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商人「義賊?」盗賊「はい!」 -
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1 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/09(月) 18:00:12.14 ID:1jzpEnI60
商人「……で、その義賊さまがこんな道端でなにしてるの?」
盗賊「いえ……路銀が尽きまして……。あ、あなたすごい”くま”ですね。疲れてるんですか?」ピクッ、ピクッ
商人「これは素よ。ほっといて。それより、あんたの方がやばそうだけど?」
盗賊「す、すみませんが、なにか、食べ物を……」グゥゥゥゥ
商人「食用マンドラゴラならあるけど……」ゴソゴソ
盗賊「マ、マンドラゴラって食べられるんですか?」
商人「わりとおいしい」
SSWiki :
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:08:31.92 ID:A9RjOWcxo
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:56.06 ID:9l741hD4o
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:18.78 ID:XCIH42NJo
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:42.32 ID:sMr/Yf+to
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421202/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:47.30 ID:XCIH42NJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421087/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:05.72 ID:sMr/Yf+to
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421045/
2 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/09(月) 18:05:40.18 ID:1jzpEnI60
盗賊「はむ……あぐ……むぐ……」ガツガツ
商人「食べ方汚いなぁ……」
盗賊「あなたはテンション低めですね……」
商人「一応それ、商品だから」
盗賊「なんと! ならば、恩は返さないといけません」
盗賊「しかし、私にはお金がない。……そうだ!」
商人「……?」
盗賊「あなたの行商を手伝わせてください!」
商人「……まぁ、それなら……」
盗賊「契約成立ですね!」
盗賊「私は恩に報いるため、あなたについていきます!」
商人「……ま、いっか」
3 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/09(月) 18:12:56.01 ID:1jzpEnI60
盗賊「商人は、どんなものを売り歩いているんですか?」
商人「……野菜とか果物」
盗賊「あ〜、いいですよね。野菜に果物。健康にいいって聞きますし」
商人「食べるのは私じゃないけどね……」
盗賊「あ、そうですね……」
商人「うん……」
盗賊(話が続かない……)
商人(う〜む。話題が思い浮かばない……)
盗賊「そういえば、目下の目的地はどこですか?」
商人「北の村」
盗賊「北の村といえば、人参が……」ペラペラ
商人(連れてきたの失敗だったかなぁ……)
4 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/09(月) 18:22:32.38 ID:1jzpEnI60
<北の村>
北商人「こんにちは、儲かってますか? くたばれ」
商人「ぼちぼちです。くたばれ」
盗賊「な、なんですか、今の挨拶」
商人「商人は敵同士。互いに潰しあいたいから、本音が出るのは必然なのよ」
盗賊「そ……そういうものなんでしょうか?」
商人「そんなことより、取引相手のところに行くわ」
盗賊「あ、はい!」
5 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/09(月) 18:31:05.53 ID:1jzpEnI60
商人「こんにちは」
男「お待ちしておりました。商人さん。はは、今日も麗しい」
商人「あ、そういうのいいんで、巻きでお願いします」
男「はい……」
盗賊「すごく……ドライです」
男「ええと、今回の品は食用マンドラゴラ。葡萄苺他、十二品目ですね?」
商人「はい……」
男「いや〜、なかなかね。商人さんの品はどこよりも素晴らしいんですが、その……値段がですね?」
商人「嫌なら、他をあたりますけど?」
男「い、いえいえ、滅相もない! 我が食堂で使用させていただきますとも!」
商人「交渉成立ですね」
盗賊(すごい強引ですね……)
6 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/09(月) 20:46:14.45 ID:1jzpEnI60
商人「あとは……ここで得たお金を妹たちに……」
盗賊「妹さんがいるんですか?」
商人「うん。四人。うちは、両親いないから、私が養っていかないと……」
盗賊「……」ブルブル
商人「盗賊?」
盗賊「感動しました! 妹のために一生懸命働く姉! なんと素晴らしいことでしょうか! あ、小銭落ちてる」
商人「……落ち着きなさいよ」ジトー
盗賊「あ……あはは。お、お見苦しいところを……」
商人(私に食べ物もらったのは見苦しくないのかなぁ?)
7 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 07:04:42.05 ID:jdLJcunH0
盗賊「商人の家は、どこにあるんですか?」
商人「西の町」
盗賊「そこはあんまり詳しくないです、私!」
商人(詳しかったら、なんだったんだろう)
商人「……マンドラゴラ畑があるわ」
盗賊「へー! 阿鼻叫喚な感じになりそうですね!」
商人「まぁね」
盗賊「では、しゅっぱ〜つ!」
商人「あれ? あんたが指揮とるの?」
8 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 07:35:38.68 ID:jdLJcunH0
商人「あ、あれなんだろう?」
キノコ「赤いぜ!」ズォォォオォ
盗賊「ああ、これは紅天狗ですね。猛毒ですよ」
商人「なんだ、売り物にならないのか」
盗賊(この子の判断基準はそれだけなんでしょうか……)
少女の声「いやー! 離して!!」
貴族「へっへっへっ! てめーら平民は俺たち貴族の慰みものになってりゃいいんだよ!」
取り巻き「ほっほっほ」
商人「……!」
盗賊「待ちなさい!」
商人「あ……」
9 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/10(火) 11:44:47.12 ID:Ohy7s9ISO
ふむ
10 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 17:01:16.29 ID:jdLJcunH0
貴族「なんだぁ、てめぇは!? 面妖なお面しやがって!」
少女「お面の人……」
商人「お面? ……あ、いつの間に」
盗賊「ふん! 悪党に名乗る名前などありません!」オメーン
貴族「悪党だぁ? おいおい、貴族にそんなこと言って、許されると思ってんのかよ!」
商人「許されないのは、あなたたちの方よ」
貴族「あ?」
盗賊「商人?」
商人「そんな小さい子を寄ってたかっていじめるやつらが、悪党じゃなくてなんだって言うのよ!」
貴族「くく、面白れぇ! 野郎ども、やっちまいな!」
取り巻き「はっ!」
商人「待っててね、すぐ助けてあげる」ニコ
少女「う……うん」ポッ
11 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 17:26:37.93 ID:jdLJcunH0
商人「……」チラ
盗賊「……? (……ああ、なるほど)」コク
商人「行くわ」スチャ
取り巻き「ふはは! 我等に勝てるとで……」
商人「うるさい」ヒュッ
取り巻き「は、速い! ぐぁぁ!!」ブシュッ
商人「次!」
取り巻き「お、女に遅れを取るなぁ!」
商人「時代遅れな連中ね」
商人「風 塵 壁!」ゴォォォォォォォ!!
取り巻き「こいつ、魔法まで! ぬぉわぁぁぁ!!」ヒュゥゥウゥ!!
商人「……」ギロ
貴族「ふ、ふふふ、な、なかなかやるようだな。だが、これはどうだ!」スチャッ
少女「ひっ!」
商人「女の子人質にとれないと戦えないとか、哀れな人ね」
貴族「な、なんとでも言え! 口でなんと言おうと、俺の有利はかわらない!」
商人「はぁ……」
12 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 17:31:41.53 ID:jdLJcunH0
貴族「どうした、観念したのか?」
商人「逆よ。気づかない?」
盗賊「な〜んで、私目立てなかったんでしょうね?」ゴリッ
貴族「お面やろう!」
盗賊「野郎じゃないです。……その子を話しなさい。さもなければ、私の銃弾があなたを貫きますよ」
貴族「くっ!」バッ
商人「こっちに来て!」
少女「う……うん」タタタ
商人「よしよし、もう大丈夫(この子、よく見たら角が生えてる。魔族?)」ギュッ
盗賊「ま、そういうことです」
13 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 18:00:34.01 ID:jdLJcunH0
盗賊「で、これからどうするんです?」
商人「そいつふんじばって、森の中にでも捨てましょうか」
盗賊「物騒ですが、いい提案です。まぁ、私もそういう心得はあります。はっ!」
貴族「なっ!? 近場の木が蠢いて!?」
盗賊「土魔法には、そういった系統のものもあります」
木「……」ヒュンッ
貴族「ぐぇっ!!」
盗賊「さて……ここからは早く逃げた方がいいですね」
少女「どーして?」ダキッ
商人「〜〜!!」ドキドキ
盗賊「悪徳貴族は別の組織と繋がってたりしますから。ただし、もらうものは頂いて……って商人、どうしたんですか?」
商人「な……なんでもない」カァァ
少女「お姉ちゃん、どきどき?」
商人「え?」キュン
盗賊「はいはい、行きますよ」
商人「う……うん」
盗賊(ツッコミがない……さびしい)
14 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 18:19:10.33 ID:jdLJcunH0
盗賊「有り金はす〜べていただいて〜っと」ゴソゴソ
盗賊「ふふふ。一割は私のものに……」
商人「義賊じゃなかったの?」
盗賊「お、調子が戻ってきたみたいですね。……ふふふ、甘いですね」
少女「?」
盗賊「義賊と言えども、私生活があるんです!」パカッ
商人「まぁ、そうね」
盗賊「あ、はい。(……仮面とって大振りアクションまでしたのに、反応が薄い……)」
商人「あなた、お家は?」
少女「お家、ないの。悪い人に焼かれちゃった……」
15 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 18:57:23.30 ID:jdLJcunH0
商人「……私の家に来なさい」
少女「え?」
商人「私があなたを養ってあげる」
少女「いいの?」
商人「似たような子、いっぱいいるから」
少女「煮たような子?」
商人「うん。みんな家も、親もいないの。……大丈夫。大人になるまでは私が養ってあげるから、ね?」
少女「う……うん」コクッ
盗賊「なんか、私より義賊っぽいです……」
商人「……盗賊も、少しは見直したよ」
盗賊「ああ、、やっぱり最初の評価悪かったんですね。とっ、早くここから離れましょう!」
商人「うん」カカエ
少女「うわ!?」
商人「あ……ごめん。でも、私が抱えて走るからね」
少女「うん」
盗賊(商人は子供相手には優しい顔を見せますね……)
16 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 19:37:10.75 ID:jdLJcunH0
盗賊「はっ! まさかロリコン!?」タタタ
少女「ろりこん?」
商人「なにそれ?」タタタ
盗賊「え? 少女は予想できてましたけど、商人も知らないんですか?」タタタ
商人「知らない」
少女「知らな〜い」
盗賊(案外、商人は純情な子なのかも……)
盗賊「……とっ、ここまでくれば大丈夫でしょう」キュッ
商人「じゃあ、あとは私の家に向かおう」
少女「むかう〜!」
盗賊(すっかりなついてる。はっ! 天然たらし! ……いや、私が汚れすぎなだけですね)
17 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 20:42:59.40 ID:jdLJcunH0
盗賊「おや? この道端に見えるのはもしや?」
マンドラゴラ「ゴルァ!!」ジー
商人「うん。マンドラゴラ。少女、危ないから目を合わせちゃダメだよ?」
少女「え?」ズボッ
マンドラゴラ「ギャァァァァア!!」
少女「うわ、すごい声!」キィィィィィン
商人「盗賊、大丈夫?」キィィィィィン
盗賊「な、なんであなたたち平気そうなんですか……?」ビクッビクン!
商人「慣れてるから」
少女「わたしはね、たいせーがあるんだって」
盗賊「そ、そうですか……」ビクンビクン
18 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/10(火) 20:54:27.45 ID:jdLJcunH0
少女「あ……でも、二人とも、魔族は嫌い?」
商人「私をあんなやつらと一緒にしないでよ。あなたの種族なんか関係ないわ。困っている子がいたら、助ける」ニコッ
少女(かっこいい……)
盗賊「私は、前から魔族の友人がいますよ」
商人「あんた、意外と交友関係広いのね……」
盗賊「意外とはなんですか、意外とは」
少女「あはは」
盗賊「その子は今は連絡取れませんけどね。ま、生きていればまた会えるでしょう」
少女「とーぞく、前向き」
盗賊「人間、前向きが一番です」ナデナデ
少女「ん……」タタ
盗賊「あ……」
少女「おねーちゃん、あれやって、とーぞくがやったの」
商人「あ、頭撫でればいいの?」ドキドキ
盗賊「はは、ふられましたか」
商人「……」ナデナデ
少女「気持ちいい」
商人「それはよかった」
盗賊「ま、よしとしましょう」
19 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/11(水) 16:06:43.85 ID:5/UK20yZ0
盗賊「しかし……私は仮面をしていて身元が割れていないのですが、少女と商人は顔を知られてしまいましたね」
商人「追ってが来るかもしれない……ってこと?」
少女「こわい人たち……」ブルブル
商人「大丈夫、お姉ちゃんがついてる」ナデナデ
盗賊「しかし、そうなった場合どうするんですか?」
商人「その時考えるわ」
盗賊「商人って、意外と楽天家ですよね」
商人「あんたに言われたくはない」
少女「ないー」
盗賊「うう……少女の無邪気さが私を傷つける……」
20 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/11(水) 20:30:28.47 ID:5/UK20yZ0
盗賊「まったく、名誉毀損です! 訴えますよ?」
商人「……」
盗賊「ど、どうしたんですか?」
商人「あんた、それでも義賊よね?」
盗賊「そうですけど?」
商人「なら、あんたを役所に突き出せばお金がもらえるんじゃ……」
盗賊「うわぁ! すごくドライな関係! 悪魔ですか!?」
商人「いや、元々そんな深い関係でもないし……」
盗賊「ひぃ!」
商人「ま、冗談よ。あんた捕まえさせても、その後あんたが夢で襲ってきそうだし」
盗賊「私のことなんだと思ってるんですか……」
21 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/12(木) 07:09:39.74 ID:G5prKSP00
盗賊「あーもういーですよーだ! 貴族の館荒らしに行きますー!」
商人「いや、そんなすねなくても……。……あ、でもいいわね、それ」
盗賊「取引相手の危機が起きてもなにも感じないなんて、商人は行商人としては失格みたいですね」
商人「あんた、もしかして、商人が全部悪徳貴族やら領主とつながってると思ってるの?」
盗賊「違うんですか?」
商人「違う」
少女「ちがうー」
商人「それに、人間失格になるくらいなら、行商人失格でもいいわ」
盗賊「商人、かっこいいです……。少女が惚れるのもわかりますね」
少女「……!」ドキッ
商人「え? なんのこと?」
少女「むぅ……」ガスッ
商人「いたっ! 少女、すね蹴らないでよ……」
盗賊(すごく鈍感ですね……)
22 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/12(木) 07:13:38.37 ID:G5prKSP00
商人「あ、でも少女を送り届けてからじゃないと……」
少女「おねーちゃんと一緒がいー!」ギュッ
商人「でも、またあの怖い人たちに会っちゃうかもしれないんだよ?」
少女「……」ビクッ!
少女「お、おねーちゃんがいるから大丈夫。あととーぞくも!」
盗賊「わ、私も数に入っているんですか?」
少女「うん! おねーちゃんもとーぞくも、すっごく強いから!」
商人「ちょっと、照れくさいなぁ……」モジモジ
盗賊「わっかりました! そういうことならこの盗賊! しっかりと期待に答えましょう!」
23 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/12(木) 21:56:29.31 ID:G5prKSP00
<???>
大貴族「……娘を逃がしたと?」
貴族「は……はい……」
大貴族「ふむ、今日のワシは機嫌がいい。お前とは別のルートで二人も娘を手に入れた」スチャッ
貴族「は……はぁ……。大貴族さま、それは?」
大貴族「む? ああ、これは写真というらしい。一瞬を一枚の紙に記録するそうだ」レロォ
貴族(うわっ、キモ)ヒキッ
大貴族「ふん。いつワシの気が変わるか知れん。とっとと失せろ!」
貴族「はっ、はい!」ソソクサ
大貴族「ふむ。なるほど、この娘もなかなか……」レロ…レロォ
24 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/13(金) 06:35:47.55 ID:WvDuiw200
商人「路銀は……行商しながら稼ぐとして……しょうがない、配達業者に頼むかなぁ……」
盗賊「配達業者?」
商人「知らないの?」
少女「しらなーい」
商人「いや……少女は仕方ないけどさ」
盗賊「私は仕方なくないんですか?」
商人「……簡単に言えば、荷物を本人の代わりに届けてくれる人よ。色々手続きが面倒だから頼りたくはないけどね」
盗賊(あ、スルーされた)
少女「ごめん……」
少女「少女は気にしなくていいのよ」ナデナデ
盗賊(むぅ……。撫でるのがすっかり板についてますね。というか、初めから慣れた動きだったような……)
盗賊「さすがに、四人の妹がいると貫禄があるということでしょうか」
商人「?」
盗賊「いえ、なんでもありません」
25 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/14(土) 05:43:53.05 ID:SnJRQcC20
<町>
配達業者「では……、西の村までですね?」
商人「はい。よろしくお願いします」
配達業者「かしこまりました!」タタッ
商人「ふぅ。後は、あの貴族の大元を探るだけね。でも、どうやって?」
盗賊「ふふふ。私を侮ってはいけません! ここらへんの悪徳者のことなど、すでに調べ尽くしています!!」
少女「わー、とーぞく、すごい?」パチパチパチ
盗賊「そうです。私はすごいんです! もっと褒めてください!」
商人「そういうのはいいから、話進めてよ」
盗賊「商人、やっぱり冷たいです……」シクシク
少女「とーぞく、きっといいことあるよ」ポンポン
盗賊「うう……。ありがとうございます。少女は優しいですね」ズビー
商人(小さい子に慰められる義賊……)
26 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/14(土) 08:04:10.71 ID:SnJRQcC20
盗賊「ま、ともかくですよ? 場所はわかっているということです」
商人「じゃあ、さっそく殴り込みに……」
盗賊「ダメです」ガシ
商人「……なんでよ?」ムッ
少女「なんで〜?」
盗賊「昼間は警備が厳重です。夜に行くのがいいでしょう」
商人「なるほど……」
盗賊「それまでは、どこぞの宿で時間を潰しましょう」
商人「了解」
少女「りょーかい」
商人(なんだか私たち、少女に悪影響を与えているような……)
27 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/14(土) 09:44:25.93 ID:kYmBthyTO
盗賊も商人も女でおk?
28 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/14(土) 16:59:45.71 ID:SnJRQcC20
>>28
おっけい!(ずどん)
29 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/14(土) 20:12:08.59 ID:RZ7+4aaGo
自爆した!!
>>1
が自爆したよ商人ちゃん!!おくすり!!!!
30 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/14(土) 20:31:58.44 ID:SnJRQcC20
<宿>
商人「……」ゾゴゴゴゴ
受付「え、えっと大人二名、子供一名でよろしいでしょうか?」
盗賊「はい、お願いします」
少女「……」ゾゴゴゴゴ
受付「で、ではどうぞごゆっくり……」
盗賊「ありがとうございます」
商人「……」スタスタスタ
少女「……」スタスタスタ
受付「は、般若面?」
31 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/14(土) 20:36:25.05 ID:SnJRQcC20
<部屋>
商人「ぷはっ」カポッ
少女「ぷはぁ」カポッ
盗賊「ふぅ。バレずに済みましたね」
商人「盗賊、もっとマシなチョイスなかったの?」
盗賊「あいにく、持ち合わせがそれしかなくて……」
商人「かえって怪しまれた気がするけど……」
少女「はんにゃ、あやしい?」
盗賊「大丈夫です! 怪しまれても、正体がバレなきゃいいんですよ!」
商人「……そうだけどさぁ」
盗賊「つべこべ言わずに寝なさい!」
商人・少女「は〜い」
32 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/15(日) 07:17:09.20 ID:B2OJA0x30
少女「……」スピー
商人「やっぱり、子どもは寝るのが早いわね」
盗賊「健康的です」
商人「ねぇ、盗賊?」
盗賊「なんですか?」
商人「少女は連れてかない方がいいんじゃ……」
盗賊「心配なのはわかりますが、一人にしておいた方が危険ということもあります。結果的には連れて行った方が安全でしょう」
商人「……うん。ところでさ」
盗賊「今度はなんですか? そろそろ私も寝ますよ?」
商人「義賊って言っても、あんたは無職よね」
盗賊「それは言わないお約束です……」
33 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/15(日) 18:44:00.47 ID:B2OJA0x30
<朝>
受付「さくばんはおたのしみでしたね」
盗賊「誤解を招くようなことは言わないでください」
商人「楽しいこととかする前に寝ちゃったけど……」
少女「うん。すぐにねた〜」
盗賊「いや、そういう意味じゃ……ま、いっか」
受付「では、ご利用ありがとうございました(二度と来るな!)」
盗賊「はい。またいつか!」
受付(またいつかじゃねぇよ)
34 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/15(日) 20:46:53.55 ID:B2OJA0x30
商人「……盗賊、まだ般若面つけてないといけないの?」
盗賊「当然です! バレたら元も子もありません!」
商人「その理論だと、私と少女は一生これつけてないといけなくなるんだけど……」
少女「やだ〜!」
盗賊「それは……仕方なかったと思うしかないんです」
商人「私も絶対やだ」
盗賊「それはともかく、さっそく貴族のところへ潜入しましょう!」
商人(盗賊って、なんでついてきたんだっけ……)
35 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/16(月) 00:20:11.84 ID:O5IDm/Cdo
乙でした
36 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/16(月) 07:29:11.41 ID:im4tZhuc0
間違えたよ。朝じゃなかった、夜だった。
37 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 07:01:39.06 ID:Gpi6JMwP0
<郊外の森>
盗賊「あそこから見えるでっかい建物が、貴族の居場所です」スッ
少女「みえな〜い」キョロキョロ
商人「ああ、少女はまだ、夜目が効かないのね……」
盗賊「私も商人も、旅をしていると、夜を過ごすのは必然になりますからね……」
商人「ねぇ、少女、おなかすかない?」
少女「すいた〜」
盗賊「夜食は感心しませんよ?」
商人「まぁ、ちょっとだけよ。おなか減って動けません、じゃ洒落ににならないでしょ?」
盗賊「まぁ、それも、一理ありますね」
商人「じゃ、ごはんたべよっか」
少女「わ〜い!」
38 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 07:08:14.27 ID:Gpi6JMwP0
商人「はい、できたよ。受け取って」ホカホカ
盗賊・少女「は〜い!」
盗賊「さすがにできたては熱いですね」
少女「あつい……」
商人「ゆっくり、冷ましてからでいいよ」
盗賊「しかし、商人って、なんかそっち系のキャラだと思ってたから、料理できるのって意外です」
商人「そりゃあ、一人旅してるんだから、できるようにもなるでしょ。あんたもそうなんじゃないの?」
盗賊「いや〜、私は悪徳者からくすねた金の一部で生活してますから」アハハ
商人「おい、義賊……」
39 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 07:27:32.88 ID:Gpi6JMwP0
商人「……」トッ、トッ
盗賊「商人。なんですかこれ?」
商人「ん? ああ、私が旅の途中で作った調味料。味は保証するよ」
盗賊「つまり、おいしいってことですね!?」
少女「おいしい〜!」ガツガツ
商人「ああ、ダメだよ、いただきます言ってからじゃないと、あと、もう少しきれいに食べた方が……」
盗賊(いやぁ、お姉ちゃんですねぇ)ホクホク
商人「……」
40 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 07:59:48.27 ID:Gpi6JMwP0
商人「ごちそうさまでした。ほら、少女も」
少女「ごちそうさまでした?」
商人「うん。そうそう。よくできました」ナデナデ
少女「えへへ」
盗賊「私も、ごちそうさまでした」
商人「うん……」
盗賊「どうしたんですか? 暗い顔して……」
商人「盗賊、少女、ごめんね」
少女「え?」
盗賊「あれ……なんか、体が痺れて……」ピリピリ
少女「わ、わたしも……」ピリピリ
商人「……行ってくる」
盗賊「しょ、商人。待ちなさ……い」
少女「おねえ……ちゃ」
商人「そこは、誰にも見つからないと思うから……」タッ
41 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 08:00:41.74 ID:Gpi6JMwP0
出かける!
42 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/17(火) 09:10:03.52 ID:UrnyEGWSO
乙
期待
43 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/17(火) 09:55:21.76 ID:w7D4b2Wbo
乙でした
44 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/17(火) 11:42:59.67 ID:cJtiNv5jo
乙
45 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 16:39:55.55 ID:Gpi6JMwP0
<貴族の館・周辺>
商人(見張りは……それなりってとこね)
商人「なら……飛行魔法」ボソッ
商人「上から行けば、外に見張りがいようと関係ないわ。ちょうど暗くて見えないだろうし……」フワフワ
商人「……。一応、大丈夫だとは思うけど、あの二人になにかないか心配だなぁ」フワフワ
商人「よし、屋上に到着!」トッ
46 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 16:42:46.53 ID:Gpi6JMwP0
商人「うん、さすがに階段くらいはあるよね……」
商人「あんまり、こういう手は使いたくないんだけど……」
商人「風に、眠たくなる粉を乗せてっと……」ヒュォォォ
商人「……」タッタッタッ
兵士「……ぐー」スピー
商人「よし、眠ってる……」
47 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 16:46:05.11 ID:Gpi6JMwP0
商人「無計画に来ちゃったけど、貴族はどこにいるんだろ?」スタスタスタ
商人「……。うわ、なんか落ちた!?」ガタッ
商人「とぉ!」ガシ
商人「ふぅ〜、セーフ。でも、なにこれ、水晶?」
水晶「……」ジー
商人「ま、よくわかんないけど、戻しとこ」コトッ
48 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 16:56:13.47 ID:Gpi6JMwP0
<郊外>
盗賊「しょう……にん、早まっちゃいけません」タンッ!
盗賊「あぐっ!」
少女「とーぞく!?」
盗賊「これくらいどうってことないです……。私は、これから、商人のところに向かいます」
盗賊「あなたはどうしますか、少女?」
少女「いく! いかなきゃいけないの!」
盗賊「決まりですね」ガシッ
少女「とーぞく?」
盗賊「抱えて走ります。なぁに、商人ほどじゃないにしろ、体力には自信がありますよ」ニコッ
少女「うん!」
49 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 17:29:39.40 ID:Gpi6JMwP0
商人(それらしい部屋があった……)コソッ
貴族「ええ、まだ捜索中でして……」
商人(貴族の声! ……誰かと話してる?)
大貴族「ふん、この娘どもも、いつ飽きてしまうかわからん。とっとと連れ戻して来い」
貴族「はっ、はい!」
商人(この娘ども? ……誰かいるの?)
貴族「まったく、……大貴族さまは……」ブツブツ
商人(貴族の声……近づいて来てる……」
貴族「……」ガチャ
貴族「ん? 誰か……ふぐ!」
商人「動かないで」パタン
商人「動くと命はないわ、OK?」チャッ
貴族「……」コクコク
50 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 17:36:20.00 ID:Gpi6JMwP0
大貴族「だれぞ、おるのか?」
商人(なんとなく、人質が有効なタイプとは思えないけど……)
大貴族「だれぞ、おるのかと聞いておる!」
商人「……」ガチャ
大貴族「ほ〜う。面妖なものをつけおって……」ジロジロ
商人「明らかに視線が私の方を向いてないけど?」
魔少女「……」プルプル
魔翌幼女「……」プルプル
大貴族「ふはは、怪しげなものより、男は華を好むということよ!」
51 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 17:56:58.91 ID:Gpi6JMwP0
商人「その子たちを、どこかに売り飛ばすの?」
大貴族「ふはは! 察しがいいではないか、と言いたいところだが、少し違うな……」
貴族「ん〜! ん〜!」
商人「あんたは黙ってて」トッ
貴族「んぐっ!」ガクッ
大貴族「ほぉう? 人質をあっさり解放したな?」
商人「人質とって止まるタイプでもないんでしょう?」
大貴族「ふはは! まぁな!!」
商人「で、その子たちをどうするつもりよ」
大貴族「くくく……仮面越しでも怒りが伝わってくるな……」
52 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 20:25:22.37 ID:Gpi6JMwP0
大貴族「魔族が人間と比べ、力が強い、とうことを知っているか?」
商人「まぁ、この世界の一般教養ね……」
大貴族「そうだ。だが、そんな魔族でも、人間に力で及ばぬ時がある」
商人「子どもの時……」
大貴族「ふふ。面妖な被り物をしているわりには、察しが早いではないか……」
商人「好きでつけてるんじゃないわ」
大貴族「ともかく、その子どもの時に、”しつけ”を済ませておくのだよ。逆らえないようにな」グィッ
魔翌幼女「あう!」
商人「あんた!」
大貴族「きさまの相手は、わしではない……」
53 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 20:31:56.70 ID:Gpi6JMwP0
魔少女「……」ザッ
大貴族「この娘が相手よ。貴様も、娘が相手では手を出せまい?」
商人「……卑怯者!」
大貴族「そう呼ばれるのは、実に気分がいい」
大貴族「自分が相手より優位に立っていると、認識させてくれる! やれ!」ギョロッ
魔少女「ひっ! ご、ごめんなさい……」ドゴッ
商人「うぐっ……」ガクッ
大貴族「そして、その娘は魔族。子どもとはいえ、無抵抗の相手を制することくらいはできる」
魔少女「……」ドゴッ
商人「あう……」ガクッ
大貴族「ふふふ。正義ごっこのあしらい方とは、こうするものなのだ」ニマァ
商人「あ……」ドサッ
54 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 20:42:02.44 ID:Gpi6JMwP0
――
商人「う……」ボーッ
大貴族「くく……目が覚めたか?」
商人「あんたは!」ジャラッ
商人(鎖? 般若面も外されてる……)
大貴族「ふふ、勇ましいことよ。もう少し大人しければ売り物になったものを……」
大貴族「いや、これから売り物にすればいいだけか……」スチャッ
商人「その水晶は……」
大貴族「ん? ああ、これか? 映像記録水晶といってな、その名の通り、映像をその身に記録する水晶だ」
商人「それで、どんな映像を記録するつもり?」
大貴族「ははは、現実から目を背けるなよ?」バシィ!
商人「……」ビリビリビリ
大貴族「わしの平手ごときでは声ひとつあげぬか」
大貴族「貴様は顔だちはいい。その顔立ちに悲鳴をそえれば、美しくなると思うのだがな」
商人「全てがあんたの思惑通りにいくとでも?」
大貴族「わしは今までいかせてきた。貴族! 手伝え!」
貴族「はい!」
55 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 20:48:30.01 ID:Gpi6JMwP0
大貴族「まぁ、つまりは、そういうことだ」ヌッ
貴族「ははは、大貴族さまにたてついたお前が悪いんだ。大人しくしな」ヌッ
商人(やだ……。怖いよ……)ジワ
盗賊「そこまでです!」バンッ
少女「です!」ババンッ
商人「盗賊、少女!? どうして!?」
盗賊「どうしてもなにも、一人で無茶する馬鹿な子を助けに来たんですよ」
少女「おねーちゃんいなくなったらかなしい!」
大貴族「お仲間が増えたか、構わん。魔少女、やれ!」
魔少女「はい……」ビクッ
56 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 20:59:05.15 ID:Gpi6JMwP0
少女「……」ゴゴゴゴゴ
魔少女「……」ビクッ
魔翌幼女「……」ガクガク
貴族「あ、あの娘が昼間のです……。面妖な被り物をしていますが……」ボソッ
大貴族「ふむ……」
盗賊「……なるほど、だいたい事情は飲み込めました。商人がそんなことになってるのは、そういうことでしたか」
大貴族「わかってなんになる? この小娘と貴様らが同類な以上、どの道、貴様らもこうなる」グリッ
商人「あぐっ……」
盗賊「はぁ……私は商人と違って、甘やかす主義はないんですよ。そ・れ・に……」
少女「……おじさん、おねーちゃんいじめた!」スッ
大貴族「なっ!? こいつ、いつの間に懐に!? 魔少女はなにをしている!?」
盗賊「あ〜、怖いですねぇ。あなたの恐怖なんかより、もっと上の恐怖を感じたのでしょう」
魔少女「あ、あう……」ガクガク
魔翌幼女「ひっ……」ガクガク
盗賊「よーするに、です。あなたは、開けてはならぬものを開けてしまったのですよ」
少女「……」ギュム
大貴族「な、なにを……」
少女「ふん!」ブチィ!
大貴族「ひ、ひぎぃぃぃぃ!!」
57 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/17(火) 21:07:44.94 ID:Gpi6JMwP0
貴族「な、なぜ! 昼間は些細な抵抗しかしなかったこいつが!」
盗賊「恐怖なんて、さらに大きな希望の前では、無力なんですよ?」スッ
盗賊「まったく、あなたはこんな無茶して……一人で危険な目に遭って……」ガチャガチャ
商人「ごめん……」
盗賊「取れました……」パキッ
盗賊「こういう時に……言う言葉は……ごめんじゃないですよぉ……」ボロボロ
少女「おねーちゃんがぶじなら、それでいいよ!」
商人「うん。盗賊、少女。……ありがと」
貴族「ひっ、ひぃ!」
盗賊「……逃がしませんよ」
商人「うん、そうだね」スッ
商人「私は甘いけど、あんた相手なら、気兼ねなくやれる!」ガッ
貴族「あごっ!」ドサッ
商人「……あなたたちはどうするの?」
魔少女「え?」ビクッ
魔翌幼女「私たち?」
58 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/18(水) 00:02:51.58 ID:0eXx9tXn0
商人「あなたたちを縛るものは、もうなくなったわ」
盗賊「う〜む。私は面倒見きれませんね」
魔少女「私たち、行く場所がない……」
商人「んじゃ、決まりね」
魔翌幼女「え?」
商人「私の家は、魔族でも人間でも大歓迎! あなたたちが大人になるまでは、私が養ってあげる!」
少女「わ〜い!」
魔少女「で、でも……」チラッ
大貴族「……」ビクッ、ビクッ
貴族「……」シーン
商人「ああ、そいつらなら大丈夫」スッ
盗賊「それは?」
59 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/18(水) 00:07:20.37 ID:0eXx9tXn0
商人「映像記録水晶って言ってたわ。映像を記録するんだって」
盗賊「まんまですね……。あ、それって!」
商人「そ。あとで修正入れるつもりだったか知らないけど、こいつらの悪事は全部この中に入ってるわ」
盗賊「では、商人がそれをこいつらと一緒に届ければ……」
商人「全部解決ってこと」
商人「じゃ、改めて、どうする?」クルッ
魔少女「ふ、ふつつかものですが……」
魔翌幼女「よろしくおねがいします」
盗賊「その言い方は誤解を招きかねないですね……」
60 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/18(水) 00:14:40.71 ID:0eXx9tXn0
――
<西の村>
盗賊「ふぃ〜、後始末も全部終わりましたね〜」
商人「盗賊はさ、これからどうするの?」
盗賊「そうですね……義賊をやっていても厳しい気がしますし、ここは警察にでもなりますか!」
商人「ぶふっ!」ブッ
盗賊「わ、笑わないでくださいよ……」
商人「いや、笑いたくもなるでしょ。似合わないって」
盗賊「言いましたね!? 私が警察になったら、なにかおごってくださいよ?」
商人「おっけー、おっけー」
盗賊「似合わないついでに言いますが、私は、そう遠くないうちに、魔族と人間が肩を並べて笑い合える日が来ると思うんですよ」
商人「それは、あんたらしいわ。来たらいいわね」
盗賊「否定しないんですね」
商人「私も、そんな世界が来てほしい、だから否定しないわ」
盗賊「あ、そうそう。商人」
商人「なに?」
盗賊「”くま”、とれてますよ?」
61 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/18(水) 00:19:37.29 ID:0eXx9tXn0
数年後、商人は世界を救う勇者パーティの一員となり、盗賊もそれに手を貸す形になるが、それはまた別のお話。
今、魔族と人間の少女たちが一人の姉の元、仲良く暮らしている。
それが世界中で起こることになるのを、まだ誰も知らない。
おわり
どっかで書いたSSに続くかもしれない話。
62 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/18(水) 00:24:28.93 ID:4WA2LVCto
さあそれを教えるのだ
63 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/18(水) 00:29:19.02 ID:0eXx9tXn0
>>62
女勇者「魔王だけど勇者になってみた」
後半微妙になってますが……
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