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モバP「あの淫乱課金クソババアお祭り気分だな……」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:22:42.57 ID:HejseVR+0
モバP「あの淫乱課金クソババアなんとかならんか……」
モバP「あの淫乱課金クソババアと決着をつける」

の続きです

VIPで投下してましたがさるってたら落ちてしまったのでこちらに……

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1358605362
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:26:18.01 ID:HejseVR+0
おとぎ話の国、夜の帳が降りた頃

星空のように広がる無数の煌めきの中

小さな杖を指揮棒のように振るって、1人の少女が光の魔法を奏でている

遊園地のパレードをモチーフにした、一夜限りのライブイベント

絵本の挿絵から飛び出したような夢の世界

誰も彼もが魅了され、永遠に続くことを願わずにはいられない

こんな、……こんな素晴らしいステージを、この自分が創ったのだ!

きっとこれは、一夜限りの夢幻。明日へと履いてはいけないガラスの靴

偽りのものだと、わかっていた

いつの日か、砕けて散るのが必定だと

だけど、それでも決めたんだ

茨の道だろうと、前に進むと決めたんだ

『――プロデューサーさんは、○○だけの魔法使いなんです!』

そう言って笑ってくれた、あの小さなお姫様を

アイドルたちの頂点が集う、輝かしい舞踏会へと導くために
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:27:33.66 ID:HejseVR+0
P「最近、俺には習慣が1つ出来た」

P「といっても別に大したことではない。2つのことについて、ただメモを取っておくだけだ」

P「ひとつは、モバPの事務所に所属しているアイドルと、その売りだし方について」

P「とりわけ短期間に急速な成長を遂げるような子については綿密に、だ」

P「この行為には、ライバル事務所の動向をチェックする、という意味合いはもちろんある」

P「だけど一番の理由は、そう……ただ不安に思えたからだ」

P「少し前にうちの響や、モバPの事務所の佐々木千枝ちゃんが度重なるブレイクを果たしたこと」

P「うちの千早と、モバPの事務所のフレデリカちゃんがデュオを組み、こちらも成功を果たすことになったきっかけ」

P「携帯ゲーム、――アイドルマスターシンデレラガールズ」

P「あの悪夢のようなゲームに、俺の友人であり良きライバルであるモバPが、溺れてしまっているのではないか、と」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:28:58.02 ID:HejseVR+0
P「アイドルの命を、文字通りその存在を賭けた悪魔の取引。ゲームの中の魔女がもたらすシンデレラの魔法」

P「アイドルたちは無差別にそのゲームの中に取り込まれてしまい、現実に存在したあらゆる証を失ってしまう」

P「シンデレラガールズに囚われてしまったアイドルを解放する条件はただひとつ」

P「一定期間内に、彼女たちの限定SRのカードを2枚入手、SR カードへと特訓し、レベルと特技Lv.を最高状態にすること」

P「目的のSRはトレード無効、イベントであれガチャであれ、まずは自分の力で目当てのSRを2枚入手するしかない」

P「そしてゲームに取り込まれたアイドルたちを解放する資格があるのは、彼女たちの現実での存在を忘れていない者だけ」


P「解放できさえすれば、アイドルたちは現実での成功が約束される」

P「しかし解放に失敗すれば、アイドルたちは二度と現実に戻れず、誰もかもにその存在を忘れられてしまう」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/19(土) 23:30:03.39 ID:Z0EV+ivAO
おお、新作か
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:33:07.53 ID:HejseVR+0
P「かつて響や千早が巻き込まれてしまったことで、俺も否応なしにプレイすることになった」

P「……苦労はしたが、彼女たちを無事にゲームの中から助け出すことができた」

P「そして、シンデレラガールズでの演出をヒントにすることで、響と千早はアイドルとして確実にステップアップした」

P「プロデューサーとして悔しくはあるが、……これは疑いようがない事実だ」

P「そう、……だから、もうひとつメモしていることは、シンデレラガールズでSR化を果たしたアイドルたちのこと」

P「2つのメモを照らし合わせてみると、驚くべきことがわかるようになってきた」


P「ここ数ヶ月の間、期間限定ガチャSRやイベント上位報酬SRのほとんどが、モバPの事務所のアイドルたちだったんだ……」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:34:59.87 ID:HejseVR+0
765プロ事務所


テレビ『季節外れの水着運動会inグアム!さあ、お次の種目、バナナボートレースに登場するのはー!』

『ナターリアだヨ!賞品はオスシ、オスシでオネガイだヨ!』

『頑張ります!島村卯月です!頑張ります!頑張ります!!頑張ります!!!』

P「いくらなんでも、モバPのとこのアイドルはシンデレラガールズに取り込まれる頻度がおかしすぎる」ジィー

『……、……あつい』

『……あついですわ』

『あっいですよねえ、脱いで……水着でした。え、あれもう私の出番!?』

P「俺のとこはここ半年で響と千早の2人だけなのに、モバPのとこのアイドルは重複を含めればもう10人は超えてるぞ……」ブツブツ

やよい「プロデューサー、どうしたんですか? なんだか難しい顔してますー」

P「のわっ!?」ガバッ

やよい「ひゃあ!?」

ドンガラガッシャーン

伊織「あらら、また春香がコケて……ないわね? あれ?」

春香「ぐぬぬ……わたしの、わたしの効果音が……」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:36:38.28 ID:HejseVR+0
P「うう、危ない危ない」

P「……ごめんなやよい? 怪我なかったか?」

やよい「(わわわぷろぷろでゅーさーかおちかいです……!)」

伊織「――ってちょっとあんた、なにしてんのよ!やよいに変なことしないでよね!」

P「い、いや誤解だ誤解!急に声かけられてびっくりしちゃっただけだって!」

伊織「良いからさっさとやよいの上からどきなさいよ!いつまで覆い被さってるつもりなのよこの変態!」ドゲシッ

P「う、うわっすまん!?」ガバッ

やよい「あうぅ……////」

春香「むぅ、やよいを巻き込みつつ椅子ごとコケるとは……プロデューサーさんも中々のドンガラー(ボソッ」


P「……春香? 何言ってんだ?」

春香「のヮの」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:38:17.49 ID:HejseVR+0
伊織「で、なに?なんでそんなぼんやりしてた訳?」

P「い、いやあ別に……ちょっと他の事務所のプロデュースが気になったというか」

やよい「他の事務所、ですかー?」

P「ほら、モバPの事務所のアイドルたちのことだよ。最近は本当にすごい売れてるだろ?短期間に何回もブレイクした子もいるし……」

やよい「ふむふむー」

P「だから、その秘密は何なのか、俺なりにちょっと探ってみたかったんだよ。そろそろIA大賞も近づいてきたし、ライバル事務所のことはやっぱ気になるだろ?」

やよい「なるほどー!」

P「まあ、うちも響が負けないくらい突っ走っているし、千早もフレデリカちゃんとのユニットがかなり良い感じだからな」

P「良き仲間、良きライバルとして、これからモバPの事務所とどう付き合っていくべきか考えてたんだよ」

P「(……やっぱり、ブレイクのきっかけがあのゲームから得たアイディアだってことだけは気に入らないんだけどな)」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:43:01.30 ID:HejseVR+0
やよい「あの、また他の事務所の人たちとおしごとするかも、……ですか?」

P「ああ、そうなるかもしれんな。これからもモバPのやつとは仲良くしたいもんだ」

春香「そうですよねー。だって可愛いですもんねー、宮本フレデリカちゃん」

P「……春香?」

春香「あーあわたしも千早ちゃん……いえ、ちーにゃんとお仕事したかったなあ。でも仕方ないですよねー」

P「……おーい春香さん?」

春香「ちーにゃんとフレデリカちゃんのお仕事の時、プロデューサーさんったら凄い気合入ってましたもんねー」

P「……あの、とりあえずハイライトのない瞳でそういう台詞を言うのはちょっと止めて欲しいなって」

伊織「ふんっ、あんたの自業自得でしょ?わざわざ他の事務所のアイドルと千早を組ませたりするんだもの……」

春香「しかもやたらブレイクしちゃうんですもんねー。いやあプロデューサーさんは流石だなー。いよっ敏腕プロデューサー!あははっ」

伊織「そうよねえ、さぞ楽しかったでしょうねえ?……他の事務所の子をプロデュースするのは」

ゴゴゴゴゴゴゴ……

P「……あれ、もしかして俺いまDIEピンチなんDEATH?」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:44:23.77 ID:HejseVR+0
やよい「でもわたしも、フレデリカさんちょっと羨ましかったかなーって。千早さん、すっごくかわいかったですから」

P「そ、そうだろう? ……実はなやよい、千早とやよいの2人でTV番組をやろうって企画もあってな」

やよい「え、ホントですかー!?」

P「ああ、千早のあのキャラ……ちーにゃんかわいいよちーにゃんは、仕事の方向性を広げることが目的でもあったからな」

やよい「なるほどー!」

P「ちーにゃんかわいいよちーにゃんなら、天使やよいえるとも違和感なく仕事をきゅんきゅんこなせるだろう。……うん、多分」

伊織「……なんか、色々言いたいことはあるんだけど、とりあえず本音だだ漏れよあんた」

春香「ちーにゃん、ちーにゃんのきゅんきゅん番組……!」ハアハアチーニャンハアハア

伊織「……どいつもこいつも」ハァ
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:46:05.72 ID:HejseVR+0
P「お、そろそろお前たちはレッスンの時間だな?」

やよい「あ、ほんとですー」

春香「わわわ、急いで支度しないと!」ドタバタ

P「おいおい春香そんなに焦らなくても……」


ドタバタスッテンコロリンドンガラガッシャーンウヒャーイ


やよい「うっうー、春香さんすっごい飛び跳ねてますー!」

P「……いやなんでコケといて全力でご満悦な笑顔してるのあの子」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:47:14.72 ID:HejseVR+0
伊織「……」

P「どうした伊織?お前も早く支度しないと……」

伊織「ねえ、あんたの今日の予定は?」

P「俺か?俺はこれからモバPの事務所に出向いて打ち合わせだな」

伊織「……」ジロッ

P「お?何だよ急に怖い顔して……」

伊織「……別に。でもそうね、ちょっとそこに直りなさい」

P「お、おい」

伊織「いいから言うこと聞く!」

P「はい」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:49:28.19 ID:HejseVR+0
伊織「あんたは、さ」

P「うん」

伊織「あんたは、私のプロデューサーよね?」

P「そうだけど?」

伊織「……」 ジトー

P「伊織?」

伊織「……ずっと一緒、……なのよね?」

P「……あー、なんだ伊織、もしかして妬いてんのか?」

伊織「な、ばっ、ち、違うわよ!なんであんたなんかに!」

P「おーおでこ真っ赤だよいおりんはかわいいなあ」ナデナデ

伊織「おでこ撫でるな!いおりんって言うな!」ドゲシッドゲシッ

P「あひ、あひぃ……!」コウコツ



伊織「まったくもう……!とにかくあんたは、その……きちんと私のこともプロデュースしなさいってことよ!」

伊織「私をほったらかしにして、他の事務所の子を構ってばかりしたら許さないんだから!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:50:45.18 ID:HejseVR+0
P「な、当たり前だろう!伊織をほったらかしになんてするもんか!」

伊織「……っ」

伊織「……、……ホントに?」ジトー

P「ああ、もちろん」

伊織「……なら、良いわ」

伊織「このスーパーアイドル伊織ちゃんのために、これからもせいぜい馬車馬のように働きなさいよね、にひひ♪」

P「はいはい……」ナデナデ

伊織「ちょっと!おでこは止めてって言ってるでしょ!」ドゲシッ

P「はっはっは!お、大将今日やってるー?」ペラッ

伊織「のれんみたいにすんな!」ドゲシッドゲシッ

P「ぐ、ぐふぅ……ああ相変わらず良いふみふみだよいおりん」

伊織「いおりんって言うな馬鹿!変態!ド変態!EL変態!」ドゲシッドゲシッドゲシッ


伊織「……まったく、まったくもう!」ハアハア

P「いやあ、すまんすまん」テカテカ

伊織「何で血色良くなってるのよあんた……」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:52:41.53 ID:HejseVR+0
P「……ん?」

キラッ ピッカー

P「お、おい伊織……なんだかお前のおでこ光って」

伊織「あによ、これ以上からかうつもりならもう本気で怒るわよ?」ギロリ

P「い、いやいや!違うって、本当に……」

伊織「……あれ? ていうかあんたこそ、なんかズボンのポケットが光って……」

P「ズボン? ってまさか俺のスマホか!?」

やよい「伊織ちゃーん、そろそろ出ないと間に合わな、――わわ、まぶしいですー!」

春香「なにこれ!? た、たいようけん!?」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:55:00.21 ID:HejseVR+0
ゴゴゴゴゴゴゴ…

伊織「へ? な、なに、なんかあんたに吸い寄せられーー」

P「あ、マズイ伊織!俺から離れろ!?」

伊織「きゃあああ!」

ピッカー!




P「……伊織? 伊織!?」

やよい「き、きえちゃいましたー!」

春香「あわわわわ、あわわわわわ!」

P「やられたか、くそっ!」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/19(土) 23:57:23.04 ID:HejseVR+0
P「なあやよいに春香! 今なにが起きたか説明できるか?」

春香「それはえっと、何かが突然ピカーって光って」

やよい「いきなりきえちゃいましたー!」

P「……何が、いや誰が消えたかわかるか?」

春香「え?」

やよい「それは、それはえっと……?」

春香「……あれ?何でしたっけ?」

P「……!」

P「(2人に伊織の記憶がない。響や千早の時と一緒、間違くちひろさんの仕業だ!)」


P「(今度は伊織が、シンデレラガールズの中に囚われてしまった……!)」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:03:49.82 ID:c3RC552s0
P「……ひとまず、春香とやよいにはレッスンに向かってもらった」

P「俺も、もうモバPの事務所に向かわないとだな。伊織のことで相談もしたいし、丁度良い」

P「……シンデレラガールズ、か」

P「……」スマホポチポチ

P「あ、あれ?」

P「……」ポチポチ

P「伊織、シンデレラガールズの中にもいないぞ……?」

P「くそっ!どうなってるんだ……!」


P「ええい、……とにかく早くモバPのとこ行って相談してみるしかないか」




画面の中のちひろ『……』ニコニコ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:05:50.74 ID:c3RC552s0
渋谷、オフィスビル前


P「渋谷一等地のオフィスビルとか、相変わらず凄いとこに事務所かまえてやがるな……」

P「儲かってんだなあ、モバPのとこ」


受付嬢「765プロダクションご所属のP様、お待たせいたしました。こちらの入館証をお持ちになって」

P「エレベーターで26階ですね、ありがとうございます」



P「うーん、いつ来ても凄すぎて落ち着かないというか。俺、高いとこ苦手というか」

P「うちの事務所もそろそろ移転しようかみたいな話もあるけど……」

P「俺はあのオンボロ事務所のままでも良いかって思うんだよな。何となく温かみもあるし」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:07:00.55 ID:c3RC552s0
オフィスビル26階 モバP所属事務所


P「お邪魔しますー、765プロのPですが……」

フレ「あ、Pさんだ。ぼんじゅ?!」

P「お、フレデリカちゃんぼんじゅ?!」

フレ「今日はモバPさんと打ち合わせだっけ?」

P「そんなとこだな、モバPのやつはいるかい?」

フレ「ん?、そろそろ出先から戻ってくると思うんだけど……。ま、とりあえずPさん応接間にどうぞ?」

フレ「せっかくだから、アタシがお茶入れてあげる♪」

P「おお、そりゃありがたい。めるしーめるしー」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:11:22.29 ID:c3RC552s0
モバP所属事務所 応接間


P「ふーむ」

ハタラキタクナイヤミニノマレヨニャーニャーウッサイニョワー

P「しかしまあ、見渡す限りすげえ個性的な子ばっかだよな、この事務所……」

P「さっきも、すれ違った子にいきなり眼鏡を渡されたし」

P「……」



(」@ω@)」スチャ

P「あら……案外良いかも?」ポワワ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:14:50.62 ID:c3RC552s0
ドタバタ ガチャ

モバP「すまん、待たせてしまったようだな」

P「おお、来たかモバP。忙しそうだな?」

モバP「おかげ様でね。ってお前、……眼鏡なんてしてたっけ?」

P「そういうお前も今日は眼鏡なんだな?」

モバP「……」

モバP「ああ、そうかあいつの仕業ね」

コンコン

「失礼しまーす!」

P「はーい」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:17:45.90 ID:c3RC552s0
フレ「――食らえ!ガレット・ブルトンヌ!!!」ズバーン

P「おわっ!? ってなんだこれ、お菓子?」

モバP「おお、すまんなフレデリカ。お茶菓子の用意してくれてたのか」

フレ「えーちょっとモバPさんノリ悪いよーもっと驚いてよ?」

モバP「何度もやられてたら慣れるさそりゃ」

P「……ぶん投げたぞ、今お菓子受けぶん投げたぞフレデリカちゃん」

モバP「何もこぼれることなくきちんとテーブルの上に着地しただろ、問題ない」

P「どういう原理なんだよ」

モバP「アイドルは不可能を可能にするんだよ」

フレ「おーなるほどー!」

P「本人が理解していなかった…だと!?」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:18:40.27 ID:c3RC552s0
「……」ヨイショヨイショ

カチャ カチャ

モバP「……千枝も、お茶運んできてくれてありがとうな?」

千枝「は、はい!」


フレ「ほらほら千枝ちゃん、Pさんにごあいさつ!」

千枝「ぼ、ぼんじゅーる、です、Pさん」

P「やあ千枝ちゃん。久しぶりだね、うちの響と共演して以来かな?」

千枝「は、はい……、そのせつはどうもでした」ペコリ

P「(うーんこの、千枝ちゃんかわいいよ千枝ちゃん)」


フレ「そういえば、響さんと千枝ちゃんで編み物対決やったんだっけ?」

モバP「そうそう。ちなみに俺がしてるマフラー、その時に千枝が編んでくれたやつね」

P「なん…だと…!?どうりで何か見覚えが」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:20:22.40 ID:c3RC552s0
千枝「わわわ!モバPさん恥ずかしいからそれは内緒にって……////」

モバP「恥ずかしいことあるか!ていうか自慢できるのが立場上Pくらいしかいないんだよ!」

P「くそう千枝ちゃん合法可愛い!だがアイドルに愛されているというのなら俺も負けんぞ!」

P「何を隠そう俺のマフラーも響のお手製さー!」

モバP「なにぃ!?やっぱり響ちゃん隠れ家庭的かわいいな!」

P「そうだろう、マフラーから太陽の香りがするさー!」

モバP「……ぐぬぬ、やりおるな」

P「はっはっは、お前こそ」

モバP「……」

P「……」

P・モバP「えへへへ?////」



フレ「なにこれ、へっぷばーん?」

千枝「な、仲良しさんですねー。……合法って何のことでしょう?」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:21:57.35 ID:c3RC552s0
フレ「さて、それじゃPさんごゆっくり!おっぼわー!」

P「あいよ、フレデリカちゃんおっぼわ!」

千枝「モバPさん、あの……千枝、打ち合わせ終わるまで待ってますから」

モバP「こらこら、千枝はこれから桃華たちとレッスンだろ?」

千枝「あぅ、そうでした……」

モバP「まあ、……どのみち今日の打ち合わせは長引きそうだからな」

P「……」

モバP「千枝とはまた明日、だな?」

千枝「は、はい、……それじゃモバPさん、また明日です!」

モバP「ああ、お疲れ様」

千枝「Pさんも、おつかれさまでした!」

P「はいよー」ヒラヒラ

千枝「……」ペコリ

ガチャ、バタン


モバP「……さて、今日はどっちの話をしようか。本業か、それとも……その様子じゃ副業の方かな?」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:23:39.35 ID:c3RC552s0
モバP「シンデレラガールズの中に囚われたはずのに、ゲーム内で見当たらない、か……」

モバP「そうなると、おそらくその子、水瀬伊織ちゃんはイベント上位報酬になったんだろうな」

P「イベント上位報酬……どうしてわかる?」

モバP「イベント上位報酬SRってのは、イベントが始まるまで開示されないんだ。イベント開催には必ず予告があるはずなんだが……」

P「ちょっと待ってくれ……」ポチポチ

P「……あった、イベント予告」



モバP「……プロダクションマッチフェスティバルか。まずいぞ、よりによって一番厳しいイベントかもしれん」

P「そうなのか?」

モバP「ああ、他のイベントと違って開催時間も決まってるし、ドリンク消費の激しさも飛びぬけてる」

モバP「フェスはな、簡潔に言うと『札束での殴り合い』なんだ」

P「身も蓋もないなそれ……」

モバP「まあぶっちゃけ他のイベントもそうなんだけど、フェスは特にその傾向が強くてな」

モバP「俺らは別に上位報酬を売ったりしないから関係ないが、基本的にフェスは、ランナーと呼ばれるイベント参加プレイヤーにとって赤字イベントなんだ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:25:47.92 ID:c3RC552s0
P「赤字、……イベントで赤字ってのはそもそもどういうことだ?」

モバP「イベント上位報酬として手に入ったSRの売り値より、上位入賞するために使ったドリンク数の方が高くついた場合だな」

モバP「例えば、ドリンク800本飲んでSR1枚獲り入賞したけど、報酬SRはドリンク500本でしか売れなかった、とかな」

P「ふむふむ」

モバP「まあ、スタドリ飲めばレベル上がるし、エナドリ飲めばファン数増えるからまったく損をする訳でもないが」

モバP「アイドルサバイバルってイベントでのエナは例外だけどな」

P「すまん、レベルはわかるんだけど、ファン数ってのは?」

モバP「マイページに表示されてるだろ?ファン数はプレイヤー=プロデューサーとしての力量を示すパラメータだな」

P「なんか、これだとプロデューサーにファンがついてるみたいにならないか?」

モバP「仕様だからそこは突っ込んでやるなよ。……手がけてるアイドルたちのファン数ってことなんだろ、多分」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:27:24.49 ID:c3RC552s0
モバP「ファン数はLIVE対決で勝利したり、スタミナ消費でお仕事を進めたりした時に増加していって」

モバP「50万人でAランク、200万人でS、500万人でSS、1000万人でS3のアイドルマスターになる」

P「ほうほう、それでゲームの名前がアイドルマスターって訳ね」

P「……で、ランクを上げると何か良いことがあったりするのか?」

モバP「一応、ちょいちょい特典はあるんだけど、まあ微々たるものだから割愛しよう」

P「え、じゃあファン数は何のために上げるんだ?」

モバP「まあぶっちゃけ、自慢になるってのが一番の特典なんだよ。特にS3に到達するのはそりゃもう色々と大変だし」

P「ふーん、そういうものなのか……」

モバP「俺たちだって謂わば現実でのアイドルマスターを目指してるんだから、気持ちはわかるだろうよ」

P「まあ確かにな。……どうせやるなら、頂点まで昇りつめたいってことだろ?」

モバP「概ねそういうことだ」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:29:28.29 ID:c3RC552s0
モバP「今回のイベントであるフェスは、上位報酬の3枚獲りが可能な唯一のイベントでな」

モバP「個人間だけでなく、その名の通りプロダクション同士でもランキング成績を競い合うことになる」

P「ほうほう」

モバP「他のイベントでは、イベント個人ランキングの上位入賞者は1500位までならSR1枚、150位まではSR2枚入手できるが」

モバP「フェスだと、さらに上位10位のプロダクションはプロダクション報酬としてSR1枚が貰えるんだ」

P「……プロダクションってのは?」

モバP「シンデレラガールズ内でプロデューサー=プレイヤーたちが作ってる集団さ。今のところ、最大で40人まで加入できる」

モバP「プロダクションに加入すると、参加人数に応じてステータスにボーナスが貰えたり、他にもちょいちょい特典がある」

モバP「まったり無課金で楽しむ連中や、イベントをバリバリ走る猛者たちで集まったり、まあその内訳は千差万別だな」

P「なるほど」

モバP「プロダクションにもファン数でのランクや、イベント毎にランキングがあったりするんだが」

モバP「フェスの場合は、その名の通り【プロダクションマッチフェスティバル】な訳で、プロダクション報酬も他のイベントより豪華なんだ」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:30:45.88 ID:c3RC552s0
P「なるほど、……話が見えてきたぞ」

P「つまり、伊織を救い出すためには、上位10位を狙えるプロダクションに入り、そこで1500位入賞してSR1枚獲りをするのが一番効率が良いってことだな?」

モバP「いや、そうとも限らないのが厄介でな」

モバP「もし上位10位を狙うプロダクションが11社以上あった時は、むしろ上位プロダクションに所属している方が厳しいこともある」

モバP「過去にそういう事例もあってな、まさに阿鼻叫喚の地獄だったよ」



P「……だがまあ、最終的に上位報酬SRを2枚獲得できればいいんだろう?」

P「よほどのことがない限り、個人で150位を目指して2枚獲りするより、個人とプロダクションでSR1枚ずつの方が消費が少なく済みそうだが」

モバP「まあそうなんだがな。……だけど次にお前のアイドルたちがゲームに引きずり込まれた時、参加を強いられるイベントがまたフェスだったらどうする?」

P「……、それは」

モバP「上位10社を狙えるプロは門戸が狭いし、1枚獲りしかしないやつに次のチャンスが巡ってくるとも限らない」

モバP「かといって個人2枚獲り狙いだけでは失敗するリスクも大きい」

P「つまり上位プロに傭兵に行きつつ、個人でも2枚獲りを目指すのが最適解ってことか?」

モバP「ああ、そういうことになるだろうな」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:32:03.20 ID:c3RC552s0
モバP「フェスで個人2枚獲りとなると、時間拘束が厳しい上に最低でもエナドリ3000本は必要になるはずだ」

P「……もうその本数の意味がよくわからん。ドリンクって1本100円だったよな?」

モバP「それ考えたら負けかなーって」

P「伊織はさすがお嬢様だけあって、高くつきそうだな。……でもまあ、やるしかないか!」

モバP「まあ、お前だけに苦しい思いはさせないさ」

モバP「俺も出来る限りサポートする。フェスだから、俺も同じプロへ傭兵に行けば直接支援も出来るからな」

P「それはありがたい、非常にありがたい……」


P「にしてもまったく、どこまで俺たちから絞り取れば気が済むんだ、ちひろさんめ……!」

モバP「ぼやくなよ、もう引き返せないんだからさ」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:33:06.55 ID:c3RC552s0
モバP「さて、改めてフェスについて説明するとだな」

モバP「フェスは12社のプロダクション毎にグループ分けされて総当たり戦をするイベントだ」

モバP「相手のプロダクションのアイドルユニットたちとLIVE対決を行って【声援pt】を稼いで」

モバP「【声援pt】の多いプロダクションが勝利を収めるって寸法だ」

モバP「もちろん、LIVE対決に勝った方が貰えるptも多いし、プロダクションの仲間とコンボを繋げれば追加ptも貰えるようになる」

モバP「グループ内順位は勝ち点制、個人ランキングとプロダクションランキングは合計【声援pt】で競い合うことになる」

P「グループ内順位ってのは?」

モバP「グループ内4位までに入ればそのプロダクション構成員にちょっとした特典があるってだけだから、ぶっちゃけ気にしなくてもいい」

P「ふむふむ。LIVE対決で総当たりってのは具体的にはどうやるんだ?」

モバP「初日は夕方と夜の2戦、それ以降3日間は昼、夕方、夜の3戦だ。最終日は夜にグループ内順位でマッチングされたプロとの最終戦が開催される」

モバP「1戦につき1?2時間、最終戦だけは3時間だったかな」




モバP「で、その試合中、プレイヤーたちは札束の分厚さ、ボタン連打の速度と精度を競い合うことになるって訳だ」

P「……おいおい、だから身も蓋もないなその言い方」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:34:26.72 ID:c3RC552s0
モバP「……そうそう、これはついでに話しておくけど」

モバP「ぶっちゃけた話、ゴニョゴニョすればポチポチではなく、マウス付きのおっきいスマホでカチカチすることも可能なんだよ」

P「おお、でもそっちの方がちょっとは楽そう」

モバP「ていうか上位ランナーはそれくらい当たり前みたいになってるんだが、……俺らは、それじゃダメみたいなんだよ」

P「……もしかして、ちひろさんの縛り?」

モバP「そういうことだ。アイドルを無事に解放したいなら、イベント参戦はケータイからに限定される」

P「ぐぬぬ……」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:37:27.65 ID:c3RC552s0
P「しかし開催時間が決まってるってのもまた厳しいな。日中は本業が忙しいし、夜だっていつでも暇って訳では……」

モバP「ああ、フェスの難しさってのはそこにもある。他のイベントなら開催期間中は自由に進行できるんだが」

P「とにかく参戦できる時間帯に、出来る限りptを稼ぎまくるしかないってことか」

モバP「そうなるな。今回は2枚獲り狙いだからな、局所的には高橋名人級の連打力が必要になるかもしれん」

P「人類の限界クラスじゃねえかそれ」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:38:36.86 ID:c3RC552s0
P「……まあ、いざとなったら溜まった有給でも消化させてもらうよ」

P「うちのアイドルたちだって、いざとなったら自分たちだけで仕事をこなせるくらいには成長してるしな」

モバP「ほう、そりゃ流石だな」

P「慢性的な人手不足でね、貧乏プロなもんで」

モバP「お前のとこは、その分アイドルたちのプロモーションにかなり力を入れてるんだろう?」

P「まあな、好きでやってる貧乏だからな。昔からそうだし、経営方針に文句はないさ」

モバP「正直、羨ましいよ。……今でこそ、俺もそれなりに予算が貰えるようになったけどさ」

モバP「担当の子たちが売れ出す前は、やっぱそれなりに苦労もしたもんさ」


P「……そうか、そうなんだな」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:39:42.82 ID:c3RC552s0
モバP「時にお前、ステータスはどう振ってる?」

P「お前に言われた通り、ひとまずスタミナに全部振ってるよ」

モバP「よし、それならひとまず問題ない」

モバP「だけどフェスに向けて、攻コストに限界まで振り直しをしなきゃならんな」

P「ふむ? 例によって説明してくれるとありがたい」

モバP「イベントで有用とされるステータスの型は大まかに3つあってな」

モバP「まずはお前にオススメしたスタミナ極振り、通称スタ極だな」

モバP「これは最近だとやらなくなったけど、ひたすらスタドリを飲みまくるマラソンイベントや」

モバP「マラソンにとってかわった人気イベント、アイドルプロデュースなんかで威力を発揮する」

モバP「両者ともスタミナしか消費しないから、当然スタ極が有利になるな」

P「ふむふむ」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:40:32.94 ID:c3RC552s0
モバP「あと、スタ極はスタドリをがぶ飲みした場合にプレイヤーのレベルが上がりやすいってメリットもある」

モバP「ゲームなんだから当たり前だが、レベルが高い方が総ステータスも高くなるし」

P「なるほど、そりゃそうだよな」

モバP「イベント毎にアカウントを切り替える人もいるが、そういう奴は必ずこのスタ極アカを持っている。何より育てやすいからな」

モバP「まあ、制約上サブアカウントなんて使えない俺らからしたら関係のない話だけどな」

P「……」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:42:25.79 ID:c3RC552s0
モバP「次にスタ攻バランス型。ある程度までスタ極でレベルを上げたらこの形にする人が多い」

モバP「ていうか、ひとつのアカウントで全てのイベントを走ろうとしたら自然とこうならざるを得なくなる」

モバP「スタミナだけでなく、攻コストを使うイベントも沢山あるからな。イベント毎に両者を調整できる柔軟性がこの型の売りだ」


P「……ところで、守コストはどういう扱いなんだ?」

モバP「今のところ、守コストをメインで使うイベントはないからシカトしていい」

モバP「ていうか、このゲームで防御を貫かれて損することなんてほぼないんだよ」

P「なんだそりゃ、つまり守コストは上げる必要のない地雷ってことか?」

モバP「今のところはな、……今後どうなるかはわからないが」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:43:42.06 ID:c3RC552s0
モバP「最後に攻極だな。ほぼ間違いなく攻コストしか消費しないフェスでは一番有利な型だ」

モバP「先にデメリットを上げると、攻極はそれはもう育てにくい」

P「スタ極とは真逆ってことだな?」

モバP「そうだ。攻極はスタミナが少なすぎてな、実用的な水準までレベルを上げるのにとにかく苦労させられる」

モバP「同じ本数のスタドリ飲んだとしても、スタ極と攻極じゃレベルの桁が違うなんてことはよくある話だ」

P「だけど、攻極っていうぐらいだから、その分だけLIVE対決での発揮値がもの凄くなるってことだろ?」

モバP「ああ、その通りだ。フェスの【声援pt】は発揮値依存だからな。他の条件が同じなら単純に攻コストの多い方が有利になる」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:45:14.70 ID:c3RC552s0
モバP「そもそも攻極はフェスが開催されるようになってから台頭してきた型なんだよな」

モバP「圧倒的な攻コストの多さと、それに伴うエナドリ消費効率、つまりは燃費の良さが攻極の魅力だ」

モバP「攻極の奴らは、まさしく札束で殴り合うために生まれてきた戦闘民族ってやつだな」

P「嫌なサイヤ人もいたもんだな」

P「スーパーサイヤ人だけどな」

P「もっと嫌だわ……」


モバP「まあ、本当に厄介なのはさ……」

モバP「例えステ振りで失敗してても、圧倒的な財力でそのハンデを飛び越えてくる猛者がめちゃくちゃ多いってことなんだがな」

P「……っ」ゴクリ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:47:04.08 ID:c3RC552s0
モバP「さて、お前は現状スタ極な訳なんだが……」

モバP「とりあえず、攻コストに振り直す前に、どっか適当なプロに入ってスタドリがぶ飲みしまくってだな」

モバP「レベルを最低でも130くらいまで上げた方が良いかもしれん」

P「ひゃ、ひゃくさんじゅうって……。俺、今レベル50とかだぞ?」

モバP「もうイベントランナーだとレベル130でも低すぎるくらいなんだよ。今後別のイベントを走らなきゃいけない可能性もあるし、レベルは高いに越したことはない」

モバP「……本来ならスタ消費イベントのついでにレベル上げするのが効率が良いんだが、まあそこは仕方ないな」

P「別のイベントを考慮か、うーん確かに必要なんだろうけど」

モバP「LIVE対決用の攻撃フロントも揃ってないだろうけど、それは俺の控えアイドルたちを貸してやれば何とかなるだろう」



P「……あ、ちなみにだけど。モバPってレベルいくつなんだ?」

モバP「ん?……そうだな、じゃあちょっと見てみるか?」ポチポチ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:54:45.02 ID:c3RC552s0
P「れ、レベル243…だと!?」

モバP「まあ、俺はちょっと守コストにステ振っちゃってるから、見た目ほど有効なステが高い訳じゃないけどな」

P「いやいや、にしても……。ていうか、レベルの上限ってこれいくつなんだ?」

モバP「前は200だったんだけどな、今は300が上限だ」

モバP「300到達してる人もそろそろ2桁近いんじゃなかったかな」

P「……すげえ世界だな、マジで」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 00:58:15.40 ID:c3RC552s0
モバP「で、これがフロントメンバーね」

モバP(属性Co)攻フロント

[魔法のスマイル]佐々木千枝SR
→地獄の千枝サバイバル

[スイートバレンタイン]十時愛梨SR
→血のバレンタイン

[プチ・マドモワゼル]佐城雪美SR
→第3回フェス、上位11社激戦時の上位報酬

[ハッピーブライダル]ナターリアSR
→史上最悪のマラソンイベント

[ニュージェネレーション]島村卯月SR
→島村ショック。コンプ規制後、コンプガチャからコンプ要素だけをなくした(よりえげつない)限定ガチャSRとして登場
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:03:32.46 ID:c3RC552s0
P「おいおい、みんなお前のとこの売れっ子アイドルたちじゃないか」

P「全員特技10ってことは……これ、みんなシンデレラガールズから救い出して来たってことか?」

モバP「ああ、この子たちは中でもかなりきつかった時の子たちだな。やってる最中のことはもう思い出したくないが」

モバP「だからこそ、こうしてフロントに並べてると、……なんかこう、充足感みたいなものがあるんだよ」

モバP「まあ、これも一種の趣味フロントってやつだな」

P「なんか、もう想像もつかないけど、ただただ恐ろしいわ……」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:04:51.34 ID:c3RC552s0
モバP「俺のフロントは特技や属性が噛み合ってないから、それほど発揮値が出せる訳じゃないんだ。ステのインフレが顕著になる前の子たちばかりだしな」

モバP「だから逆にバックメンバーはなるべく効率の良いものにしてる」

P「同じ名前がずらり……[千夜一夜舞姫]ナターリアSR って、絵柄は違うけどまたナターリアちゃんだな」

モバP「招待ナターリアは抜群の攻コス比で廃人御用達だな。コスパを考えれば間違いなく最強のバックダンサーの一角だ」



P「ちょっと待て、この子1人辺りの相場はスタ100くらいってことは、つまり合計で……え?え?」

モバP「ヤメロ、カンガエルナ、シヌゾ」

P「急にカタコトになったヨ!」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:12:29.56 ID:c3RC552s0
P「なあ、……ナターリアちゃんはさ、このゲームに2回も引き込まれてるのか?」

P「それに千枝ちゃんも、前に俺がガチャで引いたのとは違う絵柄だな。着物じゃなくて、魔法使いみたいな格好だ」

モバP「ああ、そうだ。2人とも1回目はイベント上位報酬だった。フロントにいるのはその時のやつだな」

モバP「2回目は、ナターリアは招待SR、千枝はイベント完走報酬だったから幾分か楽だったけどな。……千枝については、前に話したこともあったか」

P「千枝ちゃんや桃華ちゃんが京都散策デートする番組の、アイディア元になったってイベントだろ?」

モバP「その通りだ。千枝に関してはボーナスステージだったが、その時は桃華が上位報酬だったからな。結局イベントを全力で走らざるを得なかった」

P「……、きついなそれは」

モバP「もういい加減慣れてきたさ」

モバP「招待ナターリアは、最初こそ自力20枚入手だったが、本人を解放できてからはさすがにトレードで集めたよ」

モバP「バクメンだから特技を上げなくても良かったしな……」

P「なるほど、1人だけ特技10がいるのはその名残か」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:14:05.92 ID:c3RC552s0
モバP「……おっと、もうかなり話しこんじまってるな、フェスに話を戻そうか」

P「とりあえず、色々と準備しなきゃいけないんだなってのはよくわかったよ。大変そうだな……」ハァ

モバP「だがまあ、フェスである程度戦えるようなアイドルを揃えるのは、それほど大変なことじゃない」

モバP「フロントなら強R?中堅SRで充分すぎるくらいだし、バクメン向けの安価でコスト比の良いアイドルだって沢山いるしな」

モバP「いわゆる【理想フロント】じゃなくても、まったく戦力にならない訳じゃないのがこのゲームのミソなんだ」

P「……それを聞いて、ちょっとは安心したよ」

モバP「それと、今回は俺の控えのアイドルたちを貸してやるから、フロントに関しては安心してくれ」

P「ありがたい、それはマジでありがたい」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:16:32.86 ID:c3RC552s0
モバP「うむ、だからとにかくお前は大急ぎでバクメン用のアイドルをフリトレで買い漁って来い!」

P「了解!」

モバP「それから、早いとこ傭兵募集してる上位プロに掛け合った方が良いな……」

P「フェス開催まであまり時間もないし、本業もそろそろIA大賞にむけて、色々準備していかなくちゃいけない」

P「……本業も副業も、これは忙しくなりそうだな!」

P「待ってろよ伊織、必ず無事に救い出して、IA大賞の特別ステージまで連れてってやるからな……」

モバP「ほう?IA大賞の件に関しては聞き捨てならんな。……あー、うん、やっぱフロント貸すの止めようかな」

P「おいこら冗談きついぞモバPさんよ?」ニコニコ

モバP「ーーいや、すまん、悪かった!悪かったからちゃぶ台返しステンバーイ姿勢取るのは止めて!?」

P「……、まったく」ハァ



画面の中のちひろ『……♪』ニコニコ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:18:14.44 ID:c3RC552s0
数日後、どっかの喫茶店

上位プロダクションへ就職活動中



モバP「お祈りメールきたか」

P「ああ、さすがに実績なしで前回ランキング1位のプロダクションは無謀だったみたいだ」

モバP「うーん、まああそこは廃人の中の廃人が何人もいるからなあ」

モバP「正社員の地力がありすぎて、傭兵がまともに傭兵できないって話もよく耳にする」

モバP「なにせフェス1回でAランクからS3アイドルマスターへの飛び級昇格を達成した輩もいるって話だからな」


P「……参考までに、それってどれくらいすごいんだ?」

モバP「もうそこまで行くと、フェスの間にエナドリ2?3万本以上は飲んでいるだろうな」

P「どういうことなの」

モバP「俺もよくわからない」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:20:40.34 ID:c3RC552s0
数日後、どっかの喫茶店

上位プロダクションへ就職活動中



モバP「お祈りメールきたか」

P「ああ、さすがに実績なしで前回ランキング1位のプロダクションは無謀だったみたいだ」

モバP「うーん、まああそこは廃人の中の廃人が何人もいるからなあ」

モバP「正社員の地力がありすぎて、傭兵がまともに傭兵できないって話もよく耳にする」

モバP「なにせフェス1回でAランクからS3アイドルマスターへの飛び級昇格を達成した輩もいるって話だからな」


P「……参考までに、それってどれくらいすごいんだ?」

モバP「もうそこまで行くと、フェスの間にエナドリ2?3万本以上は飲んでいるだろうな」

P「どういうことなの」

モバP「俺もよくわからない」
53 :>>52ミスです… [saga]:2013/01/20(日) 01:24:52.74 ID:c3RC552s0
P「この、たまに募集要項にある変動制ノルマってのはなんなんだ?」

モバP「ああ、それは例えばエナドリ1000本消費みたいな固定制じゃなくて」

モバP「1500位(上位入賞1枚獲りボーダー)のなんとか倍以上とか、プロ内総獲得ポイントの何%以上とか」

モバP「要は基準となる数字がイベントの展開次第で変動するってことだな」


P「う、なんか嫌な予感がするぞそれ……」

モバP「お、勘が良いな?そうなんだよ、変動制ノルマはぬるいフェスだと問題ないけど」

モバP「血で血を争う11社争いとかになった場合はもうそれは悲惨なことになる場合もある」

モバP「ノルマを達成できないと普通はペナルティがあるし、それを嫌ってプロダクション報酬を持ち逃げする奴もいる。他にも色々と揉める要素には事欠かないな」

P「うおお、なんか生々しいなそれ」

モバP「ああ、生々しいよ。ソーシャルゲームだからな。NPCなんてのはいない、プレイヤーは全員が人間なんだ」


P「……にっくきちひろさんも含めて、な」

モバP「……」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:26:13.23 ID:c3RC552s0
P「この、連合ってフレーズはどういう意味だ?」

モバP「ふむ、それは単独じゃランナーが不足しているいくつかのプロダクションが、ひとつにまとまってるって意味だ」

モバP「それぞれ別々にフェス傭兵を募集するより効率が良いし、何より上位10社を目指すプロは少ない方が良いからな」

P「ふむふむ」

モバP「まあ、大体いつも上位10社を目指すプロダクションは、連合の入れ替わりを除けば変わり映えないもんなんだが……」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:27:34.69 ID:c3RC552s0
モバP「……お、このプロダクションなんか良いんじゃないか。ここは代表さんがイベント上位常連かつ、アイドル愛と慈愛に溢れるお方でな」

モバP「上位プロの中じゃ珍しくかなりのホワイトだって話だ」

P「ほんとだ、ノルマもエナドリ1000消費or個人1枚獲りって」

P「……他と比べると結構甘い条件だと思うけど、これで上位プロ10位に入賞できるのか?」

モバP「このプロは第1回から参加したフェスは全て入賞している強豪だよ。代表の人望が良い社員良い傭兵を呼びこんで、それが成績に繋がっているみたいだな」

モバP「まあ、その分応募も多くて倍率は高いんだけどさ」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:28:29.71 ID:c3RC552s0
P「なるほどなー、プロダクションひとつとっても、色々と違いがあって面白いもんだなあ」


モバP「……しかしまあ、この年にもなってまた就活をすることになるとは思わんかっただろ?」

P「違いないな、……お互い本業の方がが順調でなりよりだ」

モバP「ははっ、俺はもうこっちが本業なんじゃないかって気がしてきたよ」

P「おいおい、しっかりしろよ?冗談にしても、それはあまりに笑えないって」

モバP「……そうだな、すまんすまん」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:29:25.51 ID:c3RC552s0
P「……なあ、モバP?今の冗談で思い出したんだけどさ」

モバP「ん、どうした?」

P「このイベントが終わったら、お前に確認したいことがあるんだ」

P「お前と、お前のとこのアイドル……それに、ちひろさんのことで、な」

モバP「……!」

P「大事な話だ、聞いてくれるだろ?」

モバP「……それは、どうしても、か?」

P「そうだ」

モバP「……わかった、考えておこう」

P「ああ、必ずだ。頼んだぜ?」

モバP「……」コクリ
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:30:22.03 ID:c3RC552s0
さらに数日後、フェス初戦前

どっかの喫茶店


モバP「――さて、2人とも無事に同じプロに傭兵として入社できたな! これでまずは一安心だ」

P「……にしてもモバP、ここのプロの代表さんとコネクションがあったなら先に言ってくれよな」

モバP「俺もフェス参加は久々だったから覚えて貰っているか微妙だったんだよ。まあ良いじゃないか、結果オーライだ」

P「そうだけどさ」

モバP「文句言うなって。レベル上げ、攻コストへのステ振り直し、バクメン調達も何とか間に合ったみたいだし」

モバP「……あとは全力で、予想通り上位報酬になっていた水瀬伊織ちゃんを救い出しに行くだけだろ?」


P「……ああ、もちろんだ。――やってやんぜちひろさんよお!」

P「いおりんのぺかぺかおデコをちゅっちゅして真っ赤に染め染めしちゃう権利があるのは俺だけだってのを教えてやる!!」


モバP「……たまにさりげなくキモいよな、お前」ドンビキ





画面の中のちひろ『プロダクションマッチフェスティバル、間もなく開催です!』ニコニコガッツポーズ
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:31:47.73 ID:c3RC552s0
初戦開始秒読み


P「いよいよ、はじまるな……」

モバP「Battle formation set.」

P「!?」

モバP「復唱しろ、これは通過儀礼だ」

P「……」

P「Battle formation set.」


モバP「よろしい、――ならば戦争だ」




画面の中のちひろ『プロダクションマッチフェスティバル、いよいよ開幕です♪』ニコニコニッコニコ
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:34:16.63 ID:c3RC552s0
P「なるほど、ランダムで相手のプロダクションのユニットと次々にLIVE対戦していく訳ね」ポチポチポチポチ

モバP「ああ、相手の守コストを考慮しつつ、こちらは攻コスト20、40、60、80、100%消費のどれかを選択してぶん殴る。これの繰り返しだな」ポチポチポチポチ

P「殴るって……一応アイドルのLIVE対決って体なんじゃ?」ポチポチポチポチ

モバP「『札束での殴り合い』だよ。で、それに勝つとフェスメダルってのが貰える。これで専用のガチャを回せるんだが、賞品はぶっちゃけしょっぱい」ポチポチポチポチ

モバP「稀にSR確定チケットとか、SR10%チケットみたいなのも貰えることはあるんだけどな」ポチポチポチポチ

P「じゃあメダルが欲しかったら20%で殴り続ければいいのか?……ていうか20%じゃさすがに相手を貫けないか」ポチポチポチポチ

モバP「いやまあ、ぶち抜けるかどうかはぶっちゃけ相手によるんだが。シンデレラガールズはそもそも攻撃側が圧倒的に有利な調整になってるし」ポチポチポチポチ

P「そうなのか」ポチポチポチポチ

モバP「ああ、ただ20%殴りだとプロダクションメンバーとの連携で得られる【声援pt】のコンボボーナスが貰えないんだ」ポチポチポチポチ

P「なるほど、そりゃもったいない」ポチポチポチポチ

モバP「だからフェスで有効な殴り方は2通りってことになる。ひとつは単純に100%で殴りでエナドリがぶ飲み。メリットはひたすら速度が出ることだな」ポチポチポチポチ

モバP「もうひとつ40%60%でエナドリ1本辺り2発分殴るやり方だ。メダルは100%殴りの2倍稼げるが、その分速度は出しにくい」ポチポチポチポチ
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:36:04.24 ID:c3RC552s0
P「なるほどね。とりあえず俺はメダル必要ないし、100%殴りのままで良いかな」ポチポチポチポチ

モバP「ああ、問題ない。そもそも150位狙いなら速度の出ない4060は悪手に過ぎる」ポチポチポチポチ

モバP「……それに、少し前までは4060の方が100%殴りよりエナ1本辺りの【声援】pt効率が良かったんだが、

モバP「今は大して差はないよう調整されたみたいだからな」ポチポチポチポチ

P「4060殴りで節約はさせないよってことか……流石ちひろさんだな、抜け目ない」ポチポチポチポチ


モバP「――さあ、俺らは参加できる時間が限られているんだ。エナドリ飲める時に飲みまくって、とにかく殴りまくるぞ!」ポチポチポチポチ

P「くっそ、なんかもう指が痛くなってきたぞ……」ポチポチポチポチポチ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:37:01.28 ID:c3RC552s0
P「……」ポチポチ

モバP「……」 ポチポチ

P「……」 ポチポチ

モバP「……」 ポチポチ

P「……」ポチポチ

モバP「……」ポチポチ

P「……」ポチポチ

モバP「……」ポチポチ

P「……」フゥ



画面の中のちひろ『プロデューサーさん、頑張ってください!』ニコニコ
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:38:03.15 ID:c3RC552s0
P「……」ポチポチ

モバP「……」 ポチポチ

P「……」 ポチポチ

P「あ、店員さん珈琲おかわり。リアルエナドリで割ってください」

モバP「……」 ポチポチ

P「……」ポチポチ

モバP「……」ポチポチ

P「……」ポチポチ

モバP「……」ポチポチ




画面の中のちひろ『諦めたらそこで試合終了ですよ!プロデューサーさん!』ニコニコガッツポーズ
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:50:46.55 ID:c3RC552s0
P「……」ポチポチ

モバP「……」 ポチポチ

P「……」 ポチポチポチポチ

モバP「……っ」 ポチポチポチポチ

P「……!」ポチポチポチポチポチポチ

モバP「……ぐおお!」ポチポチポチポチポチポチ

P「……ふぬぬぬぬ!」ポチポチポチポチポチポチポチポチ

モバP「……アタタタタタタタ!」ポチポチポチポチポチポチポチポチ




画面の中のちひろ『ラストスパートですよ!さあさあ私も張り切って跳ねちゃいますよ!色々揺らしちゃいます♪』ピョンピョンユッサユッサ
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 01:54:01.86 ID:c3RC552s0
初戦後

モバP「オワッタアアアアアアアーー!!」

P「……燃え尽きたぜ、真っ白にな」ガクッ


画面の中のちひろ『第1戦、勝利しました!おめでとうございます!』


モバP「……ふう、ひとまず勝ったな」

P「指の感覚が……指紋が行方不明だ……」

P「こ、これをあと何試合分やるんだっけ?」

モバP「初日は2戦、以降3日間は3戦ずつで最終日は1戦だな。結果発表は最終日の翌日だ。イベント紹介のページからスケジュール確認できるぞ」

P「……お、ホントだ。あー指だっるいわしかし」ポチポチ
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:03:30.73 ID:c3RC552s0
P「……うーむ、今日はこれからちはやよいの番組会議があるから2戦目はお預けだな」

モバP「全体で、あと何戦参加できそうだ?」

P「うーん、半分くらいは厳しいかもしれん。……でも伊織のためだ、絶対に何とかしてみせるさ」

モバP「プロデューサーとしての腕の見せ所だな。まあ最悪、最終戦だけは這ってでも参加できるようにしとけよ?」

P「わかっているよ。最終戦に出ないのは自殺行為なんだろ?」

モバP「ああ、最終戦だけでボーダーが2倍になるなんてこともざらにあるからな」

P「うへえ」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:06:56.99 ID:c3RC552s0
モバP「さて、落ち着いたところでランキングの確認をしておくか」

P「確かに、……今どんなもんなんだろ」ポチポチ

P「えっと、俺は個人ランキング73位ってなってるな」

モバP「悪くはないな。ただ平日の夕方だったから参加できなかった連中も多いだろうし、今後を考えたらもっと稼いどいた方が良かったかもしれん」

P「そうなのか。よし、次に参戦する時はもっと……」ポチポチ

P「……あれ?」

モバP「ん、どうした?」

P「――お、おいモバP!プロダクションランキングの方さ、11社参戦してきてないか!?」

モバP「……なんだと!?」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:13:39.85 ID:c3RC552s0
モバP「……!」ポチポチ

P「ど、どうだ?この状況をどう見る?」

モバP「……ダークホースがいるな、事前には本格的に参戦するとは思われていなかったプロダクションだ」

モバP「なんてこった、これじゃ地獄の11社争いがあったあの時の焼き直しかもしれん……!」

P「……まさにバトルロイヤルって訳だな、くそっ」

P「負けられるか、負けてたまるもんかよ、伊織は絶対に渡さねえぞちひろさん……!」



画面の中のちひろ『……』ニコニコ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:19:18.23 ID:c3RC552s0
フェス2日目、夜、第5戦目直前

P自室


P「ふう、初戦以来久々に参戦できそうだ」

P「個人ランキング320位まで落ちてるな……」ポチポチ

P「プロダクションの方は……6位か、こっちは大丈夫そうかな。とにかく個人150位圏内まで追い上げないと」ポチポチ

P「うし、第5戦まであと1分切ったな」

P「……」

P「Battle formation set.」

P「……」

P「これ何なんだろな……妙に癖になる……」



画面の中のちひろ『プロダクションマッチフェスティバル、第5戦開幕です♪』ルンルン
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:21:24.13 ID:c3RC552s0

P「よっしゃあああやってやんよおらあああああ!!」ポチポチポチポチ

P「うおおおおお、蹴散らせええええ!」ポチポチポチポチ

P「しゃああ、ぬおりゃああ…」ポチポチ

P「うおお……」ポチポチ

P「………」ポチポチ

P「……」ポチポチ

P「…」ポチポチ

P「」ポチポチ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:22:51.59 ID:c3RC552s0

P「……」ポチポチ

P「……」ポチポチ

P「……」ポチポチ

P「(これ1人でやってると精神的に結構つらい……)」ポチポチ

P「……」ポチポチ

チェンジイーンマワートマラナイアイー

P「だああ、着信来た!誰だこんな時間に!」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:24:39.96 ID:c3RC552s0
春香『も、もしもしプロデューサーさん?』

P「春香か、どうした?」

春香『あ、あのあのさっき千早ちゃんからやよいと2人で番組をやるかもってお話を聞いたんですが』

P「……うん、その予定で話が進んでいるけど」

春香『千早ちゃんがちーにゃんでやよいとうっうーするってホントでうsか!?』

P「……落ち着け春香、気持ちはわかるけど」

春香『これが落ち着いていられますかっ!?なんですかその桃源郷めいた番組は!』

P「いやいや、お前こないだやよいに番組のこと教えた時に聞いてたじゃないか?」

春香『あ、あれ? そうでしたっけ? ……うーん、実はあの日、ちょっと記憶が曖昧で……』

P「(……記憶が曖昧? まさか、目の前で伊織が取り込まれた影響なのか?)」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:30:11.50 ID:c3RC552s0
春香『と、とにかくその番組に何とかわたしもねじ込んでくださいませんか!お願いします、何でもしますから!!』

P「ん、おお? ……うーん、まあ確かにあの番組はあざとさ全開で行こうとは思っているけどさ」

春香『プロデューサーさん!765プロのあざとさ担当といえばわたし、わたしですよ!』

P「お前、そのキャラ設定でホントに良いのか?」

P「……でも、確かに番組の狙い自体はあざとさフルスロットルだけど、だからこそ素材は天然モノを使いたいというか」

春香『はぅ!?><』ガーン
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:39:11.85 ID:c3RC552s0
P「ま、まあまだ企画も動き出したばかりだしな。考えておくよ、じゃあまた――」

春香『あちょっと待ってプロデューサーさ、……うひゃあ!』

ドンガラガシャーン

プツリ、ツーツーツー

P「……」

P「なんか今、春香のやつドンガラのタイミング見計らっていたような気が」

P「……あざとい(ボソッ」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:44:03.21 ID:c3RC552s0
P「――とと、それはそうとフェス再開せんと」ポチポチ

P「にしても厄介だな、着信あるとフェス中断しなきゃならんのか」ポチポチ

P「でも、この仕事してたら電話に出ないなんてあり得ないしなあ……」ポチポチ

P「ていうか、仕事用のスマホでゲームって普通に考えたらダメだよな……」ポチポチ

P「……」ポチポチ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:46:31.01 ID:c3RC552s0
第5戦、終了間際

P「うおっしゃああああラストスパートおおおおお!」ポチポチポチポチ

P「そりゃあああああああああああ!」ポチポチポチポチポチポチポチポチ

P「――うっし、試合終了!ふぃ?、途中で飲んだリアルエナドリが効いたなこりゃ!」テカテカ

?

画面の中のちひろ『第5戦、お疲れ様でした!負けてしまいましたね、残念です……』ヨヨヨ

?
P「おろ、プロダクションは負けちゃったのか。まあ、グループ内での勝ち負け自体はあんま気にすることないらしいけど」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:48:24.06 ID:c3RC552s0
P「大事なのはランキングの方だよな、えっと」

P「個人、85位かあ……結構頑張ったつもりなんだけどなあ」

P「プロダクションランキングは7位か。やっぱり11社争いになってるし、これは油断できないぞ……」

P「……最終日だけは何とか都合ついて3時間まるまる多々買えそうなのが救いだな」

チェンジイーンマワートマラナイアイー

P「ん、また着信が……非通知?誰だろう」


『もしもし、765プロダクションのPさんのお電話でよろしいでしょうか?』
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:50:05.24 ID:c3RC552s0
P「ええ、そうですが」

『よかった……、こんばんはプロデューサーさん!』

P「え、ええ、こんばんは」

P「(女性の声だな……。でも聞き覚えがあるような、ないような……)」

P「……申し訳ありません、どちらさまでしょうか?」

『あらやだ、私ったら……。そうですよね、ついいつもの調子で』

P「……?」

?

『お久しぶりです、プロデューサーさん。私は、……千川ちひろと申します』
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:55:14.29 ID:c3RC552s0

P「……え? 千川ちひろさん……ですか?」

『はい、……本日もイベントお疲れ様でした、プロデューサーさん?』

P「な、え!?ちょ、ちょっと待ってください!」

P「(……本物、なのか!?でもモバPの話だと、現実の千川ちひろさんはゲームの中に取り込まれたって話じゃ……)」

『私の身に起こった顛末については、モバPさんからお聞きになっているかもしれませんが』

P「え、ええ、……貴方はいつのまにかみんなの記憶から消えて、気付けばシンデレラガールズの中にいたって」

『その通りですよ、何とかこちらでも元気にやらせて貰っています』

P「いやあの、元気とかそういう問題じゃ……、大丈夫なんですか?」

『ええ、大丈夫ですよ。今日も絶好調でした!』
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 02:58:18.38 ID:c3RC552s0
P「……今はどちらからおかけになっているんです?」

『シンデレラガールズの中から、ですよ』

『招待、ガチャ、そしてイベント、……プロデューサーさんには一通り経験して頂けているので、こうしてお話することができるんです』

P「それは、……そういう決まりなんですか?」

『ええ、そうなんです。ちょっと面倒なんですけどね?』

?P「……」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 03:02:14.82 ID:c3RC552s0
『……プロデューサーさん。疑って、いますよね?』

P「申し訳ない。正直……信じがたい話ではあります」

『……あの、私が千川だという証拠になるかわかりませんが』

『プロデューサーさんへ贈り物をしておいたので、後ほどマイページから確認なさってください』

P「……わかりました」



P「それで、ご用件はなんです?まさか俺と世間話をするため、ではないですよね?」

『あら、案外そうかもしれませんよ? もちろん大事なお話もあるんですが……』

『もっと色々とお話を聞きたくはありませんか? 例えば、どうして私がこんなことをしているのか……とか』
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 03:04:51.22 ID:c3RC552s0
P「それは、……聞いたら教えてくれるんですか?」

『ええ、答えられる範囲でならかまいません』

P「なら、……伊織は、今どうしていますか?」


『水瀬伊織ちゃんですね?彼女なら今、私の隣で寝ていますよ!』

P「おいこらちひろ」

『じょ、冗談ですよー!そんなに怖い声出さなくても……』ヨヨヨッ

P「」イラッ
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 03:10:56.14 ID:c3RC552s0
P「あのねえ、……そりゃ貴方にも、何かしら事情があるのかもしれませんが」

P「俺はですね、ぶっちゃけ貴方に相当ムカついているんです」

P「うちのアイドルたちを勝手にゲームの中に取りこんで、彼女たちを危険に晒す貴方のやり方が!」

『それについては、申し訳ないと思っています』

『……ですが、プロデューサーさんとこうしてコンタクトを取るためには、ある程度ゲームを体験してもらう必要があったんです』

P「それは先ほども聞きました!だけど、それでもアイドルたちは無関係でしょう?」

『いいえ、必ずしもそうではありません』

P「なんですって?」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 03:15:40.55 ID:c3RC552s0
『アイドルがシンデレラガールズへと取り込まれるには、アイドル自身が何らかの強い感情を持っていなくてはいけません』

『それは、自分自身の境遇を嘆くような負の感情。……輝きたい、今の自分から変わりたいと願う心の叫び』

『プロデューサーさんには無差別なように見えたかもしれません。ですが、何らかの火種、燻っている感情がなくては、想いは燃え上がらない』

『……シンデレラになりたいと望む者にしか、魔法はかけられないのですよ』

P「じゃあ、響や千早、……それに伊織も、そうだったっていうんですか?」


『自らの身を苛む負の感情、罪悪感、焦燥感や孤独感と、……そして、それらに負けまいとする心の芯』

『あなたのアイドルたちには、そういう秘めた輝きがあったんです』
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 03:21:59.21 ID:c3RC552s0
P「それは、……俺だって、知っていたつもりですが」

P「(……響はトップアイドルになるまで故郷に帰らないって自分を追いこんでいる。本当は、すごく淋しがり屋のくせに)」

P「(伊織は実家のこと、特に優秀な兄さんたちと自分をどうしても比べてしまう面があるし……」

P「……千早は、やっぱりまだどこかで優くんのことをどうしても気にしてしまっているのかもしれない)」

P「……でも、だからこそ、俺はあいつらをトップアイドルにしてみせるって約束したんです!」

『ええ、ご立派な考え方だと思いますプロデューサーさん』

P「それに、……やっぱりそれとこれとは話が別でしょう?」

P「あの子たちにはたまたま、シンデレラガールズに取りこまれるような条件があったというだけで」



『はい、ですから。――もうお試し期間はおしまいなんですよ』
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 03:25:24.42 ID:c3RC552s0
P「え?……お試し、期間?」

『そうです。これからは、あなたのアイドルたちはシンデレラガールズの魔法で、その輝きを極限まで高められます』

『プロデューサーさん、……あなたが望みさえすれば、ね?』



P「ちょっと待ってくれちひろさん、あんたまさか……!」

『ええ、そのまさかですよ。これから先は、あなたの意思で、アイドルたちをシンデレラガールズへと取り込むことができるようになります』

P「……!」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 11:33:02.74 ID:c3RC552s0
『もちろん、解放するための手段は今までと変わりはありません。ですが、取り込む際の条件は大きく緩和されます』

『どんなにやる気のない子だろうと、自在に魔法をかけることができるようになる』

P「……なんだと!」

『……そして、シンデレラガールズの魔法、その魅力的な効果については、プロデューサーさんはもう充分ご存じですよね?』

P「……!」

P「……ちくしょう、そういうことだったのか。くそっなんてこった!」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 11:54:53.90 ID:c3RC552s0
『……プロデューサーさん?どうされましたか?』

P「なあ、ちひろさん。この話、もちろんあいつも……モバPのやつも知っているんだろう?」

『ええ、それはもちろん。よくご利用なさっていますよ、大事なお客様です』

『これまでも、モバPさんはたくさんのアイドルたちを輝かせることに成功されていますから』

P「(……やっぱり!あいつ何て事を!事務所のアイドルたちを、わざとこんな危険な目にーー!)」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:16:57.15 ID:c3RC552s0
『それで、どうでしょうかプロデューサーさん?魅力的なお話だとは思いませんか?

『 現に、モバPさんのアイドルたちは今、これ以上ないほどの輝きを放っているではありませんか』

『悩むことなんてないんですよ? トップアイドルを育て、アイドルマスターになるために』

P「ーー悪いけど、ちひろさん。俺はもうこれ以上、あんたの力は借りないよ」

P「伊織を助けだしたら、それで俺はこのゲームとは縁を切る」

『……』
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:23:12.44 ID:c3RC552s0
『……本当に、それで良いんですか? 彼女たちがトップアイドルになるには、シンデレラガールズを利用するのが一番の近道だというのに』

P「ああ、それは事実なんだろうさ。シンデレラガールズの魔法っては確かにすごい」

P「……正直、今の俺じゃあんたのプロデュースを超えるのは難しい」

P「響とも、千早とも、まだあんたの魔法の力を超えた何かを残せているとは思っていない!」

『わかっているのでしたら、……どうして?』

P「だってさ、……あいつらの夢は、あいつらの力で叶えてやらなきゃいけないんだ!」

『……』

P「あいつら自身が乗り越えてこそ、初めて意味があるんだよ!他の誰かじゃなく、あいつ自身の力で」

『……』

P「そして、それを引き出してやるのに……やっぱり魔法の力なんて、借りちゃダメなんだ」

P「俺だって、自分自身の力だけで、あいつらと向き合わなきゃ、そうしないと……!」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:28:07.43 ID:c3RC552s0
『そうですか、……残念ですプロデューサーさん』

P「……!」

『ですが、私はお待ちしていますよ。気が変わった時は、またいつでも気軽にご利用くださいね!』

P「ああ、そうさせてもらうよ。……そんな日が来れば、ね」

『……それでは、プロダクションマッチフェスティバルもいよいよ折り返しです。最後まで頑張ってくださいね、プロデューサーさん?』

?プツリ、ツーツーツー

P「……」

P「……っ」ワナワナ

P「――くそ、なにやってんだ、何て事をしてるんだよモバPのやつ!」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:36:01.69 ID:c3RC552s0
P「……」

P「……そういや、ちひろさんがさっき言ってた贈り物って」

P「……」ポチポチ

P「運営からのお詫びの品ってやつか。マイエナジードリンク3本……?」

P「まさか、うちから今まで取り込まれた人数分ってことかこれ?」

P「……」ハァ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:37:40.78 ID:c3RC552s0
フェス最終日、最終戦前 

P自宅
?

P「結局、モバPとは今日まで会えず仕舞いだったな」

P「……いや、今はとにかく伊織を助け出すことが先決だ。あいつと話をするのは、その後だ」

P「現在の成績、個人ランキング126位。プロダクションランキング……8位」

P「どっちも厳しい数字だ、集中しないと足元を掬われるぞ……!」

ピンポーン

P「お、来たか」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:39:36.69 ID:c3RC552s0
モバP「――よお、待たせちまったな。すまん、仕事が長引いちまった」

P「良いさ、間に合ったからな。IA大賞も近いこの時期だ、忙しいのはお互い仕様がないさ」

モバP「ああ、だが今だけはそのことを忘れよう。あと3時間、この多々買いが終わるまでは!」

モバP「ああ、そうそうこれ差し入れ」

P「リアルエナドリじゃねーか、それも1ダース」

モバP「空元気でもないよりはマシだろ?ほれ、とりあえず1本飲んどけって」

P「はいはい」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:42:37.98 ID:c3RC552s0
3時間後、最終戦終了間


P「うおお、どういうことだ!全力でがぶ飲みしているのに個人もプロダクション順位も落ちて行く!」ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ

P「くそ、個人ランキングでのSR2枚獲りはもう厳しいってのかよ!?」ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ

モバP「後のことは考えるな!とにかく指を動かせ!死ぬ気でポチポチし続けろ!」ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ

P「ぬうおおおおおおおおおおおおお」ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ



画面の中のちひろ『ーーお疲れでした!ただ今、結果を集計中です、ランキングの発表は明日までお待ちください!』
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:48:05.04 ID:c3RC552s0
P「お、おわったかー」ゼエゼエハアハア

モバP「ああ、……結局、持ってきたリアルエナドリ全部空けたな……」

P「うう、トイレトイレ……」

モバP「はー、とりあえずもう寝たいわ。寝れる気はまったくしないけど寝たいわー」テカテカ

P「(……はあ、今日はもう疲れすぎて何もする気になれん)」

P「(明日、伊織を無事に助けだせたら……モバPとの話はそれからだな)」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:52:05.55 ID:c3RC552s0
翌日、正午

どっかの喫茶店

モバP「よう、昨日ぶりだな」

P「何か、わざわざ仕事抜けだして男と頻繁に会ってるってのがだんだん悲しくなってきたぞ」

モバP「あんだよ、それなら1人で結果見れば良かったじゃねーか」

P「まあそう言うなって」

モバP「お、そろそろだぞ」



P「時間だ、プロダクションマッチフェスティバル……結果発表!」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 12:57:36.11 ID:c3RC552s0
画面の中のちひろ『個人ランキング入賞、おめでとうございます!』

画面の中のちひろ『プロデューサーさんの順位は――』

P「個人……152位!?ダメだ、2枚獲り圏外……!」

モバP「……2枚獲り爆死で、SR1枚獲得か」

モバP「上位ランナーと、イベント初参戦のお前、そのステータス差がここで響いちまったみたいだな……」
P「やばい、やばいぞ……これでプロダクション順位が10位に入ってなかったら……!」

モバP「……っ」


P「伊織、伊織……! くそっ、頼むよ!後生だ、何だってするから、だから……!」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 13:48:02.29 ID:c3RC552s0
画面の中のちひろ『プロダクションランキング入賞、おめでとうございます!』

画面の中のちひろ『あなたのプロダクションの順位は――』



モバP「プロダクションランキング、……10位!10位だ、ギリギリだが上位入賞だぞ!」

P「は、はは……やった、やったぞ伊織!」ヘナヘナ


画面の中のちひろ『……』ニコニコ
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 13:55:05.87 ID:c3RC552s0
モバP「む、めでたいとこすまんが、もう行かなきゃならん。お前もそろそろ戻らないとだろ?」

P「……あ、ああ」

モバP「おいおい、しゃんとしろよ?それに、まだ伊織ちゃんのMM特訓と特技上げが残ってるんだ」

モバP「育成ミスで解放できないなんて笑えない状況にならないよう、最後まで気を抜くなよ?」

モバP「めでたいついでに支払いは俺がしとくよ、……じゃあな!」

カランカラン

P「……」

P「……行っちまった、か」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 13:57:40.10 ID:c3RC552s0
P「あいつに、話をしなきゃいけなかったのにな」

P「だけど伊織が、……伊織を助けられないかもしれないって、怖くなってしまって」

P「ははっ、まだ身体が震えてやがる……」ガタガタ


P「……やっぱり、こんなに頼るのは間違っているよ、モバP」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 14:36:32.20 ID:c3RC552s0
数日後

テレビ局、廊下

モバP「おう、奇遇だなP。――聞いたぜ、伊織ちゃんあれからさっそく大活躍らしいじゃないか?」

P「ああ、……あのゲームからの最後のご褒美だからな。せっかくだから利用させて貰っているよ」

P「魔法の効力が抜けきるよう、早いとこ使い切ってやらんといけないしな」

P「……その方が、色々と伊織のためにもなるだろうから」

モバP「……そうか。にしても最後、か」

P「ああ、最後だ。もううちのアイドルをあんな目に合わせたりしないよ」

モバP「……」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 14:42:40.79 ID:c3RC552s0
P「なあモバP。今のシンデレラガールズのイベント、上位報酬の十時愛梨って子はさ。……また、お前の事務所の子なのか?」

モバP「ああ、その通りだ。……あの子はもう、かれこれ3回目になる」

P「それは、……お前が、意図的にやったことなのか?」

モバP「……」

モバP「そうか。やっぱりお前も、ちひろさんと話をしたんだな」

P「……モバP!」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 14:45:42.75 ID:c3RC552s0
P「ーー馬鹿野郎!こんなことを続けて、もし失敗したらどうするつもりだ!」

モバP「失敗なんかしない、俺は上手くやれるさ。だが、……もしもそうなった時は」

モバP「……覚悟は出来てるさ、俺だって命賭けなんだ!」

P「な、なんだと?どういうことだ!?」

モバP「お前は知らなくても良いさ。ちひろさんに、頼るつもりはないんだろう?」

P「……っ!」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 14:54:50.15 ID:c3RC552s0
モバP「なあP、……すまなかった」

モバP「お前と、それからお前の事務所のアイドルたちを巻き込んじまったこと、自分でもどうかしていたと思っているよ」

P「……、なにを言っているんだ!?巻き込んだってどういう意味だよ?」

モバP「お前は、何の罪も犯しちゃいない。ただ立派に、理不尽な困難を乗り越えてみせただけだ」

モバP「だけど俺は、もう引き返せない。どうしても、どんなことをしてでも、……叶えたい夢があるんだよ」

P「待て、モバP!どこへ行くつもりだ、まだ話は……おい!」


P「……くそっ、行っちまいやがった!」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:00:06.35 ID:c3RC552s0
2週間後 765プロ事務所


テレビ『にひひ、これからもスーパーアイドル伊織ちゃんをよろしくね♪』

伊織「にひひ、やっぱりスーパーアイドル伊織ちゃんは今日も可愛いわね!」

P「あーはいはい、そうですねー」

伊織「なによその気の抜けた合いの手は!」

P「勘弁してくれって、最近ホント忙しいんだから、たまの休憩くらいだらけさせてくれって」グダー

伊織「……そ、そう。悪かったわね。ていうか、あんた大丈夫なの?……無理してるんじゃないでしょうね?」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:05:11.05 ID:c3RC552s0
P「あー心配ないない。疲れてはいるけど、やる気はいっぱいなんだ」

P「仕事が多いのは伊織たちが頑張ってくれているからだし、……嬉しい悲鳴ってやつだよ」

伊織「ふぅん?……そう言うことなら良いけど。ま、とにかくもっとシャキッとしなさいよね!」

P「んあー」

伊織「ちょっと!」

P「あー、いおりんのぴかぴかおでこにゃんぺろぺろしたら元気でるかも」

伊織「な、いきなり何言ってるのよ!この馬鹿!」

P「恥ずかしがるなって、こっちおいでいおりん?」

伊織「行かないわよ!ってだからいおりんって言うな!」

P「顔真っ赤にして言ってても説得力無いなあ……」

伊織「??っ////!!!」ガタッ
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:11:39.69 ID:c3RC552s0
P「はっはっは!蹴りを入れてようとそれは我々の業界ではご褒美……って、あれ?どこ行くんだいおりん?おーいいおりん?」

伊織「どこでも良いでしょ!あといおりんって言うなってばこの変態!EL変態!der変態!」

伊織「……人の気も知らないで、まったくもう////」プイッ

スタスタスタ

ガチャバタン

P「行っちまった」

P「……はあ、にしても伊織が無事でホントに良かったなあ。他のみんなも順調だし、これは本気でIA大賞も夢じゃ」

オトメヨタイシヲイダッケー

P「……と、メールか」


P「ってなんだこりゃ、シンデレラガールズの招待メールが送られてきたあのアドレスだぞ……?」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:17:08.54 ID:c3RC552s0
『よお、突然すまんな、モバPだ。どうも、もうこのアドレスしか使えないみたいでな』

P「モバP?……このアドレスしか使えないって、どういうことだ?」

『お前に大口叩いておいて早々に不甲斐ないんだが……』

『やっちまったよ。今回のイベントな、見事に爆死しちまった』

P「……っ!?」

『だが心配は無用だ、上位報酬になっていた十時愛梨は無事だよ。もうじき現実へ解放されるはずだ』


『……愛梨の代わりに、俺が犠牲になることになったからな』

P「な、なんだって!? そんなことができたのか……!」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:23:05.40 ID:c3RC552s0
『俺は、おそらくもうじきお前以外の人間の記憶から抹消されるだろう』

『……厳密にどうなるかはわからんが、少なくともお前の他に、誰かが俺自身のことを覚えているってことはなさそうなんだ』

『だけど、俺は色々と歪めてしまっているからな。おそらく、そうだな……俺という存在がいたっていう、空白みたいなものは、他の人たちにも残るかもしれん』

P「……っ」

『俺は自分がやってきたことに後悔はしていない。失敗したらこうするって覚悟を決めてやってきたんだ』

『……ちなみにだけど、こういう手段が取れるってことはきちんと事前に確認しておいたよ』

『魔女との取引ってのは最初のやりとりが肝心だからな』

P「あいつ、初めから万が一の時はこうするつもりだったってのか……」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:28:33.69 ID:c3RC552s0
『もう察しがついているかもしれんが、このアドレスからお前に招待メールを送ったのはこの俺だ』

P「そうか、それで巻き込んだって言ってたんだな……」

『それと……千早ちゃんだがな、あの時フレデリカの相手役に指名しちまったのも俺だ』

『前にも言ったが、俺はあの子の歌声に惚れ込んでいたし、……ちひろさんに、千早ちゃんなら条件を満たしているからって言われたんだ』

『謝ってどうこうなることじゃないのはわかっている。だけど、やっぱりはっきりさせておくべきだと思ってな』

P「なんてこった、確かに千早とフレデリカちゃんのガチャの時、モバPは確かに事情に詳しすぎはしないかとは疑いはしたが……」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:32:29.72 ID:c3RC552s0
『まあ、何にせよ、お前に何かを頼めた義理じゃないってのはわかってはいるんだが……』

『うちのアイドルたちが困っていることがあったら、……出来る範囲で良い、お前が助けてやってくれないか』

P「……!」

『それと、もうひとつ。ちひろさんを悪く思わないでやってほしい。……というのは、今となっては無茶な話かもしれんが』

『彼女は、あくまで利用されているだけに過ぎないんだ。少なくとも、俺はそう信じている』

『俺が知っていた、現実での千川ちひろは、……もっとすてきな表情をしていた気がするから』

P「……モバP、もしかしたらお前は、ちひろさんのことが……」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:34:36.56 ID:c3RC552s0
『――さて、もうあまり残り時間がないみたいだ』

『トップアイドルを育てるのは、俺の昔からの夢だった。……こんなこと、お前には言うまでもないことかもしれんが』

『だけど俺は、知らないうちに焦ってしまっていたんだろう。俺の力だけで、本当にアイドルたちを頂点まで連れて行けるのかって』

『きっと、いつからか、……俺は魔法使いになりたかったんだ』

『アイドルたちを輝かせるために、何だってやってやるつもりだった。いよいよって時にその晴れ姿が見られないのは、ちょっと残念だけどな』

『――それじゃあ、申し訳ないが後は頼んだよ。最後まで迷惑かけてすまんな、親友』


P「……」ギリッ

P「くそっ……、あの大馬鹿野郎め……!」

P「何が魔法使いだ!最後の最後に、とんだドジを踏みやがって……!」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:42:02.74 ID:c3RC552s0
数週間後、IA大賞発表会

ステージ裏

P「……大賞は、あの子たちだったか」

ーーふえぇ、ぐすっ…、ぐすっ…、ひっく、うがー!

P「ああ、泣くな泣くなみんな!胸を張れ、お前たちは最高のアイドルだ!」

春香「でずげど、ぷろでゅーざーさぁん……ふえぇ」

伊織「……よりによって、あの子たちに負けるなんて」

響「うぅ、プロデューサーが浮気なんてするからだぞ……」グスッ

P「ーーほあっ!? ナ、ナンノコトカナ……!?」

千早「隠さなくても良いんですよ。……というより、私たち宮本さんに教えて貰っていましたから」

やよい「プロデューサーは、やさしいですから、ひっく……」

やよい「急に大事な人がいなくなっちゃった、あの子たちのこと、放っておけなかったん、ですよね?」グスッ

P「」バレテーラ
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:44:29.80 ID:c3RC552s0
P「……い、いやまあ。でも俺は大したことはしてないぞ?」

P「そもそも他所様の事務所の子たちだし、俺がやったのはせいぜい現場で仕事がスムーズに行くよう手助けしたりとかで……」

P「今日の結果は、あの子たち自身の頑張りの賜物さ。……大賞を逃したのは、やっぱり俺だって悔しいさ」

伊織「――ふんっ!でももう、どんな事情があったって、あの子たちに容赦はしないんだから」グスッ

P「伊織、お前……」

伊織「あによ、泣いてなんかないわよ!……こん、なことじゃ、泣かな、いんだから!」

伊織「……来年こそ、あのステージに連れていかなかったら、許さないん、だか、ら……!」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:47:43.31 ID:c3RC552s0
響「そうだぞ!自分、もっと頑張るから、……だから、またよろしく頼むぞプロデューサー!」

千早「私たちのプロデューサーは、貴方しかいません」

春香「プロデューサーさん!こうなったら、正々堂々とリベンジですよ、リベンジ!」

やよい「うっうー!またみんなでがんばりましょー!」

?P「……ああ、もちろんだ!――覚悟しとけよお前ら!」

伊織「あったりまえでしょ!……手を抜いたりしたらひどいんだからね!にひひ♪」


P「ーーよっしゃ気合入れよう! 春香、いつものあれ頼む!」

春香「まかされました!……それじゃあ、みんな!これからもー!」


春香「765プローーーー、ファイ!!」


「「「「「おおー!!」」」」」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:50:53.68 ID:c3RC552s0
IA大賞発表会、特別ステージ上

\ワアアアアア ワアアアアアアアア/

卯月「やりました!やりましたよみなさん!私たち、頑張りました!」

ナターリア「やったネ!ナターリアたちイチバンだよ!これはもうオスシたべほーだいだヨ!まわらないオスシ!」

雪美「……、……うれ、しい、……やった」

愛梨「ふえーん嬉しすぎて、ううぅなんだかステージがすっごく暑いですー!?」

桃華「だ、だめですわよ愛梨さん、こんなところ脱いではいけま、ああちょっと!?」

フレデリカ「やったね千枝ちゃん!アタシたち、ついにやったよ!うえぇ……」グスッグスッ

千枝「……はい、フレデリカさん!わわ、涙がいっぱいで大変ですー!」

フレデリカ「あはは、……千枝ちゃんだって大泣きだよー、気付いてないの?」



千枝「ーーえ、千枝……泣いて、ますか?」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:56:14.34 ID:c3RC552s0
ーーねえ、どうしてでしょうか

千枝、やっとトップアイドルの仲間入りが出来たのに

……そのために、今まで頑張って来たのに

どうして千枝は、頑張ろうと思った理由を忘れてしまったのでしょうか

どうして千枝は、輝こうと願った想いを無くしてしまったのでしょうか


だってどこにも、王子さまがいないのです

たどり着いた舞踏会はとてもきらびやかで、みんなが幸せそうな笑顔をしていて

だけど、楽しかった時はあっという間に過ぎて
……いつか、12時の鐘が鳴ったとしても


ガラスの靴を脱いだって、探してくれる人がいないのです
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 15:58:07.28 ID:c3RC552s0
何のために

誰のために

千枝は、ここまで歩いてきたのでしょうか

……ねえ、魔法使いさん?

もし千枝をシンデレラにしてくれた、千枝だけの魔法使いさんがいるのなら

どうか、あとひとつだけ、どうか魔法をかけてください

お願いです、お願いですから、どうか……


止まらない……この涙の訳を……

どうか、千枝に教えて…くだ、さいっ……
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/01/20(日) 16:03:32.02 ID:c3RC552s0
P「……」ポチポチ

P「……」ポチポチ

P「……」

P「なあ、モバP? 今回は、俺の完敗だったよ」

P「ほら、あのステージだ。見えるだろう、魔法使いさん?」

P「お前が育てたシンデレラたちの、一世一代の晴れ舞台だ――」







画面の中のモバP『やあ、おかえりプロデューサーくん!久々のログインだな!』ニコニコ

画面の中のちひろ『アイドルマスターシンデレラガールズは、いつでもあなたをお待ちしていますよ♪』ニッコニコ

終わり
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 16:24:24.95 ID:D+DZgxxm0
こ、怖ッ!!!
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 18:17:50.31 ID:nlpT2GzH0
ちひろさんとモバPに救いはないんですか!?
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 18:32:34.07 ID:2nXq1JWmo
おつでした
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 18:59:46.48 ID:DApVmwno0
ハッピーエンドはまだですか?
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 20:20:13.92 ID:lzMfgxato
これは続編フラグ
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/20(日) 20:31:51.40 ID:ShIG8G80o
なんと言ったらいいのだろうか
月並みに面白かったとしか言えんwwww
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/21(月) 00:05:21.15 ID:3nw8a2BQo
おっつおっつ
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/27(日) 00:46:54.51 ID:mSMlI0Lro
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