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勇者「童貞を捨てたいです王様」王様「うむ、わかった」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/25(金) 21:17:08.47 ID:7J0Hj4SDO
〜 城 〜

勇者「え? 王様が尻を貸してくれるのですか?」

王様「違うわい、お前のために『童貞喪失ツアー』を企画しておいたのだ」

勇者「そ、そんな……オレを目の上のたんこぶのように扱う王様が……オレのためにそんなツアーを!?」

王様「うむ。確かにお前はタンスから婦人のパンティを盗んだり、全裸で高笑いしながら街を疾走したりしてそのたびに牢屋に放り込まれたりもした。
 しかし……そんなお前も勇者の端くれ、この機会に童貞を捨てて一歩前進すれば新しい可能性も見つかるやもしれぬ」

勇者「王様……そこまでオレの事を気に掛けて……」

王様「さあ勇者よ、童貞喪失ツアーに行くか? 行かないか?」

勇者「据え膳食わぬは男の恥! 行かせて貰います!」

王様「よく言った勇者よ! すでに準備は出来ておる! さあ、中庭に赴くのじゃ!」

勇者「はい!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1359116228
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/25(金) 21:35:56.54 ID:7J0Hj4SDO
〜 中庭 〜

勇者「着いた……けど、アレ? 誰もいない?」

少年?「いますよ」

勇者「うおぅっ!? 誰の気配も無かったのに、急に暗がりから人がっ!?」

少年?「そんな人を幽霊みたいに」

勇者「ごめんごめん、ちなみに君も童貞喪失ツアーに参加するのかい?」

少年?「はい、一応はそうです」

勇者「そうか、君も童貞を捨てたいのか……オレと同じく!」

少年?「……童貞、ですか?」

勇者「……えっ? 君は童貞じゃないのか?」

少女「いえ、そもそも女です、わたし」

勇者「……女?」

少女「はい」

勇者「あ、いや、ごめん! 勘違いしてた!
 なんかパッツンな短めの黒髪が少年っぽくて! 胸の膨らみが皆無で! ぶっちゃけ色気が無いから勘違いしてた!」

少女「しゅっ」

──シュバッ。

勇者「……え?」

──ザクッ……ブシュー。

勇者「ぎゃーッ!? オレの眉間に、黒光りするとんがったモノがーッ!! 熱い血潮が迸ってるーッ!?」

少女「それはクナイと言います。わたしの得意武器ですよろしく」

勇者「何が『よろしく』なのかわからないけどよろしくーッ!!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/25(金) 22:02:05.19 ID:7J0Hj4SDO
?「なんか騒がしいな」

勇者「ん? 誰か来たぞ、ツアーの参加者か?」

商人「ツアー? お前たちも参加者か。
 私は商人だ、童貞喪失ツアーに参加したのだが……待ち合わせはこの中庭で合っているのか?」

少女「はい、合っています。伝説の大商人の末裔様」

商人「ほう? 私を知っているのか?」

少女「ええ、『元』王国一番の大商人。現在は性犯罪者として服役中の商人様ですよね?」

勇者「性犯罪者? 穏やかじゃないなあ……」

少女「全裸で高笑いしながら街を疾走する貴様が言うか」

商人「ははは、誤解だよ誤解。すべては冤罪さ」

勇者「冤罪?」

商人「そう、あれは今から一年前の事だ。私は仕立て上がった王女様のドレスを持参して、この城を訪れた」

勇者「ふむふむ」

商人「するとアラ不思議。かぐわしい乙女の香りが上階の一室から漂って来るではあーりませんか!」

少女「犬かお前は」

商人「気がついたら私は扉を鍵ごと粉砕してその部屋に侵入し、全裸になって頭から乙女のブラジャーとパンティを浴びていた。下着浴だ。
 しかし、運悪くそこは王女の部屋だった。
 仁王立ちする私の股でぷらぷら揺れるゾウさんを前に泣き叫ぶ王女、ぶち切れた王様。
 私の弁解は聞き届けられる事もなく、私は牢屋に放り込まれてしまったのだ」

少女「ひどいな」

勇者「ああ、確かにひどい冤罪だ」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/25(金) 22:12:16.36 ID:hzMNGPa8o
この感じ……
どこかで見たことが有るような気がするぜ。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/25(金) 22:31:55.83 ID:7J0Hj4SDO
?「……ツアーは、ここか?」

勇者「もう一人来たな」

商人「む? こいつは珍しい。『無冠の覇者』こと戦士じゃないか」

戦士「……オレを知っているのか?」

商人「ああ、むしろ知らない奴の方が少ない。毎年中央闘技場にて開催される大会ではその圧倒的な強さを拝めるんだからな。
 しかし、その実力に見合わず毎年結果は準優勝。
 そういや、なんでだ? 八百長?」

戦士「……優勝したら、シード選手になって戦う機会が減る」

勇者「ん?」

戦士「……大会にはな、王女様が出席するんだ。
 ……そして、王女様は一番高い特等席にいらっしゃる」

勇者「……まさか」

戦士「……そう、闘技場の中央付近、戦っている時だけはな……王女様のパンチラが拝めるのだ!!」

勇者「おおっ!!」

商人「すげえっ!!」

少女「なるほど、毎回試合そっちのけで王女のパンツをガン見して堪能した挙げ句、わざと負けて来年に繋いでるんですね? クズめが」

戦士「……だがある日の事、オレは王女様からパーティーに召喚され、そこで言われたのだ」

勇者「何を?」

戦士「……王女様いわく『貴方は毎回、実力を出し切れていないようですね? その背中を私が後押しする事は出来ないでしょうか?』と」

商人「何とお優しい王女様!」

戦士「……その言葉を聞いたオレは瞬時に王女の意図を理解し、その場で王女のパンティを奪うと頭からかぶった。
 『ありがとうございます王女様!』と叫びながらな」

勇者「剛毅だぜ王女様!」

戦士「……しかし、王女の寵愛を受けたオレを妬む者は多く、オレは性犯罪者として服役する事になってしまったのだ」

商人「ひどいな」

少女「本当にひどい話だ」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/25(金) 22:46:11.00 ID:7J0Hj4SDO
勇者「しかし、服役中の君たちが何でツアーに?」

戦士「……王様の恩赦だ」

商人「童貞喪失ツアーに参加して一回り大きくなって来いってことだ。ありがたくって涙が出てくらぁ」

少女「それじゃあ出発しましょう。王様からはすでに旅費を頂いておりますので」

商人「お、おいおい……まだ早くないか?
 というか女の子がまだ来ていないんだが……現地で出会ってキャッキャッウフフなパターンか?」

少女「女の子? もういますが?」

戦士「……どこだ?」

少女「わたしです」

戦士「……」

商人「……ふむ、確かに言われてみると乙女の香りがする」

戦士「……しかし、胸が……」

商人「ああ、全体的に色気のパラが『ぶちスライム』にすら負けそうな勢い……」

少女「しゅっ」

──ザクザク……ブシュシュー。

戦士・商人「あんぎゃーッ!? 額から熱き血潮がーッ!!」

少女「それはクナイといいます。わたしの得意武器です、以後お見知りおきを」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/25(金) 23:19:48.53 ID:rppWmOsSO
>>4
俺もだぜ
またあの男の戦いが見れるのか
楽しみだ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/25(金) 23:21:10.86 ID:7J0Hj4SDO
〜 数日前 〜

暗殺者「勇者を殺害、ですか?」

王様「うむ、現勇者はただの性犯罪者だ。お前の腕なら余裕だろう」

暗殺者「命令とあらば……しかし、ただの性犯罪者と認識しておられるならば何故に始末するので?」

王様「王国は代々、勇者を輩出してはそれを誇りとしてきた。
 しかし、今に来てこの体たらくでは示しがつかん。奴にはもう消えて貰うしかない」

暗殺者「本音は?」

王様「奴のセクシャルハラスメントでワシの娘は引きこもりになってしもうたのだッ!!
 あのド畜生めが死にさらせーッ!!」

暗殺者「はい、よくできました」

王様「ぜぃぜぃ……それで暗殺なのだが、まがりなりにも相手は勇者として有名じゃ。街中ではまずい」

暗殺者「勇者は悪名高いですから、街の住民みずから勇者暗殺を率先して拍手喝采が吹き荒れるのでは?」

王様「……」

暗殺者「……」

王様「いや……うん。お前には旅に出てもらおうと思う、そして頃合いを見て奴を始末してもらおうか。一応、念のため」

暗殺者「はい」

王様「ああ、そうじゃ、あと二人似たような者がいたわい。牢屋から出して旅に同行させよう。ついでに始末しておけ」

暗殺者「わかりました」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/25(金) 23:49:09.41 ID:7J0Hj4SDO
〜 現在、街道 〜

少女「……」

勇者「どうした? 何か考え込んで」

少女「いえ、これからどこに向かおうかと考えていました」

商人「目的地が決まって無いのか?」

少女「皆の意見を取り上げつつ、刻々と揺れ動く状況には即時的に対応せよ。との王様からのお達しです」

勇者「要するに行き当たりばったりってことか」

商人「何だかなぁ……」

戦士「……では、行き先を多数決で」

少女「はい、せーのっ」

勇者「王女の部屋」
商人「王女の部屋」
戦士「王女の部屋」
少女「温泉」

勇者「……」

商人「……」

戦士「……」

──グッと親指を立てる三人。

少女「爽やかな笑顔ですね畜生共」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/26(土) 00:16:53.58 ID:IvBU8RGb0
これは……童貞力!?
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/26(土) 00:30:38.81 ID:7dy2VlsIO
>>7
タイトルだけでも教えてくれm(_ _)m
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/26(土) 01:15:04.41 ID:qltyDG/Mo
ワロタ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/26(土) 02:59:13.88 ID:z6L/JgLSO
まさかあの伝説が再び……?
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/26(土) 19:48:13.78 ID:sqAenLDSO
>>11
男「童貞を捨てたいです博士」博士「うむ、わかった」

だったと思う 間違ってたらすまん
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 02:01:35.66 ID:XJ8vt85DO
…………………………

勇者「ハッハッハッ! 冗談だよ!」

──ブシュー。

商人「我々紳士一同は謙虚なのでね! 向こうから招待されない限りは自分からうら若きレディの部屋に赴く事は無いのさ!」

──ブシュシュー。

戦士「……それに『思い出す』コマンドをセルフ実装しているから問題ない」

──ブシュシュシュー。

少女「吹き上がる血飛沫が人を正直にしますね」

勇者「ハッハッハッ! そうだね!」

商人「ボクたちは生まれつきの温泉大好きっ子さ! バレちゃったかな!?」

戦士「……だからその手に握り締めた追加のクナイをそろそろ下ろそうか?」

少女「はて、何の事やら……ん?」

──タッタッタッタッ。

女「たすけてー!」

スライム「ピキー」

ナイト「ガハハッ! 酒ー! 金ー! 女ー!」

少女「酔って赤ら顔を晒してる中年モヒカン男が全裸のままスライムに跨って女性を追いかけ回しています。アートを感じますね」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/27(日) 02:39:21.71 ID:XJ8vt85DO
勇者「行くぞ!」

──ダッ。

ナイト「待て待て〜……ん?」

勇者「乙女を力で押さえ付ける、にっくき野郎!」

──ザクッ。

スライム「ピキー!」

ナイト「ぬわ〜!? 我輩の愛馬が!」

商人「そんな男の風上にも置けない大馬鹿野郎は!」

──ヅダッ。

ナイト「回り込まれた!?」

戦士「……正義と勇気のスリープラトンだ!」

ナイト「我輩の両方の腕に一人ずつしがみつき、もう一人は我輩の体を横に持ち上げて……跳躍した!?」

──ガシガシッ……ベキベキベキッ。

ナイト「グフッ!?」

少女「おお、超人デコレーションツリーみたいなスリープラトン技。三人の息が合いすぎてキモい事この上ない」

女「あ……あぁ……」

勇者「やあ、大丈夫ですか?」

商人「お礼はブラジャーで結構です……というフランクなジョークはいかがかな?」

戦士「……じゃあ自分はパンツで」

女「ひいぃーッ!」

少女「屈強な肉体の男たちが額から血飛沫を吹きつつ薄笑いを浮かべて詰め寄って来る状況。軽いホラーですね」

商人「女がおびえてる? なぜだ!?」

勇者「落ち着け! まずはオレたちが全裸になって寸鉄も帯びていない事をアピールして安心感を獲得するんだ!」

戦士「……さすが勇者だ!」

商人「ではさっそく全裸に!」

──ヌギヌギ。

女「いやっ! イヤァ〜ッ!!」

少女「しゅっ」

──ザクザクザク。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/29(火) 22:57:00.94 ID:6IDchxoHo
続きは週末?
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/30(水) 22:23:53.09 ID:/IEAiLsDO
…………………………

少女「それで、なぜモンスターに追われていたのですか?」

女「実は私たちの町をモンスターの群れが襲撃して来まして、私は命からがら逃げ出して来た次第なのです……」

勇者「モンスターだって!?」

戦士「……規模は?」

女「村の人たちの倍はいましたから、二百ほどはいるかと……」

商人「むう……」

女「あの、こういう事を見ず知らずの人に頼むのはぶしつけだと思いますが……どうか村を助けてはもらえないでしょうか?」

少女「正直、私たちの手には負えません。代わりに王城へ伝書カラスを飛ばしておきましょう」

女「そ、そう……ですか……そうですね。ありがとうございます」

勇者「……おい少女」

少女「はい?」

商人「まさか、見捨てるなんて言わないよな?」

戦士「……男なら、こんな場面で退いてはいけない」

少女「わたし女ですけど……って、ああなるほど。
 女を助けてあわよくば……って寸法を画策していますね」

勇者「ふざけるな!」

少女「……っ!」

商人「そうだ勇者の言うとおりだ!」

戦士「……俺たちを人間としてみくびるな」

少女「……すみませ……」

勇者「まったくだ! 村を助けたら女たちに『きゃー! 抱いてー!』って詰め寄られる。
 それは女一人どころの話じゃないんだ!」

商人「村一つが私たちのハーレムとなる!」

戦士「……まさに桃源郷」

少女「謝りかけて損しました。死をもって償ってください……しゅっ」

──ザクザクザク。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/01/30(水) 23:07:08.87 ID:/IEAiLsDO
勇者「じゃあ出発だ!」

──ぶしゅー。

女「お三方、おびただしい量の血が噴出していますが大丈夫ですか?」

商人「大丈夫だ、問題ない」

戦士「……少女は来ないのか?」

少女「そうですね……」

少女(ん? 考えて見ればこれはチャンスでは?
 敵はモンスター二百体、対する彼らは三人。放っておいたら勝手にDEATHってくれるのは間違いありませんし……)

勇者「事態は一刻を争う、早く決めてくれ」

少女「さいですか……すみません、私はここまでです」

商人「仕方ないな」

戦士「……ところで、モンスターに襲われた村はどんな村なんだ」

女「はい、私たちの村はこの辺り一帯で最大の湯量を誇る温泉村でして……」

少女「……温泉村……だと……?」

女「はい、特に女性には『豊乳の湯』と呼ばれるおっぱいが大きくなる湯が人気でして……しかしモンスターに襲われた今となっては、いつ源泉を潰されるか……」

少女「時は一刻を争う! これより貴様らはわたしの指揮の下、温泉村奪還作戦を行ってもらう!」

勇者「しょ……少女?」

少女「口答えはするな! 貴様らチンカスに許される言葉は『はい』か『イエス』のどちらかだけだ!
 返事はっ!?」

勇者「は、はいっ!?」

商人・戦士「イエス!? イエスッ!!」

少女「貴様らチンカスにわたしが求めるのはただ一つ。悪鬼羅刹の如き奮闘で我が敵を殲滅すること!
 忠勇無双の兵すら足蹴にする活躍で、女子供すら情け容赦なく誅殺する外道の兵のみ!
 覚悟は!?」

勇者「えと……女子供まで手にかけるのはちょっと……」

少女「しゅっ」

──ザク。

勇者「グハーッ!?」

少女「貴様らに許された言葉は『はい』か『イエス』だけだ! 返事は!」

商人「はい!」

戦士「イエス!」

少女「よし! ならばいざ行かん我が天意に基づく無慈悲なる戦士達よ!
 ファンファーレもパレードもない死山血河をただひたすらに乗り越え進め!
 わたしの温泉のために!!」

勇者「はい!」
商人「はい!」
戦士「はい!」

女「……村のためじゃないんだ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/31(木) 01:42:11.64 ID:3jraBrQjo
貧乳だと
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/01(金) 03:05:11.13 ID:IIQmr7yu0
つるぺたワーイ
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/01(金) 03:54:50.76 ID:pb2dSmVIO
なんかこう、そこはかとなく漂う魔夜峰央臭……
嫌いじゃないな
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/04(月) 21:27:01.53 ID:aVlExgiIO
きたい
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/10(日) 20:39:29.76 ID:rIU9VpRDO
〜 温泉村 〜

魔物たち「キシャー! キシャー!」

勇者「多いな……どうする?」

少女「突っ込め」

勇者「そんな御無体な!?」

商人「ふふふ……さて、私の出番のようだな」

勇者「おお! トップバッター志願か!」

少女「行け、死兵一号」

商人「違う! いい案があるんだよ!」

戦士「……いい案?」

商人「ああ! 名付けて……『ドキドキバレンタインニセチョコ福は内大作戦』だ!」

勇者「長いな」

少女「バレンタイン大作戦? それはいったい……」

商人「ふふふ、まずはこの衣装を見るといい!」

──バーン!

勇者「ツノ付きヘアバンドに……虎柄レオタード?」

商人「これが節分の『鬼』役だ!」

勇者「意味が分からない、分かりやすく説明してくれ」

商人「作戦自体は簡潔極まりない!
 @ このレオタードを着て敵地に潜入。魔物はメロメロ!
 A 毒入りのチョコを配る。敵はボロボロ!
 以上だ!」

勇者「な、なるほど……しかし……」

戦士「……適役は一人しか……」

少女「……わたしにそのレオタードを着て敵地に一人赴け、と?」

商人「ええ! キミしかいない! この虎柄レオタードの似合う素敵な女性は……キミしかいないんだッ!」

少女「……!」

勇者「そ、そうだ! キミしかいない! というかキミのレオタード姿を見てみたい!」

戦士「……オレも、見てみたい」

少女「……」

商人「少女! 頼む!」

少女「……そこまで頼み込まれたら、わたしもやぶさかではありません。
 向こうで着替えて来るので待っていてください」

三人「はいっ!」

少女「覗いたらKILLします」

三人「は、はいっ!」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/10(日) 20:45:50.83 ID:rIU9VpRDO
〜 数分後 〜

少女「着替えて来ました」

──ぺたーん。

勇者「お、おう!」
商人「あ、ああ!」
戦士「……う、うん!」

少女「意見をどうぞ」

勇者「た、たりない?」
商人「首から下、腰から上のサイズをミスったかな……あ、あはは……」
戦士「……スリーサイズのBが……残念だ」

少女「言い残すことはそれだけか?」

勇者「あ、その……ごめんなさい」

商人「なんか、無理に着せて……すまん」

戦士「……すみませんでした」

少女「……しゅっ!」

──ザクザクザク。

──ぶしゅしゅー。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/10(日) 20:53:28.91 ID:rIU9VpRDO
少女「むかむか」

勇者「くっ、少女がレオタードから着替えてしまった」

商人「次の作戦を考えるか」

少女「その必要は無い」

勇者「えっ?」

少女「作戦は続行だ」

商人「えと……キミが続けてくれるのかな? バレンタイン大作戦」

少女「……」

──ポイ。

戦士「……レオタードを放り投げて来た?」

少女「着ろ」

勇者「……は?」

少女「おまえらの誰かが着用して、作戦を続行させろ」

勇者「……」
商人「……」
戦士「……」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/10(日) 21:04:18.73 ID:rIU9VpRDO
── アイコンタクト ──

勇者(普通ならバツゲームな提案)

商人(しかし乙女の脱ぎたてレオタードを公然と着れるこの状況はむしろご褒美!)

戦士(……着用者は天国……しかし……)

三人(着用出来なかった残り二人は……『おぞましい何か』を見るだけという見損!)

勇者(負けられない!)

商人(絶対に!)

戦士(……勝つ!)

── ここまで一秒足らず ──

勇者「じゃんけんで、いいか?」

商人「ああ」

戦士「……構わない」

勇者「……では」

三人「最初はグー! じゃんけんポン!!」

…………………………

………………

少女「さて、とりあえず毒チョコを強化しておきましょう。
 食べたら百戦錬磨の猛雄たちも『おかあさーん』と泣き叫び、のた打ち回る毒をペタペタペタペタ……と」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2013/02/10(日) 21:14:46.19 ID:rIU9VpRDO
──  温泉村・入口  ──

魔物1「あー、チョコ食いてぇ……」

魔物2「ペロペロしてぇ……」

──ズシーン。

魔物1「ん? なんだ? 地震か?」

──ズシーン。ズシーン。

魔物1「揺れが……近づいて来る!?」

魔物2「お、おい! 誰かがこっちにやって来るぞ!」

魔物1「いったい誰が……っ! あ、あれは!?」

──ズシーン。ズシーン。ズシーン。

戦士「……ラ○だっちゃ」

魔物1・2「鬼だアアァァァーッ!?」
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