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安価でSSを書く - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/09/22(日) 16:31:21.20 ID:2LQWz22w0

地の文ありです。二次創作、エログロはなしの方向で

テーマ >>2



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パンティ「ガーターベルト大丈夫かー」ストッキング「血が止まらないわー」 @ 2025/07/26(土) 02:27:49.65 ID:OmgbeFOdO
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うんち @ 2025/07/25(金) 23:18:36.55 ID:tsEvWZe2o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753453115/

天龍「イキスギィ!イクイク!ンアーッ!枕がデカすぎる!」加賀「やめなさい」 @ 2025/07/25(金) 19:40:58.85 ID:LGalAgLLo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1753440058/

(安価&コンマ)コードギアス 薄明の者 @ 2025/07/23(水) 22:31:03.79 ID:7O97aVFy0
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ご褒美にはチョコレート @ 2025/07/23(水) 21:57:52.36 ID:DdkKPHpQ0
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ビーノどっさりパック @ 2025/07/23(水) 20:04:42.82 ID:dVhNYsSZ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753268681/

コナン「博士からメールが来たぞ」 @ 2025/07/23(水) 00:53:42.50 ID:QmEFnDwEO
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4日も埋まらないということは @ 2025/07/22(火) 00:48:35.91 ID:b9MtQNrio
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/09/22(日) 16:33:15.57 ID:2PI+EVIio
ライダースーツの彼女
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/09/22(日) 16:34:30.98 ID:2LQWz22w0

では「ライダースーツの彼女」で書いてきます。
即興なので遅いですがすみません。

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/09/22(日) 16:59:58.44 ID:2LQWz22w0

今の時代にライダースーツなんてのを着ているのは、彼女くらいだ。

もうバイクなんて危ない乗り物は無くなったし、というと語弊か。
そう言うと近未来のようだけど、ただ、交通網が発達しただけだ。
それで、たまたま安全性の低いバイクが街から消えていっただけ。

僕は、バイクは嫌いだ。でも、ま、バイクに乗る彼女は好きだけど。

今日は、平成三十年の十一月二十五日。母さんが死んだ一年前だ。
母さんが亡くなって、少なくとも父さんは変わっちゃったと思う。
最近は、いつも何かを気にしてる。言ってしまえば、挙動不審だ。

「ねえ、父さん。いつも、何をそんなにきょろきょろしてるの?」

「え? ああ、別に。何でもないよ。お前も気にしなくていいよ」

そう、と僕が何でもなさげに返事をすると、いつも胸を撫で下ろす。
「何かあるな」と思っていても、どうにも父さんの考えが読めない。
早く家に入るんだ、なんて急かされて、僕までも落ち着けやしない。

そのとき、隣の家でバイクのメンテナンスをしている彼女を見た。

ああ、またやってるのか、と思う。せいぜい跨がるくらいなのにな。
でも、そんな彼女を見ていると、何だか微笑ましくなってくるんだ。
それで、母さんが死んだっていうのに、僕はこうも思っちゃうんだ。

また、誰もが普通にバイクに乗れるようにならないかな、とか。

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/09/22(日) 17:09:35.65 ID:2LQWz22w0

僕の家には、いつも父さんがメンテナンスしてるバイクがまだある。

と言っても、それは父さんのじゃない。父さんはまず免許がない。
母さんのだ。僕より小さい母さんが、あんな大型に乗るなんてな。
人は見かけによらない。それに乗りそうな性格とも思えないけど。

『あなたより大きくなったわよ。すごいでしょ。乗りたくない?』

『僕はいいよ。怖いし。こけるのも怖い。母さん、傷だらけだし』

『こんなものは乗っていれば当たり前よ』と、母さんは笑っていた。
それでも楽しそうに日々乗っていたのだし、それは当たり前なのか。
バイクも傷だらけと言えばそうなんだけど、なんていうか味がある。

「ほら、どう? お前も乗らないか。父さんは跨ってれば満足だ」

「あ、もう、そろそろ時間か」なんて言って、父さんは出て行った。
僕はもう、今日の学校の帰りに墓参りに出て、花を添えてきてある。
行って、父さんは何を思うんだろうな、なんて僕は思い悩んでいた。

帰ってくるまで時間あるし、と思って、僕はテレビをつけてみた。

どのテレビをつけても最近はもっぱら同じニュースしかやってない。
もう見飽きた。それに僕にはあまり関係ない。どうにもならないし。
それに、またか、と思うほど最近は連日で事故のことも取り上げる。

「また、事故です。これで、今月に入って十件目です。場所は――」

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/09/22(日) 17:24:00.85 ID:2LQWz22w0

なんだか聞き慣れた地名が出てて、僕はいつの間にか見入っていた。

隣の区じゃないか。物騒だな。家に突っ込んだりしないだろうな。
というか、まだバイクに乗ってる人もいるんだな。好きなんだな。
こういうニュースを見ていると、バイクが恐ろしいものと分かる。

そこまで考えて、僕は母さんがむかし言っていたことを思い出した。

『ルールを守れば、何も危なくないわよ。事故は、自らの責任よ』
と。実際そうなのだろうが、こうして連日、事故を目にしている。
けれど、こうも言っていたな。ええと、何だったかな。確か……。

『相手が不注意の場合もあるわよ。それか、考えたくはないけど』

ないけど、何だっただろうか。その頃の僕はよく聞いてなかった。
『わたしは――』と続くはずの母さんの言葉は、何だったっけな。
お腹の音で我に返った僕は、一応、父さんにメールを送ってみた。

 > ねえ、父さん。いつ帰ってくるの? そろそろお腹すいた

 > ああ、もうすぐ帰るよ。スーパーに寄るけど何かいる?

 > 別になにも。とにかく今はご飯が食べたい感じなんだ

と、すぐに返信が帰ってきたようで、僕は心のどこかで安心した。
そう。父さんがどこかでこういう事故に巻き込まれてないか、と。
杞憂だったか。僕は空腹をしのぐため、しばらく眠ることにした。

「……ああ、何でいなくなっちゃったんだろうな、母さんは……」

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/09/22(日) 17:35:44.21 ID:2LQWz22w0

次に僕が目を覚ましたのは、父さんがすべて料理を並べたあとだ。

「帰ってたのなら言ってよ」と僕は少し不満を漏らし、言った。
すると「最近、疲れてるみたいだから」と父さんは笑って言う。
「お前のことだから、寝てるだろうって思ったし」とも続けた。

何とも見透かされやすい性格をしているのかもしれない。残念だ。

父さんの料理は何だか味が普通の味なのだが、それでも美味だ。
家庭の味、と言うのか。どうにも、変えるつもりはないらしい。
料理を口に運びながらも「そういえば」と切り出して、言った。

「そういえばさ、父さん、疲労で倒れたとこだったはずでしょ」

「うん。ま、大丈夫だったけど。病院にはあとでお金を払うよ」

「それは当たり前だけど。大丈夫なの? 仕事も出られるの?」

「大丈夫」を繰り返すばかりの父さんは、明らかに疲れている。
あの日から。そう、あの日から、ずっと父さんは憑かれている。
今もずっと、気付かれないように窓の外をちらちらと見ている。

「ねえ。そこには誰もいないよ。ちゃんと鍵もかけてあるんだ」

「うん。そうだな、いや、ちょっと、虫が飛んでた気がしてさ」

「いるとしたら、せいぜい、この時間を邪魔するおじゃま虫だ」

そう、適当に答えを濁しておいた。

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/09/22(日) 17:45:15.77 ID:2LQWz22w0

次の朝になると、父さんは眠ったせいか、活気を取り戻していた。

昨日病院を抜けだして、今日、早速仕事とは忙しすぎるだろう。
あるいは、意図的に仕事を入れているか、だとか。そうだろう。
「倒れても見舞いには行けないよ」とだけ軽く釘を刺していた。

「ま、とにかくさ、父さんは行ってくる。学校でも会うかもな」

「そうかも。ま、会うことはないんだろうけどさ。頑張ってよ」

「ああ」と父さんは元気よく手を振り、駅の方へ歩いて行った。
すると後ろから「おはよう」と声が聞こえるので、振り向いた。
やはりというか、予想通りというか、とにかくは彼女であった。

「おはよう。お父さん、退院されたそうじゃない。死ぬ気なの」

「じゃないかな。じゃなきゃさ、あんなに仕事したがらないよ」

「……まだ、忘れられないのかしら。わたしも辞めるべきかな」

暗に母さんのことを指しているのだと、僕は、すぐに理解した。
「彼女は母さんにそっくりだな」と父さんも笑って言っていた。
彼女を見るとどこか面影が重なるから、と言いたいのだろうな。

「君は君で、母さんは母さんだ。やりたいことはやるべきだよ」

「ありがとう。でも、お父さんが気にしてるようなら、言って」

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