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古畑「コロシアイ修学旅行……?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:31:10.31 ID:5T9oPPHv0
古畑「ゲームに出てくる名探偵の共通点ってご存知ですか?
   みんな髪型に特徴があるんです。
   例えば、逆転裁判の成歩堂龍一。後ろにギザギザと尖った髪型をしています。
   探偵・神宮寺三郎の髪もインパクトのある形をしています。
   私も、ん〜ふふふ、髪型には気を使っていますから、
   どこかでゲーム化してくれてもいいんですよ?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1358170270
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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2 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:32:47.38 ID:5T9oPPHv0
〜モノクマ劇場〜

モノクマ「昔の人から見たらさ、今の科学技術って
     超能力みたいなものだと思うんだよね。
     携帯電話はテレパシー、レントゲンは透視能力、
     ライターはパイロキネシス、天気予報は予知能力……
     現代に生きるボクらは身近にこれだけの超能力があるってわけ。
     つまり、ボクらはみんな、エスパーなのです!!
     うぷぷぷぷぷぷぷぷ……」
3 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:34:06.22 ID:5T9oPPHv0
――(非)日常編――

〜ジャバウォック島・ホテル〜

七海「ふはははははは! 俺様の変幻自在の姿に惑わされるがいい!」ドヤッ

田中「日向よ。問おう、七海の奴は一体何をしているのだ?」

日向「見たままを言うなら、田中のコスプレをして田中みたいなことを言っているな」

左右田「カツラまでつけて気合入り過ぎだろ……どこからあんなモン見つけてきたんだよ」

日向「スーパーマーケットにあったらしいぞ。田中のだけじゃなくて全員分の衣装とカツラが」

田中「くっ、七海め……奴はコピー能力者だったか」

日向「おい、人の話を聞けよ……」

田中「だが模倣(コピー)は本物(オリジナル)には勝てないということを思い知らせてやる!
   行くぞ、破壊神暗黒四天王!」ドヤッ

七海「来い、俺は実は一回牛に弾き飛ばされただけで死ぬぞおおおお!!」ドヤッ

日向「七海もなんでそんなにノリノリなんだよ」
4 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:35:04.79 ID:5T9oPPHv0
弐大「がっはっは! たまにはいつもと違う格好をしてみると言うのもいいもんじゃのう!」

左右田「オメーがソニアさんの格好をするんじゃねーよオッサン!
     気持ち悪い姿が目に焼き付いちまうだろーが!!」

ソニア「そういう風に頭ごなしに否定するのは良くないぜよ!
    服装を変えるだけで新しい世界が開きまくりですよ」

左右田「おおおー、ソニアさん! ジャージ姿も気品溢れて素敵ですねー」

日向「お前は本当に大概な奴だな」

モノクマ「うぷぷぷぷ……、気に入って貰えたみたいで何よりですねえ」

日向「モノクマ!? どこから出てきたんだ!」

モノクマ「どこだっていいじゃない。それよりどう? 日向君も何か着てみたら?
     澪田さんのセーラー服とか着ちゃう?
     うぷぷぷ……これは新しい趣味に目覚めちゃうかも知れませんねえ」

澪田「たっはー! 唯吹のコスプレを創ちゃんがしちゃうんすか!?
    言い訳のできないくらい変態っすねー!!」

日向「するか!! それより、どういうことだよモノクマ。
    このコスプレ衣装、お前が用意したのか?」

左右田「おいおい、嫌な予感がプンプンするぞ……」
5 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:36:18.89 ID:5T9oPPHv0
モノクマ「嫌だなあ、他意なんて特にありませんよ。
      ただ、こんな小道具があればコロシアイが捗るかと思ってさ。
      上手く使えばアリバイ工作とかに利用できそうだしね!」

左右田「他意どころかバリバリの悪意に満ちてるじゃねーか!!」

狛枝「なるほど、これは面白いね。素晴らしいよ!」

弐大「ぬおおおおおおおおおおおっ!
    何で狛枝がここにおるんじゃあ!?」

狛枝「そういう弐大クンは何でそんな格好してるの?
    あまりの不快さにさすがの僕も絶望しちゃいそうだから
    さっさと着替えてくれないかな?」

左右田「弐大の格好が不快なのは賛成だが、
     何でオメーがここにいるんだよ!
     ホテル旧館に拘束されてたはずだろーが!」

モノミ「アチシが解放したんでちゅ!
    仲間を閉じ込めておくなんて絶対に間違ってまちゅよ!」

左右田「余計なことすんじゃねーよ!
     だいたい、そんな奴は仲間とは思ってねーからな!
     この前の事件だってこいつのせいで起きたようなもんじゃねーか!」
6 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:37:18.98 ID:5T9oPPHv0
狛枝「あははっ、まあそれは否定しないけどさ。
    でもいいじゃない、この前の事件を乗り越えたからこそ
    皆の希望はより強く輝いているんだから!」

罪木「ふえぇぇ、言っていることの意味がわからないですよぉ」

左右田「とにかく、モノクマが用意したものなんてロクなもんじゃねー。
     処分しよーぜ処分!」

七海「それは違うぞ!」

日向「うわ、七海! いつの間に着替えたんだよ!?
   って言うか、その格好……」

ソニア「白いシャツにアンテナ……間違いなく日向さんのコスプレですね」

七海「こんな物でも何か使い道があるかも知れないんだから
    別に処分する必要はない……と思うよ?」

小泉「まあ、服の替えにはなるかもしれないけど……」

日向「それより七海……その格好止めてくれないか?
    落ち着かないんだけど」

七海「お〜い、俺の事忘れてるんじゃないだろうな〜」ドヤッ

日向「やめろよ!」
7 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:38:33.13 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・ホテル旧館〜

日向「とりあえず、このコスプレ衣装は
    旧館にしまっておくことになったわけだが……」

左右田「何で俺らが運ばなくちゃならねーんだよ。
     メンドクセー」

日向「じゃんけんで負けたんだから仕方ないだろ。
    えーと……倉庫に入れておけばいいか」

左右田「まあ、それでいいだろ。
     ところで日向、ちょっといいか?」

日向「何だ?」

左右田「実は俺、聞いちまったんだよ……
     ソニアさんが女子を集めて海水浴に行くらしいんだ」

日向「へえー……それで?」

左右田「それで?じゃねえよ! 女子たちで海水浴だぞ海水浴!
     俺だって混ざりたいだろ、常識的に考えて!
     だから、な、日向。一緒に来てくれ!」
8 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:39:46.40 ID:5T9oPPHv0
日向「何でだよ! 一人で行けばいいだろ」

左右田「一人で女子に混ざる勇気がないから
     頼んでるんだろうが!」

日向「別に俺じゃなくても……」

左右田「そうは言うけどよお……弐大の奴はアレだし、
     田中はもっとアレだし、日向しか頼める奴がいねーんだよォ……」

日向「いや、でもなあ」

左右田「だー! ごちゃごちゃ言うんじゃねーよっ
     お前が来てくれなかったら俺は一生このことをネチネチ言うぞ!」

日向(なんてメンドクサイ奴だ……)
9 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:41:12.64 ID:5T9oPPHv0
左右田「それに女子たちの水着姿だぞ!
     ソニアさんをはじめ、終里、罪木、七海、辺古山、小泉、澪田、西園寺!
     日向は興味ねーのかよ?」

日向「う……それは、まあ、興味ある……かな」

左右田「良し! なら決まりだな。
     時間は明日の昼、場所は二番目の島のビーチだ。
     忘れんじゃねーぞ」

日向「仕方ないな、わかったよ」

左右田「へへ、そうこなくっちゃな。
     ところで、これから時間あるか?」

日向「あるけど……今度は何だ?」
10 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:42:22.64 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・左右田のコテージ〜

日向「コテージまで連れてきて何なんだよ」

左右田「こいつを見せたくてな」

日向「何だこれ、ラジコン?
    車体に何かついてるけど……
    って、おい。コレは」

左右田「ああ、小型カメラだ」

日向「小型カメラ付きのラジコンって……
    一応聞いておくけど、何に使うつもりなんだ?」

左右田「明日の海水浴のため、さっき女子たちが
     スーパーマーケットに水着を探しに行ってたんだ。
     今頃はもう部屋に戻ってる頃だろう。
     そして水着を手に入れたら、試着するはずだ。
     日向、ここまで言えばわかるな?」
11 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:43:20.92 ID:5T9oPPHv0
日向「覗く気か!? 犯罪だぞ!」

左右田「じゃあ日向は女子の水着姿が気にならねーのかよ!?」

日向「いや、それは……」

日向「……」

日向「…………」

日向「…………ちょっとだけだぞ」

左右田「さすが、分かってらっしゃる!」
12 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:44:24.00 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・左右田のコテージ前〜

左右田「それじゃ、俺が操縦するから
      しっかりナビゲート頼むぜ」

日向「何で外に出てやるんだよ!?
    こんなところ誰かに見られたら……」

左右田「しょうがねーだろ!
     ラジコンの電波が弱いんだから。
     見張りも任せたからな!」

日向「あ、小泉」

左右田「ひいっ!」ガチャ―ン!!

小泉「何よ『ひいっ』って、人をオバケみたいに」
13 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:45:12.77 ID:5T9oPPHv0
左右田「驚かすんじゃねーよ!
     心臓が止まるかと思っただろーがっ」

小泉「ちょっと、勝手に驚いておいてその言い草は何なわけ?
    そもそもアンタたち男二人でこそこそと何やってるの?」

日向「あ、いや、それは……ちょっとラジコンをな」

小泉「ラジコン〜?
    はー、男っていくつになっても子供っぽいのよね。
    まあいいけど、他の人の迷惑にならないように遊びなさいよ?」

左右田「お前は俺のカーチャンかよ!
     放っといてくれ」
14 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:46:40.53 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・左右田のコテージ〜

日向「ふう、小泉はラジコンのカメラには気付かなかったみたいだな」

左右田「あ〜……でもコントローラーが壊れたみてーだ。
     ビックリして落としちまったからな」

日向「ビビり過ぎだろお前……どれだけ小心者なんだよ」

左右田「まあ海に落ちなかったのが不幸中の幸いだな。
     水に浸かってたらどうしようもねーけど、
     これくらいなら何とかなりそうだ」

日向「へー、直せるのか?」

左右田「おいおい日向よォ、
     俺が“超高校級のメカニック”だってのを忘れてねーか?」
15 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:47:37.78 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・七海のコテージ前〜

左右田「おーい七海、いるかー?」コンコン

日向「どうして七海の部屋を訪ねるんだよ」

ガチャ

七海「……何?」

左右田「ゲームのコントローラー余ってねーか?
     外付けタイプで、できればバッテリーか電池を
     内蔵してる奴が欲しーんだけど」

七海「ええと、それならプレステ3のコントローラーがあった……かな。
    前にスーパーマーケットから持ってきた時、余分に取り過ぎちゃって」

左右田「じゃ、それをくれねーか」

七海「うん、いいよ。取ってくるから、ちょっと待ってて」

バタン

日向「ゲームのコントローラーなんてどうするんだ?」
16 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:49:09.47 ID:5T9oPPHv0
左右田「ラジコンのコントローラーの方はレバーとか折れちまったからな。
     電波の発信装置だけ取り出して、ゲームのコントローラーと配線を繋ぐんだよ」

日向「へえ、そんなことができるのか?」

左右田「ああ、ゲームを動かせるコントローラーならだいたい何でも
     あのラジコンのコントローラーに転用できると思うぜ」

日向「流石は“超高校級のメカニック”だな」

左右田「へへ、まあな……って言いたいところだが、
     別に大して難しい改造じゃねーぞ。
     コツさえ知ってれば、日向でも多分できるぜ」

ガチャ

七海「……あったよ、これでいいかな?」

左右田「バッチシだぜ、サンキュー七海!」
17 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:50:15.90 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・ホテル ロビー〜

日向「コテージじゃ狭いからホテルのロビーに来たわけだが」

左右田「ここをこうやって……よし、繋がったぜ」

日向「終わったのか?」

左右田「まあ待てって、
     ついでに電波ももっと強くなるように改造するからよ。
     100メートルくらいまで届くようになるはずだぜ」

日向「そうか。
    ついでに海に落ちても大丈夫なように
    防水加工もしたらどうだ?」

左右田「防水用の素材がねーから無理だ。
     それよりモーターを改造して馬力を上げたら面白そうじゃねーか?
     よっしゃー! 燃えてきたぜっ!!」

日向「メカニック魂に火がついちゃったよ……
    完全に当初の目的を見失ってるな」

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左右田のラジコン改造に付き合って過ごした。
左右田と少し仲良くなれたみたいだ。
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18 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:52:01.70 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・日向のコテージ〜

日向「まだ時間があるな……」

日向「……どこかに行くか」
19 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:53:04.84 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・第一の島 砂浜〜

日向「モノクマメダルが余ってるし、
    モノモノヤシーンでも回してみるかな」

 チャリンチャリーン!

 『動くこけし』を手に入れた!
 『ギャグボール』を手に入れた!
 『葉隠流水晶』を手に入れた!
 『ハンドパワーグローブ』を手に入れた!

日向「ダブりばっかだけど、この『ハンドパワーグローブ』って言うのは初めて出たな。
    えーと……『手袋型のゲームコントローラー。その独特の操作感から、根強いファンがいる。』?
    へえ、こんなものがあるのか。
    これをプレゼントしたら喜びそうな奴って言うと……」
20 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:54:12.58 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・七海のコテージ前〜

ピンポーン

日向「おーい、七海ー、いるかー?」

ガチャ

七海「……あ、日向くん。どうしたの?」

日向「いや、何かあったってわけじゃないんだけどさ。
    自由時間だし、七海と一緒に過ごそうかなと思って」

七海「……うん、いいよ。入って」
21 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:55:47.06 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・七海のコテージ〜

日向「“超高校級のゲーマー”だけあって、
    部屋の中もゲームだらけだな」

七海「まあ、スーパーマーケットから、持ってきたモノだけどね」

日向「随分古いゲームから、最近のまで色々あるな。
    ハードも見たことないのがちらほら……
    このパソコンのキーボードみたいなのもゲーム機なのか?」

七海「えっとね、これは、ぴゅう太って言って、
    ファミコンよりも先に出たゲームハードなんだよ。
    正確には半分ゲーム機、半分パソコンって感じかな」

日向「へえー、じゃあこっちの三段重ねになってる黒いのは?」

七海「む……、スーパー32XCDを知らないとは。
    メガCD、スーパー32Xと合体した、メガドライブの最終進化形態だよ。
    一般常識ですぞ?」

日向「そうなのか?」

七海「これは、移植度最高のバーチャレーシングをプレイして、
    スーパー32XCDの良さを体験して貰うしかなさそうだね。
    ほら、日向くん。隣に座って」

日向「え? あ、ああ……」

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七海とレースゲームをして過ごした。
------------------------------------------
22 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:58:26.04 ID:5T9oPPHv0
日向(何か、プレゼントを渡そうかな)

日向(えーと……)ガサゴソ

 『動くこけし』
 『ギャグボール』
 『葉隠流水晶』
 『ハンドパワーグローブ』

日向「……」

日向「……七海、これを貰ってくれないか?」

七海「?」

>『ハンドパワーグローブ』

七海「え? これ貰ってもいいの?
   えへへ……、フラグ、立っちゃったかも」

日向(どうやら、喜んで貰えたみたいだな)
23 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 22:59:41.06 ID:5T9oPPHv0
七海「うれしいな。
   ゲーム機器ならだいたい何でもあるスーパーマーケットにも、
   このグローブだけは無かったんだ」

日向「本当にあそこには何でも置いてあるよな」

七海「うん。グローブ以外ならスーパースコープとかターボファイルツインとか、
   デスクリムゾンで有名なバーチャガンとか、ポケステ、
   ビーマニコントローラー、DDRマット、ポップエッグ、モーションプラスにキネクト、
   PCで使えるホリパッドにカメレオンX1、エモーティブエポックやサイボーグランブル、
   あとはファミコン時代に戻ってファミコンロボとかファミコインなんかもあるんだよね」

日向(七海の言っていることが半分以上分からない……)

七海「ありがとう、大切にするね」

日向(まあ、喜んでくれたならいいか。
    ……『動くこけし』じゃなくてこっちをプレゼントして正解だったな)

------------------------------------------
七海と少し仲良くなれたみたいだ。
------------------------------------------
24 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:02:30.69 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・日向のコテージ〜

モノクマ『えー、午後10時になりました。オマエラ、お休みなさい』

日向「夜か……まだ眠くはないな」

日向「……」

日向「そう言えば、明日の海水浴で着る水着はどうしようかな。
    島に来た時にウサミから貰ったのがあるにはあるけど……」

日向「うーん……」

日向「スーパーに見に行くか、水着」
25 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:03:11.15 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・ロケットパンチマーケット〜

日向「男用の水着だけでも色々あるな……
    トランクスタイプに競泳用に……うーん、どれにするか」

狛枝「やあ、日向クン」

日向「うわあっ! 狛枝っ!!?」

狛枝「やだなあ、そんなに引かないでよ。
    そりゃあ超高校級の才能を持つ君からしたら、
    僕なんか話す価値もない相手だとは思うけどさ。
    ……って言っても、日向クンは自分の才能を覚えてないんだっけ?」

日向「……まあな」

狛枝「早く思い出せると良いね。
    楽しみだなあ、きっと日向クンも
    素晴らしい才能を持っているに決まっているよ!」

日向「そうだといいんだけどな」

狛枝「そう言えば日向クンはこんな時間に何をしてるの?
    もしかしてクロになる決心がついて凶器を探しに来たとか?」

日向「そんなワケないだろ!
    どうしてお前はそういう発想が出てくるんだよ」
26 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:05:08.70 ID:5T9oPPHv0
狛枝「学級裁判の時にも言ったじゃない。
   僕が求めているのは『どんな絶望にも打ち勝つ絶対的な希望』なんだ。
   そしてそれは、君たち超高校級の才能が
   より強い希望を求めてぶつかり合うことで生まれると思うんだよね」

日向「……そんなことのためにコロシアイが起こっても良いって言うのか」

狛枝「もちろんだよ!
   そのためなら、僕は喜んでこの身を捧げるつもりさ。
   ゴミクズみたいな僕の命がこういう形で役に立てるなら
   これほど嬉しいことはないからね!」

日向「……」

狛枝「だからさ、日向クン。
    君がもしクロになる気があるなら、ぜひ僕にも相談して欲しいんだ。
    僕が被害者として犯人に協力すれば、
    凄く複雑な謎を作ることができると思うんだよね」

日向「そんな気は無いって言ってるだろ。
    ……俺はもう行くぞ」

狛枝「まあそう言わないで話だけでも聞いてよ」ガシッ

日向「……おい、離せよ」グググ……

狛枝「モノクマが用意した衣装があったじゃない?
    あれを使ってさ……」グググ……
27 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:09:04.40 ID:5T9oPPHv0
日向「離せって――!」ドンッ

狛枝「うわっ」ヨロッ

ガンッ!!

狛枝「うぐっ……」

日向「あ、スマン。大丈夫か?」

狛枝「…………」

日向「おい、狛枝……?」ユサユサ

狛枝「………………」

日向「死んでる…………」

――(非)日常編――
      ↓
 ――非日常編――
28 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:10:53.76 ID:5T9oPPHv0
〜モノクマ劇場〜

モノクマ「この前、コンビニでお菓子が売っていてさ……
     ボクは、つい出来心で万引きしちゃったんだ。
     でもその後、もしバレちゃったらどうしよう……って怖くなったんだよね。
     商品の数と売り上げを調べれば、きっとバレちゃうだろうって。
     ボクは万引きがバレるのが嫌で嫌で……
     コンビニをロケットランチャーで吹き飛ばしちゃったんだ。
     そのせいでテロリストとして警察に捕まっちゃんだけどさ、
     万引きの件はバレていないんだよね。
     だから、これは計画通りなんだよね!」
29 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:12:07.93 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・ロケットパンチマーケット〜

日向「おい冗談だろ、目を覚ませ狛枝!」ユサユサ

狛枝「…………」

日向「“超高校級の幸運”のお前が、打ち所が悪くて死ぬなんてありえないだろ?
   ほら、素直に起きてくれたら『葉隠流水晶』をやるから」ユサユサ

狛枝「…………」

日向「そんな……本当に死んだってのか……?
    ははは、なんだよそれ……悪い夢なら覚めてくれよ」

モノクマ「おやおや、ついに新たな事件が起きてしまいましたねえ」

日向「うわ、モノクマっ!」

モノクマ「それにしても日向クンが二人目のクロになるとは思ってなかったなあ。
     前回の学級裁判で場をかき乱した狛枝クンが殺されちゃって、
     さらに、犯人を暴いた日向クンがクロになるなんて……
     これは次の学級裁判も荒れそうだよねえ。うぷぷぷぷぷ」

日向「ち、違う! 俺は別に殺す気なんて――」
30 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:14:10.86 ID:5T9oPPHv0
モノクマ「無かったから何? 殺す気が無かったら許されるとでも思ってるの?
     あーあー、これだから最近の若い奴は……
     あのね、狛枝クンは実際に死んじゃってるの!
     自分のやったことから目を逸らすなよなー」

日向「う……それは」

モノクマ「事故でも過失致死でもクロはクロ!
     言っておくけど、そこはキッチリと線引きさせて貰いますからね!
     学級裁判で日向クンがクロだとばれたら、スペシャルなオシオキが待ってるから」

日向「ぐ……」

モノクマ「まあまあ、そんなに悲観しなくても良いじゃん。
     要はクロだとバレなきゃいいんだからさ。
     ま、頑張ってチョーダイ! バイナラー!」

日向「あ、ちょっと待て…………おい!」

日向「……」

日向「……クソ、どうしろって言うんだよ」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 23:15:23.89 ID:grsMsWQAO
……まさか日向くんが……
期待
32 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:16:06.53 ID:5T9oPPHv0
〜翌朝――ジャバウォック島・ホテル前〜

日向「結局、殆ど眠れずに朝になっちゃったな……
    とりあえず、朝だけでもしっかり食べておかないと」

終里「おう、日向! これから朝飯か?」

日向「おはよう、終里。お前もこれから朝食か」

終里「いや、俺はさっき食ったところだ。
   弐大のオッサンと一緒にな」

日向「もう食べたのか? 二人とも随分早いな」

弐大「がっはっは! こいつに早朝トレーニングをさせようと思ってのう」

終里「しょうがねえからトレーニングでも何でもやってやるよ。
   だが、終わったら俺と戦うって約束、忘れんじゃねーぞ!」

弐大「おう、好きにするがいいわ!
    じゃあのう、日向!」

日向「朝っぱらから元気な奴らだな」
33 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:17:56.00 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・ホテル厨房〜

日向「何食べようかな……サンドイッチでも作るか」

西園寺「あ、日向おにぃ。何作ってるの?」

日向「朝食にサンドイッチをな」

西園寺「えー、私、朝は和食がいいー。
     ご飯と、お味噌汁と、焼き魚とー……」

日向「自分で作れば良いだろ」

西園寺「ぶー、めんどくさーい。
     しょうがないからサンドイッチで我慢してあげる」

日向「だから、何で俺が作る前提なんだよ」

澪田「ええっ、今日は創ちゃんが朝ゴハン作ってくれるんすか?
    これは楽しみっすねー! ピンピロリーン♪」

日向「ちょっ……澪田まで」
34 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:18:41.34 ID:5T9oPPHv0
田中「ほう! この俺様に贄を献上するというのか。
    面白い、果たして俺様の口に合うかな?」

小泉「へー、たまには気が利くじゃない。
    どういう風の吹き回しなわけ?」

日向「おいおい、何か完全に
   俺が朝食作るみたいな空気になってるぞ……
   何でみんなこのタイミングで食堂に集まってくるんだよ……」

西園寺「おにぃ、早くー! お腹空いたー!」

澪田「ぐぎぎぎぎ……このままじゃ唯吹のお腹と背中がくっついちゃうっす!」

日向「あーもー、分かったよ!
   全員分作ってやるから大人しく待ってろ」

辺古山「すまない日向……九頭龍の分も用意してやってくれないか?
     いつも顔を出さないが、何かきっかけがあれば来やすいかも知れない」

日向「分かった分かった。
   今来てない奴の分も作っておくから安心しろよ」

辺古山「すまない、感謝する」
35 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:19:22.22 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・日向のコテージ〜

日向「余計な体力を使っちゃったな……疲れた」

日向「海水浴は昼からだったよな。
   それまで休んで、少しでも体力を回復させておかないと……」

日向「…………」
36 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:20:18.17 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・第二の島 ビーチ〜

左右田「白い砂浜、青い海……
     やっぱ南の島はこうじゃねーとな!」

小泉「ちょっと、何でアンタたちがいるわけ?
   女子同士で親睦を深めるための海水浴なんだけど?」

ソニア「スミマセン……
    なぜか待ち合わせ場所のダイナーに左右田さん達がいて、
    どうしても参加したいと頼まれたものですから」

左右田「いやー、流石ソニアさんはお優しい!」

西園寺「その厚かましさってある意味才能だよねー、
     今日から“超高校級の厚顔”って名乗ったらー?」
37 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:21:03.88 ID:5T9oPPHv0
左右田「うるせーよ。
     そういや西園寺は、水着に着替えて平気なのかよ?
     一人じゃいつもの着物が着れないって話じゃなかったのか」

西園寺「べーっだ! 小泉おねぇが着付けしてくれるもん」

罪木「あ、あのぅ、日向さんはもしかして頭でも痛いんですか?」

日向「いや、大丈夫だ……」

辺古山「しかし、ビーチハウスで着替え禁止なのは不便だな。
     あの建物が海から一番近くあると言うのに」

小泉「シャワー室の水も止まってるしね。
   本当、何のためのビーチハウスなんだか」

罪木「で、でもでもぉ、冷蔵庫にドリンクがありますから
   喉が渇いた時の水分補給には役に立ちますよぉ」

西園寺「そんなの言われなくても分かってるってーのゲロブタ!
     キモいから黙っててくれる?」

罪木「ふええ……ゲロブタですみませぇん!」
38 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:22:17.59 ID:5T9oPPHv0
七海「あとね、ビーチハウスの物置には、こんなものもあったよ」

終里「お、ビーチボールだな!」

ソニア「お待ちなさーい! このボールは透明ではないですか。
     ビーチボールはゴレンジャーのように
     赤、白、青、黄、緑と色分けされているはずです」

左右田「ソニアさん。ゴレンジャーは白じゃなくってピンクです」

辺古山「待て、このボールも薄らと色分けされているようだぞ」

ソニア「おおー、本当です!
     向こう側が透けて見えてますけど、
     この配色は確かにドラマで見たビーチボールと同じですよ!」

澪田「それにしても創ちゃん、ダイタンな水着っすねー
    そんなに切れ込みの鋭いブーメランとは!」

日向「そうか? スーパーにあったのを
    適当に選んだだけなんだけどな」

澪田「あー、やっぱりスーパーにあったやつなんっすねー。
    マネキン……って言うか、スーパーにあった等身大パネルみたいなのに
    その水着がくっついて展示されてた覚えがあるっすもん。
    唯吹も昨日、蜜柑ちゃん達と一緒に水着を探しに行ったんすよ!
    ほれほれー、どうっすか唯吹の水着は?」

日向「あ、ああ……似合ってるぞ」
39 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:23:12.19 ID:5T9oPPHv0
日向(女子の水着姿につられて、
    昨日、左右田の誘いに乗ったけど……)

終里「よっしゃ、遊ぶぜ! 行くぞー!」

澪田「おっと、抜け駆けはさせないっすよー!」

小泉「あ、海に入る前にはちゃんと準備運動しなよー」

日向(こうやって実際に周りが水着の女子ばっかりだと、
    なんだか緊張するな……)

七海「私たちも行こ? 日向くん」

日向「ああ……そうだな」

日向(ヘンなこと考えるな俺……リラックス、リラックス)

七海「?」
40 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:23:52.54 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・第二の島 海〜

澪田「っほーい、赤音ちゃーん、ボールそっちに行ったっすよ」

終里「よーし、よけられるもんならよけてみろ!
    お前は助かっても地球は粉々だーッ!」バシィッ!

左右田「ひっ、危ねえっ!!
     どこの戦闘民族だよオメーは!
     ビーチボールで俺を殺す気か!?」

西園寺「ちょっとー、左右田おにぃが避けるから
     ボールが沖まで飛んでっちゃったじゃん。
     ボールを受け止めるネットにすらならないとか
     何のために存在してるのかなー?」

日向「ははは。俺が取ってくるよ。
    沖って言っても、あの辺なら1メートルぐらいの深さだろ」

左右田「お、悪りーな」

罪木「えへへへへ……
    私、海で遊ぶなんて初めてですけど
    こんなに楽しいことってあるんですねぇ」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 23:25:02.78 ID:C+eJSlGg0
何だろう、この脳内再生率の高さ
42 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:25:07.10 ID:5T9oPPHv0
ソニア「皆さん、楽しんで貰っているみたいで何よりです!
     願わくば、このまま悪いことなど起きない日々が
     続いてくれれば良いのですが……」

七海「……フラグ?」

日向「おーい、ボール投げるぞー!」

左右田「よっしゃ、パスパース!
     ……ん?」

終里「おい、どこ見てんだ?」

左右田「いや、あっちの崖の上……
     アイツ、狛枝じゃねーか?」

澪田「あ、本当っすねー。
    おーい、凪斗ちゃーん!
    そんなとこでなにしてるんすかー?」

左右田「ちょ、別に声かけることねーだろ!」

澪田「あれれー、返事がないっす。
    ただのしかばねかっつーの!」
43 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:25:43.06 ID:5T9oPPHv0
罪木「あぅ、こっちを向いてすらくれませんねぇ……」

終里「遠いから聞こえなかったんじゃねーか?」

澪田「これは唯吹のキャラ的には引っ込みがつかないっすよー!
    なーぎーとちゃーんっ!! なーにしてるんすかー!!」

西園寺「うーるーさーいー! 何を叫んでるのよ、もー!」

罪木「あの、向こうの崖の上に狛枝さんがいるみたいなんですけど、
    澪田さんが声をかけても反応がないんですよぉ……」

西園寺「オメーには聞いてねーよクソビッチ!
     キモいから黙ってろって言っただろ」

罪木「わ、私はクソビッチじゃありませぇぇぇん……」

左右田「こんだけ騒いでんのにガン無視とか……
     まさか、狛枝の奴、また何かたくらんでるんじゃねぇだろうな……
     って、え……? 消えた?」

澪田「あ、あれれ〜……消えたというか、
    倒れたように見えなかったっすか?」

罪木「ふえぇ……、わ、私には、崖の向こう側に
    お、落ちたように見えたんですけどぉ……」
44 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:27:30.03 ID:5T9oPPHv0
西園寺「な、何よそれ? 身投げでもしたってこと?」

左右田「マジかよ……ヤベーんじゃねーか」

終里「おし、様子見に行ってみっか」

左右田「おいおい、スゲー嫌な予感がするぞ……
     でも、行かないわけにもいかねーよな……」

澪田「ほらほら、蜜柑ちゃんも来るっすよ!
    凪斗ちゃんが怪我でもしてたら
    唯吹じゃ手に負えねーっす!」

罪木「はうぅ……待ってくださーい!」

西園寺「あ、ちょっと……」
45 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:28:13.81 ID:5T9oPPHv0
西園寺「行っちゃった……」

日向「おい、左右田達はどうしたんだ?
    さっき、澪田が狛枝の名前を叫んでたみたいだけど」

西園寺「あ、おにぃ」

七海「あのね、向こうの崖の上に狛枝くんがいたらしいよ」

日向「狛枝が?」

ソニア「私のいたところからはよく見えなかったのですが……
     その、狛枝さんが崖の上から落ちたかも知れないみたいなんです」

日向「お、おいおい、冗談だろ……?」

小泉「冗談でそんなこと言うわけないでしょ。
    それより、私たちも行った方がいいんじゃない?
    もし、何かあったら――」

――ピンポンパンポーン♪

小泉「うそ……この音って」

モノクマ『死体が発見されました。
      一定の捜査時間のあと、「学級裁判」を開きます』

小泉「そんな……また、なの?」

日向「…………」
46 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:28:59.90 ID:5T9oPPHv0
〜モノクマ劇場〜

モノクマ「『人は、誰かになれる』ってキャッチコピーがあるんですけどね、
     そんなものは幻想ですよ。
     人は他人になんかなることはできないの!
     自分がなれるのは自分だけ!!
     そんなことも分からないなんて人間ってホント滑稽だよね。
     ま、ボクはクマだから、関係ないんですけどね。うぷぷぷぷぷ……」
47 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:30:00.78 ID:5T9oPPHv0
――捜査開始――

〜ジャバウォック島・第二の島 崖下〜

左右田「遅いと思ってたら着替えてたのか……
     さっきのアナウンスは聞こえてたんだよな?」

日向「ああ」

ソニア「あの……死体と言うのは、やはり」

終里「ああ、狛枝だ。ここに倒れてた。
    ついでに、さっきモノクマがこいつを持ってきやがったぜ」

コトダマゲット!!【モノクマファイル】
 〜被害者は狛枝凪斗。第二の島ビーチ付近の崖下で発見された。
   死体は崖側に足を向けて仰向けに倒れており、後頭部に打撲傷がある。

罪木「うゆうぅ……後頭部を強く打ちつけた跡があって、
    そ、それが致命傷になったみたいですぅ!」

七海「とりあえず、さ。皆も着替えてきたらどうかな?
    いくら場所が海辺だからって、
    水着で捜査することはない……と、思うよ?」
48 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:30:50.69 ID:5T9oPPHv0
辺古山「ビーチハウスでの着替えは禁止されているが、
     近くにダイナーがあるからな。あそこを使うといいだろう」

左右田「それもそうだな……ちょっくら行ってくるか」

ソニア「不埒ものっ! ダイナーはまだ小泉さん達が使用中ですよ!」

左右田「え!? いや、ソニアさん、そんなつもりは……」

澪田「あ、日寄子ちゃんの着付けをしてるわけっすね。
    二人がいないなーとは思ってたっす」

終里「まあいいや、行こうぜ」

罪木「あ、あのぉ! 私はもう少し狛枝さんの死体を調べてからにしますぅ……
    その、ちょっと気になることがあってぇ……」
49 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:31:29.16 ID:5T9oPPHv0
辺古山「気になること?」

罪木「あううぅ! でしゃばってすみませえぇぇん!」

澪田「まあまあ、蜜柑ちゃんがそう言うなら
    唯吹達だけでも先に着替えてくるっすよ。
    冬彦ちゃん達にもここの場所教えてあげないといけないっすしね」

左右田「ちっ、しょうがねーから、俺はもうしばらくここにいるか」

七海「ねえ、左右田くん。崖の上にいる狛枝くんを見かけてから、
    ここで死体を発見するまでの流れを確認したいんだけど、いいかな?」

左右田「ああ、いいぜ。日向も聞くか?」

日向「頼む」
50 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:32:42.29 ID:5T9oPPHv0
左右田「さっきビーチボールで遊んでる時によぉ、
     そこの崖の上の茂みの辺りに狛枝がいるのが見えたんだよ」

七海「澪田さんが、狛枝くんのことを大声で呼んでたよね」

左右田「ああ、ところが呼びかけても反応がなくてよぉ……
     何してるんだと思って見てたら、急に姿が消えたんだよ。
     ……フラッと倒れて崖の向こう側に落ちたように見えたな」

日向「それを見てたのは、左右田だけじゃないんだよな?」

左右田「俺の近くにいた澪田、終里、罪木からも見えてたみてーだぜ。
     で、その三人と一緒にここまで様子を見に来たら……
     まあ、その、狛枝が倒れていて、例のアナウンスが流れたんだよ」

コトダマゲット!!【左右田の証言】
 〜狛枝が崖から落ちたのは、皆で海で遊んでいる時。
   左右田、澪田、終里、罪木が狛枝の姿を目撃した。
51 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:33:53.00 ID:5T9oPPHv0
日向「崖の高さは10メートル以上はありそうだな……
    流石にこの高さから落ちたら、
    “超高校級の幸運”の狛枝でも助からないか……」

左右田「日向達を待っている間に俺も崖の上に行ってみたんだけどよぉ……
     実際に登ってみると、かなりの高さだったぜ」

七海「この崖を登ったの? ロッククライミングで?」

左右田「なワケねーだろ。向こうに崖の上へ続く坂道があるんだよ」

七海「ふーん、私も行ってみようかな……」

罪木「ふゆう……やっぱり、おかしいですぅ」

日向「罪木、どうかしたのか?」

罪木「あ、日向さぁん!
    そのぉ……狛枝さんの死体を調べてたんですけどぉ……
     どう考えても変なんですよぉ……」
52 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:34:34.36 ID:5T9oPPHv0
日向「変って……」

罪木「えっと……狛枝さんが崖から落ちたところは私も見てたんですけどぉ……
    さっき崖から落ちたにしては体温がやけに低くなってますし、
    死後硬直も全身に広がっていて……こんなの、絶対おかしいんですぅ」

日向「えーと……つまり、どういうことだ?」

罪木「死体の状態だけを見るなら、狛枝さんは死後半日くらい経っているみたいなんですぅ……」

コトダマゲット!!【罪木の検死報告】
 〜狛枝の死体は体温がかなり失われており、死後硬直も全身に広がっていた。
   死体の状態だけを考えると、死後半日程度経過しているように見える。

罪木「はうぅ! 変なこと言ってごめんなさぁぁい!
    おかしいですよね、そんなはずありませんもねぇ……」

日向「…………」
53 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:35:07.52 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・第二の島 ダイナー付近〜

西園寺「あ、おにぃ!」

日向「お、着替え終わったのか」

小泉「向こうの様子はどうだったの……?
    やっぱり、狛枝は……」

日向「ああ……残念だけど」

小泉「そっか……そうだよね。
    はぁ……、昨日海水浴の誘いがあった時は
    まさかこんなことになるなんて思わなかったな……」

日向「海水浴の誘いって言うと、ソニアからだっけ?」

小泉「うん、昨日のお昼にホテルの食堂で声をかけられたんだけど……
    って、女子しかいなかったのに何で日向がそれを知ってるのよ?」

日向「いや、左右田から聞いたんだ」

西園寺「じゃあ左右田おにぃはきっとあの時に盗み聞きしてたんだねー。
     うわーん、キモ過ぎるよー」

コトダマゲット!!【海水浴の誘い】
 〜昨日の昼、ホテルの食堂でソニアから海水浴の誘いがあった。
   その場には女子しかいなかったが、左右田が盗み聞きしていたらしい。
54 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:35:46.19 ID:5T9oPPHv0
小泉「あ、そうだ……ねえ、これ、何かの役に立たないかな。
    さっき撮ったんだけど」

日向「この写真は……俺達がビーチボールで遊んでた時のやつか?
    そう言えば小泉は浜辺にいたけど、写真を撮ってたんだな」

西園寺「ちょうど、沖に飛んで行ったビーチボールを、
     おにぃが取りに行った時の写真じゃん。
     流石おにぃ、まるでフリスビー咥えた犬みたいだねー」

日向「変な例えをするなよ……。
    それより、あの時ってことはつまり、
     左右田が狛枝を見つける直前ってことだよな」

コトダマゲット!!【海の写真】
 〜日向、左右田、澪田、終里、罪木、西園寺が海で遊んでいる写真。
   ちょうど日向が沖に飛んで行ったビーチボールを両手で拾ったところ。
55 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:36:35.17 ID:5T9oPPHv0
日向「……写っているのは六人か。
    七海とソニアは確か浜辺にいた覚えがあるけど、
     ええと、辺古山はどこに居たんだ?」

西園寺「辺古山おねぇなら、このちょっと前に喉が渇いたって言って
     ビーチハウスにドリンクを取りに行ってたけど」

小泉「そう言えば、ダイナーに着替えに行く時に、
    ちょうどビーチハウスから出てきたから合流したんだよね」

コトダマゲット!!【小泉の証言】
 〜死体発見アナウンスの直後、ダイナーに着替えに向かうとき、
   辺古山がビーチハウスから出てきた。

日向「……何にしろ、この写真は役に立ちそうだな」

小泉「だと良いんだけどね」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/14(月) 23:37:18.39 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・第二の島 中央の島への橋付近〜

澪田「おっすー! 創ちゃーん!」

日向「澪田……に、辺古山。
    珍しい組み合わせだな」

辺古山「海水浴に来ていなかった九頭龍達に
      事件現場のことを伝えようと思って探しているのだが……
       どうもこの島には来ていないみたいなんだ」

澪田「アナウンスは聞いてると思うんすけどねー
    ぎぎぎ……皆、どこにいるんすか!」

日向「この島にいないなら最初の島じゃないか?」

辺古山「まあ、そう考えるのか妥当か……
      一度ホテルに戻って見た方が良いかも知れないな」

澪田「そうと決まればレッツゴーっすよ!
    ほら、創ちゃんも! ほらほら!」

日向「あ、ああ、わかったから押すなって」
57 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:38:10.36 ID:5T9oPPHv0
〜ジャバウォック島・ホテル正門〜

九頭龍「おいテメエら! どこで何してやがった!」

澪田「たっはー! 来てそうそう怒鳴られたっす!」

田中「貴様らもあの“破滅を告げる声”を聞いているはずだな?」

日向「死体発見アナウンスのことか?
    ああ、聞いたよ。第二の島で狛枝が死んでいて……
    お前たち三人以外は皆集まってるぞ」

弐大「何ぃぃぃ!? 狛枝が、第二の島でじゃとぉぉぉ!!?
    このホテルは関係ないのかあぁぁぁ!?」

九頭龍「おい、それは確かだろうな!
     間違いだったら沈めちまうぞ!」

辺古山「ああ……確かだ」

九頭龍「そ、そうなのか……?」
58 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:39:10.05 ID:5T9oPPHv0
澪田「あのー……猫丸ちゃんも冬彦ちゃんも何でそんなに意外そうなんすか?
    ちょっとホテルを調べて何も異常がなければ、
    事件は他の場所で起きたって想像つくと思うんすけどー……」

田中「『何も異常がない』? フン、澪田よ……
    貴様は耳は良いらしいがその二つの眼(まなこ)は節穴のようだな!
    俺様と“火焔の魔物”との死闘のあとが見えぬとは……」

弐大「応っ、あんな弩えれぇことが起きたんじゃ!
    死体が発見されたのもこの近くだと思うじゃろうがあぁぁ!」

辺古山「待て、何を言っている……?
     このホテルでも何か起きたのか?」

日向「そう言えば少し焦げ臭い匂いがするな……
    ホテル旧館の方からか?」

澪田「ああっ! 旧館の壁が焼きすぎたトーストばりにこんがりと焦げてるっ!!」

九頭龍「旧館の倉庫でボヤがあったんだよ……それもアナウンスの直後にだぜ?
     普通に考えて、ここで事件が起きたのかと思うだろうが!」
59 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:40:10.61 ID:5T9oPPHv0
田中「だが我が破壊神暗黒四天王のエビルスフォースアイズがいち早く異常を察知、
    俺様が“静寂の泉”より“聖杯”にて水を汲み上げ、
    燃え盛る煉獄の炎を沈黙の闇へ還したというわけだ」

弐大「幸い田中がすぐに気付いて、プールの水をバケツで運んで消火したから
    大事には至らんかったが……それでも倉庫の中のものがあらかた燃えちまったのう」

コトダマゲット!!【旧館の火事】
 〜死体発見アナウンスの直後、ホテル旧館で火事が起きた。
   火元となった倉庫では、中にあったものがほとんど燃えてしまった。

日向「田中たちはアナウンスの前も三人一緒でホテルにいたのか?」

田中「ふ、そんなわけがなかろう。
    我の纏う禍々しきオーラに、一般人は耐えられん。
     王者とは、常に孤高なものよ」

九頭龍「俺もテメーらなんかと馴れ合う気はねーからな。
      一人でスーパーにいたぜ」

日向「そう言えば結局、九頭龍は朝食にもこなかったよな……」

辺古山「すまん、日向。わざわざ手を煩わせてしまって」
60 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:40:56.29 ID:5T9oPPHv0
日向「まあ、いいけどさ……。
    で、アナウンスの後はどうしてたんだ?」

田中「俺はホテルのロビーにいたのだが、
    外に出たところでエビルスフォースアイズが旧館の異変を察知し、
    そのまま“火焔の魔物”との決闘(デュエル)へと洒落込んだのだ。
    少し遅れて弐大もやってきたな」

九頭龍「俺もとりあえずホテルに向かったんだがよ……
     そうしたら、旧館から火が出てて田中と弐大が消火してたから手伝ったんだよ」

澪田「馴れ合う気はないと言っておきながら、
    いざと言うときは手を貸してくれる……
    むふむふ、男のツンデレっていうのもいいものですなー!」

九頭龍「うるせーな、村八分でも火事と人死が出た時は協力するだろうが!
     そーいうもんなんだよ!」

田中「その後、三人で鎮火には成功したのだが……
    火事も殺人に関係ありと見てホテル付近を重点的に調べたのは失策だったな」

弐大「まさか、事件が別の島で起きていたとはのう!
    さすがに予想していなかったぜよ!」

九頭龍「ちっ、しゃーねーな。今からでも第二の島へ行って――」
61 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:42:05.01 ID:5T9oPPHv0
左右田「おーい! お前らここにいたのか。
     ……って、何で旧館が焦げてるんだよ!!」

澪田「おやおやー、和一っちゃんも冬彦ちゃん達を呼びに来たんすかー?」

左右田「いや、俺はちょっと調べたいことがあってよぉ……」

日向「何でも、旧館の倉庫で火事があったらしいぞ。
    中にあったものもあらかた燃え尽きたらしい」

左右田「マジかよ!? 昨日のラジコンも倉庫に置いておいたのに、
     燃えちまったのか……? せっかく改造したのによぉ……」

コトダマゲット!!【改造ラジコン】
 〜左右田が改造したラジコン。ホテル旧館の倉庫にしまっていた。
   電波の届く範囲と、モーターの出力が強化されている。
62 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:42:41.62 ID:5T9oPPHv0
左右田「まあでも、倉庫が燃やされたってことは、
     俺の考えに間違いはなさそうだな!」

日向「……何か分かったのか?」

左右田「へへっ、まあな。
     何しろ、さっきビーチハウスでこんなものを見つけてよ」

九頭龍「……何だそりゃ、何かの燃えカスか?」

左右田「ああ、シャワールームの中にあった。
     何か、そこそこかさばるものを燃やしたみてーだぜ」

コトダマゲット!!【燃えカス】
 〜ビーチハウスのシャワールームで左右田が発見したもの。
   量から見て、そこそこかさばるものが燃やされたらしい。
63 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:43:21.47 ID:5T9oPPHv0
弐大「うむぅ、旧館だけでなくビーチハウスでも不審火かぁ……
    こいつは臭うぞぉ!」

田中「何にしろ、いつまでもここにいてもしょうがあるまい。
    現場は第二の島だったな? 向かうとしよう」

――ピンポンパンポーン♪

モノクマ『時間になりました。
     「学級裁判」を開きますので、中央の島のモノクマロックの前に集合してください』

九頭龍「クソ、もうかよ!」

弐大「ぬう、仕方ない。向こうの話について詳しくは
    学級裁判で聞くしかないのお」

日向(いよいよ、始まるな……命を賭けた学級裁判が。
    クロだってバレれば俺は――)
64 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:44:16.20 ID:5T9oPPHv0
〜裁判場〜

モノクマ「まずは、学級裁判の簡単な説明から始めましょう!
      学級裁判の結果はオマエラの投票により決定されます。
      正しいクロを指摘出来れば、クロだけがおしおき。
      だけど…もし間違った人物をクロとした場合は…
      クロ以外の全員がおしおきされ、
      みんなを欺いたクロだけに島から帰る権利が与えられます!」

日向「……っ!」

モノクマ「さてさて、前回あれだけ場をかき乱してくれた
      狛枝クンが死んじゃったわけですが……
      今回の学級裁判は平穏無事に進んでくれると良いですねえ」

日向(そうだった……くそ、テンパってて肝心なことを失念していた)

モノミ「この外道! 仲間が死んでるのに、平穏無事なんてありえまちぇんよ!」

日向(この学級裁判、俺が生き残ると、皆がオシオキされるんだ……!)

モノクマ「うるさいなあ、モノミが黙っててくれればボクは平穏な気持ちでいられるのに……
      モノミのうるささは120デシベルってとこだなあ……」

日向(ど、どうするんだ……皆を犠牲にして生き残るってのか?
    でも、名乗り出たら俺がオシオキされることに――)

モノミ「ええっ!? アチシは飛行機のエンジン音なみにうるさいんでちゅか!?」

日向(クソ、どうしろって言うんだよ……)
65 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:45:13.78 ID:5T9oPPHv0
九頭龍「そもそも、俺は狛枝が死んだって聞いただけで、
      死体すら実際には見てねーんだよ。
       まずはどこで何があったのか説明しやがれ」

田中「同感だ。俺と九頭龍、そして弐大以外は現場に集まったと聞いたが、
    俺様の邪眼を持ってしても事件現場がどこかは分からなかったというのに、
    貴様らはなぜ現場が分かったのだ?」

終里「決まってんだろ、皆近くにいたからだよ」

日向「まあまあ、とりあえず確認のためにも
    順を追って死体発見までの流れを
    振り返って見た方がいいんじゃないか?」

日向(どうするにしろ、考える時間が欲しい……
    すぐに皆の意見がまとまったりはしないだろうし、
     とにかく議論を引き延ばそう)

ソニア「そうですね。
     まず、私達は第二の島のビーチで海水浴をしていたのです」

小泉「女子同士の親睦を深めるためにね。
    どーいうわけか、日向と左右田もいたけど」
66 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:46:05.89 ID:5T9oPPHv0
澪田「ビーチボールで遊んでたら、遠くの崖の上に
    凪斗ちゃんがいるのを見つけたんっすよね」

終里「声をかけても反応が無くて、
    そうこうしているうちに突然姿が消えたんだったな」

罪木「崖の向こうに落ちたんだと思ってぇ……崖下に行ってみたら
    狛枝さんが、死んでいたんですぅ……」

弐大「なるほどのう、そこで死体発見アナウンスが流れたというわけか」

西園寺「ま、これだけ目撃者がいるわけだしー、
     今回の事件は解決したも同然だよねー」

田中「今の話を聞く限りだと、誰かに突き落とされたというわけではなく
    狛枝は一人で崖下に落ちたというように聞こえたな」

終里「まあ、実際、崖の上にはアイツしかいなかったしな」

西園寺「そう、つまり狛枝おにぃは自分で飛び降りたんだよ!
     一人寂しく崖から身を投げるなんて、あのキモ男らしい最期だよねー」

澪田「唯吹にもそう見えたっすねー」

九頭龍「まあ、あの野郎なら自殺くらいしでかしても不思議はねーけどよ」
67 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:46:49.79 ID:5T9oPPHv0
罪木「で、でもぉ……本当にそうなんでしょうか……」

西園寺「はぁ? 自分で飛び降りるところを見たって言っておいて何抜かしてるの?
     目ん玉にレモン汁引っかけるぞ!」

罪木「や、やめてくださあぁぁいっ!」

小泉「これだけの証言があるってことは、自殺で間違いないんじゃない?」

弐大「うむう……疑う余地は無いように思えるのお」

九頭龍「へっ、狛枝め。人騒がせなヤローだ」

田中「決まりだな。ふん、この戦い……5分とかからなかったな」

ソニア「自殺の場合、クロは狛枝さん自身ということになるのでしょうか」

日向(おいおい、始まったばっかだってのに
    もう狛枝の自殺ってことで決着がつきそうになってるぞ……)

日向「まあ待てよ。本当に狛枝の自殺で良いのか、ちゃんと検証してみようぜ」

日向(罪木……なんとか言ってやれ!)
68 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:48:02.09 ID:5T9oPPHv0
―議論開始―

終里「検証も何も、オレ達が実際に見たって言ってるじゃねーか」

  創ちゃんは心配性っすねー

罪木「あの、でもぉ……」

辺古山「『四人も目撃者がいる』なら、見間違えとは考えにくいだろうな」

    まあ、確かにな

罪木「えっと、ですねぇ……」

西園寺「狛枝おにぃは『皆が見ている時に崖の上から飛び降りて自殺した』んだよ!
     これで、決まりだねー!」

罪木「あうぅ、やっぱり何でもないですぅぅ……」

      蜜柑ちゃんが何か言いたそうにしてるみたいだけど……

田中「審判は下った! 投票タイムを始めようか!」

日向「それは違うぞっ!」論破ッ!
69 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:48:48.90 ID:5T9oPPHv0
言弾【罪木の検死報告】
 >BREAK:『皆が見ている時に崖の上から飛び降りて自殺した』

日向「いや、海水浴の時に狛枝が飛び降り自殺したってことは
    ありえないはずだ……そうだよな、罪木?」

罪木「ふぇ? は、はい……!」

西園寺「ゲロブタは三歩歩くと自分の言ったことも忘れちゃうのかなー?
     お前も、狛枝おにぃが飛び降りるところを見たんだろうが!」

罪木「そ、それはそうなんですけどぉ……でもでも、
    狛枝さんの死体を調べてみたら、おかしなところがあったんですぅ……」

七海「おかしなところ?」

罪木「はい、体温とか、死後硬直とかから見てぇ……
    狛枝さんは死体発見の直前に死んだんじゃなくて、
    死後半日くらい経っていたみたいなんですよぉ……!」

西園寺「はあ、何よそれ!? だって、そんなのおかしいじゃん!
     狛枝おにぃは崖の上にいたんでしょ?」

弐大「死体が一人でに動いて崖から飛び降りたとでも言うんかあぁぁっ!?」
70 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:49:38.07 ID:5T9oPPHv0
田中「まさか、我らの中に死霊術士(ネクロマンサー)が!」

ソニア「ジャパニーズ・ゾンビ……キョンシーと言う奴ですね!」

左右田「ソニアさん、キョンシーは中国の妖怪なんです」

九頭龍「おい、その死後半日ってのは間違いねえんだろうなあっ!
     間違ってたらマグロ漁船に乗せるぞコラッ!!」

罪木「ふええぇん! 漁船はいやですうぅう!」

日向「まあまあ……“超高校級の保健委員”の
    罪木が言うことだし、信じてもいいと思うぞ」

七海「前回の裁判でも、罪木さんの検死は役に立ったしね」

辺古山「罪木を信じるなら、
     この事件は見た通りの単純な自殺では無いということか……」

澪田「いやいやー、危なかったっすねー、
    あやうく開始早々に皆して盛大に自爆するところだったすよー」

左右田「へっ、俺は最初から気づいてたぜ!
     これは犯人の仕組んだトラップだってな」
71 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:50:25.48 ID:5T9oPPHv0
西園寺「話に入れなくて黙ってたくせに後から出てきて
     『最初から分かってた』とか言動が小物過ぎー。
     本当に分かってるんなら、どういうことなのか説明してみろってーの」

左右田「ああ、いいぜ。ついでに犯人も当ててやろーか?」

日向「……誰がクロなのかも分かったのか?」

左右田「まあな」

西園寺「うわー、大きく出たねー?
     後で吠え面かかないと良いけどー」

小泉「そこまで言うなら説明してみなさいよ。
    どうして半日前に死んでたはずの狛枝が、
    崖の上から飛び降りることができたって言うの?」

左右田「簡単だ。崖の上にいたのは狛枝じゃなかったんだよ」

澪田「あのあのー……
    そもそも、凪斗ちゃんを最初に見つけたのが和一っちゃんじゃないっすかー、
     さっきのことなのに、もう忘れちゃったんっすかー?」

終里「全く、忘れっぽい奴だな」

左右田「へ、オメーらこそ昨日のことなのにもう忘れちまったのかよ?
     モノクマが殺人事件の小道具に用意したモンがあっただろーが」
72 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:51:16.11 ID:5T9oPPHv0
七海「それって……」

日向「皆のコスプレ衣装のことか?」

左右田「そーいうことだ。
     俺たちのいたところから崖までは100メートル近い距離があったし、
     狛枝らしき奴はずっと向こう側を向いていて後姿しか見えなかった……つまり!」

田中「ふうん、分かったぞ!
    誰かが狛枝の衣服とカツラを見に着け、崖の上に立っていたのだ。
    遠目だったので、左右田達はそいつを狛枝と勘違いしたのだな!」

ソニア「なるほど! 田中さん、名推理です!」

左右田「ええっ! 俺は!?」

田中「さらに犯人は、皆が見ている前で急に地面に伏せたのだ。
    それにより、崖を見上げている左右田達の目には姿が見えなくなり、
     狛枝が崖から飛び降りたように錯覚させた!」

澪田「むむむ……言われてみればそういう風に見えたような気も」

田中「一方、崖下には既に狛枝の死体があり、
    かけつけた左右田達はそこで初めて死体を発見したというわけだ。
     クックック、手品のタネと言うのは分かってみれば単純なものよ!」
73 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:52:24.56 ID:5T9oPPHv0
七海「うーん……、話の筋は通ってると思うけど」

弐大「しかし、それだけでは誰がクロかは特定できんな……」

罪木「あ、でもでもぉ……犯人が狛枝さんの格好をしていたなら、
    あの時にアリバイがある人は犯人じゃないってことですよねぇ……」

澪田「はいはーい! 唯吹はあの時、蜜柑ちゃんと一緒に海にいたっすよー!」

小泉「えーと、確か二人の他に日寄子ちゃん、赤音ちゃん、
    あと日向と左右田も海にいたよね」

ソニア「私と七海さんは砂浜でお話していました。
     小泉さんも砂浜で写真を撮っていたと思います」

辺古山「私は……ビーチハウスで飲み物を飲んでいた」

弐大「死体発見アナウンスの直前か……
    それなら、ワシは部屋にいたぞぉ」

九頭龍「へっ、どーせ俺は一人でいたからアリバイなんざねーよ。
     スーパーで食い物を探してたんだけどな」

田中「俺様も一人でホテルのロビーにいた」

モノミ「あ、田中君ならロビーにいるのを先生が見まちたよ!
    アチシが証人でちゅ!」
74 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:53:17.35 ID:5T9oPPHv0
日向「アリバイが曖昧なのは、辺古山、弐大、九頭龍の三人ってとこか……」

小泉「ねえ、本当に誰がクロなのか分かるわけ?」

左右田「おうよ、ここからが本番だぜ!
     俺の活躍、見ててくださいよソニアさん!」

ソニア「田中さんはいつもマフラーを巻いていますけど、暑くはないんですか?」

田中「魔界の炎を操るこの俺だ。気になるはずもない」

左右田「聞いてよ、聞いてくださいよ!」

九頭龍「いいから、続きを話してみろや」

左右田「え、ええとだな……問題は何で犯人が
     こんなことをしたのかってことなんだよ!」

終里「なんでって……コスプレだろ? 楽しむためじゃねーのか?」

左右田「なワケねーだろ! 殺人事件の最中なんだぞ!」
75 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:54:27.17 ID:5T9oPPHv0
小泉「じゃあ……自殺に見せかけるため、とか」

弐大「罪木がいなかったら、狛枝に投票するところだったしのう」

左右田「そーいうことだ。
     俺達に“狛枝が飛び降りるところ”を目撃させて、
     狛枝の自殺だと思わせることが目的だったはずなんだよ!」

日向「……それで?」

左右田「崖から飛び降りるところを俺達に見せようと考えたってことはだな、
     裏を返せば俺達がビーチで海水浴をすることを知っていたってことだ」

澪田「“裏を返せば”って何だか知的な響きっすねー。
    いつか唯吹も使ってみたーい♪」

左右田「よって犯人はあの時のアリバイが無くて、
     かつ海水浴のことを知っていた奴……」

日向(なるほど、そう来たか……)

左右田「つまりオメーだ、辺古山ペコ!」

辺古山「……何だと?」
76 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:55:04.53 ID:5T9oPPHv0
―議論開始―

九頭龍「おいテメエ、どういうことだコラアァッ!
     なんで辺古山が犯人なんだよ!」

    なんでお前が切れるんだよ……

左右田「何度でも言ってやるぜ、犯人は狛枝らしき奴が崖から落ちた時、
     あの場にいなかった『四人の誰か』だ」

   辺古山さん、弐大くん、九頭龍くん、田中くんの四人だね

        俺様にはアリバイがあるぞ……

左右田「そして、犯人はあの時、『狛枝のコスプレ』をして
      崖から落ちるような演技をしていたはずだ!」

           まったく、くだらないお芝居だよねー

              オメーも引っかかってたじゃねーか

左右田「そんな演技をしようと考えたからには、
      犯人は俺達が『海水浴をすることを知っていた』はずだぜ」

左右田「あの場にいなかった四人の中で、
     海水浴のことを知りえたのは『辺古山以外にはありえねえっ』!」

   そもそも左右田さんが海水浴のことを知っていたのもおかしいのですけど……

辺古山「わ、私は犯人ではない……!」

左右田「とぼけたって無駄だぜ、ソニアさんは海水浴の話は
     女子にしかしてねーはずだからな!」

             じゃあなんで左右田が知ってんのよ

日向「それは違うぞっ!」論破ッ!
77 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:56:35.13 ID:5T9oPPHv0
言弾【海水浴の誘い】
 >BREAK:『辺古山以外にはありえねえっ』

日向「なあ、それはおかしくないか」

左右田「何でオメーは毎度毎度、辺古山の肩を持つんだよ!
     そんなに辺古山のことが好きか!?」

日向「いや、そうじゃなくてさ……
    ソニアは昨日の昼、ホテルの食堂で女子を海水浴に誘ったんだよな?」

ソニア「モチのロンです! ちょうど、女子だけがいる時を狙ったんですが……」

日向「でも、その割には、左右田が海水浴のことを知っていたじゃないか」

左右田「そりゃー、アレだ。俺も食堂の近くにいたんだよ。
     ソニアさん達からは死角になっていて見えていなかったみたいだけどよぉ……」
78 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:57:15.87 ID:5T9oPPHv0
西園寺「ねえ知ってるー? そういうのを盗み聞きって言うんだよー?
     恥って言う概念をママのお腹の中に置いて生まれて来ちゃったのかなー?」

澪田「むむむ、待てよ? ソニアちゃんは女子だけに話したつもりなのに、
    和一っちゃんが盗み聞きしていたということは、
    裏を返せば他にも誰かが盗み聞きしていたかも知れない……
    むっきゃー、早速使っちゃったっす! 裏を返せば!」

日向「食堂の辺りは死角が多い、
    他の誰かが海水浴の話を聞いていた可能性は
    決して否定できないはずだ」

辺古山「う、うむ……」

日向「つまり、犯人を辺古山だけに限定することは――」

左右田「甘ーい!!」反論ッ
79 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:58:02.29 ID:5T9oPPHv0
左右田「煙に巻こうったってそうはいかねーぜ!
     辺古山が犯人なのは間違いねーんだ」

日向「何で決めつけるんだよ。
    海水浴のことは他の奴にも知る機会があったはずだ」

左右田「へっ、他にも根拠があるんだよ。
     耳かっぽじってよく聞きやがれ!」

―反論ショーダウン―

左右田「狛枝が半日前に死んでいた以上、
     崖の上にいたのは狛枝じゃなかったってことだ」

左右田「犯人がコートとカツラで狛枝のコスプレをして、
     崖から落ちる演技を俺達に見せたに違いねえ」

左右田「あの時にアリバイが無い奴でそれが可能だったのは、」
     辺古山以外には考えられねえ!」

日向「アリバイが無いのは辺古山だけじゃない」

日向「九頭龍や弐大にだってアリバイはないはずだ」

日向「辺古山が犯人とは断定できない!」
80 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:59:08.96 ID:5T9oPPHv0
 ―発展!―

左右田「いいか、犯人は狛枝のフリをしたんだぞ?」

左右田「弐大にしろ九頭龍にしろ体格に差があり過ぎる。
     いくら遠目でも一発で分かるだろーが!」

左右田「一番体格が近い田中にはアリバイがあるっつーしよぉ」

左右田「だが、唯一『辺古山には可能だった』んだよ!
     身長差は10センチもないから背伸びすりゃ誤魔化せるし、
     体形はコートで隠せるからな!」

日向「その言葉、斬らせて貰う!」論破ッ
81 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/14(月) 23:59:54.58 ID:5T9oPPHv0
言刃【小泉の証言】
 >BREAK:『辺古山には可能だった』

日向「いや、辺古山にも無理なんだよ」

左右田「な、何でだよ? なんか証拠でもあんのかよ」

日向「死体発見アナウンスの直後、小泉が辺古山のことを見ているんだ。
    そうだったよな、小泉?」

小泉「あ……、そうだよ!
    アナウンスの直後にダイナーに着替えに行こうとしたら、
    ちょうどビーチハウスから出てきたんだもん」

西園寺「私も見たよー。確かに、辺古山おねぇはビーチハウスにいたよねー」

左右田「う、でもよぉ……俺達が崖下に向かっている時に、
     入れ替わりに戻ってきたのかもしれないじゃねーか」

七海「うーん、それは難しいんじゃないかな?
    左右田くん達が崖下に向かっていたわけだから、
    その時に辺古山さんが崖から戻ってきたなら
    左右田くん達に鉢合わせ無いように迂回してこなきゃいけないよね?
    時間的には、かなり難しいと思うよ」
82 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:01:00.29 ID:qmLg8KtV0
左右田「だからって、不可能とは言い切れねーだろ!」

辺古山「なぜ貴様は、そこまで私を犯人扱いしたがるんだ……」

左右田「だ、だって、状況から考えた結果なんだから仕方ねーだろ」

九頭龍「往生際が悪いぞコラァ!!
     潔く間違いを認めやがれっ!」

左右田「いやいや、おかしいだろ。
     辺古山にも無理なら、誰も狛枝のフリをすることが
     できなかったってことになるぞ?」

西園寺「そもそも犯人が狛枝おにぃの格好をしたって推理が
     見当違いだったんじゃないのー?
     あーあー、盛大に時間を無駄にしちゃったなー、
     この責任はどうとってくれるのかなー」

田中「だが、左右田の推理が間違いなら、結局元の疑問に戻ることになるぞ」

ソニア「半日前に死んでいたはずの狛枝さんが、
     どうして皆の見ている前で崖から飛び降りたのか……
     謎のミステリィですね」
83 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:01:54.09 ID:qmLg8KtV0
西園寺「あーん、もー、ワケが分からないよー!
     ゲロブタの検死が間違ってるんじゃないのー?」

罪木「ふえぇ……そんなこと、ありませんよぉぉ……」

左右田「いや、待てよ!
     犯人が狛枝のコスプレをしていたってのは間違いねーはずだ!」

小泉「ねえ、いつまでその話引っ張る気?
    誰にもできなかったって言ってるでしょ」

左右田「うっせー、うっせー、ちゃんと根拠があんだよ!
     現場の近くで、犯人が証拠を隠滅をした痕跡が残ってたんだ!
     そうだよな日向!」

日向(犯人が証拠を隠滅した痕跡……?)
84 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:02:31.20 ID:qmLg8KtV0
日向「これで証明できる!」
 >言弾【燃えカス】

日向「それって、左右田が見つけた燃えカスのことか?
    確か、ビーチハウスのシャワールームにあったって言う……」

左右田「ああ、あれは狛枝の衣装を燃やした跡に違いねーぜ!」

罪木「あ、あのぅ……燃えカスだけ見て、
    そう言い切れるとは思えないんですけどぉ……」

辺古山「同感だ。いささか話が飛躍しすぎではないか?」

左右田「俺の話はまだ終わりじゃねーぞ!
     ビーチハウスだけじゃなく、ホテルの近くでも似た痕跡があったんだよ!」

日向(ホテルの近くにあった似た痕跡って言うと――)
85 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:03:41.62 ID:qmLg8KtV0
日向「これだ!」
 >言弾【旧館の火事】

日向「旧館で起きた火事のことだな?
    倉庫の中のものがあらかた燃えたって話だけど」

左右田「ああ! つまり、倉庫の中にあったコスプレ一式が燃やされたってことだ。
     ビーチハウスで犯行に使った狛枝の衣装を燃やし、
     さらに倉庫にも火を着けることで
     狛枝の衣装が無くなっていることを分からないようにした……
     こう考えればバッチシ話が繋がるだろーが!」

弐大「なるほど! だから、旧館で火事が起きたというわけか」

ソニア「お待ちなさーい!
    旧館の火事とは何のことですか?
    そんな話、寝耳にミミズですよ」

左右田「惜しい、ミが一個余計です」

終里「そうだ、意味わかんねーぞ!
    火事ってどういうことだよ?」
86 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:04:16.84 ID:qmLg8KtV0
田中「ふん、どうやら聞きたいらしいな……
    この田中眼蛇無の壮大な激闘の物語(サーガ)を!
    よかろう! 少々長くなるが語ってやろうではないか!」

澪田「アナウンスの直後に旧館で火事が起きて、
    ガンダムちゃん達3人で協力して消火してたらしいっすよー」

田中「たったの二行で終わらせやがっただと……?」

小泉「へー、そっちではそんなことが起きてたんだ。
    全然気が付かなかった」

辺古山「確か、田中が最初に火事に気付いて、
     すぐに弐代もかけつけ、さらに九頭龍もやってきて
     三人で鎮火したのだったな」

九頭龍「アナウンスの直後だったから
     てっきり火事になった旧館の近くが事件現場だと思ってよ……
     そのせいで本当の現場に行く機会を逃しちまったぜ」

西園寺「でもさー、それって本当に事件と関係あるのー?
     単なる偶然かもしれないじゃん」

左右田「そんな偶然があるかよ! 犯人が火をつけたに決まってるだろ」
87 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:05:05.11 ID:qmLg8KtV0
七海「えっとさ……その火事って、アナウンスの直後に起きたんだよね?
    犯人が火を着けたなら、いつ火をつけたのかな……?」

終里「いつって、火事が起きるちょっと前じゃねーのか?」

弐大「つまり、皆が死体を発見した辺りってことになるが……んん?
    ちょっと待ったらんかーい! それはおかしいぞぉ!」

ソニア「そうですよ! その時間ならほとんどの人にアリバイがあるではないですか!」

弐大「応ッ! 辺古山を含めた海水浴組は別の島にいたのだから当然無理。
    田中にはホテルにいたというアリバイがあるじゃろうがあ!」

七海「弐大くんと九頭竜くんにはチャンスがあるけど、二人とも体格差があるから、
    狛枝くんの格好をしていたはずはないって話だったよね?
    だったら、証拠を隠滅するために、旧館に火を放つ動機が無いんじゃないかな」

左右田「そ、それはあれだ……共犯だ、二人のどっちかが共犯で
     証拠の隠滅だけしたって考えれば説明がつくだろ」

罪木「で、でもぉ……この島から出られるのはクロ一人だけなんですよねぇ……
    共犯者になるメリットがないと思うんですけどぉ……」

左右田「うぐ……じゃ、じゃああれだ、時限装置だ!
     時限式で倉庫に火を放つ自動発火装置的なものを使ってだな……」

西園寺「どうしよー、往生際が悪すぎて哀れになってきたよー!」
88 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:06:18.26 ID:qmLg8KtV0
九頭龍「いや、待てよ。時限式の仕掛けってセンはありかも知れねーぞ」

辺古山「どういうことだ?」

九頭龍「倉庫には確かアイロンがあっただろ、
     あれをつけっぱなしにしておけば火を起こせるんじゃねーか?」

小泉「ああ、確かに! あのアイロン、古いタイプだったし、
    火事防止のタイマーなんてついてなさそうだもん」

七海「アイロンを利用した時限装置かあ……なるほど、
    うん、その可能性はあるかも知れないね」

終里「スゲーじゃねえか、よく思いついたな!」

九頭龍「まあ、火災保険金目的の保険金詐欺とかで
     よく使われる手口だからな」

左右田「さすがは極道……シャレにならねー」
89 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:07:09.03 ID:qmLg8KtV0
ソニア「あの、少し待ってください。
    アイロンを使って火事を起こしたとして、
    タイミング良く死体発見直後に火事を起こすことはできるのでしょうか?」

弐大「むう、言われてみるとそこまで厳密に
    タイミングを合わせるのは難しいかも知れんのぉ……」

七海「犯人の目的が証拠の隠滅ならさ、
    そもそも厳密にタイミングを合わせる必要は無かった……と思うよ?」

辺古山「そうか、火事が起きるのは死体発見の前後でなくても構わなかったわけだな?
     もう少し早く火事が起こったとしても、大きな支障は無かったはずだ。
     どうせ、ほとんどの人間が海水浴で出払っていたのだからな」

田中「最悪、倉庫の中の衣装を調べられるまでに火が付けば良かったということか。
    ふん、なるほどな……例えば、犯人が倉庫でアイロンの仕掛けを施した後、
    海水浴に向かったとすれば、別の島にいながらにして証拠の隠滅を図れたというわけだ」

澪田「えっとぉ〜……って言うことは、
    犯人は海水浴に来ていたメンバーの中にいるんっすか?」

西園寺「それはどうかなー?
     第一、その火事が本当に事件と関係あるって決まったわけじゃないしさ。
     アイロンの件だって、“そういう可能性がある”ってだけでしょ?」
90 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:07:58.74 ID:qmLg8KtV0
ソニア「それに、どのみち海水浴に来ていた皆さんには
     狛枝さんのフリをすることができなかったはずです」

日向「結局また、この問題に戻ってきたな……」

七海「崖の上にいた狛枝くんは誰だったのか……
    うーん、難易度高いなあ」

九頭龍「何か方法はねーのか!
     狛枝のコスプレを使った方法でも、それ以外の方法でもいいからよ」

左右田「だから、辺古山ならギリギリ狛枝に変装できた可能性があるだろーが!」

九頭龍「テメー、まだ言ってんのか!」

ソニア「実はこの島には誰も知らない未知の殺人鬼がうろついていて、
    その方が狛枝さんの格好をしていたというのはどうでしょうか?」

日向「誰も知らない未知の殺人鬼なら、
    なんでそこまでして狛枝の格好をする必要があるんだ……?」

田中「フォースだ、フォースを使ったのだ!
    強い念によって人間の潜在能力を引き出し、
    強力なサイコキネシスを用いて狛枝の身体を崖から突き落としたと考えれば……」
91 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:08:50.02 ID:qmLg8KtV0
小泉「そうだ……それだよ!」

日向「おいおい、小泉まで何を言い出すんだよ……
    犯人がフォースとかサイコキネシスを使ったって言うのか?」

小泉「あ、いや、そうじゃなくってさ……
   崖の上にいたのは確かに狛枝だったけど、
   左右田達が見つけた時には既に死んでいて、
   死体が一人でに崖から落ちたって考えればいいんじゃない?」

終里「一人でにって……どうして一人でに落ちるんだ?」

小泉「ええと、ちょっとした仕掛けを使ったんだよ。
    その……皆は『動くこけし』って知ってる?
    ……モノモノヤシーンで時々出てくるんだけど」

日向「……持ってるのか?」

小泉「モノモノヤシーンでたまたま当たったんだからしょうがないじゃない!
    誰かにあげるのもアレだしさ……
    と、とにかく、アレって時々タイマー付きの奴があるんだけど」

左右田「……随分詳しいな」
92 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:09:36.83 ID:qmLg8KtV0
小泉「い、いいから黙って聞きなさいよ!
    狛枝の死体は死後硬直で固まっていたし、
    崖の上には茂みがあったでしょ?
    それなら、茂みに上手く立てかけるようにすれば
    死体を立たせることも可能だったんじゃないかな」

終里「それで、どうするんだ?」

小泉「それで、足元にその、『動くこけし』をセットするとかしてさ、
    タイマーを使って時間差で動かせば、振動で狛枝の死体を倒して
    崖下に落とすことができたんじゃない?」

九頭龍「倉庫の火事みてーに、崖で狛枝が目撃された件にも
     時限装置が使われていたってのか?」

七海「うーん、ありえなくはないかも知れないけど……」

終里「つっても、アレって子供のオモチャだろ?
    そんなに強く揺れるのか?」

小泉「振動を『強』にすればかなり強く動くから、
    不安定な死体を倒すことくらいはできると思うけど」

九頭龍「……随分詳しいな」
93 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:10:30.11 ID:qmLg8KtV0
ソニア「あの、皆さん。
     私はその『動くこけし』というものを見たことないのですが、
     それは一体どのようなものなのですか?」

左右田「あ、それなら後で俺の部屋に来てください。
     詳しく教えて差し上げます」

ソニア「ならいいです」

辺古山「何にしろ、仕掛けをつかって狛枝の死体を
      自動で落としたと言うのは盲点だったな。
       検証する価値はあるだろう」

弐大「しかし、そうなると、
    崖の上に『動くこけし』を置いておいたってことになるのう。
    それは、修学旅行の『ポイ捨て禁止』のルールには引っかからんのか?」

モノクマ「はい、弐大クンからいい質問がでましたね。
      ええと、ポイ捨てと言うのは、ものを捨てて後は知らぬ存ぜぬというスタンスの場合に
      適応されるべきものと考えています。
      つまり、後で回収する予定があって、一時的に何かを屋外に設置することは、
      ポイ捨てとは見なされません」

弐大「む、そうなのか」
94 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:11:32.75 ID:qmLg8KtV0
モノクマ「あ、でも屋外って言っても海の中はダメだよ?
     海の中に何かを沈めちゃったら、
     本当に後で回収に来れるのか分からないもんね!
     だから、その場合はポイ捨てと見なしまーす」

終里「とにかく、崖の上に置くのは大丈夫みてーだぜ」

辺古山「つまり、可能だったということか……なるほどな」

澪田「あれ、ペコちゃん何か閃いたっすか?」

辺古山「ああ、犯人が分かったかもしれん」

日向「…………」

田中「では問おう! 一体誰が犯人だと言うのだ?」
95 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:12:36.66 ID:qmLg8KtV0
辺古山「犯人がこんな仕掛けを使ったとするならだ、
     その目的は自身のアリバイ確保のためと考えられる。
     狛枝が落下したときに遠く離れた場所にいれば、
     鉄壁のアリバイを手に入れることができるからな」

澪田「裏を返せば、あの時海にいてアリバイがあった人間こそが
    犯人と考えられる……うはー! また使っちゃった、裏を返せば!」

辺古山「さらに、仕掛けがタイマーで作動したと言うならば、
     崖の上の狛枝が落下するタイミングは予め決まっていたということだ」

九頭龍「まあ、そういうことになるな」

辺古山「ならば、崖の上が狛枝が目撃されるタイミングはいつでも良かったわけではない。
     遅すぎると誰にも気付かれずに落下してしまうし、
     早すぎると誰かが様子を見に行ってしまうかも知れない」

左右田「……! おいおい」

辺古山「犯人は、狛枝が落下する直前にタイミングよく狛枝に気づいた人物……
     つまり貴様だ、左右田!」
96 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:13:35.63 ID:qmLg8KtV0
左右田「お、大人気ねーぞ!
     疑われたからって疑い返すなんて!!」

辺古山「状況から考えた結果なのだから仕方ないだろう」

小泉「確かに、一理あるかもね」

弐大「いやしかし、それだけで左右田を犯人と決め付けてしまっていいんかあ!?
    偶然、そのタイミングで狛枝に気づいただけかも知れんぞぉ!」

辺古山「仕掛けを使って狛枝の死体を崖から落としたのであれば、
      死体発見時、崖の上には狛枝を落下させるのに使った
       『動くこけし』が置いてあったはずだ……」

七海「私も崖の上には行ってみたけど、
    特に変わったものは無かった……と思うよ」

辺古山「当然だ。犯人とて、そんな証拠をいつまでも残してはおかないだろう。
      事件の直後、真っ先に仕掛けを回収したと考えるのが自然だ」

終里「ん、待てよ……そう言えば、死体を見っけた後に
    一番最初に崖の上に行ったのって……」
97 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:14:23.91 ID:qmLg8KtV0
罪木「そ、そうでした! 左右田さんが一人で崖に登ったんですよぉ」

西園寺「なるほど、その時に崖の上の証拠を隠滅したんだね!
     これはもう、言い逃れできないよー?」

田中「偶然は二つは重ならない……決まりだな」

左右田「ま、待てって! 誤解だ、誤解!」

ソニア「なんという往生際の悪さ……
     左右田さん、最後くらい潔い姿を見せてください!」

左右田「いや違いますから! 俺はやってませんから!」

日向(おいおい、今度は左右田がクロで決まっちゃいそうだぞ……)

辺古山「一思いに介錯してやろう。
     この事件を最初から振り返ることによってな!」
98 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:15:31.85 ID:qmLg8KtV0
―議論開始―

辺古山「そもそも本当の犯行時刻は死体発見の約半日前……
    つまり『昨日の夜だった』わけだ」

           それは間違いないと思いますぅ……

辺古山「そして、犯人は狛枝の死体を利用して
      自分のアリバイを確保するトリックを仕掛けたのだ」

   く、クライマックスみたいな口ぶりで話すんじゃねーよ!

辺古山「崖の上の茂みに狛枝の死体を立てかけ、
     さらに、足元に『タイマー式の動くこけし』をセットした。
     時間が来て振動しだせば死体が崖から落下するようにな」

    時限装置ってわけか

辺古山「そして、今日の昼、『犯人は何食わぬ顔で海水浴に参加』し、
     タイマーで設定された時間の直前に崖の上の狛枝に注目を集めた」

    違う、俺じゃねーって!
                     うわー、見苦しー

終里「オレ達が見たのはアイツの後姿だったから、
    死体だって気が付かなかったってわけだな」

辺古山「その直後タイマーが作動し、狛枝の死体は『前のめりに倒れて』
     崖の向こう側へと落ちて行ったというわけだ」

    クックック、正体見抜いたり!

辺古山「最後に犯人は、狛枝の安否を確認しに行くふりをしながら
     隙を見て崖の上に登り、仕掛けに使った『動くこけしを回収した』」

   最初に崖の上に登ったのは……

     左右田だぜ   左右田さんですぅ……   和一ちゃんっす

辺古山「以上、一連の犯行が可能だったのは一人しかいない……
     それは貴様だっ、左右田和一ッ!」

日向「それは違うぞっ!」論破ッ!
99 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:16:33.82 ID:qmLg8KtV0
言弾【モノクマファイル】
 >BREAK:『前のめりに倒れて』

日向「いや、それはおかしいぞ」

辺古山「何だと……何がおかしいと言うのだ?」

日向「だってさ、皆が狛枝を見つけた時、
    狛枝は背を向けていたんだよな?」

終里「ああ、間違いねーぞ」

日向「で、そのまま前のめりに倒れて
    崖の向こう側に落ちたんだろ?」

辺古山「そうだ。何もおかしくはあるまい」

日向「いや、おかしいんだよ。
    だって、狛枝の死体は仰向けの状態で発見されたんだぞ」
100 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:17:09.12 ID:qmLg8KtV0
七海「あ、そうか。前のめりに倒れて崖から落ちたなら、
    崖下の死体は、うつぶせになっているはずだよね」

澪田「死体が仰向けと言うことは裏を返せば……
    仰向けを裏返したらうつぶせっすね!」

左右田「気に入ったからって無理やり使ってんじゃねーよ!
     それより、よく言った日向! もっと言ってやってやれ!」

日向「あ、ああ……とにかく、辺古山の言ったような方法で犯行が行われたとすると、
    死体の状況が不自然なんだ。だから――」

辺古山「見切ったぞ!」反論ッ
101 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:17:54.37 ID:qmLg8KtV0
辺古山「いや、そんなことで左右田の容疑が晴れたとは言えないな」

辺古山「と言うより、相変わらず左右田が最有力の容疑者のままだ」

日向「な、何でだよ……」

―反論ショーダウン―

辺古山「崖の高さは10メートル以上あっただろう」

辺古山「前のめりに倒れて落ちたとしても、
      落下中に死体が回転した可能性がある」

辺古山「であれば、地面に落ちた時点で仰向けであっても
     別段、不自然はないはずだ」

辺古山「左右田が犯人であることを
     否定する根拠にはならない」

日向「死体の足は崖の方に向いていたんだぞ」

日向「前のめりに落ちて空中で回転しても、
    足が崖側に向いた状態で仰向けにはならないだろ」
102 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:18:43.12 ID:qmLg8KtV0
 ―発展!―

辺古山「そうは言うが、お前も別に専門家ではないだろう?
     ならば、絶対にありえないとは断言できないはずだ」

辺古山「それよりも重要なのは、崖の上で目撃された狛枝が
     『誰かの変装ではありえない』ということだ」

辺古山「コスプレで変装した別人でないなら、
     崖上で目撃されたのは狛枝の死体と考えるしかない」

辺古山「『タイマー式の仕掛けを使って狛枝の死体を落下させた』としたら、
     それが可能だったのは左右田だけだ」

辺古山「狛枝が落下する直前に狛枝の姿に気づいたのは左右田だし、
     いち早く崖の上に登って証拠を隠滅できたのも左右田なのだからな」

日向「その言葉、斬らせて貰う!」論破ッ!
103 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:19:19.72 ID:qmLg8KtV0
言刃【改造ラジコン】
 >BREAK:『タイマー式の仕掛けを使って狛枝の死体を落下させた』

日向「仕掛けを使って狛枝の死体を落下させたとしても、
    それが必ずしもタイマー式のものだったとは限らないんじゃないか」

辺古山「どういうことだ……?」

日向「小泉は狛枝の死体を落とす仕掛けに
   『動くこけし』を使ったんじゃないかって推理してたけどさ……
   ラジコンを使えば左右田以外にも
   狛枝の死体を落下させることができたかも知れない」

左右田「ラジコンん!? ラジコンって、昨日俺が改造した
     あのラジコンのことか?」

小泉「そう言えば、昨日二人で遊んでたわねー……
    って、あのラジコンを使ったって言うの!? 死体を落下させる仕掛けに?」

日向「左右田はあのラジコンをホテルの旧館に置いておいたんだろ?
    それなら、誰でも持ち出して使うことができたはずだ」
104 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:20:03.04 ID:qmLg8KtV0
七海「あ、そうか……ラジコンなら好きなタイミングで
    仕掛けを動かすことができるから、
    犯人が自分で狛枝くんを見つけなくても良いもんね」

弐大「誰かが狛枝の姿に気づいたらラジコンで仕掛けを
    動かせば良いと言うわけか……なるほどのう!」

日向「ああ、それに証拠を隠滅する時も、
    自分で崖の上に行く必要がないんだ。
    証拠になるラジコン自体を操って遠くまで移動させればいいんだからな」

七海「崖の上からは、坂道を通って下まで降りれるから……
    そこを走らせれば良いもんね」

終里「でもよ、ラジコンだろ?
    オレ達が遊んでたところから崖まで100メートルくらいあったけど、
    そんな距離まで電波は届くのかよ」

左右田「それは大丈夫だ、遠くまで電波が届くように俺が改造したからな。
     だが待てよ、ラジコンを使ったってなら……」
105 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:21:14.81 ID:qmLg8KtV0
澪田「あのー、海水浴中にラジコンなんか動かしてたら
    メチャメチャ目立つと思うんっすけどー」

罪木「ふゆぅ……私もそう思いますぅ……」

左右田「いーや、俺には分かったぜ!
     あの場でラジコンが操作された可能性は確かにある!」

西園寺「性懲りもなくまた何か思いついたみたいだけど、
     どうせ恥をかくだけなんだから黙ってた方がいいと思うよー?」

左右田「う、うっせー!! いいか、犯人がラジコンを使ったっていうならだ、
     狛枝が崖から落ちる直前、ラジコンのコントローラーを操作していたってことだ!」

終里「そんぐれー、言われなくても分かってるって」

田中「左右田が崖上の狛枝に気づいたのを確認してから
    ラジコンの操作を行ったのであれば……
    犯人は現場で左右田のことも見ていたことになる。
    やはり、海水浴組に犯人がいるはずだ」
106 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:21:54.43 ID:qmLg8KtV0
左右田「だが、海でビーチボールで遊んでいた連中は
     コントローラーなんか持っちゃいなかった!
     水着しか着てねーから隠し持つこともできねーし、
     そもそも、あのラジコンは防水じゃないしな!」

弐大「狛枝の姿を見た左右田、澪田、罪木、終里の四人と……
    あと、日向と西園寺も海で遊んでいたんじゃったな」

田中「ソニアと七海は砂浜で話していて、
    小泉は写真は撮っていたという話だったが」

ソニア「七海さんも、小泉さんもラジコンなんて動かしていたようには
     見えませんでしたけど……」

左右田「そうなりゃ、残る可能性は一つだ」

辺古山「く……っ」

左右田「犯人はビーチハウスの中で、
     誰にも見られずにラジコンを操作できた人物……
     やっぱり辺古山で間違いねーぜ!!」
107 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:22:47.62 ID:qmLg8KtV0
九頭龍「左右田よぉ……いい加減にしとけや。
     お前は辺古山に親でも殺されたのか?」

左右田「別に私怨で言ってるわけじゃねーぞ。
     ラジコンを操作できたのは辺古山だけって理屈は、
     実際、筋が通ってるだろーが」

辺古山「だが、ラジコンが使われたというのはあくまで可能性に過ぎない。
     時限装置が使われたのであれば、疑わしいのはむしろ貴様の方だ!」

左右田「うっせー、俺は疑わしくねーよ!
     人のことを怪しいって言う奴が犯人だ! ばーかばーか!」

西園寺「うわー、私怨むき出しだよー……」

モノクマ「うぷぷぷぷぷぷ……いい感じで盛り上がってきましたねぇ」

モノミ「お互いに疑い合うなんて……先生は哀しいでちゅ」
108 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:23:40.58 ID:qmLg8KtV0
日向(……左右田と辺古山には悪いけど、
    今の状態が続いてくれれば時間が稼げて助かるんだよな。
    でも、俺はどうすりゃいいんだ……?)

七海「うーん……」

日向(多分、このまま行くと俺に疑いが向くことはなさそうだけど……)

七海「あのね、ちょっと気になったんだけど……」

日向「どうしたんだ、七海?」

七海「今話してるのってさ、崖の上にあった狛枝くんの死体を
    どうやって落下させたのかって話だよね?」

弐大「応ッ! 『動くこけし』を使ったのなら左右田、
   ラジコンを使ったのなら辺古山にそれぞれ
   犯行の機会があったっちゅーことになるらしいが……」

七海「でもさ、そもそも崖上で目撃されたのって
    本当に狛枝くんの死体だったのかな……?」

辺古山「……少なくとも、先ほどの議論では
     誰かの変装では無いという話になったはずだ」
109 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:24:27.02 ID:qmLg8KtV0
弐大「海にいた連中には当然無理。
    田中のアリバイはモノミが保証しており、
    ワシと九頭竜は体格的に狛枝には変装できん。
    ワシじゃデカすぎるし、九頭龍じゃ小さすぎるからな」

九頭龍「うるせー!」

西園寺「辺古山おねぇもアナウンスの直後に
     ビーチハウスから出てきたしねー」

小泉「誰かの変装じゃないなら、
    他に考えられるのは狛枝の死体だったって可能性くらいだと思うけど……」

七海「うーん、やっぱりそれ、おかしいと思うんだよね。
    ねえ、日向くんもそう思わない?」

日向「え、俺か……?」

終里「そうなのか日向?」

小泉「どうなのよ日向?」

澪田「どーなんっすか創ちゃん?」

日向(目撃されたのが狛枝の死体だとしたらおかしい点か……)
110 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:25:17.79 ID:qmLg8KtV0
日向「これで証明できる!」
 >言弾【左右田の証言】

日向「……崖の上の狛枝を見たのは左右田と澪田、終里と罪木だったよな」

終里「ああ、何度もそう言ってんだろ」

日向「……4人いるよな」

終里「だから、さっきからそう言ってるって」

田中「クックック、俺様の邪眼は日向が何を言わんとしているかを見抜いたぞ!
    例の“破滅を告げる声”が問題なのだな!」

ソニア「あ! そう言えば、死体発見アナウンスは
     3人以上が死体を発見した直後に流れる決まりですよ!」

弐大「むぅ! と言うことは、崖上で目撃されたのが狛枝の死体なら、
    その時点で死体発見アナウンスが流れてしまうぞお!」

小泉「あ、そうか……
    逆にアナウンスが流れなかったってことは、
    皆が見たのは死体じゃないってことになるんだ」
111 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:26:33.74 ID:qmLg8KtV0
左右田「ほら見ろ! 俺は無実じゃねーかっ!」

西園寺「別にこれだけで左右田おにぃが
     犯人じゃないとは限らないけどねー」

澪田「ちょい待ち、本当に崖上で目撃されたのは
    凪斗ちゃんの死体じゃないんっすかねー?」

九頭龍「おい、今の話聞いてなかったのか?
     死体だったら三人が見つけた時点でアナウンスが流れるだろうが」

澪田「でも、誰かの変装でもない、死体でもないってなら
    結局、崖上で目撃された凪斗ちゃんは何だったのって話になるっすよー?」

九頭龍「それは……そうだけどよぉ……
     でも、アナウンスが流れなかったって証拠があるんだから、
     死体のはずがねーだろ」

罪木「あ、あの時の狛枝さんは後姿でしたから、
    本人かどうか……生きているかどうかも分かりませんでしたぁ……
    そ、そんな状態なのに、『死体を発見した』と言えるんでしょうかぁ……?」

澪田「そうっす、唯吹が言いてーのはそういうことっす!
    死体かどうか分からなかったのに、死体発見アナウンスは流れるんっすか?」
112 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:27:25.89 ID:qmLg8KtV0
ソニア「モノクマさん、どうなんですか?」

モノクマ「あのね……まず、死体発見アナウンスは
      事件が起きたことを公平に皆に知らせるためのものなんだよね」

七海「“推理の手掛かりにはするな”ってこと?」

モノクマ「まあ、そういうことです」

モノミ「卑怯でちゅ! 情報を隠すなんて」

モノクマ「あーもー、モノミは引っ込んでろよ。
      そもそも、コイツらはただのゲームの駒なんだから、
      ボクがそこまで懇切丁寧に面倒を見てやる必要なんてないんだよ」

日向「おいおい、なんて言い草だよ……」

九頭龍「けっ、舐めやがって」

モノミ「許せまちぇん、絶対に許せまちぇんよ!」

モノクマ「うるさいなあ……
      引っ込んでろって言ってるだろー!!」モノクマパンチ!
113 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:28:38.10 ID:qmLg8KtV0
モノミ「痛いっ! パンチの衝撃で抵抗が分散した瞬間に
    すかさず二発目の衝撃が来るからもの凄く痛いでちゅ!!」

モノクマ「全く、お兄ちゃんに妹が口答えするもんじゃないよ」

モノミ「むむむ、もう怒りまちた!
    これ以上の横暴は見過ごせまちぇん!」ガバッ

モノクマ「うわ! 抱きつくなよ!
      これはあれなの? 兄妹の一線を越えちゃうとかそいうことなの?
      でも、兄妹だし、そもそもモノミはボクのストライクゾーンからすると
      一塁への牽制球みたいなモノだし……」

モノミ「減らず口を叩いていられるのもこれまででちゅ!
    あちしはもう、覚悟を決めまちたよ!」

七海「モノミ……?」

モノミ「このバカげたコロシアイを終わらせるため、
    あちしはこのモノクマと共に自爆しまちゅ!」

モノクマ「な、何だってぇ! おい、よせ、やめろよ!」ジタバタ

モノミ「もう遅いでちゅ! じゃあね、皆!
    あちしがいなくなっても、らーぶらーぶしてくだちゃいね!
    それとセーブはこまめにとるんでちゅよ!」カチッ

ド――――――ン!
114 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:29:18.44 ID:qmLg8KtV0
日向「うわ! 本当に爆発したぞ!?」

田中「自爆して相打ちとはな、
    あのモノミにしちゃ上出来だぜ!」

左右田「モノクマもボロボロになっちまってんぞ……
     コイツらグルなんじゃなかったのかよ」

弐大「こいつは弩えれぇことになっちまったのぉ……」

モノクマ「いやいや、ホント、ビックリですよ」ニュッ

澪田「ひいっ! 新しいのが出てきたっ!?」

モノクマ「いやだなー、ボクが一度死んだくらいで死ぬワケないじゃない。
     この世に悪の心がある限り、モノクマは不滅なのだ!」

左右田「オメーは悪の親玉かよ!」

モノミ「あちしだってあれで終わりじゃありまちぇえん!」ガバッ

九頭龍「モノミも新しいのが出てきやがったぞ……」

モノクマ「うわ、こいつめ! また自爆する気だな!」ジタバタ

モノミ「何度だってやってやりまちゅ!
    覚悟を決めたって言ったはずでちゅよ!」カチッ

ド――――――ン!
115 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:30:01.77 ID:qmLg8KtV0
ソニア「ああっ、またお二人とも爆発してしまいました!」

モノクマ「こらー、いい加減にしろよー!
      ボクはまだ残機がそんなにないんだぞ!」ニュッ

モノミ「好都合でちゅ! 全滅するまで続けてやりまちゅ!」ガバッ

モノクマ「おい、よせって! 本当によせって! やーめーろーっ!」ジタバタ

モノミ「やめまちぇん!」カチッ

ド――――――ン!

ド――――ン!

ド――ン!



116 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:30:50.91 ID:qmLg8KtV0
小泉「ねえ……、モノクマもモノミも
    出てこなくなっちゃったんだけど……」

七海「…………」

弐大「本当に弩えれぇことになっちまったぞぉ……」

西園寺「ふんだ、あんな奴らいなくなってせいせいするよ」

九頭龍「へっ、同感だぜ。
     それより、どうするんだ?
     アイツらはいなくなっちまったが、まだ学級裁判を続けるのか?」

辺古山「私としては、もう少しで左右田がクロだと証明できそうなのだが……
     モノクマ達がいないのであれば、これ以上続ける必要はないだろうな」

ソニア「そうですか、残念です……」

左右田「ソ、ソニアさーん?」

終里「よし、それならさっさとこんなトコ出て飯にしようぜ!
    オレは腹が減ったぞ!」

日向「ああ……そうだな、戻ろうか」

日向(な……何だか良くわからないけど、
    終わった……のか?)
117 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:32:16.61 ID:qmLg8KtV0
〜車内〜

古畑「ねえ、今泉くんさ〜まだ着かないの?
    私、お腹が減ったんだけど」

今泉「我慢してくださいよ古畑さん、
    僕だって朝ご飯食べてないのに我慢して
    運転してるんですから……」

古畑「やっぱりさっきの道を右に曲がっておけば良かったんだよ」

今泉「古畑さんが真っ直ぐ進んだ方が近道だって言ったんじゃないですか!」

古畑「絶対ここ東京じゃないよ、綺麗な海が見えるし、
   木もなんかヤシみたいだもん」

今泉「間違って湘南の方に抜けてきちゃったんですかね」

古畑「あ、向こうに人がいるよ。
    ちょっと車止めて、道聞いてみよう」
118 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:33:43.84 ID:qmLg8KtV0
〜ジャバウォック島・中央の島 モノクマロック前〜

小泉「ねえ、皆……あれ見て!」

七海「……え?」

日向「車……? なんでこんなところを車が走ってるんだ?」

九頭龍「……止まったぞ。誰か出てきやがった」

左右田「おいおい、何モンだよあの黒ずくめのオッサンは……
     怪しすぎんだろ……」

田中「まさか、『組織』の手の者か……っ!?」

古畑「あのー、すみません。
    ちょっと伺いたいことが……」

澪田「ほいほーい、なんすかー?」

日向「おい待て、得体の知れない相手だぞ!」
119 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:34:16.15 ID:qmLg8KtV0
古畑「ああ、いえ、決して怪しい者ではありません。
    私は古畑と申します。警察の者です」

九頭龍「け、警察だと!?」

古畑「はい。ちょっと道に迷ってしまいまして……
    東京方面に行くには、どっちに方にいけば良いか
    教えて頂けるとありがたいんですが」

小泉「東京方面って……」

古畑「そもそも、この辺りってどのへんなんです?
    海が見えるから、神奈川方面に出ちゃったのかなと思うんですが」

日向「それは違うぞ!」

古畑「あれ、違いました?
    じゃあもしかして静岡かな、もう通り過ぎたと思ってたんですが」

日向「いや、そうじゃなくてさ……
    神奈川とか、静岡とか一体何を言ってるんだよ?
    ここはジャバウォック島だろ」
120 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:35:00.79 ID:qmLg8KtV0
古畑「はい? え、どこっておっしゃいました?」

七海「ジャバウォック島」

ソニア「太平洋に浮かぶ小さな島です」

古畑「太平洋って……からかうのはよしてください」

ソニア「そんなつもりはないのですが……」

西園寺「からかってるのはそっちだろ黒ずくめモジャモジャオヤジ!
     突然現れて意味分かんないこと言わないでくれるー?」

小泉「だいたい、こんなところを車が走っているのがおかしいよね。
    あんまり警察官には見えないしさ……」

左右田「そうだぜ! やたら黒っぽいし、嘘くせーぞ!
     本当に警察だってんなら証拠を見せてみやがれ!」

古畑「んー、そう言われましても警察手帳は携帯してないしなあ……
    あ、そうだ。今泉くーん?」
121 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:35:35.32 ID:qmLg8KtV0
今泉「どうしました?」

古畑「我々が警察の人間だってことを証明したいんだけどさ、
    ちょっと、警察手帳を見せてあげてくれる?」

今泉「はい!」

左右田「おいおい、そんなモン見せられたって簡単に信じたりはしねーぞ。
     どうせ、よくできた偽物か何かだろ」

九頭龍「……いや、本物だぞ。間違いねえ」

日向「見分けがつくのか?」

七海「さすが“超高校級の極道”だね」

小泉「ってことは、本当に警察官ってこと?」
122 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:36:05.57 ID:qmLg8KtV0
左右田「おいおい、マジかよ……」

西園寺「とても、そういう風には見えないけどねー」

古畑「あ、刑事なんです。私達」

左右田「刑事さん! 助けてください!
     僕たち誘拐されて、無理矢理この島に連れてこられたんですッ!」

日向「変わり身早いなお前!」

田中「俺様の邪眼でも捉えられなかった……なんというスピードだ」

今泉「ゆ、誘拐……!?」

古畑「あの〜……、詳しいお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
123 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:36:43.88 ID:qmLg8KtV0
〜ジャバウォック島 ホテル〜

日向「……と、そういうわけで、俺達は希望ヶ峰学園の入学初日に
    この島まで連れてこられて、コロシアイ修学旅行を強いられていたんだ」

田中「コロシアイを……強いられているんだッ!」

日向「なんで繰り返すんだよ」

古畑「コロシアイ修学旅行……?」

日向「ああ、現実味の無い話に聞こえるだろうけど、
    実際に俺達はこの島から脱出することもできず、
    コロシアイをさせられていたんだよ」

今泉「ところで皆さん、希望ヶ峰学園の生徒だったんですね。
    いや〜感激だなあ。超高校級の面々と会えるなんて」

古畑「んー……知ってるの?」

今泉「もちろん、だって希望ヶ峰学園ですよ?
    ……え、古畑さん、知らないんですか?」
124 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:37:09.32 ID:qmLg8KtV0
古畑「いや、知らないわけじゃないよ。
    君が知ってるかどうか確認しただけだよ。
    ……で、どういう学園なの?」

今泉「各分野のエキスパート、
    “超高校級の才能”を持つ高校生が集まる学園ですよ。
    卒業すれば一生安泰って言われてるくらいで」

古畑「へえ、じゃあ皆、有名人なの?」

今泉「あそこの派手な格好のセーラー服の娘は
    女子高生ガールズバンドでミリオンヒットを出した
    “超高校級の軽音楽部”の澪田唯吹ですね。
    あと、向こうのマフラーを巻いた男子は
    “超高校級の飼育委員”の田中眼蛇夢……
    絶滅危惧種の繁殖に成功してニュースにもなってましたよ」

古畑「へえー、若いのに凄いんだねえ。
    あっちの着物の娘も高校生? 小学生ぐらいにしか見えないけど」
125 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:37:48.21 ID:qmLg8KtV0
今泉「あれは“超高校級の日本舞踏家”の西園寺日寄子ですね。
    小さいですが、海外での公演の実績もある歴とした高校生舞踏家で……
    同じ西園寺って名前でも、どこかのチビ太とは大違いですよ」

西園寺「ああ? 誰が小さいだって、このブサキモハゲオヤジ!
     キモいから同じ部屋で息するな!」

今泉「」

古畑「まあ、皆さんが希望ヶ峰学園の生徒ということは分かりましたが……
    え〜、その、コロシアイ修学旅行と言うのは
    ……にわかには信じがたい話です」

終里「オレ達がデタラメを言ってるってのか?」

古畑「んー……コロシアイの首謀者だとかいうモノクマ?
    とか言うのも現実離れした話ですし、
    そんな動くクマのヌイグルミがいるなら、是非ともお目にかかりたいくらいで」

日向「実物を見せてみろってことか……」
126 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:38:32.05 ID:qmLg8KtV0
ソニア「困りました……モノクマさんは、
     さきほどモノミさんの自爆に巻き込まれて消滅してしまったのです」

田中「モノケモノもどういうわけか居なくなっていたしな。
    俺様の秘めたる力に恐れをなして逃げ出したのか……?」

小泉「あの、せめて警察本部に連絡を取ることはできないんですか?
    その……例えば無線とかで」

古畑「んー、申し訳ないですが、あの車は警察車両ではないので
    無線は積んでいないんです」

今泉「あ、僕の車なんです」

古畑「携帯もさっきから圏外ですし……う〜ん、どうしたものかなあ」

左右田「なんだよぉ……せっかく警察が来て、
     この島からも出られるかも知れないと思ったのに、
     話を信じてすら貰えねーなんて……」

七海「待って。諦めるのはまだ早い……と思うよ。
    モノミやモノクマはいなくなっちゃったけど、狛枝くんの死体を見て貰えば、
    ある程度は私達の言うことも信じて貰えるんじゃないかな?」
127 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:39:19.86 ID:qmLg8KtV0
辺古山「なるほど、確かにそれが一番早そうだな」

今泉「し、死体って……ええと」

辺古山「昼ごろ、私たちが海水浴をしている時に、
     狛枝と言う奴が死体で発見されたのだ。
     先ほどまで、その事件に関する学級裁判を行っていた」

古畑「ん〜……その狛枝さんという方も希望ヶ峰学園の?」

辺古山「そうだ。“超高校級の幸運”という肩書の持ち主だった」

今泉「あ、知ってますよ。
    確か、全国の高校生から毎年抽選で一人選ばれるって」

古畑「ふうん。そういうのもあるんだねえ」

終里「よっしゃ、決まりだな。
    案内すっからオレについてこい」

古畑「う〜ん……今泉くんさー、悪いんだけど確認してきてくれる?」
128 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:40:19.73 ID:qmLg8KtV0
今泉「ええ? 古畑さんは?」

古畑「私もうお腹空いて動けないよ。
    ここで待ってるから」

今泉「そんな、僕だってお腹空いてるのに!」

日向「ええと……腹が減ってるなら、
    朝食に作ったサンドイッチがちょうど二人分余ってるけど」

今泉「本当ですか? やった!」

古畑「いえー、死体が本当にあるか確認するのが先決だと思いますー。
    ほら、今泉くん、さっさと行ってきなさい。
     私はここでご飯食べて待ってるから」

今泉「そんな! 古畑さァん!」

古畑「ちょーっと行って見てくるだけだろ。
    戻ってきてから食べればいいじゃない。
    ほら、行った行った」
129 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:41:00.26 ID:qmLg8KtV0
終里「おーい、来るんなら早く来いよー!」

今泉「……うぅ!」

古畑「バイバイ」

小泉「半泣きで行っちゃった……」

西園寺「大の男がみっともないよねー
     きっと普段から役に立たないんだろーなー」

日向「あれでいいのか……?」

古畑「いいんですいいんです、いつものことですから。
    それより、えー……がっつくようで申し訳ないんですが、
     サンドイッチ、頂いてもよろしいでしょうか?」

日向「あ、ああ……今持ってくるよ」
130 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:41:45.25 ID:qmLg8KtV0
古畑「うーん、美味しい。
    このサンドイッチどなたが作られたんですか?」

澪田「創ちゃんっす!」

小泉「そうそう、今日は日向が皆の分の朝ごはんを作ってくれたんだよね」

日向「元々そんなつもりは無かったけどな……」

弐大「むぅ! ワシと終里は朝練のため早めに朝飯を済ませちまったからのう!
    これは勿体ないことをしたぜよ!」

日向「ああ、そう言えば朝ホテル前で会った時、そんなことを言ってたな」

七海「私も、ちょっと残念かな……
    朝、眠くて外に出るのが億劫だったから
    部屋にあったお菓子で済ませちゃったんだよね」

小泉「もー、朝はちゃんと食べないと身体に悪いよ?」

古畑「ちなみに、日向さんはどんな才能の持ってらっしゃるんです?
    パン作りの才能とか?」
131 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:42:24.51 ID:qmLg8KtV0
日向「あ、いや、俺は……」

田中「日向は希望ヶ峰にて最強……
    だが、その能力(ちから)は謎に包まれているのだ」

古畑「謎?」

日向「この島に来た時の記憶が曖昧でさ……
    そのせいか、自分がどんな才能を持っているのか思い出せないんだ」

七海「言ってみれば、“超高校級の???”ってトコだね」

古畑「他の皆さんも、日向さんの才能はご存じない?」

日向「ああ。少なくとも、俺は有名人だったわけじゃないみたいだな」

七海「皆が皆、有名ってわけじゃないしね」

古畑「んー……そういうものですか。
    あと、話は変わるんですが、
    えー、彼はどこに行ってしまったんでしょうか。
    黒いスーツを着た、金髪で背の低い……」
132 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:43:02.35 ID:qmLg8KtV0
日向「九頭龍のことか? 髪に剃り込みの入ってる」

古畑「ああ、そうです。私が警察の者ですと言った時から、
    何と言うか……居心地が悪そうにしていたので気になりまして」

澪田「冬彦ちゃんは“超高校級の極道”っすからねー!
    警察が苦手なんじゃないっすかー」

日向「ま、そうじゃなくても一匹狼だけどな。
    九頭龍の分も用意したのに、結局今日も朝食にすら来なかったし」

小泉「あ、そう言えば古畑さんなら九頭龍組のこともよく知ってるんじゃないですか?
    何て言ったって、現役の刑事さんなわけだし」

古畑「……んー、まあ名前ぐらいは聞いたことありますけどもー、
   暴力団は専門ではないので良く分かりません」
133 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:43:46.00 ID:qmLg8KtV0
澪田「おやおやー? じゃあ、何が専門なんっすか」

古畑「んーふふふ、えー、殺人ですー」

日向「……」

弐大「おお! そいつは頼もしいのぉ!」

古畑「そうそう、SMAP逮捕したの私なんですー。
    ああ、あとイチロー逮捕したのも」

澪田「うおおおーマジっすか!
    どっちの事件もニュースで見たっすよ!」

西園寺「へー、澪田おねぇでもニュース見るんだねー?」

澪田「たはー! 唯吹の意外な一面を披露してしまったっす!
    まあ本当はたまにしか見ないんすけどねー」

今泉「古畑さーん! 大変です!!」

古畑「あ、戻ってきた」
134 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:44:40.26 ID:qmLg8KtV0
今泉「本当に死体がありましたよ!
    死後半日くらい経ってるみたいでした」

古畑「んー……本当だったんだ。署に連絡も取れないし、
    ひとまず我々で調べてみるしかないかなあ」

左右田「ようやく俺達の話を信じてくれる気になったんだな!?」

古畑「さっきの、えー、コロシアイ修学旅行の話については
    正直まだ全部は信じられませんが、
    少なくとも殺人事件が起きるような異常事態だということは理解しました」

七海「やっぱり、モノクマ達のことまでは、簡単には信じて貰えそうにないね」

日向「……まあ、逆の立場なら俺だって信じないだろうしな」

古畑「今泉君、私も現場見てみるよ。案内して」

今泉「あの、古畑さん。僕もお腹空いてるんで、
    何か食べたいんですけど……確かサンドイッチがあるんですよね?」
135 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:45:08.95 ID:qmLg8KtV0
古畑「あーゴメン。美味しかったから君の分も食べちゃった」

今泉「そんなあ!」

古畑「まあまあ、お詫びにいいこと教えてあげるから……
   ちょっとこっち来なさい、こっち」

今泉「な、なんですか……」

古畑「あそこの白いシャツの子いるじゃない。
    日向君って言うらしんだけど、知ってる?」

今泉「いえ、知らないです。
    まあ、希望ヶ峰の生徒全員が有名人ってわけでもないですし。
    ……彼がどうかしたんですか?」

古畑「犯人、あの子だよ。多分ね」

今泉「え、ええ!?」
136 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:46:15.51 ID:qmLg8KtV0
古畑「あのー、すみません、日向さん。
    死体が発見されたのは、皆さんが海水浴をしていた時と聞きましたが、
    日向さんも海水浴には参加されてました?」

日向「ああ、いたけど」

古畑「死体発見時の話を詳しく聞きたいので、
    一緒に来て頂いてもよろしいでしょうか」

日向「……わかった」

七海「それなら、私も行こうかな。
   一人より、二人いた方がいいよね」

罪木「あ、あのぅ……わ、私もご一緒しますぅ……
    死体の状況とか、詳しくお話しできますし……」

古畑「んー、それはありがとうございます。
    それでは、ぜひお願いします」
137 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:46:46.43 ID:qmLg8KtV0
〜ジャバウォック島・中央の島〜

今泉「こうして、島と島が橋で繋がってるんですよ。
    事件現場は、次の橋を渡った先の島です」

古畑「ふうん、結構距離があるね。
    ……そう言えば、日向さんの才能については
    先ほどお聞きしましたけど、
    お二人はどんな才能をお持ちなんですか?」

七海「ええと……、私は、ゲームが得意なんだ。
    ゲーマーって奴だね」

古畑「なるほど、“プロ級のゲーマー”というわけですね」

日向「それは違うぞ!」

古畑「はい?」

日向「“プロ級”じゃなくて、“超高校級”なんだよ。
    “超高校級のゲーマー”七海千秋」
138 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:48:05.50 ID:qmLg8KtV0
古畑「ああ、なるほど、失礼しました。
    あとえーと、貴方は……」

罪木「あ、あの、罪木蜜柑と申しますぅ……
   え、えっとぉ……“超高校級の保健委員”って
   呼ばれてましゅうぅぅ……」

古畑「超高校級の……保健委員?
   保健委員って言うと、ええと……」

日向「罪木は怪我の手当てや、病人の看病なんかが得意なんだ。
    それこそ、プロの医者並みにな」

罪木「えへへへ……」

七海「それに、検死なんかもできるんだよね。
    だから、学級裁判では罪木さんのおかげで
    意外な真実が明らかになることもあったし」

古畑「んー、その学級裁判ですが、
    今回の狛枝さんの件についても行われたんですよね?」
139 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:48:45.86 ID:qmLg8KtV0
日向「ああ。ちょっとトラブルがあって、途中で終了しちゃったけどさ」

古畑「例えば、そのー……
    学級裁判の議事録のようなものはないんでしょうか?
    あったら、ぜひ拝見したいんですけども」

日向「……それなら、電子生徒手帳にログが残ってたかな。
    ああ、あったあった。ほら、これで見れると思うぞ」

古畑「あー、どうも、ありがとうございます。
    すいません、これ少しお借りしてよろしいですか?」

日向「いいけど、後でちゃんと返してくれよ」

古畑「んーふふふ、助かります。
    なるほど、事件に関連する証拠品もまとまってるんですねえ。
    んー、これは便利だ」

日向「…………」
140 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:50:04.42 ID:qmLg8KtV0
〜ジャバウォック島・第二の島 崖下〜

古畑「んー、確かに死んでます。
    後頭部の傷が致命傷みたいですね」

罪木「えぇ……ほ、他に目立った外傷も無いですし、
    間違いないと思いますぅ……」

日向「古畑さんは殺人課の刑事さんなんだよな?
    実際に現場を見てみて、
    何かわかったこととかはあるのか?」

古畑「いえー、これだけでは、まだ何とも。
    特に、犯人なんかは見当もつきません、はい」

日向「まあ、それもそうか……」

古畑「ただですね、死体の状況を見る限りでは、
    幾つか気になる点があります」

日向「……気になる点?」
141 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:50:43.59 ID:qmLg8KtV0
古畑「はい。狛枝さんなんですけれども、
    一体どのようにして死んだんでしょう?
    高いところから落ちた? それとも頭を殴られた?」

罪木「えっとぉ……最初は崖の上から落ちたんだと
    思ってたんですけどぉ……で、でもでも、
    学級裁判での話を聞いてたら、分からなくなってきちゃったんですよぉ!」

七海「そうなんだよね……、結局、
   崖の上にいた狛枝くんの正体は、分からずじまいだったし」

古畑「えー、議事録によると、学級裁判が終わる直前、
   七海さんが疑問を提示されてらっしゃいますねー。
   崖の上で目撃されたのは、狛枝さんの死体だったのかどうか」

日向「死体発見アナウンスに関する質問に、
    明確な答えは貰えなかったからな……」

罪木「あ、で、でも……皆さんのアリバイを検証した結果、
    誰かが狛枝さんの格好をしていた可能性はないって話でしたよね?
    そうなると、やっぱりあれは狛枝さんの死体だったんじゃないかなーって、
    私は思うんですけどぉ……」
142 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:51:28.86 ID:qmLg8KtV0
古畑「いやー、その可能性はないと思いますよ」

罪木「そ、そうですよねぇ、違いますよねぇ、
   わ、私なんかが、でしゃばってすみませぇぇんっ!」

日向「……何で狛枝の死体じゃないって思うんだ?」

古畑「崖の上で目撃されたのが狛枝さん本人の死体であれば、
   この死体はそこの崖の上から落下して、
   今ここにこうして横たわっていることになります。
   んー……、どう考えてもそれはありえない」

七海「えっと……そう言えば、日向くんが学級裁判で
    死体の向いている方向が、おかしいって言っていたけど……」

古畑「はい、確かに向きもおかしいと思います。ですがそれ以上にですね、
    致命傷以外の外傷がないというのがおかしんです。
    こんな高い崖から落ちてるんですよ? 死体にだって幾らかは傷がつきます」

罪木「あぁ! 確かに、そうですよぉ!
   言われてみれば、狛枝さんの死体は、
   崖から落ちたにしては傷が少なかったですぅ……」
143 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:52:13.97 ID:qmLg8KtV0
日向「なるほど、確かにそうかもな」

罪木「ふえぇ……私って本当にグズでノロマですよねぇ……
    検死くらいでしか皆さんのお役に立てないのに、
    その検死すらまともにできないなんて……」

日向「ま、まあ、そんなに気を落とすなよ」

古畑「そうです、気にすることなんてありません。
    私の部下なんか、検死どころか
    全く何の役にも立たない男ですから」

今泉「あの、古畑さん。僕のことじゃないですよね?」

罪木「で、でも、しょうがないんですぅ……
   崖から落ちたばっかりに見えた狛枝さんが、
   死後結構時間が経ってることに気を取られちゃってぇ……
   うう……ゲロブタですびばせぇぇんっ!」

七海「あのさ、大丈夫だから、落ち着こうよ。ね?」
144 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:53:02.82 ID:qmLg8KtV0
日向「それにしても、誰かの変装でも狛枝の死体でも無かったなら、
   ますますもって崖上にいた狛枝は何だったんだ?」

古畑「まあそれは、おいおい調べてみるとします。
   それよりも、私は他に気になる点がありまして……」

日向「まだ何かあるのか?」

古畑「狛枝さんの履いている靴を見てください、
    靴の裏です……どう思います?」

日向「どうって……別に、気になるところは無いけど」

古畑「この辺り、海の近くだから砂場が多いじゃないですか。
   それにしては、靴底がキレイだと思いませんかー?
   砂なんかほとんどついてない」

日向「ああ……そう言えば、そうだな」

古畑「うーん……これはどういうことなのかなあ……
   どういうことだと思います、日向さん?」

日向「何で俺に聞くんだよ」
145 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:54:03.82 ID:qmLg8KtV0
古畑「いやー、議事録を読む限り結構鋭い発言されていましたし、
   もしかしたら日向さんには探偵の才能があったりするんじゃないかと……
   “プロ級の探偵”、どうです?」

日向「それは違うぞ!」

古畑「はい?」

日向「だから“超高校級”だって、“プロ級”じゃなくて。
    さっきも言っただろ」

古畑「ああそうでした、失礼しました。
   で、どういうことだと思います?
   何で靴底が砂で汚れていないんでしょう」

日向「それは……例えば、別の場所で殺されて
    犯人にここに運ばれてきたとか」

古畑「はい、私もそう思います。
   しかし、そうなると犯人はなぜわざわざ
   ここまで死体を運んできたのか……」
146 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:54:44.49 ID:qmLg8KtV0
日向「……学級裁判で左右田が言っていたみたいに、
   海水浴に来ていた奴らに死体を発見させるつもりだったんじゃないか」

古畑「んー、私もそう思います。ということはですねー、
   やはり犯人は海水浴が行われることを前もって知っていた……
   つまり、海水浴に来ていたメンバーの誰かなんでしょう」

日向「いや、待ってくれ。学級裁判でも言ったんだけど、
   海水浴に参加してなかったからって、
   海水浴のことを知らなかったとは言い切れないはずだ。
   左右田みたいに、食堂の死角でソニアの話を聞いていた可能性がある」

古畑「うーん、それはどうでしょう。
   海水浴に来てなかったのは、九頭龍さんと、田中さんと、
   あとあの身体の大きい……」

七海「弐大くんだね。“超高校級のマネージャー”」

古畑「ああ、ありがとうございます。
   九頭龍さんと、田中さんと、弐大さん……
   海水浴に来ていなかったのはその三人ですよね?
   彼らが犯人と言うのは……ちょっと考えにくいかと」
147 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:55:37.26 ID:qmLg8KtV0
日向「どうしてだよ?」

古畑「えー、彼らが犯人だったとしてですね、
   犯人は死体発見前後にこの現場まで来ていたと思います?」

日向「それは……分からないけどさ」

古畑「では仮に犯人はこの現場には来ていなかったとしましょう。
   崖の上で目撃された狛枝さんの正体については
   何か全部自動でどうにかできるトリックがあったのだとして、
   犯人自身はずっと第一の島にいた……こう考えた場合、
   ちょっと犯人の行動が腑に落ちないんです」

日向「……何が?」

古畑「仮にですよ? 仮に犯人が別の島にいながらにして
   皆さんに死体を発見させることができたのだとしたら、
   なぜ犯人はその間に自分のアリバイを作ろうとしないんでしょうか?
   九頭龍さん達三人は全員一人でいてアリバイが曖昧でした。
   田中さんには、えー……一応アリバイがあったみたいですが、
   このアリバイだって田中さん自身が言い出したことではありません。
   意図的にアリバイを確保していたようには思えない。
   はい、どうも、ここのところが疑問でして」
148 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:56:24.45 ID:qmLg8KtV0
日向「……それなら、この現場まで来ていたのかも知れない」

古畑「あれ、まるでこの三人の中に犯人がいるみたいな口ぶりですね?
   もしかして、日向さんはこの中の誰かを疑ってらっしゃるんですかー?」

日向「いや、そういうわけじゃないけどさ。
   ただ、そういう可能性もあるってだけで……」

古畑「しかしですね、犯人がここに来ていたというのも考えにくいんです。
   と言うのはですね、議事録によるとホテル旧館の火事を消火した際、
   スーパーにいた九頭龍さんがホテルに着いた時には
   田中さんも弐大さんも既に消火活動をしていたそうじゃないですか。
   仮に二人のうちどちらかが犯人でこの現場に来ていたとしたら、
   その後、九頭龍さんより早くホテルの旧館に辿り着くのは難しいと思います」

日向「……最後に来た九頭龍なら可能性はあるんじゃないか」

古畑「九頭龍さんが怪しいと思ってらっしゃる?」

日向「可能性って言ってるだろ」
149 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:57:09.37 ID:qmLg8KtV0
古畑「んーふふふ、そういう意味では確かに
    九頭龍さんには可能性があるかも知れません。
    しかし、彼が犯人だとすると別の問題が……」

日向「別の問題?」

古畑「犯人は狛枝さんの死体をこの場所まで運んできたはずです。
   しかし、小柄な九頭龍さんに、長身の狛枝さんの身体を運べるでしょうか?」

日向「小柄って言っても九頭龍は“超高校級の極道”だぞ。
   人の身体を運ぶくらい……」

古畑「あ、ほらまた。やっぱり九頭龍さんを疑ってるのでは?」

日向「だから違うって」

古畑「まあ、それでもですね、九頭龍さんが犯人の場合、
    体格差があるわけですから、
    狛枝さんの身体のどこかを引き摺るような形に
    ならざるを得ないと思います。ところが、狛枝さんの身体が
    引き摺られたような形跡はどこにもないんです」

日向「……」
150 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:58:02.82 ID:qmLg8KtV0
古畑「恐らく犯人はですね、こう狛枝さんの身体を両手で抱き上げるか、
   あるいは背中に負ぶうようにして死体を運んだんだと思います。
   だから引き摺られた痕跡が残っていないんでしょう」

罪木「ふゆぅ……さすがに本職の刑事さんだと、
   色んな事がわかるんですねぇ……」

古畑「んーふふふふー、他にも分かることはありますよー。
   今の話を前提に考えれば、罪木さんに七海さん……
   貴方達が犯人と言うことはないでしょう。
   お二人に狛枝さんの死体を抱き上げて運べたとは思えない」

七海「うーん、確かに、私の腕力じゃ難しいかな」

古畑「そうです、男の力じゃないと難しいはずです。
   さらに、犯人は海水浴に参加していたメンバーにいるはずで……
   んー、そう言えば、海水浴に参加していた男子って言うと、
   日向さんがそうでしたっけ?」

日向「…………まあな」
151 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:58:40.01 ID:qmLg8KtV0
七海「えっと……、でもさ、左右田くんも海水浴に参加してたし、
   日向くんだけが怪しいってことはない……と思うよ?」

罪木「そ、そうですよぉ! それに……、終里さんや辺古山さんなら、
    力も男の人並みにあると思いますし……」

古畑「ああ、いえ、別に日向さんを疑っているというわけではありません。
   そもそも私、まだ皆さん全員の顔と名前も一致していないくらいですし、
   誰が犯人なのかって考える以前の段階でして……」

七海「むー……、あんまり、そうは見えないけど」

古畑「そもそも、終里さんと辺古山さんってどんな方でしたっけ?」

今泉「終里さんはさっき僕をここに案内してくれた娘ですよ。
   色の黒い、男っぽい口調の……」

七海「辺古山さんは、眼鏡を掛けた銀髪の子だよ。
   さっき、ホテルの食堂にもいたよね」

罪木「終里さんが体操選手でぇ……、辺古山さんは剣道家なんですよぉ」

古畑「うーん、なるほど。やっぱりお二人ともプロ級の……」

日向「超高校級!」
152 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 00:59:28.62 ID:qmLg8KtV0
古畑「そうでした、超高校級でした。
   まあとにかく、そんな状態なわけですから犯人の目星もつかずでして……
   ちなみに、日向さんは誰が犯人だと思います?」

日向「だから何で俺に聞くんだよ」

古畑「いやー、知り合い同士の方が不自然な点とかにも気付きやすいかと……
   どうです? 誰が犯人っぽいとかありませんか?」

日向「いや、別に……」

古畑「まあまあ、そう言わずに。
   こういう話が事件解決の糸口になったりすることもあるんです。
   ぜひ、ご協力ください」

日向「……」

古畑「いかがです? 誰が犯人だと思います?」
153 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:00:27.81 ID:qmLg8KtV0
日向「…………辺古山か左右田」

古畑「ほう、なぜ?」

日向「崖の上にいた狛枝の正体が何であれ、
   何かできた可能性があったのは、最初に狛枝に気づいて
   さらに崖の上にも一番に登った左右田か、
   あるいはあの場にいたけど姿が見えなかった
   辺古山くらいしかいないんじゃないか?」

古畑「んー、なるほど……ありがとうございます」

日向「……まあ、学級裁判でも議論になってたような話だし、
    そんなに参考にはならないと思うけどさ」

古畑「とんでもない。
   今の話で重要なことが分かりましたとも」

日向「重要なこと?」
154 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:00:53.88 ID:qmLg8KtV0
古畑「ええ、つまり、海で遊んでいて周りに人の目があり、
   さらに崖に近づいてもいないのだから、
   日向さんには犯行は不可能だったはずだということです。
   んーふっふ、重要なことだと思いませんかー?」

日向「……ああ、そうだな」

古畑「とりあえず、ここで見るべきことは見たと思うので、
    私は他の場所も調べてみることにします。
    それでは失礼……ほら行くよ、今泉君」

今泉「あ、待ってくださいよ古畑さん!」

日向「…………」

古畑「あ、そうだ。忘れてた。
   最後にもう一つだけ、お聞きしたいことが」
155 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:01:31.09 ID:qmLg8KtV0
日向「な、なんだよ」

古畑「昨晩の狛枝さんの足取りを確認したいですけど、
   皆さん、最後に狛枝さんを見たのはいつですか?」

日向「ああ、なるほど……
   えーと、昨日の夕食の時だったかな」

七海「うーんと、私も同じかな」

罪木「あのぉ……私も一緒ですぅ……」

古畑「そうですか、ありがとうございます。
    んー、とりあえず今泉君と手分けして聞き込みかなあ。
    それでは、これで失礼します」
156 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:02:19.89 ID:qmLg8KtV0
〜ジャバウォック島・第一の島 ロケットパンチマーケット〜

古畑「んー、このスーパー色んなものがあるなあ」

今泉「ふ、古畑さーん。
    言われた通り、聞き込みをしてきました!
    ただ、一人だけどこに行ったか分からない子がいて……」

古畑「もしかして、着物の日本舞踏家の子?」

今泉「はい、そうです。西園寺日寄子……
    あれ、なんで分かったんですか?」

西園寺「気安く名前を呼んでんじゃねーぞブサキモハゲオヤジ!
     未練がましく残ってる毛をバリカンで刈り上げてやろーか?」

今泉「ええっ、ここにいたの!?」
157 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:02:54.64 ID:qmLg8KtV0
西園寺「何よー、いちゃ悪いの?
     好物のグミを取りに来たんだけど」

古畑「彼女からは話を聞いておいたから、
   聞き込みはもういいよ。
   で、どうだった?」

今泉「ええ、やっぱり被害者が目撃されたのは、
    昨日の夕食時が最後みたいですね」

古畑「私が聞き込みをした範囲でも、
   だいたい同じだったよ」

西園寺「あーやだやだ、ただでさえ中年のオヤジ二人で
     加齢臭がひどいのに、その上、殺人事件の話なんて
     辛気臭すぎるよー。私もう行くねー」

古畑「はい、ご協力ありがとうございましたー」
158 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:03:45.71 ID:qmLg8KtV0
今泉「口悪いですよねあの子……
   西園寺なんて名前の奴には、
   性格ねじまがったチビしかいないんだ!」ガサゴソ

古畑「ところで、君は何してるの?」

今泉「いい加減お腹空いて目が回りそうなんで
   何か食べ物を探そうと思って……
   あ、ハンバーガーがあった。
   専門店とかにありそうな、大きな奴ですよ」

古畑「あ、そう」

今泉「それにしても、本当にあの日向って子が犯人なんですかね?
   事件前後の話を聞く限りでは、
   とても彼には何かできたように思えないんだけどな」
159 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:04:34.46 ID:qmLg8KtV0
古畑「いやー、だいたいの方法はもう想像ついてるよ。
   ただ、証拠がなあ……」

今泉「あ、そこの電子レンジ使わせて貰ってもいいですか?
   ハンバーガーを温めたいんで」

古畑「私、思うんだけどさー、
   そういう大きいハンバーガーって食べづらくない?
   ハンバーガー全体が膨らんでるもんだから、
   一口じゃ食べれないしさ」

今泉「ああ、その場合はですね、バンズに挟まれている具を
   取り除いて別にすればいいんですよ。
   そうすれば、ちょうどいい厚さになりますから」
160 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:05:06.14 ID:qmLg8KtV0
古畑「中身を取り除いて薄くするって……
   それなら、最初から具を少なくしておけばいいのに」

今泉「それじゃ、高級感がないじゃないですか。
   ファーストフードと違って豪華な具を挟んでいるのが
   売りなんですから」

古畑「んー、そう言ってもなあ……
   ん……………………?」

今泉「どうかされました?」

古畑「んーふふふ、何でもないよ。
   ゆっくりお昼ご飯を食べてなさい。
   私はちょっと向こうに行ってるから」
161 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:05:43.29 ID:qmLg8KtV0
〜スポットライト〜

古畑「えー、ようやく日向創の仕掛けたトリックの全貌が理解できました。
    私の推理が合っていれば、彼は言い訳のしようがない
    とんでもない証拠を残しているはずです。
    今回の問題は、日向創が残した致命的な証拠とは何か?
    ヒントは……何故ホテルの旧館は燃やされたのか。
    古畑任三郎でした」
162 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/15(火) 01:09:35.68 ID:qmLg8KtV0
ひとまず、ここで本日は終了して、
トリック当て(正確には古畑の言う「致命的な証拠は何か?」の回答当て)の時間を取ります。

手がかりは一通り揃っているハズ。
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 01:41:13.86 ID:QbhQh7J4o
凄く話に引き込まれたわ
続きも楽しみ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 13:02:21.76 ID:Y7FTaei00
これは日向も真っ青だな
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 20:06:42.27 ID:JumKmNL10
>>119-134に、古畑が疑いを持つ切っ掛けがあるんだよな
>>135で既に日向に目を付けてるし
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 20:43:30.94 ID:SAJinHTqo
そこ読み直してもイワークさんしか頭に入ってこない
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 01:50:40.31 ID:GyqYweDuo
疑いを持ったのはサンドイッチの数だと思うが証拠がわからん…

ビーチボールが透明だから、中にキネクトか何かを仕込んどくってのも難しそうだしなー
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 02:44:54.65 ID:v9iWYb1m0
なぜラジコンヘリの存在を知っているのか?
さすがにないか
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 04:37:10.97 ID:H59BAkJDO
おつ。

モノクマ劇場も何気に本家っぽくてクオリティ高い。
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 05:37:23.67 ID:mH3SYQJm0
きゃあああぁああ!!
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 05:37:53.15 ID:mH3SYQJm0
やめてぇええ!!
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 05:38:24.06 ID:mH3SYQJm0
殺し合いなんて、絶対に間違ってる!
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 05:39:41.97 ID:mH3SYQJm0
分かってるの?
[ピーーー]ってことは、その人の希望や未来を全部奪うって事なんだよ?何でそんな簡単な事が分からないの?
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 05:42:38.89 ID:mH3SYQJm0
「嫌ぁ!!」
轟音と同時に小泉真昼の頭部が弾け飛んだ。
「きゃあ!!」
「やだぁ!!」
「やめてぇ!」
みんなは叫ぶがモノクマはまた引き金を引く。
今度は罪木蜜柑の左胸が紅く染まった。
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 05:43:41.57 ID:AzcLQMuUo
正直最初に怪しいって言い出したのは古畑のいつもの勘でしょ
本編じゃ間違ったこと見たことないけど
ハンバーガーの具に関してのやり取り見るに
サンドイッチの具工夫すぐ食べ終わらないようにしてその間に何かしてたとか?
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 05:46:32.42 ID:mH3SYQJm0
「やめて!もうやめてよ!お願いだから!!」
狛枝凪斗がモノクマに縋り付くが、モノクマは無言で凪斗を射殺した。
「やだぁ!!」
「嫌ぁ!!」
「何で?何でよぉ!!」
パン、と乾いた音と同時に今度は田中眼蛇夢の頭が吹き飛んだ。
「いゃあ!!」
「やめてぇ!!」
そして、また銃声。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 05:50:55.81 ID:mH3SYQJm0
超高校級の詐欺師の首から大量の血が噴き出した。
「嫌ぁ!!」
「もうやめてぇ!!」
銃声と同時に今度は日向創の心臓を貫いた。
「きやぁああ!!」
「何で!?何で!?」
今度は二発、連続で引く。
一発目は左右田和一の、二発目は花村輝々の額を貫いた。
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 05:57:20.51 ID:mH3SYQJm0
「やだぁ!!」
「もうやめてぇ!!」
今度は九頭龍冬彦の頭が弾け飛ぶ。
血と脳髄が残った者達の服や顔に降りかかった。
「いゃあ!!ぁ!!」
パァン!と大きな音と同時に辺古山ぺコの額に穴があいた。
「ひぃ!!」
「やめて……もう、やめて。」
それでもモノクマは引き金を引く。
弾は弍大猫丸の首を貫き、貫いた弾は、七海千秋の左胸に命中した。
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/16(水) 06:22:27.84 ID:mH3SYQJm0
「ひっ!」
「やだぁ!!」
終里赤音、ソニア・ネヴァーマインド、澪田唯吹が逃げ出そうとしたが、あっさりとモノクマに射殺された。
「ひっ……あ。」
最後に残った西園寺日寄子は怯えたような顔でモノクマを見る。
そして、銃声と同時に日寄子の顔が弾け飛んだ。
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 07:18:16.48 ID:mSozpdoD0
ああそっか、サンドイッチが二つあるのがおかしいのか
狛枝が死んだのが半日前なのに、何で彼の分のサンドを持ってるんだって
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 07:26:16.16 ID:ebupori9o
それいうなら逆
九頭龍と七海は来てないけど他のみんなは来てるかもう食べてた
狛枝死んだの知ってるから狛枝の分最初から作ってなかったってこと
だから二人分しか余らなかった
それよりハンバーガーのやり取りのほうが気になる
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 12:17:47.72 ID:Rg0pkaeI0
なかなか面白いな
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 15:27:03.61 ID:nlzwm/KDO

読み返したけど証拠分かんないわ
推理もの書けるって凄いな
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/16(水) 21:22:11.27 ID:mSozpdoD0
今日も同じ時間に来るとしたら、後一時間ちょいで回答編か……
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/17(木) 10:25:26.25 ID:vXxAAC6lo
追いついた
てっきり日向くんが論破続けて自滅するのかと
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 10:23:23.50 ID:8ZS96JKVo
まだー?
187 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:09:36.84 ID:1eHZsRIE0
〜ジャバウォック島・中央の島〜

古畑「日向さーん!
   ああ、いたいた。探しました」

日向「……何か用か?」

古畑「はい、これを返すのを忘れてましたので」

日向「あ、電子生徒手帳。
    そう言えば、まだ返して貰ってなかったっけ」

古畑「おかげさまで、無事卵が孵ってヘビミになりました」

日向「何で勝手にペット機能で遊んでるんだよ」

古畑「いやー、学級裁判の議事録を見ながら
   ついチョコチョコと、やってしまいまして……
   そう言えば、学級裁判ってどこでやってらしたんですか?」

日向「向こうにあるモノクマロックに、
    裁判場へ続くエレベーターがあるんだよ」

古畑「んー……、案内して貰ってもよろしいでしょうか」

日向「……まあ、いいけどさ」
188 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:10:34.54 ID:1eHZsRIE0
〜ジャバウォック島・モノクマロック前〜

古畑「ここですか? うーん、変な顔の像だなあ」

日向「このエスカレーターを上がると、
    裁判場に続くエレベーターに入れるんだ」

古畑「なるほど。実際に見てみたいなあ。
    日向さん、行きましょう」

日向「え、俺も行くのか?」

古畑「まあいいじゃないですか。
   さ、お先にどうぞ」
189 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:11:55.42 ID:1eHZsRIE0
〜エレベーター内〜

古畑「それにしても、電子生徒手帳貸して頂いて
   ありがとうございました。
   学級裁判の議事録は大変参考になりました」

日向「そうは言っても、刑事の古畑さんからすれば
   そんなに見るべきところは無かったんじゃないか?」

古畑「いえいえ、そんなことはありません。
   ただですねー、どうもあの学級裁判の進め方は
   私のやり方には合わないなーとは感じました」

日向「……って言うと?」

古畑「学級裁判では、皆さんで話し合って
   まず現場で何が起きていたのかを検証されていましたよね?
   そして、それが可能だった人物は誰か……というアプローチで
   犯人を見つけようとしてらっしゃいました」

日向「えーと……」
190 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:13:00.57 ID:1eHZsRIE0
古畑「一人で崖から落ちたように見えたから狛枝さんの自殺。
   誰かの変装なら可能性があるのは辺古山さん。
   時限装置で死体を落下させたなら可能なのは左右田さん。
   ラジコンで死体を落下させたならやっぱり辺古山さん。
   方法を先に考えて、それに合う犯人像を探すという順番です」

日向「別におかしくはないだろ」

古畑「はい、おかしくはありません。
   ただ、私の肌に合わないというだけのことでして」

日向「……じゃあ、古畑さんならどうするんだ?」

古畑「はい、私ならまず誰が犯人なのかを考えて、
   その後に犯行方法を解き明かします。
   まるっきり順番が逆ってことです」

日向「言うのは簡単だけど、そんなことできるのか?」

古畑「んーふっふっふっ、できるんです。
   おっと……、エレベーターが止まりましたね。
   裁判場に着いたみたいです。続きはそちらでお話ししましょう」
191 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:14:53.92 ID:1eHZsRIE0
〜裁判場〜

古畑「そう言えば私、以前も裁判所の法廷で
    事件を解決したことあるんです。
    んー、でもここは前に来た法廷とは
    雰囲気が全然違うなあ……」

日向「まあ、普通の裁判所じゃないしな……。
   それより古畑さん、さっきの話の続きは?」

古畑「あーそう言えば、お昼のサンドイッチはありがとうございました。
   おいしかったです。やっぱり日向さんには
   パン作りの才能があるんじゃないでしょうか。
   “超高校級のパン職人”なーんて……んふふ、今度は言えました、“超高校級”」

日向「別にパンまで一から作ったわけじゃないぞ。
   ……って言うか、そんな話をしたいわけじゃないんだろ?」

古畑「えー、サンドイッチ……私が最初に疑問に思ったのはサンドイッチでした。
   朝食の余りと言うことで、私と今泉の分のサンドイッチがあったわけですが……
   どう考えても、これがおかしいんです」

日向「……古畑さんが二人分食べたから、
   今泉さんって人の分は無くなってたけどな」

古畑「その二人分の朝食って、本来は誰が食べるはずだったんでしょうか?」
192 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:17:10.15 ID:1eHZsRIE0
日向「誰って……」

古畑「弐大さんと終里さんは、日向さんの作ったサンドイッチを食べていませんよね?
   先ほどホテルの食堂でそうおっしゃっていました」

日向「まあそうだけど、別にその二人の分ってわけじゃないぞ。
   朝ホテルの前であの二人に会った時に、もう朝食を済ませたって話を聞いたから
   弐大と終里の分までは作らなかったんだ」

古畑「それでその後、日向さんは他の全員分の朝食を作った。
    間違いありませんか?」

日向「ああ、なんかそういう流れになっちゃったせいでな」

古畑「九頭龍さんは一匹狼で、普段は食事にも顔を出さないと聞きました。
   その九頭龍さんの分も用意されたんですか?」

日向「辺古山に頼まれたんだよ。
   結局、九頭龍はこなかったけどさ。
   ……なあ、古畑さん。一体何の話をしているんだ?
   これがそんなに重要なことなのか?」
193 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:18:56.88 ID:1eHZsRIE0
古畑「九頭龍さんの分も作ったのに、九頭龍さんは来なかった……
   と言うことは、私が食べたサンドイッチの片方は
   もとは九頭龍さんの分だったということですね?
   では、もう片方は誰の分だったんでしょう」

日向「七海の分だよ。今朝はなぜか七海も朝食に来なくてさ。
   部屋でお菓子を食べたって言ってたけど…………」

古畑「…………」

日向「…………………………………………あ」

古畑「んーふっふっふ、気付かれましたか?
    ね、おかしいでしょう?
    数が合わないんです」

日向「いや、それは……」
194 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:20:57.92 ID:1eHZsRIE0
古畑「今朝、朝食に顔を出さなかった人物は全部で三人いたはずです。
   九頭龍さん、七海さん……そしてもちろん、狛枝さんも朝食には来ていない。
   来られたはずがないんです、だって昨日の夜に死んでしまったんですから。
   ですから、日向さんが全員の分の朝食を用意したのなら、
   サンドイッチは三人分余っているはずなんです。
   ところが、実際には二人分しか余っていなかった……さて、
   これは一体どういうことなんでしょう?」

日向「どういうことって……」

古畑「誰かがこっそり一人分つまみ食いした?
   いえ、違いますよね。ついさっき日向さん自身が言っていたじゃないですか、
   余っていたのは九頭龍さんと七海のさんの分だって。
   つまり、元々、狛枝さんの分は数に入ってなかったんです。
   貴方はですね、普段来ない九頭龍さんの分までサンドイッチを作ったのに、
   狛枝さんの分は作らなかった」

日向「待て、ちょっと待ってくれ」

古畑「問題はですね、えー、問題なのは、
   なぜ朝の時点で狛枝さんが数から除外されてしまうのかってことです。
   まだ死体が見つかる前ですよ?
   狛枝さんが既に死んでいることは犯人しか知らないはずです」

日向「ちょっと待ってくれって言ってるだろ!」
195 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:22:11.49 ID:1eHZsRIE0
古畑「……待ちましょう」

日向「俺が犯人だから、狛枝の分の朝食は作らなかったって言いたいのか?」

古畑「違いますか?」

日向「……朝早くて寝ぼけてたから、数を間違えただけだよ」

古畑「んー、まあ、そうおっしゃるだろうとは思ってました」

日向「よしてくれよ。サンドイッチの数を間違えたってだけで、
   俺が犯人だなんて証拠にはならないだろ?」

古畑「んーふふふ、ご安心ください。
   確かにそんなことは何の証拠にもなりません。
   ただですねー、日向さんに疑いを持つきっかけとしては十分でした」

日向「なあ、狛枝の死体を発見した時の状況は
    古畑さんも分かってるはずだろ。
    俺には何かの小細工をする余地は無かったんだ」
196 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:24:49.25 ID:1eHZsRIE0
古畑「はい、確かに海にいた日向さんには
   何かすることはできなかったように思えます。
   これが学級裁判であれば、日向さんには不可能だから
   他に犯人がいるのだろうという話になるんでしょう」

日向「……」

古畑「しかし、私の場合はですね、先に犯人の目星をつけていますから、
   『他に犯人がいるのだろう』ではなく、
   『日向さんならどうすれば犯行が可能だったのか』を考えました。
   水着姿で海にいて、周りに人の目もある状況で、
   現場に近づきもしなかった日向さんには何ができたのか?」

日向「何ができたって言うんだ」

古畑「フォースです、フォースを使ったんです。
   強い念によって人間の潜在能力を引き出し、
   強力なサイコキネシスを用いて……」

日向「ふざけないでくれよ!」
197 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:26:53.71 ID:1eHZsRIE0
古畑「いえー、ふざけてなんかいません。
   学級裁判でも田中さんが同じようなことを言っていたじゃないですか。
   議事録に書いてありました。崖上で目撃された狛枝さんの正体が、
   狛枝さんの死体だったんじゃないかって話が出た辺りです」

日向「田中の言ってたことなんかありえるはずないだろ」

古畑「確かに、死体を落下させたというのはありえません。
   先ほど、事件現場でもお話ししたように
   死体には崖から落下した痕跡なんてありませんでした。
   崖の上で目撃されたのは狛枝さんの死体ではありえない」

日向「いや、そっちじゃなくてフォースとかサイコキネシスとかがだな……」

古畑「では、目撃された狛枝さんの正体は何だったのか?
   狛枝さんと見間違える可能性があるものなんて、
   倉庫に置いてあったっていう狛枝さんのコスプレセット以外には考えられません」
198 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:28:16.53 ID:1eHZsRIE0
日向「誰かが狛枝に変装していた可能性は無い……
   学級裁判でそういう話になってただろ」

古畑「はい。しかしですね、別に誰かが変装しなくてもいいじゃないですか。
    目撃されたのは遠目で後姿だけです。
    狛枝さんのカツラとコートだけが案山子のように崖上に立っていれば、
    それだけでもパッと見には狛枝さんに見えたんじゃないでしょうか」

日向「案山子のようにって……」

古畑「スーパーには水着の展示用に
   マネキン代わりの等身大パネルがありました。
   例えばあれにカツラを被せてコートを着せて、
   崖の上に立たせておいたとしたら?」

日向「それは……まあ遠くから見れば狛枝に見えるかも知れないけどさ、
    崖上の狛枝が飛び降りたことはどう説明するんだよ?」
199 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:30:40.17 ID:1eHZsRIE0
古畑「えー、こういうのはどうでしょうか。
   パネルの足元にラジコンをセットしておいて、
   ラジコンを走らせてパネルを倒すんです。
   すると、崖上の狛枝さんが急に倒れて消えたように見えますから、
   左右田さん達はそれを狛枝さんが崖から落ちたと錯覚した」

日向「崖の上にそんなパネルがあったら、
   崖に登った左右田が気付いているはずだろ」

古畑「パネルを紐か何かでラジコンにくくりつけておいてですね、
   ラジコンに引っ張らせて現場から撤去すればいいと思います。
   えー、ラジコンを改造した左右田さんにお話伺ってきたんですけども、
   あのラジコンはモーターを改造してあるから
   ちょっとしたものなら牽引できるということでした」

日向「……説明はついていると思うけどさ、
   それを俺がやったって言うのか?」

古畑「はい」
200 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:31:35.83 ID:1eHZsRIE0
日向「あのさ……何度も言うようだけど、
   狛枝が目撃された時、俺は海にいたんだぞ?」

古畑「はい」

日向「ラジコンを操作するにはコントローラーを手に持ってなきゃいけない。
    でも、俺はラジコンのコントローラーなんか持っちゃいなかった」

古畑「いいえ、アナタはコントローラーを持っていたんです。
   そして、『隠し持っていたコントローラーを操作して』
   ラジコンを走らせ、死体発見前の騒動を起こしたんです」

日向「それは違うぞ!」論破ッ
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/20(日) 23:33:22.59 ID:1eHZsRIE0
言弾【海の写真】
 >BREAK:『隠し持っていたコントローラーを操作して』

日向「いいや、それはありえないんだよ」

古畑「はい?」

日向「これは、事件の直前に小泉が撮った写真でさ、
   左右田が崖上の狛枝に気づくほんの数秒前に撮影されたものなんだ」

古畑「んー、日向さんが持っているのはビーチボールですか?」

日向「ああ。ほとんど透明なボールだから俺の両手が見えるだろ?
   見ての通り、俺はこの時、ビーチボールを持っていて
   両手が塞がっていたんだ。ラジコンなんて操作できなかったんだよ」

古畑「ふふふ、なるほど」

日向「それに、俺は水着だけ着た状態で海で遊んでいたんだ。
   ラジコンのコントローラーなんて隠し持つことはできなかった。
   だから――」

古畑「それは違いますー」反論ッ
202 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:35:30.44 ID:1eHZsRIE0
古畑「この写真を見る限り、確かに、
   日向さんは水着しか着ていませんでしたし、
   両手も塞がっていたんでしょう。
   しかしですね、それでも貴方はコントローラーを隠し持ち、
   さらに操作することができたんです」

日向「どうやったって言うんだ」

古畑「そもそも、左右田さんの改造したラジコンは
   コントローラーが正規のものでは無かったそうじゃないですか。
   左右田さんに聞きましたよ、元のコントローラーを壊したから
   ゲーム用のコントローラーで代用したって」

日向「ああ、そうだけどさ……それがなんだって言うんだ?」
203 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:36:15.47 ID:1eHZsRIE0
古畑「左右田さんはこうも言っていました。
   ゲームに使えるコントローラーなら、あのラジコンに転用できると。
   さらに、その改造はそれほど難しいことではなく、
   コツさえ知っていれば誰でもできるとも」

日向「……それが?」

古畑「昨日、左右田さんがラジコンを改造したとき、
   日向さんも一緒にいたんですよね?
   それならですね、日向さんならコントローラーをさらに別のものに
   挿げ替えることもできたんじゃないでしょうか」

日向「コントローラーを別のものに変えたって何も変わらないだろ。
   俺は両手が塞がってたんだぞ。操作することはできなかった」

古畑「エモーティブ・エポックなら?」
204 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:37:20.66 ID:1eHZsRIE0
日向「エモ……何だって?」

古畑「あるいはマインドセットとか、ミューズなら操作できたんじゃないんでしょうか」

日向「何だよそのマインドなんとかって」

古畑「商品名で言っても分かりませんか?
   じゃ、こう言い直しましょう……『脳波コントローラー』」

日向「!」

古畑「えー、スーパーにはですね、
   ゲームに使えるコントローラーが色々置いてあったんですが……
   その中に、脳波コントローラーが幾つか混じっていました。
   脳波を使って何かを操作する……んーふっふっふ、凄い時代になったものです。
   念じただけでものが動くなんて、まるでサイコキネシスみたいだと思いませんかー?」
205 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:38:22.08 ID:1eHZsRIE0
日向「俺が脳波コントローラーを使ってラジコンを動かしたって言うのか?」

古畑「はい。これなら両手が塞がっていても操作できると思いますが」

日向「脳波コントローラーって、ヘッドセットみたいなものを頭につけるんだろ?
   そんなものつけてたら、他に海水浴に来ていた奴らが気付くはずだ。
   ほら、さっきの写真をよく見てくれよ。俺は何も着けていないじゃないか!」

古畑「はい、確かにそのように見えます。
   しかし、実際には日向さんはこの時、脳波コントローラーをつけているんです。
   コントローラーが丸見えだと他の方に気付かれてしまいますから、
   見えないように隠しているんです」

日向「……どうやって?」

古畑「えー……カツラで」
206 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:40:02.81 ID:1eHZsRIE0
日向「……」

古畑「衣装とカツラは狛枝さんの分だけではなく、全員分あったんですよね?
   当然、日向さんのカツラもあったということになります。
   貴方は……えー、貴方はですね、脳波コントローラーの上に
   自分のカツラを被ることによってコントローラーを見えなくしたんです。
   ……いかがでしょうか?」

日向「そんなの、単なる想像だろ」

古畑「んーふふふふふー」

日向「証拠なんてない」

古畑「えー、この方法の問題点はですね、
   カツラを被った際に頭が膨らんでいるように見えないかということなんです。
   例えば私が同じことをしようとして、自分の髪型と同じカツラを用意したとしても、
   私の場合、髪の毛がこう、ボリュームがありますから……
   カツラの下の髪の毛のせいで、カツラが不自然に膨らんで見えてしまうと思います」

日向「それなら……」
207 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:40:45.08 ID:1eHZsRIE0
古畑「日向さんも前髪は短いですけど、髪の毛自体にはそこそこのボリュームが……
   特に頭のてっぺんのアンテナみたいに立っている髪の毛なんかは
   カツラを被る際に物凄く邪魔になるのではないかと思います。
   んーふふふ、さて、どうすればいいんでしょう?」

日向「…………」

古畑「えー、お分かりですね?
   中身のせいで膨らんでしまうのであれば、中身を取り除けばいい。
   つまり、髪の毛を切ればいいんです。
   何ならバリカンで頭を丸刈りにしてしまって、その上からカツラを被ればいい。
   いや、むしろ逆ですね、貴方がこの方法を使ったのであれば、
   髪の毛を切る必要があったはずなんです」

日向「……俺の髪は前からこのくらいの長さだよ」
208 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:41:45.91 ID:1eHZsRIE0
古畑「ホテル旧館の倉庫に火が放たれた理由について、左右田さんは、
   『狛枝さんの衣装が無くなっていることを隠すため』だと推理されていましたが、
   貴方が本当に隠したかったのは別のものだった。
   狛枝さんの衣装が犯行に使われたことがバレても、
   すぐに日向さんが疑われるというわけではありません。
   実際、学級裁判では狛枝さんの衣装が利用された可能性について議論されましたが、
   日向さんに疑いがかかることはありませんでした」

日向「……」

古畑「しかしですね、『日向さんのカツラ』が無くなっていることがバレたら、
   貴方の仕掛けたトリックが露見してしまう可能性があった。
   ですから、貴方は倉庫を……正確にはコスプレ衣装一式を
   燃やしてしまう必要があったんです。
   カツラを元の場所に戻すと言う選択肢はありません。
   髪の毛を切ったことを隠すため、カツラはずっと被っていないといけませんからねー」

日向「…………」

古畑「さて、えーと……証拠でしたっけ?
   ですが、その前に事件を最初から振り返ってみましょう」
209 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:43:36.03 ID:1eHZsRIE0
 ―クライマックス推理―

古畑「犯行は昨日の夜に行われました。
   そして、今日海水浴があることを知っていた犯人は、
   それを利用して自分のアリバイを確保しようとしたんです」

古畑「狛枝さんの死体を崖の下まで運び、
   崖の上には狛枝さんの衣装をつけたパネルをセットしておいた。
   パネルはさらにラジコンにも繋がれていて……
   犯人はこのラジコンを再改造したわけです」

古畑「どういう改造かと言うと、コントローラーを
   脳波コントローラーに挿げ替えたんですよ。
   そして犯人は自分の髪を切り、その上に
   脳波コントローラーとカツラをつけて海水浴に参加した」

古畑「その後、海水浴中に崖の上のパネルに気付いた左右田さん達が
   そちらを見ている時、犯人は脳波を使ってラジコンを走らせました。
   パネルが倒れて見えなくなり、
   左右田さん達はそれを狛枝さんが崖から落ちたと勘違いした」

古畑「さらに犯人はラジコンを走らせ、崖の上からパネルを撤去したんです。
   このパネルは、死体発見アナウンスがあってから他の皆さんが
   現場に行くまでの間に回収して処分したんでしょう」
210 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:44:19.27 ID:1eHZsRIE0
古畑「最初に死体を発見した4人以外は、現場に行く前に着替えたそうですね?
   犯人はそのメンバーの中で唯一の男子だった……
   着替えは女子とは別の場所で行ったでしょう。
   つまり、一人になるチャンスがあったはずです。
   その時に、ビーチハウスのシャワー室でパネルを燃やしたんです」

古畑「さらに、その頃ホテルの旧館では、
   アイロンを使った時限装置によって火災が発生していました。
   犯人は脳波コントローラーを隠し持つために自分の髪を切っていて、
   そのことを隠すためにずっとカツラを身に着けている必要があった……
   自分のカツラがコスプレセットから無くなっていることを隠すため、火事を起こしたんです」

古畑「以上の一連の犯行を行った犯人は――貴方です、日向創さん。
   そして、その証拠は……髪を切ったことを隠すため、
   今も貴方の頭の上に乗っかっているはずなんです」

日向「…………ぐっ!!」

 ―クライマックス推理終了―
211 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:46:23.04 ID:1eHZsRIE0
古畑「えー、大変恐れ入りますが、
   日向さんの髪の毛を引っ張らせてもらえませんでしょうか。
   それで、この事件は解決すると思うんですが」

日向「……いや、その必要はないよ」

古畑「認めるんですか?」

日向「まあ……言い訳のしようがないしな」

古畑「んーふふふ、ありがとうございますー。
   しかし、貴方、大したものです。
   脳波コントローラー、私も試しに使ってみたんですけど、
   全然思い通りに動かせませんでした」

日向「ああ……脳波を安定して操るには、
   リラックスしたり集中したりを意識的に切り替えないといけないからな。
   人によっては、全くできなかったりするらしいぞ」

古畑「なるほど。んー、もしかしたら日向さんには
   そういった才能があるのかも知れませんね」
212 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/20(日) 23:47:48.02 ID:1eHZsRIE0
日向「はは、そうかもな。
   って言っても、実際は俺も脳波を安定させるのには苦労したんだけど」

古畑「そうなんですか?」

日向「海水浴で水着姿の女の子に囲まれてたからさ……
   なんか落ち着かなくて」

古畑「んーふっふっふ」

日向「それにしても、昨日はほとんど寝ずに頑張ったんだけどな……
   俺には“超高校級の犯人”の才能は無かったみたいだ」

古畑「まあ、そんな才能なら、
   無いにこしたことはないでしょうね」

日向「違いない」

(おしまい)
213 :『超高校級の殺人者』 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/21(月) 00:04:37.74 ID:6Vrqllv30
以上で本編終了です。
レスにあったように、古畑が疑いを持ったきっかけは
『サンドイッチの数が足りないこと』で正解です。

2〜3日後くらいにオマケを投下予定。
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/21(月) 00:28:39.87 ID:vej9wEago
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/21(月) 01:28:47.66 ID:OC2gmuLDO
おつ。
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/21(月) 09:58:31.70 ID:eK/FNqcDO
おつ
未プレイなんだけど、脳波コントローラってダンガンロンパに出てくるアイテム?
217 :『超高校級の慎太郎』の巻 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/25(金) 02:29:37.68 ID:izodGGzl0
今泉「優秀なワトソン役の共通点ってご存知ですか?
   みんな、探偵役には欠けている能力があるんです。
   例えば、ワトソンはホームズよりも一般常識があります。
   金田一耕介の等々力警部には、警察の組織力が。
   僕は……古畑より将棋が強いし、ダーツも上手い。
   ビリヤードの腕にも自信があります。えっと、それから……」
218 :『超高校級の慎太郎』の巻 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/25(金) 02:32:18.95 ID:izodGGzl0
〜鑑識課〜

桑原「…………」カタカタ

今泉「ねえ、何見てるの?」

桑原「ん? これね、今期の希望ヶ峰学園の新入生総合スレ。
   知ってる? 希望ヶ峰学園」

今泉「ああ、あれでしょ? 各分野の超高校級の生徒を
   全国から集めているって言う……」

桑原「そうそう、その希望ヶ峰学園」

今泉「ふーん、俺もスカウトされないかな。
   “超高校級のハスラー”とかで」
219 :『超高校級の慎太郎』の巻 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/25(金) 02:33:50.63 ID:izodGGzl0
桑原「おたくは現役の高校生じゃないでしょ、何言ってんの」

今泉「あーあ、俺が若いころに希望ヶ峰学園があればなあ。
   スカウトされたかも知れないのに……」

桑原「ビリヤードって高校の頃からやってたの?
   そんな“超高校級”レベルだったって話は聞いたことないけど」

今泉「いや、“超高校級の幸運”枠でさ……」

桑原「運頼みじゃない!」

今泉「でも俺、幸運には結構自信があるんだよ。
   エキサイトパークの時だって、無事に爆弾解体できたし」

桑原「運の良い人は爆弾と一緒に観覧車に
   閉じ込められたりしないと思うんだけどね。
   ……あ、そうだ。運試しならちょうど良いモノがあるんだった」

今泉「なになに?」
220 :『超高校級の慎太郎』の巻 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/25(金) 02:37:08.75 ID:izodGGzl0
桑原「じゃーん! 『マスタード入りシュークリームロシアンルーレット』!
   六個のうち一個だけ、激辛マスタード入りのシュークリームなんだよね」

今泉「こんなの、普段からこの部屋に置いてあるの?」

桑原「それは言わない約束でしょう。
   じゃあまずは僕から……」パクッ

今泉「次は俺の番か……よし、これだ!」パクッ

桑原「まだハズレは引いてないみたいだね。
   じゃあ、次はこれを……」パクッ
221 :『超高校級の慎太郎』の巻 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/25(金) 02:37:34.85 ID:izodGGzl0
今泉「残りの確率は三分の一か……
   よし、これにするか!」パクッ

桑原「それもハズレじゃないみたいだね。
   残りは二つか……」

今泉「確率は二分の一……
    お先にどうぞ」

桑原「じゃあ、こっちを」パクッ

今泉「……ど、どう?」

桑原「あ、からっ! 辛いっ!!」
222 :『超高校級の慎太郎』の巻 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/25(金) 02:39:32.58 ID:izodGGzl0
今泉「ははっ、俺の勝ち!
   じゃ、残りのシュークリームはいただきまーす」パクッ

桑原「…………」

今泉「……あれ、何で!? からっ、辛いっ!!」

桑原「ふふーん、引っかかった!
   さっきのは演技でしたー」

今泉「ちょっ、本当に辛い!
   そこのビーカーの中のお水貰うよ!」

桑原「え、ちょっと……」

今泉「……」ゴクゴク……
223 :『超高校級の慎太郎』の巻 ◆R5wtzVEmt. [saga]:2013/01/25(金) 02:44:34.81 ID:izodGGzl0
桑原「今泉さん、アンタそれ、飲んじゃったの……?」

今泉「え……お水じゃないの?」

桑原「ねえ、身体は大丈夫?
   何か具合悪くない?」

今泉「そう言えば、なんか身体から力が抜けてきたかも……
   ねえ、ビーカーには何が入ってたの?」

桑原「ま、まあ大丈夫。
   死んだりはしないと思うから……」

今泉「…………」

桑原「ああ、もう意識が無い!
   だ、誰かーっ!!」

(おしまい)
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/25(金) 10:25:14.36 ID:K7G+iqcxo
完走乙 面白かった―
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/25(金) 18:27:38.53 ID:28+thUyMo
最後の古畑のセリフは無いのか
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