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少年「世界はあと一週間で滅ぶ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:48:39.45 ID:cv8XNQnK0

それは突然の出来事だった

いきなり自分の脳に直接情報が流されてきたのだ

最初は訳がわからなかったが、時が経つにつれて自然と理解した

いや理解させられたような気がした

「勇者が魔王と共に死に、世界はあと七日間で滅ぶ」

多分全世界の全人類にその情報が流されたのだと思う

僕は第一に思った

(で?)


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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:50:31.01 ID:cv8XNQnK0

今、僕は牢屋の中にいる

物心ついた時からここにいる気がする

たしか僕が鬼だからとかそんな理由だったと思う

なんか死ぬのが怖くて今まで牢獄の中でグダグダ生きてたので、まぁ世界が滅ぶならそれはそれでいいんじゃないだろうか

どうでもいい

だが警備員はそうでもないようだ

警備員「あ…はは…ははははは」

涙を流しながら呆然としている

この人はこの世界に未練があるんだろうな

なんか可哀想だし声をかけてあげよう
3 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:51:15.54 ID:cv8XNQnK0

少年「あ、あの?」

警備員「っ!?」

驚いたようにこっちを見てきた

少年「あっえーっと」

警備員「…」

や、やめろ!なんだか何とも言えないような目でこっちをみるな!

少年「ど、ドンマイ!」ビシッ

これが僕に言える最大の励ましだった
4 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:52:02.76 ID:cv8XNQnK0

警備員「…」

警備員は何も言わなかった

そして

警備員「…」ヒョイッ

チャリーン

そしてなぜかこっちに牢屋の鍵を投げてきた

少年「えぇー地球が滅ぶからって仕事ぶん投げちゃっていいんですか?」

この警備員、気でも狂ったのか

警備員「…勝手にしろ」ボソッ

そう呟くと下を向いてフラフラとでていってしまった
5 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:52:48.66 ID:cv8XNQnK0

わーどうするよ、これ千載一遇のチャンスじゃね?

まぁ外に出れるなら出てみてもいいけど・・・ってか出てみたいけど

あの人世界が滅ぶからって投げやりになりすぎ

僕外に出ちゃうよ?いいの?

鍵を拾い自問自答を繰り返す

うーん出るべきか出ないべきか

少年「っまどうせあと一週間で世界終わるし、ちょっと外の世界でもみてみるか」
6 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:53:39.10 ID:cv8XNQnK0

ということで外にでてみました

少年「うーん空気がおいしいな」

太陽がある

空が青い

鉄格子が無い

ただそれだけでなんて

なんて清々しいのだろう

世界崩壊万々歳だな

僕が外の世界に感動していると後ろからなんだか物騒な声が聞こえて来ました
7 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:54:21.77 ID:cv8XNQnK0

兵士A「この際だからはっきりいってやる、俺はずっとお前を殺したかった」

兵士B「あぁ俺もだ。ここお前と門番してる時ほど俺が苦痛な時間はなかったね!!」

お互い剣を抜き相手に突きつける

兵士A「どうせ世界は滅ぶんだお前を殺してやる!!」

兵士B「やれるもんならやってみろぶっ殺してやる!!」

外の世界って物騒だな

それとも世界が滅ぶからってみんなとち狂ってんのかなぁ

後ろから聞こえる肉を切り裂く音、悲鳴などを無視して、僕はそこらを探検してみることにした
8 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:55:19.83 ID:cv8XNQnK0

そこら辺をブラブラしてると、なんだかカッコいい十字架が屋根の上にたっているオシャレな建物の前にきた

わーカッコいいなー入っちゃってもいいかな

恐る恐る中をのぞくと

修道女「おぉ!!神よ!!何故私達を見捨ててしまったのですか!!」

なんだか悲痛な叫びが聞こえた

あれか、世界が終わるからか
9 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:56:16.66 ID:cv8XNQnK0

しばらく見ているとおっさんが現れた

神父「神なんていねぇんだよ!!!」バァン

いきなり机をぶっこわしだした

修道女「なにするんですか!!神父様!!」

神父「この世界はどうせ終わるんだ!!こんなもん!!」ガシャーン

修道女「大丈夫ですよ!!神がきっと」

神父「いいか修道女!!神なんていないんだ!!神なんて人の作り出した妄想でしかないんだよ!!」

修道女「なんてことを言うのですあなたは!!それでも神父ですか!!!」
10 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 11:57:08.02 ID:cv8XNQnK0

うわーヒートアップしてるよ

なんか怖いな人間って

てか外の世界ってこれが日常茶飯事なの?

やれやれ全く怖いとこに来ちまったぜと思いながらどこか行こうとすると

ガシッ

腕を捕まれた

「ま、まってください」
11 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 13:33:02.29 ID:cv8XNQnK0

腕を掴んでいたのは、いつの間にか隣にいた僕くらいの年の少女だった

あそこで争ってる女性と同じ服を着ていて、今にも泣き出しそうな顔で僕の腕をつかんでいた

シスター(少女)「一人に、しないでください」

少年「…」

やばいどうしよ、なにか声かけてあげないと

めっちゃこの子泣きそうじゃん

多分なかで争ってる二人が原因なんだろうなぁ

うーん

少年「ど、ドンマイ!」ビシッ

結局、僕に言える最大の励ましはこれだった
12 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 13:34:12.11 ID:cv8XNQnK0

シスター「…」

やめろ!そんな目こっちをみるな!!

少年「ご、ごめん」

シスター「…」

えーなにこの状況、辛いんですけど

可愛い女の子に腕にしがみつかれるのは僕としては嬉しいのだけど

なんだか辛そうな顔をみるとこっちまで辛くなってしまうような

どうしたものか
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/15(日) 14:36:20.02 ID:BBSVktWeO
続けて
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/15(日) 15:07:33.12 ID:BD3Ftx9SO
気になる
15 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 15:21:13.97 ID:cv8XNQnK0

途端に二人の怒号が止んだ

血の匂いが漂ってくる

おそらくどちらかがどちらかを殺したのだろう

人間ってなんでこうも愚かなのだろうか

対立するとすぐに殺しあう

知能があるのにも関わらず

何故それを使おうとしない
16 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 15:22:14.32 ID:cv8XNQnK0

少女の方をみる

怒号がやんだのでどうしたのだろうと中を見ようとする

気づいてないのか

このまま彼女に悲惨な風景を見せるのは気が引けるな

よしっ僕が一肌脱いでやろう

少年「ぼ、僕とデートしませんか?」

シスター「っ!?///」

あっ真っ赤になった可愛い

とか言ってる場合じゃないんだけどな
17 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 15:23:30.50 ID:cv8XNQnK0

シスター「わ、私はまだ幼いけど神に仕えるシスターさんだから!!」

シスター「そういうのは駄目!!」

少年「ちょっ声が大きい」

神父「シスターだぁ!?」

やっば…見つかっちゃったっぽい

神父「シィィイスタァァアそこにいるんですかねぇええ!?」

なんだこの人はさっきと雰囲気違うぞ

って狂って人殺してんだから当然っちゃ当然だわなー
18 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 15:24:40.77 ID:cv8XNQnK0

シスター「ひっ!?し、神父様!?」

さすがにこの子でもここまで殺気剥き出しだったら感じるものがあるんだろうな

少年「と、とりあえず逃げる?」

シスター「ひっ」ガクガクブルブル

シスターの少女は固まっていた

うん逃げとくか

少女の手をとる

少年「逃げるよ!?」

返事も聞かず走り出す

あー子供の脚力で逃げきれるかなぁ

19 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 15:25:45.99 ID:cv8XNQnK0

神父「まちなさぁぁああいシィィイスタァァアァアアアアアア!!!!」

右手には斧、左手には首をぶら下げて襲いかかってくる

ひーこえーちょっとしたホラー漫画ですね

シスター「ひぃいっ!?神父様こ、怖い」

少年「だったらもっと速く走らないと!!追い付かれちゃうよ!!」

シスター「はっはいぃぃい!!」

正気にもどったのか戻ってないのか少しだけスピードが上がった
20 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 15:26:35.32 ID:cv8XNQnK0

だがしかし

まぁぶっちゃけ大人には勝てませんよねぇ

神父「シィイスタァァア?なぁああにやってるんですかねぇ?それでも神に仕える者なのですかぁああ?」

シスター「い、いえこれはその」

神父「黙れクソガキ!!」

シスター「ひぃっ」

やっばいなぁ…まぁこの子だけでも逃がしとこう

少年「ここは僕がなんとかするからシスターさんはとりあえず逃げて?」

シスター「し、しかし」

少年「大丈夫、僕強いし」
21 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 20:02:25.25 ID:cv8XNQnK0

神父「なぁにカッコつけてんだガキがぁああああ」

左手にもった首をこちらに向かって投げてきた

少年「うわぁキモい」スッ

僕は華麗に避けるが

シスターさんのほうに飛んでいった

シスター「きゃああ!?修道女さん!?ど、どうして!!!」

シスター「い、いや」

シスター「いやぁあああああぁぁああああああああああ」

やばいなシスターさんもこれじゃ狂っちゃう

とりあえずあの神父様とやらをなんとかしよう
22 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 20:03:03.88 ID:cv8XNQnK0

神父「うひゃひゃひゃもう逃げられないみたいですねぇ?」

ニタニタと笑いながら迫ってくる

少年「ねぇ神父様だっけ?一つ質問いい?」

神父「なんでぇぇすかぁ!?」

うわぁこの人目もイッてるよ

少年「ここで僕達を逃がすのと、死ぬのならどっちがいい?」

神父「うひゃひゃひゃ笑わせてくれますね、私がお前達を逃がすとでも?」ニィ

あぁもうこの人本当に駄目だ
23 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 20:03:52.34 ID:cv8XNQnK0

少年「シスターさん、少し目瞑ってて?」

シスター「どうして…どうしてこんな」

聞こえてるのかな?

っまいいか

さてお食事でもしましょうかね

少年「神父様」

神父「なんですか?最初に死ぬのはあなたですか?」

少年「いただきます」

両手をあわせてお辞儀する
24 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 20:04:44.89 ID:cv8XNQnK0

神父「はぁ?」

グシャ

神父様の心臓をえぐり取る

神父「えっ?」バタン

いやぁ人生最後の言葉が「えっ?」なんてちょっと可哀想だなぁ

モグモグモグモグ

少年「こんな人でも心臓は美味しいなぁ」ゲップ

でも心臓以外のところは全部不味そうだし食べないであげたんですから感謝してくださいね

両手をあわせる

少年「ご馳走さまでした」

食べ物に感謝の気持ちを込めなくてはいけませんからね

どんなクズでも
25 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 20:08:47.12 ID:cv8XNQnK0
少年「さてと」

シスターさんの方を見る

シスター「も、もういやだ」

まぁ予想通り見られていたわけで

シスターさんは涙を流しながら、化け物を見るかのような目でこちらを見ている

まぁ化け物なんですが

複雑ですね、助けようとしていた子に怖がられるなんて

でもこのままだと彼女は死んじゃいますね

それは避けたい
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/15(日) 20:27:36.68 ID:bCpWhxzN0
菴輔□縺薙l
27 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 20:58:07.96 ID:cv8XNQnK0

少年「ねぇシスターさん」

シスター「ひっよらないでください!!」ガクガクブルブル

あぁ傷つくな

少年「ご、ごめんねなるべく近づかないから話だけでも聞いてほしい」

シスター「な、なんですか」

少年「今「どうせ世界があと7日間で終るし、もうこのまま死んだっていいや」って思ってるでしょ?」

シスターさんはうつむく

少年「まぁ当然だよね、こんな事になっちゃったらさ」

少年「でも、実際には滅ばなかったらどうするの?このまま絶望したまま死んでいいの?」

なーにいってんだ僕は

さっきまで死んでもいいとか思ってたくせに

少年「君の人生はまだこれからなのに」

でも僕はシスターさんともうちょっとお話していたいから

ちょっとだけ心にも無いことを言っている
28 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 20:58:54.25 ID:cv8XNQnK0

少年「ねぇシスターさん」

シスター「ひっよらないでください!!」ガクガクブルブル

あぁ傷つくな

少年「ご、ごめんねなるべく近づかないから話だけでも聞いてほしい」

シスター「な、なんですか」

少年「今「どうせ世界があと7日間で終るし、もうこのまま死んだっていいや」って思ってるでしょ?」

シスターさんはうつむく

少年「まぁ当然だよね、こんな事になっちゃったらさ」

少年「でも、実際には滅ばなかったらどうするの?このまま絶望したまま死んでいいの?」

なーにいってんだ僕は

さっきまで死んでもいいとか思ってたくせに

少年「君の人生はまだこれからなのに」

でも僕はシスターさんともうちょっとお話していたいから

ちょっとだけ心にも無いことを言っている
29 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 21:00:01.95 ID:cv8XNQnK0

シスター「で、も」

シスター「でも!!もう神父様も修道女さんも死んじゃいましたよ!!神様なんて信じられないですよ!!こんな世界になっちゃってもう何を信じればいいかわんないよ!!」

泣き叫ぶ

少年「この世で信じられるのは金と…」

何故か知らんが落ちている拳銃を拾う

少年「コイツだけ」

って牢屋にはいってるとき隣にいたビレッタお姉さん(自称)がいってたっけなぁ

シスター「…」

蔑む目線が痛い

少年「ごめんなさい冗談です」

シスター「よくあなたはこんな状況でふざけられますね!!化け物だからですか!?」

化け物だけどさ…

僕だって好きで化け物やってるわけじゃない
30 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 21:00:56.94 ID:cv8XNQnK0

少年「いや、ちょっと落ち着いて欲しくて」

シスター「落ち着けるわけないじゃなですか!!」

シスター「神父様と修道女さん…あんなに優しかったのに…」

シスター「あと一週間で世界が滅ぶからってどうして殺しあってるんですか!!」

シスター「もうわけわかんない…わけわかんないよおおおおお!!!!!」

なにやってるんだろう僕は

そう思った

どうせ一週間で世界は滅ぶんだったら

この子が今死んだって一週間後死んだって関係ないじゃないか

拳銃をシスターさんほうに投げる
31 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 21:04:07.31 ID:cv8XNQnK0

シスター「っ!?」

少年「あげるよ」

シスター「意味がわかりません!!さっきからあなたなんなんですか!!」

シスター「助けようとしてくれたり!!神父様殺して心臓食べたり!!急に拳銃渡してきたり!!もうわけわかんないよ!!」

そうね、わかんないだろうな

僕だってわからないもん

少年「いや、なんだろうなぁ」

少年「初めて同年代の子供を見て…多分友達が欲しかったのかもしれない」

少年「だからなんだかんだ助けようとしたけど」

空を見上げる

少年「どうせ世界は滅ぶんだろう」

あぁこんなに空は綺麗なのに
32 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 21:05:03.21 ID:cv8XNQnK0

少年「さっき「滅ばなかったらどうする?」とかいったけどね」

少年「君が苦しくて死にたいなら」

少年「僕に止める資格なんてないから」

シスターさんは拳銃を手にすると

震えながら自分の頭に銃口突きつける

止める事なんてできない

ただ見届けるしかない

でも…僕は

少年「もし君が、少しでも友達になってくれる気があるなら」

少年「銃をおいてこっちにきて握手して欲しいな」

少年「きっと一週間だけは君を危険から守るから」

少年「どうかな?」

手を差し伸べる
33 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 21:05:55.69 ID:cv8XNQnK0

少女には彼の笑顔がとても痛々しい笑顔に見えた

手に入らないものに必死に手を伸ばしているよな差し出された手

きっと彼もわかっているんだろう

私は弱いから

シスター「ごめんね」

その手はとることは出来ないよ

バンッ

銃声が鳴り響く
34 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/15(日) 21:06:42.92 ID:cv8XNQnK0
今日はここまでです
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/15(日) 22:38:13.80 ID:Iy4bI69Zo
乙!
36 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/19(木) 17:16:08.68 ID:F+R2pOT40

僕は結局彼女を救うことは出来なかった

ははっ…そうだよね僕は化け物だ

こんな奴と一緒にいたいなんて誰も思わないだろう

僕は彼女に背を向けて歩き出す

何を期待していたんだよ

もう何も期待しないって決めてたのに

誰にも愛されない化け物は人知れず涙を流しました
37 : ◆7PfvVBB24eHf [saga]:2013/12/19(木) 17:16:55.85 ID:F+R2pOT40

日がくれるまでただフラフラとさまよっていた

すると他のものより断然大きな建物が建っていました

なんだかこの場所がこの街の国の中心だと言わんばかりの堂々さだ

昔、聞いたことある

多分ここが城だな

王様の住む場所

王様…

僕をあそこに閉じ込めた奴

一目みてやるか

僕は人の居ない門を堂々とくぐってやった
38 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:17:58.74 ID:F+R2pOT40


なんていったけどさ

迷子になりました

…いや広すぎだろ

なんだここってか扉ありすぎだろ

適当に開けまくってもいいけど

そんなことしたら厄介なことになるな

とか言っても

もう出口すらわからないもんな

「あの?」
39 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:18:53.90 ID:F+R2pOT40

少年「っ!?」ビクッ

メイド「どうかなさいましたか?」

やばいバレてしまいました

仕方ない、ここは

少年「い、いえ大丈夫です!ご心配なく!!」

そう言って全力で走って逃げた

少年「はぁはぁ…」

さらに迷子になってしまいました
40 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:19:51.40 ID:F+R2pOT40

もうここが何処だかわからない

最初からわからないけれど

たくさんの花に囲まれた謎の場所

僕は倒れこむ

夜の空が見える

薄暗い闇の中に宝石のようにちりばめらたように輝く星

宝石よりも綺麗だろう

だけど少し

寂しいな

昼間にあった少女の事を思いだしてしまった

人は死ぬと星になるという

誰かがそう言っていた

彼女もちゃんと星になれたのだろうか
41 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:20:22.32 ID:F+R2pOT40

・・・

どのくらい空を見上げていただろう

人の気配がして我に帰る

こちらに向かって来ている

さっきの人か?

物陰に隠れて息をひそめる

不法侵入がばれちゃったかな?

いやもうばれてるじゃないか

なに言ってんだ僕は
42 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:22:03.38 ID:F+R2pOT40

足音が近づいて来ている

こっちに向かってくる人物を探す

タンッ…タンッ

見えてきた

金色の髪なびかせ優雅に歩いてくる小さな少女

あまりにも美しく可愛らしい彼女に

僕は一瞬にして心を奪われてしまった

一目惚れって奴かな

胸がドキドキする
43 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:23:08.57 ID:F+R2pOT40

彼女は中央においてあるベンチに座ると

何かを考えているような顔になる

謎の花園で佇む美少女

幻想的である

彼女の周り不思議なオーラが漂っている気がした

突然糸が切れたかのように考える顔止め

振り向きこっちを見てきた

そして目と目があう

え?目と目があってる?

姫「迷子の子猫さん、出ていらっしゃい」ニコッ

彼女は優しく微笑む
44 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:24:16.71 ID:F+R2pOT40

えっ僕に言ってるの?

彼女はまっすぐこちら見ている

ばれてしまっているのなら仕方ないか

隠れる事を止め、大人しく草むらから出てきた

姫「あら随分と珍しい子猫出てきたみたいね」

クスクスと無邪気笑う

姫「あなた、お名前は?」

名前…か

なんだろうな僕の名前は

ずっと閉じ込められてたし

名前なんてわからない

でも、呼ばれるときはいつも

『鬼』って言われてたような気がする

多分、鬼なのかな?
45 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:24:51.96 ID:F+R2pOT40

姫「…無視?」

少年「えっあいや、その」

少年「なんていうか、自分の名前はなんだろうなって思ったんで」

姫「記憶喪失?」

少年「記憶はありますよ、ただ自分の名前なんて気にしたことなかったから」

姫「言っている事がわからないのだけれど」

少年「多分『鬼』じゃない?」

姫「それって名前?」

少年「どうだろう?」

どうも話が噛み合っていない気がする
46 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:25:33.42 ID:F+R2pOT40

姫「ふふっ、変わってるのねあなた」

少年「そう?」

姫「ええ、とっても面白いわ」

少年「えぇっとありがとう?」

姫「どういたしまして」ニコッ

彼女は微笑む

なんだろうとっても穏やかだ

昼間のシスターさんを救えたら

こんな風に穏やかに会話できたのかな

そう考えると

胸が苦しい
47 :1 [saga]:2013/12/19(木) 17:35:16.79 ID:F+R2pOT40
更新のペースが遅いですが大目に見ていただけると助かります
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage saga]:2013/12/19(木) 17:59:53.48 ID:4wEG1pkZ0
ファンタジーな世紀末

大好きだ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/19(木) 20:06:12.77 ID:OBy8hRNoo
50 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:35:42.37 ID:F+R2pOT40

姫「ところであなたは何故こんなところに?」

少年「王様を見にきたんだ」

姫「お父様?」

この言葉から察するに

彼女は王様の娘、つまりお姫様ということだ

まぁなんとなくそんな感じがしたし

特に驚くことはなかった

少年「多分そうだよ」

姫「生憎、今はちょっと取り込み中よ」

少年「そっかー」

じゃあ別にいっか

そんな重要な用事でもないし
51 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:36:18.20 ID:F+R2pOT40

少年「それじゃあ、もう行こうかな」

姫「お家に帰るのね、送って行きましょうか?」

少年「え?家?無いよそんなの」

姫「?」

少年「ずっと牢獄で暮らしてたからね、あそこが家かって言われても家とはいえないよ」

そういうと彼女の目の色が変わった

姫「それってどういう…」
52 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:37:07.99 ID:F+R2pOT40

また誰かが入ってきた

腰にサーベルをぶら下げた、金色の髪の顔の整った少年

だが表情は険しく、僕の方を睨んでくる

恐らく彼女の弟、王子様ってことかな

王子「姉さん早くそいつから離れて!!」

姫「大丈夫よ、彼は心配いらないわ」

王子「わからないの!?そいつから流れる禍々しい魔力が!!きっと世界を終わらせるために来た魔物だ!!」

姫「魔力が高くたって、使う人が使い方を間違えないのなら問題ないわ」

王子「でも使う奴が…彼のような魔物なら」

そういうとサーベルを抜く
53 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:37:43.83 ID:F+R2pOT40

姫「止めなさい王子、剣をしまって」

王子「それは無理だよ姉さん、そいつはヤバすぎる」

もう一度僕は睨まれる

姫「怒るわよ?」

王子「怒られたって構わない…家族を救えないで何が長男だ!!」

少年「あのー僕はあなた達に危害を加えるつもりはないので」

王子「じゃあ何故ここに来た!」

少年「王様に会うため?」

王子「父を殺しに来たか!!!」

話が噛み合っていない気がする

いや、でも強ち間違ってるとも言えないな

王様とかひょっとしたら殺しそうだし
54 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:38:12.14 ID:F+R2pOT40

王子「貴様に父は殺させない!!覚悟しろ!!」

飛びかかってくる

あぁ面倒だ

王子様はサーベルを突き出し僕の喉仏狙っている

痛いのは嫌だから

殺すか

カアァァンッ

金属同士の弾く音が聞こえる

予想外にも刃は僕に届くことなく

姫がいつの間にか持っていた剣で王子のサーベルを弾いていた

姫「やめて…」

彼女は悲しそうな顔でこちら見てくる

少年「…」

何も言うことができなか
55 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:41:16.46 ID:F+R2pOT40
った
56 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:42:04.94 ID:F+R2pOT40

王子「姉さん!!なんでそいつの危険性がわからないの!!こんな状況になってから城に不法侵入していて、尚且つそんな禍々しい魔力を持っているってことはもう僕たちに危害を加える気満々だって事だよ!!」

姫「私が安全だって言ってるの、口答えしてると泣かすわよ」

王子「姉さんのわからず屋!!!」

今日、どれだけの争いを見てきただろう

なぜそんなに無意味に命を奪い合うのだろう

彼らには知能があるはずなのに

僕は・・・
57 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:42:53.73 ID:F+R2pOT40

姫の手をとる

姫「えっ?」

引き寄せて首を締め、刃物を首に押し当てる

王子「姉さんっ!!」

姫「うぐっ」

少年「なぁ王子様、こいつの命が欲しかったら王の所に案内しろ」

なるべく低い声で脅す

王子「貴様ぁあ!!」

少年「この城は広くてねぇーちょうど案内役が欲しかったんだ」

サーベルを持つ手震える

姫「ちょっあなた!!うぐっ!!」

少年「黙ってろ小娘」

睡眠魔法をかける

姫「だめ…そんな…」グテッ

王子「姉さんっ!!」
58 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:45:33.47 ID:F+R2pOT40
欲しかったら×
惜しかったら
59 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:49:38.64 ID:F+R2pOT40

少年「案内してくれるな?」

王子「わかった!!わかったから姉さんを離してくれ!!」

少年「ありがとう…君が無事に父上の所に届けられたら返してやるよ。とりあえず武器を捨てろ」

王子「くそっ!!」

サーベルを床に叩きつけ

唇を噛み締める

王子「・・・こっちだ」

王子は諦めたようで案内をはじめる

少年「なるべく早くしてくれよぉ?姫様がどうなるかひっひっひ」

舌で姫の頬を舐めるふりをする

王子「ぐっ!!」

僕を睨み付ける

だが直ぐに黙って歩きだす

賢明な少年だな

だけどちょっと騙されやすい
60 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:50:32.41 ID:F+R2pOT40

ひたすら扉の多い廊下を歩く

数分間歩いた

どこがどこだかこの王子はわかっているのだろうか

僕なら絶対に覚えきれない

わざと迷いやすくしてあるのだろう

そうすれば侵入者は勝手に迷ってくれるよな

僕みたいに

数十分歩いた

まだ着かないのか?

同じような風景をずっと眺めてると時間感覚が狂ってくる

だが

一際豪勢な扉があらわれた
61 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:51:46.90 ID:F+R2pOT40

王子「ここだ…」

やっと着いた

少年「ありがとう、王子様」

王子「約束だ姉さんを返せ!!」

少年「約束ぅ?うひゃひゃひゃわかったよ約束だ姫返してやるよ」

少年「だが俺が王様をぶち殺すのにテメェが入ってきたら邪魔なんでよぉ?お姫様に毒を盛っといたぜ」

王子「っ!?」

少年「毒消しはさっきの場所放り投げてきたぜ、優しいな俺ってよぉ」

王子「絶対に殺す!!!」

少年「そんなことしてていいのかぁ?大事なお姉さんが死んじゃうぞ?」

王子「くそぉぉおお!!」

泣きながら走っていく

まぁ嘘なんだけどね
62 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:52:31.42 ID:F+R2pOT40

いやぁ悪者には牢獄でとことん出会ったからね

上手く真似出来たと思う

でも疲れたな

出来るならこんなこともうしたくないな

王子様と姫様には悪いことをしてしまった

ごめんなさい

心の中で謝る

姫「悪いと思うなら、やらないで欲しいのだけど?」
63 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:53:46.87 ID:F+R2pOT40

そうだね…本当にごめんなさい

って

少年「うわっ!!」

何故か起きてる!?ってか心を読まれてる!?

姫「まったく」パンパン

起き上がりながらスカートを叩く

あれぇ睡眠魔法かけたのに

姫「あんな出力のない魔法じゃ数分で起きるわよ」

少年「あ、あのごめんなさい」

姫「全くよ、ちょっ苦しかったじゃない」

少年「うっ」グサリ

姫「それに、あまり弟をいじめないでくれる?」

少年「うぐっ」グサリグサリ

姫「ちなみに下手だったわ、悪役のふり」

少年「ぐはっ!!」グサリグサリグサリ

姫「眠ってる女の子の頬を舐めようとするなんて最低ね変態さん」finish!
64 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:54:32.77 ID:F+R2pOT40

あまりの精神攻撃に僕の精神的HPはゴリゴリ削られ

膝をつく

駄目だ彼女、完全に怒ってらっしゃる

なにか許してもらえる方法は

はっ!?

そうたしかあれは昔黒髪族という窃盗団のリーダーのスミスさんに教えてもらった

土下座だ

少年「すみませんでした!許してください!」

土下座をされたものは相手を許したくなってしまうらしい

ふっふっふこの勝負もらった

姫「嫌よ、許さないわ」

膨れっ面でそっぽを向かれた

少年「」ガーン

なん…だと

駄目ですスミスさん、土下座は最強の術じゃないそうです
65 :1 [saga]:2013/12/19(木) 20:56:27.03 ID:F+R2pOT40

姫「罪にはそれ相応の罰が必要だと思わない?」

少年「おっしゃる通りです」

姫「それに被害者である私があなたの罰を決めてもいいと思わない?」

少年「そうですね!決めてもいいと思います!」

姫「それじゃ、私があなたに罰を下します」

うわぁ…なんだろう肉体労働系ならまだ楽だけどまた牢屋とかにいくのはやだな

姫はそっと右手を差し出してきた

そして

姫「私と友達になりなさい」

と無邪気に微笑むのだった
66 :1 [saga]:2013/12/19(木) 21:00:33.91 ID:9CeC1kEz0

それは僕が昼間に差し出した手と同じ手

だけどまったく違うもの

僕の手は血に染まった絶望的な手で

彼女のは全てを包み込むような優しい手だった

彼女の手ならばあの少女も救えたかもしれない

もし助けたのが彼女ならば

僕じゃなければ

後悔と絶望と喜びと希望が混ざり合う

やっと友達が出来そうなのに

僕は・・・僕は

ただ涙を流すのだった

67 :1 [saga]:2013/12/19(木) 21:01:33.57 ID:9CeC1kEz0
今日はここまで
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/19(木) 21:58:04.73 ID:O4TvC0A/O
おつ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/20(金) 12:52:52.92 ID:bgXZe+a4O
続きが気になる話
乙乙
70 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/16(木) 19:38:19.34 ID:TuQ/S9nPo
気になるぜ
71 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/20(月) 01:32:07.72 ID:OaXe/pZVo
はい
72 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/02/07(金) 08:42:34.89 ID:ycpXKWAdo
もう終わり?
73 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/02(日) 15:57:22.73 ID:NXqYpO3no
復活
74 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/03/08(土) 17:36:17.59 ID:Z+TQSGdpo
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