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純白の林檎 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/06/26(水) 19:40:23.25 ID:1idOw6+20
『この島にはあなたを含め、100人の人間が集められています』

彼の手元に残された一枚の紙の冒頭に、その言葉が書かれていた。

『100人ひとりひとりのポケットに小さな赤い林檎を入れておきました』

ポケットを確認すると、確かに通常よりも小ぶりな赤い林檎が入れられていた。



『99個の林檎にはそれぞれ特別な力が宿っています』

『最初の所持者は林檎を持っているだけでその力を扱うことが出来ます』

『他人の林檎を奪った場合、それを食べることによって元々持っていた林檎に能力が追加されます』

『林檎が原型を失うと、持ち主は即死いたします』

『反対に持ち主が先に死亡した場合は、林檎の能力や形は保たれます』







『そして1つだけ、純白の林檎が存在します』

『純白の林檎には”持ち主の姿を透明にする”という能力が宿っています』

『最後の1人になった時、その純白の林檎を所有していること』

『それが今回のゲームの勝利条件です』

『それでは、お楽しみ下さい』


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寝こさん若返る @ 2024/05/11(土) 00:00:20.70 ID:FqiNtMfxo
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第五十九回.知ったことのない回26日17時 @ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
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ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part13 @ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
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今際の際際で踊りましょう @ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
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誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
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A Day in the Life of Mika 1 @ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
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真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
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愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/06/26(水) 19:42:13.89 ID:1idOw6+20
ト書きではなく、通常の小説形式で書いていきますので苦手な方はご注意ください。
書き溜めはせず、その都度考えますので矛盾点や誤字・脱字はご了承ください。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/26(水) 19:54:37.42 ID:I1OgftuBo
期待
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/06/26(水) 19:58:04.10 ID:1idOw6+20
文章を読み終え、リュウは首を傾げながら周囲を見渡した。
黄昏に呑まれ、辺りは既に暗くなり始めているが、ちらほらと人の姿が確認できる。


いまだ紙に目線を落としている者、リュウと同じように周りの様子を窺っている者、既に行動を開始する者。

この文章に書かれていることが事実ならば――。
リュウは周囲に注意を払いながら、目覚める前の記憶を遡っていた。


何の変哲もない一日を終え、いつも通りベッドに飛び込んで、いつも通り眠りについた。
覚醒と同時に自室の白い天井が目に入ってくるはずだったが、今日見えたのはどんよりとした低い空だった。


「……そういえば」

そう呟きながら、リュウはポケットの林檎に手を伸ばした。
握り込めば隠せそうなほど小さな林檎だ。



『99個の林檎にはそれぞれ特別な力が宿っています』

まるでゲームの設定のようだった。
俄かには信じがたい状況とはこのことだろう。

しかし、リュウの頭の中にはかすかな希望が顔を覗かせていた。
21歳にもなって定職に就くわけでもなく、アルバイトを続ける毎日。
平々凡々と、何の刺激もない退屈な日々。

夢でも幻でもいい。
彼はただ、死んだように生きる自分を蘇生させてくれるイベントを待っていた。

そして、その願いが叶う時が来たのだ。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/06/26(水) 19:58:30.44 ID:1idOw6+20
文章を読み終え、リュウは首を傾げながら周囲を見渡した。
黄昏に呑まれ、辺りは既に暗くなり始めているが、ちらほらと人の姿が確認できる。


いまだ紙に目線を落としている者、リュウと同じように周りの様子を窺っている者、既に行動を開始する者。

この文章に書かれていることが事実ならば――。
リュウは周囲に注意を払いながら、目覚める前の記憶を遡っていた。


何の変哲もない一日を終え、いつも通りベッドに飛び込んで、いつも通り眠りについた。
覚醒と同時に自室の白い天井が目に入ってくるはずだったが、今日見えたのはどんよりとした低い空だった。


「……そういえば」

そう呟きながら、リュウはポケットの林檎に手を伸ばした。
握り込めば隠せそうなほど小さな林檎だ。



『99個の林檎にはそれぞれ特別な力が宿っています』

まるでゲームの設定のようだった。
俄かには信じがたい状況とはこのことだろう。

しかし、リュウの頭の中にはかすかな希望が顔を覗かせていた。
21歳にもなって定職に就くわけでもなく、アルバイトを続ける毎日。
平々凡々と、何の刺激もない退屈な日々。

夢でも幻でもいい。
彼はただ、死んだように生きる自分を蘇生させてくれるイベントを待っていた。

そして、その願いが叶う時が来たのだ。
6 : ◆fa..6VDIRg [saga]:2013/06/26(水) 19:59:41.51 ID:1idOw6+20
謎の連投。
申し訳ない。
7 : ◆fa..6VDIRg [saga]:2013/06/26(水) 20:09:15.25 ID:1idOw6+20
手の中で林檎を転がしてみるが、特に変わったところはない。
鼻に近づけて匂いを嗅んだが、ほのかに林檎特有の香りがするだけだった。

「……どんな能力なんだよ、くそ」

リュウは小さく悪態をつくと、林檎をポケットに仕舞い、再び周囲を見渡した。


自分が立っているのは海辺で、波の音が規則正しく繰り返されている。
島らしいが、地球上のどの辺りに存在するなんという島なのか、全く検討もつかない。

島の中央には木々が生い茂っており、巨大な森を構成している。
薄闇のせいで見通しは悪いが、どうやら綺麗な丸型のようだ。

100人が集められているらしいが、さきほど見かけた人数からするとかなり広大な可能性がある。



リュウはとりあえず森の中へと歩みを進めることにした。






それとほぼ同時に、森の中央から巨大な火柱が立ち昇った。
8 : ◆fa..6VDIRg [saga]:2013/06/26(水) 20:36:03.42 ID:1idOw6+20
リュウの顔を熱波が撫でる。
夕刻の闇が、閃光のような朱色に蹂躙される。

「おいおい……マジかよ」


轟音と共に、男女の耳障りな絶叫が響き渡る。

リュウは一瞬、進むのを躊躇ったが、すぐに森の中心を目指して駆け出した。




未だに火柱は天を貫く勢いで燃え上がっており、それから逃げるようにして遠ざかる何人かとすれ違った。
しかし、リュウと同じ方向に進む者を少なくなかった。


「おい! お前!」

不意に彼の後方から怒号が響いた。

「お前だよ、そこのお前!」

リュウが振り向くと、膨大な髭を蓄えた大柄な男が走ってくるのが見えた。
筋骨隆々なその風貌は、まるで熊のようだった。

「俺、ですか?」

「そうそう」

男は立ち止まると、両膝に手をついて肩で息をし始めた。

「ふぅ……この歳で全力疾走はするもんじゃねぇな」

「そんなに急いで、どうしたんですか」

「ちょっと前にお前のこと見かけたんだが、林檎の使い方をまだ知らねぇだろ」

「林檎……あの紙に書いてあった能力のことですか?」

「そうだ。あのバカでかい火柱も、能力だぜ」

そう言って、男は煌々と揺れる火柱を指差した。

「俺はヒサシってんだが、お前は?」

「リュウって言います。ヒサシさんは、林檎の使い方が分かるんですか?」

リュウの問いにヒサシは得意げに林檎を取り出した。

「まぁ見てな」

そう言ってヒサシは林檎を持つ手に力をこめた。
すると林檎から微かに白い煙が立ち昇りだした。

訝しげな目をするリュウをよそ目に、ヒサシは林檎をしまい、手を前方に突き出す。
次の瞬間、掌からまるで機械を使用したかのような大量の白煙が吹き出した。

「これが俺の林檎の力ってわけだ」

「……マジ、すか」

「たまたま見つけたんだけどな、林檎の力の見分け方」

リュウは我にかえると、林檎を取り出した。

「潰れない程度に力をいれて握ってみろ」

小さく頷き、徐々に拳を固めていく。


反応はすぐに表れた。
林檎を中心にして、微弱ではあるが風が吹き始めた。

9 : ◆fa..6VDIRg [saga]:2013/06/26(水) 20:37:49.84 ID:1idOw6+20
出かけるのでとりあえずここでいったん止めます。
それでは失礼します。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/26(水) 21:01:07.95 ID:I1OgftuBo
おつ
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