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松永涼「ありがとう」 -
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1 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:31:28.24 ID:cEQOtEEPo
※このSSは「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場する松永涼のSSです
一部人物の名称を略称にしています
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1380630688
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
空を自由に飛びたいな @ 2024/11/22(金) 15:47:22.22 ID:UV495csLo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732258041/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:20:24.33 ID:WpWM+xYMo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227623/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:18:35.89 ID:Vr506SRJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227515/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:49.87 ID:t6dKBjAuo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227469/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:17.71 ID:/UbTl3Hgo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227436/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:16:22.54 ID:Un8tNByuo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227381/
ミア「歩夢・・・辛かったな・・・」ナデナデ歩夢「ミアちゃん・・・うぅ・・・」 @ 2024/11/22(金) 00:59:47.53 ID:w7bhdEV4O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1732204787/
ちんぽいぬ @ 2024/11/21(木) 22:13:45.60 ID:BuRqeSctO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732194825/
2 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:32:32.68 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――朝、松永涼の部屋
ぴぴぴぴ ぴぴぴぴ
涼「うーん……ふわぁ」
http://i.imgur.com/r3yZICJ.jpg
松永涼(18)
涼「……ねみぃ」
涼「今日は朝から拓海、夏樹とレッスンだったな……」
涼「拓海のやつ、起きてっかな? 遅刻するとヤバいから起こしてやるか」
ぷるるるるる ぷるるるるる
拓海『おう……涼か……なんだよ?』
涼「お? 起きてた?」
拓海『たりめーだろ? んで、何の用だ?』
涼「今日レッスンの日だろ? 起こしてやろうと思ってさ」
拓海『起きてるから心配すんな』
涼「じゃさ、一緒に行こうよ。ついでにアタシをバイクに乗せてって」
拓海『はぁ? んなもん一人で行け!』
涼「ケチ」
拓海『じゃあな、切るぞ』
つーつー
涼「んだよ……そんなに怒んなくてもいいじゃん」
3 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:33:33.65 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――事務所
ガチャ
涼「おはよーっす」
ちひろ「あら、涼ちゃん? おはよう」
http://i.imgur.com/JU30so8.jpg
千川ちひろ(??)
涼「おはよっす……今日はなんか人少ないね」
ちひろ「そう? 普段通りだと思うけど?」
涼「気のせいかな……」
ちひろ「あっ、そうだ。涼ちゃん」
涼「ん? なに?」
ちひろ「奥の会議室は、大事なお客様が来るから立入禁止よ」
涼「わかったよ……お客様って?」
ちひろ「さあ?……とにかくお願いね」
涼「りょーかい……Pさんは?」
ちひろ「今日は朝から打ち合わせでテレビ局巡りね」
涼「そっか……」
ちひろ「今日は事務所帰れないかも……」
涼「大変だな」
ちひろ「何か用事? 伝言なら伝えとくけど」
涼「いや、いいよ。あんがと」
涼(Pがいないから静かに感じるのかな?……まさかね)
4 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:34:20.82 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――更衣室
ガチャ
涼「あれ?」
夏樹「よぉ、涼」
http://i.imgur.com/nDzRT1W.jpg
木村夏樹(18)
涼「夏樹、いたの?」
夏樹「そりゃ、いるだろ。いちゃ、マズいのか?」
涼「そんなことねーけどさ……なんか今日事務所静かじゃね?」
夏樹「別に? 普段と変わらねえよ」
涼「やっぱ、気のせいかなぁ……」
夏樹「変なやつ」
涼「あれ? そういや拓海は?」
夏樹「拓海……ああ、また寝坊じゃないか?」
涼「アタシ、今日電話で起こしたぞ?」
夏樹「マジかよ?」
涼「何やってんだよ、あいつ。カミナリ落ちてもしらねーからな」
夏樹「まあ、それもいつものことさ」
涼「ったく……」
5 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:35:25.33 ID:cEQOtEEPo
ふにゅん
涼「ひゃあああああああっ!!!」
礼子「おはよう、涼ちゃん。相変わらず育ってるわね」
http://i.imgur.com/hEIuNvC.jpg
高橋礼子(31)
涼「い、い、いきなり背後から胸揉むなよ!! びっくりしたじゃん!!」
礼子「あら? 女同士だから気にしなくてもいいじゃない? 減るもんじゃないし」
涼「気にするよっ!!」
礼子「お姉さんがバストアップのマッサージしてあげましょうか?」
涼「い、いらないって!!」
さわわっ
涼「ぎゃあああああああっ!!」
志乃「これまた素敵なヒップ。果実みたいだわ」
http://i.imgur.com/cPHgChp.jpg
柊志乃(31)
涼「志乃さんまで、何してんですかっ!!」
礼子「若いって素晴らしいわね」
志乃「礼子はもう手に入らないものよ」
礼子「……言ってくれるわね、同い年」
志乃「肌のハリはまだ私のほうが上よ」
6 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:36:21.74 ID:cEQOtEEPo
夏樹「おーい、涼。そろそろ行くぞー」
涼「ほ、ほらっ! な、夏樹が呼んでるから……失礼しますっ!」
礼子「あら、残念」
志乃「またゆっくりと話しましょう。ワインでも飲みながら」
涼「アタシ未成年だから!」
涼「なんなんだよ、いったい」
7 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:37:07.84 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――ダンスルーム
マスタートレーナー(以下、マス)「よし、揃ったな。それじゃあ、レッスンを行う」
http://i.imgur.com/cwDPI6b.jpg
マスタートレーナー(28)
涼「あっ、マスさん」
マス「なんだ? 松永」
涼「拓海がいないんすけど?」
マス「向井は今しがた連絡があった。体調不良で今日は休むそうだ」
涼「体調不良?」
マス「どうした?」
涼「い、いえ……」
涼(あのヤロー、サボりやがったな……)
8 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:37:53.31 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――昼、事務所
涼「や、やっと……終わった……」
夏樹「今日はハードだったな」
涼「ちっくしょー、拓海のやつ……いいタイミングでサボりやがって」
夏樹「まあ、そう言うな……メシでも行くか」
涼「そうだな……どこにする?」
夏樹「実はさ、前にPさんからファミレスの食事券もらってたんだ」
涼「ファミレスかぁ、いいね」
夏樹「んじゃ、いこうぜ」
がちゃ
仁奈「おはよーごぜーます」
http://i.imgur.com/OAYqtEU.jpg
市原仁奈(9)
小梅「お、おはよう……ございます」
http://i.imgur.com/vVkOo4v.jpg
白坂小梅(13)
涼「よう、揃っておでましか」
9 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:39:03.33 ID:cEQOtEEPo
仁奈「涼おねーさま、おはよーでごぜーます」
涼「おはようニナ。相変わらずウサミミ帽子か」
仁奈「ウサギの気持ちになるですよ」
涼「もうそろそろなれたんじゃないか?」
仁奈「まだまだ道はとおいでやがりますよ」
涼「奥が深いんだな」
仁奈「涼おねーさまもウサギになりてーですか?」
涼「アタシは……あの一件がトラウマだからなぁ……」
仁奈「そうでごぜーますか……」
涼「そんな顔すんなよ。いつかはウサギになれるようすっからさ」
仁奈「ほんとーでごぜーますか?」
涼「ホントさ。その時はニナ先生に教えてもらうよ」
仁奈「まかせてくれやがれです」
10 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:39:36.16 ID:cEQOtEEPo
小梅「りょ、涼さん……お、おはよう……」
涼「よっ、小梅。なんだか眠そうだな?」
小梅「だ、だいじょうぶ……」
涼「新しい映画でも見てたのか?」
小梅「う、う、うん……」
涼「んじゃ、今度見せてくれよ。アタシのオススメも持って行くからさ」
小梅「み、みたい……い、一緒に……涼さんと」
涼「あったりまえじゃん。小梅と見たほうが楽しいからさ」
小梅「えへへ……」
11 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:40:22.08 ID:cEQOtEEPo
涼「そうだ……ニナも小梅もメシ食った?」
小梅「ご、ごはん……まだ……」
仁奈「まだでごぜーます」
涼「じゃあ、一緒にファミレス行こうぜ」
小梅「で、でも……」
涼「心配しなくても奢ってやるからさ。いいよな、夏樹?」
夏樹「まあ、いいけど」
ルーキートレーナー(以下、ルキ)「あっ! ニナちゃんたちみっけ!」
http://i.imgur.com/SN7VY8g.jpg
ルーキートレーナー(19)
涼「ん? ルキさん? 悪いけどルキさんの分は奢らないよ? 働いてるんだし」
ルキ「けちーっ……って、ちがうちがう。小梅ちゃんと仁奈ちゃんに用があるの」
小梅「??」
ルキ「次の仕事の打ち合わせ。前に言ってたじゃない?」
小梅「あっ……」
仁奈「あっ!……仁奈もわすれてやがりましたよ」
ルキ「しょうがないなー。ご飯は後でもいい?」
小梅「は、はい……」
仁奈「かしこまりましたです」
涼「んー、仕方ねえか」
夏樹「涼、そろそろ行かないと昼休みなくなるぞ?」
小梅「りょ、涼さん……ご、ごめん」
仁奈「もうしわけねーですよ」
涼「気にすんなって。また今度行こうな」
12 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:41:13.05 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――数時間後、ボイストレーニングルーム
トレーナー(以下、トレ)「はい! これで今日のレッスンは終わりです。お疲れ様でした!」
http://i.imgur.com/6YOMawX.jpg
トレーナー(23)
涼「おつかれさまでしたー」
夏樹「おつかれしたー」
涼「うーん! 終わった終わった! 夏樹、帰りにタワレコ寄って行こうぜ」
夏樹「え? あ、うん……」
涼「なんだよ? ノリ悪いな……なんか用事あんの?」
夏樹「そうじゃねえけど……ちょっとな」
涼「ふーん……じゃ、いいや。一人で行ってくる」
夏樹「あ! ちょっと涼……」
13 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:41:56.02 ID:cEQOtEEPo
がらっ
ベテラントレーナー(以下、ベテ)「松永! 松永はいるか?」
http://i.imgur.com/tIDmlqU.jpg
ベテラントレーナー(26)
涼「ここにいるよー。どしたの? ベテさん」
ベテ「お前はこの後補習だ」
涼「えええっ! そんなの聞いてないよ!!」
ベテ「今、言った。お前、ウオーキングやポージング苦手だろ?」
涼「まあ、得意じゃないけどさ……」
ベテ「私は偶然にも時間が空いている。今のうちに特訓しておけば後々役にたつ」
涼「そうだけどさ……こんな突然に……」
ベテ「四の五の言わずにやるぞ」
涼「げえーっ」
トレ「それじゃあ、姉さん。後はお願いします」
ベテ「うむ。そっちも頼んだぞ」
夏樹「へへへ、悪いな涼。ご愁傷さま」
涼「なんてこった……」
14 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:42:46.45 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――一時間後、トレーニングルーム
涼「はあ……はあ……しんどい……」
ベテ「よし、今回はこれぐらいにしといてやろう」
涼「ベテさん、鬼すぎるよ……ずっと缶詰でトレーニングなんて」
ベテ「その分、集中してやれただろ?」
涼「まあ、そうだけどさ……」
ベテ「なんだ? まだ足りないのか?」
涼「ちがうちがう! も、もういいよ!!」
ベテ「そうか。じゃあ、松永。私の後について来い」
涼「まだ、なにかあるの?」
ベテ「まあな、行くぞ」
涼「???」
15 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:43:32.91 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――会議室前
涼「ここ?」
ベテ「そうだ、扉を開けてみろ」
涼「だって、ちひろさんが立入禁止って……」
ベテ「いいから、開けてみろ。私が許可する」
涼「???」
がちゃ
ぱーんっ! ぱーんっ! ぱーんっ!
涼「うわっ! なんだなんだ?!」
小梅「せ、せーの……」
『涼ちゃん、お誕生日おめでとうーっ!!』
16 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:47:35.11 ID:cEQOtEEPo
涼「へ? へ? なになに? 誕生日?」
夏樹「待たせたな、涼。こっち入ってこいよ」
涼「え?」
夏樹「何、呆けてんだ? 今日はお前の誕生日だろ?」
涼「あっ……やべえ……素で忘れてた……」
夏樹「マジかよ」
ちひろ「はーい、おまたせー。ケーキですよー」
涼「ちひろさん、これって? 会議室は……だって」
ちひろ「ごめんね、涼ちゃん。ここは準備してたから近寄ってほしくなかったの」
涼「それでか……夏樹も知ってたの?」
夏樹「まあな。準備が意外にに手間取っててな。お前が帰りそうになった時はびっくりしたよ」
涼「あっ! じゃあ、さっきの補習は?」
ベテ「お前を帰らせないための時間稼ぎだ」
トレ「おかげで間に合いました」
ルキ「ニナちゃんも小梅ちゃんも準備忘れてたでしょ?」
小梅「ご、ごめんなさい……」
仁奈「すまねーです」
ルキ「大丈夫だよー。おかげでこんなに立派にできたんだから」
涼「トレさんたちも知ってたのか……」
17 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:48:27.35 ID:cEQOtEEPo
夏樹「よし、じゃあ……ロウソクに火をつけるからな」
『はっぴばーすでー とぅーゆー♪』
ふーっ
ぱちぱちぱちぱち
涼「あ、ありがとね……みんな。なんか……突然でちょっと戸惑ってるよ」
ちひろ「じゃあ、プレゼントタイムにいきましょうか」
18 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:49:29.75 ID:cEQOtEEPo
マス「では、我々からいこうか。トレ、例のものを」
トレ「はい。おめでとう、涼ちゃん」
涼「あ、ありがとうございます。開けてもいいかな?」
マス「うむ」
がさがさ
涼「これ……トレーニングウエアと、シューズ?」
ルキ「新製品なんだよー」
涼「こんな高級なの……なんか、勿体無くて着れないなぁ」
ベテ「何言ってる? 明日から早速使うんだ」
涼「へ?」
マス「一年間、みっちり使い込んで靴も履きつぶすんだ。また来年には新しいのをやろう」
涼「ひいぃ……手加減してくださいよ……」
トレ「ふふふっ」
19 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:50:10.29 ID:cEQOtEEPo
礼子「これは私達からよ」
志乃「開けてみて」
涼「ありがとう、礼子さん、志乃さん」
がさがさ
涼「こ、こ、これは……」
礼子「イタリア高級ブランドの最新下着よ」
涼「ちょ、ちょっと……真っ黒だし、スケスケじゃん!」
志乃「官能的だわ」
涼「あ、アタシには……ちょっと……」
礼子「大丈夫、サイズもきちんと合わせてあるわ」
涼「あっ! それって朝の更衣室で……」
礼子「ランジェリーコーディネーターとでも呼んで頂戴」
志乃「これで、大人の仲間入りね」
涼「ま、まだ子供でもいいかな?……でも、ありがとう」
20 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:52:26.95 ID:cEQOtEEPo
仁奈「仁奈はこれでごぜーます」
涼「ニナもくれるのか。うれしいな……どれどれ?」
がさがさ
涼「……ウサミミ?」
仁奈「涼おねーさま用のウサミミですよ。仁奈とおそろいでごぜーます」
涼「はははっ、こりゃいいや。ありがとな」
仁奈「今、つけてほしーですよ」
涼「へ? い、今?」
仁奈「一緒にウサギになるですよ」
涼「う、うん……こ、これで……いい?」
仁奈「おにあいでごぜーます。うさちゃんっ!!」
涼「……ぴ、ぴーす」
ぱしゃ
涼「夏樹! 写真撮るんじゃねーよ!」
21 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:53:26.83 ID:cEQOtEEPo
小梅「りょ、涼さん……こ、これ……プレゼント」
涼「悪いな、小梅……いいか? 開けても?」
小梅「……うん……気に入ってくれる……かな?」
がさがさ
涼「映画のポスターと……パンフレット?」
小梅「ど、どうかな……?」
涼「嬉しいよ、すごく! たしか……小梅が事務所に来た時、一緒に見たやつだよな?」
小梅「!……お、覚えてくれてたの?」
涼「もちろんさ。でも、これもらっていいのか? 貴重なやつだろ?」
小梅「わ、私の……宝物だったけど……涼さんにあげる」
涼「でも……」
小梅「い、いい……好きな人にもらってくれたら……その子も喜ぶ……それに」
涼「それに?」
小梅「い、い……今の宝物……涼さんだから……」
涼「こ……小梅っ!! お前ってやつは!!」
小梅「りょ、涼さん……く、くるしい……」
22 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:54:17.62 ID:cEQOtEEPo
涼「みんな……本当にありがと……アタシ……」
夏樹「あー……ちょっと待て、涼」
涼「ん? どした?」
夏樹「そろそろだから」
涼「そろそろ?」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/10/01(火) 21:55:07.29 ID:0MHxTk1Ko
このマスって表記はなんとかならないのかな
魚のマスとかマスタベが思い浮かぶ
24 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:56:34.93 ID:cEQOtEEPo
ばあんっ!!
拓海「はあっ! はあっ!……ま、間に合った……か?」
http://i.imgur.com/ku0OMib.jpg
向井拓海(18)
夏樹「ギリだったな」
涼「拓海! アンタ、体調不良で……」
夏樹「まあまあ。拓海、お前の番だぞ」
拓海「お、おう……ほらっ」
涼「へ? アンタもプレゼント?」
拓海「い、いいから開けろ!」
がさがさ
涼「これ……絶版になったインディーズのCDじゃん! もう無くなったと思ってたのに……どーしたのさ?」
拓海「べ、別に……」
夏樹「こいつさ、涼が欲しそうなCDアタシに聞いたんだけどさ、どこにもなくてオークションでたまたま出品してたのを落札したんだよ」
涼「そっか……」
夏樹「でもさ、おっかしーのが、持ってる人新潟にいるんだよ」
涼「新潟?!」
夏樹「郵送だと今日間に合わないからって、こいつ高速飛ばして取りに行ったんだよな?」
拓海「夏樹っ! てめえ、バラしてんじゃねーよ!!」
夏樹「はははっ、わりーわりー」
涼「それで……アンタ……今日……」
拓海「ち、ち、ち、ちげーから! たまたま……その、そう! ツーリングのついでだ! ついで!」
涼「サンキュー、拓海。本当に嬉しいよ……ありがと」
拓海「ば、ば、ばーかっ! かしこまってんじゃねーっつうの」
夏樹「素直じゃないねえ」
25 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:58:02.62 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――数時間後
夏樹「さてと……そろそろか?」
涼「そろそろ?」
夏樹「そんじゃ、行こうか? お姫様」
涼「お姫様?……何言って……」
夏樹「まあまあ、いいからこれ被れよ」
涼「メット? これからどこか行くのか?」
夏樹「魔法は12時には解けちまうからな」
涼「???」
夏樹「そんじゃ、みんな! あとよろしくな!」
マス「頼んだぞ、木村」
小梅「い、いってらっしゃい……」
仁奈「いってらっしゃいですよ」
礼子「大人になってくるのよ」
トレ「れ、礼子さんっ!!」
志乃「若いっていいわね。大人はもう少し飲みましょうか?」
ベテ「ひ、柊……も、もう……無理……うっぷ」
ルキ「ねーねー? ケーキ残りもらっていい?」
ちひろ「まだ、食べるの?」
拓海「……ぐーっ……ぐーっ……」
夏樹「あいつは疲れてんだろうな。そっとしておくか」
26 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 21:59:19.60 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――交差点、信号待ち
涼「なあ……夏樹」
夏樹「なんだよ」
涼「みんな、なんでアタシのためにこんなに祝ってくれんだ?」
夏樹「なんでって……」
涼「だって、まだ、アタシ、みんなほど役に立ってないよ。ニナも小梅も大きい仕事持ってるのに……」
夏樹「お前、家族の誕生日祝うのに理由がいるのか?」
涼「家族……?」
夏樹「生まれた場所も年齢も違う奴らだけどさ、こうして同じ場所で同じ時間をずっと過ごしてんだ。家族みたいなもんだろ?」
涼「……」
夏樹「別にアタシらはお前から見返りがほしいワケじゃない。ニナや小梅も拓海も、お前が喜んでる顔が見たい……ただそんだけさ」
夏樹「今回も誰が言い出した訳じゃない。みんな、自分から集まってきたんだ」
涼「……夏樹……アタシ……」
夏樹「ほら、もう行くぞ。舌噛むから黙ってろ」
27 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 22:00:08.70 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――ライブハウス前
夏樹「ついたぞ」
涼「……ここって……」
夏樹「じゃあ、中に入るか」
涼「でも、電気消えてるぞ? 営業してないんじゃないか?」
夏樹「まあまあ、いいから。入った入った」
28 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 22:00:46.31 ID:cEQOtEEPo
――――――――――――ライブハウス内
夏樹「ただいま到着しましたー」
涼「えっ……」
P「悪いな、夏樹。わざわざ」
涼「Pさん……?」
夏樹「そんじゃ、カボチャの馬車は帰りまーす。ちなみに貸し切りなんで。後はごゆっくり〜」
涼「ちょ、ちょ! 夏樹!」
P「涼」
涼「な、なに?」
P「すこし、座ろうか……」
涼「う、うん……」
29 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 22:01:36.64 ID:cEQOtEEPo
P「ここ、覚えてるか?」
涼「ああ……アタシが二年前までバンドで世話になったライブハウスだ……変わんないな」
P「そうだ。そして……俺がお前に初めて会った場所」
涼「……」
P「あれから、もう二年だな……早いな」
涼「なあ、Pさん」
P「ん?」
涼「アタシら、正直、第一印象悪かったよな?」
P「そうだな」
涼「びっくりしたよ……だって、バンドのボーカルをアイドルにしたいなんてさ」
P「普通はそうだよな」
涼「でも、今は感謝してる。あの事務所に行って本当に良かった」
P「そうか」
30 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 22:03:02.17 ID:cEQOtEEPo
涼「音楽しか信じるものがないアタシに、あいつら家族だって言ってくれたんだ」
P「……」
涼「ちひろさんにトレさんたち、アイドルの皆……拓海や夏樹に出会わせてくれて感謝してる」
P「そう言ってもらえると嬉しいよ」
涼「こんないい気持ちになる誕生日は初めてだ」
P「……涼」
涼「なに?」
P「俺はお前に謝らなきゃいけないことがある」
涼「……なんだよ、急に?」
31 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 22:04:19.74 ID:cEQOtEEPo
P「お前をスカウトした時、俺が言ったこと覚えてるか?」
涼「……うん」
P「俺はお前に『必ずデビューさせる』と言った」
涼「……」
P「だけど、それは今も達成できていない」
涼「Pさん……」
P「今日までにデビューを決めようといろいろ回ったんだが……ダメだった」
涼「……」
P「プレゼント、間に合わなかった……本当にすまない」
涼「……ふふっ、しょうがねーなー。ったく」
P「……」
涼「別にいいよ。デビューはアタシ自身の力でもぎ取ってみせるからさ」
P「……涼」
32 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 22:05:19.48 ID:cEQOtEEPo
涼「だからさ……」
とん
P「えっ」
涼「ちょっとだけ……今だけ……肩を貸してくれ」
P「……ああ」
涼「0時まであと10分……この時間をプレゼントにしてくれよ」
P「……わかった」
涼「…………Pさん」
P「ん?」
涼「ありがとう」
おわり
33 :
◆yfWmR9mD4k
[saga]:2013/10/01(火) 22:07:53.61 ID:cEQOtEEPo
※これで終わりです
誕生日になんとか間に合ってよかったです
もっとアイドル出したかったのですが、あまり多すぎると冗長すぎるので省きました。
申し訳ない。
※略称についてはセリフの関係上短くしました
お気を悪くされた方はごめんなさい
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/10/01(火) 22:36:43.10 ID:CArWKLN6o
http://i.imgur.com/GJ92RgZ.jpg
涼さんおめでとう、マジイケメンすぎて濡れる
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/10/01(火) 23:00:42.62 ID:lsa2Q96No
乙
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/10/01(火) 23:01:37.15 ID:SVdfJ7w1o
乙
涼さんおめでとう、SRはきっとかこいい路線でくる
……特訓前が可愛い路線もあるかもだが
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/10/01(火) 23:04:21.85 ID:1HEfOS8ho
乙でしたっ☆
生投下には立ち合えなかったけど、ともかくおめでとうございます。
涼ちゃんマジ、イケメン女子。
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/10/01(火) 23:09:27.52 ID:H20JAQeF0
乙でした
さりげなくりょううめも入れてくれてありがとう
23.25 KB
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