続で矢を放つ。

魔法「炎の壁はいかなるものも焼き尽くし、通さない!」

ボゥッ!

魔法「私の魔力も…もちません!」

盗賊「…勇者!」

勇者「何が言いたいかはわかる!」

盗賊「じゃあ久々にやるか!」

勇者「これっきりだからな」

盗賊「おうよ」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/15(火) 21:33:30.22 ID:Z4eLDg1O0

勇者「魔王、みんなをまもってやってくれ」

魔王「魔王了解!」


勇者「行くぞ!オラァ!!」

盗賊「んどらぁああ!」

二人はエルフ戦士に向かい突進する。

エルフ戦士「無駄無駄!」シャキンッ

弓を捨て、腰にさしていた双剣を抜き、エルフ戦士も二人に突進する

勇者「ガードは任せろ!」

盗賊「任せたァ!」

エルフ戦士「らァ!」スッ

右手の剣を勇者に突き、左手の剣を勇者の首めがけ投げつける。

勇者「あっぶなっ!投げるなよ!」ガキンッ

突きをガードしながらも突進はやめず、つばぜりあいとなる。

勇者「おら!どうした!」ドンッ

エルフ戦士を押し飛ばし、その場にしゃがみこむ。
しゃがんだ勇者の上を飛び越え、盗賊がエルフ戦士の顔に重い一撃を食らわす。

エルフ戦士「うっ!」

盗賊「俺の足のあじはどうだ?!エルフさんよ!」ザッ

立ちくらみしているエルフ戦士を足払いして倒す。

エルフ戦士「ぐあっ!」クラッ
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 16:09:09.74 ID:/6AeGx2I0
エルフ1「お、おい…戦士さんがやられてしまったぞ」

エルフ2「俺たちがなんとかできる相手じゃねぇ!」

エルフ達「に、にげろぉ!!」


勇者「……」

盗賊「あ、あれ?」

姫「いたぁ!あなたっ!」

盗賊「姫?!」

戦士「ま、まって…は、はやすぎ!」ハァハァ

勇者「ん〜…一件落着?」

魔法「締まりませんね」苦笑


こうして姫奪還は、無事終わったのだった。


姫「それにしても助けに来るの遅くない?」

盗賊「スミマセンでした」orz

勇者「…ふ」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 16:12:05.92 ID:/6AeGx2I0

勇者「これからどうすんだ?」

盗賊「とりあえずは国に戻るよ」

勇者「そっか……とし!行くぞ!西の国へ!」

盗賊「なんで?!」

勇者「え?……まさか忘れてないよね?」

盗賊「……え、マジで?」

勇者「うん。おっかね〜お金〜♫」

戦士「さ、行くぞお金さん」ポンッ

盗賊「痛いっ、肩叩かないで」

魔法「いきましょう」ポンッ

盗賊「痛っ!だからぁ!」

姫「いくぞ」グイッ

盗賊「く、首!首しまって!」


魔王「なんか出番ないな」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 16:14:08.23 ID:/6AeGx2I0

勇者「?ほら!魔王」シャガム

魔王「あ、うん!」シュゥ


そして勇者たちは何事もなく西の国に入ることができた。
が、国の境目を過ぎて、少し経ってから勇者たちは魔物の群生に出くわした。
次々と殺られていく仲間たち。
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 16:18:08.90 ID:/6AeGx2I0

盗賊「おらぁ!」

スライム「ふやッ!」ブニュ

盗賊「ッ!俺の体術じゃどうにも!」

魔法「光の矢!光の矢!オラオラオラオラオラ!」

トール「ウゴォォオオオ!」

魔法「は、弾いた…!?」

勇者「斬る!セイッ!や!ハァッ!」

骸骨戦士「その程度か人間!」

勇者「ッ!手練か」

魔王「……ねぇねぇ」

ドラゴン「はい」

魔王「私とやる気?」

ドラゴン「め、滅相もない!」アセアセ

魔王「じゃあ撤退してよ」

ドラゴン「わ、私にはそのような権限は」

魔王「リーダー出てこいやぁ!」ドガッ

ドラゴン「グヘェッ!」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 16:23:49.74 ID:/6AeGx2I0
ギルガメッシュ「…我を飛ぶものは誰だ」ペカァー

勇者「な、なんか光ったのでてきた!」

ギル「貴様は?」

勇者「俺は勇者だ!」

ギル「勇者?……は!戯言を。われの知る勇者はこんな弱々しくないわ!」

そう言うとどこからか剣を出し、勇者に斬りかかる。

ガキンッ

魔王「読んだのは我…この魔王なり!」

ギルガメッシュの斬撃を防ぎ、腹部に腹パンをする。

ギル「ガッ!ハッ!」

魔王「すまない…だが先に攻撃してきたのはそちらだ。悪く思うな?」キッ

ギル「な、なかなかやるな…だが!」

ゾロゾロゾロ

ギル「この、我の武装で強化した魔物を相手にどこまでできるかな!」

スライム・スライム・キングスライム・スライム・スライム


盗賊「全部スライム?!」

勇者「ないわ〜」

ギル「ま、まだいるし!」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 16:26:43.71 ID:/6AeGx2I0
魔王「え?これだけ?」

ギル「え…?」

スライム達「✖〜」

ギル「oh…」

ギル「仕方ない…こい!我が下僕!」

ゴゴゴゴゴ

勇者「じ、地震!?」

盗賊「いや!空だ!」

魔法「え?」

一斉に上を見上げる一同

ギル「ハハハハハ!空が割れ!我がしもべの登場だァ!」

95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 16:31:00.67 ID:/6AeGx2I0
魔王「き、貴様は!!」


「わ〜れを起こすものは〜……誰だ〜?」

ギル「私だ!オーディーン!」

魔王「ッ!神を従えるだと?!」

「ん〜〜……なんだ〜?この眩し〜い人間は〜?」

ギル「どうも。ギルガメッシュです」

「……ぎ〜る〜〜?ハッハッハ!老けたなぁ〜っ」

ギル「こいつを倒してくれ!」

「お安い御用〜……あ、無理だ」

ギル「なぜ!」

「それは〜」

魔王「なぜかって?それは私が魔王だからだ!」

「そのとぉ〜り〜。我ら神は魔を倒すことを禁じられている〜」

魔王「逆はアリだがな」クックック



勇者「空から顔が…」

盗賊「あ、首いてぇ」

魔法「ほえぇ〜」


戦士「はっ!なんだ?!何が起きた!」

勇者「あ、おはよー」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/16(水) 16:33:24.73 ID:/6AeGx2I0
魔王「大人しくやられな!」

ギル「ま、まて!話せば」

魔王「聞く耳もたんな!」

ベキィッ!

魔王の超高速ウルトラパンチがギルの右頬にあたり、
ギルガメッシュは空高く何処かへ飛んでいった。
そのあとオーディーンは空の中へ消えていった。
そして俺たちは無事、西の大国へと入ることができた。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/22(火) 21:48:07.59 ID:Tz5lM2ii0
1週間後

盗賊「お前らなんで旅してんだ?」

勇者「ん?あー……国王倒すため?」

魔王「そうそう」コクッ

盗賊「はぁ?なんで?」

勇者「それを話すには俺と魔王が戦ったときのことを話さなくてはならん」

盗賊「かんけつにはなせ」

勇者「うぃっす」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/22(火) 21:52:46.21 ID:Tz5lM2ii0

勇者「ここが…魔王城!」

魔物達「ぐはははっ!」



神父「邪がこんなに…おぉ!神よ…私めにあなた様の力をおかしください…」

戦士「いくぞ!」

勇者「おう!」


魔物「しねぇ!ゆうしゃああ!」

魔物は勇者に後ろから襲いかかる。

勇者「気配で丸分かりだ!」

ザシュッ!

戦士「…だが反応が遅いな…勇者」

魔物を横から一刀両断。

勇者「そりゃどうも」

ドラゴン「ここは死守せよ!われらが力…人間に思いしらせ!」

魔物達「オォオオオ!」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/22(火) 22:08:17.19 ID:Tz5lM2ii0
勇者「なんかでかいドラゴンが…地面から出てきた!」

魔法「これは土竜ですね」

勇者「デカ過ぎ」

土竜「勇者死すべし!」

ドドドドド

勇者「な、なんだ?!地震?!」

土竜「ハハハ!死ねぇ!」

「ボグサッ!」
地面からでかい爪が姿をあらわにする。

勇者「ッ!…間一髪…か」フゥ

土竜「もういっちょ!」

ボグサッ!

勇者「っと!…きかねぇよ!」

土竜「ならこれでどうだ?……スゥゥゥゥ」

土竜は息を吸い、勢いよく吸った息を吐き出す。

勇者「っ!砂が目に…!」


戦士「地面から手を出し、粉塵がおきやすいようにしたのか!」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/22(火) 22:19:14.51 ID:Tz5lM2ii0


盗賊「ねぇそれ長くなる?」

勇者「魔王城前の戦い編と魔王城側近VS戦士編と悪魔の巣窟魔王城の牢屋編と
魔王城魔王決戦編前編と後編があります」

盗賊「後編でいいです」

勇者「りょうかい」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/22(火) 22:36:48.41 ID:Tz5lM2ii0

勇者「さぁ魔王…われにひれ伏せ!!」

魔王「お前がひれふせ!」

勇者「おーまーえーがーひーれーふーせーー!」

魔王「はぁ〜?なんで〜わたしが〜お前に〜ひれ伏さなければいけないのぉ〜?」

勇者「グググッ!」

魔王「グンヌヌヌー!」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/23(水) 02:09:00.68 ID:nxXjac9/o
後編以外もどこかでお願いします。
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/23(水) 11:31:37.45 ID:40jFWQ6AO
支援〜♪
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 17:43:05.47 ID:YUHstdd30
勇者「…口争いじゃ…引き分けだから」

魔王「そうだな…本気の戦いをしようか」

勇者「こい!エク〜スカ〜リバ〜♫」

エク「ペカァアァァ!」

魔王「て、天井から光る生き物が落ちてきた!」

エク「……お前!」シュッ

魔王「な、何だ?!」

エク「……俺は何を言おうとした!」

魔王「しるか!」

エク「馬鹿め!」

魔王「は?」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 17:47:42.72 ID:YUHstdd30

魔王「貴様は誰だ!」

エク「私か?…私の名は…」

エク「エクスキャリバ〜〜〜♪エクスキャリバ〜〜〜♪」

エク「フロム ユナイテッド キング♪」

エク「アイム ルッキング フォ ヒム♪アイム ゴイング トゥ キャリフォルニァ〜〜〜♪」

勇者「だめ!それいじょういったらだめ!」

エク「なにおぅ」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 17:53:38.64 ID:YUHstdd30
魔王「えぇい!ごちゃごちゃうるさい!」

勇者「っ!いくぞ!エクスカリバー」


勇者「あれ?どこいった?!」

魔王「あそこにいるぞ」


エク「おいお前」

魔法「あ、はい…なんでしょう」

エク「……馬鹿めっ!」

魔法「え?」

エク「……行くぞ!勇者!」

勇者「えぇぇぇぇ」

エク「へーんしんっ!」キラッ

勇者「……お前いらねぇわ」

魔王「消えろ!」ボワッ

エク「ぐあぁあああぁあ!」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 17:58:15.29 ID:YUHstdd30


神父「……ゆ、勇者さんに髪のご加護をぉ〜」

戦士「それより私たちが縛られているこの状況をなんとかしないと!」



勇者「…ん?なんだ!?」

魔王「き、貴様!…なんだその髪は!?」

勇者「しるか!」

魔王「なぜ金色に光っている!某漫画のsuper、なサイ○人みたいな!」

勇者「なんだかオラ…やれる気がしてきたぞ!」

魔王「っ!」

勇者「ハァアアアアアアア!!」ゴゴゴゴ

魔王「な、なんだ…!?」

勇者「なんだか力が…ぬけ…て」ヘナヤァ
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 18:01:47.92 ID:YUHstdd30

魔王「な、なんだか知らないがちゃー…!」

悪魔(天使)「いけません!」

魔王「へ?!」

天「あなたは弱っている人を殺めるのですか…?」

魔王「え、いや、…でも勇者だし」

天「ですが勇者も人。善良な心を持った人です。人間と一緒に世界を作りたい貴方は
その人間を殺めるんですか?」

魔王(悪魔)「なぁ〜にいってやがる!…こいつは勇者!…的なんだからいいんだよ殺せ」

魔王「ち、ちょ…えぇ!」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 18:04:02.36 ID:YUHstdd30


盗賊「まだ続く?」

勇者「軽く二日と4時間」

盗賊「はしょれ」

勇者「りょうかい」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 18:05:57.43 ID:YUHstdd30


勇者「これでおわりだぁ!」

戦士「いけぇ!勇者!」

魔法「いっけーー!」

神父「いけいけいけーーー!」

勇者「オォォォォオオ!」

魔王「うわぁあぁああぁあ!ちょwwマジ勘弁してぇーw」



勇者「と、いうわけだ」

盗賊「じゃなくて!…なんで国王を倒すおすのかを聞きたいの!」

勇者「あ、それね」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/23(水) 18:14:53.89 ID:YUHstdd30
勇者「なんか国王が魔族に人間を売って、国王の領土だけ安全を保ってるらしいから
それをやめさせるために行くの」

盗賊「えらく簡単な説明だな!」

勇者「え?説明ってこんなもんしょw」

盗賊「ならさっきのはなんだったんだよ!」

勇者「…思ひで?」

盗賊「昔風に言わなくていいから」

勇者「思いで?」

盗賊「疑問系なの?」

勇者「OMOIDE!Fuuuuuu!」

盗賊「だまらっしゃい」

勇者「ま、そんなわけで国王倒しに行くから…金くれ」

盗賊「頼む態度かよ」

勇者「協力したじゃん」

盗賊「……」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/24(木) 20:24:27.10 ID:DqiCUFNo0

勇者「じゃ、全財産を──」

盗賊「表出ろやぁ!」ガタッ

勇者「上等だァ!ブルァアアアアア!!」ガタッ



姫「て、事があったらしいよ」

戦士「だからってマジの喧嘩しなくても」

魔法「二人共魔法やらなんやらつかいまくって……迷惑ですね」

魔王「にしても激しいねー、魔王もびっくりの気迫だよ」

戦士「でも目的は金だ」


魔王「金……それは人を狂わせる…か」



盗賊「水霊我が身にやどり雷神の矛を我振るう!」

勇者「炎よ我剣に宿り、振るえ!」

盗賊「堕羅羅羅羅羅羅羅ァ!!」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/24(木) 20:28:10.79 ID:DqiCUFNo0
勇者「痛!…静電気か?!」

盗賊「俺の槍には雷が宿っている。そして俺は水を操れる…故に!」ザッ

盗賊「遠くからでも強力な雷をお前に浴びせられる!」ビリビリ

勇者「強力じゃなくても雷は強力だ!」シュタタタタ

盗賊「天より落ちよ……雷閃…!」スゥゥ

勇者「手を振り下ろさなくても魔法は発動するんだよ〜?」プークスクス

盗賊「!!……お、お前はあああ!、死に晒せぇ!!」バチバチッ!

勇者「お、おう…なんかやばい空気…!」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/24(木) 20:31:28.09 ID:DqiCUFNo0
勇者「と、とりあえず…逃げ──」

盗賊「遅い…」ビリリッ

勇者「な!いつの間に後ろに…!!」



魔王「あいつ…あの技は」

姫「あれはあの人の得意技よ
体の筋肉を雷で刺激して超人的に身体能力を強化してるの」

魔王「体がもつのか?」

姫「1週間は寝たきりね」

魔王「…1週間か」

魔法「前に勇者さんがやったのに似てますね」

戦士「だな」

115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/24(木) 20:37:17.02 ID:DqiCUFNo0

盗賊「俺だってただお前らが魔王倒すまで旅していたわけじゃないぜ」


魔王「魔王生きてるよ?」キョトン


勇者「それはこっちもだ…魔装=I」シュゥゥ


魔王「魔装?」


盗賊「っ!なんだ…青い煙?!」

勇者「ちがう…これは俺の魔力だ」

盗賊「は?…魔力?」

勇者「俺はさすがみ魔王みたいに体も強くないし、魔力も多くない…
だから俺なりに魔王の技を改良した」

盗賊「はぁ?何言って…!」

勇者「気づくのが遅いよ…盗賊」


魔法「なんか青い煙で二人が見えない」

戦士「っ!いくぞ──」

魔王「やめといたほうがいいよ…大丈夫…二人なら生きてる」

魔王(にしても勇者…魔甲までもか、それを改良して使えるようにするとは…
そろそろ潮時か?)

116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/24(木) 21:05:17.80 ID:DqiCUFNo0

盗賊「後ろ…」

勇者「お前もなかなか遅いぞ?」

盗賊「………我が手に宿るは聖獣!」スッ

勇者「?!」

盗賊「その身を切り裂け!」z

ザシュッ

勇者「クハッ!」

サァァ

盗賊「煙が晴れてく……いや、勇者の傷に吸収されていく?!」

勇者「っ…なかなか痛いね」シュゥゥ

盗賊「傷跡が治っていく…!」

勇者「魔翌力を治癒の為に使っているからな…」


勇者「次は俺のばんだ!」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/24(木) 21:12:13.93 ID:DqiCUFNo0
勇者「我、霊獣に捧げる…」シュゥゥ

勇者「我が身を捧げ!われに力を!」ボウッ

盗賊「煙が炎に変わった?!」

勇者「…勇者オリジナル魔法part1…行くぞ!」ボワッ

盗賊「っ!」ビリリ



魔王(勇者オリジナル魔法?…それは魔甲の第二モード、魔換。
魔力を精霊に捧げ続けることで、魔法を永遠に出し続ける…だがそれは体も魔力もズタボロに…)


勇者「炎は雷を纏う!」バァンッ

盗賊「そんなにやって魔力が持つのか?」ビリリ

勇者「勇者なめんな」ボワッ

勇者「その身を焦がせ!」ヒュンッ

盗賊「ッ!…その炎飛ばせんのかよ!」

勇者「飛ばすだけじゃなく…操れるぜ!」スゥ

炎の球体は盗賊の周りを飛び回っている
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/24(木) 21:16:40.64 ID:DqiCUFNo0

魔王「勇者!それ以上その魔法を使うな!」ザッ

勇者「え?」ブシュッ


勇者「……?頬から血が」ボオオオッ

魔王「?!今すぐやめるんだ!その魔法はお前を殺すぞ!」

勇者「ッ!グアッ!…なんだ?!…」ビュウッ

勇者「か、体が切りつけられる!」

魔王「っ!…天より落ちよ!光の剣!」

ピカァ
空が光る

勇者「…え?」

空から勇者に光が降り注ぐ。

魔法「な、何を!」

戦士「魔王…貴様やはり勇者を!」

魔王「いいから!離れなさい!」キッ

戦士「!」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/24(木) 21:19:44.61 ID:DqiCUFNo0

魔王「勇者!いますぐその魔法をときなさい!」

勇者「ど、どうやって?」



魔王「ハァァアァア?!なんで知らないの?!」

勇者「い、いや…思いつき?」

魔王「!思いつきって……いい!念じるの!止まれって!」

勇者「お、おう……………!!!」ブワオッ!!

魔王「どうして強くしてんのよ!」

勇者「わ、わかんない!俺じゃない!」

魔王「それって…!」

戦士「な、なんだよ…やばいのかよ」

魔法「勇者は私の魔甲を改良したって言ったわね」

戦士「あ、あぁ」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/24(木) 21:29:29.51 ID:DqiCUFNo0

魔王「もともとあの技は魔族の中でも強く魔力がずば抜けてすごいものしか使いこなせない技」

魔王「だから勇者が出来た時は驚いた…でも勇者も人間、しばらくは体が動かなくなった」

戦士「た、確かに」

魔王「まだそれだけならいいの、でもいま勇者か使っている技、魔法は
魔甲の第二モード…魔換、正式名称、魔力直変換」

魔法「魔力直変換?」

魔王「魔法っていうのは精霊に魔力を分けて、そして精霊から魔法を受け取ってから放つ。」

魔王「でも魔換は精霊を頼らずに自らで魔法を生み出す…意味がわかる?」

戦士「い、いや」

魔法「魔法は本来精霊が人間が制御できる量を提供してくれる、でも勇者さんは
自ら魔法を生み出しているから魔法を制御できずに…!」

魔王「そう…いま勇者が暴走すれば魔力に体を乗っ取られる」

戦士「乗っ取られるっ……魔力に意思でもあるみたいに──」

魔王「あるんだよ…だから君たちは今まで魔力切れなんてなかったろ?」

戦士「都市伝説だと思っていた」

魔王「都市伝説なものか…魔力はその身に宿る力
君たちが制御しているのは魔力の出入りだけで、魔力は魔法となって外に出たら自由」

戦士「つまり?」

魔王「さっき見えていた青い煙は勇者の魔力だ…そして言ったとおり魔力は外では自由
そして今はその魔力が勇者の身を削り勇者の中に侵入している」

魔王「私の父も先代の勇者との戦いで魔力が暴走して…っ!」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/24(木) 21:34:24.93 ID:DqiCUFNo0

魔法「ど、どうしたら!」

魔王「とりあえず気絶させれば」


盗賊「気絶させればいいんだな!」ビリッ

魔王「待て!うかつに近づいては!」


盗賊「勇者ぁぁぁぁぁあ!」

勇者「え?」サッ

勇者があげた手からは無数の氷の矢が盗賊めがけ飛んでいく。

グシャッブシャッズサヤッ!

盗賊「……?…う、腕が動かねぇ」

勇者「盗賊!?な、なんで勝手にまほう…ガッ!」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/26(土) 17:55:53.29 ID:bjuC5+PY0

盗賊「ゆ……う……っ!」バタッ

勇者「と、とう……ハ……ハハ」


戦士「ゆ、勇者…?」ビクビクッ


勇者「フ……ハハ…ハ」


魔王「っ!体を乗っ取られたか…!!」

魔法「え?!」

魔王「おい!魔法使い、戦士!」

二人「は、はい!」


魔王「にげろ…ここは私がおさ──」

戦士「それはできないな」チャキッ

魔法「えぇ!その通り…なんたって勇者さんは私たちの…」

戦士「あぁ、勇者は私達の…」

魔法・戦士「「『勇者』なんだから!」」

魔王「……そうか…意味はわからんがとりあえずアイツの攻撃に当たったら間違いなく…腕の一本は
飛ぶと、考えとけ」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/26(土) 17:59:42.66 ID:bjuC5+PY0

勇者「ふ…ハハ…ふHAHA……HAHAHA…ハハハハハハ!!!」グァッ

勇者「手に入れた…!やっと…やっとぉ!」ギラギラギラ

勇者「この体…もう俺の物…クク…クハハ…HAHAHAHA!!」


魔王「天より落ちよ!雷閃!」

ドゴォンッ
空から勇者めがけ雷の剣が降り注ぐ。


勇者「ッ!こしゃくな!…地より現れるは我の忠実なる下僕…来たれ!ゴーレム!!」サッ!

戦士「空に手をかざしても土からは何もでてこな──」シュタッ

魔王「だめ!今行ったら!!」

戦士「……え?」


ズシャッ


魔法「〜〜〜!!」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/26(土) 18:09:03.68 ID:bjuC5+PY0

勇者「無?…何化今潰下化?…HAHA!魔亜良」

勇者「次和御前駄!」シュダッ


魔王「っ!逃げろ!魔法つか──」

勇者「…遅井!一閃っ(魔装)」

ズシャッ

魔法「……!!魔王…さん」

魔王「っ!…勇者…戻って来い」

勇者「?…御前和一体何御言手井琉?我永久言葉我違兎?」

魔王「と、突然何を意味の分からぬ言葉を言っている!」

勇者「?…魔亜良…死音!」チャキッ

魔王「……ッ!すまん…勇者!」



魔王「天に逆らいし我は神の裁きを身に纏う…地に這いつく我、神の攻撃をうけん!」

魔王「禁術…開放!」

魔法「きん…じゅつ?」

勇者「亜派派派派派派」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/26(土) 18:14:40.75 ID:bjuC5+PY0

魔王「すこしの間時間稼ぎを頼む……」ブツブツブツ

魔法「え、え?!そんな!」


勇者「貴様我相手化…亜派派派!!死音!!」


魔法「ひっ!ち、地を這う蛇よ!汝を縛り付けたまえ!」

ガシッ

勇者「?!菜、何駄?!脚我動化菜井!」

魔法「地這う蛇は炎をまといその身を焦がす!」

ボウッ

勇者「愚亜ッ!亜、脚我熱井!!」

魔法「天漂う龍は怒りの雷を地に落とす!」

ビガァンッ!!

勇者「〜〜〜!」


魔王「なかなかやるな」

魔王「有は無へ、無からは有へ…世界の断りよ!…消えろ──」

126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/26(土) 18:21:13.08 ID:bjuC5+PY0

「ドゴォォンッ!!」
魔王が放った魔法は辺り10`を爆発させた。


魔王「……ッ!さすがに…魔王も兵器じゃない…かな」グラッ

ガシッ

魔王「…あ、あなた…は…!」


戦士「いやぁ…腕が片方潰された時はびっくりしたよ!」アハハ

魔王「生きて…たんですか」

戦士「勝手に殺すな」ペシッ

魔法「う、うぅ…ウッ」

ガシッ

戦士「ッ!魔法使い!おい!動けるか?!」

魔王「大丈夫…そこまで怪我はひどくない…私がやったんだけど…ごめん」

魔法「だ…いじょ……ぶです」ヘヘ

魔王「いま治療を──」

バキンッ

三人「「「?!」」」



勇者「世、世苦模…貴様達和殺素!」

勇者「いや、……死なせずにいたぶってやる」


魔法「言葉が…!」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/26(土) 18:26:11.47 ID:bjuC5+PY0

勇者「…この男…なかなか丈夫だ…まるで昔の和足のようだ!」ボワッ

魔王「?!…そ、その炎…は!」

勇者「ん?……貴様は?」

魔法「な、なんです?次は」

魔王「……そうか…なるほど…そういえばこの技はあなたがお作りになられたんですもんね」

勇者「?」

魔王「魔甲…それは身体能力を爆発的に上げる代わりに魔力を使い続ける」

魔王「…その魔力は精霊には与えられてはおらず、別のものに与えられていた…」

勇者「ほぉ…貴様は?」

魔王「…お初にお目にかかります。私、魔王といいます」

勇者「…ほぉ」

魔王「初代魔王様…いや、我らが神…サタン!」キッ


戦士「サタン…?あの魔神?」

魔法「えぇ…最も最悪な敵ですよ」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/26(土) 18:30:38.82 ID:bjuC5+PY0

勇者「いやはや驚いた…私の正体を見破るとは」ゴフォォォッ!!

戦士「ゆ、勇者の体が燃えて!?」

勇者「しかも我の力が人間も使えるとは…いやはやなんと行ったら」ペリペリ

魔法「ひ、皮膚がはがれて!」ビクッ



サタン「…ん、ん〜〜!…脱皮完了…てな」フハハ

魔王「…神よ」

サタン「?…なんだ」

魔王「…その体は我が友の体…返していただきたい」

サタン「…この体の主はもういない…助けたくば黄泉の神にでも直談判するのだな!ハハハ!!」


魔王「ッ…」シュゥゥ

サタン「その技は我への供物だぞ?」

戦士「勇者を返せェエエ!」ブンッ

ガキッ

サタン「……かゆい!」ザッ
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/26(土) 18:36:04.28 ID:bjuC5+PY0
勇者の皮から出てきたサタンの長い髪が戦士の腹部を強く打ち付ける。


戦士「カハッ!」

サタン「…弱い…故に…お前は負けるのだ」ヒュンッ

髪が鞭のように細く収縮して、戦士の首をつかみあげる

戦士「ガッ!んっ!」ジタバタ


魔王「光は闇を制し、闇は光に焼かれる!邪を照らし滅したまえ!」ピカッ

サタン「闇はすべてを飲み込む、故に最強!」グワァン

サタンの魔法で一面が暗闇の世界と化す。


サタン「我は神、故に最強、故に…ひれ伏せ!」

ズンッ

辺りの重力が増し、魔王たちは地に這う。
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/28(月) 20:13:21.75 ID:WGLJ0ZVW0

サタン「……抗う術なし…か」クク

ドスッ

戦士「クッ!」グググ

サタン「ん?……我の腹から剣?」

戦士「ハァ…ハァァアァァ!!」

ザシュッ

サタン「この重力で…うごける…だと?!」グッ

戦士「はっ!…だ、てに…戦士名乗ってねぇよ!」

サタン「だが無力だ…われはただの剣では切れんぞ……ん?…血?」

戦士「ただの剣…じゃ、ねえ!」

戦士「それは…勇者の…神の加護を受けた剣…だ!」ググ



サタン「人間風情が!…わ、れ……に…」バタッ

シュンッ

暗闇が、晴れ、重力も元に戻る


魔王「    」

魔法「む、むり……体…おも…」

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/28(月) 20:17:15.98 ID:WGLJ0ZVW0

戦士「ハァ…油断禁物…てな、ハハ」

サタン「我をやったところで第二の私、第三の私が出てくるぞ!」

サタン「我は魔神四天王の中でも最弱!」

戦士「……え?!」

魔王「魔神って一人じゃ…ないの」

魔法「し、しぬ…!」


サタン「フハ…フハハ!……フハハハハハ!グハッッ」

サタン「我が兄たちよ……どうか…我の敵を……」チーンッ




魔王「この人切っちゃったけど勇者はどうなるんだ?」

戦士「大丈夫、勇者の剣は人はきれないから」

魔王「ならなんで血が──」

戦士「さぁー!今日は宿にもどって寝よう!」




盗賊「…俺の体凍って動かないんだけど…」

盗賊「ねぇ……だーれーかーーー!」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/28(月) 20:39:34.80 ID:WGLJ0ZVW0
1ヶ月後〜


魔王「誰が予想できただろうか」


魔王「物語の主人公が死ぬ…などという結末を…」

戦士「すまない…勇者…!!」グスッ

魔法「勇者…さん……本当は生きてるんですよね?」


魔法「なんで…なんで返事して…くれない…ウグッ…うわあぁぁん!」


魔王「勇者、魔王はお前と付き合いが短い…故に思い出がない……泣けない私を許してくれ」

フワァ

魔王「?!」


魔王「……そうだな…泣いてもいられないか…」

戦士「な、何がだよ」

魔王「私たちはやることがある…それをやり遂げる」

戦士「勇者が死んだんだぞ!そんなこと…今更!」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/28(月) 22:16:31.97 ID:WGLJ0ZVW0


魔王「死んだからこそ、…勇者がやろうとしたことを受け継ぐんだよ」

戦士「はぁ?」ヒッグッ

魔王「…勇者の埋葬は任せられますか?」

盗賊「…任せとけ」

魔王「ありがとうございます」



魔王「一緒にきますか?」

戦士「…それは」

魔法「私は行きます、それが勇者さんのためになるのなら!」

魔王「ありがとう……」チラッ


戦士「私も…行くよ」

魔王「ありがとうございます」

134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/30(水) 21:46:51.81 ID:5gzInD8O0

さて、ここで質問

勇者ルートに進むか、

魔王ルート

どっちもやりますが、先にどちらにやりますか?
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/31(木) 00:40:04.94 ID:EDz0pLP2o
魔王
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/31(木) 04:04:32.02 ID:/ar43TFEo
勇者
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/31(木) 09:25:23.57 ID:j2CiUdIIO
勇者
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 16:33:35.52 ID:38xS3tg20


「・・・」

サァァー


「ん……んぁ?」


「ここは……確かおれは……」



勇者「で、なんで俺は裸なんだ?」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 16:40:19.30 ID:38xS3tg20

勇者「…不思議と寒さを感じない…それに」

勇者「気持ちいい…!」

「うわっ変態発言!?」

勇者「……ど、ドナタサマデショウカ」

「あなたに分かるように言えば…神…ですかね」

勇者「ゴット?!」

神「君は勇者くんだね…いや〜魔王に倒されちゃったのね〜」

勇者「あ、いや…でもそれは俺のせいで」

神「わかってるよ、神だからなんでもお見通しさ」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 17:36:14.57 ID:38xS3tg20
神「そこで、君にはまだやることがある…そうだろう?」


勇者「お、おぅ」

神「そこで君を生き返らしてあげよう!…ついでに体も新調しよう!」

勇者「…俺の体って」

神「…火葬され…ました」

勇者「…オウ…マイ……ゴッ」

神「ま、まぁ大丈夫…」

勇者「じゃあ戻してくれよ」

神「…ただでは無理なんだよ」

勇者「…あ、まじで?」

神「うん」

勇者「どうすればいいの?」

神「えっと…この天界のどこかにある神の墓にお供え物をしてきて」

勇者「…どこにあるの?」

神「それは言えないよ…しれんだからね!」

勇者「…まぁいいや、いく」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 17:39:58.87 ID:38xS3tg20

神「あ、ついでに掃除もよろしく〜」

勇者「あいよ〜」


勇者「じゃ、ねぇ!なにさらっと面倒事押し付けてんだ!」

神「い、いや〜…ね?」

勇者「…あ?」ゴゴゴ

神「は、はい!わかりました!この先のある神の一本道を進んだ先に墓はあります!」

勇者「…わかった」

神「ではいってらっさい」

勇者「うん、いってきまーす」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 17:55:16.60 ID:38xS3tg20

一本道
==


勇者「妙にキラッキラしたみちだな」

勇者「…それに…妙にへんな奴らがこっち見て重構えて……る」

勇者「なんかヤバイヨカン」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 18:45:03.31 ID:38xS3tg20

使徒「侵入者…排除開始!」バンバンバンッ

勇者「撃ってきた…!」

使徒「…目標の逃走を確認…時速40`…目標を追跡、破砕する」シュンッ

勇者「っ!…はえぇ!!魔法使ってまでいどうし──魔法が使えてる!?」

使徒2「目標を確認…破砕する!」斬!

勇者「うわっ…っ!地這う蛇、汝を縛る!」

使徒2「っ…魔法により行動不能…魔法の解除にかかる……」


使徒「目標確認!狙い打つ」バシュゥン

勇者「風は危険な刃と化す!」

使徒「?!」

勇者「一閃…!」

斬ッ!

使徒「……体の半分を損傷……行動不能…」バタンッ

勇者「ふぅ…これも試練か?」

勇者「なんかもっと先にはヤバそうなのいそうだ」



TV『───』

神「わお、使徒達をこうもたやすく…さすが勇者、名前に劣らないね」

神官「あなたも悪趣味ですね、『勇者の力が知りたいから神の道の神達を倒させる=xなんて」

神「でも、人間界に戻して、魔王≠倒してもらうにはこうするしかないし〜」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 18:51:50.43 ID:38xS3tg20

勇者「…」

神獣(……何者だ?)グルルル

勇者「声が…頭に直接」

神獣(我は神の獣…このくらいは容易い)

勇者「…おれはお前を倒さなきゃダメなのか?」

神獣(この先に進みたくば…な)

勇者「……」

神獣(我と…戦うか?人間)

勇者「……寸止めしてくれるなら」

神獣(甘えるなっ!)バンッ

勇者の体の倍の大きさはあろう右足が勇者を覆い隠すように、叩く
が、右足はピタッと止まる


神獣(…止めた…だと)

勇者「っ…」キッ

神獣(そう睨むな…)

勇者「邪は闇を纏い、聖を打ち消す!」

神獣(天界で闇魔法をつかうか…!)

勇者「お前嫌い!」

神獣(闇払う光を我放つ!)

バシュンッ
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 19:02:31.91 ID:38xS3tg20
勇者「───!?」

勇者(い、一体何が起きた?…今…何が起きた?)

勇者(魔法を構えた瞬間…魔法が…消えた?)

勇者「いや…お前が消したのか」

神獣(そうだ)

勇者「…っ、地水火風、雷雷雷!放て五つの生命!」

神獣(ほぅ…四大魔法に雷を加えて威力、スピードをまして放つ大技…見事だ人間)

勇者「そりゃどうも……でもさ」

勇者「褒めてくれるなら少しはくらってくれない?魔法食いながら褒めないで」

神獣(すまん…久々にこんな上質な魔力をもらえたのでな…ついの)

勇者「ッ!我が拳にやどりし炎は何時を焼き払う拳!豪炎拳!」シュッ

神獣の顔めがけ飛び上がる。

神獣(流石に物理攻撃は喰えん…)

勇者「らぁ!」

神獣の額に炎の拳をぶつけ、さらに膝蹴りを加える。

神獣(んぬ!……いいだろう…相手になろうではないか)ゴゴゴ

寝ていた体制から、立ち上がり、二足歩行する。

勇者「…おい、お前ライオンなのになんで二足歩行なんだよ」

神獣(…神だからな)ゴゴゴ

勇者の身長は168a、その10倍はある巨体。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 19:07:26.97 ID:38xS3tg20

神獣(手加減など無いと思え)シュバンッ

尻尾を振り、勇者の目の前の地面を大きくえぐる。

勇者「………」アセアセ

神獣(恐怖せよ!にんげん!)



TV『───!?』

神「武闘神獣…戦う獣の中の神…これはてごわいねぇ〜」

神官「勇者は死ぬんじゃないですか?」

神「あはははー、もう死んでるんだから死なないよ〜w」

神官「いえ、神の一本道は魂が死んでしまうので、転生もできませんよ」



神「が、がんばれーゆうしゃー」

神官「はぁ…あなたは全く」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 19:14:45.48 ID:38xS3tg20

バシュンッゴゴゴ

勇者「ひえっ!」シュビビビィ

神獣(逃げるだけか!)

勇者「きょ、巨大すぎ〜!!」

勇者「我護は神の加護を受けし光波!」バシュッ

神獣(羅ァ!)

勇者「我が体は光なり!」キラッ

勇者の体は光と化し、消える

神獣(擬態魔法?!)



勇者「こっち!斬り落とせ…神剣……!」


ザキッ

神獣(……み…ごと)サァァ


TV『──』

神官「あら、すごいですねぇ〜」

神「FOoooo!!ゆ・う・しゃ!ふぉおおおお!」ドンドンパフパフー


神官「はしゃぎすぎでしょう」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:10:16.07 ID:38xS3tg20

勇者「何もない…あのけものの後ろにあった扉をぬけたら……」


勇者「真っ白で何もない部屋にでた……所々に血の跡のようなものがあるのは…気にしないでおこう」

「そこは触れましょうか…」

勇者「……白い部屋の天井からこちらを除いている黒いマントを羽織り、鎌をもってこちらをみているのは…」

死神「ふふ、アナタの死神です…」

勇者「アナタを強調しないで、そして字てきには貴方のはずがなぜ、旦那などに使うアナタ…かは聞いていいだろうか?」

死神「そのまんまのいみですよ…ア・ナ・タ」ニタァ

勇者「っ?!」ゾクッ



神「お、おい神官…アイツ地獄の牢獄にいたはずじゃ…!」

神官「た、確かに…神殺しの神…死神…やばくないですか?」

神「っ!いくぞ!」シュンッ

神官「はっ!」シュンッ
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:13:44.02 ID:38xS3tg20

死神「アナタは私のもぉ!」ザンッ

勇者「っ!」ヒョイッ

死神「後ろに体制を崩してよけるのもいい……でもね?アナタ、その体制いつまでもつ?」

勇者「ざ、ざっと…あと1秒!」バタッ

死神「アハァ!」

勇者「ッ!燃えよ!炎!」

バシュッ

死神「私はあなたに萌え萌えぇ〜♡」

勇者「ま、魔法が消された…!」

死神「あ〜〜♡…逃がさない♡」シュッ

勇者「い、一体なんなんだよ〜!」ヒョッ
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:17:38.70 ID:38xS3tg20

死神「影刺♡」ザンッ

勇者「がっ…?!」


勇者「な、なん…だ?!…いきなり背中から血が…む、胸からも…!」

死神「私の能力よぅ、影をこの鎌ちゃまで刺すと、その影の主にも傷が共有されるのぉ♡」ニタァ

勇者「っ!ヒール!」ポワワァン

死神「傷は私しか癒せないのよぅ〜♡…おとなしく私のものにな〜れ♡」キラッ

死神「影刺・斬」

勇者(ざん?……きるってことか!?)

ドスッ
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:21:30.53 ID:38xS3tg20
勇者「グハッ…!…」

死神「そのまま鎌ちゃまを横に〜スーーて、動かすとぉ〜」

勇者「ガアアア!!か、体が…!」

死神「ナハァ♡……そー──」

ガシッ

死神「なっ!誰!?」

神官「どうも」ニコッ

神「そこまでだ…大罪を犯せし神よ」

死神「っ!…カァミィイイイ!お前ェエェェェ!」

神「神官…こいつを地獄の閻魔のところに」

死神「覚えとけぇ!私はまた…戻ってくる!……待ったいてね…ア・ナ・タ♡」

神官「はっ」シュンッ

152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:24:47.00 ID:38xS3tg20


勇者「あれは?いったい」ゼェゼェ

神「ゴットヒール…あいつは神を殺した神…死神だ」

勇者「はぁ…」

神「君は合格だ…君を人間界に戻そう」

勇者「え?…でもまだ墓には」

神「あぁ……そんなものないよw」

勇者「…神を恨み神を呪え…Herr or heaven!」

神「私には魔法は通じないよw」

勇者「ッ!…じゃあ戻してよ」

神「はいはい」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:31:41.47 ID:38xS3tg20

神「さて、準備はこれでOKかな…」

神官「こちらを、勇者さん」

勇者「これは…」

神官「これは武神が作られし一品…天叢雲、という剣です」

勇者「…なんか湧いてくるものが」

神官「これをもって魔王を倒してください」


勇者「そういえば、神は魔には手出しできないんだっけ?」

神「そうなんだよねぇ〜私たちは人に味方し、魔には関わるな、それがこの世を保つ方法だからね」

勇者「…よくわからんが、俺たち人間が魔王を倒す唯一の方法なのね」

神「まぁ、僕たちならすぐ倒せるんだけど、魔神達が黙ってないから、人間界で神と魔の
戦争には巻き込まれたくないでしょう?」

勇者「まぁ」

神「さ、そんな話はいいから、この陣の中に入って」

スタスタ

神「では…〜〜〜」

神「汝その魂を転生する」

ピカァ
勇者ののっかている人が光だし、体が少しづつ消えていく



神「あ、そうそう、体の新調できなかったから、ついさっき死んだ君の年くらいの子の体に
君の魂が乗り移るから…よろしく〜」

勇者「ちょ!それどうい───」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:36:50.22 ID:38xS3tg20


「ん……まぶ、しい」

「!?〜〜!!」

「…何言ってるか聞こえない……」

「……誰?」

「……お、にいちゃん…!ヒッグッ…グッ」


ガバッ

勇者「……体傷だらけ…だ…痛ッ」ズキッ

「お兄ちゃん!そんな動いたら…」

勇者「お、にい?……君は…誰?」

「こら!うるせぇぞ!!!」ダンッ

「ひっ!ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

「っ!…次騒いだら殺すからな」

「!!」コクコク


勇者「…君は…一体」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:41:24.57 ID:38xS3tg20

「お兄ちゃん…記憶が飛んじゃったの?」

勇者「…少し教えてくれる?」

────


勇者「じゃあ、君はこの体……俺の妹で、俺たちが牢屋にいるのは、魔眼をもっているから…と」

妹「うん…お兄ちゃん…本当に」

勇者「…ごめんね?俺は君の兄じゃないんだよ」

妹「…そ、そうだった…すみません」

勇者「いや、いいよ…それよりここを出よう」

妹「で、でも、そこにはおおきなおじさんがっ!」
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:47:09.45 ID:38xS3tg20

勇者「すーみませーーん」


「黙ってろってい──」

勇者「氷炎…焼き凍れ!」

パキパキッ

「ぐあぁあ!あ、熱い…のに凍って!?…あ、あああああ!!」

勇者「死にはしないから、安心」

妹「す、すごい…村一番強いおじさんを」

勇者「…この牢屋…硬いな」


勇者「!…確か剣が…」

妹「剣なんてないよ?」

勇者「…天叢雲」

シュンッ

勇者「おぉ、出た…断ち切る!」

スゥッンッ!

妹「て、鉄が…一瞬で塵に…!」

勇者「一緒に来るかい?」

妹「う、うん!」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 20:52:30.41 ID:38xS3tg20

勇者「…おい、これはどういうことだ…」

妹「さ、さぁ」ビクビクッ

村長「!忌まわしき化物め!どうやってここまで」

勇者「…村人全員フル武装…か、こんな村見たことねぇぞ」キッ

村人「あぁ?何見てんだ!」バンッ

ヒョイッ

勇者「おまけに…躊躇なく銃を撃ってくる…か、そこらの兵士より役に立つんじゃないか?w」

村人「っ!…この至近距離でよけるなんて…化物め!」バンバンバン

ヒョイヒョヒョイ

勇者「雷鳴轟き、天から落ちよ…落鳴・迅雷!」

キラッ

村人達『!』

勇者「伏せろっ!」ガバッ

妹「キャッ」


ドオオオゴオオオオオオオオオッ!!!

_____
_______
___
__
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 21:00:32.34 ID:38xS3tg20


妹「ん………!?」

勇者「……へぇ」

村長「……化物…いったい、どうやってこんな魔法を覚えた」

勇者「生き返って…そう言ったらどうする?」

村長「っ!殺せぇ!」

勇者「幽閉のあとは…死、か」

勇者「少しの間ここを動かないでね?」

妹「は、はい」キィ

勇者(この子の眼…不思議な色だな)

村人魔法使い×10「常世の光よ、邪なる闇を払う光の弾を放ちたまえ!」

勇者「光撃つ闇は地より這う蛇により放たれる!」

村人魔法「っ!?か、体が動かない!?」

勇者「それだけなじゃない…放て」

ブシャッ

妹「ひぃ!?」


村長「な!…彼らの首が…どうやって」

勇者「地水火風・雷雷雷!」

ドゴオオオッ

村長「……は、はは…む、村人の半分が…こんな数分で……化物…が」

勇者「そうそう、その化物っての…何なんだ?」

村長「……!今頃それを言うか!化け──!」

妹「……それ以上…化物と言ったら……殺す」ギラッ

勇者(目が…光って…いや、光が吸われている?)
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 21:18:58.43 ID:38xS3tg20

村長「ひ、光を食う化けも──」


ゴトッ

勇者「……(え?首が…おれの足下に?)」

村人「ひ、ヒィィィ!!ばけムグッ」

村人B「馬鹿!…黙って家に帰るぞ…みんなも!」

村人たちはおとなしく帰っていった。



勇者「……!(思い出した、魔眼、光食う化物…)」

勇者(前の魔王が行った人体実験。それは人間と魔人との優れた部分だけの細胞を掛け合わせて、
最強の戦士を作ること…だが実験は失敗し、変異種──特別な能力、
または特別優れた身体能力や、体の一部を保有する者の事──が生まれるようになった…)

妹「……」ギラギラギラ

勇者「…(このこと俺が一緒の牢屋に閉じ込められてたって事は、俺も魔眼が?…)」

妹「兄を…殺した罪…償わせてやる!」タッタッタッタ

ガシッ

勇者「まぁ待て」

妹「邪魔をするなら…兄の体であろうと」ポロポロ(`;皿;´)

勇者「……今君が行っても兄は戻ってこないし、喜ばない」

妹「なんでそんなことがわかるんですか!?あなたは…お兄ちゃんじゃ…ないのに!」ギリッ

勇者「しらない…でもわかるんだよ」


妹「…これからどうしたらいいでしょう…私…もう何もわからない!」グスッ

勇者「…いっしょに旅をしよう?ね?」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 21:31:30.26 ID:38xS3tg20

1週間後〜
─────
港町
─────

ガヤガヤガヤ

勇者「……活気がすごいな〜」

妹「だ、だね」

勇者「フードなんかかぶってないで、ほら」

妹「だ、ダメ…今は…だめ」ギラァァァァンッ

勇者「…1週間たっても戻らない…か」

妹「ごめんなさい」

勇者「いや、いいよ…それより宿とろう」


宿主「は〜いお二人で200Gね」

勇者「はい」

宿主「んじゃ〜二回の一番奥の部屋だから」

勇者「どうも、さ」

妹「」コク
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 21:47:20.10 ID:38xS3tg20

勇者「……」

妹「……」



勇者(うわ、気まず!何この空気…ズーンなんてもんじゃない!)

勇者「…あ、ねえ」

妹「?」

勇者「ちょっと散歩行かない?」

妹「…いいですけど」

勇者「じゃあいこう!」

妹「あ、はい…!」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 21:59:38.41 ID:38xS3tg20
町外れの丘
───────

勇者「ふ〜…!いい風だね」

妹「…うん」


「〜〜ww」ニヤニヤ

「!……www」ニヤァ



勇者「…気づいてる?」

妹「はい…宿を出てからずっとついてきています」

勇者「何かあったら、俺がやるから、動かないでね?」

妹「わ、わかった」コクッ


DQN「へ〜いそこのじょおちゃ〜んww」

クズ「俺たちと〜遊ぼぉ〜よ〜wあ、もちろんそこの男はなしでwww」

妹「え、遠慮します…」

DQN「あぁ?お前の意見なんか聞いてないんだよ!」ゲシッ

妹「痛っ」

DQN「あ?んだ?俺の文句あんのか?あぁ?ww」

クズ「あはははw」

勇者「まぁまぁ、それくらいに…ね?」ニコッ


DQN「死んでろw」ヒュッ

ゴキッ

勇者「……はぁ…これくらいにしといてやるから…帰りな」

DQN「あ、…あぁ?…う、うでが変な方向に…スゲー……ぇ!…ああああ!!イデェグガキケゲエエエ」

クズ「て、てめぇ!火炎爆!」

ボフッ

クズ「は!俺は魔法が使えるんだよぉw貴族様だぜェww」


勇者「俺は勇者さまだ」ニコッ



「ギャアアアア!!!」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:01:56.80 ID:38xS3tg20

翌日
==


勇者「ふわぁ〜〜……あぁ〜、このベット肩こる…」ゴキゴキッ

妹「……」ジー


勇者「新聞に面白い記事でもあったの?」

妹「うん…西の国のおお様の命が狙われたんだって…」

勇者「へぇ〜……ん?西の国の……んん?!」

勇者「ちょっと新聞いい?てかちょっとみせて!」

ガバッ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:09:48.34 ID:38xS3tg20


勇者「昨日、西の大国の王、盗賊王が何者かに命を狙われ、重傷…
犯人は捕まっておらず、国は犯人を捕まえたものに報酬と名誉と地位を約束…か」


勇者「なぁ妹ちゃん」

妹「は、はい」

勇者「これから西の大国に行くけど…いい?」

妹「問題ありません」

勇者「ありがとう……ん?何だ?この記事」

『始まりの街として知られる街、中央大陸の大国の王の命が何者かによって絶たれる…
西の王と中央の王が同時に狙われる』

勇者「…中央の王は魔王達か?」

勇者「盗賊を狙ったのは…」

『中央の王を狙ったのは、元勇者一行とみられる物と少女の3人組、未だ捕まらず』

勇者「…逃亡中…か?」

妹「あ、あの…窓の外が」

勇者「…?」


ゾロゾロゾロ
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/31(木) 22:13:11.85 ID:38xS3tg20

勇者「…なんだこいつら…武装なんかして」

「っ!〜!!…!!」

勇者「ん?」

「…ネッ!!」バンッ

勇者「?!ふせろ」

パリンッ!

妹「キャッ!」


「化物どもだ!殺せぇ!」

妹「む、村の人が…いた」

勇者「っ!」

ドンドンドン

「あけろー!あけろぉおお!」

ドンドンドン

勇者「……少しきついかもしれないけど、飛ぶよ!」ガシッ

妹「…え?」

勇者「求めよ火炎…爆炎!」

バフンッ

「うわ!」

「な、なんだぁ!?」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 01:37:19.52 ID:4FbSh8ux0
ZzZz(。-_-。)
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 15:13:39.66 ID:4FbSh8ux0

賢者「爆発魔法で俺たちを倒すのと同時に爆風で空をかけているんだ…!」

村人「え、!えぇい!そんな事は見れば分かる!」

村人「いいから落とせ!落としてころせぇ!」

賢者「無理だ…あの男…かなりの使い手だ」

村人「そのためにお前がいるんだろう!」

賢者「…は?」

村人「こんな凡人どもにどうこうできるなんて最初から思ってなどいない!
お前の…貴方の魔法であの化け物を!」


勇者「?…追っ手が来ない?」ヒュゥゥ

妹「た、たおしたんじゃないかな?」

勇者「…なんであれ、逃げる!」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 15:27:38.86 ID:4FbSh8ux0

村人「っ!えぇい!その杖を貸せ!」バシッ
賢者の前に駆け寄る。

賢者「まっ!…それは」

村人「こ、こうだったか?…えい!」ブンッ
賢者から強引に奪った杖を両手でしっかりともち、
上段の構えから一気に振り下ろす。
すると「バフンッ!」と轟音が辺りを包む。

村人が杖を振り下ろすと同時に、
杖から爆発が起こり、杖を握っていた村人の両手は焼け落ちる

村人「あ、あぁ…あぁああ”…ああああ!!!!」
前屈体制になり、頭を地面につけ、泣き叫びながら賢者を睨みつける。
その目は恨み。
だが賢者は──
賢者「私は止めようとしました…ですがあなたはそれを聞かずに杖を振り下ろした…あなたがいけないのです」
と、村人を見ているが、その目は村人への哀れみすらない
何も思っていない目をしていた。

村人「っ!…っ!!」
声すらでない。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 15:31:59.88 ID:4FbSh8ux0

賢者「……」

村人「   」
村人は腕から血を流しながら死んでいる。

賢者「私も聖職者…このくらいはしますよ…」サッ
懐から一冊の本を手に取り、広げ
読み始める。

賢者「神よ、哀れな魂をおすくいください…そして、来世には汚れ無き魂を授けたまえ…」パタッ
本を閉じ、巻き戻しのように懐にもどし
死んだ村人の両手が握っている杖を手に取り、去っていった。


賢者「…あの男の魔力……そこし気になりますね」ニヤ
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 15:35:19.33 ID:4FbSh8ux0


勇者「…降りるよ」
妹を片脇に抱え、空から地へ落下する

妹「うん」

勇者「我が体は風の衣をまとわん!」サッサッ
あいている片手で、魔法の陣を構築し、
発動させる。

勇者の体には風がうずを巻いている。
徐々に落下の速度が落ち、勇者達は無事に着陸した。
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 15:37:21.78 ID:4FbSh8ux0

勇者「……さて、と」

サァー
草原を風が通り、草がゆれる。

勇者「ここはどこだ!」

妹「アハハ…ハハ」

172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 15:49:21.45 ID:4FbSh8ux0

勇者「我願う、方位を表す陣を!」サッサ


シーン

勇者「あ、ダメだ、この魔法自分がちゃんと場所を認識していなきゃ使えない魔法だった」

妹「…あった!」

勇者「何が?」

妹「木の枝」ジャジャーン

勇者「…どのように使うの?」

妹「今の太陽の位置が…こうだから…ふむふむ…なるほど、今はお昼の三時です!」

勇者「…で?」

妹「……いや、…特には」

勇者「……とりあえず歩こう」

妹「うん…」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 15:55:15.83 ID:4FbSh8ux0
_______
___________
_____
___
_


勇者「あ、歩いてたら」

妹「〜〜〜!」

魔族「……」ゴゴゴ

勇者「襲われた…いや、いま襲われてる」

魔族「人間がなぜこんなところにいる!」シャキンッ
片手で剣を構え、もう片手では銃を構えている

勇者「the・ピンチっ!……売れるな…!」

妹「そのためには生き残らなきゃだめ〜!」

勇者「…てなことでここで襲われて再び神様に会うのはい──」

魔族「む?…貴様……その眼は」

妹「ひっ!」

勇者「……」

==
勇者(魔族と人間の細胞を合わせて作られた戦士…)
==

勇者「…魔眼」

魔族「…やはり!」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 17:08:12.59 ID:4FbSh8ux0

魔族「忌まわしき魔王の遺産…消し去る!」

勇者「why?ww」

魔族「邪・呪・殺!悪の裁きを受けよ!」

勇者「聖・祈・生!正義の報いをその身身に受けよ!」

魔族「な!?転換魔法?!」

勇者「そう、相手の魔法を逆の方法でコピーする、その魔法の威力は相手の魔法と同等」

魔族「…ならば!」

魔族「禁技…魔甲…」シュゥゥ


勇者「うそん…!」

妹「な、なんか煙が体からでてる…?」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 17:25:51.73 ID:4FbSh8ux0

勇者「に、にげ──」

魔族「遅し!」シュンッ

勇者「我が手に宿るは武神の波紋!」
右手を思い切り突き出す。

勇者「拳波・武!」

ドムッ
魔族の体に勇者の手がめり込み──

勇者「我が手から放たれるは悪を裁く正義の衝撃波!…ハッ!」

パァンッ!

魔族「クッ!…なんのぉ!」

妹「左右から!」

勇者「え?」

魔族「っ!やはり見抜くか…魔眼の女!」

左右から勇者の顔めがけ、剣が飛んでくる。

勇者「なん?!」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 17:30:33.31 ID:4FbSh8ux0

ガキンッ
剣と剣がぶつかり、相殺し合う。


勇者「──!」

魔族「なっ!今の私の速さにおいつ──!」

ザンッ


勇者「…天叢雲」

魔族「──」

魔族は胸を刺され、首を斬られ、その場に崩れ落ちる。

勇者「……」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 17:33:11.49 ID:4FbSh8ux0

勇者「……今のは…いったい」

勇者(体が消えた感覚がした…と、思ったらあの魔族の背後に……?)


妹「す、すごい…こんな短期間で眼の力を…!」

勇者「…眼?」

勇者「なんのこと?」

妹「あ、無意識に…」

勇者「…知っていること、全部教えてくれる?」

妹「………」

勇者「大丈夫、俺はどうにもならないから」


妹「私の知っている範囲…でなら」

勇者「ありがと」ニコッ
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 17:37:33.35 ID:4FbSh8ux0

 3日後
________
_________


西の大陸〜西の王国〜

「おらぁ!それは俺のだ!」

「あぁ?!てめぇ殺されてぇのかぁ!?」



勇者「……荒れてるな…前来た時とは天と地の差だ」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 17:45:43.96 ID:4FbSh8ux0

勇者「…?」

「………」ギロッ

勇者「……え?」

「死ねぇ!」タッタッタ

一人の少年がナイフを突き出し、走ってくる。

勇者「おわっ!」

妹「え!何?!」

勇者「っ!」

パシッ
少年の手を掴み、持っていたナイフを叩き落とす

少年「痛っ!…やぁ!」シュッ
少年の小さい拳が勇者の腹に当たる。
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/01(金) 17:46:49.84 ID:4FbSh8ux0
今日の分シュウリョー
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/01(金) 21:07:15.39 ID:ZkfkluJVo
乙でした
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 20:13:36.18 ID:HzDszYjt0

勇者「……」

少年「ッ!」

勇者「?」

少年「うわぁああ!」カチャッ
背後から拳銃を取り出し、
勇者の胸元へと押し付ける。

勇者「?!ちょ!」

少年「ごめんなさ──」

勇者「っ!」

パシッ
少年の手を抑え、銃を叩き落す。
が、少年はその前──に銃の引き鉄を引く
パァンッ

勇者「っ!」

弾丸は勇者の太ももを貫いた。

勇者「この銃…!魔力を込めた弾丸で威力がかなり上がっている!」

少年「ご、ごめんんさい!!」ガタガタガタ
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 20:28:09.86 ID:HzDszYjt0
妹「っ!大丈夫?!」


「おい?今の音ってこっちか?」

「あぁ」


勇者「っ!…」チラッ

少年「ウッ…ウァァ……アァァアアア」


勇者「い、行こう…!」

妹「う、うん!」

シュンッ
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 20:35:20.41 ID:HzDszYjt0

墓地〜


シュンッ

勇者「っと……まったく…べんりだね、瞬間移動ってのは」

妹「それより手当!」

勇者「大丈夫…ヒール!」ポワァン
光が打たれた部分を覆い
傷が癒えていく。

勇者「ね」

妹「ふぅ……さっきの子は一体なんだったんでしょうね」

勇者「さぁ…でもあの子が望んでやったことではない、て事はわかるかな」

妹「なぜ?」

勇者「あやまっていた」

妹「…はぁ」

勇者「にしても、なぜ墓地かなぁ…しかも」

寄りかかっている墓地の名前のところをみる。


勇者「俺の墓…かよ」

妹「え…?」

勇者「いや、なんでもない」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 20:39:50.94 ID:HzDszYjt0

「何者だ…!」カチャッ

勇者「ん?」


戦士「…貴様…その墓の前で何をしている!」ギロッ

勇者「…せん…し?」

戦士「?!……なんで俺の名前をお前が知っている!」ギリッ

勇者「……俺オレ!」

戦士「詐欺なら間に合っている!」シュンッ

勇者「はやっ…!」

戦士の斬撃を間一髪で、体を後ろに反らせて避ける。

妹「勇者さん!」

戦士「…!」ピクッ

戦士「い、今…なんて」

勇者「っ〜〜!あっぶねぇな!」

戦士「それより…そこのお前!…いまなんて」

妹「え、…勇者…さん?」

戦士「なぜその名を」

妹「そ、その人の名前ですし」

勇者「ハロ」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 20:42:28.24 ID:HzDszYjt0

戦士「……ど、ういう事だ」

勇者「えっとぉ…説明するのめんどくさいんだけど」

シャキッ

戦士「……言え」

勇者「カ、カシコマリマシタ!」

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勇者「と、いうわけで…生き返りました…はい」

戦士「……そんなことが」

勇者「り、リアルにあるんですねぇ〜」アハハ
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 20:52:11.19 ID:HzDszYjt0

戦士「…この馬鹿が世話になったね」

妹「い、いえ…そんな───!」

勇者「!……何だ?…この『光』は」

戦士「…は?」


ガサガサガサ
茂みから姿を現した黒い鎧に無数の弓が刺さった人(?)。

黒鎧「……汝…この世を『見る眼』をもった者か」

勇者「……」

無言で剣を構える勇者。
それを見て、こちらも無言で後退する妹。

黒鎧「……汝、試練を受けるか?」

勇者「…お前は誰だ!」

黒鎧「我が名は黒鎧、魔眼を試す者なり…そして、魔王の『一つ』なり」

戦士「魔王…!」ザッ

黒鎧「試練を受けるか…魔眼の者よ」

勇者「…試練?」

黒鎧「了承した…試練を…はじめよう」

シュンッ
一瞬にして勇者の目の前に現れ、首元をつかみあげる。

勇者「いや、了承したじゃ──!!」


黒鎧「砕けち──」

戦士「らァ!」斬

黒鎧「!」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 20:58:41.35 ID:HzDszYjt0

3日前
─────

妹「では、今から魔眼について少しだけレクチャーいたします」キランッ

勇者「お願いします!先生」

妹「は、はい…では、魔眼のはっしょうにつ──」

勇者「それは知ってるので、この目の詳しい特徴と、昨日のアレについて教えてください!」

妹「はい、ではこの眼の、『光を吸う』という特徴から話します」

妹「『光を吸う』とは、簡単に言えば、そのまんまの意味で、吸っています
『なぜ吸っているか』というと、私もわかりません」

勇者「おいおい」

妹「でも、この『吸う』という行為で出来ることは、動きが先読みできるのです。
人だと、人の動きに連動する『光』の動きのパターンを覚えれば即座に
次の動きが理解できます」

勇者「へぇ〜(さっぱりわからん)」

妹「そして、もう一つの効果は──」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 21:09:30.56 ID:HzDszYjt0

戦士「俺もいるんだ…忘れるな!」ダンッ

黒鎧の鎧を蹴り飛ばし、
十メートル先へと飛ばす。

黒鎧「邪魔者…どけ!」ザンッ

腰に刺さっている剣がひとりでに鞘から抜かれ、
戦士へと襲いかかる。

戦士「っ!(動きが間に合わないッ!?)」

シュンッ

勇者「俺もいる!」

戦士(こいつ…さっきの位置からここまで…どうやって!…魔力の痕跡もない)

勇者「地水火風・空・落!」

構築した魔法陣を空へと飛ばす。
すると、雲の色が四色に分かれる。
茶色、水色、緋色、緑色。雲のしたには、何十にも重ねられた魔法陣が。

勇者「落ちろ!エレメントッ!」サッ

勇者が右手を振り下ろすと同時に空が鳴る。
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 21:19:52.64 ID:HzDszYjt0

戦士「あれは!勇者が得意だった四大混合魔法…!?」


黒鎧「〜〜!」

空から落ちる四色の雷に撃たれる。

________
____

勇者「…死んだ?…よな?」


「われはふじ……み、なり」

勇者「っ!」

黒鎧「我を魔法ごときで倒すなど…不可能!」ドゥワァァァンッ

勇者「地水火風・雷雷雷!四大の力を集結して、放て!」

勇者の手から轟音を立てながら放たれる光は、
黒鎧の剣により断ち切られる。

勇者「っ!天叢雲!」

手をひとふりすると、どこからか出てくる一本と剣。

勇者「武神技、乱れ切り!」ザンザンザンッ

黒鎧「……あまいっ」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/02(土) 21:21:53.71 ID:HzDszYjt0
短いですが、今日はこのへんで。
説明文下手でごめんなさい
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/02(土) 21:51:16.19 ID:e71n26rG0
おいついた
支援
そして乙
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/05(火) 22:29:27.41 ID:BWbXGy7P0

勇者の斬りかかりをジャンプで避け、
空中で剣を投げつける。

勇者「ッ!」

ガキンッ
飛んできた剣を戦士が払い除ける。
そのまま弾いた剣を受け取り、
二本の剣を構える。

黒鎧「…我剣に触れ、そして我が物にするか…面白い」ガチャガチャガチャ

音を立て、鎧にヒビが入る。

黒鎧「わが武器を使いこなせるか…貴様も試してやろう!」

「パリンッ!」
崩れ落ちる黒鎧の鎧。
その鎧のしたから現れた姿は──
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/05(火) 22:38:51.35 ID:BWbXGy7P0

黒鎧「…兜はもはや必要ない…そして鎧も…」

被っていた兜を脱ぎ捨てる。

黒鎧「今こそ名乗ろう!我名を…」

両手を広げ、地上に降りる。

魔軍師「我が名は魔軍師…古の大戦で魔族を勝利に導いた者…」ゴゴゴ

顔には無数の傷跡、そして額には角

髪の色は真っ赤な血の色に染まり、目は魔族特有の赤く光る綺麗な緋色…だが

彼の目は緋をいうよりは赤、血の黒さがある濃い赤色。

顔の左側は全く別人のように顔の色からすべてが違う、彼の左側は真っ白、なんの汚れもない純白

の白…間違いなく人間の皮膚。顔には傷跡もなく、額には角もない

髪の色は黒に少し茶色が混ざっていて、目の色は黒、何者にも染まらぬ、そして

すべてを吸い込むような綺麗さを持ち合わせた黒色。

そして勇者はその顔に見覚えがあった。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/05(火) 22:47:33.42 ID:BWbXGy7P0

勇者「…昔、学校で戦争についての宿題がでて調べたことがある…」

勇者「本に載っていた写真…いや、似顔絵に似ている」

剣を下ろし、問う。

勇者「その顔…かつてお前が戦った人間の軍師…初代三賢者の一人の顔だな!」

剣を魔軍師に突き立てる。

魔軍師「…その通り…我が最初で最後に認めた唯一の好敵手だ…」

勇者「……」

魔軍師「話は終わりだ…貴様がその眼に値するか試そう、そしてその娘が我が武器を扱うに
たる器かも」


魔軍師「さぁ!今こそ我を倒し!真の使い手となってみよ!」

196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/05(火) 22:51:56.99 ID:BWbXGy7P0
魔軍師「…戦いを…楽しもうか」ニヤァ

勇者「っ!切り裂く」シュッ

特攻する勇者。
そのあとに続く戦士。

魔軍師「我が右手は指揮する手!…我が手で踊れ…死霊立よ!」

魔軍師が右手をひとふりすると、地中から死体が地面を突き破って出てくる。

勇者「墓ならではのホラーだな…おい」

戦士「?!勇者!」

勇者「え?」

死体勇者「   」


勇者「おいおい…冗談だろぉ」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/05(火) 22:59:00.82 ID:BWbXGy7P0

魔軍師「…ほぅ…この男の体…死んでいながらもこれほどに研ぎ澄まされた体をしているのか」

魔軍師「この体は別格だ…実に美しく…強靭…そしてなにより、強い」


戦士「ゆ、勇者……」

死体勇者「  」

戦士「っ!…すまねぇ!」

死体勇者へ戦士が斬りかかる。

勇者「容赦ない?!」

ザンッ

死体勇者「……あ”…あ”あ”あ”」

勇者「やめて!それ以上喋らないで!…おねがい……おれをそれ以上辱めないで!」オヨヨ

戦士「な!…お、俺の剣が…受け止められた」

勇者「……あ”あ”あ”!!」

受け止めた剣ごと戦士を振り投げる。

戦士「あぁ!?」

ドサッ

198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/05(火) 23:02:31.96 ID:BWbXGy7P0
戦士「がっ!…!!」

勇者「っ!地水火風・雷雷雷!」スッス

死体勇者「あ”あぁぁぁ""!!」スッス

勇者「な?!ま、魔法陣?!」


魔軍師「ほう…同じ魔法を使うもの同士か…魔法は個々に違うのだが…これはおもしろいな」


勇者「っ!」

死体勇者「あぁぁあああ!!」ゴォォンッ

勇者「魔法構築が早い…いや、俺が、この体が魔法に慣れていないせいで遅いんだ!」

死体勇者「あぁああ!!」

勇者「なら!……これは今の俺にしか出来ないだろ?」シュンッ

勇者の体がその場から消え、
死体勇者の真後ろへと移動する。

死体勇者「あ”あぁ”」キョロキョロ


勇者「光よ…邪を裁く聖なる光を……ジャッジメントライズ!」サッ

空へ手をかざし、魔法を唱える。
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/05(火) 23:07:08.31 ID:BWbXGy7P0

死体勇者「───」

死体勇者のあたり一面が光の柱に覆われる。

勇者「……邪よ…安らかに眠れ…」スゥ


死体勇者「あぁぁああぁぁあぁぁぁぁ!!!!」

光の中から両手を勇者に向け走ってくる。

勇者「こわ?!!く、来るな!」

ザキッ

勇者「……へ?」

戦士「剣技…胴斬り」


死体勇者「」バタゥ

その場に崩れ落ちる。

勇者「…俺、仲間に二度も殺されたよ…二度目の死因も仲間による惨殺……クゥッ!」ナキッ



魔軍師「ほぅ…強いな…」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/05(火) 23:11:41.41 ID:BWbXGy7P0

今日は終わります
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 18:34:18.07 ID:bSbDo3xi0

戦士「そら…どうもぉ!」ザンッ

魔軍師「そして早い…貴様は本当に人間か?と疑いたくなるな」

勇者「一刀両断!絶」

魔軍師「ッ!…背後からの…!こしゃくな!」

勇者「まだぁ!」ザンザンッ

魔軍師「っ!」

戦士「こっち(前)にもいるんだよ!」ザン

魔軍師「ッ!──魔王様…私は」

ザシュッ!ザシュッ


勇者「連携技…」スゥ

戦士「Xカウンター」スッ

202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 18:38:02.45 ID:bSbDo3xi0

戦士「…して、貴様はいったい──だれだ!」ザンッ

勇者「っ!」ガキンッ


妹「な、なぜ戦うのですか?!」


勇者「この技できるの俺とお前の二人だけのはずだが…?」グググ

戦士「勇者は死んだ…貴様は誰だ!」ザンッ

勇者「カッ!…さ、さっき俺を勇者だって信じたんじゃ…」

戦士「信じるな…何者も…」

『それが俺の家の家訓だ』

勇者「…だろ」

戦士「っ!私は信じない!」シュッ

勇者「やぁ!」ザンッ

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 18:41:52.28 ID:bSbDo3xi0

戦士「なぜお前は勇者と名乗る…!」ハァ

勇者「自分の名を名乗るのはいけないことか?」ヤァ!

戦士「勇者の名は勇者の物…その称号も勇者の物…お前のようなものが名乗って良いものではない!」

勇者「なぜそこまで!」ザンッ

戦士「俺は…!」シュタッ

戦士「俺は……俺は勇者が好きだからだ!」ザンッ

勇者「っ!!?」ガキンッ

戦士「…ハァ…いつまで受けているつもりだ?」ググ

勇者「お前が攻撃してくるのをやめるまで…!」

戦士「ならば…死ねぇ!!」ザンザンザン

勇者「っ!さっきの…さっきお前は勇者が好きだといった!」ガキンッ

戦士「あぁ言った!」ザンザン
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 18:49:01.05 ID:bSbDo3xi0

勇者「だがお前の勇者は死んだ!…そうなんだろ」

戦士「そうだ!」


勇者「…なら何故…何故お前は勇者を諦めない」スッ

戦士「…!」ピタッ


戦士「それは…」

勇者「……それは?」


戦士「ならば問う、貴様は自分の好きな、大切な人を亡くしたことはあるのか?」

勇者「そんなのないね…俺はいつだって守ってきた…」

戦士「ならば、俺の気持ちはわかるはずがない!」スッ

勇者(あの構えは…!)

戦士「勇者…と言ったな、お前が本物なら…この一撃を」


戦士「防いでみな──」スゥゥ
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 18:55:18.27 ID:bSbDo3xi0

勇者(あの構えは…!俺と戦士が初めて会った時の!)


?年前───

勇者「けぇ〜!なんで俺が勇者?名前か?名前が勇者だから魔王倒しに行けと?」

勇者「わぁ〜…わぁ〜〜〜!…俺まだ童貞っすよ?未経験で死ぬとか…あああ〜」

勇者「…でも二日以内に旅立たないと死刑だし…うわ〜俺どっちみち死ぬんじゃんw」

勇者「…とりあえず、この団子屋で一服」ストッ

「おい、お前」

勇者「…ん?俺?」

「そうお前…お前だ」

勇者「な、なんですか?」

「その今お前が座っているところ…そこは私の席だ」

勇者「…空席だったよ?」

「そこは私の特等席だ…なぁ婆や」

団子屋のお婆ちゃん「そうだよぉ〜」

「…だ」

勇者「えぇ〜…はぁ、なんか本当についてないな」ボソッ

「何か言ったか?、いや言った…絶対悪口言っただろ、勝負だ!」

勇者「なんで?!」

「家の家訓で悪口言われたらヤれ…だ」

勇者「…えぇ」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 19:01:37.00 ID:bSbDo3xi0

戦士「俺の名は戦士…お前は?」

勇者「…勇者、一応『勇者』の勇者です」

戦士「…お前が、とても強そうには見えないが?」

勇者「えっと…剣道四級です、あと魔法師免許…一応世界大賢者候補の一人です」

戦士「四級…雑魚か……そして大賢者候補は嘘だな?」

勇者「本当」

戦士「しんじない!」

勇者「…えぇ」

戦士「俺の家の家訓でな…何者も信ずるな、我が道を歩き、友は大事に、仲間は守り、己を磨け」

勇者「面倒…」

戦士「侮辱したな?!」

勇者「いえまったくこれっぽっちも」キッパリ

戦士「…まぁいい…お前は私が…斬り殺す!」スッ

勇者「そんなでかい件どこから出したんだよ…」スッ

戦士「何だ?…素手か?剣道の腕前を見せてもらいたかったよ」シュビッ

勇者「早い!」
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 19:06:54.53 ID:bSbDo3xi0

戦士「一刀両断・滅!」

勇者(真横からの斬撃…これは後ろに交わせば)スッ

戦士「ッ!私の速さについてくるか…だが!今のを避けたのを公開させてやる!」シュンッ

勇者(まだ速度が上がるのかよ…!)

戦士「一刀…一閃!」

勇者(突きか)スッ

戦士「まだぁ!」

勇者(?!あんな馬鹿でかい剣を片手で、しかも突き出した状態で…俺の方に向きを変えた?!)

勇者「お前人間かよ!」

戦士「お前よりは人間だよ!」ツツゥゥゥ

勇者「っ!拳波!」トスッ

戦士「?…!グフッ」ゲホッ

勇者「…フゥ」


戦士「か、からて?…いやちがう」ゲホッゲホッ
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 19:11:54.19 ID:bSbDo3xi0

勇者「我流だよ、相手を攻撃するときにその一点に魔力を放出して、威力を上げる
ついでに相手のツボを突いて、体をしびれさせることも…ね」

戦士「っ!…プッ」ペッ

戦士「…はぁ」


戦士「勇者…か、世界を救えるか試させてくれ」スゥゥッ

勇者(?体制を前に倒して剣を右の地面スレスレに構えて…?)

戦士「蹴散らせ…!」ゴォォォッ

勇者「?!な、なんだ…おい…それは何だ!」

戦士「お前を…殺す技…だ!」スンッ
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 19:18:24.24 ID:bSbDo3xi0


勇者「…?」

戦士「…音より、光より早く動く…ただそれだけで何者もかなわぬ最強の盾となり
同時に矛となる」

勇者(何を言って…いや、それよりもあいつはいつ剣を振り上げた?…
見えなかった…見れなかった、早すぎる)

戦士「そして音、光が動きに追いついた時、既に…全ては終わっている」

勇者「お前はい──」

ズパァンッ

勇者「……え」フラッ

戦士「奥義、…名前は無い。ただ早さを求めた一撃…これをう防げるものは私以外に居ない…
故に誰にも止められぬいちげ──」

勇者「ああああああ!!!」

戦士「?!…ま、まさか…今のを受けて生きて」

勇者「俺の大事なカラフルアフロが!アフロがァああ!!」オウ、ノォォ

戦士「えぇええぇ?!」ナン…ダト
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 19:24:53.40 ID:bSbDo3xi0
戦士「今のを…無傷で」

勇者「いやぁ…あふろぉ…なんで、なんで」

勇者「なんでアフロ何かにしたんだよ俺!」クソゥ

戦士「知るかよ!あぁもう!…ふざけやがって…殺してやる!」

勇者「うわぁ〜俺の髪がぁ〜〜」

戦士「らぁ!」ザンッ

パシッ

勇者「よ…くも、よくも」ゴゴゴ

勇者「俺の命(髪)を!」

戦士「るっせぇ!」

勇者「天は我に味方しわれの敵悪を滅ぼす光を与える!」

戦士「っ!攻撃を避けながらも詠唱続けるのかよ!」

勇者「こい!我が手に、悪を断罪する正義の剣!ジャッジメントジャスティス!」スッ!

戦士「そんな魔法聞いたこと…」

勇者「これは俺オリジナルの光魔法だ…誰にも真似されない」ピカァァ
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 19:29:11.23 ID:bSbDo3xi0

戦士「す、すごい…大精霊でもない限り目視できるはずのない精霊が…見える
一体どれだけの魔力を使った魔法なのよ」

勇者「光を我が手に集め…放つ!」

戦士「連続で魔法?!」

勇者「掛け合い魔法だ」

戦士「?」

勇者「教えてやろう、掛け合い魔法は二つの魔法が組み合わさってやっと発動できるめんどくさい
魔法だ。…ちなみに俺が作った魔法です」

戦士「天才か!」

勇者「天才だ!それに…お前の技はもう覚えたよ」

戦士「え?」

勇者「光よ…凝縮し、姿を現世に表せ!」キュイィィィン

戦士「?!な、なに…何かが…光がアイツの右手に!」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 19:32:37.47 ID:bSbDo3xi0





勇者「…魔法発動完了…すべてのま方式を破棄」

戦士「……い、一体何が?…?!い、いつの間に剣を」

勇者「刀」

戦士「…え?」

勇者「刀…これは刀だ」

戦士「…それがどうした」

勇者「まあいい」スゥゥ

戦士「…そ、それは私の奥義の構え!」

勇者「…音より、光より早く…!」

戦士「くっ?!」スゥゥ


勇者「らぁっ!!」スンッ

戦士「!!」スンッ
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 19:35:08.06 ID:bSbDo3xi0

勇者「……」

戦士「……」

バリンッ

戦士「っ!わ、私の剣が」

パキンッ

勇者「精霊の刀が…一撃でか」

────
現在
────

勇者(あの技は一体なんだったんだ!?)

戦士「音より、光より早く…放つ!奥義、真空閃」スンッ

勇者「名前つけたのか!」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/08(金) 20:52:53.22 ID:Z9iSVXwno


すごくどうでもいいけど

>>205であれはと言いながら
>>212でその技を勇者が再現してるのに
>>213であの技は一体なんだったんだ?
ってどういうこと?
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 21:05:11.89 ID:bSbDo3xi0


勇者(手を…やはり見えなかった…が!)

ドォオオオオ!!

戦士「?!…な、なんだ!」

勇者「……その技は俺も使える…故にふs具ことも可能だ」

戦士「っ!」

勇者「…防いだ。今の一撃を…防いだ。これで俺は勇者だとみとめ──」

戦士「しねぇ!!」

勇者「だからなんで!?」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 21:09:29.83 ID:bSbDo3xi0

戦士「なんか嫌い!」

勇者「好きなんじゃないの?」

戦士「…そうだな。俺は勇者が好き…だがその勇者はお前だということもわかった。
だが…今の勇者、お前は嫌いだ!」

勇者「…お前もしかして…顔か?」

戦士「」コク

勇者「こんの、めんくい!」

戦士「うるせ!」

妹「お兄ちゃんはかっこいいです!中身も!外見も!」シュンッ

戦士「…そういやこの娘誰?」

勇者「えっとぉ…話すと長くなります」

_____
___
_
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 21:15:14.19 ID:bSbDo3xi0

戦士「…へぇー」ボウヨミ

勇者「ま、まぁ信じなくてもいいけどね」

妹「勇者!」

勇者「呼び捨て?!」

妹「この方は?」

勇者「あ、俺の…下の体の時の仲間」

戦士「それだけ?!」

勇者「それ以外に何かあるの?」

戦士「い、いや…こう……肌と肌を重ね合わせた中とかさ」

妹「?!」

勇者「それ手の摩擦で寒さを乗り切ろうとしただけじゃん」

戦士「あ、あとは…ね!!?」

勇者「知らねぇよ」

戦士「ぁーー!もう!…それより、なんでこんなところにいるのよ、まさか自分の墓参り?」

勇者「ちげぇよ、てか話が変わりすぎだよ」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 21:23:29.90 ID:bSbDo3xi0

勇者「…まぁ簡単に言えば盗賊が襲われたって聞いたから」

戦士「…あぁ」スッ

勇者「…何があった」

戦士「…」キョロキョロ

戦士「ここはダメだ。とりあえず家にこい」

勇者「…行こ」

妹「」コクッ
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 21:28:35.22 ID:bSbDo3xi0

「ま……て…!」グググ

勇者「…!」ピタッ

戦士「ま、まだ…!?」

魔軍師「は……はぁ……はあああ!」シュワォォォ

勇者「何だ?あいつの周りに黒い煙が…!」

戦士「…構えときな。これまでとは比べ物にならない力を感じる」

勇者「そろそろ先頭ものは秋田からほのぼの行こうぜ!」

「その通りだ!」

ドォォオオンッ

勇者「っ!?…か、雷が落ちてきた?」

「久しぶり…勇者、やっぱり生きていたね」

勇者「……お前は…まさ…か!」

220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 22:05:17.33 ID:bSbDo3xi0
>>214
勇者は技は使えるが、その技自体の理解が出来てなく、
結局あの技は何が起こるのか自分でもわかっていない…的な
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 22:07:33.89 ID:bSbDo3xi0

勇者「お前…」

魔王「ふふ」

勇者「なぜ浮いてる?!」

魔王「魔王が誰かは言わないのね」

勇者「魔王?!」

魔王「気づいてなかったの?!」

勇者「いや…神は伸びてるし…なんかグラマーだし…それも体の大きさ変えてるだけ?」

魔王「成長期ですから」フンスー

勇者「へ〜…綺麗になったね」

魔王「な?!…ば、馬鹿!真顔で言うなー!」

勇者「それより降りてきて…首痛い」

魔王「あ、ごめん」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 22:18:11.41 ID:bSbDo3xi0
───着陸──


魔王「…にしても…勇者も随分と…そのぉ〜…まるで別人だね」

勇者「まぁ別人の体だから…」キランッ

魔王「それ…」スッ

魔王の右手が勇者のめへと向けられる

勇者「…?」

魔王「…我が祖父…の遺産…いや、遺物…」

妹「?」

魔王「!…君も……そうか、魔部の一族…まだ生きていたんだね」

勇者「ま…ぶ?」

魔王「体に魔なる部分を持つ一族…というよりは異種?」

魔王「まぁ私の祖父が作った人体兵器の末裔…と言った所。
そして…勇者、君の眼とその娘もね」

魔王「にしてもなんで君がその体に?」

妹「お兄ちゃんは…」

勇者「死んだんだ、神が俺に合う体を選んだ…結果この体さ」

魔王「…お兄さんの死因は?」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 22:28:19.01 ID:bSbDo3xi0

妹「ッ!」

勇者「お、おい」

戦士「流石にそこはきくなよ…」

魔王「…誰かに殺された?」

妹「…!……」ウルッ

魔王「その殺した奴はなにか特別な力を持っていたかい?」

妹「…?」フリフリ

魔王「…おかしいね」

勇者「なにが…?」

魔王「本来…魔部、魔眼を持っているものはほかの魔部を持っている、
なおかつその魔部を使わないと倒せない…殺せないんだ、それが何もない人間が…無理なんだよ」

勇者「でも…現に」

魔王「…?」ジーー

妹「……」

魔王「……君はこの体の人とは?」

勇者「いもうとだって」


魔王(まて魔王!この子は妹…!だが…それ以外にこの体の人が死ぬわけが…)

戦士「……魔王…あなたまさか彼女を」ボソッ
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/08(金) 22:29:32.21 ID:bSbDo3xi0

今日は終わり升death
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/08(金) 23:53:42.42 ID:BXRC5DNyo
乙でした
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:03:11.98 ID:UXes3GTT0

魔王「まさか…その男も魔部の一族?!」ホエッ

戦士「ちっげぇだろっ!」バシッ

魔王「痛っ!…魔王の頭は敏感なんだから!叩くな!」

戦士「ちっがうだろぉ?」バシバシバシバシ

魔王「なぁにぃがぁ?」アウアウアウアウ

戦士「考えなくてもこの妹が怪しいと思うだろ」

妹「……」

勇者「おいおい…この子はそんな事しないって」

魔王「そうだよ、この子には血の臭いがない!」

勇者「うん…?血の臭い?」

戦士「そんなの風呂にでもはいりゃ消えるだろ!」

勇者「普通そんなのかぎわけられる人いねぇよ!」

魔王「風呂…確かに」

妹「っ…」



戦士「え?いましたうちしたよね?」ヒソッ

魔王「うん…したね」ヒソ

勇者「……なんでしたんだ?」ヒソヒソ
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:07:42.41 ID:UXes3GTT0

勇者「……どうしたの?」

妹「…いや、なんでも」ズッズ

勇者(目が死んでるよ)

妹「それにしても…魔王って馬鹿なんだね、もっと知性溢れているものかと思ったよ」ズズズ

勇者「お、おい?」

魔王「魔王を侮辱するか!」

妹「事実…そうだろう?」ズズズ

勇者(なんか正確変わってる〜〜!?)

勇者「あれ?…何だ?」スッ

妹「!…触れるな!」パシッ

ゴキッ

勇者「〜〜!う、腕ぇ!?」

戦士「勇者の手を払っただけで腕が折れた…なんだあの力」グッ

妹「…あれ?私は」スゥ

勇者「?…背中の黒いもやが消えたとたん普通に」

妹「…?何ですか?みなさん、私の顔に何か?」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:12:08.19 ID:UXes3GTT0

戦士「いや、何もついていないよ…ちょっとぼーっとしてたから見ていただけだ」

妹「そ、そうですか…なんかすみませんでした」

戦士「それより、俺の家に行こうか、いつまでも墓地にいるのはね」

勇者「お前の家ってこの国にあるの?」

戦士「おう、一年前に買ったんだ」

勇者「へぇ〜………………………………い、一年?」

戦士「ん?そうだけど」



勇者「????!!?」

魔王「…もしかして勇者…死んでからそう日にち経ってないの?」マサカ…



勇者「まだ…二週間も経っていない…かも」
229 :死神 東 [saga]:2013/02/09(土) 18:16:46.63 ID:pqAK5g5w0
運命の王子 は 男から生まれ 強制的に現れる ストーリー通りに 必ず勝つ 伝説の勇者?
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:19:06.23 ID:UXes3GTT0

──戦士宅───


勇者「……」

戦士「心ここにあらず…まさに今の勇者だな」

魔王「そりゃ、自分では二週間経ってなくても、現実に三年も経ってたら、ねぇ?」

戦士「俺は体験したことないからねぇ、なんとも言えません」

妹「ひ、広いですね…」ホエー

戦士「まぁな」

魔王「盗賊に言って九割はお金出してもらってこんな豪邸立てて…一人で寂しくないの?」

戦士「ん〜…たまに魔王も兄さんも魔法使いもくるし…寂しくないかな」

魔王「あいつ魔界からここ(人間界)に平気で行き来してるの?」

戦士「一週間に一回はくるよ、なんか近くに人間のこれがいるらしい」

魔王「小指を立てるな……え?それマジ!?」

戦士「うん、なんか近くの酒屋の娘で…としはえっと」

魔王「なに?また幼女か」

戦士「いや、16だったかな?」

魔王「……ん〜微妙だ!」

勇者「    」



戦士「コレどうする?」

魔王「また埋めとけば?違う体でまた戻ってくるかも」

戦士「アハハハ!それいいね」

勇者「よくねぇよ」キリッ
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:23:43.41 ID:UXes3GTT0

妹「すごい!この家…走っても走っても同じところに戻ってくる!」

戦士「それただの方向音痴じゃ…そんなに広くないと思うけど」

魔王「なにを、城の三分の一くらいの大きさのくせに…軽く国民の半分は入るぞ」

妹「それ城の大きさが気になってきますね」

勇者「まあ城だけで国民すべてが暮らせるレベルだもんな」

妹「……それ国いります?」

勇者「まぁ商売とかもあるし…必要でしょ」

戦士「だねぇ〜、王様は苦労してんだねぇ〜」


魔王「あ、そうそうその王様、盗賊のことを新聞で見て駆けつけたんだった」

勇者「そういや俺もそうだった」

戦士「盗賊よ、お前は哀れだ」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:29:19.78 ID:UXes3GTT0

勇者「よし!お見舞いいくか!」

戦士「いまは面会謝絶…結構重症だったからな」

勇者「…何があった」

魔王「それは魔王も気になるな」

戦士「少し長くなるぞ?」

勇者「簡潔にお願いします」

戦士「わかった」



戦士「盗賊がアルバン寝ていたら大臣にナイフで胸を一突きされた」

勇者「あれ?犯人わかってないんじゃ」

戦士「表向きは…な。自分が王になるために王を殺し、その王を誰が支持する?」

魔王「誰もしないな」

戦士「それで大臣はこの事件の真相を知るものを買収、または…」

勇者「殺した…か」

戦士「あぁ」コクッ

勇者「お前も買収されたのか?」

戦士「馬鹿言うな、俺はそんな外道じゃねぇ!」

勇者「じゃあなんで知ってるんだ?」

戦士「…あの夜俺は盗賊に頼まれあいつのまわりを警備していた…もちろん隠密にな」

─────
───
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:35:03.72 ID:UXes3GTT0

城の外─森の木の上──


戦士「あぁ〜、寒い…こんな命令しやがって、あいつも王らしくはなったが」

戦士「夜の森は寒い…えっと、双眼鏡、双眼鏡わ〜……」アッタ

戦士「どれどれ?姫様との営み中じゃないことを願って覗きましょうか」スッ

==

戦士『……?!〜〜〜!!!』

兵『!』ペコペコ

==

戦士「お叱り中か?…なんにせよ異常なし…帰ったら…まずいよね」

戦士「えっと、ピーエム、十時五十六分…異常なしっと」カキカキ

戦士「引き続き警戒を…ん?」ソウガンキョウノゾキ

戦士「同刻、五十七分、屋敷、王の部屋の屋根の上に怪しい影あり…暫し様子見とする」カキカキ

234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:40:48.83 ID:UXes3GTT0

戦士「…ピーエム、十一時○○分…影に動きあり、もうしばらく監視を続行」カキカキ

戦士「…見ないで書いたけど…私結構うまいな…」ニヘラ

戦士「おっと、監視っと」ジーー

戦士「同刻、○二分、王は就寝…と」カキカキ

戦士「そして…屋根の影の動きが活発化…」カキカ…

戦士「おっと〜?あいつの手に持ってるのは…」ズーム


戦士「だ、ダイナマイト…っ!」

戦士「同刻○七分、影を敵と確認した。直ちに抹消する」カキカキ

戦士「ここからあそこまでは…一分か…よし、無理!」キッパリッ
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:46:07.02 ID:UXes3GTT0

戦士「ま、この弓で打ち落とすくらいは………あ、矢忘れた」アハハ


戦士「すまん盗賊!」ダッシュッ

戦士「ああああ!!まにあえええええ!!」シュダダダダ



賊「へへ、死んでもらうぜ王様ァ」ニタァ

賊「着火!」ボウッ

賊「さっ、俺は逃げるかね」

戦士「──させるか」ゼーハゼーハァ

賊「?!」


戦士「ダイナマイトを…ける!」

賊「蹴った?!」

戦士「……」



ボーーンッ!!

賊「    」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:52:14.75 ID:UXes3GTT0

戦士「……さぁ、クッキングタイムだ」ジャキッ

賊「ひぃ?!」

戦士「誰に頼まれた?」ゴゴゴ

賊「い、いえるか!」

ザンッ

戦士「…二度は言わんぞ俺は」ギラッ

賊「ヒィィィィィ」ビクビクッ

戦士「さぁ!」ブンッ

賊「だ、だだだだ大臣ですぅ!!」

戦士「…ほぅ、ほかには?」

賊「え…?」

戦士「言ったろ…二度は!」ザンッ

賊「ヒャアアアア!」

賊「ほかには何も頼まれてません!神に誓います!」

戦士「紙になど誓うな!下賎な者めが!」

賊「スビバゼェン!」

戦士「…ッ、もういいこの国にはもう来るな」

賊「あなた様に誓います!もうこの国にはきませぇぇん!」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:53:59.21 ID:UXes3GTT0

戦士「走り去っていったか…ふぅ、なら私も戻る…か──どうやって?」

戦士「あれ?俺この屋根の上にどうやって来たん…」

戦士「たしか木と木の枝に飛び移って」

戦士「…一回できたんだからできるヨネ」アセアセ



戦士「ウオリャァァァァア!」トウッ
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 18:58:34.05 ID:UXes3GTT0

戦士「…ぶ、無事…生還!」

戦士「こえー!この木以外みんな細いから…死ぬかと思ったーー!うおおおお!生きてるぞおおお!」



戦士「━━大丈夫かい?」

戦士「━━えぇ、あなたのおかげよ」

戦士「━━君が頑張ったからだよ」ニコッ

戦士「━━まあ、そんな」ウフ



戦士「よーしかんしだー」棒読み

戦士「ん?…盗賊のベットの横に誰か…」

戦士「!?…なんだ?あいつ盗賊の胸に何か付けた?」

戦士「そして盗賊は…?暗くてよくわからんが暴れている?いや、もがいて」ナイトスコープ

戦士「……!?あれは!」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 19:02:00.74 ID:UXes3GTT0

戦士「っ!大臣め!直接手を下したか」

戦士「ん?………!」

戦士「俺を見ている…見られている!」

戦士「馬鹿な!…ここはあちらからはみえないはず」

240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 19:07:22.52 ID:UXes3GTT0

戦士「っ!ひとまず撤退だ!」


────────

戦士「そんなわけでな、私は今隠れて暮らしている」

魔王「こんなでかい家にいてよく隠れているなどと言えたものだね」

勇者「まったくだな」

妹「あれ?また戻ってきちゃった」

勇者「ほら、このクッキーでも食べておとなしくしてなさい」

妹「あ、わかった」コクッ
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 21:49:32.28 ID:UXes3GTT0

勇者「…さて、これからどうしたものか」

魔王「ん〜」


勇者「そういえばお前ら王倒すのに三年かかったのな」

魔王「え?魔王たちはやってないわよ?」

勇者「え?…え?」

魔王「勇者が死んでから、倒すために旅はした。でも魔王はまだしも戦士と魔法使いが
国に入れないから、それに大変だったんだよ?私まで指名手配されて〜」

魔王「あー!もう!説明してたら太陽と月が二回は見れるよ!」

勇者「ん〜…じゃあ説明お願い」

魔王「えぇ…面倒」

勇者「…おねがい」

魔王「……はぁ」

魔王「戦士ぃ、しばらく泊めて〜」

戦士「いつでもどうぞ」


魔王「じゃあ勇者が死んだあとのところから説明するね」

勇者「おねがいします!」

─────
───
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 21:50:21.64 ID:UXes3GTT0
ここから『魔王ルート』になります。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 23:18:20.49 ID:UXes3GTT0

フィールド──西の国と中央の国の国境近くの湖───


魔王「勇者がなせなかったことを…私は!」

魔法「朝ごはんでーす」

戦士「うめー!…やっぱとれたてのの魚は違うねぇ」


魔王「…いただきます」


魔王「…おいし」アラ


ガサガサ

戦士「ん?」

魔物「ぐえぇええ!」

魔法「あら…ご飯の臭いによって来ちゃったかな?」

戦士「飯の最中だってのに…」

魔物「ぐえぇぇえええあ!」シュダダダダ

魔法「げ!こっち来ます!」

魔王「…」ギロッ

魔物「?!……ぐ、グエェー」ビュビュビューン


戦士「あり?茂みの奥に逃げていった」

魔王「…魔王って…こういう時便利でいいですね」モグモグ

魔法「自分でいいますか」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 23:23:31.99 ID:UXes3GTT0

_____
___
_

戦士「ごちそーさま」

魔王「うん、ごちそうさま…美味しかったよ」

魔法「いえいえ、お粗末さまです」

戦士「よし!いくぞ!人間の魔王のもとへ!」

魔王「はい!」


兵士「貴様達…ここで何をしている!」

戦士「あ?」

兵士「?!貴様…指名手配犯、戦士だな!」

戦士「うっ!やべぇ!」

兵士「そっちのお前は…魔法使い…それにおまえ……誰だ!」

魔王「威張るな!魔王は魔王だ!」

戦士「ばか!何名乗ってんだよ!」

兵士「?!…魔王…そうか、勇者は魔王におじけづいて我らをうらぎったか!」ジャキッ

魔王「やるかコノー!」

兵士「あぁ…だが俺だけじゃないぜ?」

ゾロゾロゾロ


戦士「わ、わぁ〜…ひ、ひとがいっぱいだぁー」アハハ

魔法「…っ!これは流石に」

245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 23:30:59.12 ID:UXes3GTT0


兵士長「…話は聞いた…ふふ、魔王…こんなところで会えるとは」

兵士長「皆の者…やれ…ただし殺すなよ?…あとで生きたままの方が楽しめる」

兵士B「はい!」

兵士C「おらしねぇ!」ザンッ

戦士「っ!流石に逃がしてはくれねぇか!」ググ

魔法「っ!」

魔王「……」

魔法兵士A「眠れ子羊…神の歌を聴き安らかに眠れ子羊!」

戦士「?!掛け合い魔法?!」

魔法兵士A「何故この魔法のことを!?」

戦士「それは我らが勇者様の得意魔法だからだ!」

魔法兵士A「っ!関係ない…この眠り魔法に催眠魔法を加えた最強の暗示魔法を喰らえ!」

魔王「…魔を破壊せよ…デリート」

パリンッ

魔法兵士A「?!魔法陣が…壊れた?!」

魔法「轟、落ちよ!雷球!」

ヒュンヒュンヒュンッ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 23:36:56.20 ID:UXes3GTT0

兵士E「た、隊長!空から雷のたまがふってき──ぐあぁああ!」ビリビリ

兵士長「っ!魔法舞台!たんとかできんのか!」

魔法兵士B「け、けたが違いすぎます!」

魔法兵士C「殺しても…いいなら」

兵士長「えぇい構わん!こんな化物どもはいらん!」

戦士「っ!だれが化物だぁ!」ザンッ

兵士C「ぐあ!」

戦士「一刀両断…閃!」ヒュンッ

戦士長「早い!」

魔法兵士C「地水火風…滅滅滅!」

戦士「?!伏せろ!」

魔法兵士C「くずれ落ちよ!」

ゴゴゴゴ
地面は割れ、割れ目からは溶岩が吹き出す。

魔王「っ?!」

魔法「せ、聖なる水の精の加護を我らが身に与えよ!」

戦士、魔法使い、魔王の三人を淡い青の光が覆う。
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/09(土) 23:43:35.15 ID:UXes3GTT0

おわ…りdeath、またいつか
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/10(日) 03:49:43.05 ID:ocoNWP2do

しかし今回は誤字が目立つ
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/10(日) 07:11:49.86 ID:Ta/T0JJ3o
乙でした
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/10(日) 23:14:13.69 ID:fX6cSC8v0

魔法兵士B「っ!防御魔法か!」

魔法兵士C「小癪…な!」

兵士長「えぇい!もういい!…わたしがや──」

ドスッ

魔王「あなたは邪魔です」

兵士長「い…つの…まに……」バタッ

戦士「今のうちにやるぞ!」

魔法「はい!」
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/10(日) 23:21:35.60 ID:fX6cSC8v0

魔法「光に焼かれ消えよ!」

ピカァッ

兵士E「っ!眩しい!」

兵士F「なんだこの光は!?体がジリジリ焼けるようだ」

魔法「マイナスの世界を味わえ…震えよ!絶対零度!」

手に持つ杖を空へ突き上げ叫ぶ。
すると、兵士達の動きが一斉に止まる。

兵士G「な…んだ」グググ

兵士H「体…が…意識が…」フラッ

魔法「意識すらも飛ぶ寒さ…その前に体の体温は異常なまでに上がっている。
体は突然の気温の変化についていけない!」

魔法兵士C「大気…常夏!」シュウゥゥ

魔法兵士Cの一体はオレンジの輪っかで覆われ、
その内側は常夏の気温になる。

魔法「…あなたが私の相手…ですか」

魔法兵士C「犯罪者がごとき…いや、それでも勇者一行の一人か…クク」

魔法兵士C「…お相手願う!」

魔法「望むところ!」
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/10(日) 23:30:43.83 ID:fX6cSC8v0

魔王「…あちらは何やら手出し無用な空気だね」

戦士「だな」


魔王「こっちはそうでもないけど」

戦士「…だな」

魔法兵士A「おらぁ!火炎!火炎!火炎ーー!」

魔王「っ!守護の風よ!」サッ

両手を炎へと突き出す。

魔王の両手の先には魔法陣が展開され、一秒もしないうちに突風が炎を打ち消す。

魔法兵士Aは驚きと突風で目に入った砂のせいで動けないでいる。

戦士「いま──」

魔法兵士B「フラッシュバン!」ヒョイッ

その隙を戦士が突こうとしたが、魔法兵士Bが守りに入る。

ピキィィィンッ

不快な音と共に、二人の視界が封じられる。

戦士「っ!魔法兵士のくせに!なんで魔法使わねぇんだよ!」

魔王「いや…この光には魔法の跡がある…!」

魔王「伏せろ戦士!」サッ

戦士「え?」

訳がわからないまま、言われるがまま戦士はしゃがむ。
するとバンッ、と音がなり、魔王と戦士の頭上は火の海とかす。
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/10(日) 23:38:29.93 ID:fX6cSC8v0

魔王「っ!二段階魔法か!フラッシュバンの光が放たれた後に周囲を爆発…
中々嫌な魔法だ!──が」

魔法兵士B「はっ!口ほどにもないな!」サングラース

魔法兵士A「っ!砂の次は光かよ!」

魔法兵士B「我慢しろ…助けてやったんだ」


魔王「でも…まだたすかってないよ!」シュンッ

魔法兵士達の背後にまわりこむ。

魔法兵士B「いつのま──」

ポンッ、魔王が魔法兵士Bの肩に手を置く。

魔王「転移!終焉の地!」

サッ、と草が音を立てる。
すると魔法兵士Bの姿はどこにもない。

魔法兵士A「?!」

ポンッ、魔法兵士Aにも同様に手を置く。

魔王「…お前は何処に転移(とば)されたい?」

魔法兵士A「っ!」

魔王「転移…」

魔法兵士A「た、旅立ちの街…に」ビクビクッ

魔王「平和を望むか……だが断る!」

魔王「転移!最果ての地、ゼロ!」

サァッ、手に持っていた杖を残し、消える。
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/10(日) 23:43:41.40 ID:fX6cSC8v0

戦士「……俺はいつまで伏せていれば?」

うつ伏せの状態で魔王を上目遣いで見つめ、問う。

魔王「…そのまま魔法使いさんの戦い観戦でもどうです?」

意地悪な笑顔を作り、微笑みかける。
が、戦士はそれを無視して、魔法使いを方を正座で見ている。

魔王「……礼儀正しいですね」

戦士「淑女のたしたみです」

魔王「一人称が『俺』じゃなければ淑女ですね」

戦士「あ?」ギロッ

魔王「まぁまぁ」

255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/10(日) 23:55:16.27 ID:fX6cSC8v0



魔法「はぁ…はぁ」

魔法兵士C「魔力切れですか?…ならこれで終わりです!」

魔法兵士C「我対価を捧げ聖獣の翼を宿さん!対価…鼻毛──フッ!」

言い終えた瞬間、魔法兵士Cの腹部に二人の飛び蹴りが
くらわされる。

魔王「対価が鼻毛とかなめてんのか!」ゲシッ

戦士「お前の鼻毛で対価が成り立つなら私は耳クソのカスだけで十分だよ!」ゲシッ

魔法兵士C「ハグッ!うがっ!」

二人の容赦のないツッコミ(蹴り)が連続でくらわされる。


魔法「あの…私の勝負…」



魔王「オラオラオラオラオラァ!」ドゴドゴドゴ

戦士「無駄無駄無駄!」ドドドドド
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/10(日) 23:57:30.62 ID:fX6cSC8v0

短くてすみません。
説明分ごめんなさい。

昨日の誤字すみません。

今日の分はおわりですごめんなさい。
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 08:33:04.38 ID:QW6kuCBKo
乙でした

鼻毛w
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 18:22:51.55 ID:VhPy/EYL0

──
───


魔法「…あぁ」

魔王「すこしやりすぎたか?」

戦士「…いや、いい。これぞ犯罪者だ」

魔法「無実なんです!なのに…これじゃ本当に犯罪者じゃ」

戦士「あまったれるな!…無実とは言え、世間の奥様方にはそんなのただの虚言と思われる!」

魔王(奥様…)

戦士「…ならいっそのこと本当になろうぜ…犯罪者に」

魔法「自分ひとりでなってください!」

魔王「魔王は…人間的には犯罪者?」

戦士「あぁ…極悪人だ」

魔法兵士C「が…アグッ」


魔王「それよりずっと下敷きにしてるの…どいてあげたら?」

戦士「…あ、あぁ忘れてた」

魔法兵士C「うぅぅ…はん…ザイシャァ!」

魔王「ま、まだ動くか!」

戦士「おらぁ!」

トンッ

魔法兵士C「うっ…」バタッ


魔法「大きな声あげた割に首を叩くだけですか」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 18:37:23.84 ID:VhPy/EYL0

戦士「いいんだよ…さて、ここら辺の警備が硬いことはわかったな」

魔法「話の代わりが早いですね」

戦士「で…これからどうするよ」

魔王「そのまま国ごと魔法でやっちゃえば?」

魔法「だ、だめ!」

戦士「そうだ…犯罪者になる…いや、テロリストになるつもりか!」

魔王「魔王は魔王だし…人間殺そうが魔族からの支持が上がるんだよ…」

戦士「おまえ…やっぱり殺す!」チャキッ

魔王「じょ、冗談だよ…魔王も罪ない人を殺めるつもりはないよ」オロオロ

戦士「…本当だろうな」

魔王「うんうん…本当、魔神様に誓うよ」


戦士「…ならいいが」

魔法「で?どうやって国王様を暗殺するんですか?」

戦士・魔王「「暗殺?」」

魔法(この人たち真正面から特攻する気か?!)

魔王「暗殺って…ねぇ?」

戦士「そんな…ねぇ?」


戦士・魔王「「回りくどいのはなしで行こう!」」

魔法(このままじゃ…なんか身の危険を感じる!)
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 18:51:08.88 ID:VhPy/EYL0

魔法「だめ!国王様を殺すんです…それこそ、本当に犯罪者になるんですから、
顔などを見られてはいけません」

魔王「このターバンで顔をお負い隠せば…いけません?」

戦士「なら銃ももって…」

魔法「だれがテロリストになるんですか!」

戦士・魔王「「?!」」ビシッ

二人は両手の親指と人差し指だけを立て、
魔法使いを指す。

魔法「な、なんですか…その一昔前の芸人みたいなのは」

魔王「いや、なかなかツッコミがうまいと…魔王は思うんですよ」

魔法「そういえばなんで戦闘中だけタメ口で普段は敬語なんでんすか?…いや、私にだけですかね?」

魔王「う〜ん…あれですね、落ち着いている時は敬語、戦闘中みたいに気が立っているときはタメです」

戦士「普段もタメだよな?」

魔王「魔王はいつでもフリーダムなので」

戦士「なるほど」


魔法「……え?!今ので納得したんですか!」
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 18:54:58.25 ID:VhPy/EYL0
戦士「そんなのどうでもいいだろ…それに、なんかさっきから見られてる気がするんだ」

魔法「また唐突に…そんなじょうだ──」

ガサガサ

魔法「?!」

魔王「また兵士!?」ザッ


ヒョコッ

茂みから出てきたのは一匹の魔物…の赤ちゃん。

戦士「なんだ?…羽の生えたトカゲ?」

魔王「り、竜族の子供ですね…なんでこんなところに…」

ガサガサ

茂みから出てきたもう一匹の魔物。

「あぁ〜…こんなところにいたのね」

竜赤ちゃん「がーー!」

竜母「あらあら……ん?」

戦士「   」

魔法「   」

魔王「あれ?竜王の…奥さん?」

竜母「あら、魔王様?!なんでこんなところに」

魔王「それはこっちが聞きたいよ!」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 18:59:22.73 ID:VhPy/EYL0

竜母「えっとぉ…すこしお散歩に出たら…迷子になっちゃって〜」ウフフ

魔王「あぁ、竜王が言ってた気がする『嫁と娘が実家に帰った!』て」

竜母「実家に?…そんなわけ無いでしょー」ウフフ

魔法(……でかいトカゲが…)

戦士(ひらひらのついたピンクのエプロンして、口には赤い唇つけて…)

魔法・戦士((魔王と世間話している?!))


竜母「で、ここはどこだか知っています?」

魔王「人間界の中央…ど真ん中だ」

竜母「えぇーー」オドロキー

竜赤ちゃん「がっがー!」バサバサバサ

魔法(あ、羽動かしてる…可愛い)

竜赤ちゃん「がー!がっがっがー!」ヒョコヒョコ

魔法(きたー!こっちきた!)

竜赤ちゃん「……が?……」

魔法「なーに?」

しゃがみ、赤ちゃんの目線に合わせる。
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 19:05:34.65 ID:VhPy/EYL0

竜赤ちゃん「がー!がっがーががー!」

竜母「ま!この子ったら!『下等な人間が俺に跪いた』なんて!…どこでそんな言葉覚えたの!」

魔法「   」

魔法使いの精神的ライフポイントのゲージは空っぽ寸前んまで、
一気に削られた。
すると、戦士が魔法使いの肩に手をポンッ、と置き。

戦士「…この子も魔族…可愛くとも腹黒いんだよ」

そう言って竜赤ちゃんを抱きかかえた。

戦士「……」ニコッ

竜赤ちゃん「?!」ゾクッ

戦士「……」

そのまま竜赤ちゃんを下ろし、竜母の元へ返す。

竜赤ちゃん「……」ガクブルガクブル

竜母「?どうしたの〜?」

魔王「ま、魔王が転移魔法で送り届けてあげるよ」

竜母「わざわざありがとうございます」ペコッ

ポンッ、と竜母のお腹に手を当てる。

魔王「…転移、火山の洞窟!」

シュンッ

魔法「……竜…こわい」ガクッ

戦士「はは」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 19:14:13.62 ID:VhPy/EYL0

魔王「さて、これからどうしますか」

魔法「一体この会話何回目ですかね」

戦士「とりあえず国に入って、宿でもとろうか」

──国の入口───

兵士1「……」

兵士2「……」


魔王「にしてもでっかい街、いや、国ですねぇ〜」ホエー

戦士「まぁ世界一の国だしな」

魔王「宿代足りますかね?」

魔法「ほかと変わりませんよ、景気がいいからこっちのほうが安いかもしれませんし」

魔王「ほぉ、すごいねー」

喋りながら進む三人を、
門番の兵士二人が槍をクロスさせて、道をふさぐ。

兵士1「とまれそこの三人」

兵士2「貴様達はこの国に何しに来た?」

戦士「え?野宿はいやだから宿を…」

兵士1「…入りたくば身分を証明するものを示せ…」

魔法「随分と警戒態勢ですね…何かあったんですか?」

兵士2「部外者に教えることはできん」

魔王「……しょうがない」

戦士「だな」

魔法「ですね…しょうがないです、今日は野宿を──」

戦士・魔王「「強行突破だー!(です!)」」

魔法「なんでー!!?」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 20:46:00.39 ID:VhPy/EYL0

兵士1「っ!お前ら!やっていることがわかっている──ゲフッ」

戦士「…みぞおちだ」

兵士1「みねうちじゃ…ないの…か」グタリッ

兵士2「っ!すぐに戻ってくるからな!」スタタタタ

戦士「逃がすか!」ダッ

バシュッ

戦士「?!」

魔法「上から矢?!」


兵士3「…行かせないぞ!」シュッ


バシュッ

戦士「っ!」

ガキンッ
飛んできた矢を剣でかわす。
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 20:50:11.67 ID:VhPy/EYL0

兵士3「まだまだ!」シュバシュバシュバ

戦士「はぁああ!」キンキンキンッ!

兵士3「うそ…だろ!?」

魔法「眠れ!スリープ」ポワンッ


ポワワワンッ

兵士3「くっ!…魔法か……」バタッ

兵士3「スゥー…スゥー…」Zzz
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 20:55:55.57 ID:VhPy/EYL0

魔王「街の方から人がいっぱい走ってくるよ」

戦士「っ!逃げるぞ!」

魔王「魔王が蹴散らそうか?」

戦士「……いいかもな」

魔法「だめだって!どのみちこの国にはいられないでしょ!」

戦士「それもそうだ」

魔王「…よし逃げよう!」ダッシュッ

戦士「あ、待て!」スタタタ

魔法「まったく…」フワッ

魔法「待ってくださいよぅ!」スゥゥ
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 21:07:10.39 ID:VhPy/EYL0

騎士団長「…確かにいたんだな?」

兵士2「は、はい!」

騎士団長「…たしかに兵士1が倒れているな…(鎧が凹んでいる…そこまでのチカラで殴られたのか)」

騎士団長「お前ら!あたり周辺を探索する!」

騎士団『はい!』

騎士団長「お前は再びここの警備を…何かあったら閃光弾を打ち上げろ」

兵士2「は、はい!」



騎士団長「…一体何者だ」
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 21:15:04.95 ID:VhPy/EYL0

───

魔王「…ここまで来ればいいのでは?というか魔王は疲れました」

戦士「軟弱だな」

魔王「む、そいう戦士さんも息をだいぶ切らしているようですが?」

戦士「……」スウゥハァ

戦士「どこが?」キリッ

魔法「もぅ、二人共早いですよ〜」スゥゥ


戦士「なんでお前だけ飛んでるの?」

魔法「体力ないもので」

魔王「ずるです」

戦士「あぁズルだ」

魔法「えぇ〜」


「貴様達…何者だ!」


戦士「あ?」

魔法「うわ、またこの感じ…」


騎士団兵士1「貴様たちか!先程我が国の兵士を倒したのは!」チャキッ

戦士「…私たちィ〜この森にキャンプに来てるんですぅ〜」
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 21:18:22.33 ID:VhPy/EYL0

魔法「…へ?」キョトンッ

騎士団兵士1「…そうなのか…これは済まなかった。だが、
ここら辺には今ものすごい危険な人物が潜んでいる…気お付けてな」

魔法「え、あ、あぁ…はい」

魔王「うんー!」ロリロリ

魔法(うわ、ちっさくなった)

戦士「ご忠告ありがとうございますぅ〜…今日中には帰ります〜」

騎士団兵士1「あぁ…では」スタスタスタ



戦士「馬鹿頽良かったな」

魔王「全くだね」元通り

魔法(私は貴方達がこわいです)

271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 21:26:51.44 ID:VhPy/EYL0


騎士団兵士1「異常ありませんでした!」

騎士団長「そう…ん?貴様、誰かと会ったのか?」

騎士団兵士1「え?」

騎士団長「私は鼻がいいんだ…知っているだろう。貴様からほかの者の臭がする」クンクン

「でたよ、団長の犬鼻、いや、地獄鼻」ヒソヒソ

「それにしてもあの団兵士1にも春か?」ヒソヒソ

騎士団長「それに…この臭は」クンクン

騎士団長「間違いない…兵士1と兵士3をやったものと同じ匂いだ」

団員達「?!」

騎士団兵士1「そ、そんな!……はっ!…ではあの娘たちが?」

騎士団長「誰かと会ったのだな」

騎士団兵士1「はい!」シャキッ
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 21:34:50.19 ID:VhPy/EYL0

騎士団兵士1「先程森の入口近くに三人の娘がおりました!」

騎士団長「娘…男はいなかったのか?!」

騎士団兵士1「いえ?…男はいませんでした」

騎士団長「…ほぅ、女の力であの二人を…ふふ…フハハハハ!面白くなってきたじゃねぇか!」

騎士団兵士2「団長!」

騎士団長「あ?」ギロッ

騎士団兵士2「っ!…西の国付近で事件があったもようです!」

騎士団長「そんなのは今はどうでもいい!…自警団にでもやらせておけ」

騎士団兵士2「それが…娘三人も同時に目撃されていて」

騎士団長「…その事件はいつの話だ?」

騎士団兵士2「は!…一昨日の夕方頃とのことです」

騎士団長「で?事件内容は?」

騎士団兵士2「村人の惨殺…だそうです」

騎士団長「…そのことは軍の長に話しておけ、私がおっている娘ではない」

騎士団兵士1「失礼ですが、何故ですか?確信は」

騎士団長「直感だ……それ以上に何がいる」

騎士団兵士1「は?」

騎士団長「いい事を教えてやる。…戦場で信じるものは一つ…己の直感だ」

騎士団兵士「…は!勉強になりました!」

騎士団長「…これより我ら聖騎士団は新たな任につく!」

団員「はっ!」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 21:42:00.66 ID:VhPy/EYL0

魔王「…にしてもどうするの?国にすら入れないんじゃ」

戦士「もういっそ魔王の魔法で国後とばーん!…とか」

魔法「断固反対です!あそこは私の故郷です!しりあいもいます!…そんな所を壊させるなら…
私が全力で阻止します!」

魔王「魔王に勝てるとでも?」スッ

目を細め、魔法使いのことを見つめる。
その目には光がない、全てを見透かしているように澄んだ黒の瞳。
そしてその目に見つめられた魔法使いは全身が凍りつく感覚に陥る。

魔法(?!な、何…この殺気……!)ガクッ

膝から地に崩れ落ちるように倒れこみ、
手をつく。

魔法「……そ、それでも…私は……!」グググ

膝に手をつき、必死に起き上がろうとするが、
片膝が地から離れない。

魔王「………ま、私も仲間の故郷を壊しはしないよ」ニコッ

笑う魔王、だが魔法使いはその笑顔が怖かった。
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 21:55:47.84 ID:VhPy/EYL0

──夜───

騎士団長「…我らは今から奇襲をかける…ただし、娘三人だからと油断するな…いいか!」

団員「は!」

騎士団長「我らが国を脅かす賊を退治する!」

騎士団長「では…各自指定の位置につけ!」

ゾロゾロゾロ



騎士団長「ふっ…私の好敵手になり得る存在であることを願っている…フハハ…フハハハハ」


275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/11(月) 22:06:53.88 ID:VhPy/EYL0

今日は終わります
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:41:45.72 ID:QW6kuCBKo
乙でした
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/21(木) 15:58:46.90 ID:pJsooMSW0

魔王「…なんでここなの?」

魔法「ここしか安心していられる場所ないんですよ」

戦士「昼間戦ったところが一番安心できる……なんか不思議だな」

魔王「まぁ月が映る湖は綺麗だけどね」

戦士「かゆ!」

魔王「はぁ?!」

戦士「なんかそういうロマンチック?みたいな?『月が…きれいだね(キリッ)』みたいなの俺にがて!」カイーカイー

魔王「なにさそれ!」

魔法「まぁまぁ、本当に月が綺麗なわけですし…いいじゃないですか」
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/21(木) 16:04:10.48 ID:pJsooMSW0

ザザッ

『…貴様達』

魔王(なんかデジャヴな予感)

戦士「はい?」キャピッ

騎士団長「………ここで何を?」

戦士「…き、キャンプを…」スッ

騎士団長「剣は!……しまってもらおう」

戦士「っ!」ギリッ

騎士団長「…どうやら、力の差はわかるようだな……どうだ?我らと一緒に国に来る気はないか?賊共」

戦士「……な、なんのことだかー私わかんなーい」キャピッ

騎士団長「とぼけると…ここで死ぬことになるぞ」キッ

三人「?!」ゾクゥゥッ!
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/21(木) 16:07:11.39 ID:pJsooMSW0

魔王「わ、私は!私はこの人たちに無理やり連れられてるだけです!」

魔法「な?!(ま、魔王が裏切った!)」

騎士団長「……いいだろう、貴様は国に入れてやる。何もしない、保証しよう」

騎士団長「だが!……お前らふたりは指名手配犯……だろ?」

戦士「っ!…何が目的だ」

騎士団長「交渉…今はな」
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 17:54:07.02 ID:YFF+Nwqy0

戦士「今…は?」

騎士団長「貴様らがこの交渉を蹴れば、戦いになる…という意味だ」

魔法「一人で何ができると!」

騎士団長「…私が一人だと……いつから錯覚していた?」

ザザッ

ザザッ


騎士団『やっ!さーっ!』ビシィィッ


魔法「ほ…ほぇ」

騎士団長「…フハハ…で、交渉は…もちろんうけるよな──」

戦士「丁重にお断りさせていただきますぅっ!」ザッ

姿勢を低くし突進する。

騎士団兵士2「させるかっ!」
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:02:25.47 ID:YFF+Nwqy0

ガキンッ

戦士「……邪魔だ」キッ

騎士団兵士2「その眼…いい目だ!」

ザンッ

戦士「クッ…!(なんて力だ…俺が押された)」

魔法「地、揺れろ!」

グ……

魔法「ま、魔法が?!」

騎士団兵士6「俺たち二人でやっとのちからか…恐ろしい嬢ちゃんだ」

魔法「っ」ピクッ

騎士団兵士5「いっきにたたみかけ──」

魔法「…れが……だ」

騎士団兵士4「あ?」

魔法「…誰…が……嬢ちゃん……だと」ギラッ

騎士団兵士4・5・6「「「ひっ?!」」」

魔法「…私は……いや、俺は男だ…」フワッ

魔法使いの髪の毛が逆立ち、黄色く色が変わる。

騎士団『スーパーサイ○人?!』
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:04:50.03 ID:YFF+Nwqy0

魔王「なっ?!魔甲?!……な、なんで君まで!」

魔法「ふふ…フハハ……私は男だぁああ!!」バタッ

魔法使いは気絶した。

騎士団兵士4「……え」

騎士団兵士5「……お」

騎士団兵士6「な、なんだか知らねぇが…捕えろ!」

騎士団『おう!』


魔王「っ……!(させない!)」

騎士団長「させないよ…」スッ

魔王(?!…背後、いつの間に…!)
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:08:24.81 ID:YFF+Nwqy0

騎士団長「ふふふ(ロリロリロリロリロリロリロリ)」

魔王「?!」ゾクゥッ


戦士「はいやっ!」スンッ

騎士団兵士2「いいねぇ!その調子その調子!」ハハハ

戦士「っ!(コイツ全くやる気がねぇ…遊んでやがる!)くそがぁ!」

騎士団兵士2「あ?…誰が糞だゴラァ!」

ドムッ

戦士「クハッ!」

騎士団兵士2「だぁれがくそだぁ?!このあまがぁ!」ザンザンザンッ

ガキンガキンガキンッ

戦士「っ!」
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:13:09.80 ID:YFF+Nwqy0

騎士団長「君には…僕と一緒に来てもらいたい…いいよね?」ニタァ

魔王「…断れば?」

騎士団長「無理やりにでも」ニコリ

魔王「できるものならやってみな…人間風情が」ゴォッ

騎士団長「へぇ…魔力の量が半端ないね」

魔王「それだけか?」

騎士団長「首元に剣を突き立てられて兵器でいる方がおかしいんじゃない?」

魔王「……誰が、誰の首に、何を……突き立ててるんだい?」

フワンッ

騎士団長「?何を行ってい──なっ?!…なんだ…と」

騎士団長「お、俺の首に…剣?!」クイッ

魔王「動いたら…わかるな?ロリコンのお兄ちゃん」

騎士団長「っ!…誰だお前!」

魔王「……あれ?!姿戻ってる!?」
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:19:18.07 ID:YFF+Nwqy0


騎士団長「隙有り!」

魔王「っ!…お前」

騎士団長「幻惑魔法…私は少し対処法を知っていてね」

魔王(…目をつむっている)

騎士団長「気配…それだけで十分」

魔王「なら!身を映せ!霧散」サッ

霧がその場にいたすべての人々を覆っていく。

魔王「これでどう──」

騎士団長「ここだっ!」ザンッ

魔王「なんでわかんだよ!」スンッ

騎士団長「…匂い!鼓動!気配!…これを覚えた」

魔王「きも」

騎士団長「うるさいっ!」ザンザンッ

斬りかかると同時に団長の背後から剣がもう一本現れ、

団長もろとも斬り裂く。

魔王「?!…背後から剣…!」ガクッ

騎士団長「?!……   」バタッ

286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:22:59.77 ID:YFF+Nwqy0


戦士「っ!どこだ!…何だこの霧は!」

騎士団兵士2「ここだよっ!」

戦士「!…はっ!」ザンッ

騎士団兵士2「残念…それは残像!」ザンッ

戦士「カハッ!」ガクッ

ヒョイッ

騎士団兵士2「貰ったっ!」ニヤッ

戦士「…」

騎士団兵士2「…!」ピタッ

騎士団兵士2「お前…剣は何処にやったんだ?」

戦士「…」

スッ、と上を指差す。

騎士団兵士2「…上?」フイッ
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:27:13.92 ID:YFF+Nwqy0

上を見上げた瞬間、騎士団兵士2の体を、空から降ってきた剣が真ん中から

真二つに切り裂いた。

騎士団兵士2「   」ボタッ

戦士「我流…」スクッ

戦士「落とし斬り」ドドンッ

==

魔法「…ん……んぁ?」スクッ

魔法「私は…一体?」

ザッ

魔法「?!(て、敵?!てかこの霧なに!?何も見えない!)」

?「…る……を……き……」

魔法「?!(い、今…あの人──を切るって……)」バタッ

魔法使いは再び気絶した。
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:29:13.42 ID:YFF+Nwqy0

魔王「……誰だ」

?「…斬る」スゥ

魔王「っ!」

?「死ね…『勇者』よ!」

魔王「?!」

ザンッ

────
───


勇者「…ごめん、ちょっとまって」

魔王「はい?」

勇者「勇者って……誰?」

魔王「魔王のことだよ?」

勇者「……話の中で説明してね」

魔王「わかった」
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:34:00.79 ID:YFF+Nwqy0

===

魔王「何者だお前!」

名無し「名などはない」

魔王「はぁ?」

?「…無に帰れ…勇者!」

魔王「はいやっ!」

トスッ

?「ウガッ!」

魔王「汝精霊の加護を断ち切り無なる者となりたまえ!」ピカァアァッ

精霊「……精霊のかごなど…精霊の私には通じない!」

魔王「?!精霊!?」

精霊「貴様は危険だ…故に消すと我らのあいだできめたのだ!」ザンッ
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:37:28.21 ID:YFF+Nwqy0

魔王「『我ら』?」

精霊「我らの精霊の主…そして大精霊の方達がこの世に不要と決めた…よって消す!」

魔王「っ!魔より生まれるは常闇の渦…吸い込め!」

精霊「無駄だ…お前にはもう魔法は使えない!」

魔王「っ!…こうなったら」

精霊「?…無駄なあがきはよせ…楽に逝かせてやるから」

魔王「…お断りです」スウゥ



魔王「なんせ魔王は魔王ですから…ただで殺られるのは無理なんです!」
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:41:41.39 ID:YFF+Nwqy0

精霊「ほう…そんな幼体で私に勝てる…と?」

魔王「小回りが利く…これ基本ね!」シュンッ

精霊「消え─いや…………上か!」

魔王「一歩遅い、『今は』後ろだ!」トンッ

魔王「はぁっ!拳底波!」

ドンッ!

精霊「っ!」

魔王「…ふぅ…手のひらに魔力を溜め、一気に放つ…殺傷性はなくともダメージはかなりあると思いますよ」

精霊「っ!魔族の勇者風情が!こしゃくな!」
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/22(金) 18:44:55.32 ID:YFF+Nwqy0

魔王「それは過去の話…!」

精霊「火の大精霊の加護を受けし刃は何者もを焼き尽くす灼熱の刃とかし全てを焼き払う!」ゴウッ

細い剣の刃部分が赤く輝き、炎を吹く。

精霊「燃え散れ!!」ズボワゥッ

魔王「…遅い…遅すぎるよ!」


====


戦士「……なんだあの赤い光」


====
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/22(金) 21:25:51.47 ID:4jg4IdwOo
乙でした
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 18:36:27.29 ID:ajBcPdEI0

精霊「魔族お得意の技ですか…見飽きてます」

魔王「魔王使用の特別バージョンだ!」ブゥンッ

魔王の足が精霊の顔のさらに上まで振り上げられる。

そしてそのまま足は一直線に精霊の脳天を突く。

ガンッ

精霊「っ!」

魔王「…じ、丈夫だね」

精霊「燃えろ!」

火を噴く剣が魔王の首筋を狙う。

ガウィンッ

魔王「…!」

戦士「よぅ…何してんだ、こんな相手に」

精霊「…新手…邪魔だ!」

ジュウゥゥ

戦士「っ!剣が溶けていく!」

精霊「炎に勝てるものか!」

魔法「なら水をかければいいです!」

空に立っている、浮いている魔法使い。
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 18:42:57.33 ID:ajBcPdEI0

精霊「また…!」

魔法「水よ、沸き上がれ!」

ブクブクブクッ

水の球体が魔法使いの足下に膨らみながらその量を増やしていっている。
そしてひとつの巨大な水球体ができあがる。

魔王「水が…空中に」

戦士「…あれ、これ俺たちも巻き添え──」

魔法「落ちろ!」

ボシャァァンッ、という音と共に高熱の鉄が一気に冷めた、ジュゥゥゥウ、
という音が鳴り響く。

戦士「アババババ!」

魔王「っ……あ、濡れてない」

戦士「……」ビショッ

精霊「   」グッタリッ


魔法「勝利です!」キリンッ

魔王「釈然としないよ、魔王は」
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 18:47:17.78 ID:ajBcPdEI0

魔法「でも勝利は勝利ですよ…現にこの…人?は気絶してるわけですし」

魔王「…まぁ、確かに?」

戦士「それより俺まで濡らす必要はあったか?俺まで濡らす必要はあったか?
大事なことだから二回言ったぞ」

魔法「…あ、いたんですか」

戦士「いたよ!鍔迫り合いずっとしてたよ?!見えたよね?絶対見えてたよな!?」

魔法「…視力は1,5です」

戦士「見えてたな!その視力の良さは絶対見えてるよね!?」

魔法「見てませんでした」

戦士「まさかの?!」

魔王「なんでいきなりツッコミキャラなんですか?」

戦士「……なんでだろ」

魔法「頭冷やしすぎておかしくなっちゃったんですよ…多分」

戦士お前のせいだよー!…お前のせいだよー!」

魔王「…戦士は冷えるとおかしくなる…と」カキカキ
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 18:51:06.73 ID:ajBcPdEI0

精霊「っ…人間…が…我らに…歯向かうか…!」

戦士っ!まだ息があったか」

魔法「そもそも死んでないですよ、気絶です」フワッ

精霊「…覚えていろ…魔界が勇者、…いや、今は魔王か……今はひこう」

戦士「逃がすか──」

魔王「戦士さん!」

戦士「……ッ!」
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 18:57:26.44 ID:ajBcPdEI0

精霊「……」シュボッ

一瞬強く光ったあと、そのまま這って去っていった。

====

魔王「……これは」

騎士団『  』

騎士団長『  』

▼ヘンジガナイタダノシカバネノヨウダ

魔法「…眠れ…安らかに」

魔王「……」

魔法「地よ、彼らを包み込め…『グレイヴ』」

ゴゴゴゴ、と地面が揺れ、亡骸が地面に吸い込まれるように沈んでいく。
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 19:02:16.43 ID:ajBcPdEI0

ザザッ、茂みが鳴る。

戦士「?!」

魔王「……うさぎか何かですかね?」

戦士「うさぎか……夕飯は決まりか?」

魔法「食べるんですか?」

戦士「食うところもあるらしい…イルカでさえくうらしいぞ?」

魔法「あんなキュートなのを…」

魔王「魔界ではね──」


『いやぁあああぁぁぁあぁああ!!』

魔王の魔界料理の話で、
戦士と魔法使いの悲鳴は一晩中続いた。

結局三人は一週間食欲がおきず、何も食べなかった。(魔王も自分の話で気分を悪くしました)
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 19:06:52.26 ID:ajBcPdEI0

───


勇者「…結局なんなの?魔界の勇者って」

魔王「人間に勇者、つまり君がいるように、魔界にもいるんだよ」

勇者「…へぇ(話の中でわかってないじゃん)」

魔王「何か言いたげ?」

勇者「あ、いや……そうそう、なんで魔王やってんの?勇者なのに」

魔王「下克上!」

勇者「……殺したの?先代」

魔王「いや、逃げた…口だけのダメ王様だったから、賊のフリして乗り込んだら
大臣とかを縦にして逃げていったよ…だめだね、あの王様」ブツブツ

勇者「あ、あはは……」
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:07:53.22 ID:ajBcPdEI0

勇者「で?そのあとはどうなったの?」

魔王「えっと……どうだっけ?」

戦士「どうだったかな〜、俺は国王殺しをあっさり諦め、この国に移住してきたからね」

勇者「あっさりだな、俺の意思を継ぐんじゃないのかよ?」

戦士「意思ついで人殺しなんて嫌だね」

勇者「ごもっともで」

魔王「でも魔法使いはやろうとしてたよね?『あの国王は家族の仇だから』て」

勇者「…そういや魔法使いは?」

魔王「えっと…どこ?」

戦士「ここ何ヶ月かきてないかな〜」

魔王「…前会ったときは妙にボロボロだったよね」

戦士「そうそう、なんか魔界への道がわかった!…なんて言ってたよ」

勇者「魔界?…それなら入口もなにも普通に──」

魔王「それは人間世界の魔族が住むところね…今言ってる魔界は魔族だけがすむ、本当の魔界」

勇者「…ほぅ」
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:11:19.99 ID:ajBcPdEI0

魔王「もともと魔族と人間は別世界の住人同士なんだよ、そのくらいは知ってる?」

勇者「初耳」

戦士「あ、俺も」

魔王「戦士には前に話したよ…四回も」ゴゴゴ

戦士「……さ、風呂はいってこよ…勇者は?」

勇者「俺は魔王の話を聞いてるよ」

戦士「だって、勇者に話してやれ〜」ソソクサ
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:15:57.94 ID:ajBcPdEI0

魔王「はぁ、まったく」

勇者「よろしく」

魔王「はいはい」



魔王「昔々あるところに悪い魔王と良い魔王がいました」

魔王「悪い魔王は独裁を好み、民を縛り付けました」

魔王「そして良い魔王はそんな悪い魔王の考えを否定しました───」

────
───
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:22:16.86 ID:ajBcPdEI0

善「悪魔王!」

悪「だれが悪魔の王だ!」

善「いや、お前が悪の魔王だから悪魔王な訳でだれも悪魔の王なんて言っていない」

悪「……で?何だ?」

善「お前の独裁は間違っている!」

悪「唐突だな…で?どこら辺が間違っているというのだ」

善「全てだ!」

悪「っ!貴様!我の考えを全否定か!?」

善「だってお前は民を縛り付け、自分の、自分だけの自己満足の国を築こうとしている!
それが民を収める王のやることか!」

悪「それならば貴様もだ、偽善の魔王よ!お前は共和などと甘いことを…国とは治める者がいて
初めて成り立つ物、それが貴様ときたらなんだ…共和、『これからは自分で国を作る時代!』
などと」

善「あ、それこないだのえんせつ…聞いてくれたんだ」

悪「う、うるさい!…それより、お前の考えだと国はなりたたん!そのうち滅ぶぞ!
だから私は独裁という名の統率国を作ろうとしているのだ!」
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:25:20.72 ID:ajBcPdEI0

善「……感動したよ」

悪「お前俺のこと否定してたのにあっという間に切り替わるんだな…いいのかそれで?」

善「いいも悪いも……俺もお前の考えに賛同するよ!これからは独裁だな!」

悪「あ、あぁ……(やばい、なんかコイツのヤバい所に火をてんかしちゃったかも)」

善「さっそく俺は国に戻り独裁してくる!」シュンッ

悪「あ、ちょ………」



側近「あーあ…やっちゃった〜」

悪「うっ」グサッ

側近「あれであの優しくてなんでもすぐ信じちゃう
良心王は悪の独裁魔王に変わって民を苦しめるんだなー」

悪「うっ!」グサグサ
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:31:23.90 ID:ajBcPdEI0

善魔王の国──

善「…民たちよ!」

民達「「「??」」」

ドヨドヨドヨ

善「これからは私の言うとおりに動くのだ!逆らう場合は死刑だ!」

ドヨドヨドヨ

善「今から喋ったものは死刑!」

……シーンッ

ハックションッ

善「いまくしゃみしたもの死刑!」

ボォォンッ

キャーー!

善「悲鳴あげたもの死刑!」

ボッォォォンッ
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:34:10.02 ID:ajBcPdEI0

悪「……」

側近「善魔王様の国の大半は死刑になったそうです」

悪「…これは」

側近「完全に魔王様の所為ですね」

悪「ううぅ」グサグサグサッ

側近「それに」スッ

悪「ごめん、それ以上刺さないで…てかその手に持ってるの完全に本物だよね?」

側近「一発痛い目見てもらわないと…ね✩」

悪「やめろぅ!」
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:36:29.11 ID:ajBcPdEI0

三日後──

側近「この三日でさらに半分…そろそろ『責任』…とったほうがいいですね」

悪「…私が説得してみる…ダメなら…」

側近「今はいい結果だけを考えましょう…悪い方に考えてはだめです」

悪「あぁ…行ってくるよ」シュンッ



側近「…魔王様の椅子…すわってみたかったんだー✩」
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:44:55.39 ID:ajBcPdEI0

善魔王の国──魔王城謁見の間──

シュンッ

悪「…善」

善「ん?悪じゃん!どうしたの〜?」

悪「今すぐ独裁をやめろ」

善「……なんだよそれ」キッ

悪「っ!」ゾクッ

善「僕に独裁を正しいといって、いざ僕がやり始めると何?独裁をやめろぉ?」

善「…僕何か間違っている?」

悪「全てだ!」

善「…ほぅ」

悪「お前のは独裁でもなんでもない!ただのじこまんぞくだ」

善「あはぁ、それ僕の言葉じゃぁん」

悪「そうだ!そうだよ!…お前のはただの自己満足、独裁でもなけりゃ当然共和でもない
ただの殺しだ!」

善「っ…君は僕のやり方が気に入らないだけだろ?」

悪「お前この四日で何人殺したか覚えてるか?」

善「えっとぉ……さぁ?覚えてないやぁ、二人?三人くらいかな?」

悪「七万人だよ!お前の国の四割が死んだ、それも!国の主のお前の手によって!」

善「へぇ〜…僕より詳しいね…なんで?」

悪「そんなの新聞みればわかることだ」

善「そっか……」

悪「それにおまえ」

善「少し黙ってくれる?」

悪「いいや、黙らない、お前が殺したひとびとの──」

善「黙れって言ってんだよ!」キッ

悪「?!」

善「ここは僕の国だ…僕に逆らうのは…許さない」
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:49:01.46 ID:ajBcPdEI0

悪「っ!」シュンッ

悪魔王の国──

シュンッ

悪「っ!」シュタッ

民「ま、魔王様!」シャガミッ

悪「…たみの者たちよ!」

ガヤガヤ

悪「この国は時期に戦火の中心になる…私は戦う!お前達民は逃げろ!」

ガヤガヤガヤ?〜〜!

悪「今まで色々としてきた…スマナイ…だが俺はお前たちを傷つける気はなか──」

シュンッ

善「逃げるなんてひどいじゃないですか!」

民1「あ、善王さまだー」

民2「私たちをすくってくださるんだ!」

悪「っ!逃げろおまえら」

民3「うるせー!お前みたいな非道な王になんか従うか!」

善「すこし黙ってください」ニコッ
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 21:53:15.27 ID:ajBcPdEI0

ザシュッ

悪「〜〜!?」

民4「……!!!!きゃーーー!」

悪「ここは俺の国だ!お前の国じゃない……殺すな!」

ザシュッ

民4「  」

悪「や、やめろ!」

キャーーーー

シュンッ

側近「なんですか騒がしいで──」

善「うるさいです」スッ

側近「っ!?」

ザシュッ

善「?!」

悪「っ…大丈夫か!」

側近「え、…ま、魔王様!?その手」

悪「いいか!この国の民をひとり残らず、死体も全て国の外へ逃せ!いいか!」

側近「え、え?」

悪「…最後の命令だ…聞いてくれ」ニコッ

側近「キモいです」

悪「ころすぞ」

側近「……」

善「……」ニタァ

悪「…ハァ…ハァ」
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 22:09:53.49 ID:ajBcPdEI0

側近「湖の別荘で…まっています!」

===

悪「…善…ごめんな、俺がへんなこと教えたばかりに馬鹿なお前は信じちまった!」

善「…失望しました。貴方のことは尊敬していた…なのに、こんなによわいだなんて」

悪「……!」キッ

善「さぁ!僕を導いてください!」

────
──
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/23(土) 22:10:31.65 ID:ajBcPdEI0
おやふみ
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/23(土) 23:39:53.62 ID:15ZJ/+u8o
乙でした
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 18:28:45.59 ID:ieymcBJu0

魔王「そして二人はたたかった…一ヶ月ものあいだを…ひたすら」

────
───


悪「…王手だ」

善「っ!?…そんな……まさか」

悪「…飛車は強い…」

善「……完敗だ」


───

魔王「将棋で」

勇者「渋!いや、ショボッ!なぜそこ将棋?!そこはバトルでいいだろ!?」

魔王「そんなの知らないよ」

勇者「てか、それ何の説明?関係ないよね?」

魔王「ま、ここまでは余興だよ…ここからが本番さ」
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 18:34:49.08 ID:ieymcBJu0

善「…認めません」

悪「往生際が悪いぞ!引くときは引け。負けは負けだ」

善「…認めない」ゴゴゴ

悪「っ!」

善「イカサマは認めません!」

悪「なっ!イカサマなど!(なぜバレたー、幻術魔法で見えなくしたはずなのにー!)」

善「…イカサマなしのバトルです…」

悪「お、おい…ちょっと待て」

善「魔族…なめたらあっかん〜」

悪「俺も魔族だし!」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 18:38:24.49 ID:ieymcBJu0

善「貴方は間違っている!私の独裁こそ世界が平和になる独裁だ!」

悪「そんな独裁あってたまるか!」

善「光よ!形を変え、全てを刈り取る光の鎌となれ!」

善の手を中心に光りが発生する。

悪「っ!魔法か(魔法苦手なんだよな…)」

善「その命…刈る(狩る)」
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 18:44:23.61 ID:ieymcBJu0
悪「っ!地這う蛇は汝を縛る!」

地面が善の体に巻き付くように形を変えていく。

善「炎よ我を包め!」ボワンッ

巻きついていた地がボロボロと崩れ落ちる。

悪「っ!炎の熱で地面の水分を蒸発させ脆くして威力を消したか」

善「説明してる暇があれば魔法を鍛えてはどうです?!はぁ!」

ザンッ

悪「っ!…こうなったら!」

善「何か策が?…無駄ですよ!」

善「光りの鎌は何時を裁く!」



悪「魔力開放…リミッターを一から四まで解除……魔導甲羅発動…モード──」シュンッ

善の振り下ろした鎌は悪の体をすり抜ける。

否、悪の残像を切り裂いた。
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 18:50:28.48 ID:ieymcBJu0

悪「…モード『破壊』(デストロイ)」

善「っ!?(後ろ?!いつの間に!)」

善「は!」

突如体勢を前に倒し、足を後ろに蹴り上げる。

悪「…蛇を払うは邪…消えろ」スッ

善の蹴り上げられた足を軽く弾くと同時に善の片足が消し飛ぶ。

善「……っ………えぁ…あうぇぁぉうほういぇ?!」

言葉にならない。

脚が無くなった事に気づくのに五、六秒かかった。

痛みが遅れてやってくる。
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 18:53:59.19 ID:ieymcBJu0

善「〜〜〜ァ〜!!」

声が出ない。

悪「…加減ができないんだ…許せ」ビチッ

悪の周囲が黄色い霧のようなものが覆い、

霧の招待は魔力。そして魔力同士が共鳴して魔法が勝手に発動する。

善「な…んです…か!…その……魔法!」

自分で自分の傷を治療しながら悪から遠ざかる。

悪「俺は魔法が苦手だ…だから考えた。自分でできないならやってもらえばいい…と」
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 19:02:26.78 ID:ieymcBJu0

悪「そして魔法を使わずに魔力だけを体外に出して気づいた。魔力にも意思があると」

少しづつ遠ざかっていく善へとゆっくり歩み寄りながら語る。

悪「そして思ったよ…自分でできないならやってもらえばいい…そう考えた自分は正しかった!」

ばっ、と手を広げる。

悪「そして気づいた…私は無駄に魔力が高いし多い。だが魔法は苦手。
その欠点を補えるのがコレ!この力…名前は『魔導甲羅』自分自身が導力となり、魔力を作り出す。
そして魔力に魔法を使ってもらう…まぁ自分で魔法の種類を選べないのはアレだが、
魔力を出しているあいだは身体的能力が爆発的に…いや、核爆弾的に跳ね上がる!
これだけで欠点なんてあってもなくても関係無い程に補える!」

ガシッと後ずさりする善の首を掴み、持ち上げる。

善「ひ、ひぃ!」

悪「…お前は悪だ…この世にあってはならない………きえ──」

善「消えろォおォォオォォォ!」

悪「──っ?!」

「ボォンッ」善は悪の顔を掴み、爆発させた。
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 19:07:40.00 ID:ieymcBJu0

善「は…はは……僕は爆発魔法は詠唱なしでできングッ!」

善の首を掴んでいる手が力を増し、さらに首を絞め、

息すら出来なくなる。

悪「…言ったろ…身体能力が上がる…と……防御力は当然上がる。今のお前じゃ何もできねぇよ」

善「っ!光り降れ!」

空が光り輝く。

光の中から無数の光る矢、剣、槍が降ってくる

悪「……」スッ

善を両手で持ち、空にかざす。

善「……え」

「グサッ」「ドサッ」「ザシュッ」などと様々な音と共に善の体は穴だらけになっていく。

善「くぁ〜〜〜!」
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 19:09:59.17 ID:ieymcBJu0

悪「馬鹿か…お前」

善「っ!」ポロッ

いってきの涙が善の瞳からこぼれ落ち、悪の目へと入り込む。

悪「うっ!……何を泣いている」

善「」

悪「……おい…………おい?」

息をしていない。

悪「……ッ!」ガクッ

突然悪が膝から倒れる。
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 19:13:15.56 ID:ieymcBJu0

悪「な、なんだ…っ!うわああぁあぁぁああぁぁぁぁぁぁ!」ガクガクガク

体が震える。

体が熱い。燃え盛る炎の中に投げ入れられたように熱い。

でも体が震える。

寒い。熱い。寒い。熱い。

悪「あ”あ”ぁ”ぁ”あ”ア”ア”ア”ア”」

内側から何かが体を裂いて出てくる感覚。

そして、悪の腹が膨れ上がる。

悪「お、俺は…男……だぞぅ?!」
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 19:16:22.57 ID:ieymcBJu0

ふと先程の記憶が脳裏を過ぎる。

善の涙が体に入り込む記憶。

悪「…善…!」

悪「グハッ」バシャッ

口から血を吐くと同時に何かが飛び出す。

悪「……これ……は」バタッ

ドクン、ドクン、『何か』を掴んだまま意識を失いその場に倒れこむ。
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 19:21:03.85 ID:ieymcBJu0

ピクッ

悪「……ふぅ…やっとリンクしたか」スクッ

悪「まったく…拒絶反応で心臓が口から飛び出ましたよ…文字どうりにね」

溜息を付き、心臓を投げ捨てる。

悪「…さて、僕は…いえ、私はこれから皆の元に行きます…じゃなくて、帰りましょうか…
あぁ!なんで僕がこんな口調をしなければいけないのですか!まったく!……ふんっ!」

投げ捨てた心臓を踏み潰す。

悪「……ふふふ、あなたが悪いんですよtね悪魔王さん」

不敵な笑みを浮かべる。

悪「…あっちだったかな」

そういって側近と民達が向かった方向へと歩き出す。
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 19:25:08.57 ID:ieymcBJu0

───
  湖、悪魔王の別荘
         ───
ガチャッ、と、

ドアを開けて入ってくる悪魔王の姿をした善魔王。

善魔王「只今戻った」

側近「あぁ!おもどりになられましたか!……善魔王!」ザッ

善「…?なぜわかった」

側近「俺の魔王はなぁ!ドアからなんか入ってこねぇんだよ!
みろ!この天井!この天井から毎回落ちてくるんだよ!ばーか!」

善「っ!お前死刑!」

側近「出来るもんならやってみろ…バカ正直魔王め!」
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 21:54:14.94 ID:ieymcBJu0

善「…うるさい…僕に勝てると思っているのか…お前の魔王が勝てなかった僕…いや、俺に!」

側近「…勝てなかった?私の魔王様勝ちましたよ…」

善「?…何を言っている」

側近「あなたがその体に入ったことで勝ちは決まっているんです」

側近「なんせ、私の魔王様の心臓にはスイッチひとつで爆発するんですから!」ババーンッ

善「その心臓ここに来る前に踏み潰したけど」

側近「えぇええ!?」

側近「な、ならなんで生きてるんです!」

善「魔法でどうにでもなるんですよ」ピカァ

善の手から光る鎌が出現する。

側近「っ!」

善「死刑!執行!」

ザンッ
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 21:59:00.07 ID:ieymcBJu0

側近「…っ!」

善の投げた鎌を後ろに体制を反り、間一髪で避ける

善「光りの刃は光を放つ!」

飛ばした鎌が強力な光を放つ。

その光を直二あびた側近の目がダメージを受ける。

側近「うがぁ!」

善「氷柱…出現!」

部屋の空気、温度が下がり、天井、
シャンデリアに巨大な氷柱ができる。
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 22:03:05.15 ID:ieymcBJu0

善「重力よ反転せよ!」

フワッ、と側近の体が浮き上がる。
と、同時に上にある氷柱へと一直線に『落ちる』。

側近「我が身、炎に包まれ守られる!」ボアッ

赤いオーラのようなものが側近の周囲を覆い、
氷柱がその熱によって溶けていく。

善「小癪!」
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 22:09:41.90 ID:ieymcBJu0

善「…試してみるか…魔導甲羅!」ボワッ

善の周りに黄色い霧が発生すると同時に、
バキッ、という音が体内から発生する。

善「っ!?」

側近「その技はやり方を間違えれば死にますよ…魔力開放、リミッター、一から三まで開放!
モード『神速』!」シュンッ

善「早い!」

側近「おらっ!」

下から、善の顎を狙いアッパー。

善「だがみえてい──」

善「グハッ!」

後ろから蹴りを入れられる。

善「なん…だと!?」

側近「あなたが見ていたのは残像…この技を知っているなら経験…ありますよね?」

善「……!」

善は思い出した。
あの時、光の鎌で切りつけた悪の体の事を。
否、悪の残像の事を。

側近「あるようですね…!」スンッ

一瞬にして、善の視界から消える。
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 22:20:58.57 ID:ieymcBJu0

善「っ!…燃え盛れ!…炎庭!」

善の周りから火の手がのび、
一瞬にして部屋のなかは炎に包まれる。

側近「リミッター四と七を開放…モード『竜虎』!」ピタッ

善「(いた!)我が手に集え光の波動…放て!裁きの光り!」

手の中心に集まり、球体となった光がビームのように、
一直線に側近へと放たれる。

側近「竜虎…龍」フワッ

光りスレスレに、背を付け、
善へと近づく。

善「っ!変な動きを!常闇打ち消せ光の砲弾!」ピァァ

頭上に大きな光の球体が現れる。

側近「竜虎⇒龍虎!」スゥゥ

くねくね、とした動きから変わり、一直線に善へ突進する。

善「放て破壊の光!」

光りを側近へと投げつける。

側近「龍虎⇒竜虎…虎!砲虎!」スッ

一回転をして、両手を握り、手の第二関節同士をくっ付け、
光の魔法の球体を殴りつける。
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 22:27:28.14 ID:ieymcBJu0

パリンッ、と音を立て消滅する球体。

善「な…!……魔法を素手で…壊した?!」

側近「いえ、私の纏っている魔力をそのまま魔法を殴り、流し込み
魔法式の中枢、コアを破壊したんです」

善「っ!よくわからんが厄介だ…ころす…」フッ

周りの空気が変わる。

窓が割る、そして粒子になり風にのり消える。

側近「……私の魔王様にはない力ですね」

善「僕みたいな…俺みたいな奴が魔王になるにはある程度力がないとだめなんです」

善「…そして僕の最大の力は、爆発魔法を詠唱なしでできること。
そしてもう一つ……この全てを消す、無の力」

側近「…私は消えてませんよ?」

善「君は強いからね。生き物はある程度ダメージを与えないと消えないらしい」キッ

側近(目つきが変わった…魔王様の顔だからかすごく怖いな)
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 22:30:18.42 ID:ieymcBJu0

側近「でも…負けてらんないよね!」

善「…勝目ないぞ?…一分やる…逃げるなら今時間をやる…どうする?」

側近「失礼します!」シュンッ

その場から一目散に逃げ出す。



善「…お、おう」

335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 22:34:40.15 ID:ieymcBJu0

───


側近「皆の者!」

民達『?』

側近「湖へ飛込ー!」トウッ

そう言って即金は湖に飛び込んだ。
民達はしばらく「何が起こったかわからない」という顔でいたが、
暫くしても側近が湖から出てこないから、救出ということで飛び込んだ。
その飛び込んだ人たちも帰ってこなかったから、次にも何人か飛び込んだ。
その繰り返しで最後の一人も湖に飛び込んだ。

そして誰もいなくなった。
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 22:41:08.33 ID:ieymcBJu0
_____
___
_


勇者「…」

魔王「そうしてこの世界に魔族が来たのでした」

勇者「なんで?!なんで湖に飛び込んだらそうなるの?!」

側近「それは私が説明しましょう」

テーブルの下から顔を覗かし出る。

魔王「…」

勇者「……」

魔王「どっから顔出してんだこの野郎!」ドゲシッ

側近「グフッ!ま、魔王タン…蹴りが強くなって…側近嬉しい!」キランッ

魔王「目を輝かすなー!」

側近「反抗期…お父さん悲しいよ〜」ウウゥ

勇者「話を進めてくれる?」

側近「…誰だァ!貴様!」

勇者「勇者だよ!前にあってるだろ!」

側近「…私が前にあったのはイケメンとは言い難い癖毛で汚い黒の瞳の男で、
君みたいにストレートヘアーの綺麗な茶髪でそんな…………魔眼?!」

勇者「こいつこんなウザかった?それに失礼」

魔王「この二年で神父から色々吹き込まれてなんか…おかしくなった」

側近「ふむ…魔眼か……懐かしいなーコレ作るの俺も手伝ったんですよー」

ガタッ

側近「ほえっ!?」ビクッ

妹「…それは本当か…」ズッズッズ

側近「おほぉ!こっちは『覚醒』までしてー開発者としては嬉しいねー!」アハハハ

魔王「『覚醒』?」
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 22:51:19.33 ID:ieymcBJu0

側近「そうそう。なんでみなさん生きてるんです?」

魔王「ちょちょちょ、ちょっと待て!いろいろわからないぞ」

側近「…経験ありません?いきなり正確とか変わったり…「背後に何か見えたー」…みたいな?」

側近「それを触ろうとすると以上に反応されたり…?」

魔王「…」チラッ

勇者「…あ…る…ねぇ」コクッ

側近「そうそれ!それは『覚醒』した時に現れる…言わば……そう!元々の自我です!
その自我を触ろうとすると反応するのは、その自我がなければ『覚醒』した時の自我も
生きられなくなるから…です」

妹「…」ズッズッズ

側近「そして『覚醒』すると、異様なまでに殺人衝動がでます」

側近「その衝動はターゲットと見たものを消すか、自分が消されるまでは終わりません」

側近「…なんで皆さん生きてるんですか?」

魔王「襲われてないし」

側近「でも覚醒状態は見た?」

勇者「うん」

側近「と…なると………」

妹「…?」ズッズッズ

側近「コントロール出来てます?」

妹「当然…私は完全なる者だ…貴様らの作り出した失敗作の兵士と同じにするな!」

側近「ほぇ〜、なるほど、生き延びた魔眼達から出来た子…つまり暴走しなかった親から生まれた子は
制御できちゃうんですか」

妹「…兄は違った」

勇者「え」
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/24(日) 22:52:50.12 ID:ieymcBJu0
おやすみなさい
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/25(月) 15:21:36.03 ID:zn8Lfl/z0
 
妹「兄は覚醒した…でも制御しきれずに私を襲ってきた」

側近「……なんかよく知りませんが、その話は後ほど…でよろしい?いいよね!」

側近「今日私が来たのはちょっと伝言がありましてね」

魔王「あれ?説明に来たんじゃないの?」

側近「いえ、私が来たら何か懐かしい話などされていたもので、「あ、これはまざろう!」と思い」

魔王「…なんじゃそれ」

勇者「で?伝言ていうのは?」

側近「えぇ、魔法使いと神父様から」

勇者(神父…『様』?)

魔王「ん?魔界への門(ゲート)の話?」

側近「いえ、資金が底を尽きたから追加して…と」

魔王「これからもゲートの調査頑張って…そう言っといて」

側近「了解しました」シュンッ


勇者「金?」

魔王「一週間に一度は請求してくるよ」
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/25(月) 15:24:42.75 ID:zn8Lfl/z0

魔王「しかも十万!…流石に無理だよ」

勇者「何に使ってるんだろうな」

魔王「さぁ、博打じゃない?」

勇者「…あの神父ならありうるな」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/25(月) 23:40:30.93 ID:zn8Lfl/z0

勇者「それより、なんで二人になんか大事そうなこと任せてるの?」

魔王「ゲートからは魔物以上に悪魔が出てきてるからね、聖職者の二人が適任なの」

勇者「二人で大丈夫なの?」

魔王「たまに通りがかった聖職者さんが手伝ってるみたい」

勇者「なに?!そんな簡単に人が通る所にゲートあんの?!」

魔王「いや、人通りは少ないよ。修行とかでくる聖職者さんだよ」

勇者「それ大丈夫?」

魔王「大半が悪魔に取り憑かれて、余計な手間が増えるらしい」

勇者「だめじゃんそれ」

妹「悪魔なんぞ消せばいい」ズッズ

勇者「…確かに、魔法使いの魔法と神父のなんかキモイ体術なら勝てるよな」

魔王「悪魔に物理的攻撃は通じない…いや、通じるが触れたとたん心を読まれ、憑かれるんだよ」

勇者「なるほど、それで聖職者の説教をずっと聞かせてるのか?」

魔王「だれも説教してるなんて言ってないよ」

勇者「じゃあ何してるの?」

魔王「ただひたすら呪符を貼る」



勇者「…えw」
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/25(月) 23:48:46.40 ID:zn8Lfl/z0

魔王「ひたすら──」

勇者「いい!ちゃんと聞こえたから…で、その作業に聖職者ではならない必要は?」

魔王「ない!」キッパリッ

勇者「言っちゃったよ!今までの説明まったく無意味だよ!」

魔王「…そこまで言うなら行く?二人のところ」

勇者「…えぇ」

魔王「いくなら一瞬でいけるけど?」

勇者「…行くか」

魔王「よし、では」

魔王「世界は我、汝は宇宙…我らは全て!…解き放て魂!」

勇者「ちょっと、まて!」

魔王「なん?」

勇者「それ何」

魔王「幽体離脱魔法」

勇者「なぜ?!」

魔王「行った途端交戦状態だったら嫌だし」

勇者「交戦状態なら助けようよ!」

魔王「悪魔には魔王たちの攻撃効かないの!聖職者の説教か神具しか」

勇者「神具?」

魔王「神の加護を受けた武器とか防具だよ…魔王は握ったら消えちゃうから」

勇者「おれが持てば?」

魔王「いまの勇者は魔眼の主人…つまり人間より魔物よりの人間だから…最低でも失明するよ?
それでも持つ?」

勇者「…いや、いいわ。でも、実体で行こうぜ?」

魔王「はぁ…わがままだな……転移!『ゲート』!」シュンッ

勇者「」シュンッ
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/25(月) 23:53:44.07 ID:zn8Lfl/z0

妹「……あれ?私は連れてってくれないの?」

戦士「おーいお前ら……あれ?二人は?」

妹「…ゲートに行くとかで…」

戦士「はぁ?!…ちょ!今いくのはまずいって!」

妹「へ?」

戦士「今なんか大量の悪魔と魔物が出てきて世界中の魔法使いと賢者が戦ってるんだよ…
今言ったら戦火の中心に遊び感覚でいくのとおなじだ。てかそのものだ!」

妹「どうしようもないです」

戦士「…無事に帰ってこいよ…魔王に貸した俺のかね!」

妹「二人の心配は?!」

戦士「知るか!」

妹「…でも魔王が帰らねば金は戻らんぞ?」ズッズ

戦士「…無事に戻れ!魔王!そしてかね!」

妹「はぁ…金か」ズッズ
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/26(火) 00:03:55.55 ID:vPCyM+5K0

───
  ゲート
    ───

シュンッ

魔王「いぇい!とうちゃ──」

ゴォォオオ!

魔王「ふぇっ?!」

魔法「魔王!?」

魔王「ま、魔法使い!な、何この音!」

魔法「なんできたんですか!今すぐ帰って──」

神父「危ない!」

魔法・魔王「「え──」」

巨大悪魔『オオオオォォォォォォ』ブンッ

巨大悪魔の振り下ろされた手が二人を襲う。

勇者「光れ十字架!その汚れ切った魂を浄化せよ!」ピカァ

空中に現れた巨大な十字架に手が触れると同時に、
触れた部分が消滅する。

巨大悪魔『ムオォオォォ!』

勇者「その身その魂…浄化せよ!」

フォンッ、と音を立てその巨体すべてが一瞬にして灰と化す。

魔法「……貴方…退魔魔法をどこで」

勇者「?ただの魔法じゃないの?」

魔王「勇者ぁ」ナキッ

魔法「…勇者?さん?」

勇者「あぁ…と…」

オオオオォォォォォォ

勇者「説明後でいい?」

神父「っ!勇者!そっち頼む」

勇者「え?!俺がわかるの!?」

神父「はぁ?何言ってんだお前…いいから!そっち頼んだぞ!」


神父「喰らえ俺の説教!」
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/02/26(火) 00:10:01.03 ID:vPCyM+5K0

魔法「取り敢えず話は後で」

魔王「魔王何もできない」

勇者「…取り敢えず破壊だ!こいつらの体を消せ!」

魔王「破壊魔法だね!魔王……得意中の得意だよ」ボワッ

魔王「魔甲、モード『破壊』」シュンッ


勇者「…こい!」

悪魔「…人間……か」

勇者「こい!」

悪魔「…死ね!」

尻尾で勇者の首筋狙い突く。

勇者「ふっ!それは残像だよ」

悪魔「なに?!」ピタッ

勇者の言葉に動きを止める。

勇者「嘘だよ!我が拳に宿るは神の加護…消えろ!」

拳が悪魔の頬にヒット。

悪魔は灰となり消える。

勇者「…弱っ」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/19(火) 12:00:01.60 ID:scFSwL9z0

魔法「今のは超低級悪魔だよ」

勇者「ランクあるの?!」

魔法「スペシャル低級悪魔、低級悪魔、マーベラスな低級悪魔、何か低級な悪魔、あれ?これ低級じゃね?悪魔、そして
超低級悪魔だよ、その上に更に、
これぞ低級っしょ悪魔、低級悪魔、中級悪魔、上級悪魔、極悪悪魔、悪魔王。がいる」

勇者「低級多いな?!何かほかの低級気になるわ!それに定休以外普通ぅ!てか雑すぎて同情するわ!」
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