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響「二人の距離」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/11/18(月) 20:53:40.94 ID:1fj9Ocra0
【注意書き】
貴音「『かなさんど』が欲しいのです」
の続きとなります
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1384775620
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/
全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/
君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/
トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/
【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/
ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[sage]:2013/11/18(月) 20:54:09.55 ID:1fj9Ocra0
【ある日、事務所】
P「おーい、貴音」
貴音「……はぁ」
P「貴音、聞いているのか?」
貴音「……はぁ」
P「いつまで呆けているんだ?そろそろ仕事だぞ」
貴音「プロデューサー……」
P「何だ?」
貴音「……わたくしは、嫌われてしまったのでしょうか」
P「それは、響にか?」
貴音「はい……」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 20:55:41.32 ID:1fj9Ocra0
P「んー……心配しなくてもいいと思うんだけどな」
貴音「しかし、響に『大っ嫌い』と言われてしまいました……」
貴音「意味を知らなかったとは言え、響の心を乱したのは事実……」
貴音「もう、どんな顔で会えば良いのかも分かりません……」
P「まあ、そう自分を責めなくてもいいと思うぞ?」
貴音「気休めは――」
P「気休めじゃないさ。だって、勘違いしていたとは言え、響は貴音を好きだって言ってくれたんだろう?」
貴音「それは……そうですが……」
P「だから、嫌われたって事はないと思うんだ」
P「今は気持ちの整理ができてないだけだよ。気に病む必要はないさ」
貴音「……それでは、わたくしの気が済みません」
P「なら、響に向き合ってみるといい。響が貴音にしてくれたようにな」
P「真剣に接すれば、きっと許してくれるよ」
貴音「真剣に……ですか。分かりました」
P「よし。じゃあ、そろそろ行くか」
貴音「はい!」
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 20:56:07.96 ID:1fj9Ocra0
【後日、事務所】
響「ただいまー!」
美希「ただいまなの!」
貴音「お帰りなさい、響」
響「う……貴音……」
貴音「何ですか?」
響「いや、その……何でもない……」
美希「おーい?貴音ー?」
貴音「それならよろしいのですが」
美希「ねぇ、貴音ってば!」
貴音「おや、美希。居たのですか」
美希「居たよ!?ていうか、さっき『ただいま』って言ったよね!?」
貴音「それは申し訳ありません。響しか目に入っておりませんでした」
美希「何なのこの扱いの差は……」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 20:56:33.14 ID:1fj9Ocra0
貴音「ところで、響に少しお話が」
響「何?」
貴音「その……響の想いに真剣に向き合いたいのです」
美希「どういう事なの?」
貴音「実は、響から愛の告白を受けまして」
美希「そうなの!?うわぁ……」
響「ちょっ!?ドン引きしないで!」
美希「仲がいいのは知ってたけど、まさかここまでとは思わなかったの……」
響「だから違うんだってば!」
美希「違うの?」
貴音「違いません」
響「もー!ややこしいから貴音は黙ってて!」
貴音「はい……」
美希「亭主関白なの……」
響「話を聞け―!」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 20:57:02.82 ID:1fj9Ocra0
美希「えっと……つまり勘違いが原因なんだね」
響「そういう事。自分は愛の告白なんてしてないからな」
美希「でも、勘違いとはいえ、一度は受け入れたって事になるんじゃ――」
響「勘違いだからノーカンに決まってるでしょ!」
美希「貴音、ノーカンなんだって」
貴音「たとえそうだとしても、真剣に向き合おうと決めたのです」
響「貴音……」
美希「具体的にはどうするの?」
貴音「わたくしの生涯を捧げます」
響「愛が重い!」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 20:57:54.95 ID:1fj9Ocra0
貴音「これからは響を支えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」
響「ああ、うん……よろしく……」
美希「響、元気ないね」
響「むしろこれで元気一杯だったらヤバいぞ」
貴音「響は、わたくしが嫌いなのですか……?」
響「いや、そうじゃないよ?ただ、性別を考慮してくれたら嬉しいなーって」
貴音「覚悟はできております」
美希「爛れてるの……」
響「だから話を聞けー!」
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 20:58:59.35 ID:1fj9Ocra0
美希「ところで、近くに美味しそうなお店を見つけたんだけど、食べに行かない?」
貴音「はい――と言いたいところですが、響はどうするのですか?」
響「お昼もまだだし、自分は行こうかな」
貴音「では、わたくしも参ります」
美希「決まりだね。じゃあ行こっか」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 20:59:31.58 ID:1fj9Ocra0
【移動後、歩道】
響「…………」
美希「…………」
貴音「…………」
美希「ねぇ、貴音」
貴音「何ですか?」
美希「どうしてミキ達の後ろを歩くの?」
貴音「三歩下がって歩くのはわたくしの務めですので」
響「いや、普通に横を歩けばいいんじゃ……」
貴音「駄目です」
美希「ふーん……そういうものなんだね」
美希「じゃ、ミキは響と――」
ゾワッ……
貴音「響と……何ですか?」
美希「ナ、ナンデモナイノー」
貴音「そうですか。それは良かったです」
響「怖いよ!」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:00:02.93 ID:1fj9Ocra0
【移動後、レストラン】
店員「お待たせしました」
コトッ……
響「貴音の来たぞ」
美希「わぁ……美味しそうだね!」
貴音「ええ、真に」
響「……食べないのか?」
貴音「響より先に頂くなど、わたくしにはできません」
美希「でも、早くしないと冷めちゃうよ?」
貴音「いえ。たとえ空腹が極限に達し、この身がやつれ果てようとも、わたくしが先に食す訳には――」
響「いやいやいや!流石にそこまでしなくてもいいからね!?」
貴音「しかし……ジュルッ……ひび――ジュルッ――響を差し置いて頂くなジュルッ!」
響「いいから!先に食べてもいいから!」
貴音「分かりました……頂きます」
美希「予想以上にめんどくさいの……」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:00:29.38 ID:1fj9Ocra0
店員「お待たせしました」
コトッ……コトッ……
店員「ご注文は以上でよろしいですか?」
響「あ、大丈夫です」
店員「では、ごゆっくりどうぞ」
美希「……さてと、頂きますなの!」
響「頂きます」
カチャカチャ……
貴音「…………」
響「あ、まだ食べたいなら追加で注文してもいいぞ?」
貴音「いえ……響より多く食べるなど、わたくしにはとても――」
美希「今更なの」
響「今更だぞ」
貴音「あの……わたくしはどういう人間だと思われているのでしょう?」
美希「んー……腹ペコ面妖女?」
貴音「酷いです……」
美希「ミキのおにぎりを奪った罪、まだ許してないの」
響「根に持ち過ぎだぞ……」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:01:10.55 ID:1fj9Ocra0
響「さて……話を戻すけど、さっきのだけじゃお腹一杯にならないでしょ?」
美希「そうそう。いつもはもっと食べてるんだし、頼めばいいって思うな」
貴音「しかし……響よりも多く頂く訳には……」
響「自分は気にしないぞ?」
貴音「わたくしが気にするのです」
美希「じゃあ、響が貴音より多く食べればいいんじゃない?」
貴音「……それは名案です!」
響「殺す気なの!?」
美希「死ぬのは響の財布なの」
響「それはそれで嫌だぞ!?」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:02:05.01 ID:1fj9Ocra0
【別の日、楽屋】
春香「ふ〜……やっと終わったぁ……」
響「そんなに疲れたのか?」
春香「体力的にはそうでもないけど、精神的にね……」
響「あー……それはあるかも」
春香「でしょ?さあ、早く帰ろう」
ガチャッ
貴音「お待ちしておりました」
春香「うわぁっ!?た、貴音さん!?」
貴音「響。荷物をお持ちします」
響「別にいいのに……」
貴音「そういう訳には参りません」
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:02:32.76 ID:1fj9Ocra0
春香「あの……貴音さんはどうしてここに?」
貴音「おや、春香。居たのですね」
春香「居ましたよ!ていうか、目の前に居たの私ですよね!?」
貴音「そうですね。では改めまして……春香、お疲れ様です」
春香「あの……リボンに話しかけるのやめて貰えます?」
貴音「分かりました。さて、事務所へ参りましょうか」
春香「雑!扱いがなんか雑なんですけど!?」
響「最近の貴音はこんな感じだから」
春香「そうなんだ……じゃあ、私だけこんな扱いじゃないんだね。よかっ――」
響「流石に他の人は人間扱いされてるぞ?」
春香「何なの!?私って何なの!?」
貴音「天海春香でしょう?」
春香「いや、そうなんですけど――」
貴音「では事務所に参りましょうか」
春香「だから扱いが雑ですって!」
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:03:30.00 ID:1fj9Ocra0
【楽屋退出後、歩道】
春香「ねぇ、響ちゃん」
響「んー?」
春香「貴音さん、何で後ろを歩いてるの?」
響「ああ、それか。えっと――」
貴音「わたくしは響を支える役目を負っておりますので」
春香「へぇ……何だか夫婦みたいですね」
貴音「『みたい』ではありませんよ」
春香「……はい?」
貴音「わたくしはそうなれれば良いと思っております」
響「もー!また貴音は紛らわしい事を言うんだから!」
貴音「紛らわしくなどありません。生涯を捧げるのですから当然です」
春香「重っ……」
貴音「軽いよりも良いではありませんか」
響「そうだな。春香みたいに軽いのはちょっとどうかと思うぞ」
春香「いや軽くないよ!?私の評価ってそんな感じだったの!?」
響「あ、これは別の話だった」
春香「私の居ないところで何の話をしてるの!?ねぇ!」
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:04:00.96 ID:1fj9Ocra0
響「冗談はさておき、今ちょっと貴音が面倒臭くなってて……」
貴音「面倒臭いとは心外です。わたくしは響が心配なだけですのに」
春香「いつも迎えに来てるんですか?」
貴音「はい。時間の許す限り、響に付き従うよう心がけておりますよ」
響「この前は家まで着いてきて困ったぞ」
春香「それストーカーですよ!」
貴音「違います。響が心配なだけです」
春香「それを世間ではストーカーと言うんです!」
貴音「春香……貴女は世間の言う事に流されて生きているのですか?」
春香「それは……」
貴音「そのような気構えだから、『リボンが本体』と言われるのですよ?」
春香「酷い!」
響「自分は春香のリボン、好きだぞ?」
春香「なんかフォローがフォローになってないんですけど」
響「そうかなぁ?」
春香「だって、それだとリボンが好きみたいじゃない?」
響「でも、春香が好きだって言うと……」
貴音「天海春香……燃やしますよ?」
春香「怖っ!何を燃やす気なんですか!?」
貴音「りぼんです」
春香「だからリボンは本体じゃないんですって!」
響「とまあ、こんな風に貴音が怒るから」
春香「意外と独占欲強いんだね……」
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:04:41.16 ID:1fj9Ocra0
春香「そういえば、気になった事があるんだけど」
響「何だ?」
春香「仮に貴音さんと響ちゃんがもう結婚したようなものだとして」
響「うん」
春香「家計って……同じにするの?」
響「えーと、同じ口座にするのかって事?」
春香「うん」
貴音「わたくしはそのつもりですが」
響「普通は同じにするんじゃないか?自分はよく分からないけど」
春香「ふーん……そっかぁ、貴音さんと同じかぁ……」
響「それがどうかしたのか?」
春香「ねぇ、響ちゃん」
響「うん?」
春香「……エンゲルドンマイ!」
響「エンゲルドンマイって何!?」
春香「いや、エンゲル係数が凄い事になりそうだなーって」
響「無駄に語呂よくてムカつくぞ……」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:05:19.56 ID:1fj9Ocra0
【一時間後、事務所】
春香「あ、そうだ。今日はクッキー作ってきたんだよ。食べる?」
響「食べる食べる!」
春香「えーっと……はい、どうぞ――」
貴音「お待ちください」
春香「あ、貴音さんの分もありますよ」
貴音「いえ、そういう話ではなくてですね」
響「どうしたの?」
貴音「失礼ですが、毒味をさせて頂きます」
春香「いやいやいや!毒なんて入ってませんって!」
貴音「それでも、万が一があっては遅いのです」
響「過保護だなぁ……」
貴音「これもわたくしの務めです」
春香「響ちゃん、愛されてるね」
響「全然羨ましくなさそうだぞ」
春香「だって羨ましくないし……」
響「春香は素直だなぁ!」
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:05:48.16 ID:1fj9Ocra0
貴音「春香。くっきぃをお願いします」
春香「そうでした。はい、どうぞ」
貴音「ふむ……形は問題なしですね」
響「形に危険とかあるのか?」
貴音「鉄板を仕込んでいる可能性が――」
響「ある訳ないでしょ」
貴音「では、肝心の味の方を……はむ」
春香「ど、どうですか?」
貴音「いえ、まだ分かりませんね。もう一枚頂けますか?」
春香「どうぞ」
貴音「はむ……なんと、これは……!」
貴音「春香、もう一枚です」
春香「はい」
貴音「これは不味いですね……むぐ……非常に不味い事に……はむ……」
響「ちょっ!食べすぎだぞ!」
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:06:16.82 ID:1fj9Ocra0
貴音「ふう……ご馳走様でした」
春香「結局、全部食べちゃいましたね……」
響「毒味とか言って、本当は自分が食べたかっただけでしょ」
貴音「違います!春香のくっきぃには間違いなく毒が混入しておりました!」
春香「ええっ!?ちゃんと作りましたよ!?」
貴音「いいえ……現にわたくしは全て食べてしまいました……」
春香「そ、それって……」
貴音「はい。何を隠そう、わたくしは中――」
響「中毒になった、とか言わないよね?」
貴音「……駄目ですか?」
響「駄目」
貴音「申し訳ありません……」
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:07:07.76 ID:1fj9Ocra0
ガチャッ
美希「ただいまなのー」
春香「おかえり、美希」
美希「あれ?春香が居るって事は、もしかしてクッキーとか――」
響「全滅したぞ」
美希「あー……貴音が食べちゃったの?」
貴音「真っ先にわたくしを疑うというのもどうなのでしょう?」
美希「違うの?」
貴音「違いませんが」
美希「じゃあ何で反論したの!?」
貴音「反論したくなったからです」
美希「自由すぎるの……」
春香「美希も人の事は言えないと思うけどね」
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:08:27.31 ID:1fj9Ocra0
美希「まあいいの。せっかく響と貴音が居るんだし、話でも聞かせて貰おうかな」
春香「もしかして、美希も知ってるの?」
美希「まあね」
響「話す事なんて何もないぞ」
春香「まあまあ。そんな場末のバーに居るさすらいの旅人みたいな事言わずに。ね?」
響「何なのその例え……」
貴音「別に構わないではありませんか。何もやましい事などありません」
響「やましい事だらけだぞ」
美希「なになに?もうやっちゃった?」
響「やってる訳ないでしょ!春香じゃあるまいし!」
春香「ちょっ……その評価ってどこからきてるの!?」
貴音「響。それは勘違いだったのでは?」
響「あ、そうだった」
春香「だからどんな勘違いすればそんな事に――」
美希「確かに春香って安そうなの」
春香「何で!?」
美希「その辺で売ってそうだし」
春香「それ絶対リボンの事だよね!?」
美希「間違えたの」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:09:28.82 ID:1fj9Ocra0
春香「まったく……貴音さん、美希にも何かありませんか?」
貴音「何かとは?」
春香「私みたいな勘違い話とか」
貴音「美希は……触るとすぐべたべたになると言う話がありましたね」
美希「何の話なの!?」
響「美希は敏感って話だぞ。勘違いだけど」
春香「へぇ……ほぉ……」
美希「春香……なんてゲスな顔をしてるの……」
春香「ゲスとは心外だなぁ……私は笑ってるだけだよ?」
響「おかめさんみたいな笑い方は確かに気持ち悪いな」
貴音「ふむ……春香納豆ですか?」
春香「あの、私が粘ついてるみたいな表現やめて貰えます?」
美希「でも、春香ってしつこそうなの」
響「いつまでもズルズルと引きずってそうだな」
貴音「麺が伸びてしまいますね」
春香「貴音さんは食べ物から離れてください」
貴音「いえ、時間が掛かれば掛かるほど美味しくなくなるという意味です」
春香「私に恨みでもあるんですか!?」
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:09:56.44 ID:1fj9Ocra0
春香「ていうか、話を戻そうよ」
響「どこに?」
春香「それは勿論、美希がすぐべとべとになるってところに」
美希「何でそこに戻すの!?」
春香「私ばっかり弄られて不公平じゃん!」
美希「春香はそれぐらいがお似合いなの!」
貴音「二人とも落ち着きましょう。さて、美希の話ですが」
美希「だからそこに持っていかないでってば!」
響「どうせ勘違いなんだからいいじゃないか」
美希「よくないもん!大体、ミキはもっとサラサラして――」
春香「サラサラしてるの?」
美希「……サラサラヘアーナノー」
響「その誤魔化し方は無理があるぞ」
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:11:02.03 ID:1fj9Ocra0
美希「そもそも、話を戻すって言うなら響達の話にして欲しいの」
響「今の状況以上に話す事なんてないぞ」
春香「いや、どっちが受けとか攻めとかあると思うけど?」
貴音「はて……何の事でしょう?」
春香「えーっとですね……小鳥さんの本がこの辺に……あった。はいこれ」
美希「うわぁ……」
響「要するに……その、する時の話なの?」
春香「そういう事!」
貴音「春香」
春香「はい?」
貴音「婚前交渉はいけませんよ」
響「ていうか、それ以前に結婚できないからな」
美希「えー。別に気にしなくてもいいって思うな」
響「いや、一番気にするところでしょ!?」
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:11:28.57 ID:1fj9Ocra0
春香「でも、結婚できないなら婚前交渉も何もないような」
貴音「そうですね……」
響「いやいやいや、納得してどうするの?」
貴音「……優しくしてくださいね?」
響「だから重いってば!」
美希「軽い春香よりマシでしょ?」
春香「さり気なく私を貶めるのは何なの!?」
美希「何となく?」
春香「……ちょっと触ったらべとべとになる癖に」
美希「それは違うの!」
春香「じゃあ私だって軽くないもん!」
響「自分、もう帰っていいかな?」
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:11:57.56 ID:1fj9Ocra0
春香「はぁ……はぁ……これ以上は、お互いの傷口を広げるだけだね……」
美希「同感なの……」
響「貴音、帰ろうか」
貴音「そうですね」
春香「あ、響ちゃん。ちょっと待った」
響「どうした?」
春香「今のままじゃ駄目だよ」
響「え?」
春香「気持ちに応えるか、応えないか……しっかりしないとね」
響「う、うん……」
美希「ミキも同意見なの」
貴音「美希……」
美希「二人が本気なら、ミキは応援するよ?……別の事務所から」
響「何で露骨に距離を取ろうとするの!?」
美希「だって、ミキ達にも被害が出そうだし……まあ、友達はやめないけど」
貴音「……ありがとうございます」
春香「じゃあ、また明日ね」
響「うん。また明日」
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:12:23.67 ID:1fj9Ocra0
【その後、帰り道】
響「……ねぇ、貴音」
貴音「何ですか?」
響「やっぱり、三歩後ろを歩くんだな」
貴音「それがわたくしの務めですから」
響「……ちょっと寂しいぞ」
貴音「それでも、この距離は譲れません」
響「……そっか」
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:12:53.20 ID:1fj9Ocra0
響「何度か……」
貴音「はい?」
響「貴音と一緒に居られるなら、それでもいいかなって思ったりしたけど」
貴音「はい」
響「でも、貴音とは肩を並べていたいって思うんだ」
響「競い合って、一緒に進んでいきたい」
響「もし付き合ったりして、貴音が自分に遠慮するぐらいなら――距離が遠くなるぐらいなら……」
響「自分は、友達のままでいたい……駄目かな?」
貴音「響……」
響「隣に来てよ、貴音」
響「一人で歩くのは……寂しいぞ」
貴音「……分かりました」
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[saga]:2013/11/18(月) 21:13:39.10 ID:1fj9Ocra0
響「やっといつも通りだな」
貴音「ええ。迷惑をかけましたね」
響「気にしなくてもいいぞ」
貴音「そうでしょうか……」
響「今更でしょ?」
貴音「それは……申し訳ありません」
響「そういえば、最初から迷惑かけられっぱなしだったな」
貴音「わたくしとしては、響を支えていくつもりでしたが……それも叶いませんでしたね」
響「そうだな。でも、それでいいと思うぞ」
響「貴音の考えてるような……相手を立てるだけの関係は、自分達には合わないんだよ」
貴音「やはり、恋人にはなれそうもありませんか?」
響「多分ね。だから――ずっと友達でいてよ、貴音」
貴音「――はいっ!」
――END――
31 :
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[saga]:2013/11/18(月) 21:18:57.49 ID:1fj9Ocra0
以上で完結となります。お楽しみ頂けましたら幸いです。
前作の消化不良具合が凄かったので、今作を書きました。
読み返してみれば、オチが弱いどころではなかったみたいで……申し訳ありません。
ただ、勘違いの内容が重かったので、少し中途半端な感じが今作でも漂っていますね……
終始ギャグでいければ良かったのですが、その辺りはご容赦を。
それと、前作で美希が貴音に渡した物を『イチゴババロア』だと思っている人がいらっしゃったようですが
あれは『おにぎり』です。貴音も流石にババロアを素手で食べる事はない……筈です。
32 :
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[sage]:2013/11/18(月) 21:44:35.69 ID:opaHnHvL0
乙
ひびたかは正義
33 :
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[sage]:2013/11/18(月) 23:31:57.98 ID:adDUvtBho
テンポ良いし笑えた
34 :
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[sage]:2013/11/18(月) 23:46:28.30 ID:fhsTMbFB0
スラスラ読めて楽しかった。乙
大正義ひびたか
35 :
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[sage]:2013/11/20(水) 00:53:38.70 ID:j39rh1Yyo
>>33
テンポがチ●ポに見えた
もう寝よう...
36 :
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[sage]:2013/11/20(水) 05:37:50.81 ID:xem2Am0KP
ちんぽおおおおおおおおおおおおおおおおおお
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