梓「告白」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 00:52:33.94 ID:ORv/8NSAO

途中で落としてしまったので再度投下させて頂きます。




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1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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君が望む永遠〜Latest Edition〜 ＠ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 ＠ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超Ａ級スナイパーが魔王様を狙ってる？」〈ゴルゴ13inひめごう〉 ＠ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです ＠ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「２号線」【コンマ判定新鉄・関東】 ＠ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック ＠ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる ＠ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 00:53:33.77 ID:ORv/8NSAO

純「私たち、付き合ってる」

めずらしく真剣そのものな顔をして、親友の一人が静かに告げた。
寄り添うように彼女の隣に立つのは、もう一人の親友。
まっすぐ私を見据える姿が、その子の姉が稀にみせる表情と、よく似ていた。

憂「女同士でオカシいって思われても、梓ちゃんに知っていてもらいたかったの」

お互いの手を強く握る憂と純。
なんてすごいんだろう。
覚悟とか勇気とか。
世間や常識に、好きなヒトと乗り越えていこうとする姿が、眩しくて、嬉しくて。
何故だか羨ましくて、ほんのちょっとだけ妬ましい。

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 00:54:48.08 ID:ORv/8NSAO

ああ、私、いやな子だな。
どうしてだか、あの人が脳裏に浮かぶ。

梓「すこし驚いたけど、私は軽蔑したりしないよ」

これも本心。
二人を親友として選んだ私に、応えてくれたよろこびは何にも代えられない。
だから言うべき言葉は決まってる。

梓「私は憂と純を応援するし、誰が非難したって絶対に味方だからね」

そして右手を差し出すと、憂と純は汗が滲みひんやりとした掌を、ゆっくり重ねてきた。
大海で浮き木を見つけたみたいに、親友達は顔を綻ばせる。

純「ありがとう、梓」

憂「梓ちゃんと親友でよかった……」

4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 00:56:05.27 ID:ORv/8NSAO

窓から射し込む夕紅が私の足下までのび、涙ぐむ二人をやさしく包み込んでいた。
あまりにきれいで、やっぱり羨ましくて、息を詰めた。
うっかりすると私まで泣きそうになり、慌てて袖で目元を擦る。
自分勝手な涙は、みられたくない。

憂「えへへ、認めてくれるヒトが二人になったよ」

梓「二人？ もうひとりって……」

「ただいまー！！」

純「おぉ、噂をすればなんとやらってヤツだね」

憂「お帰りなさい、お姉ちゃん！」

唯「ういー、お土産にシュークリーム買ってきたよ〜」

5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 00:57:18.32 ID:ORv/8NSAO

唯「あ、あずにゃんと純ちゃんだ！」

梓「唯先輩、こんばんは」

純「お邪魔してます」

唯「まぁまぁそんな突っ立ってないでさ、皆でゆっくりシュークリーム食べよう」

純「わぁ、ありがとうございます！」

憂「私、お茶いれてくるね。梓ちゃんも座りなよ〜」

梓「ありがと、でも私はもう帰るよ」

純「えぇ〜。梓、先に帰っちゃうのー？」

憂「御夕飯、食べていきなよー」

唯「ついでに泊まっちゃいなよー」

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 00:59:06.76 ID:ORv/8NSAO

梓「……親に遅くならないうちに帰ると言ってますんで、今日は遠慮します」

純「むぅ……まじめっ子め」

憂「うーん、残念だけど無理強いしちゃダメだよね」

唯「じゃあ私、家まで送ってあげるよ！」

梓「え、そんな、悪いですよ」

純「甘えればいいのに、つっぱっちゃって」

梓「純、うるさい。とにかく、ひとりで平気ですから……」

唯「そっかぁ……」

憂「……」

憂「お姉ちゃん。お塩きらしてたみたいだから、買ってきて欲しいな」

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 01:01:21.80 ID:ORv/8NSAO

唯「え？ でも昨日新しいの……」

憂「お願い。もちろん、梓ちゃんを送り届けたあとでいいから、ね？」

唯「……うん、わかった」

唯「行こっか、あずにゃん」

梓「……」

梓「はい」

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 01:03:22.66 ID:ORv/8NSAO

・
・
・



唯「ふんふんふ〜ん♪」

梓「……ご機嫌ですね」

唯「そりゃあ、あずにゃんと仲良く手を繋いでるからね〜」

梓「強引に繋いできたクセに」

唯「危険な夜道で手を繋ぐのは当たり前なのだよ、あずにゃんくん」

梓「はいはい。あまり手を乱暴に振り回さないでください。痛いし、恥ずかしいですから」

唯「ごめんね」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 01:04:52.21 ID:ORv/8NSAO

梓「言ったそばから振り回さないでくださいよ」

唯「えへへ〜」

梓「……」

梓「あの、唯先輩」

唯「なぁに？」

梓「唯先輩は知ってるんですよね？ その……」

梓「憂と純のこと」

唯「うん。あの子たちに味方になるって約束したよ〜」

梓「……私もです」

唯「あずにゃんは二人の親友だもんね」

梓「はい。唯先輩はお姉さんですもんね」

唯「うん。妹が二人になって嬉しいよー」

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 01:07:58.65 ID:ORv/8NSAO

梓「どちらかと言うと、唯先輩の方が妹っぽいですけどね」

唯「むむむ。そんなコトを言うのは、このクチかー」ﾑｷﾞｭｰ

梓「ひゃぁ！ ゆいせんふぁい、いひゃいれす！ すみまひぇんれしはぁ」

唯「ふむ、許してあげよう」ﾊﾟｯ

梓「いたたた……ほっぺがジンジンする……」

唯「ねえ、あずにゃん」

梓「なんですか？」

唯「憂と純ちゃんを支えてあげようね、一緒に」

梓「はい！ もちろんです」

唯「私達も憂達と違うカタチだけど、仲良しでいようね」

梓「あ……」

梓「そうですね」

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 01:10:40.32 ID:ORv/8NSAO

梓「…………そうですよね」

梓「唯先輩、ずっと仲の良い先輩後輩でいましょうね！」

唯「……」

唯「うん……そうだね！」

梓「送っていただき、ありがとうございます。この辺りで結構ですから……」

唯「待って、あずにゃん」ｷﾞｭ

梓「わっ！ 何ですか、急に抱きついてきて」

唯「あずにゃん分の補給忘れてた」

梓「もう、何言ってるんですか。道の真ん中ですよ、離してください」

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 12:50:34.66 ID:ORv/8NSAO

唯「……もーちょっとだけ」ｷﾞｭｩ

梓「……」

梓「少しだけですよ？」

唯「ありがとう」

梓「……」

唯「……」ｷﾞｭｳｩ

梓「……」

唯「……」

唯「よし！ 補給完了！ ありがとね、あずにゃん」ﾊﾟｯ

梓「……どういたしまして」

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 12:51:30.88 ID:ORv/8NSAO

唯「ホントに家まで送らなくて平気？」

梓「ええ、大丈夫です」

梓「唯先輩の方こそ、気をつけて帰ってくださいね」

唯「……うん。心配してくれて、ありがと」

唯「あずにゃんも気をつけてね。ばいばい」

梓「はい。さようなら」

唯「……」

梓「……」

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 12:52:50.37 ID:ORv/8NSAO

唯「……」

梓「……」

唯「……あずにゃんや。手を離してくれないと帰れないよ」

梓「えっ、あ！ す、すみません」ﾊﾟｯ

唯「ふふ、別にいいよー。もうちょっと一緒にいる？」

梓「い、いえ、帰ります。そ、それでは、失礼しますね！」ﾍﾟｺ

唯「うん、またねー」

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/01/23(水) 15:04:22.22 ID:r425HfaIO

(^ω^)

16 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/01/23(水) 16:18:40.64 ID:p2J2XWRko

続き気になってたから、再投稿うれしい。
今度は最後までおねがい。

17 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 20:03:54.34 ID:ORv/8NSAO

――――――――――――――――――――




憂と純の告白から2ヶ月が経った。
表立った変化はないが、言動の端々に愉悦を覗かせるふたりは本当に幸せそうで、そばにいるだけで笑顔になれた。
あの人とも約束した、親友を護るという使命感もいっそう強まっていく。
だけどその裏側で、沸き起こる苦痛と喜悦がグチャグチャに交じりあう惑乱を糧にして、しようがない感情は雑草のように生えていった。

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 21:38:17.70 ID:5BEX3In6o

あの駄作また書くのか

19 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 21:47:47.75 ID:ORv/8NSAO

日増しに雑草はたくましくなり、どんなに摘んでも摘んでも生えてくる、やっかいなものだった。
そんな日々を過ごすある日、私のやすい悩みと比にならない、重大な問題が親友たちに起きた。
付き合うことで距離は縮まり、見えない部分も徐々に目につくようになったらしい。
ちいさな喧嘩を頻繁に起こし、遂におたがいの不満を爆発させてしまった。
仲直りしたい筈なのに意地をはっているのか、ここ数日、ふたりが言葉を交えることさえ稀だった。

20 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 21:50:28.03 ID:ORv/8NSAO

純「――で部活は部活のつきあいがあるじゃん？ 梓だって先輩達と買い物とかさ、遊びに行くでしょ？」

くだくだとまくしたてながら、ポッキーを歯で粉々にする純。
そして時折、指で机をトントンとせわしなく叩いている。
いきなり家に押し掛けてきたかと思ったら「憂の馬鹿」を口切りに、ずっとこの調子だ。
乱雑にちらばったお菓子の空袋を軽く丸めて棄てつつ、私は相槌をうった。

純「もー、ちゃんと聞いてんの？ あずさぁ」

21 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 21:58:24.11 ID:ORv/8NSAO

息を弾ませる純に、肩を小さくすくめ「聞いてるよ」と答える。
ジュースにアルコールが混ざっていたのか心配になるが、喉を通るのは甘ったるいオレンジの味だけだった。

純「友達とちょっと抱きしめあったり、手を繋いだりで『純ちゃんはフラフラしすぎだよ』はオカシくない！？ だいたい憂もさ――」

苦笑が漏れる。
ああ女も嫉妬の対象なのか、なんて驚くこともない自分がたまらなく嫌で仕方がない。

22 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/23(水) 22:00:08.28 ID:ORv/8NSAO

ほら、頭によぎるのは、あの人ですもの。
まったく未練たらしいったらない。
残るゴミをまとめて潰し、屑籠に放り投げて、純と向き合った。
子供みたいにふてくされて恋人の文句を垂れる姿は、埋めようのない寂寥感が隠しきれていないように思える。
いつもの純じゃない。

梓「抱きしめあうのは流石にどうかな」

純「だーかーらー、サッカーでゴール決めたらハグするじゃん！ それと同じノリなんだってばぁ」

頭を抱えて机に突っ伏してしまった純へ、さらに言葉を投げかける。

23 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/27(日) 20:36:35.32 ID:4Qnaj/PAO

梓「たとえ純にそういう気持ちがなくてもさ、好きな子が他の子ばかり構ってたら、さみしい……と思う。それに付き合ってるなら尚更、ふたりでいる時間をもっと大切にした方がいいよ」

目を丸くして私を凝視する純に構わず、コップから溢れ出る水みたいに、一言一言がこぼれていく。

梓「あー……あとさ、はやく仲直りしてくれないと、毎日つまんない」

こんな素直な台詞は私らしくないなと、自嘲しながら。
夏でもないのに、私はパタパタと手で顔を扇ぐ。

24 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/27(日) 20:39:29.73 ID:4Qnaj/PAO

ますます目を丸くして、純は吹き出した。
あー、もう、ちくしょう。
笑うな、このやろう。
ひとしきり肩を揺らし喉を鳴らした後、彼女は勢い良く立ち上がって、さっさと身支度を整え始めた。

純「ぅくく、さびしんぼうの梓のお陰で大切な用事を思い出したから帰るね」

それから最近見ていない、私をイジったりする時の意地の悪いニヤリとした笑みを浮かべた。

25 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/27(日) 20:43:47.29 ID:4Qnaj/PAO

自室を出る後ろ姿を追いながら「さびしいなんて言ってないし！」と強く返すも、頬が情けなくゆるんでしまう。
だけれども、マイナスがゼロに、ひとりが普段通りになったからといって解決の実現には至らない。
足先をトントンと鳴らす背中に問いかける。

梓「ねぇ、純。憂のこと……好き？」

決まりきった答えを、純の言葉で聞きたくて。
おちつきなく指先をいじりながら、返事を待つ。

26 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/27(日) 21:11:39.44 ID:4Qnaj/PAO

振り返った純は、2ヶ月前にみた告白の時とおなじ表情。
あ――。

純「大好きだよ。憂のこと、愛してる」

おだやかだけど、凛とした声音。
純は、もう大丈夫だ。
たしかに、そう思えた。
まだふたりの問題は何も決着がついてないのに、つかえのおよそ半分は取り除かれた気さえした。
目の前の親友がムッとしつつも表情をやわらげる。

純「あ、笑ったなぁ」

梓「ううん。私、まったく役に立たないなぁと思って」

純「……何言ってんのよ。ありがとね」

27 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/27(日) 21:17:18.50 ID:4Qnaj/PAO

ぐりぐりと頭を撫でてくる親友は、頬をかすかに赤く染めていた。

純「はぁー、明日は空から猫でも振ってきそうでこわい。じゃ、梓、またね」

梓「ふふ、そうだね。ばいばい、純」

玄関先で徐々にとおくなる純の背を見届け、白息を吐いて家に戻る。

28 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/01/27(日) 21:20:48.93 ID:4Qnaj/PAO

しずまりかえった自室に入ると、2つのコップを残した机の上で、携帯電話がメールの着信を知らせていた。
ほとんど満杯になった屑籠を部屋の隅に置いたあとで、それを手に取る。
送り主を見て、一瞬だけ心がおおきく跳ねた。
深く息を吸い、吐く。
そして『直ぐに行きます』と手短に返事をし、ハンガーにかけていた上着をひったくるように掴んで、私は部屋をとびだした。

29 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/01/28(月) 03:31:37.25 ID:n+F79I0Io

全体的にけいおんっぽくない

30 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/01/28(月) 11:55:04.91 ID:8hrGHoUmo

すごい期待してるんだけど、前のをちょっと修正してるだけにしては投下速度遅くないか？
また途中で落とす羽目になる気がするよ・・・

31 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/01/28(月) 19:07:08.49 ID:FdsQKbKSO

完成してから投下するという選択肢は>>1にはなかったんだな

32 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/03(日) 22:27:17.27 ID:4H+V69qAO

・
・
・




唯「あずにゃん、いらっしゃ〜い。ごめんね、急に呼び出したりして」

梓「いいえ、私も伝えたいことがあったんで丁度よかったです」

唯「そっか」

唯「ほら、あがってあがって。寒かったでしょ？ ほっぺがまっかだよ」

唯「おこたでぬくぬくしながら、お話しよう」

梓「はい、お邪魔します」

33 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/03(日) 22:28:39.19 ID:4H+V69qAO

……


梓「えっと、憂は……？」

唯「ついさっき、お買い物に行ったよ」

唯「本人がいたら、話しにくいでしょ？」

梓「……そうですね」

唯「みかん食べる？」

梓「いただきます」

唯「……」ﾑｷﾑｷ

梓「……」ﾑｷﾑｷ

唯「あずにゃん、食べさせてー」

34 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/03(日) 22:39:31.58 ID:4H+V69qAO

梓「それくらい自分で食べてください」

唯「ちぇ」ﾊﾟｸｯ

唯「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

梓「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

唯「憂が泣いたの久し振りにみたよ」

梓「……」

唯「純ちゃんに初めて本気で怒って、初めて本気で不満を打ち明けたんだって」

梓「……」

唯「純ちゃんが誰かと仲良くするのは悪いことじゃないって分かってても、抑えきれなくなったんだね」

35 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/03(日) 22:42:53.85 ID:4H+V69qAO

梓「好きな人、まして恋人なら当たり前じゃないですか」

唯「そうかなぁ？ 憂にも言ったんだけど、好きな子だけを見るんじゃなくて、周りに目を向けることも大切じゃない？」

唯「いろんな子たちからもらった経験が、好きな子に良い影響を与えることもできるって……純ちゃんも考えてるんだと思う」

梓「……そう……ですかね」

唯「納得いかない？」

梓「理解は十分できます……けど、憂だって納得は半分でしょうね」

36 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/03(日) 22:52:19.49 ID:4H+V69qAO

梓「好きな人が構ってくれなくて不安になったり、誰かと仲良くしてる姿を見て心細くなる気持ちをくんで欲しいんですから」

唯「……」

梓「我侭に聞こえますか？」

唯「……ちょっとだけ」

梓「……」

梓「まぁ、実際は憂達の気持ちがどうだったかは一概に言いきれません」

唯「……それもそうだね」

梓「話を戻しましょう」

梓「それで、憂はどうしたんですか？」

37 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/04(月) 02:58:08.52 ID:IKBI4d8fo

応援してる

38 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/06(水) 02:10:06.22 ID:u75mEBQdo

なんか唯じゃない

39 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/09(土) 01:44:16.65 ID:KDo4uanAO

唯「……自分の言動に後悔したんだろうね。『純ちゃんに嫌われたかも』って、狼狽えながら私に相談してきたの」

梓「1週間近くも、まともに顔をあわせてないですからね。憂がそう思うのは無理もない気がします」

梓「でも、純が憂を嫌うなんて有り得ないですよ。ついさっきのことですけど、憂が大好きだってハッキリ聞きましたし」

唯「うん、わかってる。だから、憂に『そんなことないよ』って言ったんだ。ぎゅーって、だきしめて、泣きやむまで背中を撫でてあげながら」

40 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/09(土) 01:48:02.37 ID:KDo4uanAO

唯「それでだいぶ落ち着いた後にね、『好きな子とふたりきりの時は、たくさんたくさん甘えなきゃ損だよ！』って教えてあげたの」

梓「……そうですね。私も純に似たようなことを言いました」

唯「おぉ、なんて言ったの？」

梓「ふたりでいる時間を大切にした方が良い、と」

唯「恋人かどうか関係なしに、好きな子と過ごしてる時って幸せだもんね」

梓「ですね」

梓「……」

梓「唯先輩、こっちのみかん……食べます？」

唯「……うん」

41 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/09(土) 01:50:16.89 ID:KDo4uanAO

梓「あ、あーん」

唯「あーん」ﾊﾟｸｯ

梓「おいしいですか？」

唯「うん、とっても」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

梓「……」

梓「憂……大丈夫ですかね」

唯「大丈夫だよ」

唯「いっぱい泣いて、溜めてた想いを吐き出して、スッキリしたみたいだし。それに」

梓「それに？」

唯「憂は純ちゃんが大好きだもん」

梓「ふふ、そうですね」

42 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/09(土) 02:02:50.30 ID:KDo4uanAO

唯「あ。そういえば、あずにゃんが私に伝えたかったことって何？」

梓「ああ、純ならもう平気ってことです」

梓「唯先輩と会う前に純と話をしてたんです。その時に、純の言葉を聞いて安心して――さっきも言いましたけど、純も憂が大好きですから」

唯「えへへ、そっかぁ」

梓「あとはきっかけをつくって、うまく憂と純を引き合わせればいいだけですね」

唯「その必要はないと思うよ」

梓「えっ」

唯「ふたりは今、会ってお話してるんじゃないかな？ 買い物に行く前、憂ってば携帯電話を何回も見て、すっごくソワソワしてたから」

43 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/09(土) 02:06:19.50 ID:KDo4uanAO

梓「……純の言った大切な用事って、そういうことか」

唯「いつもより帰ってくるのも遅いし、たぶん間違いないと思う」

梓「……」

唯「はい、あずにゃん。あーん」

梓「ん……あーん」ﾊﾟｸ

唯「おいしい？」

梓「あまずっぱいです」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

唯「みかんって当たり外れあるよね。見分けかたとかないのかなぁ」

梓「うーん、外見だけで判断できませんね」

44 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/09(土) 02:12:42.54 ID:KDo4uanAO

唯「中身が想像した味と違うと、ちょっとガッカリしない？」

梓「多少甘さに差があろうと、みかんはみかんの味でしかないんで期待も落胆もしませんよ」

唯「甘さがなくて、すっぱいのだけだったとしても？」

梓「食べ始めは口当たりが悪いかもしれませんけど、我慢すれば食べてるうちに慣れますから。特に何とも思いません」

唯「えー？ 私、全然慣れないよ？ すっぱいのが苦手だからかなぁ」

45 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/09(土) 02:35:29.69 ID:KDo4uanAO

唯「……それなら、あずにゃんはどんなみかんだとガッカリしちゃうの？」

梓「妙にみかんについて、こだわりますね」

梓「そうですねぇ……」

梓「みかん以外の味がしたら、流石に気落ちすると思います」

唯「みかん味じゃないみかんって、おもしろそう！」

梓「えぇー……」

唯「バニラアイス味のみかんとか食べてみたい！」

梓「この前、純も同じようなこと言ってたなぁ……」

梓「それ、ふつうに本物のアイスを食べたらいいハナシですよね」

46 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/11(月) 01:22:57.18 ID:yq2NJXXAO

唯「あずにゃんは夢がないなぁ」

梓「唯先輩は夢見すぎですよ」

唯「いやいや。もしかしたら、今あずにゃんが剥いたみかんはバニラアイス味かもしれないじゃん」

梓「ありえませんって」

唯「言ったなぁ。確かめてみるから、ちょうだい」

梓「はいはい。あーん」

唯「あーん」ﾊﾟｸ

唯「むむむ……これは！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

47 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/11(月) 01:24:26.49 ID:yq2NJXXAO

唯「甘くておいしい、みかんの味！！」

梓「そうでしょうとも」

梓「みかんはみかんでしかありません」

唯「……あずにゃんは、きりぎりすとってやつだね」

梓「はい？ 生まれてから一度も、ぎっちょと鳴いた覚えはないです」

唯「あれ？ りあるすと？ だっけ」

梓「……？」

唯「ありあすと……だったかな？」

梓「…………」

梓「……」

梓「あぁ。リアリスト、ですか」

48 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/11(月) 01:32:27.14 ID:UqHqGC2Vo

見てるよ

49 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/11(月) 13:52:31.40 ID:PDs58FIao

つまんね

50 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/11(月) 14:19:37.09 ID:T0HOkVBWo

面白いよ

51 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/16(土) 17:51:30.34 ID:7KHkmvzAO

唯「そうそう、それ。りあにすと！」

梓「あとちょっとのところで言えてません」

唯「う〜……」

梓「理想や空想を拒否してワケではありません。ただ、作り上げた概念から外れた物事を受け入れるのに、多少時間がかかるだけです」

唯「ふむふむふむ」

唯「むずかしくて、わかんなかった」

梓「……んー……っと、常識の範囲内、ふつうが一番ってことです」

唯「なるほどー」

唯「常識……ふつう、かぁ」

52 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/16(土) 17:55:22.33 ID:7KHkmvzAO

唯「……」

唯「やっぱり私には、よくわかんないや」

梓「……」

梓「そうですか」

唯「……」

唯「もう一つ、みかん食べる？」

梓「いいえ。用事も済みましたし、帰りますね」ｽｯ

唯「待って。お外寒そうだから、マフラー貸してあげる」

梓「えっ、悪いですよ」

唯「じゃあ、あずにゃんが風邪ひいたら、私が24時間片時も離れず看病するね」

53 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/16(土) 18:13:14.79 ID:7KHkmvzAO

梓「……マフラーお借りします」

唯「もー、最初から素直にそう言えばいいのにぃ」

梓「これからそうします」

唯「うむ、よい心がけじゃ。あずにゃんこよ！」

唯「ご褒美に、ぎゅーしてあげよう」ｷﾞｭｰ

梓「わ、もう……唯先輩が抱きつきたいだけでしょう？」

唯「むぅ、バレたか」ﾊﾟｯ

梓「あっ、はなしちゃだめ！」

唯「えっ？ う、うん！」ｷﾞｭ

54 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/16(土) 18:19:46.14 ID:7KHkmvzAO

梓「……」

唯「……」

唯「えっと、あずにゃん……？」

梓「……ご褒美、なんですよね？ 素直にもらいます」

唯「……あずにゃん、耳まっか……かわいい」ｷﾞｭｳ

梓「唯先輩、いつもよりあったかい……」

唯「……」

唯「……」ｷﾞｭｳｩ

梓「……」

唯「ほい、ご褒美タイム終了！」ﾊﾟｯ

55 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/16(土) 18:33:01.11 ID:7KHkmvzAO

唯「コレで風邪の心配はいらないね！」

梓「……別の意味で熱が出ましたけどね」

唯「うん？」

梓「なんでもありません」

梓「唯先輩。憂が帰ってきて、まだ悩んでる様子だったら連絡してください」

唯「ん、わかった」

梓「頼みましたよ」

唯「任せてよ！ 大事な妹と大切な未来の妹の為だからね」

梓「……」

56 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/16(土) 18:36:00.01 ID:7KHkmvzAO

唯「あずにゃん」

梓「……あ、はい」

唯「大丈夫だよ。今回の喧嘩は、いつもより、ほんのちょっと、すれちがっただけだから」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

梓「……」

唯「憂と純ちゃんがお互い想い合ってるんだから、私達はふたりを精一杯応援しなきゃ。私達が暗い顔してると、憂たちも不安になっちゃうよ」

唯「ほら、笑顔笑顔」

梓「……はい」ﾆｺ

57 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/16(土) 18:38:24.75 ID:7KHkmvzAO

唯「うん、よくできました」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

梓「…………子供扱い、しないでください」

唯「あずにゃんが泣きそうな顔するのやめたら、やめる」

梓「なんですか、それ。そんな顔してません」

唯「意地っ張りだなぁ」

梓「……もう。帰ります」

梓「みかん、ごちそうさまでした」

梓「お邪魔しました。失礼します」

唯「また明日ね」

58 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/16(土) 19:05:56.09 ID:RzDariN5o

[ﾋﾟｰｰｰ]

59 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/16(土) 20:00:10.59 ID:UFUHwJPto

落ちたとこに追いつくのはまだまだ先かな？
俺は応援してるぞ

60 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/16(土) 22:16:18.99 ID:+I8XIBReo

頑張って続けてくだされ

61 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/16(土) 23:17:19.26 ID:2d8A19TEo

待ってる

62 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/17(日) 11:26:55.38 ID:sCGA0zYwo

かわ唯梓

63 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/19(火) 00:16:22.00 ID:hyyAThjyo

このあずにゃんはやけにキレ者だな
よくある二次創作のあずにゃんだけど
やっぱり公式のあずにゃんが一番可愛いペロペロ

64 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]：2013/02/20(水) 01:25:12.52 ID:gg2cbwRAO

―――――――――――――――――――――




唯「今日の部活、お休みだって」

梓「わかりました。伝えに来てくださって、ありがとうございます」

唯「気にしなくていいよー」

唯「私があずにゃんの顔を見たかったから」

梓「……」

65 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]：2013/02/20(水) 01:28:14.36 ID:gg2cbwRAO

梓「私も会いたかったですよ」

唯「えへへ、あずにゃーん」ｷﾞｭｰ

梓「抱きしめてほしいとは言ってません」

梓「ほら、離れてください」ｸﾞｲｯ

唯「あぅ、あずにゃん冷たい」

梓「ヒトの目を気にしてください。女子同士でただの先輩後輩なのに、根も葉もない噂とか、そんなつまらないこと迷惑でしょう？」

唯「……」

梓「……すみません、強く言い過ぎました」

唯「……」

梓「唯先輩？」

66 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]：2013/02/20(水) 01:33:41.57 ID:gg2cbwRAO

唯「えっ、あぁ、うん。ごめんね」

唯「気をつけるよ」

梓「あの」

唯「ん？」

梓「えっと……抱きしめられること自体は、迷惑だとか思ってませんから」

唯「……」

梓「だから、その、……って唯先輩聞いてます？」

唯「えっ、いや、あ、あずにゃんぎゅー」ｷﾞｭｰ

梓「ちょっ、なんで抱きつくんですか！？ 人前ではやめてくださいってば！！」

唯「ご、ごめんっ。我慢できなくて？」

67 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]：2013/02/20(水) 01:35:24.55 ID:gg2cbwRAO

梓「なんで私に聞くんですか……。ほら、離れて」ｸﾞｲｸﾞｲ

唯「むりです……」ｷﾞｭｳｩ

梓「無理じゃないでしょう。早く……」ｸﾞｲｸﾞｲ

梓「！」

梓「顔、まっかじゃないですか」

唯「……あずにゃんも、あかいよ」

梓「えっ。うそ」

唯「ほんと」

梓「……」

唯「……」

唯「あー……」

唯「あ！ コレ、りっちゃんが返しといてって！」

梓「わ、わぁ！ わざわざありがとうございます」

68 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/20(水) 01:46:01.59 ID:gg2cbwRAO

唯「……それさ、なんのCDなの？」

梓「洋楽です。あんまり有名なバンドじゃないんですけどね。律先輩が彼らのファンらしくて……」

唯「へぇ〜。いつの間に貸し借りしてたの？ ちっとも気づかなかったよ」

梓「ちょっと前に皆で一緒に遊んだ時です。あの後、私が楽器店に誘って」

唯「……珍しいね、あずにゃん」

梓「何がです？」

唯「りっちゃんと……というか、自分から誰かを誘ったりするのが」

69 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/20(水) 01:51:54.20 ID:gg2cbwRAO

梓「そうですか？」

唯「そうだよ」

梓「変ですか？」

唯「ううん……いいことだと思う。すっごく」

梓「……」

唯「じゃあ私、自分の教室に帰るね」

梓「あ、はい。伝言とCD、ありがとうございました」

唯「どういたしまして」

唯「……」

唯「ねぇ、あずにゃん」

梓「はい？」

唯「あずにゃんが言った『好きな子に理解して欲しい』ってやつ、我侭なんてもう思ってないよ」

梓「……」

梓「それはよかったです」

70 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/20(水) 01:53:46.10 ID:gg2cbwRAO

梓「私も、このまえ唯先輩が言ってた『周りに目を向ける』こと、ちゃんと納得しましたよ」

唯「……」

唯「わかってるよ」

梓「唯先輩」

唯「なにかな？」

梓「今夜も、待ってていいですか？」

唯「うん、必ず電話する」

唯「また夜にね」

梓「……」

梓「はい」

71 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/20(水) 12:05:49.65 ID:j1JHoGroo

乙。
もうちょいで追いつくね。がんばってください！

72 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/24(日) 20:51:49.98 ID:GiVX0AvAO

……


純「おかえりー。唯先輩のハグ、強烈だったね」

私は曖昧に頷き、席についた。
先に食べていいと言ったのに、憂と純はお弁当の包みをきれいに広げ、いっさい手をつけていない。
まるで『待て』をされた子犬みたいだと思ったのは秘密にしておこう。
「いただきます」と三人、声を揃えて手を合わす。

憂「お姉ちゃん何て？」

梓「今日の部活は休みって言いに来ただけだよ」

73 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/24(日) 21:06:39.13 ID:GiVX0AvAO

純「ふぅん。部の連絡くらいメールで済むのにね。直接伝えにくるあたり、流石軽音部ってかんじ」

絆創膏の貼った右手で箸を宙に漂わせながら、純は歯をのぞかせニヤッと笑う。

純「もしかして、ただ梓を見に来たい為だけだったりして。唯先輩、ここからでもわかるくらい嬉しそうだったし」

たったの二言に、酷く心が傾いだ。
彼女は突拍子も無いコトを言うクセに、たまに的を射る時がある。
まさに今がその時で、だからだろう、思わず眉をひそめてしまった。

74 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/24(日) 21:11:10.00 ID:GiVX0AvAO

私のほんの一瞬の油断に、何かを言いかけ直ぐに口を閉じた憂を目の端でとらえる。
相変わらず、ヒトの表情を読むのが上手い。

梓「なにいってんのよ。顔を見に来るだけなら授業と授業の合間でもいいし、先輩もそんなに暇じゃないでしょ」

「もう受験生なんだから」と呟いたはずの言葉は、お腹の中に引っ込んでいった。
喉に残った不快感を一気に呑んで、なんとか口角をあげる。
憶測が好きな親友はまだ何か言いたげに唇を尖らしていたが、ミートボールを口に運ぶことで、この話は一旦終わったようだ。

75 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/24(日) 21:15:23.16 ID:GiVX0AvAO

人一倍気遣いのできるもうひとりの親友は、むずかしい顔をするだけで、結局何も言わなかった。
小さくため息がこぼれたのを誤魔化すように、おかずをつまむ。
前や隣にある色鮮やかなお弁当に比べると、見劣りしてしまうな、なんて母に申し訳ない思考が浮かべながら。

憂「純ちゃんがつくったほうれん草の和え物、おいしい〜」

目を細めて破願する憂と、照れながらも幸せそうに笑う純。
ああ、いいな。
こういうの。
親友たちのふつうの日常。
初めての大喧嘩から、ふたりの間隔はさらに縮まったように思える。

76 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/24(日) 21:22:41.27 ID:GiVX0AvAO

一方で、遠慮というのがいくらか取り除かれたぶん、喧嘩の頻度は増していた。
おかげで中野家は駆け込み寺として大活躍だ。
繰り返しぶつかりあい、赦しあえる距離を手探りで見つけようとする姿は、さながら二匹のハリネズミが互いの針で相手を傷つけないように寄り添うのに似ている。
ふたりならきっと『ここだね』と、心通う場所を見つけ出せるだろう。
そんな彼女たちに出来て、私にはどうにも出来ない光景に、笑うか泣くかの選択に悩まされる。
そして決まって、私は笑う方を選んだ。
今回も、きっとこれからも。

77 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/24(日) 21:25:07.52 ID:GiVX0AvAO

憂「もー、純ちゃんったら。梓ちゃんも変だと思うよね？」

梓「……」

憂「梓ちゃん？」

梓「あ、ごめん。……何？」

純「何？ じゃないわよ。だいぶぼんやりしてたけど大丈夫？」

不意に、自分の表情を見たくなったが、私はそれをすることはなかった。
眉を曇らせ顔をのぞきこむ親友たちから、自分が今どんな表情か安易に想像できたから。

梓「平気、平気。あー……っと、これからの軽音部について考えてて……」

苦しい言い訳だと思ったが、二人は納得がいったように頷いた。

78 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/24(日) 21:28:02.23 ID:GiVX0AvAO

心配してくれる彼女たちがありがたくて、ちょっとこそばゆい。
反面、中途半端に誤魔化す自分の矮小さが浮き彫りになるようで……。
隙間が多くなったお弁当の角を箸でコソコソといじる。

憂「梓ちゃんたち、新入生が入ってくれる為にがんばってるんだよね」

梓「う、うん。でも今年は諦めようかなって」

純「なんで？ 梓が一番後輩ほしいんでしょ？ ジャズ研が羨ましいって言ってたじゃん」

梓「それは……後輩ほしいよ。それでも、私は今のメンバーでやりたい気持ちもあるっていうか……」

79 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagf saga]：2013/02/24(日) 21:40:25.74 ID:GiVX0AvAO

憂「バッチリ息があってるもんね。私も今の軽音部の演奏が好きだよ〜」

手をあわせて、にこにこする憂。
それに「軽音部のあやしい雰囲気と結束力には中々入り込めないしね」と楽しそうに茶化す純。
いつもの井戸端会議に息をつく。
ふと目にした窓ガラスには桜雨に頬をうたれながら、あわないパズルを無理矢理はめたみたいに笑う私がいた。

80 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/02/25(月) 13:02:37.26 ID:zuvTOCL/o

超がんばってください。

81 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/26(火) 23:39:04.30 ID:ZRtwqvFAO

――――――――――――――――――――




唯「おじゃましまーす」

梓「おつかれさまです。荷物もちますね」

唯「ありがとう」

梓「もう少しで家事が終わりますから、唯先輩はゆっくりしててください」

唯「私、手伝うよ？」

82 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/26(火) 23:46:41.32 ID:ZRtwqvFAO

梓「え、いいですよ。唯先輩はお客さんなんですから。それに講習で疲れてるでしょう？」

唯「家事のお手伝いくらい、平気だよ。私がおじゃましてるんだし……ふたりでやればすぐ終わると思ったんだけど……」ｼｮﾝﾎﾞﾘ

梓「……」

梓「じゃあ、お風呂の浴槽を洗っていただけますか？」

唯「！」

唯「うん！！」

梓「軽くで構いませんから。お風呂場はそっちのドアを開けて左です」

唯「わかったよ！」

梓「お願いしますね」

83 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/02/26(火) 23:57:21.30 ID:ZRtwqvFAO

唯「……えへへ」

梓「何ですか、急に笑って」

唯「なんだか恋人同士の会話みたいだなぁって思って」

梓「ふふ、どちらかと言うと新婚さんぽいなって私は思いましたよ」

唯「うふふ」

梓「あはは」

梓「……」

梓「……え？ こい……っ！」ｶｱｯ

唯「ん？ しんこ……あっ」ｶｧ

梓「あ、わ、私っ、洗濯物とりこんできますね！」

唯「う、うん！ 私もお風呂ピカピカにしてくるよ！」

84 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/01(金) 01:49:31.29 ID:uQnkRg0AO

……


唯「あずにゃん、お風呂洗ってきたよー」

梓「ありがとうございます。麦茶どうぞ」

唯「わーい。いただきます」

梓「……」

唯「……」

梓「そ、そうだ。唯先輩、お夕飯何がいいですか？」

唯「んー……あ！」

唯「お好み焼きがいいな」

梓「お好み焼き……ですか」

85 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/01(金) 01:57:51.25 ID:uQnkRg0AO

唯「うん！ 今日さー、講習の休憩中にね、ムギちゃんが『お好み焼きってなあに？』って聞いてきてね」

梓「ムギ先輩、お好み焼き知らないんですか。なんていうか、かわいい人ですね」

唯「……うん」

唯「そしたらね、りっちゃんが『やきそばの親戚だな』って答えて、ムギちゃんとっても興味持っちゃってさ」

梓「親戚って……またあの人はテキトウな事を」

唯「澪ちゃんも同じこと言ってりっちゃんにゲンコツしてた」

唯「それなら実物を見て食べようってことで、今度お好み焼き屋さんに行くことになったの！」

86 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/01(金) 01:59:53.85 ID:uQnkRg0AO

梓「でも唯先輩は今すぐ食べたくなった、と」

唯「ざっつらいと！ さすが、あずにゃん」

梓「……まぁ、幸い材料はありますし。準備しますね」

唯「私、自分で焼きたい」

梓「じゃあ、リビングで一緒に焼きましょう。ホットプレート出しますんで」

唯「でっかいハート型を、あずにゃんに焼いたげるよ！」

梓「はいはい」

87 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/02(土) 17:30:33.69 ID:43aoMLwAO

……


唯「……」

梓「……」

ｸﾞﾁｬｱ

梓「これはもうハート型云々以前の問題ですね」

唯「ちょ、ちょっと手元が狂っただけだよぅ」

ｸﾁｬ

唯「あずにゃんって意外とぶきっちょなんだね」

梓「その台詞、唯先輩には言われたくなかったです」

唯「多少カタチがアレなだけで、おいしいね」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

梓「ですね」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

88 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/10(日) 01:47:35.33 ID:RfXE9UvAO

唯「でもこのままだと、皆でお好み焼き屋さんに行ったとき、私たち大恥かいちゃうよ」

梓「誰も唯先輩が上手に焼けると思ってませんよ」

唯「あずにゃん、しどい……。自分も焼けなかったくせにぃ」

梓「うぅ、そう言われると……すみません」

唯「許す！」

梓「……はぁ。あと一枚分残ってますけど、焼いていいですか？」

唯「うん！ お任せするよー」

ｼﾞｭｰ……

梓「もうひっくり返していいですかね？」

唯「そうだね。はい、ヘラ」

梓「ありがとうございます」

89 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/10(日) 01:49:12.69 ID:RfXE9UvAO

梓「……ふぅ」

唯「そーっと、そーっと……」

梓「うぅ……無理そう」

唯「……」

唯「あずにゃん、ちょっと失礼するよ」ｷﾞｭ

梓「わっ、と。こんな時に抱きついてきて……」

唯「私がこうやって一緒にヘラを持つから、せーのでひっくり返そう」

梓「えぇ！？」

唯「早くやらないと焦げちゃうよ！」

梓「わ、わかりました」

90 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/10(日) 01:51:19.36 ID:RfXE9UvAO

唯「せー……」

梓「のっ」

ｸﾙｯ　ｼﾞｭｰ……

唯「……」

梓「……」

唯「きれいに焼けたね！」

梓「はいっ！」

唯「すごい、すごい！ もうこれお店に出せちゃうレベルじゃない！？」

梓「言い過ぎです！」

唯「そんなこと言って、あずにゃん『やったぁできたーうれしー』て顔してるよー」

梓「うっ……」

唯「よかったねぇ。かわいいねぇ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

梓「……」

梓「あの……きれいに焼けたのは唯先輩のお陰です。ありがとうございます」

唯「どういたしまして」ﾆｺ

91 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/11(月) 13:27:02.03 ID:jQ8RsJ4Do

このやりとり可愛すぎ

92 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/15(金) 21:39:35.13 ID:OFX2asdMo

つまらん

93 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/15(金) 21:58:14.15 ID:L6MueonCo

途中で落ちるのにはそれなりの理由があるってことだな

94 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/16(土) 04:55:31.55 ID:XvyQUrFko

いやＶＩＰじゃないんだから落ちる落ちないは作者のやる気次第でしょうよ

95 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/16(土) 11:31:09.33 ID:vclvXrmdo

荒らしの書くことを真面目に捉えても無駄無駄

96 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/17(日) 13:12:28.16 ID:GWJ4ANEAO

……


唯「んー……アイスおいひい」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

梓「ほんと美味しそうに食べますね」ｼｬﾘｼｬﾘ

唯「よし、このアイスをあずにゃんにお裾分けしてあげよう」

梓「いや、それ元はウチのですし」

唯「まぁまぁ、細かいことは気にしなさんな」

唯「はい、あーん」

梓「……あーん」ﾊﾟｸ

唯「おいしい？」

梓「うん」

97 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/17(日) 13:26:30.67 ID:GWJ4ANEAO

梓「お返しに、こっちのアイスあげます」

唯「ありがとー」

梓「はい、どうぞ」

唯「あーん」ﾊﾟｸ

唯「あずにゃんのも、おいしいねぇ」

梓「口の周り汚れてますよ」

唯「拭いて〜」

梓「言うと思いました。じっとしててください」ﾌｷﾌｷ

唯「ありがと〜」

唯「ふー……食べた食べたぁ」ｺﾞﾛﾝ

98 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/17(日) 13:41:08.19 ID:GWJ4ANEAO

梓「寝っ転がってないで、勉強してください。受験生でしょう？」

唯「ご飯食べて直ぐだと集中できないもん」

梓「もう……。私が食器を洗ってくる間だけですよ？ それまで私の部屋で休んでてください」

唯「了解〜」

梓「ついでにお風呂にお湯を張ってきますね」

唯「わかったー」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

99 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/17(日) 14:00:41.97 ID:GWJ4ANEAO

……


梓「唯先輩ー、食休み終わりですよー」ﾋｮｺ

唯「えっ、わひゃあっ」ｻｻｯ

梓「……何やってるんですか？」

唯「えっと……勝手にＣＤ見てました。ごめんなさい」

梓「別に構いませんよ。気になったものがあれば、貸しますけど」

唯「どれかかけて良い？」

梓「いいですよ。でもその前に、勉強の準備して下さいね」

唯「え〜……」

100 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/17(日) 14:24:32.23 ID:GWJ4ANEAO

梓「勉強してるか見るように、憂からも言い付かってますから」

唯「わかったよぅ」ｺﾞｿｺﾞｿ

梓「夏期講習、大変そうですね」

唯「覚えることが多いからね」

唯「でも、澪ちゃんたちも一緒だから楽しいよ」

梓「……そうですか」

唯「あ、このＣＤ……」

梓「律先輩に貸したやつですね。最近よく聴くんです。唯先輩も借りますか？」

唯「ううん」

唯「……私は、いいや」

101 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/17(日) 17:33:03.20 ID:2o0gjPiDo

見てる

102 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/25(月) 12:16:24.50 ID:sXZgumcTo

楽しみにしてるのに、また途中で投げるのか？

103 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/25(月) 14:23:06.86 ID:yz932uB+o

少しくらい間隔空いてもいいから完結まで見たいね

104 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/26(火) 01:01:36.95 ID:hgA6z3mAO

唯「こっちのＣＤは何？」

唯「タイトルが、えーっと……あい、うぉんと……う〜ん。あとは擦れててよくわかんないや」

梓「それ！ 私の好きな曲を詰め合わせたものです」

唯「あずにゃんが全部選曲したってこと？」

梓「はい。最近見かけないと思ったら、そんなとこにあったんだ。唯先輩、よく見つけましたね」

唯「……これ、かけていい？」

梓「えっ？ いいですけど、今時の流行りの曲は入ってませんよ。それに、ギターの技術とかも関係ないものばかりですし」

唯「スイッチオーン」ｶﾞﾁｬ

梓「聞いてない……」

105 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/26(火) 01:14:47.18 ID:hgA6z3mAO

〜〜♪ 〜〜♪

唯「ねぇねぇ、この英語の曲はどういう歌なの？」

梓「いい加減、勉強に集中してください。夏休みの課題が全く進みません」

唯「これだけ教えて！ 教えてくれたらバリバリやるから！」

梓「もう……」

梓「この曲は『あなたが居れば、一日がちゃんと終わるんだ』という歌です」

唯「あなたが居れば……一日が終わる？」

梓「平たく言うと『あなたが居れば、どうとでもやっていける』って意味ですね」

梓「ストレートに『好き』と伝えずに、『私にとってあなたは特別』だと歌ってるんです」

106 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/26(火) 01:18:21.90 ID:hgA6z3mAO

唯「とくべつ……」

唯「このふたりが歌ってる曲って他にあるの？」

梓「いえ、これっきりですね」

唯「そうなの？」

梓「はい。彼女たちが組んだのは一日限りで、この一曲だけを歌ったんです」

唯「ふぅん……」

〜〜♪

唯「……」

唯「ねぇ、あずにゃん。このＣＤ借りて良い？」

梓「良いですよ。その代わり……なんて言いませんが、勉強がんばってくださいね」

唯「えへへ、ありがとう。約束するよ」

107 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/26(火) 01:29:12.06 ID:hgA6z3mAO

……


梓「そろそろお風呂、入りましょうか」

唯「はぇ？ わ、なんだかんだで、もうこんなに時間が経ったんだねぇ」

梓「それじゃあ唯先輩、お先どうぞ」

唯「え？ 一緒に入らないの？」

梓「……逆に訊きますけど、何で一緒に入らないといけないんですか？」

唯「あずにゃん家のお風呂って私の家とボタンとか蛇口の使い方が違うから、変な操作しちゃいそうなんだもん」

梓「そんな大袈裟な」

唯「えぇ〜、何か起こってからじゃ遅いんだよ？ 一緒に入ろうよ〜」

梓「……」

梓「私、髪を洗うのに時間がかかりますよ？」

108 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/26(火) 01:34:21.89 ID:hgA6z3mAO

……


唯「ふぁ〜、気持ちいいねぇ」

梓「そうですねぇ」

唯「あずにゃん、髪もお肌も良い匂いだねぇ」ｽﾘｽﾘ

梓「ちょっ、と、唯先輩。くす、ぐっ……たいっ、です。やめて、ください！」

唯「ちぇ〜」

梓「もう……」

梓「……」

唯「……」

唯「ねぇ、こっち向いて？」

梓「イヤです。というか、狭いから無理です」

109 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/26(火) 01:37:26.10 ID:hgA6z3mAO

唯「あーずーにゃーんー」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

梓「お湯が減るんで、暴れないでください」

唯「むー……あずにゃんがおとなしく抱っこされてるのはいいけど、顔が見られないのは嫌だなぁ」

梓「……」

梓「見せられるワケないじゃないですか」ﾎﾞｿ

梓「手をつないでてあげますから、今はこれで我慢してください」ｷﾞｭ

唯「！」

唯「うん！」ｷﾞｭ

唯「えへへ」

110 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/26(火) 01:40:35.12 ID:hgA6z3mAO

唯「あずあず♪ にゃんにゃん♪ あずにゃんにゃん♪」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

梓「変な歌を唄いながら、私の手で遊ばないでください」

唯「だって楽しいんだもん」

梓「犬ですか」

唯「わん！ ゆいわんだわん！」

梓「ふふ、わんわん♪ ゆいわん♪ ゆいわんわん♪」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

唯「……え？」

梓「……あ」

111 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/03/26(火) 01:49:45.32 ID:hgA6z3mAO

唯「あずにゃんかわいい！！ あずにゃんは、ゆいわんが気に入ったんだね！」ｷﾞｭｰ

梓「違います！ い、今のは、お湯があつくてのぼせただけです！ 忘れてください！」

唯「やだ！」

梓「やだじゃなくて、忘れなさい！」

唯「あ、今ならあずにゃんの顔を見なくても、表情がわかるよ。あかくなっちゃったほっぺたを膨らませてるんだよね？」

梓「〜〜っ！！ 先に出ます！」

唯「ふふ、私も出るよ〜」

112 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/26(火) 11:05:41.87 ID:IA1YLhR3o

…かわいすぎる。

113 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/27(水) 07:18:40.33 ID:yVIN6fZDo

２８２８

114 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/27(水) 09:29:46.19 ID:5JPobRFaO

はやく結婚しろよ

115 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/29(金) 23:18:53.08 ID:VDjrJkJh0

本来のキャラの性格とズレがあって>>1のきもいキャラ付けがされてるな

116 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/03/29(金) 23:54:55.85 ID:uYusIhTSO

登場人物がまるでオリキャラでも構わず支援する奴がいるのはけいおんＳＳくらいだからな

117 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/04(木) 01:35:21.00 ID:pOxPg15AO

……


梓「唯先輩ー」

〜〜♪♪ 〜〜♪♪

梓「携帯鳴ってますよ」

唯「ほいほーい」

ﾋﾟｯ

憂『もしもし、お姉ちゃん？』

唯「もしもし、どうしたの憂ー」

憂『まだ早いけど、おやすみなさいの挨拶しとこうと思って』

唯「そっか。そっちで何かあったのかと思っちゃった」

118 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/04(木) 01:38:48.65 ID:pOxPg15AO

憂『心配してくれて、ありがとう。でも、純ちゃんが一緒に居るから大丈夫だよ』

唯「えへへ、それもそうだね」

唯「そうだ！ 冷凍庫にとっておきのアイスがあるから、ふたりで食べてね」

憂『うん。ありがとう』

唯「憂たちは今、何をしてるの？」

憂『えっとね……』

純『憂ー、問４は５＜x＜１１？』

憂『残念。それだと絶対値の条件を満たしてないよ？』

純『えぇー……折角計算したのに……』

憂『純ちゃんファイト！』

119 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/04(木) 01:44:35.77 ID:pOxPg15AO

憂『……お話の途中なのに、ごめんね。お姉ちゃん』

唯「ううん、ぜんぜんかまわないよ。夏休みの宿題してたの？」

憂『うん。純ちゃんがね、今年は私といっぱい遊びたいから早く終わらせるって』

唯「愛されてるねぇ」

憂『そうかな。えへへ』

憂『お姉ちゃんたちは何をしてたの？』

唯「私はテレビ観てたよー」

憂『あれ？ 梓ちゃんは？』

唯「あずにゃんはギターのメンテしてる」

唯「あ、そうそう。憂、聞いてよ。さっきね、あずにゃんが私のことをゆいわ……」

梓「ちょっと唯先輩！！」

唯「あぅ、怒られた」

120 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/04(木) 01:53:23.97 ID:pOxPg15AO

唯「憂ー。あずにゃんが、むくれて隅っこに行っちゃったよぉ」

憂『ふふ』

憂『……』

憂『お姉ちゃん』

唯「うん？」

憂『言った？』

唯「……」

唯「まだ」

唯「でも絶対言うよ。皆にも今日言うって約束したし、ふざけてるって思われて諦める覚悟もしたし、それに、それに……」

憂『お姉ちゃん』

唯「うい……」

憂『大丈夫。きっと、かならず、ぜったい、真剣に受け止めてくれるから』

121 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/04(木) 01:56:02.32 ID:pOxPg15AO

唯「……」

唯「うん……」

唯「うん。ありがとう、憂」

憂『ううん。お姉ちゃんと親友の為だもん、当たり前だよ』

唯「……ん」ｸﾞｽ

唯「怖くても、私、がんばるから」

憂『うん、うん』

憂『……ねぇ、お姉ちゃん。梓ちゃんに電話替わってもらえるかな？』

唯「ちょっと待ってね」

唯「あずにゃーん、憂が替わってって」

梓「憂が？ わかりました」

122 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/04(木) 01:58:52.25 ID:pOxPg15AO

唯「じゃあ電話替わるよ？ 憂、ありがとね。おやすみなさい」

憂『うん。おやすみなさい、お姉ちゃん』

唯「はい、あずにゃん」

梓「どうも」

梓「もしもし、憂？」

憂『こんばんは、梓ちゃん』

憂『ごめんね。今日は』

梓「気にしなくていいってば。私の親も明後日まで居ないし、唯先輩が居てくれた方が……その、楽しいし」

唯「私も楽しいよ、あずにゃん！」ｷﾞｭｰ

梓「あー、もう。唯先輩はアッチでテレビでも観ててください」ｼｯｼｯ

唯「ちぇー、あずにゃんのけちんぼ」

憂『ふふふ』

123 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/04(木) 02:02:17.95 ID:pOxPg15AO

梓「憂、何笑ってるのよ」

憂『ごめん、ごめん』

憂『……』

憂『ごめんじゃなくて、ありがとう、だね』

梓「……ありがとう？」

憂『私と純ちゃんがふたりきりになれるように、お姉ちゃんも梓ちゃんも今日のお泊まり会を断ったんだよね？』

梓「……さあ？ なんのことか、わかんないよ」

憂『それでも、ありがとう』

憂『梓ちゃんも、がんばってね』

梓「……」

梓「なんのことか、わかんないよ。憂」

124 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/04(木) 02:04:45.39 ID:pOxPg15AO

憂『……そっか』

憂『梓ちゃんも、隠し事が下手だね』

純『そうそう。いいかげん、梓は良い子ちゃんの仮面を捨てちゃいな』

憂『わっ、純ちゃん』

純『もっとわかりやすく生きなさいよ』

梓「何それ……どういう意味よ」

憂『駄目だよ。純ちゃん』ﾒｯ

純『むぅ』

憂『梓ちゃん、ごめんね』

憂『そろそろ切るね。おやすみ、梓ちゃん』

梓「……おやすみ」

125 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/04(木) 02:06:20.37 ID:pOxPg15AO

ﾋﾟｯ

梓「唯先輩、電話お返しします」

唯「憂、何か言ってた？」

梓「…………いえ、特に何も」

唯「そう」

梓「喉が乾きましたね。私、飲み物持ってきますけど、何がいいですか？」

唯「私も一緒に行くよ」

126 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/04(木) 02:21:14.91 ID:0KScoSiQo

ドキドキしてきたよ。
やり取りがいちいち可愛すぎる。

127 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/04(木) 13:02:44.35 ID:NdfZko3p0

きも

128 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/04(木) 17:08:29.33 ID:0YkKk696o

ワザとキャラ崩壊させたコメディ系やｍｊｋｔ系と違ってマジメ系百合ＳＳなのに本来のキャラと性格がかなり剥離しちゃってるし
>>1はＳＳ書くためにけいおんを利用してるだけでたいして好きじゃないってのが伝わってくるな

129 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/08(月) 23:19:20.98 ID:yyXd0lKMo

>>1の脳内キャラでけいおん書きたくなっちゃったのかな。
でも残念なことにこの>>1には才能が無かった……。

130 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/09(火) 03:03:03.66 ID:fMKTQT8ho

ゆいあずにゃんにゃん

131 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/09(火) 04:06:45.74 ID:CmkyAEfco

待ってる

132 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/14(日) 19:52:58.57 ID:Iwu478WAO

……


唯「あずにゃんや」

梓「決まりましたか？」

唯「これ、飲んでみたいなぁ」

梓「駄目です」

唯「なぁんでー！？」

梓「わかってて言ってますよね？ お酒は二十歳を過ぎてからです」

唯「でもでも、チューハイって美味しそうじゃない？ 一度くらい飲みたいって思ったことあるでしょ？」

梓「それは……確かにありますけど」

唯「だよね！！」

梓「でも、今とその時は別です！ しまってください」

133 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/14(日) 19:59:25.63 ID:Iwu478WAO

唯「……ごめん、もう開けちゃった」

梓「へっ？」

唯「ごめんなさい……」ｼｭﾝ

梓「はあ、開けてしまったのなら仕方ありません。飲んじゃってください」

唯「えっ。だってさっき……」

梓「捨てるのも勿体ないですから。それに、咎める人も今はいませんし」

唯「じゃあさ、あずにゃんもコレ一緒に飲もう？」

梓「……そうですね。共犯の方が逆に気が楽です」

唯「えへへ、あずにゃんも実は飲みたかったんだねぇ。最初っから言ってくれればよかったのにぃ」

梓「捨てちゃいますね」

唯「のぉぉおぉおお！！！！」

134 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/14(日) 20:09:32.79 ID:Iwu478WAO

……


唯「それでは、初めてのお酒いただきます」

梓「いただきます」

唯「……」ｺﾞｸﾘ

梓「どうですか？」

唯「う〜ん、あまい……かな。ほい、次あずにゃんどうぞ」

梓「ありがとうございます。……ジュースみたいなものかな？」ｺﾞｸ

梓「ん！ ……にが」ﾊﾟｽ

唯「えっ？ 全然にがくないよ？」ｺｸ

梓「にがいですよぉ」

唯「ふふふ〜」

135 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/14(日) 20:25:11.55 ID:Iwu478WAO

梓「……今『あずにゃんはお子様だなぁ』って思ったでしょう？」

唯「ぜーんぜん」

梓「その目は、ぜったい嘘ですね」

唯「まぁまぁ。ゆっくり飲んでいったら慣れるよ、多分」

梓「……そうですね」ﾁｮﾋﾞ

唯「あ、テレビのチャンネル回していい？」

梓「はい。どうぞ」

唯「このドラマ気になってたんだー」ｺｸ

梓「確かに役者も良いし、おもしろいですよね」

梓「……」ﾁｮﾋﾞ

梓「あの、ものすごく今更なんですが」

唯「んー？」ｺﾞｸ

136 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/14(日) 20:34:51.39 ID:Iwu478WAO

梓「何で私の後ろに座ってるんですか？ テレビ観るなら隣に座った方が観やすいですよ」

唯「じゅうぶん観やすいし、何よりあずにゃんをこうやってぎゅーっと抱きしめるからココでいいんです！」ｷﾞｭｰ

梓「はぁ、まぁわかってましたけど」

唯「もしかして、嫌だった？」

梓「嫌ならとっくにひっぺがしてますよ」ﾁｮﾋﾞ

唯「つまり？」

梓「唯先輩に抱っこされるのは嫌いじゃないです」

唯「じゃあ、すき？」

梓「……そういうことにしときます」

唯「んへへ〜」ｺｸﾘ

梓「だらしのない笑い方ですね」

137 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/14(日) 20:39:23.34 ID:Iwu478WAO

唯「だって、あずにゃんの好きって気持ちがうれしいんだもん」

梓「なんで直ぐそういうコトを言うんですか……」ﾁｮﾋﾞ

『君が好きだよ』

『私もあなたが好きなのっ』

唯「おぉー……」ｺﾞｸ

梓「憂と純もこんなかんじだったんですかね」

唯「……」

唯「あのね、あずにゃん……聞いてくれる？」

梓「はい？ 何ですか？」

唯「私、好きな人がいるの」

梓「えっ」

唯「うんとね、憂は妹として一番好きだし、和ちゃんは親友として一番好きで、純ちゃんは妹の恋人として一番好き」

梓「……ああ、そういうことですか」

138 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/14(日) 20:46:52.98 ID:Iwu478WAO

唯「澪ちゃんはかっこよくて頼りになる友達の一番好き、ムギちゃんはかわいくて笑顔がやさしい友達の一番」

唯「りっちゃんは一緒にふざあえる友達として一番、あずにゃんは」

梓「『後輩として一番』ですか？」

唯「……」

梓「唯先輩をみてると、人は一度に大勢を愛せるんだなって思います」

唯「うん。憂やりっちゃん達、それにあずにゃんが教えてくれたんだよ」

唯「最愛の人は、この世にひとりしかいないってことも」

唯「……」

唯「あのね、あずにゃん――」

139 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/14(日) 20:57:40.88 ID:Iwu478WAO

梓「最愛の人を逃したら、どうするんですか？」

唯「え？」

梓「最愛の人を見つけても、覚悟も勇気もないとしたら？ しあわせになれないとしたら？ 目の前から離れていったら？」

梓「そんなの、かなしすぎるじゃないですか。そんなの、初めから望まない方がいいじゃないですか」

唯「……」

梓「この話はやめて、テレビ観ましょう」

梓「私、この男優さんが好きなんですよね」

唯「……私の方が、好きだもん」

140 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/14(日) 20:59:36.30 ID:Iwu478WAO

唯「私の方が、あずにゃんのことずっとずっと大好きだもん」

梓「……唯先輩、酔ってますね」

唯「酔ってない」

梓「酔ってますよ」

梓「やっぱり、お酒を呑むなんて間違ってたんです」

梓「もう寝ましょう。ほら、離れてください」

唯「やだ」

梓「唯先輩」

唯「離したくない」ｷﾞｭ

梓「じゃあこのままでいいですから、立ってください。歯磨きして、寝室に行きましょう」

唯「……うん」

141 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/14(日) 21:32:12.20 ID:07iigW+Yo

話が動き出した・・・？どうなるのか

142 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/14(日) 22:50:26.46 ID:cHMC61Ml0

毎回まわりくどいもったいぶったセリフが続きすぎてクドイわ
そのパターンしか会話の引き出しないんか

143 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/14(日) 23:42:04.13 ID:+HglRgMQ0

くっせえ妄想垂れ流してんじゃねえぞボケ

144 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/14(日) 23:51:03.84 ID:JsgGcMPlo

展開が変わってもつまらなさは変わらない

145 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/15(月) 00:26:43.81 ID:dohVY4Cxo

じれったさがいいです。がんばって続けてください。

146 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/15(月) 00:42:53.35 ID:bQ/wuWtCo

このＳＳのふたりが可愛くて良い

147 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/15(月) 02:15:03.39 ID:6RG6I4TSo

はやくちゅーしろよってヤジ飛ばしたくなる

148 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/15(月) 03:10:15.23 ID:m9KBK7D20

あずにゃんがかたくなでもどかしい、気になる

149 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/15(月) 05:38:49.61 ID:YZAvRhkDO

支援！

150 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/21(日) 19:06:05.17 ID:ksgHZO0AO

……


梓「私は両親の部屋で寝ますから……」

唯「だめ」ｷﾞｭ

梓「……」

唯「あずにゃん、お願い」

梓「離してください」

唯「……」ｷﾞｭｰ

梓「電気、消せないでしょ？」

唯「……」ﾊﾟｯ

ｶﾁ

151 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/21(日) 19:07:00.36 ID:ksgHZO0AO

梓「失礼します」

唯「……うん」

梓「もう少し、そっちに寄っても大丈夫ですか？」

唯「……ぅん」

梓「暑くないですか？」

唯「……ん」

梓「お酒、明日には抜けるといいですね」

唯「…………ん」

梓「明日も夏期講習がんばってくださいね」

唯「……」

梓「唯先輩？ もう寝ちゃいましたか？」

唯「……」

152 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/21(日) 19:08:00.28 ID:ksgHZO0AO

梓「おーい」

唯「……」

梓「唯先輩」

唯「……」

梓「唯センパイ」

唯「……」

梓「ゆいせんぱい」

唯「……」

梓「……ゆい」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

唯「……」

梓「好き」ｷﾞｭ

梓「どんなかたちでも、好きって言ってくれて嬉しかったよ」

153 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/21(日) 19:09:16.60 ID:ksgHZO0AO

梓「唯先輩が、大好きだから」

梓「私にとって最愛の人は唯先輩です」

梓「えへへ、言っちゃった」

梓「はぁ……酔ってるな、私も」

唯「……」

唯「……」

唯「ごめんね」

梓「！！」

梓「起きてるじゃ、ないですか」

唯「うん……あずにゃん、あのね」

梓「寝言、うるさかったですよね？」

唯「えっ」

梓「す、みま……せん、……」ｸﾞｽｯ

154 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/04/21(日) 19:11:35.44 ID:ksgHZO0AO

唯「あずにゃん、泣かないで」

梓「泣い、てません。よだれ、です」

唯「……」

唯「ごめんね」

梓「あやまらないで……ください」

唯「うん……」

梓「ごめんなさい、唯先輩」

唯「……」

梓「迷惑かけて、傷つけて……好きになって、ごめんなさい」

唯「……あずにゃん」

梓「おやすみなさい」

唯「あず……」

梓「……」

唯「……」

唯「おやすみ」

155 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/21(日) 19:20:58.25 ID:nBnGqq10o

今回もつまらんなー

156 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/21(日) 19:38:44.55 ID:hFbYZXJGo

こういう些細なすれ違いは悲しくなるな、早く話を進めちくり〜

157 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/21(日) 22:21:35.99 ID:00KZzzwSO

常につまらんよ
結局はけいおんSSだからと色眼鏡で見られてた証拠だよ

158 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/21(日) 22:41:01.05 ID:CwWTKDvfo

今って起承転結のどこらへん？
ここまで見所も盛り上がりも一切無いんだが

159 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/21(日) 23:10:20.16 ID:ImEOo4Xl0

アニメの唯がこんなふうにきもくなくて良かったわ

160 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/21(日) 23:43:58.52 ID:nZnv45cN0

クソSS読んで時間無駄にしたじゃねえか
あらかじめ>>1にクソSS注意って書いとけや！！！！！！！！！！！！

161 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/22(月) 00:07:10.76 ID:mp6MfXTwo

はがゆいな〜。ちゃんと幸せにして上げて下さい。
続きおねがい。

162 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/22(月) 01:57:06.47 ID:0IklCk/Io

幸せにな〜れ

163 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/22(月) 12:04:34.16 ID:noqlU3Woo

キモイ唯梓アンチが粘着してんな

164 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/22(月) 13:17:50.20 ID:6hV3BaDn0

SSがキモイからしょうがない

165 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/23(火) 04:21:17.01 ID:NO9qzpvP0

乙、続きはよ

166 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/26(金) 03:11:38.33 ID:qITTTZSwo

なにこれけいおん？
けいおんってこんなつまんないの？

167 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/28(日) 23:43:59.85 ID:CkRvXiYSO

けいおんＳＳはクソでも持て囃される

168 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/29(月) 14:58:22.04 ID:mwztyRgDo

面白くてもアホな粘着が沸くけどな今みたいに

169 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/29(月) 16:03:06.67 ID:WQLL8DvT0

こんな低レベルなSS書けば批判されて当然
それが嫌ならチラシの裏にでも書いてろ

170 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/29(月) 23:49:04.83 ID:mwztyRgDo

もっとアレなけいおんＳＳなんかごまんとあるだろ
低レベルのＳＳ潰したいなら他に回れや

171 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/04/29(月) 23:56:37.64 ID:x2SrHweKo

アンチなんかスルーしろよ、どうせテキトーなことしか言えないんだから

172 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/01(水) 00:30:50.78 ID:nz39utDAO

―――――――――――――――――――




あの日は、ひとつの節目だった。
知られまいと厳重に隠してきた心情は、あっさりとあの人に知られてしい、あの人の気持ちも知ってしまった。
結局、酔ったうえの戯れ言と片づいたが、たとえ素面であっても私には応えることはできなかっただろう。
特別好きな人が私のことを、ただ好きと言ってくれた。
それだけで、あまりにも充分すぎたから。
わざわざ彼女に重荷を背負わすことなど、耐えられない。
あの人を好きになるほど、心の内を暴かれ醜さが増していく。

173 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/01(水) 00:36:02.55 ID:nz39utDAO

笑って欲しい、傍にいたい、抱きしめられたい、好きだと言って欲しい――。
本音を言うと、こんなきたない現実の私を知られた時、同じように好きだと言われる自信がない。
それどころか、あの笑顔が消えてしまうのが怖かった。
だからこのまま、仲の良いただの先輩後輩のままで居たかった。
なのに、私たちは仲良くなったぶんだけ、離れていく。
以前はどんなふうに笑っていたのか、どうやってあの人に触れられていたか、わからなくなっていた。
何も知らなかった頃に戻りたい。

174 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/01(水) 00:40:58.78 ID:nz39utDAO

強く願えば願うほど、あの人との間には見えない隔たりができていく。
それは言うなれば、紙のように薄いが、真綿が水をどんどんと吸って徐々に重くなるような厄介な壁だ。
壁の崩し方なんて私は知らないのだから、もうどうしようもなかった。

梓「じゃあ私、部活行くから」

純「ほーい、また明日ね。梓」

憂「梓ちゃん、ばいばい」

梓「ばいばい」

軽く手を振り、ふたりから足早に離れる。
憂と純も、あの日からかわった。
私たちとは真反対の方向へ。

175 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 00:46:07.95 ID:+Wl29lhF0

誤字脱字が多々あるしろくに推敲も見直しもせず適当に書いてる証拠だな

176 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/01(水) 00:49:23.96 ID:nz39utDAO

お互いを包む雰囲気だとか、やさしい目つきだとか、深みのある声が、すべてを物語っている。
それを素直に喜べない自分が一片でも棲んでいるのが、たまらなく嫌だった。
そんな私へ、いつも何か言いた気な顔を向ける親友たち。
その度に、いたたまれなくなり目を逸らしてしまう。
階段を一段ずつ登るごとに、ギシギシと鳴る音で耳が痛くなる。
残り数段で部室というとこで、聞き覚えのある話し声に気がついた。
思わず生唾を呑む。
ここまできて、今更引き返すわけにはいかない。
握ったドアノブは、ひどく重く冷たかった。

177 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 01:13:08.31 ID:8jOlQGlEo

なんだこれ気持ち悪い

178 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 01:21:21.23 ID:+Wl29lhF0

適当に書いてるからキャラを把握しきれず不自然な性格になったり展開上ありえない精神状態になってるのも納得

179 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 02:35:29.17 ID:cJ7dJqXVo

そういうお前は適当に叩いてるからズレた指摘しか出来ないんだなぁ

180 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 03:06:04.93 ID:+Wl29lhF0

お前がこのSSを面白いと思うならそのまま自分の思った感想書けばいい
作品擁護したくても内容が酷いから批判の批判しかできないんだろうな

181 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 09:33:51.51 ID:5fW35Kqfo

面白くないと感じる奴は批判意見も当然だし、次から来ないだろうから、
いちいち反応しなくていいよ。

俺はこの話すっごい好きだからめげずに続けてほしいわ。
出来れば唯梓のハッピーエンドでお願いします。
なんとなくふたりの雲行きが怪しいんでハラハラするよ。

182 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 13:06:49.06 ID:F5AFXatz0

すっげえつまらねー
こんなん面白いとか言う奴いたら頭おかしいわ

183 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 14:31:19.05 ID:aIfB3nRzo

すっげえおもしれー
こんなんつまらないとか言う奴いたら頭おかしいわ

184 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 23:42:33.84 ID:DcZujCNc0

レス数も更新ペースも落ちてきてるしモチベーション無くなってきたみたいだな
ようやくクソSSってこと自覚したか

185 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/01(水) 23:58:56.31 ID:IjQNvbzLo

それ自分から作者のモチベ下げる為に批判カキコしてますって白状してるようなもの・・・＾＾；

186 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 00:24:42.77 ID:fJmZ3fJp0

>>185
投下あった日の初レスで感想も書かず荒らしの相手してるお前も同じモチベ下げる原因だな一緒に消えろカス

187 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 00:35:25.58 ID:g5FZ/Tx80

批判が多いとはいえこんだけレスがつくとモチベ上がりそう

188 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 00:45:53.89 ID:nRHdAAfq0

何言ってんだこいつ
実際には更新ペースもレス数もどんどん落ちてるじゃねえか
面白さはずっとどん底だけどな

189 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 00:46:52.25 ID:fJmZ3fJp0

>>181
バッドエンドだろうと良質なSSはいくらでもある
そうやって先を縛るって自由に書かせないのもモチベ下げる原因だなお前も消えろカス

190 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 01:37:39.13 ID:eSSySzIuo

面白いし結末も気になるが何回も同じ事繰り返し書き込みにくいだろ話が進んでる訳でもないからリアクションもそう取れないし
それに引き替えアンチさんはＩＤ変えながら同じ事繰り返し書き込んでるだけ、分かりやすいよな

191 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 02:34:16.49 ID:nRHdAAfq0

なぜかレス付けられた奴とは別のIDが反論して、前いたIDは二度と現れないんだよな
自分がID変えやってるからって周りも同じ事やってると思ってんじゃねえよ

192 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 06:59:12.20 ID:O2wW80Jd0

そんな何回も書きこむ特性の板でもないし日をまたいでID変わるなんてよくあるだろ
それこそお前が日に何度もチェックしてるからって他人までそうだとおもうなよw

193 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 08:37:02.30 ID:aCkOG6cwo

きもいSSだと思ったら外野もきもかった・・・

194 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 18:26:28.40 ID:nZALr4zxo

にちゃんの方の唯梓スレに荒らしが常駐している、そういう事だろ、今立っている唯梓ＳＳスレはこれだけだし分かりやすい
俺は更新楽しみにしているからめげずに書ききってくれ

195 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 22:46:45.51 ID:nRHdAAfq0

またレスされたのとは別の奴が言い訳してやがる
ID変え繰り返してたのは>>190自身だったわけだ
周囲も普通にやってると思い込むぐらい散々ID変えして荒らしてきたんだろな

196 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 23:20:28.66 ID:zRGlXWpZ0

荒らしてんのはお前だろ
頭おかしいんじゃねえの

197 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 23:36:14.91 ID:wDtZAcISO

荒らしに反応してる奴らも荒らしだな
そいつらは口悪くても>>1を護ってるつもりだから荒らし並にタチが悪いわ

198 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/02(木) 23:54:32.37 ID:6PJeluRC0

ID違う奴がレスしてきた！ID変えた同一人物だ！

擁護くんにしろ批評家くんにしろ本気で言っているなら笑うw

199 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/03(金) 00:57:45.87 ID:k7yrGcEco

ＳＳ潰したい奴の思うつぼになってるからもう反応すんなよ

200 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/05(日) 20:11:29.75 ID:yY+Q4ylDO

追い付いた
そろそろクライマックスの予感。久々に結末が気になるＳＳ

201 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/08(水) 01:47:24.75 ID:5Asl+ILUo

あずにゃんにゃんにゃん

202 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/08(水) 22:35:29.11 ID:i2Tn1XIAO

梓「こんにちは」

澪「梓か。おつかれ」

梓「お疲れさまです。澪先輩」

真っ先に声をかけてくれたのは、椅子に座り振り返る澪先輩だった。
次に、ティーポットを傾けるムギ先輩。

紬「梓ちゃん、おつかれさま〜。直ぐにお茶を淹れるわね」

梓「ムギ先輩、ありがとうございます」

いつものように鞄を長椅子に置いて、いつものようにギターを立てかける。
ほとんど反射で見てしまった本来居るべき人の居ない席に、疑問がもちあがる。
すると、お行儀悪くフォークをくわえた律先輩があっさりと解決してくれた。

203 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/08(水) 22:40:14.33 ID:i2Tn1XIAO

律「おつかれさん。唯は大道具の手伝いに駆り出されてるから、今日は来ないぜ」

梓「そう、ですか……」

律「おいおい、そんなにガッカリした顔すんなよー。唯が気になるのは、わかるけどさ」

そう言われて気が付く。
確かに、私は落胆していた。
あの人が居なくて、どこか胸をなで下ろしている自分にだ。
出来る限り平静を装いながら、何処か不安気な目で私を見上げるトンちゃんの餌箱へと手をのばす。

梓「何言ってるんですか、律先輩。それよりも、みなさん今日は部室に集まって何かあったんですか？」

204 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/08(水) 22:53:08.40 ID:rphmKLxY0

今回の更新２レスかよ！？

205 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/08(水) 22:56:35.52 ID:i2Tn1XIAO

文化祭まで日はないのに、主役二人と脚本監督が揃って練習に出ないなんておかしい。
至極当然の質問をしたつもりだが、先輩方はおちゃらけるのをやめて急に真剣な顔つきになった。

律「梓に見てほしいものがあってな」

梓「見てほしいもの？」

紬「そうなの。私がオリジナルで書いた部分の感想を聞きたくて」

梓「えっ、でも……」

本番での演技を楽しみにしていただけに、返事を躊躇してしまう。

206 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/08(水) 23:05:31.64 ID:i2Tn1XIAO

加えて何故私に頼むのか、それならクラスメイト、もしくは別クラスの友達でもいいじゃないかと、私のひねくれた部分が顔を出す。
しかし先輩方は返答を予想していたのか少しも折れることなく、もう一度頭をさげた。

澪「私たちは梓に頼みたいんだ」

断ることなんて、出来るはずがなかった。

207 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/08(水) 23:13:03.81 ID:i2Tn1XIAO

――


律「あぁロミオ様、今宵も私たちの苦しみをお話致しましょう」

胸の前で手を組み、律先輩は澪先輩に哀願の表情を向ける。
なんだ、意外にも中々熱の入った演技じゃないか。
失礼とわかりつつも、ついそんなことを思ってしまう。
気づかれないように咳払いをひとつ。
誰に言われることなく、私は背を伸ばし居住まいをただした。

澪「も、もちろんだとも、ジュリエット」

ジュリエットに扮する律先輩の手をとる澪先輩も、声が上擦ってはいたが、同じく力の入った演技をみせる。

208 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/05/08(水) 23:17:04.29 ID:i2Tn1XIAO

澪「私たちの仲間である、ユイとアズサの悩みを今日こそ解決してみせよう」

梓「なっ！？」

短い悲鳴が、たまらず出てしまう。
だって、『ロミオとジュリエット』に『ユイ』と『アズサ』という名前が出てくるなんて聞いたことがない。
きっと、いや、絶対に先輩方のおふざけだろう。
ムギ先輩に文句のひとつでも言おうと視線を投げかけるが、当人は人差し指を唇に当てて「静かに」のポーズ。
いたずらっ子みたいに眼を輝かせて微笑んでいる。
かわいらしくウインクを飛ばして、ついにはデタラメな『ロミオとジュリエット』の舞台へと混じっていった。
残された私は空を噛み、演技に魅入る術しか残されていない。

209 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/08(水) 23:41:23.72 ID:rphmKLxY0

つまらなさを毎回保ってるのが逆にすごいな

210 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/08(水) 23:57:24.21 ID:+B2SjqFBo

前回よりレス数増やしたみたいだけど残念、今回も０点でした〜

211 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/09(木) 09:47:44.03 ID:J1TBOniTo

期待

212 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/09(木) 12:16:22.23 ID:SqIAWZoTo

期待！
外野なんて気にせずに続けてくだされ。

213 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/09(木) 15:27:27.30 ID:VN1Bjf7DO

俺も待ってる

214 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/09(木) 16:08:05.04 ID:Xxzzdr8S0

今年一番の糞SSだな
これしか無い需要で信者は支援してるみたいだけど

215 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/09(木) 20:58:00.92 ID:87HeHeuSO

つまんないものにつまらないと言うのは悪いことじゃないけどな

216 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/10(金) 02:25:24.60 ID:r+s4FmoMo

はやくにゃんにゃんしろよ

217 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/10(金) 06:42:14.22 ID:BjCHvQQE0

部活のみんなならこのあずにゃんと唯を救ってくれると信じる

218 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]：2013/05/18(土) 23:34:04.84 ID:DJfBZOEM0

死ねた・鬱無しならバッドエンド、というか結ばれないビターエンドでもいいかなと思っている、このカプは。

219 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/25(土) 21:50:06.95 ID:/J+7uqOdo

まだかなー

220 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/25(土) 22:14:20.22 ID:oUGAbKXYo

また途中でなげだしたのかな…

221 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/05/26(日) 02:25:40.08 ID:LGDQyO1Ro

変なアンチが張り付いてて書きにくいんだろう
けど俺はこれ楽しみにしてるよ

222 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/06/02(日) 04:29:52.01 ID:4zCIpkZAO

紬「こんにちは。じゅりっちゃん、ろみおちゃん」

律「あぁ、ムギか」

澪「今、アズサとユイの話をしてたんだ。ムギも一緒にふたりのことを考えてくれるか？」

紬「えぇ、もちろん！ 私にできることならなんでもするわ」

澪「ありがたいな。ムギが協力してくれて、助かるよ」

律「おい、あたしは！？」

澪「ばか。私はいつだって律を頼りにしてるだろ」

律「なっ……わ、わかってたし！ 全く、澪はあたしが居ないと駄目だな！」

澪「その言葉、熨斗をつけて返すぞ」

律「なにおぅ！」

223 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/06/02(日) 04:33:40.97 ID:4zCIpkZAO

紬「ふふ、あらあらあら。仲良しさんなのは良いことだけど、そろそろ本題に移りましょう」

律「そ、そうだな」

澪「先ずは唯と梓の気持ちを優先させたいな。私は無理に手を出して、ふたりの関係が悪くなるのは絶対に避けたいんだ」

紬「そうね。ふたりが私たちに何も言わないなら、助けてって口に出すまで黙って待つ方がいいのかもしれないわ」

律「でもなぁ。そう決めたのはいいけど、見守るだけって……すこし歯痒いよな」

澪「うん？」

224 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/06/02(日) 04:36:10.49 ID:4zCIpkZAO

律「唯は夏休み入ってから急にだんまりになっちまうし、梓も色々抱え込んでるみたいだしさ……。無理にでも、ちょっとくらい話を聞けたらなって思う時があるんだ」

澪「ん……まぁな」

紬「私たちじゃ頼りないかもしれないけど、力になりたい気持ちは伝えきれないくらいあるものね」

律「な？ 梓」

三人が三様にやさしく微笑むのを、私は暗澹とした気持ちで眺めていた。
先輩方にも、とうにバレていたのだ。
いつからか、どこまで知られているか、なんていうのは問題じゃない。

225 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/06/02(日) 04:38:32.37 ID:4zCIpkZAO

周りに些細でも察知された時点で、私の思惑は瓦解してしまっていたのだから。
けれども、私が自分の口から内情を言うことはできない。

梓「あんまり……うまくないですね」

なんとか振り絞って出した声は、ひどく音程が狂っているのが自分でもよくわかる。
それでも尚、私は毅然と振る舞おうと努力する。

梓「おかしいですよ。登場人物も、お話も」

澪「なぁ、梓。私たちは梓を責めてるんじゃないんだぞ」

律「あたしらの気持ちを分かれなんて言わない。分からなくても別にいい。ただ、知っていて欲しいだけなんだ」

226 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/06/02(日) 04:39:32.96 ID:4zCIpkZAO

紬「そうよ。私たちはね、唯ちゃんと梓ちゃんが、とってもとっても大切なの」

あぁ、痛い。
先輩方の想いで、チリチリと身が灼けるようだ。
塗り固めた嘘は、最早皮ごと引き剥がすしかなくなっていた。
最愛の人、親友、先輩。
それに親にも、先生にだって……。
まるで災厄のように迷惑をふりまいて、どうして想いを打ち明けられる？
だから絶対、誰にも言うもんか。

227 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/02(日) 06:59:32.43 ID:X8Epl10Mo

素晴らしいSSだね
君の親に読ませてあげなよ

228 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/02(日) 07:28:44.65 ID:RA6svP2vo

乙
あずにゃん素直になってほしい

229 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/02(日) 09:54:51.40 ID:zK/RQN0io

続ききた！！
ここまで頑固にゃんも珍しいかも。だがそれも良し。

230 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/02(日) 14:25:52.73 ID:j2a6H1U6o

いつまでたっても全然成長しないな
キャラも物語りも書いてる奴も

231 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/02(日) 14:38:53.65 ID:rqsQV0mDO

恋愛に意固地になるのは何となく分からんでもないな

232 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/02(日) 16:42:58.32 ID:6PnEkaPG0

けいおんという良素材を使ってどう料理したらこんな残飯になんの？

233 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/02(日) 18:55:14.19 ID:9vK8thQSO

乙

234 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/04(火) 02:45:28.08 ID:SANZKQ1zo

意固地にゃん

235 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/06(木) 23:55:28.34 ID:OYwu2m1SO

あ

236 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/09(日) 01:30:23.31 ID:Uu1HbnzB0

何故か唯「軽音部は四人でいいよね」というSSを思い出した。
唯が意固地になって軽音部には戻らないっていう展開だったな。

237 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/24(月) 15:28:41.62 ID:S0eW++/YO

まだー？

238 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/06/30(日) 19:37:06.69 ID:lOvHRHxM0

俺は待つ。アンチなんかに負けないで欲しい。

239 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]：2013/07/21(日) 17:25:09.77 ID:IK711+EAO

大変申し訳ありません。
更新までもう少し時間を頂きます。

240 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/07/21(日) 17:34:55.59 ID:5TQGlqYI0

続きなんていらねえよボケ

241 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/07/21(日) 18:14:47.00 ID:95AaOpqJo

>>239
続き楽しみにしてるぜ、生存確認できて良かった

242 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/07/21(日) 21:31:13.29 ID:a+VvtQ950

どれだけ時間かけても駄作は駄作だけどな

243 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/07/21(日) 21:37:57.48 ID:95AaOpqJo

>>1が来たら途端に現れるのなお前
専ブラも入れてない様だがまさかそんな事を言う為に毎日チェックしているのかｗｗ

244 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2013/07/21(日) 23:57:53.44 ID:JwYFyqrSO

どうせつまんない