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セーラ「白糸台の麻雀部を引退したで」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:38:08.03 ID:HpiU34XMo
VIPでやってたやつの続きです。

セーラが推薦で白糸台に入学して…という話です。
続きからになりますので、長いですが、
以下の過去ログを読んでからのほうがいいと思います。

セーラ「白糸台他から推薦の話が来たで」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349876107/
セーラ「白糸台高校に入学したで」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1350048515/
セーラ「白糸台高校の三年生になったで」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1350648336/
セーラ「白糸台でインハイの決勝に進出したで」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1351394429/
セーラ「白糸台でのインハイが終わったで」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1352291459/


まだ書き終えておらず、書き溜めも少ししかしていませんが
それでもよろしければどうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364654287
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:41:57.60 ID:HpiU34XMo
数日後、放課後、教室に二人


ガラッ

バタン


照「…ごめん、待った?」

セーラ「ううん、全然。大丈夫やで」

照「そっか、よかった」

セーラ「…俺が考えたこと、聞いてくれるか?」

照「うん、それを聞きにきた」

セーラ「せやんな…うん」

照「覚悟は出来てるからね」

セーラ「…じゃあ単刀直入に言うわ」

照「…どうぞ」


セーラ「俺は、照をそういう風には見られへん」

セーラ「照は一番大切な…親友やから」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:42:04.05 ID:ixY02U6DO
続編キターーー(゚∀゚)ーーー!!
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:43:47.25 ID:HpiU34XMo
照「…親友か」

セーラ「照が勇気振り絞って伝えてくれたのは嬉しかったんやで」

セーラ「…でも」

照「でも?」

セーラ「…気付いてしもたんよ、俺には好きな人がいるって」

照「どういう意味?」

セーラ「意識なんかしてなかった、恋愛なんか縁遠いって思ってた」

セーラ「けど、怜に言われて…俺は…あぁ、こいつのこと好きやったんやなって
    そう思える人が…いることに気付いたんや」

照「それが誰か、聞いてもいいの?」

セーラ「うん……弘世…なんよ」

照「…そう、なんだ」ボーッ

セーラ「ごめん、俺もびっくりしてるんや。なんで弘世なんやって思ってる」

セーラ「でも1回意識したらもうあいつのことばっかり考えてしまうんや…」

セーラ「ごめん、ごめんな照…ごめん」


セーラ「(何回謝ったか知らんけど、俺は照と向き合いながら、何度も謝った)」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:44:51.94 ID:HpiU34XMo
照「…菫か。意外すぎて悲しいとか悔しいとか浮かばないよ…」

セーラ「一番驚いてるんは俺やで」

照「じゃ、私が告白しなきゃ…セーラはその気持ちに気付かなかったわけだ」

セーラ「かもな…」

照「なら、しなきゃよかった…かな」ハハッ

セーラ「無理して笑うなや」

照「だけどさ、」

セーラ「ん?」

照「…笑ってないと、泣きそうだから」

セーラ「そうか」

照「今ここで泣きたくない」

セーラ「…わかった」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:46:07.91 ID:HpiU34XMo
照「…後悔はしてないから」

セーラ「うん」

照「…そうだ、私がセーラに言ったこと覚えてる?」

セーラ「んー?」

照「私のそばから離れないでって言ったやつ…今思うと恥ずかしいけど」

セーラ「ん、覚えてる。嬉しかったもん」

照「…こういうことになったらセーラは私から離れちゃうのかな」

セーラ「そんなわけない。さっきも言ったけど、照は大事な親友や」

照「嬉しいけど、ちょっと切ないって言うか、悲しいね」

セーラ「…ごめん」

照「でもやっぱり…少し、嬉しいかな…いや…よくわからない」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:47:36.18 ID:HpiU34XMo
照「ねぇ、菫に告白するの?」

セーラ「さぁな…わからん」

照「そっか…今ね、応援するって言おうとしたんだけどさ」

セーラ「なに?」

照「やっぱ無理。私は応援なんかしない」

セーラ「ふふっ、そのほうが照っぽいな」

照「だよね」

セーラ「こんなん俺が言うのは変やし思い上がりかもしれんけどさ、」

照「なに?」

セーラ「…弘世を責めんといたってな」

照「当たり前でしょ…菫は私の一番理解者だったんだから」

セーラ「でも、…そういう感情とか」

照「ない、感謝しても責めるなんて…ない、たぶん…たぶん」ウツムキ

セーラ「ならええねん…あいつはなんも悪くないから…」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:49:27.94 ID:HpiU34XMo
セーラ「俺が勝手に好きって思ってしまっただけやから
    そのことで照と弘世の仲がどうにかなってしもたら」

セーラ「俺は弘世になんて詫びたらいいかわからんし…」

照「…セーラはほんとに菫のことが好きなんだね」ハァ

セーラ「ほんまは今でもいわゆる好きって気持ちなんかわかってないねん」

照「そう…」

セーラ「けど、この気持ちをどう言えばいいかって考えたらな、
    それはもう、好き、しかないって…まあ、思ったんよ」

セーラ「…友達としての感情やなくて、そ、その、恋愛感情的なことで…」

セーラ「(恥ずかしいけど胸が痛いなぁ…)」

照「そっか…私、セーラのこと困らせてばかりだったよね」

セーラ「そんな風に考えんな、俺は嬉しかったんやから」

照「…そう言ってくれるならちょっとは救われる、かな」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:50:46.57 ID:HpiU34XMo
セーラ「(その時に少し笑った照の顔見てたらなんか泣きそうになった)」

セーラ「(照は全然泣いてへんのに、俺の方が泣きそうになった)」


セーラ「(しばらく二人で黙ったまんま、教室の中にいた)」

セーラ「(何か言いたいことがあるはずやのに何を言えばいいんか
     わからんくて、黙ったまま)」

セーラ「(沈黙は重くて、苦しくて。でも、黙ったまま。
      照も俺も、どこか、遠くを見つめたまま、じっとその場にいた)」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:53:27.46 ID:HpiU34XMo
照「…先に帰るよ」

セーラ「ん、わかった」

照「あのさ、」

セーラ「んー?」

照「…やっぱり、私は菫のこと責めちゃうかも」

セーラ「そうか」

照「菫は何も悪くないよね、わかってるけど」

セーラ「けど?」

照「けど、菫がいなければって、きっと思うから」

照「私はそういう自分を否定できないよ」

セーラ「…やっぱ、照は感情むき出しの方がええな」

照「ただ不器用なだけだよ、…それだけ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/30(土) 23:56:09.26 ID:HpiU34XMo
セーラ「…なんか、なんか、難しいなぁ」

照「そう、だよね」

セーラ「なんで弘世なんやろ」

照「そんなこと私に聞かないでよ」

セーラ「そらそうやな、すまん…あ、これあいつには内緒やで?」

照「わかってるよ、私はおしゃべりじゃないし」

セーラ「ありがとう」

照「じゃあ、また明日」

セーラ「うん、また明日」

照「あのね、セーラ、今日はありがと」

セーラ「…あぁ」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:02:27.75 ID:PvSgt7kuo
次の日、朝、虎姫部室


菫「おはよう、江口」

セーラ「おう、おはよ」

セーラ「(朝の部室に二人きりか…いいシュチエーションなんやろうけど)」

セーラ「(最近は顔見ただけでドキドキすることはなくなったけど
     でもやっぱり、ちょっと意識してしまうで)」

セーラ「(そやけど、昨日のことがあるし…話が億劫やわ)」

菫「すまない、こんな早くに…」

セーラ「いやええよ、気にすんな」

菫「照が…照に昨日のことを聞こうとしたら江口に聞けって
  それしか言わないものだから…気になって」

セーラ「照、どんな感じやった?」

菫「ん〜…機嫌が悪いというかつんけんした感じで…」

セーラ「なるほど」

菫「…どういう意味だ?」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:07:02.47 ID:PvSgt7kuo
セーラ「弘世の考えどおりちゃうんかな」

菫「…断った、のか?」

セーラ「ん、せやで」

菫「どうして?」

セーラ「どうして?ん〜…」

菫「傷つけるようなことはしてないだろうな?」

セーラ「多分、したんちゃうかな」

菫「なんだと?お前私があれだけ言ったのに!」

セーラ「…しゃーないやん、俺ウソつくの嫌いやし」

菫「理由はなんだ?…私は、まあそれなりにお似合いだと思っていたんだが」

セーラ「照はあくまで親友や。好きとかそういう感情を持てへんかった」

菫「そうなのか…」

セーラ「あいつのこと大好きやし、そばにいてくれんと困る」

セーラ「けど、…やっぱあくまで親友なんよ」

菫「…なんとなく、断るならその理由だとは思ってたが」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:09:10.15 ID:PvSgt7kuo
セーラ「そう?ま、そうなったな」

セーラ「お前は照にどんな後押ししてたん?」

菫「これといって何もしてない。ただ話を聞いて、頑張れと言っただけだ」

菫「照は考え込んでしまうところがあるからガス抜き程度というか…」

セーラ「そうなん?照はえらい感謝してたで」

菫「こういうとき、話を聞いてくれる相手がいるだけでも心強いものだからな」

セーラ「なるほど、まあそれもわかる」

菫「で、照を振った理由はそれだけか?」

セーラ「え、なんで?」

菫「いや、お前が照を傷つけるようなこと言ったって言うから、
  その理由で振ったとしたら、」

菫「江口はそれなりに気をつかえるはずだから
  照を傷つけないような言い方をしたんじゃないかなと思ったんだよ」

菫「なら、他にも何かあったのかな、と」

セーラ「鋭いなぁ」

菫「で、他に理由があるのか?」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:10:25.17 ID:PvSgt7kuo
セーラ「(本当のことを言うべきか?…でも、言うたら弘世はきっと苦しむ
     自分のせいでって思うはずや。そんなん、本意やないで)」

セーラ「(…けど照は…弘世を責めるかもしれんって言うてたし…
     もしそうなったら弘世はわけもわからず照に責められたりする…?)」

セーラ「(それは避けたい…弘世は何も悪くないのに…それはあかん
     ほなもう言うしかないやん…けど、それは告白と同じことや…)」

セーラ「(しかも弘世には好きな人がいるし…玉砕確定の告白て…きっついなぁ)」

セーラ「(てか誰が好きなんやろう?弘世が好きになる人なんか想像もつかへんわ…
     いや、今そんなことはどうでもええんや。問題は、俺の気持ちや)」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:12:33.31 ID:PvSgt7kuo
セーラ「…理由?まあ、ないことはないで」

セーラ「(…俺は、やっぱりウジウジすんのが嫌いや!)」

セーラ「(言うてやる、言うで、言うで…!!)」

菫「もったぶるなよ…私は、理由によってはお前に手を出すかもしれん」イライラ

セーラ「おー怖い怖い」

セーラ「(落ち着け、落ち着け俺…)」

菫「茶化すな、照はな…お前のことでずっと苦しんでたんだぞ」

菫「言いたくても言えない、この関係を壊したくないって…」

菫「そんな照を傷つけて欲しくないって私はそう頼んだのに…
  一体どんな理由があるって言うんだよ、江口」

セーラ「…俺な、好きな人おるねん」

菫「はっ!?」

セーラ「そやから、あかんねん」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:13:11.24 ID:PvSgt7kuo
菫「待て待て、なんだよそれ初めて聞いたぞ」

セーラ「んまあ、初めて言うたしな」

菫「とってつけたような言い訳じゃないだろうな?」

セーラ「…ちゃうよ、ほんまの話やから」

菫「…好きな人がいるから照を受け入れられなかったってことか?」

セーラ「そうや、照もびっくりしてたわ…まあ一番驚いてるのは俺やけど」

菫「はぁ?」

セーラ「そう怖い顔すんなや…俺自身、そういうの縁遠かったし
    誰か好きとか嫌いとか考えたこともなかったんや」

菫「だろうな、…だから私は驚いたよ」

セーラ「せやけど、照にまあ、告白されて…いろいろ考えることもあって
    そしたらな、ふっとその人が俺の中に現れたんや」

セーラ「全く予想もしてへん人やったから驚いたし、
    正直今でも自分の中で消化しきれてるかどうか怪しいわ」

菫「…もったぶるのが好きだなお前は」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:15:05.79 ID:PvSgt7kuo
セーラ「まあ、聞いてーや。ほんで、これほんまに好意なんかな?って
    思ったんよ、好きってことであってんのかな?って」

セーラ「けど、…あ、これは照にも言うたんやけどさ
    この気持ちを『好き』以外で表せへんのや」

セーラ「それはもちろん、友達として好きとか、そういうんやなくて…
    そ、その、えっと…恋愛とかそういうことで…やな//」

セーラ「(うぅ、何一人で喋って一人で恥ずかしがってるんや俺は…アホかいな)」

菫「で?」

セーラ「…だから、照の気持ちには応えらへんかった」

菫「待て待て…確かに驚いたよ、お前に好きな人がいるとは衝撃的だよ…でも、」

菫「親友としか思えない、好きな人がいる…
  その程度の理由なら照を傷つけずに済む断り方はあっただろ?」

セーラ「まあ、あったかもな」

菫「いい加減その奥歯に何か挟まったような言い方をやめろ。
  ハッキリ言えよ、イライラする」

セーラ「弘世、短気は損気ってな」

菫「うるさい」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:15:36.57 ID:PvSgt7kuo
セーラ「(ほんまにイラっとしとんな…)」

セーラ「はぁ(よっしゃ…)」

菫「ため息は私がつきたいんだが」

セーラ「俺の好きな人なぁ…」

菫「誰だよ」イライラ

セーラ「…お前やで、弘世」

菫「……は?」キョトン

セーラ「せやから、俺の好きな人は、弘世菫や」

菫「……は?」

セーラ「何回も言わせんなやー恥ずかしいねんで//」

菫「い、いやいやいや!!!」アワアワ

セーラ「ん?」

菫「ないない、ありえない…冗談なら怒るぞ」

セーラ「…冗談ならよかったんやけどな」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:16:44.28 ID:PvSgt7kuo
セーラ「だってお前好きな人いるんやろ?完全脈なしやし、
    俺ら3人の関係グッチャグチャになってしもた」 

菫「うそ…だろ…」

セーラ「お前のどこが好きとか、こういうとこを好きになったとか
    正直自分でもようわからんけど、…」

セーラ「でも、お前と一緒やとドキドキするし、
    顔見るんもちょっと恥ずかしいし、…あぁ、これが好きってことかなって」

セーラ「…ガキじゃあるまいしって感じやけど、まあ素直な気持ちや」スッキリ

菫「じゃ、じゃあ…照が傷ついたって…それ…私のせいじゃないか!」

セーラ「ち、違う、違うで弘世!それは違う!」

菫「何が違うんだよ!?わ、私のせいで…!」

セーラ「お前は何も悪くないで!俺が勝手にお前を好きになっただけや!」

菫「でも…でも」グス

セーラ「な、何で泣くねん…」

菫「私が…わ、私が…グスン」

セーラ「あぁもう…まだ朝の7時半やで…」ナデナデ

菫「う、うるさい…」ズズ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:17:41.76 ID:PvSgt7kuo
菫「私の存在が照を傷つけたんだな…」

セーラ「せやからちゃうって…」

菫「でも、私のせいじゃないか!」

セーラ「せいってなんやねん!俺がお前を好きになったのが悪いんか!?」

菫「い、いや…そうじゃない…けど」

菫「わ、私はずっと照の話を聞いてきたんだ…照の幸せを願っていたんだよ…」

菫「自分の気持ちを殺してまで…私は…」ブツブツ

セーラ「…うん(ん?弘世今なんて言うた?)」

菫「なのに私はいない方がよかったということなのか…」

セーラ「そんなわけあるか!アホなこと言うな」

菫「照は何か言っていたか?」

セーラ「弘世のことを責めてしまうかもって言うてた」

菫「…やっぱりそうか」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:18:27.13 ID:PvSgt7kuo
セーラ「…照がそう思うのはわかるし、仕方ない」

セーラ「けど、それはお前のせいやない。絶対そんな風に考えんな」

菫「無理な相談だろ…それは」

セーラ「…とにかく、俺は弘世、お前が好きやから」

菫「……」

セーラ「そやから俺はお前に謝らなあかんねん」

セーラ「お前は何にも悪くないのに俺のせいで迷惑をかける。
    許して欲しい、…ほんまにごめん」

菫「謝られてもどうしたらいいかわからないだろ…」

セーラ「好きな人がいるなんて言わんでもよかったんや
    その相手が弘世やなんて黙っててもよかった」

セーラ「優しいウソとかつけへん俺が悪いんや
    全部ありのまま話してしまう俺が悪い」

菫「……」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:20:15.11 ID:PvSgt7kuo
セーラ「俺ら3人がこんな風になるんは辛いけど、悲しいけど…
    でも、しょうがないやろ?そもそも、照が俺に言うたのが始まりやし…」

菫「…私はどうしたらいいんだよ、照にどんな顔して会えば…」

セーラ「距離置く…?いや、あいつから置いてくるか」

セーラ「俺とも、お前とも」

菫「…あぁもう頭が痛い」ハァ




セーラ「…今、こんなことを言うても意味ないかもしれんけど」

菫「…なんだよ」

セーラ「お前に好きな人がいるのは知ってるから玉砕覚悟やし
    脈ないのもわかってるけど…今じゃなくていいから、」

セーラ「いや、今は言うて欲しくないからまたいつか…返事聞かせてな」

菫「そ、そんなの…」

セーラ「あ、涙止まったか?赤くなるし、こすったらアカンで
    まだ授業も始まってへんねんから」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:21:31.63 ID:PvSgt7kuo
菫「優しくするなよ…」

セーラ「…弘世?」

菫「私に優しくするな!私は…私は…!!」

セーラ「ど、どうしたん?」

菫「なんでもない!」

セーラ「な、なんやねんもう…」



セーラ「(弘世は最後、なんか怒り出した…何か言いたげやったけど
     結局何も言うことなく、自分の教室へ向かった)」

セーラ「(照のことを傷つけたくなかったし、
     弘世のことも傷つけたくなかったのに)」

セーラ「(俺は結局どっちのことも傷つけてしまったんや)」

セーラ「(…弘世を好きになったから…好き、なんて思ったから…)」

セーラ「(でも、好きになることは悪いこととちゃうやんな?)」



セーラ「(…好きになったタイミングが、その相手が
     今のこの状況で最悪やっただけ…やんな?)」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:24:08.12 ID:PvSgt7kuo
とりあえずここまでです

過去ログ見たら一番新しいのは11月だった…
すいません、こんなに遅くなってしまいました

ここは落ちる心配もないしサクサク投稿できるので
少しずつゆっくり進めていきます

それでは
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 00:39:16.56 ID:XJXqkGNSo
乙!
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 01:32:28.32 ID:sxM5fad3o
ずっと待ってたよ
自分のペースで進めてくださいね
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 02:28:14.07 ID:7W/pzdVAO
乙!
自分がSSを書き始めるきっかけになったシリーズだから続きがきて嬉しく思う
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 07:18:35.92 ID:jjTPGZIoo
おつ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 17:57:48.31 ID:lZlTmWkVo
続編待ってたよ乙
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/31(日) 22:05:44.69 ID:zrRINP5xo
続編待ってたよー乙乙!
楽しみにしてます!
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:29:05.73 ID:N7qnA3eNo
同じ日、放課後、部室


淡「おっはよ〜あれ?」


ガラッ


セーラ「おう、淡、今日は遅刻なしかー。ってどした?」

淡「あれ?ね、照と菫は?」

セーラ「知らん」

淡「知らんって」

尭深「お休みですか?」

セーラ「いや、学校には来てるやろ。けど部室には来るつもりないんちゃう?」

淡「えぇ、なんで?引退しても毎日来るって言ってたのにー!」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:29:51.82 ID:N7qnA3eNo
ガラッ



誠子「おはようございまーすって、あれ、江口先輩だけですか」

セーラ「おー誠子やん!虎姫入りか〜おめでとう」

誠子「おかげさまで、やっと入れてもらえました」

誠子「あ、で、弘世先輩に用があったんですけど…まだ来られてないんですか?」

セーラ「まだみたいやけど、来るかどうかわからん」

淡「だから、セーラがわかんないっておかしいよー友達でしょー?」

セーラ「うっさいなぁ、淡は…じゃあ俺は帰るかな」

淡「あ、だ、だめだめ!せっかく来たんだから打とうよー」

セーラ「んまあ…ええよ」

淡「やったぁ♪準備するね〜!」ゴソゴソ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:30:32.98 ID:N7qnA3eNo
尭深「あの…何かあったんですか?」

セーラ「なんで?」

尭深「…なんだか、インハイが終わってから先輩方はどこかおかしいです」

セーラ「そんなわけないやん」

尭深「いえ、変です」

セーラ「変か…。俺は変わってないつもりやけど、そうはいかんか」

尭深「やっぱり何か?」

セーラ「…また今度な」

尭深「先輩、でも、」

淡「準備完了っ!」

セーラ「おーし、やるで〜。ほら、尭深も誠子も」

尭深「…はい」

誠子「江口先輩と打つの久しぶりだなぁ」

セーラ「容赦せんでー」

誠子「アハハ、頑張ります」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:31:08.35 ID:N7qnA3eNo
ガラッ


菫「すまない、遅くなった…江口だけか」

セーラ「まあな」

淡「ねぇ、照はー?」

セーラ「さあな」

淡「えぇ、菫は知らないの?」

菫「私は…知らない」

淡「ふうん、そっかぁ。どしたんだろー」

尭深「あの、先輩方」

菫「ん?」

セーラ「なんや?」

尭深「あの、こんなことは言いたくないんですけど…
   でも、えっと、私は一応部長になったので言います」

セーラ「ん、どーぞ」

菫「あ、あぁ」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:31:56.71 ID:N7qnA3eNo
尭深「何があったか知りませんけど、…そういうの、
   部活に持ち込むのは止めてもらえないですか?」

尭深「先輩方が練習に参加してくださるのは助かりますし、嬉しいです。
   だけど、なんていうか…こういうのってよくないって思います」

淡「え?え、なになに?」

誠子「尭深?」

セーラ「……」

菫「……」

尭深「生意気言ってすいません、だけど、」

菫「あぁ、渋谷は何も間違っていないよ。なぁ、江口」

セーラ「うん、せやなぁ。ごめん、尭深」

尭深「い、いえ…」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:32:30.82 ID:N7qnA3eNo
淡「えぇ、なに?なんのこと?ねぇ、セーラ」

セーラ「ごめん、じゃあやっぱり今日は帰る」

セーラ「(正直、ここで弘世と麻雀やる気にはならへんし…)」

淡「なんで?おかしいよセーラ、来たばっかりなのに!」

セーラ「ごめんなぁ、淡」

菫「帰るのか」

セーラ「あぁ」

菫「私のせいか」

セーラ「いや、…さぁな」

菫「…すまない、今朝は取り乱したよ」

セーラ「いや、ええんよ。俺が悪い…じゃあな」

淡「ちょ、セーラ!」タッタッタ
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:33:16.80 ID:N7qnA3eNo
バタバタッ


淡「待ってよ、セーラ」ハァハァ

セーラ「戻れ、淡」

淡「…なんで?」

セーラ「え?」

淡「どうして何も言ってくれないの?」

セーラ「どうしてって…」

淡「セーラ変だよ。こんなの私の知ってるセーラじゃない」

セーラ「…そう言われてもなぁ」

淡「どうしちゃったの?菫や照と何かあったの?」

セーラ「別に…何もないで」

淡「ウソだ」

セーラ「ウソちゃうって」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:34:04.74 ID:N7qnA3eNo
淡「…もういい!セーラのバカ!」

セーラ「怒らんといて、淡」

淡「……」

セーラ「ごめん、でも、今は言えへん…」ナデナデ

セーラ「淡はわかってくれるやろ?な?」ヨシヨシ

淡「…ほんっとずるい」

セーラ「え?」

淡「セーラっていっつもずるいよ、ひどい、グス」

セーラ「は?え?なんで泣くん!?」アワワ

淡「優しすぎる!バカ!」


タッタッタッ
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:34:38.15 ID:N7qnA3eNo
セーラ「はぁ…?あれなんやねん?」

セーラ「優しすぎる?誰が?」

セーラ「(俺が?優しすぎる?…どこがやねん)」

セーラ「(照のことも、弘世のことも傷つけてしまったっちゅうに)」

セーラ「(…優しくなんか、ないって、なぁ、淡)」



セーラ「…はぁ」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/01(月) 23:36:14.36 ID:N7qnA3eNo
本日ここまでです

続きを待っててくれた人が結構多くてびっくりした
ありがとう、頑張ります

それでは
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/02(火) 01:02:47.94 ID:SmFYldpBo
やっぱ面白い乙乙!
続き期待してますー!
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 00:37:23.37 ID:s7uTm4+Mo
あれ? もしかして淡って?
照→セーラ→菫→?
拗れてて当人達にゃ悪いが面白いな
続きも楽しみにしてます
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 23:29:07.31 ID:cyyMWOy2o
1週間後、放課後、虎姫部室


尭深「…ということでお願いします」

菫「あぁ、…わかった」

セーラ「うん、まあ、尭深には難しいよな」

尭深「はい…やはりこれはお二人からの方がいいと思うので…」

菫「だろうな、大丈夫だ」

セーラ「任せとけ、うん」

尭深「では、お願いします、ちょっと失礼します」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 23:29:44.42 ID:cyyMWOy2o
菫「…さて、どうしたものか」

セーラ「そやなぁ」

菫「後輩の頼み故に大丈夫と言ってしまったが…」

セーラ「あぁ…とりあえず、あいつのクラスでも行くか?」

菫「いや、きっともう帰ったよ。明日にしよう」

セーラ「わかった、じゃあ明日は授業終わったら照のクラスで」

菫「あぁ、了解だ…はぁ、気が重いな」

セーラ「だからお前は何も悪くないんやって」

菫「…いや、そんな風には思えない」

セーラ「悪いのは俺だけや」

菫「………だが、照はそうは思っていないだろ」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 23:30:13.01 ID:cyyMWOy2o
セーラ「それはそうかもしれへんけど、でも俺は、」

菫「照はあれから一度も練習に顔を出していないんだぞ」

セーラ「俺に会いたくないだけやろ、気まずいだけや」

菫「お前に会いたくないだけじゃない、私にだって会いたくないんだよ」

セーラ「…そら照がそう思うのは仕方ない、でも、
    お前にそんな風に思って欲しくないんやって」

菫「だからそれは何度言われても無理なんだよ」

セーラ「…まあ、ええわ。明日やな」

菫「あぁ、明日だ」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 23:31:27.42 ID:cyyMWOy2o
セーラ「(あれから一度も練習に来なくなった照)」

セーラ「(学校の中で見かけてもすぐにいなくなってしまう照)」

セーラ「(結局はいつも部室に来てしまう俺と弘世)」

セーラ「(こうして普通に話すことが出来る俺と弘世)」

セーラ「(…違いはなんやろ)」

セーラ「(振った側と振られた側?それだけ?いや、他に何か?
     そんな風に思えて仕方がない…勘違いかな)」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 23:31:56.07 ID:cyyMWOy2o
次の日、放課後、照のクラス前


照「…セーラ、菫」

セーラ「よっ」

菫「久しぶり、だな」

照「うん…そうだね。そろそろ来ると思った」

セーラ「え?なんで?」

菫「どうしてそう思った?」

照「あれの話、聞いたから」

セーラ「あれ?」

照「うん、…それより、話をするんなら場所変えようよ」

菫「どこがいい?」

照「どこでもいいよ、あ、セーラの部屋行ってみたいな」

セーラ「え?寮の?」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 23:32:33.41 ID:cyyMWOy2o
照「うん、そういえば行ったことないし」

菫「あぁ、確かにないな」

セーラ「や、止めといたほうがええんちゃうかなぁ」アセッ

照「なに?なにかまずいものでも置いてるの?」

セーラ「そ、そんなんちゃうし!」

菫「これは何かありそうだぞ、照」

照「だね、菫。決まり、行こう」

セーラ「え、ちょ、ほんまに来るん?」

照「行っちゃダメなら、私帰る」

菫「江口、観念しろ」

セーラ「…うぅ、わかった」

照「楽しみ」

セーラ「面白いもんなんかないって…」

セーラ「(くぅ、こんなことになるとは…でもまあ…
     照が普通に話してくれてよかった)」

セーラ「(弘世と普通に話して笑顔になってる…
     少し気持ちが軽くなるわ、…多分、弘世も、な?)」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 23:33:11.09 ID:cyyMWOy2o
通学路、3人


照「ね、菫はセーラの告白を聞いたの?」

菫「あ…まあな」

照「返事は?」

菫「してない、今はしなくていいって江口が」

照「どうして?セーラ」

セーラ「…まだその時じゃない気がして」

照「言っておいてその時じゃないなんて、変」

セーラ「かも、やけど」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 23:33:37.10 ID:cyyMWOy2o

照「いいなぁ、…菫が羨ましい」

セーラ「…(…ごめん、照)」

菫「…すまない」

照「ふふ、どうして菫が謝るの」

菫「だって…」

照「私が菫に怒ってると思うの?」

菫「いや、それは」

照「怒ってるか、怒ってないか、セーラはどっちだと思う?」

セーラ「…そんなんわからへん」

照「そっか、うん、まあいいけど」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/03(水) 23:35:58.52 ID:cyyMWOy2o
ここまでです

気持ちがノってくるとサクサク進むんですが
ノらないのと全然進まない…


>>42-43
感想どうもです
頑張ります


それでは
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/04(木) 00:39:25.11 ID:WtY/y4rCo
胸が痛くなるな…
それぞれが互いに大事に思いあっているだけになおさら
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/04(木) 03:01:44.19 ID:nYtgOOI6o
ままならんな
仕方ない
三人とも良い子達やな、ほんまに
続き期待してますー!
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 22:11:18.97 ID:F8j6HMFyo
寮、セーラの部屋


セーラ「まあ、そこら辺に座って」

照「セーラ、これは座る場所がないよ」クスクス

菫「想像通りの汚さだなぁ、江口」

セーラ「え、そこら辺に…あぁ、もうわかったわかった」


ガサガサゴソゴソ

ザザザザトントン


セーラ「はい、これで座れるやろ?」

照「フフ、まあ、なんとかね」クスッ

菫「ギリギリな」ハァ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 22:11:44.35 ID:F8j6HMFyo
照「寮の人に怒られないの?こんなに散らかして」

セーラ「いつも怒られてるでー」

菫「じゃあ片付けろ、バカ」

セーラ「めんどいねんもーん」

照「セーラらしい…全くもう」

菫「まあな、整理整頓されている方が不自然だ」

セーラ「なんやとこらー」

照「まあまあ、じゃれ合いはその辺にしといて…」

菫「え、あ…あぁ」

セーラ「うん…(じゃれ合いなぁ、照に言われるとなんかなぁ)」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 22:12:21.48 ID:F8j6HMFyo
照「で、セーラ…今日は何の話?」

セーラ「何の話ちゅうか…その、」

菫「照、練習には来ないのか」

照「…多分、行かない」

セーラ「照はコクマ(国民麻雀大会)の東京都代表に選ばれたんやで」

照「知ってる、監督に聞いた。セーラと淡もでしょ」

菫「知っていたのか」

照「うん、だから、練習に来いって話をしに来ると思った」

セーラ「そうか、それやったら話は早い。照、練習に来い」

菫「渋谷が監督に、『新部長として宮永を絶対に連れて来い』と、まあ、
  頼まれたらしくてな…先輩としては放っておけないんだ」

照「そう…そっか」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 22:13:03.91 ID:F8j6HMFyo
セーラ「それに4年に1度のあれも今年あるし…そこでも照は当然代表やろうし」

菫「コクマにも、その、4年に1度の世界ジュニアにも照は欠かせないんだよ。
  お前が私たちに言いたいことがあるのは分かってる」

照「……」

菫「でも、一度それを切り離して考えてはもらえないだろうか。
  勝手なお願いなのはわかっているつもりだが、」

菫「だが、照には代表として戦って欲しい。
  そのために、練習に出てきて欲しい。照、お願いだ」

セーラ「…俺らと会いたくないとかやったら時間変えたり部屋変えたりするし
    そやから、練習に出て、ちゃんと調整して、代表に…」

照「会いたくないなんて思ってない…そんなこと思うはずない」

セーラ「でもずっと避けてたやろ」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 22:13:34.86 ID:F8j6HMFyo
照「それは、気まずくて、だから…だけど、会いたくなかったわけじゃない」

菫「…だけど、お前は私のことを、」

照「そりゃ、いろいろ思うことはあるよ、振られて辛かったし悲しかった。
  菫のこともすぐには割り切れない…だから、」

照「会ってどういう顔をすればいいのか分からなくて…
  何を言えばいいのか分からなくて…それで、部室に行く気がしなくて」

セーラ「怒ってないん?」

照「…複雑だけど、でも怒ってないよ、だって、だってさ、私たち…親友でしょ?」

セーラ「…ああ、そやな」

照「私不器用だから、…ごめんね」

セーラ「ありがとう、照」

照「ううん、少し、気が楽になったかな」

菫「照っ…グス」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 22:14:13.79 ID:F8j6HMFyo
照「正直、菫を責める気持ちがないわけじゃない、
  でも、菫が悪いわけじゃないから。誰も悪くなんてないよね」

照「ちゃんとわかってる…大丈夫だよ、菫、ごめんね」

菫「わ、私は、グス、だって、お前がっ」

セーラ「この、泣き虫」

菫「うるさい…」

照「だけど、1つ」

セーラ「ん?」

照「私、コクマも世界ジュニアも辞退するつもり。プロにも行かない」

セーラ「は?」

菫「は?」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 22:14:51.94 ID:F8j6HMFyo
セーラ「いやいやいや!おかしいおかしい」

照「きっともっとふさわしい人がいると思うんだ」

セーラ「お前以上にふさわしい人なんかおらへんやん」

照「そういうことじゃなくて、気持ちの問題で」

菫「グズ、それ、どういう意味なんだ?」

照「私にとっての麻雀はもう終わったんだよ、インターハイがゴールだった」

セーラ「もうちょっとわかりやすいように言うてくれ」

菫「終わってなんかない、むしろこれからだろ?」

照「ううん、終わった。この先はもうないんだ、そう思う」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 22:15:41.45 ID:F8j6HMFyo
セーラ「なんでそう思う?」

照「あ、私が監督にスカウトされた時の話ってしたことあったっけ?」

セーラ「いや、ないな…って急にどしたん?」

菫「あぁ、私も知らない」

照「じゃあその話をするね、あ、大丈夫だよ。
  私が辞退したい理由にちゃんと繋がるから」

セーラ「…よし、聞くわ」

菫「あぁ、話してくれ」

照「うん、…私は」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 22:17:26.23 ID:F8j6HMFyo
終わりが見えない…


>>53-54
感想ありがとうです
まあ、正直セーラに照を振らせるのは辛かったです



それでは
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 23:04:06.80 ID:hrdD5mpao
なんと辞めてしまうのかテルー
めっちゃ面白いから続き期待してますー
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/05(金) 23:13:12.45 ID:U7XABB7No
この引きは続きが気になって仕方がないw
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 01:46:13.25 ID:7FMP1rQ+o
続き期待だし!
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 02:07:57.83 ID:QGwdpJbko
自分の気持ちを表に出すことができない立場になってしまった分
菫が内心一番キツそうだ…
というか気持ちを押し殺して照を応援した時からずっと辛いよね…
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:41:25.23 ID:VkQs3MKLo
照「私ね、前も言ったけど高校に入るまで公式戦には
  出たことがなかったんだよね、家族麻雀しかしたことなくて」

照「しかも中学の途中にこっちへ転校してきてからは牌には一度も
  触っていなかったの。こっちではお母さんと私の二人暮らしだったから」

セーラ「(確か両親が別居やったっけ…)」

照「それでね、中学3年の夏休みだったかな、地域で小さな麻雀大会があったの。
  偶然通りかかったらやってて、麻雀が懐かしくなって会場に入ったんだ」

照「団体戦をやってたみたいなんだけど牌の音が心地よくて、しばらく見てた。
  そしたら、クラスメイトが出場してたことに気付いてさ、向こうも気付いて、」

照「手を振ったら深刻そうな顔で寄って来て『宮永さん、麻雀できる?』って聞かれた。
  よく聞けばメンバーの一人が体調不良で出られなくなったって」

照「もうすぐ決勝が始まるって。棄権したくないから代打で出てくれって頼まれて
  渋々『いいよ』って言っちゃったんだ。でも、本当は怖かったよ」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:42:07.91 ID:VkQs3MKLo
菫「怖い?お前が?」

照「麻雀って家族以外と打ったことがなかったし牌にもずっと触ってなかったし
  だいたい自分の力量もよくわかっていなかったから、怖かった」

菫「あぁ、そうだったな」

照「でもさ、いざ打ったら…」

セーラ「まさかとは思うけど、トバしたか」

照「先鋒って言葉もよくわからなかったけど、
  とりあえず早く終わる1番最初にしてくれて頼み込んでさ。
  それで、ラス親で連荘して、気付いたら終わってた」

菫「…やはりそうか」

照「だけど、相手がどれくらい強いのかも知らないし、
  自分よりずっと初心者の大会だったのかもと思うと
  私が全然空気読めてない感じだし、勝った時は複雑だったよ」

照「でもクラスメイトは喜んでくれたし商品のお菓子くれたし
  まあいいかって思ってたら、ここの監督に声をかけられたんだ」

セーラ「このお菓子好きがー」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:42:55.84 ID:VkQs3MKLo
照「美味しかったなぁ、あ、でね、
 『白糸台の監督をやっているんだけど、一度練習を見に来ませんか』って。
  最初はなんの冗談かと思った」

菫「それで、その大会のレベルはどうだったんだ?」

照「地域の中学がインターミドルで好成績だったらしくて、
  その祝勝会を兼ねた地域住民との交流大会だったみたい」

セーラ「そら声もかかるわな」

照「まあそれを知ったのはもっとあとなんだけど…」

菫「なるほどな、お前らしい」

照「え、それどういう意味…それで、お母さんに話したら
  まあ一度くらい行けば?って言うし、練習を見に来たんだ、それが最初」

照「…その日から、私は一度も負けてない」

セーラ「この、天才め」

照「天才って…違うよって言っても嫌味になるんだっけ」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:43:28.00 ID:VkQs3MKLo
セーラ「あぁ、そやな。ま、肯定されても嫌味やけど」クスクス

照「もう…」

菫「まあ、そういうところが照らしさだな」

セーラ「うん、せやせや」

照「あ、それでね、麻雀部で打つようになって私って強かったんだ
  って気付いたの。しかも、すごく強いのかもしれないって」

照「だけど当時は違和感あったよ、私が強いなんてさ。
  だって私は咲に、妹にまともに勝った事なんてなかったんだから」

セーラ「恐ろしい姉妹やで」

菫「全くだ」

照「だから、変な感じだった。でも、勝てば勝つほど自信がついたよ。
  目の前から去っていく人も多かったけど、だけど、」

照「1年のときの部長とか、監督はいつも褒めてくれたし
  それは素直に嬉しかったかな。必要とされてるって感じられた」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:44:10.70 ID:VkQs3MKLo
照「だけどね、麻雀で高校に進学して麻雀漬けの生活になることに対して
  『ほんとにそれでいいのか』って思いも少なからずあったよ」

照「可愛い制服の学校とか、進学率のいい学校とか、
  学食が充実してる学校とか、候補はたくさんあったから、だから」

照「麻雀に高校生活を捧げることは本当に私が望むことなのかな、って
  ずっと悩んでた。でも、気付いた時には後に引けなくなってて」

照「監督に言われるままに練習に参加して、
  『うちに来てくれるだろ』って言われてハイって言っちゃってたよ」

照「言ってから後悔したけど、もう遅かった。でも、しばらくしたら菫が来て
  同い年で強くて、最初はいろいろあったけど仲良くなって、」

照「あぁ、まあ、これも悪くないかな…って思ってた。
  それで、春にはセーラに出会えて、麻雀がすごく楽しくなった」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:44:45.09 ID:VkQs3MKLo
セーラ「楽しい?」

照「うん、それまでの私はどこか惰性的だったけどセーラのおかげで
  学校生活は一気に楽しくなったよ。セーラと菫がいなかったら私は
  ここまで強くなれなかったろうし、楽しめなかったと思う」

照「思い返せば私は昔から特別に麻雀が好きだったわけじゃないんだ。
  家族で打っていたときも、菫やセーラに出会う前も、
  やろうと言われるから、誘われるから打ってただけなの」

照「だけど、高校のこの2年半で麻雀をとても好きになった。
  受動的に打ってたときとは違う、自分からやりたいって
  そう思って麻雀を打ってきたよ。この2年半はずっとそうだった」

照「だから、漠然とこの先もずっと麻雀を続けていくと思ってた。
  卒業したらプロになってタイトルを獲ってみたい、なんて
  密かにそんなことすら考えたりしてさ…」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:45:11.92 ID:VkQs3MKLo
セーラ「照ならそれもできるやろ、それくらい、お前は実力がある」

菫「そうだ、きっとすぐにトッププロの仲間入りだ」

照「それも楽しそうだね。みんな別々のチームに入って、
  いつかはタイトルを賭けて同じ卓について…それもいいね」

セーラ「俺はちょっと時間かかるかなぁ、タイトル戦」

菫「私も時間がかかりそうだ。でも、いつかそうなったらいいな」

照「…いいよね、でも、でもね、私はさっきも言ったけど
  プロには行かない。大学へ行って就職でもするよ」

セーラ「…はあ、なんでそんなこと言うんや」

照「漠然と、プロに行くんだって私の目標はそこだって思い込んでた。
  でも、それはきっと思い込んでただけなんだって、
  セーラに振られてから、そのことに気付いたんだ」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:46:04.52 ID:VkQs3MKLo
セーラ「……え?」

照「あ、違うの、別に振られたことがどうとかじゃなくて…
  一人になってゆっくり考える時間が多かったから、
  自分を見つめ直す?的な?…それで、気付いたんだよ」

照「私が麻雀を好きだと思ったのは楽しいと思ったのは
  セーラや菫、先輩達や後輩達のおかげなんだよ」

菫「お前それ、…やっぱり麻雀そのものが好きなわけじゃない
  ってそう言いたいのか」

セーラ「え!?やっぱそういうこと?」

照「…まあ、うん、そんなところ」

セーラ「みんなと打つことが楽しいんであって
    麻雀自体をこれからも続けたいわけじゃないって…?」

照「そう、だから、白糸台じゃない代表には興味が持てないんだ。
  私は白糸台の麻雀部が好き、だから白糸台としての戦った
  あのインターハイが私にとってゴールなの」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:47:12.14 ID:VkQs3MKLo
照「去年も一昨年もコクマには出たけど
  いつも言い表せない違和感があった。それがよくわからなかった」

照「でもその正体はこれなんだよ、麻雀がしたいわけじゃないんだ、私は。
  私にとっての麻雀はここに、白糸台にしかないんだ」

照「白糸台でいられない、何かを代表して戦わなきゃいないような麻雀は
  私にとっては麻雀じゃない、だから、もうしない。もう打たない」

照「コクマにも世界ジュニアにも出ない。プロにもならない。
  ……卒業したら、麻雀はもう辞める。私が打つ意味はもうない」

照「麻雀をしない人生も生きてみたいんだ、好きな本を読んだり
  一日をダラダラと過ごしたり、なにか目標や夢を見つけたり、」

照「今まで麻雀が覆い隠してて見えなかったことやできなかったことを
  してみたいんだ。これって、いけないことかな?」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:47:58.52 ID:VkQs3MKLo
菫「いけないっていうか…」

照「麻雀をしなくなったらきっといろんなこと言われるだろうけど
  でもきっと、白糸台を背負わなくなった私なんて、弱いよ」

照「だからさっき言ったみたいに、もっとふさわしい人が代表になるべきなんだよ。
  どうしても代表でやりたい、もっと上に行きたいって思う人なんかがね」 

セーラ「(照はこれまでの溜め込んだ気持ちを一気に吐き出した)」

セーラ「(言い終えてからの清々しそうな顔を見ていたら、
     もう何も言えなくなった)」

セーラ「(だから、こんなことを言ってしまった)」

セーラ「照、それもお前の人生やんな」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:50:33.06 ID:VkQs3MKLo
ちょこちょこ誤字脱字すんません脳内変換お願いします

>>64-68
感想ありがとうございまっす
着地点が見えないですが頑張ります


それでは
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 22:51:17.52 ID:VkQs3MKLo
おっと、
安価までミスっとる
>>64-67です、すんません

ではでは
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 23:01:55.81 ID:7FMP1rQ+o
勿体無いと思ってしまうなー
でも本人がそう思うならそうなんだろうし
続き楽しみにしてますー!
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/07(日) 23:19:01.12 ID:L45UVttUo
なんか悲しいな
誰もが羨む才能は本人には本当の価値あるものではなく
自分が欲しいと思ったものは手が届かなかったなんて
せめてこれからは自分のしたいことを見つけて欲しいな
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:29:52.87 ID:A2A8pFGAo
セーラ「照、それもお前の人生やんな」

菫「おい江口!」

セーラ「だって、こんなこと言われて、続けろって言えるか?」

菫「私は言える、照の気持ちも言いたいことも分かるが
  だからって辞めるなんて…そんなことは許さないぞ」

照「…ごめんね、菫」

菫「謝られたって仕方がないだろ」

照「…セーラはわかってくれたんだよね」

セーラ「わかったちゅうか、何を言うても無駄な気がするし」

照「もう決めたことだからね。監督が尭深になんとかしろって言ったのは
  私が『辞める』って言ったからだと思う」

照「尭深にも、悪いことしちゃったなぁ」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:31:00.34 ID:A2A8pFGAo
菫「お前は何も分かってないな、照」

照「それはどういう意味?」

菫「お前の好きな、白糸台の麻雀は白糸台を卒業したらなくなるのか?」

照「え?」

菫「白糸台の代表じゃなきゃ、白糸台の麻雀は出来ないのか?
  それは違うと思う、私はな」

照「…どういう意味なの?」

菫「お前の中にある麻雀というものが、白糸台あっての麻雀なんだって
  そう言いたいのはよくわかったよ、でもな、」

菫「白糸台を代表していなければその、照にとっての『麻雀』は出来ないのか?
  去年や一昨年のコクマ、お前は違和感があったって言うけど」

菫「それはお前がその『麻雀』じゃないことに固執しすぎてただけなんじゃないか?
  白糸台の代表じゃなくたって、お前の好きな『麻雀』はなくなったりしない」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:31:35.02 ID:A2A8pFGAo
セーラ「…なるほどな」

セーラ「(沸々と湧き上がってくる。このままでいいのか、いや、よくない)」

セーラ「(それも照の人生、でも、でも、やっぱり…
     俺は、麻雀をやめて欲しくはない…なんて、な)」

照「わからないよ、菫。何が言いたいの」

菫「だから、その、卒業したって、都の代表でだって、国の代表でだって
  お前が白糸台の麻雀を好きと言うならそれを打てばいいだろ」

菫「背負うものが変わるだけでお前の好きな麻雀はなくなるのか?
  いつでも、どんなときでもお前は白糸台麻雀部の宮永照じゃないか」

菫「何故分けようとするんだよ。いつでも一人のお前でいいじゃないか。
  下手に気負うな、自然体で、いつもどおりでいいんだよ」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:32:15.86 ID:A2A8pFGAo
菫「むしろよく考えてくれ、照」

照「なにを?」

菫「2年半一緒に積み上げてきたものが、白糸台じゃないからとか
  卒業したら終わるとかそんなことで否定されてしまうのは悲しいじゃないか」

菫「少なくとも私は、2年半で培ってきた数多くのことを
  この先も生かしていきたいと思っている」

菫「白糸台がベースになっているのはお前も私と一緒なんだよ
  ただ、その捉え方が違うだけなんだ。わかってくれ、照」

照「…はぁ」

セーラ「…弘世の言うこと、俺わかる」

照「どうして?」

セーラ「去年も一昨年もコクマの時の照っていつもと違った。
    こう、それこそ気負って空回りしてたんちゃう?」

セーラ「それでも負けへんのがすごいとこやけど」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:33:08.61 ID:A2A8pFGAo
照「…いつもと違う、何が違うんだ、何でこんなに不安なんだろう
  って思いながら打ってたよ」

セーラ「不安になることないんや。お前はいつでもお前らしくやればいい。
     プロになることが全てじゃないのは理解できるし、」

セーラ「他のこともやってみたいとか、違う人生もあるって
     照がそう思うのも今の話を聞いててよくわかったで。でも、」

セーラ「白糸台じゃない麻雀は好きじゃないってのは考え直せ。
     照が麻雀そのものが好きだったわけじゃないなんて、俺は思いたくない」

セーラ「それはお前がそう思ってしまってるだけやって思いたい。
     照と過ごした2年半を考えてみても、」

セーラ「お前が麻雀のことを好きじゃなかったなんて、そんなん思えへん」

照「…そうかなぁ」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:33:44.16 ID:A2A8pFGAo
セーラ「そうや。この際、コクマとか世界ジュニアに出ろとは言わん」

菫「江口、それは、」

セーラ「でも、白糸台じゃない麻雀なんていうツマラン括りを捨てろ」

セーラ「お前が好きな、白糸台の麻雀部の麻雀を
    いつでもどこでもやればいいだけなんや、弘世、そうやろ?」

菫「まあ、そんなところだな」

照「……」

セーラ「要はお前の気の持ちようやで、照。
    あと、お前がそれだけ白糸台を好きでいてくれることが俺は嬉しい」

セーラ「俺も白糸台の麻雀部のことが大好きやし、
    ここで楽しかったことも辛かったことも全部糧にして、」

セーラ「俺にしかできない麻雀をしたいって思ってるで。
    だから、照もそう思ってくれたら嬉しい、かも」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:34:20.15 ID:A2A8pFGAo
照「…ずるいなあ、セーラ」

セーラ「え?」

照「はぁ、…二人ともどうしてそういうこと言うかな」

照「私が麻雀をやめるのがそんなにいけないこと?」

セーラ「いや、そうは思わへん。だって結局お前の人生や。
    でも、お前が言った理由で辞めるっていうのは納得でけん」

照「さっきはそれでいい、それも私の人生だって言ってくれたじゃん」

セーラ「ん、そう思ったのも事実やけど、でも、弘世の話を聞いてたら
    やっぱ、納得できひんって思えてきて」

照「そう、そうか…」

菫「…まあ、そういう理由でやめると言われると、私や江口は悲しいんだよ」

セーラ「照はこの2年半が全てやったって思うかもしれへんけど
    そう思うなら、思うからこそ、これからの麻雀人生の」

セーラ「基礎にして欲しいって思うで、この2年半をな」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:34:55.30 ID:A2A8pFGAo
菫「まあ、それでもどうしてもやりたくないと言うなら止めないよ」

照「……そこまで言われて、じゃあやっぱり
  麻雀を辞めるって言えると思うの?」

セーラ「さあな〜」

菫「それはお前がよく考えればいいことだ、というか私たちも
  その、好き勝手言ってすまなかった」

菫「引き止めたいあまりにおかしなことを言ってしまったかもしれない」

セーラ「ん…俺もすまんかった」

照「…もう、謝られても困るじゃんか」ハァ

菫「フフ、確かに」

照「もう…二人ともさ、ほんと、バカみたいに優しいよね」

セーラ「そうか?ただ俺は…寂しいっていうか悲しいっていうか…」

照「ごめん、でも、辞めたいって思ったのも事実だから。
  白糸台でなくなるのなら、麻雀なんてもういいって思ったのは」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:35:45.99 ID:A2A8pFGAo
菫「白糸台でなくなるからこそ、白糸台の麻雀をするんだよ。
  自分のルーツは、自分の基礎はそこにあるんだと証明する為にな」

照「…そういうことは2人に言われなきゃ考えもしなかったよ」

菫「なら、まあそんなことも頭に入れつつ、
  これから自分がどうして行きたいかを考えて欲しい」

セーラ「コクマも世界ジュニアもすぐに結論出さんでええから。
    そんな直近のことよりも、将来を考えてや?」

照「ありがとう菫、セーラ。大好きだよ」

セーラ「なっ//恥ずかしいこと言うなー」

菫「お、お前なぁ//」

照「もう、照れちゃって…可愛いなぁ2人とも」

セーラ「あ、アホ!」

セーラ「(…アホ…アホか…照のアホ)」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:36:11.29 ID:A2A8pFGAo
菫「ま、まあ…そ、そういうことだから…」

照「わかったよ、ちゃんと考える。2人に話してよかった」

セーラ「…親友、やし?」

照「…うん、そう…だね」

菫「私も、その、お前とちゃんと話せてよかったよ」

照「あぁ…うん」

セーラ「……なんか、その、すまん」

照「プッ」

セーラ「な、なんで笑うねん」

照「もう、謝ることないじゃんか。言ったでしょ?
  誰も悪くなんてない。ちゃんとわかってる、大丈夫だよ」

セーラ「…ん」

菫「あぁ…そうだな」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:37:33.12 ID:A2A8pFGAo
照「だからさ、セーラは早く菫に返事を聞かなきゃ」

セーラ「えっ、いや、それは」

照「怖いの?」

セーラ「…まあ」

照「だってさ、菫」

菫「……どう返事すればいいんだよ」

照「菫がセーラの気持ちを受け入れるかどうか、でしょ」

セーラ「て、照!もうええから、その、今はええねん」

照「…そう?まあ、いいけど」

菫「私は…今は言わない」

照「じゃあいつか、私にも聞かせてね」

菫「いつか、な」

セーラ「…いつかな?」

菫「私に聞くな、お前が考えろ」

セーラ「そ、そやけど…うぅ」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:38:05.88 ID:A2A8pFGAo
照「私の告白を断ったときの凛々しいセーラはどこ行ったの?」

セーラ「…あれは、勢いとかあって…」

菫「なぁ、江口」

セーラ「え、な、なに!?」

菫「帰るよ、そろそろ」

セーラ「あ、え、お、おぉ」

照「動揺しすぎだよー」クスクス

セーラ「じゃ、じゃあ気をつけてな」

菫「あぁ、邪魔したな」

セーラ「いや、ええよ」

照「セーラ、今日はありがとう」

セーラ「ゆっくり考えろ。練習に出るんはそれからでええし」

照「うん、そうするね。じゃあ、また明日」

セーラ「またな」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:38:42.02 ID:A2A8pFGAo
セーラ「(弘世と照を見送って部屋に戻り、ため息をついた)」

セーラ「(まさか照が麻雀をやめたいなんて考えてたとはな…
     全くの予想外っていうか拍子抜けというか…)」

セーラ「(でも、3人でまた話ができるようになってよかった
     …これで弘世の気持ちも軽くなるやろうし、本当によかった)」

セーラ「(やけど、でも、弘世の答えはまだ聞きたくない…
     弘世には好きな人がいてきっと振られてしまうって分かってるのに、)」

セーラ「(でもその答えを聞くのが怖い、怯えてる。
     望みを繋ぎ止めたいなんていう自分勝手な考えで、先延ばしや)」

セーラ「(照の結論と、俺の決心はどっちが先になるんかなぁ…)」

セーラ「はぁ…ってため息ばっかやなぁ、最近」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:40:57.70 ID:dm4ZBXTwo
三人とも応援したくなるな
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:41:32.58 ID:A2A8pFGAo
ここまでです


>>80-81
感想ありがとうです
まあ、あんまり重たい話にするのもあれなので…


今日ぼんやりと着地点を考えてたらくっそ長くなりそうでしたww


それでは
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 22:49:11.31 ID:dm4ZBXTwo
長編になればなるほど嬉しいよ読者は
面白いし続き期待してます
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/09(火) 22:29:14.99 ID:3NCevWwbo
約1ヵ月半後、大阪、国民麻雀大会、高校生の部会場


セーラ「きーたーでー!おーおーさーかー!」

菫「うるさい、黙れ」

照「テンション高いね、セーラ」

淡「セーラー!おおさか!おおさか!」

セーラ「おう!大阪やで淡!」

菫「…いや、聞けよ」

照「まあ、仕方ないね」

菫「頭が痛い…」

智葉「さっさと静かにさせろ」

菫「…おい、いい加減にしろよ、お前ら」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/09(火) 22:29:44.23 ID:3NCevWwbo
淡「えーっていうか菫は何しに来たの?代表じゃないでしょ?」

菫「私は補欠だって言ってるだろ、この!」グリグリ

淡「い、痛い!暴力はんたーい!セーラ助けてー!」キャッキャ

智葉「おいお前、騒ぐな」ドン!

淡「…は、はい」シュン

セーラ「ふはは!さっすが辻垣内組」

智葉「あぁ?」

セーラ「すまんすまん、帰郷にテンション上がってもーた」

智葉「お前は大阪代表で出ろ、ぺちゃくちゃうるさいんだよ」

セーラ「えー!俺東京都内在住やしー」

智葉「じゃあ出て行け」

セーラ「え、ひどっ!辻垣内さんひどっ!」

智葉「……」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/09(火) 22:30:21.16 ID:3NCevWwbo
セーラ「ちょぉ無視せんといてー!なぁ、辻垣内さーん!」

智葉「ちったぁ静かにしろ!」

セーラ「おーこわっ!なぁ、淡怖いなぁ」

淡「怖い!怖い!」キャッキャ

智葉「……もう帰りたい」ボソッ
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/09(火) 22:30:47.87 ID:3NCevWwbo
照「菫、ここは辻垣内さんに任せよ…」

菫「それが懸命だな…今回は補欠だし、静かにいさせてくれ…
  って待った!多治比どこいったー!!?」

照「…ご苦労様だね、菫」

菫「探してくるか…照は絶対ここから動くなよ」

照「むっ、わかってるよー」

菫「なぜこうも問題児だらけなのか…」

照「だから菫が補欠なんだね、保護者的な」

菫「…褒め…てはいないな、お前」

照「さぁ?」

菫「行ってくる…」

照「頑張って〜」ヒラヒラ
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/09(火) 22:31:28.82 ID:3NCevWwbo
組み合わせ抽選会


セーラ「さて、頼むでキャプテーン!」

照「はいはい」

菫「照がキャプテンというのも面白いものだ」

智葉「確かに」

淡「まったくもって!」

真佑子「が、頑張ってください」

淡「声が小さーい!」

真佑子「ひぃっ!」

セーラ「こら淡!ビビらせてどーすんねん!味方やで!」

淡「ごめんねぇ」

真佑子「い、いえ…」

セーラ「ま、気にせんと楽しもな」

真佑子「はい、頑張ります…」

照「じゃあ、行ってきます」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/09(火) 22:33:04.39 ID:3NCevWwbo
アナ『続いて東京都、代表は宮永照』

ワーワー
キャーキャー

セーラ「おぉ、さすがの注目度」

菫「チャンピオンだからな、あいつは」

セーラ「…ま、そやな」


アナ『第一シードの東京都、入るブロックはこちらっ!』
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/09(火) 22:35:23.42 ID:3NCevWwbo
とりあえずさわりだけ


>>97
ありがとうございます
そうですか、ならだらだら書いていきますね


それでは
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/09(火) 22:52:23.37 ID:LKO/CCzTo
ええなー
面白い
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/10(水) 02:35:27.84 ID:oW+62snzo
ガイトさんキタワァ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:30:26.48 ID:KITRcSR2o
抽選終了後、ロビー


智葉「私たち東京は二回戦からだが、ここが厄介そうだ」

菫「岩手か、次鋒以外は宮守女子だな」

照「咲がすごく強かったって言ってたよ」

セーラ「岩手岩手…あぁ、あのノッポとチビがおるとこやな」

淡「のっぽ?」

セーラ「めっちゃでっかいとか末原さんが言うてた」

淡「へー!!って末原さんって誰だっけ?」

セーラ「姫松の大将の、ほら、あの!ってお前対局してるやん!」

淡「あー!!」

智葉「こら話をそらすな、大阪人」

セーラ「はーい、すんません」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:31:01.88 ID:KITRcSR2o
洋榎「おいそこの男みたいなやつ!」

セーラ「あぁ?なんやねん、タレ目」

怜「セーラっ!」

セーラ「と、怜ぃぃぃ!!」ギュウ

怜「あ、ちょ、も、は、恥ずかしいやろ//」

竜華「こらセーラ、怜になにしてんの!」

セーラ「あぁ、すまん!竜華ぁぁぁぁ!」ギュウ

竜華「は、も、やめてーや!//」

セーラ「夏休み以来やなぁ、元気やった?」ナデナデ

怜「幸い病気もなく頑張ってんで」ニコニコ

竜華「うんうん、そやし大阪代表になったんやで」

セーラ「大阪はタレ目と怜と竜華と…」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:31:28.07 ID:KITRcSR2o
恭子「どーも、江口さん」

セーラ「おぉ!末原さんや!今日はスパッツはいてへんの!?」

恭子「え?久しぶりに会ってそこに突っ込みいれます?」

憩「あははーうちもいますぅー」

セーラ「おぉそらいるわな、大阪最強」

憩「ふふ〜ん♪」

洋榎「あ、あかん、恭子うちは悔しい…!」

恭子「主将、いや、洋榎、今回荒川憩は味方なんで!」

憩「仲良くしてくださいねーキャプテンさん」

洋榎「ま、まあ、今回だけやで!」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:32:21.08 ID:KITRcSR2o
セーラ「今回は東京代表として大阪なんか捻ったるし覚悟しとけや!」

洋榎「は?捻られるんは東京モンやろ!優勝は大阪で間違いなしや!」

怜「せやで〜ここはうちらのホームやしなぁ」

セーラ「そっち、二回戦からやんな、確か、」

竜華「こっちのブロックは鹿児島がおるで、神代さん怖いわぁ」

恭子「姫松はインハイで当たってるんで対策しやすいと思いますよ」

セーラ「ま、頑張ってな。インハイと一緒で決勝まで戦えへんし」

怜「当たり前や、セーラもな」

セーラ「おう、じゃあな」



智葉「……弘世、あいつを外してお前がメンバーに入れ」

菫「そうしたい気持ちは十分伝わっているが…さすがにそれは」

照「セーラは自由だなぁ、もう」クスクス

淡「……いいなぁ、楽しそう」ジー

真佑子「あの、ミーティングは…そ、その、いえ、なんでも…」ハァ
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:33:28.25 ID:KITRcSR2o
穏乃「あ、大星さんだ!」

淡「あー!穏乃ー!」

憧「もう、はしゃがないの」

淡「えへへ、久しぶりだねー」

穏乃「うん、今度は絶対負けないよ!」

淡「あ、穏乃って大将なの?」

穏乃「そうだけど…え、大星さん大将じゃないの?」

憧「あんたはなんで各県のオーダーを確認しないかなぁ」アキレ

穏乃「だってめんどくさいし…」

淡「残念でしたー。私は先鋒でーす!エースだよ!」ドヤァ

穏乃「え、先鋒なの!?ほんと!?」

憧「そうよ、今大会の東京の大将はチャンピオン」

穏乃「えぇぇ!?」アセッ
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:33:55.53 ID:KITRcSR2o
淡「ま、頑張ってねぇ〜穏乃〜」

穏乃「ちゃ、チャンピオン…うぅ、憧どうしよう!?」

憧「これから対策考えんのよ」

淡「それってー、一回戦を勝ってからでいいんじゃない?」フフーン

憧「一回戦を勝てば、東京と当たるわよ、シズ」

穏乃「うおぉ!じゃあ是が非でも一回戦は勝たなきゃ!」

淡「ま、頑張ってね〜♪」

穏乃「うん、大星さんもね!」

淡「頑張っちゃうよ〜♪」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:34:43.88 ID:KITRcSR2o
咲「あ、お姉ちゃん!」

和「どうも、お姉さん」

照「咲!久しぶりだね…と、原村さんも」

咲「大会に出てきてくれて嬉しい、だって、あのときは麻雀辞めるって…」

和「そうですよ、もう。咲さんすごく動揺して…」

照「まあ、いろいろ考えた結果だから。心配かけてごめん」

咲「逆ブロックだから決勝まで戦えないけど、でも、…絶対勝つから」

照「うん、今回私は大将だから…楽しみだよ咲」

咲「負けないでね、お姉ちゃん」

照「当然、負けない」キリッ

咲「じゃあ、決勝戦で」

和「決勝でお会いしましょう、お姉さん」

照「うん、じゃあね」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:35:29.62 ID:KITRcSR2o
智葉「…白糸台は一体どうなっている」

菫「面目ない」

淡「私はマジメだよね〜♪」ヒョッコリ

智葉「黙れ、この、1年坊」グニグニ

淡「い、痛いよぉ、私は実力から言えば高校100年生だよ!」

智葉「この、まだ言うか」グリグリ

淡「うぅ、菫ぇ〜」

菫「当然の報いだな、淡」

淡「えぇ〜」

真佑子「…もういいや」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:40:13.11 ID:KITRcSR2o
ここまでです

>>105
おおきにー
>>106
まあ、当然代表入りしてきますよね、ガイトさん


お気づきかとは思いますが闘牌は書けないので
試合になったらサクサク進みます


それでは
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/12(金) 02:06:23.46 ID:vF4RmTC+o
おもしろい〜乙
エイちゃん帰国してしまったんか…
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/12(金) 05:23:02.56 ID:c70G+4u8o
すばらっ!
良い雰囲気やわ〜乙ー!
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:16:15.03 ID:7P2bqiKGo
その日の夜、ホテル、セーラ淡の部屋


菫「おい誰だ!この部屋に集まろうと言ったのは!」

照「セーラだっけ」

セーラ「え?何か問題あった?」

智葉「…昼にここに着いてまだ数時間だと言うのに…」

照「セーラ、さすがに散らかしすぎ」

セーラ「え?普通やんな?な?淡?」

淡「うん、そだよ。え、なんで?」

真佑子「さすがにもう少し片付けた方が…」

セーラ「あぁー!そういえばインハイのときは
    照がせっせと片付けてくれてた気がするで!」

照「そうだよ、もう」

菫「よし、私と照の部屋にしよう、移動だ移動」

セーラ・淡「えぇ〜」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:17:07.82 ID:7P2bqiKGo
移動後、照と菫の部屋


淡「おー、部屋に物が落ちてない!」

照「…当たり前だと思うけど」

智葉「さて、簡単に岩手対策だ」パンッ!

セーラ「けどそこ、ほんまに上がってくるんか?強いのはわかるけど」

菫「可能性の話ならば、ほぼ100%上がってくる。
  岩手と当たるのはいずれもそんなに強くないからな」

淡「他は強くないって言っていいの〜?」

菫「まあ、可能性の話だ。可能性」

照「岩手の宮守女子は清澄や姫松ともほぼ互角だったよ」

真佑子「そうでしたね、全体的に穴のないオーダーです」

セーラ「ふーむ」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:17:33.66 ID:7P2bqiKGo
淡「へー!全然知らなかった!」

智葉「高校100年生なんだったらもっと勉強しろ」

淡「うぅ」シュン

菫「しかしまあ、岩手のウィークポイントは次鋒だろうな」

淡「え、なんで?」

照「岩手、宮守女子の次鋒は留学生。留学生は、この大会に出られない」

淡「なるほどなるほど!」

菫「次鋒には別の高校の選手がエントリーされているが、
  おそらくあの留学生ほどではないだろう」

セーラ「あ、そうか。留学生は出られへんのか」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:18:31.33 ID:7P2bqiKGo
智葉「留学生がOKならお前は東京代表には選ばれてない」

セーラ「なんやとこら!さすがに補欠にくらい入るわ!」

照「セーラ、それは言い返せてることになるの?」クスクス

菫「どうだか」クスクス

セーラ「あ、あれ?」

真佑子「私が真っ先に外れるんじゃないかと」ボソッ
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:19:14.88 ID:7P2bqiKGo
セーラ「(ふざけ合いながらも、少しずつ、少しずつ…)」

セーラ「(どこか浮ついていた空気が引き締まっていくのを感じる)」

セーラ「(そう、ここへは遊びに来たわけじゃない。里帰りでもない。)」

セーラ「(目標はあくまで優勝や。わかってはいたけど
     でもどうしようもなく興奮してしまってた。うん、反省や)」

セーラ「(ほんで、…気を入れなおして、…やってるでー!!)」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:19:46.63 ID:7P2bqiKGo
その日の夜、セーラと淡の部屋


淡「ね、セーラは私が先鋒なのどう思う?」

セーラ「どうって…嫌か?」

淡「ううん、そんなことない。嬉しいよ」

セーラ「ならそれでええやん」

淡「うんそっか…」

セーラ「どした?」

淡「エースなんだなぁってそれだけ」

セーラ「そやな、監督もこのチームのエースは大星って言うてたしな」

淡「でもでも照が後ろにいるから多少下手しても平気だよね?」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:20:12.18 ID:7P2bqiKGo
セーラ「あかんで、それは」

淡「なんで?」

セーラ「もちろん照が後ろに控えてるのは心強いけど、
    そんな風に考えてると足元すくわれるで」

淡「…そっか」

セーラ「それに、照に頼るばっかりじゃお前が成長できひん。
    白糸台新チームのエースは?」

淡「私!」

セーラ「そや、せやから頑張れ。な?」

淡「うん、…がんばる!」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:20:46.76 ID:7P2bqiKGo
淡「あ、そうだ…ねーセーラ〜」

セーラ「ん〜?なんや〜?」

淡「セーラって世界ジュニアの代表に入るよね?」

セーラ「いや、それはないんちゃう?」

淡「なんで?」

セーラ「あれは補欠入れても7人か8人しか選ばれへんねんで。
    お前は入るやろうけど、俺がそこに入れるわけないやんか」

淡「じゃあ、これが最後の大会?」

セーラ「ま、そうなるかな」

淡「そっかぁ」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:21:12.49 ID:7P2bqiKGo
セーラ「インハイで一応区切りって感じやったけど、
    でも、やっぱここがほんまの最後やから、しっかりやるで」

淡「最後かー…そうかぁ」

セーラ「ん、どしたん?」

淡「ううん、ただ最後なんだなぁってそれだけ」

セーラ「寂しいん?」ニヤニヤ

淡「うん、……寂しいよ」ボソッ

セーラ「お、おう…(素直やん、びっくりした)」

淡「もういいや、ごめんおやすみ」

セーラ「うん、おやすみ」ナデナデ

淡「それ、気持ちいい」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:21:48.09 ID:7P2bqiKGo
セーラ「そうかそうか、ほなもっとな」ワシャワシャ

淡「ちょ、それ激しいから!」

セーラ「ふふ、お前はおもろいなー」クスクス

淡「バーカ、セーラのバーカ」

セーラ「はいはい、ほら、はよ寝るで」

淡「はーい。おやすみー」

セーラ「おやすみー」


セーラ「(頑張れ淡、お前ならできる)」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:23:16.41 ID:7P2bqiKGo
ここまでです


>>116
帰国はしていないつもり…
>>117
この雰囲気を大事にしていきたいです


なかなか大会が始まらないww


それでは
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 23:01:12.88 ID:dOhKtZRfo
良いなー。凄く良い
今回更新分で淡セラもアリだと思ったわ
それはさておき、続き楽しみにしてますー!
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:02:09.94 ID:kxF2vbzSo
更新の前に訂正

>>112

>淡「それってー、一回戦を勝ってからでいいんじゃない?」フフーン

>憧「一回戦を勝てば、東京と当たるわよ、シズ」

>穏乃「うおぉ!じゃあ是が非でも一回戦は勝たなきゃ!」


ここなんですが、自前で作ったトーナメント表ミスってたんで
奈良県は2回勝たないと東京都とは当たらないです
なので、訂正します


>淡「それってー、2回勝ってからでいいんじゃない?」フフーン

>憧「そうね、2回勝てば、東京と当たるわよ、シズ」

>穏乃「うおぉ!じゃあ是が非でも2回は勝たなきゃ!」


これでお願いします
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:03:22.05 ID:kxF2vbzSo
次の日の朝、ホテル、レストラン


淡「うぅ、眠い…」フワァー

セーラ「お前さっさと寝たやん」ビシッ

淡「えぇ…そうだっけ?」

照「淡、体調管理はちゃんとしなさい」

淡「わかってるよーだ」

照「淡は先鋒、その意味が分かってるの?」

淡「東京のエース!」ドヤァ

菫「わかっているなら、自覚を持て」

智葉「生半可なことしたら…覚悟しとけよ、大星」

淡「うぅ、智葉怖すぎ!」キャッキャ

セーラ「怖がってるようには見えへんけどな」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:03:51.59 ID:kxF2vbzSo
智葉「ってめぇ!呼び捨てにすんなこら!」

淡「セーラ助けてー!」

セーラ「はいはい、どっちも落ち着けー」ドードー

菫「ところで多治比、君は何故そんなに無口なんだ」

真佑子「え、そんなつもりは…」

セーラ「弘世が怖いからビビってんちゃう?」ニヤニヤ

菫「なっ!お前はそうやっていつもいつも!」

照「ほら、そこじゃれないの」

菫「じゃれてなどいない!」

淡「セーラ私とじゃれようよ!」

セーラ「えー遠慮するー」

淡「なんで!?」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:04:28.64 ID:kxF2vbzSo
智葉「あーあー白糸台うっせーなぁ」

照「…ごめんね、うるさくて」

真佑子「いえ、楽しいです……多分」

照「いや、なんていうか、ごめんね。でも、まあ…頑張ろうよ」

真佑子「は、はい!宮永さんに言って頂いて嬉しいです」

照「ま、そんな固くならないで。チームメイトなんだしね」

セーラ「そやで〜?あ、弘世と辻垣内が怖いときは俺に言いや?」

菫・智葉「「あぁ!?」」

真佑子「…はい、そうします」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:04:56.77 ID:kxF2vbzSo
同日午前、ホテル、菫と照の部屋



セーラ「お邪魔しまーす」

照「いらっしゃい、セーラ」

菫「大星は?」

セーラ「ちょっと寝るって」

菫「ったくあいつはもう…」

セーラ「昨日はさっさと寝たと思ってたんやけど、違うみたいや」

照「え?」

セーラ「なんか様子がな、ちょい変っていうか」

菫「何かあったか?」

セーラ「俺らが思ってる以上に、あいつはいろいろ抱え込むみたいやな」

照「…オーダーのこと?」

セーラ「そうや。先鋒は秋の大会で慣れたかと思ってたんやけどなぁ」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:05:42.96 ID:kxF2vbzSo
菫「秋季大会はエースだったからな、あいつ」

照「でも、この大会には私がいる…から?」

セーラ「白糸台の新しいエースとして、照に恥ずかしいとこは見せられへん
    という感じで結構思いつめてるみたいや」

菫「いつもより騒がしいのはそういうことか。
  まあどうせ悩むならうるさいよりも静かにする方向の方が助かるんだけどな」

セーラ「でな、昨日も『私が先鋒なのってどう思う?』とか言うてたし」

照「そう…でも、でもきっと、それって淡には必要なことだよ」

セーラ「そやな、俺もそう思う」

照「エースの自覚を芽生えさせるには絶好の機会だと思う。
  この場を使って、というのは辻垣内さんたちにはいい迷惑かもしれないけど」

菫「あぁ、そうだな。まあ本来ならちゃんと言葉で伝えてやるべきなのかもしれないが
  ああいうやつだからなぁ。麻雀を直に通した方が早いだろう」

照「いつまでもあの淡なら、きっとつまづくと思うから」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:06:10.05 ID:kxF2vbzSo
セーラ「…ま、あれもあいつの良さやで?」

照「そうやってセーラはまた淡を甘やかす…」

セーラ「そういうんちゃうって。ただ、あいつらしさは失って欲しくないなぁと」

照「らしさも必要だけど、白糸台のエースはそんなに簡単じゃないよ」

セーラ「お前って相変わらず淡には手厳しいよなぁ」

照「そんなことない、淡はもっとよくなると思うから
  このまま立ち止まって欲しくないだけだよ。むしろ優しさだし」

セーラ「…わかった、その気持ちは俺も一緒やし」

菫「エースの自覚か…私には縁遠い話だな」

照「そんなことない、エースはただ強いだけじゃだめ」

菫「え?」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:06:37.68 ID:kxF2vbzSo
照「前にも言ったけど色んな人の力を借りて助けてもらって
  だからこそ精神的にも技術的にも強くなれる。
  エースは一人で勝手に出来上がるものじゃないってこと」

菫「そうか、そうだったな。すまない」

セーラ「照は淡にも、そうなって欲しいってことやろ」

照「うん、淡は人に甘えて楽をしすぎるところがある。
  甘えることは悪いことじゃないけどでも、それで楽してちゃだめ」

照「そういう意味で淡が変わってくれれば、
  この大会で先鋒を務めることで何かのきっかけにしてくれたらって」

照「私はそう思って、監督に淡を先鋒にって推薦した」

菫「そういうことだったのか、お前そういうことは言えよ」

照「淡には知られたくなかったから、ごめん」

セーラ「なんでや?」

照「それこそ余計な負担をかけるような気がして」

菫「まあ、それもそうか」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:07:03.80 ID:kxF2vbzSo
照「私は淡の変化に期待してるし、眠れないほど悩むのも
  そんなに悪いことじゃないように思うな」

菫「試合に影響が出ない範囲ならな」

照「何かしら淡が考え、思っていてくれるなら
  先鋒に据えた意味もある。淡にとっては迷惑なことだろうけど」

セーラ「いや、それはないで」

照「どうして?」

セーラ「あいつあれでめちゃめちゃ喜んでるんやで、エース」

セーラ「抱え込んでるみたいやけど、でも、決して辛そうではないんや
    この与えられた状況を楽しんでるっていうか…淡らしいやろ?」

照「フフ、確かにね」

セーラ「俺は淡らしい、そんなエースが誕生することに期待する」

照「じゃあ、私もそう思っておく」

菫「だな、うん」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:07:29.92 ID:kxF2vbzSo
菫「…なあ、私たちは先輩の鑑だとは思わないか?」クスクス

照「思うね。だってこんなに後輩思いなんだもの」クスクス

セーラ「あはは、そやな」クスクス

セーラ「ってそういえば俺エースやったことあるやん!!」

菫「バカか、あれは先鋒だっただけでエースはずっと照だろ」

照「あぁ、1年生や2年生のときはセーラが先鋒だったよね」

セーラ「そう、エースというのはな…」

菫「白糸台の方針がエース=先鋒に変わったのは2年の秋からだろ」

セーラ「えぇ、そやっけ〜?」

照「それまでは結構ばらつきがあって、まあ大将が多かったみたいだけどね」

セーラ「くぅ、ただの先鋒か…」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:07:58.08 ID:kxF2vbzSo
照「けどセーラの先鋒経験は火力と打ちまわしに生かされてる。無駄じゃなかったよ」

菫「…まあ確かに」

セーラ「へいへいそやな〜、ありがと。ま、後ろに照や弘世や先輩らが
    いてくれるっていうのが強かったなぁ、俺は」

照「もちろん、その安心感はあるよね。けど、その考えが過ぎると…」

菫「油断に繋がる、だな」

照「そう、だから、先鋒をエースとする戦いをしていくんだったら
  ここで終わらせてやる、くらいの気持ちじゃなきゃね」

照「そんなことほとんど不可能っていうか、難しいけど
  その気概は必要だって思ってるよ」

セーラ「おぉ、さすがエース!」

照「もう、やめてよ…恥ずかしい//」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 21:10:14.56 ID:kxF2vbzSo
ここまでです


>>129
ありがとうございます
あわあわは誰かに甘えてるの可愛い


次回ようやく大会が動き出します、たぶん


それでは
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 22:15:19.64 ID:amU7PDZdo
みんなええ先輩達だわ
淡も良い先輩いっぱいおって幸せやね
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 22:27:21.65 ID:PQ3smEmko
乙!
続きも期待してるでー!
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 20:20:29.91 ID:O7GG5EVHo
同日午後、セーラと淡の部屋


セーラ「淡起きてるかー」

淡「…あっ、セーラおかえり」

セーラ「今起きたとこ?」

淡「ううん、ちょっと前。よく寝れた」

セーラ「そらよかった、…あんま、無理すんな?」ナデナデ

淡「うん、ありがとセーラ…えへへ、それ好き」

セーラ「じゃあ、ちょっと着替えて昼ごはん食べに行こか」

淡「うん!みんな一緒?」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 20:20:56.22 ID:O7GG5EVHo
セーラ「いや、照と弘世は部屋で開幕試合見てるし、
    辻垣内と多治比ちゃんは部屋におらへんみたいやねん」

淡「じゃあ、セーラと2人?」

セーラ「嫌か〜?」

淡「う、ううん!嬉しい!デートだね!」

セーラ「お前って2人でどこか行くって言うたらデートデートて」

淡「えへへー、すぐに準備するね!」

セーラ「おう、はよせーよー」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 20:21:30.01 ID:O7GG5EVHo
セーラ「(淡とデート…ではなく、ランチへ出かけた)」

セーラ「(いつもより饒舌で、嬉しそうでやたらひっついてくる淡は
     可愛い後輩で、変わって欲しくないと思ってしまう)」

セーラ「(このままずっと無邪気に笑っていてくれれば
     それが淡にとってのベストなんちゃうかなって思いたくなる)」

セーラ「(けど、照の言うように淡は白糸台を背負っていくエースで
     このまま立ち止まってしまうことはできない)」

セーラ「(さらなる変化を、成長をして欲しい。
     でも、らしさを失って欲しくはない)」

セーラ「(そんなことは難しいのかも知れへん、でも、
     隣で屈託なく笑う淡を見ていると、そう願わざるをえない)」

セーラ「(なんて、一日が過ぎていく)」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 20:22:42.66 ID:O7GG5EVHo
セーラ「(一回戦が終わり、大会は二回戦へと進んでいた)」

セーラ「(我らが東京チームの初戦である二回戦、
     対戦相手には弘世の予想通り岩手が勝ち上がってきた)」

セーラ「(俺らの、コクマがはじまる!)」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 20:23:17.20 ID:O7GG5EVHo
先鋒戦開始前、控え室


セーラ「おい淡、なに緊張してんの」ホッペムニムニ

淡「き、緊張?し、してないし!」

菫「わかりやすく動揺してるな」

智葉「高校100年生にはこんな試合朝飯前だろ」

照「淡、落ち着いて。深呼吸」

淡「う、うん。すぅーーーはぁーーーー」ハァ

真佑子「が、頑張って!」

照「落ち着いた?」

淡「う、うん…ちょっとだけ」

菫「気負うな、いつも通りでいいんだ」

セーラ「頑張れ、淡」ナデナデ

淡「…頑張る!」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 20:23:59.00 ID:sptjBfMMo
あわあわ頑張れ
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 20:24:16.88 ID:O7GG5EVHo
智葉「まあ…後ろはみんな先輩なんだから
   細かいことなんか気にせずやってこい!」バシン!

淡「い、痛いから!それ痛い!」

セーラ「気合入ってええやん」

淡「えぇ…」

照「淡、昨日言ったとおり…」

淡「最初から、全力?」

照「そう。出し惜しみしなくていいからね、もう隠す必要がないし」

菫「ダブリー決めて来い」

真佑子「だ、ダブリー…」カタカタ

セーラ「お前らしくな、そんでええし」

淡「行ってくる…!」


ガチャ

バタン
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 20:24:49.59 ID:O7GG5EVHo
セーラ「大丈夫かーあれ」

照「だいぶ緊張してる。見たことない顔してた」

智葉「ま、1年坊にしては重い責任背負ってるからな」

菫「信じて応援するしかない、大星は大丈夫だよ」

真佑子「あの大星さんがあんな顔…」

セーラ「インハイ予選の時はあいつ怖い顔してたやろ?」クスクス

真佑子「あ、あぁ…まあ」

セーラ「ふふ、やんなぁ」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 20:28:56.40 ID:O7GG5EVHo
短いけどここまで


>>142
あわあわは幸せものですな
>>143
おおきにー


試合が始まらないww次はちゃんと試合始まります


それでは
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/15(月) 21:19:49.75 ID:sptjBfMMo
緊張してるあわあわ可愛い
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/16(火) 03:05:32.52 ID:UwovMVTSo
多治比ちゃんがいい味出しとる
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 17:55:59.62 ID:/EmGKF1Vo
ええチームやな
ほんまに
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 22:16:37.38 ID:ITfjNZ1Wo
先鋒戦、対局室



淡「うぅ、…だ、大丈夫、できるできる!」

淡「あれ、一番乗りかー」


白望「ダル…」スタスタ

淡「岩手の人だー。え、なにがダルいの?」

白望「歩くのダルい…えっと、……白糸台の人か」

淡「そんなんだと太っちゃうよ!」

白望「それもダルい…」

淡「わけわかんない!」


モブ県A「よろしくです」

モブ県B「よろしくお願いします」


淡「よろしくねー」

白望「どーも」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 22:17:13.29 ID:ITfjNZ1Wo
試合開始、控え室


淡『リーチ!』

淡『カン!』

淡『ロン!』


智葉「当然のようにカン裏がのるんだな」

菫「大星らしい、素晴らしい上がりだ」

照「よし、とりあえず大丈夫か」

セーラ「他県の配牌もひっどいもんやで」

智葉「直接対局したことはないが、恐ろしい打ち手だな。大星淡」

真佑子「恐ろしいです、ほんと…」カタカタ


白望『ん、…ちょいタンマ』
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 22:17:43.77 ID:ITfjNZ1Wo
セーラ「きたか、小瀬川白望」

照「ほんとに言った」

菫「迷うと手が高くなる…ねぇ」

真佑子「マヨヒガでしたっけ」

智葉「マヨヒガ、民話というか伝承だったか」


白望『あぁ、そこにいたんだ…ツモ』


照「小瀬川さんはこうなると淡の支配から抜け出してくるね」

菫「毎回じゃないのが救いか」

セーラ「うん、そやな」


アナ『前半戦終了!東京都代表大星淡、圧倒的です!
   白糸台高校次期エースの実力を存分に見せ付けたー!』

アナ『岩手代表小瀬川白望はなんとか食らいついています!
   他の二県はこの大失点を立て直せるか!?』
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 22:18:30.74 ID:ITfjNZ1Wo
前半戦終了後、対局室前


淡「ふぅ〜」

セーラ「ほい、水分補給やで」

淡「セーラ!えへへ、ありがと」ゴクゴク

セーラ「緊張してた割には圧倒してるやんか」

淡「うん、牌に触れるとね、力が湧いてきたの」

セーラ「そうか、よかった。心配しててんで?」

淡「セーラが?私を?」

セーラ「や、みんなやで。先鋒はそれだけ大事なポジションってことや」

淡「うん…わかってる。照の気持ち、今ならちょっと分かる」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 22:19:01.95 ID:ITfjNZ1Wo
セーラ「そうか。うん、じゃあその気持ちをしっかり自分に生かしや」

淡「もちろん!頑張っちゃうよ」

セーラ「うん、頑張れ」

淡「うん!」

セーラ「ふはは、よかったよかった」ワシャワシャ

淡「だから、それ乱れるって!」ニコニコ
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 22:19:49.08 ID:ITfjNZ1Wo

後半戦開始、控え室


菫「大星はどうだった?」

セーラ「意外と落ち着いてたわ」

智葉「うるさくはないのか」

セーラ「それが全然。…ま、何か感じるところはあったみたいや」

照「そっか、それはよかった」

真佑子「…??」

照「ただ、それが吉と出ればいいけど」

菫「…ん?」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 22:20:32.90 ID:ITfjNZ1Wo
モブ県A『それ、ロンです』

淡『えっ…』


モブ県B『ツモ』

淡『…あれ?』


セーラ「これはこれは…照の予想的中か?」

照「かも」

智葉「大星は前半戦に比べて気迫に欠けるな」

菫「支配が弱いのか手を抜いたか、それとも、」

照「いや、相手が対応してきているわけじゃない、と思う
  淡の打ち筋にはそう簡単に対応できない」

セーラ「あぁ、せやな。淡がちょっとおかしいんや、
    他家の配牌も普通やったしな」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 22:20:58.88 ID:ITfjNZ1Wo
菫「支配が効いていないということか」

照「多分そうなんだと思う、どうしちゃったかな」

智葉「手を抜いてる可能性はないのか、点差もあるし」

セーラ「いや、それはない。そんなことするやつちゃう」

智葉「おうおうえらく信用しているんだな、1年坊を」

セーラ「何が言いたいねん、おい」

照「やめて、揉めないで」

セーラ「別に揉めてへんわ」

智葉「ふん」

菫「あぁ、もう」

真佑子「…うぅ」カタカタ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 22:25:05.29 ID:ITfjNZ1Wo
ここまでです、復活してよかった


>>153
この白糸台でセーラに会ったあわあわは
本編よりも素直で無邪気な子のイメージっす
>>154
全くわからない子なので味付けさせてもらってまっす
>>155
そう思ってもらえると嬉しいっす


それでは
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/18(木) 23:31:02.76 ID:/EmGKF1Vo
他家の配牌が普通になっちゃうとガチンコになっちゃうもんねあわあわピンチ
それにしてもあわあわかわいい
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:46:43.61 ID:z4TbCfh/o
菫「江口、もしかして余計なことは言ってないだろうな?」

セーラ「は?言うわけないやん、アホか」

菫「すまん、しかし、こうも急に変わるか?」

照「淡は何を言ってたの?」

セーラ「今なら少しは照の気持ちが分かるって言うてたけど」

照「…そう、なるほど」

菫「何がなるほどなんだ?」

照「淡は、自分で自分にプレッシャーかけすぎているのかな」

智葉「それはどういう意味で?」

セーラ「照みたいにやらなきゃ、って思いすぎ?」

照「私にはそう見える。自分らしさというか、
  淡らしい麻雀が消えちゃってる。もちろん、支配も希薄」

菫「まあ確かに」
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:47:26.56 ID:z4TbCfh/o
照「私と自分を比較して私みたいになろうとしてるのかもしれない。
  点数に余裕があったからかもしれないけど、
  そんなことしてちゃ足元すくわれる、こうなるのは仕方がない」

智葉「空回りしているんだな、大星淡」

照「でも、私は少しうれし…」

智葉「え?」

照「…いや、なんでもない」

セーラ「(淡の変化、エースになろうともがいているその姿…)」

セーラ「(それが嬉しい、ってことやろ?照)」

セーラ「(ま、けどそんなことをここで言えるわけないか)」

セーラ「(…エースと淡らしさの両立は難しいんかなぁ)」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:47:54.15 ID:z4TbCfh/o
白望『ん〜…ちょいタンマで』


白望『それロン』

淡『はい…』


真佑子「大丈夫ですか、これ…」


アナ『どうした大星淡!?前半戦の圧倒的な稼ぎが
   みるみるうちになくなっていくぞー!』

アナ『一方、小瀬川白望は着実に点を積み重ねついに首位浮上!』


白望「(おかしいなぁ、大星さんからこんなに和了れるなんて)」

白望「(そりゃ和了れるにこしたことはないけど…少し違和感)」

白望「(何かの前触れなのかな…ダルいなぁ)」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:49:12.86 ID:z4TbCfh/o
淡「…(やばやばいやばい)」

淡「(あと2局しかないのに!どうしよう!)」

淡「(なんでみんなそんな普通に和了ってくるの?
   ダブリーだって全然出来ないし…)」

淡「(ってか岩手は和了りすぎ!…どうしよう?ねぇ、誰か教えて…!)」

淡「(いつもみたいに打てればいいだけなのに、なんでそれができないの…)」

淡「(秋季大会では普通にできてたのに、関東大会だって優勝したし
   私は白糸台のエースで…みんなから期待されて、だから、だから!)」

淡「(私はエースなんだ!照みたいなエースにならなきゃいけないんだ…!
   こんなところで躓くわけにはいかないのに…!!)」

淡「(どうして、こんなことに…こんなに頑張ってるのに!)」

淡「(まだ足りないっていうことなの?何が、何が足りないっていうの!?)」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:49:38.49 ID:z4TbCfh/o
アナ『先鋒戦終了ー!!トップは岩手代表小瀬川白望!
   最終的に大星淡は2位を死守しましたが3、4位とは僅差です!』

アナ『試合前の予想を覆す結果となった先鋒戦、
   東京都代表はどこまで挽回できるか!注目です!』


淡「お疲れ様でした…」ハァ

白望「おつかれさま(あれ、おかしいな…何もなかったな)」

モブ県A「お疲れ様です」スタスタ

モブ県B「おつです」スタスタ
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:50:04.85 ID:z4TbCfh/o
淡「…帰んないの?」

白望「ダルいからおんぶして」

淡「はぁ?やだ」

白望「冷たいね…」

淡「普通しないって」

白望「…ねぇ、前半と後半じゃまるで別人だったんだけど」

淡「……」

白望「余計なお世話だけど、目の前にあることに集中した方がいいんじゃない?」

淡「え?」

白望「じゃあね、また対局できるといいね」スタスタ

淡「は、ちょっと!」


淡「…ダルいんじゃなかったの、バカ」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:50:30.42 ID:z4TbCfh/o
対局室前


淡「はぁ…戻るのいやだなぁ」

智葉「じゃあずっとそこにいろ」

淡「…智葉」

智葉「だから呼び捨てにすんな…まあいいか…
   とりあえずそんなシケた顔してんじゃない」

淡「でも、…あんな失点…」

智葉「忘れたかお前」

淡「え?」

智葉「私たちは先輩だろ?まあ、見てろ」

淡「…うん!」ニコ

智葉「そうそう、そうやって笑ってろ」ワシャワシャ

淡「み、乱れるって!」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:51:49.46 ID:z4TbCfh/o
次鋒戦開始前、控え室


セーラ「照、淡に怒るなよ」

照「怒らないよ、むしろ嬉しいんだから」

菫「ったくお前はもう」

真佑子「あの…何が嬉しいんでしょうか?」

照「…いや、なんでもないよ。ごめんね」

真佑子「はぁ…そう、ですか」


ガチャ


淡「ただいま…」

セーラ「テンション低いやっちゃなぁ」

淡「だって…ごめんなさい!」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:52:27.45 ID:z4TbCfh/o
照「ううん、謝らなくていい。あれでいいから」

淡「でも、あんな失点…」

菫「照がああ言ってるんだ、もういい」

セーラ「そやそや。それによくなかったところは自分でわかってるやろ?」

淡「うん…」

照「ならいいよ、ほら、辻垣内さんを応援しよう」

淡「…照が優しいって珍しいね」

照「そうかな、普通だよ」

セーラ「ま、そういう日もある…けどその意味をちょっとだけ考えてみ」

淡「意味…?」

菫「そう、意味だ。照が優しい意味を少し、考えてみろ」


真佑子「…(いいなぁ、こんなにいい先輩がいて)」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/19(金) 23:54:58.77 ID:z4TbCfh/o
ここまでです


>>165
あわあわは少し悩んだりしてもいいんじゃないかな、的な


このペースで書いてると終わりが見えなさすぎなので
次回からスピード上げます


ではまた
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/20(土) 00:43:37.88 ID:00zqmV8To
淡可愛いなあ
頑張ってほしいとおも
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/24(水) 21:41:27.03 ID:kX/0kWLSo
アナ『さて、残すところは大将戦の4局のみ!』

アナ『東京都は次鋒からの大量リードを維持しつつ満を持して…
   インターハイチャンピオンの宮永照が登場だぁぁぁ!!!』


セーラ「アナウンサーの気合の入り方ヤバイな」

菫「まあ、注目度が桁違いというか」

智葉「さすがに宮永なら安心して見ていられる」

セーラ「え、それどういう意味や!」

真佑子「そ、そうですよ!」

智葉「あぁ?そのままの意味だが」キリッ

セーラ「くっそー!」

真佑子「まあ…ですよねー」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/24(水) 21:42:12.90 ID:kX/0kWLSo
大将戦開始前、対局室


照「(このまま流すだけでも勝てる…はず。
   絶対はないけど可能性は高く思える)」

照「(だけど私は…私が麻雀を続けようと思った理由を
   私の大好きな麻雀を体現しなきゃいけない)」

照「(セーラと菫に話した、私の好きな麻雀。
   白糸台の麻雀。いつでも、どこでも、私は、私は、)」


照「私は白糸台高校の宮永照…」ボソ


照「(それを東京都の代表でも見せ付ける)」

照「(そうしたら淡にだって何かを伝えることが出来るかもしれない。
   …何か読み取ってくれたら、私は嬉しいな)」


照「(…だからさ、私は一切を手を抜かない。全力で、当たる!!!)」


豊音「(宮永さんの雰囲気がちょー怖いよー)」ブルブル

豊音「(でもあとでサインもらっちゃうよー!)」キリッ
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/24(水) 21:42:39.16 ID:kX/0kWLSo
大将戦開始、控え室


智葉「おう、これはこれは」

真佑子「宮永さんがラス親ですか…これは多分、」

菫「どこかが飛ばされるかな」

セーラ「照は手を抜かへんやろしな」

淡「え、このまま流しちゃっても勝てるのに?」

菫「あぁ、照はそういうやつだよ」

セーラ「うんうん、ま、それ以外にも理由はありそうやけどな」

菫「あぁ、そうだな」

淡「理由ってなに?」

セーラ「よう見とけ、照の麻雀を」

淡「え、うん…??」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/24(水) 21:43:16.20 ID:kX/0kWLSo
智葉「…ったく白糸台だけが代表じゃねーんだぞ」アキレ

菫「すまない。それについては申し訳ないとしか」

淡「どういう意味?」

智葉「ま、それだけの逸材ということか」

淡「いつざい?」

菫「ちょっと黙ってろ」

淡「えー」

セーラ「まあ、そんなとこや。いや、ほんますまん」

智葉「いや、怒ってるというわけじゃないし、
   お前らのやりたいこともわからないわけじゃない」

菫「ありがとう、助かる」

セーラ「ほんまおおきに!」

智葉「だが、ほどほどにしておけよ」

菫「あぁ、もちろんだ」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/24(水) 21:44:29.95 ID:kX/0kWLSo
照『ロン』


淡「あ、は、始まった!照の和了だよ!」

智葉「さて、どこまで続くかな」


セーラ「(照は圧倒的やった。岩手の大将は特殊な打ち手やって
     聞いていたけど、その特殊性を出す間もなく照が他家を飛ばした)」

セーラ「(大将というポジションは2年の夏以来やったけど
     そのせいか、すごく楽しんで打っているように見えた)」

セーラ「(照が好きやって言う白糸台の麻雀。
     あの夏みたいな…先輩がいて、俺らがいて、後輩がいる安心感)」

セーラ「(照はそんな気持ちで闘っているように思えた
     だからあいつはきっといつまでも、ずっと、白糸台高校の宮永照で)」


アナ『国民麻雀大会二回戦第一試合終了ー!!
   宮永照、前半戦東4局で試合を終わらせました!まさに圧倒的!!!』

アナ『宮永照率いる東京都は準決勝へ進出決定!
   そして、2位を堅持し続けた岩手も準決勝へと駒を進めました』
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/24(水) 21:46:13.47 ID:kX/0kWLSo
短いですがここまでです


>>176
日々あわあわの可愛さに引き込まれております


それでは
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/24(水) 22:26:09.09 ID:SSAFwYcYo
熱いな
続き早く読みたい
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/25(木) 04:20:18.13 ID:DKPMrKkMo
照かっこいい
その姿に淡は何を受け取るかな
楽しみだ
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:35:41.76 ID:xzbhtJ2go
同日夜、セーラと淡の部屋、白糸台の4人


菫「すまん、遅くなった…お、少しは片付いてるな」

セーラ「せやろ〜」

淡「片付けたもんねーセーラ」

セーラ「そやそや!」

照「…いや、菫が来る前に私が片付けたんだって」

菫「やっぱりな」

セーラ「そやったかなー」

照「もう、ちゃんとしてよ」

淡「はーい!」

菫「お前らはほんとにもう」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:36:36.43 ID:xzbhtJ2go
淡「ねーてるー」

照「んー?」

淡「今日の試合ね、」

照「うん」

淡「飛ばさなくても勝てたよね?」

照「まあ、かもしれないね。点差は十分あったし」

菫「辻垣内が淡がつけられた点差をひっくり返して
  かつ他家に大差をつけたからな…」

照「あれで流れが完全にこちらへ来た」

セーラ「アホ、俺や俺!俺の方があいつより稼いだやん!」

菫「そうだったか?照」

照「さぁ、どうだったかな」クスクス

淡「わかんないよねー」キャッキャ

セーラ「くぅ、お前ら!」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:37:15.87 ID:xzbhtJ2go
照「…まあ、それはいいとして」

淡「どうしてあそこまで…なんていうか、その」

照「本気になったかって?」クスッ

淡「うん、そう。飛ばさなくたってさ」

照「どうしてか自分で考えた?そこが大切だよ」

淡「ううん、だってわからない。…初戦だから?」

照「違う」

菫「淡、私が言ったこと覚えてるか?
  照が、淡の失点に対して怒らなかったのは何故だ?」

淡「それは少し考えた…怒ったら私が萎縮しちゃうから?」

セーラ「ん〜…それはちょっとちゃうかな」

照「淡は先鋒、先鋒は?」

淡「えーす?」

照「うん、エースとして試行錯誤しながら頑張っていた淡を
  叱ったりは出来ないし、しても意味がないと思ったの」

照「むしろ、そうやって悩んで落ち込むことにも意味があるから
  だから、私は嬉しかったんだよ」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:37:54.68 ID:xzbhtJ2go
淡「…わかんない。だって照はずっと強いじゃん、負けたことないでしょ?」

照「まあ…」

淡「私は、気負ってた、頑張らなきゃって思えば思うほど
  支配が効かなくなってた。そんな気持ち、照にはわかんないよ」

淡「…照みたいにならなきゃって、みんなから信頼されるエースに
  ならなきゃってそう思って空回った私の気持ちは、」

淡「きっと誰にもわかんないよ…」

セーラ「アホ、言い過ぎや」

淡「だって!照はいっつもそう!」

菫「こら、興奮するな」

照「ごめん淡、確かに私にはわからないのかもしれない。
  だけど、だけど私は淡には白糸台を背負って欲しい、」

照「白糸台を代表するエースになって欲しいって願ってる。
  だから厳しくもするし、優しくもする」

照「でもね、私は自分と同じ事を淡に求めているわけじゃないんだよ。
  負けるなって言ってるわけじゃないんだ」

淡「…照」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:38:29.26 ID:xzbhtJ2go
セーラ「同じなんて無理や。ただ、なんていうか
    自覚とか意識は同じになれるんちゃうかなーと」

照「少しと回りくどいのかもしれないけど、私の試合を見て
  何か感じてくれればいいなと思ってたんだ」

セーラ「そしたら淡はもっと強くなるんちゃうかなって、な」

照「私は白糸台のエースとして淡が輝くためには
  この大会でもエースを務めるべきだと思った」

照「自覚ができればもっと成長してくれると思っているし
  今日の失点もそう悪いことじゃないんだよ?」

セーラ「そうそう、まあ一つ学んだってことで。な?」

菫「あぁ、そうだ」

淡「…なんで、なんでそんなに私なんかに」

照「高校100年生だからじゃない?」

淡「バカ、照のバカ」ムッ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:39:07.69 ID:xzbhtJ2go
照「ごめん、でも、私は淡に期待してるから。
  たとえ迷惑に思われても、エースは淡しかいない」

照「それが重荷だとか、嫌だとか思うならそう言って?」

淡「そういうわけじゃ…エースって言われて嬉しかった…し」

照「なら問題ないね。だからさ、苦しいときは
  誰もわかってくれない、って思うときは先輩に頼っていいんだよ」

照「私もそうだったから。ね?そのための先輩だからさ」

セーラ「そやで、淡」

菫「あぁ」

淡「グスッ…バカじゃないの、ほんと」

照「泣き虫」ナデナデ

淡「うるっ、さい」グス
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:41:41.11 ID:xzbhtJ2go
セーラ「いや、泣き虫は照やんな?」ボソボソ

菫「だな、人に言えた立場じゃないな」ボソボソ

セーラ「…ま、これで少し変わったか」

菫「そうなればいいがな」

セーラ「てか、照が全力やったんはそれだけが理由ちゃうよな」

菫「まあそうだろうな。…白糸台の麻雀、だな」

セーラ「対局中のあいつ、えらいリラックスしてた」

菫「部室で打っているつもりにでもなっていたんだろう」

セーラ「いつでもどんなときでも、白糸台の宮永照…か」

菫「あいつの目指す麻雀はそこにある」

セーラ「…麻雀を続けてくれてよかった、よな?」

菫「あぁ、そうだな。照自身のためにも、淡のためにも、」

セーラ「俺らのためにも、な」

菫「…あぁ」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:42:06.44 ID:xzbhtJ2go
しばらく経って…


菫「じゃあ、そろそろ部屋に戻るよ」

照「おやすみ、セーラ、淡」

セーラ「おう、おやすみ」

淡「今日はありがと、その、照も菫も…」

菫「なんだ、大星らしくないじゃないか…可愛いもんだ」アタマポンポン

淡「なっ!//」

照「うんうん、淡はそういう素直な方が可愛いね」ナデナデ

淡「う、うるさいなぁ…//」

菫「じゃ、これで」

照「また明日〜」


バタン
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:42:57.72 ID:xzbhtJ2go

淡「…ねぇ、セーラ」

セーラ「ん?」

淡「今日は、ありがと…あとごめん」

セーラ「何がありがとうで、何がごめんなん?」

淡「…それは、その、いろいろ」

セーラ「またわかりにくいやっちゃな」

淡「自分でもよくわからないけど、でも、嬉しかった」

セーラ「嬉しかった?」

淡「うん、だからありがとう」

セーラ「ごめんは?」

淡「それは…迷惑かけてごめん、いろいろ」

セーラ「いろいろなぁ。アホ、迷惑なんて思ったことない」

淡「だけど、…セーラも、菫も…照も、優しいもん」
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:43:24.67 ID:xzbhtJ2go
セーラ「優しいのは嫌なん?」

淡「嫌、じゃないけど…けど、迷惑かもしれないのかなって」

セーラ「照が言うてたこともう忘れたんか?」

淡「え?」

セーラ「苦しいときは先輩に頼れって言われたやろ?」

淡「うん…」

セーラ「先輩ってのは後輩を支えるもんや、それが迷惑なはずないやん」

淡「…そっか」

セーラ「世話焼かれてるうちが華やで?」

淡「う、うん!」

セーラ「元気でよろしい、ふはは」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:44:06.48 ID:xzbhtJ2go
淡「え、えへへ…セーラ、私ね、セーラのこと…」

セーラ「んー?大好きですってかー?知ってるでー」

淡「へっ!?//」カァァ

セーラ「俺も大好きやもん、淡のこと」

淡「は、ちょ、何言ってんの!?//」

セーラ「淡は俺の大事な大事な後輩やしな〜
    こんなに懐いてくれる後輩おらんでー」

淡「…そういうことね」ハァ

セーラ「ん?なに?」

淡「ううん…なんでもない、そりゃそうだよね」

セーラ「えーなんやねん」

淡「なんでもないってば!お風呂入ってくる!」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:45:28.52 ID:xzbhtJ2go
セーラ「おう、ごゆっくり〜…さっぱりして、頭切り替えよな」ナデナデ

淡「うん…同じ轍は踏まないから」ボソ

セーラ「おっ!難しい言葉知ってるやん、感心や」

淡「だって高校100年生だからね!」ドヤァ

セーラ「はいはい、ほら、行ってこい」

淡「むー!」ムス

淡「セーラのバーカ!」

セーラ「なんやとこらー」


バタン


セーラ「…ふぅ、元気そうでよかった」ボソッ
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/26(金) 23:48:00.04 ID:xzbhtJ2go
前回短かったので今回長め


>>183
書き始めた頃の熱さが戻ってきた感じがします
>>184
ここの照はセーラの影響を受けて人懐っこい感じで書いてます
でも、やるときはやるぞ、と


次回から試合に入ります
サクサク進めたいが進まない…


それでは
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/27(土) 10:11:18.37 ID:NBy52xN6o
良い子ばっかりや
すばらっ!
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/27(土) 14:07:38.75 ID:3PwQkmBNo
セーラ超いい奴!
皆そうだけども
淡の想いが実りますように(ナムナム
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:06:46.25 ID:3jH+bjLTo
数日後、準決勝第一試合、試合開始前、控え室


照「さて、いよいよ準決勝だね」

智葉「前回以上に気合入れないとな、大星」バシッ!

淡「いったーい!」

菫「気合入ったか?」

淡「…うん、入った!!」メラメラ

セーラ「よっしゃ、エースの出陣や」

真佑子「が、頑張ってー!」

淡「うん、頑張る!!」

照「淡、気をつける相手は?」

淡「ぜんぶ!」

照「それでいい、絶対に気を抜かないようにね」

淡「もちろん!」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:07:26.81 ID:3jH+bjLTo
照「集中力を乱したり気負ってたりすると淡の支配は脆弱になるからね」

淡「う、うん!今日は大丈夫だから…!」メラメラ

菫「いい顔してるよ、お前」

セーラ「前回の緊張顔がウソみたいにええ顔やで」

淡「そ、そうかな…えへへ」

智葉「期待しているからな」

淡「智葉に楽させちゃうよ!」

智葉「あぁ、そうしてくれ」

淡「じゃ、いってきまーす!!」


ガチャリ

バタン
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:08:41.81 ID:3jH+bjLTo
セーラ「今日はこれ、いけるんちゃう?」

菫「だといいがな」

照「相手が強敵ばかりだからね…特に阿知賀」

智葉「お前から直撃とったやつだったな」

照「ドラかき集めちゃうんだからずるいよね」

セーラ「お前が言うなっちゅうの」クスクス

菫「そうだそうだ」

真佑子「確かに…」

照「えぇ」

セーラ「ま、淡の意識の変化がどんなもんか楽しみやな」

智葉「ドラゴンさん相手に大星のカン裏がのるかどうかも気になる」

照「それは大丈夫だとは思うんだけど、安心はできないよね」

菫「さて、そろそろはじまるか…」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:09:13.43 ID:3jH+bjLTo
対局室


淡「また一番乗りじゃん!」エッヘン


玄「あ、大星さん、今日はよろしくお願いします」

淡「よろしくねードラローさん」

玄「ドラゴンロードかぁ、恥ずかしい名前だよね//」テレ

淡「そ、そうかな(かっこいいと思ってたなんて言えない…)」

白望「…だる」フラフラ

淡「あれー今日もだるいんだ」

白望「あぁ、なんていうか…吹っ切れたみたいだね」ダル…

淡「え?」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:09:56.65 ID:3jH+bjLTo
白望「大星さん」

淡「…さあね」

白望「ま、なんでもいいけど…眠い…」

玄「あとお一人ですね、兵庫の…」

美幸「遅くなっちゃったよもー」アワワ

玄「いえ、まだ時間じゃないですよ」

美幸「よかったー」

淡「さーて!はじめますか」


アナ『今年の国民麻雀大会もついに準決勝を迎えます!
   準決勝第一試合には前年度王者、東京都が登場!!』

アナ『エースで先鋒を託されたのは白糸台高校1年、大星淡!
   二回戦では後半大失速しましたが、今日はどうなるでしょうか!』

アナ『間もなく試合開始です!』
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:10:34.38 ID:3jH+bjLTo
淡「(エースの自覚…エースの役割、私にしか出来ないこと)」

淡「(照が、あの照がエースは私しかいないって言ってくれた…)」

淡「(すごく嬉しくて、でも、重圧もあって…
   だけど、先輩達が支えてくれるから、)」

淡「(だから、私は闘える。だから、私は色んなものを糧にする。
   昨日の、失点だって糧にしてやる)」

淡「(私らしさは何?エースに必要なものは…!!?)」ゴォォォォッ
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:11:01.03 ID:3jH+bjLTo
玄「(うわぁっ、穏乃ちゃんの言ってた通りすごい迫力…
   でもドラはきてくれてる!それに宮永さんほどじゃない!)」

美幸「(想像通りひっどい手牌だよもー)」

白望「(相変わらずの6向聴か…はぁ、やっかいな子)」

白望「(…でもこの感じ、まずいかもなぁ。前回より、強大な何かを感じる…)」

白望「(大星淡…宮永照の後継者か…。
    ま、二回戦のような調子で終わるわけないということかな)」

白望「(じゃあ…大星さんの本気とやら、見せてもらおうかな…!)」
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:11:41.13 ID:3jH+bjLTo
対局中、控え室


淡『リーチっ!!』


アナ『大星淡のダブルリーチが炸裂!!』


真佑子「やっぱりドラはない…ですね」

智葉「阿知賀は5向聴ながらドラ4か、恐ろしい」

真佑子「だけど、それだけに窮屈な手にもなりそうです」

智葉「ふむ…」

菫「……」

セーラ「……」

照「……」

智葉「どうした、随分静かじゃないか」

真佑子「ですね。大星さんが何か?」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:12:21.38 ID:3jH+bjLTo
菫「いや…」

セーラ「ん、なんちゅうか…うん」

照「…淡は、すごいなって」

智葉「どういう意味だ?」

菫「私たちの気持ちというか、淡は気負わなくていいということを、」

セーラ「下手に気負わず、苦しいときは先輩を頼れってな」

照「うん、淡にはそういう話をしたんだ」

智葉「それで?」

セーラ「あいつ、さっきええ顔してたやん?
    で、まあいい感じに吹っ切れたかなって」

菫「あぁ、つまり、私たちが淡に言うべきことがないというか」

照「淡に自覚や意識が芽生えたらもう手がつけられないと思う」

セーラ「今のあいつ、多分そんな状態やで」

智葉「…なるほどな」

真佑子「じゃあ、このまま…あ、」
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:13:23.66 ID:3jH+bjLTo
淡『ロン』


真佑子「あ、カン裏乗りましたね」

菫「よし、よかった」

智葉「これが持続することを期待しようか」

照「うん、してあげて」

智葉「…ふん」



アナ『大星淡、完全に一人浮きです!!他家を完全に圧倒しています!』

アナ『これぞまさにエースの風格!二回戦後半戦の失速を全く感じさせません!』

アナ『後半戦、岩手や奈良、兵庫はどこまで東京に迫れるか!』
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 22:15:33.05 ID:3jH+bjLTo
ここまでです


>>198
みんなすごく後輩思いです
>>199
セーラがいることでいい具合にバランスを
取れてるような感じです


それでは
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/28(日) 23:02:08.39 ID:3Yv/my1Io
乙ー!
あわあわかわいい!
続きも期待
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:44:16.89 ID:KMEOhhsJo
前半戦終了後、対局室前


照「お疲れ様だね、淡。ハイ、飲み物」

淡「っ!!照!?」

照「あははー、驚きすぎじゃない?」クスクス

淡「だ、だって照が来るとは思わなくて…」

照「セーラの方がよかった?」

淡「う、ううん!そうじゃないけど…嬉しいよ、照が来てくれて」ゴクゴク

照「ほんと?なら、私も嬉しい。だって、淡は私のこと苦手でしょ?」

淡「や、そ、そういうわけじゃないけど……ううん、前は苦手だったかも」

照「だよね」クスクス

淡「入学してすぐのころは照って全然笑わないし、厳しいし…恐かったし…」

照「今は?」

淡「…とっても頼りになるって思ってる。笑顔も、すごく増えたよね」
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:45:30.79 ID:KMEOhhsJo
照「大阪から来た人にさー、辛気臭い顔してないで笑えって言われたんだよね」クスクス

淡「それセーラ?」クスクス

照「そうそう、あのおせっかい……感謝もしてるけどさ」

淡「まあ照が厳しいのは…今でもだけど、それは私のためだってちゃんとわかってるよ」

照「そっか、ありがとう」ニコ

淡「…二回戦の後、照に私の気持ちはわからないって言ったでしょ?」

照「あぁ、うん」

淡「だけど、私にも照の気持ちはわかってなかったんだよ…ごめんね」

照「そんなの、気にしなくていいのに」

淡「うん、でも…二回戦では照のこともエースもわかったつもりになって、
  それで、その重みや役割に押しつぶされて自滅しちゃった」エヘヘ…

照「…そうだったね」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:46:07.24 ID:KMEOhhsJo
淡「照が言う、自覚とか意識とかいろいろ考えたよ。
  エースとは何か、っていうか…うん」

照「そう、淡はどんどん成長していくんだね、偉いね」ナデナデ

淡「あ、ありがと//」テレ

淡「そ、それでね!私は私らしく頑張ろうと思って。
  照も言ったけど、照と同じことは出来ないから、だから」

淡「自分が出来ることを精一杯、誰かの真似をしたりせずにさ、
  私らしく、エースを務めたいって思ってる」

照「そっか、うん、それでいいよ」

淡「…だけど、照のエースとしての誇りは、自覚は、受け継いでいくからね」

照「ありがとう、淡…うん、嬉しい」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:47:31.01 ID:KMEOhhsJo
淡「それが、今の私のとって大切なことって考えてるから」

照「頑張れ、淡。私が、菫がセーラが淡を支えるからね」

淡「照…ありがと!」ギュッ

照「え、ちょ、急に抱きつかないでよ//」テレ

淡「しばらく、このまま…ね、安心させて」ギュウ

照「…はい、どうぞ」ナデナデ

淡「照に…甘えちゃった…」ボソ

照「だね」ナデナデ
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:55:44.12 ID:KMEOhhsJo
後半戦終了、控え室


アナ『東京都代表の大星淡、最後は3連続和了で先鋒戦終了!!』

アナ『二回戦での大失速を一切感じさせない一方的な試合展開でした!』

アナ『区間2位は終始安定していた岩手ですが、東京との差は5万点以上開きました』


セーラ「ほら、言うことなし、完璧やろ?」

智葉「まあ…確かに」

真佑子「やっぱり…恐ろしい人ですね」ボソッ

セーラ「それ淡が聞いたら怒るでー」クスッ

真佑子「あ、えっと!内緒ですよ?」アワワ

セーラ「わかってるってー」ケラケラ

菫「他家は最初から最後まで淡の勢いに圧されっぱなしだったな」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:56:26.30 ID:KMEOhhsJo
智葉「えっと、あれは決勝だったか、インターハイの時の…」

菫「インハイ?」

智葉「最後の役満直撃…あれは強烈だったが、あの時のような気迫を感じるな」

照「…先鋒でも同じように打てたっていうことだと思う」

セーラ「そんだけ自然体っちゅうか淡らしくできたってことなんちゃうかな」

菫「だからこその結果だな」

セーラ「これは褒めたらなあかんなぁ〜」

照「甘やかしてあげて、淡はきっと、セーラに褒められたいはずだよ」

セーラ「え?俺に?」

照「そう」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:57:11.61 ID:KMEOhhsJo
セーラ「照のほうが喜ぶんちゃう?普段厳しいヤツに褒められたら嬉しいやろ」

照「や、まあ…そういう意味でもないんだけど」ボソ

セーラ「え?」

照「いや、なんでもないよ」

菫「……(せっかく忘れていたのに、照のやつ、余計なことを…)」ハァ

智葉「さてと、楽させてもらうかな…行ってくる」

セーラ「おう、頑張ってな〜」

菫「あぁ、奈良の次鋒は昨日言ったとおりで…」

智葉「わかってるよ、大丈夫だ」

照「うん、行ってらっしゃい」

真佑子「頑張ってください!」


ガチャリ

バタン
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:57:55.15 ID:KMEOhhsJo
先鋒戦終了後、対局室


淡「…ふぅ」

白望「お手上げだよ、ほんと」

淡「えへへ」

白望「疲れたからおんぶして…」ダル…

淡「え、やだよ!」

玄「…うぅ」グスン

美幸「泣きたいのはこっちだよもー」


玄「おつかれさまでした…」トボトボ

美幸「もうやだ…」トボトボ
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:59:04.13 ID:KMEOhhsJo
白望「ねぇ、何があった?」

淡「え?」

白望「前とはまるで別人っていうか…」

淡「…自覚、かな」

白望「そう…そうなんだ」

淡「ありがとね」

白望「別に何もしてない」

淡「それでも、ありがと」

白望「…うん」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 20:59:51.61 ID:KMEOhhsJo
次鋒戦開始前、控え室


淡「大星戻りましたー!」

セーラ「お!淡!おかえり!ようやったなぁ!」ワシャワシャ

淡「ちょ、も、乱れるからっ!」

セーラ「いや、もっと撫でさせろー!」ワシャワシャ

淡「セーラもう、やめてって」キャッキャ

セーラ「今やらないつやんねん!淡、俺はほんまに嬉しいんやで!」

淡「う、うんありがとセーラ!」

セーラ「この調子で次も頑張るんやで!」

淡「まっかせなさい!」エヘン

セーラ「頼もしいエースさんやで!」

淡「えへへ、もっと撫でてー」

セーラ「はいはい」ナデナデ

淡「…ありがと」テレ

セーラ「おつかれさま、淡」

淡「…うん//」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 21:01:58.16 ID:KMEOhhsJo
真佑子「大星さんすごく嬉しそうですね、なんだか可愛い」

照「まあ…好きな人に褒められるのは嬉しいよね」ボソッ

真佑子「え?今なんて?」

照「ううん、なんでもないよ」

真佑子「??そうですか…?」

菫「(照のヤツ…)」

照「ね、そうだよね、菫」

菫「なんのことだ」

照「わかってるくせに」

菫「何が言いたいんだ」

照「さぁ、わかんない」

菫「…ならもう何も言うな」

照「わかってるよ、多分ね」

菫「お前なぁ…試合中だぞ」

照「それもわかってる」

菫「…あぁ、もう」


真佑子「…??」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 21:03:43.14 ID:KMEOhhsJo
ここまでです


>>211
天真爛漫なあわあわが大好きっす


早く決勝にいきたい…


それでは
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/30(火) 23:22:36.56 ID:BNVJ+9qUo
セーラが主役なのに、いつの間にか淡を全力で応援してる
頑張れあわあわ
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/01(水) 14:33:38.99 ID:BmkkwHZxo
続き楽しみにしています
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:04:28.01 ID:5XCfVYf4o
中堅戦開始前、控え室


セーラ「さーて!俺の出番やな!」

淡「おー!頑張れセーラ!」

照「もしかしたらだけど、この点差なら…」

セーラ「お、トバしてまうか?」

菫「できるか?」

セーラ「兵庫はもう3万点切ってるしなぁ…辻垣内恐るべしや」

真佑子「無理はしないでくださいね」

セーラ「おう、わかってる…ま、実際トバすとなると難しいやろうけども」

菫「岩手と奈良は兵庫が飛ばないように上手く立ち回るだろうな」

照「うん、だから無理する必要はないけどトバせるのに
  様子見でトバさない必要もここまで来ればないと思うから」

セーラ「オッケー、了解した」
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:05:04.51 ID:5XCfVYf4o
菫「お前の高火力ならできるだろ、…期待している」

セーラ「お?弘世がそんなこと言うん珍しいな、ちょい嬉しいなぁ」エヘヘ

菫「や、別に…そういう意味じゃ…」

セーラ「なんかこう、信頼されてるんかなって思えて嬉しいで」

菫「…そうか、それは、うん、よかった」

照「………」ハァ

淡「照?どしたのー?」

照「え?なんでもないよ」

淡「??そう?」

セーラ「じゃあ、行ってくるで〜」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:05:39.10 ID:5XCfVYf4o
菫「待て待て」

淡「セーラ、はい諦めてー」

照「時間がないから急いでね」

真佑子「これ、どうぞ」ハイッ

セーラ「…うぅ」ショボン

菫「このやり取り何回目だ、もう思い出せん」

セーラ「…いちいち数えてへんし」

照「20回は超えてるね、毎回面白いからいいけどねー」

淡「セーラ、着替えさせてあげよっか?」ニヤニヤ

セーラ「え、ええし!自分で着替えるし!」
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:06:04.60 ID:5XCfVYf4o
カーテンザザー

セーラ「だいたいこれ東京都代表なんやし制服やなくても…」

照「白糸台から選ばれたら制服なの、何回も説明したよー」

セーラ「そら聞いたけど…」ガサゴソ

菫「で、お前はいつ慣れるんだよ」アキレ

照「最後の大会なのにね、もう」クスッ

真佑子「今大会で初めてこのやり取りを見ましたけど…毎度ですか?」

菫「あぁ、毎試合の恒例行事さ」

淡「可愛いのにねー」

セーラ「こら、お前らガヤガヤうっさいで」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:06:33.74 ID:5XCfVYf4o
カーテンザザー

照「よっ、乙女モード」

淡「おー可愛いー!」

セーラ「う、うっさいわ!//」

真佑子「前回も思いましたけど、似合いますよね、スカート」フムフム

菫「あぁ、もったいない」

セーラ「せやからうっさいぞ!あんま見んな、こら淡!」ポコン!

淡「痛いよー!」


ガチャ

バタン


智葉「戻った…おぉ、女に化けたか」

セーラ「なんやと!?」

智葉「早く行け、マスコミがお待ちだ」

セーラ「くぅ……行って来ます!」
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:07:07.56 ID:5XCfVYf4o
ガチャ

バタン

タッタッタッ


智葉「似合ってるのにな、何がいやなんだ、あいつ」

照「スカートはひらひらするからだって」

智葉「心底くだらない理由だな…」

菫「江口は3年かかっても慣れなかったな」

淡「でもあれだよあれ!」

真佑子「あれ?」

淡「えーっとなんだっけ、キャップ萌え!」

照「…いや、それ帽子だから」

菫「ギャップ、だろ?」

淡「それだそれ!」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:07:35.25 ID:5XCfVYf4o

智葉「バカなのか、いや、バカなんだな、うん」

淡「口悪い!」プンプン

真佑子「なるほど、ギャップですか」フム

淡「セーラって普段はカッコイイからなぁ」デレッ

智葉「気持ち悪い顔してるぞ、大星」

淡「えぇ、ひどっ!」

智葉「先鋒戦のときの引き締まった顔どこいった」

淡「あれは試合限定だからね!」ドヤァ

智葉「…あっそ」

淡「照ー!智葉が冷たいよー!」

照「はいはい」
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:08:04.59 ID:5XCfVYf4o
中堅戦開始前、対局室前


竜華「よ、乙女モードのセーラ!」

セーラ「あれ、竜華?どしたん?」

竜華「応援やで、怜ー!セーラいるでー」

怜「うん、ちょっと待ってーや!」

セーラ「おぉ、怜や〜元気そうやんか」

怜「セーラ頑張ってや、うちらも明日の試合頑張るし」

セーラ「おう、当たり前や。ありがとな」

竜華「ええ顔してるやん、セーラ。これは手ごわいわぁ」

セーラ「やろ?ま、ええことあったからな〜調子もええし」
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:11:18.89 ID:5XCfVYf4o
怜「え?なに?」

セーラ「秘密や」

竜華「え、教えて〜や」

セーラ「内緒やって。じゃ、そろそろ始まるし行くわ」

怜「うん、あ、邪魔してごめんな」

竜華「集中力削いでしもた?」

セーラ「いやそんなことないで。…むしろ、気合入ったわ」

怜「え?」

セーラ「……やったるで!(待っとけや大阪!…っちゅうか愛宕洋榎!!)」
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 16:12:45.22 ID:5XCfVYf4o
ここまでです


>>224
この大会はあわあわが頑張るための大会でもあるので
それでいいと思います!
>>225
ありがとうです!


ではまたー
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/06(月) 19:02:48.71 ID:x+9Dtoi/o
こら面白い
新白糸台の絡みも勿論面白いけど、やっぱセーラ、怜、竜華の絡みもええね!
あわあわめっちゃ可愛いし
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:20:16.10 ID:YtBiU49zo
中堅戦終了、控え室


アナ『決まったぁぁ!国民麻雀大会準決勝第一試合は中堅戦で終了っ!!!』

アナ『東京都代表中堅、江口セーラが連荘4本場で兵庫に倍満直撃!!』

アナ『副将に回すことなく、1位での決勝進出を決めました!
   2位に入ったのは3位の岩手をわずかに上回った奈良県ですっ!』

アナ『東京都と奈良県は○日後の決勝戦に出場します。
   あとの2校は明日の準決勝第二試合の結果で……』


淡「やったぁー!決勝だー!」ワーイ!

智葉「最後まで手を抜かなかったな、江口セーラ」

菫「トバしてしまえと言ってあったからな」

真佑子「でも本当に飛ばしちゃうなんて凄い…」

照「でも、私と多治比さんの出番がないのは少し寂しいね」

真佑子「ですね…勝てて嬉しいけど…うん、難しいですね」クスクス

照「ほんとにね」クスッ
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:20:59.29 ID:YtBiU49zo
試合終了後、対局室


胡桃「…終わっちゃった」ハァ

梢「高校最後の大会が終わってしまいましたね…」フゥ

胡桃「はぁ、強いねぇ東京は」シミジミ

セーラ「おおきに、岩手の分も兵庫の分も頑張るから」グッ

梢「頑張ってください…悔しいですけど」

胡桃「ほんと、悔しいなぁ…」

憧「……最後、か」ボソ

セーラ「お前意外みんな3年生やからなぁ」ウンウン

憧「う、うん…あたしも頑張るから」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:21:44.64 ID:YtBiU49zo
胡桃「任せたよ、奈良県さん」

梢「同じ関西として、頑張ってください」

憧「任された…2人の分も、精一杯戦います」

セーラ「うんうん、美しい友情やなぁ〜」コクコク

憧「あんたがトバしたくせになに言ってんの」

セーラ「ま、それとこれとは別やんか〜」

胡桃「ま、確かに別っちゃ別かな」アハハ

梢「ええ、そうですよ」

憧「え、そういうもんかなぁ…」

セーラ「ま、そういうことにしといてくれや」

憧「…あぁ、うん」
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:22:30.85 ID:YtBiU49zo
控え室


照「菫、セーラを迎えに行って来て」コソコソ

菫「はぁ?どうして私が?」

照「いいから早く」グイッ

菫「な、なんだよ?」

照「頑張った時は、…好きな人に褒められたいものだよ」コソコソ

菫「なぁっ!!?」

淡「どしたのー?」

照「いや、菫がトイレに行ってくるって」

淡「そうなの?菫行ってらっしゃ〜い」

菫「あ、ちょ、こら照!!」

照「ほら、さっさと行って」グイッ!!

ガチャリ

バタン
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:23:14.19 ID:YtBiU49zo
菫「何なんだあいつ…」

菫「なんで私が行かなくちゃいけないんだ…」

トボトボ

セーラ「ん、弘世?何してんの?」

菫「…トイレだ」

セーラ「そーか、ほな先に戻ってるで〜」ヒラヒラ

菫「や、その、えっと!」

セーラ「んー?」

菫「ま、マスコミはもういいのか?」

セーラ「うん、あとで照が記者会見に出るし、俺は早めに解放や」

菫「そうか…」
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:23:51.13 ID:YtBiU49zo
セーラ「弘世?はよトイレ行かへんと漏れるで」

菫「なっ!なんでお前はそうやっていつもデリカシーがないんだよ!!//」ムッ

セーラ「えー?そんなん気にする間柄ちゃうやん、今更やろ?」

菫「お前……バカか、そんなこと言ってるやつなんか好きにならないからな」

セーラ「えっ…いや、それは、えっと、あ、えー」アワワ

菫「何を慌ててるんだ」

セーラ「き、嫌われるんは嫌やし…ごめん」ショボン

菫「わかればよろしい…それと、あの、」

セーラ「な、なに?」

菫「す、素晴らしい試合だった、江口はやっぱり強いな。少し、…感動した」

セーラ「弘世…あ、ありがとう…」ボーゼン
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:24:34.15 ID:YtBiU49zo
セーラ「弘世?はよトイレ行かへんと漏れるで」

菫「なっ!なんでお前はそうやっていつもデリカシーがないんだよ!!//」ムッ

セーラ「えー?そんなん気にする間柄ちゃうやん、今更やろ?」

菫「お前……バカか、そんなこと言ってるやつなんか好きにならないからな」

セーラ「えっ…いや、それは、えっと、あ、えー」アワワ

菫「何を慌ててるんだ」

セーラ「き、嫌われるんは嫌やし…ごめん」ショボン

菫「わかればよろしい…それと、あの、」

セーラ「な、なに?」

菫「す、素晴らしい試合だった、江口はやっぱり強いな。少し、…感動した」

セーラ「弘世…あ、ありがとう…」ボーゼン
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:24:59.54 ID:YtBiU49zo
っとミスった
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:25:29.96 ID:YtBiU49zo
菫「な、なんだよ…素直にお礼なんて…恥ずかしいだろ」

セーラ「だって嬉しいねんもん…ありがとう、頑張ったかいがある」ウンウン

菫「お前ってほんと、私なんかのこと…」ハァ

セーラ「ん、…まあな。迷惑?」

菫「いや、そんなことは…」

セーラ「おっと…まだ大会中やし、この話は…」

菫「あぁ、すまない…だって照が…」

セーラ「照?なんかあったんか?」

菫「…いや、まあな」

セーラ「ん?…ってお前はよトイレ行ってこい」

菫「別にトイレは…いや、行ってくるよ。じゃあ、あとで」

セーラ「おう、あとでな」ヒラヒラ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:26:07.63 ID:YtBiU49zo
控え室


ガチャ

バタン


セーラ「たっだいま〜」

淡「セーラっ!遅いよー!」ギュッ

セーラ「おー淡〜!マスコミがしつこいねんよー」ナデナデ

淡「セーラやったね!」

セーラ「おう、やったった!」

智葉「見事だったな、鮮やかだったよ」

セーラ「お、おぉ。ありがと」

智葉「ま、決勝ではそうもいかないだろうがな」

セーラ「ん、もちろんわかってるで」

智葉「なら、いい」
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:26:33.33 ID:YtBiU49zo
真佑子「江口さんかっこよかったです!」キラキラ

セーラ「おおきに〜、ごめんな、出番なくしてしもた」

真佑子「そんなのいいんです!」

セーラ「そうかー、ま、うん、次頑張ろな」

真佑子「はいっ!」

セーラ「ええ返事やなー」

淡「わ、私も頑張るよ!」

セーラ「おう、頑張れ!」
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:27:42.24 ID:YtBiU49zo
照「おつかれさま、セーラ」

セーラ「うん、照もごめん。出番が」

照「どうして?飛ばしていいって言ったの私だよ」

セーラ「ま、そうやけどさ」

照「で、菫に会った?」

セーラ「あぁ、さっき外で…え、なんで?」

照「出迎えに行ってあげてって言ったから」

セーラ「なんでそんなこと?」

照「…それを私の口から聞きたいの?」
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:28:36.36 ID:YtBiU49zo
セーラ「…おせっかいやなぁ。傷口に塩を塗ってんちゃうの、それ」

照「ううん、そうじゃない。そうじゃなくて、
  どうせなら菫に負けるほうがいいから」

セーラ「え、それどういう意味?」

照「さあね、いつかわかるでしょ」

セーラ「えー、いつかって?」

照「それはあっち次第じゃないかな…でも、きっと近いうちだと思う」

セーラ「…ん??」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:29:04.95 ID:YtBiU49zo
淡「セーラ!ね、早く試合が終わったし何か食べに行こ?」

セーラ「あぁ、ええけど…っておい照っ」

照「さーて、辻垣内さんと多治比さんは何食べたい?」

智葉「なんでもいい」

真佑子「はい、私も」

照「淡は?」

淡「んー…中華!」

照「はいはい、じゃあ菫が戻ったら行こうか」

淡「やった!」

照「セーラ、この近くにいいお店ある?」

セーラ「えぇ?あぁ、確かあったと思うけど…」

照「じゃ、決まりで」

セーラ「あ、ちょ、もう…なんやねん」ボソ
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:31:14.79 ID:YtBiU49zo
ここまでです


>>236
ありがとうです
思い返せば怜セーラ竜華を一緒の高校に進学させるという
選択肢もあったんだよなぁとか思ったり
今はこの形でよかったと思えますが


次回、時間がまた動いていきます…

それでは
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/07(火) 21:31:45.36 ID:Qx8mcGjNo
おつおつ
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 00:02:12.49 ID:kb7w7wLJo
テルー……
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 00:27:45.21 ID:FVBYei9co
乙ー!
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 22:49:53.40 ID:gBTFKN/po
次の日、先鋒戦開始前、対局室前


セーラ「おーい、怜〜」

怜「セーラ!?どしたん!?」

セーラ「激励や、激励。昨日、俺は嬉しかったしな!」

怜「そう、ありがと。嬉しいで」エヘヘ

セーラ「結局怜とは、公式戦で戦えへんかったなぁ」

怜「せやな、ちょっと残念や」

セーラ「けど、あの病弱で麻雀も激弱やった怜が大阪の先鋒やもんなぁ」

怜「あはは、まあな。セーラと宮永さんのおかげやな」

セーラ「俺と、照?」
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 22:51:01.98 ID:gBTFKN/po
ごめん、分かりにくかったかも

>>255は準決勝第二試合の先鋒戦です
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 22:51:38.78 ID:gBTFKN/po
怜「そうやで、セーラが東京へ行ったからもっと頑張らなあかんって思えたし
  宮永さんっていう強敵と卓を囲んだからもっと高みへ行けたんよ」

セーラ「そうやったか」

怜「っちゅうわけで、頑張ってくるわ」

セーラ「おう、怜らしく頑張れ」

怜「敵さんを応援しあってるんってうちらくらいやろな」クスクス

セーラ「やろなぁ、でもええやん」ケラケラ

怜「うん…ほな、鹿児島と長野と福岡を叩いてくるわ」

セーラ「おぉ、いったれ!」

怜「じゃあ、応援よろしくな、セーラ」

セーラ「おー!行ってらっしゃい、怜」
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 22:52:16.65 ID:gBTFKN/po
試合会場、東京都代表の観戦室、白糸台4人


セーラ「たっだいま〜」

菫「あぁ、おかえり。園城寺さんはどうだ?」

セーラ「いい顔してた。あれは気合の入ったええ顔や」

菫「そうか、インハイで照と対峙したときような
  死闘をされると淡も相当苦労するだろうな」

セーラ「大阪が決勝に行けば、やけどな」

菫「その発言、親友を信じていないのか?」

セーラ「信じてるけど、だからって勝てるわけちゃうやん?」

菫「ほう、お前にしてはまともなことを言う」

セーラ「あぁ?なんやとー?って淡と照は?」

菫「ジュース買ってくるって」

セーラ「またオレンジジュースか、あいつら」

菫「そのあたりは照に影響されてるからな、淡」


セーラ「…さーて、はじまるか」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 22:52:54.47 ID:gBTFKN/po
淡「ただいま!セーラ帰ってたんだー」

セーラ「あぁ、うん。もうはじまってるでー」

照「え、うそ。もう、淡がお菓子で悩むから…」

淡「照だって甘いのが足りない!とか言ってたくせに!」

照「あ、いや、だって足りなかったらまた買いに行かなきゃいけないし…」

菫「あぁ、もううるさい。東2局、園城寺さんの親番だ、黙れ」

淡「はぁーい…」

照「ごめん…」

セーラ「淡、よう見とけよ。怜はめっちゃ強い、多分俺より強くなってる」

照「…ん、私もそう思う」

淡「えぇ、セーラより?」

菫「お前、インハイの決勝を忘れたのか」

淡「そりゃ覚えてるし強かったけど…」

セーラ「そんならええ。よく見てればええから」

淡「う、うん…」ジー
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 22:54:06.15 ID:gBTFKN/po
怜『リーチ!』ドン!


怜『ツモ』バラバラ


照「おー。相変わらずリーチ一発は変わらないねぇ」スゴイ

菫「一巡先を見るものか…」シミジミ

淡「むむっ…」

セーラ「で、次はこっちも注目や。長野の…」

菫「福路美穂子、この選手は観察眼が異常に優れている」

淡「あ!この人はインターハイの個人戦で戦ったよ!」

照「あぁ、そうだっけ。オッドアイなんだよね。咲から聞いた」

淡「そうそう!この閉じてる方の目!」

セーラ「こいつはごっつしたたかやで〜ニコニコしてるかと思ったら
    バクっと捕食されてズタズタや。油断禁物」

淡「はい!」
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 22:54:47.04 ID:gBTFKN/po
照「で、こっちは福岡の、」

セーラ「すばらっ!」

淡「すばらっ!」

照「……」

菫「………」

セーラ「…すまん」

淡「ご、ごめん…」

菫「で、この神代は…」

照「説明するより見たほうがいいね、ほら、これ、寝てる」

淡「え?目は開いてるよ?」

菫「いや、…寝ているな」

セーラ「あぁ、寝てる」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 22:56:09.86 ID:gBTFKN/po
淡「え?え??」

照「起きてくれると助かるけど、今は寝てるね」

淡「どーいうこと!?」

照「神代さんは…神様を自分に下ろすんだ、それが今みたいな寝ている状態」

淡「…え、え?か、かみさま??」

照「実際卓に入ると分かりやすいんだけどね、私もてこずったなぁ」

淡「と、とりあえずよく見とくね…」

セーラ「そーしとけ」



アナ『先鋒戦終了っ!!園城寺と神代、福路が叩き合いを演じました!』

アナ『僅差で大阪がリードしましたが、3チームの差はほとんどありません!』

アナ『一方、福岡は先鋒の花田が大失点!次鋒戦以降の巻き返しに期待です!』
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/08(水) 22:58:16.65 ID:gBTFKN/po
ここまでです


>>252
どうもです
>>253
てるてるはいい子!
>>254
ありがとです


今はやる気があるのでサクサク進みます!
というのも、早く大会を終わらせたいというのがあったりしてww


それでは
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/09(木) 02:15:09.22 ID:PXuQdP98o
怜と小蒔とキャプテンが同じ卓に…怖っ!
煌頑張った!
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/09(木) 10:14:47.06 ID:yiVREdoro
あわあわかわいい
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:36:22.01 ID:rmAjgOCCo
次鋒戦開始前、対局室前


セーラ「おっす!りゅ〜か、元気かー?」

竜華「セーラ!来てたんやな」

怜「うん、さっき、試合前にうちの応援にも来てくれたんやで」

セーラ「おう、大阪とは是非とも決勝で戦いたいからな」

怜「ふふ、望むところや」

竜華「うん、捻ったるで?」

セーラ「それこっちのセリフやっちゅうの」

竜華「ははは、楽しみや」

怜「そやな」

セーラ「竜華、頑張ってな」

竜華「うん、絶対区間1位狙うで…あ、あんな、セーラ」

セーラ「んー?」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:37:00.82 ID:rmAjgOCCo
竜華「うちが、その、大阪代表にまでなって頑張れたんは…」

セーラ「俺のおかげ?」クスッ

竜華「え、なんでっ…」

怜「私が頑張れたんはセーラがいたからやで、と、うちがさっき言うたんよ」

竜華「あぁ…そうやったんか」

セーラ「でも、俺もお前らが大阪で頑張ってるの知ってたから
    絶対負けられへんって頑張れたんやで」

竜華「セーラ…」

セーラ「よし、湿っぽいんここまでな!竜華、行って来い!」

竜華「よっしゃ、行って来ます!」

怜「頑張れ竜華!」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:37:31.86 ID:rmAjgOCCo
アナ『次鋒戦終了っ!2人のドラゴンが熱い競り合いを繰り広げました!』

アナ『福岡と鹿児島は元気がなく、マイナス収支で次鋒戦を終えています!』

アナ『やはり前評判どおり、大阪と長野が頭一つ飛び出してきました!』



次鋒戦終了後、東京都代表観戦室


セーラ「さて、竜華もよかったことやし…俺はホテルに戻るわ」

淡「へっ!?なんで?試合はまだ終わってないんじゃ…」

セーラ「親友2人を直に応援できたし、2人ともよかったし、もうええの」

照「いいの?大阪が勝つとは限らないよ」

セーラ「ええよ、それはわかってる」

菫「次はお前のまあ、ある意味親友が出て来るぞ」

照「そうだよセーラ、愛宕洋榎…だよ」

セーラ「あいつを見るのなんか決勝だけで十分や」
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:38:30.15 ID:rmAjgOCCo
菫「舐めてるとまた負けるぞ」

セーラ「アホか、…俺は負けへん」

照「それってセーラらしいけど、その自信はどこから?」

セーラ「…正直ようわからんけど、負ける気はせん」

淡「頼もしいね、セーラ!」

セーラ「やろ〜?」

菫「ったくもう」ハァ

セーラ「照は、…自分の対戦相手、ちゃんと見とかなあかんな」

照「…そうだね、妹だからね」

セーラ「それだけちゃうぞ、関西NO.1におっぱいのオバケもおるで、大将戦」

菫「オバケってなぁ」

淡「確かにおっきい!」

セーラ「じゃ、お先!」


ガチャリ

バタン
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:39:02.68 ID:rmAjgOCCo
淡「あ、セーラ待って!」

菫「淡、行くな」ガシッ

淡「え、なんで?」

照「セーラ、きっと一人で見たいんだよ。中堅戦は」

淡「どうして?」

照「…いろんな思い入れがあるだろうし」

淡「ライ…バル?」

菫「そんなところだろうな、少し大人しかったし」

照「セーラにとっての愛宕洋榎は特別なんだよ」

淡「特別…」

菫「まあ、そっとしておこう」

淡「う、うん…」

照「…ゴホン、ここに私たちしかいないから言うけど…
  セーラにとって愛宕さんはライバル、とは少し違うんだ」
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:40:01.65 ID:rmAjgOCCo
菫「ん?それは私もわからないな、力の拮抗したいいライバルだろ?」

照「ううん、セーラはね…直接戦って愛宕洋榎に勝ったことが一度もないの」

淡「え、そうなの!?」

菫「あ…!そういえば確かにそうかもしれない」

照「いつもいいところまで行くけど、結局勝てないんだって。
  中学の頃からその繰り返しだって」

淡「そうだったんだ…知らなかった」

菫「確かにミドルのとき、大阪には荒川憩という魔物がいたから、
  江口や愛宕の直接的な勝敗を気にする人なんかいなかったかもしれない」

照「うん、セーラも似たようなことを言ってた」

菫「で、高校でもそれは変わらなかったということか」

照「そうみたい。直接戦う機会はほとんどなかったけど、でも
  それでも一度も勝てなかったって。それが悔しいって」

菫「だから、ライバルじゃないということか」
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:40:33.69 ID:rmAjgOCCo
照「ライバルというよりは、きっと、目標だね。
  そんなの、セーラは認めないと思うけど」

菫「あぁ、そうだな。あの愛宕が目標なんて
  口が裂けても絶対に言わないだろうな」

淡「…セーラ、辛いのかな」

照「強がってるけど、相当悔しい思いをしてるはず」

淡「けど、インターハイのとき楽しかったって言ってたよ?」

菫「あいつはウソをつくタイプじゃないし、それは事実だと思うぞ」

照「楽しかったのはほんとだろうね。でも、悔しさもあった。
  楽しいのと同じか、それ以上にね」

淡「だから、絶対中堅を固辞したんだね。
  じゃなきゃ出ない、なんて言って」

菫「最後のチャンスだからか」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:42:11.99 ID:rmAjgOCCo
照「もちろん、まだまだ戦う機会はあるだろうけど、でも
  セーラは高校生活最後に一矢報いたいんじゃないかな」

菫「なるほどな…」

淡「それでナーバスになっちゃってるんだね、セーラ」

照「エースになって緊張しまくってた淡くらいにね」クスッ

淡「むぅ、照のバカー」ポカポカ

照「だから淡も、自分がセーラにされて嬉しかったことを、
  セーラにしてあげてね。きっと喜ぶよ」イテテ

淡「うん!」

菫「ライバルじゃなくて目標か…」

菫「(…江口、お前ならできるよ。私は、…信じてる)」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:43:06.98 ID:rmAjgOCCo
試合会場、ロビー、大型スクリーン


アナ『愛宕洋榎、2位を突き放す満貫ツモ!』


洋榎『よっしゃ!!』


セーラ「…ふぅ」

セーラ「(うっさいなぁ、相変わらず)」

セーラ「(…絶対、上がってこいよ、大阪)」

セーラ「(負けへん、絶対…絶対や!!!)」ゴォォォォォ
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 16:45:47.55 ID:rmAjgOCCo
ここまでです


>>264
すばら先輩は飛ばないから…
>>265
あわあわマジかわいい!


次からはサクサク決勝進めていきます


ではまた
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 19:16:02.02 ID:la/qwVzOo
やっぱり洋榎がナンバーワン!
やっぱり洋榎がナンバーワン!
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/10(金) 19:25:22.81 ID:qQ9AZ/Ivo
??「やっぱりお姉ちゃんが最強や!」
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:47:23.61 ID:D5WuQXP1o
決勝戦当日、控え室


淡「ついに、きたね」

セーラ「今日で全部終わりや」

照「うん」

智葉「そうだな、3年生はこれで高校麻雀からは卒業だ」

菫「コクマに個人戦はないからな、本当に終わりだ」

淡「…そう、だね」

菫「私は試合に出られないが…お前ら3人に全てを託すよ」

セーラ「ん、任せろ」

照「菫の分も、頑張るよ」

智葉「今大会における弘世の功績は大きい、それは誇れることだと思う」

菫「…ありがとう、嬉しいよ」
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:48:46.19 ID:D5WuQXP1o
真佑子「気合を入れるのはもちろんですけど、でも、
    やっぱり、少し寂しいって思っちゃいます」

照「私も寂しい、でも、私の麻雀はここで終わるわけじゃないから」

セーラ「(…やっとはっきり口に出したか、よかった)」

真佑子「そうですよね、プロ行き…ですよね」

照「うん、そうだね」

セーラ「…自分の麻雀を、ていうか、その、」

照「ちゃんと守る。ていうか守れなかったら、私は戦えない」

菫「あぁ、そうなるだろうな」

淡「え、何を守るの?」

照「自分が自分らしくあるための気持ちであり、私の麻雀そのものだよ」

淡「…よくわかんない」

智葉「3年生が培ってきた全てが1年坊にわかるわけないだろ」

淡「うぅ、それはそうかもだけど」
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:49:16.81 ID:D5WuQXP1o
アナウンス『まもなく先鋒戦が開始となります、出場する選手は…』


淡「さて、…いきますか」

セーラ「思いっきりいったれ」

淡「おまかせあれだよ!」

照「あれ、それ、誰かが…」

菫「ん?」

真佑子「確か、奈良の…?」

照「松実の妹さんか」

淡「それそれー!って私はインターハイでも言ってたよ!」

照「そうだっけ?」

セーラ「覚えてへんな」

菫「右に同じ」

淡「えぇー」
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:49:42.28 ID:D5WuQXP1o
智葉「ふざけてないでマジメにやれ」ポカッ

淡「痛っ…くない」エヘヘ

智葉「お前らしくやれば何の問題もない。頑張ってな」ポンポン

淡「う、うん!ありがと!」ニコニコ

菫「今日もいい顔しているよ。お前なら、大丈夫だ」

セーラ「おう、いけるで、淡」

淡「うん!」

照「私からは…何もない。淡は、大丈夫」

淡「照…うん、頑張るよ」

照「そうだね、頑張ってね」ナデナデ

淡「あ、ありがと//」
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:50:19.66 ID:D5WuQXP1o
淡「…あ、あのさ、セーラ」

セーラ「なんや?」

淡「…対局室まで、一緒に行こう?」

セーラ「あぁ、そういやインハイでもそうやったな。ええよ〜」

淡「やった!」

智葉「ガキ」

淡「い、いいの!」

セーラ「はい、お手をどうぞ。お姫さん」

淡「えへへ、はい」

セーラ「ほなちょっと送り届けてくるから」

淡「いってきます!」


ガチャリ

バタン
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:50:51.76 ID:D5WuQXP1o
対局室前


セーラ「お前、めっちゃ緊張してるやろ?」クスクス

淡「だ、だって…だけど、でも、セーラもだよ」

セーラ「うん、俺の手もお前の手もめっちゃ震えてるもんな」ケラケラ

淡「でも、セーラも私と同じだと思うと少し気が楽だよ」

セーラ「そうか、ならまあええか」

淡「…ねえ、セーラ」

セーラ「んー?」

淡「えっとね、その、」

怜「あっ!セーラ!」

セーラ「おぉ、怜かぁ。あ、竜華と同伴か?」

竜華「セーラもやん」クスッ

セーラ「やなぁ」クスクス
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:51:35.03 ID:D5WuQXP1o
淡「…じゃあ、行くね」スタスタ

セーラ「あ、あぁ。頑張れよ!!」

淡「うんっ!!」


怜「あれ、なんか邪魔したっぽい?」

セーラ「いや、ええよ。それより怜、応援してるで」

怜「え、ほんま?」


セーラ「淡の次、にな。んで、優勝はもらうけども」

竜華「そらそうやで」

怜「あはは、そうやんな」
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:52:00.45 ID:D5WuQXP1o
セーラ「じゃ、俺は戻るから」

竜華「うん」

怜「またな、セーラ!」

セーラ「お前ら、後悔せんようにな!」


タッタッタッ


竜華「ふふ、セーラって変わらんなぁ」クスクス

怜「そこがええの」

竜華「まあな。じゃあ、怜…頑張ってな」

怜「任せといて!」
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 20:54:27.46 ID:D5WuQXP1o
ここまでです


>>276
洋榎ちゃん大好きっすセーラくらい好き
>>277
絹ちゃんや!


これからしばらく決勝戦です


それではまたー
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 22:15:46.23 ID:QqoydD0go
おつおつ
怜するどいよトキ
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 23:19:49.27 ID:OtyQpPOSo
乙ー!
淡と怜が同じ卓か
相性最悪じゃないですかー能力的な意味で
姉帯さんよりマシだけど不安
頑張れ淡。続き期待してますー!
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 23:35:23.62 ID:d144l0Ppo
すばらです乙乙!
怜がいるとダブリーマシーンになれない…
先鋒戦は置いておいても
あわあわの恋が叶いますように
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:25:36.30 ID:nXaceJLwo
対局室


淡「…はぁ(言えなかったなぁ)」

淡「(大会が終わったら話がある…ただ、そう言いたいだけなのにな)」

淡「(…だめだめ、切り替えよう)

淡「(私はエース、私らしく、白糸台を支えるエースとして
   ここでも、力を発揮する!誰にも負けない!)」

淡「(…よし、いける!!!)」ゴッ!


淡「リーチっ!!!」


怜「(来た来た…大星淡のダブルリーチや!ゾクゾクするわ〜!)」

玄「(うぅ、やっぱり6向聴スタートだよー…
   けど、今日は絶対負けられない!お姉ちゃん、私頑張るから!)」

美穂子「(大星さん…手ごわい相手ですね。でも、負けるわけにはいきません!)」
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:29:59.25 ID:nXaceJLwo
アナ『先鋒戦終了!エース区間は壮絶な争いが繰り広げられました!!』

アナ『トップに躍り出たのは大阪代表の園城寺怜!終盤の3連荘で、
   1位を守り続けていた東京代表の大星をかわしました!』

アナ『1位の地元大阪チームには盛大な歓声が送られています!』

アナ『長野代表の福路と奈良代表の松実玄は3位4位ではありますが
   1位の大阪とは僅差に詰めており、勝負はまだまだこれからです!』


怜「ふぅ、お疲れさんです(本気出しすぎてフラフラやで…)」

淡「うぅ…(まくられたぁ…園城寺さん恐い!)」

玄「はぁ…(4位だけど、だけど、でも、頑張った…よね?お姉ちゃん!)」

美穂子「おつかれさまです(非常に疲れる試合でした…)」ペコ
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:31:24.24 ID:nXaceJLwo

先鋒戦終了、控え室


セーラ「ひゃー…怜め、やりおる」

智葉「最後はヒヤヒヤしたぞ、これ」

照「まあ、最後のツモは仕方ないというか」

菫「むしろこのメンツでずっと1位保ってたのが素晴らしい」

真佑子「園城寺さん、後半の南場に入って目の色変わりましたよね」

セーラ「無茶しよるわ…病弱のくせにして、ほんまにもう。大丈夫かな…」

照「それに準決勝でも感じたけど、松実玄さんは強くなったね」

真佑子「そ、そうですか?今日はともかく準決勝はだいぶ削られていたんじゃ…」

セーラ「いや、インハイの頃と比べて隙が減ったように思うで」

真佑子「そうなんですか」

照「うん、選手として一皮向けたような印象は受けるな」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:31:56.29 ID:nXaceJLwo
菫「あぁそういえば、インハイ後にはドラ置き場と揶揄されて落ち込んだらしいぞ」

智葉「どこ情報だそれ、ひどいな」

菫「確か今大会のパンフレットで本人が言ってる」

セーラ「へぇ」

照「ドラとの付き合い方を少し変えて、それが功を奏したんだね」

智葉「なるほどな、ドラ爆のコントロールも難しいもんだ…」


ガチャリ

バタン


淡「た、ただいま…」シュン

セーラ「なに凹んでんの」ホッペツンツン

淡「ごめんなさい、最後のポンをしなければ…」
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:33:13.73 ID:nXaceJLwo
照「うーん、そうは思わなかったけど」

淡「え、ほんと?」

菫「あぁ、あの場面なら大丈夫だ。園城寺怜のツモはある意味仕方ない、切り替えろ」

智葉「少しヒヤヒヤしたが、まあ、よくやったよ」

淡「あ、ありがと…」ニコッ

智葉「そうそう、お前は笑ってたほうがいい」ポンポン

淡「う、うん」

真佑子「大星さんはあの中で唯一の1年生だし、すごいよ!」

淡「でも、…私はエースだから。もっと頑張る」

セーラ「あぁ、ええ心がけや。偉いなぁ、淡は」ナデナデ

淡「え、えへへ…」
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:33:58.50 ID:nXaceJLwo
次鋒戦、対局室


智葉「今日はよろしく(…ダブルドラゴンねぇ)」ペコッ

竜華「どうも、よろしゅうお願いします」ペコッ

智葉「(清水谷竜華は謎が多い。平均獲得点数は関西随一で
    完全なデジタルではないが、基本に忠実な打ち手…、)」

智葉「(しかしインハイでは時折不可解な手順で和了していた…
    その謎はいまだ解けない…一度、正面からぶつかってみるか)」 

透華「お願いいたしますわ」

智葉「よろしく(龍門渕透華…ダヴァンが言っていた相手…
   普段はデジタルだがよく道筋を外れて痛い目にあっている)」

智葉「(しかしこの龍門渕は試合中に突如豹変するらしい…
準決勝では変わった様子は見られなかったが)」

智葉「(これはじっくり様子を見させてもらわなければ)」
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:35:23.27 ID:nXaceJLwo
竜華「あれ、奈良の子遅いなぁ」

智葉「遅刻か?」

透華「もう時間がありませんわ」


やえ「おまたせ!」ドーン


智葉「…遅い」

やえ「す、すまない」シュン

透華「さぁ、サクサクはじめますわよ!」

竜華「ほなはじめるでー」

智葉「(…小走やえ、だったか。奈良では阿知賀女子以外から
    唯一選出された選手だったな)」

智葉「(堅実かつ実直な打ち手…ふふ、捻ってやるよっ!!)」ハハハ
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:36:03.98 ID:nXaceJLwo
控え室


セーラ「おぉ、恐い怖い」ケラケラ

菫「え?」

セーラ「いや、辻垣内がやな、この奈良の小走さんやっけ?を見て笑ってたんよ」

真佑子「え、笑ってないですよ?」

セーラ「さっき一瞬笑ってたんやって、それがもう邪悪な笑顔なんよ」ケラケラ

淡「智葉怒るよー、それ」クスクス

セーラ「そうかー?辻垣内らしさなんちゃうの、それが」

照「まあ、それもわからなくはないね」

セーラ「ほら、何回も戦ったことある照が言うねんから間違いないって!」

照「試合ってワクワクするって言ってたと思う」

菫「ワクワクねぇ」

照「決勝は強敵揃いだからね、楽しくて仕方ないんじゃない?」

セーラ「あぁ、そんな感じやろな〜」

淡「ふむ…あ、また笑った」

真佑子「確かにちょっと恐い…」

セーラ「さて、どうなるかな」
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:38:45.32 ID:nXaceJLwo
ここまでです


>>287
怜可愛いよ怜
>>288
最悪だと思ったので怜が勝ちました
>>289
まあ、あわあわは今大会で急成長したので
いい勝負だったと思う、たぶん…


闘牌が書けないのであっさりと進んでいきますがご容赦ください。


それではー
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 21:52:14.35 ID:REho3bJdo

次峰戦のメンツはいぶし銀やねえ
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 22:04:09.68 ID:psklL0YUo
乙ー!
小走先輩の「おまたせ!」でワロタw
安定してあわあわがかわいい!
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 15:36:30.43 ID:/+P2UXvdo
次鋒戦終了後、対局室


智葉「…ふぅ」

透華「……」

竜華「はぁ…」

やえ「……」

智葉「…誰か何か言え」

透華「……」

竜華「おつ…かれさん?」

やえ「お、おつかれ」

智葉「あぁ、お疲れ」

智葉「(なんだこの異常な疲労感は…)」

智葉「(原因はあいつだ…龍門渕透華…クソ)
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 15:36:57.08 ID:/+P2UXvdo
透華「…お疲れ様でしたわ、失礼いたします」スタスタ

智葉「お、おぉ」

竜華「ほな、うちもこれで」スタスタ

やえ「…悔しくはないのか?」

智葉「悔しくないわけないだろ」

やえ「……よくわかった」スタスタ

智葉「(前半戦の南場に入った頃から龍門渕の様子がおかしくなった…
    テンションの高かった彼女がすぅっと静かになり、)」

智葉「(無表情になり、どこかをじっと見つめて…
    これがあいつの言っていた豹変したということなのか)」

智葉「(…クソ、最後の大会だったのに。私は臨海女子を代表してやってきたのに…クソ!!)」

智葉「(悔しくないわけない、悔しくないわけが…!!!)」ドンッ!
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 15:37:22.24 ID:/+P2UXvdo
アナ『次鋒戦は長野代表龍門渕透華の独壇場で長野が1位に浮上っ!!!』

アナ『東京、大阪、奈良は軒並み大幅に点数を削られています!』

アナ『さぁ、中堅戦でどこまで盛り返せるか注目となります!』


次鋒戦終了後、控え室


セーラ「ふぅ」ハァー

菫「らしくない、緊張か?」

セーラ「ん、まあ、それなりに」

照「気負わないこと、セーラが淡に言ったことだよ」

セーラ「ん…うん、それは、うん」

淡「元気ないね、セーラ」

セーラ「や、元気はあるで!武者震いっちゅうやつってことにしとけ」

菫「よく言うよ」ハァ
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 15:37:48.47 ID:/+P2UXvdo
ガチャリ

バタン


智葉「はぁ」

真佑子「あ、おかえりなさい!」

セーラ「お、おっかえり〜」

智葉「もう着替えてたか」

セーラ「まあな」

智葉「…あとは任せた」

セーラ「おぉ、任せとけ」

照「辻垣内さん、龍門渕さんには一体何が?」

菫「長野の打ち筋が急に変わって、誰もついていけなくなっていたな」

智葉「…さぁ、何が起きたのかは結局よくわからない」

智葉「ただなんて言えばいいか…上から押さえつけられるような重圧というか
   そういうものが卓全体に広がっていたような気はする」

照「重圧…か。なるほど…」
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 15:41:15.42 ID:/+P2UXvdo

淡「智葉、お疲れ様」

智葉「ありがとう、大星」ナデナデ

淡「ねぇ智葉、…落ち込んでる?」

智葉「はぁ?」

真佑子「大星さんストレートすぎるよ」

智葉「…落ち込んでる、めちゃくちゃ」

照「…辻垣内さん」

智葉「消え入りたい、無様だ、格好悪い…」シュン

淡「じゃあ、笑おうよ?ほら、智葉が笑ってたほうがいいって言ってたから」ニコニコ

智葉「大星…」

淡「ね?私、そう言ってもらえて嬉しかったし…」

智葉「…ありがとう」ウルッ
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 15:41:42.37 ID:/+P2UXvdo
セーラ「さて、ほな俺は行ってくるで」

照「頑張れセーラ!」

菫「見納めだな、スカートも」

セーラ「うん、ま、後悔せんように頑張る」

智葉「ほんと、そうだ」

真佑子「江口さん、頑張ってください!」

淡「セーラ…頑張って」

セーラ「あぁ、最後や。最後やから、楽しんでくるわ!」


ガチャリ

タッタッタッ

バタン
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 15:42:45.37 ID:/+P2UXvdo
アナ『さて、間もなく中堅戦の試合開始です!』

アナ『1位の長野からは清澄高校3年の竹井久、
   インターハイでは部長を務めました』

アナ『2位につけている大阪からは姫松高校3年愛宕洋榎、
   名門の主将は抜群の安定感を誇ります』

アナ『3位の東京からは白糸台高校3年、江口セーラ、
   史上初のインターハイ3連覇達成に貢献した高火力選手です』

アナ『4位は奈良の阿知賀女子1年、新子憧、
   中堅戦では唯一の1年生で、上手さの光る選手です』


照「…目標を超えろ、セーラ」

菫「大丈夫だよ、江口は」

照「うん…」

菫「私は、あいつを信じる」

照「…私も」
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 15:43:48.11 ID:/+P2UXvdo
ここまでです


>>299
渋い感じで…
>>300
あわあわ可愛い!


さて、次回中堅戦です


それでは
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 23:18:33.35 ID:QR0bOmW0o
??「やっとお姉ちゃんの出番や!」
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 11:31:43.80 ID:+Y8VxlTeo
これは熱い展開
セーラ頑張れ
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 18:29:13.89 ID:8J6Zd8+Eo
部長に見せ場はありますか(小声)
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:30:28.98 ID:UcEr05nko
中堅戦開始前、対局室


セーラ「まだ、お前だけかー」

憧「まーね。今日も、よろしく」

セーラ「またお前だけ1年坊やなぁ」

憧「そうね、でも、そんなの関係ないでしょ?」

セーラ「そらそうやな」

憧「…お互い、頑張ろうよ」

セーラ「あぁ、もちろん」

洋榎「あーあ、先に来てるやん」

セーラ「遅いで、アホ」

洋榎「遅ないわ、アホはお前や」

久「あなたたちインハイから何も変わらないのね」クスクス

セーラ「人間そう簡単に変わらへんって!」
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:30:55.39 ID:UcEr05nko
洋榎「こいつはいつまでたってもおっさんやからな〜」

セーラ「なんやと!?」

憧「まぁまぁ、あんま時間ないんだからモメないで」

洋榎「お、ええなぁ、自分1年生やろ?」

憧「そうだけど?」

洋榎「うんうん、そういうツッコミ好きやで〜」

憧「そ、そう…」

久「さて、愛宕さんも席について」

洋榎「へいへい、よっしゃ、はじめるで〜!」
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:31:56.44 ID:UcEr05nko
中堅戦開始、控え室


久『ツモ』

セーラ『おっと…』


憧『それ、ロン!』

セーラ『あれ、そっちか〜』


洋榎『ツモや、これは痛いやろ?セーラ』

セーラ『うっさい、はよ持ってけ』


洋榎『それロンや〜。はんっ!甘いなぁ、セーラ。
   それが通るって本気で思ったんか?』

セーラ『くっ…』
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:32:48.12 ID:UcEr05nko
照「うーん…」

菫「今のところ江口はヤキトリじゃないのか」

智葉「萎縮…いや、緊張か?江口らしくないな」

淡「セーラどうしちゃったのかな…」

真佑子「江口さんが和了れないなんて…どうしちゃったんだろう?」


アナ『中堅戦前半終了ー!!愛宕洋榎、絶好調です!
   大阪が1位に躍り出ました!!』

アナ『長野は2位に転落ですが点差はごくわずかに位置し、
   奈良は4位から3位に浮上しています!』

アナ『一方、東京の江口セーラは一人沈みで、前半戦は和了できず!
   不用意な振込みが目立ち、東京都代表は最下位に転落です!』


照「ちょっと行ってくる」

菫「私も」


ガチャリ

タッタッタッ
タッタッタッ

バタン
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:33:25.12 ID:UcEr05nko
淡「じゃあ私も!」

智葉「お前は止めとけ」グイッ

淡「なんで!?」

智葉「江口の気持ちを考えろ」

淡「…え?」

智葉「あいつはお前の前だといい所見せようとするからな」

淡「そうかな?」

智葉「そうだ。こういうことは同級生に任せとけ」

淡「う、うん…」シュン

淡「(…私はいつも蚊帳の外だよ……でも、でもっ!!)」


ガチャリ

バタン

タッタッタッ


智葉「ちょ、大星!…行きやがった」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:34:07.92 ID:UcEr05nko
対局室前、ベンチ


照「セーラッ!」ハァハァ

セーラ「…照、と、弘世ね。えらい慌てて」

菫「お前…どうしちゃったんだ」ハァハァ

セーラ「…あぁ、なんか余計なことばっかり考えてしまうねん」

照「愛宕洋榎には負けたくない、1度は必ず勝ちたいって?」

セーラ「ま、そんなとこ。意識なんかしてないつもりやったのに、」

セーラ「いざ卓についたら、あいつと向き合ったら…あかんかった」

菫「…らしくないじゃないか。メンタルはお前の武器だろ」

セーラ「ん、そのつもりやったんやけどなぁ…ごめんな」

照「謝らなくていいよ、怒ってるわけじゃない」

セーラ「…そうか」
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:34:37.14 ID:UcEr05nko
淡「はぁはぁ、ちょっと、置いていかないでよ」

セーラ「淡!…どした?」

淡「どした?は私が聞きたいよ!」

照「淡、ここは私たちに任せて…」

菫「そうだ、お前は戻ってろ」

淡「嫌だよ!私はセーラの後輩だし、大切にしてもらってるんだよ?
  こんなときに何も出来ないなんて嫌だよ!」

淡「照だって言ったじゃん!私がして嬉しかったことをしてあげて欲しいって!」

照「あ、うんそれはそうなんだけど…」

淡「私が辛い時いつも励ましてくれて、そんな先輩に
  何にも出来ないなんて…そんなの嫌だよ…」ウツムキ

セーラ「……ありがとう、淡」ギュッ

淡「せ、セーラ…?」

セーラ「ありがとう、ちょっとだけこのままな」

淡「う、うん//(うわぁぁ、抱きしめられてるよー!)」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:35:18.86 ID:UcEr05nko
セーラ「不甲斐ないなぁ。気負うなって淡に言うたのになぁ」ハナレル

淡「そんなの…」

セーラ「自分が一番気負って自滅してるんやもんなぁ、情けない」

照「そんなことないって、セーラ」

菫「これをきっかけにいつもの江口に戻ってくれ」

セーラ「ん…」

淡「あ、あのね、えっと、…私は、…」

セーラ「ん?」

淡「目から火が出るんじゃないかってくらい熱いセーラが……私は好きだよ//」

照「淡…」

セーラ「ありがとう、ほんまいい後輩や。ありがとう」ナデナデ

淡「苦しい時は頼ってって言ってくれて嬉しかったんだ、だから、お返しだよ」エヘヘ

セーラ「うん、わかった」
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:36:00.08 ID:UcEr05nko
菫「すっかり役割を奪われてしまったなぁ、照」

照「…そうだね」

セーラ「いや、淡もやけど、俺はお前らの姿見るだけで安心できた」

照「え?」

セーラ「あぁ、一人じゃないって思えた。わかってたことやねんけどな」

菫「…なら、きてよかった」

セーラ「うん、そやで。…よし、じゃあ気合入れなおすわ」

照「頑張れセーラ」

セーラ「あぁ。平常心でやってみる。照の好きなあれな」

照「…おぉ、いいね」

菫「それはいい考えだ」

淡「なになに?」

セーラ「俺は白糸台が大好きって話」

淡「え?」

セーラ「じゃあ、戻るな。ほなあとで!」
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:37:46.72 ID:UcEr05nko
照「…ていうか淡さ、さっきどさくさに紛れて告白したよね」ボソッ

淡「は、は?し、してないし!」アワワ

菫「江口はアホだからまず気付いていないぞ」

淡「だ、だからしてないって!」アワアワ

照「いつ言うんだろうって思ってたんだけど、…今なの?」

淡「い、勢いっていうか…ってしてないから!」

照「…まあでも、言うならちゃんと伝えるといいよ」

菫「………照、お前、」

照「なに?」

菫「いや…」


淡「…??」
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 21:39:23.41 ID:UcEr05nko
ここまでです


>>309
絹恵ちゃん!
>>310
頑張れセーラ!
>>311
ど、どうかな…


セーラを書く時が一番気合入る…


ではまた
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 22:53:11.38 ID:KjFt8GuSo
おつおつ!
遂に淡ちゃんが恋愛戦線に参加!?
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/16(木) 23:05:08.29 ID:V1TKtTYgo
すばらっ!
頑張れ淡応援してるで!
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 03:59:30.95 ID:WywqqIXqo
あわあわかわいい
でもおれは菫さんを応援するんや!
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 20:06:23.59 ID:EVT/v1g2o
セーラ好きが書くセーラハーレムか…なんで白糸台に居んだよ
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 21:07:13.44 ID:oaCYqLq4o
>>326
白糸台の推薦を受けた話だから
照のことは振ってセーラが菫を好きなことを伝えたし、今現在セーラを好きなのは淡だけなのにハーレムなの?
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:12:49.21 ID:ovmAdi2yo
対局室内、2人


セーラ「ふぅ…平常心。白糸台の麻雀…」ブツブツ

セーラ「最後の大会…悔いなく気負わず…」ブツブツ


洋榎「点数失いすぎて独り言か?」

セーラ「あぁ?うっさいわ垂れ目」

洋榎「お前なぁ、本気でやってんのか?」

セーラ「当たり前やろ!?」

洋榎「そうは見えんな、オーラスでうちに振り込んだやつ、なにあれ?
   あれが通るって本気で思ったん?」

セーラ「…まあ、危険牌ちゃうと思ったから」

洋榎「甘い、お前はやっぱり甘いな」

セーラ「はあ!?」
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:13:15.45 ID:ovmAdi2yo
洋榎「そんなことやからうちに勝てへんねん、アーホ」ハァ

セーラ「そ、そんなん…!」

洋榎「お前はいっつもそうやねん。守りがスカスカでも
   それより稼げば問題ないって思ってるやろ?」

セーラ「まあ…」

洋榎「それもわからんことはないけど、それは格下にしか通用せんわ。
   わかってると思うけどうちはお前より格上やで、舐めんなや」

セーラ「誰がそんなもん認めるか!」

洋榎「認める認めへんはセーラの勝手やけどな、そのままのやり方やったら
   プロにいけても2流止まりや。ちゃんと防御せぇや」

セーラ「……」ギリッ
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:13:53.89 ID:ovmAdi2yo
洋榎「今まで自分が負けてきた理由をちゃんと考えたらどうや
   周りはお前に調子ええことばっかり言うやろうけど、」

洋榎「お前は自分を振り返ったことあるんか。しゃーないとか
   そういうこともあるとか言うて弱点を見んようにしてたんちゃうんか」

セーラ「……(くそ、何も言い返せへん)」

洋榎「うちはお前と対局するのが楽しみやった。けど、今日はがっかりや
   お前のこと、ライバルやって思ってたんも考え直すわ」

セーラ「勝手にせぇや」

洋榎「セーラ、やっぱりお前は東京なんか行くべきやなかったと思うで
   中学時代のお前の方がよっぽど強いわ、ココ、メンタルがな」トントン

セーラ「お前どこまで言うたら気が済むねん!白糸台バカにしてんのか!?」ガタッ

洋榎「自分の弱さに向き合えへんやつなんか、うちには絶対勝てへん」キッパリ
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:14:27.75 ID:ovmAdi2yo
洋榎「…っちゅーか、宮永照、あれとチームメイトになるんは
   お前にとって百害あって一利ナシやな」

セーラ「っ!!おいコラ!言うてええこととあかんことがあるやろ!?」グイッ!!

洋榎「引っ張んなや。事実やろ。あいつがいたら勝てる、お前は他の誰でもええんや。
   そういうことを考えたことくらいあるやろ?」イタタ

セーラ「…それは」

洋榎「ま、根性論や仲間意識で誤魔化してるんかもしれへんけど、
   うちは宮永照がいることでお前は一人の雀士として、」

洋榎「うまく成長できてないように思う。あれは蓋やな。
   お前がなんと言おうと、いくら宮永照を庇おうと、うちはそう思う」

セーラ「うるさいわ!お前に、お前に俺の何がわかるんや!
    何も知らんくせに…勝手なことばっかり言うなや!!」
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:15:33.44 ID:ovmAdi2yo
セーラ「別に俺のことは何でもええ、弱いんは事実や、お前に勝てへん。
    でも、でも、照のことは関係ないやろ!?」

洋榎「あるから言うてんのやろ、お前は素直に千里山行ったらよかったんやって」

セーラ「黙れ、黙れや!」

洋榎「そうやって怒るんは思い当たることがある、図星ってことやろ」

セーラ「黙れって言うてるやろ!?」

洋榎「黙って欲しかったら麻雀で黙らせろや、な?」

セーラ「…くそ、やったるわ!絶対勝つ!ほんで、今言うたこと撤回しろや!」

洋榎「セーラが勝てたらな」

セーラ「勝ったるわ、覚悟しとけや!!」ゴォォォォ!!

洋榎「はいはい、まあ、頑張れや」
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:16:16.60 ID:ovmAdi2yo
洋榎「(…世話のかかるやっちゃな。でも、これで本気になったか?)」

洋榎「(白糸台や宮永照を突付けばセーラは怒るやろうと思ったけど
    やっぱり怒ったな。…やっぱ好きな人って宮永照なんかな?)」

洋榎「(まあ、それはええ。楽しませてや、セーラ。
    うちのライバルがお前以外におるわけないやろ?)」


洋榎「(さて、…)」
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:17:24.28 ID:ovmAdi2yo
久「…バカね、ほんとあなたたちって」

憧「声でかすぎなんですけどー」

セーラ「う、すまん…」

洋榎「アホにお説教してただけやで〜」

セーラ「なんやと!?」

久「はい、もう止めて。後半始まるから」

洋榎「へいへい」

セーラ「…ほな、はじめよか」

憧「ったく、3年生のくせにガキなんだから」

セーラ「…うぅ」

洋榎「ガキで結構や〜」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:22:31.27 ID:ovmAdi2yo
ここまでです


>>323
セーラは気付きませんがまあそうなります
>>324
あわあわ可愛い!
>>325
菫さん可愛い!
>>326
なんで白糸台か、白糸台inは安価だったのです
よろしければ過去ログを読んでみてくださいね
>>327
ハーレムとは違う、つもりです
セーラってどんな人にもだいたい好かれるタイプだと思ってます


ぼちぼち、大会の終わりが見えてきました


それでは
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:33:47.84 ID:oaCYqLq4o
>>335
誤解させる書き方してすみません
ハーレムとは思ってないし、私もそう思います

洋榎がめっちゃかっこええ!
こーゆー関係羨ましい
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:44:12.25 ID:S4/6AEiCo
??「お姉ちゃんかっこええ! ライバル復活させる堂々としたお姉ちゃん最高や!」
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/17(金) 22:48:06.91 ID:2Sinh3Mto
熱い…熱いわ…!
次回も楽しみ!
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:39:08.53 ID:UdV/CZR4o

後半戦開始、対局室


セーラ「(元より負けられへんけど、さらに負けられへんようになったな)」

セーラ「(愛宕のアホ、好き勝手言いやがって……でも、防御しろって…)」

セーラ「(あれって、アドバイスなんかな…いや、
     まあそら防御もそれなりにしてるけど…)」

セーラ「(確かに守りよりは攻めの方が好きやし、比重は当然そっちに傾いてた
     監督も照も弘世も、それを直せとは言わずに火力を褒めてさえくれてた)」

セーラ「(照相手にだって、淡相手にだって、全国の猛者にだっていつも
     それを貫いていた、それが俺のポリシーっちゅうか、スタイルやったし…けど、)」

セーラ「(実際、照には勝った事ないし、淡にもトータルでは負け越し、
     インハイの個人戦もベスト8にさえ残れへんかった…)」
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:40:12.35 ID:UdV/CZR4o
セーラ「(守りを固めて戦ったことはないから…なんか?
     じゃあ、守備に徹すれば勝機が見えるんやろうか?)」

セーラ「(そんなこと考えてみたこともないくらい、攻めの、高火力スタイルは
     俺の中に根付いてたし、他のやり方なんて今更…)」

セーラ「(それにスタイルを変えてまで勝つ必要が…いや、勝つ必要はあるか。
     東京都の代表として、高校生活最後の大会で、しかも、)」

セーラ「(大切なチームメイトを蓋やなんて揶揄されて…悔しい、
     絶対に勝つ必要がある。…なら、やっぱり守備を…)」

セーラ「(そういえばあいつ中学のときのこと言うてたな…
     ん?中学?インターミドル……あっ!!)」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:41:41.07 ID:UdV/CZR4o
中学時代


怜『セーラ、なんでデジタル打ちの練習なんかしてんの?』     

セーラ『んー?まあ、試してるって言うか』

竜華『試してる?』

セーラ『火力勝負に頼りがちになってもあかんかなーと』

怜『そのままでええやん、それがセーラらしさやろ?』

竜華『デジタル打ちはうちのが得意やで?』

セーラ『あぁ、そやったなぁ』

怜『まあでも、セーラは地力が高いからなあ』

竜華『どんな打ち方でもある程度はできてしまうよなぁ』

セーラ『天才っちゅうことやな!』

怜『それはどうやろ?』クスッ

セーラ『えぇー』
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:43:22.35 ID:UdV/CZR4o
セーラ「(それでも、一度公式戦で試してみたくていつものスタイルではなく
     デジタルに専念してミドルの予選を何試合か戦ったことがある)」

セーラ「(和了率は少し上がってたし、小刻みに加点して、守備もそれなりに対応できてた。
     なかなか上出来で、ある程度の手ごたえさえ感じてた)」

セーラ「(怜が言うてたように、やっぱり地力の高さがあったからかもしらん
もちろん、相手がほとんど格下やったってのもあるけど)」

セーラ「(それでも、やっぱりこんな細々した麻雀は自分らしくない。物足りない。
     そう思って止めてしまった覚えがある…そやけど、…)」

セーラ「(…できるやろか?今の俺に…冷静にセオリーを積み重ねていけるやろか?
     そんな付け焼刃の戦法が通じるほど甘くないのはわかってる…それに、)」

セーラ「(デジタルなら長野の原村とかうちの多治比とかが上手いんやろうけど…
     ていうかデジタル勝負なら竜華にすら負けそうやけど、でも…)」

セーラ「(普通にやって、それでもどうしても勝てないなら
     それでもどうしても勝たないとあかんのやったら、…やるしかないよな?)」

セーラ「(……最後の最後にスタイルを変えるなんて悔しい。
     でも、…やるしかない!!)」
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:44:14.77 ID:UdV/CZR4o
中堅戦後半開始、控え室


アナ『江口セーラが早々にテンパイ!おっと!リーチをかけません!』


智葉「ん?どういうことだ、こういう場面ならあいつ必ずリーチを…」

照「…わからないね、なぜだろう」

菫「リーチ以前に、なんだか違和感があるぞ…なんだろうか」

淡「違和感?」

菫「あぁ、江口らしくない…でもそれがなんだかわからない」

真佑子「…この局、打ち筋が完全にデジタルのそれなんじゃないですか?」

照「デジタル…そうか、それで」
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:45:09.69 ID:UdV/CZR4o
淡「ま、確かにデジタルならダマは間違ってないけどさー」

智葉「お前デジタルわかってんのかー?」

淡「むぅ!それくらいわかるもん!」ムスッ

菫「でも、江口がデジタル?振り込んでも取り返せばいいとか言ってるやつだぞ?
  しかもなんでまた急にそんな慣れないことを…」

智葉「だが、多治比が言うようにこの局デジタルに徹しているのは違いないようだ」

淡「クスッ、セーラがデジタルかぁ。…ぜーんぜん似合わないね」クスクス

照「確かにらしくない、でも、…きっとなにか考えがあるんじゃ」
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:46:09.66 ID:UdV/CZR4o
セーラ『それ、ロンやっ!!』

洋榎『うっ、お前なんでリーチしとらんねん!』

セーラ『さぁな〜』


菫「中堅戦初の和了りだな、…よかった」ホッ

照「これは他家が混乱しそうだね、セーラも考えたね」

智葉「このまま上手くいけばいいがなぁ、
   奇襲的な作戦なんて長続きはしないだろ?」

淡「大丈夫だよ、だってセーラだもん」

智葉「理由になってないだろ、それ」

淡「いいの」

智葉「なんだそれは」


アナ『江口セーラが怒涛の3連荘!1位の大阪、愛宕洋榎に2度の直撃です!』
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/18(土) 21:53:26.14 ID:UdV/CZR4o
ちょっと短いけどここまでです


>>336
いえいえ気にせんといてな〜
洋榎ちゃんとセーラはやっぱり一番認め合ってると思うので!
>>337
絹恵ちゃん!
実は大阪の補欠は絹ちゃんと漫ちゃんで迷ったからあえて登場させないことにした!
>>338
目から火が出ております


それではまた
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 20:53:08.39 ID:84LiTZ5uo
セーラかっけー!
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:42:48.90 ID:3eIVBOhqo

対局室


洋榎「(くっそ、どういうことやねん。なんかおかしいやろ
    セーラらしくない…ダマに鳴き、…どういうことや?)」

洋榎「(ひょっとして…これデジタルか?)」

セーラ「(混乱しとるなぁ…いつまで続けられるかわからへんけど、
     読まれるまではこのまま…けど、これでええのかな…?)」

久「(大阪と東京だけでやりあってるみたいね、おかげで点は減らなくていいけど…
   1位でタスキを受けたのに2位転落…なんとかしなくちゃ)」

久「(それにしても江口さんは前半戦とは別人ね、…これはデジタルかしら?)」

憧「(おかしい…江口セーラは大きいのを狙ってくるはずなのに、
   この3連荘はどれも安手ばっかり…何か、あるのかな)」

憧「(あれ、…あの場面でダマ、先局の鳴き…基本に忠実な打ち筋…デジタル?)」


洋榎・久・憧「「「(あの江口セーラがデジタル?)」」」
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:43:59.46 ID:3eIVBOhqo
\セーラ「(相手をかく乱させて、混乱させて勝ちを得ることも
     作戦の一つやけど、でも…俺がしたいのはこれか…?」)

セーラ「(…くそ、結局火力は捨てられへんか。
     デジタル的にはダマやけど…でも、でも…やっぱ、)」

セーラ「リーチ!」





セーラ「(相手をかく乱させて、混乱させて勝ちを得ることも
     作戦の一つやけど、でも…俺がしたいのはこれか…?」)

セーラ「(…くそ、結局火力は捨てられへんか。
     デジタル的にはダマやけど…でも、でも…やっぱ、)」

セーラ「リーチ!」



アナ『中堅戦終了!!!東京都代表の江口セーラが1位を奪取!!
   前半戦のマイナスを取り返し、1位に立ちました!』

アナ『2位には前半戦で1位だった大阪が入りました!
後半戦は復調の江口セーラに苦戦を強いられました!』

アナ『3位には次鋒から1位でバトンを受けたましたが失速した長野、
   4位には奈良が入ります。奈良は浮上ならず、低空飛行が続きます』

アナ『残すところあと半荘4回、勝負の行方は!?』
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:45:19.76 ID:3eIVBOhqo
ミスった!
>>349上の部分は脳内削除でお願いします
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:45:57.36 ID:3eIVBOhqo
中堅戦終了後、控え室


照「か、勝った…」ホッ

菫「あ、あぁ…」


照「見ているだけなのに疲れたよ…」

菫「ん、確かに。急に意味の分からんリーチしたときはどうなるかと…」

淡「でも、あのリーチはセーラらしかったよね」

智葉「ま、デジタルならダマ一択だけどな」

真佑子「はい、あのリーチもそうですが、そのあとの局でも
     わざと三色を崩したりしていましたから…デジタルからは程遠いです」

照「多治比さんはガチガチのデジタルだもんね、気になるよね」

真佑子「はい、なので江口さんのデジタル、最初の頃は見やすかったんですが…」

菫「何を考えているんだか…」
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:46:49.12 ID:3eIVBOhqo
淡「でも、ちゃんと高い打点で上がってたよね。切り替えたってことだろうけど…」

照「まあ、なんにせよ…セーラが1位だからね」

菫「あぁ、勝ったな」

照「…うん、きっとセーラはめちゃくちゃ嬉しいだろうね」

淡「セーラってやっぱりすごいや…」

照「告白しちゃうくらいだもんね、淡」コソコソ

淡「し、してないって!」アワアワ

照「はいはい」
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:47:44.18 ID:3eIVBOhqo
対局室


セーラ「おっつかれさん」

久「あなた、ほんとえげつないわね」クスッ

セーラ「えーどこが?」

憧「なんで急にデジタルに切り替えてんの?」

洋榎「そうかと思って対策したら、元に戻して…アホか」

セーラ「ふふ、ま、成功やな」

久「でも、かなり頭を使わせてもらったわ。楽しかった」

セーラ「楽しかった?」

久「ええ、インターハイの頃よりもずっと楽しめたわ、ありがとうね」

セーラ「そらどうも、ありがと」

憧「あたしは楽しめなかったなぁ、4位だしなぁ」

久「あら、でもうちとの点差なんてあってないようなものよ
  私はだいぶ削られてしまったしね」

憧「ま、うちの後続に任せますか」

久「そうね。じゃあ、また」スタスタ

憧「…また、どこかの卓で」スタスタ
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:49:00.65 ID:3eIVBOhqo

洋榎「…負けたなぁ、まさか負けるとは」

セーラ「ふぅ、俺の本気やで」

洋榎「正直デジタルってわかったときはイラっとした」

セーラ「え?」

洋榎「そんなんお前らしくないやん。頭のネジ飛んだかと」

セーラ「あはは、でもそうでもせんと勝てへんし。
    しかも上手くいったのも奇跡的やし」

洋榎「ま、それで勝てたんやもんな」

セーラ「そうそう。俺はお前にどうしても勝ちたかった、それだけや」

洋榎「でも最後はスタイル戻したやん」

セーラ「デジタルを貫いて勝ててもそれはなんか違うんちゃうかって」

洋榎「なるほどな、それはちょっと安心したわ」
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:49:40.05 ID:3eIVBOhqo
セーラ「はぁ…やっと勝てたわ」ホッ

洋榎「…お前は、セーラはうちのライバルで間違いないわ」

セーラ「愛宕洋榎、お前もや」

洋榎「…ありがとう。ほんで、さっきは言いすぎた。
   全部撤回する、すまんかった」ペコッ

セーラ「もうええ、…ええから」

洋榎「…ん」

セーラ「じゃあ、次は…プロの世界か?」

洋榎「そやな」

セーラ「ほな、また」

洋榎「…またな」

洋榎「(…撤回したけどでもやっぱり、
    お前は大阪におるべきやったと思ってるで、セーラ)」
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:50:14.08 ID:3eIVBOhqo
控え室


ガチャリ

バタン


セーラ「たっだいま〜!」

淡「セーラおかえりぃぃぃ〜!!」ギュウ

セーラ「あはは、元気やなぁお前」ナデナデ

照「おかえり、1位浮上だね」

セーラ「おう、やったったで」

菫「ハラハラさせるなよ、まったく」

智葉「デジタルか、考えたな」

セーラ「普通にやっても勝てへん、なら、奇策でいくかってな」

照「すごよセーラ」

菫「最初は混乱したぞ」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:50:41.76 ID:3eIVBOhqo
真佑子「江口さん、東3局はまだデジタルやってましたよね?」

セーラ「え?あぁ、…そやな」

真佑子「あの局、北を出すタイミングがおかしかったです、やっぱりデジタルなら…」ブツブツ

セーラ「わ、あわわ!」

智葉「勘弁してやれ、所詮付け焼刃だ」

真佑子「あ、ですよね…すいません」

セーラ「や、ええけど…アドバイスありがと」アハハ…
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:51:45.90 ID:3eIVBOhqo
少し離れて3人


照「やったね、セーラ」

セーラ「あぁ、嬉しいで」

菫「その割には顔は緩んでいないんだな」

セーラ「今回は混乱奇襲作戦やったからな、次はもっと、ちゃんと、」

照「自分のスタイルでぶつかりたい?」

セーラ「そう、だからもっと練習して腕磨くわ」

菫「向上心の固まりだな、お前は」

セーラ「そうそう、上見とかんとな〜」

セーラ「あと、…お前らが来てくれて嬉しかった。力になったで」

照「それはよかった」

菫「お前、緊張しすぎだったんだよ」
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:52:20.92 ID:3eIVBOhqo
セーラ「…愛宕に言われたんよ。東京には行くべきじゃなかったって」

照「えっ…」

セーラ「素直に千里山にいっておけばよかったのにって」

菫「…それでお前はなんと返事をしたんだ?」

セーラ「俺が勝ったら、撤回しろって」

照「セーラ…」

セーラ「お前らのこと悪く言われたのが一番腹たったんや。
    俺は白糸台も、お前らも大好きやし」

セーラ「だから、頑張れた。我に返って冷静になれた。
    俺の大好きな麻雀を示せたって思う」
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:52:50.34 ID:3eIVBOhqo
菫「…そうか」

セーラ「うん、…ほんま、よかった…」グス

照「絶対、優勝しようね」

セーラ「あぁ…よし、着替えるわ!」

照「ね、せっかくだし表彰式まで着てれば?」

セーラ「えぇ、嫌や〜」

菫「あぁ、そうだな。表彰式は制服で出ろ」

照「最後なんだよ?」

セーラ「う…わ、わかった」
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:53:42.41 ID:3eIVBOhqo
副将戦終了後、対局室


アナ『副将戦で1位を奪取したのは大阪代表の末原恭子!!
   2位スタートから1つ順位を上げてきました!
   大阪代表は安定感抜群です!』


恭子「(魔物がおらへんしまだ楽に打てたな…
    このまま優勝を…頼むで、憩ちゃん!)」


アナ『2位には奈良の鷺森灼が入りました!
   多面張の変則待ちは今大会も健在でした!』


灼「(疲れた…ハルちゃん、TV見ててくれたかな…
   頼んだよ、穏乃…頑張れ)」
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:55:32.81 ID:3eIVBOhqo
アナ『3位には順位変わらず長野代表、原村和!
   堅実な打ち筋でしたが、ツモで削られて点数は伸びません!』


和「(穏乃のところの部長さんはなかなかやりますね…
   でも、あんな非効率な待ち…理解できません)」


アナ『中堅戦1位の東京は大失速!!最下位に転落です
   確実さを求める打ち手ですが、慎重さが裏目に出てしまいました!』


真佑子「(…やばい、こんな失点…どうしよう…
     宮永さんがいるとはいえ、長野にも宮永さんの妹が…うぅ)」
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:56:27.24 ID:3eIVBOhqo
控え室


智葉「また派手に削られたものだ」

セーラ「緊張しとったんやろ、しゃーない」

菫「そうだな、まあ、よくやったよ」

照「何点でもいい、私が全部取り返す」

淡「テルーかっこいい〜♪」

照「優勝は、私たちがいただくから」

セーラ「ん、でも、妹もえげつないやろ〜?」

菫「荒川憩も控えているし、奈良の大将はちとやっかいだ」

照「大丈夫、何の心配も要らない」

智葉「こういうときはやはり、お前の強さに憧れ、安堵するよ」

照「辻垣内さん…ありがと」

智葉「優勝しかありえない、頼む」

照「…うん」
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:57:19.81 ID:3eIVBOhqo

ガチャリ

バタン


真佑子「すいません…グス、ごめんなさい」ズズ

照「あぁ、泣かないで」ナデナデ

真佑子「だ、ってだって」グス

菫「誰にだって起こり得る、そうだろ?」

智葉「私もバカみたいに削られたんだ、同じじゃないか」

セーラ「俺もそう、萎縮して削られたんや。せやから、気にすんな」

淡「そーそ!照がいるんだから大丈夫!ね?」

照「そうだよ、安心して。全部取り返して、優勝するから」

真佑子「は、はい…頑張ってください!」

照「任されたよ」ニコニコ
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 21:59:23.84 ID:3eIVBOhqo
セーラ「頼もしいなぁ、照」

照「キャプテンだしね?」

菫「おぉ、そういえばそうだった」

照「えぇ、ひどい」

淡「照頑張ってー!」

照「うん、じゃあ、行くね」


ガチャリ

バタン


セーラ「…頑張れ、照」ボソッ
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 22:03:26.18 ID:3eIVBOhqo
今回長めで、ここまでです

副将戦は申し訳ないですが
特に書くべきこともなかったので端折りました
次回から大将戦です


>>347
セーラにはいつもかっこよくいて欲しいものです


それでは
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 22:04:07.07 ID:jkjZ0EsUo
頑張れテルー
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/19(日) 22:46:07.78 ID:uLnc7B+Oo
セーラもイカスが、控え室のガイトさんがえらいかっこいいぞ!
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/20(月) 00:29:09.46 ID:wEizObClo
?「お姉ちゃんかっこいい!」
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:22:28.85 ID:uRZC998Po
先鋒戦開始前、対局室


照「咲早いね、もう来てたの」

咲「待ち遠しくって」

照「そっか、私も」

咲「…全力で行くから」

照「私もそのつもり。だってほら、」

咲「え?」

照「最下位だからね、全力でやらなきゃね」

咲「そっか」

憩「あれ、もう来てはったんや〜」

照「荒川さん、久しぶり、インハイ以来?」

憩「あーそうですねぇ」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:22:55.48 ID:uRZC998Po
穏乃「うぉぉぉぉ!!!」

照「ど、どした!?」

穏乃「ちゃ、チャンピオン!あ、あの!よろしくお願いします!」ペコッ

照「こちらこそ、よろしくね」

憩「チャンピオンさん恐いわぁ」

咲「ですね、化け物ですね」

照「…どの口が言ってんだか、2人とも」

穏乃「でも楽しみですよね!」

照「……楽しみ、か。そうだね、楽しみだ」ニコッ


照「さぁ、はじめようか」
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:25:31.02 ID:uRZC998Po
照「(大会が始まる前から、なんとなくそうなるだろうな
   という予感があった。いつまでも、続くはずがないと)」

照「(何の根拠もないことだし、私の予感なんてよく当たるわけでもないし
   誰にも話したことはなかった)」

照「(でも、そうなるだろうという確信はどこかにあった)」

照「(麻雀で勝つことは私にとっては普通のことになっていた。
   高校の部活生活、負けたことは一度もない)」

照「(でも、やっぱり、…そうなるだろうという確信があった)」

照「(それはそうならなくちゃいけないとも思うし、
   それは必然なのかもしれないって思う)」

照「(コクマに出るのを渋った理由に、この確信も少しは関係している。
   セーラや菫にさえ言えなかったけど、でも、関係してる)」
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:26:27.80 ID:uRZC998Po
照「(お前なんかもう要らないと言われるのが恐かった。
   価値がないと言われてしまうのは恐ろしかった)」

照「(だって、私の全ては麻雀にある。勉強が得意なわけじゃないし
   運動にも全然自信がない。麻雀しかない)」

照「(麻雀のことは大好き、白糸台も、卒業した先輩も後輩も
   みんな大好き。だから、そんなみんなを失望させたくなかった)」

照「(だから、大会には出たくなかった。もちろん、他にも
   いろんな理由があったけど、でも、これも小さな理由の一つで)」

照「(言ったところで誰も信じてくれなかったと思うけど、
   それでもやっぱりセーラと菫には言うべきだったかな…)」

照「(そんなことあるわけないって言ってくれるかな。
   気休めくらいにはなったかもしれないよね、失敗しちゃったな)」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:28:10.58 ID:uRZC998Po
照「(…でも、やっぱり、言えないよね)」



照「(私はきっと、負ける、なんて)」

照「(連勝は止まる。下の学年が、私を追い抜いていく、なんて)」 

照「(私の時代は終わる。連勝は止まる、ここが潮時なんだ…なんて)」 



照「(淡を先鋒に推薦して、私が大将になったことで
   この確信はより強くなった)」

照「(大将には咲がいるから。インハイで私に勝てなかった咲が
   全力で向かってくることが想像できた)」

照「(弱気になっていたわけじゃなかったけど
   頭にちらつくそれは消えなかった)」
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:29:06.44 ID:uRZC998Po
照「(そして、他府県のオーダー表を見てさらにさらに思いは強まる。
   荒川憩……あぁ、私はどちらかに負けるのだろうと心は決まっていた)」

照「(それでも全力を尽くすことに変わりはなかった。
   優勝したい、最後の大会で勝ちたいという気持ちは強かった)」

照「(ただそれ以上に、私の予感が強かったのかもしれない)」

照「(ごめんねみんな、キャプテンはこんなこと考えてたんだよ
   頑張ろうとか、大丈夫とか偉そうなこと言いながら、)」

照「(本当は負けることを予感していて、しかも
   それを恐いと感じていたんだ…ごめんね、でも、)」

照「(今出来ることを全力でやるから…だから、ごめん)」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:31:00.30 ID:uRZC998Po
アナ『大将戦終了!!!幕切れはドラマチックだぁぁ!!
   長野代表宮永咲が姉の宮永照に数え役満の直撃っ!!!』

アナ『長野県が初優勝を果たし、宮永照の連勝記録を止めました!』

アナ『2位には地元大阪、3位に大健闘した奈良、
   宮永照率いる東京は役満直撃を受けて最下位に沈みました!!』

アナ『高校麻雀の全国大会の全てで優勝を果たしてきた宮永照ですが、
   最後の最後に、しかも妹によって大記録達成は阻まれました!!』

アナ『3年間王座を保ち続けたチャンピオンは今何を思うのか!?』

アナ『会場では死力を尽くした4人に惜しみない拍手が送られています!』
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:31:41.93 ID:uRZC998Po
控え室


セーラ「……終わったな」

菫「あぁ」

智葉「ん…」

真佑子「グス、ヒック…宮永さんっ」

淡「照、照ぅ…グス、ズズ、ウワーン!!」

セーラ「泣くな、2人とも」

真佑子「だ、って、だって」

淡「そ、だよ、悲しいよ…悔しいよっ!」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:32:15.81 ID:uRZC998Po
セーラ「ほら、あの顔見てみ?」ユビサシ

淡「えっ?」

菫「テレビに映されているとも知らずにな、あんなにまあ…」

真佑子「笑って…る?」

智葉「穏やかな顔だな、気が抜けたみたいな顔でもあるが」

淡「…悔しくないのかな」

セーラ「さあな。でも、あの顔…楽しかったんやろなぁって思う」

真佑子「ズズッ、楽しい…?」

菫「そうだな…」
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:32:44.64 ID:uRZC998Po
対局室


照「…おめでとう、咲」

咲「お姉ちゃん…」

照「どうして?」

咲「え?」

照「嬉しくないの?咲、泣きそうな顔してるよ」ナデナデ

咲「だって…」

憩「妹さんが泣きそうなんは主に宮永さんのせいちゃいますか〜」

照「…どうして?」

穏乃「えっと、咲さんは…お姉さんのことが好きだからじゃないですか?」

照「わからない、どういう意味?」

憩「アホやなぁ、宮永さんは」

照「……」ムッ
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:33:46.33 ID:uRZC998Po
咲「私はお姉ちゃんに勝って欲しかった…でも、
  手を抜いたらお姉ちゃんは怒る…だから、本気でやったんだよ」

照「そうだね、それで、お姉ちゃんは咲に勝てなかった
  お姉ちゃんは弱かったんだ、今日はこの中で一番弱かった」

咲「違うッ!そんなわけない!お姉ちゃんが一番強いんだよ!」

照「咲は何が言いたいの?」

咲「……」

穏乃「咲さんは、お姉ちゃんなら、宮永さんなら全力の自分を
   超えてくれるって思ったんだよね?インターハイのときみたいに」

咲「…うん」

憩「けど超えられへんかったと。それが咲ちゃんは悔しいねんな。
  気持ちはわかるけど、それ負けたもんには酷やで?」

咲「……わかってます、でも、…ごめんお姉ちゃん」
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:34:39.92 ID:uRZC998Po
照「みんなが、咲が、荒川さんが、高鴨さんが、私より強かった。
  ただただそれだけのことだよ。私は、弱かった」

憩「いや、あんな、宮永さん一つ言わせて」

照「なに?」

憩「うち、2位にはなったけど宮永さんより強いなんて思ってへんから。
  まだまだ敵わへん、今回はたまたまや」

照「素直に勝ったって喜んでよ」

憩「そういうわけにはいかへん、そんな楽天家ちゃうんです」

穏乃「な、なら私もです!たまたま順位が上になっただけで!」

咲「私もだよお姉ちゃん、…お姉ちゃんより強い高校生なんていない」

照「…ありがとう、みんないい子だよね…ほんと、いい子だ」
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:35:51.96 ID:uRZC998Po
照「これからはみんなの時代になる。だから、頑張ってね」

穏乃「は、はい!が、頑張ります!!」

憩「宮永さんってそういう人でしたっけ?」

照「さぁ?」

咲「…お姉ちゃん、私、…頑張るね」

照「うん、頑張れ咲」ナデナデ

照「咲なら、もっと強くなれる。
  元々、小さい頃は咲の方が強かったでしょ?ね、頑張れるよ」

咲「ありがとう…お姉ちゃん//」



照「…ねぇどうしてかな?」

咲・憩・穏乃「「「え??」」」



照「私は負けたのに…清々しいんだ…すごく、気持ちがいい」
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:36:56.78 ID:uRZC998Po
照「(予感は当たってしまった。でも、やっぱりそうだよね。
   そう思えてしまうから、悔しさは思ったほどじゃない)」

照「(負けたお前に価値はないと言われるのかもと思うけど恐いけど
   でも、今はそんなことよりも軽くなった心がふわふわしている)」

照「(ふわふわと心地よくて、いい気持ち、何かから解き放たれたような気がする。
   このままどこかへ行ってしまえたらいいのにね)」

照「(3人は私に勝ったとは思わないと言ったけど、でも、私は負けたんだ。
   それは事実で、私はあの時あの3人より弱かったんだよ)」

照「(私は大好きな麻雀をこれからも続けていくと思う。プロにだって行きたい。
   そう思うと、この負けは必要不可欠だったのかもしれない)」

照「(だって、まだまだ強くなれるってわかったから。もっと強くなりたい。
   まあ、なんにせよ……私は、楽しかったよ。)


照「(咲、おめでとう)」
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 21:41:20.37 ID:uRZC998Po
ここまでです
大将戦を一気にいきました


>>367
てるてるは頑張りました
>>368
ガイトさんかっけー!
>>369
絹恵ちゃ…いや、咲さん!


一応大会は終わったので、あとはだらだらいきます
終わりも近づいてきたと思います


それでは
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 22:14:58.02 ID:XyswD+QJo
テルー頑張った!
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 22:30:01.98 ID:bXMFPDqHo
?「お姉ちゃん本当に格好良かった///」
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/21(火) 22:50:54.64 ID:AXWko+z4o
ほろ苦い結果にキュンとした
テルーの孤独は癒されるのかな
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:38:53.12 ID:WoS1hTACo
控え室


ガチャリ

バタン


照「…ごめん」

セーラ「お疲れ様、照」

菫「ほら、お前の好きなオレンジジュースだ」

淡「お菓子もあるよ!」

真佑子「と、とりあえず座ってください」

照「ありがとう、みんな」

智葉「……よくやったよ、お前は」

照「そうかな…」

セーラ「そうや!当たり前や!」

照「…ありがとう」

菫「素晴らしい試合だった、それは事実だろ?」

照「…うん、そうだと思う。負けといてあれだけど、楽しかったよ」
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:39:18.61 ID:WoS1hTACo
セーラ「な、言うた通りやろ?」

淡「あ、うん…」

真佑子「…みたいですね」

照「え、なにが?」

セーラ「試合後のお前の顔見てたら、あぁ、楽しかったんやろなぁって」

菫「この2人は本当に楽しかっただろうか?と疑問に思ってたみたいでな」

照「そうなんだ、でも、楽しかったよ」

淡「照…かっこよかったよ」

照「ありがとう、淡」ナデナデ

セーラ「ただ、ちょっと…」

菫「ん?」

照「なに?」
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:39:52.53 ID:WoS1hTACo
セーラ「……いろいろ、なんか、思うことあるから、グスッ」

智葉「おいおい…」

セーラ「やっぱ、ちょっと、悔しいな…ヒック」

照「ごめん、不甲斐ない」

セーラ「いや…」

照「ごめんね、セーラ」ギュッ

セーラ「や、うん…グスッ、、ズズッ」

菫「…泣き虫、グス」

セーラ「うっさい…お前もやろ」

淡「……みんな」
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:40:26.38 ID:WoS1hTACo
智葉「はぁ…終わってしまったな」

真佑子「……私も、グス、楽しかったです」

淡「グス、うん、楽しかった…ヒック、最高だったよ!」

智葉「ったくお前ら泣きすぎだろ…ズズッ」

照「…だね、グス」


セーラ「(俺らは6人、この部屋でしばらく延々と涙を流していた)」

セーラ「(負けてしまった悔しい気持ちも当然やけど、きっとそれ以上に…)」

セーラ「(それ以上に、喪失感が大きかった。
     終わってしまったという気持ちが、涙に拍車をかけていた)」

セーラ「(表彰式のために、とスカートのままでいたのに、
     4位の俺らが表彰式に出ることはなかった)」

セーラ「(そうして、俺ら3年生は3年間の高校麻雀にそっと幕を下ろした)」
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:41:34.35 ID:WoS1hTACo
同じ日の夜、宿舎、セーラと淡の部屋
セーラ、怜、竜華の3人


怜「ごめんなぁ、急に」

セーラ「いやええよ、俺も会いたかったしな」

竜華「大星さんにも悪いことしたかな」

セーラ「…まあ、ええやろ。照と弘世のとこ行ったんやろうし」

怜「こう、落ち着いた場所でゆっくり話がしたくてな」

竜華「会場やと、試合が終わったあとはいろんなとこに記者さんおるしなぁ」

セーラ「そやな、外野がうるさいって言うて照なんか真っ先に宿舎に戻ってたわ」

怜「まあ、宮永さんはな…うん、そらまあ注目されるって」

竜華「連勝記録が最後の最後で止まったんやもんな…びっくりしたわ」

怜「そやねん、オーラス始まる前の時点では宮永さんは2位やったけど
  最後はやっぱり宮永さんが勝つって全国の人がそう思ってたんちゃう?」

竜華「そうそう!あそこで数えの直撃なんて想像でけへんって」
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:42:19.58 ID:WoS1hTACo
セーラ「…照だけは、多分負けるってわかってたと思うで」

竜華「え、なんで?」

セーラ「なんとなく」

怜「なんやそれ?」

セーラ「あいつ、やっぱそうなるよなぁ…的な顔してたんよ、振り込んだ直後」

竜華「そうなん?てかよう見てるなぁ」

セーラ「それ見てな、あぁ、なんかわかってたんかなぁって」

怜「宮永さんに聞いた?」

セーラ「ううん、それは聞いたらあかんような気がする」

竜華「まあな、負ける予感あったか?なんて聞けへんわな」

セーラ「そう、それは聞いたらあかん。ただ、お疲れって言うだけや」
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:42:53.14 ID:WoS1hTACo
怜「そっか、あ、憩ちゃん言うてたで、こんなんで勝ったって思いたくないって」

セーラ「照に?」

竜華「うん、宮永照はもっと強いもっと、恐ろしいんやって」

セーラ「そうか…照はそんなことない、とか言いそうやけど」

怜「実際、素直に喜べばいいのにって言われたらしいけどな」

セーラ「あはは、そらそうや」

竜華「…で、セーラ、この次はどうするん」

セーラ「次?プロか?」

竜華「そう、プロに行くんやろ?」

セーラ「コクマ決勝の次の日が交渉解禁日やからなぁ…
    先輩の話やと、電話が鳴り止まんみたいや」

怜「らしいな、セーラほどやったらそうなるやろ」

セーラ「怜もやろ?あ、竜華も」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:43:18.64 ID:WoS1hTACo
竜華「いや、うちらは…」

セーラ「え?」

怜「プロは行かへんねん、大学に行く」

セーラ「そうなん!?」

怜「ん、まあ…いろいろ考えたんやけどな」

セーラ「そうか…ちょっと、さみしいな」

竜華「続けるで、麻雀は。でも、プロはもう少し先の話やな」

セーラ「怜は十分通用するやろ?」

怜「監督はな、そう言うてくれはるんや。怜やったら推薦したるって」

セーラ「ええやんか、愛宕監督やったらプロにでっかいパイプもあるやろし」

怜「うん、そやねんけどな、でも、…プロになりたいかって言われると、
  今はまだ、はっきりと『なりたい!』って言えるかどうか」

竜華「卒業して、すぐに麻雀を仕事にって私もやけど、怜も
   そういう風にはまだ考えられへんねん」

セーラ「なるほど…俺のところは照も弘世も俺もプロ志望やし
    大学って選択肢があんまなかったから、ちょっと驚いた」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:43:45.74 ID:WoS1hTACo
竜華「3人ともプロへ行くんか、ええやん、3人ともプロ向きっぽいで」

怜「うんうん、三尋木プロが言うてたで、プロになるときに重要なんは
  強い弱いも大切やけど、プロの環境にどんだけ慣れられるかやって」

竜華「ま、最後に『知らんけど』って言うてたからどこまでほんまかあれやけどな」クスクス 

セーラ「あの人らしいな」クスクス

怜「うちらはセーラの挑戦、応援するから」

竜華「そうそう。ファンクラブ入るで」クスクス

セーラ「ん、ほな頼む」ケラケラ

怜「ほんで本題や」ニヤニヤ

セーラ「え、な、なんや?」アワワ

竜華「セーラ、あれはどないなってるん?」

セーラ「あ、あれ?」
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:44:32.44 ID:WoS1hTACo

怜「宮永さんに告白されたーってやつと、弘世さんのことやん」ニヤニヤ

竜華「夏休みからぜーんぜん経過報告ないねんもん!」

セーラ「あ、あぁ…まあいろいろあって」

怜「どうなん?」

セーラ「照は、断ったで。好きな人がいるからごめんって」

竜華「そんでそんで?」ワクワク

セーラ「ひ、弘世がその、好き、やから、ごめんってな」カオマッカ

怜「えらいはっきり言うたんやなー!」

竜華「セーラ照れすぎやろ、可愛いなぁ」

セーラ「う、うっさい!」

怜「弘世さんには?」

セーラ「…照の告白断るなんてって怒られて理由聞かれて、
    言うてしもたんよ、その、す、好きやって//」

竜華「へー!」

怜「意外と大胆や!」
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:45:06.97 ID:WoS1hTACo
セーラ「けど、その前に聞いてたんや、弘世には好きな人がいるって。
    そやから、玉砕覚悟な告白やったよ」

怜「そうなんや…」

竜華「ちょい、きついな」

セーラ「でもええやん、好きは、その、好きやしな…照れるけど」

怜「で、返事は?」

セーラ「聞いてない。今は聞きたくないってずっと返事聞かずや。
    コクマもあったし、何かと忙しかったからなぁ」

セーラ「でもどうせ断られるやろ、好きな人おるんやろうし」

竜華「誰なんやろなぁ、心当たりは?」

セーラ「さぁ…照かと思ったけど、それは違うって言うてたし」

怜「ほな、セーラやろ」キッパリ

セーラ「はあ?なんでそうなるねん、あいつ俺のこと好きちゃうやろ」

竜華「あぁ、でも怜の言う通りかも」ナルホド
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:45:38.25 ID:WoS1hTACo
セーラ「あいつが俺を好きになるとは思えへんし、
    だいたいあいつ照の応援しとったんやで?ありえん」

怜「そんなん宮永さんに遠慮してただけかもしれへんやろ?」

セーラ「ま、まあそうやとしても、いや、ないって」

竜華「まあ、うちらの全然知らん子かも知れへんけどなー」

セーラ「そ、そうやろ…そうに決まってるわ」

怜「…そうかなぁ」

セーラ「まあ、でも…大会も終わったし、俺は返事を聞くときやって思ってる」

竜華「うん、ええんちゃう?先延ばしはどっちもしんどいしな」

怜「もし、もし、弘世さんがセーラを好きやったらどうするん?」

セーラ「どうって…嬉しい…んちゃうの?」

竜華「そやんな、うん」
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:46:12.67 ID:WoS1hTACo
怜「私は竜華と一緒におれて幸せやで、せやからセーラも幸せになってな」

竜華「怜…うちも幸せやで」

セーラ「ノロケかい。でもうん、ありがとう怜」

怜「…じゃ、頑張ってや」

竜華「そうやで、すぐに報告してや?心配やし」

セーラ「はいはい、わかった」


コンコン


セーラ「ん、誰やろ?」

淡『セーラ、そろそろいい?』

セーラ「淡か、ええよー!」


ガチャリ

バタン
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:46:42.05 ID:WoS1hTACo
淡「ごめんね、邪魔して…照がもう寝るからって」

セーラ「いやいや俺こそ、よそへやってごめんな」

怜「大星さんごめんな、邪魔して」

竜華「うん、うちらももう帰るし」

淡「あ、あの園城寺さん!」

怜「ん?」

淡「今日は負けちゃったけど、でも次は絶対勝つから!」

怜「ええ顔してるなぁ、熱いなぁ」

セーラ「そやろ?うちのエースさんやからな」ナデナデ

淡「え、えへへ//」テレ
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:47:07.66 ID:WoS1hTACo
竜華「ほな、そろそろ」

怜「うん、じゃあまたなセーラ」

セーラ「おう、遅いし気をつけてな」

怜「うんありがと、でも、うちの宿舎もすぐ近くやし」

竜華「じゃあ、また」

淡「またね!2人とも!」

セーラ「またな、おやすみ」


ガチャリ

バタン
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:50:07.94 ID:KMDfItoko
セーラかっわいいなぁ!
あわあわもかわいい
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:51:32.50 ID:WoS1hTACo
ここまでです
なんか多かったですね、今日は


>>385
てるてるめっちゃ頑張った!
>>386
さ、咲さんや!
>>387
ブラックチョコレートや!


次回あわあわの話


それでは
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 21:58:52.89 ID:ACmKLnx8o
次回は淡の告白か……
どっきどきですわ
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/22(水) 22:40:39.78 ID:mSug1KbYo
みんなかわいいわー
恋ってすばらやな
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/23(木) 00:05:48.15 ID:Wtej7UzWo
すばらっ!
あわあわ頑張れ
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 17:25:04.49 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「さて、シャワー浴びて寝るかぁ」

淡「何の話をしてたの?」

セーラ「進路とかやな」

淡「へー…園城寺さんプロ行くの?」

セーラ「いや、大学やって」

淡「そうなんだ…ちょっともったいないね」

セーラ「ま、怜の人生やし、病弱やからな」

淡「そっか、そうだね」

セーラ「あ、そや。淡が先にシャワーでええよ」

淡「いいよ、セーラが先で」

セーラ「そう言うけど、眠そうやで?」

淡「そ、そんなこと…でも、先に入るね」

セーラ「おう、そーしとけ」ナデナデ
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 17:25:46.06 ID:ZdUpYjC9o
淡「ね、セーラ…セーラにとってさ、」

セーラ「ん?」

淡「私って…後輩、だよね?」

セーラ「えぇ?それは至極当たり前やけど、なんで?」

淡「う、ううん!なんでも!シャワー入るね!」

セーラ「あ、でも」

淡「え?」

セーラ「ただの後輩ちゃうで?誠子も尭深も可愛いけど、でも、
    淡は特別ちゅうか、…こんなん言うたらあれやけど」

セーラ「俺にとっては一番可愛い後輩やし、…やっぱ、大事な存在やで
    何回も助けてもらったし、感謝してる」

淡「そっか…うん、こちらこそありがとう、セーラ」ニコッ

セーラ「どういたしまして」ナデナデ
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 17:27:05.20 ID:ZdUpYjC9o
淡「…でも、私は、私は、…私はね、」

セーラ「私は?」

淡「ただの先輩だって思ってないよ、大好きな先輩って思ってる」

セーラ「そうかーありがとうなぁ、淡」

淡「…世界で一番大好きな、先輩だよ…
  ううん、先輩とか後輩とかじゃなくて…」

セーラ「えっ?」

淡「私、…セーラのことが好きだよ…大好き//」ギュウッ

淡「セーラのかっこよくて、優しくて、面白くて、
  色んなところにいっぱい憧れて、好きになったんだよ…」

淡「…セーラがどう思っているかはわからないけど、
  でも私は、セーラが大好きだよ…えへへ//」テレ
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 17:29:05.13 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「あ、淡…え、あ、えっ…」ポカーン

淡「あ、えっと…ごめん、シャワー浴びてくるから…」スッ

セーラ「あ、うん…」


バタバタ

ガチャリ


セーラ「(えっ?えぇ?えーーーー!!!?)」

セーラ「(は?え?今、淡は何て言うた?好き?だ、誰が?俺が?)」

セーラ「(え?いやいやそんなわけ…でも、好きって…)」

セーラ「(あんなに顔を真っ赤にして照れて…それってやっぱり…)」

セーラ「(っちゅうか大会の最終日にホテルでこんなん言われるとか
     激しくデジャブなんやけど…え、これどないしよ!?)」

セーラ「(弘世に返事を聞くとかそういうこと言うてる場合ちゃうやろこれ!)」
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 17:29:39.82 ID:ZdUpYjC9o
コンコン


セーラ「え、誰や?…はーい?」

菫『江口か?淡はいるか?』

セーラ「(えぇっ!!?こんな時に来んなや…)」

セーラ「ちょ、ちょっと待ってや」


ガチャリ

バタン


菫「あぁ、これ淡の忘れ物だ」ハイ

セーラ「お、おう…淡はシャワーやわ」

菫「そうか、なら渡しておいてくれ」

セーラ「わ、わかった」

菫「…?どうした?」

セーラ「え、いや?別に何も?」
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 17:30:31.31 ID:ZdUpYjC9o
菫「そうか?…あ、そうだ照なんだが」

セーラ「照?」

菫「心ここに在らずというかぼーっとしててな、
  さっきも淡が部屋にいたがほとんど話さなかったよ」

セーラ「そうなんか…大丈夫か?」

菫「気が抜けているような感じなのかもしれないな」

セーラ「もう寝たんやろ?また明日になれば元に戻るんちゃうかな」

菫「まあ、それを願うよ」

セーラ「うん、照は強いから大丈夫や」

菫「あぁ、じゃ帰るよ」

セーラ「おやすみ、弘世」

菫「…そうだ江口、あ、いや、なんでもない、おやすみ」

セーラ「ええの?まあ、いいけど…じゃ」


ガチャリ

バタン
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 17:32:18.86 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「…はぁ、どうしよう?」ボソッ

セーラ「(まさか淡がそんなこと考えてるとは…
     いつからやろ?まあ、ベッタリなんはわかってたけど、)」

セーラ「(それは先輩として懐かれてるだけやって思ってたで…
     好きって、そんな…そこまで想ってくれてたなんてなぁ)」

セーラ「(…ごめんな、淡。全然気付いてへんかった…
     人を好きになるって辛いし苦しいよなぁ、淡もそんなこと思ってたんかなぁ)」

セーラ「(やっぱりちゃんと言うべきか…好きな人がいるって。
     でも、後輩を傷つけたくない…なんて、それは俺のエゴか…)」

セーラ「(…待つのはしんどいよな、なら、もうちゃんと本当のことを…)」


セーラ「…うーん」
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 17:34:41.90 ID:ZdUpYjC9o
とりあえずここまでです


>>403
どもども!
みんなかわいい!
>>405
どっきどきしてくださいな
>>406
うむ、みんなかわいい!
すばらっ
>>407
あわあわ頑張った!


終わりの形は見えているのに煮詰まってきた

それではまた
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 20:59:29.79 ID:oGZsQpDmo
あわあわ頑張った!!!
しかし悲しい結果に…胸が痛いな
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:28:46.60 ID:ZdUpYjC9o
しばらく経って…


ガチャリ

バタン


淡「お先〜。あがったよ〜」

セーラ「お、おお。な、なぁ、淡…」

淡「…待って、さっき言ったヤツなんだけど、忘れて」

セーラ「は?」

淡「気の迷いだよ、言うつもりなかったのに言っちゃった。
  だから、全部忘れて…ね?」

セーラ「…いや、忘れられるはずないやろ」

淡「じゃ、じゃあウソってことで!
  ごめんねウソついて、びっくりしちゃったよね!」アワアワ

セーラ「お前、バカにしてんのか!?」イラッ
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:29:28.78 ID:ZdUpYjC9o
淡「してないよ!でも、でも、セーラの顔見たらわかっちゃったんだよ!」

セーラ「なにが!?」

淡「あぁ、断られるんだろうなってすぐわかったよ!
  だから何も聞きたくない、だから全部忘れてよ!」

セーラ「…なんやそれ」

淡「…お願い、セーラ」

セーラ「あかん、そんなんあかん。忘れられへんし」

淡「……」

セーラ「俺を好きでいてくれたんやろ?嬉しいで、淡」ナデナデ

淡「……」

セーラ「全然気付けへんくってごめんな。俺、鈍感ってよう言われるし…。
    ちょっと戸惑うけど、でも嬉しいで?」
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:30:02.42 ID:ZdUpYjC9o
淡「セーラが私を、…後輩にしか思ってないことはわかってたよ…
  でも、…もしかしたらって思って口が滑っちゃったんだよ」

セーラ「言うつもり、ほんまになかったん?」

淡「少しは…あった、けど…」

セーラ「なら、やっぱり忘れへん。はい、心に刻みましたー」

淡「むぅ…」

セーラ「断られるのが恐いなんてみんなそうやろ?
    それでも伝えたくて言うんやんか」

淡「…それはそうだけどさ、やっぱり聞きたくないもん」

セーラ「うーん、気持ちはめちゃめちゃわかるんやけどな」

淡「え?」

セーラ「でも、俺は後悔はしてないし、忘れて欲しいとも思ってへん」

淡「どういう意味?」
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:30:47.51 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「てかさ、淡が忘れろーって言うんはなんか寂しいって。
    お前が俺を、その、好きって言うてくれた気持ちまで、」

セーラ「全部丸ごとどっかいってしまいそうやんか。
    それまでなかったことにするんか?」

淡「そ、そんなことしないよ!…好きは好きだもん」ボソッ

セーラ「ははは、ならええけどな」

淡「…セーラ、ついさっき言ったこと、それってさ、」

セーラ「淡、はっきり言う。お前のこと傷つけたくないけど、
    でもここではぐらかしたり曖昧にしたら、」

セーラ「いつか余計にもっと傷つけることになると思うから、
    だから、ちゃんと答えようって思う」

淡「…うん、言って。聞きたくないけど、でも言って」ゴクリ
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:32:14.23 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「淡の気持ちはめっちゃ嬉しい。ほんま、嬉しい。
    でも、俺には好きな人がいる。だから、ごめん」

淡「そっか…」ショボン

セーラ「(…照の時も思ったけど、こんなん言うのきついわ。
     胸が痛いなぁ…ごめん、淡)」

淡「ねえ、それは…誰って聞いていいの?」

セーラ「…ん、それはまあ…そのうち言うわ」

淡「内緒なんだ?」

セーラ「すまん」

淡「いいけどさ。なんとなくわかるし」

セーラ「そうか」

淡「…うん」

セーラ「けどな、そいつ好きな人がいるねん」

淡「そうなの?」
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:33:42.66 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「そうや。気持ち伝える前にそれを聞かされたんやけどな、
    でも、それでも俺はちゃんと告白したで」

セーラ「望みなんかないに等しい告白やったけど、でも、
    さっきも言うた通り後悔してないで」

セーラ「答えを聞くのは恐いけど、言うたこと自体を
    忘れて欲しいとは思わへんのや」

淡「セーラは強いからだよ。私は弱いもん…今すぐに泣きたいもん」

セーラ「…ごめんな」

淡「あはは…ふられるのってきついね…」

セーラ「う、うん」

淡「…一人になりたいからセーラは早くシャワーにいってよ」

セーラ「あ、あぁ…淡、それでも、お前は大事な後輩やで」ポンポン

淡「そういうの、今言われるときついよ」

セーラ「ごめん…じゃあ、シャワーいくから」
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:35:15.95 ID:ZdUpYjC9o
淡「うん、…おやすみ」

セーラ「おやすみ、淡」


ガチャリ

バタン


セーラ「…はぁ。淡ごめん…」ポツリ


淡『グス、…うわぁぁ…ズズ、ヒック』


セーラ「淡…」


淡『セーラっ…』


セーラ「丸聞こえやっちゅうねん…もう」ボソッ
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:36:27.25 ID:ZdUpYjC9o
セーラ「(泣いている淡を見たくなくて、
     ゆっくりシャワー浴びてから出ると淡はすでに眠っていた)」

セーラ「(目の周りや鼻は赤くなっていて、ズキンと胸が痛む)」

セーラ「(可愛らしい寝顔を見つめ、綺麗な髪を撫でると
     淡と過ごしてきた時間が思い出される)」

セーラ「(いつも頼ってくれた、いつも甘えてくれた。
     でも、ほんまに頼れるのは方で淡で、とても頼もしかった)」

セーラ「(セーラがいなきゃとっくに辞めてると言われたときは
     やっぱり嬉しかった。そんな子を傷つけてしまった)」

セーラ「(…淡は強いから大丈夫と自分に言い聞かせても、
     淡の泣き声がふっと頭の中に浮かんでしまう)」

セーラ「(照に、弘世が好きやからごめんと言った時は辛かった。
     辛くて、胸が痛かった。)」

セーラ「(今も同じくらい、いや、後輩を傷つけてしまったと言う意味では
     それ以上に苦しい。頭を抱え、ベッドに寝転がる)」

セーラ「(…ただ願うのは、朝起きたときに淡が笑ってくれることだけ)」
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:38:16.58 ID:ZdUpYjC9o
1日に2回も更新してもーた


>>416
こういうのは書いていても胸が痛いですわ…


さて、次は菫さんの話


それでは
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/25(土) 22:39:23.34 ID:GkcmZhzeo
胸が苦しいけど言わないと辛くなるのは淡ちゃんだしな…
セーラには幸せになって欲しいや
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 04:39:45.79 ID:SkQXlJpGo
せやな
はっきり言うのが淡のためやしな
淡もどうにか幸せになってほしいな
もちろんセーラも
次は菫さんか。どきどきや
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:50:24.69 ID:jOL/FZPmo
同じ夜、深夜、照と菫の部屋


照「菫…まだ寝てないの…」

菫「っ!!き、急に声を出すなよ…びっくりさせるな」

照「ごめん、目が覚めたら菫がまだ起きてるって思って」

菫「…なんだか眠れなくてな」

照「そっか、ごめんねさっさと寝ちゃって」

菫「いや、いいんだ…照は疲れているだろ。
  私は補欠で試合には出てないから」

照「でも菫は試合に出てなくても、みんなをまとめてくれてたよ」

菫「まあ、それくらいしかすることがなかったからな」

照「謙遜しちゃってさ」
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:51:14.51 ID:jOL/FZPmo
菫「…心配してたんだぞ、照」

照「え?」

菫「試合が終わってからどこか心ここに在らずじゃないか」

照「…少しだけ感傷に浸ってるだけだよ」

菫「なんでもないならそれでいいんだ…明日は解禁日だし、早く寝ないとな…」

照「解禁日かぁ…」

菫「照なら全てのプロチームが獲得に乗り出してくるだろうな」

照「そうかな、意外とバラけるよ、こういうのって」

菫「まあ、バラけてくれないと私や江口がプロに行けないからな」

照「まあ、そうだよね」

菫「楽しみでもあり、恐くもあるな…」
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:51:56.31 ID:jOL/FZPmo
照「…ねぇ、菫、せっかくだから聞いてもいいかな
  大会も終わったし、もういいと思うんだよね」

菫「えっ?」

照「明日には東京へ帰るし、2人でこんな話をゆっくりできることなんて
  もうあまりないだろうから、はっきり聞くよ」

菫「…あぁ、言えよ」


照「菫はさ、セーラが…好きだよね?」


菫「……なぜそう思う?」

照「そういう返しは認めているのと同義だと思うんだけど」

菫「質問に答えろ」

照「なぜそう思うかは、菫を見ていれば分かる、でいい?」

菫「は?」
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:52:53.68 ID:jOL/FZPmo
照「だから両想いだよね、菫とセーラって」

菫「いやいや、お前はさっきから何を言っているんだ」

照「私に遠慮しているから返事をしてあげないの?」

菫「いや、あのなぁ、照」

照「私はいつも自分のことで精一杯だったんだ、
  だから菫が誰を好きでどう思っているとか、」

照「そういうことはあんまり見えていなかったんだよ。
  菫に話を聞いてもらって、それで満足しちゃってて、」

照「菫だって話したいこととか相談したいこともあったろうにさ、
  私って自分のことばっかりだったんだよね」

菫「そんなことはない。私がそれでいいと思っていただけだ。
  照は、麻雀以外のことだと少し打たれ弱いところがあるから、」

菫「私が照を支えなくちゃと自惚れていただけだよ。
  だから、照はそんなこと考えなくていいんだ」
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:53:32.22 ID:jOL/FZPmo
照「相変わらず優しいよね、そうやって自分の感情を殺してる。
  本当は好きな人がいるのに見ないふりをして」

菫「そんなことはない、私は別に…」

照「セーラを好きで好きで仕方がなかった私だったけど
  きっぱりとふられて、目が覚めたところはあったんだよね」

照「セーラが好きなのは菫だって聞かされてさ、そこで初めて
  あぁ、なら菫にも好きな人っているのかなって思ったの」

菫「……」

照「ほんと、最低っていうか、そこでようやく
  自分がどれだけ菫に頼りきりで、」

照「自分のことしか見えてなかったんだろうって気付いたんだ」

菫「…それで?」

照「戸惑ったよ、セーラが菫を好きなんて、きついよね。
  きついっていうか、辛かった。気まずかったよ」
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:54:15.81 ID:jOL/FZPmo
照「でも、それじゃいけないって。私は菫ともセーラとも
  そういう感情抜きにずっと親友でいたいって思ったし、」

照「それで、私は気持ちを切り替えることが出来たよ。
  まあ、少しずつだけどね。簡単に割り切れることでもなかったから」

菫「…あの日、お前がもう麻雀はやらないって言い出した日、
  『親友でしょ?』と言ってくれたのは嬉しかったよ」

菫「理由がどうあれ、私はお前とはもう友達に戻れないんじゃないかって
  そう怯えている部分もあったのは確かだ」

菫「私を好きだと言った江口をやっぱり少しは恨んだし、
  自分自身も責めていたよ。照を傷つけてしまったって」

照「そんなこと…」

菫「それでも照は、親友と言ってくれた。それが嬉しかった。
  また3人で仲良く出来るのかもしれないと思えたよ」

照「そうだね、私もほっとしてた。それで、少し冷静になれた私は
  菫はセーラの告白をどう思ってるんだろうって考え始めた」
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:54:48.64 ID:jOL/FZPmo
照「普段のセーラは告白したことなんて全然気にしていないフリをしてたけど、
  それでもよく見ていると、いつも菫のことを気にかけていたように見えたよ」

照「それで、今まで見えていなかった菫のこともよく見ているうちに…
  あれ、菫ってセーラのこと好きなんじゃないかって思うようになった」

菫「そこがまず間違ってるぞ」

照「ううん、間違ってない。菫は何かにつけてセーラに世話を焼くよね。
  面倒だって言いながら、顔はそんなに面倒くさそうじゃない」

菫「気のせいだろ」

照「なんだかんだ言って、悪態ついたり怒ったりしてても
  菫はセーラが気になるんだって思えたし、」

照「たまに見せる笑顔はやっぱり、好意のそれだったと思うよ
  だから、私が、私自身がなんだかモヤモヤしてた」

照「両想いなんじゃないか。なのになにをモタモタしてるんだろうって。
  早く気持ちに応えてあげればいいだけなのに、なんでだろうって」
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:55:31.36 ID:jOL/FZPmo
菫「つまらない勘違いもいい加減にしろ、照」

照「ううん、私は2人を一番近くで見てきて、
  これが勘違いだとも間違いだとも、気のせいだとも思えない」

菫「その自信はどこから出て来るんだよ」

照「私は2人が大好きだから」

菫「はぁ、なんだよそれ」

照「このことは大会が始まる前から気付いてたよ、
  でも、大会に影響が出るかもって思って黙ってた」

菫「それは賢明な判断だったな」

照「そうやって誤魔化していればいいけどさ、
  そんなことばっかり言ってるとほんとに、」

照「ほんとにいつか淡にとられちゃうよ、それでいいの?」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:56:25.89 ID:jOL/FZPmo
菫「なぜここに大星が出て来るんだよ」

照「淡はセーラが好きじゃん、菫も知ってるでしょ?」

菫「まあ、あいつは態度に出るから…見ていれば分かる。
  今日も告白まがいことをを言っていたし…」

照「そうそう。積極的で可愛い後輩に迫られたら
  セーラも菫より淡を選ぶかもしれないよ?ほんとにいいの?」

菫「そうならそれでいいだろ、私には関係ない」

照「本気でそう思ってるの?」

菫「いいか照、私が江口を好きだとかいう決めつけから
  そんなことを言うのはやめろ。全部、照の勘違いなんだよ」

菫「私は江口のことなんて、好きでもなんでもない。
  もちろん、友人としては好いているが、それ以上の感情はない」

照「どうして?どうして認めないの?私に遠慮しているの?
  私はもういいんだよ。二人を応援したいって思ってる」

照「だから、本当の、菫の気持ちを教えてよ」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:57:01.52 ID:jOL/FZPmo
菫「…あいつは親友で、恋愛感情はない。
  遠慮しているとすれば、あいつを傷つけたくないという遠慮だ」

菫「江口は強がるところがあるから、好きにはなれないと言っても
  笑って礼を言われるだけで終わるだろう」

菫「でも、泣くんだよ。一人でこそこそ泣いて、
  気持ちをぶつけるとこがなくなって自己嫌悪に陥る」

菫「私はそんな江口は見たくないし、だからこそ傷つけたくない。
  今あるのは、照に対する負い目よりも、そっちの感情だ」

照「じゃあ、全部私の勘違いなんだね、菫はセーラを好きじゃない。
  そういうことなんだね。わかった、わかったよ」

菫「…そういうことだ」
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:57:28.97 ID:jOL/FZPmo
照「ごめんね、変なこと言って。私、暴走してたみたいだ」

菫「いや、…わかってくれればそれでいい」

照「じゃあセーラはふられちゃうんだね、悲しいね」

菫「あいつにふられたお前も一緒だろ」

照「うん、じゃあふられたもの同士くっつけるかなぁ…」

菫「さあな」

照「あぁ、でも淡に先越されちゃうかも…」

菫「…私は寝る」

照「うん、おやすみ菫」

菫「おやすみ、お前は疲れているんだからゆっくり寝ろ」

照「ありがとう、…つまんない話なんかしてごめん」

菫「…いや、いいんだ。おやすみ、照」
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:58:30.60 ID:jOL/FZPmo
菫「(私はとんでもない意地っ張りだと思う。
   本当のことを言われると違うと言いたくなる)」

菫「(そのことが真に迫ったものであればあるほど、
   強く否定したくなってしまう)」

菫「(そうして誤魔化すようにぺらぺらと話しているうちに、
   思ってもいないことが、スラスラと零れてくる)」

菫「(平気な顔をしてウソをついてしまう。
   心配してくれている友達に対して、本当に最低なことをしている)」

菫「(それでも、それをウソだとわかっていても
   友達は身を引いてくれる。わかったと納得してくれる)」

菫「(今日は少し粘られてしまったけど、でも最後には引き下がってくれる。
   その優しさに甘えて、私は真実を覆い隠す)」
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 21:59:38.53 ID:jOL/FZPmo
菫「(私はどうしても素直になれない。あまのじゃくで、気難しいのが私だ。
つまり、私なんかを好きになってはいけない。いいことなんか一つもない)」

菫「(だから、私はあいつの気持ちを受け取らない。
   今のままがちょうどいいんだ。3人でいるがちょうどいい)」

菫「(あいつが誰を好きになろうが、誰と付き合おうが
   私には関係ない。このままがいいんだから)」

菫「(…私は、誰も好きじゃない。私は、……これでいい)」



菫「(すまない…江口)」
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/26(日) 22:02:42.62 ID:jOL/FZPmo
ここまでです


>>426
これはセーラなりの優しさでかと思ってます
>>427
みんながみんな幸せになれればいいのだけども…


気付けばもうすぐ500レスに近づいてきた…
こんなに長くなるとは全くの予想外です
でも、一応終わりは見えてるのでなんとか完結させたいです


それでは
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/27(月) 13:10:37.49 ID:Xq+t5y4DO
最初から読み返すと菫さんがセーラを好きなのよくわかるわ
素直になれよなあ
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/27(月) 18:40:53.45 ID:oeq8XVPFo
菫さん素直になれんかぁ
照が言ってもダメなのか
上手くいかんねぇ
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/27(月) 19:51:12.69 ID:7MFBY0Ylo
照が思いつめて消えてしまいそう
表面上はいつも通りでも妙に吹っ切れてしまっていてどこか儚い
三人の新しい始まりの為にと、みんなの前から姿を消してしまうんじゃないかと不安になる
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 22:57:21.45 ID:kKwDjGyro
朝、セーラと淡の部屋


セーラ「んっ…朝か…」


淡「朝だよ、セーラ」

セーラ「あれ…もう起きてたん?」ムニャムニャ

淡「うん、冴えちゃって」

セーラ「そ、そうか」

淡「あのさ、」

セーラ「う、うん?」

淡「あの、えっと、…い、今までどおりでさ、えっと」

セーラ「今までどおり、お前は俺の大事な後輩やで。
    そのことに、何の変わりもない」

淡「…ありがとう」

セーラ「うん…普通で、いこうや。今までと、一緒や。
    下手に勘繰られるんもイヤやろ?」

淡「そうだよね、…うん」
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 22:58:20.05 ID:kKwDjGyro
セーラ「最初は難しいやろうけど…でも、俺はそうしたい。
     淡はどうしたい?」

淡「私もそれでいいよ…けど、忘れないで欲しいんだ」

セーラ「え?」

淡「私はずっと、セーラが…好きだから」

セーラ「あぁ…うん、その気持ちは俺にはどうのこうのできひんし…」

淡「覚えててね?」

セーラ「あぁ」

淡「よし、じゃあもう辛気臭い話やめやめ!セーラ顔洗ってきなよ〜
  お腹すいたしご飯食べよ?」

セーラ「はいはい、ほなちょっと待っててや」バタバタ

淡「うん、早くねー」



淡「…普通に、か」ボソッ
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 22:58:57.18 ID:kKwDjGyro
朝、菫と照の部屋


照「菫、昨日あれから少し考えたんだけどさ」

菫「またその話か、もういいだろ」イラッ

照「よくない。納得したふりはしたけど、してないから」

菫「…で、何が言いたいんだ?」

照「私は…やっぱりセーラが好きだし、菫は大親友なんだよ」

菫「……うん」

照「セーラは菫が好きで、菫もセーラが好きでしょ?だから、」

菫「おい待て、それはもういいだろ。違うって言ってるじゃないか」

照「とりあえず黙って聞いて」

菫「わかったよ…」

照「え、っとそれで、私は昨日菫にさ、セーラを淡にとられていいの?
  って聞いたでしょ?そうなってもいいのって」

菫「あぁ」
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 22:59:32.81 ID:kKwDjGyro
照「菫はセーラが誰を好きでも気にしないし関係ないとか言った」

菫「そうだな、全くその通り」

照「…でもさ、気付いたことがあって」

菫「なんだよ」

照「セーラを淡にとられてイヤなのは自分なんだって気付いたんだよね」

菫「え?そりゃ…当たり前のことじゃないのか。お前はあいつが好きなんだから」

照「違うそうじゃなくて、私はセーラが好きだけどある程度の諦めはある。
  無理だってことはちゃんと理解してるつもり、だけど、」

照「それはセーラが菫を好きで、菫もセーラが好きで、お似合いで、
  自分は入っていけないし、応援したいって思ってるから諦められるんだよ」

菫「いやだから…」

照「2人の親友だからこそ、そう思うんだよ。でも、淡、いや、淡だけじゃなくて
  他の誰とも2人にはくっついて欲しくない、と思ってるんだよね」

菫「…難解なことを言うなぁ、お前」
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 23:00:08.25 ID:kKwDjGyro
照「だからつまり、セーラが菫と付き合うのは応援できるけど
  他の人じゃダメ、私が納得できない…という私のワガママだね」

菫「かなりのワガママだな、お前」

照「それに自分自身も悪いと思うよ、菫の気持ちを知りもせずに
  一方的に相談を持ちかけて話を聞いてもらってたんだから」

照「そのときからきっとセーラのこと好きだったんでしょ?
  ごめんね、自分のことで精一杯だったんだ」

菫「……」

照「だから菫が本当のことを言い出しにくいのはわかるよ。
  わかる、でも、…もう素直になってもいいんじゃないのかな」

菫「いや、…私は、」

照「何が怖いの?素直になるのが…怖いの?」

菫「…何が言いたいんだよ」
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 23:01:02.46 ID:kKwDjGyro
照「心を晒すのが怖いってこと?私にすら、言えないこと?」

菫「……」ギリッ

照「私に言えなかったら誰に言えるの?他の人なら言えるの?」

菫「照や江口以上の友達は…いないよ」

照「ならさ、言って?昨日の夜は菫を思って引き下がったよ。
  そうするのが正解だと思ったし、私自身なんかイラついてたし」

照「でも!やっぱりこんなのおかしいよ、菫!」

菫「…今日も引き下がってくれ、頼む」

照「それは認めてるのと同じことだよ」

菫「あぁ、もうそれでいいから引き下がれ」

照「いや」

菫「…大切な友達だからこそ、聞き入れてくれ」

照「だからこそ、それはできない」
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 23:01:34.41 ID:kKwDjGyro
菫「頑固なやつだな」

照「菫ほどじゃないと思う」

菫「……もう少し待ってくれ」

照「え?」

菫「心の整理がつかない。もう少し、待って欲しい」

照「わかった、…わかったよ」

菫「照…ありがとうな」

照「なにが?」

菫「…いや、なんでもない」

照「……じゃ、朝ごはん行こっか」

菫「ん、だな」

照「…菫、私は菫の味方だから」

菫「私も、お前の味方のつもりだよ」

照「ふふ、ありがと」

菫「こちらこそ」クスッ
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 23:02:23.05 ID:kKwDjGyro
照「さて、そろそろ電話が鳴り出す頃かな」

菫「だな…少し、緊張する」

照「うん、けど…今の私には2人の方が心配かな」

菫「将来とつまらないことを一緒にするなよ…」

照「つまらなくないよ、大事じゃん」

菫「ま、まあ…」

照「さ、行こうか」

菫「って携帯持てよ、かかってきても出られないだろ」

照「ご、ごめん…」
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 23:05:47.38 ID:kKwDjGyro
いつもよりちょっと短いけどここまで


>>442
セーラ←菫は割りと初期から考えてたので嬉しいです
素直じゃないところがいいところなのかもしれない
>>443
菫さんが頼れる人はやっぱりてるてるしかいないと思います
と、いうのが今回の話
>>444
吹っ切れたというのはまさに意識してるところで
負けたことでいろいろ吹っ切れたと思います


さて、次は東京へ帰ります


それでは
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 06:59:29.96 ID:F41CuFyOo
続き気になってしゃーないわ
楽しみにしてますー!
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 11:47:07.84 ID:fAhJpriGo
おつおつ
セラ淡の会話が事後っぽくてびびったze
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:28:17.66 ID:Wh3D97VTo
大阪駅、新幹線ホーム


怜「ほな、しばらくのお別れやな」

竜華「年末には帰ってくるやろ?」

セーラ「その予定や、また初詣行こうや」

怜「そやな、楽しみにしてるわ」

竜華「元気でな、セーラ」

セーラ「お前らもな、勉強頑張れよ?」

怜「セーラもちゃんと卒業でしなあかんで?」

セーラ「うっ…わ、わかってるわ」

菫「園城寺さん、もっと言ってやってくれ。
  このバカは目を離すとすぐサボる」

竜華「あはは、セーラ変わらへんなぁ」ケラケラ

怜「コホン、ほな…セーラしっかり勉強するんやで?」
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:28:45.04 ID:Wh3D97VTo
セーラ「ひ、弘世め…余計なことを」

菫「事実だろ」

セーラ「くぅ…ところで、電話が1回鳴ったきり鳴らへんのやけど…」

菫「私も契約に関する話をしたいという電話は1度だけだな」

怜「解禁日やのに寂しいなぁ」

竜華「まあ、ほとんどあっちに…」ユビサシ

菫「そうだな、あいつは朝から鳴りっぱなしだ」

セーラ「まあ、照はしゃーないか…」
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:29:24.64 ID:Wh3D97VTo
照「見送りなんて、よかったのに」

洋榎「ん、うちもそう言うたんやけどあの2人がな」

照「園城寺さんたち?」

洋榎「まあな」

恭子「宮永さんはプロ行き、ですよね?」

照「うん、さっきから携帯が鳴り止まなくて…
  ちょっと面倒になってきた…」スッ    prprprprprブチッ

洋榎「解禁日やもんな、うちのも鳴り止まへん!」

恭子「…いや、朝から2回くらいしか鳴ってませんよ」

洋榎「あ、アホ余計なことを!」

照「ふふ、まあ、私は強いからね?」ニヤリ

洋榎「な、なんやとー!くそー!プロでは負かしたる!」

照「うん、楽しみにしてるよ。あ、直接戦ったことないもんね?」
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:30:18.07 ID:Wh3D97VTo
洋榎「そやな、覚悟しとけよー」

セーラ「アホか、お前が照に勝てるわけないやろー」

洋榎「な、なんやとこの男女!」

セーラ「あぁ?」

照「……変わらないね、ほんと」

恭子「じゃれ合う子猫みたいなもんですよ」

照「ふふ、あぁ、…確かに」クスクス

恭子「ほんまは仲ええんです」

照「そうみたいだね」クスッ
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:31:19.10 ID:Wh3D97VTo
智葉「相変わらず常に騒がしい連中だな」

絹恵「みんな、なんだかんだ言うて仲良しなんです」

智葉「えっと…愛宕の妹だったか」

絹恵「はい、愛宕絹恵です。今回はメンバーに入れなかったんです」

智葉「そうだったな、まあ2年生なんだからまだまだ伸びるだろう」

絹恵「えっ…あ、はい…」

智葉「ん?」

絹恵「いや、ちょっと…びっくりして」

真佑子「あ、辻垣内さん見た目恐いけど優しいんです」

智葉「こら、余計なことを言うな。って別に怖くないだろ」

絹恵「そうなんですか!へー!」
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:32:15.93 ID:Wh3D97VTo
真佑子「私ずっと同部屋だったんですけど、すっごく紳士的なんですよー」

智葉「だ、だから余計なことを言うな、ていうか紳士的って私は女だろ」

真佑子「あの身のこなしは紳士のそれです!」

智葉「なんだそれは…」

絹恵「なんかイメージ変わりました!」

智葉「あぁ、そうかそれはよかったのかどうか」

洋榎「絹、そいつに近づいたらやられるで!」

智葉「…どんなイメージだこらぁっ!」

洋榎「おー恐い恐い!絹に近づかんといてや!」

智葉「お前なぁ!」

絹恵「ううんお姉ちゃん!辻垣内さんってめっちゃ優しい人らしいで!」

洋榎「えぇーほんまかー?それ」

智葉「…あぁ、もうめんどくせぇ」
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:33:52.42 ID:Wh3D97VTo
淡「みんな元気だなぁ」

憩「あれ、大星さんは元気ちゃうん?」

淡「え、そんなことはないけど…」

憩「そうかーほなええんやけど」

淡「こうやって話すのはインターハイ以来だよね、個人戦」

憩「あぁ、そうやったなぁ。あの時大星さん泣きだしたし焦ったわぁ」

淡「な、泣いてないし!」

憩「えぇ?トップになれへんかったって泣いたん誰やっけ?」

淡「さ、さぁ知らない!」

憩「ふふ、ま、ええけどなぁ」

淡「ね、そんなことよりも、照はやっぱり強かった?」

憩「強かったで、優勝した宮永さんの妹ですら、
  『お姉ちゃんに勝ったとは思えないし、思わない』って」

淡「へぇ、そうなんだ…さすが照」
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:34:30.57 ID:Wh3D97VTo
憩「うちもそう思うで、宮永さんはあんなもんやない。
  もっとなにか恐ろしい…って言うたら怒られるか」クスッ

照「怒らないけど、傷つくかなぁ」

憩「わっ!」

照「なんて、そういうことは言われ慣れてるんだけどさ」クスクス

憩「も、もう、急に現れんといてくださいよ」

照「ごめんごめん、私の名前が聞こえたからさ」

淡「照はやっぱり強いって話だよー」

照「そっか、うん、みんなそう言ってくれるし、
  プロのスカウトの人にもあの1敗で評価が変わるわけじゃないって言われた」

憩「そらそうですよ。宮永さんだけですよ、自分は弱いとか言うてんの」

照「だってさ…咲こそ恐ろしいんだよ?みんな知らないんだ」
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:35:38.09 ID:Wh3D97VTo
淡「知ってるよ?私、インターハイで戦って勝ったじゃん!」

照「眠っていたものが少しずつ瓦解していくようなイメージかな、
  咲の能力はね。インターハイのときよりも強くなってるように思えたよ」

淡「じゃあ、もっともっと強くなるのかな」

照「そうだね、だから淡はもっと頑張らなくちゃ」

憩「あーあ、来年も3年生になったから言うて
  優勝できるっちゅうわけやないんやなぁ…」

淡「えへへ、私が勝つ!」

憩「あはは〜お手柔らかにな〜」
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:37:36.39 ID:Wh3D97VTo
あんまり話が進んでないけどここまでです


>>454
ども、ありがとう!
>>455
事後っぽい…?と思って読み直したら
確かにそうかもしれないと思いましたww
でも、違いますww


たぶん、次はちゃんと東京に帰れるはず…


それでは
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 23:44:39.84 ID:F41CuFyOo
良い雰囲気で皆楽しそうや
すばらです!
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 09:15:07.07 ID:2x25a+kno
ガイトさんは男前やんな
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 14:14:53.81 ID:yqkpv7Eyo
菫さんとどうなるのか……
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 20:39:45.81 ID:V4Hndyoh0
ラストがどうなるか期待
でも照のクスクスに未だ慣れない
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:45:36.61 ID:cMmzJslgo
照「…さて、そろそろ新幹線がくる時間だね」」

淡「あ、ねぇ照…お願いがあるんだけど」

照「ん?」

淡「あのさ、これ…交換して欲しい」スッ

照「指定席の切符?どうして?」キョトン

淡「えっと、それは、…菫と!そう、菫に話があって!
  ゆっくり話がしたいなって」

照「あぁ、ならいいけど…じゃあ、私の隣の席はセーラだね」

淡「う、うん、ありがとう照」
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:46:14.79 ID:cMmzJslgo
照「どういたしまして。…ところで淡、昨日の夜はごめんね」

淡「え?」

照「せっかく部屋に来てたのに、私黙ったままで…」

淡「いいよそんなの、気にしてない。照は疲れてたんだし」

照「そっか、ならいいんだけど」

淡「あ、ちょっと飲み物買って来るね」

照「うん。遅れないようにね」

淡「わかってるー」スタスタ

照「…何かあったかな、これは」
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:46:40.37 ID:cMmzJslgo
照「ねぇ、菫、淡が席を替わって欲しいって言うから
  菫の隣は淡になったからね」

菫「ん?そうか、どうしてまた?」

照「菫に話だって」

菫「大星が?…?なんだろう」

照「さぁ、わからない」

菫「まあ、わかったよ」

セーラ「ん、何の話ー?」

照「あぁ、淡がセーラの隣はイヤだって」

セーラ「えっ…」

照「うそうそ、冗談だよ。菫に話があるんだって」

セーラ「そ、そうか」

照「え、何かあった?」

セーラ「いや、別に?」

照「そっか、ならいいけど(…隠し事が下手だよね、淡もセーラも)」
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:47:39.59 ID:cMmzJslgo
出発前


照「じゃあ、行くね」

怜「ほなまたな、宮永さん」

洋榎「次会うんはジュニア代表かな」

照「選ばれたらね」

恭子「そら選ばれるでしょ、宮永さんは」

絹恵「お姉ちゃんも絶対選ばれるで!」

セーラ「ないない!」

竜華「まああれは監督好みもあるみたいやけど」

洋榎「恨みっこなしやな!」

照「そうだね、うん」
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:48:27.47 ID:cMmzJslgo
菫「じゃあまた」

淡「あ、私は高校100年生だから選ばれるよ!」

憩「なんやそれ、あんたいくつやねんなー」

真佑子「あ、じゃあ失礼します」

竜華「気を付けてなー、家に帰るまでが遠足やでー」

怜「おばちゃんみたいなこと言うてるで竜華」

セーラ「似合ってるけどな」ゲラゲラ

竜華「あ、アホ!なんでそんなん言うんよ!」

智葉「…見送りどうも」
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:48:56.83 ID:cMmzJslgo
新幹線内、淡と菫


淡「でも残念だよね、大阪観光したかったなぁ」

菫「そういえばインハイの後は姫松の連中に東京を案内したな」

淡「そうそう!私も大阪を案内して欲しかったよー」

菫「仕方ない。今は夏休みじゃないし、本来なら授業があるんだぞ」

淡「ま、その点は嬉しいけど…」

菫「帰ったら大量の宿題と向き合うことになるぞ」

淡「げっ…やだなぁ、もう」

菫「そういうものだ、諦めろ」

淡「うぅ…勉強きらーい」

菫「学生が何を言うか」

淡「この堅物さんがー」
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:49:57.85 ID:cMmzJslgo
菫「…で、お前話ってなんだよ?」

淡「いや、別に何も」

菫「ん?じゃあ、なんで席を変わったんだ?」

淡「別に何でもいいじゃん」

菫「いや、まあいいけど…気になるだろ」

淡「…」

菫「あ、江口とケンカでもしたか?
  …いや、でも今朝から別にそんな風でもなかったか」

淡「ケンカなんかしないよ」

菫「じゃあどうした?」

淡「しつこいなぁもう」

菫「な、何なんだよ…」
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:50:39.46 ID:cMmzJslgo
淡「私、少し寝るね。あんまり寝てないから」

菫「寝ていないのか?どうして?」

淡「もう、菫って質問ばっかり」

菫「気になるものは仕方ないだろ」

淡「いろいろ考えてたら寝られなくて、それだけ」

菫「そうか、私と、…私と一緒だな」

淡「えっ?」

菫「いや、もう何も聞かないからゆっくり寝ろ。私もそうする」

淡「あ、うん…じゃあおやすみ」

菫「おやすみ、大星」
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:51:31.70 ID:cMmzJslgo
少し離れた席、照とセーラ


セーラ「元気になってよかったわ、照」

照「え、私が?ずっと元気だよ」

セーラ「アホ言うなよ、弘世が心配しとったで」

照「あー…うん」

セーラ「ほれ見てみい」

照「元気がなかったっていうか、少し感傷に浸ってただけっていうか」

セーラ「まあ、昨日はいろいろあったからな」

照「でも、もう平気だよ。朝からいっぱい電話がかかってきてさ、
  もう感傷がどうとかそれどころじゃないっていうか」

セーラ「すごい数みたいやんか」

照「まあね…」
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:52:28.80 ID:cMmzJslgo
セーラ「どこのチームがいいとか決めた?」

照「どうかな…世界ジュニアのあとかな、決めるのは」

セーラ「そうか。さすがにそっちは一緒に行けそうにないから
    頑張るんやで、ほんま」

照「あ、でもそもそもジュニア代表に選ばれるかどうか…」

セーラ「おいおいまたそんなこと言うて…照が選ばれへんかったら誰が選ばれるんや」

照「ありがと、まあ、選ばれた気でいるよ」

セーラ「当たり前や。高校麻雀の大会は終わりやし、部活は卒業やけど
    ジュニアは特別やから、頑張ってな」

照「日本を代表するんだもんね、特別だよね」
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:53:43.76 ID:cMmzJslgo
セーラ「ところで…淡やねんけど、ほんまに俺がイヤとか言うてない?」

照「淡がそんなこと言うと思う?」

セーラ「いや…ない、よな」

照「ないない」

セーラ「…そやんな」

照「セーラから切り出すとは思わなかったからあえて聞くけどさ、
  何かあったの?傍目にはよくわからないけど」

セーラ「まあ…あったけども」

照「みんながセーラみたいに素直ならいいのに…で、何があったの?」

セーラ「…普通にしようって、今までどおりにって約束したんやけど
    なかなか難しいな。そういうのはお前んときと全く一緒やわ」

照「まさか…」

セーラ「激しくデジャヴやったんやぞ…
    全国大会の最終日、ホテル、同じ部屋…やから、その、」

照「…わかった、もう言わなくていい」

セーラ「ん…」
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:54:21.92 ID:cMmzJslgo
照「そうか…そう、か…」

セーラ「照なんか知ってたん?」

照「まあ……なんとなく。まさか言うとは思ってなかったんだけど」

セーラ「俺も驚いた。ていうか完全ノーマークやったし」

照「いや、それはそれでどうなの…で、セーラはなんて?」

セーラ「…断った。俺には、心決めたやつがおるわけで//」テレ

照「そう、そっか…よかった」

セーラ「よかった?」

照「私は、自分が負けるのは菫しか嫌だから」

セーラ「そ、そうか…前もそんなん言われた気がするわ」

照「うん、言った」

セーラ「ま、俺が勝手に弘世しかないって決めてるだけやし、
    …実際どうなるか知らんけどな」
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:55:34.95 ID:cMmzJslgo
照「菫は…菫にはちゃんと聞かなきゃね」

セーラ「それはわかってるんやけど…淡のことがあるし…」

照「聞いた私もあれだけど、…こういうことを
  正直に打ち明けてくれるのってさ、」

照「親友としては嬉しいし、力になりたいって思う」

セーラ「…ありがとう」

照「私は菫とセーラのこと応援してるし、大丈夫。
  でも、淡は知らないわけだし、すごく辛いと思うんだ」

照「平気に振舞っててもやっぱりきついと思うし、
  だから、淡のことは気長に見守ってあげようよ、ね?」

セーラ「そやんな…」

照「大丈夫だよ、淡もそのうち吹っ切れるって」

セーラ「う、うん……はぁ…うーん…」

照「……(菫はセーラにこんなに想われてるんだよね…)」

照「(早く素直になろうよ、あとは菫次第なんだよ)」

照「……はぁ」
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:57:21.24 ID:cMmzJslgo
東京に到着


智葉「じゃあ、私はここで」

淡「智葉、また遊ぼうよ!」

智葉「はいはい、また今度な」

淡「ありがとー!」エヘヘ

智葉「うん、そうだ、そうやって笑ってろ」

淡「…ほんと、ありがとう」

智葉「いや…いいんだよ」

照「あの、辻垣内さん…優勝できなくてごめん」

智葉「バカを言うな」

照「でも、私は大将だしキャプテンで…」

智葉「誰か一人のせいじゃない、そんなことわかってるくせに
   いちいちつまらないことを言うな」

照「ありがとうね、ほんと」
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:58:10.24 ID:cMmzJslgo
智葉「ほら、多治比行くぞ」

真佑子「あ、はい!」

セーラ「多治比ちゃんもまたなー」

真佑子「お世話になりました!たくさん勉強になりました、
    来年は…もっと頑張ります!」

淡「よろしくね?」ニヤリ

真佑子「う、うん」アワワ

照「じゃあ、2人とも気をつけてね」

智葉「あぁ、じゃあ」

真佑子「失礼します」ペコッ
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 22:59:33.76 ID:cMmzJslgo
菫「ん、ちょっと待って、何故二人で帰ったんだ」

照「…そういえば。確か、家の方向全然違うよね?」

セーラ「あ、ほんまや!」

淡「え、デキてんじゃないの?」

菫「え、そ、そうなのか?」

照「えぇ…」

セーラ「なるほど!」

菫「知らない間にそんなことに…」

照「ずっと同部屋だったからかな…だって今までに接点ないでしょ?」

淡「うん、ないっぽいよね」

セーラ「ま、お似合いなんちゃう?」

菫「辻垣内の家にさえ引かなければ、まあ上手く行くだろ」

淡「え、あの噂ほんとなの!?」

セーラ「ほんまやで、やばいやばい」クスクス

照「もう、好き勝手言って…」
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 23:04:18.39 ID:cMmzJslgo
長めの更新でした、ここまでです
2回に分けようか迷ったけど一気にいきました


>>466
楽しそうを心がけてみました
>>467
かっこいいですよね、ほんと
>>468
これから動かしていきます
>>469
ラストは見えてるんですが
まだだいぶ先になるかも…

照はセーラがいることで、よく笑うし感情を結構出すような
高校生らしい感じになってるつもりで書いてます

やっと東京へ帰って来れたので
次回から話は白糸台に戻ります

それではー
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/30(木) 23:21:07.34 ID:gEs7kwGLo
みんないい子達やねーほんまに
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 00:46:05.91 ID:P3G9zLcSo
おいおいガイトさんサイドのエピソードも気になるじゃないか
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 01:31:48.02 ID:EpeMfAJno
菫とセーラ… 恐ろしく不似合い
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 23:15:04.67 ID:z+N9uB4no
数日後、白糸台高校、麻雀部部室


菫「さて、世界ジュニアに向けた代表メンバーが発表されたわけだが」

セーラ「照と淡おめでとー!」

照「あ、うん、ありがと」

淡「ありがとー!」

尭深「おめでとうございます」

誠子「先輩おめでとうございます!淡も!」

淡「えへへ、だってほら私は高校100年生だしとーぜん!」

セーラ「はいはい、ほんで、他のメンバーは?」

淡「えぇ、セーラが流したー!」

菫「ちょっと静かにしろ」
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 23:15:36.41 ID:z+N9uB4no
照「咲と、荒川さん、あとは天江衣さん」

セーラ「天江衣!?」

尭深「コクマは辞退したと聞きましたけど…」

誠子「こっちには出てくるんですね、あのちびっ子」

淡「年上だけど私よりちょーちっちゃい!」

菫「小鍛治プロがどうしても代表に入れ、と口説き落としたらしいぞ。
  どうやったかは知らんが」

照「それ聞いた、かなり恐ろしいよね」

尭深「え、口説き落とすことが恐ろしいんですか?」

誠子「い、一体何が…」

照「まあ、麻雀を楽しまされるよね…あの化け物に」

セーラ「すでに化け物級の照にそう言われるってあの人何者やねん」ケラケラ
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 23:16:20.94 ID:z+N9uB4no
菫「レギュラーに3年生はお前だけだな、照」

照「あぁ、うん…主将を任されたから頑張ってくるよ」

セーラ「あぁ、なんか心配や…」ソワソワ

照「え、なにそれどういう意味?」ムッ

菫「同じく、心配だ…今度ばかりはついていくわけにはいかないからな」

淡「照のお友達2人はほんと過保護だよねー」クスクス

照「まったくもって!」

セーラ「まあ頑張れよ、日本代表」

照「任せて!」

淡「同じく!」

尭深「あれ、…私も少しだけ心配になってきました」

セーラ「やろ?そやろ?」

照「尭深…」
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 23:16:49.70 ID:z+N9uB4no
淡「わ、私はしっかりしてるって!」

照「ちょっと、私は、ってどういう意味なの淡」

淡「さ、さぁ?」

誠子「まあでも、補欠の2人は3年生ですし…」

セーラ「そやそや!辻垣内がおるんやったわ、ほな大丈夫や」

菫「そうだな、だいぶ安心感がかわってくるというものだ」

照「なんだかいろいろ納得できないんだけど…」

セーラ「辻垣内は気合入ってるやろうなぁ、コクマではあれやったしな」

菫「噂では臨海女子側が代表にねじ込んできたとか」

淡「へぇ、そうなんだ?」

菫「まあ、噂の域を出ないがな」

照「なるほどね…でも、私はそんなことしなくても
  十分に選ばれる選手だと思うけどなぁ」

セーラ「うん、俺もそう思うわ、失礼な噂やな」

菫「まあ、みんな噂話が好きなんだよ」
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 23:17:20.52 ID:z+N9uB4no
尭深「もう一人は姉帯豊音さん、宮永先輩が闘ったんですよね」

照「うん、そうだったね」

淡「あ!その人めっちゃ背が高いの!ちょーびっくりだよ!」

セーラ「いや、それ麻雀の試合の感想ちゃうから…」

照「ジュニアの監督が宮守女子の監督さんだった熊倉さんだからね」

尭深「あぁ、そういえばそうですね」

菫「監督の好みを出しやすいのが補欠というわけか」

照「補欠なら文句も出にくいしさ」

誠子「なるほど」
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 23:17:48.56 ID:z+N9uB4no
セーラ「あいつ悔しいやろなぁ」

淡「愛宕さん?」

セーラ「あぁ、うん。選ばれる気でおったみたいやし」

照「まあ、恨みっこなしだよこういうのは。愛宕さんもそう言ってた」

菫「そうだな、仕方がない。…とにかく、白糸台を代表して頑張ってきてくれ」

照「そのつもり。私は、白糸台のために頑張るよ」

淡「日本代表なのに?」

セーラ「照は白糸台にしか興味ないからな」

照「そういうこと」

淡「そっか…がんばろうね、照」

照「うん、そうだね。咲と同じチームっていうのも楽しそうだ」
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 23:21:08.03 ID:z+N9uB4no
短いけどここまでです


>>487
みんな友達思いすな
>>488
書く予定はないっすすまないっす
多治比さんは探り探りもいい所なのでww
>>489
そーっすかね?お似合いっすよー


セーラがおりませんので世界ジュニアの話は書きません
学校に残った人のほうを書くつもりです


それではー
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/31(金) 23:36:41.75 ID:PHQJS7CVo
乙!
国内残留編か、なるほどなるほどなるほどー
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 00:46:54.29 ID:zdJqqAZlo
乙ー!
続き楽しみにしてますー!
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 22:52:34.03 ID:LVXBJQwgo
セーラ「(1週間後、照と淡は事前合宿へと旅立った)」

セーラ「(麻雀部は2年生を中心に春季大会へ向けての基礎固めを進めていて、
     3年生で部に顔を出しているのはプロ志望の俺と弘世だけやった)」

セーラ「(照も淡もおらへんし、弘世に返事を聞くなら今がいいって
     思うけど、でもなかなか言えずにいた)」

セーラ「(怖いのもあるし、このままでいいと守りに入ってしまっていた。
     それじゃあかんってわかってるのに、難しかった)」

セーラ「(その中で、将来のかかったプロ行きも着々と進行し続けてた)」

セーラ「(…それでも、近いとはいえすぐには来ない将来のプロ行きよりも
     やっぱりそばにいる好きな人という存在は大きかった)」
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 22:53:02.59 ID:LVXBJQwgo
菫「江口、昨日のプロとの面談はどうだった?」

セーラ「あぁ、あれなぁ…」

菫「うちの監督も同席したんだろ?上手くいかなかったのか?」

セーラ「いや、まあいい評価もらったし悪い話ちゃうけど…」

菫「なんだよ?」

セーラ「さすがにあの服はNGやろ…贅沢言える立場やないけども」

菫「大宮な…あれは確かに…キツイ」

セーラ「そういう方針のチームなんやったら
    声かける相手間違ってるような気がするんやけど…」

菫「お前は一番対極にいるからな。スカウトが血迷ったか」

セーラ「ま、照が獲得候補の1番らしいからまだ決まらへんけどな」

菫「照もあの服は着ないだろ…」

セーラ「そう思うよなぁ、で、弘世はどーや?」
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 22:54:23.55 ID:LVXBJQwgo
菫「私は2チームから話を聞いたが、照が決めない限り
  各チーム、他の選手には具体的な話ができないようだ」

セーラ「えげつないやつやなぁ、照って」

菫「別格中の別格、あいつ一人が加入することで
  プロチームの勢力図が大きく変わるとまで言われている」

セーラ「結局あいつに土つけたんは下の学年やしな、
    俺らの世代やったら文句なしの1番や」

菫「一応、声をかけてもらってはいるが…
  やっぱり、不安なんだな。本当に通用するのか、と。」

セーラ「別に今が一番強いってわけちゃうやんか。
    プロへ行って伸びた選手も多いんやし、気にすんな」

菫「あぁ、・・・ありがとう。お前にそう言われると大丈夫な気がしてくる」

セーラ「ま、俺も不安あるけどやっぱポジティブにいきたいやんか」

菫「そうだな…」
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 22:54:59.74 ID:LVXBJQwgo
セーラ「で、お前自身はどこのチームがええとかあるん?」

菫「まあ、それなりに」

セーラ「どこなん?」

菫「…私はやっぱり、地元、東京がいいと思っている」

セーラ「そうか…」

菫「地元を離れたことがないし、幸い東京には声をかけてもらっているし
  まあ、そうなるのが一番いいんじゃないかと…うん」

菫「さっきも言ったが照次第ってところも大きいんだけどな」

セーラ「…俺は、やっぱり大阪やな」

菫「…戻るのか?」

セーラ「ん、それがええのかなって。真っ先に電話かかってきたし…
    条件もかなりええんや。…なんて、ちょっと思い出すな」

菫「ん、何を?」
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 22:56:22.05 ID:LVXBJQwgo
セーラ「や、こんな話をな…怜と竜華にしたことがあったんや」

菫「ほう」

セーラ「高校をどこへ行くか、しばらく悩んでてな…それで
    千里山とか姫松とか、いろいろ迷ってたんや」

菫「決め手は何だったんだ?」

セーラ「こんなん言うたらあれやけど、やっぱり条件やな。
    ほかより断然白糸台やった」

菫「まあ確かに金銭的なことや環境は文句なしだからな」

セーラ「あと、小鍛治プロに匹敵するような力を持ったやつがおるって」

菫「照か」

セーラ「気になってたんよなぁ。ほんまにそんなやつおるか?って」

菫「まあな、普通は信じられない」

セーラ「実際そんなやつがおって、びっくりしたけどなぁ」

菫「あいつが仲間で心強いかったよな」

セーラ「うん」
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 22:58:00.03 ID:LVXBJQwgo
セーラ「いろいろ悩んだし、辛いこともなかったわけちゃうけど、」

菫「ん?」

セーラ「ここへ来て、よかったと思ってる。後悔はないわ」

菫「同感だ。…私も、よかったと思っているよ」

セーラ「まあその…お前にも、会えたしな」

菫「……ん、あぁ」ウツムキ

セーラ「(あ、ヤバイ、勝手にそんな空気になってしもた!
     余計なこと言うんやなかった…)」

セーラ「(だいたい会えたって、俺と弘世は元々顔見知りやないか!
     何を言うてるんや俺は…アホかっちゅうねん)」

セーラ「(や、でもこれはチャンスか?
     この先こんな空気になることはない気がするし…)」

セーラ「(勇気出せ、どうせふられる、そんなんわかってるやろ
     そやったら、もうさっさとそうなった方がスッキリするし…)」

セーラ「(…1回告白はしてるんやし、返事聞くだけやねんから、
     早く言え、言え俺…!)」
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 22:59:20.48 ID:LVXBJQwgo
セーラ「あ、あんな弘世…あの、せっかくやから言うんやけど」

菫「なんだよ」

セーラ「こ、この前…っていうかもう結構前になるけど、その、
    お、俺が言うた、あの…こ、告白的なあれなんやけど…」ドキドキ

菫「…あ、うん」

セーラ「その、返事はしばらくええからって言うてたやろ?
    で、でもその、そろそろ…聞きたいな、と…」

菫「ちょっと待て」

セーラ「え?」

菫「…ちょっと待て」

セーラ「う、うん?」

菫「正直に言う。…実は照にも急かされた
  自分や大星がいない間に全部終わらせた方がいいってな」

セーラ「え、そ、そうなん…?」

菫「だが、本当に言わなきゃいけないことを
  今はまだちゃんと伝えられないような気がする」
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 23:00:11.22 ID:LVXBJQwgo
セーラ「ん、それどういう意味?」

菫「とにかくもう少し待って欲しい」

セーラ「それはええけど…でもお前…」

セーラ「(うぅ、自分で自分の傷口に塩塗りこむようなもんやけど…)」

セーラ「す、好きな人がいるんやろ?なら、元々脈なしなんやし…
    さっさと断ってくれた方が気が楽っちゅうか…なんやけども」モゴモゴ

菫「とにかく待ってくれ、今はまだ何も返事が出来ない」

セーラ「おぉ…」

セーラ「(え、これどういうことや…やっぱり好きな人がいるから
     ごめんって言われてそれで終わるって思ってたんやけど…)」

セーラ「(待つのはええけど、俺は一体何を待つんや…?)」

セーラ「(こいつは何を考えとるんやろ??)」
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 23:01:02.52 ID:LVXBJQwgo
怜『ほな、セーラやろ?』


セーラ「っ!」

セーラ「(そういえば怜がなんかそんなこと言うてたな…
     弘世の好きな人はセーラやろって)」

セーラ「(好きな人がいるくせに返事を待ってくれって
     …ほんまにそういうことなんか?いや、でもまさか…)」

菫「すまん…」

セーラ「や、ええけど…ほなまた、言うてや?」

菫「あぁ、その時が来たら」

セーラ「…う、うん、わかった(まさかな…)」
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 23:01:54.72 ID:LVXBJQwgo
その日の夜、セーラの部屋、電話


セーラ「っちゅうことやねんけど…照なんか知らんの?」

照『さあ、わからない。何を待って欲しいんだろうね』

セーラ「あ、そうや、弘世を突付いたらしいやん。ようそんなことするわ」

照『前に言ったこと覚えてないの?』

セーラ「え?」

照『私は自分が負けるなら菫がいいの』

セーラ「淡のことか?それはもう断って…って
    お前も知ってるやろ」

照『でも、淡は諦めてないでしょ。淡には申し訳ないけど、
  淡のことは応援できないし』
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 23:02:30.65 ID:LVXBJQwgo
セーラ「…なんか、気が抜けたわ」

照『どうして?』

セーラ「振られてスッキリさせるつもりもあったんやけど
     肩透かしっちゅうか…なんちゅうか」

照『菫にも何か考えがあるんだよ、待ってあげて』

セーラ「それは待つけど…あ、ごめんな照。
     試合も近いのにこんなしょうもないこと…」

照『全然しょうもなくないから』

セーラ「ありがとな」

照『ううん、どういたしまして』
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/01(土) 23:05:28.06 ID:LVXBJQwgo
ここまでです


>>497
残留編といっても、今回だけっす
>>498
ありがとー


おお、500レス越えたー
とりあえず、ラストに向けてバリバリ更新します


それでは
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/02(日) 08:30:00.23 ID:A8ozYe4Lo
乙ー!
菫さんは何を悩んでるんだろ
続き気になる。楽しみにしてますー!
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/02(日) 10:10:14.13 ID:Ku4s4nswo
テルー優しい
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/02(日) 17:48:31.78 ID:rlhyN8IDO
デレ菫さんは見られるんだろうか…
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/02(日) 22:47:34.99 ID:8V9Y9OR/o
数週間後、白糸台高校、麻雀部部室


淡「たっだいまー!!」

誠子「わかったから…声のトーンを下げろって」

照「元気すぎるよ、淡」

セーラ「おかえり〜」

菫「おかえり。いやぁ、凄まじい闘いだったな」

尭深「すごくドキドキする展開が多かったですね」

照「そうだね、世界はやっぱりすごいよ」

誠子「宮永先輩があんなに苦戦するとは思いませんでしたよ」

照「そのおかげで楽しかったよ、あぁ、世界は広いなぁって
  私はまだまだだなぁってそう思えたしね」
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/02(日) 22:48:20.48 ID:8V9Y9OR/o
淡「それ、私も!高校101年生っぽいやつもいたし!」

セーラ「なんやねんそれは…ガキやなぁお前」ケラケラ

淡「むっ!違うし!」

尭深「決勝戦での淡ちゃんの相手は変則的な打ち手だったものね」

淡「たかみーちゃんと見てくれてたんだね!ありがと!
  あの人超強いよ!でも私、白糸台のエースだしもっと頑張る!」

誠子「うん、頑張ってくれよなぁ淡〜」ナデナデ

淡「任せてよ!」フフン♪

菫「やけにご機嫌なんだな、大星」

照「友達ができたもんね、淡」

淡「そうそう!照の妹とも仲良くなれたし、
  憩も優しいし、智葉怖いけどやっぱりいい人だし、」

淡「豊音なんかあんな大きいくせに可愛いもの好きだし、
  あと、ころたん!」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/02(日) 22:48:58.21 ID:8V9Y9OR/o
尭深「…ころたん」

誠子「ころたんって天江衣か?」

セーラ「また可愛らしい名前付けてからに」

照「…私もそう呼ばされたんだけど」

菫「うわ、恥ずかしいなお前」

淡「えー可愛いのにー」

照「対局になるとキャラ変わるけどね、天江さん」

セーラ「ころたんって呼んだれや」クスクス

照「も、もう勘弁してよ…」

菫「それにしても、照も淡も顔つき変わったな」

セーラ「うんうん、たくましくなったな」

照「そ、そうかな」テレ
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/02(日) 22:49:39.86 ID:8V9Y9OR/o
淡「なんと!私は高校150年生に達したんだよ!」

セーラ「ま、アホは置いといて…照は恐ろしいことになってそうやな」

誠子「もう敵なしですね」

照「咲にも似たようなことを言われたよ。
  決勝の後だったかな、今のお姉ちゃんに勝てる気しないって」

菫「妹さんが言うならまあ間違いないんだろうな」

尭深「世界ジュニアも終わりましたし…あとは進路ですね、先輩方」

誠子「まだ決まってないんですよね?」

セーラ「ん、まあな。照が決めへんから滞り中や」

照「そんな言い方しないでよ…悩んでるんだからさ」
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/02(日) 22:50:11.59 ID:8V9Y9OR/o
菫「ちなみに発表があった新入団選手は広島の佐々野だけだ。
  あとは全然決まってないみたいだな」

尭深「あれはイロモノ枠ですね…」

誠子「た、尭深はきついなぁ」

セーラ「ま、積極的に否定できんのが佐々野やな」クスクス

淡「でもちゃちゃのん可愛いよー!って豊音は言ってた!」

照「…プロかぁ、どうしたものかなぁ」

菫「まだ時間はある、よく考えろ」

照「ごめんね」

セーラ「ええから、気にすんな」

照「うん…ありがと」
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/02(日) 22:53:12.13 ID:8V9Y9OR/o
短いけどここまでです


>>511
さっさと素直にならんかい!と思いつつ…
ありがとうです
>>512
てるてるはいい子!
>>513
まあ、いつか…   知らんけど


それでは
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/03(月) 12:33:26.59 ID:G6sJoS3Uo
おつおつ
ちゃちゃのんの可愛さが分かるとは豊音はできる奴
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/04(火) 19:29:42.55 ID:Ozxeihilo
あわあわかわいい
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:44:07.24 ID:N6ucj99Yo
12月、白糸台高校寮、セーラの部屋


照「お邪魔しまーす」

セーラ「どーぞ」

照「お、この部屋前より綺麗になってる」クスッ

セーラ「お前らが汚い汚い言うから…」

照「そりゃ汚かったもん」クスクス

セーラ「しかし寒いなぁ、暖房入れるわ」ガサゴソ

照「もう12月だしね、早いね」

セーラ「お前らが外国に行っとる間にぐっと寒くなったんよ」

照「だよね、空港降りた瞬間、すごい寒かったもん」
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:44:33.17 ID:N6ucj99Yo
セーラ「そんで、今日は何の話なん?」

照「菫のこと」

セーラ「お、おぉそっちが来たか」

照「わかってたくせに」

セーラ「あいつ待ってくれって言うたきり
    その話については何の音沙汰もなしや」

照「私もいろいろ話してみるけど、
  待ってくれって言われるだけなんだよねぇ」

照「(菫はセーラを好きだって間接的に認めたけど…
   セーラはそのことを知らないんだよね)」

セーラ「いつまで待てばいいんかな…俺も返事は言うなって
    先延ばししてきたわけやし、催促するんも変やろ?」

照「変ってことはないけど、セーラからは言いにくいかもね」

セーラ「やんなぁ…」
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:45:07.40 ID:N6ucj99Yo
照「で、ほら、もうすぐあれがあるじゃん」

セーラ「あれ?」

照「クリスマスだよ、聖なる夜だって!」

セーラ「あぁ、そういえばそうやな」

照「もう、そういえば程度の認識なの?」

セーラ「だってそんなん意識したことないもん。
    えっと、去年は何かしたっけ?」

照「部でパーティーやったかな、確か」

セーラ「おーそうや!弘世がサンタの服着せられてたな」

照「可愛かったよね、嫌がってたけど、似合ってた」クスクス

セーラ「そうやそうや!あいつ背が高いんもんやから
    スカートがえらい短くていつもは見えへん太ももが…」

照「…えっちだね、セーラ」

セーラ「わ、ちょ!ち、違うって!そんな別に必死で見てへんから!」
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:45:41.64 ID:N6ucj99Yo
照「ほんとかなぁ…ってそれはいいとして、
  デートに誘ってみたらどうかなって思ったんだよね」

セーラ「誰が、誰を?」

照「あのさぁ…セーラと菫以外にいる?」

セーラ「あ、あぁ…」

照「もう、しっかりしなよ。世話焼いてる私がバカみたいでしょ」

セーラ「お前、ほんまにええんか」

照「なにが?」

セーラ「俺らのこと後押ししてくれるんは助かるし、
    相談相手とかおらん俺には貴重な存在やけど、でも、」

照「何回も言うけど、私はセーラが菫以外と付き合うなら
  思いっきり邪魔するよ。2人だから、おせっかいしちゃうの」

セーラ「じゃあ、まあそれに甘えるけども…」

照「いいんだよ、それで」

セーラ「…ありがとうな」

照「はいはい」
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:46:08.99 ID:N6ucj99Yo
セーラ「で、デートやっけ?俺があいつを誘うってこと?」

照「うん、待って欲しいって言われたけど
  別に誘っちゃダメってことはないでしょ?」

セーラ「ま、確かにそうやな」

照「クリスマスのデートなんかに誘われたら菫も意識するよ、きっと」

セーラ「…やとええんやけど」

照「これ聞いたことなかったから聞きたいんだけど、
  セーラは菫と付き合いたい、キスしたいって思うの?」

セーラ「なっ//」

照「顔赤いよ」

セーラ「お、お前が変なこと言うから!」

照「変じゃないし。好きなんだったら普通じゃない?」

セーラ「ま、まあ…その…考えたことはあるけど」
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:46:34.53 ID:N6ucj99Yo
照「可愛いねぇ、セーラ」

セーラ「う、うっさい//」

照「セーラってほんとはすごく可愛いから、
  いざ付き合うとなったら菫がリードしそうだね」

セーラ「そ、そうか?//」

照「うんうん」

セーラ「でも、付き合うなぁ…ちょっと想像しにくいけどな」

照「セーラはなんでかよくわからないけど弘世が好きって
  確か私にそう言ったと思うんだ」

セーラ「そやな…//」

照「今ははっきりわかる?菫のどこが好き?」

セーラ「顔やな」

照「え、なにそれ…」ヒキ
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:48:42.80 ID:N6ucj99Yo
セーラ「ひ、引くなや」アワワ

照「引いてないけど?」

セーラ「目が引いてるやろー。いや、顔…ええやんか。
    あいつ、目が怖いし睨んでくるけど、顔は…その、好きなんよ//」テレ

照「まあ、セーラの好みだからそれでいいけど、他は?」

セーラ「月並みやけど、一緒にいて楽しいこと…かな」

照「なるほどね。それ、顔を先に言わない方がいいよ」クスッ

セーラ「うぅ、わかった…」

照「とりあえず、デートに誘ってプレゼントでも渡して
  もう一度好きって言えばいいんじゃないかな」

セーラ「それって結構恥ずかしいな…できるんかなぁ」

照「無理はしなくていいけど、いつまでも受け身で
  待ったままでいるのはセーラが辛いと思って」

セーラ「う、うん…そやな、誘ってみるわ!」

照「頑張れセーラ、大丈夫だよ」
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:49:18.17 ID:N6ucj99Yo
セーラ「プレゼントとか、その、また相談のってや?」

照「もちろん」

セーラ「ほな、頑張る!」

照「上手く行くといいね」

セーラ「そうやな…っておい、照!大事なこと忘れてるで!」

照「え、なに?」

セーラ「プロやプロ!お前さっさと決めんかい!」

照「あぁ…」

セーラ「なんやそのつまらなさそうな返事は」

照「んー…どうしたものかな」

セーラ「俺と弘世がどうのよりお前の将来の方が大事やん」

照「それはそうかもしれないけど…うーん」
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:49:53.63 ID:N6ucj99Yo
セーラ「何を悩んでんの?話すだけ話してみてや」

照「あ、うん…咲がね…一緒に暮らしたいって」

セーラ「ほえ?え、じゃあ…」

照「長野、地元に帰ろうかな、とは思ってるんだけどね…」

セーラ「ええやんか、俺も地元に帰るつもりやし」

照「あぁ、大阪に行きたいって言ってたよね」

セーラ「弘世もほら、東京がええみたいやし」

照「みんなバラバラだね…寂しいよ」

セーラ「いつまでも一緒ってわけにはいかんやん。
    この話は前もしたやろ?」

照「そうだけどさ…卒業したくない」

セーラ「いつまでも決めへんのはそれが理由か?」

照「それもあるけど…言わば選び放題なわけでしょ?
  その中からあえて長野を選び取るだけの理由があるかって言われたら…」
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:50:42.82 ID:N6ucj99Yo
照「家族以外の理由もないし…いや、それも大事な理由だけどさ。
  咲に言われるまでは関東で選ぶかなぁ、とぼんやり考えてたんだよね」

セーラ「えらい悩んでるな」

照「うん。私って主体的に何かを選ぶことがほとんどなかったから、
  すごく悩んじゃうの。」

照「長野は好きだよ、咲もお父さんもいるし、
  でも、ほんとにそれでいいのかって考えるとね…」

セーラ「そんでなんも決められへんってか」

照「まあね…選択肢が多いのも難しいよ」

セーラ「なんちゅう羨ましいことを…」

照「どうしようかなぁ…」

セーラ「何にせよ、お前が決めへんと他の交渉が進まへんのは確かやし
    出来るだけ急いだ方がええで?」

照「う、うん…ね、セーラと一緒のチームっていうのはどうかな?」

セーラ「いや、ええけど…でもそれでええの?」

照「うーん…」

セーラ「まあ、大事なことやし監督やお母さんとよう相談せーよ?」

照「う、うん…」
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 00:52:21.86 ID:N6ucj99Yo
ここまでです


>>520
豊音は確か日和でちゃちゃのんにサインもらってたはず…
>>521
あわあわマジ天真爛漫


それでは
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 08:08:08.06 ID:nwNj+CK7o
そういや貰ってたね
ちゃちゃのんの色紙持った変なポーズ可愛かった

照が長野へなんて勿体ないなぁ
でもってめっちゃいい女ですね
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 23:56:19.00 ID:N6ucj99Yo
次の日、朝、通学路


菫「ふわぁ…眠いな」

セーラ「夜更かしかー?」

菫「うんまあ…いろいろ考えることが多くてな」

セーラ「たとえば?」

菫「進路だよ…どうなるのかなと」

セーラ「そうやなぁ…照には昨日、早く決めろって
    言うたけどどうなるか」

菫「照なぁ…」

セーラ「ん…」

照「お、おはよ」

菫「あぁ、照おはよう」

セーラ「おはよ、照」

照「うぅ、眠い」
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 23:57:42.40 ID:N6ucj99Yo
セーラ「お前も寝不足か?」

照「あ、あのさ!!私…決めた」

菫「え?何を?」

セーラ「ん??」

照「プロチーム、決めた」

菫「ほ、本当か!?」

セーラ「ど、どこや!?」

照「…長野、に決めた」

菫「おぉ、帰るのか」

照「うん、…決めたよ」

セーラ「そうなったか、うん」

照「今日の放課後、仮契約の話をすることになった」

セーラ「え、なんやそれめっちゃ早いな」クスッ
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 23:58:45.60 ID:N6ucj99Yo
照「向こうの人涙声でめっちゃびっくりしてた…」

菫「そりゃなぁ…あれだけ競合したからな」

セーラ「びっくりもするわな」

菫「じゃあ…私たちの進路も決まるか」

セーラ「そうやな…希望通りいくとええな」

菫「あぁ、そうだな」

照「時間かけすぎてごめんね…」

菫「気にするな」

セーラ「そーそ」

照「う、うん。2人にも朗報が届くことを祈ってる」

菫「ありがとう」

セーラ「おおきに、照」
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/05(水) 23:59:23.86 ID:N6ucj99Yo
照「あ、それでお母さんとも相談したんだけどね、
  ここまできたらもう好きにしろって言われてさ」

照「…咲には寂しい思いも辛い思いもさせたし、
  一緒にいて欲しいって言うならいてあげたいなって」

菫「そうか、咲ちゃんも喜ぶだろうな」

セーラ「そうやなぁ」

照「今朝少し話したら、涙声でさ、可愛かったよ」ニコニコ

セーラ「シスコンやなぁ、お前」

照「え、そうなのかな?」アセッ

菫「いいじゃないか、仲がいいのはいいことだ」

照「そ、そうだよね!」
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 00:00:21.42 ID:wozCq3zuo
放課後


照「じゃあ、仮契約の話をしてくる」

セーラ「監督室か?」

照「そうだよ」

菫「頑張れよ、いや、何を頑張るかわからないけど」

照「ありがと」

セーラ「まあ、待ってるわ」

菫「そうだな」

照「え、悪いよ」

セーラ「ええのええの」

照「そ、そう?じゃあ、行ってきます」

菫「あぁ、いってらっしゃい」
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 00:00:47.43 ID:wozCq3zuo
菫「さて、部室にでも行くか?」

セーラ「いや…ちょっと話あるねん、いいか?」

菫「うん、じゃあ、どこか行くか」

セーラ「校庭でも行こうや」

菫「え、外は寒いぞ?」

セーラ「ええやん、たまには」

菫「まあ、いいけど…コート取ってこよう」

セーラ「あ、俺も!」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 00:01:13.61 ID:wozCq3zuo
校庭、ベンチ


セーラ「よっこいしょ」

菫「おっさんか、お前」

セーラ「つい」

菫「寒いけど、なんだか頭がすっきりするな」

セーラ「今はどこも暖房で暖かいからな〜」

菫「暖かいのはいいが頭がボーっとするし、
  眠くなってしまうのが難点だな」

セーラ「だから、たまには寒空でおしゃべりもええやろ?」

菫「たまにはな…で、話って何だ?」
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 00:01:42.69 ID:wozCq3zuo
セーラ「あ、うん…弘世さ、今月の24日って予定空いてるか?」

菫「え、それは…えっと…」

セーラ「や、あの!そ、その、で、で、デートでも…どうかなと」

菫「で、デート!?」ガタッ

セーラ「わ、ちょ、声でかいって!」アセッ

菫「す、すまん…24日って…お前それイヴじゃないか」

セーラ「まあ、…そやな。どうやろうか」ドキドキ

菫「どうって…」

セーラ「予定は?もう入ってる?」

菫「どうした?らしくないな、江口」

セーラ「え、なにが?」

菫「お前はそういうことを積極的に誘ってくるタイプじゃないだろ」

セーラ「や、そんなことないで」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 00:02:17.84 ID:wozCq3zuo
セーラ「あ、うん…弘世さ、今月の24日って予定空いてるか?」

菫「え、それは…えっと…」

セーラ「や、あの!そ、その、で、で、デートでも…どうかなと」

菫「で、デート!?」ガタッ

セーラ「わ、ちょ、声でかいって!」アセッ

菫「す、すまん…24日って…お前それイヴじゃないか」

セーラ「まあ、…そやな。どうやろうか」ドキドキ

菫「どうって…」

セーラ「予定は?もう入ってる?」

菫「どうした?らしくないな、江口」

セーラ「え、なにが?」

菫「お前はそういうことを積極的に誘ってくるタイプじゃないだろ」

セーラ「や、そんなことないで」
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 00:02:55.89 ID:wozCq3zuo
ohh書き込めなかったって表示されたのにー

連投すいません
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 00:03:22.46 ID:wozCq3zuo
菫「いや、おかしい。あ、照だろ…?」

セーラ「さぁ、どうやろなぁ〜」

菫「なるほどな」

セーラ「な、なんやねん!誘ったらあかんのか!」

菫「いや、そんなことはないけど…」

セーラ「そら積極的にもなるわ!…お前のこと、す、好きやねんからな」ボソッ

菫「…う、うん…すまない」

セーラ「いや…で、予定は?」

菫「予定は…今のところ何もない」

セーラ「ほな、行こうや?な?」キラキラ

菫「うぅ…どこ行くんだ?」

セーラ「あ、それ何も考えてへん」

菫「なんだそれ…まあ、うん、…行くか」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 00:03:49.70 ID:wozCq3zuo
セーラ「ほんま?よかったぁ…場所はちゃんと考えとくから!」

菫「あぁ、頼む」

セーラ「うわぁ、楽しみやな、な?」

菫「…まあな。お前のそういう顔、久しぶりに見た気がする」

セーラ「え?」

菫「そういう、なんていうか…無邪気な感じの顔だよ」

セーラ「そ、そうか?…照れるわ//」

菫「……ふむ、デートかぁ」

セーラ「うぅ、さすがに身体の芯から冷えてきた」ブルッ

菫「場所を移そう、私も寒い」

セーラ「ん、そやな」

ブーブーブー

菫「私の携帯だ…ちょっと電話してくる」

セーラ「おう」
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 00:06:54.80 ID:wozCq3zuo
ここまでです


>>533
てるてるマジでいい女っす


それでは
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/06(木) 18:47:21.71 ID:opeFAd6to
テルー長野に帰るのか
いいお姉ちゃんだわ
いいところで携帯誰だよもー!
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 00:47:29.20 ID:qn3Rt9jlo
しばらくして…


タッタッタッ


菫「え、江口!聞いてくれ!」

セーラ「ど、どした!?」

菫「東京が仮契約の話がしたいって!」

セーラ「ほんまか!?やったなぁ!」

菫「よかった…ほんとによかった…」グスン

セーラ「うん…よかったな」

菫「照の、ズズッ、長野入りが、業界内で一斉に伝えられたみたいで、
  それで、私に話が来た…ヒック、嬉しいっ」

セーラ「俺もなんかめっちゃ嬉しいで弘世!」ナデナデ

菫「必死で背伸びまでして撫でるな…いや、ズズッ、なんか可愛いな、お前」ナデナデ

セーラ「なっ!!?//」カァァ
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 00:48:13.36 ID:qn3Rt9jlo
菫「とにかく決まりそうでよかったよ…あとは江口だな」

セーラ「そ、そやな…希望通りに行けばええんやけど」

菫「そうだな…ってすまん、校舎に入ろう寒いだろ」

セーラ「嬉しくてなんか身体熱いわ」メラメラ

菫「…実は私もだ」クスッ

セーラ「もうちょっとここに座ってよか」

菫「ん、…だな」

セーラ「なー弘世ー」モタレカカル

菫「なんだよ、重いぞ」

セーラ「おめでとう」ボソッ

菫「…ありがとう」
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 00:49:09.67 ID:qn3Rt9jlo
さらにしばらくして…


照「ごめん、お待たせー結構時間かかっちゃった…ってあれ?」

セーラ「…zzz」グーグー

菫「バカが寝てしまった」ナデナデ

セーラ「…zzz」スヤスヤ

照「え、こんなところにいて寒くないの?」

菫「それが意外とそうでもない」

照「それ、菫が恥ずかしいからでしょ?だって膝枕なんて…」ジー

菫「や、別にそんなんじゃ…」アワワ

照「可愛いね、菫。そんなに髪を撫でちゃってさ」

菫「うるさいっ…いや、その、つい//」テレ
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 00:49:36.68 ID:qn3Rt9jlo
照「セーラがやって欲しいって言ったの?」

菫「いや、しばらくは私にもたれ掛かってたんだが
  バランスを崩して受け止めたらこうなってしまった」

照「あぁ、それでなんだか不自然な形なんだね…
  で、セーラも起きないんだね…すごいね」

照「あ、それで仮契約を済ませたよ。細かい話はよくわかんないから
  お母さんと監督が聞いてくれてたけど、まあ上手くいったみたい」

菫「そうか、よかったよ。これでお前もプロ雀士だな」

照「うん、…実感わかないけど、嬉しいな」

菫「それで私なんだが、さっき東京のチームから電話を頂いたよ」

照「え、ほんと?」

菫「仮契約の話を明日、することになった」
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 00:50:08.85 ID:qn3Rt9jlo
照「よかったね菫!やったじゃん!」

セーラ「…zzz」ムニャムニャ

菫「ちょ、照、声っ。江口が起きてしまう」

照「ご、ごめん…ほんとよかったね」

菫「まあな…江口も喜んでくれたよ」

照「そっか」

菫「それから…」

照「ん?」

菫「…24日、デートに行くことになったよ」

照「そっか、セーラ頑張ったかー」

菫「やっぱりお前の入れ知恵か」

照「でも嬉しかったでしょ?積極的なセーラも」

菫「……まあその、ありがとう」

照「どういたしまして」
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 00:51:13.76 ID:qn3Rt9jlo
セーラ「…zzz」スピースピー

菫「……なぁ、こいつ、今起きたら恥ずかしがるよな?」

照「だろうね、顔真っ赤にして走り出しちゃうんじゃない?」クスッ

菫「しかし…まあ、なんで、…私なんか…」ボソッ

照「なんか、とか言わない方がいいよ」

菫「あぁ…うん、でも…」

照「早く素直になれば楽だよ」

菫「…わかってるよ」

照「わかってるならいい」


セーラ「………・ん?」

照「あ、起きた?セーラ」

セーラ「ん…んん??」ポカーン
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 00:52:24.46 ID:qn3Rt9jlo
菫「そろそろ起き上がってくれないか、さすがに腿が痺れてきた」

セーラ「え、ん…あぁっ!!?」ガバッ!!

照「お、慌ててる慌ててる」クスッ

セーラ「ど、どういうことやこれは…!?」アワワ

菫「お前は私にもたれ掛かったまま寝てしまったろ?」

セーラ「え、そうやっけ…あ、そうや…//」カァァ

菫「前のめりにバランスを崩したお前は私の腿の上に倒れこんできたから
  私は受け止めてやったというわけだ」

照「セーラ、すごくよく寝てたよ」

セーラ「うわ、うわぁぁぁぁ!!!」ダッシュ
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 00:52:59.32 ID:qn3Rt9jlo
照「ほんとに走り出した…」

菫「ふふっ、可愛いやつだな…」

照「え?」

菫「え?」

照「今、セーラのこと可愛いって言った?」

菫「え、あ…//」カァァ

照「そういう菫が可愛いよ」クスッ

菫「う、うるさい…うぅ」


セーラ「わぁぁぁぁぁぁ!!!」


照「ちょっとセーラ静かにしてー!!」
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 00:54:36.37 ID:qn3Rt9jlo
ここまでです


>>547
てるてるは長野に帰ります
電話はグッドニュースでした


それでは
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 07:10:52.99 ID:noTJsphgo
テループロ入りおめでとーーーーー!!!
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/08(土) 20:34:45.79 ID:oCBcTXWDO
菫さん素直になってきたな、可愛い
個人的には照に幸せになってほしい
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:31:16.16 ID:IvKRzhAso
次の日、放課後、麻雀部部室


セーラ「……」ズーン


淡「え、なに?なんであんな沈んじゃってるの?」

照「あぁ、うんちょっとね…」

尭深「何かあったんですか?」

照「ほら、今日は菫が仮契約の話でいないでしょ?
  昨日、向こうから連絡があったからなんだけど、」

誠子「あぁ、はい」

照「セーラには電話がなかった。
  私が決めかねてたせいで各チームの新入団が遅れてたんだけど、」

照「私が長野に決めたことでこう、情勢は動いたわけでしょ?」

淡「そだね」

照「でも、セーラにはどこからも連絡がなかった。
  私が辞退した場合には是非って言われてた大阪は今朝になって、」

照「愛宕洋榎さんの入団を発表した」
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:35:07.67 ID:IvKRzhAso
尭深「え、そんな…」

誠子「うわぁ、それちょっとひどいですね…」

淡「セーラ可哀想…なんでなの?」

照「別に1チームに2人以上の入団が禁止されてるわけじゃないけど、」

尭深「例年通りなら各チーム1人ですよね」

照「うん…それでセーラは今朝からあんな感じで…」

淡「セーラがプロに行けないなんてことないよね?ね?」

照「うーん…各チームが続々と新入団の発表をしているし…
  セーラが滑り込めるチームがあればいいんだけどなぁ」」

誠子「あの、ひょっとして…江口先輩が白糸台だからですか?」

淡「え、どういうこと?」

誠子「いやほら、白糸台は東京だし…」

淡「セーラが大阪の高校じゃないからって?なにそれそんなことで?」

尭深「でも淡ちゃん、地元の高校の選手を優先させるというのは聞くよ?」

照「うん、それは聞いたことある」

淡「なにそれ…バカじゃん!」
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:36:15.38 ID:IvKRzhAso
セーラ「なぁ、淡、打とうや」

淡「あ、うん!」

照「じゃあ私も」

セーラ「尭深か誠子どっちか入ってーや」

誠子「じゃあ私が!」

セーラ「よーし、トップ取るでー」

照「負けないよー」ゴッ

セーラ「手加減してや〜照」

照「えぇ、だめだめ」

誠子「容赦ないっすね」

照「みんなのためだよ」

セーラ「…はいはい、ほなサイコロいくで〜」
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:36:50.49 ID:IvKRzhAso
さらに次の日、朝、登校日


菫「そうか、そんな様子だったか…」

照「から元気だよね、私まで辛かったよ」

菫「私が決まったことであいつもプレッシャーを感じるよな…」

照「気にしないふりしてるけど、気にしないはずないよ」

菫「無事に決まるといいんだが」

照「うん…」
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:37:53.75 ID:IvKRzhAso
セーラ「おはよ!お二人さん!」

菫「なんだそのテンション」

セーラ「おう、聞いて驚くなよ!」

照「え、契約の話?」

セーラ「そや!決まったぞ、プロ行きやー!…たぶん」

菫「ほんとか!?決まったのか!?」

照「どこ?ってたぶんってなに?」

セーラ「ふふーん♪トッププロがいらっしゃる最強のチームやで!」

菫「トッププロ?お前まさか大宮か!?」

照「うそ!?あのユニホーム着るの!?はやりんなの!?」

セーラ「ちゃ、ちゃうちゃうそことちゃう!」アセッ
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:40:18.15 ID:IvKRzhAso
セーラ「大宮は昨日発表あったやろ」

照「あ、そういえば。福路さんだっけ」

菫「あぁ、そうだった。で?お前は?」

セーラ「ここは東京、さて、左隣は?」

菫「左?神奈川だろ…はっ!まさかお前!」

照「え、ひょっとして横浜!?」

セーラ「ふっふーん♪そうや!三尋木プロ直々にお電話頂いたで!」


昨晩、セーラの部屋


咏『セーラちゃんさーまだ決まってないってマジなのかい?』

セーラ『は、はい!…本命に振られてもうてってなんで俺の携帯の番号を!?』

咏『それはまあいいとして、振られたってのは大阪だねぃ〜。
  じゃあさ、うちに来なよ!』

セーラ『へ?』

咏『大丈夫大丈夫任せとけってー』
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:42:13.39 ID:IvKRzhAso
セーラ『お、俺が横浜に?え、ええんですか!?』

咏『なんかねぃ、おたくの照ちゃんが獲れなかったから
  今年の新入団はナシって感じになりそうなんだよね、知らんけど』

セーラ『知らんのかい!あ、すんません!』

咏『いいよーいいよー。新人ゼロってのはねぇ、どうかと思うんだよねぃ。
  うんうん、やっぱ君、うちに合うわー。わからんけど』

セーラ『どっちやねん!あ、いや、ありがとうございます』

咏『明日うちのスカウトがそっちに行くからパパっと決めちゃってー。
  がっつり君の宣伝しとくからー。お姉さんに任せとけい!』

セーラ『でもなんで俺なんか…照とは比べものにならんくらい弱いし…』

咏『セーラちゃんらしくないねぃ。君のやる気、情熱、根性、その他諸々が
  気に入っちゃったってだけだって!知らんけど』
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:42:50.65 ID:IvKRzhAso
咏『あ、でも大きな理由が1つあった!セーラちゃんと私と共通点わかるかい?』

セーラ『俺と三尋木プロ…?…あ、火力ですか?』

咏『せーかい!その火力、ドドーンと見せてくれぃ』

セーラ『は、はい!…ほんま、嬉しいです。俺、頑張ります!』

咏『おう!頑張ってくれぃ!そんじゃ、横浜でね〜♪』


セーラ「と、こんな感じや」

菫「す、すごいなお前!あ、あの三尋木咏だぞ!?
  全日本の先鋒、エースなんだぞ!?直接電話だと!?」

セーラ「見る人が見たらわかるっちゅーやつな!」ドヤァ

照「ふふ、一日で元気になったね」

セーラ「昨日は変なテンションでごめんな」ペコッ
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:43:24.42 ID:IvKRzhAso
照「いいよ、そんなのもう。私、今はすごく嬉しいよ!」

菫「あぁ、お前が私のことを祝ってくれたように
  私もお前におめでとうって言うよ!江口おめでとう!」

セーラ「お、おう!まだ詳しい話は聞いてないけど
    このまま上手くいくはずや!だからたぶんって言うたんやけどな」

照「でもよかったね、横浜と東京なら近いし」

セーラ「や、それは別に関係ないっていうか…」

菫「そ、そうだ、、何言ってんだ照」

照「素直じゃないねぇ」
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 21:47:59.82 ID:IvKRzhAso
ここまでです


>>557
今回で全員決まりました
>>558
デレて…るのかどうなのか


ではまたー
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 22:15:10.54 ID:3uDxvRZmo
セーラおめでとう!!!
菫さんもおめでとう!!
なんだろめっちゃ嬉しい
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/10(月) 23:08:29.05 ID:kIGykJIfo
就職決定!!!
横浜なんてオシャレやーん
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/11(火) 14:51:39.62 ID:ynG4zKrDO
横浜って火力は高そうだな
火力は
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/11(火) 17:19:26.64 ID:ep+HzREVo
ミッポが大宮か
牌のお姉さん襲名待ったなし!
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/11(火) 19:19:46.89 ID:eWj1/Zz7o
三尋木プロと同じチームってええなぁ
全日本のエースやで!?
横浜と東京で近いしほんま良かったね
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/11(火) 21:41:04.56 ID:oAyKXMaD0
エースと同タイプだと多くを学べそうだが下積みも長くなりそう
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 08:53:02.62 ID:4+k+7iHFo
就職先決定
なんて素晴らしい言葉なんだ
おめでとー!
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 09:05:24.61 ID:PLCBZDZ+o
セーラは社会人向いてそうだけど、
まず服を買わなきゃな!
ソフトスーツでも仕立てたまえ
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:33:40.57 ID:QkXYYNwmo
同日、セーラの部屋


セーラ「おう、そやねん。ほんで、今日仮契約や」

竜華『おめでとうセーラ!けど急やねんなぁ、そういうもんなん?』

セーラ「いや、異例やって言われたで?だいたい俺は、
    元々横浜って声をかけられてへんかったしなぁ」

竜華『ほな、三尋木プロさまさまやなぁ。すごいな、あの人
   さすがのトッププロや。えげつない権限ありそうや』

セーラ「頭上がらへんで〜ほんま。さっきお礼の電話したらな、
    『いいってことよ!』ってめっちゃ軽いねん」クスッ

竜華『イメージそのまんまやな』クスクス

セーラ「けど昨日まではめっちゃ落ち込んでたんやで?」

竜華『あぁ、洋榎ちゃんなぁ、しゃーないというかなんというか。
   やっぱこっちでは人気者やねん、洋榎ちゃん』
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:34:39.08 ID:QkXYYNwmo
セーラ「そうか…でもそら地元の選手の方がええってかー。
    大阪のスカウトの人は是非来てくださいって言うてたんやけどなぁ」

竜華『けどこんな出会いもあったわけやん、結果オーライちゃう?』

セーラ「ま、今思えばそうやけどなぁ」

竜華『それに、弘世さん東京なんやろ?ほな、横浜やったら近くやん』

セーラ「え、それ関係ないやん!」

セーラ「(照と同じこと言いよるなぁ)」

竜華『関係大有りやって!遠距離はしんどいで』

セーラ「ま、まだ付き合うとか決まったわけちゃうし…」ブツブツ

竜華『そうやとしても、好きな人の近くにいられるんやから』
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:35:25.62 ID:QkXYYNwmo
セーラ「そ、そやな…うん。そうかも」

竜華『ふふ、素直やん』クスッ

セーラ「うるさいなぁ、竜華」

竜華『はいはい』クスクス

セーラ「ところで怜元気なん?」

竜華『いや、…最近ちょっといまいちみたい』

セーラ「そうか…コクマで無理しよったからなあ」

竜華『うん、そうやねん…ほんま心配ばっかしや』

セーラ「竜華もしんどいかもしれへんけど、支えたってな」

竜華『当たり前や!怜はうちの一番大事な人や』

セーラ「そうか、ほな大丈夫やな。元気出せって言うといて」

竜華『うんわかった。プロ行き決定も言うとく』

セーラ「頼むわ、ほなそろそろ切るで」

竜華『うんおやすみ。ほんま、おめでとうな』

セーラ「ありがとう竜華、おやすみ」

ピッ

セーラ「怜は大丈夫かな…まあでも竜華がおるし大丈夫か…」
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:36:48.43 ID:QkXYYNwmo
数日後、麻雀部部室、放課後


淡「それでは3年生3人のプロ行き決定とクリスマスパーティーを
  兼ねまして……せーの、!」


部員「カンパーイ!!」


淡「照おめでとう!菫おめでとう!セーラ超おめでとう!」

照「ありがとう、淡」

菫「おい、江口にだけ超がつくのはなんでだ」

セーラ「俺が一番めでたいってことやんな?」

淡「セーラは1回凹んだから超つけてみた!」

セーラ「なんやとこらー」
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:39:24.67 ID:QkXYYNwmo

尭深「でも本当によかったです、白糸台から3人もプロが出るなんて」

誠子「これはすごいことですよね!」

淡「すごいすごい!私、来年から横浜の応援するよー!」

照「え、長野も応援してよ…」

菫「おいおい、お前は元々東京のファンだったんじゃないのか」

淡「えーそうだったかなぁ」キャッキャ

セーラ「おう、ばっちり応援頼むで!ま、しばらくレギュラーは無理やろうけど」

菫「数年は仕方がないな、そういうものだし」

尭深「高卒でいきなり活躍できる人は限られていますよね」

照「最近だと戒能プロくらいだよね、あの人は強いから…」

セーラ「俺は、照も十分活躍できるって思うで?」

誠子「はい!それはもう!」

照「そうかなぁ」
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:40:05.29 ID:QkXYYNwmo
淡「照も頑張れ、菫も頑張れ〜!」キャッキャ

菫「お前何がそんなに楽しいんだよ、でも、ありがとう」

淡「うんうん」ニコニコ

セーラ「ご機嫌さんやなぁ、淡」

尭深「最近ずっとこんな感じで」

誠子「麻雀も絶好調みたいだしなぁ、淡」

淡「だって、」

照「んー?」

淡「だって、来年になったら3人にはほとんど会えなくなるもん」
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:40:52.66 ID:QkXYYNwmo
セーラ「まあな、授業ほとんどないし…」

淡「会える時くらい、元気で可愛い私を見せたいもん」

菫「大星…」

照「淡、ありがとうね。いい後輩を持ったよ」

淡「う、ううん…ほんとは、すごく、寂しいから…でも、
  でもそんなところ見せたくないし…だから、これでいいの!」ビシッ

セーラ「ははは、ありがとうな、淡」ナデナデ

淡「うん…」
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:41:36.26 ID:QkXYYNwmo

帰り道、通学路、3人


菫「あれだけ祝ってもらうと嬉しいものだな」

セーラ「そやなぁ、後輩って可愛いもんやな」

照「そうだよね、楽しかったなぁ」

菫「オレンジジュース美味しかったなぁ、も付け加えないと、照」

照「い、いいじゃんか」

セーラ「飲みすぎやん、どんだけ好きやねん」ケラケラ

照「美味しいんだもん」
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:42:42.65 ID:QkXYYNwmo

照「あ、今日ね、みんなにおめでとうって言われながら、
  私たちが1年生の時のこと思い出してたんだ」

菫「1年生?」

照「インターハイで初優勝したとき、嬉しかったなぁって」

セーラ「あぁ、そやなぁ。あのときもみんなに祝ってもらったなぁ」

菫「懐かしいな、あのときは挑戦者、がむしゃらだった。
  まあ、これから先はずっと挑戦者だけど…」

照「私は公式戦自体が初めてで、あんなに勝てると思ってなくて
  周りの反応以上に自分が信じられなくて、ふわふわしてたの」

セーラ「昔のお前は自信なさげやったよな」

菫「初めて会ったとなんておどおどしてたぞ」

照「だって…ホントに自信がなかったし…でもそれは菫もじゃない?」

セーラ「そういえば、1年の時の弘世は確かにメンタル弱かったな」ゲラゲラ

菫「う、うるさい!そりゃ…1年生だったんだし…変なこと思い出すな!」

照「いいじゃん、思い出なんだからさ」
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:43:18.71 ID:QkXYYNwmo
セーラ「ま、そんなお前もインハイの3年連続チャンピオンで
    日本のジュニア代表の主将やで?」

照「なんだか出来すぎだね」

菫「しかも、プロの全チームから声がかかった」

照「…ほんとに私なのかなって時々思っちゃうよ」

菫「ま、どれだけ強くなっても…私たちから離れていくことがあっても、
  照はそのままの照でいて欲しいな」

セーラ「うんうん」

照「少し前の私は…勝てば勝つほど孤独っていうか、
  自分の殻に閉じこもりがちだったよね。そんな私を、」

照「いつも支えてくれてありがとう、菫。
  そんな私を叱ってくれてありがとう、セーラ」

菫「…いいんだ、気にするな。礼なら私が言いたいくらいだ」

セーラ「どういたしまして、照。でも俺も…
    照のおかげで頑張れた、ありがと」

照「…うん」
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:43:46.79 ID:QkXYYNwmo

菫「私たち、来年はプロへ行くんだよな…」

照「実感がわく?」

セーラ「いや、全然や」フルフル

菫「今はまだあまり考えられないな」

照「でも、それでも私たちは白糸台を卒業して別々のチームへ入って
  いつか敵として戦うことになるんだよね…」

セーラ「ん、そやなぁ」

菫「想像できないな…本当に卒業してしまうなんて」

照「…無理でありえないとはわかっていても、
  みんなずっと一緒がいい、なんて思っちゃうんだ」

セーラ「このまま3人、ずーっと喋ってられそうやもんな」

菫「でも、いつかは…別々の道を行くんだよな」
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:44:44.06 ID:QkXYYNwmo
照「…やっぱり、寂しいね」

セーラ「あーあ。それ、言わんとこうって思ってたのに」

菫「そうだぞ、照。口に出すと余計に思うだろ?」

照「ごめん…でも、そう思っちゃうよ」

セーラ「そうやなぁ…」

照「…ずっと、親友だよね私たち」

菫「私は、そのつもりだ」

セーラ「同じく、そう思ってるで」

照「そうだよね、…ありがとう」
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:49:14.52 ID:QkXYYNwmo
ここまでです


>>569
ありがとう、なぜか自分も嬉しい
>>570
オサレな街に住むセーラさん
>>571
セーラ「それより(失点)稼げば全然問題なしや!」
>>572
大宮に似合いそうなのはやっぱりキャプテン!
>>573
三尋木プロに鍛えてもらうセーラさん
>>574
エース越えしなきゃならんよね、宿命だ
>>575
就職先決定…すばらな言葉ですね
>>576
それでもセーラは短パンはいてそう


感想多く頂きまして、どうもです、すばらです
さて次回、クリスマスデートの話


それでは
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/12(水) 22:51:32.96 ID:dtdxwbSGo
いいなぁ。親友っていいよね
そしてあわあわ可愛すぎ
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/13(木) 08:49:26.23 ID:zlid87Eio
すばらです!
苦楽を共にした仲間ってええよね
青春って感じやわ
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:22:50.22 ID:keJwkaQro
クリスマスイブ、当日、午前、駅前


セーラ「うーん、遅いなぁ」トケイチラチラ

セーラ「20分も過ぎてもうた」ハァ


タッタッタッ


菫「はぁはぁ、すまん!」

セーラ「や、ええけど、なんかあったんか?」

菫「いや…その、乗り換えを間違えて…//」カァァ

セーラ「そうか、ええよ。気にすんな」

菫「ありがとう、で、今日はどこに行くんだった?」

セーラ「おっ………」ポカーン
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:23:35.38 ID:keJwkaQro
菫「え、なんだよ?江口?」

セーラ「…ん、その、服ええな」ジー

菫「あ、あ…まあ、うん//」テレ

セーラ「ミニスカートとかあんま見たことないし…
    うん、可愛い。可愛いなぁ」デレデレ

菫「そ、そうか、それはよかった//」

セーラ「ロングブーツとか弘世は背が高いから似合うなぁ」

菫「そうか?」

セーラ「俺、照とかお前と比べたらチビやし…」

菫「身長なんか気にしてるのか、今さらじゃないか」

セーラ「そら、まあそやけど」

菫「お前はそれでいいんだよ。変なこと考えるな」

セーラ「ほんま?」

菫「あぁ、そうだよ」
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:24:28.19 ID:keJwkaQro
セーラ「ってごめんな、俺あんまおしゃれとかしてへんわ」

菫「大丈夫だ、お前にそこは期待していない」

セーラ「じ、事実だけに言い返す言葉もないけども…」

菫「さて、遅れてしまったし、そろそろ行くか?」

セーラ「お、おうそやな」

菫「あ、結局どこに行くんだ?全然聞いてないぞ」

セーラ「とりあえず映画でも見よか」

菫「映画?今日はどこも混んでるんじゃ…」


ワイワイガヤガヤ


セーラ「アホ、誘うからには席用意してるっちゅうの」ドヤァ

菫「用意がいいじゃないか」

セーラ「そら、で、デートやしな。ほら行くで〜」

菫「はいはい」
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:27:44.11 ID:keJwkaQro
昼下がり、公園、ベンチ


セーラ「ふぅ、休憩や〜」

菫「お前食べすぎなんだよ、ほら水でも飲め」

セーラ「ありがとー」ゴクゴク

菫「で、次はどこに行くんだ?」

セーラ「ん〜、ブラブラと買い物かな?」

菫「何で疑問系で返すんだよ」

セーラ「や、映画見て昼飯食べて、
    …あとは適当にって思ってて」

菫「適当って…まあ、江口らしいけど」

セーラ「それにあんま遅くにはなれへんし」

菫「あぁ、寮の門限があるもんな」

セーラ「そやなぁ、めんどいわ」
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:28:27.91 ID:keJwkaQro
菫「あれ、お前いつ大阪に帰るんだ?」

セーラ「ん〜、明日か明後日か…気分で」

菫「そこも適当か」

セーラ「ぜーんぶ決めてしまうと息苦しいしなぁ」

菫「なるほどな」

セーラ「なー弘世ー」

菫「なんだよ」

セーラ「俺は今めっちゃ楽しいっていうか、
    そんな気分やねんけど、弘世はどうやー?」

菫「…楽しいよ。誘ってくれてありがとう、来てよかった」

セーラ「そうか、それはよかった」ニコッ
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:29:45.09 ID:keJwkaQro
菫「なぁ、江口…」ゴクリ

セーラ「んー?」

菫「…今日は、話をしなくちゃいけない。いいか?」

セーラ「…そら早く聞けるに越したことはないけど、
    今楽しいし、落ち込むんはイヤやな…」

菫「なんでそうやって落ち込むって決め付けるんだ」

セーラ「あ、当たり前やろ!」

菫「自分に自信はないのか?」

セーラ「そんなんないわ…」

菫「そうか…でもまあ…だよな」

セーラ「お前好きな人がいるって言うたやんか、
    そやから俺は…その、自信とかあるわけないし…」
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:30:44.76 ID:keJwkaQro
菫「…まあな、確かに好きな人はいるよ」

セーラ「ほら…」シュン

菫「その話をさせて欲しい。江口に聞いて欲しい」

セーラ「…そうか」

菫「いいか?」

セーラ「弘世が、その、いいんやったら…」

菫「江口が今日誘ってくれて、言うきっかけというか
  先延ばしにしないで済みそうだ。決心も出来てる」

セーラ「…うん」

菫「コクマが終わってからずっと考えてたんだよ、
  どうすることが私たちにとって一番いいんだろうって」

菫「いや、もっと前からだな。モヤモヤすると言った照に、
  江口のことが好きなんじゃないのかとアドバイスしてから、」

菫「ずっとずっと、自分と葛藤を続けていたよ。
  私はどうしたい?でも、ホントにそれでいいのか?って悩んでた」
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:31:40.00 ID:keJwkaQro
セーラ「…葛藤?」

菫「でも、これ以上はお前を待たせるわけには行かないと思うから。
  お前は、秋には気持ちを伝えてくれていたわけだしな」

セーラ「そうやな」

菫「で、単刀直入に言えば…」

セーラ「う、うん…」ゴクリ

菫「江口、私は好きな人がいる」

セーラ「そ、そう…」ショボン

菫「その人はバカでお調子者だが、優しくて楽しい人だ」

菫「私は……そんな、お前が好きだよ」キリッ

セーラ「…は???」ポカーン

菫「照に突付かれ、お前に催促され、…気持ちは1つしかなかった。
  でも決心がつかないし、お前に気持ちをちゃんと伝えられるか不安だった」

菫「だけど、ちゃんと伝えたい。…返事が遅くなってごめん、
  私は、…江口セーラが好きだ」
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:32:24.40 ID:keJwkaQro
セーラ「…待て、いや、そんなわけは…」

菫「どうしてそう思う?」

セーラ「だってそんな…いやいや!」

菫「思い返せば、私は中学のときからお前が気になってた」

セーラ「あ、アホ、そんな取ってつけたような…」

菫「事実だ。憧れていたんだよ、お前は強かったし」

セーラ「え…ほんま?」

菫「あぁ。一緒の高校に入ることになって、嬉しかったよ」

セーラ「けどそんな素振り一回もなかったやん…
    どっちかと言えば邪険やったし…」

菫「まあ、聞けよ。長い話になりそうだ…寒いし場所を変えようか?」

セーラ「…いや、ここでええわ」ドキドキ
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:33:06.46 ID:keJwkaQro

菫「じゃあ、まず…照だな」

セーラ「え?照?」

菫「私にとって照はお前とは少し違う意味で特別なんだよ。
  あいつには私が必要だって自惚れてたし、」

菫「そんな自分のことは嫌いじゃなかったんだ。
  だから照と江口が付き合うなら、それもアリだと思った」

菫「そう思っていたからこそ照を応援できたし
  江口を諦める事だってできてた。これでいいんだって納得してた」

セーラ「あ、諦めってお前ほんまにそんなに前から…その、あれなん?」

菫「そうだって、さっきから言ってるじゃないか」

菫「…ずっと好きだったと思う。照が好きになる前からずっと好きだったよ。
  言うつもりはなかったけど、気持ちはな」

セーラ「うわぁ…全然知らんかった…」

菫「照と江口が幸せになるのなら、それで私も幸せだと思っていたんだ」
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:33:59.88 ID:keJwkaQro
菫「なのにお前が…あんなことを言い出して
  最初は嬉しいなんて思えなかったし、自分を責めたよ」

菫「お前は『自分を責めるな、悪いのは俺や』って言ったけど
  そう言われたって…そんなのは無理だろ?」

セーラ「…そうか。俺はそうなるのだけは嫌ったんや。
    でも、しゃーないか…」

菫「なんてことを言うんだ、照を傷つけてしまったじゃないかと思った。
  江口のことを恨んだし、どうしたらいいかわからなかった」

菫「それに、私がお前を好きだからってじゃあ、付き合いますって
  言えるわけないだろ?照は江口を好きで、私は応援していたんだから」

菫「照を、親友を裏切るようなマネは出来ないし、
  そのことでだいぶ苦しんだ。でも結局はやっぱり嬉しかったんだよ」

セーラ「え?」

菫「納得して割り切っていたはずなのに、好意が自分に向いていると知って
  苦しんで悩むのは、結局その好意を喜んでいたってことだ」
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:34:45.56 ID:keJwkaQro
菫「そんな自分が許せなかった。何を喜んでるんだ、照は苦しんでるのに。
  照は練習にも来ないほど落ち込んでいるのに、って自己嫌悪したよ」

セーラ「…ごめん」

菫「どうして謝る?」

セーラ「だってなんか…」

菫「気にするな。照が言ってたろ?親友なんだからって。
  私はそれに救われたんだ。…気が楽になった」

セーラ「あぁ…そやったか」

菫「コクマの後、東京に帰る前の夜にな、照に言われたんだ。
  『菫が好きなのはセーラでしょ?』ってな」

セーラ「知ってたんか、あいつ…それでデートなんて…」

菫「その時は認めなかったけどな。それは違う、そんなはずないだろって。
  必死で否定してた。言えば言うほどそうだって言ってるようなものなのに」
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:35:24.55 ID:keJwkaQro
菫「照だってそんなことわかってたろうに。私は必死だったんだよ。
  事実を素直に認められなかったんだ。だってそんなこと、」

菫「そんなこと、照の前で認められるわけないだろ?
  それに、…私は天邪鬼だからな」

菫「素直に認めることが出来なかった。恥ずかしかったし、
  そんな私なんかが江口にはふさわしくないと思っていたよ」

菫「だから…このままでいいってそう思おうとしてた。
  3人でいつまでも友達でいれればいいって」

菫「照は、…他の誰かにとられてもいいのかって言ったけど
  このままでいいんだから、誰とくっつこうが関係ないって言い訳してたんだな」

菫「関係ないはずないのに。イヤだって思うくせに。
  やっぱり素直じゃないんだ、私は」

セーラ「ほんまに意地っ張りやな、筋金入りや」

菫「…嫌いか?」

セーラ「いや、それも弘世らしさやし」

菫「そう言ってもらえると助かる」
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:36:03.88 ID:keJwkaQro
セーラ「ちゅうかお前、考え込みすぎや。もっとシンプルでええやん」

菫「そうもいかない…」

セーラ「このクソマジメ」

菫「うるさいっ…で、続きなんだが、」
 
菫「次の日の朝だったか、他の誰かが江口とくっつくのは許せない、
  私と江口なら応援できると照は言ってくれた」

菫「勝手言うなよ…とは思ったよ。でも、…そこまで思ってくれる友人なんて
  ほかに居るわけはないし…照には本当に感謝でいっぱいだ」

セーラ「照はなぁ…ええヤツすぎてたまに心配になるわ」

菫「…だな、少し分かる。もっとワガママでいいのにな。
  いや、最大のワガママを引き止めたのは私たちだったか…」

セーラ「麻雀は辞めるってやつか」

菫「そう、…間違ってなかったよな?」

セーラ「と、思ってる。間違ってない」

菫「…だよな」
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:37:49.40 ID:keJwkaQro
菫「で、まあ…照が色々後押ししてくれて…
  私は自分に素直になろうと思えた…すごいことだよ」

セーラ「俺が返事聞きたいって言うたときは?」

菫「素直になるつもりはあった。でも、何を言えばいいか
  何から話せばいいのか整理がつかなくて…」

菫「言いたいことがちゃんと言えなきゃだめだし、
  それには少し時間が必要で…待たせてすまなかった…」

セーラ「ううん、今このとき、俺は幸せやし?」ニヒヒ

菫「…ありがとう」

セーラ「な、寒いしそっち行っていい?」

菫「え、あぁ」

セーラ「ほな失礼して…」ゴソゴソ…ピタ

菫「う、うわ、ち、近いな//」

セーラ「…弘世、俺、お前のことが好き」モタレレカカル

菫「…ん、私も」
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:38:32.59 ID:keJwkaQro
菫「今日一緒にいて、やっぱりお前が好きだと…思った。
  卒業しても、これからも…そばにいたい…」ボソボソ

セーラ「俺も同じ気持ちや、めっちゃ嬉しい」ニコニコ

菫「そ、それはよかった…//」テレ

セーラ「な、弘世、…名前で呼んでくれへん?」

菫「え…」

セーラ「頼む、な?…す、菫」

菫「…わ、わかったよ…せ、セーラ」

セーラ「……うわ、やばい//」

菫「こ、こっちのセリフだろ…//」

セーラ「こ、これからもよろしく…」

菫「こちらこそ…よろしく、セーラ」
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:39:56.45 ID:keJwkaQro
セーラ「…なぁ、菫?」

菫「ん?」

セーラ「渡したいもの、あるから目閉じて?」

菫「あぁ、私もプレゼントが…」ゴソゴソ

セーラ「ちょ、ええから早く閉じろって」

菫「なんだよ…はいはい」スッ

セーラ「……」ゴクリ

菫「早くしろよ」

セーラ「……ちゅっ」

菫「え……」

セーラ「…や、あの//」

菫「お、お前、な、何を…!!」

セーラ「べ、別に何も?(や、柔らかかった…うわぁぁぁ)」

菫「そ、そんなわけないだろ!(い、今のってまさか…うわぁぁぁ)」
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:42:05.53 ID:keJwkaQro
セーラ「…あ、そんで、これ(顔見れへん、やばいやばい!)」ハイ

菫「…あ、ありがと…これなんだ?(ダメだ、顔を上げたら真っ赤だ…!)」」

セーラ「開けてや?」

菫「じゃ、じゃあ、私からも。これ」スッ

セーラ「ありがとう…なんやろなぁ」

菫「ん…これって」ガサゴソ

セーラ「あぁ、ひろ、いや、す、菫が普段してる皮のブレスレットの
    色違いというかなんというか…似合うかなぁと」

菫「ありがとう、いい感じだ…つけてくれ」

セーラ「あ、うん…お前、手首細いなぁ」サワサワ

菫「ちょ、やめろ//」

セーラ「ご、ごめん//…これで、よし」カチッ

菫「おぉ、いいな。うん、気に入った」
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:42:46.85 ID:keJwkaQro
セーラ「そらよかった…っと、こっちは…ストラップ?弓かー」クスッ

菫「そういうの、実はあんまり売ってないし…そ、その…ええっと…」ゴモゴモ

セーラ「なんや?はっきり言えって」??

菫「ゆ、弓矢を見れば私を思い出すかなあ…と//」カァァ

セーラ「クスッ、なんやそれ」ケラケラ

菫「わ、笑うなら返せ!」グイッ

セーラ「あ、あかん!嬉しいから、ほんま!ありがとう!」

菫「ったく…」

セーラ「へぇ、うん、可愛いやんこれ」

菫「そりゃよかった」
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:43:56.67 ID:keJwkaQro
セーラ「…ところでそろそろ寒いな」

菫「長いこと喋っていたからな。ありがとう、ちゃんと聞いてくれて」ペコッ

セーラ「こちらこそ、話してくれてありがとう…さて、移動する?」

菫「そうだな、ブラブラするんだっけ?」

セーラ「そうそう」

菫「よし、じゃあ手を出してくれセーラ」

セーラ「え?」

菫「ほら、こうすると…温かいだろ」ニギッ

セーラ「あわわわ!//」

菫「行くぞ?」グイッ

セーラ「う、うん//」テレ


セーラ「(り、リードされてる…う、嬉しい、かも…)」
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:46:52.43 ID:keJwkaQro
ここまでです

実は2回に分けようかと思ってたんですけど
ただ2人で喋ってるだけなので一気にいきました


>>590
あわあわ可愛い!
親友っていいよね
>>591
親友であり、仲間ですよね
前回の最後のところは夕焼けが似合いそう


ゆっくりとラストへ向かっていきます
もう少しお付き合いください

それでは
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/14(金) 21:55:25.58 ID:S8Y53Y4ho
二人ともイチャイチャしてて可愛いなチクショウ!
あとおめでとう乙!!
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/15(土) 10:31:53.36 ID:W2bysZYNo
菫セラ意外といけそうやな
両方イケメンだからなんかもったいない感もするけど
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/15(土) 21:22:53.49 ID:WuVVVbmC0
もったいない分かる
この二人ってタチとタチ?
攻めと攻め?
+と+だよね。完全にバッティングしてるんだよ
無理やりカプ成立させてる感が否めない
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/15(土) 21:40:33.57 ID:DLVhTkhzo
外見攻めでも内面受けというものがあってだな…
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/15(土) 21:51:18.23 ID:vBLW3yqao
すばらっ!
菫さんもセーラも照も皆ええ子やなぁ
真剣に恋愛して、友情も大事にして、青春て感じや
二人のイチャラブも楽しみですわ
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/15(土) 23:04:25.55 ID:W2bysZYNo
菫さんもセーラも意外と受け気質な気もするし、
どう転ぶかは分からんな!
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:52:06.83 ID:IMiqpSv+o
次の日、寮、セーラの部屋


菫「おぉ、かなり片付いているじゃないか」

セーラ「もうここにいる時間も長くないしなぁ」

照「そうだね、あと2ヶ月…か」

セーラ「それに、明日から大阪やし…と、思ってたんやけど
    実は止めようかと思って」

菫「え、帰らないのか?」

照「…菫、嬉しそう」クスッ

菫「ば、バカそんなんじゃ」アセッ
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:52:46.33 ID:IMiqpSv+o
セーラ「実はな、怜があんま調子よくないらしくて…
    そんなときに帰ったら気を使わせそうかなって」

照「あぁ、園城寺さんは結構無茶しちゃう人だしね」

セーラ「そもそもコクマで淡相手に無茶しまくりやったから、
    それがたたってるんかなぁって竜華とは言うてたんよ」

菫「なるほどな、お前が帰って行くと出迎えたりしそうだからな」

セーラ「そら会いたいけど、無理させたくないし…うん、
    そやからこっちに残るわ。うちの家族もそんでええって言うてたし」

照「そっか、うんそれがいいかも。あ、私も長野に帰るのは延期にしたの」

菫「咲ちゃん待ってるんじゃないのか?」

照「そうなんだけどね…来年からあっちに住むわけだし、
  まあいいかなぁと思って」

セーラ「そっか、ほな年末は3人とも東京ってわけやな」

照「うん、そうなったね」
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:53:17.56 ID:IMiqpSv+o
セーラ「あ、で、…うん、照にここに来てもらったんは他でもなくて…」

照「なに?もう、昨日の夜から聞く準備万端なんだよー?
  なのに2人とも全然連絡してこないし…」

菫「す、すまん。明日、つまり、今日に2人から話そうと思っていて…」

セーラ「そうなんや、ごめんな。世話になりっぱなしやのに」

照「それは別にいいけどね、さて…どんな話?」ゴクリ

菫「ん…昨日、私の気持ちを伝えたんだ」

照「…うん」

セーラ「それで、…俺と、…菫は付き合うことになりました!」

照「うん、そっか、よかった。うん、おめでとう」ニコニコ

菫「…ありがとう照、照のおかげだと思う。感謝してもし足りない」

照「ふふ、いいの。言ったでしょ?2人なら応援できるって」

セーラ「いろいろありがとうな」

照「ううん、いいの…ほんといいから…。ん、あれ?」
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:54:49.96 ID:IMiqpSv+o
菫「どうした?」

照「セーラ、今なんて言った?」

セーラ「へ?いろいろありがとうって」

照「や、その前」

菫「なんだ?照?」

セーラ「その前?うーん…菫と付き合うことになりました?」

照「そ、それだよ!え、いつから?菫って呼んでるの!?」

セーラ「え、あ、…まあ//」テレ

照「あれ、じゃあ菫も?」

菫「まあ…そういうことになったっていうか//」

照「そうなんだ、いいねなんだか。可愛いよ、2人とも」

セーラ「あ、ありがと」

菫「…ありがとう、照」
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:55:22.20 ID:IMiqpSv+o
照「はぁ、じゃあ私これで完全に失恋だね」

セーラ「あ、そう…なるん?」

照「まあね」

菫「ごめん」

照「どうして謝るの、もう。すっきりした気持ちだよ。
  全部リセットできた!…だから次は新しい出会いでも探さなきゃ!」

セーラ「照ならすぐやろ?」

照「どうかなぁ、でもしばらくは咲に甘えようかな、えへへ」

菫「それがいいな、咲ちゃん可愛いし」

照「ほんとにおめでとう。2人は色んな遠慮を今でも感じるかもしれないけど
  でも、ほんとに何も気にしなくていいんだよ」

照「幸せになってね、私はずっと2人の味方だし親友だよ?」

セーラ「うぅ、照ぅ…グス」

照「あぁ、もう泣いちゃった」アハハ

菫「あ、ありがと、照、わ、私もずっと親友だっグス」

照「うんうん。2人とも泣き虫だねぇ、もう」ヨシヨシ
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:56:00.60 ID:IMiqpSv+o
同日、夜


セーラ「うん、そう、それで…付き合えることになった」

竜華『おっめでとう!やったなぁ、セーラ』

セーラ「おう、やった。ほんま嬉しい」

竜華『心配してたんやで、めっちゃ心配してた』

セーラ「ありがとうな、感謝してるで」

竜華『そんなん!私何にもしてへんし』

セーラ「いや、怜も竜華も話を聞いてくれたやんか。
    俺はそれだけで嬉しかったんや」

竜華『ふふ、そうか。ほなよかったけど』

セーラ「あ、ほんで…怜はどうや?」

竜華『うん、前よりだいぶようなってるで。』

セーラ「そうかぁ、よかった…心配でたまらん」
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:56:52.08 ID:IMiqpSv+o
竜華『ほなあとで電話してあげて?声聞きたがってるで』

セーラ「ん、わかった…あ、それで年末やねんけど、
    怜に負担かけるんもあれやし帰省せんとこうかと思って」

竜華『あぁ、そうか…会えるん楽しみにしてたけど、
   セーラ帰ってきたら怜は無茶するかもしれへんなぁ』

セーラ「そやろ?だから、こっちにおることにするわ。
    怜には用事ができたし帰れへんって言うとくし」

竜華『うん、わかった。でも、また3人で遊ぼな?』

セーラ「もちろんや。…じゃあ、怜に電話するわ」

竜華『そうしてあげて。セーラ、改めておめでと』

セーラ「…ありがと、竜華。ほなまた」

竜華『うん』


ピッ


セーラ「ふぅ…ほな怜に…」
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:57:25.09 ID:IMiqpSv+o
怜『はい、セーラ?』

セーラ「おう、俺や。どや、元気か?」

怜『まあまあやな…久しぶりやん』

セーラ「体調悪いって聞いてたしなぁ」

怜『ありがと、優しいな』

セーラ「俺はいつでも優しいで?」

怜『ふふ、そやったなぁ』クスクス

セーラ「あ、竜華から聞いたやろうけど横浜入り決まった」

怜『うん、聞いた…すごいなぁ。三尋木プロに誘われたんやろ?』

セーラ「まあな…びっくりしたけど、嬉しかった」

怜『頑張ってな、これは来年横浜のファンになってしまうかもしれへん』

セーラ「なってくれなってくれ、ファンクラブあるで」
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:57:56.71 ID:IMiqpSv+o
怜『けど、ちょっと寂しいな…遠くへ行くみたいやん』

セーラ「そんなことない、俺はいつでも怜の親友や」

怜『うん…ありがとう、嬉しい』

セーラ「それで…あの、弘世のことやねんけど、」

怜『おぉ、弘世さん』

セーラ「…付き合えることになった!」

怜『おぉぉー!おめでとー!』キャッキャ

セーラ「ありがとう、竜華にも怜にも感謝でいっぱいや」

怜『大したことしてへんけど、うん、どういたしまして』

セーラ「気持ちが通じるってなんかええよな//」

怜『セーラもそんなこと言うんやな』ケラケラ

セーラ「ちょ、笑うなや//恥ずかしいやん」

怜『ごめんごめん、でもほんまよかった…』
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 20:59:05.71 ID:IMiqpSv+o
セーラ「あ、ほんで、年末やねんけどこっちで用事ができて、
    帰省できんようになってしもた、ごめんな」

怜『ううん、ええよ。こうやって話せるだけでも嬉しいで』

セーラ「そうかー。電話してよかった」

怜『そやで、セーラの声で元気になるんや』

セーラ「…また3人でどっか遊びに行こうな」

怜『うん、ええなそれ。旅行も行きたい』

セーラ「うんうん、ええ案や」

怜『じゃあセーラ、寒いけど体調に気をつけてな』

セーラ「アホ、それは俺のセリフやぞ」

怜『確かにな』クスクス

セーラ「元気で会おうや」

怜『うん、ほなまた』

セーラ「またな、怜」
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 21:03:38.64 ID:IMiqpSv+o
ここまでです


>>613
可愛い二人が書きたかったので
>>614
自分の中では菫さんとセーラはお似合い
セーラはイケメンというより可愛い
>>615
一人の中にどっちかしかないってことはないですよね
>>616
セーラも菫さんもどっちもそんなイメージです
>>617
青春万歳!
せっかくくっついたわけだしイチャラブさせたいですね
>>618
意外と受け身、そう思いますね


それではー
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 22:13:20.35 ID:PGNu7Ryho
改めておめでとうおめでとう!
すばらですねー
皆が皆、凄く良い子達で微笑ましい
続きめっちゃ楽しみにしてますー!
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/16(日) 23:52:16.86 ID:0eX4zxxpo
すばらっ!すばらです!
読んでて笑顔になれたわ
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 22:52:29.52 ID:3qbaT6qHo
数日後、夜、菫の部屋


セーラ「…あかん、これはあかん//」モゾモゾ

菫「なんだ、うるさいぞ」ペラッ

セーラ「あかんって菫!」

菫「なにがだよ?」ペラッ

セーラ「なんかええ匂いするし緊張する!」ドキドキ

菫「何回か来たことあるだろお前」ペラッ

セーラ「あかんあかん、そんなもん友達と恋人はちゃうやろ」

菫「こ、恋人って…//」

セーラ「ってお前さっきから雑誌ばっか見よってからに!」

菫「だって別にすることもないし…」

セーラ「喋ろうやー、な?そのほうが緊張せんですむし」

菫「今更喋ることもそんなにないだろ…」
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 22:53:39.03 ID:3qbaT6qHo
セーラ「ちゅうか俺、ここにしばらく泊まるんよなぁ」ドキドキ

菫「あ、帰るか?」

セーラ「いやいや!年明けまで外泊届け出してるから帰れへんって!」アセッ

菫「いいじゃないか、用事があってとか適当に理由をつければ」ペラッ

セーラ「菫が年明けまでうちに泊まればいいとか言うたんやろうがー」

菫「そうだけど…居心地悪いなら無理にとは言えないだろ」ペラッ

セーラ「わ、悪いとは言うてへんやん」

菫「そうか?ならいいけど…あ、お前ベッド使っていいからな」ペラッ

セーラ「え、なんで?」

菫「なんでってお母さんがお客さんはベッドでーとか言ってたから」ペラッ
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 22:54:13.55 ID:3qbaT6qHo
セーラ「…ん、いや、あの」

菫「なんだよ?」

セーラ「ほら、このベッド大きめ?やし?」

菫「はっきり言え」

セーラ「…一緒にどうでしょうか」

菫「は?」

セーラ「や、…ほら、一緒に寝るというのは」

菫「…いや、無理無理!!!」

セーラ「そんな思いっきり否定せんでも…」シュン

菫「だ、だって…そんなことしたら寝れないし…//」テレ

セーラ「…確かに」

菫「だ、だろ?やめとこう」

セーラ「まあ、ええけど…お、もう9時かあ」
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 22:56:00.29 ID:3qbaT6qHo
菫「と、とりあえず布団敷くな」

セーラ「お、おう」

菫「もう少し広ければゆったりもできるんだが、すまん」ゴソゴソ

セーラ「いや、十分やって。それに…広さどうのようりも、その、」

菫「んー?」シーツピーン

セーラ「一緒に同じとこにいるってのが、大事っちゅうか…うん//」ウツムキ

菫「…かもな、よし、できた」パンパン

セーラ「いつもは何時に寝てんの?」

菫「だいたい11時までには。勉強もするしな」

セーラ「そうなんか、俺は早い時やと8時には寝てる」

菫「早すぎだろ…勉強しろよ」ハァ

セーラ「えぇ、めんどいし…あ、ほら!」

菫「あぁ?」
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 22:56:46.11 ID:3qbaT6qHo
セーラ「勉強なんかせんでも高校も入れたし就職もできたし!」ドヤァ

菫「いや、高校を卒業しないと就職できないぞ」

セーラ「…わかってるけども、それはまあ大丈夫…のはず」

菫「卒業はちゃんしなきゃな。年明けのテストさえ頑張れば大丈夫だ」

セーラ「うぅ…わかった」

菫「教えるから、やる気出せ」

セーラ「うん……めんどくさいなぁ」

菫「園城寺さんも心配してたろ」

セーラ「…あぁ、そういえば」

菫「変な心配かけないように頑張れ」

セーラ「そやな…俺、頑張る!」

菫「よし、その意気だ。…さてと、」

セーラ「どした?」
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 22:57:26.27 ID:3qbaT6qHo
菫「セーラ、お前話をしようって言ったろ?」

セーラ「あぁ、うん。でも、緊張ほぐれてきたかも…」

菫「そうか?じゃあもう寝るか?」

セーラ「とりあえずベッド入る…悪いな、ベッド」モゾモゾゴソゴソ

菫「気にするな。私は床も嫌いじゃない。あ、電気消すぞ」ゴソゴソ


パチン


セーラ「…なぁ、初詣行く?」

菫「唐突だなあ、まあ、行ってもいいな」

セーラ「照も誘おうや」

菫「そうだな、うん。3人で来年の活躍を祈ろう」

セーラ「ええなぁ。楽しそうや」

菫「あぁ。3人でどこかへ出かけられるのはもう数少ないだろうし」
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 22:58:12.18 ID:3qbaT6qHo
セーラ「…なぁ菫、俺…やっぱ幸せや」

菫「私も。こうして2人で私の部屋にいることが、何より幸せだよ」

セーラ「来年は俺、横浜に行くんやなぁ」

菫「近いよ、すぐだ。私はここにいるから」

セーラ「うん…」

菫「私は意外と不安じゃないんだ」

セーラ「なんで?」

菫「なんとなく、大丈夫だと思える」

セーラ「なんやそれ…でも、そういうのも大事なんかな」

菫「セーラ、私に言っただろ。シンプルでいいって。
  だから、なんとなくでも、その直感を信じたくてな」

セーラ「なるほど、ええ心がけやな」
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 22:59:02.39 ID:3qbaT6qHo
菫「私の思考はつい悪い方とか深い方へ行ってしまうけど
  お前の存在がそれを止めてくれると思う、助かってる」

セーラ「おぉ、なんか嬉しい。でもそれやったら俺も。
    ただ優しいだけじゃない菫が俺には大切やで」

菫「…ありがとう。私も嬉しい」

セーラ「あのさ、」

菫「なんだ?もう寝るか?」

セーラ「…やっぱ、こっちで寝ようや」ポンポン

菫「…いやそれは」

セーラ「菫と一緒がええの」

菫「う、うぅ……わかったよ」スッ

菫「じゃあ失礼して…」ゴソゴソ

セーラ「いらっしゃい、って菫のベッドやけど」

菫「な、なあ、もっと壁際にいけよ。狭いだろ」
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 23:00:12.98 ID:3qbaT6qHo
セーラ「イヤや。ほら、こうしたら狭くないし」ギュウ

菫「ちょっ!!」ドキドキ

セーラ「こうしてくっついたら狭くないやん?」ナデナデスリスリ

菫「や、あの、えっと…は、恥ずかしい…てかやっぱり狭い…」コゴエ

セーラ「…なぁ、キスしよ?」グイッ

菫「そんなこと聞くな…ムードってもんが、」ちゅっ

セーラ「…おぉ、やっぱ柔らかいな//」ドキドキ

菫「う、うるさい…てか顔が近い…息がかかるじゃないか」

セーラ「そらキスもできる距離やし?…あ、もっかい」チュッ

菫「……もう…一度」
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 23:01:08.99 ID:3qbaT6qHo
セーラ「ん……ペロ」

菫「な、舐めるなよ…」

セーラ「ええやん、ちょっと進化したキスやし」

菫「進化って…んっ、はぁっ」

セーラ「はぁ、んっ…もっと…していい?」

菫「勝手に、しろ……ちゅっ……んぁ」

セーラ「はむっ…」

菫「んむ…ちゅ…(だめだ、何も考えられない…気持ちいい)」

セーラ「(この音やらしいなぁ…俺何してんのやろ…でもやっぱ…気持ちいなぁ)」
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/18(火) 23:02:52.43 ID:3qbaT6qHo
ここまでです
ただイチャついているだけという


>>630
ありがとうございます
友達思いな子達です
>>631
すばらっ!ありがとうございます


それではー
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/19(水) 00:07:20.58 ID:ZaElTrmbo
2人ともかわいい!
初々しくてええね!
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 15:23:08.64 ID:dkFv0SyAO
奥手な子が急に積極的になる……とてもすばらな事だと思います
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 21:44:15.20 ID:3Q4SMyK6o
大晦日、夜、照の部屋



TV『さぁ、新しい年へのカウントダウン!
   5、4、3、2、…1!!ハッピーニューイヤー!!』


菫「おぉ、明けたか」

照「新しい1年の始まりだね」

セーラ「んー…そやなぁ。あっけないなぁ…」

菫「毎年そうなんだよな、意外にあっけない」

照「そういうものだよね、年明けって。
  さて、そろそろ準備しようか」

セーラ「うぅ眠い…」ゴシゴシ

菫「だから昼間に寝ておけとあれほど…」ガミガミ

照「まあまあ。セーラ、どうする?止めてもいいよ?」

セーラ「ううん…行く。眠いけど、初詣行く…うぅ、寒い」
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 21:45:16.19 ID:3Q4SMyK6o
照「はいはい、じゃあコート着て」

菫「しっかりしろセーラ」コツン

セーラ「いたっ!」

菫「よし、起きた」

セーラ「このぉ…」イテテ

菫「はいはい」ナデナデ

セーラ「う、うぅ//」

照「私、夜の神社はじめてなんだよねー楽しみ」

菫「私は何度か…セーラは?」

セーラ「ん、去年は竜華と怜と一緒に地元の神社行ったで」

照「あぁ、園城寺さん…具合どうなんだろう?」

セーラ「昨日、本人と喋ったけどかなりマシになったって」

照「そっか、よかった」
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 21:46:27.15 ID:3Q4SMyK6o
菫「ここぞとばかりに甘えているらしいぞ」

セーラ「怜は甘えるのが得意ちゃうからな、
    こういうときは甘えたらええねん」

照「ほっとしたよ。でも、寂しがってなかった?セーラが帰ってこなくて」

セーラ「あぁ、うんそれは」

照「そっか」

セーラ「怜の病状がマシになって、落ち着いたからこそ言えるけど、
     この3人で年越しができることなんてこの先ないかも知れへんし、」

セーラ「理由がどうであれ、ここに残ってよかったと思うで」

照「菫とも一緒にいられるもんね、24時間一緒」クスッ

セーラ「あわわ、そ、そういう意味やなくて!」アセアセ

菫「別に24時間一緒ってわけじゃ…//」

照「はいはい、もうこういう煽りにいい加減耐性つけてよ」クスクス

セーラ「うっ…恥ずかしい…」

菫「そ、そろそろ行くぞ!」

照「はーい。行こう行こう〜」
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 21:46:55.08 ID:3Q4SMyK6o
近所の神社


ワーワーガヤガヤ


セーラ「すごい人やなぁ」

照「だねぇ、まさかここまでとは」

菫「これだけ人がいれば寒さもいくらかマシだろ」

セーラ「えらい熱気や…」ボー

照「さて、お参りの列に並ぼう」

菫「ん、おい、セーラ!遅れるなよ!」

セーラ「わ、ちょっ待てー!」

菫「ボーっとするな、この年で迷子は恥ずかしいぞ」

セーラ「ご、ごめん」

照「ふふ、やっぱり菫がリードするよね」クスッ

菫「…ほら、迷子にならないように、その…」ニギ

セーラ「う、うん…ありがと」ギュウ
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 21:47:21.03 ID:3Q4SMyK6o
照「熱いなぁ、別の意味でー」

菫「うるさいぞ照」

照「ごめんねー」

セーラ「全く思ってへんときのごめんねやで、あれ」

照「そーでもないけどー?」

菫「ふざけてないでほら、前に進んで」

照「わかってるー」

セーラ「あ、あとでたこ焼き食べよーや。お、クレープもありやな!」

菫「え、この時間にそれはちょっと…」

照「今日はいいでしょーさすがに」

セーラ「え?なにが?」

菫「なにが?ってお前ホントに女なのか…」

照「菫は夜にそういうの食べると太るよーって言いたいの」

セーラ「ん??いや、もっと太ってもええやろ。細いでお前」
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 21:48:02.17 ID:3Q4SMyK6o
菫「なっ!これでもいろいろ気を使ってるんだぞ」

セーラ「そうなん?」

菫「はぁ…」

照「セーラはそういう人だからね、菫」

セーラ「俺は体重とか気にしたことないからなぁ」

菫「いいよな、お前太らないんだもんな」

セーラ「そうやねん、この際もうちょっと鍛えるか」

照「ムキムキなセーラはいやかな」クスッ

セーラ「えーそうかー?って照もめちゃ細いんやで?」

照「私もあんまり太らないよ?あれ、言わなかったっけ?」

菫「私は聞いたことある…ったくお前らは」

セーラ「お、もうすぐやで!」

照「うんうん、ほら、菫」

菫「わかってるよ…」
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 21:48:36.50 ID:3Q4SMyK6o
ガランガラン


パンパン


セーラ「(親友の、恋人の、後輩の、みんなが幸せになれますように)」

菫「(プロの世界で大成できますように。今年一年が平和でありますように)」

照「(いつまでも、3人仲良くいられますように。いつか、運命の人に出会えますように)」
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 21:49:45.04 ID:3Q4SMyK6o
セーラ「ふぅ、やっと落ち着いた場所にこれたな」

菫「本殿から離れると少しは静かになるな」

照「ね、何をお願いしたの?」

セーラ「それは言うたらあかんやろー」

菫「言ったら願いは叶わないぞ?」

照「そうだね、ごめん。叶うといいなぁ」

セーラ「ほんまにな」

菫「さて、これからどうする?」

照「たこ焼きだよね、セーラ」

セーラ「おぉ、そうや!ええやろ?」

菫「ま、まあ今日くらいはいいことにするか」

セーラ「よっしゃ、ほな行くで〜」グイッ

菫「わ、ちょ、引っ張るな!」

照「ほんとイチャイチャするよね、そこ」

菫「そ、そんなつもりはないんだぞ!」

照「どーかなぁ」

セーラ「おい照〜何個入りにするー?」

照「あー。えっとねー…」
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 21:51:29.43 ID:3Q4SMyK6o
ここまでです
深夜の初詣はテンション上がる!


>>643
ケンカばっかしてた2人なので可愛くしてみました
>>644
すばらっ!いいですね、そういうの好きです


それではー
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/20(木) 22:52:30.69 ID:NDTefnhdo
太らないとかなんと羨ましい
照の願いは間違いなく叶う叶う
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/21(金) 10:44:06.40 ID:JDfB+6hVo
ヤンチャさんとしっかりさんのカプ
・・・ええね!
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:05:31.80 ID:FEacYc2Do
1月後半、放課後、麻雀部部室


ガラッ


淡「ふふ〜ん♪たかみー今日のおやつなにー?」

セーラ「よう、淡」

淡「え、えぇ!?何してんの!?」

照「卒業までの間、どうせすることもないから
  3人で後輩を鍛えようかと思って」

セーラ「最後のテストも終わったしなー」

菫「まあ余計なお世話かもしれないが」

尭深「いえそんなこと!本当に嬉しいです!ね、淡ちゃん」

淡「ほ、ほんとに?」

セーラ「ウソついてどーすんの」
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:06:20.76 ID:FEacYc2Do
淡「じゃあ、授業なくても毎日来てくれるの?」

菫「一応、そのつもりだ」

照「来れる範囲でだけどね」

淡「わぁ、やった!」

菫「セ、江口はテストでやらかして1月中はずっと補習だけどな」

セーラ「こら、バラすな!言わんかったらバレへんのに…」

淡「えーセーラちゃんと卒業できるのー?」

セーラ「補習さえちゃんと出席すれば…うん、なんとか」

菫「あれだけ勉強したのにな」

セーラ「…面目ない」

照「ヒヤヒヤさせてくれるよねぇ、就職決まったってのに」

セーラ「うぅ、何も言えへん…あ、でも怜には絶対内緒やで?」

菫「当たり前だバカモノが、負担かけてどうする」

セーラ「…すまん」
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:06:46.98 ID:FEacYc2Do
ガラッ


誠子「おっはよー尭深ーお茶を…って先輩!」

部員A「み、宮永先輩!」

部員B「ど、どうされたんですか?」


説明中...


照「……と、いうことでお邪魔しようかと」

誠子「そんな!邪魔だなんて!よろしくお願いします!」ペコ

淡「じゃ、その前におやつ!」

誠子「あ、お茶もいいな」

菫「ダメだ、練習の後にしろ」

誠子「す、すいません」アセッ

淡「えぇー力でないよー」
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:07:16.64 ID:FEacYc2Do
尭深「ほら、先輩もそう言ってるし…ね、淡ちゃん」

淡「ぶー」

セーラ「よーし、打つかー。淡、やるで」

淡「…わかったよぉ」

照「コクマのときの自覚はどこ行ったの、弛んでるよ。
  淡はこのチームの何なの?」

淡「うっ…エースです…ごめんなさい」

照「わかってるならちゃんとして。淡、先輩になるんだよ」

淡「…わかってるよ」

セーラ「照は相変わらず怒ると怖いこって」

照「なんか言った?」

セーラ「いや?ほら、お前らも卓につけー」

部員A・B「「は、はい!」」
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:08:22.67 ID:FEacYc2Do
2月、麻雀部部室、ソファ



淡「だぁー…つ、疲れた」バタン

セーラ「おいおい、まだ休んだらあかん」グイ

淡「でもー」

セーラ「お前、今日は全然あかんやろ」ペシッ

淡「そーいう日もあるだろうし」

セーラ「あのなぁ」

淡「ねーなんで?」

セーラ「え?」

淡「教えてくれるも嬉しいし、部活にきてくれるのも嬉しいけど、
  3人とも厳しいし、冷たい。優しくない」

淡「だからあんまり楽しくない…」
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:09:03.43 ID:FEacYc2Do

セーラ「遊びに来てるわけちゃうし、俺らもうすぐ卒業やし、
    それまでにできることはしておきたいんや」

淡「それはわかるけど…楽しくやりたい」

セーラ「俺も楽しくやりたいけど、最近の淡は楽しめるとこまでいけてないやん。
    イヤとか疲れたとか言うてそれ以上を放棄してるで」

淡「……だって」

セーラ「俺もお前にこんな厳しいこと言いたくないし、
    言うの自体ほとんど初めてやけど、」

セーラ「お前にしっかりして欲しいからやで、わかってくれ」

淡「…わかった、頑張る」

セーラ「うん、ありがとう。俺、やっぱり淡には頑張って欲しいから」ナデナデ

淡「…そうやって撫でてくれるのも、なくなっちゃうんだよね」

セーラ「寂しい?」

淡「そりゃ…」
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:09:55.57 ID:FEacYc2Do
セーラ「でも、淡にもきっと、俺にとってのお前みたいな後輩ができるって」

淡「そんなのいらない」

セーラ「そう言うなって。俺、後輩できて嬉しかったし、
    こんなに懐いてくれて感謝してる」

淡「…う、うん」

セーラ「そんな後輩ができた時は、こうやって、
    自分がされて嬉しかったことをしてあげればええねん。な?」ナデナデ

淡「……そんなの、できるのかな」

セーラ「できるって。淡は素直でええ子やし、大丈夫」ニコニコ

淡「照れるよ…」ウツムキ

セーラ「さ、おしゃべりもしたところで卓に戻るで」

淡「…うん、頑張る」

セーラ「よし、ええ子や」ポンポン
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:10:36.73 ID:FEacYc2Do
菫「やっぱりあいつの扱いは江口が一番うまいな」

照「私や菫が言うとなんだかんだで反発しちゃうしね…
  淡とは仲良くなれたつもりだけど、でもやっぱりセーラだよね」

菫「ただ江口のヤツ…大星に触りすぎじゃないか?」

照「そう?…なに、妬いてるの?」

菫「い、いや!別にそういうことではない!」

照「またまた〜」

菫「う、うるさいんだよ!…お、おい亦野!」

誠子「は、はい!」

菫「お、お前この牌譜はなんだこれ!これじゃあ…」ガミガミ

誠子「す、すいません…」
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:11:24.24 ID:FEacYc2Do
照「可哀想に…まあ、あの牌譜じゃ仕方ないけど」ボソッ

尭深「み、宮永先輩…誠子を助けてあげてください」

照「うーん…じゃあ、東風やろうよ。で尭深が勝ったらね」

尭深「え、それ勝ち目ないです…」

照「冗談だよ」クスッ

尭深「も、もう…」

照「ねぇ菫、もうそのへんにしてあげて。
  誠子もほら、あっちの卓に行っておいで」

誠子「あ、ありがとうございます」スタスタ

菫「あのなぁ、照これくらいは…」ガミガミ

照「え、う、うん(と、とばっちり!)」アセッ
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:17:24.45 ID:FEacYc2Do
ここまでです


>>654
てるてるの幸せを願います
>>655
ええね!


おそらくあと3回か4回で終わると思います
頑張ってちゃんと完結させます

それでは
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/23(日) 21:32:48.69 ID:Anl4ewzro
もうすぐ終わってしまうのか
悲しい
嫉妬する菫さんかわいい!
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/24(月) 16:02:53.02 ID:B/dnNvLAO
ついに完結ですか。
みんな幸せになって欲しいものです…
頑張って下さい
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/24(月) 22:29:55.75 ID:skhZnbwKo
どう終わるか楽しみですが、終わるのは残念です
続き楽しみにしています
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/27(木) 23:56:18.75 ID:dHKwEKmSo
続き楽しみにしてますー!
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 02:39:12.58 ID:+pTnvTgOo
2月後半、大阪、セーラの部屋


怜「おかえり、でええんかな」

セーラ「ただいまー怜ぃ〜」ダキッ

怜「も、もう元気やなぁ」

セーラ「心配してたんやで?」

怜「ごめんな、でももう大丈夫」

竜華「うんうん、大学も無事合格したしなぁ」

怜「竜華と一緒に大学生や!」ドヤァ

セーラ「おめでとう、よかったな」

竜華「ありがとうセーラ、セーラも横浜入りおめでとう」

怜「おめでとうー。同級生がプロ雀士やなんてなぁ」

セーラ「へへ、なんかこう面と向かって言われると嬉しいなぁ」
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 02:39:46.20 ID:+pTnvTgOo
竜華「横浜に住むんやろ?オシャレやん!」

セーラ「せやろー?」

怜「一人暮らし?」

セーラ「そうそう。寮ちゃうし、家事とかやらなあかん」

竜華「あぁ、これは…無理やな」

怜「せやな…」

セーラ「照と菫にも、無謀すぎるって言われた…」

竜華「大丈夫なん?」

セーラ「まあ、なるようになるんちゃう…?たぶん…」

怜「なぁ竜華、私心配やわ」ソワソワ

竜華「私もやで…セーラ、ちゃんとせなあかんで?」
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 02:40:14.72 ID:+pTnvTgOo
セーラ「わ、わかってるって!しかしその点、菫も照もええよなぁ」

怜「なんで?」

セーラ「いやほら、照も菫も実家やし」

竜華「あぁー。ま、それはもうしゃーないなあ」

セーラ「…頑張るわ、それなりに」

怜「あ、いつ引越し?」

セーラ「卒業式の次の日には寮から出て、横浜へ行くで」

竜華「こっちにはもう戻ってこーへんの?」

セーラ「そうやなぁ、時間ないなぁ。せやから、3人で会えるんも、
    しばらくないかもしれへん」

怜「そっか…でも、セーラの仕事やねんもん。しゃーない」

竜華「うん、しゃーないなぁ」

セーラ「寂しいけど…しゃーないな」
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 02:41:03.56 ID:+pTnvTgOo

竜華「あ、そういえば最近は麻雀部に顔出してるんやろー?」

セーラ「うん、そうやねん。後輩鍛えたろーって思って」

怜「セーラ、スパルタらしいやん」クスッ

セーラ「えーそんなん誰から聞いたん!?」アセッ

怜「大星淡ちゃん、メルアド交換してたんやで〜」

セーラ「い、いつの間に!」

怜「や、ほとんどメールなんかしてへんけどなぁ。つい最近、
  『セーラが怖い!』ってメール来てたから」ケラケラ

セーラ「あ、あいつー!や、別に厳しいわけちゃうって!
    俺はあいつを思ってやな…」

竜華「そんなん怜もわかってるって、な?」

怜「そうや、セーラなりに考えがあるやろうし、
  大星さんのことを想ってるから厳しくするんちゃう?」

怜「とかなんとか返信したらそこそこ納得してくれたけどな」

セーラ「まあ…淡にはちょっと言い過ぎたかもと思ってたんや。
    フォローありがとうな」

怜「そんなんええよー」
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 02:41:40.33 ID:+pTnvTgOo
竜華「…さて、ほな話を本題へ移そか」

怜「せやな」

セーラ「え、な、なに?」

竜華「弘世さんやん!な、どうなん!?」

セーラ「そこかい」

怜「うちら興味津々やねん、だってセーラやで?セーラの恋人やで?」

竜華「しかもあの堅物そうな弘世さんが…あかん、想像できひん!」

セーラ「うぅ…あいつの話は恥ずかしいし…」シュン

怜「あかんでセーラ!感謝してるって言うてたやん!
  感謝に報いるには話をしてくれへんと」

セーラ「…なんでそんな必死やねん、怜」ニガワライ

竜華「や、まあ無理にとはいわへんけど…どう?仲良くやってる?」

セーラ「うん、けっこう順調やと思う」

怜「ええなぁ、そんな可愛い顔してー」ツンツン

セーラ「そ、そんなことないし!」
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 02:42:18.95 ID:+pTnvTgOo
竜華「うん、確かにセーラ可愛くなったよなぁ。愛の力やなぁ」ニヤニヤ

セーラ「もう恥ずかしいっちゅうの…//」

怜「弘世さんは東京やったよな、あんま離れんでよかったやん?」

セーラ「あーそれはな、ほんまによかった…。
    今、あいつと遠く離れるなんて耐えられそうにないし…」

竜華「うわぁ、ガチのノロケやで!」ウワー!

怜「あっついわぁ」パタパタ

セーラ「お、お前らが聞いたんちゃうんかい!」

竜華「ほなこの帰郷も弘世さん寂しがってんちゃうん?」

セーラ「え、あぁ…まあ…早く帰ってきてとは言われたけども…」ボソボソ

怜「どんだけラブラブなんよ、そこー」

セーラ「そ、そら付き合いたてなんやしそんなもん…ちゃうの?」
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 02:42:44.66 ID:+pTnvTgOo
竜華「うーん、うちらの場合普通が何かようわからへん」

怜「私らいつも一緒やし、付き合ったから言うて
  何かが変わったってわけでもないしなぁ」

セーラ「参考にならへんやつらやのー」

竜華「セーラもこんな可愛くなったんやし、
   弘世さんも可愛くなってるんやろうなぁ」

怜「あの人クールビューティー!って感じやけど、
  どんな感じで甘えたりするん?」

セーラ「そ、そんなん言うわけないやろ!な、内緒や//」

竜華「あー照れてる!」

怜「これはめっちゃ可愛い甘え方するんやで、竜華!」

セーラ「う、うっさいでお前ら!」テレ
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 02:43:43.05 ID:+pTnvTgOo
数日後、新大阪駅


セーラ「ほな、またな」

怜「セーラ、元気でな」

竜華「次はいつ会えるんかなぁ」

セーラ「わからへん…でも、絶対遊びに行こな」

怜「当たり前や」

竜華「うちらはずーっと友達やで、それはいつまでも変わらへん」

セーラ「グスッ…ありがとう」ゴシゴシ

怜「麻雀、頑張ってな」

セーラ「う、うん」

竜華「元気で、セーラらしくな」

セーラ「うん…ありがとう」

怜「ばいばい、セーラ」

竜華「バイバイ」

セーラ「…またな、怜、竜華!」
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 02:46:37.04 ID:+pTnvTgOo
ここまでです
週末になってもーた


>>666
そろそろ終わります、ありがとう
菫さん可愛い!
>>667
ありがとう!頑張ります
>>668
残念なんて、ありがとう、頑張ります
>>669
お待たせしましたー


おそらくあと2回です
息切れしないよう頑張ります、それでは
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 06:06:35.17 ID:+y6P6iiJo
この三人の会話めっちゃ面白いな
昔からの親友て感じで和む
セーラの惚気かわいい!
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/29(土) 10:38:26.01 ID:sq+0k54AO
乙です。
ラスト期待してます!
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/30(日) 21:52:20.90 ID:joKRsKmro
すばらです乙ー!
続き楽しみにしてますー!
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:33:49.97 ID:j6f6tRg3o
あと2回とか言ってましたが
書きあがったので、ちょっと多いけどまとめて投下します

ラストです
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:34:18.15 ID:j6f6tRg3o
卒業式前日、寮、セーラの部屋


菫「荷物はもうほとんどないんだな」キョロキョロ

セーラ「横浜のマンションに送ったんよ」

菫「そうか…あんなに汚かった部屋がこうなるのか」シミジミ

セーラ「うっ…掃除頑張った」

菫「明後日にはもう、…出て行ってしまうんだな」

セーラ「うん…ここで寝るのは後2回やな」

菫「3年住んだ場所を離れるというのは寂しいな」

セーラ「…そやな、でも、それはここへ来た時もそうやったし」

菫「もう慣れたか」

セーラ「まあ…かもなぁ」
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:34:56.03 ID:j6f6tRg3o
菫「なぁ、セーラ…提案なんだが…私は、
  お互いが落ち着くまではある程度の連絡は控えようと思ってる」

セーラ「え、なんで?」

菫「私は麻雀に集中したいし、セーラにもそうしてほしい」

セーラ「う、うん」

菫「すまない。でも、きっとこうする方がお互いの為…と、私は思うんだよ」

セーラ「わかったけど…でも、でも、弱音はきたくなったら電話してもいい?」

菫「あぁ、それはもちろんだ。私だって電話するかもしれないし」

セーラ「うん、よしわかった。頑張ろうな」

菫「私は、長く…お前と付き合っていきたいから、だから、な」

セーラ「あ、うん」

菫「だから、ごめん」

セーラ「もうええって。わかったし、な?」

菫「あぁ、ありがとう」
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:35:29.51 ID:j6f6tRg3o
セーラ「じゃあ、こうして2人でゆっくり出来るのもあと少しかー」

菫「寮の門限まで、だな」

セーラ「…うーん、寂しいなぁ」ニコニコ

菫「そんな笑顔で…やめろ」プイッ

セーラ「寂しい、けど、スタートっていうか、
    新しい世界も待ってるし…悲壮感はないで」

菫「まあ…わからなくもないけど」

セーラ「寂しい、けど、…けど、俺の気持ちは1つやし、ずっと一緒や」ギュウ

菫「わ、そんな急に//」アワワ

セーラ「ちょっと、こうしてていい?」

菫「…ん、いいよ」ギュッ

菫「私も、こうしてるから」

セーラ「うん…ありがと」
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:38:47.10 ID:j6f6tRg3o
菫「いや、いいんだ。…好きだよ、セーラ」ボソッ

セーラ「…俺も、好き」

菫「頑張って強くなろうな」

セーラ「当たり前や!」

菫「あぁ、そうだな…」

セーラ「将来の約束…なんて、背伸びしすぎやけど、でも、
    いつか一緒に住めたらええやんな?」

菫「いつかな、お互いがちゃんと自立できたとき、そうしよう」

セーラ「…うん、それ目指して頑張る」

菫「そんな日が早く来るといいな」

セーラ「そうやなぁ…」
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:39:39.15 ID:j6f6tRg3o
卒業式当日、式終了後、部室


セーラ「(3年生を送る会とやらが大々的に行われた後、
     俺と菫と照は暮れていく夕陽を見ていた)」

セーラ「(みんなもう帰ってしまった。3人しか、いない部室)」

セーラ「(…ま、気を使わせてさっさと帰ってもらった、が正しいか)」

セーラ「(けど、最後くらい…ワガママ許してな)」


菫「ここからの夕陽も、いよいよ見納めだな」

照「だね、目に焼き付けておくよ」

セーラ「…うん、そやな」

照「じゃあ、せっかくだし思い出話といきますか」

菫「いいな」

セーラ「どーせロクなこと言わへんのちゃうのー」
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:40:38.30 ID:j6f6tRg3o
照「えー。そうだなぁ、じゃあ、セーラに初めて会ったときのこと!」

菫「ほう」

セーラ「んーと、入学式の前の日やっけ?」

照「そうそう。確か、ここへの階段だったかな」

セーラ「あぁ…懐かしいな」ウンウン

照「部室はどこですか、って関西弁でさー、お、もしかして?と思ったの」

照「そしたら先生の言ってた大阪からの特待生、
  江口セーラだって言うからおぉ!ってね」

セーラ「いやいや、お前そんな驚いてへんかったで。
    なんや暗い子やなぁくらいに思ってたし」ケラケラ

照「むっ」

菫「当時の照は感情表現が少々不自由だったからな」

照「ふ、不自由って…」

セーラ「けど、会話の中で気付いたんや。監督が言うてた、
    小鍛治健夜にも匹敵する逸材はこいつやな、と」
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:41:23.59 ID:j6f6tRg3o
菫「どう思った?」

セーラ「ワクワクしてた。それはほんまかどうかもわからんかったし、
    けどほんまなんやったらどんだけすごいんやろって」

照「そっか、そんな風に思われてたかー」クスッ

セーラ「で、部室まで一緒に行ったらお前がいたわけや、菫」

菫「あぁ、騒がしいバカが来たな、と思ったよ」

照「そういえば菫も当時はいい具合に冷たかったよね」

セーラ「そーや!そうやんけ!『あぁ、江口セーラか』とかって
    澄ました顔してたやろー再会の嬉しさに打ちひしがれてたはずやのに!

菫「おいこら妄想も大概にしとけよお前」

照「でも菫は中学の時からセーラに憧れて気にしてたんだから
  あれはつまり照れ隠しだったんだよね、可愛い」クスクス

菫「ちょ、うるさいぞ!//」

セーラ「可愛いなぁ、菫」ニヤニヤ

菫「い、今思えばってだけだろ!」
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:41:50.99 ID:j6f6tRg3o
照「はいはい、可愛い菫は置いといて…ここで3人会って、
  私たちは友達になったんだよね」

菫「そういえば…私、セーラには菫って呼ばれたかったのに、
  菫なんて恥ずかしいしイヤとか言われて落ち込んだ」

照「あったね、そんなこと」クスッ

セーラ「えーだって恥ずかしかったんやもん。
    ずっと名字やったのにそんな急に呼べるかい」

照「でも、呼んでるよね」

セーラ「そ、それはその、…こ、恋人やし?///」

照「…恥ずかしいなら言わなきゃいいのに」

セーラ「う、うっさい!こら、菫も勝手に一人で照れてんなや!」

菫「わ、私に振るな!」
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:42:21.39 ID:j6f6tRg3o
セーラ「あかん、キリないでこの話」

照「そうみたいだね」クスッ

菫「よ、よし、じゃあ一番思い出に残ってることにしよう」

セーラ「お、ええな」

菫「わかった」

セーラ「ふーむ、じゃあ俺から。俺は、3年生のインターハイやな」

照「そこかー」

菫「理由は?」

セーラ「インハイそのものっちゅうより、その前に、予選の前に、
    俺ら色々あったやん?ケンカもしたし、意見の相違も激しかった」

照「そうだったね、あれはモメたね」

菫「お互い、いろいろと気付かされたように思う、あれは」

セーラ「あの頃の部活はほんまにおもんなかった、最悪やった」

照「…はっきり言うね」
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:43:07.72 ID:j6f6tRg3o
セーラ「今更オブラートに包む必要もなかろうに」

菫「だな、私もあの頃は常にイライラしていたよ。
  新入生の大星はやたらと自由だし、セーラは練習に気が入っていなかった」

照「私は誰も自分を理解してくれないんじゃないかって不安になってた
  菫やセーラがそばにいてくれるのに頼ろうともせず、殻の中に閉じこもってた」

セーラ「けどお前ら2人は勝つため、勝つことが全て、それが白糸台って
    そういうとこは一つで、みんなにやたら厳しかったな」

菫「それは事実だった。でも、楽しむことを忘れていた」

照「ギスギスしていた空気も緊張感と思えばなんてことはなったし、
  それが部の為になるとすら思ってた、でも、違ったよね」

セーラ「楽しいが第一、なんて俺とか淡は思ってたし、
    その差を埋めるのが、埋めようとすんのがしんどかったんやな」

照「3人で何でも話し合う、納得するまでちゃんと話をするって
  そんな単純なことができてなかったんだよね」

菫「そうだな、些細なことが積み重なって大きな歪が出来てしまっていた。
  でも私たちはそれをクリアできたじゃないか、だから今がある」
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:43:44.16 ID:j6f6tRg3o
セーラ「そうや、だからインハイで優勝できたし、
    俺の一番の思い出になってるってわけや、このことも含めてな」

セーラ「あれ以来照は前みたいによく笑ってくれるようになったし、
    菫は笑顔が柔らかくなったし、うん、やっぱり、必要なぶつかり合いやったんよ」

菫「言いたいことが言い合えるのも友達の特権だしな」

照「うん、遠慮し合っているうちは本当の友達じゃないのかもしれない」

セーラ「ん、このことで、俺はそれに気付けた」

照「あ、じゃあ、次は菫」

菫「私か…私は、初めてのインターハイかな」

セーラ「おぉ、あれか」

照「楽しかったよね、ほんと」

菫「全てが初めてで何もかもが新しくて、私たちはがむしゃらで、
  ただの挑戦者だった。今ほどのプレッシャーもなく、楽しかったんだ」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:44:26.13 ID:j6f6tRg3o
セーラ「重圧も何もなかったからこそ、肩の力抜いて勝てたんやろなぁ」

照「うん、先輩たちもいたし、おもいっきり頼れたし、
  私たちはとにかく楽しむことしか考えてなかったよね」

菫「面白いように勝ち上がることが出来て、ふわふわしていた。
  夢か?いや、夢でもいい、とにかく楽しい、というような…」

照「なんかわかる、私なんてほら、自分に自信なかったし、
  なんで負けないのかすらよくわかってなかったし、」

照「自分は強い…?と疑問を抱えながら戦ってた。
  だからずっと夢見心地というか…あれ、また勝った…あ、優勝…って」クスッ

セーラ「お前ら幸せやな、俺も楽しかったけど
    さすがにそこまでフワフワしてへんかったわ」

菫「お前はスカートだったから、ヒラヒラはしてたけど」

照「上手くないけど上手い!」

菫「えぇ?」
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:45:02.76 ID:j6f6tRg3o
セーラ「ま、あれとはもうおさらば!二度とあいつに会うことはない!」

照「えぇ、はいてよ似合うんだからー」

菫「そうだぞ、今度会うときはオシャレしてこい」

セーラ「イヤや、断固拒否や!」

菫「ま、そのうちにはかせる」ニヤリ

照「頑張れ菫!」クス

菫「あ、で!とにかく、私はこの勢いだけで戦っていたころの
  心地よさが好きだったし、なんだかんだで一番の思い出だよ」

セーラ「うん、わかる」

照「プロに行けば、最初はそんな気持ちになれるかも」

菫「…なれると、張り詰めた気も抜けていいのかもな」

セーラ「難しいやろうけどなぁ…で、照は?トリやで」ケラケラ
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:46:43.87 ID:j6f6tRg3o
照「なんでハードル上げるかなぁ…でも、決められなくて」

菫「絞れないか?」

照「コクマか…インハイか…でもやっぱり白糸台として戦ったインハイかな」

セーラ「いつの?被りを避けるとすれば…2年?でもあれはあんま記憶にないっちゅうか」

照「ううん、全部。大好きな白糸台を背負って戦った全てが大切な思い出」

菫「それはずるいな、なら私も全部だ」

セーラ「えー!ほな俺も!」

照「…全てが、愛しい思い出だから…かなぁ。
  団体戦も個人戦も、白糸台を背に戦って、全部に勝つことが出来た」

照「これはすごいことだと思う、淡にはパーフェクトだねって言われてさ。
  あぁ、そうかそうだよなぁ…って。そのどれにも思い入れがあって、」

照「一つには絞れない…と思って。ずるい答えで悪いけど」ゴメン

セーラ「いや、ううん、照の気持ちわかるから」

照「そう?ありがとう」
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:47:32.66 ID:j6f6tRg3o
菫「なぁ、…ここで言うのはずるいかもしれないけど、」

照「なに?」

菫「照、麻雀辞めなくてよかったって思ってるか?」

照「…菫」

菫「ずっと不安だったんだ。辞めちゃダメだって引き止めて
  コクマにもジュニアにも行ってくれたけど、プロ行きも決まってるけど、」

菫「楽しかったってお前は言ってくれたけど、でも、
  …もし、少しでも後悔があるならやっぱりそれは申し訳ないと思うし…」

セーラ「あーほ。考えすぎや、照が楽しかったって言うたなら
    辞めなくてよかったって言うてるならそんでええやんか」

菫「で、でも!」

照「ほんと、菫って考えすぎだよ。でも、そういうところ嫌いじゃない。
  セーラも嫌いじゃないよね?」

セーラ「ま、…かもな」
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:48:08.96 ID:j6f6tRg3o
照「はっきりさせよう。私は引き止めてもらってよかったと思ってる。
  感謝してる。あのとき、引き止めてくれてありがとう」ニコ

菫「照…そうか、…わかった。よかった」

セーラ「泣きそうな顔してー」

菫「…うん」

セーラ「可愛いなぁ、お前ほんま」ナデナデ

菫「やめっ…バカ」

照「うん、これで、これでよかったんだよ」


菫「あー…いよいよ寂しくなってきた」

セーラ「照が〆に入るからー」

照「え、わ、私のせい?」

菫「いや…私の勝手な気分だ」

照「…そっか」
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:51:04.15 ID:j6f6tRg3o
ガラッ


照「え、なに?」

セーラ「だ、誰か残ってたん?」

菫「……どうしたんだ、3人とも」


淡「突然ごめん、でもちゃんと言ってなかったから!だから聞いて!
  私、頑張る!エースとして、インハイで絶対4連覇するから!」

淡「あ、じゃあ、次はたかみーね!」

尭深「あ、あの!頼りないかもしれないですけど、でも、精一杯、
   部長として、弘世先輩を見習ってみんなを支えます!」

尭深「最後は誠子!」

誠子「う、うん!虎姫には入れなくて、悔しくて悔しくてでも、
   腐らずに頑張ってきてよかったです!」

誠子「先輩たちに恥ずかしくないような麻雀で
   大星も言ったように、4連覇します!応援してください!」ペコ
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:52:00.73 ID:j6f6tRg3o
照「…あぁ、だめ、ずるい」グスッ

セーラ「最後に爆弾きたな、ズズ」

菫「お、お前らぁ…ありがとなぁ、グスン」ナデナデ

淡「え、えへへ…」

菫「渋谷、頼んだぞ」ナデナデ

尭深「はい…お世話になりました」

菫「亦野ぉ、お前しっかりしろよー!期待してんだぞー!」ポンポン

誠子「は、はい!!頑張ります!」

照「うん、みんな、ありがとう。頑張ってね」

セーラ「…ありがと、ほんま嬉しい」

淡「セーラ…大好きだよ、今までありがとう」グスッ
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:53:00.26 ID:j6f6tRg3o
セーラ「泣いたか?」

淡「う、うん…」

セーラ「はは、俺も泣いてるし、おあいこやな、グス」ナデナデ

淡「…プロへ行っても、セーラらしくね?応援するから」

セーラ「おう、任せろ」ナデナデ

淡「あ、あのね、名残惜しいからもう行く!」

セーラ「うん、わかった」

誠子「あの、お騒がせしてすいません!では、失礼します!」

菫「あぁ、ありがとう」

尭深「ご卒業、おめでとうございます!さようなら!」

照「ありがとう、尭深」ニコ


ガラッ
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:54:54.06 ID:j6f6tRg3o
セーラ「ふふ、なんつーか嵐みたいなやつらや」ケラケラ

菫「なんかこう、ぐっときた」

照「私も…」

セーラ「大丈夫…やんな?あいつら」

菫「私たち信じてやらなくてどうする」

照「そうだね」

セーラ「…あぁ、そやな…」


セーラ「(バイバイ、淡。バイバイ、またいつか)」


セーラ「(大切な後輩に、心の中で小さく呟いて、そっと胸にしまいこむ)」
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:55:19.63 ID:j6f6tRg3o
校門


セーラ「もうずいぶん暗くなってしもたなぁ」

菫「話し込んでしまったからな」

照「だね…でも、楽しかった」

菫「あぁ、私も楽しかったよ。また一つ、思い出が出来た」

セーラ「いつかきっと思い出すねんで、卒業式の日に、
    部室で話したこと、中身は覚えてなくても、そのことは忘れへん」

照「うん、きっと、そうなるよね」

菫「…あとは、帰るだけだな」

セーラ「一歩踏み出したら、もう先に進むしかなくなる」

照「ねぇ、提案があるの」

セーラ「なんや?」

菫「うん?」
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:57:26.62 ID:j6f6tRg3o
照「今ここでさよならしなきゃ、私たちは何かと理由をつけて、
  いつまでも離れられない気がするんだ」

菫「うん…かもしれない」

セーラ「そう…やな」

照「私は右手に行く、少し遠回りになるけどそうする」

セーラ「ほな俺は素直に正面の道で」

菫「…私は左へ行くよ」

照「今はまだ同級生で、親友だけど、でも次に会うのはきっと…」

セーラ「ライバルか」

菫「チームメイトではなく、敵として相対するわけだ」

照「そう…あぁ、ダメだなぁ…泣きそう、さっきも泣いたのに」

セーラ「泣き虫、…俺もやけど」

菫「…けど、今は耐えてくれ、私も耐えてる」

セーラ「あぁ、もう泣かへん…だから照も絶対泣くなよ、うつるから」

照「う、うん…ごめん」グッ
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 20:59:08.70 ID:j6f6tRg3o
セーラ「…3年間、ありがとう。俺にとって、この3年は宝物や」

照「私にだって、大切な思い出だよ」

菫「私も、一生の…絶対忘れられない3年間だったよ」

照「…じゃあ、行くから」

セーラ「おう」

菫「またな」

照「また、どこかで」

セーラ「…うん、またいつか」


セーラ「(一歩を前に踏み出すと、後ろから2人が踏み出した音も聞こえた)」

セーラ「(大切な友と仲間と…今、別々の、それぞれ道を歩みだす)」

セーラ「(どこかにあるはずのゴールを目指して今、しっかりと歩みだす)」






カン!
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 21:02:50.75 ID:j6f6tRg3o
以上で、セーラの白糸台シリーズ?は完結です
だらだら会話ばっかのSSを最後まで読んでくれて
どうもありがとうございました、感謝!
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 21:07:08.69 ID:j6f6tRg3o
>>679
最初、一番最初のころを思い出しながら
書いてましたー
>>680
期待に添えたか…ありがとうございました
>>681
ありがとう、書き終えました!



実はこのスレを立てた時点では、
セーラ照菫淡の4角関係的な話にするつもりでした
だからスレタイも「引退したで」としたわけで

それがコクマが始まり、だらだらと長くなっていきました
なんでこうなったんだかよくわかりませんww

それでもやっぱり完結させないまま放っておくのは気持ちが悪かったので
今回長くなったけど無事完結できてよかったです
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 21:11:32.35 ID:j6f6tRg3o
最初に投稿したのは昨年の10月です
強い子なら推薦の話もあるよなぁ、地元だけじゃないよなぁ
麻雀留学とかもきっとあるよなぁ、と考えながら書いたのが
一番最初のヤツです

安価というかアンケートにするつもりはなく
どこを選ぶか伏せたまま終わらせる予定でした

でも、白糸台に決まり、書いているとなかなか楽しかったし
読んでくれる人の反応も嬉しかったので
調子に乗っていくつもスレを立ててました

まあやっと書き終えることが出来たので
またなにか違う話でも書けたらなーと思ってます

しょうもないあとがきにお付き合いいただきましてありがとうざいます
今まで支援感想等々ありがとうざいました
ではまたー
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 21:19:42.85 ID:bLzCtHQHo
乙!
vipで最初の作品読んでからずっと追いかけてた甲斐があったよー
一旦途絶えてもう続き無いのかと思ってたから完結してくれて本当に嬉しいわ
お疲れさま
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/01(月) 23:04:44.63 ID:A4NMMLNPo
すばらでした乙乙!
おっかけてきて本当に良かった!
最後まで書ききって下さってありがとう!
今日の更新分を読んで、高校時代に戻りたくなりました
上手く言葉に出来ないのがもどかしいけど、本当に読めて嬉しかったです
長期間お疲れ様でした!
新作も楽しみにしています
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/02(火) 07:37:19.04 ID:bCixksKyo
お疲れさまー
いつもブランクがあってもちゃんと完結させるから凄いよね、
毎回ボリュームある投下で読み応えあって良かった!
セーラかわいい! 菫さん可愛い! 淡ぉ可愛かった乙!
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/03(水) 21:53:23.94 ID:hgVrV12Mo
お疲れ様でしたー。
セーラも菫さんも照も淡も、とってもかわいかったし、すばらでした!
竜華と怜との会話もすばらでした!
完結してくれてありがとう!
新作投下も期待してます!
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/03(水) 23:51:21.25 ID:DowNZZujo
どうも、感想ありがとうございます


>>709
途中でやめちゃってずっと気にはしてたんだ
ありがとう!
>>710
いろいろ感想ありがとう!嬉しいです
新作は何も考えてませんww
>>711
完結させないと気持ち悪くてずっと気にしてしまうww
みんな可愛い!ありがとう!
>>712
ありがとう!完結させるって難しいですね
終わりを考えることよりもそこへ終着させるのが難しかった!


このスレはHTML化依頼してきますが、
新しいのはどういうのがいいか全然考えてないので
何かいい案やリクエストなどありましたら
スレがHTML化されるまでの期間受け付けますので、一つよろしくです

ではまた!
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/04(木) 00:00:22.05 ID:fKW4fKcCo
リクしてもいいのか!
それじゃセーラが白糸台とは別の高校に行ってたらのifルートとか見てみたいな
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/04(木) 04:07:51.49 ID:1gii7Nyoo
おつでした
群像劇っつうかひとりひとりの成長物語としてもとても楽しかったです!

次回はガイトさん主役でどうかひとつ
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/04(木) 23:46:39.44 ID:6gcPxaG+o
リクエスト受けると!?
姫松、新道寺、鶴賀あたりで是非
短編でしたら七夕ネタとか修学旅行とか
どんなのでも新作期待してます!
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