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【安価】インデックス「フィアンマのばか」フィアンマ「…拗ねるな」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/10(日) 23:42:07.35 ID:0yHa/sMAO

前スレ

【安価】インデックス「いい加減私も怒るかも」フィアンマ「……ふん」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1359384952/


・右方のフィアンマさんが魔道書図書館を管理するお話

・メインは右方禁書

・時間軸不明、とある平行世界のお話

・キャラ崩壊(設定改変含)注意


※注意※
エログロ描写が入る可能性があります。
小ネタを単発で投下するかもしれません。
どうしても捌けない場合安価下。
コンマ安価も時々入ります。
連投、連続取得はご自由に。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1360507327
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :主な登場人物  ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/10(日) 23:44:06.57 ID:brVTYZwV0


□右方のフィアンマ

本作品の主人公。
ローマ正教の魔道書図書館『禁書目録』を管理する『神の右席』の一人。
中でも『右方』を司る、実質的なリーダー。
本来右席メンバーは使用出来ない筈の人間用の魔術を例外的に扱い、その知識は禁書目録にこそ及ばないものの、魔神並。
詠唱無しに左腕を接続し直したことがある。
甘いものをこよなく愛し、異常な情熱を発揮する。甘味殺し(アマチャンブレイカー)。残念な美青年。
莫大な『世界を救える程の力』を体内に有し、『救世主』という特殊体質故、既に六百年余りを生きている。
また、彼本人は『何年生きたか数えたことはないが、まだ死ねない』『死にたいのならミンチになる機械にでも飛び込むしかない』と言っている。
人間不信気味なひきこもりだったが、インデックスと出会ってからだいぶ改善された。
上条当麻を親友と認め、彼の為に命を張ったことがある。
受動的な人助けしか出来ない。理由が無ければ人を助けない臆病者、と自嘲しがち。


□インデックス

本作品のメインヒロイン。
ローマ正教が誇る魔道書図書館『禁書目録』。
世界中のありとあらゆる魔道書・邪本悪書103000冊を記憶の中へ収納している。
放っておけば世界中の魔術師から狙われる為、右方のフィアンマに管理権限がある。
その為、彼女個人の自由はそんなに無い…筈だが、フィアンマの考えにより割と自由。
彼女の意図しないところでフィアンマの行動を変革する心優しい少女。
癇癪による噛み付き攻撃は、ことごとく回避されてしまっている。
恋情と信頼の中間点に存在する想いをフィアンマへ抱いている。
その為、彼が他ヒロインにフラグを立てる度、癇癪を起こしたりむすくれたりしている。


□五和

元天草式十字凄教の女魔術師。
教皇代理である建宮斎字に強姦され、自殺をしようとしていたところをフィアンマに救われた。
尚、建宮斎字は天草式十字凄教によって『幽閉500年』の処罰を下された。
現在は右方のフィアンマ(もとい、偽名:ミハエル・ケール)と禁書目録の専属住み込みメイド。
シルビアに家事を習いつつ、今日も今日とてフィアンマのお嫁さんとなるべく奮闘中。
もはやその愛は信仰に等しく、盲目的な信頼をフィアンマへ抱いている。


□上条当麻

学園都市に住む万年『無能力者(レベル0)』。
『幻想殺し』というどんな異能も問答無用で破壊する力、右手を持っている。
幼い頃に『不運を呼び疫病神』であるといじめられ、絶望したところでフィアンマに手を差し伸べられた。
また、借金を抱える男から完全な逆恨みによって刺されかけた時にフィアンマに庇われて以降、自分は彼を絶対に裏切らない味方で居る、と決めている。
八人もの女性(滝壺、佐天、オリアナ、黄泉川、初春、姫神、病理、フレメア)を虜にしたハーレム男。
絶対的な味方であると宣言しながらも、同時に、自分はフィアンマの理解者にはなれないと自負している。
今時の男子高校生らしく面倒臭がりだが、こと、困っている人を見ると放っておけない。
理由がある・作らないと人助けを出来ないフィアンマとは反対に、理由が無くとも人助けが出来る。

養子縁組などしていないので戸籍上は違うものの、義兄(フィアンマ)コン気味。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/10(日) 23:44:08.05 ID:0yHa/sMAO
+
4 :読まなくても良い?キャラ紹介  ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/10(日) 23:45:30.53 ID:brVTYZwV0


□木原数多

飲料:いちごおでん開発者。
フィアンマの甘味説教によって改心したらしい。


□神裂火織

自分の悪い部分を指摘され、服装について理解してくれたフィアンマに恩義を感じている。
また、やや恋心を抱いているようである。積極的なアプローチは苦手な様子。


□御坂美琴

スキルアウトに強姦されかかっているところをフィアンマに救われた、学園都市第三位。
フィアンマに対し、恩義と同時に恋心を抱いている。


□ミサカ10032号

第10032次実験へ上条当麻の姿で介入したフィアンマに命を救われた個体。
彼の言葉によって人間だと知覚し、現在は感謝の念を抱いている。


□一方通行
学園都市最強。第10032次実験において、フィアンマに徹底的に叩きのめされた。
その後の会話などから、フィアンマには尊敬と畏怖の感情を抱いている。


□前方のヴェント

ローマ正教最暗部『神の右席』の一人、『前方』を司る。
右方のフィアンマに対し、恋愛のような、特殊な好意を抱いている。
彼女と彼が交わした約束の内容は、誰も知らない。


□オッレルス

魔神のなり損ない。フィアンマ・禁書目録・五和のお隣さん。
シルビアといつか結ばれたいと思っているお人好し。


□シルビア

オッレルスと同居している聖人の女性。
下女すなわちメイドの修行を終えている、優秀なメイド。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/10(日) 23:47:36.55 ID:/Qn23/VSO
スレ立て乙
6 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/10(日) 23:57:52.10 ID:brVTYZwV0
《前スレ、長くお付き合いいただきありがとうございました。今後もよろしくお願いします >>1が埋めちゃったんで前スレでいただいた安価台詞はちょっと調整適用してます》


五和「デストローイ!」

インデックス「お帰りなさい! フィアンマ!」

ヴェント「お帰り」

出迎えたのは、三人の女性。

一人はメイドである、五和。
一人は魔道書図書館であるインデックス。
一人は同僚である前方のヴェント。

いつもは常識人なはずの五和が特攻してきた。
何事か、と思いつつ、フィアンマは一撃を受けてみた。
別に攻撃ではなく、ハグである。しかも酒臭い。
インデックスもちょっぴり酔っ払っているのか、えへへぇ、とへらついている。
五和の背中をぽんぽんと軽く叩いて宥め、ドアと鍵を閉めつつ。
フィアンマは病み上がりの身体でため息をつき、ヴェントを見やった。

フィアンマ「酒臭い。お前が呑ませたのか。…加えて、何故お前が此処に居る」

ヴェント「>>8
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/10(日) 23:59:53.02 ID:gP6cay7l0
いいじゃない。アンタのハーレムに一人増えても(悪い笑み)
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/10(日) 23:59:59.66 ID:/Qn23/VSO
ちょっとあんたと話がしたくてね
9 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 00:07:02.95 ID:X5A5Cs+Z0

ヴェント「ちょっとアンタと話がしたくてね」

フィアンマ「…ミラノまでわざわざご苦労なことだ」

五和「ごしゅじんさまー、お帰りなしゃいぃ…ひっく」

フィアンマ「……」

インデックス「遅かったんだよー。心配したんらから…」

果てにはインデックスに抱きつかれ。
フィアンマはやれやれとため息をつき、二人をまとめてベッドへと押し込んだ。
まだ寝たくない、などと口にしながらも、二人はそのまま眠りへ堕ちていった。
二人の身体に毛布をかけ、フィアンマはヴェントの向かいへ座る。
そして、彼女が持って来たと思われる、それなりにお高いワインをグラスへ空けた。
インデックスが口をつけていない部分であると確認しながら、一口飲む。
香り高い。良いワインだ。
よくよく見れば、だいぶ年代物である。

フィアンマ「…話とは何だ」

彼は酒に強い。
そうそう酔うことはないので、呑みながら話を聞くつもりらしい。

ヴェント「>>11
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 00:10:03.84 ID:FBChB9QAO
ksk
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 00:10:08.41 ID:7xCyseLAO
私はビアージオを愛している
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 00:11:38.22 ID:9Na4ByxSO
あんたさ…最近随分昔のあんたに戻ってるみたいじゃない

私としてはある意味喜ばしいけど、あんたはいいの?

また、絶望するはめになるんじゃないの?
13 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 00:13:20.27 ID:X5A5Cs+Z0


>>+1のコンマ一桁(第二位にかわりましてカブトムシがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 00:10:03.8『4』←ココ)でヴェントの台詞決定


0〜8 >>12

9 >>11
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/11(月) 00:13:43.74 ID:jJwe2MxU0
15 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 00:25:07.53 ID:X5A5Cs+Z0
>>14 00:13:43.7『4』 結果:>>12 ご協力ありがとうございます》


ヴェント「アンタさ…最近随分昔のアンタに戻ってるみたいじゃない」

人を進んで助けていた頃。
誰かを救い、知り合いを作っていた頃。
とてつもなく健全なように見えて、精神を病む土台を作る時期。

ヴェント「私としてはある意味喜ばしいけど、アンタはいいの?」

フィアンマ「良い、というと?」

わかっていて、彼は聞き返した。

ヴェント「また、絶望する羽目になるんじゃないの?」

フィアンマ「………」

断ち切るのは簡単だ。
禁書目録を安置管理に切り替え、五和に何も告げず聖ピエトロ大聖堂の『奥』へ住居を戻し、携帯電話を破壊してしまえば良い。
そうすれば、今居る知り合いは激減するだろう。
こちらから連絡せずにいれば、連絡をされても応えなければ、上条との縁も切れる。

フィアンマ「……」

ヴェントは、彼の体質や、生きてきた年数を知っている。
そして、他人の弟が死んだ話に本気で怒ったり、嘆いたり、慰めてくれる優しさもあると。
優しいということは、強みでもあり、脆いということでもある。
冷たい強者は、傷つくことがない。何も学ばない代わりに、苦しい思いをしたり、希望が反転して絶望したりしない。

誰も裏切らなくても。
みんなみんな、フィアンマを愛したとしても。

絶対に、彼より先に、インデックスも、五和も、神裂も上条も美琴も御坂妹も、彼の知る人は皆死んでしまう。
そうして一人になった時、耐えられるのか。
フィアンマ自身、それに関しては自信が無い。

フィアンマ「……、…なるだろうな。遅かれ早かれ」

ヴェント「…わかっていても、やめるつもりは無いのね」

フィアンマ「無いな。……時々、人間であることが嫌になるよ。強欲は大罪だというのに」

いつも痛い目に遭う。
呟きながら、フィアンマはインデックスと五和の眠るベッドへ視線を向けた。
自分が守るべきものは、今、あそこにある。

フィアンマ「……お前との約束も、守れないままだ。だが、…勇気が出ない」

ヴェント「>>17
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 00:26:34.00 ID:FBChB9QAO
ksk
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 00:29:23.01 ID:9Na4ByxSO
…あんたはいっつもそうやって……本当にバカ。ギュウ
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 00:30:34.84 ID:o721Vb2V0
乙です
自分のIDがひどすぎて悲しい…

スレ建て祝いとしては何ですが修正版ができました
いつも通りAxfc Uploaderにうp、前回のはすぐに消します

http://www1.axfc.net/uploader/so/2788468.txt
19 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 00:42:26.54 ID:X5A5Cs+Z0
《暑苦しいからってシベリアのど真ん中でTシャツ一丁で過ごせられたフィアンマさん、そりゃあシルビアさんでも脱がすわ よし70の福音参考にしてスレやっていきますね》


ヴェント「…アンタはいっつもそうやって……本当にバカ」

約束をいつまでたっても履行しないのは優しさからで。
どちらを優先させることも出来ないままふらふらしているのは、何を傷つければ良いかわからないから。
結局、自分の身を削って、身を切って、一番痛い思いをして。
まるでそんなことなどなかったかのように、この青年は笑ってみせる。
痛々しかった。もう、無理をしないで欲しかった。
誰かが泣いていたらそっと優しさを分け与えに行くクセに、自分が泣く時は誰にも見つからない場所で一人で涙を流すようなこの男に、休んで欲しかった。
ヴェントは立ち上がり、フィアンマの身体を抱きしめる。
彼は空になったグラスをテーブルに置く。
困ったような顔をした。人から優しくされることに、きっとまだ慣れていない。
正確には、忘れているのだろう。
長い長い、歴史と呼んでも良い程に長い人生の中で。
嫌な事も良い事もあって、それでも、嫌な事の方が優って。

ヴェント「誰かには助けてって言えって言ったり、そのクセ、自分は助けてって言わないのは何で」

フィアンマ「……、…」

ヴェント「……科学はキライ、科学はニクイ。…でも、アンタが約束を守って科学サイドを潰せば、戦争になる。沢山の死者が出る。だから、やらないんでしょ。分かってるわよ、そんなコト。何で謝るのよ。何で、…」

フィアンマ「…>>21



20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 00:44:51.48 ID:9Na4ByxSO
約束内容は科学sideの滅亡か…安価↓
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 00:48:40.12 ID:o721Vb2V0
俺様が救われるべき人間ではなく…救うべき人間だからかな
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/11(月) 00:51:33.09 ID:jJwe2MxU0
さすがフィアンマさん!禁書で美形でありイケメンである人!
23 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 01:00:35.42 ID:X5A5Cs+Z0

フィアンマ「…俺様が救われるべき人間ではなく…救うべき人間だからかな」

『救世主』として産まれてきた。
救うべき人間として、この世界に生を受けた。
母親の顔など遠く昔でもう思い出せないが、聖女のような母親から生まれた。
時に四肢を切断され、時に現人神として隔離され、時に理不尽な暴力にさらされ。
それでも一人で居る事を選ぶだけで、ただの一度も誰にも助けを求めなかったのは。
自分は助けなど無くとも大丈夫というプライドなどではなく。

フィアンマ「お前の願いを叶えてやりたい気持ちは、確かにここにある。だが、…お前が指摘した通り、戦争になるのが怖くて踏み出せていない。俺様の本質は臆病な人間なんだよ。ここぞという時で、何かをするのが怖いんだ。信じて待って裏切られるのも、こちらから裏切って後々苦しい思いをするのも嫌なんだ。誰かを傷つけたくて生きている訳ではないし、誰かに縋りたい訳でもない。そんなことが許される人間だとも思っていない。………俺様は今すぐにでも、死にたいよ。約束をしておきながら果たせず、不誠実で、人間不信で、愚かで、…そんな自分自身が大嫌いだ」

元より、救世主とはそんな生き物なのだろう。
世界を救っても、罵倒されながら死んでいく。
彼はいつでも報われない人生を突き進んできた。
そして、それが当然だと思っている節さえある。

ヴェント「……、バカね、本当に」

そういうところが嫌いになれないのだ、と。
そういうところが好きなのだ、と。

ヴェントは唇を噛み、しばらく彼を抱きしめたままでいた。


夜が明けるまで、ずっと、ずっと。






翌朝。
ヴェントを帰したフィアンマは、溶き卵に砂糖を混ぜていた。
甘い甘い卵焼きを作る為である。
丁寧に砂糖を溶かしていると、五和が起きだしてきた。

五和「う、うう、頭が…はっ、朝ごはん私作りますっ」

フィアンマ「二日酔いに見えるが。顔を洗ってこい」

肩を竦め、フィアンマは淡々とフライパンを熱した。
五和は落ち込みながらも一度洗面所に引っ込み、顔を洗って戻って来た。

五和「あ、あの、…昨夜の記憶があんまり無くてですね、…私、何かご迷惑を…?」

フィアンマ「>>25

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:03:37.60 ID:9Na4ByxSO
精々全裸で踊り狂った後嘔吐しただけだ。

…強く、生きるんだゾっ☆ポン


まぁジョークなのだが
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:07:21.69 ID:m0krH1wao
久しぶりに死にかけた
26 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 01:15:20.16 ID:X5A5Cs+Z0
《今日はここまで。お疲れ様でした》



フィアンマ「久しぶりに死にかけた」

五和「死、ッ!?」

言いながら、彼は綺麗に卵焼きをまいていく。
醤油味だとぐちゃぐちゃになってしまうにも関わらず、砂糖オンリーの卵焼きは焦がしも崩しもしない腕を持つ。
もはや彼の料理は甘いものへの情熱で構成されてしまっているのだろう。
甘い良い匂いを嗅ぎながら、五和は想像する。昨夜の自らの醜態を。

五和(酔っ払っている私がフィアンマさんに抱きついて押し倒して頭をしたたかに壁にぶつけさせてしまった上に服に手をかけたとかそういう嫌だ私痴女じゃないですかそんなんじゃないのにどうしようもう恥ずかしい嫌われてはいないみたいですけどいやでもフィアンマさんは大人で紳士で優しい方ですしこうやってさらりと言ってくださったのも気にしていないよアピールという名の甘さ、もとい優しさなんですかああああ嫌われたくない…っっ)

五和は目を伏せ、調理の手伝いを開始する。
甘い卵焼きに合わせ、本日の朝食も和食である。

五和「……私、ご主人様の為なら何でもしますから」

おずおず、と彼女は言う。
実際、本当に何でもするのだろうが。

フィアンマ「>>28

27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:16:15.96 ID:9Na4ByxSO
乙安価↓
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:17:25.19 ID:7xCyseLAO


フェラしてくれ
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:19:12.40 ID:FBChB9QAO
建宮と仲直りしろ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:19:36.12 ID:o721Vb2V0

和菓子でも作ってくれ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:21:59.21 ID:9Na4ByxSO
五和ならフェラ以上だろうがなんだろうが喜んでやりそうだww
32 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/11(月) 01:33:51.88 ID:5dAAMduAO

いつか五和ちゃんとインデックスちゃんと神裂さんとみこっちゃんで5P書きたいな…そんな流れにはならないと思うけども
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:38:32.37 ID:9Na4ByxSO
あらやだ、あなたにはそれができる能力があるじゃないですか

夢落ちでもなんでも小ネタでヤってもいいのよ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:41:02.68 ID:o721Vb2V0
五和は本当に良い娘だなぁ

でも流石に>>28は早すぎないか…インちゃんもいつ来るか分からないし
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:43:38.76 ID:5dAAMduAO

>>1ってさあ、複数キャラ同時出しとエロ描写苦手で書くのに滅茶苦茶時間かかるんだぜ

でも右方五和エロは近々書くな…彼女はセクロスにトラウマあるはずなのに
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:47:28.89 ID:9Na4ByxSO
あー、上書きとか、信仰してる相手の希望なら自分の気持ちは投げ捨てて身を捧げますー

とか?
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:51:41.55 ID:5dAAMduAO

>>28からエロに持っていく気は無いです

上書きか…リアリティ…いやSSだしな…
テーレッテレー 不思議とセクロスが怖くない夢オチ
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:54:36.72 ID:o721Vb2V0
>>37
で、夢から覚めて顔を真っ赤にする五和が見れちゃったりする訳か…
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 01:59:17.94 ID:9Na4ByxSO
それならあえてヴェントや神裂さんだと更に面白い反応をしてくれるんじゃなかろうか
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 02:00:55.97 ID:5dAAMduAO

一人だけだと不公平だから全員書くしかないね 仕方がない(棒)

フィアンマさんオカズにされ過ぎわろ
イケメン美青年だから仕方ない
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 05:16:54.55 ID:jbZxPeOp0
クソAOがいる限り無理だな
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 05:24:01.33 ID:AD4M02XEP
>>1をなめんなきっと何とかしてくれる
43 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 15:49:20.28 ID:AeXdOCla0

好きにすれば良いとは言ったものの。
あまりにも信仰され過ぎているような気がする。
うーん、とフィアンマは考えて。
少しばかり幻滅してもらおう、とこんな発言をした。

フィアンマ「フェラしてくれ」

五和「ふぇ…? ら、です、か?」

聞き返し、五和は固まる。
顔を真っ赤にして、思考をグルグルと巡らせる。
フィアンマはそんなことをしれっと言った後、卵焼きを皿へ載せる。
そして火を消すと、さて後は何を作るべきか、と首を傾げた。
彼に作らせるとカボチャの煮物は甘露煮になってしまいがちである。

五和(ふぇ、フェラ。…ブランドの方じゃなくて、いい所謂行為の方、ですよね? えっと、えっとええっと…そ、そう、でも、仕方ないですよね。フィアンマさんも男性ですし、年齢的にも鑑みればあ、あさっ、朝勃ちとかそういうのもあるでしょうし)

彼女は彼の実年齢を知らない。
なので、当然ながらその見目に基づいた発想となった。

五和(うぅ……)

抵抗はある。
強姦をされた経験上、性行為全般が恐ろしいとは思う。

だが、同時にこうも考える訳だ。

あの建宮と違い、この、彼ならば。フィアンマならば、優しい性行為をしてくれるのではないか、と。
例えば、ハーレクインロマンス小説にありがちなセックスシーンのような。
妄想である。というか、正確には盲信である。
フィアンマはというと調理に飽き、フライパンを軽く洗って拭いた。
嘘だよ、と言うべくフライパンを片付け五和の方を向いたところで。


彼女は床に膝をつき、フィアンマのズボンチャックへそっと手をかけていた。


フィアンマ「……五和。…まさか本気でするつもりじゃないだろうな」

五和「>>45
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 15:53:02.12 ID:o721Vb2V0
ksk
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 15:53:14.54 ID:7xCyseLAO
建宮にやらされていたので経験はある
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 15:55:27.62 ID:o721Vb2V0
ご主人様の為なら何なりと…
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 15:58:27.37 ID:YDA6HqSw0
>>46

ヘタにkskするとクソAOが取るからしない方がいいぞ
48 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 16:05:56.75 ID:AeXdOCla0

五和「建宮にやらされていた、ので。経験は、あり、ます。…じょ、上手かどうかは自信ありませんけど」

一生懸命頑張りますから。

そんな前向きなのか後ろ向きなのかよくわからない発言を零し。
彼女は彼のズボンのチャックへ指先を引っ掛け。
おずおずと、少しずつ、少しずつ下ろしていく。
黒い瞳が、上目遣いで見上げてくる。
なかなかに扇情的で健気だったが、彼の欲情を誘うには届かない。

五和「やらされるというか、口に突っ込まれるというか…で、でも、手を使えば多少は…?」

フィアンマ「…待て」

五和「大丈夫です、私、…私は。…すきなひとのためなら、…なんでも、できるんです」

後半はごしょごしょ、ごにょごにょと。
なので聞き取れなかったが、フィアンマは手で制止しようとする。

そんな折。

インデックス「…そこで何をしてるの?」

小さな聖女の声が響いた。
敵意がみなぎっている。彼女にしては珍しい。

インデックス「……何をしているの?」

よくわかっていないながらも、卑猥なことであるとは感じ取れたらしい。

フィアンマ「………」

五和「>>50
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:13:51.11 ID:7xCyseLAO
処女にはわかりません
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:14:19.51 ID:o721Vb2V0
わわわっ、何でもないですっ!
51 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 16:23:43.25 ID:AeXdOCla0

五和「わわわっ、何でもないですっ!」

焦りつつ、五和はばっと離れる。
調理作業へ戻った五和を見やりつつ、フィアンマはため息を呑み込んだ。
確かに自分が悪いのだが、普通本気にしてしまうものだろうか。




朝食を終えて。
気まずさに耐えられなかったのか、五和は隣室へ逃げていった。
インデックスはというと、ほっぺたを膨らませている。

インデックス「フィアンマのばか。へんたい」

フィアンマ「…拗ねるな」

インデックス「拗ねてないかも。…朝からいつわになんてことをさせようとしていたの?」

フィアンマ「思いの他発言を本気にされてしまったんだ。仕方あるまい」

インデックス「聖職者の風上にもおけないんだよ」

フィアンマ「…ならば、言わせてもらうが。お前は魔道書図書館としての身体を保つ以上の暴飲暴食をしているぞ」

インデックス「む」

フィアンマ「大体、俺様が五和と性的に関係を持ったとしても、お前には関係無いだろう」

どの発言が気に障ったのかはインデックスにはわからないものの、珍しくカチンと来たらしい。
或いは、低血圧気味の彼が偶々イライラしているのか。

フィアンマ「俺様は途中で止めた。が、続けようとしたのは五和だ」

ふん、と顔を背ける彼に反省の二文字は無い。
ある事にはあるのだが、インデックスに謝ろうとは思わない。

インデックス「>>53
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:26:24.28 ID:7xCyseLAO
非処女でもいいの?
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:27:02.53 ID:7xCyseLAO
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:27:16.00 ID:o721Vb2V0
言い訳は見苦しいんだよ
55 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 16:28:38.85 ID:AeXdOCla0


>>+1のコンマ一桁(右方の赤にかわりまして後方の青がお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:26:24.2『8』←ココ)でインデックスの台詞決定


0〜8 >>54

9 >>52
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:29:31.91 ID:o721Vb2V0
ksk
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:30:03.29 ID:AwJoiPxy0
しばらく連投禁止にしたらいかがかと
58 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 16:45:54.00 ID:AeXdOCla0
>>56  16:29:31.9『1』 結果:>>54 ご協力ありがとうございます  まあ、捌けない場合は安価下採用しちゃうので連投禁止はあんまり必要無いかなと…》


インデックス「言い訳は見苦しいんだよ」

結局のところ、やらせようとしたことは変わりない。
やや呆れたような声でぴしゃりと言うインデックスに、フィアンマは何も応えなかった。
シカトすれば良いものを応答するということは、それだけ仲が良くなったということなのだが、こと口喧嘩になると良い方向には働かない。

インデックス「…それに、…関係なくないもん」

フィアンマ「……」

ちら、とフィアンマはインデックスを見やる。
ほっぺたを膨らませて、むすくれているようだった。
ともすれば、何らかのことに対して落ち込んでいるようにも見える。

フィアンマ「…すまなかった。……だから、落ち込んだ顔をするな」

インデックス「……うん」



八月二十八日。
フィアンマに名前と見目を貸した影響で、上条当麻は現在、学園都市の『外』―――実家に居た。
正確には、実家に程近い旅館の一部屋である。
ハーレム全員を連れて来る訳にはいかないので、姫神と一緒にやって来た。
彼女は隣の部屋で眠っている筈である。

上条「んーっ…」

眠い。
思いながらうだうだとしていると、急に攻撃された。

上条「うごふっ」

何事か、と見上げれば、そこには一人の少女。
学園都市で一度会った事のある女子中学生だった。

上条「あれ? お前この間自販機の前で会った、」

美琴「おにーちゃん何言ってんの? 早く起きなよ、もうあっさだよー」

キャミソールと短パン姿の彼女ははしゃぎながら部屋を出て行った。
あんな妹は居ないのだが、と上条は首を傾げる。
そして、寝顔を拝見したいな、などと思いながら、そっと隣の部屋に繋がるふすまを開けてみた。




現在『御使堕し』状態。姫神は誰に変わった?(禁書キャラ名、一名。フィアンマ以外)>>+2
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:48:00.75 ID:o721Vb2V0
神裂
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 16:48:06.70 ID:JVd2+VZIO
ローマ教皇
61 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 17:06:07.32 ID:AeXdOCla0

そこには一人の老人が横たわっていた。
その顔に深まれた皺は、しかし老いというよりは気迫や生きてきた年数を表すような。
そんな彼は、姫神が寝る前に纏っていた巫女服を纏っている。
また、その傍らには上条が贈ったちょっぴり安っぽいながらも姫神が大切にしていた髪留め。
部屋を間違えたかと思ったものの、決してそうではない。

まるで身体だけが入れ替わったかのような。
或いは、今まで見ていたものが間違いであったかのように。

非常に自然で不自然な『姫神秋沙』は、目を覚ました。

教皇「んん…。上条くん。おはよう」

上条「………」

上条は、無言でふるふると首を横に振る。
何となく、目の前の人物は姫神であることは、わかるのだ。
わかるのだが、ビジュアルがあまりにもかけ離れ過ぎだ。
上条は別に面食いという訳ではない。別に所謂ブサイクの女の子も、性格が良ければ大好きだ。
しかしながら、ローマ教皇の見目である彼女は、もはや性別も年齢も全てが違う。

教皇「? どうか。したの」

普段では可愛い落ち着いた口調も。
その見目では、高齢者特有の穏やかさに思える。

上条「……ひ、…姫神、だよな?」

教皇「うん」

きっと、ドッキリか何かだ。
そう思うのに、彼女(彼?)の瞳に陰りはなく、嘘のうの字も見当たらない。
彼は巫女服を纏ったまま、僅かに着衣を正して階下へ降りていった。朝食の為だ。

上条「……」

きっと、他の知り合いはまともに違い無い。
そう願いつつ、上条はひとまずフィアンマに電話をかけてみた。
こちらが午前七時ということはあちらは午後十一時頃なのだろうが、申し訳ないが起きてもらおう。

上条「も、もしもし」

フィアンマ『ん、…どうした。怖い夢でも…と、今はそちらは朝だったな』

上条「あのさ。フィアンマお兄ちゃんの回りの女の子とか知り合いっておかしくなってないか?」

フィアンマ『おかしく?』



上条から電話がかかってきた。
周りがおかしくなっていないか、と問われ、フィアンマはインデックスと五和を見やる。

ちなみに彼は『救世主』―――世界を救うにあたって出来る限り不変の状態を保とうとする体内の性質の為、上条が『幻想殺し』により『御使堕し』の影響を逃れたのと同じ状態である。



現在『御使堕し』状態。インデックスは誰に変わった?(禁書キャラ名、一名。フィアンマ、ローマ教皇、上条以外)>>+2
           五和は誰に変わった?(禁書キャラ名、一名。フィアンマ、ローマ教皇、上条以外)>>+3
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:08:13.20 ID:7xCyseLAO
ビアージオ
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:08:18.33 ID:d+WFKut90
アックア
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:08:24.56 ID:7xCyseLAO
ビアージオ
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:08:24.60 ID:Gr2cMUvr0
垣根
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/11(月) 17:08:33.06 ID:jJwe2MxU0
五和なら滝壺
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:14:57.47 ID:d+WFKut90
怖ぇよ…ビアージオ状態の五和…

若本ボイスで「ご主人様〜」とかフィアンマでも恐怖するだろ…
68 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 17:22:55.39 ID:AeXdOCla0
《ああああやべえSAN値がああああ でもアックアさんかわいいビアージオたんprpr》


暑さ故に『歩く教会』を脱いでしまっていたのが災いしてか。
インデックスは、『御使堕し』の影響を受けてしまっていた。
五和に関しては普通の衣服の為、言うも及ばず。

ベッドの中、すやすやと眠る愛らしい少女二人は。
ベッドの中、すやすやと眠るいかついおっさん二人に変わっていた。

寝る前にキャミソールを纏っていたインデックス。
寝る前に綿で出来たピンク色の可愛いパジャマを纏っていた五和。

だが、そこに居るのは別人だった。フィアンマは両者の顔を知っている。

シンプルなキャミソールを纏うガチムチな茶髪白人の男は、後方のアックア。
ピンク色の可愛いパジャマを纏っているのはそれなりに体格の良い司教。

思わず、フィアンマは携帯電話を取り落としそうになった。

上条『……お、お兄ちゃん。…泣いてる?』

フィアンマ「…ないてない」

気をやられそうだと感じながら、フィアンマは二人から視線を逸らす。

フィアンマ「当麻、話し方で判別しろ。これはドッキリ企画の類ではない」

上条『わ、わかった…何が起きてるのかさっぱりわかんねーけど…』

フィアンマ「…俺様はそちらへ行く。しばらく一人で耐えてくれ」

それは自分に言い聞かせたようなものでもある。
彼は通話を切り、まずは右席メンバーと一度会議をしておくべきか、と思った。
そんな彼が外出する雰囲気を感じ取ったのか、インデックス―――もとい後方のアックアが目を覚ました。

アックア「んん…出かけるの?」

当たり前の事ながら、男性の低い声である。
寝ぼけもあるのだろうが、やや甘えた声というのがまた気持ち悪い。

フィアンマ「……す、ぐ戻る」

流石のフィアンマも動揺を隠す事は出来なかった。
彼女(彼?)は、そんな彼へ近づいてくる。

アックア「…何だか震えてるかも。寒いの?」

フィアンマ「>>70
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:25:32.44 ID:9Na4ByxSO
武者震いだ
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:25:37.89 ID:d+WFKut90
そ、そんなことはない…神の右席はうろたえないィィィッ!!
71 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 17:35:18.09 ID:AeXdOCla0
《人物安価は被ったりしたら安価下採用でいきますね》


フィアンマ「そ、そんなことはない…『神の右席』はうろたえないィィィッ!!」

途中声が裏返りそうになった。
抱きつかれたからだ。
二重聖人の、男性の巨体に。

アックア「…入院しちゃダメなんだよ」

フィアンマ「……」

顔面蒼白、とは今のフィアンマの顔の事を指すのだろう。
だが、彼は『御使堕し』という術式について思うところがある。
なので、冷たくはしない。記憶がインデックス本人へ移行される可能性があるからだ。
彼女は小さい体で一生懸命抱きついているのだろうが、二重聖人の力により、フィアンマの骨はやや軋んでいる。痛い。

アックア「早く帰って来て欲しいかも」

フィアンマ「…わ、かった。約束する。…するから離してくれ」

ビアージオ「ん…ご主人様、お出かけですか…?」

フィアンマ「、…五和、禁書目録を頼むぞ。なるべく家から出るな」

彼女を宥め、五和もといビアージオから逃げ、フィアンマは今度こそ外に出た。
本音を言うと泣き出したい。
インデックスが太っただとか、老けただとか、そういったことなら耐えられる。
別にフィアンマは見た目で人を差別するような人格はしていない。
歪んだ形で平等・公正に見ながら生きているのだから。
今回はそういう話ではない。ましてや、今さっき骨を折られそうになったばかりである。
流石に今回に限っては、右方のフィアンマも人前で半泣きになるところだった。



単身で解決に向かうにしても、一度顔合わせはしなければならない。
そんな訳で、フィアンマは聖ピエトロ大聖堂までやって来た。
『奥』へ足を踏み入れれば、招集などせずとも、そこには既に『神の右席』の三者が居た。




現在『御使堕し』状態。ヴェントは誰に変わった?(禁書キャラ名、一名)>>+2
           テッラは誰に変わった?(禁書キャラ名、一名)>>+3
           アックアは誰に変わった?(禁書キャラ名、一名)>>+4
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:40:15.42 ID:d+WFKut90
ksk
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:40:21.62 ID:gGubKIGAO
ksk
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:40:24.86 ID:7xCyseLAO
冥土返し
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:40:42.76 ID:d+WFKut90
ローラ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 17:41:52.35 ID:7xCyseLAO
フレメア
77 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 18:08:23.24 ID:AeXdOCla0

黄色い修道服を纏って居るのは、どこかカエルに似た男。
緑の修道服を纏って居るのは、イギリス清教の最大主教。
青いゴルフウェア染みた衣装を纏っているのは、幼いふわふわの金髪を持つ少女。

全員が全員、フィアンマの見覚えのある顔だった。
だが、衣装で判断する。ビジュアル的にキツいが、我慢するしかない。

フィアンマ「…現在状況についてはわかっているのか?」

ローラ「『御使堕し』、といったところでしょうかねー。一見何の変化もないように思えますが、確かに魔術的現象が起こっているようです」

フレメア「術式の中心点は既に判明しているのである」

冥土帰し「ま、正確に、じゃないケドね」

大体の範囲は、先に特定しておいたらしい。
仕事の早い優秀な部下だ、とフィアンマは客観的に評価する。
場所としては、上条の実家に程近い場所、半径二キロ以内部分が地図上にて印を付けられていた。

フィアンマ「…俺様が出向いてくる。お前達は大天使の顕現に気をつけろ」

ローラ「ええ」

フレメア「貴様が直接出向くのであるか」

フィアンマ「…少々私情があってな」

大天使に上条を殺させる訳にはいかない。
そもそも、儀式場を破壊して天上へ戻るという理由で大天使が力を奮えば、世界が焦土と化す恐れもある。
そんな訳で、彼が直接動くだけの『理由』が出来上がっていた。



日本。
上条の所までやって来たフィアンマのやることは、まず上条を宥めることだった。
上条の母親はインデックスになっており、上条の従兄弟は御坂美琴となっていたようだ。
そして何より、彼がハーレムの中から連れて来た彼女の一人、姫神秋沙は、フィアンマもよく知るローマ教皇になっていた。

上条「…しにたい」

フィアンマ「……そう落ち込むな。じきに解決する」

上条「……>>79
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 18:11:53.86 ID:JVd2+VZIO
せっかく今日の夜はゴムなしでできる日だったのに…
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 18:12:16.50 ID:9Na4ByxSO
うう…一刻も早く戻りたい…お兄も味わってみてくれよ!彼女があんなんなった状況をさぁ!
80 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 18:24:05.48 ID:AeXdOCla0

上条「……うう…一刻も早く戻りたい…お兄ちゃんも味わってみてくれよ! 彼女があんなんなった状況をさぁ!」

絶望どころじゃない、と上条はへこたれる。
ちなみに現在、上条とフィアンマは砂浜にて座った状態で話している。
海岸では、スクール水着を着た御坂美琴と、ちょっぴり過激な水着を着たインデックスと、可愛らしい巫女服風水着を着たローマ教皇が無邪気に遊んでいた。

美琴「おにーちゃんもおいでよー!」

インデックス「あらあら当麻さん、女の子ばっかりで緊張しているのかしら?」

教皇「上条くん。一緒に遊ぼう?」

上条「……」

フィアンマ「…耐えろ当麻。泣くな」

上条はぶんぶんと首を横に振り、膝を抱えて本気で落ち込む。
フィアンマはそんな彼の肩をぽんぽんと叩いて慰めた。
彼には彼で、上条の気持ちがわからないでもない。
そういう意味で愛してこそいないが、身近な少女二人がおっさんに早変わりしたのだから。

そうして遊んでいると、水着で遊んでいた三人は疲れたのか、先に旅館へ戻っていった。
早く戻っておいでよ、と言われたものの、戻る気にはなれない。
インデックス、もとい詩菜はフィアンマを知っているので、安心して上条を任せたようだ。
そんな訳で男二人、静かに海を眺めて心を落ち着かせていると、不意に一人の魔術師が現れた。
上条とフィアンマは立ち上がり、上条が彼の言葉を聞く。

魔術師、土御門元春。
かつて才能に溢れる陰陽師であった、現多重スパイ。
そして上条とよく義理兄弟・兄妹話で盛り上がる良き隣人である。

土御門「カミやん、悪いことは言わない、今すぐ逃げるんだぜい!」

上条「え、土御門? 逃げるって何が」

言っている間に、一人の女聖人がやって来た。
彼女は七天七刀を早くも抜刀し、上条に切りかからん勢いでいる。

神裂「あなたがこの術式を履行しているのでしょう今すぐどうにかしなさい今のうちです今から三秒数えるから早く、っ」

掴みかかりかけて、神裂はフィアンマの存在に気がついた。

神裂「あ、…ええと、…その、ですね」

七天七刀をしまう。
好きな男性には、なるべく良いところだけを見せたいものである。

上条「な…何なんだ? っていうか、この人は?」

フィアンマは、黙っていた。
この状況ではもはや、『魔術』の存在を教える他ない。

土御門「>>82
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 18:27:50.47 ID:9Na4ByxSO
この痴女はねーちんと言ってry
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 18:28:39.24 ID:99H3jiomo
83 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 18:37:33.26 ID:AeXdOCla0

土御門「この痴女はねーちんと言って俺がイギリスで英語をぶべらっ」

神裂「…………」

神裂は、耐えようと我慢した。
フィアンマの前だ、なるべく暴力を振るうところは見せたくない。
だが、痴女呼ばわりされては流石に怒りを抑える事は出来なかった。
ガッ、と平手とはいえ聖人の力で殴られ、土御門は砂浜へ沈む。
はー、はー、と怒りに肩で息をする神裂に怯える上条を宥め、フィアンマは彼の前に立った。

フィアンマ「…落ち着け」

神裂「…はい」

しゅん、と落ち込む神裂。
何だか個性的な知り合いが多いんだなー、と上条は呑気な感想を抱いた。



現在の状況。
『御使堕し』について。
神裂はステイルに見られていること。
土御門は一一一に見られていること。
上条が疑われたということ。
幻想殺しについて。
魔術について。
どうして『御使堕し』が起こったのか。

全てについて説明を受け、しあい、誤解は解かれた。
だが、術者が見つからない。儀式場の所在も不明。
放っておけば最悪、世界が滅ぶ。

上条「……なるほど。なぁ、俺に何か出来ることって無いのか? 魔術も異能の力なんだろ。なら俺の右手で」

フィアンマ「>>85
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/11(月) 18:39:35.55 ID:lm/KFVwR0
わからん。何しろこれほどの規模で展開される術式だ。……ただ壊せばいいとも限らんしそれほど単純とも思えん
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 18:42:44.71 ID:d+WFKut90
>>84
86 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 18:51:11.93 ID:AeXdOCla0

フィアンマ「わからん。何しろこれほどの規模で展開される術式だ。……ただ壊せばいいとも限らんし、それほど単純とも思えん」

四台属性の歪み故に、こんな術式が成功する隙が生じていた。
正直に言えば自分の手落ちだ、とフィアンマは思う。
あまりにもデタラメな魔術だ。天使が誰に堕ちたか、調べることも出来ない。

土御門「…ところで、あんたは影響を受けてないみたいだけどにゃー?」

ちら、とサングラス越しに。
疑いの視線が、フィアンマへと向けられる。
幻想殺しを持っていない魔術師が『御使堕し』の影響を受けていないというのはおかしい。
何らかの影響を、普通は受けてしまうものだ。
ただし、『幻想殺し』を持っていればその限りではない。
それか、はたまた術者当人であるか。

フィアンマ「何なら、アリバイを調べてみるか?」

魔術を使うには下準備が要る。
フィアンマやオッレルスなど、魔神程の知識を持っていれば確かに省略出来る部分は多いものの、こういった大規模なものは省略するにも限界がある。
沢山の時間や霊装が必要になってしまうし、当然、そんなことをすればバレる。
殺人と同じだ。

上条「…土御門。フィアンマを疑ってんのかよ」

フィアンマ以上に、上条が不愉快そうに言った。
戸籍上では何も関係無いが、義兄と呼んでも良い程に仲の良い相手を犯人と疑われれば嫌なものだ。

土御門「>>88
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 18:58:20.74 ID:9Na4ByxSO
カミやん、どこのどんな関係の誰かさんであっても疑わなきゃいけないのが裏の人間ってもんですたい。

特にこういう大事件の時は
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 18:58:52.53 ID:d+WFKut90
>>87
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/11(月) 19:00:01.21 ID:lm/KFVwR0
カミやんみたいに幻想殺しがなく、術式を使えるなら疑って当然だぜい?
90 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 19:08:52.74 ID:AeXdOCla0

土御門「カミやん、どこのどんな関係の誰かさんであっても疑わなきゃいけないのが裏の人間ってもんですたい」

自分の立場は明かしただろう、と土御門は笑う。
屈託の無い笑みは、割り切ってしまっているからだ。
彼はどんな状況でも、こうして本心を覆い隠す。

土御門「特にこういう大事件の時は」

上条「テメェ、っ」

フィアンマ「待て、当麻。…まぁ、俺様も逆の立場であればそうするからな」

今にもブチギレそうな上条を制し。
フィアンマはひとまず、簡易的に自分の体質について説明した。
出来れば上条には何も知られたくなかったが、仕方が無い。
何の動揺もなく、ありのままを口にした。
勿論未解明な部分もあるが、それは上条の『幻想殺し』の正体と同じ、探れないものだ。

土御門「なるほどにゃー。…カミやんの『幻想殺し』については、俺はよく知ってる」

言外に、遠まわしに。
その『救世主』である体質の証明をしろ、と問われているようだ。
上条に関しては、右手で霊装に触れるなりすればすぐさま証明出来る。

フィアンマ「…証明か」

さてどうしようか、と彼は悩む。





フィアンマはどうする?>>+2
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 19:11:12.33 ID:9Na4ByxSO
ナイフでザックリ頸動脈かっさばいて死なない事を証明
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 19:12:13.79 ID:d+WFKut90
>>91
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 19:20:02.20 ID:d+WFKut90
頸動脈が過激すぎるなら腕とかかな?
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 19:30:03.49 ID:9Na4ByxSO
ねーちん確実にトラウマww
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 19:35:34.03 ID:d+WFKut90
でもあれだよな、普通に魔術や攻撃を喰らってフィアンマが回復しても、土御門なら魔術による現象じゃないかと疑うだろうからな…
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 19:38:06.68 ID:9Na4ByxSO
じゃあ、あの、アレ。Dr.ヒルルク的な説得を…
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/11(月) 19:45:47.06 ID:jJwe2MxU0
フィアンマの「第三の腕」は死者も生き返らせたとか原作で書いてあるしすぐに復活するだろう
あれ万能ぽい
98 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 20:17:58.11 ID:AeXdOCla0

彼はしばらく悩んだ後、懐からナイフを取り出す。
簡素な果物ナイフである。上条にもらったものではない。
手入れの行き届いたそれは、太陽光を反射してキラキラと輝いている。
そして、彼はおもむろにそれを首筋へ突き刺した。
頚動脈のある場所を、強引に腕力で切る。ブチ、と嫌な感触が手に伝わった。
勿論とてつもなく痛いので、当然ながら表情は歪む。
ぶしゃぁ、と吹き出した鮮血が、砂浜を汚していく。黄色に近いクリーム色の砂は、一瞬で赤黒く染まった。

唐突な自虐に、或いは、自殺行為そのものに。
神裂が両手で自分の口を押さえ、上条は戦慄して身体を硬直させる。
ただ一人、土御門はさほどの動揺を見せずにフィアンマを見つめ続けた。
げほ、と口から血液を吐きだし、フィアンマはおもむろに自分の血に汚れた手で、上条の手を引く。
そして、土御門の『魔術による幻術ではないか』という疑問を打ち破るべく、上条の右手を自分の傷口辺りへ触れさせた。
ざっくりと切れた傷口。当然、『幻想殺し』は普通の物理現象には作用しない為、何かが破壊された様子は無い。
目の前で流れている血液はフィアンマ本人のもの。フィアンマが負った傷も、見せかけではなく本物。

「…まだ信用出来ないか?」

言いながら、彼は失血による貧血を感じながら、億劫そうにナイフで左手首も切る。
動脈を切られ、血液は再び吹き出し、溢れ出していく。彼の周りには、血だまりが出来ていた。

「も、もうやめろよ!」

上条が慌てて彼の手からナイフを攫う。
本物の人の死に触れたことの無い彼は、今にも泣き出してしまいそうだった。

「どうせ痛い思いをするのなら一度に済ませてしまった方が良いだろう?」

淡々と言う彼の口からは、とめどもなく血液が溢れ出している。
嘔吐するようにして吐き出した体液は、赤黒い。胃液は一切含まれていない。

死なないとはいっても、大量の血液を一度に失えば貧血の症状に陥る。
妙なところで人間らしいフィアンマは、ふらりと倒れそうになった。
そんな彼の身体を、神裂が支える。彼女もまた、上条と同じように泣きそうになっていた。

「もう良いでしょう、土御門!」

聖人の涙声に、土御門はややバツが悪そうに髪をかく。
そして、言葉を返した。

>>100
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 20:22:22.34 ID:9XaG7isQ0
…疑ってすまなかった 
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 20:23:12.55 ID:AD4M02XEP
信用しよう……疑って済まなかったな
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 20:23:28.87 ID:d+WFKut90
あんたの覚悟、しかと受け取った。+>>99
102 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 20:38:57.05 ID:AeXdOCla0

土御門「信用しよう……疑ってすまなかったな」

もう疑わない、と土御門は首を横に振る。
元々、私情で疑っていた訳ではないのだ。
むしろ、たかが疑いを晴らす程度でここまで出来る彼に、流石親友が義兄と慕うだけあるな、と思った。

フィアンマ「…そうか」

意識が定かでないまま、フィアンマは小さく笑う。
そして、やはりこの程度の怪我では死ねない自分を、呪った。


フィアンマの手当、治癒術式行使を終え。
上条とフィアンマは、旅館へ戻って来た。
姫神、もといローマ教皇と同じ部屋にいるのは精神的にキツい上条は、女の子と二人は照れくさいから、お兄ちゃんと一緒に居たいから、などと適当に理由を付け、フィアンマの部屋に居た。

そして、先程から黙っている。

怒っていた。
恐怖が裏返って、怒りに転化されていた。
フィアンマが彼自身の無罪を証明する為にやったことはわかっている。
だが、どう考えてもやり過ぎだ。
あそこまで自分を徹底的に傷つけて尚、普通の顔をしているフィアンマが、上条は怖かった。

一方通行が感じたような、その異常性に対しての恐怖ではない。
いつか、彼があっさりと死んでしまうような気がして、恐ろしかった。

右手の指先に触れた傷口の感触は、まだ残ったままだ。
今は一応包帯を巻いてあるあの細い首が、切断寸前までざっくりと切られていた。
もう掃除はしたものの、砂浜が赤黒く染まり、砂浜に血だまりのあった、その光景。
上条は思い返し、自分の右手を見やり、思い返した恐怖に、とうとう涙を流した。

彼はただの男子高校生だ。
難しいことはよくわからないし、怖い思いはフィアンマの手によって取り除かれてきた。
本来痛い思いをすべき場面で、全て彼に押し付けてきた。庇われてきた。
だから、彼の絶対の味方で居なければならない。いたい、と思う。

急に魔術だ何だ、救世主が何だ、果てには自殺未遂を目の前で見せられて。怖かった。

本当に、現実から目を背けたくなる程に。

上条「……っ、…」

フィアンマ「…すまなかったな。自分でも先程のあれはショッキングな画だったと理解している」

上条「>>104
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 20:44:44.09 ID:d+WFKut90
命を削るような真似はもう止めてくれ…
これ以上自分を傷つけないでくれ…お兄ちゃん…
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/11(月) 20:50:12.73 ID:KmiQGZ0E0
105 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 21:04:16.99 ID:AeXdOCla0

上条「命を削るような真似はもう止めてくれ…」

ぼろぼろと流れてくる涙を、上条は乱暴に手の甲で拭う。
何度も何度も拭う度、泣きやめないままに流れてくる。
借金を抱えた男から庇って刺されてくれたのも、自分が死なないとわかっていたからだったのだ、と上条は思う。
死ななければ良い、そんな問題ではない。

上条「これ以上自分を傷つけないでくれ…お兄ちゃん…」

フィアンマ「……」

泣きながらそんな事を言う上条は、昔と変わらなかった。
嫌な思いをしない分だけ、人は成長しないまま。或いは、清らかに育つ。

上条「いっつも、そうじゃねえか。いつもいつも、…俺の代わりに怪我したり、刺されたり、…嫌なんだよ」

ぐす、と鼻を啜り。
上条は唇を噛み、数度深呼吸をする。

上条「死ななきゃいいって問題じゃないんだ。お兄ちゃんが傷つく事が嫌なんだ。お兄ちゃんが怪我をするのが嫌な人だって、沢山いるんだよ」

フィアンマ「、……すまない」

真面目に謝った。
恐らくこの生き方は変えられないとは思うものの。
自分が傷つくことを泣いて嫌がる人がいる、ということを再認識する。

上条「ん、……。……儀式場の目星はついてるのか?」

頭を撫でられ、上条はようやっと泣き止んだ。
問いかけに、フィアンマは少しだけ考える。

フィアンマ「>>107
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:07:56.20 ID:YDA6HqSw0
当麻の両親の新居だ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:08:57.22 ID:d+WFKut90
ここからそう遠くない場所にある…としか言えんな…
先ほどテレズマとおぼしきエネルギーが近くにあるのが感じられたが、すぐに消えてしまった…
108 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 21:20:49.03 ID:AeXdOCla0

フィアンマ「ここからそう遠くない場所にある…としか言えんな…」

なかなかに特定は出来ないものだ、と彼はため息をつく。
人を捜すのとは違い、術式も仕掛けにくい。
ましてや、ここまでの大規模術式ともなれば地脈エネルギーが主。
術者本人の魔力や生命力を特定するのとは違い、地脈エネルギーの特定ではあまりにも範囲が広すぎる。
限定出来ないが故に、ここだ、とハッキリ言う事が出来ない。

フィアンマ「先ほど『天使の力<テレズマ>』とおぼしきエネルギーが近くにあるのが感じられたが、すぐに消えてしまった…」

やれやれ、と肩を落とす。
優秀な魔術師だからといって、何でも出来るという訳ではない。

上条「テレズマー…って、天使を構成してる力、だっけ? 目に見えないんだろ?」

フィアンマ「通常はな。だが、観測出来ない訳ではない。例えば、霊感がある人間は幽霊が見えるだろう?」

上条「なるほど…、でも幽霊なんて居ないだろ」

フィアンマ「それは当麻がその目で幽霊を見た事が無いからだ。"いない"ということは世界中を調べて回らねば証明出来ない」

悪魔の証明。
いないことは証明出来ない。
上条はうーん、と考え込み。
階下からお呼びがかかった為、渋々下へ向かうことにした。



階下で、食事が始まった。
上条の隣に座り、フィアンマは中身が詩菜であるインデックスと会話していた。

インデックス「あら、あらあらあら…そのお怪我は?」

フィアンマ「ちょっとした不幸な事故です」

フィアンマの左手と首に巻かれた包帯に、詩菜は不安げな表情を浮かべた。
インデックスの顔が曇った表情を浮かべることに、彼は苦笑する。

フィアンマ「いえ、心配には及びません」

自分は元気だ、と彼は首を横に振る。

フィアンマ「…そういえば、刀夜さんはお仕事中ですか?」

詩菜「お父さんで良いのよ、私達の仲でしょう」

彼女の中でフィアンマは子供のようなものらしい。
見目の若い彼女が言うと妙だな、とフィアンマは思う。

フィアンマ「…、…お、…お父さんは」

詩菜「>>110
109 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/11(月) 21:21:55.02 ID:5dAAMduAO
うっかり

詩菜→インデックス

脳内補完お願いします

安価下
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:22:39.49 ID:9Na4ByxSO
実は大喧嘩して別居中
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:24:25.14 ID:d+WFKut90
刀夜さんはまたお土産を買いに行ってるんですよ、「当麻のためだ」とか言って…
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:27:54.74 ID:d+WFKut90
>>110の場合誰が犯人になるんだ?
113 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 21:35:55.26 ID:wHXLnNcn0

インデックス「実は大喧嘩して別居中なの」

だから自分一人で此処に来たのだ、と彼女は苦笑する。

上条「それ俺聞いてないんだけど。っていうか母さん達が喧嘩なんて珍しいな」

上条は違和感を覚えているものの、インデックスを母親であると無理やり納得しているようだ。
もう慣れ始めたのは、言葉がつっかえている様子は無い。

インデックス「ちょっとね。…謝ろうとは思っているんだけど」

片頬に手を当て、ため息をつく姿はお嬢様のようだ。
インデックスでなく、元の容姿もそんな感じなのだが。

上条「ん? じゃあ父さんは此処来ないのか」

インデックス「ちょっと誘ってはみたんだけど、来られないみたいね」

或いは私が居るからかしら、と彼女は苦く微笑む。
フィアンマは少しだけ悩んで、懐からお守りのようなものを出した。
人心を惑わす霊装に、魔力を封入して差し出す。

フィアンマ「では、これを」

インデックス「あら、お守り?」

フィアンマ「そんなようなものです。…刀夜さ、…お父さんに会った時に、これを強めに握ってから言葉を発してください」

きっと仲直り出来ます、と彼は笑む。
詩菜は嬉しそうに微笑んで、霊装を懐へしまいこんだ。




夕飯を終えて。
寝るまで此処で過ごそう、と決めた上条は、フィアンマの部屋に居た。

上条「っていうかさっきのお守りは何なんだ?」

フィアンマ「敵意を払うものだ。当麻が右手で触れば壊れる代物だよ」

上条「逆に言うとパチモンじゃないんだな」

フィアンマ「勿論」

上条「…何で父さんのことなんて聞いたんだ?」

フィアンマ「…疑っていないと言えば嘘になるのだが。お前のお父上は、土産物を集めるのが趣味…のようなものだっただろう。だから、その中に『本物』が紛れ込んでいた場合、土産の配置が偶々魔法陣として機能したのではないかと思ったんだ」

上条「本物の魔術師じゃなくても魔術って使えるのかよ?」

フィアンマ「学園都市製の超能力者は使えば大きな副作用を受ける。が、一般人であれば偶然使ったりもするだろう」

上条「……父さんが術者なら、…何も変わってないんだよな」

声も何もかも。
距離と結界などの防護が重要であるのなら。
何の防護も無い彼は、誰かとすり替わっている筈だ。
上条は、そう言って自分の父親へ電話をかけた。
程なくして、応答がある。

上条「父さん?」





刀夜の声は(別人に変わっている・まったく変わっていない)>>+2
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:36:52.34 ID:d+WFKut90
まったく変わっていない
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/11(月) 21:37:07.42 ID:7xCyseLAO
別人
116 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 21:44:08.34 ID:wHXLnNcn0

リドヴィア『もしもし、どうかしたのか? 当麻がかけてくるなんて珍しいなあ』

女の声だった。
明らかに、上条刀夜ではない。
だが、その口ぶりはふざけでも何でもなく、本人のもの。

リドヴィア『今ちょっと母さんとケンカ中でな…いや、そのうち仲直りするよ、絶対。あ、お土産もまた買ったんだぞ』

上条「……、」

通話口から漏れる声。
フィアンマは、黙って首を横に振った。
術者は、上条刀夜ではない。

上条「また変なお土産じゃねぇだろうな?」

リドヴィア『変とは何だ変とは…おっと、ごめんな。ちょっと仕事のキャッチが』

上条「いや、いいよ。いきなりかけてごめん。おやすみ」

リドヴィア『暖かくして寝るんだぞ』

ぷち。
通話を終えて、上条は携帯電話をしまった。

上条「……、」

フィアンマ「………あてが外れたな」

上条「…ちなみにさ、…儀式場じゃなくて、術者が見つかった場合は、どうするんだ?」

大魔術は、一度作用してしまえば止める事が出来ない。
例え、術者本人でも。

フィアンマ「>>118
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:45:31.14 ID:7xCyseLAO
汚い仕事になるな
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:46:10.34 ID:7xxhTgM+0
殺しはしない
119 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 21:55:22.08 ID:wHXLnNcn0

フィアンマ「殺しはしない」

予定だ。
後半の言葉は呑み込んだ。
出来れば、術者の魔力循環をせき止めることでどうにかやめさせたい。
もしくは、魔力の精製を司る脳を破壊してしまうという手段もあるのだが。
そういった後暗い話を、敢えて上条に聴かせる必要は、どこにもない。

上条「…殺し"は"?」

フィアンマ「……当麻、子供はもう寝る時間だぞ」

ほら、と彼が指差した先。
時計の針は、午後九時半を指し示していた。
まだ早ぇよ、と愚痴る上条を無理やり部屋に帰し。
フィアンマは一人、無言で長考した。

フィアンマ(……隠蔽に長けている)

そして、身の回りのものを魔術に用いる。
組織的な犯行とは思えない。
天使本人を堕して何とするか。
世界征服だろうか。或いは、世界を微調整して、好きな相手を手に入れたいのか。
大きい目的とは思えない。

フィアンマ「………」

彼は悩んだ末。
良き隣人へ、通信術式を仕掛けてみた。



オッレルス『やあ』

耳元で響く声は、半泣きだ。
彼自身は術式を防いだのか個人的にどうにか解除したのか、いつも通りのようだ。

フィアンマ「…大丈夫か? シルビアが別人にでもなっているのか」

オッレルス『>>121
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:56:29.74 ID:7xCyseLAO
テッラになってる
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:57:12.67 ID:d+WFKut90
>>120(泣)
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 21:57:29.30 ID:5FUop+M+0
髭の生えたおっさんになった(刀夜)
123 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 22:06:44.01 ID:wHXLnNcn0

オッレルス『さほ…んん、…いや、…細身で小柄の三十代程の男性になって…ぐすっ、…いるよ』

彼はフィアンマが右方のフィアンマであると知らない。
だが、シルビアと成り代わった人物が左方のテッラだとは知っていた。
その為、機密情報を漏らすまいと妙などもり方になったようである。

フィアンマ「…ご愁傷様、といったところか」

オッレルス『うぅ…俺は中途半端に術を防いだから、時々別人に見えるみたいだ』

フィアンマ「…話をしても良いか?」

オッレルス『ああ……』

通信術式の向こう側。
恐らくボロ泣きなのだろうなあ、と思う反面、そこまで好きなら告白しろ、と思いつつ。
ひとまずフィアンマは、事の次第について相談した。

オッレルス『…『御使堕し』、か…』

フィアンマ「グレーの知り合いを全てあたってみたが、シロだったよ。…天使を堕したいのか、身近な人物を別人にしてやり直したかったのかはわからん」

例えば、別れ話をされて。
その恋人のそっくりさんと出会う確率よりは、こうして魔術を引き起こし、『中身』の違う元恋人を愛せば手っ取り早い。
そういった使い方も出来る魔術だけに、相手方の目的がわからなかった。

フィアンマ「……儀式場は俺様が現時点で居る付近なのだが、それも見当たらん。…困ったものだ」

放り置けば、堕とされた大天使が座位へ戻ろうと何かをするだろう。
或いは、儀式場を破壊する為に力を振るい、その余波で大勢の人が死ぬ。
そうすれば、それを皮切りに戦争が起きるかもしれない。それが嫌だった。

オッレルス『>>125
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/11(月) 22:11:20.57 ID:jJwe2MxU0
術式が名前どおりならその儀式場の近くに天使と入れ替わった人間が来るはず……だと私は思うが……
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:12:17.95 ID:d+WFKut90
>>124+君ほどの実力があるならば撃退も可能だろう
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:14:23.20 ID:9Na4ByxSO
なら、まずは儀式場の捕捉だね。付近とわかっているなら君が見落としている可能性があるが…儀式場の近くに必ず術者がいるはず。

…ちなみに、君が接触した人間の中でで入れ替わっていない人間はいなかったかい?

本人の自己申告に限らず、君が認識した、という意味でだが
127 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 22:25:35.41 ID:wHXLnNcn0

オッレルス『術式が名前通りなら、その儀式場の近くに天使と入れ替わった人間が来るはず……だと私は思うが…』

確証は無い。
だが、魔神の域へ足を踏み入れている彼の言葉はなかなかに説得力がある。
フィアンマは少し考え、サーチを軽く張ってみた。が、まだ来ていないようだ。

オッレルス『君ほどの実力があるならば撃退も可能だろう』

北欧神話と十字教神話を組み合わせ、教皇級の結界術式を組める君なら。

そんな言葉に、フィアンマは苦笑いを浮かべる。
確かに自分には知識と力があるが、それでもインデックス達を守る事は出来なかった。
ローマ教皇が被害に遭う程の大魔術とはいえ、守れなかったことには変わりない。

フィアンマ「やりあう事は出来るが、…別に俺様は戦闘狂ではないからな」

オッレルス『平和主義だったね、そういえば』

フィアンマ「…インデックスと五和は」

オッレルス『大丈夫だよ、いたって元気だ。……同情するよ』

はぁ、と両者からため息が漏れ出た。
なるべく早く解決したい。人死は無い方が良いに決まっている。

フィアンマ「少し思いつめていたようだ。お前のおかげで思考が円滑になった、礼を言う。五和とインデックスの身辺保護は、出来る限り…片手間で良い、頼む」

オッレルス『任せてくれ。…君は、一刻も早く解決にあたってくれ。こちらからも、本当に、頼むよ』

この状態のシルビアと暮らすのはキツいんだ、と彼はまたしても泣きそうな声で言う。
フィアンマは肯定的な返事をして、通信を終える。
とりあえず、明日のことは明日考えよう。




翌日。
フィアンマは旅館の一室で普通に目を覚ました。
寝起きの寝ぼけた頭で、しかし指先にて的確に術式を組み上げてサーチする。
ほんの少しだけ反応が窺えた。だが、正確にサーチするには時間がかかる。
あのサングラスをかけた当麻と同い年の魔術師と組んでみるべきか、と思いつつ。
起き上がり、ふらついて横に倒れたところで、柔らかい感触があった。
目を開けて、視線を上げてみる。正座をした状態の、神裂火織だった。

フィアンマ「……何故此処に居る」

神裂「>>129
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:27:54.09 ID:9Na4ByxSO
あなたから目を離すと何するかわからないからですッ


……もう、二度と、あんなマネをさせませんからギュウゥゥゥ
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:28:11.05 ID:d+WFKut90
>>128
130 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 22:41:40.00 ID:wHXLnNcn0

神裂「あなたから目を離すと何するかわからないからですッ」

口ぶりからすると、夜の内に入ってきたのだろうか。
まったく気づかなかったな、とフィアンマは呑気に思う。
別に彼の危険意識が薄いという話ではなく、彼女の侵入が好意と思いやりで50:50だったからだろうが。
彼女は、フィアンマの身体をぎゅうぅぅぅ、と強く強く抱きしめる。
私が守ってみせるのだ、とまるで宣言するかのように。

神裂「……もう、二度と、あんなマネをさせませんから」

あんなマネ。
彼女の視線は、フィアンマの左手首と首筋を行ったり来たりした。
清潔な包帯がまいてあるというのは、それはそれで痛々しさを宿す。
ぎゅう、と強く抱きしめられ、フィアンマの顔は見事に神裂の豊満なバストの谷間に埋もれた。
健全な男性なら皆が皆羨ましい、とぼやく状況である。

フィアンマ(…息が出来ん)

うぐ、と彼は窒息しかかっていた。
聖人の力で、豊満なバストにダイブ。息苦しいのは当たり前である。
こんな間抜けな状態で失神したくはない、と彼は無理やり顔の向きを横へズラした。

フィアンマ「心配せずとも、みだりにあんな事はせんよ。自傷癖は無い」

神裂「…本当、ですね?」

フィアンマ「俺様を疑うのか?」

神裂「いえ、そんな訳では」

フィアンマ「……心配をかけたことについては、謝る。すまなかったな」

怖い思いをさせた、と彼は謝罪した。
神裂は安堵と共に口ごもる。

フィアンマ「時に、火織」

フルネームで呼ぶのが面倒になり。
結果として、彼は彼女をファーストネームで呼んだ。

神裂「>>132
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:43:04.06 ID:9Na4ByxSO
ふぇ?!…ひゃ、ひゃい!
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:43:51.25 ID:d+WFKut90
>>131+//// カァァァァ…

と、ところで何の用ですか、フィアンマ?
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/11(月) 22:43:53.30 ID:jJwe2MxU0
…………えっと、今なんて?
134 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 22:53:01.95 ID:wHXLnNcn0
《えんだああああいやあああ》


神裂「ふぇ?! …ひゃ、ひゃい!」

かあぁあっ、と顔を真っ赤にしながら、彼女は慌てて返事をする。
呂律の回っていない愛らしい返答に、フィアンマは小さく笑った。
呼吸が出来るようになったし、柔らかいものは好きなので、もうしばらくこのままでいたいと思う彼である。

神裂「と、ところで何の用ですか、フィアンマ?」

フィアンマ「先程サーチ術式を仕掛けたのだが、天使を体内に堕とされたと思われる人物を僅かに検出した」

神裂の表情が、照れた乙女のものから、プロの魔術師としてのものへ変化する。

フィアンマ「その人物を追えば、或いは儀式場へ辿り着ける可能性がある」

神裂「そう、ですね。天使であれば、当然『座』に戻りたいと考えるものでしょう」

神裂はようやくフィアンマを解放する。
そして真面目な表情のまま、長考した。

フィアンマ「……悩んでいることがある」

神裂「悩み、ですか?」

解決する力になりたい。
そんな意思が、彼女の瞳から感じられる。

フィアンマ「術者を殺害、及び"魔術を使えない身体"―――廃人にするか、儀式場を破壊するか、…大天使を無理矢理に倒して『座』へ戻すか」

神裂「>>136
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:55:28.04 ID:9Na4ByxSO
下手に大天使と戦うのは避けるとして、優先順位は、儀式場の破壊→廃人→殺害→大天使を倒すでしょうか
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:55:52.68 ID:7xCyseLAO
殺しましょう
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:57:19.62 ID:Gr2cMUvr0
なんとしても儀式場の破壊を最優先しなければなりません。
殺傷は……したくないのです
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:57:51.90 ID:d+WFKut90
>>135
139 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 22:58:01.50 ID:wHXLnNcn0

>>+1のコンマ二桁(右方の赤にかわりまして神の力がお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:55:28.『04』←ココ)で決定


49・94 >>136

それ以外 >>135
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:58:14.94 ID:AD4M02XEP
ha
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:58:23.04 ID:d+WFKut90
ksk
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:58:33.41 ID:AD4M02XEP
え?









え?
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/11(月) 22:58:44.36 ID:jJwe2MxU0
おいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
再安価!希望!
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:59:08.47 ID:d+WFKut90
あらぁ!?
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:59:19.56 ID:9Na4ByxSO
wwwwwwwwww
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 22:59:49.46 ID:Gr2cMUvr0
再安価
これが皆の総意である

マジかよ……
だからクソAOは……
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:00:35.20 ID:d+WFKut90
ねーちんはそんなこと言わない!
多分ジョークだって
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:00:42.41 ID:9XaG7isQ0
クッソワロタ
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:00:43.78 ID:AD4M02XEP
さすが神崎さん
希少コンマでも当ててしまう!
正直すまんかった>>1ならなんとかさばいてくれる
150 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 23:00:58.12 ID:wHXLnNcn0
《俺も真面目にゑ?ってなったわ、いや、捌けなくはないんだが >>137が更新忘れで範囲入ってなかったので再安価しますね、申し訳ないです》


>>+1のコンマ二桁(聖なる右たんprpr [sage]:2013/02/11(月) 22:55:28.『04』←ココ)で決定


94 >>136

それ以外 >>137
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/11(月) 23:01:01.90 ID:jJwe2MxU0
再安価!再安価してくれ!
本当にこれが一生のお願いだ!(懇願)
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:01:54.62 ID:9XaG7isQ0
てか大天使を殺しましょうでいけたんじゃないの
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:02:14.92 ID:AD4M02XEP
最安価かよかった
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:05:43.63 ID:9Na4ByxSO
大天使殺っちまった方がぶっちゃけ早いが物語的には全く盛り上がらないから…

大天使出た→聖なる右ィ!→終了
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:06:07.67 ID:d+WFKut90
>>151
「救済」して欲しいと思ったときには、すでに「救済」は終わっているッ!
>>152
四大天使から力を借りているフィアンマの立場だと、天使は殺しにくい
ガブリエルだと分かればなおのこと
156 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 23:08:21.63 ID:wHXLnNcn0
>>151  23:01:01.『90』 結果:>>137 AOさんすみません、でもほら、神裂さんって殺害・戦闘忌避主義だから… やっぱ聖なる右ってすごいよなぁって訳で風呂行ってきます》


神裂「なんとしても儀式場の破壊を最優先しなければなりません。殺傷は……したくないのです」

それは、彼女が天草式十字凄教に居た頃から、戻った今まで、地続きの思い。

『救われぬ者に救いの手を(Salvere000)』。
それが、彼女の魔法名。
聖人として、自らの幸運故に沢山の仲間を喪って想った覚悟。
神様が、定められた人だけを優遇するのなら。
私は、それ以外の全世界の人々を救う、と。

堕された天使だって、何も好きで堕とされてきた訳ではない。
神裂は、出来ることなら誰も、天使さえも傷つけたく無かった。

フィアンマ「…お前がそう言うのならば、そうするか」

頷いて、彼は立ち上がる。
神裂も続いて立ち上がり、覚悟を決めた。




そんな訳で。
フィアンマは現在、砂浜に木の棒で陣を描いていた。
結界術式などの細かい作業が苦手な神裂は、人が来ないよう『人払い』を敷き、監視している。

フィアンマ「ところで、あのツチミカドというヤツはどうした」

神裂「>>158
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:13:20.72 ID:9Na4ByxSO
術者と儀式場特定に勤しんでいるとは思いますが…
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:13:42.71 ID:d+WFKut90
『儀式場を探してくるにゃー』と言って何処かに出かけていきましたよ?
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:19:44.40 ID:7xxhTgM+0
>>156

糞AOに謝る必要なんて無いですよ
人間の糞なんだから
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:22:40.10 ID:AD4M02XEP
>>159
あんまりそういうこと言ってると……
161 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/11(月) 23:48:29.39 ID:n2BcU0k30
>>159 >>1はね、>>1×読者様をやりたい位、平等に読者様を愛しているんだよ いややりませんけど》


神裂「『儀式場を探してくるにゃー』と言って何処かに出かけていきましたよ?」

フィアンマ「…闇雲、という訳でもないか」

ならば『儀式場』の探索を任せてしまうべきか、とは考えたものの。
やはり格下に全てを任せるつもりにはなれず。
やがて陣を描き終え、術式を発動する。反応が、あった。
そして、正確な座標位置も、きちんと掴んだ。


神裂とフィアンマは、サーチ通り、歩いていた。
やがて、立ち止まる。
彼等の眼前に居たのは、一人の赤い拘束服を身につけた修道女。
その眼光は、どこまでも鋭い。

フィアンマ「…名を名乗れ」

ミーシャ「…ミーシャ=クロイツェフ」

彼女は、名乗った。
フィアンマは、僅かに眉を潜める。

フィアンマ「…お前のその体の名は、本来サーシャ=クロイツェフなのだがね。堕ちてきたのは『神の如き者』―――いや、」

区切って、彼は告げる。

フィアンマ「お前は、『神の力』だ」

『神の右席』に在籍する以上、フィアンマはこと『天使』については知識を持っている。
そして、現時点でズレている四大属性を鑑みて、そう指摘した。
修道女は、黙っている。否、大天使『神の力』が封入された少女の身体は、沈黙している。

フィアンマ「…神裂火織。この近くに儀式場があるはずだ。あまり人気の無い場所を捜してくれ」

神裂が聞き返そうとした途端。
目の前の修道女は、諦めたかのような表情で、おもむろに腕を上へ上げた。
『御使堕し』の儀式全てが執行し終えてしまう前に、帰れなくなる前に、天界と呼ばれる場所へ還る為。

神裂「貴男はどうするというのですか、」

フィアンマ「俺様は、この天使を食い止める。お前はツチミカドと連絡を取って儀式場を破壊しろ」

空が、暗くなった。
『神の力』の効果が最も発揮される、夜空へ転じる。

ミーシャ「―――『一掃』。準fgh備」

術式完全発動まで、約一時間。
儀式場を破壊するか、この大天使を倒すか、術者を殺害しなければ、少なくともこの辺り一帯は人間も含めて焦土と化す。

神裂「>>163
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:52:14.13 ID:99H3jiomo
ksk
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/11(月) 23:54:29.57 ID:9Na4ByxSO
しかし、儀式場は一体……?

どうみてもこんな所で構築できるとは…
164 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 00:06:19.20 ID:1knWIQRZ0

「しかし、儀式場は一体……?」

周囲をざっと見回す。
わからない。

「どうみてもこんな所で構築できるとは…」

思ったところで、通信術式がかかってきた。
土御門元春からだった。

『ねーちん、げほっ、今何処に、ッ、居る』
「現在は、」

神裂は周囲をもう一度見渡し、現在の場所を告げた。
土御門が、通信術式の向こう側で笑みを浮かべたことを、その吐息から感じた。
儀式場を突き止めた、とのことだった。血まみれになって、それでも突き止めてくれたのだろう。
場所は、ここから十分程歩けば辿り着ける廃ビルだった。

「『自分は強いから、周囲は自分に守られていれば良いんだ。』…俺様は、お前にそう言ったな」
「…、フィアンマ…?」
「傲慢だとも言った。…仲間に頼らない、そのことこそが悪いと」

彼は、小さく笑った。

「俺様が偉そうに話していることは全て、これまで俺様ができなかったことだよ」

だから、つまり。
彼は、誰かを信じて身を預けられない傲慢な人間だ。

神裂は、彼の言葉を噛み砕いた。そして、少しだけ悲しくなって、七天七刀を握り締めた。

「―――必ず、戻ります」
「…ああ」






>>166-168で票数が多かった方を描写(1人1票・番号でお願いします)


1.土御門と神裂火織サイド

2.フィアンマと『神の力』サイド
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 00:08:15.67 ID:6a3vB098o
ksk
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 00:11:24.63 ID:6a3vB098o
2
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 00:12:08.85 ID:0g4Pvp9SO
1
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 00:54:58.77 ID:Db+/4wG+0
2
169 :小ネタ:トラウマ  ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2013/02/12(火) 01:07:00.17 ID:1knWIQRZ0
《今日はここまで。お疲れ様でした >>166-188 結果:2.フィアンマと『神の力』サイド》


オッレルス「んん…ん?」よいしょ むくり

テッラ「おはよう。あ、朝食なら先に出来てるからね」

オッレルス「」

テッラ「何よ、バケモン見たような顔して」

オッレルス「………、」ふるふる

テッラ「顔洗ってきなさいよ」

オッレルス「…そうする」




オッレルス(顔を洗ってもダメだった…)

コンコン

ビアージオ「はーい」

オッレルス「」

アックア「いつわ、お客さん?」

オッレルス「」

ビアージオ「あ、何が御用ですか? ご主人様は生憎お出かけ中なんですけど……」

オッレルス「…いや、彼が居ないなら良いんだ。失礼するよ」





オッレルス「…。……ないてない…」ぶわっ
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 01:08:17.60 ID:0g4Pvp9SO
乙オッさんは相変わらず哀れな魔神ポジだなww
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 06:17:14.82 ID:AMBKjM4z0

魔神といえど精神的なダメージは軽減できず、か…
172 :小ネタ:甘味巡り ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 13:15:14.94 ID:P41T0AlAO

ショタ条「なぁなぁおにーちゃん」

フィアンマ「ん?」

ショタ条「れんにゅーだいふくってうまいの?」

フィアンマ「俺様としては美味いと思うが」

ショタ条「じゃあ、にてるし、これあげる」っちょこもち

フィアンマ「……」よしよしよし

ショタ条「わぷっ、くす、くすぐった、…おにーちゃん、あまいもんばっかりたべるよな」

フィアンマ「カプチーノ味一つ」

店員「かしこまりましたー」

ショタ条「きけよ!」


フィアンマ「何だ、お前も食べたかったのか」もっちもっち

ショタ条「あいすできあがりまちなのにちょこもちたべるの…? いや、べつにおれはあいすいらないよ、そうじゃなくてさ」

フィアンマ「?」

ショタ条「あんまりあまいもんばっかりたべてるとびょうきになっちゃうぞ。おれ、がっこうでべんきょうしたんだ」

店員「お待たせしました」

フィアンマ「学校で友人は出来たか?」ちゃりーん もぐもぐ

ショタ条(あれ、やっぱりおれのはなしびみょうに…)

ショタ条「うん、すこしだけできたよ。やすみじかんにはなすくらいだけど」

173 :小ネタ:甘味巡り ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 13:16:24.89 ID:P41T0AlAO

フィアンマ「そうか。いつか親友が出来ると良いな」

ショタ条「、…うん。……でも、しんゆうできなくても、おにーちゃんがおれのしんゆうだからだいじょうぶ。だろ?」へら

フィアンマ「……、…そうだな。俺様と当麻は、親友だ」

ショタ条「……へへへー」

フィアンマ「…新発売の苺生クリームタルト…?」

ショタ条「まてっておにーちゃんさすがにおなかこわすってば!」

フィアンマ「かりんとう饅頭か…食べてみる価値はあるな」

ショタ条「たちどまったかとおもったらそれかよ! どんだけくうの?!」

フィアンマ「かりんとう饅頭と…あ、ずんだ餅からみたらし団子まで一つずつ」

ショタ条(……おとながいなのにかっこよくない…)

フィアンマ「当麻も食べるか?」

ショタ条「これいじょうたべたらはいちゃうよ!」
174 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/12(火) 13:17:37.26 ID:P41T0AlAO

夕方〜夜に来ます。
右方○○の、つまり誰のエロ夢ネタを最初に書くか悩んでます。
ご希望とかありましたらどうぞ。
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 13:19:37.99 ID:u5EghlTD0
ショタ条
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 13:44:14.65 ID:OaP7UWK60

電磁右方かなー。
…全部見てみたいんだけどねぇ。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 14:22:41.04 ID:Ve7JMGjIO
やっぱ最初はインデックスかな
インデックス→御坂→ヴェント→神裂→五和の順でだんだん夢の内容が濃くなっていくのが望ましいww
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 14:35:11.19 ID:OaP7UWK60
冷静になって考えたらフィアンマ勢力やべぇな。
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 16:39:22.32 ID:0g4Pvp9SO
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 16:44:37.45 ID:0g4Pvp9SO
あ、要望って程ではないケドCaseヴェントではヴェント上位の方がぽい気はする
181 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/12(火) 16:46:03.08 ID:P41T0AlAO

右方前方は騎乗位イメージはある

インちゃん・みこっちゃんとかはセクロス妄想まではいかないような
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 17:00:17.78 ID:lDxsWdzDO

体位の中でも騎乗位が一番エロイ気がするのは俺だけなのだろうか?
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 17:03:32.66 ID:AMBKjM4z0
ねーちんは本番前までは妄想できてもそこから先を妄想できない気もする…
真っ赤になって飛び起きそう
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 17:11:36.75 ID:P41T0AlAO

>>1は対面座位が
だいしゅきホールドとかエロいね

ねーちんは前戯までか…なるほど
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 17:16:20.48 ID:lDxsWdzDO
>>184
対面座位にだいしゅきホールド……だと…、相変わらず>>1様は私の予想が及ばない想像以上の結果を出してくれる…
186 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 18:54:35.17 ID:V7tamIlq0
《ショタ条エロか…このスレの読者様でホモ苦手な方はどれ位居るのだろうか》


ミーシャ=クロイツェフと名乗った、修道女の見目である大天使は。
しかしながら、その見目を徐々に変貌させつつあった。
伝承にあるように、慈愛と冷酷さに満ちた大天使"らしい"姿に。
水の象徴にして青を司り、月の守護者にして後方を加護する者。
彼女は『一掃』の準備を邪魔されないよう、フィアンマへ攻撃を加える。
フィアンマは『人払い』を撒き、安定した『聖なる右』にて攻撃を防いだ。
彼は静かに"彼女"を見上げる。
ロシア成教所属修道女サーシャ=クロイツェフという少女ではなく。
馬鹿げた大魔術によって無理やり堕とされた、哀れな大天使を。

「…あらかじめ、神は天国に行く人間、地獄に行く人間を決めている」

全ては予定調和。
決められた人間が優遇され、決められた人間が冷遇される。
右方のフィアンマが幸運であるように、上条当麻が不運であるように。
神の下には皆平等と謳っておきながら、実際にはそうでもないことをフィアンマは知っている。

「お前が余計に殺した分だけ、予定が崩れる。わかっていても、やるんだな」
「…fxghizjs」

彼女が何を言ったのか。フィアンマには、その言葉の意味がわかる。

「……安心しろ、『神の力』」

彼の右肩から、ゆらりと巨人の腕のようなものが現れた。
『第三の腕』。或いは、『聖なる右』と呼ばれるもの。

「zgwhijohbhvg」
「―――俺様は、お前の味方だよ」

『神の力』と『神の如き者』の一撃がぶつかり合い、そして。



上条当麻は、目を覚ました。
気付けば、昼時である。
ぐぐ、と伸びをしていると、襖が開いた。
入ってきたのは老人―――ではなく、巫女服の少女、姫神秋沙。

姫神「上条くん。おはよう」

上条「…おはよ。お帰り」

姫神「? 何の。話」

上条「いや、何でもない」

解決したのか。
上条は起き上がり、一旦姫神から離れて連絡をした後、フィアンマの下へ向かった。

彼は砂浜に座り、海水を隣の誰かにかけていた。

その左隣には―――何か白い2m程の女性より女性らしい白いシルエットの人外。

上条「……フィアンマ」

フィアンマ「ん?」

声をかけると、フィアンマが振り返った。

上条「…あのさ。…その隣の、…ナニ? 誰?」

フィアンマ「……『神の力』だ」

上条「……え、いや、…え?」

フィアンマ「『御使堕し』は無事解決したぞ。儀式場は破壊されたし、術者は捕縛した後に適切な場所へ引渡したしな」

上条「……え、じゃあ何で『神の力』がそこに居るんだ?」

ガブリエル『cvw仕方gbh照ij』

フィアンマ「…色々とあってな」

上条「色々って何だよ」

フィアンマ「…>>188
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 18:58:06.01 ID:xsDjHGGY0
俺様の『第三の腕』の効果かわからんが……このカブリエルはこの世界に留まったらしい……言っとくが俺様だって予測していなかった……
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 19:00:59.38 ID:AMBKjM4z0
>>187
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 19:01:02.60 ID:u5EghlTD0
ガブリエルに惚れられたらしい
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 19:07:48.89 ID:xsDjHGGY0
このままていとくんや風斬と接触して天使同盟でも作るかwwwwww


あと自分は百合はまだしもホモは無理(ショタはまだ可)
それでもおねショタ派の方が好きだという変わり者。でも>>1の文書は好きだから読むけどね
191 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 19:11:07.32 ID:V7tamIlq0
《天使同盟はパクリになっちゃうから…良くない 蛇足しか拝読したことないけど あ、じゃあエロは名前欄にカプ表記して伏字レスにするので、見たいものだけドラッグでお願いします》


フィアンマ「…俺様の『第三の腕』の効果かわからんが……この『神の力』はこの世界に留まったらしい……言っておくが、俺様だって予測していなかった……」

どこか落ち込んでいるようにも見える。
天使を堕天させてしまったのだから、彼の罪は非常に重い。
先程から海水を彼女にかけているのは、彼女が水を司る天使だから、だそうだ。

上条「そ、…そっか…その子、っていうか、…どうするんだ?」

フィアンマ「…どうするも何も、一応は連れて帰るつもりではいるよ。俺様位にしか抑えられんしな」

ガブリエル『xeyv貴男ubiwj住処oh』

フィアンマ「そうだよ。…お前は戻りたいのではなかったのか」

ガブリエル『hgxv暫bjlanksbx居vc後jehw戻jo』

フィアンマ「…天使らしからぬ発言だな」

俺様の奇跡が大天使に意思を与えたのか、などとフィアンマは本気で落ち込んでいる。
落ち込みながらも諦めがついているようだ。

フィアンマ「……という訳で、帰るとするよ」

上条「ん、またな」

フィアンマは立ち上がり、自分の服についた砂をぱっぱと手で払う。
そして、『神の力』と共に、その場を去った。




そうして、フィアンマはミラノへ帰って来た。
左手はほとんど治りかけているので、包帯はもう巻いていない。
しかし、この首筋の包帯を見られたらうるさそうだなあ、と思いつつ。
自分をじっと見つめてくる『神の力』から威圧感のような気迫を感じながら、フィアンマはアパートメントに近づく。
と、そこには隣人であるオッレルスが居た。
彼はフィアンマを見て、『神の力』を見て、僅かに眉を潜める。

オッレルス「………、」

フィアンマ「…やはり、天使を堕天させたともなると、俺様は地獄行きだと思うか?」

ガブリエル『sxf其wsghj無zihsxkw』

フィアンマ「お前は黙っていろ」

オッレルス「>>193
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 19:12:52.91 ID:xsDjHGGY0
そういう例とか見たことがないからなんともいえないけど……とりあえず様子を見てみれば良いんじゃないかな?
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 19:14:01.35 ID:Ve7JMGjIO
危険はないのか?
194 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 19:22:21.01 ID:V7tamIlq0

オッレルス「危険はないのか?」

問題点はそこだけだ、と彼は言う。
別に鬼心ではないだろう。真面目な心配である。
フィアンマは彼女を見やり、僅かに首を傾げる。

フィアンマ「…どうかな。お前や俺様と同じだと思うがね」

世界を滅ぼす程の力を持っていたにせよ。
冷静な判断があれば力をみだりに振るう事は無い。
そう遠まわしに言って、フィアンマは続いて苦笑した。

フィアンマ「…最も、認識にすり替えのようなものが起きている以上、俺様が滅ぼせと命ずれば街の一つや二つは焼き尽くすだろうが」

オッレルス「なら、かえって安心かな」

それは、信用されているということだろうか。
そもそも街を滅ぼすつもりは微塵もないフィアンマは、オッレルスとの会話を打ち切って自宅扉へ手をかけた。
鍵を開け、ドアを開ける。中にはゴツいおっさん二人―――ではなく、可憐な少女が二人居た。

五和「お帰りなさ…」

インデックス「……フィアンマは、またフラグを立ててきたんだね」

フィアンマ「……コイツはそういうものでは、」

ガブリエル『whji照abvhgzcydxf』

フィアンマ「……」

五和「そ、…その、方は?」

明らかな人外に、五和はほんの少し怯えを見せている。
インデックスに至っては、女性よりも女性らしいスタイルを持つ人外を連れて来たフィアンマに怒っていた。

フィアンマ「……>>196
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 19:23:29.43 ID:0g4Pvp9SO
ま さ に ア ラ イ ア ン ス wwww

安価↓
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 19:23:40.33 ID:xsDjHGGY0
信じられないかもしれんが、俗に言う“天使”だ
197 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 19:31:54.34 ID:V7tamIlq0
《同時期じゃなくて良かった…>>1の文章力的に絶対叩かれてしまう》


フィアンマ「……信じられないかもしれんが、俗に言う“天使”だ」

五和「てん、っ」

インデックス「天使!?」

インデックスは魔力を精製出来ない。が、二人共魔術師だ。
そして、十字教徒である。当然ながら、四大属性や天使についてはきっちりと学んでいる。
彼女達は、疑うような目で、或いは見定めるように、じっと『神の力』を見つめた。
見つめられている彼女はというと、彼女は彼女でフィアンマを見つめている。

フィアンマ「…先程から何故お前は俺様ばかりを、」

ガブリエル『cdfg言xuw味方hbzv』

フィアンマ「……確かに言ったが、…そういう意味ではない」

味方でいるとは言ったが、それは"還してやる"という意味だったのだ。
だがしかし、彼女はプロポーズ的意味合いに捉えてしまったらしい。
方法によっては『神上』にすら到れる素質を持つフィアンマを、もはや神と同一視しているようだ。
なので、こうして熱心に見つめている訳なのである。健気と言えば健気、といったところか。

五和「て、…天使…本物の…」

五和は、混乱を落ち着けようと深呼吸を繰り返している。
インデックスはというと、ガブリエルからフィアンマへ視線を移した。

インデックス「……本物の大天使様を堕天させたの?」

フィアンマ「………」

インデックス「……」

フィアンマ「……まさかこうなるとは思わなかったんだ」

インデックス「>>199
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 19:34:12.89 ID:0g4Pvp9SO
えー……

ちなみにこれからどうするの?この天使サマ…

何をお食べになるんだろ…板チョコとかばうむくーへんとか食べるかな
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 19:37:58.80 ID:xsDjHGGY0
200 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 19:42:35.88 ID:V7tamIlq0

インデックス「えー……」

着ぐるみではない。人間ではない。
インデックスは敬虔な為、嫉妬をやめて思考を切り替えた。

インデックス「ちなみにこれからどうするの? この天使サマ…」

フィアンマ「…暫く此処に置く」

適切に戻すには、術式準備に時間がかかる。
なので、何をどうしても家に置くしかないのだ。
インデックスはそれも仕方ないと諦め、、うーん、と考え込む。

インデックス「何をお食べになるんだろ…板チョコとかばうむくーへんとか食べるかな」

言いながら、彼女は戸棚を漁る。
フィアンマはドアと鍵を閉め、ガブリエルへソファーへ座るよう言った。
彼女はフィアンマに逆らわないともう既に決めているらしく、従順に腰掛ける。
そんなガブリエルへ、インデックスは板チョコを差し出した。

インデックス「よ、よろしければどうぞ、なんだよ」

敬虔な教徒としては、本物の大天使を目にすると感動や畏怖を覚えてしまうもの。
やや緊張しているインデックスより板チョコを受け取り、ガブリエルはしげしげとそれを眺めた。

フィアンマ「…そもそも、お前はその体で物を食べる事が出来るのか?」

ガブリエル『>>202
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 19:45:42.38 ID:0g4Pvp9SO
jgta@貴方ptm食agjw?←フィアンマの目にガンガン押し付け
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 19:46:05.50 ID:VvvDwZUO0
もちろん
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 19:52:01.66 ID:AMBKjM4z0
>>202
普通に喋れるのかよwww
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 19:52:27.73 ID:xsDjHGGY0
>>1がうまく改変してくれるさ
205 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 19:57:59.81 ID:V7tamIlq0

ガブリエル『fx勿eghw』

頷いて、彼女は意外に器用な手先で包装を剥ぐ。
そして、布の凹凸が形作る艶かしい口元へと宛てがって。

ガブリエル『………』

ダメだった。
本人は食べる気満々であったようだが。
彼女はやや落ち込んだ様子で、じっとフィアンマを見つめてくる。
まるで神に指示を請う天使のようだ―――というかまんまである。

フィアンマ「…分かった。分かったから、そんな目で見るな」

インデックス「どうするの?」

フィアンマ「こうするんだよ」

彼は唐突にナイフを取り出し、その刃先を自分の指先に宛てがう。
ほんの少し出た血液で、指でナイフ側面に何かの文字を綴る。
そして、何も怖がる様子の無い大天使『神の力』の口元へ、切れ目を入れた。
人間であれば泣き叫ぶような苦痛だが、彼女には痛覚というものが無い。

ガブリエル『scwvj疑問kbhhl』

フィアンマ「……これで良いか」

布の凹凸を無理矢理に切って口を作ってやったフィアンマは、未だ血の出ている指先を口に含みつつナイフをしまい込む。
大天使の体への干渉。天使を専門とする『神の右席』に長く居る人間だからこそ出来る罪深い芸当だ。
彼女は作ってもらった口へ、今度こそ板チョコを放り込む。そして、咀嚼のような動きを見せた。

フィアンマ「……お前に味覚があるのかどうかは不明だが、…美味いか?」

ガブリエル『>>207
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 20:01:09.29 ID:AMBKjM4z0
ewr美味skochd?
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 20:02:59.63 ID:0g4Pvp9SO
ガブの口<た、助けてくれェェェェ!!!や、やめ、グギャアアア!!!!!tjgttj@admt

……dajt美味w@
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 20:05:57.60 ID:AMBKjM4z0
>>207
? 何が起こっているんだ?
209 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 20:14:19.28 ID:V7tamIlq0

彼女の口は、咀嚼のような動きをする度にメキョメキョという氷を砕いたような音がする。
口に意思があるとすれば『た、助けてくれェェェェ!!! や、やめ、グギャアアア!!!!! tjgttj@admt』といった感じだろうか。
しかし、彼女はどこか満足そうな様子で一言こう答えた。

ガブリエル『……dajt美味w@』

フィアンマ「………」

目立った強い自我や意思が無いというのも大変だな、とフィアンマは思う。
彼女はそのまま、板チョコをボリボリボリと噛み砕く。
その度に口の中も砕けているのか、氷を叩き割っているような音がする。
コイツに食べ物を与えるのはやめよう、とフィアンマは密かに思った。

五和「……と、とりあえずお食事用意しますね」

フィアンマ「ああ、頼む」

インデックス「私もお手伝いするんだよ」

珍しくインデックスがそんなことを言い出したのは、ガブリエルと一緒に居るのが恐ろしいからだろう。
当の大天使はマイペースにボリボリと口内を滅茶苦茶にしながら板チョコを食べているが。

ガブリエル『cxtu感謝vywbuia』

フィアンマ「……そうか」

ガブリエル『cxvwbh貴jshi神の如き者gyft似fxyge』

フィアンマ「だろうな」

神の如き者に似ている、と褒められた。
フィアンマはさらりと流して、ガブリエルの様子を眺める。
感情や意思の生まれつつある彼女は、なるべく刺激したくない。

ガブリエル『xcts好vyguhsfvgcj』

フィアンマ「…………今何と言った?」

ガブリエル『>>211
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 20:19:11.98 ID:0g4Pvp9SO
tjptwadjg,japgjwmjg///
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 20:20:34.99 ID:e+EDCqH20
貴男が好き
212 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 20:32:47.40 ID:V7tamIlq0

ガブリエル『xcvws貴uh男kvwj好fexgyuhew』

フィアンマ「…落ち着け。考え直せ」

ガブリエル『dcufyigzw真実hoswvcgx』

大天使に愛される、というのは褒めに近い表現ではあるものの。
こうして実際に愛されてしまうのは、非常によろしくないことだ。
ガブリエルはというと、やや照れた様子を見せている。

フィアンマ「そもそもお前に好かれる要素が無いだろう」

ガブリエル『cgu味方hws言ivk神の如き者cg似jkyfxuh奇跡iwzj感情ojkhj口gb与vhf知gx』

フィアンマ「……そんなことで、か?」

ガブリエル『cxtfy重要ugwzhiaugw』

彼女はじーっとフィアンマを見つめている。
当然、彼女の気持ちに応える訳にはいかないフィアンマは、無言のままに肩を竦めた。



八月三十一日。
つい昨日オッレルスと協力して『神の力』を無事天界へ還したフィアンマは、自分が右方のフィアンマであると彼に名乗った。
薄々そんな気はしていた、と語るその口ぶりが嘘臭くない辺り、流石は魔神のなり損ないといったところだ。


そうして、今現在。
右方のフィアンマはインデックスを攫われた為、助けに向かっていた。
遠隔制御霊装を用いて無理やり連れ戻さないのは、彼なりの思いやりである。

フィアンマ「……何が目的だ」

縄で組まれた結界術式を普通に乗り越えて、彼は足を踏み入れる。
インデックスを攫ったのは、一人の男、一人の魔術師。

闇咲「>>214
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 20:37:24.21 ID:xsDjHGGY0
お前にも守りたいものがいるように俺にも助けたい人間が居ると言うことだ……
安価↓
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 20:37:45.23 ID:0g4Pvp9SO
話が飛ぶなぁ…

安価なら

娘の呪い解くため
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 20:38:11.83 ID:AMBKjM4z0
>>213+簡潔に言おう。そのために彼女の「知識」が必要なのだ。
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 20:42:13.73 ID:xsDjHGGY0
この世界のエツァリはショトチトルと仲良くやってんのかな……
シェリーとか法の書とかどうなるんだろうか?
217 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 20:49:59.82 ID:V7tamIlq0
《上条さんじゃないから起こらない問題も多い(=事件が少ない)…エツァリさんは出ないと思います、上条勢力はないので…恐らく平穏に過ごしていると 法の書とかどうしよう…》


闇咲「娘の呪いを解くためだ」

フィアンマ「…たかがそれだけの為に、ローマ正教二○億を敵に回すか」

闇咲「私はもう失敗する訳にはいかないのだ」

言いながら、彼は梓製の弓を取り出す。
日本神道系の霊装だった。
彼は淡々と、それを指で一度引き鳴らす。

闇咲「『衝打の弦』」

衝撃波が跳んだ。
フィアンマではなく、五和がそれを払う。
五和の扱う術式もまた、日本神道系の色合いのある十字教術式だ。
身の回りのものを駆使して、衝撃波を打ち消す。

五和「ご主人様は私が守ります」

フィアンマ「…ご苦労」

彼は一歩踏み出し、闇咲の間合いへ入る。
そして何の感慨も無く、彼の腹部に蹴りを突き入れた。
そのまま右手で梓弓に触れ、バキリと握り潰す。

闇咲「ぐ、ッ」

フィアンマ「その娘の呪いを解かねば、娘はどうなる。事の次第によっては救ってやらんでもないが」

男は、後ずさって体勢を立て直す。

闇咲「>>219
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 21:01:55.90 ID:xsDjHGGY0
キサマに何がわかるッ!彼女がどんな気持ちで今を過ごしているか……ッ!
安価↓
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 21:02:07.65 ID:AMBKjM4z0
その台詞はもう聞き飽きた…
どれだけ金を積もうと、何回頭を下げようとも…誰一人娘を救おうともせずにさじを投げた…
もう誰の手も借りぬ…
この命が蝕まれ消えようと、私は娘を救う!
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 21:04:02.95 ID:AMBKjM4z0
>>1すいません、二行目と三行目の間に>>218を追加してもらえますか?
221 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 21:13:52.10 ID:V7tamIlq0

闇咲「その台詞はもう聞き飽きた…」

ギリ、と彼は歯軋りをして。
懐から、札のようなものを取り出す。
どうやら彼の専門は日本神道系のようだ。

闇咲「どれだけ金を積もうと、何回頭を下げようとも…誰一人娘を救おうともせずにさじを投げた…」

沢山の魔術師に頼った。
沢山の医者に頼った。

だが、誰一人として彼女を救えなかった。

闇咲「キサマに何がわかるッ! 彼女がどんな気持ちで今を過ごしているか……ッ!」

心細いだろう。
哀しいだろう。
辛いだろう。
痛いだろうとも思う。

それでも、自分を心配するなと、彼女は笑っていた。
きっときっと、死ぬ寸前まで、彼女は笑っている。

闇咲「もう誰の手も借りぬ…」

彼は札を撒き、自分の血液も撒く。
呪術の一種だろう、魔術的現象が発生した。

闇咲「この命が蝕まれ消えようと、私は娘を救う!」

例え死ぬ思いをしても。いいや、死んでも。
きっと、彼女を救ってみせる。
子供のような瞳をした黒いスーツの男に、敵意が宿る。

フィアンマ「……、」

インデックスは、ようやく、口を塞いでいたガムテープを無理やり舌や歯で剥いだ。
荒い息を繰り返しながら、フィアンマを見る。
闇咲の攻撃に彼がちょっと本気を出して反撃すれば、闇咲は死んでしまうだろう。

インデックス「>>223
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 21:17:04.93 ID:xsDjHGGY0
あなたの気持ちはわかったんだよ……その人があなたの大切な人なら私の魔術名にかけて助けるよ
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 21:18:30.39 ID:AMBKjM4z0
>>222
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 21:18:41.41 ID:gEtOQoqp0
>>222
225 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 21:26:49.80 ID:V7tamIlq0

インデックス「あなたの気持ちはわかったんだよ……その人があなたの大切な人なら、私の魔法名にかけて、助けるよ」

だから、攻撃を中止して欲しい。
彼女の言葉に、しかし闇咲は耳を貸そうとはしなかった。
自分の手でやらなければ、そう思い込む程に、彼は絶望したのだ。
フィアンマは言葉を紡ぐことなく、ただ、右手を振った。
その動きだけで、魔術的現象が霧散する。

インデックス「っ、フィアンマ、この人を殺しちゃダメっ!」

私利私欲の為ではないのだから、と彼女は必死に首を横に振る。
闇咲の攻撃を、時に五和に任せ、時に自ら振り払って、彼は歩み寄っていく。

フィアンマ「…金を積まずとも良い。頭を下げろとも言わん。俺様は今さっき、お前の娘を救う理由が出来た」

闇咲「何を、ッ」

フィアンマ「……だから、俺様はもはや、お前がやめろと言っても、その女を救うぞ」

梓弓の副次的効果。
闇咲の心の一端は、フィアンマへ伝わった。
その女を救わなければ、インデックスが殺してはならないとこの男が死ぬ。
それは、彼が動くに充分な『理由』。

フィアンマ「俺様は、その女を救う。気を失っている間に記憶を引き抜かれるか、意識のあるままに俺様へ委ねるか。お前はどうする。何にせよ、俺様はお前の救いたい女を救うぞ。…『神の子』に等しい、悪霊祓いの力の宿った右手を用い、確実に」

有無を言わせない口調だった。
彼は、いたって真面目に、冷静な瞳でそう言う。

闇咲「>>227
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 21:40:18.42 ID:AMBKjM4z0
何を言おうと退かぬつもりだな…
頼んだぞ…『神の子』
227 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2013/02/12(火) 21:41:45.93 ID:V7tamIlq0

>>225
×ならないと
○ならないと言った


安価下
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 21:49:08.45 ID:/+PeZ7Tg0
>>226

229 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 21:55:05.65 ID:V7tamIlq0

闇咲「何を言おうと退かぬつもりだな…」

元々勝てるとは思っていなかったのだろうか。
彼は、静かに項垂れる。無駄な抵抗を、やめた。
これで他者に縋るのは、本当に最後にしようと決めて。

闇咲「頼んだぞ…『神の子』」

言って、彼は助けたい娘の居る場所を伝えた。
とある病院の一室、それも個室だった。

フィアンマ「…分かった。五和、インデックスと共に戻れ」

インデックス「私も行、」

フィアンマ「ダメだ」

インデックス「…どうして?」

フィアンマ「…」

インデックス「…理由を言ってくれないと納得出来ないかも」

フィアンマ「>>231
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 21:57:17.15 ID:xsDjHGGY0
……お前は巻き込まれて疲れているだろう。帰って休め
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 21:58:12.27 ID:AMBKjM4z0
>>230
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 21:58:25.79 ID:CdJOygU80
の・こ・れ
233 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 22:07:17.71 ID:V7tamIlq0

フィアンマ「……お前は巻き込まれて疲れているだろう。帰って休め」

本音を言えば、彼女をこれ以上厄介事に巻き込ませたくないだけだった。
加えて、自分が居れば、インデックスが居る必要が無い。
一人で救えるのなら、一人で良い。二人は必要無い。
インデックスは暫く黙って不満そうな態度を取った後、五和と共に去っていった。
フィアンマは闇咲と共に、女性の下へと向かう。


病室のベッドの上。
人工呼吸器を装着した女性は、呪いに蝕まれ、今にも死んでしまいそうだった。

闇咲「……」

闇咲は、沈黙している。
期待と哀調が交錯した。

フィアンマ「…始めるぞ」

言って、彼は右手を翳した。
一言、理解し難い詠唱のみを漏らす。
やがて、黄金の中に赤の入り混じった光が、彼の右手から現れ、やがて部屋を満たしていった。
その優しい光が触れた場所から、彼女の呪いに侵されたガサガサの皮膚が元に戻っていく。

フィアンマ「…、」

彼は指先を動かす。
呪いを返すことで、完全に祓った後、そのまま治癒をした。
そして、右手を引く。

女性の目が、開いた。

女性「………? あ、れ…ここは…?」

フィアンマ「…呪いは返しておいた。ここまで重い呪いでは、恐らく自滅するだろう」

言って、彼は二人に背を向けた。

フィアンマ「満足したなら、禁書目録にはもう関わるなよ」

闇咲「>>235
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 22:10:07.64 ID:xsDjHGGY0
待ってくれ!……せめて、恩人の名前だけは知っておきたい。教えてくれないか?
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:10:49.93 ID:xZO/XjYAO
ああ、性欲処理の道具は一つで充分だ
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:10:54.75 ID:VvvDwZUO0
>>234

あとお礼もしたい
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:11:11.73 ID:0g4Pvp9SO
かたじけない……!

この恩、決して忘れん…ッ!
238 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 22:14:23.66 ID:V7tamIlq0

>>+1のコンマ二桁(右方の赤にかわりまして未元物質がお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 22:10:07.『64』)で闇咲の台詞決定


00〜35 >>237

94 >>235

それ以外 >>234
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:15:30.67 ID:AMBKjM4z0
ksk
240 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 22:22:39.41 ID:V7tamIlq0
>>239  22:15:30.『67』 結果:>>234 ご協力ありがとうございます》


闇咲「待ってくれ!」

呼び止められ、フィアンマは立ち止まる。
振り返らない彼に、闇咲は、歓喜に震えた声で問いかける。

闇咲「……せめて、恩人の名前だけは知っておきたい。教えてくれないか?」

問いかけに、フィアンマは十秒程沈黙した。
そうして、少しだけ困ったように、告げる。

フィアンマ「…ミハエル=ケールだ」

それで良い。
言って、今度こそ、彼は病室を出て行った。



同じく、八月三十一日。
学園都市最強は、退屈そうに歩いていた。
あのバケモノに負け、諭された日から。
自分は何かが変化してしまった。腑抜けている。
そんな折、彼は話しかけてくる何者かに、ようやく気づいた。
雑音<スキルアウト>だと思い、音ごと反射していたのだった。

打ち止め「>>242
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:28:34.68 ID:AMBKjM4z0
ねーねーお兄さん聞いてるの?ってミサカはミサカはたずねてみたり!
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 22:29:19.93 ID:xsDjHGGY0
243 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 22:35:16.07 ID:V7tamIlq0

打ち止め「ねーねーお兄さん聞いてるの? ってミサカはミサカはたずねてみたり!」

『音』を含めた反射をやめ、デフォルトのそれへ戻した途端。
何だか目の前の怪人チビ毛布が、妙な事を言い出した。
お兄さん聞いてるの、まではわかるものの。

一方「…『ミサカ』だと?」

打ち止め「あっ、やっと気づいてくれたねってミサカはミサカは安堵してみたり。あのね、このミサカはミサカネットワークのコンソールとしての役割を果たすミサカ20001号、通常打ち止め(ラストオーダー)って言うのってミサカはミサカはあなたが元被験者一方通行であるとの確信を持ってミサカ…あれ? 今ミサカって何回言ったかなってミサカはミサカは首を傾げてみる」

一方通行の知る妹達とは、随分年齢が違う。
今、コンソールがどうこうと言っていたし、恐らく生ける入力装置なのだろう。
そして、入力装置は扱い易いに限る。
故に、敢えて幼いまま、未完成のままでいさせたのだろう、と一方通行は予測した。
確かに顔をよく見てみれば、妹達のそれである。表情豊かなものだが。

一方「…で、俺に何の用だ」

打ち止め「>>245
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 22:36:40.67 ID:xsDjHGGY0
早速だけどミサカを助けてほしいなーってミサカはミサカは子犬のような目でお願いしてみたり ウルウル
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:37:20.21 ID:xZO/XjYAO
天井と結婚したいから仲を取り持ってくれ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:37:27.16 ID:AMBKjM4z0
>>244
247 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 22:41:33.76 ID:V7tamIlq0

打ち止め「早速だけどミサカを助けてほしいなー、ってミサカはミサカは子犬のような目でお願いしてみたり」

彼女はうるうると瞳を潤ませながら強請る。
面倒臭い、と一方通行は率直に思った。

打ち止め「お願いしますー、ってミサカはミサカはぺこりと頭を下げてみる」

一方「他当たれ」

打ち止め「そんなご無体な!? ってミサカはミサカは、っ、あっ待ってー!」

歩き出してしまう一方通行に、打ち止めはついていく。
彼は、ちらりと打ち止めを見やった。
少し、顔色が悪い。体調が悪そうだ。

一方「…っつゥかよォ。…助けて欲しいってなンなンですかァ? 俺は医者じゃねェぞ」

打ち止め「>>249
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:45:39.62 ID:648CCVoAO
加速
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:45:44.48 ID:xZO/XjYAO
あなたの子供を妊娠しないと木原が仕掛けたウイルスが発動しちゃう。だからエッチして
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:47:41.32 ID:0g4Pvp9SO
ミサカの体調回復もそうだけど、あなたに一役買って欲しい事は、ミサカの頭の中のウィルス除去なのって、ミサカはミサカは頭痛と吐き気を押さえつけながらあなたにアイフルCMチワワの目で懇願してみたり
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:47:46.86 ID:AMBKjM4z0
頭が痛いの、ってミサカはミサカはうなってみたり
252 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 22:55:52.43 ID:V7tamIlq0

打ち止め「ミサカの体調回復もそうだけど、あなたに一役買って欲しい事は、ミサカの頭の中のウィルス除去なのって、ミサカはミサカは頭痛と吐き気を押さえつけながら、あなたにアイフルCMチワワの目で懇願してみたり」

一方「…ウイルス?」

打ち止め「具体的にはどんなウイルスかはわからないけど、通常コードを上書きすれば消える筈ってミサカはミサカは…痛ったたた」

彼女は、小さい手で自分の頭をさする。
吐き気も強いのか、息は乱れていた。
一方通行は、自分の手を見つめる。
確かに、自分にはベクトルを操る力がある。
そして、生体電気を操る力だって、ある。

だが、それがどうした。

だからといって、目の前のこのガキを救う理由になるのか。
散々殺してきたこの手で、今更誰かを救うなどと、平然と宣うつもりなのか。

打ち止め「研究所にバックアップがあるはず、って…みさ、か…は」

彼女は吐き気に耐え切れず、しゃがみこむ。
一方通行は、彼女を見下ろし、違うことを考えていた。

『…俺様があのクローンを助けたのは、お前の言うところのオリジナル…御坂美琴が、そのクローンを助けなければお前に攻撃を食らわせて反射されて死ぬと言い出したからだ。お前が猿を殺す予定だったとしても、俺様はお前を殴りに行っていたよ。御坂美琴を死なせない為に』
『……』
『死んで良いのは、死んだ際に誰にも悲しんでもらえない人間だけだ。ただの一人も悲しんでくれないのなら、死んでしまっても良いと、俺様は思う。あのクローンは、御坂美琴が死んで欲しく無いと思った時点で、死んではいけない存在へと昇華された』
『なら、胎児堕胎はどォなンだよ』
『堕胎か。母親も父親も、その胎児の存在に居て欲しいと思っていない上、その胎児に生きて生まれてきて欲しいと思う人間が一人も居ないのなら良いんじゃないか?』

『もっとも、悪魔の証明だ。殺す側が語る理論では無い』

打ち止めを救わなくて良い理由はない。

けれど。

打ち止めを救うべき理由は、きっとこの世界のどこかに存在する。

一方「………、」

だから彼は、決めた。救おうと、思った。
正義感など無い。ただ、悪魔の証明に従うだけ。

一方「…仕方ねェ」

自分がやるしか、ないのなら。
あのバケモノに殴られるのは、もう真っ平ゴメンでも、あるし。
何やかんやと言い訳をつけ、一方通行は、動く。



右方のフィアンマは、家へ帰って来た。
五和は丁寧に部屋掃除をしている。
インデックスは疲れていたのか、眠っていた。

フィアンマ「ご苦労だったな。怪我はしていないか」

五和「>>254

253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 22:57:40.18 ID:xsDjHGGY0
はい。大丈夫です

それよりお疲れ様です、主人様
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:57:48.59 ID:k/Hm6AN00
>>253

255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:58:11.44 ID:0g4Pvp9SO
悪魔の証明好きねww
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 22:59:40.46 ID:AMBKjM4z0
>>255
そりゃ厨二病が抜けきって無いんでしょ
257 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 23:02:57.98 ID:V7tamIlq0
《うみねこの影響で…てへぺろ …厨二だったのか…俺…》


五和「はい。大丈夫です」

掃除を終え。
五和は手の甲で汗を拭い、掃除道具を片付ける。
そして改めてフィアンマの前に立ち、柔らかな笑みを浮かべた。

五和「それよりお疲れ様です、ご主人様」

フィアンマ「……さほど疲れてもいないがね」

かといって元気という程でもない。
フィアンマは静かに歩き、インデックスに近寄る。
そして、静かに彼女の寝顔を覗き込んだ。
何か美味しいものの夢でも見ているのか、幸せそうで、時々口がもぐもぐと動いている。
彼女の寝顔に、フィアンマは表情を和らげた。
薄い笑みすら浮かべて、彼女の寝顔を見つめる。
そんな二人に、五和は視線を落とした。

五和(………私、じゃ)

勝てない、のだろうか。
思って、唇を噛み締める。
血液が出る程に、強く強く噛み締めた。
悔しいが、インデックスを嫌いという訳ではなく。

フィアンマ「…どうかしたのか」

気付けば、彼はインデックスの寝顔を眺めるのをやめていた。
五和の様子に気がつき、首をかしげている。

五和「>>259
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:05:27.72 ID:0g4Pvp9SO
後ろから抱きついて

………私じゃ、ダメですか……?サワサワ
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 23:05:28.70 ID:xsDjHGGY0
……変な事聞きますが、ご主人様が好きな女の人のタイプはなんですか…?
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 23:06:52.91 ID:xsDjHGGY0
ごめん。変更できれば>>258にしたい
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:12:16.64 ID:TLBrU0D1o
>>234
262 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 23:14:54.92 ID:V7tamIlq0

「……変な事を聞きますが、ご主人様が好きな女の人のタイプはなんですか…?」

問われ。
フィアンマは、黙秘権を使おうかと、考えた。
だが、インデックス相手と違い、冗談の応酬の流れではない気がする。
真面目に答えて欲しい、という意思が、その雰囲気から感じられた。
彼女は、俯いて。彼の答えを、静かに待つ。
明らかに、逃れられる状況ではない。
フィアンマは質問そのものから逃れるように、彼女へ背を向けた。

そんな彼の、背中に。
後ろから。
五和は、そっと抱きついた。
細身ながらも、柔らかな胸の感触が、フィアンマの背中に触れた。

「………私じゃ、ダメですか……?」

さわさわと。
彼女の両手が、彼の腹部で結ばれる。
密着した状態で。彼女は知らず知らず、泣きそうな声で、そう言った。
悪いことだ、と思う。優しい彼に、泣き落としをしようとするなど、卑怯だ。
こんなことをされても、彼が困ることはわかっているのに。離れがたい。

「………俺様は」

彼の名称、右方の炎とは反対に。
落ち込んだ、暗い、低い声で。
フィアンマは、言葉を返した。答えを、返した。

「……俺様は、もう、誰も愛せない」
「……?」
「好きなタイプも何も、…誰かを好きになることが、出来ない」

"そういう"意味で。
きちんと、誰か一人を愛することが出来ない。
気遣いではなく、真実のままに、彼はそう言った。

「お前でも、インデックスでも、…誰でも。……俺様は、心を開くことはできても、…愛することは出来ない。そういった意味で、好きになれない。大切に出来ない。特別に、出来ない」

絞り出したような声だった。
疲れきった声だった。

「………すまない」
>>264
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:16:36.74 ID:0g4Pvp9SO
じゃあ、私はそれでも構いません。一方通行でいいんです。


私に、貴方を愛させてください
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/12(火) 23:17:39.47 ID:xsDjHGGY0
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:18:04.87 ID:AMBKjM4z0
>>263
266 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 23:26:26.46 ID:V7tamIlq0

「じゃあ、私はそれでも構いません。一方通行でいいんです」

返してくれなくていい。
特別にしてもらわなくてもいい。
大切にしてくれなくてもいい。

だから。

「私に、貴方を愛させてください」

それ位は、許して欲しい。
そしてこの気持ちの存在することを。
確かに自分に愛情が向けられているのだと、知ってくれていれば。
ただ、それだけでいい。多くは望まない。

「……それも、…だめ、ですか」
「………虚しくはないのか」

踏みとどまらせるように、彼は問う。
五和は、ただ黙って首を横に振った。

「虚しくなんて、ありません。悲しくもありませんし、苦しくもありません。……私は、貴男が好きなんですから」

彼女の手が、僅かに震える。
策略も計算も何も無い、真っ直ぐな告白だった。
フィアンマは沈黙したままに、彼女の手を握る。
五和は、嬉しそうに、笑みを浮かべた。



離れて、数時間後。
インデックスと共に眠る五和を見やり。
フィアンマは一人、ソファーに腰掛けた。
キャラメルを口に含む。甘い。

フィアンマ「……残酷だな、俺様は」

断る勇気すらない臆病者め。
自らを罵り、彼は一人、目を閉じる。



御坂美琴は、早朝から自分を奮い立たせていた。
何でかというと、寮監に頼み事をする為である。

美琴「お、おはようございます」

寮監「おはよう。何だ、早朝から」

美琴「い…イタリアに留学させてください! 短期で良いんです!」

彼女のお願い事は、恋する乙女特有のものだった。
好きな人の傍に行って、アプローチをかけたい、というものである。
遅れ遅れながらもきちんとメールを返してくれるフィアンマに、彼女は会いに行きたかった。
だが、男に会いたいから外国に行かせてください、などという許可が降りる訳もない。
そんな訳で、彼女は寮監へそれっぽい理由をでっち上げて頭を下げたのだった。

美琴「お願いします! け、見聞を広めたくて!」

寮監「>>268
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:28:24.81 ID:0g4Pvp9SO
いや100%嘘だろ…そんな理由で軽々しく許可だせるか馬鹿者コキャ

…親御さんと学校側に許可申請してみろ
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:29:09.85 ID:Db+/4wG+0
……まあ、いいだろう
269 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 23:38:16.05 ID:V7tamIlq0
>>266 ×などという ○などという理由では  誤字脱字本当すみません》


寮監「……まあ、いいだろう」

美琴「!! あ、ありが」

寮監「ただし、親御さんと学校側にもきちんと申請をしろ」

美琴「はいっ」

寮監「それから、留学する大学は決めてあるんだろうな?」

美琴「はい、ミラノ大学へ留学させていただきたいと思っております」

寮監「そこまでしっかりしているのならば、よろしい。ルームメイトにもきちんと挨拶をしてから行け。そして」

美琴「…そして?」

寮監「無事に戻ってこい。わかったな」

美琴「はい!」

元気良く返事をして、彼女は頷く。

ミラノに行けば、ミハエルさんに会える。

美琴はそんなことで頭がいっぱいだったが、理知的な雰囲気を装った。
しかし、足取りがほとんどスキップ状態である。意味が無かった。


寮に戻り。
短期留学の許可を貰ったことを後輩に伝え。
るんるん、と鼻歌を歌いかねないテンションで申請許可届などを綴る美琴に、白井黒子はじとりとした視線を向ける。

黒子「お一人だなんて心配ですの」

美琴「大丈夫よ」

黒子「やはりわたくしもご同行させていただきたく」

美琴「ええ? いいわよ、別に」

黒子「黒子の事を信じていただけませんのねお姉様!」

美琴「そういう訳じゃないわよ」

黒子「お姉様の身辺警護はわたくしのお仕事ですのに」

むすくれ、彼女は寮監へ自分も掛け合ってこようと動きかけている。

美琴「>>271
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:41:04.46 ID:0g4Pvp9SO
いい黒子…。ガシッ

私は少しこの街を離れるけど、私の留守の間、常磐台を頼んだわ!あんたしかいないの!キリッ
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:41:34.93 ID:+y4JZOV40
>>270

272 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/12(火) 23:48:04.19 ID:V7tamIlq0

美琴「いい? 黒子…」

彼女は、黒子の両肩をがしっと掴む。
そして、自分の方へ向かせる。
如何にも真剣な。真面目な。実直な。
それでいて、『お姉様』らしい笑みすら浮かべて、言った。

美琴「私は少しこの街を離れるけど、私の留守の間、常磐台を頼んだわ! あんたしかいないの!」

黒子「お…お姉様…」

美琴「あんたは優秀な風紀委員よ。私が保証する。だからお願い。私が居ない間、街の風紀は任せるわ」

最高にキリッとした表情で、そんなことを言われ。
至近距離から漂う美琴の良い匂いに、黒子は顔をやや赤らめて。
もじもじとしながら、こくんと頷いて、部屋を出るのをやめた。

黒子「…そ、…そうですわね。お姉様が居ない間は、…わたくしがお姉様の代理者としてしっかり常盤台を守らなくてはなりませんの」

美琴「信じてるわよ、黒子」

にこ、と優しい笑みを浮かべて。
彼女は再び、書類を綴り始めた。



提出書類の準備は完了した。
フィアンマに連絡したところ、いつでも歓迎するとのことだった。
職業について聞いてみたところ、自由業だと言われたので、もしかしたら危ない仕事なのかもしれない。
それならそれで彼を守ってみせるのだ、これは恩返しなのだ、と美琴は気張る。
後輩の白井黒子が風紀委員の集まりに出かけた為、彼女は電話をかける。
かける相手は、母親の御坂美鈴である。

美琴「もしもしママ?」

美鈴『あら、美琴ちゃんからなんて珍し…くもないか。何、悩み事?」

美琴「ううん、そうじゃなくて。私今度短期留学するんだけど…良い? あっ、お金は大丈夫、奨学金が出るから」

美鈴『>>274
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:49:55.28 ID:0g4Pvp9SO
いい事ではあるけど…突然どうしたの?

何か心境の変化があったみたいだけど。クス

何があったのかマミーに話してごらんなさい
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:54:53.07 ID:AMBKjM4z0
>>256>>1じゃなくて一方通行に対して言ったつもりだったンだけどなァ…うみねこ良いよね。 安価なら>>273

お詫び…といっても微調整しかしていませんが

http://www1.axfc.net/uploader/so/2791203.txt
275 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 00:06:29.90 ID:WZfgE1Qc0
《フィアンマさんの髪型は成功例だから(震え声) 追加調整ありがとうございます+勘違いすみませんでした真面目に 一時期フィアンマ=ベアトリーチェとか考えてたなんて言えない》




美鈴『いい事ではあるけど…突然どうしたの?』

美琴「え? えぇーっと…べ、別に? あ、い、行くのはイタリアなんだけどね」

どもりまくりの娘に、美鈴は小さく笑う。
肝心なところで嘘がつけない、真っ直ぐな子に育ってくれたものだ。

美鈴『何か心境の変化があったみたいだけど』

くす、と小さく笑われ。
嘲りではなく、揶揄のそれに、美琴は口ごもる。
そんな愛娘へ、母はのんびりと、やや茶目っ気を含ませて言った。

美鈴『何があったのかマミーに話してごらんなさい』

美琴「…お、怒らない?」

美鈴『怒らない怒らない。ま、内容によるけどねん♪』

美琴「……好きな人が出来たの。恩人なんだけどね」

こしょこしょ、と話す。
ルームメイトは居ないけれど、なるべく誰にも聞かれたくなかった。

美琴「それで、その人はイタリアに住んでるから、会いに行きたくて、考えて…」

美鈴『留学、っていう手段になった訳ね』

美琴「うん。…べ、別に押しかけ女房とか、そんなことは考えてないわよ? た、ただ、その」

美鈴『会いたい、と。良いわねぇ、恋する乙女。若い頃を思い出しちゃう』

美琴「ママは今でも充分若いじゃないの。……ね、ねえママ?」

美鈴『うん、なぁに?』

美琴「…年上の男性って、どんな年下女子が好きなのかな…?」

美鈴『>>277
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 00:09:54.86 ID:molfDaSSO
そーねぇ…気楽に付き合える感じとか、甘え上手とか、たまに献身的なとことかがくすぐられるらしいけど
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 00:13:52.65 ID:LZXzVC5X0
>>276
278 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 00:21:43.66 ID:uJV58oeO0

美鈴『そーねぇ…気楽に付き合える感じとか、甘え上手とか、たまに献身的なとことかがくすぐられるらしいけど』

人によるものねぇ、と美鈴は首を傾げる。
自分がその方法で夫をオとしたからといって、娘や、娘の相手がそうとも限らない。

美琴「甘え上手、かぁ…」

美鈴『美琴ちゃんにはまだまだ難題ね』

美琴「…そんな事ないわよ」

むぅ、とほっぺたを膨らませ。
ひとまず許可がもらえて良かった、と美琴はほっと胸をなでおろす。

美鈴『それでそれでー? 美琴ちゃんが気に入ったイケメンさんはどんな人なのかにゃーん?』

美琴「イケメンっていうか、…美青年タイプ? かな? …うん、性格はイケメンだけどさ」

無意味に毛布を握ったり撫でたりして、気を落ち着かせ。
照れながらも惚気る娘に、美鈴はふふふ、と笑んだ。

美琴「スマートな感じ。…あ、細いって意味じゃなくって、…細いけど。何かこう、気を遣わせないように気を遣ってくれてる、みたいな?」

美鈴『ふむふむ?』

美琴「後、…私の為に命賭けてくれたり…照れてやめろって言ったりしない辺りが流石大人だなー、なんて。多分、二十代位だと思うんだけど」

美鈴『外国の人?』

美琴「多分イタリア系だと思う。でも、日本語はとっても上手だし、翻訳なんて全然要らない」

美鈴『なるほどねー。…勿論、ここまで惚気けられるんだもの、大覇星祭にお呼びしてママに紹介してくれるわよね?』

美琴「>>280
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 00:24:20.07 ID:molfDaSSO
え、親への挨拶だなんて……結婚の報告には早いわよー///
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 00:25:30.28 ID:LZXzVC5X0
>>279+(何か訳ありっぽい人だって事はママには伏せておこう)
281 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 00:32:08.63 ID:uJV58oeO0

美琴「え、親への挨拶だなんて……結婚の報告には早いわよー」

えへへー、と顔を赤くしつつ笑んで誤魔化し。

美琴(何か訳ありっぽい人だって事はママには伏せておこう)

もし日本でいうところのヤのつく職業だったらどうにかしてやめさせよう。
一生私が養っても良いんだもの、と結婚には早いわよと言いつつ思考が飛び飛びの女子中学生、御坂美琴である。

美鈴『そう言わずにー、どうせ結婚の時にはパパにも言うんだから』

美琴「…泣いちゃうかな?」

美鈴『多分滅茶苦茶泣くと思う』

美琴「あははー…じゃあ、ちゃんと大人になってからね、結婚は」

そんな感じで通話を終え。
美琴は携帯電話を弄り、データフォルダ内にある彼との写真データを見る。
自分が気絶していた時に撮影されていたものなので、残念ではあるのだが。

美琴「……えへへ」

そんなことはあばたもえくぼ。
自分と彼のツーショット、という部分だけが、それこそが重要なのである。




右方のフィアンマはだるそうに外へ出ていた。
インデックスは単独の仕事が入り、五和と二人きりで妙な雰囲気になっても困る。
外は嫌いだが、時間帯は夕方。人も少なくなってきた。
そんな折、フィアンマは声をかけられた。見やれば、軍事ゴーグルをかけた御坂美琴―――もとい、妹達の一人。

フィアンマ「10032号…ではないか。何の用だ」

?????「>>283
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:09:11.21 ID:roWH9PvDO
まさかの人がいない状況、年末年始も少なかったですけど今は年度終わりだから少ないんですかね
ksk
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:09:47.56 ID:molfDaSSO
ええ。お察しの通り、妹達とは一線をかくす個体です。

ミサカの検体番号は00000号、通称『フルチューニング』です。…とミサカは自己紹介と共に赤い人にアサルトライフルの弾を撃ち込み続けます
284 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 01:17:07.77 ID:uJV58oeO0
《皆さんお忙しいのでは》


00000号「ええ。お察しの通り、妹達とは一線をかくす個体です」

言いながら、彼女は、ジャキッ、とライフルを構える。
そして何の迷いもなく、名乗りながら撃ち始めた。

00000号「ミサカの検体番号は00000号、通称『フルチューニング』です。…とミサカは自己紹介と共に赤い人にアサルトライフルの弾を撃ち込み続けます」

淡々とした声。
突然の轟き続ける銃声に、少なくなってきたとはいえ、民衆は叫んだ。
彼女が攻撃している理由は、簡単だ。
一方通行を諭されたせいで彼が打ち止めをウイルスから救ってしまい、後先を考える余裕の無くなった天井亜雄という研究者が最後に彼女へ、彼を殺害するようデータをインプットしたのだ。
完全な私怨。そして、天井が居ない今、彼女は誰にも止められない。

ミサカ00000号―――フルチューニングは、ミサカネットワークから外されている。
故に、彼への感謝など微塵もない。だからこそ、フィアンマを撃ち続けた。
自らの血液によって作り出された血だまりの中、彼は膝をつく。
抵抗しないから撃たないでくれと、まるでそう言うかのように、両手を後ろ手に回して。
口から血液を吐きだしながら、彼は00000号を見上げる。

フィアンマ「何、故…こんな、…こ、とを…?」

00000号「>>286

285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:18:31.93 ID:wIlnYmVIO
学園都市の意向としかミサカは存じません
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:19:44.29 ID:qOKG+nJAO
天井が好きだから
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:20:48.15 ID:molfDaSSO
善意が、必ずしも全員の幸福に繋がるわけではないからですよ、とミサカは尚も撃ち込みながら返答します。

……貴方のせいで、私の制作者は人生が破滅しました。これはミサカと彼の完全な私怨です。とミサカはこの襲撃が単なる復讐ではない事を説明しました
288 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 01:27:53.84 ID:uJV58oeO0

「善意が、必ずしも全員の幸福に繋がるわけではないからですよ、とミサカは尚も撃ち込みながら返答します」

彼女は持つ武器全てを使い切る予定なのだろう。
アサルトライフルの銃弾が切れれば、次は拳銃を構える。
自動拳銃なのか、安全装置を外すなり、パン、パン、と撃ち始めた。
彼女は、何の感慨も罪悪感もないまま、淡々と言う。

「……貴方のせいで、私の制作者は人生が破滅しました。これはミサカと彼の完全な私怨です。とミサカはこの襲撃が単なる復讐ではない事を説明しました」

学園都市の、組織的なものではない。
天井亜雄が恨んだから、彼女を使った。
そして、彼に開発された彼女は、それを受け入れた。
否、感情を持たず、データをインプットされた彼女は、受け入れるしかなかった。
制作者の人生の破綻は、そのまま彼女の人生の崩壊にも繋がった。繋がって、しまった。

ただそれだけの話。
フィアンマの善意が、天井亜雄を死に追いやった。
だから、その償いを命でさせると。
死者の置き土産が、こうして働いただけ。

「げほ、ぇほ…目的を、終え、たら」

お前は、どうなる。

問いかけに、00000号は首を傾げた。

「このミサカは、インプットされたままのデータに動くだけです。故に、目的達成後自害します、とミサカは端的に告げます」

その為のナイフも、彼女は持っている。
やがて銃を全て使い終えた彼女は、更に攻撃を加えようと準備する。

そこで、ようやく、ようやっと。

フィアンマが、その場に、血だまりに、バタリと倒れた。
ピクリとも動かない。
呼吸をしている様子も、見当たらない。

「………」




ミサカ00000号はどうする?>>+2
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:30:00.04 ID:roWH9PvDO
いやぁlOにAOにSO、それに俺がDO……見事に携帯組ばっかだな

kskst
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:31:26.74 ID:molfDaSSO
念のためにナイフでめったざし後生死確認
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:31:38.20 ID:7O56+Wfz0
一度蹴りを入れて去る
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:42:39.43 ID:n8rrNcrJ0
確実なる安心という形にしておくか……こいつで……首を切断してな……
293 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 01:43:35.33 ID:uJV58oeO0

彼女は、まるで医者が検視をするかのように。
それでいてずっと冷酷に残酷に、正反対の目的のまま、動く。
懐から、自害用の、よく手入れのされたナイフを取り出した。
一応、メッタ刺しにしておこう、と考えたからだ。

「……」

ざくざくざく、と。
まるで氷をアイスピックで削るかのように。
彼女は的確に、彼の急所を刺していく。
二人の周囲では、民衆が怯えている。
警察を呼ばれたようだ、パトカーの音が近づいてきた。

「……流石にこれでは生きている筈も無いでしょう、とミサカは生死を確認し、」

ふと、彼女は気がついた。
これが全て血液なら、彼はもっと早く気を喪っていたはず、倒れていた筈だ。
しかし、これだけ刺したのだから、死んでいる筈。
むしろ、これで死んでいないのなら、それはもはや人間ではなく、化物だ。

そして、00000号の伸ばした細い手首を。
彼の手が、掴んだ。そのまま、ボキリと真っ二つに折る。
強い強い、その細腕からよもやとも思う強い力。
当然、そんな勢いで華奢な少女の細腕が折られれば、骨が肉を突き破る。
感情はないといえど、痛覚がある00000号は、当たり前のように怯んだ。

「一部はフェイクだ、間抜け。血糊も知らんのか。…鉛玉程度で、俺様が殺せると思うなよ」

罵り半分に、彼はかざされたナイフを自分の左手に貫通させる。
骨に突き刺さってしまった為、抜く事が出来ない。
凶器を全て喪い、自殺という目的も果たせないまま。
彼女は突如データを削除されたロボットのように、混乱する。
彼は辺りに『人払い』を撒き、左手からナイフを引き抜く。

そして、彼女をいつでも刺せるように、握った。

だが、彼は00000号を殺すことはしなかった。
ただ、天使の力を封入した脚で、彼女の脚を蹴る。

折れた。
嫌な音を立てて、腕も折られる。

「……それで、その制作者とやらの生死はどうなんだ」

一部が血糊だとしても、明らかに致死量の血液を垂れ流しながら。

「生きているのなら殺しに行かねばならんのだがね」

彼は、自分の血液を舐める。
強い強い、鉄の味がした。

00000号は、生物的な、本能的な恐怖と、四肢を動かせない状態にされた状況に怯える。
目の前の人間が、バケモノであることに対しても。
彼女は震えながら、指先一本も動かせないまま、言葉を紡ぐ。

>>295
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:44:48.84 ID:molfDaSSO
…………おや、お姉様。奇遇ですね。
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:45:03.86 ID:04qYY1o30
自殺しました
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:47:04.17 ID:n8rrNcrJ0
相手は……想像を超えた化け物(モンスター)ッッ!
297 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 01:50:11.44 ID:uJV58oeO0

「自殺しました」

ただ、事実を告げた。
何がしかの抵抗をしようとするも、身体中が痛むだけ。
殺されるのならば、それもそれで良いだろう。
思いながら、彼女は静かに目を閉じる。
フィアンマはナイフを握り潰し、鉄くずとなったそれをポケットへ適当にねじ込む。
そして、何事かを詠唱した。
途端、彼女はかくりと意識を遮断された。

「……また甘いものが食えん身体になるか…?」

自分の身体を見て。
フィアンマは、億劫そうに、残念そうに呟いた。
結局、彼にとって、常人の想像しうる殺人方法など、児戯に過ぎない。



ミサカ00000号は、フィアンマが再び詠唱しなければ目を覚ます事が出来ない。
そんな訳で、彼は彼女の身体を抱え、自宅へ帰って来た。
驚いたのは五和である。
彼が女の子を連れて来るというのは理解出来るが、問題は彼が血まみれというところだ。
それも、返り血ではなく実際に彼の血液で。

フィアンマ「ただいま。…コイツの四肢の治癒を頼む。つい折ってしまってな」

五和「>>299
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:51:12.44 ID:04qYY1o30
きゅう…パタリ
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 01:54:54.86 ID:wIlnYmVIO
い、いやその子もそうですがご主人様も重傷じゃないですか?!…まさか、その子に……?
300 :小ネタ:右方幼幻想エロ?  ◆2/3UkhVg4u1D [saga !orz_res]:2013/02/13(水) 01:55:44.05 ID:uJV58oeO0
《今日はここまで。お疲れ様でした 安価下》














無邪気に、お兄ちゃんに甘える。
気付けば、俺は子供の姿になっていた。
思考も子供に戻ってしまったのか、短絡的な思考しか持ち合わせていない。

「おにいちゃん」

笑みながら頭をこすりつけてみる。
猫のようだな、と笑って、お兄ちゃんは俺の髪を撫でた。
そのまま背中を撫で、その手が懐へ入ってくる。
ややひんやりとした手、細い指。
昔から、今もずっと、お兄ちゃんは中性的な美人だ。

「んー? 何だ、当麻」
「おにいちゃんだいすき」
「俺様も大好きだぞ」

機嫌よく笑んだお兄ちゃんの手が、ズボンにかかった。
恥ずかしいよ、と呟いたが、抵抗はしない。
そっとズボンを脱がされ、子供らしい、第二次性徴を迎える前の性器に触れられた。
むにむに、と包皮ごと弄られて、思わず熱っぽい吐息が漏れ出る。

「おに、ぃ、ちゃぁん…」





ガバッ

上条「ゆ……ゆゆ、…夢か。だよなぁ、そうだよな……」ほっ

上条(べ、別にお兄ちゃんをそういう目で見た事は……そんなにねぇし)
301 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/13(水) 01:58:16.10 ID:1LUafbvAO

安価下じゃねえし >>299で書かせていただきます  本日はお疲れ様でした

五和ちゃんのヤンデレかぁ…00000号(昏睡)が危ない
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 02:00:29.01 ID:molfDaSSO
乙さ
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 06:40:31.98 ID:Zaots1ZtP
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 06:55:52.14 ID:EkYtcHrN0
305 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 13:20:07.13 ID:VT4p17Wf0

五和「い、いや、その子もそうですが、ご主人様も重傷じゃないですか?!」

五和はフィアンマの体質についてよく知らない。
なので、あたふたとしながらまずは彼の手当をしようと身の回りのものを使う。
髪ゴムや小銭などを使い、五和は彼の身体を先に癒した。
ナイフによる傷は、あっという間に塞がる。
五和は、ふと、フィアンマを見遣っておずおずと問いかけた。

五和「…まさか、その子に……?」

フィアンマ「………転んだだけだよ。その女に馬鹿にされたから、俺様から喧嘩を売ったんだ」

明らかな大嘘を言い、フィアンマは何かと五和の疑問を煙に巻いた。
別に、彼も何も何となく彼女を家へ連れて来た訳ではない。
まもなくミラノへ留学に来る御坂美琴へ引き合わせ、電撃使いとしての能力を用いて00000号をミサカネットワークに接続させるなり、自分への殺害命令文を消してもらえれば、それで良い。
そうしてもらえれば、彼女を解放出来る。
別に撃たれようが刺されようが死にはしないが、痛い思いをする恐れの芽は摘み取っておくべきだ。
五和は眉を潜めながら疑問を蟠らせながらも、00000号の治癒を始める。
フィアンマはだるそうに浴室へ行き、自らの血液と血糊を洗い流した。
身体を拭いて服を着、自分の体の状況を判断してみる。

フィアンマ「……」

彼は無言で満足そうに頷いた。
五和の治癒術式のお陰で、どうやらダメージ分散は起こらなかったらしい。

五和は治癒を終え、健康体ながらも決して目を覚ますことの出来ない00000号をソファーベッドへ横たわらせた。
静かに毛布をかけ、疑いの眼差しを向ける。
もし彼女が彼を傷つけたというのなら、正直に言って容赦は出来ない。

五和「……」

フィアンマ「治癒は終わったのか」

五和「え、ええ。大丈夫です、彼女の身体は健康な人のそれと、もう変わりません」

フィアンマ「ご苦労。暫くそこに安置してくれ」

五和「…はい」

フィアンマ「……安心しろ。俺様は一般人の想像出来る程度の事では死ねん」

五和「>>307
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 13:20:55.99 ID:F+xLO4BB0
それでも無茶はしないでください……
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 13:38:28.28 ID:W72rq8Dd0
>>306

308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 13:38:51.65 ID:/kMeLqGAO
戻ったら私と性行為してください。絶対です
309 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 13:49:10.27 ID:VT4p17Wf0

五和「それでも無茶はしないでください……」

フィアンマ「…気を付ける」

もごもごと、彼は何だか言い訳がましい。
五和は彼を心配しながら、何かと気遣う。
メイドとしての義務だけでなく、個人として。

フィアンマ「…しかし自分で物は食べ、」

五和「だ、ダメです」

怪我をするということは体力を消耗するということなのだ。
そんなことを言いながら、五和はフィアンマの口元へ料理を箸で運ぶ。
雛鳥や幼児ではあるまいし、と思いつつ、フィアンマはやや仕方なく食べた。
何だかんだで五和という少女はやると決めたら意思の強い子である。

フィアンマ「あぁ、…もう数日経ったら、友人がこちらへ来るので、会いに行ってくる」

五和「わかりました」

友人。
また女の子だろうか、と五和はしょんぼりしつつ、今は『あーん』と出来る時間を満喫するのだった。
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 13:49:11.45 ID:1LUafbvAO
+
311 :『禁書目録の夢』  ◆2/3UkhVg4u1D [saga !桜_res]:2013/02/13(水) 13:50:07.12 ID:VT4p17Wf0

ふに、と手を握られる。
そして、そのまま恋人繋ぎへシフトされた。
照れくさくてはにかむと、その手を持っていかれる。
彼の薄い唇が、私の手の甲へそっと触れた。
恥ずかしい。でも、嬉しい。
何故だろう、何だか今は、照れないで素直でいられる。

「フィアンマ、あったかいね」
「…そうだな」

何だかお姫様みたいだ、と思う。
手の甲にくちづけを受けるだなんて。

「あのね、」
「んー?」
「…私はね、フィアンマが大好きなんだよ」

緊張はあった。
でも、今なら。何となく、受け入れてもらえる気がして。
私の告白に、彼は少しだけ照れたような笑みを浮かべた。
まるで子供みたいな、それでも似合っている優しい笑みを。

「…俺様も、お前が好きだよ」
「っ……」

大好きだよ。

重ねて囁かれ、抱きしめられた。
抱きしめ返す。落ち着く。
いつも彼が口にしているものの影響、だろうか。
甘くて、良い匂いがする。安心、する。
彼の服を握る。皺にならないよう、気をつけて。
頬に柔らかい感触があった。キスだ。

神に仕える身なのに。

ほんの僅かな背徳感はあったが、拒絶出来ない。
勇気を出して、ほっぺたへ口づけを返してみた。
彼はくすぐったそうにくすりと笑う。嫌がる様子は微塵もない。

目が合って。
タイミングを測ったように、お互いに笑んだ。

どうしてだろう。
特に目立った事なんて何もないのに、どうしようもなく、幸せだ。
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 13:50:09.17 ID:1LUafbvAO
+
313 :『超電磁砲の夢』  ◆2/3UkhVg4u1D [saga !桜_res]:2013/02/13(水) 13:51:11.31 ID:VT4p17Wf0


パパと腕を組んで、ゆっくりと歩く。
履き慣れないヒールだけれど、凛として前を向いた。
私が見据える向こうには、あの人が居た。
緊張する。周りには、私を歓迎する多くの人々が居た。
赤いセミロングの髪を後ろに流している彼は、とてもとても、格好良い。

この人が、私の旦那様に、なるんだ。

長い赤いバージンロードを歩き終え。
パパから彼に渡される形で、私は動く。
ヒールを履いて尚、私は彼を見上げる。

「ぁ…」

思わず、声が漏れ出た。いけない、式典中なのに。
白い長手袋の中、手汗をかいていることを認識した。
彼の金色の瞳は優しくて、見ると、安堵する。
二人揃って、神父様の方を向いた。

「汝、ミハエル=ケールは
この女、御坂美琴を妻とし
良き時も悪き時も
富める時も貧しき時も
病める時も健やかなる時も
共に歩み、他の者に依らず
死が二人を分かつまで
愛を誓い妻を想い
妻のみに添うことを
神聖なる婚姻の契約のもとに
誓いますか?」

神父様の静かな声に、彼は粛々と答える。

「はい、誓います」

続いて、神父様は言う。

「汝、御坂美琴は
この男、ミハエル=ケールを夫とし
良き時も悪き時も
富める時も貧しき時も
病める時も健やかなる時も
共に歩み、他の者に依らず
死が二人を分かつまで
愛を誓い夫を想い
夫のみに添うことを
神聖なる婚姻の契約のもとに
誓いますか?」

緊張する。
声が上ずってしまわないよう努力して、返事をした。

「はい、誓います」
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 13:51:15.10 ID:1LUafbvAO
+
315 :『超電磁砲の夢』  ◆2/3UkhVg4u1D [saga !桜_res]:2013/02/13(水) 13:51:51.58 ID:VT4p17Wf0

では、誓いのキスを。

促され、向かい合った。
前髪を上げた彼は、普段以上に素敵だった。
私は、どう映っているんだろう。
可愛い、綺麗な花嫁さんだと思ってくれていたら良いな、と思う。
そっと、彼の両手で、ベールが上げられた。
長い長い真っ白なヴェール。マリアヴェール、だっただろうか。

唇を動かして。
彼は、声を出さずに言葉を紡ぐ。

『…美琴、綺麗だ』

顔が真っ赤になってしまったことを感じた。
彼の顔を見ていたいけれど、目を閉じた方が、良いのかな。

静かに目を瞑る。
沢山の視線を感じた。

段々と、彼の顔が近づいてくる。

そして。

唇が、優しく重なった。

「皆さん、お二人の上に神の祝福を願い
結婚の絆によって結ばれた このお二人を
神が慈しみ深く守り、助けてくださるよう
祈り…」
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 13:51:52.73 ID:1LUafbvAO
+
317 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 14:03:58.79 ID:VT4p17Wf0

美琴「っっっ!」

がばっと起き上がる、ホテルのベッドの上。
御坂美琴はほっと息を吐き出すと共に、夢の余韻に浸っていた。

九月三日、御坂美琴はミラノへやって来た。
大学に行くのは明日からなので、本日はフリーである。
なので、フライト疲れを取るべく、こうしてホテルで眠っていたのだが。

美琴「…まだお昼か」

うーん、と彼女は伸びをする。
ちょっとだけ小腹が空いている。
何か軽食でも摘んでから彼に会いに行こう。
思いつつ、メールを打つ。
程なくして、返信が返って来た。
住所が書いてある。


-------------------
From:ミハエルさん
Title:(無題)

添付
住所(vcfファイル)
-------------------
少し頼みたい事があ
るので、心苦しいが
俺様の自宅へ来ては
もらえないだろうか

-------------------

美琴「い、家っ!?」

美琴は固まり、頼みごとの部分はすっぽかして考えてしまう。

美琴(お、お家に…? も、もしかしてミハエルさんも私のことを…え、で、でも、中学生でそういうのはちょっと早すぎるんじゃ)

もじもじとしつつ考えながら、彼女は用意をし、迅速に出かける。



住所を元にして伺うと、フィアンマ本人が美琴を出迎えた。

フィアンマ「本当は観光に付き合ってやりたかったのだが、先にやって欲しい事がある」

美琴「は、はい、…えっと、何ですか?」

家へ招き入れ、ドアを閉め、鍵をかけ。
御坂美琴が五和を見てちょっぴりショックを受けていることに気づかず、彼は言う。

フィアンマ「あれは俺様のメイドだ。…頼みごとは、そこに横たわっているミサカ00000号…妹達の一人に、俺様を殺害し、その後自殺するというデータがインプットされているようなんだ。だから、お前の電撃使いとしての能力を用いてそのデータを削除して欲しい。ミサカネットワーク…とやらにも接続状態にしてやって欲しい。…頼めるか?」

何故彼がミサカネットワークの存在を知っているかといえば、妹達を救った『あの日』に10032号―――御坂妹より軽く説明を受けたからである。

こしょこしょ、と後半は五和に聞こえないよう、美琴に囁く。
耳元で言われた事にドキドキするやら、話の内容が壮絶なものやら、楚々としている少女がメイドだと知り安心したやらで混乱しつつ、美琴は00000号を見つめる。

美琴「>>319
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 14:08:16.41 ID:F+xLO4BB0
この世に生きている以上、アンタにも幸せって言うモンがあるんだと思うんだ……だから、姉のアタシが助けるからね……
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:21:57.67 ID:IZERzixIO
わ、わかりました…。でもその前にこの子と話をさせてもらってもいいですか?
320 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 14:31:45.79 ID:VT4p17Wf0

美琴「わ、わかりました…。でもその前にこの子と話をさせてもらってもいいですか?」

おずおずと。
美琴のお願いに、フィアンマは少しだけ考えて。
どうせ殺すよう言われているのは自分だけなのだから、と詠唱した。
オカルトを認めない科学脳である美琴には、その言語は理解出来なかったし、しようとも思わない。
だが、その一言で、00000号が目を覚ましたことだけは、理解出来た。

00000号「……」

目を覚まし、彼女は、御坂美琴をその視界に捉える。

00000号「何故お姉様が此処に居るのでしょうか、とミサカは疑問を抱きます」

言いながら、彼女は視線を鋭く周囲へ巡らせる。
何らかの武器を探しているようだ。
当たり前のことだろう。
悪意も善意も何もなく、与えられたデータ通り目的を達成しなければならないと考えているのだから。

美琴「私はあんたを助けに、ッ」

発言の途中で、美琴は言葉を喪った。
果物用のナイフで、00000号がフィアンマの身体を刺したからだ。

00000号「………」

彼女の目に、敵意はない。悪意もない。
嫌いだから殺そうとするのではないから。
ただ、お腹が空いたから、本能が促すままに食事を摂る。それと、同じ。
しない方が不自然で、しない方が焦燥感が募る。

五和「ッ、」

フィアンマ「五和、待て。殺すな」

フィアンマは00000号がナイフを握ったままの手を、握って止める。骨を折るようなことはしない。
彼は美琴の方へ振り返る。その口端からは、血液が伝っている。

フィアンマ「…会話に、…げほっ、げほ…なると、思うか? やるなら早くしてくれ。恐らく00000号の方に会話をする意思は無いぞ。目的…ッ、…最優先のようだからな」

00000号の両手首を掴んで止めたまま、フィアンマは赤黒い血液の塊を吐きだした。

美琴「>>322
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:36:06.23 ID:/kMeLqGAO
殺害するなら男性器を切り取ればいいのに
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:36:41.87 ID:/kMeLqGAO
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:41:05.40 ID:EkYtcHrN0
どうして見ず知らずの人に、クローンに、そんなに優しくなれるんですか…
貴方を…殺そうとしているというのに…?
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:51:00.37 ID:wnrn1P120
連投禁止にしろよマジで
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:52:29.79 ID:wnrn1P120
そもそも男性器付いてないから安価下ですね
わかります
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:54:03.28 ID:/kMeLqGAO
え?フィアンマは男じゃないの?
327 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 14:54:38.50 ID:VT4p17Wf0
《フィアンマさんって男性器ついてなくてもおかしくないよね大天使系だし》



美琴「どうして見ず知らずの人に、クローンに、そんなに優しくなれるんですか…」

一瞬人と呼んで、クローンと呼び直したのは、今の動きだけで00000号に敵意が湧いたからだろう。
美琴は、顔面蒼白だった。

美琴「貴方を…殺そうとしているというのに…?」

自分が助けてと言った、妹達を助けてくれた、わかる。
自分が強姦されかかった、暴漢を蹴散らしてくれた、わかる。

だが、これは。
あの暴漢へ振るったものと同種の暴力を振るって反撃しても、文句は言われない状況だ。
それなのに、彼は刺されたまま、尚も彼女を助けてやれと言う。
フィアンマは、御坂美琴の両脚が震えているのを見た。
そして、苦笑しながら呟くように言う。

フィアンマ「…お前が、妹達に死んで欲しくないと、言ったんだろう。救ってくれと、言ったじゃないか」

だから、殺さないでいるんだ。
そう言う彼に、美琴は泣きそうになった。
たった一言の為に、反撃も抵抗もしないのか。
異常といえば異常だが、恐ろしい程に優しいとも言える。
そんな優しさが怖くて、悲しくて、愛おしくて、美琴は泣きそうだった。




再び00000号を眠らせ。
フィアンマが五和から治療を受けている間に、美琴は00000号の生体電気に干渉していた。
同一脳波を応用したネットワーク―――ミサカネットワークへ接続する前に、殺害と自殺を指示するデータを消した。
非常に綿密な作業となり、当然ながら疲れるものの、構わない。

美琴「…終わりました」

言いながら、彼女はソファーに倒れ込むように座る。
能力を継続的に使用した為、へとへとだ。しばらく全面的に能力使用は出来ない。

そして、深呼吸した後、美琴は姉として、00000号の代わりに謝罪した。

美琴「…ごめん、なさい」

フィアンマ「お前が謝る必要は無いだろう」

美琴「……、…姉として、です」

事の次第は説明された。
自分がフィアンマに助けを求めた、フィアンマがあるべき状態を変えてしまった、そして今の状態が生じた。
自分のせいだ、と美琴は思う。自分が死んでおけば、彼は傷つかないで済んだ。きっと。

フィアンマ「00000号は製作者…あぁ、もう死んだようだが、その者のデータ入力によって無理やりやらされていただけだ。ちょうど、本能として備わっている飢餓感から食事をするように。食事をしないというのはなかなかに苦行だろう。だから、仕方がないとは思っているよ。恨んではいないし、お前に腹を立てるのは更にお門違いだろう」

五和は治療作業を終え、静かに退室した。
二人きりにしてあげよう、という配慮だろう。隣室に移動したものと思われるところである。

美琴「>>328
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:56:34.51 ID:/kMeLqGAO
じゃあフェラとか言ってたのは何なの

安価なら私を犯して
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:59:30.43 ID:ANiJfRsp0
安価なら
そうですね ごめんなさい
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 14:59:38.26 ID:EkYtcHrN0
>>325
フィアンマさんには「聖なる右曲がり」を自らの股間に所持していたはず
>>326
ともかく「激痛で悶え苦しんでなおかつ再生の痛みを味わう」「お手洗いへの道がしばらくの間ゴルゴダの丘と化す」等の受難は不可避…
フィアンマの事も考えてやれよ…

安価なら 貴方って本当に不思議な方ですね
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:02:26.09 ID:molfDaSSO
あんまり言いたくないがAOがマジ真性の読解力0なのかKYなのか釣りなのか判断に困るなww

332 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 15:06:02.63 ID:VT4p17Wf0
《このスレのフィアンマさんは男性ですよ。だがEDと思われ お手洗いへの道がゴルゴダの丘で>>1の腹筋がやられた 『聖なる右曲がり』は腰の一振りで老若男女相手問わず必ず昇天させるとかそういう  俺は釣りじゃないかと思ってる》


美琴「そう、ですね」

でも、と彼女は付け加え。

美琴「ごめんなさい」

唇を噛む。
彼が傷つけられてショックを受けたのに、動けなくて。
結局、自分が、00000号と会話をしたいなどと言い出さなければ、こんなことには。
フィアンマの腹部の怪我は既に治っているようだが、治れば良いという問題ではない。
しゅん、と落ち込んで顔を上げない美琴の髪を、フィアンマは撫でる。
猫か幼児を愛でるように、優しいなで方だった。

フィアンマ「…お前は00000号に適切な処理をした。もう、それで良い」

美琴「…、」

フィアンマ「00000号は、もう俺様を殺そうとはしないんだろう? そして、自殺もしないなら、…それで良い」

美琴「>>334

333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:07:03.64 ID:1nFAQ1Vw0
あなたがそうなら私も従います
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:07:31.40 ID:1nFAQ1Vw0
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:08:52.09 ID:molfDaSSO
でも、それはあの娘が自我を失ったって事になるじゃないですか…
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:11:27.67 ID:EkYtcHrN0
貴方って本当に不思議な方ですね…
誰であろうと赦してしまう…

とか書こうと思ったらすでに取られていたでござる
こういった安価なら連投もアリとは思うんだけど一部の人だけが安価を全取りする様なことになりかねないんだよなぁ
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:11:30.93 ID:e+2SzFcx0
>>335

も入れて
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:15:27.45 ID:molfDaSSO
もう終わった事だがインプットデータを削除するより、フィアンマさんを四六時中狙う→殺せぬ→貴方を殺らなきゃミサカ[ピーーー]ないのに→わりぃな俺様死なないから→殺デレヒロインポジとか考えてた

安価↓
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:17:29.87 ID:zCkutUfO0
>>338

それだ
340 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 15:20:28.31 ID:VT4p17Wf0
《クッキー作ってきます。また夜に来ます。小ネタ希望などありましたらどうぞ 安価は取れる人と取りたい人がとってくれたら良いです、過疎より良いですし、>>1の判断では安価下採用ですし >>338 先に言ってくれよ…ッッ!》


美琴「あなたがそうなら、私も従います」

これ以上落ち込むのはやめる、と彼女は首を横に振った。
そしてようやく顔を上げ、数度深呼吸をして落ち着きを取り戻す。

美琴「…もう危険は無いと、思います。……でも、それはあの娘が自我を失ったって事になるじゃないですか…」

取り返しのつかないことをしたかもしれない。
これでは00000号にフィアンマを殺すようデータを入れ込んだ研究者と変わらない、と美琴は思う。

フィアンマ「…誰かを傷つけるような自我なら、無い方が良い」

美琴「そんな、」

フィアンマ「俺様は寛大故に何もしないが、本来この少女は殺されても仕方のないことをしたんだぞ」

自我云々の問題ではない、と彼は肩を竦める。
優しいながらも、彼とて世界最暗部に身を置く一人。容赦の無い考えだって持つ。
無かった事にしているというだけで、殺すと決めたら彼はやめない。
インデックスが止めれば或いは。しかし、殺す時には殺すのだ。
傷つけられるのが好きだという訳ではない。一般魔術師に00000号と同じようなことをされれば、消し炭にしていただろう。

フィアンマ「…お前を叱りつけても仕方のないことだ」

ため息をつき、彼は詠唱をする。
00000号が、目を覚ました。
しばらく天井を見つめる。
ミサカネットワーク接続可能個体にしただけで、彼女の気分次第では遮断も出来る。
だから、彼女がミサカネットワークを利用しているのかどうかは、打ち止めと呼ばれる最終ロット製造個体にしか把握出来ない。
だが、少なくとも、フィアンマを殺そうとはしないようである。
美琴が目的データを消したからだ。00000号は、もう、誰にも縛られない。
ただし、彼女個人がどう思うかは、これから先の彼女次第だろう。もしかすると、フィアンマを殺そうと個人的に思うかもしれない。
データを消されたといっても、それは命令文が消えただけなのだから。
例えお腹がすいていなくても、食欲がなくても、人が物を食べられるのと同じだ。

フィアンマ「……この個体は製作者が独自に世話をしていたのだったか。となると、学園都市に戻した場合、始末される恐れもあるな」

さてどうしようか、とフィアンマは首を傾げる。

00000号「>>342

美琴「>>344
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:24:14.27 ID:/kMeLqGAO
安価下
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:24:47.85 ID:EkYtcHrN0
貴方は誰ですか、とミサカは目の前にいるヴィジュアル系イケメンに質問します
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:25:00.50 ID:/kMeLqGAO
安価下
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:25:28.27 ID:oY/+vLwp0
私の標的は貴男なのであなたの家で
チャンスを狙います
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:26:20.42 ID:oY/+vLwp0
おおっとすまん狙い外れた

安価は一緒に暮らせばいいんじゃない?

てゆうか私も暮らす
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:26:42.85 ID:molfDaSSO
いいなークッキー。せめて神の右席の顔型クッキーにホイップクリーム添えの写真うぷしてよ


安価なら

……ミサカは、何か大事な物を落っことしてきたような気がします、とミサカは胸中の空虚さを吐露します
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:26:46.79 ID:oY/+vLwp0
あ、すでに暮らしてたら

私も暮らす 抜きでオネシャス
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 15:39:12.46 ID:EkYtcHrN0
すいません、>>342の前か後に>>346をお願いします
349 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/13(水) 15:53:33.01 ID:1LUafbvAO

>>346
>>1にはホイップクリームも芸術センスも無かった…無印のスプーン型クッキーです(ステマ)

フィアンマ勢力の日本流バレンタインはフィアンマさん幸せな日だな
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 16:00:04.04 ID:EkYtcHrN0
もう過ぎたことは仕方ないし、みんなでこれからの00000号のヒロインポジションを考えよう
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 16:06:30.50 ID:molfDaSSO
0になったし、これから色んな事を知っていくはやなみポジじゃないか
352 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/13(水) 17:32:26.56 ID:1LUafbvAO

クッキー()出来ました 
なのでもうしばらく経ったら更新再開します

00000号ちゃんの呼び名安価出すかもしれないです
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 17:39:33.05 ID:EkYtcHrN0
クッキー美味しそう
乙です
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 17:39:37.20 ID:Zaots1ZtP
フルチューニング略してフルチンって結構使われてるよね(提案)
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 17:40:32.21 ID:qEZNZYdK0
フルチンにしようって打とうと思ったら既に書き込まれていた
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 17:53:08.20 ID:EkYtcHrN0
流石にもうちょっとマシな名前にしようぜ…
そんなに00000号をふたなりっ娘にしたいのかよ…
357 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 17:56:40.07 ID:237uQqZo0
《00000号ちゃんだって女の子(?・現在未確定)なんだぜ、やめたげてよぉ! クッキーはフィアンマさんに献上しましたmgmg》


00000号「……ミサカは、何か大事な物を落っことしてきたような気がします、とミサカは胸中の空虚さを吐露します」

美琴「い、いい一緒に暮らせばいいんじゃない?」

ぼんやりとした表情で、00000号は呟く。
美琴はややテンパった様子でそんなことを言った。

美琴「てゆうか私も暮らす、くら、暮らしたいです!」

フィアンマ「00000号同居についてはともかく。……お前は落ち着いて考え直せ」

学園都市第三位が義務教育も終えていないのに外に住めるはずがないだろう、と叱られ。
御坂美琴はしょんぼりと肩を落とした。
次いで、00000号がフィアンマを見やる。
その瞳は空虚で、何の悪意も善意も宿ってはいない。

00000号「貴方は誰ですか、とミサカは目の前にいるヴィジュアル系イケメンに質問します」

フィアンマ「…ヴィジュアル?」

フィアンマは不可解そうに首を傾げる。
ちなみに彼の脳内では、既に00000号をどこへ預けるか算段は出来上がっていた。

フィアンマ「俺様は少し出かけてくる。御坂美琴は00000号と共に此処に居ろ」

言って、彼は外へ出た。
隣室のインターフォンをのんびりと鳴らす。
中から出てきたのは五和だった。

フィアンマ「五和、俺様の留守中、家を頼む」

五和「は、はいっ」

言いながら、彼女を自分の家に戻し。
彼はしばらくそのまま待ち、シルビアと顔を合わせた。

シルビア「ん? 何か用?」

フィアンマ「オッレルスは居るか? 少し話をしたいのだが」

シルビア「>>359
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 17:58:06.17 ID:Z3RtXV0q0
子供達の馬になってますが
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:00:44.31 ID:molfDaSSO
え、今三角木馬の上でむち打ち→傷口にマスタード塗り込み中なんだけど……緊急?
360 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 18:07:36.85 ID:237uQqZo0

シルビア「え、今三角木馬の上でむち打ち、からの傷口にマスタード塗り込み中なんだけど……緊急?」

フィアンマ(今回は何をやらかしたんだ…?)

フィアンマ「…割と緊急なのだが、話も出来ない状況か?」

シルビア「多分会話は出来ると思うけどね」

肩を竦める彼女に通され、彼は中に入る。
哀れ、オッレルスは室内用犬小屋を用いて三角木馬の刑に処されていた。
傷口にマスタードの刺激と塩分が沁みるのだろう、ぐすぐすと落ち込んでいる。
大事な話なら席を外そう、とシルビアは調理に取り掛かり。
フィアンマは静かにオッレルスに近寄ると、静かに声をかけた。

フィアンマ「…気は確かか?」

気絶していないかどうかを問う内容だ。
オッレルスはぐすんと鼻を啜りつつ、頷いた。

フィアンマ「……お前に頼みがある」

オッレルス「頼み?」

フィアンマ「助けて欲しい。困っている」

珍しくフィアンマがそんな言葉を飾らずに言う。
こう言えばオッレルスは頷いてくれるだろうという計算もあるのだが。

フィアンマ「一人、女の子…だと思うのだが、居場所が無い。住む所も、戸籍も無い。かといって放っておく訳にもいかないが、俺様は既に二人の少女を抱えている。世話を看てもらえないか。頼む。…『御使堕し』の恩と思って」

オッレルス「>>362
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:09:48.12 ID:oQBgWpRJ0
助けたのはお前だろう
お前が助けたのだからお前が責任を持つべきだと
思うがね
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:10:28.76 ID:EkYtcHrN0
『御使堕し』の話は出さないでくれ… グスッ
+>>361
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:12:30.88 ID:molfDaSSO
よく考えたらクローンだから調整とかできねーとマズイですの

ちなみに確かクローンであるならば細胞の性質上オリジナルの性別から変更はできませんの

安価↓
364 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 18:20:13.66 ID:237uQqZo0
《よし、じゃあフルチンちゃんはやめよう》



オッレルス「『御使堕し』の話は出さないでくれ…」

ぐすっ、と当時を思い出してへこむオッレルス。
だが、彼は唐突に真面目な顔になってフィアンマを見た。
彼はお人好しだが、それは完全なものではない。

オッレルス「助けたのはお前だろう。お前が助けたのだからお前が責任を持つべきだと思うがね」

フィアンマ「……」

右方のフィアンマは、舌打ちをしたくなった。
だが、堪える。

オッレルス「…まぁ、気持ちはわかるよ。やっぱり助けなければ良かったかな、という後悔は」

でも、やってしまったものは仕方がないんだ。
助けた以上は、最後まで責任を持つべきなんだ。

かつて子猫を救う為に魔神の座を逃した男の言葉は重く。
押し付けようとした策略者は、面倒そうにその言葉を聞いた。

オッレルス「ただ、助けることには助けるよ」

フィアンマ「…どうやって?」

オッレルス「代わりに交渉してきても良いし」

君と違って、俺は既に追われる側の人間だ、とオッレルスは親指で自分の胸を指す。

オッレルス「君は、手を出して良い領域が限られている。立場上組織の考えと取られ、最悪、事態が戦争レベルにまで発展する恐れも大きい。だが、私はそうではない」

フィアンマ「……」

オッレルス「…何にせよ、学園都市に脅しをかけに行こうとは思っていたんだ」

ついでに交渉してくる、と言っているらしい。
どうやら隣室での出来事を知っているようだった。
彼は彼の目的の為に、世界最高の『原石』を倒しに行く。
武力による交渉の際、00000号を他の妹達と同じように扱え、と言って来ても良いと、そういうことらしい。

オッレルス「…どのみち、体細胞クローンなら『調整』が必要になるだろう」

フィアンマ「……>>366
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:22:48.92 ID:csK9rb0b0
冥途返しに機材貰ってこようかな…
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:24:01.94 ID:EkYtcHrN0
恩に着る、我が親愛なる『隣人』よ
>>365
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:25:49.40 ID:molfDaSSO
……いや、やはり大人として最後まで責任を持つ。アレは元々妹達とは別形態を持つクローンだ。

学園都市に渡して、必要ない個体だからとコスト削減のために処分されても困る。

調整なら、ミラノの学園都市系列研究所に、俺様のコネでやらせる事にするよ
368 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 18:34:14.10 ID:237uQqZo0

フィアンマ「……恩に着る、我が親愛なる『隣人』よ」

これで貸し借りゼロ。
また何かで恩を売っておこうかと思いながら。

フィアンマ(冥土帰しに機材を貰ってこようか…)

現実的には厳しいだろう。
だが、力で脅迫することはそう難しくはない。
しかし、どうせ脅すのならば近場の学園都市系列研究所の方が良いかもしれない。
手持ちのコネクションを調べ直さなければいけないな、とフィアンマは思う。

オッレルス「それにしても、あれだね」

フィアンマ「ん?」

オッレルス「順調にハーレムを築いてるね、君は」

フィアンマ「……」

オッレルス「この義兄にして義弟あり、…逆かな」

フィアンマ「…当麻に手を出してみろ。タダで済むと思うな」

オッレルス「出さないよ。私に『幻想殺し』は必要無いからね。安心してくれて良い。私は基本的に君の味方だ」

お互いに良き隣人であろう、と優しい笑みを浮かべる男の真意は読めない。

フィアンマ「…味方なのは良いが、人を不安にさせる発言はいただけないな。あ、こんなところに粒マスタードが」

オッレルス「あっやめて追加はダメだって棒読みでとんでもなうああちょっまっ!!!」



学園都市側に脅しをかけるのはオッレルスに任せた。
フィアンマが今後心配するのは、00000号本人の身柄のみ。

フィアンマ「…ただいま」

五和「お帰りなさいませ。…何か叫び声が、」

フィアンマ「気のせいだろう」

言いながら、彼は美琴に近づいた。
00000号は、現在板チョコをじっと見つめている。

フィアンマ「00000号、此処に住むということについて不満はあるか?」

00000号「>>370
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:39:50.52 ID:molfDaSSO
え、何でミサカをここに置くの?ミサカ、あなたを殺しかけたらしいじゃない。

370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:43:08.61 ID:EkYtcHrN0
>>369、とミサカはもっともらしく訊ねてみます
と言っても記憶など残ってはいないのですが…
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 18:45:17.13 ID:F+xLO4BB0
小ネタで原作フィアンマ(旧約後)とここのフィアンマが一時的入れ替わった小ネタが思いついた
ここのフィアンマはまだしも原作のフィアンマさんはどう思うんだろうか……
372 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 18:50:25.29 ID:237uQqZo0
《原作フィアンマさんは人に優しく出来なかった・優しくされなかった結果だから…ちょっと涙出るかもしれない 書きたいのは山々ですがどの辺りと置き換えようか悩み所ですね いや、『異界反転』が起きるかもしれないからね(棒)、本編内でやるかもしれないね》


00000号「え、何でミサカをここに置くの?」

ミサカネットワークから感情のみを取得したのだろうか。
フィアンマが家を出た時よりは、やや情緒豊かになったようである。

00000号「ミサカ、あなたを殺しかけたらしいじゃない、とミサカはもっともらしく訊ねてみます」

きょと、と彼女は首を傾げる。
ミサカネットワークの支配下でも支配者でもない彼女は、最終信号から多少の感情を取得した。
それは多くがプラスのものだ。悪意はあまり取得していないようである。
敢えて取捨選択をしたのかもしれない。その辺りは、普通の妹達との違いか。

00000号「と言っても記憶など残ってはいないのですが…」

美琴「…ほ、本当に暮らすんですか?」

フィアンマ「その予定ではあるが。放っておくと死ぬだろう」

00000号「このミサカが死んでも貴男は何ら困らないのでは、とミサカは問いかけます」

フィアンマ「困らんが、困る」

00000号「?」

矛盾した発言に、00000号は不可解そうに首を傾げる。
美琴は何となくその発言の意図を察し、口ごもった。

フィアンマ「御坂美琴、ミラノにある研究所で、学園都市系列のものはあるか? コネもあれば尚ありがたいのだがね」

美琴「>>374
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:53:58.61 ID:EkYtcHrN0
>>371
とある右席の人生交換(パラレルライフ)とか?
安価下
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 18:58:14.71 ID:Xe5GcMEW0
寧ろ学園都市系列の研究所が無い国を
知りたいくらいですね
375 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 19:02:49.14 ID:237uQqZo0
>>371 小ネタじゃなくて本編の流れに組み込んでも良いですかね…?》


美琴「寧ろ学園都市系列の研究所が無い国を知りたいくらいですね」

言いながら、美琴は携帯をいじる。
データを呼び出し、眺めた。

美琴「個人的に頼めるところなら…ええっと、ミラノ内にあります。私が短期留学する大学の」

フィアンマ「そうか」

美琴「この子の調整のお話、ですよね?」

00000号を見やり、美琴は問いかける。
フィアンマは無言のままに、こくりと頷いた。

フィアンマ「頼めるか」

美琴「はい」

姉として、妹を守らなければ。
そして、彼の頼みなら、絶対に聞かなければ。
美琴はこくんと頷いて、改めてフィアンマへ00000号を頼む。

フィアンマ「…夕方か。お前はそろそろ帰った方が良いんじゃないか?」

美琴「>>377
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:05:12.52 ID:molfDaSSO
す、すみません!夕食時までお邪魔してしまって!すぐ帰りますから!
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:05:38.49 ID:Zaots1ZtP
378 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 19:11:27.47 ID:237uQqZo0

美琴「す、すみません! 夕食時までお邪魔してしまって! すぐ帰りますから!」

既に能力を使えない時間は過ぎている。十分な休憩はとった。
帰れと遠まわしに言われたのだと思い、美琴は慌てて立ち上がる。
慌てたせいで、僅かに足取りがふらついた。もつれて、倒れそうになってしまう。
そんな彼女の身体を支えてやり、フィアンマは少し考えて言葉を付け足す。

フィアンマ「…明日」

美琴「…はい?」

フィアンマ「明日、大学での講義を終え、研究所への申請が終わったら」

美琴「お…終わったら?」

フィアンマ「連絡をくれ。今日所用で潰してしまった時間分、デートをしよう。もっとも、お前が嫌でなければ、の話だが」

美琴「>>380
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 19:12:46.62 ID:F+xLO4BB0
〜〜〜〜〜〜(声にならない声)///////

安価↓
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:13:59.64 ID:EkYtcHrN0
>>379+ビリビリ
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:20:05.09 ID:molfDaSSO
デート、だと…!
382 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 19:34:32.96 ID:0+aVjhkY0
《フィアンマさんって上条さんを「メインディッシュ」って言ったり「いかんな」三連発「お姫様()」とか茶目っ気あるよね》


美琴「〜〜〜〜〜〜!」

顔を真っ赤にし、声にならない声で叫んで。
彼女の周囲に、バチバチバジ、と強い紫電が跳んだ。
感電することなく、フィアンマはこれは可否どちらなのかと首を傾げる。

美琴「で、ででっ、で、…あ、あし、明日! です、よ、ね! めりゅ、メールしますね! じゃ、じゃあまた明日っ!!」

言うなり、彼女は怒涛の勢いで出て行った。
五和は、じー、とフィアンマを見つめる。

五和「……」

フィアンマ「…何だ」

五和「…いえ、別に」

フィアンマ「…言いたい事があるのならはっきり言え」

五和「…私も、…デートしたいです」

フィアンマ「……、…その内、予定が立てば構わんが」

その一言で途端に上機嫌になるメイド・五和。
そろそろ上条を叱れる立場ではなくなってきた、とフィアンマはため息をついた。

フィアンマ「…お前に名前をつけようと思うのだが」

00000号「検体番号は00000号ですが、とミサカは名前の必要性に疑問を抱きます」

フィアンマ「呼び名だよ。…何か希望はないのか」

00000号「>>384
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 19:37:08.68 ID:F+xLO4BB0
?00000号(フルチューニング)ではダメなのですか?と一般的に呼び名と呼ばれるものでは無いかとミサカは疑問を持ちます
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:37:58.22 ID:IZERzixIO
フルチンで
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:38:05.03 ID:molfDaSSO
名前なんてただの識別番号だろう、とミサカは某未来人のマネをしてみます

…そうですね、『フルチューニング』にちなんでゼロ、とかレイ、フルチ…
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 19:39:03.95 ID:F+xLO4BB0
できればコンマにならなかなーって自分は自分は提案を……
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:39:49.21 ID:EkYtcHrN0
>>383
もしそうでなければ御坂美○、と言う名前になるのでしょうか、とミサカは首をかしげます
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:41:28.91 ID:Zaots1ZtP
さすがに可哀そうか……
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:45:23.34 ID:molfDaSSO
可哀想ってか、これからフルチューニングがいる時にシリアスができなくなる気はするwwww
キリッなセリフ言ってるのに名前欄見たら吹くww
390 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 19:47:56.38 ID:0+aVjhkY0
《フルチン「ミサカは単価にして18万円、多少手がかかったとはいえ替えの利くクローンですとミサカは、」》


00000号「フルチューニング、略してフルチンではどうでしょう、とミサカは提案します」

フィアンマ「却下だ」

00000号「希望を聞いてくださるのではなかったのですか、とミサカは落ち込みを見せます」

フィアンマ「流石に呼び辛いだろう、それは」

00000号「何故呼びづらいのかが不明です、とミサカは首を傾げました」

この辺りが通常の人間とのズレといったところか。
フィアンマはうんうんと悩み。
しかし、自分にはあまりネーミングセンスがない、とため息を呑み込んだ。
彼女の意向をそのまま聞くと、とんでもない呼び名になってしまいそうである。

00000号「参考までに、他個体は貴男に何と呼ばれているのですか、とミサカは問いかけます」

フィアンマ「10032…は御坂妹と呼称しているがね」

うーん、と00000号は無表情で考える。
辺りのお菓子などを長め、そのパッケージからインスピレーションを取得しようとしているようだ。
極力ミサカネットワークには接続したくない、というスタンスらしい。

00000号「では>>392
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 19:49:48.89 ID:F+xLO4BB0
麦チョコから取ってムギちゃんはどうでしょう

安価↓
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:50:23.78 ID:IZERzixIO
ゲコ美
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:50:27.40 ID:EkYtcHrN0
零美、はどうでしょうか
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:50:36.70 ID:molfDaSSO
ミレイ=ケール、シャーリー=ケールとか。
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 19:52:31.87 ID:Zaots1ZtP
フルチンは名前のセンスがないようです
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:06:41.01 ID:EkYtcHrN0
ていうか>>1の好きなように名前をつければいいんじゃないかな
何個か候補があるんなら希望を取ればいいし
397 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 20:17:51.52 ID:0+aVjhkY0

00000号「ではゲコ美はどうでしょうか、とミサカは菓子類のパッケージより選択しました」

安直過ぎる。
が、彼女は割と本気のようである。
他に案はないものか、とフィアンマは周囲を見渡す。



>>+2のコンマ二桁(VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 19:49:48.『89』←ココ)で00000号の今後の呼び名(名前)決定


00〜18 ムギちゃん

19〜20 ゲコ美

21〜30 零美

31〜70 ミレイ=ケール

71〜99 シャーリー=ケール
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:19:02.21 ID:molfDaSSO
これで決定するのか…シリアスブレイカーになったらどうしよww
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:21:31.14 ID:EkYtcHrN0
ksk
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:22:18.43 ID:IZERzixIO
普通に>>1が決めちゃっていいと思うが…なんのために安価させたのかマジで謎
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:23:32.27 ID:molfDaSSO
今後フルチューニングもといムギちゃんには眉毛沢庵、金髪にしてキーボード弾かすかww
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:23:53.42 ID:EkYtcHrN0
>>400
フィアンマが迷わないってのもおかしいからじゃない?
まあムギちゃんだと某軽音楽部のキャラとかぶっちゃうけど
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:27:31.22 ID:EkYtcHrN0
あ、某学園都市第四位とも被っちゃうな…
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 20:28:40.56 ID:F+xLO4BB0
ムギちゃんを出したのは俺……ごめん
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:31:20.94 ID:EkYtcHrN0
別に責めてる訳じゃ…
ただ「ムギちゃん」ってあだ名のつく娘はみんな可愛いということ
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:34:03.58 ID:Zaots1ZtP
フィアンマはちゃんづけしないだろうね
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 20:34:43.58 ID:F+xLO4BB0
ムギか……悪くはない
408 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 20:36:47.88 ID:0+aVjhkY0
>>399  20:21:31.『14』 結果:ムギちゃん  ご協力ありがとうございます >>1、ネーミングセンス無いんです… あ、でも被っちゃうなうーん》


彼の目に止まったのは、チョコレートの小袋だった。
インデックスが片付けたのだろう、ちょっとはみ出している。
適当な片付けだな、と思いながら、フィアンマは首を横に振った。

フィアンマ「ダメだ」

00000号「では、」

フィアンマ「麦。…はどうだ」

00000号「麦。…イネ科穀物の総称ですか、とミサカは聞き返します」

フィアンマ「不服か?」

00000号「人命としては些か不適当では、とミサカは首を傾げました」

フィアンマ「……文句しか付けんのか、お前は」

00000号「貴男もそうでしょう、とミサカはむくれてみます」

最終信号に似てか、彼女はぷくりと頬を膨らませる。
その様は、御坂美琴の素に酷似していた。

フィアンマ「……grano=Kale。これでどうだ」

グラーノ=ケール。
とりあえず苗字は彼のものにしてしまうらしい。

フィアンマ「グラーノ=ケールか、麦か。どちらかにしろ。これ以上の譲歩はせん。面倒だ」

00000号「>>410
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:38:58.78 ID:Zaots1ZtP
仕方ないですね、とミサカは妥協します
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:40:03.25 ID:molfDaSSO
ケール、はあなたの名字じゃなかった?

…私とあなたは所謂婚姻、親子、兄弟姉妹等の関係ではなかったと思うけど?

家族としてミサカを受け入れると言う事ですか?
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:40:12.02 ID:IZERzixIO
では麦ちゃんとお呼びくださち
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:45:14.55 ID:EkYtcHrN0
小麦はパンの元→つまり人を創る元となるもの
古代のミサでは「パンを裂く」ことは神の恵みを皆で共有すること、「パンを食べる」ことはイエスの恵みを頂くことであったと言う
イエス=キリストも「わたしが命のパンである(天からの真のパン)」と言って自らをパン(食物)になぞらえたくらいだし、
生まれたてで「マナ」に満ちた00000号にふさわしい名前なのではなかろうか

コレでどうです、>>1
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:47:57.73 ID:EkYtcHrN0
あとテッラから可愛がってもらえそう
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 20:51:38.95 ID:molfDaSSO
つまり術式のために食べなきゃいけないテッラさんに美味しくいただかれる(可愛がられる)という事ですか
415 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 20:57:22.78 ID:0+aVjhkY0
《安価は関係無いですけど>>421採用します  テッラさんは聖職者だから女の子食べたりしないし(震え声)》


00000号「ケール、はあなたの名字じゃなかった?」

話し方を変更したようだ。
タメ口と敬語の混ざった口調だ。
御坂美琴のそれに近い。

00000号「…私とあなたは所謂婚姻、親子、兄弟姉妹等の関係ではなかったと思うけど?」

名前をつけてもらい、個人としての生を受け。
彼女は、僅かばかりの期待と共に聞き返す。

00000号「家族としてミサカを受け入れると言う事ですか?」

この、ミサカを。

細い彼女の指先が、彼女の胸元を指す。
ミサカネットワークから好きな感情を取得した彼女の目には、今はもう、光がある。
期待と希望に満ちた瞳は、インデックスを彷彿とさせた。

フィアンマ「……養女だ、…養女」

00000号「…それでも、麦っていうのはちょっとね」

ふふ、と笑う彼女だが、少し泣きそうだった。
何もかもゼロになった彼女は、好きな感情を取得して、それでもゼロのまま。

フィアンマ「……古代のミサでは、『パンを裂く』ことは神の恵みを皆で共有することだ」

00000号「……」

フィアンマ「故に、『パンを食べる』ことは『神の子』の恵みを頂くこととなる。今もそうだがね。『神の子』自身、も『わたしが命のパンである(天からの真のパン)』と自らをパンになぞらえた程だ」

00000号「?」

それが自分と何の関係が、と彼女は首を傾げる。

フィアンマ「つまり、パンにはマナと呼ばれる神の恵みがある。お前は超能力を生み出す元となるマナを多く有している。ましてや、お前は生まれて間もない。子供は天の国へ入りやすく、清らかだ」

00000号「……」

フィアンマ「…お前に麦という意の名をつけたのは、お前が神に祝福された子だからだよ」

00000号「…このミサカは、世界中から見捨てられているも同然なのに?」

フィアンマ「神に愛されるということは、人に愛され辛いということだ」

だから、『神の子』に近い自分が拾った。養女にした。
家族として、お前を幸福の象徴として、子供として受け入れる、という宣言だった。

00000号「では、」

フィアンマ「ん?」

グラーノ「このミサカは、グラーノ=ケール。今この時から、あなたの娘なのですね」

微笑みを浮かべた彼女の瞳から、涙が漏れ出た。製作者が死んだ今、彼女には誰も味方が、家族が居なかったから。そして、今、出来たから。

フィアンマ「…そうなるな。……この歳で娘というのも遅いような気がするが」

グラーノ「>>417
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:00:58.86 ID:molfDaSSO
あなた、でもいいけど?パパ♪
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:01:10.75 ID:IZERzixIO
ではパパ、抱きしめてもらってもいいですか?
418 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 21:09:29.88 ID:0+aVjhkY0

グラーノ「ではパパ、抱きしめてもらってもいいですか?」

フィアンマ「養女と抱擁はイコールにならんのだが」

グラーノ「ダメ?」

お願いー、と彼女は手を合わせる。
やめろ、とぴしゃりと言いつつ。
フィアンマはだるそうにソファーへ腰掛け、同じく座った彼女を抱きしめた。
彼の鎖骨辺りへ顔を埋め、ミサカ00000号は泣きそうなままに、笑みを浮かべる。

ミサカネットワークへ接続した。
彼が妹達の為に戦ってくれ、自分達を人間だと認めてくれたことも知った。

グラーノ「……安心する」

あったかい。
少し低いフィアンマの体温が、心地良い。




翌日。
フィアンマは御坂美琴からのメールを受け、待ち合わせ場所にて待っていた。
昨夜は五和に泣かれるやらグラーノにひっつかれるやらで忙しかったように思う。
もう女に振り回されるのは散々だ、とフィアンマは思った。
と、約束時間から五分程過ぎて、美琴がやって来た。

美琴「>>420
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:11:47.26 ID:IZERzixIO
す、すみませんお待たせして!ちょっと準備に手間取ってしまって…
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:12:06.90 ID:molfDaSSO
愛称グラさんか…

やっといてなんだが、みこっちゃんミラノでやってけるんだろうか…

顔や姿そっくりの人が町中で殺人未遂したし…
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:12:52.84 ID:molfDaSSO
あ、>>420とこのレスは安価↓で
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:15:28.01 ID:EkYtcHrN0
>>419
423 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 21:21:38.58 ID:0+aVjhkY0

美琴「す、すみませんお待たせして! ちょっと準備に手間取ってしまって…」

フィアンマ「いや、別に構わんが。交渉は上手くいったんだろう?」

美琴「あぁ、はい。……あの子と勘違いされて警察に職質されました」

フィアンマ「……どうにか処理しておく」

記憶を消去する系統の術式を展開させなければならないか、とフィアンマは思う。
彼は少しだけ悩んで、自分でやるのが億劫になり、ヴェントへ丸投げした。
一般魔術師や司教に指示してどうにかする、との返答である。
通信術式の中でも文字でやり取りするタイプのものを使った為、美琴は気づかない。

美琴「……、」

フィアンマ「あの娘は俺様の養女にした」

美琴「よ、養女!?」

美琴(じゃあ将来的には私、お母さんって呼ばれるのか…)

フィアンマ「……調整をしたとしても、いつまで生きるかは怪しいが」

美琴「…、…」

フィアンマ「…少なくとも、あの子が死ぬまでは、それなりに幸せにしてやれれば、…良いのだがね。そもそも俺様にそこまでの度量は無いかもしれん」

美琴「>>425
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:23:09.52 ID:IZERzixIO
大丈夫です!私も一緒に支えますから!
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:24:00.65 ID:nuzdPQ8b0
>>424

426 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 21:30:44.07 ID:0+aVjhkY0

美琴「大丈夫です! 私も一緒に支えますから!」

やや恥ずかしいながらも、気合を入れて彼女は言う。
短期留学が終われば学園都市に帰ってしまうというのに、無責任といえば無責任なものだ。

美琴「その、金銭的に支援も出来ますし」

フィアンマ「金は、…困っていないが」

そもそも思春期女子は思春期女子の悩みを解決出来ないものでは、とフィアンマは不可解に思う。
ひとまず、それは置いといて、デートを開始することにした。



そんな訳で、おしゃれな喫茶店へとやって来た訳だが。
フィアンマは真面目にマイペースに、ケーキの盛り合わせをつついていた。

美琴「……」

甘いものお好きなんですか。

何故だろう、この一言を口にしたら全てが終わってしまう気がする。
何か、大変なことに巻き込まれてしまうような、気が。

インデックス「あ!」

横から、少女の声。
美琴が視線を向けると、そこには白い修道服を纏った小柄な少女が居た。
彼女はすたすたと近づいてくると、じろりとフィアンマを睨む。

インデックス「……」

フィアンマ「…此処で噛み付いてくれるなよ」

美琴「何ですか、このちっこいの」

インデックス「そういう短髪だって誰なの? フィアンマの何なのかな?」

フィアンマ、という単語に違和感を生じた美琴だが、フィアンマのミドルネームか何かだと判断する。

美琴「わ、私は>>428

インデックス「なら私は>>430
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:36:21.55 ID:molfDaSSO
親友に近いよき友人よ
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:36:42.47 ID:IZERzixIO
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:37:37.81 ID:EkYtcHrN0
一緒に住んでる大切な人なんだよ
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:38:10.81 ID:IZERzixIO
将来を約束した仲
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:40:00.16 ID:EkYtcHrN0
アカン、アカンでこれは…
原作とあんまり変わらん関係になっちまうぞ…
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:44:36.50 ID:IZERzixIO
同じ男を好きになったらそりゃしゃーない
433 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 21:46:43.59 ID:0+aVjhkY0

美琴「わ、私は親友に近いよき友人よ」

インデックス「なら私は将来を約束した仲かも」

美琴「…何ですって?」

インデックス「何か短髪に関係あるのかな?」

インデックスは噛んでやろうかと歯をむき出しにしている。
美琴は嫉妬心故にバチバチと紫電を散らしている。

二人は、揃ってフィアンマを見た。
女の戦いは、昼夜問わず男一人居れば始まるのだ。

インデックス「いつの間にフラグを立てていたのかな。フィアンマはいっつもいっつもそうなんだよ! 私が知らない間に女の子の知り合いばっかり増やして!!」

美琴「将来を約束した仲、なんかじゃないですよね? フィアンセ? フィアンセなんですか? その割には一緒にお住みになってませんでしたけど!」

インデックス「短髪は黙ってて欲しいんだよ!」

美琴「あんたが黙れば良いじゃない!」

言い合う両者の口論がヒートアップする中。
フィアンマはマイペースに動いていたものの。
やがて白熱する意味のない水かけ論に苛立ったのか、はたまた。

フィアンマ「貴様ら」

彼の見目からは想像出来ない程の威圧感が放たれる。

フィアンマ「……俺様は今甘いものを食べることに忙しいんだ。喧嘩ならよそでやれ」

砂糖漬けにして喰うぞ、小娘共。

そう言わんばかりの気迫に、少女二人は固まった。
どちらも、フィアンマには嫌われたくない。加えて、怖いと感じている。

フィアンマ「…禁書目録、『仕事』は終わったのか」

インデックス「………、…うん、終わったんだよ。帰る途中だったの」

フィアンマ「そうか。…あぁ、娘が出来た」

インデックス「>>435
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:51:25.55 ID:IZERzixIO
なにその「髪切った」くらいの軽い感じ!?娘って一体どこでこしらえてきたの!?相手はまさかこの短髪じゃないよね!?
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 21:51:44.04 ID:EkYtcHrN0
そう、分かったn………えぇーーー!? ガビーン!
+>>434
436 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 22:00:57.27 ID:0+aVjhkY0

インデックス「そう、分かったn………えぇーーー!?」

うっかり、ふーん、といった感じで相槌を打ちかけ。
がびーん、とショックを受けながら、インデックスは突っ込んだ。

インデックス「なにその『髪切った』くらいの軽い感じ!? 娘って一体どこでこしらえてきたの!? 相手はまさかこの短髪じゃないよね!?」

美琴「ちっ、違うわよ! ……そりゃあ赤ちゃんも欲しいかなとかは思うけどまだまだ全然早いし…」

もごもご、と呟く美琴。
フィアンマはインデックスの声にうるさそうにしながら、ロールケーキを口にした。

フィアンマ「違う、養女だ」

インデックス「よ、…養女?」

フィアンマ「身寄りの無い娘が居たから、俺様の養女にしたんだ。だから娘が出来たと、そういう訳だ」

ロールケーキを攻略し終え、クッキーをかじりながら、彼はそう言った。
インデックスはほっと胸をなで下ろす。

インデックス「い、…いつわとかとも、思ったんだよ」

フィアンマ「…俺様は子供を孕ませる趣味は無い」

インデックス「大人ならあるの?」

フィアンマ「揚げ足を取るな」

美琴「本当に、すみません…」

フィアンマ「いや、構わん。俺様がそうすると決めたんだ」

そんなこんなで、陽が暮れて。
美琴と別れ、フィアンマはインデックスと共に帰ることにした。



インデックス「……養女って言ってたけど、そういう体のお妾さんみたいなものじゃ、ないよね?」

おずおず、と彼女が問いかけてくる。
帰り道、フィアンマは欠伸をこらえて言葉を返した。

フィアンマ「>>438
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:07:53.01 ID:IZERzixIO
俺様にそういう趣味はないし興味もない
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:08:56.81 ID:EkYtcHrN0
>>438
+いつもの通り、迷える子羊を救っただけだよ
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:10:07.90 ID:EkYtcHrN0
間違えました、>>437でした
440 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 22:17:07.40 ID:0+aVjhkY0

フィアンマ「俺様にそういう趣味はないし、興味もない」

聖職者なのだから、と彼は肩を竦める。
そして、空を見上げながら言葉を付け足した。

フィアンマ「いつもの通り、迷える子羊を救っただけだよ」

インデックス「…ふうん」

なら良いけど、と呟くインデックスは、内心安堵していた。
別に、自分が彼と結ばれることはないとしても、なるべくなら、女性と結ばれないでいて欲しいと思ったから。

そして、家に入り。
インデックスは、グラーノを見るなりきょとんとしていた。

インデックス「…短髪?」

グラーノ「このミサカはグラーノ=ケール。パパの娘になったんだよ。っていうか、あなたは?」

インデックス「私はインデックス」

グラーノ「インデックス。……も、…目次ですか」

インデックス「違うんだよ! 禁書目録かも!」

むぅ、とむすくれるインデックス。
グラーノは小さく笑って、軍用ゴーグルを片付けた。

グラーノ「パパ、お帰り」

フィアンマ「…ただいま」

グラーノ「あのインデックス…ちゃんさん先輩はなんて呼べば良いの?」

どう呼べば良いかわからなかったのか、二人称をつけまくっている。

フィアンマ「>>442
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:18:16.05 ID:molfDaSSO
インペルダウンさんとか…?
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:18:47.55 ID:6hv3sDjI0
年も近いのだしインデックスでいいのではないか? そっちの方が打ち溶けやすいだろう
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:18:57.53 ID:IZERzixIO
同じ家族なんだ、変にかしこまらず普通に名前で呼べばいい
444 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 22:31:07.20 ID:0+aVjhkY0

フィアンマ「年も近いのだし、インデックスでいいのではないか? そっちの方が打ち溶けやすいだろう」

少なくとも、五和よりは歳が近い筈である、とフィアンマは思う。
ちなみにグラーノは五和のことをメイドさん、と呼び。
五和からはムギちゃんと呼ばれていた。

グラーノ「はーい。これからよろしくお願いします」

インデックス「うん、よろしくね」

身寄りが無いから引き取った養女、と言われれば嫉妬心は湧かない。
しかしあの短髪と見分けがつかないな、とインデックスは首を傾げた。

インデックス「じゃあ、私はグラーノって呼ぶね」

グラーノ「うん、よろしく」

五和「ご飯出来ましたよー」

グラーノ「はーい」

インデックス「はーい!」

平穏な空間。
一般家庭とはこれに近いものだろうか、と、フィアンマは思った。



九月八日。
上条当麻は、夜中に散歩していた。
というより、帰るのが遅くなってしまったのである。
スキルアウトに喧嘩を売られ、街中を走り回ったような気がする。
おかげでヘトヘト…だったが、お菓子を食べたお陰で元気になった。

上条「こんなところ感化されてもなぁ…」

だるい。
思いつつ歩いていると、困った様子のシスターさんを見つけた。

上条「困り事か?」

オルソラ「>>446
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 22:34:39.06 ID:F+xLO4BB0
安価なら、学園都市にはどう行けばよろしいのでしょうか?

てか、オルソラに遭えるって言うことはカミやん学園都市外に行った?
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:35:49.58 ID:molfDaSSO
あら?私に何か用でございますか?美味しそうな方サワサワ
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:36:13.89 ID:IZERzixIO
オルソラのほうがどうやってか学園都市内に入れたんじゃね
安価なら、あ、はい。もしかして学園都市の方でしょうか?
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:36:44.64 ID:EkYtcHrN0
>>445
あの例のバス停付近だろうな
449 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 22:51:09.58 ID:0+aVjhkY0

オルソラ「あら? 私に何か用でございますか? 美味しそうな方」

さわさわ、と髪を触られる。
上条はほとんど条件反射的に叫んだ。

上条「ウニじゃねえから!」

オルソラ「あら、ウニの妖精かと思いましたのでございますよ」

上条「はぁ…」

オルソラ「そうそう、困っているのでございます」

上条「あ、やっぱり困ってたのか。知り合いの家にでも行きたいのか?」

オルソラ「いえ、学園都市付近の遊園地でございまして。待ち合わせをしているのでございますよ」

上条「付近? ここはもう学園都市の中だぞ?」

大覇星祭が近いのでちょっぴり警備が緩んでいたのだろうか。
上条が首をかしげていると、癒し系巨乳シスター少女はほのぼのと言う。

オルソラ「知り合いは生憎学園都市内には…でも今日からは貴男様が私の知り合いでございますね」

上条「へ? 知り合い? いや、今学園都市の中って話を、」

オルソラ「本当にウニの妖精ではないのでございますね」

上条「こ、今度はウニの話?」

オルソラ「あら、ここは学園都市の中だったのでございますか? 嘘とハッタリで税関感覚で切り抜けていたのでございますよ」

上条「話が巻き戻ったり戻ってきたりしてる! 話辛ぇ!」

彼女独自のルール内で話しているらしい。
が、上条には理解出来ない独特のテンポ過ぎて、思わず頭を抱えた。

オルソラ「お疲れの時には甘いものでございますよ」

はい、と手渡されたオレンジ色の飴。
美味しいのか、と思いつつ食べてみれば、死にそうな位の苦味。

上条「苦っ?!」

オルソラ「渋柿キャンディーでございます」

上条「ぅ、うぐ、の、飲み物」

オルソラ「麦茶でよろしいですか?」

言いつつ袖から取り出された水筒。やっぱり夏はキンキンに冷えた麦茶だよな、と思いながら受け取って飲むと、熱い。

上条「づぁっつ!」

オルソラ「暑い時期に熱いものを敢えて飲むのがオツなのでございます」

上条「う…? わ、わかった、お前おばあちゃん思考の持ち主なんだな…」

善意からの施しなので、仕方なく飲み干す上条。

上条「…嘘とハッタリ、とか言ってたけど、何、追われてるのか?」

オルソラ「>>451
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:53:36.25 ID:IZERzixIO
さて、では私は学園都市に行かなければいけないので失礼しますね
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:54:23.23 ID:2NmwJQjno
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:54:34.29 ID:EkYtcHrN0
>>450
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 22:54:52.19 ID:molfDaSSO
まぁ、よくある事なのでございますよー

…!チッ、まだ追っ手がきてましたか?!ガチャリ、バンバンバンバン
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 22:55:42.81 ID:F+xLO4BB0
色々謎だな。いくら魔術師ゆるくてもただのシスター当然のオルソラが学園都市に来れたり、待ち合わせの人とか……
まさかアウレさん!?
455 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 23:04:04.71 ID:0+aVjhkY0

オルソラ「さて、では私は学園都市に行かなければいけないので失礼しますね」

上条「あれ!? さっきお前学園都市付近の遊園地って言ってただろうがってそっち出口じゃねえし!」

オルソラ「あ、ちなみに暑い時に熱い飲み物を飲むのは」

上条「またその話かよ! つ、ツッコミ疲れた…」

オルソラ「お疲れにはこのキャンディーを」

上条「いいいい要らない要らないもうそれは要らないいいい…! 不幸だああああ!」

久しく、上条は不幸だと叫んだのだった。

上条は外出用の書類を家から持ち出し、提出し。
『外』に出て、オルソラと共に歩いていた。
近場の遊園地へ向かう途中、シスターの軍団に遭遇する。
彼女達は、オルソラと同じ色、同じ形の修道服を纏っていた。

ルチア「あら」

気の強そうなすらりとした修道女が、オルソラを見やる。
そして、奇妙な程ににっこりと笑んだ。
僅かにオルソラが怯えた所作を、上条は見逃さない。

アニェーゼ「シスター・オルソラ。ようやく見つけましたよ。待ち合わせ場所には遅刻厳禁と言ったのに」

オルソラ「……」

上条「…なぁ、オルソラ。……コイツ等、お前の待ち合わせ相手なのか?」

オルソラは、自分の気配を消す霊装に触れようとする。
学園都市に入る際にも使用したものだった。
だが、ダメだった。道中、上条の右手がうっかり触れた為、壊れてなくなっていた。

オルソラ「………」

アニェーゼ「ほら、シスター・オルソラ。観念しちまって、行きますよ」

赤毛を三つ編みにした少女に、オルソラが手首を掴まれる。
オルソラは無言のまま、怯えた表情で、唇を噛む。

何となく、このまま引き渡せば、もう二度とオルソラには会えない気がした。





上条はどうする?>>+2
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:05:00.05 ID:oY/+vLwp0
アニェーゼに不意打ちそげぶ
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:05:51.93 ID:6hv3sDjI0
ちょっと相手と話してみる
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:05:52.11 ID:2NmwJQjno
オルソラつれて逃走
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 23:05:52.82 ID:F+xLO4BB0
安価なら、勘でオルソラを助ける。腕を引っ張って赤毛少女から逃げる


天草は機能しないけどフィアンマさんが付いているから何とかなるよね?
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:05:57.27 ID:IZERzixIO
オルソラの手を掴む
461 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 23:14:50.31 ID:0+aVjhkY0

上条「なぁ、ちょっと待ってくれよ」

アニェーゼ「はい?」

彼女は、猫を被っている。
上条は直感で、そう察知した。
何度も不幸な目に遭ってきたから、わかる。
不幸な事が起きる前特有の、嫌な予兆というものが。

上条「お前達、オルソラとはどこで待ち合わせしてたんだ?」

アニェーゼ「何処って、」

嘘は、堂々とつくもの。
アニェーゼは、笑顔すら浮かべてこう言う。

アニェーゼ「学園都市のゲート前ですが」

上条「……なら、オルソラは渡せねぇな」

上条は、オルソラの手首を掴む。
アニェーゼは何度か言葉を発し、上条はそれを断る。
にっちもさっちもいかない。

やがて、アニェーゼは舌打ちをした。

アニェーゼ「…面倒ですね。ま、見たところ異教徒ですし、やっちまっても後々隠蔽は出来るでしょう」

彼女がそんな物騒なことを言うなり。
二百人を優に超えるシスター達が、各々の武器を起動させた。

上条「オルソラ、逃げるぞ」

オルソラ「逃げ、っ」

上条「お前が本当に待ち合わせてるヤツなら、助けてくれるんだろ?」

言って、彼は彼女の手を引いて走り出す。
背後から攻撃が跳んだが、自分の不運を鑑みて、自分が進みたい方向とは逆に進む。その度に攻撃は回避された。

アニェーゼ「ちょこまかと、っ」

上条は時折後ろを見やり、その攻撃が能力に等しい『外』の技術―――魔術であると直感で察した。



上条はフィアンマに電話を(かけるorかけない)>>+2
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 23:16:24.94 ID:F+xLO4BB0
かける
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:16:30.48 ID:IZERzixIO
かけない

ここは上条だけで解決するべき
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:16:36.67 ID:molfDaSSO
あえてかけない。ハーレムメンバーの戦闘可能な人たちに連絡
465 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 23:23:59.71 ID:0+aVjhkY0

上条「……、」

一瞬、フィアンマに頼ろうかという考えが頭をよぎった。
魔術師である彼なら、或いは助けに来てくれるかもしれない。
だが、安易に頼って良いのか。また、彼を傷つけたいのか。
例え彼が助けを求めるよう望んでいたとしても、自分に降りかかる不幸を、また彼に押し付けるのか。
どうせ許してくれるから、きっと優しくしてくれるから。そんな理由で、味方をみだりに傷つけたいのか。

上条「……しねえ、よ」

どうしても立ち行かなくなったなら。
彼に頼るのも一つの手だが、甘えない。

遊園地が見えて来た。
後少し、走れば辿り着ける。
と、足場が揺れた。
咄嗟に振り返り、オルソラを庇う。
右手で魔術的な光は打ち消したものの、鋭い何かの木の破片が、上条の腹部に突き刺さった。

上条「が、っァ……!!」

痛い。
思わずオルソラの手を離しそうになる。
破片は上条の腹部を裂き、飛び離れていく。

上条「は、……ぁ、」

くじけてたまるか。
この程度で、倒れてたまるか。

彼は自分の代わりに、何度となくこんな痛みを耐えてくれたんだ。
これは、自分で解決する。自分で、この子を救いたい。

オルソラ「っ、もうやめてください! 私があちらへ行けばそれで済むのでございます。このままでは、貴男も死んでしまいます!」

上条「>>467
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:25:56.19 ID:IZERzixIO
今お前をあいつらに渡したら俺の誇りが死んじまうんだよ。なにより兄ちゃんに顔向けできない
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:27:38.59 ID:6hv3sDjI0
それじゃあお前が不幸になるだけだ だからお前を助ける
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 23:27:55.55 ID:F+xLO4BB0
馬鹿野郎ッ!目の前に困ったやつが居るのにそれを見捨てて逃げることなんてできるわけがねぇだろうがぁッ!
……俺が尊敬している兄ちゃんならきっとそうする

安価↓
469 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/13(水) 23:41:05.35 ID:0+aVjhkY0
《今日はここまで。お疲れ様でした》



上条「それじゃあ、お前が不幸になるだけだ」

彼は凛として前を向く。
血痰を吐き捨て、ゆっくりと呼吸をした。

どうせ、不幸になる体質を持って産まれてきたんだ。

兄ちゃんが、世界を救うなら。
俺は、兄ちゃんが救えなかった人を救う。

兄ちゃんが、身を削って誰かを助けるなら。
俺は、誰かの不幸も全部全部背負って、誰かを助けてみせる。


上条「だから、お前を助ける」

オルソラ「、っ」

上条「絶対に、見捨てない」

上条は、再びオルソラの手を引いて走り出した。
夜の遊園地は暗く、係員は居ない。
侵入して辺りを見回すが、誰も見当たらなかった。
げほ、と噎せ、上条はオルソラを真っ暗な、係員用の部屋へ隠す。

そして、迫り来る黒い修道女の集団の方へ、身体を向けた。

絶体絶命。
味方は居ない。
今から連絡をしたとして、助けが間に合うかどうかもわからない。

数にして、252人。

尚且つ、武器を持ち、魔術を扱う相手に。
上条は、自分の右手一つで勝てるだろうか、と思った。
だが、勝てる勝てないの問題ではない。
勝てなければ、オルソラをさらわれてしまえば、きっと、彼女は殺される。

だから、勝たなくてはならない。

オルソラの待ち合わせ相手が来るまで、戦わなければ。
ここで死ぬつもりはない。





上条はどうする?>>+2

アニェーゼ部隊はどうする?>>+4
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:41:55.97 ID:2NmwJQjno
突撃
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/13(水) 23:42:06.81 ID:F+xLO4BB0
ハーレムから戦闘力がある人を呼ぶ
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:47:38.42 ID:IZERzixIO
逆集団レイプをしてその動画を動画サイトに配信

473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/13(水) 23:50:33.72 ID:2NmwJQjno
包囲殲滅
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/14(木) 00:00:59.38 ID:GB6qoNQ7o
現上条勢力で一番強いのは誰だろう
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/14(木) 00:08:25.26 ID:sV/TYcx30
>>472

集団逆レイプだろ
476 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/14(木) 00:21:12.88 ID:NIXkEXrAO

アニェーゼ部隊に勝てそうなのはオリアナっぽいな…
上条さん頑張れ
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/14(木) 00:29:33.86 ID:tj+mZ/MIO
滝壺でワンチャン…と思ったけど相手が魔術師だと意味ないか
ところでこのssって旧約最後までやるん?
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/14(木) 00:31:36.59 ID:NIXkEXrAO

魔術師にはやはり魔術師か…上条勢力のヒロイン無力多い
最後までやっても良いんですがフィアンマさんがプロジェクト=ベツレヘムやらなさそうだなあと
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/14(木) 01:04:46.07 ID:aVy4j02SO
そこで例の禁書本編フィアンマさんと入れ換わりが発動、本編アンマさんがプロジェクト進行、前回の反省を生かし完遂。

フィアンマハーレムvs上条ハーレムの大激突になるわけですねわかりません
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/14(木) 01:08:41.70 ID:NIXkEXrAO

何それエグい戻ってきた時冤罪臭い
本編アンマさん相手で上条さんは殴れるんだろうか…

そして本編世界でもハーレム作っちゃうフィアンマさんか…歪みねえ
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/14(木) 01:18:16.40 ID:aVy4j02SO
上条さんなら勝手に盛り上がって、

「なんで、あんなに優しかった兄ちゃんが…いいぜ、兄ちゃんが間違った方へ進むなら、俺が止めてみせる!」

な感じでおもっくそ手加減抜きで殴り倒しそう…
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/14(木) 01:23:10.72 ID:NIXkEXrAO

ぼっこぼこにされる本編アンマさん…愛(ブラコン)がある分すごいだろうな痛そう

一方本編条さんと本編目録は突然フィアンマさんに甘やかされてきょとんなのであった
483 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/14(木) 10:36:41.29 ID:WDwNATsS0

上条は、携帯電話を取り出した。
助けに来てくれることを祈って、電話をかける。
相手は、自分がこよなく愛する彼女達だった。
無能力者の友人は頼れない。姫神は戦力になりそうもない。
サイドの関係から考慮して、科学者を魔術師と戦わせるのは不味い。
学園都市外へ警備員を呼び出しては、到着するまでに時間がかかり過ぎる。
常の何倍も頭を働かせ、上条はオリアナ=トムソン―――『追跡封じ』に連絡を取った。

オリアナ『もしもし?』

上条「悪い、助けてくれ。魔術師に追われてる」

上条は遊園地の名と、目立つものを告げる。
オリアナが快く承諾してくれたところで、通話を終えた。
最悪、とりあえずオルソラを逃がしてもらえればそれで良い。
オリアナは『追跡封じ』。こと、逃亡には優れた腕を持つ筈だ。

アニェーゼ「包囲」

少女の冷酷な声。
修道女が、無言で各々の武器を構える。

赤、青、緑、黄、紫、白……魔術的な光が点っていた。

殺意と敵意の篭った光に囲まれ、しかし、上条は怯えない。

アニェーゼ「言っておきますが、私達は異教徒であるあなたに容赦はしませんよ。死にたくないってんなら、今の内にシスター・オルソラを私達に明け渡しちまってください」

最終通告。
これを無視すれば、今度こそ殺してやるという意思表示。

上条「>>485
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/14(木) 10:42:31.10 ID:Ke3xGC7Q0
今オルソラをお前らに渡したら俺の誇りが死んじまうんだよッ!
……なにより兄ちゃんに顔向けできない

安価↓
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/14(木) 10:56:04.91 ID:wYQK2IMS0
安価上
486 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/14(木) 11:04:27.15 ID:WDwNATsS0

上条「今オルソラをお前らに渡したら俺の誇りが死んじまうんだよッ!」

だから、引く訳にはいかない。
戦うしかない。自分が、彼女を救うと決めた。
人の人生を、中途半端に投げ出すなんて、絶対に嫌だ。

上条「……なにより、兄ちゃんに顔向けできない」

今まで、自分が受容すべき不幸を押し付けてきた分。
今度こそ、履行する。誰にも、甘えない。

アニェーゼ「……」

上条「……俺は、一度死んでるようなモンなんだ。だから、こんな命惜しくねえよ」

もう、誰にも押し付けない。
自分が背負った不幸は、自分で片付ける。

上条は、右拳を握って、闘う。



オリアナ=トムソンが到着した時。
上条は、ボロボロで、怪我をして、血まみれだった。
それでも、獣のような目で修道女を睨み、右拳一つを武器に戦っていた。
彼は、既に立っていられるような体調ではない。気力だけで立っていた。
殴っても蹴っても刺しても貫いても一向に倒れない上条に、修道女は怯んでいる。

オリアナ「遅れてごめんなさいね?」

言いながら、彼女は懐から取り出した単語メモ帳を、口で破る。
突風が吹き荒れた。アニェーゼの身体が、軽く宙に浮く。

アニェーゼ「『追跡封じ』、ッ!?」

上条「げほ、…オリアナ。…コイツら、倒せる、か。……倒せそうにないなら、連れて逃げて欲しいヤツが居る」

オリアナ「>>488
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 13:50:29.08 ID:tOIhMdw40
お姉さんを信じなさい。その人とあなたも助けちゃうわ

……だからもう休みなさい(上条の顔を胸のほうに押して)

安価↓
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 13:50:48.75 ID:Pu1cBUUIO
ようやく復活したか、安価なら

お姉さん的には逃げようものなら確実に逃げられるけど…愛しのダーリンをこんな目に合わせたこいつらにはちょーっとお仕置きが必要かしらん
489 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 14:03:38.09 ID:CRoWlVHH0
《やっと復活した…》


オリアナ「お姉さん的には、逃げようものなら確実に逃げられるけど…愛しのダーリンをこんな目に合わせたこいつらにはちょーっとお仕置きが必要かしらん」

くす、と彼女は色っぽく笑う。
フリーで、且つ魔術師である彼女には、何のしがらみも無い。
ローマ正教に義理立てしなくてはならない理由など、どこにもない。

オリアナ「だから、ここはお姉さんに全部任せて、ダーリンは寝ちゃって良いわよ」

彼女がメモ帳を破り捨てる度に。
魔術的現象による風や炎が吹き荒れ、修道女達はなぎ倒されていく。
敵相手ながらも心配がよぎる上条を安堵させるように。
決して致命傷は与えていない、とオリアナは告げる。
その間にも、攻撃は止むことは無く。

気がつけば、まともに立っていられるのはアニェーゼただ一人だった。

      Tutto paragone. Il quinto dei elementi.  Ordina la canna che mostra pace ed ordina.
アニェーゼ「万物照応。   五大の元素の元の第五。 平和と秩序の象徴『司教杖』を展開」

彼女は、淡々と告げる。
       Prima.   Segua la legge di Dio ed una croce. Due Cose diverse sono connesse.
アニェーゼ「偶像の一。  神の子と十字架の法則に従い、   異なる物と異なる者を接続せよ」

そして、手に持っているエーテルの象徴武器を、振るった。
内臓を直接叩かれ、オリアナは思わず崩れ落ちる。
アニェーゼは動かなかった上条を戦力としては見ていない。
勝利を確信した刹那、腹圧によって内臓のはみ出そうな上条は息を止め、アニェーゼへ身体を突っ込ませた。
握られた右拳が、アニェーゼへ迫る。

アニェーゼ「な、」

象徴武器が振るわれた。
上条は脚に火傷を負うも、止まらない。

アニェーゼ(あれだけの攻撃を受けて、このバケモ、ノ)

上条「テメェらが、どんな理由でオルソラを狙ったかは知らねえ。だが、俺にしたようにアイツを傷つけても構わないってんなら―――まずは、そのくだらねぇ幻想をぶち殺す!」

幻想殺しの宿った右手が、アニェーゼの顔面を捉える。
彼女のほっそりとした小柄な身体は、ワンバウンドして吹っ飛んだ。

上条「げほ、…」

上条が咳き込んでいると、見慣れた顔があった。

上条「え、っと…神、裂…さん、だっけ…?」

神裂「遅れて、申し訳ありません……っ」

彼女は部下なのか仲間なのか、他の人員に指示をしている。
オルソラを保護してくれるようだ。そもそも、彼女が本当に待ち合わせをしていたのは彼女達だったようである。
上条は自らの腹部を左手で押さえ、オリアナへよろよろと近寄った。

上条「ご、めん。…だい、じょうぶ、か…?」

オリアナ「>>491
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:07:42.25 ID:JwLsO2LAO
加速
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 14:08:02.07 ID:tOIhMdw40
何言っているのよ。それはこっちのセリフよ
今日はお姉さんの胸で休みなさい……愛しのダーリン(そう言って上条を自分の胸に近づける)

安価↓
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:08:55.43 ID:NLbpeoJ70
安価上
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:09:29.41 ID:JwLsO2LAO
セリフ安価で行動していいの?

安価なら睾丸を撫でてあげる
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 14:11:29.69 ID:tOIhMdw40
無理なら()ないは無しで
……これくらいならいけるかと思った
495 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 14:17:00.06 ID:CRoWlVHH0
《セリフ安価で行動は可能ですが、あんまり行動多いと書ききれないと思います》


オリアナ「何言っているのよ。それはこっちのセリフよ」

ふふ、と彼女は微笑む。
そして、治癒術式が無駄であるために、そっと上条の腹部に触れた。
よろよろと立ち上がり、上条の身体を抱きしめる。
多くの人間に傷つけられ、ズタボロの血まみれになってしまった、愛しい少年を。

オリアナ「今日はお姉さんの胸で休みなさい……愛しのダーリン」

優しく、そう言って。
彼女は、自らの豊満で柔らかな胸元へ、上条を抱き寄せた。
精一杯張っていた気が抜け、上条は体の余計な力を抜いて、彼女に身を預けた。
がやがやと聞こえる声から聞き取れた情報を整理すると、オルソラはイギリス清教という組織で正式に保護されるようだ。

オルソラ「あ、あの」

上条は、ちらりと視線を向ける。
今にも泣きそうな顔をしたオルソラが、立っていた。

オルソラ「…本当に、…ありがとう、ございました。…何とお礼を申し上げれば良いのか、…判断がつきかねるのでございます…」

上条「ん、いいよ。……俺が困った時、助けてくれ」

へら、と柔らかく笑んで。
彼は目を閉じ、気を失った。



翌日。
上条は、病室で目を覚ました。
身体がだるい。

上条「んー…」

身体中が痛む。が、自分のやりたいようにやった。
勿論自分一人でオルソラを守ったとは思っていない。オリアナが大半だとも、思う。
けれど、人を救うことは出来た。"彼"と顔を合わせても、恥ずかしくない。

コンコン、とドアがノックされた。

上条「ん、どうぞー」





お見舞いに来た人物(禁書キャラ。一名)>>+2
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 14:18:53.68 ID:tOIhMdw40
ここは普通にオルソラ
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/15(金) 14:19:04.47 ID:JwLsO2LAO
ビアージオ
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 14:20:27.18 ID:tOIhMdw40
こ、コンマを所望する!
安価なら、フィアンマ兄ちゃん
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:20:51.56 ID:Pu1cBUUIO
フィア
500 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 14:21:27.72 ID:CRoWlVHH0

>>+1のコンマ一桁(お義父様にかわりましてミサカ00000号がお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 14:18:53.6『8』←ココ)で上条のお見舞いへ来たキャラ決定


0〜8 オルソラ


9 ビアージオ
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:23:38.80 ID:Pu1cBUUIO
まあ、ここでビアージオはそこまで変な安価でもないか…?
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:23:53.89 ID:JwLsO2LAO
何でコンマにしちゃうん?

ちなみに私はビアージオと上条さんの友情話が見たいです
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 14:25:23.39 ID:tOIhMdw40
>>502
頼むから出現するなら別のスレに池
ここは変な安価する場所じゃないから
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:27:48.80 ID:iWfG8gsd0
>>502

変な安価したいなら他行け
505 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 14:30:04.26 ID:CRoWlVHH0
>>501 14:23:38.8『0』 結果:オルソラ ご協力ありがとうございます フィアンマさんが来られないからビアージオ代理ってのはおかしくないけど可能性低いかなと 後ビアージオさんは上条さん嫌いだと思うよ》


入ってきたのは、昨日上条が守り抜いた修道女だった。
何となく修道服の形や色合いが違う気がする。
そういえば昔お兄ちゃんが宗派によって同じ十字教でも修道服は違うと言っていたなあ、と上条はぼんやり思った。

上条「よお、オルソラ」

オルソラ「昨晩ぶりでございます」

ぺこ、と彼女は深々と頭を下げる。
日本流のマナーについてもきっちり学んでいるのは、彼女が布教のプロだからだ。
上条は慌てて彼女に言う。

上条「いや、顔上げてくれよ。もう、大丈夫なんだろ? 追われたり、しないんだろ?」

オルソラ「はい、お陰さまでイギリス清教の方に身柄を移す事になったのでございます」

なので、保護された状況だ、と彼女は言う。
今回はきちんとゲストIDを発行してもらい、上条を見舞う為だけにやって来たらしい。

上条「なら、良いよ。…お見舞い、ありがとな」

オルソラ「いえ、何とお礼を申し上げれば…あ、お見舞い品があるのでございます」

言って、彼女はごそごそと袖に手を差し込む。
四次元袖か何かなの? と上条は首を傾げた。

オルソラ「こちら、お見舞い品でございます」

上条「これは…>>507?」
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:30:17.65 ID:JwLsO2LAO
変な安価?一夫一妻制の日本で8人ハーレムとかの方が変な安価じゃないの?

安価なら下
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:30:58.47 ID:JwLsO2LAO
バイアグラ
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 14:30:59.64 ID:tOIhMdw40
手作りのおかし
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:31:30.77 ID:aa3Hvv3N0
>>506

黙れ池沼



510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 14:32:04.40 ID:tOIhMdw40
>>506
お前の今までの安価を振り返ってみろ
酷いッたらありゃしないよ
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:32:05.15 ID:aa3Hvv3N0
だから連投禁止にしろよ
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:35:38.77 ID:aa3Hvv3N0
一夫一妻制の日本で8人のハーレムおかしいキリッ

マジ馬鹿過ぎるwwwwww
513 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 14:40:50.25 ID:CRoWlVHH0
>>511 禁止にしてもやるヤツはやると思うので…》


上条「これは…手作りのお菓子?」

オルソラ「甘いものはお嫌いでございますか?」

上条「むしろ好きだけどな。うん、…正常な人間レベルでは好きだと思うけど」

オルソラ「?」

上条「いや、何でもない。ありがとな。お、チョコチップいっぱい入ってるな」

オルソラ「昨日、保護された女子寮のお台所をお借りして作ったものでございます」

上条「料理上手なんだな」

そう褒めると、オルソラは穏やかに微笑んではにかんだ。
綺麗な笑顔だな、と上条は思いつつ。
許可を取ってから開封し、中身のお菓子を食べた。
巻き型クッキーにチョコチップが入っている。甘い。
良い砂糖を使ったのか、はたまた良い卵を使ったのか、その甘さは実に優しいものだった。

上条「ん、美味い、すげえ美味い。何かこれなら三十枚位いけそう」

オルソラ「…ふふ、ありがとうございます」

冗談半分本気半分に言う上条に、オルソラはのんびりと笑んだ。
そしてもう一度頭を下げ、病室を出て行く。
未だ口の中に残る心地良い甘さに目を細め、上条はお菓子の入っていた袋の口を閉め、もう一眠りすることに決めたのだった。




九月十五日。
大覇星祭準備期間中に帰ることが条件として短期留学をしていた御坂美琴は、予定通り帰ることになった。
もう少し此処に居たいと強請りたかったものの、決まっているものは仕方が無い。
彼女の希望と日時の都合が合致し、フィアンマは彼女を空港まで見送りに来ていた。

美琴「ううー、帰りたくない!」

フィアンマ「そんなにイタリアが気に入ったのか」

美琴「…まぁ、そういえばそうですけど」

フィアンマ「…そういえば、十九日からは大覇星祭だったか」

行くべきか行くまいか、とフィアンマは首を傾げる。

美琴「>>515
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:41:33.99 ID:aa3Hvv3N0
>>513

やったらスルーすれば良いだけでしょ
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:42:14.46 ID:Pu1cBUUIO
是非みなさんでいらしてください!友達とかも紹介しますので
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 14:43:03.00 ID:tOIhMdw40
そうだ!フィアンマさんも学園都市に来ませんか?
大覇星祭中なら一般の人でも学園都市に入れますし……

安価↓
517 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 14:47:46.52 ID:CRoWlVHH0
>>514 捌けない時はやってます…》


美琴「是非みなさんでいらしてください! 友達とかも紹介しますので」

フィアンマ「ああ」

良かったらですけど、と控えめに言葉を付け加える美琴。
その時に仕事がなければ、とフィアンマは頷いた。
と、飛行機の出発時間が近づいている。
美琴は時計を見やり、しょんぼりと肩を落とした。

美琴「う…大覇星祭頑張りますから、あの、お仕事じゃなかったら、きっといらしてくださいね!」

フィアンマ「あぁ」

美琴「後、」

フィアンマ「ん?」

美琴「…あの子のこと、改めて、今後もよろしくお願いします」

あの子。
ミサカ00000号―――もとい、現グラーノ=ケールという名前をつけられた、一人のクローン少女。
フィアンマは再び頷いて。
そして、帰りたくない、とナーバスな彼女の前髪を、そっと手で上げた。
きょとん、とする美琴のさらさらとしたキメ細かい白い額へ、軽く口づけた。

額への接吻は、祝福を意味する。

フィアンマ「お前にも、常人では考えられない程の苦労があると思うが、…挫けるなよ」

美琴「>>519
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:51:49.98 ID:Pu1cBUUIO
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 14:53:29.69 ID:sD+7vAzE0
フィアンマさん…
ありがとうございます!そういうところが大好きです!
520 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 15:01:59.20 ID:CRoWlVHH0

美琴「フィアンマさん…」

彼女は、ぐし、と自分の瞳に滲んだ涙を指で拭う。

自分が科学者に騙されなければ。
自分が死んでおけば。
自分が一人で抱え込めば。

思い悩み苦しみ、今も尚苦しく考えてしまう罪悪感が、和らぐ。
羞恥こそあるものの、彼女はどもらず、綺麗に微笑んだ。

美琴「ありがとうございます! そういうところが、大好きです!」

こっそりと告白を織り交ぜてそう言うと、彼女は飛行機に乗り込むべく、歩いて行った。
そうなればもはや空港に用の無いフィアンマは、踵を返して家路へつく。


家に入ると、グラーノとインデックスが正面きって争っていた。
腕力で、ではない。
どうやら、リバーシのようである。

五和「お帰りなさいませ」

フィアンマ「…ヤツ等は何をしているんだ?」

何かを賭けているらしい。
とてつもなく真剣な表情である。
決して寡黙なタイプではない二人が、黙りこくって取り組んでいるのだ。

フィアンマ「いや、質問を変えよう。リバーシで勝負をしているのはわかるが、何を賭けているんだ?」

五和「>>522
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 15:06:38.26 ID:Pu1cBUUIO
今日の夕飯のおかずをかけて、らしいです
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 15:08:38.33 ID:JwLsO2LAO
アナル処女を
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 15:10:27.30 ID:3loBDDYT0
>>521

524 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 15:18:34.49 ID:CRoWlVHH0

五和「今日の夕飯のおかずをかけて、らしいです」

既に充分量だと思うんですけど、と五和は首を傾げる。
食べ盛りなのだろう、とフィアンマは納得してみる。

五和「あ、クッキーを焼いたんですけど、お食べになりますか?」

フィアンマ「あぁ」

五和「紅茶淹れますね」

フィアンマ「頼む」

のんびりとした様子で、五和はティータイムの準備を始める。
まもなく夕飯時だが、リバーシの決着がつくまで待とうということである。
甘いものと食事は分けて食べることの出来るフィアンマとしては、いつおやつを食べても文句はない。

インデックス「いい加減負けを認めたら良いかも。フィアンマ、お帰り!」

グラーノ「ミサカは負けませんー、っだ! パパお帰りっ!」

フィアンマ「…ただいま。現在何勝何敗なんだ?」

インデックス「31賭5引き分けかも」

グラーノ「32勝5引き分けだよ」

言いながら、熟考しているようだ。
どちらに味方することもなく、フィアンマはクッキーを口にする。
チョコチップの入っているクッキーにミルクティーは相性が良い。

フィアンマ「…二十五日に学園都市へ行く予定なのだが、…」

彼は迷っていた。
オッレルスが脅しをかけてくれたことは知っているが、ミサカ00000号を学園都市へ連れて行って、果たして大丈夫なのだろうかと。
危険な目に遭わせる位なら、五和と共に家へ置いた方が良いのでは、とも。

五和「>>526

インデックス「>>528

グラーノ「>>530
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 15:45:19.26 ID:5tFy7uzSO
もうフラグ立ててきちゃだめですよ?
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 15:46:14.46 ID:Arlw6cpQ0
留守は任せてください
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 15:51:55.55 ID:5tFy7uzSO
くっ、甘い物をもっと脳におくりこまねば…サクサクサクサクサクサク
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 15:53:47.05 ID:sD+7vAzE0
>>527

529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 16:02:58.06 ID:5tFy7uzSO
ちょ、それミサカのぶんじゃない!なくなったならメイドちゃんにお代わりもらいなさいよ!、とミサカはミサカのクッキーへの侵攻に抵抗を試みます!
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 16:11:35.35 ID:I52NeC8X0
>>529

あ、お父様、ミサカは留守番しているので
お気になさらず
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 16:38:13.96 ID:sdIAtOrAO
>>524
×31賭
○31勝
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 16:39:39.90 ID:5tFy7uzSO
マーリンの髭だな
533 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 16:59:58.23 ID:jvvLYf250
《大覇星祭編が終わったら入れ替わり編(とある右席の人生交換)やる予定です >>524 重ねてすみません、二五日ではなく十九日でした、最終日に行ってどうする》


五和「留守は任せてください」

インデックス「くっ、甘い物をもっと脳におくりこまねば…」

さくさくさくさくさくさく、とクッキーを頬張るインデックス。
彼女のほっぺたは勢い良くクッキーを詰め込んだ影響でハムスターのように膨らんでいる。

グラーノ「ちょ、それミサカのぶんじゃない! なくなったならメイドちゃんにお代わりもらいなさいよ! っ、とミサカはミサカのクッキーへの侵攻に抵抗を試みます!」

どうやらインデックスはグラーノの分を食べていたらしい。
全力阻止をしようとするグラーノと、尚食べようとするインデックス。

フィアンマ「インデックス、卑しい事をするな」

言いながら、彼は自分の分のクッキーをインデックスの口へ押し込む。
もごもごぉ、と口の中をクッキーでいっぱいにし、インデックスはグラーノの分を盗ることをやめた。

グラーノ「あ、お父様、ミサカは留守番しているのでお気になさらず」

楽しんできてください、と彼女はほのぼのと微笑む。

フィアンマ「……、…五和、グラーノ自身にも戦闘技術がある以上心配無いとは思うが、留守を頼んだぞ」

五和「家の事はお任せください」

守り抜きますから、と頷く五和。
何だか新婚夫婦のやり取りのようで、インデックスはバリッと思いっきりクッキーを噛んだ。


九月十八日。
学園都市に到着したインデックスとフィアンマは、ホテルで休んでいた。
予定と希望通り、五和とグラーノはお留守番組である。

インデックス「大覇星祭って『パンクイキョウソウ』があるんでしょ? 学園都市の学生が羨ましいかも」

フィアンマ「パンを食べる為にわざわざ走りたいのか?」

インデックス「>>535
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 17:04:26.75 ID:tOIhMdw40
パンも喰えて運動も出来て一石二鳥なんだよ
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 17:06:25.28 ID:Zbn+Oa9v0
テッラのパンならもっと良かったかも
536 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 17:16:02.47 ID:jvvLYf250

インデックス「テッラのパンならもっと良かったかも」

フィアンマ「ヤツはパン作りが得意だからな…」

インデックス「フィアンマはテッラの作るストロベリーパイが好きなんだよね。ふっくら焼き上げたパン生地にパイが乗ってるやつ」

フィアンマ「最近は食べていないがね」

インデックス「頼んだら良いかも」

フィアンマ「聖ピエトロ大聖堂まで向かうのが億劫だ」

もともとは住んでいたのに、とインデックスは首を傾げる。
彼の本質は未だ出不精なので、仕方が無いことである。

インデックス「んー…」

彼女は、ベッドへ横になったままパンフレットを開く。
開催競技一覧と、開催場所が書かれていた。

インデックス「何を見に行くの?」

フィアンマ「棒倒し、借り物競争、大玉転がし…の予定だが」

インデックス「とうまが出る競技?」

フィアンマ「だけではないな」

インデックス「…ま、まさかあの短髪の出る競技も?」

フィアンマ「一応、招待の言葉を先にかけてくれたのはヤツだからな」

インデックス「………」

フィアンマ「…どうかしたのか」

インデックス「>>538
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 17:16:44.08 ID:tOIhMdw40
なんでもないんだよ プンッ
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 17:18:02.89 ID:JwLsO2LAO
私を犯して
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 17:18:20.58 ID:5tFy7uzSO
ちなみにとうまと短髪の出る競技が被ったらどうするの?
540 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 17:27:13.69 ID:jvvLYf250

インデックス「ちなみに、とうまと短髪の出る競技が被ったらどうするの?」

上条が在籍しているのはとある高校。
対して、御坂美琴が在籍しているのは常盤台中学。
時間が被れば、当然ながらどちらも見に行く事は出来ない。
彼女はそれについて首を傾げていたのだった。

フィアンマ「そうだな…」

インデックス「……」

フィアンマ「恐らく被りはしないと思うが、仮に被った上に競技場が離れている場合は、当麻を優先する」

思い入れの差があるので仕方がない、と彼は妥協した。
尚、競技時間の半分を美琴、もう半分を上条に割くということも出来る。

インデックス「とうま、勝ち残れたら良いね」

フィアンマ「そうだな。…もっとも、怪我をしなければ何でも良い」

それが心配だ、と彼は苦く笑む。
本当に大切に思っているのだな、とインデックスは思った。
上条以上にインデックスを大切にしていることに、彼女自身は気づけないのだが。



そして、大覇星祭が始まった。
一日目は、まず開会式からである。
長くなりそうだと見込んだフィアンマは、開会式が終わったタイミングを見計らって外へ出た。
上条が参加する第一種目は、棒倒しである。

フィアンマ(…『法の書』解読者救出事件で負った傷は、もう治ったのか)

報告を受けていたことを思い。
フィアンマはインデックスと共に、観戦席へ腰を下ろした。

フレメア「にゃあにゃあ! 大体、おにいちゃんのおにーちゃんだ!」

不意に、横から声が聞こえた。
ふわふわの金髪に愛らしい顔立ちの幼女であった。そっくりで身長のもう少し高いベレー帽少女は、恐らくこの子の姉だろう。

フィアンマ「フレメア=セイヴェルンだったか。元気だったか?」

フレメア「>>542
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 17:34:26.07 ID:5tFy7uzSO
もちろーん!もう少しで皆もくるよ!

お兄さんもお昼一緒に食べるの?にゃあ
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 17:34:34.40 ID:Sda6waDm0
にゃあ!元気だよ!
おねーちゃん、このひとが例のフィアンマさんだよ!
543 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 17:38:46.71 ID:jvvLYf250

フレメア「にゃあ! 元気だよ!」

邪気の無い子供は元気一杯で愛らしい。
えへへ、とはにかみながら、お姫様のような洋服の幼女はベレー帽少女を見上げる。

フレメア「おねーちゃん、このひとが例のフィアンマさんだよ!」

フレンダ「結局、はじめましてって訳よ」

ぺこ、とベレー帽少女が軽く頭を下げる。
そのまま手を差し出してきた為、フィアンマは右手で握手をした。

フィアンマ「ミハエル=ケール=フィアンマだ。初めまして」

上条の知り合いの知り合い。
そんな訳で、フィアンマは割と丁寧に挨拶をした。

フレンダ「ご紹介遅れて申し訳ないって訳よ。私はフレンダ=セイヴェルンです」

握手を受け、フレンダはにこにこと笑んだ。
妹を守る為にその足を血の海に浸からせているものの、彼女は明るい性格をしている。

フレメア「大体、フィアンマさんのお隣の白い人は恋人?」

インデックス「>>545
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 17:40:40.66 ID:tOIhMdw40
私とフィアンマはそんな関係じゃ……//// モジモジ
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 17:41:13.10 ID:5tFy7uzSO
そういやフィアンマside、上条sideのバレンタインネタの小ネタがこないなぁ?チラッ

安価なら

まだ違うかも。
546 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 17:50:20.35 ID:jvvLYf250
>>545 本編でやろうかなと…イタリアと日本だとバレンタイン違うから上条さんがフィアンマサイドに吹き込まねば》


インデックス「まだ違うかも」

フィアンマ「…まだとは何だ」

フレメア「にゃあ、なれたら良いね」

イヤミでなく、本心からだろう。
見る者全てを和ませる笑顔を浮かべるフレメアに、インデックスは小さく笑む。
流石に、自分より年下の子供に嫉妬をする程子供ではないのである。
そうこうしている内に、選手が入場してきた。

敵対する二組のグループが長さ7メートルぐらいの棒を、各クラスが一本立てる。
そして、自軍の棒を守りつつ相手の棒を倒せば勝利。

シンプルなルールだが、そこは学園都市。
程なくして、火炎や念動力の槍が飛び交いはじめる。

フレメア「にゃあ! おにーちゃん頑張ってー!」

はしゃぎ半分に応援するフレメア。
上条はちらりとだけ彼女を見遣って、右手で火炎を打ち消す。



激闘の末、上条の軍、及びクラスが勝利したようだった。
競技が終われば、早くも競技場から見学者も追い出される。

インデックス「おなかへった」

フィアンマ「屋台が出ているようだが、」

冷やかしてみるか。
思ったものの、二人は途中、警備員に止められた。

黄泉川「はいはい、通行止めじゃんねー」

インデックス「えええええ!!」

フィアンマ「合同パレードの為の交通規制か」

黄泉川「そういうことじゃん。お久しぶり」

フィアンマ「久しいな。当麻がいつも世話になっている」

インデックス「うう、世間話はどうだって良いんだよ。…ねえ、何か食べるものを販売しているところは無いのかな…?」

黄泉川「>>548
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 17:53:55.30 ID:tOIhMdw40
私は今手が離せないから案内できないから知り合いに電話して案内してもらうじゃん(そう言って携帯を出す)
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 17:54:30.24 ID:Sda6waDm0
>>547
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 17:56:45.73 ID:tOIhMdw40
この時期は一方さん預かってたはずだから呼べるかな?
最悪、鉄装がでるかな?
安価↓
550 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 18:02:08.34 ID:jvvLYf250
《打ち止めを助ける決断が早かったので当スレの一方さんは障害を負っていません》


黄泉川「あー、私は今手が離せないし、案内できないから…知り合いに電話して案内してもらうじゃん」

言って、彼女は携帯電話を取り出した。
連絡した相手は、ハーレムの一人、姫神秋沙である。
借り物競争に出ない彼女は時間があったのだろう、すぐに来てくれた。

姫神「案内する」

フィアンマ「あぁ」

インデックス「おなかへった…ありがとね!」

黄泉川「どういたしましてじゃん」

三人は連れ立ってファーストフード店へ向かった。
フィアンマの体質効果か、運良く席が空いていた為に座る。
お腹をぺこぺこ空かせたインデックスの前へハンバーガーを積んでいき、フィアンマは姫神を見やった。

姫神「以前会った時は。上条くんのお家。でしたよね」

フィアンマ「そうだな。当麻がいつも世話になっている」

姫神「いえいえ。こちらこそ」

フィアンマ「……、…」

彼は、姫神の様子を眺めた。
そして、ふと問いかける。

フィアンマ「…お前の能力は何だ」

姫神「…え?」

フィアンマ「いや、昔お前によく似た子供に見覚えがあってな」

『吸血殺し(ディープブラッド)』ではないか、とフィアンマは首を傾げた。

姫神「>>552
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 18:03:35.80 ID:tOIhMdw40
……視覚阻害(ダミーチェック)レベルは1……

安価↓
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 18:04:39.59 ID:Pu1cBUUIO
存在阻害のレベル5。…なんちゃって
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 18:14:59.59 ID:Ohjviy0dP
ある意味あってる
554 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 18:15:55.58 ID:jvvLYf250

姫神「『存在阻害(アンチプレゼンス)』の『超能力者』。…なんちゃって」

小さく笑って、彼女は店内の騒がしさへ溶かすように言う。

姫神「…昔は。悪い意味で凄い能力があったけど。今は。もう。大丈夫」

フィアンマ「…そうか」

なら良い、と彼は手出しをしなかった。
本人が解決したというのなら、無暗に手出しをする必要はない。
そうやって必要がなければ誰かを助けないのが、彼と上条の違い。




四校合同借り物競争。
上条と美琴が同時に参加する競技である。
この競技に限っては学校対抗らしく、高校と中学、性別を問わないようだ。
その代わり、借り物がちょっぴり難しい内容らしい。

美琴(よ、ようし、頑張れ私。フィアンマさんに格好良いところ見せるんだから!)

上条(変なの引きませんように…)

二人はそれぞれ、設置された箱の中へ手を突っ込む。

内容は、『自分の人生を最も変えた人』。

ぐるん、と二人の顔が、観客席に居たフィアンマの方へ向けられた。

インデックス「…フィアンマ、何かしたの?」

フィアンマ「…、何もしていないのだが」

並々ならぬ緊迫感、及び威圧感のような何かに、フィアンマは二人を見つめ返していた。
美琴と上条は驚きの速さで観客席までやってくると、右手は上条が、左手は美琴が引っ張る。
よくわからないまま立ち上がらされ、フィアンマは引っ張られた。

美琴「離しなさいよ!」

上条「お前が離せよ!」

両腕を別方向へ引っ張られるフィアンマはたまったものではない。

美琴「この人以外に、私は借り物として適切なモンが無いのよ!」

上条「俺だってねえよ! 離せ、このビリビリ中学生!」

美琴「何ですって!?」

両者、激昂しているようである。

フィアンマ「…>>556
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 18:18:16.15 ID:Sda6waDm0
腕が…千切れそうだ…
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 18:19:16.22 ID:3Wn8KYmE0
並べよ……順番に抱いてやる。
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 18:19:37.71 ID:Pu1cBUUIO
さすがの俺様でも半分に裂けたら生きていられんのだがな…
こういう時は「じゃんけん」なるもので決めるのではないのか?
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 18:22:05.83 ID:5tFy7uzSO
ちょっと分身してくるダッ
559 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/15(金) 18:24:25.20 ID:sdIAtOrAO

フィアンマさんが抱いてやるとか言うから鼻血が

ちょっとお待ちくだ
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 18:26:12.24 ID:Sda6waDm0
>>558
流石「神の右席」!俺たちに出来ないことを(ry

実際に分裂したらみんなショックで気絶するだろうな

>>559
>>558を採用すればフィアンマさんがサンドイッチしてくれるよ!やったね>>1!
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 18:27:12.50 ID:Pu1cBUUIO
マジで出たのかww
そんな>>1にフィアンマ様からバレンタインチョコが
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 18:29:59.01 ID:tOIhMdw40
原作20巻の挿絵のフィアンマのかっこよさは異常


禁書知らない時は「何コイツ?かませキャラ?」と思ったのは秘密。貧血みたいな顔してるし……
563 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 18:38:54.67 ID:jvvLYf250
>>560 マジかよ…! でもどうせ分裂なさったんならフィアンマ×>>1より旧約ンマ×新約ンマが良いです >>561 ヴェントさんみたいに血を吐いたので死ぬかと思いました ありがとうございます大事に食べまmgmg >>562 細身美人なのに行動と一人称は俺様…何だよ完全無欠過ぎるだろ…貧血っぽい感じはした》


フィアンマ「…並べよ……順番に抱いてやる」

苦心の末に、彼はそう言った。
とりあえず、腕がすっぽ抜けてしまいそうだったのだ。
解放されたかった。とにかく。
目論見通り、言うと同時に、彼の両腕が解放される。

上条「な、何言ってんだよ昼間から……」

美琴「だ、抱き…だ、……」

片や、口ごもってちょっぴり顔を赤らめる上条。
片や、顔を真っ赤にして紫電を散らしながら両人差し指でいじいじと手遊びをしている。

フィアンマ「…御坂美琴はともかく、当麻は何故赤くなる必要が、」

ツッコミかけ、フィアンマはため息を吐きだした。
このままでは、二人共にっちもさっちもいかない。
借り物が自分しか居ないというのなら、自分が決着をつけてやるべきだろう。

フィアンマ「……俺様を二人がかりで連れて同着一位か、此処でジャンケンか何かで勝負をするか、選べ」

後者の場合は勝利者についていく、と彼は言う。
後者の方法は、上条にとって非常に不利だ。

美琴「>>565

564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 18:40:55.08 ID:tOIhMdw40
それよりコインの表裏で決めませんか?
(コインに小さく砂鉄を付けて置けば好きなように表裏を決められるわ)

安価↓
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 18:46:35.21 ID:5tFy7uzSO
…せいっ←上条さんの股間にビリビリ

さ、イきましょう!
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 18:50:01.62 ID:tOIhMdw40
この世界じゃ、あの十字架は出ないよね?
個人的には行動安価とか出ないかな……
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:03:50.13 ID:GvtaXmEf0
上条さんにはイマチンブレイカーが
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:10:31.86 ID:Pu1cBUUIO
オリアナがこっち側だしなあ
運び屋的なことは新たなる光もやってたからそれで代用とか?
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:12:49.25 ID:Sda6waDm0
>>567
某一方通行スレで見たなそんなの…

異能の力を打ち消す際に股間の他の部分は大丈夫なんだろうか…?
焦げたおいなりさんとかは流石に見たくねーぞ

570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 19:13:36.02 ID:tOIhMdw40
>>568
1.オリアナ「ごめなさい、ダーリン。私、私情と仕事は別けるタイプなの」
2.新たなる光がイギリスにメリットを渡す代わりに協力
3.別の魔術師問題が起こる(安価でトールとかサンドリヨンでたり)
4.その他
571 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 19:16:57.03 ID:EVe6s1ty0
《オリアナさんが味方だから… 人生交換編では行動安価多いかもしれないです 安価でトールくんかぁ…かぁ》


美琴「…せいっ」

彼女は悩んだ結果、上条の股間へ電撃を放った。
小さな電撃の槍が直撃し、上条はその場に蹲る。
周囲の男性観客は、思わず自分の股間を押さえた。

美琴「さ、イきましょう!」

上条「ぐ…、…ぐぉお…」

上条は右手で自分の股間をさする。
だがしかし、異能の力を打ち消す右手は、異能の力によって起きた後の結果は消す事が出来ない。
人を蘇らせる魔術の儀式は打ち消せても、甦った人を死体へ戻すことが出来ないのと同じだ。
魔術に精通するフィアンマでも、上条の身体を癒してやることは出来ない。

フィアンマ「…当麻、許してやれ」

上条「うぅ……」

よしよし、と頭を撫でられ、こくんと頷く上条。
しばらく戻れない事を念頭に入れ、フィアンマは上条へインデックスを頼む。
上条が頷いたのを見届け、フィアンマは移動した。

だいぶ乱暴な方法だが、勝者は御坂美琴と相成った訳である。



フィアンマ「…あんな事はするなよ」

美琴「…ごめんなさい」

でも勝ちたかったんです、と落ち込む美琴に、やれやれと肩を竦めるフィアンマ。
そうして会話していると、車椅子に腰掛けたツインテールの少女が目の前に現れた。
彼女は美琴とフィアンマを見るなり、大げさに嘆く。

黒子「お姉様! あらあらあらお姉様! そんな、男性の方と腕をお組みになるだなんて!」

美琴「く、黒子っ! アンタ入院してたんじゃ」

初春「白井さん、寂しいかなぁ、と思って連れてきちゃいました…ご迷惑でしたか?」

フィアンマ「……状況が読めん。お前の友人か?」

美琴「>>572
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 19:18:04.71 ID:tOIhMdw40
え、ええ。そうです
(黒子がいたら事態がややこしくなるじゃない!)
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:18:37.26 ID:Pu1cBUUIO
574 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 19:24:51.00 ID:EVe6s1ty0

美琴「え、ええ。そうです」

美琴(黒子が居たら事態がややこしくなるじゃない!)

焦りながら、ひとまず彼女は落ち着いて説明する。

美琴「あの、頭の上に造花の髪飾りをいっぱいしている子が初春飾利ちゃんです」

初春「あ、初めまして」

フィアンマ「初春飾利か。俺様はミハエル=ケール=フィアンマ。ファミリーネームでも何でも、好きなように呼べば良い」

初春「はーい」

ほのぼのと頷く呑気な初春。
五和に似ているな、とフィアンマは思った。

美琴「で、そっちのツインテールの子が、私の後輩の白井黒子です」

黒子「お姉様の露払いをさせていただいております、白井黒子ですの」

ぺこ、と頭を下げる黒子。
だがしかしその眼光は鋭く、敵意に漲っていた。

黒子「それで、お姉様。……やっぱりミラノに短期留学だなんて急に言い出したのは男絡みでしたのね!?」

美琴「う」

黒子「常盤台のエースが男性と腕を組んででれでれでれでれ…それでは困りますの」

もっと常盤台中学代表である品位と自覚を再認識して、と説教モードの黒子。

フィアンマ「ミラノに好きな男が居たのか。…あぁ、俺様の隣室の金髪の男は勧めんぞ」

美琴「ち、違います」

鈍いフィアンマである。
が、黒子は目ざとく反応した。

黒子「隣…室? お姉様、この方のお部屋へお邪魔したことが…?」

美琴「>>576
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 19:27:16.27 ID:tOIhMdw40
この人は私を助けてくれたことがあって、知り合いなのよ
(嘘は言ってないは嘘は)
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:29:10.99 ID:5tFy7uzSO
違うのよ?見聞を広めるための勉強の一環よ?別にあわよくばとか思ってお邪魔したわけじゃないし、好きとかそういうんじゃないし彼、私の恩人だから。
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:32:37.25 ID:Sda6waDm0
あれ?初春とフィアンマは前スレで上条さんがハーレムを紹介した際に一度顔を合わせているはずだが…?
578 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 19:36:58.84 ID:EVe6s1ty0
>>577 完璧に忘れてたので見逃してください…っ。書き直すのもあれなんで、脳内補完お願いします》



美琴「違うのよ? 見聞を広めるための勉強の一環よ? 別にあわよくばとか思ってお邪魔したわけじゃないし、好きとかそういうんじゃないし、彼、私の恩人だから」

真顔で言う美琴。
どことなく殺気すら纏っている。
思わずたじろぐ初春と、ぐぬぬ、と唇を噛む黒子。
フィアンマはというと、メイド姿の少女が販売している学園都市シュークリームに目を惹かれていた。
いつも通りである。

美琴「あ、っていうかもう競技終わったのに長々と引っ張ってすみません…」

次は玉入れに出ますから、と告げて、美琴はフィアンマの腕を離した。
これ以上余計な詮索をされないよう、彼女は初春や黒子と共に移動していった。

フィアンマ「……、」

彼は携帯電話を見やる。
上条からメールが来ていた。
インデックスと共に休憩している、との内容だった。
騎馬戦に出るまで、まだまだ時間があるようだ。
合流しようかと考えて、ふと、長い金髪が目に入る。







フィアンマの目に入った人物(金髪且つ長髪。禁書キャラ一名)>>+2
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 19:37:54.15 ID:tOIhMdw40
トールと思ったら金髪じゃなかった……

なのでサンドリヨン!
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:38:09.25 ID:5tFy7uzSO
ローラ、と意地悪を言おうか
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:38:17.98 ID:Sda6waDm0
リドヴィア
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 19:39:40.53 ID:tOIhMdw40
神裂「遊んでないで仕事しやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!あのクソババアがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:41:05.88 ID:Sda6waDm0
ステイル「最大主教ゥゥゥゥゥゥゥ!!何やらかしてんですかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
584 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 19:44:15.85 ID:EVe6s1ty0
《調べてみたがトールちゃん金髪でした 意地悪された…》


イギリス清教の最大主教、だったはずだ。
ローラ=スチュアート。
様々な宗派・宗教から女狐と称される人間。
場所としてはローマ教皇とそう立ち位置は変わらないのに、フィアンマと同じような権力を持つ。
また、その考え方も決して甘いものは無いだろう。

ローラ「あら?」

目が合った。
護衛は居ないのか姿を消しているのか。
彼女は穏やかな笑みを浮かべ、フィアンマを見る。

ローラ「ケール書記官…たりけるかしら?」

フィアンマは会議の際、インデックスと共に書記官として場に着いた事がある。
それを除いても、何度か会議で顔を合わせた事はあった。

フィアンマ「、…単身でいらっしゃってもよろしいので?」

なので、彼は右方のフィアンマとしてではなく。
一介の書記官としての言葉遣いで、対応した。

ローラ「>>586
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 19:45:38.74 ID:tOIhMdw40
いやねぇ。オフの時はそんなものがないほうが楽しめと言うものけりよ

ローラの口調難しい
安価↓
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:47:29.73 ID:5tFy7uzSO
こっそり『遊びに』くるのに護衛はいらぬのよん♪

というより、ローマ正教最強のあなたこそ単身学園都市になんの用?
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:53:25.78 ID:Sda6waDm0
アカン、もうフィアンマさんの正体バレとる…
でもローラのことだしそれぐらいは一人で調べ上げてそう

本当に、どうやって若作りしてんのかな…ババア無理すんn
おや、誰か来たようだ…

588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 19:55:18.01 ID:Pu1cBUUIO
まさに神裂さんと対極の存在だよなww
おや、俺のところにも誰か…
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 19:57:50.02 ID:tOIhMdw40
そんなこと言い出したらオリアナ18とか……
やべえ、逃げないと……

安価↓
590 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 19:58:58.45 ID:EVe6s1ty0
>>587-589 黙祷》


ローラ「こっそり『遊びに』くるのに護衛はいらぬのよん♪」

確かに、護衛など無くとも彼女は強い。
彼女もまた、強力な魔術師だ。
魔術の世界において、知略のみで非力な者が到達出来る場所など、たかが知れている。
ローラはにっこりと笑って明るく言った後。
表情の形だけはそのままに、すぅ、と目を細めた。

ローラ「というより、ローマ正教最強のあなたこそ、単身で学園都市に何の用がありけるのかしら?」

対して、フィアンマもにっこりと笑みを返す。

フィアンマ「最強? ご冗談を。私は知略派の書記官ですよ。私の魔術の腕など、教皇様の足元にも及びません。精々司教程度でしょう」

ローラ「……」

フィアンマ「知り合いが大覇星祭を観覧したいと申していたので、共にやって来たというだけです。今ははぐれてしまいまして、単身ですが」

丁寧に。
台本でも書かれているかのように。
あらかじめ用意していたかのように、そう話すフィアンマ。
両者の間で、見えない何かが交差した。

やがて、沈黙の後。

ローラ=スチュアートは、ゆっくりと深呼吸をした。

ローラ「……そう」

ならば、良けりしね。
言って、彼女は雑踏へその姿を消した。
フィアンマも同じく背を向け、雑踏へ足を踏み入れる。



上条とインデックスは、のんびりとしていた。
ヤシの実サイダーを飲み、上条はだらける。

上条「久しぶりだな」

インデックス「うん。とうまは元気だった?」

上条「>>592
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 20:00:49.83 ID:tOIhMdw40
ほんの少し不幸な目にありながらも上条さんは元気にやっているぜ
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/15(金) 20:02:17.53 ID:Tn2zwo0u0
ああ、それより兄ちゃんは?
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:03:57.06 ID:5tFy7uzSO
おいなりさんが黒焦げになった以外はな!イヤッホォ
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 20:06:07.71 ID:tOIhMdw40
この世界じゃ「グループ」はどうなってんだろうか……
ヴェントさんは学園都市に襲来するのだろうか……
595 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 20:07:19.03 ID:EVe6s1ty0
《見目に合った話し方なのに、フィアンマさんが一人称『私』且つ敬語とか違和感》


上条「ああ、それより兄ちゃんは?」

元気だったのか、と上条は首を傾げる。
インデックスは苦笑しながら頷いた。

インデックス「うん、…色んな人と仲良くなったり、怪我したりしてるけど、元気かも」

上条「…そっか」

寂しいような、それでも良かったような。
上条は曖昧な微笑みを浮かべ、空を見上げる。
真っ青な空が、目に痛い程で、それがかえって心地良い。
だらだらとしていると、やがてフィアンマがやって来た。

フィアンマ「遅くなってすまなかったな」

上条「いや、大丈夫」

インデックス「遅かったかも」

フィアンマ「少し世間話をしていてな。当麻はもう昼食は摂ったのか?」

上条「>>597
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:08:04.52 ID:5tFy7uzSO
予定調和で襲来はするんじゃね?

『約束』を果たすか否かでルート分岐もアリかもしらん。
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:10:23.96 ID:Sda6waDm0
まだだよ、お兄ちゃんも一緒にどうだ?
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 20:10:57.49 ID:tOIhMdw40
いや、まだだけど
兄ちゃん達もまだだったらいっしょに食べない?

安価↓
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:11:13.74 ID:5tFy7uzSO
彼女達と皆で食う予定だよ。弁当作ってきてくれてる。よかったら兄ちゃんも食うかい?

安価↓
600 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 20:23:35.42 ID:EVe6s1ty0

上条「まだだよ、お兄ちゃんも一緒にどうだ?」

へら、と上条は笑みを見せて誘う。
姫神と昼食は摂ったものの、別に満腹で吐きそうという訳ではない。
上条はハーレムメンバーにはハーレムメンバーでご飯を食べるよう告げてあるらしい。

フィアンマ「そうだな。お前と食べるよ。禁書目録もそろそろ空腹だろう」

インデックス「な、何でわかったの?」

上条「あれ、一回食べたのか?」

フィアンマ「とはいえ、一時間程前の話だよ」

上条「ん、そっか。じゃあ、母さんと父さんが喫茶店に居るみたいだからさ、行こうぜ」

おやつ感覚で二度目の食事にわくわくとするインデックス。
そんなインデックスの様子を眺め、楽しそうに笑う上条。

この二人が居て、この笑顔を守る事が出来るのなら。
自分は今すぐ何もかも喪ってしまっても構わない、とフィアンマは思う。

きっと、二人が幸せなら、何を無くしても、たとえ死んだとしても、絶対に―――自分は、後悔しない。



そして、三人は喫茶店へとやって来た。
上条の両親は仲睦まじい様子である。
フィアンマの渡したお守り効果だろうか、すっかり仲直りしたようだ。

詩菜「夏ぶりね」

刀夜「久しぶりだね」

フィアンマ「お久しぶりです」

上条「インデックスはここ座れよ」

インデックス「うん、ありがと、とうま」

インデックスの隣に、フィアンマは腰を下ろした。
詩菜はにこにこと笑みながら、バスケットをテーブル上に置いた。
本来喫茶店への食物の持ち込み飲食は厳禁だが、店主は大覇星祭の為に諦めているようだった。

フィアンマ「…仲直り出来たようですね」

ひそ、とフィアンマに話しかけられ。
ひそ、と詩菜は言葉を返す。

詩菜「>>602
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 20:25:22.71 ID:tOIhMdw40
その件ね……私、刀夜さんが浮気してたと思ったのを勘違いしてただけだったのよ

安価↓
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:27:20.54 ID:Sda6waDm0
>>601
603 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 20:34:45.41 ID:EVe6s1ty0

詩菜「その件ね……私、刀夜さんが浮気してたと思ったのを勘違いしてただけだったのよ」

だからすぐに仲直り出来た、と苦笑いする詩菜。
原因が大した事が無くて良かった、とフィアンマは思いつつ。

上条「詰め込むと噎せるぞー」

インデックス「わかってるかも。詰め込んでなんかいないんだよ」

ぱんぱんにほっぺたを膨らませたインデックス。
上条は妹感覚で甘やかしてやりながら、自分もバスケットの中身であるサンドイッチをつまむ。
昼食の時間は、和やかに過ぎていった。


騎馬戦は上条チームの怒涛の巻き返しによる圧勝。
玉入れは能力を使った激闘の末、常盤台中学が完勝。

どちらも良く頑張った、と褒め称え。
初日を見届けたフィアンマとインデックスは、帰る事にした。
あまり長い間外出すべきでない立場、というのもある。

飛行機の中。

インデックスは、欠伸を漏らしていた。
眠いのである。飛行機内では、やる事も無い。

インデックス「楽しかったね」

フィアンマ「あぁ」

インデックス「…もうちょっとゆっくりしなくて、良かったの? とうま、残念がってたよ」

フィアンマ「>>605
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:39:33.09 ID:5tFy7uzSO
クローチェはカットだと…!

安価なら

…余計な事件に巻き込ませたくなかったからな

………それで。何故最大主教がスチュワーデスの格好をしてらっしゃるのですか
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:40:18.73 ID:Sda6waDm0
>>604
606 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 20:45:08.48 ID:EVe6s1ty0
《『使徒十字』なんて無かった(震え声)》


フィアンマ「…余計な事件に巻き込ませたくなかったからな」

自分が居れば、騒乱の中心になるかもしれない。
それを思うと、フィアンマは上条の傍にあまり長く居る訳にもいかなかった。
善意が、必ずしも良い結果に繋がる訳ではない。
彼はそれを身を持って知っているし、大切に思うからこそ傍に居ない方が良いということも、知っている。
そして、彼は視線を逸らした。
目の前の状況に一瞬驚きそうになるものの、堪えて問いかける。

フィアンマ「………それで。何故最大主教がスチュワーデスの格好をしてらっしゃるのですか」

ローラ「今は客室乗務員はキャビンアテンダントと言いけるのよ」

言い方が古いー、と揶揄するローラ。
腹立だしいが、仕方がない。堪える。
インデックスはローラを見、目を瞬く。

インデックス「ど、どうしてそんな格好を…?」

ローラ「>>608
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 20:45:39.31 ID:tOIhMdw40
気分なのよ
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:49:41.57 ID:5tFy7uzSO
あー、あー、乗客の皆、皆様。本日は当機をご利用頂き、誠にサンキュウ。

当機は行先を変更し、太平洋海中になりたるのよ!
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:51:40.04 ID:Ohjviy0dP
/(^o^)\なんてこった
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 20:54:10.51 ID:sdIAtOrAO

おのれ魔術師何てことを…!
611 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 21:07:18.17 ID:EVe6s1ty0

彼女は、優しげな微笑を浮かべたまま、懐から無線機を取り出した。
機内へ情報を伝達するためのものだ。乗員同士の連絡にも使われる。

ローラ「あー、あー、乗客の皆、皆様。本日は当機をご利用頂き、誠にサンキュウ。当機は行先を変更し、太平洋海中になりたるのよ!」

いかにも、CAのような声で。
彼女の発言に、まず乗員の七割が騒いだ。
そして、彼女は再度、同じ内容を英語で繰り返す。
残りの三割が、騒いだ。パニックに陥り、周囲を漁って、着地の衝撃に備えた呼吸器などを使い始める。

と、飛行機がガクン、と揺れた。

機体が揺れ、乗客は叫ぶ。
乗員は慌てて操縦席へ行ったようだが、操縦士は居ない。
正確には、機長も副機長も、今こうしてうっすらと微笑んでいる女が意識を刈り取ってしまった。

ローラ「悪く思わないように。…飛行機の墜落事故等、希にある事よ」

フィアンマ「…どういう事だ」

ローラ「この機体に、『使徒十字』がある―――と言えば、お分かりいただけるかしら?」

英語で丁寧に彼女は言う。
つまり、ローマ正教が誇る霊装ごと、この機体を海へ沈めたい、否、沈める、ということだ。
フィアンマが不快に思ったのは、そこではない。
霊装など長い時間をかけてまた作れば良い。そもそも、替えの利きやすいものだ。
彼は立ち上がり、ローラ=スチュアートをにらみ合う。

フィアンマ「こんな事をして、どうなるかわかっているのか。乗客を全員死なせるつもりか?」

何もしなくても、恐らくフィアンマは助かる。
墜落事故では死なない身体をしているし、インデックスは『歩く教会』に守られているから、救助が来るまで泳げば良い。
だが、それ以外の一般人は、何の力も持たない存在だ。
太平洋のど真ん中に落ちれば死ぬし、かといって飛び降りる程の勇気は皆持ち合わせていない。

ローラ「>>613
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:15:39.06 ID:5tFy7uzSO
オフコース、『そのための墜落事故』よ?ケール書記官。

実はこの飛行機内の客は全員学園都市に潜んでいた禁書目録を狙う組織の魔術師達、使徒十字を運び込んだ魔術師達たるの。

それらを一気に全員始末するため、そして…

今ここでフィアンマ勢力の芽を摘む、これが今回私がわざわざ出てきた理由なりけるのよ

613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:16:14.33 ID:aHNwyFRH0
うえ
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:16:30.51 ID:Sda6waDm0
そんなこともあろうかとステイルや神裂たちに乗客の救助を押しつ…ゲフンゲフン、命じてありけるのよ
心配は無用なりしことよ、『書記官』さん
615 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 21:30:33.85 ID:EVe6s1ty0
>>611 ×スチュアートを ○スチュアートと》


ローラ「オフコース、『そのための墜落事故』よ? ケール書記官」

くすくすくす。
女狐は、愉快そうに笑う。

ローラ「実はこの飛行機内の客は、全員学園都市に潜んでいた『禁書目録』を狙う組織の魔術師達、及び、『使徒十字』を運び込んだ魔術師達たるの。それらを一気に全員始末するため、そして…」

彼女は、冷酷なる支配者の瞳でフィアンマを捉える。

ローラ「今ここで、フィアンマ勢力の芽を摘む。これが、今回私がわざわざ出てきた理由なりけるのよ」

フィアンマが居なければ、五和は天草式十字凄教へ戻る。
禁書目録は後ろ立てをなくし、自由を無くされる。
ミサカ00000号は学園都市によって始末されるか、実験動物にされる。

それ以前に。
右方のフィアンマを中心とした戦力、そのもの自体が恐怖。
それが騒乱と混乱の目になる前に、潰そうと、そういうことだ。

フィアンマ「………」

フィアンマが選べる道は三つ。

一つ、インデックスと此処から飛び降りて脱出する。
一つ、自分だけが残って全員を転移術式で脱出させる。
一つ、墜落しきるのを待って、インデックスと共に逃亡する。

ローラの狙いは、インデックスではない。
インデックスを奪取すれば、国際問題に発展する。
今戦争を起こしても得が少ない以上、ローラはそんなことで手を汚そうとはしないだろう。
仮に戦争が勃発して、その後の漁夫の利は獲得しようとするかもしれないが。

この、『世界を救える程の力』を適切に使えば。
或いは、此処に居る全員の命を守る事は出来るだろう。
だが、そこまでする必要があるのか。一部は、禁書目録を狙っている魔術師が居るというのに。
しかし、それも正しい情報かどうかはわからない。
ローラがこの機体を沈めるには、『使徒十字』そのものと、『使徒十字』を運び込んだ魔術師が居れば、それで理由は事足りる。

インデックス「…フィアンマ」

小さな手が。
フィアンマの服の裾を、不安げに掴んだ。
機体は絶えず揺れており、決断を早くしなければ、必然的に三つ目の選択肢を選ぶ事になる。
ローラは、まるでポーカーで相手が捨て札を選ぶ時間を待つように、悠然と佇んでいる。







フィアンマはどうする?>>+2
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:35:35.59 ID:ognBvhra0
インデックスを狙う連中=敵
なのでインデックスと一緒に転移魔術でさようなら
あとは知らん
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:36:02.41 ID:ognBvhra0
インデックスと転移魔術で逃げるって事な

kskst
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:36:04.73 ID:vuKhUJhAO
旅に出る
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:39:03.30 ID:5tFy7uzSO
仮にインさん狙う奴等というのが嘘の場合、一般客見捨てる事にもなりたるのよ安価↓
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:41:17.57 ID:vuKhUJhAO
機長も魔術師なの?
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:45:47.99 ID:5tFy7uzSO
てか転移術式で自分以外全員脱出、聖なる右で機体ぶっ壊して平行移動すれば全員助かる気はするww

ローラが一連の行動見逃してくれれば…
622 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 21:47:48.10 ID:EVe6s1ty0

>>+1のコンマ一桁(右方の赤にかわりまして神の子がお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:36:04.7『3』←ココ)でフィアンマの行動決定


0〜4 インデックスと転移魔術で逃亡する

5〜9 転移術式で全員を脱出させた後、どうにかして自分も脱出する
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:48:18.37 ID:Sda6waDm0
いまのフィアンマさんなら見捨てることは無さそうだが…
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 21:48:24.99 ID:vuKhUJhAO
625 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 22:02:00.13 ID:EVe6s1ty0
>>623 21:48:18.3『7』 結果:転移術式で全員を脱出させた後、どうにかして自分も脱出する ご協力ありがとうございます》


フィアンマ「…大丈夫だ、インデックス。……お前は、俺様が守るよ」

義務だから、ではない。
自分が、そうしたいから。
彼は先手を打って、彼女の手を握る。
『歩く教会』を一時的に無効化し、詠唱した。

インデックス「フィアンマ、待っ、」

言葉の途中で、彼女は姿を消した。
無理やり家に帰したのだ。
意外にも攻撃してこないローラを見、フィアンマはひとまず後退する。
そして懐から金粉の混じった白墨を取り出し、後ろ手で壁に何事かを描いた。

       P  U  D  M  Q  E  H  F  M  T  S.
フィアンマ「此処に存在する死せるべき者、揃いて南に逃げよ」

ノタリコンによる詠唱。
後ろ手で描かれた魔法陣が分解され、血管のように飛行機の機内の壁を伝う。
その血管のような紋様に触れた乗客から、姿を消していった。
イタリア、イギリス、日本などの先進国の南側へ適当に飛ばしたのだ。
これは人間にしか適用されない為、物質は消えない。
客はおろか添乗員さえ失った機体は、更に速度を早めて墜落準備に入っていく。

フィアンマ「…嘘と猫被りは、もうやめようか。お互いに、化けの皮も剥がれた事だしな」

ローラ「化けの皮だなんて、また乱暴な言葉ね」

くすり、と笑いつつ。
ローラは僅かに驚いていた。
インデックスを逃がすのはともかく、乗客員や添乗員は見捨てると思っていたからだ。
勿論、先ほどの言葉はデマだ。
それに引っかかってフィアンマが見捨てた場合、彼に責任を押し付けるつもりは少なからずあった。

フィアンマ「ローマ正教の陰のトップに、イギリス清教の陰表、共通でトップへ君臨する最大主教が攻撃を仕掛ける。事案としては宗教戦争が起きる程の規模の出来事だと思うが、そこに関しての忌避感情は無いのか?」

ローラ「>>627
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 22:07:35.43 ID:5tFy7uzSO
それを表に出して、双方死者を大量に出したいのならそうすればいい。

それも一興。

色んな意味で、ケール書記官がここで墜落事故で死亡してくれるとありがたいのだけど?
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 22:07:53.77 ID:Mntf01Ilo
628 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 22:18:28.69 ID:EVe6s1ty0

ローラ「それを表に出して、双方死者を大量に出したいのならそうすればいい。それも一興」

ギリ、とフィアンマは唇を噛み締めた。
人の命を何だと思ってやがる、だなどと、綺麗事は言わない。
そもそも、そんなことは言えない立場に居る。
彼女に、攻撃意思は見られなかった。

ローラ「色んな意味で、ケール書記官がここで墜落事故で死亡してくれるとありがたいのだけど?」

フィアンマ「……」

ローラ「安心してくれて構わない。神裂火織、五和の身柄はこちらで保護をする。禁書目録は…ローマ正教側がどうにかするでしょう。そこに我々は関与しない」

ミサカ00000号を学園都市へ引き渡すような真似もしない。
ただ、貴男が死んでくれればそれで良い。

彼女は冷静に冷酷に、そう告げた。
その瞳だけは、嘘をついていなかった。

ローラ「確実に死へ至るように、拘束に応じてくれさえすれば」

言いながら、彼女は懐から銀色の糸を取り出す。

『呪縛の銀糸』。

人の魂は銀に等しい色合いである、という迷信、偶像崇拝から生まれた霊装。
反撃をする度に、被術者の身体をズタズタに傷つけ、生命力を空転させる。
生命力が空転するということは、魔術を使う度に呼吸さえままならない激痛が走るということ。
彼女としては、彼が死なずとも、海中へ永遠に沈められるのなら、それでも良いのだろう。
当然、上条の幻想殺しならばともかく、素手ではちぎれないし、チェーンソーを用いても傷が多少つくだけだろう。

ローラ「…フィアンマ勢力は危険過ぎる。中心点である貴男が消えれば、」

フィアンマ「勢力自体が消滅、か」

彼は、チョークを握り直す。
抵抗するのは簡単だ。しかし、此処で抵抗して、どうなる。
そこまでして、自分の生命が大事か。自分の都合が。
インデックスや五和や、ミサカ00000号や、神裂達を傷つけてでも、怖がらせて、恐怖に震える生活をさせてでも、此処で抵抗するのか。

ローラ「………十秒数える。その間に決めたりて?」

言って、彼女はカウントを開始する。




フィアンマはどうする?(諦める/抗う どっちを選択しても物語は終わりませんしフィアンマさんは死にません)>>+2
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 22:21:56.07 ID:vuKhUJhAO
諦める
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 22:22:29.39 ID:Mntf01Ilo
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 22:23:31.25 ID:5tFy7uzSO
インデックスが知らせた事により立ち上がった神の右席全員が助けに来てくれる
632 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 22:43:15.86 ID:EVe6s1ty0
>>631 どうしてこうならなかった…》




『命を削るような真似はもう止めてくれ…』
『死ななきゃいいって問題じゃないんだ。お兄ちゃんが傷つく事が嫌なんだ。お兄ちゃんが怪我をするのが嫌な人だって、沢山いるんだよ』
『一緒に住んでる人と仲良くなりたいのは普通じゃないの?』
『ううん……フィアンマが自分のことを話してくれて、私……うれしいよ』
『…いつか、…私が必要無くなるのかな、って思ったら。……寂しいんだよ』
『その言葉、そっくりお返しするんだよ』
『また無茶して!』
『でも、無事で良かった』

思えば、短いようで長い、一年近い歳月。
インデックスと出会って、自分は確かに変わった。
誰かを助けるように、なった。戻った。
一緒に過ごす時間の一秒一秒が、楽しかった。幸せだった。認める。
彼女の笑顔と幸せを守れるのなら。
少なくとも、此処で自分が意地を張って、これまで通りの生き方をして、不幸にしてしまう位なら。

今此処で、死んでしまった方が、消えてしまった方が、きっと良いに違い無い。

自分は確かに、幸せだった。誰に対しても、胸を張って言える。
ずっと、死にたいと思っていたじゃないか。何を恐れる必要がある。
ミサカ00000号は、ローマ正教徒になれば良い。テッラ辺りが守ってくれるだろう。
自分が居なくても、皆、きっと、笑って生きていける。

「にぃ、いち」
「ローラ=スチュアート」

残酷なカウントを、フィアンマは遮った。

「俺様を拘束しろ。海の藻屑になってやる」
「……、」

彼女は、少し驚いた顔をして。
やがて、『呪縛の銀糸』を用い、フィアンマの身体を拘束した。
これでもう、彼は魔術を使えない。正確には、この糸を壊す頃には廃人になっているはずだ。
その前に、水中で何度も窒息すれば、本当に死ぬかもしれない。

ローラ=スチュアートは、フィアンマに背を向けて。

やがて、墜落途中の飛行機から、出て行った。


(俺様が、死んだら。…そう、聞いたら、……インデックスは、…泣いて、くれるかな……)







長い長い時間の後。
気を失っていたフィアンマは、目を覚ます。
ベッドの上だった。
視界が明滅して、たまらなく具合が悪い。

フィアンマ「…?」

のろのろと起き上がろうとする。バランスを、崩して倒れた。
右腕が無い。

フィアンマ「…な、に?」

周囲を見渡す。
よく見慣れた部屋―――オッレルスの部屋だった。
ふらふらと立ち上がる。左手を壁について移動した。

オッレルス「あれ、起きたのか。シルビアは居ないから、簡単なものしか用意出来な…顔色が悪いね」

フィアンマ「……何故、…俺様は、右腕が無い…?」

彼は、左手で自分の右肩を押さえる。
第三次世界大戦後、アレイスター=クロウリーによって切断されて、もう一年程経つ、その腕を。

フィアンマ「飛行機が墜落してから、どうやって俺様を助けた? 五和は。禁書目録は、ミサカ00000号はどうなった」

オッレルス「? >>」
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 22:44:40.02 ID:3loBDDYT0
何のことだ?貴様は今までずっと眠っていた
アレイスターに負けてな
634 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/15(金) 22:45:20.36 ID:sdIAtOrAO
動揺した

再安価>>636
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 22:45:24.16 ID:Sda6waDm0
>>1…安価がミスってるぜ
安価なら>>633
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 22:45:54.99 ID:Mntf01Ilo
>>633
637 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 22:57:20.75 ID:EVe6s1ty0
《泣いて動揺してたもんでお許しください》


オッレルス「? 何のことだ? 君は、今までずっと眠っていたんだよ」

失血性の記憶喪失だろうか、とオッレルスは首を傾げる。
彼はソファーから立ち上がり、フィアンマに近づいた。

オッレルス「アレイスター=クロウリーに負けてから、今までずっと」

フィアンマ「…アレイスター=クロウリー…?」

稀代の大魔術師だ。
学園都市の統括理事長でもある。
不可解そうに首を傾げるフィアンマに、オッレルスは困惑した。

オッレルス「ええと、…私の事は分かるかい? 名前は名乗ったと思うんだけどね」

フィアンマ「オッレルス、だろう?」

オッレルス「ああ、そうだよ。…それはわかるのか」

一時的な記憶喪失、或いは記憶捏造。
ぶつぶつと呟く彼に、フィアンマは問いかける。

フィアンマ「…今日は何年何月何日だ」

オッレルス「今日は十月三十日。君が負けて右腕を切断され、第三次世界大戦が終わった日だ。あぁ、ごめんね。君は正確には何度か起きた事があるよ。とはいっても、すぐに眠ってしまう程具合が悪かったが」

フィアンマ「……第三次世界大戦? ……誰が起こしたんだ?」

オッレルス「誰、って。君だろう。君が、首謀者だろう? 正式にはロシア成教が引き金を引いた事になっているけどね」

フィアンマ「俺様はそんなことはしない。戦争など起こして何の得がある」

オッレルス「と、言われても……」

一時的な心理的逃避行動、一過性の失血性記憶喪失。
オッレルスはその言葉で、フィアンマの状態を片付ける。

オッレルス「……まぁ、座って。物を食べたら多少は落ち着くかもしれない」

促されるまま、フィアンマは席につく。
身体に力が入らない。本当にほぼ寝たきりだったようだ。
振舞われた赤い液体を呑み込む。熱くはなかったが、滅茶苦茶辛い。

フィアンマ「か、……」

オッレルス「…辛い物が好物だと、つい数ヶ月前に言っていたから」

"このフィアンマ"は、辛いものが非常に苦手である。甘いものへの愛と、まったく正反対に。

フィアンマ「……俺様は、第三次世界大戦が起きた記憶などない。勿論、企てたはせど、実行したことはなかった。戦争になればどれだけの被害者が出るかわかっていて、尚そんな残酷な事が出来るものか。アレイスター=クロウリーと直接会った事も、おそらく無い。ましてや、右腕を切断された覚えなど無い。……この隣室に住んでいる人間の名は?」

隣室の住人の名前が『ミハエル=ケール』なら。
或いは、何かの悪い夢、お互いの思い違いで事が済むかもしれない。

オッレルス「>>639
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:01:50.74 ID:Mntf01Ilo
ksk
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:01:53.59 ID:vuKhUJhAO
建宮さん
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:02:34.76 ID:rkGIeNNK0
隣も何もここは小屋だ
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 23:04:10.35 ID:Sda6waDm0
ああ、キレイな(原作の)建宮さん か…
なんでいるんだよwww
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:09:53.25 ID:apekDwIio
うわぁ
クソ安価採用すんなよカス>>1
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:12:16.08 ID:vuKhUJhAO
何で建宮さん安価出しただけでそんなこと言われなきゃいけないの?
644 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/15(金) 23:12:40.63 ID:EVe6s1ty0
《風呂行ってきます》


オッレルス「建宮さん、だったかな」

フィアンマ「…建宮斎字か?」

オッレルス「ああ、そうだよ。何の因果かは知らないけど、お隣は天草式十字凄教の一時的な住居になっているみたいだ」

とはいえ、一時的な隠れ家的扱いしかされていないよ、とオッレルスが言葉を付け加える。

オッレルス「それがどうかしたのか?」

フィアンマ「……、…」

赤い辛い液体をオッレルスの方へ押しやり。
フィアンマは、しばらく考え込んでみる。
何をどうしたら、こんなことになってしまうのか。

オッレルス「…寝起きで頭が混乱しているのかもしれないね。リハビリをした方が良いとは思うけど、…寝ても良いよ。時間はあるし、身の安全は保障するから」

フィアンマ「…違うんだ。信じてくれ。俺様は、第三次世界大戦のことなど知らないし、辛い物は正直に言って大嫌いだ。甘い物が好きなんだ。どうしてこんなことになっているのか、理由がまるでわからない。だから、合理的な説明は出来ないし、論理的な理由も話せない。右腕が無いことについても、今さっき起き上がって初めて気がついた。お前が言ってくれるまで、どうして喪ったのかもわからなかった」

オッレルスからすれば、彼の発言は全て妄言にしか思えない。
自分は戦争の首謀者ではないし、右腕を斬られた覚えもない。
確かに敗戦し、追われ、あれ程酷い目に遭えば現実逃避だってしたくなるだろう。

フィアンマ「……禁書目録、そうだ、禁書目録だ。ヤツに確かめてくれれば分かる、」

彼女は絶対記憶能力者だ。
故に、フィアンマのことを覚えている筈。

フィアンマ「神裂火織でも良い。前方のヴェントでも、左方のテッラでも、誰でも良い。誰か一人位なら、わかっているはずだ。俺様は無罪だ、本当に何もしていない。『呪縛の銀糸』を用いてローラ=スチュアートに拘束され、飛行機ごと落とされたところまでは覚えている。……と、…当麻だ。上条当麻に俺様の事を聞けば、きっと証明してくれる」

彼の声は、震えていた。
ある意味において本当に犯した冤罪をかけられているのだ、身の潔白を証明したいに決まっている。
泣きそうな顔をして、知り合いの名前を挙げていくフィアンマに、オッレルスは困った顔をする。

オッレルス「…>>645
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:15:17.92 ID:Mntf01Ilo
君は彼を殺そうとしてたじゃないか
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:15:33.40 ID:vuKhUJhAO
上条さんは禁書目録と同棲して御坂美琴と恋人状態だ
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:20:58.58 ID:sdIAtOrAO

本編レルスさん困惑
フィアンマさん必死…かわいそす
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:38:13.14 ID:Sda6waDm0
本編アンマさんは今何をしているんだろう
同居人達になつかれて滅茶苦茶困っているイメージしかない
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 23:39:57.03 ID:tOIhMdw40
個人的には上条さんがフィアンマにエレベーターを乗らせるシーンは名シーン
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 23:42:45.75 ID:Sda6waDm0
>>649
フィアンマさんに乗ってエレベーターが脱出…ってあれ?
フィアンマさんは乗り物だったのか…
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/15(金) 23:44:43.50 ID:tOIhMdw40
>>649
×フィアンマにエレベーターを乗らせるシーン
○フィアンマをエレベートーに乗らせるシーン
652 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 00:04:08.25 ID:kxf1SSOr0
《フィアンマさんは乗り物(意味深) 〜〜「そうか。なら、これからたくさん確かめてみろよ」は泣いた 混乱しそうなので、当スレのフィアンマ=フィアンマ 本編(=原作)世界のフィアンマ=右方 でいきますね》


「…君は、彼を殺そうとしてたじゃないか」
「……俺、様が?」

血液が凍ったかの、ような。
そんな錯覚に、フィアンマは思わず身を強ばらせる。

「君が戦争を起こした理由は、上条当麻の幻想殺しである右腕を器として回収し、『聖なる右』を完全なものとした上で、世界を救済することだった」
「………」
「『ベツレヘムの星』の中で何があったのか、私は詳しくは知らない。だが、君は上条当麻の手によって脱出させられた。そして、上条当麻は現在、学園都市で元気に暮らしている」
「………」
「君は、他の右席の面々を使って、どうにか上条当麻を手に入れようとした。左方のテッラは死に、アックアとヴェントは離脱した。…そして、果てにはロシア成教を使って戦争を仕掛けた。多くの犠牲者が出た。上条当麻は、君のせいで一度北極海へ落ちた。危うく死にかけた。君が勝利していれば、上条当麻は死んでいただろう。幻想殺しをこの世につなぎ止めておくためのストッパーに過ぎない彼は、君にとって邪魔だった」
「……、」
「…言いたくはないが、…君は、現実を見据える責任があるよ」

オッレルスが嘘を言うメリットはどこにもない。嘘をついている素振りも見当たらない。
当たり前のことだ。彼は起こった事を、余計な脚色をせずに、そのまま語っているだけなのだから。

「……だ」
「…フィアンマ?」
「だ、嘘だ、嘘だ!!! 俺様は、ッ、そんな、そんなことは、しない、当麻だけは傷つけないと、ずっと前に決めたんだ!!」

錯乱のまま、フィアンマは目についた刃物を手にする。
そして、おもむろに自分の腹部を突き刺した。痛い。鈍い、痛み。現実だ、夢じゃない。

「ッッ、フィアンマ!」

オッレルスは慌てて彼を制止しようとする。
フィアンマは恐るべき力で振り払い、何度も自分の腹部や首を突き刺す。
夢であれ、と願った。違う、夢じゃない。仮に夢だとしたら、今までの生活こそが夢だったのだ。

「違う、違う違う違う違う!! こっちが夢だ! 覚めろ! 俺様は、悪く無い、悪くないっ、ああああああ!!」

恐慌状態で、彼は何度も刃物を突き立てる。口から血液が溢れた。
そして、三十回目に突き立てようとした、その時。オッレルスの制止が働き、彼は、瞬時に意識を刈り取られていった。




元右方のフィアンマは、水中で目を覚ました。

右方「ぐ、ごぼッ…、」

彼は『聖なる右』を行使する。
『呪縛の銀糸』がその度に身体中へ激痛を走らせるが、なりふり構わず行使した。
そのまま解放され、水面を目指したもがき泳ぐ。

右方「っ、は」

海面へ顔を出した。
息が出来る。生きている。

右方「…どういう、ことだ」

自分は、オッレルスと名乗る魔術師に保護されて、寝込んでいた筈だ。
不可解に思いながら、彼は泳ぎつつ、転移術式を行使する。

ミラノへ足を踏み入れると、魔道書図書館が抱きついて来た。

この女は、イギリスに居る筈なのに。
というよりも、何故こんなにもフレンドリーなのか。

インデックス「よ、良かった…! も、もう帰ってこないかと思っ、ひくっ、」

ふぇえ、と彼女は涙を流している。
いつもの"彼"なら、苦笑いと共に彼女の頭をそっと撫でただろう。
だが、彼は違和感による気持ち悪さから、彼女の身体を突き放した。

インデックス「え、…フィ、フィアンマ…?」

右方「…>>654

653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:07:53.26 ID:zCbJIGUSO
なんのつもりだ?禁書目録。

触れてくるな、穢らわしい
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:08:25.89 ID:lNLLiIooo
655 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 00:15:44.71 ID:kxf1SSOr0

右方「…何のつもりだ? 禁書目録」

インデックス「……ぇ…?」

掠れた声を漏らし、彼女はその場にへたりこむ。
彼を怒らせるようなことをした覚えは無い。
金色の瞳は、氷の様に冷え切っている。

右方「触れてくるな、穢らわしい」

インデックス「、…ほ、…本気で、…言って、るの?」

愛らしい顔が、哀しみに歪む。
美しい碧眼に、みるみる内に涙が溜まっていった。
"いつもの彼"なら、彼女に謝るだろう。
謝りはせずとも、やりすぎた、と手を差し出す位はする。
だが、彼は違った。

右方「お前こそ、本気で抱きついて来たのか?」

インデックス「…フィ、フィアンマ。……な、何だかおかしいかも」

右方「おかしいのはお前の方だろう? あれだけのことをされて、よくも笑顔を向けられるものだ。聖女気取りか?」

彼の笑顔が、怖い。嘲りにしか満ちていない。そこには、悪意しかない。
インデックスは流れる涙を手の甲で拭い、立ち上がる。
震える声で、それでも優しく話しかけた。

インデックス「あ、あのね。いつわ、お家で待ってるんだよ。グラーノも、パパまだかなって、言ってたの。……ふざけてるとか、…や、役立たずな私が嫌いになったなら、それでも、それでも良いよ。でも、お家には、帰ろう? ね?」

精一杯、元気良く誘ったつもりだった。
飛行機の中で、完全に足手まといであった自分を嫌いになったなら、それでも良い。
だから、家に帰って来て欲しかった。皆、待っているのだから。心配しているのだから。

インデックス「いつわはフィアンマが帰って来るって信じてお菓子作ってたし、グラーノも手伝ってたよ。多分、フィアンマの好きなお菓子だと、思うよ。時間的に、そろそろ出来上がったかも。……だ、だから…」

右方「>>657
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:17:34.84 ID:lNLLiIooo
誰だそいつら
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:17:43.77 ID:Bnw7rZrAO
薄汚いゴミが息を吐くな。穀潰しが
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:18:14.35 ID:wppe2apG0
何を言っているんだ…
俺様は貴様を、魔道書図書館として利用した男だぞ
恨まれることはあっても好意を抱かれるようなことなどした覚えはないが…

それと俺様が好きなのは「辛い物」だ
659 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 00:24:55.45 ID:kxf1SSOr0

右方「何を言っているんだ…」

困惑と共に、彼は冷淡に事実を告げる。

右方「俺様は貴様を、魔道書図書館として利用した男だぞ。恨まれることはあっても好意を抱かれるようなことなどした覚えはないが…」

まるで、虫を払うように。
彼は怯えではなく、遠ざかる為に一歩後退する。

右方「それと、俺様が好きなのは『辛い物』だ」

人違いだろう、と彼は思った。
インデックスは驚きに目を瞬かせる。

右方「分かったか? …分かったなら、もう二度と俺様に近づくな」

舌打ちせんばかりに不機嫌にそう言って。
彼は、背を向けて歩いて行ってしまう。
インデックスは、自分を奮い立たせようとした。
涙が溢れて止まらないけれど、ぐしぐしと目元を拭いて。

何とか立ち上がろうとして―――耐え切れず、その場で声を出して泣いた。

どうして、こんなことになってしまったんだろう。



フィアンマはそのまま、オッレルスの家へやって来た。
その隣室が自分の家だというのに、目もくれない。
インターフォンを鳴らされ、オッレルスは出てきた。

オッレルス「やあ、死んだかと思ったよ。君なら生きていると期待はしていたけど」

彼は、フィアンマが『呪縛の銀糸』によって飛行機ごと沈められたことしか知らない。

オッレルス「それで、何か困った事でもあったのか? 俺と顔を合わせるより、一回帰った方が良いとも思うけど…ああ、禁書目録に会わなかったのか? すれ違いなら、連絡しておいた方が良いよ」

彼は、フィアンマを拾った記憶はない。
あくまでも隣人として、親しき友人として話しかけている。

右方「>>661
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:26:47.52 ID:zCbJIGUSO
…この事態はどういう事だオッレルス。

貴様、俺様に何かしたか?返答次第では消し炭にするが
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:26:52.96 ID:lNLLiIooo
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:26:59.75 ID:Bnw7rZrAO
シルビア犯すぞ。邪魔すんなよ
663 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 00:33:08.02 ID:kxf1SSOr0

右方「…この事態はどういう事だ、オッレルス」

当面の住処と身の安全を保障すると、散々綺麗事まで言っておいて。
目を覚ましたら海の中、まして拘束されていたのでは、オッレルスがやったとしか思えない。
加えて、彼には眠っていた記憶しかないのだから。

右方「貴様、俺様に何かしたか? 返答次第では消し炭にするが」

オッレルス「…何を怒っているのかはさっぱりだけど、俺は何もしていないよ」

別に、恨みも何も無いのだから。

心底困った顔で、オッレルスは首を傾げる。

オッレルス「君が、自分で選んだんだろう。立派だと思うよ」

フィアンマ「……何?」

オッレルス「ローラ=スチュアートと正面切って交渉したんだろう。でも、どうにか戻ってこられて安心したよ。俺も、貴重な友人は喪いたくないし」

フィアンマ「……何を言っている?」

オッレルス「何、って……君は、禁書目録や、五和ちゃん、周囲の人を守る為に、海へ沈む決意を決めたんだろう。ただ一人君が居なくなっただけではどうにもならないミサカ00000号―――グラーノちゃんだけは、ローマ正教へ入信するよう手配したり、危険が無い様守ってくれと、最後に通信術式をかけてくれたじゃないか」

戻って来たからお役御免だけど、などと言うオッレルス。
フィアンマの頭の中のクエスチョンマークは、誰かと話す度に増えていく。

オッレルス「君が居なくても、きちんと役目は果たしたよ。だからそんなに怒らなくても、」

右方「>>665
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 00:34:39.36 ID:DFs6SI670
わけがわからんぞ!
(俺様は別世界にでも来てしまったのか!?)
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:35:03.44 ID:lNLLiIooo
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:35:07.45 ID:kGpQkUfq0
それは俺様では無い。
おそらく別の俺様だ
667 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 00:40:09.28 ID:kxf1SSOr0

右方「訳が分からんぞ!」

ぐしゃ、と髪をかき、フィアンマは困惑のままに言葉をこぼした。
まるで、話が一切通じない国へ来てしまったかのようだ。
いや、それよりも性質が悪い。何しろ、言葉が通じても、意味がわからないのだから。

右方(俺様は別世界にでも来てしまったのか!?)

思うのは、それ位だった。

右方「…今日は、何年何月何日だ?」

オッレルス「九月二十六日だよ」

オッレルスの口にした年は、フィアンマが戦争を起こした年。
つまり、と彼は思った。

右方(俺様が戦争を起こした時よりも、前…? 戦争を起こした年の、九月二十六日……)

眉を潜める。
ふと、隣のドアが開いた。
出てきたのは、五和だった。
彼女はフィアンマを見るなり、じわじわと目に涙をためる。

五和「ご、ご主人様…! わぁあん、生きてて良かった…!」

フィアンマが生きていた。
それだけで安堵が彼女の感情メーターを振り切り、安堵の涙が溢れてくる。
彼女は感情のまま、フィアンマへ抱きついた。

五和「よ、良かった、ほん、本当に良かった…! 生きててくださって、ほん、げほっ、ほんとに…!!」

右方「>>669
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:41:17.70 ID:lNLLiIooo
どちら様で
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:41:27.94 ID:Bnw7rZrAO
建宮はどうした?
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 00:41:38.51 ID:DFs6SI670
……ああ
(昔本で読んだことがあるが平行世界というヤツなのか!?そしてご主人様とはなんだ!?)
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:41:47.25 ID:zCbJIGUSO
ふと思ったが、神作になる予感、もし副題つけるなら『ミハエル=フィアンマの消失』やこれ

672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:41:57.99 ID:wppe2apG0
分かったから落ち着け
(誰だ、この女…『俺様』に好意を寄せているようだが)
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 00:43:21.43 ID:kGpQkUfq0
いい加減糞AO死ねよ
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:44:29.52 ID:Bnw7rZrAO
この安価の何がいけないんだ
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:44:57.58 ID:q4jFZy5zP
>>673
みんなスルーしてるのに毎回反応して目ざわり
スルースキル覚えろ
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:45:30.71 ID:kGpQkUfq0
>>675

一番スルー出来てないのは>>1なんじゃないですかねぇ
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:46:32.14 ID:IH+j8n5b0
まーたsagaで暴言かましてんのか
というか暴言はいてるやつも荒らしと同様にスルーしようぜ
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:47:23.26 ID:q4jFZy5zP
>>1が信じれないなら見なきゃいいじゃん

すまん俺もスルーしとくわ
679 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 00:50:26.84 ID:kxf1SSOr0

右方「……ああ」

もはや、否定することも面倒で。
それ以前に、混乱の方が大きく。
そもそも、この女は誰なのか。
視線を移せば、オッレルスは揶揄に似た感情を湛えてうっすら笑っている。

右方(昔本で読んだことがあるが、平行世界というヤツなのか!? そしてご主人様とはなんだ!?)

まさか女奴隷か、と思うフィアンマ。
世界を見る限りでは、自分の知る世界とそう変わりないように思ったのだが。

五和「あ、す、すみません…あの、お帰りの時をお待ちしながら、クッキーとカスタードパイと、ホールケーキを作ったんです。力作ですよ」

にこにこと柔らかで邪気のない笑みを浮かべ、五和はフィアンマを自宅へ引きずり込んだ。
そこには、軍用ゴーグルを額に上げ、のんびりと生クリームを絞っている。

グラーノ「あ、パパ! お帰りなさい…!」

良かった、と涙ぐみながら、元気に笑むミサカ00000号。

右方(…パパ?)

自分の姿を、鏡で確認する。
何故か、右腕は存在していた。
しかして、どう見ても二十代。
対して、パパ、と自分を呼んだ少女は、十代前半、それか半ば。

グラーノ「パパ、褒めて褒めて。ほら、すごい綺麗に生クリーム絞れたんだよ」

見て見てー、と見せられたのは、桃とチョコレートの飾られた白いホールケーキ。
辛いものをこよなく愛しているのとは反対に、フィアンマは甘いものが大の苦手だった。

グラーノ「ちゃんとパパが言ってた比率でお砂糖入れたんだよ」

五和「そのケーキに関しては、ムギちゃんがほとんど一人で作ったんですよ」

穏やかな笑みを浮かべる五和。
見覚えのない少女二人は、それでも、自分の為に一生懸命甘いものを作っていた、ということを理解した。

右方「……、」

五和「…あ、流石に量が多い…です、よね」

グラーノ「ご、ごめんパパ…でもパパがいつ帰って来るかわからなかったから、その…」

右方「>>681
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:51:38.67 ID:4GiOVyGR0
皆に話がある(今の自分の状況を語る)
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:51:39.27 ID:zCbJIGUSO
(いや、落ち着け。もし、この歯車が噛み合わない世界が、俺様のいた世界と然程相違がないならば、世界救済計画を再び……ここは、合わせていくか…)
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 00:52:58.10 ID:wppe2apG0
うむ、気にしないで良い
ところで禁書目録は何処へ行った?
少し話したいことがあるのだが
683 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 00:59:06.21 ID:kxf1SSOr0

右方(いや、落ち着け。もし、この歯車が噛み合わない世界が、俺様のいた世界と然程相違がないならば、世界救済計画を再び……ここは、合わせていくか…)

前回の反省点を生かし、計画を組み立てなおす所から始めれば、今度こそ。
野望を胸に、フィアンマは無理やり笑みを作ってみせた。

右方「あぁ、ありがとう。後で食べさせてもらう。…今は体調が悪いから、休ませてくれないか?」

グラーノ「具合悪いの? ミサカ看病しようか?」

五和「ベッドなどはきちんと掃除しておきましたから…あの、困ったらすぐにお声掛けてくださいね」

右方「そうするよ。すまないな」

そう言って、彼はベッドへ移動した。
横たわる。天井を見上げた。
何の変哲もない天井。
オッレルスに拾われて以降、時折目を覚ましては見ていた天井だ。

右方「……」

彼は無言で、自分の右腕を見やる。

今度こそ、世界を救ってみせる。

そう、心に堅く誓いながら、目を閉じ。
少しずつ、少しずつ、彼は夢への階段を一段ずつ下っていった…。




目を覚ました。
頭がぼんやりとする。
いつもなら、違う場所にダメージが分散されるはずなのに。
これじゃ、まるで、普通の人間みたいじゃないか。

フィアンマ「ぁ…」

声を漏らすと、傍に居た人影が反応した。

オッレルス「…気がついたかい?」

フィアンマ「……オッ…レル、ス…」

オッレルス「…追い詰めたかった訳じゃなかったんだ。ごめんね」

フィアンマ「………」

のろのろと、フィアンマは首を横に振る。
頭が痛いし、重い。腹部も、ズキズキと痛んだ。

オッレルス「治癒術式は施しておいたけど、まだ安静にしていてくれ」

フィアンマ「…俺様は、手当などしなくても、死なない身体だぞ…?」

知らないのか、と首を傾げるフィアンマ。
オッレルスはそんな言葉に困惑しながら、それでもまた刺激してしまわないように言葉を選ぶ。

オッレルス「>>685
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 01:02:52.95 ID:DFs6SI670
それでもだよ。私は傷ついている人はほっとけない主義だからね
(と言ったものの彼は私が知っている“フィアンマ”ではないようだ。考えられるのは別世界の人間か?)
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:03:11.80 ID:Bnw7rZrAO
今や君の肉体の90パーセントは機械だ
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:03:32.46 ID:lNLLiIooo
君の元いた世界とやらを教えてくれないか
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:03:36.09 ID:wppe2apG0
君は「力を持っているからこそ、ただの人間の肉体のままでいる」と自分で言っていたじゃないか…
どうした?また記憶が不安定になってきたのかい?
(と言ったものの彼は私が知っている“フィアンマ”ではないようだ。考えられるのは別世界の人間か?)
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:07:01.03 ID:zCbJIGUSO
君は「力を持っているからこそ、ただの人間の肉体のままでいる」と自分で言っていたじゃないか…
689 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 01:12:10.15 ID:kxf1SSOr0

オッレルス「君の、元いた世界とやらを教えてくれないか」

フィアンマ「…信じて、…くれる、のか」

オッレルス「勿論、君の現実逃避だとか、妄言だと切ってしまうことは容易い。でも、それでは私に罪悪感が残ってしまうんだ」

フィアンマ「……」

オッレルス「何より、…自殺したくなる程上条当麻を傷つけるのが嫌だ、と錯乱した人間と、私が知っている『右方のフィアンマ』が同一人物だとは、思えないからね」

フィアンマ「………」

オッレルス「…少しずつ、落ち着いてで良い。君はどんな人間で、どんな人生を歩んできたのか、教えてくれ」

フィアンマは、しばし押し黙り。
数度深呼吸をすると、ぼやけた思考で語り出した。

自分は『救世主』というゾンビにも似た特殊体質であること。
六百年以上を生きており、長い間右方のフィアンマを務めていたこと。
ある日、禁書目録を管理することになったということ。
禁書目録はローマ正教所属の魔道書図書館であるということ。
彼女の影響で人助けをするようになり、五和やグラーノなど、家族と呼べる人間が居たこと。
元の世界での、オッレルスと自分との関係性。
上条当麻との関係性と、如何に彼を大事に思っているか。
最後の記憶は、墜落していく飛行機の中、『呪縛の銀糸』による激痛に耐えながら通信術式を発動させ、オッレルスに頼み事をしたこと。
自分が本来存在すべき日時。
気付けば海の中ではなく、このベッドの上で眠っていたこと。そして、会話に入ったということ。

にわかには信じ難い話ではあるものの。
過去を捏造したにしてはきちんと論理的な説明をしている。
解離性同一性障害も疑ってみたものの、記憶の欠落も見当たらない。
また、以前の他者との生活は良好だったようだ。
道理で以前の彼よりもとっつきやすい訳だ、とオッレルスは思う。

フィアンマ「……信じてくれ。……原因も、理由も、何一つ不明だが、…俺様は、おそらくこの世界の人間ではない」

オッレルス「>>691
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 01:13:37.99 ID:DFs6SI670
わかった。信じるよ。君の目は嘘をついたり錯覚した眼でもないからね
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:13:50.66 ID:lNLLiIooo
692 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 01:20:09.02 ID:kxf1SSOr0

オッレルス「わかった。信じるよ。君の目は、嘘をついたり錯覚した眼でもないからね」

フィアンマ「………」

ようやく理解者を得て、フィアンマはほっと胸をなで下ろした。
知識や記憶はこちらに持ち越しされているらしい。
フィアンマはのろのろと手を伸ばし、包帯の上から自分の腹部に触れた。
特殊な詠唱を行い、腹部の傷がみるみる内に完治していく。

オッレルス「それは、……」

フィアンマ「…北欧神話とケルト神話を複合させた術式だ。とはいっても、簡略化し過ぎてしまったが…」

赤い光が満ちた後、腹部の傷は完全に治っていた。
首筋にも触れ、きちんと傷を癒しきる。

オッレルス「……それだけの腕を持って、何故魔神にならなかったのか不可解だよ」

フィアンマ「魔神になるよりも、右方のフィアンマになった方が安全だったからだ」

オッレルスの知る右方のフィアンマは扱えない術式。
それを見て、オッレルスはきちんと、フィアンマは自分の知る人間とは別人であると断定した。

フィアンマ「…入れ替わった原因がわからん。……何か、思い当たるものは無いか? 俺様には『異界反転(ファントムハウンド)』の誤発しか思いつかないが」

オッレルス「>>694
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:22:10.65 ID:4o3bV6QA0
何か大きな事故にあわなかったかな?
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:22:14.15 ID:959TxJKo0
多分それで当たっているよ
しかし不味いことになったな…君がこの世界に来たということは、『彼』が君のいた世界に行ったということも意味する…
この世界の『彼』は多分、自らの描いた夢を諦め切れていない…
君の『救世主』の身体を利用して、『彼』は今度こそ『世界の救済』を達成しようとするはずだ

695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:23:16.84 ID:zCbJIGUSO
もし仮に『異界反転』が原因だ、と解するならば、どの平行世界の誰がどこで発動させたかを突き止めなくては…
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:23:30.92 ID:c/o3oeJho
きみの右手と最大主教が使った銀鎖が変な反応を起こしたとは考えられないか?
…それを意図的に起こしたとすればあの女はとんだ雌狐だがな
697 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 01:32:43.61 ID:kxf1SSOr0

オッレルス「多分、それで当たっているよ」

それしか思い当たる原因が無い、とオッレルスは頷いて。
はぁ、とため息を吐きだした。

オッレルス「しかし、不味いことになったな…君がこの世界に来たということは、『彼』が君のいた世界に行ったということも意味する…」

フィアンマ「……、つまり?」

嫌な予感がするが、聞かない訳にはいかない。
オッレルスは困った顔をして、フィアンマを見た。

オッレルス「この世界の『彼』は多分、自らの描いた夢を諦め切れていない…」

夢。
即ち、歪んだ世界を正して、救うこと。
体は入れ替わっていない。つまり、あちらの『彼』は好きなだけ身体を酷使出来る。
そして最悪なことに、使い潰されないよう頑丈過ぎるのが、フィアンマの体だ。

オッレルス「彼は君の『救世主』の身体を利用して、『彼』は今度こそ『世界の救済』を達成しようとするはずだ」

フィアンマ「救済、か。…戦争のどこに救いがあるのか、理解出来んがね」

オッレルス「最終的には、独裁制のディストピアを創りたいんじゃないかな。旧約聖書のように、ね」

そんなことをしても、彼の目論見通りに世界は救えないのに。

呟きながら、オッレルスは天井を仰いだ。
困り果てた。『異界反転』の場合、儀式場はこちらの世界に無い可能性が高い。
かといって術者を特定出来るものでもない。

オッレルス(…一つの手としては、世界の基準点として機能する『幻想殺し』を潰す事だが、…)

おそらく、このフィアンマに上条当麻を殺害することは出来ない。

故に、この提案ははばかられる。

フィアンマ「……俺様は、何が不満なんだろうな」

ふと、ぽつりと。
フィアンマは呟いて起き上がり、自分の手を見つめた。
右手。奇跡を宿す、幸運の象徴たる、神聖な右手。

フィアンマ「普通の人間として生を受け、…大変なことをしても尚、無条件で匿ってくれる人間が居て。痛い思いも、辛い思いも、…俺様よりは、絶対にしていないというのに。自分の意思で死ねる体で産まれてきて、……何が、不服なのか。俺様には、…俺様のことが、理解出来ない」

オッレルス「>>699

698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 01:34:43.98 ID:DFs6SI670
それはしょうがない事だよ。彼と君とでは同じ“フィアンマ”だけどスタートラインや持ち物が違う
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:35:22.40 ID:q4jFZy5zP
理解できないなら、する必要もないさ。君は君で彼ではないからね
700 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 01:40:36.26 ID:kxf1SSOr0
>>697 ×彼は ○彼は、……》


オッレルス「理解できないなら、する必要もないさ。君は君で、彼ではないからね」

フィアンマ「……、」

オッレルス「…君と彼の違いは、明白だ。……人に手を差し伸べたことがあるか、ないか」

きっと、そこだろう、と彼は指摘する。
フィアンマはこくりと頷き、だるそうにだらける。
と、空腹の為、腹の虫が鳴いた。

オッレルス「甘いものが好きだと言っていたから、」

彼はスプーンと既製品のプリンを差し出してくる。
わぁあ、とフィアンマは子供のように目を輝かせて受け取った。
案外餌付けされやすい性格である。





目が覚めた。
熱いシャワーを浴び、思考をすっきりさせる。
リビングへ移動すると、そこにはインデックスが居た。
彼女はフィアンマを見、口ごもっている。

右方「……」

インデックス「あ、…ぅ。……ご、…ごめん、ね」

何だかよくわからないが、自分が悪い、と思ったようだ。
彼女はフィアンマに謝罪し、しょんぼりと落ち込む。

右方「>>702
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 01:43:25.63 ID:DFs6SI670
……俺様は生きているそれで良いだろう
(元々この世界の俺様は一体どういう人間関係を持っているんだ……)
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:44:30.26 ID:q4jFZy5zP
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:44:50.82 ID:zCbJIGUSO
ああ、先程は暴言を吐いてすまなかった。

俺様を心配してくれたのに。本当にすまなかったダキ
(こんな感じか?)
704 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 01:52:44.72 ID:kxf1SSOr0

右方「……俺様は生きている。それで良いだろう」

インデックス「…うん」

右方「…、…先程は暴言を吐いてしまって、すまなかったな。気が動転していたんだ」

適当な言い訳を口にして。
フィアンマは、ふと思う。

右方(元々、この世界の俺様は一体どういう人間関係を持っているんだ……)

魔道書図書館には抱きつかれ。
ご主人様と呼んでくる少女にも抱きつかれ。
歳の近い(と思われる)十代の少女に父親と認められ。

右方「……」

インデックス「お仕事行ってくるね。会えて良かったんだよ」

莫大な悪意を受け、確実に傷ついた筈なのに。
それでも、彼女は口先の謝罪を受け、優しく微笑んだ。
だが、その優しさは、この彼に届くことはない。

インデックス「行ってきます」

右方「………」

そして、彼女は家から出て行った。


まずは、現状確認と、人間関係を把握しなければならない。
フィアンマは五和とグラーノから関係性を聞き出した後、聖ピエトロ大聖堂へやって来た。
一言で言おう、何だか平和ボケしている。

左方のテッラは狂気を帯びていないし、アックアは思っていたより言葉を発するし、ヴェントに至っては好意的。

気持ち悪い程に、自分が愛されている世界。
優しすぎる、調和のとれた世界。

ヴェント「…アンタ、顔色悪いケド」

言いながら、彼女はフィアンマの額へ手のひらを寄せる。
常の彼なら、大丈夫だと煙たがるように、それでもやや優しく払っただろう。

バチン

強く弾いていた。瞬間的に。

ヴェント「……、」

右方「>>706
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 01:54:28.78 ID:zCbJIGUSO
あー…、いや、すまない。つい反射的に。

……泣くな
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 01:55:56.35 ID:DFs6SI670
707 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 02:00:33.41 ID:kxf1SSOr0

右方「あー…、いや、すまない。つい反射的に」

言い訳をしてみる。
彼女の瞳が、潤んでいるのが見えた。
本当に、本当に、呆れる程平和ボケだ。

右方「……泣くな」

ヴェント「泣いてないわよ、自惚れんなバカ」

吐き捨てて、彼女は背を向けた。
ここの自分と彼女はそこまで親密なのか、とフィアンマは眉を潜める。
まるで理解出来ない。この世界の自分は、一体どんな性格をしているんだ。


聖ピエトロ大聖堂を出て。
不意に、ポケットの中が震えた。
電話の着信だった。

右方「……、」

名前は、上条当麻。
今度こそ、フィアンマは自分のことが理解出来なくなる。

右方「……」

一応、通話ボタンを押して、電話に出てみた。

上条『あ、もしもしお兄ちゃん? 何かイタリア旅行当たって来たのは良いんだけど、やる事無くてさ。ほら、観光名所とか昔お兄ちゃんと巡っちまっただろ? 暇だったらで良いんだけど、今から会えないか?』

右方「>>709
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 02:02:29.71 ID:DFs6SI670
すまん……最近体調悪くてな……
(……本当にこの世界のフィアンマに問いたい!どうやれば幻想殺しに「兄ちゃん」と呼ばれるほど親しくなれる!?)
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 02:02:43.35 ID:zCbJIGUSO
(お、オニイチャン……だと……ま、まぁいい。いずれ利用するんだ、信頼と現状確認のために必要だと割りきろう…)
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 02:05:07.43 ID:DFs6SI670
実はイタリア旅行券はペアチケットであるという
711 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 02:13:41.90 ID:kxf1SSOr0

右方(お、オニイチャン……だと……ま、まぁいい。いずれ利用するんだ、信頼と現状確認のために必要だと割りきろう…)

割り切ろう。
何度も自分に言い聞かせ、彼は極力明るい声音を努めて言う。

右方「あぁ、大丈夫だ。今何処にいるんだ?」

上条『聖ピエトロ広場。未だに宗教は詳しくないけど、凄いよな此処』

その声に敵意は無い。
まるで、とてつもなく親密であるかのような。
そもそも『お兄ちゃん』と呼ばれている時点でおかしい。

右方(…幻想殺しと、血縁関係にあるのか?)

しかし、それならばもう少し見目が似ていても良い筈だ。
それか、同居していてもおかしくない。

右方「今、近くに居るんだ。少し動かないで待っていろ」

言いながら通話を終え、彼は歩き始める。
十分程歩くと、上条が居た。
彼は暇そうに聖人像を見上げている。
そして、上条は振り向いてフィアンマをその視界に捉え、安堵したように微笑んだ。

上条「おー、こっちこっち」

右方「遅くなったか」

上条「いや、急に呼び出したの俺だしさ。なぁ、聞いてくれよ。この不運な俺がイタリア旅行ペアチケット貰ったんだぜ? 大覇星祭来てくれたの覚えてるだろ?」

右方「…あぁ」

上条「あれでさ、来客数を予想する宝くじみたいなのがあって、適当に番号書いたら当たったんだよな。フレメアと一緒に来て、フレメアはお姉ちゃんとどっか行ったみたいなんだけど」

右方「……」

上条「何か、懐かしいよな。…お兄ちゃんさ、俺が止めても甘いモンばっかり食って、大人買いなのに格好良くなかったりとか」

彼は聖人像を再び見上げ、のどかな笑みを浮かべる。
そこには、フィアンマへの信頼が見て取れた。

上条「……俺、決めたんだ」

右方「…何を、だ?」

上条「…昔、俺が借金を抱えた意味わかんないおっさんに『お前の不幸のせいだ』なんて刺されそうになった時、さ。お兄ちゃんが庇ってくれただろ。俺はガキだったから、泣いてばっかりで、応急処置すらまともに出来なくて……、……だから、あの時からずっと、…俺は、お兄ちゃんの味方で居るって、決めたんだ。……俺が出来る事なんてたかが知れてるけど、…でも、お兄ちゃんが思ってるよりは、俺、何でも出来るようになったから。困ったら言ってくれよな。絶対、助けに行くからさ」

右方「>>713
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 02:17:26.05 ID:zCbJIGUSO
…そうか。ありがとう。

…では約束してくれるか?『俺様が困ってる時、必ず俺様の言う事を聞いて、助ける』と
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 02:23:07.68 ID:c/o3oeJho
今困っていてな
714 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 02:26:26.76 ID:kxf1SSOr0
《今日はここまで。お疲れ様でした 右方さん改心なるか》




右方「今、困っていてな」

つい、口が滑った。
あまりにも、上条の態度が人懐っこいものだったからかもしれない。
割り切るつもりだったというのに。
上条はフィアンマの発言にきょとんとし、彼を見る。

上条「困ってる? 何がだ?」

解決出来そうなら、手を貸したい。
否、解決できなくとも、せめて出来る限りの支援はしたい。

上条「俺の『幻想殺し』を使う類の、か?」

おずおず、と上条が問いかけてくる。
その真っ直ぐな視線は、嘘を即座に貫く鋭さを秘めている。
綺麗な黒の双眸。
信頼と善意に満ちた、その目。

右方「>>716
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 02:27:38.40 ID:c/o3oeJho
ああ、そうだ(こちら側に来た原因の魔術を幻想殺しで破壊出来れば元の世界に戻れるかもしれない)
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 02:28:05.13 ID:zCbJIGUSO
乙。

安価なら

ああ…まぁ近い内にな。

今は大丈夫だ。何も心配しなくていい。
717 :『女聖人の淫夢』  ◆2/3UkhVg4u1D [saga !orz_res]:2013/02/16(土) 02:30:03.99 ID:kxf1SSOr0


「火織」

甘い声。
甘いマスク。
細い指。
白い肌。
綺麗な瞳。

全てに視線を向けたくて、さまよう。

「あ、…」
「…火織、…愛してる」

直接的な愛の言葉を口にして。
彼はそっと、私に口付けてくる。
毎朝一生懸命結わえている髪を、指先が解いた。
さらさらと黒髪の優しい手のひらで、撫で。
彼は整った顔立ちに美しい微笑を浮かべ、何度も口付けてくる。
ちゅ、ちゅ、とまるで小鳥が鳴いているかのようなリップ音。
だから舌を絡ませない口づけはバードキスというの、ですね。

「っあ」

彼の指が、だんだんと位置を下げていき。
服をまくり上げると、ジーンズにかかった。
貞操は大事なものなのに、何故だろう、抵抗する気になれないのは。
ジーンズが脱がされ、その指が、私でもまともに触らない場所へ触れる。

「…火織」
「……、…フィ、…フィアンマ…」

おずおずと名前を呼ぶ。
彼はやっぱり小さく笑って、私の胸に吸い付いた。
胸の飾りを口に含み、ちゅくちゅく、と吸い上げる。
まるで赤子のようだと思う。しかし、走る快感は淫靡なもの。
吸い付く動きはそのままに、指先は私の突起に触れた。
指ではなく、下半身の、方の。

「あ、っん」

思わず声が出た。
痺れるような感覚が、下半身から全身へ広がる。
彼は顔の位置を下げて、私の突起へ舌を這わせた。
ぴちゃぴちゃ、と猫がミルクを舐めるような音。
その度に膣口が無意味にひくついて、たまらなく羞恥が押し寄せてくる。

「ひ、っぁ…!」

そうこうしている間に、気付けば体が弛緩していた。
所謂『絶頂』という状態を、迎えていたようだ。
彼は硬く硬く勃起したソレを宛てがい、私を優しく見下ろした。

「……火織、…良い、か?」
「は、い…き、…き、ぃ…きて、ください…っ!」








ガバッ

神裂「ゆ、…夢、ですね……」ほっ
718 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/16(土) 02:33:04.25 ID:L5mvIAYAO

右方さんあざとい…ぼっこぼこにされるぞ…

フィアンマさんは戻ってきても、何か可哀想だな…
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 02:54:45.37 ID:zCbJIGUSO
乙神裂さんエロいww


戻るタイミングがいつかにもよるだろうが、お互いの世界がその時どう変化していくか楽しみだ
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 12:54:43.38 ID:959TxJKo0

フィアンマさんが帰ってきたら、取り敢えずオッレルスに説明させよう(適当)
721 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 15:42:50.31 ID:p8sn7mwW0
《困ったらオッレルスさんに丸投げしよう(提案)》


右方「ああ…まぁ近い内にな」

思い直した。
内心にて、フィアンマはうっすらとほくそ笑む。
利用しやすい状況だ。
この世界の自分については理解出来ないし、正直これから先も出来ないだろう。
だが、自分の役に立ってくれるのであれば何でも良い、何だって良い。

右方「今は大丈夫だ。何も心配しなくていい」

上条「あぁ、分かった」

俺、頑張るよ。

そう言って笑ってみせる上条に。
この世界の自分は、きっと彼を守って純粋に育てたのだろうと思って尚。
フィアンマは自らの野望を優先した。



プリンとティラミスを貰い。
餌付けをされたフィアンマは、しかしながら表情暗く言った。

フィアンマ「…この世界の俺様は、当麻を殺害しようとした。当然、今後も躊躇は無い」

オッレルス「…だと思うよ。だからこそ不味いんだ」

フィアンマ「だとすれば、一刻も早く戻らねばなるまい。…まだ時間はかかるだろうが。…オッレルス」

オッレルス「うん?」

フィアンマ「……この世界の当麻に、会えないか?」

会っても良いだろうか、というニュアンスだ。

オッレルス「>>723
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 15:44:10.94 ID:6aogk6XAO
彼は君の攻撃で顔面ズタズタだ
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 15:44:36.95 ID:6aogk6XAO
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 15:52:20.57 ID:q4jFZy5zP
あれ?そんなんだっけ
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 15:53:11.17 ID:IH+j8n5b0
正直こっちの世界は他人事だし何でもいいや(丸投げ)
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 15:53:32.94 ID:L5mvIAYAO

フィアンマさんの余罪が増えてる…? ないない

安価下
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 15:57:22.30 ID:q4jFZy5zP
正直会わないほうがいいと思うけどね……
君が会うべきと思うなら、そうしたらいいさ
728 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 16:02:16.66 ID:p8sn7mwW0
《あ、そうか 別にこっちの世界でどうなってようとフィアンマさんには関係無いもんな正直 すいません>>722でいきます》


オッレルス「彼は、君の攻撃で顔面をズタズタにされたことがある」

フィアンマ「…、」

オッレルス「…『君』が、上条当麻を大切に思っていても、恐らくその思いは届かない」

治療をとっくに終えていて、心の傷が癒えていても。
会えば思い出す、会えば怯えさせる、会えば怖がらせる。

だから、会う事は推奨しない、とオッレルスは首を横に振った。
何てことを、と思いながら、フィアンマは視線を床に落とした。

オッレルス「ただ、」

フィアンマ「……ただ?」

オッレルス「君が元の世界に戻る方法の一つとして、彼との接触という選択肢は、無い訳じゃない」

フィアンマ「『幻想殺し』に触れただけで元に戻れる、と?」

オッレルス「世界規模の大魔術において、そこまで楽観的じゃないよ。逆だ」

フィアンマ「……、」

オッレルス「…出来ないだろう」

フィアンマ「………」

オッレルス「…もっとも、彼はお人好しだ。君がどうしても会うべきだと思うなら、会ってみれば良い。私が同じ場所に居合わせれば、或いは多少の緩衝材になるかもしれないし」

自分には止める資格がない、とオッレルスは付け加える。
フィアンマはしばし思考した後、即答出来ずに沈黙した。



右方のフィアンマは、聖ピエトロ大聖堂へ戻って来た。
まずは下準備から始めなければならない。
失敗した原因としては、『幻想殺し』が上条の右肩から先にしか宿らない特性を持つことだ。
いかにしてそこをクリアするか、それこそが最大の問題である。

右方「ヴェント」

ヴェント「あん? 何よ」

右方「ビショップ・ビアージオを動かせるか。『アドリア海の女王』で、学園都市を砲撃したい。『刻限のロザリオ』が出来上がっていれば、の話だが」

ヴェント「>>730
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:03:36.74 ID:6aogk6XAO
アニェーゼといっしょに部屋で待機しているよ
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:04:07.69 ID:6aogk6XAO
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:04:53.28 ID:vpS0RJ2k0
連投禁止しろ
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:05:54.39 ID:zCbJIGUSO
!?

……完成はしている。

…一応聞いてあげるケド、それを何に使う気?
733 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 16:11:55.34 ID:p8sn7mwW0

ヴェント「!?」

急な彼の姿勢の変わりように、ヴェントは驚愕した。
自分を落ち着かせながら、言葉を返す。

ヴェント「……完成はしている」

そして、端的に事実を告げた。
フィアンマはやや満足気な表情を浮かべて相槌を打つ。

ヴェント「…一応聞いてあげるケド、それを何に使う気?」

右方「今さっき言ったばかりだろう。『アドリア海の女王』で、学園都市を砲撃したい―――否、させたいと」

ヴェント「あれだけ尻込みしていたクセに?」

右方「気が変わったんだ」

ヴェント「……、」

右方(…この世界の俺様は、平和主義者だった、のか?)

彼女は黙って、しばし考える。
戦争は怖い、嫌だ、だからお前との約束を守れない、本当にすまない。
そんなことを長年言い続けてきた人物が、何のきっかけもなく突然こんな事を言い出すだろうか。

ヴェント「……、…」

禁書目録によれば、彼はローラ=スチュアートと対面し、結果として一度死ぬ覚悟を決めたらしい。
全てを守る為に、人身供物よろしく海の底へ沈んだのだとか。
飛行機が墜落したショックで頭を打つと、人の人格は容易に変貌するという話を聞いた事もある。

もしくは。
長年悩んで、謝って、ようやっと。
自分との約束を守る覚悟を、決めてくれたのか。



―――自分を、選んでくれたのか。


ヴェント「…『約束』、…覚えてる?」

右方「>>735
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:17:26.95 ID:6aogk6XAO
ちゃんと弟生き返らせてやるから安心しろ
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:18:08.86 ID:zCbJIGUSO
…どんな内容の約束だったかな(すっとぼけ)

ヴェント、もう一度お前の口から聞きたい←肩つかんで密着、耳元で
736 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 16:25:42.28 ID:p8sn7mwW0
>>733 ×ショックで ○ショックなどで》


右方「…どんな内容の約束だったかな」

彼はわからないことをそれと知られないよう。
敢えて、すっとぼけるように冗談めかした。
そして、彼は手を伸ばす。
男娼のように慣れた様子で彼女の肩を掴み、抱き寄せるようにして身体的距離をほぼゼロへ持っていく。
そうした上で、彼女の耳元へ、やや甘みがかった声で促した。

右方「ヴェント、もう一度お前の口から聞きたい」

ヴェント「……、」

近い。近い。ち、かい。
ヴェントは思考が停止しそうになりながら、乾いた唇を自分の舌で舐める。
そうして、彼にだけ聞こえるよう、小さな声で言った。

ヴェント「……私の弟を殺した、憎い科学を。科学、全てを、…きっと、アンタが壊して、叩きのめしてくれる、って…約束、したじゃない」

右方(なるほど、それが『約束』か。…ふん、こちらの俺様も、俺様とさほど変わらん程度の持ち主だな)

こちらの自分を嘲笑い、フィアンマは指先でヴェントの髪を撫でた。
修道服のフード越しに撫でられ、彼女は不安定に視線を彷徨わせる。
彼女自身とて認めたくないものの、意中の男性からこのように密着されれば、動揺してしまうのも自然の摂理。

右方「…そう、だったな。……守るよ。遅くなってしまったが、今年こそ、お前との約束を守ってみせる」

ヴェント「…、フィアンマ」

右方「だから、俺様に協力してくれないか」

愛着も愛情も信頼も欠片も持っていないクセに。
さもそれら全てを持ち合わせているかのように、フィアンマは懇願するような声音で言った。







ヴェントはどうする?>>+2
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/16(土) 16:27:30.05 ID:uctKRZvq0
アンタ……本当にフィアンマ? 

……何だか、変

フィアンマなら、安易にそんなことは言わないはず
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:27:32.25 ID:6aogk6XAO
フィアンマにディープキス
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:28:26.78 ID:zCbJIGUSO
堕ちる
740 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 16:32:36.93 ID:p8sn7mwW0


>>+1のコンマ一桁(本当にあった怖い入れ替わり [sage]:2013/02/16(土) 16:27:32.2『5』←ココ)でヴェントの行動及び状態決定



0〜3 >>737の発言(フィアンマに疑いを持つ)

4〜8 改めて闇堕ち、これ以降言いなりに

9 深く口付け、これ以降言いなりに
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:34:06.06 ID:6aogk6XAO
はい
742 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 16:40:53.21 ID:p8sn7mwW0
>>741 16:34:06.0『6』 結果:改めて闇堕ち、これ以降言いなりに》


ヴェント「…勿論」

彼の周りには、沢山の人が居た。
その中に、科学サイドの人間が居た。
それを知っている。
それでも尚、自分を選んでくれたことを、知った。
傲慢だとは思いつつも、ここに昏い優越感を覚えたことは事実。

ヴェント「全面的に協力するに決まってんじゃない。ま、そもそもアンタが此処のリーダーだしね」

迅速に動く。

そう言い残して、彼女は去っていった。
ビショップ・ビアージオに指示を出す事だろう。

右方(…あっさりしているな)

元の世界とは大違いだ、と思いながら、彼は『奥』へ進んだ。
後は緩やかに結果報告を待てば良い。
成功すれば上条当麻が死ぬ恐れもあるが、その時は死体を拾いに行けば良い。
それに、そもそも、これは失敗することになっている。
他ならぬ上条当麻の手によって、妨害が入る筈なのだ。




上条はフィアンマと別れ、イタリア市内を回っていた。
途中、一人の少女に出会い、彼は明るく声をかける。

上条「あれ、オルソラ?」

オルソラ「お久しぶりでございます」

上条「そっか、オルソラ、元元ローマ正教所属だもんな。引越しなら手伝うけど」

オルソラ「>>744
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/16(土) 16:42:08.89 ID:uctKRZvq0
いえいえ、これくらいは自分でやるのでございますよ
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:42:55.02 ID:zCbJIGUSO
あら、ウニの妖精さんではございませんか!サワサワ

745 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 16:51:46.54 ID:p8sn7mwW0

オルソラ「あら、ウニの妖精さんではございませんか!」

さわさわ、と上条の髪を触るオルソラ。
その笑顔は穏やかで優しく、聖母のごとく。
悪気がないとわかってはいても、突っ込まざるを得ない。

上条「ウニの妖精じゃねえよ!」

オルソラ「実はお引越しなのでございます」

上条「あ、やっぱ引越しなのか」

オルソラ「妖精ではないのでございますか…?」

上条「あれ、やっぱり話が。っていうか俺前にも言ったよな、妖精じゃないって!? 何でしょんぼりしてんの!?」

オルソラ「お手伝いはありがたいご提案ですが、お昼ご飯を作って差し上げる位しかお礼が用意出来ないのでございますよ」

上条「ああ、いいよいいよお礼なんて。顔見知りなんだしさ、もっと軽く頼ってくれよな」

オルソラ「あ、ちなみに本日の昼食はウニクリームパスタでございます」

上条「人をウニの妖精呼ばわりしておいてそれかよ! いや、別に嫌いじゃないけどさぁ…」

何かもうよくわからない、と突っ込み疲れた上条は、オルソラについていくことにする。
運河を見ながら進んでいく、その途中。

突然、船が猛スピードで突っ込んできた。
何故かは知らないが、角度的にオルソラを狙っていた銃弾が上条の頬を掠る。
イタリア語で物騒な言葉が聞こえ、オルソラと上条は慌てて、先程突撃してきた船へと乗り込んだ。

上条「な、何だ…?」

船を見る。
氷で出来た船だが、不思議と触っても生ぬるく、冷たくはない。

上条「お、オルソラ。大丈夫か?」

オルソラ「>>747
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:53:13.51 ID:zCbJIGUSO
大丈V安価↓
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 16:53:22.16 ID:Bnw7rZrAO
安価下
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/16(土) 16:56:03.54 ID:uctKRZvq0
まあ、こんなところにウニが……
749 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 17:07:17.61 ID:p8sn7mwW0

オルソラ「まあ、こんなところにウニが……」

上条「」

ずこーっ、と大げさにこける上条。
オルソラはくすりと笑い、そうして深呼吸をする。

オルソラ「…あなたに銃弾が掠ったおかげで軌道がズレ、この通り無傷でございます」

上条「なら良かった…」

ジョークを言う余裕があるなら大丈夫だろう。
やれやれ、とため息をつき、寒さに耐えかね、上条はオルソラと共に船の中へ入った。
窓の類は無いようである。

上条(冷たくない。つまり、氷点を操作して氷で造ってんのか…俺の右手でも消せない辺り、何処かにこの船を構成してる魔法陣がある筈だ)

ぺた、と壁に触れる。
氷はすぐさま再生して、船は元の状態へ戻る。

上条(それか、これが霊装の一種だとすれば、基軸は別部分にある。術者に基づいてるっていうのもなきにしも…地形に根付いてるタイプなのか? 海の上である以上、この船をぶち壊す事は出来ないのも納得だ。海水を組み上げて自動修復してやがる)

思いながらオルソラと共に歩いていると、これまた氷で出来た動く巨像。
鎧を纏った騎士のような姿をしており、一振りが、重い。
上条は思わずオルソラを庇い、右手を突き出した。
巨像の腕が折れ砕け、一時的に巨像は座り込んで動きを止める。

上条「オルソラ、開く扉はあるか?」

オルソラ「こちらでございますっ」

言いながら、彼女は巨像の腕を袖の内側へしまいこみ。
そして、開いていたドアを開ける。中に、入った。


そこには、一人の少女が居た。
赤い髪を三つ編みにした、修道女。
かつてオルソラ=アクィナスを殺そうと追っていた修道女部隊の、リーダー。

アニェーゼ=サンクティスだった。

アニェーゼ「…?」

上条「お前、」

アニェーゼ「これは好都合ってやつですね」

彼女はよろよろと立ち上がる。
そして、上条を見据えた。

アニェーゼ「頼みがあります」

上条「た、頼み? 何だよ」

アニェーゼ「>>751
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/16(土) 17:10:28.38 ID:uctKRZvq0
ビアージオ=ブソー二。ヤツをつぶしちゃくれませんかね
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:11:15.86 ID:HAaAYYLp0
時空に歪みが生じています 
パラレルワールドから同一人物ですが
別人が紛れ込んでる可能性が
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:11:18.46 ID:zCbJIGUSO
何の邪魔もせず船から降りやがって下さい。

いやなら突き落としてやりますが
753 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 17:20:10.37 ID:p8sn7mwW0

アニェーゼ「時空に歪みが生じています」

彼女は真っ直ぐな瞳で上条に言う。
自分の生命は、既に諦めていた。
他の修道女達は、ただの強制労働。
助けて欲しいとは、言えなかった。
そんなことを言える程、おこがましい人間にはなれなかった。
そして、そんな勇気を持つことも、出来なかった。 

アニェーゼ「パラレルワールドから、同一人物ですが、別人が紛れ込んでる可能性が」

上条「それって、この船の中の人間なのか?」

アニェーゼ「いえ、違うでしょうね」

だが、何となく思う。
自分が『刻限のロザリオ』の使用条件に選ばれたのは。
こんな過酷な条件での労役が加わってしまったのは。
そうした時空の歪みが、原因であるからだと。

アニェーゼ「このことを念頭に入れててください。…時空の歪みのせいで、色々と妙なことになっちまってるんです」

上条「…、」

オルソラ「他のアニェーゼ部隊の方は、何処に…?」

アニェーゼ「>>755
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:22:12.43 ID:HAaAYYLp0
さぁ…この世界にいるかどうか…

755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/16(土) 17:26:11.37 ID:mVHQTMu90
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:34:06.96 ID:zCbJIGUSO
何か頭がティロティロしてきたよ
757 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 17:34:53.53 ID:p8sn7mwW0

アニェーゼ「さぁ…この世界にいるかどうか…」

はぐらかした。
あるべきものはあるべきままに。
別に、逆らおうとは思わない。
自分が居なくなって、学園都市が無くなるのなら、それはそれで構わない、と思う。

上条「なぁ、…えっと、名前何だって」

アニェーゼ「アニェーゼです」

上条「アニェーゼ。…この船って、何て名前なんだ?」

アニェーゼ「『アドリア海の女王』。及び『女王艦隊』ですよ」

上条「お前は何で此処に居るんだ? ローマ正教は何をしようとしてるんだよ」

アニェーゼ「教えるとでも思ってんですか? めでたい頭ですね、」

言いかけて、アニェーゼは押し黙る。
上条の瞳が、冷徹だったからだ。
嘘を言えば殴られるかもしれない、という緊迫感。

上条「魔術の中には、人の身体を使う事もある」

アニェーゼ「…、」

上条「お前らアニェーゼ部隊は、オルソラを捕らえる事に失敗した。そのお咎めがここへの幽閉だとしても、それにしては手間がかかり過ぎてる。正直に言って、重罪なら殺した方が手っ取り早い」

フィアンマが上条に魔術について教えなかったのは。
巻き込ませたくないという気持ちと、頭の冴えがあったからかもしれない。

上条「ローマ正教は、お前を使って何らかの魔術を使おうとしてるんじゃないか。どうなんだ」

アニェーゼ「…>>759
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:36:15.99 ID:zCbJIGUSO
う、うるさいうるさいうるさいうるさい!
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:36:52.85 ID:G0M/DKo/0
パラレルワールドに行ってしまった
この世界のフィアンマをこの世界に呼び戻す

あちらから来たフィアンマにはかえってもらう
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:40:36.51 ID:zCbJIGUSO
一応置いとくか…わけわからんし…

安価なら

…だったらどうだってぇんですかね?
761 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 17:44:43.88 ID:p8sn7mwW0
《ちょっと誤字ひどかったんで再投稿 混乱してきた助けてカブトムs……お救いください、フィアンマ様》


アニェーゼ「さぁ…この世界にいるかどうか…」

はぐらかした。
あるべきものはあるべきままに。
別に、逆らおうとは思わない。
自分が居なくなって、そうして学園都市が無くなるのなら、それはそれで構わない、と思う。

上条「なぁ、…えっと、名前何だっけ」

アニェーゼ「アニェーゼです」

上条「アニェーゼ。…この船って、何て名前なんだ?」

アニェーゼ「『アドリア海の女王』。及び『女王艦隊』ですよ」

上条「お前は何で此処に居るんだ? ローマ正教は何をしようとしてるんだよ」

アニェーゼ「教えるとでも思ってんですか? めでたい頭ですね、」

言いかけて、アニェーゼは押し黙る。
上条の瞳が、冷徹だったからだ。
嘘を言えば殴られるかもしれない、という緊迫感。

上条「魔術の中には、人の身体を使う術式もある」

アニェーゼ「…、」

上条「お前らアニェーゼ部隊は、オルソラを捕らえる事に失敗した。そのお咎めの結果がここへの幽閉だとしても、それにしては手間がかかり過ぎてる。正直に言って、重罪なら殺した方が手っ取り早い」

フィアンマが上条に魔術について教えなかったのは。
巻き込ませたくないという気持ちと、頭の冴えがあったからかもしれない。

上条「ローマ正教は、お前を使って何らかの魔術を行おうとしているんじゃないか。どうなんだ」

アニェーゼ「…パラレルワールドに行ってしまったこの世界の『右方のフィアンマ』をこの世界に呼び戻す。そして、あちらから来た『右方のフィアンマ』には帰ってもらう。……というのも聞きましたが、…もう一つの理由が、私を使って『刻限のロザリオ』…霊装を完成させ、この『アドリア海の女王』の砲撃先を学園都市に設定出来るようにすることです」

上条の中で、右方のフィアンマと、自分の敬愛する義兄はイコールにならない。
なので、自然と聞き流された。

上条「そのままじゃ、出来ないのか?」

オルソラ「この『アドリア海の女王』は、本来ヴェネツィアへの制裁用に造られたものですから」

上条「そのままじゃ、ヴェネツィアにしか攻撃出来ないってこと、か」

その為に、アニェーゼの身体が必要である。
霊装とは、魔術を使う為の道具である訳で。
人の身体を道具に作り変える、その一言だけでもぞっとする文言だ。

上条「……アニェーゼ。俺は、お前を助けるよ」

アニェーゼ「>>763

762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:49:36.24 ID:zCbJIGUSO
…へぇー、どうやって?

私を助けるという事は、労役しているシスター達を全員見殺しにする事にもなりますが?

まさか一人助けて他は知らねーなんて言いやがるつもりじゃないでしょうね?
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:53:28.88 ID:Dy8cllj70
一つだけ条件を

今のフィアンマを信用しないことです
764 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 17:57:31.92 ID:p8sn7mwW0

>>+1のコンマ一桁(右方の神聖なる赤にかわりまして右方の燃える赤がお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:49:36.2『4』←ココ)でアニェーゼの発言及び展開決定



0〜4 >>762=そのままビアージオとの戦闘へ

5〜9 >>763=アニェーゼが上条の知るフィアンマが右方のフィアンマであることを伝え、その後ビアージオとの戦闘へ
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:58:00.60 ID:Bnw7rZrAO
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 17:59:12.71 ID:Dy8cllj70
ちっ
767 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 18:06:12.04 ID:p8sn7mwW0
>>765 17:58:00.6『0』 結果:>>762=そのままビアージオとの戦闘へ  ご協力ありがとうございます》


アニェーゼ「…へぇー、どうやって?」

助ける。
口で言うのは、非常に簡単だ。
問題は、それをいかにして有言実行とすることか。

アニェーゼ「私を助けるという事は、労役しているシスター達を全員見殺しにする事にもなりますが?」

彼女は皮肉げな笑みを浮かべ。
彼の提案が逆なら呑むのに、と思う。

アニェーゼ「まさか、一人助けて他は知らねーなんて言いやがるつもりじゃないでしょうね?」

上条「言わねえよ」

寸分の淀みもなく。
苦肉の策を練る様子もなく。
彼は真っ直ぐにそう言い放った。
彼は既に、皆の不幸を背負うと決めている。

上条「この船を仕切ってるヤツは誰なんだ?」

アニェーゼ「…、…まさか、倒すとでも言うつもりじゃねえでしょうね? 私達、アニェーゼ部隊の攻撃を普通に受け、死にかけた貴男が?」

上条「言うつもりだけど」

言いながら、彼は指先でメールを打つ。
人を逃がし、自分を逃がすことを最も得意とする『追跡封じ』へ。
何度も彼女に頼ってしまっているな、と彼は苦笑する。

上条「俺がソイツの所へ行って、殴り倒す。最低でも、時間を稼ぐ。その間にお前達は逃げてくれ。もうすぐ来る、ふわふわの金髪の、ちょっと露出が多い服の女についていけば、後はイギリス清教辺りに引き渡してくれるはずだ。わかったか?」

アニェーゼ「>>769
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:07:43.96 ID:q4jFZy5zP
ちょ、ちょっと待ってくださいよ! 本気ですか!?
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:09:37.54 ID:zCbJIGUSO
勝てなかったら、間に合わなかったらどうする気ですか?

標的の事を心配してるなら…
770 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 18:18:25.89 ID:p8sn7mwW0

アニェーゼ「勝てなかったら、間に合わなかったらどうする気ですか?」

上条「勝てるかどうかはともかく、間に合うようにはする」

アニェーゼ「標的の事を心配してるなら…」

何か、噛み合わない。
そうして、上条は、なるほど、と頷いた。

上条「…何かコントみてえな会話だと思った」

アニェーゼ「…?」

上条「俺は、学園都市が砲撃対象にされるから、お前を助けるんじゃねえよ。そっちはついで」

アニェーゼ「何を、」

上条「お前が霊装の一部にされるなんて想像もしたくないことをされたくないから、助けるんだ」

アニェーゼは、目の前の男の異常性に眉を寄せる。
自分が生きることは、まるで考えていないのか。
わからない。理解出来ない。してしまったら、それはもう人間ではない気がする。

上条「俺が間に合うって言ったのは、砲撃のことじゃねえよ。お前やオルソラ、アニェーゼ部隊の皆も含めて、逃げ切るのに間に合うって意味だ。学園都市がぶっ壊されることに対してじゃない。勿論、そっちも心配だけどな。でも、どっちにせよ俺がやることは変わらない訳だし」

アニェーゼ「自分が何を言ってるか、わかってるんですか! カミカゼもびっくりな事を言いやがってんですよ!」

上条「わかってる。一見自殺だよな、ただの」

上条は、握りこぶしを握る。
相手が魔術を使うなら、自分はきっと勝てる。
何せ、この右手は異能をすべて打ち消すのだから。



結局。
アニェーゼは部隊の皆の居場所を伝え。
オルソラがそちらへ行っている間に時刻が訪れたため、アニェーゼはビアージオの下へやって来た。
彼女は氷のような、ガラスのような、丸い球体の牢獄の中へ閉じ込められる。
ここで上条が裏切ったにしても、彼女が廃人になるだけだ。

ビアージオ「…?」

ふと、ビアージオは人の気配に気がつく。
目の前に立っていたのは、一人の少年だった。

上条「よお、悪人面。かかってこいよ」

わかりやすい挑発。

ビアージオ「>>772
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/16(土) 18:21:06.73 ID:uctKRZvq0
異教の猿がァ!
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:21:09.88 ID:6aogk6XAO
ルチア、私の足を舐めろ(ルチアの顔にビアージオの足を押しつける)
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:21:54.07 ID:QZvdBbtL0
ぶるぁああああああ!! いい気になるなよ小僧。
まさか本気で、この私を倒せると思っているんじゃないだろうな?
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:22:26.73 ID:zCbJIGUSO
どぅあああるぇがぁ悪人面どぅああ!

異教のクソ猿がぁああ
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:23:44.30 ID:L5mvIAYAO

ビアージオさんマジギレわろたかわいい

ちょっと休憩で
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:29:32.68 ID:q4jFZy5zP
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:34:38.20 ID:L5mvIAYAO

右方さんの辛いもの説教聞いてみたいな
辛いもの好きじゃないから>>1には書けないが
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:51:13.76 ID:YJy6eZMw0
>>777

ハバネロでもかじれ

生で
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:55:46.80 ID:zCbJIGUSO
朝辛い物食べると頭冴えるとか辛い物専門店の話とか辛い物歴史…etc

右方「いいか、俺様。辛い物は正義なんだ」キリッ

フィアンマ「それは酷い間違いだな、俺様。甘い物こそ正義なんだ」キリッ

な対談とかあってもいいな?チラッ
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:55:52.04 ID:L5mvIAYAO
>>778
ハバネロの某暴君だって関わり合いたくないというのに…
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 18:57:23.72 ID:L5mvIAYAO

何だその対談萌え…燃える(赤)

最終的に唐辛子プリンとか作り上げそうな…いや、この一人は仲良くなれないか
782 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 19:44:13.39 ID:nnduSmh10

ビアージオ「ぶるぁああああああ!! いい気になるなよ、小僧」

彼は悪趣味な修道服、首元にかけられた十字架を引きちぎる。
構える上条から戦意を感じながら、彼は笑った。
まるで溶けたバターのように、ねっとりとした不快な笑み。
遊興のそれではなく、明らかに嘲弄のそれ。

ビアージオ「まさか本気で、この私を倒せると思っているんじゃないだろうな?」

上条「そんな悪趣味な服着てる野郎には負ける気がしねぇな」

言うなり、彼は走り出す。
急に飛び込んできた上条に対し、ビアージオは十字架を放り投げた。

ビアージオ「―――十字架は悪性の拒絶を示す」

彼の戦闘スタイルは、強大にしてシンプル多彩。
『十字架』が持つ本来の意味を解放することで、敵対者に痛みを与える。
巨大化した十字架が、上条の頭上から降ってきた。
彼は一瞬だけ十字架へ視線を向け、縦になって降ってくるそれを避ける。

最低限の、動きで。
霊装であるため、上条は自分の頭だけを右手で守れば良い。
彼の右手に触れた十字架は、まるで小麦粉のように崩れ去る。

ビアージオ「な、に」

上条「異教の猿、とでも思ってんだろうけどよ。ナメてんじゃねえ」

言いながら、彼はビアージオへパンチを―――食らわせるのではなく、アニェーゼの閉じ込められている氷の球体へ右手で触れた。
球体が弾け、アニェーゼの身体が瞬間的に解放される。

上条「アニェーゼ、部隊の皆はオルソラと一緒にここを出た先に居る。合流して逃亡してくれ!」

アニェーゼ「貴男はどうす、」

上条「いいから!」

ほとんど突き飛ばされるように。
急かされ、アニェーゼは部屋から出て行った。
氷の船室の中、残されたのはビアージオと上条の二人。
アニェーゼをとどめる為のビアージオの追撃は、上条の右手によって防がれた。

上条「テメェの相手は俺だ」







ビアージオはどうする?>>+2

上条はどうする?>>+4
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 19:46:13.48 ID:W4Zo3tac0
勝利のビクトリー

kskst
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 19:48:01.24 ID:zCbJIGUSO
上条さんを巻き込む形で十字架の凹凸を綺麗に嵌め込むように押し潰す

ついでにVのポーズをとり勝利の雄叫び
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 19:50:40.53 ID:W4Zo3tac0
メロンを差し出す
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 19:51:19.67 ID:QZvdBbtL0
一撃必倒
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 19:51:25.79 ID:PmviYpAIO
隠し持ってた銀杏を投げつける
788 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 20:06:17.21 ID:nnduSmh10

「チッ、……――――十字架は悪性の拒絶を示す」

彼は十字架を毟り、バッと撒いた。
彼の詠唱と共に、十字架のアクセサリーは姿を変えた。
十字架は凹凸をはめ込むように、そして、間の上条を押し潰すように、降ってくる。

「アニェーゼ=サンクティスが逃亡してしまった以上、私は役目を全う出来ない。で、あるならば。我らが主の御心を否定せし忌々しい右手を持ったこの男を殺すことで、私はローマ正教へ報いる!! は、ははははははああああっっ!! 私の、勝ちだぁああああ!」

彼は感極まったように、両腕を高く振り上げる。
勝利の雄叫びを叫び、彼は何事かをした。
目の前の異教徒を殺した今、『女王艦隊』と共に、神へ殉じようと考えたのだろう。

対して。
上条は十字架に押しつぶされる直前、頭を、次いで左胸を右手でかばった。
脚が少し潰されたが、それでも右手を横に振るって十字架を破壊する。
みっともなく這い蹲らず、気力だけで立ち上がり、彼は右拳を握った。
そのまま、勝利の誤韻に浸っているビアージオへ、特攻する。

「そりゃ良かったな。神に祈ってろ、バカ野郎!」

そして、右拳が。
ビアージオの顔面へ、ヒットした。
彼の体は二転三転しながら壁に叩きつけられる。
上条はげほげほと噎せ、崩れゆく氷の船に焦る。
逃げようかとも思ったが、間に合いそうにない。

しかし、体感時間から考慮して、アニェーゼやオルソラ達は逃げ切れた筈だ。

侵食してきた海水に、上条は不愉快そうに眉を寄せて。
だが、潰れた脚はまともに動いてくれず、彼は座って、上を見上げた。


(ちく、しょう。……やっぱ、俺じゃ、お兄ちゃんみてえには、なれねえのかな…)






フィアンマはナイフを懐に隠し、上条当麻に接触していた。
人的緩衝材として、オッレルスが同じ場に居る。

上条「何の用だよ、テメェ。まさか、またインデックスを…いや、俺を…?」

彼は警戒し、後ずさる。

オッレルス「…やるならひと思いに殺った方が良い」

上条を殺せば、元の世界に戻れる。
それが一番残酷で、一番手っ取り早い方法。
自分が大切に思う上条を守りたいのなら。
今ここで、"この少年"を殺すべきだ。

彼の言葉に、フィアンマは沈黙した。

上条「俺の幻想殺しを…?」

フィアンマ「>>790
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:09:40.45 ID:vluS9c+80
神の祝福を
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:10:47.22 ID:q4jFZy5zP
やはり、殺せない
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:11:03.81 ID:zCbJIGUSO
できるわけないだろうが!
792 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 20:22:25.42 ID:nnduSmh10

「やはり、殺せない」

懐にあるナイフが、ずっしり重く感じられた。
この世界の上条当麻も、特別な右手を除けば普通の少年だ。
ナイフを何度も刺されれば死ぬ。そして、その罪はこの世界の右方のフィアンマへ押し付けられる。
だが、例え別人だとしても、自分と仲が良くなくても、この子だって、上条当麻なんだ。

『ひくっ、えぐっ、な、ないてないもん!』
『おにーちゃん、あれなんていうものなの?』
『お、おれ、いやなんだ、おにーちゃんがしぬのは、しんでもいやなんだ』
『へ、えへへ。むじゅん、してる、な』
『、…うん。……でも、しんゆうできなくても、おにーちゃんがおれのしんゆうだからだいじょうぶ。だろ?』

殺せない。
別人だと、頭ではわかっていても。
だって、この子はクローンですらないんだ。
平行世界に存在している、確かな『上条当麻』本人なんだ。
自分の罪にはならないから、そんな理由では、否、どんな理由をつけても、殺す事なんて出来ない。
たとえ殴られたって、きっと、自分には上条を殴ることだって出来ない。殺すなんて、尚更。

フィアンマは、その場に膝をついた。
上条へ許しを乞うように、頭を垂れる。

「当麻を、…傷つける、くらいなら。…死んだ、方が、いい」
「…、…フィアンマ、お前何言って、…オッレルス、どういうことだよ」

上条は困惑のままに、オッレルスを見やる。
オッレルスは知っていることを全て説明した。
此処に居るフィアンマは、上条やオッレルスの知る右方のフィアンマではないことも。
フィアンマはのろのろと立ち上がり、唇を噛み締める。

「……怖がらせてしまって、…すまなかったな」

そう言うフィアンマを見つめ。
"この世界の上条当麻"は、しばし思考した。
そして、言葉を紡ぐ。

>>794
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:23:27.65 ID:zCbJIGUSO
お前本当にフィアンマか?
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:24:07.61 ID:959TxJKo0
>>793
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:27:23.13 ID:zCbJIGUSO
見落としたが説明されてましたの
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/16(土) 20:27:45.66 ID:uctKRZvq0
何があったのかわからねえけどさ。俺に出来ることがあるなら言えよ。

……それと、何となくわかったよ。お前が戦争を起こした理由。怖かったんだろ? 一人で、ずっと孤独に耐えてきたのが。辛かったんだろ? 頼れるものがなかったから。なら、俺が力を貸す。俺の右手を奪おうとした、とか関係ない、そうだろ? 少なくともお前だって……やりかたは間違ってたかもしれないけど救いたいから、救おうとしたんだろ? 俺も一緒だ。お前を助けたいから、助ける
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:30:28.63 ID:959TxJKo0
追加で>>796>>794の後につけて下さい
798 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 20:34:31.08 ID:nnduSmh10
《すいません八割程書いちゃった後に皆さんの書き込み見たので>>793でいかせてください…》


上条「お前、本当にフィアンマか?」

説明は受けた。現実味が無い。
上条は、彼の様子を見つめながら問いかける。
対して、フィアンマは困ったように、曖昧な笑みを浮かべた。
信じてもらえなくても構わない、と言うかのように。

フィアンマ「…、あぁ、そうだよ。……この世界では、世界を救うなどと意味のわからないことを言って戦争の首謀者となったらしいな」

上条「……、」

『ベツレヘムの星』で直接戦った上条としては、その発言にすら驚く。
彼は自分が正しいと思い込んでいたし、最後の最後まで自分は悪く無いと言い張っていた。
それが、この殊勝な態度だ。
油断をさせて、という素振りも窺えない。
フィアンマは懐からナイフを引っ張り出し、上条へ渡した。
訳もわからないまま、上条はナイフを受け取る。

フィアンマ「……インデックス」

上条「…?」

フィアンマ「…インデックスと、…お前は。……今、幸せなのか?」

質問に対し、上条は言葉に詰まった。
お前がそれを問いかけるのか、と言いそうになり。
しかし、フィアンマの目に悪意は無く。

上条「…あぁ、……幸せだよ。インデックスも、きっと幸せだと、感じてくれていると思う」

フィアンマ「そうか。なら、……良いんだ」

優しく微笑んで。
彼は、すぅ、と息を吸い込んだ後。
呟くように、懇願した。

フィアンマ「……俺様はきっと、元の世界に戻れない。生きていれば、元の世界の当麻をこちらの世界の俺様に傷つけさせている罪悪感に耐え切れない。だから、頼みがある」

彼は、上条の手にあるナイフを指差す。

フィアンマ「―――それで、俺様を殺してくれ。こちらの世界の俺様に、恨みもあるだろう。躊躇はさほどしないはずだ」

オッレルス「君は何を、」

フィアンマ「夢だったんだ。いつか、当麻に殺して欲しいと思っていた」

達観したような表情で。
優しさと諦念に満ちた瞳で、彼はそんなことを頼んだ。

上条「>>800
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:37:59.01 ID:q4jFZy5zP
そんな自分勝手な頼み、聞けるわけねえだろうが!
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:38:31.87 ID:YC7fh4s40
あきらめんなよ!(以下修造以上の熱い説得てゆうか、説教)
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:39:04.87 ID:zCbJIGUSO
色んな意味で、んなこと出来るかよ

大体、ここまで顔をズタボロにした奴の願いなんて聞きたかないな
802 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 20:41:31.91 ID:nnduSmh10

>>+1のコンマ一桁(元右方の赤にかわりまして右方の赤がお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:37:59.0『1』←ココ)で上条の台詞決定


0〜3 >>800

4〜6 >>799

7〜9 >>801
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:44:57.41 ID:zCbJIGUSO
どうにでもなぁれ
804 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 20:52:14.07 ID:nnduSmh10
>>802  20:44:57.4『1』 結果:>>800 ご協力ありがとうございます 修造以上の熱さってハイレベル》


上条「諦めんなよ!」

上条はナイフをホルダーから引き抜きもせず、フィアンマを睨む。
悪意や敵意というよりも、そこには敵意があった。

上条「お前が俺の知ってるフィアンマじゃないってのは、言動やら動作からしてわかった。なら、尚更殺せねえよ。大体、戻れないなんて勝手に決めつけんな」

フィアンマ「…、」

上条「お前がここで死んだら、戻らなかったら。お前を大事に思うヤツは、どうなんだよ。お前の人格を好きになったヤツ等が可哀想だろうが、ふざけんな!」

叫んで、上条は唇を噛み締める。
確かに、フィアンマは憎い。
が、それはこの世界のフィアンマに対して、だ。
自分を殺せない、と泣きそうな顔をしたコイツを、憎いとは思わない。
二重人格のようなものだと思えば、どうにか割り切れた。

上条「…だから、…俺も、お前が戻れるように協力してやる。殺してなんかやらねえぞ」

フィアンマ「……あり、がとう」






上条は、目を覚ました。
海の中ではなく、病室のベッドの上だった。
外の景色を見てみる。どうやら学園都市らしい。

上条「…、」

ぼんやりとしていると、ドアが開いた。
入ってきたのは、冥土帰しと呼ばれる優秀な医者だった。

冥土帰し「また派手にやられたね?」

上条「…俺を、…運んで来てくれたのは、……誰、なんですか」

冥土帰し「>>806
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:54:10.13 ID:zCbJIGUSO
天草式
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 20:55:39.31 ID:q2pxan4X0
>>805

807 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 21:05:18.23 ID:nnduSmh10

冥土帰し「天草式、と名乗っていたね?」

上条(オルソラを助けてくれた…神裂さんが居る魔術組織、だっけ)

もしもまた会う事があればお礼しよう、と思いながら。
上条はぼんやりとした表情で天井を見上げる。

上条「全治、…何ヶ月、ですか」

冥土帰し「今日の午後には退院出来るね?」

上条「あ、そうですか…」

良かった、と上条は脱力する。



家に帰ってオリアナに聞けば、無事イギリス清教まで逃がし切ってくれたということで。
何度も礼を言いつつ、上条は家でハーレムに囲まれつつ、暫しの安息に身体を慣らすのだった。


九月三十日。
どんな治療を受けたのか、脚が既に治った上条は、外に出ようと決めた。
家でグダグダしていても、何だか気が滅入るだけだ。
そういえば天気予報が確実じゃなくなかったな、と上条は思う。



上条とデートする人(一名。滝壺、佐天、オリアナ、黄泉川、初春、姫神、病理、フレメアの中から)>>+2
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:07:07.23 ID:q4jFZy5zP
滝壺
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:07:20.19 ID:IH+j8n5b0
オリアナ
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:07:41.15 ID:q4jFZy5zP
早すぎた( ^p^)
811 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 21:22:05.70 ID:nnduSmh10
《今の展開と全然関係無いんですけど、フィアンマさんが戻ってきて右方さんと戦うのも胸熱だなぁと思いました》


修羅場においていつも助けを求めているお礼を兼ねて、上条はオリアナとデートをすることにした。

上条「オリアナ、デート行こうぜ」

オリアナ「あら、ラブホでも行くのかしら?」

上条「行かねぇから! 普通、純粋なデートですから!」

言いながら、彼はオリアナと手を繋いで歩き出す。
向かう先はカフェである。

上条「カフェモカ美味いよな」

オリアナ「うふふ、白いのがたっぷりかかっているものね?」

上条「やらしい意味じゃないっての…」






出発準備をしている前方のヴェントへ、フィアンマは声をかけた。
"前回"、彼女は上条に敗北してしまった。
彼女との戦いで右席のあしらい方を上条が知ってしまったせいで、テッラのC文書事件も失敗してしまったのだ。
最初こそが肝心、要。
さて、どうアドバイスしておくべきか、とフィアンマは考える。

右方「ヴェント」

ヴェント「あん?」

右方「>>813
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:23:50.29 ID:mVHQTMu90
拳銃かなんかもってけ
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:24:24.34 ID:Hvp+oX5B0
まぁ、頑張れ
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:25:51.42 ID:zCbJIGUSO
アレイスター対策をしろ。後、複数の傭兵、魔術師団も使え。

それから銃を使え。ピンチになったら必ずだ。

後は万が一のためにアックアもつれてけ
815 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 21:27:56.18 ID:nnduSmh10

>>+1のコンマ二桁(救世主にかわりまして偽りの右方がお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:23:50.『29』←ココ)でフィアンマの発言(助言内容)決定


0〜11 >>813

12〜55 >>812

それ以外 >>814
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:30:43.68 ID:mVHQTMu90
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:33:42.56 ID:q4jFZy5zP
やべえwwwwwwww上条さん死ぬwwwwww
818 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 21:35:40.41 ID:nnduSmh10
>>816  21:30:43.『68』 結果:>>814 ご協力ありがとうございます》


右方「アレイスター対策をしろ。後、複数の傭兵、魔術師団も使え」

ヴェント「…」

右方「それから、銃を使え。ピンチになったら、"必ず"だ」

ヴェント「…」

右方「後は…そうだな、万が一の為にアックアも連れて行け」

何としても今日中に仕留めろ、とフィアンマは言う。

ヴェント「馬鹿にしてんの? そんな重装備じゃなくても、」

右方「お前が心配なんだ」

彼は、じっとヴェントの瞳を見つめる。
結局のところ、彼女はフィアンマのいいなりになるしかない。
ましてや、そんなことを言われてしまっては。
本当に心配されているようにしか、感じられない。
彼女は部下に連絡をしながら、『天罰術式』の発動準備を終える。

ヴェント「……ま、あっちの自業自得なんだケド、さ。…いくら主の敵として認められたとはいえ、アンタがあの幻想殺しを守らないとは不思議なモンね。心を痛めた様子も無いし?」

右方「>>820
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:37:33.08 ID:zCbJIGUSO
今大事なのはお前とお前の約束だからな…割りきっているんだよ

なんならその証をベッドで示してから出発してもらっても構わないが
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:38:57.30 ID:mVHQTMu90
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:40:25.61 ID:6Whz1/J90
うるさい
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:40:50.39 ID:959TxJKo0
心配はいらん
俺様は公私を混同するほど甘くはない
823 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 21:50:12.20 ID:nnduSmh10

右方「煩い」

指摘され、傷ついている風を装った。
唇を噛み、悔しそうに視線を逸らしてみる。
ヴェントは彼の表情を見、目を伏せた。

ヴェント「…ま、…なるべく殺さないようにはするケドさ」

生け捕りにして連れて来る。

そう言って、彼女は聖ピエトロ大聖堂を出て行った。
それなりに整っている顔立ちは、沢山のピアスによって歪んでいる。
相手の不快感、悪意を呼び起こすかのように。

ヴェント(あの幻想殺しのガキよりも、…私を、選んだ)

噛み締めるように、内心で呟く。
彼女は部下を連れ、万全の体勢で向かう。

一人、聖ピエトロ大聖堂へ残され。
彼は、くつくつと喉を鳴らして笑う。

右方「くっ、は、はははは!」

愉快で仕方が無い。
幻想殺しが死んだところで、誰が心を痛めるものか、バカバカしい。
諭された直後、世界を守ろうとしたのは単なる気の迷いだった。
今度こそ、絶対にやり遂げてみせる。何があっても、絶対に。

右方「―――主よ、思し召しに感謝します」

そして、この体は何をされても死なないときている。
こんなにも幸運なことはない。ああ、自分は恵まれている。




オリアナとはぐれてしまった。
気付けば夕暮れ。
とりあえずメールはしたので、そのうち返信は来る筈だ。
思いながらぼーっとしていると、ビル側面の画面に、ニュースが流れていく。
何やら黄色い装束を纏った女の姿。

上条「何のニュースだよ…?」

どうやらニュースではなかったようだ。
学園都市内の映像らしい。
途端、上条以外の人々が倒れていった。

上条「…は?」

上条は目を見開き、一番近い場所に居る、今し方倒れた少女に近寄る。
声をかけてみたが、一言も発さない。
病気だろうか。それにしても、人ごみで上条以外全員が倒れるというのはおかしい。

上条「な、何なんだ…?」

コツ、と足音が聞こえた。
そろそろと振り返る。





そこに居た人物(禁書キャラ。一名)>>+2 
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:51:55.59 ID:zCbJIGUSO
木原くン
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:51:59.59 ID:Bnw7rZrAO
建宮
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:52:34.31 ID:heeaof5Q0
>>824

827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:56:03.58 ID:959TxJKo0
>>817
心配すんな、上条さんには火力不足を補ってくれるオリアナ、黄泉川、病理の三人がいるじゃないか
特に病理さんは木原一族だから『天罰術式』も無効化できるし、「made by 木原」の武装を駆使して戦える
原作でグレムリンの魔術師を二人も瀕死にしたくらいだから、魔術師への対応も簡単にこなすだろう
それに、ハーレムには魔術を専門とするオリアナ、格闘術を専門とする黄泉川の両名がいるから、傭兵にも魔術師団にも立ち向かえるだろう
それに木原くン(with猟犬部隊)も仲間になってくれたら百人力だな
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 21:58:25.26 ID:zCbJIGUSO
というか色んな意味で病理さんでないと見せ場が…
木原vs木原とかが…
829 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 22:01:01.52 ID:nnduSmh10

顔に刺青をした、一人の男が立っていた。
白衣を着ているので、科学者だろうか。
その割にその体は鍛えられており、インテリには見え辛い。

上条(だ、誰だ?)

数多「よお、上条当麻ちゃんだっけか?」

上条「な、何で俺の名前知って、」

数多「何か赤い髪した甘味好き、知ってんだろ?」

上条「…フィアンマ兄ちゃんのことか?」

数多「そーそー、ゴメイトウ。って訳で、守りに来た訳だ。…あー、俺が守るとか口にすると気持ち悪りぃなぁ、オイ」

彼はのんびりと言って、上条に近づいてくる。
上条は思わずたじろぎそうになった。

上条「フィアンマ兄ちゃんのことを知ってるのか?」

数多「盟友って感じかねぇ」

だるそうに言いながら、彼は上条を手招く。
何処に向かっているのかはわからない。
どこかのビルへ向かっているようだ。

数多「今マジュツシっつー侵入者が来てる。どういう技術使ってんだかは知らねえが、俺の知り合いも全員倒れちまってな」

上条「は、はぁ」

数多「甘味好きに言われてたのをふと思い出して、保護しちゃった訳だ。俺らしくねぇな」

上条「言われてた?」

数多「『俺様の甘味への思想に賛同してくれたお前に頼みがある。学園都市に住む事は出来ない俺様の為に、上条当麻という少年を守ってはくれないだろうか。ツンツンとした黒髪の、平凡な少年だ。俺様の弟のようなものなんだ。学園都市単位で何かが起こった時、守ってやってくれ。筋違いだとは思うが、どうか頼む』…なんてお涙頂戴の台詞な」

上条「……、なる、ほど。…はは、…兄ちゃんなら、言い兼ねねえなぁ…」

安堵の笑みが、浮かんだ。
彼は、味方だ。
どことなく、木原病理と同じ匂いを感じる。

上条「…ところで、何処向かってるんだ?」

数多「>>831

830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:02:55.81 ID:959TxJKo0
>>828
あれ、木原くンと病理さん、険悪な仲じゃなかったよな?
だからといって親交があったとも思えないけど
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:03:25.65 ID:zCbJIGUSO
向こうで待機してる俺の部下どもと、テメェんとこのババァんとこだよ
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:03:31.76 ID:Bnw7rZrAO
牢獄
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:04:49.96 ID:zCbJIGUSO
>>830いや原作の流れなら敵対するかと…違ったが

まぁ、敵対なら敵対、仲間なら仲間で…
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:07:19.76 ID:959TxJKo0
夢にまで見た「木原」と「木原」の共闘が見られるのか…
胸熱だ…
835 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 22:13:30.71 ID:nnduSmh10

数多「向こうで待機してる俺の部下どもと、テメェんとこのババァんとこだよ」

上条「…ババァ?」

数多「あれだ、あれぇ。…木原病理」

上条「…ババァっていう歳でも、…」

数多「いやあ、ババアだろありゃ」

言いながら、てくてくと歩いていく。
やがて到着した人気のない場所、車椅子に腰掛けた、上条のよく知る女性が居た。

上条「病理さん」

病理「こんばんはー、ご苦労さまです、数多ちゃん。当麻さんも」

数多「ご苦労、ねぇ。立場的にお疲れだろうが。ああいいわ、お前から労いとか気持ち悪いわ」

病理「相変わらずとっつき辛いですねー」

悪意の宿った和やかな会話である。
『木原』特有の、仲が良いんだか悪いんだかよくわからない状態だ。
彼等の会話が不穏な方向へ発展しないかどうか、『猟犬部隊』と呼ばれる武装集団はそわそわとしている。

上条「…だ、大丈夫ですか?」

隊員「いつものことですから」

ひそ、と話す彼は緊張しているようである。

と、不意に、周囲の気配がざわめいた。

気付けば、どこに潜んでいたのか、数十人の男達が居た。
傭兵、及びローマ正教の魔術師団だった。

数多「ヘマんじゃねえぞババア。死ぬなら一人で死ね」

病理「死ぬのは数多ちゃんだと思いますけどねー。脳漿ぶちまけないでくださいよ」

上条「病理さ、」

病理「大丈夫ですよ、当麻さん。私もまた『木原』ですから」

穏やかに微笑む彼女の足元。
車椅子が、バギンバギン、という物騒な音を立てて変形した。




木原数多はどうする?>>+2

木原病理はどうする?>>+4
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:15:23.57 ID:lNLLiIooo
マシンガン乱射
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:15:28.41 ID:zCbJIGUSO
猟犬部隊に一斉射撃を命令、自身も魔術師団体にロケランぶちこむ
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:19:22.80 ID:zCbJIGUSO
上条さんにキス後車椅子の重火器で掃射→スカイフィシッシュ→宇宙人→イエティ
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:20:18.03 ID:lq93Qxtbo
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:25:51.59 ID:mVHQTMu90
つまり…どういうことだってはよ?!
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:27:47.12 ID:959TxJKo0
この世界の病理さんは安心して変身できるな
上条さんの右手に触れてもらえば元に戻れるし、副作用を気にする必要もない

にしても全盛期ていとくんが創造したEqu.DarkMatterかぁ…原作よりも強いのかな…
842 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 22:37:59.51 ID:nnduSmh10
《余談ですが『どうする?』安価の場合は『〜〜となる』でも良いです》



「良い子にしていてくださいねー」

病理はそっと身を乗り出し、上条に口付ける。
顔を赤くする上条を尻目に、彼女は車椅子の中から、重火器をジャカッと構える。
対して、木原数多は自分の扱うロケットランチャーを装填しながら、端的に告げた。

「やれ」

一斉射撃。
地対地ミサイル、三発。
M1918ブローニング自動小銃に似た学園都市製の特殊機関銃の一発が、一秒間に四発、それが隊員全員で十倍。
そしてそれが五秒。四発の、十倍の、五倍。合計200発が、魔術師団や傭兵の身体を貫く。
だが、彼等とて一般人ではない。多くの人間を葬ってきた。
彼等は分散して動き、機関銃をぶっぱなしていた隊員の首を裂く。
血液が散り、路地裏の壁が赤黒く汚れた。
息を呑む上条の前で、ロケットランチャーが発射された。
人に向けるものではないのだが、それは真っ直ぐに傭兵達へ向かっていく。

「形態変化。スカイフィッシュ参照」

彼女は不気味変化した腕で、壁の一部をむしり取る。
そして秒速五百メートル程の力で投げた。
まともに受けた傭兵の顔が、首から上が、持っていかれる。

「形態変化。リトルグレイ参照」

オレンジ色をした脳が、彼女の体から湧き出した。
『異能力者』、『強能力者』程度の力が振るわれる。風が吹き、炎が死体を焦がした。
魔術師が術式を執行する前に、彼女は変化する。

「形態変化。イエティ参照」

人の形とは呼び難い姿に、病理は至った。
ギリギリ原型は止めているが。


そして。
猟犬部隊でも木原数多を除く全員と。
傭兵と魔術師団を合わせた多くの死体と意識不明者が、死屍累々と転がって。
そんな場所へ、誰かが踏み込んできた。

一人は、青いゴルフウェア染みた衣装を纏った大柄な男性。
一人は、黄色い衣装にピアスを顔中へ着けた、細身の若い女。

「アラ酷い。結構使えるヤツ等だったんだケド」
「……上条当麻。貴様はローマ正教より主の敵として認められている」

黄色い衣装の女が、懐から紙を取り出す。
そこには、イタリア語で『上条当麻 以上の者を主の敵として定め、その敵性が確認出来た時には速やかに処断せよ』と綴られていた。
その文言に、上条は唇を舐めて後ずさる。
上条の前には、木原病理が残る。木原数多が、攻撃に移った。



後方のアックアはどうする?>>+2

木原数多はどうする?>>+4
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:40:03.47 ID:LbpWqB+K0
実はアックアはフィアンマがおかしい事に気づいているので何もしない
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:40:22.38 ID:zCbJIGUSO
アスカロンを振るい殲滅
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:52:26.34 ID:959TxJKo0
ロケラン+一方通行召喚(ダメなら垣根帝督)
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:53:16.05 ID:lNLLiIooo
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 22:53:26.65 ID:6Whz1/J90
>>845

848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 23:00:39.30 ID:DFs6SI670
色々大丈夫か?
最悪SOも規制することになりそう……
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:02:37.69 ID:q4jFZy5zP
何とかしてくれるだろ木原君なら
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:03:14.02 ID:959TxJKo0
アックアの心境次第だな…
それにこの事件では彼はアスカロンを持ってきてはいなかったはず
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:05:17.77 ID:jIOi++Dl0
SOキモい
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:08:34.61 ID:IH+j8n5b0
暴言まとめて通報しとくか
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:10:01.22 ID:PmviYpAIO
いつものバカだろほっとけ
854 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 23:11:14.28 ID:nnduSmh10

「投降しないのであれば、覚悟しろ」
「ち、」

お互いが、同じ人物の、違う思いを背負って。
彼らは自分がやるべきことを全うしようとする。
木原数多は、まず倒しやすそうな前方のヴェントへロケットランチャーを発射する。

が、届かない。

後方のアックアがいつの間にか取り出していた大剣のひと振りで、地面へ落ちてしまっただけだった。
ギリ、と歯軋りをして頭を働かせる木原数多の体に、大剣が振るわれた。
大剣のその巨大さに見合わず、その速度は速い。
一気に意識を刈り取られ、木原数多は壁に叩きつけられ、血液を吐きだした。

「私の『本命』がさっぱり効かないわね。無駄足だったかしらん?」
「仕事に無駄足も何もあるまい」

彼等は淡々と近づいてくる。
味方の居ない木原病理は、形態変化を試みる。

「ッ、形態変化、ネッシー参照!」

言うなり、彼女の体が急激に変貌した。
巨大な首長竜の姿となった彼女は、力押しで上条を守ろうとする。

だが、その判断が、かえって仇となった。

アックアは、アスカロンと名を付けた霊装を、横薙ぎに振るう。
右方のフィアンマが彼等の出立前に用意・調整したものだった。
聖ゲオルギイが竜を退治する際に振るった、その剣を。

悪竜に、退治の剣。条件は、揃った。

魔術が発動する。伝承をなぞらえてしまったからだ。
病理の口に、槍へと変貌したアスカロンが突き立てられる。
びちゃびちゃと血液が溢れ、彼女は動かなくなった。

「死んではいない」

後方のアックアは、静かにそう告げた。
次は自分だ、と上条は思う。
右拳を握る。勝てるだろうか。物理現象にしか、見えない。

「右手を差し出すか、命を差し出すか。そのどちらかである」
「っ…テ、メェら…」

特別な右手以外に、上条は力を持たない。
規格外の怪物二人に、彼は追い詰められていく。

そして、その場に。
白い六枚の翼を背に宿した、天使のような少年が舞い降りた。

彼の名を、垣根帝督という。

「よぉ。ババァが乱発するから何事かと思ったら、こっちが大本命かよ」
「…誰、だ?」
「垣根帝督」

学園都市第二位。
端的に告げて、垣根はヴェントとアックアを睨む。





前方のヴェントはどうする?>>+2


垣根帝督はどうする?>>+4
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:12:04.66 ID:lNLLiIooo
ksk
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:12:49.40 ID:jIOi++Dl0
逃げる
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:13:06.34 ID:zCbJIGUSO
ハンマーふるう
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:13:32.18 ID:lNLLiIooo
太陽光線
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:14:18.27 ID:q4jFZy5zP
できるだけ派手に攻撃
860 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 23:23:32.48 ID:nnduSmh10

今度は、アックアではなく、ヴェントが動いた。
彼女はその体躯にあまり見合わぬサイズのハンマーを振るう。
風の弾丸が発射され、上条の背後の壁が破壊された。

「こっちもオシゴトだからさ。渡してくんない?」
「悪いな、こっちも仕事なんだよ」

言うなり、彼は背の白い翼を広げる。
翼でもって受けた太陽光線を未元物質で加工し、攻撃を放つ。

未元物質によって変質させられた太陽光、その役は溶融。

光はヴェントの服をすり抜け、彼女の肌を僅かに焦がした。
苦悶の表情が浮かんだところで、アックアが動く。

(っ、速い…!)

聖母と『神の子』、両方の身体的特徴を持ち、『神の右席』としての力までも併せ持つ二重聖人。
彼は、一秒という有限の時間を、その身体能力でもってどこまでも引き伸ばす事が出来る。
当然のことながら、能力者とはいえ普通の人間である垣根は、その一発を喰らえばまともに立ってはいられない。

「く、そ」

垣根は白い盾のようなものを展開する。
それはアスカロンによってズタズタに裂かれ、彼は後退した。

「無様ったらない」

嘲笑。
垣根は顔を上げ、"敵意を持って"前方のヴェントを睨みつけた。
途端、彼は訳もわからないまま、膝をついて倒れる。
そして、意識を喪った。

上条当麻は、今度こそ孤立する。

もう、誰にも守ってもらえないし、庇ってもらえない。

「…終いである」
「観念しなさい」

上条は壁際まで追い詰められ、彼らを見る。
どうにか、言葉で片付けられないものか。
甘い考えが頭に浮かび、言葉を発する。

>>862
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:25:54.14 ID:zCbJIGUSO
……助けてくれ、兄ちゃん
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:26:19.38 ID:jIOi++Dl0
>>861

大声で
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:26:22.80 ID:lNLLiIooo
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:26:38.53 ID:959TxJKo0
>>861
865 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 23:30:56.90 ID:nnduSmh10

上条「……助けてくれ、兄ちゃん」

死にたくない。
怖い。どうしようもない。
味方は一人も居ないし、きっと逃げきれない。
守るべきものがないから、気力で立ってもいられない。
大声でそう叫んだ助けを求める声が、雨に溶けていく。
彼が一歩後ずさる度に、二つの影が追い詰めてくる。

上条「助けてくれ…なぁ、…頼むから……っ」

震え、泣きそうになりながら、彼は助けを呼ぶ。
いつもは、こうすれば彼が助けてくれた。
だから、安心していた。
何処に居ても、何をしていても、きっと、救ってくれると。





>>866-872までの間にゾロ目があればフィアンマさん到着、なければ上条バチカンまで連行
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:31:24.28 ID:lNLLiIooo
krk
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:31:44.54 ID:959TxJKo0
ksk
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:31:50.07 ID:PmviYpAIO
ふんぬ
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:31:56.33 ID:zCbJIGUSO
本物か、偽もなか
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:31:57.90 ID:Bnw7rZrAO
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:33:00.53 ID:G0M/DKo/0
>>869

フィアンマさん だから本物だろ
偽物だったら右方 だろ
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:33:17.95 ID:959TxJKo0
「フィアンマさん」だから本物だろ

良かった、本当に…
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:34:30.08 ID:G0M/DKo/0
偽物vs本物
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:35:14.74 ID:zCbJIGUSO
ネタだったのに…
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:35:51.78 ID:G0M/DKo/0
>>874

とてもわかりづらいです
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:37:01.17 ID:959TxJKo0
>>874->>875
結果オーライってことで
877 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 23:41:47.38 ID:nnduSmh10
>>869  23:31:56.『33』 コンマ二桁でゾロ目が出た為、フィアンマさん到着 ご協力ありがとうございます フィアンマお兄ちゃんすげえ》


上条の意識を、確実に刈り取る為に。
後方のアックアのアスカロンが、振るわれる。
上条は、自分を哀れみながら、そっと目を閉じた。
死ぬか死なないかはわからないが、きっと、ロクな結果にはならない。

上条(…結局、最後まで甘えて、ごめん)

お兄ちゃんみたいに、なりたかった。

呟いて、彼は目をつむったままでいた。
だが、痛みは、衝撃は、いつまで経っても訪れない。
上条は、そろそろと目を開けた。
待ち焦がれた姿が、そこにはあった。

上条「ぁ、…あ…」

フィアンマ「…遅くなって、…すまなかったな、当麻。大丈夫か」

上条「お、兄ちゃ…お、俺…」

フィアンマ「……お前は、俺様が守るよ。だから、もう大丈夫だ」

彼には、右腕がない。
だが、その口ぶりを見て、上条は彼が自分の知る『フィアンマお兄ちゃん』であると、感じ取れた。
安堵に、体中の力が抜けてしまいそうになる。気を抜いたら、泣いてしまいそうだった。
アスカロンを左手で止めたまま、彼はアックアとヴェントを見る。

フィアンマ「この世界の俺様に何を吹き込まれたかは知らんが、中止だ。お前達の上に立つのは、この俺様だ」

アックア「…どういう事であるか」

ヴェント「…アンタ、右腕は?」

フィアンマ「…一度、バチカンに引き返す。が、報告は入れるな」

彼が一言二言言葉を発すると、後方のアックアと前方のヴェントは傭兵や魔術師団を抱えて姿を消した。
フィアンマは振り返り、雨だけでなく顔を濡らした上条を、そっと抱きしめる。
長い時間がかかってしまった。慈善の策を選択した影響で、自分は『救世主』体質ではないし、右腕もない。
だが、上条が傷ついてしまうその前に、到着することは出来た。

フィアンマ「……怖い思いをさせて、しまったな」

上条「>>879
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:44:06.07 ID:G0M/DKo/0
あ、魂入れ替わってんのかこれ

安価は
にいぢゃぁぁぁぁぁぁんんんん!!タックル抱きつき
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:45:04.71 ID:959TxJKo0
>>878
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:45:49.32 ID:PmviYpAIO
また…助けられちったな…
俺、自分が不幸だと思ってたけど全然そんなことなかった。兄ちゃんがいてくれて最高に幸せだよ
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:48:20.60 ID:959TxJKo0
すいません、追加で>>880もお願いします
882 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/16(土) 23:57:10.49 ID:nnduSmh10
>>877 ×慈善の ○次善の >>878 入れ替わって(いれ戻って?)ないです、まだ 体を持ち越しで無理やり世界線超えてきたので、スレ世界に右方のフィアンマが二人存在する状況です》


上条「にいぢゃぁぁぁぁぁぁんんんん!!」

うわああん、と完全に童心に帰った上条は、勢い良く抱きつく。
思わず尻餅をつきながら、フィアンマは小さく笑った。
優しく上条の髪をなで、宥めた後、彼は周囲の人間を手当すべく、治癒術式を組み始めた。
彼本来の身体を使用している右方のフィアンマとは違い、彼の扱う術式は魔神のそれに等しい。
すぐさま回復した人員を見渡し、意識の回復にはまだまだ時間がかかるだろうな、とフィアンマは思った。

上条「また…助けられちったな…」

落ち着きを取り戻した上条は、ぐしぐしと目元を拭う。
怖い思いをした。
だが、やっぱり、彼は助けに来てくれた。
上条は立ち上がり、彼を見上げ、笑みながら告げる。

上条「俺、自分が不幸だと思ってたけど、全然そんなことなかった。兄ちゃんがいてくれて、最高に幸せだよ」

フィアンマ「…、…そうか」

良かった、と彼は自然な微笑を浮かべていた。
禁書目録がこの場に居ない以上、彼の優先順位は上条が一番だ。
その上条が自分の存在によって幸せだと言ってくれるのなら、辛いことなど何もない。

フィアンマ「…俺様は色々とやることがある。もう、一人で大丈夫だな」

上条「……、…ん、…死んだり、しないよな? 消えたり、しないよな?」

直感的な不安に、彼は問いかける。
敬愛する兄を喪いたくない、弟としての顔で。
約束は、出来ない。

フィアンマ「…頑張る」

言って、彼も姿を消した。






混乱の渦中、学園都市より遠く離れたバチカンで。
フィアンマは、ようやく後方のアックアと前方のヴェントへ追いついた。
偽物ではないことを証明すべく、お互いしか知らないことを次々と言葉にして並べ、自分の体が別世界の自分のものであること、今自分の体の中に居る人間が別世界の自分であると説明した。

フィアンマ「…という訳だ。この俺様の身体を使用されている以上、みだりに殺害することも出来ない。困りものだがね」

同じ口調でいて、違う口ぶり。思想。
彼こそが、この世界に居るべき右方のフィアンマであると、彼をよく知る人間ならばすぐ察知出来る。
ヴェントは自らの傲慢と思い込みに、沈黙していた。

アックア「>>884

883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/16(土) 23:59:58.05 ID:G0M/DKo/0
魂の入れ替えを行えないのであるか?
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:00:23.62 ID:1JwT/ecSO
本物である事はわかったが、アレにどうやって勝つつもりなのであるか?

聖なる右、テッラ、不死。部下達…フィアンマをよく知らない人間はあちらを信用するだろう…
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:01:55.02 ID:AzcPgYDA0
そもそもなんで入れ替わったんだ

わかる人説明プリーズ
いっそ>>1説明プリーズ
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:10:49.79 ID:jvTeQh2k0
>>885
ローラ・スチュアートがこちらのフィアンマさんを捕縛しようとして使った霊装が『異界反転(ファントムハウンド)』、つまり世界の歪みを
発生させてしまい、「こちら」と「あちら」のフィアンマさんの魂だけが入れ替わるという結果になった

つまり現時点でどちらかが[ピーーー]ば元の身体に戻れなくなる、という厄介な状況
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:15:54.70 ID:AzcPgYDA0
>>886

サンクス
やっぱ魂入れ替えしか無いのか
めんどくせ

kskst
888 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 00:16:08.18 ID:Cvi46Er80

アックア「本物である事はわかったが、アレにどうやって勝つつもりなのであるか?」

彼は冷静に思考を働かせている。
騙されていたと知って尚、激昂はしない。
冷徹な眼差しは、正しきものを見据える。

アックア「聖なる右、テッラ、不死。部下達…フィアンマをよく知らない人間はあちらを信用するだろう…」

フィアンマ「そこが問題だ。…こちらも『聖なる右』は扱えるが、それでも弱い」

知識で安定させて尚、右腕が無いのだ、当然ながら魔術は必要なパースが無い分だけ弱体化する。
彼はやれやれとため息を吐きだし、左手を空へ向ける。

フィアンマ「魔神級の力を組み上げたとしても、勝利出来るかどうか。ひとまず、俺様は暫く身を隠す。殺されては堪らんからな」

アックア「……」

フィアンマ「信じてくれそうな知り合いを当たる他あるまい」

戦力をかき集めることからしなければ、と彼は言う。

ヴェント「…そもそも、何でアンタが入れ替わったワケ?」

フィアンマ「『異界反転(ファントムハウンド)』という大魔術、名前位は知っているな。あれが起きた。俺様が選ばれたのは、範囲が海の底だったから、だろうな。狙ったのかどうかは知らんが、デタラメに等しい術式だった。世界が異常に歪まされた結果だ。俺様は別世界に至り、その世界の知り合いに接触し、叡智と『幻想殺し』を使用して特殊な術式を組み、こちらの世界へ戻って来た。当然、非常に長い時間がかかってしまった。一番に心配だった当麻を見に行って、結果的にお前達と接触して今に至る」

ヴェント「…なるほど」

フィアンマ「個人同士の魂を入れ替える術式についてはどうにか編み出してきた。だが、まずはヤツを拘束せねばならん」

困った、とフィアンマは肩を落とす。
今の彼は死ぬ体だ。

フィアンマ「身を寄せる場所の参考として問いたいのだが、俺様のミラノの自宅に、ヤツは帰っているか? それとも、聖ピエトロ大聖堂『奥』か?」

アックア「>>889

889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:17:08.72 ID:AzcPgYDA0
奥だ
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:18:21.41 ID:1JwT/ecSO
奥だ。……但し、彼女らをつれて、な
891 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 00:27:10.06 ID:Cvi46Er80

アックア「『奥』だ」

フィアンマ「なるほど、わかった。…今は、まだヤツを追い詰めるな。窮鼠猫を噛む、という言葉もある事だしな」

彼はヴェントとアックアに背を向ける。
自宅に戻り、まずはオッレルスに接触しなければならない。
『救世主』である自分の体は異常であり、頑丈だ。
オッレルスの攻撃のような、特殊な手段を作り上げなければならないだろう。

フィアンマ「ヴェント、アックア」

ヴェント「?」

アックア「何だ」

フィアンマ「…俺様の預かり知らぬところとはいえ、振り回してしまってすまなかったな。ヤツの代わりに謝罪しておく」

彼は、トン、と一歩踏み出す。
アックアとヴェントは顔を見合わせ、やはりこちらの方が彼らしいな、と再認識した。




フィアンマは自室に帰りたい気持ちを堪えて、オッレルスの部屋を訪問した。
シルビアは買い出し中らしく、珍しく居ない。

オッレルス「君右腕どうしたんだ、」

フィアンマ「俺様のせいではない。まず中に入れてくれ」

言って、やや強引にお邪魔した。
そして、事の次第を丁寧に説明する。

オッレルス「…なるほど。道理で消し炭にするぞ、だなんて脅された訳だ。君にしてはおかしいと思うところもあったしね」

フィアンマ「そんな事を言ったのか?」

オッレルス「ああ、びっくりした。……それで、俺の家に居ながら彼女達を守るというのは良いが、具体的に『右方のフィアンマ』をどう拘束するつもりなんだ?」

フィアンマ「そこだ。『北欧王座』だよ」

オッレルス「…いや、『北欧王座』がどうしたんだ」

フィアンマ「『右方の赤』、及び『神の右席』としてヤツに敵わないとわかっている以上、俺様は別の方向を開拓する他無い。攻撃方法として」

オッレルス「特殊な術式を振るう立場として、『神の右席』に対抗する為に、『魔神』を選択するのか」

フィアンマ「正確には、魔神級の、だが。俺様の『聖なる右』は、この体…右腕が無い、故に弱体化している」

オッレルス「……」

フィアンマ「…術式を組み上げるにあたって、お前に手伝って欲しい。決着は、俺様自身がつける」

オッレルス「>>893
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:32:40.84 ID:AzcPgYDA0
甘いものなんか奢れよ?
何をすれば良い
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:33:08.46 ID:AzcPgYDA0
>>892

894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:33:19.16 ID:jvTeQh2k0
無理はするなよ
今の君は『神の子』ではない…
何時死ぬかも分からない、ただの人間なのだから
895 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 00:35:44.43 ID:Cvi46Er80

>>+1のコンマ一桁(偽りの救世主にかわりまして右方の赤が潜んでお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:32:40.8『4』←ココ)でオッレルスの台詞決定



0〜6 >>894

7〜9 >>892
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/17(日) 00:36:06.42 ID:+Jb4py2D0
ほい
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:36:15.16 ID:1JwT/ecSO
ぬぅ
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:36:37.92 ID:7p8NEwTc0
わざわざコンマにするなら
連投を禁以下略
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:38:18.47 ID:1JwT/ecSO
>>1にとってはコンマはコンマで、連投は連投で色々メリットがあるんですがねぇ…
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:39:12.22 ID:7p8NEwTc0
SOには聞いてないのでシャラップ
901 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 00:45:19.09 ID:Cvi46Er80
>>896  00:36:06.4『2』 結果:>>894  コンマの時は出来ればどっちも(或いは出来れば確率多くした方を)やりたいなあでもどっちも出来ないしなぁorギリギリ捌けるかなコレ、コンマに身を任せよう っていうパターンがありまして…け、ケンカしないで><》


オッレルス「無理はするなよ」

同意はする。
協力もする。
しかし、オッレルスは親しい友人として、フィアンマが心配だった。
既に彼が多くの知識を持っているにせよ、魔神程の術式を組み上げるとなると死ぬ思いをする。
最悪の場合、死に至る恐れだって大きい。
オッレルスとて、『北欧王座』を完成させる為に何度か廃人か、死か、選ぶ必要を感じた程だ。

オッレルス「今の君は『神の子』ではない…何時死ぬかも分からない、ただの人間なのだから」

フィアンマ「…お前は、どちらの世界でも変わらんな」

ふ、とフィアンマは小さく笑う。
『あちらの世界』でも『こちらの世界』でも、彼とは縁があるらしい。
因果、因縁というものだろうか、と彼は思った。

フィアンマ「普通の人間の体とはいえ、幸運であることには変わりない。努力をすれば、主は俺様を見捨てない」

彼はそう述べて。
調度、戻って来たシルビアと顔を合わせた。
事情について、オッレルスと共に説明する。

フィアンマ「暫く迷惑をかけてしまうな。…すまないとは思っているのだが」

シルビア「ま、良いんじゃないの? 困った時はお互い様ー…だっけ?」

オッレルス「う、…うん」

気まずそうに、オッレルスは視線を逸らす。
これは、彼が過去に咄嗟の言い訳に使った言葉である。



ヴェントとアックアは、聖ピエトロ大聖堂へ戻った。
右方のフィアンマがタイミングを見計らったかのように、『奥』から姿を現す。

右方「…、…幻想殺しはどうした?」

アックア「>>903
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:47:00.41 ID:7p8NEwTc0
右手を切り落としたら生えて来たのである
kskst
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:47:46.86 ID:1JwT/ecSO
……暫く眠ってもらうのであるッ
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:48:15.94 ID:7p8NEwTc0
無茶しやがって
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:48:28.06 ID:jvTeQh2k0
偽りの救世主…厨二心がくすぐられるぜ…
というわけで《右方》のフィアンマさん(辛党)のスピーチをどうぞ
「自我が生まれる前には、人々は当たり障りのない普通の味の食物ばかりを喰らっていた。何故そんなこと
をしたかといえば、現代の人間と同じように刺激を受け入れることが出来なかったからだ。時代によっては
香辛料は金の代わりとされ、沢山の物と交換することが出来た。しかし、それは一種の偶像崇拝と言っても
良い程だ。人は利益を生む物を愛しているからな。我らが主に向けるふぬけな聖職者の感情にも等しい、中
身のない自己満足に過ぎん。邪教そのものではないか。貴様も知ってのことだろうが、十字教徒とはマナの
時代より受難を尊ぶ。得てして、辛味は人々に受難を与え、心を清浄にする。女に際しては冷え性などの
身体の諸問題を解決する。子供は辛い菓子を与えられることで、大人への階段の第一歩を上る。
科学サイドではスパイスが身体の疲れを取るとも言われている。唐辛子はカプサイシンの効果ばかりがメデ
ィアに取り上げられるが、、夏バテの防止に効果が高く、また殺菌作用があり食中毒を防ぐとも言われるの
で、特に暑い地域で多く使われており、そのうまみは慣れれば慣れるほどよく感じられる。わさびはその薫
り高い風味から、日本料理の薬味として寿司・刺身・茶漬け・蕎麦、洋食のローストビーフやスパゲッティ
、はては食の聖地フランスでも料理に取り入れられるほどだ。ショウガは香辛料として使えるに留まらず、
食材として直接食べられるばかりか、凝固剤兼風味付けとしてショウガ牛乳プリンを作れたり、生薬として
人々を癒す事も出来る、まさに万能の品だ。マスタードは薬効こそないが、穏やかな辛さとマイルドな酸味
を両立させており、肉や魚介類と共に調理することで、食材の持つ本来のうまみを更に引き立てる。最近は
スパイスブームなるものも度々庶民の間に広がっており、スパイスを専門に扱う店なども出てきている。
味に勝る強さなど無いんだよ。辛酸を嘗める、という表現もあるが、辛味は神の息子の受難を追体験する意
味をも持っている。辛味こそが絶対の正義だ」

>>898
多分どっちもアリだと>>1が感じたからじゃない?
あと一々反応を返してスレを埋めるのは控えようぜ

906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:49:44.39 ID:7p8NEwTc0
>>905

お主に言われたくないでござる
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:53:20.68 ID:1JwT/ecSO
>>905乙なんだよ

そういやインさんが息してないな…
908 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 00:56:50.48 ID:Cvi46Er80
>>905 やべえ説得力が…ッ 何か 右方「お前は甘いものばかり食べているから考えが甘いんだ、受難しろ」フィ「貴様が言うな、心穏やかに甘味を摂取しろ青二才」とか浮かんだ》


アックア「……暫く眠ってもらうのである、ッ」

不意をつけば何とか。
そう思った彼は一瞬で跳び、切りかかろうとする。
対して、右方のフィアンマは目を細めて右手を振った。
完全には程遠いものの、『聖なる右』が行使される。
アスカロンが弾き飛ばされ、アックアの意識が刈られた。

右方「…おや、おやおや。これはどういうことかな?」

揶揄するように、彼は嘲弄する。
ゆっくりと近づき、アックアの背中を踏みつけた。

ヴェント「…ッ」

右方「命令を履行出来なかったばかりか、俺様に武器を向けるとは」

フィアンマは冷めた瞳で、アックアを見下ろす。否、見下す。
力をみだりに振るうその様は、神というよりも魔王のようだった。

右方「……ヴェント、幻想殺しはどうなったんだ?」

ヴェント「>>910
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:58:21.66 ID:1JwT/ecSO
黙りなさい偽者。

よくも、まぁ騙してくれたわね

910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 00:58:39.84 ID:jvTeQh2k0
>>909
911 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 01:06:45.88 ID:Cvi46Er80

ヴェント「黙りなさい偽者」

ぴしゃり、と彼女は言い放つ。
フィアンマはほんの僅かに眉を動かした。

ヴェント「よくもまぁ、騙してくれたわね」

右方「…何の話かわからんな」

あくまでとぼける彼の瞳は冷酷で。
ヴェントは、何故彼と彼を見誤ったのだろう、と自責する。
敵意を向けてこない、昏倒する様子はない。
自分の好きなフィアンマとはまた別に、この男は敵意の捉え方がねじ曲がっている。

ヴェント「…私はもうアンタに従わない」

右方「……そうか。残念だ」

彼は『聖なる右』を再度振るう。
知識の足りなさ故に安定しないそれは、二度振るっただけで空中分解してしまった。
しかし、ヴェントは既に倒した。
フィアンマはテッラを呼びつけ、二人が幻想殺しに懐柔された、と嘘を吐く。
左方のテッラは疑問に思いながらもC文書の使用準備へ取り掛かる。

右方(…何故バレている。言動の不備、いや…)

彼は内心の不愉快さを表情に出さないまま、考える。
だが、答えは出なかった。



一方、こちらのフィアンマは苦痛に耐えていた。
洗面器にげろげろと吐き出しているのは、嘔吐物ではない。
血液である。内臓を灼かれるような苦しみに耐えていた。
産婦も真っ青の痛みが、彼の体にかかっている。

フィアンマ「…、死ぬ、…ぐ、ぅ」

オッレルス「>>913
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:08:47.05 ID:1JwT/ecSO
頑張ろう、俺も頑張ってるから。

『頑張ったらご褒美に、ババロアを食べてベルギーチョコを味わい、マロングラッセの風味を確かめ、生クリームたっぷりクレープにかぶりつき、チーズケーキで〆る』んだろう?
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:10:38.11 ID:7p8NEwTc0
>>912

914 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 01:23:01.00 ID:Cvi46Er80
《何かもうフィアンマさん出産シーンにしか見えない 自分へのご褒美スイーツ() 今日はここまで。お疲れ様でした》


オッレルス「頑張ろう、俺も頑張ってるから」

オッレルスは彼の身体を術式で癒しながら、背中を摩る。
一度その苦しみを乗り越えたが故に、彼の苦痛は理解出来る。
今すぐにでも死ねるものなら死にたい、位の痛みはあるはずだ。

オッレルス「『頑張ったらご褒美に、ババロアを食べてベルギーチョコを味わい、マロングラッセの風味を確かめ、生クリームたっぷりクレープにかぶりつき、チーズケーキで〆る』んだろう?  耐えないと。今だけ、今だけだ」

口に広がるババロアの、甘くなめらかな味わい。
次に、口へ含んだ高級なベルギーチョコを少しずつ唾液に溶かして。
その後味を上品にノンシュガーの紅茶で流し込んだら、マロングラッセを食べる。
ブランデーの香りが口の中に広がり、吐きだした息すらも甘く甘く染め上げて。
それに満足したら、自分で焼いた最高のクレープを口にする。
甘い生地に、砂糖を控えめにした生クリームが、ほんの少し握っただけで溢れてしまう程。
市販のチョコチップクッキーを挟んであるそれにかぶりつき、口の周りが汚れることを気にしないで貪る。
そうして幸せな気持ちの内に、チーズケーキを口にしたい。
甘い甘いクレープの後だから、レモン汁の分量は少なめが良い。
口に広がる濃厚なクリームチーズの味、レモンの爽やかな香り、そして感じる甘さ。
チーズケーキを食べるまでに紅茶は無くなってしまうが、二杯目を何にするか悩むことが出来る。
そうだ、チーズケーキは酸っぱく感じられるだろうから、チョコレートホイップをたっぷりと絞ったチョコモカにしよう。

ここで死ねば、甘いものは食べられない。

春は苺スイーツ、夏はかき氷とチーズケーキ、秋はモンブラン、冬は温かいクレープ。

食べなければならない。

フィアンマ「死、んで、たまる、か」

それを味わうまでは、死ねない。
最高に幸せなその二時間を過ごす前に、死んでしまう訳にはいかない。



一時間程血液を嘔吐し続けたフィアンマは、現在、だいぶ元気になっていた。
足りない知識を補うべく、とある魔道書の写本に目を通している。

シルビア「……あそこまで甘党だと、いっそ清々しいね」

オッレルス「…うん、…俺もそう思う」

シルビア「……術式完成まで、どれ位かかりそう? 目安としては」

オッレルス「>>916
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:28:45.63 ID:1JwT/ecSO
乙。


安価なら大体一ヶ月後〜2ヶ月後、と言ったところかな…


ところでシルビア。逆さ釣りの上に鼻に水、鞭叩きがそろそろ辛いんだけど…
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:29:03.44 ID:7p8NEwTc0
魔術師でしかも右席だからな
せいぜいあと遅くて1日早くて今日中だろう
というか早く完全させねばなんか
ヤバい気がする
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:30:01.47 ID:7p8NEwTc0
ごめん

元が が抜けた 元が魔術師で〜

ですスマン
918 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/17(日) 01:34:26.46 ID:9+hQHlBAO
>>914
×チョコモカ
○カフェモカ

大事な場面で…すみません

食べ物の描写書くと腹が減る…
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:37:35.32 ID:9+hQHlBAO

右方さんを生かすか[ピーーー]か…
生きて戻ったら>>1の独断でオッレルスさんとくっつくけども(描写は多分きっと恐らくしません)

インちゃんやフィアンマサイド女性メンバーはクリスマスに復活します
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:40:07.54 ID:9+hQHlBAO

……安価次第ではハロウィンまでに日常に戻れるはず

小ネタネタ等ありましたらどうぞ
次スレタイどうしようかな…
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:48:32.38 ID:1JwT/ecSO
ベツレヘムまではやらないパターンも考えていかねばならんのか…

オッさん好きだな本当にww

小ネタなら描写少ない上条さんちの爛れた性活(全員分)とか、フィアンマside、上条sideが普段どんな感じの一日なのか、テッラさんとフィアンマさんの友情話、フィアンマさんが右席ズと初めて会った時、女性向け雑誌に甘党フィアンマさんのスイーツコーナーの連載が決まりなかなかの好評を博す、木原ズ、このスレのこの時フィアンマ勢力は何をしてたかとか
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:49:51.93 ID:AD2own8p0
乙です

自分が持ってた小ネタは>>905で出しちゃったからなぁ…
ハロウィンもクリスマスもフィアンマさんにとっては天国のようなイベントだよな…
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:54:15.96 ID:9+hQHlBAO

聖職者としての仕事そっちのけでフィアンマさんはクリスマスもハロウィンもお菓子食べていそうな
ネタ提供ありがとうございます、書けるだけ書きます 後辛味説教ありがとうございました、タメになります
甘党フィアンマさんのスイーツコーナーは「星座占いから見る今月のラッキースイーツ」とかなんだろうか
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 01:58:37.28 ID:1JwT/ecSO
そういや前方淫夢やったっけ
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 02:00:26.97 ID:AD2own8p0
まだのはず
それに最後には例のヤンデレちゃんの淫夢が控えている
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 02:00:30.02 ID:9+hQHlBAO

まだ書いてる途中でして…次スレ中にはきっと
927 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 13:31:06.12 ID:r6L3m4PP0

オッレルス「元が魔術師で、しかも"右席"だからな」

そのことを鑑みて、彼は予想する。

オッレルス「せいぜい、あと遅くて1日…早くて、今日中だろう。というか、早く完成させないとなんかヤバい気がするし」

シルビア「ヤバいって何が」

オッレルス「予感だから、何とも。…まぁ、彼もまた魔神のなり損ない…いや、俺とは違って、敢えて魔神に"ならなかった"人間だ、そう簡単には死なないと思いたいね」

言って、彼はフィアンマに追加の写本を手渡す。
フィアンマが自分の家族に顔を合わせない理由は簡単だ。
自分の家族達が、愛する人間が、嘘をつくのが苦手だからだ。
揃って糾弾されれば、今、聖ピエトロ大聖堂の奥に居る男が何をしでかすかわからない。
守る為に、今はまだ、直接的に接触はしないでいる。

フィアンマ「……、」

彼は右方のフィアンマを装って(というよりも彼自身が本物なのだが)、連絡をした。
彼の脳内に届く部下の報告に、フィアンマは言葉を喪う。

オッレルス「…どうかしたのか?」

フィアンマ「……少し出かけてくる」

言って、彼は写本を放る。
止める間も無く、彼は出かけていった。




やって来たのは、バチカン市内のとある病院だった。
二人部屋の病室、隣り合ったベッドで気を失っているのは、ヴェントとアックアだ。

フィアンマ「…俺様が少しでも有利になるように、……攻撃をしたのか」

一撃でも食らわせることで、自分がヤツと戦う時、有利になるように。

彼は、二人の部下を見下ろした。
唇を噛み締める。だから、追い詰めるなと言ったのに。
善意が必ずしも良い結果に繋がるとは限らない。
追い詰めるなと、心から心配の言葉をかけた彼の負担を少しでも減らす為に、この二人は命を賭した。
その結果が、昏倒。『聖なる右』で攻撃を食らったのだろう、その一撃はとてつもなく重かった筈だ。

痛かったはずだ。
怖かったはずだ。
苦しかったはずだ。

自分の、せいだ。

フィアンマ「……」

血が出る程、キツく唇を噛む。
不甲斐なさに出てきた涙を、左手の甲で拭う。

ふと、前方のヴェントが目を覚ました。

彼女は体が指先一本まともに動かせないことを自覚し。
フィアンマを見やり、その様子に"彼"である、と安堵した。

フィアンマ「…ヴェント、…」

ヴェント「>>929
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 13:32:44.04 ID:0BfEacXAO
帰れ
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 13:33:37.43 ID:0BfEacXAO
キスしてくれ
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 13:37:16.92 ID:AD2own8p0
>>929+遅れてきた罰だ
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 13:39:56.59 ID:1JwT/ecSO
ゴメン
932 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 13:48:09.99 ID:r6L3m4PP0

>>+1のコンマ一桁(偽りの救世主にかわりましてダルデレがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 13:32:44.0『4』←ココ)でヴェントの台詞決定


0〜6 >>931

7〜9 >>930
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 13:49:36.80 ID:0BfEacXAO
またコンマか
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 13:50:59.98 ID:GBCgLBaK0
どんどんコンマ使ってこう
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 13:53:15.17 ID:1JwT/ecSO
ダルデレが誰かわかんねー…
936 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 14:03:51.68 ID:r6L3m4PP0
>>933  13:49:36.8『0』 結果:>>931 ご協力ありがとうございます》


ヴェント「ゴメン」

きっと手を伸ばせたら。
彼の手を握って、謝っていただろう。

フィアンマ「…だから追い詰めるなと、言ったんだ」

ヴェント「…アンタのせいじゃない。アックアも、私も、自分の意思でアイツに歯向かった」

その結果が吉と出なかっただけだ、と彼女は言う。
ぐし、と目元を拭い、泣き止んだフィアンマは彼女達の瞳を見る。
アックアも、同じく目を覚ました。こちらもまた、身体を動かせない。

アックア「……我々が自分で選び取った結果である。貴様が気にすることではない」

フィアンマ「……、」

ヴェント「……アンタは、自分は人を救う立場だから助けを求めないって言った。ケドね、求められなくても助けようと思うヤツは居んのよ。アンタはそれだけ沢山の人間を救ってきた。アックアの悩みであるイギリスを、フランス政府及びヨーロッパ諸国が追い詰めないように取り計らったり、私と約束を交わしたり。テッラは知らないケドさ」

寡黙な傭兵の代わりに、彼女はそんな事を言った。
後方のアックアは口ごもり、視線を逸らす。

ヴェント「…アンタには、アイツと違って価値がある。命令無しでも手を貸そうと思うだけのカリスマ性がある。無意識下だったにせよ、それらを獲得するにあたって、アンタは沢山の犠牲を払ってきた」

だから、自分達のことは気にしなくていい。

そう言葉を付け足し、ヴェントは黙った。

フィアンマ「…俺様は、幸せだな」

恵まれている。
小さく笑んで。彼は、二人に背を向けた。
足音を立てず、静かに、病室を出て行った。



左方のテッラはC文書発動準備をしつつ。
右方のフィアンマの変貌を、訝しく思っていた。
『神の右席』の中でも、彼は最も長くフィアンマとの付き合いがある。
故に、生じている"違和感"に不可解さを抱いていた。

右方「…準備は終えたのか」

気付けば、フィアンマが背後に立っていた。
テッラは彼を振り返ってみる。
彼の体に変化はない。怪我はしていないし、その体質も平穏無事のままだろう。
しかしながら、近頃の彼は甘いものを食べないし、昔から大の苦手としていた辛いものを口にしている。

テッラ「>>938


937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 14:10:31.55 ID:1JwT/ecSO
…ええ、大体は済みましたねー

…ところで。最近何か大胆に心変わりするきっかけでもありましたかねー?

あのイギリス清教の女狐とやりあってから随分と変わられましたが。

…私があなたといつも遊ぶ時のゲーム、やりませんか?
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 14:11:18.27 ID:AD2own8p0
>>937
939 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 14:20:50.81 ID:r6L3m4PP0

テッラ「…ええ、大体は済みましたねー」

右方「そうか、ご苦労」

部下に連絡はしてある。
が、きちんと指示を出すまで動くな、とも告げてある。
この問答で、彼の仕草を観察すれば、真実を見定められる筈だ。

テッラ「…ところで。最近何か大胆に心変わりするきっかけでもありましたかねー?」

右方「心変わり?」

テッラ「あのイギリス清教の女狐とやりあってから、随分と変わられましたが」

常のフィアンマと話す際には感じない威圧感が、体中を攻撃してきていた。

右方「ああ、…あれで情けを捨てたんだよ」

もっともらしいことを、彼は嘯く。
イギリスを追い詰めるのは、自分が痛い目に遭ったから、と。
だが、テッラの知るフィアンマは、そんな思考回路をしていない。
そもそも、誰も傷つけたくないから、戦争にもしたくないから、彼は自分がイギリスの最大主教とやりあったことを伏せろと指示していたはずだ。
彼は、自分だけが傷つく分にはあまり怒らない性質をしている。
テッラは薄い笑みを浮かべ、遊びの誘いをかけた。

テッラ「…私が、貴男といつも遊ぶ時のゲーム、やりませんか?」

右方「……ゲームか」

フィアンマとテッラは、時間が余った時、お互いにクイズを出し合う。
テッラも彼も甘党の為、材料と分量を挙げていき、何が出来上がるかを予想してなるべく早く答える、というものだ。
勿論それ以外の遊びもしたことはあるが、"いつも遊ぶ時"に行うのは、それだ。
自分の疑念が間違っているのなら、的外れなら、彼は牛乳や砂糖50gなどといった材料及び分量を挙げる筈、なのだが。

テッラ「貴男からどうぞ」

右方「>>941
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 14:23:41.78 ID:AD2own8p0
ああ、分かったよ(聖なる右展開)
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 14:24:22.94 ID:1JwT/ecSO
……そうか、では…つチェス

942 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 14:33:55.85 ID:r6L3m4PP0

右方「……そうか、では…」

フィアンマが日記の類を残していなかったことが幸いした。
苦心の末、彼はチェスセットに手をかけ、差し出す。
左方のテッラは無言のままに、疑念がやはり事実であったことを確認した。
故に、彼はもう騙されない。もう、迷わない。
テッラはチェスセットを受け取り、如何にも試合を始めるかのように、テーブルへ置いた。

そして、開戦を宣言する。

テッラ「―――優先する。神の如き者を下位に、神の薬を上位に」

右方「…、」

テッラ「―――磔刑の十字において、続けて優先する。人体を下位に、小麦粉を上位に」

彼は懐に忍ばせていた小麦粉を撒く。
白く細かい粉は、煙幕となって辺りに漂った。
左方のテッラは、人間用の魔術を扱う事は出来ない。
だが、目の前の男ではない右方のフィアンマと共に研究したことで、『光の処刑』は完成に近づいている。
故に、複数の設定を変えていく事が出来る。

テッラ「―――主の意思において、続けて優先する。衣服を下位に、魔術を上位に」

右方のフィアンマは、『聖なる右』をまだ使用出来ない。
後方のアックアや前方のヴェントに攻撃して空中分解して以降、まだ使える状態に戻っていない。
となれば、人間用の魔術で時間を稼がなければならない。
だが、『聖なる右』で攻撃したとしても、『神の如き者』が『神の薬』より下位に置かれた以上、攻撃が互角かもしれない。





右方のフィアンマはどうする?>>+2
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 14:36:39.85 ID:1JwT/ecSO
拳銃でぱーん
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 14:42:24.78 ID:AD2own8p0
魔翌力を込めたナイフを投げる
945 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 14:56:11.93 ID:r6L3m4PP0

フィアンマはほんの一秒だけ思考し、懐からナイフを取り出した。
黄金を練りこんで作られているそれは、特殊な霊装である。
彼は自分が死なないのを良い事に、自分の指先をその切っ先で傷つける。
そうして息を吐きかけると、ノタリコンによる高速詠唱と共にナイフを放った。
テッラは小麦粉のギロチンでどうにか防ぐ。

ほんの一瞬、空白の時間が生まれた。

白い煙幕を突っ切って、フィアンマが飛び込んできた。
衣服と身体をズタズタに裂かれ、痛みに表情を歪めながらも、彼は止まらない。
テッラにこれ以上の詠唱をさせない為、彼はナイフでテッラの声帯目掛けてナイフを突き刺した。
ごひゅ、という空気の音が漏れ、血液の臭いが漂う。
フィアンマは懐から拳銃を取り出す。セミオートのものだった。
安全装置を解除し、ナイフが喉に突き刺さったまま蠢くテッラの体へ馬乗りになり。
彼の腹部へ、フィアンマは躊躇なく銃口を向け、連続で何発か撃ち込んだ。

ごぼ、と。
テッラの口から、赤黒い血液が溢れ出す。

「…悪く思うなよ。お前は本来、無残に身体を裂かれて死ぬ予定だったのだからな。むしろ、感謝してもらいたいところだ」

左方のテッラは指先をビクつかせ、遠のく意識の中、唇を噛む。

誰か、誰でもいい。
この男を、止めて欲しい。




フィアンマは、魔神級の特殊な術式を、どうにか組み上げる事に成功した。
努力の結果として、彼はズタボロである。

フィアンマ「げほ、…っけほ」

シルビア「大したモンね。普通は気絶しそうなモンなのに」

オッレルス「彼の精神力の問題だろう。根性論は苦手だけど、評価出来る。…ところでフィアンマ、その術式の名前は?」

フィアンマは壁に寄りかかり、ぼんやりとした表情で考える。
右手を振らずとも、説明の出来そうな仕草をせずとも発動する、ごちゃ混ぜのそれ。






>>1が浮かびそうにないので四文字熟語にそれっぽい呼び方の術式名の候補をお願いします(例:『北欧王座(フリズスキャルヴ)) 範囲は>>946-952で》
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 14:58:43.11 ID:UecbOo+r0
南十字星
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 14:59:08.85 ID:1JwT/ecSO
赤金十字
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 15:02:00.64 ID:AD2own8p0
神霊血槍(ロンギヌス)
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 15:25:58.33 ID:SpCMtDUg0
全能神王(ゼウス)
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 15:39:04.47 ID:IsPCvnAK0
魔王降臨(ルシファー)
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 15:39:07.23 ID:AD2own8p0
熾天玉座(セラフィムレガリア)
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 16:30:11.99 ID:1JwT/ecSO
甘味帝王
953 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 16:37:04.09 ID:r6L3m4PP0
《次スレの設定とか調整してました 皆さんありがとうございます、迷っているのでコンマさせてください》



>>+1のコンマ一桁(救世主気取りにかわりまして真実の赤がお送りします [sage]:2013/02/17(日) 14:58:43.1『1』←ココ)でフィアンマの魔神級術式名決定


0〜2 >>948

3〜5 >>950

6〜9 >>951
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 16:38:19.38 ID:fEIVKDBAO
はは
955 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 16:50:12.15 ID:r6L3m4PP0
>>954  16:38:19.3『8』 結果:>>951 ご協力ありがとうございます》


フィアンマ「…、…『熾天玉座(セラフィムレガリア)』」

イギリスの詩人ジョン・ミルトンの『失楽園』では、神の如き者は熾天使、即ちセラフィムということになっている。
レガリアは、王権などを象徴し、それを持つことによって正統な王であると認めさせる象徴となるもののこと。
その両方を合わせた造語である。
正当な救世主は自分であるという、意思表示も兼ねているのだろうか。
苦悶の中、世界の違う自分への憎悪を込めて組み立てた術式だからかもしれない。

フィアンマ「……世話になったな」

オッレルス「もう、行くのか? その状態で?」

フィアンマ「まさか。…最期になるかもしれないからな。挨拶をしてから行くよ」

彼は外へ出て。
隣室、即ち自宅のドアを叩いた。
体がふらふらする。
気を抜いたら倒れてしまいそうだ。
血圧が上がったり下がったりを繰り返しているらしく、気持ち悪い。
ガチャリ、とドアが開いた。

五和「ご、ご主人様…?」

フィアンマ「…入れてくれ」

言われるがまま、五和は彼を招き入れた。
フィアンマはソファーへ腰を下ろし、深呼吸をした後、インデックスを見やる。
その表情と雰囲気に、グラーノも視線を向けた。
彼は少しだけ考えて、うまく言葉を噛み砕いて、現在の状況を説明する。
説明を終えた後、五和からコップを受け取って水を飲み、彼は言うべき言葉を口にした。

フィアンマ「俺様は戦ってくるが、それに際して死ぬかもしれない。甘いものを勧めて、理由もなく快く食べないようなら、それは俺様ではない。だから、その時はお前達の知る俺様は存在しないと思ってくれ。後の事はオッレルスに頼んである。正直に言って、勝率は低い。が、やれるだけのことはやった」

インデックス「…>>957
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 16:52:18.95 ID:AzcPgYDA0
…ちょっとまって
どうせなら確率を引き上げてくんだよ
私の図書館使って。
大丈夫、時間はかからないから
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 16:55:36.44 ID:HOGIMZDnP
行かないで、ふぃあんま
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 16:55:41.04 ID:AzcPgYDA0
>>956

959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/17(日) 16:55:50.52 ID:I1ZNAsWB0
……何で? そんな弱気なのはフィアンマじゃないんだよ

フィアンマは一人じゃないんだよ? 皆が、私がいる。だから……もう、もう一人で全て背負うのはやめよう?

私の力でフィアンマの術式を安定させられる。かおりには聖人の力がある。向こうのフィアンマには届かないかもしれないけど、数え切れないほどの味方が、あなたにはいるんだよ?
960 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 17:14:50.31 ID:r6L3m4PP0

「…行かないで、ふぃあんま」

インデックスは、呟くように懇願した。

「此処に居るんじゃ、だめなの? 向こうのフィアンマからバレないようにしているんじゃ、ダメ、なの?」
「……ヤツが言うところの世界救済は、世界を破壊することを前提としている。戦争が起きれば死者が出る。世界が破壊されれば怪我人では絶対に済まない。世界中の人間を守る為にも、」
「私は今世界の話なんかしてない!!」

癇癪を起こしたように。
或いは耐え兼ねたように、インデックスが叫んだ。
彼女の様子に言葉を飲み込み、彼はコップをテーブル上に置いた。
五和とグラーノは避けようの無い事態に、唇を噛んで俯いている。
今この場で、「行かないで」と叫ぶだけの勇気と権利があるのは、インデックスだけだった。

「……世界なんてどうでもいい、なんて言わないよ」
「………」
「……でも、…嫌なんだよ。私は、…わたし、は。……フィアンマに一緒に居て欲しい。傍に居て欲しい。私だけじゃない、フィアンマを好きな人は皆思ってる」
「………、」
「どうして、いつも一人で戦おうとするの。一人で、どっかに行っちゃうの。いつも、いつも一人で…どうして、誰も頼らないの。…今、フィアンマは死なない体じゃないんだよ。傷ついて、沢山血を流したら、本当に死んじゃうんだよ。死んだら、もう何も出来ない。……何も、できないの。……自分が傷つくことは怖がらないのに、皆のことばっかり考え、て。最初に心配することは、自分が死んだ後の事なんかじゃないでしょ…?」

彼女の瞳から、涙が流れていく。
彼ではない彼に悪意を向けられた時とは、意味合いが違う。
彼をこのまま行かせて死なせる位なら、此処に居て欲しい。

何も知らないフリをして。

世界が滅ぶその時まで、幸せな毎日を過ごしていたい。
退廃的で、非道徳的で、それでも、それは人間らしく、少女らしい願いだった。
フィアンマは立ち上がり、彼女に近寄る。
座った状態の彼女の前に膝をつき、抱きしめた。
しゃくり上げるインデックスの目元を、指先で拭う。
だが、行かない訳にはいかない。戦わない訳にはいかない。
自分が生み出してしまったこの事態は、自分が片付けなければならない。

「…インデックス」
「…いや、聞きたくない、行かないって言葉以外、聞きたくなんかないんだよ、」

わがままを言って、彼女は自分の両耳を塞ぐ。
手で塞いだだけでは、どのみち聞こえてしまうのに。
フィアンマはインデックスの髪を撫で、彼女の顔を見上げる。
そして、ゆっくりとした口調でこう言った。

>>962

961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:18:49.59 ID:fEIVKDBAO
さいなら
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:19:22.45 ID:fEIVKDBAO
あばよ
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/02/17(日) 17:19:26.99 ID:nu/1LKwE0
Je t'aime.
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:19:57.20 ID:1JwT/ecSO
……必ず、帰ってくるから、少しだけ、待っていろ。
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga  sage]:2013/02/17(日) 17:23:55.78 ID:I1ZNAsWB0
安価としてはイイのだろうが……何かスタイリッシュだなwwww
966 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 17:36:10.54 ID:r6L3m4PP0

「Je t'aime.」

丁寧な発音の、フランス語だった。
インデックスの碧眼を見据え、フィアンマは口元に笑みを浮かべた。
いつも通りの、少し困ったような、優しい微笑だった。

「…フィ、アンマ……?」
「……少し眠ってから行く。おやすみ」

三人にそう告げて、彼は寝室へ姿を消した。
インデックスは唇をきつく噛む。
口の中で、彼の言葉の意味を噛み締める。

(……私も、…私もね。インデックスも、フィアンマを愛してるよ)





翌日。
二十二時間程眠り続けていたようだ。
だらだらと移動し、シャワーを浴びる。
ふらふらと出て、一呼吸置いた後、外に出た。

聖ピエトロ広場。
この向こう側には、一般人が住んでいる。
どれだけ被害を出したとしても、決して一般人は被害に遭わせまい。
フィアンマは黙々と『人払い』を敷き、少々面倒ながらも結界術式を組む。
他の防衛術式と競合して気持ちの悪い空が広がったが、問題は無い。
彼はその足で、聖ピエトロ大聖堂へ踏み込む。
特に迷ったり、恐れる素振りもなく、『奥』へと進んだ。

右方「…お前は、」

フィアンマ「自分と対話する、というのも気持ち悪いものがあるな」

呟き、彼は目の前の敵を睨みつける。
自分の体だ、傷つける事に遠慮は要らない。

フィアンマ「俺様の身体を返してもらうぞ。そして、お前にも元の場所へ戻ってもらう」

右方「……生きて出られると思うなよ」




右方のフィアンマ(辛党)はどうする?>>+2

右方のフィアンマ(甘党)はどうする?>>+4
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:37:37.07 ID:1ncdbvEA0
辛党なのにフィアンマさんを甘く見る
何故なら今の自分はめったなことでは死なないから!
ふはははは
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:38:38.60 ID:1ncdbvEA0
>>967

969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:45:24.21 ID:1JwT/ecSO
聖なる右+自分に危害が及んだ場合、ヴェント、アックア、テッラ、アパートの奴等を狙撃される事になっていると脅す
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:48:45.98 ID:2y3zRDQP0
もしも↑になったら

嘘だと見破る
なんなかったら

適当な魔術で攻撃
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:49:39.52 ID:AD2own8p0
『熾天玉座(セラフィムレガリア)』を展開
全身全霊を以て「偽りの救世主」を打ち倒す
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:51:47.05 ID:2y3zRDQP0
そののち↑お願い
973 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/17(日) 17:55:19.49 ID:9+hQHlBAO

よし、迷った時の全安価実行でいこう
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 17:57:13.57 ID:UecbOo+r0
>>1が壊れた
975 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 18:07:33.43 ID:r6L3m4PP0
《だって皆さん良い安価出すから… 風呂行ってきます》



(この体は滅多な事では死なない。…先制攻撃せずとも、脅迫で済む、か?)

「良いのか?」

悪意の篭った声に、フィアンマは眉を潜める。
そんな彼に対し、右方のフィアンマは首を傾げた。

「手配をしてある。…俺様に危害が及んだ場合、右席の面々…加えて、お前の大切にしている知り合いを狙撃するよう指示をした」
「……何?」
「諦めて死んでおけよ。心配せずとも、俺様がこの世界を救ってやるから」

言いながら、右方のフィアンマは右手を振る。
如何にして補強したのか、『聖なる右』は安定していたようだった。
攻撃を受け、反撃するか迷ってフィアンマは後退する。

嘘か、真か。

迷って、考えて、悩んで。
しかし、どうせここで自分が死ねば、この男は自分の知り合いを殺す事に躊躇はしないだろう。
フィアンマは白墨で床に何事かを記す。
大聖堂の柱の一部に銃口が現れ、右方のフィアンマへ銃撃を喰らわせた。
右方のフィアンマは防御術式によって無傷で終わるのみ。

「嘘をつくなら、相手に冷静になる時間を与えるな、」

言いつつ、フィアンマは『熾天玉座(セラフィムレガリア)』を展開する。
理屈不明の攻撃が、右方のフィアンマの全身へと襲いかかった。
吹き飛ばされ、全身への均一なダメージに、右方のフィアンマはげほげほと噎せる。

「返して、もらうぞ。俺様の、居るべき場所を。…俺様のものを、全て」
「が、ッ…ぁ、…何、だ…その術式、は……?」
「…オッレルスと、喧嘩をしなかったのか? ああ、お前は寝たきりだったか」

動揺しながら、右方のフィアンマは『聖なる右』を振るう。
打撃を受け、フィアンマは壁に叩きつけられた。頭が痛い。

「…何故だ。お前も俺様ならば、わかっているだろう。この世界は歪んでいる。四大属性だって致命的にズレている。このままでは世界は崩壊を迎えてしまう。救わねばならんだろう。誰かが、いいや、俺様がどうにかしなければならない。俺様にしか出来ない!」

憎悪に満ちた瞳から視線を受け。
フィアンマは、壁に手をついて彼を睨み返して言う。

>>977」 
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 18:12:42.00 ID:Z66TrWoz0
それは貴様の世界の話だ!
ここは俺様達のいる世界だ!
失せろ余所者!
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 18:21:48.18 ID:HOGIMZDnP
自惚れるな、馬鹿者
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 18:24:32.43 ID:1JwT/ecSO
歪みについては俺様も認知している。だが、必要ない。

貴様の救世主きどりのお節介なぞ、この優しい世界には必要ない。

この世界は、お前が思っている程やわではなく、また、単純でもないんだよ俺様。

歪みは別の形で矯正できる。俺様はそれができる。

…お前は、妄執しているだけだ。お前の救済が失敗した世界を見た。

見たらわかる。断言してやる。例えこの世界でお前がもう一度やったとしても、お前は失敗するだろう

だから、俺様はお前を止めてやる。

お前も救ってやる
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 18:24:33.42 ID:AD2own8p0
だからお前は誰も救えなかったのだ!
お前も誰かを信じることが出来ていれば…
自分から歩み寄ることが出来ていれば…
もっと違った結末を…みんなが笑って暮らせる最高のハッピーエンドを…お前も掴むことが出来たはずだろうがッ!

『神の子』としてではなく、人として生まれることが出来たその幸運に…愛する人と共に過ごせる幸せに何故気付かない?
俺様が永遠に為し得ないことを…人々と苦楽を共にすることを…何故…否定するのだ…
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 18:25:39.66 ID:XjSBJQ730
さぁ>>1どうする
なんか良さそうなのいっぱい来たぞ
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 18:43:06.18 ID:HOGIMZDnP
なげえ
恐ろしいフィアンマ愛だな
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 18:46:26.82 ID:AD2own8p0
>>977>>976(三行目無し)→>>979>>978 って順にすれば一応文章の整合性はとれると思うけど…
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 18:50:21.13 ID:80wMgnxH0
どう裁くんだろう
984 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2013/02/17(日) 19:21:59.61 ID:9+hQHlBAO

何かもう感動したので全安価採用で…うまいことつなぎ合わせてみます
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:01:01.45 ID:0Km7BClo0
これはすげぇwwwwwwww
986 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 20:04:12.76 ID:OrjaeYDr0

「自惚れるな、馬鹿者」
「…何だと?」

フィアンマが対峙しているのは。
或いは、ありえたかもしれない可能性。
自分自身が相手だからこそ、理解出来る。が、否定する。

「救わなければならない、か。…それは、貴様の世界の話だ。此処は、"俺様達"のいる世界だ」
「……、」

右方のフィアンマが、右手を上に上げる。
『第三の腕』が、聖なる大剣を握った。
振り下ろされ、フィアンマは床を蹴って回避する。

「歪みについては俺様も認知している。だが、必要ない。貴様の救世主きどりのお節介なぞ、この優しい世界には必要ない。この世界は、お前が思っている程にヤワではなく、また、単純でもないんだよ、…俺様。歪みは別の形で矯正できる。俺様には、それができる」
「世界など、どこもさほど変わりない。お前を、…俺様達を取り巻く環境に相違があるだけだ。…俺様は、間違っていない。救世主気取りなどではない。お前に成り代われば、俺様がこの世界にただ現存する救世主だ!」

再び大剣が振り下ろされる。
聖ピエトロ大聖堂の内部が滅茶苦茶に破壊される。
地図を裂く程の一撃を振るう彼は、誰も信じられず、孤独で、自分の非を認めない。
そんな人間だから、出来ないんだ。

「それが、お前の本音か。浅ましい本性か。…だから、お前は誰も救えなかったのだ! お前も誰かを信じることが出来ていれば…、或いは自分から歩み寄ることが出来ていれば…もっと違った結末を、ッ、…みんなが笑って暮らせる最高のハッピーエンドを…お前も掴むことが出来たはずだろうがッ!」
「ッ、」

フィアンマは黄金の剣を現出させ、斬りかかる。
同じ剣が、その攻撃を食い止めた。
ギリギリと刃を食い込ませながら、至近距離で一人の思想がぶつかり合う。

「…信じる? 歩み寄る? 馬鹿な事を言うな。……お前は、使命を投げ出しているだけだ。臆病者。『救世主』としてこの世に生を受けておきながら、何故実行しようとしない! 何が優しい世界だ。何がお節介だ。現にヴェントを見ろ、俺様がお前の代わりに約束を守ると言った時、あの女は笑ったんだ!」

無いものねだり。
右方のフィアンマは、フィアンマのような特殊体質が欲しくて。
フィアンマは、右方のフィアンマのような普通の身体に憧れた。
だから、持ち物が、スタート地点が違う彼等の思想は、どこまでいっても平行線。

「『神の子』としてではなく、人として生まれることが出来たその幸運に…、……愛する人と共に過ごせる幸せに、何故気付かない? 何故歩み寄るという選択肢をあざ笑う。俺様が永遠に為し得ないことを…人々と苦楽を共にすることを、お前は達成出来るというのに! 何故否定する!!」

お互いの剣が弾かれて明後日の方向へ跳び、二人は後退して間合いを取る。
右方のフィアンマは、完全に見下した様子で嘲笑した。

「それが、お前の言い訳か。罪悪感から逃れる為の、都合の良い弁解か」
「………お前は、妄執しているだけだ。だからこそ、何も見えなくなっている」

フィアンマは、目の前の己を見る。
全てに耳を塞ぎ、全てに目を閉じ、自分の思い込みでしか動けない、愚かな男を。

「お前の救済が失敗した世界を見た。見たらわかる。断言してやる。例えこの世界でお前がもう一度やったとしても、お前は失敗するだろう」
「………、…そんな言葉程度で、俺様が止まるとでも?」
「思わんよ。…だから、俺様は力でお前を止めてやる。そして、」

彼は、右方のフィアンマを見つめる。
手を差し伸べられても、誰かにほほ笑みかけられても、怯えを払拭出来なかった、本当の臆病者を。

「お前も救ってやる」
「救われるまでもない。…間違っているのは、お前だ」

右方のフィアンマは、拳銃を取り出す。
彼には彼で、負けられない理由がある。
世界を救わなければ、誰にも認めてもらえない。

「「『relevium057(我が存在は救済の為に)』」」

同じ魔法名。
だが、込められた意味はまるで違う。

一人のそれは、『世界の人々』という幻想の為に。
もう一人のそれは、『愛する人々』という現実の為に。

冷たい銃口を向けられ、フィアンマは右拳を握り締めた。





>>+2のコンマ一桁(負けられない理由がある [sage]:2013/02/17(日) 18:24:33.4『2』←ココ)で判定


奇数:フィアンマの術式が先に発動  偶数:右方のフィアンマの銃撃が的中
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/17(日) 20:05:43.07 ID:+Jb4py2D0
ほい
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:07:13.83 ID:0Km7BClo0
よし!
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:07:23.45 ID:jLN59ffI0
……どうだ……?
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:08:04.63 ID:0Km7BClo0
成功したか…
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:09:16.46 ID:IsPCvnAK0
いままでで一番熱い展開だった
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:11:39.63 ID:0Km7BClo0
胸熱だな
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:13:34.85 ID:1JwT/ecSO
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:15:00.75 ID:AD2own8p0
>>987-990の全てが奇数…
奇跡だ…
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:16:30.27 ID:eVIiuNTv0
これぞフィアンマさんの御加護
996 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2013/02/17(日) 20:19:20.39 ID:OrjaeYDr0
>>988 20:07:13.8『3』 結果:奇数 本物の救世主はやっぱり幸運だな…神に愛されてる》




『熾天玉座』が、発動した。
一方の身体が吹き飛ばされ、冷たい大聖堂の壁へ叩きつけられる。
肺の中の空気を全て吐き出し、右方のフィアンマは歯を食いしばる。
身体中が悲鳴をあげている。だが、まだ立てない訳ではない。
銃は衝撃を受けたせいで何処かへ吹っ飛んでしまったが、まだ起死回生の手段はある。
震える手で、鋭いナイフを取り出した。フィアンマが、無防備にも歩み寄ってくる。

「げほ、……げほ…は、ぁ」
「………頭は冷えたか」

金色の双眸が、フィアンマを睨みつける。
憎悪と敵意に満ちた、鋭すぎる凶器のような視線だった。
素早く動いた右手を、フィアンマは左手で掴む。
首筋スレスレで動きを止めた。右方のフィアンマの手を掴んだまま、彼は視線を合わせた。
物事をよく知らない子供が、凶事に及ぼうとしているのを、食い止めるように。

「貴、様……っ」
「…お前の気持ちは、理解出来ない訳でもない。俺様が後六百年若ければ、同じようなことを考えた」

ぐ、と力を込める。
右方のフィアンマの右手から、ナイフが落ちて転がった。

「………お前は、世界の誰かに認めて欲しかった。いいや、世界に認めて欲しかった。何度も頑張って、何度も苦しんで、その想いを誰かに知って欲しかった。なら、こんな方法ではダメだ。これでは、何の意味もない」
「…俺、様は」

右方のフィアンマは、視線を床に落とす。
抵抗する体力が、残っていなかった。

「…>>998
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:24:24.65 ID:QkQYah0f0
右方のセリフなら

すまなかった…

フィアンマさんのセリフなら
その身体返してもらうぞ(魔術発動)
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:25:02.95 ID:1JwT/ecSO
もう、終わりにしよう。

お前の救済に対して、あちらの世界とこちらの世界が出した答えは出ただろう

お前はそろそろ新しい道を探すべきだ。

大丈夫。いくらでもやり直せる。お前はまだ若いのだから。

999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:25:58.97 ID:k31LZRZx0
>>997

1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/17(日) 20:26:38.60 ID:k31LZRZx0
1000なら次スレずっと平和
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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