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ほむら「ゆるゆりじゃなくてがちゆりしたい!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 20:18:45.49 ID:hcXT/ufeo
 私は何度でも繰り返す。

 ――そう、たとえこの身体が暁美ほむらで無くなったとしても!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1372331925
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/27(木) 20:23:29.46 ID:hcXT/ufeo
 私は また時間を巻き戻した。

 それが例え、まどかの因果を増やす結果となったとしても。
 
 最終的にまどかを救うことができればそれでいい。

ほむら「……とは言っても、なぜ美樹さやかは魔女になり、巴マミの死ぬ確率は異常なのか」

 統計を取ってみると、
 
 美樹さやかの魔女になる確率はおよそ8割。

 残りの二割は魔法少女にならなかった。

 上条恭介に振られる確率は99%だが。

 巴マミの死亡率はおよそ10割。
 
 出れば死ぬあの先輩になにか言うことはないか。

ほむら「音が……聞こえる?」
3 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 20:27:20.50 ID:hcXT/ufeo
 ゆりゆら……

 ゆるゆり……

 大事件……

 この曲は確か。

 以前の時間軸で偶然、たまたま、通りかかって、運命的何かで

 まどかの家のテレビを盗聴していた時に放送されていたアニメの曲だ。

 なぜ、時間転移中に流れてくるのか。

 それが私にはわからない。

ほむら「ゆるゆり……か」

 以前厨二病だって恋がしたい! などというアニメを見た。

 精神年齢は二十代後半になった私には、まるで過去の自分と

 痛々しい巴マミを見ているかのようで見ていられなかったけれど、

ほむら「恋か」

 思えば……思えば……。

ほむら「いけない、さすがにまどかの出会いを忘れてはいけない、しっかりするのよ暁美ほむら」
4 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 20:32:15.36 ID:hcXT/ufeo
 そう、思い出した。
 
 魔法少女になったまどかとの出会いも、

 よく考えれば初恋だったのかもしれない。

 もっとも、

ほむら「初恋は実らないとよく言うけれど」

 クラスのみんなには内緒だよ。

 うん、確か、そんなようなことを言われた気がする。

 以前うっかり、まどかがキュウべぇと契約してしまった時、

 ついうっかり昔の私に戻ってしまって、

 ついうっかりワルプルギスの夜と戦いにいったまどかの姿を、

ほむら「あのUSBはどこに行ったのかしら……」

 もう画像容量はテラどころでは済まなくなった。

 インターネットでUSBメモリーの作り方を見て、自己流の無限に容量が入るものを開発したのだ。

 確か、何年か前の佐倉杏子との対戦の時に美樹さやかが踏んづけてしまった。

 ついうっかり、魔法少女になっていなかった美樹さやかをミンチにしたのもいい思い出である。
5 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 20:34:33.32 ID:hcXT/ufeo
 この明るい光を放つ次元の向こうには

 もう一つの見滝原の世界が待っている。

 その世界で私は、

ほむら「必ず……まどかを救ってみせる!」

 ゆりゆら……

 ららら……

 ゆるゆり……

 大事件……

ほむら「ああもう、耳に残りすぎなのよこの曲!」
6 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 20:42:03.81 ID:hcXT/ufeo
 目覚まし時計の音が聞こえる。

ほむら「……?」

 病院のベッドとは違う。

 ここはどこだ?

 慌てて身体を起こす。

 キョロキョロと周りを見回す。

 こんなことは想定していない。

 目覚まし時計(全くもって趣味ではない)を止めると

 チャイムの音が連続で聞こえてきた。
 
 ピンポン……

 ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
 ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
 ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
 ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

ほむら「ああ! うるせえ!」

 ――自分の声が、自分の心の声とは――違った。
7 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 20:45:05.94 ID:hcXT/ufeo
 ガチャという音を立てて玄関の戸が開く音がするが、

 私が鏡に写った自分の姿を見て愕然としていた。

 あの黒髪が。

 まどかが世界一かわいいよ! と言った……気もする。
 
 あの暁美ほむらが!

 私の眼前から姿を消していた。

 代わりに映っているのは、

ほむら「確か……ゆるゆりの主人公……歳納京子!」

 そうだ。

 あの騒がしいにぎやかし役の歳納京子そのものだ!

 なんとなく顔つきも小生意気そうな気がする!

 なんてことだ。

 まさかあのアニメのことを考えていたら、

 そのアニメの世界に来てしまうだなんて……
8 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 20:50:46.86 ID:hcXT/ufeo
???「おーい、あかりー? まだ寝てるのかー!」

 なぜだ。

 この声には耳馴染みがある。

 しかし、呼ばれた名前には全く記憶が無い。

 あかり?

 そんなキャラあのアニメにいたか?

???「おーい、あかりー!」

???「人の家で叫ぶのはやめとけっての、まったく、さやかは本当に落ち着きが無いな」

さやか「誰が落ち着きが無いってんだよ、杏子、そりゃああたしはちょっと落ち着きが無いけどさ」

杏子「お前ノープランで喋るのやめろって、意味わかんない」

 美樹さやかと佐倉杏子!

 た、確か記憶が正しければ、あのアニメでは歳納京子が幼なじみの……

 えーっと、そう! 吉川ちなつだ! 魔法少女に似ているという設定がすっかり忘れ去られた腹黒!

 ピンクでツインテールという私の好みに直球で食い込んできたあの吉川ちなつだ!

 そいつの家にやってくるんだ!
9 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 20:54:38.42 ID:hcXT/ufeo
さやか「おーい、あかり……? あれ、起きてんじゃん、なにその豆が鳩鉄砲食ってる顔して」

杏子「どんな顔だよ、しかも逆だよ」

さやか「え、じゃあ、鳩が豆を食うの?」

杏子「なんだよその驚き! まるで聞いたことがねえみたいな顔しやがって!」

ほむら「美樹さやかに……佐倉杏子……?」

さやか「お、なんだなんだ、あかり、イメチェンか? なんだその喋り。中学デビュー?」

杏子「寝ぼけてるのか?」

ほむら「……その、あかりって……誰のこと?」

 なんか二人から可哀想なものを見るような目で見られた。

さやか「あー、うん、まだ寝ぼけてるんだな、先にシャワー浴びてこいよ」

杏子「先にかよ、お前も浴びるのかよ」
10 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 20:57:43.28 ID:hcXT/ufeo
 私は見知らぬ家でシャワーを浴びている。

 確か吉川ちなつの家はもっと和風の……それこそ着物が似合う姉がいる家みたいな。

 なんというかこの家は普通だ。

 それにこの姿。

ほむら「確か、吉川ちなつの髪はピンクだったはず……」

 私の顔面に映るのはちょうどザリガニ色の髪。

 いや、海老色というべきだろうか。

 ……エビ?

ほむら「赤座……あかり?」

 難解なジグソーパズルを解いたような衝撃だった。

 なんと、私は赤座あかりになっていたのか!

 ……ところで、赤座あかりってどんなキャラだったか。
11 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:02:17.96 ID:hcXT/ufeo
さやか「おーい、いつまでシャワー浴びてるんだー?」

杏子「そろそろ出ないと学校に遅刻するぞ?」

ほむら「今……出る」

 赤座あかりについては記憶が定かじゃないが、

 自分より胸があって凹んだ。

さやか「なんだなんだー? その暗い顔は、そんなんじゃ無事中学デビューできねーぞ?」

杏子「お前だってできてなかっただろ」

さやか「失礼な! あたしの自己紹介でクラスはズッコンバッコン」

杏子「してどうする」

ほむら「ねえ、ちょっと聞きたいのだけど」

さやか「ん?」

ほむら「鹿目まどかという名前を、聞いたことはない?」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/27(木) 21:03:56.36 ID:yadOU083o
あーなんかもういいわお疲れ
別に叩かないからエタっていいよ
13 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:05:50.10 ID:hcXT/ufeo
さやか「鹿目まどか? 知らないなあ」

杏子「あかりの小学時代の友達?」

ほむら「いえ、桃色の髪の……二つ括りにした……」

さやか「ミラクるん!? ミラクるんじゃないか! おい、あかり! お前もしかしてミラクるんの友だちがいるのか!?」

杏子「二次元に友達が存在するなんて寂しすぎんだろ」

さやか「失礼な! あたしは二次元に三次元と変わらぬ愛情を抱いてんぞ!」

杏子「あー、はいはい。ああ、あかり、もしかして寝ぼけてるのかもしれないけど」

ほむら「いえ、ちゃんと目覚めているわ」

杏子「そうは見えないけど、まどかって名前の知り合いは存在するぞ?」

ほむら「え、誰! 教えて!」

杏子「あかりのお姉さん」

 なん……だと……?
14 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:09:57.59 ID:hcXT/ufeo
 赤座あかりに姉なんていたか?

 しかもそれがまどかだって?

 なんて私得な設定だよ、まどかと一つ屋根の下とか頭がフットーしそうだよおっっ!!

ほむら「……」

さやか「おい、顔が赤いぞ、熱でもあんのか?」

杏子「あかり、大丈夫か?」

ほむら「いえ、問題ないわ、無問題。私は至って健康的」

さやか「だったらいいけどよー、さっさと着替えて学校に行こうぜー?」

杏子「うん、まあ、早く着替えてきな」

ほむら「ええ」

 まどかがこの世界に存在するのならばそれでいい。
 
 あとはインキュベーターとまどかを契約させないように、

 それだけに策略を示せばいい。
15 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:14:12.25 ID:hcXT/ufeo
 その学校は当然、私にとって見覚えがない所だった。

 今現在座っているこの椅子も。

 目の前の机も。

 もっとも、前にいる二人組には見覚えがある。

 確か、あのゆるゆりでは明かりの前の席には、櫻子と向日葵という二人組が座っていたはず。

 しかしながら。

 なぜなのかは全く分からないが。

織莉子「ねえ、キリカ、私、変じゃないかしら?」

キリカ「そんなこと無い、最高だよ! 新しい制服! バッチリ決まってる!」

織莉子「そう、キリカがそういうのだったらいいのだけど」

 美国織莉子と呉キリカ。

 以前敵対したことがある二人組。

 ゆるゆりどころかがちゆりしている前の二人組を見て、私はため息をついた。

 なんかどうしようもなく面倒くさそう。
16 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:17:49.75 ID:hcXT/ufeo
 それに隣の席に座っているはずの吉川ちなつ。

 本当に誰だかわからない。

 まどかでない、美樹さやかでない、佐倉杏子でないとすれば、
 
 素知らぬ顔で巴マミが座っているのかと思ったら。

???「あれー? 貴方って私の知り合いでしたっけ?」

ほむら「ああ、いえ、失礼したわ」

 いけないいけない。

 じっと見てしまったようだ。

???「まあ、いいですけどー、私は優木沙々っていうんですよー」

 本当に誰だよ。

ほむら「そう、私はあけ……」

沙々「あけ?」

ほむら「赤座あかりっていうの」

 苦笑していないことだけを祈りたい。
17 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:24:17.78 ID:hcXT/ufeo
 自己紹介を終えて。

 入学式を終えて。

 確か……帰りのホームルームが終わったら、茶道部の部室に行くのね。

 そこでおそらく美樹さやかがごらく部というのを作っているはずだ。

 部室の詳細については教えてもらえなかったが、

 大体の設定はあのアニメに準じている、間違いない。

沙々「あのー、あかりさんー、すごい人気ですよねー、あの人!」

 優木沙々が指し示している少女はガイコクジンだ。

 確か名前はアーザとか何とか言ったか。

アーザ「うむ、好きな食べ物は○郎。大豚ダブル野菜マシマシニンニクマシマシカラメマシマシである」

 エレファントカシマ○か。

 まあ、たしかに可愛らしい。
 
 まどかには及ばないけど。
18 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:30:25.95 ID:hcXT/ufeo
沙々「私ああいうの見てるとー、従えたくなるんですよねぇ」

ほむら「……は?」

沙々「ああ、いえいえ、あかりさんには全く関係のないことです、でわでわ!」

ほむら「ええ、さようなら」

 たしか彼女とはCM開けに再会するはずだ。

 もとい、ごらく部で再会するはずだ。

 生徒会にでも行ったのだろう、美国織莉子と呉キリカの姿はない。

 ……そういえば。

 ゆるゆりを構成するメンバーにおいて必要となってくるのが中学二年生。

 池田千歳と杉浦綾乃だ。

 おそらくこのどちらかが巴マミであり、もしくはインキュベーターである可能性が高い。

 しかし、たしか杉浦綾乃は歳納京子に恋慕していたはず。
 
 巴マミが美樹さやかに恋愛感情を抱くか?

 美樹さやかー! とか叫びながらツンデレゼリフを吐くインキュベーターなど見たくない。

 できれば巴マミがツンデレであってほしい。
19 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:34:48.69 ID:hcXT/ufeo
 さて、確か美樹さやかに指定された場所は校外にある茶道部だったはずだ。

 そうそう、茶道部という木の看板も立てかけて……

ほむら「……魔法少女部?」

 とても嫌なものを見たような気がする。

 逃げたい。

 ものすごく逃げたい。

 これを見ると、もう美樹さやかが魔法少女であるような気がしてならない。

ほむら「確か……ごらく部は部室の無断使用をしていたはず……」

 しかし看板には魔法少女部と書いてある。

 部として認められてるはずがないのだ。

 これはどういった事情か。

ほむら「だけど、魔法少女がこの世界にいるなら、私も変身が可能なはず……」

 何故かソウルジェムはどこにもなかったが。

 しかも変身ができなくなっていたが。
20 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:39:24.31 ID:hcXT/ufeo
 まあ、うじうじ考えていても仕方がない。

 さっさと部室の中に入ってしまおう。

 もしかしたら、美樹さやかが勝手にミラクるんとやらに迎合して魔法少女部を作ったのかもしれない。

ほむら「……」

 ――国境のトンネルを超えると、そこは雪国だった。

 違う違う。

 部室の戸を開けると、そこはやはり、アニメに見た通りのごらく部だ。

 ミラクるんと書かれた掛け軸もある。

 そこにのんびりと座っている、美樹さやかと佐倉杏子。

 もとい、美樹さやかは漫画を読んでいる。

 もちろんミラクるん。

さやか「おー、来たかー」

杏子「いらっしゃい、あ、あかりもお茶飲むか?」

 佐倉杏子がお茶汲みしてる……!? そういえばこの佐倉杏子、何かを口にしていない!
21 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/27(木) 21:43:00.75 ID:hcXT/ufeo
さやか「どうしたあかりー、座れよー、渡すものもあるしさー」

ほむら「あ、あのその……魔法少女部って?」

杏子「ああ、ほら、あたしたちって魔法少女だろ?」

 なにその、東京に来たらスカイツリーを見ましょうみたいな口調。

 それが当たり前のような世界観。

 ちょっと待て、ゆるゆりはそんな見滝原みたいな状況ではなかったはずだ。

さやか「なにきょとんとした顔してんだよー、ほれ、変身してみ?」

杏子「無理に変身させんなよ」

さやか「しょうがねえなあ、じゃあ、あたしから変身するよ」

ほむら「ちょ、ちょっと待って!」

さやか「ん?」

ほむら「あなたはキュウべぇと契約して魔法少女になったのよね?」

 なんだそれみたいな顔をされた。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/28(金) 00:43:51.60 ID:Q27Q4+Ieo
また糞クロスが沸いてきた
23 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 04:09:02.72 ID:Seax4Jgzo
 待て待て、落ち着くのよ暁美ほむら。

 この二人の行動から察するにこの世界にインキュベーターはいない。

 ということは、彼女たちは独自に魔法少女に変身するすべを持っているということ。

ほむら「あ、ちょ、ちょっと最近変身してなかったから、わ、忘れちゃったかなー」

さやか「おいおい、しっかり頼むぞー? ここ最近はあんまり出てこないけど、エレメリアンだって必ず出てくるんだ」

 エレメリアン?

杏子「ツインテイルズの活躍もすごいからな、あれじゃあ、魔法少女形無しだよ」

さやか「町で活躍する魔法少女と、世界を股にかけるツインテイルズとじゃ規模が違うし」

ほむら「あ、あはは、ちょっと、ツインテイルズっていうのとエレメリアンっていう存在について聞きたいな?」

さやか「パス、杏子任せた」

杏子「あかりどうしたんだ? こういう事情は一番詳しかったじゃないか」
24 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 04:14:36.53 ID:Seax4Jgzo
 ツインテイルズとは、テイルギアという機器を使って変身する、正義の集団。

 エレメリアンとは異世界からやってきた侵略者。

 簡単にいえばそういうことか。

ほむら「そ、そうなんだ、それで、魔法少女部って?」

さやか「生徒会にもツインテイルズ関係者がいるからさー、この町の平和はあたしたちがじゃんじゃん守っちゃうからって認めさせた」

杏子「まあ、なんか知らないけど、変なテクノロジーで世界各国飛び回る人たちとあたしたちとじゃ規模が違うよ規模が」

さやか「ファンクラブもあるしなー、テイルレッドの」

杏子「というか、テイルレッドのファンクラブしか無いけどな……」

さやか「かと言って、テイルレッドだけ正体がわからねえんだよなー」

ほむら「それはともかく、エレメリアンっていうのはどういう存在なの?」

杏子「どういうって言われてもな」

さやか「一言で言うと、キモい」
25 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 04:19:26.99 ID:Seax4Jgzo
 エレメリアンというのは、メイド、耳たぶ、スク水……

 と言った、属性に不可解なほどの情愛を抱く変態集団らしい。

 どういったテクノロジーかはわからないが、それらの属性は恐ろしい力を見せるようだ。

 わけがわからないよ。

さやか「まあ、とにかく町の外のそいつらはツインテイルズに任せて、あたしたちは身近なところを守るってわけ」

杏子「あかりも重要なサブメンバーなんだからしっかりするんだぞ?」

 サブメンバー?

 え、メインじゃないの? だって二人しかいないよ?

ほむら「わ、私ちょっと変身の仕方を忘れてしまって……」

さやか「なぁーにぃー!? 魔法少女が変身することを忘れてどうするんだ!」

杏子「本当に大丈夫かあかり? 春休みの時になにがあったんだ?」

 そんなの私が聞きたい。
26 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 04:22:36.49 ID:Seax4Jgzo
さやか「オーケーオケー、このさやかちゃんが、しっかり変身の基本を……」

沙々「すいませーん」

 あ、本編のことをすっかり忘れてた。

 そうそう、ここで吉川ちなつではなく優木沙々がやって来て

 赤座あかりなる私が空気になるのだ。

 その際に状況をしっかりと確認しておかないと。

沙々「すいません、茶道部の入部きぼ……」

さやか「茶道部無いよ」

杏子「うん」

沙々「え!? ここ茶道部の部室じゃないんですか!?」

 いや、看板に書いてあったじゃん。

 魔法少女部ってえらい胡散臭い看板が。
27 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 04:28:24.49 ID:Seax4Jgzo
沙々「ま、魔法少女部……私も他の所で魔法少女をしてましたから、その事はわかります」

さやか「なんだー、魔法少女なのかー、いやいや、歓迎しますよ、あたしは」

杏子「その割には話を聞かなかったけど、新人さん?」

沙々「ええ、ちょっとまだ魔法が完全でなくて、アルテノイドはヤレるようになりましたが」

ほむら「アルテノイド?」

さやか「さっき言った戦闘員のことだよ、アルテノイドっていうんだ、キー! とか言ってそうな」

杏子「まあ、新入部員なら大歓迎、ここ最近じゃ魔法少女の人気も下がってきたからね」

さやか「そうなんだよー! ツインテイルズのせいであたしら肩身狭いんだよー」

沙々「あはは……すごいですよね、彼女たち」

杏子「まあ、テイルブルーとテイルイエローの正体は知ってるからあんまりすごいって感じしないけど」

沙々「え!? 歩く戦闘兵器テイルブルーと脱衣する変態テイルイエローをご存知なんですか!?」

さやか「前は、二足歩行する獣って言われてたな、テイルブルー」

杏子「何も間違ってないけど、むしろ何も間違ってないからあんまり言うのやめよう」
28 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 04:35:06.55 ID:Seax4Jgzo
 なるほど。

 とりあえずツインテイルズなる存在と魔法少女は規模が違うらしい。

 そのせいで魔法少女は若干規模が下がっていると。

 インキュベーターが聞いたらさぞ嘆きそうな言葉ね。

 まあ、奴らにそんな感情があるのかどうかはわからないけど。

沙々「あかりちゃんも魔法少女なの?」

ほむら「え、ええ、一応、何故か変身できなくなってしまったけど」

 だからこの子誰なんだよ。

杏子「まあ、心配するなって、アルティロイドぐらいなら簡単に絞めれるし」

さやか「そうそう、未来のエースはその力を温存しときなさいって」

 なにその永遠にやって来なさそうな未来。

 ともかく、そろそろ杉浦綾乃と池田千歳がやって来る頃ね。

 おそらく魔法少女の誰かであるのだろうけど
29 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 04:39:19.28 ID:Seax4Jgzo
???「美樹さやかー!」

 そうそう、こんな風……に?

 なんだ、聞き覚えがない声だぞ?

???「いけませんわ、津辺さんそのように怒鳴りこんで上がっては」

津辺(?)「んだって、会長! 部室無断使用なんて絶対に許されることじゃありません」

会長(?)「私は会長じゃなくて会計です、副会長は津辺さんじゃないですか」

沙々「な、誰か来ましたよ?」

さやか「ああ、大丈夫、いつもの」

杏子「魔法少女は肩身が狭いから、こうして生徒会に目をつけられてるんだ」

 どんな権力保持者だよ生徒会。

さやか「しかも、二人はツインテイルズの関係者だから困る」

沙々「え!? もしかしてテイルレッドですか?」

杏子「いや、イエローとブルー」

 あ、優木沙々がえらい勢いでしょんぼりした。
30 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 04:48:19.59 ID:Seax4Jgzo
「美樹さやか! 部室の占拠はいけないっていつも言ってんでしょ!」

さやか「いやー、それほどでもー」

「褒めてないわよ!」

ほむら「あの、この二人は?」

杏子「あ、ああ、あの青い髪の人が津辺愛香、テイルブルー。後ろにいるのが、神堂慧理那」

沙々「ああ、確かに二足歩行する獣というあだ名は伊達じゃありません、何か殺人者みたいな目をしてます」

愛香「ちょっと美樹さやか、なんのよこの、えらい失礼な新入生、魔法少女なの?」

さやか「ふっふっふ、期待の新人だよキミィ、あと胸ぐら掴み上げるの止めない? あんたと違って胸があるから微妙に痛いんだけど」

愛香「んだとゴラァ!? この手アイアンにしてそこの池にホール・イン・ワンするぞ!」

 どうしよう。

 副会長が怖い。

慧理那「まあまあ、いけませんわ津辺さん、新入生の方が怯えています」

 平然としてる貴方も十分怖いんですけど。

 しかもさっき聞いた話から総合するとこの人、脱ぐんだよね?
31 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 04:53:04.93 ID:Seax4Jgzo
慧理那「わたくしの名前は神堂慧理那、あなたは赤座あかりさんで、そちらの方は優木沙々さんですね?」

ほむら「な、なぜ、私の名前を?」

慧理那「生徒会職に就く人間たる者、生徒の名前を把握しておくのは当たり前の事ですわ」

 そのわりには青い髪の人は全く知性というものを感じられないんだけど。

 二足歩行する獣っていうか、

 樹上生物よね?

沙々「あの、もしかして貴方がテイルイエローなんですか?」

慧理那「まあまあ、わたくしも随分と有名になったものですね」

沙々「何で脱ぐんですか?」

慧理那「え?」

沙々「いや、聞きましたよ私、ツインテイルズは特殊なシールドで身体が保護されているから、脱ぐ必要もましてや着る必要もないって」

 なんだその便利な身体。

 魔法少女にも展開させてほしんだけど。
32 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 05:00:19.10 ID:Seax4Jgzo
慧理那「ええ、まあ、ちょっとした事情がありまして」

沙々「事情ですか、それでは仕方がないですね」

 納得するのか。

愛香「それで美樹さやか! 魔法少女は現在あたし達の活躍でその存在価値が風前の灯火!」

さやか「あんたの胸と人気も風前の灯火だけどな」

愛香「……っ!」

 あの人唇噛み締めて、血が流れてる。

 なにアレ怖い。

愛香「とにかく、こんな魔法少女部なんてものは!」

???「あー、テステス、テステス、かなりお胸がファンシーな津辺愛香さ〜ん? 神堂慧理那さーん、郊外にアルティロイド出現ですぅ、至急迎撃してくださいねー」

愛香「あんのトゥアール!」

慧理那「いけませんわ! 一刻も早く出撃しませんと、それでは失礼致しますわ、魔法少女部の方々」

 なんか風の様に現れて、風の様にいなくなったな。

さやか「よし、あたしらも出るぞー、テイルレッド見に行きたいし」

沙々「ああ! 私サインもらいたいです!」
33 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 11:59:17.62 ID:Seax4Jgzo
 さて。

 魔女が作り出す結界は知っている人間も多いと思う。

 一般人が迷い込めば死に至る確率が高い場所。

「フハハハハハ! 我が名はホエールギルティ! スク水メイドの真髄を語る者だ!」

 なんだそのニッチすぎるフェティシズム。

 そして、命の危機に直面しているのにもかかわらず。

「がんばれー!」

「おーい、今日は魔法少女もいるぞー!」

「あれー、テイルレッドいねー」

「よし、じゃあ帰るか」

 帰るかじゃねえよ!

 何で異世界からの侵略者が現れてるのに

 ちょっとしたアミューズメントパーク感覚なんだよ!
34 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 12:03:49.89 ID:Seax4Jgzo
沙々「あれ、あかりちゃん変身しないんですか?」

ほむら「私は何も見ていないし聞いていない、ええ、これは悪い夢」

さやか「とにかく、今日は汚名挽回だっての、ツインテイルズばっかにいい格好させてたまるか!」

杏子「挽回してどうする」

「おお、そこにいるのは、明らかにスク水メイドが似合いそうな微乳女子! 敵として出会ったのが口惜しい!」

愛香「ああっ!?」

 あいつ……死んだな……。

 なんかそんな気配がした。

さやか「まあ、とにかく戦闘員は任せとけツインテイルズ! ていうか、少しは活躍させろ」

慧理那「ブルー、今日こそ正義のヒーローとしての戦い方をしますわよ、汚名返上ですわ!」

 こいつらどれだけ汚名をかぶってんだよ。

 まだ中学生だろ。
35 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 12:09:01.24 ID:Seax4Jgzo
 戦いはあっけなく終わった。

 私達魔法少女が戦いに出ることもなく、テイルブルーこと、津辺愛香が全て片付けた。

 おおよそ正義のヒーローとはいえず。

 圧倒的な虐殺だった。

 戦車とBB弾で戦っているかのようだ。

慧理那「エレメーラオーブ、リボン! さ、退却いたしますわ!」

 さっきよりも随分と身軽。

 もとい、武装をわざわざ脱ぐとかいう常軌を逸した行動したテイルイエロー。

愛香「ああ、もう! 前の戦いで乳に関して戦う奴は全部死んだと思ってたのに!」

 鬼神とはこの事を言うんだろうな、と言わんばかりの活躍で

 ギャラリーをドン引きさせたテイルブルー。

 私は久しぶりに頭を抱えて何処かで泣きたくなった。

沙々「あーあ、いいとこありませんでしたねー先輩、何であんなに強いんでしょ、ツインテイルズ」

さやか「胸がないからじゃね?」

 空を見上げたら、殺気を感じて悪寒がした。
36 : ◆5R6NTxvuQU [sage]:2013/06/28(金) 12:18:30.31 ID:Seax4Jgzo
 再び魔法少女部室内。

 私は先ほど見た光景を必死に忘れようと、まどかのことばかり考えていた。

 にへら。

さやか「ちっくしょー、また明日の新聞の見出しは、魔法少女禁止法に一票だぞ!」

杏子「正しくは、青少年及び魔法少女の育成に関する基本法だな、全魔法少女の変身を規制するとんでもない法律だけど」

沙々「まあ、ツインテイルズさえいれば世界は平和ですしねー、正義の戦いかって言えば別ですけど」

 確かに。

 テイルブルーとイエローには随分と色んな意味で驚かされたけど、

 彼女たちは最強ではないらしい。

 なんでも、テイルレッドというのが人気も実力も最大なのだそうだ。

ほむら「そういえば、テイルレッドの正体って誰なのかしら?」

 ブルーとイエローは何だか知らないけど、イマジンチャクラ? とかいう認識撹乱能力で一般人には正体がバレてないらしい。

 なんかすぐにバレそうな気がするけど。

 変身ヒーローのお約束というものなんだろうか。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/06/30(日) 18:31:59.58 ID:2M5TEOyAO
クロスはいいんだけど知らない名前の子達はオリキャラ?
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