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俺「あなたは?」信長「俺はタダのうつけだ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : :2013/04/13(土) 20:43:16.03 ID:VkpBYbnz0
俺「…あれ?俺はなんでこんな場所に…」

いつもどおり俺は学校へいって友達とゲーセンへ行き、帰ってきたら父と母と飯を食い、
風呂に入って、いつもどおりベッドに横になって寝た…はずだった

起きたら俺は見知らぬ河原にいた。目の前に広がるのは魚が泳いでそうな田舎ならよくあるごく普通の河原だ。
あ、そうかこれは夢か…なんていう、ありがちな事を思いそのまま寝ようと横になったのだが
いかんせん河原だ。地面は石。痛い。

「…」

寝れるわけがない。一度みんなもやってみてほしい。砂利や石って上って、歩くのも困難なぐらい痛い。
漫画でよく裸足で地面を裸足で走っている子供がいるがアレは嘘だね。痛いもん。

俺「と、いうか。あれ?夢って痛くないってよく言うよな…」

夢じゃない?そんな馬鹿な…と、頭の中が冴えてきて同時に混乱してきた頃、遠くから人の声が聞こえた。

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VIPでTW ★5 @ 2024/03/29(金) 09:54:48.69 ID:aP+hFwQR0
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
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2 : :2013/04/13(土) 20:43:51.61 ID:VkpBYbnz0
???「・・・・!!!!・・・!!」
???「・・・・!!!!!!!!!!!!」

んー。騒いでる…というか騒々しい感じだなぁ。と思いつつも他に人の気配はまったくない。
雑草が伸びきってはいるが遠くまで見渡せるぐらいには広大な自然が広がっていた。
とりあえず、声がする方向まで歩いてみる。足が痛い。

???「若!!!あぶねぇ!!!!!!!!!」

声が近くなってきた。なにやら複数人の男共が喧嘩をしているようだ。

???「いっっってぇぇええええ!!」

若と呼ばれていたと思われる男が頭を抱えて倒れている。どうやら殴られたようだ。
俺はとりあえず岩の影からこっそり見ることにした。巻き込まれるのはごめんだ。

敵集団のボスっぽい奴「あーっはっはは!!馬鹿め!ぼーっと突っ立ってるからじゃ!阿呆ぅ!!」
若「うかつだったわ…。しかし、二度目はないぞ?」
若の味方1「若!大丈夫ですかい???」
若の味方2「くっそ!もう少しこっちに人数がいれば…」
3 : :2013/04/13(土) 20:44:28.61 ID:VkpBYbnz0
助けなきゃ…!とは思わなかった。俺は漫画の主人公じゃないんだ。
俺はそのままぼーっと隠れながらその光景を眺めていた。
喧嘩をしているものの20歳前後の男共が清々しいぐらいの笑顔で喧嘩しているのは、なんとなく微笑ましくさえ思えた。

若「やるっきゃねぇだろ!これで負けたら男が泣くわ!」
若の味方1「そうっすよ!!若の言うとおりだ!」
若の味方2「若…もうやめましょうよ…」
若「あとよ…」
若の味方1「はい?なんでしょう?」
若「次、若っていったらお前ら[ピーーー]からな」

若の目が敵に向けられる目よりさらに怖くなる。仲間達は思わずそれを見てすくみ上がっていた。

若の味方3「おいらもう疲れてうごけねぇよ…」
4 : :2013/04/13(土) 20:45:03.27 ID:VkpBYbnz0
若という男が率いる集団は完全に負けムード。
その負けムードの中、若の目だけが、爛々と光っていてそれが強く印象的だった。
むしろ負けムードを楽しんでいるとさえ思える。

敵集団のボスっぽい奴「もういいか?そろそろ決着つけようぜ」
敵集団がじりじりと近寄ってくる。すると、若は仲間達に近寄りなにやら小声で話しをしていた。

???「いくぞ!お前ら!!!」
その掛け声と同時に若という男が大声で…
「いけえええええええええ!!!!!!!!」
と勇ましく声を上げたはいいが敵集団とはまったく反対側に全力で走っていった。

敵集団「…」
敵集団は何が起こったのかさっぱり解らないみたいでぼーっと立ち尽くしていたが、見学していただけの俺はすぐに解った。

俺「…逃げた」

敵集団のボスっぽい奴「おい!!!うつけ野郎!!!どこに行きやがる!!!!」
若「逃げるが勝ちっていう言葉を知らないのか!バーーーーーーーーーカ!!!!!!!!!!」
5 : :2013/04/13(土) 20:45:37.78 ID:VkpBYbnz0
若が大笑いしながら走り去っていった。敵の集団は慌てておいかけるが間に合いそうにない。
その光景を俺は暫く見送っていた…ふと自分が置かれていた立場を思い出した。

俺「あ。ここ何処かわからんし追いかけなきゃアカンやん…。」
ちなみに俺は関西人じゃない。
6 : :2013/04/13(土) 20:46:06.42 ID:VkpBYbnz0
暫く若達が走り去っていった道を歩いていたが足が痛くて普通に歩くより遅かった。
道は真っ直ぐではあるが、真っ直ぐなだけで何も見当たらない。俺は姿をすっかり見失ってしまっていた。

俺「なんでこんな目にあってるんだ俺は…」
と泣きそうになっていた時、ふと後ろから声を掛けられた。

???「おい。お前、河原でじっと見ていたな。どこの者だ。」
振り返ると若という男がいた。その後ろの草むらから続々と仲間達が現れる。

俺「あっ。えっと…」
若「答えろ。どこの者だ。見かけぬ服装だが南蛮人か?の、割には我が国と同じような顔立ちではあるが…」
俺「えーっと、どう答えたらいいのかな…。」

と、答えを考えていてふと思う。この人達なんで袴?みたいな格好をしているのだろうか。
時代劇はあまり見ないが、テレビでよく見るような格好をしている。

若「何度も言わせるな。答えろ。」
若は見るからにイライラしている。短気すぎるだろ…。
7 : :2013/04/13(土) 20:47:25.98 ID:VkpBYbnz0
俺「あー…えーっと…家で寝てたらいつのまにかここにいたというか…と、いうかここは何処ですか?」
若「ここは尾張だ」
俺「尾張…?尾張って何処だ…?」なんとなく聞いたことはあるが思い出せない。
若「寝ていたら…という事は、お前は誰かに連れ去られたというのか。」
俺「あー、そこまでは考えていなかったですが、もしかしたらそうかもしれません…。すいません。何もわからないんです…」
若「いつからあそこで見ていたのだ。」
俺「若…?さんが、頭を殴られたあたりからです。」
若「…なに?」
俺「いや、ですから…、若さんg」
若「俺はな。若って言われるのが嫌いなんだよ。それも聞いていたのではないのか?」
俺「あ…」

若の目が一気に鋭くなったが、すぐに戻りため息を一つつき若の仲間の方向へ振り返った。

若「おい、お前らしばらく俺の家で飯くわせねぇからな」
えぇぇぇ…とか、そんなぁ…とか後ろから聞こえる。なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになってきたが、あの目で睨まれるともう何も俺は言えなかった。
8 : :2013/04/13(土) 20:48:04.68 ID:VkpBYbnz0
若「なぁ、お前よ。ちょっと俺の家に来い。もしかしたら、家にいる誰かが何かわかるかもしれん」
俺「本当ですか!!ありがとうございます!!助かります!!」

俺はサラリーマンが上司に対して行うアレのように深々と頭を下げた。

若「なんだ?その格好はwwまぁ、よい。ちょっとついてこい。」
俺はすぐに歩き出した若を慌てておいかけようとすると後ろから

若の味方3「若!!俺らは???!!!」
と、味方3も慌ててついてきた。

若はため息をつき
若「[ピザ]。お前もう来るな」
若の味方3([ピザ])「ふぇぇぇ…ごめんよぉ…もういわないよぉ…」
[ピザ]と言われたその男は、とぼとぼと後ろからついてくる姿は男ではあるが、なんだか可愛かった。
9 : :2013/04/13(土) 20:49:37.57 ID:VkpBYbnz0
歩いている道中、そういえば。と思い出したかのように若がふと俺の方を見た。

若「お前、名前はなんというのだ?」
俺「俺っていいます。」
若「そうか。」
俺「あなたは?」
若「俺はタダのうつけだ。」
俺「うつけ…?」
若「そうだ。」

それ以上会話はなかった。なぜか、それ以上聞くなというようにも聞こえたのだ。
俺はただ、若という男に無言でついていくしかなかった。
10 : :2013/04/13(土) 20:50:53.82 ID:VkpBYbnz0
う、うへぇ。規制ひっかかりまくり…すいません…。あとあまり書きためてないので修正もしつつゆっくり投下していきます。
初投稿ゆえ、変な所とかツッコミどころとかあったら言って下さい。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 20:53:25.79 ID:oiITG9JOo
×規制○フィルタ
何かする前に作者スレのテンプレ位見てこい
sagaとか分かったら続き頼む
12 : :2013/04/13(土) 20:55:31.57 ID:VkpBYbnz0
>>11
失礼。VIPでいつも書き込んでたので失念してました…。申し訳ない。
あと、フィルタですね。それも重ねてすいませんorz
13 : [sage]:2013/04/13(土) 21:21:17.22 ID:VkpBYbnz0
若「ついたぞ。ここが俺の家だ」
俺「えぇぇ…」

城だ。目の前に、修学旅行で見た日本独特の城があった。
城下町?という場所もあった。なんだここ。なんの撮影だ。

若「どうした。入るがよいぞ」
俺「ふぇぇぇ…」
若「そんな怖じ気づくなww俺の家といっても、ただの寝床だ。気にすることはない」
俺「ふぇぇぇ…」
若「…それに俺もココでは他人みたいな者だからな。」
俺「え?」
若「あぁ、いや…。気にするな。入れ」

若の表情が一瞬暗くなったように感じたが、若はすぐに前を歩いてしまって表情はしっかりとは確認できなかった。
城に入るとすぐにドタドタと前から複数人の足音が聞こえてきた。
14 : [sage]:2013/04/13(土) 21:21:45.38 ID:VkpBYbnz0
家来1「若殿!!また城を抜けて何処に行かれていたのですが」
若「うるせぇな…俺が何処にいこうが勝手だろ」
家来1「なりませぬ!今は大殿が帰ってこられた初日ですぞ!せめて城にいて出迎えて下さい!」
若「あ?親父が来てるのか!なぜそれを言わぬ!」
家来2「御方様が若殿に伝えると仰っておられましたが…」
若「ちっ…」

若が苦虫を噛んだような顔をし、外に唾を吐いた。

家来1「殿!!!!!」
若「あー、わーったよ。とりあえず、行くよ。親父は何処だ」
家来3「殿…、その前にその埃だらけのお召し物を着替えては…」
若「今更だろwwで、親父は?」
家来1「庭で商人(あきんど)と話をされております。」
若「俺よ。いくぞ。」
俺「あ、え?はい。」
家来123「…」

完全にスルーされててどうしようと思っていたが俺もついていくようだ。
若の顔は暗いままだ。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 21:49:24.01 ID:Dk+eGkJuo
sageじゃねえーんですよおおぉぉぉぉーーー!!!!!!
16 : [sage saga]:2013/04/13(土) 21:58:14.82 ID:VkpBYbnz0
と、いうかだ…。この人、若殿って言われてたよな…?
んーと、あれだ。もしかして俺は夢の中でタイムスリップしてるのか?けど、痛みはあるし…。
夢で痛みがないというのは嘘だったのかな。夢だったら楽しんだ方が得策?んー…
そもそも、余所者の俺がなんで城に入っても誰も俺につっこんでこないんだ…?ここでは、いつもの事なのか…?

などと考えてはみたものの何一つ答えなんて出なかった。
考えているうちに庭についたようで、そこには大勢の人に囲まれた明らかに大殿っぽい人がいる。
その前にいる人が商人かな…?

若「親父。久しぶりだな」
大殿「おお。やっときたか。久しぶりだな…なんだ?また喧嘩してきたのか?」
若「おう。ここらへんで俺に勝てる奴なんざいねぇよw」

嘘つけ…逃げてた奴が何を…
17 : [sage saga]:2013/04/13(土) 21:59:26.52 ID:VkpBYbnz0
若「こいつの事誰か見たことある奴はいないか?」
若は周りを見渡し、叫ぶが名乗りでる人はいなかった。
俺自身もいるわけがないと思っていた。うすうす感御方様(若の母)「帰ってきたのですか。そこらへんでのたれ死んだのだと思ってたわ」
若「ちっ…」
大殿「まぁ、よい。元気なことは良いことだ。ただな。お前にはこの城をついでもらいたいという我の気持ちを忘れぬでないぞ」
若「それは弟の信行に…」
大殿「お前しかおらぬ。忘れぬな」
若「…」

少しの沈黙が流れた後…

大殿「ところで、その者はなんだ?」
若「あぁ、なんかこいつ河原で捨てられたらしいんだよ。この格好といい珍しいから連れてきた。」
大殿「ほぉ。子犬みたいな奴だな。」
俺「すいません…」
大殿「謝ることでないぞw愛嬌があるという意味だ」
俺「すいません…」

じてはいたが、やはりここは戦国時代だろう。
タイムスリップっちゅーやつを体験してるらしい
18 :17の文章がなぜか途中できれちゃったので、修正ですorz [sage saga]:2013/04/13(土) 22:01:58.34 ID:VkpBYbnz0
嘘つけ…逃げてた奴が何を…

御方様(若の母)「帰ってきたのですか。そこらへんでのたれ死んだのだと思ってたわ」
若「ちっ…」
大殿「まぁ、よい。元気なことは良いことだ。ただな。お前にはこの城をついでもらいたいという我の気持ちを忘れぬでないぞ」
若「それは弟の信行に…」
大殿「お前しかおらぬ。忘れぬな」
若「…」

少しの沈黙が流れた後…

大殿「ところで、その者はなんだ?」
若「あぁ、なんかこいつ河原で捨てられたらしいんだよ。この格好といい珍しいから連れてきた。」
大殿「ほぉ。子犬みたいな奴だな。」
俺「すいません…」
大殿「謝ることでないぞw愛嬌があるという意味だ」
俺「すいません…」

若「こいつの事誰か見たことある奴はいないか?」
若は周りを見渡し、叫ぶが名乗りでる人はいなかった。
俺自身もいるわけがないと思っていた。うすうす感じてはいたが、やはりここは戦国時代だろう。
タイムスリップっちゅーやつを体験してるらしい
19 :1 [sage saga]:2013/04/13(土) 22:02:34.80 ID:VkpBYbnz0
俺「もういいですよ。ここまでして頂いてありがとうございます。」
また俺は深々と頭を下げる。
若「まぁ、諦めるでない。俺の軍も人が少なかったのだ。行くところがないなら俺の家来になれ。」

そこで後ろからまた大声で呼ぶ声がした

???「殿!!!!!!!!!なりませぬ!!!!!!!」
血相を変えて、少し歳が離れていそうな男が駆け込んできた。

若「うるせぇぞ政秀」
政秀「なりませぬ!殿!!身分も解らないような者を家来にするなどなりませぬ!織田の名誉に傷がつきまする!!」

俺「え…?織田…?」
若「あー、家来にするなら別に隠す必要もねーか。」
俺「えー…と、もしかして織田信長さんですか…?」
若「そうだ。俺は信長だ。」
俺「」
若「そんな固まることでもなかろうw俺は城をまだついでない。お前ら平民と差はないよ」
俺「」
若「俺は国を守るような器はない。だから気にするな」
20 :1 [sage saga]:2013/04/13(土) 22:06:55.33 ID:VkpBYbnz0
大殿「我はあきらめてはおらぬぞ。信長」
大殿が優しく後ろから信長に声をかけた。
若「なぁ。親父。信行じゃ駄目な理由もないだろ。」
大殿「それは、近々きちんとお前に話をしてやる。今は保留じゃ」
若「ま、とりあえず、こいつは今から俺の家来だ。俺はこれで失敬する」

こい。と一言腕をつかまれ信長に引きずられたが正直、こんな状況ありえなさすぎて理解できるわけがない。
完全に放心状態だった。

織田信長への知識といえば本能寺の変で死んだ事。明智なんちゃらに襲われた事。戦国武将だったこと。
それぐらいしか知らない。
しかし、目の前にいるのは若殿ではあるが河原で喧嘩をし口調は荒く、城を継ぐことを拒否している。
本当に織田信長なのだろうか…?夢だからこんなめちゃくちゃな設定になっているのだろうか。
21 :1 [sage saga]:2013/04/13(土) 22:25:29.04 ID:VkpBYbnz0
しばらく引きずられて少しした後、信長(と言われていた人)は乱暴に部屋の襖をあけ
俺を座布団の上に座らせた。その目の前に信長が座る。

信長「お前。本当はどこの国の者だ?」
信長の目が真っ直ぐな瞳すぎて威圧感を感じ直視することができない。

俺「国は間違いなく信長さんと同じです…。ですが…」
信長「ですが?」
俺「もしかしたら、この時代の人間ではないかもしれません。」
信長「…話せ」

俺は自分のいた時代の事を詳しく話した。携帯電話があって電波で遠くの人と会話できること。
車というものがあること。パソコンがあること。ゲームがあること。
そして戦争や戦というものがないことを細かく話した。
信長は黙って俺の話を聞いてくれていた。
22 :1 [sage saga]:2013/04/13(土) 22:25:56.99 ID:VkpBYbnz0
俺「…これで僕の時代の事は大体解って頂けたでしょうか?あと、もう一つついでにお話をしたいのですが…」
信長「なんだ?」
俺「信長さんは俺のいた時代に伝わっていた話を大きく違うように感じます。
僕が、信長さんのことを詳しく知らないだけだとは思うんですけど、少なくとも城を継がないという人ではない気がします。」
信長「ほぅ。では、お前は俺が城を継ぐというのか?」
俺「はい。」

信長は、そうか…と一言呟いて押し黙ってしまった。俺も話すことがないし、何を話しかけていいのかわからず押し黙ってしまう。
こうやってみるとただの青年にしか見えない。一国を背負えという方が酷なようにも見えた。

しばらく沈黙が続き…

信長「とりあえず、飯にしよう。着いてこい」

と、一言告げて部屋を出て行ってしまった。俺も慌ててついていく。
外はもうすっかり夜になっていた。
23 :1 [sage saga]:2013/04/13(土) 22:32:40.06 ID:VkpBYbnz0
すいません。とりあえず書きためてたのはこれで以上です。
ここ修正しろ!とか、ここおかしくね?的な事があれば書き込んでいただければ幸いです。
信長の話なので事実を交えて話を書いていきますが時間軸や事実上ありえなさすぎるような事があればそれもつっこんでやってください。

ある程度書き溜めたらまたすぐに投稿します。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/13(土) 22:41:31.99 ID:tc2x6Z2Mo

シリアス路線なら文中に草(ww)生やされると雰囲気台無しになりかねないんで気をつけて欲しい
25 :1 [sage saga]:2013/04/13(土) 22:48:23.67 ID:VkpBYbnz0
>>24
後書きで解説をしようと思っていたのですが、かなり長くなりそうなので今のうちに書いておきます。
織田信長(後に様々なキッカケとなる戦までを限定)と大殿である信秀は戦ではない時は平民と等しく接していたという記録があったりします。
ですので、信長と信秀に限って「w」を使い雰囲気を少し和やかにしたいなー的なほのかな狙いがあったりしたのですが、やはり難しいですね…。
少しづつ精進していきたいと思います。ありがとうございます。
26 :1 [sage saga]:2013/04/13(土) 23:59:16.38 ID:VkpBYbnz0
城外へ出た俺と信長は、城下町を抜け少し古ぼけた民家の前にいた。
道中でふと空を見上げると満天の星空で、俺がいた時代の空と比べると綺麗すぎてちょっと怖いぐらいだった。
電気というものは便利だが、このような美しいものを消してしまう。未来とこの戦国時代。どちらが正しい世界なのだろう…。

信長が民家の扉を叩く

信長「おーい。家宗、吉乃−。いるかー?」

暫くすると扉が開いた。

吉乃「の、信長様…」

扉の影に隠れるように、とても綺麗な女性がいた。歳は俺より少し下(16歳ぐらい?)のように見える。
あと胸が…でかい…。巨乳は着物を着ると下品というが、そんなことは全然なかった。

信長「よぉ。吉乃。汁と飯あるか?俺ら飯食ってないんだ」
吉乃「信長様…、お城に戻られませんとまた…」
信長「それは、いいだろ。今更だ。汁あるよな?あがるぞ。」

そこで、吉乃と目があった。き、綺麗な人だ…。
27 :1 [sage saga]:2013/04/14(日) 00:03:13.66 ID:tJay0gIn0
吉乃「あら?そちらの方は?」
信長「俺の家来みたいなもんだ。仲良くしてやってくれ」
吉乃「そうなんですかー。信長様のお供は大変でしょう?」

吉乃は、少しはにかんで僕に手を差し伸べた。

俺「…?」
吉乃「握手」
俺「あっ…」

慌てて手の汚れと汗を拭き、俺も吉乃へ手を差し伸べた。

吉乃「ふふっ。よろしくね?」
俺「は、はい。よろしくお願いします。」

頭を下げると目の前に大きな胸があって焦ったが、こんな場所だからだろうか?
暖かいその手のおかげで、少し気持ちが安らいだ。

家宗「お。信長様じゃないか。飯食いにきたのかい?」

家の扉から阿部さんに似た背の高いかっこいい男性が薪を持って顔出した。
28 :1 [sage saga]:2013/04/14(日) 00:09:13.55 ID:tJay0gIn0
信長「おぅ。上がっていいか?」
家宗「いいよ。上がりな」
信長「いつも、すまんな。」
家宗「そっちの旦那も上がりな。飯食うだろ?」

と、家宗がニヤッと白い歯を出して笑う。いい男だ…
断っておくが俺は女の子が好きだ。あしからず

俺「はい。お邪魔します。その前に…、すいません。足を拭きたいので拭くものをお借りしてもいいですか?」
家宗「なんだ?お前草履もないのか。」
俺「はい…。いろいろあって裸足で…。足擦りむくし痛いです…」
家宗「そりゃそうだろうなwほら、余ってる草履だ。やるよ」

家宗は、おもむろに床に落ちていた草履を俺に手渡した

俺「あ、ありがとうございます!本当に助かります…」
家宗「いいっていいって。その代わり俺が殺されかけたら庇ってくれればいいよ!」
俺「えっ・・・・あっ・・・・は、はい・・・」
家宗「ははっ。冗談だよ!自分の身ぐらい自分で守るさ。俺もこう見えて侍だからな」
俺「あはは・・・はは・・・」

このノリにまったくついていけない。これが本当のジェネレーションギャップなんだろうか
29 :1 [sage saga]:2013/04/14(日) 00:25:20.44 ID:tJay0gIn0
家にあがるとそこは、普通の…と言ってはなんだが、ドラマやテレビで見るようないわゆる民家だった。
吉野と家宗は俺らを案内すると、台所へいってしまった。
信長とぽつりと少し小さな声で俺に語りかける。

信長「お前が未来から来たという話しはまだ信用できん。すべてを信じられないのはお前も同じであろう」
俺「…はい」
信長「だがな。お前の人柄とお前と話したときに感じた何かは信じたい。俺はそう考えている。」
俺「…」
信長「よいか?一回しか言わないからよく聞け。」
俺「…」
信長「ここは戦乱の世。お前の話を信じるならお前はその世界にいるべき人間ではない。」
信長「そして俺は、多数から命を狙われている身だ。外からも内からもな。」
俺「内から…?」
信長「お前も俺といればそのうち見える。今は聞け」
俺「…はい」
信長「何かあったらお前は逃げろ。逃げても何も傷がつかない者は逃げてよいのだ。お前は生きろ。」
俺「…」
信長「帰る方法が見つかったら俺に言え。それまではお前の自由にしていい。俺といるのも良かろう。」
俺「…はい」
信長「よいか?今言った言葉をけして忘れるな。何をしてでも生きるのだ。」
俺「…」


信長「死んだら終わりだ」

30 :1 [sage saga]:2013/04/14(日) 00:41:04.81 ID:tJay0gIn0
信長はそこまで言うとパンっと両手を叩き、急に立ち上がって「吉乃−!まだかー!」と大声を上げながら台所へ向かっていってしまった。

信長は俺といてもいいと言ってくれた。だが、ここは戦国時代…。

俺は学校では成績は普通。友達も人並みにいて、いい友人もいる。彼女だっていたことがある。
いたって普通で、飛び抜けたところなんてなかった。
それが幸せな事だって事も解っていた。

だから普通なのだ。
そんな俺がこんな時代に何が出来るというのか。

・・・

食事が出来上がると4人で食事をし、食い終わると特に会話もせずに家宗達の民家を去った。
城内につくと信長は家来に俺の布団を用意するように伝え「じゃ、話はまた」
と言い自室と思われる部屋へ向かっていった。

その夜は、

自分がどうしてここにいるのか
帰れないならば、自分は何をするべきなのか
夢じゃないならば、じゃあここはなんなのか
信長という男が何を考え俺を家来として迎えたのか

そんなことを考えながら寝た。ほとんど寝れなかった。
31 :1 [sage saga]:2013/04/14(日) 01:13:20.76 ID:tJay0gIn0
俺「ん…。朝か…。」
外を見ると朝日が俺を直視していた。カーテンが無いから直に日が入って眩しい。

起きて部屋の外を出ると朝日がとても眩しかった。
空気も俺がいた町より明らかに綺麗で、あまり寝れてはいないがとても気持ちがいい朝だった。

背伸びをしていると少し遠くから声を掛けられた。

政秀「おはようございます。よく寝られましたかな?」

昨日、俺が家来になると言ったときに必死の形相で止めに入った政秀という男だった。

政秀「昨日は、突然の事とはいえ無礼をお許し下さい」
俺「いえ、俺も突然の事で何が何やらさっぱりでしたし、お気になさらないでください。」
政秀「はっ。ありがとうございます。失礼ですが、若殿とはどのようなご関係で…?」

少し答えに迷って

俺「道に迷っている所を助けられた…とでも言っておきます。」

と、答えた。正しくもないが嘘ではない。こう答えるのが妥当だろう。
32 :1 [sage saga]:2013/04/14(日) 01:13:46.28 ID:tJay0gIn0
政秀「左様でございますか。若殿からお召し物をこれに着替えるようにと申しつけられております。着替えていただけますか?」

政秀の手には、政秀と同じ袴があった。

政秀「若殿が、今のお召し物だと目立つだろう。ということで…」

まったくもってその通りだ。城下町の俺を見る目はあきらかに変なモノをみるような目で少し恥ずかしかったのだ。

俺「わかりました。何から何までありがとうございます。」

政秀は少しうつむいたあと、俺に向き直り真っ直ぐな目で俺を見た。

政秀「若殿は、一国を担う戦国武将でございます。他の民衆がなんと言おうと私はそう信じております。
若殿は、貴方様にとても信頼をおいてらっしゃる。若殿が一人の人をつれて歩き回るということは滅多にございません。」
俺「そうなんですか…。」

信長は俺に信頼をおいている…のだろうか。信頼とはちょっと違う気もするがそこは言葉を飲んだ。

政秀「私は、若殿が生まれてからずっと若殿の世話役として仕えて参りました。ですので、解るのです。」
俺「…」
政秀「…どうか、殿の御側にいてあげてください。あの人は自分から孤独を作る人ですが、孤独が苦手な人です。」
政秀「貴方様が、殿を変える道しるべとなってあげてください。私では無理な事でしたから…」

政秀は頭をさげる。
俺は…、どうすればいいのだろうか…。
33 :1 [sage saga]:2013/04/14(日) 01:17:09.43 ID:tJay0gIn0
夜も更けてきたのでそろそろ寝ます。明日の夜にでも再開します。
もし読んでる方がいらっしゃいましたら物語が書き終わるまでの短い付き合いではありますが、よろしくお願いいたします。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/14(日) 11:49:13.89 ID:SlvvqoIIo
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