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とある道中の夢 -
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1 :
◆Te.96pQiKM
:2013/05/02(木) 20:22:57.78 ID:LKrgbDEP0
とあるの二次創作です
設定は十九巻が終わるころの、上条当麻です。
本編の穴埋めと思ってください。
開始します
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1367493777
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい 安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/
アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/
2 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:24:18.19 ID:LKrgbDEPo
ロシアへ行くためにヒッチハイクなどを繰り返すこと数十回。
ロシアの国境まで、あと少しのところまで来ていた。
「国境まで、あと二時間くらいだから寝てていいよ。毛布は後ろにあるから、勝手に使って。」
「あ、すいません。」
おそらく最後のヒッチハイク。乗せてくれたのは日本語のうまいロシア人の男性だった。
彼は家族といっしょに、別の国に避難したそうだ。
今は家に忘れ物を取りに行くらしい。その片道で乗せてもらった。
(あぁ、眠い・・・・。)(´Д⊂ヽ
車の振動が、疲れた体に心地よく響く。
寝るのに時間はかからなかった。
3 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:26:02.40 ID:LKrgbDEPo
目が覚めると、そこには見たことのない天井だった。
カエル顔の人が入ってきた。医者だそうだ。
彼は言った。
「君は記憶がないんだ。」
最初、何を言ってるのかわからなかった。
ただ、医者は聞かせてくれた。何故、こうなったのか。
それは一人の少年が必死になって、一人の女の子を助けた話。
魔術師という言葉が出てきても、わからなかった。
その少女が誰だか、わからなかった。
その少年が誰だか、わからなかった。
4 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:27:05.14 ID:LKrgbDEPo
「あの、記憶は戻るんですか?」
「・・・・・君の記憶は戻らない。忘れている、ではなく、完全に無くなっているんだ。」
医者は歯を食いしばって、悔しそうに言った。
もう、思い出せない。
「えー・・・・・・、俺は、どうすれば?」
「・・・・バンクには、君の記録は残っているから日常生活は大丈夫だ。ただ・・・、」
記憶がないことが、何よりも大きなハンディキャップになる。
「・・・・・・そうですか。」
「・・実は君に、面会者が来ている。」
5 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:27:56.69 ID:LKrgbDEPo
「え・・・・」
「いや、正確には一緒に来た、かな? 帰っていいと言っても聞かないんだ。」
「・・・・・・・・」
今、記憶がなくなってる自分には、その人が誰なのかわからない。
それなのに会っていいのか?
自問自答を繰り返した。
「まぁ、今の君と会ったら彼女もショックだろうからね。会うときは君の状況を一通り話しておくよ。」
分からなかった。その人と出会っていいのか。
「どうする?」
だけど、会ってみたい。そう思った。
「・・・お願いします。」
さまざまな感情が混ざった、返事だった。
6 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:28:37.65 ID:LKrgbDEPo
医者が出ていったあと、さっきの話を何度も反芻した。
それでも、何もわからなかった。
そもそも、面会者がどんな人なのかすら分からない。
右手を見た。
酷使され、ボロボロになった右手。
それは、どう見ても、ふつうの右手だった。
一人の少女を救ったなどと言われても、信じられなかった。
分からない、どんなふうにすればいいのか。
自分が、どんな人間だったのか。
しかし、時間は待ってくれなかった。
ノックがした。
返事をした。
少しの間があって、病室のドアが開いた。
7 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:30:00.94 ID:LKrgbDEPo
ドアの前には一人の女の子が立っていた。
白い修道着に包まれた、銀髪で碧眼の少女だった。
明らかに日本人離れしたその恰好に、思わず、言ってしまった。
「あなた、病室を間違えてませんか?」
8 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:32:29.30 ID:LKrgbDEPo
少女の表情が固まった。
視線が下を向いた。
今、自分が言ったことに恥ずかしがっているのではと、少し不安になる。
「あのう?」
彼女が顔を上げた。
しかし、その顔についていた笑顔は、
痛々しかった。
「あの、大丈夫ですか? なんか君、すごく辛そうだ。」
少し心配になってきた。いくら『知らない人』だからといっても、何かあったのかもしれない。
彼女は息を吐きながら、体をふるわせ、
「ううん、大丈夫だよ? 大丈夫に、決まってるんだよ。」
だした声は震えていた。
まずい。もしかして知り合いだったか?
9 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:33:06.04 ID:LKrgbDEPo
「・・・・・・。あの、ひょっとして。俺たちって、知り合いなのか?」
聞かずにいられなかった。彼女の顔は、必死になって何かを抑えているようだった。
彼女はうつむくと、
「うん・・・・。」
と、小さく答えた。
10 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:33:36.17 ID:LKrgbDEPo
「とうま、覚えてない? 私達、学生寮のベランダで出会ったんだよ?」
分からない。
「――――俺、学生寮なんかに住んでたの?」
少女は続けた。
「・・・・・とうま、覚えてない? とうまの右手で私の『歩く教会』が壊れちゃったんだよ?」
何のことか、分からない。
「――――あるくきょうかいって、なに? 歩く教会・・・散歩クラブ?」
少女は続けた。
「・・・・・・・・とうま、覚えてない? とうまは私のために魔術師と戦ってくれたんだよ?」
誰なのか、分からない。
「――――とうまって、誰の名前?」
少女は、続けた。
「とうま、覚えてない?」
少女は、少し間をおいて、尋ねた。
11 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:34:34.44 ID:LKrgbDEPo
「インデックスは、とうまの事が大好きだったんだよ?」
12 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:35:19.63 ID:LKrgbDEPo
少年には、それが誰なのか分からなかった。
13 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:36:24.81 ID:LKrgbDEPo
だから
「ごめん・・・・・。」
と、謝ることしかできなかった。
自分のことが、『とうま』だとは分かった。
しかし、
「インデックスって、何? 『人の名前じゃないだろうから』、俺、犬か猫でも飼ってるの?」
14 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:37:13.47 ID:LKrgbDEPo
彼女の顔が凍った。
怒りではないと、すぐにわかった。
一瞬、崩れかけた表情。
彼女はそれを、すぐに笑顔になおした。
ボロボロの笑顔。
それを見て、
15 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:37:46.11 ID:LKrgbDEPo
彼女には、泣いてほしくないと、思った。
16 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:38:21.44 ID:LKrgbDEPo
それからは、知ってのとおりだ。
俺は、嘘をついた。
さっき聞いた話から、頭をフル回転させて、嘘をついた。
絶対にバレてはいけない。
彼女のために。
絶対に。
17 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:39:07.57 ID:LKrgbDEPo
「おーい、着いたぞ。」
運転席からの声で目が覚めた。
目的地に着いた。
「一応ここまで来たけど、ロシアにいくんだろ? こっからどうする?」
「あー、何とかします。」
「・・・そうかい。ワケありなんだな。」
「えぇ、まぁ・・・・。」
そういうと、男はこっちに防寒具をくれた。
「そんなんじゃ死んじまう。これを下に着なさい。あとこれも。」
「え、いいんですか?」
「せっかくここまで連れてきて、死なれたらたまらんからな。」
学生服、ズボンの下に防寒着を着て、マフラーと手袋も着けた。
「温かいですね。」
「もちろん、国産品だからな。むしろその服がすげぇだろ。さすがメイドインジャパンだな。」
「あはは・・。」
18 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:40:18.89 ID:LKrgbDEPo
男の人とはそこで別れた。彼にも守らなければならないものがある。
手を振り見送ると、向きを変えた。
眼前に広がるのは、白銀の世界。
宿敵が待つ、戦場。
『上条当麻』は最初の記憶を、思い出す。
わがままで、食いしん坊で、暴れん坊。
だけど、何よりやさしく、人のことを思う奴が、
誰にも助けを求められずに、苦しんでいる。
迷いは、ない。
覚悟は、ある。
「・・・・まってろよ。」
ただ、一言。
彼は、一歩、踏み出した。
上空には、とある飛行機。
近くには、とある貨物列車。
大切なものを守る戦いが始まった
19 :
◆Te.96pQiKM
[sage]:2013/05/02(木) 20:41:33.87 ID:LKrgbDEPo
以上です。
大変短かくすいません
またいつか来ます
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/05/06(月) 19:38:38.06 ID:PoHL8XM0o
いいよいいよ
21 :
お送りしますにゃー
:2013/05/21(火) 01:11:49.44 ID:PFdE7kks0
乙
22 :
1じゃない 歯麻ヅラだ
[sage]:2013/06/02(日) 18:00:32.54 ID:28bxMbB60
鈴科百合子「いいねっいいねっさいこうだねっ」
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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