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青ピ「僕はただの変態やで?」絹旗「そんなことは超分かってます」 -
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1 :
名無しバスターズ
:2013/03/10(日) 01:37:44.95 ID:fbGeCcdI0
以下の方は今すぐ戻ってください。
禁書のssは上琴に限る!
上条さんは悪をそげぶするんだ!
デルタフォース? 何それ食えるの?
黒子を出せ黒子を!
魔術サイドヒロインが出ないなんて俺は認めない!
暗部の話なんて誰得?
以上問題ない方はお付き合いよろしくお願いします。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1362847064
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/
渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/
二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/
佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/
全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/
君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 01:38:46.44 ID:fbGeCcdI0
一人の少女が死んだ。
その名は禁書目録。
学園都市のとある実験に巻き込まれた結果の彼女の死。
それは、とある三角形の崩壊と共に生まれた新たなる物語の序章の一部に過ぎなかったーーー。
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 01:40:05.27 ID:fbGeCcdI0
「野郎共〜、子猫ちゃん達〜、HRの時間で〜す。皆席に着いて下さいね〜」
とある高校のとあるクラス。
学園都市の七不思議と言われるロリ教師、月詠小萌はいつもの通りHRの時間ジャストに教室へ入り、生徒に着席を促した。
小萌先生をこよなく愛する生徒達は誰一人として逆らわず、皆席に着く。
身体が隠れながらも教壇に出席簿を置き、専用の踏み台に登った小萌は教室を見渡した。
「上条ちゃんと青髮ちゃんは今日も来ていないんですか……」
ポツンと空く二つの席を確認し、不安そうな表情を浮かべると、すぐにまたいつもの表情に引き締め、出席簿を開く。
出席のチェックが並ぶ中、空いている席の数と同様に二つの列だけ空欄が並んでいる。
当然だが、空いている席と出席簿の空欄列の人物は共に同一人物だということは言うまでもないだろう。
クラスの問題児であるとともにムードメーカーでもあったその2人の長期欠席は小萌先生にもこたえるものがあった。
片方はよく事件に巻き込まれて入院し、もう片方は休むことなどないような生徒であったから尚更だ。
「まったく……。バカ2人はどうしてるんだか……。土御門、貴様はあの2人と仲がいいわよね? 何か知らないの?」
おでこ輝くクラスの委員、吹寄制理がもう一人の問題児にして上条と青髮ピアスの親友、土御門元春に問いかける。
目にはサングラス、学ランの下にはアロハシャツと、奇抜な制服の着こなしをしている土御門は、いつもの気抜けた調子で返事をした。
「俺は知らないにゃー。まぁどうせ上やんのことですたい。どっかで女の子にフラグを立ててるか、入院でもしてるだけだと思うぜい?」
手を頭の後ろで組んで呑気に構えている土御門だが、実は2人の原因不明の欠席について、一番心中穏やかでないのは彼だったりする。
「(ステイルとねーちんに確認してみたが、上やんが今魔術関係で巻き込まれているなんてことは聞いていないと言った。ああは言ったが、病院には入院してかったし……。フラグは建てるが回収しない上やんがどっかで浮かれて遊んでる可能性もほとんどないだろう。唯一の心当たりといえば先日禁書目録が死んだことか……。下手に学園都市の闇に巻き込まれたりしなければいいが……)」
学園都市の闇を知っている土御門にとって、その闇に巻き込まれると一番やっかいなことになる人物は誰なのか、それははっきりと理解していた。
が、もう一人についても並々ならぬ心配をしている。
「(あの青ピがこうも続けて欠席とは何かがおかしい……。事件に巻き込まれたんなら揉み消された可能性はあるが、それに値する事件はここ最近一つも起こってない……。となるとその事件ってのが現在進行形で進んでいるのか……)」
それは土御門の勝手な憶測に過ぎず、また憶測を確信に持っていくほどの情報を土御門は持っていない。
「何だか嫌な予感がするにゃ〜……」
空に浮かぶ白い雲を見つめながら吐いた言葉は誰にも届くことなく、宙へ消えた。
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 01:42:16.88 ID:fbGeCcdI0
読みにくかったので再投下します。
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 01:43:08.84 ID:fbGeCcdI0
「野郎共〜、子猫ちゃん達〜、HRの時間で〜す。皆席に着いて下さいね〜」
とある高校のとあるクラス。
学園都市の七不思議と言われるロリ教師、月詠小萌はいつもの通りHRの時間ジャストに教室へ入り、生徒に着席を促した。
小萌先生をこよなく愛する生徒達は誰一人として逆らわず、皆席に着く。
身体が隠れながらも教壇に出席簿を置き、専用の踏み台に登った小萌は教室を見渡した。
「上条ちゃんと青髮ちゃんは今日も来ていないんですか……」
ポツンと空く二つの席を確認し、不安そうな表情を浮かべると、すぐにまたいつもの表情に引き締め、出席簿を開く。
出席のチェックが並ぶ中、空いている席の数と同様に二つの列だけ空欄が並んでいる。
当然だが、空いている席と出席簿の空欄列の人物は共に同一人物だということは言うまでもないだろう。
クラスの問題児であるとともにムードメーカーでもあったその2人の長期欠席は小萌先生にもこたえるものがあった。
片方はよく事件に巻き込まれて入院し、もう片方は休むことなどないような生徒であったから尚更だ。
「まったく……。バカ2人はどうしてるんだか……。土御門、貴様はあの2人と仲がいいわよね? 何か知らないの?」
おでこ輝くクラスの委員、吹寄制理がもう一人の問題児にして上条と青髮ピアスの親友、土御門元春に問いかける。
目にはサングラス、学ランの下にはアロハシャツと、奇抜な制服の着こなしをしている土御門は、いつもの気抜けた調子で返事をした。
「俺は知らないにゃー。まぁどうせ上やんのことですたい。どっかで女の子にフラグを立ててるか、入院でもしてるだけだと思うぜい?」
手を頭の後ろで組んで呑気に構えている土御門だが、実は2人の原因不明の欠席について、一番心中穏やかでないのは彼だったりする。
「(ステイルとねーちんに確認してみたが、上やんが今魔術関係で巻き込まれているなんてことは聞いていないと言った。ああは言ったが、病院には入院してかったし……。フラグは建てるが回収しない上やんがどっかで浮かれて遊んでる可能性もほとんどないだろう。唯一の心当たりといえば先日禁書目録が死んだことか……。下手に学園都市の闇に巻き込まれたりしなければいいが……)」
学園都市の闇を知っている土御門にとって、その闇に巻き込まれると一番やっかいなことになる人物は誰なのか、それははっきりと理解していた。
が、もう一人についても並々ならぬ心配をしている。
「(あの青ピがこうも続けて欠席とは何かがおかしい……。事件に巻き込まれたんなら揉み消された可能性はあるが、それに値する事件はここ最近一つも起こってない……。となるとその事件ってのが現在進行形で進んでいるのか……)」
それは土御門の勝手な憶測に過ぎず、また憶測を確信に持っていくほどの情報を土御門は持っていない。
「何だか嫌な予感がするにゃ〜……」
空に浮かぶ白い雲を見つめながら吐いた呟きは、誰にも届くことなく、宙へ消えた。
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 01:45:30.77 ID:fbGeCcdI0
「あ〜、もしもし。あたし、麦野だけど」
とあるファミレスの一角。
学園都市の闇組織、『アイテム』の集まりがいつものように行われていた。
その『アイテム』のリーダー、麦野沈利は現在電話中。
上からの仕事を終え、その報告を今しているのだ。
『あぁ、麦野さんか。どないしたん?』
「相変わらず変なしゃべり方ね。仕事の件なんだけど」
『関西弁バカにしたらあかんで? 仕事っちゅうことはもう片付いたん?』
「そういうこと。データとか後で浜面が送ると思うから報酬よろしく。出来るだけ多く貰えるように交渉してよね」
『了解了解。麦野さんみたいな美人の頼みは断れんからね』
「本当に変な気分…。あんたはあたし達の顔を知ってるのに、あたし達はあんたの顔知らないなんて不愉快この上ないわ……」
『そんなこと言わんでぇな。僕かて早ぉ会いたいんやで?せやけど麦野さんが嫌や言うから……』
「電話の会話だけで十分変態って分かるようなやつとわざわざ会うかっつぅの。ま、とりあえず後はよろしくね」
まだ向こうが何か言っていたが、麦野はそれを無視して電話を切り、ポケットに仕舞う。
そこで意識を仕事から目の前のシャケ弁へ。
ファミレスでシャケ弁など常識も何もあったものではないが、彼女はそんなことを気にする人間ではない。
店員の何とも言えない表情すら御構い無しである。
いただきます、と丁寧に手を合わせると弁当の蓋を開けた。
「毎日シャケ弁食べてて超飽きないんですか?」
「うっさいわね。別にいいでしょ」
「結局、いつも懲りずにB級映画ばっかり見てる絹旗も一緒って訳よ」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 01:48:21.13 ID:fbGeCcdI0
「超うるさいですフレンダ。私はC級映画も超チェックしてます。大体フレンダだって超サバ缶ばっかりじゃないですか」
「俺からしてみると三人共一緒だけどな」
「「「黙れバカ面」」」
「相変わらずの罵倒なこって……」
「超キモいですよ。どうせ私達の罵倒でハァハァしてるんですよね?超分かってます」
「誰がするかよ。俺はMじゃねぇ。つか、俺には滝壺がいるし」
「出たよノロケ。滝壺は浜面のどこがいいんだか……」
「はまづらはかっこいいよ?たまに変態さんだけどいつも優しくしてくれるし」
「結局、彼女にまで変態って思われてる時点で終わりな訳よ」
いつものやり取り、いつもの談笑。
闇に住む彼女達(+野郎)にとって、こよファミレスは至福の一時となっていた。
「ところで麦野、今の電話の人って一ヶ月前に変わったんでしたよね?」
「そうよ。それがどうかしたの?」
「いえ、その辺から麦野が電話掛けるのを超面倒臭がってるなと思っただけです」
「あ〜、分かる? そうなのよね……。相手がびっくりするくらいの変態でさ〜」
「電話で分かるレベルの変態って超どういうことですか……」
「変な話し方の野郎なのよ。あ〜あ…。あれなら前の電話の女の方が良かったわ……」
前の電話の女。
元々アイテムの連絡係は女だったのだが、一ヶ月前にその女がその仕事を降りたのだ。
理由は明かされていないが、電話の最後に『上にとって都合のいい入れ替え』と言っていたことから学園都市の闇に関する重要な人物が来ると麦野は予想していた。
が、いざ最初の電話で会話してみると出てきたのは先程の関西弁男。
期待外れもいいところで、重要な人物どころか、学園都市の闇に関わっているのかすら怪しい。
いや、アイテムの連絡係という時点で既に闇に関わってはいるのだが。
とはいえ第一印象だけで決めつけるのはよくないと麦野はしばらくはその男について調べまわったのだか、それは徒労に終わった。
別にただの少年だったとか、どうしようもない変態だったとか、そういうのではない。
ただ単に情報が手に入らなかったのだ。
何一つ、欠片すら。
疑問こそ出てきたものの、手掛かりすら見つけることの出来なかった麦野は男の正体を調べることを止め、ただの連絡係として関わることに決めたのだ。
当然調べたことや男に関しての疑問は他のアイテムメンバーに明かしていない。
そっちに時間を費やしてしまって本業の方を適当にされても困るし、本当に重要人物だった場合、他のメンバーであれば殺されかけない。
麦野自身はレベル5の第五位と並々ならぬ自信があったので単独で調べただけの話。
まぁ麦野の予想通り、この男は学園都市において重要な位置にいるのだが……麦野はそんなことを知る由もなく、目の前のシャケ弁に舌鼓を打つのだった。
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 02:15:55.99 ID:fbGeCcdI0
「超暇ですね〜……」
絹旗は一人、街を歩いていた。
ファミレスでのアイテムの集まりは麦野の言った通り本当にただの報告会だったらしくすぐに解散。
基本的に映画を見る以外趣味を持ち合わせていない絹旗なのだが、なぜか今の時期にやっている映画の本数がいつもより極端に少なく、まだ月の半分だというに全て見終わっていた。
もう一度見たくなるような良作もなかったのでレンタルビデオ屋にでも行って何か適当に借りようかどうか迷っているところだ。
「大体浜面のくせに私の誘いを断るなんて超生意気です」
中学生の絹旗がR15以上の映画を見れる理由。
それは浜面が偽造の証明証を作ってくれたからだ。
その因果か絹旗は何かしらあると浜面を従えてどこかに行くのだが、今回浜面は滝壺とデートがあると絹旗の誘いを断っていた。
「ファミレスでも終始いちゃついてますし、見てるこっちが超恥ずかしいってもんです……」
別段、純情というわけではないのだが彼氏のいない絹旗にとって幾分羨ましいものではある。
また絹旗も暗部に属しているとはいえ、中学生。
彼氏なるものにはいくらか理想が伴ってしまうのも無理はない。
優しくて、カッコよくて、強くて……あと自分より収入がいい、とまで条件がつくのは暗部にいる性なのか。
暗部にいる時点で収入は半端ではなく、一般的な中学生や高校生は勿論のこと、大学生や大人ですら簡単に稼げる額ではないというのに、更に好条件が付くとなるとそんな人物は一握りもいない。
ましてやそんな人物と絹旗が運命的な出会いをするというのは白馬の王子様が迎えにきてくれるレベルである。
もっとも、絹旗はまだそのことに気がついていないが。
「あ〜……なんかあのいちゃいちゃカップルのこと思い出したらビデオ屋に行く気が超萎えました……。今日は大人しく帰って寝ましょう……」
今の状態で一人ビデオを見ても惨めなだけだ。
そう考えて、絹旗の足はレンタルビデオ屋の方向から自宅に向かった。
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2013/03/10(日) 02:46:59.64 ID:/rUt+fOJ0
これは期待
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/03/10(日) 04:42:49.05 ID:fbGeCcdI0
浜面のことを思い出しただけでも不幸だというのに、絹旗の不幸はまだまだ続くらしい。
帰宅の一番の近道の裏路地を通った時、それは訪れた。
「絹旗最愛だな」
黒スーツにサングラス。
革靴まで黒と、黒尽くめの男が5、6人。
絹旗の名前を知っているところを見ると、ばったり会ったわけではないことが分かる。
面倒事に巻き込まれたと言わんばかりのため息をめいいっぱい吐いた絹旗は、問いかけるように男達に話しかけた。
「私に何か用ですか? こう見えて私も超忙しいんです。今から帰って超寝ないといけませんから」
「貴様を今から連行する。ついてこい」
「おやおや。あなた達は日本語が超分からないようですね?」
話し合う余地はないと判断した絹旗が、手に窒素で固めたメリケンサックを作る。
そんな絹旗の攻撃体制に気がついたのか、男達も拳銃を取り出した。
それを見て絹旗は鼻で笑う。
「私のことを超なめてんですか? そんなオモチャで倒そうなんて超頭イってるんじゃないでしょーーっ!?」
言葉が詰まる。
セリフを言い終わる前に、絹旗の脳内に激痛が走った。
演算が遮られ、自動窒素反射能力も切れてしまう。
再演算を試みるものの、あまりの激痛に簡単な計算すら出来ない状態だ。
「キャパシティダウン。聞いたことくらいはあるだろう」
能力者の演算能力を著しく下げる機械。
高位能力者であればあるほど、その脅威を増し、大能力者《レベル4》の絹旗にとってこれ以上にやっかいなものはなかった。
「(これは……超マズイですね……っ!)」
先ほどオモチャだといった拳銃も、こういう状況下となれば訳が変わってくる。
今の立ち位置、図らずとも絹旗の方が分が悪かった。
「抵抗すれば打つ。大人しくこちらに来い」
なす術もない。
ここは一旦従った振りをして、後で隙を見て逃げた方が得策だ。
絹旗の脳内で打算が行われ、足を一歩踏み出した。
その時だ。
「お兄さん達。女の子一人相手に五人係りっちゅうんはどうかと思うで?」
一人の救世主が路地裏に現れた。
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/03/10(日) 04:43:27.81 ID:fbGeCcdI0
浜面のことを思い出しただけでも不幸だというのに、絹旗の不幸はまだまだ続くらしい。
帰宅の一番の近道の裏路地を通った時、それは訪れた。
「絹旗最愛だな」
黒スーツにサングラス。
革靴まで黒と、黒尽くめの男が5、6人。
絹旗の名前を知っているところを見ると、ばったり会ったわけではないことが分かる。
面倒事に巻き込まれたと言わんばかりのため息をめいいっぱい吐いた絹旗は、問いかけるように男達に話しかけた。
「私に何か用ですか? こう見えて私も超忙しいんです。今から帰って超寝ないといけませんから」
「貴様を今から連行する。ついてこい」
「おやおや。あなた達は日本語が超分からないようですね?」
話し合う余地はないと判断した絹旗が、手に窒素で固めたメリケンサックを作る。
そんな絹旗の攻撃体制に気がついたのか、男達も拳銃を取り出した。
それを見て絹旗は鼻で笑う。
「私のことを超なめてんですか? そんなオモチャで倒そうなんて超頭イってるんじゃないでしょーーっ!?」
言葉が詰まる。
セリフを言い終わる前に、絹旗の脳内に激痛が走った。
演算が遮られ、自動窒素反射能力も切れてしまう。
再演算を試みるものの、あまりの激痛に簡単な計算すら出来ない状態だ。
「キャパシティダウン。聞いたことくらいはあるだろう」
能力者の演算能力を著しく下げる機械。
高位能力者であればあるほど、その脅威を増し、大能力者《レベル4》の絹旗にとってこれ以上にやっかいなものはなかった。
「(これは……超マズイですね……っ!)」
先ほどオモチャだといった拳銃も、こういう状況下となれば訳が変わってくる。
今の立ち位置、図らずとも絹旗の方が分が悪かった。
「抵抗すれば打つ。大人しくこちらに来い」
なす術もない。
ここは一旦従った振りをして、後で隙を見て逃げた方が得策だ。
絹旗の脳内で打算が行われ、足を一歩踏み出した。
その時だ。
「お兄さん達。女の子一人相手に五人係りっちゅうんはどうかと思うで?」
一人の救世主が路地裏に現れた。
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 04:44:21.54 ID:fbGeCcdI0
浜面のことを思い出しただけでも不幸だというのに、絹旗の不幸はまだまだ続くらしい。
帰宅の一番の近道の裏路地を通った時、それは訪れた。
「絹旗最愛だな」
黒スーツにサングラス。
革靴まで黒と、黒尽くめの男が5、6人。
絹旗の名前を知っているところを見ると、ばったり会ったわけではないことが分かる。
面倒事に巻き込まれたと言わんばかりのため息をめいいっぱい吐いた絹旗は、問いかけるように男達に話しかけた。
「私に何か用ですか? こう見えて私も超忙しいんです。今から帰って超寝ないといけませんから」
「貴様を今から連行する。ついてこい」
「おやおや。あなた達は日本語が超分からないようですね?」
話し合う余地はないと判断した絹旗が、手に窒素で固めたメリケンサックを作る。
そんな絹旗の攻撃体制に気がついたのか、男達も拳銃を取り出した。
それを見て絹旗は鼻で笑う。
「私のことを超なめてんですか? そんなオモチャで倒そうなんて超頭イってるんじゃないでしょーーっ!?」
言葉が詰まる。
セリフを言い終わる前に、絹旗の脳内に激痛が走った。
演算が遮られ、自動窒素反射能力も切れてしまう。
再演算を試みるものの、あまりの激痛に簡単な計算すら出来ない状態だ。
「キャパシティダウン。聞いたことくらいはあるだろう」
能力者の演算能力を著しく下げる機械。
高位能力者であればあるほど、その脅威を増し、大能力者《レベル4》の絹旗にとってこれ以上にやっかいなものはなかった。
「(これは……超マズイですね……っ!)」
先ほどオモチャだといった拳銃も、こういう状況下となれば訳が変わってくる。
今の立ち位置、図らずとも絹旗の方が分が悪かった。
「抵抗すれば打つ。大人しくこちらに来い」
なす術もない。
ここは一旦従った振りをして、後で隙を見て逃げた方が得策だ。
絹旗の脳内で打算が行われ、足を一歩踏み出した。
その時だ。
「お兄さん達。女の子一人相手に五人係りっちゅうんはどうかと思うで?」
一人の救世主が路地裏に現れた。
13 :
名無しバスターズ
:2013/03/10(日) 04:45:03.79 ID:fbGeCcdI0
浜面のことを思い出しただけでも不幸だというのに、絹旗の不幸はまだまだ続くらしい。
帰宅の一番の近道の裏路地を通った時、それは訪れた。
「絹旗最愛だな」
黒スーツにサングラス。
革靴まで黒と、黒尽くめの男が5、6人。
絹旗の名前を知っているところを見ると、ばったり会ったわけではないことが分かる。
面倒事に巻き込まれたと言わんばかりのため息をめいいっぱい吐いた絹旗は、問いかけるように男達に話しかけた。
「私に何か用ですか? こう見えて私も超忙しいんです。今から帰って超寝ないといけませんから」
「貴様を今から連行する。ついてこい」
「おやおや。あなた達は日本語が超分からないようですね?」
話し合う余地はないと判断した絹旗が、手に窒素で固めたメリケンサックを作る。
そんな絹旗の攻撃体制に気がついたのか、男達も拳銃を取り出した。
それを見て絹旗は鼻で笑う。
「私のことを超なめてんですか? そんなオモチャで倒そうなんて超頭イってるんじゃないでしょーーっ!?」
言葉が詰まる。
セリフを言い終わる前に、絹旗の脳内に激痛が走った。
演算が遮られ、自動窒素反射能力も切れてしまう。
再演算を試みるものの、あまりの激痛に簡単な計算すら出来ない状態だ。
「キャパシティダウン。聞いたことくらいはあるだろう」
能力者の演算能力を著しく下げる機械。
高位能力者であればあるほど、その脅威を増し、大能力者《レベル4》の絹旗にとってこれ以上にやっかいなものはなかった。
「(これは……超マズイですね……っ!)」
先ほどオモチャだといった拳銃も、こういう状況下となれば訳が変わってくる。
今の立ち位置、図らずとも絹旗の方が分が悪かった。
「抵抗すれば打つ。大人しくこちらに来い」
なす術もない。
ここは一旦従った振りをして、後で隙を見て逃げた方が得策だ。
絹旗の脳内で打算が行われ、足を一歩踏み出した。
その時だ。
「お兄さん達。女の子一人相手に五人係りっちゅうんはどうかと思うで?」
一人の救世主が路地裏に現れた。
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 06:20:36.56 ID:fbGeCcdI0
バグって4連投になってました……。
申し訳ないです……。
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/03/10(日) 06:36:58.35 ID:ZuQbONFGo
麦野って5位だっけ?
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/03/10(日) 10:07:01.55 ID:3URCDaono
4じゃなかったか?
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/03/10(日) 11:41:21.53 ID:wnHkvXM8o
うん、4位
5位はみさきち
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 18:59:34.08 ID:fbGeCcdI0
すみません……。
レベル5と第5位が被って……。
第4位でしたね……。
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 19:01:34.96 ID:fbGeCcdI0
「キャパシティダウンが効いていないということはレベル0か…。おい少年。死にたくなければ今すぐここを立ち去るんだ」
絹旗を庇うように黒服の男達の前に立ちふさがった一人の少年に、男達の一人が何の躊躇いもなく拳銃を少年に向けた。
だが優しそうな表情を浮かべた少年はそれに物怖じすることなく、未だ冷静に突っ立っている。
パァン!
乾いた発砲音。
街中には似つかわしくないその音に一番驚いたのは絹旗だった。
「(一般人に向かって発砲……!?返事も超まだじゃなかったですか!)」
この男達が学園都市の闇の人間であることはほぼ間違いない。
とすれば極力一般人を巻き込むような真似はしたくないはずだ。
少なくとも目の前に現れた少年があからさまな抵抗及び反抗さえしなければ発砲はされないはずと予想していた絹旗にとって、それは異常なほどに早過ぎた発砲音だったのだ。
だが、驚くのはまだ早かったのかもしれない。
「発砲? 随分と物騒やなぁ。そんな躊躇いもなく人って撃てるもんなんや」
平然と。
まるで今起こった出来事を客観的に見ていたような発言だ。
「効いていない……!?」
パァンパァンパァンっ!!
そんな様子にビビった相手数名が続け様に発砲する。
おそらく狙ったのは頭。
先程の発砲を防げたのは中に防弾チョッキでも着込んでいた可能性が高いからだといえよう。
確実に少年を殺しにかかった。
しかし……
「なんや。話すら取り合ってくれへんの?僕かてあんまり手荒い真似はしたくないんやけど」
少年は倒れていなかった。
「お、おい!キャパシティダウンは効いているのか!?」
「は、はい! 対象絹旗最愛は未だキャパシティダウンにより能力を発動できていませんから能力は使えないはずです!」
「だったらなぜあいつに弾が当たらないんだ!」
「(超ざまぁみやがれ……です……)」
ギリギリと締め付けられる頭で絹旗はそう思った。
焦るのも無理はない。
自分と同様に負ける要素がない状況をひっくり返されたのだから。
存分に焦るといい。
追い詰められた感覚を味わえばいい。
「超…ありがとうございます……」
最後の薄れいく意識のなかで、目の前の少年にお礼を言った絹旗はそのままバタンと地面に倒れた。
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/03/10(日) 21:15:59.64 ID:fbGeCcdI0
「ん……」
少しずつ意識が戻ってきた。
まだ若干違和感の残る脳内だが、幾分マシにはなっているようだ。
「ここは……超どこでしょうか……?」
見知らぬ部屋、見知らぬベット。
生活感溢れる雑貨や家具が並べられていて、どうやら誰かの家のようだ。
「あ〜、起きたん? ごめんな。勝手に連れ込んだりして。せやけど起きそうにもなかったし、あんな路地裏で放っておくわけにもいかんやろ?」
部屋の奥から現れたのは、自分を助けてくれた少年だ。
すぐに、助けてくれた後自分を保護してくれたのだと理解した絹旗は礼を述べる。
「超ありがとうございます。あなたのおかげで助かりました。一時は超どうなるか気が気じゃなかったですから」
あの状況で出来たことといえば最悪な選択肢を免れることぐらいだ。
キャパシティダウンを向こうが持っているのであれば逆転の可能性は非常に低い。
「いいんよいいんよ。僕はただ可愛い子がお困りのようやったから助けただけやし。あ、別にやましい下心があったわけやないんやで?」
不思議だ。
たった一回言葉を交わしただけなのに。
この人は本当に下心は持っていない。
だから慌てるような様子もなくて、冗談交じりに場の雰囲気を和ませた。
心なしか、この人と話すのは心地よい。
絹旗はこの少年にそんな印象を抱いた。
21 :
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[sage]:2013/03/10(日) 21:45:08.98 ID:uM1ktGus0
青ピ×絹旗か?
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/03/10(日) 21:47:49.30 ID:fbGeCcdI0
あまりにもミス多くて見にくいので移動することにしました。
http://ss.vip2ch.com/jmp/1362919586%3Cbr%3E
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/03/10(日) 22:00:09.71 ID:fbGeCcdI0
「超暇ですね〜……」
絹旗は一人、街を歩いていた。
ファミレスでのアイテムの集まりは麦野の言った通り本当にただの報告会だったらしくすぐに解散。
基本的に映画を見る以外趣味を持ち合わせていない絹旗なのだが、なぜか今の時期にやっている映画の本数がいつもより極端に少なく、まだ月の半分だというに全て見終わっていた。
もう一度見たくなるような良作もなかったのでレンタルビデオ屋にでも行って何か適当に借りようかどうか迷っているところだ。
「大体浜面のくせに私の誘いを断るなんて超生意気です」
中学生の絹旗がR15以上の映画を見れる理由。
それは浜面が偽造の証明証を作ってくれたからだ。
その因果か絹旗は何かしらあると浜面を従えてどこかに行くのだが、今回浜面は滝壺とデートがあると絹旗の誘いを断っていた。
「ファミレスでも終始いちゃついてますし、見てるこっちが超恥ずかしいってもんです……」
別段、純情というわけではないのだが彼氏のいない絹旗にとって幾分羨ましいものではある。
また絹旗も暗部に属しているとはいえ、中学生。
彼氏なるものにはいくらか理想が伴ってしまうのも無理はない。
優しくて、カッコよくて、強くて……あと自分より収入がいい、とまで条件がつくのは暗部にいる性なのか。
暗部にいる時点で収入は半端ではなく、一般的な中学生や高校生は勿論のこと、大学生や大人ですら簡単に稼げる額ではないというのに、更に好条件が付くとなるとそんな人物は一握りもいない。
ましてやそんな人物と絹旗が運命的な出会いをするというのは白馬の王子様が迎えにきてくれるレベルである。
もっとも、絹旗はまだそのことに気がついていないが。
「あ〜……なんかあのいちゃいちゃカップルのこと思い出したらビデオ屋に行く気が超萎えました……。今日は大人しく帰って寝ましょう……」
今の状態で一人ビデオを見ても惨めなだけだ。
そう考えて、絹旗の足はレンタルビデオ屋の方向から自宅に向かった。
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