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兄「妹よ、愛とはなんだ?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/14(日) 23:59:43.14 ID:t582azDh0
妹「言葉」

兄「愛とはなんだ?」

妹「名前」

兄「愛とはなんだ?」

妹「漢字」

兄「愛とはなんだ?」

妹「目」

兄「……それはeyeじゃないのか?」

妹「口で言われても違いがわからない」

兄「数秒前にお前が漢字と言ったばかりだが、なぜ英語にした?」

妹「気分」

兄「なら仕方ない」

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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:00:40.68 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、恋愛相談がある」

妹「するな」

兄「なぜだ?」

妹「キモい」

兄「なぜキモい?」

妹「兄の恋心なんぞ、知りたくない」

兄「知れ。そして的確な答えを導き出し、兄に伝授しろ」

妹「やだ」

兄「そうか」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:01:51.87 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、ゲームばかりしてないで、兄の目を見て話せ」

妹「断る」

兄「なぜだ?」

妹「私の目が腐る」

兄「お前の兄は、特殊ななにかを発して他人の目を腐らせるのか?」

妹「そう」

兄「そうだったのか」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:02:47.02 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、夕食はなにが食べたい?」

妹「魚肉ハンバーグ。レタスとキュウリとトマトのサラダ。あと、みそ汁と白米」

兄「ドレッシングはなににする?」

妹「今日はごまのやつ」

兄「みそ汁なんだが、卵を入れようと思う」

妹「ん」

兄「溶き卵とそのまま、どっちがいい?」

妹「そのまま」

兄「すぐに作ろう」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:03:46.58 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、いただきますを言え」

妹「いただきます」

兄「うむ。美味いか?」

妹「普通に食える程度には」

兄「充分だ。ところで、先程の続きだが、好きな人が出来た」

妹「その話を続ける気なら、舌を引き抜く」

兄「……」

妹「……」

兄「……」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:04:44.41 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、ご馳走様をしろ」

妹「ご馳走様でした」

兄「皿はそのままでいいぞ。兄が片づけてやろう」

妹「運ぶくらい、自分でする」

兄「いい子だ。風呂が沸いてるから、入って来い」

妹「その前に、お皿を洗う」

兄「それは兄の仕事だ」

妹「偶にはやらせろ」

兄「兄の生き甲斐を奪おうとするな」

妹「わかった。やらない」

兄「よろしい」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:06:23.05 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、バスタオルを忘れただろ? ここに置いておく」

妹『ん』

兄「では、リビングに戻ってるぞ」

妹『……偶には一緒に――』

兄「一緒に、なんだ?」

妹『……なんでもない』

兄「そうか。では、ゆっくり浸かってろ。ちゃんと百まで数えるんだぞ?」

妹『……いーち。にーい。さーん』

兄「偉いぞ。この兄は小さかった頃、一、十、百の三テンポで終わらせてたからな」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:08:40.89 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、髪を乾かしてやろう」

妹「ん」

兄「ここに座れ」

妹「ん」

兄「スイッチをオンにしたドライヤーを左手に、櫛を右手に装備。行くぞ」

妹「櫛は痛い。素手でやれ」

兄「わかった。始めるぞ」

妹「ん」

兄「うむ。やはり妹の髪は手触りが良いな」

妹「……別に嬉しくない」

兄「この兄が嬉しいのだ。長いから、少々乾かすのに時間がかかるがな」

妹「大変?」

兄「そんなわけがない。もっとじっくり堪能したいほどだ」

妹「シスコン変態野郎」

兄「最高の褒め言葉だ。もっと罵れ」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:10:22.27 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ。もういい時間だ。早く部屋に戻って寝ろ」

妹「まだセーブが出来ない」

兄「そのゲーム、フィールド上ならどこでもセーブが出来たはずだ」

妹「ちっ」

兄「舌打ちはダメだ。舌打ちをしたらいけない」

妹「なんで?」

兄「口調は人それぞれだが、舌打ちは万人を不快にする。故にダメだ」

妹「はいはい」

兄「セーブが出来たな。では、部屋に戻れ。兄は戸締りの確認をした後、部屋の電気を消して寝る」

妹「お休みなさい」

兄「お休みなさい」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:13:32.94 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、今日もお日様が昇ったぞ」

妹「まだ眠い……」

兄「それでも目を覚ませ」

妹「……うん」

兄「アイロンをかけた服は、机の上に置いたからな」

妹「……うん」

兄「朝食は食パンと、スクランブルエッグと、ちりめんじゃこサラダと、牛乳だ」

妹「……うん」

兄「今日は何曜日だ?」

妹「……うん」

兄「よし、待ってろ。今からこの部屋でくさやを焼いてやる」

妹「やめろ」

兄「おはよう」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:14:46.26 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、忘れ物はないな?」

妹「あるわけない」

兄「ハンカチは?」

妹「ある」

兄「ポケットティッシュは?」

妹「ある」

兄「宿題は?」

妹「しつこい」

兄「確か、今日は給食ではなく、弁当の日だったな」

妹「……」

兄「うっかり屋さんめ」

妹「うっさい」

兄「弁当はこれだ。ちゃんとナップサックに入れておけ。ランドセルには入らないだろうからな」

妹「ん」

兄「では、いってらっしゃい」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:16:04.35 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、学校から兄は帰って来た」

妹「ん」

兄「またゲームをしているのか? 目が悪くなるぞ」

妹「視力10.0」

兄「お前はどこの民族で育った?」

妹「我が家」

兄「うむ、その通りだ。やるな妹。一本取られたぞ」

妹「上手い事は言ってない」

兄「ふむ、言われてみればそうだな。ところで、宿題はやったのか?」

妹「授業中に終わらせてる」

兄「流石我が妹。この兄とは違ってよく出来てる。とても誇らしいぞ」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:16:54.47 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、それはそれとして報告がある」

妹「なに?」

兄「なんと、この兄に彼女が出来た」

妹「許さない」

兄「なぜだ?」

妹「すぐ別れろ」

兄「いや、こちらから申し出てすぐに別れるというのは……」

妹「ならケータイを貸せ。私が言う」

兄「……妹の頼みでもそれは聞けない」

妹「貸せ」

兄「そうだ、明日家に連れて来る。その時に彼女の素晴らしい人となりを知れ」

妹「死んでしまえ」

兄「……」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:18:07.48 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、夕食が出来たぞ。部屋に籠ってないで出て来い」

妹『……』

兄「なんと、今日もお前の好きな魚肉ハンバーグがあるぞ」

妹『……』

兄「お腹が減っただろ?」

妹『……』

兄「うむ、我ながらこの肉じゃがは中々の出来だ。芋がホクホクしている」

妹『……』

兄「このきんぴらゴボウも程よい辛さで白米が進む」

妹「……人の部屋の前の廊下に座って食うな」

兄「みっともない兄を見たくなければ、一緒にリビングで食うぞ」

妹「……うん」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:19:07.30 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、話とはなんだ?」

妹「私は彼女なんて認めない」

兄「それは悲しい。だが、彼女と会えば、すぐに納得してくれるはずだ」

妹「認めない。でも、会って話すくらいはしてやる」

兄「嬉しいぞ、妹よ」

妹「その上で、全否定してやる」

兄「少しくらい、認める努力を――」

妹「しない」

兄「……」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:21:18.12 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、今日は学校が終わったらすぐ帰るんだぞ」

妹「わかってる」

兄「この兄もなるべく早く帰ろう。無論、彼女を連れて」

妹「絶対」

兄「約束は必ず守ろう」

妹「当然。じゃないと、一晩考えた否定作文四百三十九枚が無駄になる」

兄「一晩で作文用紙四百枚以上も文字で埋められる才能を、肯定の方に回して欲しかった」

妹「無理」

兄「……」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:23:02.83 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、今帰ったぞ」

妹「おかえり」

女「お、お邪魔します」

妹「それが彼女?」

兄「それなんて失礼な言い方はするな。紹介する。女さんだ」

女「お、女です。初めまして」

妹「ふん、思ってたより地味な人」

兄「この口の悪いのが妹だ」

女「兄さんからお話は伺っています。本当に可愛い子ですね」

兄「自慢の妹だ」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:25:10.10 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、兄はお茶とお菓子を用意する。仲良くするように」

妹「いや」

兄「こんな妹だが、少しの間だけ相手をしてやって欲しい」

女「うん。わかりました」

兄「では、少し席を外す」

妹「……」

女「え、えっと、妹さんは来年中学生ですよね? 心配とかありますか?」

妹「そんな無駄話はいらない。単刀直入に最低限の質問をする」

女「は、はい。どうぞ」

妹「あんたはアレのどこが良いの?」

女「それはその……」

妹「言えない?」

女「い、言えます! 兄さんは、とても落ち着いてて、とても格好よくて……」

妹「ふーん。落ち着いてて格好がよければ誰とでも付き合うんだ」

女「そんな事ありません!」

妹「どうだか」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:26:19.58 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、たった数分で空気が重いぞ」

妹「誰のせいだと思う?」

女「……ごめんなさい」

兄「なぜ女さんが謝る。悪いのは全てこの兄のせいだ」

女「兄さん……」

妹「ふん」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:27:21.41 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、少し話してわかったと思うが、女さんは見た目通りふわふわしてる人だ」

妹「猫被ってるだけ」

兄「猫被ってるのはこの兄だ」

子猫「にゃー」

妹「……どこで拾って来た、その子猫」

女(そもそも、いつ頭の上に乗せたのでしょうか? 先程まで、手に持ってさえいなかったはずですが)

兄「可愛いだろ」

妹「可愛いけど……」

兄「抱いてみるか?」

妹「……ちょっとだけ」

兄「うむ、素直でよろしい」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:28:51.39 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、猫の抱き心地は良いか?」

妹「……まぁまぁ」

兄「では没収」

子猫「にゃー」

妹「あっ……」

兄「そんな顔をするな。次に、女さんに抱きついてみろ」

女「わ、私にですか!?」

妹「いや」

兄「この猫も可哀想に。妹が女さんに抱きつけば保健所に行かなくても済んだのだが……」

妹「卑怯者め」

兄「どうする?」

妹「……くっ。あんた、両手を広げて」

女「ば、ばっちこーい!」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:30:53.62 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、女さんの抱き心地はどうだ?」

妹「……」

兄「素直に言わなければ、この猫は……」

妹「……悪くない」

兄「良い点を五個あげなければ……当然、心からの言葉で」

妹「おっぱいがふかふか。良い匂い。温かい。落ち着く。心地良い。おっぱいが大きい」

女「そ、そんなに大きいかなぁ……?」

兄「一個多めに言うほど気に入ったようだ、女さん」

女「ふふっ、私も妹さんを抱きしめてて凄くいい気分です」

妹「……今だけ、頭撫でるのを許してやる」

女「ありがとうございます」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:32:41.04 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、改めて問おう。お前の中で女さんはどんな人になった?」

妹「抱き枕」

女「今晩、一緒に寝てあげましょうか?」

兄「それはダメだ。妹がいるとは言え、男の家に泊まるなど、女さんのご両親が心配する」

女「そうでした……残念です」

兄「代わりと言ってはなんだが、妹を連れて帰ってもいい」

女「本当ですか?」

妹「無理。絶対に無理。この家を離れて寝るなんて無理」

兄「どうしてもか?」

妹「どうしても」

兄「そうか」

女「あ、あの。今度の休日もお邪魔します。その時、妹さんとお昼寝をさせて貰えたら嬉しいです」

妹「そういう事で」

兄「わかった」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:34:04.97 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、格闘ゲームで女さんをタコ殴りにするのはどうかと思うぞ? 十戦して一度も攻撃を喰らわないほど」

妹「手加減するの苦手」

女「下手でごめんなさい……」

兄「ところで、女さん。妹を膝の上に乗せているが、平気か? 足は痺れていないか?」

女「大丈夫ですよ。妹さん、とても軽いですから」

妹「ふん」

兄「鼻を鳴らしながらも女さんから離れないほど気に入ったか。兄は嬉しいぞ。なぁ、猫」

子猫「にゃー」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:36:14.35 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、もう夕方だ。兄は女さんを送って来る」

妹「そんな必要はない」

兄「まだ言うか」

女「えっと、すぐ近くなので、別に送って頂かなくても……」

妹「家、どこ?」

女「このマンションの三階です」

妹「近っ。えっ? なんでそんなに近いの? 下の階じゃん」

兄「聞いて驚くな。女さんは数日前、偶然このマンションに引っ越して来たんだ」

女「家族と一緒にですけどね」

妹「嫌み妬み抜きで、送る必要はない」

兄「近かろうと遠かろうと、男が女性を送るのは義務だ。なにかあったらどうする」

妹「ウチと女さんの家との距離じゃ、絶対になにも起こらない」

女「初めて私の名前を口にしてくれましたね! ありがとうございます!」

妹「あっ……ニヤニヤすんな、馬鹿兄」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:38:33.34 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、女さんを送り終えたぞ」

妹「……」

兄「なぜ、リビングの隅で膝を抱えている?」

妹「……うっさい」

兄「ついうっかりとは言え、女さんの名前を口にするほど心を開いた事は、個人的にとても嬉しいのだが」

妹「一生の不覚」

兄「お前はまだ、十二年弱しか生きていない」

妹「十二年弱の不覚」

兄「それが正しい日本語なのか、馬鹿な兄にはわからん。お前はわかるか? 猫」

子猫「にゃー」

兄「うむ。妹の言葉なら大抵は正しいはずだった。猫に言われるまで気付かないとは、兄としてまだまだだな」

妹「子猫と会話すんな」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:39:48.61 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、休日とはいえ、早起きを怠るのはよくない」

妹「まだ寝かせろ……」

兄「仕方ない。猫ボディプレス」

子猫「にゃー」

妹「ぶふっ!」

兄「目が覚めたか?」

妹「おい、子猫を顔面に放るなんていい度胸だな」

兄「兄に手をあげるか。ご褒美だな。いくらでも殴れ」

妹「遠慮なく」

兄「ありがとうっふ!」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/15(月) 00:39:59.38 ID:jfc7wEde0
ギャ…ギャバ…
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:41:36.36 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、女さんが遊びに来たぞ」

女「妹さん、私が得意なゲームを持ってきました!」

妹「相手をしてやる。五体投地をして感謝しろ」

女「はい」

兄「本当にやろうとするな。しかもウチの玄関先で」

女「ご、ごめんなさい……」

妹「ちなみに、どんなゲームを持って来たの? 見せて」

女「はい」

妹「……トランプって」

兄「ゲームだな。テレビは使わないが」

女「普通のトランプじゃありませんよ? トランプ式の麻雀です!」

兄「……」

妹「……」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/07/15(月) 00:45:44.23 ID:KwFGouXa0
妹かわゆす^^

ジッパーおろした
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:50:14.09 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、兄は女さんを侮っていた」

妹「奇遇。私も同じ事を思った」

女「兄さん、それロンです。これで八連荘ですね」

兄「なんだ、この人の強さは」

妹「今回含めて、あがりが全部役満って……」

兄「飛びなしにしたのは失敗だった。終わる気がしない」

女「えへへ。運頼みの遊びは凄く強いんですよ、私」

妹「宝くじ買ったら大金持ち一直線の才能だよ」

女「どうなんでしょう? 親から、二十歳前に宝くじを買うと、ダメな人になるから止めなさいと言われていまして」

兄「若い内から金持ちになって金銭感覚を狂わすな、という意味だろう」

妹「よく出来たご両親だと思う」

女「自慢の両親です!」

兄「ただ、娘にトランプの麻雀を与えるのはどうかと思うがな。今更だが、妹もよくルールを知っていたな」

妹「兄の部屋にあった、哲と言う漫画とアカギと言う漫画を読んだ」

兄「なるほど」



32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:52:20.14 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、桃鉄で兄妹揃って借金塗れのところ悪いが、兄は少し抜けるぞ」

妹「まさか、始めて一年以内に桃太郎ランドを買われるとは……」

女「兄さん、どこかに出かけるのですか?」

兄「昼食を作る」

女「お手伝いをさせて下さい」

兄「女さんはお客さんだ。そんな事はさせられん。それより、ぶっとびカードで毎回ゴールするのを止めて下さい」

妹「おかしい。絶対にこのゲーム、バグってる」

女「なんか、すみません……あっ、またゴールしちゃいました」

妹「うがぁぁぁあ」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:54:54.97 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、悔しい気持ちはわかるが、飯を食え」

女「こ、今度は格闘ゲームをしましょう! やった事ありませんがRPGでも構いませんよ!」

妹「同情するな、小娘が」

兄「お前の方が小娘だ、妹。それより食うぞ。いただきます」

女「いただきます」

妹「……いただきます」

兄「手軽に素麺と天ぷら数種類にしたが、いかがだ?」

女「美味しいですよ。天ぷらもサクサクしてます。凄いですね。私、こんなに上手く揚げられませんよ」

妹「こんなもの、誰だって出来る。女さんに才能がないだけ」

兄「……ふむ、では妹。揚げてみるか?」

妹「……えっ?」

兄「材料なら心配するな。まだ多少残っている」

妹「……だ、誰にでも出来る事じゃなかった、かも」

女「仲の良い兄妹で羨ましいですね、子猫さん」

子猫「にゃー」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:56:56.39 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、腹を出して寝ると、この季節でも風邪をひくぞ。全く」

妹「すー……すー……」

女「ふふっ、気持ち良さそうに寝てますね」

兄「妹に抱きつかれたままで暑苦しくないか?」

女「いえいえ、そんな事はありません。むしろ、とても心地良いですよ」

兄「ならよかった」

女「話で聞いていた通り、本当に可愛い妹さんですね」

兄「こんな兄と兄妹でいる事が勿体ないくらいだ」

女「そんな事を言ったら駄目ですよ。妹さんが悲しんでしまいます」

兄「気を付けよう」

女「ところで、兄さんたちのご両親は? 休日なのに、お二人共お仕事なのですか?」

兄「二人は……」

女「二人は?」

兄「……」

女「えっ、あっ、ご、ごめんなさい……失礼な事を……」

兄「どこかで元気に暮らしてるはずだ。妹とは毎晩メールか電話をしてる」

女「紛らわしい雰囲気を醸し出さないで下さい!」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 00:58:27.14 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、女さんが大事な話をするそうだから、絶対に起きるな」

女「態々そう言わなくても……」

兄「で、話とは?」

女「ゲームでわかったと思いますが、私、運だけは凄く良いんです」

兄「ドン引きするくらいにな」

女「引かないで下さいよ……」

兄「それで?」

女「私、今この運に凄く感謝しています」

兄「どうしてだ?」

女「兄さんと出会う事が出来て、こうしてお付き合いをさせて頂けていますから」

兄「こちらこそ、ありがとう」

女「いえいえ。しかも、妹さんや子猫さんとも出会えました。本当に運が良かったのだと思います」

兄「人はそれを縁と呼ぶ、という言葉を耳にした事がある」

女「縁も運ですからね」

兄「縁と運か……」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 01:03:32.06 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、なんでお前は妹なんだ?」

女「ふふっ。なんですか、それ」

兄「女さんの話を聞いてふと思った。もし運がなく、妹が妹ではない状態で会っていたらどうなっていたのかと」

女「その時はきっと、私なんかより妹さんを選んでいたと思いますよ。こんなに愛らしいのですから」

兄「それはない。異性として愛するのは女さんだけだ」

女「えっ? え、えっと、その……きょ、恐縮です……」

兄「そもそも、来年大学生になる高校生が小学生に手を出したら犯罪だ」

女「それは数年後と言う脳内設定で補って下さい」

兄「……」

女「? どうしました?」

兄「……考えてみたが、やはり妹は妹としか思えん」

女「それでもこの子の事を、兄さんは愛しているのですよね?」

兄「無論だ」

女「なら、それで良いじゃありませんか。仮にお二人が兄妹ではない世界があったとしても、この世界では兄妹なのですから」

兄「正論だな」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 01:04:51.41 ID:NqO2x70H0
兄「妹よ、そろそろ起きろ。猫爆弾を投下するぞ?」

子猫「にゃー」

妹「やめろ」

女「おはようございます、妹さん」

妹「ん、おはよう」

兄「寝起きのところ悪いが、言いたい事がある」

妹「なに?」

兄「寝ぼけながら掴んだ兄の手を解放して欲しい」

妹「……お休み」

兄「行け、猫」

子猫「にゃー」

妹「ふごっ」

女「ふふっ」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 01:07:20.92 ID:NqO2x70H0
兄「猫爆弾を投下しても兄の手を離さない妹よ」

妹「なんだ、合図一つで私の顔に飛びかかるよう、子猫を躾けた兄よ」

兄「答え合わせをしようと思う」

妹「なんの?」

兄「愛とはなんだ?」

妹「またそれか」

兄「ちなみに、この兄の中では、すでに答えが出ている。が、妹であるお前の答えも知りたい」

妹「そんなの決まってる」

兄「では、それを教えて貰おう」

妹「……離したくないって思う事。今握ってる手も、抱きついてる女さんの事も、ついでに私の頭にしがみ付いてる子猫も、全部」

兄「俺も同じだよ、妹よ」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/07/15(月) 01:08:28.21 ID:NqO2x70H0
終わり

読んでくれた人、ありがと
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/15(月) 01:09:42.47 ID:6Fvq12Ieo
なんだかほっこりした、乙!
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/15(月) 02:10:52.21 ID:fMEQGMA0O
おつ
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/15(月) 06:50:15.83 ID:LhhcXUjAO
和んだ乙
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/15(月) 11:59:33.28 ID:DaLZ9C7SO
おつ 癒されたよ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/15(月) 12:04:05.96 ID:mpL6Bff5O
おつ
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/15(月) 19:56:50.41 ID:yBkGudIl0
ほっこり


46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/15(月) 22:55:31.63 ID:sjwSz6HSO
乙良かった
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/07/16(火) 14:26:45.16 ID:Hth3Wx5SO
良かった
乙乙
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